札幌市議会 > 2012-03-13 >
平成24年第二部予算特別委員会−03月13日-06号
平成24年第一部予算特別委員会−03月13日-06号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2012-03-13
    平成24年第一部予算特別委員会−03月13日-06号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成24年第一部予算特別委員会−03月13日-06号平成24年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第6号)               平成24年(2012年)3月13日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人(欠は欠席者)     委 員 長  こんどう 和雄      副委員長   小 倉 菜穂子     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  鈴 木 健 雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  細 川 正 人     委   員  よこやま 峰子      委   員  小須田 悟 士     委   員  こじま ゆ み      委   員  北 村 光一郎     委   員  阿部 ひであき    欠 委   員  西 村 茂 樹     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  ふじわら 広昭      委   員  三 宅 由 美     委   員  林家とんでん平      委   員  長谷川   衛     委   員  小 川 直 人      委   員  宝 本 英 明     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  林   清 治     委   員  本 郷 俊 史      委   員  谷 沢 俊 一     委   員  芦 原   進      委   員  國 安 政 典
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  坂 本 恭 子     委   員  小 形 香 織      委   員  石 川 佐和子     委   員  堀 川 素 人      委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時 ○こんどう和雄 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、西村委員からは欠席する旨、五十嵐委員からは遅参する旨、宗形委員からは小須田委員と交代する旨、それぞれ届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  第3款 保健福祉費 第2項 子ども福祉費中関係分、第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第9項 学校整備費まで、議案第22号 札幌市定山渓自然の村条例の一部を改正する条例案及び議案第29号 札幌市若者支援施設条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆宝本英明 委員  私からは、校務支援システムについて、その導入について質問させていただきたいと思います。  昨年10月の3定の決算特別委員会で、教育委員会が検討しております校務支援システムの意義について確認させていただきますとともに、導入に向けた見通しについて尋ねさせていただきました。その際の答弁は、システムに盛り込む機能などをまだ精査中であるが、できるだけ早期の導入を目指したいとの答弁でありました。今回の平成24年度予算案に校務支援システム構築事業が計上されていますことから、具体的な検討が進んだと思われますので、3定に引き続き、質問させていただきたいと思います。  最初に、今回の予算に盛り込みました経費とシステムの内容、期待される効果、さらには、導入に向けての具体的なスケジュールをお伺いしたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  校務支援システムにつきまして、4点のご質問でございました。順次、お答えいたしたいと思います。  まず、システムの内容についてから答弁させていただきたいと思いますが、校務支援システムは、成績や出欠などの児童生徒に関する情報をデータベース化いたしまして、校務の効率化と学校内における情報共有により、教育の質の向上を図るものでございます。対象は市立の小・中・高及び特別支援学校で、平成25年4月からの実施を予定しているものでございます。  次に、予算に盛り込みました経費についてでございますが、平成24年度は、導入の事前準備といたしまして、ネットワークの回線の増強、それから、システムを利用する全教職員を対象にした事前研修を行う考えでございまして、それに係る経費6,190万円を予算案に計上いたしております。25年度からは、29年度までの5年間の債務負担行為といたしまして、システムの利用料8億3,800万円を計上いたしまして、6年間の総額で9億円弱の支出を見込んでいるものでございます。  次に、導入による効果についてでございますが、児童生徒情報をデータベース化することにより、それを学校内で有効に活用することで、これまで以上にきめ細やかな教育の実現に資することになるものというふうに考えてございます。また、事務処理の負担軽減により、教員1人当たり1日平均30分程度、年間約100時間の削減を見込んでおりまして、これを教員の平均給与に換算いたしますと、計算上、全校で年間22億円程度の効果を生むことになりますが、この時間を児童生徒と向き合う時間の確保など教育の充実に振り向けることができるものというふうに考えてございます。  最後に、今後のスケジュールでございますが、平成25年4月から全校での運用開始を目指し、できるだけ早期にシステムを選定いたしまして、24年度早々に事業者と契約を締結する予定であります。システム構築を行い、9月には一部のモデル校で試験的な運用を開始するとともに、順次、研修を実施いたしたいというふうに考えてございます。 ◆宝本英明 委員  今、効果について言われておりました。実際にしっかり使われてその効果を生んでいただきたいと思いますが、既に導入をした自治体などの例をお聞きしますと、十分な準備をしないまま、現場のニーズに合わないものが導入されてしまって、導入しても使われず、かえって仕事がさらにふえていったというケースも聞き及んでおります。せっかく入れたものがこのようなことにならないように、教育委員会は、導入するシステムに現場のニーズをどのように反映しようとお考えになっているのか、また、教職員の中には、コンピューター、PCの得手、不得手があるかと思いますが、研修や利用サポートについてどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  現場のニーズの反映のさせ方、それから、研修やサポート体制についてでございますが、利用者である学校の教職員の立場に立ったシステムを導入することが最も重要と考えまして、一昨年の12月に、教職員を中心とした調査検討委員会を立ち上げて、必要な機能を検討していたところでございます。また、昨年7月には、学校アンケート調査を実施するなど、学校現場の意見や要望を随所に取り入れながら資料をまとめたところでございます。また、運用開始までに利用対象者全員の研修を実施するとともに、ヘルプデスクや訪問サービスなど、しっかりとしたサポート体制を整備するとともに、さらに、教職員の運営協議会を常設いたしまして、システム運用後も教育委員会やシステム事業者に利用者の改善要望がいつでも届く体制をとる考えでございます。 ◆宝本英明 委員  高度に情報化された今の社会におきましては、札幌市でも、住民記録を初め、市民の個人情報のほとんどがコンピューターによって処理されておりまして、それぞれ厳格な管理がなされている状況であります。先日、情報化推進部の方でも質問させていただいたのですが、セキュリティーのことに関してはしっかりやっていただきたいと思います。この校務支援システムで取り扱う児童生徒の成績なども本当に大切な情報でありまして、その取り扱いに十分配慮していただきたいと思います。  そこで、教育委員会としては、校務支援システムを導入するに当たって、どういったセキュリティー対策をとられていくのか、伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  システムのセキュリティー対策についてお答えいたします。  校務支援システムでデータベース化する児童生徒の情報は、大変重要な個人情報と認識いたしております。情報管理は、法律や条例などにのっとった取り扱いをするのは当然のこと、システムを利用する教職員のアクセス権を厳格に設定するなど、適正な運用体制をとる考えでございます。また、システム的な対策といたしましては、データセンターは、総務省の研究会が出した情報セキュリティー対策ガイドラインに準拠した高いレベルを求め、ネットワークも専用回線によって行うなど、不正侵入による情報の漏えい、改ざん、破壊、こういったことのないように防止策を講じたいというふうに考えてございます。 ◆宝本英明 委員  14万人のデータかと思いますが、そういったところのセキュリティー対策には、本当に細心の注意を払ってしっかりやっていただきたいと思います。  今、校務支援システムの導入効果、導入に当たっての学校現場の声を反映させた検討経過、運用面での学校へのサポート、セキュリティー対策についてご答弁をいただいたところでありますが、このシステムの導入により、教職員の負担が減り、先ほどお金に換算するというお話がありましたけれども、子どもたちと向き合う時間がふえることがとても大切だと思いますので、そういったことに期待をするところであります。そのためにも、準備段階だけでなく、システムの運用後も学校現場の声を十分に聞いていただいて、先生方に使いやすく、そして、使ってもらえるシステムにしていただきたい、そのように要望をさせていただきたいと思います。  最後に、もう1点質問させていただきたいのですが、校務支援システムの導入によって、教員のコンピューター、PCに関するスキルアップが期待できるのではないか、そのように考えます。その点で、教育そのものの情報化について触れさせていただきたいと思いますが、学校では既にコンピューターを教材とした授業が行われておりますが、文部科学省の教育の情報化ビジョンにもありますように、電子教材の活用などさらなる情報化が求められているところであります。  そこで、例えば、今、円山動物園では、ホームページに子ども向けの学習コンテンツ、環境を学ぼうという形でいろいろプログラムがありますし、青少年科学館でも、科学の学習ということでダウンロードできるようなものがあります。こういった札幌の財産でもあります円山動物園や青少年科学館といった教育にも使えるソース、教育に効果のあるこういったコンテンツを、インターネット環境を活用して、今後、授業に取り入れていくなど、子どもたちのために教育の情報化を今まで以上に推進していくべきと考えますが、その点についてどうお考えか、伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  子どもたちのために教育の情報化を今まで以上に進めるべきではないかというただいまのご質問でございますが、校務支援システムの導入がもたらす効果といたしましては、先ほど申し上げたとおり、データベースを生かした教育の質の向上や、教職員の事務処理負担の軽減などの直接的な効果に加えまして、教員が積極的にシステムを使うことで、コンピューターに関するスキルアップが図られることも期待されるものでございます。そうした状況を踏まえながら、今、委員ご指摘の、近い将来、展開していくことになる教育の情報化に対する研究を一層進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆國安政典 委員  私からは、障がいのある子どもの高等養護学校への進学について質問させていただきたいと思います。  増加する高等養護学校志願者への対応につきましては、これまでも繰り返して質問させていただいてまいりました。昨年の第3回定例会の代表質問でも取り上げさせていただいたところであります。この増加する志願者への対応についての質問は、できればきょうでもう最後にしたい、きょうはそんな思いで立たせていただいております。私の思いをしっかりとぶつけさせていただきたいと思っております。  さかのぼってみますと、くしくも、4年前のきょう、平成20年3月13日の第一部予算特別委員会でも、私から取り上げさせていただいておりました。このとき、平成20年度に、道教委は、札幌圏で4間口、札幌市立の豊明高等養護学校でも1間口広げて対応したところでありました。しかし、さらに増加する志願者への対応が必要であるということから、今後、どのように対応するのかということを質問させていただきました。そのときの答弁は、引き続き、北海道教育委員会とも協議しながら、本市としてどのような対応が可能か、総合的に検討したいというふうに考えておりますと、当時の西村指導担当部長の答弁でございました。  その後、北海道教育委員会は、小樽市銭函に新設し、さらに、千歳市にも平成25年度に設置予定であります。これによりまして、ある程度の入学枠は確保されることになりますが、推計によりますと、札幌圏域ではさらに3から4間口不足するという推計も出ているところであります。こういったことから、昨年の第3回定例会の代表質問で取り上げさせていただきました。そのときの答弁をもう一度振り返ってみますと、教育長は、これまで以上に道教委と連携して課題の解決に努めると、答弁を求めなかった市長からも、皆さんの期待にこたえられるよう努力するというふうに答えられました。私といたしましても、その言葉を文字どおりに受けとめさせていただいて、期待を持ってこれまで見守ってまいりましたが、一向にその後の進展が見えてまいりません。一体どういうふうになっているのか、本当に真剣に考えているのか、甚だ疑問であります。恐らく、また道と協議をしているというふうにお答えになるのだろうと思いますが、何回も言いますように、このことは、道だとか市だとかの問題ではなく、札幌市の子どもがなぜ市外の学校を選択しなければいけないのか、そういう問題であります。  札幌市内には、道立、市立の高校が36校もあります。高等養護学校は市内に3校しかありません。障がいのある子どもだからこそ身近な地域の学校が必要であるのに、政令指定都市、しかも、大都市であります札幌にたった3校しかない、しかも北区と手稲区に偏っている、これが問題であると思います。私は、北区選出でありますけれども、あえて北区に偏っている問題を指摘させていただきます。  市内の特別支援学級を平成23年3月に卒業した子どもで、高等養護学校へ進学した子どものうち、4割の約70人が市外の高等養護学校へ進学しているという実態であります。これには、白樺高等養護学校、これは北広島市でありますが、こことか、小樽高等支援学校など、近郊の学校へ進学する子どもも入っておりますけれども、それ以外には、新篠津や雨竜、伊達、小平、こういった高等養護学校に進学する子どもも大勢いるわけであります。とりわけ小平は、札幌から車で片道4時間近くかかります。高速を使えば3時間かからないかもしれませんが、その費用負担もばかになりません。一般的に、高等養護学校の子どもたちは、毎週末、保護者が寄宿舎に迎えに行って、また日曜日の夜に送り届ける、子どもたちにも保護者にも相当の負担を強いているわけであります。  そこでまず、質問させていただきます。  これは、今さら聞くまでもないことかもしれませんが、確認の意味で伺います。教育委員会として、障がいのある子どもの進学の現状とその課題につきましては、どのように認識しているのか、まず、確認させていただきます。 ◎金山 学校教育部長  教育委員会といたしましては、ただいま委員ご指摘のとおり、4割の生徒が市外の高等養護学校に進学しているといった札幌市内の間口不足と、市内の高等養護学校が北区と手稲区にあるという地理的な偏在につきましては、解消すべき大きな課題である、このように認識しております。 ◆國安政典 委員  間口不足と偏在の課題は認識しているということでありました。  昨年の3定の質問の際に、保護者アンケートを実施したというふうに伺いました。私は、こういうアンケート調査といったものは、1回だけではなく、継続的にやらないと動向分析ができないだろうというふうに思います。子どもを市外に進学させなければならない親の気持ちをしっかりと受けとめるためにも、札幌市教育委員会としてきちんと分析して、受けとめて、そして、道教委にぶつけていくべきであるというふうに考えます。  そこで、伺います。  進学者の動向把握について、早急に対処すべきであるというふうに考えますが、どう考えているのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  進学者の動向把握についてのお尋ねでございます。  平成22年1月に実施いたしました卒業生の保護者アンケートでは、4割近くの回答者が、進学先を選ぶ理由に、自宅からの距離など通学に関する利便性を挙げておりました。  教育委員会といたしましても、進学者の動向把握は重要と考えておりまして、今年度の卒業予定者の保護者に対して2回目のアンケートを早急に実施し、より詳細に保護者や生徒の声を聞き、これを分析したいというふうに考えてございます。 ◆國安政典 委員  市内の間口不足というのは、何度も言いますが、急に生じたわけではなくて、何年も前からの話であります。前回のアンケートでも、通学の不安がある親がいることはわかっていたわけであります。そして、市内の間口は不足している。これは、わかっていて、何とかしようとしない。努力しているのかもしれませんが、結果が出ていないわけであります。道教委が配置するのも小樽や千歳市と、本当に、札幌市は一体これまで何をやってきたのか。豊明高等養護学校の間口は拡大したものの、根本的な解決には至っていないわけであります。  こういった状況の背景にある要素の一つに、私なりの分析でありますが、比較的障がいの軽い子と重い子、受け入れる間口のミスマッチということもあると思います。また、入選のあり方にも私は疑問があります。要するに、知的な障がいが重い子が軽い子と同じく試験を受けた場合、軽い子が受かってしまう。この試験が障がいの程度判定になってしまっているのではないかというふうに私は感じております。  そういうことがあるにもかかわらず、道教委は、既設科と生活科を併設している学校におきまして障がいの軽度、重度併願を可能にいたしました。私は、これは問題であると思っております。ただ、それぞれの地域で、障がいの程度にかかわらず、可能な限り子どもたちを受け入れようということであればいい面はあるかと思います。しかし、このことを札幌市内に当てはめると、特に、重度の知的障がいの子は地方に行かざるを得ない状況を生んでしまっているのではないかなと。これはあくまでも私の仮説でありますが、しっかりと状況を分析すれば明らかになると思います。札幌市の教職員に聞いただけでも、私はわかると思います。こういった入選のあり方についても、道としっかりと協議をしていただきたいと思うものであります。  2回目のアンケートを行うということでありますが、これは、当然のことだというふうに言わせていただきます。毎年やってこなかったこと自体、現状をしっかりとらえようとしているのか、当事者の気持ちを受けとめようとしているのか、疑問に思います。  そこで、伺いますけれども、高等養護学校の配置計画について、これまで北海道教育委員会とどういった協議を行ってきたのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  北海道教育委員会との協議についてでございますが、市内の間口不足と学校の偏在の二つの課題解消につきまして、平成23年9月に北海道教育委員会に申し入れを行っているところでございます。その結果、北海道教育委員会と、この二つの課題を共通認識とし、その解消に向けて協議していくことを互いに確認し合いまして、これまでに5回にわたり課長レベルでの協議を行ってきているところでございます。 ◆國安政典 委員  その協議の結果はどのようになっているのか。決まっていること、決まっていないことがあるかと思いますけれども、具体的な話が進んでいるのかどうか、確認させてください。 ◎金山 学校教育部長  これまでの協議の中では、北海道教育委員からは、将来的な間口不足の対応として、道立の学校を設置するために活用できる市有施設の提供、あるいは、市立の分校設置の可能性について検討を打診されているところでございます。 ◆國安政典 委員  やっと具体的に協議の中身が見えてまいりましたけれども、本当にここまで行くのに何年を費やしたのか。全くスピード感に欠けるというふうに思います。もっともっと具体的に話を進めるべきではないのかと思います。  道が市有施設を提供してほしいということであれば、これは、積極的に協力していくべきであるというふうに思います。例えば、統廃合で閉校する学校を提供するという方法もあるだろうと思います。だれもが考えつきそうなことで、先ほど申しました千歳市も、閉校する中学校を活用するというふうに伺っております。当然、札幌市としても検討していることと思います。これまで、この具体的な場所については、私といたしましても、地域の理解が必要であるなど、さまざまなことがありますので、特定することを遠慮してきましたけれども、道から打診されているということでありますので、具体的に聞かせていただきたいと思います。  真駒内地区の再編で閉校となる小学校の跡地があります。これを含めて、道に対して具体的に提示すべきというふうに思いますが、その点、どのように考えているのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  正直なところ、まだ正確な見通しが立たない状況にはございます。  しかしながら、現時点でお伝えできるとすれば、北海道教育委員会に対しましては、統廃合により閉校予定の真駒内小学校における跡活用の可能性を含めまして、札幌市の南半分に道立校を設置できないのかということは投げかけておりまして、道教委に検討していただいているということは言えるかなというふうに思います。いずれにいたしましても、今後とも、道教委との協議を精力的に進めてまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  大変慎重な中にも、若干、努力しているということは理解させていただきます。  道と協議すると。私の思いは、道立でも市立でも関係ないですね、子どもたちにとりましては。高等養護学校の早期設置、これが大事なことであるというふうに思います。  障がいのある子どもの親は、子どもが中学に入ったときから、卒業後の進路がとても心配になります。1年目から進路先を見学する方がたくさんいらっしゃいます。  冒頭で、小平が遠いというお話をさせていただきました。私は、昨年の秋、小平高等養護学校の学校祭を見学してまいりました。ここで学ぶ子どもたちの保護者も当然たくさんいらっしゃって、にぎわっておりましたけれども、その中に、札幌市の中学生、特別支援学級の生徒も親御さんと見学に行かれておりました。教育内容といった判断でここに見学に行かれたのかもしれません。この問題と直結するとは思ってはおりませんけれども、ここでさらに驚いたことに、札幌市の教員の方も行かれておりました。要するに、教え子の進路となるかもしれない学校に休日に私費で行かれていたわけであります。本当に、頭が下がる思いがいたしました。  このように、本人、保護者、また教職員など関係者にとりましても、中学卒業後の進路は極めて重要な問題であるかと思います。親の切実な思いを考えたときに、高等養護学校が市内にできるかどうかということは、皆さんが考える以上に非常に重大なことだと思っております。  私は、少しでも早く子どもや親が進路への展望を持てるように、市立の高等養護学校を設置すべきというふうに考えますが、教育長の見解を伺いたいと思います。 ◎北原 教育長  市立高等養護学校の設置ということについてのお尋ねであります。  私も、これまで、保護者の方々と直接お話をさせていただく機会がございまして、その中でも、お子さんの将来について、さまざまな不安あるいは心配を抱えているといったご意見をお伺いしておりまして、ただいま委員のご質問にもありました、子どもや親の思いは重く受けとめさせていただいているところでございます。  ただ、先ほども学校教育部長からお答えいたしましたとおり、道立校の設置を北海道教育委員会へ投げかけている段階でございますので、今後は、道教委の検討結果を踏まえて、市としてどういった対応が可能なのか、これを検討することになります。いずれにいたしましても、まずは、早期設置を念頭に置きつつ、道教委との協議を精力的に進めてまいりたい、このように考えております。 ◆國安政典 委員  何度も言いますけれども、子どもたちや親にしてみますと、道立であろうと市立であろうと関係ないわけであります。私は、市立で設置することで早く実現できるというふうに考えておりますけれども、道との協議が必要であるということであれば、より具体的にスピード感を持って真剣に取り組んでいただきたいと思います。道との協議の行方に余り影響を与えてはいけないと思いますが、あえて言わせていただくとすれば、私としては、万が一、道教委が札幌でやってほしいというふうになった場合に、札幌市の責任として、札幌の子どもたちのための高等養護学校を設置していただきたいと思います。  私は、これまで、このことについて何度か取り上げてまいりましたけれども、上田市長の第3次新まちづくり計画には、このことは盛り込まれませんでした。非常に残念に思っております。市長を初め、また市長政策室、財政当局も理解していないのではないのかなと。これにないからといって、できない話ではないわけでありますので……(発言する者あり)遠慮はしておりません。必ずやっていただくつもりで質問させていただいております。  札幌市は豊明高等養護学校1校、しかも、ここは障がいの程度が比較的軽い子、これだけというのは、私には納得できません。ほかの政令市ではもっともっと頑張っているところもあるわけであります。例えば、単置校、義務併設校合わせて市立の知的障がい高等部設置校数を比較してみますと、札幌が豊明の1校であるのに対しまして、横浜では4校、名古屋でも4校、京都は6校、大阪4校、福岡6校、北九州でも5校というふうになっております。  今、さまざまな市民負担増のお話がありますけれども、それも他都市並みということをさまざま考えられているわけでありますから、当然、市民サービスについても、せめて他都市と同等のサービスを目指していかなければならない、そうでなければ市民の理解は得られないと私は思います。私は、みんなが誇れる学校を市の中南部に、しかも、全市から集ってこられるよう、できれば寄宿舎も備えた形で設置すべきであるというふうに思います。  私どもといたしましても、これまで、独自のネットワークの中で道教委には働きかけてまいりました。この配置計画につきましては、19日の道議会の予算委員会でも取り上げさせていただくつもりでおります。  また、真駒内小学校跡地の活用につきましては、さまざま課題がある中、踏み込んだ答弁だったかと思います。今ある校舎の耐震性とか使い勝手など、課題が多いことは承知しております。しかし、これはハードのお話、要するに、お金の話で解決できることだろうと思います。それよりも、やはり地域の理解ということも必要であろうかと思います。しかし、私は、これまで、子どもの学ぶ場として、約50年もの長い間、親しまれてきたこの場所が、さらに札幌じゅうの子どもたちのために活用されるということになれば、この学校を去った子どもたちや、また、卒業生にとっても誇りとしていただけるのではないかと思います。また、地域の方々にも、この必要性をしっかりと説明して、当事者の思いを伝えていただければ、地域の理解も得られるものと思っております。  市長は、第3次新まちの政策課題の1番目に、子どもの笑顔があふれる街と掲げられております。さらに、子どもが健やかに夢や希望を持って育つ環境の充実ということを重点課題としているわけであります。当事者の方々からは、ここで言う子どもに自分たちの子どもが入っていないのではないか、そんな声も耳にしております。本気で子どもの笑顔があふれる街を目指すのであれば、この状況を解決せずしてあり得ないと思います。このことを解決できなかった場合には、市長にはこのスローガンをおろしていただきたい、私はそう言わせていただきます。なぜならば、知的障がいのある子どももひとしく札幌の子どもであるからであります。  予定しておりませんでしたけれども、副市長に、ぜひ、この課題を解決する決意があるのかどうか、伺います。 ◎渡部 副市長  國安委員の思いは十分に伝わっております。従前は、北海道への申し入れなり、協議を進めていくというような答弁だったようですけれども、今回は、教育長から少し踏み込んだ答弁があったように思います。おっしゃるとおり、札幌市の子どもたちのためのことでございますので、道は道の事情があるにしろ、札幌市は札幌市の事情がございますので、私としても真剣に受けとめて――スピード感がないのですね。そういうことだと思いますが、これも含めて考えてまいりたい、そのように考えております。 ◆國安政典 委員  市は市の事情だと。ありがとうございます。  本当に、すべての課題を乗り越えるために、関係する皆さんには全力で取り組んでいただきたいというふうに思います。この件についての質問は、きょうが最後であることを念願して、私の質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私からは、柔道の授業について、それから、少人数学級の拡大を求めて、大きく二つのテーマで質問させていただきたいと思います。  まず、柔道の授業についてです。  この4月から、中学校で女子生徒にも柔道の授業が始まります。2006年に教育基本法が変わって、2008年に中学校の学習指導要領が改訂され、体育の授業に武道、ダンスを取り入れて、武道の場合は柔道、剣道、相撲の中から一つを選んで、中学1・2年生は必修ということになりました。  札幌市では、学習指導要領の改訂以前から授業に柔道を取り入れて、ほとんどの中学校の体育教員は柔道の指導経験を持っているというふうに聞いております。しかし一方、全国では、柔道の事故が多発しています。  名古屋大学の内田 良准教授が詳しい調査結果をまとめております。学校管理下における柔道の活動中に発生した死亡・傷害事例ということで詳しくまとめております。その中で、具体的にどのような事故があったのか。