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平成16年少子化対策・青少年育成調査特別委員会−09月07日-記録

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  1. 札幌市議会 2004-09-07
    平成16年少子化対策・青少年育成調査特別委員会−09月07日-記録


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    最終取得日: 2021-04-26
    平成16年少子化対策青少年育成調査特別委員会−09月07日-記録平成16年少子化対策青少年育成調査特別委員会  札幌市議会少子化対策青少年育成調査特別委員会記録            平成16年9月7日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時1分 ○勝木勇人 委員長  ただいまから,少子化対策青少年育成調査特別委員会を開会いたします。  報告事項ですが,福士委員からは,遅参する旨,連絡がございました。  それでは,議事に入ります。  最初に,(仮称)札幌市次世代育成支援対策推進行動計画(案)についてを議題とし,資料に基づき,理事者から説明を受けます。 ◎福島 子ども育成部長  (仮称)札幌市次世代育成支援対策推進行動計画の策定に関しては,少子化対策青少年育成調査特別委員会からいただいた提言を踏まえ,ことし3月末に素案を取りまとめました。その後,5月から6月にかけて,素案に対する市民意見を募集しました。寄せられた市民意見の概要は,後ほど資料に基づき説明します。さらに,7月から8月にかけては,行動計画最終案取りまとめに向け,庁内関係部局において改めて精査,検討を行いました。その際,各部局では,寄せられた市民意見に対する本市の基本的な考え方の整理,市民意見を踏まえた素案の一部修正,また,同時期に策定中であった札幌新まちづくり計画重点事業編との整合性の保持,さらには,現在,全庁的に取り組んでいる事務事業総点検の対応などにも意を用いながら,行動計画最終案のありようについて吟味を行ってきました。これらの作業を経て,庁内の横断的な検討組織である保健福祉施策総合推進本部会議において協議の上,先週9月2日に,学識経験者や公募市民などで構成する次世代育成支援対策推進協議会で論議し,本日,当調査特別委員会での審議に至りました。  以下,具体的な内容について,順次,説明します。  まず,行動計画の素案に対する市民意見の概要について,資料1の市民意見概要一覧表に基づき,説明します。  1枚めくった左側,裏表紙の表に記載しているとおり,46名の市民や団体から144に及ぶ意見をいただきました。  次に,右ページの意見一覧表をごらんいただくと,左に行動計画素案のどの部分に対する意見かを示し,中ほどに意見の要旨,右にはこれに対する本市の考え方を記載しています。この表で黄色く網かけをしたものは,市民意見によって行動計画案の修正を行ったもので,全部で14カ所あります。修正の内訳は,文章の修正が12件,グラフの修正が1件,さらに個別事業の指標の追加が1件となっています。  例えば1ページでは,上から2番目の意見ですが,「夫婦の出生力そのものの低下」という表現の意味がわかりにくいという指摘に対し,具体的な文言表現で説明を加えました。次の3番目の意見は,素案では女性の年齢別就業状況のグラフを示していましたが,札幌市のグラフのみでは札幌市の特徴がわかりにくいという指摘でしたので,全国のグラフを追加しました。  次に,2ページの一番上は,素案における「挫折を含めた体験が必要」との表現は,挫折で立ち直れない子供たちもいることから表現としては不適切との指摘を受け,その趣旨を踏まえて所要の修正を行いました。  また,第2章の関係では,4ページにあるように,行動計画の体系において,子供の権利が最重要なので基本目標の最初にすべきなど,いわゆる基本目標の順番立てや基本施策の名称の変更に関する意見が多くありました。  次に,第3章に関する意見では,6ページの下から2番目の母子保健訪問指導事業や,9ページの下から2番目と3番目の延長保育や一時保育,病児保育の受け入れ人数をふやしてほしいなど,個別事業の充実や拡充に関する意見などがありました。さらに,7ページの一番下の子育て家庭の税金の減額や,8ページの上から3番目の妊婦の定期検診の助成拡大,また,4番目の保育料の第二子以降の無料化,5番目の乳幼児医療費の助成の制限緩和など,経済的負担の緩和を求める意見も多く寄せられました。  次に,第4章の関係では,計画書の策定過程に関するものとして,17ページの3番目にあるように意見募集期間が短過ぎるとか,推進協議会委員選考過程を明示してほしい,あるいは,別途,検討委員会の設置が必要という意見がありました。また,16ページ一番上の計画の進捗状況チェック体制,下から3番目の計画の見直し,17ページの一番上と2番目の実効ある計画推進のための財源,予算の確保など,計画策定後の課題に関する意見も多くいただいています。  続いて,行動計画最終案の概要について,資料2の(仮称)札幌市次世代育成支援対策推進行動計画(案)の新旧対照表に基づき,説明します。
     この新旧対照表は,左のページが3月末までにまとめた素案段階のもので,文言修正や削除した部分は赤字にして,さらに下線で表示しています。また,右のページが修正案で,変更及び追加した箇所は青字にして下線で表示しています。さらに,修正案の右側の備考欄には,修正等を行った理由を簡単に記載しています。  次に,修正案の40ページですが,個別事業に関する修正箇所については黄色く塗りつぶして表示しています。中でも,新規に追加した事業は,黄色く塗りつぶした上に事業全体を四角く囲んでいます。  それでは,最終案について説明します。  この修正案は,市民意見事務事業の総点検,さらには札幌新まちづくり計画との整合性等を踏まえた修正を行い,最終案として取りまとめたものです。  まず,目次をごらんください。  第1章から第4章まで,その後に附属資料を添付するという計画全体の基本構成は変更ありません。また,基本的な視点として据えた子供の視点,次世代を育成する長期的な視点,社会全体で支援する視点,さらに,子供の輝きがすべての市民を結ぶまちとする基本理念,あるいは,基本目標として立てた5本の柱は,その構成も含めて,素案と修正案に変更点はありません。全体を通してみると,修正箇所が大変多くなっていますが,そのほとんどは,市民意見等を踏まえて各担当課で再度の見直しを行い,よりわかりやすい表現にしたり,あるいは言い回しなどの文言表現を統一したり,さらにはグラフや表の統計数値などを最新のデータに置きかえたものです。  それでは,本文の修正ですが,新旧対照表の修正案16ページをごらんください。  16ページから19ページまでは,それに対応する左側の素案の部分がありません。これは,第1章の札幌市の現状と課題において,青少年に関する意識調査結果,また,児童虐待あるいはいじめなど青少年の現状に関する部分を追加したものです。実は,私どもは,素案策定段階でこれらを入れたいと思っていましたが,現状把握として使用した平成15年度の札幌市世論調査の正式な結果公表が素案策定に間に合わなかったため,見合わせていたものです。  また,市民意見により修正を加えたものとしては,修正案9ページの図8,女性の年齢別就業状況のグラフですが,札幌市のグラフのみでは札幌市の特徴がわかりにくいという指摘により,全国のグラフもあわせて掲載しました。  また,修正案20ページでは,三つ目の枠の挫折を含めた体験が必要との素案の表現に対し,挫折で立ち直れない人もあることから表現としては不適切であるとの指摘を受け,その趣旨を踏まえて所要の修正を行いました。  次に,修正案の38ページでは,乳幼児期から始める生活習慣病の予防,啓発において,食べることの大切さとして食育にも触れてほしいとの市民意見があり,これに対し所要の修正を加えました。  次に,個別事業についてです。  修正で最も多かったのが,それぞれの事業の概要を説明する文章の修正で,そのほとんどが事業内容をよりわかりやすくするために文言を修正しました。また,修正案40ページの2番目に「食育」の推進事業がありますが,素案段階の後で新たに追加した事業が行動計画の中に全部で10件あります。これらは,すべて札幌新まちづくり計画重点事業編に掲載している事業との整合性をとるために追加しました。また,修正案の47ページの一番上にあるとおり,事業名称が新たに決定したことや訂正による変更が5件,削除が1件となっています。それから,指標関係の修正もありましたが,そのほとんどは現状値を最新データに置きかえたものです。また,修正案の36ページの備考欄にあるとおり,市民意見により新たに追加した指標が1件ありました。このようなことで,個別事業は,素案の時点と比べて10の事業が追加され,全部で200事業を掲載しています。  なお,そのうち,何らかの目標値を設定したものが118事業あり,59.0%の設定率となりました。  また,用語解説ですが,修正案の3ページの一番下に合計特殊出生率について記述しています。このような形で,計画書で使用しているもので一般的にわかりにくいと思われる語句は,その該当部分に米印をつけ,その言葉が最初に出てくるページに説明文を記載しています。  次に,後ろの附属資料について説明します。  