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平成13年第二部決算特別委員会−10月16日-06号
平成13年第一部決算特別委員会−10月16日-06号

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  1. 札幌市議会 2001-10-16
    平成13年第一部決算特別委員会−10月16日-06号


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    平成13年第一部決算特別委員会−10月16日-06号平成13年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第6号)                 平成13年10月16日(火曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  畑 瀬 幸 二 君       副委員長   笹 出 昭 夫 君     委   員  小 谷 俵 藏 君       委   員  柴 田 薫 心 君     委   員  常 本 省 三 君       委   員  宮 本 吉 人 君     委   員  原 口 伸 一 君       委   員  道 見 重 信 君     委   員  宮 村 素 子 君       委   員  横 山 光 之 君     委   員  勝 木 勇 人 君       委   員  近 藤 和 雄 君     委   員  山 田 一 仁 君       委   員  長 内 直 也 君     委   員  加 藤   齊 君       委   員  川口谷   正 君     委   員  猪 熊 輝 夫 君       委   員  小 野 正 美 君     委   員  村 上 勝 志 君       委   員  常 見 寿 夫 君     委   員  森   健 次 君       委   員  涌 井 国 夫 君     委   員  本 郷 俊 史 君       委   員  三 浦 英 三 君     委   員  生 駒 正 尚 君       委   員  武 藤 光 惠 君     委   員  宮 川   潤 君       委   員  熊 谷 憲 一 君
        委   員  岩 村 よね子 君       委   員  福 士   勝 君     委   員  恩 村 一 郎 君       委   員  山 口 た か 君     委   員  松 浦   忠 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○畑瀬幸二 委員長  ただいまから,第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,加藤委員からは,遅参する旨の届け出がありました。  それでは,議事に入ります。  第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第8項 学校保健給食費までを一括して質疑を行います。  なお,本日は21人の質問通告者がおります。できるだけスムーズな議事運営を進めてまいりたいと思いますので,質問者並びに理事者におかれましては,できるだけ簡潔なやりとりをしてくださいますように,冒頭,お願いを申し上げておきたいと思います。 ◆福士勝 委員  私は,2点質問をいたしたいと思います。  代表質問におきまして,学校の安全にかかわる緊急対策の内容及び進捗状況,そして開かれた学校と安全管理の両立についての質問をいたしましたが,これに関連をしてお伺いさせていただきたいというふうに思います。  代表質問では,教育委員会では,緊急対策を実施するとともに,学校管理運営検討委員会において,中長期的視野に立って安全策を検討中である,こういう答弁であったわけであります。私は,子供たちの安全を確保するためには,学校はもとより,地域,家庭と一体となった日常的な取り組みが何よりも必要だというふうに思っております。学校においては,池田小学校のような惨事が起こり得るとの緊張感を常に持続する,こんなことが必要でありますし,この事件を風化させないということも大事な点だというふうに思っているところであります。  いずれにしましても,不審者の侵入阻止は事故防止につながるわけでありますから,日常的な安全管理を意識した巡視だとか,施設整備の点検,このことは極めて重要だというふうに思いますが,私は,安全管理を学校に任せておくだけではなくて,何といってもやはり教育委員会がマニュアルを作成して,各学校がこのマニュアルに基づいて防犯計画を策定する,そして日常の安全管理を行うべきだ,こう思っているわけであります。  そこで,質問でありますが,安全管理の意識高揚を図るために,安全管理を日常的に点検できる校内点検チェック表,こんなものを作成する,さらには,危機管理に対処するためのマニュアルを作成していく,そして防犯計画を学校において作成させて市教委に報告させる,こう思うわけでありますが,市教委の考え方をまず1点,お伺いをさせていただきたい。  もう1点は,不登校への対応と関連して,教育センターにおける教育相談の状況についてお伺いをいたします。  文部科学省の平成12年度の教育白書「我が国の文教施策」によりますと,子供たちが置かれている背景として,「少子化や核家族化,都市化の進展とともに,これまで子どもたちに対人関係のルールを教え,自己規律や共同の精神をはぐくみ,伝統文化を伝えるといった役割を担ってきた家庭や地域社会の『教育力』が著しく低下をしている」,こう文部科学省は分析をして報告しているわけであります。これを踏まえて,現実的な問題としては,当然,いじめだとか不登校,学級崩壊や家庭内暴力,さらには性非行の低年齢化や青少年の非行問題など,ますます深刻化をしているわけであります。  家庭だけで子供を育てることは大変難しい,そういう面も私は強く感じているわけでありますが,私は,そういう意味で,今こそ子供たち一人一人が心の居場所を確保して,自己の存在を感じながら安定した人間関係をつくっていく,子供たちや保護者への確かな支援がなお一層求められているというふうに思っているわけであります。  そこで,文部科学省では,そうした支援に向けて,各学校に心の教室相談員を配置したり,スクールカウンセラーを派遣するなどして,教育相談の充実に努めており,本市でも,こういうことについて,これまでも努力をされている。そういう意味では,成果を上げてきていることを,私も十分承知をしているわけでありますけれども,私は,子供や保護者,学校などに,専門的な立場から各種の相談に応じたり支援する専門機関が特に重要である,なお一層求められているというふうに思っているところであります。  このような専門機関の一つとして,昨年8月にオープンした生涯学習総合センター「ちえりあ」内にある教育センターの教育相談室が,子供や保護者,学校に対して,専門的な立場から各種の相談に応じているわけであります。  そこで,質問でありますが,本市の教育相談機関の一つである教育センター教育相談室では,どのような教育相談を行っているのか。さらには,教育相談の内容と状況について,まずお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎大西 総務部長  まず,大きな1点目の学校の安全対策につきまして,私の方からお答えを申し上げます。  防犯対策のチェック表についてでありますけれども,本市におきましては,これまで,平成12年2月18日付で「幼児児童生徒の安全及び学校の安全管理について」によりまして,各学校長,園長に対して通知してございます。内容といたしましては,日常の安全確保の項目,あるいは緊急時の安全確保の項目,家庭や地域社会の協力を得て実施する項目等により点検を行うということにしてございます。  また,文部科学省からは,平成13年8月31日付で,池田小学校事件を受けまして安全管理についての点検項目の改訂についての通知が参っております。この文部科学省通知や,また本市の状況を踏まえまして,これらを協議いたしております,委員のお話にもありました学校管理運営検討委員会の検討の中で必要な内容を定め,各学校長に実施方の要請をしてまいりたいものと考えております。  また,危機管理に対処するマニュアルについてでございますが,学校それぞれにその状況が異なります。学校管理運営委員会におきまして,学校の安全管理の基本的な取り組むべき事項を指針として取りまとめる予定をしておりますので,これをもとに,各学校におきまして危機管理対応をしていただく,このようなことで進めてまいりたいというふうに考えております。  次に,防犯計画でありますが,委員のお話にもありましたことを踏まえまして,学校における防犯計画の件につきましても,学校管理運営委員会の中で論議をし,検討してまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎林 教育研修担当部長  教育センターにおける教育相談の状況につきましてお答えいたします。  教育相談室では,主に不登校に係る相談を中心とした一般教育相談,障害のある子供についての障害児教育相談及び子育て支援を中心とした幼児のための教育相談を行っております。  平成12年度の来所による教育相談件数は,一般教育相談が259人,件数で2,387件ございました。このうち,不登校に係る教育相談は,延べ件数では全体の90%を超える2,185件となっております。相談実人数では188人であります。平成11年度に比べまして,延べ件数で471件,相談の実人数で36人の増加となっております。その他,障害児に係る相談が延べ973件,幼児教育相談については延べ131件でございます。  また,教育相談室では,教員からの相談,学校や関係施設の訪問相談,電話による相談,医師による相談も相談者の希望に応じて実施しているところでございます。  以上です。 ◆福士勝 委員  ただいまの答弁で,危機管理に対するマニュアルの関係でありますが,もちろん,学校それぞれ異なることは当然でありますし,どの学校にも当てはまると,こういった一般的なものは,マニュアルとしてはもちろん存在しないわけであります。検討委員会で指針をまとめると,こういうふうに答弁があったわけでありますから,それらの指針に沿って,各学校の実情に合った学校手づくりのマニュアルを全教職員の参加のもとでつくり上げる,さらには,実効性を持たせていくことが必要だというふうに思っておりますので,この点は要望させていただきたい。  それで,防犯計画の関係でありますが,従来,札幌市では消防計画ということで,どちらかというと,自然災害等に備えた関係で市教委に報告をしている,これだけであります。昨今の状況から見ると,当然,他都市にありますように,警備だとか防災を絡めた計画の提出ということになっているわけでありますが,池田小学校の悲惨な事件以来,そういう警備の関係を防犯に置きかえて見直すということが出てきているわけでありますから,当然,その辺を含めて,市教委もできることであれば防犯,あるいは名称にこだわりませんけれども,防犯・防災計画,これを2本立てにするのか1本ずつ独立をさせるのか,それはあるにせよ,こういう形でやはり報告をさせる,こういうことが私は必要だというふうに思っておりますので,ぜひ検討の中に入れていただきたいというふうに思っております。  それと,もう一つは,やはり点検をするということになりますと,市教委に報告をさせて点検をするわけでありますから,できることであれば,他に例があるように,点検の日のようなものをやはりきちっと設置する。大阪府教育委員会では,あの事件を二度と起こさない,風化させないということで,6月8日を安全確保と点検の日と決めて,各市町村に6月8日は点検・安全の日と,こういうことで徹底しなさいという通達を出している。こういうことも一つの参考にしながら,市教委は,当然,検討委員会で云々という答弁があるわけでありますから,そういう関係の検討材料の一つにぜひ入れていただければというふうに思っております。  いずれにしましても,検討委員会は7月末に設置をされて1回,そして分科会等々やりながらいろいろと論議をしている最中で,今月19日に2回目ということでありますから,まだまだこれから論議をしていかなければならない関係でありますから,検討委員会の委員長は教育委員会の総務課長のはずですから,総務課長となお一層今後連携をとらせていただきたいというふうに,追いかけをさせていただきたい,こう思っていますので,よろしくお願いをいたしたいというふうに思います。  そこで,学校の安全管理は,何といっても不審者を侵入させない,このことが大事だというふうに思いますが,いつ不審者がどういう形で侵入してくるか,正直言って,わからない実態でありますが,それらを想定して防犯訓練的なものも必要だというふうに思っているところであります。学校では当然,火災だとか地震だとか,災害を想定した避難訓練が行われているわけでありますが,こういう不審者侵入の対応は,子供たちはもちろんのこと,教職員の方々もほとんど経験がないことだというふうに思います。経験がないわけでありますから,万が一の場合を考えて,子供たち,教員,警察などに,どのような方法で情報を伝達するのかとか,どのような形で避難するのかといった危機管理の体制あるいは対応をしっかり確立することが,私は必要だと思いますし,それらに基づいて,防犯訓練的なものも実施すべきだというふうに思います。  当然,今,消防の方でもいろんな集合型訓練を発災対応型等々に切りかえていく,二つの訓練方式を合わせてきているわけでありますが,学校でのこういう訓練も,やはり抜き打ち的な様子を見ながら,事故をいろんな角度から想定して訓練を行う,このことを繰り返すことによって必要な安全策が見えてくる,私はこう思っているわけであります。  そこで,質問でありますが,学校においては,子供たちに恐怖心を生じさせない配慮を当然最優先しなければならないわけでありますが,配慮のもとに,不審者侵入等を想定した防犯訓練的なものを行うべきだと,こう思っているわけであります。市教委はどのようにまず考えているのか,お伺いをさせていただきたい。  それから,もう一つ,不登校の関係でありますが,教育相談室において,今ご答弁がありましたけれども,不登校に係る教育相談件数が年間2,000件を超えている。これは極めて大きな,私も正直言ってびっくりしている数字でありますけれども,11年度に比べて不登校児童の相談件数が400件以上もふえている。そういう意味では,本市においても,依然として不登校は深刻な課題であるというふうに改めて実感せざるを得ない,こういう答弁内容であります。  全国的に見ましても,不登校の児童・生徒数は増加傾向にあるわけであります。文部科学省の学校基本調査速報によれば,年間30日以上欠席した全国の不登校児童・生徒数は,平成12年度は13万4,000人に上っているわけであります。11年度と比べて4,000人ふえているという数字が出ているわけであります。いずれにしても,13万4,000ということになりますと,前年度から見ると3.1%ふえて,過去最多を更新したと,こう言わざるを得ないわけであります。4,000人の関係を含めて,中学校では38人に1人が,中学校のクラスに1人は不登校生がいると,こういう数字になるわけであります。さらには,小学校では279人に1人と,こういう実態になっているわけでありますから,不登校が増加するさまざまな要因が絡んでいる。一挙に解決するという解決策というのは,私は極めて難しいというふうに理解をしているわけでありますけれども,いずれにしても,何とかこの増加傾向に歯どめをかける,対策を講じていくということが求められているというふうに思っております。  先ほどの答弁にありましたように,教育センターが年間188人に上る不登校児童・生徒の教育相談で延べ2,000回以上も相談に当たっている,こういうことでありますから,そういう意味では,教育センターの役割とその重要性というのを改めて認識したわけであります。  しかし,札幌市における不登校児童・生徒の現状を考えますと,今後,教育センターの教育相談室が不登校児童・生徒に対してどのような対応をしていくのか,さらには,その方向性について極めて心配の面と大切な形だけは,はっきりと出てきているというふうに思っております。  そこで,質問でありますが,平成12年度における札幌市の不登校児童・生徒数は前年度と比較してどのような数字になっているのか。また,教育相談室における不登校への具体的な対応についてお伺いをいたします。 ◎大西 総務部長  防犯訓練につきまして,私からお答えをさせていただきます。  委員お話しのとおり,万が一の事件発生時に際しましては,児童・生徒や教職員があらかじめ想定していた行動ができるように学ぶこと,そして訓練を実施することが大切であるというふうに考えております。しかし,この種の訓練につきましては,特に子供たちへの影響も大きく,難しい側面も抱いておりますことから,現在,学校の安全対策を協議しております,先ほども言いましたが,学校管理運営検討委員会の中で検討させていただきたい,こういうふうに考えております。  以上です。 ◎林 教育研究担当部長  1点目の札幌市における不登校の現況についてでありますが,平成12度,年間30日以上欠席した不登校児童・生徒数は,小学生が264名,中学生が1,251名でございました。また,平成11年度に比べて,小学校では22名の増,中学校では185名の増,合計207名の増加となっております。  2点目の教育相談室での不登校への対応でありますが,相談に来られる子供や保護者に対しまして個別相談を行っております。この相談では,相談者に寄り添い,本人の思いをありのままに受けとめ,悩みやつらさを共有し,理解することを大切にしております。さらに,在籍する学校と十分に連携をとりながら,継続的な相談を進めております。また,さまざまな関係機関と相互に連絡をとりながら,それぞれの役割に応じて効果的な相談体制を組むように努めているところでございます。具体的には,各区の保健センターや児童相談所,あるいは道立の相談機関や医療機関,さらに道警の少年サポートセンターとも連携をとり,保護者の了解のもとに,相談内容にかかわる情報を交換したり,今後の対応の方向性について十分話し合いを持ち,問題の解決に当たっているところであります。  以上です。 ◆福士勝 委員  学校の安全管理については,教育委員会が講じてきた緊急対策により,そういう意味では,施設の設備面,これらの対策については評価をしておるわけでありますが,いずれにしても,学校のこれらの安全策をいろいろと有効に活用して,家庭あるいは地域と連携した安全策を組み合わせて,日常的にかつ継続的に取り組んでいく,このことが必要だというふうに思っております。昨今の複雑な社会環境の中では,子供たちの安全をより一層図らなければならないのは当然でありますが,学校での安全管理の取り組みを他人事として風化をさせては決していけないというふうに思っておりますし,今後,学校での安全管理に,なお一層安全性を高める観点で日常的に取り組まれるよう,この点は要望しておきたいというふうに思います。  不登校の関係でありますが,本年9月に文部科学省から発表された不登校に関する実態調査によりますと,不登校のきっかけとして一番多いものは,友人関係をめぐる問題で,何と全体の45%を占めている。不登校の半分は,友人関係から生じた問題によって起こっているという形になっているわけであります。不登校はどの子供にも起こり得るものでありますし,何も特別な子供ではないわけであります。  聞くところによると,この不登校の子供たちは,学校に行っていない,あるいは,むしろ学校に行けないからこそ学校のことがだれよりも常日ごろ気になっている,こういうふうに言われているわけであります。不登校の生徒の皆さんは,授業のない金曜日の午後から日曜日までのわずかなひとときだとか,あるいは夏休みだとか冬休みなどのしばらく休みの時期には,彼らは安心して元気になることができると,こういう実態の報告にもなっております。  私は,不登校の子供たちができるだけ早く元気を取り戻して,学校に復帰できる,そういう手だてをなお一層講じていかなければならないというふうに思っておりますし,従来から,相談指導学級の必要性だとか,同じ悩みを持つ仲間同士の触れ合いができる,そういう施設の整備あるいは充実については幾度となく訴えてきたわけであります。そこで,今後の関係を含めて,相談指導学級における平成12年度の不登校児童・生徒への対応の状況についてお伺いをいたします。  もう1点は,教育センター教育相談室においても,個々の相談以外に,同じ悩みを持つ児童・生徒が触れ合うような取り組みを行っているのかどうか,この点もお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎林 教育研修担当部長  まず,相談指導学級の対応についてでありますが,平成12年に対応した児童・生徒は,本市に設置している澄川,新琴似,伏見の三つの相談指導学級合わせて129名となっております。そのうち,本来,通うべき学校に戻ることができた完全復帰の児童・生徒は17名,学校行事等に参加できるようになった部分復帰の児童・生徒は45名に上っております。  次に,2点目の教育相談室における具体的な取り組みについてでありますが,不登校の相談は,相談者に寄り添った個別相談を継続的に行っておりますとともに,継続的な相談を行っていますと,保護者の気持ちも和らぎ,子供も少しずつ行動できるようになってきます。そうなりますと,子供たちは支援を受けながら人とのかかわりを少しずつ持つようになり,さらに家庭以外の場所や仲間を求め始める状態になってきます。委員ご指摘のとおり,子供たちが互いに触れ合い,同じ悩みを分かち合うことができ,回復の足かがりになることがございます。  そこで,相談指導学級では,保護者や本人に対する個別の教育相談ばかりでなくて,学校に行けず,家庭に閉じこもりがちな子供たちが週に3回程度教育センターに来て,同じ悩みを持つ子供たちが交流できる触れ合いの場であるグループ相談にも取り組んでおります。不登校の子供たちは,そこでの体験から,人との関係を再びつくり直し,学校へ復帰する足がかりとなっております。  今後とも,このようなグループにおける教育相談や個別の相談を通して,一層きめの細かい教育相談を行ってまいりたいと考えております。 ◆福士勝 委員  今までのご答弁をお聞きしまして,本市の教育相談にかかわる状況だとか不登校への対応については,理解をしたところであります。  私は,不登校の子供たちが心のわだかまりを解いて,一人一人がそれぞれの夢だとか目的を持って元気に学校に復帰をする,そういう姿を待ち望んでいる一人として,今後とも多様な方法だとか手段を講ずる必要がなお一層求められているというふうに思っております。  政令市で初めて福岡市が,不登校の子供たちと一緒に,寝食をともにしながら指導に当たるという滞在型施設を平成14年度に整備すると,こういう新しい試みがあるわけであります。私は,この新しい試みに注目しているわけでありますけれども,いずれにしても,本市においても,これまで以上に不登校の子供たちへの支援のあり方について柔軟に考えることが,私はなお一層求められているというふうに思っております。  そこで,今まで以上に子供たちにかかわるさまざまな分野だとか関係機関が相互に連携を図って,不登校の子供たちの支援システム等の充実になお一層努めていただくことを求めて,質問を終わりたいと思います。 ◆山口たか 委員  私から,3点お尋ねをしたいと思います。シックスクール対策,それから障害児教育,それから学校評議員制度,以上についてお尋ねをいたします。  初めに,シックスクールについてお尋ねをしたいと思いますが,化学物質過敏症,とりわけ学校が原因となっているいわゆるシックスクールですけれども,近年,これが大変大きな話題になってまいりまして,マスコミでもかなりの頻度で取り上げられていますし,私の周りにも現実にそのような症状を持っている子がいます。これは,説はいろいろございますけれども,これだけ化学物質が増大をして,これまで地球上に存在しなかったものが数千,数万という規模でつくられてきて,体が適応できないとか,あるいは住宅の高気密・高断熱などもございましょう。さらにはこの病気に対する認識が広まってきたということで,これまで原因不明だったものが,新たにこの分類の中に加わった,そのようなことでふえてきたという,いろんな要因があること思いますが,とりわけ学校においては,子供たちが長時間過ごす場所でありまして,この対策というのが大変重要であると考えております。  そこで,お尋ねをしたいのですけれども,学校におけるシックスクール対策はどのようになっているか,現状をお伺いいたします。  それから,2点目ですけれども,特に新築の場合などは,強制換気を含めて空気の入れかえが大変大事だと思いますけれども,先般,新築されて引き渡しになりました旭丘高校,ここでは職員室には機械換気の装置がありますけれども,一般の教室にはないというような状況でございます。これについて,私は,逆に教室にこそ全部つけるべきではないかと考えますけれども,それについてのお考えをお尋ねいたします。  