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平成20年税財政・地方分権調査特別委員会−07月08日-記録

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  1. 札幌市議会 2008-07-08
    平成20年税財政・地方分権調査特別委員会−07月08日-記録


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    平成20年税財政地方分権調査特別委員会−07月08日-記録平成20年税財政地方分権調査特別委員会  札幌市議会税財政地方分権調査特別委員会記録            平成20年7月8日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時1分 ○本郷俊史 委員長  ただいまから、税財政地方分権調査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、湊谷委員佐藤美智夫委員から、欠席する旨、それぞれ連絡がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、平成21年度国の施策及び予算に関する提案(通称〜「白本」)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎阿部 財政局長  政令指定都市で取りまとめます平成21年度国の施策及び予算に関する提案通称白提案でございますけれども、6月24日の本委員会におきまして原案のご審議をいただいたところでございますが、2日後の26日に行われました指定都市窓口財政担当局長会議を経まして、お配りいたしました資料のとおり、最終的な提案文案がまとまったところでございます。  文案につきまして、前回の本委員会でご審議いただきました内容から幾つかの変更点がございますので、財政部長から報告をさせていただきます。 ◎吉沢 財政部長  まず、財政局から配付させていただいております資料の確認をさせていただきたいと思います。  資料1は、平成21年度国の施策及び予算に関する提案文案の主な変更内容でございます。資料2は、平成21年度国の施策及び予算に関する提案(案)で、これが白本の本体になるものでございます。資料3は、平成21年度国の施策及び予算に関する重点提案(案)の3種類でございます。  このうち、資料2と資料3でございますが、6月26日に行われました指定都市局長会議における審議を経た最終的な提案文案となってございまして、さきにご審議をいただきました提案文案から幾つか変更されてございます。この変更点のうち、白本全体の整合性を図る目的で、項目の統合、あるいは並び順の変更、文言の整理などの修正も行っておりますけれども、それらを除きまして、提案内容の実質的な変更を伴うものにつきまして、資料1としてまとめてございます。  それでは、資料1に沿いまして、主な変更内容についてご説明をさせていただきたいと思います。  最初に、8 保健福祉行政の充実(8)新型インフルエンザ対策の推進についてであります。  前回の文案では、(ア)から(オ)までの五つの提案項目がございましたけれども、重点化の観点から、「新型インフルエンザについて、国民への十分な周知を行うこと」、それから、「診療体制の確保について、日本医師会等十分調整を行うこと」の二つの提案項目を削除してございます。  次に、13 都市基盤整備促進(1)下水道整備の促進と、16 上水道事業の促進(1)健全財政の確保に対する財政措置の拡充の二つは関連がございますので、一括してご説明いたします。  前回の文案では、補償金免除繰上償還制度の拡充を提案項目として掲載してございました。しかし、前回の委員会でもご説明を申し上げましたが、この提案につきましては、制度として地方の要望が一たん特例的に実現していることに加えまして、公営企業金融公庫がこの10月に全地方自治体共同出資による地方公営企業等金融機構へ移行することなどを踏まえました場合に、白本の中で引き続き同様の形で要望していくことが妥当なのかどうか指定都市間で議論がございまして、このたびの白本の提案の中では提案を見合わせることとなったものでございます。  前回の案からの主な変更点は以上でございます。
     なお、6月26日の局長会議では、さきの特別委員会におきまして議論がございましたアスベスト健康被害への対応、それから、交通事業、特にバス事業運営維持に対する財政支援の2点につきまして提案項目の追加を検討していただくよう意見を述べたところでございますが、他に賛同する市はなく、原案どおりとなったことをご報告いたします。  また、同様にご意見がございました高齢者の医療や介護について社会保障全体の見直しという視点で提案を検討すること、それから、地球温暖化対策について事業者の具体的な責任を求めていくことの2点につきましては、今後の検討課題として所管部局に伝えたところでございます。 ○本郷俊史 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  公営企業の利息の高い分を返済する、そして借りかえをする、この10月から、これが国の出資から地方自治体の出資に変わるということですが、やはり、大都市で借り入れているところについてはみんな一様に負担が重くのしかかっていると思うのです。聞きますと、国から一定の金額が新しい団体に譲与される、引き継がれるというふうに説明を受けているのですが、この引き継がれる金額がまずどれくらいあるのか。  私は、その引き継がれる金額分くらいは、現在の借りている利息の高いものを返済する分に充ててはどうかというふうに思うわけです。そして、あとは地方でその団体を発足して出資してやるというなら、それはそれで、今度はまたその財源の枠内で貸す金もきちっと枠を決めて、総量抑制、貸し出しの事業も抑制しながらやるということに当然していかなければならんことなのです。  私は、以前のものはやっぱりそんな方向でやるべきだというふうに思うのだけれども、その辺についてどういう議論がされたか、お聞かせください。 ◎吉沢 財政部長  金額のお尋ねがございました。  現在、公営企業金融公庫は、さまざまな基金であるとか引当金を積んでございます。先ほどもご説明申し上げましたように、この10月に地方公共団体が出資する法人に生まれ変わるわけでありますけれども、その際には、公営企業金融公庫が持っておりました債権債務すべてを承継するという形になってございまして、さまざまなものがございます。例えば、公営企業健全化基金ということでありますと9,000億円、それから、債権借換損失引当金ということであればおおむね3.4兆円、そのほかにも利差補てん引当金が0.2兆円、こういった金額が機構の方に引き継がれてまいります。  今、松浦委員のご指摘の見解も一つの見識ではないかなというふうに思いますけれども、機構発足後もやはりそれぞれが目的を持って基金あるいは引当金といったような準備をしなければなりませんので、今、どの部分の金額について借りかえあるいは補償金なしの繰り上げ償還といったことが可能なのかどうかについては直ちに判断ができないわけであります。  いずれにいたしましても、先ほどご紹介申し上げましたように、指定都市の間でありますけれども、地方公共団体間ではさまざまな意見がございまして、今回、白本の中ではまとまった意見として盛り込むことができませんでした。しかし、この後、青本の提案ということがございます。