札幌市議会 2006-09-28
平成18年第 3回定例会−09月28日-04号
議案第3号 平成17年度札幌市
中央卸売市場事業会計決算認定の件
議案第4号 平成17年度札幌市
軌道事業会計決算認定の件
議案第5号 平成17年度札幌市
高速電車事業会計決算認定の件
議案第6号 平成17年度札幌市
水道事業会計決算認定の件
議案第7号 平成17年度札幌市
下水道事業会計決算認定の件
議案第8号 平成18年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)
議案第9号 平成18年度札幌市
国民健康保険会計補正予算(第2号)
議案第10号 平成18年度札幌市
介護保険会計補正予算(第1号)
議案第11号 札幌市
自治基本条例案
議案第12号 札幌市税条例の一部を改正する条例案
議案第13号 札幌市
証明等手数料条例の一部を改正する条例案
議案第14号
本郷新記念札幌彫刻美術館条例案
議案第15号 札幌市
乳幼児医療費助成条例及び札幌市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案
議案第16号 札幌市
自転車等駐車場条例の一部を改正する条例案
議案第17号 札幌市消防本部及び
消防署設置条例等の一部を改正する条例案
議案第25号 町の区域を変更する件
議案第26号 市道の認定、変更及び廃止の件
議案第27号 札幌市
住民基本台帳条例の一部を改正する条例案
追加日程 第一部・第二部
決算特別委員会委員の選任
追加日程 第一部・第二部
決算特別委員会委員長の選任
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〇出席議員(66人)
議 長 大 越 誠 幸
副 議 長 猪 熊 輝 夫
議 員 村 山 秀 哉
議 員 細 川 正 人
議 員 小須田 悟 士
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 藤 川 雅 司
議 員 林 家 とんでん平
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 芦 原 進
議 員 阿知良 寛 美
議 員 小 形 香 織
議 員 伊 藤 理智子
議 員 佐 藤 典 子
議 員 坂 ひろみ
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 近 藤 和 雄
議 員 三 宅 由 美
議 員 恩 村 一 郎
議 員 村 上 勝 志
議 員 藤 原 廣 昭
議 員 三 浦 英 三
議 員 青 山 浪 子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 熊 谷 憲 一
議 員 小 林 郁 子
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 馬 場 泰 年
議 員 宮 村 素 子
議 員 大 嶋 薫
議 員 小 野 正 美
議 員 涌 井 国 夫
議 員 本 郷 俊 史
議 員 高 橋 功
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 堀 川 素 人
議 員 笹 出 昭 夫
議 員 三 上 洋 右
議 員 上瀬戸 正 則
議 員 宮 本 吉 人
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 大 西 利 夫
議 員 福 士 勝
議 員 柿 崎 勲
議 員 義 卜 雄 一
議 員 小 川 勝 美
議 員 飯 坂 宗 子
議 員 松 浦 忠
議 員 田 中 昭 男
議 員 武 市 憲 一
議 員 高 橋 忠 明
議 員 佐 藤 美智夫
議 員 柴 田 薫 心
議 員 西 村 茂 樹
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 敏 雄
議 員 湊 谷 隆
議 員 小 田 信 孝
――
――――――――――――――――
〇欠席議員(1人)
議 員 原 口 伸 一
――
――――――――――――――――
〇説明員
市 長 上 田 文 雄
副 市 長 田 中 賢 龍
副 市 長 小 澤 正 明
副 市 長 加 藤 啓 世
収 入 役 牧 野 勝 幸
交通事業管理者
交 通 局 長 濱 田 雅 英
水道事業管理者
水 道 局 長 小 川 敏 雄
病院事業管理者
病 院 局 長 吉 田 哲 憲
危機管理対策室長 長 尾 賢 一
総 務 局 長 守 屋 出
市民まちづくり局長 下 村 邦 夫
財 政 局 長 米 田 順 彦
保健福祉局長 七 田 博 文
子ども未来局長 飯 塚 和 惠
環 境 局 長 原 田 泰 明
経 済 局 長 福 井 知 克
観光文化局長 中 田 博 幸
建 設 局 長 波 田 正 明
都 市 局 長 田 中 透
消 防 局 長 徳 増 澄 夫
教育委員会委員 設 楽 雅 代
教育委員会教育長 松 平 英 明
選挙管理委員会委員長 赤 田 司
選挙管理委員会委員 常 本 省 三
人事委員会委員 品 川 吉 正
人事委員会事務局長 深 谷 仁
監 査 委 員 谷 本 雄 司
監査事務局長 石 黒 進
――
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事 務 局 長 小 島 信 行
事務局次長 中 村 修 三
調査担当課長 常 野 正 浩
議 事 課 長 野辺地 正
調 査 係 長 今 井 一 行
資料担当係長 大 西 一 正
議 事 係 長 出 井 浩 義
委員会担当係長 田 口 繁 治
委員会担当係長 松 田 寛 司
書 記 朝 倉 良
書 記 本 島 光 二
書 記 梅 村 伸
――
――――――――――――――――
〔午後1時1分開議〕
○議長(
大越誠幸) ただいまから、本日の会議を開きます。
出席議員数は、66人です。
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) 本日の
会議録署名議員として
宮村素子議員、
飯坂宗子議員を指名します。
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) ここで、
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(小島信行) 報告いたします。
本日の議事日程、議案審査結果報告書、
質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
(報告書は巻末資料に掲載)
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第28号、第29号の2件を一括議題とします。
委員長報告を求めます。
まず、
総務委員長 三浦英三議員。
(
三浦英三議員登壇)
◆
三浦英三議員 総務委員会に付託されました議案第29号 札幌市
職員特殊勤務手当条例及び札幌市老人・
身体障害者福祉施設条例の一部を改正する条例案中関係分につきまして、その審査結果をご報告いたします。
本件は、
障害者自立支援法の施行に伴い、所要の規定の整備を行うものでありますが、質疑・討論はなく、採決を行いましたところ、全会一致で可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
大越誠幸) 次に、
厚生委員長 村松正海議員。
(
村松正海議員登壇)
◆
村松正海議員 厚生委員会に付託されました議案第28号 札幌市
障害者福祉施設条例案及び議案第29号 札幌市
職員特殊勤務手当条例及び札幌市老人・
身体障害者福祉施設条例の一部を改正する条例案中関係分について、その審査結果をご報告いたします。
これらは、
自閉症者自立支援センターほか3施設について、
障害者自立支援法に基づく事業を行う施設として位置づけ、施設の管理運営に必要な事項を定めるなどの規定整備を行うものでありますが、質疑・討論はなく、採決を行いましたところ、いずれも全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上、報告を終わります。
○議長(
大越誠幸) ただいまの各
委員長報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
大越誠幸) 質疑がなければ、討論の通告がありませんので、採決に入ります。
議案2件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
大越誠幸) 異議なしと認めます。
したがって、議案2件は、可決されました。
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) 次に、日程第2、議案第1号から第17号まで、第25号から第27号までの20件を一括議題とします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
佐藤典子議員。
(
佐藤典子議員登壇)
◆
佐藤典子議員 質問に先立ちまして、9月14日、急逝されました故
横山光之議員に対しまして、哀悼の意を表しますとともに、心からご冥福をお祈り申し上げます。
私は、
市民ネットワーク北海道を代表しまして、定例会に提案されました諸議案並びに市政の諸課題について質問をいたします。
9月26日、安倍新政権が誕生しました。新首相は、
教育基本法改正を最重要政策に掲げ、活力とチャンスと優しさに満ちあふれた国をつくるとしていますが、そのためには、平和憲法に基づき一人一人が大切にされる
教育基本法を生かすことこそが求められており、改正すべきではないと
市民ネットワークは考えております。
札幌市においては、上田市長のもと、
市民自治が根づきつつあり、
まちづくりセンターを拠点に50を超える
まちづくり協議会が設置されるなど、
市民参画の
まちづくりが進んでいます。一方で、
中期財政見通しは今後も多額の収支不足が見込まれるなど、依然として厳しい状況ですが、今後も、市民の力みなぎる文化と誇りあふれる街さっぽろの実現に向け、一層、安定的かつ持続可能な財政運営に努めていただくことを要望しつつ、以下、順次質問いたします。
初めに、
市民主体の
まちづくりについてです。
市民と議会における多くの議論を経て、札幌市
自治基本条例案が今議会に提出されています。その前文には、「私たちは、平和を愛し互いを尊び、多様な価値観を認め合って、すべての市民が平穏な暮らしの中で自己実現できる札幌」を、そして、「
まちづくりのために自ら主体となって選択し行動することにより」、「
市民自治を実感できるまち札幌」を目指すとあります。ここにうたわれているように、この条例によって私たちが改めて確認したいのは、
まちづくりにおいても、市政においても、主体は市民であるということです。
市民は、この条例に定められている
まちづくりに参加する権利と市政の情報を知る権利が確実に保障されることを、そして、市民がこれらの権利を積極的に行使して
基本的人権のうちに豊かな
まちづくりを進めることを願っています。
そこで、この条例を実効性のあるものとするために、
まちづくりへの
市民参加の方法が明確に制度化されていることが必要であると考えており、以下、3点について市長の積極的な取り組みを求め、質問いたします。
1点目は、
審議会等における
市民参加の推進についてです。
現在、札幌市には、
審議会等の附属機関が60、要綱による
審議会類似機関が34、合わせて94ありますが、その81%に当たる76機関がさまざまな理由で公募制度を採用していません。また、女性が全く参加していないものも6機関あります。
たとえ国の法令等に基づいて設置される
審議会等であっても、可能な限り
市民参加を進め、幅広い柔軟な考えのもとで政策判断し、それを
まちづくりに反映させることが望ましいと考えます。そのためにも、審議会及びこれに類するものについては、原則、公募制を取り入れるとともに、どちらか一方の性に偏ることのないようにすべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、
市民会議等の制度化についてです。
上田市長は、就任以来、
元気ビジョンの実現に向けて、
市役所改革プランなど主要な3プランの策定に当たってそれぞれ
市民会議を設置されました。これは、市民が主体となってみずからの判断と責任において政策提言を行うもので、
市民参加の本格的な形を導入するものと評価しています。また、
環境基本計画など、各種計画の策定や重要な政策の
意思決定過程において適宜に
市民アンケート調査や
パブリックコメントを実施し、市民の意向把握に努めてこられました。
こうした中で、これらの
市民参加の方法が、今後とも、市のその時々の事情で行われたり行われなかったりすることがないよう手だてを講じておく必要があることを強く感じています。市政に対する
市民参加を確実に保障していくために、こうした
市民会議のような市政に対する提言等を行う組織を制度化することが求められます。
そこで、重要な施策などの決定に当たっては、公募による市民などから構成される
市民会議等の設置を制度化することが必要であると考えますがいかがか、伺います。
3点目は、
協働契約の導入についてです。
財政が逼迫し、
市民ニーズも多様化する中で、市民と行政の協働の必要性が言われています。その基本は、両者が対等な立場で
公共サービスを行うことですが、その形態が委託・請負契約というルールに基づいて行われる限り、委託者や発注者としての行政が権限を握り、市民にその権限を分け与える
市民参加にとどまらざるを得ないのが実態です。
そうした中で、
市民主体の協働の取り組みを可能にする方策として、最近、
協働契約という仕組みが考えられています。委託契約においては、
事業主体は行政であり、NPOなどの
市民活動団体は事業を実施しますが、権限や主体性はなく、あくまで下請の立場です。
協働契約は、こうした形態を根本的に見直し、
