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平成23年第一部決算特別委員会−10月27日-07号
平成23年第二部決算特別委員会−10月27日-07号

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  1. 札幌市議会 2011-10-27
    平成23年第二部決算特別委員会−10月27日-07号


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    平成23年第二部決算特別委員会−10月27日-07号平成23年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第7号)               平成23年(2011年)10月27日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  芦 原   進      副委員長   小須田 悟 士     委   員  勝 木 勇 人      委   員  高 橋 克 朋     委   員  村 松 正 海      委   員  長 内 直 也     委   員  村 山 秀 哉      委   員  佐々木 みつこ     委   員  飯 島 弘 之      委   員  川田 ただひさ     委   員  小 竹 知 子      委   員  伴   良 隆     委   員  伊与部 年 男      委   員  川口谷   正     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  小 野 正 美     委   員  大 嶋   薫      委   員  恩 村 一 郎     委   員  桑 原   透      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  しのだ 江里子      委   員  山 口 かずさ     委   員  中 村 たけし      委   員  植 松 ひろこ     委   員  涌 井 国 夫      委   員  阿知良 寛 美     委   員  福 田 浩太郎      委   員  丸 山 秀 樹
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  坂 本 恭 子     委   員  小 倉 菜穂子      委   員  松 浦   忠     委   員  金子 やすゆき       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○芦原進 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、福士委員からは、猪熊委員と交代する旨、届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  農業委員会会長、ご苦労さまです。農業委員会会長におかれましては、ふだん、議会とは余りかかわりのないことで、大変ご苦労に思います。  農業委員会の所管している仕事については、農地法に基づく農地の適正な活用、そして、農家が安心して営農できるような方策について、農業委員会として市にも提言するという役割もあるというふうに私は見ております。  そこで、まず最初に、札幌市の農家では、子どもさん方は、皆、他の仕事について、後継者がおられないという農家がかなりありますね。そういう中で、農地を地目変更して、いわゆる雑種地だとか何かに転用して、その農地を資材置き場に貸したり、あるいは駐車場に貸したりとか、いろいろな形で賃貸収入を得て生計を立てていくという方が、加齢とともに今までも出てきております。私は、これからも出てくるのではないかというふうに思っているわけです。従前は、農地の転用については、農業委員会としては、耕作ができないような、いわゆる農耕ができない、具体的に言うと、例えば、柳が生えてトラクターでは起こせない、耕うん機では起こせない、こういう状況になったときに初めて農地転用が認められるというようなことでした。しかし、かねがね、農家の皆さんからは、そういうことでなくて、もうちょっと生活維持のために、転用を図って収入を得て生計を立てていく、そういう観点での農地の転用というものを認めてもらえないだろうか、ぜひそういうことを求めてほしい、こういうことが以前からもありました。現時点で、転用基準の一つにそういうことが基準となっているかどうか、そのことをひとつお尋ねいたします。  二つ目は、これは、農業委員会とは直接的には関係ありません。しかし、たまたま会長は現職で農業をやっておられるということなので、今、日本国で大変大きな話題となっている環太平洋連携協定、いわゆるTPPですね。もしこれが締結されたとしたら、札幌市の農家にとってどういう影響が出るのか、これは会長個人の見解で結構ですから、見解をお持ちになっておられたらお聞かせいただければありがたい。  以上、2点です。 ◎坂田 農業委員会会長  初めに、農地の転用について、お答えいたします。  食料生産の基盤であります国民の大切な資源である農地を保全し、効率的な利用促進をするために、平成21年12月、農地法が改正、施行されたところであります。  非農地の判断は農地法及び国の通知等に基づいており、農地とは、耕作に供される土地で、現在、耕作されていなくても、耕作しようとすればいつでも耕作できるような、すなわち、客観的に見て形状が耕作の目的に供されるものと認められる休耕地や不耕地等も含まれるとされております。今後も、これらの基準に従い、厳正に行っていきたい。平成19年に農林水産省経営局長通知耕作放棄地に係る農地に該当するか否かの判断基準についてが出され、その中で農地に該当しないものの基準が示されたが、森林の様相を呈しているなど、農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難な場合などは農地に該当しないが、それ以外は農地に該当するとされた。耕作できない農地を把握された場合は、所有者の意向を確認しながら、流動化などにより農地の有効利用を図られるよう進めてまいりたいと思っております。 ○芦原進 委員長  TPPについては。 ◎坂田 農業委員会会長  TPPについてお答えします。  TPPにより安価な外国産の農林水産物の導入に道を開くことにより、農業に甚大な被害を及ぼすと予想されております。北海道も、試算されているとおり、米、畑作、酪農経営などに直接的な影響が出ると思われる。  しかし、札幌市においては、野菜農家が多く、酪農も乳用牛が多いことから、それにより農業をやめるほどの影響は当面ないと思われます。ただし、将来的には、他の地域の作付の変更により影響が出ることも考えられ、情勢に留意し、また、地域農業者の声を聞きながら対応していきたいと思っております。 ◆松浦忠 委員  今のお答えを聞きますと、農地転用については、従前、私は1983年からこの職にあるのですが、その当時も今も基本的には変わっていないということなのですけれども、一つだけ、会長、事例を申し上げます。  平成4年でしたか、どこかそのあたりで、5年に1回の見直しがありまして、私は白石ですが、東米里というところが、農地法ができてからずっと農業振興地域に適用されていたのです。ある日突然、ここが除外されました。そして、そのかわりに、札幌市は、今、清田になっていますけれども、真栄の方に新しく農業振興法を適用したわけです。そうしたら、適用されたところから、実は、全く見ず知らずだったのですが、私に相談の電話が来ました。それは何かといったら、親の代から農業をやっていて、もう80歳近い人だったのですが、2代目が年老いてから失明した、それで、農業が継続できなくなったから農地を貸して何とか生計を立てたい、こういうことで、その適用をするときに、実は反対したけれども、最終的には市の方で決めてしまったということです。そこで、そのことについて当時の市の担当者に話をしたら、いやいや、農地を貸せばいいのでないかという話でした。でも、農耕地として農地を貸したのでは食えない、それで、他に転用して、資材置き場だとか賃料の高いところに貸したいと。そうしたら、そのときに市の担当から返ってきた言葉は、いよいよになったら農地を売ればいいじゃないか、売って、金がなくなった後はどうするかとなったら、生活保護を受ければいいのではないかと。こういう話があったということで、これは、私も後ほど議会で取り上げました。桂市政時代だったのですけれどもね。  そういうことで、私も農家のせがれで、じいさんの代から開墾して、おやじの代とやって、今、おいっ子がやっていますが、農業でずっと何代かにわたってやってきて、後継者がいなくなったときには、最後は、その土地を活用して、少なくともその代だけはそこで終われるようなことが政策の中に一つあってもいいのではないかというのがそういう人たちの意見なのですよ。私も、やっぱり同感なのです。  会長、これについては、これからまた、北海道だとか、あるいは国にも、農業政策をめぐって意見を具申する機会もあろうかと思うので、今度の法律改正を目指して、ぜひそういうことを意見具申していただければありがたいなというふうに思うので、会長にこのことを求めて、私は終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、農業委員会の取り組みについて、幾つか伺わせていただきたいと思います。  今、食の安心・安全の確保、食料自給率の向上など、農業への注目度は大変高まっております。国の農政は、2年前の政権交代により、戸別所得補償制度の導入が始まり、大きく転換されました。また、農地法の改正により、食料の安定供給を図るために、農地の転用規制の厳格化や、農地賃借の緩和などが図られることになってまいりました。この改正により、農業委員会の役割が新たに加わり、農業委員会の判断にゆだねられる部分も多くなってきていると思います。何より農業委員は、最も地域の実情を知る専門家でありますし、また、農地のさまざまな課題に対して調整をされていると思いますが、農業委員会がどのような取り組みをされているのか、なかなか市民には見えづらい状況にあると思います。  そこで、坂田会長に伺います。  農地法改正によって農業委員会の役割が変わり、農地の利用状況の把握や遊休農地に対する業務が新たに加わったと思いますが、現在、具体的にどのように取り組まれているのか、お示しください。 ◎坂田 農業委員会会長  食料生産の基盤であります国民の大切な資源である農地を保全し、効率的な利用を促進するために、平成21年12月に農地法が改正、施行されました。この改正によりまして、農業委員会は、農地の利用状況を年1回以上把握するとともに、耕作されていない農地の所有者に利用の指導をすること等が義務づけられました。  当農業委員会においても、昨年に引き続きまして、今年度も8月から10月を調査期間と位置づけ、地域の農業委員が事務局職員とともに地域を巡回し、状況の確認をしているところでございます。調査終了後は、11月より、順次、耕作されていない農地の所有者に対しまして利用を促進するとともに、利用できない場合はその理由や貸し付け希望の有無など意向調査をする予定でございます。 ◆しのだ江里子 委員  まさに食の基盤である農地であるというご意見、そしてまた、年1回以上調査をされるということで、実際に農地の利用状況の実態を明らかにして、所有者に利用を促すなどの取り組みをされていることを今お聞きしました。  所有者における課題としてありますのは、農業者の平均年齢が67歳であると言われる高齢化とか、また、後継者難が進む中で、みずからによる耕作は大変難しいケースが多くあるということも聞いております。農業振興の観点から考えますと、いかにほかの担い手に農地を利用していただくかということになりますが、これに関しては、農地法改正にあわせて農業経営基盤強化促進法も改正となりまして、農地の集積を進めるために新たに農地利用集積円滑化事業が創設されています。  そこで、農政部長であり農業委員会の事務局長でもいらっしゃいます三部部長に質問ですが、これにつきまして、市は、農業委員会と連携をしてどのような取り組みをされているのか、伺います。 ◎三部 農業委員会事務局長  農業委員会の事務局長と農政部長を兼務しておりますが、今は、農政部長の立場からお答えさせていただきます。  農業委員会と連携した農地利用集積円滑化事業の取り組みにつきましては、本年5月に、農業委員会を初め、JAなどの関係機関・団体とともに農業再生協議会を設立したところでございます。この協議会が農地利用集積円滑化団体というものになりまして、農地の所有者から委任を受け、農地の貸し付けを行う農地所有者代理事業というものを始めたところでございます。本年度は、農地の所有者に、リーフレットなどでこうした事業をPRしていくとともに、農地の貸し手や借り手の情報の収集を積極的に行うことにしております。  なお、既に所有者代理事業の申し出件数は3件となっておりまして、今後、地域の事情に詳しい農業委員の方々の協力を得ながら、貸し付け相手を選定したり、あるいは、協議を進めながら農地の利用集積を図ってまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  本年5月から協議会を開催され、そして、代理事業を始められ、既に3件の候補があるというお話を今伺いました。農業委員会は、農地の適正利用のための調査、指導を行い、そして、市長部局は、農地の有効利用のための施策促進という、いわば車の両輪であり、これをいかに進めていくのかが直面した課題であると思います。  管内の農家戸数は、2010年2月では994戸、農地面積は、本年3月には2,002ヘクタールと、昨年に比べまして306ヘクタールも減少しています。そして、今までは、耕作放棄地、今は遊休農地と言われる農地が100ヘクタールあると聞きます。これまでも、農業委員会では、耕作放棄地に対して、この間、マッチング事業を行ってきたと伺っております。しかし、実際に農地を借りて農業をしたい方はいらっしゃるが、農地を貸したい農家がいないなど、大変課題も多く、アンバランスな部分も見えてまいります。そこで、このような面から考えましても、農業委員会の役割は、今後もますます重要なものであり、その機能を十分に発揮していただかなければならないと考えます。  そこで、もう一度、坂田会長に質問させていただきますが、この点を含めまして、今後の農業委員会のあり方についてはどのようにお考えなのか、会長のご所見を伺います。 ◎坂田 農業委員会会長  前段でも述べましたが、農業委員会は、農地法改正により、一層重要な役割を担うことになり、また、農地利用集積円滑化事業においても、地域の実情に詳しい立場を生かして事業に協力していくことが必要と考えております。  農業委員会は、唯一の農業者の公的代表の行政委員であり、委員会活動の公正性、公平性、透明性をしっかり守りながら、農業者の立場に立って、地域のさまざまな課題に向けて活動を進めていくことが重要です。そのためにも、地域の農業者の声を聞きながら、そして、市長部局とも必要な連携を図りつつ、札幌の農業の発展に尽くしてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  ありがとうございます。  農業委員会がますます重要な役割を担い、会長から、またその重責をしっかりと担っていただくご決意を伺うことができました。  農地の利用には違反事案も少なくありませんが、現在は、それを発見しても、農業委員会は行政指導しか行うことができず、知事に命令権限があるということで石狩振興局に報告いたしましても、対応がとどまっているようです。その理由は、件数が多いこととか、程度の認識の違いがあるのかもしれません。  2010年、平成22年の農業委員会活動の点検、評価を拝見いたしましたならば、違反転用件数は37件、面積では26ヘクタール、主な用途は貸し倉庫などとあり、活動評価では、指導中の事案については是正に向けて継続して指導しているが、解消に至らなかったと書いてありました。  私も、違反の相談を受けても、じくじたる思いになることがあります。地元の農業委員会に、直接、指導命令の権限があれば迅速な対応も可能となると思うのですが、権限移譲には財源と人の問題がありまして、難しさも承知しております。いま一度、違反転用については石狩振興局と調整をしていただくことを求めます。また、都市の中の貴重な農地が十分に利用されていないとしたら、大変残念なことです。東、北、南などではまだまだ畑が広がり、市民に新鮮な農産物を届ける都市型近郊農業としてさらに振興されていくべきものと考えます。  農業委員会においては、適切な利用に向けての指導についてご苦労はあると思いますが、その一方で、農業委員会に対する期待も大きなものがあるわけですから、これまで以上に、広報さっぽろを初め、ホームページとかさまざまな媒体を利用し、取り組みの内容を市民に情報提供するなど、その活動状況を明らかにしていただくとともに、課題は本当に多くあると思いますが、本市のさらなる農業振興のために全力で取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆植松ひろこ 委員  5万人の雇用創出についてと地域雇用創造推進事業の2点についてお伺いします。  まず、1点目の5万人の雇用創出についてお伺いします。  本年8月の札幌圏の有効求人倍率は0.38倍と、前年同月を0.04ポイント上回っており、やや持ち直しの動きが続いているとのことでありますが、依然として全国の水準よりも低い状況であり、求職期間の長期化が懸念されております。上田市長のマニフェストの中では、4年間で5万人の雇用創出を図りますとうたわれていたわけですが、厳しい雇用環境においては、求職者やその家族にとっては、札幌市がどのような事業に取り組み、どれだけ雇用を生み出してくれるのか、それにより自分や家族が就職できるのだろうかということは最大の関心事ではないかと思います。先日公表されました第3次札幌新まちづくり計画案の中で、特別養護老人ホームや保育所の整備等の雇用創出効果の高い事業を計画化するなどして、本計画の直接及び間接の効果として4万3,000人の雇用を創出し、その他の取り組みとあわせて5万人の雇用に取り組みますと記されておりますが、求職者の方々が頑張れば自分も就職できるのだという希望を持ってもらうためには、5万人の雇用創出をどうやって実現するのか、具体的に示す必要があるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、新まちづくり計画で創出する4万3,000人を細かく分類すると、どのような政策で何人という見込みを立てているのか、また、その他の取り組みというのは具体的にはどのような取り組みなのか、お伺いします。  次に、2点目の地域雇用創造推進事業、いわゆるパッケージ事業についてお伺いします。  最近、地下鉄に乗りますと、さっぽろ雇用創造協議会が主催しているさまざまな分野の研修事業の受講者募集についての掲示広告を見かけます。この事業は、札幌市と札幌商工会議所等の経済団体やその他関係団体などで設立したさっぽろ雇用創造協議会が、地域の産業振興施策と連携した雇用対策事業について国に提案し、採択を受けたものであり、今年度、新たに3年間の委託事業として7月から実施していると聞いております。また、採択に当たりましては、雇用創造効果を高める地域独自のコンセプトが求められるとも聞いております。  そこで、今年度採択された事業のコンセプトはどのようなものか、お伺いします。 ◎入江 雇用推進部長  最初に、5万人の雇用創出についてでございます。  1点目の政策ごとの雇用人数についてでありますが、第3次札幌新まちづくり計画政策目標ごと雇用創出人数で申しますと、政策目標1の子どもの笑顔があふれる街では、保育所整備事業ミニ児童会館等の新設、家庭的保育事業などで1,000人、政策目標2の安心して暮らせるぬくもりの街では、特別養護老人ホーム新築費補助事業、災害に強い道づくり事業などで2万8,000人、政策目標3の活力みなぎる元気な街では、札幌圏みらいづくり産業立地促進事業などで1万人、政策目標4のみんなで行動する環境の街では、札幌・サンサンプロジェクト事業エコリフォーム促進事業などで3,000人、政策目標5の市民が創る自治と文化の街では、ICカードによる地域ポイント制度の創設、カーリング場建設事業などで1,000人、以上、合わせまして4万3,000人の雇用創出を見込んでおります。  2点目のその他の取り組みでございますが、これは、第3次札幌新まちづくり計画には計上していない事業によるものであり、女性の再就職支援事業、中高年齢者再就職支援事業などで7,000人の雇用創出を見込んでおります。  次に、パッケージ事業についてでございます。  今年度採択されました事業のコンセプトについてでありますが、パッケージ事業は、雇用情勢の厳しい地域が独自に実施する産業振興施策と連携のもと、地域の雇用創出を効果的に促進することを目的としております。  そこで、今回の事業におきましては、本年1月に策定いたしました札幌市産業振興ビジョンと連動して、本市経済を牽引する食、観光、環境、健康・福祉の四つの分野で人材を育成することにより、本市の特色や強みを生かした雇用の創出を図っていくことをコンセプトとしております。 ◆植松ひろこ 委員  まず、5万人の雇用創出についてですが、政策目標ごと雇用創出事業と主な人数は答弁にございましたが、新まちづくり計画の中身を読みますと、就業サポートセンター等の事業のように、職業紹介などによって就職を実現するのが事業の本来の目的になっているものと、答弁の中で例として出されておりました保育所整備事業のように、事業の効果として雇用が生み出されるものがあると思われます。4万3,000人のうち、就労支援によるものと事業効果によるものはそれぞれどのような内訳になっているのか、お伺いします。  次に、パッケージ事業についてですが、この事業は地域の経済施策と密接な連携のもとで進める事業であることから、ことし1月に策定した札幌市産業振興ビジョンと連動しての実施はタイムリーなものだと思います。札幌市産業振興ビジョンにはさまざまな観点からの産業振興施策が示されておりますが、パッケージ事業として具体的にはどのような研修メニューがあるのか、お伺いします。  また、7月から事業を開始したことから、現時点で約4カ月が経過しており、既に多くのセミナーを実施されていると思いますが、事業への応募状況や参加者の反応はいかがでしょうか。さらに、今後3年間の目標についても、あわせてお伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  最初に、5万人の雇用創出についてでございます。  4万3,000人の内訳ですが、4万3,000人のうち、2万2,000人は就業サポートセンター等事業地域雇用創造推進事業企業向け若年層雇用安定助成金事業職業能力開発サポート事業などの各種就労支援の事業によるものであります。残りの2万1,000人が保育所整備事業などの事業の効果として生み出される雇用となっております。  次に、パッケージ事業でございますが、1点目の具体的な研修メニューについてでございます。  それぞれの重点分野で主なものを挙げさせていただきますと、観光の分野ではMICE関連やアジアからのインバウンド関連の研修、食の分野では6次産業やコミュニティカフェ経営の研修、環境の分野では積雪寒冷技術自然エネルギーの研修、健康・福祉の分野では看護師や保育士の復職支援研修などでございます。  それから、応募状況や参加者の反応についてであります。  今年度の研修のうち、約半数を既に実施したところでございますが、求職者のニーズに即したメニューといたしておりますので、定員を大きく超える応募をいただいた事業がたくさんあるという状況でございます。また、参加者の反応についてですが、専門家の話が聞けて今後に生かせる研修であった、あるいは、ぜひともこの分野で就職したいといった、就職に向けて前向きな声をいただいている状況でございます。  次に、今後3年間の目標でございますが、今回、国に提案しております目標は、就職者数1,202人としております。これに向けまして、3年間、努力してまいりたいと考えております。 ◆植松ひろこ 委員  5万人の雇用創出は、休職者やその家族にとっては希望の光です。今後の財政状況や経済状況によりまして、見込みどおりの雇用を生み出せない事業も出てくるかと思われますが、雇用なくして市民の安心はあり得ませんので、各年度の予算編成においても雇用創出を十分に意識され、臨機応変に事業を行っていただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、シルバー人材センターについて質問いたします。  平成23年版の高齢社会白書によりますと、2010年10月1日時点で65歳以上の高齢者人口は過去最高の2,958万人で、高齢化率も前年比0.4ポイント上昇し、23.1%となりました。高齢者人口は、昭和22年から24年生まれの団塊の世代が65歳以上になる平成27年には3,000万人を超えると推計されております。これに伴い、元気な高齢者がどんどんふえているという状況にあります。  人口に占める若者の割合が減少している中、社会の活力を維持していくためにも、高齢者がどんどん地域社会に出て活躍していただくことが必要であります。適度な仕事で高齢者が元気に過ごすことによって、医療費が削減され、その分、消費活動が活発になれば社会の活性化にもつながると考えると、高齢者の就業機会を確保するために、特に多様な働く機会を提供するという意味では、シルバー人材センターの果たす役割は極めて大きいと考えております。  しかしながら、企業においては、定年退職後の再雇用により定年延長が図られるようになり、加入時の会員の高齢化が進んでいるとともに、派遣切りが社会問題となるような経済情勢の中にあってシルバー人材センターを取り巻く環境も大変厳しく変化しているように感じます。  そこで、質問ですが、経済状況が低迷している中、シルバー人材センターの仕事の受注状況や会員の状況はどうなっているのか、また、入会者のニーズがどのように変化してきているのか、お尋ねいたします。 ◎入江 雇用推進部長  シルバー人材センターの受注金額でございますが、平成16年度の11億5,000万円をピークに減少の傾向が続いており、平成22年度は9億1,000万円となっております。会員数につきましては、平成17年度の4,529人をピークに減少を続けておりまして、平成22年度は4,013人となっております。  入会者のニーズの変化についてでありますが、新規会員の入会の動機を調べますと、以前は健康維持を理由に挙げる方が多かったのに比べまして、平成20年度以降は経済的理由を挙げる方が多くなり、約半数を占めるようになっております。 ◆丸山秀樹 委員  今のお話で、経済的な理由から切実に仕事を求めてシルバー人材センターに入会する人の割合がふえている一方で、シルバー人材センターが受注する仕事は減ってきていることがわかりました。また、国の事業仕分けの影響を受けて補助金がかなり減額されて、運営は大変厳しくなっているとも聞いております。このままでは、受注の開拓などに回せるお金や人員にも限界があると思うのであります。  このような状況においては、従来手がけてきた仕事だけでなく、新しい分野の開拓も必要だと考えますが、新しい取り組みとして、現在はどのような業務を行っているのか。  さらに、シルバー人材センターの受注をふやすために、札幌市が、一度、全庁を挙げて、民間に余り影響を与えない、シルバー人材センターに委託できそうな仕事を洗い出してみてはいかがでしょうか。例えば、町内会も高齢化が進み、今まで補助金を受けて行ってきた公園の草むしりをやめたいと思っている町内会もあると聞いております。公園の数もかなりありますので、一度、町内会の意向を確認する機会をつくってみてはいかがでしょうか。そのほかにも、市が直接または委託している仕事を発注するなどの支援を行うべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  1点目の新しい取り組みについてでございますが、従来の庭木の剪定や筆耕といった業務に加えまして、現在では、市の施策と連携して子育て支援サービス事業にも取り組んでおります。今後も、新しい分野の開拓につきまして、札幌市としてもできる限りの支援を行っていきたいと考えております。  2点目の札幌市による発注についてであります。  シルバー人材センターへの発注につきましては、現在も各事業部局に対して文書で依頼を行っておりまして、平成22年度におきましては、シルバー人材センターの全受注額の約18%に当たります1億6,900万円の実績がございます。  今後につきましては、委員のご提案も参考とさせていただきながら、一層の発注拡大に向けて各部局と協議していきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  高齢者の就労は、単に労働対価を得ることだけにとどまらず、労働を通して社会参加することで生きがいにもなり、高齢者が健康で生き生きと暮らしていくために必要なことであると考えております。また、地域社会が活力を維持していくためにも、高齢者が元気で働いて社会参加していくことは重要であります。  シルバー人材センターにおいても、今後は、受注の拡大を図ることに加え、シルバー人材センターが独自で行う事業などがあれば、事業の見込みも立てやすく、運営も安定いたします。全国でも、観光地での喫茶、商店街の空き家を利用したサロンなどさまざまな自主事業を展開しているところがあります。また、高齢者の能力を活用する事業としては、これはシルバー人材センターの事業として行っているものではございませんが、歌志内市内では、温泉施設のある道の駅で地元の漬物名人の高齢者を雇用し、つくった漬物を常時30種類ぐらい販売いたしております。この施設は、地元の建設会社が指定管理者として維持管理を行う中で、地元でとれたものを加工して事業にしております。道の一村一雇用おこし事業の補助金も利用しているようですが、本市においても、民間ともうまく連携を図りながら、積極的に自主事業の取り組みをお考えいただきたいと思います。  シルバー人材センターへの支援はもちろんのこと、高齢者の就労機会の確保に今後もより一層力を入れていただきますことを要望し、私の質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私は、雇用の問題について質問いたします。  ことしの第2回定例会で肉づけ予算として計上されました札幌市企業向け若年層雇用安定助成事業についてです。  7月22日に記者発表が行われて、8月から申請がスタートしておりますこの制度ですが、25歳以上35歳未満の若年者を正社員として雇用した中小企業に1人当たり20万円、1社で2名まで雇用に対する助成をするというものでした。8月からスタートしましたけれども、この事業への問い合わせは今現在200件近くあるものの、実際の申請は4社、5人にとどまっているということです。  私ども日本共産党は、今、大変厳しい雇用状況、企業の状況ですから、中小企業への直接支援で若者の雇用、正社員として就職する機会が確保できるものとして、こういう事業をぜひ行うべきだということを提言してまいりました。  今回、このような状況になっているわけですけれども、どうして今このような現状にとどまっているのか、現在の到達をどのように受けとめ、分析しておられるのか。また、200人という雇用の枠がございますが、今年度の達成の見込みについていかがお考えか、この点について伺いたいと思います。 ◎入江 雇用推進部長  1点目の現時点での実績に関する認識でございますが、企業向け若年層雇用安定助成金につきましては、8月の制度開始に合わせて市内中小企業に制度案内を送付いたしましたほか、経済団体や社会保険労務士会に配付を依頼するなどいたしまして、市内約1万社に対して制度の周知に努めてきたところでございます。現在の実績は先ほど委員のおっしゃったとおりでございますが、この制度は8月以降に求人を行うものを対象とした事業であり、助成金の利用について、これまで170件を超える問い合わせが来ておりますことを考えますと、多くの企業が利用の検討段階にあるのではないかと認識しております。  次に、今年度の目標の200人についてですが、今後は、検討段階にありますこれらの企業から順次申請があるのではないかと期待するほか、今後、各種業界団体を初め、さらに幅広く周知活動に努めることで助成金の利用を図っていけると考えてございます。 ◆坂本恭子 委員  8月から始まったばかりだということで、多くの企業が検討段階にあるのではないか、また、検討している企業が順次申請することについて期待したいというお話でした。
