札幌市議会 > 2014-10-14 >
平成26年第一部決算特別委員会−10月14日-04号
平成26年第二部決算特別委員会−10月14日-04号

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  1. 札幌市議会 2014-10-14
    平成26年第二部決算特別委員会−10月14日-04号


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    平成26年第二部決算特別委員会−10月14日-04号平成26年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第4号)               平成26年(2014年)10月14日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  芦 原   進      副委員長   よこやま 峰子     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  こんどう 和雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  長 内 直 也     委   員  佐々木 みつこ      委   員  こじま ゆ み     委   員  北 村 光一郎      委   員  伴   良 隆     委   員  伊与部 年 男      委   員  川口谷   正     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  林家とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  長谷川   衛     委   員  しのだ 江里子      委   員  宝 本 英 明     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  中 村 たけし     委   員  三 浦 英 三      委   員  涌 井 国 夫     委   員  阿知良 寛 美      委   員  福 田 浩太郎
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  伊 藤 理智子     委   員  石 川 佐和子      委   員  松 浦   忠     委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時 ○芦原進 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、山田委員、川口谷委員からは遅参する旨、また、飯島委員からこじま委員と、谷沢委員から涌井委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第3項 老人福祉費、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分及び介護保険会計決算について、一括して質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  皆さん、おはようございます。朝早くから、どなた様もご苦労さんでございます。  それでは、きょうは、たくさんの方がいらっしゃいますから、簡潔明瞭に行きたいと思います。  局別施策の概要の38ページの下から2行目に介護職員人材定着化事業ということで、決算額としては、450万1,000円の予算に対して425万2,500円ということで事業をされております。まずは、介護職員の方々を対象にした研修の中で、職員が仕事をする上でどういう悩みを持っているか、その悩みをどのように掌握しているか、研修を通じての悩みの掌握の具体例を多い順番に三つ挙げてください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  ただいまのご質問は、現場でお仕事をされている介護職員がどのような悩みを抱えて、それをどういうふうに把握しているかというふうなお尋ねだと認識いたします。  アンケートや調査などいろいろとございまして、一概に定量的なお答えはできませんけれども、一つ言えるのは、健康上の悩み、特に腰痛を抱えている方、また、職場の人間関係で悩まれている方、法人の理念との関係で悩んでいる方、収入の問題が一般的かと考えておりますし、私もそういう認識であります。 ◆松浦忠 委員  まず、私が掌握しているのでは、1番目は、収入が低い、所得が少ない、給与が安いことです。2番目は、介護を受ける方は、身体的な機能状態がそれぞれ違います。認知症になられて寝たきりの人で意思表示もできない人、あるいは、頭脳は明晰だけれども、身体が正常な状態にはほど遠く、極めて不自由な方もいらっしゃいます。特に、判断力があり、身体が思うようにならない人の介護は、求めるものと配置されている人数との関係で、介護を受ける側は非常に不満を持つけれども、介護をする人はなかなか手が回りかねるという問題があると思うのです。  そこでまず、研修の前に、法に基づいて実施している札幌市としてそれをどういうふうに掌握しているか、そして、事業者に対してどんな指導をしているのか、これについてお答えください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  介護事業所と申しましても、特別養護老人ホームからいろいろな施設まで幅広くございまして、それぞれにおいて役所で定められている基準がございます。基準を満たしているかどうかにつきましては、監査や実地指導の場面において把握させていただいております。また、多くの実態としましては、それを上回って配置されている例がほとんどではないかと認識しているところでございます。 ◆松浦忠 委員  そういう施設の業務指導監査なんかも行っていると思いますが、きょうは、監査指導室の方もおりますね。指導に行く場合、事前に施設に指導日を通知して行かれているのか、それとも、通知なしに抜き打ち的に行かれているのか、お尋ねします。 ◎安立 監査指導室長  定期指導監査等につきましては、事前に日程を示して監査に向かっております。 ◆松浦忠 委員  どこによらず、例えば会計検査院の監査が入るといったら、あらかじめそれに向けて整えてきちんと対応するというようなことで、監査というものは、来るとなったらなるべく指摘のないように段取りをして待ち受けるのです。ですから、年に何カ所かは通知なしで監査をし、実態を掌握することが大事だと思うのです。  私は、そういう監査を実施すべきだと思うのですけれども、いかがですか。 ◎安立 監査指導室長  抜き打ち的な監査につきましては、必要な場合であれば、定期的に年に何回とはちょっと考えられませんが、もし問題のある施設があって特別な事項としてやることはあり得るかもしれません。それは、今後の検討課題といたしたいと思います。 ◆松浦忠 委員  私は、今の定期監査は事務処理的な内容だけに終わっているのではないかと思うのです。やはり、実態がどうなのかを掌握する監査となったら、年に1カ所でも2カ所でもいいのですが、日にちを告げずに監査してこういうふうなことがあったと対象施設に知らせることが、事業者がきちんといろいろな事柄を守って日々仕事に努めることにつながるのです。これは大事なことなのです。  したがって、これをやるために特別に監査指導室の人をふやさなければならないということは全くありません。本来の監査のあり方の問題なのです。これは、ぜひやっていただきたいと思いますけれども、どうですか。 ◎安立 監査指導室長  今後の検討課題とさせていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  局長、議会で検討するとか調査すると言ったら、やらないということなのですよ。私も初めて議会に出たときに先輩に教えられたのです。検討すると言ったから、いや、よかった、きょうは市は前向きないい答弁をしたと言ったら、おまえ、ばかだな、検討だとか調査と言うのはやらないということだと教えられました。そして、その後をずっと見ていたら、ああ、なるほどなということでした。  例えば、調査費をつけますと言って、調査費をつけても、その調査費を使って調査をするだけなのです。そして、結果はできませんということになるのです。したがって、先ほど指摘をしたように、抜き打ち監査で行ったところには定期監査に入らなくてもいいわけですから、業務量を何も変えることなくできるのです。昔から一罰百戒という言葉があるように、これは大事なことなのですから、局長、ぜひやるべきだと思うのですけれども、どうですか。 ◎瀬川 保健福祉局長  私自身、検討するということはやらないという意味だとは理解しておりませんけれども、監査指導体制としての人員の問題、それから、相手側が対応できるかという問題もございますので、ベースは通知した上でということにさせていただきたいと思っております。  また、先ほど指導室長からも答弁を申し上げましたとおり、何か特別な事情があるような場合は、ケース・バイ・ケースで抜き打ち監査をしっかりとやっていきたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  きょうは、保健所の審査事項ではないですから、例として出しますと、病院ではかつては医院というところが数多くありました。いわゆるベッド19床以下のところです。そういうところでも、あるいは普通の病院でも、監査が来る前はベッドの数をふやして入れて置いて、監査がいついつに来るとなったら、すぐに患者を退院させて、ベッドの数を減らして適正ベッド数にするのです。私は、そんなことを随分と見てきたし、実際にお医者さんからもお話を聞いております。  したがって、私が先ほどから指摘しているように、監査に行くのはどういうような業務の執行状況かを監査するのであって、ある状態の中で監査して、そこまでの中で適正に行われているかどうかを見ればいいので、決算書類をつくって1年分の仕事を監査することでなくていいわけです。やはり、日常の業務がどう行われているのかを監査するのが大切な役割なのです。お金の使われ方や規則を守っているかというのは、書類を整えればいい話で、実態がどうかということが大事です。  したがって、これはやるべきだと思います。細かく監査できるだけの人がいないから、それぞれについてどうしても肝要だというところだけをやっているということですから、やっぱりやるべきだと思います。副市長、こういう監査をやらなかったら、はっきり言うと、監査の意味合いなんてないですよ。今みたいなやり方をしているのなら、札幌市の部長職、課長職、係長職を置いて監査するという意味がないですし、外部委託で結構ですよ。したがって、きちんとそれをやるべきだと思います。そうでなかったら、少ない人数で監査をしていく効果が上がりません。私はやるべきだと思いますけれども、今のような局長の答弁で市長はよしと言うのかどうか。これは、大事な問題ですからね。 ◎井上 副市長  段々のご指摘を受けておりますが、監査につきましては、実効性が上がるようにケース・バイ・ケースで判断、検討していくものと考えております。 ◆松浦忠 委員  ケース・バイ・ケースと言いますが、私は、1年に1カ所でも2カ所でも抜き打ちをやるべきだと言っているのですよ。これに対して、やるか、やらないかを答えてくださいと言っているのです。わかりやすい話でしょう。 ◎井上 副市長  監査の事例に応じて、監査指導室で適宜判断して実施するものと考えております。 ◆松浦忠 委員  副市長、監査室のほうでと言いますが、今は議会ですよ。議会を開いて、議会で議員が市民の負託によって質問しているのですよ。私は、そういう実態を何カ所か掌握しているから言っているのですよ。したがって、これは、やっぱり市長としてきちんとやるべきですよ。  ケース・バイ・ケースと言いますが、それでは、あなた方が議会で指摘される以外に、介護保険老人福祉事業にかかわってどういう指摘が札幌市に対して来ていますか。それは、臨時監査も何もしないでいいような指摘ばかり来ていましたか、答えてください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  どういう指摘が寄せられているかというお尋ねでございますが、私どもの認識といたしましては、多くの介護保険事業所や施設の方は、本当に一生懸命に真面目にやられているのだと思っておりますけれども、ごく一部に、たまに職員配置や報酬の請求の問題について寄せられることもあると認識しているところでございます。先ほど監査室長も答弁いたしましたが、基本は、定期的にチェックして確認させていただき、それでも必要に応じて行かなければいけない場合は緊急的に臨時監査を行い、また、実地指導も行わせていただくように考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  私が掌握しているのは一部ではないですよ。したがって、こういうことをきちんとやっていく上で実態を――それでは、判断能力のない方もいらっしゃいますが、判断能力がある方や家族にそういうことに対する意向調査をしたことはありますか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  意向調査という形で全てのご家族の方に調査してはおりません。ただし、ご家族やその周辺の方から、事業所について虐待の疑いやおそれなど不適切なことに対するご相談があった場合は、適宜、実地の確認も含めて対応させていただいているところでございます。 ◆松浦忠 委員  大事なことは、ただこれだけのお金を使ってこれだけの事業をしているという総量の数字的な話ではなく、やはり中身が大事なのです。その点において、きちんと抽出して、事業所に入所されている方が介護保険や福祉事業に対してどういう認識を持っておられて、どういうふうな給付内容になっているかについて調査をして、それに対してどこが足りないのかという検証をしていかないと、形があっても中身がないものになっていくわけです。  それは、一生懸命やっている人もたくさんいるでしょう。しかし、中には、そうではなく、投資をいっぱいしているのはどこから金が出てくるのかと不思議がっている人たちもたくさんいるわけです。  したがって、入所者への意向調査をして、それに基づいて、お金を出している現行の範囲の中でももっとこういうことができるのではないかということをしていかないと。職員への介護研修をやって腰痛予防なども大事だけれども、何よりも大事なのはやっぱり事業がきちんと行われているかどうかです。お金を使っているか、使っていないかという数字上の決算の話ではないのです。きちんとした内容で行われているかどうかが大事なのです。そういう掌握をきちんとする、そういうことに対する監査はどうやれば効率が上がるかということを私は指摘しているのです。  それに対して、今の答弁を聞いたら、副市長以下、前に座っている方は札幌市に何十年も勤めて市の業務に精通したベテランの皆さんですが、残念ながら、お金を納めた側の人たち、市民、国民が義務として介護保険料などいろいろな諸税金を納めていることに対して、給付を受けるときの権利を保障するという意識に欠けているのです。権利を保障するという意識に欠けているから、今みたいな答弁になってくるのです。どうだろうか。  憲法の第25条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とあり、第2項では、「国は、すべての生活面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と、国民の受ける権利と義務が書いてあるのです。そして、第30条に、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」ということも憲法に明文化されて、それに基づいていろいろな法律がつくられて事業をやっているわけです。答弁を聞いていると、皆さんはどうも事業をやる側のことだけしか頭にないなと。入所している人たちが権利としての受けるべき保障、給付、実際の介護がどうなっているか、これをきちんと掌握しなければだめだと私は思うのです。  したがって、副市長、この議会以降、やっぱり抜き打ちでやるべきだと思います。どこをやるかというのだったら、私が幾つか教えますから、あなた方が掌握していないのなら、私が掌握しているところを教えますから、やっていただきたいと思うのですが、いかがですか。これは、大事な根本にかかわる問題ですからね。そのために、きょう、私は、朝、これをもう一回読み直して持ってきたのだからね。 ◎井上 副市長  段々のご指摘をいただきました、憲法のご指摘もいただきましたが、入所している方への給付サービスの中身が最も大事だということはそのとおりだと思います。監査室では、その中身について、きちんとした給付サービスが行われているかどうかも含めて監査しているものと考えております。その監査の方法につきましては、原局でその実情に応じて、適宜、判断しているものと考えております。 ◆松浦忠 委員  判断はいいけれども、私が指摘して求めているのは、通知をしないで、年に1カ所でも2カ所でもいいですから抜き打ちで監査をやって、通常の業務の中できちんと行われているかどうかということを監査してください、それが全体につながるのですよということです。私が指摘して求めていることが当たっていないと考えるのなら、どこが当たっていないのか、どこが実態と違うか、明らかにしてください。 ○芦原進 委員長  理事者の皆さんにお願いですが、このままだと朝までになります。やはり、きちんとした答弁を求めておられている場合は、100%とは言いませんが、それに見合った答弁をしていただきたいと思います。きょうじゅうにあと16人の質疑をやらなければいけませんので、このことも考えて、できないならできない、後できちんと報告しますなり、理事者の方はいろいろなことを考えていただいて、松浦委員にしっかりと答弁していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  委員のご指摘は、中身のサービス内容の担保ということが本質なのだろうと思っております。そういう意味では、我々も良質なサービスを給付し、また受けていただくという思いは変わりないと思っております。ただし、監査体制や実地指導などにつきましては、今やっているように、事前にお知らせして確認させていただいた上でやらせていただきたいと思っておりますし、また、必要に応じて、緊急性などいろいろな案件がある場合は随時対応していくという方法をとりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  私は、二つを求めているのです。  一つは、入所者や家族を抽出して、あなたのところはこういうふうなことを受けられることになっていますと。私がなぜ言うかといったら、介護保険の中でどんな項目があり、何が受けられるかという説明を求めても、介護保険で介護度1の人はこれ、介護度2の人はこれと言って、全体をぐるりとくるんでいて、聞いても中身がわからないのです。したがって、事業者がどこまでやってくれるのかというのは家族もわかりません。そういう今の介護保険の給付体制だから、抽出して家族からどういうことについてどうしてほしいのだという意向調査をやって、給付する側の介護保険の内容がお金との見合いでどうなのかという検証もしなければだめだと思うのです。これが一つです。  もう一つは、先ほどから言っている抜き打ち監査です。監査という制度そのものからいったら、抜き打ちというのは当たり前のことです。決算の書類を整えなければ監査ができないときには、あらかじめ通知して監査に行くのです。日常の業務が適正に行われているかどうかについては、通知しないで不意に行く、これは当たり前のことでしょう。監査の基本的な考え方について、私の指摘していることが違うのだったら、どこが違うのか、明らかにしてください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  まず、前段のサービスの給付について申し上げます。  ご存じだと思いますけれども、要介護状態になった場合は、きちんと申請をしていただきまして、要支援や要介護の認定を受けた上で、ケアマネジャーケアマネジメントやアドバイスの中で、その人の必要に応じ、その人に合った適切なサービスを給付することが基本になっていると思います。また、サービスの質の確保につきましては、今もご説明いたしましたように、定期的なチェックにおいてきちんとした質の担保が図られているのではないかというふうに思っているところでございます。 ○芦原進 委員長  今、ご答弁をいただきましたが、松浦委員の質問事項とはちょっと趣旨が違うように私は思います。入所者家族の意向調査をすべきであり、検証すべきだという質疑だと思うのです。 ◎瀬川 保健福祉局長  いずれにしても、利用者や従業員の声を聞くことは、委員のおっしゃるとおり、大変大切なことだと思っております。一律のアンケートをとるべきかどうかという手法は別にいたしまして、どんな形がいいのかは少し考えさせていただきたいと思います。  それから、抜き打ち監査については、今の体制もございますので、定期的な監査をベースにしながら、緊急監査といいますか、抜き打ち監査がどうあるべきかについては少し検討させていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  委員長は適切にさばいてくれています。委員長は普通の人なのですが、そちらで答弁している人は、どうも普通の人からかけ離れています。あなた方は別世界の人だ。  ケアマネジャーということは私にもわかっていますよ。しかし、実際に入所している人たちから、どうしてこういう扱いしか受けられないのかという声が多くあるのです。つまり、介護保険料を納めて、諸税を納めて、給付を受けている方が、どこまでが国の定める給付の範囲なのかわからないわけです。少なくとも私が聞いた限りでは、そういうことがわからない本人、家族が大半です。  そこで、今、入所している本人や家族がどういう不満を持っているか、それに対して、今の給付の内容で、これはここまでできる、これはできないということをきちんとしていかなければいけない。特に介護に従事されている皆さんは、人数を決められてやっていますから、もっと心を込めて介護をやってあげたいという気持ちと作業量との関係で悩むという話も聞いております。したがって、研修のときにはそういうことも職員に対してきちんとしてあげるべきです。もちろん、腰痛の防止なども大事ですが、市が実施する研修というのはそういうことだと私は思うのですよ。腰痛を防止するというのは、労働災害防止の観点から、各事業者が労働安全衛生法に基づく職場内の訓練や取り組みでやるべき事項なのです。札幌市が税金を使って、直接、その人に講習して指導するのは、その範囲の問題をどうするか、どこまでなのかというようなことをきちんと教えてあげることが主たるものでなければだめだと思うのです。だから、私はここのところで取り上げております。  ですから、まずは、どこか1カ所でも2カ所でもいいから、入所者に対する意向調査をやってください。外部委託しなければできないということではないですよ。職員の皆さんが俗に言うアンケート用紙をつくって、そこに送って、お願いしますと言って協力をしてもらえばできることなのです。委託するとなったら予算が伴うけれども、有能な職員がいらっしゃるのですから、そんなことはできると思うのです。  それから、監査については、監査という制度そのもののあり方の問題です。やるか、やらないか検討するというものではなく、監査とは何ぞやというそもそもの話なのです。したがって、これはぜひやってください。  副市長、少なくともあなたは市長にかわって来ているわけです。介護保険料の徴収の責任者は市長であり、介護保険料を徴収して給付しているのも市長ですから、その中身は見合うものにしていかなければなりません。できないものはできないでいいですから、そこのところをはっきりするためにも、日常業務がどう行われているか、この監査をやらなかったら実態がわからないでしょう。決算書類、労働基準法に基づく労働がどうなっているか、年給簿や勤務簿などの監査は、通告しておいて1年単位でやればいいのです。監査に入った時点で実際の介護給付がどうなっているか、その監査が大事なのです。  また、毎年、これをやれと言っているのではないのですよ。1年に1カ所でも2カ所でもいいからやる。そして、抜き打ち監査をやったところは、わざわざ行かなくても、後で書類の提出を求めてチェックをすればいいわけです。もし手間がかかってできないと言うのだったら、どこに手間がかかるか、後でいいから私に言ってください。そうしたら、手間がかからずにニアリーイコールでできる方法を教えますから、ぜひやってください。  監査指導室長、改めて答弁してください。1カ所もできないなんていうことはないよ。 ◎安立 監査指導室長  正直に言いまして、この場で大変答えづらい質問でございます。ただ、委員のおっしゃっている内容についてはよく理解しているつもりでございます。日常業務について1カ所なりでできるか、その手法については具体的に検討させていただきたいというふうに思っております。 ◆松浦忠 委員  やる方向で検討するのですか。ただ検討と言っても、検討してできなかったとなりますから、やる方向で検討するのかどうか、答えてください。 ◎安立 監査指導室長  1カ所でも試しにやる方向で、今年度は無理でございますが、来年度に向けて具体的な手法について検討させていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  まだ10月ですよ。11月から3月までまだ5カ月もあります。今、私の言ったことを年度内にできないなんていうことはないですよ。年度内にやってくださいよ。  それから、もう一つですが、菱谷部長、意向調査をやってください。どうなのですか。二つについてきちんと答えてください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  意向調査の件でございます。  私も実態は把握しておりませんが、施設において、それぞれの家族の方や入所者がどういうご希望を持っているのかは十分に把握している、また、把握すべき事柄かと考えております。また、先ほど委員がご質問されました介護人材の定着化事業の研修においては、腰痛予防だけをやっているわけではございません。例えば入所者とのコミュニケーションなど、スキルの向上もやらせていただいておりますので、そのような中でいろいろ把握し、適切な処遇に努めているものと考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  菱谷部長、皆さん方は、厚生労働省に対して、介護保険の内容について、今のままでいいのか、あるいは、こういう点が不足しているからどうしてもやらなければならないということについて、実施事業者として意見を上げるわけです。上げるに当たって、実際にやっている事業者の意見だけを掌握して上げたのでは、本当の意味で、給付を受けている納税者であり介護保険の加入者としてお金を納めてきた人たちの意向が反映されないのです。本来は、給付を受けている人たちの意向調査をして、それに基づいて、これとこれは現行の中では足りないので、こういうことをやる方向でと国とも話して、国側は、全国の意向を集めて、こういう内容でやることにしよう、それにはお金がこれだけかかる、一般の税金でこれだけ補填して、介護保険料でこうだと、基本的なことは国会の中で審議して決めていくことになるわけです。  したがって、国民や市民などの受ける側の人たち、そして納税の義務を負う人たちの意向を調べないで、どうやって国に対して意見を言うのですか。率直に言うと、事業者は自分の事業に一番都合のいい方向の意見を最優先しますから、それは違うのですよ。札幌市としても、市長はそのことを知らなければだめなのですよ。ですから、その意向調査をすることは大事なことです。特に今の市長は、就任以来、市政執行に当たっては、市民の意見を聞きながら、その意向を行政執行に反映させていく、税金の使い方に反映させていくということを自分の市政執行の中心に据えてやっています。ただ、根本を言うと、市長が据えようが、据えまいが、これは憲法上の問題なのですよ。憲法から外れることを市長が進めることにはならないのです。大事な基本の基のところをやってくださいよ、どうですか。  それから、来年の3月までに、1カ所でも2カ所でもいいですから抜き打ち監査をやってください。これはどうですか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  私どもとしまして、現在、介護保険の計画を立てていますが、その前段で入所されている方や事業所の方にもアンケートをやっておりまして、施設に限ってということではないですが、事業所を利用されている方がどういうふうに思っているのかという調査はしているところでございます。ただし、今、委員のおっしゃるとおり、これが十分なのかどうかということもございますので、今後、何が可能も含めて、施設や関係団体とお話をしてまいりたいと考えております。 ◎安立 監査指導室長  監査自体は、事前に財務諸表等の資料を提出していただき、その書類について事前調査をいたします。そして、疑問点、その他の必要事項について、当日の午前中に用意していただいた書類から中身を監査し、午後はその担当から直接事情を聴取しながら監査をしていくのが一般的でございます。したがって、定期的な数量的な監査は必ず行ってやらなければなりません。日常業務については、やったから後で書類を出させればいいという状況ではなく、日常業務についての抜き打ち監査をやったとしても、定期的な監査は必ずやらなければなりません。したがって、その手法や日常業務についての抜き打ち監査の効率的なあり方については、やはりじっくり検討していかなければならないと考えておりますので、その手法等について検討させていただきたいと思っております。 ○芦原進 委員長  松浦委員、申しわけありません。 ◆松浦忠 委員  委員長、私が求めていることは簡単明瞭なのです。 ○芦原進 委員長  とめる気は毛頭ございません。 ◆松浦忠 委員  (続)簡単明瞭なのですよ。 ○芦原進 委員長  答弁が前に進まない。 ◆松浦忠 委員  (続)進まないのだったら、私は、質疑を保留して市長の出席を求めます。なぜかといったら、大事な問題だから、私は1点に絞って言っているのですよ。ほかもあるけれども、1点に絞って私は言っているのですよ。  副市長が市長の代理で出てきて、先ほどのような答弁だと、これでは答弁になっていない。大事な根本にかかわる問題を私は言っているのですよ。これは、単純なことなのです。  先ほど菱谷部長はこう言いましたよ。関係団体といろいろ相談してみますと。では、入所者の団体はあるのですか。介護を受けている人たちの団体というのはどういうところがあるのですか。今まで、そこの団体からどういう意見を聞いてきましたか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  先ほど申しました計画をつくる上でのアンケート調査を事業者並びに利用者に問うている部分もございます。先ほど関係団体といろいろと相談したいと言ったのは、もし仮にやるとした場合は数が多うございますので、ご協力もいただきながらという意味で何が可能か相談させていただきたいと申し上げました。 ◆松浦忠 委員  ごまかしのために多弁を弄すれば、心が見えてくるのです。ごまかしというのはすぐわかるのです。関係団体とも相談してと、関係団体に対して皆さんが今までどのような意向調査をしてきたか知らないけれども、それがきちんと行われていないから私は言っているのです。  何で憲法の説明をしたかといったら、納税している人たちが給付を受けるときに、国や札幌市が定めた内容がきちんと受けられているかどうかの調査をしてごらんと。それから、入所している人たちには不平不満がいろいろとあるでしょう。それは、納めているお金と見合っているのか、見合っていないのか、ここもちゃんと知ってもらわなければいけない。そうしないと、入所している人も家族もわからないで不幸なのです。したがって、入っている人たちに対して、判断能力のある人は本人に、ない人は家族にきちんと意向調査をする。そんなに手間がかかる話ではないですよ。家族に調査をしたところは事業者も意向調査をする、そこで何がかみ合っていないのかがわかるわけです。やり方は単純なのです。これは、大事なことです。1カ所でも2カ所でもいいですから、ぜひやってください。すぐにできますからね。私は、何も難しいことを言っていないと思います。  それから、監査指導室長もそうですが、何も難しいことは言っていません。それに対して答弁できないのなら、質問を保留して、きょうじゅうに市長の出席を求めて、このことについてもっとわかりやすく、市長のほうが素人ですから、私は市長が理解できるような説明をします。  委員長、どちらにしますか。もう45分もやっています。とんでもなく長いのです。みんなはもうじれているのですよ。 ○芦原進 委員長  今の松浦委員の質問については、そんなに難しくなく、言葉は多く要りませんので、最後にしっかりとご答弁いただきたいと思います。 ◎瀬川 保健福祉局長  利用者の実態把握と監査の問題のいずれについても、やる方向で早急に内部で検討させていただきます。 ◆松浦忠 委員  私は、副市長以下、きょう出席の理事者の皆さんに質問者として求めておきます。  私も単純明快に質問しているわけです。これからまだ16人の質問者がいますが、もっと単純明快に、質問の趣旨に沿って1回目からきちんと答える。2回も3回もやって、最後に結論なんていうことではなく、委員長も、この委員会の開催に当たって、中身を濃く、実りのある審議ということを我々に言っているわけですから、ぜひひとつ、そういうことでやってください。私は後ほども出番がありますので、期待しています。 ◆こじまゆみ 委員  私からは、札幌市における高齢者虐待の現状とその対応策について伺います。  介護保険制度が平成12年、2000年に導入され、介護の社会化が進む中で、第三者である行政、介護サービス事業者やケアマネジャーなどによって家庭状況が把握されるようになるのに従い、家庭内における虐待の問題が表面化してきました。そのため、平成17年に高齢者虐待防止法が成立し、平成18年4月より施行されております。初めは親子げんかや夫婦げんかと認識されていたものに、家族や周囲の人の介護に対する無関心さや希薄な近隣関係から周辺の住民も介入できず、老々介護、単身介護の増加や認知症等の増加など、支援対象の拡大に伴い、介護サービスの利用だけでは補い切れない社会問題と捉えられるようになりました。  厚生労働省では、毎年、要介護者及び要介護施設従事者等による高齢者虐待への対応状況等を把握し、より効果的な施策の検討を行うための調査を実施しております。そこで、養護者及び養介護施設従事者等による高齢者虐待の相談・通報件数とその内容、実際に認定された件数等、札幌市の高齢者虐待の実態について伺います。  また、虐待と認定されたケースについてどのような対応がとられているのか、あわせて伺います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  虐待等の実態についてのご質問でございます。