その青本の提案に向けまして、今、委員ご指摘のような点も含めまして、幅広く指定都市間で議論を深めて青本の提案の段階までには整理をしたい、このように考えてございます。 ◆松浦忠 委員  これは、地方自治体側にももちろん責任はあります。しかし、今から20年くらい前に、国が函館市で下水道事業予算をつけたのだけれども、函館市が裏負担をする金がないということで返上した1件がありました。やっぱりそういう自治体もあったわけですよね。しかし、本市は、そういうことなく、本市の市債も発行しながらそれに対応してきたということなのです。  いずれにしても、この間の行政改革をずっと見ていると、国の方が身軽になるために全部地方に押しつけてくる。サンプラザもしかり、いろいろな箱物を幾つか、ここ五、六年前に買わされましたね。今また厚生年金会館もそういう形でと。少なくとも、地方自治体が国の後始末だけをこういう形で全部引き受けさせられるのはちょっと勘定に合わない話だね。したがって、私は、整理をするときに、きちっと国側に一定の整理をしてもらうものはしてもらう、そして、それぞれの地方が負わなきゃならないものは負う、私はここが大事だと思うのですよ。そこのところは、行政側だけでしっかりやれよという話ではないと思っています。  そこで、これは委員長に申し上げますが、私は去年も言いましたけれども、こういう問題について国に要望するときに、議会側も、きちっと議長の名前で、全部、代表者として市長とともに名前を連ねるわけです。ですから、しっかりと、どういう形でこういうものを求めていくのかと、議会側議会側でその議論をして、まとめたものを市長側とすり合わせをして、そして、札幌市の方向としてまとめて出していく。この作業を全くやっていないから、今こういう説明を聞いて、そういう見識だなんていう話として返されるのかなというふうに私は受けとめているのだけどね。やっぱり、これ以降、議会としてこういうことをぜひやっていただきたいなということを委員長に求めておきます。 ○本郷俊史 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○本郷俊史 委員長  なければ、平成21年度国の施策及び予算に関する提案についての質疑を終了いたします。  次に、平成21年度国家予算等に対する札幌重点要望事項についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎新谷 企画部長  まず、お手元の資料でございますが、提出資料の4、平成21年度札幌重点要望(案)でございます。  平成21年度札幌重点要望(案)につきましては、去る6月24日の本委員会においてご審議いただいたところであります。その際にいただきました個別の施策、事業についてのご意見、ご要望につきましては関係部局にも報告し今後の検討をお願いしたところでございますが、要望文案そのものにつきましては、前回ごらんいただきました文案から特段の修正はございません。  なお、補足説明データの更新が3カ所ほどございます。  まず、2項目め国際集客交流促進に向けた取り組みの強化のところでございますが、左上の札幌市の外国人宿泊者数等のグラフについて、19年度分を追加いたしました。  次に、6項目め雇用創出対策の強化・充実のところでございますが、札幌市の雇用状況等有効求人倍率について最新のデータに置きかえたところでございます。  最後に、8項目め原油価格の高騰に伴う支援の拡充でございますが、札幌市の灯油、ガソリン価格の推移のグラフについて最新のデータに更新をしたところでございます。  また、国への要望活動をしっかり行ってほしいなどのご意見、ご要望もございました。今年度は7月14日、15日に市長が地元選出国会議員などに対し要望活動を行う予定でございますので、札幌の現状や国への提言をしっかりとお伝えしてまいりたいというふうに考えております。 ○本郷俊史 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  照元部長に出席をいただいております。  照元部長にお尋ねしたいのですが、実は、7月1日の朝日新聞に、「国の56事業むだ遣い 財務省事業廃止要求」という見出しで書かれております。この中で、特に廃止事業として文部科学省の「学びあい、支えあい」ということと並んで、メガワットソーラー共同利用モデル事業はいずれも目新しさや役立つ取り組みが少ないとして廃止を要求と出ているわけであります。財務省のホームページを見ましても、やはりこれが同じように具体的に出ている。  財務省予算執行調査室というのがあります。去年まで6人だったのが、ことしから6人から35人になったそうであります。私は、そこの担当の方と電話で話をしました。そうしましたら、これについてなぜ廃止を要求したかといったら、投資したお金の回収期間が40年かかること、これがまず一つだと。それから、補助をした場合でも20年かかる。さらにまた、先端技術の導入ではない。こういうことから、税金を投入してやる事業としては意味がない、したがって、財務省としては廃止しなさいということを環境省に要求しました。そうしたら、これは予算が出てきたらつく見通しがあるのですかと聞いたら、そういうことですからおのずからそういうことでありましょう、こういうことであります。  それが、またこうやって札幌市の要求として出されていったと。財務省予算執行調査室がそういう見解で環境省廃止要求をしている、それに対して札幌市はまた出していくということなのですが、これを覆すだけのどういう根拠があってこの予算重点事項として挙げていくというふうにお考えになったのか、そこのところのご説明をお願いします。 ◎照元 環境局エネルギー担当部長  財務省からのメガワットソーラー共同利用モデル事業の廃止についてということでございます。  環境省メガワット事業につきましては、当初から一応20年度限りというふうに聞いております。環境省といたしましては、次年度予算として新たなスキームでの太陽光発電事業化を検討しておられることも聞いております。  札幌市としましては、自然エネルギーの導入は必要不可欠なことでございますので、これについては環境省経済産業省のいろいろな補助メニューの中で検討していきたいなというふうに思ってございます。 ◆松浦忠 委員  これは、そもそも財務省では、塩川財務大臣のときに、各省の予算を査定している査定官に現場へ行って見てこいという指示を出して、そこから始まったというふうに塩川さんが物の本で書いているのですね。そこが去年までは6人でことしは35人に増強されたと。そして、こう言っているんですよ。何も先端技術ではない。それから、太陽光発電、風力にしても、いわゆる予算執行上の効果というものが従前のものから何一つ改善されたものはない。それは何かといったら、国の方は、ただ、いいものだから金に糸目をつけないでやるよということではもうなくなったということなんですよ。あくまでも、限られた予算の中でどれだけ効果が上がるのかということを検証して、効果が上がるものからやりますよということなんですよ。  したがって、今、照元部長の言われたのは、環境省で、この名前でだめなら、そうしたら名前を変えて出てくるやつがたしかあるはずだから、それに乗っかっていこうかということなのです。  しかし、私は、国税だけではなくて、実際の札幌市長が使える札幌市の税金も投入してその事業をやることについて、財務省がやめなさいと言って指摘した内容を超えるものが、いや、そうではないんだ、札幌市はこういうふうな新たな装置的な仕組みをつくって、それによって今まで環境省や経産省が推していた各家庭のパネルの設置事業なんかとは比べ物にならない、税金の投入効果が上がる、回収効果も上がる、そういうものだよという説明がない限り、札幌市長はどうやったって市民を説得できるということにはならんと思うのです。  