札幌市議会 > 2004-10-21 >
平成16年第一部決算特別委員会−10月21日-08号
平成16年第二部決算特別委員会−10月21日-08号

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  1. 札幌市議会 2004-10-21
    平成16年第一部決算特別委員会−10月21日-08号


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    平成16年第一部決算特別委員会−10月21日-08号平成16年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第8号)                 平成16年10月21日(木曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  鈴 木 健 雄       副委員長   熊 谷 憲 一     委   員  小 谷 俵 藏       委   員  高 橋 忠 明     委   員  上瀬戸 正 則       委   員  三 上 洋 右     委   員  馬 場 泰 年       委   員  山 田 一 仁     委   員  長 内 直 也       委   員  小須田 悟 士     委   員  村 山 秀 哉       委   員  湊 谷   隆     委   員  猪 熊 輝 夫       委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  小 野 正 美       委   員  藤 原 廣 昭     委   員  三 宅 由 美       委   員  藤 川 雅 司     委   員  桑 原   透       委   員  義 卜 雄 一     委   員  涌 井 国 夫       委   員  青 山 浪 子     委   員  芦 原   進       委   員  阿知良 寛 美     委   員  飯 坂 宗 子       委   員  井 上 ひさ子     委   員  宮 川   潤       委   員  原 口 伸 一
        委   員  五十嵐 徳 美       委   員  福 士   勝     委   員  恩 村 一 郎       委   員  小 林 郁 子     委   員  坂   ひろみ       委   員  松 浦   忠       ──────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○鈴木健雄 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、特にございません。  初めに、第8款 消防費 第1項 消防費中危機管理対策室関係分の質疑を行います。 ◆桑原透 委員  私から、災害時における情報連絡体制と国有林における風倒木の被害について質問をさせていただきます。  まず、災害時における情報連絡体制についてお尋ね申し上げます。  ことしは、7月中旬、梅雨前線の活動により、大雨被害が発生した新潟・福島豪雨を皮切りに、大雨や強風をもたらす台風が次々と上陸し、また今回も台風23号でも多くの被害が出ております。このように、台風がもたらした大雨は、観測史上最高という表現だけでなく、数日間の雨量が月間総雨量の数倍となっていることなどが伝えられています。これは、地球温暖化などによる海水温度の上昇が関与しているためとも言われており、今後も、勢力が衰えないまま北上する台風による被害が発生することが危惧されているところでございます。  このように、過去最多となる、もう既に10個もの台風が上陸したことしは、自然災害による死者、行方不明者が、台風23号を除きますが、全国で130人を超え、その半数以上が65歳以上の高齢者であります。多くのマスコミにおいて、避難勧告・指示などの災害情報に関する伝達方法が課題として取り上げられ、改善について訴えられているところでございます。  私は、災害情報というのは、タイムリーでわかりやすく伝達されることが重要で、その情報を受け取った市民がみずから判断し、速やかに行動を開始するためのスイッチになると考えております。したがって、ふだんから市民に対し、災害情報の重要性と緊急性を理解し、準備するよう、あらゆる機会をとらえPRすることが重要であると考えております。  また、幅広い年代と多様な生活をしている人々に、くまなく必要な情報を伝えるためには、情報伝達の仕組みを二重、三重につくっておくことも重要であります。  現在、本市が行う市民への災害情報伝達手段としては、テレビ、ラジオ、コミュニティFMなどを通じてお知らせするとともに、市役所のホームページへの掲載、消防車や広報車などによる広報を考えていると聞いておりますが、より緊急性の高い避難勧告や避難指示の情報発信を考えた場合、新たな災害情報伝達手段についての検討が必要でないでしょうか。  そこで、1点目の質問ですが、市民への新たな情報伝達手段について検討されていないのかについてお伺いいたします。  次に、台風18号の対応に関する市役所内部情報連絡についてお尋ねします。  このほど札幌市を襲った台風18号では、市内で4名の死者、92名の負傷者が発生しました。また、強風により街路樹等が倒れ、交通障害を招いたり、飛ばされた屋根等により電線が切断されるなど、自然の猛威をまざまざと見せつけ、市民生活に大きな影響を及ぼしました。通常、このような大きな災害では、情報がふくそうし、対応が混乱するなどという問題が生じることがよくあります。  そこで、2点目ですが、台風18号の大きな被害により、市役所内部情報連絡がスムーズに行えていたのかについてお伺いいたします。  次に、国有林における風倒木の被害についてお尋ねします。  先ほど、台風18号での人的被害については述べましたが、人的被害のほかに、住居被害として、半壊11棟、一部破損748棟が出ました。昭和56年8月の大水害以来の甚大な被害であります。今回の台風は風台風で、札幌では最大瞬間風速50.2メートルを記録しました。この暴風により、約1万9,000本の街路樹や公園の樹木も倒木被害を出しました。風倒木の処理等に要する経費につきましては、さきの環境消防委員会においても審議を行ったところですが、早急な対応が行われることについては、私も十分に承知をしております。  今回の台風による倒木被害で思い起こされるのは、昨年8月に日高地方を襲った台風10号であります。このときには、山間部の流木が橋に詰まり河道閉塞を引き起こし、はんらんを助長する原因となり、交通被害を拡大したと聞いていますし、二風谷ダムには6万7,000立方メートルもの風倒木が流れ込んでいるのです。  台風直後の10日の新聞では、支笏湖周辺の大規模な倒木被害の航空写真が掲載されております。本市の山間地域等においても相当数の風倒木被害が予想されるが、この風倒木が豪雨時や春先の出水期等に流れ出して、大きな被害に結びつかないかという懸念がなされているところでございます。  そこで、1点目の質問ですが、今回の台風18号によって、札幌市域内の国有林において、風倒木被害がどの程度あったのかについてお伺いします。  2点目は、国有林を管理している国は、どのように対処しようとしているのかについても伺います。 ◎北村 危機管理対策部長  私の方からお答えをさせていただきます。  災害時における情報連絡体制についてでございますが、1点目の市民への新たな情報の伝達手段の検討についてのお尋ねでございますが、私どもといたしましても、委員と同様に、新たな情報伝達手段の整備が必要であると認識してございまして、検討を始めたところでございます。  2点目の台風18号の大きな被害により、市役所内部情報連絡がスムーズに行われていたのかどうかについてのお尋ねでございますが、死者が出るなど、96名に上る人的被害のほか、予想以上に物的被害も短時間に集中発生した事案でございまして、短時間、大量、多発被害ということもございまして、被害情報の連絡については、第一線での対応セクションでございます各区などでは、緊急対応優先ということもございまして、報告がおくれたことも事実として認識しております。  今後につきましては、このような事態にも対応できるよう、一層の能力向上を図るよう取り組んでまいる所存でございます。  それから、2点目の台風18号による風倒木の被害状況でございますが、1点目の札幌市域内国有林における風倒木の被害状況についてでございます。  管轄の石狩森林管理署からの情報といたしまして、本市の森林面積の約8割を占めております定山渓、藻岩山、円山などの国有林約5万5,770ヘクタールのうち、10月8日現在の倒木被害は、主に定山渓地域の山間部など約490ヘクタールに及んでいる状況でございます。  2点目の国の対処についてでございますが、住宅地に近接した風倒木などは、緊急的に撤去等の処理を行ったところでございまして、現在、被害状況を詳細に把握するため、現地調査などを実施しているとお伺いしてございます。また、今後、山間部、河川やダム周辺の風倒木の対処に当たっては、専門家のご意見や、必要に応じて河川管理者などとの情報交換、連携を図り、緊急度や優先度などを調査検討しながら、適切に行っていく考えであるというふうにお伺いしてございます。 ◆桑原透 委員  今の答弁で、情報伝達手段については検討を始めていると。それと、台風18号のときの連絡体制については、問題もあったのかなという答弁でした。  私が知り得た情報ですけれども、当日は、部署によってまちまちな情報があったと。そして、市民への対応がおくれたというふうに聞いております。正しい情報をいかに早く知らせることが大切かなと私は思います。この状態が続いたときに考えられるのは、まず初動態勢をどのようにとっていくのかが一番大切なのではないのかなというふうに考えます。  私も昔、仕事をしておりまして、何かあったときに一番先に助けなければいけないというものは、やはりマニュアル化をして救済をしているというのがあります。例えば、電話線が切れた場合、それをどのように回復するか。そして、優先順位は何なのか。例えば、警察、消防、そしてテレビ、いろんな部分があります。重点になるものを、初動踏査のときから、きちっとした形で職員がわかっているということが一番大切だというふうに考えております。  今回の台風、この風台風による風倒木被害、そして、東区では停電があったというふうに聞いております。そのときに、みんながどのようにしなければいけないのかということが、今回、足りなかったのかなというふうに思っております。  そこで、危機管理対策室ですから、このようなことを想定することは、市役所内部の仕事というのは、いろいろ大変なものがあるというふうに思いますが、初動態勢のときも、やはり危機管理対策室の考え方が末端まで通じていることが一番大切なことなのではないのかなというふうに私は感じますので、ぜひもう一度質問させていただきますが、初動態勢についてマニュアル化されているのか、それとも、今後、危機管理対策室としてつくっていくのかについて、1点お伺いをさせていただきます。  次に、札幌市の国有林における風倒木被害の状況について、国が対応していくというふうな回答がございましたが、全国で水害が勃発している、先ほども言いました7月の新潟・福島豪雨や福井豪雨では、堤防が決壊、こういう甚大な被害があります。風倒木を放置することにより、倒木が河川をせきとめ、はんらんの一因になりかねない、これは本当に市民から不安の声が上がっているのも事実でございます。先ほどお話がありましたが、国有林で大変な数の木が倒れていると聞きました。  そこで、質問ですが、国有林は国の管轄であります。札幌市としても、災害を未然に防ぐために、国の動向をしっかり把握することは重要でありますし、倒木処理について、国に積極的に働きかけを行うことが必要だと考えますがいかがか。  この2点についてお伺いいたします。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  1点目の初動時のマニュアル化ということでございますが、地域防災計画の資料編の方に、そういう発災のいろんなシミュレーションをしたものがございますが、そういう中でもってある程度は対応できていたというふうに私どもは考えてございました。ただ、地域防災計画の中では風水害の部分がございません。風台風だけのものはございませんでした。それについては、今後、少し検討させていただきたいと考えております。  それから、もう1点、倒木処理に関する国への働きかけについてでございますが、本市といたしましても、出水期等における2次災害の防止の観点から、風倒木の早急な対応が必要であると認識してございます。国に対しましても、現地調査等の被害把握に努めていただきますとともに、倒木撤去等についても早急に対処されますよう、働きかけをしてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆桑原透 委員  マニュアルについては、今後、考えて、つくっていきたいということですが、やはり何事もあってからでは遅いと考えますから、今回、教訓としてマニュアルの作成など、いろんなことを考えながら、マニュアルをつくることによって、そのことをまず覚えるというのもございますし、そういうことがやっぱり大切になってくるのかなというふうに思います。  風倒木については、本当に定山渓の国有林の下は豊平川ということですから、私たちの水のためにも、ことしは、もう北海道に台風の上陸はないのかなとは思いますけれども、それはわかりませんが、また来年を含めると、ダムが決壊するようなことが起きても困りますので、十分国にも訴えていただきたいなというふうに思います。  それでは、要望して、終わらせていただきますが、災害時における情報連絡体制については、災害による被害を最小限にするためには、市民みずから自分の身は自分で守るという自覚のもと、災害情報に耳を傾け、準備することが必要であります。行政側にとっても、雨台風の場合には、水害を予想し避難の準備を、風台風の場合には、倒木や停電を予測してラジオや懐中電灯の準備をというように、タイムリーでわかりやすい情報を発信し続けることが重要であります。  私は、昨年のこの委員会において、防災に関する情報は、平常時・災害時を問わずに、あらゆる防災活動の基本であり、その共有化は防災協働社会の前提条件になるということを発言いたしました。情報は、日常的なやりとりの積み重ねによってこそ、災害時にも効果を上げることができますし、平常時から、情報の連絡なくして効果的な連絡体制の確立はなし得ないというのが私の考えであります。危機管理対策室には、市役所内部に情報の重要性を働きかける組織として、また、市民に対しては災害情報の発信の窓口として、積極的な活動を要望いたします。  また、国有林の森林は、多くの市民にかけがえのない大切なものとの認識が備わっております。また、地球温暖化防止にも大きな役割を果たしており、森林の持つさまざまな機能の回復のためにも、一日も早い復旧対策が必要であります。札幌市の水道水にも多大な影響があることや、水源涵養保安林となっていることを考えますので、風倒木の処理、森林の復旧整備について、札幌市も積極的に国へ働きかけるようお願いし、質問を終わります。 ◆涌井国夫 委員  私の方からは、防災情報の取り組みと連絡体制について質問いたしますが、あらかじめ、一部、内容が消防局関係も若干含まれてるのかなというふうに思いますので、委員長のご了解をいただきたいというふうに思います。  さきの代表質問にも、災害についてのさまざまな質問をさせていただきました。  まず、1点目、危機管理対策室ホームページについてお伺いしたいと思いますが、我々市民にとっても、行政にとりましても、起こり得る災害に備えて、行政側の対応として大事なことは、市民に対してどのような防災意識を持っていただいて、日常生活の中でどこまで災害への備えを求めるのかと。そのためにも、十分な、正しい防災情報というものを市民に提供する必要があると、提供することが極めて重要であると、こういうふうに思うわけでございます。  大変進んでおります横浜市の危機管理対策室ホームページを見ますと、最新情報、気象、地震、河川の水位情報から日ごろの備え、横浜市の防災対策ですとか避難所、住まいの備え、いざというときのために、かなり細かく、外国人向けマニュアルまで載せておりますし、テロリズムに対する、予期しないことへの備えも載ってございます。ハザードマップにつきましても、本市も載っておりますけれども、きめ細かく載っておりますし、防災コミュニティーということで、さまざまな配信もやっているようでございまして、極めてきめ細かく厚く対策室のホームページを構築しているわけでございます。  このような状況から、さまざまな防災情報を市民に提供するに当たって、札幌市の危機管理対策室ホームページについて、現状と今後のホームページの拡充についてどんなふうに考えているのか、まずお伺いしたいと思います。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  危機管理対策室ホームページの内容の充実に向けた取り組みでございますが、今現在の危機管理対策室ホームページと申しますのは、ことしの4月に私どもの室が発足したこともございまして、急遽の立ち上げ、内容的には、今回の洪水ハザードマップの掲示のみになってございます。  ですが、委員ご指摘のとおり、災害に対する日ごろの備え、それから避難場所情報とともに、札幌市地域防災計画等、こういうものを皆さんにお知らせする必要がございます。それで、市民が使いやすい有用なホームページにすべく、年度内の早い時期に公開することで準備を進めているところでございます。 ◆涌井国夫 委員  横浜市でも、防災情報Eメール配信というのを行っておりまして、まさに携帯電話からも防災情報の提供も受けられるというような格好になってございますので、その可能性も含めて、お答えいただきたいというふうに思います。  また、ちょっと話がかわりますが、先日、自動販売機で清涼飲料水を販売するメーカー全20社が、ことしの10月1日から、一斉に、大阪市内のすべての自販機4万3,000台で住所表示を行い、携帯電話での緊急時の活用に役立ててもらうように取り組んでいくという報道がございました。私も調べましたけれども、本市の消防局の1年間の119番への通報の合計が13万3,429件、そのうち約25%の3万2,733件が携帯電話からの通報でございます。通報者は、場所に大変不案内というようなこともございまして、現場の特定に時間がかかるという難点が、課題があったわけでございます。こうしたことから、このような、自動販売機での住所表示というものが極めて社会貢献的にもいいというようなこともありまして、進めるようになったそうでございます。  そこで、こうした動きもございますが、緊急災害時に大変有効と思われる、通報者に住所をわかりやすくし、緊急時の情報が効率的に通報できるように、市内の自販機に住所表示のステッカーの張りつけの導入についてお伺いしたいというふうに思います。 ◎北村 危機管理対策部長  一つ目のEメール配信の関係でございますが、先ほどの桑原委員にもお答えしましたとおり、新たな伝達手段について、私ども今検討している最中でございまして、その中には当然携帯電話も視野に入れているということでございます。  もう1点、市民が容易に災害情報を連絡できる所在地表示ステッカー等の導入でございますが、携帯電話の増加に伴いまして、発生場所の住所がわからない、こういうことを私どもも認知してございます。日本自動販売機協会の3団体では、来年の1月から所在地表示ステッカーの張りつけ作業を開始するというふうに、私どももお伺いしてございまして、本市におきましては、NTT北海道電話帳株式会社によりまして、ことしの2月から、NTT電柱に掲出してございます避難場所広告つき看板、これに住所表示を行っているところでございます。  今後につきましても、市民からの災害情報が容易に行えるよう、所在地表示の手法について検討を進めていきたいというふうに考えてございます。 ◆涌井国夫 委員  北電の電力柱とか、民間の方にご協力いただくことも極めて大事だというふうに思いますので、ぜひ積極的に取り組んでいただけるように、これは要望しておきたいと思います。  市民の危機意識の醸成について、3点目にお伺いしますが、市民が災害に対する意識を高めていくために、今後、定期的にアンケートを実施して、市民の防災意識、あるいは家庭での準備物品などの実態を知る必要があるのではないかというふうに思います。そのために、市民防災意識アンケート調査を行いながら、市民の意識啓発、そしてまた、備えについてのいろんな情報を提供していくことも大事ではないか、こんなふうにも思いますので、この辺についてお伺いしたいと思います。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  市民の防災意識を対象といたしましたアンケートにつきましては、平成14年が最後でございました。委員ご指摘のとおり、アンケートというものは、市民の防災意識の動向をつかむため、また防災意識の高揚を図るためにも効果があると考えてございますので、アンケート調査の実施に向けて検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆涌井国夫 委員  大変恐縮でございますけれども、これは質問の最後でちょっと考えていたのですが、横浜市の危機管理対策室ホームページを開きますと、ことしの7月15日に緊急事態等対処計画が策定されたということで載ってございます。これについては、恐らく国の緊急事態対処法のもとでの取り組みから来ているのだろうというふうに思います。この対処計画をつくるに当たって、緊急事態の対処指針というのもまず構築して計画を立てているようでございまして、本市については、この辺の緊急事態の対処指針あるいは計画といったようなことについて、どのようになっているのか。もしスケジュールがあれば、お伺いしたいと思います。 ◎北村 危機管理対策部長  緊急事態の対処につきましては、今現在の国の法制といたしましては、国民保護法の前提となります事態対処法の第25条を適用して対応するということになってございます。  横浜市につきましては、独自に緊急事態についての指針をおつくりになってございますが、私どもといたしましては、今現在、仮称でございますが、危機管理基本計画というものを策定中でございまして、国の事態対処法の動向を見ながら策定を進めていきたいというふうに考えてございます。 ◆宮川潤 委員  私は、2000年3定決算特別委員会以来、2002年と昨年と、災害時の情報提供として、FMコミュニティ放送局との連携の強化を取り上げてきました。  2000年3月31日、有珠山が噴火し、広域対応のテレビ、ラジオなどのメディアが一斉に現地から放送を始めましたが、被災した現地の人々に必要な生活情報が必ずしもそれらの広域対応のメディアから提供されるとは限らず、5月8日にFMコミュニティ放送局レイクトピアが開設され、毎日の噴火の様子、各避難所の状況、道路の封鎖解除の情報などを提供し、また地元の人たちが出演して、避難所に暮らす人たちに励ましの放送を行いました。また、岩見沢市のFMはまなすは、もともとJR岩見沢駅とうまくコミュニケーションがとれていたこともあり、深夜のJR岩見沢駅の火災の際、出火直後から報道を行い、翌朝の列車の運行情報を素早く提供することができ、市民から大変喜ばれたと聞いております。  このように、災害時などに大きな役割を期待できるFMコミュニティ放送局と行政との連携は、非常に大切だと思うのですが、現在、どのように連携がなされているのか、伺います。また、台風18号もありましたが、コミュニティ放送局と連携する上での課題で明らかになったことがあれば、お示し願いたいと思います。  放送局側からは、市からの情報をもっと早く欲しいという行政への期待の声が上がっております。一例を挙げますと、木が倒れ、通行どめになっていた道路が復旧しましたという情報ではなくて、木が倒れて、どこどこの道路が通行どめになりましたと、その時点での情報が欲しいということなのですが、この点についてはどう受けとめておられるのか、伺います。