     札幌市の平成25年度の養護者による高齢者虐待の相談件数は年間で277件、そのうち、虐待と認定された件数は世帯で130件で、虐待を受けた高齢者の数は135名でございます。養介護施設従事者による高齢者虐待の相談件数は9件でございましたけれども、そのうち、虐待と認定された件数はございませんでした。養護者による虐待の種類といたしましては、身体的虐待が最も多くて80件、次に心理的虐待が65件という内容です。相談通報者は、介護支援専門員、ケアマネジャーからの通報が最も多くて99件、次いで警察からの通報が77件、その他家族、親族、介護保険事業者などからでございます。  これらの相談通報は各区役所で受け付けまして、情報を収集、整理し、必要に応じて事実確認のための訪問調査などを経まして、庁内の関係者会議を開催し、そこで虐待の有無や緊急性の判断、高齢者の安全確保のための対応方針を決定することになっております。また、虐待と認定されたケースへの対応につきましては、介護サービスの利用を開始することによってある程度改善する部分もございまして、45%は虐待者と分離することなく対応しているところでございますけれども、36%は虐待者から分離して保護をしております。分離の保護というのは、具体的には介護保険施設への入所、入院、その他の親族の住居への転居などの対応をしております。 ◆こじまゆみ 委員  札幌市において、277件の要介護者からの相談があり、実際には130件、135名への虐待があったということでありますが、私は、把握しているのは一部ではないかと思っており、声を上げられずにいるケースがまだまだあるのではないかと危惧しております。  というのは、昨年、大阪市の高齢者向け賃貸住宅において、金銭管理者が複数の入居者の預り金を使い込んでいる疑いがあるとの通報を受け、確認調査を実施したところ、入居者42名に対して虐待があったものと判断し、西成区役所保健福祉課は権利擁護を図る措置を講じるとともに改善指導を行っています。この賃貸住宅は、介護スタッフが24時間常駐して、食事の提供、金銭出納管理などのサービスを提供すると広告しておりますが、福祉の各法律上に位置づけがなく、法的には一般的な賃貸住宅であり、高齢者福祉施設にも該当せず、高齢者虐待防止法及び障害者虐待防止法により改善指導したとのことです。  平成23年度から、高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等を有し、介護、医療と連携して高齢者を支援するサービスを提供するサービスつき高齢者向け住宅の登録制度が国土交通省、厚生労働省の共管制度として創設されました。このサービスつき高齢者向け住宅は、政令指定都市中、札幌市が最も多く、この数年で137件、6,065戸が供給されています。介護、医療と連携して高齢者を支援するサービスを提供する住宅を確保することは極めて重要ではありますが、サービスつきの住宅の供給は欧米各国に比べて立ちおくれているのが日本の現状でありましたから、少なくとも安否確認や生活相談サービスの提供を行う住宅が確保されたことは社会ニーズに対応してきていると言えます。  しかし、見守りと生活相談を備えているとのふれ込みでサービスつき住宅が数多く存在していますし、入居者は必ずしも介護サービスを利用している方ばかりとは限らず、ケアマネジャーやサービス事業所の目が届きにくいこともあります。そこで、このような住宅で劣悪な対応がなされた場合、発見がなかなか難しいと思われますが、札幌市は、これらの住宅運営状況についてどのように把握しておられるのか、また、大阪市の事例のように住宅全体で虐待が行われていたケースなど、一度に多くの高齢者を保護しなければならない場合、どのような対応をするおつもりなのか、伺います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  サービスつき高齢者向け住宅や届け出のない高齢者賃貸住宅の把握の問題でございます。  サービスつき高齢者向け住宅につきましては、適正な運営を確保するために、年に一度、入居者の状況や生活サービス相談の状況等、登録住宅の状況について報告を求めているほか、関係部局が連携して、適宜、立入検査を実施しているところでございます。一方、届け出のない高齢者賃貸住宅につきましては、今はその数も含めて状況把握が困難でございます。ただし、いずれの住宅につきましても、高齢者虐待についての情報があった場合には実地確認も含めて迅速かつ適切に対応しております。  二つ目の一度に多くの対応がある場合はどうするのかというお尋ねでございます。  仮に高齢者向け住宅で多くの高齢者への虐待が発生した場合であっても、一人一人の状況に応じて適切に対応することが基本でございまして、必要に応じて転居していただいたり、福祉施設へ入所していただいたり、医療機関への入院などで支援していくことを想定しているものでございます。 ◆こじまゆみ 委員  虐待の対応においては、やはり、情報の把握が一番大切だと思います。できる限り早期に発見し、早期に対応することが大事でありますが、先ほどの報告では相談通報者はケアマネジャーが一番多いということでありましたけれども、介護サービスを利用していない方はケアマネジャーにもつながりません。介護保険は、申請して初めて支援を受けられるものであり、その前段階の相談からサービスの調整までワンストップサービスで行う相談窓口である地域包括支援センターの認知度もいま一つ低く、残念なところでもあります。  地域にある特別養護老人ホームや老健施設、有料老人ホーム等の介護保険施設は、その認知度も高く、より身近な相談通報窓口となり得るのではないかと考えますが、どのようにお考えなのか、伺います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  介護保険施設がより身近な相談窓口になるのではないかというお尋ねでございます。  介護保険施設におきましても、個別の虐待に関する相談や通報があった場合には、現状でも区役所や地域包括支援センターに適切につないでいただいているところでございます。しかしながら、介護保険施設を恒常的に相談通報窓口と位置づけることは、そのための体制や相談者が出入りすることに対する施設の管理面などもありまして、直ちには困難であると認識しております。  ただ、相談通報窓口の恒常的な設置は難しいですけれども、介護保険施設が地域にとってより身近な存在となり、地域に貢献すること自体は、社会全体から望まれているところだと認識しております。事例として、地域の方を招いてのさまざまな交流会、見学会、また、施設を会場としての研修会やセミナー、理髪や医療の専門職として地域行事への協力など幾つかの取り組み事例も見られておりますし、今後、このような自主的な取り組みがさらにふえていくものと認識しておりますので、これらのことについて機会を捉えて呼びかけてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆こじまゆみ 委員  高齢者虐待についての相談通報窓口が区役所や地域包括支援センターということで、ケアマネジャーだけでは現在の超高齢社会においては不足していると考えます。私見ではありますが、地域包括支援センターは、できれば中学校区単位に一つずつあってもよいのではないかというふうに考えております。高齢者の入所施設はもとより、これら介護保険施設に限らず、単に介護や医療、福祉の連携という机上の言葉のみにとどまらないで、地域のさまざまな専門職がいる社会資源の活用について検討していただきたいと思います。厚別でもさまざまな連携が行われておりますけれども、行政の方たちもそれらに介入していただき、地域にあるさまざまな施設が有機的につながっていくように取り組んでいただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆長谷川衛 委員  私からは、地域包括支援センターの今後のあり方について、何点か質問していきたいと思います。  この間、第1回定例会や第3回定例会の代表質問で、地域包括ケアシステムについて質問してまいりました。今、2025年問題とも呼ばれておりますが、国は、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向け、地域包括ケアシステムを構築するとしています。しかし、地域包括ケアシステムは、医療・介護サービスだけではなく、介護予防の推進、高齢者の社会参加の促進、地域福祉と連携した生活支援の充実、さらには住まいの問題など、取り組むべき課題は多岐にわたっています。それゆえに、今、さまざまな課題が山積しているのが現実であります。  私は、このシステム構築を大きく捉えるならば、一つは、高齢者個人に対する支援の充実、もう一つは、それを支える社会基盤の充実、これを同時に進めていくことが求められていることだと考えています。そこで、市町村ごとの取り組みを推進するに当たって、その中核が必要であります。その機関として、やはり地域包括支援センターがその役割を担っていくべきと考えるところであります。  札幌市においては、2006年度、地域包括支援センターの創設時に17カ所でスタートいたしましたが、現在は、高齢者人口の増加に伴いまして27カ所設置し、全て法人への委託により運営しています。今年度決算を見ましても、27カ所で10億円を超える運営費が使われているのが実態であります。  もともと地域包括支援センターは、スタート時から、高齢者が住みなれた地域で安心した生活を続けられるように支援を行うための総合機関として設置されたはずでありまして、総合相談、権利擁護、ケアマネ支援、介護予防の四つを柱にしながらその役割を担っていくことになっています。今、創設から8年を迎えますが、現状はどうなのかということをしっかりと見ていく必要があると思います。8年が長いか短いかは評価が分かれると思いますが、私も、この間、地域包括支援センターについて質問してきまして、できたばかりの時代は最初なのでなかなか引き受け手がないという話も聞いてきました。また、8年も経過してきますと、少しずつ充実してきて、当初の課題とは随分変わってきているのではないかというふうに思うのですが、残念ながら、本来果たすべき4本の柱が十分に機能していないのではないかという声が各地域から上がっています。また、地域住民に聞いても、この間、工夫しているのはわかるのですが、知名度がいま一つで、どんなことをやっているのかも実際にわからない、行ったこともないなどの声がまだまだ上がっています。  私も、これまで、各地域の地域包括支援センターに自分の足を運んで見てきましたし、私の会派の議員からも、それぞれの地域にある地域包括支援センターがどうなっているのかいろいろ聞いてきました。現実に私が問題だと感じているのは、センターによって余りにも差があるのではないかということです。例えば、私がある地域包括支援センターを訪れたときに、実は鍵がかかっていました。そんなに朝早くに行ったわけではありません。どうしたのかなと戸惑っているうちに、所員の方が来られて、何かの用事ですかと言うので、お話を聞きにきました、どうして鍵がかかっているのですかと聞きましたら、老人ホームと一緒になっていて、いろいろな方が出入りすると困るので鍵をかけているということでした。施設の中にあるところは幾つかありますからわかりますが、このこと一つをとっても、鍵がかかっていて果たして機能が果たせるのかという問題があります。それから、地域の要望に対して、事前に電話をしなければいけないのかという問題があります。また、私の家の近くにあるセンターもそうですが、非常にわかりづらい場所にあるセンターも結構あります。市民に高齢者の総合相談の窓口だと言っておきながら、なかなか開かれていないことに私は常日ごろ疑問に感じています。  大きな問題はそればかりではなく、本来、困っている方々が相談する窓口ですから、素早い対応を望んでいるのです。しかし、私も、私の親と妻の親を2回介護しましたが、私の父親のときにはまだ制度がない時代で、最近、妻と一緒に妻の父親の在宅介護をしたときにはこういう制度があり、地域包括支援センターにも随分お世話になりましたけれども、なかなか機敏に相談に応じてくれないという歯がゆさも感じてきました。  一方で、いろいろな地域では物すごく熱心にやっておられるセンターもありまして、情報も非常に豊富で、いろいろな施設見学会を実施したり、積極的に情報を集めて発信しています。例えば、手稲の第2地域包括支援センターではフェスティバルを実施しておりますけれども、ここは、いろいろな情報発信を積極的にやっていて、私はすぐれた法人だというふうに思っています。レベルも結構高く、これから望むべき役割を結構果たしているというふうに感じています。このようにセンターや法人ごとに力量や取り組みに格差がある現状を何とかしていかないと、高齢者福祉の拠点ですから役割、機能を果たすにはちょっとどうかなと危惧しているところであります。  そこで、1点目の質問です。  札幌市では、地域包括支援センターの取り組み状況や地域で果たしている役割、機能をどのように把握しているのか、また、その実態をどのように認識しているのか、まず、お伺いしたいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  ただいまは、地域包括支援センターの実態把握とその認識についてのお尋ねかと思います。  まず、地域包括支援センターの活動実態につきましては、区役所職員が定期的に巡回してそれらの評価をしていますし、また、指定介護予防支援事業所としての実地指導で把握しております。また、毎月ごとに事業実績をいただいておりますし、定期的なセンター長会議などを通じて双方向で情報交換しながら把握しているところでございます。  今、委員から厳しいご指摘があり、また、一方で評価できるセンターもあるというお話だと思いますが、指定介護予防支援事業所としての運営基準は満たしておりますし、総合相談支援や権利擁護などの委託業務は適正に実施されておりますけれども、地域ごとの特性もありまして、各センターの取り組み内容については差異があるものと認識しているところでございます。 ◆長谷川衛 委員  一定程度認識しているということでありますが、これについてはほかのところで扱います。  それでは、具体的に地域包括支援センターの人員体制等について質問いたします。  このたび、先日の厚生委員会で、地域包括支援センターの人員及び運営に関する基準条例を可決すべきものと決定したと聞いております。これまで要綱で示されていた人員体制について、一定の基準が条例に位置づけられたということですが、地域包括支援センターそのものが今後どうなっていくのかということを考えますと、やはりもっと突っ込んでいく必要があろうかなと思います。  地域包括支援センターの4業務は、言うまでもなく、1件幾らという仕事ではなく、日ごろから地域とどう密接にかかわっていくかということです。私は、先ほども言いましたが、さまざまな情報を発信する拠点でなければならないのではないかと思います。今、地域包括ケアシステムを構築するのだと言っていても、ばふらっとして抽象的なのです。でも、現実には着実に高齢化が進んでいて、今すぐにでも支援が欲しい人がたくさんいるのです。だからといって、地域包括支援センターの配置を細かくして、地域にたくさんつくればいいというふうには毛頭考えておりません。私は、しっかりした人員で、しっかりした情報を提供するほうがむしろ大事ではないかと考えるところであります。  そこで、2点目の質問ですが、札幌市は、今後の地域包括支援センターの設置や人員体制についてどのように考えていますか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  地域包括支援センターの設置や人員体制に関する考え方についてでございます。  地域包括支援センターは、地域に根差した活動を行いながら、医療、介護の専門機関や地域活動組織などの社会資源を熟知し、地域住民との信頼関係や幅広いネットワークを構築していく必要があるというふうに認識しております。また、先ほど委員がおっしゃったように、住民の期待に応えていくためには、一定程度の規模、スケールメリットを図る体制が必要であると私どもも思っておりまして、高齢者人口の増加に応じた人員配置を行いながら、少なくとも現状レベルの人員体制、また、それ以上のものを維持し、担当圏域での継続的な活動を通じて取り組み内容の質の向上を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆長谷川衛 委員  今、部長から答弁がありましたが、先ほどの格差問題に戻りますと、先ほどは格差を認識しているということでございました。それから、人員体制についても、一定以上としながら、しっかりとした取り組み、質の向上を目指していくという答弁がありました。  ただ、不思議なのは、4本柱があり、人員を配置し、一定程度の規模が担保されていれば、私が先ほど言ったような実態はないはずなのです。例えば、鍵がかかっていたり、行ったらほとんどの職員がいなかったということはないはずなのです。あるということは、そこに設置上の法人の問題が何かあるのではないでしょうか。例えば、施設の中に配置されているセンターも市内には幾つもありますから、職員体制で何か線引きの問題があるのではないかと思います。職員の方々は足を運んでいただいているということですが、松浦委員のお話ではありませんが、それこそ抜き打ちで行ってみることも大事なのです。  なぜこういうことを言うかというと、今後、地域包括ケアシステムは大事になります。私も団塊の世代で、委員長も団塊の世代で、こういう方たちが10年後には75歳以上となって後期高齢者が約20%になるわけですから、とんでもない状態になります。私は、今が大事だと思っていますから、そのためにセンターの役割は今までよりももっと重要になると考えます。  そこで、最後の質問になりますけれども、格差問題も含めて、今後どのような取り組みを行っていくのか、明確によろしくお願いいたします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  今後どのような取り組みをしていくのかというお尋ねでございます。  地域包括支援センターの取り組み内容の質の向上を図るため、今後、高齢者にかかわるさまざまなテーマに対していろいろな研修などによって充実させていきたいと思っておりますし、地域課題や地域の有効な資源、取り組み等の情報がセンターに集まるよう、医療職、介護職、福祉職などの多職種連携による地域ケア会議の体制強化などを図っていきたいと思っております。また、設置主体である札幌市が地域包括支援センターの運営方針を明確に示していくとともに、さまざまないい事例がありますから、それらを積極的に取り上げて、評価し、各センターで共有するなど、質の向上につながるような取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。そして、地域包括支援センターに情報が集まり、地域住民の相談拠点となるよう、さらに工夫しながら引き続き周知に努めてまいりたいと思っているところでございます。 ◆長谷川衛 委員  最後に、要望です。  今後の方向については、わかりました。ぜひ、地域包括支援センターが中核的な役割を果たしてもらいたいと思います。  実は、この質問を自分で考えていたときに、先週金曜日に地域の方が介護の問題で相談したいということで私の事務所に来ました。普通、事務所に来る方々は、暗くて、行き場がない、とにかく悩みを聞いてくれという方が多いのですが、話を聞いてみますと、この方は68歳で、92歳の母親を介護しているということですが、母親は認知症で、随分と楽になったということでした。というのは、この8年、もう大変な思いをしてきたけれども、92歳になると大分楽になってくるのですと言うのです。彼は経験を通していろいろと学んできたので、すごく明るいのです。  そこで、何を言いに来たかというと、今後、行政がやるべき課題はいっぱいあると思うけれども、私は明るく生きる方法を私は知っていますから、私を使ってくださいと。実は、認知症の家族の会に入っておられる方で、いろいろな講演をして明るくやりましょうということを訴えているというのです。こういう男もいるのだということを知ってほしいということで来たわけですが、僕はすごく参考になりました。  僕が前から考えていたのは、私も委員長も高齢者ではありますが、まだまだ若くて、これからまだまだ使える高齢者でございます。65歳から75歳までの方は、社会の役に立ちたいという方がたくさんいて、ノウハウもいっぱい持っていますし、60歳代で物すごく楽しいサロンをやっている人もいますから、そういう方を活用してもらいたい。  ただ、そういう情報提供は、私はやっぱり区役所ではないと思うのです。わずかな職員でやることもたくさんありますから、できないと思うのです。やっぱり地域包括支援センターがそういう情報を持って、あそこに行けばこういう人がいる、介護の心配があったらこういう人がいると、とにかく地域包括支援センターがそういう情報を全部持つようなセンターとしての機能を果たしてもらいたいということを求めて、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、地域包括ケアシステムに関して、構築の柱である地域支援事業について、2点お尋ねしたいと思います。  1点目は、介護予防・日常生活支援総合事業についてであります。  今ほどもありました2025年問題ですが、団塊の世代が全て75歳以上となるときに、我が国の後期高齢者数は2,000万人を超える見込みであります。政府は、医療、介護等の需要が急速に高まる将来を見据えて、現行の社会保障制度を持続可能なものにするために、社会保障と税の一体改革によりまして消費税の引き上げを行い、この財源を活用した施策を進めることとしております。元気な高齢者はできるだけ健康を維持していただき、介護が必要になっても地域で暮らし続けることができるよう、公的サービスに加えて、自助や互助による地域の支え合いの体制を強化するなど、医療、介護、予防、生活支援、住まいの一体的な提供を可能とする地域包括ケアシステムの構築を目指しているところでございます。  本年6月18日に成立いたしました医療介護総合確保推進法におきまして、介護保険の要支援者に対する訪問介護、ホームヘルプサービスや通所介護、デイサービスが地域支援事業に移行されまして、現行の介護予防事業は総合事業として再編されることとなっております。これにより、要支援者のホームヘルプサービスとデイサービスについては、既存の介護事業者が提供する専門的なサービスに加えて、市町村が設定する基準や単価による多様なサービス提供が可能とされています。多様なサービスの担い手としては、NPOやボランティアなど地域の多様な人材の活用が必要とされまして、利用者のニーズに応じたサービス提供体制が必要と考えるところであります。  そこで、お尋ねいたします。  札幌市では、総合事業においてどのようなサービスメニューをつくろうとしているのか、お尋ねいたします。  また、総合事業のサービスを提供する多様な担い手の創出にはどのような課題があるとお考えか、あわせてお尋ねいたします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  まず、1点目のサービスメニューの選定についてのお尋ねでございます。  総合事業のサービスメニューの選定に当たりましては、サービス利用者のニーズやサービス提供事業者の意向などを踏まえる必要があると認識しているところでございます。昨年に実施いたしました要介護・要支援認定者や介護サービス事業者に対する調査などでは、認定区分ごとのサービス利用状況などについて把握したところでございます。今後、より具体的に利用者のニーズやサービスを提供する事業者の意向などを調査・把握しまして、その結果を踏まえながら慎重に事業内容の検討を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  続いて、多様な担い手づくりの課題についてのお尋ねでございます。  今後、高齢化の進展に伴いまして、要支援者の数も大幅に増加が予想されることから、総合事業の担い手につきましては、従来の介護サービス事業者を初め、NPOやボランティアなどの多様な人材の活用が求められているところでございます。サービスの提供に当たりましては、専門的な支援を必要とする方には一定のサービス水準を維持できる事業所を活用し、また、買い物、ごみ出しなど必ずしも専門性を必要としないサービスにつきましては、その提供内容に応じた人材の育成、確保を行うことが必要と考えております。これらの多様な担い手につきましては、NPOやボランティアなどの活用を含め、今後、慎重に検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  ご答弁はわかりました。  私からも、住民主体の多様な生活支援、介護予防サービスなどを進めるために、現場における多様な人材登用を図るよう求めます。  今のお答えにありました買い物代行、外出支援、その他必要な日常生活の援助は、有償ボランティアの活用やソーシャルビジネスなどの地域の多様な担い手による取り組みを進めていただきたいと思います。その際には、ボランティアポイント制度などの活用をより一層進めることを求めたいと思います。  次に、2点目の質問は、認知症施策の推進についてであります。  厚生労働省では、平成24年9月に公表した認知症施策推進5か年計画、いわゆるオレンジプランにおいて、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指し、各市町村が主体となって施策を推進することを示しております。また、平成27年度に施行の介護保険制度の中にも認知症施策の充実を位置づけたと聞いております。  私ども公明党の地域包括ケアシステム政策提言においても認知症施策を重点項目として取り上げておりまして、新たな地域支援事業の包括支援事業に認知症施策の推進を位置づけ、認知症初期集中支援チームの設置を進めること、また、認知症及びその家族に対する地域での支援体制を整備するため、認知症カフェの設置等を進めることを提言したところであります。  最近の報道によりますと、認知症の受診までに平均9カ月半かかっているという調査がありまして、受診までに時間がかかった理由としては、本人が病院に行きたがらなかったというのが38.7%でありました。このように、本人が受診を拒否したり、家族の側に認知症の知識がない場合など、早期に医療機関につなげるためには認知症初期集中支援チームが有効な手段であると考えております。  さきの代表質問におきましても、我が党が地域包括アケシステムの構築に向けた認知症施策の充実と今後の方向性について質問したところ、認知症初期集中支援チームによる早期支援の取り組みや、認知症の人を理解し、支援するための市民交流の場づくりについて検討すると答弁をいただいたところであります。  そこで、質問ですが、認知症初期集中支援チームは適切な医療サービスや介護サービスにつながっていない人や中断している人などを対象にすると聞いておりますけれども、札幌市では、これまで、このような方々に対して誰がどのように対応してきたのか、また、今後、必須となる認知症初期集中支援チームを札幌市はどのようにつくっていく考えか、お尋ねいたします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  まず、1点目の認知症初期集中支援チームの対象となるような人への対応でございます。  札幌市は、これまで、適切な医療サービスや介護サービスにつながっていない人などにつきましては、区役所の保健師や地域包括支援センターの総合相談に情報が入っていると認識しております。このような対応困難な事例につきましては、区役所の保健師が地域包括支援センターやケアマネジャーなどと連携しながら認知症の方やその家族のところを訪問し、専門医の受診や介護サービスの利用につなげるとともに、家族介護の情報提供を行うなどの対応をしているところでございます。  2点目の認知症初期集中支援チームをどのように展開していくかというお尋ねでございます。  この事業は、相談を受けた初期の段階で集中的に支援することによりまして、より適切に、より早期に医療・介護サービスにつなげることを目的としております。これまでは、認知症の疑いがあっても、本人や家族が受診をちゅうちょするような事例があったことから、このような事例への対応をさらに充実させるため、かかりつけ医などへ助言を行うことができる認知症サポート医と十分に連携を図りながら、医療職、介護職をチーム員として訪問する仕組みを検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。また、認知症初期集中支援チームの運営とあわせまして、認知症の方が地域での生活を維持できますよう、引き続き地域住民や医療・介護関係者への普及啓発を進めていく必要があると考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  これまでの取り組み、そして、これからの取り組み、特に医師もかかわった取り組みをお願いしたいと思います。早期の段階から家庭訪問などを行い、アセスメントや家族支援を行う初期集中支援チームをしっかりとつくるとともに、早期支援につなげられるよう普及啓発にも努めていただきたいと思います。  認知症施策の推進についての再質問をさせていただきます。  今後の認知症施策には、専門職による支援だけでなく、地域で認知症高齢者や家族を支えていく取り組みが重要であると考えます。さきの代表質問で答弁をいただいた認知症の人を理解し、支援するための市民交流の場とは、具体的にどのような取り組みを考えているのか、お尋ねいたします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  市民交流の場とは、具体的にどのような取り組みかというお尋ねでございます。  札幌市におきましては、平成21年度から男性介護者の集いであるケア友の会を開催しているところでございます。ここでは、家事や介護の方法、福祉サービスの利用などについて学習会を行うとともに、参加者同士の交流会によりまして介護に対する思いや悩みを共有することで介護負担やストレスの軽減を図っております。全市を対象といたしまして、年2回実施しているほか、平成22年度からは各区での開催に順次拡大しておりまして、今年度は6区で開催予定でございますが、より身近な場所で仲間づくりができますよう支援の充実を図っているところでございます。  もう1点は、新たな市民交流の場として、今年度からモデル的、試行的に3カ所で認知症カフェを実施しております。このモデル事業は、認知症の人や家族が気軽に交流し、相談し合える場を身近な地域につくることを目的に、札幌市が独自に設置している認知症支援事業推進委員会というものがございますが、その推進委員会と、先ほど言いました家族の会、社会福祉法人などとの共同開催という形をとり、住民ボランティアを活用しながら自主的に実施している取り組みでございます。これは、まだ今年度に始まったばかりで試行的に3カ所でやっただけですが、この実施結果などをもとに、市民のニーズや効果、認知症の人や家族などを支える地域づくりの今後の可能性などについて検証し、札幌市としての市民の場のあり方を検討していきたいと考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  地域で支援する、また、市民交流の場、ケア友の会などを進めていただいていることは理解いたしました。  認知症カフェについて要望いたしますが、認知症カフェは、認知症の方、またその家族に対する支援を推進するために、認知症の方がみずから活動し、楽しめる場であり、また、家族や地域住民が触れ合える場、わかり合える場、つながる場であると考えます。既に工夫していただいてモデル事業を行っていただいていることは、評価いたします。答弁にあったように、しっかり検証していただき、札幌らしい認知症カフェが各所に設置されるよう求めて、質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からも介護の問題にかかわって、2点質問したいと思います。  お泊りデイサービスと介護予防・日常生活支援総合事業についてです。  1点目は、お泊りデイサービスについてです。  代表質問でもお聞きしましたが、2013年5月にアンケート調査を実施しているとのことで、48の事業所が自主事業として宿泊のサービスを行っておりました。また、他の自治体において、既に独自の基準を設けているところもある中、札幌市においては、現在、国の基準等について検討が進められておりますが、まだ対応しておりません。  