札幌市議会 > 2014-10-09 >
平成26年第一部決算特別委員会−10月09日-03号
平成26年第二部決算特別委員会−10月09日-03号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2014-10-09
    平成26年第二部決算特別委員会−10月09日-03号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成26年第二部決算特別委員会−10月09日-03号平成26年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第3号)               平成26年(2014年)10月9日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  芦 原   進      副委員長   よこやま 峰子     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  こんどう 和雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  長 内 直 也     委   員  佐々木 みつこ      委   員  飯 島 弘 之     委   員  北 村 光一郎      委   員  伴   良 隆     委   員  伊与部 年 男      委   員  川口谷   正     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  林家とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  長谷川   衛     委   員  しのだ 江里子      委   員  宝 本 英 明     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  中 村 たけし     委   員  三 浦 英 三      委   員  谷 沢 俊 一     委   員  阿知良 寛 美      委   員  福 田 浩太郎
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  伊 藤 理智子     委   員  石 川 佐和子      委   員  松 浦   忠     委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後0時59分 ○芦原進 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、山田委員、五十嵐委員、伊与部委員からは、遅参する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第2号 平成25年度札幌市病院事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆福田浩太郎 委員  私は、市立札幌病院におけるチーム医療の取り組みについてお尋ねしたいと思います。  近年、医療の高度化、複雑化に伴いまして、医療現場ではチーム医療の重要性が叫ばれ、その機運が高まっていると伺っております。医療現場の状況といたしまして、これまで、医療専門職はその専門分野だけ、例えば薬剤師は薬の調剤をする人、栄養士は病院給食の献立をつくる人という役回りから、近年、病院の薬剤師は服薬指導や外来化学療法のサポートなどを行い、栄養士も患者の食欲不振や栄養状態、嗜好状況を確認して食事の工夫や栄養指導を行っていて、その業務範囲は随分広がっているようであります。そして、患者への治療内容を主治医が決定し、看護師、薬剤師、栄養士などの各専門職に指示するシステムから、患者の状態に応じて複数の科や職種にまたがるチームで医療サービスを提供していく体制が定着しているようであります。  この背景には、医療の高度化があり、診断技術や治療の多様化・複雑化に伴って専門分化が進み、主治医一人だけではさまざまな情報を総合して判断することが困難になってきている状況があります。また、質の高い安全な医療へのニーズに応えるためにも、多職種で情報と意見を交換しながら意思決定を行っていく過程が不可欠と言われております。一方で、医療行為は法的に医師の指示のもとで行うことと規定されているため、各専門職の主体的な判断が患者のベッドサイドで十分に生かされているとは言えないとの意見も聞いております。  私ども公明党は、現在、深刻化している医師不足対策や患者本位の地域医療拡充の実現のために、病院でのチーム医療とともに、訪問看護師や薬剤師、ケアマネジャー、ホームヘルパー、民生委員など、さまざまな職種のサポートによって在宅療養を継続する多職種協働チーム医療体制の構築、推進を訴えております。チーム医療とは、医師、看護師、薬剤師のみならず、管理栄養士、理学療法士などのリハビリテーション専門職、心理職、社会福祉士を初め、医療にかかわる多種多様な全ての職種が互いに連携、補完し合い、どうすれば患者により良質な医療を提供することができるかという共通の課題に対応していくものと考えております。ことし3月の厚生労働省のチーム医療の推進に関する検討会の報告書では、各医療スタッフの専門性の向上と役割の拡大や連携、補完の推進に取り組むべき内容が提示されています。今後の医療のあり方が示唆されておりまして、チーム医療の推進へますます拍車がかかることと思います。  市立札幌病院では、既に、ステージアッププランにおいて、チーム医療の取り組みとして、栄養サポートチームや病棟における薬剤師の業務範囲拡大、口腔ケアなど5項目を掲げておりますが、これらはいずれも患者への良質な医療の提供や生活の質の維持・向上に欠かせないものと考えております。  そこで、伺いますが、ステージアッププランに掲げている各チーム医療の進捗や平成25年度の実績など実施状況はいかがか、お尋ねいたします。 ◎木内 経営管理部長  ステージアッププランに掲げたチーム医療の実施状況についてお答えいたします。  ステージアッププランでは、質の高い医療の提供という項目に、チーム医療といたしまして栄養サポートチーム、緩和ケア、病棟薬剤業務周術期口腔ケア糖尿病透析予防の5チームを挙げております。この実施状況でございますが、まず、栄養サポートチームでは、平成25年度は前年比15件増の402件に介入いたしまして患者の早期回復につなげてきております。また、緩和ケアチームでは、53件増の223件に介入いたしまして治療早期からの緩和ケア開始に努めております。また、病棟薬剤業務では、全病棟に薬剤師を配置いたしまして指示簿の確認や持参薬の鑑別等の業務を行い、病棟スタッフの業務軽減を図ってきております。さらに、周術期口腔ケアに関しては、歯科口腔外科と協力し、187人増の605人に対して619件増となる1,811件のケアを実施し、口腔機能の維持と合併症の防止に努めてきております。最後に、糖尿病透析予防チームですが、医師及び糖尿病療養指導士による指導を56件行いまして、患者の末期腎不全の進行阻止に当たっております。 ◆福田浩太郎 委員  取り組み状況は理解いたしました。  次に、現在、病院での医療提供、特に入院に関してですが、高齢化が大きな問題でありまして、がんなどの重症の病気や転んで骨折するなど、高齢者の入院は今後ますます増加するというふうに思われます。また、この治療に当たる専門職の方々は、運動能力の低下など高齢者特有の状況への対応をチームで行う必要性が増していると推察いたします。  私どもは、高齢者が住みなれた地域で医療、介護、生活支援サービスを安心して受けることができようにさまざまな施策を提案しておりまして、その中でも、急速に進む高齢化による認知症対策も重要と考えております。認知症の人やその家族に対して、看護師などの専門家がチームとなって初期支援や生活のサポートを行う体制整備など、高齢者が安心して暮らせる環境整備を提案しております。また、認知症を抱えた高齢者は他の一般的な病気によって入院することが増加すると見込まれておりまして、こうしたことへの対応は極めて重要なテーマであり、国が医療政策の柱とする5疾病5事業に精神疾患を加えたのも当然と思います。  そこで、再質問ですが、高齢の入院患者の増加に伴いまして、認知症など精神疾患を抱えた患者に対するチーム医療の必要性が増していると考えておりますけれども、これにどのように対応しているのか、現状の取り組みをお尋ねいたします。 ◎関 病院事業管理者  ご質問をどうもありがとうございます。  精神疾患を抱える入院患者に対するチーム医療の状況についてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、高齢患者の増加に伴い、認知症など精神疾患を抱える患者のほか、環境の変化によるせん妄や精神的混乱、重篤な病気への不安による鬱状態など、一般病棟での入院に関しても精神的サポートが必要な患者は増加する傾向にあります。  現在、精神医療センターの設置によりまして、精神科救急、合併症の患者を対象に精神科と一般診療科との密接な協力によるチーム医療を進めるとともに、一方で、精神科のサポートが必要な一般病棟入院患者に対して精神科リエゾンチームによる対応を行っており、平成25年度は507人の患者をチームで診療いたしました。具体的には、一般診療科と連携して定期カンファレンスを週1回開き、患者の課題を共有し、精神科リエゾン専門医一般病院連携精神医学専門医を含む精神科医8名、精神科専門看護師2名、臨床心理士1名が一般診療科へ毎日往診し、認知症など精神疾患を抱えた患者や精神的に不安定な患者に対応しております。また、病棟からの夜間・休日のリエゾン依頼についても365日24時間体制で精神科当直医が対応しておりまして、一般診療科の医師や病棟の看護師も非常に助かっている状況です。 ◆福田浩太郎 委員  精神科リエゾン取り組み状況は理解いたしました。  次の質問に入りますが、医師を含めた医療専門職によるチーム医療は、国が進める医療と介護が一体となって行う地域包括ケアシステムにおいても重要な課題でありまして、地域と一体となった医療専門職の確保、育成が必要と思います。  さきの国会で成立しました地域包括ケアシステムを構築するための医療介護総合確保推進法案の質疑でも、同法案が病院の役割分担の明確化や在宅医療の推進などによって効率的で質の高い医療の提供を目指していることから、私たちは地域医療におけるチーム医療の重要性を訴えております。特に、入院時から病院と地域の介護、看護が連携し、在宅でも継続性のある医療が受けられる体制の構築が質の高い医療の提供につながると訴えまして、厚生労働省から、医療、介護を連携して提供できる体制の整備が重要であり、在宅医療協議会設置チーム医療研修への財政支援などを通じ、退院支援を充実させる旨の答弁を引き出しております。今後、一層の高齢化が進む状況の中で、高齢者とその家族が住みなれた地域で医療、介護、生活支援サービスを安心して受けることができるように、地域包括ケアシステムを構築するためにも、在宅医療などでもチーム医療の役割が重要になると考えます。  そこで、質問ですが、市立札幌病院は、地域の医療機関等とどのようなチーム医療を行っているのか、また、今後、地域とのチーム医療をどのように推進していくのか、お尋ねいたします。 ◎関 病院事業管理者  地域の医療機関等とのチーム医療の状況などについてお答えいたします。  まず、在宅医療への支援としまして、悪性腫瘍の鎮痛療法、化学療法を在宅で行っている患者の褥瘡、いわゆる床ずれに対するケアについて、当院の専門知識を有する看護師が地域の訪問看護ステーション等と共同で当たるなど、在宅でのチーム医療も進めております。また、がん、心筋梗塞、脳卒中に対する地域連携パスの運用や、開放病床の利用による地域医療機関との共同診療、そして、在宅移行患者に対するケアカンファレンスの実施や、多職種を対象とした講習会、研修会などを平成25年度は66回、本年度、26年度は既に25回開催するなど、地域との連携によるチーム医療に努めております。  今後は、現在、更新・再構築中の総合医療情報システム地域連携システムによるICTを活用した情報共有の推進により、より強く地域とのチーム医療の推進を行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  地域とのチーム医療についてはわかりました。  最後に、要望いたします。  今の質疑を通して思いましたのは、市立札幌病院ではチーム医療に着実に取り組んでいると理解いたしました。特に、精神科リエゾンチームにつきましては、精神科を持つ総合病院は少なく、時代の要請に応えるものと評価いたします。引き続き、認知症を持つ患者などが安心して他の病気に向き合えるような取り組みを進めていただきたいと思います。また、地域の医療機関とのチーム医療の連携については、地域包括ケアの環境を整えていくためにも大変重要だと思います。引き続き、ご努力をお願いします。  最後に、チーム医療に関して、厚生労働省のチーム医療推進会議が一定の結論を出しておりまして、特に特定看護師について、国は2015年10月に始まる特定看護師の研修制度に向けて検討部会を開催しており、今後、指定された研修機関における研修内容など、より具体的な制度が決まっていくものと考えております。このほかにも、研修計画をつくっていく中でチーム医療を進める見直しが出てくるものと期待しているところであります。  特定看護師につきましては、種々の議論があることは承知しておりますが、医師の負担軽減や看護師の能力活用など、今後の超高齢化社会における在宅医療の需要に対応するためには必要な制度であります。市立札幌病院には、道央圏の基幹病院として、より高度なチーム医療推進のための取り組みの一つとして、特定看護師などの育成を行う教育・研修体制の構築をぜひ進めていただきたいと申し上げ、質問を終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、市立札幌病院看護職員の労働条件の改善について質問いたします。  日本医療労働組合連合会は、ことしの9月8日に「めざすべき看護体制」の提言を発表しました。その内容は、看護職員の夜勤の多さや休みの少なさ、勤務時間の長さから退職する人が後を絶たない実態があることから、患者に迷惑をかけない体制を考えると、病棟や外来、訪問などに携わる看護職員は現在の倍に当たる300万人が必要というものです。医療の複雑・高度化、患者の高齢化、重症化などに対して、目指すべき看護体制を検討し、健康で長く働き続けられるために必要な人数として現状の約2倍の看護体制が求められるとしているのだと思います。命を預かる仕事をしているのに、それだけ労働実態が苛酷だという切実な要求だと思います。  ことし3月の予算特別委員会では、我が党の委員が市立病院の看護職員の労働実態について質問しましたが、3月時点では看護職員の定数は699人で欠員が18人でした。2012年度の看護師平均残業時間が月17.5時間、また、夜勤の際に休憩がとれているのかについて、特に病棟で休憩確保が難しいとのことでしたが、その後、どのように改善されてきたのか、まず、お伺いいたします。 ◎木内 経営管理部長  まず、看護職員の定数についてでありますが、これまでも、関係部局と協議しながら、業務量に応じた適正化に努めてきたところでございます。今年度は、平成25年度の699人に対して、701人に見直しをし、2名増員したところでございます。  また、時間外勤務についてでありますが、看護職員の時間外勤務の平均時間は、ご指摘がありましたように、平成24年度は17.5時間であったのに対して、25年度は16.1時間、今年度は、ことし4月から8月までの5カ月間で16.0時間と、若干ではありますけれども、減少傾向にあります。  また、夜勤時の休憩時間の取得状況につきましては、昨年度と大きく変化している状況にはありませんが、特に夜間は休憩時間中であっても緊急に対応が必要となる場合がありますことから、こうした場合は別の時間帯に休憩をとるように指導しているところであります。 ◆伊藤理智子 委員  定数については、701人と2人増員したという答弁がありましたが、昨年の看護職員の退職者が92人にもなっているというふうにお聞きしております。夜勤の休憩については、依然として病棟での休憩の確保が難しく、別の時間に対応するようにしているということで、本当に大変な状況がなかなか簡単に改善されていかないということが今のご答弁であらわれていると思います。  日本医労連が実施している実態調査で、看護職員の7割が仕事をやめたいとアンケートに答えております。やめたい理由で一番多いのが人手不足です。患者が高齢化して、認知機能が低下した人がふえたことも負担になっています。点滴を抜いて血まみれになったり、尿管を抜いて歩き回ったり、大変な状況があると報告されています。医療も高度化して業務がふえているのに、見合った人員が配置されていないことも深刻だとのことです。こうした状況は、市立病院の看護職員の労働実態にも当てはまるのではないでしょうか。  私の体験でも、民間の病院でしたが、家族が病気で入院して付き添いをしたとき、ナースコールが一晩中鳴り続け、夜勤の看護師が走り回って対応していました。どんなに体力があって健康な方でも体を壊してしまうなと思って心配したのを、今でも鮮明に覚えております。患者に携わる看護職員が健康で元気に働ける職場でなければ、よい看護を通じてよい医療の提供を行うことができません。看護職員をふやして体制を改善していくことは、喫緊の課題だと思います。  3月の予算特別委員会の我が党の質問で、当時、日本医労連が2013年度に取り組んだ看護職員の労働実態調査に基づいて全国と市立病院の看護職員の労働実態を比べました。1カ月の夜勤が13回以上というのは、全国調査では大体1%のところ、市立病院では3.5%、1カ月の夜勤が12回というのは、全国調査では1.4%のところ、市立病院では8.8%と、市立病院では夜勤が突出していることなどを指摘して、労働条件の改善を求めました。  市立病院の夜勤の回数について、突出した夜勤の回数が改善されているのか、また、年休の取得についてもどうなっているのか、明らかにしてください。 ◎木内 経営管理部長  まず、夜勤の回数についてお答えいたします。  ことし4月から8月までの5カ月間の夜勤回数でありますが、細かくご説明申し上げますと、月15回となった職員が延べ2人、月平均で0.4人、割合は0.1%、月14回となった職員が延べ8人、月平均で1.6人、割合は0.4%、月13回となった職員が延べ145人、月平均で29人、割合は6.5%、月12回となった職員が延べ346人、月平均で69.2人、割合は15.5%という状況になっております。この状況を昨年度と比べますと、12回以上の夜勤を行っている職員数が約1.5倍にふえているところでございます。  この要因については、昨年度にご指摘がありましたように、退職した職員が92名いた影響によりまして、ことし、多くの看護職員を採用しましたが、新人職員が夜勤をできるようになるまでは半年以上の育成期間が必要となるため、その間、夜勤ができる職員が限られていたことによるものであります。しかしながら、この10月に入りまして、新人職員も徐々に夜勤ができるようになってきておりますので、今後、徐々に改善されていくと考えております。  また、年次休暇についてお答えします。  看護職員の平均取得日数ですが、平成24年度は7.8日、平成25年度は8.4日と若干ふえております。 ◆伊藤理智子 委員  夜勤回数は全国平均と比べても非常に高いので改善するべきだと指摘して、少しは改善されたのかと思って期待しておりましたけれども、92人の退職者が出たこともあり、残った方々の労働条件がさらに厳しくなっているのだという実態が今の答弁から本当によくわかりました。  新人の方々も、これから成長されて夜勤をできるようになっていくというお話でしたけれども、先ほども言いましたように、労働実態が非常に苛酷になっている現状ですから、もっともっと体制を強化していかないと、やめたいという方々が出てくるのではないかというふうに思うのです。労働条件が苛酷などの理由で今後も退職者がふえていくとすれば、頑張って働いている看護職員にさらに負担がかかることになると思いますし、看護職員を増員していかなければ同じ悪循環が続いていってしまうというふうに懸念します。  看護職員を増員して労働条件を改善していかない限り、この悪循環を断ち切ることができないと考えますが、市立病院の看護職員の苛酷な労働実態についてどのように受けとめ、また、今後どう改善していこうとしているのか、伺いたいと思います。 ◎木内 経営管理部長  ご指摘のとおり、私どもといたしましても、看護職員の厳しい労働環境は改善していかなければならないと考えております。  具体的な取り組みといたしまして、現在、看護職員が看護師業務に専念できるように、看護補助員や看護事務補助員の増員に取り組んでおりますが、今後の取り組みといたしまして、入退院にかかわる業務の集約化を検討しております。これは、患者の入退院に際して、薬や食事のアレルギーなどを含めた患者の個別状況を把握したり、退院後の生活や外来受診に係る注意事項の伝達など、多くの業務を病棟の看護職員が行っており、大きな負担となっております。これを改善する方法として、今後、入退院に関連する業務を集約いたしまして、仮称ですが、例えば入退院センター的なセクションを設置して、一つの部署でこれらの業務を一括して担当することによって病棟の看護職員の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。  こうした取り組みを含めて、より一層の労働環境の改善に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  現場の看護職員に負担がかからないようにいろいろ努力をされているのだということは伝わってきました。しかし、現場の体制を強化していくことが大事ではないかと感じます。  2007年の国会では、日勤は患者4人に看護師1人、夜勤は患者10人に看護師1人以上を基本とする、夜勤は3交代5人体制で月6日以内、当面は8日以内とするなど、現場の人たちが具体的にどういうふうにしていったら健康で長く働き続けられる職場になるかを考えた上で、こうした請願が出され、全会一致で採択されたという状況がありますので、私は、市立病院の現場でもこういう体制に近づいていけるように整備していかなければいけないと思います。  看護師たちは、専門職であり、人の命や健康を預かる仕事として誇りを持ってこの仕事についているにもかかわらず、苛酷な労働実態の中で、身も心もぼろぼろになり、健康も害してしまい、退職せざるを得なくなる、そういうことを繰り返していくことになれば、本当に長く安心して働き続けられず、よりよい看護も、よりよい医療も提供できなくなってしまいます。ここで体制を強化していかなければ、いつまでも改善されていかないで悪循環になっていくのではないかと思うのです。やはり、国の制度によってしっかりと保障し、働く人たちの待遇を改善していったり、さらに増員していったりすることが重要だと思います。市立札幌病院は、札幌市の公立病院ですし、市民の皆さんにも期待されている病院ですから、ここで働く看護師が元気にはつらつと患者にしっかり向き合っていただけるような体制にしていただくことを強く求めて、私の質問を終わらせていただきます。 ◆石川佐和子 委員  私からは、救急患者の受け入れ及び緩和医療の地域連携の拡充について伺います。  2013年度の市立札幌病院ステージアッププランの進捗状況について、本年6月に開催されました市営企業調査審議会病院部会の資料によって確認させていただきました。資料によりますと、財務内容の改善目標では、新入院患者数が目標を上回っておりますが、一方で病床利用率は72.3%と、目標に対して9.6ポイント減となっております。これは、平均在院日数の短縮が原因だと伺ってはおりますが、これにより、同じ項目にある単年度資金収支の確保については5,100万円の赤字であり、目標に達しておらず、病院の経営上の大きな課題であるというふうに思います。一方、医療機能確保については、ほとんどの項目で目標を達成しております。病院部会の委員からは、ステージアッププランの進捗状況について評価する意見も述べられておりますし、医療の質や安全の確保に向けて市立病院は努力されているというふうに私も思います。  しかし、達成していないものが一つだけありまして、それは、救急患者の受け入れ数が945件と、目標の8割にも達していない状況です。その原因は、医療圏における重篤な患者の減少と伺っております。  救命救急センターの受け入れ数については、厚生労働省の医政局が救命救急センターの評価を公表しておりまして、その評価実績を見ますと、札幌市内4カ所の救命救急センターのいずれも重篤な患者の受け入れ数は700名前後と余り差はありませんが、病院全体で受け入れた救急車搬送人員を比較しますと、実は大きな開きがございました。4カ所の中で最も多いところでは年間約4,400人を受け入れておりますが、市立病院は1,800人と半分以下でありまして、患者数が計画目標に達しない一因ではないかと考えるところであります。市立病院は、地域医療支援病院でありますし、救急車搬送件数もその要件になっていることから、地域の中核病院として、もっと救急患者を、特に地域の医療機関から依頼された患者を積極的に受け入れるべきというふうに考えます。  そこでまず、伺います。  2013年度の市立病院の救急車による患者受け入れ状況はどうであったのか、また、そのうち、ほかの医療機関から紹介のあった患者はどれぐらいだったのか、伺います。 ◎木内 経営管理部長  平成25年度の救急車によります搬入患者数とそのうちの紹介患者数についてお答えいたします。  まず、救急車での搬入患者数は、平成25年度は、病院全体では1,820名でございます。このうち、入院された患者は1,290名で、約71%を占めております。また、搬入患者のうち、他医療機関から紹介のあった患者数は224名で、割合としては12.3%でございます。 ◆石川佐和子 委員  今、数字を教えていただきました。