市民活動団体と行政がともに
事業主体となり、
市民活動団体が市民協力で労力と知識等を拠出し、行政が税金から資金を拠出し、権利と義務、責任は折半する形で役割分担するものです。
札幌市においても、NPOなど
市民活動団体と行政が対等に、
事業企画段階から参画し、市民に対する財やサービスの供給者となるよう
協働契約の仕組みをつくることが必要と考えますがいかがか、伺います。
次に、女性政策について伺います。
現在、2003年度に策定された
男女共同参画さっぽろプランの
見直し作業が行われています。これに伴って、今年度行われた
男女共同参画に関する
市民意識調査の結果は、これまでの同種調査の示す傾向とは異なっていることが目を引きます。その例を挙げますと、男性については、家庭生活や地域活動より仕事を優先させようという意識の人がふえ、一方で、両者を両立させようという人の割合は5年前の57%から19%に下がり、これまで減少傾向にあった、男は仕事、女は家庭という
性別役割分担意識が逆に強まっています。
女性が働くことについての考え方では、「ずっと働き続ける方がいい」が33%から19%に、「子どもができたら退職し、育児が一段落した後、再び働く方がいい」が43%から55%へと上がり、女性の
年代別労働力率を示すM字曲線が一層強められる傾向を示しています。また、
配偶者等からの暴力について、「平手で打つ」、「足でける」を暴力に当たる場合とそうでない場合があると感じる人がそれぞれ35%、13%いるなど、暴力についての認識不足があらわれています。
総じて、これまで進んできた
男女共同参画社会の形成意識が、ここに来て逆戻りしている観があります。
また、今回の調査では、社会全体について男性優位と感じている人が依然として7割以上になっており、札幌市では、今回の調査結果を分析し、来年度からスタートする新たなプランにおいて、
男女共同参画審議会の
プラン見直しについての答申にもありますように、
男女共同参画の意識啓発や女性への
暴力対策に重点を置いた施策が必要であるとともに、現プラン以上に目標や効果を明確にさせた評価しやすいものにすることが求められています。
そこで、新たな
プラン策定に当たり、2点伺います。
1点目は、プランへの
数値目標の導入についてです。
現在、市では、
男女共同参画プランの進捗状況を推しはかるため、審議会における女性委員の登用率など77項目の指標を設定しています。今後、さらに積極的な取り組みを進めるためには、明確な目標値を定めた
数値目標を入れる必要があると考えます。
特に、今回の
意識調査結果では、
男女共同参画社会を知らない人の割合が53%に上るなど、
男女共同参画に関する意識を深め、定着させるなどの基本的な施策が必要であることをうかがわせます。こうした意識改革に関する施策は、その効果が見えづらいと言われていますが、あえて目標を設定し、有効な手段を講じることが求められます。
そこで、新たなプランの策定に当たって、
意識改革項目も含め、
数値目標を導入すべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、
配偶者等からの暴力への対策についてです。
札幌市は、昨年11月に
配偶者暴力相談センターを開設するなど、女性への
暴力対策に積極的に取り組んでいます。こうした取り組みが、この問題への周知度を高め、あるいは顕在化させるなどの成果によるところが大きいと思われますが、市内の相談件数は年々増加し、昨年度は5,767件であり、そのうち札幌市民は84%で4,838人と推定されています。さらに、今回の
意識調査では、ドメスティック・バイオレンス、DVについて経験したり、見聞きしたことのある人の割合が合わせて32%に上るなど、問題の根深さをあらわしています。
そこで、一つ目に、地域における
協力体制づくりについてです。
被害者の発見や自立に向けての
心理的社会的支援には、身近な地域住民や
ボランティアなどによるきめ細かい協力が必要とされます。そのために、民生・児童委員などの協力や
ボランティアによる支援体制を整備すべきと考えますが、その取り組みについて伺います。
二つ目は、若年者における
交際相手からの暴力への対応についてです。
昨年、内閣府が実施した調査によりますと、10歳代から20歳代の結婚前に
交際相手がいた、またはいる人の約1割に暴力の被害経験があったとなっています。さらに、受けた行為について、自分でも悪いところがあると思ったなどの理由で、半数近い47%がどこにも相談していません。このことから、
交際相手からの暴力が人権侵害であるという認識が低く、親密な関係であることから潜在化しており、まさに
配偶者暴力防止法施行前の
配偶者暴力と同じ状況にあると言えます。
そこで、札幌市の
配偶者暴力対策については一定の評価をしたところですが、マスコミで
デートDVとも言われている
交際相手からの暴力についても、犯罪になる行為を含む暴力であることを周知し、また、暴力を顕在化させる意識啓発が必要であると考えますが、その取り組みについて伺います。
次に、福祉政策についてです。
障害者自立支援法における障がい乳幼児への支援について伺います。
1点目に、
通園施設における
利用者負担軽減策についてです。
06年4月、
障害者自立支援法が施行され、障がい乳幼児においても、ことし10月からは障がい
児通園施設や
児童デイサービスの利用に応じて1割の費用負担、そして、給食費の実費負担が求められることになります。さらに、医療費、車いす・補聴器などの補装具の1割負担が加わり、障がいが重複し、重度であるほど費用負担が大きくなることが明らかになっています。
そこで、質問です。
乳幼児期に障がいの早期発見、早期対応、早期療育、
保護者支援などを速やかに行うことによって子どもの確かな発達を促すことができ、障がい乳幼児の療育支援について特別の配慮が求められることは言うまでもありません。
通園施設の利用において利用料及び食費負担の軽減等、札幌市独自の
負担軽減策を検討すると伺いましたが、実施に向けた具体策を改めて伺います。
2点目に、障がい
児放課後対策についてです。
障がい
児デイサービスのあり方についても、ことし10月から根本的に変わり、養護学校から帰ってきて保護者が迎えに来るまで事業所で過ごす、家族が用事を済ませたり一時的休息のために事業所を利用するなど、これまでの障がい
児デイサービスの利用の仕方は、今後は
放課後対策とみなされ、
地域生活支援事業の中の日中一時支援というメニューで行うことになります。新基準の
児童デイサービスについては、療育を必要とする18歳未満までが対象ですが、利用者の7割を就学前児童が占めていなければ事業所として認められないなど、厳しい要件がつけられました。また、今回の見直しで、学齢児への対応としてこれまでの
タイムケアやレスパイトなどを市町村の
地域生活支援事業で対応する方向とし、これまでの
デイサービスに比べ
サービス単価が大幅に下がるなど、事業所の経営が困難になることが懸念されます。
そこで、質問ですが、障がい児の
放課後対策は、単なる預かりではなく、思春期にかけての子どもの
発達支援として極めて重要であり、学齢児の
発達支援をしっかり位置づけることが必要と考えます。市長は、本市における障がい児の放課後の実態をどのように受けとめ、今後、
児童デイサービスや日中一時支援等、障がい児の
放課後対策をどのように充実させるおつもりか、伺います。
また、地域で安心して過ごすことができる障がい児の
放課後対策事業の拡充に向けた
財政的措置等について、今後どのように確保していくおつもりか、あわせて伺います。
次に、
子ども政策についてです。
札幌市子どもの
権利条例制定に向け、7月3日から8月1日まで条例素案に対する
市民意見募集が行われ、3,504人から意見が寄せられました。うち62.5%、2,189人が子どもであり、さらに募集期間の終了後も1,452人の子どもたちから意見が届いたと報告がありました。学校現場の協力のもと、これほど多くの子どもたちから意見が寄せられたことは大変意義深く、子どもの権利条例への関心の広がりを感じております。
市民ネットワークは、これまで、当事者である子どもの参加による条例づくりを訴え、さまざまな提案を行ってきました。高校生を含む子どもの
権利条例制定検討委員会の設置や子ども委員会の設置など、子ども当事者参加で条例づくりを進めてこられたことを高く評価しております。
子どもが権利の主体として尊重され、大切な一人の人間として生き生きと自分らしく生きられるよう、子どもの最善の利益を目指す札幌市子どもの権利条例の一日も早い制定を強く求めます。
そこで、子どもの権利に関連しまして、以下、3点質問いたします。
1点目に、子どもの活動を支援するサポーターの育成についてです。
ことし4月にオープンした屯田北児童会館は、地域の子どもたち29名が子ども検討委員会に参加し、設計段階から主体的にかかわり、子どもたちの意見が反映された児童会館です。中学生や高校生の利用も多く、地域で人気の子どもの居場所になっています。
このように、現在、中・高生が利用できる児童会館は市内に20館あります。また、各区1館ずつ10館で子ども主体の運営委員会が設置されると聞いております。こうした中・高生の居場所づくりや子どもの活動を支援していくには、子どもたちの声をきちんと聞き、一緒に考え、一緒につくっていくサポーターが必要です。
そこで、子どもたちに寄り添って一緒に活動できる大人たちが子どもとともに魅力的な居場所づくりを進めることが望まれますが、今後、子どもの居場所づくりや活動を支援するサポーターの育成についてどのように進めるおつもりか、伺います。
2点目に、子どもの権利条約や条例の普及啓発の拡充についてです。
このたびの条例素案に対し、3,504人が意見を出したことは、普及啓発の年とされた04年に比べ、数段、周知が進んだ結果と考えられますが、子どもの権利保障に向けては大人と子ども双方の意識の向上が重要です。そのためには、大人から子どもへ、子どもから子どもへ、そして子どもから大人へ、このようにいろいろな構図で情報発信し続けない限り、大人が教える権利だけでは広がらないと考えます。
そこで、全戸配布である広報さっぽろに子どもの権利のコーナーを常設し、毎月、継続的に子どもたち自身も執筆したり、担当者やそれを支援する大人が執筆したり、メッセージを送り続けることが重要と考えますがいかがか、伺います。
3点目に、子ども施策関連部局の連携の拡充についてです。
子どもの権利を保障し、子ども施策を推進していくためには、庁内の子ども関連施策担当部課連絡会議等において子どもの最善の利益を目指し、横断的に取り組んでいくことが重要なことは言うまでもありません。
そこで、本市においても、全庁的に関連部局の連携を拡充し、子ども施策の事業展開を図るとともに、職員や子ども施設の職員における子どもの権利保障に関する意識の向上を図ることが必要と考えますがいかがか、伺います。
次に、学校図書館についてです。
01年、子どもの読書活動推進法が制定され、本市でも05年に札幌市子どもの読書活動推進計画が策定されました。また、同年7月には文字・活字文化振興法が制定され、子どもの活字離れや読書離れが指摘されている今日、このような法律が制定されたことは大変意義深いものととらえております。
現在、学校図書館地域開放事業が実施されていますが、開放校86校中、中学校で実施しているのは2校のみとなっています。幼児期から小学校までは読み聞かせや
ボランティア等によりある程度の読書支援は整備されてきており、高校では主に図書館の業務に携わる職員が配置されていることから、これらと比較してみても中学生への読書支援が現在最も立ちおくれていることは明らかです。
市民ネットワークでは、思春期と言われる中・高生の心の成長にとって読書は大切な役割を果たすものであり、社会に対する興味・関心にもこたえることができる読書への支援が重要との観点から、これまでも、公共図書館に中・高生向けのコーナーを設置し、学校図書館には専任の司書を配置するなど、中・高生への読書支援の充実を求めてきました。
読書に対する関心や興味を持ちながらも、図書館をほとんど利用せず、不読者率が高い中・高生への支援に力を入れるべきではないでしょうか。
05年に学校図書館を考える会・北海道が、中学校図書館の課題と問題点を明らかにするために、札幌市立中学校図書館の実態調査を行いました。調査は、実際に学校を訪問し、現場の様子を見ながら聞き取り調査をしていることから、実態に即した結果が出ているものと受けとめております。
そこで、今回の調査結果を踏まえて、3点質問いたします。
質問の1点目は、司書教諭の発令についてです。
今回の調査で、司書教諭のほとんどが入学式や始業式、PTA総会できちんと司書教諭として紹介されていないことが明らかになっており、中には司書教諭として発令されたことを本人が知らされていないケースもありました。本市の司書教諭の発令方法については、各学校の校長が判断、決定し、教育委員会に報告するとお聞きしております。横浜市や市川市などでは、年度初めに全市の校長と司書教諭が出席する教育委員会による発令式が実施されています。
司書教諭には学校図書館の役割と司書教諭の職務等を伝え、それを実現するには校内での協力体制をつくる責務があることを校長と司書教諭双方に伝えることで、学校図書館の果たすべき役割について認識を共有することができます。学校図書館は、学校図書館法においてその設置と目的が明記されている設備であることから、その役割と専門性への理解を深め、司書教諭については、単なる校務分掌ではなく法に基づく職務であることが明確に認識されるために、校長推薦による教育委員会発令とすることが重要と考えますがいかがか、伺います。
質問の2点目は、校内協力体制についてです。
学校図書館には、専任の学校司書と司書教諭の2人の専門家が必要なことは言うまでもありません。
しかし、学校図書館担当組織には司書教諭1人しか配置されていない場合が多く、教科を担当しながらの兼務の上、学級担任や部活動の顧問、学校行事などで図書館にいる時間を確保するのが難しいのが現状です。また、そのほかの教職員もそれぞれの分掌で多忙なため、協力を依頼することが非常に難しい上、学校図書館や司書教諭の役割についての理解が得られていない場合も見受けられます。