他の自治体の独自基準の策定状況はいかがか、また、非常災害時の対策なども盛り込まれているのか、伺いたいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  宿泊サービスについてのお尋ねでございます。  現在、独自基準を策定している自治体は、私どもが把握している限りでは11都府県と3政令指定都市となっております。それらの主な基準内容といたしましては、介護職員等の配置、利用定員と宿泊室の面積などに関する内容となっております。また、非常災害時の対策につきましては、通所介護事業所の運営基準と同様、非常災害計画の作成や定期的な避難訓練の実施を定めているようでございます。 ◆井上ひさ子 委員  介護者が仕事をしているとか、施設に入居できないなど、さまざまな事情で宿泊せざるを得ない方もおられると思います。やはり、人員や設備の問題、運営に関する基準がない中で、利用されてお泊りする方もすごく不安があるのかというふうに思います。  人員配置についてはどうなっているのか、また、この施設は通所のサービスですので、プライバシーが本当に守られているのかどうか、それから、目が行き届いているのか、雑魚寝させているのではないかなど、私どもは大変心配しております。札幌市は、このサービスの実態を把握されているのかどうか、伺いたいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  代表質問でもお答えしましたけれども、昨年度、札幌市が実施した調査では、回答のあった事業所の約16%が宿泊サービスを行っている状況でございます。また、1日当たりの平均利用者数は約2人という結果でございます。  私どもによる通所介護、デイサービス事業所への実地指導の際には、宿泊サービスを行っている事業所に対して人員配置や宿泊室などについて聞き取りによる確認を行っているところでございます。その聞き取りによりますと、少なくとも1名の介護職員等が配置され、その事業所にございます機能訓練室や専用室が宿泊室として利用されているというふうに聞いております。また、利用する理由、背景などにつきましては、家族などの介護者の冠婚葬祭や入院などの突発的な事情が生じた際に、通いなれた施設での宿泊を希望し、利用される方も多いと伺っているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  調査のときにも聞き取りを行っているということで、状況についてはわかりました。ただ、私どもが心配するのは、高齢者が安心して過ごせるかどうかです。災害のときに本当に痛ましい事故が起きないように人命が守られるか、そういう対策がとられているかということです。  このたび、470事業所にアンケート調査を行い、回答があったのは302カ所です。そこで、回答のなかった168事業所には立ち入ってでも調査をすべきではないかと思うのですが、この辺についてはいかがですか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  現在、国では、来年4月から札幌市などの指定権者への届け出を義務づけまして、来年10月以降、それらの情報を公表し、あわせて、事故などがあった場合の市への報告の仕組みを導入することを予定しております。また、最低限の質の担保を図るという観点から、人員、設備、運営に関する要件をガイドラインとして示す予定とも聞いているところでございます。  今後、私どもといたしましても、そういった国の方針に基づきまして、関係部局とも連携しながら、より詳細な実態の把握に努め、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  お泊りデイは介護保険の適用外になっておりますね。今は、事故の報告の義務がありませんので状況がわかりません。でも、新聞報道によれば、食べ物を気管に詰まらせて誤嚥で亡くなるという痛ましい事故がやっぱり起きております。ですから、基準をつくっていき、それに基づいてしっかりと対応することが大事だと思います。この間、実態調査と聞き取りなども行っていますので、その辺を重視していただいて、早急に基準づくりに取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  2点目は、介護予防・日常生活支援総合事業についてです。  このたびの介護保険制度改正において、予防給付の見直しが行われ、要支援1と要支援2の方のサービスのうち、訪問介護であるホームヘルプサービス、通所介護であるデイサービスは市町村の事業に移行されます。これは、症状が軽いということだけで介護保険から外されるもので、私どもは反対してきました。  札幌市における2014年度末のサービス受給者は、要支援1の人が7,799人、要支援2の人が8,920人と、認定を受けている方全体の24.3%にも当たります。要支援1・2の方のサービス利用状況を見ますと、ホームヘルパーでは、お掃除を利用している方が約8割、その他調理、買い物、洗濯の順になっています。デイサービスは、7割の方が健康チェック、加えて、レクリエーション、食事、入浴などを利用して、本当に楽しみにしています。生活支援をすることはとても大事で、会話したり相談したり、その人の生きがいにもつながっていくというふうに私は思います。  そこで、現在、給付として提供されている介護サービスについて、その利用による生活の変化を利用者はどのように感じられておりますか。この間、アンケート調査も行われているということですので、お聞きしたいと思います。
    ◎菱谷 高齢保健福祉部長  介護予防サービスを利用したことによる生活の変化についてのお尋ねでございます。  昨年11月に実施した要介護・要支援認定者への調査によりますと、介護予防サービスを利用したことによる生活の変化につきましては、精神的に楽になったという回答が要支援1・2とも最も多くなっており、具体的に申しますと、要支援1の37%、要支援2の35.6%の方からそういうご回答をいただいております。次いで、自分の身の回りのことをしようとする意欲が出てきた、体調がよくなったとのご回答をいただいております。これらの結果から、利用者は、介護予防サービスの利用によりまして、日常生活の援助を受けるだけではなく、精神面の安定や生活意欲の向上といった生活の変化を実感しているものと考えているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  利用されている方の声を伺いましたが、今、独居の方も多いですから、そこがよりどころになって精神的にも安定が保たれているのかと思います。  そこで、要支援者向けの訪問介護、通所サービスを提供している事業者からは、市町村の事業に移されることによって大打撃を受けるのではないか、また、サービスを継続していけるかなどの不安の声が上がっています。  私どもは、現在、利用者が必要としているサービスを今後も確保すべきと考えますが、これについてはいかがですか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  予防給付から総合事業への移行に当たりましては、先ほども答弁いたしましたように、サービス利用者のニーズやサービス提供事業者の意向などを調査して、それらを十分に踏まえる必要があると認識しているところでありまして、今後ますます増加する高齢者のニーズに応じたサービスを確保するために多様な担い手の活用が必要と考えております。一方、専門的なサービスを必要とする方には、引き続き、専門職によるサービスを提供できるよう、今後とも介護サービス事業所を活用するなど、利用者の状態やニーズに応じた適切なサービス確保について検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  要支援1・2の方は、私たちの周りにも多くおられますし、この介護サービスを利用して今の生活を維持しているという声が聞こえていますし、本当に大事だと思います。これがなくなると大きな影響が出ますが、それによって利用できなくなって重度化、重症化が出てはならないと私は思うのです。総合事業の開始による多様な担い手について、先ほどほかの委員への答弁の中にもありましたが、私は、要支援者へのサービスは、ボランティア頼みではなく、専門職による支援が本当に大事であり、今の高齢者をしっかり支えていく対策だと思いますので、それらを求めて、質問を終わりたいと思います。 ◆木村彰男 委員  私は、大別して、2点お聞きします。第1としまして、本年3月の予算特別委員会でもお聞きしておりますが、高齢者の成年後見制度の利用について、前回とは違う観点から質問します。第2としまして、札幌市内の特別養護老人ホーム、いわゆる特養への入所を希望していらっしゃる待機者についてのご質問でございます。  まず、成年後見制度の市長申し立てについてでございます。  ことし3月11日の議事録を確認しますと、高齢保健福祉部所管においては、平成22年度12件、23年度15件、24年度30件、このうち、生活保護世帯は19件と全体の3分の2くらいと伺っております。  そこでまず、平成25年度の数値は幾つで、このうち、不動産の所有があり、居住用資産の把握ができているものは何件ありますでしょうか、お聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  市長申し立てについてのお尋ねでございます。  平成25年度は16件でございます。そのうち、不動産を所有しているものは3件でございまして、居住用資産かどうかの把握はしておりません。 ◆木村彰男 委員  当時、菱谷部長は、私の質問に対して、市長申し立ての要件を細かく述べた上で、最終的には組織的に判断するということで、区によってばらつきがあることはないというお言葉でございました。  この中で、生活保護を受ける方が多いということや、今お話が出ましたように、16件中3件しか不動産を所有している方がいないということを見ますと、この制度を市長申し立てで利用することに関する視点として、主に生活が非常に困窮されている方、経済的に逼迫されているような方が基準になっていると思われるのでございます。この点についてはいかがでございましょうか、お聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  市長申し立ての要件につきましては以前にお答えしておりますが、例えば、生活保護受給者において、身寄りがなく、施設入所に必要なサービスの契約が困難な場合や、虐待により生活や財産が侵害されている事由などにより活用されている場合が多いと認識しております。 ◆木村彰男 委員  別な箇所かもしれませんけれども、札幌市でも市民後見人を始めたのですね。今は、40名強、50名弱くらいの市民後見人を養成されております。これは、専門的な士業ではなく、一般の市民の方と言っていいのでしょうか、お聞きしますと、ご高齢の方というか、第一線を離れたような方を中心に市民後見人をおやりになっていらっしゃいます。この場合、対象になられる方は、比較的財産が小さい、もしくは、紛争性のないようなものであるというようなお話があったかと思います。これは、市民後見ということで結構だと思います。  これに対して、先ほどありましたように、財産や不動産をお持ちになっていらっしゃる方も片方にはおります。私が、今回、なぜ成年後見の問題を扱っているかと申しますと、成年後見制度の基本的な概念として資産管理があるわけです。高齢によって認知症になられたりして資産管理が十全ならしめることができないようなことになった場合、居住用資産の売却制度が成年後見にはございます。  ここに、札幌家庭裁判所が作成した「成年後見制度の後見人の職務について」というリーフレットがありますので、読み上げますと、ご本人の居住用不動産について、売却、賃貸、賃貸借の解除、抵当権の設定などの処分をするときは、家庭裁判所に居住用不動産処分について許可審判事件の申し立てをして許可を得る必要があると書かれております。そこで、先ほど居住用資産の把握についてお聞きしたわけでございます。  実は、居住用資産といった場合、税法上、かなり制限されまして、例えば1年も2年もあいているような空き家を居住用資産としてくくるかということについてはなかなか難しいのですね。つまり、そこにおいて生活があったとか、電気代を払っていたとか、水回りの使用料金を払っていたとかいろいろな縛りがありまして、住んでいないとなると、そこが普通のお家であったとしても居住用資産として認められないケースもあります。これに対して、今回、裁判所で居住用資産と認めて売却する場合、何を想定したかというと、ここに持ってきていますが、(仮称)札幌市空き家等の適正管理に関する条例(素案)がありまして、今、これを議員のほうで準備して出させていただこうとしております。簡単に言いますが、この中に、空き家が非常にふえてきているということがありまして、最終的には札幌市がお金を出して代執行をするようなことも射程に置かれておりますが、所有者の方が亡くなった場合、相続者がある場合はもちろん相続する方が処分すればよいわけですけれども、問題は、相続を放棄したケースや、今申したように、お身内がいないようなケースで認知症になられたり成年後見の対象になられるような方だと売却が難しくなります。  そこで、成年後見制度を利用して、このような空き家条例の適用になる前に、これらの空き家の状況を把握しておくことが成年後見制度を通じてできるのではないかと私は考えておりますけれども、それについて理事者のお考えをお聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  まず、不動産処分につきましては、先ほど委員もおっしゃっていますように、市長申し立てを含む後見人の一般業務として、本人が入院等で在宅復帰の見込みがなくなった等の理由で持ち家を処分する場合には、家裁の許可を得て手続が行われます。また、本人が亡くなった場合もそれなりの手続に従って進んでいきます。もちろん、認知症高齢者の中には、固定資産を持ちながら親族や相続人がいない方もおられるため、早期に任意後見制度などの活用についてもご案内していく必要があるのかなと考えております。 ◆木村彰男 委員  今おっしゃったように、任意後見ということももちろんあります。任意後見の手続をして公証役場で契約を結んだ後、認知症が進んでいった段階で、我々は移行型と言っているのですが、それによって成年後見のほうに結びつくケースもあります。ですから、今、部長がおっしゃっているように任意後見の中で把握もできますので、可能であればそれはいいなと私も思うのです。  次に、いただいている資料の中で、札幌市の高齢者保健福祉計画があり、その各論のところに、成年後見制度の利用促進があります。ここに、今、お話があった家庭裁判所への申し立てを親族にかわって市長が行う市長申し立てについて書いてありますが、市長が行うとともに、社会福祉協議会が後見人を受任する法人後見の利用を促進すると書いてあります。そういう中で、私も社会福祉協議会なるものの実態を見ていますと、私が見ている限り、社会福祉協議会が現実にやっている後見、もしくは、見守りみたいな任意後見も含めた後見事業は、先ほど言いましたように、市民後見人がおやりになるような紛争性の少ないもの、もしくは、金額の少ないようなものが多いように私には見えるのですけれども、それについてはいかかでございますか、お聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  社会福祉協議会が後見人として関与するものには、二つの大きなパターンがあるのではないかと思っているところであります。  一つは、日常生活支援と申しまして、後見制度まで行かない方で、社協職員が日常生活をサポート、管理する中でやっていくものです。もう一つは、今言った市長申し立てではなく、社会福祉協議会に後見依頼があった場合に、家裁の選任によって社会福祉協議会が後見人になっていくような事例があると聞いております。 ◆木村彰男 委員  社会福祉協議会が後見人を受任するケースの場合、本人もしくは家族ということはあるのですけれども、一般の士業のほうにいかないで、社会福祉協議会に行くのですよ。そのときに、一般的な士業と同じ程度のレベルを持った方が社会福祉協議会にいらっしゃいますか。それについてお聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  士業というのは弁護士や司法書士などという意味だと思いますが、社会福祉協議会の中に士業と同等の有資格職員がいるかというお尋ねでございます。  社会福祉協議会の有資格者数は把握しておりませんが、市長申し立て事務には5人の職員が従事していると認識しておりまして、そのうち社会福祉士の資格を有する者が2名いると聞いているところでございます。 ◆木村彰男 委員  その方が士業なのです。その方がやっているのは、私がお聞きしている限りでは、主に後見制度を利用するための裁判所に対する手続というか、その受託費用ですね。ここに委託費用が出ていて、高齢福祉部から委託先として社会福祉協議会にお金が出ていますけれども、これは委託費ですね。  私が申し上げているのは、それらの案件を把握した上で、今申し上げているような居住用資産を早期に売却しなければならなかったり、それをその方が施設に入る費用にするなど、そういうご判断をしなければならないわけですよ。この士業の方にそういう判断ができますかというご質問をしているのですけれども、いかがですか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  2人の社会福祉士が主にこういった市長申し立てや法人としての受託事務をやっておりますけれども、法人として受託された場合につきましては社会福祉士がきちんと対応していると思います。また、実際の後見人の選定については家裁がきちんと行うわけですから、事例に応じて家裁が適切に判断しているものと認識しております。 ◆木村彰男 委員  質問に答えてくださいよ。  社会福祉協議会は法人後見をもうやっているのですよ。社会福祉協議会は法人後見を個人に任せているのではないですよ。社会福祉士のAさん、Bさんに任せているのではないですよ。社会福祉協議会に法人として任せているのですよ。この2人でできますかという質問をしているのですよ。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  社会福祉士が得意としている分野もございますし、また、お尋ねのとおり、そういった不動産については得手ではない部分もあると思います。 ◆木村彰男 委員  ですから、得手ではないのです。得手でないとすれば、どなたか、そういうご専門の方がいるのか。また、これは別な論議ですが、1年や2年も放っておいて居住用資産と言うかという定義もあるわけです。ですから、これについて売却したほうがいいのか。施設に入られたら住まなくなるわけですから、そうすると、今言ったように管理が行き届かなくなって、屋根の雪や不審者、火事などの問題などにつながっていくのではないかということを申し上げているわけですよ。  そのよくわかっていらっしゃらない2人でどういう話をしているかわかりませんが、この現状、今そこにある危機をわかりますかと聞いているのです。お聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  法人としての後見の従事者について、先ほどは推測で2人の社会福祉士が対応していると言いましたが、この従事者に専門職がいるのか、実際の状況は把握していないのが実情でございます。当方は、市長申し立てのみについて承知して、社会福祉協議会といろいろと連携をとりながらやっている状況でございます。 ◆木村彰男 委員  本人が勝手に社会福祉協議会に行ったのであれば確かに私もわかります。社会福祉協議会がいいなと思って、社会福祉協議会の方か、その周辺にいらっしゃるどなたかが導いていらっしゃると思うのですが、そこはいいのです。  それでは、今言ったように、市長申し立てで法人委託により社会福祉協議会につなげている例はないのですか、お聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  市長申し立てについては、全て札幌市で判断しております。法人に委託しているのは、調査や事務などが相当膨大な調査項目や事務作業になりますので、それについてお手伝いいただいているという認識でございます。 ◆木村彰男 委員  私もわかっていますが、申請行為というか、裁判所に持っていく資料はこんなに山ほどあるのですよ。そういう事務を社会福祉協議会がやっていらっしゃるのです。そこで法人が選任されますが、それで仕事が終わりではないのです。常にお金の出し入れをチェックして、日々の日用品や金銭出納張みたいなものを裁判所に全部出すような業務を社会福祉協議会ではやっていらっしゃるのです。そういう中で、市長申し立て関係のものを全部持っていったら、パンクしてしまうのではないかと言っているのです。しかも、資産の価値や、今売ったほうがいいのか、どうしたらいいのかという判断を社会福祉協議会がしているとは思えないと言っているのですよ。それについて、部長がサジェスチョンしたり、こうしろ、ああしろと社会福祉協議会に対してやっているのならいいですよ。やっていないのではないですかと申し上げているのです。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  先ほどの答弁の繰り返しになりますが、例えば平成25年度の実績で申しますと16件中3件でございまして、そのうち、市長申し立てについて言いますと、後見人の種類としましては弁護士、司法書士、社会福祉士で対応しているものと認識しております。 ◆木村彰男 委員  ですから、今言ったように、その3件については、社会福祉協議会ではなく、士業の人がやっているのでしょう。そういう理解でいいのですね。もう一回確認させてください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  後見人につきましては、あくまで家裁が選定することになっておりまして、その3件につきましても家裁が適切に後見人を選定しているということでございます。 ◆木村彰男 委員  ですから、士業の方がそこで出てきているわけです。そこで、今言ったように、士業の方にお願いしますと言って投げたら、それで終わりかという話なのです。今ここで言っているのは、居住用資産の問題がある方については、処分するかどうかや家庭裁判所に届けるかどうかは別ですが、空き家の状態に鑑みれば、そういうサジェスチョンをして、こういう方向で動いてもらいますということを言いますかということをお聞きしているのです。お聞かせください。 ○芦原進 委員長  質問の趣旨はわかりましたか。  もう一度、お願いします。 ◆木村彰男 委員  (続)今、士業の方を家庭裁判所で選任させますね。その士業の方がいろいろとやっていくわけです。そういう中で、今言ったように、居住用資産かどうかも把握していないという状況ですよね。居住用資産の場合については、ある方が施設に入ってしまい、出てこられないのではないかという判断があった場合、士業の方に対して、空き家にならないように、なるべく早く売却するようなサジェスチョンをしますかと聞いているのです。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  サジェスチョンすべきだと思います。  不動産処分につきましては、何度も言いますけれども、市長申し立てを含め、後見人の業務としまして、委員がおっしゃったように、例えば入院や施設入所で在宅復帰の見込みがなくなった等の理由で持ち家を処分する場合には家庭裁判所の許可を得て手続が行われます。それは選任と同じことで、家裁が判断し、家裁の許可によって行うということでございます。 ◆木村彰男 委員  しかし、今言っているように、何もしなければ家裁は判断しないわけです。そのままずっと放っておかれる例があるのですよ。入所されて、身寄りもいない、相続人もいないようなケースが出てきた場合、そういう方がふえるという前提で書いてあるわけですからね。社会福祉協議会では、その方について、成年後見に至る前の任意後見なんかを全部把握されているわけです。お家を持っている、持っていないなどの情報が全部入っているわけです。そこで選任が行われて、今言ったように、士業の方が選任された段階において、すぐに売却するような方向で動いてもらわないとだめだなと、そういうサジェスチョンをすると言っていまして、それはそれでいいわけです。  そういうことで、今後、成年後見について札幌市の役割や立ち位置ができるのではないかというふうに申し上げているのですが、いかがでございますか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  委員のおっしゃるとおりかと思っております。今後も引き続きさまざまな機関やさまざまな立場の方と連携しながらこの制度を適切に運用していきたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  先ほどちらっと言いましたように、僕は任意後見のものを持ってきているのですが、任意後見でもいいのです。成年後見まで至らなくても、判断能力がだんだんと衰えていらっしゃる方については、成年後見に絞り込まなくても、持ち家の売却も含めて、その前の任意後見の役割もあるわけです。その場合は判断能力があるということですから、売却もできるので、それはいいのですよ。ただ、今言ったように、成年後見の市長申し立ての申請がふえているという前提に立って、その立ち位置を確認させていただいたわけでありますので、それで結構でございます。  次に移ります。  特養の待機のことです。  このことが新聞に出ていまして、私もそれを見ましたけれども、入所方針があるのですね。当然あるに決まっているではないかと言われますが、札幌市特別養護老人ホーム入所指針と書いてあります。この指針を見てみますと、検討委員会がありまして、そこで選考が行われます。必要性によってランクがつけられて、AからEまでの5段階に分かれるそうです。評価の要素としては、要介護度といいますか、先ほど出ましたけれども、重いほうから順番にということなのでしょう。もう一つのポイントになるのは生活、経済等の状況です。そして、ランクがつけられた段階で、施設から入所申込者に対して、あなたのランクがAなのかBなのかとつけられます。そして、一番重篤であればすぐに入れるという例もあるのかもしれませんけれども、大多数は待たされると伺っているわけです。  そのときに、自分はその施設においてどのランクかがわかりますが、自分はこのぐらいだと思っていても、当然、入所の優先順位は時系列とともに変化していくと読めるわけです。それはどうしてかというと、自分より重篤な方が出てきた場合は、そちらの方が優先になるでしょうし、もちろん自分自身もだんだん悪くなることもあると思います。そういうふうにして考えていけば、優先順位を含めた順位は変動していくと考えられるので、臨機応変に対応をしていかなければいけません。  この点について、理事者のご見解をお聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  順位のことでございますが、まず、基本を申し上げますと、各施設は、入所指針に基づきまして、先ほど委員がおっしゃるとおり、入所申込者に対して入所検討委員会において決定した入所必要性ランクを通知しております。このランクに変更があった場合はお知らせしておりますけれども、順位については、日々の入退所や新たな申し込みによって恒常的に変動するため、通知する類いのものではないというふうに認識しております。 ◆木村彰男 委員  私がお聞きしたときは、去年の末の段階で待機者が6,745人になっています。これは、末で切った上で、施設ごとのものを類型化したのだと思うのです。ですから、今、部長がおっしゃっているように、日計表みたいなものをつけて少しずつ変わっているものを日々チェックして在庫管理しているような話ではないです。その意味においては、行政として、日々のカウントではなく、一定の時を経たときに何人が待機されているかということを把握することになるかと思います。  その段階において、その都度、ランクについては言います。しかし、待っている方にとってみれば、ランクを知ってもわからないわけです。その施設に重篤のAランクの方が何人いて、Bランクの方が何人いるか、それによって自分のランクがあって、何番目かということがわかるわけですが、聞くところによると2年半や3年という数字を持っていらっしゃるみたいですけれども、なかなか入れない状態があるのでしょう。それが待機という定義になってくるわけです。そういうふうになった場合、自分のところに、ランクが変わりましたという情報は来ますが、ランクが変わったと漠然と言われても、自分が前に行ったのか、後ろに行ったのか、わからないではないですか。それをどのようにして入所申込者にお伝えするのでしょうか、お聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  ランクについては、決定の都度、通知しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  ランクはわかりましたよ。しかし、その施設に100人が入れるのか、80人が入れるのかわかりませんが、自分がBランクだとしましょうか。Aランクの人がたくさんいたとすれば、自分は一番最後ではないですか。ところが、Bの人が自分1人しかいなく、次の人たちが全部Cだったら私が1番ではないですか。ランクを知らされても、次にいつ入れるかはわかりませんでしょう。それについて、どのように申込者にお伝えするのですかと聞いているのです。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  順位については、先ほど答弁いたしましたように、お伝えしていないところでございます。 ◆木村彰男 委員  今言われましたけれども、それではわからないということですね。  そうしたら、もう一つですが、保育所の関係で待機児童という言葉がありますね。それと似ているのですが、待機されている方の定義を聞くと、札幌市では札幌市の定義を持っています。ところが、別なところには別の定義がありまして、その定義に合わせたら、札幌市で待っていらっしゃる方は倍になるのではないかという話もあります。  そこで、定義についてどういうふうに捉えているか、お聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  定義についてでございます。  基本的には、特別養護老人ホームの入所申込者数を把握し、それを待機者としております。ただし、そこでは優先順位があります。AからEまでランクがありますが、AやBで、なおかつ、在宅にいらっしゃる方、また、介護士がいない方が特に緊急度の高い方だと認識しておりまして、その数で申しますと先ほど委員の言う6,500人に対して1,379人と把握しております。 ◆木村彰男 委員  そうすると、申し込みをされている方については、1,500人だとしたら1番から1,500番まであるけれども、六千何百番の方は実際に申し込みはしていなくて、空きがあれば入ろうと思っている方という意味ですか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  先ほど答弁しましたが、入所申込者を待機者としております。実際に入所を申し込んでいる中でいろいろな状況の方がいらっしゃいますよね。緊急度の高い方もいれば、中には将来の備えで申請されている方もいるかもしれません。それら全員を言うと6,500人です。 ◆木村彰男 委員  1,500というのは何の数を言っているのですか。 ○芦原進 委員長  もう一度、明確にお願いします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  もう一度しっかり答えさせていただきたいと思います。  全体の入所申込者数は約6,500人でございまして、そのうち、お体や家族などについていろいろな状況の方がおりまして、入所必要性の5段階のランクのうちAとBのランクの方が緊急度の高い方です。また、いろいろなところに申し込んでいる方もおりますし、既に特養に入っていて移りたいと言って申し込む方がいらっしゃいますので、在宅にいらっしゃる方、なおかつ、在宅において家族の要介護者がいないなど、何らかの事情がある方を緊急度の高い方と認識しており、それが1,379人ということでございます。 ◆木村彰男 委員  わかりました。現状では6,000名ぐらいの申込者がいて、その上で緊急度の高い方が今おっしゃった数だということですね。  別な観点で聞きますけれども、上田市長のマニフェストを見ていると、特養の整備数については、初期の狙っていたことが実現したと出ていると思うのですけれども、その認識でいいのかどうか。  そして、もしそういう認識に立ったとすれば、上田市長の総括という意味でそういう見解だとすれば、今、六千何百人も申込者がいる、緊急度の高い人が千何百人もいるという実態を考えると、上田市長が言っていらっしゃった目標は、初めから小さかったのか、それとも見通しを誤ったのか、これについてお聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  市長公約の中にも書かれておりますが、任期中の4年間で1,000名の定員増をするために特養整備を行うことにつきましては、入所の緊急度の高い方にできるだけ早期に入所していただくことを目的として設定した公約でございます。このような方々は、現在、おおむね1年以内に入所していただいていることから、目的はほぼ達成しているものと私どもは認識しているところでございます。  入所申込者への介護の必要性や生活状況などはさまざまでございますけれども、特養への入所申込者の全てを解消するのはなかなか困難でございまして、特に入所の必要のある緊急性の高い方が早期に入所可能になるよう、今後も引き続き施設整備を一層進めてまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  お聞きしていますと、そこには今後とも定員をふやしていくという方向性が見えます。その方向性をずっと引っ張っていくと、当然、介護保険料の見直しや値上げも出てくるかなと思います。前にお伺いしましたが、試算のやり方がいろいろあるのは見せていただきました。試算の条件については細かくは言いませんけれども、お伺いしたときは、65歳以上の高齢者1人当たりの介護保険料月額は9円の負担増ですから年間で108円の負担増になります。これは80人の定員にした場合の話でした。そういうふうにしていくと、当然、介護保険のお財布の問題も出てきて、待機しているからたくさんふやせばいいということにもならないと私は思います。  そこで、特養以外のグループホームなどの介護施設をいろいろと伺っておりますが、どうしても特養に行かなければならない人はもちろん別ですけれども、それ以外に併用するということも出てまいります。そういう中で、あなたの場合はこちらでもよろしいのではないでしょうかというようなあっせんについて、コーディネートするのはなかなか難しいのではないかとご担当の方に伺っているのですけれども、それについてはいかがでございますか。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  介護保険制度で提供されるサービスは、ケアマネジャーなど専門家の支援を受けながら利用者とサービス事業者の契約により提供されることを基本としているものでございまして、行政が介護サービスのここがいいとか、あっせんとか、そういうような立場ではないと理解しております。 ◆木村彰男 委員  そうなのですね。  ただ、私が伺っている限りにおいては、平成24年度から26年度まで整備すると言っていたものが、前倒しで整備されているものもあり、そうではないものもあります。どういうことかというと、例えばグループホームは、一時はやめようと言うと語弊があるかもしれませんが、そういうような構えがあったようにも伺っていました。  今後、特養の整備拡張が難しいということで、こういうことを言っていらっしゃる方がいました。老人福祉施設協議会の関係者ですが、寒冷地で積雪が多い札幌では全国的にも特養の需要が高いという認識だけれども、施設整備が難しいのであれば、在宅やグループホームなどで利用できる介護サービスを充実させるような方向も一つの手だてではないかと言っていらっしゃるので、最後に、これについてお聞かせください。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  今後とも、利用実態を踏まえて、施設サービスや居宅サービスのバランスを勘案しながら必要なサービス基盤を整備していきたいというふうに思っているところでございます。 ○芦原進 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計決算等の質疑を終了いたします。  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時17分       再 開 午後1時15分     ―――――――――――――― ○芦原進 委員長  委員会を再開いたします。  次に、国民健康保険会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について、一括質疑を行います。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、ジェネリック医薬品の使用促進の取り組みについてお尋ねいたします。  平成25年度の札幌市国民健康保険の総医療費の額は、合計で1,642億4,100万円となっておりまして、近年は増加傾向が続いております。また、1人当たりの医療費は、政令指定都市で第4位の35万6,000円と上位に位置しております。このような状況において、札幌市では、医療費適正化に向けて、レセプト点検の充実、特定健診・特定保健指導の実施率向上、医療費通知などを実施しているとのことであり、取り組みについては一定程度の評価をしております。もちろん、市民が健康に生活するためには必要な医療を受けることが前提ではありますが、札幌市の国民健康保険の健全運営のためには、医療費適正化の取り組みをさらに充実させていくことが必要と考えます。  国保が負担しました医療費1,358億9,300万円のうち、調剤費は203億6,100万円となっております。この調剤費の適正化にジェネリック医薬品の使用が資するものと考えております。ジェネリック医薬品の使用促進については、国においても、平成19年度に後発医薬品の安心使用促進アクションプログラムを策定して普及拡大を行ってきました。このアクションプログラムでは、全国における達成目標として、平成24年度までに全医薬品に占めるジェネリック医薬品の数量シェアを30%以上にすることとしてきたところでありますが、目標は達成されておりませんでした。