     第2回定例会において肉づけ予算で計上されましたので、もちろん、私は議案審査特別委員会でこの件について質問いたしました。継続的な取り組みをすべきだということに対してのお考えをただしたところ、部長は、そのとき、雇用情勢を踏まえて検討していきたいという旨のご答弁をしてくださっております。  今回、第3次札幌新まちづくり計画案を見ましたところ、政策目標2の中の就労支援と安心して働ける環境づくりの推進という項目にこの事業が載っておりました。今年度限りではなくて、これは2014年までという計画になっておりますが、この期間は続けてこの助成事業を行っていくということで理解してよろしいのでしょうか。  あわせて、新まちづくり計画案については、2014年までに雇用の累計800人というふうに載せてありました。5万人の雇用というお話が先ほどもありましたけれども、これは達成目標ということですから、5万分の800ということになりますが、しっかりとこれをやり遂げなければならない、それでないと5万人の雇用創出ということにもなりません。そういう意味では、中期の取り組みとしてさらに具体的な方策を持つべきだというふうに思うのですけれども、その点についていかがお考えか、伺いたいと思います。 ◎入江 雇用推進部長  この事業につきましては、ご指摘のとおり、若年層の厳しい雇用情勢を踏まえまして、第3次札幌新まちづくり計画に計上させていただきました。今後の事業展開につきましては、雇用情勢を踏まえて柔軟に検討してまいりたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  今後も雇用情勢を踏まえて取り組んでいくということですから、具体的な方策というお話にはならないのかなと思います。実は、この直接助成という制度ですが、今お話ししている若年層雇用安定助成金の以前に、ことしの1月から3月まででしたけれども、昨年の春に高校を卒業してまだ就職が決まっていない若い方たちを対象に、正社員にした企業に対して80万円を助成するという事業がございました。このときは1人80万円で50人の雇用ということで事業化していましたけれども、実際に雇用が確保されたのは22名ということでした。このときも相当数の問い合わせがあり、セミナーに参加する企業もありということで、期待できるのではないかというお話がございましたが、結局は22人で終わってしまっているという実態です。  そして、今回、新しい事業が創設されて今また始まっておりますけれども、これも4社、5人ということですから、私は、やはり、かなり苦戦を強いられているのが実態だろうなと思います。柔軟に対応していきたいというお話ではありましたけれども、特に企業に対するニーズの把握は本当に欠かせないのではないかなというふうに思っているところです。例えば、事業の中身は、今、25歳から34歳ということになっていますけれども、新卒者の定義というのは学校を卒業してから3年ですから、これから先、今の事業の枠にも入ってくるわけですね。学校を卒業しても3年間は新卒ですが、この間で就職がなかなか決まらないような方が今回の若年層雇用安定助成制度に参入してくることがあるかもしれません。あるいは、企業の状況にも変化があるかもしれません。大変厳しい、先が見えない中にあって、私は、広くPRをしながら順次申請をしてくれることに期待をしているというだけでは、事業としてきちんと成立していかないのではないかというふうに思うのですね。これは、いろいろなところで景気・経済対策についてお話をしているのですけれども、企業に対してきちんと聞き取り調査なり実態調査を綿密にやっていく必要があるだろうと思います。  今、産業振興ビジョンにもかかわって四つの重点分野を札幌市がつくって、その中で企業も育てていこう、雇用もその中で生み出していこうということをしているわけですけれども、実際にそこにはまってこない企業があるのだろうと思います。それから、就職で言うと、よくマッチングというお話がありますけれども、必ずしも就活をしている人と受け入れる企業の側とのマッチングができない、お互いが希望しているものが違うというような実態があるのだろうと思います。いろいろな事業を積み上げて、もちろん、そこで一つずつ検証を重ねながらやっていき、そこで成果が出れば言うことはありませんが、やはり、きちんと企業に対する調査を行う、直接の聞き取り調査を行っていく、あるいは、一つ一つの事業の検証を積み重ねながら、より実態に見合った取り組みを、先ほど部長は柔軟にというふうにお話ししてくださいましたけれども、私は、本当に柔軟にここは取り組んでいかなければならないというふうに思うのです。  改めて、この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。さっきよりも踏み込んだ答弁をお願いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  非常に厳しい雇用情勢でございますので、この事業の成果として800人の就職を実現することが求められていると思います。そして、この事業がニーズにこたえているかということがその実現につながるというふうに思います。現在はまだ早いと思いますけれども、これからもニーズの把握に努めて、それこそ柔軟に対応してまいりたいと思います。 ◆松浦忠 委員  労働金庫に対する預金の関係については、私は、毎回、質疑をし、廃止を求めているわけでありますけれども、まず、1点目は、平成22年度決算において、労働金庫の預金残高、貸し出し残高、そして、貸し出しできる予備金といいますか、その差などをお示しください。  二つ目としては、決算議会ですから、確認のため、予算書どおり執行されているかどうか、いわゆる労働者の福祉的な意味合いでということで労働金庫に預金をした金額は幾らであったか、2点であります。 ◎入江 雇用推進部長  まず、私どもで把握しております北海道労働金庫の平成22年度の預金の残高でございますが、8,349億円ほどでございます。  それから、本市が労働金庫に預託をしている金額でございますが、平成22年度につきましては6億円でございます。 ◆松浦忠 委員  貸出金については決算ベースで幾らですか。 ◎入江 雇用推進部長  平成22年度決算で6億円でございます。(発言する者あり)  労金の貸し出しですか。失礼いたしました。  労金が融資している金額につきましては、残高6,362億3,300万円ほどと承知しております。 ◆松浦忠 委員  労働金庫の経営実態の決算報告からいったら、およそ2,000億円ぐらいを預かっていて、貸し出しにまだ余裕があるわけですね。それから、私も経営実態を調べておりますが、経営内容はそんなに悪くはありません。そこからすると、私は、年々、できるだけ早く札幌市の預託金をゼロにすべきだということを言っているわけですけれども、労働金庫が経営的に貸出金などが不足してくるような事態のときにはまた応分の預託をすることはいいと私は思いますけれども、今こういう余っている段階のときにはやっぱりやめるべきではないかと。  これは、かつて、学校給食会に、運転資金として毎年1億円を4月1日に貸して翌3月31日に返納させるということを繰り返していたのですけれども、私は、基本財産なども含めて活用することを考えてこれをゼロにすべきだということを何年か主張して、市の方は給食会への札幌市からの貸し出しをやめました。こういうふうにして、市の方も借金をしながらお金を回しているわけでありますから――市があり余った金を貸すなら私は言いません。借金をしながらやっているわけですから、できるだけ、どうしてもという必要のないところについては一たんやめさせていただくということは、当たり前のお金の運用の仕方だと私は思うのです。  労働金庫の本旨から言っても、基本的には、自分たち加盟組合員で資本を出し合って、その中で運営に必要な利益は生み出していく、金利負担をしていく、これがいわゆる労働金庫設立の法の趣旨であります。したがって、そこのところを考えて、1億円ずつなんて言わないで、やっぱり来年度はやめるべきだと私は思うのですけれども、そういう方向の検討をされているかどうか、お尋ねします。 ◎入江 雇用推進部長  北海道労働金庫に対しましては、市内勤労者の資金需要に北海道労働金庫が円滑に対応できますようにということで、昭和47年から公金の預託を行ってまいりました。ピーク時には9億円の預託を行っておりましたが、平成19年度以降の5年間で段階的に減額いたしまして、今年度、平成23年度は4億円にしたところでございます。  平成23年の1定におきましてゼロにする方向でという答弁をいたしましたが、その後の検討の結果、同金庫の資金量の確保という点で公金預託が占める重要性が低下しておりますことなどから、平成24年度につきましては、公金預託を行わなくても市内勤労者への資金供給に問題がないものと判断しているところでございます。 ◆松浦忠 委員  ようやく、市民一般がそうかというところの判断に至ったということで、それはそれで評価しますが、適切に、やっぱりこういう判断というのはできるだけ即座にするという方向にちょっとスイッチを切りかえていただければ、今後、より資金運営がよくなっていくのではないかというふうに思いますので、今回のことについては評価をして、終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、若者雇用対策のさらなる拡充についてお伺いいたしたいと思います。  先日、来年、2012年3月の大卒採用内定状況が4年ぶりに前年を上回ったと、複数の新聞で報道されておりました。しかし、それでもリーマンショックの影響が広がる前の2008年には及んでいないのでありまして、大学等の新卒予定者を取り巻く就職環境は依然として厳しい状況が続いております。日本の将来を担う若者の人生を大きく左右しかねない問題であり、社会全体の活力低下という点からも大変憂慮すべき事態であると思います。  景気低迷が続く中、大企業が採用を絞り込んでいるにもかかわらず、学生は大企業志向が高く、一方、優秀な人材を求めている中小企業には人材が集まらない、学生の関心が向かないといったいわゆる雇用のミスマッチ、不適合を起こしております。このミスマッチは、今、日本が抱えている厳しい雇用情勢の要因の一つであり、札幌市においても、こうした事態を深刻に受けとめ、より一層、若者への就職支援、雇用対策を進めるべきと考えております。特に、中小企業にとっては、資金的な余裕がないなどの理由で多くの学生に対して企業情報を提供できていないわけでありまして、単に学生が大企業だけを視野に入れているばかりでなく、中小企業のことを知らないために起きている現象とも言えるのではないかと思っております。私は、若者の雇用の確保と地元の中小企業の活性化、発展のためにも、公的機関においてマッチング事業を行っていくことは重要であり、自治体が積極的に支援をしていくべきではないかと考えております。  そこで、1点目の質問であります。  若者が企業の情報を直に得られるマッチングの機会として、合同企業説明会が有効であると思います。官民のさまざまな事業展開の中で、若者を雇用に結びつけるため、合同企業説明会を行っておりますが、札幌市が行う合同企業説明会でより効果を上げるため、どのような工夫を図っているのか、また、これまでの実績を踏まえ、今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、お伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  札幌市の合同企業説明会の開催に当たりましては、求職者の多様なニーズに対応するため、比較的大きな企業から地元中小企業まで幅広く企業を集めており、また、求職者の資格取得試験の時期なども考慮して説明会を開催するなど、より効果的なマッチングとなるよう努めているところでございます。また、みずから企業ブースを積極的に回ることができない求職者を対象にいたしまして、運営スタッフが数名のグループをつくって引率して企業ブースを回るブースツアーを行ったり、求人数が多いにもかかわらず応募者が少ない業界の理解促進のために業界早わかりセミナーを開催するなど、工夫に努めております。  今後におきましても、地元企業の求人の掘り起こしや広報活動などを積極的に行い、求人企業や求職者にとって魅力ある効果的な説明会の開催に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  札幌市の取り組み、工夫については、わかりました。  国におきましては、昨年5月から合同企業説明会の開催やインターネットを活用した企業と学生の面談設定等を通じまして、中小企業と新卒者の雇用のミスマッチ解消を推進いたします中小企業採用力強化事業、通称ドリーム・マッチプロジェクトと申しますが、これを実施いたしております。我が党も、国会質疑等において強力に後押しをしてまいりました。  大手の職業紹介事業者が行う企業説明会には、中小企業では多大な経費がかかるためになかなか参加できないことから、企業の負担を軽くして採用に積極的になってもらおうということで行われたものであります。私も、昨年8月に札幌で行われました説明会を見てまいりました。特徴としては、最近の学生の感性を踏まえて、ゲーム感覚で時間割りに沿って進んでいくような工夫や、早く結果がわかるように、企業説明を受けた後、エントリー、申し込みをするとその日に選考を実施してくれるなど、新しい企業説明会の形を模索しておりました。さきの答弁で、札幌市におけるツアーや事前のセミナー等の工夫はお聞かせいただきましたけれども、国でもこのようなことが昨年から行われております。  また一方で、このドリーム・マッチプロジェクトでは、インターネットの活用にも大胆に取り組んでおりまして、新卒支援サイトとオンライン企業説明会を行っております。サイト内には、就職活動に役立つ情報や就職活動のノウハウ、ウェブ上での就業講座、中小企業の魅力を凝縮した動画、求人企業を注目の企業として生き生きとわかりやすく紹介している企業情報などがあります。また、おもしろいのは、学生が登録いたしますとサイトから企業案内をされるなど、適宜、情報が送られてくるわけであります。  このように、若者側からいたしますと、生活の一部となっているインターネットを活用して気軽に企業の担当者とやりとりできるなど、より手軽でスピーディーな新しい企業説明会の形が生まれているのであります。就職活動の費用の低減とともに、どこでも情報を収集できるようになるため、地域や条件、企業の大小にかかわらず、さまざまな企業、特に中小企業と出会える有意義な手法であると感じました。  そこで、再質問でありますが、地元中小企業への優秀な人材確保の点からも、企業に対する何らかの支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。  また、若者に限らずとも、企業と求職者をつなぐインターネットを活用したより機能的な支援を行うべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  ただいまの1点目と2点目をあわせてお答えさせていただきます。  地元の企業が優秀な人材を確保することは、企業はもとより、札幌市の経済の活性化にとっても重要なことと認識しております。しかしながら、規模の小さな企業の一部には自社の社風とか特徴、アピールポイントなどを発信する余裕がなく、また、札幌で働きたいと思っている求職者もなかなか地元企業の情報を得ることができないという現状にございます。  こうした企業と求職者をつなぐ新たな支援といたしまして、事前に登録した求職者に対し、希望に合致する新規の求人情報をタイムリーに通知する機能を現行の求人情報システムに追加するよう、第3次札幌新まちづくり計画に盛り込んだところであります。あわせて、企業の特徴やアピールポイントを広く求職者に発信できるようなインターネットの活用につきましても、現在、検討しているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  新まちづくり計画に盛り込んでいただいているということで、適宜、情報を発信していただくというご答弁をいただきました。  無味乾燥と言ったら失礼ですけれども、職業紹介にある企業はどのような特徴があり、どのような求人をしているのか、なかなか伝わりにくい求人情報でありますので、ぜひ、工夫をして若者等の求職者が企業を選ぶきっかけとなるような情報提供をしっかり行っていただきたいと思います。  最後に、要望でありますけれども、厳しい雇用情勢と言われておりますが、優良な中小企業は、やる気のある若者を採用し、はぐくんでいきたいという思いが間違いなくあると思います。しかし、景気も悪く、費用の面から職を求める若者と出会うことができないという実態もあります。また、若者も、中小企業の情報が少なく、よくわからないために二の足を踏んでいるというもったいない状況もあると思います。これまでも、札幌市は、限られた予算でさまざまな就業支援活動に先駆的に取り組んでいただいていると思っております。ぜひ、中小企業と若者のミスマッチ解消に向けて今後とも挑戦していただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。 ○芦原進 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち、経済局関係分の質疑を行います。 ◆小竹知子 委員  私からは、決算報告書ではなかなか浮かび上がってこない商店街と大型小売店の関係について、札幌市商業全体の振興につながる地域貢献とまちづくりの観点から質問いたします。  まず、札幌市における近年の大型小売店舗の動向についてですが、店舗面積1,000平方メートルを超える店舗の数は穏やかな増加傾向にあり、現在、300を超える店舗が市内の各地域に立地しています。一方で、市内の商店街の数は、平成6年に138あった商店街が現在では98までに減少し、長引く景気の低迷による売り上げの減少、役員の高齢化、後継者不足、組合加盟数の減少など、商店街を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっております。  そのような中にあっても、商店街は、地域で商売をさせていただいているその感謝の気持ちを還元していこうという思いと、地域づくりの担い手としての役割を果たすため、日ごろからさまざまな活動を展開しています。夏祭り、盆踊り、地元神社のお祭り、まちの明かりとして定着してきましたアイスキャンドル事業、ファイターズ応援事業など、一つ終わればすぐまた一つ、ほかにも地域の環境美化活動、安心・安全なまちづくりの一環で高齢者の見守り、冬場の砂まき運動など、町内会とも連携協力しながら活動しているところです。地域に暮らす商店主は、商店街活動のほかにも、町内活動を初め、地元消防団、青少年育成委員、学校PTAなど一人何役もこなし、まさに地域のために汗を流している姿がそこにはあります。  また一方で、大型店舗についても、社会貢献の基本理念に基づきさまざまな取り組みを進めていることは、今回の震災対応も含めて、マスメディアを通じて広く知られているところであり、地域に根差した活動を積極的に行っているところもあると聞いております。また、地域で多くの主婦がパートタイマーとして雇用されていること、豊富な品ぞろえの中から安価な商品が購入できるなど、消費者にとっては、それだけで地域の利益になっているとの見方もあると思います。  商店街も大型小売店も、よりよい地域づくりのために汗を流していくことは、双方の社会的使命ではないかと私は考えております。それぞれが立地している環境条件により一概には言えませんが、大型店が出店してくると、大型店の存在そのものがまちのにぎわいづくりにもなり、商店街の回遊率を高め、集客に効果があると、むしろ商店街側で歓迎する向きもあり、販売の面でも互いの強みを発揮し、地域住民に歓迎されるような商品、サービスを提供し、補完し合うことで共存共栄を図ることもできると考えております。  しかしながら、大変残念なことに、実態は、各商店街に話を聞いてみますと、大型店と連携協力して取り組みを行うまでには至っていないところも多く、さらには、町内会からも大型店に対して地域社会の一員としての役割を思いはかってほしいとの声も上がっており、今後、両者の関係を円滑なものにしていく必要があると私は思っております。  そこで、質問ですが、商店街と大型店の関係について札幌市はどのように考えているか、お伺いします。 ◎本間 産業振興部長  商店街と大型店舗の関係強化についてでございますが、札幌市中小企業振興条例におきまして、商店街などの中小企業者等と大企業者は、ともに地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、連携協力に努めるよう定められておりますように、商店街と大型店舗が手を携えて地域づくりを進めていくことは大変重要であると認識してございます。  しかしながら、これまで実施しております各区の商店街との意見交換や大型店舗へのヒアリングでは、連携したいという意思はあるものの、さまざまな事情がありまして実現までには至っていないという声も多く聞いてございます。その一方で、一部の商店街では、独自商品券を発行する事業などにおきまして大型店舗と連携して取り組んでいる実例もありますことから、両者が連携していく可能性は十分にあるものと考えております。 ◆小竹知子 委員  よりよい地域づくりを進めるためには、商店街と大型店が連携を強化することが望ましいと考えます。そのためには、大型店がより地域に目を向けて、実際に地元で活動している商店街の仲間となって地域社会に貢献していくことも必要ではないでしょうか。  残念ながら、過去には、商店街側が大型店に対して過大な要求をし、それが商店街との関係性を断ち切る動きになったことがあったとも聞きます。しかし、現在では、時代の流れの中で、そういった期待よりも地域の一員として関係を強化していくことを望んでいると思います。  そこで、質問ですが、大型店に対してこのようなスタンスに立つ商店街への加盟に向けた働きかけについての現状と今後の取り組みについて伺いたいと思います。 ◎本間 産業振興部長  大型店舗の商店街への加盟に当たりましては、まずは商店街みずからが自分たちの魅力向上に向けて努力し、大型店舗に対して働きかけていくことが必要であり、大型店舗も、地域コミュニティーの一員として地元の商店街に向き合っていくことが重要であると考えてございます。  ご質問のありました働きかけの現状でありますが、現在、札幌市では、大型店舗の立地の際に、その事業者に対して地域活動に積極的に参加するようお願いしているところでございます。また、商店街から個々の大型店舗との話し合いが進まないという声をいただいておりますので、現在、大型店舗の本部に対して商店街と対応する機会を設けるよう札幌市から呼びかけを始めており、今後もこうした側面的な支援を続けてまいりたいと考えております。 ◆小竹知子 委員  働きかけをしていただけるというご答弁をいただきました。  大型店の商店街への加盟はもちろん自発的なものであるのが望ましいのですが、大型店が商店街に加盟することにメリットが感じられるよう、商店街各個店が魅力あるものになるように努力していく必要があるとは感じております。  最後に、ここに1枚の文書があります。  私は、これを読み上げまして、最後にしたいと思います。  「商店街への加入とまちづくり参加へのお願い」、これは、平成20年2月に上田市長の名前で出された文書でございます。「札幌の経済活動の活性化、札幌のまちづくりを進めるためには、地域の小売店や事業所等の皆様がこぞって商店街に加入し、一人一人が力を合わせて、商店街活動を通じたまちづくりを行うことが、是非とも必要であります。御社におかれましても、以上の趣旨をご理解いただき、商店街活動を通じたまちづくりにご協力を賜りますようお願い申し上げます。皆さんも商店街に加入して、ともにまちづくりに汗を流しましょう!」とあります。 ◆中村たけし 委員  私からは、コンテンツ特区など映像を通じた札幌の魅力発信についてご質問させていただきます。  皆さんは既にご存じのことと思われますが、現在、大泉 洋主演の「探偵はBARにいる」が全国で上映されています。私自身も、映画館に行って見てまいりました。国内興行ランキングでは初登場で首位を獲得しまして、現在、興行収入が10億円を超え、今、大ヒット作品となってございます。上田市長ご本人も出演しまして、薄野がロケ現場となり、札幌市民にとってはなじみのある場所が随所に出てきており、市民の皆さんが親しみやすい作品になっております。