委 員 小 形 香 織 委 員 小 林 郁 子
委 員 佐 藤 典 子 委 員 堀 川 素 人
委 員 田 中 昭 男
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開 議 午後1時
○勝木勇人 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、小田委員からは、義卜委員と交代する旨、届け出がありました。
ここで、委員長から申し上げます。
本日は、質疑予定者が多数に及んでおりますので、質疑、答弁とも簡潔に行っていただきますようご協力をお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
初めに、第2款 総務費 第1項 総務管理費中
危機管理対策室関係分の質疑を行います。
◆福士勝 委員 私の方から、簡潔に質問をいたします。
まず、
国民保護計画についてお伺いをいたします。
平成16年に国民保護法が施行され、この法律や国が示した国民の保護に関する基本指針、さらには、北海道が本年1月に策定した
北海道国民保護計画に基づいて道内の市町村向けの
国民保護モデル計画を策定したところであります。本市の場合、モデル計画に示されていない大都市特例に関する事項、さらには、本市の特性を踏まえた対応などを盛り込んで、100ページにもわたるような素案ができたところでもあります。
先日、総務委員会で素案の概略の報告を受けたわけでありますが、札幌市が保有している人的、物的資源についてはおのずから限界があることははっきりしているわけでありますから、住民の安全・安心を確保するために、市の体制の整備はもとより、防災関係機関との連携体制、さらには自助、共助の観点から住民組織との協力関係など、相互に連携することによって初めて実効性が上がる、こういうふうに理解をしているわけであります。このような視点から、数点、質問をいたします。
まず、第1点の質問であります。
先ほども申し上げたとおり、
防災関係機関との連携強化については、非常に重要な問題であり、協議会とか幹事会の場でも協議を行っておりますが、これまでどのような取り組みをされてきたのか、より一層の連携強化に向けて今後どのように進めていこうとしているのか、お伺いしたい。
質問の2点目であります。
防災関係機関のうち、北海道が指定したいわゆる
指定地方公共機関については、札幌市と同様に、本年度中に
国民保護業務計画を策定するというふうになっているわけでありますが、この
指定地方公共機関には北ガスとか各放送機関などが含まれており、当然、本市の計画と密接な関連が出てくるわけであります。これら業務計画の進捗状況と本市の
国民保護計画との関連について、まず、お伺いさせていただきます。
◎北村
危機管理対策部長 1点目の
防災関係機関との連携強化に向けた取り組みについてでございます。
本市の
国民保護協議会には、国や北海道から指定された指定公共機関、
指定地方公共機関のみならず、防災対策で連携を図っております医療や運送関連の機関にもご参加いただいておりますことから、委員ご指摘のとおり、これまでも、
国民保護協議会に所属する関係機関を中心に会議の場や個別の打ち合わせ等を通じて協議を重ねてきたところでございます。
また、今後の取り組みについてでございますが、これまで自然災害等に備えて構築いたしました連携体制を活用していきたいと考えてございまして、具体的には、既に締結している応援協定や覚書等について国民保護の観点から見直しを加えるほか、関係機関との人的、物的なネットワークを構築するなど、関係機関と調整を図りながら住民の避難、救援の際に迅速かつ適切な対応が可能となるよう、緊密な連携体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
2点目の
指定地方公共機関の業務計画の進捗状況と
国民保護計画との関連についてでございます。
まず、
国民保護業務計画の進捗状況につきましては、幹事会の場を通じまして各機関から情報をご提供いただいているところでございまして、全国で体系的に統一のとれた計画となるよう、まず、日本ガス協会とか
日本民間放送連盟などにおいてモデル計画やガイドラインを策定し、それをもとに、地域の特性を考慮して各機関が業務計画を策定するものと伺っておりまして、いずれの機関におきましても、年度内には業務計画が確定される見込みであるとのことでございます。
また、この業務計画と本市の
国民保護計画との関連についてでございますが、いずれの計画も、北海道の
国民保護計画と整合を図らなければならないとされておりますことから、本市の進捗状況についても積極的に情報提供するなど、各機関と連携を密にし、調整を図りながら計画の策定作業を進めてまいりたいと考えてございます。
◆福士勝 委員 いずれにしましても、年度内ということであります。自然災害に対応する地域防災計画とは異なるわけでありますから、特に
国民保護計画については、今答弁にありましたように、基本的に、国からの指示に基づいて、北海道を初め各関係機関が一体となって対応する仕組みになっていることから、なお一層、関係機関との連携強化を図っていただきたいというふうに思います。
そこで、国民保護と住民の協力、とりわけ、
自主防災組織との関係についてお伺いしておきたいというふうに思います。
計画の素案を拝見いたしますと、自主防災活動への支援、あるいは、住民の避難誘導に関する協力の要請等々、
自主防災組織に関する記述というのがこの素案の中に極めて数多く見受けられますし、出てくるわけであります。私は、地震や風水害など、自然災害の対応における自主防災活動の大切さ、また、この活動に対する支援の重要さについては、繰り返し述べてきたところであります。当然、自然災害とは異なる部分があるにせよ、国民保護においても
自主防災組織の協力に負うことは、極めて大きく重要なことだというふうに思っております。
そこで、先日の総務委員会における説明の中で、
自主防災組織の集まりである
防災団体連合会の場で、
国民保護計画に関する説明と意見交換を行いましたが、地域防災活動に携わっている方々の意見を聞くことは、行政にとっても貴重な経験だというふうに思いますし、逆に、
自主防災組織の方々も、国民保護に関する制度の仕組み、あるいは、市の考え方等々を理解し情報交換をすることは、そういう意味では大変有益であったというふうに思っているわけであります。いずれにしても、国民保護で想定する事態によっては、大規模な住民の避難誘導、あるいは、救援活動が当然必要となる場合も想定するわけであります。
そこで、1点目として、
防災団体連合会と意見交換を行った際に、
自主防災組織の方々から主にどのような意見が出ていたのか、お伺いしたい。
2点目として、
自主防災組織等の団体から意見を聞く機会は、計画の策定に関してということだけではなくて、今後も継続的に設けるべきだというふうに思いますが、どうか。
3点目として、国民保護における
自主防災組織の役割についてどのような考えなのか、お伺いいたします。
◎北村
危機管理対策部長 1点目の
自主防災組織の方々からのご意見についてでございます。
まず、
自主防災組織の会長には、町内会の会長を兼ねている方が多く、情報の伝達や避難誘導を行う際に、いずれの立場で行動をとったらよいのか、その役割分担についてのご意見があったほか、避難場所の受け入れ態勢についてのご意見や、市境にある
自主防災組織の方からは、場合によっては隣接の自治体に避難することも考えられますことから、近隣市町村との連携・協力体制の強化についてもご要望があったところでございます。
2点目の今後も
自主防災組織等の団体から意見を聞く機会を継続して設けるべきではないかとのご質問でございます。
私どもといたしましても、そのような機会を継続して確保してまいりたいと考えているところでございまして、さきの
防災団体連合会との意見交換の場におきましても、引き続きこのような機会を持ちたい旨、お伝えしているところでございます。また、
自主防災組織の方々からも、市にはさらにいろいろ意見を聞いてほしいとのご意向が示されましたことから、今後も
防災団体連合会が開催される機会などを活用して情報交換の場を設けてまいりたいと考えております。
3点目の国民保護における
自主防災組織の役割についてでございます。
法律上は、
自主防災組織に強制的に一定の義務を担っていただくわけにはまいりませんが、地域住民の安全・安心を確保するためには、その役割は大変重要なものがあると私どもも認識しているところでございます。特に、警報の住民への伝達や円滑な避難誘導など、直接、住民と接する分野につきましては、行政の対応に加えて、地域の実情に精通している
自主防災組織の方々のご協力をいただくことにより、さらに地域住民の生命や身体などを守ることにつながると考えているところでございます。
このため、今後とも、
自主防災組織の連合会の場などを活用して、制度の趣旨の周知や協力体制について情報交換を密にし、ご理解、ご協力をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
◆福士勝 委員 地域住民の安全を確保するためには、行政の対応、さらには
自主防災組織等々の現場の方々の役割というのは極めて重要だというふうに思っております。いずれにしても、素案の計画段階でありますけれども、今後、パブリットコメントを経て、幹事会あるいは協議会において審議の上、年度内に計画を策定するというスケジュールになっているわけであります。
私は、計画だけでは、万が一の事態が発生した場合に、円滑あるいは的確な対応をとることは不十分だというふうに思いますから、今後、細部にわたった計画、あるいは、マニュアルのようなものを整備していくことが当然必要だというふうに思っております。そういう意味では、先ほど来申し上げていますように、限界がある、そのためには自主防などとの連携協力、こういうことが不可欠なわけであります。
そういう意味では、行政の対応そのものの強化は、今後も図っていくことが当然必要でありますけれども、私は、今後の運用の面で極めて重要視している関係等々を含めて、自然災害、あるいは、大規模事故に関して定めている地域防災計画、これらの関係は極めて連動性があるというふうに思っております。いずれにしても、計画をつくる、そして、計画の実効性を確保するためには、
危機管理対策室のみならず、それぞれの関係部局においてマニュアルを作成する、あるいは、関係機関や企業などと協定を締結する、こういうものをしっかりやって計画の具現化に向けた取り組みが求められているというふうに思いますので、その点、重要視をしていただきたいというふうに思います。
それらの推進体制の一つとして、
危機マネジメントシステムを導入して、
危機管理対策室がその官房機能を発揮して、各局、あるいは、区の取り組みの状況を調査して、その推進に努めているという形があるわけでありますから、ぜひともこれらの関係を発展的に活用し、そのことによって市の関連部局が一丸となってやっていく推進の仕組みづくりが私は極めて重要だというふうに思います。
そこで、
国民保護計画策定後の計画の運用に関して、庁内の推進体制についてどのように考えているのか、お伺いさせていただきます。
◎北村
危機管理対策部長 計画策定後の運用に関する庁内の推進体制についてでございます。
委員ご指摘のとおり、計画が策定されればそれで終わりというわけではございません。万が一の場合に、円滑かつ適切な対応を行うためには、実際に計画を運用するための取り組みが重要であると認識しているところでございます。
自然災害や大規模事故を対象としている地域防災計画の運用につきましては、
危機マネジメントシステムを活用して、庁内各部局のマニュアルの作成や訓練の実施状況、応援協定の締結状況などを調査するとともに、その推進に努めているところでございます。
国民保護計画が策定された後には、この計画が実効あるものとなるよう、
危機マネジメントシステムを活用して、全庁的な計画の運用推進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
◆福士勝 委員 現段階では今の答弁で理解するわけでありますが、いずれにしても、市役所内部あるいは関係機関、さらには住民に対して共通の方向性を示す大綱のようなものがこの計画だというふうに私は理解をしているわけであります。
ただ一つ、先ほど申し上げましたように、計画の策定には協議会等々の場で十分に協議、検討を行っていただきたい。特に、避難実施要領のパターンを作成する、こういうふうになっているわけでありますから、高齢者、障がい者、外国人等、みずから避難することが困難な方々の避難対策等への配慮、そして、冬期間の避難方法などを検討する際、幹事会のメンバーにも市民の公募委員が3人いらっしゃる、こういう方々だとか、
自主防災組織などの意見に十分耳を傾けて策定していただきたいというふうに思います。この計画を実効あるものにするために、策定後の運用体制についても、今答弁があったように、
危機マネジメントシステムの導入を含めて、現段階から常に意識を持ちながら今後の業務遂行に臨んでいただく、このことを強く要望して、今回は終わります。
◆芦原進 委員 私からは、身近な問題で、どうでもいいようですが、最も大事な問題について、防災意識の普及啓発について質問をさせていただきます。
ことし7月に、九州を中心とした記録的な大雨による大規模な水害がありました。特に宮崎県では、わずか10日間で、札幌の年間降雨量、1,128ミリと聞いていますが、これを超えるような1,200ミリ以上の雨が降った地域がありました。人的にも物的にも大きな被害が発生いたしました。
また、先月は、台風13号が石狩に上陸したものの、札幌にはほとんど被害がなかったようですが、本州では大きな被害を受けた地域もありました。私のふるさとであります佐賀県でも大きな被害を受けました。佐賀県は、同じ九州でも沖縄県や鹿児島県、宮崎県と違い、台風や大雨による被害は比較的少ないところでありますが、86歳になる母親も、今回だけは初めて妹の家に避難をいたしました。17日の夕方、広範囲で停電をし、翌日の夕方にやっと復旧するという状況でありました。また、友人がおりますが、ハウス農業をやっております。ハウスも全壊、また作物も全滅、被害は約2,000万円相当と肩を落としておりました。この友人も、56歳になって初めての経験と話してくれました。
さらに、この連休中、この間のことでありますが、異常に発達した低気圧の影響により、サンマ漁船が転覆したり、釣り舟が転覆、瞬間風速は台風並みというようなところもあり、予想をはるかに超えた高波、大雨等々、北海道を含む東日本を中心に大きな被害が発生したところであります。
幸いというか、札幌は、平成16年の台風18号、まだまだ記憶に新しいわけですが、それ以降、大きな被害は発生しておりません。しかし、毎年、必ずどこかでこういう災害が起こっております。札幌では起こらない、こういう保障はどこにもありません。実際に、札幌でも、昭和56年8月の大雨で大きな災害が起こっている。多くの家屋が床上浸水し、豊平川決壊との状況もあったと。私は、当時、おりませんでしたが、先輩から伺っております。札幌は、風水害、地震による災害もなく、雪を除けば大変に暮らしやすい誇れるまちだと私も思います。いつ起こるか予測がつかないのが災害の怖いところでありまして、天災は忘れたころにやってくるとのことわざがありますが、災害は起きないのではなく、起こるのであります。ゆえに、備えの有無によって被害は少しでも軽くできるのです。備えあれば憂いなしであります。札幌市民が常日ごろより災害に対してどのように考え、どのように備えをしているか、大変に気にかかっております。
そこで、質問でございますが、札幌市民の防災に関する意識について、昨年、
危機管理対策室で
市民アンケートを実施されたとお聞きしております。その
市民アンケートの結果がどのようなものであったか、お尋ねをいたします。
◎北村
危機管理対策部長 防災意識に関する
市民アンケートの結果についてでございます。
アンケート内容は、大きく分けまして、まず一つ目が地震と風水害に対する不安の程度、二つ目が地震と風水害以外に不安に思う災害の種類、三つ目として家庭や地域で実施している災害対策の内容、四つ目として区役所や町内会で行う防災研修や訓練への参加状況、五つ目として知っている防災施策、これを質問項目として設定いたしました。
調査結果といたしましては、地震や風水害につきましては、70%以上の方が心配に思う、もしくは少し心配に思うと感じていて、地震と風水害以外では、雪害、大規模事故、テロの順番に不安を感じているという結果でございました。
家庭や地域での防災対策につきましては、避難方法、最寄りの避難場所の確認が約42%と最も多く、特に何もしていないという回答が約36%で2番目に多くなってございました。
次に、防災研修や訓練への参加状況につきましては、参加したことはないが、したいと思うという回答が約48%と最も多く、参加したことはないし、参加したいとも思わないという回答が約31%と2番目に多くなっております。さらに、参加したことはないし、参加したいとも思わないと回答した方にその理由をお聞きしましたところ、どこでどのような防災活動が行われているかよくわからないという回答が約42%と最も多く、特に理由がないという回答が約22%と2番目に多くなってございます。
最後に、知っている防災施策につきましては、主要避難場所が60%と最も多く、
洪水ハザードマップが約30%、
災害用伝言ダイヤルが約26%という順番でございました。
以上がアンケートの概要でございます。
◆芦原進 委員 本当は、70%以上の方は心配しているというデータでございますが、しかし、逆に何もしていないという方が36%いるということは、4割近い人は、心配だけれども、何もしていないという状況であるわけです。災害に対する危機感は持っているが、現状は災害に対する備えを実際に行うまでには至っていない、また、防災対策に関する情報や防災活動などの情報が市民に十分伝わっていないのではないか、このように私は感じました。