それから,3点目なのですけれども,1定のときの予算委員会で私が都市局で質問したとき,ホルムアルデヒド,キシレン,トルエンなど,いわゆる3物質を札幌市では簡易測定をしているというふうな,そのようなお答えがございました。しかしながら,7月の厚生労働省の通知では,合計11項目について検査すべきであるというふうになっております。この点につきまして,3種類ではなくて,11種類全部測定をすべきではないかと考えますがいかがか,お尋ねをいたします。  それから,2点目の学校評議員制度についてです。  これは,98年,中央教育審議会答申の中で,学校評議員を置くことができるということで,今,各地では設置制度化が始まっておりまして,全道でも約30以上の自治体でもう既にスタートしているというふうに伺っております。これは,校長が評議員を推薦しまして,教育委員会がそれを委嘱するということになっておりますが,閉鎖的と言われる学校を地域に開かれたものにするという趣旨というふうに聞いております。  そこで,お尋ねをしたいのですけれども,本市における評議員制度の取り組みについて,昨年,たしか検討ということでしたが,現状どのようになっているのか,お尋ねをします。あわせまして,その検討の総括,評価あるいは課題はどのように把握をしているのか,お尋ねをしたいと思います。  それから,3点目,障害児教育についてお尋ねをいたしますけれども,ことし1月に21世紀の特殊教育のあり方についてということで,調査研究協力者会議から最終答申が出まして,それに基づいて,今,国でも今後の障害児教育のあり方について検討していると伺っております。  一方,札幌市におきましても,この3月に,札幌市の障害児教育推進の今後のあり方についてという答申が出まして,それに基づきまして,障害児教育基本計画というものを策定中であるということでございます。  これからの計画づくりに当たっては,国際的なともに生きるというインクルージョンの流れを踏まえた上で,学校や大人の事情だけではなく,子供にとって何が最善かという,そのような立場から計画がつくられるべきであると考えておりますけれども,この基本計画の進捗状況についてお尋ねをいたします。  それから,2点目ですけれども,この計画の基本として,あくまでも地域の普通学校で子供たちは育つべきであると,その上で個別のニーズや特別の支援が,あるいは保護者の意向などによって,特殊学級,諸学校なども検討をすべきであるということを基本に置くべきと考えますがいかがか,お尋ねをしたいと思います。  それから,3点目ですけれども,現在,先ほど申しました21世紀の特殊教育のあり方についての答申に基づいて,国では学校教育法施行令を見直すという話になっておりますけれども,これは,漏れ聞こえてくるところによりますと,さまざまな課題があるように伺っております。これについて,教育委員会として把握をしていらっしゃるのか,これについての見解もあわせてお尋ねをしたいと思います。  以上です。 ◎大西 総務部長  シックスクール対策につきまして,私からお答えを申し上げます。  シックスクール対策の取り組み状況についてでございますが,国等におきましても対策がとられているところでございますが,教育委員会といたしましても,工事を担う建築部と連携をいたしまして,12年度から工事仕様書の中に室内の床,壁,家具の合板について,低ホルムアルデヒドのFc0等級の材料を使用することをしておりますし,また,13年度からは水性系塗料,ホルマリンを含まない接着剤,木材の防腐剤は非有機燐酸系のものを使うなど,化学物質による空気汚染の少ない材料を指定して使用するなどの対策を講じておりまして,現在,可能な最善の対策を行っているというふうに考えてございます。  2点目の普通教室の換気設備についてでございますが,現在の校舎の整備の考え方といたしましては,普通教室は窓をあけて換気する,いわゆる自然換気を原則としてございます。委員ご指摘のとおり,換気扇等は設置いたしておりません。しかし,現在建設中であります新設校の百合が原小学校,また改築中の丘珠小学校につきましては,丘珠空港の周辺地域という特殊性を考慮しまして,普通教室にも機械換気を設置しているところでございます。  また,シックスクール対策につきましては,これまでも工事を担う建築部ともやっておりますが,より安心される教育環境を整えるという観点から,また,文部科学省が改定作業中の学校環境衛生の基準の結果が近く出るというふうに聞いておりますので,その内容も踏まえまして,今後は,校舎の標準設備の仕様の見直しも視野に入れながら,より効果的な換気の方法につきまして検討してまいりたいというふうに考えてございます。  次に,3点目の検査対象の件でございますが,化学物質の濃度測定を検査対象物質すべてにということでございますが,これにつきましては,委員のお話にもありましたとおり,昨年,ことしと検査項目が大きくふえてきてございます。11物質すべての項目について検査をするということになりますと,私どもも照会してみたのですが,検査機関の検査体制の整備であるとか,分析にかなりの時間がかかるとか,検査の時間等,種々の問題が多くあるということがわかってきました。しかし,大切なことでございますので,建築部の方とも協議をしながら最善の方法を検討してまいりたいと,こうふうに考えております。  以上です。 ◎岩崎 学校教育部長  ご質問の3点目にありました障害児教育の件につきまして,私の方からお答えを申し上げたいと思います。  まず,1点目の進捗状況についてと,それから2点目の目指す方向になろうかと思います。若干重なる部分がございますので,まとめてお答えをさせていただければと思っております。  進捗状況についてでございますが,平成12年3月に特殊教育振興審議会から,札幌市の障害児教育推進の今後のあり方について,この答申を受けております。これまで4回の審議会を開催いたしまして,基本計画策定のための方向性,答申の四つの基本目標,すなわち,「一人ひとりに応じた多様な教育の充実」「実りのある交流教育の展開」及び「地域に根ざした教育の推進」「家庭の子育て機能を高める支援体制の充実」といった,基本目標を達成するための施策案について専門的な見地からご意見をいただきながら,さらに専門部会等を設けまして,具体的な内容について検討を進めているところでございます。  並行いたしまして,関係部局との連携が非常に重要になると考えて,協議等を継続しながら進めているところでございます。  3点目の法改正の情報を得ているかというご質問についてでございますが,特殊教育に関する就学基準の見直しに関する情報につきましては,昨年の地方分権一括法の施行に伴いまして,現行の学校教育法施行令の見直しについて検討されているということにつきましては承知しているところでございますが,これらに関する情報は,現在のところ,得ておりません。  以上でございます。 ◎高橋 指導担当部長  学校評議員制度について,私の方から説明させていただきます。  学校評議員制度に関する本市の取り組み状況でございますが,昨年度から2年継続で,幼稚園1園,小・中・高等学校各2校ずつ,計7校に,「学校評議員制度の確立のため,学校外の意見を聞くための仕組みのあり方」についての研究委託事業を行ってございます。具体的には,評議員を委嘱し,意見聴取の会合等を開催したり,評議員に関する規定等の策定や校内での研究推進を図るための評議員制度試行委員会を設置するなど,学校独自の研究方法に基づきまして,それぞれの実態に即した実践研究が進められているところでございます。  また,昨年度よりこれまで計2回にわたり,委託校の7校が一堂に会しまして情報交換会を開催したり,横浜市や東京都など先進的な取り組みをしている学校の視察結果を交流し合うとともに,本市における学校評議員制度のあり方についての意見交流が行われているところでございます。  続きまして,研究の成果と課題ということでございますが,現段階では,地域や家庭の意向を把握することによって学校の教育計画に反映することができ,地域との連携が深まったというご意見やら,学校に対する外部の評価を取り入れることによって,教職員の意識改革を図ることができたというようなご意見をいただいております。また,課題としまして,学校評議員制度にかかわる人選のあり方,特にPTA役員との整合性あるいは評議員の守秘義務,規約の問題,評議員への委嘱期間の問題等が掲げられてございます。  以上でございます。 ◆山口たか 委員  1点目のシックスクールでございますけれども,最善の方法で検討したいという換気の設備,それから11項目の検査については,今の答弁の中にそのようなお言葉がありましたので,そのようになるのだなという理解でよろしいですよね。  それで,丘珠,百合が原では空港の特殊性ということでしたけれども,最善の方向で検討ということですから,これはぜひ早急に求めておきたいと思いますが,5年計画を拝見しますと,改築が小学校で6校,中学校で3校,それから新築が1校ということで,百合が原は新築ですし,丘珠は改築ということで,残りは新川小,屯田西,羊丘,あるいは,中学校についてはまだ未定ということで,とりあえず5年間で10校分の枠があるということでございましたので,ぜひその方向でやっていただきたいと思います。  アメリカの研究結果では,週末に校舎を消毒した後,月曜日に登校すると,いろんな学校内の犯罪が非常に多くなっているという因果関係がわかって,化学物質と学校で散布する殺虫剤,消毒剤というのも排除するというふうな動きになってきているというふうにも聞いております。それから,ADHD,いわゆる注意欠陥多動性障害の増加ということが言われていますが,それについても化学物質が何らか関与しているのではないかというふうなことを発表している医学者もいらっしゃいます。この問題,単に一個人の体質の問題とか,そういう問題ではないのではないかなというふうに感じておりますので,再質問させていただきますけれども,昨年の3月にアトピー問題研究会が教育委員会あてに要望書を出しておりまして,それを拝見しますと,教職員の方に対して,もっと化学物質過敏症なりシックハウス症候群について研修なり,いろんな知識を持っていただかないと,子供たちの様子がわからない。実は体調が悪かったのであって,単に怠けたとかそういうことではないというようなことも,なかなか教員の方にわかっていただけない場合もあるというふうに聞いておりますけれども,その研修について,さらに周知徹底すべきではないかと考えますがいかがか,お尋ねします。  あわせまして,例えば理科とか技術家庭科などで,いろんな絵の具を使ったり,塗料を使ったりという場面がございまして,その場合に,特に注意するように指導するようという要望に対しまして,ご回答の方は,就学指導委員会を設置し,全教職員の共通理解のもとに支援体制を組んでいるというふうなお答えでございますけれども,この具体的な支援体制というのはどのようなものがあるのか,お尋ねをしたいと思います。  それから,旭丘高校の話に戻りますけれども,都市局からの引き渡しのときには,検査をされたかと思うのですけれども,実際に家具とか備品が入りますと,ロッカーとか,パソコンとか,戸棚とか,図書室の書架とか,さまざまな部分でまた反応が出るという事例がございます。  そこで,お尋ねをしたいのですけれども,引き渡しのとき以降も,継続なりあるいは定期的にチェックをしていくということが大事ではないかと考えますので,いかがかお尋ねをしたいと思います。
     それから,評議員についてですけれども,今,課題とマイナス部分,プラス部分,いろいろあるかと思いますけれども,7校で一堂に会して情報交換をしていらっしゃるということでございました。  先ほど,福士委員の方の質問にございましたけれども,池田小学校の事件以来,警備員を配置する自治体とか,非常ベルを設置するとか,あるいは監視カメラを設置する,あるいは授業中はすべて施錠するとか,そういう面での防災対策というのがどんどんいろんな学校でとられておりますけれども,一方で,建物あるいは安全性をそのような形で確保していくということとともに,あわせて,地域の方が学校に入っていくということで,それが逆に,いろんな方の目があるということで不審な方が入ってくるのをチェックできるとか,本当の意味での開かれた学校にしていくことが,逆に犯罪の防止につながるのかなと考えるわけです。そういう意味では,学校評議員,どういう名称にするか,どのような中身にしていくかという課題はあるにせよ,そのような地域の方が入るということは大事かなというふうに考えております。  一方,ただいま,人選あるいは守秘義務,それから期間ということが課題としてあるというお答えでございましたけれども,来年以降,導入についてどのようにお考えになっていらっしゃるか,お尋ねをします。あわせまして,今おっしゃったさまざまな課題をクリアするためにも,例えば千葉県我孫子市などは,校長先生の推薦だけではなくて公募制を取り入れるとか,単に校長先生の裁量なり,それに対する姿勢で左右されないような形で,川崎では学校評議員プラス児童が入って学校教育推進会議という独自のものをつくっておりますけれども,そのような工夫も含めて,導入に当たっては検討すべきではないかなと考えていますが,来年以降の取り組みについてお答えいただきたいと思います。  それから,最後の障害児教育の部分ですけれども,現在,関係部局との協議も含めて鋭意検討中でございます。その中で,この答申に沿ってということでございますけれども,特に私が読んでいて感じましたのは,実りある交流教育の展開,それから地域に根差した教育の推進と,本当にこのとおりだと思います。  ただ,読んでいきますと,障害のある子供の多くは放課後,休日,夏休み,冬休みなどは家庭にこもりがちで,地域にお友達もいない,地域の子供と交流する機会が少ないなど,学校や地域の支援なしにはかかわりが十分にとれないというふうに現状分析をしているわけなのです。そうであれば,やはり基本的には地域の学校,そこで過ごす,そこで教育を受けるということが基本にあるべきではないかと考えるわけなのです。実りある交流教育ということで,障害のある子が普通学級と交流するということでの取り組みも今までも進んでいますし,ここでも議論されているし,それは大変必要な部分だと思いますが,やはりどうしても基本は地域の学校でということを踏まえた上で,計画がつくられるべきであろうというふうに考えますので,その辺についていかがか,お尋ねをしたいと思います。  それから,3点目にお尋ねしました学校教育法施行令の改正についてですけれども,情報をお持ちでないというふうなご答弁がございました。私が入手しました初等・中等教育各課担当官殿ということでの文部科学省特別支援教育課から出ている資料を拝見しますと,改正の理由として,地方分権一括法において機関委任事務が廃止されて,自治事務に変更されたということで,就学指導委員会の309号通達も失効するわけですから,これまで子供たちが特殊学級へ行くか,あるいは地域の学校へ行くかということを振り分けてきた就学指導委員会自体の設置根拠がなくなってくるということが,改正の理由として一つ挙げられています。  つまり,私が感じるには,そうであるならば,地方分権一括法の趣旨にのっとって,まさに地域の教育委員会と父母と子供たちが決定していく条件が地方分権によって整ったというふうに考えるわけなのですけれども,この内容を拝見すると,どうもそうはならないと。特に,22条の3の改正が今検討されているというふうに,文部科学省の方の資料で出ております。この22条の3は当然ご存じだと思いますけれども,子供たちの障害の度合いを細かく分類しているわけで,これに沿って子供たちは聾学校,盲学校あるいは養護学校へ行きなさいということで振り分けられてきたその基準でございます。今までは,例えば視力が幾つ以下とか,0.1未満の者とか,あるいは聴力で言いますと100デシベル未満60デシベル以上の者とか,そういうようなことだったのが,単にそれだけではなくて,それについてもっと細かく定めるようになっていると。  私は,これは,今まで札幌市も含めて行ってきたましたノーマライゼーションあるいは統合教育の流れと逆行するような形での政令改正ではないかと考えるわけなのですけれども,これについて,資料,情報をお持ちでないということでございますので,私の方から差し上げてもよろしいのですが,10月にも公表して,パブリック・コメントにかけるというふうに聞いております。  パブリック・コメントが出ても,ほとんどこれまでは文言修正,何文字か変わっただけで,決して国民・市民からの意見で国においては修正されることがないという事例もたくさん見ておりますので,私は,この答申が出てから,市民にさらされてからでは,ほとんど改正の余地がなくなってしまうと考えざるを得ないのですけれども,再度,これについて情報を取り寄せるなり,意見を札幌市として述べていくべきではないかというふうに考えるのですが,いかがかお尋ねをしたいと思います。  とりあえず,長くなりますので,それだけ伺います。 ◎大西 総務部長  化学物質の継続的な検査についてでございますけれども,特に旭丘高校につきましては,ことしの7月末に竣工いたして引き渡しを受けておりますが,その前にも所管の建築部の方で2回の検査をいたしまして,基準値を下回った結果が出ているということの報告を受けておりますし,私どもとしましても,学校と連携をとりまして,8月8日,9月そして10月ということで3回の検査を実施しておりまして,いずれも基準値を下回っていることを確かめてございます。委員お話しのとおり,今後も一定の期間ごとに,必要により検査をしてまいりたいと,このように思います。  以上です。 ◎高橋 指導担当部長  就学指導委員会によるアレルギー,心身障害児童・生徒に対する支援体制について,私からお答え申し上げます。  アレルギーや心身障害,あるいは病気を抱えた児童・生徒など,学校生活に配慮が必要な場合,それぞれの学校におきまして全職員に周知し,共通理解のもとで指導に当たることが必要であることから,教育委員会といたしましては,校長を対象とした行政執行説明会あるいは校長会等を通しまして,その適切な対応方をお願いしているところでございます。  また,こうしたことを受けまして,各学校では,年度当初の職員会議等で,校内の就学指導委員会などが集約いたしました配慮を必要とする児童・生徒の情報を交換いたしまして,適切な対応がとれるよう努めているものと認識いたしております。  以上でございます。 ◎岩崎 学校教育部長  3点,私の方からお答えを申し上げたいと思います。  まず,シックハウス症候群あるいはシックスクール対策等についての教員の認識,これに伴う研修等についてでございますが,昨年及びことしにおきまして,幼稚園,小学校,中学校,高等学校全校に,その症状あるいは原因と疑われます一般的な予防法等を含めまして,文書で通知を行ってございます。また,発症した児童・生徒の状況を把握するために,委員会に報告をいただきまして,その対応について医師等との連携を図るように,各学校への指導を図っているところでございます。さらに,養護教員に対しましては,研修会等でシックハウス症候群の情報を提供し,その認識を深めるよう努めているところでございます。  今後とも,ご指摘ございましたように,より一層シックハウス症候群等に対する認識を深めるための研修を充実させ,学校への情報提供を行うなど,教員全体の認識を深めてまいりたい,こういうふうに考えております。  2点目の障害児教育の基本計画についてでございますが,先ほどもお答え申し上げましたけれども,私ども,基本的には特殊教育審議会からの答申をもとに,一人一人の障害の種類や程度,発達の状況に応じました多様な教育の場を提供するとともに,あわせて,障害のある子供とない子供が学校や地域社会全体の中で活動をともにし,ともに助け合い,支え合う,こういう交流教育を推進してまいりたいと,このように考えているところでございます。  次に,政令等の改正に伴うことでございますが,委員の方でいろいろ情報等をお寄せいただきましたが,私どもが押さえているのは,今,国の段階で検討中というふうに押さえておりますので,それらの内容についてお答えできる状況にないというふうに認識いたしているところでございます。  以上でございます。 ◎高橋 指導担当部長  学校評議員制度の今後の取り組みについて,私からお答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように,評議員制度につきましては,規約の問題,あるいは評議員への委嘱の期間等,まだまだ解決しなければならない課題がございますところから,その導入に当たりまして,現在,他都市の状況を見定めたり,あるいは,年度末にまとめられる予定であります学校研究委託の成果と課題等を見定めてまいりたいと考えているところでありますが,委員ご指摘の評議員は,保護者や地域の方々の意見を幅広く校長が聞くためのものということでございますので,どのような方を評議員として委嘱するかということにつきましては,この検討委員会等の中で研究をさせていただければと思っております。  あわせまして,先ほど申し上げました学校評議員に児童・生徒ということのご指摘でございましたが,学校教育法施行規則等の一部を改正する省令の施行についてという通知文が文部科学省から出されておりまして,これによりますと,学校評議員は,当該学校の職員以外の者で教育に関する理解及び識見を有する者のうちから校長の推薦により当該学校の設置者が委嘱することと,こういうふうになっておりまして,私ども,児童・生徒はその対象として考えていないというところでございます。  以上でございます。 ◆山口たか 委員  シックスクールにつきましては,教員研修もより充実していくということでしたので,今後も期待をしていきたいし,いろんな市民運動グループもございまして,注目をしていきたいというふうに思います。  それから,学校評議員制度,児童・生徒は想定していないということでしたが,通知なり国の政令ではそうかもしれませんが,これからはそういうものが通用しなくなる時代であると。地方分権の時代であるならば,国の言うとおりの評議員制度にしなくてもいいわけです。名前を変えて,そのような地域の声が入るような制度にすればいいわけで,現実に川崎なんかがそういうふうな形でやっているわけですから,それについては前向きに検討していただきたいということを強く求めておきます。  本当に,私,障害児教育の問題でもそうですけれども,分権の流れに文部科学省が逆行をしている,戻っているのではないかということを強く感じるわけなのですけれども,まさに地域の教育委員会が決定する,そういう時代になってきたと思いますので,国の通知,通達ということは,もうそれが失効したわけですから,やっぱり札幌のことは札幌で決めるという姿勢を貫いていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  最後に障害児教育のお尋ねをしたいのですけれども,いずれにいたしましても,今,計画を策定中なので,これ以上詳しいご答弁は無理かと思いますが,例えば最終的な答申を策定するに当たりまして,教育委員会事務局が原案をつくるのではなくて,さまざまな委員も含めた形での起草委員会みたいなものをつくって,メンバーの中には専門的な方や父母の代表が入っていらっしゃいますが,そういう方の何人かに出ていただいて,一緒に原案から起草していくということが今非常に大事ではないかと思いますので,その点についていかがか,お尋ねをしたいと思います。  それから,「ちえりあ」で障害児教育のフォーラムが行われましたけれども,その際にも,当事者,保護者の意見がたくさん出たということで,もっと何回も意見を聞いてほしいのだという声がとても多かったように伺っています。その辺について,学校が決めるのだ,校長が決めるのだということでこれまで来まして,どこの学校に行くかについても父母には裁量権はないということになっていましたけれども,やっぱり保護者は言いたいのですね。意見を聞いてほしいし,子供と自分たちにとってどうなのかという観点で学校を選びたいということがとても強いわけですから,その辺での親の意見の反映,フィードバックをどのようにされるおつもりか,今回の議論も含めて,議事録は公開されていますが,論点整理も含めて公にして,なおかつ意見を求め,それがどうして反映されたか,これはなぜ反映されなかったかという形でのフィードバックがぜひ必要であると考えますので,その辺についていかがか,お尋ねをしたいと思います。  先ほど,不登校のテーマでも質疑がございましたが,私は,障害児教育だけ議論しているのじゃなくて,普通学校も今本当に大変な状態にあるわけなのですが,どうしても中身を見ると,特殊学級と普通学級,あるいは障害児と非障害児という2元的な感じで書かれているように思えてならないわけで,それがともに生きる,インクルージョンということと対立することだと思いますので,その辺では,対立ではなくて,インクルーシブな教育ということでぜひやっていただきたいと,この点は要望です。  そこで,最後ですけれども,土橋教育長,札幌の教育をナンバーワンじゃなくてオンリーワンにしたいということで決意表明をいただいたかと思いますけれども,この議論の中で,多くの親たちが,選択権がないのに親の負担だけがあると。だれも1年生から遠くの学校に通いたくないけれども,そうせざるを得ないと。