修正案97ページですが,計画書の最後に計画の策定に関する資料を掲載したいと思っており,青字が素案策定後に追加したところです。  まず,1の(1)本市の策定経過と国の動きですが,行動計画の策定に関し,実施してきた調査,開催してきた会議,国における主な動きなどを中心に一覧表にまとめました。101ページと102ページは,次世代育成支援対策推進協議会の委員名簿,開催経過,103ページ以降115ページまでは昨年秋に実施したニーズ調査の概要を掲載しています。116ページは,計画素案に対する市民意見の募集について,117ページ以降は,参考データとして計画書本文の記述を補足する調査結果や統計資料を新たに追加しています。  なお,今後の予定ですが,本日の審議を踏まえ,近く,市長,副市長への報告を行って行動計画の策定を完了し,引き続き,計画書の印刷,製本の作業に入って,10月上旬には関係各方面へ送付できる見込みです。 ○勝木勇人 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆細川正人 委員  行動計画案ができ上がり,私どももこれまでいろいろな提言などを行ってきましたが,盛り込まれたもの,また,その中に入らないものもあるやに見受けられますが,そのことはさておき,いよいよ子供に関する施策が体系づけられてきたという気がします。その中で,個別事業ということで,かなりの他部局にわたっていろいろな事業を展開していく,そして,そこには平成21年度までの目標値も定められています。そうすると,個別事業を展開していくに当たり,これからますます厳しい財政状況になりますが,実現するためには何としても確保していかなくてはいけないものが出てくると思います。  個別事業は他部局にわたりますから,予算折衝はそれぞれの部局ごとで行っていますが,そこで子ども未来局が果たす役割をどういうふうにとらえているのか。今後,事業を展開していくに当たり,子ども未来局のリーダーシップをどういうふうに考えているのか,お伺いします。  もう一つは,行動計画に基づいて施策を展開していきますが,これは,今後,いろいろな施策が追加されるとか,見直すとか,検証という作業を行っていかなければならないと考えます。そのとき,いろいろな数値目標を掲げていますが,少子化に関する数値ははっきり出ますが,例えば青少年の健全育成などは数値で上げるといってもなかなか見づらい面があります。  そうしたことを考えたときに,検証や見直しの作業については,例えば推進協議会なるものは今回で一たん役目を終えたということで廃止し,また,それにかわる何かをつくろうとするのか,あるいは,今まで少子化対策推進部会,さらにワーキンググループ会議ということでそれぞれの部局の方が集まって協議してきましたが,こうした組織を使って進めていくのか,基本的な考え方をお伺いします。 ◎福島 子ども育成部長  この計画に盛り込んだ事業が着実に推進されるためには,確かに庁内各部局に関係することなので,それぞれにおいてきっちり予算確保をしながら進めていただきたいと思っています。  特に,私ども子ども未来局の役割ということでは,私どもが直接担う事業も多数あります。これに関して私ども自身が積極的に事業推進を行うのはもとより,この春に子ども未来局を立ち上げていただいた趣旨は,子供に関する施策が全庁各部局にわたって行われている現状の中で,各部局が担う施策の調整役,コーディネートとしての役割もあわせて担っていると認識しています。したがって,行動計画を具体的に進展していくためには,私どもは,子供にかかわる施策に関して全庁にわたって目配りしながら,着実な執行が図られるような対応を行いたいと考えています。  2点目は,計画策定後における推進過程の見直しや検証作業をどういう体制で行うのかという点です。  私どもは,毎年,進捗状況について庁内関係部局に照会して,その事業の進みぐあい,場合によっては事業の追加あるいは変更も含めて,その状況把握に努めたいと考えています。その上で,庁内的な検証の場としては,保健福祉施策総合推進本部会議とか,そのもとに部長レベルで構成する少子化対策推進部会,さらにその下にワーキンググループ会議等もあるので,これからもこうした組織横断的な会議体を活用しながら全庁的な調整を図っていきたいと考えています。  また,外部委員で構成する推進協議会は,計画策定をもって一たん解散するのではなく,引き続き,継続して設置し,一年一年の検証結果を推進協議会に報告をしながらさらに検証していただきますし,もちろん議会の関係委員会の方にもそうした状況を報告しながら審議していただきたいと考えています。 ◆細川正人 委員  次世代育成支援対策推進行動計画は,国を挙げて全国的に展開する中で,札幌市においては先進的にやっていこうということで進めてきました。まさに,日本全体の問題として,少子化対策を含めた形で次世代育成を進めていかなければならないということで取り組みを強めています。また,私もそうしていかなければならないものだと考えています。今までは,例えば幾つかの重点課題を取り上げでプロジェクトをつくり,重点課題に対する予算の獲得というような形で進めてきましたが,この問題は,それにも増して大きく取り上げて事業を展開していかなければなりません。そのための子ども未来局の果たすべき役割は大変重要だと私は思います。  そこで,こうした行動計画をつくり,これを着実に実行していくために,子ども未来局としてしどういう思いで先導役,旗振り役を務めていくのか,いま一度お伺いします。 ◎平井 子ども未来局長  この行動計画は,まさに少子化の危機的状況を何とかしようということで,国の方でも多くの省庁が共同して10年の時限立法でつくられました。そして,すべての自治体に行動計画を義務づけ,さらに,301人以上の企業にもこの行動計画を国へ提出することが義務づけられています。  当調査特別委員会でも熱心に少子化の問題を論議いただき,私どもも,この4月から新しい局をつくり,少子化の問題,子供の権利の確定の問題などを抱えながら新しい局の運営をしていくということで,この調査特別委員会にもいろいろな意味で力強いバックアップをいただいていまして,本当に力強く感じています。  そういう中で,私どもは,直接所管している仕事以外にも,子供に関する事業に対しては全庁的に積極的なかかわりを持ち,調整役,推進役を果たしながら,子供たちの最善な生活できる社会環境づくりに努力していきたいと考えています。 ◆細川正人 委員  個別のことでは入っているもの,入っていないものなどがありましたが,そのことは,これからまた委員会の中で話したり提言したいと考えています。  最後に,子どもの権利条例についてです。  札幌市も,いよいよこれからその策定に向かっていきますが,権利条例をつくるに当たっては,当然,小学校や中学校の子供の意見を聞く場を設けると考えています。子どもの権利条例の策定に子供たちが参加することによって,子供たちが権利意識を持つことは大変重要なことだと思います。また,一つの考え方として,権利条例が平成18年度にできたとして,その後は,でき上がった条例を市内の子供たちに知ってもらうだけでいいのかということです。でき上がった権利条例に関して,次の子供たちがさらに検討するとか,改正したり修正する作業を行っていく,そういうように権利条例にかかわっていける体制をつくることにより,権利条例そのもの意義,あるいは,子供たちが生きていく上で自分の持っている権利や義務をより広く知ることができるのではないかと思います。  そこで,その策定に向け,また,策定後に向けてどういったお考えなのか,お伺いします。 ◎福島 子ども育成部長  子どもの権利条例制定後のありようについての提言,質問と思います。  私どもも,基本的に,制定後における条例の趣旨の広がりこそ重要と考えています。したがって,大人はもとより,一人でも多くの子供たちを対象に,子供の権利に関する意識の啓発に力を入れ,条例の広い浸透に努めてまいりたいと考えています。  今のご提言の趣旨は,子供の権利に関して,条例制定後においても,子供たち自身が引き続き話し合いを行い,意見を表明する場を継続的に確保すべきだというご趣旨かと思います。私どもも,まさにそのご趣旨を踏まえた取り組みを行っていくことが必要と考えています。 ◆三宅由美 委員  次世代育成支援対策推進行動計画については,協議会も,この委員会も,また札幌市内部においても,短期間の中で本当に精力的に議論を重ねてきたと思いますし,それだからこそ,大変いい市民意見がたくさん出ていると思いますが,本当に市民意見の募集が十分だったか,市民と十分に話し合う機会を持てたかというと,少し疑問が残っています。他の都市に先駆けてつくらなくてはならないという事情もあったかと思いますが,その点は,今後のチェック体制,検証体制の中で生かしていただいて,市民意見をもっとたくさん募集したり,話し合う場所もつくっていただきたいと思っています。  また,この行動計画は,全体を見渡して,個別事業が200事業もあります。ただ,これらの事業は,今までやってきた事業の寄せ集めにすぎないなと思うところも少しあります。それは,国からおりてくる財源の問題もあるし,個々人のライフスタイルが非常に変わっているにもかかわらず,制度が改正されていないために,自治体がとる施策が小手先にすぎないものになっていると思われます。それでも,私たちは,希望を持って一つ一つの事業にこういう意義があるということを見据えながらやっていくことが必要だと思います。