紹介が12.3%ですので、もう少し数字をかさ上げしていくことができるのではないかと思いました。  さきに申し上げました審議会病院部会の資料におきましても、次期経営計画の検討課題に救急患者の受け入れ数の増が挙げられておりまして、地域の中核病院としては5疾病5事業の一つである救急事業の拡充が必要だと思います。また、市立病院は、地域医療支援病院として1年を経過したところでありますが、国の定める紹介率50%、地域への逆紹介率70%、そして、救急車搬送受け入れ1,000件以上という承認要件を達成する必要があります。  このことに関しては、9月末の状況では全て達成できる見込みというふうに伺っておりますが、救急車の受け入れは市民のセーフティネットとしてもぜひ拡大していただきたいと思います。特に、夜間・休日の2次救急の当番病院につきましては、その輪番など、確保が年々難しくなっているというふうに伺っております。急速に高齢化が進んでいる今日、市民の生命、安心を確保するためにも、特にほかの医療機関から依頼される救急患者の受け入れ、いわゆる2次救急は極めて重要であると思います。  そこで、改めて確認いたしますが、市立病院はどのような2次救急輪番などに参加または実施しているのか、今後、2次救急輪番への参加拡大などの計画はあるのか、伺います。 ◎関 病院事業管理者  ご質問をありがとうございます。  まず、2次救急への対応についてお答えいたします。  当院が現在参加しております2次救急輪番でございますけれども、循環器呼吸器系、消化器系、小児系及び精神科の四つの輪番に参加しております。当番日には、多くの患者を診療しておりまして、特に小児科などでは多いときで10人前後の緊急入院を行うこともあります。また、独自に地域の医療機関からの要請によりまして、脳神経系、泌尿器系、気胸などの専門分野の救急対応も行っています。  次に、今後の2次救急輪番への参加拡大ということでございます。  当院の日常診療に支障が生じないように診療体制などの調整は必要ですが、既に参加している輪番日数の拡充や、けが、災害の外科系など、特に参加病院の確保が難しくなっている分野について拡大を検討していきたいというふうに考えております。 ◆石川佐和子 委員  小児科救急の体制については、これまでも私どもから質問させていただきましたけれども、市立病院が地域医療支援病院としてさまざまな特色を生かして医療機関から求められている2次救急の輪番など、参加を拡大していくというふうに伺いましたので、積極的に進めていただきたいということを求めておきます。  最後に、救急患者の受け入れに関連して、緩和ケアへの取り組みについて質問いたします。  昨年の決算特別委員会において、私ども会派の伊藤(牧)委員から、市立病院への緩和ケア病棟の設置を求めております。高齢化等によりまして、がんなどの疾病も増加しており、実に日本人の2人に1人ががんにかかると言われております。市立病院におけるがん治療に関しましては、緩和ケアチームの活動を伺ってきたところであります。  現在、国の施策は、医療、介護の再編構想に基づいて、病院から在宅へと移行する方向に進んでいます。近年は、特にがん患者の高齢化が顕著になってきており、在宅医療、介護サービスへのニーズが高まり、在宅療養中の患者が安心して生活できる仕組みをつくることは緊急の課題だと思います。在宅医療支援に積極的な診療所を優遇する制度として、既に、2006年に、在宅療養支援診療所が設けられ、24時間体制の往診や急変時の入院先を確保しているなどの要件を満たす施設が認定されております。2012年には、さらに、24時間365日の対応を確実に行う機能強化型という区分が新設されまして、緊急の往診や在宅でのみとりを行える施設が認定されるようになりました。  しかし、札幌市内には、強化型で単独で緊急、往診等を行えると届け出ているのはわずか3施設、また、10以内の施設で連携して行えるところが47施設と伺っており、非常に少ない状況になっております。また、その多くがベッドのない無床診療所でありまして、患者の症状が急変し、入院が必要になった場合、特に在宅で緩和医療に移行した終末期の患者を受け入れてもらうのにとても苦労しているというお話も伺っております。  国は、緩和ケア推進検討会などの意見により、がん診療連携拠点病院に緩和ケアセンターを整備し、院内、院外での緩和ケア医療を行うとの方針を打ち出し、まず、都道府県拠点病院にセンター設置と緊急緩和ケア病床を設置するよう促しております。現在、北海道の拠点病院である北海道がんセンターに緊急緩和ケア病床が設置されていると伺っておりますけれども、私は、市立病院にこそ、がん拠点連携病院、地域医療支援病院として、空きベッドを活用し、在宅での介護に限界を感じる家族や受け入れ先を探す在宅診療所の医師の方々を応援していくべきだというふうに考えます。  そこで、在宅での緩和ケア医療を支援するために、緊急緩和ケア病床などを設置することはできないのか、伺います。  また、緩和ケア病棟の設置は、今後の検討課題との答弁をさきの委員会でもいただいておりましたが、次期経営計画では病棟の再編も検討課題とされているところです。  そこで、今後の病棟の設置も含めて、緩和ケア医療の充実のお考えはないのか、あわせて伺います。 ◎関 病院事業管理者  緊急緩和ケア病床の設置についてお答えいたします。  緊急緩和ケア病床は、在宅で療養するがん患者の疼痛症状が増悪した際などに緊急対応できる機能として、疼痛の緩和を目的とした緊急入院ができる体制をつくることを想定したものであります。当院といたしましても、在宅で療養されている患者の痛みに対して、その苦痛を取り除くために緊急入院して在宅に戻れるよう疼痛管理をする病床が必要と考えています。今後、在宅支援診療所などの医師の意見を聞きながら、市立札幌病院としてどのような対応が必要か、あるいは可能かを検討してまいりたいというふうに思っております。  次に、今後の緩和ケア医療の充実でございます。  現在、次期経営計画策定に合わせまして緩和ケア病床の増床を考えております。また、緩和ケア病棟の設置につきましては、次期計画及び施設の改修計画を検討、策定しているところでありまして、引き続き当該計画の検討課題としてまいりたいというふうに考えております。 ◆石川佐和子 委員  高齢化に伴いまして増加しているがん治療などにおいて、緩和ケア病棟はなくてはならないものだと考えます。今、次期経営計画においても病床の増床などを検討されていくことを伺いましたので、ぜひ、より多くの市民が最期まで安心して地域で暮らすことができるよう、地域医療支援病院として、また、道央圏の基幹病院としての役割をしっかりと果たしていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  病院局の中でいろいろな事件が起きておりますけれども、その中で、発注に伴う事件がことしに入って刑事事件として立件されております。これは、1審の判決がもう出たかと思うのですが、まずは、事件の内容と、判決が確定したのか、確定したとすれば、その内容についてお示しいただきたいと思います。 ◎木内 経営管理部長  このたび、元病院局職員がコンピューターへの不正アクセス及び発注にかかわる不祥事を起こしました。市民の信頼を大きく裏切ることになりましたことをおわび申し上げたいと思います。  まず、今回の事件の内容でございますが、この職員は、平成22年度から24年度まで、病院局におきまして情報システムの保守管理を担当しておりました。その職務を利用して、不正に病院局のサーバーにアクセスできるような仕組みをつくり、異動後も異動先から病院局のファイルにアクセスしていました。その中で、契約にかかわる文書も閲覧しているという事実がわかっております。  私どもは、イントラネットでの不正アクセスを発見し、その後、内部調査を行いましたが、非常に複雑な内容で調査もなかなか難しいところがございまして、私どもから警察に相談したものであります。その後、警察の捜査におきまして、不正アクセス及び役務業務の入札に当たって入札の予定価格を策定するための積算価格をある業者に漏らした、あわせて、指名業者を漏らしたことが立証されております。この両罪によりまして、当該職員に対しましては、懲役2年、執行猶予3年という刑になっております。 ◆松浦忠 委員  そうすると、判決は確定したのですか。 ◎木内 経営管理部長  判決の控訴期限が昨日になっております。私どもではまだ裁判所に確認しておりませんが、控訴したという情報は入っておりませんので、確定したものと考えております。 ◆松浦忠 委員  正確に言うと、何をして、どういう罪名が適用されたのか、示してください。
    ◎木内 経営管理部長  まず、イントラでの不正アクセスの関係でありますが、罪名は、公電磁的記録不正作出及び供用罪になります。この行為は、非常に複雑な話ですが、一般的には公文書偽造に近いものになりますけれども、電子記録の場合は公文書偽造が適用にならないため、この条文が新しくできているものでございます。内容的には、病院局在職中、病院局のイントラに本人のID、アカウントを不正に登録したというもので、これが電子記録上の公文書の偽造に当たることになっております。  また、入札の関係については、先ほど申し上げましたように、入札情報の漏えいの部分でございます。罪名は、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反になっております。 ◆松浦忠 委員  そこで、この職員は平成22年度から24年度までの3年間在職していたということですが、この企業に関して、この職員がかかわる以前の入札と、かかわってからの入札ではどのようにふえていったのか、過去3年なり4年の状況についてご説明いただきたいと思います。 ◎木内 経営管理部長  当該職員が関与した発注件数のうち、当該企業に発注されたものの経緯でございます。  当該職員が在職しました平成22年度から24年度、そして、その前の21年度、異動後の25年度を比較いたしますと、発注件数、金額とも在職中の3年間が突出した数字になっております。 ◆松浦忠 委員  件数で言うと、その会社に対して何件ふえたのですか。例えば、前年度の平成21年度でもいいですから、21年度と22年度、23年度、24年度を比較すると何件ふえたのですか。 ◎木内 経営管理部長  当該企業への発注件数でありますが、この職員が所属した係からの発注についてお答えさせていただきますと、平成21年度は当該企業に6件発注しております。22年度に当該職員が異動で来てからは55件、23年度は56件、24年度は48件、異動で転出した後の25年度は24件となっております。 ◆松浦忠 委員  こういうふうに、この会社は、6件から55件にふえたり、あるいは、いなくなった後は48件から24件に半減したということですね。この方は係長ですから、その上に課長、部長、理事がいて、そういう管理体制があるわけですが、そこで、点検はどのようになっていたのですか。 ◎木内 経営管理部長  私どもは、今回の事件が発覚した後、当該職員も含めて、当該課の発注状況について調査、集約いたしました。その結果、先ほど申し上げた数字を把握したところでございます。当時、発注状況はどういう管理をされていたかということを申し上げますと、ご指摘のとおり、係長ですから、発注に関しては課長決裁、あるいは、金額によっては部長決裁になりますので、一職員の起案のうち、これだけ偏った業者への発注の起案が多くなっている状況については、当然、日々の業務の中で管理監督者は気づいてしかるべきだっただろうと考えております。  先ほど事件後に私どもが発注状況を集計したと申し上げましたが、現在、私どもの防止の取り組みでもそういうことをやっておりますけれども、当時は数字の整理がされておりませんで、そういった点でも見逃した原因になっていると思います。しかし、何といっても、こういう状況を一番身近な課長職が発見できなかったことは大きな問題であり、管理監督を著しく欠いていたと言わざるを得ないと思います。 ◆松浦忠 委員  課長職の責任だというところに、随分、力が入っていましたね。委員長もそう思ったでしょう。声を聞いていたら、大分、力が入っていました。  私が1983年に初めて議員になったとき、市立病院の事務局長は部長職だったのですが、その後、今のように局長職である理事に格上げされていきました。格上げされるということはどういうことかといったら、市立病院の事務的な業務にはそれだけ重大性がある、部長職の賃金に見合う仕事を超えている、したがって、局長職の賃金を払う人間に監督をさせなければだめだということで組織として局長職を置いたということなのですよ。理屈からいったら、そういうことになります。  そこで、課長職というところに随分と力が入っていたけれども、私は、課長職ではないと思うのです。これは、率直に言って、局長職、事務方の理事だと思うのです。しかし、その方たちの処分を見ると、全く触れられていないけれども、これはどうしてなのでしょうか。 ◎木内 経営管理部長  処分の関係でございます。  申しわけありませんが、決して課長職という言葉に力を入れたわけではありませんけれども、やはり、最も直近で接している職員の責任は重たいと思います。  ご指摘のありました局長職の処分でございますが、今回、当該職員に対しては懲戒免職処分となっております。あわせまして、管理監督責任ということで、委員のご指摘のとおり、部長職、局長職にも重たい責任があるということで、当時の部長職に対しては、現在、他局へ異動しておりますが、現職でおりますので、減給1カ月の処分を行っております。経営管理室長につきましては、当時の経営管理室長が2人おりますが、退職しておりまして、退職をした以上、懲戒処分はできなかった状況にあります。ただ、検討の中で、局長職の責任も重たいという認識は総務局と協議している中でもございました。 ◆松浦忠 委員  井上副市長、札幌市の組織では、以前は、今その職にある人が譴責の責めを負うというふうに運用されていたと私は理解しているのです。そういうふうに、もともと当該職にある者が責めを負うということではなかったですか。 ◎井上 副市長  今回の件でございますが、やはり、責めを負うためには、その責任があったかどうかという点が一つの大きな観点になります。今回、係長職の方が行ったこの事件につきましては、やはり、当時にいた管理職の方が責任を負うことが正しいのではないかというふうに判断しております。 ◆松浦忠 委員  私が初めて議席を得たころは、懲戒免職に相当するような不祥事が起きたら、当然、市長は譴責処分だったのです。当時の市長は板垣さんです。板垣さんは、3期でやめると言っていたのに、私が出たときにいろいろな関係があって4期、5期となっていったのですが、やめたら、勲章の関係があって処分などをみずからに科すのは経歴的によくないという風潮になってきて、今度はできるだけ市長に累が及ばないようにすることになってきたのです。しかし、見ていたら、譴責処分は、だんだんと下のほうの直接的に管理する職ぐらいで終わるようになってきているのですよ。  少なくとも、組織の責任ある人は、職員でいるのであれば異動先でも当事者を処罰することはそうですが、その人が職員をやめて、いなくても、今いる職員がその責めを負うようにしなれば、やめてしまったら免除ですとなってしまったら責任の所在がはっきりしなくなると思います。それでは、理事職の人は一体何の責任を負うのか、理事は事務分掌上で決裁するだけの責任だけかという問題になるわけですよ。  したがって、そこはもう一回きちんとする。以前からの経緯を知っている人は最後列の川口谷委員、猪熊委員、伊与部委員、武市委員ぐらいのメンバーで、それ以外にはそういないと思いますけれども、市役所の組織ですから記録をきちんと調べればそういうことはわかると思うのです。したがって、この責任からいったら、部長職であった事務局長を局長職に上げて、今は組織の関係で理事にしていますが、この理事は、どういう事務の点検体制をつくるか、そういう管理の総責任者なのです。そして、今回起きた事件というのは、とりたてて札幌市で初めてでもなく、北海道で初めてでもなく、日本でも初めてでなく、電気計算機の仕組みができて以来、この程度のことはずっと起きているわけですよ。したがって、これについては、やっぱり、私は、事務方として置いている局長職、理事、部長の責任であり、特に理事の責任は大きいと思うのですよ。  このことをきちんと認識せずに、今みたいな責任のとり方で終わってしまったら、退職していたので、はい、さようならですから、ここをちゃんとしなかったらだめですよ。これは、もう一回、別の機会に尋ねますから、副市長、よく調べておいてください。そうでないと、理事は何をしているのかということになってしまいます。  点検表をつくって、どういうふうに発注したか、こんな簡単なことです。特に、病院局の発注業務については、例えば、床頭台の交換のときの契約の問題から、その後のいろいろな契約に関して、関係業者の人から不公平だという指摘が寄せられて、私も堀川議員も議会で何回か取り上げています。しかし、そういうことは一向に何ら改めなかった、その帰結がここに一つあらわれてきたということなのです。  確かに、公営企業というのは管理者に全ての責任があります。ただ、民間の医療法人ならば、または大きな病院の場合は、どちらかというと病院長が個人で起業してそういう組織にしていますから、経営の全ての責任は病院長が負う、事務方は本当に病院長の補助としてやっております。しかし、市立病院という成り立ちからいったら、実質的には医療と事務処理を分けてやっております。したがって、私も何回か指摘してきましたけれども、事務方がきちんとした体制で仕事をするようにしなければいけない。公営企業法に基づいて、院長が管理者だとか、あるいは、各理事の皆さんは管理体制について理事会でどのような協議をしていますかと問いただしても、恐らく、医療職では答えられる人はどなたもいないと思います。なぜかといったら、契約の案件内容については、理事会にただの一度も報告していないと私は聞いております。そういう経過からすると、病院の中では、事務方と医療職の大きな区分けははっきりしているということなのです。  そこで、もう一つ、損害が発生していると思うのですが、今まで調べて損害はいかほどなのか、お示しください。 ◎木内 経営管理部長  損害額についてであります。  まだ確定しておりませんが、現段階において私どもの調査で考えている額は、当該職員が行った不正発注は、過大な発注あるいは架空発注的なものがありまして、この金額が約170万円と考えております。また、システムに不正な設置をしたことによりまして、システム改修に係る経費を約200万円と見ております。この金額につきましては、警察から裁判が確定するまで改修を一時見合わせてほしいという要望があり、一部改修していない部分がございますので、まだ金額が確定しておりませんが、おおよそ200万円と考えております。 ◆松浦忠 委員  物品を発注したものは、全部、物品として納入されて、それが使われていたのですか。そういう物品の損害はないのですか。 ◎木内 経営管理部長  物品については、実際に発注され、納品され、その後に回収されたという事実がございます。あるいは、発注していないのに納品されているものもございます。 ◆松浦忠 委員  発注されていないものが納品されているというのは、寄附行為ですか。 ◎木内 経営管理部長  そういうことは決してございません。不正の発注の中で当該職員と当該企業の社員が協議の上、そういう行為をしたと考えております。 ◆松浦忠 委員  協議の上、そういう行為をしたということですが、発注したものを納めて、また別なものをさらに納めていたら会社が損をするでしょう。どうなのですか。もうちょっとわかりやすく説明してください。 ◎木内 経営管理部長  こういう行為を行った原因に関係してくるのだと思いますけれども、実際に発注して納品されていないものは企業が利益を得ますが、発注していないのに物が入っていることになりますと、企業が損をしたことになります。警察情報、本人の事情聴取の範囲内で私どもが理解している話ですが、実際は企業に損害があるのではないかというようなお話も伺っております。ただ、正確には把握しておりません。 ◆松浦忠 委員  いただいた資料によると、物品を納入して、その物品を返して別なものをもらったということが書かれております。警察捜査において犯人への事情聴取の中でそれが明らかになったということですが、病院局として、一旦納めた物品を戻し、また別なものをもらって個人的に使われているとかなんとか、それはどれだけのものがあったのか、そういう事実関係について調査、確認はできているのですか。 ◎木内 経営管理部長  今ご指摘のありました点については、警察からある程度の情報をいただいておりますけれども、私どもに起案が残っているものがございまして、そういうもので調査、確認したところ、現段階では未確定ではありますが、先ほど申し上げました金額を被害額と考えております。 ◆松浦忠 委員  物品を一旦納めさせて交換した金額がどのぐらいか。また、発注の際に談合も行われたということが書かれていますが、情報漏えいしたことによって通常よりも高く入札したことによる損害額がどのぐらいか。170万円をその二つに分類したらどういうふうになるのですか。 ◎木内 経営管理部長  先ほど申しました170万円についてですが、水増し発注、つまり、過大に発注し、一回納品して、それをまた回収してというものは、使用実績と比較してドラム107本分、約136万円ございます。一方、プリンターの修繕などの架空発注的なものとしては9件で、約33万円となっております。  もう1点、起訴された役務業務の契約金額は90万円余りで、今回はパソコンの更新で140台の設定と古いパソコンの廃棄となりますが、この入札金額、落札率を考えますと、私どもも類似の発注を調べて1台当たりの単価を比較いたしますと通常より低い単価となっております。そういった点で、起訴された案件につきましては、病院局としての損害額はないものと考えております。 ◆松浦忠 委員  そこで、システム改修の200万円は、元職員がこのシステムを変更したことをもとに戻すためだけにかかるのですか。それとも、防止策を講じることも含めて200万円がかかるということですか。どちらですか。 ◎木内 経営管理部長  もとに戻すために200万円ほどかかると考えております。 ◆松浦忠 委員  この職員は、自分でそれをしたのか、業者に頼んでしたのか、どちらですか。 ◎木内 経営管理部長  これは、実は、運営管理を委託している業者がおりまして、この職員が単独で業者に指示して設定変更したものでございます。 ◆松浦忠 委員  わかりました。  いずれにしても、病院の事務方の理事を筆頭に、部長、課長という管理職の3人、特に理事を中心に、こういう日常的な業務における外部契約などの問題については、きちんと点検できるようにどういう仕組みをつくるのかということなのです。これは難しいことではないです。皆さんがつくったものは何も難しいことではなく、当たり前にどこでもやっていることで、それを怠っていたということなのです。  そういう意味では、この事件が結審してどうこうという話ではなく、平成25年4月1日に異動して、5月中旬に変だとわかった時点で、こういうことが起きないようにちゃんと点検表をつくっていなければなりません。全庁的になんて、別にほかの部局を相手にした横並びの話ではないのです。そのために、公営企業法に基づき、企業管理者を設置して理事職という経営職を事務方に配置しているわけです。  したがって、理事、そういうふうにやるべきだと思うのですが、まず、理事が就任されたのはいつか、聞かせてください。 ◎渡邉 経営管理室長  私は、ことしの4月に就任させていただきました。 ◆松浦忠 委員  そこで、理事にお尋ねします。  ことしに4月に就任したときに、この事件について聞きましたね。そのときにどうして防止する仕組みをすぐに策定しなかったのですか。 ◎木内 経営管理部長  私は平成25年4月から在任しておりますが、今回、私が異動して、5月に不正アクセスの関係が判明いたしました。その後に調査を行ったわけですが、不正アクセス関係の防止策は直ちにとっております。ただ、入札の関係につきましては、私どもに警察の情報が入らず、わからない状況で、どういう状況だったか判明したのがことしの6月に入ってからでございます。それまでは、私どもは、入札にかかわる不正がどういったものか、把握しておりませんでした。そういう状況でしたので、入札の関係については平成26年度からすぐに対応できなかったということでございます。  ただ、委員のご指摘のとおり、日々のチェックもそうですが、定期的な集計は当然すべきものですから、管理上で怠っていた点は確かにあったと反省しております。 ◆松浦忠 委員  室長、やっぱり、あなたが事務の総責任者なのですからね。病院の事務的なものについては隅々まで調べて、あなた自身が誰よりもわかっていなかったら管理できないと私は思います。今、病院の中の業務の執行についてどの程度を掌握されているかはわかりませんけれども、あなた自身がすぐにいろいろ調べて、どういう仕組みをつくるのがより適切かということを考えて、部下に提示して、練り上げていくようでないとだめだと思うのですよ。ピラミッド式に上がってきたものに、はいと言って判こを押すというのでは、こういう不正防止についてはだめだと思うのです。  これについて、きょう以降、早急に取り組んでいただけるかどうか、あなたの考えをお示しください。 ◎渡邉 経営管理室長  段々のご指摘をいただきましたように、今回の事件を防止できなかったことについては、私ども事務的なサイドとしての管理が不十分であったことは否めないところでございます。ご指摘のありましたとおり、私も、事務方の総責任者として、今後、再発防止に関しては全力を尽くしてまいりたいと思っております。 ◆伴良隆 委員  私は、市立病院の患者の満足感を向上させていくための市立札幌病院の今後のあり方について質疑をしてまいりたいと思います。  既に、本年の1定で我が会派の阿部議員が質問しております。阿部議員は、診療待ち時間を例に、患者へのサービスのあり方を広く論じておりまして、病院局のご答弁でも、病院局におけるソフト・ハードそれぞれの努力や課題が確認されていたところでございます。  