いろんな意見が出ている中で,やはり私はインクルーシブな教育をやって,21世紀の特殊教育のあり方についての答申を超えるようなものを札幌がつくったときに,やはり札幌は日本のというよりは世界のオンリーワンになるのではないかと考えるわけなのですけれども,それについていかがか,お尋ねをしたいと思います。  あわせまして,審議会の当初,土橋教育長のごあいさつの中で,障害という言葉もいかがなものかというふうなご提言がございまして,私も今回改めていろんな学校施行令とか見せていただくと,障害を心身の故障というふうに表現をしております。故障ではないというふうに私は思うのですけれども,非常に問題のある表現だなと思いますし,いまだに知的障害を精神薄弱というふうに書いております。それから,特殊学級という言い方自体いかがなものかというふうに思いますし,文部科学省自体も直しまして,特別支援教育という言い方をされておりますので,その辺も含めて差別的な呼称の解消についてどのようにお考えか,お尋ねをしたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  私の方から,最初は2点というふうに考えておりましたが,今,最後に出されました名称等のことについても,私の方からお答えをさせていただければと思っております。  1点目の基本計画の策定は委員会が原案をつくるのではなくということでございますが,やはり施策でございますので,基本的に私どもに原案をつくらせていただきたいと思っております。  ただ,その進め方につきましては,市民の多様な意見を取り入れて進めていきたいと考えておりますし,委員もご案内のように,その特殊教育審議会のメンバーの中には多様な方々が含まれてございまして,それぞれのお立場で大変広い,鋭いご意見をいただいているところでございます。したがいまして,さらにそれらの検討を深めさせていただきながら,さらには2点目とかかわってまいりますが,シンポジウムを公開いたしましたけれども,それらも含めまして,市民の方々から多様な意見・要望をお聞きしており,これからもこのような姿勢のもとに基本計画の策定作業を進めてまいりたいと考えております。  それから,3点目の特殊学級あるいは特別支援学級,いわゆる障害児教育にかかわる名称等の問題についてでございますが,特殊学級も含めまして,特殊教育に関する名称や文言の見直しにつきましては,やはり市民に適切に理解されることが最も重要であると,このように考えております。したがいまして,国の動向も視野に入れながら,必要に応じて検討してまいりたいと,このように考えているところでございます。  以上でございます。 ◎土橋 教育長  札幌の教育をオンリーワンのものにということのご質問でございました。障害児教育の基本計画を,そうしたものの一つとして考えることはできないかということでございますけれども,私も,この間,出席をして,この審議会の模様を伺いましたけれども,鋭意検討しております。おっしゃっていた,ともに生きるインクルーシブあるいはインクルージョンなあり方というのは,共生の時代というふうに私も受けとめさせていただいて,そうしたことにおこたえできるように一生懸命努力をしていきたいということで意見を表させていただきます。 ◆長内直也 委員  私は,学校給食における牛肉の使用自粛につきまして,数点質問したいと思います。  この問題,毎日報道されております。非常に関心も高いわけでございます。  経過から簡単に話しますが,たしか9月10日でしたか,狂牛病の牛が,千葉県の方で見つかったということだったのですけれども,生まれが北海道産だということで改めてびっくりしたというか,特に北海道につきましては第1次産業が主要な産業でありますから,非常に大きな問題だと思っております。  そんな中で,国の方では,私がいただいた資料では,狂牛病に感染していても,脳と脊髄,目あるいは小腸の一部ですか,その辺につきましては感染性があるけれども,普通に食べる肉については問題ないと,あるいは乳製品や牛乳なんかは問題ないというふうな見解であるそうであります。これについては,恐らく,一貫しておりますし,全くその変更も聞いていないわけでありますけれども,当初から,肉骨粉なる聞きなれない言葉の飼料を与えられていて,それが主な犯人でないかということで,その犯人かどうかもまだはっきりわかっていないような状況なのかなと思っております。  それで,学校給食についての今回の自粛なのですが,先日,保健福祉局の方でも質問があったそうでありますけれども,その際も,いわゆる国の判断と同じで,肉については安全なのだということをはっきり述べたということであります。  ただ,一方,その同じ日に学校給食では自粛しますよと発表した。同じ札幌市の部局というか,教育委員会,見解がちょっと違うのじゃないかなと私は思っております。  その辺で,まず一つ目は,同じ札幌市の保健福祉局では安全だと,また,私も農政部の方にも聞いたのですが,そちらも普通に食べる肉については全く問題ないという認識を持っているということでありましたけれども,そうであれば,なぜこの時期に牛肉を一時自粛するということになってきたのか,この考え方をもう一度改めて伺いたいと思います。  それから,次は,自粛開始が10月9日ということでありまして,その日に保護者あてに説明文を配付するということになっておりました。これは当然,もう行ったのだと思うのですけれども,この辺についての保護者の意見,反応というものがどうだったのか,それを2点目にお伺いしたいと思います。  それから,私,正直言って,一番心配しておりますのは,こういう給食という公のものでの自粛,これが非常に影響としても大きいと思っております。私自身は,ある意味,危険とちょっと騒ぎ過ぎているのじゃないかなという嫌いも感じております。  そういった中で,例えば給食に使う材料というのは,全体から言えばほんの一部なのでしょうけれども,ここで自粛するということがほかに与える影響,これは非常に大きいと思っております。その辺,従来,カイワレの騒ぎとかいろいろありましたけれども,そういった面で大きく影響を受けてくると思いますし,きょうの新聞なんかでも,85%の消費者が不安に思っていると,あるいは売上高も3割から7割減だとかという報道もされておりますけれども,改めて教育委員会の認識として,特にかかわるものとしては食材の納入業者,特に食肉の製造販売業者への影響,これにつきましての認識,この3点についてお伺いしたいと思います。 ◎大西 総務部長  ただいまの3点のご質問に対して答弁させていただきます。  まず,1点目の学校給食における牛肉等の自粛についての見解でありますが,札幌市の学校給食におきましては,使用しております牛肉は危険部位とされていない精肉だけでございます。国際的な基準等から,農林水産省あるいは厚生労働省においても,食べても安全であるとされております。こんなことから,教育委員会として牛肉の使用の自粛は,当初は行っていなかったところでありますし,現在においても,安全であるという国の見解についても同様に理解をしているところであります。  しかし,10月に入りまして,厚生労働省におきまして,牛肉エキス等の原材料の調査等を製造メーカーに指導する動きが出てまいりました。このことによりまして,各方面で不安が高まりまして,これらのことから,私どもといたしましては,児童・生徒及び保護者の方々の心情に配慮しまして,一時的に牛肉加工品や牛肉エキス関連食品の使用を自粛したと,こういうことをさせていただいたところであります。  なお,この取り扱いにつきましては,あくまでも学校給食に対する信頼を確保するという視点でありまして,保護者の方々の不安を解消するための一時的な措置として行ったものであります。  次に,2点目のこの措置に対する保護者の意見や反応についてでございます。  牛肉等の使用の自粛につきましては,児童・生徒及び保護者の方々の不安を解消するということで,10月9日付で各学校から,自粛の内容につきまして,児童・生徒等を通して保護者あての説明文を配付させていただきました。これに対する保護者の意見や反応についてでありますが,使用の自粛前には,インターネットあるいは電話等でかなりの数の問い合わせがあり,また給食の実施そのものを危惧するような,そんな不安の問い合わせ等もありましたけれども,使用の自粛後は,各学校におきまして速やかな説明文の配付をいたしましたし,マスコミ等でも国等の動きまたは教育委員会の対応等も報道されました。こんなことから,保護者の方々からはほとんど問い合わせがございませんで,比較的落ちついて受け取られたものというふうに認識をしております。  3点目にお話しの食肉販売業者等への影響の件でございます。  牛肉等の使用の自粛につきましては,給食の食材の納入業者であるとか,食肉販売業者への影響が懸念されると私どもも考えております。これらの食材を取り扱う給食関係では,札幌市学校給食会そして北海道学校給食会と連携を図りまして,速やかな情報の提供を行いまして,関係業者の方々への影響が最小限となりますよう努めてきたところでございます。  関係業者への影響につきましては,その具体的な状況の内容は把握してございませんが,学校給食におけます牛肉を使用した献立は,小学校では月に1回ないし2回程度,中学校では月に3回ないし4回程度の状況でございます。また,牛肉の自粛による献立の変更に当たりましては,牛肉をほかの食品にかえて対応していただくことや,牛肉エキス等を使用しない代替製品の早期購入等を図ってもらう,こんなことによりまして,総体的な影響は少なくなるものというふうに考えているところであります。  以上でございます。 ◆長内直也 委員  今,改めて説明いただいたのですけれども,正直,ちょっと納得いかないのです。一つは,安全だという認識も持っておられるという中でも,実際には,保護者等の不安の高まりを抑えるためには自粛せざるを得ないということなのでしょうが,もう一つ,業者への影響を把握していないというのが,これは農政部の方だとか保健福祉局も一部入るかもしれませんけれども,市全体として把握していないということ自体,私はちょっと不思議に思っております。その辺,一つのことがほかにも影響が及んでいるということを当然認識していると思うのですけれども,そうであれば,ここで使っている部分,給食で使っている量が少ないからといっても影響は大きいという認識を持っていると思うので,改めて伺いたいと思います。あるいは,今後,調べていかなければいけないと思うのですけれども,その辺につきましてですね。  それから,一時自粛についてというのを発表したこの紙を見ると,厚生労働省において検査体制等が整い,牛肉等の安全性が確認され,不安が解消されたと市教委が認めた後に自粛を解除するとなっているのですが,検査体制は18日から全国的に全頭検査ということで,これはいいのでしょうけれども,それで,検査の結果,当然,そんなに長い期間はかからずに安全性が確認されると思っております。ただ,問題なのは,不安が解消されたと認めた後に解除するというのですけれども,解除しなかったら不安は解消されないのじゃないかと,私は逆に思っているのですが,この辺についても改めてお伺いしたいと思います。そしてまた,自粛解除の見込みはいつごろになるのか,これも示していただきたいと思います。 ◎大西 総務部長  ただいまの私どもの自粛によります業者への影響等についてどうなのだということでございますが,札幌市におきまして,この対策のために関係部長によります牛海綿状脳症対策会議というものを立ち上げまして,その中で,私どももこの自粛の内容等について説明をし,情報交換,または今後の札幌市としての対策等を私も加わって協議してまいりました。  その中で,やはり何といっても不安解消というのが一番であるという論議になりまして,さてそこで,その不安解消は札幌市が行うのか,国・道が行うのかというようなことになりまして,私どもとしては,経済局なり保健福祉局なりというところでございますが,やはり国・道が総体的な対策を講じているというようなことで,国・道に対して要望を行う,そんな趣旨でその会議は行われまして,北海道市長会を通じて要望をするという形になってございます。その中で,影響等についても論議がされましたけれども,しっかりとした数字については総体的にもなかなか難しいというふうに聞いたところでございます。  そこで,2点目の自粛の解除はいつなのかということでございますが,厚生労働省におきましても,狂牛病の検査体制が整い,牛肉等の安全宣言がなされ,また保護者の方々の不安が解消された段階で行うことにいたしたいと私どもは考えておりますが,委員お話しのとおり,現在,全国的な検査体制の整備がされるということで動いております。また,検査済みの牛肉等が一般に流通するには若干時間がかかると思います。これらのことから,自粛の解除の具体的な日にちを申し上げるのは,現時点では難しいと考えておりますが,いずれにいたしましても,私どもといたしまして,必要な情報または国の情報等を収集しまして判断してまいりたいと,こういうふうに考えております。  以上でございます。 ◆長内直也 委員  その辺,言いたいことは言わせてもらいましたけれども,最終的に言えることは,安全性の確認というものがなされたときに,速やかにどういう対応をとるかということだと思います。そういう意味では,不安というものがある以上,やむを得ないという判断も決して否定はしませんけれども,やはりいつごろになるのかということ,大体の見込みがあると思うのですけれども,ちょっとそれをお伺いして終わりたいと思うのです。  できれば教育長の方からもお考えを伺って終わりたいと思います。お願いします。 ◎大西 総務部長  ただいまの見込みでありますが,情報は今のところ新聞紙上でしかありませんが,国の検査体制は今月の18日から北海道を含めて検査をするというような動きであります。その肉が市場に出回っていくと,そして,それを使って加工品等がつくられていくというようなこと等があろうかと思います。そんな流れと,あと消費者,市民の不安の反応,これらを見定めて判断させていただきたい,こういうふうに思います。  以上です。 ◎土橋 教育長  私からもということでございますが,ご承知のように,新しい遠山文部科学大臣は,これからの学校は安全で楽しい場所にしていかなければならないと,繰り返しおっしゃられております。私どもも全く同感でございまして,安全ということが確実に確認された段階で速やかに対処していきたいというふうに考えております。 ◆村上勝志 委員  私は,大きく2点,通級指導教室と児童・生徒用の机・いすの早期更新について質問させていただきます。  通級指導教室は,軽度の障害のある児童・生徒に対して,教科の通常の学習などは在籍校で行いつつ,障害に応じた特別な指導を行うため設置しているものでありますが,この対象となる児童・生徒は,以前は特殊学級に在籍をしていたと聞いております。国は1993年度に通級による指導を制度化し,本市においては,いち早く言語障害,難聴,弱視の通級指導教室を設置しております。このことから,障害のある児童・生徒の保護者や関係者から高く評価をされているものであります。  そこで,質問の1点目ですが,各通級指導教室の設置校数と,現在通級している児童・生徒数及びここ数年の推移についてお伺いをいたします。  次に,質問の2点目として,教員の配置基準についてでありますが,通級している児童・生徒数に比べ教員数が少ないのではないかという声が聞かれます。教員数と教員1人当たりの指導人数及び配置基準について,現在どのようになっているのか,まずお伺いをいたします。 ◎岩崎 学校教育部長  私の方からお答えを申し上げたいと思います。  障害別の通級指導教室の人数とここ数年の傾向についてでございますが,まず小学校についてでございますが,言語障害の教室は9校に設置しておりまして,368人が通級してございます。また,その状況は増加傾向にあると,こういうふうに押さえております。難聴でございますが,4校に設置してございまして,40人が通級してございます。これは,ほぼ横ばい状態にございます。また,弱視につきましては1校に設定しておりまして,人数は10人で,これはやや減少傾向にございます。また,中学校についてでございますが,言語と難聴の教室を1校に,言語障害には10人,難聴には4人,それぞれ横ばいの状態での推移でございます。  次に,教員の人数と教員1人当たりの指導人数についてでございますが,小学校の場合,言語障害につきましては,教員が27人おりまして,1人当たりおよそ13人,難聴につきましては,教員が5人おりますので,1人当たりおよそ8人,弱視につきましては,教員が1人で10人の指導人数,こういうふうになってございます。なお,中学校につきましては,言語,難聴とも教員を1人ずつ配置しておりまして,指導人数は10人と4人,こういうふうになってございます。  次に,教員の配置基準,すなわち配置する際の国の目安ですが,おおむね10人に1人,週当たりは指導時数が24時間と,こういう目安になってございます。  以上でございます。 ◆村上勝志 委員  ただいまのお話で,9校368人,増加傾向にあると,こういうことでございました。言語障害の通級指導人数については,今ありましたように,増加傾向にあるということでございます。教員1人当たりの指導人数も多少のばらつきはあるけれど,そのようになっているのかなというお話でございました。児童・生徒数が増加しているにもかかわらず,これらに見合う教員の配置が10人に1人という部分で,適正に配置がされていないということは,適切な指導が十分に受けられないという状況にもなると思われます。そこで,質問でありますけれども,言語障害の通級指導教室における児童・生徒数に見合った教員の配置について,これまで,市教委としてどのように対応してきたのか,また今後の対応策についてお伺いをさせていただきたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  通級指導教室の教員配置につきましては,北海道教育委員会が国の基準から割り当てられました総数に基づき決定することになっております。したがいまして,これまでも,北海道教育委員会に対しまして,実態に見合う教員配置を要望しているところであります。今後も北海道教育委員会に対しまして適正な教員の配置を求めていきたいと,こういうふうに考えてございます。  以上でございます。 ◆村上勝志 委員  ただいまありました北海道教育委員会に要望していきたいというお話でございましたので,ぜひ強く要望していただきたい,このように思います。  そこで,言語障害の通級指導教室において,現在行われている言語障害などがある幼児への相談指導について,少しお伺いいたしたいと思います。  通級指導教室は,学校教育法施行規則によって小・中学生を対象にしており,幼児への指導は制度上は対象外であるということは承知しておりますが,本市の子供たちのために,教員が誠意と熱意を持ってこれまで取り組んでこられたということについては敬意を表したいと思っております。障害のある幼児に対して障害の軽減を図るためには,早い時期からの指導が非常に有効であるということからも,通級指導教育が軽度の障害のある幼児への早期からの指導の場として,少しでも早い時点で指導が受けることができるよう,指導体制の充実を図るべきと考えますが,この点についていかがか,お伺いをいたします。 ◎岩崎 学校教育部長  通級指導教室での幼児への指導体制の充実についてでございますが,今,委員の方からご指摘ございましたように,障害のある子供に対しましては,早期からの教育的対応を行うことが大変有効でございます。これらのことから,現在も保健福祉局との役割分担の中で連携をしているところでございますが,今後,より一層この連携の強化を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆村上勝志 委員  言語障害などは,少しでも早い時期に障害を軽減させるように幼児期からの指導を本格化すべきであり,福祉の街づくりを標榜する本市にとって,今お話がありましたように,保健福祉局とも十分に連携をとっていただき,通級指導教室における幼児の相談指導体制の充実を早急に図られますよう要望いたしまして,次の質問に移ります。  近年,教科書,ノートなどのA4判化あるいは情報教育としてのパソコンが導入されるなど,教育環境が大きく変化しており,また児童・生徒の体格も向上しております。このため,現在の机の規格では,ゆとりを持って授業を受けるには手狭な状況となってきております。国においては,1999年に,学習形態の多様化に対応するため,児童・生徒用机・いすの規格を変更しております。  そこで,本年度から整備を始めている新JIS規格の机・いす整備に関しまして,市教委の考え方についてお伺いをいたします。  その一つ目は,どんな基準で整備をするのかということであります。小学校,中学校,高等学校合計で319校の児童・生徒一人一人の立場に立てば,早く整備をしてほしいと思うのであります。  質問の二つ目は,新規格の机・いすを整備した後に,これまで使用してきた旧規格の机・いすが大量に排出される,こういうことになりますので,これらをどんな方法によって処分するのかということをお聞きしたいと思います。これまで,十数年間使用してきたものでありますけれども,使用できるものについては生かして活用するということは,循環型社会も含めて重要なことだと思いますので,この2点についてお伺いをいたしたいと思います。 ◎大西 総務部長  ただいまの机・いすのことにつきましてお答え申し上げます。  委員からお話しのとおり,本年度からおおむね10年をかけまして,小学校,中学校,そして高校に新JIS規格の机・いすの整備を行うということで,本年度は,小学校10校,中学校10校,高等学校2校の計22校ということで,この夏休みに整備を行ったところであります。  ご質問の整備の基準ということでございますが,新規格の机・いすを使用した小学生が中学校に進学いたしましたときに,旧規格の机・いすを使用することにならないように,また各区のバランスにも配慮しまして整備してまいりたいというふうに考えております。  また,旧規格の机・いすの処分,活用についてでございますが,基本的には旧規格をまだまだ使用している学校がございますので,その破損補充用として充ててまいりたいというふうに考えております。また,今年度につきましては,約7,000組余の机・いすを他への活用ができることになりますが,お話のとおり,リサイクル等の視点や国際貢献等の観点から,活用方法を検討したわけでございます。幸い,外務省からODAリサイクル草の根無償制度の輸送費助成を受け,カンボジア王国現地NGOを通じまして,プノンペン市の学校に無償供与いたしまして,この10月から子供たちに使っていただいているところでございます。  以上でございます。 ◆村上勝志 委員  ただいまお伺いしましたご答弁,有効活用もするということでありますし,今年度から10年間で更新整備を行うと,こうお聞きいたしました。厳しい財政状況にあるとは思いますけれども,机・いすについては日常の学校生活の中で子供たちが一番身近に使用するものでありますし,健康面を初めとする学習内容や授業形態などにも密接に関係するものと思われますので,10年と言わず,もっと早い時期に整備を終えるべきと考えますが,これについて市教委の考えをお伺いいたしたいと思います。 ◎大西 総務部長  早期整備をというお話がございました。私どもも,通常13年程度,机・いすを使っていただいておりますが,今次,それを少しでも早くということで10年計画でやっているわけですが,厳しい財政状況でありますが,お話のありました児童・生徒が等しく整備された環境で学習することは大変大切だというふうに考えますので,できる限り早期に整備できるよう努めてまいりたいと思います。