一つ二つ事例を挙げますと、2006年、中学1年生の男の子が部活動中に、相手の選手のかけたわざで投げられた際、畳で後頭部を打った。その後、相手に礼をし、監督の話を聞いた後、自席に戻ったとき、崩れるように上向きに倒れた。この子は、その後、亡くなっております。あるいは、2010年、これも中学校1年生の部活動中です。頭部外傷ということで、部活動で乱取りの練習中、本生徒が大外刈りをかけ、顧問に返しわざをかけられた後、意識不明となり、容体が急変する。病院に運ばれ、手術を受け、治療を受けたが、後日死亡した。このような事例がさまざま書かれて、まとめられております。  柔道というのは、アメフトとかラグビーなどと同じように、体が直接ぶつかり合うコンタクトスポーツで、常に頭の部分を打つ危険性が伴います。そして、直接、頭を打たなくても、脳が激しく揺さぶられることで損傷が起きる、加速損傷が起こる場合もあるということが明らかになっております。こうした事実を現場の指導者がしっかり認識することが、改めて求められているというふうに思います。受け身を十分に習得しないうちに投げわざをかけられると、けがにつながりやすいこと、あるいは、今、お話しした加速損傷が起きることなど、ほかの体育の競技と比べて、柔道の場合、特有の事故、けがが起きるという認識を、私は、再度、現場の体育教員に徹底する必要があるというふうに考えますけれども、いかが対処されるか、これを伺いたいと思います。  また、柔道で負傷した場合の男女差ですが、授業中、部活動中という差はなく、同じように重症に至る可能性があるということなのですけれども、頭部、頸部の負傷だけをとってみますと、とりわけ女子生徒は部活動よりも授業中の方が負傷に至る可能性が高いということなどもこの調査研究では報告されています。この特性についても、対処方針をどのようにお考えなのか、柔道について、2点伺いたいと思います。  それから、少人数学級の拡大を求めての部分で質問させていただきます。  国連子どもの権利条約は、1989年に採択されまして、日本政府は1994年に批准をした。そして、1998年に第1回目の勧告、2004年に第2回目の勧告、そして、2010年に第3回目の勧告が出されて、3回、勧告が出されています。その3回とも、いずれも国連子どもの権利委員会が日本政府に対して言ったことは、過度に、つまり、行き過ぎた競争的な教育制度が子どもの発達のゆがみを生じているのだ、ここを改めなさいよということを言っているわけです。国連子どもの権利条約を日本が批准してから18年がたとうとしていますけれども、この勧告を真正面から受けとめて教育制度を改善しようとする国の姿勢が一向にうかがえない。こういう中で、例えば、山形県とか長野県とか鳥取県など、それぞれ独自に、少しでも何かできないかということで、30人学級や35人学級などが広がってきたというふうになっていると思います。札幌市で言えば、2004年に35人以下学級を小学校1年生に導入して、その後、2006年には小学校2年生にまで拡大し、中学1年生も35人以下学級へと拡大してきたわけです。  そこでまず、改めて伺いますが、この35人学級の成果をどのように評価されるのか、少人数学級についてはこの1点を伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  中学校における武道の必修化に関しまして、2点ご質問がありましたので、お答えしたいと思います。  まず、1点目でございますが、学校における柔道の活動中に、全国で発生している脳の加速損傷、そういう事例も含む重大事故に対する認識についてのご質問だったかと思われますけれども、柔道に限らず、学校における保健体育の授業におきましては、それぞれの運動の特性とか、あるいは、生徒の実態を踏まえまして、安全に十分配慮して指導することが大変重要であると認識しております。また、頭部に直接の打撲がなくても発生するおそれのある脳の加速損傷のことで先ほどお話がございましたが、これについては、指導に当たる教員が、こうした危険性を十分理解し、生徒の体調の変化等に配慮することによって指導していくことが大変重要であると認識しております。これらのことを徹底してまいりたいと考えております。  2点目は、中学校の保健体育におきまして、武道の必修化に伴いまして女子生徒も柔道をということに関する安全配慮等のご質問だったかと思いますが、中学校において、武道を含むさまざまな種目の運動を男女の区別なく経験することにつきましては、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の育成に結びついていくものととらえております。  しかしながら、女子につきましては、先ほども頭部とか頸部のけがの発生率は特に体育の授業中に多いというお話もございましたが、これについては、一般に筋力が低い傾向が見られる女子の場合、筋力が低いことも原因になっている部分もあるかと思われます。初心者の指導内容の中心となるような受け身の練習などにおいても、例えば、低い体勢とか、あるいは、ひざをついた体勢などから徐々に受け身の練習を行うなど、女子の筋力のことなども十分に考えながら、安全に配慮して段階的に指導を行っていくべきである、こういうふうに考えております。 ◎金山 学校教育部長  少人数学級の評価についてのお尋ねだったかと思います。  少人数学級につきましては、少人数学級実践研究の対象校に対しまして意識調査を行っております。その調査から、児童生徒の生活及び学習の両面におきまして、個に応じたきめ細かな指導の効果が認められるとの報告を受けております。少人数学級は、一人一人の子どもと向き合う時間が確保できる効果が期待できるもの、このように考えております。 ◆小形香織 委員  まず、柔道の方ですけれども、ご答弁は、認識を徹底したいというようなこと、それから、十分考慮し、安全に配慮してやっていくのだということで、趣旨はわかるのですが、そのために具体的にどのように徹底していくのか、再度、ここを聞きたいと思います。  それから、少人数学級の方ですが、きめ細かな指導効果があった、これは期待できるものだということで、35人学級になって大変よかったなというふうな評価だったのだろうと思うのです。そうであるならば、この35人の学級をまずは広げていく。本来、35人というふうに言わずに、少人数で、つまり、世界で広がっているような20人とか15人とか、そういう少人数学級を進めていきたいというふうに私は思っておりますけれども、まずは、35人学級をこれから広げていこうというふうなお考えを札幌市教育委員会として持っておられるのかどうか、ここを伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  柔道の授業の安全な実施について、今後、どのように学校現場の教員に周知徹底していこうと考えているのかについてでございますが、教育委員会といたしましては、平成24年度の教育方針説明会等におきまして、学校管理職に対して、柔道の安全な指導計画の作成、学習環境の整備など、柔道事故の防止に向けて改めて周知する予定でございます。  また、つい先日、文部科学省から柔道の安全指導に関する通知がございましたが、この通知に基づきまして、各学校における保健体育科教員の武道の指導経験とか、あるいは、各学校の指導計画等を教育委員会としても点検いたしまして、柔道を安全に指導するための具体的な留意点もまとめた指導資料などを近日中に各学校に配付する、こういうことも含めて対応してまいりたいと思っております。  これらを踏まえまして、保健体育科教員を対象とする全市の研究集会において、受け身をとることが難しい投げわざの取り扱いなど、柔道における安全指導を中心とした研修も今後行う予定でございます。 ◎金山 学校教育部長  少人数学級の拡大についてのお尋ねだったかと思いますが、個と集団とのかかわりの中で、児童生徒の社会性の発達も重要であると。そうした意味で、ある程度の集団の規模は必要であるととらえているところでございますけれども、個に応じたきめ細かな指導等を行うためには、学習集団としての児童生徒数は少ないことが望ましいのではないか、このように考えております。  少人数学級の拡大につきましては、国の方針として、小学校第1学年において学級編制基準が改正され、また、道の実践研究事業におきましては、小学校第2学年及び中学校第1学年に既に位置づけしているところでございます。他学年への少人数学級の拡大につきましては、現在、国において、学級規模及び教職員配置適正化に関する検討会議で議論が進められているところでございまして、この国の動向を見きわめてまいりたい、このように考えております。
    ◆小形香織 委員  まず、柔道についてです。  管理職への計画作成や資料の配付、そして、教員に対しても研修をやっていくのだ、こういうことですので、改めて、死につながりやすい競技だけに徹底をしていただきたいというふうに思います。それは、求めておきます。  それから、体育の柔道の授業というのは、1年間で10時間程度なのですね。この10時間ぐらいの柔道をするのに、親は柔道着を買わなければならない。インターネットで安い値段を見ましたが、それでも3,300円程度、学校で案内される指定店でぜひお買いくださいというところだと5,000円ぐらいする柔道着なのですね。私は、こうした費用は保護者の負担軽減が必要だというふうに思うのですが、負担軽減策を考えておられるのかどうか、ここを伺いたいというふうに思います。  それから、少人数学級の方ですけれども、今、大事な答弁があったと思います。少ないことが望ましいと思っているということですので、私は、この望ましい方向に一歩でも進めていくことが非常に大事だと思うのです。  2008年に、ユニセフで子どもの幸福度調査というものをやっています。孤独を感じる日本の子どもたちというのは、パーセンテージが非常に高くて、30%を超えているのです。3割を超えているのです。世界のOECDの平均は7%くらいなのですね、孤独を感じている子どもたちは。日本は3割を超えている。  こういう事態の中で、先ほど紹介しました子どもの権利条約に対しての第3回の国連の勧告の中では、競争教育についても指摘をしましたけれども、新たにこういうふうに言っているのです。驚くべき数の子どもが情緒的幸福度が低い。つまり、孤独を感じている子が多いということを指しているのですね。そして、その決定要因が、子どもと親及び子どもと教師との間の関係の貧困さにあると述べているのです。つまり、子どもたちの孤独感の原因が、子どもたちが日常的に生活している中で、親とか教員との人間関係の質のところにあるのだということが国連から日本政府に対して指摘をされている。  札幌で見ますと、例えば、不登校はどういうふうになっているのかなと。資料をいただきました。全児童の中で不登校児が占める割合は、平成18年度の数値で、小学校では0.26%でしたが、それが平成22年度は0.33%にふえている。中学校においては、平成18年度2.74%だったものが、平成22年度は3.01%にふえている。私は、こうした数字などは、この国連の勧告が示しているものの一つの事例だろうというふうに考えます。  また、現場の先生たちはどうかというと、仕事が非常に過重負担だという実態があるだろうと思っています。それが、いわゆる90日以上休職される先生方のうち、精神疾患で休職される方が83.5%になっている、札幌市の場合はそういうふうになっている、こんなことにあらわれているなというふうに私は思うわけです。  ですから、子どもたちに対して行き届いた教育を進めるということを本気でやるために、やはり、教員が受け持つ子どもの数を減らして、できるだけ隅々まで教員、大人の目が教育現場において届いていくのだということを進める上で、やはり、私は、独自の予算をつけてでも少人数学級というのは広げていくべきだというふうに考えますけれども、その点いかがか、伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  柔道着の保護者負担についてでございますが、柔道着につきましては、基本的に、他の教材と同様、各家庭でご準備いただいているところでございます。就学援助家庭に対しましては、中学校1年時に、柔道着とスキー用具を選択することが可能な形での援助を実施いたしております。 ◎金山 学校教育部長  札幌市独自の少人数学級の実施ということについてのお尋ねですが、先ほどもお話ししましたように、個に応じたきめ細かな指導等を行っていくためには、今、委員のお話にもありましたけれども、少人数学級の拡充が望ましい、このように考えているところでございます。  ただ、必要な小・中学校の教員定数につきましては、長期的かつ安定的な財源の確保が必要であることから、原則として国及び道が措置するもの、このように考えているところでございまして、今後も、財政措置及び教員の定数の改善につきまして、継続して国及び北海道教育委員会に対し強く要望してまいりたい、このように考えております。 ◆小形香織 委員  柔道着だけでなく、保護者のさまざまな費用負担については、ぜひ、また別の機会にやりたいと思っていますが、やはり、柔道着のみならず、さまざまな負担軽減というのはこれから進めていくべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。  それから、少人数学級は、国と道がやるべきものだとおっしゃっておられました。つまりは、お金のことなのだろうというふうに思うのですね。実際に文部科学省の中で少人数学級の実現に向けてどうするかという話まで出ていて、いざ、始まるのか、もう少し拡大するのかというところまで来ているのだというふうに思っていたところ、そうはならなかったといった国の動きがある中で、いつまでも国や道の動きを見ている中では、少人数学級は実現しないなというふうに思うのです。ですから、私は、国や道に求めることはもちろん続けていただきたいと思いますが、独自に実現することをぜひ検討していただきたい、このことを強く求めて、質問を終わりにしたいと思います。 ◆石川佐和子 委員  私からは、学校のシックスクール対策についてと学びの手帳について、それから(仮称)絵本図書館について、大きく三つについて伺います。  まず、シックスクール対策についてです。  子どもたちの健康と環境を守るために、学校の空気環境をチェックし、常に安全なものとすることは非常に重要な取り組みです。学校の教室内の空気環境について、文部科学省が定めた学校環境衛生の基準に基づいて、ホルムアルデヒドなど揮発性の有機化合物の検査を行い、基準値を超えた場合は適切な措置を行い、快適に、そして、清潔に維持しなければならないというふうになっています。  市民ネットワークでは、子どもたちを有害な化学物質から守る観点から、空気環境検査の実施や、それから、機械換気設備の設置等をこれまで求めてまいりました。学校の空気環境検査は、札幌市では2003年度から行っておりまして、有害な化学物質から子どもを守るために、それは基本的な取り組みだというふうに思っております。  そこでまず、2011年度の学校の空気環境検査の結果について伺います。 ◎金山 学校教育部長  今年度の空気環境検査の結果についてのお尋ねだったかと思います。  市立の学校におきましては、教育委員会が作成しました幼稚園・学校におけるシックハウス対策マニュアルに基づきまして、ホルムアルデヒドの定期検査を実施しており、今年度、平成23年度は検査対象の181校264教室について実施いたしました。検査方法につきましては、この対策マニュアルにおいて、対象教室を5時間以上密閉した後に、30分間の測定を行い、この結果で基準値を超過した場合、さらに授業を想定した通常の使用状態で検査を行い、基準値を下回った場合、教室の使用に支障はないこととしております。平成23年度の定期検査では、基準値を超過した学校が8校9教室ありましたが、これらの学校における通常の使用状態での検査におきましては、すべての教室が基準値を下回り、教室の使用に支障がないことを確認しております。 ◆石川佐和子 委員  今年度の検査の結果は、8校9教室において基準値をオーバーしたけれども、通常の状態においては平常値であったことを確認したということを、今、伺いました。  私も、検査結果について、1校1校数字を確認させていただきました。そうしましたところ、西区の小学校の普通教室と多目的教室において、これは1回目の検査結果でありますが、それぞれ基準値0.08ppmの2.5倍の0.200ppmのホルムアルデヒドが検出されておりました。基準値を超過した教室は、先ほどマニュアルをおっしゃいましたけれども、通常の状態での再検査を行うことになっております。しかし、この教室におきましては、基準値を超過したにもかかわらず、その後の再検査が行われておらず、その前日の測定値が通常の状態として報告されておりました。基準値を超えたにもかかわらず、マニュアルにのっとることなく、その後の再検査を行わなかったのはどういった理由によったのか、お伺いします。  また、学校から教育委員会に対して、測定結果の報告があった段階で、再検査をしていないことを指摘するなど対応されたのかどうか、その点もあわせて伺います。 ◎金山 学校教育部長  基準値を超過したにもかかわらず再検査をしなかった理由と、それから、再検査をしていないことを指摘するという対応についてのお尋ねだったかと思います。  実際のところ、検査の実施手順とは逆になったところでありますけれども、前日に行った通常の使用状態における検査では、基準値を大幅に下回っておりました。翌日の密閉後の検査では基準値を超過した数値が報告されましたが、その間、改修あるいは備品搬入など、そういった状況の変化がなく、前日の検査方法と再検査方法が同等とみなせることから、前日の検査結果を再検査結果として採用したものでございます。したがいまして、教育委員会から学校に対し、再検査の指摘は行わなかったところであります。  しかしながら、マニュアルで示す順序と異なるということは事実でございまして、今後、各学校に対し、改めて定期検査の実施依頼を行う際に、マニュアルの徹底について周知していきたい、このように考えております。  なお、委員ご指摘の教室につきましては、再度検査を行い、最高値で0.02ppmでございまして、基準値の0.08ppmを大きく下回っていたことが確認されております。 ◆石川佐和子 委員  手順が逆にはなったけれども、再度検査を行った結果、基準値より大幅に下回っていたという報告を伺いましたが、これまでも、マニュアルにのっとらないことを行ったということで、宮の沢児童会館でトルエンが基準値を超えたといった事故もありました。やはり、マニュアルはしっかり守るべきということを求めておきます。また、マニュアルの中に定められている換気の徹底もあわせて求めておきます。  それから、1回目の測定結果である0.200ppmという数字の意味ですけれども、基準値の2.5倍ですから、本当は驚かなくてはならない数字だというふうに思います。これは、測定のときに閉め切った状態で測定しているので通常の状況ではないというふうにいつもおっしゃられます。しかし、私は、子どもたちが朝一番に学校に通ってきたときの教室内の空気環境と同じであるというふうに思っております。ですから、即、換気をしなければなりません。  また、この学校においては、築年度が昭和47年というふうに伺っています。40年もたっています。けれども、この2003年度からのホルムアルデヒド調査の結果を見ますと、2007年度におきましても、一度、普通教室は基準値を超えています。ですから、築年度が古いということにかかわらず、やはり、日常的な空気環境を保つための換気が非常に重要でありますことから、要望ですけれども、今後、マニュアルに沿った対応と、学校の日常の空気環境の安全を保ち、子どもたちの健康と環境を守ることを強く求めて、この質問は終わります。  引き続いて、学びの手帳について伺います。  学びの手帳は、2003年3月に策定されました特別支援教育基本計画の取り組みの一つであり、特別な教育的支援を必要とする子どもたちについて、学びの支援のための情報を記録するA4判サイズのファイルとなっています。保護者や教員などが子どもの成長の様子や学びの様子などを書き込んだり、学校や医療、そして保健、また福祉など、関係機関から提供された資料等を差し込んだりするものであります。保護者がこの手帳を活用することにより、学校や関係機関との相談等においても、子どもの状態を客観的に伝えることができ、子どもはより適切な支援が受けられるというふうに聞いております。  しかし、この間、学びの手帳に関して、保護者の中から、書き込みをすることが難しい、また、どのように使っていいのかわからないなどの声があり、学びの手帳の目的がなかなか果たされていないのではないかということから、今回、学びの手帳の見直しをしたというふうに伺っています。  そこで、質問いたします。  これまでの学びの手帳の内容や様式、それから、活用状況をどのように評価しておられるのか、伺います。  また、この手帳の見直しに当たって、保護者や本人、教員等の意見を反映するためにどのように取り組まれたのか、それらの意見が具体的にどのように反映されたのか、あわせて伺います。 ◎風無 教育研修担当部長  これまでの学びの手帳の評価と見直しについてでございますが、現行の学びの手帳につきましては、保護者などが自分で工夫して活用できるよう必要最小限の様式としてきたところです。そのため、幼児期や学校卒業後の記載箇所が少なく、就学前後の活用が十分ではないことが課題と考えております。また、関係機関などでの相談のときに情報共有の一助になっているという声がある一方、どうも使い方がわからない、学びの手帳そのものについてよく知られていないなどの声も保護者から聞かれていたところであります。  今回の見直しに当たりましては、各障がい関係団体や市立特別支援学校などにアンケート調査などの協力を依頼し、保護者や教員などの視点からの意見聴取にも努めてまいりました。これらの意見などをもとに、子どものよさや発達の様子について具体的に記入できる欄を設けるなど、様式を改訂し、より共通認識を深めることができるよう工夫してきたところであります。 ◆石川佐和子 委員  保護者や教員等にアンケート調査を行いながら、充実した内容としていくという取り組みの旨を、今、伺いました。  特別支援教育におきましては、障がいのある子どもたち一人一人の教育的ニーズを的確に把握して必要な指導や支援を行っていくということになっておりますけれども、そのためには、計画的に行うことが重要だというふうに思っています。ですから、学期とか年度ごとの目標や指導内容を明らかにし、評価を行う個別の指導計画、また、乳幼児期から学校卒業後の生涯にわたる一貫した支援の計画とされる個別の教育支援計画を作成することが重要だということも、この間、市民ネットワークでは言わせていただきました。そうした観点から、個別の指導計画を作成する際には、個別の教育支援計画を踏まえることになっていくわけですが、そこで、学びの手帳の改訂におきまして、特別な支援を必要としている子どもたちの生涯を通した個別の指導計画、そして個別の教育支援計画と関連づけされて初めて効果的な活用ができるというふうに考えますが、それらの連動性を持たせるためにどのように取り組むのか、伺います。 ◎風無 教育研修担当部長  個別の指導計画や個別の教育支援計画と連動した取り組みについてでございますが、学びの手帳は、その活用により個別の教育支援計画に相当するものとなるよう作成しているものでありまして、今回もその視点からより継続的な支援ツールとして活用できるよう改訂してきたところです。各学校が作成する個別の指導計画につきましても、本来、個別の教育支援計画に基づいてつくられるものであることから、学びの手帳の生活面や学習面における目標と、個別の指導計画の目標を関連づけることにより、手だてや指導方針の一貫性が保たれるものと考えております。  現在、学びの支援委員会の判断結果を保護者に伝える通知や、学びのサポーター活用事業の申請書類に学びの手帳の様式であるサポートプランを使用するなどしておりまして、学校が個別の指導計画を作成する際の参考とするなど、今後もその連動に努めてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  学びの手帳が個別の教育支援計画に相当するものであるということでありますから、学びの手帳を充実していくことが本当に重要であるというふうに考えます。  個別の教育支援計画は、学校に入る前から卒業後までも見通したより長期にわたる計画であり、子どもの実態に合わせて、先ほども言いましたけれども、医療や福祉や労働等に関する事柄も記載されていきます。子どもにかかわるそうしたさまざまな関係者が、子どもの状態などの情報を共有した上で、教育的支援の目標や内容などを学びの手帳のそのファイルに書き込みをしていくことが重要というふうに考えます。  しかし一方で、書き込まれた情報を通して個別のニーズに対応した支援を行うためには、教員や保護者の方など、手帳を活用しようという意識が伴っていかないと、それは非常に難しいのではないかというふうに考えます。  そこで、学びの手帳の活用の充実に向け、どのように取り組まれるのか、伺います。 ◎風無 教育研修担当部長  学びの手帳の活用の充実に向けた取り組みについてでございますが、まず、保護者に対しましては、学びの手帳をお渡しする際に、各様式の記入例などを提示することや、その内容をホームページにも掲載するなどして、活用について具体的なイメージを持つことができるよう取り組む予定であります。また、現在も、教員等に対する教育センターの研修講座や各種手引等に学びの手帳の活用について取り上げるなどしているところでありますが、今後につきましても、そのような取り組みに一層努めてまいります。  あわせて、幼稚園への訪問支援や、関係者が一堂に会するケース検討会議などを通して、関係機関等に対する具体的な活用の機会の拡充に努めているところですが、今後、教育委員会が発行するリーフレット等にも学びの手帳に関する情報を掲載するなどして、より一層の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  学びの手帳に関して最後の質問をいたしますが、手帳に書き込んでいく内容は、子ども個人の特性はもちろんのことですけれども、子どもが安心して過ごせるソフト面での環境整備などについても、保護者を初めとする関係者が情報を共有することが非常に重要だというふうに考えます。どのような工夫をすれば活動の意味が子どもに伝わるかとか、また、スケジュールなどの時間的なものなど、そうした内容についても共同で書き込める工夫をこの改定案に盛り込むべきというふうに考えますがいかがか、伺います。 ◎風無 教育研修担当部長  環境の整備などについての様式も含めてのご質問だったかなと思います。  子どもの支援に必要な環境などについて具体的な情報を共有することは必要でありまして、今回の様式においては、サポートプランの支援の手だて欄に個別の支援内容が記載されることになるものと考えております。  いずれにいたしましても、委員ご指摘の観点も踏まえながら、実際に活用していく中で、今後も引き続き学びの手帳の改善に努めてまいりたいと思っております。 ◆石川佐和子 委員  学びの手帳に関して、要望ですけれども、個別の教育支援計画の策定に当たっては、保護者の参画を欠かすことはできないというふうに思います。これまでの手帳のように、保護者がどのように使ってよいのかわからないというのではなく、保護者が重要な支援者の一人であるわけでありますから、学びの手帳を活用することで保護者の理解や関係者との連携が十分に進むことが重要だというふうに考えます。  また、先ほどから個別の支援を充実していくというお話をしてきましたけれども、学びの手帳の重要な役割の一つが計画の引き継ぎだというふうに思っています。支援を必要としている子どもが、安心して、そして必要で的確な支援を受けることができるように、幼稚園から小学校、そして小学校から中学校へ進学する際に情報が引き継がれることが重要です。そうした観点から、改正される学びの手帳が支援を必要としている子どもたちにとって必要な支援ファイルとなるように強く要望して、この質問を終わります。  最後に、(仮称)絵本図書館について伺います。  現在、パブリックコメントが実施されています白石区複合庁舎整備基本計画(案)の中で位置づけられております(仮称)絵本図書館についてですが、「子どもの読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの」であり、「積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。」ということが、子どもの読書活動の推進に関する法律の第2条で述べられており、それを推進していくことの重要性はだれもが認識しているものと考えます。こうした法律の趣旨からしても、また、札幌市が昨年度策定しました第2次札幌市子どもの読書活動推進計画の理念を具体化する施設であるとも思われますので、大変意義のある施設だというふうに考えています。  そこで、読み聞かせを行うボランティア支援の機能について、まず伺います。  白石区複合庁舎整備基本計画(案)では、たくさんの本に囲まれて、周りに気兼ねすることなく思う存分本を楽しめる空間、そして、図書閲覧室の整備のほか、読み聞かせなどのボランティア支援のための機能を充実させるためのスペースを確保するということが示されています。現在、市内の図書館や保育所、幼稚園、小学校、また児童会館などで非常に多くのボランティア団体が自発的に活動しており、子どもたちの読書活動を応援しています。そうしたことから、絵本図書館にボランティア支援の機能を設けることは意義のあることだと思いますし、ボランティア団体からも期待しているとの声を聞いているところであります。  そこで、質問ですが、ボランティアに対するどのような支援機能を持たせようとしておられるのか、改めて伺います。 ◎長谷川 中央図書館長  絵本図書館におけるボランティアの支援についてでございます。  委員ご指摘のとおり、読み聞かせを行っているボランティアの方々は大勢いらっしゃいます。平成22年度にボランティアの方々に対してアンケート調査を実施したところですが、スキルアップを望む声が多数あったところでございます。(仮称)絵本図書館では、そうした方々に対しまして、幼児の興味や発達段階に応じた本の選定方法、また、読み聞かせの技術についての研修を行うことで、ボランティアの活動を支援してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  アンケート調査なども行いながら、ボランティアの要望をしっかり把握しているというふうに伺いました。  絵本図書館は、主に幼児を対象とした絵本が中心の施設になるということですし、読み聞かせも想定した設計となることが想定されておりますので、ボランティアによる読み聞かせも充実したものになることを期待するところです。そうした読み聞かせをより充実させるためには、施設ができた後の運営においても、ボランティアの方々との連携がますます重要になってくるというふうに考えます。