まだごらんになっていらっしゃらない理事の方々、委員の方々は、ぜひごらんいただきたいと思います。シリーズ化も決定したと聞いておりまして、札幌市における経済効果も大いに期待されているところでございます。  札幌市は、今現在、このように映像を通じた札幌の魅力発信に力を入れておりまして、札幌市内では映画などロケが盛んに行われていることをお聞きしております。映像は、見る人に強い印象を与えることができ、これらの都市戦略を考える上で、映像を活用して札幌の魅力を発信するシティプロモートは大変効果的なものであると考えます。  その推進エンジンとして期待されているのが、札幌コンテンツ特区の創設でございます。今、札幌市が申請している特区申請に当たっては、地元放送局や映像制作事業者、関係行政機関などが幅広く参加する協議会で議論を重ねまして、先日、国の統合特区制度の地域活性化総合特別区域に申請したところでございます。  そこで、質問でございますが、この特区に関して、今後のスケジュールがどのようになっているのか、また、特区に指定された場合にどのような効果が期待されるのか、お伺いします。 ◎本間 産業振興部長  1点目のコンテンツ特区の今後のスケジュールでございますが、9月30日に締め切られました第1次申請につきましては、年内に指定されるか否かの結果が判明することとなっております。指定された場合でありましても、今回の申請内容がそのまま特区計画となるわけではなく、関係省庁と規制の特例の取り扱いなどにつきまして協議をしつつ、特区で実施いたします事業計画案づくりを行っていくこととなり、事業開始は早くとも平成24年度以降になる見込みでございます。  2点目の指定された場合に期待される効果でございますけれども、札幌、北海道の有する自然や景観、四季の変化などのすぐれた素材が撮影されることによりますロケ隊の消費、そして、地元映像産業への発注等の効果、それから、その作品が上映されることを通じて映像コンテンツ産業自体に収益が発生する効果、さらには、多くの人が映像を視聴し、それが話題となることで観光客がふえるといったことなど、観光を初め、さまざまな産業に効果が波及していくことが期待されてございます。 ◆中村たけし 委員  今、効果についてお話がありましたが、札幌市が特区申請をしたときの申請書の概要版には、数値的な目標以外に定性的な目標といたしまして、世界が最も映像を撮りたい都市をつくり、札幌、北海道を舞台とした映像が多数撮影され、かつ、札幌、北海道産の映像を多数流通させることでロケ地としての札幌を宣伝し、次のロケを誘引するとともに、映像を見た人が世界各地から訪れ、観光を初めとした多様な産業に波及する環境を創出し、地域全体が活性化することを目標とするとございます。  映像を見る世界各地の人のみならず、まずは、札幌市民の皆さんに映像に映る札幌のすばらしさを知っていただくことが、札幌コンテンツ特区の事業推進の大きな原動力になると思います。そのために、市民の皆さんに、これまでに札幌市内でロケが行われた作品を知っていただき、多くの作品を見てもらうことが重要と考えます。また、特区の効果を発揮していくためには、まず、市民の皆さんに、札幌のロケ地としての優位性や映像の持つ効果を初めとして、映像制作に対する理解を深めてもらうことが大切だと考えます。  そこで、質問になりますが、札幌市内で行われたロケの実績や映像の持つ効果を広く市民の皆さんにPRする取り組みが必要と考えますけれども、この点についてどのようにお考えになっているのか、お伺いします。 ◎本間 産業振興部長  札幌、北海道は、先ほどもお答えいたしましたように、豊かな自然環境など、撮影に関してすぐれた資源を有しておりまして、さっぽろフィルムコミッション機関を通じて、平成22年度におきましては1,400日を超えるロケ撮影が行われてございます。この実績は特区の申請に関する報道でもたびたび紹介されましたことから、札幌のロケ地としての優位性を市民にアピールすることができたものと考えてございます。北海道でロケを行い、一昨年、中国で大ヒットいたしました「非誠勿擾(フェイチェンウーラオ)」という映画がございますが、この映画が海外で放映されることによりまして観光客が増加するという効果も発揮されております。  特区の申請に当たりましては、ロケの実績やこのような映像の持つ効果を市のホームページや広報さっぽろなどさまざまな媒体で活用することとか、エキストラの参加の機会などを通じましてロケ撮影や映像制作に関する理解が進むよう、広く市民にPRしてまいりたいと考えてございます。 ◆中村たけし 委員  今ご答弁にございました取り組みをさらに進めていただきたいと考えます。  地域活性化総合特別区域には、先ほど答弁にございましたが、9月30日に締め切った第1次指定申請で、札幌コンテンツ特区を初めとして、全国から77件の申請が出ているところでございます。  そこで、質問ですが、残念ながら、今回は指定されないこともあるわけでございまして、指定されなかった場合、まさかこれで終わりというわけではないと思いますので、今後の意気込みを含めて渡邊局長にお話をお伺いさせていただきたいと思います。 ◎渡邊 経済局長  今回のコンテンツ特区は、札幌市として申請いたしました。それは、今回の制度は、地方自治体が申請者になっている関係でそういうふうにしてございます。ただ、この制度は、自治体だけではなく、関係者で地域協議会をつくって、そこで計画をしっかり協議した上で国に提出することが求められてございます。その関係で、札幌市の協議会にはさまざまな団体が入ってございます。例えば、テレビ局でありますとNHKを含めた札幌市内にあるテレビ局すべて、さらには、映像制作会社、関連団体、金融機関、関係行政機関、さまざまなメンバーが協議会の構成メンバーとしてそれぞれの立場でコンテンツ特区申請の計画を練って提出したものでございます。したがって、まさか漏れるというふうには考えてございません。きっと指定されるというふうに信じてございます。  ただ、縁起でもありませんけれども、万が一漏れるということになりましたら、落選した場合には理由が示されることになってございますので、もしそうなった場合には、その理由について分析した上で、年内に2回目の申請の期間が予定されてございますので、それに向けて取り組んでまいりたいと思ってございます。  お願いでございますけれども、現在、締め切った後に申請書の内容がパブリックコメントに付されてございます。きょうまでパブリックコメントに付されてございますので、皆様からぜひ応援のメールを出していただければ申請に向けて一歩進みますので、ぜひよろしくお願いいたします。 ◆中村たけし 委員  特区申請がかなうことを切に望んでいるところでございます。  続きまして、札幌国際短編映画祭について、関連してお伺いします。  先日行われました札幌国際短編映画祭、ショートフィルムフェスティバルは、市民に映像の持つ効果を知ってもらう絶好の機会になると私も考えています。ことしで6年目を迎えたところでございますが、国内最大級の短編映画祭に成長しました。私もオープニングレセプションに参加させていただきましたが、海外からの参加者も多く、国際色豊かなイベントになっていることを肌で感じたところでございます。  この短編映画祭では、さっぽろコンテンツマーケット創出事業として、これまでに蓄積した短編映画作品をスポットライツと呼ばれるマーケットシステムを利用して販売する取り組みが現在進められているところでございます。しかし、残念ながら、販売実績についてはなかなか効果が出ていないということをお聞きしています。  そこで、質問ですが、今、札幌国際短編映画祭をどのように評価しているのか、また、この作品を売るための具体的な取り組みについて、あわせてお伺いします。 ◎本間 産業振興部長  1点目の短編映画祭の評価でありますけれども、ことしの映画祭は、世界88の国と地域から2,291本の応募がございまして、ご質問にもございましたように、国内最大級の短編映画祭として定着してきているものと考えてございます。また、ことしは、北海道に関連のある作品を集めました北海道セレクションが公式コンペティション対象プログラムへ昇格するなど、北海道の映像産業をアピールする場としての機能が強化されておりまして、今後も、映像が持つ魅力を市民にPRする場として効果的に活用してまいりたいと考えております。  2点目の作品を売るための具体的な仕組みでありますけれども、映画祭開催期間中には商談会場を用意いたしますほか、1年を通じて売買につながるよう、さっぽろ産業振興財団が産学官の協働により開設いたしましたインターネットによるマーケットシステム、ご質問の中でスポットライツというお話がございましたが、平成21年度からこの運用を開始いたしますとともに、バイヤーとの交渉を支援するためのコーディネーターも配置しているところでございます。こういったものを効果的に運営いたしまして、今後、販売実績が伸びていくよう努めてまいりたいと考えてございます。 ◆中村たけし 委員  このシステムは、特定の企業のシステムではなくて、産官学の協力によりアーカイブとマーケットの両機能をあわせ持つ公的なシステムでありまして、広く作品を扱う上で有意義なものとは考えています。2010年度の決算を見ますと、補助金額が2,542万4,272円となっていまして、24本の作品が販売されたと聞いております。徐々にではありますが、営業の努力があらわれてきた兆しが見えるのではないかなと考えています。札幌国際短編映画祭がスタートして6年、スポットライツが始まりまして3年ということもありまして、まだまだ認知度が十分なものではないと考えています。映画祭とあわせて、スポットライツの知名度を上げつつ、マーケット機能につなげていくよう努めていただきたいと思います。  こういったものは、やり始めてすぐに数字として実績が出るものではないと考えています。知名度が上がり、認知されるに従って販売につながっていくものだと考えます。効率的な運営が必要なことは改めて言うまでもございませんが、即効性を求めず、長い目で育てていくことが重要であるということを申し添えて、質問を終わらせていただきます。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、局別施策の概要の72ページの企業誘致促進事業費のことについてと、それから、新聞報道でもありましたけれども、第3次札幌新まちづくり計画の中で企業誘致に2億円を充てる、こんな報道がありましたので、そのことについて質問させていただきます。  本年9月に経済産業省が公表した経済産業政策の課題と対応ということがインターネットに出ております。これによりますと、「産業は6重苦 後戻りできない空洞化の危機」、こんな表題で、我が国の産業については、現下の歴史的な円高や、さらには、法人税、新興国の低賃金、さらには環境制約や経済連携のおくれといったいわゆる5重苦を背景に深刻な行き詰まりに直面してきた。これを打開すべくさまざまな施策が講じられていたわけでありますが、その対策のさなかに、3.11という未曾有の震災、また、経験したことのない原発の事故、こういったことが重なって、結局は電力の需要の問題など、こうしたことから、従来から進行してきた海外への生産拠点等の移転がさらに加速することが懸念され、また、海外から日本への新たな立地も進まず、日本経済の成長や雇用を支える重要産業や技術は海外に移転し、恒久的に産業が失われてしまう、後戻りできない空洞化に至るといった危機に直面している、こう報告をされております。  このような状況の中、政府においても、震災からの復興に全力で取り組むことに加えて、急速な円高の進行等による産業空洞化に対応するために、新聞報道によりますと、これは10月28日の日本経済新聞ですが、第3次補正予算、復興増税関連法案を国会提出、こんな予定になったと聞いております。その中で、国内立地への補助金として5,000億円が盛り込まれています。企業等の国内立地の促進ということで5,000億円です。これは福島の対策費1,700億円を含んでおりますが、この予算が国会に提出される予定であります。  札幌市においては、これまで、平成12年度からコールセンターを初め、平成16年度からはニュービジネスといった雇用創出型の企業誘致を進めてきたわけであります。また、19年度からは、IT、バイオ、デジタルコンテンツといった新産業分野の企業誘致に力を入れてまいりました。平成21年度からは、食料品や機械・金属関連などのものづくり産業の企業誘致を進めて、こういった厳しい経済状況の中、物足りない感はありますけれども、一定の成果を上げてきているな、こんなふうに思います。  このたび示された第3次札幌新まちづくり計画案には、新たに札幌圏みらいづくり産業立地促進事業が計画されております。この事業において、今後、成長発展が見込まれる健康・医療分野や環境・エネルギー分野の企業が小樽市や北広島市などの近隣自治体に立地した場合にも補助の対象とするということがあります。札幌の経済活性化を第一に考えるのであれば、市外への立地よりも、一つでも多く市内への立地を推進するのが私は基本だというふうに思います。これまでの補助金は、今回の震災で被災された企業の支援のために出した補助金を除いて、市内に立地した場合にのみ補助対象としたわけであります。  なぜ、市外に立地した場合にも補助の対象とするのか、その考え方について、まず、お伺いいたします。 ◎本間 産業振興部長  市外立地を補助対象とする理由でございますが、現在、札幌市内には、大規模な工場や研究施設を誘致するために活用できるまとまった工業系用地が十分にはございません。一方で、石狩市や千歳市などには工業系用地が豊富にあることに加えまして、北広島市では新たな工業団地の造成が行われているなど、今後も工業系用地の拡大が見込まれる状況にございます。これからの地域経済を考える上では、各自治体相互の強みや弱みを増強、補完する取り組みが必要であると認識してございます。そのため、札幌市が擁する豊富な人材と多くの工業系用地を有する近隣自治体が連携して企業誘致に取り組むことが有効でありますことから、近隣自治体への立地につきましても補助対象とするものでございます。  その結果、立地先の補助金に加えまして、札幌市の補助金も対象となりますことから、札幌圏の優位性が高まり、一層の産業集積につながるものと考えてございます。また、市外への工場立地でありましても、札幌市民の雇用や市内企業との取引を通じて札幌市への経済波及効果が見込めるものと考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  用地が不足していることと、札幌だけではなくて、近隣の市町村との経済連携も当然必要だというふうに思います。そういう意味では、市外であっても誘致した場合にはお金を出す、これも理解できます。
     しかしながら、いろいろな企業、また、札幌市内の産業の状況を考えると依然厳しいわけでありますから、もし札幌市内に来ていただければ、当然、税も、それから、より多くの雇用ということも見込まれるわけであります。そういった中ですから、市外の企業も補助対象にすることになりますと、補助金がどの程度――先ほど何人かの市民の雇用が確保されるというお話がありましたけれども、これは国のお金も当然入るわけですし、我々市民の税金も使われるわけでありますから、市民としては、この補助金がどの程度、またどのような形で札幌市民の利益につながるかと。ほかのところに出すわけですからね。私は、こういったことの十分な説明が市民に対して必要であるというふうに私は思います。  そこで、質問でありますが、市としては、市外に立地した場合には具体的にどのような経済波及効果があると考えているのか、お聞かせ願います。 ◎本間 産業振興部長  市外立地が札幌市に与える経済波及効果についてでございます。  まず、雇用の面につきましては、国勢調査によりますと、市外で勤務する製造業雇用者のうち札幌市民の占める割合は、石狩市内で約6割、北広島市内で約5割でありますことからも、札幌市民の雇用効果が期待できるところでございます。また、工場の建設地につきましては、建設工事の一部を札幌市内の企業が受注することが想定されますことから、市内企業の一時的な売り上げ増や税収効果が見込まれます。さらに、工場の稼働後につきましては、生産のための原材料の一部を市内企業から調達するなど新たな取引が生じることが想定されますことから、これら市内企業の売り上げ増による継続的な税収効果も見込まれるところでございます。  具体的には、これはあくまでも一定の条件での試算でございますけれども、石狩市に設備投資額6億円の工場が立地した場合に、工場建設に伴う市内企業の売り上げ増などによる一時的な法人市民税等の税収効果が900万円、また、工場稼働に伴う札幌市民の雇用や市内企業の取引増による個人、法人市民税等の税収効果が年間300万円と見込んでございます。以上の試算に基づきますと、市外立地に補助金を出した場合でも、工場立地後、一定年数で補助金額と同程度の税収が見込まれ、それ以降の継続的な税収増も期待できるものと考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  一定の条件のもと、それなりの税収が見込めるということでございますけれども、ただ、これは見込みですからね。札幌市としての見込みで、これだけ出したら、または、こういった企業が来たらこれぐらいの増収が見込めるという見込みですから、思い込みにならないためにも、石狩市であれ、北広島市であれ、そういった他都市と具体的にどんな連携をしていくおつもりなのか、また、経済波及効果をより高めるためにもどんな取り組みを考えていらっしゃるのか、お聞かせ願います。 ◎本間 産業振興部長  1点目の他都市との具体的な連携方法でございますが、共通パンフレットを作成する、あるいは、それを配布することはもちろんやりますけれども、合同企業訪問や企業同行、大学の研究内容、不動産等に関する情報の共有化を図りますとともに、関係自治体同士で継続的な協議を行いまして、より効果的な補助制度や誘致活動のあり方につきましても検討を進めてまいりたいと考えてございます。  2点目のより高い経済波及効果を生み出すための取り組みでございますが、さっぽろ産業振興財団におりますコーディネーターが市外立地企業を訪問するなどいたしまして、立地企業と市内企業との取引を促進する、あるいは、研究機関との共同研究開発の提案を行うなど、企業間連携や産学官連携を推進することによりまして札幌市経済の一層の活性化を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  最後に、要望になりますけれども、実は、札幌市内にもすばらしい技術を集積している企業がたくさんあります。僕は、こういった企業がなかなか大きな企業に対して対抗し切れないというのは、一つはどう結びつけるかというのは、やっぱり、私は行政と銀行だろうと思います。そういったものをよく知っているわけですから。それをこういったものを通しながらぜひ進めていただきたいなと思います。  札幌圏みらいづくり産業立地促進事業は、環境エネルギー分野などをターゲットにしている点については、国においても、先ほどお話しした経済産業政策の課題と対応の中にも、幾つか例をとって、日本再生を果たすために必要な未来開拓技術として位置づけられていることから、そういう面では時宜を得たものというふうに思います。ただ、融資制度も実はたくさんあります。しかし、皆さんが言われるのは、お金を借りるのはいいけれども、返す当てがないのだ、金よりも仕事をくれとよく言われるのですね、正直言うと。その意味では、立地に対してどんな補助金をつくったとしても、結果的に進出する企業がなければ意味がないわけであります。また、企業側からの連絡や相談、こういう補助金制度をつくりましたよとPRしたところで、向こうからの待ちの姿勢では、これはなかなか難しいだろうと思います。やっぱり、しっかりと攻めていく、こういった姿勢も僕は大事だろうと思います。その意味では、どんな業種を持ってくるのか、どういう企業を誘致したいのかということを具体的にターゲットを絞って折衝に当たっていただきたいなというふうに思います。  また、先ほども申し上げましたけれども、工場などを市内に立地してもらうのが職住近接という観点からすれば望ましいことだと思いますが、一方で、準工業地域などに住宅が建設されていき、工場の立地可能な土地が減ってきていると。さっき土地不足というお話がありました。市内への工場の誘致はもとより、札幌市内の今現在ある企業が――現実に財政市民委員会で示されます用途地域の変更素案ですが、この中にも出ていますよ。準工業地域、工業地域のうち、職住共存地区、第1種、第2種を指定している地区において、住宅系土地利用への移行状況に応じて第1種住居地域に変更、または職住共存地区の種別を変更するとあります。準工業地域では住宅もマンションも建てられますよ。しかし、西でも、全国的に宣伝をばんばん打っているような企業が、周りはマンションだらけでなかなか操業しづらいということで出ていくというお話も聞いています。片一方では、こうやって市民の住みやすい場所を確保する、片や、そうしたことによっていづらくなってしまうということもありますので、副市長、きちっと整合性をとっていただきたいということを要望しておきます。  最後に、これはまた改めて質問していきたいと思いますが、先ほどお話ししたとおり、いよいよ28日に第3次補正予算案が国会に提案される予定でありますけれども、大変大きな事業であります。こういったときだからこそ、東北に東京事務所と同じような事務所を構えるべきだと僕は思います。東京事務所ではなくて東北事務所です。東北というのは同じように積雪寒冷地でもありますし、今後、どんどん復興が進むことによって関東とか関西とか向こうの方の企業ももちろん入ってくるでしょう。しかし、積雪寒冷地ということであれば、そういう面でのノウハウ、技術というのは北海道の企業、札幌の企業だって随分ありますよ。そういったコーディネートをするためにも、企業誘致ももちろんですけれども、ぜひこういったことも考えていただきたいなと、このことを要望して、終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私から、コミュニティ型建設業創出事業について伺いたいと思います。  事業が開始されてから7年がたちます。2004年には、工事等の契約が成立したのが66件で、業務実績1,000万円、企業数としてわずか14社でした。2010年の事業参画者は39企業グループで158社に広がって、業務実績は2億7,700万円を上げております。地域に根差した建設業の新たな事業を展開されていると私は思います。  しかし、この間、市民評価が実施され、廃止を含む見直しという評価が下されて、そういう中で、この事業についても継続をしていく立場からの見直しがされました。本市としては、事務局の選定を行って、今までかかわっていた企業グループの募集、選定、また、担当の区割り、手数料の料率の見直しなど、参画している企業の自主的な運営をなるべく進めていく立場での見直しが行われました。  そこで、五つの事務所ぐらいを選定してそこに補助金を交付するということですが、どれくらいの応募で、結果はどうだったのか。また、この4月からですが、これがスムーズに進められているのか。  そして、3月11日の東日本の震災がありました。いろいろな分野で影響が大きかったわけでありますが、この事業についても私は影響があったというふうに思うのですけれども、その辺の状況について伺いたいと思います。 ◎本間 産業振興部長  まず、コミュニティ型建設業創出事業のコーディネート事務局についてのご質問でありましたが、今年度、コーディネート事務局の応募は7件の応募がございまして、四つの事務局が選定されてございます。  また、今年度のこれまでの事業の進捗状況になりますけれども、今年度につきましては、東日本大震災の影響を受けまして、利用者の消費意欲が大きく後退したことによりまして、4月から6月の第1・四半期につきましては成約金額で前年比約20%となってございます。しかしながら、7月から9月の第2・四半期につきましては、成約金額でほぼ前年並みにまで回復している状況でございます。 ◆井上ひさ子 委員  コーディネート事務局は、七つの応募で四つの事務局でスタートしたということで、二つのを一つの事務局でというふうな本市のねらいだったのかなと思うのですけれども、これに参入していく企業が15社まとまっていかなければ選ばれないということで、市民の要望も、さまざまな業種が求められているのかなというふうに私は思うのですね。そういう中で、これについては新たなスタートでありますので、なるべく市民の要望に沿えていけるような取り組みをぜひ強めていただければと思います。  この間の実績を見ますと、除排雪の問題、内装・外装リフォーム、水回り、造園などの要望がとても強いことがわかります。こういう事業を地域の中で安心して頼みたいというふうな希望も相当ありますが、企業にとってもメリットがなければならないと思うのですね。これからの事業として、私は、介護関係の項目が大事だなというふうに思うのですが、今までの実績を見せていただきますと、3件ほどなのです。少子高齢化の流れの中で、これらの事業の拡大の可能性はあるというふうに私は思うのです。この事業を2回利用した人の話ですが、リフォーム詐欺などがある中で、高齢者が安心して頼める、そして、どんなに小さい仕事でも頼める、話をよく聞いてくれるので、いいと言っていたのです。  そこで、この10月から介護保険を使っての受領委任払い制度がスタートしました。本人が希望すれば1割負担で利用ができるということですので、在宅で過ごす方々からは、手すりとか段差の解消、扉のとりかえなどの住宅の改修などはこれからますます求められるというふうに思うのですが、この介護保険における事業の拡大についてどのように考えておりますか、伺いたいと思います。 ◎本間 産業振興部長  介護保険を活用した事業の拡張でございますけれども、ご質問にもございましたように、現時点では、この制度におきまして介護保険を活用した住宅改修等の件数はわずかでございます。しかし、身近にあって相談しやすく、安全・安心な制度という点がこの事業の最大の特徴であり、利用者の皆さんからも評価をいただいているところでございます。今のお話にもございましたように、介護保険の受領委任払い方式が開始されたということもございますので、今後、市場が拡大すると私どもも考えてございます。関係する皆さんへの周知を初めとして、こうした拡大が見込まれる福祉分野につきましても、今後は対応を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆井上ひさ子 委員  この事業に対する市民の評価は、8割以上が本当に満足していると答えているのですね。身近なところで顔の見える事業が展開されているのかなということと、事務局がいてくれるので安心だというのは、これは、今も市がかかわっているということもありますからね。これまで、リフォームなどの悪徳業者も結構はやっていましたが、そういう中で、安心だという声が聞こえています。市民に対するアンケートなども、その都度とられていると思うのです。  私は、ここ何年かずっと事業を見てきていますので、これからはいろいろな面で自主的な運営を心がけて進めていくのでしょうが、事務局会議に本市が参加する中で、企業の声などもぜひ聞いてこの事業に反映させていってほしいなというふうに思うのですよ。やっぱり、事務局の体制は、かかわっている企業というのが変わっていませんし、それなりに安定してきているのかなと思うのですけれども、参画する企業の中で15社集まらなければまとまらないということもあります。こういう中で、いろいろな分野で参画できるのと、一人親方でも参画できるというよさもありますので、そういう企業の声をぜひ拾って生かしていただきたいというふうに思いますが、この辺についてのお考えを聞いておきます。 ◎本間 産業振興部長  参画企業の声を今後の事業展開に生かしていくべきだというご質問だったと思いますけれども、参画している企業の声につきましては、ご質問にありました事務局会議などで事務局から間接的に聞いているものもございますし、また、企業との意見交換会を開きまして、そういった場でもお聞きしていることもございます。その企業の声を幾つかご披露したいと思いますが、この仕事を通じてリピーターのお客様ができた、市民からの信頼感が増した、すぐれた技術を持った企業があり、助言をもらえる、自社だけでは無理なことが可能になり、他社を知り、連携できるメリット、市民に貢献しているという実感があった、こういった声をいただいておりまして、営業上のメリット、技術力の向上、社会貢献の意識といったところで高い評価をいただいておりますほか、一番大切なことは、お客様の安全・安心と信頼といった事業のあり方についての声も寄せられてございます。  