そういう視点からも,もっと広く議論を進めていくべきだと思いますが,その点についてのお考えをお聞かせください。  2点目は,子どもの権利条例です。  これは,教育委員会が非常に大きな力を発揮するところだと思いますが,この権利条例については,これから策定されようとしている教育推進計画の中でどのように生かしていくのか,お伺いします。 ◎福島 子ども育成部長  この計画事業進捗状況については,私どもは,毎年,庁内関係部局に照会を行い,事業の変更,追加も含めて,状況の把握に努めたいと考えています。そして,把握した内容は,ホームページなどで公表するとともに,市民の皆様方からの意見を広く伺う予定です。その後,庁内の関係会議において,計画の進捗状況と寄せられた意見を踏まえ,今後のありようについて検討し,その結果を改めて推進協議会や議会の関係委員会に報告し,種々の論議をしていただく手順で考えています。  また,平成21年度には,平成22年度からの後期5年計画を策定する予定ですので,それまでの進捗状況とか社会経済情勢,国の動向,本市の財政状況などを踏まえた計画全体の抜本的な見直しを行うための議論が必要ですので,そういった際にも広く市民の意見を寄せていただき,話し合いをする機会を設けたいと考えています。 ◎北原 指導担当部長  子供の権利と教育推進計画について,私からお答えします。  人権にかかわる教育は,学校教育において極めて重要なことであると認識しています。これまでも,札幌市学校教育の重点に,今日的な課題として人間尊重の教育を掲げ,子供の権利を含めた人権に関する指導の充実に努めてきました。今回の教育推進計画案においても,教育活動全体を通して,男女平等教育民族教育等,子供の権利を含め,幅広く人権に係る教育を推進すると明記し,各教科や道徳,特別活動,総合的な学習の時間等の全教育活動の中で子供の権利を含めた人権に関する指導の一層の充実を図りたいと考えています。 ◆三宅由美 委員  1点目は,要望ですが,市民意見が十分反映されるような,そしてまた,一方的に発信して一方的に受け取るのではなく,市民と相互討論ができるような場もぜひ考えていただきたい。  もう一つは,教育委員会には,教育推進計画の中に人権ということでぜひ入れていただきたい。子どもの権利条例に関しては,よく,いつまでたっても子供だ,自分を表現できる言葉を持っていないと言われますが,意見表明権というものを大切にしながら,自分のもやもやした気持ちをきちんと言葉として整理できる,相手にも伝えることができる,こういうところを目指した教育推進計画にしていただきたいと思います。  いずれにしても,国全体で少子化対策に取り組まなければなりませんが,国に対して要望すべきところはきちんと要望し,そして,200事業という集大成された事業について,子供の視点,男女平等の視点に立って,また男性の働き方に対しても目配りをしながら,札幌市に住んでよかった,子供を産んでよかったと感じ,子供たちもここに育っていい思い出をつくれる街にするために,私自身も頑張りますし,皆様方にも要望したいと思います。 ◆芦原進 委員  大変なご苦労で推進計画ができ上がったと思いますが,本当に広く市民,各種団体に周知徹底しなければ,ただつくっただけでは効果を生まないし,やるからには成果があるものにしなければいけないと思います。  そこで,どのような方法で市民や各種団体等々に周知徹底を図るのか,お伺いします。 ◎福島 子ども育成部長  この行動計画は,策定することを目的とするものではなく,今後いかに計画内容を着実に推進していくかが重要であると考えています。また,計画書の第4章のところにも触れているとおり,関係機関・団体はもとより,市民,ボランティアを含めて社会全体で進めていくこととしていることから,計画の着実な推進のためにも,より多くの市民の方々に周知をすることが重要と考えています。  このことから,これまでも,行動計画策定過程において,逐次,その内容をホームページなどで公表をしてきました。策定後も,これまでと同様にホームページで公表するとともに,計画書とその概要版の印刷物を作成して,市役所や各区役所はもとより,子供に関係するもろもろの団体,あるいは私どもの子育て支援総合センターや保育所などの児童福祉施設,幼稚園や小・中学校などの教育機関などにも配付する予定です。そして,これら配付先のご協力を得ながら計画について市民への周知を図るとともに,私どもで実施する少子化対策普及啓発事業などのさまざまな機会をとらえて幅広い周知に努めていきたいと考えています。 ◆芦原進 委員  まず,周知徹底を図ることがスタートだと思います。  次に,札幌は,日本列島では北に位置していますが,非常にすばらしい自然環境,社会環境があります。私は北の大都市である札幌市が本当は一番子育てしやすいところだと思っていたのですが,合計特殊出生率が1.06と,全国的にも非常に低くなっています。  今回策定されました行動計画の中に,札幌市として特色あるものを何か網羅されていると思うのですが,どういうものを取り上げているのか,お伺いします。 ◎福島 子ども育成部長  今,北の大都市という地域特性を含めた都市特性というお話でしたが,その点から特徴的なことは特にないと思います。  ただ,私どもの行動計画は,今回,国から行動計画策定に関して指針が示されて,その指針に沿った形で札幌市の行動計画をつくるあり方もあったと思いますが,基本的に,子供の成長段階に応じてそれぞれどのような施策対応をしていくかという順序立てで行動計画の基本構成を定めたのが一つの特徴かと思います。  それから,私どもは,社会全体でという考え方を打ち出しました。従来,国等でも指針の中で社会全体でという言い方がされていましたが,そこで言う社会全体というのは,親御さんのほかに,地域の子育てにかかわる人材,あるいは行政,企業だといったことで,社会全体とは言いながら,そのイメージは子供にかかわる方々の範疇にとどまっていたと思います。私どもの行動計画では,例えば第4章で触れているとおり,結婚をしている,していない,子供がいる,いない,あるいは,子育て中,もう子育てが終わったといった形の世代を超えて,すべての国民みんなでという意味合いで社会全体でという考え方を打ち出しており,これは札幌の考え方の特徴的なことと思います。  こういった観点から,札幌でやるべきことはやりますが,全国レベルで国における観点からの施策もまたあってしかるべきということで,国に対する要請は今後ともしていきたいと考えています。  そのような意味での社会全体でという考え方に立脚しながら,さらに,この行動計画の基本理念に子供の輝きが市民を結ぶまちとありますが,子育て,子供の健全育成のために市民がこぞって取り組む,そのことによって子供たちが輝き,それが,今度は逆に市民の連帯,結びつきを導き出す,そんな視点で計画づくりをしました。 ◆芦原進 委員  質問ではありませんが,厚生労働省で合計特殊出生率を1.31から1.29と修正して,年々低下をし,歯どめがかからない状況です。ここで1.06という札幌市の出生率が上がっていけば,全国的にも上がっていくのではないかと私は思うので,そういう意味でも,札幌市の取り組みは大きな使命を持っていると思います。 ◆小形香織 委員  私は,第3章の基本目標の中で,大きく二つのことを質問します。  一つは,増大する保育ニーズへの対応に関連して,この行動計画では,平成19年4月における待機児童と超過入所の解消を目指し,2004年から2006年までの3年間で1,530人の定員増を図ることとなっています。この行動計画は,2014年までの11年間の計画で,前期としては2009年までの6年間の計画になっています。それで言うと,2007年以降の保育所整備は,基本的にどのような考え方で進めていくおつもりか,これについて伺います。  二つ目は,基本目標の2に書かれている子育て家庭を支援する仕組みづくりの中の区子育て支援センター設置事業に関して伺います。  2009年度までに5カ所に設置すると行動計画の中に示されていて,同時に,新まちづくり計画では2006年4月に豊平区と西区と手稲区に子育て支援センターを設置するという具体計画が示されています。その中で,豊平区に子育て支援センターを設置するのに伴って,平岸保育園と平岸乳児保育園は,どちらも公立園ですが,民間移譲されると聞いています。これは具体的にどういうことか。移譲を受けるのは社会福祉法人なのかどうか,その選定に当たっての基準,考え方はどのようなものか,また,同じ土地に建てるのか移転するのかなど,こうしたことについて詳しく説明していただきたい。  また,今後も公立園を統廃合して子育てセンターの設置を進めていく考えなのかどうか。また,厚別や清田など公立保育所のないところは,新たに公立園をつくることを想定して子育て支援センターづくりを計画していく考えがあるのかどうか,伺います。  あわせて,平岸保育園と平岸乳児保育園の父母からは,今までどおりの保育内容をちゃんとやってくれるのだろうかという不安の声が出されています。民間に移譲される保育所の父母のこうした不安を,市はどのように受けとめて解決しようとしているのか,その手だてについて具体的にお伺いします。 ◎山本 子育て支援部長  まず最初に,行動計画上のいわゆる定員の枠の問題ですが,実は,行動計画の策定に当たり,昨年秋に小学校就学前のお子さんの保護者1万人を対象に事前調査を行いました。この調査に基づいて推計した保育量ニーズは,平成21年度までに1万6,734人という数になっています。