     以上でございます。 ◆涌井国夫 委員  私の方から,大きく2点質問をさせていただきます。まず1点目の本市の学校給食における取り組みについてお伺いをしたいと思います。  学校給食における米飯給食の取り組みについてでありますけれども,米飯給食については,食事内容の多様化を図り,栄養に配慮した米飯の正しい食事のあり方を身につけさせる見地から,教育上,極めて意義のあることだというふうに思っておるわけであります。  文部科学省が週3回の実施を求めておりまして,全国の平均実施回数は週2.8回となっており,道内の平均実施回数が週2.6回にもかかわらず,本市はいまだ週2回と,最低でございます。食糧自給率の低下が叫ばれ,特に米の生産調整の拡大など,農業問題の大きな要因はやはり消費であるというふうに思うわけであります。  ある小学校の献立を調べてみましたら,ほとんどパンやめん類など,いわゆる小麦粉製品なわけであります。パンあるいはラーメンなど,小麦粉を中心とした献立が7割を占めている状況でございます。21日間のうち,御飯は7日間しかなかったと。純然たる御飯,みそ汁というのは2日間しかなかったわけでございます。このような学校給食では,御飯をしっかり食べる大人にはならないと,ある識者はそれを憂えて,米離れ養成所とかファーストフード予備校だと言う人もいるわけであります。子供時代の食生活が一生の味覚を決めるというふうに言われておりまして,そこで,本市の米飯給食の実施回数を週3回にふやす考えはないのか,お伺いいたします。  それから,ランチルームと食教育についてでございます。  現在,楽しさとゆとりのある給食推進事業を進めておるわけでありますが,給食環境を改善する上で,ランチルーム形式での給食は,広々とした部屋で大勢で食事をすることにより子供たちの会話が弾み,気分転換にもなり,食に関する教育としても効果が期待できるわけであります。そこで,ランチルームの整備状況とその利用・活用状況についてどのようになっているのか,お伺いいたします。  現代の若者については,すぐキレやすい,怒りっぽい,すぐ反発する等の批判がありますけれども,その要因の一つに,食生活の乱れが関係しているのではないかという意見もあるわけであります。規則正しい食生活を身につけるためには,子供のときからの食教育,食指導が極めて重要であります。来年から始まる新学習指導要領にも食生活に関する学習内容を充実してきているわけであります。学校栄養職員がその専門性をますます発揮して,積極的に食生活の指導に取り組み,児童・生徒が正しい食生活と食習慣を身につけるよう期待されるわけであります。  そこで,現在の学校での食に関する指導状況,特にランチルーム等を利用した指導状況と学校栄養職員の配置状況はどうなっているのか,お伺いいたします。  3点目は,先ほど長内委員の質問と重複しないように質問をさせていただきますけれども,この9日に教育委員会が,牛肉等の使用ということの一時自粛を決定したということでございます。先ほどのご答弁では,さまざまな業界の影響を受け,評価はなかなか出せないというようなお話でありましたけれども,やはり甚だ遺憾ではないかと。実際に,道内の牛肉業者の社長さんが自殺されたという事実を考えると,見えないところで,はかり知れない影響が起きている。しかも,教育委員会は,ある意味では,食について,あるいは教育的な部分をつかさどる一番重要な社会の柱だと思っているわけであります。  マスコミですとか,あるいは評論家のいろんなご意見がありますけれども,いろんな風評被害を防いでいかなくてはならない,僕はその使命が教育委員会にあるのではないかというふうに思います。にもかかわらず,この風評被害に乗って,ある意味では,文部科学省が牛肉エキスについての問題だけで自粛を求めたわけでありますけれども,牛肉そして牛製品まで拡大して自粛をした,明らかに行き過ぎであると,こういうふうに僕は思いますけれども,その点についても,もう一度お答えをしていただきたいと思います。  以上でございます。 ◎大西 総務部長  米飯給食,その他牛肉問題についてお答えを申し上げたいと思います。  まず,米飯給食でございますが,札幌市の学校給食における米飯給食の実施状況でございますけれども,米飯給食は,食事内容の多様化,あるいは日本食の食生活を子供たちに理解してもらうというような意味から,全国的に増加傾向にございます。本市におきましても,昭和49年から月2回,昭和63年から週1回,平成7年から週2回に回数をふやしてきてございます。米飯給食の回数につきましては,文部科学省が週3回の実施を求めておりまして,また,最近の子供たちの嗜好の変化等によりますと,パンから米飯への要求も強まっておりますし,現状の週2回からふやす必要があるというふうに,私どもも考えております。  しかし,具体的には,現在の1週間に米飯が2回,パンが2回,めんが1回となってございます。米飯が週3回ということにいたしますと,献立全体の見直しや,米飯給食がパン給食に比べまして若干栄養量が不足となります。これは,副食の中でどのように補うかというような検討も行います。また,現在の施設設備の中で回数の増加をどのように図っていくか,その手法も検討する必要がございます。これらのことから,諸課題がありますので,米飯の回数増に向けまして検討してまいりたいと,こういうふうに考えております。  次に,ランチルームと食指導についてであります。  平成11年から,本市では,楽しさとゆとりのある給食推進事業ということで,ランチルームを活用した食指導,そしてランチルームの整備ということで進めてきております。平成12年度までに96校の整備を終えまして,平成13年度は52校の整備を予定しております。これまでに,計画全体の48%に当たる148校の整備を終えてございます。  ランチルームの利用状況でございますが,いずれの学校におきましても,多目的室等をランチルームとして,他の学級や学年との交流給食など,積極的に活用を図っているところでございます。  平成12年度の改善校26校においてのランチルームの使用実績でございますが,年間1,288回でございます。1校平均いたしますと,年間50回でございます。使用の学級数につきましては,延べ1,873となってございます。  次に,食指導に関してでございますが,ただいま申し上げました,楽しさとゆとりのある給食推進事業の中では,食指導をメーンに据え,栄養職員による食指導を担当教員とチームティーチングを活用し,教科等,授業参画もいたしまして積極的に推進すべきだ,このように考えております。栄養職員につきましては,現在,小・中学校合わせまして184名おります。  ランチルームを利用いたしました食指導でありますが,異学年・異学級交流等の会食形態を取り入れ,豊かな人間性をはぐくむ場として活用させていただいておりますし,子供たちがみずから選んで食べる力を身につける,こういうリザーブ給食やバイキング給食などを導入いたしまして,あわせて,栄養職員が献立の説明であるとか,栄養の話であるとか,食べ方の指導などを行い,効果的な食指導の場としても活用しております。  牛肉の話についてでございますけれども,先ほどもお話をさせていただきましたが,私どもとしても,本市に設置されました,いわゆる狂牛病対策会議,この中で影響等については検討していただくということで,その場での協議をさせていただいたところでありますが,いずれにいたしましても,先ほどお答えをさせていただいたとおりの状況を勘案して,今後,私どもも解除を含めて検討させていただきたい,こういうふうに思っております。 ◆涌井国夫 委員  まず,米飯給食の件でございます。  さまざまな課題があるのだということでご答弁いただきましたが,私の調べたところでは,委託炊飯業者でつくっている札幌アール・ビー・エム協同組合というところでございますけれども,ここで集中的に炊飯の委託を受けているということで,1社で受けている,独占と言ってもいいわけであります。しかも,そこの炊飯設備がある意味で不十分で,なかなか対応できないのだというようなことがあるわけであります。しかし,国の方では学校給食米飯推進緊急対策事業というようなこともありまして,国の補助制度でありますけれども,こういった制度も活用するなりして対応すべきだというふうに思うわけであります。  お米を炊くぐらいはお弁当屋さんでもできるわけで,今,大変不景気で困っている,もっともっとやはりそういったようなことで,広くすれば対応は可能なわけであります。もっと強く教育委員会の方としては申し入れをし,何とか改善をして,週3回,すぐ来月から,難しいのであれば,段階的に取り組むなど工夫をして,実施回数をふやす考えはないのか,再質問でございます。  それから,ランチルームの件でございますけれども,ランチルームと食に関する指導であります。  今の整備状況をお聞きしても,まだまだ48%,148校ですか,整備がされていないというようなことで,まだ未整備の学校が多くあるわけであります。今後の整備計画についてお伺いしたいと思います。  さらに,食に関する指導の充実について,十分満足しているとは言いがたい。例えば,学校栄養職員が未配置の学校もあるわけでありますが,私は,未配置の学校については,国が示しているように,特別非常勤講師制度の活用とか,あるいは栄養職員を派遣するなど,創意工夫して効果的な指導ができるようにすべきだというふうに思いますけれども,この点についてお伺いいたします。  狂牛病の話でありますけれども,今,まさに厚生労働省の方で,いわゆる特定危険部位を使ったものについての,エキスですとかそういうものについては,きちんと原料メーカーに問い合わせて調査をして,そして保健所に報告をしなさいと,こういう指導通達でございます。きのう,インターネットを通してさまざまな食品メーカーのホームページを開きましたけれども,ほとんどと言っていいほど,大きな会社については,弊社の商品の安全性ということで,ここにかかわる部分についての安全宣言ともいう文章がホームページに掲載されているわけであります。ある意味では,そういった危険性がないのであれば,やはり解除すべきでもあるし,そういったような判断をきちんと教育委員会がきめ細かく一つ一つ検証して,何か風評被害に驚かされるのではなくて,きちんとした考え方を持って取り組んでいくことが大事な教育を課せられた皆様方の仕事ではないかと,こういうふうに思います。解除についても,早急にしていただくことが大事じゃないか,こういうふうに思いますけれども,その点についてお伺いいたします。 ◆道見重信 委員  (関連)今,涌井委員から米飯給食の質問がありましたが,私は,それについて関連して話をします。  教育委員会は,米飯給食の話をすれば,食事の多様化とか,社会の対応をしなきゃならぬとかという答弁が返ってくるのですよ。確かに,いろんな食事が多様化した時代は,そういうことを学校教育の中で取り入れるというのは,私は何も意味はないということは言いませんが,現代は,逆に多様化という問題は家庭に任せればいいのですよ,今日は。むしろ学校給食が必要だとすれば,原点に立った食事に戻すというのが,今,学校教育において最大必要なことなのですよ。  教育長,ここ何といいますか。こめかみと言うのですよ,パンかみとは言わないのですよ。これは日本の文化ですよ。  今,シック症状の話も出ましたが,アレルギーのことも,すべて食塩病というふうに言われているのですよ。これは,科学的にも学者が説明している。教育委員の皆さん方もよく知っているでしょう。昭和55年ぐらいごろ,学校の校内暴力が盛んになったときに,岩手大学の名誉教授の大沢博教授が,各学校,PTA主催でいろいろ講演して,荒れた子供の原因とその結果を講演して歩いたのです,全国行脚して。もちろん,ビタミンB群が不足すれば,マグネシウム,カルシウム,燐とか,いろいろな影響を受ける。私は,栄養士と別にここで議論するつもりはないけれども,そういうことをきちっと考えたときに,米だから,みそ汁にホウレンソウにウルメイワシになるのだよ。パンにスパゲティーにウルメイワシにはならないのだよ,ホウレンソウにならないのだよ。日本人の原点の食事をきちんと食べさせて,初めて子供の精神が安定する。これは,動物実験で証明されているのだよ。  清涼飲料水にスナック菓子,甘いものを食べさせたら,動物はどうなるか。マウスの実験でも,便はやわらかくて,どう猛になって,手を入れりゃかじるのだよ。馬とか羊だとか象とかキリンは,あんなでかい体だって草食動物だよ。体はもっているのだよ。そして,草食動物はみんなおとなしくて温厚なのだよ。これは,自然界が全部証明しているのだよ。(発言する者あり)歯型が一番証明,このとおり学校給食の栄養は料理すればいいのですよ。20本は臼歯なのです,8本は門歯で草だ,20本は臼歯で穀物。4本しか肉と魚を食う歯はないのだよ。20対8対4なのだよ。そういう中で食事をしたときに,穀物菜食というのは原点なのだよ。これを失っているのが今の教育現場なのだよ。  涌井さんの質問は当たり前で,私,当選してから言ってきていることだ。それをまじめに教育委員会が真剣に考えて,ようやく米が1回が2回になっただけだ。それ以後,どういうふうに検討したの,それをまず答えて。  そして,私は今,簡単な健康講座をやったけれども,教育長はどういうふうに感じましたか。今の話で,的確にわかると思う,皆さん方には,一番わかりやすいと思うよ。お答えください。 ◎大西 総務部長  ただいま,米飯の回数増ということで,ぜひ3回にということであります。段階的に回数をふやすことも考えてまいりたいと思いますし,また,米飯給食につきましてもろもろの条件がありますが,その解決に向けて,私ども努力をしてまいりたいと,こういうふうな決意でありますので,ご理解いただきたいと思います。  また,道見委員から,これまでにどういう検討をということでございました。確かに学校現場では,炊飯器そのものがございませんで,いわゆる副食等を炊くかまで御飯を炊くと,そんな状況でやってきてございます。そんなことから,委託で週1回の白米を炊いてもらうと,こんなことで週2回の実施をしてきているところであります。それらの課題を含めて,これから鋭意努力してまいりたいと,こういうふうに思います。 ◎霜觸 教育次長  狂牛病の件につきまして,私からお答えを申し上げたいと思います。  ぜひご理解をいただきたいのは,学校給食は行政である我々と親との協力関係の中で成り立っているということでございます。と申しますのは,食材を100%親の負担で補っているということでございます。そういうことからいたしますと,先ほどお話にも出てまいりましたけれども,現在,消費者の80%の方々がやはり不安に思っていると。これは,16万の児童・生徒がいるわけで,その保護者はまさに同じ視点でございまして,やはりその辺のところを私どもは十分配慮をしなければならない立場であるというふうに考えているところでございます。  できるだけ早く安全宣言等が出され,だんだんそういった不安が解消され次第,私どもも,もとに戻してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◎大西 総務部長  ちょっと抜けておりました。  ランチルームの整備と食に関する指導の強化について,2点お答えを申し上げます。  ランチルーム整備の考え方でありますが,多目的室のような利用可能な教室が必要なことから,これまで,学校における空き教室等の状況を的確に把握し,現5年計画では平成16年度までに残りの分を整備するということで計画をしてございます。これに従って着実に推進をしてまいりたいと,こういうふうに考えているところであります。  また,食に関する指導の充実強化についてでありますが,平成13年2月に作成いたしました食に関する指導の手引きというものがございます。これと,実践資料集というものもつくってございます。これらを活用いたしまして,栄養士におきましては,各学校で食指導教育ができるということで,先生等の協力を得ながら,現在,頑張っているところでございますし,さらに,委員のお話にありました栄養士のいない学校,いわゆる調理校ではない,子学校でありますが,これらにつきましても,年間指導計画等を作成しまして,親学校の栄養士等の協力も得ながら,今後,教職員の共通理解をいただきながら推進をしてまいる,こんな想定をしております。  以上でございます。 ◎土橋 教育長  先ほどは,道見先生から食と栄養に関するご講義をありがとうございました。しばらく使っていなかったこめかみという言葉,私,忘れなくてよかったと思っておりますが,私も実は米食派でございまして,我が家ではお米を一生懸命食べておりますが,できるだけお米を学校でも食べるように,実は,昨日以来,この話も教育委員会の中で検討しておりますので,前向きに検討させていただきたいと思っております。 ◆涌井国夫 委員  米飯給食については,ぜひ取り組みを早急にやっていただければ,大変ありがたいと思っております。  皆様はご存じかどうかわかりませんけれども,地産地消という言葉がございまして,地域生産・地域消費の略語でありますけれども,要するに北海道の農産物を多く使って食べようというようなことであります。また,JAグループの提供ではありませんけれども,米飯学校給食ゴーゴー運動というのもやっているそうでありますので,長崎県なんかは,やはり学校給食の地場産の自給率を上げようということで調査もやっているわけであります。具体的な食材について,北海道のものをより多く,豊富でありますので,取り入れていただけるように努力をいただければと。確かに,大都会ですので,ある意味では安定した供給ができない難しい課題もありますが,工夫をして,どうか使っていただけるように努力をお願いしたいと思います。  米飯給食というのは,食習慣,人格形成の重要な時期に当たる子供たちが正しい食生活を身につけ,食糧,農業,農村に対する正しい理解と愛着をはぐくむ上で極めて重要な役割があるというふうに思いますので,一層の取り組みを要望しておきます。  次に,食の指導,ランチルームのことでございますけれども,文部科学省の食の指導に関する指導の中にも若干触れていると思いますけれども,食の領域を学ぶということは人間の生活や文化と生きる知恵を学習することなのだというふうに書いております。確かに大事な視点だなと感じるわけであります。  学校医の方が,ここ数年,朝食は菓子パンに牛乳ですとか,コーンフレークと牛乳あるいはジュース1杯,または全く朝食なしという子供もいれば,みそ汁をつくったことのない主婦さえいるというふうに言われておりました。ぜひ食生活改善は学校給食からと,食指導だというふうにとらえて,精力的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。  狂牛病の自主規制については,いろんなご意見があろうかと思いますけれども,やはり現実的に教育委員会が主体的にきちんとした判断を持って,風評についてはきちんと不安を取り除くということが僕も極めて大事だというふうに思いますので,さまざまな情報を的確に提供することもやはり大事なことではないか。混乱して不安になっている場合もあるわけでありますので,そういったようなきちんとした正しい報道あるいは情報といったものを伝えていくすべをきちんと持っていただきたいと,こういうふうに思っております。  最後の大きな2点目でありますけれども,教員のカウンセリングに関する資質向上策ということについてであります。  この問題については,昨年の第3回定例市議会代表質問で私が質問させていただいて,教育長から,既存の枠組みにこだわることなく,実効的な研修を行う旨の答弁をいただいたところであります。その後1年を経過しておりますけれども,依然として凶悪な少年事件あるいは家庭内暴力,児童虐待など,子供をめぐる事件が後を絶たない状況で,心が痛むわけでございます。  平成12年度の不登校児童・生徒数は,先ほどお話ししましたように,全国で13万4,000人を超えたということでありまして,まさに歯どめがかかっていない状況でございます。  子供の心の問題というのは,その背景や原因がどこにあるのか,またどのようにかかわりを持って向き合っていけばいいのか。その担当の教員の資質がやはり大いに求められているし,また対処方法についても極めて難しい課題ではあると思います。しかし,子供の心のシグナルをとらえて早期に発見し,子供の不安や悩みを受けとめて,ともに解決の方策に取り組んでいくことが極めて大切なことだというふうに思うものであります。そうしたことからも,例えば教員に対するカウンセリングの技術の向上のために,内観療法と言われる,子供が自分の内面を見詰め直し,生い立ちを通し人間のきずなを見詰めていくなどの心をいやしていく手法,あるいは行動療法などとも言われる手法を取り入れた研修もぜひやはり必要ではないかというふうに思うものであります。また,現在,心理の専門家であるスクールカウンセラーの拡充を図ることで,学校におけるカウンセリング機能の充実が期待されております。  そこで,質問ですけれども,教員の研修において,カウンセリング技術の向上のためにどのような取り組みをしているのか,お伺いいたします。また,スクールカウンセラーの配置校において,教員に対するカウンセリングの技術の向上のためにどのような働きかけをしているのか,お伺いいたします。 ◎高橋 指導担当部長  まず,教員研修でのカウンセリング技術向上の取り組みについて申し上げます。  現在,教育センターにおきまして,生徒指導や教育相談の研修コースに,児童相談所の相談担当員,あるいは児童養護施設の指導担当者,大学の教授,あるいは臨床心理士の方々を講師として招聘して研修を行っております。その内容といたしましては,子供を理解するための相談活動のあり方の講義,具体的な事例をもとにした対応のありかたやカウンセリングについての演習などでございまして,いろいろな研修の形態を用いて技術の向上に努めているところでございます。  次に,スクールカウンセラーの配置校での教員に対する働きかけでありますけれども,スクールカウンセラーは,配置校において児童・生徒に対してのカウンセリングはもとより,教員に対するコンサルテーションを行っております。教員が抱える個々の事例に対しまして,それぞれのカウンセラーが持つ手法を活用しながら細かくアドバイスするとともに,日常的に相談に当たっております。また,校内の研修会では,カウンセラーが講師となって講義や講演,あるいはロールプレイングなどの手法を取り入れた演習を行っているところでございます。  以上でございます。 ◆涌井国夫 委員  スクールカウンセラーを配置している学校が少ないとはいえ,積極的に取り組んでいるのだなと。しかし,全体からすると,まだまだ十分に配置しているとは言いがたいわけであります。教員のカウンセリング向上のためには,心理カウンセラーとの連携や,研修をしていく,また現場の教員からの心理専門家の相談体制ももっと気軽に開かれた体制にすべきだというふうに思います。  そこで,今後の教員のカウンセリングの向上のためにどのように具体的に取り組もうとされているのか,お伺いいたします。 ◎高橋 指導担当部長  教育委員会では,これまでも,精神科医や臨床心理士などを講師として派遣いたします事業や,スクールカウンセラーの配置事業などに取り組んできているところでございますけれども,教員のカウンセリングに関する意識や技術の向上については,ますます必要性を増しているところと思っております。今後とも,これらの事業の一層の充実を図るとともに,カウンセリングに関する研究者や実践家を招聘するなどして,教員にとって実効性のある内容を組み立てながら,研修内容の充実を図るとともに,各学校において校内研修会等でカウンセリングにかかわる資質・能力の向上に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆涌井国夫 委員  要望にしておきますけれども,きのうもいろいろなニュースがありましたけれども,児童相談所ににおける児童虐待の通告の経路というのは,民生委員,福祉事務所の次に学校からの通報が多いということで伺っております。ある意味では,事例によって,孤独で複雑な難しい問題を抱えていることはわかりますけれども,人権や命にかかわる問題は,ちゅうちょすることなく,関係者の連携が極めて重要だというふうに思っております。その取り組みについて強く求めて,終わりたいと思います。 ◆岩村よね子 委員  私は,学校図書館について質問いたします。  1953年に学校図書館法が成立しまして,当分の間,司書教諭を置かないことができるとされた特例が,97年の改正で廃止され,2003年4月より,全国の12学級以上の小・中・高に司書教諭の配置が義務づけられます。この法改正は,子供たちに知的好奇心,探求心を持たせ,みずから学ぶ意欲と主体的に学ぶ力を身につけさせ,生きる力をはぐくむために学校図書館が中核の役割を果たしていくことが趣旨と言われ,本市においても,学校図書館の充実が一層求められているところでございます。  そこで質問ですが,まず,学校図書館の役割と機能の充実強化について,法改正の趣旨を踏まえて,活性化に向けてどのように取り組むのか,伺います。  次に,図書館のない学校の現状とその整備策についてです。  本市には,現在,専用のスペースとしての図書館のない学校が,小学校で4校,中学校で1校あり,現状は余裕教室の1室や廊下部分,多目的室の一部を使ったり,コンピューター教室と兼用で使用したりしているということで,1定で我が党の坂本議員が早急な整備を求めたところ,十分とは言えないまでも図書室として機能を確保している。今後,余裕教室の発生状況の中で,他の整備すべき特別教室等の優先度も勘案しながら,可能な学校から整備を検討していく,増築は困難と答弁されております。  学校図書館法第3条では,学校には学校図書館を設けなければならないと設置義務が設けられ,他の特別教室とは違う位置づけになっております。これらの五つの学校には,最初から専用図書館がなかったのでしょうか。コンピューター教室や多目的教室との兼用,余裕教室が出たらそれを使うというように,図書館が軽視されているとしたら,もっと積極的に打開していく方策を教育委員会は持つべきではないでしょうか。ことしの1定以降,これらの学校の具体的な整備計画が立てられたのかどうか,伺います。 ◎高橋 指導担当部長  まず,学校図書館の機能と役割について,私の方からお答え申し上げます。  学校図書館は,委員ご指摘のとおり,学校図書館法の第3条で各学校に設置することが義務づけられているものでございまして,その目的は,図書や学校教育に必要な資料を収集,整理,保存し,これを児童・生徒や教員の利用に供することによって,学校の教育課程の展開に寄与するとともに,児童・生徒の健全な教養を育成することと述べられております。  学校図書館の果たすべき役割としては,具体的に申しますと,児童・生徒の自発的・主体的な学習活動を支援しながら,学校の教育課程の展開に寄与していく学習情報センターとしての機能と,児童・生徒の自由な読書活動や読書指導の場となり,さらには豊かな心をはぐくむオアシスとなる,読書センターとしての機能の二つが求められているものと考えております。  