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  1点目のコミュニティFM放送局との連携についてでございますが、委員ご指摘のとおり、阪神・淡路大震災、それから有珠山噴火災害など、過去の災害事例から、身近な生活情報を発信するコミュニティFM放送局は、災害時におきましては、地域に根差した小回りのきく放送メディアとして、極めて有効に活躍できるものと期待してございます。  このため、札幌市といたしましても、防災関連番組への職員の定期的な出演ですとか災害情報の提供など、コミュニティFM放送局の活発な活動を積極的に支援してございますほか、在札コミュニティFM放送局制作研究会との情報交換などを通じまして、日常的な連携体制の構築を進めているところでございます。  それから、2点目のコミュニティFM放送局との連携する上での課題、それから市から情報をもっと早く欲しいという声をどう受けとめるかという点でございますが、本市では、これまでも、災害発生時には、逐次、コミュニティFM放送局へ情報を提供しているところでございます。今後は、研究会や勉強会などの中で、私どもからどのような情報が提供できるのか、それから、どの時点で情報が提供できるのかなど、課題を相互に認識しながら議論を深め、連携のきずなを強めていきたい、このように考えてございます。 ◆宮川潤 委員  次に、災害時にコミュニティ放送局に必要な情報が提供されるかという課題についてであります。  1993年7月、北海道南西沖地震の際の函館のFMいるかの取り組みは非常に示唆的であります。FMいるかが行った地元への情報提供は非常に高い評価を受けているのですが、局長の杉田圭夫氏は、当時を振り返って次のように述べております。まず、一気に電話がつながらなくなり、取材ができなくなりました。それまで、当たり前のように警察や消防に電話をしていたのがつながらない。それによって、出すべき情報を失ってしまいました。その後、自分たちの足で街の様子を見ながら、見たままの状況を伝えることを繰り返しやっていくことになり、そのときには、奥尻島は痛ましい惨劇になっていて、全国の関心とマスメディアが奥尻島に集中してしまう。しかし、そのとき、函館は震度4で、道路が隆起し、水道管が破裂し、信号はとまり、電話はつながらない。奥尻も大変だろうけれども、自分たちはどうなってしまうのだろうと思ったそうです。結局、見たままを報道したことが、函館市民への重要な情報提供になったのですが、しかし、地震発生時に電話がつながらず、情報収集に困難を来したことは、改善すべき課題です。  そこで、質問ですが、停電時あるいは電話回線のふくそう時にも行政からの情報を受け、あるいは、行政に情報を提供するために有効な防災行政無線をコミュニティFM放送局に設置すべきと思うのですがいかがか、伺います。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  コミュニティFM放送局の有用性につきましては十分認識しているところでございますので、防災行政無線の整備につきましては検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆宮川潤 委員  防災行政無線について設置を検討するということで、前向きな答弁というふうに受けとめましたが、災害はいつやってくるかわからないというものでありますし、本日の委員会も、台風の心配が事前にされていたところであります。したがって、コミュニティFM放送局への設置は、ぜひ最優先で行うように求めておきたいと思います。また、放送局と、日常からの関係を強化することで、いざ災害というときに、情報の交換がスムーズに行われるよう、この点についてもあわせて求めて、質問を終わります。 ◆福士勝 委員  私の方から、本市の危機管理対策についてお伺いをいたします。  かねてから、自治体にとって防災危機管理のあり方をどのようにとらえて、どのような方向性を具体化していくかが重要だという点で質問をしてきた経過がございます。また、新しい組織をつくることもさることながら、その組織が効率的に機能して、市民の安全・安心が確保されることが第一だとも訴えてきております。そういう意味では、ことし4月に危機管理対策室が設置をされたことは、高く評価をしているところであります。  しかし、一方では、危機管理対策室のトップと消防局長が兼務をしている。この点について、発災時における2面性として、脆弱性を内包するものとして指摘をしてきているところであります。  いずれにしましても、対策室の役割は極めて大きいわけでありますから、独立した機構にふさわしい組織体制を整えることは当然であり、急務だというふうに思います。  そこで、質問でありますが、副市長直轄の組織として新設をされてから半年が過ぎたところでありますが、この間に、従来の体制では対応できなかったと思われるようなイラクの拘束事件や、数多くの死傷者を出した台風18号による被害などが発生して、対策室の役割というのは極めて大きくクローズアップをされたわけであります。実際に対策室として対応してどうだったのか、まずお伺いをさせていただきます。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  当室は、近年の複雑で多様化いたします危機事象の増加傾向、これをかんがみまして、本市における危機管理を総括する組織として、旧消防局防災部を再編して、本年4月に発足したところでございます。  危機事象に対応する上で、災害対応に関するノウハウが重要であるとの認識から、対策室の設置に当たっては、この知識と経験を持つ防災部を母体としてございまして、イラク邦人拘束事件という特殊な事案に対しましても、また大きな被害を出した台風18号に対しましても、必要な対応をとることができたものと考えてございます。  特に、室の発足と同時に受けましたイラク邦人拘束事件というのは、手荒い洗礼と申しましょうか、危機とは何か、こういう手探りの状態の中でございましたけれども、初めてのケースとしては、危機管理に係る官房的な立場として、市長・副市長の補佐ができ得たのではないかというふうに考えてございます。 ◆福士勝 委員  ただいまの答弁で、特殊な事件や台風18号に対しても、危機が発生した場合、その被害を最小限にとどめることが危機管理にとっては極めて重大なことだというふうに思いますし、何が起こるかの最悪のシナリオを想定する、そして、時機を逸することなく集中して対策を講じることが危機管理の鉄則だというふうに私は思っております。  答弁では、今回初めてのケースとして官房的な立場を果たし得たと、こういう答弁でありますから、大変なご苦労の中で、発足後間もない、そういう意味では、一定の評価をさせていただきたいというふうに思いますが、今後の危機に対して、事実関係を市役所の経営層がしっかりと認識をする、そして、具体的な施策として危機管理への対応を実行することが、私は大きな課題だというふうに思っておりますから、今後、そういう点で見届けてまいりたいというふうに思っております。  そこで、今後の危機管理体制についてお伺いをいたします。  今、答弁があったように、対策室というのは旧消防局防災部から再編をした形になっているわけでありますが、引き継いだ以外の、いわゆる官房機能としての取り組みが極めて重要だというふうに思いますから、その点を質問をしたいというふうに思います。  危機管理対策室は、24時間、365日体制の連絡、実動が可能な消防局と密接な連携が図れると、そういう組織とされているわけでありますが、このために消防局庁舎に対策室を置いていると、こういうふうに聞いているし、現実はそうなっているわけであります。しかしながら、今日の自治体を取り巻く危機事象は、自然災害にとどまらず、さまざまな危機が想定されることから、これに迅速に、的確に対処するためには、市長のそばにあるべきだと、こういうふうな持論としているわけであります。消防局が持つ24時間体制と初動態勢は、あくまでも実動のものだということをきちっと私は認識しなければならぬというふうに思っております。  いずれにしても、市役所全体としての総合的な判断と対応が必要な危機管理対策室には、市役所や関係機関からの情報を集約する、そして分析をして、市長や副市長が判断するための的確な具申や総合調整機能が強く求められている。そういう意味では、消防局もさることながら、市役所本庁にあってこそふさわしく機能するものと考えるがいかがか、お伺いをいたします。 ◎北村 危機管理対策部長  危機管理対策室は本庁にあるべきではないかということでございますが、現在、消防局庁舎にあることについて、危機事象に対応する等の面から申しますと、何が起きて、どう展開しているのかということについては、迅速で正確な情報の入手が必要でございます。この点、本市の中にあっては、ほとんどの緊急情報がいち早く入る消防局庁舎にあることは、情報をリアルタイムに入手できるという大きなメリットがございます。  ただし、委員ご指摘のように、いわゆる官房機能という最高経営層を補佐する立場から言えば、IT化の進展とともに伝達手段も多様化している中でございますが、より近い方が意思疎通が図りやすいという点ではメリットがあると思ってございます。
     なお、発足後6カ月ということもございまして、当市の今後の業務の動向、業務量など、しんしゃくすべき事柄も数々ございますので、今後とも検討してまいりたいと考えてございます。 ◆福士勝 委員  ただいまの答弁で、現在、消防局にあるわけでありますから、局あるいは本庁に配置をし直す、それらの関係でメリット・デメリットは当然出てくるというふうに思います。緊急情報がリアルタイムに入手できることは、119番体制を持っている消防局でありますから当然だというふうに思っておりますが、今の答弁を聞いておりますと、消防局の情報が、イコール危機管理対策室の情報のようなニュアンスに聞こえる面が多々あるわけであります。  危機事象によって違いがあるというふうに思いますが、全庁挙げて情報を総合的に得る、こういうことになると、消防局の情報もその一つだと、私はこう指摘せざるを得ないというふうに思っているところであります。  いずれにしても、総合的に得た情報を判断する、官房機能を高める、そういう意味で局相応の対策室を立ち上げたという形になっているわけでありますから、体制構築のための組織の責任者をきちっと決め、対策室を市長のひざ元に置いて、補佐をしやすい、先ほど答弁にもありましたように、意思疎通を図りやすくすべきだ。そういう意味では、前向きな検討を要望しておきたい。  さらに、私はかねてから、札幌市全体の危機管理対応力を強化していく、そういう意味では、さまざまな危機事象に対して、各局あるいは区の役割だとか責任を明確にする、それとともに、各局あるいは区に対する総括、調整をする、対策室の権限をもっと明確にしていく、そういう必要性があるということを再三述べてきたところであります。そういう意味では、副市長直属の対策室は官房機能であり、非常時にあって、市役所の各部局を有効・効率的に機能させるための司令塔、そういう役割だというふうに思います。  そこで、司令塔の役割を有効に機能させるための仕組みとして、危機管理基本計画と、これを具体化するための危機マネジメントシステムの構築が極めて重要になってくるわけでありますが、先般の質問で、1年間で作成をすると、こういう答弁をいただいているわけでありますが、どこまで進んでいるのか、お聞かせをいただきたい。 ◎北村 危機管理対策部長  危機管理基本計画についてのお尋ねでございますが、本市の危機管理に対する体制の整備と危機に対する対応力強化を図ることを目指す、こういうものに危機管理マネジメントシステムという手法を導入して実効性を担保する、このようなことを考えているところでございます。このシステムは、各部局におきまして、所管業務に関する危機事象の発見、対応に関するマニュアルを整備して、実際に機能するかをみずから検証し、見直し、更新を行って、常に緊急時に備える機能を持つものを目指しているところでございます。それから、危機管理に関する責任の所在を明確にする危機管理責任者制度、それから危機管理に関する対策の執行状況をみずから評価する危機管理対応力評価システム、こういうものを中核とするものとして考えてございます。  当計画につきましては、庁内における策定委員会で、現在、検討を行ってございまして、本案の策定を経て、市民の皆様のご意見を伺った上で、17年度からの実施を目指して作業を進めているところでございます。 ◆福士勝 委員  対策室は全庁的な指揮系統や責任体制を明確にする必要性があるわけでありますから、ただいまの答弁でありましたように、危機事象の発見だとか対応に関するマニュアルを整備して、みずから検証し、見直し、そして更新を行っていく。ISOの環境マネジメントシステム、これらを参考にして、今つくっているわけでありますから、他都市に見られない、例えば責任所在を明確にするというような危機管理責任者制度、あるいは執行状況をみずから検証するという評価システム等々を盛り込んだ、この関係については、一定の評価をしたいというふうに思います。ぜひとも17年度に実施ができるということで期待をさせていただきたいというふうに思っています。  いずれにしても、本市では経験のない災害の発生など、まさに予測もつかないようなさまざまな危機事象が今後も起きる可能性があるというふうに思っております。このような現実を踏まえて、また市民の目線での危機対応を推進する上でも、既に立ち上がっている組織でありますから、効率的な組織体制にすることを強く望んでおきたいというふうに思います。  私は、従来から指摘をしている消防局長と危機管理対策室長との2面性の問題については、今年の1定において、田中副市長から、全庁的な対応の中でどのような組織が必要なのか、今後検討する旨の答弁をいただいているわけであります。組織が立ち上がってから6カ月しか経過をしていないわけでありますから、危機管理基本計画や、今、答弁があったマネジメントシステムの方向性が具体化をしていく中で、2面性の課題が解消される、こう期待をしているわけでありますし、そうあるべきだとも思っているわけであります。  そこで、今回は、そういう意味で質問を差し控えた面も理解をしておいていただきたいというふうに思うし、いずれにしても、対策室のしかるべき方向性を明確にしていく中で、2面性の解消だとか、あるいは効率的な運用の視点から、対策室の本庁配置を含めて、札幌市にふさわしい危機管理体制がどうあるべきかを含めて早急に構築をしていく。このことを強く要望して、質問を終わりたいと思います。 ◆小林郁子 委員  私からは、地域防災計画にかかわってお伺いをいたします。  札幌市の防災体制づくりの根幹となっていますのが地域防災計画です。1998年10月に策定されていますから、ちょうど6年たちますが、この間、防災面から札幌市の社会状況を見ますと、さまざまな変化があります。中でも、2001年9月11日を契機とするテロの脅威がありますし、昨年の十勝沖地震や、ことし9月の台風18号などを経験しています。また、高齢化が一層進んでおりまして65歳以上の方のみで構成されている世帯は95年の国勢調査では6万2,500余の世帯であったものが、2000年には9万2,600余の世帯に増加をしております。施設から地域への政策転換によりまして、障がいのある方の在宅生活もふえております。さらには、中央区で特に顕著ですけれども、高層マンションが増加しているという住宅状況もあります。  このような状況を考えますと、同じ規模の地震や台風の襲来でも、被害の様相や深刻度には違いが出てくるように思います。これらを踏まえまして、災害対策の中でも中心的なものである地震についてお伺いをいたします。  昨年11月に、国の地震調査研究推進本部が全国の活断層の調査結果を発表しておりました。その中に、札幌市域に近接する石狩低地東縁断層帯というものがありまして、これは美唄から早来の方向に走っているものですけれども、このことが載っておりました。地震の発生確率は、日本の活断層の中で高いグループに入るという結果が出ておりました。このような状況もありまして、地震に対する市民の関心も高まっているところです。  札幌市では、2001年度から今年度まで、地下構造調査を実施しています。人工的に地震を起こす起震車というのを用いて、反射法、屈折法や微動アレーなどの手法による物理探査などにより、札幌市域の地下の解明を進めております。その結果、東米里付近では5,000メートルに及ぶ軟弱な堆積層があるということが判明するなど、地下の詳しいデータの集積が進んでいます。このように、地下の様相も明らかになりつつありますことから、地域についてのきめ細かい対策も可能ではないかと考えているところです。  そこで、伺いますが、1点目は、今年度は地震防災検討事業として、学識経験者などから成る委員会を設置し、地震防災に関する検討に着手したと聞いておりますが、地震防災検討事業はどのようなことを検討することになっているのか、また、目指すところは何なのかについてです。  それから、2点目ですが、これまで行ってきた地下構造調査の結果として、地震基盤の形状や堆積層の厚さなどのデータが得られていますが、この貴重なデータが、今後、地震防災検討事業の中でどのように生かされていくのか、お伺いをいたします。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  1点目のご質問の検討内容と目指すところについてでございますが、本市では、平成8年度に札幌市地震被害評価調査報告書を策定してから8年が経過、その間に、地下構造調査による最新の知見を得たり、石狩低地東縁断層帯の評価が発表されたほか、被害に関するさまざまな評価書が開発されるなど、当時に比べますと、地震防災の状況がかなり変化してまいりました。このため、6月に、学識経験者6名から成る専門家の委員会を設けまして、本市の将来の地震防災はいかにあるべきかという施策展開の方向性を検討しているところでございます。  次に、2点目の地下構造調査の成果の活用についてでございますが、地下構造調査の成果でございます地震基盤の形状と堆積層の厚さのデータから、3次元の立体的な地下構造モデルを策定することが可能となります。これにより、地表の揺れの予測、地震動シミュレーションでございますが、その精度が向上いたします。また、どのような被害が発生するかの予測を従来以上に詳細に行えるとされてございます。 ◆小林郁子 委員  今後の地震防災の施策として、地震動のシミュレーションみたいなこと、あるいはまた被害予測が考えられるというようなことかと思いますが、現在の地域防災計画を見ますと、想定地震として、プレート型の地震とそれから直下型の地震ということを想定して、それぞれに人的被害、建物の被害、火災被害、ライフラインの被害など被害評価をしておりまして、最大で12万7,100人に被害が及ぶというふうにしております。  今回、このような地下構造調査により詳細なデータが得られたことにより、また新たな被害評価がなされますと、地域防災計画の見直しということも必要ではないかというふうに思うわけですけれども、そのあたりはどのようにお考えになっておられるか、お伺いをいたします。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  仮に、地震動シミュレーション、それから被害予測が行われました場合には、その結果が、現在の被害想定と著しく異なるような場合につきましては、地域防災計画の見直しを検討する必要がある、このように考えているところでございます。 ◆小林郁子 委員  これから、まだ専門家の検討とかそういうこともあるのだろうと思いますけれども、地下の構造が明らかになってきたという、このことの効果は非常に大きいものがあると思います。地域防災計画の改定そのものということまで至らなくても、地域ごとあるいは関係機関ごとのマニュアルを今もつくっておりますけれども、そのマニュアルをもう少しきめ細かにすることができるのではないかというふうに思います。  さらに、地域防災計画に定められておりますけれども、災害弱者と言われる高齢者等の対策についてですが、地域防災計画では、災害弱者として高齢者、障がい者が対象となっており、在宅または施設の高齢者等の状況把握を行いまして、人員配置等の措置をとるなどが規定をされております。先ほど申しました高齢者世帯の状況は、国勢調査時点のもので、これは国勢調査でないとなかなか出ないということなのですが、5年間で3万世帯ふえているということがありますが、来年また国勢調査がなされますと、この5年間で相当数増加しているだろうということが予測されます。  そのような中で、今も台風23号がありますけれども、ことしは集中豪雨や台風による水害が全国各地で多発し、7月の新潟・福島豪雨と福井豪雨では死者・行方不明者が21名出ましたが、その犠牲者のほとんどは65歳以上の高齢者でした。そのことからも、日ごろからの災害弱者対策の重要性ということを思い知らされるわけです。  そこで、伺いますが、現在、国でも高齢者等の災害時要援護者の支援ガイドライン、そういうものを早急に策定すると聞いています。本市でも、今現在、高齢者、障がい者などの災害弱者をどのように把握されているのか、お伺いをいたします。 ◎北村 危機管理対策部長  災害弱者の把握でございますが、いわゆる災害弱者は高齢者や障がい者などの多岐にわたりますことから、これまでは各所管部局で把握している情報を活用することとしてございました。  委員ご指摘のとおり、災害弱者の把握は重要なことであると認識してございますので、新潟・福島豪雨や福井豪雨を教訓といたしまして、現在、本市では、関係部局によりまして、災害弱者情報の整備・集約を進めているところでございます。 ◆小林郁子 委員  災害弱者について、どこにどういう方がお住まいかという、そういう住民の台帳が整備されているということがあるのかどうなのか、そこを重ねてちょっとお伺いをしたいと思います。  この件につきましては、プライバシーへの配慮ということが当然必要ですけれども、台帳があるのかないのか、また、どの程度まで把握されているのか、そのあたりを再度お聞きしたいと思います。  それから、1995年に阪神・淡路大震災がありましたが、大都市神戸が震度7に襲われたという、このときは、避難所におきましても、私はテレビで見るだけでしたけれども、高齢者が心身ともに衰弱しておられる様子が映っておりました。今後の大都市における災害弱者対策を考える上で極めて貴重な、そして多くのことを教えてくれたように思います。  現在の地域防災計画では、災害弱者への応急対応の流れとしましては3パターンになっております。災害発生時、それから24時間後まで、そして3日後までというふうになっておりますけれども、これを、例えば4日目以降から2カ月ぐらいまでを含めた時間帯とか、それから居場所も、在宅、避難所そして仮設住宅など何パターンにも分けて対応を想定するという、そういうきめ細かいものが必要ではないかと思いますけれども、今後の本市の災害弱者対策についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。 ◎北村 危機管理対策部長  まず、第1点目の台帳があるのかどうかということでございますが、今までの災害対策におきましては、具体的に対応いたしますのは各区の保健福祉部ということになろうと思いますが、そちらの方でそういうような台帳を整備しているかどうかということになりますと、業務用の台帳を使用することになっていたかとお聞きしてございます。ただ、この点につきましては、個人情報ということもございまして、台帳を別にするのかどうかということが今後の課題ということになろうと思います。  それで、第2点目の弱者対策といいますか、それについて関連いたしますが、国におきましても、災害時要援護者対策を早急に取りまとめているところでございまして、本市では、その動向を見ながら調整を進め、災害者情報の取り扱いにつきましては、先ほど申しましたように、個人情報保護などの課題もありますことから、大規模な洪水等が発生した場合に、先ほどお答えをいたしました、整備・集約を図っているその情報をどのように活用するのかということについて検討を進めているところでございます。 ◆小林郁子 委員  災害になりましたら、やはり一番弱いのは災害弱者と言われる高齢者、障がい者の方々だと思いますけれども、いざというときに、どこにどういう方がいて、どういう障がいの方が、そしてまた、さらに言えば、最近は血液型までとっておくとか、それはもちろん本人の了解をとってのことになりますけれども、そういうものが必要だと思います。そのあたりは、関係機関ということはあると思いますが、危機管理対策室としてきちっと把握をしておいていただきたいというふうに思います。  また、災害弱者としましては、札幌市に住む外国人のことも考えなければならないと思います。