今回の実態調査で、中学校図書館の開館時間については、昼休みは調査した10校すべての学校が開館していますが、わずか15分から20分間であり、2校は昼休みだけしか開館していませんでした。兼務の司書教諭が運営を担っている現状において開館時間の拡大を進めるためには、校内の協力体制は不可欠です。
そこで、質問です。
教育委員会は、これまで学校図書館の運営については校内の協力体制によって進めると答弁されてきましたが、具体的にどのような組織体制をイメージしておられるのか、伺います。
あわせて、校内の協力体制を推進していくために、教育委員会として各学校にどのような働きかけをしてこられたのか、伺います。
3点目は、教職員の学校図書館にかかわる研修の充実についてです。
今回の調査で、司書の資格を持っていても選書や廃棄、配架など、実践的なスキルについての悩みが深いことが明らかになったことから、今後、司書教諭の専門性を高めていく研修体制が必要です。また、管理職を初め、そのほかの教職員の理解を広げるための研修体制も欠かすことはできません。
学校教育の展開に寄与する学校図書館の役割と可能性への認識を、管理職も含めた学校職員全体が共有し合うことが今後一層求められます。司書教諭の専門性の向上を図るために、理論だけではなく実践面でのスキルアップ研修を参加しやすい形で体系的に実施するほか、管理職を初めとする教職員の理解を広げるために、役割に応じた体系的な研修の充実が必要と考えますがいかがか、伺います。
次に、環境問題についてです。
1点目に、ごみ政策について伺います。
札幌市の05年度のごみ排出量は、家庭ごみと事業系ごみを合わせて年間約88万トンに達し、そのうち約70万トンのごみが焼却され、焼却灰も含め、約20万トンが埋め立て処理されています。
日本のごみ焼却は、公衆衛生行政の一環として始まりました。高度経済成長以降、焼却施設がふえ続け、さらに、90年代後半から始まったダイオキシンの規制に伴って大型の焼却炉が新設され、現在、世界の焼却炉の70%以上が日本にあります。
本市においても、02年に建設費約570億円をかけて24時間連続稼働の白石清掃工場を建設しました。04年には発寒清掃工場の排ガスから国の基準の1.7倍のダイオキシンが検出されたため、07年度に約30億円のバグフィルターの設置を計画するなど、焼却処理に関する費用は増大する一方です。例えば、清掃工場を1カ所廃止し、新たな清掃工場を建設しなかったとした場合、削減できる年間の人件費と維持管理費は約18億円と大きなものとなり、新たな施策への財源ともなり得ます。
市民ネットワークは、環境に負荷を与えず持続可能な循環社会を構築するためには、リサイクルよりもリデュースやリユースを優先し、焼却、埋め立てという対策からごみの発生抑制という対策に転換することが最も重要と考え、これまでも蛍光管の回収や事業系の資源物回収、家庭系の廃食油や雑紙回収などを提案してきました。
現在、札幌市では、廃棄物減量等推進審議会を設置し、ごみプラン21の改正を検討しています。中間取りまとめ案では、発生するごみ量を低減し、ごみ処理に伴う環境負荷をできる限り少なくする、ごみ処理費用の削減を目指すなどを基本方針としています。
市民・事業者・行政が徹底的にごみの発生を抑制し、ゼロ・エミッション都市札幌を実現するためには、ごみ政策の根幹に脱焼却という理念を据え、将来的には清掃工場を減らしていく方針のもと、今後のごみ減量施策に取り組むべきと考えます。
そこで、一つ目の質問です。
これまでのごみ処理の象徴とも言える焼却については、衛生的に短期間で処理できる反面、清掃工場等の維持管理に多額の費用がかかるほか、CO2発生など環境に及ぼす長期的な影響も懸念されます。また、今後、より一層リサイクルが進み、焼却ごみの占める割合が高い紙ごみと生ごみが減少すると焼却ごみ量も減少し、焼却重視の政策は大きく変わらざるを得ません。
そのようなことを踏まえ、現在の焼却中心のごみ処理体制については転換せざるを得ないと考えますが、今後の見通しについて伺います。
二つ目は、将来的に清掃工場を廃止していくためには、今まで以上のごみ減量が必要です。市民にとってわかりやすい具体的な減量目標として、清掃工場を一つ廃止するといった大胆なスローガンを掲げ、それによってごみ減量政策を進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目に、バイオディーゼル燃料についてです。
バイオディーゼル燃料、いわゆるBDFは、温室効果ガスの増加につながらないクリーンなエネルギーというだけではなく、原油高で軽油が高騰する中、原油の代替燃料として全国的に需要が高まっており、成果が注目されるところです。
市民ネットワークは、CO2削減に向けたバイオ燃料の活用について、市民・事業者・行政が連携・協働して家庭や飲食店等の廃食油を回収し、燃料として再利用する仕組みづくりを進めるべきこと、また、製造されたバイオ燃料を市が率先してごみ収集車などの公用車で使用すべきことを提案してまいりました。
札幌市においては、この10月より、市内の飲食店チェーンやBDF製造業者、ごみ減量実践活動ネットワークの協働で廃食油を回収し、資源化するモデル事業を行うとしています。家庭廃食油の減量と資源化を促進するとともに、自動車の排気ガス等による大気汚染・地球温暖化防止を促進するためにも非常に有効な取り組みであると評価しているところです。
今後は、市民の利便性を向上させるためにも、既に地域の拠点となっている
まちづくりセンターなどの公共施設も回収拠点に加えたり、また、市内で既にBDFリサイクル事業に取り組んでいる知的障がい者施設など、小規模作業所等との連携もぜひ進めていただきたいと思っております。
そこで、質問いたしますが、市長は、今回の家庭用廃食油資源化促進事業をどのように評価され、今後、札幌市としてどのように支援していくおつもりか、お考えを伺います。
また、このような取り組みは本市の中だけではせっかくの効果も限られるため、できれば北海道全体の取り組みとなって、BDFの供給はどのまちでも可能になることが最も望ましいと考えております。
そこで、今後、同様の取り組みを行っている近隣市町村や道とも連携し、情報共有を行い、さらに大きな取り組みにしていくべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
三つ目に、公園のあり方についてです。
06年4月に改正された介護保険制度の柱の一つに介護予防が導入されたことを受け、本市でも、機能訓練やパワーリハビリテーションなど介護予防事業に取り組んでいるところです。高齢化が進む中、住みなれた地域で元気に介護を受けずに老後を過ごすことはだれもが願うことです。しかし、そのためには日ごろから体を動かすことが必要ですが、気軽に運動ができる場所や機会が少ないのが実情です。
そのような中、介護予防などに役立つ高齢者向けの健康遊具を導入する公園が全国的にふえています。国土交通省の04年度調査によると、3年前の01年に比べ、揺りかご型ブランコが72%減、つり輪42%減、回転塔16%減など、子ども向け遊具が減少する中、健康遊具は32%増と、公園遊具の中ではトップの増加率を示しています。
いわゆる介護予防公園の第1号となった東京千代田区の西神田公園では、背伸ばしベンチや上下ステップなど8種8基の健康遊具を設置し、各遊具のそばには適切な使用方法を図解入りで説明した看板を設置し、初心者でも気軽に使えるよう配置されています。さらに、こうした公園の利用者は、高齢者に限らず、サラリーマンなどさまざまな年代の人たちにも拡大し、子どもたちも遊び道具に活用するなど、地域で暮らす多様な市民が集う場となっていることが注目されています。
札幌市でも、06年4月現在、92の公園に427基の健康遊具が設置されています。しかし、使用方法を明記したパネルや看板が少ないため、せっかく設置してある健康遊具が十分に機能していないところが多いようです。新規の公園設置や公園のリフレッシュ事業を実施する際には、健康遊具の特性や効果等について広く市民へ情報提供を行うことも必要です。
健康遊具を設置した介護予防公園は、高齢者の介護予防効果だけではなく、多世代間の触れ合いも期待できるため、地域コミュニティーの交流の場として、これまで以上に公園の価値が高まるものと考えます。
そこで、質問です。
一つ目に、現在、既に健康遊具を設置している市内92カ所の公園については、遊具の使い方がわかるようなパネルや看板などの工夫を図り、多くの市民へ健康遊具やいわゆる介護予防公園をPRするなど情報提供をすべきと考えますがいかがか、伺います。
二つ目に、今後、新たな健康遊具の設置に向けては、環境局と保健福祉局が連携し、近くに高齢者施設や障がい者施設があるなどの立地条件を考慮するほか、公園を利用した地域のお祭りや運動会などの行事の際には、専門のインストラクターを派遣して参加者に遊具の使い方や介護予防についての説明をするなど、介護予防への関心を高めることも必要と考えますがいかがか、伺います。
三つ目に、これからの公園は、子どもたちが安全で安心して遊べると同時に、高齢者も障がい者も健常者も、地域に住む多様な市民が楽しく集える公園へと転換が求められます。新たな公園の設置や既存の公園の活用については公園を利用する当事者参加で進め、地域コミュニティーの交流の場となる公園整備を進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
最後に、若者の自立支援についてです。
バブル崩壊後、景気低迷による先行きの見えない社会状況は、若者たちの働き方や生き方に多大な影響を与えています。06年の労働経済白書では、15歳から34歳の若年層の就業環境がさらに悪化していることが明らかになりました。他の年代に比べると失業率は高く、フリーターは201万人で若年人口に占める割合は11.2%、就学も就労も就業訓練もしていない若年無業者ニートは64万人で2%となっています。
若者が希望や意欲を失い、社会的に孤立していく状況は、雇用や就職の問題にとどまらず、日本の将来にわたる重大な問題であり、若者の自立支援は社会全体で取り組むべき喫緊の課題と言えます。若い人たちが、10年先、20年先、札幌で真に自己実現できる
まちづくりが求められています。
そこで、質問ですが、1点目に、本市において、いわゆるフリーターやニートといった若者たちの現状をどのように把握し、受けとめておられるのか、基本的認識を伺います。
こうした中、厚生労働省が05年度に若者自立塾を創設、06年度には地域若者サポートステーションを設置し、内閣府では若者たちに向けた就職支援サイト、ニュートラというホームページを開設するなど、国は若者の自立を促すさまざまな施策を打ち出しています。
本市においても、新たな発想で若者たちが自主的にチャレンジできる取り組みを積極的に行うべきと考えますが、若者の自立支援について今後どのように進めていくお考えか、あわせて伺います。
2点目に、若年無業者、いわゆるニートと言われる若者支援についてです。
欧米主要国においては、1990年代から若者の失業や若年無業者の増加といった問題に直面しており、さまざまな対策を行っています。例えば、アメリカの若年無業者に対する支援としては、ジョブコアという連邦労働省による無料の教育・職業訓練プログラムがあり、個人の特性や目的に合わせて個別に進められています。イギリスでは、10代の若者に対する包括的支援策であるコネクションサービスを創設し、雇用から教育、住宅、家族、精神衛生など、多岐にわたる支援を行っています。
ニートの自立支援に向けては、地域の実情に応じた就労支援策が重要であり、自治体の役割は大きいものがあります。福井県や新潟県などでは、ニートに関する実態調査の研究会を立ち上げ、若者支援に向けた独自の取り組みを行っています。また、NPOによる支援も広がりつつありますが、いわゆるニートに対する支援においては、個人の状況に応じたきめ細かい対応を欠かすことはできません。
そこで、質問ですが、さまざまな先行事例を参考にし、本市においても、経済局、保健福祉局、教育委員会など関連部局と連携して、いわゆる若年無業者の現状把握調査を行うなど、ニートの自立支援や家族支援に向けて全庁的な取り組みを進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
以上で、私の質問のすべてを終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
大越誠幸) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 7点にわたりましてご質問をいただきましたので、私からは、
市民主体の
まちづくりについてということと、女性政策についての2点について申し上げ、その余は担当副市長並びに教育長から答弁をさせていただきます。
初めに、
市民主体の
まちづくりについてということのご質問についてお答えをいたします。
1点目の
審議会等における
市民参加の推進についてでありますけれども、札幌市では、従前より、これらの委員を公募するということを進めてきたところでありますが、平成17年3月には、札幌市附属機関等の設置及び運営に関する要綱というものをつくりまして、この要綱に委員の公募制に関する規定を盛り込みまして、さらに、これに積極的に取り組んできたところでございます。現在のところ、18の
審議会等について委員の公募を行っておりますが、今後とも、
審議会等の性格に応じて積極的に公募を進め、市政への
市民参加を推進していきたい、このように考えております。
また、どちらか一方の性に偏ることのないようにすべきということでありますが、特定の技術分野における有識者や関係する業界団体の役員に女性がいないなどのさまざまな事情、理由によりまして、女性登用が困難なケースとなっているものもございます。