我々は,平成19年4月に1,530名の定員の増を行うことによって,この数をクリアしてニーズを満たすことができると考えています。  2点目の子育て支援センターに関する質問については,我々としては,行動計画素案の中で,(仮称)区子育て支援センターの設置に伴う運営に必要な人員を一定の公立保育園の民間移譲,委託によって行いたいと考えています。その中で,今回,平岸保育園,平岸乳児保育園の保護者の方々にも都合7回にわたって説明会を行っています。その説明会の中で,保護者の方々から,新しい保育事業者の内容,あるいは引き継ぎの形態,また保育サービスの中身についてそれぞれ具体的な要望をいただいています。我々としては,こういう要望を踏まえながら,できるだけその意向に沿いながら,今回,ご理解をいただいて新しい事業者の公募に踏み切っています。  また,清田あるいは厚別区の新しい子育て支援センターは,現時点で,新まちづくり計画の中でさらに検討していきたいと考えています。  それから,今後の統廃合,民間移譲ですが,区子育て支援センターの設置に伴う必要な専門的な保育所の確保については,今後も一定数について民間移譲,委託をしていきたいと考えています。 ◆小形香織 委員  今回,札幌市の子育ての条件整備は札幌市の責任で行うという公的責任を明確にしていただきたいという市民意見が寄せられています。これに対する本市の考え方は,社会を構成するすべての人で取り組んでいきたいという回答になっています。もちろん,この基本姿勢は間違いではないと思います。しかし,札幌市が先頭に立ち,自治体の本来の役割である公共の福祉の増進,つまり公的責任を果たすのだということを明確にする必要があるのではないかと私は考えます。また,平岸保育園と平岸乳児保育園については,父母の不安にしっかりこたえて,子供たちにも影響することのないように,十分な,そして丁寧な対応を求めておきます。  あわせて,最初の待機児童,超過入所の解消のことです。  これまでも,我が党は,一貫して待機児童が多い問題の解決のために早急な保育所の増設を求めてきました。この間,保育所を新しくつくると,そこに新たな保育ニーズが生まれ,また超過入所や待機児童がふえてくる傾向がはっきりしています。ですから,2007年4月以降の新たな保育ニーズにはどう対応していくのか,前期計画の途中であっても,再検討を行って実態に即した計画に改めていくべきだと考えますが,その考えがおありかどうか,お伺いします。 ◎山本 子育て支援部長  平岸保育園,平岸乳児保育園の父母会に対する説明会については,我々としても,適時・的確な情報提供を行いながら,保育サービスの提供に努めていきたいと考えています。  それから,もしもということでありますが,平成19年4月にこれらの課題が解決しない場合です。我々は,今回の数は保育ニーズに基づいて策定しています。ただし,社会状況,経済状況の変化に伴って,我々の推計と保育需要が大きく異なった場合については,この行動計画に示しているように,検証を行い,必要に応じて適時適切に対応したいと考えています。 ◆坂ひろみ 委員  今までのエンゼルプラン,少子化対策プラスワンといった保育育児対策に終始してきた計画が,今回の次世代では,子育てサロンの充実や子供の権利の尊重など,在家庭を含めた支援や次世代育成の視点での事業が追加され,さらには,現代社会の課題でもある食育の推進や,要望の高かった冬の公園利用,児童会館運営への子供参加といった新たな支援が追加されるなど,次世代育成支援の計画としては非常に完成度の高いものに仕上がったのではないかと高く評価しています。  しかし,次世代育成支援対策推進行動計画の背景にあるのは,急速な少子化の進行であることは言うまでもありません。今回の計画が少子化の歯どめになるのかどうか,また,少子化対策という視点でこの計画をどのようにとらえているのか,お考えを伺います。  2点目に,96ページの5行目以降の新たな枠組みのあり方について質問します。  この文章の中には,新たな枠組みのあり方について考える必要があり,社会全体で支え合う枠組みのあり方について,国や関係機関に対して検討を進めるよう働きかけるとあります。市として,何か具体的な枠組みを想定されているのかどうか,伺います。 ◎福島 子ども育成部長  私どもが策定した行動計画で,札幌の少子化に歯どめがかかるのかという質問です。  私どもは,少子化という状況を踏まえて次世代育成支援のための行動計画策定であったことは確かですが,少子化に歯どめをかける,あるいは,合計特殊出生率を上げていくためには,いろいろな主体がさまざまな取り組みをしていかなければならず,それらすべてが相まって,初めて少子化に歯どめがかかることになるかと思います。国であれ,私ども地方自治体であれ,行政が取り組むべき事柄のうち,私ども地方自治体がなすべきこと,あるいは,なし得ることについては,この行動計画の中で精いっぱい盛り込ませていただいたと認識しています。  ただ,第4章にも記載していますが,国レベルで取り組むべきことがまた別にあるかと思います。それから,国であれ地方自治体であれ,行政が,直接,施策として展開するのはいかがかという部分も少子化対策にはあるかと思います。例えば未婚率の上昇などは,結婚をし,子供を持つか持たないかは,あくまでも個人の選択の問題です。国であれ私どもであれ,行政がなし得ることは,結婚をし,子供を持とうという生き方を選択をした方々が子育てしづらい環境をいかになくしていくかといった部分に限られてくると思います。  そんな意味では,今後,意識の問題がどういうふうに変わっていくか。もちろん,この行動計画の中では市民の意識を変えていくという取り組みは掲載しておりませんが,それらすべてが相まって初めて少子化の傾向がどうなるかを言えるかと思いますので,この行動計画で少子化に歯どめをかけられるとは申し上げられないと認識しています。  それから,第4章の3に記載の社会全体による子育ての実現に向けてという部分で,新たな枠組みづくりが必要であり,これを国に対して要請していきたい,市民の理解を深めていただけるように努めていきたいと記載しています。これは,まさに,子育てに伴うもろもろの負担感については,結婚をしている,していない,あるいは子供がいる,いないにかかわらず,そして世代を超えたすべての人たちが負担を共有し分担し合う,それこそが公平な社会の負担の担い方であろうという考え方をここで打ち出しました。そのために必要な全国レベルでの何らかの仕組みというものが必要であろうということで,このように記述しました。  この具体的な中身,どういったことをイメージをしているのかという質問でしたが,私どもは,そこまでは具体的に,こういったやり方で分担,共有し合うやり方がいいというところまで想定しておりません。国において,総合的な視点の中から,このことにつながるような仕組みづくりを早い時期に打ち立てていただくことを願望しています。 ◆坂ひろみ 委員  今,お答えいただいた新たな枠組みのお話ですが,結婚や出産は個人の自由であり束縛されるものではないのは本当に大前提にあると思います。出産,子育てを選択した人だけが負担を負う現在のあり方を,介護を社会全体で支えていこうということで始まった介護保険制度のように,子育てもまた,社会全体で支えていくような子育て保険のようなものはどうかという議論もあります。答弁の中にはありませんでしたが,協議会や参考人を呼んでいろいろなお話を聞いた中でも,子育て保険のような話は随所に出てきたかと思います。いずれにしても,社会全体で支えていくことになれば市民にとっては新たな負担になります。  私は,社会全体で支えるというのは,大きく二つに分けられると考えています。一つは,経済的な負担の支援,財政的な仕組みです。もう一つは,支え合い,助け合いといったソフト面での仕組みです。そうすると,財政的負担ではないソフト面での支え合いの仕組み,札幌市の今回の計画では3層構造といった支え合いの仕組みの充実を同時に進めていくことも必要ではないかと考えます。今,なぜ社会全体で子育てを支えていくことが必要なのか,国への働きかけを行う前に市民に対して十分な情報公開と議論する場を設けていただき,どういう手法があるのか,また,どの程度の負担になるのかといった細かなことまで市民の理解を深めてからぜひ進めていただきたいということを要望します。  それから,1点目の少子化対策については,非常に難しい質問をしたのかと思いました。一体どういう少子化対策をしたら合計特殊出生率が1.06から上がっていくのかというと,私も本当に難しいことだと思います。今回の次世代育成支援対策推進行動計画(案)が本当に計画として,5年ないし10年,完全な状態で実施されて,結果論として合計特殊出生率が上がったのであれば,それは少子化対策と言えるのではないかと思います。直接的な少子化対策というのは非常に難しいとは思いますが,計画の見直しの中では,次世代育成のみならず,少子化対策という視点での点検や議論を十分深めていくことが重要ではないかと考えます。今後,子供を産み育てることを選択したくなるような社会環境整備が大切です。そのために市としてできること,国がやらねばならぬことの整理が必要ではないでしょうか。  計画案の51ページでは,家事,育児や地域活動を妻と分かち合い,仕事と家庭を両立させる生き方を望んでいる男性が57.1%と,平成9年の39.9%よりもアップしています。また,9ページには,子供を持つ女性が働き続けるために改善すべき要素として,子育てに対する職場の理解不足52.4%,職場の支援体制が不十分49.4%が挙げられています。