現在、札幌市には8,600人の外国人が住んでおりますし、この方々への災害時の情報伝達のあり方というのが非常に重要になってくると思います。今回は、そういうところまでということはありませんが、要望として、抑えておきたいと思いますけれども、そういう方々への配慮もしていただきたいと思います。  今後は、地震のより詳細なデータが集まるということとあわせまして、先ほどから申しておりますが、マニュアルなどを通しまして、きめ細かい対策をしていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  最初に、委員長にお断りをしておきます。  私は、今までの消防局の防災予防体制の取り組みで、十分手が回っていないという部分がありますので、そのことをまずお聞きをして、その後に危機対策室として対処しなければならぬというふうなこと、そのことを質問していくと、こういうことになりますので、ご了解ください。  まず、最初に、いろいろ危機管理対策室について今まで議論がありました。これは、主に天空から降ってくる雨、それから地の底から来る地震、そして天空と地の間の風、これに対する防災ということが危機管理対策室の中心というふうな議論でありました。  私は、今まで、消防局が手が回りかねている問題ではないかと思うことは、一つは、高層マンションがふえてきております。これに対する火災だとか救急救命などの問題で、例えば高層マンションであれば、大型のはしご車が出動しなければならないと。そこで、そのはしご車の出動で一番問題なのは、冬期間も含めてそうでありますけれども、道路の幅員がどのように確保されているかということが問題になってまいります。  そこでまず、1点お尋ねしたいのは、高層マンションが建っている場所で、道路幅員上、大型のはしご車などが入るのになかなか難儀するという道路は何カ所ぐらいあるか。  それから、二つ目は、札幌市の認定道路において、道路上を建物だとかあるいは他の工作物などが不法占用していて、そのことによって阻害をされているというような箇所は何カ所ぐらいあるか、まずそのことについてお尋ねをいたします。 ◎松井 警防部長  まず、道路狭隘が原因で、はしご車が架梯できないというものにつきましては、私どもの調査では924棟でございます。道路の数字ではございません。建物の数が924棟という認識でございます。  さらに、認定道路上の不法占有物等による阻害ということについては、私どもは承知をいたしておりません。 ◆松浦忠 委員  そこで、危機管理対策室にお尋ねしたいのでありますけれども、今、私が尋ねていることは、今度は天、空、地の風、雨、地震という天災と言われるものではなくて、人災なのですね。特に、高層マンションが建っていて、火災が発生する。そうしたら、大型のはしご車が行かなければならぬ。道路は狭隘だ。入るのに難儀する。それにどう対応するか。あるいはまた、不法占有物があるというようなことは、今までの警防部の取り組みだけでは、横の連携を含めても、なかなか対応ができかねているというのが実態だと思うのですね。  例えば、不法占有物が道路にあるということになると、建設局の管理部と連携をして、その不法占有物がどういう経過をもってそこに占有されているか。例えば、その道路用地の権原が札幌市に寄附される前に建物があったとすれば、建てかえるときに下がってもらうという条件つきで権原の寄附を受けている、こういうこともありましょう。しかし、その後に、市道認定した後に占有されているとすれば、札幌市の道路管理上の問題があります。これについては、やっぱり建設局だとか、あるいは、場合によっては行政部の法制担当課長などとも相談をして、法的に撤去を求めていく。応じない場合には、市長が裁判所に代執行などの手続をとらざるを得ないというね、こういうことにもなってくるわけですけれども、こういう点について、室長の方では、今まで検討されたことがあるかどうか、この点についてお尋ねをいたします。 ◎藤林 危機管理対策室長  突然の質問でありますけれども、ただいまのご質問の件は、そういうことを働きかけたことがあるか、取り組んだことがあるかということについては、私の立場としては、取り組んだことはございません。 ◆松浦忠 委員  なぜ室長に尋ねたかといったら、室長は土木職に長くおられて消防局長に就任をされていますから、道路管理の関係は建設局でということなものですから、あえて尋ねたわけであります。  そこで、実はきのうの晩に、私の住んでいる菊水上町地区で道路工事にかかわっての説明があって、私も参加しました。なぜ永久舗装の道路工事、歩道つきの工事をするかといったら、12階建ての高層マンションができて8年たって、道路整備をしていないがゆえに不法駐車も多く、この春、そのマンションの奥で火災があったときに、国道12号線から入るのに、はしご車が難儀をしたと。こういうことがあって、住民から、きのう、8メーター道路の入り口のところ約1メーターちょっとぐらいが、不法占有されていると、これを何とかしない限り、例えば、その奥の方を駐車禁止にしたとしても、冬なんかは、除雪で少し道幅も狭くなりますから、はしご車なんかが入ることは極めて難しくなると。これをやっぱり何とかすべきであるという意見が出されました。これについては、先ほど私が指摘したような手続を踏んでいかなければならぬわけであります。  そこで、市長にお尋ねをいたします。  今まで、札幌市は、法的にそういう権限が市長に付与されているのですが、例えば歩車道区分になっていて、歩道を占有している建物なども何十カ所かあるのですが、そういうものにほとんど手をつけていないと。高齢者あるいは子供たちの通学路にかかわる部分があっても、手をつけていないと。  ゆうべ、その話が出て、私も地元のそういうところ、12階建ての高層マンションに、はしご車は夏でもちょっと難儀すると。既に、この春にあったと。冬なら、相当難儀するだろうと。こういうことが付近住民から言われているわけです。そうすると、これはやはりきちっと調査をして、占有した状況はいつなのかということを調査して、いろいろ占有している人の言い分はあったにしても、その道路を管理している市長として、市民の安全を守る、財産を守ると、こういう大義からすれば、場合によっては、法的措置などを含めてきちっと対処して、道路を確保していくということが私は必要だと思うのですけれども、市長は、こういう事案に対してどのように対処されるというふうにお考えなのか、お聞かせください。 ◎上田 市長  道路を管理する責任というのは札幌市にあるというものについて、違法な占有がなされているということであれば、それを排除するためのあらゆる手段を講じなければならない、これは当然のことだというふうに思います。  もちろん、任意に説得をして、ご納得の上、任意に占有を解除していただくということが大事だと思いますけれども、従っていただけなければ、それは法的に与えられた権限、手段、方法を選択をしながら進めていくというのが、道路を管理している者の責任であるというふうに考えます。 ◆松浦忠 委員  市長から非常に理にかなった答弁をいただいたので、私は安心しました。  蛇足になりますけれども、市長ね、今まで、どちらかというと、占有している人の言い分をできるだけ聞こうということで、話し合いということでやってきたのが実態なのです。それであるがゆえに、ほとんど解決をしていない、こういうことなのであります。  私が承知しているのでは、清田区の道路敷地内に、昔はモーテルといったのでしょうか、今はラブホテルというのですかね、その看板が周りに立っているということで、それは道路法を適用して、ここ二、三年前に、法律に基づいて撤去させたという一件はありましたけれども、見た目が悪い問題ではなくて、肝心の人が歩くことの安全が阻害される、あるいは財産・生命が奪われるという事象に対しては、まず私の知る限りではゼロでありました。今、市長の言葉を聞いて、非常に私は心強く思いましたので、ぜひひとつ早急にしっかりと取り組んでいただくことを、副市長以下の皆さんに、市長の今の言葉をかみしめて取り組んでいただくことを求めて、終わります。 ◆畑瀬幸二 委員  私からは、代表質問で触れました防災対策にかかわって、順次質問してまいります。  まず、最初に、災害想定の見直しであります。  本市の風の災害想定は、これまで、札幌市に被害をもたらした解析結果から、強風をもたらすモデル台風を想定して、これによる最大風速を想定しています。そうした状況の中で、9月8日本市を襲った18号風台風は観測記録を更新したことから、札幌市地域防災計画にある風の災害想定に見直しが生じないのかと我が会派の代表質問で触れたところ、市は、防災計画の点検作業を進めたいとの答弁をされました。  そこで、質問でありますが、1点目として、今後、防災計画の点検作業はどのようなスケジュールと内容で行うのか、また、この課題を最終的にどうする考えか、あわせて見解を伺います。  2点目として、台風18号は、札幌市内においても、死者4名を初めとして、大きなつめ跡を残しました。そこで、今回の被害を縮減するための対策強化点はどのような点にあるのか、この機会に伺っておきます。  次に、これまた代表質問で触れた洪水ハザードマップにかかわって、詳しく伺ってまいりたいと思います。  晩秋台風が猛威を振るっておりまして、台風23号のような記録はありがたくありません。もしこの規模のものが本市を襲ったら、確実に洪水になり、恐ろしさを感じます。こうした洪水に備えるために、2001年、国の水防法の改正によって、洪水予報河川の堤防が決壊した場合に浸水が想定される区域を浸水想定区域として指定し、公表することが義務づけられました。これに基づいて、札幌市は、石狩川と豊平川の堤防が決壊した場合の洪水ハザードマップを作成し、本年7月から配布し始めたところであります。作成した以上、有効に生かされなければなりませんので、そのような観点から5点伺います。  1点目は、洪水ハザードマップによる札幌市全体の要避難者総数は約50万1,000人で、総人口の27.3%に当たります。内訳は、床下浸水が最も多く、全体の76.5%、床上浸水が23.5%となっています。そこで、ハザードマップで想定しております要避難人口の想定根拠と、市民の側ではこれをどう受けとめておいたらよいのか、見解を伺います。  2点目は、洪水ハザードマップには、浸水が想定される区域と水深、水害時の避難場所や避難する際の危険箇所等の情報が地図上で表示されており、いざというときに備えた内容になっています。本年7月には、北区、東区版から配布し、地元説明会等も行われたと聞き及んでおりますので、この間の市民の反応はどうであったのか、その特徴を伺っておきたいと思います。また、未配布地域の計画はどのようになっているのか、あわせて伺います。  3点目は、洪水ハザードマップには、水害時に利用できる収容避難場所を掲載しています。選定の考え方は、市立の学校やまちづくりセンターなどの市有の施設を基本に、浸水深を考慮して、水没する可能性がある施設は除外をし、地域の状況に応じて他の施設を選定したと聞いています。この考え方に基づいた指定状況は、きょう現在、六つの区に及んでいます。中央、北、東、白石、厚別、豊平でありますが、その内容を見ますと、6区全体で417カ所ある収容避難場所のうち、水害時に利用できる施設は228カ所で、水害時に利用できない施設は139カ所に及び、利用できない施設の割合は33%、全体の3分の1に達しています。また、指定状況を各区ごとに見ると、約半数近く利用できない区から、一、二割までと、ばらつきがあります。そこで、今回指定した収容避難場所の指定数で、災害時の対応は十分なのか、見解を伺います。  また、水害時に利用できる収容避難場所とそうでない避難場所が新たに出現いたしました。標識の区分化が必要になりますが、この対応策を含めて見解を伺います。  4点目は、避難場所の標識は、避難場所であることを表示して確実性を期すとともに、設置するだけで市民の心にとめてもらう効果があります。よって、避難場所には必要不可欠な表示であります。しかし、避難場所の標識設置状況というのは、あらかじめ資料を取り寄せたところ、設置割合は、広域避難場所で50カ所ありますが、ここでは100%、一時避難場所は1,024カ所ありますが、96.3%、収容避難場所では609カ所ありますが、65.4%となっておりまして、注視すべきは収容避難場所の低さであります。全体で609カ所あるうち、設置個所は398カ所で、未設置箇所は211カ所にも上っているのであります。これでは、いざというとき、避難された方が施設の前で戸惑ってしまいます。マップなどで宣伝している指定施設には、実は標識を設置していませんでしたでは、行政の責任が問われかねません。未設置の理由を伺うとともに、未設置箇所の早期解消を求めたいと思います。  特に、標識未設置箇所の解消に当たりましては、これまで立ててまいりました表示部分と土台つきのものだけではなく、施設によってはシール方式やアルミ板接着方式など、安価で、かつ、じか張りの可能なもので十分対応可能なところもあると考えます。こうしたメニューを持って解消策を考えるならば、早期設置は可能であり、来年の台風到来前までに完備すべきぐらいの緊要な課題と考えますが、見解を伺います。  5点目は、避難場所の誘導案内看板の設置の必要性についてであります。  災害対策の基本は、申し上げるまでもなく、まず人命を守ることにありまして、安全な場所に速やかに避難させることにあると考えます。そこで、洪水ハザードマップに基づき、円滑に指定避難場所へ避難誘導するため、避難場所への導線となる道路上の街路灯や電柱などに案内看板を設置すれば、みずからの避難場所の認知と、居住者以外の市民や、いわゆる災害弱者とみなされる市民にも有効と考えます。  ここに、一つの見本があります。これは、2年前に札幌市でDPI世界大会が行われまして、そこに参加されました障がい者の皆さんが、障がい者の発想で考案したものであります。知らない街に行ったときに、もし災害に見舞われたら、私はどこに逃げればいいのだろう、その重い問いかけから考案したそうであります。デザインのコンセプトは、わかりやすさと景観性、矢印と距離を記載し、設置場所から最も近い避難場所へ速やかに誘導する。国際都市にふさわしく英語、中国語、ハングル語などを併記したそうであります。すべて完璧とは言えませんが、まさかのときに、街の中にあったら、どんなに安心できるだろうと、率直に感じました。障がい者の視点や発想というのは、一般市民にとっても安心のシンボルになるはずであります。  そこで、市は、避難場所誘導案内看板の設置の必要性についてどう考えているのか、見解を伺います。  以上、7点ほど述べたと思いますが、順次お答えをいただきたいと思います。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  まず、最初のご質問の地域防災計画の点検についてでございます。  1点目の点検内容と今後のスケジュールということでございますが、災害に備えるためには、どのような事態が起きるのかを具体的にイメージすることが重要であると考えてございます。したがいまして、このたびの気象の変化や被災内容を十分に検証し、地域防災計画の点検作業を進めてまいりたいと考えております。具体的には、風水害対策編に関して、本市内での最大風速ですとか最大瞬間風速などについての記述のあり方になると考えております。  また、今後のスケジュールでございますが、今年度中に点検をし、北海道を初めとする関係機関や専門家などのご意見をお聞きしながら、システムの検討を進めてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。  2点目の対策の強化点についてでございますが、ふだんから、風水害に関して市民に理解を深めてもらうための啓発活動を行い、さらに、このような台風が接近し被害が発生するおそれがある場合は、早い時期から、テレビやラジオなど、いろいろな情報ツールを通じまして、市民への注意喚起に努めることが必要であるというふうに考えてございます。  次に、洪水ハザードマップの有効活用についてでございますが、1点目の要避難者数の想定根拠とその受けとめ方ということでございますが、この洪水ハザードマップにおける要避難者数につきましては、国が行った浸水想定、具体的には、豊平川流域で3日間の総雨量が310ミリ程度降ったときに、堤防が決壊した場合の想定結果をもとにしてございます。  この浸水想定結果に対する要避難区域につきましては、洪水ハザードマップ検討会議の中で、0.5メートル未満であっても、地下施設での従業者もおりますことから、浸水が想定されるすべての区域ということといたしました。この区域内のすべての人口が、約50万1,000人ということでございます。現実的には、床下浸水ですとかマンションの上層階にお住まいの方は避難されないことが想定されますので、それよりは少なくなると考えております。  2点目の地元説明会での市民の反応、また未配布地域への配布計画についてでございますが、この洪水ハザードマップの公表、配布とあわせまして、このマップの記載内容、活用方法などについてご理解をいただくため、去る7月に、北区、東区の区民を対象に説明会を開催してございます。また、つい先日も、白石区、厚別区において同様の説明会を開催したところ、7月の新潟・福島豪雨以降、大きな水害が頻発していることもございまして、いずれの説明会でも多くの住民の皆様にお集まりいただきました。反応といたしましては、特段の不安ですとか動揺ということはございませんでしたが、このマップの公表について、一応の高い評価をいただけたものと考えてございます。  また、中央区、豊平区、西区、手稲区の未配布地域への配布につきましては、去る7月に、北海道から新川の浸水想定区域の指定通知を受けたところでございまして、今年度内にこれらの区に係る原案を作成いたしまして、平成17年度の早い時期に配布したいと考えてございます。  なお、清田区、南区につきましては、今回の国及び道の浸水想定区域が設定されておりませんことから、対象外となってございます。  3点目の水害時避難場所の指定状況と避難場所標識の区分化についてでございますが、水害時避難場所の選定に当たりましては、円滑に避難場所の開設が行える市職員の動員体制が整った市有施設で、かつ浸水想定の影響を考慮し、施設を選定しているところでございます。しかしながら、委員ご指摘のとおり、地域によってばらつきがあることも確かでございまして、そのような地域につきましては、今後、道立高校などの指定についても検討をしてまいりたいと考えてございます。  また、現在の指定状況で対応が十分可能なのかという点でございますが、今回選定いたしました水害時避難場所の収容能力、これを合計いたしますと約38万人ございます。それに対しまして、避難の必要性が低い0.5メートル未満の床下浸水区域を除きます要避難者数は約11万7,000人となりまして、十分対応できるものと考えてございます。  また、洪水ハザードマップの公表を契機として、避難場所標識の区分化についてでございますが、これにつきましては、今後、検討してまいりたいと考えてございます。  4点目の避難場所標識の未設置箇所についてでございますが、現在、避難場所には、市民に対しての周知のためにも、避難場所と記載した標識を敷地内に1カ所から3カ所程度設置してございます。ただ、未設置の理由といたしましては、収容避難場所のうち民間施設の一部には、設置スペースの問題ですとか施設管理者の承諾が得られなかったなどの事情により、設置されていないところもございます。今後は、標識の見直しですとか施設管理者への働きかけなどを行い、未設置箇所の解消に努めてまいりたいと考えてございます。  最後に、避難誘導案内看板の設置についてでございますが、その必要性については認識してございます。避難しやすい環境づくり、これは市民の安心・安全にとって重要な課題と考えてございまして、この点につきましても、その一環であるというふうに認識してございます。 ◆畑瀬幸二 委員  まず、災害想定の点検作業になりますが、十分検証し、関係機関と詰めていきたいということでございます。諸対策の前提となる課題でありますので、科学的に十分検証していただきたいと思います。  洪水ハザードマップのかかわりで、要避難者総数の想定根拠の受けとめ方については、現実的な受けとめ方をしていかなければならないと受けとめておきたいと思います。  また、マップを発表した反応については、マップそのものを公表したことについては好評であるということでありました。今後も、出前講座を含めて要望が強まると思いますが、積極的に出かけていきまして、作成の意図などを広げていただき、一人でも多くの市民に関心を持ってもらうように努力をしていただきたいと思います。  さらに、水害時の避難場所の指定状況ですが、38万人分用意しているが、必要なときは11万7,000人分なので対応可能であると、こう述べられました。ただ、中には、移動距離が直線にして2キロメートル近くあるところもあるのではないでしょうか。実際に歩いてみると、それ以上あるかもしれません。そんな意味では、他の施設がなければ致し方ありませんけれども、できるだけ近いところに収容避難場所が存在するように、随時増設や見直しを行って、より一層安全性、利便性の高いものにしていっていただきたいと思います。  次に、質問に入らせていただきます。