先ほど述べましたが、やはり、いつ起こるかわからない災害に備え、被害を最小限に食いとめるためには、市民一人一人が自分自身の生命や財産、そして、家族を守れるようにすること、また、地域の人たちが連携をとり、助け合えるようにすることが、必要最小限と思いますが、最も大切なことではないかと私は思います。
そこで、質問でございます。
札幌市は、このアンケート結果を踏まえまして、今後、どのように防災意識の向上の普及啓発に取り組んでいこうとされているのか。また、このような
アンケート調査を続けることに意義があると私は思いますが、今後もこのような防災に関するアンケートを継続して実施するお考えがあるのか、あわせてお伺いをいたしたいと思います。
◎北村
危機管理対策部長 防災意識の普及啓発の取り組みについてでございます。
初めに、委員ご指摘のとおり、災害に対する意識はあっても具体的な行動にまで結びついていない、意識と行動にギャップがあることが課題というふうに考えてございます。
このため、従来は、家庭防災のしおりですとか、
洪水ハザードマップの配布、広報さっぽろへの防災特集の掲載と、どちらかというと活字を主体とした普及啓発を行ってまいりましたが、最近は出前講座の実施ですとか
地震防災セミナーの開催など、市民への直接的な働きかけによる情報発信にも力を入れているところでございます。また、テレビ、ラジオの広報番組の活用ですとか、
コミュニティFMでネットワークを組んでいる番組への定期出演といったマスコミとの連携強化を推進してございます。
今年度は、
コミュニティFMのネットワークが4局から5局に拡大され、より高い効果が期待できる体制になったこともございまして、防災訓練のお知らせなどを重点的に放送いたしますとともに、
コミュニティFMのホームページに
ワンポイント防災情報を掲示することとしてございます。また、今年度から新規事業として
自主防災組織や町内会の方々を対象に、
洪水ハザードマップを活用し、DIGを取り入れた水防研修を国と連携して取り組むとともに、来札外国人の方々に対しての
防災パンフレットを、これまでの英語版に加えまして中国語、韓国語、ロシア語版を作成することとしてございます。さらに、防災週間には、ホームセンターなどで家庭防災のしおりの提供、札幌駅の南口で開催されました防災イベント、もしも北海道2006に参加し、情報提供を行ったところでございます。
今後とも、できるだけ多くの市民の方に防災に関する知識を得ていただくため、あらゆる機会を活用し、より一層の普及啓発に努めてまいりたいと考えてございます。
次に、
アンケート調査の継続実施についてでございます。
委員ご指摘のとおり、防災意識の普及啓発は、災害に備えるための行動を実際に行っていただくことに意味があると考えており、防災意識の浸透度を検証するためにも、今後とも
アンケート調査を継続していきたいと考えてございます。
◆芦原進 委員 ただいまご答弁がありました出前講座の実施とか防災セミナーを開催しているとか、また、
コミュニティFMのネットワークが4局から5局にふえて、そういう面では非常にいろいろなことをやっておられるということで、市民への防災意識の普及啓発としては直接市民に情報を発信するために、今言いましたようなさまざまな手法を積極的に活用されているところでありますし、まだまだ、ぜひどんどんとやっていただきたいなと思います。
当然のことですが、災害発生時には、行政が市民一人一人を救済に回ることはできません。そういう意味では、行政の使命は災害対策、計画をつくることや、避難場所の確保、食料の備蓄などを実施することが重要であると思っております。行政としての最優先は、災害発生と同時に、市民の生命を守ること、そして、けがで避難ができなくなることを防止すること、そのためには、繰り返しになりますが、札幌でも災害が起きるものということへの注意と意識を喚起して、自分の命は自分が守るという当然と言えば当然のこととの問題と意識して、災害への備えを実行できるようにすることが、私は大変必要だと思います。
そこで、要望でございます。
市役所の仕事は市民優先で市民の生命や財産を守ることをなすべきであります。財政的に大変厳しいのが現状でございますが、市民一人一人に災害への備えをどのように浸透させていくのか、あらゆる機会と媒体を活用して、市役所全体の問題としてより一層積極的な取り組みを強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○勝木勇人 委員長 以上で、第1項 総務管理費中
危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。
ここで、理事者の交代のため委員会を休憩いたします。
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休 憩 午後1時27分
再 開 午後1時29分
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○勝木勇人 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第8款 消防費の質疑を行います。
◆五十嵐徳美 委員 私は、救急車の救急需要について何点か質問させていただきます。
この救急業務は、私が生まれた昭和33年に業務が開始されているというふうに伺っております。以来48年が経過しておりまして、ご承知のとおり、社会経済環境が著しく発展して救急需要も増大していく中で、本当に市民にとっては大切な行政サービスの一つとしてその需要が高まっていると認識をしております。
平成3年に救急救命士法が施行されまして、本市におきましても、平成5年に西区の八軒に救急救命士養成所が整備され、救急救命士の独自養成を開始しながら先駆的な体制の整備をしているというふうに伺っております。
そこで、改めて平成17年度の救急需要を確認しましたところ、救急車の出動件数が7万5,936件、1日に平均しますと208件の出動であるというふうに伺っております。時間にしますと6.9分に1回の割合で救急車が出動しているという状況であり、運んだ方の数を確認しましたら6万9,201人、市民27.2人に1人の割合で救急車で搬送されているというふうに伺っておりまして、過去最高の数字であるというふうに聞いております。10年前にさかのぼって見て平成7年と比較しても、当時の出動件数が4万5,703件、それと比較しても約1.7倍ということで、そして、この間、毎年3,000件ずつ増加しているというふうにも伺っております。
そこで、急激に救急需要が増加していることが数字からもわかるのですけれども、1点目の質問として、救急件数がなぜこのようにふえ続けているのか、つまり、どのような出動がふえているのかということをまずお聞きします。
2点目として、救急車を呼ぶ方にとっては、一刻も早く救急車に到着をしてもらうように待ち望むところでありますが、このように救急件数がふえると、おのずと需要に対する供給のバランスもあることでしょうけれども、救急車の到着時間がどのような状況になっているのか、お伺いしたいと思います。
そして、3点目としては、先ほど述べた7万5,936件、約7万6,000件の救急出動に対して、現在、消防局においては、何台の救急車で対応して、救急車をどのような考え方で配置しているのか、お伺いいたします。
◎鈴木 警防部長 まず、第1点目の救急出動件数がふえている要因でございます。
何と申しましても、急病、これは風邪とか腹痛といったようなものでございますけれども、これが大幅に増加いたしております。また、数はそれほど多くはなく、3%程度ですが、自殺行為によります救急出動もこの10年間で約3倍になっているということでございます。この一方で、交通事故につきましては、1割、660件ほど減少しております。
病気やけがの程度で言いますと、軽症が約3万8,991件ということで、約3万9,000件、総搬送人員の約6割を占めているという現状にございます。
さらに、搬送されました方の年齢構成を見ますと、顕著に増加がうかがえますのは65歳以上の高齢者の方で、10年前と比較いたしましても約1万7,000人増加しており、全搬送件数に占める割合も25%から40%へと大きく増加している状況にございます。
ただいま申し上げましたように、救急車を要請いたしますのは、出動種別では急病の方が多く、傷病程度につきましては過半数が軽症、また、年齢構成では高齢者の方の占める割合が高くなってきているということで、札幌市におきます高齢化の進展が影響しているのではないかと考えるところでございます。
次に、2点目の119番通報を受けてから救急車が現場に到着するまでの時間でございます。
出動件数の増加につきましては、やはり、現場到着時間のおくれに影響が出ることが懸念されますので、札幌市では、これまでにも救急需要の多い地区に救急隊を計画的に増強してまいりましたし、平成15年度からは、緊急車両を優先的に走行させるための信号機の制御、走っていく前方の信号を青にするという装置ですが、現場急行支援システムFASTという名前をつけてございます。これを導入いたしまして、救急車が現場に到着するまでの時間、あるいは、病院搬送までの時間の短縮に努めているところでございます。このような取り組みによって、平成17年度中の救急車の現場到着時間は平均5.7分となっておりまして、10年前とほぼ同程度の水準を維持しているところでございます。
次に、3点目の救急車の配置でございます。
ですから、教育委員会が主導権を握って、子ども未来局がオブザーバーというか、一緒にやるのが一番いいのですよ。どちらかがかじ取りをしなければいけませんから、教育委員会がかじ取りをしていけばこれほどいろいろなことが起きなかったのではないだろうか、こう思っているのです。
そういうことなものですから、きょうの委員会で、年寄りが出てきて、この中にいるのでは、左隣に僕より一つ年上が1人いますけれども、僕は一番年上だと思っていますので、お手やわらかにご指導を願いたいと思います。
◎櫻井 子育て支援部長 一番最初に、認定こども園の現在までの経過というお話でございました。
認定こども園につきましては、幼稚園でも保育所でもない第三の施設類型として認定こども園を設けるのではなく、果たすべき機能に着目して、幼稚園や保育所等がその機能を保持したまま認定を受ける仕組みということでございます。幼稚園、保育所等のうちで、特に就学前の子どもに教育、保育を提供する機能であるとか、地域における子育て支援機能ということを備える施設について、都道府県から認定こども園としての認定を受けることができる仕組みを設けるということでございます。
条例に向けて、北海道の動向でございますけれども、7月21日に北海道議会青少年少子対策特別委員会がありまして、その後、7月中から8月にかけまして北海道認定こども園の考え方に対する道民意見の募集ということでパブリックコメントを行っております。それから、7月下旬になりまして関係団体との意見交換会を実施し、8月7日から11日にかけまして北海道認定こども園の考え方に関する地方説明会を開催しております。10月になりまして、北海道認定こども園の認定の基準に関する条例の公布、施行ということで、この推進法自体は6月15日に公布されておりますけれども、道議会の3定にかかりまして、先日、可決したところでございます。
◎加藤 子ども育成部長 次に、教育委員会が子どもの権利条例担当部局となるべきではないか、そしてかじ取りをすべきではないかという指摘についてでございます。
平成16年になりますけれども、私ども子ども未来局が立ち上がった際には、子どもに関する事業を積極的に推進していくことはもちろんでございますが、教育委員会や保健福祉局、市民まちづくり局などいろいろな部局で子どもに関する施策を行っておりますので、そういった各部局における施策推進の調整役をしっかりと担っていく必要があるということでスタートいたしました。
その意味からいたしますと、子どもの権利条例におきましても、個別項目につきましては所管が各部局にわたっておりますことから、庁内において総合調整を進めていくのは市長部局内にある我々子ども未来局が適当であろうと認識しております。
なお、学校現場の方々に対しましては、これまでも、そして今後につきましても、教育委員会との連携をより一層密にいたしまして、条例の趣旨を説明し、ご意見を伺うなどの取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆柴田薫心 委員 今の子どもの権利条例については、僕は、基本的に議論がかみ合いませんから、何度やっても並行線です。僕は、教育委員会がやれと言っているのです。まとまってきたら教育委員会に渡してもいいと思っている方ですから。これは、教育次長とも2〜3日前に話しましたけれども、子ども未来局から次長が行った、その中で教育委員会がまとまった、そうはいかないのですよ。だから、いろいろと議会の中でも議論が噴出していて、もさもさしていると。僕はつるし上げを食ったら困るのでこれでやめます。正直に言いますと、子どもの権利というのは、いろいろな意味で口が滑ってしまうと危険があるんですよ。子ども未来局がやっているから。教育委員会がやっているんならば子ども条例になっていると思って見ている方ですから、そういう意味でこれでやめます。局長は余りいじめません、僕は女性をいじめるのは嫌いですから。
次に、先ほどに戻りますけれども、認定こども園の件が第三者の機関みたいなものだと。こういう発言は、僕はちょっといただけないのですよ。
なぜかというと、認定こども園の条例が施行されてくる段階の中で、幼保一元化という言葉が耳に入ってこなくなったのです。それは、僕から思うと、認定こども園というのは幼保一元化の一つのステップではないか。こんなふうにも思わざるを得ないんです。それで、こども園が制定されてから幼保一元化という声が聞こえなくなった原因は、調査をしたからですよ。調査をしたら、幼稚園は225園はその意向に賛成なのです。211園はそれには乗らない、こういう結果なんです。幼稚園側ですよ。保育園側は、残念ながら、それに乗るというのは69園、乗らないというのが696園ですよ。乗らないという保育園は、乗るという園の10倍です。幼稚園は、225園と211園ですから、出さない人もいるから半分半分、ちょっとは乗っていこうという意識ですよ。
ところが、保育園の方は、全然、これですから、さよならだ。何でかというと、やはり、僕は、基本は文科省と厚労省がまだきちんとまとまっていないのではないか。まとまっていないものを、法律をつくったからといって各都道府県に出して、各都道府県では、流れてきたからやっている。ひがみですけれども、こんなふうに思えてならないのです。そういう調査結果を札幌市ではどういうふうにとらえているか、どういう考え方を持っているか、まず1点。
2点目は、認定こども園について少し詳しく説明を求めます。
まず、3歳以上については了としますけれども、ゼロ歳から2歳まで、これは、保育園は日曜日、祭日は休みだけど、土曜日は来るのですよ。ところが、認定こども園になったら土曜日をなくするのか、土曜日をなくして幼稚園と同じようなシステムにするのか。3歳児以上ならわかるのですよ、幼稚園と保育もできるし、教育関係も教えることができますよ、ゼロ歳から2歳児は難しいのです。僕は体験しているから言えるのですよ。そういうようなことで、このところは、一体、補助基準とあわせて、先生、職員の体系基準をちゃんと満たすことができるのか、これが大変なのです。
どこかの幼稚園でゼロ歳児が1人入ってきた、おしめをしている、見ないといけない、見るための先生がいない、だれか1人雇わないといけない。人を雇うといっても、給料として16万円や17万円を払わなければいけない。子ども1人から取れない。未来局が担当だから補助金だ。補助金というのか何費というのかわからないけれども、そういうことで賄っていくというのは大変なことですよ。そんなことが果たしてやれるのかやれないのかというのが2点目です。土曜日は休園なのかどうかということも教えてください。
それから、僕が一番気に食わないのは職員の配置基準です。これは、何だか知らないけれども、いっぱい書いてあります。子ども未来局から出ているものにいっぱい書いてあります。一応全部読んできましたけれども、間違えているかどうかわからないが、職員の配置計画の中で有資格者が3分の1要るというのです。反対のことを言うと、あと3分の2は有資格者じゃなくてもいいというのです。3分の2は保育士だとか教育士というのか、裏を返すと免許を持たなくていいということなのです。それが認定こども園の設置基準ですよ。こんなもので幼保一元化なんていうのはほど遠い話ですし、話にならん。
そして、最後に、申請しなかった幼稚園は将来はどうなるのですか、つぶれちゃうという意味ですか、それをまず聞きたいです。
◎櫻井 子育て支援部長 ちょっとまだはっきりしないところもいろいろありまして、きちんとお答えができるかどうかわからないのですが、調査結果というのは、道の方が幼稚園、保育園の方にアンケートを行っております。その結果として、今、柴田委員の方からお話がありましたように、幼稚園の方は半数が今後検討していきたいと考え、また、保育園の方はそれに比べると非常に少ないという状況になっております。
この辺についてなのですけれども、幼稚園の方については、私も教育委員会におりましたが、今、子どもの数が減ってきているという影響をもろに受けて、幼稚園の経営自体も大変になってきているという事情が背景にはあるのかなというふうに思います。それに対して保育園は、今、待機児童がまだいるような状態になっておりますので、認定こども園に対するその危機感というのは幼稚園と保育園ではやはり違うのかなというふうに感じております。柴田委員のように、幼稚園も保育園も両方ともお持ちになり、両方を比較しながら検討されているところには、よくその辺の違いとか事情がおわかりになるかと思いますけれども、そういったようなことが背景にあるのではないかなというふうに感じております。