以上でございます。 ◎大西 総務部長  図書室のない未整備校の整備見通しについてであります。  1定で坂本議員に対して説明をしたとおりでありますが,現在,5校につきましての見通しでありますが,不足教室等の解消という意味で,なかなか補助対象の面積が出てこないということ,または他の2校につきましては,今後,子供たちが減っていくというような見通しがあるものですから,増築等の補助も得られないというような状況がございます。ただ,この課題は十分認識しております。  現時点におきましては,スペース的に多少不足でありますが,図書スペースというような意味で,書棚等,その機能ということで保持されているところであります。解決につきましては,いましばらくお時間をいただきたい,このように考えております。 ◆岩村よね子 委員  最初から図書室がなかったのかどうかということについて,ご答弁がございませんでしたので,その答弁をまずお聞きしたいと思うのですけれども,先に再質問を言ってしまいます。  専用スペースの図書館がない学校への具体的な計画というのは,はっきりしていないと。今,具体的にいつまでどうするということが,はっきりしていないわけですけれども,そういうふうな状況で,最初にお答えがございました図書館の機能,読書センターとしての機能や情報センターとしての機能,子供たちの心のオアシスとして,本当に豊かな心をはぐくんでいくというような,そういうふうな学校図書館の機能というのが本当に生かされていくのでしょうか,非常に私は疑問に思います。  また,ない学校というのは,あいの里西小学校,栄町小学校,大谷地東小学校,厚別東小学校,上篠路中学校というふうになっておりますけれども,学級数が17で,国の基準では171平方メートルの図書館が必要なあいの里西小学校では,たった1教室,64平方メートルのスペースで学校図書館の開放事業も行っており,専用の図書館は,PTAの方々の強い要望となっております。  また,多目的ラウンジの一部を使用している未完成校の上篠路中学校においても,専用図書館が欲しいという先生の声が大変強くなってきております。未完成校ですので,今後,子供がふえる,減るとかという問題ではなく,十分増築していけるというような可能性はあるはずですので,ここのところはぜひ増築して,専用図書館をつくるというふうに検討し直していただきたいと思います。  また,余裕教室が発生するのを待ってということで,そんなふうなご答弁がありますけれども,全庁挙げて,今,少子化対策に取り組んでいるということだと思うのです。そういう本市の施策に照らし合わせて,子供がふえてきたら,また余裕教室で使っていた図書館を普通教室に振りかえるということで,また図書館が犠牲になっていくのでないか,こういう事態になっていくのではないでしょうか。余裕教室を待つという姿勢は本当に私は納得できない,そういうことでございます。  学校図書館の活性化が,図書館もないというふうな事態で,本当に図られていくのかどうか,再度お考えを伺いたいと思います。 ◎大西 総務部長  当初より学校図書館がなかったのかどうかということにつきましては,ただいま,手持ちの資料がありませんので,後ほどお届けをさせていただきたいと思います。  また,あいの里西小学校につきましても,今,個別の事案について,資料を持っておりませんので,これにつきましても全体の中での検討の一つということで検討を進めさせていただきたいと,こういうふうに思います。 ◆岩村よね子 委員  図書館のない学校について,どういうふうな歴史と経過があったのかというのも把握されていないということに,私は本当に遺憾に思います。  それで,1994年に,国が図書館の面積基準を小・中とも3.7%引き上げるように改正したのに伴って,本市もそれに準じて2教室サイズのところは2.5教室分に,128平方メートルを160平方メートルにするように進めているわけです。その中で,まだ小学校209校のうち68校,中学校で98校中24校ということで,まだまだこれからなわけですけれども,今後,学校図書館へのコンピューターの導入であるとか,データベース化,ネットワーク化ということで,図書室にコンピューターが3台,4台と入ってきまして,ますます狭くなっていくというふうなことも考えられるわけですから,すべての学校に基準どおりの面積を持った専用図書室の整備は,学校図書館の機能充実の基本中の基本だというふうに思うわけです。180万都市の札幌市に専用図書館がない学校があるという,そういう不正常な状況を一刻も早く解決するように強く要望して,次の質問に移ります。  学校図書数の充足の問題ですけれども,国が定めた標準図書数から見まして,99年の充足率は,小学校で56.4%,中学校で37.2%と,政令指定都市の中では下から2番目と,大変不名誉な数字となっております。2000年度末でも,小学校で61.5%,中学校で41.1%となっておりまして,他政令市では,100%を超えているところもあるわけで,80%,90%台に遠く,及んでおりません。  昨年の3定で,図書の標準そのものを目標として検討していくというふうに,100%目標達成に向けて検討していくというふうにご答弁されておりますが,この100%達成に向けて,整備目標は何年に何%までと,そういう具体的なものを持っておられるのかどうか,伺います。  また,司書教諭のあり方についても伺いますが,2003年4月から配置が義務づけられております司書教諭の専任配置を,我が党は昨年の3定でも求めたところですが,答弁は,定数配置はとられていないので,公務の一つとして分掌していく,担当授業時間数の軽減を図るなど検討するということでした。  そこで,伺いますけれども,例えば小学校の場合,学級担任を兼務しながらの司書教諭は,どの時間帯で,どのような仕事内容と業務量で,どのような役割を果たしていくことになるのか,これまでの図書係の先生とはどこが違うのかをお示しください。  また,97年6月の学校図書館法の一部を改正する法律案に対する附帯決議では,政府及び地方公共団体は,司書教諭の設置及びその職務の検討に当たっては,職員配置を含めた学校図書館整備のための地方公共団体独自の施策をより一層充実するよう配慮することとありますが,独自に教員の加配を行って,司書教諭の専任化を積極的に進めるべきと思いますがいかがか,改めて伺います。 ◎大西 総務部長  学校図書館の図書の整備につきましてお答えを申し上げます。  これまで,学校図書館図書整備につきましては,学校図書館図書標準の充足に向けまして購入整備の努力を重ねておりますが,11年度に各学校におきまして,大幅に図書の整備をしたため,充足率が減という状況になってございます。10年度は,小学校において81%,中学校においては62%の充足率でございましたが,12年度末現在におきまして,小学校におきましては70.8%,前年比5.6%の増,中学校におきましては44.1%,前年比4.0%の増ということになってございます。  また,委員お話しのとおり,整備に力を入れていくということで,学校配当予算,図書整備費を増額ということで図っておりまして,これまで,平成11年度に小・中学校に配分した額は約1億100万円余でありましたが,12年度は1億7,200万円余,そして13年度は1億8,500万円余ということで,増額の努力をしてきてございます。  なお,充足率100%に向けましては,いましばらく時間がかかるというふうに考えておりますけれども,いずれにしましても,可能な限り予算の弾力的な運用を図りながら配当予算の増額に努め,早期達成への努力をしていきたい,こういうふうに考えております。 ◎岩崎 学校教育部長  私の方から,2点お答えを申し上げたいと思います。
     1点目は,司書教諭も含んだこれからの図書館の中での,従来の図書係の仕事との絡みについてでございますが,現在,図書係は,それぞれの学校でその仕事の内容が分担,いわゆる分掌されておりますが,主に図書室の管理運営,それから購入図書の選定,図書台帳の整備及び図書室利用にかかわります児童・生徒に対する指導などの業務を行っております。  その時間帯等につきましては,それぞれの学校での取り組みではございますが,お昼休みあるいは放課後等,これらが実際に子供たちとかかわる時間帯となってございます。全体計画等に関しましては,それぞれの分掌の中での取り組みと同じような時間帯で行っているところでございます。  なお,特に小学校の場合の困難さという点もご指摘があったところでございますが,あくまでも学校経営全体の観点に立って,それぞれの職務が職員全体の中で遂行されるものと思われますので,学校図書館の運営につきましても,お互いにそれぞれ協力し合いながら学校体制の中で行われるものと,このように考えておりますので,司書教諭はこの分掌の中での位置づけと,こういうふうに押さえているところでございます。  2点目につきまして,私ども教育委員会といたしましては,司書教諭の専任化につきましては,指定都市の教育委員教育長協議会あるいは北海道都市教育委員会連合協議会,これらを通しまして,国及び道に対しまして,専任教員としての定数配置を要望しているところでございますので,これからも要望を続けるとともに,この推移を見守りたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◆岩村よね子 委員  図書数の充足率についてですけれども,目標達成に向けての年次計画を持っていない,いましばらく時間が欲しいというふうなことでございました。ということは,100%への目標をいつまでも掲げ続けるけれども,いつになるかわからないという,本当に無責任なものになっていくのではないでしょうか。  なぜ年次計画が立てられないのか,そのことについて,もう一度伺いたいと思います。  また,現場の先生方は,本当に本が足りない,そういうことを訴えております。そして,充足率ですけれども,今,小学校で70.何%というふうなご答弁ありましたが,私は61.5%という資料しかいただけなかったのです。それで,学校によっては,14学級の標準図書数でいきますと1万6,720冊,実情は4,800冊と,30%に満たないところもあります。平均の半分以下。本棚ががらあきになっています。中学校においても充足率が40%台と,非常に低いわけです。  平均値にも達していない学校がどのくらいあるのか,つかんでいますでしょうか。そして,そこには十分手だてをとって底上げをしていくことが必要だというふうに考えますがいかがか,お尋ねいたします。  また,本の管理体制ですけれども,3年もたてば,あるはずの本が半分に減っているとか,傷んでも修繕されずに使えなくなっているとか。先ほど,このたびの緊急雇用対策で15年以上たった図書が一気に整理されまして,99年度で56.4%まで充足率が下がったと。ということは,使われない本が,長期間,整理されずに放置されてきた。また,15年前のものだからといって,中には貴重な本もあったということで,現場の先生が指摘しております。  そういうことで,すべての学校で15年前の本を一律に捨てたということにはならないと思いますけれども,十分にチェックされずに廃棄処分になったということで,充足率にも大きく影響してきたというふうに思うのですが,今現在,2年に1回だとか,そんなふうな定期的な整理体制というのもないというふうに聞いております。  先ほど,司書教諭の専任配置はしないと,国や道の定数配置のそれを待って,その動向を見ていくのだというふうなご答弁ありましたけれども,学校図書館に専任の職員がいないから,こんなふうに本がなくなっていく。そして,必要な本が補充されていかない,補修されない,充足率の達成にはつながっていかないと,こういうふうな状況になっていると思うのですが,充足率の面からも専任の司書教諭がぜひ必要だというふうに思うのですけれども,いかがかお尋ねいたします。 ◎大西 総務部長  図書の整備についてでございますが,特に底上げということでございますが,委員お話しのとおり,私どもも各学校ごとの整備状況をつかんでおりますので,12年度から,特に充足率の低い学校等には手厚く学校配当予算をするなど,また13年度も同様の措置等を行いまして,低い率の学校の底上げ措置に努めてございます。  また,処分等につきましても,私どもが把握している限りでは,年間15万ないし16万冊の購入がなされておりますが,廃棄等につきましては全校トータルで1万前後というふうに理解をしておりますので,多くはないというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ◎岩崎 学校教育部長  図書等の充足率の面からも専任の司書教諭の配置をというご意見でございますけれども,私どもといたしましては,先ほどの繰り返しになりますが,あくまでもさまざまな状況を通しながら,あるいは協議会などを通しながら,国及び道に対して専任教諭としての定数配置を要望してまいりたい,そして学校への期待にこたえてまいりたいと,このように考えているところでございます。  以上でございます。 ◆岩村よね子 委員  学校にきちんとした専用の図書館があって,興味をそそられる,読みたい本がたくさんある,先生方が教材に使う図鑑だとか資料類も豊富にある,それが学校図書館の当たり前の姿ではないでしょうか。ほかの政令指定都市は,小・中学校の充足率の差はございません。札幌以外はほとんど80%台,90%台を小・中問わず達成しております。図書室があって,本があるというのが本当に当たり前ではないでしょうか。基本中の基本だと思います。年次計画を具体的に立てて,せめて他都市並みに──本当に恥ずかしい状況だと思うのです。他都市並みに本を充足させるように強く求めておきます。  また,司書教諭についてですけれども,先ほどから,札幌市の独自策をとらないという意味では非常に消極的だと思います。本市は,スペース的にも,それから本の冊数というのも本当に貧困な状況にあるわけですから,学校図書館法の改正に伴って司書教諭が義務化される,それを大きな機会にして思い切った充実策をとるためにも,専任化を強く求めたいと思います。  現場の先生は,図書係だけでも大変だというふうに言っております。加配してもらわなければ,司書教諭の役割なんてとても果たせない,こういうことです。  本当に,図書館での役割を果たしていく司書教諭,本や読書活動の指導について専門的知識及び技能を備えて本に親しみ,学校図書館の活用や読書活動の指導における校内の協力体制の中心となることが期待される,こういう司書教諭の役割は兼務ではできません。本当に現場の先生の要望にこたえてほしいというふうに思います。子供たちの活字離れを食いとめて,本当に札幌の子供たち,21世紀を担う子供たちが豊かに成長するように求めていきたいと思うのです。  この学校図書館法が改正されるはるか前から,学校司書,それから司書教諭などの専任職員を置いて,学校図書館を充実させているところが具体的にあります。東京都の日野市,保谷市,中野区,大阪の豊中市,こういうところでは,図書館に来る児童・生徒が非常に多くなっている,貸出数がふえていく,学習センターの機能が向上している,図書の管理が行き届く,読書の楽しさ,興味,関心を持つ子が増加している,マナーが定着しているというふうなことで,本当に専任の職員がいることによって,大きく,子供たちを豊かに育てていくことができるというふうな効果が具体的に評価されているわけです。札幌の子供たちにもぜひこういう効果を持った,わくわくできる,そういうふうな図書館にぜひしてもらいたい。  それから,加配して専任化というふうなことでは,ここ3年間の教員採用の状況を見てみますと,99年では520人受験で21人,2000年では237人受験して15人,2001年では261人の受験者で25人と,本当に少ない採用で,先生になれない人達があふれているわけです。雇用対策としても本当に加配は有効だと思います。ワークシェアリングの観点で,そしてまた子供たちの学校図書館の充実というふうな意味でも,あわせてぜひ札幌市が独自に頑張るべきだというふうに思います。  最後に,教育長に伺いますけれども,教育長が学長をされておりました大学の図書館,大変すばらしいというふうに聞いております。本市の学校図書館の今私が言ったような実態をどのように考えていられるのか。そしてまた,法改正を機会にして学校図書館の機能の充実強化,土橋教育長の決意をぜひお伺いして,終わりたいと思います。 ◎土橋 教育長  お話を伺いまして,実は愕然としております。図書館の整備をきちんとしているということは,やっぱり学校にとって必要条件だと思うのですね。ですから,それに向けまして,100%をいつ達成できるのかということについてはちょっとお答えできなかったのですが,早急に我々が力を合わせて対応して進めていきたいと,そんなふうに私自身としては受けとめました。 ○畑瀬幸二 委員長  ここで,委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時32分       再 開 午後3時50分     ────────────── ○畑瀬幸二 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き,質疑を行います。 ◆恩村一郎 委員  私の方から,学校の施設改修に関しまして,若干質問したいというふうに思います。  全国的に,今,少子化が進む中で,札幌市においても,総体として児童・生徒数が減少しています。そうした中,学校施設では,学級数の減少に伴って生ずる余裕教室をどのように有効活用していくかが重要な課題になっているというふうに考えます。当然のことながら,この余裕教室を,先ほど来出ておりましたけれども,多目的ルームなど,他の施設に改修する場合には,せっかく改修してつくった施設がほとんど利用されないとか,使い勝手が悪いといったことがないようにしなければなりません。いろいろな工夫をして,児童・生徒に喜ばれる施設整備がぜひとも望まれるわけですが,まず1点,このような施設改修を行う場合に,どのような考え方を持って実施していらっしゃるのか,改修内容の工夫や特色といったものがあるのか,伺いたいと思います。また,実際に施設改修を行っている中で生じている問題などがありましたら,その内容と対応策についてもお伺いしたいというふうに思います。 ◎大西 総務部長  施設改修,特に余裕教室の改修につきましてのご質問にお答え申し上げます。  この改修に当たりましては,まず,子供たちの教育のために必要であります特別教室等を整備し,次に会議室等の管理諸室を整備する,このようにいたしております。  特別教室の整備といたしましては,未設置の特別教室の整備を優先して行うこととしております。そして,次に,総合学習の時間などの多様な授業形態に対応できる多目的教室の整備を行っております。また,改修を行う際には,この内容につきまして,事前に学校に説明をいたしておりますけれども,他の学校との整備のバランス等も考慮しながら,可能なものはできる限り学校要望を取り入れまして実施してございます。したがいまして,委員からお話がありました,整備した施設がほとんど利用されないとか,使い勝手が悪いというような状況にはならないように配意しながら進めてございます。  また,施設改修における問題点でございますが,学校からいただいた意見,要望に対しまして,これらにつきましては,私どもといたしましても,できるだけ実施の方向に向けて検討し,さらに整備ができるよう努めているところでございます。  以上でございます。 ◆恩村一郎 委員  施設改修の際,学校からの意見,要望を踏まえて行うということなのですが,なかなか現場の先生たちの声というのがその中に反映されてこないというケースも見受けられますので,ぜひ各学校の要望を十分に聞いて,有効な施設整備をしていただきたいというふうに思います。  ところで,施設改修には,学校内の教室整備だけでなくて,以前に,質問したことがあるのですが,グラウンドの整備ということもございます。  実は,他の市町村の例なのですが,グラウンドを全面的に芝生化しているという事例をテレビで見た記憶がございます。札幌ドームの天然芝ではないのですけれども,グラウンドを芝生化すると。正直言いまして,転んでも土と違って痛くありませんし,けがをせずに滑り込んだりすることもできるわけで,思い切りスポーツを楽しむことができるのではないかと思います。また,緑化の推進ですとか,環境対策の点からも効果があるものというふうに私は思うわけなのですが,非常に心安らぐ空間をつくり出すことにもなりますし,子供たちにも大いに喜ばれるものというふうに考えます。  ただ,芝生化の場合に,最大の難点といいますか,維持管理の問題がございます。手間がかかることもあるのでしょうけれども,芝生化がもたらすメリットということを考えた場合,何とか維持管理の問題を解決して,芝生化を進めることができないものだろうかというふうに思うところです。  そこで,学校グラウンドの芝生化について,教育委員会ではどのように考えていらっしゃるのか。また,財政当局の方には,この財政の厳しい折に,こんなことをと言って怒られるかもしれませんが,モデル事業として,例えば特認校などにおいて芝生化を実施して,維持管理の問題等含めた検討を行うといった方策は考えないのか,お伺いしたいと思います。 ◎大西 総務部長  グラウンドの芝生化の問題についてお答えを申し上げます。  このことについては,ただいま委員のお話のとおり,メリットもたくさんあるというふうに考えます。しかし,競技種目によりましては芝生でない方がよいというようなものもあるように聞いております。また,維持管理の問題,これにつきましても予算が伴うのか,それとも子供たちまたは地域の協力をというような,そういう大きな問題,解決しなきゃいけない課題も多くあるというふうに考えております。そんな意味では,芝生化の早期実現は,そういう問題解決に時間がかかるというふうに考えておりますし,難しい問題だというふうに考えております。  したがいまして,他都市の実態を調査したり,また維持管理のあり方についても検討する。そんなことで,今後の研究課題というふうにさせていただきたいというふうに考えております。  以上です。 ◆恩村一郎 委員  今後の研究課題ということなのですが,今すぐやれということばかりじゃなくて,ぜひ積極的な形で取り組んでいただきたいというふうに思います。この件に関しては,ちょっと置いておきます。  次に,児童・生徒たちを指導する教職員に関して,端的に伺いたいと思います。  実は,さきの総務局との質疑の中で,札幌市の職員全体の長期休務者の問題についてお話を伺いました。その中で,精神疾患による休務者が増加しているといったことが報告されました。  そこで,教職員における精神疾患による長期休務者の状況及び傾向についてお伺いしたいと思います。  せんだって,大阪府の事例ですけれども,他の職員に比べて3倍,教職員の方がそういう精神疾患を患っている例が多いという,そんな報告もございましたので,現在の札幌市における状況について教えてください。 ◎岩崎 学校教育部長  教職員におきます精神疾患による長期休務者の状況及びその傾向についてでございますが,精神疾患によりまして30日以上休務している教職員の状況につきましては,平成10年度が35人,平成11年度が38人,平成12年度が57人となっておりまして,今年度は8月末までで55人が休務しているところでございます。  さらに,これらの方々のうち療養が長期にわたりまして休職した者につきましては,平成10年度は22人,平成11年度は33人,平成12年度は44人と,毎年増加してございます。今年度は8月末までに36人が休職しておりまして,昨年同期と比べまして7名の増加と,こういう傾向にございます。  さらに,休務・休職者数及び精神疾患はともに増加の傾向にございます。また,精神疾患の特徴といたしましては,増悪と軽快,いわゆる悪い状態が増す状態と,逆に今度はよい状態に向かうと,これを繰り返すことと,さらには,療養期間が長期化いたしまして,休職に至るケースが多いことが傾向として挙げられているところでございます。  以上でございます。 ◆恩村一郎 委員  非常にふえていると,憂うる事態なのかなというふうに思うのですけれども,再発の防止ですとか未然防止,また発症した場合における早期発見ですとか早期治療,こういった対応が大変重要であるわけなのですが,教職員に対するメンタルヘルス対策といったのは具体的にどのようになっていらっしゃるのか,ちょっとお教えいただきたいというふうに思います。 ◎岩崎 学校教育部長  現在,教職員に対するメンタルヘルス対策についてでございますが,精神疾患の再発防止はもちろんのことでございますが,未然防止,さらには発症した場合におきます早期発見・早期治療,これらの対応が大変重要であると,このように認識をしているところでございます。  したがいまして,これらの対策といたしまして,教育委員会では教職員相談室,これは市民会館内に設置してございますが,教職経験者3名を相談員として,精神衛生上の問題,健康問題,対人関係の問題など,相談を受ける対応に当たっている,こういうところでございます。さらに,その内容や本人の希望によりましては,精神神経科や内科の専門医と連携を図りまして,早期発見・早期治療及び継続的なケアを実施しているところでございます。  