こうしたことから,働き方の見直しは単なる子育て支援対策の枠を超え,生き方や社会全体の意識改革に大きく関与すると思われます。  そこで,質問ですが,民間企業の職場改善,働き方の見直しに向け,札幌市は企業に対するアプローチとしてどのようなことを考えていらっしゃるか,伺います。 ◎福島 子ども育成部長  職場環境の改善については,子育てをしながら働く女性の負担感の緩和を初め,仕事と家庭の両立という市民が望むライフスタイルの実現のためにも,次世代育成支援対策として取り組まなければならない重要な課題と認識しています。したがって,男性を含めたすべての市民が家庭生活と職業生活のバランスがとれた多様な働き方を選択できるよう,これを妨げる職場慣行の改善とかその他の諸要因の緩和など,少子化対策普及啓発事業,市内企業に対する啓発事業などを中心に,働く人たちもさることながら,事業主,さらに地域住民の方々を含めた社会全体の意識改革に向けてさまざまな機会を通じて取り組みを推進したいと考えています。  また,このたび,次世代育成支援対策推進法の制定によって,自治体は行動計画を策定することになりましたが,そのほか,一般事業主と市役所等の官公庁の特定事業主については,自分のところの職員に対する雇用環境の整備に関する行動計画の策定が義務づけられましたので,一般事業主の行動計画策定を所管する北海道労働局等とも情報交換しながら,より効果的に連携しながら本市の取り組みを進めたいと考えています。 ◆坂ひろみ 委員  企業に対する札幌市の働きかけという部分では難しい部分もあると思います。しかし,社会環境の整備という意味では,企業が変わることもそうですが,そこで働く人たちの意識改革も大変重要になっていくと思います。この点については,素案ができたときにも,大変重要なポイントだと押さえ,質問したと思います。  今回,啓発といった若干弱いかなと思うものが個別の事業として並んでいますが,少子化対策として,労働環境の改善や働く人の意識改革など社会全体を変えていくために,札幌市ができること,事業主ができること,国でしかできないことを明確にし,札幌市として従来よりも一歩踏み込んだ企業へのアプローチ,他都市と連携した国への働きかけが今後ますます重要になっていくのではないかと考えます。子育てと仕事の両立のために,より一層,企業に対して配慮を促すことに努めていただくよう要望します。  最後に,2点ほど要望します。
     95ページに,本計画の実施状況に関して,協議会において継続して点検を行うと載っています。女性にとって,妊娠,出産,育児に対する不安の軽減を図る心のケアは大変重要であり,新しく芽生えた生命を大切にはぐくみ,安心して子供を産み育てるという観点から,産婦人科や小児科といった母子保健の立場からの視点も必要ではないかと私は考えています。現在,協議会の委員の中には,母子保健の立場の委員が参加しておりませんので,今後の計画の見直しに当たっては,ぜひ小児科の先生等を協議会の委員へ入れるよう強く要望します。  あわせて,協議会の進め方についてです。  私は,何度か,協議会を傍聴していますが,委員の皆さんは,毎回,本当に真剣に議論していて,大変感謝しています。しかし,若干,意見が少ないようにも見受けられます。ほかの市民会議でとられているような手法として,例えば資料の事前配付に加え,委員の皆さんに,事前に質問や意見等をワークシートに書いてもらい,協議会終了後には振り返りシートを提出してもらうなど,会議を進める事務局側の工夫があればより一層活発な議論が交わされるのではないかと常々思っていました。今後,計画の効果やその後の対策を点検するに当たって,より一層充実した討議の場となるように,協議会の進め方も検討するよう要望して,私の質問を終わります。 ◆堀川素人 委員  まず,なぜ少子化という対策が必要なのか。例えば,人口と国土の広さの関係だったら,先進諸国と言われる中で一番人口密度が高いのは日本です。そういう中で,なぜ子供をふやしましょうと言うのか。  僕は,まず,子供の権利をしっかり守ることをやるべきだと思います。それから,男性社会の中で,女性の負担が極めて大きい現実があります。これを,女性も男性と同等の権利を持っているとして,男女平等の社会を実現してあげるべきだと思う。なぜ,これと少子化を結びつけるのか。  これを見ましたら,少子化対策が必要な理由として,社会経済全体に極めて深刻な影響を与えている,そこで,子供が健やかに生まれ,育成され,社会の形成に資することを目的としたとありますが,これはどういう意味ですか。  そのほかにも,生産年齢人口,労働力人口がどうなるかということを書いている。こうであれば,国家は,生産あるいは労働が減ることを恐れるがゆえに,ある意味では戦前の産めよふやせよみたいなことがベースになって,これを賄うために子供は大事に育てなければならないとするならば,僕は反対ではないかと思います。労働人口がどうなるのかというのは結果であるはずなのに,これだけ人口密度の高い中で子供がふえなければならないとする本当の目的は何なのか。それを明らかにしなければだめです。この部分は,僕は前にも同じ質問をしています。でも,その答えは明確になっていません。そういう中でこのことが進んでいます。  しかし,国が考えている産めよふやせよとか,できるだけ労働人口を確保しようということだけでは,僕は生まれてくる子供に失礼だと思うのです。  改めて,子供が少なくなっていることがどうしてだめなのでしょうか。そして,もし子供がふえてほしいのなら,目標はどのぐらいなのか。その目標が実現したときには,どういう形で国家や地域の安全,安心が図られるのか。このことについてどう考えているのか,お答え願いたい。 ◎福島 子ども育成部長  大変難しい質問ですが,国の方で次世代育成支援対策推進法を制定した基本的な考え方は,急速な少子化の進行をこのまま見過ごすべきではないだろうという背景から法の制定に至ったと聞いています。つまり,少子化が緩やかに進んでいく場合と急速に進む場合では,恐らく世代間の人口構成のアンバランスみたいなことで違いが出てくるのだろうと思います。  緩やかな少子化の進行だと,先進国の中でまさに人口密度の高い日本ですから,国の憂慮すべき事柄とは言えないかもしれません。ただ,今の少子化の進みぐあい,この30年間,合計特殊出生率がずっと下がり続けてきている傾向は果たしてこのまま看過していいかどうかということで,問題意識が生まれ,法の制定となりました。一般的に言われる懸念材料としては,消費の縮小や労働力の減少がひいては経済活力の衰退につながるとか,今ある社会保障制度を果たして維持できるかといったことで,このまま少子化が進むことはやはり国民の大きな課題として取り上げなければいけないということから,今回の私どもの行動計画の策定にもつながっています。 ◆堀川素人 委員  そうであれば,札幌市は合計特殊出生率1.06と言われているものをどれぐらいに上げようとしているのか。先ほどは,この対策をとったからどれだけ上がるか,なかなか言えないということでした。ただ,地域に影響を与える問題だとするならば,どの程度確保されなければならないか,やはり,目標とする数値がなければならないと僕は思います。それについてはどうなのでしょうか。 ◎福島 子ども育成部長  私どもは,この行動計画では合計特殊出生率の6年後の数値をこのぐらいにという目標は設定しておりません。それは,私どもの取り組みだけで合計特殊出生率に変化を起こすことができるとは思っていないからです。  それから,札幌は将来どのぐらいの合計特殊出生率になったらいいかということと,日本全体の合計特殊出生率がどうかというのは,人口の移入移出の関係もあって,札幌のみこういう目標値まで持っていきたいと設定するのは余り意味がないと思います。それよりも何よりも,私ども地方行政が少子化対策としてすべて手がけられるかというと,そこには限界があります。したがって,この行動計画策定に当たって,将来における合計特殊出生率の目標値は設定し得ませんでしたので,ご理解いただきたい。 ◆堀川素人 委員  人口がどう推移するかは,今,始まった問題ではなく,国もずっと気を配りながらやってきました。ところが,どんどん下がっていく中で何とかしなければならぬと。それは,まさに高齢化する中で高齢者を支える人間を減らさないということなのです。  そういう中で,以前から見たら考え方として大変進んだと思うのは,子供の権利をしっかり守ろうではないかとか,子供を健やかに育てようではないかということが言われるようになりました。それは,親の大きな望みでもあるし,そういう社会が保障されることにより,子育てをする中での親の悩みも少なくなるだろうと思います。  それから,社会はどうかという問題です。民間企業には極めておくれている部分もあって,その部分に働きかけようというのは,女性の権利や子供の権利を守る上からも当然です。しかし,そのことと出生率を高めようということは別です。僕は,そこをちゃんと分けて考えなければだめだと思います。  子供をふやそうというのは,このままでは人口の年齢バランスが急激に崩れるので,これを何とか緩やかにしたいからだと言いました。それでは,どのぐらいを目標にしてやったらそれが可能なのか。今,スウェーデンはほんの少し上がったと言うけれども,それとて1.3何ぼぐらいですよ。(発言する者あり)  よそから1.8という声が聞こえたけれども,そんな目標があり得るわけがない。その部分をきちんと見きわめなければだめです。きちんと厳しい見方をして,我々は次の時代にどう備えるべきかと。