新たに絵本図書館を設置するに当たりましては、幼児や保護者の方々の使い勝手はもちろんのことでありますけれども、こうしたボランティアの方々にとっても使い勝手がよいものとしなければならないというふうに考えます。  そこで、絵本図書館の計画の段階からソフト・ハードの両面を充実させていくために、現場で活動されている読み聞かせなどのボランティアの方々の意見を積極的に取り入れるべきと考えますが、どのように進めるのか、伺います。 ◎長谷川 中央図書館長  ボランティアの方々の意見についてでございますが、(仮称)絵本図書館を具体化するに当たりましては、白石区複合庁舎整備基本計画のパブリックコメント、札幌市図書館協議会の意見などを踏まえながら検討を行ってまいりますけれども、(仮称)絵本図書館の中では、ボランティアの方々に読み聞かせなどさまざまな形でご協力をいただく場面も想定しておりまして、そうした皆様のご意見も欠かせないものと考えております。そうしたことから、懇談会を開催するなどして、ボランティアの方々のご意見もしっかりと承りたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望になりますが、ボランティアの皆さんとの懇談会を開催するなどというふうな答弁が今ありました。ぜひ、いろいろな多方面のボランティアの方に声をかけていただきたいというふうに思います。  絵本の読み聞かせは、子育て支援の観点からも非常に重要であり、さまざまな子育て支援の団体も読み聞かせを行っております。また、その読み聞かせのスキルアップのための講習会もみずから行ったり、そうした活動も盛んになっています。懇談会を開くに当たっては、先ほども言いましたが、そうした団体にもぜひ声をかけていただきたいと思います。また、視覚障がいのある子どもたちも楽しめる絵本図書館となるよう、展示はもちろん、触れる工夫など、ユニバーサルデザインにも配慮した絵本図書館の取り組みを進めていくことを強く要望して、私の質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、PTA安全補償制度保険金について、起立性調節障がいで不登校になった生徒について、それから、大通高校について、豊成養護学校について、いわゆる学級崩壊について、教職員の校外研修服務規律について、中央図書館のバーコード更新について、最後に、図書室の司書についてお伺いします。  引き受け保険会社をあいおいニッセイ同和損害保険会社とする学校契約団体傷害保険、PTA団体傷害保険についてお聞きします。  札幌市では、毎年、新入生を含む各学年から、給食費と同時に、PTA安全補償制度保険金を代理徴収しております。この費用と日本スポーツ振興センター掛金との違いは、その補償の範囲が学校管理下になっているか否かというふうにお伺いしておりますけれども、この補償金が支払われる場合、重複して支払われることがあるのでしょうか、また、この保険は、一般に私どもが入っております傷害保険とほぼ等しいと考えてよろしいのでしょうか、お聞かせください。 ◎長岡 生涯学習部長  今、ご質問の管理下の保険の関係と、それから、管理外の保険の関係、これは重複して支払われるかどうかというご質問でございますけれども、詳細については承知しておりませんので、この場でお答えすることはできません。 ◆木村彰男 委員  私がいただいていた資料によりますと、管理下のものでも死亡したような場合については出るような資料になっております。  それから、もう一つ、私どもが一般に入っている保険と相違がないのかという質問についてはお答えいただいていないのですが、いかがでしょうか。 ◎長岡 生涯学習部長  PTAが掛けている安全補償制度でございまして、その事業はPTAが自主的に行っているものでございます。その内容について、教育委員会としてお答えする立場にはございません。 ◆木村彰男 委員  学校の職員が代理徴収していると伺っておりますけれども、この代理徴収の命令義務はどこから発せられておるのでございましょうか。 ◎長岡 生涯学習部長  PTAとは、委員も十分ご承知のことだと思いますので、釈迦に説法でございますけれども、保護者と先生とで児童生徒の健全育成を目的として設立されている団体でございます。その趣旨は、繰り返しになりますけれども、子どもたちの健全育成を図ることを目的としておりまして、PTAも学校もともに手を携えて協力して運営されているものでございまして、そのPTAの事務に教職員の方々が一部協力することについては、子どもたちの健全性を図るための取り組みとして問題はないものと考えてございます。 ◆木村彰男 委員  保険業では、通常、保険契約をなし得る資格者という者が重要事項を説明して契約を締結するという形になるのでございますけれども、これは、この学校職員がこの重要事項を説明した上で代理徴収しておると考えてよろしいのでしょうか、お聞かせください。 ◎長岡 生涯学習部長  保険業法において徴収に関する制限は特にございません。制限があるのは保険募集業務であるというふうに聞いてございまして、対象者の整理であるとか、掛金の取りまとめ等の事務については、保険業法上、特に問題はないものと認識してございます。 ◆木村彰男 委員  この保険を結ぶことによって、PTA協議会の方にマージンが入っているというふうに伺っておりますけれども、その金額は幾らぐらいになりますでしょうか。 ◎長岡 生涯学習部長  そういうことにつきましては、承知しておりません。 ◆木村彰男 委員  埼玉県のPTA連の中で、前に、事務手数料という名目だったらしいのですけれども、1,500万円の事務手数料がPTAの連合会に入ったと。これは、事実上のキックバックで、保険業法で禁ずる特別の利益提供に当たる可能性があるという報道がなされました。それに対しまして、私がいただいた資料によりますと、札幌市のPTAにつきましては、現在、この手数料の5%として439万円が収入として上げられておりますけれども、それについてはご認識されていらっしゃいますでしょうか。 ◎長岡 生涯学習部長  この場でお答えすることはできません。 ◆木村彰男 委員  この契約は、ことしの6月1日で切れます。この契約が終わった後、札幌市のPTAが中心となって新しい共済団体をつくることになっておると伺っておりますが、それについてはどのようなご見解でいらっしゃるか、お聞かせください。 ◎長岡 生涯学習部長  何度も申し上げますけれども、PTAが自主的に行っている事業、もしくは、これから行おうとしている事業でございまして、教育委員会としてお答えする立場にはございません。 ◆木村彰男 委員  実は、この新しい共済ということにつきましては、既に12月の段階で道の認可を得ておりまして、ことしから、6月1日以降ということになりますけれども、新たな徴収活動を始めると。そうしますと、もし今回と同じような形で徴収が行われたとすれば、年約6,700万円の徴収料金が上がり、そして、それに対する保険給付は、これは平成21年度の例でございますけれども、2,400万円支払われておりまして、差し引き4,300万円が、結局、この共済団体に残るような形になります。これは、私どもは、PTAとしての活動というか、そういうものの中からすると多少逸脱した金額になるのではないかというふうに認識しております。  これにつきましては、教育委員会はどのような形でこの共済会に関与されていかれるのでしょうか、お聞かせください。 ◎長岡 生涯学習部長  繰り返しになりますけれども、PTAが行う自主的な業務内容につきましてPTAをコメントする立場ではございませんので、お答えできません。(「学校がかかわってないわけがないだろう。ちゃんと答えろ。」と発言する者あり) ◆木村彰男 委員  それでは、お聞きしますけれども、PTAの方が、新入生の学校の生徒というか、その方の保護者がこの保険に入りたくないということは言えますでしょうか。(発言する者あり) ○こんどう和雄 委員長  お静かに願います。 ◎長岡 生涯学習部長  その安全補償制度に加入するか、しないかというご質問だと思いますけれども、これは、単位PTAごとに加入するかどうかということをトータルとして決めているようでございます。そうであれば、それぞれの単位PTAの総会の中で加入する、しないという意見反映があれば、それは単位PTAとしてお聞きするということは聞いておりますけれども、その取り扱いについて、教育委員会として、今、お話ししたとおり聞いている立場でございますので、それについてそれ以上の答弁はしかねます。 ◆木村彰男 委員  ちょっと質問を変えます。  札幌市では、PTA協議会に平成22年度の決算でも約820万円の補助金を入れておりますけれども、これらの補助金の収支等々についての監査報告といいますか、それについては、札幌市はどのような形で関与しているのでございましょうか。 ◎長岡 生涯学習部長  PTAに対しては、予算としまして、補助金として1,600万円程度の補助金を支出しております。当然、支出するに当たって、事業計画を出していただいて、それを審査して、その結果の報告を求めてございまして、その補助金の内容については十分内容を確認してございます。 ◆木村彰男 委員  PTAの協議会の方々、委員の方とか会長の方々は、かなり多数の方々が札幌市のいろいろな審議委員とか外郭団体の委員になっておりますけれども、全体でどのぐらいの方が委員になっておられますでしょうか、お聞かせください。 ◎長岡 生涯学習部長  今、この場では、具体的な人数についてはお答えしかねます。(発言する者あり) ◆木村彰男 委員  資料がありますか。それがあれば後で教えていただきたいのです。 ◎長岡 生涯学習部長  それは、後ほど差し上げたいと思います。 ◆木村彰男 委員  このように、私が知る限りでは、かなりの多くの役員の方々が、審議委員という形で札幌市のいろいろな委員会の機関だとか外郭団体の意思形成に出ていらっしゃいます。これらの方々が、PTAの中でどのような意思を表明されているのか、教育委員会にどのような影響を与えていらっしゃるのかを伺うつもりで、私はこの論を出したつもりでございます。今、PTAのことについてお答えが得られませんでしたので、私は、この発言については一たん留保して、次の質問に移ります。  次に、私は、不登校、とりわけ起立性調節障がいで悩んでいらっしゃる保護者の方から相談を受けたことにつきまして、何点かお聞きします。
     現在、小・中学校で不登校、または、何らかの事情で長期に学校を休んでおられる児童生徒への学校の対応は、それぞれ一人一人異なって、その原因については既に分析されているところとは思いますけれども、起立性調節障がいで学校に通学できなかった児童生徒は、今、どのくらいいらっしゃるのか、把握されていますでしょうか、また、その障がいについては、今、どのようなところに原因があるというふうに考えていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  起立性調節障がいがあって不登校となった生徒にかかわるご質問ですが、各学校におきましては、各生徒の健康状況を記載して学校と各家庭との情報交換に活用している健康カードというものがございまして、この中に、起立性調節障がいにつきましても、一般的な症状とか、あるいは、健康管理のポイントなどについて示しているところであります。この健康カード中では、身体の発達が著しい時期に起こる自律神経失調症の一つで、特に立っているときの血流の流れをコントロールする自律神経の働きがうまくいかないために起こるものである、そういうふうに示しておりまして、教育委員会としてもそのような認識をしているところでございます。  現状把握についてでございますが、教育委員会として取りまとめてはおりませんが、各学校におきましては、先ほど申し上げました健康カードに保護者の方が記入した内容などから状況を把握して対応しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  不登校に関しましては、1年生のころから全く学校に来ていないという人もいれば、私のところへ来た相談者のお子さんは、3年生の中体連までは野球部で活躍し、クラブ活動も熱心にやっておった、ところが、急に学校に行けなくなってしまった、こういうようなお話でございました。学校ではいろいろな対応を講じていただき、それについては保護者の方も先生方には感謝していると言っておりました。ただ、高校の進学を控えて一番の問題になったのは内申書の問題であります。高校受験におきましては、当日の試験成績と内申書がともに重要なポイントになることについては私の時代から変わっていないと思いますけれども、このように不登校になった生徒が授業に全く出ない場合は、内申点が1ということになってしまうのでしょうか。また、この生徒の場合、3年生の夏ころまでには普通に授業も受け、試験も受けていたので、そこまでの内申と、それから、出られなくなってからの評価につきまして実務的に取り扱いが変わるのか、そして、このように3年半ばで発症したような場合、通学不能生徒に対する学校の指導方針はどのようにされておるのか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  起立性調節障がいの症状が1年生のときに見られるようになった場合とか、あるいは、3年生になってからの場合など、いろいろなケースがあることを想定したご質問かと思いますが、どの段階にかかわらず、欠席している生徒も含めまして、学校では、家庭と連絡をとりまして、学習に対する支援を実施しております。それから、評価につきましても、子どもが家庭等で取り組んだ学習に関する資料も参考に、子どもの状況に配慮しながら、きめ細かに支援や対応を行っているところでございます。  それから、通学できない場合の指導の方針についてでございますが、教育委員会といたしましては、通学できない児童生徒に対して学習等の支援を行うことは重要なことと考えておりまして、各学校においては、家庭訪問をしたり、あるいは、学習課題を提供したりするなど、お一人お一人に必要な支援を行うよう努めているところでございます。 ◆木村彰男 委員  そのような形で形成されてくる内申書が、受験に際して受験校に送付されるわけでございますけれども、その合否に与える影響ということについて、理事者の方はどのようにお考えになっているか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  高校受験の際の個人調査票、いわゆる内申書でございますが、これが受験する高校に送られた場合の合否に与える影響についてでございます。  公立高等学校の入学者の選抜については、設置者が定める入学者選抜実施要綱に基づきまして、各高等学校長が、個人調査票のみならず、例えば、学力検査の成績、それから、面接の結果などの選抜の資料を総合的に評価して合否の決定をしているところでございます。 ◆木村彰男 委員  今おっしゃるように、なかなか厳しい状況に追い込まれるということになるのですけれども、札幌市の市立高校に進学するような場合、とりわけてこういうお子さんたちについては、特別な配慮であるとか、内申書作成に当たって、何かその旨の付言がなされるようなことがあるのでしょうか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  内申書作成の配慮等についてでございます。  まず、学習評価の基準あるいは目安ということになろうかと思いますが、学習指導要領に示されております各教科の目標に対しまして、関心、意欲、態度、思考、判断、技能、表現、知識、理解、これらの観点別に実施状況を評価し、評定しているというのが評価の一般的な方法でございまして、起立性調節障がいの症状のある生徒につきましても同じような観点で評価しているところでございます。  それから、個人調査票につきましては、中学校の校長が、高等学校長の求めに応じて、学習や生活の状況等を記載した中学校生徒指導要録に基づいて作成しておりまして、それについても、起立性調節障がいのある生徒についても同様に作成して提出しております。 ◆木村彰男 委員  内申書に関しましては、現在、東京都の区長で元衆議院議員だった人が起こした古い内申書の裁判例がございます。きょう、山中教育委員長が来ておればお聞きしようと思っておったのですけれども、最後に、臼井教育委員に、この裁判例を踏まえた上で、内申書のあり方、または、その扱いについて大変不利益を生ずるようなことになった場合、どのように考えていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。 ◎臼井 教育委員  委員のご指摘のように、本来、弁護士であります山中委員長がお答えになるのが一番かと思いますけれども、私からお答えをいたします。  今ご質問のように、内申書裁判にかかわる教育委員としての見解ということでございますけれども、いわゆる内申書裁判というのは、内申書に記載される内容が個人の思想、信条を記載したものであるかどうかについて争われた裁判であります。昭和63年7月の最高裁におきまして、内申書の記載というものは思想、信条そのものを記載したものではないということが明らかであり、これをもって日本国憲法第13条の個人の尊重、幸福追求権、公共の福祉に反することはないとの判決が出たものと認識しております。  この判決につきましては、司法が判断したものでありまして、教育委員としては見解を述べる立場にありませんということをお答えいたします。 ◆木村彰男 委員  この件については、要望でございますけれども、このような不登校に陥った子どもたち、生徒たちの親御さんのお気持ちというものもぜひお考えいただきまして、そういうような内申書の作成に当たっていただければというふうに思います。  次に、私は、大通高校を視察する機会を与えられまして、校長、副校長とも面談いたしまして、同校の抱える問題点をお聞きするとともに、すばらしい受け入れ体制を拝見させていただいた次第であります。機会があれば、本当にもう一回勉強したいと思ったほどでございます。  私は、その中で、経済的に大変苦しい家庭の生徒が通学しておられるということをお聞きしました。さきの代表質問でも、渡部副市長は、教育委員会にも生活保護世帯の情報を提供して共有化しているとのお話でございましたけれども、大通高校の生徒の家庭で、生活保護を受けていらっしゃる家庭というのは一体何%おありになるのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  大通高校に通っている生徒で生活保護世帯が何件かということについてでございますが、教育委員会といたしましては、学校から相談をいただいた場合に、その対応を通して、経済的に大変苦しい、いわゆる生活困窮家庭の場合も含めまして、大通高校に在籍している個別の生徒の状況について承知しているところでございます。このことから、生活保護世帯が何世帯ということについては、私どもとしては知り得ることにはなっておりません。 ◆木村彰男 委員  もしわからないとすれば、その家族の経済的な困窮さであるとか、親の仕事の状況等々は、どのような方法で調査、把握されておるのか、お聞かせ願います。 ◎池上 指導担当部長  お子さんの状況、あるいはお子さんの環境について、学校がそれを知って、しっかり支援していくことが大切であるというふうに考えておりますが、それにつきましては、高校に合格が決定後、中学校から必要な情報を提供していただく中で把握するようにしております。それから、大通高校の場合には入試の制度が複雑でございまして、内申書を提出して自己推薦という制度で試験を受けるお子さんと、それから、内申書なしで一般の学力検査を受けるという仕組みもございますので、それぞれ違いますが、入学後にはしっかり中学校との間で引き継ぎをしていることになっております。 ◆木村彰男 委員  私が伺った限り、生徒が就職活動をしていかれる際に、着ていく背広がないとか、それから、長距離だとは思うのですが、交通費がないといったようなお話も伺ったのでございますけれども、このような生徒がいらっしゃる場合、札幌市はどのようなことができるのか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  先ほども申しましたが、例えば、経済的に大変苦しい状況の家庭のお子さんとかについては、学校から相談があった場合に承知させていただいておりますけれども、学校の役割といたしましては、生徒が安心して学び、人間として成長できるよう支援することでございまして、家庭の経済的なものも含めた要因等によって生徒が安心して学ぶことのできない状況に対しましては、生活を支援する関係機関につなぐ役割を適時適切に果たすべきもの、このように考えております。  教育委員会といたしましては、学校がそのような役割を果たすことができるように、学校相談支援窓口を設置したり、あるいは、スクールソーシャルワーカーを配置したりするなどして、学校の生徒への支援の取り組みを教育委員会としても支援しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  次に、校長先生とお話ししておったのですが、その中で、学校が家庭のシェルターのような機能をしているというご発言がありました。これは、私の考えでございますけれども、親の虐待であるとか暴力、もしくは、育児放棄というようなことを意味しているというようなことも考えましたけれども、現場の認識についてはどういうふうになって共有化されておるのか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  学校をシェルターというふうにとらえているお子さんがいるということでございまして、それについての教育委員会としての認識ですが、学校は、やはり、あくまでも教育の場でありますことから、教育的な視点からの支援につきましては全力を挙げて取り組むものでございます。しかし、いわゆるシェルターとしての機能を果たすことは難しいものと認識しております。先ほど申し上げましたとおり、そういう生徒に対しては、学校がしっかり生活を支援する関係機関につなぐなどの役割を果たしていくべきものと考えております。 ◆木村彰男 委員  大通高校もまだ始まって緒についたばかりと私も見ておりまして、立派な先生方を初め、立派な教育内容を維持していくためにも、ぜひ応援をお願いしたいというふうに思っております。  次に、養護学校に通う児童生徒につきましてご質問させていただきます。  私は、さきに豊成養護学校を視察し、朝、児童が親と一緒に通学し、先生に迎えられ、教室で学習する姿に触れまして、昭和54年の54義務化以来、障がいを持った親の学習への思いがここに一つの頂を見ているという思いをいたしたのであります。札幌市は、他の都市に先駆け、これらの児童生徒が通学するに際してタクシーチケット全額を市で賄っておるというふうに聞いておりますけれども、その歴史的経緯と予算額はいかほどなのか、直近の事例をお聞かせください。 ◎金山 学校教育部長  養護学校における通学のことについてでございますけれども、先ほど経緯というお話がございましたので、まず、この経緯でございますが、国庫補助による特殊教育就学奨励費等によりまして、豊成養護学校の前身の美香保小学校つぼみ学級の時代の昭和50年3月がそのスタートとなっております。昭和57年度からは、タクシー利用が国庫補助対象外となったために、市の単費事業として継続し、現在に至っているところでございます。  なお、来年度、平成24年度の予算としては3,000万円を計上してございます。 ◆木村彰男 委員  札幌市も広いですから、学校のあるミュンヘン大橋付近まで最も遠くから通学するお子さんは何キロぐらい先から来ていて、そのチケット料金は片道幾らぐらいになっておるのでございましょうか、お聞かせください。 ◎金山 学校教育部長  通学距離についてはちょっと把握しかねますけれども、平成22年度実績で最も高額なものにつきましては、片道当たり7,240円前後というふうになっております。 ◆木村彰男 委員  毎日同じ距離をほぼ往復しているわけでございますから、金額に移動が生ずることはないとは思いますけれども、これらの金額に移動を発見した場合、どのように対処されておりますでしょうか。また、これまでに改善などの指導はあったのでございましょうか。 ◎金山 学校教育部長  生徒それぞれのタクシーチケットにつきましては、その請求額を支払いの際にチェックしております。今、委員のお話にありましたように、道路の混雑状況、あるいは、冬であれば積雪状況などによって多少の前後はございますが、一定の範囲内で推移しております。通常、通学にかかる金額を大きく超えているようなものがあれば調査を行うことになりますけれども、現時点ではそうしたものは見当たってはおりません。 ◆木村彰男 委員  タクシーを利用していない保護者の方もいらっしゃるというふうにお聞きしておりますけれども、その保護者の方はどのような方法で子どもを通学させていらっしゃるのでございましょうか。 ◎金山 学校教育部長  実際はタクシーチケットの助成を受けている生徒がほとんどでございますけれども、この制度を利用していない方につきましては、自家用車で通学しているのがほとんどでございます。 ◆木村彰男 委員  これらの保護者の方は自分の意思でそのような選択をされておるのでございますけれども、車の維持費を含めてガソリン代とかがかかるわけでございますが、この方々に対する援助はどのような形になっておるのでございましょうか。 ◎金山 学校教育部長  自家用車で通学している生徒につきましては、北海道の特別支援教育就学奨励費によりましてガソリン代の支給対象となってございます。 ◆木村彰男 委員  これは、他市でやっていない立派な事業だと私は考えておりますので、ぜひ、このまま続けてやっていただきたいというふうに考えます。  次に、いわゆる学級崩壊について、北海道教育委員会が議会で報告しておりますけれども、札幌市の状況については、私の見ている限りでは触れられておらなかったと思います。札幌では、この状況に崩壊というお言葉を使っていないと伺っておりますけれども、クラスが学習環境にない兆候が見られることを最初に認識するのは、もちろん学級担任であり、教科担任ということになると思うのでございます。これらの教諭が、自分で問題を解決できず、同僚、上司に相談するという形を経て校長の指導を受けるようなことになった場合でも、なお改善が期待できない、事態を収拾できないような局面があると思います。  札幌市では、このような教諭のありよう、授業のありようを想定した場合、どこの段階で指導に入っていくのでございましょうか、そのポイントは何でございましょうか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  ただいまご質問のありましたいわゆる学級崩壊ということで、道教委の調査のお話もございましたが、学級がうまく機能しない状況に関するご質問かと思います。  教育委員会といたしましては、学級がうまく機能しない状況に関して、学校からの相談に応じて、そのときそのときに適切な指導・助言に努めているところでございまして、これに関してとりたてての調査は行ってございません。  そこで、そういうことがあった場合についてですけれども、実際には、指導主事の学校訪問とか、あるいは、校長が学校経営懇談などをして、学校運営上、苦慮する状況について把握した時点で、逐次、学校から相談を受けるなどして対応を図っているところでございます。 ◆木村彰男 委員  そのような内容については、当然、多岐にわたると思います。それは、累計的に見ると、例えば、本人の心の病とかご病気に起因するものもあれば、先ほど出ましたように、教諭の指導不足というようなものに仕分けできるものもあるかと思います。  札幌市が現在抱えているそのような認知事例というのは一体どのくらいあるか、お知らせください。 ◎池上 指導担当部長  学級がうまく機能しない状況についてでございますが、これにつきましては、どのような時点で、または、どのような状況を指して学級がうまく機能しない状況かということを判断するのは大変難しいことと考えておりまして、先ほど申し上げましたように、適時適切な対応をさせていただいているところでありますけれども、これに関する定義づけとか、あるいは、分類は難しいものととらえております。 ◆木村彰男 委員  もしこの方が病気であれば、病気の治療が必要となります。それから、教諭としてその指導力が不足すると認定されれば、それは、教諭自身にとっても、保護者にとっても、私は大変遺憾なことだと思うのです。  その場合、札幌市は、何もやらないで拱手傍観しておるのか。その辺ついては、北海道のように、対策、指導をまとめたマニュアルのようなものを何か作成するご用意があるのか、それについてお聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  繰り返しのお答えとはなりますけれども、教育委員会といたしましては、逐次、学校と連絡をとり合いながら、学級経営上、苦慮する状況について、学校と一緒にきめ細かく対応させていただいているところでございます。特にマニュアル等はございません。 ◆木村彰男 委員  マニュアル等をつくっていくおつもりもないのでございましょうか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  今お話ししましたとおり、現在行っている方法での対応で、まずは兆候を把握した段階でしっかり対応することを大原則に今後とも対応していきたいなと考えております。 ◆木村彰男 委員  やはり、保護者の立場になって考えると、私が先ほど申しましたように、私はそういうことは大変心配なのです。ですから、きちっとした対応をぜひしていただくことを要望して、この質問については終わります。  次に、私は、昨年の決算特別委員会でもお聞きしましたけれども、文部科学省から指導を受け、北海道、札幌市におきましても調査を続けておりますところの教職員の校外研修の件と、教職員の服務規律の件で何点か質問させていただきます。  まず、第1点に、調査の方法等についてでございますが、今、進められている調査の中で、再び回答を拒否した人はいますでしょうか。その人にはどのような対処をしたか、お知らせください。  また、今月で退職する人が何らかの処分をされる場合、3月末までにその処分がなされるのでしょうか、お聞かせください。 ◎金山 学校教育部長  現在行われている教職員の勤務に関する調査につきましては、現在、北海道教育委員会が調査主体となって進めております。これまでに出勤簿あるいは学校日誌等の関係書類の確認を行った後、今、委員のご指摘がありましたように、3月末退職予定の教職員に対する事情聴取を行い、勤務状況に関する確認作業を現在進めているところでございますので、今後の予定については、その調査の作業の進み次第ということでございます。 ◆木村彰男 委員  退職者に限って言いますと、例えば、校外研修について研修を認められなかったような場合、支払われたお金はいつお返しになるのでございましょうか。もし処分が行われた場合でございます。 ◎金山 学校教育部長  先ほど言いましたように、現在、調査と確認作業を行っているところでございますので、今後のことについては、今ここで言及する状況にはございません。 ◆木村彰男 委員  ぜひ、きちっと調査をしていただきまして、また、この議会等々に報告していただきますように、よろしくお願いいたします。  次に、今、中央図書館を中心にして計画されている管理システム、本についているバーコードの更新についてお伺いします。中央図書館から本を借りてきております。ここについているバーコードの話です。  私は、この間、約30年にわたって中央図書館に通わせていただいておりまして、その蔵書、それから、サービス、内容、コンテンツを含めまして、大変評価しているところでございます。  それを前提としまして、次に質問させていただきたいのですけれども、今回、検索システムをバーコードに更新するわけでございますが、今回の更新は幾らぐらいの費用をかけて、また、その対象冊数は幾らほどを予定し、また、どのくらいの期間をかけるおつもりでございますか、お聞かせください。 ◎長谷川 中央図書館長  バーコード自体の更新というのはございません。図書館の貸し出し、返却、そういった関係全体につきまして電算システムというものがあります。その電算システムの更新というのがございます。 ◆木村彰男 委員  私が伺っている限りにおきましては、その電算システムというものが片方にありまして、もう一つ、学校開放図書なんかの方に聞きましても同じようなシステムがあるのですけれども、これは共有化されておりますでしょうか。それについてお聞かせください。 ◎長谷川 中央図書館長  中央図書館とそれぞれのものは別々に持っていると思います。 ◆木村彰男 委員  現在のコンピューターの検索システムでいくと、私の家庭でも札幌じゅうの図書館の本がどこにあるかということがわかりまして、貸し出しの予約もコンピューターを作動してできることになっております。私はそれも利用させていただいております。これに対しまして、学校開放図書、つまり、小学校、中学校にも同じような図書がありますけれども、それは、そこの学校に行かないと、その図書がどこにあるか、何の本があるのかということが今はわかっておりません。つまり、システムが別々になっているものですから、検索することができないのでございます。  したがって、今回のこのシステムの更新に当たって、同じような土俵に立った検索システムというものを模索することはできないのでしょうか、お聞かせください。 ◎長岡 生涯学習部長  まず、学校開放図書館の事業についてでございますけれども、改めてご説明申し上げたいと思いますが、学校、家庭、地域が連携して、図書活動を通じて児童生徒の読書の推進を図る、それと同時に、学校が有する資源を支援してくれる地域の住民の方々に供することで、子どもをはぐくむ地域の教育力を向上させることを目的として行われている事業でございます。その仕組みは、事業運営は、PTAなどが中心となったボランティアで運営されておりまして、その方々は、学校図書館の環境整備や子どもたちへの本の貸し出し、読み聞かせなどを担うとともに、地域の住民の方々への本の貸し出しも同時に行っております。その範囲といたしましては、学校を拠点に、学校、家庭、地域が連携して進める事業でございますことから、おおむね校区内を想定しているところでございます。  したがって、この事業の趣旨は、地域の方々に学校の図書資源を提供し、地域の方々とともに子どもをはぐくむということでございまして、不特定多数の一般市民を広く対象とするものではございませんことから、その制度の趣旨、ないしは仕組みが全く違ってございます。したがって、中央図書館とのかかわりは現在のところ持ってございません。 ◆木村彰男 委員  同じ教育委員会にあって、このシステムというのは、私は、最初は非常に驚いたのでございます。つまり、同じ教育委員会というか、札幌市の蔵書であるにもかかわらず、教育委員会の中で縦割りになっているといいますか、そういうふうにも感じたわけです。私の見た限りでは、学校開放図書については、今、学校に入ることが非常に難しくなっております。これはセキュリティーの関係もあるのでしょうけれども、今言ったように、ほかからなかなか入っていけないのですね。ピンポンと鳴らして、学校開放図書に来ましたと言って、あけていただいて入るというようなハードルがある。そういうようなことを考えてみますと、例えば、学校に行かなくても、近くのセンターであるとか、地区の図書館なんかでも学校のものがわかれば、そこで借りることができるというようなことも考えたものですから、このような質問をさせていただいておるのでございます。そういうようなことで、学校の先生が指導されるようなところではなくて、子どもたち、それから、地域の方々に幅広くその本が利用されるというようなお考えはないのでございましょうか、お聞かせ願います。 ◎梅津 学校施設担当部長  学校図書館の蔵書につきましては、学校教育において児童生徒の学習に活用する目的で整備をしております。児童生徒が、授業だとか自由研究、読書活動などにいつでも自由に利用できるということにならなければならないというふうに考えております。したがいまして、基本的に広く一般市民の利用に供するということは想定していないものでございまして、なじまないものというふうに考えてございます。 ◆木村彰男 委員  私は、学校の生徒たちが、もしくは、教職員の方が使う分についてはそのとおりだと思うのです。ところが、学校開放図書というのは、そことは分岐して、別な棚にちゃんとあって、一般の方にも貸し出して、それを前提としていますから、今、ご担当が言ったのとはちょっと違うと私は思っているのです。だから、その部分について、幅広く共有化して貸し出すようなことはできないかということをお聞きしているのです。もう一回、お聞かせください。 ◎長岡 生涯学習部長  先ほど申し上げたとおり、広く一般市民を対象にしている公共図書館と、それから、地域と家庭と連携して、学校教育と家庭教育を結びつけて、地域の協力をいただいて子どもたちとともに連携してその教育力をはぐくむということで行っている学校開放図書館事業は、趣旨が全く違ってございます。委員がそういう形で幅広く一緒にしたらどうかというお考えもあろうかとは思いますけれども、その制度自体の仕組みなり、その成り立ちが違ってございますので、今、言ったように広く開放するという考え方は現時点ではとってございません。 ◆木村彰男 委員  それでは、私は、最後に学校図書で働く司書のことについてお伺いします。  小・中学校では、教諭が司書免許を持って、児童生徒の図書委員等が協力する形で貸し出し等を行っておるというふうに聞いております。私の地元の小学校等におきまして、先ほど出ました学校開放図書なんかにつきましては、PTAや地域のボランティア、それから、読書サークル、読み聞かせ会の方々等が学校開放図書等に協力しておるという実態もございます。そういう中で細々とやっておるのですけれども、これらの方々の事業とかにつきまして、予算であるとか、活動の補助金、助成といったものが現在行われておるのでしょうか、お聞かせください。 ◎長岡 生涯学習部長  開放図書の事業といたしましては、先ほどお話ししたとおり、PTAなどのボランティアが中心となって運営をしていただいてございます。ただ、委員お話しの開放図書につきましては有償でお願いしておりまして、地域の方々のボランティアの取りまとめであるとか、それから、生徒たちとの調整、教育委員会との調整ということをお願いしているところでございます。 ◆木村彰男 委員  ぜひ、その辺の充実もお願いしたいと思います。  それから、市立高校における司書の配置についてでございます。  2月26日付の北海道新聞では、札幌南高校の司書で実習助手である成田さんという方の記事が出ていたのですが、札幌市の市立高校におきましては、司書の方々というのは、今、全部の学校に実際に置かれていないというふうに伺っておりますけれども、どの程度のパーセンテージになっておるのでございましょうか。 ◎金山 学校教育部長  現在、市立の高校の図書館に、司書教諭ではなく、司書は配置しておりません。 ◆木村彰男 委員  道立高校におきましても、司書の配置というのは非常に少ないというふうになっておりますけれども、私は、知の殿堂というか、若いうちから図書館に親しむことによってみずからが学ぶという学習態度、それから、学問の本質というものを醸成していく上で、ぜひ、図書館づくりの予算につきましては使っていただきたいというふうに要望しているところでございます。  ですから、ぜひ、市立高校全部にいち早く司書を置いていただくことを最後に希望しまして、私の質問にかえさせていただきます。 ○こんどう和雄 委員長  先ほど、木村委員は、一番最初にPTAについての質問で留保という発言がございましたね。それで、その留保というのはどのような意図でお話ししたのか、明確にしてほしいと思います。 ◆木村彰男 委員  僕がいただいていた資料と答弁が重ならないところがあったものですから、それについて調整する時間をいただきたいということでございます。 ○こんどう和雄 委員長  ということは、後日、改めて質問するということですか。 ◆木村彰男 委員  いいえ、文書で回答していただければ結構でございます。 ○こんどう和雄 委員長  それでは、ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時14分       再 開 午後1時15分     ―――――――――――――― ○こんどう和雄 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、先ほどの木村委員の質問の中で、PTAの安全補償制度にかかわる件、あるいは、そうした外郭団体におけるそれぞれの質問について、幾つか伺いたいというふうに思います。  PTA団体は、ほとんどの方がもうご承知のとおり、子どもを持つ親が集って、子どもたちのために協力し合って、そして、子どもたちの成長と親子のあり方といったものを追求して活動するボランティア団体であります。先ほどの答弁では、答える立場でないと再三ありましたけれども、その答弁だけでは、やはり、学校経営の一翼を担う父母に対する皆さんの立場というものを考えたら、そういったところでは、そういう立場を危うくするのではないかなと危惧するところでもあります。  そこで、先ほどの安全補償制度の件につきましては、あらかじめそうした質問をしますよということがあったのかどうか、あるいは、そういったことを承知していたのか、改めて伺いたいというふうに思います。
    ◎長岡 生涯学習部長  ただいま、阿部委員から、あらかじめそういう質問をする旨のお話があったのかどうかということでございますけれども、実は、あらかじめPTAが行う安全補償制度についての説明は求められてございます。説明をいたしまして、また、資料もお渡ししているところでございます。ただ、その内容は、先ほどお答えしたとおり、これは市PTA協議会の事業であって、市の補助金の対象ではなく、全く質問にはなじまない旨、あらかじめお伝えしておりまして、幾つかのお問い合わせに対しても、私の方から答える立場ではないことをお伝えしたところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  PTAというのは、本当にボランティアなのですよ。結局、子どもたちのために、お金も何もかけないで、しかも、自分の貴重な時間、仕事をする時間も割きながら、子どもたちのために奔走して歩いている人たちが支えている、そうした活動団体であります。それは、全部、思いは一つです。やはり、子どもたちのためにということばかりであります。先ほどの安全補償制度の件につきましても、既存のそういうスポーツ保険、これは全員加入ということになっていますが、補償としては非常に薄い補償なのですね。だから、そのために、やはり子どもたちをもっとトータル的にカバーしようよ、どんな事故があっても困らないようにしよう、また、子どもを支える親にとっても、そうしたことに困らないようにしようといってPTAがつくった補償制度であります。まさに、目的は子どもたちのためにであります。不足する部分をしっかりと担いましょうということなのですね。  やはり、そういったことを一つ一つ考えていきますと、先ほどの木村委員の質問というのは、PTAの活動を知らな過ぎる、こうちょっと感じています。やはり、そうしたところの十分な理解ということで、私は非常に不快に思っているところであります。そうしたところでは非常に悪意を感じているということで、ちょっと改めて――なぜこの質問をするかというと、今期からこのオンカメラでインターネット中継がなされている中で、何でもかんでもという話ではないと思うのですね。また、私たちは議員としての立場があって、その質というものをしっかりと保っていかなければならないのではないかと感じておりますので、改めて、この場を通してこうした質問をさせていただきます。  それでは、私から、教育問題につきまして、全国学力テストについて、さらに、学力向上に向けた本市の取り組みについて伺いたいと思います。  まず、全国学力テストについては、さきの補充質問におきまして私が触れたとおりでありますけれども、教育長の答弁によれば、全国学力・学習状況調査は、全体的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析することを通して、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることを目的として実施しているものであるということでありました。そのため、本市教育委員会は、一貫して希望利用には参加しない、こうした方針をとっているところでありますが、その理由としては、市全体の児童生徒の学習状況の傾向を把握するには抽出調査で十分であり、一人一人の児童生徒の学習状況については、日常のテストなどで各学校において把握しているとのことであります。  今年度は震災の影響により実施されませんでしたけれども、私は、平成22年度より抽出調査として実施されている本テストにより、本当に札幌市の子どもたちの学力や学習状況が把握され、各学校においてその結果や改善策が生かされているのか、こうしたことを非常に疑問に思うところであります。  そこで、一つ目の質問ですが、実際に抽出調査として実施された平成22年度の全国学力・学習状況調査において、本市として何校が抽出されているか、さらに、10区ありますけれども、各区における抽出校数などをお聞かせいただきたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  平成22年度に実施されました全国学力・学習状況調査における札幌市立の小・中学校の抽出の状況についてでございますが、札幌において文部科学省より抽出された学校は、市全体といたしましては小学校が41校、中学校が26校でございました。区ごとの抽出校数についてでございますが、中央区は小学校5校、中学校2校、北区は小学校6校、中学校3校、東区は小学校8校、中学校5校、白石区は小学校4校、中学校2校、厚別区は小学校3校、中学校4校、豊平区は小学校2校、中学校3校、清田区は小学校3校、中学校1校、南区は小学校2校、中学校は抽出されておりません。西区は小学校2校、中学校4校、手稲区は小学校6校、中学校2校でございました。 ◆阿部ひであき 委員  全部を足していくと、小学校で41校になりますか、中学校ではちょうど26校かなと。区によっては抽出されていない学校があるようでありますけれども、抽出率といったところで換算すると、前回の答弁にもいろいろとありますが、30%程度というところであります。  私は、本テストによって札幌市全体の学力や学習状況の傾向は把握できるとのことではありますけれども、この抽出状況では、やはり、本市の規模から考えても区や地域、学校によって学力に大きな差があると思うのです。希望利用に参加していない現在、私は、区や学校間における学力の差やばらつきを把握することは非常に難しいのではないかというふうに考えますが、教育委員会は、各学校において、児童生徒一人一人の学習状況を日常的に把握し、学ぶ力を高める取り組みがされている、こうした答弁をされています。  そこで、二つ目の質問でありますけれども、教育委員会は、学力の学校間格差を是正するために、各学校の学力向上の取り組みについてどのように把握しているのでしょうか。数字的な根拠に基づいて把握しているのであれば、その把握している状況についても伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  各学校の学力向上の取り組みの把握についてでございますが、教育委員会といたしましては、学ぶ力の育成のためには、各学校が、他校との数字的な比較ではなく、一人一人の子どもに日常的にきめ細かな指導と評価を進めることにより、学ぶ力をバランスよく身につけさせることが大切であると認識しております。  このような考えのもと、教育委員会といたしましては、各学校の教育推進計画や、学校みずからが点検、評価した成果や課題等をもとに、指導主事の学校訪問などを通して学校の取り組みを把握し、きめ細かな指導・助言を行っているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  各学校ということでありますけれども、やはり、各学校にはいろいろな先生がいて、それぞれの学習を教える能力といいますか、あるいは、指導する能力といいますか、それぞれ差があると思うのですね。そうした差を何も考えないで、ただ各学校が一人一人にやっていますということで、果して本当に子どもたちの学習状況が均等に行われているのかどうか、そこがちょっと疑問なところではあります。  教育基本法の第4条には、「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」とあります。また、地方自治体における教育行政については教育基本法の第3章の第16条でありますが、「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。」ものであります。  札幌市全体の学力の状況を位置づけ、各学校間の学力のばらつきを最小限に抑えるといった取り組みは、本市教育委員会としても、実態を把握しつつ、早急に取り組むべき事案ではないのかなというふうに感じております。ただ、全国学力・学習状況調査の目的が本来こうだからこれでいいとか、この目的から考えて抽出で十分だとか、言葉は使いようでありますけれども、学力調査の目的に沿っていると言いながら、基本以上のことはする必要がないと、非常に極めて消極的な姿勢を感じるところであります。そもそも、教育基本法の第16条3に掲げられる「地方公共団体は、教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。」とされることに対し、積極的に調査する気もなければ、実情を把握する気もないと私は感じております。  そこで、質問でありますけれども、本市教育委員会は、市全体としての学力向上に向けた取り組みをどう考えているのか、また、学校間の学力格差をどう認識しているのか、改めて伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  市全体の学力向上に向けた取り組みと、学校間における学力格差の認識についてのご質問でありましたが、まず、学力向上に向けた取り組みにつきましては、子どもたちの学ぶ力や学習状況の傾向と課題を踏まえて、指導等の充実を図るために作成いたしました札幌市学校改善支援プランをもとにいたしまして、環境づくり、授業づくり、習慣づくりの三つの観点から取り組んでいるところでございます。例えば、環境づくりとして、人材やICTの活用の推進、授業づくりとして、指導資料や学習教材の作成と、それらを活用した授業の開発、習慣づくりとして、家庭と連携した読書や学習への意欲向上の方策に関する研究開発等に取り組んでおります。加えて、札幌らしい特色ある学校教育の三つのテーマ、雪、環境、読書をもとにした各学校における体験を重視した取り組みを通して、真に学ぶ力の育成に努めているところでございます。  次に、学力の学校間格差についてでありますが、教育委員会といたしましては、学校間の比較を通して学力向上に向けた取り組みを行うのではなく、各学校において、一人一人の子どもに日常的にきめ細かな指導と評価を進めることによる、学ぶ力をバランスよく身につけさせることが大切であると認識しており、今後とも、それに向けた学校改善を支援してまいりたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  私も、いろいろと話をしている中で、だんだんと同じような答えだなと感じているところであります。  前回にも競争という話もありました。やはり、子どもたちは、そういう競争心とか向上心というものをどういうふうに各学校間で見つけるのかなと、非常に問題があるのかなと。私は、過剰な競争心は必要ないと思っていますよ。でも、そうしたものは適度に必要であるというふうに感じるのですよ。  私は、平成23年第1回の札幌市教育委員会の会議録をインターネットでここに出させていただきました。この会議録の中で、議案第2号ですか、平成23年度全国学力・学習状況調査における対応についてということでのやりとりが記載されております。これを読むに当たって、どういう過程でもって、どういったやりとりでもって学習状況調査が抽出方式に決まるのかなというところに興味があったものですから、見せていただきました。そうした中での会議録の中身であります。このやりとりを見てみますと、実際のところの本音的なものが本当に見え隠れしていると思うのですね。例えば、もし希望利用、つまり抽出方式でない全校参加のものですが、希望利用をするのであれば、私どもは、費用を捻出しなければならない、あくまでも概算ですけれども、抽出校を除いた希望利用校に費用をかけた場合、総額2,100万円くらいのお金がかかる概算でございますとか、教育効果自体は細かくは調べておりません、しかし、その後の採点をする場合に、各学校の先生が採点するとか、あるいは、採点基準を決めるとか、そういうような労力がかかってきますので、費用以外の労力は相当のものであると考えますとか、このやりとりだけを見ても、本音の中に、テストにかかる費用とか、あるいは労力、こうしたものを抑えることも必要だよと、テストの効果の算出はその次かなと、こういったことがちょっと見え隠れしているのではないかなというふうに思います。しかも、効果を算出する気もないのに、効果は満たしづらいと思うとか、委員の質問に対しても、教育長や指導担当部長の答えは、結びに思いますという言葉が非常に多くて、全く本市の教育行政の取り組みに対して、子どもたちのためにという現実的なやりとりは実は余り感じないのですね。しかも、調査結果の公表については、ただ、人の興味を引くだけだよねとか、あおるだけだよねという偏見的な私見を持った方もいらっしゃるようです。  会議は続いていきまして、でも、子どもたちはゲームばかりで学習に興味がないのだよね、でも、学力テストはねといった、学力テストに対する批判、批評のオンパレードであります。本当のことを言えば、こうしたせっかくの会議でありますので、そこまで言えば、学力テストにかわるものとして何があるのか、そうした建設的な意見もあっていいのではないのかなと思うのです。最後に、選挙の出口調査と一緒で、抽出でも十分予測がつくので、抽出で事足りると思うと、こうした言葉まで教育委員の方から飛び出している状況であります。  一体、子どもたちのために何をしたいかと、本当に子どもたちに対して勉強をする上での向上心や忍耐力の育成、全国的に見た学習状況の把握に対する均等な機会に対する観点、こうしたものを、教育長を含め、教員委員の皆さんは本当に考えているのかなと。そもそも教育委員としての役割、あるいは責任といったものを真剣にご理解いただけているのかと、このやりとりでは甚だ疑問であります。  ここで、改めて考えなければならないことは、本市に住む子どもたちの学習状況の把握をどうやって行っていくか。今、本市における子どもたちの学習状況の現状を、学校や教員が自覚して細かく把握するためにはどうあるべきか。さらに、その問題意識を持っていかなければならないところでありますけれども、子どものみならず、親や教員、あるいは地域、学校と、どう現実と向き合って子どもたちをはぐくむ土壌を築き上げるかということではないかというふうに思います。全国学力・学習状況調査を選挙の出口調査と一緒かどうかというのは、私は、本市のそういう子どもたちや学校の学習状況に対して少しでも危機感をお持ちでしたらわかりそうなものだなというふうに思うのですけれども、もっと建設的な視点を維持する会議でなければならないというふうに思うのです。これなら、まるで、一言で言うと、教育長が目の前にいて、じっと私の顔を見ていますけれども、本当に教育長と当時の指導担当部署の主導による出来レース的なものを感じますよ。やはり、教育委員の意見もそういったことになれば、閉鎖的な環境に置かれてしまう。そうなれば、あらゆる角度から議論する体をなしているかと言えば、そうでないというふうに思いますね。こんなふうに言わせていただくのも何ですけれども、そもそも教育委員の人にとっても、教育委員1人頭報酬月額25万1,000円ですね。そしてまた、委員長については30万1,000円、年間については1,566万円ですよ。そう考えたら、本市の抽出校以外の希望利用校にかける、全市における子どもたちの学習状況を把握するための2,100万円とはどういうふうなものなのかなと、そういったところもやっぱりちょっと考えていただきたいと思います。  そこでまた、改めて質問でありますが、これまでの段々のくだりの中で、本市教育委員会は、本気でほかの自治体の例を積極的に学び、それを生かしつつ、本市の子どもたちの学習状況を真摯に深くとらえて、教育行政に資する努力をするつもりがあるのか、伺いたいと思います。 ◎北原 教育長  全国学力・学習状況調査について、今、阿部委員から、きめ細かに子どもたちの学力の状況調査をして把握する必要があるだろうというご指摘がございました。例えば、小学校6年間で1回、中学校3年間で1回、しかも、国語、算数、数学と。今度は理科が加わるということですが、そのことによって一人一人の子どもの学びをきめ細かに把握して、一人一人の学力をどういうふうに育てていくかということについては、これはかなり難しい。全体としてどういう傾向にあるのか、そのことを把握して、改善に資するための資料としては、これは私どもも否定するものではありません。それをもとにしながら分析させていただいて、きめ細かに対応させていただいているところでありますけれども、日常の子どもたちの、日々学び日々変化していく子どもたちをどういうふうに把握して評価し、それを次の指導に生かしていくか、この取り組みについては、すべての教科等、そして、あらゆる観点からきめ細かに把握し、指導していくことが必要であると。そのために必要な取り組みについては、先ほど来、指導担当部長の方からお話ししているような取り組みを通して、教育的な取り組みを進めてきているところでございます。  今、ご質問のありました教育行政に資する努力ということでございますが、教育委員といたしましては、他都市の視察、あるいは学校訪問等を行うことを通しまして、また、それとともに、これまでも一人一人がそれぞれの知識や経験などを生かして、例えば、教科書採択等についても、非常に一人一人が教科書をきめ細かに読み込んだ上で議論をさせていただいております。これは、本当に一人一人の子どもたちのために何ができるのか、どういうふうに真剣に考えなければならないのかということを、本当に時間をかけて、それぞれ大変な努力の中で議論を進めさせていただいているところだというふうに思っております。  いずれにしても、そうした取り組みを通して、札幌市教育推進の目標に掲げる、未来を切り拓く人間性豊かで創造性のある自立した札幌人の育成のために、日々、努めてきているところというふうに思っております。今後とも、学習状況も含めて、札幌市の子どもたちの状況把握に努め、その目標を達成すべく努力してまいりたい、このように考えているところであります。 ◆阿部ひであき 委員  その中でも、小学校に1回、中学校に1回と言っても、やはり、教育というのは前進的な確認というのはどうしても必要になってくると思うのですね。そこは、やはり、長いスパンをかけた中で、現時点においてどういうような状況にありますよと、やはり、子どもたちが把握することが一番大切であります。当然、その中で、子どもたちも把握しつつ、先生方もこういった状況にあるのだなということを把握する一つのいい機会だというふうに思うのです。  もう一回は、年に1回しかないというのであれば、逆に言えば、もっともっと回数をふやしてやっている自治体もあるのですよ。年に1回やっているというところもあるわけですから、そういったところで、やはり、そういったものを利用しながら、どういうふうにそれを加味してやっていくのか、それにどう上乗せするのかというのが教育ではないのかなと。逆に、学習指導要領にのっとっているだけでは、私は、本当に必要最低限のことだけやっていればいいというぐらいにしかとらえられないものなのですね。ですから、やっぱり、そういったことをしっかりと考えてもらわなければならないのではないのかなと。  学力格差というのは、非常に問題になっている部分というのがあると私は思いますので、ぜひ、そうしたところでは、今あった、1回ずつしかないからとか、そういうことでなくて、やはり、そういったものを利用しつつどうあるべきか、上乗せしてどう建設的にやるべきか、例えばデータとしてとらえるのであれば、どうあるべきなのかということも、私は、やって取り組んでみて初めて言ってみてもいいと思うのですね。取り組む前から、ちょっと過度な競争意識を生むかもしれないとか、そういうことでは全く先に進まないような気がしてなりません。ですから、そういったことも真剣に考えていただきたいなというふうに思います。  それから、教育委員につきましては、先ほど、教育長からも話があって、いろいろと勉強していただいているということではあります。しかし、会議の中身で見れば、非常になあなあ的なものを感じますね。やはり、もう少し自分たちの意見、見識というものをもっともっと広げていただいて、もっともっと他都市の取り組みを勉強していただいて、そうした経験を言っていただいた方がいいのではないのかなと。むしろ、そうした形で本市の子どもたちに対する教育の意欲に少しでもなるのだったら、私は、ぜひそういうふうにするべきだと思います。視察しても何でもいいと思っています。むしろ、私は、このことに触れるというのは、教育委員をなくせということではありません。逆に、こういうようなやりとりをするのだったら、教育委員会をもっと風通しのいいものにして、もっといろいろな角度から議論をし合える場にしていただきたいということのお願いであります。  そうした中で、いろいろな角度ということは、最終的に、本当に抽出方式でいいかどうかとか、そのほかに何かもっときちっと子どもたちの学力を把握すべき方法はないのかどうかとか、何となく学校に丸投げしている状況ではないのかなと感じてならないのですよ。