それから、2番目で、ゼロ歳から2歳までの分について、先ほどちょっとお話をしましたように、幼稚園の方は認定こども園についてある程度積極的な意向を持っているように感じます。ただ、この前、幼稚園の団体の方にも参ってお話を聞いてきたのですが、今の段階で、認定こども園というその制度自体が幼稚園にとって十分なメリットがあるかどうかについてまだ十分に認識していないというような事情があるとたくさんの方がお話をしておりました。アンケートにつきましても、これから先、道の方の規則などがこれから示されてくるという格好ですけれども、その中で、実際に細かいところまでしっかりわかっていない中でのアンケートだったというふうな意向がそれぞれありまして、そういったことを十分に参酌した上でアンケートに回答しているのかどうかという点についてもかなり疑問な点がありました。
幼稚園の方が認定こども園に向かっていくかどうかというのは、これから先の様子を見ていかないとなかなかわからない部分があります。知り合いに幼稚園の先生たちもおりますので、ちょっとお話をお伺いしますと、その中では、ゼロ歳から2歳といういわゆる乳児に近い部分なのですけれども、その部分については、幼稚園を経営している人たちから見ると、やはり自分たちの得意分野ではないということがあります。結局、幼稚園の方は、3歳から5歳までということでやってきているという事情がありますので、ゼロ歳から2歳までについては、言ってみれば未知の分野というところが多いかと思います。
そういった意味で、今後、幼稚園の方は、3歳から5歳までの分はともかくとして、ゼロ歳から2歳までの受け入れをどういうふうに行っていくかということについては、その意向なり推移なりを見ていかないと今の時点でははっきりしないかなというふうに思います。
それから、有資格者が3分の1ということで、これでいいのかということがあります。幼稚園の方でも、今まで資格を持っている、例えば預かり保育の部分や何かで全員が資格を持っているかといったら、そういうことはありませんよね。臨時で雇われている人とか、無資格の人もいたと思います。そういう中で、道の方は有資格者を3分の1必ず用意することということでやっておりますけれども、そういったところで最低の基準を決めたものと理解をしております。
◆柴田薫心 委員 ちょっとわからないんですけれども、幼稚園は有資格者じゃない人もいると、これはあり得ませんね。許可になりませんよ。何クラス以上あった場合、1人の予備まで置かなければならないのですよ。保育園はわかりません。けれども、保育園でもうちはやってみてわかりますけれども、全部有資格者ですよ。臨時職員はいますよ。そうではなくて、夜や午後の部とかで分かれていて、受付では有資格者でなくてもいい人はいますよ。けれども、あとはほとんど有資格者ですよ。
それと、今の認定こども園でゼロ歳から2歳の場合は問題だという発言があった。これは、道庁から来ている書類には、ゼロ歳から2歳までも入れなければならないということになっているのですよ。7日の研修会で全幼稚園に配った保育資料の中には、ゼロ歳も2歳も出ているのですよ。そうしたら、ここでゼロ歳から2歳以上は入れない、3歳以上が認定こども園だと、そんなことはあり得ないです。あり得ないでしょう。
そして、補助金などの話はなかったけれども、わからないのではないかと思います。わからなければわからないと言ってもらった方が楽なのですよ。僕だって、これを見てわからんですよ。利用手続は、認定施設の利用は直接契約だと。保育所は役所経由ですよ。だから役所はみんなわかっていて押さえていますよ。これは直接契約だ。利用料も基本的に認定施設で決定する。例えば、うちでやったらうちの幼稚園で決定できるということでしょう、例えば、1人だったらあんたは16万円払いなさい、2人だったら半分にしておくかとか、例えばの話ですよ。そういうことが決定できる、こんなむくれた条例というのは、変な話、ないですよ。これは、あなたがつくったのではないですよ、ここでつくったわけではないよ。けれども、一緒なのだから関連しているのですよ。これは話にならない。
だから、いつまで質疑したって、これは答えられないのだから、こんなの、1時間、2時間たっちゃうよ。あと10人残っている。だから、そんなことはやめるけれども、僕がきょうここに出したのは、予算議会がありますから、予算議会では予算をつけなければならん。来年の4月からだから、予算をつける前にゆっくり見ておきたい。見ておきたいではなくて、否決されるかもわからないんだ。僕の意見に賛成だったら、共産党から全部仲間になって。変な話、可能性はあるんですよ。
そういうことと、北私幼で結論が出たのはこういうことになっているのですよ。依然、目めまぐるしく変化する子どもたちを取り巻く環境、保育制度において、一つのオアシスを目指した認定こども園も議論を重ねるごとにトーンダウンして、当初、目指していたものと大きく違った制度になってしまったと結論づけているのですよ。そして、今後の課題としては、5年後、法を改正するときに子ども、保護者、設置者、地域、そういうものと制度を更新していくように求めていかなければならない、北私幼の研究会ではこういう結論になっているのですよ。僕もそうだと思っています。
それだけの難しい問題を、来年から公立幼稚園の17園あるうちの10園でやるとか、この間、東橋幼稚園へ行ってきた、何が幼保一元化、保育園と東橋、保育所と東橋、この間、横浜へ行ったら、土地は貸してくれたが、幼稚園を建てたら学校法人で、保育所は社会福祉法人ですよ、下に社会福祉法人だ。上は学校法人がやっている。同じ経営者ですよ、そして、学校法人から地代を取っている。保育所からは取っていない。それで差別をしているんですよ。それで幼保一元化、ちゃんちゃらおかしい。僕はこんな言葉を使いたい。僕は、先決してやってしまったから、これから生きるためには、いろんなことをやっても生きていくけれども、これは自分のためではない。僕は犠牲者だ。どこへ行っても僕みたいなところはないのだから。
例えば、藤ヶ丘幼稚園、真駒内幼稚園もある、全然、別棟ですよ。真駒内は区切っていますけれども、別棟ですよ。それで、何で幼保一元化になるのか。幼保一元化するには、給食も一緒に、子どもも先生も、幼稚園の子どもも保育所の子と一緒に食べて一元化なんですよ。給料も勤務体系も、うちの場合は、例えば職員会議が開けないのですよ。なぜかというと、朝の7時から来ている者は2時に帰り、2時から来た者は7時に帰る。一緒になれないでしょう。日曜日に出るといったら大変ですよ。保育園は日曜日しか休みがないんだから。職員会議は、幼保一元化にならんから、仕方ないから主任会議でやっていますよ。月に2回やっています。園長も全部出ています。そして、何とかして、どうしたらいいか、どうしたらいいかともてあましたのはゼロ歳から2歳児ですよ、おむつを使ってるから。大変なんですよ。これはやってみなければわからない。そういうような状態の中で、僕は、札幌の子どもですから、北海道の見本になるようなもの、道は道で、札幌市は札幌市できちんと、飯塚局長、あなただったらできます。頑張ってください。
答弁はいいです。質問を終わります。
○勝木勇人 委員長 先ほど答弁漏れが2点ありました。
土曜日の休みをどうするかということと、申請しない幼稚園の経営についての2点があったのですが、いいですか。(発言する者あり)
わかりました。
◆峯廻紀昌 委員 私の方からは、2点。
1点目は、障害者自立支援法関連の障がい児通園施設における札幌市独自の負担軽減策について、2点目が、児童虐待の現状、そして、児童相談所と警察との連携についてお伺いいたします。
まず、1点目の障がい児通園施設における市独自の軽減策について伺います。
10月から既に施行されている障がい児施設にかかわる制度改正については、行政による措置制度から保護者と施設との利用契約制度への移行に伴い、保護者は施設利用料の1割と食費を合わせた額を負担することになりました。国は、低所得者世帯について、段階的な負担軽減策を経過措置として行うとしておりますが、これまでの措置制度に比べると、保護者にとっては大きな負担増となっているわけであります。とりわけ、居住の場であり、ほぼ24時間体制で福祉や医療サービスを受けている入所施設と比べて割高感の強い障がい児通園施設の保護者や施設関係者の間からも、軽減を求める声が上がったのは当然のことと言えると思います。これだけ大きな制度改正であるにもかかわらず、なぜ、施行ぎりぎりまでマスコミ報道もほとんどなく今日に至ったのか、私自身、これまでの経緯を振り返ってみましたが、まず、国会審議におきましては、障害者自立支援法の附則によって児童福祉法が自動的に改正されたという経緯もあり、また、4月に先行実施した障害者自立支援法の問題も多々あり、さらには、障がい児施設サービスに関する国からの情報が大幅におくれたこともあって、このたびの混乱になったものと思われます。
そのような中で、国からは、8月下旬になって利用者負担を保育所の保育料程度の負担水準に抑えるとともに、軽減の対象範囲を市町村民税額所得割が2万円未満の世帯まで拡充するということを示し、利用者負担が保育料程度となるよう食費の軽減が図られたところであります。これによりまして、低所得者世帯を中心に一定の負担軽減は図られましたが、措置制度における保護者負担金と比較いたしますと、まだまだ負担のアップが大きいのが実情であります。
このため、去る9月26日の我が会派の代表質問の中で、障がい児通園施設を利用する家庭への市独自の軽減策を求める質問を行い、これに対し、小澤副市長から、早期から療育・発達支援の場として障がい児通園施設が果たす役割は大変に大きいと認識しており、市としても何らかの負担軽減を図ることが必要と考え、その内容の検討を急いでいるという答弁をいただいたところであります。
そこで、質問でございますが、既に10月に入っておりまして、市独自の軽減策についておおむね定まったものと思いますので、その検討結果についてお伺いいたします。
次に、児童虐待の現状、児童相談所と警察との連携についてお伺いいたします。
国及び地方自治体において、児童虐待における取り組みを強化しているところではありますが、本年上半期の全国における児童虐待の検挙件数が上半期の統計をとり始めた平成12年度以降で最高の120件に上ったということが報道されました。被害児童は128人、そのうち28人が犠牲になっているとのことであります。先般も、本当に残念なことではございますが、札幌市内で2人の児童が虐待により殺害されるという非常に痛ましい事件が発生しております。
児童虐待は、周りの人間が早期に発見し、被害者児童を早期に保護することが児童の生命を守るという点で非常に重要でありますし、児童相談所が近隣住民や関係機関などの地域から虐待に関するさまざまな情報を収集することは、極めて重要なことと考えております。
さらに、もう一歩進めて考えますと、その情報に基づいて即座に介入する仕組みづくりも重要であり、このためには、最初に情報提供を受ける児童相談所と、必要に応じて介入する権限を持つ警察とが、密接な連携を確立しながら対処していくことが重要と考えております。
この9月には、警察庁と厚生労働省から警察と児童相談所の連携強化などを内容とする通知が出されたと聞いております。
そこで、質問ですが、札幌市の児童虐待の状況はどのようになっているのか、また、児童相談所と警察との連携はどのようになっているのか、お伺いいたします。
◎菅 児童福祉総合センター所長 障がい児通園施設における札幌市独自の負担軽減策の内容についてお答えいたします。
今回の制度改正による利用者負担の内訳といたしましては、施設利用料の1割と食費を合わせた額を負担していただくことになっておりますが、札幌市では、負担増により通園施設の利用抑制につながることがないように、市独自の軽減策を講じることにいたしました。
まず、市町村民税非課税の低所得世帯1、2につきましては、施設利用料及び食費をゼロ円とし、これまでどおり負担額をゼロ円といたします。
次に、一般世帯のうち、市町村民税の所得割が2万円未満の世帯につきましては、利用料負担をゼロ円とし、食費のみの負担といたします。食費の額につきましては、1食当たり国が示した食材料費230円といたします。それ以外の一般世帯の負担につきましては、利用料の1割と食費分を負担していただき、食費につきましては1食当たり国基準の650円を340円に軽減いたします。またあわせて、負担額の上限を札幌市の保育園の保育料と同程度になるように設定いたします。
◎柴田 児童相談所担当部長 1点目の札幌市の児童虐待の状況についてでございます。
平成17年度に児童相談所が虐待として取り扱った件数は245件で、前年度よりやや増加しております。虐待の内容といたしましては、ネグレクトが164件、身体的虐待が53件、心理的虐待が24件、性的虐待が4件で、ネグレクトが全体の約7割と最も多い状況になってございます。また、虐待を受けている子どもにつきましては、乳幼児が86件、小学生113件と小学生以下で全体の約8割を占めております。一方、主な虐待者についてでございますが、実母によるものが最も多く、169件と全体の約7割となっております。
次に、2点目の児童相談所と警察との連携についてでございます。
情報交換や情報の共有化を進めるため、全市レベルでは札幌市児童虐待予防防止連絡会議で、各区レベルでは区児童虐待予防防止ネットワーク会議によって連携を図っているところでございます。さらに、日常的にも個別の情報交換を行うために、各警察署と連絡会議を行い、日ごろから連携しているところでございます。
委員からもお話がございましたように、9月26日付で厚生労働省より出されました児童虐待における警察との連携についての通知も踏まえながら、今後とも、より一層密接な連携を図るべく努めてまいりたいと考えております。
◆峯廻紀昌 委員 障がい児通園施設の市独自の軽減策について、具体的に答弁をいただきました。内容を聞く限りで、本当に本市の厳しい財政状況の中で、国が及ばない点を札幌市がカバーをする姿勢は高く評価したいと思っております。
当面は、本市としても、保護者と施設の両面から制度改正に伴う影響についてさまざまな面で検証していく必要があると思っております。この点について要望しておきますが、基本的には、長い国会審議を経て法令等で定めた施策でありますので、本来であれば、国の責任において検証すべきが筋であると思うのですけれども、可能な限り、全国一律的に本当であればこういうものが運用されるべきというふうに考えております。
したがいまして、障がい児通園施設に限らず、このたびの障害者自立支援法に関連する制度改正が真に適切なものと言えるかどうかは、住民と接する市区町村がいち早く把握する中で、都道府県や他の政令指定都市と連携して国に働きかけを行うことが今後重要になってくると思いますので、このことを求めておきたいというふうに思います。
次に、児童虐待の件でございますが、ただいま答弁いただく中では、受理件数が若干ふえているということでございました。この受理された相談は、その後、親子関係の改善や家族の修復を目指して、虐待を行った保護者への対応や虐待を受けた子どもの心のケアなどが児童相談所で行われているようでありますが、現実には、やむを得ず親子分離が必要となり、児童福祉施設などに入所させなければならないケースもあると伺っております。
そこで、再質問ですが、児童虐待で受理したケースに対して、その後どのような処遇を行っているのか、ここ数年間の傾向についてお伺いいたします。
◎柴田 児童相談所担当部長 ご質問のありました虐待ケースの処遇状況についてでございます。
平成17年度に虐待として取り扱った件数245件のうち、約4割の87件につきましては、児童の一時保護を実施しております。そのうち、約半数に当たります45件は長期にわたる親子分離、家庭に復帰させることが難しいと判断いたしまして、児童福祉施設等の入所措置を行っている状況にございます。また、虐待で福祉施設等に在籍している児童数は、年度当初で平成14年度は143名であったものが、平成18年度では196名と年々増加を続けている傾向にございます。
◆峯廻紀昌 委員 わかりました。
この児童虐待の問題につきましては、本当に潜在的で表に出ていない案件もかなりあるというふうに推測されます。しかしながら、表面化しないと対応できないという案件でもあります。いずれにしても一番重要なのは、先ほどもお話しましたけれども、早期発見、早期対応ということでありますし、警察との連携での質問で答弁をいただきましたが、警察を初めとした関係機関、地域との連携を強化していくことがこの対策において一番重要であるというふうに考えております。
さらには、施設などへの入所数が増加しているという状況を踏まえますと、虐待を受けて、当面、親子分離が必要となった場合でも、保護者や子どもへのケア、子どもの家庭復帰を目指した家族再統合への取り組みを進めることが児童相談所に求められているというふうに考えております。このように、児童相談所に対しまして、児童虐待にかかわる総合的な対策支援が求められている現状を考えますと、より一層の体制強化が重要でありまして、さらなる児童福祉司の増員が必要になってくるのではないかと考えております。
また、地域においては、子育て支援にあわせて、児童虐待の防止にかかわる取り組みも進めるべきでありまして、地域の中で虐待と思われるような状況が見受けられたときには、積極的に児童相談所との連携を図る中で、児童虐待の視点からも十分対応できる体制を今後構築していくことを強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆三浦英三 委員 私の方からは、先ほど来話がありましたけれども、認定こども園について、二つ目には子どもを見守るステッカーの全市的な推進について、大きく2点について質問させていただきたいと思います。
委員長に確認しますけれども、分けて質問したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