     これらの状況も踏まえまして、国においてはさらなる使用を促進するために、平成25年4月に、行政、医療関係者、医薬品業界など国全体で普及に取り組むため、後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップを策定いたしまして、安定供給や品質に対する信頼性の確保など、さまざまな課題解決の方策が検討されたところであります。このロードマップでは、従来の指標にかえて、ジェネリック医薬品にかえることができない医薬品を除いた上で、ジェネリック医薬品の数量シェアを新指標として定め、このシェアを平成29年度末までに60%にすることを目標としております。  そこで、質問でありますが、札幌市国保における過去3年間のジェネリック医薬品の使用割合の推移と現在の使用割合についてお尋ねいたします。 ◎岩井 保険医療部長  札幌市国保におけますジェネリック医薬品の過去3年間の使用割合の推移、それから、現在の使用割合についてのお尋ねかと思います。  旧指標、つまり全医薬品に占めるジェネリック医薬品の使用割合を各年度の5月で比較してみますと、平成23年度は26.7%、平成24年度が28.6%、平成25年度が29.9%、そして、本年5月までが現在の使用割合でございますけれども、35.1%となっておりまして、3年間で8.4ポイント増加したこととなります。  なお、平成25年度からの新指標によりまして算出した使用割合は、平成25年5月は45.7%、本年5月現在では52.8%となっているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  使用割合は、3年間で8.4ポイントふえたということであります。  しかしながら、新指標でも使用割合が52.8%となっておりまして、必ずしもジェネリック医薬品の理解が進み、使用が定着している状態とは言えません。札幌市は、保険者として使用割合を向上させる取り組みをさらに積極的に進めることが必要と考えます。  そこで、質問でありますが、札幌市国保において、ジェネリック医薬品の使用割合向上のためにどのような取り組みを行っているのか、お尋ねいたします。 ◎岩井 保険医療部長  ジェネリック医薬品の使用割合を向上させるための取り組みについてお答えいたします。  平成25年3月に、初めて、平成24年12月診療分のレセプトにつきまして、ジェネリック医薬品に切りかえることで自己負担額が1,000円以上軽減されることが見込まれる被保険者の方約5,600人に対して差額の通知を送付したところでございます。平成25年度につきましては、自己負担額が300円以上軽減されると見込まれる被保険者のうち、差額通知を送付したことのない方を対象といたしまして、6月診療分で約1万100人及び12月診療分について約7,100人に対し、それぞれ平成25年10月と26年3月に差額通知を送付いたしました。また、それ以外に被保険者が医療機関等でジェネリック医薬品を希望する場合に提示する希望カードを全世帯に配付しておりますほか、先ほどの差額通知書に普及啓発用のパンフレットを同封する、さらに、特定健診の受診券の裏面にジェネリック医薬品に関するお知らせを掲載するなど、積極的に取り組んでいるところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  差額通知を実施している、また、希望カードを配付している、さらには、普及啓発用のパンフレットを同封しているということでありますが、今後も積極的に取り組んでいただきたいと思います。これらの取り組みのうち、ジェネリック医薬品の差額通知につきましては、通知を受け取った患者本人がご自身の調剤費がどのくらい軽減されるかを実感できるため、先発医薬品からの切りかえを検討するきっかけとなる大変有効な手段だと思います。  そこで、最後の質問でありますけれども、差額通知を送付した患者がジェネリック医薬品に切りかえたことによる効果額はいかほどか、お尋ねいたします。 ◎岩井 保険医療部長  差額通知を送付した患者が切りかえたことによる効果額についてお答えいたします。  差額通知を送付した対象者につきまして、送付した後の調剤データをもとにジェネリック医薬品へ切りかえた効果額について分析を行ったところでございます。平成25年3月に送付した対象者につきましては、平成25年4月診療分のレセプトで調査いたしました結果、約5,600人のうち、1,700人がジェネリック医薬品に切りかえ、総医療費ベースで申し上げますと、その1カ月で約395万円、また、平成25年10月に送付した対象者の方につきましても、同様に、平成25年12月診療分のレセプトを用いて調査した結果、約7,100人のうち、約2,800人に切りかえていただきまして、1カ月でおよそ550万円の効果があったと試算しております。 ◆福田浩太郎 委員  差額通知の実施効果が出ている状況は理解いたしました。ただ、常に効率を高めながら進めていただきたいと思います。  そこで、提案ですが、今後は、患者にとっても自己負担が大きく軽減されることが実感でき、そして、保険者にとってもより負担減となるような通知の方法について検討していく必要があると思います。例えば、年齢や疾病による分析を行い、差額通知による切りかえの進みやすさなどがわかれば、どのような患者を対象にアプローチすれば効果的であるかがわかるのではないかと思います。今後も分析をしっかりと行って対策を講じていただきたいということを要望して、質問を終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、代表質問に引き続きまして、国民健康保険の問題について伺います。  本市の国民健康保険料の滞納世帯は、ことしの8月末時点で4万8,778世帯、滞納処分件数が299世帯、国民健康保険料を払えずに1年間滞納すると病院の窓口で10割全額を払わなければならない資格証明書が発行されている世帯が9,231世帯にもなっています。  昨年4月、南区の60代男性は、ぐあいが悪くて働けず、仕事ができないために家族が働いて家計を支えますが、収入は低く、ぎりぎりの生活で、国保料も払えずに長期未納で資格証明書になっていました。昨年3月に、頭が重い、食欲不振、体重減少で病院へ行くと、がんの多発転移で、残念ながら19日後に死亡しました。がんの発見が早く、治療を受けていたら、多発転移しないで死亡することもなかったかもしれません。保険証がないから、ぐあいが悪くなっても我慢に我慢を重ねて、病院に行ったときには手おくれで命を落としてしまうという痛ましい事例が起こっております。  無保険状態の市民がいることも問題です。仕事をしている間は会社の保険に加入していた人が、会社の倒産や失業などで派遣やパートなどの不安定な雇用で働き始めると、収入が低いですから保険料が払えないと諦めてしまい、国民健康保険に切りかえないまま無保険状態になっている世帯がいるという実態があります。  国民健康保険料が払えずに、命にかかわる問題が起こっていること、無保険状態になっている市民がいることについて、本市は掌握しておられますか、伺います。 ◎岩井 保険医療部長  無保険状態ということについてのお話でございます。  無保険状態といいますと、例えば、国保以外の保険から国保に切りかえる際に手続をとられないで無保険状態になっている方もいらっしゃいますけれども、今のお話につきましては、保険料を支払うことが困難な世帯がいらっしゃるというようなお話かと思います。私どもといたしましては、国民健康保険は、国民皆保険制度の中で重要な役割を担う制度でございまして、加入者が保険料を分かち合うことにより安心して医療が受けられる仕組みだと思っております。今のお話のように、保険料の納付が困難となる方々につきましては、生活状況を確認しながら納付相談に応じるなど、十分に相談者に寄り添いながら、きめ細やかな対応を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  無保険状態についてはわかったのですが、最初に紹介した事例の手おくれ死について掌握されていますかという質問についてはいかがですか。 ◎岩井 保険医療部長  お答え申し上げます。  ただいまご質問のあった事例につきまして、今、私どもで具体的にどちらでどの方がということの把握、確認はしておりません。 ◆伊藤理智子 委員  今、具体的な事例を紹介して、国民健康保険料が払えないために手おくれ死という実態が札幌市で起こっていますけれども、個別の事例を知っているかどうかではなく、手おくれ死が起こっていることを知っていますか、掌握していますかということを聞いております。 ◎岩井 保険医療部長  お答え申し上げます。  ただいまのお話は、資格証明書による受診抑制、あるいは、そういった実態を把握しているのかというお尋ねかと思います。  資格証明書を交付している世帯の方から受診の必要が生じたという申し出があり、生活状況などから医療費の一時払いが困難であると判断したときは、速やかに医療機関へ受診できるよう保険証を交付する柔軟な対応を行うよう、区にもお願いしているところでございます。また、納付相談につきましては、医療機関への受診を優先させ、同日または後日に行うような対応をとっておりまして、今お話がありましたような事例が発生しているか否かということについて、私どもとして発生していると認識していますとお答えするのはいかがかなと思っております。 ◆伊藤理智子 委員  いかがかなということですが、そういう実態があるのかどうかを聞いているのだから、単純に答えていただけませんか。 ◎岩井 保険医療部長  失礼いたしました。  先ほど申し上げたような対応をしておりますことから、例えば、資格証明書の交付によりまして医療機関への受診抑制がされ、そのような結果になっているというふうには考えておりません。 ◆伊藤理智子 委員  今、私が紹介したのはわずかな事例だと思うのです。先ほども言いましたが、本市では滞納世帯が4万8,778世帯にもなっていますから、手おくれ死が起こっていなくても、実際にはぐあいが悪くても病院にかかれないで我慢していらっしゃる市民がたくさんいると思います。私のところにも払えなくて困っているのだという相談があります。部長はいろいろ言いましたけれども、実際に手おくれ死も起こっております。今、私が紹介した具体的な事例は昨年のことですから、起こっているのですよ。手おくれ死が起こっているのだという実態を重く受けとめて、早期発見・早期治療で市民の命と健康を守る対策を進めていくのが本市の果たすべき役割ではないかと私は思っています。こういう大変なことが起こっておりますから、そのことを認識した対応をきちんととってほしいと思いますので、そこは強く指摘したいと思います。  それから、納付相談のことでも、今お話がありましたが、窓口の対応については、今回の代表質問でもやりとりをさせていただきまして今のような答弁をされたと思います。しかし、実際の窓口での対応は、相談するつもりで窓口に行っても、生活状況を話そうとしたら、聞く耳を持たずに払え、払えの一点張りだった、窓口にはもう相談に行きたくない、こういう声も寄せられているのです。  国保の窓口対応については、滞納全額を払えという方針、あるいは、滞納を減らさないような分納は認めない、分納ができることになっているけれども、その前の年の滞納があったら、それを一括して払わなかったら分納させないという対応があるという相談が寄せられております。そういうふうに認めないという方針をとっているのか、伺いたいと思います。 ◎岩井 保険医療部長  ただいまお尋ねがございました納付者からご相談があった場合についてでございます。  ご相談がありましたら、生活状況を十分にお伺いして、収入や資産などを確認した上で各区で判断することとなっております。今お話がございましたような対応をとるかどうかにつきましても、窓口で十分にお話をお伺いしてということになろうかと思いますが、例えば、資力の回復が見込まれないような場合につきましては滞納処分の停止もございますし、1年程度で資力が回復する見込みであれば、徴収猶予をするなど納付困難な場合の対応があるところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  滞納を全額払えという方針、あるいは、滞納を減らさないような分納は認めないという方針を各窓口に徹底しているのかどうかということをお聞きしたのです。もう一度、答弁してください。 ◎岩井 保険医療部長  お答え申し上げます。  あらかじめ分納を認めないということではなく、収入や資産などを確認した上で適切に判断するようになっております。 ◆伊藤理智子 委員  実際の窓口の対応では、収入が少なく、当年度も払えない人に対して、滞納額が減らないなら、滞納している分を一括で払わないなら分納に応じないということもあるのです。こういう対応を改善していかない限り、相談者に寄り添いながらきめ細やかな対応をしているというふうには言えないと思います。  直ちに改善するべきだと考えますがいかがか、伺います。 ◎岩井 保険医療部長  納付相談などがあった場合の個別の対応につきましては、それぞれのケースごとに異なるかと思いますけれども、今、委員からお話のありましたような相談者に寄り添いながらきめ細やかな対応を行うために、これまでも会議や研修などの場を通じて各区に周知しておりまして、各区でも適切に対応しているというふうに考えております。ただ、今、委員からご指摘もございましたので、今後も引き続き周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  ぜひ、周知徹底して、こういう相談が私たちのところに寄せられないように、窓口できちんとした親切、丁寧な対応をされて、生活再建をしながらきちんと保険料を払っていけるような指導をしっかりと行っていただきたいと思います。  代表質問では、国民健康保険料を引き下げるための財源の問題の根拠についてお話ししたけれども、一般会計に与える影響については、予算計上した上で考えていることで、その不用額を示すということは予算どおり使われていなくて戻すことだと指摘いたしましたし、必要だから提案した予算が議会で通っていることも伝えたと思います。そして、手おくれ死や滞納されていてぐあいが悪くても病院にかかれない人が札幌市民の中にいるのだという実態については、今、私がお話ししましたし、対応についても今後考えていくということで、そういう実態があることは認識されたと思うのです。  そういう中で、国民健康保険に加入している市民が高過ぎて払えないという切実な声を上げている、命にかかわるような問題も起こっている、せめて、保険料軽減対策分を活用して命も守れないような国民健康保険料は引き下げるべきだというふうに思いますがいかがか、伺います。 ◎岩井 保険医療部長  保険料の引き下げについて、繰入金の不用額等の活用というお尋ねかと思います。  先般、代表質問で副市長からご答弁申し上げましたとおり、本来、保険料は医療費に連動して決まる仕組みとなっておりますけれども、札幌市では、1世帯当たりの保険料を据え置く観点から、これまで一般会計から繰り入れを行ってきているところでございます。さらに、保険料を引き下げることにつきましては、国民健康保険に加入している市民の方と加入していない市民の方における負担の公平性などに鑑みますと、極めて難しいものと考えております。  なお、一般会計の繰入金の不用額については、医療保険会計という性格上、歳出予算が不足して加入者の医療費を支払うことができないといった事態にならないように十分な見積もりをしているところでございます。一方、国庫支出金や道支出金などの歳入につきましては不確定な要素もございますので、手がたく見積もっており、その結果として一般会計繰入金の予算額と決算額に開きが生じているものでございます。 ◆伊藤理智子 委員  平均保険料を引き上げないように努力していることは私たちも十分にわかっておりますし、頑張っているのだということもよくわかります。今、事務手続上の問題についても答弁されましたけれども、今、私が単純に言っているのは、高過ぎて保険料が払えないために、ぐあいが悪いのに病院にかかれないで命を落としている方がいらっしゃるのです。払えなくて、本当にぐあいが悪いのに通院すらできない市民がいる実態があることを指摘させていただいているのです。  しかし、事務上の問題などがいろいろあって、保険料を下げるためにお金を使えないという答弁だと思いますけれども、そうではなく、札幌市民の命と健康を守るのだという立場に立つべきだと。そして、私たちは、赤字の財源を無理やり繰り入れてやりなさいと言っているわけではありません。代表質問でも言いましたけれども、今まで保険料軽減対策分として使ってきて、多いときには134億円を繰り入れているときもありましたね。この5年で黒字になってからの繰入金の不用額は平均で42億円ぐらいです。それを1世帯当たりの国民健康保険料の引き下げに活用したら1万4,000円ぐらい引き下げることができると、具体的に財源も示しながら引き下げなさいと言っています。無理を言っているのではなく、市民の命にかかわるような事態が起こっているから引き下げるべきだと言っているのです。それがなかなか聞き入れてもらえなく、命と健康を守る気持ちがあるのかなというふうに思います。  これについては何回質問しても同じ答弁だと思いますが、先ほど、国民健康保険に加入していない市民との負担の公平性について答弁がありました。これを保険料を引き下げない根拠としておりますが、国保料を引き下げるなとか、不公平だという市民の声が実際にあるのですか。私のところには国保料が高いから下げてほしいという声しか来ていませんが、下げるのは不公平という声があるのかどうか、伺いたいと思います。 ◎岩井 保険医療部長  国保に加入していない方々との公平性といった観点で市民からの声はいかがかといったご質問かと思います。  私ども市役所の本庁や区役所に市民から公平性を欠いているという声が直接来ているかにつきましては確認しておりませんけれども、幾つかの被用者の保険連合会からは、自分の保険料以外に国民健康保険の加入者の保険料の一部まで負担することになるとの不満の声、あるいは、国民健康保険には一般会計からの繰り入れという方法があること自体が問題ではないかといった疑問の声が上げられているところでございます。さらには、国民健康保険も保険制度である以上、あくまで保険料でどう賄うかが最優先であるべきといった指摘もされております。 ◆伊藤理智子 委員  そういう方々に対しても、高過ぎて払えなくて、手おくれ死が起きているのだ、そういう中で札幌市としては市民の命と健康を守る立場でやっていますというふうに説明すれば理解していただけるのではないでしょうか。将来的には国民健康保険に加入する市民がほとんどであることから、いずれは自分も国民健康保険になる人たちですから、高過ぎる国民健康保険料を引き下げることに不公平だというふうに思う人はいないと思いますよ。実際に、そういう声は寄せられていないということですよね。将来、自分も国民健康保険に加入すると思えば自分自身の問題です。負担の公平性という理由は、保険料の引き下げをしない市の言いわけでしかないように思われます。  今、私たちは、高過ぎる国民健康保険料を引き下げてほしいということで、いろいろな市民や民主団体の方と署名活動にも取り組んでいます。1時間に100筆を超える署名も集まるぐらい保険料が高いと思っている実態があることをしっかりと受けとめていただいて、国保料の引き下げを真剣に検討していただきたい、このことを強く求めて、私の質問を終わらせていただきます。 ◆松浦忠 委員  私は、国民健康保険会計の中で、国民健康保険料を払うことができない人をどういう形で軽減していったらいいのか、こういう観点から質問いたします。  国民健康保険法の第110条では、納入金額が決定され、通知を受けてから2年間たっても払わなければ時効消滅させることができることが記されております。しかし、公平性を保つ上で、2年以内にできるだけ納入してもらうという納入の取り組みをやっております。  私は、1985年前後、1期目のときに、市税全般にわたる滞納対策を強化すべきだということで当時の板垣市長に問いただし、滞納対策室などを特別に設けて対処すべきだということを求めまして、市では、即、滞納対策室をつくり、滞納対策に当たったという経過があります。そのときに私が市民から受けた意見の中に、おまえは困った者から身ぐるみを剥がしてでも取り立てることを市長に求めてやっているのか、悪いやつだ、よろしくないやつだという批判を受けました。しかし、私は、法のもとに公平という原則で、当時はそういうことを提起しました。  それでは、法のもとに公平でということですが、法は本当に実態に合って公平なのかと、そういう批判を受けてから考えてみました。そうすると、法は必ずしもその時々に適切に合うようにつくられているものではなく、相当ずれて、いよいよこの法の基準のもとではこれ以上やることが難しくなったという段階で行政側は法を改正します。そして、立法側の機関の代表の人たちは、そういうことを適切に点検しているかというと、どうもそういう節がないということが実態だと私は思うのですね。  そういう観点から、今回、いろいろ資料を提出していただきました。平成25年度で言いますと、滞納世帯数が全体で4万5,916世帯ある中で、7割軽減対象世帯を見ると、つまり、収入で言うと一般の給与所得者は年間168万円以下、年金収入では98万円以下の方は一般会計から繰り入れる税金で7割を軽減されておりますが、7割を軽減されている13万5,558世帯のうちでの滞納世帯数は1万2,643世帯でありまして、全体の滞納世帯数の27.5%と4分の1を上回っています。  このように滞納世帯数の中で27.5%を占める7割軽減対象世帯の人たちの掛金は幾らなのか、平均でいいので示していただきたいと思います。 ◎岩井 保険医療部長  7割軽減後の保険料についてのお尋ねかと思います。  平成25年度で申し上げますと、単身世帯の方について、介護分をなしとした場合、1万9,170円、単身ではなく、2人世帯で同じく介護分なしとした場合は2万5,680円になります。 ◆松浦忠 委員  滞納を処理するために、臨時職員を頼んだり、あるいは、職員がその任に当たったり、お金も人手もかなりかかっています。そして、27.5%を占める人たちの保険料の納付額は、1人世帯でも2人世帯でも2万円前後という言い方になると思いますが、こういう対象のところを半額にすると。世帯数は1万2,000世帯ですから、1万円を掛けても大したお金ではなく、1億2,000〜3,000万円ですね。そういうふうにすることによって、滞納世帯がどの程度減るのか。あるいは、これよりもっと所得の少ない人もいますからね。  私がなぜこういうことを言うかといったら、税の根本は応能負担なのです。1,000万円の所得のある人と100万円の所得のある人とでは、負担はパーセンテージではいかないわけです。生活するための電気代や水道代、下水道料金などは収入によって負担額が変わる仕組みになっていなくて、みんな均一なのです。しかし、応能負担が公平の一番大事なところであり、所得の低い人でも絶対的に生活費で必要なものがあるわけです。そういうことからいったら、1万2,000万円ですから、1億2,000万円から1億5,000万円ぐらいのお金を13万5,558世帯のところに入れれば滞納数はもっと減っていくと思うのです。あるいは、どういう収入階層の人が滞納しているか、滞納の実態に合わせて、収入の少ないほうから一定の財源の中でいろいろ手厚くしていくことを考えていけば滞納は減っていくのではないですか。私は、そうすることが応能負担の原則だと思うのです。  例えば、財産を持っている人だと、こういう話も出ます。市街化調整区域の中にそこしか土地を求められない、そこにしか自分の家を建てることができない人が、都市計画法違反を承知の上でやむなく建てたとします。年老いて、さて、財産処分をして、こういった公共的な料金に充てたいといっても、調整区域に建っている違反建築物、あるいは、土地を買っても家が建てられないと決まっている場所では、売るといっても売れません。そういう人たちもいるわけです。応能負担というのは、そういう条件も全部含めて、なぜ滞納が続いているのかということをきちんと点検して、それぞれに見合った最大公約数のところで線を引いて対応することが大事なことだと私は思うのです。  そういうことについて、今まで検討されたかどうか、そして、検討されたとしたら、それがなぜできなかったのか、その点についてお尋ねします。 ◎岩井 保険医療部長  滞納世帯が生じている現状に鑑みて、応能負担の考え方について分析のようなものをしたことがあるのかというお尋ねかと思います。  保険料につきましては、平等割、均等割、所得割いとう形で、所得割の部分が一般的な応能割になろうかと思います。これまでも、保険料のあり方については、被保険者の方の構成や所得全体の様相に合わせて見直しなどもやってきたところでございます。しかし、応能負担そのものも大事でございますが、保険という性格上、全加入者が保険料を支え合うことで成り立っている制度でございますので、応益の考え方も重要かと思っています。  そういう意味では、7割軽減の方に限定した分析は行っておりません。 ○芦原進 委員長  なぜできなかったという答弁が抜けております。  今は、検討したか否かでしたね。もし検討しなかった場合はなぜできなかったかという答弁が求められたかと思います。それについては、ご答弁をされていないような気がします。 ◎岩井 保険医療部長  (続)失礼申し上げました。  全体的な保険料のあり方の見直しの中での検討は行っております。しかし、ここで言う7割軽減の対象となっている世帯についての分析は行っておりません。これは、なぜできなかったというよりは、7割軽減世帯のほかにも5割軽減世帯や2割軽減世帯もありまして、被保険者全体を見た分析、検討が必要だということで、やっていないということでございます。 ◆松浦忠 委員  それでは、もう一つ、それに関連してわかりやすく質問します。  2年納められなくて時効消滅した方で、その後に加入してずっと払い続けている人、また、払えなくなった後もずっと加入していない人を把握していますか。 ◎岩井 保険医療部長  2年間滞納された後に、その方がまた払うようになっているのかということについての検討、調査、あるいはその資料は持ち合わせておりません。 ◆松浦忠 委員  結局、今の質問で明らかになったことは、皆さん方は、国民健康保険に加入する市民がどこまでなら負担できるのだという生活実態を押さえていないですよ。調べていないのですよ。一般論で、他都市がこうやっているからという他都市との比較論だけに終始してきているから、国民健康保険料の納入が可能な限り100%に近づかないし、本当の意味での応能負担になっていないし、社会福祉的な意味合いの施策が講じられていないということに行き着くのです。  したがって、先ほど言いましたし、1万2,643人に1万円を掛けてみたら1億2,000万円となりますね。ですから、1億5,000万円か2億円かのお金で低いところにどうやれば払えるかという分析をして、家計調査などもして、本当の意味での応能負担とする。家や土地がなければ、貯金がなければ、生活保護基準よりも低かったら、申請すれば生活保護は受けられるのです。そうすると、医療費は100%税金でちゃんと見てくれます。  わかりやすい話をしますけれども、たまたま若いときに自分たちの家族の働きで何とか家を持ちたいという希望をかなえた、それが市街化調整区域だった、違法建築物だったと。今、2人あるいは1人になって、それを売るといっても、土地は買ってくれない、もちろん家の価値もない。しかし、その持ち物はその方の財産としてずっと残っていくわけです。土地だって宅地ですから、固定資産税が何ぼかは課税されます。  そういう法の矛盾、法のすき間にあっても、現実には生活しているのです。そうすると、一番の大前提でやらなければならないのは何かといったら、憲法に帰するわけです。そして、社会保障という相互の助け合いに帰するわけです。そのことを皆さん方がきちんと認識して、その上で分析して、それではこれだけのお金でと。私はゼロにしろとは言いませんよ。1年間で1,000円でも500円でもいいのです。何ぼかの財産がある人にはやっぱり負担してもらう。しかし、可能な限り、財産も持ちながらその家で住んでいけるような施策を講じてあげる。これが市街化区域の中なら、あるいは、それを担保にしてお金を借りて、自分が亡くなったときに清算してという方法だってあるでしょう。しかし、そういう方法をとるにとれない方もいるわけです。  応能負担というのはそういう意味合いですから、私はそれをきちんとやるべきだと思うのです。しかし、今までずっとそれをしていない。そして、他都市との均衡だとか、先ほどもいろいろな人がいろいろなことを言うと。それは、何ぼ所得があったって、みんなはそう言いますよ。何で生活保護にそんなに医療費をかけるのだ、何で保護費をそんなに出すのだという意見もありますね。人にはみんな意見があるのです。しかし、その意見を何で裁定するかという物差しは、憲法であり、法律なのですよ。そこを皆さんにもちゃんと考えていただきたい。  国だって、ちゃんと考えているのですよ。