しかし、札幌市では、女性が全く参加していない附属機関等がなくなるようにこれまで努力をしてまいりました結果、現在のところ、男性だけの附属機関が6機関にまで減りました。これは、東京都を含めた16大都市で3番目に少ない数、そこまで努力をしてきたという結果でございます。
女性委員の登用率についてでございますが、平成24年度までの目標を40%としておりますけれども、施策の対象であります市民の半数はもちろん女性でありますので、最終的には男女同数で構成されることを目指しているということでございます。
2点目の
市民会議等の制度化についてであります。
札幌市では、市民の視点、そして生活感覚に基づく多様な意見を市政に反映するために、これまで幾つかの
市民会議を設けて貴重な提言をいただいてまいりましたけれども、会議の委員構成や運営に関しましては、いまだに試行錯誤を重ねているという段階にあろうかというふうに思います。
ご提案の制度化につきましては、重要な案件の範囲をどのように設定するかなど、整理していくべき課題は多いというふうに考えておりますが、引き続き実践を積み重ねながら研究をしていきたい、このように考えております。
いずれにいたしましても、本議会にご提案をしております
自治基本条例案において
市民参加を一層進めていくことといたしておりますように、今後も、
市民会議を初めとしたさまざまな参加の機会を設け、市民意見を積極的に取り入れてまいりたい、このように考えておるところであります。
3点目の
協働契約の導入についてでございます。
協働契約につきましては、議員ご指摘のとおり、NPOなど
市民活動団体と行政の間の新しい契約の仕組みとして注目され始めているところでありますが、まだ研究段階の考え方でございまして、現在、全国の自治体における導入の事例がない、こういう状況にございます。
協働契約には、対等な関係のあり方、責任の所在、権利の帰属など、現行の法制度との整合性の問題を初め、さまざまな課題があるというふうに認識をしているところでございます。
これまで、札幌市では、
市民活動団体との協働の取り組みとしてさっぽろ元気活動プロポーザル事業というものを実施してまいりましたので、今後もこのような協働の実践を積み重ねていくこととともに、他の自治体の動向も見きわめながら
協働契約について引き続き研究をやっていきたい、このように考えております。
次に、女性政策についてお答えをいたします。
1点目の新たなプランへの
数値目標の導入についてでございます。
札幌市では、
男女共同参画さっぽろプランの見直しについてということを札幌市
男女共同参画審議会へ平成17年11月に諮問をしておりますが、あす9月29日に新しいプランの答申及び
男女共同参画の
数値目標の設定に関する意見書をいただく予定となっております。この意見書では、これまでの77の指標項目のほかに、意識改革を含めた新たな7項目が追加され、これらに
数値目標が設定される見込みでございます。
今後は、
男女共同参画実現に向けた取り組みをより積極的に推進するために、指標によるプランの進捗状況確認だけではなくて、
数値目標も必要であると考えておりますので、審議会からの答申を基本としながら、市民の意見を踏まえて
数値目標を導入した新しいプランを策定してまいりたい、このように考えております。
2点目の配偶者からの暴力への対策についてであります。
まず、民生委員、児童委員などの協力や
ボランティアによります支援体制につきましては、ことし2月に策定をいたしました札幌市
配偶者暴力防止及び被害者の支援に関する方針におきまして、
配偶者暴力の未然防止に向けた普及啓発や早期発見のための地域への協力の仕組みづくりを進めていくこととしております。
具体的には、民生委員、児童委員の方々が日常の活動の中で被害者を発見した場合に、札幌市
配偶者暴力相談センターなどの機関を紹介できるように研修等を実施いたします。
また、
ボランティアにつきましては、ことし3月から来年2月までの1カ年をかけましてDV被害者支援
ボランティア養成講座というものを実施しているところであります。この講座では、被害者が求職活動をする間の託児だとか、病院、役所等に行くときの同行、話し相手など、自立に向けたサポートをする
ボランティア、さらには、DV被害防止に向けた普及啓発を行う
ボランティア、計50名を養成しているところであります。
ボランティア養成後は、
配偶者暴力相談センターなどの関係機関と連携をいたしまして、地域で被害者のニーズに応じた支援ができる体制を整えていきたい、そういう体制を構築していく予定でございます。
次に、若年者における
交際相手からの暴力についての取り組みでありますが、札幌市では、
配偶者暴力についての情報提供は結婚前から行うことが効果的であるという判断から、これまでも、協力を得た大学で
配偶者暴力に関するリーフレットを配布したりしてまいりました。
今後は、若年者にも
配偶者暴力相談センターなどの相談機関を活用してもらえるような、そういうPRをするなど、若年者向けの相談業務にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、新しいリーフレットを作成いたしまして、市内の大学や専門学校、あるいは高校にも周知の協力を呼びかけてまいりたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(
大越誠幸) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私からは、3点お答えをいたします。
まず、福祉政策についてであります。
1点目の
通園施設における
利用者負担軽減策につきましては、これまでの代表質問でもお答えしてきましたとおり、現在、その内容の検討を急いでいるところであります。
次に、2点目の障がい
児放課後対策についてであります。
障がい児の
放課後対策につきましては、福祉、子育て、教育の諸施策が相互に連携を図りながら取り組む必要があると考えております。
福祉の分野では、未就学児を中心とし、療育に重点を置いた
児童デイサービスと児童の放課後の受け入れや保護者の休養に配慮した日中一時支援がありまして、この二つが今後における障がい児の
放課後対策の主なものとなります。このうち、
児童デイサービスにおける就学児の受け入れは定員の3割まででありますが、日中一時支援と組み合わせて事業者の創意工夫により柔軟な対応ができることから、事業報酬等の中で10月以降の運営が可能になるものと考えております。
次に、
子ども政策についてお答えいたします。
まず、1点目の子どもの活動を支援するサポーターの育成についてであります。
子どもが地域で安全に、そして安心して暮らし、健やかに成長するためには、地域の力に負うところが極めて大きく、現在、地域では子どもを見守る活動や異世代交流といった子どもにかかわる取り組みが非常に盛んになってきております。こうした活動を支えている子どもたちのサポーターをさらに拡充していくために、
まちづくりセンターや児童会館が中心となって地域情報を発信するとともに、ネットワーク化を図るなどして活動の輪を広げ、サポーターを育成してまいりたいと考えております。
次に、2点目の子どもの権利条約や条例の普及啓発の拡充についてであります。
子どもの権利の保障に向けて、まずは子どもにも大人にも市民全体に子どもの権利の理念を普及することが必要であります。これまで、条例制定に向けた取り組みを通してさまざまな普及啓発活動を行ってまいりました。議員ご指摘の広報さっぽろにつきましても、情報発信の重要な媒体であると認識し、子どもの意見も取り入れるなど、より効果を高める工夫をしながら広報に努めてきたところであります。
これからにつきましても、広報さっぽろを最大限に活用しつつ、さまざまな手法によりまして子どもの権利の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
3点目の子どもの施策関連部局の連携の拡充と職員の意識向上についてであります。
札幌市では、子ども関連施策の推進に当たり、札幌市保健福祉施策総合推進本部に次世代育成支援推進部会を設置するなど、関係部局が連携をしながら進めております。これからも、子どもに優しい
まちづくりを積極的に進めてまいりますが、そのためには、施策に携わる職員一人一人の、より一層子どもの権利保障の視点を大切にするという意識の向上が最も重要であることは言うまでもございません。
このようなことから、今後は、より多くの部局による子ども関連施策への取り組みを進め、次世代育成支援推進部会の拡充といった連携の強化などを通じ、より多くの職員の意識の向上を図ってまいりたいと考えております。
次に、若者の自立支援についてお答えいたします。
1点目の若者の現状と自立支援についてであります。
フリーターや若年無業者、いわゆるニートといった若者の現状につきましては、就職氷河期と呼ばれる時代に心ならずも自分が希望する就職機会を得られなかった若者が存在していること、新卒者の早期離職傾向が全国に比べて高いことなど、厳しいものがあると認識をしております。
フリーターやニートの状態が続きますと職業能力形成が進みにくいため、将来にわたって不安定な就労状況になることが予想される一方、社会的には技術の継承や蓄積が行われず、生産性の低下など、地域社会全体の活力の低下を招くおそれがあると考えております。
そこで、札幌市といたしましては、各種の経済活性化策を進める一方、これらの若者の自立を支援するため、今年度から若年層就業体験支援事業、通称ジョブチャレンジ事業を開始しております。この事業は、35歳未満の若年層を対象として、インターンシップを中心に、事前にビジネスマナーやカウンセリングなどの研修を実施し、事後にもフォローアップ研修や合同企業説明会を設けるなど、受講者を一定期間継続的に支援することにより、就業意欲を喚起し、具体的な就職に結びつけようとするものでございます。
2点目のニートに対する支援についてでありますが、ニートの自立支援につきましては、厚生労働省が、今年度から、これら若者の置かれた状況に応じて個別的、継続的に包括的な支援を実施していく新規事業を進めており、本年9月に、北海道を事務局として関係行政機関やNPO等の支援団体で構成される北海道若者自立支援ネットワーク連絡会議が設置されております。
札幌市では、このネットワーク会議に経済局、保健福祉局、教育委員会が参画しておりまして、各構成機関・団体等と連携しながら、本事業の内容充実や情報交換などを通じてニートの職業的自立に向けた支援に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
大越誠幸) 加藤副市長。
◎副市長(加藤啓世) 私から、環境問題についてお答えをいたします。
1点目のごみ政策についてでございます。
一つ目の今後のごみ処理体制の見直しについてでありますが、焼却は、大量のごみを衛生的に処理し、最終埋立量を大きく減少させるために今後とも必要な処理方法であると考えておりますが、ご指摘のように、市民、事業者の皆さんのご協力により生ごみや紙ごみのリサイクルがさらに進み、焼却するごみ量が減量されることはより望ましいことであると考えております。
二つ目のわかりやすい目標によるごみ減量施策の推進についてでありますが、ごみの減量で基本とすべきことは、資源として活用できるものは可能な限り資源として使い、廃棄しなければならないごみ量を極力減らすことであると考えております。そのような観点から、これまでも、例えば、紙については集団資源回収の促進や古紙拠点回収の拡充などを進めるとともに、生ごみについても堆肥化機器の助成や地域内循環モデル事業などに取り組んでまいりました。
今後、さらに実効を上げるためには、市民、事業者の皆さんとの連帯を一層深め、より効果的な取り組みを行うことが不可欠であると考えております。そのため、ご質問のように、市民の皆さんがこぞって目指せるような高いごみ減量目標を掲げ、これを達成することが市民の皆さんにとっても利益になるということをご理解いただきながら、ごみ減量施策を進めてまいりたいと考えているところでございます。
2点目のバイオディーゼル燃料についてお答えいたします。
一つ目の家庭用廃食油資源化促進事業の評価と今後の支援についてでありますが、さっぽろスリムネットと企業の連携により実施される今回の廃食油の回収資源化事業は、市民・企業・行政の協働事業であること、特に、事業者の方が一般家庭の廃食油の回収、資源化をみずからの事業として行い、大きな役割を担っていただいている点で高く評価しているところでございます。
市といたしましては、より多くの市民の方が参加できる仕組みに育てていく必要があると考えておりますので、各種広報媒体などを活用しながら市民PRを重点的に行うことで支援してまいりたいと考えております。
二つ目の近隣市町村や道との連携についてでありますが、現在、道や石狩支庁管内の各市町村、そして、消費者協会やバイオマス関連事業者が協働で、同様の事業である「いしかりエコ燃料プロジェクト」を行う計画を進めております。したがいまして、家庭用廃食油の回収資源化事業が石狩支庁管内、さらには北海道全体の取り組みとして拡大していくよう、本市としても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
3点目の公園のあり方についてお答えいたします。
一つ目の健康遊具の情報提供等についてでありますが、札幌市民の皆さんに有効にご利用をいただくためにはパネルや看板の整備も必要と考えております。今後、現地調査を実施した上でパネル等の設置方法やPRに工夫を加え、健康遊具がより多くの市民の皆様にご活用いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
二つ目の公園の健康遊具を利用した介護予防の普及啓発についてでありますが、既に介護予防センターなどでは、介護予防事業の中で散歩や体操、レクリエーションの場として公園を利用しておりますが、今後は、さらに設置している健康遊具について広く福祉関係団体や利用者に周知することで、身近な公園施設を活用した健康の維持・増進、体力づくりや介護予防の推進などが図られるよう努めてまいります。