初めに、先ほど、大先輩の柴田委員から質問がありまして、来年の4月までにまだまだ詰めていかなければいけない部分があるなという思いでやりとりを聞いておりました。
私の方から、ちょっと突っ込んで、具体的に、少子化対策の委員会も踏まえた質問をさせていただきたいなと思っています。
10月1日から施行されました認定こども園につきまして、認定こども園の入所手続と市立認定こども園の整備、この2点について伺いたいと思います。
就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律という長い名前なんですね。略称は就学前保育等推進法と。ことしの6月15日に法律化されまして、10月1日から施行されました。認定こども園制度、このように言われております。
この認定こども園は、幼稚園、保育所、あるいは認定外保育所施設のうち、就学前の子どもに教育、保育を提供する機能、もう一つには、地域における子育て支援を行う機能の二つの機能を備える施設について、都道府県知事から認定を受けることができる仕組みというふうに言われております。先ほど来話がありましたように、この認定こども園の基準条例というのが今月6日に道議会で可決されまして、それを受けて、道は今月中に同条例を施行しまして申請の受け付けを始める方針、このように報道等でなされているところであります。
この認定こども園については、親の就労の有無にかかわらず、継続して施設が利用可能となることや、地域子育て支援が充実することから、保護者にとってもメリットが大きいと考えられます。また、認定を受けた施設に対しては、学校教育法、児童福祉法のそれぞれにさまざまな特例が設けられておりまして、認定こども園の入所手続については、先ほどもやりとりがありましたけれども、直接契約方式が導入されております。入園の申込書を、直接、認定こども園に提出することとなっております。このように、入所手続について一般の認可保育所とは異なる取り扱いとなりますが、利用者にとってはわかりやすい手続というメリットがあるものの、これによりまして、各施設において入所者の逆選択が可能となるのではないかという懸念が考えられます。
そこで、質問いたします。
1点目に、認定こども園において、直接契約方式が導入されたことに伴い、真に施設の利用、必要な児童の利用が阻害されることがないのかどうか、これを1点目に伺いたいと思います。
また、認定こども園においては、保育に欠ける子どもも欠けない子どもも受け入れて、教育、保育を一体的に提供することが一つの特徴でありますけれども、直接契約方式が導入されたことに伴い、入所希望者が定員を上回った場合の入所者の選考も各認定こども園が行うことになります。
そこで、2点目の質問です。
入所希望者が定員を上回った場合の入所者の選考はどのように行われるのか。例えば、保育に欠ける子どもが優先されるというようなことがあるのかどうかについても伺いたいと思います。
また、入所者の選考については、保育に欠ける子どもも欠けない子どもも、各認定こども園が恣意的に決定するのではなく、公正な方法で選考されることが必要であるとともに、母子家庭や児童虐待防止の観点から、支援を要する家庭にも配慮する必要があると思います。これらのことは、認定こども園が制度として定着していくためには重要な点である、このように私は考えております。
そこで、3点目の質問です。
認定こども園における入所の選考において、母子家庭や児童虐待防止の観点から、支援を要する家庭への配慮も担保されるのかについてお伺いしたいと思います。
◎櫻井 子育て支援部長 今度は回答できる中身でほっとしました。
認定こども園の入所手続きについてお答えをします。
まず、1点目の直接契約方式の導入による保育に欠ける子どもの入所への影響についてであります。
認定こども園の認定を受けた保育所については、委員からお話がありましたとおり、直接契約方式が導入され、利用を希望する保護者は入園の申込書を、直接、施設に提出することになりますが、真に施設の利用が必要な児童の入所が排除されることのないよう、保育に欠けると市町村が認めた児童については、各施設は正当な事由がない限りその入所を拒めないとされております。
次に、2点目の認定こども園における入所者の選考についてでありますが、認定こども園は、認定の申請の際に、施設で受け入れる保育に欠ける子どもと欠けない子どもの数を申請書に記載して、その上で認定を受けることとされております。希望者が多い場合には、保育に欠ける子どもはその保育に欠ける子どもの受け入れ枠の中で、それから、保育に欠けない子どもは欠けない子どもの受け入れ枠の中で、それぞれ選考されることとなっております。したがいまして、各施設における入所者の選考の際に、どちらかが優先されることはございません。
また、3点目の母子家庭や児童虐待防止の観点から、特別の支援を要する家庭への配慮についてであります。
認定こども園の認定を受けた保育所については、母子及び寡婦福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の規定が適用となります。そういうことで、各施設の入所者の選考を行う際には、母子家庭であるとか児童虐待防止の観点から特別の支援を要する家庭の福祉の増進に配慮することとされております。
◆三浦英三 委員 次に、市立認定こども園の整備について伺いたいと思います。
9月12日の少子化対策・青少年育成調査特別委員会で、理事者の皆様から市立認定こども園の整備についての概要説明があった、このように伺っております。それを受けて、少し突っ込んで具体的に質問していきたいと思います。
札幌市においては、幼稚園では定員と利用者の乖離がある一方で、保育所については超過入所とか待機児童の問題があるというふうに言われています。要するに、既存の幼稚園の活用による待機児童の解消についても認定こども園は一定の効果が期待される、このように思うわけであります。
10月1日から法が施行されたことと、このような状況を踏まえると、札幌市内においても、民間の幼稚園、保育所によって認定こども園が展開することが予想されますけれども、そのモデルとなる施設を札幌市が設置、運営するということは大事な部分だと思うわけです。すべての子どもと子育て家庭を支援するという観点から、市が設置、運営するということは大きな意義があると私は思うわけであります。
そこで、特別委員会でも出たそうですけれども、計画している市立認定こども園について伺います。
公立保育所の設置されていない厚別区または清田区が候補となっていると伺いました。市立幼稚園を母体として、幼稚園と区保育・子育て支援センターの併設による整備を予定している、このようにも伺いました。
そこで、質問であります。
現在、子ども未来局と教育委員会の両局が連携して整備条件の検討を行っていると伺っております。そこで、市立認定こども園の整備について、検討の対象となっている市立幼稚園がどのような立地条件にあるのか。
また、厚別区と清田区の保育状況についてですが、就学前児童数と保育所入所児童数、保育所の設置数と定員、それから超過入所の状況について、あわせてお伺いしたいと思います。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆大嶋薫 委員 プレーオフの第1戦がプレーボールという時間の再開で、始めさせてもらいます。日ハムのように熱い応援を受けてというわけにはいきませんが、子どもの権利条例について、私から何点か伺います。
この間、札幌市議会の場において、あるいは、以前の検討委員会において、本当に熱心な議論が続けられてきたことについては、既に皆さんご承知のとおりでありまして、経過については省かせていただきます。ただ、子どもの権利条例を制定するという背景といいますか、今、なぜ子どもの権利条例の制定が求められているのかということについて考えれば、1点は、いわゆる近代国家が成立して以降、権利、いわば人権という概念を保障する制度の進展というのが近代国家の歩みそのものであった。その中で、とりわけ、2度の大戦を経て、いわば平和な社会をつくるための基本となる社会の仕組みといいますか、制度、その根本に人権ということを据えていこう、そして、そういう歩みの中で、女性、障がい者、あるいは、人種、民族的マイノリティー、ある意味で、国家という大きな枠組みの中から疎外されてきたといいますか、権利というものについては従属的にとらえられてきた人たちの権利を積極的に認めていこう、そして、その範疇の中に子どもということが国連の場、世界的な共通の課題として論じられ、制度化に向けて努力が重ねられてきたのだろうというふうに思います。
そして、その中で、1989年に、国連総会において、子どもの権利条約が採択され、日本も1994年に批准するということの中で、国連子どもの権利委員会からは2度にわたり、いわゆる総括所見という形で、それぞれの国の状況の改善について報告を求め、その状況について改めて権利委員会が各締約国に対して意見を申すというか、改善点について指摘するということが行われております。この中で、いわば、権利についての言及が、1994年に行われた総括所見についてもある意味で厳しく指摘されております。
一般的措置の11にあっては、権利基盤型アプローチとの全面的一致を確保するためにあらゆる必要な措置をとるよう勧告するというふうに指摘されております。さらには、広報及び研修という中で、20ですけれども、子ども及び公衆一般並びに子どもともに、及び子どものために働いている多くの専門家が条約及びそこに体現された権利基盤型アプローチについて十分に理解していないことを依然として懸念するという指摘がありまして、具体的に改善項目について指摘しています。
そしてまた、3点目の背景としては、この場で、さまざまな委員からそれぞれ指摘されている今の日本国内での子どもの置かれている状況があるのだろうと思います。
こういう背景をもとにして、市長の公約ということでもありますけれども、札幌市の中で子どもの権利条例についての議論が進められてきたということを、まず、しっかりと押さえなければならないというふうに思います。ただ、この間の議論の中で、何点か、根本の、子どもの権利条例の権利ということにかかわっての議論のすれ違いといいますか、認識の差というのがあらわれておりますので、まず、この点について、伺います。
1点目は、子どもの権利と大人の役割の重要性ということであります。
この間の議会の論議の中で、子どもが権利の主体とした権利を行使していくことは子どもの成長、発達にとって大切であるという趣旨の答弁を繰り返しいただいております。しかし一方で、子どもが健全に育つために、大人がどういう役割を果たすのか。とりわけ、旧来、保護、指導というようなことで、子どもの施策あるいは子どもにかかわるいろいろな法体系が組み立てられてきたという背景がありましたけれども、その中で、大人の役割、保護、指導、先ほどしつけというふうにも表現されておりましたが、こういうことについて、権利とはある意味では相入れないことではないかという指摘もあったように記憶しております。
そこでまず、子どもを主体的に権利を行使する存在ととらえたときに、しつけ、保護、指導という大人の役割をどのように考えているのかという点を改めて伺います。
さらに、権利と義務ということになると思いますが、条例案では22の権利を四つに分類して上げられております。例えば、自分らしく生きる権利ということについては、他人の権利を顧みず、勝手気ままに行動するのではないかという懸念、私は誤解というふうに言っていいと思うのですけれども、そういう議論がございます。
そこで、このような子どもに権利を与えるとわがままになる、権利と義務ということに関しての疑念、あるいは指摘について、本市はどのように対処しようと考えているのかという点が2点目です。
さらに、3点目として、市民周知ということについて伺います。
平成15年度ですから、4年前、2002年の段階で言いますと、市政世論調査において、認知度、子どもの権利条約について知っている人は14.3%と極めて低い数値であったということは承知の事実です。その後、上田市長になってから、市民フォーラム等を積極的に展開する、そしてまた、今回の条例の制定に関してはパブリックコメント実施について26万部の資料を作成し配布する、この中で3,504人の市民からいろいろな形の意見をいただいているということになっております。
これまで、本市での市民周知の取り組み、一方ではまだまだ足りないぞという指摘もあるわけですけれども、この取り組みに関しての本市としての認識はどのように受けとめているかという点を伺います。
◎加藤 子ども育成部長 これまでの議会議論で出された論点についてでございます。
まず、1点目の子どもの権利と大人の役割についてでございますけれども、子どもの権利条約の理念は、子どもを権利行使の主体として位置づけながらも、当然のことながら、発達段階にある未成熟な存在としても子どもをとらえているところがございます。したがいまして、子どもの健やかな成長、発達のために、子どもの最善の利益の観点から、適切な指示、指導という意味でのしつけを行う大人の役割はとても大切であると考えております。
次に、2点目の権利とわがままについてであります。
子どもは、権利を行使するに当たっては、自分の権利が尊重されるのと同様に、相手の権利も尊重しなければならないということをきちんと理解することが重要であります。札幌市といたしましては、子どもが他人の権利を顧みずに権利を行使する、いわゆるわがままにならないよう、権利に関する学習について、積極的に取り組む必要があると考えております。
次に、3点目の市民周知についてであります。
条例を制定するに際し、できるだけ多くの市民、子どもたちに、その内容、議論の経過をお伝えしていくことが重要であると考えており、委員のお話にございましたパブリックコメントにおける取り組み以外にも、フォーラムや出前講座等によって条例づくりについて直接お伝えし、ご意見をお聞きし、あるいはまた、広報さっぽろやニュースレター、ホームページ等を通して幅広くお知らせをしてまいりました。このような取り組みを通して、一定程度、条例づくりについて市民の皆様のご理解が深まったものと認識しているところであります。
今後も、さまざまな方法で条例づくりについて広報、PRに努めてまいりたいと考えております。
◆大嶋薫 委員 今、市民周知について努力されてきたということと、前段の権利と義務にかかわる問題、あるいは、しつけ等、旧来の、ある意味で大人と子どもの関係ということについては、これからの、先ほどの社会的な背景ということをしっかりと踏まえた上で、次に未来といいますか、子どもの状況、子どもの育ちということについてしっかりと寄り添う、あるいは、子どものいろいろな主体性を尊重しながらどのように大人がかかわることができるのかということが問われているのだろうと思いますし、この条例の制定が、私たち大人の世代の一つの答えだというふうな感じもしております。
ただ一方で、参考人招致の議論の中で、とりわけPTA関係の方、あるいは、校長会に関係する方からは、理解といいますか、意見交換がまだまだ不足しているし、理解を深める段階ではないというような指摘もございました。ここは、学校教育にかかわる現場の方々との意思疎通ということが、これまでもそうですし、これからも非常に重要な課題になってくるだろうというふうに思います。
学校教育の現場にある校長会、あるいは、PTAの方々に対して、条例の趣旨について理解を得、あるいは、意見を求める取り組みについて、これまでどのように行われてきたのか、また、今後、どのようなことを検討されているのかという点を伺います。
◎加藤 子ども育成部長 校長会やPTAに対して理解を得るための取り組み、いわゆる意思の疎通についてでございます。
まず、検討委員会における議論過程におきましては、昨年12月の中間答申書、本年5月の最終答申書の策定に当たって、それぞれ校長会からのご意見をいただいてきたほか、検討委員会の委員長が本年2月のPTA協議会主催のシンポジウムにパネリストとして参加し、意見交換を行うなどの取り組みを実施いたしました。また、札幌市といたしましても、検討委員会での議論の経過、市が策定した条例素案、そして、それに対するパブリックコメントの結果、概要等につきまして、校長会やPTAに説明し、ご意見をいただいてきたところでございます。
今後につきましても、これらの皆様からのご意見は大事なものでございますので、積極的に意見交換等の機会を設けてまいりたいと考えているところでございます。
◆大嶋薫 委員 今、部長の方から、これまでの学校現場にかかわる方々との取り組み、改めての意見交換の場、理解を求める努力ということについてお答えをいただきました。
最初にお答えいただいた権利と義務というかかわり、あるいは、子どもの権利条例がなぜ求められているのかといういろいろな背景、そして、本市として、やはり、今後この条例を基本にして取り組むべき課題については、きちんと明確にしていかなければならないということも一つの課題だと思います。
一方、ある意味で、理屈の上で説明できる部分と、顔を合わせてといいますか、子どもの育ちにかかわっているいろいろな地域の方々との対話ということが、これからより求められているのではないか。それを支える、例えば、地域の青少年育成委員、民生・児童委員等、子どもの地域での育ちとかかわっている人たちの理解を得る、あるいは、権利条例の制定の暁には、推進役、推進力として、地域で活動している多くの人たちの力をかりなければならない。協働ということでの力をかりるという意味ですけれども、そういうことが求められておりますので、この点についてしっかりと今後の取り組みを進めていただきたい。