国から来るお金も、国民健康保険料の納入率によってこれだけたくさん納めたらこれだけ余計にあげると、ちゃんと鼻先にニンジンをぶら下げるわけです。そういうことに応えるためにも、今言ったわずか1億円か2億円のお金があればかなりの部分が解消できていくと思うのです。  そういうことを実施していくのが市町村において事業をする市町村長なのです。首長が実際にそこにいて、自分の受け持ち範囲の中の人たちの暮らしを見ていき、それによって裁量していく。これが国、都道府県、市町村という3層構造のいいところなのですよ。しかし、それをやっていない。私は、それはやるべきだと思います。  まず、部長、今までやっていなかったのはあなたの責任だなんて言いません。局長が座っていますが、局長が以前にそういう仕事をしていたかどうかなんていうことも言いませんよ。今までのことは問いませんが、きょう以降、早速、これからそういうことにかかって、来年の保険料の算定に反映させるようにしてほしいと思うけれども、部長、どうですか。 ◎岩井 保険医療部長  保険料のあり方を見直して、とりわけ7割軽減世帯のような方々において滞納が出ないような新たな保険料の設定等を検討すべきではないのかというお尋ねかと思います。  先ほど委員のご質問の中にもありましたように、平成25年度におきまして、7割軽減世帯と呼ばれる方々のうち、滞納されている世帯の数は1万2,643世帯と把握しております。こちらは、7割軽減世帯そのものが13万5,558世帯ございますので、割合といたしますと9.3%になります。したがいまして、7割軽減世帯と一口に申しても、軽減された後ですが、9割近くの方は保険料を支払っていただいていることになろうかと思います。私どもといたしましては、そういった中でも、それぞれのご事情によって保険料の納付が困難だというご相談に対しては、その内容を十分にお伺いし、また、委員のお話にありましたが、場合によっては財産調査も実施しながら滞納世帯が減っていくように努力もしているところでございます。  ですから、今の時点で、7割軽減世帯の保険料を来年度からさらに軽減するような保険料の算定を見直すことについては考えていないところでございます。 ◆松浦忠 委員  これは、あなたのほうから出してくれた資料ですよ。国保加入全世帯の滞納世帯数が平成25年度は4万5,916世帯ありまして、そのうち7割軽減が1万2,643世帯です。国から来るお金の関係で、パーセンテージの段階を区切っていますが、1万2,643世帯は4万5,916世帯からいったら27.5%あるわけです。その中で、皆さん方がどこか忘れているなと思うのは、例えば33万円以下の所得の方もいらっしゃいますが、今の世の中で、いろいろなことを節約したとしても、例えば電気をろうそくにするわけにもいきません。北海道電力だって、電気料金を払わなくても、最低限の明かりをとれることだけは措置するわけです。今はろうそくという時代ではないですね。水道にしても、井戸を掘っても地下水が汚染されていて札幌市内全域が必ずしも安全だということではありません。あるいは、キツネが徘回してエキノコックスの危険もあります。そういうことからすると、やっぱり水道水を飲まなければいけない。水道の水を飲んで下水道が入っているところだったらその料金もかかります。そうすると、いろいろと払っている中で、世帯の収入が60万円しかないとします。それでも保険料は払っていますよという世帯を抽出して、どういう生活実態にあるかを調べて、これが本当に人としての最低限の生活なのだろうかということを判断して、その上で保険料をどうしていくかと決めることが大事なのです。しかし、恐らく、皆さんは、それをしないで、財産などを一生懸命調べて、あれば差し押さえながら徴収に当たっていると思うのです。  私は、そういうことをちゃんとして、幾ら使って、一番低い所得のところをどの辺に置くかと、そういうことを決めることが滞納の実数を減らしていくことにつながると思います。資料を求めても、皆さんはそういう資料はとっていないから出てこないので、私の考え方の中からこういう質問をしているのですよ。こういうことは、個人情報保護法の関係もあって私たち議員ができる範疇のことではありません。行政職にある皆さん方がやることなのです。皆さん方が、憲法や法律の精神に基づいて本当の意味での応能負担について考えなければだめです。これは、来年度からぜひやるべきだと思います。  副市長、これは大事なことですから、あなたにお尋ねします。憲法に基づく社会保障という制度の中で、人が最低限の生活を営むところをどこに考えるかという根源的な問題です。札幌市役所として、国民健康保険料の問題でこういうことが放置されてきたのは、私は大変問題があると思いますし、残念なことだと思っております。それに2億円使うのか、1億円使うのか、5,000万円使うのかは別にして、来年度から、これはもう無理だという階層について、ゼロにしろとは言わないけれども、500円にするか1,000円にするか、そういう措置を講じて実態にきちんと対応することが必要だと思います。  この点について、私はぜひやっていただきたいと思いますけれども、どうですか。私は第二部決算特別委員会の委員を長くやっていますが、この中でこういう議論をした人は一人もいません。私は、いつかしなければいけないと思ったけれども、今だよと、それで、今、したのです。 ◎井上 副市長  段々のご指摘をいただいております。  憲法に基づく社会的保障というお話もございましたが、私どもは公務員でありますから、それについては意を用いて仕事をしているわけであります。一方、国保については、国の法律に基づく制度でもございます。先ほど応能負担の原則のお話もいただきましたが、国民健康保険制度は、基本的には保険制度でありまして、当然、応能負担の部分もありますけれども、そうでない部分も入っております。  いずれにいたしましても、札幌市の国民健康保険の制度につきましては、現実として、生活実態等も踏まえた上で、また国の制度であること、そして法律に基づく制度であること、さらに他都市の状況等も踏まえた上で決定していくものだと考えております。ただ、水準の問題については、今後も検討していくことになろうかなと思っております。 ◆松浦忠 委員  今、副市長からそういう答弁があったから、改めて原局の部長にお聞きします。  国民健康保険料の賦課の決定権ですが、賦課基準は国から示されているのですか、それとも札幌市長が独自に考えてやることになっているのですか、どちらですか。 ◎岩井 保険医療部長  国民健康保険の保険料の決定等の仕組みについてのお尋ねかと思います。
     国民健康保険料の制度の大枠につきましては、政令で決まっております。また、条例に基づきまして、札幌市長が毎年の所得割について決定し、告示する仕組みになっております。 ◆松浦忠 委員  もう一つ、お尋ねします。  平成25年度は、保険料軽減の目的で一般会計から86億円が繰り入れられていますね。繰出金を見ると、229億円余が国民健康保険会計に繰り入れられております。実際の保険料軽減策以外の繰入金は、主たるものとして何に使われているのですか。 ◎岩井 保険医療部長  一般会計からの繰入金の関係についてのお尋ねかと思います。  今お尋ねのありましたうち、86億円は保険料軽減対策に充てられている分でございますが、それ以外は、例えば私どもの事務費や国の制度の中でこの部分については保険料に充てるために一般会計から繰り出しなさいと決まっているものがありまして、そういったもろもろが220億円に対して86億円との差として占めております。 ◆松浦忠 委員  これを見ると、職員費なども一般会計からの繰入金でやっておりますから、全体の運営に税金が充てられているわけです。私個人で言えば、議員としての歳費のほかに若干の年金をもらっています。それらの人の保険にかかわる運営費も繰入金という税金の中で事務的なことが賄われています。したがって、国民健康保険会計は、所得の多い人も少ない人もひとしく税金で軽減されている部分があるわけです。  ですから、誰が賦課金の決定をするかと確認の意味で改めて質問しましたが、これは市長の決定です。そうすると、市長がこういうような滞納の実態をきちんと分析して、本当に滞納対策をやるといったら、滞納が発生してから取り立てに歩くのではなく、発生したら、それをきちんと分析して、この部分はこういうような対応策を講じたら滞納が減っていくと、これが本当の滞納対策なのです。滞納対策であり、応分の賦課なのです。私はこのことをやるべきだと言っているのです。  皆さん方からもらった資料によると、平成12年で、保険料の負担として平均15万1,543円です。この水準を維持するために、保険料軽減としてそれに見合う分だけ繰入金を入れていくのだと。15万1,543円というのは、皆さんは何を基準にして決めたのですか。例えば、厚生年金がありますが、厚生年金に加入している人たちの医療保険と比べて、同じような所得の人、例えば松浦 忠の年間の収入と厚生年金に入っている同じ収入の人とで、本人負担と税金の負担がどうなっているかを比べてみたことがありますか。 ◎岩井 保険医療部長  国民健康保険に加入されている方の保険料の負担が、ほかのサラリーマンの方が入っておられるような被用者保険の保険料と比べてどうか、それを分析なり比較したことがあるかというお尋ねかと思います。  札幌市内の個々の事業所や組合に対しての比較ではございませんが、全国的な調査といたしまして、国で被用者保険の保険料なり私ども国保の保険料が所得に対してどのような割合かについては例年で調査したものがありまして、それが公表されていると承知しております。 ◆松浦忠 委員  では、その公表の中で、札幌市の高額の方、私で言えば介護保険料とで81万円を納入していますが、そういう具体の比較もしながら、高額の人からそれは不平等だと来たときに、こういう比較をしたらこうなのですよというわかりやすい答えをしなければなりません。やっぱり、皆さん方はそういうことをきちんとして、その上でちゃんと根拠をつくり、やむなく滞納する人たちを救済していく対策をとることが公僕としての皆さんの本来の仕事の趣旨なのです。そこをちゃんとしないで、今までどおりやってきたのだから前例に倣ってこういうやり方でやってきた、他都市がこうだからと。別に、私は他都市の人に一票を入れてもらっているわけではないし、他都市の人の税金で歳費をもらっているわけではないのです。札幌市に割り当たった税金の中で我々議員は歳費をもらっているのです。皆さんの給料もそうだと思います。したがって、私は、そういうことをきちんとやった上で、いかに滞納を少なくし、本当の意味での応分の生活ができるようなことを考えてあげるかということが皆さんの役割だと思います。  副市長、きょうは市長が出ていないからこれ以上の話にはならないと思いますから、委員長、後ほどで結構なので、今、私が質問したことに対する資料をきちんと整理して、第二部の委員の皆さんにわかるように配付していただきたいと思います。  議員の側も、市民の側も、皆さんの側も、きちんとした数字の問題ですから、それも人間が生きるか死ぬかという生命のかかった問題ですから、そういう中で審議がされていかなければならないし、物事が決められていかなければならないと思いますので、委員長のお取り計らいでぜひそれを理事者に求めていただいて、きょうのところはこれにて終わります。 ○芦原進 委員長  どういう明確な資料をお出ししたらいいのでしょうか。 ◆松浦忠 委員  (続)今、私が言ったように抽出して、松浦 忠と誰か同じぐらいの所得の人を、私の所得はちゃんと申告してありますから、相手の方は匿名でいいですよ。しかし、個人を特定してと。 ○芦原進 委員長  今の発言でわかりましたか。よろしいですか。  松浦委員と同じぐらいの所得の人と比較して出してくださいということでございます。よろしいでしょうか。  答弁は要りますか。 ◆松浦忠 委員  (続)委員長、議事進行について。  私は別に理屈に合わないことは言っていないのですよ。皆さんが当然やるべき仕事をやっていないからこういうことになるのです。だから、この質疑をするに当たって、議員の側も、市民の人も、なるほどなとわかって、そして、納得する負担になっていかなければならないから言っているのです。答弁をするような話ではないのです。自分のするべき仕事をせず、言いわけばかりを何十回言われても困る、時間だけたってしまう。  名委員長、ひとつよろしく。 ○芦原進 委員長  もう一度、申し上げます。  松浦委員とよく打ち合わせをして、必要書類をきちんと出していただきたい、これを要求しておきます。 ◆木村彰男 委員  私は、特定健診についてお聞きします。  ことし3月11日、予算特別委員会で、当時の部長は、私の特定健診についての質問に対して次のような答弁をされていらっしゃいまして、平成25年度の4月から9月までの数字は押さえておりまして、平成24年度と比べて受診者数は15.6%上回っている、また、付加健診事業を始めた平成23年度と比べても4.2%上回っていると、勇ましい話をしておりました。3月の段階でそういう発言をしたのですが、年度末の数字はまだ捉まえていないことを前提にしていらっしゃいました。  さて、平成25年度の目標数値は達成できたのでしょうか、お聞かせください。 ◎岩井 保険医療部長  特定健診の受診率についてのお尋ねかと思います。  平成24年度につきましては、今お話の中にあったかもしれませんけれども、17.6%です。平成25年度につきましては、まだ確定値は出ておりませんが、速報値と言われるものにつきましては18.6%です。  なお、平成25年度の札幌市としての特定健診の受診目標率は22%となっているところでございます。 ◆木村彰男 委員  部長はそのときにいなかったわけですから、言った人の発言についてどうしますかと言うつもりはありません。ただ、数値の管理に関して言えば、今なお速報値の段階で全体像を捉まえていないことはわかりますが、どうして私がこういうことを言っているかというと、ここに健康さっぽろ21の最終評価報告書という平成25年2月13日のもの、つまり、先ほど言いました3月11日の直前に出されているものを持ってきております。これを見ていますと、このときの数値は中間評価時で16.0%です。これは、最初の年度だから平成20年度のことを言っています。そして、平成22年度の実績値は18.2%です。このときの健康さっぽろ21の最終目標値は、前の部長ともお話ししましたが、65%です。ですから、私は、そのとき、これは行っていないという認識だったのです。目標値をはるかに下回っているわけで、3分の1も行っていません。しかし、丸がついていて、これは実績値が目標値に向かって推移している項目というカテゴリーに入れてあります。  どうしてこういうふうになるのですか、お聞かせください。 ◎館石 保健福祉局医務監  ただいまのお尋ねですが、健康さっぽろ21の評価におきましては、指標としている数値の動向が目標に向かってその方向で推移しているものについて丸という評価をしております。確かに、推移の程度としては十分とは言えないかもしれませんけれども、そのカテゴリーの定義に従って評価したものでございます。 ◆木村彰男 委員  結局、平成20年度のときに16.0%で、速報値の段階で20年度から25年度までの6年間をかけて2.6ポイント上がったと見えますね。その意味では、0.1ポイント上がっていたとしても、それは丸となりますか。 ◎館石 保健福祉局医務監  具体的に臨界点を幾らにするかというところまで正確に決めているわけではありませんが、例えば、委員のお尋ねの0.1ポイントという例が適当かどうかは、当然、その時点で判断した上で評価することになろうかと思います。 ◆木村彰男 委員  政令指定都市だけですけれども、今言った平成20年度から25年度の速報値をいただいておりますが、札幌市は下から2番目ですね。最下位が広島市で15.0%、札幌市はその次です。トップは、仙台の43.9%です。こんなに水をあけられております。  始めた当時、札幌より下だったところがあります。静岡市、熊本市、福岡市ですが、全部が上に行っています。これはどうしますか、お聞かせください。 ◎岩井 保険医療部長  特定健診受診率ですが、札幌市は他の政令指定都市に比べて低く、下から2番目ではないのかということでございます。  今のお話の中にありました仙台市は、政令市の中でトップでございまして、四十数%の受診率でございます。仙台市にその取り組みを確認いたしましたところ、仙台市自身として高受診率の要因を特定できているわけではないということでしたが、札幌市と異なる点といたしましては、例えば実施期間を7月から10月及び1月のみに限定していること、それから、集団での健診を行っていないことなどが挙げられるかと思います。また、札幌市と同様に、特定健診の検査項目に対して独自の追加分がございまして、その検査項目は札幌市とほぼ同様でございますが、仙台市の場合はその追加分も含めて自己負担を無料にしております。  ただ、受診勧奨事業の中身を見てみますと、仙台市でも、毎年、特定健診の受診対象者を絞ってはがきや電話による勧奨を実施してきておりまして、札幌市とそれほど大きく異なる取り組みは行っていないと承知しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  それでは、分析になっているかどうかはわからないですね。今、自分たちがやっていることが数値に結びついていないと言っているわけですよ。お金をかけても数値が上がっていないわけです。どこに聞いても内容的に分析できていないということは、何をやっても数値が上がっていかないことになると思うのです。  それを踏まえた上で、もう一つです。  健康さっぽろ21(第二次)について、私も調べました。現状値というのは、平成24年度の17.6%ですね。そして、目標値が平成29年度までに35%ですから倍にしようとしております。よろしいですか。今おっしゃっていた16%から18.6%と、6年かけて2.6ポイントしか上がらなかったものを、今みたいな現状分析の中でどのようにして2倍に上げることができますか。教えてください。 ◎岩井 保険医療部長  特定健診の受診率の向上についてでございます。  特定健診の受診勧奨に当たりましては、やはり、対象者を絞り込んで行っていくことが重要ではないのかというふうに考えているところでございます。これまで、個別の受診勧奨に当たっては、例えば、40代の若年世代を重点的に勧奨したり、あるいは、今は未受診であるけれども、過去に受診歴があり、受診が見込まれる層を対象にしたり、年度ごとに勧奨する対象者を絞って重点的に受診勧奨してきたところでございます。  しかし一方では、生活習慣病は自覚症状がなく、気づいたときには重症化していることも多いことから、少なくとも年に1〜2回程度は広く全員に健診をお知らせすることを考えているところでございます。具体的には、保険証の一斉更新時に健診のお知らせを同封するなど、新たな費用をかけない形で対象者全員に健診を周知するやり方をとろうかと考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  3月11日の委員会答弁で、川上部長は、部長が今おっしゃったことと同じことを言っています。40代の若い方を対象に重点的受診勧奨をしましたと。さあ、その結果、どうなりましたか。40代に絞ってやったものを持っていますか。ことしはこれで、去年はこれだったと言ってください。川上さんは言っていますからね。やったのでしょう。重点を絞ってやると言ったのだから。やったのでしょうと言っているのです。 ◎岩井 保険医療部長  40代に絞って受診率が向上したかどうかという分析の結果については、今、手元に持ち合わせておりません。 ◆木村彰男 委員  別なところでは、町内会などの地域コミュニティーからの協力をいただき、顔の見える関係で受診率の向上を目指すとも言っています。この取り組みはやりましたか、お聞かせください。 ◎岩井 保険医療部長  顔の見える取り組みということで、町内会にご協力をいただいた取り組みは平成25年度に実施いたしました。また、今後の話でございますけれども、26年度も実施する予定でございます。 ◆木村彰男 委員  そのようにして、特定した地域なり層を絞って受診率を確認しているわけですよ。これは、川上さんが言っていたのです。そのようにしてやっていくことによって効果検証もするし、何かいい方策があればそれに特化していくとおっしゃっていました。ですから、数字を挙げてくださいと言っているのです。AからBになりました、数字が上がって効果があったというものを持っていますか。持っていないなら、持っていないと言ってください。 ◎岩井 保険医療部長  受診勧奨の効果、あるいは、最初にご答弁申し上げましたように、平成24年度に比較して25年度の受診率そのものは上がっております。  また、先ほど手元にはないということで申し上げなかったのですが、40代について、平成24年度の受診率は10%程度、25年度も同じく10%程度となっております。 ◆木村彰男 委員  今のお話だと、対象を絞って重点的に受診勧奨してもそんなに数字は変わらないという理解でいいですか。 ◎岩井 保険医療部長  対象を絞った受診勧奨というのは電話なりによる受診勧奨でございまして、広く全体に向けた受診勧奨はやっているところでございます。ただ、平成25年度については、電話勧奨そのものを行っておりません。 ◆木村彰男 委員  変わりますが、勧奨しても数字は特段上がらないということを背景にするならば、先ほど部長がおっしゃった勧奨をしながら数字を倍にするという論とは合わないのではないですか。それについてはどうですか。 ◎岩井 保険医療部長  先ほども少し答弁を申し上げたかと思いますが、受診対象者全体に対する働きかけと個別のターゲットを絞った受診勧奨の両方が大事だと思っております。それによって受診率を倍にできるのかという委員のお尋ねについては、私どもとしては、そういった手法を重ねながら受診率の向上に向けて取り組んでいきたいと思っております。 ◆木村彰男 委員  いいですか、電話勧奨をしないのだよ。個別の勧奨をやったとしても、効果はそんなに変わらない。10%、10%ぐらいです。特効薬を持っていないわけですよ。私の考え方が間違っていたら言ってくださいよ。そうすると、平成29年度になっても20%そこそこしかいかなくて、35%という数字は出てこないと思いますよ。そうしたら、途中までやって20%しかいかないとすれば、どこで35%に回復させますか。3年たって、今の方法がだめだと思ったとき、20%そこそこしかいっていないのですが、それを35%まで持っていくのです。どうやってやりますか、お聞かせください。 ◎岩井 保険医療部長  35%へどうやって持っていくのかというお尋ねでございます。  昨年度は電話勧奨をお休みいたしましたけれども、今年度は、今は10月でございまして、下半期にかけて具体的なやり方を工夫しながら電話による勧奨をしようと考えておりますので、そういった積み重ねによって少しでも受診率を上げていきたいと思っております。 ◆木村彰男 委員  もう一回言いますけれども、次に、健康さっぽろ21(第二次)の54ページに、成果目標として、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の割合を現状値で25.2%と捉えた上で、平成29年度まで目標値を減らすと書いてあります。これは幾らまで減らすおつもりですか、お聞かせください。 ◎館石 保健福祉局医務監  その点については、その時点では具体的に根拠を持って何%という目標設定をすることが困難でありましたので、減らすというトレンドの表記のみにさせていただいているところでございます。 ◆木村彰男 委員  25.2%という捉まえはできているわけですね。これは、該当者というカテゴリーに入る人と、その予備群、どの辺まで入るかはわかりませんけれども、それはわかります。その人たちに向かって、今度は全然違って、この人たちと決まっているから対象者がかなり限られます。特定健診とはわけが違います。その25.2%の人に対象を絞り切った上で、今度は狙い撃ちができるわけですよ。そうですよね。25.2%の人たちだとわかっているのだから、それを減らすという目標を立てるときに、なぜ目標数値を持てないのですかと聞いているのですよ。特定健診みたいな話ではないでしょう。 ◎館石 保健福祉局医務監  目標に向かって具体的に効果を期待し得る施策をどのように組み合わせるかによって、当然、効果のあらわれ方は異なってくると思います。また、先ほどの繰り返しになりますが、この第二次の目標値を策定した段階で、具体的に根拠を持っていつまでに何%というところまで詰め切れる状況にありませんでしたので、トレンドの表記にとどめさせていただいたところでございます。 ◆木村彰男 委員  これは、先ほどもちょっと出ましたが、0.1ポイント減らしても減らしたことになりますよね。そうしたら、また丸をつけるつもりなのですね。そういうことですね。それでよろしいですね。 ◎館石 保健福祉局医務監  先ほども申し上げましたとおり、カテゴリーとしては目標値に向かって推移しているかどうかを評価の視点にしておりますが、例えば、委員が具体的に例を挙げてられた0.1ポイントという数字が出たときに、それをそのままカテゴリーに当てはめていいかどうかについては、その時点で十分に検討して判断させていただきたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  そんなものは、行ったって、言わないですよ。当たり前の話ですよ。民間の会社では、0.1ポイントしか下がっていなくて評価が丸になるなんていうことはありませんよ。僕は、自己評価していることに甘さがあると言っているのですよ。いいですか。  これらの評価表を見て、これをもとにして新たなものをアウフヘーベンして持っていくわけだ。そのときに、普通は高いところに持っていかないとだめなのですよ。高いところに持っていかないで、低いところにして少し上向いたら丸と評価をしているようではいけないと私は言っているのですよ。ですから、評価の見直しをしなければ第二次も達成しないと言っているのです。  私も、これをかなり見ました。次のところでも言おうと思っていますが、かなり見ました。でも、同工異曲のものをつくって何をするのかという感じでしたね。メタボのところは、特定健診にも関係ありますけれども、総体的な後の国民健康保険会計のことに直結する話だと自分たちで定義しているのですよ。去年も部長に聞きましたが、そう定義して、健診をやっても必ずしもその人が行かないものだから、結局、その人は生活習慣病になって物すごい負担を国保会計に与えているという皆さん方の分析なのです。  そうだとすれば、先ほど値上げするとか払えないという話が出たけれども、この統計値をできるだけ小さいものにしていくと、後の国民健康保険会計の出費を少なくしていけるわけです。そういう観点から持っていけば、これは文字どおり達成していかなければならない数字だと私は思うのですけれども、いかがですか。 ◎館石 保健福祉局医務監  国民健康保険制度を初めとする医療保険制度全体への負荷を軽減する観点から、メタボリックシンドローム、もしくは、その危険を有している方々の割合について引き下げていくことは当然重要なことだというふうに認識しております。 ◆木村彰男 委員  当時、川上前保険医療部長が、個別に受診を勧奨することは非常に大切なことだと自分で言っているわけです。だから、メタボの方にしろ、健診対象の方にしろ、個別に粘り強く説得する作業がないとこれはできないと思うのです。  どうしてかというと、私の後輩ですが、札幌市から特定健診を受けてくださいと電話がかかってきたのです。それで受けに行ったと言うのですよ。余り気にしていなかったのだけれども、電話を受けて行ったので自分にもいろいろと問題点があることがわかったと聞いて、ちゃんと行き渡っているなと思っていました。ですから、個別に電話をかけると言っていらっしゃいましたが、そういうことを粘り強くやっていかなったら、私は行かないと思うのです。ですから、ぜひ一生懸命やっていただきたいということを申し上げて、私の質問にかえさせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、国民健康保険会計決算等の質疑を終了いたします。  次に、後期高齢者医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時48分       再 開 午後2時51分     ―――――――――――――― ○芦原進 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第3款 保健福祉費 第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆村上ゆうこ 委員  私は、二つの項目について伺います。  一つ目は、健康さっぽろ21(第二次)の推進についての質問、二つ目は、母親教室の参加促進と父親の育児参加を促す支援について質問いたします。  最初に、健康さっぽろ21の推進についてです。  市民が地域とのつながりの中で健やかに心豊かに生活できる社会の実現を基本理念に掲げた札幌市健康づくり基本計画、健康さっぽろ21(第二次)は、今年度が計画の元年であり、大変重要な年です。  本計画は、全体目標に健康寿命の延伸、健康格差の縮小、すこやかに産み育てるを掲げ、市民を取り巻く地域の組織、団体、企業、各関係機関が連携・協働して取り組むなど、この先10年間の市民の健康づくりを進めていくための指針となるものです。とりわけ、全体目標の一つの健康寿命の延伸は重要な課題と位置づけられており、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加を成果指標とし、取り組みを進めることとしています。  国も、2020年までに国民の健康寿命を1歳以上延ばすことを目標に掲げ、生活の質の向上のために、生活習慣病の予防などに重点的に取り組むとしています。また、健康に関心の低い若い世代やみずから健康づくりに取り組みづらい障がいのある方への健康づくりの支援も重要であり、健康格差の縮小にもしっかりと取り組んでいくこととしています。  本市では、第二次計画の策定に先駆け、ことし2月に健康寿命の延伸を市の重要政策に掲げる長野県松本市と市民レベルの交流を行い、行政と住民の協働による健康な地域づくりについて学んできたところです。このように、先駆的な取り組みを行う自治体の成功例などを積極的に学び、本市の健康づくりに生かすことも大切です。  そこで、質問ですが、健康さっぽろ21(第二次)の計画をどのように推進していく考えか、お伺いします。  また、松本市を初めとした他自治体の先駆的な取り組みをどう生かしていくのか、その考えも伺います。 ◎高川 健康企画担当部長  健康さっぽろ21(第二次)の計画の推進について、2点の質問がございました。  1点目の第二次計画をどのように推進していく考えかということでございますが、札幌市の健康づくり基本計画である健康さっぽろ21の第二次計画は、学識経験者、市民委員などで組織いたします健康づくり推進協議会において策定、推進、評価することとしており、計画策定を受けて、本年6月に推進方針を決定したところでございます。推進方針の内容は大きく二つありまして、まず、一つ目は、計画で設定した食生活、運動など八つの基本要素ごとの取り組みの進行管理、二つ目は、健康づくりを支える環境の整備としております。このうち、二つ目の健康づくりを支える環境の整備では、さらに二つの取り組みを進めることとしておりまして、企業、団体等の連携による効果的な普及啓発、そして、市民との協働による健康なまちづくりとしたところでございます。  質問の2点目の他の自治体の先駆的な取り組みをどう生かしていくかということでございますが、市民との協働による健康なまちづくりでは、今後の地域における取り組みについて検討するため、協議会の中に健康寿命部会を設け、本年7月から9月にかけて3回にわたり検討いたしました。この部会は、協議会の委員4名に加えて、本年2月に市民交流で松本市を訪問した市民、地域で健康づくり活動を実践している市民など、合計18名の委員で構成いたしました。これまでの札幌市の健康づくりの取り組みや松本市を初めとした他の自治体の取り組みを参考に、市民と行政との協働による健康なまちづくりということで、地域での健康づくりを担う人材の育成や健康なまちづくりを進める体制などについて検討し、取りまとめたところでありまして、今後、協議会の審議を経て具体的な事業展開を図ってまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  いずれにしても、元年ということで、これからさまざまな取り組みが行われていきますけれども、松本市は、息を長く、何十年もかけてやってきたことでありますので、札幌市も頑張っていただきたいと思います。  再質問ですが、次に、計画の八つの基本要素の一つである健康行動の成果指標になっているがん検診について伺いたいと思います。  2人に1人ががんになり、3人に1人が亡くなっているがんは、日本人にとって国民病と言っても過言ではなく、がんは国民の生命及び健康にとって重大な課題であることから、国は、2006年にがん対策基本法を制定し、がん対策の推進を図っています。国民の半分ががんになってしまう状況にありますが、その一方で、現在は、がんの5年生存率は約6割近くであり、半分以上が治る時代でもあります。さらには、早期発見なら約9割が治癒するということであり、がんを早期に発見するがん検診は極めて重要であることから、我が会派においては、これまで特にがん検診の取り組みを注視してきたところです。  しかしながら、札幌市で実施しているがん検診の受診率は、2013年度で、胃がん検診7.0%、肺がん検診2.6%、大腸がん検診13.9%、子宮がん検診32.7%、乳がん検診22.8%であり、前年度と比較して、大腸がん検診と肺がん検診はわずかに上昇しているものの、他のがん検診の受診率が減少しており、受診率の向上は喫緊の課題となっています。  本市では、9月末に国の補助事業を活用して、子宮がん検診については約16万5,000人、乳がん検診については約17万8,000人、大腸がん検診については約13万8,000人を対象としてがん検診無料クーポン券を送付したと聞いています。ただ、受診率向上のためには、単に無料クーポン券などを送付するだけではなく、あわせて、大きな相乗効果が図られるような普及啓発も必要と考えます。第二次計画の推進方針では、企業、団体等との連携による効果的な普及啓発の充実を図ることとしています。これまでも、計画の策定に先駆けて、生命保険会社や美容協同組合などと連携し、検診の啓発イベントの実施や美容室の顧客に対して直接受診勧奨を行う取り組みなどを進めており、我が会派でもこれらについては一定の評価をしているところです。  そこで、質問ですが、がん検診の普及啓発について、これまでの取り組みに加えて、今年度から新たに取り組んでいる事業について伺います。  また、企業、団体等と連携した効果的な取り組みをどのように進めているのか、伺います。