一方で、国では、高齢化社会に対応してリハビリや在宅支援のために医療体制の拡充を目指す厚生労働省は、今月から病棟を機能別に4分類する新制度を導入しました。病棟ごとに高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つに分類して、過剰とされる重症患者向けの病床を減らし、実情に合わせた転換を促すために、病棟を4分類することで機能を明確にし、きめ細かい対応を求めております。今月から、それぞれの医療機関は、看護師数や手術件数などの現況を踏まえて病棟を4種類のいずれかに分類し、都道府県に報告することになっているところでございます。  市立病院に視点を置きますと、市民としては、この病院は言ってみれば総合病院であります。非常にわかりやすい一般的な言葉ですが、総合病院といいますと、私もそうかもしれませんが、その1カ所で全てのものを賄える、自分の気になる箇所を診てもらえる、建物の中で全てが完結するといった利点もありますが、一方で、そういうところで全てを賄おうとする意識も働いているといった課題もございます。  そこで、市立病院が担う役割、機能はどうあるべきなのか、まず、このことを市民が理解しなければ満足感を得ていくということにはなりません。阿部議員が言っていた診療の待ち時間の縮減もそうです。また、ジェントル文庫や、報道でもありましたステンドグラス、あるいはカフェ、また、市民の力もかりて花もきれいに飾っていらっしゃる中で、こういったこと全てにおいて満足感を得ていただかなければなりませんが、根本として、市立病院が今どうあるべきなのか、今後どうあるべきなのか、このことを市民が広く理解しなければ皆さん方は納得しないということでもございます。  そこで、段々に質問してまいりたいと思います。  市立病院が大規模病院という性格と市民の病院であること、さらに先ほど言いました総合病院ということもございますが、現代の我が国の医療環境を踏まえた上で、どんな位置づけを持つ病院なのか、また、市立札幌病院が今後担うべき役割、あるべき姿、基本的な姿勢、スタンスを確認したいと思います。 ◎木内 経営管理部長  市立札幌病院の担うべき役割、位置づけについてであります。  国は、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けまして、患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担、医療と介護の連携強化を図っており、平成26年度の診療報酬改定においては、一般病棟7対1入院基本料の施設基準の厳格化や、地域包括ケア病棟入院料の新設などが行われております。このような医療環境におきまして、市立札幌病院は、急性期病院といたしまして、緊急、重症な状態にある患者に必要な入院、手術など高度で専門的な医療を提供する役割、また、地域医療支援病院としてかかりつけ医を支援し、地域の医療の確保を図る役割、さらに、公立病院として政策医療を担う役割を有していると考えております。  私どもといたしましても、2025年に向けた医療制度改革のもと、引き続きこれらの役割を担っていけるよう健全で計画的な病院運営を行ってまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  国においても、都道府県においても、市立病院が求められているものは今のご答弁にあったとおりだと思います。通称医療介護総合確保推進法がございますけれども、これにも合致した答弁だったと思います。  今、高度な医療の提供や地域の包括的支援の中でも、市立病院は非常に重要な役割を担わなければいけません。災害等の緊急時もそうですし、救急もそうだということでございました。ただ、気になったのは政策医療という言葉でございます。当然、総合病院であり、公の病院でありますので、機敏にと言ったら語弊があるかもしれませんが、政策的な背景をもとに動ける代表的な札幌市の病院、あるいは、道内の病院となるわけであります。そして、政策医療と言うとさまざまな分野がございます。そういう中で、市の保健所の医療政策課が病院局の皆さんと作成したものにさっぽろ医療計画というものがありますが、これは、非常にわかりやすいパンフレットで、市の医療政策の基本でございますので、医療政策の中でも代表的なこのさっぽろ医療計画を引き合いに出して、政策医療とは一体何なのかということを考えてみたいと思います。  そこで、この医療計画において、皆さんがおっしゃる政策医療はどういう関連性があるのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎木内 経営管理部長  政策医療に関するご質問でございます。  政策医療は、特に採算面や専門医師、医療従事者の確保等の面から民間医療機関において担うことが困難な医療と認識しておりまして、さっぽろ医療計画では救急医療、周産期医療、小児医療、災害時医療、精神医療などが当たるものと考えております。  これらの医療につきまして、当院は重篤な救急患者を24時間体制で受け入れる救命救急センター、リスクの高い妊産婦に対する医療等を提供する総合周産期母子医療センター、小児の2次救急、3次救急を行う医療機関のバックアップ機能のほか、ご指摘のありました地域災害拠点病院、さらに、北海道DMAT指定医療機関、精神科身体合併症患者に対応する医療機関としての役割を担っております。 ◆伴良隆 委員  当然、市立病院も公営企業として採算面を気にしなければいけないわけではありますが、市立病院としての大切な役割として、不採算部門とも言われる救急、周産期、小児、精神あるいは災害といった5事業が非常に重要だということでございます。先ほど、この重要な役割を機能分化の中でより強く特化していかなければいけないという方向性をおっしゃいましたが、回復期や慢性期などの患者たちを含めて、今おっしゃったことを広く市民にご理解していただかなければいけないと思います。そういうことがないと、簡単に言えば、予約しているのに診療を受けるまで何でこんなに待たされるのだという不満にもつながっていきます。もちろん、市のほうでも、病院にかかるにはどういう心構えや考え方が必要なのかということがわかるさっぽろ医療ガイドといった手ほどきをつくったり、出前講座等でも努力していただいておりますが、市民に広く理解していただくための道のりはなかなか長いようでございます。  そこで、伺いますが、市立病院が今後担うべき役割、あるいはあるべき姿について、市民によりわかりやすく示し、理解を求めていく必要がありますけれども、それをどのように具体化し、具現化していくのか、この道のりを伺いたいと思います。 ◎木内 経営管理部長  市立札幌病院の役割を市民に周知することについてです。  この点に関しましては、これまでも、ホームページやチラシ、院内放送などでいろいろな広報を行っております。さらに、ことし9月1日から一部の診療科で外来紹介制度を導入させていただいております。この導入に当たりまして、その約2カ月前から、先ほど申し上げました市立病院のあり方の面のPRに力を入れてきたところであります。  さらに、現行の中期経営計画は、今年度が最終年度となっておりまして、現在、新たな中期経営計画の策定に向けて検討を行っているところであります。新しい計画は、平成27年度から30年度までの4年計画で、市立札幌病院の経営課題を設定し、その解決に向けた取り組みを掲げるものでありますが、計画策定の過程では、市議会の皆様を初め、市営企業調査審議会病院部会やパブリックコメントにおきまして、当院の担うべき役割を十分ご説明しながら、また、意見をお伺いしながら策定に努めてまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  市民理解の道のり、計画について雑駁に伺いました。  これをさらに目に見えて具現化していくという意味では、ソフト・ハードそれぞれで内部的に皆さん方が検討を加えていかなければいけないと思うわけであります。例えば、診療の待ち時間の縮減について言えば、物理的なもの、つまり時間そのものの短縮が一つございます。それから、どのように待ち時間を有効利用していただくかという仕組みづくりもございます。一方で、先ほど来ありました市立病院の政策医療、あるいは、地域医療支援病院としての市民の理解を広げていくことも重要であります。当然、市立病院の経営の視点も大事であります。  そこで、続けて伺いますが、皆さん方はハード・ソフトの両面からどのような努力をされているのか、あるいは、課題を伺っていきたいと思います。  先ほど来申している患者の満足感、満足度を向上させていくためのアプローチの仕方を確認しますが、阿部議員が予算特別委員会で指摘し、答弁もいただきましたけれども、そういう中で、今、市立札幌病院としてどのような取り組みを行っているのか、また、今後どのようなことを行うのか、ソフト・ハード両面から伺ってまいりたいと思います。 ◎木内 経営管理部長  患者満足度向上に向けた取り組みについてであります。  当院が担うべき役割を果たすための具体的な取り組みといたしまして、ソフト面では地域の医療機関との機能分化をさらに進めまして、かかりつけ医から紹介された患者がより速やかに当院にかかれるよう、8月から地域の医療機関からの予約枠を拡大いたしました。また、先ほど申しましたが、本年9月から外来診療の原則紹介制を約半数の診療科において導入しておりまして、これにより待ち時間の緩和も図られるものと考えております。さらに、待ち時間を有効活用いただけますように、患者にお渡しする呼び出し用のポケットベルを来年度はふやしてまいりたいと考えております。  次に、ハード面でありますが、衛生設備などの老朽化が進行するとともに、約20年前の医療水準に基づく建築のため、狭隘化が進んでおりますことから、今後は療養環境の向上も視野に入れた大規模な施設改修を計画的に実施する必要があるものと考えております。  今後も、医療制度改革の方向性を見据えながら、地域の医療機関との機能分化、連携推進と医療の質や職員の専門性を高めて、市立札幌病院が担う役割をしっかりと果たすことで患者の満足度の向上を図ってまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  満足度といいますと、非常に抽象的なことでございますが、先ほど計画も練りますという答弁がありましたとおり、ハード・ソフトのそれぞれについてそれを具現化していく具体的な事例を挙げていただきましたので、これを徹底して進めていただきたいと思うわけでございます。  私からは、それを確認し、また、提言を踏まえた上で、病床の個室化について皆さんにお聞きしたいと思います。  病院局の経常収支上は、平成22年度から25年度はほぼ黒字となっております。病床利用率は、平成25年度が71.3%と平均約7割強です。しかし一方で、7割となりますと、3割のベッドは利用されていないことにもなります。この3割が全て必要ないと申し上げるわけではありませんが、数字上は余裕があるようにも見える状況でございます。  国の医療介護総合確保推進法でも、コンパクトで高度な医療サービスが必要だということで、個室化を推進しておりまして、病床の機能分化によるベッド数再編で結果的に減っていくことが示唆されているわけでございます。また、答弁でも療養環境の向上が必要ということでございました。市立札幌病院では、患者の地域生活などへの早期復帰のため、平均在院日数の短縮化を進めているところでございまして、それによって病床利用率も低下している状況でございます。よって、多くのベッドを抱えた部屋を見直すなどして個室化するのがよいと思われるところでございます。  しかしながら、これはあくまで機能分化で質を高めていくという考え方であって、ただ量を減らしていけばいいということではなく、結果的なものでございます。また、今後の計画によっては、ハード面で二重投資があってはならないと思っております。限られたスペースのやりくりというのは、医師や看護師の皆さん方がそれぞれ働きやすい環境の整備という大事な視点もそこに組み入れられなければいけません。  そこで、伺いますが、今後の病床配置の見直しと大規模な改修における個室化の考えの有無について、改修のスケジュールも含めて、はっきりとお答えいただきたいと思います。 ◎木内 経営管理部長  個室化を含めた病床配置の見直しについてであります。  昨年度末に小児科における救急患者受け入れ体制の充実のため、6床室2部屋を個室4部屋に改修したところでございます。今後につきましても、病床の利用状況や患者のニーズ等を踏まえまして、既存病床を個室や2床室に転用するなど、大がかりな工事が不要で、運用面での工夫等で可能な病床配置の見直しを適時実行し、療養環境の向上と効率的な病床運営に努めてまいりたいと考えております。また、大規模な施設改修に向けまして、今後、その基本構想をまとめる予定でありますが、将来的には、個室の必要性が高まると認識しており、この構想や設計段階において、個室の増加に向けて必要数や可能数を精査してまいりたいと考えております。  なお、改修のスケジュールにつきましては、構想をもとに基本設計、実施設計を行い、平成30年度ごろから診療機能の維持を図りながらの数年間に及ぶ工事になるものと考えております。 ◆伴良隆 委員  スケジュールについてはっきりとお答えいただきまして、平成30年度ごろから数年間に及ぶ大規模な改修工事ということでございます。これは、着実にやっていただきたいということで私も明確にお答えいただきたいと申しましたけれども、当然、療養環境や満足感の向上となり、そして、行く行くは待ち時間の縮減などにも結びついていきますので、患者がふえれば、それがいいかどうかはわかりませんが、経営的に黒字になるという部分では非常に大事な視点でございます。  患者が置かれている環境というのは、病状、家族の状況、あるいはプライバシーの問題もございます。こういったことに鑑みると、当然、国の施策にのっとったものでございますが、今のご答弁にありましたとおり、個室化を確実にやっていただきたいと思います。平成30年度とおっしゃっていましたから、当面の1〜2年、2〜3年が勝負となりますので、これを計画の中にどこまで盛り込むのかは別にして、機能分化や患者のことなどやりくりはいろいろありますけれども、医師や看護師の方々ともよくご相談した上でスペースの取り計らいをしていただきたいと思います。  患者の満足感に話は戻りますけれども、心身の状態や家庭環境、価値観などはさまざまでございますので、満足感とは一体何なのかというのは非常に難しい部分もございます。一方で、救急患者に対応するという市立病院の性格からしても、これは刻一刻と変化する部分もございますので、こういう中で満足感をどう上げていくかということでハード・ソフトのたゆまない努力がご答弁にあったわけでございます。施設の維持、整備、医療機器の充実といったハードの部分、また、専門スタッフの適正な配置、地域完結型医療の仕組みづくりなどを踏まえ、政策医療という難しい言葉ではございましたけれども、それは一体何なのかということを市民の方により理解していただけるよう、関連部署と協力してしっかり進めていただきたいと思います。加えて、先ほど個室化の提案もいたしましたが、それも踏まえて、市民理解とともに、皆さん方のご努力をぜひ応援してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆村上ゆうこ 委員  私は、看護職員の確保に向けた取り組み等について質問いたします。  地域医療の中核を担う総合病院である市立札幌病院が市民によりよい医療を提供していくためには、しっかりとした看護体制が不可欠であり、そのためにも必要な看護職員数を常に確保していることが大前提になると思います。我が会派では、これまでも、看護職員の確保に向けた具体策を講じる必要性を指摘してきました。  まず最初に、看護職員の採用に関してですが、新卒の看護職員の確保は、依然として大変厳しい獲得競争があると聞いています。少子化の影響もあろうかとは思いますが、今後も大きく新卒看護職員がふえることが見込めない以上、経験者の採用にも力を注いでいかなければならないと言えます。病院局においても、2012年度から経験者の募集年齢制限を35歳未満から40歳未満に緩和しておりますが、我が会派においてもさらなる見直しを指摘してきたところであり、今年度からは60歳未満まで受験できるように年齢制限を一気に緩和したと聞いております。  そこで、質問ですが、経験者の募集年齢制限の引き上げについては、今年度の応募状況などからどのように評価しているのか、お伺いします。 ◎木内 経営管理部長  今年度の看護職員経験者枠の応募状況でありますが、これまでに2回実施した試験の結果、今年度から受験可能年齢を拡大した40歳から59歳までの方については、受験者数が18名、合格者は5名となっております。また、経験者枠全体では受験者数は48名、合格者は26名となっておりまして、昨年度に実施いたしました3回の試験結果と比べますと、受験者数は既に倍増しており、合格者も1.4倍となっておりまして、年齢制限見直しの効果があらわれているものと考えております。
     今後とも、より多くの経験者を採用できますように、ホームページの充実と採用募集の努力を継続してまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  一定の効果は出ているということですね。  採用に関しましては、引き続き、あらゆる努力をしていただきたいと思いますが、一方で、そうしたさまざまな努力をして採用した後の取り組みも大変大事になるのではないでしょうか。年々、看護職員の確保が難しくなる中、採用に至った大切な人材ですので、採用後の職場環境はとりわけ重要と考えます。  実際、病院局においては、毎年、多くの看護職員を採用して育成しています。その新人職員の方々が、確かな技術を身につけて、やりがいを持って長く勤めていけるようにするためには、新人が育つまでの職場環境にも工夫が必要ではないかと考えます。特に、現場経験のない看護職員は、初めて急性期病院の現場を知ると同時に、非常に高度な技能が求められるということで、その指導・育成方法は極めて重要です。また、看護職員は、病院内でさまざまな出来事に直面しますが、時には優しく、時には厳しく、さまざまな看護を実践しなければならないことから、精神面の強さも求められます。  そういう中、近年では、新型鬱病と言われる若年者に特徴的なメンタルの不調も社会的に問題視されるようになっていると聞きました。病院局では、新人へのメンタルヘルス対応はこれまでも実施してきていると思っております。ことしの予算特別委員会でも新たなメンタル相談窓口を設置していきたいとの説明も受けております。  そこで、質問ですが、新人看護職員の育成環境はどのようになっているのか、また、新たなメンタル相談について具体的にどのように取り組んでいるのか、伺います。 ◎木内 経営管理部長  新人看護職員の育成についてであります。  基本的看護技術や看護プロセスを学ぶ集合研修を集中的に行い、あわせて、現場におけるOJTに当たる臨床研修を通じて徐々に技能レベルの向上を図りながら、1年後には病院看護部理念に基づいた安全な看護が提供できることを目指して計画的に育成を行っております。さらに、職場における研修では、おおむね3年から4年の経験を積んだ若手の先輩看護職員が各新人職員の指導・相談役を担うプリセプター制度を導入しており、技術指導や患者への接し方の指導はもちろんのこと、個人的な相談にも対応し、看護師長、副師長のラインの指導と連携しながらきめ細かく対応できる環境を整えているところであります。  次に、今年度から導入いたしました新たなメンタル相談の取り組みにつきましては、新人看護職員を対象として健康調査票を配付し、その結果を踏まえて精神看護専門看護師が相談を受けております。この調査を通じてメンタル面の不調の芽を早期に発見し、それぞれの状況に応じた個別の支援につなげ、そうした職員の発生の防止に努めていきたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  メンタルヘルス対策、また、職場のコミュニケーションの活性化に向けては、これからも地道な取り組みが本当に大事だと思います。引き続き、きめ細かい対応や配慮を求めたいと思います。  ここまで、採用と採用後の取り組みについて質問してきましたが、安定した看護体制を維持・継続していく上での不可欠な取り組みとしては、何といっても、現に在籍するベテラン中堅職員の離職防止策が必要になってくると思っております。離職される方が減ることで採用の厳しい苦労も減るわけですから、採用の努力と離職の防止策は一体的に取り組んでいくことが大変重要であると考えます。具体的には、看護職員の事務的負担の軽減を図ることも有効な離職防止策の一つであり、ことしの予算特別委員会において、病院局として看護職員の事務的負担軽減のために看護事務補助員を10名程度配置予定との説明を受けていたところです。  そこで、質問です。  現在までの看護事務補助員の配置状況と効果はどうなっているのか、また、今後どのように考えていくのか、伺います。 ◎木内 経営管理部長  看護事務補助員についてであります。  平成26年10月1日現在で8名を配置しておりまして、近々、当初の目標としております10名に達しまして、各フロア2病棟について1名ずつ配置できる予定であります。  看護事務補助員の配置効果としましては、これまで看護職員が行っていた電話や書類対応等の事務的作業を担当することで、その分、看護職員が患者への看護業務に専念できる時間がふえたほか、看護師長や副師長からも部下職員に対する指導に使える時間がふえたという声が多く、さらなる増員を望む声が上がっております。このため、今後につきましては、経営状況や現場実態を踏まえながら、適宜、看護事務補助員を増員し、各病棟に1名の看護事務補助員を配置できるよう取り組んでまいりたいと考えているところであります。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望です。  今の答弁では、現在は8人、そして、近日中には10人にして、さらに倍にしていくということでした。  看護職員が本来の看護業務に専念できる体制を整えることは、質の高い安心・安全な医療の提供ができて、また、一定程度の離職防止効果もありますので、ぜひともさらなる取り組みをお願いします。  また、育児短時間制度など、子育て支援制度の利用者が大変多いと聞きましたが、今後とも、看護職員が働き続けながら出産、育児もしていける環境づくりはますます重要です。また、これからは親の介護をしながら働く職員がふえていくことなども考え合わせますと、制度を利用できるだけではだめで、そこを支え切れるだけの対策が必要になってくると思います。  さらには、育児の制度や介護の制度を現在利用していない看護職員の労働環境が一段と厳しく、業務もきつく、希望どおりに年休をとれない、心も体も休まらないので常に転職を考えているという声も聞こえております。看護職員だから忙しくて当たり前と思っておられる方は、ここには一人もいないと思っております。そうであれば、看護職員の定数は、現場の労働実態をしっかり把握した上で適正に配置していくべきです。  市長部局に対して、毎年、看護職員の定数適正化、すなわち労働環境の改善を図るために増員をしてほしいという内容で病院局の方たちも一生懸命要求していると私も思っておりますが、今後も真摯に取り組んでいただきますことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、一つ目は、本年で最終年を迎えるステージアッププランの総括について、二つ目は、病床利用率の数値管理について、三つ目は、食堂の閉店が続いていることについて、大きく三つお聞きします。  まず、ステージアッププランは、平成25年度の数値目標のうち、目標が達成できない見込みとして、救急患者受け入れ数(3次)の目標数が1,200件と出ておりまして、1定の3月24日に、理事者側から、おおむね8割、950件程度と見込んでいる旨のご発言がありましたが、これはどの程度達成できたのでしょうか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  救命救急センターによる救急患者の受け入れ件数でございますが、目標の1,200件に対しまして945件となっております。 ◆木村彰男 委員  このときに、救急救命センターの運営費用が重要な問題になってきまして、受け入れ数が多いか少ないかで収支の不足分が生じるという質問をいたしました。その際に、理事者から、収支不足分に対して一般会計から繰り入れを受けているというご発言があったわけでございます。札幌市の一般会計から繰り入れを受けるというのは、つまり市民の税金という理解になりますけれども、それでよろしいでしょうか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  救命救急センターの収益につきましては、赤字になった場合は、その収益差を繰入金として病院が受けるルールになっております。第1回定例会でお答えさせていただきましたが、救命救急センターの収益が悪化した場合、ご指摘のとおり、市民の税金をもとにした繰入金がふえる形になります。 ◆木村彰男 委員  繰り入れがふえるということでしたが、ステージアッププランを見ていますと、平成23年度の実績が1,052件でございまして、24年度、25年度と続けて目標値を下回ったということですね。26年度は1,250件と出ておりますけれども、多分、これも下回るということになりますと、今言った繰り入れがますますふえて、ステージアッププランによってほかで改善されたものが帳消しになるとは言いませんけれども、大きく損なわれるのではないかという認識を持っておりますが、それについてはいかがでございますか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  私どもは、ステージアッププランを進捗する中におきまして繰入金の縮減も目標として考えております。