そういう目標をきちんと持たないでやることはまかりならぬ。  そういう意味で,この目標をきちんと設定して,そのときどういう社会が実現するのか,こういう社会を実現しなければならないのだということを明らかにしてイメージできるようにしなければなりません。要するに,これではしんがない施策なのです。子供の支援をしましょう,女の人が働きやすいようにしましょうと言っているだけです。何のために少子化対策と言っているかといったら,労働人口を減らしたくない,高齢者を支える人口を減らしたくない,だから軟着陸をしたいと。それでは,どうやったらそれが実現できるか,数字とすればそれはどうなるのか,そのことを明らかにせずにただこれをやっても,みんながそれに向かって頑張れる体制にはなかなかならないと僕は思います。  そういう目標を全く持たずにこの計画がつくられているとするならば,僕はおかしいと思うのですが,再度,その部分を確認させてください。 ◎福島 子ども育成部長  堀川委員がおっしゃるとおり,本来,数値目標があっていいのかもしれません。しかし,国においても,社会保障人口問題研究所といった人口の将来推計を考える専門の研究機関がありながらも,向こう10年間でどのぐらいという目標数値を設定し得ない状況と伺っています。  そういう中では,私どもは,安心感を持ち,喜びを感じながら子育てしていけるような札幌としての環境づくりに向けて,この行動計画の中に精いっぱい施策を盛り込み,これからそれを着実に推進をしていくことに専念させていただきたいと思っています。 ◆堀川素人 委員  札幌市も人口フレームをずっと考えて,220万人になるような人口推計が出ていますが,これは非常に甘いと言わざるを得ません。現実の人口増加の実態,間もなく人口減少期に差しかかる事態を見れば,札幌市が長期計画の中で立てている220万人という人口フレームが狂うことも考えられます。これは大変大きな問題です。国もそうだし,札幌もそうですが,都合のいい人口フレームを考えながらやることが大変多いから,それがどんどん狂ってくる。なぜそういうことをするかといったら,市民に心配をかけたくないからです。でも,最終的には市民がその部分の負担をすることになります。そうであれば,しっかりとしたものをつくらなければならない。  僕は,行動計画自体が悪いなんて思っていません。大変よくできていると思っています。ただ,その中で一番大事な部分は何かといったら,人口フレームや目標値や,その後どういう社会ができ上がるのかというイメージであって,それがもう少ししっかりできるようにつくり上げていかなければだめではないかと僕は思います。個々の部分は,前から見たら大変すばらしい考えになっていると認めます。ただし,しんがない。この部分はしっかりしなければだめだと思います。  議会だって,札幌市が220万人の都市になるという推計を認めているけれども,きちんと人口の計算をしている人間がどこにいるのか。やはり,きちんとやっていかなければ大変なむだになるし,みんなの心がしっかりと集まってこないのです。僕はあえて話の腰を折るような話をしましたが,その辺が大事だということを言わせていただきました。 ◆藤川雅司 委員  働き方と子育てという観点で簡潔に質問します。  社会で子育てをといった視点の中で,札幌市内の事業者にもいろいろ協力をいただくフレームが修正案の52ページでも具体的な個別事業として出ています。この辺に絞って質問しますが,まず,301人以上の企業は行動計画を策定することになっていますが,札幌市内で対象となる企業数はどれほどあるか,また,それは札幌市内の企業全体の何割を占めるか,お伺いします。  それから,基本施策3に家庭生活と職業生活の充実とありますが,この個別事業を見ると,いかんせん,啓発ということにとどまっている感がどうしてもぬぐえません。労働行政は今まで札幌市の事業ではありませんでしたが,労働関係というのは,雇用形態,正社員,非正社員,フリーターなど,あるいは育児休業制度があってもとれないといったように,かなり難しくシビアな課題だと思います。もちろん啓発も必要ですが,こうした企業に対して札幌市の行動計画を実行してもらうには,きめ細かな対策が必要だと思います。そういう意味では,札幌市としては,どこの担当部が主管をして企業にいろいろなことをお願いしていくのか,その辺についてお伺いします。 ◎福島 子ども育成部長  301人以上の企業の数ですが,北海道労働局が把握している数としては全道で420社程度です。ただ,301人以上の企業が行動計画を策定し,国に報告する義務が発生するのが来年4月1日ですので,今段階では420ほどと把握しているようですが,恐らく1割ぐらいは欠けて,そのうちの9割ぐらいが義務を負う企業になるだろうと思います。つまり,1年間以上継続して雇用されている社員が301人以上ということなので,企業の抱えている従業員数にも,日々,変動があって,恐らくこのうちの9割ぐらいのようです。  また,市内の全企業に占める割合については,今は資料がありませんので,後ほど調査ができた段階で説明します。  それから,企業あるいは経済界に対するきめ細やかな対応,働きかけですが,札幌市役所の中のセクションとしては,基本的には私ども子ども未来局が中心になって働きかけをしたいと思います。ただ,働きかけをする際に,個々の企業にお邪魔するわけにはいきませんので,経済団体のご協力を得ながら,経済団体を構成する企業が集まられる機会に,私どもがこうしたことをご理解いただくようにお話しする機会を持ちたいと思っています。そのときには,経済局産業振興部とも連携をとりながら,タイアップして経済団体へ働きかけたいと考えています。 ◆藤川雅司 委員  想像するに,ほとんどが中小企業という札幌の産業構造の中では,計画を立てなくてもいい,あるいは,計画を立てて実施するのは難しい職場環境にある企業も結構多いと思います。  そういう意味では,子育てを社会でというのが根本に流れているテーマですので,粘り強く,また,財政的には大変でありますけれども,一定程度の財政支援も視野に入れて,ぜひその辺は今後の課題として取り組んでいただくよう強く要望して,終わります。 ◆宮川潤 委員  先ほど,この行動計画が実施されたら合計特殊出生率が上がるのかという質問に対して,市民の意識の問題はそう単純にはかれないことだというような答弁もありましたし,少子化対策の根本そのものがどうあるべきかという議論もありました。  私は,合計特殊出生率は確かに今後の社会のあり方を示しやすくする数字の一つである,社会保障や労働力についても比較的示しやすい指標の一つであり,行政としてそこを意識するのは当然であろうと思います。しかし,行政が果たすべき役割,少子化対策は,その1点だけではかられるものではないと思います。  特に,行政が意識して果たさなければならない役割はどこにあるかと考えるとき,あなたは何人の子供を欲しいと思いますかという調査があって,その答えは3人程度でした。本来,3人の子供が欲しいと思っていても,実際には合計特殊出生率は1.06という現実で,そのギャップが余りにも大きい状況でした。そこで,育てにくい環境にある社会の中で,保育所の整備とかさまざまな子育て支援によってそのギャップが埋められていくと思うのです。ですから,私は,合計特殊出生率は社会のありようを示すものとして重視しつつ,同時に,そのギャップがどれほどになっているのか,それをどれほど埋められる施策が実行できるのか,行政としてはそこの点を検証しつつ,次の施策について考えていくのが少子化対策のあり方ではないかと思います。  まず,この点についていかがでしょうか。 ◎福島 子ども育成部長  私どもも,まさにそのとおりと考えています。 ◆宮川潤 委員  今回の計画全体を通じて数値目標がたくさん出されて,わかりやすいと言えると思いますし,行政がどこに力を入れてどういうスタンスでいるかも示されるという点で,数値目標が出されるのは大事なことだと思います。  端的に伺いますが,数値目標の考え方については,この辺まで行くだろうと予測的に出しているのか,あるいは,なかなか難しい数字もあるけれども,その数字に執着して,目的意識的に追求して何とかそこまでやり遂げたい数値として出されているのか,その考え方について簡単に伺います。 ◎福島 子ども育成部長  数値目標の意味するところは,確かに,それぞれの個別事業ごとに微妙な違いはあるかと思います。ただ,基本的に,行政領域のこの事業に関しては6年後にはこういうレベルにしたいということを数値目標としてあらわしています。もちろん,明確な数値ではなく,方向性を目標値として定めたような目標もあります。ですから,多少の温度差みたいなものはあるかと思います。 ◆宮川潤 委員  同じ数値目標なのに,どうもわかりにくい答弁です。数値目標自身は,はっきりとわかりやすく市民に数字を示しながら,数字の解釈はさまざまにあるというのではなかなかわかりにくい。 ◎福島 子ども育成部長  目標の中には,数字であらわさず,ふやすとかなくすといったことを掲げている目標もあります。数値については,基本的にその数値を6年後に具現化したいということで掲げています。 ◆宮川潤 委員  具現化したいということですから,言葉をかえて言うと,目的意識的に追求して頑張ってやり遂げる数字として示されたものと思います。  ここで,2点について質問します。  まず,学童保育についてです。  民間の共同学童保育については,今回の計画の中でも述べられています。現状として,非常に少ない助成金の中で大変な苦労をして運営している実態ですが,この点についての認識を伺います。