先ほど心の問題等々のことがございました。ある意味で、社会的にといいますか、札幌市が、制度的に、どういうふうにこれからの子どもをめぐる状況について制度的あるいは仕組みも含めてつくり上げていくのかということが一番大事な課題であるというふうに思っています。時間もありませんので、簡単に一文ご紹介しますけれども、これは、朝日新聞で「心でっかち」という題名で編集委員が書いている文章です。この言葉をつくった方は、北海道大学の山岸俊男教授という方で、文科省の世界最先端の研究拠点づくりを目指すプログラムの一つに選ばれている方が指摘されているということでございます。子どものモラルの低下を憂い、規範意識を身につける、教育を重視するということが、昨今、常に言われるわけですけれども、そういうことで、本当に子どもの心、子どもの現状に寄り添えるのかという疑問を呈しています。
子どもは、集団の中ではぐくまれるわけですが、やはり、大きな声があればといいますか、いじめで言えば、ここでは、思いやりを持てと説教しても問題は解決しない、いじめはよくないと思っている子は実は少なくない、その認識を教室のみんなで共有することが決定的に大事だという指摘がございます。これは、これから現場で、こういう一つ一つの今子どもが抱えているいろいろな困難な課題と向き合う、あるいは、解決するための努力をどのように具体的にしていくのかということが課題でございますので、この点を今後の課題というふうに指摘させていただいて、終わります。
◆飯坂宗子 委員 私は、児童虐待防止対策について、順次、質問いたします。
先ほど来、質問の中にも出てきておりますが、本年9月に中央区の女児2人の死体遺棄事件が発覚いたしました。3歳と4歳の女児は、いずれも虐待死と見られております。しかも、次女は転居前の白石区のマンションで既に死亡していたとも言われております。
この事件に対して、学識経験者は次のようなコメントをしております。お一人は、今回の事件は早期発見が難しい例、このような死角をつくらないための新しい対応が必要だ、もう一人の方は、なぜ、2人を守れなかったのか、関係者が徹底的に検証すべきである、こう述べております。
今回の事件の背景には、DV、すなわち男性が母親に暴力を振るうということも絡んでいたと思います。
まず、1点目の質問は、児童相談所として、この事件をどう受けとめておられるのか、ご見解を伺いたいと思います。
2点目は、改正児童虐待防止法の効果と限界についてです。
子どもへの虐待は、人権侵害との認識のもと、2000年に虐待防止法が制定されました。2004年には改正防止法が施行されております。改正法では、虐待を受けたと思われる児童を発見した場合も通報することが義務づけられました。改正防止法から既に丸2年が経過しておりますけれども、効果が具体的にあらわれているのか。また、限界もあろうかと思いますけれども、その点についてもお示しを願いたいと思います。
◎柴田 児童相談所担当部長 1点目の今回の虐待死亡事件に対する児童相談所としての見解についてでございます。
このような不幸な事件が市内で起きたことにつきましては、非常に遺憾であり、幼く、またとうとい命が失われたことにつきましては、まことに残念なことと思っております。今後こういった事件が再発することのないよう万全を期するために、警察を初めとする関係機関とも十分連携し、あるいは情報交換を図りながら、児童虐待の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、2点目の改正児童虐待防止法の効果と限界ということについてでございます。
児童虐待防止法の改正によりまして、委員からご指摘がありましたように、児童虐待が疑われる場合につきましても通報することが義務化されております。このことによりまして、虐待に係る通報が、平成16年度274件、平成17年度には311件となっておりまして、今年度に入りましてからは上半期で既に216件に上っております。
しかしながら、今回の事件のように、加害者が住居を転々としている、また、関係機関、あるいは、地域とのかかわりを避けている状況の中で、児童相談所がこういった虐待を把握し、また対応することにつきましては、非常に難しいものがあるというふうに考えております。
◆飯坂宗子 委員 法改正後の変化につきましては、通報の件数が増加しているというご答弁でした。
そこで、次に2点、質問したいと思います。
1点目は、虐待を行った保護者に対する指導についてですが、従来の児童虐待の早期発見、そして児童の保護に加えまして、改正法では、児童虐待を行った保護者に対する適切な指導及び支援ということが追加されております。
そこで、本市では、具体的にどのような取り組みをされているのか、お示しいただきたいと思います。
それから、2点目の質問は、児童福祉司の増員についてです。
児童虐待問題が深刻化し、通報件数も増加している中で、地区を担当する児童福祉司の役割は大変重要さが増していると考えます。本市の児童福祉司の配置数は、2004年度22人、2005年度24人、2006年度26人と、この間、毎年2名ずつ増員しています。しかし、国の基準では、2004年度から札幌市の場合は27人が必要という中で、5名不足していたわけですね。ですから、この5名不足をこの2年間で4名増員したということではありますが、今日現在、まだ1名不足しているというのが現状であります。
そこで、不足している児童福祉司の1名については、早急に増員をすべきと考えますけれどもいかがか、伺います。
◎柴田 児童相談所担当部長 1点目の虐待した保護者に対する支援対策についてでございます。
児童相談所では、虐待した保護者に対しまして、そのケアといたしまして、児童福祉司が面接を行いながら必要に応じて精神科医カウンセリングを個別に実施しているところでございます。さらに、平成17年10月から、よりよい育児環境をつくることで虐待の再発防止を図るという観点から、親のグループケアを実施しております。そういったことで支援の強化を図っているところでございます。
次に、2点目の児童福祉司の増員についてでございます。
確かに、地区を担当する児童福祉司につきましては、国の基準を満たしていないという状況にありますので、事務事業の見直し、あるいは、他機関との連携を図る一方で、適正な人員配置を図れるように関係部局に働きかけてまいりたいと考えております。
◆飯坂宗子 委員 児童福祉司の増員については、前向きな答弁というふうに受けとめました。
そこで、児童虐待で幼い命が犠牲にならないようにするためには、行政内の連携を初め、市民の力もかりて防止策に取り組んでいくということが大変重要だと考えます。
児童虐待による死亡事件に対する厚生労働省の分析というのがあるのですが、これを見ますと、これは2000年11月から2004年末までの3年余りの間で200件余りの死亡事件が起きておりますけれども、7割は児童相談所への相談がない。それから、被害児童の約8割が社会との接点が少ない4歳児未満というふうな分析がされております。
そこで、2点質問したいのですが、一つは通報先の周知についてです。
虐待の疑いのある事例についても、発見者は通報する義務があるわけですけれども、実際に通報しようと市民が考えたときに、どこに連絡をすればいいのかすぐわかるようにする必要があると考えます。現在は、児童相談所や各区役所、保健センターなどが相談窓口になっております。児童相談所がつくっている立派なリーフレットもありまして、裏には連絡先なども書いてあるわけですが、これらが市民の身近なところにいつでもあるかというと、そうではないのです。
そこで、通報してもらうためには、とっさの場合でもすぐに通報できるように、連絡先を手のひらサイズにしたカードにするとか、シールにするとか、そして、地域の身近にあるコンビニだとか児童会館、地下鉄駅などなど、さまざまな市民の身近なところにこういうものがあっていつでも活用できるというような工夫が必要かと思いますけれども、今後の取り組みについて伺いたいと思います。
最後に、やはり、地域の子育てネットワークづくり、私はこれが非常に重要ではないかなと考えております。児童相談所というのは、虐待の通報があってから児童を保護したり、あるいは、虐待を行った保護者に支援するという取り組みをしているわけですけれども、事件が起きてから対応するだけではなくて、いかに虐待行為を未然に防ぐか、ここに知恵と力を尽くすべきだというふうに思うのです。ですから、先ほどの質疑で、本市の虐待の特徴として、一つ目はネグレクトが7割、二つ目には被害児童の8割が小学生以下である、三つ目には虐待者の7割が実母である、こういうことが語られました。
しかし、こうした現実を踏まえるならば、例えば、育児中の母親の悩み相談体制を充実させるとか、あるいは、孤立した子育て家庭を解消するために知恵を出すとか、三つ目に乳幼児検診とか保健師の訪問活動を強化する、さらには、保育園や幼稚園、小学校などとの連携を日常的に密にするとか、さまざまな複合的な目線で札幌市の子どもたちの人権、命を守るというところに知恵を尽くすべきだと思うのです。これは、児童相談所だけの責任だと私は思いません。
そこで、子ども未来局長、こうした未然防止策ということで、必要な庁内連携などもとり、また、場合によっては市民の力もかりながら、子育てネットワークづくりにぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思いますけれども、今後の取り組み方について聞いておきたいと思います。
◎柴田 児童相談所担当部長 まず、1点目の児童虐待の市民への周知方法についてでございますが、今回、新たに児童虐待に関するパンフレットを作成いたしまして、区役所やまちづくりセンターなどに配布を予定しているところでございます。また、市のホームページあるいは広報誌を通じまして広報活動を行いたいと考えております。
委員ご指摘のとおり、市民により一層、児童虐待に理解を深めていただく、また、ちゅうちょせずに通報していただくことが重要でございますので、今後、効果的あるいは有効な周知方法について検討してまいりたいというふうに考えております。
◎飯塚 子ども未来局長 地域の子育てネットワークづくりについてというご質問でございます。
私も、児童虐待を未然に防止するためのネットワークづくりというのは大変重要であると考えております。そういったことから、これまでも地域におきまして、委員が先ほどおっしゃられましたけれども、子育て家庭を孤立化しない、あるいは、孤立化させない環境づくりというものを積極的に進めてまいったところでございます。具体的には、児童虐待予防、防止のためのネットワーク、あるいは地域の子育て支援環境づくりを推進するためのネットワーク、こういったことに取り組んでまいりました。
今後とも、こういった地域にかかわるさまざまな関係団体や機関あるいは行政の関係部局が十分な連携をとりながら、地域における子育て家庭を支えるきめ細かなネットワークを広げていき、こういったことを通しまして子育て支援の環境づくりを進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆飯坂宗子 委員 しっかりやってください。
◆藤原廣昭 委員 私は、さっぽろ子ども未来プランに基づく子育て支援における子育てサロンについて質問をいたします。
これまで、札幌市では、子育て環境の整備や子どもの健全育成については、1996年、平成8年策定の札幌市子育て支援計画及び1997年、平成9年策定の札幌市青少年育成計画に基づいて取り組みを行ってきたところであります。しかし、全国的な少子化傾向というか、深刻な影響を与えている中で、国は、2003年、平成15年に、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ育成される社会の形成に資することを目的とした次世代育成支援推進法を制定いたしました。これによって、各自治体は、同法に基づく行動計画の具体的な取り組みが義務づけられてきたわけであります。これを踏まえて、札幌市では、行動計画の先行策定市町村、全国53の一自治体として、2004年、平成16年9月に、札幌市次世代育成支援対策推進行動計画、いわゆる、さっぽろ子ども未来プランを策定し、2014年度、平成26年度までの11年間を計画期間として定めてきているわけであります。
しかし、実際に、最近のマスコミ等でも報じられておりますように、全国的にも核家族化と合計特殊出生率の低下が進んでいるわけであります。札幌市においては、来月早々にも、平成17年の合計特殊出生率が発表される予定でありますけれども、平成16年の段階では1.01という状況にもなっており、さらには、2003年、平成15年に出生数が1万5,000人を切っているわけであります。これは、1966年、昭和41年以来37年ぶりのことでありましたけれども、平成16年においても1万4,750人、平成17年においても1万4,077人という出生人口になってきているわけであります。
また、ただいまも児童に関する痛ましい事件についての状況がやりとりされていたわけでありますけれども、そこにはさまざまな事情があるとは思いますが、一昔前と比べて、親にとって子育てというものが大変になってきている側面もあると思うわけであります。特に、札幌では、市民の転入転出の出入りが多くて、近所に知り合いもいない、小さな子どもを抱えた若い夫婦の家庭も多いと思われるわけであります。このような、孤立しがちな子育て家庭を地域で支えていこうというのが地域における子育て支援の重要な視点と考えておりますけれども、札幌市では、上田市長の公約として、全小学校区に一つ以上の子育てサロンの設置が進められているわけであります。自宅からベビーカーを押して行けるような距離に親子が集える場所があるということは、子育ての経験がない、身近に子育てに関して相談する人が少ない、あるいは、いないというお父さんやお母さんにとって、非常に心強いことではないかと思うわけであります。
そこで、質問の1点目でありますけれども、子育てサロンが市内各地で立ち上がっているわけでありますが、子育てサロンの設置状況についてお伺いいたします。
また、各区の地域において、さまざまな団体があり、それぞれまた別の目的、活動があるわけでありますけれども、子育てサロンにおける取り組みについては各地域でどのような団体が主体となっているのか、あわせてお伺いしたいと思います。
◎櫻井 子育て支援部長 子育てサロンの設置状況についてでございます。
平成18年9月の一番新しいデータということですが、市の直営、あるいは、指定管理者制度で行われております子育てサロンが108カ所、地域が主体となって行っている子育てサロンが145カ所、合わせて253カ所の子育てサロンがございます。
また、本市では全小学校区に1カ所以上の子育てサロンの設置を目指しておりますけれども、207小学校区のうち173小学校区、全体の84%に立ち上がっていることになります。
なお、平成17年度末の設置状況と比較いたしますと、全体の設置数では14、小学校区では9校区ふえたことになります。
次に、地域主体の子育てサロンの設置主体についてでございます。
各地区の社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会、福祉のまち推進センター、連合町内会などのさまざまな地域の方々によりまして設置されているところでございます。
◆藤原廣昭 委員 ただいまの答弁では、直営、そしてまた、地域のさまざまな団体によって、この9月段階で253カ所の子育てサロンが設置され、また、開催されているということでありました。また、子育てサロン立ち上げには、地域の多くの関係者の努力によって実現しているものと、今の答弁を聞いて理解をしているわけであります。
一方、既存の子育てサロンの運営を続けていく場合には、いろいろな課題が出ていると思うわけであります。私どももそうした声を地域で数多く聞くことがあるわけでありますけれども、確かに、子育てサロンの運営に当たって、決まった日に開催するためには、運営や開催に協力をしていただける人材、また、遊具や絵本等の備品類というのでしょうか、そうしたものや会場借り上げ等の資金の手当てがきちんと継続的に可能でなければならないと思うわけであります。さらに、子育て支援についてのしっかりとした理解と情熱ということも重要な側面と考えるわけです。
そこで、再質問でありますけれども、札幌市としては、現在、子育てサロンの運営についてどのような課題があると認識をしているのか、明らかにしていただきたいと思うのであります。また、その課題に対して、今後、どのように対応していこうとしているのか、その基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
◎櫻井 子育て支援部長 現在、地域主体の子育てサロンにつきましては、その立ち上げについて、遊具とか保育料などの支援を行っております。サロンの運営につきましては、サロンの実施内容や子育て支援の人材養成のための研修会の開催など、区が中心となってソフト面の支援を行ってきたところでございます。
しかし、委員ご指摘のとおり、サロンを立ち上げた後で、安定的な継続運営のためには、スタッフであるとか会場の確保、運営費の負担等の課題も出てきていると認識をしているところであります。したがいまして、立ち上げ時のみならず、安定的な運営のための課題につきましても十分留意をし、どのような対応が可能なのか、具体的に検討してまいりたいと考えております。
◆藤原廣昭 委員 ただいまの答弁では、スタッフや会場借り上げ、そしてまた運営費の負担というものについて今後検討してまいりたいということでありますので、ぜひ、新年度の予算編成に向けてこうしたことを前向きに具体化していただきたいというふうに思うわけであります。
最後に、子育てサロンの今後の設置の見通しについて質問いたします。
子育てサロンは、先ほどの答弁にもありましたように、多くの方々や団体等の理解と協力によって、かなりのスピードというか、勢いでふえてきているわけでありますが、なお小学校区で設置されていない校区が、先ほどの説明で差し引きしますと約34カ所あります。地域においてさまざまな事情を抱えているわけでありまして、一概に言えない面もあるかと思いますけれども、先ほど申し上げました本市の子育てにおける子どもの支援策の中では、2009年、平成21年度までに全小学校区への子育てサロンの設置に向けていくということでありますが、本市は、どのような観点を重視して、残りの未整備地区の子育てサロンについて推進していこうとしているのか、その見解についてお伺いしたいと思います。