その一部である救命救急センターにつきましても、私どもは、当然、赤字になって繰り入れが増額することはなるべく避けていきたい、黒字化を図って繰入金を減少させるように努力してまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  ことしがステージアッププランの最終年となっておりまして、救急患者受け入れ数(3次)につきましては、先ほど別な委員からも出ておりますが、市内の3次救急の搬送件数は減少傾向にあることに鑑みますと、ここで改善のポイントを上げていくのは次のプランでは難しいのではないかと自分なりに認識しておりますけれども、それについて理事者はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。 ◎木内 経営管理部長  次期プランにつきましては現在策定の検討中でございますので、その部分についてはお答えできませんが、昨年は945人の受け入れを行いました。ただ、3次救急の患者の搬送というのは実際には945件だけではなく、担当していた医師が患者に当たっている、あるいは、ベッドが満床になっているなどのさまざまな理由で受け入れられない患者がおります。私どもとしては、なるべく受け入れを多くするために救命救急センターの体制を整備し、さらに、救命救急センターだけではなく、そのバックとなる一般診療科の応援体制を強化することで救急搬送患者をもっと受け入れられると考えております。そこで、次期プランではそういった努力目標を持って向かっていきたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  力強いご発言でございますので、そのようにいくことを要望します。  次に、病床利用率についてお聞きします。  この定義はなかなか難しいのですね。ステージアッププランの用語集がありまして、36ページに書いてあります。これについては別な委員からも出ておりましたが、病床利用率が過去3年連続しておおむね70%未満になるようであれば病床数の削減を指導するということも書いてあって、7割というのが一つの目安になっているのかなと思います。もちろん、それよりたくさんの数字を上げていくのが目標でございますので、プランもそういうふうに立てられております。  ここに、平成26年2月3日に行われた会派別の勉強会の資料がありまして、ほかの会派のものとも同じものだと思いますが、これは、予算特別委員会を目の前にしてこの資料が出てきていると思いますから、これから平成26年度の予算を考えていく上で25年度の数字を出しているのだと思います。25年度につきましては、予算のときの病床利用率の数値は79.4%でした。これが、会派別勉強会、つまりことしの2月3日には決算見込みということで74.6%となっていて、4.8ポイント落ちています。その上で、今回、3定の前の会派別勉強会で出てきた25年度の数値は70.6%です。79.4%から74.6%で、最後は70.6%ですからね。  これは、どうしてこういう数字になっていったのか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  平成26年度予算策定に当たっての25年度決算見込みについてであります。  平成25年度決算見込みの病床利用率の算定に当たりましては、平成25年4月から8月までの5カ月間の平均の実績をもとに、9月以降の見込みを加えて算出しております。9月以降の見込みといたしまして、平成25年5月から8月までの4カ月は患者数が右肩上がりに大幅に上昇してきておりました。また、過去2年間の実績では、いずれも下半期の伸びが上半期より大きいこともありまして、これらの点を踏まえて決算見込みを立てたものであります。この時期がおおむね10月になります。しかし、実際に下半期に入りまして、患者数は私どもが見込んだ数字には至らず、逆に減りまして、結果として決算見込みと決算数値が大幅に乖離いたしました。そういったことで、私どもの決算見込みの出し方が甘かった点はあろうかと反省しております。 ◆木村彰男 委員  甘かったのではないと思います。  2月3日ですよ。私は10月の話をしているのではないのですよ。今、部長がおっしゃいましたけれども、2月3日には70.6%という数字をつかんでいるのですよ。つかんだ上で、腹の中では70.6%と思っていて、資料で74.6%という数字を我々に見せて予算の審議を始めてくださいという話ではないですか。私の言っていることが間違っていますか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  私どもは、予算編成に当たりましては、長時間をかけて編成に当たっていますが、その第一歩として病床利用率の決算見込みを出すわけです。予算特別委員会の勉強会においてご説明させていただいた段階において、確かに年度末に向けて患者数が減っているのは私どもも理解しておりましたけれども、年度途中の状況であります。また、予算編成という長時間をかけて行っている作業の中で、2月段階で修正をかけられるかと言われますと、技術的に難しいということがございます。私どもは、残された月数で患者数をふやして目標に達するように努力すること以外に方策はないと考えておりました。 ◆木村彰男 委員  会派別勉強会というのは、皆さん方も知っていると思いますが、私一人でやっているのです。木村さん、ここはこういうことで腹に入れておいてくれ、この数字は違っているよと一言言ってもらえば、私が口外することはないのですよ。ほかの会派の方々みたいにたくさんいるわけではないのです。部長から、一言、この数字は74.6%ではございますが、実際は70%ぐらいになっているのですよと何で言わないのかと思って見ていました。正直に言えばいい話です。何の問題もないわけです。私に言わせれば、技術的にどうのこうのなんて、どこの話だという感じです。  次に、ステージアッププランのGLといいましょうか、病床利用率が先ほど出ていますね。この基本になったのは、24ページに書いてありますが、平成23年度の81.1%という数字なのですね。それを81.3%、81.9%、82.5%に伸ばしていこうというのがステージアッププランのシナリオでございます。  そういう中で、札幌市のホームページに事業評価調書が出ておりまして、それを見ていましたら、平成23年度の病床利用率の実績は85.5%です。これは公になっている数字ですよ。どちらが本当ですかと聞きました。片方が85%です。85%から始めてどんどん上げていったら89%とか90%に近い数字でプランを立てなければいけないではないですか。81.1%という小さい数字で始めたら、85%までいったらすごいなとなります。  どちらが本当なのか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  病床利用率の算定方法についてであります。  基本になるところは病床数であります。ご説明が長くなって恐縮ですが、ベッド数につきましては二つの考え方がございまして、一つは、許可病床と言われるもので、道から許可を受けて病院が持てるベッド数の最大限の数字です。もう一つは、当院の中で古くから使っているベッド数として稼働病床数というものがございます。これは、許可病床数のうち、療養環境上、余りよくないなど何らかの支障がある場合、例えば、6人部屋だけれども、実際は4人部屋として使っていて、残りの2ベッドは災害があったときに活用できるように減らしておりますので、それを除いたベッド数を稼働病床数と言っております。  私ども病院では、中でもそうですし、外に対しても、病床利用率を算定するときには稼働病床数を使って数字を算出しておりました。しかしながら、平成22年ごろだと聞いておりますが、外部に対して正式な病床利用率の数字を発表するためには正式なベッド数を使うべきでしょう、そのほうが適正であると考えるようになりまして、許可病床数を分母として病床利用率を算出するように順次変更をかけてきておりました。そのため、現在は、ステージアッププランもそうですが、予算でも許可病床数をもとに病床利用率を算定しております。  委員からご指摘がありましたけれども、この間については、大変申しわけないのですが、実態として許可病床の数字と稼働病床の数字が混在している状態が起きてしまいました。この点につきましては大変申しわけないと思いますが、今後につきましては、病床利用率についてはあくまでも許可病床数を使うことで統一して進めてまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  これは、私は、実はきのう気がついたのです。だまされているなと思って電話しました。つまり、今、部長がおっしゃったようなことは、クレジットにも書いていないし、ホームページや指標のどこにも書いておりません。書いてあるならばわかります。この年から物差しが違いますと書けばいいのですよ。これは両方とも公開されている数字ですが、今、私が聞かなかったらこの話は絶対に言ってこないのだ。  これは、ご本人様は認めませんでしたが、いわゆるダブルスタンダードで二重の基準でやっているわけです。そうすると、できている、できていないと言っても、ステージアッププランの全てにそんな数値のからくりがあると思われますよ。そうすると、数字の信憑性や、部長や理事者がお話しになっていることの全てが瓦解していきます。  この二つの数字がありますけれども、今後はこのままにされるおつもりですか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長   先ほどの稼働病床数については、若干小さいクレジットで稼働病床数と入っている部分がございますが、今後につきましては、先ほど述べたように、許可病床数をもとにした数字で対応させていただきたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  ぜひ、修正していただいて、どなたが見てもわかるようにしていただくことが大切ではないでしょうか。そういうことを指摘するのも決算特別委員会のありようだと思います。私が言わなければ、3年間、ずっとスルーしていたわけです。  次に、ことしの予算を見ると、病床利用率は78.0%で予算化されております。先ほど言いましたように、ステージアッププランにおいてはことしの目標が82.5%です。82.5%という数字を目標にして、3年間、ずっとやってきておりますが、予算の段階で78%となると、初めから低い目標で行こうというふうにしか私には見えません。  どうしてこういう数値を設定したのか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  ステージアッププランにおける病床利用率の目標としては、非常に高い数値で右肩上がりの状況での目標で、私どもはその目標に向かって進んでおりましたが、この間、私どもがもう一つの目標として進めている在院期間の短縮化は3年間で2日ほど短縮されるという非常に速いペースで進みました。これは、正直申し上げて予想外のことでした。そこで、短縮化されたことに伴い、ステージアッププランの目標を達成できない状況が事実としてあることも踏まえまして、各年度の予算につきましては前年度の実績等も含めた実現可能な数値を算定すべきだという判断のもと、ステージアッププランよりは低い病床利用率になっております。 ◆木村彰男 委員  私はいつも言っておりますが、高い目標を掲げないと行かないのですよ。低い目標で行くと、そこまでも行かないで終わるというのが私の考えです。だから、目標は高く持って、できないというところから始めるのではなく、どうやったらできるのかという観点でお仕事をやっていただきたいと思います。来年度からの新しい計画を策定していらっしゃると言っておりますが、3年間の総括もできないでまた見通しを立てるとなると、普通は、できないのではないかと疑ってしまいます。ですから、これについてもきちんとやっていただきたいと思います。  そこで、平成26年度はまだ終わっておりませんが、ことしの利用率は部長がおっしゃった目標数値である78%に到達しますか、お聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  年度途中の現状におきまして到達する、到達しないということを明確には申し上げられませんが、在院期間の短縮化は今年度も非常に進んでおります。こういう状況の中で、現段階では残念ながら予算で立てた目標も厳しい状況にあります。 ◆木村彰男 委員  来年の3月あたりの委員会で、どうなっていますかとまたお聞きすることになると思いますけれども、今のお話だとできないように見えます。  ここに、平成25年度札幌市公営企業会計決算審査意見書があります。これは、皆様方の企業会計を監査の方が見たものです。私もいつも楽しみに見ておりますが、その中でステージアッププランについてちょっと触れていまして、ステージアッププランに掲げた取り組み策は計画的に実施されており、平成25年度の数値目標については、医療機能の確保に関する項目を中心にその多くを達成していると書いてあるのです。  達成しているものは結構でございますが、達成していないもの、未達のものについて、部長のお手元にあるもので結構なので、それをお聞かせください。 ◎木内 経営管理部長  未達のものは、先ほど来話が出ております病床利用率で、この目標は非常に難しい状況でございます。さらに、昨年度でいきますと、救急搬送も目標に達しませんでした。 ◆木村彰男 委員  結局、うまくいっているものもあれば、うまくいっていないものもあります。この間、私もずっと聞いていますから、できないなというのは大体わかりました。できるものは自信を持ってできるとおっしゃっておりますが、できないものについては、26年度、そして来年度以降に向けて、平成25年度の数値をきちんと精査し、総括をして、借りているお金は返し、なるべく内部に留保できるような病院の経営体制をぜひつくり上げていただきたいと考えております。  最後に、食堂のことについてお聞きします。  3月24日の平成26年1定の予算特別委員会で、芦原委員長がご質問されております。委員長はご発言できないと思いまして、私がかわりに何点かお聞かせいただきたいと思っております。  このとき、理事者は、食堂の存続の可否について語っていらっしゃいまして、院内の食堂は病院利用者や職員にとって重要な施設であると認識していると述べた上で、平成26年度も食堂事業を継続させると述べておりました。ところが、残念なことに、応募してくれる方がなかなかおらず、条件を見直し、2月より再公募を行っているところで、今後はなるべく早期に営業を再開できるよう準備を進めたいと考えておりますと言っております。その後、さらに続きまして、営業開始が6月下旬ぐらいになるのではないかということでした。  木内部長にお伺いしますが、現実に6月下旬にできなった理由は何でしょうか。 ◎木内 経営管理部長  食堂施設についてであります。  第1回定例会の予算特別委員会におきまして、]私から答弁させていただきました。  食堂の運営事業者につきましては、1月に1度目の公募を行いましたが、残念ながら応募者がなく、3月末に2度目の公募の締め切りを迎えました。予算特別委員会の段階では公募の途中という状況で、2回目の公募で業者が決定した場合は6月ぐらいにリニューアルオープンできる見込みで私は答弁させていただきましたけれども、残念ながら、2回目の公募でも応募業者の手が挙がりませんでした。私が答弁した6月の営業が実現できなかったことは、大変残念でありますし、反省しております。  今後につきましては、興味を持たれている業者のお話をいろいろ伺っておりますけれども、いかんせん、桑園という場所での病院内食堂は、経営上、非常に難しいというお話がありました。私どもとしては、重要施設であるとの考えは変わっておりませんので、そうした点を踏まえ、さらに条件を緩和してなるべく早く3回目の公募を行い、オープンさせたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  交渉事ですから、条件を幾らにしろというようなことをここで申し上げるつもりは全くありません。皆様方が考えて交渉相手と条件を詰めていただくことは当たり前の話でございまして、手の内を明らかにする必要はございません。  ただ、新聞にも出ているように、通院中の患者のお話だと思いますが、食堂で昼食がとれなくて困っているとか、病院職員からも、仕事で忙しい中、食堂で手早く食事をできるとうれしいというご発言がありまして、再開を希望している方はたくさんいらっしゃいますし、皆様方も現実にそう感じていらっしゃると思います。近くに食事場所もあるようでございますが、雨や雪が降ると外へ出るのもなかなかおっくうになりますので、これも、期限を決めて、いつまでにやるぞという目標を立ててやっていただくことを希望して、私の質問にかえさせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、病院事業会計決算の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時14分       再 開 午後3時35分     ―――――――――――――― ○芦原進 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費について質疑を行います。 ◆井上ひさ子 委員  私からは、要配慮者への避難対策と福祉灯油について伺いたいと思います。  広島県広島市で発生した豪雨、土砂災害での甚大な被害がありました。9月11日には、本市でも大雨警報が出され、避難された方々もおられました。災害は、いつ、どこでも起こり得る状況で、とりわけ災害時の要配慮者への支援が求められております。  このたび、私どもの代表質問で、要配慮者への避難対策について伺いました。情報伝達や避難支援などを円滑に行うためには、常日ごろの近隣との交流によってつながりを築いていくことが大切であります。今までも、町内会の災害時要援護者避難支援事業に対して支援してきたというご答弁でありました。  そこで、本市において、札幌市災害時要援護者避難支援ガイドラインを策定して、2008年から2010年の3年間にわたってモデル事業を行い、これから進められようとしている地域に参考になるような事例集もつくられました。見せていただきましたが、困難が本当にあったと思いますけれども、防災意識が町内会の中で高まったと思いますし、これは、地域において引き続き取り組まれていると考えております。  そこで、このたびの大雨で、こうした日ごろの取り組みが生かされたのではないかと私は思うのです。お聞きしたところ、助け合い活動プランを町内会でつくり、このたびの災害では声かけをしたところも出ておりましたので、これは、これから取り組みを進めようと考えている地域の方々の参考になると思うものですから、これをぜひ検証していただきたいと思いますが、この辺の考え方を伺っておきたいと思います。 ◎木下 総務部長  私から、災害時要援護者支援につきまして回答を申し上げます。  9月11日の災害は、深夜の時間帯での豪雨であったこともありまして、避難そのものが困難であり、地域での避難支援活動も相当困難な状況であったと考えられます。現在、危機管理対策室で当日の対応状況の調査・検証を行っておりますけれども、保健福祉局におきましても、災害時要援護者避難支援に関する状況等を把握した上で、地域とともに今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  私は、この部局でもぜひ取り組んでいただきたいと思います。  町内会にある高齢者福祉施設の2カ所ほどでお聞きしたのですが、ヘルパーからのお元気ですかコールで心配事はないですか、大丈夫ですかという声かけをいただき、大変心強かったということですので、ぜひ、状況をつかんでいただきたいと思います。  それから、国において災害対策基本法の改正があり、災害が発生したとき、みずから避難することが困難で、特に支援が必要な方の名簿をつくることが義務づけられました。本市においても、名簿の対象、情報を関係者にどのように提供できるかなど、これから検討を進められていくとお聞きしていますけれども、この名簿の活用に当たっても、現在地域で取り組んでいる災害時要援護者支援の活動を生かして、連携して活用していただく方向で検討されないものかと考えておりますがいかがですか、伺います。 ◎木下 総務部長  現在の災害時要援護者避難支援対策は、支援母体づくり、要援護者の所在情報等の収集、要援護者と避難支援者のマッチング、実際の避難支援までの一連の取り組みを地域が主体となって進めていけるように地域への支援を行っており、要援護者の把握について課題があると地域からご意見をいただいております。法改正によりまして、行政が名簿を作成し、本人の同意を得た上で地域等の避難支援者に提供することが可能となりますので、これまで避難支援に取り組んできた地域の負担を軽減するだけではなく、要援護者の把握が困難であることを一因として避難支援に取り組めなかった地域が取り組みを開始する契機となり、避難支援活動につながっていくことを期待しているところでございます。  現在、災害時要援護者避難支援に取り組んでいる地域が避難行動要支援者名簿を活用していただくことで避難支援の取り組みが一層深まっていくものと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  今、まちづくりセンターが87カ所あり、単位町内会も含めて60近いところでこういう支援の取り組みが進んでいると聞いております。それぞれの到達度がありますので一律にはいかないと思いますが、これが取り組んでいく上での一助になるようにしていただきたいと思います。  次は、福祉灯油について伺います。  代表質問においては、まず、国において対策を講じるべきだという答弁でした。これは、当然だと考えています。しかし、札幌市民の所得が下がって、灯油代を払うのが本当に大変だと支援を求めているときに、冬期間の暖房費のごく一部の補填にとどまることから施策としての実効性が高いと考えていないという答弁でした。実効性が低いということなのですね。それでは、2013年、全道の約9割の159の自治体で実施しているのはなぜなのでしょうか。9割もの市町村で実施しているのは、やはり必要性が高いからであり、住民が切実に望んでいるからにほかなりません。それは、灯油価格が高く、生活が厳しく、たとえわずかでも援助してほしい、くれると本当にありがたいという声だと思うのです。本市においても、今年、福祉灯油の実施を求める陳情が67件も出されていますね。実効性が低い、つまり効果の薄いものの実施を求めてこんなにたくさんの陳情が出されるのかと私は思うのです。  そこで、実効性が高くはないと言っているのは何を指しているのか、伺います。  また、住民要望の切実さをどのように受けとめているのか、伺いたいと思います。