学校に任せますという言葉はいいですけれども、それは、任せると言っても、やはり、教員にもいろいろな教員がいますし、学校にもいろいろな取り組みがありますから、差が生まれるのは当たり前ですね。ですから、そうした中で、その差を少しでも縮めるという努力は、この国の子どもたちの教育と考えたときには、僕は必要だと思います。そうしたところで、幅広い見識あるいは知識を持って、子どもたちのことについてどん欲に真剣に考えて話し合っていただきたいなというふうに思います。  私は、また一つ、この場をかりてですが、教育委員会の名称一つとっても、教育委員会と教育委員会事務局を総じて教育委員会と言っていますけれども、そうした役割というものをしっかりとらえて、なおかつ、独立行政機関としてその位置づけをはっきりと分けるためにも、教育委員における教育、その中身は教育委員会にして、教育委員会の事務局は教育局とか、しっかり名前を分けて取り組むべきだと思います。やはり、そういう名称から変えて、そうした形で子どもたちのためにしっかりと努力していただきたいと思います。  本当に、今の子どもたちというのは、競争、向上と言えば、何となく、思われる方がたくさんいるかもしれませんけれども、やはり、競争、向上という機会を与えられないまま大人になって、いきなり競争だらけの社会に投げ出される、こうした現状があることを問題意識としてはっきりと持っていただきたいなというふうに思います。  私が言わんとしていることは、ここで伝わったかどうか、なかなかわかりませんが、こういったところをはっきりと指摘申し上げて、私の質疑を終えたいと思います。 ◆三宅由美 委員  私からは、中学校における柔道の指導についてと、インクルーシブ教育の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。  まず、中学校における柔道の指導についてですが、2012年度から中学校学習指導要領が全面実施となり、中学校の保健体育において男女ともに武道とダンスが必修となります。これまで保健体育においては武道とダンスが選択で実施されておりましたが、今回、男女ともに武道とダンスが必修となるそうです。男女平等教育の推進という観点では望ましいことだとは思いますが、筋力の弱い女子生徒が柔道を行うということで、細心の注意が必要になってくると思います。  学習指導要領においては、武道の運動種目として柔道、剣道、相撲が例示されておりますが、札幌市の市立中学校においては柔道を実施している学校が多いと聞いています。  そこで、質問ですが、札幌市の中学校保健体育における柔道のこれまでの男女の実施状況とその指導内容についてお伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  柔道の男女の実施状況とその指導内容についてでございますが、札幌市では、男子については、以前から、ほぼすべての中学校におきまして、保健体育の授業の中で柔道の指導を継続して実施してまいりました。平成23年度は、97校すべての市立中学校におきまして柔道を指導しており、女子につきましても、来年度からの新学習指導要領の全面実施に向けまして53校で柔道を実施しております。  指導内容といたしましては、柔道着の着方や礼法を初めといたしまして、姿勢や組み方、すり足などの基本動作や基本的なわざについて、生徒の技能の段階に応じた指導を行っておりまして、特に、あらゆる場面に対応して受け身を安全に行えるよう指導を行っております。さらに、柔道におきましては、相手を尊重し、自他の健康、安全に配慮して練習を行うことなど、技術指導だけではなく、態度についても重視した指導を行ってきたところでございます。 ◆三宅由美 委員  札幌市におきましては、これまでも柔道の指導はなされていたということですが、最近のマスコミの報道などによりますと、柔道の指導における事故の発生を危惧する記事などを目にします。柔道の事故については、頭部を強く打ったり、激しく揺さぶられたりすることにより、脳に障がいを負う場合もあると聞いております。私のもとにも、中学校で武道を必修とする必要があるのかといった疑問の声も届いております。中学校における武道指導について、不安を抱いている保護者も少なくないのではないかと思います。  脳外傷友の会コロポックルという団体がございまして、道内で当事者と保護者を合わせて400名くらいの団体ですが、私は手紙をいただきました。非常に不安に思っている、指導経験が少ない教員がいるなど、現状のままで必修化すれば、子どもたちの命や安全は守れない、体制が整わないなら実施を延期してほしいというような要望、また、特に懸念するのは事故発生時の対応だということでした。脳外傷は事故直後や外見からはわからないこともあります。意識があるなどの理由で脳外傷が見逃される可能性もあり、事故時に迅速に対応できるよう、体育教員だけではなく、学校全体で危機意識を共有すべきだというような内容の手紙もいただきました。  このように保護者あるいは生徒にとって不安が大きい中で、教育委員会として、各学校に対し、安全な柔道指導についてどのような指導を行ってきたのか、お伺いします。 ◎池上 指導担当部長  安全な柔道指導のために各学校に対してどのような指導を行ってきたかということについてのご質問でした。  教育委員会といたしましては、市立中学校に対しまして、安全な柔道指導についての通知をこれまでも繰り返し行ってきております。その中で、重大事故に結びつく頭部や頸部のけがの予防とその対策について具体的に提示するなどした指導資料がございますが、その活用を図るよう通知するとともに、今年度は、保健体育科の教員全員に配付している中学校の教育課程編成の手引におきまして柔道の具体的な指導計画例を示すなど、柔道における安全指導の徹底について改めて指導したところでございます。また、札幌市教育センターで実施しております研修講座において、柔道の指導に専門的な知識を持つ体育教員を講師とした研修を行うとともに、札幌市教育研究推進事業の研究集会においても、安全な柔道指導についての教員研修を実施いたしております。 ◆三宅由美 委員  教育委員会の安全な柔道指導に対する取り組みについてはわかりました。  先週の文部科学省通知の中にも触れられておりますが、さらに安全な柔道指導を進めていくためには、柔道を専門とする外部団体との連携も視野に入れていく必要があると考えます。  今後、教育委員会として、柔道指導における外部団体との連携についてどのようにお考えなのか、お伺いします。 ◎池上 指導担当部長  今後の安全な柔道指導の徹底のために外部の団体とどのような連携をということについてでございますが、教育委員会といたしましては、札幌柔道連盟等の外部団体と、武道の必修化に伴う指導に関する専門的な見地からの情報交流を行っているところでございます。今後、中学校における安全な柔道指導の実施に当たり、関係する外部団体と教員向けの研修会、あるいは要請のある学校への指導者派遣など、どのような連携が可能なのかについて検討してまいりたい、このように考えております。 ◆三宅由美 委員  札幌市におきましては、ほかの地域に比べると、教員の柔道指導の経験も長く、これまでも安全面についてある程度の配慮がなされているようですが、今後とも外部団体と連携するなどし、柔道指導を安全に行うよう十分に注意していただきたいと思います。また、心配する市民に対して、こういうような対策をとっているというようなことも周知する工夫をしていただきたいと思っております。  この質問は、これで終わります。  次に、インクルーシブ教育の実現に向けた取り組みについてですが、障がいのある人も、障がいのない人と同じように社会の一員として社会活動に参加し、自立して生活できる社会を目指すことは、共生社会の実現と福祉の充実に努める我が国において、欠くことのできない大切な理念だと考えております。  現在、国におきましては、政府が署名を行いました障害者の権利に関する条約についての対応が検討されており、昨年、障害者基本法の一部を改正する法律を公布し、施行されたところです。この中で、教育においては、可能な限り、障がいの有無にかかわらず、ともに教育を受けられるよう配慮する旨が規定され、障がいのある子どもも、障がいのない子どもとともに学ぶインクルーシブ教育への転換に向けて、できるだけ身近な地域で一緒に学ぶ環境を整えるなど、その充実を図ることが必要だとされております。  札幌市におきましては、これまで、札幌市特別支援教育基本計画に基づいて、障がいのある子どもの生きる力の育成を目指して、一人一人が学び育つためのニーズに応じた教育を推進してきたと思われます。例えば、通常の学級の障がい者に対しては学びのサポーターをつける、また、特別支援学級の数もふやしていくなど、対策がとられてきたと思います。今後は、もう少し、ともに生きる、通常学級にも障がいのある子どもがともに学べる環境をつくっていくことが必要だと私は思っております。  今後、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取り組みを進めていかなければならないと思いますが、そのインクルーシブ教育についての考えと、今後のシステム構築に向けた取り組みについて、まず、お伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  インクルーシブ教育についての考えと今後の取り組みについてでありますが、障がいのある子どもの教育につきましては、札幌市特別支援教育基本計画に基づきまして、一人一人の子どもの生涯を見通し、社会へつなぐための継続した専門的教育と、子どもが地域で学び育つための家庭・学校・地域がともにはぐくむ教育の推進、この二つの基本的な方向性のもとで推進しているところでございます。この二つの基本的な方向性のもと、一人一人が学び育つためのニーズに応じた多様な教育の展開に取り組んでおりますことは、障がいのある子どもとない子どもとがともに教育を受けるというインクルーシブ教育の理念につながるものと、このようにとらえております。  現在、国においては、インクルーシブ教育システム構築のための今後の特別支援教育の推進方策について検討が進められており、その動向を十分見きわめながら、札幌市における特別支援教育をより一層推進してまいりたいと考えております。 ◆三宅由美 委員  インクルーシブ教育についての考えは理解いたしましたが、地域で学び育つための教育を推進するため、小・中学校では、先ほども述べましたように、校内に特別支援学級がありましたり、通常学級に通っているお子さんもいらっしゃいます。特別支援学級では、日常的な交流がなされているというふうに承知しております。しかし、ここでインクルーシブ教育が途切れてしまって、高等学校にはそのような場がありません。地域の高等学校での教育を希望する生徒もいるのではないかと私は考えております。そのような希望に対応する一つの例としても、高等学校の中に特別支援学級を設置できないか、高等学校の中に特別支援学級があれば、障がいのある子どもたちも地域の学校で学ぶことができ、インクルーシブ教育の絶え間ないつながりに通じると思います。  以前、私どもの会派で、高等学校に特別支援学級を開設できないかと伺ったときには、教育課程上の問題があると聞いております。インクルーシブ教育の実現を見据えて開設することはできないのかと、ここでさらに質問したいと思います。  また、大阪府におきましては、自立支援推進校が7校ほどございます。大阪市立では、2校が知的障がいの生徒のための自立支援コースを設けております。また、4校の共生推進校というものもあります。インクルーシブ教育を高校の中でどう実現するか、もう5年間にわたってこのような取り組みが進められているところです。  こういう事例もあることから、さらにまた質問しますが、市立高等学校に特別支援学級を開設することは本当にできないのか、お伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  高等学校における特別支援学級の開設についてでございますが、現行の法制度上、高等学校に特別支援学級を設置することはできる規定となっておりますけれども、小・中学校においての特別支援学級とは異なりまして、高等学校では、例えば、知的障がいのある子どもなどの学習ニーズに応じた特別な教育課程によることができるとの特例は規定として設けられてございません。このことから、現行では、市立高等学校にこのような学習ニーズに応じた特別な教育課程を必要とするような特別支援学級を設置することは難しいものととらえております。 ◆三宅由美 委員  今、大阪府、大阪市の事例を挙げましたが、岐阜県でも園芸高校に障がい者のコースを設けているとか、農業高校に設けるとか、まだ数は少ないですけれども、さまざまに取り組まれております。インクルーシブ教育の実現に向けて、今後、高等学校への特別支援学級の開設を検討してくださらないかと思います。  また、教育課程の編成に課題があるのであれば、現行制度が変えられるよう国に働きかけてまいります。教育委員会としても、国に対して働きかけることを要望したいと思います。  また、もう一つ、特別支援学校の新たな設置について、これも要望ですが、國安委員から本当に力強い質問がなされたところですけれども、私も、この配置のバランスについては非常に疑問を持っているところです。  大阪のこの取り組みを見ても、通学時間を重視し、一人一人の生徒が通学に何分かかるかも1人ずつ出していて、最短で15分とか、長くて45分とか、そういうような調査もなされております。通学時間がどれだけかかるかとか、そういう調査も必要だと思っております。  また、真駒内小跡地の活用についてどうかというようなお話があったのですが、今、真駒内連合町内会において、住民の方々の意見を伺いながらまちづくり構想を練っているところでして、この中での十分な話し合い、連携が必要だと考えておりますので、このことも要望して、終わりたいと思います。 ◆谷沢俊一 委員  私からは、原子力を含めたエネルギー、そして、環境に関する指導についてお伺いいたします。  昨年3月11日の東日本大震災より1年が経過しましたけれども、今回の震災において、これまでの災害との大きな違いというのは、福島第一原子力発電所の事故による未曾有の放射線の被害でございます。放出された放射性物質により、福島県やその周辺地域では、将来への健康に対する不安や風評被害はまことに深刻な問題となっております。また、直接被害を受けた地域と、それから、本市のような札幌市等の遠隔地に住む人々との考え方や気持ちの隔たりも、ある意味では事態をさらに悪化させている、このようにも思われます。  具体的に申し上げますと、例えば、瓦れき処理の問題、あるいは、圏外へ避難されている福島県民が避難先でさまざま中傷を受ける、こういう例を報道で見るにつけ、大変苦しい思いをするわけです。具体的に言うと、福島の子どもに近づくなとか、あるいは、親が仮設住宅には近寄らないようにと、こういったことを話しているということも報道で知りました。これは、ある意味では、放射能に対する正しい知識を持たずに、いわゆる風評に左右された、まことに残念な姿とも言えるわけであります。  このような状況を見るにつけ、今さらながら思うことは、これまで、我が国が真摯に原子力エネルギーや放射線に関する教育に取り組んでこなかったということであります。原子力も含めて、あらゆる科学技術はメリットとデメリットを内包していること、特に原子力エネルギーは、利用価値が大変高い反面、利用方法を間違えれば、また、一度こうした事故が起きれば、人間社会に甚大な被害が及ぶということを真摯に学ぶ必要があります。  こうした中で、新年度から、新学習指導要領において放射線に関する学習が行われるというふうに伺いました。我が国が持続可能な社会を継続していくためには、また、ますます複雑化し、こうした科学技術がブラックボックス化しているという指摘の中で、一定の基礎的な知識を持つということは極めて大切なことであります。  そこで、質問いたしますけれども、放射線に関する指導について、新学習指導要領の中でどのように扱われているのか、お伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  放射線に関する指導について、新学習指導要領でどのように取り扱われているのかというご質問についてですが、放射線の学習に関しましては、今回の中学校新学習指導要領に30年ぶりに改めて示されたものでございます。具体的には、中学校第3学年の理科の中で、科学技術と人間という大項目の中のエネルギー資源という項目におきまして、核燃料は放射線を出していることや、放射線は自然界にも存在すること、放射線は透過性などを持ち、医療や製造業などで利用されていることなどにも触れること、このように示されております。 ◆谷沢俊一 委員  今回の学習指導要領のもとでは、中学3年生が、核燃料は放射線を出していることや、医療あるいは製造業における利用などについて学ぶということでございます。  当然ですけれども、放射線を発生する施設というのは、原子力発電所のみならず、特に医療系の工場あるいは病院等々において、その数は何百というふうにあると言っても過言ではないわけです。ある意味では、私たちの身近にもこういう放射線を発生する機器も含めた施設というのはたくさんあります。しかし、今回の震災を考えると、放射線の危険性についても、さらに子どもたちに指導していくことが大切であるというふうに考えます。当然、放射線は大量に浴びると健康に大きな影響を及ぼすことから、子どもが自分の身を守るために、放射線というのは目に見えなく非常にわかりづらいものですから、そういう意味では、子どもの発達段階に応じて正しい知識を習得していくことが大切であるというふうに思います。  今回、小・中・高校生にも放射線に関する副読本が文部科学省から配付されたとも伺っております。このような状況の中で、震災後、教育委員会として、放射線にかかわる指導について、各学校にどのような指導を行ってきたのか、お伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  教育委員会として、東日本大震災の震災後に放射線に関する指導について、各学校にどのような形で指導を行ってきたのかというご質問でございます。  昨年、震災があった後、昨年の4月には、子どもが放射能についてまずしっかり理解できるようにすることということで、文部科学省が作成いたしました教師用の指導資料で、「放射能を正しく理解するために」という資料がありましたけれども、その活用などについて、通知をして対応してまいりました。また、8月には、原子力発電所の事故による放射線等の影響などにつきまして、事実に基づいて適切な指導を行うよう、すべての園長、学校長を対象といたしました管理職研修会において徹底を図ったところでございます。さらには、この2月、発行いたしました中学校の教育課程編成の手引の中で、生徒が放射線をより体験的にとらえ、科学的に考察し、判断できるよう、観察実験を加えた指導事例を各学校に示すなどして対応してきたところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  今、放射線の学習に向けては、さまざまな方法で学校を指導しているということでございました。原子力発電所の事故が起きたことによりまして、エネルギーや環境について、ある意味では我が国全体の大きな変化のときというか、問題も含めて変節点にあると思います。  私は、今回の原子力発電所の事故や災害について、これは、すべて国の責任あるいは東京電力を含めた電力会社の責任にしようとは思っておりません。むしろ、なぜ義務教育の中でこれまで前向きに放射線教育に取り組んでこなかったのか、必要な知識を養う機会を、ある意味ではだれが阻害してきたのかということに怒りを感じるものであります。科学技術に全面的に頼らざるを得ない今の時代だからこそ、こうした放射線教育の重要性はむしろ増しているとも言えるわけであります。  例えば、原子力発電所の設置を国がある自治体に働きかけたとして、受け入れの市町村は、当然、ほとんどが財政の厳しい自治体ですから、国の電源交付金とか補助金を当てにして、ある程度、危険を承知しているものの、受け入れてきたわけであります。もしも、国民に一定の放射線あるいは原子力に対する知見、知識が普及しているとすれば、恐らく、受け入れ段階において、受け入れ条件も現状よりは相当厳しいものになっていく、こういうふうに思うわけです。  そういう意味では、例えば、地震とか津波とか、そういうものを現状以上に――今までブラックボックスですから、とにかく国や電力会社や原子力安全委員会の言うことを聞くしかなかったわけです。やっぱり、そういうことを国民が知識として持つ、これが、ある意味では、より安全な、そういう施設の設置に恐らく寄与してきたのだろうと思うのですね。そういう意味でも、こうした知見を普及させることの大切さを思うわけですし、それが義務教育段階からなされるべきであるということを感じます。  現在、国においても、エネルギー・環境会議において、我が国のエネルギー資源のさまざまなエネルギーのベストミックス、また、そのコスト等についても話し合われております。今後、国民的議論を経て、我が国の進むべき方向を定めていくということであります。このような状況を考えると、子どもたちがさまざまな教科の学習を通して、広く原子力を含めたエネルギーや環境について学んでいく必要があります。  しかしながら、今回、新年度から、放射線にかかわる教育というか、エネルギー教育というのですか、そういうものが急に出てきても、今まで先生方に原子力発電所の事故を踏まえた知識や指導方法がないわけですから、相当悩んでいるという新聞報道もありましたし、そういう意味では、どういうふうに教えるのかという非常に難しい課題も抱えているわけであります。  そこで、教育委員会として、今後、原子力を含めたエネルギー、また、環境に関する指導についてどのように進めていくのか、伺います。 ◎池上 指導担当部長  今後、教育委員会としまして、エネルギーや環境に関する指導をどのように進めていくのかということについてでございます。  教育委員会といたしましては、次世代を担う子どもたち一人一人が、多様なエネルギー資源の特徴等について事実に基づいて正しく理解するとともに、持続可能な社会の構築という視点から、エネルギー、環境について、みずから考え、判断する力を身につけていくことが重要であると考えております。  しかしながら、各学校において指導するに当たりましては、先ほど委員からもご指摘がございましたが、新しい教科書が原発事故の発生前に編集されたものでありますことから、原発事故の発生を受けた記述がないこともありまして、資料等の取り扱いや学習の進め方など指導上の課題があるものと考えております。  このような課題を踏まえまして、教育委員会といたしましては、再生可能エネルギーや省エネルギーの取り扱いなども含めまして、各学年や各教科の学習内容を整理し、学校において、児童生徒の発達の段階に応じて、このたびの原発事故等も含めた事実に基づいて系統的な指導を行うことができるよう、教員向けの指導資料を作成することといたしまして、過日、教育委員会会議にもこのことを報告いたしまして、了承を得たところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  教員向けの指導集を作成するということでございます。  今、説明がございましたが、我が国の未来を担う子どもたちが、エネルギー、環境、原子力について、みずから考えて判断する力をしっかりと身につけることが大変大事であるというお話でございます。指導資料を作成するということで、各学校においての指導についてはある程度の配慮を感じますけれども、やはり、教員が自信を持ってこの指導に取り組むことができるように支援をしていただきたいというふうに思うわけです。  放射線あるいは原子力発電については、個人の価値観や立場によって取り扱いや対応が異なるという側面もあります。そのために、教科や総合的な学習の中で、いわゆる科学的な考え方に立って行動できる児童生徒の育成が教師に課せられているということも言えると思うのです。そういう意味では、新たな取り組みではありますけれども、場合によっては、外部の放射能等の専門家の協力をいただくとか、そういう中で放射線教育等々について的確に対応していただきたい、このことを要望して、質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からは、札幌市の校務支援システムについて伺いたいと思います。  先ほども議論されましたが、この秋から一部試行実施、30校の予定だということで、来年度から全校に導入していく計画です。成績表の処理や出席の名簿から、また各種帳票の作成、校務負担を軽減することで、先ほども子どもと向き合う時間が保障されると言われておりますが、今、教職員が置かれている慢性的な長時間勤務の状況がこういう中で本当に変わっていないのだなというふうに私は思います。  導入に関するアンケートが昨年7月に行われ、9月にまとめられました。これは、市教委から学校、そして、学校から教職員という流れで調査されたと思うのですが、学校の中でこのことを知らないという先生がおられてはだめですし、周知徹底もされたというふうに思うのですけれども、どれだけの教職員の意向が掌握されているのか、これについて伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  学校と教職員の意向の掌握についてでございます。
     先ほど宝本委員にもお答えをいたしましたけれども、まずは、一昨年の12月から、教職員を主要メンバーとした調査検討委員会を立ち上げて、学校現場の意見や要望を取り入れながら内容を検討してまいりました。それから、ただいま委員からお話がございましたとおり、昨年7月には、全校を対象に学校アンケート調査を実施してまいりました。学校に対しましては、このアンケートに際しまして、教職員の意見を十分に聞いた上で回答するよう依頼をしておりまして、私どもといたしましては、多くの意見を把握できたものというふうに考えてございます。  このほか、校長会、それから教職員関係団体に対しても情報提供や意見交換を行っておりまして、さまざまな意見を取り入れることができたものというふうに考えてございます。 ◆井上ひさ子 委員  教職員も入った中で検討委員会が立ち上げられて要望とか内容が検討されたということと、アンケートも実施されて、私もいただきましたけれども、多くの方の意見が十分にこれに反映されているというふうに今ご答弁されたと思うのですが、やはり、すべての教職員、これにかかわる方々にきちんとこの問題を説明しながら情報提供をするべきだというふうに私は思います。それは、各種の名簿を初め、生徒の指導関係から進路まで、また学校の徴収管理まで、やらなければならない仕事が本当に多岐にわたっています。とりわけ、子どもの情報やプライバシーに関する情報については重要な個人の情報だというふうに思いますので、個人情報保護条例等に沿って行うべきだというふうに私は思います。  やっぱり、教職員や保護者、児童の意向を踏まえて慎重に対応すべきだというふうに考えますが、これについても見解を伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  児童生徒の個人情報の管理に当たりまして、保護者や児童生徒の意向を踏まえることにつきましては、基本的には、これまで各学校が保有していた情報を電子化するものでございまして、新たな情報の取得、あるいは利用目的の変更ということではないことから、全般的な同意等は不要というふうに考えてございます。  しかしながら、これは重要な個人情報であることは十分認識しておりますので、近々、札幌市個人情報保護審議会に諮問をいたしまして審議をいただく予定でございます。その答申内容を踏まえまして、その管理には万全を期す考えでございます。 ◆井上ひさ子 委員  適切に取り扱っていくのは当然だと思いますし、これまで学校が持っているものを電子化するので、それ以上のことはしないというふうなご答弁だったというふうに思うのですが、すべての学校の情報が一括されていくということで、やはり、そういう面では私は大変危惧しておりますので、これについては、審議会の答申も受けながら慎重にすべきだというふうに思います。  そこで、これによって、本当に教職員の校務の負担が減って事務処理が軽減されるのかということなのですね。先ほど、1日30分の子どもと向き合う時間が生まれるということとか、先生の今の負担軽減で言えば、お金に換算すれば22億円とおっしゃったのですか、先生はすごい仕事をされているというふうに思うのです。そういうご答弁があったのですが、やはり、今の負担軽減に大きくつながっていくのかどうか、お金の面だけではなくて、その辺についてご答弁をいただきたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  このシステムが本当に校務負担の軽減になるのかというご質問でございますけれども、システムの導入に当たりましては、いわゆる現在の事務をそのまま電子化するということではなく、学校ごとに異なる事務処理の標準化など、事務の見直しもあわせて検討しているところでございます。これによりまして、教職員が勤務校をかわった際の負担軽減、あるいは、児童生徒の転出入処理の円滑化などの効果が期待できるというふうに考えてございます。 ◆井上ひさ子 委員  統一してやるところのよさもあるのかなと思うのですけれども、当然、事務事業の見直しとあわせてやらなければ、これは、改めて教職員の大きな負担につながっていくというふうに思うのです。  今、現場の先生は、子どもを見て、そして、接して、感じて、また、何かあれば親と連絡をとり合って、信頼を高め合って子どもたちの成長を支えていくというふうに思うのですね。ですから、本当に、電算化に向かって、パソコンに向かっている先生がふえるというのでは、私はその辺を大変危惧します。  ですから、現場の教職員が目指すいい教育、子どもと向き合う教育にこのシステムが結びついていくのかどうか、これについて改めて伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  このシステム導入によって、パソコンに向かう時間がふえて、子どもと向き合う時間が本当に大丈夫なのかというようなご質問かと思いますけれども、このシステムの導入によりまして、教職員の事務処理の負担軽減効果は大きいものというふうに私どもは考えてございます。この時間を、児童生徒と向き合う時間の確保など、教育の充実に振り向けることになるというふうに考えており、学校や教職員のシステム導入への期待も大変大きく、間違いなく教育の充実につながるものというふうに考えてございます。 ◆井上ひさ子 委員  今、教育の充実につながるというふうなご答弁だったのですが、例えば、小学校ですと、授業が終わると休み時間を少しとれる。でも、とれるような状況でないということでお話を聞いています。ですから、本当に、どの時間で――中学校でしたら教科の先生によって時間は流動的にできるのでしょう。