次に、二つ目の健康遊具の新たな設置と三つ目の公園整備について、一括してお答えをいたします。
本市では、公園整備に当たっては、これまでも、ワークショプなどを通して情報提供をし、地域の方々の意見を伺ってきたところでありますが、さらに、担当部局の連携による近隣の福祉施設等の設置状況やそのニーズの把握にも努めてまいりたいと存じております。今後においても、健康遊具の設置も含め、地域の皆様と一緒に、だれもが使いやすく楽しめ、地域コミュニティ交流の場となるような公園づくりを目指して整備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
大越誠幸) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から、学校図書館につきましてお答えを申し上げます。
1点目の司書教諭の発令についてでございます。
司書教諭につきましては、各学校の校内体制の中で校務の一つとして分掌するものでありますことから、その発令につきまして、札幌市におきましては、教務主任や学年主任などの主任等と同様に、学校管理規則において校長が命じ、教育委員会に報告することと規定しているところでございます。この発令が校内体制の中で有効に機能するようにするために、改めて校長に対して指導を徹底してまいりたいと考えております。
次に、学校図書館の運営に関する校内協力体制についてであります。
学校内におきましては、学校長の指導のもと、司書教諭が中心となり、学級担任の協力、教科担任による利用指導、児童生徒の委員会活動等が有機的に連携するよう取り組む中で校内の共通理解が図られまして、学習情報センターと読書センターという学校図書館の持つ二つの機能が十分発揮できるような体制が望ましいと考えております。
教育委員会といたしましては、こうした考えに基づきまして、司書教諭等を対象とした研修の場や指導主事による学校訪問等を通して、学校図書館が有効に活用され、児童生徒の読書活動が積極的に推進されるよう働きかけてきたところでございます。
最後に、学校図書館に関する研修の充実についてでございます。
司書教諭を含めた図書館担当者を対象とした研修は、教育センターにおいて実践的で実務に即した研修講座を実施するとともに、管理職を講師として学校全体の図書館経営にかかわる講座を設けるなど、年々、講座数もふやしながら、その充実を図ってきているところでございます。さらに、現在作成を進めております学校図書館活用の手引に基づきまして、司書教諭の専門性をより高めるための研究協議会を開催することによって、司書教諭の実践的能力の向上を図りたいと考えております。あわせて、管理職に対しまして、教育方針説明会等を通し、学校図書館の運営がより円滑になされるよう働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○議長(
大越誠幸) ここで、およそ30分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時12分
再 開 午後2時41分
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
小須田悟士議員。
(小須田悟士議員登壇・拍手)
◆小須田悟士議員 私は、一昨日の自由民主党議員会・山田一仁議員の代表質問に引き続きまして、市政の諸課題、諸問題について質問をさせていただきます。
最初に、市長の政治姿勢についてであります。
平成15年6月に上田市政がスタートしてから、3年ちょっとが経過いたしました。44年ぶりの助役出身以外の市長誕生ということで脚光を浴びたような形となっておりますが、上田市長におかれましては、市民意見の多様さと公約実現の難しさ、そして、市役所という大きな組織や人を動かすことの大変さを改めて実感されているのではないでしょうか。と同時に、日ごろから、謙虚さというものを大事にされている市長のことですから、ご自分の至らない面についてもしっかり自覚されていることと思います。
そこで、私は、上田市長の市長としての資質や適格性に疑問を感じている多くの市民を代表して、その政治姿勢について、数点、お伺いいたします。
まず、1点目は、上田市政に対する市民と職員の評価についてであります。
上田市長は、就任とともに、施政方針としてさっぽろ
元気ビジョンなるものを掲げ、それを具体的に実行するために、市役所改革、
市民自治推進、
まちづくりの三つのプランを次々に打ち出しました。その手法は、それぞれ
市民会議というものを立ち上げ、市民意見を反映しながら策定しようというものであります。
ただ、この
市民会議というものがくせ者で、公募の委員も入れ、いかにも公正・公平な議論が行われているかのように見えますが、必ずと言っていいほど、市長の考えに近い学識経験者や弁護士などが
市民会議の中心人物として送り込まれ、市長の意向に沿うように議論が誘導される、実態はこんなものであります。それに、たかだか十数名の
市民会議から出される提案が、まるで多くの市民の意見であるかのように取り扱われること自体、非常に危険だと思うのであります。
さて、
元気ビジョンを掲げた上田市政になって、札幌のまちが、札幌の市民が本当に元気になったのかどうか、また、市役所改革というものが市民や職員の評価をしっかり得ているのかどうかについて検証してみたいと思います。
数字で少し述べてみますと、上田市長が就任される前の平成14年度と就任後の平成17年度を比べてみると、札幌市における生活保護の扶助費が778億円から915億円と、3年で137億円もふえております。驚くべき数字であります。(発言する者あり)一方、収入の根幹をなす市税収入は、2,682億円から2,611億円と実に70億円も減っているのであります。これは、財政の健全化のため市債の発行を抑えるという大義名分のもとに、道路や公園の整備を中心とした公共事業費を大幅に削減していることも大きな原因であります。
ちなみに、土木費の予算は、平成14年度は1,200億円規模であったものが、平成18年度には800億円規模まで激減しており(発言する者あり)、お金が回らなくなって(発言する者あり)、経済が活性化しないから市税収入は減り続け、仕事がないから生活保護の扶助費がふえ続けるという悪循環に陥っているわけであります。
こうしたことから、幾ら
元気ビジョンなどと言っても、札幌市は元気をなかなか実感できないでいるというのが現実の姿であります。つまり、上田市政については、元気な経済が生まれ安心して働ける街さっぽろとか、市役所改革、財政構造改革といったスローガンばかりが先行して、中身が伴っていないということを私は指摘したいのであります。
そのことを端的に示しているのが、マスメディアによる世論調査の結果であります。市長の任期の折り返しに当たる昨年6月に北海道新聞社が実施した世論調査によりますと、市役所は変わったと感じるかという質問に対し、実に6割もの人が感じないと答えております。また、市長選を1年後に控えた本年4月に同じ北海道新聞社が実施した世論調査では、上田市政を大変よい、まあよいと肯定的に評価する人が、1年前の47%から41%へと大きくダウンして、就任後、最低の数字となっております。逆に、余りよくない、全くよくないを合わせた現市政への否定派は、1年前の19%から26%へと大幅に上昇しております。一般に、地方自治体の首長の1期目は、期待も込めて、年ごとに支持率が高まる傾向にありますが、上田市長の場合は全く逆の傾向をたどっているのであります。
それと、非常に興味深いのが、市役所の労働組合がことしの5月に本庁勤務の組合員を対象に実施したアンケートの結果であります。それによりますと、上田市長の市政運営を評価するというのが31%程度にすぎず、評価しないというのが26%、どちらでもないというのが39%という結果が出ています。また、複数回答方式でありますが、上田市政を今までと特に変わりはないと見ているのが28%、市民向けのパフォーマンスにすぎないと見ているのが25%にも及んでおります。
そこで、1点目の質問でありますが、マスメディアの世論調査によって上田市政を肯定的に評価する割合が大きく落ち込み、一方で、否定派が大きな割合を占めるに至っている状況を市長はどのように受けとめておられますか。また、日々、市長のもとで仕事をし、また有力な支持母体であるはずの市役所労働組合の組合員の中で、現市政を評価するという人が3割程度にすぎないことや、組合員の中からでさえ、今までと変わりがないとか、市民向けのパフォーマンスが過ぎるという意見が多いことを市長はどのように受けとめておられるのか、率直な気持ちをお聞かせ願いたいと思います。
次に、今の市役所が職員にとって自由に物が言える雰囲気になっているかどうかということについてであります。それは、市の内部から、市長は職員の声や意見になかなか耳を傾けようとはしないという不満の声が私どもによく聞こえてくるからであります。
例えば、市長が任期中にどうしても仕上げようとしている自治基本条例や子どもの権利条例、市民活動促進条例に対しても、市長は、皆さんの職場でもよく議論してくださいなどと職員にメールを発信しておるとのことでありますが、市役所内で広く自由に議論している様子は全くと言っていいほど見当たりません。これは、市長の意向に沿わないような発言をすると、機嫌を損ねてにらまれたり、体制批判派だと受けとめられたりするため、物言えば唇寒しの風潮が職員の間に広がっているからだと言われております。
人権を大事にするはずの市長のもとでこのような現象が起きているのは、まことに皮肉なものであります。ことしの6月、公務員試験の大手予備校からインタビューを受けた市長は、市長の座右の銘はと聞かれて、「自信の中にも謙虚さを」ということであると答えておられます。その意味を、市長は、人間は謙虚でなければいけない、しかし、それは、こびへつらうことではなく、自信を持つこと、しかし、自信を持つということは、尊大であるということではなく、謙虚な気持ちを持ち続けること、そして、人の話をよく聞けという意味ですと答えているのであります。
人の話をよく聞け、実に立派な言葉であります。しかし、現実には、言っていることとやっていることが大きく食い違っているわけですから、市長のこの座右の銘発言を聞いて、苦笑いをする職員も少なからずいるのではないでしょうか。
そこで、2点目の質問でありますが、職員の間に、今や、市長には都合のいい情報や気に入られる話しか上がらなくなってきている、まるで裸の王様状態だとか、何か意見をするとにらみつけられたり人事で報復されたりするから、市長の機嫌を損ねるようなことは言わない方がいいといった声が数多くあることを市長はどのように受けとめておられるか、率直な気持ちをお聞かせください。
次に、政治姿勢の大きな二つ目として、市長の仕事ぶりが極めて公正・公平さを欠くのではないかという視点から、3点にわたりお伺いいたします。
自治体の長の仕事には、その職責の重さから、とりわけ公正さと公平さが求められるのは当然のことであり、公の場ではもちろん、内部の会議においてさえ、特定の団体や企業の名前を挙げて支持し、支援するようなことがあってはなりません。
そこで、質問の1点目は、市長が一民間企業に出向いていって講演をなされたということについてであります。
ことしの2月19日に、市長は公務員試験の予備校として有名な早稲田セミナーで、試験合格を目指す多くの受験生などを前に講演を行い、そのときの様子が、後日、写真などで紹介されたと伺っております。早稲田セミナーは、毎年、札幌市の職員採用試験で数多くの合格者を出している予備校でありますが、ほかにも公務員志願者のための予備校は幾つかあり、それぞれ合格実績を競っているわけであります。
そこで、質問ですが、そのような企業競争が繰り広げられている中で、市長が一受験予備校に出向いていって講演するということ自体が、特定の企業に肩入れすることになるとは考えなかったのか、さらに、市長のそのような行為が、公正であるべき職員採用試験に疑念を抱かせることにもなるとは思わなかったのか、明確な答弁をお願いいたします。(発言する者あり)
次に、2点目の質問として、ことし5月18日に開かれた各区の保健福祉部長会議の席における市長の言動についてであります。
聞くところによりますと、当日の会議に、市長が、急遽、出席してきて、何事かと思いきや、あいさつの中で、地域での子育てサロンの運営に特定のNPOを推奨するように発言し、出席者を唖然とさせたということであります。(発言する者あり)
○議長(
大越誠幸) 静粛に願います。質問中ですので、静粛に願います。
◆小須田悟士議員 (続)そこで、質問ですが、地域では、子育てサロンを立ち上げ、それを運営するために、町内会の役員はもとより、民生・児童委員や老人クラブの人たち、学校関係者などが汗を流して活躍されているのに、公正な立場を貫くべき市長のこのような発言が特定の団体を支援し、利することになるとは考えなかったのか、この点についても明確な答弁をお願いいたします。
次に、3点目として、市OB出資団体への再就職に関してお伺いいたします。
市長は、出資団体改革の一環として、市OBの再就職者数を減らすための取り組みを進めており、端的に例を挙げれば、平成16年度以降、札幌振興公社や札幌リゾート開発公社の社長の座にあった市のOBを次々とやめさせております。また、いろいろ理屈を並べて、札幌ドームの社長を務めていた桂前市長をも退任に追い込んだほどであります。
このように、市のOBの出資団体からの追放に並々ならぬ意欲を燃やしている市長でありますが、さっぽろテレビ塔などを運営している札幌市の出資団体、北海道観光事業株式会社の社長人事に関しては、随分と腰が引けているように見受けられるのであります。この社長は、札幌市の市民局長などを歴任して、平成11年に退職した方で、その年に北海道観光事業株式会社の社長に就任し、就任以後7年、66歳になりながら、いまだに社長の座に居座り続けているのであります。この社長は、議場におられる皆さんもよくご存じのように、市長の強力な後ろ盾とも言われている人物であります。