     まず、1点目は、避難場所の標識でありますが、未設置箇所の解消につきましては、安全な避難場所の開設と、それを表示しておくということは、避難場所整備の大前提になると思うのであります。したがって、いろいろな事情があるとは思いますが、150年に1回の確率とはいえ、150年後に来るか、またすぐ来るか、これはだれもわからないことでありまして、基本的な条件整備でございますので、これは来年の台風到来前までには100%近く完備いたしますと、そのような決意を持って取り組むべき課題であるということを強く申し上げておきたいと思います。  そこで、標識の基数のあり方でありますが、市立学校には標識が1基しか設置されていません。規模によっては1丁画を有しているところで1基では、率直に言って目立たないという課題が残っております。しかも、設置場所はいろいろでございます。災害先進都市の神戸市では、校舎の入り口と裏口に2カ所、必ず標識を設置して、いざというときに、その入り口がどこであるかということがわかるようなことで、場所について特定をしているようであります。面積が広い施設では標識の複数設置が望ましいと思いますが、この点の見解を伺っておきたいと思います。  2点目は、避難場所の標識について、今回、多くの課題が出されたと思っています。例えば、未設置箇所の解消、水害時適応施設の区別化などの課題が存在いたしますので、この機会に標識や看板のあり方を総合的に検討すべきではないかと思うところであります。また、検討の対象に、現在、標識の表示例は文字表示になっておりますが、最近は、よりユニバーサルなピクトグラム、標準案内用図記号を採用してきているところが目立ってまいりました。より多くの人々にわかりやすいサインを出すということは大切な視点でありますので、市は、このピクトグラムの採用についてどう考えているか、見解を伺っておきたいと思います。  3点目は、誘導案内看板の導入について、その必要性については認識しているとの答弁でありますが、災害は、いつどこで起きるかわかりません。市民が居住区以外の地域で災害に遭う可能性は高く、そうした実情を踏まえるならば、災害時の誘導案内看板の設置計画には必然性があると考えております。また、札幌への観光客は、年間1,300万人を超えており、土地勘のない観光客を、万一のとき、安全な場所に誘導する表示システムというのは、札幌市のイメージアップを促すと思うのであります。また、常時さまざまな場所に設置されて存在していることによって、おのずから市民の危機管理意識を高めていく啓蒙運動にもなると考えるのであります。  そこで、洪水ハザードマップの作成を機に、海抜の低いエリアは、一時的にせよ、水没の危機にさらされますので、浸水の影響の大きい地域から誘導案内看板の導入を図ってみてはと考えますが、見解を伺いたいと思います。 ◎北村 危機管理対策部長  お答えいたします。  1点目の小・中学校の避難場所標識の数についてでございますが、現状、設置の状況でございますが、全小・中学校のうち、約半分の学校が1カ所、残りが2カ所ということになってございます。今後は、標識の複数化について進めていきたいというふうに考えてございます。  それから、2点目、3点目につきましては関連がございますので、まとめてお答えさせていただきますが、避難しやすい環境づくり、これが重要な課題だと認識しておりますので、総合的な検討を行いたいと考えております。その中で、委員ご指摘のピクトグラム、その表示、それから浸水の大きいところからの導入、そういうものについてもあわせて検討させていただきたいというふうに考えてございます。 ◆畑瀬幸二 委員  大体、私の希望にこたえていただいたご回答になってまいりましたので、まとめに移ってまいりたいと思っております。  まず、今回の台風18号をしっかり教訓化していかなければなりません。そのために、本市の風災害想定の見直しの必要性を科学的に検証いただいて、今後の予防対策と応急対策に役立てていただきたいと思います。  作成されました洪水ハザードマップを有効活用するには、安全な避難場所の開設と、そして適切な避難場所であることを示す標識の設置が最低限必要だと考えます。また、避難場所誘導案内看板の設置は、災害時に即効性を有しているのみならず、日常的に市民の目に触れることによって、おのずから市民の危機管理意識を高めていく啓蒙運動にもつながります。有効な移動支援策として計画的に取り組んでいただくことを求めておきたいと思います。  いずれにいたしましても、最近の風水害は、世界的な気象変動を初めとして、かつて経験したことのない状況も生まれており、自然災害が起こる可能性を模索するよりも、起こらない保証はないと考える方が妥当のようですので、先人が唱えるように、備えあれば憂いなしの発想で本市の防災力を一層高めていっていただきたい、そう思います。そのことを強調して、私の質問を終わらせていただきます。 ○鈴木健雄 委員長  以上で、第8款 消防費中危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。  次に、第8款 消防費 第1項 消防費中消防局関係分の質疑を行います。 ◆芦原進 委員  私は、人命に関連する質問でございますので、若干、前段が長くなりますが、ご勘弁いただきたいと思います。  AED、自動体外式除細動器、すなわち、平たく言えば自動電気的刺激器もしくは自動電気ショック器、このように解釈できると思いますが、AEDの使用条件と器具の安全性、それから市民等非医療従事者に対するAED指導プログラムと指導者、この2点について、まず質問をしたいと思います。  最近、健康維持や増進のため、ジョギングやランニングなどのスポーツに、屋内・屋外を問わず、多くの市民の方が取り組んでおります。私も、中学生から剣道を通しまして心身の錬磨に挑戦してきましたので、スポーツが大好きですし、大変興味を持っております。健康のためにと始めたスポーツやランニング、ジョギングですが、その人の体調や状態によって、運動の途中あるいは直後に死亡する、運動中の突然死と言われるケースの報道を見聞きすることがふえてまいりました。10月18日の朝日新聞の記事にも、障害物リレー50メートル走った直後、運動会参加、38歳死亡、さいたま、搬送先の病院で間もなく死亡したと、急性心不全だったと、こういうニュースが載っております。痛ましいニュースでございます。  また、多くの皆さんが大変悲しい出来事として心を痛められたことで、今も記憶に残っておられると思います。それは、平成14年11月、高円宮殿下がスカッシュの練習中に急逝されました。運動中に心臓が小刻みにけいれんしたように動く重症の不整脈で、発作が起きると、すぐに意識を失う、呼吸が停止する心室細動、すなわち、うまく心臓が動かなくなる、これが原因とされております。この年は、同様に3人の市民マラソンランナーが相次いで心室細動で死亡する等、スポーツ愛好家のショッキングな事故が発生しております。また、仕事中や歩行中、あるいは睡眠中や入浴中等といった日常のさなかの突然死も、現実的に多数あると言われています。  日本心臓財団のデータによりますと、高齢者の増加とともに、国内では心臓病による突然死が年間4万人を超えており、毎日100人以上もの人たちが亡くなられ、その7割から8割を心室細動が占めているとのことであります。いずれも心臓の心拍を正常に戻す電気ショックを与え、心臓の震えを取り除く除細動器があれば救命できたという可能性が、これまで指摘されてきたところであります。  アメリカ心臓協会の心肺蘇生法ガイドライン2000によりますと、心室細動の場合、3分で脳死状態になると。除細動開始までの時間が1分おくれるごとに救命率が7%から10%ずつ低下し、3分以内に除細動を開始できれば、4人に3人が助かる可能性があるとされおります。例えば、現在、この委員会を開催しておりますが、私が突然心臓を押さえて倒れたといたします。この委員会室に除細動器が備えてあれば、この場に居合わせておられます皆様方のだれかが、その除細動器を使用して、私に心臓マッサージといった心肺蘇生措置を施しながら救急隊が到着するのを待っていただく、このことが救命に大切なプロセスとなってくるわけであります。1分1秒を争う対応が、重要な条件になるわけであります。結果、私は無事に生還できると、このようになるわけでございます。これは、皆様のご協力いかんにかかっております。  除細動器、AEDは、薬事法上、この使用は違法行為であることから、医者及び救急救命士に限り認められ、市民等、いわゆる非医療従事者について、航空機内で緊急措置として、平成13年12月から客室乗務員に認められてきたところであります。  本市において、平成3年の救急救命士制度創設以来、救急救命士が医師の具体的指示下で除細動をこの5年間で600名もの市民に対して実施しており、昨年4月からは包括的指示下、いわゆる指示なし除細動が認められたことから、救命率のさらなる向上が期待されているところであります。  実は、手元に資料をちょうだいいたしました。それは何かといいますと、呼吸停止と経過時間と蘇生率という表でございます。倒れてから1分たつと蘇生率は97%だそうですが、3分になりますと75%、さらに5分たちますと25%、10分になりますとゼロ近くなってくると。いかに早く措置するかということであります。  日本心臓財団のハートニュースというものがございます。手元にございますが、これを見ますと、救急救命士による心臓突然死の救命率は約3%と言われています。何でここまで低いのかと言いますと、まず病人が倒れて、そして119番に連絡をして、そして救急車、救急隊が到着して、 ○鈴木健雄 委員長  芦原委員、質問を。 ◆芦原進 委員  (続)もうすぐであります、済みません。もうすぐ、そこまで来ておりますので、待ってください。  そして、すべて合わせると10分ぐらいかかるそうであります。  しかし、先ほどの除細動器を使いますと、救命率があるのだと、実は呼吸停止から除細動器を使うまで、1分後だったら90%助かる、3分後だと70%、5分後だったら50%助かると。そして、9分後は10%弱と、このように伺っております。  このように、大変効果があるAEDについては、厚生労働省から、今年7月1日に医療従事者の免許がない者に対しても実施が可能とされました。これにより体制が整いましたが、しかし、市民に対するAEDの使用方法の指導・普及、さらには不特定多数の市民の集まる公的機関や民間の施設が、いかに突然死のことを認識し、AEDの設置導入に積極的に取り組んでいくことが今後の課題であると考えるところであります。  そこで、2点質問をいたします。  AEDを使用するためには、一定の条件が必要とされているが、その条件とAEDの安全性について。  2点目は、AEDの市民への指導プログラムと指導者について、2点お伺いいたします。 ◎松井 警防部長  まず、1点目のAEDを使用するための条件と安全性でございますけれども、委員ご指摘のとおり、いわゆる非医療従事者のうち、市民については、反復・継続してAEDを使用する可能性が低いというふうに認められておりますことから、特に使用に当たっての条件は付されておりません。しかしながら、救命士ではない、医療資格を持っていない消防職員や、航空機の乗務員などは、AEDを使用する機会に遭遇する可能性が高いということから、四つほど条件がついてございます。  まず、医師が現場にいないなど、医師の速やかな対応ができない。それから、患者の意識、呼吸がないことを確認している。それから、AEDを使用するための必要な講習を受けている。それから、使用する器械ですが、AEDが薬事法上の承認を得ているものである。こういうような、四つの条件を満たす場合には、医師法の第17条違反にならない、すなわち、その方が除細動をできるという見解になってございます。  さらに、AEDの安全性でございますけれども、操作手順がすべて自動音声で案内をする構造でございまして、患者の胸に電極のパッドを張りつけることによりまして、自動的に心電図が解析を開始されまして、除細動が必要な場合には、その音声ガイダンスによりまして電動ボタンを押すという指示が出る。そして、必要な電気ショックを与えることができるという構造でございます。逆に、除細動の必要がない、あるいは除細動が適当でない場合には、仮にそのボタンを押しても通電ができない機能でございまして、特に専門知識を必要としない安全な器械でございます。  また、このAEDは、薬事法上の医療の承認を得ることが必要でありまして、欧米におきましては、既にその普及が進み、効果が上がっているやに聞いてございます。  それから、講習の指導プログラムの内容と指導者でございますけれども、講習内容につきましては、厚生労働省が設置いたしました検討会において検討されております。  市民に対するものといたしましては、AEDの使用をできるだけ普及させたいという観点から、基本的な心肺蘇生措置ですとか、AEDの使用などを中心とする180分ほどのメニューで検討されているところでございます。一方、消防職員につきましても、同様なカリキュラムのほか、実技試験などを付加して、200分の講習を必要というようなものになる予定でございます。  また、今述べました講習の指導者につきましては、医師または救急救命士、さらにはAED講師となるための360分の特別な講習を受けた消防職員などが、講師として予定をされているところでございます。 ◆芦原進 委員  市民だれでもできるということ、また安全性や使用するための条件、さらには指導内容については、今、承知いたしました。  再質問でございますが、AED講習と普通救命講習があるわけですが、この整合性についてひとつ伺います。  二つ目は、AEDの設置促進についてでございます。  本市においては、これまで市民や事業所従業員に対して、15歳から64歳までの、いわゆる生産人口130万人の20%に当たる26万人を目標に掲げ、心肺蘇生法を中心とした普通救命講習会を開催してきました。  ここで、1点目ですが、この講習会とAED講習会の整合性をどう図っていくのか、お伺いします。  2点目ですが、日本循環器学会が、AEDの設置場所として、空港や駅、列車、スポーツ施設、デパート、ホテル、学校など、大勢の人が集まる施設への設置を提言しております。AED普及率が初期消火に威力を発揮する消火器並みに高くなれば、多くの人の命を不測の事態から守ることができると私は思います。厚生労働省は、AEDを普及するための予算を来年度の概算要求に盛り込んでいるとのことです。  そこで、本市においては、ぜひとも実施できる体制をいち早く確立していただきたいと考えますがいかがか、合わせて2点お伺いをいたします。 ◎松井 警防部長  まず、AEDの講習と普通救命講習でございますけれども、市民に対しますAEDの講習につきましては、現在行っております普通救命講習、これは180分でございますが、この中で、AEDの使用方法を盛り込むことをベースとして、総務省消防庁でも検討してございますので、そういう現行の普通救命講習の中で、AEDの講習を実施することになると考えてございます。  それから、普通救命講習を含めました応急手当ての講習ですが、本年9月末現在で、委員ご指摘のとおり、26万人の目標でございますが、53.4%の13万9,000人の方に講習を受けていただいたということになってございます。今後とも、普及促進を図ってまいりたいと考えてございます。  それから、AEDの設置の促進でございますが、本市においても、一部の施設においては既に設置されているものがあるやに聞いてございます。特に、コンサドーレ札幌につきましては、チームとして、試合会場に携帯をしているというふうにも伺ってございます。  私ども消防局といたしましては、まず消防庁舎へ設置をするということを前提に検討を進めているところでございまして、まず、すべての消防職員がAEDを使用できる体制とするべく取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  また、ご提言のスポーツ施設やホテルなど、市内の各施設への設置の促進でございますけれども、保健福祉局とも連携を図りながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆芦原進 委員  やはり、人の命、大切な命でございますので、速やかに、できるだけ早い機会に設置をお願いしたいと思います。  最後に、要望でございます。  心臓発作だけではなく、けがや急病人が発生した場合に、居合わせた人が適切かつ迅速な行動ができるかどうかで救命率が大きく左右されてくるわけですが、先ほど、本市における救命講習会の受講状況をお聞きしました。年々、救命活動ができる市民も増加していることは、すばらしいことと理解し、また評価もいたします。  しかし、とっさの出来事に勇気を持って救命活動を実施する人は、欧米人に比べてまだまだ少ないと、このように指摘されている現実もあります。したがって、AEDの普及は、救命活動への関心を高める絶好の機会であり、いつも利用する施設にAED備えつけの表示があれば、いざというときに助けられることを日常的に意識し、行動するようになると私は思います。  特に、子供のころから救命の方法を学ぶことは、命の大切さや、お互いが助け合い、命を支える大切さを身をもって知る場にもなりますし、何よりも、倒れている人を見たら、その場にいる人たちが直ちに協力し合うような行動が自然に起こり、それが当たり前の社会を実現するきっかけになってほしいと念願をいたします。  そこで、要望でございます。青少年への教育現場での応急手当て指導はもちろんですが、AEDの使い方指導を積極的に取り組んでいただきたいことを要望いたしまして、質問を終わります。 ◆宮川潤 委員  2点質問しますが、まず老朽化した消防施設の改築についてであります。  消防は、市民の命と財産を守るかなめでありますから、火災のときはもちろんですが、地震などの災害のときには、消防施設は救護避難所にもなりますし、災害出動のため、消防車両や救急救助機材を備え、大災害時にも耐えられ、直ちに出動できる施設でなくてはなりません。  国土交通省の官庁施設の総合耐震基準では、耐震安全性の強度を大きく3段階に区分しております。すなわち、消防施設については、市役所、区役所、病院と並び、通常の1.5倍という最高の耐震安全性が要求されており、大地震災害後、補修することなく十分な機能が図られる必要がある施設とされています。ちなみに、2番目が学校などで1.25倍、3番目が公営住宅などその他の施設で1.0倍であります。  消防施設が一番厳しい基準で強度を求められているのは当然であります。ところが、本市の消防施設には随分古い施設があります。まず、琴似出張所ですが、できたのは1959年、昭和34年、南消防署と大通出張所、東苗穂出張所は1964年、昭和39年であります。旧耐震基準以前の施設が、南消防署、豊平消防署と八つの出張所であります。また、旧耐震基準の施設は、東消防署、北消防署と17の出張所であります。耐震診断基準で言いますと、これらの施設には、Is0値0.81以上が求められていますが、診断結果はそれぞれどのような結果か、数値をお示しください。  次に、第2点目ですが、聴覚障がい者の携帯電話を使った119番通報に関してです。  私は、ことしの第1回定例会の代表質問で、聴覚障がい者の外出時の119番通報として、携帯電話のメールでの通報を実施すべきと求めたところ、外出先から緊急通報も可能となり、有効な通報手段でありますことから、導入について今後検討してまいりたいとの答弁でした。  そこで、携帯電話のメール通報について、いつから実施するのか、また、聴覚障がいのある方への利用促進についてどのように行うのか、伺います。 ◎大西 総務部長  私の方から、耐震診断とメール通報の2点についてお答え申し上げます。  まず、1点目の消防施設の耐震診断の状況についてでありますが、消防施設につきましては、ご案内のとおり、平成9年以降、順次耐震診断調査を進めているところでございます。対象施設であります旧耐震基準に、いわゆる昭和46年以降に建てたものが、旧耐震基準に該当する建物でありますが、19施設あります。今年度に診断予定の2カ所を除きまして、17施設が既に診断済みであります。その結果、17のうち5施設につきましては、委員お話のIs値が0.34から0.44ということでありまして、構造耐震判定指標、いわゆるIs0値でありますが、消防施設については委員ご指摘のとおり、これが0.81とされているわけですが、この0.81の4割ないし5割程度しかないという状況でございます。  昭和45年以前の建物は10消防施設があるわけでありますが、これについては、これまでも建てかえで対応するしかないというようなことで、これまで耐震診断ということは行ってきておりませんけれども、豊平消防署につきましては、お話のとおり、5階建てというようなこと、高いということと、揺れを感じるような建物でございまして、さらには構造的にも耐震力が懸念されておりましたので、平成8年に耐震診断をしてございます。その結果、Is値が0.36というようなことで、かなり低いということで、基準の4割程度しかないというような状況になってございます。  次に、2点目のメール通報の運用開始時期及び利用促進対策でありますが、このシステムにつきましては、札幌市内に居住している方、あるいは札幌市内で通勤・通学をされている方で聴覚または言語などに障がいのある方を対象といたしまして、外出時においても、みずからが携帯電話機を利用して、メールにより救急車あるいは消防車の要請ができるというシステムであります。  ご利用に当たりましては、使用する携帯電話機から、あらかじめ住所やお名前などを登録していただくということになります。また、運用開始の時期でありますが、来月11月9日救急の日を予定しておりまして、午前9時から登録の開始をさせていただくとともに、同時に、緊急通報の受け付けも開始したいというふうに考えております。  次に、利用促進策でありますけれども、事前に聴覚障がい者の各団体へサービス開始の案内、あるいは加入の周知依頼もさせていただいておりますし、また、各区役所、各消防署でのパンフレット配布等によります利用促進対策を行っているところであります。このほか、広報さっぽろあるいは消防局のホームページ、こういうものに掲載を予定しているところであります。 ◆宮川潤 委員  施設の老朽化という点では、率直に言うと、驚くべき数字だったと思います。0.81必要なところが、一番ひどいところでは0.34しかないと。豊平消防署は5階建ての建物であるのに0.36しかないということは、基準の4割程度とおっしゃいましたが、こういう状況でしたら、災害時の出動に重大な支障を来すと。大地震が起きて、市民を救助しに行こうと思っても、救助される対象になり、出動ができないということであります。しかも、旧耐震基準以前のところで、豊平の数値0.36とお聞きしましたけれども、ほかの施設については、建てかえしかないというのはそのとおりだと思うのですが、数値も診断していないということであります。建てかえしかないのですから、すぐに建てかえするのであればいいのですが、いつまでに建てかえするのか、時間がかかるのであれば、一体どれほどの状況になっているのかというのがわからないと。私は、もし耐震診断をしたら、とんでもない数字が出てくるのではないのか、だから、診断しないのかなというふうにも思うのです。  学校施設も、私どもは、随分老朽化ということを問題にしてきましたけれども、消防の施設ということでありますから、学校も問題ですが、私は、それ以上の問題があると思いますよ。  伺いますが、消防施設のあるべき姿ということに照らして、どう考えておられるのか。改築・改修は市民生活を守る上で緊急重要課題だと思いますけれども、そういう認識をお持ちかどうか、伺いたいと思います。  次に行きまして、携帯電話の通報については、登録制で実施するということでありますけれども、昨年の1月に、豊平区のガソリンスタンドで、ガソリンの混入した灯油を販売して、ストーブで使用されると火事になるということで、消防車両に登載したスピーカーで地域に広報を行うということがありました。これでは、聴覚障がい者に伝わらないわけであります。情報を伝えるために、私は、携帯電話のメール119番通報の登録者に対して、消防からメールで情報を提供すべきと思いますけれども、この点についてはいかがか、伺います。 ◎大西 総務部長  改築を早期にということで、私どもも、これらの昭和45年以前の建物、確かにこれは改築で対応するしかないという前提で考えてきたわけでありまして、したがって、耐震診断もする必要がないという判断のもとに、これまでも順次建てかえをさせていただいてきております。今年度につきましても、山鼻出張所の整備をお認めいただいており、完成する予定です。9施設残っておりますが、これらも順次、整備をさせていただきまして、これについては建てかえということで進めさせていただきたいと、こういうふうに思っているところであります。  2点目のメールの件でありますが、災害案内の情報提供もということでございます。  音声による災害出動の案内につきましては、一般の方に対しまして、テレホンサービスというような形で現在実施をしておりますが、今後は、こういう障がい者の方々に対する火災発生状況等の災害情報という意味合いにおきましては、消防局のホームページであるとか携帯電話用のホームページの中に、そういう情報をリアルタイムで書き込みをして、いつでもごらんいただけるというような形で、早期に整備を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、ご質問の聴覚または言語などに障がいのある方に対する、委員のお話のような事例の災害の発生状況の情報提供、あるいは個々の方への伝達、これらについては、情報の整理、または運用面などの課題も整理する必要が多々ありますので、少し研究をさせていただきたい、このように考えております。 ◆宮川潤 委員  消防署は防災活動の拠点施設でありまして、Is0値が0.81のところ、豊平消防署の場合0.36で、しかも5階建てということですから、私は、これはいつ壊れてもおかしくないという状況だと思いますよ。緊急に改築する必要があると思いますけれども、いかがか。また、その他の数字もわからないという状況もありますが、耐震力が著しく劣った施設も含めて、今後どう対処するのか、具体的にお示し願いたいと思います。 ◎大西 総務部長  ただいま申し上げたとおり、特に急いでおります昭和45年以前の建物、これは10施設、お話のとおり、豊平を含めて、南消防署も含めて、多々ありますけれども、これらについても、今までも順次やってきております。そこら辺は、財政的な事情もございましょうが、私どもも主張すべきところは主張していきながら、早く進むよう努力をしてまいりたいと、こう思っております。 ◆宮川潤 委員  主張するということもありましたけれども、消防施設の現状はゆゆしき事態だということでありますから、後ろの財政まで聞こえていると思いますが、改築は緊急重要課題と思います。副市長、どうお考えですか。 ◎田中 副市長  私も豊平区民の一人でございまして、委員ご指摘の豊平署の事情につきましては十分把握をしているつもりでございます。しかしながら、消防施設を初めとして、全市的に見ますと、老朽化をしていく施設が大変多く発生してきておりますので、今後、施設の建てかえにつきましては、十分計画的に進めていく必要がございます。  消防施設につきましては、市民の安全を守る上で重大な、また重要な拠点施設でございますので、改築の必要性について十分認識しておりますので、今後とも、全市的な計画の中で改築が進むよう努めてまいりたいと考えております。 ◆村山秀哉 委員  私からは、台風18号に伴う消防局の対応についてお伺いをいたします。  先ほど、桑原委員から、台風18号の被害状況についてはいろいろ説明がございましたので、省略をさせていただきます。  