したがって、そこのところを用意されているのか、いないのか、今の段階でないのなら、ない、これから考えるのなら考えるということで結構ですから、お答えいただきたいと思います。 ◎照元 環境局エネルギー担当部長  メガワットソーラー事業につきましては、地球環境問題という大きな問題があるかと思います。そういう中で、サミットが開催されている中で、きょうは温暖化についての話をされるというふうに聞いております。札幌市も、地球温暖化対策に対する市民の理解も含め、市内における新エネルギー導入促進につなげることが大きな目標でございまして、それに向けての取り組みということでございます。  国においても、北海道洞爺湖サミットにおいて発表する日本独自の地球温暖化対策の中で、太陽光発電導入量を2020年までに現状の10倍、2030年には40倍に引き上げるという目標を掲げておりまして、非石油系エネルギーへの転換というのは喫緊の課題というふうになってございます。そういう中で、環境首都を目指す札幌市といたしましては、短期的な経済合理性だけではなくて、地球温暖化対策としての必要性などを総合的に判断した上で、新エネルギー政策に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。 ◆松浦忠 委員  さっき私が指摘したように、理想だとか理念を高く掲げることは大事ですよ。しかし、じゃ、市民が負担をしていくときに、どういう負担のぐあいになっていくのかと。電力料金だって、原油が上がったということで、既にもう東京電力が値上げをすることが新聞に発表され、全国の電力会社がそれに追従することも発表されております。これは、かなり上がります。灯油の価格も、けさの新聞では、一番安い言われる生協が1リットル122円と発表しました。まだ上がるでしょう。そうすると、多くの年金生活人たちがふえてきているし、あるいは、中小零細企業で働く人たちは、賃金も上がらず、むしろ切り下げになっていっている。こういう状況の中で、理想はわかるが、それに投資をしてやれる人の階層が札幌市内にどれだけいるのかということもやはりきちっと考えながら、まず、それが根底になかったら物事はできないわけですよ。  財務省だって、決して環境問題を考えていないわけではないと思うのですよ。そういうことも考えた上で、なおかつ、逼迫している国家財政あるいは地方借金財政ということも考えたら、もうこういうものは切っていかなければいけないと。ちゃんと明確に、回収効率ということを、何年で回収するということを言っているわけですよ。したがって、私は、やっぱりこういうことをきちっと判断した上でやるべきだと思うのです。  きょうは、市長の出席を求めたけれども、市長はサミットの関連で出られないということですから、改めて市長と議論します。  私が照元部長にぜひ求めたいのは、もっと足元を見詰めてやってほしいなと。例えば、照元部長は、市役所の中での専門は電気職ですから、例えば、市役所で数多く行われている改良工事で、建物の電気配線の改修に伴うケーブルの発生品撤去品、あるいはトランスを取りかえるという問題なんかもあります。また、今、里塚の斎場でやっている改修工事の中で、トランスの容量がちょっと足りなくなったから取りかえる。じゃ、取りかえたトランスはまだ使えるのでしょうと言ったら、まだ使えると言うのです。どうするのだと聞いたら、これはスクラップですと言うのです。そしたら、そういうものを、下水道も含めて、札幌市の全施設の工事で出たものを、全部、札幌市で一時保管しておいて、別な工事に今度は支給品として転用していく、こういうことが、物を製造するときに発生する熱の消費、それによって発生する二酸化炭素を減らすことに本当につながっていくわけですよ。そしてまた、財政面でも役立っていくのですね。  私は、むしろ足元をしっかり見詰めて、そういうことに取り組んでいっていただきたいと。何かこう、新聞にぱっと出るような、あるいは、各国の大統領、元首が8人集まって決めたからといって、全部それを見習って何かやらなければならないということではないのです。みんなを見ていたら、それぞれの国家財政、お財布の中で物を議論しているのがはっきりと見えています。したがって、札幌市も、今言ったことなども含めて、私はそういうふうにやっていただきたい。このことだけ求めて、きょうはこれで終わりにします。 ○本郷俊史 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○本郷俊史 委員長  なければ、平成21年度国家予算等に対する札幌重点要望事項についての質疑を終了いたします。  最後に、地方分権改革推進委員会第1次勧告についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎榊 行政部長  本日は、本来ですと総務局長が出席するところでございますが、サミットの関係がございまして委員会に出席がかなわない状況でございます。お許しをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  委員の皆様におかれましては、既にご承知かと思いますが、去る5月末に、地方分権改革推進委員会が第1次勧告を取りまとめました。また、この第1次勧告を受けまして、福田首相本部長とする地方分権改革推進本部が政府の取り組み方針とも言うべき第1次地方分権改革推進要綱を先月20日に決定するとともに、骨太の方針2008においても要綱に基づき分権改革に取り組むという方針が示されたところであります。  本日は分権委員会の第1次勧告の概要につきまして報告をさせていただきたいと思います。  まず、配付の資料の確認をさせていただきます。  お手元の資料5、A4判横の地方分権改革推進委員会第1次勧告(概要)でございます。それから、もう1種類、資料6のA3判横の地方分権改革推進委員会第1次勧告地方分権改革推進要綱(第1次)、指定都市意見対比表(抜粋)の2点でございます。このうち、資料5は、第1次勧告全体の構成と概要をまとめたものでございます。また、資料6は、今回の勧告事項の中から主要な事項を抜粋したものと、これに対応する政府の要綱、指定都市市長会の意見について対比する形で整理したものでございます。  それでは、資料5に沿って説明させていただきます。  最初に、左下のスケジュールをごらんください。  本日ご報告をいたします勧告は、第1次勧告となっております。第1次勧告では、重点行政分野の抜本的な見直し基礎自治体への権限移譲などについて勧告をしております。その右側にございます第2次勧告は、本年11月から12月ころの予定とのことで、内容は、資料右下側、第5章に検討課題として記されておりますとおり、国の出先機関見直しと国の法令による義務づけ、枠づけ等の見直しが予定されております。第3次勧告につきまして、時期はおおむね平成21年春ころということで、勧告の内容は、資料に記載はございませんが、税財政分野についての勧告と聞いておるところでございます。  それでは次に、勧告全体の構成についてご説明申し上げます。  第1次勧告は、第1章から第5章まで、全部で5章編成となっております。第1章では、既に昨年の中間的な取りまとめなどで示されている分権改革の基本的な考え方について、第2章、第3章では、勧告の主要な部分であります重点行政分野抜本的見直し基礎自治体への権限移譲について述べています。