ご承知のように、札幌市は、退職者が市の出資比率25%以上などの
指定出資団体に再就職した場合、在職期間を64歳までとする要領を定めておりまして、北海道観光事業に対する札幌市の出資比率は17%で、指定団体でありませんが、要領では出資団体すべてに趣旨を尊重するよう求めているのであります。
そこで、質問でありますが、
指定出資団体でないとはいえ、北海道観光事業の社長が札幌市の要領の趣旨に反する形で居座り続けている実態を市長はどう認識されているのでしょうか。昨年6月、北海道観光事業の株主総会でこの社長が再任された際、コメントを求められた市長は、株主総会の意思だからという逃げに終始するような発言をされておりましたが、そんな腰の引けたような態度で、果たして出資団体改革を推進していくことができるのでしょうか。
桂前市長を初め、市の大物OBを出資団体の社長の座から引きずりおろしていながら、一方で、このような居座りを容認し続けること自体、出資団体改革を進める上での公平さ、公正さを著しく欠くものとは考えないのか、市長の見解をお尋ねいたします。(発言する者あり)
次に、政治姿勢の3点目でありますが、市長の国民年金未加入問題についてお伺いいたします。
平成16年4月に、上田市長が、29年にもわたる弁護士時代に国民年金に加入せず、保険料を支払っていないことが判明いたしました。このことについて、市長は、市議会や記者会見の場で、弁護士登録の際に加入手続をとるべきところを失念し、加入することなく市長就任に至ったとか、今回の国民年金の問題は、私が私人として生活していたときのことである、さらには、加入の督促がなかったというような発言をされております。
長い間、弁護士をやっていただけに、さすが自分を弁護することはうまいなと感心して聞いていた次第でありますが、(発言する者あり)法律を熟知していなければならないはずの弁護士という職業にある人が、国民の最も基本的な義務の一つである国民年金への加入を30年近くも失念したなどと、だれがそんな言葉を信じられるでしょうか。弁護士法第2条では、弁護士は、常に深い教養の保持と高い品性の陶冶に努め、法令及び法律事務に精通しなければならないと定めております。だとすると、国民年金に加入していなかったというのは、法令に精通していない弁護士だったということになるが、難しい法律や制度ならいざ知らず、自営業者などが国民年金に加入しなければならないというのは、だれもが知っていることであります。
そこで、2点、お伺いいたします。
先ほども述べたように、市長は、平成16年第2回定例市議会の代表質問で、我が会派の細川議員から国民年金未加入問題を追及された際に、昭和53年の弁護士登録の際に加入手続をとるべきところを失念し、加入することなく市長就任に至ったとの答弁をされております。この失念という意味は、辞書によれば、うっかりして忘れることとあります。
そこで、1点目の質問です。
今述べたように、失念というのは、知らなかったということではなく、うっかり忘れていたという意味であります。そうすると、市長の答弁の趣旨は、弁護士登録の際には、国民年金に加入しなければならないということはわかっていたが、うっかりして加入し忘れ、その後29年間、一度も気づくことなく忘れ続けて市長就任に至ったという意味だと受けとめていいのかどうか。
質問の2点目としては、市長は、加入の督促がなかったという趣旨の発言をされているようでありますが、29年にもわたる長い弁護士生活時代に、社会保険事務所や区役所、それに弁護士のための年金制度を運営している日本弁護士国民年金基金から、一度も国民年金に加入するようにとの通知や督促はなかったと断定されるのか、あわせてお伺いをいたします。
政治姿勢の最後の質問として、天皇皇后両陛下の札幌ご訪問への対応についてお伺いをいたします。
今月5日から9日まで、天皇皇后両陛下が北海道各地を訪問されました。北海道を訪問されたのは3年ぶりですが、ご旅行中の9月6日に、秋篠宮家に男子が誕生されたということもあり、多くの人たちから両陛下にお祝いも兼ねた温かい言葉がかけられる光景が全道各地で見られたところであります。
その北海道ご訪問の一環として、天皇皇后両陛下は、9月5日に、中央区の資生館小学校に併設している札幌市子育て支援総合センターを視察されました。両陛下は、子育て支援センターを利用している親子連れや資生館小学校の子どもたちに、とても気さくに声をかけられ、じかに話しかけられて大変感激したと言う親や子どもたちの話も伝わってきているところであります。
両陛下による子育て支援センターの訪問の際には、高橋はるみ北海道知事が同行され、施設を所管する札幌市も、副市長や教育長が案内役として対応されましたが、なぜか、その場に上田市長の姿はなかったのであります。
そこで、9月5日の市長日程を確認したところ、札幌市おとしよりスポーツ大会に出席、イラク人医師との懇談、タウントークやごみ減量に関する内部の打ち合わせなどとなっておりました。天皇皇后両陛下のご訪問に市長が対応されたということは一切うかがえないのであります。
そこで、お尋ねいたします。
天皇皇后両陛下が日本各地を回っている際には、地元の知事や市町村長が案内役として同行するというのは慣例となっておりますが、両陛下が札幌市の子育て支援センターを視察された際に、北海道は高橋はるみ知事が同行されているのに、札幌市が副市長以下の対応だったというのはどういう事情によるのか、お伺いをいたします。
次に、第2点目の財政構造改革プランについてお尋ねいたします。
札幌市は、平成18年度における265億円の収支不足を解消するために、平成16年12月に、事務事業の見直しや人件費の見直し、団体補助金の見直し、受益者負担の適正化などを柱とする財政構造改革プランを策定して市民に公表したところであります。支出の面を見直すだけではなく、受益者負担の適正化、つまり、できるだけ収入増も図ることによって多額の収支不足を解消しようとしたわけであります。
この改革プランの達成状況について、市長は、265億円の目標額に対して、平成17年度予算で143億円、18年度予算で131億円の見直しを行い、目標を上回る273億円の効果額を生み出したとしておりますが、問題はその中身であります。
そのような観点から、以下、3点にわたって質問いたします。
1点目は、受益者負担の適正化に関してであります。
市長は、財政構造改革プランの中で、家庭ごみの有料化と保育所保育料の引き上げを行うことによって15億円の増収を図るとしていましたが、これが実現されておりません。財政構造改革プランで掲げられた家庭ごみの有料化と保育所保育料の引き上げは、市民に公表したもので、市長公約にも相当する重みのあるものであり、これらが達成できなかった政治的責任は非常に大きいと思いますが、このことを市長はどう認識しているのか、まずお伺いいたします。
質問の2点目です。人件費の見直しについてであります。
2年間で31億円の効果を出したとのことでありますが、その中身は、前市長時代から取り組みを進めている学校給食調理事業の委託化や、民間企業の賃金水準に合わせた給与のマイナス改定によって生み出されたものが大半であります。前市長時代に方針を決めたものやベア改定の分は除いて、上田市政になってから独自に取り組んだ人件費の見直しにはどういうものがあって、その額は幾らになるのか、明らかにしてください。
質問の3点目であります。団体補助金についてであります。
財政構造改革プランの中では、146団体の補助金について見直しを行い、1億円の効果を生み出したとしておりますが、その見直しの内容は、団体の事業内容や補助の必要性などについて吟味したものではなく、すべての団体に公平になるようにということで、一律に10%カットしたというのが実態であります。
しかし、一律10%カットとは言っても、市長が会長を務める札響くらぶと極めてつながりの深い財団法人札幌交響楽団への補助金は7%カットにとどまっております。他の団体補助金との均衡を欠くものと指摘せざるを得ませんが、その理由を明らかにしてください。
次に、3点目の子どもの権利条例についてお伺いいたします。
この子どもの権利条例については、私も、少子化対策・青少年育成調査特別委員会の委員の一人として、これまでも何度か取り上げてきたところであります。札幌市においては、子どもの権利条約に関してさえ市民の認知度がまだまだ低いことや、条例制定検討委員会が26名もの委員で構成されながら、校長会やPTA組織など学校現場の意見を反映できる体制にはなっていないこと、そしてまた、条例の制定や条例素案の内容に反対あるいは慎重な意見があっても、それらがほとんど無視されるような形で作業が進められていることなどを問題点として指摘したところであります。
そうした中で、去る8月22日に開かれた文教委員会では、子どもの権利条例に関連して、学校関係者などを参考人として招き、それぞれ賛成あるいは反対の立場から意見を述べてもらったとのことであります。参考人の1人で、既に平成16年1月に子どもの権利条例を施行している岐阜県多治見市の教育委員は、制定に至るまで多くの議論をした、何回も学校の先生たちと徹底的に話し合うことが大事だという趣旨のことを述べられておりました。また、前小学校長と現小学校長、それに市のPTA協議会会長は、札幌市における子どもの権利条例の制定に関して、賛成の立場と慎重に対処すべきという立場で見解が分かれておりましたが、共通していたのは条例制定に向けてのプロセスを問題視する発言があったことであります。
その内容は、条例制定委員会の委員に校長会の代表が入っていないのはどうしてかとか、条例制定委員会の委員の選定に当たって多数の意見を反映できる人が入っているのかが疑問だ、あるいはまた、小・中学校の校長会などとの話し合いをなぜしなかったのか、各区のPTA組織には札幌市の取り組みが周知されていない、ほとんど知られていない状態なので多方面にわたって意見を聞く必要があるといった内容であります。
そこで、質問の1点目でありますが、賛成・反対の立場を問わず、このような条例制定のプロセスを問題視する発言があることを市長はどのように受けとめておられるのか、お伺いいたします。
また、2点目として、市長は、条例制定に当たって広く市民意見を聞くということでありますが、自分から出ていって、反対あるいは慎重な立場にある人たちの意見に直接耳を傾けようとはしておりません。子どもの権利条例の制定に関して、市長がだれより意欲を燃やしていて、そしてまた、学校現場での取り組みがとても大切だと言うのであれば、市長みずからが校長会やPTA組織と直接やりとりする場を設けて、これらの人たちと堂々と議論し合うべきと思うがどうか、市長のお考えをお聞かせ願います。
次に、4点目の札幌市市民活動促進条例についてお伺いいたします。
市長は、札幌における市民活動を支援することを目的とした市民活動促進条例を、任期中にぜひ制定したいとの意向を持っておられるようであります。この条例の制定に向けては、本年5月に、札幌市市民活動促進条例検討協議会から提言が出されました。その提言書によりますと、NPOなどの
市民活動団体にとって、活動に取り組む際の一番大きな課題は資金不足で、行政に望む施策として最も多い要望も資金に対する支援だとのことであります。
これを受けて、条例検討協議会では、市民の意思を反映しやすい資金源を確保するため、個人市民税の1%を市民活動の支援に充てることができる制度の設立を提案したところであります。
しかし、条例検討協議会の中でも、この1%支援制度については、委員の意見が必ずしも一致しなかったと正直に告白しております。導入反対の意見としては、個人市民税の1%を使うのではなく、純粋な気持ちの寄附の方がよいとか、厳しい市の財政事情を考えると今回の提言に入れるべきではない、市民活動と税金を結びつける段階にはないし、受けとめられるほど市民活動は成熟していないといったものが挙げられております。もっともな意見だと思います。
また、本年6月に約3,000人の札幌市民を対象に実施したアンケート結果によっても、この1%支援制度を必要と回答したのは35.7%で、必要ないと答えた人が37.2%と、個人市民税の1%相当分をNPOなどの活動に回すことに反対とする人の方が上回っているのであります。何より、個人市民税の1%を市民活動の支援に充てることができるようにするとはいっても、個人市民税が非課税とされている人はどうすればいいのかというのがこの制度の最大の問題点であります。
この1%支援制度については、先ほども述べたように、市民活動促進条例検討協議会の中でも導入反対の意見があったにもかかわらず、それを押し切る形で制度の設立が提案されてきました。その背景には、市長サイドの強い意向が働いていたと聞いております。事実、5月11日に提言書を受け取った市長は、寄附の受け皿としての基金設置や1%支援制度が提起されたことに対して、市民活動の促進に心強いというコメントまで発しているのであります。
しかし、このように市長が1%制度の実現に向けて並々ならぬ意欲を示していたのに、今月8日の記者会見の場で、市長は、唐突に、この制度を当面導入しないと発表されました。その理由として、市長は、1%支援制度は費用対効果の面で問題があるということを挙げておられます。具体的には、制度を導入すると人件費や事務経費で6,000万円かかり、
市民活動団体に4,000万円が支出され、合計1億円の支出増になる、少子高齢化が進んで税収が右肩下がりとなる中で、市民活動に限定した支出は市民の理解を得るのが難しい、制度が普及して支援の届け出がふえると、市の支出がふえ、財政的にますます厳しくなるというものであります。
そこで、市長に数点お伺いいたします。
まず、1点目の質問ですが、この1%支援制度を導入しようとすれば、人件費や事務経費も合わせて多額の支出が伴うことになるのは最初からわかり切っていたことであります。そんなことも知らないでこれまで市内部での議論が進んできたとは、到底、思えません。それなのに、制度を導入しない理由として今ごろになって費用対効果論を持ち出してきたのはなぜか。また、費用は年間1億円かかるとしておりますが、一方の効果はどのくらいを見込んだ上で結果的に費用対効果の面で問題があると判断されたのか、この点についても明確にお示しいただきたいと思います。