    ◎木下 総務部長  福祉灯油についてであります。  福祉灯油につきましては、実施に多額の経費を要する一方で、冬期間の暖房費のごく一部しか補填できないことから、余り実効性が高い施策だとは言えないと考えております。また、円安等の傾向もありまして、日々の生活においては皆様もご苦労されながら家計のやりくりをされていることについては十分に理解しております。 ◆井上ひさ子 委員  多額なお金がかかること、また、多額な灯油代の一部だというご答弁だったのかと思います。ただ、市民の皆さんの本当に大変だという思いは一致できるのかと思います。先ほど、私は、実施しているところは、金額はわずかでも本当に喜ばれているとお話ししましたが、事務費もかかりますけれども、冬の灯油は命綱であり、灯油代の高騰は市民に大きな負担になっています。  私は、8月に総務省と経産省に行き、灯油代の高騰対策ということで2013年度に引き続き特別交付税措置を実施するように求めてまいりました。そして、国が必要だと言って特別交付税を措置するのだから、私はぜひ実施すべきと考えますが、いかがか。  また、実施しないとするなら、先ほどもご答弁がありましたが、事務費がかかることを問題にしているのか、改めて質問したいと思います。 ◎木下 総務部長  先ほどご答弁いたしましたとおり、札幌市では、施策の実効性に鑑みて福祉灯油を実施しないという判断をしております。したがいまして、国からの特別交付税措置の有無、あるいは、事務費を問題として福祉灯油の実施に係る判断をしたものではございません。 ◆井上ひさ子 委員  ただいま事務費の問題ではないとおっしゃったのですが、住民が望んで9割の市町村がやっているのです。だから、事務費の問題ではないと言うのであれば、やはり実施すべきではないですか。  例えば、財政調整基金が28億円積み立てられています。これも市民の大切な財源で、有効に使うべきだと思います。冬場は灯油の高騰がどれだけ大変か、弱い立場の方々にぜひ心を寄せていただいて、これを実施すべきことを強く求めて、質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、失語症障がいのある方々への理解と支援の充実について伺います。  失語症と申しますのは、脳卒中や頭部外傷などによって脳に損傷を受け、脳の言語中枢が傷つき発症する言語障がいの一つと言われております。言葉を思い出せない、わかっているけれども、うまく言うことができないなど、話すことが困難になるだけではなく、早口で話されたり、一度にたくさん話されるとわからないなど、聞いて理解することも困難になりますし、平仮名や漢字がうまく読めない、名前や住所が書けないなど、読み書きにも障がいが及ぶというふうに聞いております。突然の病気の後で失語症によって言葉で伝えることが難しくなった方のつらさや困り事は、ほかの方には想像を超える壮絶なものだというふうに聞いております。また、外見では障がいがあることはわからないので、誤解もされやすく、失語症への正しい理解と支援を必要としているのは当然のことではないかというふうに思います。こうした困難を抱えておられる失語症の方は、失語症患者家族会の資料によると全国に50万人いると言われております。  そこでまず、札幌市は、失語症障がいの方々の人数や日常的に抱えている困難などの実態をどのように把握されておられるのか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  失語症障がいのある方の人数や実態の把握状況についてお答えいたします。  失語症障がいのある方につきましては、国も本年度に実態調査等の研究がなされる状況でありまして、人数等を正確に把握するには至っていないと伺っております。札幌市内における失語症障がいのある方の人数につきましても、身体障がい区分の音声、言語またはそしゃく機能の障がいの手帳の所持者数約800人に含まれますが、失語症障がいの方に限った人数は把握しておりません。また、他の障がいと重複して認定されている方の人数も把握するに至っておりません。  参考として、札幌市身体障害者福祉協会加盟団体の北海道失語症友の会北の会札幌支部の市内居住の会員数は約50名とお聞きしております。失語症障がいのある方の生活実態につきましては、本年8月18日に開催いたしました障がい者団体との意見交換会の席上でも、友の会の方から、コミュニケーションができない、意思を伝えられないといった苦しみや困難について直接お聞きしたところでございます。また、8月26日には、要望書とともに、失語症についてのさまざまな資料をいただいている状況でございます。 ◆石川佐和子 委員  障がい者団体の方たちから要望書をいただくなどの機会に生活実態のお困り事も伺っているということですが、人数については、国もこれから実態調査をやる中にあって、札幌市としても押さえておられないということを確認できました。そういう実態なのだろうと理解するところです。  失語症に対する認知度は非常に低く、失語症になってしまったときに、本人やご家族の方はどうしたらいいのかがわからないのが実態だと伺っております。当事者の皆さんは、今、部長から会の名前がありましたが、失語症友の会という団体をつくりまして、言語療法士や家族の方たちが力を合わせて、お互いに少しでもコミュニケーションを取り戻すために集団レクリエーションや情報交換を行っています。行政機関や銀行の窓口に行ったときには、言葉がうまく出ないことで意思が伝えられない、また、電話に出ることが恐怖だともおっしゃっておられます。結局、家に引きこもりになる場合もあるというふうに聞いております。  そこで、伺いますが、私は、公的機関はもとより、多くの市民にも失語症障がいについての認知度を広げて理解を深めることが必要と考えますけれども、札幌市としてはどのように取り組むお考えか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  失語症障がいの理解促進についてお答えいたします。  障がい福祉施策の推進につきましては、何よりもまず市民の方々の障がいへの理解促進が重要であると認識いたしております。さっぽろ障がい者プランにおける施策分野の1番目に理解促進という項目を記載し、基本施策として啓発、広報、福祉教育などの推進に取り組んでいるところでございます。障がい全般にわたる具体的な取り組みといたしましては、まず、障がいのある方を対象として講師養成研修を実施し、その研修修了者を講師として登録した後、学校や企業、各種団体が開催する研修会等へ派遣しているほか、出前講座やパンフレットなどを活用した啓発、広報などに取り組んでおります。今後も、障がい全般の理解促進に取り組むことはもとより、当事者の方々のご協力もいただきながら、失語症障がいへの理解促進に努めてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  障がい全体の理解を進めることとあわせて、本日伺っております失語症障がいのこともしっかりと取り上げながら、理解促進が進むような施策を進めていただきたいと思います。  次に、失語症の皆さんがどういったサービスを受けておられるのかについてです。  介護保険制度の認定調査項目には、言語障がいについての項目が少なく、身体機能障がいが軽度であれば、重症の失語症があっても認定に反映されにくいということがあります。そもそも、介護保険制度には失語症の方を対象とするサービスが非常に少なくて、デイサービスやデイケアに行かれた場合には、うまく会話ができないことから沈黙を余儀なくされ、置いてけぼりの状態になっていると伺っております。  先ほど部長がおっしゃっておりましたように、ことし8月、札幌市身体障害者福祉協会から上田市長に対して陳情、要望書が提出されましたが、その11項目の中に失語症障がい者に対する理解促進とリハビリを継続してできる環境整備についてという項目がございます。2006年の診療報酬改定によってリハビリの期間に期限が設けられましたが、そのことでたくさんの失語症の方が大変だとおっしゃっております。発症後のリハビリが症状に関係なく打ち切られ、機能回復の機会を失うことは、社会復帰、社会参加を閉ざされることにもなり、継続してリハビリを受けられるよう求めているという声を伺っております。  そこで、失語症障がいのある方々に対して、札幌市はどのような支援を行っているのか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  失語症障がいのある方への支援につきましてお答えいたします。  札幌市では、失語症障がいのある方への支援といたしまして、現在、身体障害者福祉センターにおきまして二つのリハビリ事業を実施いたしております。一つ目の言葉の教室では、言語聴覚士1名を配置し、失語症の方を対象にグループ討論会などを通じて総合的に言語訓練を実施しております。平成25年度は、月1回で全12回開催し、延べ212名の方が参加されております。二つ目の失語症言語機能訓練では、指導員1名を配置し、失語症障がい者を対象に自立促進と社会生活への適応力を高めるための発音、発語等の訓練を実施しております。平成25年度は46回実施し、延べ315名の方が参加されており、今後もこうしたリハビリ事業を着実に継続してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  今、札幌市が行っている支援を伺いました。  失語症の方の回復には個人差が非常にあると伺っております。しかし、そうした機能訓練を行うことで多くの方が少しずつよくなっているというふうにもお聞きしておりますので、ぜひ、そうした支援を継続し、拡充して行っていただきたいと思います。  また、こうした支援を受けつつ、日常生活の中でリハビリを行うことも非常に重要だと思います。そのためには、聴覚障がいの方に手話通訳者、視覚障がいの方にはガイドヘルパーが必要なように、失語症障がいの方には、会話や理解を手助けし、ともにバリアを乗り越え、取り払ってくれる支援者が必要であり、それが失語症会話パートナーというふうに呼ばれております。東京都世田谷区では、失語症会話パートナーの養成を行うとともに、当事者や家族に対して失語症会話パートナーの周知等に取り組んでおります。また、三重県四日市市では、国のモデル事業としても取り組んでいるとお聞きしております。身体的には外出が可能であっても、社会生活に不可欠なコミュニケーションに重篤な障がいがある失語症障がいのある方に対し、改正された障害者基本法にも示されたように、情報保障の観点から、コミュニケーション支援、社会参加支援を進めるべきだと考えます。  そこで、伺いますけれども、本市でも、失語症障がいのある方との情報の伝達を助ける失語症会話パートナーの養成などに積極的に取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  会話パートナーの養成などへの取り組みについてお答えいたします。  会話パートナーの養成等につきましては、障害者総合支援法における意思疎通支援の必須事業には含まれておりませんが、ただいま委員からお話があったように、近年、首都圏などで先進的な取り組みが始められていると承知いたしております。今後、国の動向を注視するとともに、こうした先進事例などの情報収集に努めてまいりたい、このように考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望をお話しさせていただきます。  北海道失語症友の会とご縁がありまして、失語症障がいのことをお聞きいたしました。本当に大変なことなのだと実感しております。  今回、私もいろいろと調べましたが、ことしの第186回国会の参議院での厚生労働委員会で失語症についての質疑がありました。厚生労働大臣が、失語症の方々の全国推計を持っていない、障がいの程度の実態も現状として認識していないと答弁していることからも、認識や理解が大変おくれている実態は本当に明らかだと感じました。今年度、障がいの程度の実態などに関して調査も含めて行ってまいりたいと答弁しておりましたから、先ほどの部長の答弁にもありましたように、全国的な調査になるものと期待しているところです。  先ほどの質疑の中で、災害時要援護者への支援としても要介護者の把握が大事だというお話がありました。やはり、失語症の障がいの理解を進めることは大事なことではないかと思います。札幌市においても、先行して取り組みを進めている他の自治体の情報を収集するなど、失語症障がいのある方への支援を充実するため、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  自宅から出てくることができない多くの失語症のある方々、施設や老人ホームで失語症を理解されずに孤立している方々のためにも理解を進めること、また、コミュニケーションに困難を抱えている失語症障がいのある方が必要としている会話パートナーの養成、派遣に向けた取り組みなどを今後進めていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  私は、社会福祉費の総務費について、その中のその他社会福祉事業費総括の中だと思うのですが、社会福祉法人の経営のあり方についてお尋ねします。  まず、今まで、社会福祉法人の経営について、幾つかの団体に対して指摘し、改善を求めてきました。そこで、ここ数年、市民や関係施設の職員、利用者などから、札幌市に対して、この法人の運営はどうも適切に行われていないのではないかというような指摘なり連絡は何件くらいあるか、お尋ねいたします。 ◎安立 監査指導室長  通報のあった件数についてでございますが、申しわけございませんけれども、今、手元に資料がございませんので、後ほどお答えしたいと思います。 ◆松浦忠 委員  それでは、あるか、ないかを聞きます。 ◎安立 監査指導室長  ございません。 ◆松浦忠 委員  年数は限定しませんが、なければ、ないでいいのです。  そこで、かつて私が取り上げた中で、完全に解決されたのかどうか、確認できていないものがあります。それは、社会福祉法人恵友会の問題です。これは、本来の競争性を持った入札などの手続をとらず、理事長が独断で自分の親族の会社に請け負わせるなど、いろいろな不適切事項がありました。しかし、この団体は、札幌市以外にも施設を持っているので監査権は北海道にあるのですが、受けている補助金額のほぼ9割は札幌市からのものというので、札幌市が監査に入り、あるいは、道と連携するということを言っておりました。  そこでまず、一つは、今日現在、この理事長はどういうふうになっているのか。いまだに理事長として、あるいは、理事とか何かの形でこの法人にかかわっているのかどうか。  二つ目は、当時の理事会の構成員がどうなっているのか。入れかわっているのか、そのままなのか。  三つ目は、この団体を設立したとき、道の幹部も関与しましたが、この団体についていた役員の刑事事件にもなりました。そんなことで、どこかに売るという話がありましたが、現在、経営実態はどうなっているのか。 ◎安立 監査指導室長  まず、当時の理事長の件ですが、当時の理事長は、昨年に退任しておりまして、現在は別の方が理事長に就任しております。また、前理事長につきましては、この法人の理事としても残っておりませんし、関与は一切していない状況でございます。  2点目の理事の変遷でございますが、当時の理事から見ますと、理事長以下、5名の理事が退任しております。また、1名の監事が退任している状況でございます。  それから、前理事長が絡む売却問題があったと聞いておりますが、それについては、法人内で平成24年にプロジェクトチームをつくり、実態について調査をしたと聞いております。その結果、売却問題については事実であると認定し、平成24年10月の理事会において報告書を提出し、承認されております。また、売却問題については、これ以降は立ち消えになったと聞いております。 ◆松浦忠 委員  この法人の職員団体から、当時、匿名で私のところにいろいろな資料が来ました。そこで、匿名でもいいので、最近、経営上の問題点などが市に寄せられているかどうか。 ◎安立 監査指導室長  どなたかはわかりませんが、多分、職員だろうと思われる方から、理事会の状況について連絡があることは事実でございます。 ◆松浦忠 委員  そのいただいた連絡の内容で、経営上、不適切だというような内容は含まれていますか。 ◎安立 監査指導室長  現在のところ、そこまでのものはまだ含まれておりません。もし危ないことがあれば、臨時の監査に入るようにしたいと思っております。 ◆松浦忠 委員  特に、理事長の経歴をもらって、見ますと、どうも余り福祉にかかわっていたような人ではなく、突然あらわれた人です。こういうことに対しては、株式会社の場合には株主が総会の開催を要求して役員を罷免することができますけれども、社会福祉法人の場合は、寄附行為という定款の中ではなかなかできないのです。したがって、ここについては特に注視していかないと、あるとき、はっと気づいたら、もともと売ろうと思っていた関係の人が入ってきて役員になっている、実質的な理事構成がそうなってしまっているというようなことが起きてしまうのではないかと思います。  それは何を意味するかといったら、安定した経営をしてくれるのであればそれにこしたことはないけれども、経営権を手中に入れるということは、誰もがその運営費の中から利益を持っていこうということになるわけです。利益を持っていけば介護職員や働いている職員の賃金も下がりますから、そうすると、職員の意識が低下して、最終的には入所している方々も受けるべき正当な介助を受けられないということにつながっていくわけです。したがって、札幌市はそこのところをしっかりと注視していただきたいと思います。  これは、何も恵友会だけの問題ではないと思います。社会福祉法人に携わる人は、自分の持っている財産に贈与税をかけないということで無税で寄附してもらい、法人として世の中のためにそのお金を使う、そういうふうな善意によってできたものです。ですから、私も幾つか見ましたけれども、寄附行為について、不祥事を起こした役員を追放するようなことを厳しく書かれていないのです。それだけに、お金を出す札幌市がしっかりと監査して、指導していくことでないと私はだめだと思うのです。  特に監査の中で注目してやっていただきたいのは、職員の給与実態がどういうふうになっているか。例えば恵友会だったら、当時の理事長は100万円の月給をもらい、そのほかに専用高級車を宛てがわれていました。あの当時、私の調べでは、その高級車は法人からの直接の宛てがいではなかったのです。誰が宛てがっていたかといったら、何の手続もなく、お兄さんの経営している会社に随意契約で委託して、その法人から高級車が理事長宛てに提供されていたという実態だったのですよ。したがって、職員給与も含めて、内部でのお金の使い道についてはしっかり注視してほしいと思います。  それから、二つ目は、特別養護老人ホームなどの社会福祉法人に対して、国や市から税金で出すお金を減らすと言っています。どうしてかといったら、法人が内部でお金をためているからだと。これは、伊与部議員もある法人について随分と長い間追及して、そこは大分是正されました。  ところが、法人は法人で、建てかえの費用などをいろいろ積み立てていかなければなりません。しかし、お金を出す政府は、一つの法人で平均3億円ぐらいを持っているぞと。そういう話もありますし、あるいは、法人によっては、そんなに積み立てなくてもいいのにと思うような積み立ての仕方をしているところもあるかもしれません。ですから、年度ごとに出したお金について、きちんと人件費に回ったり、内部で適正に使われているかどうかも十分に監査していただきたいと思います。  その辺の監査は、今までどういうふうになっていましたか。 ◎安立 監査指導室長  まず、職員給与についてでございます。  本市が法人を所管している場合につきましては、職員給与については給与表の監査ができますので、それぞれの職員の給与状況は確認しておりまして、余りにも低いような状況であれば、監査の講評の席で職員処遇のレベルアップ等を法人の役員にお願いしてきております。  それから、内部留保についてでございますが、財務諸表を見る中で、内部留保と見られる積立金がありますけれども、ただ積立金とすれば国に狙われることになるということで、目的を持った積み立てをしてくれと言っております。例えば修繕積立金とか改修のための積立金など、きちんとした区分けをして指示してくれというふうなお願いをしてきております。 ◆松浦忠 委員  そういう指導をしているのですね。お願いと言って、相手はあなたの願いなんて聞かないよと言われても困りますからね。  そこで、とりわけ恵友会については、先ほど言ったように、神恵内に1カ所あるだけで、収入の9割ぐらいは札幌市がお金を出しております。したがって、道から資料をきちんともらい、札幌市として、職員費も含めて、札幌市内の平均とどうかというようなことを比較して、道に対して、こうだから北海道からこういうふうな指導をしてほしいということをやるべきだと私は思うのです。  これは、恵友会ばかりではないですよ。札幌市内では、病院と連携して介護事業をやっている有数なところが四つか五つあります。そして、一つくらいぽつんと地方に持っていて、そのためにそこは道の監査対象となっているわけです。  こういうところについて、安立室長ばかりではなく、今まで監査をやっている経緯はありますか。 ◎安立 監査指導室長  職務権限もございましたので、その部分については道に委ねている状況でございました。 ◆松浦忠 委員  これは、ぜひ、道から資料をもらって比較していただきたいと思います。だって、9割ものお金を出しているのは札幌市なのです。道は1割のお金を出しているだけでそんなにお金も出していないのだから、全部の責任を負わせたり、言えというので、心もとないし、かわいそうだ。何だかんだ言ったって、この世はお金を出しているところが強いわけですからね。  そういうところは、私が掌握しているだけで札幌市内に四つ、五つありますよ。大きな病院もやっていて、介護施設もやっており、ほかのほうでちょっとやっている。それは、やりたくてやったのではなくて頼まれてやったと、私が知るところではそう言っています。そういうところについては、今後、今みたいな形できちんと監査して、道を通じて改善を求めていくようにすべきだと私は思います。これは、ぜひやっていただきたいと思いますが、監査室長、いかがですか。 ◎安立 監査指導室長  この場ではいとすぐに返答できればいいのですが、職員の業務量や職員数の関係もございますので、今後、検討してまいりたいと思います。 ◆松浦忠 委員  室長、これは、数は多くないのです。零細のところは、そんなことはやっていません。一つか二つの特養を持っているとか、それで介護事業をやっているところは、地方ではやっておらず、札幌市内で小じんまりやっているのです。大きくやっているところは四つ五つと本当に数が限られています。したがって、今、私が言う程度のことは業務量に影響するほどのことではないから、ぜひやっていただきたいと思います。  業務量に影響するのだったら、後ほどで結構ですから、どのぐらいの業務量なのか。これから来年度の定員の査定が始まるからね。これは大事なことです。何十億円というお金なのに、言いたくても何一つ言えないようであってはいけない。私の行く末のことですから言っているのです。私も割と近くなってきましたら、それで力が入るのですが、ぜひやっていただきたいと思います。  保健福祉局長、私の言っていることには大分無理があるか、答えてみてください。 ◎瀬川 保健福祉局長  昔のことは私にはわかりませんが、私どもの監査指導室と北海道の担当課は連携関係も非常に良好で、定期的な情報交換もしております。そういう中で、職務権限上、どこまでできるかどうかはわかりませんけれども、お話があったことについてはご相談していきたいと思っております。  それから、恵友会もそうでございますが、今、国では社会福祉法人の見直しを行っていく一環として、来年度というわけではございませんけれども、近い将来、恵友会も含めて相当数の法人の監査権限が札幌市におりてくるというお話もございます。そういうこともございますし、将来の監査のためにということもありますので、道との連携はさらに密にしていきたいと思っております。 ◆松浦忠 委員  その話をすると、私は議会で上田市長に質疑をさせてもらって、国や都道府県とともに札幌市も措置費の大半を出しているところについては札幌市にも監査権限を持たせるように、そのことを国に求めてくださいと言ったら、市長は、その次のときに求めましたと言いました。しかし、その後、それがどこまでどうなっているかという返事はいまだになかったのですが、今、その返事をされたのかなと思いました。  これは、近い将来と言いましたが、どの辺が近くてどの辺が遠いのか、私はわかりませんけれども、国では何年からそういうふうにしたいという話になっているのですか。 ◎安立 監査指導室長  現在、権限移譲に関する一括法案、また、それに関連する法案の改正については、今国会に提出するという話を聞いております。ただ、道からの法人監査の移譲につきましては、来年度ではないかという話もありましたが、具体的な情報がなかなか入ってこない中で、道からの情報等によりますと、早くて平成28年度からの移管になるのではないかという状況でございます。 ◆松浦忠 委員  それは、今の一括法案との関連なのですか、それとも、現行法の中で、内閣として方針決定してそういうふうにするということなのか、道はどちらだと言っておりますか。 ◎安立 監査指導室長  社会福祉法に係るものですが、社会福祉法の改正については一括法案から外れたそうで、別個の法提案で改正すると聞いております。 ◆松浦忠 委員  そうすると、以前に市長に求めたことが、こればかりではなく、全国でもそういう声が恐らくあったのだと思いますけれども、一つの形になってあらわれてきて、本来お金を出しているところがお金の監督権を持つということで、これはいいことだと思います。それはそれで期待しておきながら、今言ったようなことについても、道から資料をもらい、北海道を通じて、札幌市内と比較したらこうだからぜひ改善をということにしていただきたいと思います。  それから、そういうところが何ぼあるのかは後で教えてください。  そして、やはり、一つでもやることが大事なのです。比較するだけですから、増員までもしなくても、今の枠の中で一つぐらいはできるでしょう。ですから、それはぜひやってください。このことを求めておきます。  人を1人ふやすといったら、相当いろいろな仕事をやらなければいけないから、逆に大変ですよ。だから、今の中で手すきをつくって、何件かやれるところをやっていただいて、また、道にも求めていただきたいと思います。そして、札幌市民がより安心して介護を受けられる施設となっていくようにさらに尽力することを求めて、終わります。 ◆伴良隆 委員  私は、障がい者福祉施策における市民要望にかかわるサービス向上のあり方について、1点質疑をしてまいりたいと思います。  市の障がい保健福祉部の平成25年度決算は588億円と、24年度決算から10%弱ふえております。国の障がい施策はさまざまございますが、その中で市の障がい施策もより一層充実する必要がございます。実際に、今日における高度化、多様化したニーズには国が定める法定サービスだけでは事足りない状況がある中で、札幌市独自の取り組みやサービスをあわせて実施し、市民のニーズに応えていかなければならないことは自明の理でございます。  そこで、確認の意味で、改めて伺います。  まず初めに、札幌市の障がい福祉施策を推進するに当たっての保健福祉局の基本的姿勢を伺いまして、順じて、札幌市が独自に実施している障がい福祉施策の代表的な事業を伺いたいと思います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  障がい福祉施策を推進するに当たっての基本的姿勢などについてお答えいたします。  保健福祉局では、障がいのある方もない方も、市民の誰もが互いに人格と個性を尊重し、支え合う共生社会の実現を基本理念として、障がい保健福祉施策の充実に向けた取り組みを進めております。また、近年は、ライフステージに応じた一貫した支援や、個々の障がいの状況に応じた、手厚く、そしてきめ細かな支援が求められており、とりわけ重度の障がいのある方や発達障がいのある方などに対しまして、地域で生活していくための支援体制の充実を進めているところでございます。  こうした考え方に沿いまして、札幌市では、公的な法定福祉サービスに加えまして、パーソナルアシスタンス事業、地域ぬくもりサポートモデル事業、重症心身障がい者受入促進事業などの独自事業を展開しているところでございます。 ◆伴良隆 委員  基本的姿勢を確認し、三つの事業をまさに市独自の手厚いきめ細やかなサービスの事例として挙げられました。共生社会や自立支援という言葉もございましたが、基本的には、高齢者や障がい者などが障がいのない方と一緒に助け合いながら暮らしていくことが大切であり、障がい者やご家族がみずから必要としているサービスをみずから選んで享受できることが非常に重要だということでございます。  今、その代表的事例として三つの事業をおっしゃいましたが、パーソナルアシスタンス事業、地域ぬくもりサポートモデル事業、重症心身障がい児・者の地域生活支援について、実施状況や実績、評価がどうなっているのか、あわせて伺いたいと思います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  パーソナルアシスタンス事業や地域ぬくもりサポートモデル事業等の実績と評価についてお答えいたします。  まず、パーソナルアシスタンス事業は、重度の障がいのある方の長時間介護の問題にかかわる検討を契機といたしまして、平成22年度から札幌市独自の介助制度として事業化したものでございます。この制度では、障がいのある方の自己選択によるセルフマネジメントが実現できるほか、介助時間数の延伸といった利点がございます。平成25年度の実績で申し上げれば、利用者が47名、介助登録者が374名で、利用者1人当たりの介助時間は、利用開始前と比較いたしますと平均して約1.1倍に延びておりまして、中には約2.3倍まで介助時間を延ばしている事例もある状況でございます。  また、地域ぬくもりサポートモデル事業は、障がいのある方や発達に心配のあるお子さんの生活を地域全体で支えていくため、地域住民による有償ボランティア活動を推進するものとして、平成25年度は中央区全域で、今年度は南区にも拡大して実施しているところでございます。平成25年度の実績は、利用登録者が50人、支援を行う地域サポーターが113人で、延べ253回の支援が行われており、主な内訳としては、保育所や小学校などの近所への外出支援が149件、次に、買い物や掃除などの家事支援が41件、次いで見守りや遊び相手などの育児支援が22件となっております。  次に、重度心身障がい児・者の地域生活支援につきましては、重症心身障がい者受入促進事業を実施しておりますが、これは、市内の生活介護または短期入所の事業所で医療行為を必要とする障がいのある方を受け入れるため、看護師を配置した場合に補助する制度でありますが、平成24年度から3年間、時限的に導入しているところでございます。この事業では、1カ月に5名以上受け入れた場合に補助対象としており、平成25年度の実績としては17事業所がこの制度を活用し、在宅生活をしている方々が受け入れられることとなっております。  こうした事業に対する評価としましては、いずれの事業も利用者からはおおむね好評であり、公的な法定福祉サービスとあわせて地域で生活していくための支援体制の充実に寄与するとともに、先ほどお答えした基本姿勢にも沿ったものと考えているところでございます。