続いて、第4章では、道路特定財源一般財源化消費者行政の一元化という二つの政治課題について、分権の視点から委員会としてコメントを発しております。最終の第5章は、次回勧告への課題という全体の構成となっているところでございます。  それでは次に、勧告の主要な事項についてご説明を申し上げます。  まず、資料左上の第1章でございます。  これは、本年2月の当調査特別委員会において、地方分権改革推進委員会事務局長北大宮脇教授から解説をいただいた分権改革の基本的な考え方について改めて記載したものでありますことから、本日は概略のみ報告をさせていただきます。  まず、(1)分権改革の理念と課題ですが、地方が主役の国づくりに向け、中央政府と対等、協力の関係にある地方政府の確立のため、権限移譲と義務づけ、枠づけ、関与の徹底した見直しを行うとしております。また、行政権分権だけではなく、自治立法権自治財政権をあわせ持つ完全自治体を目指す取り組みとして、立法権分権については条例制定権の拡充について、財政権分権については分権型社会にふさわしい税財政基盤の確立について、それぞれその必要性を述べております。  次に、(2)国と地方役割分担見直しにつきましては、国が担う役割を限定した上で、住民に身近な行政はできる限り地方自治体が担うという役割分担の原則が示されております。また、この原則のもとに、地方自治体への事務移譲を行う際には国と地方の二重行政の排除という観点が重要であるとも述べられております。  最後に、(3)では、住民に身近な行政はできる限りより住民に身近な市町村が担うことが望ましいという基礎自治体優先の原則を掲げ、広域自治体である都道府県から基礎自治体である市町村への権限移譲を推進するよう指摘しております。  続きまして、勧告の主要部分となります第2章と第3章でございます。  重点行政分野の抜本的な見直し権限移譲につきまして、勧告では具体的な項目を列挙して指摘をしております。  その概要は、資料5の裏面をごらんください。  左上の幼保一元化、子ども分野から右下の環境分野まで記載されておりますが、これらについてもう少し詳細に記載したものがA3判横サイズの資料6となっております。  資料6をごらんいただきたいと思います。  資料6は、両面印刷となっております。右上方に提出資料6と記載がある方が、表面となっております。表の構成でございますが、3列の表形式となっておりまして、一番左側の列が第1次勧告について掲載しております。真ん中の列は、政府の地方分権改革推進本部が決定をした地方分権改革推進要綱を掲載しております。これは、第1次勧告に対する政府としての受けとめや取り組み方針を示しております。一番右側の列は、勧告に先立ちまして、札幌市を初めとする17の指定都市が市長会としてこれまで提言をしてきた意見の概要を記載しております。  それでは、それぞれの分野につきまして勧告、政府の要綱、指定都市の主張を左から右へ比較する形でご説明を申し上げます。  表中の丸つき数字を横に見ていただければ、それぞれの項目について対比できるようになっているところでございます。  初めに、幼保一元化、子ども分野についてでございます。  幼稚園、保育所という二つの制度の一元化を進める取り組み、認定こども園制度につきまして、勧告では、文部科学省、厚生労働省それぞれの手続が煩雑であることについて見直しをすること、また、制度の一本化に向けて改革することとしております。また、保育所の入所要件につきましても見直し、一元化に向けた環境整備を進めることとしております。  また、放課後子どもプラン推進事業につきましても、認定こども園と同様、2省庁にまたがることから、改善方法を検討することとしております。これを受けまして、政府の要綱では、勧告のとおり本年度中に結論を出すべく取り組むとしております。指定都市としましては、権限や財源を求める主張を行っておりました。主張そのものは勧告には反映されませんでしたが、主張を踏まえたものと理解をしているところでございます。  次に、教育分野でございます。  現在、指定都市は教職員の人事権を持っておりますが、その給与費は都道府県が負担して、いわばねじれたような状況になっているところでございますが、勧告では、これを一致する方向で検討することとしております。また、都道府県の協議、同意が必要とされている学級編制や教職員定数の決定方法について見直すこととしております。政府の要綱では、勧告の方向に従って検討することとしておりますが、表中に下線を引いておりますとおり、学級編制や教職員定数の決定方法の見直しにつきまして、勧告では今年度中に結論をとしていることに対し、政府は来年度の分権改革推進計画までに結論という表現で検討時期を引き延ばした形になっております。指定都市では、勧告の趣旨で主張してきており、指定都市の主張が勧告に反映された事例となっているところでございます。  次に、医療分野でございます。  勧告では、国民健康保険制度につきまして、県単位での広域化などについて検討することとしており、政府も勧告どおり検討することとしております。指定都市としましては、国民健康保険制度だけではなく、公的医療保険制度全体を一本化し、国が責任を持って運営するよう主張しているところでございます。  次に、生活保護制度についてでございます。  勧告では、法制定以来50年以上経過する現行制度につきまして、国と地方との協議の場を設置の上で役割分担を踏まえた総合的な検討を行うこととしており、政府も勧告に従い検討に着手することとしております。指定都市では、本日報告がありました白本にも重点事項として記載をしておりますとおり、制度の抜本的改革を行う趣旨で検討の例を示しながら提言しているところであります。  続いて、福祉分野でございます。  福祉施設の面積や廊下の幅といった細かな施設整備基準につきまして、勧告では、国は標準を示して、具体的基準は自治体が条例により定めることができるようにすることとしております。政府の要綱では、下線のとおり、方策を検討するという多少弱まった表現になっております。  なお、指定都市は、児童福祉施設に焦点を絞って提言を行いましたが、提言の趣旨は勧告に反映されたところであります。  以下、公営住宅、保健所、労働とございますが、指定都市としての提言につきましては、重点化をしてきた経過もあり、これらの分野は提言をしていない分野となっております。このため、この説明については割愛させていただきますが、分権委員会の第2次勧告に向けまして、現在、指定都市間で次回の提言事項の検討を行っているところであります。  それでは、裏面をごらんください。  続いて、都市計画についてであります。  都市計画は、都市計画法等によるさまざまな決定事項等がありますので、資料は概略のみを記載しておりますが、国や都道府県の同意の廃止、都道府県の決定権限の指定都市への移譲につきまして見直しを実施することとしております。政府の要綱では、下線のとおり、方向で検討ということで表現が後退しておりますが、検討自体は行うこととしております。指定都市は、勧告と同様の趣旨で提言をしており、勧告指定都市の意見を取り入れた形となっております。  続きまして、農業分野の土地利用についてでございます。  勧告では、農地転用につきまして、国の許可権限を都道府県へ移譲し、国への協議を廃止することとしております。また、現在、都道府県が持つ許可権限につきましては、市へ移譲することとしております。この分野につきましては、新聞等でも報じられておりますが、政府の要綱では、食料の安定供給等に配慮し、第1次勧告の方向により検討と多少弱まった表現で断定を避けたところでございます。  なお、指定都市は、勧告と同様の趣旨でこれまで主張をしてきているところでございます。  