◎櫻井 子育て支援部長 今後の子育てサロンの設置についてです。
まず、地域において、子育て家庭の数であるとか関係施設の設置の状況、関係団体の活動状況などがそれぞれ異なっておりまして、いかに地域の特性に合った子育て支援を進めていくのかという観点が何よりも重要と考えており、地域の課題をそれぞれしっかりと把握しながら、その地域が動きやすいような支援をしていく必要があると考えております。そのために、既存の子育てサロンの運営のノウハウなどを活用していくことも有効と考えており、現在、各地域のサロンの取り組みをまとめた事例集づくりを進めているところであります。
いずれにしましても、それぞれの地域に合った子育てサロンが設置され、地域ぐるみの子育て支援が進むよう、区役所を中心とした取り組みをさらに進めてまいりたいと考えております。
◆藤原廣昭 委員 全国的にも、こうした取り組みは進められているわけであります。他都市などでは、表現の違いはあるのでしょうけれども、子育てサークルというような表現で、いわゆる特定の人が参加するものとか、サロンの場合と同じく出入りが自由というようなものもあります。あわせて、他都市では保健師というような状況もあるわけでありますけれども、札幌市では保健師を各区に配置しており、そうした他都市と比べて、かなり優位性の評価できる高い取り組みをしているわけであります。
このような中で、札幌市のいわゆる子育ての未来プランというものは、3層構造を基本とし、その第1段階が、今申し上げた小学校区単位の子育てサロンの設置、そして、第2段階においては各区に常設の子育て支援センターの設置、そして、第3は、既に2004年4月開設、設置をされておりますけれども、全市的な視点での拠点施設として札幌市子育て支援総合センターというのがあるわけであります。やはり、このピラミッド型の一番底辺の子育てサロン、各小学校区単位を数多く設置し、継続して運営していくことが本市の対策の大きな要素にもなってくるわけでありますので、ぜひ、そこに対するさまざまな支援を考えていただくように強く求めて、質問を終わります。
◆坂本恭子 委員 私は、このたび代表質問をさせていただきましたけれども、それにかかわって、子ども未来局関係で3点の質問をさせていただきたいと思います。
大きい質問の第1点目は、障害者自立支援法にかかわって、障がい児の通園施設利用料について、2点目が保育所の待機児童解消について、そして、3点目が定率減税の縮減・廃止に伴う保育料の負担について、以上3点を質問させていただきたいと思います。
まず、質問の第1番目、障害者自立支援法にかかわって質問をいたします。
障がい児の通園施設利用料の問題についてです。
代表質問で私はこのことをただしましたけれども、ご答弁は内容の検討を急いでいるということでございました。障害者自立支援法は、原則1割自己負担するということを求めており、自立支援などというのは名ばかりの法律であって、11月1日から既に障がい児施設の利用料も徴収される、施行ということになっております。障がい児を持った親御さんはもちろん若いお父さん、お母さんですから、経済的には大変なご苦労をされていらっしゃる、そういうふうに思っております。
そこで、伺いますけれども、通園施設を利用している保護者世帯の所得階層区分、それぞれの世帯数とその比率をお示しいただきたいと思います。
それからまた、親御さん、保護者の負担額が今までの措置制度のときにはどの程度のものだったのか、このことについてお示しいただきたいと思います。
大きな質問の2点目、保育所の待機児童解消についてです。
代表質問では、要保育率について質問をいたしました。それにかかわって補足的に質問したいと思います。
今、札幌市の待機児童は、大変数字が膨らんでおります。2004年4月の時点で156人だったものが、1年たった2005年4月には307人、そして、そのまた1年後、2006年4月には319人、そしてこの7月には374人ということです。市は、保育所整備にかかわる国からの補助金が単年度ではなくて2カ年の事業になってしまったということで、保育所の開園がずれ込んだために年度当初に待機児童を減らすことができなかったというような答弁をさまざまな委員会などでも繰り返しております。
しかし、実態としては、要保育児童数の見通しの誤り、すなわち、要保育率が2010年時点で18.32%と見込んでおりましたけれども、これが、昨年既に18.32%を超えてしまい19.12%になった、この時点で、すぐに整備計画の変更見直しをすべきだったと思うのです。なぜ、この見直しがおくれたのか、この点について代表質問の答弁で言及がございませんでしたので、改めて伺いたいと思います。
3点目の大きな質問、保育料についてでございます。
定率減税の縮減、そして廃止ということの影響を受けて、保育料がふえる問題についてです。
保護者への影響が大変大きいということについては、代表質問でもただしたところでございます。保育料というのは、前年度の所得税額に応じて決められていくものですから、これが来年、再来年へと影響していくということでございます。大体、1ランクずつ移動されるという試算をちょうだいしておりますけれども、例えば、今、3歳未満児で1万4,250円払っている保育料、この127世帯が、ランクが一つ移動して2万500円の保育料に変わっていくということです。所得は1円も変わらないのに、税制改悪の影響によって、定率減税の縮減、そして、これがまたは廃止されていくわけですから、そこにかかわって大幅な負担増になっていくということを指摘してまいりました。
代表質問の答弁では、この点についても、保護者への影響が大きいことから適切に対応していきたい旨のお話がございました。なお、国の動向も見ているということでしたけれども、国でどのような検討をしているのか、今、把握されていることがあればお聞かせいただきたい。
それからまた、本市として何か要望をしていることがないのか、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。
◎菅 児童福祉総合センター所長 障がい児通園施設につきまして、所得階層区分別の世帯数とその比率についてお答えいたします。
市内にございます社会福祉法人3園、市立4園の障がい児通園施設に8月1日に在籍していました224世帯について申し上げます。
生活保護世帯が22世帯、9.8%、市町村民税非課税の低所得世帯1、2が30世帯、13.4%、市町村民税の所得割が2万円未満の一般世帯が21世帯、9.4%、それ以外の一般世帯が151世帯、67.4%であります。
次に、保護者の負担額についてご説明いたします。
措置制度における保護者の負担額は、札幌市の所得階層区分基準表で細かく定められておりますので、10月からの契約給付制度における所得階層区分で申し上げます。
低所得世帯1、2の世帯における負担額はゼロ円でございます。次に、市町村民税の所得割が2万円未満の世帯につきましては、所得割がない場合は400円、所得割がある場合は600円でございます。それ以外の一般世帯につきましては、所得税の額により1,800円から9万2,500円となっております。
◎櫻井 子育て支援部長 2点目の保育所整備計画の見直しについてであります。
子ども未来プランでの保育所整備計画の策定に当たりましては、平成15年度にニーズ量の調査を実施した上で将来の保育需要を推計し、平成19年4月の待機児童を解消するため、平成16年から平成18年までの3年間で1,530人の保育所の増員を計画したものでございます。この計画の実施状況につきましては、先ほど委員からもお話があったように、国庫交付金を活用した整備が2カ年事業になるなどということで整備のおくれが生じたりしておりましたけれども、平成18年の段階で予定どおりの整備となっておりまして、当初の計画を達成できる見込みでございます。
また、当初の整備計画では、平成21年度の要保育率を18.32%と推計しておりましたけれども、平成17年度の段階で推計値を超える18.54%となりました。またその一方で、要保育児童数を推計する根っこになります就学前児童数につきましても、平成16年度以降、平成21年度まで9万1,000人くらいで横ばいにいくだろうと推計していましたけれども、実際には平成18年度には8万8,000人ということで減少しておりました。
したがいまして、推計値に対して実際の要保育率の方はぐっと上がっている一方で、就学前児童数については予想よりも落ちているということがありまして、平成18年度の施設整備が780人ということで非常に大きな数になっておりますので、まず、平成18年度の施設整備をまずしっかりやることが大切だと考えまして、18年度の施設整備のめどを見きわめた上で、速やかに、私としても可能な限り速やかに整備計画の見直しを行ったものと考えております。
それから、3点目の保育所の値上げについてでございますけれども、国の動向に対する札幌市としての対応についてお答えをいたします。
定率減税の縮減等に伴う国の動向についてですけれども、厚生労働省の方に照会をしております。こちらの方では、保育料額の算定の基礎となる徴収額表の税額部分の問題ですけれども、その部分の改正について検討を進めているというお話をお伺いしております。また、札幌市といたしましては、国の見直しの動向に注視しているところでありまして、現在、単独での要望活動などは行っておりません。
◆坂本恭子 委員 障がい児の通園施設利用料にかかわってですけれども、これまで措置のときには、生保世帯の9.8%というのはもちろん無料だったということですが、低所得世帯の1と2についても負担がなかったというお話でした。そして、市民税所得割額2万円未満の方たちにとっても400円から600円ということですから、この方たち全部合わせても全体の3分の1の世帯が無料から600円の負担で済んでいたと言えるわけですね。ところが、法の施行によりまして、大幅な負担を強いられるということです。
先日、市役所ロビーに詰めかけた800人以上の緊急集会、障がい者の皆さん、関係者の方、ご家族、そして若い親御さんもたくさんいらしたというふうに聞いておりますけれども、やはり、皆さんが口にされるのは、負担が余りにも大き過ぎる、本当に自分たちが自立して生きていくことが保障されない法律だ、そういうことについて札幌市で何とか対応してほしいのだということが切実な声だったというふうに思っております。
全国的にも、大変大きな障がい者の皆さんの自立支援法に対する反対の声などもありまして、混乱も大きかったというような中で、利用者負担に対する国の対応も、大変な混乱振りというのか、右往左往していたというふうに思います。
そこで、改めて伺いたいのですけれども、国が当初示していた利用者負担額について、そして、それが、紆余曲折あって、8月24日に手直しになったと思いますが、現行額がどうだったのか。
それから、前段の議論の中で出ておりましたけれども、あわせて、市の独自の軽減額、これを比較してお示しいただきたいと思います。
それから、大きな質問の2点目は、保育所の待機児童解消についてです。
ニーズ調査のお話もあり、2カ年に事業が延びてしまったというお話もありました。今年度、何とか頑張って事業を達成していきたいのだということに力を注いできたためにというようなお話もあったかなと思います。
それでは、今回、780という整備計画を終了した段階で、来年4月の段階で待機児童はどの程度出るというふうに見込んでいらっしゃるのか、伺いたいと思います。
さらに、今回の見直しの妥当性について伺いたいのですけれども、2007年度から2009年度の3カ年で800人の定員上乗せをするということですね。要保育率の上昇は19.12%から、今までは全くこれを増加しないという見込みのもとで立てていたものを、毎年平均0.68%ずつ上がっていくという計画になっているのですが、果たしてこれが当局のもくろみどおりに推移するのかどうかについては、やはり、疑問視せざるを得ないというふうに思います。
保育所整備は、整備をすればするだけ潜在ニーズというものが顕在化してくる、これは当たり前の循環だと思いますし、前回2003年のニーズ調査によって要保育率の推計というものを誤ったわけですから、今回の見直しが実態を反映したものだと本当に言い切れるのかどうか、その点を伺いたいと思います。もしまた予想を超える要保育率となった場合に、それは、おくれることなく、直ちに保育所整備計画を見直すべきだと思いますけれども、この点いかがお考えか、ご見解を伺います。
それから、保育料の問題についてです。
国の方で徴収の基準について検討を進めているらしいということで、札幌市としては国に対しての要望活動は何もしていないというお話がございました。先ほども申し上げましたが、3歳未満児について、代表質問の中でも具体的な数字としてお聞きをしたのですけれども、先ほどの第1段階、D1からD2に上がっていく方、共働きですよ。327万円の収入の方ならば保育料が変わらないのですね。ところが、333万円の方だと、さっき言ったように保育料が1万4,250円から2万500円と1.44倍にふえていく。それぞれのランクが一つずつ移動されていく方が、最大、D3からD4に移動される方が377世帯いらっしゃいます。これを筆頭に、D1からD8にわたってすべてのランクで移動が行われるということです。
このボーダーのところにいる方たちというのは、わずか、今言っただけでも6万円の差です。収入が6万円違うということは、本当に手元に入ってくるお金ということで考えると幾らの違いなのだということになると思うのです。国の税制改悪のあおりを受けて保育料が引き上がっていく、こういう世帯に対して、私は、やはり今、少子化の問題、それから、子どもをめぐるさまざまな課題について議論されましたけれども、札幌市として優しい思いやりといいますか、こういうところにこそ心を砕くべきだというふうに思います。
札幌市として、具体的にこれらの世帯に対して減免あるいは救済策を行うべきだと考えますけれども、その点いかがお考えか、お示しください。
◎菅 児童福祉総合センター所長 障がい児通園施設につきまして、まず、国が示しました利用者負担額についてお答えいたします。
8月24日の国の説明におきまして、利用者負担を保育所の保育料程度の負担水準に抑えるとともに、軽減の対象範囲を市町村民税の所得割が2万円未満の世帯まで拡充することが示され、例示としまして、事業費の平均月額が、月に22日通園した場合で約14万4,000円と説明がありましたので、これに基づいて食費を含む負担額について申し上げます。低所得世帯1、2につきましては、国の当初額1万2,600円が現行額9,040円となります。また、一般世帯のうち、市町村民税の所得割が2万円未満の世帯につきましては、国の当初額2万8,700円が現行額2万500円となります。それ以外の一般世帯につきましては、国の当初額2万8,700円のままとなります。
次に、市独自の軽減策についてでございます。
先ほどの繰り返しになりますけれども、低所得世帯1、2につきましては、施設利用料及び食費の負担はありません。一般世帯のうち、市町村民税の所得割が2万円未満の世帯は、1食当たり230円の負担のみといたします。それ以外の一般世帯につきましては、利用料の1割と食費分を負担していただき、食費の額は1食当たり340円にいたします。これに合わせまして、負担額の上限を札幌市の保育園の保育料と同程度になるように軽減いたします。
◎櫻井 子育て支援部長 今回780人ということで定員が増になり、来年あたりどうかというお話です。委員がおっしゃっているように、確かに今までの流れを見てきますと、保育所をつくる、そうすると需要が広がる、それでどんどんそういうような追っかけっこみたいな感じになっているということはそのとおりだと思います。
今、300人から、大体この秋で525人くらいのところ、速報数値で来ると思いますけれども、大体そのくらいの数値です。今の段階で約500人くらいの数ということになりますので、ことしいっぱい、来年4月1日で780人という数は、やはり相当インパクトのある数字ではないかというふうに思っております。ただ、需要は広がるということもありますので、それがどの程度かということを今の段階で言うことはできませんが、今の300人台に乗っている待機児童はかなり目に見えて減少するのではないかなと期待をしているところでございます。
そして、800人の定員増を上乗せしていて、これが妥当なのかという話でございます。
将来の要保育児童数を算出するには、就学前の児童数をどうやって推計していくのか、それから、要保育率をどうやって見ていくのかという二つの要素、この掛け合わせで算出しているものでございます。このたびの保育所の整備計画の見直しにつきましては、要保育率を年齢ごとに推計するなどということで精度の高いものにしております。具体的には、要保育率は19年度以降も上昇するものとして平成22年度の推計をし、また、就学前の児童数につきましても過去10年間の人口変動をベースにして平成22年度の推計を行っているということで、どちらも、就学前の児童数、要保育率の両方につきまして、前回やった方法より格段に精度の高い方法を使って計算しております。
そういうことで、その結果、平成22年度の要保育児童数の推計値を1万7,550人と推計しておりまして、平成19年4月時点の定員見込み数が1万6,760人でありますことから、800人の定員増は必要であるとしたものであります。もちろん、自分たちでつくっている数字ですから、これは妥当な数字であるというふうに思っております。
それから、保育料の関係でございます。
委員がおっしゃっているように、所得が全然変わらないけれども、税制改正に伴ってということで階層移動が起き、非常に大きな負担が起きるということについては、私どもの方も問題だと思っているところでございます。今回の定率減税の縮減に伴う保育料につきましては、保護者の影響は大変大きいということもありまして、具体的には、税制改正に伴う階層移動の影響が生じないように、見直しについて検討してまいりたいと考えております。