しかし、小学校ですと、子どもが帰られてからやるとなれば、それは休み時間もないでしょうし、いつ帰れるかと、そういう状況が起こり得るというふうに私は思うのですね。パソコンになかなかなじまないという方もおられるかもしれないのですけれども、そういう中で、やはり、これは、学校の中で本当に教職員や保護者、生徒の意見について十分に話し合って、合意と納得が得られるような方向で進めていくべきではないかというふうに私は思うのですが、これを最後に質問したいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  教職員全員の合意、あるいは、納得を得られた上でということでございますが、最初の質問にもお答えいたしましたとおり、今回のシステムの導入に当たりましては、私どもとしては、現場の教職員の声を十分聞き、機能を盛り込んだつもりでございますし、また、アンケート調査、それから、校長会、職員関係団体、いろいろな場面で意見をちょうだいしながら進めてきたものというふうに認識しております。今後もまた、導入に当たりまして研修もしっかりやるつもりでおりますので、導入事前準備も含めまして、そういう中で今のお話の部分についてもしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆井上ひさ子 委員  子どもたちの個人情報をネットワークで管理することについて、情報が漏えいするのではないかという不安が教職員の中にもあります。絶対安全だということはありません。また、子どもの評価とか評定にかかわることについても心配を持たれている先生もおられます。また、新たな事務量の増加、煩雑さを生むことなど、これは、先ほど言いましたが、子どもと向き合うのではなくて、パソコンと向き合う時間がふえるのではないかということも心配されております。教職員の負担を軽減するためにも、学校の事務処理の見直しは早急に進めなければなりませんが、やはり、現場の中での合意と納得、機械的な対応をすべきでないことを申し上げて、質問を終わります。 ◆よこやま峰子 委員  私は、困難を有する若者への支援事業についてと、学級がうまく機能しない状況、いわゆる学級崩壊に関して、この二つについて、順次、質問いたします。  最初に、困難を有する若者への支援ついて質問いたします。  昨年6月の議案審査特別委員会において、私が質問いたしました平成23年度の新規事業であります中学校卒業者の進路支援事業と社会体験機会創出事業についての本年度の実績等について伺います。  中学校卒業者等進路支援事業は、中学生や高校生が、卒業時、または高校中退時、進路が未定で社会的自立に不安のある生徒を早期に支援し、引きこもり状態になることを未然に防止することを目的として、学校との連携のもと、生徒本人やご家族の意向を尊重しながら、若者支援センターにおいて面談や共同作業、職業体験などの自立支援を行うとともに、適切な支援機関への橋渡しを行う事業であります。また、社会体験機会創出事業は、引きこもりやニートなどの若者が、社会に出てさまざまな体験を積み重ねることができるよう、職場見学やボランティア体験などの機会を多くつくることを目的に、専門の支援員が、このような若者の受け入れ可能な企業を開拓するとともに、円滑な職場体験を行えるようサポートしていくものであり、どちらの事業も進路に悩む若者にとって大変意義深い施策であると考えます。  そこで、質問ですが、この二つの事業の平成23年度の実施状況についてお伺いいたします。 ◎長岡 生涯学習部長  困難を有する若者への支援事業について、2点につきましてお答えいたします。  まず、中学校卒業者等進路支援事業について、今年度は、主に札幌市立の中学校、高校を先行して実施しております。この結果、中学校11校から、進路が未定で社会的に自立に不安のある生徒18名の情報提供がございました。その情報に基づきまして、支援に向けた取り組みを現在も進めているところでございます。本人及び保護者と連絡のつかない3名を除く15名のうち、2名については進学、アルバイトがそれぞれ決定し、残る13名につきましても継続的に学習支援などを実施しているところでございます。そのような事業実施の過程で、先般、保護者の方からも感謝の手紙をいただくなどのこともございまして、着実に成果が積み上がっているものと考えております。  次に、社会体験機会創出事業についてでございますが、2月末までに新たに90社に依頼しておりまして、このうち45社の承諾を得たところでございます。これに基づきまして、受け入れ企業等で職場体験やボランティア体験に参加した若者は延べ293名に上ってございます。中には、2回、3回と積極的に若者を受け入れていただいた企業やNPOもあり、企業等のご理解をいただきながら、こちらについても着実に成果を積み上げているものと考えてございます。 ◆よこやま峰子 委員  ただいまのご答弁によりますと、昨年から始まったばかりですが、中学校卒業者等進路支援事業においては、18名の中で15名もの若者が進学、アルバイト、あるいは、継続した学習へと道が定まったということで、確実に効果が出ているように思われ、これは喜ばしいことであると思います。  しかし、あえて言わせていただきますと、本人とも保護者とも連絡のとれなくなってしまった3名の若者の将来が非常に気になるところであります。学校現場から離れてしまった生徒へのサポートは難しく、100%の把握というのは困難であるとは理解しますが、引きこもり状態になると、本人はもちろんのこと、家族も同じように悩むことになります。ぜひ、今後は、全員の進路未定者を把握し、サポートできるような取り組みをされるよう望んでやみません。  また、社会体験機会創出事業においては、職場体験のような実体験が引きこもりやニートの若者の社会的自立にとって非常に役立つものと考えます。90社に依頼した結果、45社の承諾を得て、延べ293人が職場体験をしたということですので、ぜひ、企業の理解と協力を得て、今後もこの二つの事業については引き続き拡充、発展させていただきたいと思います。  今年度、平成24年度からは、教育委員会から子ども未来局に事務を移管しての取り組みとなることと伺っております。そこで、質問ですが、平成24年度の事業の予定並びに教育委員会として、どのように子ども未来局と連携して取り組んでいく予定なのか、お伺いいたします。 ◎長岡 生涯学習部長  困難を有する若者への支援事業につきましては、平成24年度より子ども未来局に事務を移管いたしますが、教育委員会といたしましても、積極的に連携を図ってまいる所存でございます。  中学校卒業者等進路支援事業につきましては、この春、卒業の生徒を対象として、札幌市立に加え、市内のすべての道立及び私立の高校に事業の案内を行ったところでございまして、今後、道立と私立高校に対して、事業の内容をより理解していただき、ご協力いただけるよう、教育委員会としても努めてまいる所存でございます。いずれにいたしましても、進路が未定で社会的自立に不安のある生徒の早期支援につきましては、今後とも、子ども未来局との連携を図ってまいりたいと考えております。  また、社会体験機会創出事業の取り組みにつきましても、その充実に向け、教育委員会としても協力してまいりたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  要望ですが、平成24年度からは、若者支援に関する事務を子ども未来局に移管し、子どもから若者まで一貫して適時適切な支援を行う予定であるとのことです。私としては、年齢が15歳、中学校卒業の若者への支援は、やはり、中学校とのかかわりが大きく、子ども未来局との連携の中でも、教育委員会に負うところの方が大きいのではないかなと思います。私個人としては、ある意味、子ども未来局への移管というのはちょっと違和感を覚えるのですが、そのように決まったということですので、今後も、教育委員会、そして、子ども未来局が役割を補完し合って、効率よく対応していただいて、そういう支援に漏れる若者を一人でも少なくしていただき、ニートとなる若者、そして、引きこもらないような未然の取り組みをぜひ行っていただくことを要望いたしまして、この質問は終わりたいと思います。  次に、先ほど木村委員からも質問がありましたが、学級がうまく機能しない状況、いわゆる学級崩壊について伺います。  学級がうまく機能しない状況、学級崩壊については、先ほど、木村委員からも質問がありましたので、なるべく重複を避けて簡潔に質問したいと思っております。  先ほどの木村委員へのご答弁によりますと、札幌市では、学級が機能しているかどうか、学校現場の学級経営の実態は、この間やりました北海道教育委員会のような調査ではなくて、指導主事の学校訪問や学校長との経営懇談により把握しており、さらに、学級運営上、苦慮するような状況が生じた場合には、その都度、相談を受け、具体的な事実確認に努めているとのことでありました。私は、この指導主事の年数回の訪問や、校長の市教委に対する報告だけで実態を把握するというのは、非常に困難でないかと考えております。  また、その原因については、多くの要因が複雑に絡み合わされた結果だと思いますので、単に教師の指導力不足だけを取り上げ、教師の力量を問うことだけで解決できる問題とは思いません。もちろん、私も、木村委員が主張なさったように、そういう教師への対応には真剣に十分に取り組んでいただきたいと要望はいたします。しかし、私は、むしろ、そういう状況に陥る前に、未然に状況を察知し、手を打つべきではないかなと考えます。  そこで、質問ですが、学級がうまく機能しない状況、いわゆる学級崩壊を未然に防ぐために、市教委としてどのような取り組みをなさっていらっしゃるのか、お伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  学級がうまく機能しない状況を未然に防ぐための取り組みについてでございますが、教育委員会といたしましては、研修等を通して教員一人一人の資質の向上を図るとともに、各学校に対しましては、学級担任1人に学級経営や子どもの指導を任せ切りにしたり抱え込ませたりせず、校長を中心としまして、全教職員が組織的に子どもの指導に当たるようさまざまな機会を通して啓発しております。各学校においては、学年あるいは学校全体としての体制を組んで、問題の未然防止及び早期解決に向けた取り組みに努めているところでございます。 ◆よこやま峰子 委員  ただいまのご答弁ですと、学校としてもいろいろ対応していらっしゃるということですが、学校に対しての調査、学校へのアンケート調査などはしていらっしゃらないというふうに解釈します。  北海道教育委員会では、校長あてにアンケートを実施しておりまして、本年度は、北海道の小学校983学級、中学校551学級、合わせて1,534学級の校長あてにアンケートを行っており、その結果、小学校56学級、中学校8学級で、児童生徒が騒いで授業が成り立たない学級があることが明らかになりました。  アンケートの内容を見てみますと、まず、学級がうまく機能しない状況があったか否か、また、その兆候があるかないかを問い、以下、ありと回答した場合の原因、要因について、そして、学校の対応について細かく聞かれており、該当する事項に丸をつけるようなアンケートになっておりました。そして、最後の設問として、学校の対応の結果の例として、解決した、改善が見られる、継続中として挙げられております。  このような細やかなアンケートにより、北海道教育委員会では、昨年度に比べ、本年度は小学校28学級、中学校では8学級減ったという結果を出しておりますが、私は、この記事を読んで、学級がうまく機能しない状態は、数が減ったとはいえども、あるのだと、大変なことだというような思いがありまして、早速、札幌市の教育委員会で同様の調査をしているのかどうかお尋ねしましたところ、そういう調査はしていないというお返事でした。私は、早期に学級の経営状況を知り、学級がうまくいかなくなる状態を未然に防ぐためにも、ぜひ、この調査を全市においても行い、しっかりと現状把握に努めるべきと考えます。  そこで、質問ですが、今後、道教委のように各学校長あてのアンケート調査を行うおつもりがあるのかどうか、ご見解をお伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  今後、道教委のようなアンケート調査を行うつもりがあるかどうかの見解についてでございますが、教育委員会では、学級がうまく機能しない状況について、これまでも学校と指導主事が緊密に連携をとり合うなどして状況把握と迅速な対応に努めているところでございまして、改めてとりたてての調査を行う予定はございません。 ◆よこやま峰子 委員  私は、市教委が行っているような取り組みももちろん大事だと思いますけれども、では、今現在、実際に学級が機能していない状況、いわゆる学級崩壊が起きているところがあるのか、ないのか、あるいは、幾つあるのかとか、そういうことは一切わからないわけですから、もう少し実態を知るための道教委のような調査を札幌市においてもぜひ行うべきと考えます。道教委は、このような調査をして、その結果を生かした対応をしていると聞いております。  なぜ、道教委が行っているような調査が札幌市においてできないのか、その理由を再度教育長にお伺いいたします。 ◎北原 教育長  なぜ、道教委がしているような調査ができないのかということでございますが、できないということではございません。  ただ、学級がうまく機能しない状況というのは、短期的な状況として考えれば、いつでも、どこの学校でも起こり得ることだというふうに思います。学校というのは、子どもたちがさまざまな葛藤の中で切磋琢磨して育っていくものでございます。そういう意味で、学級のある局面だけをとらえたときに、うまくいかなくなっている状況というのは、いつでも、どこでもあり得るわけです。そういう経験を通して子どもたちは育ってまいります。その状況に対して、これが深刻な状況になるということについては極めて憂慮すべきことですから、それにどう対応するかということでございます。そういう深刻な状況に陥る可能性が見通せる場合に、年に1度の調査を行うことで、早期対応とか、あるいは、未然防止とかということはかなり難しいものだというふうに思っております。そういう意味で、学級がうまく機能しない状況の兆候をとらえた時点で、すぐに教育委員会等と相談するなどして対応することが必要だと考えておりまして、それが早期解決につながっていくというふうに考えているためでございます。  教育委員会といたしましては、子どもたち一人一人が教員と信頼関係を構築し、学校生活を楽しく充実したものにできるよう、より一層、緊密に学校と情報交換しながら、学級がうまく機能しない状況の兆候を把握して指導・助言するとともに、子どもの変化に対応した指導方法の工夫、改善が図られるよう、教員研修の充実にも努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆よこやま峰子 委員  要望になりますけれども、今、教育長のご答弁の中に、学級崩壊、学級がうまく機能しない状況というのは、いつでも、どこでも起こり得るというご認識を示されましたので、私は、やはりアンケート調査で――それは入り口ではないかなと思うのですね。その後、いろいろな対応があろうかと思いますけれども、まず、そこを聞かないで、校長と指導主事とか、教員と生徒というような単位でやっていっても、その実態はなかなかつかみにくいと思います。ですから、ぜひ、道教委が実施しているような、要するに、そこの前提には校長というものの信頼感があるわけですけれども、やはり、校長の生の声といいますか、本当の実態はアンケートとかの方が答えやすいと思いますので、ぜひ、こういうような試みをやっていただくことを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。 ◆村上ゆうこ 委員  私からは、札幌市立豊明高等養護学校の教育内容の見直しについて質問させていただきます。  景気の回復も非常に厳しい状況にある中で、雇用情勢を見てみますと、依然として失業率は高く、雇用状況も低迷しております。こうした影響は、特に障がいのある方々について著しく、障がいのある方々の雇用情勢は極めて厳しい状況にあります。このような中、札幌市では、知的障がいのある生徒が学ぶ場の一つとして、北区西茨戸に豊明高等養護学校を設置し、生徒の企業等への一般就労を目指し、工業科、木工科、家庭科、クリーニング科、産業科の五つの学科を設けて、職業教育に力を入れていると聞いております。  しかしながら、ここ数年間の卒業後の状況を見ますと、一般企業等への就労者は卒業生の2割程度の状況となっており、2009年度は、卒業生49名のうち7名で14%、2010年度は、同54名中11名で20.4%、2011年度も同55名中11名で20%となっています。また、ことし3月の卒業生も、まだ確定はしていない状況でありますが、一般企業への就労希望者が2割程度の状況とお聞きしています。高等養護学校を卒業した後、一般企業にすぐ就労する生徒や、就労移行支援事業所で作業や実習、適性に合った職場探しを経てから一般企業に就労する生徒もおりますけれども、卒業後の企業就労率についてこのような状況が続いているということは問題で、早急に改善すべき課題であると考えます。  そこで、質問ですが、このような状況の改善に向けて、これまでどのような取り組みを進めてきたのか、お伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  豊明高等養護学校における昨今の状況を踏まえた教育内容見直しのためのこれまでの改善の取り組みについてでございますが、豊明高等養護学校では、教育委員会の研究委託を受けるなどいたしまして、近年の産業構造の変化、あるいは、卒業生の動向などを踏まえた職業教育とか進路指導の充実に向けて取り組んできたところでございます。具体的には、先進的な取り組みを行っている高等養護学校を視察するなどの調査研究を行いながら、職域の拡大につながる実習場所の開拓、それから、生徒の進路希望別に職業に関する教育を実施するためのカリキュラムづくり、あるいは、生徒が情報機器の操作を習得するための情報教育の充実などに取り組んできているところでございます。 ◆村上ゆうこ 委員  子ども一人一人のニーズに応じた教育を行っていくことや、子どもたちがこれからの時代に合った充実した人生を自分で切り開いていくことのできる力を育成していくことは、障がいがあるか否かにかかわらず、すべての子どもたちにとりまして非常に大切なことでございます。ただいま答弁いただきましたことについては、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  ただいまの答弁をお聞きして、生徒の多様なニーズにこたえる教育内容について取り組みを積極的に進めていることは理解をいたしましたが、大事なことは、やはり、その枠組みだと思います。私は、学科の構成につきまして課題があるのではないかと考えております。現在、豊明高等養護学校には、先ほども申し上げましたが、工業科を初め、五つの学科が設置されておりますが、その学科の教育内容と実際に卒業生が就労している職種に開きが見られており、これについては、これまでも我が会派が指摘してきたところでございます。  札幌市内やその近郊には道立の高等養護学校もありますが、その中でも、平成21年に開校した小樽高等支援学校や今年度開校した札幌稲穂高等支援学校には、流通産業や福祉関係にかかわる学科が設置されております。ことし3月に初めて卒業生を送り出した小樽支援高等学校では、福祉関係の学科の卒業生8名のうち、7名が企業就労しており、そのうち5名が病院や介護の職場に就職するとのお話もお聞きしております。  もちろん、学校で学ぶということには、子ども一人一人についていろいろな目的がありますから、就労のために必要な職業知識を持たせて、職業人として生活していけるようにして送り出すことだけがその目的でないことは言うまでもないことです。しかしながら、知的障がいのある生徒にとりましては、一つ一つのことを、より丁寧に、ゆっくり学びながら成長していく中で、学校で学んだことが次のステップに向けても役立てていけるようにすることは非常に大事なことであると考えます。そのための枠組みである作業学習としての学科が余りにも実際の就労先と異なっているということであれば、それは、やはり、生徒や社会のニーズに合っていないということになると考えます。したがいまして、昨今の障がい者の雇用状況や卒業生の進路動向、また、さきに述べた道立校の取り組みなども参考にしながら、豊明高等養護学校の学科について、早急にその見直しに取り組むべきと考えます。  そこで、質問させていただきます。  今、申し上げましたように、豊明高等養護学校に設置する学科につきまして、早急に見直すべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  豊明高等養護学校に設置する学科の見直しについてでございますが、委員からご指摘のありましたとおり、現在、豊明高等養護学校に設置している学科と、実際に卒業生が、卒業後、就労する職種が大きく異なっている状況にあるととらえております。そのため、このような状況を改善し、卒業後の一般就労率の向上を図るために、新たな職域ニーズに応じた教育内容の見直しを進めようとしているところでございます。  現在、ビルクリーニングなど、職域ニーズに応じた教育内容を、一部、試行的に取り入れるなどをしておりまして、先ほどお話がありました道立校を初め、さまざまな先進的な取り組みを行う学校の事例などを参考にして、今後、流通サービス系の学科の設置に向けた検討も進める予定でございます。 ◆村上ゆうこ 委員  学科の見直しについて、ようやく取り組まれるようになることについては理解いたしました。今後は、早急に、学校などとも連携をしながら、豊明高等養護学校の教育の充実をより一層努めていただきたいと思います。  就労については、一たん就職した後も、離職とか転職するなど、さまざまな形で移り変わる場合があると思います。これらの原因は一人一人異なるものと思いますけれども、就職できるということとともに、いかにその就労を継続していくことができるかということも非常に重要なことであります。せっかく就労の機会に恵まれても、その後も就労を継続していけるようにするために、仕事の内容はもちろんですが、それだけではなく、職場の人たちとのかかわり方や、あるいは、仕事のない日や休日などの余暇の過ごし方なども含めて、多くの場面でのサポートが必要であり、そこまでの支援があってこそ、初めて障がいのある生徒への就労支援になるのではないかと考えます。  そこで、質問です。  豊明高等養護学校では、卒業後の生徒に対しまして、どのような支援に取り組んでいるのか、お伺いいたします。 ◎池上 指導担当部長  豊明高等養護学校の卒業生の卒業後の支援についてでございますが、豊明高等養護学校におきましては、卒業後、3年をめどに、進路指導の一環としての卒後支援を実施しております。その内容ですが、企業や事業所などの進路先を定期的に訪問して、卒業生の実態把握に努めるとともに、何か課題がある場合には、必要に応じて家庭や進路先、関係機関等とも連携を図りながら、個別の課題に対応しているところでございます。このほかに、すべての卒業生を対象にいたしまして、卒業生同士の親睦とか余暇活動の広がりを図ることを目的といたしまして、成人学級、トエピラの会と申しますが、この会を年10回ほど開催するなどして卒業後の支援に努めている現状でございます。  いずれにいたしましても、教育委員会としてどのような就労支援が可能かというところの検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望でございます。  ただいまの答弁で、卒業後の支援に職員の方が熱心に取り組んでいること、特に、トエピラの会の運営についても、ご苦労の多い中、頑張っていることを理解いたしました。  しかしながら、障がいのある生徒の就労支援や卒業後の支援は、学校だけで行えるものではないと私は思います。大分以前の話になりますが、2001年の決算特別委員会で、我が会派の小野委員が、軽度の知的障がいがある男性が起こした事件を例に取り上げまして、皆さんもご存じの浅草レッサーパンダ帽男殺人事件ですけれども、知的障がいのある生徒が高等養護学校を卒業して社会に出ていく、社会に出されてひとりで生きていくことは大変なことであり、そうした生徒たちにはさまざまな支援が必要であるが、本市は、卒業後の支援の必要性をどのように認識しているかという質問を行っております。これに対しまして、当時、学校教育部長から、卒業生を社会につないでいくことは、福祉や就労関係機関などとの連携が密接に図られていくことが何より大切であると考え、連携のあり方について検討を開始しているとの答弁がございました。このような答弁をされてから、きょうは既に10年以上を経過しておりますけれども、いまだにきめ細かな連携をとられていないのが現状ではないでしょうか。  この現状を強く認識して、障がいのある生徒一人一人が、それぞれ希望する進路の実現に向かっていくことができるよう、教育委員会はもちろんのこと、障がい者の就労や福祉にかかわる関係部局との連携をより一層図るなど、行政としてのサポートもぜひ充実していただきたいということを要望します。  なお、午前中のご質問に、地域のバランスを考えた高等養護学校の設置計画を求めるというお話がございましたけれども、既設の学校において学科を見直すことがなかなか大変だということは理解できるところです。ぜひ、新設の際には、社会や生徒のニーズに合った学科を設けることが可能だと思いますので、こちらもあわせて要望して、私からの質問を終わらせていただきます。 ○こんどう和雄 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時       再 開 午後3時20分     ―――――――――――――― ○こんどう和雄 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆坂本恭子 委員  私は、特別支援教育について質問したいと思います。  とりわけ特別支援学級ですけれども、それについて質問いたします。  教育委員会から、2010年度事業ということで、教育委員会事務点検・評価報告書というものが出ております。その中で、特別支援教育についてですが、特別支援学級課題というところに二つの項目が記載されております。特別支援学級における教育環境の改善では、簡易な設備であっても学級の設置を優先してきたが、障がいの特性に応じた教育的効果を高めるためには、安全面への配慮とあわせて、子どもの障がいの特性とニーズに応じた指導を行うための設備の追加が必要な学級が生じている、それからまた、特別支援学級における人材確保の困難性では、設置学校増、学級数の増加に伴い配置が必要な教員数も増加しているため、専門性や経験のある人材の確保が難しくなっている、こういうことが課題として述べられております。とりわけ、私は、人材の確保の困難性というところに重点を置いて質問したいと思います。  この間、学級が随分ふえてきたことは数字でちょうだいいたしました。比較するために数年間の推移をいただきましたけれども、2005年度、116の学校に239の特別支援学級がございました。児童生徒数は1,113人、これが、昨年の5月1日付ですが、今年度199の学校に413の学級、そして、1,766名の児童生徒が通っていらっしゃるということです。開設率は実に64.4%ということですから、特別支援学級が非常にふえてきているということになると思います。  その一方で、定数欠の期限つき教員の資料もちょうだいいたしました。これは、直近でいきますと、2009年度は全体で296人の期限つきの先生がいらっしゃいます。そのうち、小・中学校の特別支援学級に籍を置いていらっしゃる方が110人、これが、今年度、小・中を合わせると139人、小学校が104人、中学校が35人、これが期限つきの先生の数です。学級数がふえてくる、児童数がふえてくる、これに伴って特別支援学級に先生を配置していかなければならない中で、期限つきの先生がふえているという実態がございます。  それからまた、免許を持っていらっしゃらない先生の数についても資料をちょうだいいたしました。これは、特別支援学校も入っている数字ですけれども、744名いらして、期限つきの方が188人、免許を持たない方が204名ということになっています。  先ほど、前段に申し上げたように、2010年度のみずからの評価報告書の中で課題として挙げている人材確保の困難性というところは、今また極めて深刻な状況になっているだろうというふうに数字の上から見ても言えると思うのです。  まず、この点について、今、どういう課題認識をお持ちで、どういうふうに解決をしていこうと方向性を見出しているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  今、委員ご指摘のとおり、特別支援学級における人材の確保ということを課題として挙げているところでございます。  まず、免許を保有していない者に対しましての援助についてお話しいたします。特別支援学級における教員につきましては、免許保有者を優先的に配置し、教員採用検査におきましても、平成18年度実施分から、特別支援学級を希望する場合は、その取得を受験資格とするなど、免許保有者の確保に努めてきております。  また、免許を所有していない者を配置する場合においても、過去に特別支援学級での教員経験のある者の配置に努めるほか、免許の早期取得を働きかけております。とりわけ、正規教員に対しましては、特別支援学級の経験が3年以上の者を対象とした公費負担の免許法認定講習の受講を促しているところでもございます。  また、期限つき教員につきましては、必要となる教員数を見きわめながら減少に努めてきているところでありますけれども、特別支援学級には年度当初まで児童生徒数の確定がしない学級が多く、また、児童生徒数の変動が教員数の増減に与える影響が大きいことから、結果として期限つき教員が多くなっているというところはございます。 ◆坂本恭子 委員  人材確保が課題だというご認識が冒頭にございました。免許の保有者についてのお話がありましたが、免許保有者を優先にしているのだというのは当たり前のことだろうというふうに思いますけれども、取っていない方のためには、免許法認定講習をやっていただくようにということでお勧めしているのだというお話があります。これは、北海道教育委員会が主催しているというふうに聞いております。実際に実績がどうなっているのかということも資料をいただきました。  これは、期限つきでなくて正規職員の方ですが、今年度、免許申請をした人が11人、そのうち6人が北海道教育委員会が開催する免許法認定講習により免許を取得している。残りの5名の方は、放送大学というところで通信教育によって単位を修得しているということですね。私が先ほどお話ししましたように、免許を持っていない方がかなりいらっしゃるということですから、そういう意味では、取得のための研修、通信講座をもっと積極的に受講させる必要があるのだろうというふうに思います。  道教委が主催しているものなので、何か、人数枠があって、なかなかそれが広がらないために、毎年6名だったり数名程度というようなことになっているというふうにも聞いているところですけれども、私は、まず、道教委に対して、この枠を思い切って広げてもらって、そして、早く免許外で特別支援学級の任に当たることがないようにすべきだというふうに思います。  それから、放送大学での通信講座は、4万円程度の自己負担が必要で、勤務時間外に講座を受講するから6カ月かかるのだという話でした。本人にも非常に負担がかかるし、経済的にも大きな金額だというふうに思いますので、ここについては、道教委に免許法認定講習の枠の拡充を申し入れるのと同時に、放送大学でも受講できるということについて、市教委がもっと何らかの援助というのでしょうか、そういうことをしていく必要があるのではないかなと思うものですから、その点についてのお考えを伺いたいと思います。  それから、期限つきの教員のところですが、特別支援学級は児童生徒の数の変動が大きいために、それによっていわば期限つきで調整していると、1年限りの調整ということで期限つきの教員を使っているというご認識ですね。私は、結局、子どもたちのためと――障がいがある子もない子も、その程度によって必要な教育というものが自分の住んでいる地域で、あるいは、ご近所から通ってくる子どもたちと一緒の学校で学べると、そういうものが特別支援学級の中にはあるのだろうと思うのです。  しかし、結局、子どもの数が変わるので、正規の先生であったり、期限つきの先生であったりする。また、期限つきの先生ということは、小学校で言えば6年間、中学校は3年間、確実にその方とずっと一緒に過ごせることにならないわけですから、子どものためということを考えるのであれば、私は、期限つきということではなく、ここはきちんと正規の職員、しかも、免許を持っている教員に当たらせるべきだというふうに思うのですけれども、そういうお考えには立てないでしょうか。 ◎金山 学校教育部長  まず、1点目の道教委の公費負担の免許法認定講習にかかわってでございますけれども、先ほど申し上げましたように、教員に対しては受講を促していくとともに、道教委にも拡充については働きかけてまいりたいと思います。