続きまして、道路及び河川についてでございます。  道路につきましては、直轄国道のうち、地域内交通を分担する道路は都道府県が、全国的なネットワークを形成するものは国が担うという考えにより、直轄国道の都道府県への移管を行うという勧告になっております。ただし、どの国道が地域内交通を担うかという判断、つまり、個別の対象道路につきましては11月から12月の第2次勧告までに具体案を示すとされています。河川についても、同様に、一つの都道府県で完結する1級河川の直轄区間の管理権限につきまして、原則都道府県に移管するが、個別の対象河川は第2次勧告で具体案を示すという内容になっております。国の要綱では、道路、河川とも、検討時期を含めて勧告に沿って取り組むとされております。指定都市では、道路、河川とも、都道府県ではなく、財源も含めて指定都市に移譲するよう提言をしておりますが、勧告では都道府県への移管となっております。  続いて、防災についてでございます。  災害が発生した際の自衛隊派遣につきましては、現在、都道府県に派遣を要請する権限があります。勧告では、要請権限は都道府県にとどめながらも、市町村が都道府県に対して自衛隊の派遣要請を依頼した際に、その事実を依頼と同時に防衛大臣にも通知するようにすることとしており、政府の要綱においても同様の措置を講ずることとしております。指定都市は、要請権限そのものの移譲を提言しておりました。勧告には反映されませんでしたが、主張の趣旨を踏まえたものと思われます。  以下の分野につきましては、表面と同様に説明を割愛させていただきます。  恐れ入りますが、資料5の表面にお戻りください。  ただいま、勧告の柱とも言うべき第2章と第3章につきまして概要をご説明いたしました。勧告では、このほかにもう1点、補助対象財産の財産処分の弾力化について勧告をしております。  資料の右側の第3章(2)をごらんください。  国庫補助事業により建設された施設など、いわゆる補助対象財産につきましては、補助目的以外への転用、取り壊しや譲渡といった行為について用途や相手先が強く制限されたり、場合によっては補助金の一部は国庫へ返納を求められたりするなど、大変厳しい制限があるところです。勧告では、これらについて、資料記載のとおり弾力化を行うこととしております。分権委員会によりますと、これらについては各府省の合意が得られており、300を超える補助事業について弾力化の措置が図られつつある状況になっております。  勧告の第4章につきましては、本来、分権委員会の検討の対象外だったものですが、現在、政府において検討が行われている二つの課題について、分権推進の視点から緊急的にコメントを行ったものでございます。
     最後に、第5章です。  冒頭にご説明しましたとおり、次回勧告に向けた課題が記載されております。  以上、長時間にわたり大変駆け足の説明となりましたが、地方分権改革推進委員会の第1次勧告の概要につきまして、政府の動きともあわせてご報告をさせていただきました。 ○本郷俊史 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小川直人 委員  今、地方分権改革推進委員会の第1次勧告につきまして説明がございました。これについて、評価、今後の対応方針について伺ってまいりたいと思います。  まず、昨年11月に中間的な取りまとめが発表になりまして、本委員会におきましても2月12日に宮脇先生にお越しいただいて、私も何点か質問をさせていただいたところであります。そして、5月28日の推進委員会の第1次勧告を受けて、政府の推進要綱が発表になっている。その間に、政令指定都市としては2度の提言を行ってきて、現在に至っているというふうに認識しているところであります。  第1次勧告が出てからマスコミでも取り上げられておりまして、いろいろなマスコミ報道のコメントがあるわけですけれども、やはり、政府の要綱としては、姿勢として若干後退している部分が見受けられるというような表現がマスコミ的に出ているところでございます。  私も、きょうこの表現をいろいろと見ていまして、私も議員になって1年経過しましたが、札幌市は、検討すると言いますと、真剣になって前向きに検討して形をつくっていくというのが私の認識であります。しかし、国会の答弁を聞いていると、役人の皆さんの答弁で検討すると言うのは、その場の逃げという部分もちょっと感じられます。今回も検討という言葉がたくさん入っているわけでありますが、政府の姿勢が本当に真剣に前向きな推進に向けて検討されていくのか、ちょっと危惧するところでございます。  今、説明がありましたけれども、札幌市として、今回の勧告と要綱に対する評価について、感想や今後の期待値を含めてもう少しお伺いしたいというふうに思います。 ◎榊 行政部長  今回の勧告並びに要綱の評価についてお答えをします。  勧告は、指定都市がこれまで主張してきた内容を踏まえまして、重点行政分野抜本的見直し基礎自治体への権限移譲事業の拡大につきまして、改革の内容を具体的に、また期限を定めた形でまとめております。特に、県費負担職員の人事権者と給与負担者を一致させるという方向での検討や、都市計画にかかわる広範な権限を指定都市へ移譲することなど、これまで指定都市の主張が反映されている項目もあり、そういった意味で今回の勧告は評価できるものと考えております。  また、政府の要綱につきましては、各府省からさまざまな反論が示されている中で、勧告よりも表現が後退した感が否めない項目もございますが、第1次勧告を最大限尊重し、改革の推進に強力に取り組む政府の姿勢が示されたことは意義があるものと考えております。 ◆小川直人 委員  すべてではありませんけれども、第1次勧告に政令市の提言の部分、主張が含まれたことで評価しているという答弁でございました。  ただ、まだまだ政令市の思いがすべて盛り込まれていないと感じているところであります。この次に出ます第2次勧告では、今、問題の国の出先機関見直しや国の法令による義務づけ、枠づけの見直しといったものが予定されておりまして、これまで以上に各府省の反発が強まり、第1次勧告より一層後退するのではないかという懸念を持っております。  私は、この辺も2月12日に宮脇先生に聞きました。そのとき、宮脇先生は、中間的取りまとめで書かれているもののうち、各府省の方から前向きに検討するというふうに回答が返ってきたのは1割くらいでしかありません、これは、驚くのではなく、当然予想された結果で、こういったものに対してどうやってこれからもっと押し出していくのかが問題です、やはり、一つは、中央政府出先機関のスリム化といったところと連動した中で議論をしていかないと、こういう役割分担論というのはなかなか前に動いていかないということでございました。宮脇先生も今度の第2次勧告の項目について非常に心配をされております。  そういった意味で、やはり、政令市として第2次勧告を前進させるために、これから、いろいろな提言を含めて、まだまだ政令市としてプッシュしていくということになろうかと思います。その辺を含めて、第1次勧告よりも第2次勧告がさらに推進していくようになるためにどのようなことを考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。 ◎榊 行政部長  まず、第1点目は、今後、勧告に向けて第1次勧告よりも後退するのではないかというご懸念でございます。  第1次勧告におきましても、各府省から相当の反論があった中で、分権委員会はしっかりと理念を貫いた勧告を示されております。