父母負担は非常に高い,指導員の給与などは非常に低い中で,経費を確保するにも大変な苦労をしているという点について,まずどういう認識をお持ちなのか,これが第1点です。  それから,現在の民間共同学童保育の実態ですが,障がい児は別として,4年生から6年生の健常児も共同学童保育に通っている児童は非常にたくさんいると思います。共同学童保育に通っている4年生から6年生の児童数をつかんでいるのであれば,示していただきたい。  それから,障がい児についてですが,2名以上になると加算がついています。しかし,実際にどのような障害があるかということでは,一人一人違いますから一概に言えない面もあります。多くの場合,1名でも受け入れたら,ほとんど指導員1人はそこにつきっきりになっているのが実態だと思いますが,そういう実態についてどうつかんでいるのか,伺います。  次に,少人数学級についてです。  私どもは,繰り返し,実施を求めてきたのですが,今年度は1年生において35人以下学級が実施されたと認識しています。  資料1の市民意見概要一覧表の14ページには,「今年度小学校1年生で研究事業が実施されており,1学年2学級以上の学校については,クラスの平均児童数が35人以下になっています」と書かれています。35人以下学級と平均35人学級では全く意味が違うと思います。35人以下学級では,平均すると1学級はおおむね30人ぐらいになるのではないでしょうか。今まで40人以下学級がずっと続いていますが,40人以下学級で平均35人ぐらいになることが多いだろうと思うのです。  これは,平均児童数35人以下ということで実施されてきたのですか。私は35人以下学級であると思ってきたのですが,この点,どのように実施してきたのか,伺います。 ◎福島 子ども育成部長  1点目の学童保育の関係についてお答えします。  苦労して運営されている実態をどう認識しているかということですが,学童保育の運営に関しては,特にお父さん,お母さんは現にそれぞれ仕事を持ち,なおかつ,児童育成会の運営にも積極的に参加されておられ,私どももそのご苦労たるや大変なものがあろうと受けとめ,改めて,敬意を表するものです。  それから,4年生以上の生徒が学童保育にどれぐらい通っているか,その実態を把握しているかということです。民間施設方式における各学年の所属人数については,私どもは札幌市児童育成会運営委員会から報告を受けており,平成16年7月現在,4年生以上の児童として約500人の児童が民間施設方式児童育成会,いわゆる学童保育に通っていると把握しています。  それから,障がい児の関係ですが,確かに,1人の障がいを持ったお子さんの面倒を見ることになると,指導員はかなりの手数をそちらに当てなければならぬ実態は,私どもも理解しています。ただ,私どもは,昨年度,国庫補助基準と同額への引き上げをし,学校施設方式においても民間施設方式への助成金と全く同じ基準で指導員の配置をしており,本市の厳しい財政状況を勘案しても,今以上の基準拡大は厳しいものと考えています。 ◎佐々木 学校教育部長  本年度から実施した1年生における少人数学級についてお答えします。  この事業は,北海道の少人数学級実践研究事業ということで,小学校第1学年が2学級以上かつ1学級の平均児童数が35人を超える学校は1クラス増として教員を1名増員して配置する措置です。これは,48校が対象校になっており,すべての学校で受けていますので,従来の40人学級で算定した平均は37.5人ですが,35人学級の制度により平均26.7人となります。  したがって,委員ご指摘のとおり,市民意見の14ページは「平均」という言葉をとった方がわかりいいだろうと思います。1学年2学級以上の学校については,1クラス児童数が35人以下になっていると理解していただきたい。 ◆宮川潤 委員  学童保育については,1年生から3年生の子供に対して助成されていて,4年生以上がほとんどいないのであれば条件は別ですが,500人も通っているという状況は,私は無視できないものだと思います。4年生以上もたくさん通っている実態,また,法においてもおおむね10歳までを事業の対象とするとしていたと思いますが,10歳とは4年生までです。こうした実態,そして,国の基準でも3年生で打ち切ることにはなっていない点から見て,やはり,札幌市の学童保育事業,民間共同保育に対する助成金などは不十分と言わざるを得ないと思いますが,そうは考えないのか,改めてお伺いします。  それから,障がい児については,かなりの手数がかかっているということです。実態としては,学童保育において障がい児が1人だけ入りたいという希望が出されたときに,もし2人いれば加算があるから不十分ながらも何とか手当てのしようがあるけれども,1人だったら加算もなく,指導員1人を張りつかせなければならない。そうすると,今までの体制でほかの子供たちの安全な保育を確保できるのか。もともと厳しい体制でやっている中で,さらに大変な状況になり,保育所側もその要望にこたえたいが,こたえられない。障がい児もその親も学童保育のお世話になりたいし,異年齢集団の中で刺激を受けて成長にも大きく役立つだろうと思うのですが,そこに入ることができない状況です。これは,改善しなければならないのではないですか。  それから,35人以下学級については理解しました。  そこで,道においては35人以下学級に非常に高い評価をされているようですが,本市での評価についてお聞かせいただきたい。 ◎福島 子ども育成部長  4年生以上の対応と障がい児加算の問題を一括してお答えします。  喫緊の課題として,小学校区単位で見た場合に,留守家庭のお子さん方をケアする児童クラブ,民間施設方式の育成会,学校施設方式の育成会のいずれもないところがまだ38小学校区にも及んでいます。この段階では,まず,そこを埋めていくことを最優先課題にしてやっていきたいと思っています。 ◎佐々木 学校教育部長  小学校低学年における少人数学級編制ですが,北海道教育委員会からは,基本的な生活習慣の定着,学習における基礎・基本の定着,さらには望ましい人間関係の基礎を培うという観点から効果的であると示されており,私ども札幌市教育委員会においても,道と同じような認識に立っています。 ◆宮川潤 委員  まず,35人学級ですが,生活面,学習面,人間関係,どこから見ても高い評価を与えられるということです。  また,1年生で実施していますが,今まで,1年生が2年生になるときにはクラスの編制がえをせず,そのまま進級したと思います。やはり,小さい子で学校になれていないという不安もあるし,手もかかるし,いろいろなことがあると思います。  しかし,今の35人以下学級の生徒が2年生になったときに40人以下学級になるなら,クラスがえをしなければなりません。1年間だけで,2年生になるときにクラスがえをすることについてはどうお考えですか。私は,2年生も35人以下学級にすべきと思いますが,いかがでしょうか。  それから,学童保育ですが,空白校区をなくすことはぜひ早く進めていただきたいと思います。  ただ,4年生以上の子供たちが500人も通っている実態は無視できないことや,あるいは,希望しても現実問題として入れない障がい児がいることも,同時に放置できない問題だと思います。3年生で一方的に打ち切るのは,実態を無視したやり方だと言わざるを得ませんし,国の基準から見ても違うはずだと思います。障がい児加算も含め,空白校区をなくしていくこととあわせて,ぜひ検討していただきたい。  最後に申し上げたいことは,数値目標のあり方について,最初に具現化する目標だと答弁がありましたが,今回の修正案の59ページには,民間施設方式児童育成会助成金について,助成施設数は平成16年度57カ所,平成21年度57カ所と数値目標が出ています。民間施設方式は,この間,随分減ってきました。これは,いっときは,民間共保がある同じ校区にミニ児童会館などがつくられた場合,民間に対する助成金を打ち切られ,続けられずに閉所したところもありました。そんなこともあって減ってきましたが,今はそうではなく,そこの学童保育所が続いているうちは助成金も出しています。これは,児童が選択することもできますし,民間施設方式が果たしている役割を札幌市が認めたのだと思います。今回,57カ所から57カ所というのは,ふえていないという見方もできますが,私どもは減らさない目標なのだと認識しています。これは,おのずとできる予想数値を示したものではないということですから,つぶれるに任せるのではなく,運営上,困難があるところには援助をしてこの数値目標を守っていただきたい,この点について強く要望しておきます。 ◎佐々木 学校教育部長  少人数学級の件ですが,今年度は小学校第1学年で実施しました。委員ご指摘のとおり,一般的には1年生から2年生という間に学級解体はしません。もちろん教育効果がありますし,人間形成の面で大変教育的でして,私どもも全くそのように考えています。したがって,北海道に対して,平成17年度は少人数学級制度を第2学年まで拡大して実施するよう要望しており,今後,機会を通して強く求めていきたいと考えています。 ◆猪熊輝夫 委員  ご苦労されてつくられたという点では,評価しないわけにはいきません。  ただ,段々のやりとりの中で,方向が定まり,市民にどう理解を求めていくかという点で,概要版をつくって学校や区役所などを含めて配付したいと言われました。  そこで,概要版はどのようにしたらいいかです。