また,精神疾患を発症した職員を早期に発見し治療に結びつけるためには,日ごろから接する機会の多い管理職の役割,これが大変重要なものと認識しております。したがいまして,校長会あるいは学校管理説明会の機会をとらえまして,心の問題について相談室等と連携を図るとともに,その活用について所属職員に周知を図るよう,私どもも指導に努めているところでございます。  なお,今年度はメンタルヘルスに対する理解を促すことを目的にして,ストレス解消法などを中心とした内容で,「職場内のメンタルヘルス」と題した研修を新たに企画しまして,教育センターで,参加希望者を募り実施したところでございますが,これらにつきましても,今後,継続して実施してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆恩村一郎 委員  職場内でそういうことを始められたということなのですが,本庁の中に「らぽ〜る」という広報紙を配られて,2度ほどそういうPRをやっている。当然のことながら,管理職の方たちのメンタルヘルスに対する理解を深めていくということは非常に重要だと思いますし,実は,私自身,このメンタルヘルスという言葉を実際に体験したのは平成元年です。もう13年前の話になります。そのとき,自分で体験して,非常に大事だなということを感じたわけなのですけれども,ぜひとも先生たちのといいますか,特に,今のお話でも希望者を対象としてそういうのをおやりになっていらっしゃるようなのですが,より積極的な形での取り組みというものを図っていけないのか。さらに,今後,どのように進めていこうと考えていらっしゃるのか,再度,その点についてお伺いしたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  今後の対策といたしましては,先ほどもお答え申し上げましたが,まず,一般の職員の方はもちろんでございますが,特に管理職のメンタルヘルスに関する知識,これの普及啓発,動機づけ,あるいは職場内でのメンタルヘルス対策の向上を図ることを目的といたしまして,新たにでございますが,来年度から,管理職に対しますメンタルヘルスに係る内容を含んだ研修に,積極的に取り組んでまいりたいと,このように考えております。  また,教職員相談室の一層の利用促進を図るために,ポスター,リーフレット等の配布などを行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆恩村一郎 委員  これで最後にしますけれども,生徒たちに対する心の教室相談員というのがございますね。この重要性というのは言うまでもないわけなのですが,指導に当たる先生たちの心が病んでいたのでは,やはり指導はできないと思います。特に,真剣にこういうことに取り組んでいらっしゃる先生ほど,いろんなはざまの中で心の病に陥るケースというのは非常に多いように思います。ですから,ぜひとも積極的に,そういう先生たちに対する救いの手という言い方はちょっとおこがましいかもしれませんけれども,メンタルヘルスの対策をとっていただきたい。  札幌市全体で今183万おりますけれども,いわゆる通院者も含めると2万人以上の方が精神疾患を患っているという,こういうデータがあります。100人に1人です。ですから,極端なことを言いますと,今,ここの会場にいらっしゃる中の1人は該当するような格好になりますので,ぜひとも積極的な対応を進めていただきたい。強く要望して,終わります。 ◆小谷俵藏 委員  それでは,私から大きく1点,教育予算の拡充についてを中心に質問をさせていただきたいと思います。具体的な質疑につきましては今までもございましたし,またこれからも多岐にわたってあるでございましょう。  さて,我が日本は,第二次世界大戦の大変厳しい敗戦のどん底から,資源の乏しい中にあって,他の国に例を見ない経済の発展を遂げてまいったわけであります。その原動力は,何といっても国民一人一人のたゆみない努力,これを支えたのが教育,人づくりであったと,私はこのように,まず冒頭に申し上げさせていただきます。そして,今日の繁栄の支え,その人づくりのため高い教育水準の確保,そしてまさに教育の充実が国の発展の根底にあったと,このように認識をいたしているところであります。  21世紀を迎えて,現在の社会は,20世紀の後半も含めてですが,ITやあるいは生命科学など,好むと好まざるによらず,科学技術がかつてない速度でどんどんと進化をし,世界の人々が直接つながる,情報が瞬時にして共有される時代になってまいったわけであります。また,経済においてもグローバル化が進展し,経済の活性化の一つとしても,こうした環境の変化に対応していくことがまさに重要と考えられているわけであります。そのためには,これまで以上に有能な人材が必要であることは,申し上げるまでもございません。人材は,日本の将来のためにも,何よりも増して重要な資産であると,私はこのように認識をいたしております。  かつて私は若いころ,PTAに籍を置いていた当時の研修の中で,大学の教授であったでしょうか,こういう話をしておられました。世界各国に比して日本は全く資源のない国だ,しかし,日本,とりわけこの北海道札幌については,人という人的な資源がすばらしく恵まれている,こういう教育が進まなければならないということを,今,改めて記憶をよみがえらせているわけであります。  生涯を通してのさまざまな育成が,そうした中で必要でありますけれども,この基礎として,まず知識,教養,さらに基本的な人間性,すなわち社会性を身につける第一歩は,いわゆる義務教育の中の基本である小・中学校として,施設整備や時代の要請であるIT教育など,義務教育水準の向上を図ってきているところでありますが,一方,我が国の教育の現状に目を向けると,残念ながら,一方ではいじめや不登校,校内暴力,学級崩壊,さらには青少年犯罪など,深刻な問題に直面しており,国民や社会の教育に対する事柄が大きく心を揺るがしているわけであります。  こうした状況の中,国では,21世紀教育新生プランを取りまとめ教育改革に取り組むなど,今ほど教育の大切さ,重要さが再認識される時代は,今までないのでなかろうかと,こんなふうに思うわけであります。  札幌市の教育委員会においても,同様な問題などで苦労していると思います。教育予算の推移から見ますと,当初予算ではありますが,実は私,ここにこうした資料を用意をいたしております。平成元年から現在の平成13年に至るまで,札幌を初めとする全国政令市12市の予算の内容等について整理をしてみました。他市に比べて,札幌は非常に教育予算の落ち込みが著しいわけであります。かつて人件費を含めて800億あったのが,今は約600億と,こういうことで,これは学校施設の整備等がだんだん少なくなってきたということもあろうかと思いますが,しかし,やはり私は,教育というものはすべてにおいて優先されなければならない,そこに力点をぜひ置いていただきたい,こう考えているわけであります。  そこで,今,私が申し上げました人づくりのための教育の充実,これに向けて教育予算の充実が必要であると考えますけれども,ご所見をお伺いいたしたいと存じます。教育長,よろしくどうぞ。 ◎土橋 教育長  きょうは,何か,私はテストを受けているみたいな感じがしておりまして,いろいろ質問攻めに遭っておりますが,今の教育予算についてでございますけれども,私の承知しておりますことは小谷先生おっしゃったとおりでございます。  つまり,今現在,新しい世紀を迎えまして,本当に国が教育改革ということに非常に大きな力を注いでいる。ことしの国の概算要求を拝見しましても,教育予算はほかの予算に比べて非常にふえております。いろいろ新しい施策をそこに盛り込もうとしているということがございます。できれば,札幌市もそうしたいものだというふうに思っておりますが,私がお金を持っているわけでございませんで,お隣にいる助役あるいは市長にお願いして,教育予算をもっとふやして,いろいろ懸案,課題解決していきたいと,そんなふうに思っております。  今ご指摘がございましたので,それに力を得まして,札幌市も国と同じように,新しい世紀を希望を持って迎えたいものだというふうに思っております。(「助役質問だ」と呼ぶ者あり) ◆小谷俵藏 委員  今,助役質問だという声もありましたけれども,助役は,かつては教育長をされていたという豊かな経験をお持ちでございますから,いかに教育予算というのが大切かということは,私が申し上げるまでもなく十分ご認識をされていると思いますので,あえて私は質問をしませんが,大きな期待をさせていただくわけであります。(「財政部長に頼むのが先だ」と呼ぶ者あり)それはそれとしてやっていかなきゃならないと思いますね。  国,地方を通じて,非常に厳しい財政状況であることは,私も十分承知をいたしております。  実は,私が教育をなぜここで,あえて力説をするかということを申し上げますと,先般も政令市を3市ほど回ってまいりまして,いろんなことを学ばせていただきました。札幌は,特に大阪なんかと比較すると,障害児教育はおくれているなと,90数%の学校において特殊学級を設置しているというような実態が大阪等にはありますね。本当にそんなようなことも考えながら,実は,北海道の中心のこの札幌に開拓史の本府が置かれた明治2年,その2年後の明治4年に創成小学校が開校されている。いかに教育というものが何にも優先されたかというのは,このことだけを見てもわかる。  さらには,当時はまだ札幌市ではありませんが,近隣の村,例えば篠路村は明治5年に学校ができ,ことし開校130周年を迎えようとしております。あるいは手稲東,ここも明治5年,そして札幌村,ここは明治6年,それから白石は明治14年,それから豊平は明治15年,逆にもっとさかのぼりますけれども,屯田兵の入植した琴似は明治10年,そして山鼻は明治11年,そして次,新琴似は明治21年,そして屯田は明治23年。屯田兵が入植した後はその翌年,あるいは長くても翌々年,こういうふうに,いかに教育を大切に重んじたかということが,このことを見てもわかると思います。  私は,ここに,実は小さな冊子を持ってまいりました。これは,ある小さな地域で昭和13年に開拓50年がありまして,そのときにつくられた冊子です。この中に「我が開祖たちは,次の時代を担う子弟の教育をゆるがせにすることはできなかった。学制の定まるところに従って子弟を育成しなければならぬ。概し,教育施設が部落の発展に貢献した点は巨大なるものがある。教育の存在しないところに文化の発展はあり得ない。文化の発展せざるところに人間の進歩はない。教育は国家発展の原動力であって,教育のいかんによって国家」,現在で言うと国家社会と,こうつけ加えなきゃいかぬでしょう,「の盛衰が決せられる。その意味において,我が部落の発展の基礎には偉大な教育の力が流れていることを忘れてはならない」。部落という言葉は,今,余り使われません。これは書いてあるとおり読んでいるわけですが,このようにして,教育というものはいかに大切であるか。  今,各分野,福祉の問題,あるいは街づくり,環境,それぞれ大事ですが,教育を忘れてはいけません。やっぱり教育は,これからの何十年後,30年,50年あるいは100年後のこの社会を担っていかなければならない子弟を育てるわけですから,私は,この教育に,ぜひとも,先ほど申し上げましたように,教育長を中心としながら,札幌市長,そしてきょうここにお見えの千葉助役,一生懸命新年度に向けた取り組みをしていただきたい。このことを要望して,終わります。 ◆小野正美 委員  それでは,小谷先輩の大演説の後に私の方から大きく2点,一つは,障害のある生徒の卒業後の支援のあり方,二つは,市立豊明高等養護学校の給食実施について質問をいたします。  去る10月5日,総務局の審査で,個人情報保護条例に関連して,教育委員会から高橋指導担当部長にも出席をいただきました。そのやりとりといいますか,回答内容を知った弁護団からファクスもいただきまして,こういうことが書かれてありました。「内容を見て,改めて札幌の行政の姿勢は捨てたものではない。誤りを正すことに,役所にあらざる自己反省を踏まえたものとなっていると敬服しました」と。しかし,その後に,「教育委員会も初めからこのような姿勢をとっていただけたなら,何も……私にとっては少々悔いと残ります」と。つまり,約2カ月にわたって,弁護団の方は札幌に3回も足を運んで,教育委員会や,あるいは情報センターともいろんなやりとりをされてきたわけでございます。  その総務局の審査の際に,担当される千葉助役からも基本的な見解をいただきましたけれども,改めて指摘をし,また要請をしておきたいことがあります。それは,市民局でも外国人登録原票の提出など,非常に厳しいやりとりもございました。そういった中から,今回の教育委員会,学校現場での対応も相通ずるものがあるわけであります。  市民の情報開示の請求はさまざまな面倒な手続などでもやっているわけでありますけれども,いわゆる警察とか国税庁など,行政機関などへの情報提供といいますか,そういうものが非常に甘いというか,ルーズであると。そういう意味で,保護条例が守られていない,チェック機能が働いていない,あるいは現場任せになっていると,そういう実態も明らかになったと思います。  市民が行政にゆだねている他人には知られたくない情報,これはさまざまなものがあるわけでありますけれども,税務関係あるいはカルテ,診療報酬明細書だとか,住民基本台帳だとか,いろいろあるわけですが,そういったものが知らない間に行政機関同士で利用されているのではないかと,そういった疑いを招いたことは事実であります。したがって,千葉助役に,全庁を挙げてこういった札幌市の個人情報保護を徹底する組織づくりを強く求めておきたいと思います。  そこで,引き続き教育長にお考えを伺いたいと思いますが,まずこういった問題,教育委員会内部で,この保護条例に,回答してはならないという基準があるのを知らなかったと,まさに信じられないといいますか,許されない事態が明らかになったわけでありまして,これが教育委員会内部の事務的な手続上の問題,欠陥なのか,それとも教育委員会や学校現場,とりわけ学校管理者の子供のプライバシーにかかわる,あるいは人権にかかわる感覚の欠如に原因しているのか,この点どのようにお考えか,明らかにしていただきたいと思います。  それから,さきの議論の中で,千葉助役は,指導要録には事実もあるけれども,教員の子供に対する評価もあって,それは子供の将来に向けて可変的なものであると,子供は可変的なものであるから,小学校のとき,どのようなことがあったとしても,そういった事実を記載したことをルーズに,安易な公表は慎むべきであると,そういう考えを表明されました。  私どもも,捜査機関に対して協力をするなということでは決してありませんが,そこにはやはり一定のルールがあり,限度があるわけでありますし,それから,教育委員会みずから認めているように,教育的配慮というのがあるわけですね。指導要録をそのまま開示することはしないで,教育的配慮から個別的に抜粋して記載をしたということが言われています。しかし,これはさきの委員会で指摘をしたように,全くそういったこととは逆な,全くそういう教育的配慮が欠けているという内容になっていたことは皆さんご承知のことかと思います。  特に,京都でも,いわゆる刑事訴訟法は本市と同じような回答基準でありますし,少年法ではさらに拡大をされて,成績だとか,行動の記録だとか,そういったものも一応開示をするというのが本市の基準にもなっているわけだけれども,その際も,本人のよい点,あるいは決して本人の不利益にならないよう配慮して回答すべきであるとなっているわけであります。しかし,今回,本市の各学校の回答内容は,もちろん回答してはならない事柄の範疇でありますけれども,極めて,この青年にとって不利益になる,あるいはより罪を重くする,そういった事柄に作用していたわけでありまして,これらを含めて,教育長として,とりわけ私どもは人権教育に情熱と実績を持たれているという認識を持っていますので,そういった立場から,今回の経緯なり,あるいはこういった実態についてどのように認識をされているのか,冒頭,明らかにしていただきたいと思います。 ◎土橋 教育長  先日,千葉助役からもご答弁をされたというふうに伺っておりますが,今回,回答基準を逸脱することになった事態につきましては,実施機関として慎重さに欠けた対応であったと,非常に重く受けとめております。  ただ,そのことは,今お話の中にございましたように,決して子供の人権の感覚に欠けていたということではなくて,そのことを少しく知らなかったという事実があったようでございまして,大変残念なことでございます。  私どもといたしましては,指導要録を初め,子供に関する情報は,個人情報保護の徹底を必要とする性質のものでありますので,当該基準を逸脱した取り扱いを速やかに是正したところでございます。今後につきましては,再発防止を図るとともに,適正な管理を徹底してまいりたいと考えております。 ◆小野正美 委員  それでは,きょうの質問に入ってまいりますが,さきに,5日の委員会の中で,今いろいろと教育長からお話がありましたけれども,基準を超えて回答した部分の補正について申し入れを行いたい,あるいは,高校に対する事情聴取の結果をまとめた報告書についても,対応した職員の言及していない内容の記載がある旨の申し入れを行いたいと回答がありました。さらに,私の質問への具体的なお答えはいただけなかったのですけれども,弁護団に対しても誠意ある対応を行うべきであるという注文をつけておきましたが,その点どうなっているのか,明らかにしていただきたいと思います。  それから,2点目でありますけれども,今回の極めて残念な事件を通して,知的障害のある生徒が高等養護学校などを卒業して社会に出ていく,出されて1人で生きていくことは大変なことであって,さまざまなサポートあるいは支援が必要であることを痛感いたしましたし,残念ながら,結果としてこうした犯罪を起こすに至らしめた青年をつくり出してしまった,守ることができなかったという意味で,本市の教育や福祉にかかわる問題点や課題が突きつけられていると考えます。
     今,ちょうど高等養護学校では,3年生が約2カ月間の現場実習を行っていますし,それから2年生も2週間にわたって企業,会社に行って実習などを行っているわけでありますけれども,こうした実習先の確保においても,実習先ですら,学校の先生方は非常にご苦労されています。ましてや,就職先の開拓ということは並大抵のことではなくて,特に失業率5%時代で,真っ先に解雇され,あるいは門戸が狭められる,そういう対象になっているわけでありますし,そういう障害者が働く場所としては大きな企業が少なくて小さな会社ですから,継続して毎年1人,2人と雇ってはくれないと。そういう意味では,常に新しい職場を開拓しなければならないということで,非常に先生方が苦労をされている。  本当はハローワークなどが率先してこういった職場開拓をしなければならないのですけれども,実際には,ハローワークの方から学校側に,何かいいところないかというような問い合わせがあるぐらいの状況にあるわけです。  しかし,こうしてせっかく努力をして企業就労ができても,その後,なかなか定着できていない実態がございます。具体的に,このY君の場合も,卒業してすぐ会社に就職しているわけでありますけれども,1カ月ほどで,あるいはその後の職場も1週間ほどで退職に至っているわけでありまして,さらに,さきに回答された報告書の中にも,現場実習では,内向的な性格から職場の人に溶け込めず,社会自立を目指すには特に精神面での手厚いサポートが必要とされていました。  さらに,卒業してから3年あるいは4年ほどの間に,警察に補導されたり,あるいは罰金刑,あるいは猶予つきの懲役刑などを受けているわけでありまして,当然,こういった過程で,卒業した学校に対する,直近の高等養護学校などに対しても照会があったと思うわけです。  裁判の判決の中では,地域の支えがあればやっていける,十分に更生できると,そういう内容になっているのだけれども,しかし,結果として,そのときに教育あるいは福祉の手が差し伸べられることがなくて,その後,今日のように,坂道を転がるような形での自滅を防ぐことができなかったわけであります。  そこで,こういった実情については十分教育委員会の皆さんも承知のことと思いますけれども,こういった障害のある生徒の教育の一環として,あるいはその延長として,一定期間支援をしていく卒後支援が必要と考えるわけでありますけれども,卒後支援の必要性についてどのように認識をされているのか,お聞きをしたいと思います。あわせて,具体的に市立高等養護学校の卒後支援の状況がどうなっているのか。そして,近隣に道立の白樺高等養護学校もありますし,それから最近できました手稲区にある札幌高等養護学校の例なども含めて,具体的にお聞きをしたいと思います。  それから,次に,豊明高等養護学校の学校給食の問題に移りますが,これは,ことし3月第1回定例議会の特別委員会で,我が会派の藤原委員の方から質問をいたしました。最後,回答として,同校における給食のあり方については,関係法令の趣旨も十分尊重しつつ,また学校からの意見なども参考にさせていただきながら,今後,検討させていただきたい,こういう答弁をいただいております。その後,具体的に学校の方で,7月に,保護者に対する給食導入にかかわる要望などについてのアンケート調査を行っています。教育委員会の方にも報告がされていると思いますけれども,保護者や学校側の要望などについてどのように受けとめているのか。  具体的には,ぜひ給食を実施してほしいと。特に,市立豊明高等養護学校は,ことしあるいは昨年度も定員割れの状態が続いています。さまざまな要素がいろいろあるかと思うのですが,その一つに,小学校・中学校と給食があったにもかかわらず,高等養護学校に行って給食がなくて,朝早く弁当をつくらなければならないと。特に,札幌市全域から来ますから,相当朝早い時間に自宅を出なければならないという問題,あるいは,夏など非常に傷みやすいやすい時期には,傷んでいるかどうかがなかなかわかりづらい面もあるわけでありまして,そういう心配も保護者は持っているわけであります。  そういう意味で,非常に給食への期待というものが強いわけでありますが,この点,市教委としてどういった検討がなされてきているのか,この点明らかにしていただきたいと思います。 ◎高橋 指導担当部長  私の方から,回答基準を逸脱した回答に対する教育委員会としての補正措置についてご答弁申し上げます。  まず,捜査機関に対しまして,回答基準に示された回答項目以外の内容について削除の取り扱いをしていただきたい旨,また高校に対する事情聴取の結果をまとめた報告書につきましても,対応した職員の言及していない内容が含まれているので検討していただきたい旨の申し入れを,平成13年10月12日付で行ったところでございます。あわせまして,当該事件の弁護団から札幌市教育委員会に対しまして,個人情報取り扱い是正の申し出がありましたことから,当該弁護団に対しましても同日付で捜査機関に対して申し入れいたしました文書の写しを送付し,是正措置を講じた旨,お知らせしたところでございます。  以上でございます。 ◎岩崎 学校教育部長  私の方から,養護学校の卒業後の支援,これについてお答えを申し上げたいと思います。  まず,卒業生が,特に養護学校を卒業した子供たちが,社会へ円滑に移行できるようにするために,進路指導の一環としてでございますが,一定期間,進路先への定着状況,あるいは子供たち,保護者からの相談に乗ったりするなど,新しい生活への適応を図るために,いわゆる追指導という形で行ってございますが,これは意義のあることだと,このように考えているところでございます。  したがいまして,養護学校では,卒業生が進路先に適応し社会で安定した生活ができるようになるためには,卒業後の一定期間が特に大切な期間であると,こういう認識のもと,3年間を目途にいたしまして,生徒指導の一環である追指導として,先ほど言いました進路指導というのは一つの生徒指導でございますが,追指導として,本人,家族,進路先等との連絡や,あるいは進路先を訪問した指導を計画的に実施してございます。また,便りを発行したり,情報提供,さらには同窓会活動,成人学級活動等も行っております。これらの取り組みにつきましては,就労先や福祉機関との連携と協力により行っているところでございます。  なお,ご質問にございました近隣の道立高等養護学校におきましても,今お話し申し上げましたものとほぼ同様の内容で取り組んでいると,こういう話を聞いているところでございます。  以上でございます。 ◎大西 総務部長  学校給食のアンケートの状況につきまして,私からお答え申し上げます。  高等部に限り単独で設置しております豊明高等養護学校につきましては,現在,ミルク給食という形態で給食が実施されているところでございます。この給食の実施形態につきましては,委員お話しのとおり,今年度,学校におきまして完全給食の実施に関する保護者アンケート調査を実施してございます。その結果ですが,一部の保護者からは,給食より売店の設置を希望する意見があったと聞いておりますが,約9割の方々は,早く完全給食を導入してほしいという意見で,多数を占めたと。この結果を受けまして,学校から教育委員会に対しまして完全給食の導入の要望がなされているところでございます。  