この台風は、私たちがかつて体験したことがない記録的な強風により、広範囲にわたって多くの被害が発生をいたしました。報道によりますと、特に中央区、豊平区、南区、西区、手稲区で多くの被害が発生し、消防局では想定を超える数の119番通報が寄せられ、すぐにはすべての要請に対応ができなかったということをお聞きしております。  台風18号は、強風による被害で済みましたが、仮に、強風に加えて大雨が伴った場合は、先ほどからお話があるように、7月から8月にかけて、新潟、福島、福井などで発生した集中豪雨のように、さらに大きな被害の発生が予想され、その被害要請に対応できないでは済まされないものと思うところでございます。  そこで、質問ですが、台風18号において、消防局がとった体制と消防隊の出動状況についてお伺いをします。  また、市民からの要請がどのようなもので、消防局としてどう対応したのか。対応に当たって、特に問題がなかったのかをお伺いします。 ◎松井 警防部長  消防局といたしましては、被害が出そうだという9月8日9時に特別警備体制をとりまして、消防局そのものに警防本部を置きまして、各消防署に署隊本部というものを置きまして、非番になる者も招集し、あるいは帰さないで、非常用の消防車両を運用するなどいたしまして、総力を挙げて対応いたしたところでございます。  消防隊の出動状況でございますが、強風によって電気の引き込み線がショートするなど、台風に起因すると思われる火災出動が3件、あるいは倒木に挟まれるなどの救助出動が3件あったほか、救急出動が271件ございました。このうち、台風による負傷者を搬送したものが87件でございました。  一方、危険排除出動として受け付けをいたしたものが1,627件ございまして、うち、消防が対応したものが1,098件、消防団あるいは他の機関に対応をお願いしたものが529件でございました。  次に、市民からの要請の内容でございますが、屋根のトタンが飛びそうである、あるいは看板が落ちそうだ、立木が倒れたといった内容のものが大半でございまして、消防局といたしましては、各区の被害状況に応じまして消防力を再配置いたしまして、人命危険の高い事案を優先して対応に当たったほか、消防団とも連携して事案の対応に当たったところでございます。  台風18号の対応につきまして顧みますと、一時的に市民の皆様からの要請が殺到した時間帯がございましたけれども、早目に対策本部を立ち上げて対応に当たったことなどから、特に大きな混乱もなく、私どもといたしましては、スムーズな対応ができたものというふうに考えてございます。 ◆村山秀哉 委員  私も消防団に籍を置いて、このたびの台風18号に当たっては、倒木あるいは物置の転倒などで出動いたしました。このよう大勢の消防団員が動員された災害というのは、今、思い出しますと、昭和56年に2度にわたる豪雨による大水害以来ではなかったかと記憶をしているところであります。  消防団員は、本業を持ちながら、このたびの台風18号のような自然災害に対応する活動は当たり前のことでありまして、8月以降、手稲区で頻発しております、住民を恐怖に陥れている連続放火事件に対しましても、夜間警戒パトロールや応急手当て普及指導など、いろいろにわたって地域住民の安心と安全のために活動しているのも事実であります。  消防団の活動が今いろいろ期待されているところでありますが、一方では、サラリーマン化して、団員もサラリーマンが多くなって、なかなか非常の出動に出られないとか、それと、一部の地域住民に認識が多少薄れている部分もありまして、ちょっと課題を抱えているところも実感しているところでございます。  そこで、質問ですが、今後の消防団のあり方についてどのようにお考えになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎大西 総務部長  ただいまのご質問の今後の消防団のあり方についてでありますが、その前に、今回の台風18号においても、委員お話のとおり、村山委員ご自身も含めて、本当に、市内10の消防団の全団が非常対応ということで指揮本部を直ちにつくっていただきまして、消防署の署隊本部とともに被害情報の収集、そして、お話の災害対応ということで活動していただきました。特に、件数で申し上げますと、全市合わせまして288件、延べ1,354名の団員の方に活動していただいたわけであります。  また、先般、犯人がつかまりましたけれども、お話の手稲の連続火災事件におきましても、消防職員とともに区内の全域のパトロールを夜間・昼間交代で巡回していただきまして、これは結果でありますが、犯人逮捕に至る重要な情報を消防団員が報告したというようなこともございました。
     いずれにしても、今後の消防団の役割につきましては、過去の長い歴史を踏まえての消防団という中で、近年につきましては、少子高齢化などの社会環境の変化であるとか、災害事象の複雑化に伴う常備消防の充実、また消防団業務も多様化しておりますし、お話のサラリーマン団員あるいは女性団員の増加などもございまして、消防団を取り巻く環境というのも大きく変わってきております。  そこで、今後の役割、方向性についてでありますが、昨年実施をしております消防団員の方々の実態調査を行いまして、その分析もいたしました。それらの内容を踏まえて、現在、消防団員さんと職員とで構成しております消防団の充実強化方策検討委員会の中で検討を開始しておりまして、地域密着性や大量動員力など、消防団の持つ特徴を最大限生かす方向の審議、これらを含めて、改めて時代に即した消防団の担う役割あるいは活動の基本的な方針はいかにあるべきか、そんなことを検討していただいているところであります。それらを踏まえて、できるだけ早期にまとめていきたいと、このように考えているところであります。 ◆村山秀哉 委員  消防団は、非常災害時、特に大規模災害時においては、地域密着性、団員動員力、また即時対応力などにおいては本当に即座に対応いたしますので、この存在感というのは決して見逃せないものであると思いますので、今後とも、消防団の充実には積極的に取り組んでいかれますよう要望いたしまして、この質問を終わらせていただきます。  続きまして、二つ目に入ります。次に、放火火災防止対策についてお聞きをしたいと思います。  ことし上半期の火災発生状況を見ますと、依然として放火火災が最も多く、昨年1年間の発生件数を大きく上回る勢いで推移をしております。このような状況の中で、手稲区曙地区周辺で、車上荒らし後の放火火災が多発し、閑静な住宅街で突然起きた異常事態に、地域住民の暮らしは一転して大きな不安と恐怖に脅えたところであります。断じて許しがたい犯罪行為であり、強い憤りを感じているところでありましたが、先日、犯人と思われる男が逮捕され、一安心しているところでありますが、完全に不安感がぬぐい去られたわけではありません。  事の発端を顧みますと、8月下旬から始まり、およそ2カ月経過したきょう現在で、曙地区で8件、前田地区で6件、富丘地区で1件、星置地区で1件、私が以前住んでいた新発寒地区は、おかげさまでありませんでした。合わせて16件にも上り、被害に遭われたのはワゴンタイプの乗用車が多く、出火した時間帯は人気のない午前2時台から5時台に集中をしておりました。犯行の手口としては、ご存じかと思いますけれども、車両のガラスを割って侵入し、カーコンポやナビゲーションなどの装備品を素早く盗んだ後、車内に備えつけてありました発煙筒で放火をするという、これまでの車両放火とは異なった犯行であったのも事実であります。  一方、対応策に目を向けますと、警察、消防による対応と並行し、地元住民の方々も自衛策をとり、最も早い立ち上がりは曙地区の山口団地中央自治会で、当初、3名の有志が夜パトロールを行ったと聞いております。この献身的な行動によって、日を増すごとに団地住民の方々が集まり、この地域だけでも70名以上の協力者を数え、他の地域におきましても、町内会単位で、いわゆる自警団をつくる機運が高まり、毎日のように複数の住民の方々が交代で夜回りを続けたわけでございます。  率直に申しまして、警察、消防を初めとする関係機関のみならず、自警団や消防団などの住民の方々が行った夜間パトロールが、犯人と思われる人物の逮捕に多大な効果があったと思うところであります。  私も、地元の消防団員の一人として、今般の事態に対応してきましたが、当然、警察、消防などの皆さんも、早い段階から再発防止に努力されてこられたと思います。  そこで、お聞きをしますが、今般の車上荒らし後の放火火災について、消防局として、具体的にどのような対応を行ってきたのか、まずお伺いをします。 ◎徳増 予防部長  消防局の対応につきましてお答えをいたします。  このたびの一連の放火火災につきましては、ただいま委員からお話がございましたとおり、8月下旬に、曙地区の山口団地の駐車場、またその周辺におきまして、同団地の住人の方の車両が放火されるという事案が相次いで発生したことによるものでございます。これが発端となっておりますが、このときにおきましては、手稲消防署におきまして、同団地の自治会の役員の方々と再発防止に向けた話し合いを行いまして、その区域内に炎感知器を13器ほど設置いたしました。そのほか、自治会役員によるところの自主的なパトロール、こういったことを実施しました結果、この場所での再発については見ていないところでございます。  その後、9月末まで、事態は沈静化の様相でございましたが、10月初旬に、曙地区と前田地区におきまして4件の車両放火が相次ぎ発生しました。この4件の火災すべてが車上荒らし後の放火であると、そういう共通点が判明いたしましたことから、早速、報道機関を通じまして、車両放火の発生状況、さらには市民みずからが実践していただきたい自衛策の例示、こういったことにつきまして緊急広報を行ったところでございます。  一方、手稲消防署におきましては、地元の町内会、防火委員会、消防団、区役所、警察、それぞれの代表の方々にお集まりいただきまして、手稲区連続車両放火火災緊急対策会議を開催いたしました。この会議を契機といたしまして、まちづくりセンターなどの公共施設、さらにはコンビニエンスストア、このほか郵便局など、多くの住民の方が集まる場所に注意を喚起するポスターの掲出を初めといたしまして、緊急事態チラシの戸別配布など、広く情報の提供と再発防止に向けての呼びかけを実施したところでございます。さらに、警察によるパトロールや張り込み、こういったものと並行いたしまして、防火委員あるいは消防団の方々と連携のもとに巡回広報あるいは夜間のパトロールと、こういったものを実施したところでございます。  さきにもお話のとおり、一部、犯人確保というようなお話もございますが、全容が明らかになっておりませんので、今なお継続して実施しているところでございます。  以上のとおりでございますが、このたびの車両放火火災に関しましては、放火に至る経過あるいは発生件数、こういったことは、私ども、過去に経験のない異常事態であるという認識のもとに、従来にも増しましたパトロールの強化、さらには関係機関との緊密な連携、こういったことで、きめ細かな対応を行ったところでございます。 ◆村山秀哉 委員  今、話を聞かせていただきまして、犯人と思われる人物が逮捕され、手稲警察署では余罪等の取り調べを行っているものと思いますが、一部の地域では、住民の方々が引き続きパトロールなどを実施するとのお話がありました。実は、自分も、あした3時からパトロールに出て、この後放火がないかということの確かめも含めまして、現場に再度、出動することになっております。引き続き、消防局におきましてもよろしくお願いをしたいと思っております。  それから、放火火災全般の防止対策について、幾つかお聞きをしたいと思います。  私は、3月の予算特別委員会で、平成15年度からの新たな放火防止対策として、炎感知器を活用した取り組み等をお聞きしたところでありますが、連続放火があった地区からの設置要望が数件あったということで、設置した後は、その地区での放火の発生はなくなったと聞いております。  このように、感知器の有効性はもちろんのこと、炎感知器の維持管理及び感知器の警報音が鳴った場合の対応等については、住民みずからが確認し合うことを初め、地域住民の方々が自警団をつくり夜間パトロールを行うことで、地域ぐるみの放火対策が醸成されるものであり、さらに、副次的な効果として、希薄になりがちな隣近所のつながりができて、町内会の連帯感が強まったなどの声も出ていることでありまして、大変意義深い施策であるものと考えております。ぜひこの施策に、これからも取り組んでいただきたいと思っているところであります。  そこで、二つほどお聞きをしたいと思います。  1点目は、これまでの炎感知器の設置実績と効果、さらには市民の反響についてお伺いをします。  2点目は、放火火災に対する今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ◎徳増 予防部長  まず、1点目のこれまでの設置実績と効果、さらには地域住民の方々の反響についてでございますが、平成15年10月から、炎感知器の貸し出し制度を試行的に始めたところでございますけれども、これまでに、連続放火のありました市内六つの区、中央、北、厚別、南、西区の中の7地域から設置要望がございました。これらの要望を受けまして、早速、電柱、あるいは建物内の共有部分に、初期のうちに炎を感知できる場所として設置したところでございます。当該市域におきましては、その後、連続放火というものは発生しておりません。このようなことから見ましても、炎感知器につきましては、放火火災の抑止に効果が期待できるものと、私どもは考えているところでございます。  一方、住民の方々の声といたしましては、炎の感知範囲をさらに広げることができないだろうか、あるいは離れた場所でも警報音が聞けるようにできないだろうかなど、性能向上に期待するといった声も寄せられているところでございます。  また、厚別区の例でございますが、雇用促進住宅では炎感知器の設置を求める声が高まりまして、同住宅の管理者が炎感知器を12器、自前で設置したという例もございまして、このほかにも、他の地域から設置等に関するご相談を受けているという状況でございます。  試行実施からわずか1年足らずではございますけれども、市民の反響は予想以上であったものと、このように受けとめているところであります。  続きまして、2点目の放火火災に対する今後の取り組みについてでございますが、放火対策につきましては、日ごろから建物周辺に燃えやすい物品等を放置しない、あるいは地域ぐるみで放火危険のある物品等を整理整とんすると、こういった地域住民の方々みずからが実践していただく、放火されない環境づくり、こういうことを進めることが大切なことでありますが、いま一度、こういった注意喚起をしてまいりたいと考えております。  また、炎感知器を活用しました放火防止対策につきましては、ご承知のとおり、本年度作成されました新まちづくり計画の中で位置づけた施策でありまして、平成17年度から本格運用を始めますことから、炎感知器の貸し出し制度を広く市民にPRしていくとともに、昨年からの試行運用を通じて、多くの市民の皆様からいただきました貴重なご意見、ご提言などを取り組みに反映させてまいりたいと、このように考えております。  総じて申しますと、地域住民の方、またみずからが実践していただく放火されない環境づくりと、それから炎感知器を活用したところの放火対策、この二つの取り組みが相乗効果となって初めて威力を発揮するものであると、このような認識を持っておりまして、この点を中心といたしまして、今後、放火火災の防止対策に積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。 ◆村山秀哉 委員  長くなりまして、申しわけありません。  この放火対策、今後の放火防止対策としては、やはりこのようなまねをする人間が出てくる、いつこういうのが出てくるかわからないものですから、こういう事態を起こさないように、地域住民の方々と懇談するなどして、そこで得た経験をこれから大いに活用するというか、模範にして、ぜひこれからの放火防止対策として活用していただきたい。このことを要望して、終わります。 ◆三宅由美 委員  私からは、増加する救急出動への対応と本市における救急業務の高度化と対応の2点について、質問させていただきます。  まず、最初に、増加する救急出動への対応について質問をさせていただきます。  本市の救急業務は、昭和33年に業務を開始して以来45年になりますが、年々、その体制が整備されてきており、救急業務は市民の命、身体を守る上で必要不可欠な分野として、その社会的責任、重要性はますます高まってきているところです。  救急体制は、救急事業に対応するための車両、資機材及び人員を配置する量の問題と、応急処置を行う救急隊員の質の問題があります。  まず、量の問題ですが、高齢化が進展していく中で、全国的に見ても、救急需要は伸びております。本市においても同様であり、平成15年中の救急需要を見ますと、救急出動件数は7万1,757件で、6万5,761人の方が搬送されております。過去5年間における平均増加件数は、年間約3,900件と、約6.5%の増加率を示しております。この数字は、1日平均約7.3分に1回の割合で救急車が出動し、札幌市民の28.3人に1人が救急隊によって医療機関に搬送されている計算になるわけで、まさに市民生活にとって欠くことのできないのが救急車であると言えます。  そこで、救急出動状況を調べてみますと、事故種別では、急病が全体の約6割を占め、さらに救急搬送の約6割が入院の必要のない軽傷者の搬送となっているわけです。救急業務は、法令上、災害や事故によるけが、または命に危険を及ぼしたり著しく悪化するような病気で、緊急に病院へ運ぶ必要がある方をその対象としているものです。つまり、救急業務は緊急性をその要件としており、緊急性のないけがや病気、通院や入退院の移動手段など、自分で病院へ行けるような場合はその対象外となっているわけです。  しかし、救急車利用の是非については、最終的には医師の診断にゆだねられ、重傷や軽傷が判定されますことから、市民がみずから判断することは困難な場合もあるとは思いますが、少なくとも自分で病院へ行けるような場合については、救急車の利用を避けてもらう必要があるのではないかと思います。また、救急車で病院へ行くと、必ず優先的に診てもらえるという誤った認識を改めてもらうなど、市民の責務として、市民みずからが救急車利用のルールとマナーを守ってもらうことが必要ではないかと考えます。このようなルールとマナーが浸透することにより、緊急に救急車を必要としている方が一刻も早く利用することができ、救急隊による早期の救命処置と迅速な医療機関への搬送によって、救える命を救うことができます。  一方、救急需要の増加について、観点を変えて見ますと、救急搬送する高齢者の割合がふえております。平成11年では31.5%の1万6,693人で、平成15年は36.3%の2万3,856人となっております。年々増加している状況がうかがわれ、加えて、1世帯当たりに占める家族構成の割合は、年々減少の傾向にあることから、核家族化が進む中では、急病などの際にとっさの対処能力を備えた方が少なくなっており、症状の軽い場合であっても、つい救急車を呼んでしまうといったことが全体の救急件数を増加させている一要因とも考えられます。  このような救急需要の増加に対して、本市では、これまでも計画的な救急車の増強配置を行ってきており、市長が策定しました新まちづくり計画においても、平成16年度から平成18年度に救急隊2隊の増強が盛り込まれ、本年10月1日には、本市で29台目となる救急車が西区八軒に配置され、業務を開始しているところです。  救急車は、市民が平等にサービスの提供を受けることが重要であり、地域格差が生じないような計画的な配置をしていただくことが肝要ですが、救急車の配置には多くの財源を必要とします。また、救急隊員を養成するためには、消防学校において約2カ月間、250時間の研修が必要となり、さらに救急救命士は5年または2,000時間にわたる救急実務経験を経て、本市の救急救命士養成所において6カ月間の長期研修を修了し、国家試験に合格する必要があります。その後においても、気管挿管や、平成18年から予定されている薬剤対応についても病院実習や研修が必要とされていますし、修得した知識や技術を維持・向上するための生涯研修128時間など、人材育成にも多くの時間と費用を必要とするわけです。  しかし、本市の厳しい財政事情を勘案した場合、救急需要に応じた救急車の増強整備は引き続き必要と考えますが、救急搬送状況について調査・分析が必要であり、救急車が適正に利用されているかということについて検証していくことが、今必要ではないかと考えるところです。  そこで、1点目としてお尋ねしますが、救急車を本当に必要としている方が一刻も早く救急車を利用することができ、迅速に救命処置を受けられるようにするため、救急車の適正利用について、今どのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。 ◎松井 警防部長  まず、増加する救急出動への対応でございますが、ご提言のとおり、増加する救急需要に対しましては、救急隊を増強する、あるいは適正に救急車を再配置することなどによって対応してまいりました。しかしながら、一方で救急車の適正利用という、利用なさる側のルールとマナーについても、市民にご理解をいただき、緊急に救急車を必要としている方が一刻も早く医療機関に搬送され、救命されるシステムの維持が重要であるというふうにも考えているところでございます。  したがいまして、これまでも、当局では、救急の日を中心といたします救急医療週間や防災週間等の各種行事をとらえまして、PR活動や、あるいは消防局のホームページ上での広報を行ってきたところでございます。  新たな取り組みといたしまして、本年5月に、市民にわかりやすい救急車の適正な利用のあり方といいましょうか、広報のあり方などにつきまして、札幌市医師会、市内3次医療機関、北海道看護協会などの有識者11名の方をメンバーといたします、私どもが設けております札幌市救急業務検討委員会に諮問をいたしまして、検討をお願いしているところであり、今年度中に答申をいただく予定でございますので、それを受けまして、さらに効果的な体制の確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆三宅由美 委員  ただいまのご答弁で、適正利用に向けて検討が始まったということがわかりました。  次に、2点目としまして、本市における救急業務の高度化の問題について質問させていただきます。  救急医療を取り巻く社会環境の変化や高齢化の進展に伴い、心臓疾患や脳血管障害等による心肺停止患者の搬送事例がふえ、今後も増加することが予想されております。このことから、救急隊員の質そのものの高度化が求められ、とりわけ救急救命士が行う応急処置範囲の拡大により救命効果の向上が図られてきたところです。  ご承知のとおり、救急救命士は、平成3年に、より効率的で質の高い救急活動の確保を求めて救急救命士法が制定され、本市でも、翌平成4年に救急救命士が誕生し、運用を開始しております。救急救命士が行える救命処置は、除細動、医師の具体的指示下での器具を用いた気道確保、食道へ挿管及び静脈道確保のための輸液の特定3行為が認められたところであり、本市では、平成5年に救急救命士養成所の設置、平成7年には救急救命士を含む救急隊員の教育訓練の充実や医療機関との連携強化を図るため、市立札幌病院敷地内に救急ワークステーションを設置するなど、救急業務の高度化に対応するための取り組みを先進的に行ってきたと聞いております。  先ほど、芦原委員からもお話がありましたが、救急救命士が制度化されましてから12年目となる昨年4月には、これまで、医師の具体的指示下でしか実施できなかった除細動が、医学的観点から、救急救命士を含む救急隊員が行う応急処置等の質を保証するメディカルコントロール体制の構築を前提として、医師の包括的な指示のもと、いわゆる指示なしでの除細動が可能となり、本市は平成15年4月1日零時をもって開始したところです。  また、気道確保につきましては、本年7月1日から、一定の研修を修了した救急救命士に対し気管挿管が認められたところです。この研修は62時間の講習と30症例の病院実習が必要であり、特に病院実習では、本人から書面による承諾が必要とされるなどハードルの高いものでしたが、本市では、ことし3月から講習を開始するとともに、4月からは、北海道大学病院、札幌医大附属病院、市立札幌病院の3医療機関の協力を得て病院実習体制を整え、今日まで7名の気管挿管救命士が現場で活動を行っているところです。