    ◎高川 健康企画担当部長  がん検診の普及啓発について、まず、今年度から新たに取り組んでいる事業についてでございます。  札幌市では、国のがん検診受診率50%達成という目標に向けた集中キャンペーン月間に合わせて、10月の1カ月間をがん検診受診促進キャンペーン期間として重点的に取り組んでいるところでございます。このキャンペーンは、地下歩行空間でのチラシの配布や、乳がんを発病した乳房の模型に実際に触れてみることができる乳房を触れる体験コーナーなどを設けたキックオフイベントから始まりまして、今回初めてがん検診受診を促進するCMを制作いたしましてテレビやラジオで放送いたしました。さらに、テレビやラジオ番組の中の告知コーナーに職員が出演しまして、検診受診の呼びかけを直接行うなど、ただいま集中的に啓発を行っているところでございます。このキャンペーン期間終了後も、作成したCMを連携企業の調剤薬局のチェーン店などで放送する予定であり、今後もCM活用の拡大を図るなど、啓発を強化してまいりたいと考えています。  次に、企業、団体などと連携した効果的な取り組みについてであります。  企業、大学との連携によって、若い世代への子宮頸がん予防に関する知識の普及や20歳から受診できる子宮頸がん検診の受診の定着を図ることを目的とした事業を今年度から新たに開始したところでございます。この事業は、取り組み期間を3年間としておりまして、1年目となる今年度は、7月から大学生によるワークショップを行っております。札幌市内と近郊の六つの大学から、延べ約40人の学生が参加しております。ワークショップでは、子宮頸がんに関する研修を行い、理解を深め、若い世代がアイデアを出し合い、DVDやパンフレットなどの啓発の媒体についてただいま検討しております。2年目以降は、制作した媒体を活用して子宮頸がん検診の受診促進に向けた啓発活動に取り組んでいくこととしております。  このほかにも、STVラジオと連携して、本年4月から来年3月までの1年間、日中の番組の中で正しい健康情報の発信に取り組んでおります。さらに、この番組のリポーターが実際に札幌市の健康づくりセンターで健康づくりを実践する様子や、同じく、札幌市で作成したウオーキングマップのコースを実際に歩きながら中継するなど、番組スタッフの協力のもと、市民の興味が高まるような内容としているところでございます。  このように、企業や団体と連携することによって新たな手法で多くの市民に啓発できますことから、今後も積極的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  ただいま部長から答弁をいただいたさまざまな取り組みによって、本当に目に見える受診率のアップが図られることを期待したいと思います。  再々質問ですが、健康さっぽろ21は、八つの基本要素ごとに78の成果指標、また、100の目標値を設定して取り組むこととしています。さらに、市民、地域、企業、団体、行政がそれぞれ取り組む内容が本当に詳しく示されています。どの要素を見ても重要な取り組みであると考えますが、内容は非常に多岐にわたっておりまして総花的な印象も受けまして、市民の方がこの計画を読まれたときに、何から取り組んでいけばいいのか、どのように進めたらいいのかがちょっとわかりにくいかなと私も感じました。  そこで、質問ですが、第二次計画の八つの要素につきまして、具体的にどのような取り組みを行っていくのか、明確にする必要があると思います。これについてはいかがか、伺います。 ◎高川 健康企画担当部長  ただいまご指摘のとおり、この計画にはさまざまな内容が盛り込まれておりまして、非常に多岐にわたっております。より多くの市民が健康づくりに関心を持ち、具体的に取り組みを実践してもらうことに重点を置いた計画の普及啓発が重要であると認識していますので、今後は、この計画に沿って、八つの基本要素ごとに、どのような取り組みから進めていけばいいのか、そして、どのような取り組みが重要であるのか、多くの市民に具体的かつわかりやすく普及啓発できるようなアクションプランのようなものの作成について検討してまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  アクションプランということで、ターゲットを絞って課題を取り上げ、やっていっていただきたいと思います。急速な高齢化の進展、疾病構造の変化、市民の健康を取り巻く環境の変化に伴って、本当に健康づくりの重要性が増大しています。今後も、市民の生涯にわたる健康づくりに行政の責務をしっかりと果たしてほしいと思っております。  とりわけ国民病とも言われるがんの撲滅に向けて、先ほどがん検診の受診率を向上させる取り組みを地域、企業と一体となってきめ細かく推進していただくという回答がありましたけれども、例えば検診の無料クーポン券を利用しなかった人の追跡調査などをして、再度、受診を促すことも含めた検討を今後はしていただきたいということでこの質問を終わり、続きまして、もう一つの質問に入ります。  母親教室の参加促進と父親の育児参加を促す支援についての質問ですが、こちらは簡潔に参ります。  昨今、核家族化や児童虐待、少子化など子育ての問題が大きな社会問題となる中、母子保健事業の果たす役割は今後ますます重要となっています。本市では、母子健康手帳交付時の妊婦支援相談事業の実施や、生後4カ月までの乳児家庭全戸訪問の実施など、妊娠中から産後まで切れ目のない支援を充実させてきており、これらについては高く評価しております。  さて、本市では、妊婦を対象に各区で母親教室を開催していますが、その開催時間は平日の午後のみとなっており、就労している妊婦の中には、休みが合わなかったり、休暇がとれなかったりして参加できない方もいると聞いています。  そこで、質問ですが、札幌市では母親教室以外にもさまざまな教室を開催しておりますけれども、このようなほかの教室への参加を促す取り組み状況はどのようになっているのか、伺います。  また、核家族が進行する中、子どもの健やかな成長のためには、保護者としての父親が妊娠早期からもっと積極的にかかわることが求められると考えます。父親が参加できる教室としては、両親教室、また区によっては父親教室を開催しています。  そこで、2点目の質問として、出産前に父親が参加できる教室の実施状況と父親の参加状況はどのようになっているのか、また、その周知方法はどのように行っているのか、伺います。 ◎請井 母子保健・歯科保健担当部長  出産前に参加できる教室についてお答えいたします。  まず、教室の実施状況と父親の参加状況についてでございますが、出産前に父親が参加できる両親教室、または父親教室を各区保健センターにおきまして平日の夜間や土曜日に実施しております。平成25年度では、ご夫婦を合わせて2,536人の参加をいただいてございます。また、各区保健センターで日中に開催している母親教室につきましては、沐浴実習のプログラムに父親も参加できることとしております。参加状況としては、父親に限った数ではございませんが、母親以外の参加者は年々増加してございまして、平成25年度は1,046人と参加者全体の24%を占めておりまして、前年度の平成24年度と比べまして24%の増となっているところでございます。さらに、就労している妊婦とその夫を対象にワーキングマタニティースクールを土・日に年6回実施してございまして、平成25年度は294人の参加をいただき、そのうち121人が父親でございました。  次に、母親教室に参加できない方へのほかの教室への参加を促す取り組みについてでございますが、母子健康手帳交付のときにチラシを配付しておりますけれども、このときに各種の教室について直接ご案内いたしております。また、広報さっぽろや各区のホームページ等でも周知を行っているところでございますが、今後、全市の教室の開催状況を一覧できるようなホームページを作成するなどいたしまして、この取り組みをより充実させていきたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  父親や母親がそれぞれの生活実態に合わせて参加できるように、時間や曜日を選べる教室を開催されていることがわかりました。また、父親が教室に一定程度参加していることも理解いたしました。また、今後は、名称が両親教室、ワーキングマタニティースクール等となっていても、父親、母親、単身など誰でも参加することができるということがわかりやすい案内を行っていただきたいと考えます。  再質問になりますが、母子健康手帳の交付や母親教室、両親教室、乳幼児健診など、母子保健事業で配付している啓発物は母親への支援に重点が置かれているものが多くなっております。しかし、子どもの健やかな成長のためには、妊娠早期から、家事のみならず、育児を担うのが当たり前という自覚を父親自身に持ってもらえるような取り組み、また、たばこの害などもしっかりと認識してもらうことが必要と考えます。  そこで、質問ですが、父親に対する妊娠早期からの育児参加や禁煙への認識など、どのように啓発しているのか、伺います。 ◎請井 母子保健・歯科保健担当部長  父親への啓発についてでございます。  委員のご指摘のとおり、父親が妊娠早期から育児について正しい理解を深め、育児に参加することは、母親の育児負担を軽減いたしまして、健やかに産み育てることを支援するためにも大変重要であると私どもも認識してございます。  札幌市では、独自の取り組みといたしまして、母子健康手帳の中に父親によるサポートの重要性、そして、妊娠、出産、育児のそれぞれの時期に応じて父親がどのように育児に参加すればよいのか、具体的に記載してございます。また、父親が妊娠早期から積極的に育児参加するために、札幌市独自で作成している妊娠、出産、育児に関するテキストである「わが家に赤ちゃんがやってくる」の中で父親向けの情報について掲載し、母子健康手帳交付のときに配付させていただいております。さらに、母子健康手帳の交付時や母親教室、両親教室、乳幼児健診などの場を活用いたしまして、育児における父親の役割、たばこの受動喫煙の影響について、リーフレットの配付や啓発用のパネル展示などによりまして普及啓発を行っているところでございます。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望です。  父親が育児について正しい理解を深めることは、育児における男女共同参画の実現に向けた第一歩になるのではないでしょうか。今後は、父親がより具体的に育児参加できるように、父親向けの冊子をつくるなど、さらに工夫していただきたいと思います。また、育児を家族間だけの問題としないで、親子を妊娠期から支えることができるような地域づくりが今後は強く望まれます。これからの本市の母子保健事業は、男女共同参画の視点に立ち、そして、男性、女性にとらわれることなく家庭、企業、地域において育児支援できる体制を推進するように札幌市に求めまして、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、外食産業を巻き込んだ食環境整備についてと危険ドラッグ対策について、さらには、高齢者用肺炎球菌ワクチン定期予防接種に関する周知についての3点について、できるだけ簡潔に質問させていただきたいと思います。  初めに、外食産業を巻き込んだ食環境整備についてであります。  本年の第2回定例会の代表質問におきまして、我が会派の丸山議員は、医療費を削減する上で、糖尿病や高血圧症の発症を抑制するためには、毎日の食生活が重要であり、塩分や脂肪分の少ない、いわゆる体に優しい食事をとることが大切であること、さらに、外食でも利用できることが重要であることから、外食産業を巻き込んだ食環境整備を進めていくことが必要であると述べました。また、メタボリックシンドローム世代と言われる30歳代から50歳代の方が外食を多く利用されていることから、飲食店にヘルシーメニューの提供を働きかけることが必要であり、そして、そのことが札幌市民にも札幌市を訪れた観光客にも有益であるということで、外食産業を巻き込んだ食環境整備の具体的な取り組みや方向性について質問したところであります。それに対して、ヘルシーメニューコンテストを開催するなど、働く世代の食生活支援事業を行っていくというお答えがございました。  そこで、質問でありますが、働く世代の食生活支援事業におけるビジネスマンのためのヘルシーメニュー対策の進捗状況についてお伺いいたします。 ◎高川 健康企画担当部長  働く世代の食生活支援事業のビジネスマンのためのヘルシーメニュー対策の進捗状況についてお答えします。  本年8月に、ビジネスマンのためのヘルシーメニューコンテストを開催いたしました。このコンテストは、エネルギーが500から650キロカロリーと低カロリーであり、塩分が3グラム程度と薄味で、野菜を100グラム以上使用したいわゆるヘルシーなメニューを給食調理関係者や一般市民から募集し、おいしさや料理のしやすさ、見た目の美しさなどの基準で選出するものでございます。給食調理関係者などから全部で31種類もの応募があり、1次審査を通過した5点を審査することといたしまして、札幌市内のホテルで栄養士会役員や市民審査員などの協力によりまして公開で2次審査を行いました。札幌市長賞として3点が入賞し、この中から栄養バランスがよく味覚の満足度も高かったミネラル御膳という献立が最優秀賞となりました。このほか、このコンテストでは、札幌市まちづくりパートナー企業のポッカサッポロ北海道株式会社、日本ハム株式会社の2社からそれぞれ特別賞が選ばれました。このコンテストの模様は、テレビ各局、新聞各社にも取り上げられたところであります。  また、10月9日の手稲区役所を皮切りに、市役所、各区役所の食堂でこのコンテストの入賞レシピによるヘルシーランチを提供し、市民が実際にこの献立を利用できるようにしております。さらに、11月には、ヘルシーメニュー集を7,000部作成いたしまして、これを企業の社員食堂の管理者やホテル、飲食店などの外食産業に広く配布してヘルシーメニューの提供店をふやしていこうと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  この事業を着実に進めていただいていることは評価いたしたいと思います。  次に、こうした取り組みの方向性を受けて、さらに推進させるために、市民や団体との連携についてお尋ねしたいと思います。  栄養成分表示事業は、表示を行う飲食店の協力だけで成り立つものではありません。これを利用する市民の協力も必要な事業であります。例えば、ヘルシーメニューの利用頻度が高まることがヘルシーメニュー店の増加にもつながります。そのため、エネルギー表示などを活用して健康な体づくりに役立てる食育が重要となってまいりますが、ホームページなどを使って啓発を行うだけではなかなか推進できるものではありません。この事業を進めていくためには、栄養表示店をふやす取り組みと、表示を理解し、活用できるようにするための健康啓発が必要であると思われ、効果的に事業展開するためにも、食育への理解のある方や団体などにご協力をいただいてこの事業の牽引役となっていただくことが必要ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、この事業を推進するための牽引役となる市民や団体との連携についてお尋ねいたします。 ◎高川 健康企画担当部長  事業の牽引役となる市民や団体とどのような連携を行うかについてであります。  栄養成分表示事業において、一般の方が利用するホテル、飲食店など外食産業で栄養成分表示を普及拡大させるためには、委員がご指摘のとおり、牽引役の存在が不可欠であり、管理栄養士、教育関係者、ボランティア団体などとの連携が重要であると認識しております。具体的には、栄養表示を効果的に活用していくため、各区保健センターの管理栄養士は、地域で食育活動を実践するボランティアである食生活改善推進委員協議会を対象とした学習会を開催し、栄養表示の見方などについて啓発してきたところであります。また、子どものときからの食育が重要であるため、小学校長会保健体育部会及び栄養教諭などを対象とした研修会において栄養表示の重要性を説明するなど、今後も食育に係る教育関係者との連携を進めてまいります。  本年9月には、北海道栄養士会札幌石狩支部の会員約1,000名に対して栄養成分表示店拡大の協力依頼を行いました。これは、栄養士会会員が外食料理店に栄養表示の説明を行い、札幌市に表示店拡大の情報提供をいただくものであります。さらには、栄養士養成施設の学生に食育ボランティアとして協力をいただき、表示店の拡大を進めてまいります。  今後も、事業の牽引役となる市民や団体と連携し、効果的な事業展開を図ってまいりたいと考えています。 ◆福田浩太郎 委員  要望であります。  いろいろな取り組みをしていただいているということでありますが、ぜひ、事業の牽引役となる人材と連携して、効率的・効果的な事業展開を図っていただきたいと思います。このことが、市民意識を高めていく上で有効な取り組みだと思います。また、今後でき上がるレシピ集を有効に活用して丁寧な啓発活動をお願いしたいと思います。いずれにいたしましても、この事業を通じて本市の取り組みが市内で外食を利用する市民の方並びに観光客に大きく広がり、札幌市民の健康促進と観光都市としての魅力アップにつながるよう期待を申し上げて、この質問を終わります。  次に、危険ドラッグ対策についてお尋ねしてまいりたいと思います。  危険ドラッグとは、覚醒剤等の規制薬物と類似した化学物質を混入させた植物片等で、吸引によりこれらの薬物と同様の有害性が疑われるものを言います。以前は、違法ドラッグや脱法ハーブなどと呼ばれておりました。ことし7月に入りまして、厚生労働省は、国民がその危険性をしっかり認識できるよう危険ドラッグという名称に統一したのであります。危険ドラッグは、雑貨店やインターネット等で入手が可能であり、その販売の際には、合法ハーブ、お香、アロマ、入浴剤などと、あたかも違法性や健康被害などが生じるものではないようにその目的等を偽って取り扱われております。また、危険ドラッグは、麻薬等の規制薬物や薬事法に基づく指定薬物の成分を含むものがあるほか、法規制がなされていないものの、麻薬同等か、それ以上に強い成分を含んだものもあります。このような危険ドラッグは、吸引することにより、意識障害、嘔吐、呼吸困難を引き起こすなどの健康被害が生じ、救急搬送されるという事案が全国で多発しており、救命措置が間に合わず死亡するケースも散見されております。  また、北海道において、平成24年には、危険ドラッグを吸引して車両を運転し、追突事故を起こした男性が自動車運転過失傷害罪によって逮捕されたり、宿泊先ホテルにおいて危険ドラッグを使用した男性が錯乱し、暴れたことによって保護されるという事件もありました。最近もたびたび発生しております。加えて、危険ドラッグは、使用した本人のみならず、他人をも巻き込み、被害を与えてしまうゆゆしきものでありまして、その蔓延や浸透を確実に防ぎ、撲滅する必要があると考えます。  しかしながら、このような状況になっても、いまだに危険ドラッグの販売店は存在しておりまして、ことし7月の国の報告によりますと、全国の販売店舗数は約250店舗にも及んでいるとのことです。さらに、危険ドラッグについては、規制を逃れたドラッグが次々に販売されるというイタチごっこが続いておりまして、その対策の困難さも指摘されております。  こうした中、札幌市においても、北海道などと協力しながらその対策を講じているところであると思いますが、私は、かねてより、危険ドラッグ対策としては、規制、取り締まりと普及啓発、そして、患者、家族の相談支援の三つが大きな柱であると考えております。具体的には、つくらせない、売らせないための規制、取り締まり、買わない、使わせないための普及啓発、そして、やめたい、やめさせたいための相談支援、これらは、危険ドラッグだけではなく、麻薬や覚醒剤等を初め、各種薬物の対策として大変重要なことだと考えております。また、これらの対策を講じるためには、当然、札幌市は市内の危険ドラッグの販売状況などを把握していなければなりません。  そこで、1点目の質問ですが、札幌市内の危険ドラッグの販売形態とその販売店舗数、そして、危険ドラッグによると思われる救急搬送件数についてお尋ねいたします。 ◎石田 医療政策担当部長  1点目の販売形態と販売店舗数についてでありますが、確認できている販売形態には固定店舗とインターネットによるものがございます。  次に、販売店舗数でございますが、北海道によりますと、厚生労働省が危険ドラッグの規制、取り締まりを強化し始めた平成24年には、インターネット販売1店舗を含む6店舗が確認されておりましたけれども、平成26年9月末現在では市内には三つの固定店舗のみとなっております。  次に、2点目の救急搬送件数についてでございますが、消防局によりますと、危険ドラッグに起因すると思われる救急搬送の件数は、平成23年1月から12月までの1年間に5人、平成24年に30人、平成25年に21人、そして、ことしの8月末現在では11人となっております。 ◆福田浩太郎 委員  お答えによりますと、店舗数は減少傾向にあるということですが、救急搬送件数は依然として減っていない状況かと思います。こうしたことからも、危険ドラッグが入手できないように規制、取り締まりを徹底する必要があると考えます。  そこで、2点目の質問ですが、札幌市は、これまで危険ドラッグ販売店への規制、取り締まりをどのように行ってきたのか、また、札幌市は、北海道を初めとする関係機関とどのような連携をしているのか、お尋ねいたします。 ◎石田 医療政策担当部長  1点目の規制、取り締まりの状況についてであります。  薬事法では、危険ドラッグ販売店に対する立ち入りなどの指導権限は、国と都道府県に与えられております。札幌市の薬事監視員は、北海道との協定に基づいた道の薬事監視員の身分を有していることから、北海道職員としての立場で北海道や北海道警察と合同で販売店舗等への立入検査を実施しているところでございます。過去3年間の立ち入り実績は、平成24年度に延べ8件、平成25年度に延べ6件、そして、本年度は9月末までで延べ5件となっております。また、立入検査結果に応じまして、国の出先機関である北海道厚生局が販売禁止の命令を出すなどして、現在は、事実上、固定店舗での販売ができない状況となっております。  次に、2点目の関係機関との連携についてでありますが、従前より、北海道警察、北海道、札幌市の3者で合同の立入検査を行うなど連携してまいりましたけれども、平成26年度からは、薬事法の改正に伴い、国の出先機関である北海道厚生局麻薬取締部が加わり、取り締まりを強化したところでございます。また、効果的な取り締まりを行うために、北海道警察が危険ドラッグ対策担当者会議を開催しまして、北海道や札幌市なども参加することで連携の強化や情報共有に努めているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  規制、取り締まりについて、さまざまな関係機関が連携して強化を図っているということでございます。しかし一方で、今のお答えにもありましたように、政令指定都市が規制、取り締まりを強化するとしても、行政権限のみの対応には限界があると言われております。さらに、北海道厚生局麻薬取締部や北海道警察も介入する事案については、捜査を伴う警察権限の領域になるとも伺っております。しかしながら、買わせない、使わせないための普及啓発については、札幌市でもいろいろな工夫をしながら幅広く取り組むことができるものではないかと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市は、危険ドラッグの危険性について、市民に対してこれまでどのような普及啓発を行ってきたのか、お尋ねいたします。 ◎石田 医療政策担当部長  危険ドラッグを含む薬物乱用防止に関する普及啓発についてであります。  従来から、大麻や覚醒剤などを対象とした薬物乱用防止の普及啓発を行ってまいりましたが、危険ドラッグの危険性がクローズアップされ始めた平成24年からは、札幌市主催の住まいの衛生展において、危険ドラッグを含む薬物乱用防止の展示ブースを設けたり、危険ドラッグに関するパンフレットを区役所や保健センターで配布するなどしてきております。また、ホームページを活用して、薬物の恐ろしさや乱用による健康被害の危険性について啓発してきたところでございます。  加えて、毎年、札幌市では、北海道が実施する6.26ヤング街頭キャンペーン、さらには、札幌薬剤師会が実施している薬物乱用防止キャンペーンのような機会に、関係機関や関係団体と連携しながら危険ドラッグを含む薬物乱用防止に関する普及啓発を行ってきております。 ◆福田浩太郎 委員  普及啓発について、関係団体と協力して実施しているということ、また、札幌市単独でも行っているということでございました。  ただ、毎年実施していながら、いまだ危険ドラッグの恐ろしさや健康被害の実態を多くの市民が十分に理解していない状況であろうと思います。これらの危険ドラッグの恐ろしさは、特段の手続を行わないで誰もが容易に購入できることであります。  そこで、最後の質問ですが、札幌市ではさらなる危険ドラッグ等の薬物乱用防止対策が必要と考えますけれども、今後の危険ドラッグ等の乱用防止に関する新たな取り組みについて伺います。 ◎石田 医療政策担当部長  薬物乱用防止に関する新たな取り組みについてでございます。  今後は、危険ドラッグなどの薬物の危険性について、年代にかかわらず、より多くの市民に理解を深めてもらうよう機会を創出することが必要であると認識しております。このようなことから、本年8月に地下鉄24駅にポスターを掲示したほか、新たに、11月からは、各区役所の戸籍住民課で住民票などを交付する際、来庁者に順番をお知らせする交付番号呼び出し画面を活用した啓発を行うこととしております。また、「知ってください薬物のこと」というテーマで保健所の薬剤師を初めとする専門職による出前講座を設け、市民が危険ドラッグなどの薬物乱用について理解を深める機会をふやしてまいりたいと考えております。あわせて、北海道とも連携し、流通品の成分検査の実施を検討するなど、薬物乱用の防止対策に取り組んでまいる所存でございます。 ◆福田浩太郎 委員  要望でありますが、規制、取り締まりについて、関係機関との連携では、立入調査には必ず同行するなど着実に実施されておりまして、評価をいたします。引き続き連携強化、情報共有に努めていただきたいと思います。さらに、最後にお答えにありました流通品の成分検査の実施については、ぜひ行うよう求めたいと思います。また、普及啓発については、限られた予算の中、工夫して取り組んでいると理解いたします。ご答弁のとおり、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  相談支援についてですけれども、今回は触れませんでしたが、危険ドラッグについて相談先を知らない市民もまだまだ多いと思います。深刻化する前の相談が重要であり、治療体制の整備とともに、情報提供、さらには依存症対策を含めた再犯防止への取り組みなど、総合的な対策強化を進めることを求めて、この質問は終わります。  最後に、高齢者用肺炎球菌ワクチン定期予防接種に関する周知について、簡潔に質問いたします。  肺炎球菌は、日本人の死因の第3位である肺炎の原因の約3分の1を占めておりまして、年間およそ3万人が肺炎球菌感染を原因とする肺炎によって命を落としていると推計されております。我が党においては、かねてから、成人病肺炎球菌ワクチンの定期接種化に取り組んできたところであり、平成26年10月より定期接種化される方針が固まりました。これを受け、我が会派では、代表質問において、定期接種化に向けた取り組みについて質問したところであります。お答えとして、周知については、対象の方へ情報が行き渡るようポスター、広報誌などによって行うということであり、その後、この10月からはいよいよ定期予防接種が開始されたところであります。  そこで、質問いたします。  10月からの高齢者用肺炎球菌ワクチンの定期接種の開始について、これまでどのように周知を行ってきたのか、お尋ねいたします。 ◎田森 医療担当部長  高齢者用肺炎球菌ワクチンの定期接種化に伴う周知についてお答えいたします。  10月1日からの定期接種開始に際し、対象者、接種場所、自己負担額などを記載したポスターを作成し、関係施設に掲示を進めてきたところです。具体的には、対象者となる年代の方の利用が多い老人福祉センター、地区センター、まちづくりセンター、区民センターなどのほか、接種を実施する医療機関へポスターを送付し、掲示を依頼しております。また、札幌市のホームページにおいては、ポスターに記載した情報に加え、接種を実施する医療機関の一覧も掲載し、接種を受けやすいかかりつけや最寄りの医療機関を選択していただくための情報を提供しております。  このほか、広報さっぽろ9月号において、同じく定期接種となる水痘ワクチンとともに、1ページにわたる特集記事を掲載し、定期接種の開始についてお知らせいたしました。さらに、定期接種開始直前の9月30日に報道機関への資料提供を行うなど、広く周知を行ってきたところです。 ◆福田浩太郎 委員  これまでの取り組みは、できる限り工夫を凝らしてきたことは理解いたします。しかし、定期接種においては、対象が今年度中に65歳から100歳までの5歳刻みの年齢を迎える方と101歳以上の方となっておりまして、複雑であります。また、対象となるのは、生涯に一回きりでありまして、見逃すと機会は二度と回ってこないわけであります。特に、今年度については、定期接種の開始が10月と、高齢者のインフルエンザワクチンの定期接種と時期を同じくして開始となっておりまして、混同されることも懸念しております。また、今年度は3月末日までの半年間が対象期間と短くなっている点についても不安が残るところです。このため、今年度の対象者が接種についてみずから判断する機会を逃すことのないよう、定期接種の開始後においてもさらなる周知が必要と考えます。  そこで、最後の質問でありますが、高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種について、今年度の対象者へのさらなる周知についてどのように考えるのか、お尋ねいたします。 ◎田森 医療担当部長  接種対象者へのさらなる周知についてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、今年度の対象者は、平成26年10月1日から27年3月31日までの半年間が接種の対象期間となるため、接種についてご検討いただく機会を逃すことのないよう定期接種の開始後もさらなる周知が必要と考えております。また、対象者が65歳から100歳までの5歳刻みの年齢に該当する方となっている点については、より丁寧にお知らせしていくべきことと認識しており、ポスターやホームページにおいては、具体的に接種対象者であるかどうかを確認していただけるよう、対象となる方の生年月日の範囲を記載し、周知を図っているところです。  現在のところ、定期接種となってからおよそ2週間が経過したところでありますが、今後、接種件数など具体的な実施状況が把握できる見込みです。また、接種に関する相談や問い合わせの状況から、どのような情報が必要とされるかについて検討し、ホームページでのお知らせやコールセンターにおける相談対応へ反映させてまいります。さらに、今年度末までに対象者へ向けて報道機関を通じた周知を図るとともに、広報さっぽろでもう一度記事を掲載し、周知を行ってまいります。 ◆福田浩太郎 委員  最後に、要望でありますが、周知の必要性を認識してさまざまに考えていただいていることは理解いたします。  そこで、お答えにもあったとおり、実施状況と問い合わせについてはしっかりと把握していただきたいと思います。そして、接種率が他都市に比べて低いときには、本市の取り組みを見直さなければならないと考えます。他の政令市などでは、対象者に個別にはがきを送付するなどの手段によって周知を実施しているところもございます。周知方法の一つとして検討していただきたいということを求めて、質問を終わります。 ○芦原進 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時42分       再 開 午後4時5分     ―――――――――――――― ○芦原進 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  それでは、2点質問いたします。  1点目は、動物愛護管理法に基づく管理について、2点目は、霊園の管理と基金の運用についてであります。  最初に、動物愛護管理法が改正になって、飼っている人の管理責任が厳しく問われるようになっております。  そこでまず、動物管理センターの所長に、大変よくやっていただいたという感謝の気持ちが寄せられているので、これをお伝えします。これは、質問ではなく、お伝えです。  白石区の川下という市街化調整区域に、生活保護を受けている男性のひとり暮らしの方がおります。そして、水田の休耕地に、本人は了解を得たと言っていて、家族はわからないと言っているのですが、角材で四角く家の形式にして青色のビニールをかけて自分で家をつくり、結構大きな犬を7頭飼育していました。しかし、その綱がたまたま外れてその辺を散策するというので、大変迷惑しておりました。近隣住民からも何とかしてほしいと管理センターの所長に話がありまして、所長は、生活保護課とも連絡をとり合い、一定の時間はかかりましたけれども、動物の行き先も全部しっかり決めて移していただきまして、みんなは安心して大変喜んでおりました。  そこで、このような取り組みは、7頭を飼っている人には相当に愛着が……(発言する者あり)何か、白老が出てきたと思いましたが、白老の人の話を例として出したら長くなるから、これだけ言います。  そういうことで大変喜んでおりましたので、こういうことはいろいろなところであると思いますけれども、ぜひ、そういう取り組みを続けてほしいという要望がありましたので、所長にお伝えしておきます。