◆坂本恭子 委員 まず、障がい児施設利用負担のことについてでございます。
国の当初の額、それから見直した額、そして、さっき出てまいりましたけれども、本市独自の減免額ということで比較をしていただきました。大変歴然としているというふうに思いますけれども、低所得1、2のところで言いますと、1万2,600円だったものが、一たん国では9,040円にした。しかし、札幌市では、施設利用についても、食費についても無料にするというご答弁ですね。先ほど、障がい者の方の自立支援法がらみでの負担の問題について二部の委員会でやりとりがあったものですから、若干、話を聞いたのですけれども、やはり、障がい児のこの部分については、本市の独自の軽減策について一定の評価はできるものなのかなということを改めて感じているということは申し上げておきたいと思います。
しかし、やはり、2万円以上の一般世帯については、保育料相当分の利用料、施設の利用負担となりますから、それは大変大きなものだと思います。札幌市の保育料に準じるわけですから、さっき言いました1万4,250円から最高が5万9,500円ということになろうかと思いますけれども、やはり、ここが大きな負担になってくるだろうというふうに思います。低所得の部分については、一定程度の軽減策が講じられているけれども、それ以上のところがどうなのかという問題です。
結局、そういうところで通園の日数を減らしたりだとか、あるいは、食事も、国が650円に対して札幌市は230円、340円で提供するというお話です。しかし、親御さんご自身が今でもそういう状況があるというふうに聞いていますが、子どもにはご飯を食べさせるけれども、自分は食事をとらない、お昼はいつも食べないからいいんですというような、そういう親御さんがいらっしゃるというお話も聞きます。実際、そういう方がまたふえていく可能性もあるのかなというようなこともあるものですから、また、そういうところにもしっかりと心を砕いて、低所得者層対策だけではなくて、もうちょっと中間所得の方たちのところにも心配りをしていただきたいなということを改めて要望として申し上げておきたいと思います。
あわせて、これも代表質問でただしたところなのですが、障がい児の入所施設の利用者負担についてお聞きいたします。
札幌市のみならず、道内各地からの入所者もおり、北海道との均衡を考慮する必要があるということで、今後の検討課題としては認識していますというご答弁ではありました。具体的な検討課題について伺いたいというふうに思います。
それから、保育所の待機児童解消についてですけれども、来年4月の時点では目に見えて減少するだろうというお話でございました。そして、今回の調査については、格段に精度が高いということでございましたから、やっぱり3年前はどうだったのかということになりますね。そういう中で、待機児童については、目に見えて減少していくだろうということですので、そのことについては、私も十分注視をしてまいりたいというふうに思っております。
それでは、超過入所についてはどうなのかという問題です。
これも、代表質問でお話ししましたけれども、300人の待機児童に対して百数十名の超過入所が年度当初からいるということで、845人をどうするんだという質問をいたしました。この超過入所の解消についてはどのように考えているのか、800人の定員という上乗せで、2009年度までに超過入所の解消ということも図っていけるのかどうなのか、伺いたいと思います。
部長も、追いかけっことおっしゃってましたでしょうか、つくればやはり潜在ニーズが顕在化してくるということがありますが、今、若いご夫婦にとって、仕事をとるか子どもをとるかという選択では既にないのだろうと思います。働きながらでなければ子どもも産めないし育てられない、そういう経済状況の困難さ、労働環境の困難さというものがあると思うものですから、保育所のニーズというのはますます大きなものになっていくだろうというふうに思います。
先ほども、子ども未来プランにかかわって、10年間の時限立法である次世代育成推進法に基づいて子ども未来プランがつくられているというお話でした。なぜ10年なのか、そこら辺のことを考えると、これから、毎回毎回、少子化対策を打っていくということが大変重要な、そしてまた喫緊の課題であると、しかも、合計特殊出生率が1.01ということです。
2002年3月、札幌市社会福祉審議会から出た答申ですけれども、この必要条件的対策のところに、将来、子育てと仕事の両立支援が不十分であったがために少子化の進行に歯どめがかからなかったと批判されることのないように、保育所の待機児童解消はしっかりとやるべきだということが書かれております。これが非常に重要だと思いますし、このニーズというのがますます大きなものになっているというふうに思います。今回の3年間800人の上乗せというものについては前期計画の位置づけだろうというふうに思いますが、後期計画に当たっても、格段に、さらに精度の高い調査を行いながら、目に見える形で超過入所の解消、待機児童の解消、これに機敏に対応していくべきだと思うのですけれども、最後に、そこの決意を改めて伺いたいと思います。
それから、保育料については、今回の定率減税の問題については影響が出ないようにというようなことで、軽減策を講じていきたいというお話がありました。一刻も早く具体化させていただいて、保育園に子どもさんを通わせている保護者の皆さんを安心させてあげていただきたいというふうに思いますので、このことを申し上げたいと思います。
あわせて、今、本市が検討している保育料の軽減率の見直しについては、私は、行わないということでぜひとも対応していただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
◎菅 児童福祉総合センター所長 障がい児の入所施設の利用料についてでございます。
道内にあります障がい児の入所施設には、札幌市民のみならず、道内各地の方が入所されております。また、ことし4月時点での札幌市民の入所状況を見ますと、市内の施設に296人、市外の施設に206人が入所しており、このため北海道との均衡を考慮する必要がございます。このほか、入所施設には、通園施設と異なり、福祉や医療サービスを受けながら居住の場にもなっていること、重症心身障がい児施設におきましては、成人の入所者もいるため、いわゆる者の施設との関連があることなど、多くの検討課題があると認識いたしております。
◎櫻井 子育て支援部長 決意もそうなのですけれども、超過入所の関係ですが、超過入所もこの数の中に入れた形で計算をされておりますので、それを含めた形でということになります。潜在需要が膨らんでいくという部分はすごく難しい話でして、例えば、通常の待機児童の5倍ぐらいの巨大なものを打たない限りは将来的には難しいというようなことを言う方もおります。それだけの巨大なカンフルを打てるような形でなければ、なかなか本当にがちっとしたものにはいかないのかなというふうには感じているのですけれども、この中で一生懸命に推計しましたので、恐らくいい数字が出てくるだろうと思います。ゼロというのはなかなか難しいことなのだとは思いますけれども、そういうふうに思っております。
また、子ども未来プランの後半の5年間にというお話でございますけれども、まず、前期の部分をしっかりとやって、その結果をきちんと検証して、改めてニーズ量を調査するなり何なりということで、しっかりした手順を踏んだ上で後半期に向かっていきたいと思います。ゼロと言えるかどうかわからないのですけれども、全力を挙げて頑張っていきたいと思います。
◆坂本恭子 委員 保育所待機児童超過入所の解消に向けては、自信を持ってしっかりと頑張っていただきたいということで、改めて期待しているということを申し上げたいと思います。
障がい児の関係については、今ご答弁がありましたように、市内で296人、市外で206人いるということで、多様で複雑な課題があるという認識は伺いましたけれども、そもそもは北海道が全くの独自軽減策を持っていないということの問題があろうかと思います。それから、法律そのものの欠陥ということがあるわけですから、札幌市としてできることを最大限やっていただきたいということとあわせて、北海道や国に対してしっかりと改善の要望、要請をしていくことが大事だというふうに思いますので、その点を強く要望して、終わりたいと思います。
◆宮川潤 委員 私は、子どもの権利条例について及びそれに関連して中沼キャンプ場の廃止問題について質問をいたします。
まず、子どもの権利条例について質問します。
条例素案がつくられ、パブリックコメントに付されましたが、かつてない市民からの反応があったと聞いております。9月14日の文教委員会では、大人から1,315件、子どもから2,189件、合計3,504件となっているという報告でありました。締め切り後はどういう状況になっているのか、なお、個別に意見が寄せられているのか、伺います。
また、条例素案の内容についてでありますが、その特徴は、子どもの意見表明権を明らかにしたこと、また、教員なども含めて子どもにかかわる大人への支援を明確にしたことだと私は考えておりますけれども、原局としては、条例に必ず生かすべき条例の柱はどういうことだとお考えか、改めてお示しを願いたいと思います。
次に、中沼の青少年キャンプ場についてであります。
2004年度の青少年キャンプ場の事業評価調書では、各キャンプ場の特徴を伸ばすことにより、受益者、利用者の満足度向上を図る、施設が老朽化していることから補修整備に経費を要するが、計画的な修繕によりコストの削減に努めるとあります。それが、2次評価で、突如、全廃に向け検討となるわけであります。
その経過はさておきまして、私は1次評価で述べていることは的を射ているというふうに感じております。私も中沼キャンプ場に行っておりますけれども、一番の魅力は市内にある近場の施設という立地だと思います。しかし、施設はなるほど老朽化しております。私は、適宜、補修、改修など手をかけていれば、もっと魅力的で利用者もふえていたはずだと思っております。ですから、事業評価で計画的な修繕を指摘したことに納得できるのでありますが、ここ数年において、中沼キャンプ場の施設の計画的修繕など、魅力を増すようなことをしてこなかったと思いますけれどもいかがか、伺います。
◎加藤 子ども育成部長 まず、第1点目の条例素案に寄せられた意見でございますけれども、パブリックコメントの後にどのくらい意見が来ているのかというご質問でございました。
まず、パブリックコメントにつきましては、今、委員ご指摘の数字でございますけれども、パブリックコメントが終了した後も、例えば小学校の校長会からの呼びかけによりまして1,452人の小学生の皆さんから夏休み明けに追加で意見を寄せられたということがございました。それから、私どもは条例づくりに関する意見を常時受け付けておりますが、パブリックコメント終了後につきましては、郵送、メール等できのう現在で39件という意見をいただいているところでございます。
それから、中沼キャンプ場について、廃止に際しての2次評価についてです。1次評価から2次評価に変わって、突如、廃止の方針が出されたと。それは、中沼のキャンプ場について、いろいろと経費の面があるということでございましたけれども、補修をやればある程度利用者がふえてきたのではないかということでございます。その計画的修繕にどのようなことをやってきたのかというようなご質問であったかと思います。
中沼キャンプ場の廃止につきましては、委員ご指摘のとおり、施設の管理棟の老朽化というのが著しくて、使用に耐えない状態に近づきつつあるということ、それから、利用者の減、財政的な事情があるということは、これまでいろいろなところでご説明をしてきたところでございます。
その中で、管理棟を含め、修繕についてのお話でございます。毎年毎年、細かな修繕その他は実施してきたところでございますが、管理棟につきましては、これを修繕して永久的なものにするということはできなかったのかということでございますけれども、木製の基礎ということでございまして、腐敗が著しく、これを修繕することにつきましては相当な多額の費用がかかるということで、修繕もそもそも難しいという判断をしてきたところでございます。大きな修繕内容としてはそのようなことでございます。
それから、条例素案の特徴について、意見表明権その他のものがあるのではないかというようなご指摘でありました。
私どもが、どのようなものを条例素案の特徴と見ているのかということでございますけれども、まず、一つ目としましては、札幌の子どもの現状に基づいた条例とするということで、子ども委員会の子どもたちの提案のもとに、安心して生きる権利、自分らしく生きる権利、豊かに育つ権利、参加する権利の四つの区分で、子どもにとって大切な権利計22項目を明記したことが挙げられると思います。
二つ目としましては、ご指摘もございましたけれども、子どもの参加、意見表明の機会の保障が大切であると考え、市政、学校、施設、地域における子どもの参加・意見表明の機会の保障や子どもの視点に立った情報発信などを盛り込み、その重要性を示していることが挙げられます。
また、三つ目としては、いじめや虐待など権利侵害で悩み苦しんでいる子どもたちに対して、迅速で適切な救済を図るための制度を速やかに設けることが挙げられます。
このほかにも、子どもの権利の理解を促進するための権利に関する学習等への支援、さらには、子どもの育ちや成長にかかわる大人への支援なども条例素案の特徴になると考えているところでございます。
◆宮川潤 委員 まず、子どもの権利条例の関係であります。
その基本的な考え方で伺いたいことがあります。子どもの人権を守るということは当然必要でありますが、大人の人権ということもさまざまな場面で侵害されているという事実もあります。しかしながら、子ども、女性、少数民族など、とりわけ人権が問題となっている人たちを対象とした人権保護の取り組みは重要であるというふうに考えます。
本市としての考え方を伺いますが、子どもの人権も問題、大人の人権も問題という考え方もある中で、とりわけ、子どもの人権を守るための条例づくりを進めるという考え方をお示し願いたいと思います。
次に、子どもの権利条例は、市長の選挙公約ということもありまして、今年度中に議会に提案されるものと思いますが、提案、施行に先立って、権利条約、それから権利条例の精神を全市に根づかせるための努力を、市役所、とりわけ子ども未来局が先頭に立って開始すべきと思いますがいかがか、伺います。
次に、キャンプ場の問題についてであります。
やはり、補修などはしてこなかったという中で、魅力を増すような取り組みをされてこなかったのだというふうに私は思います。やるべき補修がなかなかできないという中で、利用者が減るというのは当然のことだろうというふうに思います。青少年キャンプ場の場合は、キャンプのほかに日中だけという利用もありますけれども、いずれも申し込みをすれば単発でできるといいますか、一日だけの利用ですとか1泊2日の利用というのも当然できるということになります。
一方、さとらんどで行われている大志塾の運営利用の形態についてはどのような形になっているのか、お示し願いたいと思います。
◎加藤 子ども育成部長 先ほどから、修繕についてしてこなかったのではないか、それから、魅力を増す取り組みについてしてこなかったことが利用者減につながったのではないかというご質問ではなかったかと思います。
私が修繕についてお話しした件につきましては、毎年毎年、修繕につきましては相当額の予算を組んで定期的に必要箇所の修繕をしてきたことは事実でございます。中沼キャンプ場における管理棟に関して申しますと、建築以来20年余りがたって、基礎の部分がもともと木製であったということで、経年劣化と申しますか、腐敗が相当進んで、修繕するにはそれに耐えない状況になってきたということを申し上げたものでございます。
それが利用者減に結びついたかということでございますけれども、中沼キャンプ場を含め、札幌市の青少年キャンプ場は四つございますが、それぞれ利用者の減少が出てきております。それについての理由は、少子化といいますか、子どもが減っているということがまず挙げられるかと思いますけれども、そのほかにも、昭和から平成になるにつれて、それぞれの市民の皆さん、子どもの皆さんの嗜好も変わったと。また、市の内外にオートキャンプ場だとかそういう施設も充実した。それから、市の内部でも、定山渓に家族向けの自然の村ができたということで、さまざまな要因があると思いますが、魅力を増す取り組みをしなかったから減少したというようなことではない、さまざまな要因があると考えております。
それから、申し込みその他の関係で大志塾の利用形態でございます。
大志塾につきましては、もともとキャンプ場という機能は不十分ではないかと思っています。水道はありますけれども、下水道設備がなかなか不十分だとか、長期間、キャンプ場を運営するにはもともと不適当なものと。さとらんどということでございますので、もともと農業体験主体につくられた、キャンプ場を主目的にすること自体がどうかという施設でございます。
それについて、大志塾では何を行っているかということでございますけれども、子どもの権利条例を先取りした形で、野外体験と申しますか、子どもの自由な発想のもとにさまざまな取り組みをする、例えば、農業体験をするとか、簡単な遊具をつくるとか、そういうようなところが特徴かと思われます。
それから、人権問題がさまざまある中で、子どもに特化した条例をつくった理由は何かということでございます。
委員ご指摘のように、人権問題は、子どものほかにも女性、労働者、障がい者など多様でございます。この中でも、子どもについては未成熟な存在であるということから、権利そのものの存在、権利侵害の事実について認識し、声を発することがなかなか難しいなどの特性がございまして、平成元年、1989年でございますが、子どもの権利条約等によって権利保障の重要性が示されたものと考えております。