質問の2点目として、市長は、1%支援制度を導入しない理由として、税収が減る中で市民活動支援に限定した支出は理解を得るのが難しいとか、非納税者は加われない仕組みで参加の窓口も狭い、あるいはまた、制度が普及して支援の届け出がふえると、支出がふえて財政的にますます厳しくなるといったことを挙げられております。
しかし、今ごろそういうわかり切ったことを理由に挙げて導入しないと言うのなら、条例検討協議会で1%支援制度について長い間議論させてきたことは一体何だったのか、協議会の委員に対しても非常に失礼であると思うが、この点について市長はどうお考えか、お聞かせください。
3点目の質問として、市長は、9月8日の記者会見の場で、この1%支援制度を当面導入しないと発表されましたが、当面とはどういう意味なのか。年間1億円もかかって費用対効果の面で問題があるから導入しないと言うのなら、財政状況が厳しさを増すばかりの札幌において、もう導入の余地がないと思うがどうか、お伺いいたします。
以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
大越誠幸) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 4点にわたりましてご質問がございましたけれども、私からは、私の政治姿勢について、るるございますので、そのことについて申し上げ、その余は担当の副市長から答弁させていただきます。
最初に、私の政治姿勢についてお答えをいたします。
1点目の私の市政運営に対する市民と職員の評価についてでありますが、一つ目の世論調査等の結果に対する認識のうち、マスメディアの世論調査の結果につきましては、市民の皆さんの声といたしまして真摯にこれを受けとめております。また、前回調査よりも私を支持しないという方がふえたことにつきましては、今後も手綱を緩めることなく頑張れと、こういう叱咤激励をいただいたもの、このように受けとめさせていただいているところであります。
また、市職員組合本庁支部のアンケート結果につきましては、本庁に勤務している組合員の声として受けとめておりますが、よく言われます組合のために一生懸命やっているんじゃないかという批判に対しては、これは、組合員に対してもなかなか手厳しいことをやっているということのあらわれかなというふうに私は思います。公平な札幌市の市政運営をしっかりやっていると、このようにご評価いただいてしかるべきではないか、このように思います。
いずれにいたしましても、残されました任期は8カ月余りとなりましたので、取り組むべき課題や公約達成に向けまして全身全霊を傾けて頑張ってまいりたい、このように考えているところであります。
二つ目の職員とのコミュニケーションについてでありますが、私は、民間から市長に選ばれて、市政のかじ取りをお任せいただいたという立場にありますので、そのために、市役所内部の仕事のやり方だとかということについてはいささか不案内な部分もございましたので、円滑に市政運営を遂行するためには、職員とのコミュニケーションは当初から非常に大切だというふうに感じておりまして、特に気を配ってきたつもりでございます。
中でも、幹部職員との会議では、市政運営について、自由で活発な意見交換を行うことが非常に重要でありますので、そのための雰囲気づくりということにも努めてきたつもりでございます。また、仕事上で、ふだん余り話す機会のない若手職員とは、昼休みなどを利用いたしまして、私が各職場を訪れて気軽に話し合うということができるランチミーティング、市長室においでいただいたこともございますけれども、そういう機会を通じてさまざまな議論をざっくばらんにしていくというふうなことにも意を用いてきたところでございます。
さらに、職場での自由な政策議論というものを涵養するといいますか、そういうものを促進していくというふうなことを目的にいたしまして、昨年度から、職員発表会、元気の種コレクションというふうに銘打っておりますが、この職員発表会を始めましたところ、さまざまな提案や実践が楽しく伸び伸びと報告されておりまして、職場のコミュニケーションの醸成に非常に役に立ったところでございます。今後も、これまでと同様に、極力、職員の声に耳を傾けて市政の運営に当たってまいりたい、このように考えているところでございます。
次に、2点目の私の仕事ぶりについてということで何点かご質問がございました。
一つ目の民間企業での講演についてでありますが、このご指摘の件は、就職や資格試験のための予備校であります早稲田セミナーから、公務員を目指している若者のために参考となる話をしてもらいたいというご依頼があったことから、札幌市のPRを兼ねまして、ことしの2月19日に講演をさせていただいたものであります。
この講演会は、早稲田セミナーの学生のみを対象とするものではなくて、広く一般市民を含めた希望者にも参加できるよう周知をしているというふうに当初からお聞きいたしておりますし、実際に私が講演をした後に質問をされた何人かの方がおられましたけれども、これは自己紹介をした上で質問されるわけでありますが、私はこのセミナーにいるわけではありませんがということを明言されている方もおられました。そういう意味で、実態もそのように一般に公開された講演会であるというふうに私は理解をいたしておりますし、ましてや、当初から一定の企業の肩を持つなどという、はしたない気持ちを持っているつもりは全くございません。
また、そのテーマは、これからの自治体職員になる君たちに望むことというふうに題しまして、札幌市における施策や、そこで求められる職員像などの説明を行ったものでありまして、採用試験に疑念を抱かせるという話は一切しておりませんので、その点もご理解いただきたいと思います。
この講演をきっかけにいたしまして、少しでも札幌市への興味というものを持っていただくとともに、多くの方に、ぜひ札幌市の職員採用試験を受験していただきたいということを希望するということで行ったものでありますので、ご理解をいただきたい、このように思います。
二つ目のことしの5月18日の区の保健福祉部長会議における私の発言についてでございますが、この会議の席上で、私は、時代が大きな転換期を迎えている中で、市民に必要なサービスの範囲が広がっており、行政だけが
公共サービスを提供する時代ではなく、市民や町内会、NPO等の
市民活動団体などの多様な主体とともに公共を担っていかなければならない、こういう認識を申し上げた上で、ぜひ、市民の知恵や力をかりる努力をしていただきたい、そのようにお願いをしたところでございます。
具体的には、東区におきまして、NPOと町内会が連携いたしまして子育てサロンを行っている実例がございますので、それを少々紹介させていただきました。そして、事業を実施する際には、町内会やNPOなどによるさまざまな市民活動をどうミックスしていくか、コンビネーションしていくかということが部長さん方に与えられた今日的な課題ではないかということを真剣に考えてほしい、こういうことを申し上げたところでございます。一部の特定の企業をどうのこうのと、そういうレベルの話では全くないということをご理解いただきたいというふうに思います。
三つ目の市のOBの出資団体への再就職についてであります。
市の要領では、
指定出資団体への再就職について、在職年限、年齢制限を設けておりまして、ご指摘のとおり、非指定団体もその趣旨を尊重することとしております。
しかしながら、北海道観光事業株式会社につきましては、出資比率の低さなどから団体運営の関与に限界があることや、札幌市から自立した経営を行っていることなどから、他の株主の意向だとかその利益も考慮して、昨年の株主総会におきまして経営陣全員の再任について同意をさせていただいたものであります。
また、出資団体の役員につきましては、それぞれ適時適切な人選がなされているものと考えておりますけれども、ご質問がありました出資団体改革につきましては、その実現に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたい、こういうふうに考えているところであります。
次に、3点目の私の国民年金未加入問題についてでありますが、平成16年第2回定例市議会で、細川議員の代表質問でご答弁を申し上げましたとおり、昭和53年の弁護士登録の際に、国民年金制度の趣旨を十分理解していなかったことから、加入手続をとるべきところを失念し、その後、通知などを受けることもなかったことから、加入することなく市長就任に至ったものであります。その答弁のとおりでございます。
この問題につきましては、平成16年4月に未加入であった事実について公表するとともに、平成16年第2回定例市議会において陳謝をし、さらに、ホームページを通じまして市民の皆様におわびをしたところでございます。また、平成16年第3回定例市議会におきまして田中議員からもご指摘を受け、また、3度目、今回もご指摘を受けております。市長就任前のこととはいえ、幾重にも、みずからの不明を恥じるということについて反省を申し上げたい、このように思います。
次に、4点目の天皇皇后両陛下の札幌ご訪問においでになったその対応についてでございますが、天皇皇后両陛下のご視察先の選定及びそのお出迎えをする者の人選、これらにつきましては、北海道が宮内庁と相談しながら行っているものでございまして、札幌市においてその関与をすることは許されていないという状況でございます。
具体的には、私と札幌市議会議長は、両陛下が札幌で最初にお立ち寄りになられました北海道知事公館においてお出迎えとお見送りをさせていただきました。次のご視察先でございます子ども関連複合施設では、副市長や教育長、
子ども未来局長がお出迎えをし、ご説明をするように北海道から示されたものでございます。また、私は、その後のホテルでのお昼の会食やレセプション、札幌コンサートホールでの記念式典においてご一緒させていただき、札幌をお立ちになる際にもお見送りをさせていただいたところでございます。
なお、知事につきましては、行幸啓の車列に組み込まれておりまして、両陛下とともに、終日、移動される、そういうことで、平成15年7月の行幸啓の際と同じく、道内の行幸啓先すべてに随従したというふうにお聞きをいたしておるところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(
大越誠幸) 田中副市長。
◎副市長(田中賢龍) 私から、財政構造改革プランについてお答えをいたします。
1点目の受益者負担の適正化についてでございます。
財政構造改革プランに盛り込みました取り組み項目につきましては、市民の皆さんの意見を聞きながら実施していくこととしておりますが、ご質問の家庭ごみの有料化や保育所保育料の見直しにつきましては、市民生活への影響なども考慮しまして、それぞれ関係する審議会で費用負担のあり方などについてのご審議をいただいているところでございます。それぞれの審議会では、施策の方向性も含めた幅広い内容につきまして慎重に議論していただいておりまして、時間的な制約もありますことから今年度の実施については難しい状況にございますが、今後は、審議会の答申を待ちまして費用負担の見直しについて判断してまいりたいと考えております。
2点目の人件費の見直しについてでございます。
人件費の見直し31億円のうち、給与改定等によるものを差し引きますと約20億円となりますが、そのうち、上田市長の就任後に新たに取り組んだものといたしましては、出資団体改革プランによる職員派遣の引き揚げ、局の統合等に伴う職員数の削減、特殊勤務手当の見直し等がございまして、その効果額は約13億円となります。
人件費の見直しにつきましては、これまでも、過去からの継続性を大切にしながら、将来に向けて効果を上げていくことができるよう取り組んできたところでございます。今後とも、新たな行政需要に対応しつつ、効率的な事務事業の執行に努めてまいりたいと考えております。
3点目の団体補助金についてでございます。
平成17年度に、すべての団体にわたりまして、その事業の公益性や市民への影響などを個別に検証して補助金の見直しを行ったところでございます。具体的には、補助対象事業の受益者が特定の市民に限定されるなど、公益性が低下しているもので自主運営化が可能なものについては補助を廃止し、公益性が高く、かつ、引き続き補助金の必要性が認められるものについては、札幌市の財政状況も踏まえ、補助は継続するものの、自主的な運営を経費節減のインセンティブとして10%を目安にできる限りの削減をお願いしたものでございます。
団体の経営状況などによりまして、ご指摘の札幌交響楽団のように目安までは削減が困難なものもございましたが、今後も、おのおのの団体の実情にも配慮しながら、経営の自立性をより高めるような努力を引き続きお願いしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
大越誠幸) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私から、子どもの権利条例についてお答えいたします。
まず、1点目の条例制定のプロセスについてでありますが、子どもがほとんどの時間を過ごす学校や家庭の代表である校長会、PTAの皆様からのさまざまな意見につきましては、条例の制定に欠かせない極めて大事なものであると受けとめ、これまで、校長会から意見をいただいたり、各区PTA連合会に出向いて経過報告をさせていただくなど、できる限りの努力をしてまいったところでございます。今後とも、さまざまな機会をとらえ、条例についてご理解をいただくための取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の校長会やPTAとの意見交換の場の設定についてでありますが、議員ご指摘のように、市長が出向いて意見交換することは大変有効であると認識しており、これまでも、タウントークなどさまざまな場面を通して市民に考えを明らかにし、貴重な意見をいただいてきたところであります。また、市長が直接出向くだけでなく、子ども未来局を初め、関係部局がさまざまな手段で迅速かつ的確に情報をお伝えし、議論を積み重ねてまいりました。