この理念のもとに、今後の第2次勧告以降につきましても地方の意見を踏まえた内容になるものと期待しているところでございます。  それから、今後、指定都市としてどのようなことに重点をおいて主張していくかということについてお答えします。  指定都市市長会でも、今後とも、分権委員会の動きに合わせながら、各指定都市の意見を取りまとめて分権改革についての提言を行ってまいりたいと考えております。今後の提言におきましては、委員会勧告を行う分野に焦点を合わせていくと同時に、従来から白本等にも記載しておりますとおり、指定都市が果たしている大都市としての役割をしっかりと主張していくことが重要と考えております。  したがいまして、指定都市が大都市としての役割を十分に果たすことができるよう、総合的な権限移譲と、その役割に見合った自主財源が制度的に保障される新たな大都市制度の創設を主張の柱としまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小川直人 委員  最後は、要望のようなものになります。  今回の中では、国の権限を道に落とします、さらに、市町村に落としますという表現が出ています。しかし、政令市としては、第2次勧告に向けてさらに政令市に落としてもらいたいと。そういったものが今回の国の施策及び予算に関する提言書の中にも出ておりますので、そのことをきっちりと提言の中で進めていただきたいというふうに思います。  さらに、ちょっと気になるのがもう一つあります。それは、第1次勧告の方には指定都市という表現が出ておりますけれども、分権推進委員会の本部の方の表現には政令市という表現が明確に出てきていないということであります。私はこのペーパーだけしか見ておりませんが、分権推進委員会の中で、政令市、今言われた大都市制度というものが十分に認識されていないのではないかという懸念もあります。ですから、今、主張されようとしている大都市制度の創設、それから、政令市への権限移譲については、今まで以上にきっちりとした提言をしていただきたい。  私は、最大の抵抗勢力は府省というふうに宮脇先生に確認しましたので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、地方分権改革と道州制とのかかわりについて質問させていただきたいと思います。  ただいま報告のありました第1次勧告の第1章によりますと、地方分権の基本的な考え方は、地方が主役の国づくりといたしまして、国と地方役割分担見直し、より住民に近い基礎自治体へ権限や財源を移譲するなどの取り組みによって地方政府の確立を目指すということであります。国と地方との関係ということで申し上げますと、地方分権改革の動きがある一方で、道州制についてもかねてよりの課題でありまして、政府・与党の道州制推進本部を初め、日本経団連などからもさまざまな意見、提言が発せられているところであります。  そこで、質問ですけれども、政府におけます現在の道州制についての検討はどのような状況となっているのか、お伺いいたします。 ◎榊 行政部長  政府における現在の道州制の検討状況についてお答えをします。  道州制についての国の検討につきましては、平成18年2月に第28次地方制度調査会が道州制のあり方について答申を出して以降、同じ平成18年9月に政府において初めて道州制担当大臣が置かれ、この大臣のもとに道州制ビジョン懇談会が設置されており、現在、この道州制ビジョン懇談会が政府における道州制についての正式な検討組織となっております。  この懇談会では、ことし3月に中間報告を取りまとめ、おおむね10年後を目指して道州制を導入するとしております。この中間報告では、現状の課題として、一つ目としましては中央集権体制の弊害、二つ目としましては地方の活力の低下と地域格差の拡大、三つ目としましては巨額な財政赤字などを指摘した上で、道州制の理念につきましては地域主権型道州制としているところでございます。また、その目的につきましては、住民本位の地域づくりを掲げ、制度設計においては国、道州、基礎自治体の役割と権限の見直し必要性などを指摘しているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  政府におきましては、おおむね10年後を目指して道州制を導入していくこと、また、道州制の導入については地域主権、住民本位といったキーワードが検討の方向性となっているということでございます。  まさに、現在の地方分権改革における地方が主役の国づくりと符合するものでございますが、現在の地方分権改革と道州制との関係についてどのように理解をされているのか、お伺いいたします。 ◎榊 行政部長  現在の地方分権改革と道州制の関係についてお答えします。  現在、分権委員会においては、国と地方役割分担につきまして、中央政府の役割を限定し、住民に身近な行政は地方自治体に移譲することを基本とした上で、中でも、より住民に身近な基礎自治体が事務を担うべきとの立場に立っているところでございます。現在行われている地方分権改革によりまして権限の移譲を進めることは、基礎自治体が地域における総合行政を担うことができるようにする取り組みであり、地方分権の推進により地方政府の確立が来るべき将来の道州制導入に向けた基礎になると考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  最後に、要望で終わります。  地方分権改革を推進して、直接、市民に接している基礎自治体の機能を強化していくということは、日本という国のあり方そのものの抜本的な見直しである道州制に向けて基礎となる必要な条件であるというご答弁であったと思います。  しかし、現在の分権改革は、地方への権限移譲や国の法令による義務づけ、枠づけの見直しといった取り組みとともに、国と地方の二重行政の解消といった視点の中で、巨額の赤字を抱える国にとって財政改革的な側面もあわせ持っております。分権委員会では、税財政の分野についての勧告は来年春の第3次勧告になるとのことでございますけれども、地方にとっては、権限移譲による自由度の拡大は、その権限と一体である財源の確保があって初めて実効性のあるものになるというふうに考えます。第1次勧告で指摘されている各種権限の移譲に関して、分権委員会の言葉をかりれば、地方政府を確立するために必要な財源がしっかりと確保されるように本市としても取り組むことを要望しまして、質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私からも、何点か質問させていただきます。  今、ご報告があり、それから質疑の中でもございましたけれども、分権委員会の第1次勧告については、この間、本市及び他の政令指定都市の主張に関して反映されている部分もあり、また、主張の方向性が踏まえられている内容でもあるということで、評価できるものである、意義のあるものだというお話もございました。  私ども日本共産党といたしましては、各論の部分では、国の公的責任というものを放棄して、地方が主役の国づくりという名のもとに国がしっかりと責任を果たしていかない側面もあるのではないかということで、これについてはこれからも十分に注視していきたいと思っているところであります。  しかし、勧告の内容が実現され、実際に権限や事務が移譲された際に、本市として、今、大変極めて厳しい財政状況が続いている中ですから、その移譲された権限をすべて受けて本当に事務事業を実施していくことができるのか、この点について非常に懸念を感じているのですけれども、この点はどのようにお考えになっているのか。  