今後においては、平成18年4月をめどに、医師の具体的指示下で心拍再開のための強心剤を使用した薬剤投与が、追加講習を修了した救急救命士に認められる方針となっているところです。  そこで、お尋ねしますが、こうした社会的要請の変化に対応して、医療職の一員として救急救命士の処置範囲の拡大が図られており、本市においても、病院外救命体制を充実すべく、救急業務の高度化に取り組んでいるところですが、今後における救急業務の高度化への対応についてお伺いいたします。 ◎松井 警防部長  本市におきます救急業務の高度化への対応についてでございますけれども、本市におきましては、これまでも救急救命士の養成を初め、救急隊員の教育や、高規格救急車の整備など、随時救急業務の高度化に取り組んでまいったところでございます。特に、今お話のありました気管挿管可能な救急救命士の養成につきましては、新まちづくり計画に位置づけさせていただきまして、本年7月1日から、法律の許すその日から気管挿管ができる救命士が業務を開始してございます。  9月1日現在ですが、全国14都道府県で救命士107名が業務を開始しておりまして、道内では、現在までに8名の気管挿管できる救命士が誕生しております。ご指摘のように、このうちの7名が当局の救命士でございます。実際に、救急業務におきまして、5名の市民の方に気管挿管を既に実施をしたところでございます。  今後の養成でございますけれども、30症例の病院実習につきましては、医療機関におきまして、臨床の研修医などと実習が競合するですとか、患者さん本人から同意を得なければならないといった問題、さらには当局における救命士の運用人員の確保の問題もございまして、それらをクリアいたしまして、年間10名程度の養成を計画しているところでございます。  また、薬剤投与につきましても、220時間の追加講習を修了した救命士に認められる予定でございますので、平成18年4月の実施に向けまして、この研修体制につきましても積極的に整備をさせていただきたいというふうに考えてございます。 ◆三宅由美 委員  ただいまのご答弁から、気管挿管や薬剤投与といった今後の救急業務の高度化に対しましても、積極的に取り組んでいくという姿勢を確認することができ、大変心強く思っているところです。私も、今回の質問で、大変長い質問だったのですが、救急救命士を誕生させるまでには大変長い期間が必要だ、不断の努力が必要だということがよくわかりました。  そこで、要望ですが、本市の救急業務は、いわゆる札幌方式と言われ、消防庁の救急業務ガイドライン策定の際にも、札幌市の取り組みがモデルになったと聞いております。全国に先駆けた取り組みがなされ、救命効果においても全国を大きく上回る効果を上げておりますことから、前段で質問いたしました救急車の適正利用について、ぜひとも積極的に取り組まれ、救える命を救っていく体制づくりを構築し、186万札幌市民が安心して暮らせる街づくりに邁進されますよう要望して、私のからの質問を終わります。 ○鈴木健雄 委員長  以上で、第8款 消防費中消防局関係分の質疑を終了いたします。  ここで、おおよそ20分間、委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時49分       再 開 午後4時10分     ────────────── ○鈴木健雄 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第7号 平成15年度札幌市下水道事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆飯坂宗子 委員  私は、財政構造改革プランに基づく事務事業の総点検、見直しのうち、下水道局にかかわる2点について質問いたします。  1点目は、一般会計からの下水道局への繰入金の見直しについてです。  見直し項目一覧表によりますと、維持管理費の見直しで18億4,400万円を削減する計画になっております。そこでまず、18億4,400万円の削減の内訳についてですが、どのような項目で、それぞれ幾ら削減しようとしているのか、明らかにしていただきたいと思います。  2点目は、生活保護世帯に対する下水道料金の減免廃止の問題についてです。  生保世帯が下水道使用料の減免申請をした場合、本市では全額免除をしており、昨年度の決算で見てみますと、2万970件に対して2億円余り免除し、その分、一般会計から下水道事業会計に繰り入れをしております。  そこで、質問ですが、本市では、いつから下水道料金の生保減免を実施しているのか。また、他政令市の減免の実施状況について、現状をお示しください。 ◎山本 総務部長  ただいまのご質問1点目の一般会計繰入金の削減額18億4,400万円の内訳についてでございますが、これは、大きく分けて三つございまして、一つ目は、内部効率化として、処理場、ポンプ場及び管路の維持管理費の削減や建設事業費の縮減による支払利息の減により、5億1,600万円の削減となってございます。二つ目は、企業債のうち民間債の償還について、当初の計画においては、将来の金利負担軽減のため未償還元金を一括償還することとしておりましたが、元金償還金が一時的に増加するため、一括償還を取りやめ、借りかえを行うことにより、9億8,300万円の削減となっております。三つ目は、これまで、建設事業費の財源不足に対して一般会計出資金を繰り入れておりましたが、平成15年度から、その一般会計出資金が全額カットされたことによりまして、これは今後も見込めないとして、3億4,500万円の削減となってございまして、三つ合わせて削減額18億4,400万円となっております。  2点目の生活保護減免が制度化された時期でございますが、これは、昭和34年の下水道条例制定時において、生活保護法に規定する生活保護世帯のし尿くみ取り手数料が減免されていたことにかんがみ、減免措置を始めたものでございます。  3点目の他都市における状況についてでございますが、政令指定都市につきましては、本市を含め5都市が全額減免、7都市が基本料金のみの減免を行っておりまして、減免を行っていないのは京都市となってございます。 ◆飯坂宗子 委員  まず、一般会計繰入金の削減についてですが、ただいまのご答弁で、18億円余りの内訳として3項目ほど説明がありました。一つは、維持管理費の削減、あるいは建設事業費の縮減による支払利息の減、いわゆる内部努力ですね。これによって5億1,000万円余りを減らすと、支出を抑えるという意味合いだと理解をいたしました。  しかし、一括償還予定の企業債を借りかえすることによって、企業債償還金の減が9億8,300万円ということですが、本市下水道局としては、一般会計からの繰り入れで、これまで1998年度あるいは1999年度、2000年度、2001年度と一括償還を実施してきたわけです。2006年度、2007年度も繰り上げ償還を予定していたと思うのですが、今回の見直しで、一括ではなくて、通常の償還ルールに戻すということですね。  そうしますと、企業債の金利負担を軽減するためにも、一括償還というのは大変有効な方策だというふうに私は考えますけれども、今回の見直しで、下水道局の財政計画上支障を来さないのか、お聞きしておきたいと思います。  また、一般会計出資金についてですけれども、建設事業費にかかわって繰り入れを3億4,500万円カットするという説明でした。管渠だとか施設などの整備計画にこのことが影響しないのかどうか、このことについても伺っておきたいと思います。  2点目の生保世帯の減免についてですけれども、ただいまの部長のご答弁では、下水道条例制定以来ということですから、45年の歴史がありますね。他都市の現状は、京都市以外はすべて減免を実施しているというご答弁でした。長い歴史があり、定着している減免制度だというふうに思うのですが、なぜ見直すのかという問題について再質問いたします。  現在は、減免分として、一般会計から約2億円が下水道局に繰り入れされております。これには消費税が含まれておりません。ところが、生保世帯から料金を徴収するということになりますと、消費税5%を加えて2億1,000万円余の新たな市民負担を強いることになります。生保基準の高齢者加算が大幅に減額されるなど、国の方の生保の基準が引き下げられ、支給額そのものが減らされているこの時期に、今なぜ本市が他都市に先駆けて減免を廃止しようとしているのか、その理由についてお示しください。 ◎山本 総務部長  まず、1点目の企業債の借りかえと一般会計出資金の削減による下水道財政に対する影響についてでございます。  企業債の借りかえは、当面の支出増を抑制するものでございまして、全市の財政構造改革プランの平成18年度の収支不足をできる限り解消するものでございます。  また、一般会計出資金の削減は、建設事業費に充てる財源が不足しますので、建設事業を厳選し、コスト縮減を図りながら、効率的、計画的な事業執行に努めてまいりたいと考えてございます。  2点目の生活保護減免をなぜ今の時期に見直すかということについてでございますが、財政構造改革プランでは、今後見込まれる大幅な収支不足に対応するため、まず内部努力によるコストの削減、事務事業全般の見直しを行い、その上で受益者負担の見直しとして、生活保護世帯に対する下水道使用料の減免制度について見直そうとするものでございまして、ご理解をいただきたいと思います。 ◆飯坂宗子 委員  18億円の一般会計繰入金の削減については、事業規模の縮小などで対応するというご答弁でした。  そこで、実はことし3月の予算委員会で、私の質問に対して、当時の岡本総務部長は、現在の一般会計繰入金のルールが維持されるという条件下で推計いたしますと、今後二、三年は現行使用料を維持することができると答弁されております。今回の財政構造改革プランの見直しでは、事業規模の縮小を図ることが主な項目ということですから、支出が抑えられ、汚水分の資金残がむしろふえて、好転するものと考えられます。そういうことから判断いたしますと、料金値上げには、今回の一般会計からの繰入金の削減が直接は結びつかないというふうに思うのですが、その点、そのように考えていいのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。  それから、生保減免についてですが、下水道事業会計としては、現在、一般会計から繰り入れしてもらっているわけですね。これが廃止になって、生保世帯から料金を徴収するということであっても、下水道局としては、2億円余りが入ってくればいいわけです。そういうことですね。あえて生保世帯に料金負担をさせなくても、今までどおり一般会計から入ってくれば、局としては問題ないというふうに思うわけです。  そこで、これは下水道局長は答えにくいと思いますので、田中副市長に、受益者負担の名によって、生保世帯の減免をやめて料金を徴収するというのは、いかにも生活弱者への負担の押しつけというふうに思うのですが、この点どう考えるのか。私は、減免廃止はやめるべきだというふうに思いますけれどもいかがか、伺います。 ◎山本 総務部長  このたびの財政構造改革プランの実施が料金改定に結びつくかどうかということでございますが、この財政構造改革プランは、内部効率化等によりまして一般会計繰入金の削減と、あわせて、下水道事業会計自体の収支改善をも図るものでございます。  そこで、現在の低金利、一般会計繰入金も現在のルールが維持されるという条件のもとでは、ここ数年は現行使用料を維持できるものと考えてございます。 ◎田中 副市長  他の局のご審議の中でも、財政構造改革プランについては、るるこちらの方からもご説明をさせていただいておりますけれども、この改革プランにつきましては、中期財政見通しにおいて見込まれます平成18年度までの大幅な収支不足の解消と、新まちづくり計画において位置づけられました事業等の財源を確保することを目的として策定したものでございまして、中長期的には、持続可能な財政構造への転換を図るための指針として位置づけているものでございます。  委員もご承知のとおり、国の三位一体の改革を初めとします地方税財政制度の大きな転換期が来てございまして、多額の収支不足をこのまま放置しておきますと、札幌市の財政はさらに厳しいものとなりまして、本当に必要な行政サービスを提供することもできなくなる懸念も生じてまいります。こうした事態を回避するためにも、本質的な財政構造の改革が必要だということで、今回、プランを策定したところでございます。  その取り組みに当たりましては、まずは、徹底的な市役所内部の努力によるコストの削減、次に、臨時的な経費や公共事業につきましても今まで以上に厳選の上に総量を抑制する。その上で、市民の皆さんにご協力をいただき、サービス水準の見直し、あるいは料金の見直しなど、お願いをしていきたいと考えているところでございます。  こうした観点から、被生活保護者に対します減免の見直しに関しましても、法定外の支援策を長らく続けてきたものでございますけれども、改めてこうした厳しい諸情勢を踏まえまして、今後、幅広く議論していくべきものと位置づけているものでございます。ご理解をいただきたいと思います。 ◆飯坂宗子 委員  財政構造改革プランというのは、下水道局だけでなく、私どもも財政局のときからいろいろ議論させていただきました。きょうは、下水道局の生保減免の廃止という問題で質疑させてもらっているわけですが、これまでの失政のツケを弱者に肩がわりさせるというやり方で、とりわけ生活保護世帯にまで新たな負担を押しつけるというやり方は、到底納得できません。  そこで、見直しをするのだと言っておりますが、事務事業の総点検見直し項目一覧表の中では、生保減免の、下水道、し尿、大型ごみということで、見直し内容について減免の廃止と明確に書いているのですね。そこで、私は取り上げたわけです。  法定外支援なので見直したいという副市長の答弁だったのですが、しかし、京都市以外の政令市では、札幌と同じように、長い間減免制度をやっているわけですよね。そういう中で、あえてうちが他都市に先駆けて改悪をする必要はないというふうに私は思うのです。
     そういう意味で、きょうはこれ以上やっても、具体的な廃止の議案が出ているわけではありませんので、考え方が示されたということですから、厳しく指摘をし、また減免廃止はやめるべきだということを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆恩村一郎 委員  私からは、道路上に設けられております下水道のマンホールについてお伺いしたいと思います。  言うまでもなく、マンホールは、下水道管の点検ですとか調査といった日ごろの維持管理に欠かせない重要な施設であるということは、十分承知しております。  しかしながら、最近、とみに住民の方々から、車がマンホールの上を通るたびに、がたがたという騒音や住宅への振動が生じているという相談が私のところにも随分来ております。恐らく、長期にわたる車両の通過によるマンホールの損耗も原因の一つであろうかと思われますが、その一方、実は、車を運転しておりますと、ちょうどタイヤが通過する位置に、なぜかマンホールが設置されているように感じられて、むしろこの設置位置がそういう振動等の主な原因になっているのではないのかなと思うことがあるわけなのです。また、冬場には、マンホールの上の雪が解けて、車のタイヤが埋まるような段差も数多く見受けられ、落ち込んだときの音もさることながら、中には、その段差に落ち込んで車軸を損傷したといったような、そんな話も聞くところです。  そこで、質問なのですが、まず1点目として、札幌市内のマンホールの数というのは、現在、どのくらいあるのでしょうか。そして、そのマンホールに起因する騒音・振動の苦情相談というのはどのくらいあり、また、その対応はどうしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。  次に、2点目として、昨年の3定で、公明党の小田委員から、冬場の融雪による段差の対策として断熱性のあるふたについての質問がなされました。そして、それに対して、断熱ふたへの交換の計画は、平成15年度で全体の6割方が達成の見込みとのお話でしたが、その後の状況はどのようになっているのか、この点についてもお聞かせください。 ◎後藤 施設部長  1点目のマンホールの数についてでございますが、平成15年度末現在で、市内に20万7,000個ほどございます。これらに対します騒音・振動、こういった市民からの苦情・相談につきましては、平成15年度で172件ございました。ちなみに、今年度につきましては、9月末現在で84件寄せられている状況にございます。  次に、これらに対しての対応でございますが、委員からもご指摘がございましたように、長期にわたる車両通行によります鉄ぶたやこれを受ける枠の摩耗、変形、これに伴います騒音・振動につきましては、基本的にふたや枠の交換を行っているところでございます。また、路面とマンホールに大きな段差が生じたような場合には、段差調整を行うといった対応をとっているところでございます。  次に、2点目の断熱ふたの設置状況についてでございます。断熱ふたといいますのは、発泡ウレタンあるいはポリエチレンといったものを鉄ぶたの内側に使いましてふたに断熱効果を持たせたもののことでございますけれども、道路管理部局との協議によりまして、平成13年度から17年度までに設置すると計画をいたしました1,538カ所に対しまして、これまで計画的に設置を実施してきており、平成16年度末で1,263カ所、約8割の進捗率となる予定でございます。計画最終年次の平成17年度末には、全カ所設置終了となる見込みでございます。 ◆恩村一郎 委員  ただいまのお話で、マンホールの段差による騒音や振動への対策は、市民生活に影響を少なくするという部分で努力されていることはわかりました。また、融雪による段差の対策が計画どおり進んでいることも承知いたしました。今後とも、市民生活を考えた場合、こうした対策というのは、下水道を管理する上でも大変重要であると考えるところです。  そこで、再質問なのですが、まず1点目として、マンホールを道路上に設ける場合、当然ながら、設置基準といったものがあろうかと思うのですが、それはどのようになっているのか、お教えください。  次に、2点目として、マンホールの融雪段差対策が、ただいまのお話では、平成17年度で終了するとのことなのですが、全体で20万カ所あるうちの1,500余ということであれば、市民感覚からしますと、まだまだ対応しなければならないところがたくさんあると思います。  そこで、今後これらについて、どのようにされるお考えなのか、その点についてもお聞かせください。 ◎後藤 施設部長  1点目のマンホールを道路上に設ける場合の設置基準についてでございますけれども、昭和53年に、道路管理部局との協議によりまして、下水道管の設置位置を定めているところでございます。この中で、道路中心とマンホールの中心の離れ、これを道路幅員に応じて定めておりまして、昭和53年以降につきましては、マンホールをタイヤが踏まない位置に設置するよう努力してきているところでございます。また、マンホールの設置に当たりましては、道路占用許可条件の中で、除雪時にマンホールぶたをひっかけることがないように、舗装道路の場合では、2センチメートル路面から下げてマンホールを埋設することとなってございます。  次に、2点目のマンホールの融雪段差対策の今後の取り組みについてでありますが、道路管理部局と対象範囲の拡大等につきまして検討してまいりたいと考えております。 ◆恩村一郎 委員  ただいまのお話で、道路上のマンホールの設置位置については、道路管理部局との協議の中で、昭和53年から車線幅を考慮して、タイヤの通過位置を避けるようにしているということです。それについては、私もこれから運転する中で、いろいろ気をつけて、注意しながら走ってみたいなと思います。  また、道路面とマンホールとの段差については、除雪の問題を考えますと、やはり下水道局だけで解決できる課題ではないのだなということがわかりました。重要なライフラインであります下水道の機能を十分に発揮する上でも、また、適切な住民対応を図る上でも、点検調査などの維持管理を引き続き十分に行っていただきたいなと、そのように思います。  一方、融雪によります段差の対策につきまして、車の通行だけの問題ではなくて、一般歩行者であっても、足を滑らせてしまうといった危険を感じざるを得ないわけでして、ましてやお年寄りですとか障がいを持たれた方、こういう方にありましては、なおさら危険ではないのかなというふうに考えます。特に、坂の途中にそういうものがあったりした場合、その危険度は一層増すかなと、そのように考えます。  したがいまして、マンホールの融雪段差対策につきましては、快適な冬の暮らしの向上のためにも、ぜひ対象範囲の拡大を図り、引き続き実施していただくよう強く要望して、私の質問を終わります。 ◆坂ひろみ 委員  私は、下水道事業に関して、2点質問をいたします。  1点目は、下水道広報の今後のあり方についてです。  下水道は、水環境保全、水循環の構築、浸水防除など、私たちの日々の暮らしに欠くことができない社会基盤施設として重要な役割を担っています。しかし、下水道使用者でありながら、家庭などの排水溝から流してしまった水の行き先に関心を持ち、下水道を意識して生活している市民は、残念ながら少ないと思われます。さらに、下水道は目に見えにくく、水道なら断水、電気なら停電がありますが、下水道は、基本的に自然の高低差で流れていくものなので、使っている意識は余りなく、下水道はあって当たり前という、縁の下の力持ちとして活躍しているのが現状です。  下水道普及率がほぼ100%になり、下水道の役割や必要性のほかに、今後の下水道の維持管理には膨大な維持管理費用がかかることを市民に理解してもらうことが重要です。少子高齢化になり、市民負担も厳しさを増していく中で、市民理解を得るためには、今まで以上に新たな広報の工夫が必要になります。  札幌市は、従前から、下水道科学館を広報拠点とするさまざまなイベントの開催や、小学校全学年を対象とする社会科の副教材の配布、あるいは環境報告書の発行やホームページの充実など、幅広く広報活動に取り組まれており、さらに、今年度からは、下水道モニター制度や出前講座など、新たな取り組みを始めているとお聞きしております。しかし、市民の中には、下水道使用料を払っている認識がない方もまだまだ多いことから、広報、情報発信の重要性を痛切に感じております。  2004年度下水道展が開催された横浜市では、下水道広報マニュアルを作成し、市民による下水道モニター会議や市民向けの下水道カレッジ、下水道に優しいクッキング教室などを開き、下水道を身近に感じてもらう取り組みを展開しています。提供した情報を記憶に残してもらうためには、ターゲットを絞り込み、これまでの対象から外れていた若い層の人たちへも、わかりやすい情報の提供が必要です。  そこで、質問です。  本市における下水道広報の今後のあり方について、出前講座の拡大や、対象を絞った情報の伝達、広報・広聴の一体化など、新たな視点での広報活動が必要と考えますがいかがか、伺います。  2点目は、下水道事業の耐震対策についてです。  国土交通省がこのほどまとめた全国の下水道施設耐震対策状況によりますと、耐震対策や対策の検討がまだされていない全国の下水道管路は、74%に上るということです。昨年9月の十勝沖地震など、大規模な震災が発生した際に起こる液状化現象により、管路や処理施設の被害が出ていることから、下水道施設の耐震対策が急務と言えますが、全国的にもその対応がおくれているのが現状です。しかし、下水道事業の新たな課題として管路の耐震化が求められ、愛知県では、下水道管路施設耐震診断の手引を開発し、管路の耐震性能の不足箇所を簡易に診断できるようにしています。  本市においては、2003年第3回定例市議会の決算特別委員会において、下水道管路施設の耐震対策については、耐震性能に関する調査を継続して実施しており、調査結果を見て対策等の検討を行う計画となっていると答弁されております。  そこで、その後の既設管路の耐震対策の進捗状況と、調査結果を踏まえた上での今後の進め方について伺います。 ◎山本 総務部長  私からは、第1点目の下水道広報の今後のあり方につきましてお答えを申し上げます。  ご質問にもありましたとおり、本市では、市民生活に不可欠な下水道への市民理解をより深めるために、さまざまな媒体を通じて広報活動を行ってきたところであります。特に、本年度からは、下水道事業の効率的・効果的な事業展開を図るために、広報・広聴の一体化を目指して、下水道モニター制度や出前講座に本格的に取り組んでいるところでございます。  