    ◆伴良隆 委員  今、事業概要も含めて、数年の中でその実績を上げているということでした。地域ぬくもりサポートモデル事業については、中央区と南区でありますが、好評だということを踏まえて、市内全域に広げていっていただきたいと思うところでございます。また、こういった事業につきましては、皆さん方が限られた財政の中で工夫を図ってやられてきた結果が実証されたというご答弁だったと思います。  そこで、私もいろいろな声を聞いておりますけれども、その中で例えば訪問入浴のことがあります。訪問入浴につきましては、月4回の利用にとどまっているということでございます。しかし、月4回となりますと、週1回とはなっておりません。心身の健全を考えますと、週1回程度の入浴は必要であると思います。一方で、バリアフリーやユニバーサルデザインなど、他部署にもかかわるようないろいろな施設整備やサービスに係る施策が総合的に必要な中で、財政上、そういった要望が難しいということで平面的に切ってしまうことはいかがなものかと私は思っております。  また、移動支援というものがございまして、ご両親なりご家族が障がいのある方に通学等の支援を行っております。しかし、急な疾病などでサービスが受けられないようなとき、書面上のこともあるかもしれませんが、市が柔軟に対応できるということについても市民の方々に理解を求めていかなければ、市民は、ただできる、できないということになっているのではないかと疑念を抱くのではないかと思います。よって、きちんとしたサービスがあり、工夫もあり、サービスが受けられるという説明をもう少し丁寧にしていただきたいわけでございます。  先ほど3事業は好評だったということでございまして、今後、広げていく、あるいは、継続されていくと私は勝手に思っておりますが、この3事業を含めて、今後の障がい福祉に関する各事業展開についての姿勢は現時点でどのようにお考えか、局長に伺いたいと思います。 ◎村山 障がい保健福祉担当局長  さまざまな障がい施策に取り組んでおりますが、昨年策定した札幌市の今後10年間のまちづくりの方向性を定めるまちづくり戦略ビジョンにおきましては、障がい関係の目標といたしましては、将来のまちの姿として、支援を要する障がいのある方が安心して生活できるように適切なサービスがなされているまちを目指すということを盛り込んだところであります。そうしたまちづくりを進めるためには、障がいのある方もない方も、誰もがともに支え合っていくことが大切だと思っております。私も4月からこの職についておりますが、日々の業務の中でそうした支え合いが非常に大切だということが一層わかりました。  このように、支え合うことを具現化する障がい施策を進めるためには、先ほどの答弁の中にありましたが、地域ぬくもりサポートモデル事業のように、市民ボランティアなどのマンパワーの活用や確保、事業を円滑に進めるための財源確保などが課題だと思っておりますので、そうした一つ一つの解決に努力し、冒頭に申しました戦略ビジョンの目標達成に向けて、福祉サービスや相談支援体制の一層の充実、そして、就労や社会参加のための自立支援に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 ◆伴良隆 委員  福祉というのは、費用対効果では、はかれないものがございます。メンタル面など、いろいろなサービスの中で充足していくものだと私も思います。しかしながら、限られた財源の中でどうやってバランスをとってやりくりしていくかが非常に重要でございますし、一方で、利用者の満足につながっていかなければならないわけでございます。よって、言わずもがなでございますが、障がい者施策につきましては、財政のバランス、やりくりの中でどうやって工夫していくか、先ほど3事業を挙げられましたけれども、やっぱりこれを随時行っていただきたいと思います。  各種要望はございますが、お金がないからできる、できないとぱつんと切るのではなく、市民要望に対してまずは耳をかしていき、各種施策と組み合わせるような努力を根気強くやっていただきたいと思うわけでございます。  局長のご答弁でも、いろいろなバランスを図りながらということがあったと思いますので、その中でしっかりと耳をかしていただき、市民の声をしっかりと聞いていただきたいと思います。先ほど、私は、要望といいましょうか、市民が望んでいることについて幾つかお話ししましたが、制度のはざまの中で苦しんでおられる方もいらっしゃいます。それにつきましては、相談体制ということをおっしゃいましたが、これもしっかりと強化していただきながら、バランスをとって精いっぱい工夫していただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終えたいと思います。 ◆中村たけし 委員  私からは、福祉のまち推進センター事業について伺いたいと思います。  札幌市のまちづくり戦略ビジョンでは、目指すべき都市像を実現するための八つの創造戦略の一つとして、地域福祉力創造戦略を上げています。このまちづくり戦略ビジョンにも明記されていますが、2025年にはおおむね8世帯に1世帯が高齢単身世帯になります。社会的に孤立しがちな人がふえると予想される中で、地域の組織基盤を生かした住民同士の見守りや支え合いなどを通じて孤立を防ぐ環境をつくっていくことが必要だと考えます。まちづくり戦略ビジョンの中でも、札幌市はこれまで以上に住民組織などによる地域福祉活動に対する支援を充実するということを書いています。  現在、札幌市における住民組織による地域福祉活動としては、おおむね連合町内会を単位とした範囲で、市内89カ所に設置されている地区福祉のまち推進センターの活動が代表例と言っていいと思います。この福祉のまち推進センター事業は、通称福まち事業と言われておりますが、1995年からスタートして、地域のボランティアが主体となり、見守り、安否確認活動やサロンなど、地域の支え合いの活動を行っておりまして、札幌市は、毎年、この活動に対して補助を行っています。  この補助制度は、2010年度に、それまで各地区で一律50万円の補助でしたが、福まち事業の中核事業である見守りと安否確認活動などに対する基本活動費と、地域の活動に応じた事業加算費という2階建て方式へ制度の見直しが行われ、2011年度の経過措置期間を経て、2012年度から現行の制度になっているということであります。私からも、3年前の2011年の決算特別委員会で補助制度の変更による福まち活動の影響について質問させていただきましたが、そのときの質疑では、福祉マップの作成や住民意識調査、サロン事業、交流会事業など、こういうメニューをやったらそのメニューによって地区の福まち活動に対して加算した補助金を出すということで、活動状況に応じためり張りのきいた補助制度にするという見直しだとのことでした。  そこで、現行制度が開始されて2年半が経過しましたので福まち事業の状況について改めてお聞きしたいと思いますが、従来の制度による一律の補助よりも補助額がふえている地区数が幾つになったのか、伺います。  その中で、特に福祉マップは、見守りや災害の際の援助が必要な方々を把握するもので、その作成過程を通して、作業に取り組んだ地域住民同士が連帯感を高めたり、地域の課題を把握したり、必要な活動を実践していくための機会とすることができると思いますけれども、見守り・安否確認活動、福祉マップの作成の取り組みはどのように進んでいるのか、あわせて伺います。 ◎木下 総務部長  まず、1点目の従来の制度による一律50万円補助よりも補助額がふえている地区数についてであります。  平成25年度には、89地区のうち43地区で平成22年度までの補助上限である50万円を超える補助を受けて事業を実施しておりまして、事業加算補助を活用して積極的な活動が行われているものと考えております。  次に、2点目の福まち事業の見守り・安否確認活動、福祉マップの作成状況についてであります。  最も基本となる訪問による見守り・安否確認活動に取り組んでいる地区数につきましては、平成22年度では75地区でしたけれども、平成25年度には80地区において取り組みが進められてきております。また、福祉マップの作成につきましては、平成22年度は23地区でしたが、25年度には89地区のうち56地区において取り組みが進められておりまして、よりきめ細やかな見守り・安否確認活動につながっているものと考えております。 ◆中村たけし 委員  このときは、メニューをやることによって加算がふえるということですから、やらなかったらその分の補助がないことを心配しておりました。しかし、約半数のところで取り組まれ、見守り・安否確認活動が75地区から80地区、福祉マップの作成が23地区から56地区とふえていることは大変いいことだと思いますし、補助金もふえているということで安心しました。  しかし、全ての地区に広がっているわけではなく、100%ではありません。全ての地区で見守り・安否確認活動を行い、地域で支え合うためには、補助金だけではなく、札幌市としても全面的に支援していくことが大事なことだと思います。私も、2011年の決算特別委員会のときに、全地区で見守り活動を実施できるように、事例集の配付など、市社会福祉協議会と札幌市が一体となり、福まち事業に対する支援をしっかり行っていくことを求めましたが、この間、こういった支援は実際にどのように行われきたのか、伺います。 ◎木下 総務部長  福まち事業に対する支援についてであります。  札幌市社会福祉協議会及び札幌市では、福まち活動に携わる方々への支援としまして、平成21年度から23年度までに、個人情報の取り扱い、福祉推進委員会の開設、活動、地域福祉マップの作成の3編から成ります福まち活動の手引を作成いたしまして、平成24年度には、地区の先進的な活動事例等を紹介する福まち活動者向けの福祉活動事例集を、25年度には、見守り活動の促進に向けまして、その助けとなるよう「見守りのすすめ」という冊子を発行し、地域へ配付しております。これらの手引等を活用しながら区社協の職員が地区福まちへ実際に赴くなど、活動の支援を継続しております。また、平成12年度から福まち活動者を対象として研修会を実施しているほか、平成8年度から行っておりました活動交換会を、18年度からは地域の先駆的な支え合い活動の事例発表や情報提供を行うフォーラムへと形式を変更しまして、毎年、これらを継続し、地域の活動を支援しております。  さらに、札幌市としましては、平成25年度から、保健師の地区活動の一層の充実を図ります地域保健活動推進事業と連携しまして、区の職員が地域に赴いて地域の方々と地区の課題を共有し、関係機関とのネットワーク構築を進めながら課題解決を支援する福まちパワーアップ事業を市内10地区において実施しており、今後もきめ細かな見守り活動等の地域福祉活動の推進を支援してまいりたいと考えております。 ◆中村たけし 委員  さまざまな支援策を行っているということで、さらに進めていただきたいと思います。  前段に述べましたが、1995年から福まち事業が始まっており、来年度でスタートから20年を迎えることになります。この前も災害がありましたが、この福まち事業の見守り、安否確認などにより、どういった方々が支援しなければ避難できないのか、福祉マップを通じて把握しておくことがふだんの活動で大事なことだと思います。また、私個人としても、こうした福まち事業をしっかりとしたものにするために、ネットワークを構築していかなければならないと思います。これからも、民生委員や児童委員の皆さんなど関係機関とネットワークを密にして、札幌市として福まち事業を内容の濃いものにしていただきたいことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、障がい者就業・生活相談支援事業の充実についてお伺いいたします。  私どもの会派におきましては、障がいのある方の一般就労を円滑に進める取り組みである障がい者就業・生活相談支援事業について、積極的な取り組みを進めるよう、これまでも札幌市に強く求めてきたところであります。北海道が毎年調査を行っている福祉施設等利用者の一般就労等に関する実態調査結果によりますと、道内で一般就労へ移行した方の数は、平成24年度が631人だったところ、昨年度は860人となっているように、近年は毎年増加し続けております。このように、障がいのある方が少しでも多く一般企業で働くことができることは大変望ましいことであると考えております。  しかしながら、一般企業への就職に向けて、必要な訓練や求職活動の支援を行う道内の就労移行支援事業所におきましては、定員が約2,000名のところ、一般就労できた方は512人でありまして、4分の1程度となっております。就職したくてもできない方がまだまだいるということであります。加えて、企業の側では、昨年4月から、障がいのある方を一定割合以上雇用することが求められる法定雇用率について、民間企業では1.8%から2.0%に引き上げられただけでなく、来年4月からは、雇用納付金の納付対象について、従業員数が200人を超える事業主から100人を超える事業主に拡大となります。さらに、平成28年4月からは、障害者雇用促進法が改正となり、各企業において、障がい者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供義務が課せられることになります。  このように、障がいのある方の雇用において、企業に求められる役割がますます高まっており、それに伴い、企業に対するきめ細かい支援がより一層行われるべきであると考えます。このような支援において中核的な役割を果たすのは、障がい者就業・生活相談支援事業であり、かなりご苦労されているのではないかというふうに思います。  そこで、お尋ねいたします。  初めに、就業・生活相談支援事業の状況についてお尋ねいたしますが、就業・生活相談支援事業所における平成25年度及び26年度の相談支援の件数、そして、相談から雇用に結びついた件数、さらには、ジョブサポーターの配置状況等はどうなっているのか、お尋ねいたします。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  相談支援の件数等についてお答えいたします。  平成25年度の相談件数は、市内4カ所を合わせて、1,575人に対して延べ2万9,868件となっております。今年度については、4月から8月までの件数が1,747人に対して延べ1万2,754件となっており、これを年度に置きかえて推計いたしますと、今年度もおおよそ3万件になる見込みでございます。また、平成25年度の相談から雇用に結びついた件数は156件、今年度については4月から8月までの件数が77件となっておりまして、同じく年度に置きかえますと今年度は約180件となる見込みでございます。  さらに、ジョブサポーターにつきましては、平成23年10月以降、毎年1名ずつ配置を行ってきたところであり、本年度も10月から新たに1名を配置しており、現在、3カ所の事業所に4名が配置されているところでございます。  ちなみに、ジョブサポーターの支援実績につきましては、本年8月時点では3名のジョブサポーターが14名の方に対して継続的な支援を行っております。 ◆福田浩太郎 委員  各年度で約3万件の相談件数ということで、大変な相談件数でありますし、非常に粘り強くやっていただいております。また、相談から雇用に結びついている数も伸びていることが理解できました。さらに、ジョブサポーターの活動実績でありますが、現在、14名を支援しているということで、大変精力的に活動していると思います。  しかしながら、先ほども触れましたが、就職ができない方がまだ数多くいる現状であることから、職場実習や就職する前段階の支援を丁寧に行うことが障がいのある方にとっても企業にとっても望ましいことと思われまして、その結果として一般企業への就職をさらに拡大するものと考えます。  そこで、最後に、就業・生活相談支援事業の課題と今後に向けての取り組みについてどのように進めるつもりなのか、お尋ねいたします。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  障がい者就業・生活相談支援事業の課題と今後に向けた取り組みについてお答えいたします。  相談支援件数が増大し続けている状況におきまして、雇用に結びつける方をさらにふやすためには、就業・生活相談支援事業所の相談業務の負担を軽減することや、一般就労への支援を行う就労移行支援事業所などとの一層の連携が求められていると認識しております。このうち、相談業務の負担軽減を図る上で、職場定着支援等を担うジョブサポーターの配置は有効と考えておりまして、複数配置による効果も高いことから、今後の配置のあり方につきましては引き続き検討してまいりたいと考えております。  また、事業所等との連携強化について、これまでも障がい者の就労支援の関係者で構成されている自立支援協議会の部会におきまして、就労移行支援事業所に対する実態調査や研修等を行ってきたところでございます。今後は、就労継続支援A型事業所への取り組みを拡大するほか、職業訓練や職場実習の段階から職場定着の段階までの一貫した支援を通じて就労先への定着率を高め、障がいのある方が安心して働けるよう、引き続き事業全体の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  要望でありますが、初めにも述べたとおり、就労移行支援事業所の実態は、定員2,000名に対して500名の就職と約4分の1であり、この事業所の支援期間が2年であることからしますと、できれば1,000名程度の就職が望ましいのでありまして、より一層の取り組みが求められると思います。お答えいただいた取り組みをしっかりと進めていただきたいと思います。  特に、就業・生活相談業務の負担軽減が重要でありまして、お答えのとおり、ジョブサポーターが大変有効と考えております。札幌市が実施する就業・生活相談支援事業所は、現在、市内4カ所でありまして、4名では不十分だというふうに考えます。ジョブサポーターの仕事は、1人では休みをとることが難しく、また、複数の視点で支援メニューを考えることがより利用者に合った支援となるのであり、さらに、効率の面からも複数配置は必須だと思います。障がいのある方の就労は、社会の成熟度を高め、安定化に寄与するものであり、より力を入れるべきだというふうに思います。  来年に向けて、ぜひとも取り組みを進めていただくよう求めて、質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、障害児通所支援事業について質問させていただきます。  私どもは、2012年度に、現在の障害者総合支援法の前身となる障害者自立支援法の改正と児童福祉法の改正により、児童デイサービスが障害児通所支援事業として再編されることに関連して、今までも障害児通所支援事業に関しては継続的に質問させていただいております。  これまでの質問では、児童発達支援事業所、以下、事業所と呼ばせていただきますが、これがふえていくことに伴って、サービスの質の確保が重要になること、また、児童発達支援センター、以下、支援センターと呼ばせていただきますが、ここが中心となり、身近なところで誰もが質の高いサービスを受けられるよう、関係機関を含めた環境づくりや地域の資源である事業所への支援を行うことが必要であると、再三、指摘させていただきました。  現在、制度改正から2年以上が経過いたしまして、障がいのある児童が通う児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所は、2012年4月の約150カ所から現在では250カ所を超えるまでに増加しております。このように、札幌市内の障害児通所支援事業所は、全国最多の事業所数であることで、児童や保護者の選択肢は広がる一方、行政の目が行き届くのかという心配をしておりまして、療育の質について事業所に対する苦情も少なからずあると聞いております。  また、札幌市が2012年10月に示した児童発達支援センターのあり方の基本方針に基づく取り組みについて、以前、議会で答弁をいただいた後はどうなったのか、確認をさせていただきたいと思います。  そこで、質問ですが、まず最初に、制度改正以降、障害児通所支援事業について、質の確保の観点から事業所に対してどのような取り組みをしてこられたのか、また、事業所に対する指導などの状況についてもお聞かせください。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  障害児通所支援事業の質の確保に関する取り組みと指導状況についてお答えいたします。  まず、1点目の質の確保に対する取り組みでございますが、平成24年度の制度改正後、児童発達支援センターのあり方について基本方針を定め、その方針に基づきまして、現在、市内8カ所にある児童発達支援センターを地域での児童療育の中核と位置づけ、平成25年度から札幌市主催の研修会を開催しているところでございます。この研修会は、児童発達支援センターの担当地域にある障害児通所支援事業所の全てにご案内し、平成25年度は、テーマごとに3回開催し、延べ対象事業所559カ所中、7割以上の400事業所が参加いたしました。このほかにも、市内の事業者が独自に組織する札幌地区児童発達支援連絡協議会が自主研修会を行うなど、官民が協力しながら実施してきたほか、児童発達支援センターが担当地域の事業所を訪問して調査を行うなど、お互いに顔が見える関係づくりに取り組んできたところでございます。  次に、2点目の指導状況についてでございますが、これまでの実地指導では、原則、3年に一度のペースで行うよう計画しており、障害児通所支援事業所に対する実績として、平成24年度で68事業、25年度で91事業に関する実地指導を行いました。 ◆しのだ江里子 委員  行政支援として、地域療育の中核となる支援センターを中心として進めていらっしゃることは理解いたしました。今のご答弁では8カ所が活動しているというのは、当初は7カ所でスタートした支援センターは、1年目に1カ所が休止し、その後、2カ所が加わって、現在稼働しているのは8カ所ですけれども、この8カ所で足りているとは決して思いません。  札幌市では、今もご答弁にありましたように、昨年9月から11月に各支援センターが市内の障害児通所支援事業所に対して事業所での取り組みや課題などを調査し、さらに、調査結果をもとに地域療育のさらなる推進を図ることを目的に訪問調査をされ、ことしの1月に報告書が出されております。この内容はホームページにもアップされておりまして、非常に興味深く拝見いたしました。  対象事業所は、今もお話がありましたように、190カ所に対して、当時の支援センター7カ所の職員が各事業所を直接訪問されて調査票を回収するなど、きめ細やかな対応をされ、まさに顔の見える関係をつくられる中で178カ所、93.7%の事業所から意見聴取をしております。調査では、事業所の概要として児童発達支援と放課後等デイサービスが最も多く61.8%、法人種別では株式会社、合同会社などが59.6%、そして、報酬単価を高く設定されている10人以内の定員のところが90%を超えています。対象としている障がい種別では発達障がい児が96.6%と最も多く、支援方法としては一日のカリキュラムに基づく集団療育が71.9%を超えております。  それは、さもありなんで、規制緩和によりまして、10人以内のところでは、施設や保健医療機関等で5年以上の実務経験を有する者が対象となる児童発達支援管理責任者が1人いればほかの指導員の資格は求められないことから、一般のパートやアルバイトと同様に採用されますし、大学生のアルバイトも見受けられ、この調査では経験年数1年未満の職員がいる事業所が65%を超えていました。また、区によっては、職員数2人から3人のところが半数を超えているところもありました。このような状況ですから、支援センターに求められるものとして、職員の支援技術向上を目的とした研修の継続開催への希望が93.8%と圧倒的に高く、事業所が抱えている課題として、保育園や幼稚園、学校、地域との連携が大変難しいとの声も上がっております。  