また、移譲された権限あるいは事務を本市が行うメリットは果たしてあるというふうにお考えなのかどうなのか、この点について確認させていただきたいと思います。 ◎榊 行政部長  地方分権によりまして事務事業を本市が受けるに当たりましての意義なり、本市におけるメリットについてお答えしたいと思います。  分権改革が目指す姿は、先ほどご説明しました第1章に示されておりますとおり、地方が主役の国づくりであります。その目指す方向性は、地域の多様な価値観や地域の個性に根差した豊かさを表現する住民本位の分権型社会でございます。そして、それを実現するためには、国と地方役割分担見直し地方が担うべき事務や権限を国から地方に移譲していくことが必要となります。  この事務や権限の移譲によって行政の自由度や選択肢が広がることは、地域の多様性や創造力にあふれた豊かな地域づくりへつながることであり、意義のあることと認識をしております。このことは、札幌市においても十分に通用するものであるというふうに考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  国と地方役割分担とその基本的な考え方は、第1章に示されているように地方が主役の国づくりということですから、裁量が広がっていく、自由度が増していくということで言えば、それは意義のあるものだというご答弁だったと思います。  第5章にかかわってお聞きしたいと思うのですが、第2次勧告に向けて検討課題ということで、特に、先ほどもお話が出ておりましたけれども、国の出先機関の改革ということで廃止・縮小ということがうたわれております。これが第2次勧告の中で具体的になってくるということです。  これは、もちろん国と地方の二重行政の解消ということで進められようとしているわけです。しかし、言ってしまえば、国の出先機関を単に都道府県に移していく、それをもって廃止ということでは、業務の実施主体が変わるだけで、廃止した後は地方で頑張ってやりなさい、効率化を図っていきなさいというようなことで、私どもは国の責任逃れにつながっていってしまうのではないかという懸念を抱いております。  さきに、開発局の談合問題に端を発して、開発局についてもすぐにでも廃止をしてしまえというような声もあります。福田首相も、廃止について具体的に検討していかなければならないというような発言もしておりますが、やはり、性急な結論を出していくことについては問題があるというふうに思います。先ほど来皆さんがおっしゃっている地方が主役の国づくりというものは、このままでは到底実現できないのではないかというふうに思うわけです。  その点について、本市として出先機関の廃止・縮小の問題をどのように考えているのか、伺いたいと思います。  また、先ほどもお話が出ておりましたが、委員会として宮脇先生からお話を伺う勉強会がありまして、出先機関の問題について、この先、人的資源の活用ということで考えていく必要があるのではないかという宮脇先生からのお話もあったと思います。  そこで、市が出先機関の職員の受け皿にならざるを得ないのか。第1章の(1)に書かれている自治を担う能力の向上というところで、職員の受け皿として札幌市がそこに手を出さざるを得ないと言うのかな、そういう状況にはならないのかどうなのか。この点についてどういうふうにお考えになっているのか、今検討されていることがあればお聞かせいただきたいと思います。 ◎榊 行政部長  国の出先機関の廃止・縮小に伴うご懸念、それから、その関係で職員の受け皿になるのではないかというご質問でございました。  国と地方の二重行政を排除し、より住民に近い地方自治体に権限を移譲していくという分権の視点から、現在、地方において国が直接所管をしております業務や組織のあり方を検討することは、分権改革の趣旨に合致しているものと認識しております。  今お話に出ました開発局を初めとする国の出先機関のあり方の検討に当たりましては、地方分権改革の趣旨を踏まえまして、まずは国と地方のあるべき役割分担と国が担っている業務内容の本質を踏まえた議論がなされるべきだと考えております。また、国の出先機関見直しによりまして、その事務権限が地方に移管していく場合につきましては、これまで指定都市市長会が主張しておりますとおり、権限の移譲に合わせまして必要となる財源が確実に移譲されることが前提条件であるということを引き続き訴えていきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  人的受け皿の部分でのご答弁がいただけなかったのですけれども、やはり財政的な裏打ちということでいきますと、住民の近いところに権限が移譲されていくことが大事だということは十分に理解できます。その分、小回りのきく意思の機関決定など、そういう意味では重要なのだろうというふうに思いますので、今、部長のご答弁があったように、私も、やはり国と地方のあるべき役割分担についてはしっかりと議論されていかなければならないというふうに思っているところです。  先ほどもお話がありまして、宮脇先生もおっしゃっていたし、新聞報道等でも言われておりますが、分権委員会では各府省から相当厳しい抵抗を受けながら勧告を取りまとめてきているということもあって、勧告も当初の予定よりもおくれぎみで来ています。今後もこの厳しい状況というのは想定されますし、今回、資料として提供されているスケジュールに関しても、来年度の新分権一括法案に至るまでまたさらに厳しいスケジュールが予想されると思っています。また、政府には勧告尊重義務というものがありませんので、どこまで勧告が実現されるのか、その見通しが持てない大変厳しい状況があるというふうに思っているところです。  ただ、そういう中でも、自治体としては、新分権一括法が施行される2010年度までにはしっかり準備をしておかなければならないわけですから、市として、今回の分権改革によって得られる事務権限、選択肢の拡大というものを市民のために十分に活用していけるような組織づくり、あるいは、財政的なお話も先ほどありましたけれども、財政面での準備などが必要だというふうに思います。  今、市役所の中では、地方分権については、行政部が各部局からの取りまとめなどを行いながら進めているわけですが、具体的には、2010年にもっと具体化されるときに間に合わせるために庁内で必要な部局あるいはプロジェクトチームなどといったものが求められているというか、それなしではやはり2010年には間に合わないというふうに私は思うのです。  そこら辺について、今どういうふうにお考えになっているのか、もし方向性があるのであればそれをお聞かせいただいて、私は質問を終わりたいと思います。 ◎榊 行政部長  今お話がありましたように、一応、私どもが分権の関係で窓口になっておりますが、当然のことながら、関係部局が庁内にございますので、今後はそういう部局と調整をしながら分権に向けた体制づくりをしてまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  きょうは、局長が2人出ていますが、財政局長にちょっとお尋ねしたいです。  あなたは、総務省からおいでになっているから、国の中で仕事をされて、国の形も十分に考えてこられたと思うのですが。明治維新以降、数えて141年目、140年が過ぎたと。最初に藩を県に置きかえて、知事、さらに、それを整理してずっと段々と来て今の形になってきた。  今、一つは、地方自治体で、我々議会も、それから、あなた方執行側にいる皆さんも真剣に考えなければならないことは、国の形をどういうふうな統治形態にするか、このことの議論なしには分権なんていう議論にはなっていかないと私は思っているのです。