この事業は、直接市民の皆さんへの下水道についての説明、意見交換、話し合いを通じて、下水道事業についての理解を一層深めていただけるものでございます。また、参加者から生の感想や意見をいただけますので、市民の声を直接事業運営に反映させる有力な手法として、今後、さらに充実させてまいりたいと考えているところでございます。  なお、出前講座につきましても、さまざまな階層といいますか、下水道利用者に活用いただけるように、講座内容の工夫、また、その利用の働きかけについても積極的に進めてまいりたいと思っております。  今後とも、さまざまな広報・広聴媒体を通じまして、効果的に情報を提供し、市民の皆さんとの双方向のコミュニケーションを通じて、より効果的な広報活動を展開してまいりたいと考えているところでございます。 ◎木村 工事担当部長  既設管路の耐震対策についてお答えいたします。  まず、耐震対策の進捗状況についてでございますが、下水処理場に接続している幹線管路などの特に重要な幹線を抽出いたしまして、耐震診断を実施しております。また、耐震化工事につきましては、全国的に実施事例が非常に少ないものでございまして、工法選定等にかかわるマニュアルを策定する必要があるものと考えております。したがいまして、今年度からは、耐震診断結果を踏まえた上で、さらに耐震化工法の調査検討を実施しているところでございます。  今後の進め方といたしましては、平成17年度中をめどに耐震マニュアルを策定しまして、平成18年度からは、マニュアルに基づいた耐震化工事を、費用対効果等を考慮し効率的に進めてまいりたいと考えております。 ◆坂ひろみ 委員  広報のあり方につきましては、市民の声を事業に反映させ、市民との双方向のコミュニケーションを通じて、広報活動の展開をなされていくというようなご答弁だったかと思います。  出前講座につきましては、本市が取り組む以前から、下水道ではいち早く取り組んでいたということもございまして、評価をしているところでございます。  ことしの8月、市立高校が総合的な学習の時間に市の出前講座を初めて取り入れました。札幌市民として、札幌市の施策を知ること、また自分たち自身の建設的な意見を持つことをねらいに実施されたものですが、高校生を相手にするのは初めての職員の方々も、事前に内容を工夫されており、大変充実した講座となったと聞いております。出前講座も、大人対象だけではなく、小学校から中学校、高校まで出向いて行って、説明させてもらう機会をふやすような営業活動をなさるとか、そういった取り組みをしてみてはいかがでしょうか。  それから、横浜市の下水道に優しいクッキング教室というのは、女性を対象に、身近な台所が下水道に直結していることを理解してもらうとてもいい機会だと思いますので、ぜひ本市でも検討していただきますよう、要望したいと思います。  そのほかにも、広報さっぽろで、下水道特集を毎年1回企画したり、下水道月間をつくってポスターを公共施設に張るなど、ぜひご検討いただければというふうに思っております。  それから、2点目の耐震対策についてでございますが、今年度は、具体的な工法について調査検討をしており、来年度中には耐震マニュアルを策定して、2006年度から工事を進めていくとのご答弁でした。  昨年の地震では、実際に清田区で液状化現象が起きており、約20メートルにわたり、最大で40センチほどの下水道管路の沈下が発生したと聞いております。下水道は、市民にとって欠かすことのできない重要なライフラインの一つでありますから、今後、管路の改築・更新などとの整合を図った効率的な耐震化を推進するよう求めておきます。  最後に、広報について1点のみ再質問をいたします。  先ほど申し上げましたように、多くの市民が下水道の存在感を感じずに生活しており、それは、下水道と身近な暮らしに接点がなかったり、市民の心にとまる広報活動がなされていないからではないでしょうか。下水道の存在感を市民にアピールするために、自分が流した水がどこへどうやって流れていくのかがわかるような情報提供や、下水道の処理水や雨水の放流先が中小河川であること、また、処理場の高度処理水を導水し、せせらぎを回復させていることなどを、もっと広く市民へ広報することが必要と考えます。  また、下水道には合流式と分流式がありますが、合流式は家庭排水と降った雨を一緒に流すもの、分流式は別々に流すもの、こうしたことも多くの市民が知らずにいます。分流式の地域に住む市民が家の前で洗車をした場合、洗車排水が側溝に流れ、そのまま川や海を汚してしまいます。台所から油を流すと問題があることは認識されていても、たばこの吸い殻を側溝に捨てることが河川環境汚染につながることを知る市民は多くはありません。このようなことから、市民レベルでの協力を呼びかけることを下水道局が発信していくことも、今後、重要と考えます。  そこで、質問です。  市民が、自分たちが流した水や地域の水がどこにどうやって流れていくのかがわかるような広報や、市民に協力してもらえるような情報を提供していくべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎山本 総務部長  下水道局では、これまでも十分に、パンフレットやホームページなどを通じまして、下水道事業の内容の紹介や下水道の正しい使い方のPRに努めてきたわけでございます。しかしながら、ご指摘のとおり、市民の皆さんには、自分たちの住んでいる地域が合流式なのか、また分流式なのかについて、まだ十分に理解されていない面があること、路上での洗車やたばこのポイ捨て等により、身近な河川環境を汚染する場合があることの認識が不足していることも事実であり、ご指摘の一面があるかと思います。  市民にとって身近な水環境を守り、下水道施設の維持管理を適切に行うためにも、今後は、小学生や地域の方々はもとより、さまざまな立場の方にも具体的にご理解いただけるよう、内容説明や広報手法にも十分配慮をしてまいりたいと考えております。  また、先進都市における広報・広聴活動の事例も参考にして、関連部局とも連携を図りながら、より効果的な広報活動の充実強化に努めてまいりたいと、このように考えてございます。 ◆坂ひろみ 委員  今年度、ポイ捨て禁止のポスターが公共施設などに張られておりますが、たばこの吸い殻が身近な河川環境にも関連していることを、環境局と連携してアピールすることも一つの方法です。また、水やエネルギー、リサイクル等、下水道局の事業は環境局とリンクしていることが多いので、今後は一層の連携が求められます。  次年度から、公共事業の効率的執行のため、建設局と下水道局が統合されると聞いておりますが、今後は、維持管理の時代に入っていきますので、維持管理計画と改築・更新計画の整合を図りつつ、むだのない事業を進め、下水道資産を健全な状態で次世代に引き継ぐ努力を続けていただきますよう要望して、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  私からは3点質問をいたします。  1点目は、一昨年ですか、包括外部監査で指摘をされました下水道資源公社への委託事業が再委託をされている問題について、ここでは、明確に指摘ということではなかったけれども、考慮する必要があるという書き方で、直接下水道局が発注すべきでないかというふうに表現をされておりました。この点について、私は、去年の議会でも、包括外部監査に基づいて改善すべきであるという指摘をしたのですが、どのように改善されたか、あるいは改善していないか。していれば、その内容、幾ら委託をしているか、具体的に答弁をお願いします。  それから、2点目は、来年度、建設局との統合が予定されているわけですけれども、下水道庁舎は、建てた当初は割と余裕のある庁舎でありました。今もかなり余裕が出てきております。いわゆる維持管理体制に入って、設計業務だとかが少なくなって、課の廃止などの中で余裕が出てきております。来年以降、この庁舎部分の活用をどう図っていこうと考えているのか、その考え方を示していただきたい。  また、下水処理場などを建設したときに、維持管理の関係で職員を常時そばに置かなければならぬということで、宿舎を建設しております。この宿舎の利用実態、何戸あって、何戸入居しているか、何戸空き家があるか、そして、その空き家をどういうふうに活用しようとしているのか、その点について示していただきたいと思います。  最後は、市内で、調整区域を中心にして約1,000戸の家庭が下水道の恩恵に浴していません。従来から、下水を浄化した排出水よりも合併浄化槽の方が水質はいいということは、広く知れ渡っておりますけれども、私どもは、これを下水道局が設置管理をしていくということについて求めておりましたが、その後の検討結果がどのようになったか、お答えをいただきたい。  以上、3点であります。 ◎山本 総務部長  まず、下水道資源公社に対します再委託業務につきまして、包括外部監査から指摘を受けた以降の扱いについてでございますけれども、この業務につきましては、事業執行の専門性や効率性、民間の事業展開、参入状況などの事業範囲の検証、業務内容の見直しを進めているところでございまして、この結果、平成15年度からは、焼却灰運搬業務や汚泥圧送管路点検業務の2業務を局から直接発注することにいたしました。また、平成16年度からは、局庁舎保守管理業務についても、局から民間業者に直接発注するなど、包括外部監査の意見に基づきまして、業務内容に応じて、下水道局において直接入札を行うなどの改善を図っております。  それから、2点目の下水道局庁舎の余裕の問題といいますか、庁舎の活用の問題でございますが、現段階では、来年度以降の活用につきましては考えていないと、そういう状況でございます。 ◎山内 処理担当部長  2点目にご質問の職員住宅の件でございますけれども、現在、5カ所ございます。まず、茨戸処理場、定山渓処理場、東部ポンプ場、伏古川処理場、それから新川処理場にございまして、そのうち伏古川処理場と新川処理場につきましては、入居しております。茨戸処理場と定山渓処理場及び東部ポンプ場につきましては、廃止予定でございます。 ◎仲村 建設部長  私の方から、3点目の合併浄化槽についてお答えをいたします。  合併浄化槽の設置、整備についてでございますが、市の方で浄化槽を設置して管理をしていくということにつきましては、昨今厳しい財政状況にあること、また、基本的に個人の施設であり、個人の宅地の中に設置されますが、浄化槽自体が小型車程度の大きさを持っているということで、その大きさのもので、市が管理する構造物が私有地に埋設されることになるなど、いろいろな課題もございますことから、なかなか難しい問題であると認識しております。  また、環境局の方で合併処理浄化槽につきまして、助成制度のほかに、今年度からは無利子の貸し付けのあっせん事業等が実施されてございますので、そちらの方の実施状況等の推移を見ながら考えてまいりたいと思っているところでございます。 ◆松浦忠 委員  職員宿舎の関係はわかりました。  そこで、庁舎の関係ですね、これは市長が既に報道機関を通して市民に発表しているように、建設局と合併しますよと言っているわけですから、当然、合併した後の組織のありようも検討されているだろうし、今の庁舎の面積からいって、他に転用、活用できるものもあるということは、私はたまたま行って見て、そう感じているのですがね。こういうのは、もう検討されていなければならぬ話だというふうに私は思っています。  これについては、かつての交通局もそうでありますし、水道局もそうであります。今の下水道局もそうであります。必要以上の大きさのものを建てて、結果的に、そう時がたたないうちに、こういうふうに不用面積が出てくるというのが実態であります。したがって、今は改革と。改革ということは何だといったら、何のことはない、むだをやめて、ごく当たり前のことをするということなのですから、きちっと計画を立てて、そして民間ビルなどに入っている業務機関がいろいろありますが、こういうものをできるだけ札幌市の所有する建物に入れていくと。こういうことでひとつ早急に検討していただいて、来年の組織改編のときには、そういうものがきちっと出てくるように、これは改革担当の田中副市長に、強く求めておきます。答弁は要りません。  それから、再委託の関係でありますけれども、金額にして幾ら委託していたものが、今回、直接に変わったよというのが一体幾らなのか、パーセンテージにしたら、委託費のうち何%を直接発注に直したのか、そこなのです。それをもう一度答えてください。  それから、合併浄化槽。私は、たまたま調整区域という言葉を今使いますけれども、今からわずか35年前に国がいろんなところを開発して、道路だとか水道、下水道など、公共投資が大変になるからと、区域を定めるということで法律をつくって、昭和44年、都市計画法を改正して、今のような制度になったわけです。そして、早い話が、水道だとか下水というのは、効率的にその区域から整備していくよ、その後に郊外へも出ていくよということで、現実にそうなってきているわけですね。あと1,000戸であります。  そこで今度は、効率化もさることながら、反面、市民に公平・平等なサービスを提供するという、この一番大事な部分はどうするのかと。ここの部分が欠落しているから、私どもはこれを指摘しているのです。  そういうことからいけば、個人の土地とかという今の仲村部長の答弁、そんなことはもう今までも話してきているし、解決の道は今の法制度の中に何ぼでもあります、これ。それを一々言いません。後は、公平・平等にどうするかという問題だけなのです。  この問題については、例えば東米里地区は、全戸数のうち20戸だけが下水道が入らなかった。ほかは何で下水道が入ったかというと、市内の清掃工場四つのうちの一つ、近年、最後の清掃工場があそこに建設された。それも、長い間、戦後農業振興法という法律ができて以来、あの地域にその法律の網をかけて、実際に農地として使用できなくなる人がたくさんいたにもかかわらず、そこを解除しなかった。平成5年に、ある日突然解除して、あそこに第5清掃工場と汚泥の二つの処理場のうちの一つをつくると、迷惑施設二つを設置するということになって、いわば住民から代替補償を求められて、その一環として下水道が入れられたわけですよ。この残る20戸の人たちは、東米里のあの煙突を通じて出た煙の中に、回収はされても猛毒ダイオキシンが残っていて、それが、風のない日には下に粛々とおりてくると。そこには、離れたところに牛を飼っている牛屋さんが1軒と豚屋さんが1軒ありますが、話の伝わりようによっては、ダイオキシンを含んだ肉か、豚か、牛かと、こういうことになると。そして、おれらのところはちょっと離れているからといって、下水道も入れてもらえないのは、極めて不利益この上ないなと、こういう意見で、私に、おまえどう思うと、再三こう来るわけですよ。  私は、少なくともこの20軒については、管を引っ張るのが大変なら、やっぱり合併浄化槽をと。札幌市が長年農用地だと言い張って網をかけていたところを、ある日突然外して下水道局が処理場をつくったと。そして、迷惑施設を二つつくったからといって、この20軒だけが外されて、あとのところには入るということにはならぬだろうと私は思うのです、これ。それもそうだし、今後どうするかという問題があります。そんなことを含めて、残りの1,000軒を、やっぱり私はちゃんと平等・公平という観点に立ってすべきだと思います。それが、やっぱり市民が市役所に求める行政なのです。  したがって、これは市長にお尋ねしますけれども、無利子融資の話は別です。それはそれですね。私はやっぱり公平・平等という観点で、ちゃんと下水道局がこれを設置して、補助金は、もらうものはもらって、足りなかったら下水道会計の中から出して、そしてそれを一般会計で下水道会計に補助しなければならないのだったら、きちっとすると。そして、料金も下水道の使用料金体系の中で徴収をして、維持管理をしていくということ、これが公平・平等なやりかたなのです、これ。そういう意味で、市長は、この問題についてどのようにお考えになっているか、東米里地区の問題も含めて、お答えをいただきたい。  これは、何でも市長かと言うけれども、今までずっと副市長以下で話をしてきても、なかなか解決せぬから、やっぱりこういう問題は市長が判断して、そして変えていくかということにならなかったら変わらぬから、市長に出席いただいて、市長に問いかけているということなのであります。 ◎山本 総務部長  資源公社に対する委託料の関係でございます。  まず、14年度につきましては、委託料が総額40億6,800万円程度ございました。そのうち、再委託額というのは17億7,000万円程度で、再委託率は43.5%ございました。それが、15年度決算で申し上げますと、委託料が40億3,600万円、再委託額が17億6,100万円程度で、再委託率は43.6%ということでございます。平成16年度につきましては、下水道庁舎事業費の約2,000万円程度は再委託から除かれますので、16年度は再委託率は若干小さくなるのかなと、そのように思っております。 ◎田中 副市長  前回、1定におきましても私の方からお答えさせていただきましたけれども、市街化調整区域におけます下水道整備の考え方について、札幌市は一定の考えを持って、そうした対応をさせていただいてございます。基本的には、下水道によります集合処理を行った方が合理的・ 効率的な地区としてございまして、具体的には、旧事業法団地ですとか、指定道路団地、または家屋の張りつきがよい地区などの集落で、かつ最寄りの公共下水道までの距離が短い地区などを整備対象としております。  これについては、何度か論議してございますけれども、今、仲村建設部長の方からお答えさせていただきましたが、下水道事業会計の中では、なかなか対応できない問題でございまして、しからばどうするのか。いろんなお考えがあろうかと思いますが、やはりこれにつきましては、市街化調整区域の地域の特性を考えた場合に、それを限定的に、特例的に扱うということは大変難しい。市街化調整区域全体の問題でありますので、これは慎重に対応していかなければならない。  しかしながら、委員もおっしゃったような問題が内在している。それにつきまして、どう対応すべきかは、今後とも研究が必要でございますが、なかなか迅速には対応できないというのが我々の立場でございます。ご理解をいただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  再委託の問題は、何ら率は変わっていないのですね。件数は何件か出されたけれども、全体的に、委託に対する再委託率というのは変わっていません。これは、やっぱり抜本的に変えなければだめです。  先ほど、飯坂委員のところで、生活保護費の補助が2億1,000万円なくなると言っているけれども、ここのところを抜本的に変えたら、2億円や3億円の話でないです、これ。1割ぐらいでも4億円ぐらいの金はすぐ出てきます。したがって、これをきちっと見直しをしてください。このことを強く指摘をしておきます。  それから、今、田中副市長が答えましたけれども、それでは、具体的に一つ申し上げると、あそこに清掃工場をつくったときに、地元対策としていろんなことをやりました。その一つとして、36ホールのパークゴルフ場をつくりました。このパークゴルフ場の維持管理に、毎年毎年幾ら出しているか。100万円出しているのです、町内会に。そして、一方で、河川敷などにあるパークゴルフ場は9ホールですけれども、この維持管理を委託している会などに幾ら出しているかといったら、11万円か12万円なのです。例えば倍にしたって25万円ですね、その4倍出しているのです、これ。この差は何だと言ったら、結局、迷惑施設をつくったという、地元に対する補償の一環なのですよ。そういう部分で、しているのです。  だから、例えば東米里の20戸について言えば、大多数のところ、たしか200戸ぐらいあるはずですけれども、その1割ぐらいが入っていないだけで、あとは全部入っているわけですね。一方では、通常二十四、五万円ぐらいしか出さないようなところに、迷惑対策だと4倍も金を出しているという。そういうことからいったら、当然、ここの20戸の下水道はきちっと、何をさておいても整備をしなければいかぬということを指摘します。  特に、市長は来られたばかりですから、経過を申し上げると、市長ね、私が出た58年以降、たしか63年ぐらいか、あるいはもうちょっと後から、調整区域の下水道の環境事業が始まったわけですよ。それまでは、市街化区域だけだったのです。なぜかといったら、札幌市を含めた大都市の下水道の整備率のいいところには、仕事がなくなったと、はっきり言うと。そこで今度は、調整区域に伸ばそうやといって、当時の建設省下水道部が大都市のそういう下水道局の要望を入れて、伸ばし出したのです。  当時は、農村は農村で、農林水産省の下水道事業がありました。それから、さらに、たしか農林水産省は浄化槽設置に対する補助金も出していたはずですね。厚生省も出していました。一番先は厚生省ですね。そんなふうに、ばらばらだった。今でもそうだと思います。  それで、札幌市は、当時、調整区域に下水道を入れるに当たって、どの方式が本当に安いか、沈殿池だとか、全部総合的な施設も含めた投資と維持管理費などを計算をしたかといったら、何もしていないのです。私は、当時も確認したのですけれども、何もしていないのです。その基準というのは、単に管渠を入れると1キロ何ぼかかって、浄化槽であれば何ぼという話であって、処理場を含めた総体の費用を全部あれして、どっちが得か損かということをやっていないのです、これ。言ってみれば、管渠の延長ありき。いわゆる土木工事の量の確保ありきだったのです。  そういう問題でやってきているから、私は、ここで1,000軒のために、もはや管渠でやったのでは金がかかり過ぎるから、この下水道を設置して、管理をしていくと。例えば帯広市なんかもやっていますね。道内で幾つかの市がやっています。そして、料金体系も同じようにする。あとは、土地の使用だとかなんかをどうするかという問題は、設置した方との間で地上権の設定だとか、いろんな設定ができますから、公的にやれば解決できるわけですよ。私は、そういうことを、やっぱり公平・平等に、そして経費が一番かからぬ方法できちっとしてあげるべきだと。  44年の線引きをした後から、この1,000軒の人たちが、法を無視して調整区域に住んだというならわかりますよ。その前からずっと住んでいて、開拓以来いる人もいるのですから。ある日突然、国の都合によって法律を改正して線引きしてしまったのですから、これ。そして、絶対絶対と言っていたのが、今度、仕事がなくなったら調整区域に行くぞ、でしょう。こういう役人のご都合主義の行政サービスというのは、私はうまくないと思うのだ。  したがって、それについてきちっと、市長は新しく来られたわけですから、そういうような過去の問題点を整理して、私は、ぜひそのことについてどうすべきかということの検討を市長はすべきだと思うのですけれども、市長、いかがですか。(発言する者あり)要望ではないですよ、これ。 ◎上田 市長  ただいま、仲村部長、それから田中副市長からもお答えいたしましたように、この問題については、さまざまな問題点があるということを認識しながら研究をしていくということで、お答えとさせていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  役所言葉で研究ということは、やらぬということなのですよ。しかし、小学校の児童に、研究と言ったら、実現に向けて取り組んでいくということなのです。私は、上田市長は法律家で、日本語を大切にされる方だと思いますから、素直に受けて、早期に研究して、結果、答えを来春の1定ぐらいには出してくれるだろうということを期待をして、終わります。 ◆馬場泰年 委員  私の方から、公衆浴場のうち、普通浴場に対して減免されている下水道使用料についてお尋ねをします。  公衆浴場法は昭和23年に施行されておりますが、その法は、昭和21年に施行された物価統制令、つまり、終戦後の事態に対処して、物価の安定を確保し国民生活の安定を図ると、これを目的とした価格統制を受けております。そして、道の公衆浴場の入浴料金は、北海道公衆浴場入浴料金審議会において審議されて決められていると、こういう流れになっております。  その後、時代の変化に伴って、昭和56年に公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律ということで、特別措置法が公布されました。その第3条には、国及び地方公共団体の任務として、公衆浴場の経営の安定を図る等必要な措置を講ずることにより、住民の公衆浴場の利用の機会の確保に努めなければならないと示されております。そこで、札幌市では、この公衆浴場の経営の安定を図る一策として、公衆浴場のうち、入浴料金の価格統制を受けるものについて、下水道使用料を昭和51年度から全額減免としております。