     また、放送大学につきましては、追加募集をするときもございますけれども、本人が希望しない、あるいは、3年の経験がないということで、その辺のところの兼ね合いから放送大学を受ける、受けないということもございますので、その辺もかんがみながら対応していきたいというふうに思います。  続いて、正規教員をもっとというようなお話がございました。免許を所有していない者、あるいは、期限つき教員を特別支援学級に配置する場合につきましては、正規教員との組み合わせとなるような配慮をしてございます。また、特別支援学級におきましては、基本的には、教員1人当たり6人以下の少人数の教育が可能な配置となっておりまして、その辺の専門的なかかわりにつきましては、一定程度、確保されているというふうに認識しております。  ただ、今、委員のお話にありましたように、今後とも、期限つき教員の減少と免許を所有する正規教員の確保には努めてまいりたい、このように考えております。 ◆坂本恭子 委員  期限つきでやられている先生は、採用試験に臨まれる先生も多くいらっしゃるというふうに聞いています。これは、特別支援だけではなくて、一般の教科の先生方もそうだということです。ただし、こういう方も担任を持っています。だから、勉強する時間がないのだという中で採用試験を受けるのだけれども、なかなか受からないという方も中にはいらっしゃいます。しかし、実際的には先生で同じ仕事をなさっているわけですから、私は、校長裁量で期限つきの教員を雇用をした時点で、間近に働く姿を見ている校長先生などからの推薦も含めて、選考資料の一つとして、採用時に一般の受験者とは違うレベルでぜひ採用の条件を設定してあげてほしいな、そして、先生として働けるような状況をつくってあげてほしいなというふうに思っています。  障がい児の障がいの度合いが大変重度化している、あるいは多様化している、そういう中で先生方は本当に大変な苦労をしていらっしゃいます。加配定数などもありますけれども、小学校も中学校も6人の子どもをお一人で見るのが基本ですね。これは、かなりの負担だと思います。  先ほど、私どもの会派の小形委員から、少人数学級ということでのやりとりがありました。特別支援学級の中でも、私は、本当に1対1くらいの感じで、障がいの程度に応じた子どもとのかかわりが必要だというふうに思っています。先ほど部長は、少人数で対応できるから大丈夫なのだということを答弁でおっしゃいましたが、私は、6人を一人で見るというのはとても難しいことだというふうに思います。それは、どんなに高い専門性を持っていても限界があるというふうに思うのですけれども、そういうふうにお考えにはならないでしょうか。 ◎金山 学校教育部長  特別支援学級では、学級によりましては、日常生活上、非常に身の回りの処理が適切にできないなど、学校生活全般におきまして配慮を必要とする生徒がいることは認識しておりますが、現状では、先ほどの繰り返しになりますけれども、基本的には、教員1人当たり6人以下ということでございまして、6人以下の少人数の教育が可能な配置となっておりますので、専門的なかかわりにつきましては一定程度確保されている、私どもとしてはこのように認識しております。 ◆坂本恭子 委員  現場の先生が大変だとおっしゃっているのですよ。教育委員会の皆さんのところにも、その声が届いていないわけがないと思います。確かに、先生方は非常に努力をなさっています。もちろん免許のあるなしにかかわらず、期限つきであろうが、そうでなかろうが、皆さん、本当に、プライドと高い専門性を持ち、また、子どもたちに対する本当に大きな思いやりだとか優しさだとか、そういうものを持って接していると思います。すばらしい仕事をやってくださっていると思います。けれども、限界があるのだということは率直におっしゃるわけですよ。6人の子どもの障がいの状況がどうなのかというのは、それぞれの学級によって違うと思います。しかし、例えば、食事の介助をする、衣服の着脱をする、トイレに連れていく、水回りは、今、教室の中にありませんから、手を洗うために、何かをするために手洗いにまで連れていく、こういうことを順繰り順繰りにするわけでしょう。自分自身がトイレに行く時間もない。子どものトイレ介助をしていたら、自分は、一日、トイレに行く暇がなかった。これが先生の率直なお気持ちですよ。こういうところから変えていかなければならないというふうに思います。  やはり、今、いろいろな制度があって、地域からのボランティアだとかサポーターだとかが入ってきています。そういう制度についても非常に喜んでいらっしゃいます。けれども、本当に専門性を持って、集団的に、長時間、定期的に子どもたちを見ていくシステムというのが欲しいと。そのためには、やはり一人で6人を見るのではなく、そこに、もう一人、先生を入れてほしい、あるいは、介助員をつけてほしい、こういうことなのです。  このことについても、私ども共産党として、随分、取り上げてまいりましたが、介助員なども入れるつもりはないのだというのが教育委員会のお考えですけれども、この点について、お考えが変わったというようなことはございませんか。 ◎金山 学校教育部長  先ほど言いましたように、学級によって非常に配慮を必要とする児童がいることについては認識しておりまして、今、委員のお話にありましたけれども、これまでも、他の教員、あるいはボランティアなどの支援体制を進めていく中で対応を進めてきたところであります。  このことをさらに進めるとともに、あわせて、教育委員会といたしましても、子どもたちを適切に支援していくためにどういった取り組みが可能なのかということについては、また改めて考えてまいりたい、このように思っております。 ◆坂本恭子 委員  昨年の3定で、私どもの伊藤(理)議員が特別支援学級についての質問をしています。そのときに、部長は、今お話ししたことと同じですが、教育委員会としても、子どもたちを適切に支援していくという観点に立ち、どういった取り組みが可能なのかを考えてまいりたい、こういうふうにおっしゃいました。今、また半年たって、新たに考えてまいりたいとおっしゃいましたね。この半年、何も考えてこなかった、現状は何も変わっていない、こういうことになるのですかね。足踏みはしているのだというふうに思いますけれども、私は、ここからもう1歩、2歩と進んでいただきたいな、ぜひ新たな展開をしていただきたいというふうに思います。  この間、ボランティアの募集も含めて、学校が主体的に頑張っている、教頭先生、校長先生などが非常に苦労されているのだというお話をしてまいりました。昨年の代表質問で、この問題について取り上げました。そのときに、教育長は、学校の現状も聞いているけれども、より具体的に見てみたいということで、学校訪問をしていきたいということを答弁されていらっしゃいまして、実際に何校か行かれたというふうに聞いているのですけれども、どのような形で学校視察をされて、どういうご感想を持たれたのか、そのことについてお聞かせいただきたいと思います。 ◎北原 教育長  委員ご指摘のように、代表質問の中で、私としても見せていただきたいとお話しさせていただきまして、実際に現場を視察する機会を設けさせていただきました。その中で、担任が一人で、在籍する児童が多い学級や、比較的障がいの程度が重い児童が複数在籍する学級を訪問して、先生たちのご苦労されている状況を見せていただいたところでございます。  これらの学級では、よりきめ細かな配慮が必要な児童がおりまして、担任以外の教員などが、時々、様子を見ながら、必要に応じてサポートをしたり、廊下へ出てしまった子どもが落ちつくまでボランティアが寄り添うといった場面も見られたところでございます。また、直接、担任のお話も聞かせていただきましたけれども、他の教員などが必要に応じて支援に入る場合の連携体制、あるいは、子どもや学級の様子に気配りしてもらえることが非常に心強いといった話を聞きまして、学校全体で特別支援学級を支えていこうとするきめ細かな取り組みが、子どもや担任にとって大きな支えになっていると感じたところでございます。こういったことから、特別支援学級に限らず、特別な支援を必要とする子どもたちを学校ではぐくんでいくためには、担任が一人で悩み孤立しないよう、他の教員やボランティアなどを含めて、学校全体の課題としてとらえていくことが、そして、対応していくことが大切であるというふうに改めて感じた次第でございます。  いずれにいたしましても、先生たちのご苦労されている状況を実感として改めて受けとめることができました。そういったことから、今、部長からも話がありましたが、今後、さらに子どもたちを適切に支援していくために、全然進んでいないというご指摘はいただいたところでありますけれども、何とか、どういった取り組みが可能なのか、教育委員会としても鋭意検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  一人担任のところで、比較的障がいの程度の重い方が在籍している学校に行かれたということで、学校全体で支え合っていると、大変ご苦労をしているけれども、そういう姿を見ることができたと。非常にいい学校だったというふうに思いますね。先生方が現状を話し合いながら、交流しながら、そして、必要なときにお手伝いをしていくというお話だと思うのです。  しかし一方では、校内委員会というのでしょうか、学びの支援会議、委員会というようなところが定着をしていない。特別支援学級の子どもの様子がなかなかわからないようなところについては、やはり、急に、ちょっとお願い、手伝いに来て、ちょっと手をかしてと言われても、子どもの特性を把握していないので、何をしたらいいのか、どうしたらいいのかわからない、こういう声というのがやはり少なからずあるということもぜひご理解していただきたいと思います。私は、そういうところこそ改善をしていく必要があるだろうというふうに思います。  いただいた資料で私なりに拾って見た数字ですけれども、一人担任で正規の教員ですが、免許を持っていないという方が――一人担任ですよ。小学校で2校、中学校で4校ありました。しかも、期限つきで免許を持っていない一人担任、それが小学校、中学校に各1校ずつあります。こういう状況というのは、やっぱりなくしていかなければいけないというふうに思います。最初のところに戻りますけれども、免許取得、それから期限つきというものをやめていく、そして、一人担任ということも、私は6人という数字はやはり多過ぎるというふうに思いますので、ぜひここは解消していただきたいというふうに思います。  大変心が痛いお話を聞いたのですけれども、去年の夏、中学校のグラウンドで心臓発作で特別支援学級の先生が亡くなっていた。そのクラスは重度の障がいを持った子どものクラスだったというふうに聞いていますが、ほかの生徒がグラウンドを利用しようと通りかかったところで先生が倒れているのを発見して、発見時には既に亡くなっていたということでした。もし、ここにもう一人だれかがいたら、この方の命は助かったかもしれない。私はこんなことも感じながらそのお話を聞いていたのですけれども、まれなケースではないと思うのですね。こういうところをしっかりと支え合っていく、本当に学校全体で、教育長が視察された学校のように、これが改善されていくべきだろうというふうに思いますし、ぜひ、そういう立場でしっかりと一歩を踏み出していただきたいなというふうに思います。  学級の設備の問題などについても改善を求めておきたいと思います。これは、質問ではなく、指摘ということですが、冒頭にお話ししたように、要望があれば学級をどんどんつくっていきましょうというところで、この5年間ですか、6年目に入りますか、来ているわけですから、これまで、水回りがきちんと整備されて、カーテンがあって、仕切りがあってというような教室整備でなくて、スペースさえあれば、そこを活用するということで進んできています。しかし、水回りがないということは、私は大きな問題だというふうに思っていますので、ぜひ、特別支援学級の水回り設備の整備などについても心を配っていただきたいなというか、これは、できるところから改善をしていっていただきたいというふうに思います。  それから、先生が大変厳しい状況というのは、親御さんも同じですね。親御さんは、学校が終わってから子どもを地域の中でどのように育てていくのか。今、児童デイという施設が札幌市内に非常にふえています。すごい勢いでこれがふえている。今、もう100数十カ所あると思うのですが、就学前の子ども、あるいは、学校に入っている方も、放課後に児童デイを利用する方が非常に多いわけですけれども、なかなか学校と児童デイでの子どもの姿を結びつけることができません。学校は学校で先生はいろいろな困難を抱えています。親御さんと向き合いながらということがあります。しかし、先生は大変な状況があるものですから、親御さんも、先生に対して、要望というのでしょうか、そういうことをすべてお話しするということにもなかなかなりません。児童デイに行ったときに、きょう、子どもは学校でどんな様子だったのですかということを聞かれながら、こんなことがあった、あんなことがあってと、こういうことを児童デイの職員にお話しする、そういう中でいろいろなアドバイスをもらったり、みずから改善をしていく方向性を見出したり、こういうようなことがあると思うのです。こういうとき、実は、児童デイの職員も、学校での様子は、親御さんからではなく、先生から直接お聞きしたいというお話があります。また、学校の先生方も、こういう地域の福祉関係の施設というのでしょうか、そういうところとの連携ができたら、もっとスムーズに、生活丸ごとというのか、地域の中で本当にその子どもが暮らしていく、連携がとれていくのではないか、こういうようなお話がありました。  学びの手帳というのが午前中の質疑の中でもありましたので、私は、この学びの手帳の活用を、連携の一つとして、ぜひ――変わるというふうに聞いていたものですから、活用したらいいなと思っていました。学びの手帳ですから、手に入るサイズでなければいけないと思うのですが、こんなに大きいのですね。ファイルになっています。生まれたときからのものが入るようにという配慮もあるのだと思うのですが、こういう大きなものが渡される。これでは、やはり活用できないですね。そこで、中身を変えていこうということで、親御さん自身が、どのような状態で生まれてきたのか、どのような医療機関にかかり、どういう療育を受けてきたのかということを書き込むものになっています。この中で、教育委員会としては個別の教育支援計画も盛り込んでいくのだというお話だったと思うのです。  私は、これは、保管用のものと、日常、持ち歩けるものと、別にしていく必要があるのではないかなというふうに思うのですね。例えば、放課後、学校であったことを先生が手帳に記入して、児童デイだとか、かかりつけのお医者様のところに持っていけるような機能も持たせるべきだというふうに思うのです。それにしても、これではちょっと大き過ぎるというふうに思います。役割をきちんと持たせて――私は、別に1種類にすべてを集約しなければならないということではないと思うのです。もちろんクリアファイルもありますから、必要に応じてそこだけ抜いていくことも可能なのだと思いますが、障がいを持ったお子さん、あるいは、ご家庭の事情にもっと合わせたようなものを、地域の中で、学校と福祉、あるいは、医療、家庭、これが連携をしていくために何か結びつけるものというのでしょうか、ツールというものを、この学びの手帳だけではなく、新たにつくっていく必要があるのではないかなというふうに思うのですけれども、そこについてはいかがお考えですか。 ◎金山 学校教育部長  私どもといたしましては、今、委員のお話のありました療育機関等との連携を図る部分につきましても、この学びの手帳を活用することについては考えているところでございます。  ただ、午前中のお話にもございましたけれども、実際に活用していく中で、引き続き、学びの手帳の改善というのは進めていかなければならないと思っておりますので、その辺も含めまして、今後、検討していきたいと思っております。 ◆坂本恭子 委員  もう一回、大き過ぎるということを申し上げたいと思います。先生たちも、活用できればしたいというふうに思っていらっしゃるようです。けれども、やはり、保管するには場所がとられるし、何をどういうふうに書き込めばいいのかわからないということで、これからいろいろ活用例などもつくっていくというお話もありましたが、まず、本当に持ちやすくて使いやすいというところをしっかりと検討していっていただきたいというふうに思います。  教育長も実際に学校に出向いていただいたということで、本当に先生の大変さということを実感されてお戻りになったというふうに思います。ぜひ、そのお気持ちを、これから先の特別支援学級のあり方を前進させるための原動力としてお使いになって、存分に発揮していただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。 ◆こじまゆみ 委員  私からも、校務支援システムについて伺わせていただきます。  先ほど、宝本委員、そして井上委員に対して答弁をされておりましたので、重複しないような形で質問させていただきます。  札幌市校務支援システム導入に係る業務仕様書を拝見させていただきますと、この校務支援システムは、校務の情報化のためのシステム導入であり、校務の情報化の目的は、先ほど来おっしゃっていましたけれども、学校現場の業務負担の軽減が挙げられています。学校現場を取り巻く環境の変化に伴って、教職員の業務量が増大し、ちょっと古いデータではございますが、2006年度に文科省が小・中学校の教員を対象に行った職員勤務実態調査では、教員1人の1カ月当たり残業時間は約34時間に及び、40年前、私が5歳ぐらいのときでしょうか、その調査と比べて約4倍になっているということでございます。  これまでも、事務の軽減のために、一部の学校では独自に校務ソフトを導入したり、教職員が個々に私物のパソコンで成績を処理するなどの事例があり、一部の教員への過重な負担が生じていたようにも伺っております。また、その運用管理体制が不十分な中で、USBメモリーによる持ち出しや、車内に置いていたパソコンの盗難等で情報の漏えい事故などが発生していたこともあり、セキュリティー強化など効率的で安全な校務処理の必要性があったと思います。  今回のシステム導入により、学校内における情報の共有が可能となり、このシステムが活用されることにより、結果、生み出されるのが、本来の教育活動への時間の集中だと私は思いますし、その集中が教育の質の改善、向上につながるものと考えます。校務を効率的に遂行できるようになれば、教職員が、児童や生徒の指導に対して、先ほどからお話がありましたけれども、より多くの時間を割くことができ、また、各種情報の分析や共有により、今まで以上に、細部、先ほどきめ細やかなという答弁をいただきましたが、行き届いた学習指導や生徒指導などの教育活動を実現することが可能となるのではないかと期待しております。このように、校務の情報化は、ますます進展する情報化社会において、インフォーメーション・アンド・コミュニケーションテクノロジー、ICTを有効に活用して教育活動の透明化が図られ、よりよい教育を実現させるためのものであると認識しております。そして、何より子どもたちに向き合うための時間の確保が図れるものと私は信じ、このシステム導入は以前から早急に行うべきものと考えておりました。  市教委は、2009年度に、長年の課題であった教員1人1台の校務用パソコンが配備され、校務用ネットワークを構築したことにより、本システム導入に向けたハードウェアの環境が整い、昨年、私も学校の視察に伺ってまいりましたが、学校の職員室では、自分の机の上にあるノートパソコンにハンカチがかけられたりしているのですけれども、あれがもっと活用されればいいなと私は拝見してまいりましたし、その学校現場からは、統一的なシステムの導入の要望についても伺っておりました。  私も、以前、病院に勤務しているときに、看護部、医療情報部に兼務で所属し、オーダーリングシステム、物流管理システム、電子カルテシステム等、さまざまなシステム導入にかかわったことから、今回の校務支援システム導入については非常に関心を持っておりました。事務作業からの解放、記録からの解放こそが、本来の教育活動に集中できるものと私を信じております。  システム構築には、システムエンジニアと言われるSEの方との綿密でたび重なる調整が必要であり、クライアント側の容易な操作性なくしては、本来の意味で活用されるシステムにはなりませんし、システム構築の意味がなくなってしまいます。セキュリティーの確保、安定性、操作性、そして、統一したシステムの中でも教職員の方々の独自性、創造性も加味できるようなシステムが構築されることが重要だと思います。統一性と独自性は、相反することではありますが、型にはめてしまうばかりではなく、より教育の創造性を高めていくためにも必要なことであると思います。  そこで、質問ですが、システム導入に際して、システムの選定をどのように行うのか、また、主な着眼点は何なのか、伺わせていただきます。 ◎梅津 学校施設担当部長  ただいま校務支援システムの選定方法と主な着眼点についてご質問でございます。あわせて、お答えいたしたいと思います。  学校現場にとりまして、本当に使い勝手のよいものを選ぶという観点から、現場が求める機能を実現すること、それから、利用者が安心して使えるよう研修やサポート体制を充実させること、高いセキュリティー対策をとることなどを第一に考え、この2月にシステムの仕様書をまとめたところでございます。  現在、総合評価方式による一般競争入札に付すべくこの仕様書を公開しておりまして、各社からの入札後、外部の有識者も含めた審査委員会において、提案内容につきまして公平・公正な評価をして事業者を決定する予定でございます。 ◆こじまゆみ 委員  校務の情報化というのは、今、仕様書を公開しているということでありますが、一度導入したからといって、それで終わりではないので、それ以降のサポート体制も必要になってきますし、もちろん、校務の情報化というのは学校経営そのものに変化をもたらしてくると思います。先ほども申しましたけれども、記録・事務業務からの解放は、時間外労働の削減と、本来の業務に集中する時間を確保することにつながります。さらには、データの蓄積により、教員ごと、または学校単位、札幌市全体の教育課題を明確化することにも役立つことになります。調査研究する資料の蓄積にもつながります。校長を初め、管理職や教員の業務の軽減と効率化によって、本質的な業務に費やす時間を生み出すことができると私は期待しています。  教員の勤務実態を考えた場合、行政職員のように、事務室だけで執務をするわけではございません。職員室のみならず、各教科準備室、教室、そして、体育館などでもシステムを使う必要性も出てくる場合もあるでしょうし、また、子育て中の教員の中には、先ほどUSBメモリーの話をしましたが、やむを得ず、自宅で仕事をすることも考えられると思います。  文科省の教育の情報化に関する手引では、電子データの持ち帰りについて、個人情報が入ったデータを校外に持ち出したりすることは、紛失の危険が伴うので、極力、避けることが望ましい、しかし、どうしても持ち出さなくてはならないときは、データファイルを暗号化したりする方法をとる必要があるとしています。  そこで、今は、民間企業などでは、どこにいても安全にシステムにアクセスできるシンクライアント、要するに、リモートアクセス機能を生かすことが当たり前になってきております。今回の校務支援システムにはそうした機能は持たせるのかどうか、伺わせていただきます。 ◎梅津 学校施設担当部長  シンクライアント、いわゆるリモートアクセス機能についてのご質問でございますが、利用者がどこからでもシステムにアクセスできる機能については、今回、校務支援システムの導入に当たりまして検討はいたしましたが、現時点では、セキュリティー上の評価が分れているほか、費用対効果の面でさらに研究の余地があることなどから、当初の機能としては盛り込んではおりません。  ただ、学校現場からのニーズもあることは認識しており、システム導入後、改めて検討いたしたいというふうに考えております。 ◆こじまゆみ 委員  費用対効果、セキュリティーを十分に考慮しつつということではありますけれども、文科省の今回のビジョンの中には、クラウドコンピューティング技術を活用することも考えられるというふうに書いてございますし、学校情報のセキュリティポリシーの策定の中で検討されるべきところではあると考えますが、やはり、より実情に即した検討を重ねられ、実効性のあるポリシーにするためには日常的な見直しをしていただきたいと思います。ヘルプデスクやサポートデスクなどの設置によりスムーズな運用が図れるよう、システムに縛られるのではなく、システムを最大限活用して、本来の意味での校務支援になるようふだんから見直しが重要だと私は考えます。学校の情報化で重要なことは、何よりも子どもたちのためになるということです。先ほど、教員が子どもたちと向き合う時間をふやすとの話がありましたが、子どもたちの教育そのものにもっとコンピューターを生かすことが必要です。  先ほど宝本委員もおっしゃっておりましたが、日本は、隣の韓国に比べてみれば10年はおくれています。そして、フランスも、もう既にそういった教材が入ってきています。校務支援システムで事務の効率化を図るだけでなく、さまざまな電子媒体、電子機器を有効に活用するシステムをつくり、子どもたちの教育に生かしていただきたい。しかし、それを支えるべき教育委員会の実態を考えますと、学校の情報化を推進する体制にはなっていないのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、組織の充実も含め、計画的に学校の情報化を進める必要があると思いますがいかがか、伺います。 ◎梅津 学校施設担当部長  学校の情報化を推進する組織の充実についてでございます。  文部科学省が策定いたしました教育の情報化ビジョンについては、教育現場が大きく変わるものでありまして、各自治体においても、今後10年間で進めていかなければならない大きな課題であるというふうに認識しております。そうした認識のもと、私どもといたしましても、教育委員会を挙げて取り組む必要があることから、平成24年度から学校の情報化について一元的に推進できる体制をとるべく、機構改革を検討しているところでございます。 ◆こじまゆみ 委員  やはり一元的に推進するということで、窓口がはっきりしないと、どこが集約するのか、そして、それをどう工夫していくのか、検討していくのかということが次につながっていかないと思います。  校務の情報化を進めていくプロセスの中で、その効果を検証していくことが大切ですし、校務の情報化を進めることが、手段ではなく、目的になってしまって、仕事が以前より複雑になってしまったり、教育の質も向上していなかったりという残念な結果にならぬよう、そのような事象が発生する前に、先ほども申し上げましたように、ふだんからの見直しが必要になってまいります。そのためには、定期的に、システム運用方法をより効果が上がるようにメンテナンスしていくことを求めておきます。そして、校務の情報化を進めるに当たっては、単にパーソナルコンピューターを使用して校務処理を行うのではなく、校務処理への負担を軽減することによって教育の質を高めることが目的であることを教職員が実感できることが大切だと思います。その意義の共有化のもとで導入を行っていただきたい。  また、校務支援システム導入によりどのくらい効率化が図られたのか、どのぐらい教育の質が向上したのか、そして、本来の子どもたちのための教育につながっているかなど、導入後の検証作業や調査研究についても、これから丁寧に行っていただくように求めておきたいと思います。  そして、最後に、教員の時間外労働が減ったり勤務体系が変わってくることにより、やはり、業務量調査等も含めて、子どもの学力、そして教職員の業務量の調査等も含めた調査研究も重ねて、よりよい――ここに札幌市の教育の向上と書いてあります。この札幌市の教育の向上が、教員の教育力の向上なのか、子どもの学力の向上なのか、両方とも向上していればベストです。それを目指して頑張っていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆長谷川衛 委員  私からは、中高一貫教育校について、学校における防災教育について、2項目について質問いたします。  最初に、中高一貫校についてでありますけれども、私は、昨年の6月、議案審査特別委員会で、これから基本設計をしようとしている中高一貫教育校について、基本理念を中心に質問させていただきました。その際、ふるさと札幌を誇りとして、お互いの立場と人権を尊重し、豊かな創造力を発揮しながら社会に貢献する人材を育成することがこの学校の教育理念の特徴であること、また、課題研究的な学習、さらには、幅広い異年齢集団を生かした教育活動を展開して生徒の主体性を育てる、そして、豊かな人間性をはぐくむ、このことを考えており、大学受験準備に偏った教育は考えてはいない、このことも改めて確認したところであります。