したがって、その点について、あなたが札幌市においでになってからそういう議論があったかどうか。今の分権の話というのは何かといったら、先ほどからの議論にもあるように、要は、これだけ社会の通信手段からいろいろなものが変わって、もう一昼夜かけて東京まで説明に行かなくてもいい、インターネットでいろいろなことができる時代になってきた、飛行機も速いということになってきた。そうすると、国の出先機関も整理して二重行政をやめよう、いろいろなことを少し整理していかないかということは当然の帰結だと思うのです。  そこでまず、一つは、札幌市がそういうありようについて議論したかどうか。特に、道州制というのは、わかりやすく言えば、本当は都道府県、市町村という中間管理機構をなくしてしまった方がもっと合理的だと。こういうことで、北海道なんかは本州と縁が切れた一つの島ですから非常にやりやすいということで、それが出ているわけですね。  例えば、保健福祉の関係でいくと、今の介護保険や医療保険などのいろいろな問題を幾つかに割ったときに自治体単位でできるかどうか。何を北海道一円でやる必要があるか、それから、何は札幌市独自でやるべきか、こういう区分けなどは、分権の議論の中で、札幌市役所の中でされているのかどうか、この点について財政局長にお尋ねしたいと思います。 ◎阿部 財政局長  札幌市での議論を承知しているかということですが、残念ながら、財政局長という所掌事務の中で仕事をしておりますので、すべての議論について私が把握している立場にはもちろんございません。  ただ、当然ながら、白本、青本の議論をする中で札幌市がどうあるべきかという話も出てきますし、例えば、今、委員のご質問の中で介護の話もありましたが、今回の白本の中でも触れております例えば生活保護の関係でありましたら、それはなかなか市一つでは難しいですね、国の仕事としてもしっかりやっていただかなければならないということは個々には当然提言をさせていただいております。ですので、一般的にどうあるかというのは、制度の仕組みとしては非常に難しいですし、札幌市一人で考えられるものではなかなかないというふうに思います。個々の行政分野について、それぞれ積極的にこうするべきだということについては、白本、青本の作成の過程の中なりで当然ながら関係部局の中で議論もさせていただいております。  これからの国のあり方という大きな観点からのご質問かと思いますが、国の方でも、分権改革推進委員会なり地方制度調査会の中でどうするのかということをまさに議論しているところでございますので、札幌市一人でこうだというようなところまではなかなかお話しできないのではないかと思います。しかし、個々の行政分野では、当然、我々は市民の方々に密接した行政を行っているわけでございますので、その経験を踏まえて必要な提言は積極的にしていかなければならないというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  札幌市を初めとして、各自治体の職員組合の皆さんは、中央省庁から、あなたと、それから後ろにお座りの課長の2人がおいでになっているけれども、こういう方々を迎え入れることに対しては大変な抵抗感がありました。それに対する反対闘争もありました。これは都道府県も、全国、全部そうであります。それは何だといったら、地方地方でできるのだという共通した認識が職員にあったのです。僕は、これは今もあると思っています。  そこで、やっぱり、あなたを初めとするもう一方の課長も含めて、国の仕事を経験してきて、地方に来て本気になって地方分権という言葉を使うとすれば、分権というのは広いのですよね。100あるうちの一つを分けても分権だし、50を分けても分権だ。  ただ、その分権の中で、一般的にやはりわかりやすい言葉で市民に話していくとすれば、今の話は、一般的に言う国の形を変えるほどの分権議論ではなくて、この二重行政、三重行政になっている部分を解消していこう、むだを省いていこう、こういうのが大方の議論かなというふうに私は思うのですよ。  したがって、もう少しその部分と、それから、国会議員と内閣が国のありようを議論するのはもちろん大事なことだけれども、主権在民と言うように、やはり何といっても我々国民があってのことであります。ですから、一番大切な地方自治体の中で、そういうことについて、例えば、札幌市は今の都市の形態を維持する、あるいは、石狩市と合併して港を持ち、そういう形の自治体を一つとしてやっていくとすればこういう形がいいぞとか、そういうものが出されて、初めて、北海道の中で道州制というものがしかれたときに北海道の中における道州制はどうあるべきかと、そういう議論が道民の中にできてくると思うのです。必然的にわいてくると思うのです。そういう意味で、私は、札幌市の役割は大きいと思っているのです。  これは、係長以下の一般職の皆さんも考えていろいろ議論されるだろうけれども、私は、特に局長以上の幹部職員の皆さんが、こういうことについて、市長も含めて、どういうふうにあるべきかという議論を大いにされて、それを部長以下のところに示していく、そして議論の素材にすることが大事だろうと思うのです。お聞きすると、そういうことはやっていないということですから、ぜひひとつ、総務省からおいでになっているお2人の局長と課長を中心にそういう議論をしていただきたいということを求めておきます。  委員長には、ぜひ、分権を担当しているこの特別委員会で、我々も、理事者側から説明を聞いて、ああそうか、こんなものか、これはむだだからやった方がいいなということだけではなくて、本当に札幌市民のみんなは総額で今どのくらいの税金を負担しているのか、それは、国にどれくらいいっているのか、北海道にどれくらいいっているのか、札幌市に何ぼ入っているのかとか、我々はそういう勉強もしっかりとしていく。そして、分権になったときに札幌市の中で税源はどのぐらい可能かということを見きわめた上で、札幌市役所の組織は人員的にもどのくらいにしなければならないか、そのためには仕事をどういうふうに整理していくか、こういうことも我々は我々の側できちっと議論をしていく、そうしていかないと――私も、たまたま役所の幹部で退職したような、札幌市ばかりではなく、ほかの役所も含めて、そういう方々からそういうことについていろいろ聞かれるのです。しかし、率直に言って、私も細かいことはわかりません。したがって、これから勉強しますと答えるものですから、ぜひ、そういう取り組み委員会運営の中で委員長にお願いしたいなということを求めて、終わります。 ○本郷俊史 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○本郷俊史 委員長  なければ、地方分権改革推進委員会第1次勧告についての質疑を終了いたします。  ここで、本日の案件に追加しまして、委員派遣についてお諮りします。  本日審査が終了しました平成21年度国家予算等に対する札幌重点要望事項を関係省庁及び地元選出国会議員等に陳情するため、また、地方分権改革に関して道外都市の状況等を調査するため、8月4日から6日の3日間の日程で委員派遣を行うことにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○本郷俊史 委員長  異議なしと認め、委員派遣を行うことを決定いたします。  また、詳細につきましては、適宜、各委員にお知らせいたします。  以上で、本日の委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時22分...