私ども教育委員会といたしましては,高等養護学校の給食につきまして,教育的効果も考え,また保護者の方々,学校の強い要望等も考え合わせまして,現在,前向きに検討いたしているところでございます。  以上です。 ◆小野正美 委員  卒業後,一定期間の支援が必要であるということで,幾つか具体的な取り組み内容についてのお話もありましたけれども,実態としては,必要性から,保護者らの経済的な,一定の負担への協力も含めて,あるいは先生方の情熱によって本当に支えられている,いわゆる細々と行われているというのが実態であろうと思います。  確かに,議論してきたY青年の時代,いわゆる10数年前の状況に比べれば,今日,本市の福祉の状況も大きく変わってきていると思います。当時は,福祉施設の利用者はともかくとして,やはり一般企業就労者に対しては,なかなか福祉の支援が届かなくて,いわば支援もなく実社会の荒波に送り出されたというか,放り出されたというような状況が大げさなことではなかったと思います。しかし,この間,通級指導やグループホーム,あるいは生活支援センター,さまざまな形で充実されてきていますけれども,まだまだハンディを持ちながら実社会で,一般の企業社会の中で生き抜いていくということは非常に大変なことであるし,また一定のサポートがあれば十分やっていけるわけでありますが,そういう面では,厚生労働省といいますか,福祉の分野あるいは労働の分野でもさまざまな事業展開がなされております。  それから,教育委員会の方にも調べていただきましたけれども,幾つかの政令市においても,こういった高等養護学校卒業生などの社会自立を支援するための取り組みとして,それぞれの教育機関と市教委,それから学校の進路指導の担当者と保健福祉局,あるいは雇用促進協会,こういったところの連携で,就労支援センター関係機関連絡会議だとか,あるいは労働福祉教育連絡会議だとか,あるいは,神戸市では職業カウンセラーという形で教育委員会に2名配置をするとか,あるいは養護学校高等部就労追指導支援事業など,さまざまな取り組みがなされているわけであります。  これらも含めて,特に厚生労働省で来年度本格的にジョブコーチ,職場適応援助者の配置を推進していきたいと。具体的に,数カ月間,毎日のように知的障害者と一緒に職場に行って,マンツーマンで仕事の上での指導をしたり,あるいは雇用主や同僚に対する知的障害への理解を深める,あるいはそういう橋渡しをしていくというようなジョブコーチの配置を全国的に展開していくということで,概算要求にも約20億円盛り込んでいると。ただ,これは各都道府県に5名ぐらいの配置だというぐあいになっているわけです。  確かに,こういった役割が求められていますし,そういったことに期待をするわけでありますけれども,しかし,卒業生にとって,社会に出て1人で職場に入った中で,こうしてジョブコーチが来られたとしても,初対面なわけでありますし,それから職場の中にはいろんな就業の相談員も配置されているわけですし,あるいは福祉施設の関係者がいろいろと来られるよりも,やはり3年間,学校の中で顔なじみであった先生,あるいはそういった存在の人に職場に来てもらう,あるいは仕事の終わった後,いろんな生活上の相談などができる,悩みを相談することができる,そういうものが非常に心強い面があろうかと思います。  先ほど,学校として,職業安定所といいますか,ハローワークや福祉行政との連携を図っていくと,他のいろんな都市での連絡会議だとか協議会とか,そういうものも必要だろうと思いますけれども,福祉制度あるいは福祉サービス,そういったものに精通した人材が学校の教育現場の中にも存在して,先生方との連携や,あるいは在学中も当事者や保護者に対するいろんな指導,助言,相談,そういったことをやりながら,そこで本当になじみになった存在が,卒業後一定期間その職場で頑張ることを援助していくということが,非常に重要であるし,それが求められているのじゃないかと思います。  そういう面で,先ほどの話にもありましたけれども,やはり特別非常勤講師制度とか,あるいは本市にある嘱託員の制度なども活用して,例えば養護学校を退職した方とか,あるいは進路指導,就労指導支援などに当たってきた方とか,あるいは福祉のいろんな施設で働いていた方などを含めて,そういう福祉職をぜひ学校現場に配置することの検討がなされないものかと思いますので,この点,お考えをお聞きしたいと思います。  それから,次に,学校給食の関係で,保護者,学校などからも強く要望が出されている中で,実施に向けて事務を進めているということでありますけれども,具体的にはいつから実施ができるのか。できるだけ早く実施をしていただきたいと思いますが,とりわけ保護者もそうですけれども,先生方からランチルームをぜひ設置してほしいと。障害がある生徒も,今,地域の中でいろいろとバイキング形式のレストランに行くこともあるわけでありまして,そういうバイキングのときの食事の仕方とか,あるいは,同じ学年あるいは異なった学年の生徒が楽しく昼食を通して交流をすると,こういう面では,健常児の学級もそういう方向で努力されていますけれども,ある面では,健常児の学校以上にこういうハンディーのある子供たちにとっては,ランチルームでさまざまな経験をしていくということは非常に重要なことだと思いますので,これらの設置についてもぜひ検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 ◆道見重信 委員(関連)  今,小野委員が,障害を持たれる子供の就職に関するアフターフォローというのですか,その件について私も一つ質問します。  私は,実際にそういう方を採用した経験を持っているのですよ。その子供たちが何を求めているかというと,自分の習った先生に来てもらうことが一番うれしいのですよ。ところが,私が採用したとき,もう大分前の話だが,私は学校に電話を入れたけれども,返事もなければ一回も来なかった,そのときその学校は。就職を頼むときは何回も来たけれども,後は知らん顔。  それから,もう一つ困ったのは,その子が結婚するということを私に相談に来たのですよ。私は悩んだ,そのいうのは初めてですから。障害を持たれている方同士が結婚して,本当に家庭を持てるのだろうかと非常に悩んで,そのときも学校に電話したけれども,返事がなかった。どうしてか,私はわかりません。そのときは切り抜けたけれどもね。  今,小野委員は福祉関係の職員を学校に配置したらどうかという提案なのだけれども,一番は,習った先生が行くことなのですよ。その先生がそういうことをフォローするとしたら,どういう環境をつくらなければそういう状態にならないのか,ちょっと教えてもらいたい。 ◎岩崎 学校教育部長  まず,小野委員のご質問でございますが,社会福祉制度あるいはサービスに精通した職員を配置することが学校の中に必要でないかという趣旨のご質問でございますが,学校が行います卒業生へのいわゆる追指導は,卒業生を社会へつないでいくことがまず第一義的な目的であろうかと,このように考えてございます。 したがいまして,子供たちをよく知っている教員一人一人がこのことを効果的に行っていくことが,まず何より大切でないかなと思っております。  ただ,今,一番大きな問題として,それら学校の努力と,本来つなぐべき福祉・就労関係機関等の連携が密接に図られていくことが,何よりも大切でないかと考えているところでございます。したがいまして,私ども教育委員会といたしましても,その連携のあり方について検討を開始しているところでございます。  それから,道見委員のご質問についてでございますが,まさに卒業後の子供たち,これは必ずしも障害を持ったお子さんだけのことではないかと思います。まさに,教育というのは人と人とのかかわりにより人間形成を図っていく中で,卒業後であっても,いかにその子供たちとの人間関係を保っていくかということは,一つは,他の職業にない教員としての大変崇高な使命であると,このように私は考えているところであります。  ただ,それが何らかの一つの制度によって行われるかというと,これは大変難しい面がございまして,先ほども言いましたように,いわゆる追指導の形で,3年程度を目途にして,それぞれ各学校で取り組んでいるというのが実情でございまして,まさに人を育てる人と人とのかかわりの中でこれらを充実させていくべきだと,このように考えているところでございます。 ◎大西 総務部長  学校給食の実施に関して,2点のご質問にお答えをいたします。  まず,具体的な完全給食へ向けて,実施予定についてでございますが,配ぜん室の整備やダムウエーターの設置工事のために一定の期間を要します。このことから,体制の整備等が整い次第,完全給食を実施できますよう努めてまいりたいと,こういうふうに考えております。  次に,ランチルームの整備についてでありますが,ランチルームは給食環境を高める上で大変意義深いものがあります。ランチルームの整備につきましては,学校の多目的室の利用の1形態として活用してきているところであります。  豊明高等養護学校につきましては,現在,多目的室がござません。そんなことから,それにかわる空き教室もない状況にございますので,直ちにランチルームを確保することは難しい状況にありますけれども,今後,学校とも協議をしながら検討してまいりたいと考えております。  以上です。 ◆小野正美 委員  今の学校給食の関係について,私も豊明高等養護学校の校長や教頭先生などとも,あるいは実際に学校の施設状況も存じておりまして,大変地盤も悪いし,それから中庭が囲まれて,土地はあるのだけれどもなかなか重機が入らないというような実情で,増築も難しい。やりくりしながら,何とか完全給食が,一応子学校という形でしょうけれども,実現する方向でいろいろと教育委員会の方も鋭意努力をしていただいていると認識しておりますので,ぜひ,さらに学校現場の方とも相談をしながら,早期に実現できるように要望しておきたいと思います。  それから,卒後支援といいますか,特に高等養護学校の先生方は高校の教員免許が必要であるけれども,必ずしも特殊教育といいますか,障害児教育についての,あるいは福祉分野の資格を必要としないという状態の中で,福祉分野にかかわるいろんな知識は,いろいろ変わっていきますから,そういう面ではそういうことに十分な経験や知識を持った人が教職員の皆さんと連携をとりながら,在学中のいろんな教育や,あるいは保護者に対する対応も含めてやっていくことが重要じゃないかなと。  それと,道見先輩からも言っていただきましたけれども,教育期間としては一応3年間が対象であって,その後のことは,言うならばアフターケアというか,追指導ということで,必ずしも制度的に保障されていないのだという状況なわけですね。しかし,必要性はお互いに認め合っているわけですから,そして,親も含めて一定の努力もして,あるいは先生方も本当にボランティアのような形で努力をされているのだけれども,実態としてはまだまだ不足をしている点があるわけですね。その点をどのように改善していくのか。  学校だけで解決できない,教育だけで解決できないから,労働や福祉の分野との連携をどうやっていくかということなのだけれども,そうはいっても,やっぱり3年間学校の中で顔なじみであった先生や,あるいは実習助手の人でもそうですし,それから今言った福祉職の存在の人であっても,学校にいた人が自分の働いている会社に来てくれる,相談事に乗ってくれるというのが非常に重要なことだと思うので,そういう人的配置はぜひ最優先して考えていただきたいし,それを軸に考えていただきたい。福祉のいろんな現場との連携をとるにしても,やっぱりその人が中心になると思うのですね。そういう点でお聞きをしたいと思います。  特に,先ほど山口委員からも言われましたけれども,ことし1月の21世紀の特殊教育のあり方についての最終報告の中にも,乳幼児期から学校卒業後まで一貫した相談支援体制の整備が必要であると,このことが至るところに書かれています。教育,福祉,医療,労働などが一体となって障害のある子供及びその保護者に対する相談と支援を行う必要があるのだということが記載をされています。  さらに,前回,総務局の中でも話をいたしましたけれども,当時,今回の事件となったY青年の担任であった方,退職されているわけですが,Y君のことをずっと気になっていたと。なぜかというと,彼の障害がどういう障害なのか,なかなかわからなかったということです。今,いろんな事情を,当時の先生だけじゃなくて,家族,弟や親からも聞いている中で,高機能自閉症でないだろうかと。そう言われれば思い当たる点があるというお話もありました。  それで,この最終報告書の中にも,さらに今日,小・中学校などの通常の学級に在籍する障害児や注意欠陥多動性障害児あるいは高機能自閉症児など,特別な教育的支援を必要とする児童・生徒などへの対応が求められるようになったということも記載をされています。  それで,時間もちょっと経過しましたので,最後に,本間次長に,障害児教育にいろいろとかかわってこられた経験をお持ちだと思いますので,今ちょうど基本計画を策定中ということでありますから,こういった卒業後の支援のあり方も含めて,あるいは高機能自閉症児など新たな研究分野といいますか,あるいは,それに対する教育のあり方を確立していかなければならないという状況があろうかと思うのですが,そういった点についてのお考えを明らかにしていただきたいと思います。 ◎本間 教育次長  今,Yさんということを中心にお話がございましたけれども,私どもといたしましては,その件につきましては,この場で深く触れますと,それこそプライバシーを侵すことになるかと思いますので,それを念頭に置きつつも,一般的な障害児教育の今後のあり方についてということでお話をさせていただきたいと存じます。  私は,先ほどからいろいろお話が出ておりますように,国の方で最終報告として示されました21世紀における特殊教育のあり方というところに大きな課題がいろいろ述べられておりまして,将来に向けて,札幌だけではなくて,我が国が果たしていかなければならない最も大きな問題としては,私はあくまでもやはりノーマライゼーション理念の実現だろうというふうに思っております。これは,社会全体で取り組むべきことでありまして,その中で学校教育が今何をしなければいけないかということになりますと,基本計画にもかかわってまいりますけれども,従来の視覚,聴覚,知的障害,病弱,肢体不自由,言語障害,情緒といったような障害種別に加えまして,ただいま小野委員からもお話がございましたように,高機能自閉症児あるいは先ほどもちょっとお話しありましたがADHD,注意欠陥多動性障害であるとか,いろいろ話題になっておりますLD,学習障害とか,従来の範疇ではなかなか理解ができない,当然,指導方法も内容も手探りの状態というようなのが今現実に起こってきているというふうに思います。  したがいまして,学校教育の方といたしましては,そういう従来のものに加えて,新しい問題にもやはり十分に意を用いるといいますか,そちらの方にも十分力を尽くしていかなければいけませんし,さらに,より軽度の問題についても,より早期から,そして卒業後,さらには生涯にわたってとまで言われておりますし,障害者の一生にわたってということと,それから程度からいっても,より軽度,さらには,より重度重複の子供たちにもいろいろ対応していかなければいけないと。それから,先ほども言いましたように,従来の考え方だけでは対応できないということもございますので,要するに特殊教育の,用語は今それで統一させていただきたいと思いますのでお許しいただきたいと思いますが,特殊教育の場と,それからよく言われております通常の学級でのこういう障害のある子供の教育の場としてどう考えるかというようなことも含めまして,就学指導のあり方についても根本的に見直していく必要もあろうというふうに思っております。  いずれにいたしましても,障害のある子供あるいは児・者の自立と参加を社会全体が生涯にわたって支援していくということは,これはもう広く認めているところでもありますし,私ども教育と福祉,医療,労働関係,いろいろ連携をしながら,卒業後のことも学校教育としてどういうことを対応し,今言った連携もどういうふうにやらなければならないのかということについて,真剣に,早急に対応していくときであろうと,このように考えております。  以上でございます。 ◆本郷俊史 委員  学校トイレの改善についてのみ,質問をさせていただきたいと思います。  このことにつきましては,ことし6月の2定の代表質問で,検討委員会を設置して取り組んでいきたい,このようなご答弁だったかと思います。  そこで,最初に,検討委員会でどのような内容が検討され,どういった方向性で今結論を出そうとしていらっしゃるのかということと,その検討委員会を受けて,今後,教育委員会としてどのように取り組んでいかれるか,これを最初にお伺いしたいと思います。 ◎大西 総務部長  ただいまのトイレの検討状況についてお話をさせていただきます。  学校トイレ改修の検討につきましては,施設整備の担当課と教育指導の担当課とで連携を図りながら,現在,検討を行っておりまして,今後の施設整備,指導のあり方等について協議をしているところでございます。なお,引き続き内部での検討を続けていきたいものと考えております。  これまでの検討結果でございますけれども,洋式・和式便器の比率につきましては,見直しをいたしたいということで方向づけをしてございます。これまで,設置の基準でありますが,男子は4個のうち1個を洋式,女子は9個のうち2個を洋式としておりましたが,最近の家庭のトイレのほとんどが洋式化されている状況にありますし,児童・生徒を対象といたしました私どものアンケート調査でも,男子の65%,女子の45%が洋式がよいと答えておりますし,全般に洋式を好む割合が高くなってきております。  また,一方では,特に女子の子供たちの場合に,高学年になるほど洋式トイレを,人が使った後に使うのは嫌なので,和式の方がよいという声も多くあります。  これらのことから,今後の整備では,洋式と和式がおおむね同数となるように整備をいたしたいと,このように考えております。  以上です。 ◆本郷俊史 委員  今,お話がありましたけれども,全国の自治体では,昨年の12月ぐらいの資料ですので20ぐらいの自治体,政令市もかなり入っていますが,いろんな取り組みをされている中で,トイレの改修ということを一つのきっかけとして学校を変えていく,活性化していく。きょうもいろんなことが論議されているわけですけれども,さまざまな問題を抱えている今,その解決の一つのきっかけとなる,このような取り組みが,実はされております。単にトイレをきれいにして,子供たちの健康面に配慮してと,こういうことだけではなくて,トイレ改修に子供たちが,あるいは父母の方の一部,あるいは教師の方,こういった方がかかわっていく中で,結果としてそのことが来年から実施をされます総合的な学習の時間,こういうことになっていく。こんなことでございまして,子供たちの意見といいますか,こういったことを,どういうふうにこの取り組みの中で取り込んでいくのかということをお伺いしたいと思います。  それと,私ども,この2月,3月に市内の児童・生徒,8,000人を超える子供たち並びに父母の方にアンケートを行いました。市内の小・中学校生の大体5%ですから,そういった意味では,大体の傾向性というのをつかめたかなというふうに思っています。また,今回,こういった調査を教育委員会もやられましたけれども,今回が初めてでございます。さまざまなことがこの中でわかりまして,今後の改正に当たって,大変貴重なデータを提供させていただいたのではないかというふうに思っております。  その中で,当然,3K,5Kということは全国共通でございますけれども,札幌の特徴的なこととして,私たちもこのアンケート調査票をつくるときにそこまで意識していなかったのですけれども,自由記載欄の中に寒いという声が大変多くございました。お聞きしましたら,鉄筋コンクリートの学校ですし,暖房も入っていますということでございましたけれども,子供たちに聞いてみると,寒い,便器が冷たい,こういう声です。都市局に確認をいたしましたら,サーモスタットの設定温度は5度でございまして,要するに部屋の暖房を考えたのではなくて,給水管が凍らないようにという趣旨で,その近くに赤外線のランプがあって,5度になりますとそれがつくということだそうでございます。  5Kの中で,壊れているというのは,札幌は大変少なかったです。これは,皆様方が今まで手を加えてきたというふうにお聞きしていますから,4Kプラス1Sというのですか,札幌的な特徴としては。ぜひこのようなことも,この検討の中に入れていただきたいというふうに思っております。  それから,この意識調査の中で,特にびっくりしたのが,男子の中学生の要望として,男子トイレから小便器,要するにスツールです,これを撤去してほしい,全部洋便にしてほしい,そして全部個室にしてほしい。なぜかといいますと,要するに学校でトイレを我慢したことがありますかという問いに対しまして,中学生男子の43%が我慢したことがあると。なぜ我慢しますかという問いに対して,3Kに続いて2番目に,からかい,いじめを挙げているわけでございます。女子のトイレは全部ブースになっていますから,どちらで入ったかわからない。ところが,男子の場合は,ブースに入るということは当然大便をということになって,これがいじめやからかいの原因になっている。  お母さん方にも自由記載欄に書いてもらいましたが,今回初めて子供と学校トイレについて話し合って,自分の子供が9年間学校で一回も大便をしたことがない,我慢していた,こんなこととか,あるいは,子供が学校から帰ってきてトイレに駆け込むことがありますかと,よくある,32%,時々ある,53%で,合わせて85%ございまして,中学生男子に大変深刻な問題となっております。これがきっかけで不登校になってしまったというような声も寄せられているわけでございます。  私は,この整備にあわせて,単に整備するだけじゃなくて,先ほど言いました,子供たちがトイレに関して勉強していく中で,人間にとって本当に大切なこと,今,教育委員会の方では,保健の時間だとか,あるいは道徳の時間だとか,日ごろの学級の中で,そういったからかい,いじめをしてはならないということを話しておられるそうですけれども,こういったことでは全然効果が薄い。ですから,この整備をしていく中で,ぜひソフト面の対応も一緒に,先ほど施設整備と指導の両面でという話がございましたけれども,ぜひこういったことを考えていただきたい。  例えば世田谷なんかの例で言いますと,子供たちにアンケートをとって,トイレ出前教室をやって,そこで環境問題から健康問題,いろんなことを通して,そして実際のトイレの改修に子供たちがデザインだとか色だとかでかかわっていく中で,改修した後にアンケートをとりますと,学校でトイレに行けるようになった,こういう割合が大変高くて,ごく一部,それでも行けないという子は残りますけれども,大幅に改善をされている。こんなようなことをぜひ検討願いたいというふうに思います。  それから,改修についてですけれども,今お話しした世田谷区の場合は,最初の年に3校のモデル校でやりまして,検証を行って,その翌年から10数校ですか,計画を立てて,今,7年計画ぐらいで一生懸命進んでいるわけです。そういったところもありますし,最初に市全体の整備計画を立てて進めていくと,こういった取り組みの仕方,また,学校の改築に合わせてだとか,大規模改修に合わせて,こういうことと並行して,今年度から文部科学省の方でトイレ単独でも改修をすることができる,そういう制度改正をしまして,今,各自治体から400件ぐらい申し込みがあるそうですけれども,大規模改修でとなりますと,数ある中でなかなか進んでいかない。本市として,改修に向けて,どういった計画で取り組んでいくのかをお伺いしたいと思います。 ◎大西 総務部長  私の方から,3点のうち1点目と3点目につきましてご答弁をさせていただきます。  まず,1点目の児童・生徒の意見の反映についてでございますが,今年度の大規模改造事業の中で,小学校1校,中学校1校の2校につきまして,今年度,モデル的にトイレ整備を実施してまいりたいというふうに考えております。また,この整備に当たりましては,3月に実施いたしました子供たちのアンケート結果を踏まえますとともに,さらに,今回,具体的な仕様につきまして子供たちの意見も聞きたいと考えておりますし,子供たちが使いやすいトイレの整備を進めてまいりたいものと,こういうふうに考えております。  また,改修後の使用実態につきましても,アンケート等を行いまして検証を行い,今後のトイレの標準仕様の検討に生かしてまいりたいと考えております。  3点目の改修の方策についてでありますが,これにつきましては,ただいま委員からもいろいろなご提案をお聞きしました。それらのことも含めまして,ただいまのモデル事業の中で進めてまいりたいと思いますし,さらに,実施に当たりましては,大規模改造事業の中で必要に応じてトイレ改修を実施してまいりたい,こういうふうに考えております。  以上です。 ◎高橋 指導担当部長  私の方から,トイレ改修に当たってのソフト面の対策についてご答弁申し上げます。  トイレは,健康にも深くかかわりがあるわけでありますが,一方で,ご指摘のとおり,トイレでの排せつに伴っていじめやからかいなどの問題も懸念されますことから,各学校におきましては,道徳指導でありますとか保健指導,そして日常の学級指導において,排せつ行為は自然なものであり,恥ずかしいものではなくて,友達がトイレに行くのをからかってはいけないなど,機会をとらえて指導しているところであります。  