そこで、質問ですが、この調査を踏まえて、保健福祉局としては、障害児通所支援事業所においてはどのような課題があり、その解決のためには今後どのように対応していかなければならないとお考えなのか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  事業所への調査結果における課題と今後の対応についてお答えいたします。  アンケートの調査結果にもありますとおり、従業員、ひいては事業所の経験が浅いことから、質の確保をどのように担保するのかといったことが課題であると認識しており、研修内容のさらなる充実が重要と考えております。先ほどもお答えしましたように、札幌市が実施する平成26年度の研修会につきましては、1回目はこの6月から7月にかけて実施いたしましたが、これまでのアンケートの調査結果や事業所等とのやりとりをもとに、事業所に必要とされている基礎的な事柄を取り上げたところでございます。また、今後、札幌市自立支援協議会子ども部会と児童発達支援センターとの共催による全体研修を開催する予定でございます。こうした取り組みによりまして、各事業所における支援スキルの向上のほか、児童発達支援センターと各事業所とのかかわりや事業所間でのやりとりがふえ、サービスを提供する事業所が共通の認識を持って支援を行うことに寄与しているものと考えております。  また、今年度は、札幌市自閉症・発達障害支援センターおがるや平岸の児童心療センターも研修資料の作成にかかわっているほか、各種会議などを通じて教育委員会や関係機関とのかかわりもふえてきておりまして、サービスの質の確保という課題の解決に向けた取り組みを進めるとともに、今後も障がいのある児童が安心して支援を受けられる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  今お聞きしたように、確かに、保健福祉局としてはさまざまな研修でレベルアップ、質の担保をしていこうとお考えであることは十分わかります。  ことしの6月から7月にかけて第1回札幌市児童発達支援研修会が行われ、「児童発達支援 知っておきたい基礎知識」という資料がありました。この中に、児童発達支援の役割ということで五つほどの項目がありまして、家族に安心してもらうために、子どもの心配なところや困っていること、つらかったことなどを聞き取り、受けとめる、事業所や指導員が健やかな育ちの支援としてできることを説明する、子どものことを知るためのアセスメント評価を行う、また、通所での役割では、家族を支える、さまざまな人や機関の連携により支えるとありました。各支援センターの方たちは本当によくやっていらっしゃると思いますが、各支援センター単位で開催されたこの研修会への参加率は、88.9%から55%までとさまざまな中で平均して71.9%でした。また、この研修会への感想を見ますと、障がいへの考え方、制度の変化、子どもの支援体制など基礎的なことを学べる機会となったという意見や、知識がないので、具体的な体験談や声かけの仕方を聞きたかったなどの意見が寄せられていました。発達障がい児が対象のほとんどでありながら、事業所指導員の中には発達障がい児についての認識がないということも考えられます。支援センターで行っている研修の中で発達支援のノウハウを学ばなければならないレベルなのかと思いますと、よく言われますように、子どもだけを預かるレスパイトでしかないのではないかと危惧するところもあります。また、この研修会には約30%の事業所が不参加で、もちろんその事業所にはこのときの書類などを送られたという話は聞いておりますけれども、果たしてどのように対応しているのかというのは不安になるところです。  このように、家族支援や地域支援など、多くの役割を担う事業所や指導員のレベルアップをしていくためには、まさに地域で担ってきた専門的支援のノウハウを持つ支援センターの役割は大変大きく、現在の8カ所では本当に十分とは言えないと思いますし、限られた人員で行っている支援センターへの負担もあるのではないかと私は思います。浜松市では、国の市町村事業である障害児支援体制整備事業や都道府県の事業である児童発達支援センターの地域支援機能の強化を導入して、支援センターの強化を進めています。札幌市においても、こういった国の事業参加を含めて、地域の中核を担っていただいている支援センターの負担解消策もぜひ考えていただきたいと思います。  先ほどのご答弁で実地指導についてありましたが、もう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。  事業所開設の増加に伴って実地指導がふえるのもさることながら、他業種からの参入や新規参入などで事業所支援が適切に進んでいるのか、心配となっております。時には、ふなれな事業所運営が苦情へと発展し、その対応で予定どおりに実態調査や実地指導が進まないなど、行政によるチェック体制に影響が及ぶことも懸念しております。  そこで、質問ですが、先ほどもありましたように、3年に一度行われているということでしたけれども、実際に実地指導を行った結果、どのような指導をされているのか、その際に指摘事項があるのか、あるとすればどういったものが多いのか、その内容やその後の支援について伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  実地指導の内容とその後の支援についてお答えいたします。  まず、指摘事項の中で多かったのは、個別支援計画の定期的な見直しに関する不備でございます。この手続は、前回に作成した計画の振り返りを行うとともに、現在の本人の状況を把握し、本人や保護者の希望を尋ね、より適切な支援計画を策定する重要な手続でありますので、適切な見直しを行うよう指導しているところでございます。また、運営規程や重要事項説明書等の書類の不備が散見されたことから、その都度、修正や利用者への再説明を指導しているほか、災害等に対応するための避難訓練が適切に行われていない事例も見られたことから、条例及び運営規程に従って訓練を行うよう指導しているところでございます。  次に、その後の支援についてでございますが、これまでの指導内容については、サービスの質の確保に直結する事項が多いことから、こうした事業所に対しては30日以内に改善報告書を求め、その改善状況を確認することといたしております。また、個別支援計画の作成研修等を開催したほか、避難訓練については、児童や家族が安心して利用できるよう、適宜、消防署に相談しながら、万が一の事態に備えるよう助言しているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  今のご答弁で、指摘事項があった場合には30日以内に確認していただけるということで、まずは安心なのかと思うところです。  ネットを見ますと、児童デイサービスの事業所開設について過大に広告がアップされておりまして、そういった意味では営利目的で参入するところもあるのではないかと懸念します。指定取り消しなどの行政処分や指導状況、そしてまた、何より税金で運営されている公的な福祉サービスであることを考えますと、ふえ続ける事業所が適切に運営されるためには、3年に一度と言わず、札幌市による実地指導をもっと頻繁に行う必要があると私は考えます。これによって、まさに質の高いサービスの提供も期待でき、障がいのある子どもたちが本当に安心して支援を受けられる環境づくりにつながるのではないかと思います。  これらの実現に向けて、ぜひとも必要な指導、そして、支援体制についても特段の配慮をしていただけることを求めて、私の質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、一つは福祉除雪について、もう一つは自殺予防及び教育現場との連携について、大別して2点お伺いします。  まず、福祉除雪についてですけれども、私が委員会でたびたび利用させていただいている「上田文雄が語る“市民力”」という市長のご著書ですが、その47ページに書いてありますので、引用させていただきます。  まず、除雪に関しては、間違っていたら言っていただきたいのですが、地域と創る冬みち事業が最初にあり、その後の発展の中で福祉除雪みたいなものが出てきたのかなと私は認識しておりました。市長は、この中で、お金をかけないで除雪の満足度を上げたいと言っております。それが、市長が一貫しておっしゃっている市民力で、行政が何でもやっていくのではなく、市民の方々の力をおかりしながら福祉除雪をやっていくということだと思いますが、そういうコンセプトでいいかどうか、伺います。  それから、平成25年度の利用世帯数は4,880世帯で、地域の協力員数は2,900人という数字がありますが、この状況について理事者のお考えをお聞かせください。 ◎木下 総務部長  まず、地域と創る冬みち事業については、記憶が若干あやふやですけれども、平成17年度か18年度ぐらいから具体的に始まったものと思っております。福祉除雪につきましては、本格的に実施を始めたのが平成13年度からであり、福祉除雪のほうが古いものでございます。  また、利用世帯については着実に増加してきておりまして、地域協力員についても、年度によって若干の増減はありますが、当初の平成13年度が2,116人であったのに対し、25年度は2,900人ですので、増加傾向にあるのかなと思っております。 ◆木村彰男 委員  理事者はそのようにおっしゃいますが、私は、ニーズに対してボランティアの数が足りているという認識は持っておりません。今回の福祉除雪の対象者は、いろいろと条件はありますが、まず、一戸建てに住んでいる方をくくっております。しかし、登録員の方がもっとたくさんいれば、一戸建てに限らずにできるのではないかと思います。別の委員が都市局の質疑のときにもお話しされていましたけれども、集合住宅に入っていらっしゃると除雪当番の日がありますが、その日にたくさんの雪が降ると、高齢者や障がいを持っていらっしゃる方は一人ではどうにもなりません。もし登録者がふえて、そのような日にもボランティアの方が来てくれれば、今のようなことも解決できるのではないかと思っております。  本年2月17日でしたか、北海道新聞に高齢者宅の除雪についての記事があり、私も注目して見ました。ことしの場合は約5,100件で、当初より1,400件も利用申し込みが増加しているのに対して、協力者は2,900人であり、約500人増ですが、登録者の数とボランティアの数が必ずしも同時に伸びてきているとは見られません。その意味においては、拡大しようとしても拡大できないという認識を持っているのですが、それについてはいかがでございますか。 ◎木下 総務部長  まさに、委員のご指摘のとおり、利用世帯数の伸び率に鑑みますと、協力員の伸び率はちょっと心もとないかなと思うところは確かにございます。地道に協力員の募集を行っているところでありますけれども、なかなか急激にはふえていかない状況にございます。 ◆木村彰男 委員  事ほどさように、除雪に関しては市民の方のお力をかりながらやっていこう、もしくは、皆様方のお仕事を進めていこうということで予算もつけられていると思います。  私は、ことしの8月、討論型世論調査「雪とわたしたちのくらし」という調査報告書をいただきましたが、それに福祉型の除雪についてアンケート結果が載っておりまして、注目しておりました。普通の世論調査は、手紙やアンケート用紙を送って、それが返ってくるもので、私が前にご担当の部長と話したのですが、これだとそんなに費用はかからないのだと言われていました。ところが、これは3回の調査をするのですね。しかも、見ていますと、専門家の方とディスカッションして、そこで学ぶというか、考えを出し合って、問題をもんだ後にもう一回アンケートをやるというように、かなり込み入ったもので、しかもお金をかけてやっている仕事であります。  そこで、そこに福祉除雪の考え方が書いてありますが、ご担当者に既に申し上げておりますけれども、まず、皆様方のアンケート結果の分析についてお聞かせください。 ◎木下 総務部長  今回の討論型世論調査は「雪とわたしたちのくらし」をテーマに行われましたけれども、この中で、市民が雪対策について今後できることに関する設問がございましたが、そこでは、福祉除雪の地域協力員になるなど、労力がかかる協力はできないという回答が多い結果になってございました。福祉除雪の地域協力員は道路除雪が行われた日の12時ぐらいまでに除雪作業を行うものでありまして、やはり、時間上の都合から協力できない方もいらっしゃると思います。また、12月から翌年3月までの4カ月間の長期間にわたってのボランティアになりますので、地域協力員として参加する負担感は大きいものと思われます。 ◆木村彰男 委員  アンケート結果を見る限り、かなり長い間、福祉除雪をやっていても、参加しようという気持ちはなかなか醸成されていないのかなという気もいたします。それから、こちらに傾斜して拡大していこうとしても、限界というか、到達できないようなものがどこかにあるのかなと思って私は見ておりました。  そこで、先ほどの北海道新聞の記事ですが、同じところに原さんという方が書いていらっしゃる記事があって、一種の雪はね奉仕ツアーみたいな話なのです。これは、今、災害があったところに行って片づけをするなど、雪はねでない場合もありますが、そういういろいろなボランティアをツアーに組み込んでバスで来ていただくようなものがあります。札幌の場合、それが必ずしも適切かどうかはわかりませんけれども、例えば観光と結びつけたような除雪ツアーも私は考えてみたのです。札幌市民だけでやっていこうという上田市長のお考えは、いいとは思うけれども、これだけやってきても、調査をするとなかなかそういう決意に至っていないとすれば、別なやり方としてそういう方法はどうかなと私は思ったのですが、それについてはいかがでございましょうか。 ◎木下 総務部長  地域協力員の募集につきましては、広報さっぽろ等を活用して市民に対する募集を呼びかけるとともに、市及び区の社会福祉協議会と連携して、町内会関係者、地区福祉のまち推進センター等の地域組織に対する働きかけを行っております。また、区社会福祉協議会から、災害防止協力会会員企業、その他の地域企業、福祉施設、学校、NPO等にも協力依頼をしているところであります。  学生や企業による単発の除雪ボランティア活動も各地域で実施されていることもありますので、こういった福祉除雪と単発のボランティア活動の連携については、福祉除雪やボランティアの需給調整を行っている社会福祉協議会とも協議してまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  先ほど観光の話と結びつけましたけれども、そのようなことは余り考えていないということでよろしいのでしょうか。 ◎木下 総務部長  観光客とのコラボになると思うのですが、実際には朝の早い時間帯に個々人の家に入っていって除雪することになります。これは、地域の方の助け合いから始まっている考え方でありますので、なるべく地域の中で行っていただくのが理想かと思っているところでございます。 ◆木村彰男 委員  次に、自殺予防の論点に移ります。  ここに広報さっぽろ9月号がありまして、7ページには、そちらにいらっしゃる札幌こころのセンターの築島 健所長が写っております。大特集が組まれていて、中身は鬱病のことと鬱病に起因する自殺のことだと思います。  これと付随しているのか、これは区役所でいただいてきましたが、同じくこころのセンターで出しているものがありまして、これには高齢者の鬱病を早期発見してというクレジットがついています。こちらは女性の鬱で、また、「お父さんのこころの健康」とありまして、さらにはリーフレットがありました。  今、この時期に広報活動を一生懸命やっていらっしゃるということで、私は今まではそんなに見ていなかったものですから、今回、これらに力を入れて啓発活動をされている背景からお聞かせください。 ◎築島 精神保健担当部長  広報活動に力を入れている背景ということでございます。  全国では自殺者が3万人をやや切ったということで、自殺をされる方が少しずつ減りつつあるという認識でございますが、札幌におきましてはまだまだ減り方が足りません。そこで、今後、札幌市を挙げてつくりました札幌ほっとけない・こころのプランを市民の方々に周知し、一人でも多くの命を救うことを市民がこぞってやっていただくために、ここで啓発活動に力を入れてまいりたいと考えているところでございます。
    ◆木村彰男 委員  今、話に出たのは、こころのセンターのこういうものですね。  今、所長がおっしゃったのは成人の方の話です、私は、児童生徒の自殺の問題をテーマとしてやっておりました。実は、これは平成24年10月19日の第一部決算特別委員会ですが、その前日に白石区でお子さんが自殺するということがありました。これは3年連続になったのかと思うのですが、痛ましいことで、亡くなられたご遺族には本当に心からお悔やみを申し上げる次第です。  そのとき、私が質問して、山中委員長がお答えになっておりますので、そこだけを引用させていただきます。「私の委員長在任中に、3人の中学生がみずからの命を絶つという事故がございました。まことに痛恨のきわみでございます。札幌市教育委員会としては、命を大切にする教育を推し進めてまいりました。その責任者としてこのようなことを防止できなかったことにつきましては、まだまだ努力が足りなかったということを痛感しておりまして、心からおわびを申し上げる次第でございます。今回のようなことを防止するためには、子どもの行動やわずかな心の動きに常に心を配り、また、本人の気持ちとその背景に思いをいたすことができるように、日ごろから感性を磨き、あるいはまた、さまざまなアンテナを張るといいますか、子どもたちとの心のつながり、また、家庭、地域、関係機関との連携をつくっておくことが非常に重要なことだというふうに思っております。そういった努力をすることは、どんなに努力をしても足りないということはない、もう十分だということはないのだということを専門家の方からも伺っております。」、こういうようなご発言でした。  実は、教育委員会では、決算特別委員会が終わった次の年度である平成25年度に、子どものいじめ・自殺予防対策総合プロジェクト事業を予算化して実施されておられます。きょうは、委員長にご許可をいただいて、教育委員会の方にも来ていただいておりますが、それはなぜかというと、私は文書質問でこのことについて聞いたのです。つまり、この総合プロジェクト事業を1年間やりましたが、ことしになってから平成26年3月に小学校のお子さんが1人、8月には中央区でまた1人と自殺された方が出ました。先ほど、所長は子どもの心の悩みに対して教育委員会との連携ということをおっしゃっていましたけれども、このプロジェクトはまさに保健福祉局と教育委員会の連携事業だと伺っておりましたので、それで質問したわけです。  ご回答はいただいておりますが、それをよく読むと私には連携がなされていたというふうに読めるのでございます。その件について、そういう確認でよろしいのか、教育委員会からお答えください。 ◎松田 教育委員会児童生徒担当部長  今の委員からのご質問ですが、教育委員会としましては、文書回答でもお答えしましたように、今できる十分な連携に取り組んできているところだと考えております。  ここで、具体的な連携についてお答えしたいと思います。  教育委員会では、昨年度から自殺予防対策に向け、子どもが発するSOSのサインを見逃さない学校体制や、子どもが自他の命を大切にし、自己肯定感を高める指導のあり方、子どもの心身に重篤な状況が発生した際の適切な対応等について、関係機関、有識者を含めた子どもの命を守る連携協力会議を開催したり、精神科医及び臨床心理士、有識者、教育関係者から成る重点施策懇談会を数度開催したりして重点的に議論を深めてきたところでございます。  その他の具体的な取り組みにつきましては、保健福祉局と連携した教員向け研修会を実施しております。また、学校は、家庭や地域とより一層の連携を図ることができるよう、子どもとのかかわり方についてのリーフレットを発行しております。加えて、子どもがいつでも相談窓口を認識できるよう、子ども未来局と連携し、生徒手帳に入るサイズの相談窓口周知カードを作成し、子ども自身が悩みを抱えたとき、すぐに相談できるよう体制を整えてまいりました。さらに、子どもが精神的に不安定になるなど、学校や家庭から寄せられた緊急性の高い相談事案については、教育委員会と医療機関が連携して速やかに受診が可能となるよう努力してきているところでございます。  今後もこのような取り組みを継続するとともに、より一層、関係機関と連携し、自殺予防対策を推進してまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  このプロジェクトそのものの中身については、私も全部をわかっているわけではありません。ただ、ご担当の方と打ち合わせをしたりお聞きしたりしていると、先ほど所長からもお話がありましたが、話し合いの中身については、教育委員会から所長のところにこういうことをやってくれという話でもなければ、所長のほうからこういうことをやりましょうという一方的な話でもないと思います。また、その内容について討論があるのか、先生方の間でワークがあるのかはわかりませんけれども、そういう中でもし一定の効果があったとすれば、こうしたことが繰り返されることによって、先ほど言われたお子さんの小さな動向を見逃さないようになるのかなと思います。しかし、お聞きすると、実は未遂的なものもあって、そういうものを抱えて学校生活を送っていらっしゃる方は物すごくたくさんいるというお話なのですね。  そういう意味において、所長のところに教育委員会から何かの指示があるとか、また、今言ったように、こういうものをやっていきたいといったときに、所長のほうではどのように連携のレスポンスをされたのか、お聞かせください。 ◎築島 精神保健担当部長  こちら側として、教育委員会との連携の具体の中身についてでございます。  子どもにかかわる自殺予防の取り組みといたしましては、教育委員会が主催する教職員を対象とした研修へ、私どもから講師派遣等を行っているところでございます。先ほどの松田部長の答弁にもございましたが、特に平成25年度からは、教育委員会との共催により、子ども理解にかかわる研修会といたしまして、子どもの異変に気づく、サインに気づいて、聞いて、つないで、見守るという視点を教職員の方々に持ってもらうため、いわゆるゲートキーパーの知識を身につけるための研修を実施しております。さらには、個別対応について相談に関する助言を行ったり、教育委員会が主催する子どもの命を守る連携協力会議の場において、緊急に対応しなければならないような子どもの事例検討に私どもが参加する等の連携を行っているところでございます。  次に、そうした研修会や会議等についての評価でございます。  子ども理解にかかわる研修会につきましては、参加された先生方の9割以上が、子どもと接する際に自殺予防の視点を取り入れていきたいと思うとお答えになっていることから、一定の理解と効果が得られているものと認識しております。しかしながら、自殺対策の成果は短期的にあらわれてくるものではなく、子どもの自殺を防ぐためには、研修等を地道に取り組み続けていくことが重要であると考えております。 ◆木村彰男 委員  私もいろいろ聞いておりますが、成人の自殺のきっかけとしては、お酒の頻度が多くなりましたというようなことも書いてありますけれども、子どもはそういうことがないので、別なカテゴリーの中でやっていかれるようになると思います。ただ、私が見た限りでは、そういうことが行われるようになったのはつい最近で、今までは、やっていなかったとは言いませんけれども、外部から来ていただきながらも、どちらかというと教育委員会の中で完結させていたと思うのです。しかし、先ほど子ども未来局の話も出ましたが、私は、教育委員会だけではなかなか難しいなと思って聞いておりました。教育委員会にもカウンセラーの方がいらっしゃいますが、その方だけでは足りませんから、今、所長がおっしゃったように、保健福祉局、子ども未来局なども含めて横断的に見ながら、子どもたちのサインを見逃さないような施策を粘り強くお進めいただくことを要望いたしまして、私の質問にかえさせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、第1項 社会福祉費の質疑を終了いたします。  最後に、第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆中村たけし 委員  私からは、生活保護受給者に対する就労支援についてお伺いしたいと思います。  札幌市の生活保護受給世帯の動向は、2013年度、年度当初と年度末で数字が変わりますから、平均で見ると、生活保護受給世帯は5万2,133世帯、受給者数は7万4,117人と、対人口比率では3.8%と高い水準になっています。また、同年度の生活保護受給世帯の世帯類型を見ますと、高齢者世帯が38.6%と一番高くなっておりまして、その次に高い世帯は、働ける世代を含むその他世帯が22.1%と2番目になっております。  こうした生活保護受給者の中には、本当にさまざまな事情によってやむなく生活保護を受けることになり、仕事につきたくても、なかなか雇用情勢が厳しくてつけなくなった方が少なくありません。我が会派でも再三申し上げておりますが、こうした方々に対しては、市として、対象者の個々の状況に応じたきめ細かな就労支援を行っていくことが重要だと思っています。生活保護受給者に対する就労支援においては、就労意欲があって自立を目指す人は早期に自立できるように、また、就労に自信が持てなくなっている人には意欲を喚起させることができるように、それぞれの方々に合った段階的なステップアップ型の効果的な支援を行っていくことが必要ではないかと考えています。  そこで、伺いますが、働ける年齢層で就労を阻害する要因がないと考えられている世帯が増加しておりますけれども、先ほどから申し上げているとおり、生活保護受給者に対する就労支援を一層強化するべきだと考えておりまして、札幌市として行っている生活保護受給者に対する現在の就労支援の状況についてお伺いします。 ◎中村 生活保護担当部長  生活保護受給者に対する就労支援の現在の状況についてでございます。  札幌市の就労支援事業につきましては、個々の対象者の就労意欲や稼働阻害要因等の状況を十分考慮した上で支援を行っているところでございまして、我々は一定の効果を果たしていると考えております。担当ケースワーカーが就労の指導をした上で、一般的な求職活動が可能な方に対しては、さらに各区に配置している30名の就労支援相談員が求職の方法や履歴書の書き方等についてきめ細かく支援を行っているとともに、生活保護受給者等就労自立促進事業においては、ハローワーク職員と保護課職員が連携しながら組織的な支援を行っているところでございます。また、さまざまな事情から一般的な求職活動が困難な方に対しては、継続的な相談、援助を行うカウンセリング等就労支援委託事業を外部委託により実施するとともに、保護指導課に配置した非常勤職員である就労カウンセラーが就労意欲の喚起を行う就労カウンセリング事業もあわせて実施しております。さらには、就労していない期間が長期に及び、社会復帰に消極的になっている方に対しては、就業体験的なボランティア活動の場を提供することにより、社会参加意識等の向上を支援する就労ボランティア体験事業を実施しているところでございます。 ◆中村たけし 委員  ハローワークと保護課が連携して実施している生活保護受給者等就労自立促進事業についての現況がありましたけれども、この事業は、2011年度から実施され、福祉から就労支援事業という名前だったものが、2013年度から事業名を変更して対象者数を拡大するなど、支援内容を変更した上で現在実施されている事業というふうにお聞きしています。一人でも多くの生活保護受給者に就職してもらうためには、ハローワークとの連携をより強固にすることが必要であるというふうに思います。  そこで、ハローワークとの連携による生活保護受給者等就労自立促進事業では、具体的にどのような支援が行われ、どの程度の成果を上げているのか、伺います。 ◎中村 生活保護担当部長  生活保護受給者等就労自立促進事業についてでございます。  この事業は、各区の保護課からハローワークに対して就労支援の要請をした後、就職支援ナビゲーターがハローワークにおりますので、この方が定期的に面談を行いながら、関係機関が連携を図り、組織的に就労支援を行っていく事業でございます。ハローワークと保護課による就労支援チームが、対象者との面接等により、キャリアコンサルティング、職業準備プログラム、職業訓練、トライアル雇用などといった就労支援メニューを個々の職歴、生活歴に応じて選定した上で、就労に向けた積極的な支援を行っているところでございます。  この事業の平成25年度の実績といたしましては、支援者数1,022名のうち、6割に近い580名の方が就職しておりますが、平成24年度の実績と比較しますと、支援者数、就職者数はともに約1.5倍と大きく実績が拡大してきております。今後も、引き続きこの取り組みを積極的に推し進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆中村たけし 委員  こういった取り組みで、1,022名が相談され、580名が就職につながったということで、こういった取り組みによって保護の給付額が減っていきますので、これからもしっかりと就労支援をやっていただきたいと思います。  そこで、その前の答弁にありました就労ボランティア体験事業についてですが、就職できない状況が長い間続くと、就労意欲をなくしてしまったり、社会からの孤立感が強まってきて、ますます就労できず、言ってみれば引きこもりのような状況になっていってしまうことが少なくないと思います。こうした方々に対する就労支援策が必要とされていることから、本市においては、就労体験的なボランティアへの参加を通じて、就労意欲や社会参加意識の向上を支援する就労ボランティア体験事業があります。この事業については、我が会派としても何度も質問しておりますが、2010年度に厚別区で実施した後、年度ごとに対象区を拡大し、今年度からはいよいよ全区に拡大しております。  そこで、この就労ボランティア体験事業の実施状況及びその効果について伺いたいと思います。 ◎中村 生活保護担当部長  就労ボランティア体験事業につきましては、今年度に対象区を7区から全10区に拡大しており、それに伴い、参加者も増加してきております。平成25年度の事業実績といたしましては、7区で281人が参加し、延べ参加日数が6,785日、就労に至った方が34人おられました。今年度は、9月時点で既に373人が事業に参加しておりまして、13人が就労しているところでございます。  この事業では、不登校により高校を中退したり、就労していない期間が長期に及んでいる等で社会とのつながりが薄くなっている方が多く参加しておりますけれども、福祉施設での配膳や見守り等といったボランティア活動の体験を通じて、多様な人とかかわることで自分自身の役割や生きがいを見出し、生活リズムの改善や体力の向上を果たしながら社会参加意識や就労意欲の向上を実現する方が多く認められてきております。  この事業は、直接的な就労に結びつけることを目的とした事業ではございませんが、社会とのつながりの中で自分であることが尊重される社会的な居場所づくりについては、一定の効果があるのではないかというふうに考えております。また、この事業におきましては、ボランティア活動等との体験を通じ高まった意欲を次のステップにスムーズにつなげるために、参加者個々の状況に合わせたセミナーや職業体験等の支援も行っております。参加者、受け入れ事業者、保護課、受託NPO等が一堂に会して交流会を行って、相応の効果を上げているところでもございます。  今後も、この事業により就労に必要な基礎能力を身につけていただくとともに、次のステップを目指してもらうことを目的といたしまして、受託事業者と連携を図りながら積極的な支援を進めてまいりたいと考えております。 ◆中村たけし 委員  今、部長から答弁がありましたように、本当は社会に出たいのに家からなかなか出られないということで悩んでいる方々が多くいらっしゃると思います。そういう方々が、こういった体験事業に来て、社会参加につながっているということで、本当に重要な事業だと思っています。そうした人間らしい暮らしを取り戻すべくやっていただきたいということで、就労ボランティア体験事業をますます発展させていっていただきたいと思っております。  そういう中で、この事業にはさまざまな働くメニューがありますが、札幌市においては、冬に雪が降り、除雪のニーズなどが高い地域でありますから、そういった市民ニーズに応えるようなメニューも考えていただきたいと思います。この点については、我が会派では前から求めておりますので、再度、求めまして、質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、生活保護受給者に対する就労支援についてと生活困窮者自立促進モデル事業について、端的に伺いたいと思います。  今、中村委員からも就労支援についての質問がありまして、個々の状況に応じてさまざまな就労支援事業を行っているとのことでありましたけれども、私からは、初めに、生活保護受給者に対する二つのカウンセリング事業についてお尋ねしたいと思います。  一つは、外部委託により実施しているカウンセリング等就労支援委託事業ですが、これは、生活保護受給者の就労意欲の向上を図ることを目的として、委託事業者のキャリアカウンセラーが継続的なカウンセリングを行う事業であります。また、もう一つの事業として、保護指導課に配置された非常勤職員である就労カウンセラーが、各区の就労相談員の支援では不十分な対象者に対して相談、援助を行う就労カウンセリング事業と、あわせて二つのカウンセリング事業が実施されております。こうした事業は、社会復帰に消極的になっている方などに対して、意識の向上を支援する事業として、その果たす役割は大きいと考えております。しかし、この二つの事業では、支援対象者や支援内容に共通した点が多いことから、同時に実施するのならば役割分担がしっかりと明確化されることが必要だと考えております。  そこで、お尋ねしますが、二つのカウンセリング事業は、札幌市の就労支援事業においてそれぞれどのような役割を果たしているのか、お尋ねいたします。 ◎中村 生活保護担当部長  まず、NPO法人への委託により実施しているカウンセリング等就労支援委託事業についてでございます。  この事業では、多様な問題を抱える対象者に個別の目標を設定した上でキャリアカウンセラーがマン・ツー・マンで支援を行い、就職活動のみならず、生活全般に関するアドバイスを実施しながら、就職するまでの一貫した支援を行っております。この事業の対象者は、就労意欲が低下しているとともに、社会的コミュニケーション能力の不足等、解決が難しい課題を抱える方でありますことから、一般的な就労支援事業による支援にはなじまないものであると考えておりまして、そうした点において大きな役割を担っている事業であると認識しております。  また一方、保護指導課に配置した非常勤職員である就労カウンセラーが就労意欲の喚起を目的とした相談、援助を行う就労カウンセリング事業では、各区保護課の就労支援相談員から依頼を受けた対象者について相談、援助を行うほかに、全区合計30名の相談員に対してキャリアコンサルタントという専門的な見地からの助言・指導を行う役割が非常に大きいものと考えております。そのため、定期的に全区の相談員を集め、全体のスキルアップに向けた研修を実施しているほか、適宜、相談員に対するバックアップやサポートを行っております。札幌市の就労支援事業におきまして最も中核的な役割を果たす相談員が各区の保護課できめ細やかな支援を実施していくためには、就労カウンセリング事業の存在する意義は非常に大きいものと考えております。  今後とも、それぞれのカウンセリング事業について、役割分担を明確化しながら進めていく考えでございます。 ◆福田浩太郎 委員  名前が非常に似ているのでどうかなと思ったのですが、それぞれに重要な意義や役割があるということでした。  外部委託によりますカウンセリング等就労支援委託事業は、ご答弁にもありましたように、意欲の喚起から就職するまでの一貫した支援を行う効果的な事業であると思いますので、より一層、活用されることを求めます。また、就労支援相談員をバックアップする側面を持つ就労カウンセリング事業についても、その役割がしっかりと果たされるように取り組んでいただきたいということを求めて、この質問は終わります。  次に、生活困窮者自立促進支援モデル事業についてですが、初めに、支援対象者の傾向についてお尋ねしたいと思います。  代表質問におきましても、生活困窮者自立促進支援モデル事業の実施状況について質問がありまして、働くことのできる年代の方の仕事探しや生活費の相談が中心とのことで、病気や障がい、債務問題など、複数の悩みを抱えている例が多いというお答えがありました。  生活困窮者自立支援法では、生活困窮者とは、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある者と規定されていますが、その意味するところは、必ずしも明確ではありません。したがいまして、平成27年4月以降の制度の本格実施に当たっては、モデル事業における対象者の傾向を踏まえた上で、対象者をどのように捉えて支援していくかが重要なポイントになるものと考えております。  そこで、お尋ねしますが、これまでモデル事業の中で支援を行ってきた状況に基づき、支援対象者の傾向について詳しくお聞かせいただきたいと思います。 ◎中村 生活保護担当部長  生活困窮者自立促進支援モデル事業での支援対象者の傾向についてでございます。  平成26年1月から9月までの新規相談266件のうち、年代別の割合で見ますと、20代が14%、30代が18%、40代が19%、50代が21%、60代以上が21%となっておりまして、働くことのできる年代の方々が中心となっております。相談内容を見てみますと、仕事探し、就職に関することが190件、収入、生活費に関することが79件、病気や健康、障がいに関することが47件となっており、以下、家賃やローンの支払いが25件、引きこもりが23件、債務問題が18件、家族関係、人間関係が18件などと続いております。これらの相談状況から、仕事探しや生活費についての課題を中心としつつも、病気や健康、債務や住まいなど、複数の課題を同時に抱えている利用者が多い傾向にあるというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  お答えにありましたように、経済的自立に向けた就労支援を中心としつつも、就労に向けた支援を行う上で妨げとなる生活面や健康面での課題についても同時に対処していく必要があるということでございます。  ところで、生活困窮者の定義について、国は、制度の目指す自立には、経済的な自立のみならず、日常生活における自立や社会生活における自立も含まれるとした上で、生活困窮者を幅広く受けとめ、包括的な支援を行うとしております。モデル事業の中でも、経済的自立のみではなく、日常生活自立や社会生活自立を目的とした支援を行っていると思いますが、いわゆるニートや引きこもりなど地域からの孤立に陥りやすい方々は、相談数全体から見た割合は少ないかもしれませんけれども、これらの方々に向けた支援についても決しておろそかにすることのできない重要なものであると考えます。  そこで、再質問ですが、このような日常生活や社会生活での自立支援を行う必要がある対象者については、具体的にどのような方々にどういった支援を行っているのか、お尋ねいたします。 ◎中村 生活保護担当部長  日常生活や社会生活での自立支援を行う必要がある対象者についてでございます。  委員のご指摘のとおり、件数的には少ないものの、就労や健康、介護、障がい、住居、借金、虐待など幾つもの課題が複合的に絡み合いながら、地域から孤立しているような対処の難しいケースもありまして、生活保護申請も考慮しながら、区保健福祉部や障がい者相談支援事業所、法テラスなどの関係する支援機関との連携により支援を行っているところでございます。また、扶養義務者からの扶養等により生計を立てているニート、引きこもりや障がい者などに対しては、扶養義務者からの相談を契機に、いわゆるアウトリーチですが、自宅を訪問して面談を行うなどして支援を開始し、コミュニケーション能力向上に関する訓練などを経た後に就労に向けた支援を行っていくケースもございます。そのほか、過大な債務などによる家計破綻者に対しては、家計管理や債務整理などの総合的な家計支援を行う家計相談支援事業を実施しております。また、今のところ、事例はございませんけれども、DV被害者など、自主的には支援要請を行う機会の少ない方々を、関連する支援団体等との情報共有により早期に発見し、支援へつなげていくことも想定されているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  対象者については、今お話があったように、困難な課題を幾つも抱えて簡単には支援が進まない方もいらっしゃるということであります。要望でありますが、今後は、それらの対象者が適切な支援を受けられるような体制づくり、また、入り口である自立相談の対応能力の向上などをしっかり行うことを強く求めて、質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私からは、1点目は、生活保護不正受給について、2点目は、生活困窮者自立支援制度について、これは、今、福田委員からも出ていたので、かぶらないようにしますが、大別して2点お伺いします。  これはいただいたものですが、ここに生活保護の不正受給の件数、金額の推移をあらわした表があります。生活保護世帯のここ10年の推移を見てみますと、被保護世帯がふえていることもありまして、平成15年の受給決定件数は358件でしたが、平成25年度の決算見込みと書いている数値では、それが812件と約倍以上になっておりますが、まず、この数値の評価について、理事者からお聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  不正受給の全体の伸びについてございますが、先ほどもございましたように、平成25年度の生活保護受給者数は人口の3.8%でございまして、平成15年度のときの受給率と比べて分母が大きくなりますから、生活保護を受けている方の中での不正受給の発生率は高くなってきていると認識しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  平成26年7月1日から不適正受給対策の強化が始まっておりまして、この中に罰則の引き上げ及び不正受給に係る返還金の上乗せや不正受給に係る返還金と保護費との調整という項目がありまして、私には回収を図るように見えるのです。しかし、今の制度で言うと、札幌市の資料もいただいておりますが、なかなか回収に至っていないという現実があります。これは始まったばかりでございますが、これらのものができたとしても、私は、回収はなかなか難しいのではないかと思っておりますけれども、それについてのお考えはいかがでございますか。 ◎中村 生活保護担当部長  生活保護法第58条では、生活保護費は差し押さえのできないお金になっております。生活保護受給者の方が不正受給を行った場合、我々は税務調査等で発見するわけですが、そのときには、ほとんどの場合は使い果たしています。その中で、収入と言っていいのかどうかはわかりませんが、生活保護のみだけで生活されている方から回収することになると、最低生活費の中で本人が努力して返していただくことになりますので、今まで不正就労していたなど、無届けで就労している方が使ってしまった後で一遍に返すことは非常に難しいものですから、1回当たりに返還する金額は少なく、分割で返してもらっていただいているという現状でございます。 ◆木村彰男 委員  事ほどさように、不正が行われてしまうとなかなか回収できないことになってくるものですから、未然に防止するというか、なるべく不正が起こらないように、もしくは、不正が長期化することのないようにやっていくことになります。  そこで、ここに5月の新聞の記事がありますが、生活保護の受給に関して函館市が専用の電話を設けたという内容です。これは、前にもお聞きして、札幌市にはこういう専用電話はありませんが、こんなことを言って適切かどうかわかりませんけれども、生活保護の不正受給について市民からの通報を受け入れるホットラインのようなものです。函館市ではまだ始まったばかりですが、いろいろなところから電話がかかってきているようです。ただ、お聞きしていると、もちろん間違いもあるようでございますけれども、函館市はこういう形で始めましたし、ほかの政令指定都市でも似たようなことがあると聞いております。  そこで、仮に札幌市も導入してそういうものがあった場合、不正受給の数値はほかの政令市と比べて変わってくると考えているのか、それとも、こういうものをつくっても変わらないと考えているのか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  札幌市では、現在も、各区の保護課、本庁の保護指導課において、不正受給に関する情報も含め、さまざまな問い合わせや生活保護に関する相談について、直接の面談はもちろん、メール、電話、郵便等を通じて受けております。そういう中で、保護が必要と思われる方には、制度や申請についての案内をして、不正受給が疑われる案件については調査や確認を行っているところでございます。  最後のセーフティネットである生活保護は、本来、必要とする方々が安心して利用できる制度であるべきと考えておりまして、不正受給に特化した専用電話等を設置して情報を得ようとすることは、生活に困っている方々全てに対して監視を促すかのような、意図しない誤った印象を市民の皆様に発信してしまう可能性も否定できないと考えております。このようなことを踏まえて、現時点では、不正受給の専用電話の設置については考えておりませんし、これによってふえたからといって、それが本当に効果的なものかどうか、今のところ、我々としては判断しかねるところでございます。 ◆木村彰男 委員  今回の法改正においては、福祉事務所の調査権限の拡大も一つ上がっております。そういうものが、先ほど申したような不正受給の未然の防止策になるかどうか、私にはわかりません。ただ、部長が今お話しになっておりましたように、最終的には啓蒙、啓発というか、こういう制度になっていると知らしめること以外に最善の道はないように思いますけれども、それについて、最後にお聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  私どもはほとんどの方が適正に生活保護を受けていると理解しておりますけれども、今後も正しく収入申告等を行うように、生活保護申請時に、それから、受給中の方々に対しても、生活保護を受給する際の権利や義務を説明した生活保護のしおりを利用して重ねて説明、指導を行っているところでございます。  不正受給を行った世帯に対しては、不正に受給した扶助費についてしっかりと徴収していくことが、再度の不正受給を防ぐことになるとも考えております。ことし7月の法改正を受けまして、今後は悪質な案件に対する加算金の徴収や、資産等がある場合の強制執行による債権の確保も行っていく考えでございますし、不正受給を複数回行うような者につきましては、金額もありますけれども、告訴も視野に入れて厳正に対処していきたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  法の執行をしっかりやっていくということだと思います。  次に、生活困窮者自立支援制度についてです。  これは、春にも聞いたのですが、始まったばかりということでした。しかも、モデル事業は2区だけです、これから2区の資料をということで、先ほど別の委員との質疑で現状の分析が出ていて、私も聞きながら、ああ、そうかと思っておりました。そういう中で、最初は全ての区に広げて展開していくというふうに理解しておりましたが、今の段階では、そういう方針に持っていくのか、逆に絞ってやっていくのか、ご検討が進んでいると伺っておりますので、どういう検証によってそういう方向に行こうとしているのか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  平成27年4月から全区が対象となりますが、どのような形でやったらいいのかということについては、現在、厚別区と豊平区でやっておりまして、その中で、10区それぞれに事務所を設けたほうがいいのか、1カ所で集中的に受けて、そこでチームをつくって派遣したほうがいいのか、検討していくことになります。  ただ、これにつきましては、国の補助制度でどこまで見てもらえるのか、あるいは、交付税措置がどの程度まであるのかも明確になっていないところがございます。このため、現在、平成27年4月に向けて内部でも関連する部局と調整を図りながら決定に向けて進めておりますので、そのあたりは1定の予算委員会の中でお示ししていきたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  どちらがいいのか、我々としては、現場にいるわけではないのでよくわかりません。ただ、この一番の目的として、生活保護世帯がふえないように、困窮されている方が自立できるようにと、そういう縛りがあるわけでございます。そういう中で、先ほどから出ていますが、この制度でなくても、障がいを持った方の就労支援などに仕分けできるようなものもあるのかなと私は思っております。つまり、ご相談の中身によっては、この制度ではなく、就労支援の場所であったり、A型、B型というようなものに直接的につなげていくようなこともあるのかと思っております。  最終的に、障がいを持った方ではなくて、働きたいのだけれども、スキルを含めてなかなかできない方に対して、今、豊平と厚別を中心に二つのチームにやっていただいています。そして、NPOワーカーズコープは、事業者の開拓というか、中間就労を見据えてやっております。今度、1カ所にするかどうかはわかりませんが、もう一回リセットして、再度、公告してプロポーザルをやるという話です。  そこで、現状において、理事者は今の事業者をどのように評価されているか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  今、厚別区では社会福祉協議会、豊平区ではキャリアバンク、それから、中間就労としてワーカーズコープに委託しているところでございます。率直に言いまして、新しい制度、新しいやり方でありまして、今まで第2のセーフティネットが何もなかった中で、それぞれの事業者はモデル事業ということで一生懸命やっていただいていると私どもは考えております。  事実、我々が生活保護しかないだろうと感じていた70歳を超えるご夫婦が、生活保護は絶対に受けたくないということで、一生懸命に仕事を紹介して、年金で足りない分を仕事で得られるようになったということで、市長宛てにお礼の手紙が来たこともございます。これは、今までの制度であれば、あなたには生活保護しかないということで、単純に生活保護に誘導していた方かもしれません。本人たちは、受けたくないという意思表明をされて、そういったことにつながっております。  これが全市に広がった場合、生活保護に至る手前の人たちに対する何らかの手助け、また、ほかの制度を利用できるけれども、知らないという方にも効果的にご案内できるというような使い方をできるのではないかと考えております。 ◆木村彰男 委員  1定と言わず、ぜひ、早目にそれらの方向づけをまとめていただいて、自立される方ができるだけたくさん出ていただけるように希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を全て終了いたします。  次回は、次週14日火曜日午前10時から、保健福祉局関係のうち、高齢保健福祉部、保険医療部、保健所及び衛生研究所の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後6時14分...