     また、今度は、動物愛護管理法が改正されて、犬、猫と飼っている人間の飼い主との関係ですが、実は、南区中ノ沢で、最盛期には小さな建物の中に犬が50頭ぐらいいました。近親交配などがあって環境としてもよくないということでしたし、ことしの夏には、犬が穴を掘って下から逃げて、捕獲するのに管理センターの皆さんが何日も来て捕獲していただきました。  そこで、お尋ねは、動物愛護管理法では飼っている人間に対して一定の処罰規定などもありますけれども、ここの問題を例にとると、それだけで解決できるのか、できないのか、那辺に問題があるか、どうやったら解決できるのかということについてお伺いします。  もう一つは、猫についてです。  猫は、犬のように、首輪をつけ、ひもをつけて連れて歩く人は珍しいと思います。猫は、どちらかというと、犬のように飼い主の意向に沿うことはなかなかしづらいのですね。ところが、猫の苦情もあるのです。苦情を言う人は、非常に猫が嫌いで、自分の花畑に植えた種をほじられたなどというのがいろいろあって、非常に悪い感情を持っています。動物管理センターに何とかしろと言ってくると思いますが、猫対策はどういうふうにしたらより効果的にできるか、この2点についてお答えいただきたいと思います。 ◎飯田 生活衛生担当部長  今ご質問のありました2点についてお答えいたしたいと思います。  まず最初に、動物愛護及び管理に関する法律が昨年9月に改正になりまして、飼い主の飼っている動物に対する義務がこれまで以上に強化されたところでございます。例えば、飼い主の責務といたしましては、飼った動物は死ぬまで終生飼育することに努めることなどが加えられております。また、こうした動物を飼うことにより、周辺の住民に対して騒音や悪臭などの被害が生じている場合、あるいは、動物自体を適正に飼っていないことによって虐待のおそれが生じている場合につきましては、この法律に基づきまして、飼い主にその状況を改善させるための勧告や命令を行うことができるようになっております。そして、これに従わない場合は罰則の規定もございますので、私どもといたしましては、これまでもそういった幾つかの例には対応しておりますが、その法律の趣旨に従いまして、なかなか改善ができない場合には最終的に命令あるいは告発までも視野に入れながら、何とか改善に向けて強力に進めていきたいと考えております。  それから、2点目の猫への対策でございます。  委員のおっしゃるとおり、猫につきましては、犬のようにつないでおくといったような義務などがございません。そういった中で、猫に基づく周辺への迷惑が実際に生じてございます。私どもといたしましては、猫対策を含めた今後の動物管理、愛護に関する政策につきまして、第三者委員会を設置いたしましてその方策を協議いただいているところでございます。現在では、法律に規定していることではございませんが、そういったルールをつくりながら、地域で猫問題を解決していけるように方策を推進してまいりたいと考えてございます。 ◆松浦忠 委員  まず最初に、犬についてです。  中ノ沢の件については管理センターの所長も頭を悩ませておりますが、罰則を適用して告発して本人を処罰しても、本人は一向に罰金を払うなり何なりしなかったら何ができるのでしょうか。特に、犬を飼育している建物は非常に狭いです。それから、近親交配の問題もあるので、最終的には市長として強制的に犬を去勢したりできるのかどうか。法のぎりぎりのところでそこまでやることができるかどうか。やって、札幌市長が逆に告発されて、法で処罰されることがあるのか、ないのか。なければ、それも可能だからそこまで含めて取り組むことも可能でしょう。その辺はどういうふうに認識されておりますか。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいまのお尋ねでございますが、ご存じのとおり、犬猫につきましては、飼い主の資産というか、持ち物となりますので、いかに環境に悪影響を及ぼしているということがございましても、直ちに行政の意思でそういうものを排除することはやはりできないものと思われます。  先ほどお話のありました白石の件につきましても、動物管理センターの粘り強い指導の結果、飼い主に了解を得た上で飼っている犬をこちらで引き取って譲渡したということでございます。ですから、私どもといたしましては、飼い主の理解を求めながら効果のある対策に努めてまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  中ノ沢の場合には、ご高齢の女性の方が飼育されておりますが、一方で人間の介護事業もやっております。犬に対しては、愛着だけはあるけれども、犬を大切にする、当たり前に飼うということをどうも理解をいただけないようで、所長は困っているようです。  これは、処罰をすることがいいかどうかの話ではなく、とにかく粘り強く何回も足を運んで、その人にお会いして、やはり説得する以外にないと思うのです。ぜひ説得して、犬が適正に飼われ、また、脱走するなどして付近に迷惑をかけないように、大きな犬ですからみんなは恐怖心を持っていますので、そういうことのないようにしっかりしていただきたいと思います。本当にご苦労なことです。  特に、犬猫の飼い方については、法律との関係も含めて、広報部とよく相談して、そういうことについてできるだけ早く広報さっぽろに載せて周知徹底していただきたいと思います。最終的には迷惑をかけないように飼っていただくことが大事ですから、そこのところもぜひ対策として取り組んでいただきたいと要望しておきます。  次に、霊園基金の関係と霊園の維持管理についてです。  札幌市に三つある霊園にはお墓が4万2,000基余ありますが、この管理は霊園をつくったときに使用料を基金として積み立てて行いながら今日に至っておりますけれども、平成元年から平成25年度までの基金運用益を財政局に出していただきました。そうすると、運用益とかかる経費は、平成7年度を境に逆転して、平成8年度ぐらいからは運用益が少なくなり、基金から支出して管理費に充てていくことが多くなっております。平成25年度について言えば7,768万3,275円のお金を管理費に入れて使っておりますが、一方で、基金の利息は何ぼかといったら半分の3,800万円余なのです。  そこで、この3園はこれから大々的に再整備しなければならないということもあると思いますが、そうしたこれからの見通しを含めて、どのぐらいで資金が底をつくのか、どのような計画の見通しを立てているか、お尋ねします。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいまの霊園基金につきましてお答えを申し上げます。  今、委員からもお話がありましたとおり、札幌市の霊園基金につきましては、市営霊園の整備及び維持管理のために条例に基づいて設置しているものでございまして、墓地に関する使用料、手数料を基金に積み立てをして、また一方、霊園の維持管理や改修に関する費用をこの基金から取り崩して使用しております。現行では、基金の運用益を加えても支出のほうが多くなってございまして、このままで推移いたしますと元金自体が減少していくことも予想されます。仮に平成25年度の事業レベルと同様の収支が続くと仮定いたしますと、現在、27億6,000万円ほど基金がございますので、今後60年程度は維持されるものと考えております。 ◆松浦忠 委員  これから60年で、平成85年までですか。公園ですから、木々も大きくなったりして大規模改修などをしても、あと60年は大丈夫ですか。  一般の公園だって、大体30年ぐらいたったらヘクタール当たり1億円ぐらいかけて公園の改修工事をやっています。霊園にも周りに木が生えていますし、いろいろな工作物がありますね。こういうものは何年に一回やるのかはわからないけれども、そういうことを計画しても、60年は大丈夫だということですか。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいま60年と申し上げましたのは、仮定の話でございましたけれども、平成25年度の事業の収支のままでいくとということでございます。今おっしゃられたように、霊園も老朽化が進んでございますので、いずれは園路や石垣、階段、トイレなどの設備改修の経費はこの中からさらに捻出されなければならないと考えております。 ◆松浦忠 委員  少なくとも15年たったら責任を持つ人はそこに誰もいないのではないかな。10年がいいところでしょうか。前の1列目はもう1桁だと思います。後ろの折り畳み椅子に座っている人は、あと20年ぐらいでもそうかなという人がいるぐらいだと思います。  そこで、運用益がますます上がっていくような事態は、今の世界経済の状況からいってこれからはないと思います。ですから、ますます運用益は減ると見なければいけません。そういうことからいったら、札幌市が続く限り市営の墓地はやめないわけですから、この3園については、今のうちからどういうところをどう直すかという計画をしっかりと立て、その先はどうするかということも検討していかなければいけません。  特に墓地については、お守りする人がいなくなっても、札幌市のほうで条例に基づいて処理して、また再募集してということでやっていくわけです。ですから、その計画を早急に立てていただきたいと思います。1定のときには、計画はできたかとまたお聞きします。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、夜間急病センターについて、子宮頸がん予防ワクチン接種後の症状に関する対応について、2点質問させていただきます。  まず、夜間急病センターについてです。  夜間急病センターは、内科系の急病患者を対象に初期の救急を担う医療機関であり、もともとは1972年に札幌市医師会が全国に先駆けて開設したものですが、2004年4月に、施設の老朽化や診療科目の増加に伴い、保健所などが入る複合施設、WEST19の新築を契機に札幌市が開設した施設で、それから10年がたっております。  2009年3月、厚生委員会に夜間急病センターに関する陳情がありまして、その際、センターの役割や体制について伺いました。このときの答弁では、内科、小児科、眼科、耳鼻科の診療科を有した夜間の1次救急医療機関という重要な役割を担っていること、新センターの開設においては、迅速で的確な診断と治療を行うために設備の充実をという札幌市医師会の強い意向に基づき、通常の医療設備に加えて、CTの撮影装置や超音波診断装置、また、解析機能つきの心電計などを備えており、1次救急と2次救急の中間的な1.5次救急の役割を果たしております。また、人員体制については、診療時間のうち、午後7時から午前零時までのいわゆる準夜という中においては、医師会の会員である合計259名の各医療科の医師による輪番制の協力を得ており、また、午前零時から午前7時までのいわゆる深夜においては6人の専任医師が交代で診療され、このほか、診療に必要な薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、合計381名が各団体から輪番で派遣されて業務を行っていると伺いました。また、2007年の1年間の受診患者数は、合計で5万5,954名でありまして、1日平均約153名が受診されている様子を伺いました。  そこで、質問ですが、2013年度の夜間急病センターの状況は、6年前と比べて、患者の数などのほか、受診者の傾向にはどのような傾向があるのか、まず伺います。 ◎石田 医療政策担当部長  6年前の状況との比較についてお答えいたします。  1点目の患者数についてでございますが、平成19年度が5万5,954人、平成25年度が4万9,073人となっており、6年前と比較して約12%減少しております。しかしながら、患者数は感染症の流行状況などにより変動いたしまして、例えば新型インフルエンザが流行した平成21年度は5万6,133人と突出した患者数となっております。  次に、2点目の受診者の傾向についてでありますが、平成19年度の受診者を診療科目別で見ますと、受診割合が高い上位二つの診療科である内科と小児科の受診者合計が85.8%となっておりまして、また、疾患別で見てみますと、同様に上位二つの呼吸器疾患と消化器疾患の受診者合計は67.8%となっております。平成25年度は、内科と小児科を合わせて86.0%、また、呼吸器疾患と消化器疾患を合わせて67.3%となっておりまして、このことから受診者の傾向につきましては6年前と比較して大きな変化は見られない状況となっております。 ◆しのだ江里子 委員  昨年は4万9,073名の患者数ということで、6年前と比べると12%の減少で、1日当たり約135名です。しかし、新型インフルエンザなどの感染症の流行時には5万6,000人を超えていたということであります。また、傾向としては、6年前と大きな変化はなく、内科、小児科がそれぞれ86%前後でありました。  資料をいただいたところ、昨年の小児科受診者は1万4,852名で、内科受診者は2万7,357名でした。小児科の中でも、昨年度は3歳未満が7,326名、3歳から5歳までが5,019名と、合わせますと全体の25%を超えております。  子どもは、本当に症状が急変いたします。日中は元気にしていた子どもが夜になって急に熱を出すことは、子どものいる家庭ではどこでも経験のあることだと思います。また、高齢者人口がふえる中、受診時間も19時から22時までが54.3%と圧倒的に多く、半数を超えています。急病センター以外にも、自宅の近くに医療機関で夜間に受診可能なケースはあるものの、やはり、365日診察をしていただけるのはここしかなく、そのようなときに頼りになるのが夜間急病センターであると思います。  そこで、夜間急病センターを担ってくださっている協力医について質問させていただきます。  厚生労働省が2年に1回実施している医師調査によりますと、札幌市内の施設に従事されている医師の数は、2010年には5,686人でしたけれども、2012年には5,917名と231名の増で、うち、内科医が1,059名、小児科医は289名と伺っております。その中で、2010年度、19時から24時までの準夜勤をしてくださった協力医の先生は、内科医が41名、小児科医が50名であり、それぞれの各科の医師数に対して内科は3.9%、小児科は17.3%の先生が協力してくださっていると考えられます。協力医の先生たちは、ご自分の診療される場での勤務後の準夜勤なので、かなりハードな勤務であると私は想像します。  そこで、質問ですけれども、協力医の先生方は平均して年間何日ぐらい夜間急病センターに参加してくださっているのか、また、このような状況の中で、札幌市としては、夜間急病センターの運営上、医師にかかわる課題としてどのようなものがあり、どのように取り組んでいらっしゃるのか、伺います。 ◎石田 医療政策担当部長  まず、1点目の協力医の年間平均協力日数についてであります。  日数を算出するに当たっての準夜勤の協力医の人数は、平成24年度は内科41人、小児科50人、平成25年度は内科38人、小児科41人、そして、平成26年度は内科51人、小児科47人でありました。年間平均協力日数は、平成24年度は内科で10.4日、小児科で9.8日、平成25年度は内科で11.3日、小児科で11.9日、そして、平成26年度は内科で8.4日、小児科で10.4日でありました。この日数を平成24年度と平成26年度で比較いたしますと、内科では2日減少しておりますが、小児科では0.6日増加している状況にあります。  次に、2点目の夜間急病センターを運営する上での医師にかかわる課題と取り組みについてでございます。  平成26年度を含む3カ年においても協力医の人数に増減があることから、札幌市としましては、今後もセンターをしっかりと運営していただくために、医師の安定的な確保が重要な課題であると認識しております。医師の確保につきましては、指定管理者である札幌市医師会の役割でありますことから、医師会において会報誌などを活用して継続的に協力医の募集を呼びかけているところでございます。その一方で、札幌市には安易な夜間受診を控えることなどについて市民に対して広く周知していく役割がありますことから、札幌市といたしましては、医師の負担が過大とならないよう、出前講座や救急医療の電話相談窓口である救急安心センターさっぽろの利用を促進するなどして、夜間急病センターの適正受診の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  確かに、平成24年度から平成26年度の数字を見ますと、協力医の数には増減があります。そして、1人当たり年間9日から10日前後ということで月に1日当たりは診ていただけているのかと思いますが、実際にはご自分のところで診療された後に協力医をしてくださるということで、それに関してはかなりハードなことだと思います。また、協力医を受けてくださる先生たちが固定化されてしまっているのではというお話も聞いております。答弁にもありましたように、協力医の安定的な確保は大変重要な課題と考えていらっしゃるということで、まさにそうであると思います。  札幌市において夜間急病センターを担っていただいているのは指定管理者である札幌市医師会でありまして、医師会の事情とは言いましても、協力医が決して大きくふえてはいない傾向にあるのは心配です。また、お医者様の高齢化ももちろんあると思いますので、市としても、多くの先生方が参加していただけるような手だてを医師会とともにぜひ考えていただきたいと思います。  そして、市民に対しては、今もありましたように、まさに♯7119の救急安心センターさっぽろなどの周知をしっかりと図って、夜間急病センターを安易に利用することがないように、ぜひ今後とも啓発していただくことを要望して、この質問を終わります。  次に、子宮頸がん予防ワクチン接種後の症状に関する対応についてです。  子宮頸がん予防ワクチンについては、2011年1月からの公費負担による接種開始以降、昨年、2013年4月からは予防接種法に基づく定期接種となりまして、札幌市では昨年12月までに小学校6年生から高校1年生の年齢に当たる女子が3年間で10万2,000件、約3万4,000人が接種を受けたと考えられます。  その後、ワクチン接種後の持続的な疼痛などの副反応を疑う事例が発生したことを受けまして、定期接種決定からわずか2カ月後の昨年6月に、厚生労働省より各自治体宛てに勧告がなされ、積極的な接種勧奨が差し控えられています。接種と症状の因果関係については、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会などで検討が重ねられていますが、結論には至っておりません。  私どもは、ことしの第1回定例市議会予算特別委員会において、子宮頸がん予防ワクチン接種後の副反応事例、相談対応及び周知と全数調査についての質問をさせていただきました。答弁では、札幌市においても副反応事例が報告されており、体調不良で困っている方からの相談に丁寧に対応すること、学校生活への影響については教育委員会と連携を強化して対応すること、相談対応の周知について情報が行き渡るよう工夫していただけるとのことでしたけれども、全数調査については、調査をすることよりも、実際に予防接種後の体調不良でお困りの方一人一人について丁寧な相談対応を行い、学校生活に関する支援について教育委員会との連携を密にして取り組むことが重要とのことでした。およそ半年が経過いたしましたので、その後の状況について確認させていただきたいと思います。  そこで、質問です。  札幌市における子宮頸がん予防ワクチンの接種状況、副反応の報告状況について伺います。  また、本年3月以降、相談対応の周知や教育委員会との連携等についてどのような取り組みを行ってきたのか、あわせて伺います。 ◎田森 医療担当部長  1点目の子宮頸がん予防ワクチンの接種状況及び副反応の報告状況についてお答えいたします。  子宮頸がん予防ワクチンは、1人当たり3回の接種を行うワクチンですが、平成26年度の接種状況は、4月から7月まで合計16件となっております。うち、初回の接種が5件、2回目が4件、3回目が7件となっております。また、厚生労働省の副反応報告制度に基づく報告につきましては、平成26年3月以降、新たに3件の報告があり、これまでと合わせて合計6件の報告を受けております。  2点目の相談対応の周知や教育委員会との連携の取り組みについてです。  広報さっぽろ4月号におきまして、子宮頸がん予防ワクチンについては、積極的な接種勧奨を差し控えていることとあわせて、接種後の体調不良等についての相談窓口として保健所をご案内したところです。また、札幌市のホームページにおいて、子宮頸がん予防ワクチン接種の効果及び副反応のリスクについて接種後に報告されている症状や頻度を掲載した上で、ワクチン接種後の体調不良があった際の相談については保健所において対応していることをお知らせしております。  さらに、子宮頸がん予防ワクチンの定期接種を実施する医療機関へ接種に関するハンドブックを送付しており、本年4月以降に送付しているものでは、積極的な接種勧奨の差し控えに至った経緯や接種後の体調不良に関する相談について保健所が対応を行っている旨を追記しております。  教育委員会との連携につきましては、学校生活に影響が生じた場合や児童及び生徒からの相談が寄せられた場合には、相談窓口として保健所を案内するよう依頼しております。さらに、4月に教育委員会との第1回連絡会議を開催し、相談事例や副反応に関する情報等の共有を行うなど、連携に努めております。 ◆しのだ江里子 委員  質問以降、4月の広報さっぽろやホームページ、また、お医者様に対してのさまざまな周知など、いろいろな形でやっていただけることに関しては理解いたします。また、教育委員会とも4月以降に連絡会議をしていただいているということで、私も評価したいと思います。  3月の予算特別委員会での質問の際に、神奈川県茅ケ崎市を例に全数調査の結果を報告しました。昨年からことしにかけて全数調査を実施した神奈川県茅ケ崎市、鎌倉市、大和市、藤沢市、愛知県の碧南市、熊本県の合志市、玉名市の7市では、何らかの体調変化があったという報告は約31%から50%に上っておりまして、症状が続いている方も、茅ケ崎市では15人、鎌倉市では11人、大和市では14人、藤沢市では13人、合志市では6人、碧南市では5人という報道があります。  茅ケ崎市の接種者5,275人の中で15人に副反応がある状況からしますと、札幌市で副反応報告をされた方は、今、保健所で確認されているのは新規の3人を含めて6人ということですが、この6人では済まないのではないかと私は考えます。堺 春美元東海大学医学部教授は、接種後の健康異常の症状や発症時期が非常に多様であること、また、接種医が副反応と認めなかったり、本人や家族が気づかなかったりしたケースが相当数埋もれている、全員の追跡調査をすればもっと多くの被害が出てくると指摘されています。  厚生労働省は、8月29日、症状が出た全ての患者を追跡調査するなど、副反応の情報収集を強化すると発表しております。全国で338万人もの10代の女子がワクチン接種を行ったと言われる中で、症状のあった人だけを追跡調査するということですけれども、成長期にあります10代の女子たちにとってはワクチンの副反応は未知数で、これからどのような影響が出るのかはわかっておりません。体調の悪さがワクチンによる影響と気がついていない場合もあると思われます。本来は、国が全員の追跡調査をすべきですが、国がなかなか決められない以上、国の対応を待つばかりではなく、札幌市として全数調査をして追跡すべきと私は考えます。  今年度の接種は、先ほどの報告で16人と伺いました。また、この中には2回目もしくは3回目の接種の方もいらっしゃいましたけれども、新たに5人の女子が1回目の接種をしておりました。それも、お聞きしますと、小学6年生、中学1年生、2年生が1回目の接種をしたと聞きまして、これほど副反応が話題になっているのに保護者やご本人にはご自分のこととして聞こえてこなかったのかなと、大変残念に思います。このワクチンは、定期接種化されましたが、あくまでも各家庭での判断に負っております。接種を受ける本人、家族が十分な説明を受け、理解の上、接種を判断しているのか、大変心配です。  市民団体から子宮頸がんワクチン接種の中止を求める陳情が出ると聞いております。保健所に伺いますと、予防接種法のもと、定期接種となったものを自治体が中止することは法律違反になるというお話を聞きました。千葉県野田市では、接種希望者や保健センターに行き、ワクチン接種に関する事前説明を受けた後に申請書を受け取り、記入し、申請証明書を持参し、医療機関で接種を受けられるというような、より慎重な仕組みを整えております。  そこで、再質問ですが、子宮頸がん予防ワクチンの接種を望む場合には、接種前にワクチンの効果と副反応のリスクについて十分な説明がなされるために、札幌市としてはどのような取り組みをお考えなのか、伺います。 ◎田森 医療担当部長  子宮頸がん予防ワクチンの効果と副反応のリスクの説明に関する取り組みについてお答えいたします。  これまでも、子宮頸がん予防ワクチンの接種を希望する方に対しては、医療機関において接種の前に説明書を用いてワクチンの効果と副反応のリスクについて説明を行ってまいりました。この説明書においては積極的な接種勧奨を差し控えている旨を記載しておりますが、今後は、さらに目立つ表現に改善するとともに、副反応を疑う事例として報告されている症状を具体的に記載するなどの工夫を重ねてまいります。また、本年9月に、厚生労働省は、接種後の体調不良のために医療機関を受診する際は、ワクチンを接種したことを医師に伝えるよう勧める記載等が追加された新たなリーフレットを作成しました。これらの媒体なども活用し、接種を希望し、医療機関を訪れた対象者やその保護者へ接種を受ける前に十分な説明が行われるよう、医療機関へ依頼してまいります。さらに、副反応に関する情報等については、接種対象者のみならず、広く市民へ向け、引き続き札幌市ホームページにおいて周知を行ってまいります。 ◆しのだ江里子 委員  今後は、今までよりもより目立つように、そしてまた、症状、副反応などを具体的に申請書に記載していただけるということで、一歩前に進んだのかと思います。副反応情報も含めて、ワクチンに関する情報が十分に行き渡るような取り組みをこれまで以上にしっかりと進めていただきたいと思います。  次に、接種を受けた後の対応です。  接種を受けた後の対応として、症状がある被接種者とその家族に対して、国及び都道府県が主体となって適切な医療提供の整備を進めており、北海道大学附属病院、札幌医科大学附属病院が診療・研究機関となっています。適切な医療の提供を受けることは重要なことと理解しておりますけれども、ワクチン接種後の症状に関する受診においては、検査や治療に関する費用は本人、保護者の負担となります。自分に降りかかる症状の原因が何によるものかわからず、病院をあちこち回り、たび重なる通院、検査により相当な負担となっているとの声も聞いております。  横浜市では、この6月から、国が因果関係を認めていない段階でも独自に医療費などの費用の助成を始めています。横浜市では、約7万5,000人が接種していますが、市が市民に積極的に勧奨してきた経緯を勘案し、緊急促進事業として支援事業を実施すべきと考えたと表明しております。私は、札幌市においても何らかの対応が必要と考えます。  そこで、再々質問ですが、子宮頸がん予防ワクチン接種後の体調不良による医療機関の受診や検査などに伴う費用負担に関する対応についてはどのようにお考えでしょうか、伺います。 ◎田森 医療担当部長  子宮頸がん予防ワクチン接種後の体調不良による治療及び検査に伴う費用負担に関する対応についてお答えいたします。  定期予防接種を原因とする健康被害については、予防接種法で国による救済が規定されていることから、費用負担に関する対応については、法に基づき、国により実施されるべきものと認識しております。このため、現在のところ、札幌市独自の救済制度の実施については考えておりませんが、副反応を疑う症状の治療費等に関するご相談等に対しては、国の救済制度をご案内するとともに、体調不良についての不安を解消できるよう専門医療機関の案内を行うなど、丁寧に対応してまいります。 ◆しのだ江里子 委員  今のご答弁にもありましたように、定期の予防接種によって引き起こされた副反応により医療機関での治療が必要になったり、また、生活に支障が出るような症状を残すなどの健康被害が生じたりした場合には、国の法に基づく補償を受けることができますが、補償に当たっては、健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の原因によって起きたものなのか、専門医から成る国の審議会で因果関係についての審議が行われた上での補償ですので、国が子宮頸がんワクチンによるものと認めない限り、当然、補償対象とはなりません。費用負担については国が実施すべきということはもちろん当然ですけれども、国が決められないならば、ともに積極的勧奨をしてきた札幌市も対応を考えるべきと思います。  副反応は、すぐに発症する場合もありますが、半年、1年とたってから発症する場合もあると聞いています。お子さんが発症した家庭では、接種を勧めてしまった後悔から家族が体調を崩すという話も聞いています。  札幌市議会は、2010年、2011年には全議員提案で国にワクチン接種助成に関する意見書を提出しましたが、2013年6月には副反応への丁寧な説明と発症した場合の相談窓口の設置を、また、ことし3月には被害の実態と原因究明の徹底、ワクチン接種の一時中止を含めた対策を国に要望しています。札幌市も、国に対して早急に被害実態と原因究明、きめ細やかな被害者対応をしっかり求めていただくことを求め、終わります。 ◆三浦英三 委員  私は、健康寿命の延伸を目指した高齢者の歯と口腔の健康について、1点だけ簡潔に質問いたします。  厚生労働省は、10月1日付で、介護を受けずに日常生活を支障なく送れる期間を示す健康寿命について、2013年度は男性が71.19歳、女性は74.21歳だったと発表いたしました。これは、3年前の2010年に比べて、男性は0.77歳、女性は0.59歳延びております。  先日、我が会派は、健康づくりの先進的な取り組みを行っております長野県長野市の視察を行い、なぜ長野県の人は健康寿命が長いのか、調査してきたところであります。長野県の人はなぜ健康寿命が長いかについて分析を行った資料、さらに、説明をいただきましたところ、長野県では戦前から野菜などのさまざまな食品を食べていた歴史がありまして、そのことが健康寿命を延ばす一つの大きな要因になっておりました。  そして、長野市健康増進計画、健康ながの21においては、高齢者が健康でいつまでもおいしく食事を食べるために、歯と口腔の健康づくりを重点事業の一つに位置づけておりました。何でもおいしく食べられることは、高齢者にとって最大の楽しみの一つでありますので、当然、その人の生活の質の向上に直接的にかかわる問題でもあります。逆に、高齢者の歯や口腔の健康が損なわれますと、全身の栄養状態の悪化や肺炎などの感染症にかかりやすくなるなど、全身の健康にも大きな影響があることが近年の研究で明らかになってきたところであります。そこで、札幌市の健康寿命の延伸を図っていく上で、運動習慣や食生活の改善とあわせまして、歯と口腔の健康づくりについても充実させていくことが必要ではないかと考えるわけであります。  札幌市においては、札幌市健康づくり基本計画、健康さっぽろ21(第二次)をことしの3月に策定し、健康寿命延伸のための取り組みをスタートさせたところであります。この第二次計画の歯と口腔の健康づくりについて、70歳以上のそしゃく良好者を平成35年度までに75%以上にすることを新たな成果指標として掲げております。  そこで、質問ですが、この成果指標を採用した背景と理由について、まず、伺いたいと思います。 ◎請井 母子保健・歯科保健担当部長  70歳以上のそしゃく良好者を平成35年度までに75%以上にすることを新たな成果指標として採用した背景についてお答えいたします。  高齢者がいつまでもおいしく何でも食べることができることは、高齢者の全身の健康状態の維持と密接にかかわっております。国の健康増進計画、健康日本21の第二次計画におきましても、口腔機能の維持と向上が新たな目標として採用されているところでございます。札幌市におきましても、食べる機能の維持が健康寿命の延伸に寄与すると考えまして、健康さっぽろ21(第二次)の中で成果指標として位置づけを行ったところでございます。 ◆三浦英三 委員  札幌市まちづくり戦略ビジョンの人口の将来見通しによりますと、2025年には、札幌市の高齢者の割合が30.5%にもなるという将来予測があります。これを踏まえまして、市民の健康寿命の延伸に向けて、何でも食べることができる高齢者をふやしていこうという新たな指標は、私は大変有意義ではないかと思います。  都市高齢者の健康寿命について、東京都多摩市において65歳以上の在宅高齢者約1万2,000人を対象に行われた6年間の大規模な調査があります。これによりますと、かかりつけ歯科医師がいる人は、いない人に比べて寿命が長いという事実が明らかになっております。高齢者の方々からは、歯のありがたみは失って初めてわかったという話もしばしば耳にいたします。歯の健康づくりは当然ですが、さらに、かかりつけ歯科医の重要性について高齢者に積極的に情報発信をしていく必要があると考えます。  そこで、札幌市はこれについてどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。 ◎請井 母子保健・歯科保健担当部長  かかりつけ歯科医の重要性に関する今後の高齢者への情報発信の取り組みについてお答えいたします。  歯と口腔の健康と全身の健康とのかかわりやかかりつけ歯科医の重要性につきましては、保健所の歯科衛生士が、町内会活動の場など、地域に出向いて健康教室を実施するほか、介護関係者などに対しても研修等を通じて情報提供を行ってまいりたいと考えております。また、このような情報を掲載したパンフレットを老人福祉センターや介護予防センターなど高齢の方がよく利用される場で配布するなどいたしまして、高齢者に対する普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆三浦英三 委員  高齢者に対する普及啓発については、今、部長からもお話がありましたように、しっかりと取り組んでいただきたいということをお話ししておきたいと思います。  最後に、高齢になったときにいつまでもおいしく食べられる歯の健康を維持するためには、若い世代からの歯科保健対策が重要であることは言うまでもないと思います。また、最近の高齢者の歯科的な課題としましては、認知症患者や要介護高齢者に対して歯科疾患の予防や口腔機能の維持・向上を図る口腔ケアについても普及していく必要が指摘されているところであります。これらの課題を踏まえまして、市民の歯と口腔の健康づくりを一層推進していくことが重要であると考えております。  そこで、最後の質問ですけれども、私は、札幌市として、生涯を通じた歯科保健対策についてどのような取り組みを具体的に行っていくかということを示す行動計画を定めることが必要と考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎請井 母子保健・歯科保健担当部長  生涯を通じた歯科保健対策の具体的な取り組みを示す行動計画についてお答えいたします。  生涯を通じた歯科保健対策の推進に合わせまして、特に委員からご指摘がございました認知症患者を含む要介護高齢者等に対する口腔ケアの普及は、今後の高齢者の増加を踏まえますと、喫緊の課題であると認識しております。そこで、今後は、市民の生涯を通じた歯と口腔の健康づくりを推進するために、歯科保健対策に関する中期的な推進方策を具体的に取りまとめてまいりたい、このように考えております。 ◆三浦英三 委員  健康寿命を延ばすためには、歯と口腔の健康づくりは大変重要だということが段々の質疑の中でも見えてきたと思います。よって、予算もしっかりととった行動計画をぜひつくっていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆涌井国夫 委員  初めに、委員長にお願いがございます。  本市の胃がん対策について質問いたしますが、質問の流れの中で、項をまたぎ、一部、国保会計に関連する質問をしますけれども、ご了解をいただきたいと思います。