札幌市がやれる範囲,道や国に期待する部分,事業主に期待したい部分,それらを明確にして市民にわかりやすい概要版を出すことを今から意識された方がいいのではないでしょうか。そうでないと,札幌市は何もしていないのではないかと言われて,そうなったら意味がありません。やはり,役割分担をして,今までの制度の課題は何かをはっきりと言いながら,ここまで行きたいと明示して合意形成を図っていくことが大事なことだと思います。  例えば,労働条件の関係や結婚観,子供を持つという価値観が違う方がいるので強制できないと言うけれども,今の社会は,結婚に否定的な立場に立っていない人が結婚できない労働環境に置かれる方向に向かっています。それを改善するために,国は労働政策,賃金政策の中でどういう手だてをしていかなければいけないかという課題は当然出てきます。最低賃金制の問題とか,都道府県でいろいろな工夫しても,大きなうねりをつくるのは国ではないでしょうか。あるいは,育児休業の問題だって,まだまだ中小・零細企業では悩ましい問題です。それを取得しやすい環境づくりのためには,国がしっかりと方向を定め,ある面ではペナルティーを含めて具体化させていく決意がなければいけない。長い歴史を踏まえてこういう状態になっているのですから,ある日突然に改善するのはとても難しい側面があることも率直に市民に訴えていく中で,札幌市はここまで来たのだ,そこを理解いただいてと,この事業展開はそういう形で合意形成を図っていくことが大事ではないでしょうか。  今までは建前でずっと来ていますが,建前だけの行政はおのずと限界があります。それでは,信頼を高めることになりません。子ども未来局だけではなく,教育の問題も含めたすべての分野において,札幌市がやれる範囲のこと,国が制度としてお金をつけてやってもらわなければいけないこと,それらを率直に出して本音でやっていただきたい。僕はこんな思いをしていますから,そんな点でご見解があれば聞かせてもらいたい。 ◎平井 子ども未来局長  大変貴重なご提言です。概要版については,実は,協議会の中でも,この分厚いものを見るのは大変だという意見がありましたし,市民に素案を公表したときも我々の想定より市民意見が少なかったのです。そんなことで,概要版をつくるときに,ただこれをそのまま圧縮して全体を見せるのではなく,例えば,行動計画そのものが子供の成長段階に応じた形になっていますので,それぞれの対象ごとにやるとか,委員からご提言があった点も含めて,行動計画が市民に理解され,実効あるものになっていくようさらに工夫したいと思います。 ◆小田信孝 委員  一つは,確認ですが,修正案の36ページの下に,育児に参加する父親の割合が平成13年度で94.8%ありますと。平成24年度で現状維持したいという数字が出ています。今の若いお父さん,お母さんは,ご夫婦で一緒に育児をするのはごく当たり前になっています。私たちの時代とはちょっと違い,本当にお父さんが積極的に育児にかかわっています。ここのところはすばらしいと思うのですが,94.8%という数字は,私は本当かなとちょっと疑問を感じています。  例えば,素案の9ページの下には,札幌市における男性の労働時間を見ると,年間250日以上の稼働が全体の53.0%で,政令都市平均46.7%の中で北九州市に次いで高いのです。1週間当たりの就業時間についても,60時間以上の稼働が全体の21.2%で,政令都市中最高になっています。ということは,札幌市は女性に育児の負担が多くかかっているという記述が前にあって,そして,後ろの方で育児に参加する父親の割合がこうなっているのは私はちょっと腑に落ちないのです。この辺は,発表する段階までどんな論議を重ねてこの数字になってきたのか,お伺いしたい。  二つ目は,不妊治療費の助成です。これは大変多い。修正案の33ページにも出ていますが,現在,全国では約10組に1組の夫婦が不妊に悩んでいると記述しています。札幌市も保険の適用でいろいろ助成するようになりましたが,大変な問題を抱えていると思うのです。  しかも,最近,市民相談を受けました。実は,不妊治療を受けてもなかなか子供を産めない。そのうちに,それが原因かどうかわかりませんが,次の段階に行ってうつ病になってしまうのです。これは相当に深刻です。子供ができないと悩んでいて,親からも期待され,おじいちゃんやおばあちゃんからも期待されて,どんどんプレッシャーがかかっているのだと思うのです。その辺の不妊治療に対する総合的な相談窓口を充実していかないと,今後,不妊治療だけの問題ではなく,総合的なあり方が模索されるのではないかと私は感じますが,その点はどのように論議されて今日に至ったのか。  最後に,小児科の緊急相談窓口についてです。国では,#8000番に電話をすると,小児科に関する専門的な相談ができるようになりました。各都道府県ごとにスタートしていますが,現在,北海道はどうなっているか,札幌市のリンクはどうなっているか,現時点での情報をお伺いします。 ◎館 保健指導担当部長  まず,36ページにある育児に参加する父親の割合が94.8%となっていることへの疑問ですが,この調査は,次世代育成支援対策推進行動計画とは別に,健康さっぽろ21をつくるに当たって,健康衛生部の方で母子保健に関する意識調査を平成13年度に実施しました。4カ月児健診,10カ月児健診,1歳半児健診,3歳児健診を受けた方それぞれ2,000人,全市合計8,000人に対しての郵送調査で,回収率58.8%とかなり高い調査でした。  その中で,育児に参加する父親ということで,例えばお父さんがおふろに入れてくれるとかおむつをかえてくれるとか個々のことについてお聞きし,それを合わせたものということで94.8%となっています。この調査は,国も平成12年に乳幼児に対して同様の調査を行っており,そのときには82.8%と,札幌市の方が高いですが,国でも80%以上の父親が何らかの育児参加をしているという結果が出ていまして,札幌市が際立って高いものではなく,調査としてはきちんとした精度を持ったものと思っています。  次に,2点目の特定不妊治療助成事業ですが,国では,今年度から不妊治療に係る費用の助成制度を始めました。不妊治療には,社会的期待感に対する精神的負担も多いことは私どもも十分把握しており,不妊治療を続ける中で精神的な部分での支援がなくては,札幌市として助成事業を実施するわけにはいかないと認識しています。  そこで,今年度は,札幌市において特定不妊治療助成制度についての検討会を立ち上げる予定にしています。その中で,医師などの専門家,またカウンセラーなども加えながら,どのような助成制度だと,医療的なものだけではなく,精神的な部分も含めて,不妊の方たちに対するきちんとした支援になるのか検討したいと考えています。  3点目の小児科の緊急相談窓口#8000ですが,この番号に電話をかけると,小児科専門の先生が出て緊急な対応が必要かどうか電話相談できる窓口と聞いています。都道府県の事業ということで,道については,今,北海道小児科医会等と協議中と伺っており,事業の推移について札幌市でも道と情報交換しているところです。 ◆小田信孝 委員  最後に,要望いたします。  一つは,事業者側も子育てを一生懸命やらなくてはならないという位置づけで,今後,一緒になって札幌の次世代育成をやっていきますが,なかなか厳しい側面があります。厚生労働省が育児休暇をとりなさいと奨励していますが,こういう経済不況ですから,企業はぎりぎりまでリストラをやり,本当にこれ以上は削れないというぐらい削っている中で事業展開をしています。そこへ育児休暇を認めなさいとなると,経済界との摩擦も生まれてなかなか理解が進まないのではないかと思います。  しかし,先ほど301人以上の企業は約420社という数字が出ていましたが,今後,具体的な施策を推進する中で実質的に育児休暇をとれるようにしていかないと,父親の育児参加は本物になっていかないと思います。この文章だけがただ流れていってもだめです。本当の子育て支援が進むには,国のいろいろな方針,打ち出しにのっとって,どうしたら事業者側,企業側を説得して一生懸命に子育てをやってもらえるようになるかというせめぎ合いですから,行政が相当しっかり頑張らないと,経済界にその気になってもらえないと思います。今後の努力をぜひ期待していますので,あらゆる場面,あらゆる機会を通して国と情報を交換しながら,ぜひ頑張っていただくことを要望いたします。 ○勝木勇人 委員長  ほかにございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○勝木勇人 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  次に,懇談会への参考人の出席要請についてを議題といたします。  本日の理事会において,今後の委員会活動の参考とするため,学識経験者をお招きし,懇談会を開催することといたしました。  ついては,お手元に配付しております参考人氏名表記載の方をお招きすることとし,委員会条例第24条の規定に基づき,出席要請を行うことでご異議ございませんか。
     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○勝木勇人 委員長  ご異議なしと認め,そのように決定いたします。  なお,日程につきましては,本日の理事会において,11月9日午後1時から開催することになりましたので,よろしくお願いいたします。  以上で,委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後3時22分...