今後は、広報、それから情報提供等の側面的な支援を充実させまして、より利用しやすく高い満足度の得られる事業として、市民への一層の浸透を図ってまいりたいと考えてございます。  また、最近では、以前、この事業に参画しておりましたある企業グループが、市の支援を受けずに独立いたしまして、培ったノウハウを生かしながら、地域に密着して事業を展開するといった新たな動きも見られてございますので、参画企業の側が、地域と一体となり、自立を目指していけるよう、今後の事業のあり方も検討してまいりたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  今、部長が答弁されましたけれども、市のコーディネート、そして企業と市民の結びつき、接点をつくりながら、この事業が少しずつ拡大されてきているのかなと。そして、本来のねらいである、それぞれの企業が独立して地域で活動できるような取り組みになっていってほしいなというふうに私も思うのです。補助金は3年間で切っていくという方向でありますので、ぜひ、今のこの期間の中で、建設業の方々がこの地域で仕事をしていけるような取り組みを強めて、体制の強化などにも力を注いでいただいて、しっかりと見届けていただきたいなというふうに私は思います。高齢者の方々が安心して仕事を頼めるという声も幾つか聞こえてきますので、さらなる研さんをし、また、技術の向上を目指して進んでいかれることを求めて、質問を終わりたいと思います。 ○芦原進 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時59分       再 開 午後3時20分     ―――――――――――――― ○芦原進 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、女性の起業支援について質問いたします。  男女平等と言われる現代にあっても、女性がいざ仕事へ出ると、また、地域で家庭でと、いまださまざまな不平等や不合理を感じながら生活している、そうした現状があります。しかし一方では、今後の超少子高齢、そして人口減少社会によって労働力人口が減少するといった時代の中で、女性の労働力、経済力にも注目が集まっており、女性の果たす役割はこれまで以上に大きなものとなっているのも確かだというふうに思います。特に、近年、女性の中には、従来のように人に雇われるという働き方ではなくて、みずからが仕事を起こすことに強い関心を持っている人も多くいらっしゃいますけれども、起業のためのノウハウや資金繰りなどのめどが立たないなどといった理由から、持っている力を十分に発揮できないことも多いというふうに感じております。  本市産業振興ビジョンでは、女性の潜在能力の活用を初めとした創業支援が掲げられておりまして、札幌市として、女性の起業支援をどのように産業振興に位置づけ、どのように支援していくのかが大変気になるところでありまして、また期待するところでもあります。  そこで、質問ですが、これまで札幌市は女性の起業支援としてどのようなことを行っているのか、あわせて実績についても伺います。  また、私は、本市が女性の起業支援に取り組むことは必要だというふうに思っておりますけれども、札幌市として女性の起業支援に取り組むその意義についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎本間 産業振興部長  まず、女性の起業支援の実績でございます。  札幌市では、創業に意欲のある方に対しましてさまざまな支援策を実施してございますが、女性に対する支援策といたしましては、女性、若者、シニア世代の「さっぽろ起業道場」がございます。この事業では、女性、若者、シニア世代を対象に15名程度の少人数制で、1期8講座を年4回にわたって開催してございます。起業道場終了後も引き続き講師による懇切丁寧な指導を受けることが可能であるなど、フォローアップ体制も充実してございます。その実績でございますけれども、平成20年度から平成23年9月末まで受講されました133名のうち、118名が女性でございまして、そのうち17名が実際に起業をしてございます。  なお、女性に限定したものではございませんが、起業支援の一つとして、創業・独立開業希望者支援セミナーがございます。このセミナーでは、経営者としての心構え、資金調達の方法、事業計画書の作成など、起業する上で欠かせないテーマにつきまして、年20回の講座を開催してございます。こちらの実績でございますが、平成20年度から平成23年9月末までに受講されました961名のうち、404名が女性であり、そのうち10名が実際に起業をされております。  次に、札幌市が女性の起業支援に取り組む意義でございますが、札幌市は、他の政令指定都市と比較いたしまして人口に占める女性の割合が高い一方、女性の有業率が低い傾向にございます。このため、先ほど委員からご指摘がございましたように、札幌市産業振興ビジョンにおきましては、女性の潜在能力の活用を初めとした創業の促進を基本施策の一つとして掲げておりまして、現在、ビジョンに基づき、創業セミナー、創業支援資金、専門家相談など、創業を検討している段階から、創業に至り、さらには軌道に乗るまでの一貫したフォローアップ体制を構築し、女性の起業を支援しているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  女性の起業支援として、お話にもありましたが、シニアとか若者といったように女性に限定したものではありませんけれども、起業道場、そしてセミナーがあり、そして、この間の実績についてもお伺いいたしました。  女性の起業に関して、日本政策金融公庫が毎年実施しています新規開業実態調査によると、1991年には新規開業の中で女性が経営する企業の割合が12.4%であったのが、2000年度には14.4%に上昇し、2009年度は一たん14.5%と2000年度の水準に戻ったものの、2004年度から2006年度は16%台となるなど、景気の影響を受けてはいるものの、着実な伸びを示しているというふうに報告しています。また、起業の理由としては、自分の裁量で働きたい、好きな興味のある分野で仕事をしたい、技術、資格、知識を生かしたい、また、ワーク・ライフ・バランスの観点からなどとなっております。  少し遠くの事例になりますけれども、女性の起業について調べていく中で、既にアメリカや韓国では早くから女性の起業を支援する法整備であるとか、ほかの先進国においても公的または民間によるさまざまな支援が整っていることがわかりました。  ちなみに、アメリカでは女性起業家の割合が約30%ということですから、恐らく、ヨーロッパの方ではもっと高いのではないかというふうに思っています。しかし、日本においては、これまで女性の起業に関する実態調査すらほとんど行われていないといった現状も報告されています。女性が起業をするということへの関心が社会全体としても高くはなかったのだなというふうに思っています。  そこで、質問ですけれども、女性の起業を促進することが今後の本市の重要な課題であると考えますと、本市のセミナーや起業道場などを受講された方が起業に結びついている割合は、必ずしも高いとは言えないというふうに思います。この点についてはどのように考えておられるのか、伺います。  あわせて、起業の割合を高めるために、例えば、既に起業した方の成功事例を市のホームページで紹介するなどPRを行うことはもとより、受講後に起業に迷っている方を後押しするような支援が必要だというふうに思いますけれどもいかがか、伺います。 ◎本間 産業振興部長  まず、起業の割合についてでございますけれども、受講者の中で実際に起業された人数が多いのか少ないのかということを判断いたしますことは、明確な基準がございませんので、非常に難しいものと考えてございます。  女性の起業支援につきましては、まずは起業に関心のある方に気軽に起業道場とか創業セミナー等を受講していただきまして、意欲のある女性のすそ野を広げていくことが重要であると考えてございます。また、起業した女性の活動内容などの広報につきましては、これまで、広報誌であります経済情報さっぽろなどを通じまして紹介してきたところでありますが、今後は、起業道場を初めとした札幌市のさまざまな創業支援策を受けて実際に起業されました女性につきまして、市のホームページなどのさまざまな媒体を活用して、より積極的にPRを進めてまいりたいと考えております。さらに、起業道場を受講された女性の起業意欲を高めるための取り組みといたしまして、実際に起業された先輩を囲む交流会を新たに開催いたしますなど、フォローアップの充実を図っていく予定でございます。 ◆小倉菜穂子 委員  数字で評価するのが非常に難しいというのは、実際に何%だからオーケーとはなかなか言いづらい事柄かなというふうに思っています。  これらのセミナーとか起業道場といった事業は、昨年の事業仕分けにおいても、もっと事業の周知をすべきであるとか、指定管理者に委託しているメリットをもっと出すべきといった指摘もありましたので、ぜひ、今ご答弁いただいたような内容についてのPRであるとか、また、交流会ということもありましたので、そうしたことについてぜひ確実に取り組んでいただきたいというふうに思っています。  また、資金の支援に関しては、正式な名前ではないかもしれませんが、創業・雇用創出支援資金が準備されてはいますけれども、起業の方法がわかって、支援資金が準備されていても、容易に起業に踏み切れないということが事業の実績からわかるのではないかなというふうに私としては思っています。それを後押しする取り組みとして、先ほど交流事業のようなお話がありました。私は、例えば、悩みを相談する仲間もいた方が励みになるのではないかなというふうに思っていますので、そうした先輩を囲んだ交流事業、そして、仲間との意見交換、相談できるそんな場を設定していただけたらいいなというふうに思っています。ぜひ、引き続き、工夫を重ねていただきまして、有効な起業支援にしていただきたいというふうに思います。  そして、今、起業の中でも関心を集めているのが、この前の2定のときにも少しお話をさせていただきましたソーシャルビジネスであるというふうに思っています。日本では、2000年ごろから注目されまして、社会への貢献を重視した生き方や働き方に共感が集まっています。経済が極端にグローバル化して、競争と利益に関心が集中した時代の中で、なぜか、社会がうまくいっていないなとか、自分に何か貢献できる道はないかなといったことで、これまでとは違う働き方や生き方を探している女性が潜在的にふえているというふうに言われています。既に紹介されている事業としては、子育て支援、高齢者、障がいのある方、ホームレス等への自立支援、保健医療、福祉、格差、貧困、環境などさまざまありますけれども、いずれも、非営利、奉仕、慈善などのチャリティー精神による生き方でも、利益のみを追求する働き方でもなく、両方を兼ね備えた働き方ということです。  また、中小企業庁が出しています創業環境に関する実態調査によりますと、女性の創業者は、年齢に関係なく、働きたい、アイデアを事業化したい、そして社会に貢献したいという割合が男性に比べて高いということを報告しております。今後、本市においても、2025年には65歳以上の方が30%を超えると推定される中、今後、10年余りでまちの構造が大きく変化することから、年齢にかかわらず、特に女性が潜在的に持っている力を生かすことのできる仕組みが必要だろうと考えています。ソーシャルビジネスは、もちろん女性に限った事業ではありませんけれども、先ほど来申し上げたように、まずは女性の課題であるとか、女性の力を生かすといった視点で取り組んでいってはどうかというふうに思っております。  そこで、質問ですが、今後、ソーシャルビジネスを振興していくに当たっては、男女共同参画室と連携を図るなど、女性に重点化した取り組みも必要と考えますけれどもいかがか、伺います。 ◎本間 産業振興部長  ソーシャルビジネスの今後の振興策でございますが、まずは、多くの担い手を養成することが重要であると考えておりまして、来年度、大学と連携した総合的かつ実践的な養成講座の開催を検討しているところでございます。また、例えば、子育てや介護など福祉分野における課題解決に当たりましては、女性ならではの着眼点が重要であることに加えまして、先ほどご説明いたしましたように、近年、女性の起業ニーズが高まりを見せておりますことから、男女共同参画室などとも連携の上、女性向けの養成講座の実施も検討してまいりたいと考えてございます。さらに、女性を初め、ソーシャルビジネスでの起業や実践に不安を抱える方も多いと考えられますことから、養成講座に加えまして、資金面や人脈形成のアドバイスを行うネットワークづくりを進めるなど、支援体制の強化を目指してまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  女性の起業ニーズも高まっている中で、これからは男女共同参画室などとの連携も図りながら取り組みを進めていくということです。ぜひお願いしたい、進めていただきたいというふうに思っています。  ソーシャルビジネスについては、これまで市民が自力で起業をしてきたという歴史もあります。そして、今現在、民間で女性の起業を支援するといった事業がないというわけではありません。しかし、自治体がソーシャルビジネスを振興するということで、その働き方が社会的に認知されるという意義は大きいというふうに感じています。そのことは、既に事業を起こされた方や、今、起業に向けて頑張っている方にとっては、大きな励みになるのではないでしょうか。今後は、今はまだわからないような、そして、見えていないような社会問題も恐らく顕在化することと思いますが、そうしたことを市民の中にある力で解決していくための道筋について、自治体が市民とともに考えるその過程もまた重要だというふうに考えています。  加えて、私は、若者にも大変柔軟な力があるということを日々感じることから、ソーシャルビジネスといった事業が若者の新たな働き方の選択肢の一つにもなる、そんなことも目指しながら、ぜひ取り組みを進めていただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  一つは、だんだん不振を深めていく商店街の生き残りをどう助けていくか、二つ目は、桑園の競馬場の問題、この2点です。  1点目ですが、私も商店街にかかわって、結構な年数になります。具体的に活動にもかかわっております。どう考えても、今の大型店との関係でいったら、商店街はますます疲弊して、そして店舗数が減っていくようなことになって、例えば、三番街商店街でも言われているけれども、ああいうところだって、遅かれ早かれ、同じ道筋をたどるなと私は見ています。  そこで、商店街に対して、経済局は、今までいろいろと小出しに金を使ってやっております。ここで、私は、実験的に、どこかの商店街に焦点を定めて、例えば、2年間、職員を市から1人出向させる、そして、商店街で1人か2人の人を雇う金、それにかかわる諸経費なども市が負担して、宅配なども含めて、今の年齢構成、いわゆる高齢化社会に適した取り組みを、大型店と――きょうの新聞にも、セブン−イレブンが、今まで1個1,000円以上で宅配するものを今度は500円で宅配する、田舎の小さな学校の給食もやるということが出ておりますが、言ってみれば、これと同じような取り組みを試験的にやる。その上で、それらの商店街がさらに残れるかどうかというような見きわめをする、どうすればいいかということもする必要があるのではないかと。  これについて、そういうような形で実験的に取り組んでみる考え方があるかどうか。具体的なことは、事前においでになったときに皆さんにお話をしております。これが一つであります。  それから、二つ目は、桑園の競馬場です。  これは、思い起こすと、昭和60年、私の1期目のとき、1985年ですね。このとき、後に議長になられた自由民主党の吉野晃司議員が、桑園の競馬場をやめて、あそこに国際会議などをやる大型施設をつくると。これは、総務委員会に具体的に陳情も出て審議をしたのですが、諸般の事情から取りやめになりました。  そこで、私が一連の原発騒動以来考えていたのは、北海道電力が石狩にガス発電所をつくるという話をしました。この発電施設は、何であれ、人間がかかわる限り、事故はつきものです。機械であっても確率的にある。例えば、チェルノブイリの事故なんかを見ると、従事している人のうっかりから起こっている、こういうこともありますし、今回の福島第一原発も、まだ明確にはされていませんけれども、そういう面が一部で言われております。  そんなことからすると、あのガス発電所を桑園の競馬場につくる。もちろんパイプラインを敷いてくるのに金もかかりますよ。しかし、その利点というのは、いわゆるまち場の中にそういう必要な施設をつくる。今までは危険があるからといって、全部、人のいない過疎地に押しつけていたわけですよ。そして、お金でもってそれを黙らせるというやり方をしておったのですね。そうではなくて、北海道の中で人口が一番集積している、190万人を超える札幌市の中心部のところにそういうものをつくる。そして、パイプラインなどを敷いてくるのに金がかかることについては、市民も社債なり何なりの発行について積極的に買っていく。こういう形でやることが――私は、固定資産税が入る、入らぬなんて、それも大事だけれども、そんなことではなくて、もっと根源的な、安全と、もう一つは、当然、電力というのは電線に乗せて送れば途中で減っていくのですね。消費地に近いところで発電することによって、その減り方も少なくて済むし、効率的になるのです。  そして、もう一つは、そこでやることによって、今、熱供給公社でやっている暖房、給湯については、皆さんもご存じのように、冷房ができないということで新しいビルはみんな入っていません。そして、ここに発電所をつくれば、発電のあとの排気熱を使って冷暖房をする。そして、今の熱供給公社のあそこは廃止をする。こういうことにしていけば、もう一石二鳥、三鳥の効果が上がるのではないかというふうに、私は、あの事故以来、常々、考えていたのです。いつ発表するかなと思って考えておって、きょうにと。これは、いわゆる雇用にもつながり、そして、今言ったようなことになっていくわけですから、私は、このことについて、札幌市はぜひ検討して取り組むべきだというふうに思うのだけれども、ひとつ、副市長、一発。 ◎生島 副市長  私から、2点目の、桑園競馬場を廃止して、その跡に、今、北電が石狩で計画しているような大型のガス発電所をつくってはいかがかというご提案ですね。(「はい」と呼ぶ者あり)  今、エネルギー政策についてはいろいろなことが言われております。確かに、電気をつくるところと使うところが離れ過ぎているではないかという議論はございます。したがって、いわゆるエネルギーの地産地消的な発想も多く言われております。  ただ、規模については、今言われているのは小規模なものをたくさんつくってネットワークしていくとか、そういうことが中心的な議論かなというふうに思っております。例えば、市内にもコージェネレーションの施設も結構あるわけですね。今、そういう議論がされている中で、本当に大きな発電所をこういうまちの真ん中にできるかということについては、私は、それが適当だという議論は、今のところ聞いたことがございません。また、桑園競馬場は札幌市の持ち物でもございませんし、考え方も多数ございますので、今、軽々に、そうだ、それはいいお考えだと言うわけにはいかぬなというふうに私は思っております。 ◎本間 産業振興部長  1点目は、商店街が宅配事業に実験的に取り組み、事業費も小出しではなくてかなり大規模に、それから、職員も配置するなどしてそのような取り組みを行ってはどうかというご質問であったかと思います。  委員のお話にありました商店街の取り組みにつきましては、実験事業といいますか、モデル事業として特定の商店街を支援し、成功事例をつくるということも一つの方策ではあると考えます。しかし、実験事業やモデル事業として実施するのであれば、補助終了後におきましても、商店街が独立して事業運営できる手法によって行う必要があると考えてございます。  そうしたところを模索しながら、事業を実施していく取り組みにつきましては、今年度から私どもで実施しております安心できる商店街サポート事業がございます。これは、高齢者等が買い物しやすい環境づくりやサービスを提供することに取り組む商店街を支援するという枠組みのものでございまして、商店街が宅配事業に取り組む場合も対象となるものでございます。  繰り返しになりますが、今申し上げました安心できる商店街サポート事業の枠組みの中でも支援は可能だと考えます。しかしながら、事業費をかなり大々的に入れてというお話でございましたが、安心できる商店街サポート事業の補助限度額は200万円でございます。これで十分ではないという具体的なケースが出てきたときには、補助率あるいは補助限度額を含めた制度の見直しを行うことを検討してまいりたいと考えますが、先ほど申し上げましたように、お話の取り組みにつきましては、補助終了後におきまして商店街が自立して事業を継続していくことができる内容でなければならないことや、モデル商店街というのは、実験を実施した商店街以外の商店街にも応用できる方法でなければならないのではないかという点をかんがみますと、事業規模の限界、限度はおのずから出てくるものではないかと考えております。  それから、職員の派遣につきましては、市の職員は、お話がありましたような事業を組み立てるための専門知識を持ち合わせておりませんことや、再三申し上げておりますように、自立していくことが求められる事業であると考えておりますことから、市の職員を派遣するというやり方ではなくて、町内会あるいは地域のNPOと連携して事業を実施することがむしろ現実的ではないかと考えます。  したがいまして、お話にありましたようなことが具体的になれば、市としては、町内会や地域のNPOといった団体と商店街とをマッチングするなど、側面的な支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  最初の桑園の話に副市長が答えたから、私は、札幌市では、皆さんが日常で食べながら、いわゆる最後の処理施設については市外に出そうとした事例を一つ紹介します。  それは何かといったら、馬だとか、牛だとか、豚とか、こういったものを屠殺した後の最後の臓物だとか、あるいは皮革の処理は、もともとは、例えば屠殺場なんかは新川にあったのですね。それを今度は江別市の角山に持っていった。皮革の処理場は、戦後は白石の駅前にあった。その工場が焼けたら、東米里の田んぼを買っていけといって、田んぼの中にできた。そうしたら、そこに清掃工場などができて、そこが札幌市のいわゆるグリーンベルトと称するごみのたい積場ができるということで、また出て行けとなった。そのときに札幌市がとった態度は、どこに行けと言ったかといったら、角山に行けとなったのです。そうしたら、江別の人たちから、何でもかんでも江別かという声が私のところに来たのです。それで、私は、当時、小川敏雄さんが企画部長をやっていましたけれども、彼といろいろと話をして、札幌市内であるあの山本のグリーンベルトの予定地の一部を解除して札幌市内にとどめることにしたのです。  その当時、事業者は何と言ったかといったら、肉だけはうまい、うまいと食べて、おれらがやっている仕事は汚い、汚い、市外に出ていけと言うのか、札幌市はと。まちの真ん中でにおいの出ない工場の第1号が熊本でできた、まちの真ん中だってできるよということで、私も見てきました。結果的にその設備を導入しました。  私は、そういうふうに考えると、やっぱり、きちっと人様に不快な念を与えないような、設備的にそれが補完できれば、市街化区域の中で一定の面積を確保してやるのが普通だと思うのです。したがって、そういうことなども含めて、私が議員に出てからずっと見ておって、桑園の今の話というのは、ここは土地が52ヘクタール余りあります。そして、石狩にだって、正確に言うと、ここは…… ○芦原進 委員長  松浦委員、よろしいでしょうか。 ◆松浦忠 委員  (続)はい。 ○芦原進 委員長  エネルギー問題に…… ◆松浦忠 委員  (続) いやいや、エネルギーってね、僕はエネルギーだけを言っているのではないのですよ。雇用の問題も…… ○芦原進 委員長  雇用は先般の労働費で一たん終了しておりますので…… ◆松浦忠 委員  (続)それから、産業振興も言っているのです。 ○芦原進 委員長  商工費に限って…… ◆松浦忠 委員  (続)いやいや、これは産業振興にかかわる、商工、産業振興にかかわるから言っているのです。北海道電力も商業施設です。商業会社です。 ○芦原進 委員長  広げればどこまででも広がりますので、きちっと整理をして質問をお願いいたします。 ◆松浦忠 委員  (続)はい。整理しています。整理しています。  これは、面積は52.52ヘクタールあります。したがって、私は、そういう意味できちっとまじめにとらえてやるべきではないかと。昭和60年のときは、吉野さんが紹介者になって総務委員会でも相当議論をしました。そのことを受けとめて、やっぱりこれから検討の一つとしていくことが大事ではないかと。これは、私は、率直にそのことを検討するように求めておきます。今、答えを求めてもしょうがありませんから。  もう一つは、商店街の関係であります。  商店街の関係で部長が今答えたのは、今までちまちまといろいろなことをやってきた。何をやっても、いっとき、それにかかわるものだけで、それほど商店街が生き残っていけるような施策は何もなかった。したがって、私が今言っているのは、イオンだとかいろいろなところでやっているように、例えば、桑園のイオンだったら、最初は、インターネットで予約したら午前1回、午後1回の宅配だったのですよ。それが、今は2時間置きぐらいに宅配しているのですよ。そういうふうにして、物を売るという仕組みをつくっていかなかったら商店街は成り立っていかないのですよ。したがって、そういうことを一つの商店街で実験的に2年なら2年やって、それをきちっと広げていく。その商店街はもちろん検証しますよ。  それから、今、決定的に素直な言葉を一つ言われました。職員にはそういう商売の知識はありませんと言った。知識のない人が商業振興の金を使っているから成果が上がらぬのですよ。知識をきちっと持ってやらなかったらだめなのですよ。知識を持つということは、実際に自分がその場に出て、やってみて初めていろいろなことがわかってくるのですよ。  そういう意味で、私は、どこかの商店街組合に、天下り先の市商連に人件費の補助を出すだけではなく、800万円もの補助金を出すだけではなくて、その金があれば、800万円あれば2年間やれますよ。そういうことを具体的にやったらいかがですかと私は言っているのですよ。それについて、きちっと答えてください。我々は能力がないからそんなことはできませんと言うなら、できませんでいいから。