     日本は胃がん大国でございまして、我が国の胃のエックス線検査による胃がん検診が本格的になったのは1953年からでございまして、今日まで60年以上が経過しております。この60年間は、対策型検診といたしまして死亡率減少効果が認められる胃エックス線検査が推奨されておりますけれども、そのエックス線検査による胃がん検診の受診率が近年は大変減少傾向にあると言われて久しいわけであります。  そこでまず、本市の胃がん検診の受診率と年代別の受診者の年齢の特徴、傾向についてお伺いしたいと思います。 ◎高川 健康企画担当部長  胃がん検診の受診率と年代別の傾向ということでございました。  まず、受診率についてでありますが、札幌市が実施している胃がん検診の受診率は、ここ数年、減少傾向にありまして、平成25年度で7.0%であり、ほかのがん検診と同様に受診率の向上が課題となっています。  次に、受診者の年代別の傾向でありますが、年代別の受診率を見ますと、検診の対象となったばかりの40歳から44歳までの若い世代が5.4%と最も低く、定年退職者がふえるあたりの60歳代が高くなっております。65歳から69歳までの年代が10.0%で、これをピークに70歳代以降はまた徐々に低下するようになっております。 ◆涌井国夫 委員  先ほどのとくとく健診の受診率ではありませんが、胃がんについての資料もいただきましたけれども、他都市との比較においても、平成24年度では第10位の7.3%で、非常に低受診率傾向が続いているということが言えると思います。また、年代別についても、60歳から69歳の受診率が12%であります。年代別から考えますと、60歳から69歳の受診率が高い傾向にあるということで、恐らく、退職された方たちが胃がん検診を受診しようということで数値が高くなっているのかと思いますが、それを除くと全体的にはかなり低い状況でございます。  そこで、胃がん検診については、高齢者を中心としたバリウムの誤嚥、あるいは、レントゲン装置からの転落、医療被曝への不安など、今の胃がん検診に対する敬遠が言われておりますけれども、本市は、低受診率の理由をどのように分析して、現在どのような対策をとっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎高川 健康企画担当部長  胃がん検診の受診率が低い理由についてでございます。  札幌市独自に分析したものはありませんが、平成25年1月に内閣府で実施したがん対策に関する世論調査において、がん検診を受けない理由としては、受ける時間がないから、がんであるとわかるのが怖いから、費用がかかり経済的にも負担になるからなどという回答が多く、札幌市においても同様の要因があるものと推測しております。  次に、受診率向上に向けた対策でございますが、がん検診の利便性の向上を図るため、夜間・休日検診を実施している検診実施機関の情報を札幌市のホームページを通じて発信しております。さらに、企業と連携したがん検診の受診勧奨に取り組んでおりまして、ポスターによる啓発や、本年4月には胃がんをテーマとした市民フォーラムを実施いたしました。また、8月からは、町内会などの地域の団体が主体となって実施する地域住民セミナーの取り組みも進めています。この取り組みは、希望する町内会などの地域の団体が地区会館などの身近な場所で行う胃がんをテーマとした地域住民セミナーに合わせてピロリ菌の検査を実施するものであり、住民主体の健康づくりを促すことにもつながるものと考えております。 ◆涌井国夫 委員  胃がん対策については、検診受診率の低下が言われておりまして、その原因分析としては国の調査などさまざまなものがありますけれども、私は、札幌市としての調査も極めて重要だと思います。一番大事なのは、疾病予防、早期発見の観点で、市民が受診されている、されてないというような具体的な検診データが継続して健康づくりに生かされていかないのが一番の問題点だと、私はあえて指摘しておきたいと思います。医学的には定期的なサーベイランスシステムと言うようで、今も一生懸命頑張っているでしょうけれども、ぜひこうした視点を持ってもっと真剣に取り組んでいただきたいと思います。  今、若干触れていただきましたが、健康管理あるいは健康づくりなど、検診により自身の健康に利益を享受できるという意識を醸し出すことが重要だと思います。また、胃がんの原因については、今お話しされたように、ピロリ菌という感染症であるということの広報など、そのために市民セミナーは極めて重要であると考えておりまして、市民の関心の高いピロリ菌について、専門医によるセミナーを地域単位で開催することは市民のニーズをつかむためにも極めて重要だと思います。また、セミナーの開催もそうですが、今後は、ピロリ菌の認知度をはかるアンケート調査もやるべきではないかと思います。さらに、検診を受診された方の職種別のアンケートをあわせてやることも大事ではないかというふうに思いますが、その辺についてお伺いしたいと思います。 ◎高川 健康企画担当部長  ただいまご答弁申し上げました胃がんをテーマとしたセミナー、市民フォーラムですが、このフォーラムでは、合計581名の参加希望がありまして、さらに、あわせて実施いたしましたピロリ菌検査では、定員30名のところ、450名もの申し込みがあり、抽せんとなるなど、市民のピロリ菌への関心が非常に高いことがわかりました。このことから、委員がご指摘のとおり、今後のがん対策を検討する上で市民のニーズや意識を把握することは大変重要なことでありますので、胃がんとピロリ菌などに関する意識調査の実施について検討してまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  先月の24日、世界保健機構、WHOの専門組織である国際がん研究機関、IARCのフランス本部は、全世界の胃がんの約8割がヘリコバクターピロリ、ピロリ菌の感染が原因であるとの報告書を発表されたわけであります。1983年のピロリ菌の発見以来、1994年にはピロリ菌は明確な発がん要因と発表していましたが、今回、胃がんの主要な原因はピロリ菌であると初めて認めました。ご存じのとおり、ほとんどの胃がんはピロリ菌の感染症と言われておりまして、そうであるならば予防が大変重要であります。同じように、肝炎もウイルス感染症の一つですが、肝炎対策基本法にも明らかなように、肝がん予防の基本がウルイス検査と専門医への受診と言われております。ですから、今回、胃がんの原因がピロリ菌であると明確になった以上、本市の胃がん対策は、従来の胃のレントゲン検査から胃がんリスク検査を中心にした1次検診に転換すべきだと私は思うわけであります。  今回のIARCの報告を受けて、本市の胃がん対策についてどのように認識しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎高川 健康企画担当部長  がん検診につきましては、ただいまいろいろなご指摘をいただきましたが、札幌市については、国のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針に基づいて実施しておりますが、ピロリ菌検査につきましては、現時点ではこの指針に明記されていないところであります。国のがん対策推進基本計画において、ピロリ菌の除菌の有用性については内外の知見をもとに検討することとしており、厚生労働省のがん検診のあり方に関する検討会において現在検討が進められております。  札幌市といたしましては、ピロリ菌感染に着目したがん検診について、まずはこのような国の検討状況を注視することといたしまして、その結果を踏まえ、今後の胃がん検診のあり方について検討してまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  国のガイドラインは、確かに、内外のさまざまな知見をもとに検討していくというような検討状況であるがゆえに、ある意味ではエックス線検査が主要な検診項目であるということは私も知っています。ただ、IARCの報告書を受けて、国会でも再三議論されているのです。1次予防対策として、もっと踏み込んで取り組みを変えるべきだと言っているのです。もちろん、国の強硬な反対といいますか、エビデンスと言いますが、科学的な知見がまだそろっていないと言われているのは、私どももよくわかっているつもりでございます。  しかし、札幌市がもう少し本気になって胃がんを撲滅しようということを真剣に考えていくのであれば、ABC検診と言います胃がん発症リスク検査は、極めて有効かつ経済的で、予算もかなり削減できると言われております。このABC検査は、血液検査でピロリ菌感染の有無と胃粘膜萎縮の程度、ペプシノゲンを調べて、両者の結果を組み合わせ、胃がんの危険度、リスクをAからCの段階に判定する胃がんのリスク判定法であります。現在、札幌市がやっている胃がん検診は2次予防でございまして、胃がんを見つけることが目的でありますが、今後の胃がん検診は、ABC検診でピロリ菌感染者を絞り込み、ピロリ菌陽性の人には、全員、除菌を勧める1次予防を基本にすべきだというふうに思います。さらに、除菌治療だけでは100%抑制できませんので、2次予防として内視鏡によるサーベイランス、つまり定期的な検査を行います。内視鏡検査も、現在のように一律に年に1回行うのではなく、胃がんリスクの高い人ほど短い間隔で、低い人は数年に一度の検査をしていくことが最良の方法だと思います。そうすることで胃がんのハイリスクグループを絞り込み、点でなくすことができるわけであります。  専門医の方に聞きますと、胃粘膜の状況を知るためには、今のバリウム検査では不十分であると明確に言っているのですよ。内視鏡検査で胃粘膜、胃酸の分泌を調べる血中のペプシノゲンの測定が必要と言われておりまして、胃の粘膜に異常がなく、ピロリ菌も陰性の場合には胃がんの発生の確率が極端に低くなると思います。  そこで、国の胃がん検診ガイドラインについてですが、これは将来的には間違いなく見直しがされると思いますので、それまで、本市での特定健診で血液検査をする際に、胃のリスク検診、あるいは胃の健康度検診を任意で工夫して実施できないかどうか、お伺いしたいと思います。 ◎岩井 保険医療部長  札幌市国保の特定健診の付加健診などにピロリ菌検査を加え、胃の健康度調査として実施することはできないのかというお尋ねかと存じます。  特定健診につきましては、高齢者の医療の確保に関する法律に基づきまして、全ての医療保険者が実施することとされている健康診査でございます。国民の疾病状況を見ますと、不適切な生活習慣の積み重ねが糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった病気を発症し、生活習慣の改善がないまま、虚血性心疾患や脳血管疾患などへと重症化していたものが多かったことから、平成20年度より始まった特定健診という制度でございます。したがいまして、その内容につきましては、これらの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的に、内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドロームに着目したものでございまして、生活習慣を改善するための特定保健指導の対象者を選び出すことを主眼に行っているものでございます。また、平成23年度より始まりました付加健診につきましては、検査項目に心電図検査などを入れておりますけれども、これらの検査は、基本健診と同じく不適切な生活習慣の積み重ねにより発症リスクが高まる疾病に着目しているものでございます。  このように、特定健診の趣旨や目的からして、付加健診にピロリ菌検査を追加することは難しいものと考えております。 ◆涌井国夫 委員  先ほども質疑がありましたが、とくとく健診の受診は非常に低迷している状況でございます。財源はどこからといったら、国保です。国民の健康を守るための保険でして、メタボだけの国保ではないわけであります。メタボの症状からさまざまな要因が普遍的に広がっていくということはわかりますけれども、国保の趣旨からいっても、今の状況を考えたときに、やはり絞り込んで、健康に悪い状況を排する取り組みがこれからますます大事だと思います。  また、先ほどありましたように、とくとく健診も下から2番目と非常に低受診率になっています。政令市の平均が26.3%ですから、ある意味では根本的な見直しをして、札幌市独自で真剣に考えていったほうがいいと思います。国の受診率も国際的に見て低いのです。韓国での受診率は50〜60%だと言われています。日本も頑張ろうということで、がん検診や特定健診の受診率を高めようとしており、そのためにはどうしたらいいかと国では必死になってやっております。まずはそのことをご理解していただきたいと思います。  そして、とくとく健診の受診率向上のためには、関心の高いピロリ菌の除菌による効果を市民に広く広報し、そして、1次予防が極めて重要だということも訴えていき、認識を持ってもらうために、特定健診とがん検診を合わせた実施日を設定して、相乗効果を狙った取り組みが絶対に必要だし、私はこれしかないと思っております。例えば、西東京市では、従来の検診費用に比べて胃がんハイリスク検診の費用のほうが2.5倍安いというデータが出ておりますし、従来の胃がん検診は、今までは6%であったけれども、胃がんリスク検診をして42.3%とはね上がったと言うのですよ。そして、特定健診と同時実施が高い受診率につながったという報告書も上がっています。  こういうことで、国保は、国民の健康増進と予防医学の視点を持ちながら、リスク評価を中心にした効果的な施策に取り組むべきと考えますけれども、もう一度お伺いしたいと思います。 ◎岩井 保険医療部長  再度のお尋ねでございます。  先ほど申し上げましたように、国の法令では、例えば、法律に、特定健康診査(糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する健康診査をいう)と定めておりまして、それを受けました法律の施行令では、法律に言うところの政令で定める生活習慣病は、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、その他の生活習慣病であって、内臓脂肪の蓄積に起因するものとすると限定的に定められているところでございます。したがいまして、特定健康診査そのものに盛り込むことは難しいというのは先ほどご答弁で申し上げたとおりでございますが、これまでにも、特定健診の実施期間におきまして、例えば胃がんの検査の実施などを行っている場合には、その旨の情報をホームページ等で伝わるような形にしております。  したがいまして、今、委員からお話がありましたピロリ菌の検査についても、どのような情報提供が可能なのか、保健所と連携して考えて取り組んでいきたいと思います。 ◆涌井国夫 委員  最後にしますが、最近、多くの自治体でがん検診担当課が予算化され、国保にあわせて胃がんリスク検診を任意検診で実施する自治体がふえてきております。特に、先ほど西東京市について言いましたが、本年7月、東京都医師会は、胃がん検診を充実するために、受診率が低い胃エックス線検査のみならず、胃がんリスク検診を任意型検診として追加することを進めるとしております。胃エックス線検査に比べて簡便に実施でき、受診率の向上と1次予防を重視した検診にシフトできるとしており、既に東京都内16区・市で実施あるいは導入準備をしているということでございます。  本市でも、ぜひとも、ABC検査の有用性を踏まえて、任意型検診として実施を検討すべきと考えるかどうか、また、胃がん検診の補助対象にするように国に働きかけていくべきと考えますがどうか、館石医務監にご答弁をいただきたいと思います。 ◎館石 保健福祉局医務監  ただいま委員からご説明がございましたとおり、ピロリ菌検査を用いたリスク検診につきましては、胃がんの早期発見ではなく、発病そのものを予防する効果が期待できるということで、国でも盛んに効果の議論が進められていると承知しております。委員からもございましたが、議論の経過を踏まえると、早晩、国のほうで見直しが行われる可能性も十分にあると考えますので、国の議論の推移に高い関心を持ち、例えば具体的に実施になったときにはどのような準備が必要かということを含めて、これから見守ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆涌井国夫 委員  今は見守るしかないのかなということでございます。  館石医務監、この低受診率ですが、全国の政令市の中でも下から2番目で推移していて、いいなんて誰も思っていませんよ。やっぱり、これに力を入れて、市民の健康を守るという視点から、健診が非常に大事だと言うのであれば、先ほどの段々の議論でもありましたけれども、皆さんが関心を持って、健診しなくてはと、自分の健康に十分に資すると、そういうインセンティブをどうつくって健診に結びつけるかが大事だと僕は言っているのです。そのことをなぜわからないのかと思います。  これ以上は質問しませんが、ぜひ、お願いしたいと思います。 ◆木村彰男 委員  私は、健康づくりセンターの見直しについてお伺いいたします。  ことし、平成26年3月11日、第二部予算特別委員会で、私は健康寿命について質問いたしました。それに対して、高川健康企画担当部長は、「健康づくりに関して、この業務を委託している健康スポーツ財団に対して数値目標を与えるかどうかというご質問でございましたが、その前に、この財団につきましては、健康づくりセンターの運営に関して指定管理者として事業を委託しているところでございまして、健康づくり事業の全体のうちの一つの施設を指定管理しているということで、健康づくりそのものを委託しているということではございません」という発言がございますが、このことについてはこれでよろしいですか。 ◎高川 健康企画担当部長  私が申し上げたとおりで、議事録に記載のとおりでございます。 ◆木村彰男 委員  要するに、健康づくりということで、先ほどとくとく健診についても出ていましたけれども、そういう疾病というか、検査してメタボの方を特定し、センターに行っていただいて肥満などの対策をやっていこうということで健康づくりセンター3館の見直しが去年にありました。そして、ことしから実際に実施されていると私は理解しています。  そこで、先ほど出ておりましたように、その中では、特定保健指導対象者等に絞り込んだ上でセンターの利用勧奨をやっていらっしゃると思うのですが、この利用勧奨は、一体、誰がどのようにしてやっているのか、お聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  健康づくりセンターにつきましては、今ご指摘のようにあり方を見直ししておりまして、重視する対象者を絞って利用に結びつくような取り組みをしているところでありますが、具体的には医療機関、地域包括支援センター、障がい者相談支援事業所などの関係機関と連携して、重視する対象者、例えば生活習慣病発症予防・重症化予防対象者や要介護・要支援予防対象者、障がい者などの方々について情報を把握しております。具体的には、利用連絡票によりまして、これら連携する機関から重視する対象者の情報が健康づくりセンターに提供されているところであります。このほか、各区の保健センターで行っておりますが、保健師などによる地域保健活動とも連携して重視する対象者を把握できるように努めております。  こういった重視すべき対象者の方々に対しましては、健康づくりセンターが電話などにより利用を直接勧奨し、利用につながるよう取り組んでいるところでございます。 ◆木村彰男 委員  もう一回言いますよ。健康づくりセンターが電話をしているのですか、健康づくりセンターに勤務されている方が電話をしているのですか、それとも、健康づくりセンターにいる札幌市の職員が電話しているのですか、お聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  健康づくりセンターで健康の指導をしている健康づくりセンターの職員が電話による勧奨を行っております。 ◆木村彰男 委員  健康づくりセンターの職員とは一体どのような身分ですか、お聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  指定管理によりこの施設の管理を行っております健康スポーツ事業団の職員でして、健康づくりについて事業を行っている職員でございます。 ◆木村彰男 委員  先ほど言ったこととは違うのではないですか。  今おっしゃった健康づくりセンターの職員というのは財団の方ではないですか。今言ったのは財団の方が電話をかけているということでよろしいですか。 ◎高川 健康企画担当部長  繰り返しますが、関係機関と連携し、区の地域保健活動からの情報を健康づくりセンターに提供し、その情報をもとに具体的な利用勧奨をしているのは財団の職員でございます。 ◆木村彰男 委員  それでは、その財団の職員は、今申し上げましたように、利用勧奨する対象のリストをいただいているはずです。先ほど言ったとくとく健診の対象者がその中に仮に100人いたとします。この方に電話をします。そして、利用していただくことについて目標を立てていますか、お聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  情報提供の仕方につきましては、リストという形ではありませんが、先ほど答弁したように、関係する情報についての利用連絡票、あるいは、医療機関からの情報提供に関しては診療情報提供書という形で提供を受けております。  目標につきましては、何人に利用勧奨する、あるいは、何人が利用するという数値の目標は設定しておりません。ただ、健康づくりセンターの指定管理における管理業務仕様書がございますが、それに定める業務基準では、利用者総数は年間延べ15万6,000人のうち、重視する対象者の人数を年間延べ2万8,000人としているところでございまして、これを一つの目安として考えております。 ◆木村彰男 委員  実は、ここに健康さっぽろ21(第二次)がありますが、これをつくったときに市民にパブリックコメントをとっております。そして、最初に出した内容のものを、パブコメの指摘に従って一回直しております。それは、まさに部長がおっしゃった利用者数のところです。利用者数だと、健康な人も利用していると見えるわけです。最初は全市民を対象にしていたけれども、基本的には、3施設の改革を通じて、先ほど言った重視する対象者に絞り込むようになっていくのですが、そのために、市としては、健康づくりセンターの概要を適切な表現に修正しますと直しているのです。  この直したものはどうなりましたか、お聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  健康づくりセンターの見直しにつきましては、今申し上げました重視する対象者専用の施設ではなく、重視しながらも、一般市民の利用についても排除するものではないという見直しをしたところでございます。 ◆木村彰男 委員  このときに、利用者全般の話ではなくて、今言った重篤の方を含めて絞り込むような内容のものになっていないということを言っているのですよ。そうすると、目標を持たないで平成26年度から出発しているのです。だから、数値目標はないですね。その確認ですよ。 ◎高川 健康企画担当部長  明確な数値目標の形ではありませんが、今ご説明しましたように、指定管理業務における業務仕様書上の業務基準として目安となる数値を持っておりますので、これを目安として達成するよう努力したいと考えております。 ◆木村彰男 委員  それでは、その目標を言ってください。きょうの段階で、どこまで到達していますか。 ◎高川 健康企画担当部長  これも繰り返しになりますが、先ほど言いましたように、総数は、年間延べ15万6,000人のうち、重視する対象者の利用を年間延べ2万8,000人という目標にしております。 ◆木村彰男 委員  だから、それは今どこまで到達しているのですかと聞いているのですよ。 ○芦原進 委員長  わからなければ、わからないと答弁してください。 ◎高川 健康企画担当部長  これは一つの目安ですので、これに対応する数値は把握してございません。 ◆木村彰男 委員  つまり、勧奨によって来たか、自主的に来たかがわからないのですよ。勧奨によって来た人もいるかもしれないし、自主的に来ているかもしれない。勧奨は財団が一生懸命やっているということですが、それとの因果関係はわかりますかとお聞きしているのです。しかし、とっていないから、わからないと思うのです。そうすると、自主的に来たのか、それとも勧奨によって来たのかということでいけば、費用対効果が変わってくるはずだ。  今のやり方でいけば、この目標だって医療費の抑制であるとか介護給付費の抑制と書いてありますが、一体いつまでにどれだけのものを抑制しようとしているのか、全くわからないのです。目標値がないから、実現できないでしょう。先ほどの話ではないけれども、単に漠然と少なくするとしか言っていないのだ。このセンターをつくって、現在の医療費を抑制していき、最終的には健康寿命に結びつけていくということですね。前に部長とも健康寿命の話をしましたが、札幌の場合は10年、ほかのところより健康寿命が短いわけです。それをどのようにして長くしていくかという論議を前に2人でして、そのときに健康づくりセンターの話が出てきているのです。  そうだとすれば、目標なくして平成26年4月から出発して、来年に締めるときに見てどういう効果を検証しますか、お答えください。 ◎高川 健康企画担当部長  私どもといたしましては、指定管理期間における健康づくりセンターの効果につきましては、指定管理期間の4年間で評価させていただきたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  4年間はいいのですが、4年間たったらどうなるのですか。今、目標値を持っていないとすれば、来年に持つのですか、再来年に持つのですか、そういうことを聞いているのですよ。  健康づくりセンター運営管理費として、平成25年度は1億6,644万円です。極端なことを言いますと、この費用を倍にすれば先ほど言ったような対象者がふえるということであれば、予算をふやしてでも対象の方にたくさん来てもらうというふうになっていくわけです。効果があると考えればだよ。効果がないと考えれば、1億6,644万円は減らしていくということになりませんか。そういう話をしているのですよ。  今、部長は、このままずっと行って、4年間たって、結果として見たら減っていましたと、そういうことを言っているのですか。 ◎高川 健康企画担当部長  この施設については、いずれにしましても、重視する対象者という考え方を取り入れて、今までなかった減免制度を導入するなどして、重視する対象者の利用を少しでも多く促したいと。そして、業務仕様書上の目安となる数字は持っておりますので、少しでもこれに近づけるようにいろいろな取り組みを積み重ねてまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  電話によって個別勧奨するという話は先ほどのとくとく健診のときにも出しましたけれども、いろいろな方法をやって実際に来てくれる方は少ないと思うのです。前にも話しましたが、わかりやすく言えば、中央区の健康づくりセンターを見せていただくと元気な人がたくさん来ています。そうではなくて、重篤なご病気を抱えた方がそれ以上に悪くならないように、要支援の方が要介護にならないように、健康な高齢者が要支援にならないように、転ばぬ先のつえといいますか、こういうところに来ていろいろな指導を受けながら、そういうことをするためにこのセンターを残したというふうに理解しているわけです。  だとすれば、4年の間にどういう目標を持って出発したのか。出発したときには目標はなくて、漠然とここら辺の数字まで落としていくみたいな話をしていますが、その途中における数値の検証をどうやってしていくのですか。予算の見直しもそうです。部長の腹の中に物差しがなかったら、誰が物差しをつくるのですか。部長以外につくる人は誰かいるのですか、お聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  何度も同じお答えをして恐縮でございますが、あくまで目安として持っている利用者数の延べ人数に近づけるように考えております。 ◆木村彰男 委員  もし、そんなことを民間で言っていたらもう首だよ。目標を持たないで出発するとはどういうことですか。売り上げにも目標がある、利益にも目標があるのですよ。みんなはそれで商売をやっているのですよ。違いますか。その目標値にどうやったら到達できるかという話から作戦を立てていくわけでしょう。持っていないではないですか。参謀が持っていなくて、誰が持つのですか。部長が持たないのだったら、責任をとってやめるかい、はっきり言いますけれども。4年たって目標に行っていなかったらどうしますか、お答えください。 ○芦原進 委員長  考えている目標があると思いますので、もう一度、答弁をしっかりやってください。私は、答弁が出たような気がします。 ◎高川 健康企画担当部長  今、申し上げました業務仕様書の数字に対して、到達しなければ責任はどうなるかということです。  今の健康づくりセンターは、一度見直しをいたしましたが、この見直しに沿って事業の定着を図ることが最も重要であると考えておりますので、多くの重視する対象者を一人でも利用につなげるための取り組みをしっかり行うことによって責任を果たしてまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  最後に、局長、今の答弁を補足して、4年でやり切ると言ってくださいよ。 ◎瀬川 保健福祉局長  委員は目標を定めていないというふうにおっしゃいますけれども、先ほどから部長がご答弁申し上げておりますように、一定の目安は持っております。その目安に向けて、職員は一生懸命に努力しているところでございます。この4年間で評価させていただきたいということでございますが、今申し上げました2万8,500人の目標値についての検証は中間点でもさせていただくつもりでございますので、目標を達成できるようにしっかりと努力してまいりたいと思います。 ◆木村彰男 委員  今のお言葉を重く受けとめさせていただきました。  センターが残るという根本になったところは、そちらにつなげていくということで市民のご理解を得たと私は思っているのですよ。一回はやめると言ったのですよ。それを残していくという前提は、今言ったように、重篤な方というか、対象の方を絞り切って、その方々のお役に立つということで市民のお声があったわけです。  ですから、最初の原点に立ち返って必ず実施していただくことを希望して、私の質問にかえさせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、次週21日火曜日午前10時から、建設局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時46分...