     公衆浴場は、北海道の条例によりまして、一つは普通浴場、それから福利厚生浴場、その他の浴場と、大きく三つに分類されております。そのうち、入浴料金の価格統制を受けるのは、一番最初に言った普通浴場のみであります。したがって、普通浴場として許可を受けた公衆浴場が下水道使用料の減免対象になっているのであります。  そこで、質問でありますけれども、まず1点目は、札幌市において、下水道使用料の減免対象となっている公衆浴場、つまり普通浴場の件数と減免金額は、現在、どのようになっているのか。  2点目に、全額免除による一般会計からの繰入金の算出方法、これはどのようになっているのか。  3点目でありますけれども、他都市においての減免状況はどのようになっているのかをお伺いします。  それから、4点目ですけれども、公衆浴場のうち普通浴場については、北海道の条例規定によると、その利用の目的及び形態が、地域住民の日常生活において、その健康の保持及び保健衛生上、必要不可欠のものとして使用されるものとされております。しかしながら、現在、下水道使用料の減免対象としている普通浴場の中には、いわゆるスーパー銭湯と呼ばれる、娯楽性の高い大規模な公衆浴場も含まれていると聞いておりますので、この実態はどうなっているのか。  以上、4点お伺いをいたします。 ◎山本 総務部長  まず、減免件数とその金額についてでございますが、公衆浴場にかかわる平成15年度決算の下水道使用料の減免件数は124件、減免金額は1億6,450万円程度となってございます。  2点目の減免による一般会計繰入金の算出方法についてでございますが、減免制度を始めた昭和51年度における普通浴場全体の過去5年間の月平均使用量であります、710トンを普通浴場の使用水量として認定しておりまして、減免金額を算出してございます。  3点目の他都市の減免状況についてでございますが、他の政令都市では、いずれも通常の料金体系とは別に、公衆浴場を対象とする低廉な料金体系を設定してございます。なお、道内の市町村におきましても、同様に、低廉な料金体系を設定しているものでございます。  4点目の普通浴場の中における大規模浴場の実態でございますけれども、公衆浴場を減免するに当たっては、公衆浴場の許可を担当しております保健福祉局からの、普通浴場である旨の通知に基づいて認定をしております。スーパー銭湯の定義については明確ではございませんけれども、現在、下水道使用料を減免している普通浴場の中には、レストラン、遊技場、駐車場などを備えた規模の大きな施設も一部含まれてございます。 ◆馬場泰年 委員  政令指定都市においても、それから道内の市町村においても、通常の料金体系とは別に、要するに公衆浴場を対象とする低廉な料金体系を設定している、つまりは、幾らかの料金はいただいているということであります。それに対して、札幌市では全額を免除、つまり、ただということであります。  もともと、普通浴場の下水道使用料を減免する目的は、公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律にも定められているとおり、本来、地域住民の日常生活において欠かすことのできない小規模な公衆浴場を救済するということにあったわけであります。そんな中で、生活環境、社会環境の変化があるとはいえ、スーパー銭湯と呼ばれるような大規模な施設まで減免の対象とするのは、いかがなものかと思うのであります。  今まさに大規模銭湯がふえている大きな理由の一つは、下水道使用料を初め、固定資産税、そして都市計画税等の減免制度の優遇措置があるからだと思うのであります。そのことにより、地域に密着した既存の小規模な銭湯が抑制されていくことになれば、そもそも、この減免制度の趣旨からいって大きな問題だと思うのであります。  そこで、私の調べたところによりますと、道内では、苫小牧市において、汚水排出量が一定水量以下のものについてのみ、下水道使用料の軽減対象になっていて、ある量以上は対象になっていないと。札幌市においても、公衆浴場にかかわる下水道使用料の減免制度について、施設の規模等によって何らかの基準を設けるなどして、今後、見直しを検討すべきであると私は思うのですが、いかがでございましょうか。 ◎山本 総務部長  本市の公衆浴場の減免につきましては、他の指定都市と同様に、公衆浴場法の許可を受け、入浴料金の価格統制を受ける普通浴場を対象として実施しているものでございます。普通浴場が地域住民の日常生活において、健康の保持及び保健衛生上、必要不可欠のものとされていることから、現時点では、施設の規模などによって異なる取り扱いを行うことは難しいものと考えているところでございます。  また、既に公衆浴場の許可を受けて低料金で運営している施設については、低料金の設定に伴う減免制度等を前提に経営計画を立てているところもあると考えられますので、下水道使用料を新たに徴収することになりますと、さまざまな問題が生じることも考えられます。  いずれにしましても、今後の公衆浴場にかかわる下水道使用料の減免のあり方につきましては、関係部局とも十分連携をとりながら、慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆馬場泰年 委員  内部でも十分検討されていないようでありますし、また、これは下水道局だけでなく、財政局、保健福祉局にもかかわってきますので、私は、以下3点だけを強く求めて終わらせていただきます。  1点目は、今、現時点では、施設の規模などによって異なる取り扱いを行うことは難しいという答弁でありました。この減免制度が設けられた昭和51年ごろは、現在俗に言われているスーパー銭湯、大型浴槽というのは、ほとんどと言っていいぐらい存在していなかったわけであります。普通浴場は、現在の小規模な浴場がほとんどであった。それを、料金体系だけで区分したことによって、現在のスーパー銭湯等が介入することになったのではないかと。本来であれば、その時点において、きちっと区分した定義をしておくべきであったと思うのであります。  それはそれとして、私が先ほど申し上げましたとおり、苫小牧市は一つの方策を講じているわけでありますから、難しいということで済ますことなく、何らかの方法を見出していただきたい。  それから、2点目は、下水道使用料を新たに徴収することになれば、さまざまな問題が生じるということでありますが、であるからこそ、具体的にどんな問題が生じるのか、よく検討して、その問題点をクリアしていかなければならないのではなかろうかと私は思うのです。問題が生じるからさわりたくないというのではなく、この点もぜひ検討していただきたい。  それから、3点目でありますけれども、下水道使用水量の件であります。  先ほどの説明では、昭和51年以前の5年間の平均使用水量を月710トンとして、今なお減免金額を算出しているということであります。減免制度を実施した昭和51年には、普通浴場は実は259カ所ありましたが、当時、スーパー銭湯はほとんどありません。一方、平成15年度は、普通浴場は、先ほど言った半分以下の124カ所で、その中には多数のスーパー銭湯も含まれていると、そういう状況に変わってきております。そんな中で、昭和51年の使用水量をもって今なお減免をしているということは、その恩恵はどこへ行くかというと、ますますスーパー銭湯に集まっていくと、逆に言うと、市民が負担をしているということになるわけであります。いつまでも今のままの水量を基準とするのではなくて、この点も、何らかの形をもって、改善に向けて検討していただきたい。  いずれにしましても、先ほども言いましたけれども、減免制度の趣旨は、小規模浴場の救済措置であると、このことを十分踏まえて、土地・家屋に対する固定資産税、それから都市計画税、これも減免されているわけでありますから、横の連絡をとりながら改善していただくよう求めて、終わります。 ◆藤川雅司 委員  私は、環境に関する報告書というのが、今年度、札幌市下水道局から出されましたので、この報告書に関して質問をいたしたいと思います。  近年、地球環境に対する関心が非常に高まっておりまして、市長も昨年10月に環境方針を発表し、この中で、地球温暖化防止という地球規模での環境保全ということを表明しており、その決意の大きさが伝わってくるところであります。そしてまた、21世紀は環境の世紀や水の世紀と言われて、水環境、水循環を支える下水道の重要性は一段と高まるものと、こういうふうに認識しております。  このような状況を踏まえて、下水道局は、平成13年度、14年度に続きまして、昨年度、環境報告書を発行したわけですが、この環境報告書とは、環境省ガイドラインにもありますように、事業活動における環境保全のためのコストと、その活動によって得られた効果を定量的に把握、分析し、公表する仕組みで、環境保全のための費用対効果を明らかにすることによって、より一層効率的で透明性のある事業運営を目指すというものであります。  このたびの報告書によりますと、良好な水環境の推進や、省資源や環境配慮の推進など、下水道局の環境保全への積極的な取り組みが記載されているところであります。  そこで、質問に入りますが、まず初めに、このような環境報告書、下水道に関してなのですが、他の都市はどのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。  次に、今年度の本市下水道の環境に関する報告書の主な特徴は何かをお伺いいたします。  また、水質の汚濁指標でありますBODの削減による環境保全の効果などは、昨年度と比較してどの程度なのかをお伺いいたします。 ◎山本 総務部長  まず、1点目の他都市の状況でございますけれども、下水道事業といたしましては、東京都が平成13年2月、横浜市が14年9月、本市及び京都市が16年3月に公表したところでございます。また、上下水道事業といたしましては、名古屋市が14年12月に公表。なお、神戸市及び北九州市については、現在、検討を行っていると聞いてございます。  2点目の今年度の環境報告書の特徴でございますけれども、大きく二つございます。  まず、一つ目は、他都市や企業などとの比較が容易にできるように、平成15年に国が示した環境報告書作成基準をできる限り満たすような項目を追加いたしました。具体的な追加項目としては、下水道事業の概況、下水道局のEMSの環境方針、各処理場の放流水質などでございます。  二つ目は、資料編の充実を図りまして、各ポンプ場、処理場の環境負荷、札幌市の河川現況と下水処理場の関連、及び環境基準点の位置関係などを掲載いたしました。  3点目の前年度と比較した環境保全効果などでございますけれども、水質の汚濁指標でありますBOD除去量は、昨年度と比較して、全体の約4%に当たる2,411トン削減されまして、昨年度以上に環境保全効果が得られたことから、清らかな水環境を創出する一翼を担ったと考えております。  また、電力エネルギーや水道水の節減及び下水汚泥の資源利用を推進したことによりまして、環境会計上の経済効果としては、昨年とほぼ同額の約40億円と試算しており、これらの結果、温室効果ガス排出量、いわゆる二酸化炭素排出量は、昨年とほぼ同量の14万3,000トンとなってございます。 ◆藤川雅司 委員  ただいまの回答で、環境に関する報告書の特徴及び経済効果や二酸化炭素排出量についてはわかりました。  そこで、今後の下水道局としての、二酸化炭素排出量の削減に向けた取り組みについてお尋ねをしたいというふうに思いますが、市長は、施政方針であるさっぽろ元気ビジョンの、世界に誇れる環境の街さっぽろの中で、地球温暖化防止に向けて二酸化炭素排出量の10%削減を目指し、これを実現するために、札幌新まちづくり計画の基本方針の中でも、市民・事業者・行政が一体となった削減を目指すということをうたっているわけです。  さきの環境局に関する決算特別委員会で、地球温暖化対策について私の方から質問しましたが、平成12年、2000年の札幌市内の二酸化炭素排出量は、札幌市の寒冷な気候による冬季の暖房等で燃料消費量が多く、約60%が家庭やオフィスなどの民生部門、さらに約29%が自動車などの運輸部門となっているわけであります。  札幌市の下水道事業からの二酸化炭素排出量は、今年度の報告書では、1年間で約14万3,000トンということです。単純に比較することはできませんけれども、平成12年、2000年の総排出量1,070万トンに対して、約1.3%が下水道事業から出ているということも考えられるわけであります。民生部門や運輸部門ほどの大きな割合ではありませんが、一事業者としてはかなり膨大な二酸化炭素排出量と考えるわけでありまして、下水道事業としても、さらなる取り組みが必要であると考えます。  そこで、下水道局が二酸化炭素排出量を削減していくためのさらなる取り組みについて、今後、どのように実施していくのか、お伺いをいたします。 ◎山本 総務部長  下水道局における二酸化炭素排出量削減のための今後の取り組みについてでございますが、既に実施している施策でありますけれども、下水道の熱エネルギーを利用した雪対策を、今後とも推進してまいりたいと思います。また、処理場の反応タンクに省エネルギー型散気装置の設置を進めていくとともに、今後、汚泥焼却炉の新設や改築に当たっては、これまで採用している焼却炉に比べて、二酸化炭素の発生量が少ない焼却炉を採用することなどを検討してまいりたいと考えております。  また、全庁的な取り組みでございます環境マネジメントシステムの活用に基づいて、オフィス活動による電気や水道などの使用量の削減に努めるとともに、CO2削減アクションプログラムに基づき、関連部局と協力・連携を深めて、二酸化炭素排出量の削減に前向きに取り組んでまいりたいと思っております。 ◆藤川雅司 委員  わかりました。  最後に、要望しておきたいと思います。  下水道局における二酸化炭素の削減について、今後とも積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。環境局が主管というふうに思いますが、先ほど言いましたように、事業体としては大変大きな二酸化炭素の削減になっているということであり、地球で暮らす次の世代に住みやすい環境を引き継いでいくためには、札幌市で活動する市民・事業者・行政が一体となって二酸化炭素の排出量を削減していくことが必要だというふうに思うのです。  それで、下水道事業は、環境に貢献をしている一方で、大量のエネルギーを消費していると。こういった、ある意味では矛盾といいましょうか、課題を抱えているわけでありまして、コスト削減はもとより、環境配慮の視点を忘れずに事業運営に携わっていただきたい。  最後に、新聞記事にもありましたように、昨年の統計ですが、環境に関する報告書は、大企業を中心に743社が作成をしている。さらに、昨年の4月からは、行政機関等でもこの環境報告書が義務づけられる動きだというふうに聞いております。札幌市は、先ほどの回答にもありましたように、自治体としては先進的な取り組みを行っているわけでありまして、これが一つの見本となって、札幌市内はもとより、他の自治体も含めた事業者が、自分の事業が環境にどういう影響を与えるかを考えて、一層環境を守るために努力する、そんな動きが大きく広がると思いますので、この報告書についても一層の充実を要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、札幌新まちづくり計画に関連する下水道事業についてお伺いをいたします。  このほど、さっぽろ元気プランにおけますまちづくりのプランとして、その考え方や、今後3年間で重点的に進めるべき施策、事業などを定めた札幌新まちづくり計画の重点事業編が公表されております。この札幌新まちづくり計画では、基本目標の一つとして、世界に誇れる環境の街さっぽろが掲げられており、下水道事業としては、河川の良好な水環境を保全、創造するために、下水処理水の水質向上を目指した下水処理場の高度処理化事業や、全国的な課題でもあります、雨天時に未処理のまま放流される下水の水質改善を行う合流式下水道の改善事業、さらには、下水汚泥を活用したコンポスト生産技術の調査研究や下水汚泥焼却灰の建設資源化の推進など下水汚泥の減量及び有効利用計画の推進の、三つの施策が記載されております。  そこで、札幌新まちづくり計画に関連してお伺いしますが、1点目の質問として、下水道の役割としては、水洗化に代表される生活環境の改善、安全で安心な街づくりの一環として、雨に強い街づくりのための浸水対策、施設の老朽化に伴い今後ますます増加してくると見込まれる機能維持のための改築、更新など、多様かつ重要な役割、施策があるわけでありますが、多くの施策の中からこれら3施策を選んだ背景など、その基本的な考え方をお聞かせ願います。  質問の2点目として、この施策の計画事業費として、合わせて9億800万円が計上されておりますが、それぞれの施策の具体的な事業内容とその効果及び今後の展望についてお伺いをいたします。 ◎仲村 建設部長  私の方から、札幌新まちづくり計画と下水道の関連についてお答えいたします。  まず、1点目の重点事業選定の基本的な考え方についてでございますが、地球規模での環境に対する関心が高まってくる中、環境保全事業である下水道の担う役割は、さらに重要性を増してきていると認識してございます。重点事業の選定に当たりましては、清らかな水辺の保全、創出を図る高度処理化事業及び合流改善事業の水質改善事業を選定いたしますとともに、循環型社会を構築する施策の一環といたしまして、汚泥の減量化、有効利用推進を選定しているものでございます。  次に、2点目でございます各施策の事業内容とその効果及び今後の展望についてでございますが、まず、高度処理化事業につきましては、伏古川処理場と、現在建設中でございます東部処理場におきまして、ステップ流入式硝化脱窒法による高度処理を導入することといたしておりまして、これに、合わせて2億8,500万円を計上してございます。  次に、合流改善事業についてでございますが、平成14年に、国の方から、当面の目標といたしまして、放流汚濁負荷量の削減ですとか、夾雑物の流出抑制などが示されております。また、今年度の下水道法施行令の改正によりまして、新たに雨天時における放流水質の基準も設定されてございます。これらの目標や基準を踏まえまして、茨戸西部ポンプ場の貯留施設の整備や豊平川雨水貯留管の計画設計、各雨水吐き口での夾雑物の流出抑制対策など、合わせまして5億7,300万円を計上してございます。これら二つの施策による効果といたしましては、処理水質の向上などにより、河川ごとに定められております水質環境基準の安定的な達成、維持に貢献できるものと考えております。  次に、汚泥の減量化、有効利用推進についてでございますが、発生する汚泥の約1割は、コンポスト化による緑農地還元を行い、残りの焼却灰につきましては、コンクリート骨材や土地造成材などの建設資材として有効利用しているところで、より効果的な技術の調査や全体計画の策定のため、5,000万円を計上してございます。この施策の効果といたしましては、さらなる下水汚泥の有効利用が図られ、循環型社会の構築に一層貢献できるものと考えております。  最後に、今後の展望についてでございますが、ただいまの三つの施策のいずれもが、環境保全に関する重要な施策でございまして、それぞれ長期間にわたり多くの事業費が見込まれますことから、計画的、効率的に事業を進めまして、下水道を通じて、世界に誇れる環境の街さっぽろ実現の一翼を担ってまいりたいと考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  日ごろ、余り意識して下水道を使っているわけではないですけれども、改めて、循環型社会に大変大きな役割を示しているということを感じました。  特に、新まちづくり計画で成果指標として、15カ所あります河川の環境基準点において、BODの環境基準への適合を現在の80%から100%を目指すということは、測定地点の河川に流入するのは処理水のみではないわけですから、相当ハードルの高い目標値というふうに思います。そういう意味では、指標達成のために高度処理化事業や合流改善事業の実施には大いに期待するところであります。  ところで、新まちづくり計画の重点戦略課題の一つとして、北国らしい豊かな暮らしの実現も掲げられており、地域特性に応じた効果的・効率的な雪対策の推進の中に、地域に密着した雪処理の推進が盛り込まれております。  この事業内容を見てみますと、パートナーシップの推進と下水道を活用した地域密着型の融雪槽の整備が計画されておりますが、我が会派においても、従来から、この地域密着型雪処理施設も含めて、下水道施設と下水の持つ熱エネルギーの有効活用を要望してきたところであります。ことし2月には、下水道施設を活用した大型の雪処理施設として、伏古川融雪管、新川融雪槽の二つの施設が新たに供用開始したと聞いております。  そこで、再質問の1点目でありますが、この二つの施設について、予定していた処理能力を発揮できたのか。また、平成15年度は、どのくらいの雪を処理できたのか、お伺いをいたします。  2点目として、新たな2カ所を含めた融雪槽、融雪管、流雪溝など、下水道によるすべての雪処理施設が、平成15年度の実績で、札幌市全体の公共排雪量に対してどのくらいの貢献度となったのか、あわせてお伺いをいたします。 ◎仲村 建設部長  下水道によります雪対策事業につきましてお答えいたします。  まず、1点目の各施設の処理能力につきまして、計画雪処理能力といたしましては、伏古川融雪管が1日最大4,000立方メートル、新川融雪槽が1日最大6,000立方メートルと考えていたところでございますが、両施設とも1日当たり融雪量につきましては、計画どおりの雪処理能力を確認しているところでございます。  また、雪処理量の実績につきましては、伏古川融雪管は、今年2月2日に供用を開始しまして、約10万立方メートルの雪を処理してございます。また、新川融雪槽につきましては、2月18日に供用を開始いたしまして、約6万4,000立方メートルの雪を処理してございます。  次に、2点目の下水道によります雪処理施設の公共排雪量に対する貢献度についてでございますが、平成15年度に供用を開始しました施設を加えまして、下水道によるすべての雪処理施設の雪処理量は、年間で約130万立方メートルとなっており、平成15年度の公共排雪量の実績比、約1,100万立方メートルに対しまして、約13%となったところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  最後に、要望でございますが、下水道による雪対策事業については、地域密着型雪処理施設が、今年度は月寒公園、来年度は伏古公園北に整備される計画であります。また、創成川融雪管第2投雪施設も来年度の供用開始を予定されていると聞いております。下水道施設や熱エネルギーを有効活用する雪対策事業は、環境保全という観点からも大いに意義ある施策と認識しておりますし、また、雪対策への市民要望も依然として高いことから、より一層の推進を要望しておきます。  また、建設局と再編されるということでありますけれども、地域で一番の要望としてお聞きすることは、特に軟弱地盤、白石もそうでしょう、東区も軟弱地盤の地域がありますが、道路改良をやっていないところは、先ほどもお話がありましたように、下水道のマンホールが必ず飛び出ているということです。周りが下がるということですから。そういう面では、今後、建設局と一緒になるということなので、そういうことも含めて施工していただきたい、このように要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○鈴木健雄 委員長  以上で、議案第7号 下水道事業会計の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本議会に付託されました全案件に関する質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月25日午後1時から、付託されました全案件に対する討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ──────────────       散 会 午後5時50分...