また、今回は一貫校でありますから、それぞれ発達年齢の違う子どもたちを扱ってきた中・高の先生方が一緒に教育をするわけでありますから、よい学校をつくるのに教員の意欲が非常に大事である、そのためには、中・高それぞれの教員の相互理解とともに、現場の声をしっかり聞いて具体的な検討を進めるべきだ、このことも指摘させていただきました。  これに対して、教育委員会からは、今年度から中・高それぞれの教員を含む中高一貫教育校検討プロジェクトを設置して、各教員が中・高それぞれの経験と知見を持ち寄って、理解を深めながら検討を進める、このような答弁をいただいたわけであります。  あれから、かなり時間もたっております。そこでまず、最初に3点お聞きをしたいと思います。  1点目は、中高一貫教育校検討プロジェクトでは、改築をする校舎にかかわる内容から検討してきたとのことでありますけれども、まず、その成果はどうなっているのか、お聞きしたいと思います。  2点目に、プロジェクトにおける教員の議論から、中・高それぞれの特性を踏まえて、どのような工夫がなされているのか、できれば具体的に説明していただきたいと思います。  3点目になりますが、このプロジェクトは、2012年度以降、どうするおつもりなのか。特に、組織、テーマ、来年度の検討体制をお聞きしたい。  以上、3点、最初によろしくお願いいたします。 ◎金山 学校教育部長  中高一貫教育校の検討プロジェクトについてのご質問かと思います。  まず、1点目と2点目の成果と具体的な工夫についてお答えいたします。  今年度のプロジェクトにつきましては、中高一貫教育の特徴を生かす観点から、校舎のあり方を中心に議論を行ってまいりました。プロジェクトにおける中・高教員の議論を踏まえた工夫としては、中学校の視点からは、基礎期における生徒指導の観点から、1・2年生を職員室と同じフロアに配置したり、ラウンジと講義室の間仕切りを可動にし、学年単位での教育活動などに一体的に使用できるようにするなどの工夫をしております。また、高校の視点からは、コズモサイエンス科の教育内容を発展させた課題探究学習を行う観点から、理科実験室の機能や図書館の充実などについてプロジェクトの意見を反映させております。  次に、来年度の中高一貫教育検討プロジェクトについてでございます。  プロジェクトにつきましては、今後、教育課程など具体的な検討を進めることから、来年度以降も設置する必要があると考えております。来年度につきましては、今年度同様、中・高それぞれ4名の教員をメンバーとし、新たに設置する中等教育学校担当課に配置する教員出身の職員とともに、各教科における課題探究的な学習の具体的な展開や特別活動の詳細など、教育課程に係る全体について議論を進めてまいる予定でございます。 ◆長谷川衛 委員  今、るる回答がありましたけれども、私が特にこだわるのは、新しいプロジェクトについてです。  前回同様、中・高それぞれ4名の教員をメンバーとして課題探究的な学習の具体的な展開について議論を進めていく、そのほかに担当職員も1名置く、こういう予定だということでありまして、これから、生徒のさまざまな諸活動を想定した議論が具体的に交わされると思います。その際、改編対象校である開成高校の今までのさまざまな教育の諸活動、培ってきたもの、この取り組みを十分踏まえた議論が重要な視点というふうに私は考えております。そうであるならば、移行期も含めて、またこれからも、改編校の職員はどうしても開成高校の先生方がかなり力を発揮しなければならないと思いますので、開成高校の今までの考え方と全く遊離したものになってはまずいなというふうに私は考えています。  もう一方、先ほど、ハード面での工夫はなかなかされているということで、私は平面図などを見せていただいておりますが、特に、教科教室型の運営方式をとる、こんな設計になっております。ただ、私は、さらに、グラウンドも含めて、全体の校舎設計について、やはり、部活動やさまざまな活動も想定すべきだというふうに思うのです。そうしますと、これからのプロジェクトの議論の中で、今、基本ができて、平面図などもできておりますけれども、この基本計画に修正が必要でないかということもかなり出てくるのではないかと僕は思うのです。いざ、より突っ込んだ議論をしていくと、やはり、ここはこうすべきでないか、ああすべきではないと。そのときに、校舎設計はもうできてコンクリートされているから、それは別に議論してくださいというのでは、全く意味がないというふうに思うわけです。  そこで、確認の意味で質問なのですが、現在の校舎の基本計画はたたき台であって、今後の議論を加味して、よりよい校舎設計を目指すべきと私は考えますが、いかがかということが一つ。  それから、もう一つは、来年度のプロジェクトには、開校準備的な要素を強化するために、現在の開成高校の教職員の代表を何人か入れるべきではないかと私は考えますが、この点についていかがか、2点質問いたします。 ◎金山 学校教育部長  まず、校舎の基本計画と今後の校舎設計についてのご質問でありました。  校舎の基本計画につきましては、新年度から速やかに基本実施設計を行うために、施設計画の基本的な考え方をまとめたものであり、まずは、これをもとに設計を進め、具体的な設備機能やデザインなどの詳細については、今後、設計を進める中でさらに調整を図ってまいりたいと考えております。  来年度のプロジェクトの開成高校教員の参加につきましては、今年度同様、開成高校教員にも複数参加していただく予定でございます。また、今後は、開校に伴う移行期間の取り扱いなど、開成高校との調整が必要な事柄が多く生じることから、別途、開成高校との調整の場を設けて進めていきたい、このように考えております。 ◆長谷川衛 委員  答弁の中で、十分踏まえた上で今後進めるということで確認いたしましたので、よろしくお願いしたいと思います。  いよいよ本格的なこのプロジェクトにおいて、多分、これからさらに活発な議論が展開されるというふうに思います。ぜひ、熱心に進めていただきたいというふうに考えております。やはり、今後も継続して中・高の教員の意見を十分聞いて、先ほども申し上げましたが、これからもまた修正もあるかもしれませんけれども、それを反映していただきたいというふうに思います。  さて、もう一つ、大きな大事な課題について質問します。  いよいよ、2012年度からは、教育委員会の内部に中等教育学校担当課を設置して、本格的な開校準備に取り組んでいくということでありまして、今回、開校準備経費が予算計上されています。2012年度中に執務室を開成高校内に移して取り組んでいくということでありました。いよいよ開校に向けて具体的な検討が進むことになると思いますけれども、ここで、やはり大事なのは、昨年も質問いたしましたが、基本構想の理念をどのように反映していくかということが非常に大事だというふうに思います。それが、この学校の特色として、一目でわかるように教育課程の中に表現されているかどうか、このことが私は重要だと思うわけであります。  もう既に、全国的にさまざまな中高一貫校があり、形はいろいろありますが、今回のように完全に一体型の学校も随分見てまいりました。そして、状況もいろいろ調べてみますと、中には、やはり大学進学実績をうたい文句にしている中高一貫教育校が結構あるのです。特に、一般の公立中学校に比べて授業時数が多いことを特徴に掲げる学校もあります。一部には、中学校1年生段階から、毎日、午後4時を過ぎるような時間帯まで授業を行っている学校もあります。また、さまざまな手法をとりながらも、土曜日にも実質的に授業をしているという例も見ております。  中高一貫教育校の特例を活用して、5年生までにすべての教科を終わらせて、あとは大学受験準備に集中するといった教育課程、これは、まさに大学受験準備に偏ったものと言えると思います。こうした教育課程編成は、その学校の教育内容の特色をあらわすものでありまして、札幌市の中高一貫教育校は、大学受験に偏った教育を行わないとしている以上、こうした事例とは明確に一線を画すべきというふうに私は思います。  そこで、質問でありますけれども、これからの中等教育学校の教育課程検討に際して、一部の中高一貫教育校で行われているようなこうした教育課程について、教育委員会としてはどのように考えておられるのか、この学校の教育課程に対する基本的な考えをお伺いしたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  教育課程編成に対する基本的な考え方についてでございます。  今回の中等教育学校につきましては、教育委員会事務局内に開校準備体制を整えることから、教育課程編成につきましては、学習指導要領を基本とし、教育委員会において、プロジェクトの意見を踏まえながら検討し、基本方針を決定していくことになります。教育課程編成に当たりましては、基本構想の理念を具体化することを第一に、生徒が主体的に進路を選択し、みずからの将来を切り開く力を育成するという観点から、具体的な教育活動の展開や必要性を十分に見きわめることが重要であると考えております。  また、質問にございました他の中高一貫教育校の例に関しましては、各学校の設置者の教育理念に基づくことでございますので、それに言及する立場にはございませんが、札幌市としては、教育課程の編成に当たっては、学習指導要領上、週当たりの授業時間数が生徒の負担過重とならないようにするといった観点からも十分に検討する必要がある、このように考えております。 ◆長谷川衛 委員  もちろん、これからの学校には、一定程度、学校教育目標だとか、具体的な仕事がこれからありますから、そこにゆだねることはわかります。ただ、この間、基本構想というものをずっと議論してきたわけでありますから、あくまでもその範囲の中で、今後、具体的にどうするかというのは学校の問題だというふうに考えております。ただ、先ほども述べましたけれども、やはり、開成高校の実践を基礎とした学校でありますから、今までの実践成果を十分に生かしていただきたい。  そして、今、多くの方々から危惧されているのは、実は、開成高校は私の出身校でもありますが、ことしで開校50周年です。歴史が浅いといっても50年という歴史の上に立っているわけでありますから、たくさんの卒業生がいます。もちろん保護者の方々も含めて、今まで地域を支えてきた地域の方々もいます。そういうことを考えると、やはり、そういう方々も納得できるような説明もこれからぜひ必要だというふうに思います。  もう一つは、先ほどから受験に偏った学校にしてはならないということを申し上げてきましたが、実は、もう既に、受験産業が小学生の受験競争をあおる形で動き出しているということに私は非常に危惧をしています。多分、皆さんも目にしたことがあると思いますけれども、開成高校に入るための小学生の教室を今後開設しますとか、さまざまな受験産業の動きがあります。この辺は、私たちが危惧している受験戦争の低年齢化を助長しないように、冷静な対応を求めておきたいというふうに思います。  その意味でも、これから大事なのは、やはり、選抜方法についてです。これからいよいよ具体化をしていかなければなりませんから、その面では、公教育に影響を及ぼさないような慎重な議論をここでお願いしておきたいというふうに思います。この件については、これで終わります。  次に、学校における防災教育についてであります。  1年前に起きました東日本大震災は、未曾有の大災害でありまして、日本社会に大きな衝撃を与えました。おとといの3月11日に満1年を迎えて、全国各地でさまざまな催し物が開かれましたけれども、ほとんどはこの震災の教訓をどう生かすかというような趣旨での行事だったというふうに思います。ただ、被害を受けた地域は、復興もまだ十分とは言えない状況でありますし、被災され、今も避難されている方々の心情を察すれば大変心が痛む問題であります。  一方で、この震災の発生というものが、私たちに対して、いかにふだんからの備えが大事であるか、大きな教訓をまた与えてくれたことも事実であります。特に、学校というのは地域における防災の活動拠点でありますから、その点については、先日の危機管理対策室、消防局のところでさまざまな議論がなされたところであります。しかし、私は、まず子どもたちの安全を確保することを第一に考える、そのことが学校教育の最も大事なところだというふうに思っておりますので、きょうは、その観点で質問いたします。  まず、1点目ですが、東日本大震災を受けて、教育委員会として、各学校の防災についてどのような指導を行ってきたのか、まず、この点から伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  各学校の防災に対する教育委員会としての指導についてでございますが、教育委員会といたしましては、昨年の震災を受け、地震や火災、そして風水害等の災害発生時の児童生徒の行動、教職員の役割分担及び連絡方法、さらには、避難経路や避難場所の安全管理など、各学校の実態に即して検討するよう通知したところでございます。また、避難経路等の緊急点検におけるチェックリストの例の提示とか、緊急地震速報を用いた避難訓練のリーフレットを各学校に送付したほか、すべての教員に配付しております教育課程編成の手引に安全教育の基本的な考え方を示しまして、各学校における安全教育の一層の充実について周知したところでございます。 ◆長谷川衛 委員  これまでも、学校では、基本になっているのは学校保健安全法ですが、それに基づいて危機管理マニュアルがありまして、それぞれ各学校で避難訓練等を実施してきております。振り返ってみますと、この大震災が起こる前は、いずれの学校でも避難訓練を毎年必ずやっておりますけれども、避難場所経路はどちらかというとちょっと画一的だったかなと。とっさの判断だとか、そういうものについては子どもたちにかなり定着してきているということはもちろん承知していますけれども、やはり、例えば地震ということであれば、まず机の下に潜る、そして、放送指示があって、一般にはグラウンドのある体育館に誘導して整然と移動する、そういうような基本パターンの中で行われてきました。  もちろん、これはこれで意義のあることだったと思いますが、やはり、これからは、さまざまなことを想定する必要があると思うのです。やられている学校があるのは承知していますけれども、例えば、生徒がいつもみんなそろっているところでやることだけでは、とてもとても、そんな状況にあるということは全く考えられません。今までも休み時間だとかお昼休みなんかにもやっていますけれども、例えば、今回の東北では2時46分ですから、小学校はかなりの子が下校していた、中学校は課外活動、部活動なんかにかなりの生徒が活動していたという状況だったわけであります。神戸の場合は始業前の朝でしたけれども、さまざまな時間帯ということを想定した避難訓練というのも必要かなというふうに思うのですね。  それから、札幌市はかなり広い地域にわたっていますので、よくよく見てみますと、例えば中央区は、意外ですけれども、本当に山間部が多いのです。土砂崩れだとか、本当にそういう心配のある地域もあります。それから、河川に近い学校も結構ありますけれども、立地条件がさまざまなのですね。やはり、これからは、地震だけではなく、風水害、土砂崩れなんかも想定して、避難訓練も含めてやるべきでないかなと。  先日、11日ですか、札幌駅前通地下歩行空間でパネル展をやっていましたけれども、たまたま開発局がつくったシミュレーションも放映されていました。あれは、豊平川のはんらんを想定して、相当、現実的に、うわっ、こんなになるのかというぐらいの強烈な状況を私たちは目にしたわけでありますけれども、やはり、札幌市といえども、かなりのことを想定しておかなければならないというふうに思うわけです。
     そこで、質問でありますけれども、災害が実際に起きた場合に備えて、それぞれの状況に応じた避難訓練を行う必要があると考えていますが、各学校では今どのように取り組んでいるのか、まず、この点についてお聞きしたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  各学校での避難訓練の実施状況についてでございますが、震災後の取り組みといたしまして、例えば、近隣の施設を2次避難場所に設定して実際にそこへ避難する訓練を行ったり、あるいは、敷地が山林に面した学校では、山肌から離れた場所に集合する場所を移して訓練を行ったりするなど、これまで以上に各学校の状況に応じた避難訓練などを工夫して実施するようになっております。また、予告なしの避難訓練、それから、放送機器が使えない場合を想定したもの、避難経路が不通になった場合を想定した避難訓練を実施するなど、子どもたちみずからが防災に関する対応力を高めるための工夫をしているような学校が大変ふえてきております。さらに、地域の消防署あるいはまちづくりセンター等、地域と連携した取り組みを進めるなど、多くの学校で避難訓練等を含めた緊急対応についての見直しを図っているところでございます。 ◆長谷川衛 委員  今、答弁がありましたけれども、私も、一部では、避難場所も学校の敷地ではなくて離れた場所を設定して避難訓練しているという学校も聞いております。既にやっている学校があるのは承知していますが、まだまだこれから全校的な工夫が必要だなというふうに思います。  最後の質問になりますけれども、文部科学省は、3月9日、東日本大震災で多くの児童生徒が犠牲になったことを受けて、地震・津波災害に関する危機管理マニュアル策定のための手引書というものを初めて作成しました。手引書は、地域を反映した学校独自のマニュアルづくりを含めて、避難経路の設定や物資の備蓄、学校設備の安全点検などを提言しているものであります。  避難訓練の取り組みについては、先ほど申し上げましたように、今後、一層の充実が必要であると考えますが、私は、このような避難訓練の充実に加えて、さらに、防災に対する子どもたちの意識をこれまで以上に育てていかなければならないのではないかなというふうに思うわけです。資料としては、本市のアンケートで、東日本大震災によって市民の防災の意識は高まったものの、備えはしていないというのが64%にも上っているという結果が出ています。札幌はさまざまな災害に直面していないと、確かにそういうすきがある、そのことから来ているのだろうと思いますけれども、やはり、防災というものを考えたときには残念な結果と言わざるを得ないわけであります。  防災意識と防災に対する備えというのは、表裏一体のものでなければなりません。先日も、予算特別委員会で、我が会派の林委員から消防局に対して質問いたしました。答弁では、子どもたちの発達に応じて防火防災教育を体系化して、災害時における活動支援教育事業を実施し、学校などとも連携をしながら事業を進めたい、このような答弁もあったところであります。各学校においても、子どもたちに対して、防災の備えを含め、防災意識を一層高め、万が一、災害が発生した場合には具体的な行動がとれるよう指導をしていく必要があることはもちろんでありますが、みずからの命を守る防災意識と行動力を高めることが大変大事だというふうに考えるわけです。  そこで、最後の質問になりますが、学校において防災意識を高めていくために、今回の文部科学省の危機管理マニュアルの策定のための手引書の活用も含めて、教育委員会として具体的にどのように取り組もうとしているのか、この点について最後にお聞きします。 ◎池上 指導担当部長  子どもたちの防災意識を高めるための今後の取り組みについてでございますが、各学校では、これまでも、避難訓練のほかにも、学級指導とか各教科の学習において防災に関する内容を指導するなど、教育活動のいろいろな場面で防災教育を推進しておりますけれども、子どもたちの防災意識、あるいは行動力をより一層高めていくためには、それらを関連づけてしっかり計画的に進めていくことがより一層求められております。  教育委員会といたしましては、このたび、先ほどお話がありました文部科学省から示された学校防災マニュアル作成の手引に基づきまして、各学校において、地域環境の特性とか関係機関との連携を踏まえた取り組みの見直しを図ることも含めまして、教育活動全体を見通した学校安全計画の作成に向け、そのための視点を具体的に示すなどして学校の防災教育の一層の推進を支援してまいりたい、このように考えております。 ◆長谷川衛 委員  最後に、要望を述べさせてください。  今、答弁がありました文部科学省が今回出している手引書は、私もホームページから引いて見ましたけれども、どちらかというと参考資料なのですね。参考資料だけを学校に与えても実態に合ったマニュアルができるとは限りませんので、やはり、これから、専門的な知識も含めて、教育委員会はしっかりとサポートしていただきたいなというふうに思います。  それからもう一つは、子どもの防災力のことであります。  防災意識というのは、もちろん避難訓練だけで身につくものではありません。今回、私が学んだことですが、去年の3.11以降、私は5月の連休に釜石に炊き出しのボランティアに行ってきました。釜石市の栗林小学校、公民館等を回りましたけれども、いろいろな方とお会いして、いろいろな話を聞きました。5月の連休で、まだ1カ月半ぐらいしかたっていなかったけれども、野球少年団の子どもたちはもう既に元気に活動していました。子どもたちとも話をして、今回は大変だったね、よく無事でいられたな、みんなで協力したのでしょうという話をしたら、やはり、ふだんから家で話をしているというのですね。津波経験がかなりありますから、こういうときはこうする、いいか、こうだぞということを家族ぐるみで話している。そして、中学校や小学校は近隣の学校とも合同訓練をやっている。そこは、やはり大事な部分だなと思います。  それから、この間、林委員からもお話ししましたけれども、三原則、これはなかなかいい三原則だなと。いわゆる体験を中心とした三原則、想定にとらわれるな、最善を尽くせ、率先して避難せよ、この三原則は、まず、みずからが自分の命を守る、そして協力するのだと。何というのですか、非常に、そのときそのときの判断力を養う教育をしているなと。大人の方に聞いても、ここはとにかく津波の多いところだから、ふだんからしょっちゅうだよ、結局、それが功を奏したというような言い方をしていました。やはり、我々は大事なことを吸収するのに何が大事かというと、教育力です。地域は随分違いますけれども、このことを重点に置いて、ぜひこれからもやっていただきたい、そのことを求めて、質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、札幌市立小・中学校の給食運搬事業について質問いたします。  平成23年5月1日時点では、札幌市立小・中学校約13万6,000人の児童生徒が学校給食を利用しております。こうした給食に携わっております栄養士や調理員の皆さんは、献立や味つけの工夫をされているわけですが、改めて、冒頭に敬意を表しておきたいと思います。  こうした学校給食は、本市におきましては、親子方式や単独方式が採用されておりますけれども、小学校では、親子方式は154校、単独校は50校、中学校では、親子方式が78校、単独校は19校と、小・中学校で給食をつくる学校から給食設備がない学校に給食を搬送していく学校は合わせて232校かと思っております。  そこで、1点目の質問でありますが、現在、札幌市立小・中学校の給食運搬事業は14のエリアに分けておりますけれども、具体的に何台の車が運搬をしているのか、まず、1点目に伺います。  2点目には、この14エリアの落札業者は現在4社となっておりますけれども、平成23年度において、応札業者は、この4社以外に別の運送事業者があったのかどうか、この辺についてどのようになっているのか、伺いたいと思います。  最初に、この二つについて伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  学校の給食運搬事業は何台の車で運搬しているかという点でございますが、116系統で運転しておりますので、車の台数といたしましては116台で運搬しているということでございます。それから、落札業者は、現在14で複数とっている業者もありますので、4社となっています。それ以外に応札した業者があったのかということでございますが、平成23年度は4社以外にはございません。 ◆ふじわら広昭 委員  平成23年度では、資料を分析いたしますと、複数の運送業者が応札したエリアが6エリアあるわけですね。その6エリアすべてが100%の落札率になっているわけであります。私は、積算が正しければ、別に安いことが悪いことではなくて、これは何もいいとか悪いというものではないです。しかし、私は、複数の業者がそれなりに参加して100%ということならわかりますけれども、今、部長の答弁では、この14のエリアの116系統の中で、4社しか来ない中で、では、A社とB社とC、Dの会社が、どこかに二つなり、複数で入って、そして、最終的にはどちらかの会社が100%で落としたというふうになるのかと思うのです。こうした6エリアの場合、100%で落札した業者は、1回で落札したものなのか、それ以外の複数回なのか、あるいは、一つのところのエリアに参入してきた業者は失格になったのか。これは、総額で年間3億円の業務委託契約ですから、WTOの案件になって最低制限価格はないですが、私は、100%近くでとることはやぶさかではないと思うのです。  再質問として、改めて、100%で落札した業者は1回で決定したのか、あるいは、それ以外の業者は失格になったのか、また、同じような価格の場合にはどのような決定の仕方をしていったのか、この点について伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  ただいまのご質問は、複数の運送業者が応札した六つのエリアの入札状況はどうだったかということでございますが、1回の入札で決まったエリアはございません。すべて、2回ないし3回の入札行為において落札業者が決まったということでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ということは、当初の1回目、2回目の価格というのは、そちらの積算価格よりもかなり高い価格で応札してきて、どういう形かわかりませんけれども、最終的に落札した価格は100%になったというふうに理解せざるを得ないわけであります。  そういうことを踏まえて、改めて、この入札結果、こういう状況について、教育委員会としてどのように分析されているのか、伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  委員のご質問の中にもございましたとおり、本業務は一般競争入札による方法で行っておりまして、結果的には落札率が高い状況になってございますが、その方法自体には特に問題はないというふうに認識してございます。 ◆ふじわら広昭 委員  それでは、結果についてとやかくというよりも、次の質問として、学校給食の運搬業務には、教育委員会独自として、国の基本的な数字を使って積算していると思うのですけれども、人件費以外にどのような項目を積み上げているのか、伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  積算の項目でございますけれども、まずは運転手の人件費、それから、車両に係る経費といたしまして、車検の費用であるとか保険、それから公租公課、タイヤ等の購入費、それから減価償却費、燃料、そういったものを積算して算定しているものでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  それでは、次の質問でありますが、そういう積算をされていることは、距離数にもよりますけれども、多分、週30時間以上の場合には社会保険の適用にもなるわけであります。そうした予算というか、項目も積算されているのかなと思うわけであります。  そこで、仕様書などをいろいろ読ませていただきましたけれども、仕様書の中には備えつけの書類という項目がありまして、これは、多分、受注した業者に対して、そうしたものをきちっと管理しなさいよということで行っているかと思うのです。その中に、使用車両の洗浄や消毒作業の記録とありまして、これは、毎日、義務づけておりますが、これをどのように確認しているのか。さらに、平成23年度の業務実施に当たっての遵守事項の中に従事員に対する教育の徹底とありますが、本市教育委員会としてはどのような研修・教育内容を求めているのか。今、二つの例を出しましたけれども、教育委員会としては、消毒あるいは教育という項目の履行をどのように確認しているのか、改めて伺いたいと思います。 ◎梅津 学校施設担当部長  まず、仕様書の中の使用車両の洗浄あるいは消毒作業等の確認の件でございますが、私どもといたしましては、毎月、記録を確認している方法はとっておりません。必要に応じて対応してまいりたいと思っております。  それから、従事者の教育の徹底の部分でございますが、この車両は学校の敷地内に入りますので、より安全な運転、あるいは作業を求めてございますけれども、研修などの具体的な内容につきましては、教育委員会としては提出させておりません。今後、必要に応じて対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  質問は最後にいたしますが、業務委託契約にもさまざまなものがありますけれども、例えば、清掃業務の契約では、落札した業者の方に、積算内訳書及び業務従事責任者、あるいは賃金支給計画書などの提出を求めているわけであります。教育委員会においても、これらを参考に、必要最低限の関係書類を求めていくことが今後は必要ではないかというふうに思うわけであります。今後、札幌市全体の入札制度を改革していく意味では、やはり、しっかりとした根拠となるものを確認していくことが必要になっていくと思うわけです。  とりわけ、平成24年度の入札はもう始まっております。WTOでありますから、約1カ月間の告示期間を経て間もなく入札をしますけれども、平成25年度に向けてできるものとして、例えば、そこに従事する運転手の氏名――生年月日とか住所というのは個人情報になりますが、少なくとも健康診断書、車の運転事故歴といったものは提出を義務づけるべきではないかと思うのですが、これについては、大所高所の角度から、町田次長にどのように考えておられるのか伺って、質問を終わりたいと思います。 ◎町田 教育次長  今、委員からご指摘がございました親子給食の運搬業務は、非常に安全性を確保していかなければいけません。学校敷地内に入り込む業務でございまして、当然、子どもたちのためにも安全性を確保していくという意味からも、今、委員からご指摘がございました事項も含めて検討してまいりたいと思います。 ○こんどう和雄 委員長  以上で、第2項 子ども福祉費中関係分等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月16日金曜日午後1時から、市民まちづくり局のうち都市計画部及び総合交通計画部関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後4時52分...