    ◎本間 産業振興部長  繰り返しになりますけれども……(「委員長、繰り返しの質問は要らん」と呼ぶ者あり)。 ○芦原進 委員長  繰り返しの答弁は要らないそうですから……(「ちゃんと今のことに答えられないのだったら、答えられないと答えなさい」と呼ぶ者あり)  有無をしっかり答弁してください。 ◎渡邊 経済局長  先ほど申し上げたのは、物流に関する専門知識はないというふうに申し上げたので、産業振興についての知識がないと申し上げたつもりではございません。  それから、先ほども部長が答弁の中で言いましたが、我々が投下したとしても、最後は自立していかなければならないわけですから、大きなお金を投下してそれが成り立ったとしても、それを引いた後に成り立つかどうかという問題が大事なわけです。そういう意味で、今うちのつくっている安心できる商店街サポート事業の中で、そういう計画も立てられる補助メニューも用意していますので、それを使って、地域の商店街の皆さんが地域事情に一番詳しい、さらには、物流関係についてはコンサルとか物流会社が専門家でありますから、そこと協議をしてそういう宅配システムが成り立つかどうか、そういうものは我々が用意したメニューの中でできるというふうに考えてございます。 ◆松浦忠 委員  あのね、全く同じ答えでね、はっきり言うと、あなた方は実態を知らない。知ろうとしない。知らないで、そして、ちまちまと金をばらまいて何の効果もないことを毎年毎年やっている。したがって、私は、こういうような税金のむだ遣いはやめなさい、効果があることをきちっとやりなさいと、そのために具体的に提案をしているのですよ、商店街とも相談をして。  それから、あなた方は、今、部長も局長も、答弁の中で、いいですか、答弁の中で、その後が続くか続かぬかと言ったけれども、選んだ商店街とそういうこともきちっと相談をして、そして見きわめた上で決めればいいじゃないですか。何もしないでいて、どこかと相談したのですか、こういうことは。今、私は突然として申しておるのではないのですよ。前からこのことを言っているのですよ。今回も質問を聞きに来たから、このことが中心だから、よくこのことを上の人と相談しておきなさいと、来た課長に言ってあるのですよ。全くしていないじゃないですか、これ。そういうふまじめなことじゃだめですよ。  したがって、これ以上、答えは求めないけれども、来年の予算編成に向けて、具体的にどこと相談して、そして、できなかったら、どことどこと相談して、こういう結果でできなかったということをきちっと予算編成前に示してください。これだけを求めておきますから。終わり。 ◆金子やすゆき 委員  私からは、さっぽろコンテンツマーケット創出事業費につきましてお尋ねさせていただきます。先ほど中村委員もご質問なさっておられましたので、そこには重複しないようにお尋ねさせていただきたいと思います。  平成22年度は2,542万円の予算を費やして行われているこの事業は、映画などの上映権をインターネットのホームページ上に公開して取引をするということで、札幌市がさっぽろ産業振興財団に補助金を出してつくった取引市場でございます。スポットライツという英語のホームページ、このマーケットでございますけれども、世界じゅうから短編映画が8,338本掲載されているとご説明を伺いました。国別の内訳を申しますと、フランスの作品が一番多いということでありまして1,225本、続いて、日本が759本、アメリカが691本と、世界じゅうの国際的な映像のコンテンツが集まっております。  ちなみに、札幌の本数は何本かとお聞きしましたところ、よくわからないという話でございましたけれども、日本の中の何本かに含まれているものと思われます。  この事業が始まったのが平成21年度、当初の初期投資額が3,400万円余、ランニングの維持費として毎年2,500万円の経費がかかっております。私は、担当の職員にこのシステムを実演していただきました。実際に拝見しましたところ、過去の札幌で行われました短編映画祭の作品のほとんどが動画で収納されておりまして、パソコンのボタンをぽんと押すと、過去の作品も、全部、動画で、机にある手元のパソコンで見ることができる大変すばらしいホームページだという印象を持ちました。このすばらしいホームページで映像の売り手と買い手が出会い、活発な映像取引が成立することを期待しておるのでありますが、肝心の売り上げはと言いますと、初年度、平成21年度はゼロ円、そして、残念ながら、2年目、22年度も売り上げはゼロ円だったというご説明でございます。  2,500万円の予算を投じた事業の成果がゼロ円というのは、大変厳しい状況ではないかと思います。先ほど中村委員のご質問でもございましたが、600万円の売り上げが一部あったという話ではございますけれども、よく聞いてみますと、この業務を委託しておりますコーディネーターの方のご配慮、この方のご縁で、本州の大手食品メーカーに一括24本、約600万円で買っていただけたというご説明でございました。しかしながら、これを入れましても2,500万円の経費で600万円しか売り上げがないということは、やはり大赤字であると言わざるを得ません。しかも、この600万円は、今申し上げましたように、このシステム、ホームページの上で取引、商いが成立したのではなく、札幌国際短編映画祭のフェース・ツー・フェースのコミュニケーションの中で成立した取引ということでございますので、厳密には本事業の成果ではないのではないかと考えます。  そこで、お尋ねさせていただきますけれども、多額の市税を投じて開発したせっかくのこのシステムが利活用されず、売り上げが全く上がっていない現状を札幌市としてはどのようにお考えになっているか、また、ホームページの運営に毎年2,500万円以上の経費がかかっている理由は何か、まず、お尋ねさせていただきたいと思います。 ◎本間 産業振興部長  まず、多額の経費をかけている割に成果が上がっていない現状をどう考えるかというご質問でございますけれども、中村委員にもお答えいたしましたが、私どもも、成果はまだまだ不十分であるというふうには認識してございます。しかし、短編映画のマーケットは発展途上の分野でございますし、これも中村委員から要望のところでご指摘がありましたように、短編映画祭そのものの周知がまだ足りないということが影響して成果につながっていないということもあろうかと考えております。したがいまして、短編映画祭そのものの周知とあわせて、バイヤーへの周知、営業の強化といったところをこれから行いまして、売買の増加を図っていきたいと考えているところでございます。  それから、維持費の2,500万円等の内訳のご質問だったと思いますけれども、これは、平成22年度の決算額2,542万4,000円についてお答えいたします。  まず、システムの保守費、中身的には、サーバーをリースで借りておりますので、このリース費が1,400万円余り、回線使用料が200万円余り、システムの保守費が530万円余りでございます。それから、ご質問にありましたコーディネーターの人件費として330万円余りという内容でございます。 ◆金子やすゆき 委員  今、管理費の内訳を教えていただきました。  この2,500万円の予算は、私は、マーケットの発展のため、あるいは、札幌で短編映画祭にかかわっている方々のアーチストのために使われているものというふうに思っていたわけでございますが、今お話をお聞きしますと、コンピューターのリース費、あるいは回線の使用料、メンテナンス、保守、開発の経費として使われているということです。つまり、2,500万円のうち2,200万円は、いわゆるコンピューターの維持費ということで、これはひょっとして東京や本州の大手のコンピューター会社に流れていってしまうのかなと。そして、地元に残るお金は何かというと、今おっしゃっていたコーディネーターの人件費330万円ということで、地元に落ちるお金が余りに少ないのではないか、札幌市の産業振興のために本当に生かされているのかなという疑問を持たざるを得ません。これで本当にコンテンツマーケットの創出につながっているのかどうか、疑問を感じるところであります。  もっと、コーディネーターの活動費であるとか、ヒューマンなところに資金が行くべきではないかと思いますけれども、お考えはいかがでございましょうか。 ◎本間 産業振興部長  この2,500万円余りが地元に余り落ちていないのではないかということでありますけれども、コーディネーターの人件費はもちろん地元の企業との契約であります。それから、ハードに係る費用のうち大きなもの、ハードウエアリース費でありますが、これは地元の企業と契約をしております。したがって、この2,500万円について、余り地元に落ちていないというご指摘は当たっていないのではないかと考えております。 ◆金子やすゆき 委員  ハードのリース料、先ほど部長のご説明でございました1,471万4,280円は、事務局へお尋ねしたところ、道内企業ではないようにお聞きしておりましたが、間違いございませんか。 ◎松川 ものづくり産業課長  今の関係ですけれども、システム保守費につきましては、地元の会社ということで520万円余のお金が落ちております。ハードウエアは、本社が東京の会社でございます。 ◆金子やすゆき 委員  答弁漏れです。  先ほどご質問した中で、まだお答えいただいていなかったのですが、本来的にこのコンテンツ事業の発展ということを考えるのであれば、システムとかハードというところではなくて、人のところにもっとお金を投ずるべきではないかというご質問をさせていただきました。もう一度、お答えいただけますでしょうか。 ◎本間 産業振興部長  ハードウエアに関しては、済みません、ちょっと間違っていまして、リースについては本州企業からのものであります。  しかし、最初にお話がありました、初年度にかかった3,400万円、システム作成についての費用は、地元企業と契約して作成したものでありますので、この点については地元にお金が落ちているものと考えております。 ◆金子やすゆき 委員  そして、今、少しお話し申し上げましたけれども、コーディネーターを務める方の役割というのは大変重いものがあろうかと思います。マーケットは、あくまでインターネットのパソコン上の画面でございますので、実際に売り手と買い手の橋渡しをする役割、やはり、ここのところに力を入れていただかなければならないのではないかと思っております。  ところで、このコーディネーターでございますけれども、さっぽろ産業振興財団から委託をされているコーディネーターは、イニシャルで申し上げますが、初年度はS社という会社に委託をしておって、2年目の平成22年度からはV社という会社に委託を変更したというふうに伺っております。このV社という会社でございますが、平成22年3月25日に設立された、22年度が始まる数日前に設立された会社で、資本金が100万円、売り上げの実績は契約当初ではゼロ、社員は一人もいないという会社に委託をされたと聞いております。  こういう何の実績もない会社に、事業開始から2年目に、突然、委託先を変更された理由は何かあったのでしょうか、また、この業務は公募で募集されたものでしょうか、お答えいただきたいと思います。 ◎本間 産業振興部長  平成21年度にコーディネート業務を委託した業者から、22年度は変更した理由でありますけれども、ご質問でもあったと思いますが、21年度の短編映画祭のコンテンツの販売実績はゼロでございました。したがいまして、それを踏まえて変更したということでございます。  コーディネート業務で取引されるコンテンツというのは、言うまでもなく短編映画祭の応募作品が大部分でございます。コンテンツマーケット活性化のためには、その大部分である短編映画祭の作品の内容を熟知し、それを制作した方、権利を持っている方とのコンタクトでありますとか、あるいは、バイヤーへの情報提供についてのネットワークを有している必要があると考えております。また、商談を進める上での法務面でのサポートを行う知識、経験を有していることも重要だと考えてございます。  平成22年度からコーディネート業務を委託しております業者につきましては、短編映画祭実行委員会のメンバーが中心となって、社員はおりませんけれども、役員という形で何人かが従事しております。そういう映画祭のメンバーが中心となりまして、映画祭の開催を通じて得られたノウハウあるいは人脈を生かして、映画・映像ソフト、音楽、写真等の知的財産権の取得や販売を目的として設立した会社でございます。このコーディネート業務の実施者でありますさっぽろ産業振興財団は、そういったところを勘案いたしまして、このコーディネート業務を円滑に遂行するためには、21年度に委託した業者ではなくて、新しく設立されたこの会社と契約することがコンテンツの販売促進については最も適当だと判断いたしまして、特命で契約をしてございます。 ◆金子やすゆき 委員  特命で、できたばかりの会社に、社員もいない会社に発注されたという大変苦しいご答弁のようにお聞きいたしました。(「問題だよ、それ、あんた」と呼ぶ者あり)  このV社に対する契約書を既にいただいております。この契約書によりますと、平成22年度の業務委託を契約したのは平成22年4月9日でございます。4月1日ではなく、4月9日に、4月9日から始まる業務を委託しているということでございます。3月25日に大慌てでこのV社をつくり、4月9日に契約したということでございますが、そうなると、4月1日から8日までの間はだれがこの業務をやっていたのでしょうか。経済局では、このところの事実関係を22年4月当初は把握されておりましたでしょうか。  また、先ほど部長から、V社の代表取締役社長の方にはさまざまなネットワークやノウハウ、人脈があるというご説明がございましたけれども、この会社の代表者の方は、札幌市のその他の委員会や審議会、関連する法人、団体、役職についているケースはないでしょうか。また、代表者が経営していらっしゃる会社で札幌市や出資団体から別の事業を受託して報酬を受け取っているという例はございませんか。 ◎本間 産業振興部長  平成22年度の契約の日にちが4月9日であったこと、それから、3月に設立された会社に4月から委託することを知っていたのかということにつきましては、これは把握しておりました。財団として、映画祭のメンバーである方が設立される会社にコーディネート業務を新たに委託するという話を聞いておりました。  それから、今、コーディネート業務を委託している会社の代表者の方の経歴といいますか、キャリアについてのご質問でありましたけれども、私どもで実施しております札幌スタイル事業の委員、それから、札幌デザインウィーク実行委員会の委員長等々、そういう委員を務められていらっしゃいますけれども、札幌スタイルの委員会に出席する際に委員報酬をお支払いする以外は、市として特に報酬はお支払いしておりません。 ◆金子やすゆき 委員  今、札幌市経済局の中で委託している業務が幾つかあって、役職があるという話を伺いました。私の調べでは、この方は、そのほかには、例えば札幌市立大学の役員も務めておられます。  ちなみに、市立大学の資料を見ますと、この方の役職としては、今お話のありました、今回、業務を委託しているV社の代表取締役だけではなく、別のデザイン会社の代表取締役という経歴が記されております。私はもともとメディアの世界におりましたけれども、この会社はデザイン会社としては大変有名な実績のある会社でございまして、立派な会社の経営者であるということです。そうであれば、なぜ、わざわざ100万円の資本金を投じて新しいペーパーカンパニーをつくってそこに業務を発注しなければならなかったのか、いささか疑問を感じるところでございます。(「大いに疑問だ」と呼ぶ者あり)大いに疑問です。  先ほど、特命でこの会社に業務を委託したということでございますけれども、私のつたない経験から申しましても、札幌でこういう映画のネットワークを持った人はいっぱいおります。あえて業務を公募しないということをお聞きしますと、仲間内で好きなようにこのお金、予算を分け合っているだけではないかというふうに見えるわけでございます。映画のコーディネーターというのは、簡単に言いますと、自分の好きな映画をいろいろ見て、お友達といろいろ歓談する、あるいは、自分のつき合いのあるスポンサーの広告会社の人と話をしていたらそれが仕事になるという、ある意味、大変楽しい仕事であります。さらには、今回、コーディネーターとしてこの業務で毎月定額の報酬を受け取るとともに、マーケットの売り買いでもし取引が成立すると、さらに成功報酬を受け取れるという契約書になっております。  ちなみに、今申し上げた成功報酬というのは、平成22年4月9日の契約では成功報酬が入っていないのですけれども、途中で変わった契約書には成功報酬制が入れられているのですね。年度途中で契約書の中身が変えられています。こういうふうな話を見ますと、外の目からはこの公金の使い方に対していささか不透明なところが感じられます。  札幌市経済局としては、さっぽろ産業振興財団の業務の運営にもっと透明性を指導すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎本間 産業振興部長  まず、再三、ペーパーカンパニーというご指摘をされていらっしゃいますけれども、実態として、このコーディネート業務を委託した会社が活動して、わずかでありますが、平成22年度には販売実績を上げている、そういう具体的な活動をしている会社であると考えてございます。  それから、映像の営業を行うことができる会社はほかにもあるというご指摘でありましたけれども、先ほどお答えいたしましたように、コーディネート業務で実際に営業をかける対象のほとんどは国際短編映画祭の応募作品であります。したがって、この短編映画祭の応募作品の内容を一番熟知している方が起こされた会社にこの業務を委託しているということでございます。  それから、成功報酬についての契約改定のお話でありましたけれども、最初の契約から、成功報酬といいますか、100何万円以上の売り上げがあった場合は、それを超える部分をコーディネート会社に渡すという契約であったと思います。今回、それを改定いたしましたのは、売り上げが少ない現状を踏まえまして、100万円以上の売り上げがない場合には財団の方に収入が全然入ってこないものですから、わずかではあっても取引が成立した場合にはお互いに報酬が入るように契約改定をしたということでございます。 ◆金子やすゆき 委員  今、部長のご説明にありましたところに、一部、誤りがあるような気がいたします。この取引が成立したときに財団にお金が入らないとおっしゃいましたけれども、事実は逆でございまして、当初の契約ではこのコーディネーターに報酬が入らないという契約でございました。これが12月に契約が変わることによってコーディネーターに報酬をかえるというふうに、つまり、わかりやすく言うと、財団に不利なように途中で契約を変えているわけです。この点についてはいかがでしょうか。 ◎本間 産業振興部長  ご指摘のように、契約の内容は別でございましたが、ただ、成功報酬は、市が払うのではなくて、あくまでも作品を買った方の売り上げ代金から支払われるものでございます。 ◆金子やすゆき 委員  どちらでもいいのですけれども、結局は、委託者、受託者に有利なように、だれにも説明もせず、勝手にこういうふうにルールを変えているということが問題だという話、また、再三申し上げたように、透明性がないということについて問題提起をさせていただいているわけでございます。  私は、時間も長くお話しさせていただいているので、ちょっとまいていきたいと思います。  過去のことの追及はここで一たん終わりにいたしまして、先のこと、この事業の未来のことを少しお話しさせていただきたいと思います。  先ほど、中村委員からも、これはまだ始まったばかりの事業でもありまして、大変有意義なシステムですからもっと発展すべきだというご質問がございました。私も同感でございます。しかしながら、この事業をじっくり見ていくと、これをこのまま放っておいて発展するのかなということに対して大変疑問を感じるところなのであります。  どういうことかと申しますと、これはインターネットのホームページですけれども、ホームページにどれくらいアクセスがあるのですか。アクセスというのはホームページを訪ねてきてくれた人のことですね。実際に映像のバイヤーのインターネットのホームページの訪問数が1日に約2件から3件、2ユーザーから3ユーザーしかないということでございます。  ちなみに、申し上げますと、私は個人でインターネットのブログをやっているのですけれども、私のブログは1日100件、300件、500件ほどありますので、けたが2けたぐらい少ないのかなという印象を持っております。  せっかくのサイトにどうしてこんなにアクセスが少ないのかといいますと、バイヤーとして登録している方の数が6社しかいないということなのですね。平成22年度が6社です。事業が始まった当初、平成21年度は13社のユーザーがいたにもかかわらず、22年度はその半分以下の6社に減っているということでございます。このホームページの中にどれだけすぐれた国際短編映画祭の作品があったとしても、肝心の買い手のバイヤー、買い手の方が6社しかいないのでは取引が活発になるはずはございません。このままでは宝の持ちぐされになってしまうと思いますけれども、バイヤーがどうしてこんなに少ないのか、もっとふやす方策はないのでしょうか、お尋ねしたいと思います。 ◎本間 産業振興部長  バイヤー登録が少ない原因でありますけれども、このコンテンツマーケットにバイヤー登録するに当たっては、有料としてございます。5万円の登録料が必要だという設定をしてございますので、この金額がバイヤー登録が余り多くないという原因の一つではないかと思います。  それから、もう一つは、先ほど中村委員にもお答えいたしましたように、このコンテンツマーケットのアクセス数が少ない、それから、バイヤー登録数が少ないということにつきましては、映画祭の知名度の向上がまだまだ徹底していないということも原因の一つだと考えてございますので、バイヤー登録のあり方について、それから、知名度の向上、販売力の強化等の営業努力を続けながら、このコンテンツマーケットシステムについてはあり方を検討してまいりたいと考えております。 ◆金子やすゆき 委員  あり方を検討していきたいというよく聞きなれた言葉が出てくるわけでございまして、この問題に対する認識がいささか甘いのではないかと考えるわけでございます。  そして、今、産業振興部長からご説明のありました5万円という金額です。私も、最初、このホームページを自分のパソコンでたたいてみたところ、これは、入り口でIDとパスワードを入れないと中が見られないようになっております。いわば、外の人にはこのサイトにアクセスできないという完全非公開のホームページになっております。5万円の会費を払ってIDをもらわないと、中が見られないということなのですね。(発言する者あり)中にはいろいろな映画が入っております。あらゆる映画がコンテンツとして入っております。  このシステムというのは、市税を投じてつくったサイトなのに、札幌市民が閲覧することができないというシステムになっているのですね。本来であれば、あくまでこのお金が市税、税金であることを考えますと、札幌市民への還元がまずあるべきではないかというふうに思います。  また、先ほど申し上げましたように、せっかくマーケットで取引が成立しましても、例えば、一番多いフランスの国の映画の作品が売れたとしたら、売り上げ代金は全部フランスに行ってしまうのですね。そんなことであれば、せっかく取引が成立しても札幌のアーチストにお金が落ちるわけでもありませんし、ランニングの経費は東京の会社に流れていってしまうし、せっかくつくったホームページも市民は見られないと、では、札幌市民にどんな還元があるのですかということを疑問に感じるのです。  そこで、例えば、一つ提案でございますが、過去の札幌国際短編映画祭の作品のごく一部でも、市民の方にせっかくつくったこのシステムで自分のパソコンから見ていただけるような形にするとか、何らかの市民に役立つような仕組みづくりに変える必要があるのではないかと考えますけれども、この辺の改善に向けてのお考えをお伺いしたいと思います。 ◎本間 産業振興部長  まず、日本人のクリエーターのつくった作品が少ないということにつきましては、これは、国際短編映画祭に応募された作品を収蔵し、その売買をするという目的でつくられておりますので、そこの改善をするということであれば、短編映画祭の応募作に関して日本からの応募をもっとふやすような努力をすることが必要になるものと考えます。  それから、映像につきましては、短編映画祭で放映することに関してはクリエーターの許可を得て放映することはできるのですけれども、映画祭終了後、2次利用という形でその映像を放映することに関しましては、改めてそのために権利を取得しなければそういう使い方はできないということでございます。  お話にありましたように、このコンテンツマーケットに蓄積されております作品を市民の方も楽しむことができるようになれば、それは好ましいものとは思いますけれども、今申し上げましたように、2次利用には権利の売買をして権利を取得する必要がございまして、今現在、市、財団、映画祭の実行委員会のどれもその権利を所有しておりませんので、残念ながら、市民の皆さんがこのシステムを使って気軽に短編映画祭の映像を見ることをできるようにするのは非常に難しいというのが現状でございます。 ◆金子やすゆき 委員  今、権利処理の問題で非常に難しいというご説明がございました。  私は、前職はメディアの会社で、会社で映像を販売する仕事にかかわっていたことがございますけれども、権利処理というのは、専門的にやればさほど難しいことではございません。過去の作品については困難もあろうかと思いますけれども、ことしは終わってしまいましたが、来年の短編映画祭で札幌市の持っているすばらしいスポットライツというホームページで、一部、優秀作品は公開しますよと、このことを権利者と事前に調整すればできることでございますので、決して難しいということではないのですね。  先ほど申し上げましたように、2,500万円という多額の市税を使って結果がないということについて、まず謙虚に受けとめていただいて、今年度はまだ半年ございますけれども、来年以降も続く事業であれば、ぜひ市民への還元を考えていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。 ◆飯島弘之 委員  私からは、局別施策の概要の74ページ、中小企業支援事業費のうちの中小建設業等経営資源活用型モデル事業についてお伺いいたします。  この事業は、中小建設業等が行う経営改善、新分野進出等への取り組みに対する支援を目的としまして、大きく三つ、本業強化に関する事業、建設業以外の新分野へ進出することについての補助、そしてもう一つは、事業化後の課題解決に関する事業に関して補助をしていくというものであります。平成22年度は、予算額は1,485万円でありましたが、決算額は510万4,000円、執行率は34.3%でありまして、低い数字だなということであります。  私は、かねがねこのモデル事業には注目してまいりまして、また、大変期待もしてまいりました。それは、本市産業構造に見る建設業並びに建設関連業界の位置づけでありますが、市内総生産額は約413億円、本市総生産額の6.2%を占めて、依然、主要産業の一つであります。また、直近の平成18年の調査では、本市の建設業は事業所数で全体の8.5%、従業員数で8.3%となっておりまして、減少傾向であるとはいえ、依然、大きな割合を占めております。また、平成22年における帝国データバンクの調査によりますと、市内建設業の倒産件数は50件、全倒産件数の34.4%を占めておりまして、負債総額も76億円と高い水準を示しており、そして、本道における公共事業の現状と見通しについては、平成21年度で公共が63.7%、民間部門が36.3%と、公共の割合が依然高く、半数以上を占めているということでありまして、今後の本市の公共事業の見通しは、ご承知のとおり、決して明るくはないことから、建設業界の縮小、そして倒産は続くというふうに考えるのが妥当であります。したがって、必要な対策を講じることは、市として、当然かつ重要な施策であると思います。また、災害時、冬期間の除排雪等、建設業界が果たしている役割は大きく、単なる建設事業にとどまらず、我々市民生活に大きく広く寄与しているということも、その対策が求められる理由であろうかと思います。  本事業も、平成18年度にスタートいたしまして、昨年度で5年となりました。今年度、平成23年度から事業名を建設業等成長分野進出支援事業とリニューアルいたしておりまして、多くの課題、問題点もこれまであったかというふうに思いますが、いよいよ6年目ということでありまして、私も業界の方からさまざまなご意見を承っているところであります。  そこでまず、この事業の内容に関して、新分野進出の点についてお伺いさせていただきたいと思います。  この事業に関しては、昨年度の採択件数は1件でありました。リニューアルスタートしました今年度においては、応募が1件、採択はゼロということであります。冒頭述べさせていただいた業界の疲弊した状況、そして、新たな事業展開が望まれている状況からして、新分野進出に関する事業についての近年の状況は余りに厳しいと言わざるを得ません。この事業が始まった平成18年度から3カ年は、18年度が5件、19年度が5件、20年度が3件と一定程度の採択件数がありましたが、直近3カ年は、21年度がゼロ件、22年度が1件、23年度がゼロ件ということであります。何かあったのだろうかという疑問を素朴に持たざるを得ません。  そこで、質問でありますが、事業開始から3カ年、一定程度採択されていたこの事業が、ここ3カ年は非常に低迷しているその理由についてお伺いさせていただきます。  また、平成18年度から3カ年は、今ほど来申し上げましたように、5件、5件、3件と採択をされておりますが、現状、この補助を受けた事業の状況についてはどのようになっているのか、その点についてあわせてお伺いいたします。 ◎本間 産業振興部長  1点目の新分野進出に関する採択件数の減少についてお答えいたします。  ここ3年間につきましては、新分野進出への申請件数が少なかったこと、内容につきましても採択に至るようなものではなかったことが採択数減少の原因でございます。  2点目の事業開始当初からの3年間で新分野進出の補助を受けた企業の状況でございますが、当初の3年間で採択されました13件のうち、補助終了後に事業化されたものが9件、そのうち、現在も事業が継続されているものは6件でございます。  