札幌市といたしましても、いじめや虐待等の問題が存在しているということ、子どもの健やかな成長、発達のために、子どもが正しく権利を理解し行使する環境を整える必要があることなどから、子どもの権利条約の理念を踏まえ、子どもに特化した条例をつくる必要があると考えたものでございます。
それから、2点目の条例を根づかせていくための努力、実践的な取り組みをどのようにやってきたのかということでございます。
札幌市では、これまで、子どもの権利の理念を実践するための取り組みとして、例えば、毎年、子ども議会を開催して子どもが市政に提案を行う機会を設けているほか、屯田北児童会館の建設の際には、子ども検討委員会を立ち上げて、児童会館にどのようなものが必要か、子ども自身で考えてもらう機会などを提供してまいりました。このような実践的な取り組みは、子どもたちのまちづくりの関心を高めるためにとても大切なものでありますので、今後とも、子どもの参加機会の拡大を図ってまいりたいと考えているところでございます。
◆宮川潤 委員 子ども未来局が条例の精神の実践という立場でいるという答弁がありました。また、子どもの意見表明権、参加の拡大ということも答弁がなされました。
私は、中沼青少年キャンプ場の今後のあり方についても、今、子どもの権利条例の関係で答弁されたこと、その観点を生かして検討すべきというふうに考えます。
我が党の坂本議員の代表質問で、キャンプ場の廃止について、青少年の何人にどのように説明したのかと質問しましたが、答弁は、福移小・中学校や子ども会など地域の子どもにかかわる主要な団体やその代表者に説明してきたところであり、廃止に至る経緯につきましてはご理解いただいたということでありました。
要するに、学校の校長先生や子ども会の会長、これは大人であります。このほかに、青少年育成委員会の会長、これも大人であります。子どもにかかわる大人に説明すること自体は結構でありますが、それで済ませて、利用者である子どもの意見を聞いていないのではないですか。廃止に当たっては、子どもの意見はどういう場で何人に聞いたのか、代表質問で答えていないので、改めてこの場で答弁してください。
また、主たる受益者は青少年であるとしているキャンプ場の存廃について、校長先生や子ども会会長など大人だけに説明し、子どもには説明しない、意見も聞かないということであれば、既に実践しているという権利条例の精神、あるいは、子どもの意見表明権に照らしてどのように評価するのか、これで十分と考えているのか、明らかにしていただきたいと思います。
◎加藤 子ども育成部長 代表質問でもお答えいたしましたとおり、中沼キャンプ場の使用形態は団体中心でございまして、その団体構成員の99%が団体の方だということで、主要な団体の方あるいは代表者に廃止の関係についてご説明をしてきたということでございます。
したがいまして、中沼キャンプ場の利用形態につきましては、このような子どもの会など、地域の子どもにかかわる主要な団体に説明した、地権者にも説明したということで、代表質問でもお答えしたとおり、廃止に至る経緯につきましてはおおむね理解されたものと認識したところでございます。
◆宮川潤 委員 私の質問はそういうことではなくて、子どもの意見はどういう場で何人に聞いたのかということを、代表質問でも聞いたし、ここでも今改めて聞きましたよ。聞いていないのですね。
それで、大人だけに説明して子どもには説明しない、意見を聞かないということは、先ほど権利条例の精神は実践しているというような答弁もありましたが、権利条例の実践という立場から十分だと考えているのですか。団体の代表者などに説明したと言っていますけれども、本当の利用者は、やっぱりそこでは子どもなのです。事業評価でも、主たる受益者はキャンプ場を利用する青少年と位置づけられています。だから、団体だけに説明をして、つまり代表者は大人ですよ。子どもの意見表明権と、先ほども大事な柱は子どもの意見表明権というふうにおっしゃいましたでしょう、団体の代表の大人に聞いただけで、主たる受益者である青少年そのものに意見を聞かないということでは、子どもの意見表明権ということとは矛盾するのではないですか。
市が言っている意見表明権というのは、団体の代表の大人に聞けばそれでいい、そういうことですか、伺います。
◎加藤 子ども育成部長 子どもの意見表明権、あるいは、参加の機会の保障を最大限保障するというのが子どもの権利条例の一番大事なところであるという認識は変わっておりませんけれども、子どもの意見表明の機会、あるいは、参加の方法につきましては、例えば中沼青少年キャンプ場のように、キャンプ場の利用形態、あるいは、子どもがどのような団体を構成しているかによって意見をいただく、意見表明をいただく、あるいは参加の機会をどのように保障するかというのは個々に異なってくるものだと考えております。
今回、代表者の方にご説明したことをもって子どもに説明したのかと、それから、子どもから意見を受けなかったことについては条例の精神に違反するのではないかというような趣旨のご質問ではなかったかと思いますが、それぞれ個々の場合によって、子どもの意見表明のあり方、あるいは参加のあり方は違ってまいりますので、今回は代表の方に説明したということで理解は得られたと考えております。
◆宮川潤 委員 先ほど子どもに特化した権利条例をつくるということについて伺ったときに、こういう答弁をしましたよ。子どもは声を発することが難しいのだ、だから、子どもの権利条例というものもつくっていく必要がある、こう言ったでしょう。しかし、そう言ったことと、実際にやっていることが随分違う、団体の大人だけに聞いて事足れりとするのですか。権利条例ができて、その中で明らかに意見表明権が位置づけられても、結局、それでやることは、子どもの意見は直接聞かないで、団体の代表、子ども会の会長、育成委員会の委員長に聞いて、それで事足れりと。権利条例ができても同じようなやり方をするんですか。だとしたら、今、権利条例を早くつくってほしいと言って期待する方々の思いとはそごがあると私は思いますよ。
昨日、地域の方がキャンプ場の存続を求める市長あての署名を提出いたしました。この中沼キャンプ場については、利用者は年間1,000人台という状況ではあるけれども、しかし、存続を願う署名は2,682人にもなったということで、しかも、短期間の間に集めたということですから、私も非常に驚いております。しかも、普通の署名だけではなくて、子どもたち自身が残してほしいというメッセージを書いて、思いを込めてキャンプ場の絵をかいて市長に46人も提出した。これをごらんになって、どのように受けとめましたか。
子どもの権利条例素案の特徴の一つは、意見表明の機会を保障するということですが、市の施設の設置や運営への子どもの参加機会の保障、こう書いてありますよ。キャンプ場利用者である子どもが市長あてにメッセージを発し、市がその声を尊重することこそ権利条例の精神であると思いますが、その立場から子どもたちのメッセージをどう読んだのか、聞かせてください。
◎加藤 子ども育成部長 まず、中沼青少年キャンプ場の廃止に反対するメッセージを読んでの感じということからお答えいたしたいと思います。
青少年キャンプ場の廃止に反対する署名やメッセージを読みまして、このような署名をいただいたことにつきましては、子どもの健全育成の上で、自然と触れ合う機会が大切であるということを多くの市民の皆さんが感じているものと受けとめております。また、福移小・中学校に通う子どもたちと保護者の皆様からいただいたメッセージにつきましても、野外体験の楽しさに対する率直な気持ちのあらわれと感じております。
それからもう一つ、今、制定を目指している子どもの権利条例の子どもの意見表明について矛盾しているのではないかというような趣旨のご質問でございました。
先ほど来、申し上げておりますように、子どもに関係する事柄につきまして、子どもが意見を自由に述べる権利がある、これが最大限尊重されるべきであるということは、子どもの権利条約、あるいは子どもの権利条例の趣旨であることは、そのとおりだということで私も理解しております。
しかし一方、先ほど来、中沼青少年キャンプ場の廃止につきまして、主要な団体の皆さんにご説明した理由として、利用者が減っている、あるいは、老朽化が進んでいる、財政的事情も厳しいというような理由につきましては、子どもの権利といえども、こういう理由があるということで、子どもの権利についてはそのまま受けられない場合として合理的な理由があると考えております。
○勝木勇人 委員長 同じ質疑の繰り返しになっておりますので、そろそろまとめてください。
◆宮川潤 委員 主たる受益者が青少年であるキャンプ場の存廃について、利用者の子どもたちの意見を聞かずに更地にしてしまうというのは、子どもの権利条例の精神、子どもの意見表明権をないがしろにすることではないのですか。子ども未来局、とりわけキャンプ場を所管しているのは子どもの権利推進課であります。子どもの権利条例をつくる一方で、実際にやっていることは、子どもの意見を聞かないで、子どもたちが利用しているキャンプ場を廃止し、更地にするというのでは、子どもの権利条例を市民に根づかせることはできないというふうに思うのであります。
子ども未来局が権利条例の実践の先頭に立つなら、昨日届けられた署名や子どものメッセージを尊重し、今まで進めてきたようなやり方、すなわち、子どもや保護者、皆さんの声を踏みにじるようなやり方で一方的に更地にはしないことです。
市長に伺います。
当初、市は、この冬の雪が降る前に更地にしてしまう予定でいましたが、地権者もキャンプ場の存続を願う署名に署名しているということも踏まえて、今後のあり方を決定するのが来春の雪解け以降になったところで何の問題もありません。今まで、利用者である子どもの意見表明権を無視するようなやり方であったことを反省するとともに、この冬までに何が何でも更地にするということではなくて、子どもや保護者たちと時間をかけて話し合い、双方が合意できる着地点を見出す努力をすべきと思いますけれどもいかがか、伺います。
◎上田 市長 ただいまいろいろな経過について答弁をさせていただいたところでありますけれども、今回の物の考え方は、まさに、このキャンプ場がだれを利用者というふうに考えてつくったのかというところに論点があるというふうに思います。
団体で利用していただくということが、市内につくるということの一つの目的であったというように私は承知をしているわけであります。その団体、子ども会だとか地域の皆さん方だとか、そういう団体の皆さん方が、自主的に、子どもをどのように野外活動にいざなって、そして活動していくか、自立的にやっていくということの問題でございます。
したがいまして、第一義的には、私ども札幌市がそういう利用者の皆さん方にご説明をして、こういう程度のサービスを提供させていただきたいということでお願いをさせていただいているところであります。その意味から言えば、もちろんその最終的な受益者ということであれば、現象的に言えば子どもたちであります。しかし、その子どもたちを組織し、そして利用していただく、その活動をやっていただくのは、まさに活動する団体でございますので、私どもはそういう意味合いでこの団体であります皆さん方に、99%というのはそういう利用実態であるということもそのとおりでございますので、そういう皆さん方にご説明申し上げてご了解を得たと。
残念だということは、これはどなたもおっしゃることでありますし、子どもたちのメッセージを読ませていただきまして、キャンプファイヤーの絵をかいたメッセージなどを読みますと、私もそうだったな、子どものころ、野外で1泊することが、その子どもにとってさまざまな情緒を養うのにどれだけすばらしいことなのかということは私も十分承知しているところであります。
しかし、この困難な問題、先ほど来、るる担当部長から説明してまいりましたそのことを乗り越えていくだけの余裕が現在ないという状況の中で、この決断をせざるを得ないということについて、主たるターゲットといいますか、団体の皆さん方にご了解をいただく手続をしっかりやらせていただいたということでございます。
◆宮川潤 委員 団体が利用していると言っても、団体という形態ではあっても、実際に利用しているのは子どもでしょう。団体が利用しているとおっしゃいますけれども、本市の事業評価調書の中には、主たる受益者はキャンプ場を利用する青少年と書いてあります。団体に声だけかけて、実際の本当の受益者、利用者である子どもたちの声を聞かなくてもいいということにはならないでしょう。一方で、子どもの権利条例をつくる、意見表明権を保障すると言いながら、実際にやっていることが団体だから子どもには説明しなくていいというのであれば、では、意見表明権は何なんだということになりますよ。
市長、子どもの権利条例に期待している人は、私も含めてたくさんいますよ。そういう人たちの声に本当にこたえるために、仮に、地元の方々と話し合いを続けた結果として、市の財政状況が厳しくてとてもキャンプ場は維持できないところで一致するのであれば、それはそれで廃止ということもあり得るでしょう。しかしながら、今はそういう状況ではないのですよ。だったら、どうしてそれを来年の春まで納得できるように話し合いを続けましょうということにならないのですか。
私は、一方的なやり方だと思いますよ。2,600人も短期間の間で署名する、子どもたちもあれだけメッセージを出す、その声は生かさないのでしょうか。今、地元の方々、お母さんたちが怒っているのは、ある日突然、更地にするという計画を聞いた、この10月にもする、自分たちは何も話を聞いていない、どうも校長は聞いたらしい、そんなような話で、利用者であるPTAの皆さん方には十分話は通っていないのですよ。それでも廃止していいのですか。少なくても、結果的にどうなるのかということはいろいろあったにせよ、もっと話し合う時間を持っていいんじゃないですか。仮に、春まで延ばしたら何か不都合があるのですか。地権者は、今、返されて畑に戻されても今から植える種はない、そう言っているんですよ。なぜ、来年の春まで話し合いを続けて合意を前提とする、ここを必ず踏まえて合意を得るようになお努力する、こういう姿勢が必要じゃないですか。
市長、改めて伺います。何が何でも雪が降る前にやるんですか。
◎田中 副市長 ちょっと風邪を引いて声が変ですけれども、過去に青少年課に籍を置いた人間として答えさせていただきます。
先ほどのいたいけな子どもたち、純真な子どもたちのメッセージを聞いて心を動かさない大人はいないと思います。しかしながら、子どもの意見と言いつつも、実際の現実を見た場合にどう判断するか、それは情報の提供の内容によるのだろうと思います。過去の青少年課の対応では、やはり、子ども会なり、そういう団体を主体とした方々のための青少年施設として提供してございました。中沼は地域の方々のご利用もあったかと思いますけれども、しかしながら、団体の利用が大半以上だったということに対して、第一義的にはそういう団体に、そして、団体の方々は特にそういうことに、長年、力を発揮してきて、子どもたちの気持ちなり青少年野外活動について十分承知をしている方々でありまして、そのことがなくなることでどうなるかということは子どもたちと同様に痛みを持って聞いてくださったのだと私は思います。
しかし、子どもの意見を聞いてはならないということは言っていないのですよ。そういう団体を通じて、当然、そんなことが理解をされるだろうということでの若干不備がありながらも、そういうことで地域のそういう声は聞いたというような判断をしたのでありまして、そうしたことを踏まえれば、確かに残念、大変困るという状況もありますけれども、ほかにキャンプ場の代替がないのかといいますと、ほかにもある。あった方がいいけれども、でも、今後の維持管理を考えた場合に、どういう形で市の財政に影響を及ぼすのか。そうしたことを考えた場合に、いろいろな苦渋の選択で、今回のキャンプ場のいわゆる廃止を市長は苦渋の判断をした。市長は言いたいことがいっぱいあると思います。しかしながら、そういうところと子どもの権利条例とのことをすり合わせてということにはなかなかならないのではないかと、私は横にいて聞いておりました。
◆宮川潤 委員 市長はないのですか。
○勝木勇人 委員長 上田市長は答弁はありませんか。
◆宮川潤 委員 市長、市長の意見表明権を認めるので、ぜひ答弁をいただきたかったのですけれどもね。
田中副市長のおっしゃった、代替施設があって、そこで利用できるから不満は吸収できるようなことだとか、財政状況だとか、私は、そういうような主張をされるのは結構なんですけれども、じゃ、そういうことをよく地元の人たちや子どもたちを含めて納得してもらえるように話し合ったらいいと思うのですよ。その上で、どうするのかということを決めたらどうですか。結果として、副市長のおっしゃることが説得力のあることであれば、それは地元の人たちも納得すると思いますよ。
しかし、今、地元の人たちが言っているのは、雪の降る前にやるだとか、自分たちがこんなに反対して運動しているのに強行突破してしまうというやり方に対して怒っているんですよ。
市長、私はこれだけ申し上げましたけれども、やっぱり私はがっかりしましたね。子どもの権利条例にきっと悪いことは書かれるわけではないだろうというふうに思いますから、それ自身がだめなものとは思いませんけれども、しかし、権利条例をつくりながら、その最中にやったことはこういうことなんだということを私は忘れませんよ。
最後に申し上げますが、今、反対の声が子どもたちを含めてこんなにある中で、必ず、強行突破することだけはやめてもらいたい。まだ時間は十分ありますから、時間をかけて納得の上でどうするのか決めていただきたい、このことを申し上げて終わります。
○勝木勇人 委員長 以上で、第2項 児童福祉費中子ども未来局関係分等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、10月13日午前10時から環境局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後7時57分...