いずれにいたしましても、これからも、条例制定に向けてさらにご理解いただくために、校長会やPTAを初めとする関係諸団体の方々のご意見を伺う機会を設け、そこで市長からご説明することも検討しているところでございます。
以上でございます。
○議長(
大越誠幸) 加藤副市長。
◎副市長(加藤啓世) 私から、市民活動促進条例についてお答えをいたします。
1点目の1%支援制度についてであります。
まず、なぜ今ごろになって費用対効果論を持ち出してきたのかについてでありますが、費用対効果が課題であることにつきましては、5月に条例検討協議会から提言をいただいた直後の財政市民委員会や、6月の第2回定例会においても言及させていただいたところでございます。その後も、市民や
市民活動団体に対する提言のアンケート調査の実施を踏まえ、検討を続けるとともに、全国で唯一の実施都市である市川市への現地調査により、費用対効果面や
市民参加のあり方等の制度面についての分析を行うなど、総合的に検討した結果、札幌市といたしましては、この制度を導入しないこととしたものであります。
次に、費用対効果の効果の見込みについてでありますが、市川市の初年度の実績をもとに札幌市に当てはめて試算した1億円の費用により、市民活動がどのくらい活発化するかといった意味での効果につきましては、実際のところ、数量的な測定は非常に難しいところでございます。
札幌市が言う費用対効果の意味は、4,000万円の補助金支出に対し、人件費を初めとする事務経費が6,000万円はかかるという点に着目し、判断をいたしました。
2点目の条例検討協議会における議論についてでありますが、協議会の提言は、各委員がそれぞれの立場で熱心に議論していただいた成果であり、大変ありがたく思っているところであります。提言では1%支援制度の導入が提案されておりますが、賛否両論が併記されており、さらに、提言の中では、支援策の導入に当たっては市民の意識、ニーズの把握が肝要とされております。そのことを踏まえて、実施をした
市民アンケート調査において1%支援制度の導入については反対意見の方が多かったというものであります。
このたび作成をいたしました条例素案につきましては、1%支援制度は除いておりますけれども、情報の支援、人材の育成支援、活動の場の支援、資金の支援といった市民活動への四つの支援策、基金を初め、札幌ならではの寄附文化の醸成、市民活動促進テーブルを盛り込むなど、提言をできる限り尊重した内容になったと考えております。
3点目の1%支援制度を当面導入しないことの当面の意味についてでございますが、この制度には、納税の意欲を高め、市民活動に関心を促すというメリットがある一方、多くの課題も含んでおりますことから、札幌市において十分に機能していくという確証が得られない現時点では、導入は難しいという意味でございます。
今後、市川市の実績などを慎重に見きわめてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(小須田悟士議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
大越誠幸) 小須田議員。
◆小須田悟士議員 今の答弁を受けまして、何点か指摘し、あわせて再質問していきたいと思います。
簡潔に行きます。
まず、市長の政治姿勢のうち、上田市政の職員の評価についてであります。
市長は、就任以来、職員とのコミュニケーションには特に気を配っていると今お話をしておりました。幹部職員と自由に意見交換ができるようにするための雰囲気づくりなどに努めてきたとのことでありますが、今の市役所では、幹部を初めとして、職員の皆さん方は自由に物が言えず、そして、伸び伸びと仕事をしているとは思われません。それは、市長の意向に黙って従わなければにらまれる、人事で冷遇されるという見方がもうすっかり定着してしまっているからであります。また、中身のないパフォーマンスにはとてもついていけないという幹部の声もよく耳にします。職員が非常にかわいそうな環境に置かれているような気がしてなりません。
市長の任期も、残すところあと8カ月余りであります。有終の美を飾る意味でも、何より、苦い言葉も含めて職員の意見にはよく耳を傾けるべきですし、そうしなければ、本当の意味での市民のための公平・公正な仕事はできないことを強く指摘しておきたいと思います。
質問です。
市のOBの出資団体への再就職に関して、再度、お伺いいたします。
私が取り上げた北海道観光事業株式会社について、札幌市の出資比率が低いから関与に限界があるとか、札幌市から自立した経営を行っているからなどということが社長人事に関して口を挟めないという理由にはならないと思うのであります。そのような逃げ口上が許されるのであれば、何のための出資団体改革なのでしょうか。非指定団体であっても、札幌市が定めた在職年齢期限の趣旨を尊重する立場にあるはずであります。それが無視されていますし、そうした事態を市長は容認しているように思えてなりません。そのような公平さ、公正さを欠くような姿勢では、到底、市民の理解を得られないと思います。
そこで、お尋ねいたします。
札幌ドームの社長を務めていた桂前市長を退任に追い込んだほどの豪腕の上田市長でありますから、北海道観光事業株式会社において年齢オーバーで居座り続けている局長職OBの社長にお引き取り願うことぐらい、簡単なことではないでしょうか。何をそんなに遠慮しているのでしょうか。出資者である札幌市としてけじめをつけるべきと思いますがいかがか、市長の考えを改めてお伺いいたします。
次に、市長の国民年金未加入問題についてであります。
これまでも何度か取り上げておりますが、いつも、市長も大変苦しいお答えに終始されております。ただ、一市民ならともかく、法律に精通していなければならないはずの弁護士の立場にあった人が、29年間も国民年金への加入を失念したというのは、私はどうしても信じられないのであります。
平成16年2月に、細川議員から国民年金に関してどのような形で責任をとろうとしているのかと問われたとき、市長はこう述べておられます。信頼回復に向けて、これまでにも増して市民感覚を大切にして市政の運営に努めていくことが責任のとり方であると答えております。市民感覚を大切にしていくというのは大変結構なことでありますが、札幌市長になった人が30年近くも国民年金に未加入であったという市民感覚から大きくかけ離れたこの問題は、来年の市長選を控え、これからもさまざまな場で市民の注目を浴びていくことになろうと思います。
最後に、天皇皇后両陛下の札幌ご訪問への対応について、再度、お伺いいたします。
先ほどの市長の答弁によりますと、9月5日は知事公館で天皇皇后両陛下のお迎えとお見送りをしたということでありますが、子育て支援センターなどは副市長以下の対応ということであります。
しかし、翌日、北海道新聞の動静欄では、先ほど述べましたが、おとしよりスポーツ大会への出席、イラク人医師との懇談などと載っております。市長が知事公館で両陛下のお迎えやお見送りをしたという記載はどこにも見当たらないのであります。こんな大事な出来事が載っていないのはどうしてでしょうか。(発言する者あり)
そこで、お伺いいたします。
市長が天皇皇后両陛下のお迎えやお見送りをされたと言うのであれば、なぜそのことが市長の動静に公にされていないのでしょうか。(発言する者あり)高橋はるみ知事については、知事動静欄にもしっかり載っているのであります。市長については、このことを知らせられなくて公にはしたくないという事情でもあったのでしょうか、日の丸・君が代問題が関連してでもいるのでしょうか、明確な答弁をお願いいたします。
以上で終わります。
○議長(
大越誠幸) 上田市長。
◎市長(上田文雄) 市のOBの出資団体の問題でございますが、これは、先ほど答弁させていただきましたような諸般の事情の中で、他の株主に対する利益等も考えたということで行ったわけであります。
しかし、尊重されるべきだという趣旨はよく存じ上げておりますので、そのように各団体へご理解いただけるように私の方からも助言させていただきたい、このように考えております
もう一つ、国民年金については、何かあれですか、ご質問だったんでしょうか。(「質問じゃありません」と呼ぶ者あり)
質問ではないですか。はい。
天皇皇后両陛下の行幸啓の問題についての動静についてですが、私ども札幌市の市長の動静についての公表なんですが、これは、すべての私の日程を公表しているわけではございません。重要なものということで、もちろんお出迎えも重要でございますけれども、従来の扱いから言いますと、単にお出迎え、お見送りについては公表しないという扱いを秘書部の方ではしているという伝統に従ったものでございます。そして、昼食をご一緒するというのも私的なものでありますので、これも差し控えさせていただいたと。それから、レセプションだとか、あるいは会議に出席したということについては、これは公表させていただいている、こういう扱いにさせていただいているというだけでございまして、特に他意はございませんので、そのようにご理解をいただきたいというふうに思います。
なお、北海道知事のことについて言及されておりますけれども、知事の場合は、全日程、随行、随従というのが原則でございますので、当日の行程等についてはすべて公表されているものだと、そのように私は理解をしているところであります。
○議長(
大越誠幸) 以上で、代表質問はすべて終了しました。
(上瀬戸正則議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
大越誠幸) 上瀬戸正則議員。
◆上瀬戸正則議員 特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案20件のうち、平成17年度決算にかかわる議案については、それぞれ委員33人から成る第一部及び第二部決算特別委員会を設置し、お手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に、また、その他の議案につきましては、同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。
(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
大越誠幸) ただいまの上瀬戸議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
大越誠幸) 異議なしと認めます。
したがって、ただいま議題とされている議案20件のうち、平成17年度決算にかかわる議案については、それぞれ委員33人から成る第一部及び第二部決算特別委員会を設置し、お手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に、また、その他の議案については、同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。
〔付託表は巻末資料に掲載〕
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) ここで、日程に追加して、ただいま設置されました第一部・第二部決算特別委員会の委員の選任を議題とします。
本件につきましては、お手元に配付の委員名簿のとおり指名することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
大越誠幸) 異議なしと認めます。
したがって、委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。
なお、第一部・第二部決算特別委員会における発言のための委員交代は、先例によりまして、両特別委員長の許可を得た上で行っていただくこととします。
〔名簿は巻末議決事件等一覧表参照〕
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) さらに、日程に追加して、第一部・第二部決算特別委員会の委員長の選任を議題とします。
(上瀬戸正則議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
大越誠幸) 上瀬戸正則議員。
◆上瀬戸正則議員 第一部・第二部決算特別委員会の委員長の選任につきまして、指名推選の動議を提出いたします。
第一部決算特別委員長に勝木勇人議員を、第二部決算特別委員長に小野正美議員をそれぞれ選任することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
大越誠幸) ただいまの上瀬戸議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
大越誠幸) 異議なしと認めます。
したがって、第一部決算特別委員長に勝木勇人議員が、第二部決算特別委員長に小野正美議員がそれぞれ選任されました。
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日9月29日から10月2日までは委員会審査等のため休会とし、10月3日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
大越誠幸) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――
○議長(
大越誠幸) 本日は、これで散会します。
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散 会 午後3時46分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 大 越 誠 幸
署名議員 宮 村 素 子
署名議員 飯 坂 宗 子...