事業化に至らなかった案件につきましては、技術開発上の課題を解決し切れなかったこと、事業化したものの継続できなかった案件につきましては、市場の動向を把握し切れていなかったことがそれぞれ主な原因と報告されてございます。 ◆飯島弘之 委員  申請件数が少なかったということで、結果、採択はできなかったということであれば、やはり、この事業そのものの意義といいますか、存在が非常に厳しくなってきているのだなというふうにとらざるを得ません。また、継続もなかなかできないというのは、市場、マーケットの見通しが甘かったのだということでなかなか続けていかれない。商売でありますからそういうことはあろうかと思いますけれども、お聞きしますと、改めて厳しいなというふうに思います。  北海道の他都市、他地域におきましては、建設業社が保有の機械を転用できる優位性から農業へ進出するということがよく聞かれます。同様の話で、生産、販売がうまくいかない、収益が上がらないといったことから撤退するケースも多いというふうに聞いております。当然でありまして、農業を本業とする農家の皆さんでも今はなかなか厳しい状況でありますから、そこに新規で建設業者が入っていっても、そう簡単にうまくはいかないということなのだろうと思います。  ただ、市からいただいておりますこの事業のリーフレットを拝見しますと、頑張っているところもありまして、豊平月寒の稲田組というところでは、土木部門を廃止して農業部門への新規参入を決めて頑張っていらっしゃるということであります。夕張メロンの農家の担い手、後継者不足の農家から事業を継承して、今はメロン以外にも幅を広げていこうということで頑張っているというふうにも伺っております。そういった意味から、やはり、行政が後押しするということは、厳しいながらも大切でありますし、今後もぜひ頑張っていただきたいというふうに思うのでありますが、6年目になりまして、市としてもいろいろな課題をお感じになっているのだというふうに思います。  そこで、今後の新分野進出に関する事業についての本市としての課題、そして、取り組みについての今後の展望ですが、どのように発展させていくおつもりなのか、今後の市のお考えについて改めてお伺いさせていただきます。 ◎本間 産業振興部長  新分野進出に関する事業の課題、展望、今後の方向性でございます。  今年度、建設関連の企業1,700社を対象に新分野進出に関するアンケートを実施いたしましたところ、行政に最も望む支援は補助制度であり、次に融資制度、3番目に新分野進出前の調査に対する支援が挙げられてございました。また、新分野進出後の課題といたしましては、半数近くの企業から市場開拓が挙げられ、次いで、人材育成・確保、資金調達という回答が得られております。  したがいまして、今後は、新分野進出に当たっての市場調査等についても補助の対象といたしますなど、企業の新分野進出をより円滑に進めていくための支援を検討してまいりたいと考えております。また、企業が実際に進出しております新分野としては、環境リサイクル分野が多くなっておりますことから、今後は、成長が見込まれます環境関連分野への進出に寄与できるような支援も検討してまいります。 ◆飯島弘之 委員  新分野への進出でありますから、これは、やはり、民間企業の創造性やオリジナリティー、独自性といったものが問われるところでありますし、また、当然、リスクというものはやはり多大であります。行政としても、そういったものを見きわめることも、銀行ですら新分野に対する融資の姿勢は厳しいわけでありまして、それ以上に市民の税金を投入しての補助でありますから、厳しくなるのは当然であります。そういった中でも、今も答弁がありましたけれども、リサイクル分野などさまざまなマーケットの調査に対する支援など、幅広くお考えいただけるということでありますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。  やはり、応募のすそ野を広げていく、やっぱり母数をふやしていくこと、これがまず第一なのだというふうに思います。ですから、今、答弁をいただいたようなことをしっかりやっていただいて、まず応募の母数をふやして、そこから、これはというきらりと光る玉を市としてぜひ磨いていただければというふうに期待を申し上げたいと思います。また、こういったものを知らない企業も多いようでありますので、並行してPRの方もぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、本事業のもう一つの大きな柱であります本業強化に関する事業についてお伺いいたします。  建設業、そして建設関連業界の疲弊した状況、そして、本市経済において、依然、生産、雇用等において大きなウエートを占め、また、冬期間の除排雪等において重要な役割を果たしていただいているということは冒頭に申し上げました。その意味においては、今ほど議論いたしました新しい本業以外の分野へシフトしていただくことも重要でありますけれども、当然、本業の経営基盤の安定強化に注力をしていただくことも重要であります。  お聞きいたしますと、昨年度の本業の強化に関する事業に関しましては、先ほどの本業以外への新分野進出と同様に、最初の3カ年は平成18年度が2件、19年度が4件、20年度が4件と採択されておりましたが、一昨年度が1件、昨年度、平成22年度が2件でありました。市としても大変危機感をお感じになられたようでありまして、今年度は要件を緩和して広く募集され、3件にふえたというふうにお聞きしております。  そこで、2点お聞きいたしますが、昨年度、一昨年度と採択の数字が落ち込んだ理由を改めてお聞かせください。  そして、要件を緩和した結果、今年度はふえたということでありますが、条件をどのように緩和されたのか、その点についてもお伺いいたします。 ◎本間 産業振興部長  1点目の本業強化につきまして、昨年度、一昨年度の採択数が少ない理由でございますが、平成21年度は、事業化後の課題解決に関する事業を新たに補助対象として設定したこともございまして、本業強化への申請件数が4件にとどまり、その内容につきましてもすぐれたものがなかったことが要因でございます。22年度につきましては、2次募集まで実施いたしましたが、最終的にも申請件数が3件と少なかったことが原因でございます。  2点目の申請要件の緩和の内容でございますが、1点目でお話しいたしましたように、申請件数が伸びないことが採択数の減少につながっておりましたことから、より多くの企業が応募できるように、これまで、札幌市の競争入札参加資格を有することを条件にしていたものを廃止いたしましたほか、建設業等の売上高が50%以上としていたものを、売上高の中で建設業等の割合が最も高いことに変更してございます。 ◆飯島弘之 委員  事業化後の課題解決に関する事業へシフトしていった部分でちょっと減っているのかというお話が今ございました。よくわかるのであります。立ち上がって事業化されて、何年かたって、それをまたバージョンアップしていく、事業化していくための方向に移る、そこへシフトされたということもあるのかもしれません。ただ、やはり、新しい芽をどんどん見出していくことも並行してぜひお願いしたいと思います。実際に補助を受けている会社から聞いておりますけれども、やはり、同じところに、何度も何度も、次は何かないですか、ないですかというお話もあるように聞いております。それはそれでいいのでありますが、ただ、もう少し幅広く企業に当たっていただいて、新しい芽も同時に見出していただくことも改めてお願いしたいなというふうに思います。  ただ、建設業の技術というのはそもそも相当成熟化しておりまして、また、本業における新しい分野を見出すことはなかなか難しいということも認識しておりますので、ここの部分は本当に難しい事業だろうなということはよくわかります。ただ、先週、10月20日付の北海道建設新聞の1面に、北海道開発局の新技術情報提供システム、業界ではNETISと言っていますけれども、登録が好調であるという記事が出ておりました。NETISというのは、民間企業などによって開発された新技術に関する情報を共有、提供するためのデータベースであり、国土交通省が取り組んでいる公共工事等における技術活用システムの中核として位置づけられておりまして、1998年度から整備されてきているシステムであります。  今ほど申し上げましたが、成熟した分野として考えられがちな建設・土木関係の技術分野に、年度合計で過去最高になるペースで新技術が登録されているということでありまして、大変明るいニュースだなというふうに感じました。私は、依然、日本の建設土木分野は世界トップクラスの技術を有していて、そして、この北海道、札幌の業者は、その中でも特に寒冷地における施工技術においては、グローバルな環境の中で十分に競争力がありますから、札幌市が地場企業の新分野、新技術に対してインセンティブを与えて発展させる余地はまだまだ十分にあると思うのであります。  今ご紹介いたしましたNETISのケースからもわかるように、地場企業にはそういった技術がある。ただ、技術があることと、それを事業化して収益を上げるところまで持っていくということは、また別問題でありまして、皆様方もその厳しい状況というのは非常にお感じになっていることと思います。今後とも、建設分野における新製品、新サービスの事業化に対する支援については、今、NETISの例を挙げましたけれども、こういう芽はあるわけでありますから、ぜひ、市として事業化、収益を上げることに向けての支援体制を改めてよろしくお願いしたいというふうに思います。
     次に、本業強化に関する事業においてもう一つの柱として位置づけられている経営の効率化、基盤強化の項目について質問させていただきます。  まず、お聞きしますが、本事業において経営効率化、基盤強化という観点で採択された事業は、過去6年間で幾つあったのか、確認させてください。 ◎本間 産業振興部長  本業強化につきましては、募集に当たりまして、新製品、新サービスの事業化に向けた取り組みや、経営の効率化、基盤強化につながる取り組みという二つを例示しております。申請に当たりましては、申請者がどちらかを選択して申請する形にはなっておりませんが、申請内容を見てみますと、大半が新製品、新サービスの事業化の観点からのものでございまして、経営効率化に関する申請は1件でございます。 ◆飯島弘之 委員  せっかくこのようなモデル事業を行いながら、6年間において1件というのは、これもまた大変厳しい結果だな、数字だなというふうに思います。  ただ、経営の効率化、基盤強化につながる取り組みといっても、建設業、建設関連業が今行っている効率化といえば、考えられますのは、経費を見直したり、人件費を見直したりとか、そういった経営効率化なのだろうと思います。ITへの投資や新型の機械の導入によって作業効率を高めるといった余地もあるのだろうと思いますが、私は、先ほども申し上げましたけれども、一定程度、限界に来ているところもあるのだろうなというふうに思います。そういった意味では、この1件という数字は、ある意味、そういった実態をあらわしているのではないかなというふうにも思います。  市がせっかく予算化してやっているモデル事業ですが、本業の強化に対する事業ということではこういう厳しい数字がある中で、最近、多くの業界の方からご要望をいただくことがあります。それは、このパンフレットの経営効率化、基盤強化につながる取り組みというところに、ISOまたはこれに類する品質管理改善システムの定める認証取得、または更新にかかわるものを除きますというふうにわざわざ書かれているのです。ただ、品質管理改善システムというのは、まさに経営の効率化、基盤強化につながる、資するというふうに業界の経営者や現場で働いている方々が感じているというふうに言っていただいておりまして、その点については、年々、そういった要望を多く承っているところでございます。  そこで、3点質問いたします。  なぜ、ISO、いわゆる国際標準化機構の定める標準化のシステムでありますが、または、これに類する品質管理改善システム等の認証取得または更新に関するものが除かれてしまっているのか、お伺いいたします。  あわせて、他都市のISO等品質管理改善システムに対する支援の状況についてお伺いさせていただきます。大分あるようですが、改めて市の認識をお聞かせください。  また、お伺いしたところによりますと、これまでの発注において、ISOまたはこれに類する品質管理改善システム導入企業の工事成績は、取得していない企業よりも良好である、品質管理改善システムを導入しているところは成績がよいという内部調査の結果があるようですが、この調査の具体的内容、結果についてお聞かせ願いたいと思います。また、その点に対する見解もあわせてお伺いします。 ◎本間 産業振興部長  1点目のISO等の認証取得または更新が対象外である理由でございますが、本事業検討の際に、既にISO等の取得に当たって札幌市の融資制度が用意されておりましたことから、対象外としたものでございます。  2点目の他都市の支援状況でございますけれども、東京都足立、荒川品川区などにISO認証取得に当たっての助成制度がございます。ただ、これらの制度は、建設業に限定したものではございませんで、中小企業全般を対象としており、対外的な企業のPR効果、環境問題に対する企業イメージの向上なども目的として想定されているものでございます。  3点目のISO導入後の工事成績に関する調査の内容、結果でございますが、工事成績の調査は、工事管理室で検査をした工事、設計金額500万円以上の工事でありますけれども、この工事の成績データをもとに、ISO及びサッポロQMS取得企業と未取得企業の工事成績を比較したもので、建設局が実施をしたものでございます。ISO及びサッポロQMS取得企業の工事成績は、未取得企業と比較いたしまして点数で1.5から2.5ポイント良好な成績で推移しておりまして、ISO等品質管理システム取得企業は、品質管理などの面ですぐれているものと建設局では評価をしてございます。 ◆飯島弘之 委員  まず、何で除かれているのかということでお伺いしまして、融資制度があるからだというお話でございました。こういうものがありますからということでお渡しいただいておりますが、これは、残念ながらISOの取得に対する融資制度ではありませんで、ISOの更新をするための、いわゆる製造工程の設備関係を改善するための融資というふうに書かれております。私がこれを読む範囲においては、ISOの取得並びに維持、登録に対しての融資制度ではないというふうに思いますが、それが一つです。  それから、東京都足立などでも助成制度があるということであります。私も手元に資料を持っておりますけれども、確かに、建設業だけではなく、幅広い産業、業界に対してもということであります。  なぜ、冒頭に、本市の建設業の位置づけとか現状の疲弊した状況を改めてご紹介したかといいますと、本道における、札幌市における建設業というのはそれだけウエートが大きく、また、降雪時における除排雪といった問題で、市民に対して非常に根づいた、また、なくてはならない業界であるということで、首都圏や本州のように幅広い産業のすそ野があって建設がだめだったらほかのところに転嫁できるといったような状況でもないですし、そうなられても困る、そういった特殊な北海道なり札幌の事情があるわけであります。そういった意味では、本州、他地域と同じように考えるのは、私は、わざわざそんなふうにたがをはめることはないのではないかなと。もっと柔軟に、我々札幌の地域特性、そして、これまでの過去の経緯や歴史を十分に踏まえて、こういった品質管理改善システムに対して支援をしていってもいいのではないかというふうに私は思います。  これで、ISOなり、今ご答弁の中にありましたSQMSを取った企業の成績が大して変わらないとか悪いというのであれば、支援して税金を投じる意味はないのでありますけれども、実際、取っている企業が頑張っていらっしゃる、良好な成績をおさめているということでありますから、私は、やはり、この問題については市として十分ご検討いただきたいというふうに思います。ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。  そして、私は、この品質管理改善システムというのは、業界にとってももちろん大切だと思いますし、我々市民にとってもこれからは特に重要になってくるのではないかなというふうに思います。なぜならば、本市発注の入札の状況を見ても、ダンピング競争でくじ引きが横行しているような状況でありまして、その結果、利益が確保できず、提供される公共物、成果品の品質の確保は、今後、果たして大丈夫なのかというふうに市民は素朴な疑問を持っていらっしゃるというふうに思います。  8月13日付の北海道建設新聞に、ISOとほぼ同じ内容であるのに認証や更新にかかる費用はISOより安く、そして、本市もそもそもそのシステムの立ち上げに関与していながら、先ほども答弁の中で出てまいりましたサッポロ品質マネジメントシステムの登録業者数が伸び悩んでいるという記事も載っております。理由として、コスト的にもISOに比べると相当割安であるのに、取得、そして維持する費用負担が重荷になってきているということであります。せっかく認証を取得した企業も、維持ができなくなってきて認証を手放してしまっているということも多くなってきているようであります。  例えば、サッポロQMSであれば1社当たりの認証取得にかかる経費はおよそ45万円程度と聞いております。仮に、補助が大体2分の1補助でありまして、半分だとしたら大体20万円です。この本業強化とか新分野進出に対する補助が大体200万円とか300万円を限度としての補助ということでありますから、これは、けたが一つ少ないわけであります。私は、先ほど来、さまざまな観点からご紹介をしてきたメリットと、デメリットというのは余り感じませんが、比較検討をすれば、やはり補助スキームに乗せていっていいのではないかなというふうに思います。改めて、この品質管理システムをしっかりと支援していただくことを望みたいと思います。  最後に、要望いたしますけれども、公契約条例ということで、今回、本市は、市長が先頭に立って条例に取り組まれております。これは、第一部決算特別委員会の財政局の方で取り上げられておりまして、私も委員交代をさせていただいて一部に行って質問させていただきました。骨子案も既に我々議員の方に示されておりまして、制定の目的についてお伺いしましたところ、本市発注工事業務にかかわる労働者に対して規定水準以上の賃金の支払いを受注者に義務づけることによって公契約に係る履行の質を図る、いわゆる品質を確保するという説明であります。  私は、このロジックについては合理性に欠けるということをせんだっての委員会で申し上げてまいりました。私は、品質を担保するために行政側がするべきことは、その仕事に携わる労働者に最低賃金以上のものを払うことを受注者に義務づけるといった条例を制定することではなくて、まず、品質検査をしっかりすることであり、そして、これは、これまで何度も議会で主張、お願いしておりますけれども、ダンピングを放置して、利益を上げられず、結果、労働者にしわ寄せが行くような発注金額を是正すること、つまり、最低制限価格を大幅に上げていくということ、そして、条例によって民民間の契約、労使間の雇用契約に直接介入したり罰則規定を設けるといったようなことではなくて、企業が健全に維持・発展していける環境づくりに対して支援をしっかりとしていくことだというふうに思います。そして、私は、まさにこの品質管理改善システムの導入、維持に対する支援が、市の懸念されている履行の質を担保することに対しての効果的な施策であるというふうに思うのであります。  この品質管理システムに対するご理解は、まだまだ足りない、ご理解をいただけないということで、大変残念でありますけれども、多くの要望もいただいているものですから、これから時間をかけていただいて、市として、ぜひ、補助スキームの中にISO並びに特にSQMSを乗せていただくことにご理解をいただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆植松ひろこ 委員  小竹委員、松浦委員からも商店街についての質問がございましたが、私からは、異なった観点から、商店街の利用拡大に向けた支援制度についてお伺いします。  最近の札幌市の経済状況は、東日本大震災の影響により大きく落ち込んでおりました個人消費や観光客数も少しずつ回復傾向にあります。しかしながら、市内商店街を取り巻く経済環境は、長引く景気低迷や消費者ニーズの多様化、大型店の進出等により依然として厳しい状況が続いており、特に、地域商店街では、こういった状況に加えまして、さらに組合役員の高齢化、個店の後継者不足、組合加盟店の減少、商店街活動への参加意識の低下など、組合組織としても多くの課題を抱えている状況でございます。  札幌市は、これまでに商店街が地域と連携して行うイベント事業や空き店舗を活用した事業に対する支援を行ってまいりましたが、商店街の売り上げ減少や組織力の低下に歯どめをかけることができませんでした。そのため、緊急経済対策として、低迷する個人消費を喚起し、地元商店街での利用拡大を図ることにねらいを定めまして、2009年度と2010年度にクーポン券つきPR誌を作成する事業に、2010年度と2011年度には独自商品券を発行する事業に取り組んできました。実際に幾つかのPR誌や商品券を拝見いたしますと、これら二つの事業は、ともに、各商店街が発行枚数や発行時期などを一定の要件の中で定め、デザインなどその内容についても時間をかけ、工夫を凝らし、取り組まれたことがうかがえます。  そこで、質問ですが、これら二つの事業を実施したことにより、商店街にとってどのような効果があったのか、また、札幌市としてどのように評価していらっしゃるのか、お伺いします。 ◎本間 産業振興部長  まず、1点目の商店街にとっての効果といいますか、成果でございますが、平成22年度におきまして、クーポン券つきPR誌は52の商店街が発行しております。独自商品券は16の商店街が発行しており、この二つの事業を実施した商店街からは、商店街の特徴や個店の魅力を地域住民に対して周知することができ、地元商店街を利用する機会の拡大につながったという報告を受けてございます。また、両事業では、商店街の未加盟店舗に対して事業への参加を呼びかけたことによりまして、昨年度は合計で101の店舗が新たに商店街に加盟することになり、組織力の強化の一助にもなったところでございます。  2点目の札幌市の評価でございますが、両事業の実施によって新たな顧客の獲得につながり、特に、商品券につきましては、購入者の多くがふだんより購買額が上がる、行ったことのないお店に行くとアンケートで回答してございまして、地域住民に対しての消費喚起効果があったものと考えてございます。また、PR誌、商品券ともに、その内容やデザインにつきまして商店街内部で真剣に議論され、こうした取り組みが組合員相互の結束力を高める効果を生んだことについても評価をしているところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  商店街の活性化に向けた取り組みを行う上で重要なことは、単に地元住民に買い物の利便性を提供することだけにとどまらず、地域課題に対応するなど地域に見える商店街として存在感を打ち出していくことではないかと考えます。特に、2010年度に実施した独自商品券等発行事業につきましては、単に商品券の販売のみならず、各商店街が販売額等の一定割合で地域貢献を行うことを取り入れた点でこれまでにはなかった事業であり、地域に見える商店街に向けた取り組みではなかったかと考えております。  そこで、質問ですが、消費者である地域住民はこの地域貢献型の独自商品券をどのように受けとめたのか、また、本事業によりまして商店街が地域に対してどのような役割を果たしたと考えていらっしゃるのか、お伺いします。 ◎本間 産業振興部長  1点目の商店街独自商品券等発行事業に対する地域住民の受けとめ方でありますが、商品券購入者へのアンケートによりますと、購入の動機といたしまして、地域貢献につながるため、商店街を応援したいためという回答の割合が高く、地元の商店街を利用しようとする意識が醸成される契機となりましたほか、商品券発行にあわせて地域貢献を行う今回の取り組みが評価されたものと考えてございます。  2点目の商店街が地域に対して果たした役割でございますが、各商店街が販売額の一部で駐車場内にトイレを設置したり、小学校へオーディオ機器を贈呈するなど、地域ニーズに応じた地域貢献を行ったことによりまして、地域住民に商店街の存在意義や役割を再認識していただいたものと考えてございます。また、商店街と地域住民が一体となって地域経済の活性化や良好な地域コミュニティーの形成に取り組む契機にもなっており、こうした取り組みが広がっていくことを期待しているところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  市内商店街は、厳しい状況ながらも、この2年間の取り組みによって、より地域に密着し、活性化に向けて新たな事業に取り組もうとする商店街がふえ、商店街内部の意識にも変化が出てきたものと考えられます。これからの商店街は、地域の声を拾い上げ、そのニーズに合わせた取り組みを行っていくことが重要であると思います。例えば、障がいのある方や高齢者向けのサービスを充実する取り組みを進めていくことなども必要ではないかと考えております。  そこで、買い物の利便性の向上だけではなく、地域課題に対応し、地域社会の活性化を図っていくような取り組みに対して、市として効果的な支援を継続されますことを求めまして、私からの質問を終わります。 ○小須田悟士 副委員長  以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち、経済局関係分の質疑を行います。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、施策の概要の78ページの札幌市農業基盤整備事業費補助金について質問いたします。  まず、今、農業はさまざまな面から注目を浴びております。地産地消ということもありますし、先ほど農業委員会会長に質問された方のようにTPPということもございますが、特に、札幌は都市型農業ということで、市民に安全・安心で新鮮な作物を届けるという地産地消の振興を大いに図っていくべきだというふうに思います。農業は、ご存じのとおり、自然が相手なわけですから、天候が良好なときはたくさんとれるし、不順なときは大変厳しい結果になるわけであります。最近、特に異常気象ということで、タイでも大変な状況になっておりますし、北海道では大雨や季節外れの降雪など、天候の変動が非常に激しくなっていると思います。  ことしの9月初旬には、台風12号から変わった低気圧と台風13号の影響によりまして、道内というよりも日本じゅうでしたが、札幌も56台風以来の本当に大変な大雨だったというふうに思いますけれども、札幌や石狩地方、後志地方を中心に大雨警報が発令されました。私も、朝8時前には、雁来にあります排水場、樋門があり、ポンプ場もございますが、そこを見に行きました。心配した市民も、多くの方が堤防のところに来ていまして心配そうに見ていました。もう見る間に、豊平川があふれて防波堤が危ないなと思うぐらいまで、あっという間に増水していました。  ご存じのとおり、東はタマネギの産地で有名です。特に、札幌黄が本当に有名ですけれども、ちょうど雁来に行く途中にタマネギ農家が点在しております。9月の上旬といいますと、ちょうどタマネギの収穫期に当たりまして、見ていますと、収穫するために、茎を切って、うねと言うのですか、そこにタマネギを乾かすために並べてある、こんな状況のところに今回の大雨です。収穫するはずなのに、多分、タマネギは腐ることも多いでしょう。また、乾かないと機械が入っていけませんから、収穫もおくれるし、大変な被害になるなというふうに予想していました。自然相手とはいえ、こういった被害をできるだけ抑えることはできないものかと。農家も努力をしているわけですが、その意味では、市の農政に携わる皆さんの力といいますか、働きが非常に大事だろうなと思います。  そういう中で、二つ質問させていただきます。  まず、今回はタマネギ畑を中心とした被害が多かったというふうに思いますが、これを含めて、市全体の被害はどうだったのか。  それから、被害の要因についてでありますが、ことしは、春先から天候不順ということもあって、作付の時期が非常におくれたというふうに聞いております。ただでさえ収穫が少ないだろうと心配していたところに今回の大雨ですから、その意味では、農家があるわけですけれども、札幌市としては、どのような影響があるという認識であるか、教えていただければと思います。 ◎三部 農政部長  1点目の台風13号などによります被害状況についてでございますが、JAさっぽろや石狩農業改良普及センターと合同で調査いたしましたところ、札幌市全体の冠水等によります被害面積は19.4ヘクタールに達しております。特に、本市の主要産品でありますタマネギの被害につきましては、東を中心に10ヘクタールに及んでおります。  今回の被害の特徴といたしましては、風の被害はなかったのですが、大雨によって水はけの悪い地域を中心に畑全体が冠水し、その後も水が引かなかった結果、タマネギやレタス、スイートコーンなどで生育の停滞、倒伏、あるいは腐敗といった症状が見られております。また、南の果樹地帯におきましても、収穫間際のちょうどとれるばかりのプルーンなどの果実にも劣化が生じたということで、商品価値がなくなってしまうという被害が見られております。  次に、その被害の要因と、それに対する市の認識についてでございますが、地域によっては用排水設備の機能そのものが不十分であったり、あるいは、老朽化が進んでいることもありましょうし、加えて、長年の連作によって畑の表土全体がかたく締まってきて、そのために雨水の浸透が弱くなってきているといったことが主な要因と考えております。また、タマネギのような栽培期間が長い作物は、生育が気象条件に大きく影響されやすいものです。ことしのタマネギを例にとりますと、春の雪解けおくれから植えつけが平年に比べて約2週間ほどずれ込みまして、その後も天候の不順が続き、最後まで生育が回復しないまま今回の大雨に見舞われたことが被害を一層大きくしたというふうに認識しております。 ◆阿知良寛美 委員  排水設備が経年劣化ということから根詰まりというか、詰まってしまったのですね。そういう意味では、今回のような大雨が来るようだと、また同じように冠水したり、そうした被害が出るという答弁だったと思います。  そこで、このような最近の異常気象で営農に支障を来している場合において、どのような対策があるのか、教えていただければと思います。 ◎三部 農政部長  異常気象で営農に支障を来している場合の対策についてでございますが、用排水設備などの広域的な土地改良を行っていくのが、まずは効果的な対策というふうに言えるかと思います。ただ、この場合は、大規模な投資を伴うということで、仮に国費や道費の補助を導入するにいたしましても、本市の状況では、事業規模などの条件を考慮しますと実施することは現実的には難しいのではないかと考えております。  そこで、当面の対策として、畑の透排水性改善を目的といたしまして、今、石狩農業改良普及センターと連携して簡易的な土地改良実証実験を行っていくことを考えております。この結果、一定の改善効果が見られました場合には、次年度以降は、生産者に向け広報をしていくとともに、本市の農業基盤整備事業も活用しながら排水対策を推進していきたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  簡易土地改良の実験ということでありますけれども、調べてみますと、農業基盤整備事業がインターネットに出ていましたが、これによりますと、市の単費補助事業ということで土地基盤整備事業が何点か出ていまして、その中には、災害防止事業とか災害復旧にかかわる設計、調査、測量試験で市長が認めたもの、こうしたものが対象になります。さらには、国費や道費で認められないというか、採用にならないものについては、市長が認めたもので、市費を上乗せして補助金を出すことができると出ておりました。  その意味では、今後もこういった雨が降れば当然同じような被害が出るわけでありますから、その辺は、実験をということでありますけれども、農家の人たちからもしっかりと意見をお聞きしながら、なるべくというか、災害に遭ったとしても被害が最小限に抑えられるようなことをやるべきだというふうに思います。  そこで、札幌市としては、次年度に向けてどのような検討をされていこうとしているのか、その基本的な考えをお聞かせください。 ◎三部 農政部長  異常気象に耐えられる足腰の強い農業といいますか、生産者の方が困っている雨水対策についてどう対応していくかということでございますけれども、一つには、やはり用排水設備の改善ということがありましょう。もう一つは、透水性をよくする土づくりということで、その両面から検討していく必要があると考えております。  用排水の設備につきましては、近年の異常気象により農業被害が続いておりますことから、次年度に向けては、圃場の土地改良、排水処理などの基盤整備に対する補助枠の充実につきましても、全体の限られた予算ではありますが、検討をしてまいりたいというふうに考えております。  また、もう一つの畑の土づくりを有効に進める対策といたしまして、現在、私どもで有機資材を投入していく堆肥散布コントラクター事業というものや、緑肥作物と言いますが、畑を耕す機能を持っているようなものを、ことしに入れたら3年後にまた入れるというように、定期的にタマネギの合間ごとに導入するような輪作モデル事業も行っておりまして、これらの成果を踏まえて普及拡大を図っていきたいというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  私は、さっぽろとれたてっこ事業について質問したいと思います。  ご承知のとおり、さっぽろとれたてっこは、札幌で製造された新鮮、安心、良質な農畜産物と、その加工品のブランドということです。1998年からさっぽろとれたてっこ事業が本格開始されましたけれども、2007年にさっぽろとれたてっこの認証制度というものが開始されました。やはり、新鮮で安心・安全な野菜、果物等を消費者のところに届けたいという農家の皆さんの大変な熱意があったと思うのです。土づくりから始まりまして、化学肥料を減らしていく、化学農薬も減らしていく中で、認証委員会での議論を経て認証してもらうという制度になっているようです。  そこで、さっぽろとれたてっこ事業は、認証制度が開始された以降の実績ですけれども、2007年には、認証を取得した農家数が130戸ございました。それが2010年には155戸に広がっています。取り扱いの金額で申しますと、2,500万円だったものが5,570万円までになっています。農家の中でもこの認証制度が大変定着してきていて、品目数もふえておりますし、取扱額もふえております。  一方、協力店舗数の資料をいただきましたが、当初は21店舗だったものが、その翌年に35店舗になりましたけれども、数字としてはそのままになっております。協力店舗の一覧をインターネットで調べたのですけれども、農畜産物を扱っている店舗と、それ以外の加工品を扱っている店舗で分かれていまして、農産物を扱っている協力店舗数が加工品を扱っている店舗数よりも少ないということがありました。また、さっぽろとれたてっこ事業が始まって、その後に朝どりとれたて便というものがありまして、朝に農家が収穫したものを、市場を経て昼前にはスーパーなどの小売店舗に置くような事業がありましたけれども、これが、コストとの見合いの関係で見直されてしまったということで、とりわけ農作物に関しては身近なところでとれたてっこの野菜、果物を買うことができなくなっているという実態が見えてまいりました。  そこで、2008年度以降、協力店舗が21店舗から35店舗にふえた後、この数がこれまでふえていないということですが、販路を拡大することは生産農家を支えることになると思いますので、ぜひ、協力店舗を広げていく取り組みを積極的にやっていただきたいのですけれども、その点についていかがお考えか。  それから、朝どりとれたて便が見直しになったことで、スーパーなどでの農作物の直接販売がなかなかできなくなり、一部の小売店舗での販売に縮小されてしまっているわけです。私は、農産物の地産地消ということでは、やはり、朝にとれたものをその日のうちにすぐに食卓に出すことができるようなルートはしっかり確保すべきだというふうに思うのです。  そこで、この朝どりとれたて便がなくなったことによって取扱店舗数が減少してしまったという現状について、どういう認識をお持ちなのか、伺いたいと思います。 ◎三部 農政部長  とれたてっこ事業につきましては、JAさっぽろや青果卸売業者などと協力いたしまして進めており、これまでも関係機関と協力しながら販売協力店の確保にも努めてきたところでございます。  協力店をふやす方法でありますが、まず、ことし9月から、本市のポータルサイトで、協力店とそこで販売しているとれたてっこ農産物のタイムリーな情報を提供していくことをスタートさせたところでございます。また、今後は、PRパンフレットを作成いたしまして消費者向けのPRを強化していく考えでおります。さらに、このパンフレットの中には、生産農家の表示カード、これは、お店側としてはそのまますぐにポップカードに使えますけれども、そうしたカードが使われていることや、あるいは、リターナブル容器といいまして、使い回しがきくような通い容器も利用できるというように、いわゆる販売協力店のメリットとなる情報もこのパンフレットの中には盛り込んでいきたいと思っておりますので、今後、これらを活用して協力店の登録への参加呼びかけをしていきたいというふうに考えております。  それから、2点目の朝どりとれたて便の見直しによってこの取扱店が減ってしまったことに対する認識でございますが、朝どりとれたて便に関しましては、当初、札幌の中でも非常に新鮮ということを売りにしているということで、市場の強い後押しもあって進めてきたものでございます。ただ、委員からもお話がありましたように、流通ルートの中で配送という手間が非常にかかってしまうということで、それがどうも市場の負担の中で持ちこたえられなくなりました。それを持ちこたえようとすれば、どうしても消費者末端価格にはね返ってしまう、そうすると小売店としては売りにくいと。そんな状況になってまいりますので、そのあたりは、今はとにかくボリュームを確保していくことを第一にしていって、コスト的に見合うような量に達した場合には、またそういった朝どりとれたて便の活用なども検討していきたいというふうに思っております。 ◆坂本恭子 委員  協力店舗については、確保に努力をされてきたということ、また、パンフレットも作成してこれから消費者に対してもPRしていく、それから、協力店舗自体の利益になるような情報も載せていきたいということでした。ぜひ、積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。  加工品についても認証制度があるということを冒頭に申し上げましたけれども、畜産物と言っても、今は卵だけかなと思うのですが、卵とか、また野菜や果物などを使った加工品にも認定基準があるということで、現在は七つの品目が認証されているということでした。  先ほどもちょっと触れましたけれども、35店舗のうち、私が持っている資料では21店舗が加工品を扱っている店舗ということでした。そういう意味では、ホームページ上でも公開しながら、私は、加工品については、畜産物の分野でもぜひ協力店の後押しをやっていっていただきたいと思いますし、これからはパンフレットでもということですから、パンフレットの中にそういうものが反映されるのかなというふうにも思っているところです。  今、しきりに言われております6次産業ということで、1次産業、2次産業、3次産業を一連の流れの中でとらえていこうと。今回のさっぽろとれたてっこ認証、しかも野菜、畜産、加工品という流れは、私は、ここにぴったりとはまっていくのかと思っております。今、台風被害や異常気象の中で農家も大変苦労なさっているというお話もありました。そこに対して直接的に農業指導と支援をしていくことも非常に重要だと思いますし、一方では、みずからがつくったものを加工品として流通させていくようなことも非常に重要な観点なのかというふうに思っております。札幌市を代表するような魅力のある商品開発をしていくことが求められているというふうに思うのですが、これは農家だけではできないことです。自分がどんなにいいものをつくっても、それがどういう形の加工品になっていくのかということにはなかなか発想が浮かばなかったり、逆に、こういうものが欲しいのだけれども、例えばお菓子屋さんとかレストランが使いたい食材がどこにあるのかわからない、こんなようなことがあろうかと思います。橋渡しなども含めて、とれたてっこの加工品について何らかの支援をしていくべきかなと思うのですけれども、この点についていかがか、伺いたいと思います。  それから、朝どりとれたて便がなくなったことについては、やはりコストの問題が大きくのしかかっているというふうに思っています。今は、とりわけ放射能汚染など、また、食をめぐる問題がさまざま起きておりました。そういう中で、安心できる食べ物をということは本当に多くの皆さんの関心事だと思っています。いつも利用しているスーパーや小売商店、商店街の活性化にもつながるわけですから、こういうようなところで地産地消の野菜や果物を本当に気軽に買えるような状況をつくるべきだというふうに思いますので、これについては、生産者、中央卸売市場とも十分に連携しながら、私はぜひ復活させていっていただきたいと、これは要望としておきたいと思います。 ◎三部 農政部長  とれたてっこ加工品拡大の支援についてでございます。  新たな加工商品の開発に向けましては、これまで、農業支援センターにおきまして、タマネギや小果樹の1次加工素材などを試作して需要調査などを行ってきたところでございます。今後は、意欲ある生産者や関係機関とともに、加工品の商品可能性なども含めた検討会を開催いたしまして、さらに売れる試作品づくりみたいなものに取り組んでいきたいというふうに考えております。  また、地場の特産品を生かした商品づくりを支援する取り組みといたしましては、先ほど委員からは橋渡しというお話がありましたけれども、果樹農家とパティシエをつなぐスイーツマルシェを実施してきました。これは、また11月2日にグランドホテルで開催する予定となっております。今後は、そうしたことについて、ほかの青果関係者、あるいは他業種にも広げた生産者と食品加工業者の意見交換の場、これは畑の上でやることも十分考えておりますが、そうした場を設けていきたいというふうに考えております。  最終的な商品化に向けましては、今、経済局で行っております農商工連携のための各種制度の活用も図りながら、札幌らしい加工品づくりを進めていくことが重要であると考えております。 ◆坂本恭子 委員  ぜひ、進めていっていただきたいなというふうに思います。札幌市内の農家は約1,000戸あるというふうに記憶しておりますけれども、その中で、既に155戸が認証を取得している農家ということです。これからもどんどん拡大していっていただきたいし、そのための農業技術支援にも積極的にかかわっていって、本当に安心・安全の農畜産物の生産を目指していっていただきたいなと思っております。  私どもは、食の安心・安全、地産地消について、とれたてっことあわせて、学校給食にこれをぜひ活用していっていただきたい、食材の提供をしていくべきだということを議会の中でも求めてまいりました。この間、学校給食に対する販売額もふえてきております。そういう意味では、どんどんとこれを拡大していただきたい。2007年に2,000万円という売上額だったものが、2010年には3,500万円となってきています。大量の野菜を決められた日に納品するのはなかなか難しい状況があろうかと思いますけれども、それは、何とか学校給食会や教育委員会などとも、直接、協議、連携しながら取り組みを進めていっていただきたいというふうに思っています。  実は、地産地消の勧めということで「さっぽろの農産物」というパンフレットがありますが、この中にもとれたてっこの認証制度について書かれていまして、いただきましたけれども、この小学校3年生向けのパンフレットができたということで、これもちょうだいいたしました。  そこで、できたばかりということでもありますので、このパンフレットをどのように活用しているのか、具体的にお聞かせいただきたい。それから、子どもたちの反応についてもお聞かせいただきたいと思います。 ◎三部 農政部長  パンフレットの小学校配付の活用ということについてでございますが、委員もご指摘のとおり、小学生からの食農教育は非常に大切なことであると考えておりまして、本年9月に、社会科教諭のご意見も取り入れながら、小学生向けの農業パンフレット、「みんなだいすき! さっぽろのやさい」というものを作成し、これまで希望がありました88校の小学校に配付したところでございます。まだ配付したばかりであり、子どもたちの反応は多くは聞いておりませんけれども、小学校3年生の現地学習の下調べに活用したというふうなことも聞いておりますし、先生方からは授業が大変進めやすいというような評価を受けております。今後とも、このパンフレットを活用することで札幌の農業の理解を深める一助としていきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  88の学校で活用されていて、先生方にも評判がいいということですけれども、私は、大人向けのこちらのパンフレットと、「みんなだいすき! さっぽろのやさい」の両方を比べてみました。表紙を見てみるとほとんど変わらなくて、中もよく見せていただいたのですが、小学校3年生にしては結構難しいのかなというふうに思いました。中をめくると、豆知識という欄があって、そこは難しいので、お父さんやお母さんなど大人に聞いてみてくださいと書いてありますけれども、中身は難しいですね。色味の工夫なども必要なのかなと思ったりしております。ただ、やはり、食育というところではこういうものができたことは非常に重要だと思いますので、より丁寧でわかりやすいものとして、ぜひ、これからもいい形でやっていっていただきたいなと思っています。  今、TPPをめぐる問題なども含めて、本当に農家が置かれている状況は大変厳しいものがあるというふうに思います。とれたてっこや地産地消、食育ということだけでは、担い手の問題もありますし、農家全体の大変厳しい状況をぬぐえるほどのものにはなかなかならないのかもしれません。しかし、皆さんが、農家、生産者の皆さんと向き合って、一つ一つの課題を丁寧に解決していく、そして、私たち市民にも適切な情報を提供してくださるというような役割を果たしていただく中で、本当に私たちの食生活も守られていくと思いますし、生産者の方たちにも安心して営農していただける状況がつくれるのだろうというふうに思います。さっぽろとれたてっこは、私自身は大変期待している事業でございますので、ぜひ頑張って取り組みを続けていっていただきたいと思います。 ○芦原進 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時34分       再 開 午後5時56分     ―――――――――――――― ○芦原進 委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  私は、一つ目はクマの被害、二つ目は泥炭地の畑作の排水と土壌改良、この2点について質問いたします。  市長も、十勝のご実家は農家で、私も生まれは農家です。お互いに農業の実態はわかった中での話だと思います。(「農機具だ」と呼ぶ者あり)農機具を販売していても農家のことはよくわかります。  ことしはクマが出没しておりますが、南で2軒の果樹農家の果樹園がクマに入られて、収穫間近な果樹の木が倒されるということで、実だけをとられたらいいのですけれども、木そのものが倒されて被害を受けているのですね。  そこで、電気でさくをつくる電気さくについて、急遽、市も2分の1を補助することを決めていただきました。私は、生産手段である樹木の被害について、市の方で何らかの補助をすべきではないか、手助けをすべきではないか、こういうふうに思うのですが、これについて市ではどういうふうにお考えか。  それから、2点目の泥炭地の土壌改良と排水対策ですが、ご承知のように、札幌市は、およそ、函館本線を境にして北側が泥炭地域で、線路からちょっと下がると北郷も含めて平たんな土地になって豊平川までということで、勾配が余りない中での排水です。実は、川北地区などでタマネギをつくっている農家があって、札幌市の道路の横についている河川がありますが、ここは3面張りになって立派にきちっと整備されていますけれども、畑地が泥炭なものですから下がっていって、河川に水がちょっとふえたら、水平ぐらいになる、こういう状況になっているのですね。そこの農家は、自分で暗渠もしたのですけれども、その水も、今のところは何とか流れているけれども、もう少し下がったら流れないような状況になると。盛り土を入れれば、泥炭ですからさらに下がる、こういうようなことなのです。  そこで、私は、畑地の中に水をためるますをつくって、ポンプで河川にくみ上げるということについて札幌市で設備をしてあげなければだめではないか、こんなふうに思うわけですよ。それらについて、今までどうだろうかということで、農政部や土木センター、あるいは河川課なども含めて相談してきたのですが、札幌市の今の制度の中ではそういうものがないということで、できかねるという返答だったのです。  そこで、市長においでいただいたのは、そういう自然条件の中でどうしてもそういうことをしなければできない、しかし、国の補助対象にもならないということになれば、そうかといって、農家が自力でそこまでやるのは大変だというようなことについて、札幌市で、補助だとか、あるいはそういう施設をつくって畑地内の排水をそこに集約できるような――畑地内に側溝を掘ることについては農家が掘って、そういう施設を市がつくると。そういうことについて、私は、ぜひやってあげていただきたいというふうに思うのです。その点についていかがか。  そして、泥炭地の中で排水対策として暗渠を入れているところはいいのですけれども、これから暗渠を入れなければいけないようなところについては、今の農家の所得実態からいったら、自力でやるのはなかなか厳しい状況なのですね、いろいろ農家の実情を聞いてみると。そういうことに対して、できるだけ営農が続けられるように、補助に少し幅を持たせて、一軒一軒の実態によって補助率を決めていくような方策をとることができないだろうかと。 ○芦原進 委員長  クマについても市長への質問ですか。(「はい」と呼ぶ者あり) ◎上田 市長  クマが出没して大変な状況にあるということは、私も認識しているところであります。ちゃんと実をとってくれればいいのですけれども、何十年もかけて立派に成熟した果樹を倒して、食べやすいようにして食べるという状況については、農業被害ということで大変重要な問題になっているということも聞き及んでいるところでございます。
     これをどういうふうに補償するのかということでありますが、例えば災害というとらえ方をしまして、自然災害、風台風などでビニールハウスが全部だめになってしまったものと同列に考えるべきなのかどうなのか。今の制度では、50%ぐらいの補助ということが先例的にはあるようであります。そしてまた、補助についてさまざまな事例を学んでみますと、適正なというふうな、そのときの必要性に応じてということもございます。そういうさまざまな思考を重ねた上で、これが深刻な被害、個人の力で立て直すことができるものなのかどうかということについて個別の事情を十分に勘案しながら、過去の事例と市としてできる限界点をどこにしくかということを積極的に考えてまいりたい、こんなふうに思います。  それから、土壌の改良の問題でありますけれども、札幌市の事業として農地を改良していくのはなかなか厳しい課題ではないかなというふうに思います。やっぱり、どこに土地を求め、どこで営農するかということは、自由な選択の中で営農者が選定されたところであります。それを促進するという形で一定の補助の対象にしていくことは、ある意味では考えられることなのかもわかりません。今お聞きして、私の考えとしてはそんなふうに思っているところであります。直ちに、明渠あるいは暗渠と、暗渠は畑の中に敷いていく作業で、事業者が自費でやっておられるということでありますが、畑と川を画する障壁といったものを、そこまで札幌市の事業で全部やるのはなかなか厳しいかなということを今の感想として持っているところであります。  また、個別のいろいろな事情があろうかというふうに思いますので、それもお伺いしながら検討させていただければというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  市長、私のおいっ子も本家を継いでまだ農家をやっているのですね。私が思うことは、農家の人が長年やってきて、今、市長が言われることは私も十分わかるのです。ただ、そういうことで思いもよらなかったことに――都市化の中で深く下水管を入れます。そうすると、下水管は勾配がありますから、下水管の表面を伝って水が抜けるのです。それによって、都市化になる前までは沈下しなかったものが、畑のところだけではなくて、市街化した宅地もそういう状況で沈下しているのですね。だから、農家にしたら、市街化区域が拡大したことによって、下水管が入ったことによってそういう現象が早く出てきているということなのです。  ですから、私は、何とか農家の人が営農を続けているように、それで生計を立てていけるように、皆さんも長年やってきて、70代ぐらいの高齢の方が多いです。それでもまだ頑張ってやろうとしていますからね。それを続けられるように、せめてポンプなどをつけての排水設備だけでもやってあげていただきたいということが私の思っているところなのです。そういうことについて、個々によって財力も違うし、いろいろあると思うのですが、私は、そういう意味でケース・バイ・ケースと言っているのですが、ぜひひとつ、これ以降はそんなことを検討いただくことを求めまして、終わります。ひとついい方向に検討してください。お願いいたします。 ○芦原進 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第3号 平成22年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件の質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私は、先日の保健福祉局に関する決算特別委員会において、大学生を初めとする若い世代や小学生を持つ保護者に対する食育の重要性について質問させていただいたところですが、本日は、食の流通拠点である札幌市中央卸売市場における食育推進の観点から、活性化の取り組みについて質問させていただきます。  中央卸売市場は、毎日、全国各地から大量の生鮮食料品が集まるとともに、これに伴う食に関する情報も膨大に集積される、まさに食に関する総合施設であると思っております。私は昨年まで中央卸売市場内の小売組合に勤務しておりましたが、中央卸売市場では、平成19年には再整備も完了し、これにあわせて、見学通路や展示室、さらには調理実習室といった食育を行うためのインフラも整ったところであります。これを契機に、中央卸売市場を見学される市民の方々も飛躍的に増加し、また卸、仲卸、小売業者といった場内関係事業者の皆さんも、料理教室などのさまざまな食育事業を積極的に実施してきたところであります。また、先日行われました消費拡大フェアには、私もお伺いさせていただきましたが、3万2,000人もの多くの市民の皆さんが来場されており、その中には、小学生を初めとする若い世代の方々も大勢見受けられました。  このような中で、さきに発表されました札幌市中央卸売市場活性化ビジョンにおいては、場内で食育関連事業を積極的に推し進めるため、開かれた市場を目指すことを基本理念として掲げるとともに、次世代を担う小学生を市場見学に積極的に受け入れていくことがうたわれております。また、7月に開催された札幌市食育推進会議の議事録をホームページで拝見したところ、この中で、中央卸売市場長は同様の発言をされておりました。  そこで、質問でありますが、まず最初に、昨年度、中央卸売市場へ見学に訪れた方はどのくらいであったのか、そのうち、学生など若い世代の方はどの程度いらっしゃったのか、さらに、その方々はどのようなきっかけで市場見学に参加されているのか、基本的な事項について、まずお伺いいたします。  続いて、中央卸売市場として、若い世代をターゲットとした食育活動についてどのような取り組みを行っているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎石川 中央卸売市場長  まず、市場見学者についてでありますけれども、昨年度、市場イベントを除きます市場見学者は約1万3,000人でございまして、そのうち、約3割の方々は、小学生から大学生などのいわゆる若い世代を中心とした学校関係者となってございます。  また、これらの方々が市場見学に来場するきっかけについてでありますけれども、例えば、近隣小学校では、毎年、定期的に家庭教育学級の一環としてPTAとともに来場されておりますほか、道内各地の中学校では修学旅行コースの一部に組み込まれてございます。さらには、栄養士や調理師を目指している大学生などが授業の一環としてお越しになるなど、いずれにいたしましても、学校単位での市場見学が多い状況となってございます。  次に、若い世代に対する食育活動についてでありますけれども、市場では、従来から、親子料理教室とか小学生による料理コンテストの開催など、併設されております調理実習室での取り組みに加えまして、場内関係事業者が学校などへ出向きまして、食材の見分け方や調理の仕方などを教える食育の出前講座なども積極的に実施してきたところであります。また、本年8月には、生産者団体であります北海道ぎょれんとの共同事業になりますけれども、若いOLを対象に、出勤前の時間を活用して、市場の見学や魚のさばき方などをお教えします朝活講座と言われる取り組みを初めて開催するなど、若い世代に対する食育の充実に日々努めているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  食育に関する新たな取り組みも開始されているようでございますので、今後とも、ぜひ若い世代への食育活動を積極的に進めていただくよう要望させていただきます。  さて、先日の経済委員会に報告されました札幌市中央卸売市場経営改革プランを拝見いたしましたが、経営の効率化という観点から、施設の有効利用という項目において調理実習室の利用促進がうたわれております。調理実習室の現在の稼働率は22%であり、今後はこれを50%まで引き上げることを目指すという内容になっております。市場の調理実習室は大変使い勝手のよい、すばらしい施設でありますが、調理実習室の稼働率を高めるためには、単に施設の有効利用という観点だけではなく、積極的な食育活動を行う上で極めて重要であると考えております。  そこで、質問でございますが、調理実習室の稼働率を50%にまで増加させるに当たり、具体的にどのような取り組みを考えておられるのか、お伺いいたします。  また、活性化ビジョンによると、多くの見学者を受け入れるため、臨場感のある見学ルートの検討を行うとうたっておりますが、私は、中央卸売市場に訪れる多くの見学者に、食育の観点から何を学んでもらうのかというソフト面での充実が何よりも重要だと考えております。  そこで、最後の質問となりますが、活性化ビジョンに掲げられている市場の見学ルートの見直しや展示室の充実を行うに当たり、今後どのように進めようとしているのか、お伺いいたします。 ◎石川 中央卸売市場長  調理実習室の有効活用についてお答えさせていただきます。  調理実習室は、これまで、市場関係者によります料理教室などで優先的に使用してまいりましたけれども、その開催が週末に集中いたしますことや利用時間帯が限定されることから、現在は稼働率が極めて低い状況となってございます。そこで、1年を通して継続的な利用を図るために、栄養学科を持つ市内の大学に対しましてサテライト教室としての活用を打診いたしましたところ、一部の大学から前向きに検討したい旨の回答を受けたところでありまして、現在、利用方法などの具体的な調整を進めているところでございます。このような連携を図りますことは、食育推進の面でも大きな効果が見込まれますことから、ぜひとも新年度から実現してまいりたいと思っておりまして、ただいま関係大学に対して積極的に働きかけを行っているところでございます。  次に、見学ルートや展示室の見直しについてでありますが、活性化ビジョンでは、食育推進の観点から、市場見学の満足度を高めるために見学ルートや展示方法の見直しを検討することといたしてございます。そこで、魅力的な見学ルートの構築を行うために、若い世代の視点を取り込みながら展示品の機能的なデザインや展示方法について検討するため、これまで円山動物園の施設デザイン研究などで実績のあります市立大学などにも協力を求めながら、新年度からその具体的な検討に着手してまいりたい、このように考えてございます。 ◆丸山秀樹 委員  最後に、要望でございますが、市場において食育事業を推進することは、多くの市民に市場機能を理解していただく大事な機会になるとともに、安全で安心な生鮮食品の普及啓発に大きく寄与することになります。また、市場の取扱高の減少低減にもつながります。開設者である本市が、現在、石川市場長を中心に、日夜、業界関係団体の皆さんと一緒になって汗をかき、市場の活性化に向けて全力を挙げていらっしゃることは、市場に働いた者として私もよくわかっているつもりでございます。  20日の委員会でも、保健所が来年度より食育の若者対策に取り組むと伺っており、連携事業を図れば、より一層、内容も充実したものになると思います。また、経済的な側面からも、商売への即効性を求める小売団体としても、消費者巻き込み型の食育事業の推進は、お店の信頼アップと生き残りのための個性化、差別化につながり、個別店の魅力や販売力のアップにもつながると思いますので、今後ともその牽引役を担っていただきますことを強く要望して、質問を終わります。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、食の安心・安全に関する取り組みとフードリサイクルに関して伺います。  昨年の3定で、私どもから、中央卸売市場が進めている食の安全・安心に関する取り組みとフードリサイクルの観点から環境対策について質問しました。そのときに、中央卸売市場は、市民の食生活を支える生鮮食料品の流通拠点として、新鮮さや信頼性を求める消費者ニーズにこたえるために、食の安全・安心の取り組みと環境問題への対応を一層推進していくとの答弁がありました。  そこでまず、食の安全・安心についてです。  食の安全確保は、市民の健康や命にかかわる大変重要な問題であり、とりわけ中央卸売市場は、生鮮食品の流通の中心的施設として安全な食品の供給に努めることが強く求められています。そのような中、中央卸売市場の卸売、仲卸、小売団体の方々は、昨年8月に札幌市とさっぽろ食の安全・安心推進協定を締結し、食の信頼性向上に市場を挙げて取り組んでいるところと伺っております。また、本年8月に場内事業者の方々が策定されました活性化ビジョンにも、市場の安全性確保に関する情報を発信していくということが掲げられており、事業者の方々が我が社のマイルールを定めて自主的に取り組んでいるということで、大変評価できるというふうに考えております。  しかし一方、こうした取り組みが私たち市民に広く知られていないように思えてなりません。市場におけるさまざまな取り組みを市民に情報発信し、理解していただくことが市場の活性化につながるものと考えます。そしてまた、特に、この間、福島の原発事故の影響によって市民の食への不安が広がる中、食に関する情報の重要性をだれもが改めて認識したところだというふうにも思います。  市場のホームページを見てみました。食の安心・安全というところがないかと思いまして、開いてみました。推進協定についての紹介というものがありましたけれども、それ以外に、食の安心・安全に関する情報コーナーのようなところは、今のところ、私にはないように見受けられました。調べ方が悪くて、もしかしたらつながるところがあったのかもしれませんが、今後、食の安全・安心に関する情報発信には、一層の力を入れて取り組むことが必要だと考えています。  そこで、質問ですが、市場の食の安全・安心の取り組みをこれまでどのように情報発信してきたのか、また、食の情報拠点として積極的な情報発信を目指している活性化ビジョンのもとで、今後どのように情報発信していくのかについて伺います。  また、二つ目として、冒頭に申し上げた環境保全に関する取り組みについてです。  経営改革プランでは、今後、中央卸売市場が力を入れていこうとする基本目標の一つとして、環境に優しい市場を目指すとございます。昨年の特別委員会において、市場から排出される野菜くずなどの大量の生ごみを家畜のえさとしてリサイクルするための調査研究に取り組んでいることを伺っておりまして、今年度の中央卸売市場会計の予算書にも、資源リサイクル施設基本・実施設計の経費として1,206万円が計上されています。  そこで、この資源リサイクル施設整備事業のその後の進捗状況と施設の稼働時期について、あわせてお伺いいたします。 ◎石川 中央卸売市場長  まず、食の安全・安心の取り組みに関する情報発信についてであります。  昨年8月の食の安全・安心推進協定締結を機に、市場が一丸となって食の安全・安心に取り組む姿勢を市民の皆様に広く示すため、JR函館本線の乗客から見えやすい立体駐車場などの外壁に周知用の大型パネルを設置したところでございます。さらには、見学者通路に協定を締結いたしました場内事業者全社の協定書を掲示し、また、市場内の展示室とかホームページにおきましても協定制度の内容や場内事業者の紹介を行うなど、市場全体で取り組んでいる状況を市民に対して広くPRしてきたところでございます。  しかしながら、先ほどご質問にもありましたとおり、情報発信のあり方にはまだまだ改善の余地があるものと認識いたしております。そこで、今後は、例えば市場のホームページを積極的に活用いたしまして、例えば、協定締結事業者それぞれの食の安全・安心に向けた具体的な取り組み事例を紹介いたします連載企画とか、また、福島原発事故による生鮮食料品の出荷制限品目に関する迅速な情報提供を行うことなど、情報発信の充実を図りながら市場が食の情報発信拠点としての機能を十分に発揮できるよう努めてまいりたい、このように考えてございます。  次に、資源リサイクル施設整備事業の進捗状況と稼働の時期についてでございます。  廃棄物のリサイクル方法にはさまざまな手法がありますことから、市場にとって最もふさわしい安全・安心で、かつ効率的な方式を採用いたしますために、民間の柔軟で独創的なアイデアに基づきます企画提案を広く公募し、このほど、最優秀企画提案者の選定を終えたところでございます。今後は、生活環境影響調査及び設計を行いまして、その上で、新年度には工事に着手し、施設の稼働につきましては平成25年3月を予定いたしております。 ◆小倉菜穂子 委員  情報発信につきましては、協定事業者の方の協定書を張るとか、一つ一つお話をいただきました。それから、ホームページを見る方は大変多いと思いますので、ぜひそちらを整えるというか、情報発信の大切なツールにしていただきたいというふうに思っています。  それから、福島原発事故に伴っての食品の安全性確保に関するさまざまな消費者の要望が高まる中、先ほど出荷制限品目についての情報を発信するということがありましたが、ぜひやっていただきたいと思います。あわせて、一つ一つかと思いますが、例えば、保健所での放射能検査の結果などについて、市場から発信することがあってもいいのかなと思っていますので、ぜひご検討いただきたいというふうに思っています。放射性物質に関するそうした問題は、すぐに終わるものではなくて、これからも長期にわたって続く問題だというふうに考えますので、今後も、ぜひ、保健所との連携を強化していただいて、食の安心・安全に関する市民の要望に適切にこたえる徹底した情報公開に市場全体で取り組んでいただくことを改めて求めたいというふうに思います。  また、資源リサイクル施設に関してですけれども、事業者の選定を終えまして、平成25年3月に稼働を開始するとのことでした。これまで生ごみとして廃棄していたものを家畜の飼料として再利用することについては、地域におけるフードリサイクルを推進するという観点から大変よい取り組みですし、生鮮食料品の流通拠点であります中央卸売市場でそれが実現することには大変期待しているところです。  そこで、今回の資源リサイクル施設整備によって廃棄物の排出量はどの程度削減できるのか、また、廃棄物処理に係る経費はどの程度削減できるのかについてお伺いいたします。 ◎石川 中央卸売市場長  資源リサイクル施設整備により削減できる廃棄物排出量と処理費用についてでありますけれども、中央卸売市場におけます平成22年度の廃棄物の排出量は総量で約2万2,000立米となってございまして、その処理費用は総額で年間約7,700万円となってございます。今回の施設整備によりまして、生ごみの排出量が約7,000立米削減できますとともに、約8,000立米の木質廃棄物を飼料化設備のバイオマス燃料として自家消費いたしますことで、合わせて現在の廃棄物総排出量の約7割を削減できる見込みであり、環境負荷の低減が大幅に図れるものと考えてございます。  また、これに伴いまして、廃棄物処理費用につきましても年間約5,300万円の削減が見込まれますことから、中央卸売市場の経営上の効果も期待されているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  廃棄物の排出量が70%削減ということですから、本当にすごいなというふうに思っています。経費も5,300万円削減できるということです。どちらも大変効果が大きいように見えますけれども、施設の整備についても約2億数千万円ぐらいはかかるというふうに伺っておりますので、ぜひ、費用の面でも、環境の面でも、有効な取り組みとしていただきたいと思いますし、実際に稼働してからもその効果についてしっかりと検証を続けていただきたいと思っています。  そして、できれば野菜くずそのものが減っていくことが重要ではないかと私は思います。もちろん、この取り組みは進めていただきたいのですが、レタスの外側の葉っぱが山のようにたっぷりとごみになっている様子などを見ますと、家畜のえさにする前に何とか少しでも活用できないものかとついつい考えます。ぜひ、そうしたことも新たな検討課題として置いていただければいいなというふうに思っております。  ちょうどきのうから、改革プランや活性化ビジョンについてのパブリックコメントが始まりました。食の安全・安心についても多数の意見が寄せられるものと思っておりますので、それらをしっかりと受けとめて、事業者の方々とともに市場の活性化に取り組んでいただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  まず、決算書にかかわる問題が1点、それから再建プランの2点についてお尋ねします。  まず、決算書です。  決算書の4ページに人件費が出ております。この人件費の中に、市場では、給与のほかにどういう手当があり、幾ら払われているのか、示してください。  2点目は、16ページの流動資産の中の営業未収金、その他未収金です。この合計金額がおよそ4,700万円です。ところが、流動負債の方は、営業未払い金が約5,000万円、営業外未払い金が1,400万円余、その他未払い金と合わせて9,200万円となっているのですが、この内訳について示していただきたいと思います。  次に、23ページに、企業債の明細書が出ております。ここの金利を見ますと6.05%とか、一番高いのは6.6%、こういうものがあります。そして、5%以上のものを集計すると、およそ10億円ぐらいあるのですね。下の方を見ると、大体1%台から2%です。平均の金利で見たらおよそ6.02%になるのですが、これを借りかえれば、5%以上のものを2%に借りかえただけでも4,000万円ぐらい浮くということなのです。この辺の借入金の償還借りかえがどうなっているか。まず、これらについてお尋ねします。 ◎石川 中央卸売市場長  まず、1点目の人件費の中の手当についてでありますが、その主なものは、時間外勤務手当であったり休日勤務手当の関係でございまして、特殊勤務手当は含まれてございません。  続きまして、未収金についてでありますが、未収金の主な内容は、水産、青果それぞれの売上高割使用料ということで、月末に締めて翌月20日に納金していただくということで年度末未収金の扱いになっているものでございます。  続きまして、企業債の高金利のものということで、先ほどのご質問では5%以上が10億円というふうにお話がございましたが、正確には5%以上のものは累積で2億円でございます。昭和60年代のもので、平成28年度中には償還予定になってございます。この高金利のものを借りかえできないかということでございますが、実は借りかえには総務省の定める地方債の同意基準がございまして、その中では浄水、地下鉄、下水というような初期投資が大きくて住民生活への密着度が高いもののみ借りかえを認めるということで、市場会計債については認められていない状況になってございます。 ○芦原進 委員長  一つ抜けています。流動負債です。 ◎石川 中央卸売市場長  失礼しました。  流動負債の中身につきましては、大きいものは、一般会計繰入金の清算後、年度末に持っていたということで、清算の還付金が2,800万円ございますほか、一般廃棄物の収集業務の委託料、さらには上下水道の支払い分が年度末調定のみということでの未払い金になってございます。 ◆松浦忠 委員  ごめんなさい。さっきは当初の借入額で計算していたものですから、指摘のとおりです。  いずれにしても、当初予定よりも市場流通量が減り、言ってみれば、市場としての収入が減ってくる段階で、やはり、国側ときちっと話をして、単に再建策をつくれと国に言われて、指示を受けて、こんな方法もあるぞと、言ってみれば国側が例題を示してくれるだけではなくて、具体的にこういう金利の借りかえなどを含めて――国側が市場法をつくって、大都市については積極的に市場をつくりなさいということで開設しているわけですよ。そうすると、国の方針に基づいて地方はこうやってきた。そうしたら、国家的な一つの政策の中で人口の高齢化が進んできた、戦後ですよ。人口抑制の国家政策の中で進んできたと。それに伴って胃袋が小さくなって量が少なくなるわけです。そうすると、やっぱり、すべて国の政策がかかわっているということで、こういう金利の高いものなどについて借りかえをきちっと求めていって、国側に認めてもらう。私からすれば、人口統計をやっているわけですから、予測できる話ですけれども、国側にも政策立案のときにそこは失策があったのではないかと。そういうことからすれば、応分の金利軽減ぐらいの負担を持ってもらっても当然だと私は思うのですよ。  そういうことについて、どういうふうな働きかけ方をしてきたのか。特に、この中で地方公共団体金融機構、こういう地方公共団体が出資しているところが、財務省も含めて、高利のものの借りかえを認めていないわけですよ。したがって、少なくとも国の機関からの金については、先ほど私が話したように、政策的な見通しの誤りが国にもあるわけですから、このぐらいのことはやってもらうように強く国に迫ることがなければいかぬと私は思うのですよ。  これをどういうふうに具体的にしてきたのか、再度、それについてお尋ねいたします。 ◎石川 中央卸売市場長  市場会計といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、5%以上の高金利が約2億円で、全体でまだ200億円の残債がある中での2億円でございまして、1%でございますので、具体的な借りかえの要望は行ってございません。  しかしながら、借りかえ制度について、オール札幌市としては、毎年度、議会にもお諮りしています大都市財政制度要望の中で5%以上のものの借りかえの基準の緩和ということは、毎年、国に対して要望活動を行っている状況にございます。 ◆松浦忠 委員  全国の市場を開設している市場長会議というものは開催されていないのですか。 ◎石川 中央卸売市場長  毎年、開催されてございます。 ◆松浦忠 委員  私が議員になったときに、下水道局長に國澤さんという方がいらっしゃいました。この方は、こういうことをやっていると言っていました。下水道というのは、建設省の中にあって、後発事業で、占める割合が少ない。そこで、札幌と東京と大阪と名古屋の4局長が集まって、時の政権政党のある実力者に窓口になってもらい、予算とかいろいろなことを要請して実現してきたと。これは、市長は全体のことをやるので、こういう分野については我々がやる以外にないのだということを話しておりまして、行ったときのやりとりのことでその代議士から手紙が来ていたものを私に見せてくれました。  私は、そういうような市場長会議をやっているとすれば、市場長会議として、全体の中で市場会計は小さいからそういう扱いをされていかないということになったら、やっぱり、独自に、市場長会議の中で農水省に対して要請して、ぜひひとつということがなければ、一方的に国からこんなことで改善をやりなさいと案を示してくれても、それはその話ですね。ですから、私は、今後そういうことをやっていくべきだと思うのですけれども、ぜひひとつ、これ以降はそういうこともやって改善に努めていただきたいということを求めておきます。  次に、改革プランですが、いろいろと知恵を絞っていろいろなことを書いております。しかし、何といっても、今聞きますと、市場の流通の5割が大型店で、個店商店街を形成しているところは極めて少ない、2割から3割ぐらい、こういう話であります。  そこで、例えば、使用料の関係ですね。今、仲卸の人が使っている使用料は面積割りと売上高でというようなことでやっているようですけれども、大型店に対する負担割合を相当ふやして、青果でも魚でも小売の組合がありますね。こういうところの負担を下げていくと。これはどういうことかといったら、いわゆる個店商店街にお客を寄せる大きな要素になるのですね。お客が寄ってくるのは何かといったら、安かったら寄ってくるのですよ。したがって、ある面で、市場の取引で個店にはかなり安く入ってくる、こういう体制をつくって、個店商店街の復活対策と活性化対策をあわせてやる。何といったって客は安ければ来るのですから、そういうことも一つの方法ではないかというふうに私は思っているのですよ。  この辺についてどう検討されているか。 ◎石川 中央卸売市場長  売上高割使用料のご質問をいただきましたが、実は、市場で業界からいただいております売上高割使用料というのは、市場に荷物が入ってきた額に対していただいているという性格の使用料でございます。したがいまして、先ほど委員のご質問の中に仲卸、小売というお話がありましたが、基本的には、荷を引いた卸売業者がお支払いいただくものであって、一部、仲卸が直接荷を引いた場合には使用料をお支払いいただきますけれども、売った先が小売であったり量販店という差別によって使用料が変わるような性格ではない状況でございます。  また、仮にそれをしたとしても、市場の大きな使命の中で、生産者からお預かりした荷物の価格形成機能というものが極めて大きい役割になってございますので、価格形成に差別化を図るというのは市場法の精神に反する行為になってしまうかというふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  物事の解釈というものは、立った位置によって解釈が違うのですよ。今まではずっとそういう立ち位置で物を見ていたから、現行にあるような制度でずっと来ていたのです。そして、今の市場を建てかえて、以来20年近くなるわけだけれども、完成してからわずかですが、今の流通の実態からいったらその辺を変えると。わかっている、わかっていないということでは、今のことはわかっているのですよ。それは何かといったら、物事というのは変えなかったら、個店をできるだけ多く活性化させていかないと、市場の小売協同組合をつくっている皆さんもやがては先細りしていってしまうと。そうすると、市場がなくても、いわゆる税金を投入して建物を建てて市場のああいう機能を持たせなくても、単に民間で、株式会社でそういうような仲介施設をつくってやれば事足りるようになってしまうのですよ。だから、市場を今の形で――市役所が担保して、札幌市が担保してこれだけの借金をしているわけですから、少なくとも、この借金は今の市場という会社組織を使いながら何とか回収していかなければだめだと。その回収のためには、考え方を変えて、いかにしてすそ野の個店などをきちっとよみがえらせる一助となるような施策を講じるか、ここだと思うのですよ。  物事を変えるということはなかなか大変ですよ、何をやるにしたって。しかし、それをすることによって、例えばこういうふうになるぞと。例えば、試算をしてみて、案をつくってみて、どうだという協議をして、そうやっていく、それが本来の再生の道なのですよ。今やっている再生というのは、何のことはない、中に入っている人たちに負担を求める、そして、あとは経費の節減を図る、いわゆる会社側、市場側の経費の節減を図るということで、それは一般的にだれでもやる方策なのですよ。今、そうではない方策に転換する取り組みをしていかないと、この先、ますます市場の取り扱いは、逆に、あそこに入らないで直接取引ということが拡大していって取扱量が減っていく、こういうことが間違いなく進んでいくわけです。したがって、そういう試算を出して、市場の中の皆さんと真剣に検討していただきたいと。  これは、だれでもやることなのですよ、だれでも。したがって、それをぜひやっていただきたいと思いますけれども、市場長、計算に強い、数字に強いあなただからできると思うけれども、いかがですか。 ◎石川 中央卸売市場長  今、るるお話しいただいたとおり、まさに市場の先行きが厳しいということで、それは、市場会計が厳しいだけではなくて、場内の事業者たちの経営が厳しいのだということで、この改革プランに先んじて、場内事業者が一堂に会して活性化ビジョンなるものをつくらせていただいたところでございます。その内容としましては、量販店を取り込んでいくという方向も出されていますし、専門小売店を市場全体で支援していこうというような取り組みも盛り込んだ上での活性化ビジョンとなってございますので、ぜひ、場内事業者がつくりました活性化ビジョンを見守っていただきたいというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  見守っていただきたいと言うけれども、我々は観客ではないのだよ。見守るんじゃないんだよ。税金が全部出ていくでしょう、これ。(「わかっているって。言葉じりをとるな」と呼ぶ者あり)言葉じりじゃない。これは基本的な考え方なのだよ、言っているのは。基本的な考え方なのだよ。税金が出ていくのだよ、欠損でも生じたら。中の荷受けだとか、仲卸だとか、かかわっている皆さんは赤字が出たときに補てんしてくれますか。しないじゃないですか。全部、税金でしょう。だから、私は言っているんですよ。そこのところをきちんと踏まえてやらないと。この程度のことは今までみんなやってきているの、みんな。  したがって、きちっとしたことをちゃんとやらなきゃだめだということを私は指摘しているのですよ。何のために、ちゃんとした独立した組織にして、権限を与えて、会社で言えば、あなたは社長ですよ。何のために社長職を与えてやらせているか、やっぱり、そこのところをしっかりと考えてやっていただきたい。  だから、これはこれとして、やっぱり、そういうことの案も出して、どの案をとるかぐらいのことをやらなかったら、これは役所主導ですよ。この程度のものはだめだということ。しっかりとそのことをやった上でどうなっていくかということでないと、今みたいな状況の中でこの程度では、市民にもきちっと説明したら、今、私が言ったようなことも含めて説明したら、これでよしなんて言う人はそう多くはないと私は思う。そこのところをきちっと踏まえてやっていただきたい。また、具体的にどう進めるかということを聞くから。(発言する者あり)  問題意識を持っていても、やらなければだめだ。意識はだれでも持っている、借金をしている者は。(「いいかげんにせい」と呼ぶ者あり)そのことが大事だということです。  そういうことで、副市長、私はあなたに申し上げておくけれども、あなたは……(「しつこい。要らない。終わり」と呼ぶ者あり)  委員長、委員長。 ○芦原進 委員長  静かに。もう最後が近づいておりますから、静かに質問者の話を聞いていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  不規則発言が多いよ。  委員長、発言ある人は手を挙げてさせるようにしてください。 ○芦原進 委員長  はい。 ◆松浦忠 委員  そこで、生島副市長、こういうことについて、きちんと、あなた方も市長の第一の補佐役なのだから、そういうことをちゃんと指導するためにあなたには特別職という高い月給を払っているのだから、きちっとやっていただきたいということを強く指摘して、終わります。 ○芦原進 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了します。  次回は、次週31日月曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後6時50分...