しかしながら,学校トイレの改修を契機にして,こうしたことも含めまして,施設整備の扱い方を子供たちに考えさせることは,非常に意義のあることでありまして,そうした取り組みの中で,トイレ出前教室も一つの方法であろうというふうに考えております。  以上でございます。 ◆本郷俊史 委員  高橋指導担当部長,今のは,私言いましたとおり,今までやってきたわけですので,それでは効果は余り期待できない。ですから,トイレ出前教室も一つの方法だとおっしゃいましたけれども,今回の事業にあわせてそういった取り組みをしてほしいと,こういうことですので,よろしくお願いしたいと思います。  それで,今,大規模改修に合わせてというお話がございました。今年度2校やってみますと,これをモデルに検証しまして,来年度以降はどうなるのかということをちょっと確認させてください。 ◎大西 総務部長  トイレの改修のこれからの方向性ということでございますが,私ども,これまでの大規模改造ということでも,そのトイレの状況から,トイレの改修を行わない場合もございました。トイレの改修の重要性についての認識をいたしておりますので,今後につきましては,大規模改修の実施に合わせて,事業のメニューの中に加えて,でき得る限り実施をしてまいりたい,こういうふうに考えております。1年当たりおおむね10校前後ということになろうかと,小・中学校合わせてということになります。 ◆本郷俊史 委員  確かに,今までの大規模で,トイレ改修を含んでいないのもあって,今後は必ず大規模改修のときにトイレもいじると,こういう答弁ですけれども,今,320校ぐらいある中で,学校の新耐震基準と大体並行するかと思うのですが,築20年以上の学校が小学校で154校,中学校で57校あると。先ほど,洋式・和式の設置比率の話がございましたけれども,多分20年前ですから,そういう比率なのだと思います。  私も2カ所に実態調査に行かせていただいて,洋式はちゃんと各階に備えてありますとおっしゃっていただいたので,見ましたところ,その階の両側にトイレがあって,片方のトイレに,しかも洋便はそこに1個だけと。15対1というところも現実にございました。  このアンケート調査の中で,女子の回答の中に多かったのですけれども,時間が足りないと。個数の問題ではなくて,当然,子供たちは少子化で減っているわけですから,そういうことではなくて,使用するときに,なるべくきれいなところ,そして洋便できれいなところに並ぶということで,時間が足りないという声が大変多かったわけでございます。  今のお話でいきますと,200校割る10ということですので20年もかかってしまうと。新築のところは,結構4対6とかになってきているから,300全部ということではないですね。ですけれども,私どもは,このアンケート調査の結果をもとに会派として要望しておりますけれども,トイレ単独でも,先ほど最初に申し上げましたとおり,中学生の男子43%の中の18%がいじめ,からかい云々と,単純計算しますと2,000名以上ですよ。そういう状況をずっと放置をしておくのかと。まだおたくの学校は大規模でないのでというふうにはならないのではないかと思うのですよね。  したがいまして,先ほど申し上げましたとおり,文部科学省もそういったことで進めようとしているトイレに着目して,ぜひ単独事業であっても,トイレだけを改修するということであっても,7年計画とか,計画的に,ぜひやっていただきたいと思うのですが。 ◎大西 総務部長  トイレの改修について,単独でも積極的にというお話がございました。その必要性については認識をしているところでございますけれども,この委員会で,先ほどから特別教室等含めてのいろんな課題のお話等々いただきました。私どもとしては,我々に置かれている課題が非常に多い中で,ただいま本郷委員からお話しいただきましたことも含めて,いろいろな見地から施設整備について検討させていただきたい,このように考えております。 ◆本郷俊史 委員  確かに,先ほど小谷委員からもありましたけれども,教育に今までお金をかけてこなかったとは言えないと思います,日本の場合。大変なお金をかけて,今のランチルームだとかコンピュータールームとか,いろいろやってきたわけです。なぜか,トイレは教育施設でないと言わんばかりになっていたわけでございます。  学校を考えますと,子供たちは1日の3分の1,あるいは起きている時間の大半は学校で過ごしているわけでございまして,ここを整備するということは教育を支えるもの,教育だけではだめなわけですね,ですから,今,地域にとか,いろいろ言っているわけです。  学校施設で,朝,登校して教室に入って特別教室に移動する中で,子供たちがほっとする場所がない。それで,世田谷区では,子供たちに視点を当てて,明るく,きれいで,ほっとするトイレ改造ということに取り組んでおるわけでございます。ぜひやっていただきたいので,もう一回,どなたか。 ◎霜觸 教育次長  段々のお話を伺っておりました。ことしの初めから委員にいろいろご指摘をいただきまして,その間,我々も子供にアンケートをとる,あるいはシンポジウムに出させていただく,あるいは他都市を視察し,資料も集めて,トイレについての認識を新たにしたところでございます。  今,本郷委員からいろいろ段々のお話がございました。確かに大変重要な話でございます。  ただ,トイレ単独をいじりますと,工事的に申し上げますと,管そのものをいじる,あるいは,現実の今の面積ではなかなか足りないかというふうに思うのです。そういったことを考えますと,私どもとしては,そういった工事の効率もそうですし,予算等の制約もございますけれども,大規模改造なり,当然,今差し迫って学校の改築問題が山積しているといいますか,山ほど抱えているものですから,そういったときに合わせながらやっていくしか方法はないというふうに考えております。  それにいたしましても,現状の中で直せるものがあるところは,ぜひ直してまいりたいというふうに考えております。 ◆本郷俊史 委員  先ほど言いましたとおり,今,そういった中で置かれている,築10年とかは何とかまだ我慢できる,ある程度,ちょっと手を加えれば,工夫すれば,匂いだとかは。けれども,もう二十数年,30年たっていて,この5年,6年の中でも手はかけられない,こういった残るところもあるわけですよ。ですから,ここは工夫をされて,先ほど例に示した15対1,これはないですよね。洋便1で和便が14と,こんなところやっぱり方法を考えて取り組んでもらいたいと思うのです。ぜひ検討いただきたいと思います。
    ◆熊谷憲一 委員  私は,大きく四つのテーマで質問させていただきたいと思います。一つは,30人学級などの少人数学級を推進させるため,市の教育委員会の基本的な考え方について。二つ目は,全国的にも少人数学級の動きが進んでいる中で,現に40人を超える学級があることに対する改善を求めるもの。三つ目は,学校の建てかえ,耐震対策にかかわる問題について。四つ目は,学校の安全対策についてであります。  まず,第1の質問は,少人数学級に関してです。  改正義務教育標準法がことし4月に施行されたのを受けて,今年度より,秋田県を初め5県で,生徒数が一定以上の場合に学級編制の弾力化を実施するほか,生徒指導上困難な特別な事情のある場合に弾力化するところも5府県あり,また政令指定都市で名古屋市や神戸市,広島市なども弾力化を行っているなど,少人数化の動きは進みつつあると思います。  埼玉県志木市では,来年度から小学校1・2年生の児童数を25人にすることとし,県の教育委員会に同意を求めていると報道されています。  また,北海道でも,9月4日の我が党の大橋議員の質問に答え,道として今後の検討課題にしたいとして,初めて弾力化に向けて前向きな回答をしております。  近年,大きな問題となっているいじめや不登校問題は,先ほども指摘がありましたけれども,札幌市において,1994年以降,高水準で推移していると。これらの解消のため,あるいは新たにこういう事態を発生させないためにも,少人数学級の実現,これが非常に大事だというふうに確信しております。  そこで,質問でありますけれども,本年5月1日現在で,札幌市立小学校の総学級数3,084学級に対して1,133学級,36.7%が30人以下学級になっており,一方では40人近い学級がかなり存在するなど,その格差は無視できない状況の中で,今こそ札幌市の教育委員会として,弾力条項を活用し,30人学級に踏み出すべきと考えますがいかがか,お伺いします。  あわせて,中央区の4小学校統廃合計画についてです。  中央区では,微増ながらも人口がふえており,それに従い児童もふえてきております。少人数学級が近い将来,実現していくとすれば,中央区の4小学校統廃合の計画は修正が迫られるのではないかと思われます。事実,例えば曙小学校では40人の学級が生じており,大通小学校でも少人数学級実現されれば2学級編制が必要になると。この際,統廃合計画を先送りし,状況を見守るべきではないか,伺います。  第2点目は,40人学級を超えている学級が存在することの問題であります。  本年4月10日現在,小学校で4校6学級,中学校では3校15学級が40人を超える学級となっております。標準法の考え方は,40人を超える学級はつくらない,40人以下の学級とする,40人が上限だということだと思うのですけれども,早急に是正すべきと考えますがいかがか,お伺いをいたします。  三つ目は,老朽化している学校校舎の改善の問題であります。  この問題については,我が党はこれまで何回にもわたる質問で強く求めてきたものでありますが,40年を経過している学校校舎の建てかえ問題については,学校施設も悪化の一途をたどっていますし,また,待ちに待っている地域住民の期待にこたえるためにも,次期5年計画を前倒ししてでも計画化すべきと考えますがいかがか,お伺いをいたします。  また,耐震上問題と言われている学校校舎について,早急に耐震診断を行い,必要な耐震補強を行うべきであると強く求めてきたものでありますが,この面での取り組みは今どうなっているのか,今後の計画等についてもあわせてお伺いをしておきます。  四つ目ですけれども,学校の安全対策の問題,この問題で質問がなされておりますので,重複を避けて質問をさせていただきます。  池田小の事件後,モニターつきインターホンの設置など,ハード面での対策はかなり緊急に行われてきましたけれども,ソフト面といいますか,とりわけ人的な面での対応について,実態的な対応に不十分さが見られるのではないか。その対応がどのようになっているのか。  学校管理運営検討委員会での議論,これについても,まだ緒についたばかりだというのも先ほどの答弁の中でありましたけれども,そういう実態でありますから,どのような状況になっているのか,お伺いをいたします。  以上,よろしくお願いします。 ◎岩崎 学校教育部長  少人数学級の2点につきまして,私の方からお答えをさせていただきます。  まず,1点目についてでございますが,今回の義務標準法の改正に伴いまして,他府県あるいは政令市の一部で学級編制の弾力化を図っていると。このことについては,委員のご指摘もございましたが,私どもも承知いたしているところでございます。しかし,北海道におきましては,義務教育諸学校学級編制基準規則について,いわゆる弾力化を図ることなく,少人数の学習集団による授業展開,複数教員によるチーム・ティーチングなど,いわゆる加配措置による定数改善を行っているところでございます。  また,さきの代表質問でもお答えを申し上げたところでございますが,本市において,平成13年5月1日現在の児童数をもとに,小学校の1・2年生で30人学級を実施するとした場合には,年間およそ25億円の人件費の負担が見込まれるところでありますし,このほかに,教室確保のための増築費用等が必要になるものと考えております。  委員のご指摘がございました,まさに今,道が今後の検討課題と述べておりますので,私どもといたしましても,引き続き道の動向を見きわめてまいりたいと考えているところでございます。  2点目についてでございますが,40人を超える学級があるというご指摘でございます。  先ほども述べましたが,学級編制は道が定めます基準規則に従いまして,毎年4月1日現在の在籍児童・生徒数をもとに,1学級40人を基準として行われますが,最終的には4月10日という時点を設けまして,その時点での在籍数により確定がなされて,教員定数などが決定をされているところでございます。北海道におきましては,4月10日時点で,基準を一律40人とするのではなくて,在籍数にある程度の幅を持たせているところでございます。  したがいまして,委員ご指摘のとおり,本市におきましても,4月1日の時点で七つの小・中学校で41人学級が1学級ずつございましたが,これは,ただいまお話し申し上げましたとおり,40人の基準に機械的に対応することなく,幅を持たせて,年度途中における学級解体を防ぐための制度であることをご理解いただければと,このように考えているところでございます。  以上でございます。 ◎大西 総務部長  私から,3点についてお答えを申し上げます。  まず,都心部4小学校の統合問題につきましては,今議会の代表質問に教育長からお答えいたしましたとおりでございまして,子供たちの教育環境の整備を目的として統合するということで,さきの第2回臨時市議会におきましても,統合校の設計費等をお認めいただいたところでございますので,平成16年4月の統合校開校に向けまして着実に進めてまいりたいと,こういうふうに考えております。  次に,健全度調査についてでございますが,1点目の進捗状況でございますが,今年度は,旧耐震法以前の昭和45年より前に建設の48校につきまして,簡易耐震診断と劣化度調査を行っておりますが,現在,順次,調査業務を委託してございまして,今年度中に調査結果がまとまる予定になってございます。  次に,学校の安全管理の人的な対応についてでございますが,委員お話しのとおり,私どもとしては,学校施設面の整備ということで,モニターつきインターホンであるとか,管理錠の設置をこの夏休みに行ったところであります。2学期以降につきましては,その運用を行っていただきまして,登校時間が終了した時間から下校時まで施錠をする,そして学校職員が一体となって出入り口の管理をする,または学校内の巡視をする。また,学校行事等に際しましても,これまでどおり,保護者や地域の方々の協力のもとに学校安全管理の対策を講じる,さらには一層の充実を図る,そのように図っているということで聞いております。  以上です。 ◆熊谷憲一 委員  4小学校統廃合の問題についてでありますけれども,とにかく,一たん廃校になったら取り返しがつかなくなることは,もうはっきりしております。将来に禍根を残さないためにも,この統廃合計画について白紙に戻すべき,このことを強く求めておきたいと思います。  それから,30人学級のご回答でありますけれども,札幌市の方針としては,道としてやっていないということ,それと道の動向を見ながらやっていくということで,少人数学級というか,30人学級に踏み込む考え方はないという方向を,今,回答されたと思うのですけれども,確かに,全部の小学校の1・2年生で30人学級を実現するという点では,先ほども回答がありましたように,25億円,教員の配置やなんかも含めてそのぐらいが必要だと。そういう点では,国と道の動向というのは決定的なことになります。  しかし,少人数学級を少しでも前進させていくと。先ほども前段で述べましたけれども,いろんな県では,例えば35人だとか30人程度の学級をつくるだとか,そういう形で少人数学級に踏み出しているところが結構あります。例えば,小・中学校の1・2年生で弾力条項を積極的に活用すると。  私は,今現在,4割弱のところが既にもう30人以下になっているという現状から見ても,例えば小学校1・2年生から出発させるということが実現可能になるのではないかというふうに考えているのですね。ほかのところでもやっておりますけれども,標準法の枠内で教員の配置をシフトしながら,そういう形で実行しているところも多いですし,実際に今回の改正標準法の考え方になった教職員配置のあり方に関する調査研究協力者会議の中でも,弾力的に改めるというところで,市町村に対して包括的に配置する教職員を示し,当該市町村教育委員会に各学校への具体的な教職員定数配分をゆだねることも,地域や学校の状況や種類に応じた教職員配置の上で効果的とも言えると,そういうふうにした方が効果的だとも言っておりますし,実際には幾つかの県で,あるいは幾つかの市で,そういう方向で少人数学級に踏み出しているということからいえば,ぜひそういうことも含めて検討すべきでないかというふうに考えますがいかがか,お尋ねをいたします。  それから,40人を超えている学級でありますけれども,道の基準規則が42人から38人まで,4月1日から4月10日までの間に一定の変動があった場合も,その範囲では学級数を4月1日時点で決めた学級配置数,学級編制を変えないということで,結局はそういうことになっておりますが,先ほども言った協力者会議でも,やはり40人が上限だと。これは,やっぱり法の考え方だと思うのですよね。町村文部科学相も,当時,現行の標準法というのは40人以下の学級だよということを述べているのであって,だから,そういう点で言えば,道の基準の考え方というのは,僕は余り正しくないのではないかというふうに思うのですよね。特に,学級の途中解体をそれによって避けられることで,あたかも子供にとってこれがよしとするかのような考えでありますけれども,4月1日時点で40人を下回る児童数であったのが,4月10日時点で上回ることが予想されるのにもかかわらず,相変わらず学級の増の手だてがとられていないということなのですよね。  実際問題として,ことしの場合は4月6日が入学式で,その後,4日後に道の基準日があるわけです。実際に学校の先生なんかに聞きますと,4日間は4月1日の体制でやるけれども,4日以降ほとんど丸1年は結局41人ないしは42人の学級で運営しなきゃならないということになると,むしろこれは大変だと。学級編制がえ自体はそれほど大きな困難ではないというふうに言っておりますし,ぜひ教育委員会としても道に,道の基準がそうでありますから,40人を超える学級をつくらないような,そういう同意を求めるべきではないかというふうに考えるのですけれども,その点についてもう一度お聞きをしておきます。  それから,学校校舎の改善の問題でありますけれども,建てかえの問題について言えば,40年を経過する学校が急速にふえると。住民の期待にこたえる建てかえの計画化,とにかく住民はいつになるのだと。40年たったら建てかえになると言われているけれども,市の財政が厳しいし,そういう計画が全く5年計画では触れられていないということで,不安を持っていることは確かであります。ぜひどういうふうにするのか,そういうことも含めて計画化をきちっとやっていただきたい。  耐震診断については,確かに精力的に行ってきていることは高く評価をしているところでありますけれども,問題はその後の対処についてであります。対処の仕方については,次期5年計画でというお話でありましたけれども,問題は,子供たちの安全が危惧されると診断をされた学校があるわけですよね。私は2年前,この問題を取り上げてやりましたけれども,例えば総崩壊だとか,一たん地震が来たら1階部分が全部落ちてしまうのではないかと,そういうような不安がある校舎もあったように記憶しているのです。そういうことも含めて,必要な耐震補強というのがあると思うのですね。全部やって,終わってから対策を立てるのではなくて,財政も含めて,必要なところから必要な予算化をしていくと。何といっても子供の安全の問題ですから,もし事故が起きたときに,知っていて手を打っていないということになると弁解のしようがないわけで,ぜひ耐震補強に取り組むべきことを強く求めておきます。  それから,安全対策ですけれども,これについては,実際に,学校行事があったりしたときに,多くの父兄や生徒が行き来する。放課後についても自由に出入りできるのですよね。私が見たところでは,オートロックの出入り口があって,その隣に自由に出れる出入り口があると。学校の先生は,オートロックで中から操作して出ていくのですけれども,子供たちや父兄が自由に出入りしているという実態があったわけですよ。  人的な配置も含めて,学校で,父兄も交えて検討してほしいというお話で,きっと指導はされているのだと思うのですけれども,今,実際にそういう状態になっているという実態も踏まえて,例えばそういうときには人的な受付をつくったり,出入り口を監視できる人を配置するということをぜひやっていく必要があるのではないかというふうに思いますが,その辺について,ぜひ努力を求めておきたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  まず,1点目の,いわゆる義務標準法に基づきます配置基準の枠の中で,一定の要件を満たす学校におきます特定の学年についての弾力化についてでございますが,これは一定の枠の中でございますので,担任外教諭を担任に回すなどの方法によって40人を下回る学級編制を県レベルで実施している,こういう例を私どもも聞いているところでございます。もし同様の手法を市町村が独自に行うという場合には,やはり道府県の同意が必要とされておりますし,現段階におきましては,先ほども申し上げましたが,道がこの基準規則を改定してございません。いわゆる弾力を図っていないところから,私どもといたしましても道の基準によるべきものと,このように考えているところでございます。  2点目の,40人を超える学級について,法の考え方と矛盾するのでないかと,改めてこの見直しについてというご質問でございますが,これも先ほどお話し申し上げました義務標準法に基づいて,基準規則の中,段々の法体系の中で道教委がこの基準日を定めてございます。この基準日をどこに置くかということも一つ大きなところでございますけれども,いずれにしても,どこかで基準日を設定して,そこで学級編制を行わなければいけないということでございますので,現段階におきましては,道のこの基準日に従ってやらなければいけないと,このように考えているところでございます。 ◆熊谷憲一 委員  第7次の定数改善で,小学校で,第6次と合わせて,札幌市の場合は222名の教職員の加配が行われております。その大半は指導方法の改善あるいは少人数指導を目的として配置されております。こういう加配教員の力も活用し,臨時採用の職員の導入も含めて検討すれば,標準法を大幅に超えることなく,新たな財政負担も,先ほど言った25億円ではなくて,最少限に抑えて実施可能になるのではないかというふうに僕は考えます。  考え方として,道の基準が変わっていないからということなのですけれども,あくまでも学級編制の主体というのは市の教育委員会にあるわけです。確かに,弾力化についても,あるいは学級編制の基準にしても,都道府県の教育委員会と協議し,その同意を得なければならないと,あるいは都道府県の教育委員会が定めた基準に従わなきゃならないというふうには言っておりますけれども,従うということと,そのとおりやるということとは違うと思うのですね。だから,必要な場合には同意を求める。志木市の場合も同意を求める,名古屋市の場合も同意を求めているわけですよ。県の基準とは若干違う方向でやりたいというときには,同意を求めているわけですね。だから,そういう点では,ぜひそのことを積極的というか,主体的に考えて,場合によっては,例えば1年生の一定の学級について少人数学級に踏み出したいということであれば,ぜひそのことについて同意を求めると,そういうこともできるのではないかと。ぜひそのことを検討して,道に対して要望をしていただきたいと思います。  それから,40人を超える学級についてであります。これも同じ理由でありますけれども,やはり不正常ではないかと。しかも,この間もずっと,40人を超える学級がいろんな都道府県にありましたが,大きな要望によってどんどん減らしてきているのですね。ところが,札幌市の場合は,道の基準をそのまま受け入れるということで,結局は,最終的に42人の学級をつくってしまうという事態になっているわけですから,やはり札幌市もこの辺についても主体的な判断,子供のためを思って,ぜひ,40人を超える学級をつくらないということで,道に同意を求める,申請をするという立場を強く求めて,私の質問を終わらせていただきます。 ◆山田一仁 委員  私の方からは,いよいよ来年から始まります完全週5日制,言うなれば週休2日制ということにかんがみまして,一部質問をさせていただきます。  私もことしの1定の代表質問等でこの質問をさせていただきました。特に,中学校の部活動という面に関しまして,5日制に伴って部活動が今後大変重要ではないかということでございます。確かに休みの目的,週休2日制の目的はわかりますけれども,休みになりますと,なかなか日本の社会,その2日をうまく過ごしなさいと理想論を言っておりますが,現実に,果たして日本の今日の社会がそういうふうに過ごせるかというと,なかなか日本人はそういうわけにはいかない。ヨーロッパと一緒にやろうと思っても,できないと思うのであります。中学のときに,学校にいる分にはいいのですけれども,休みのときにどうするかというと,僕は特に重要なのが部活動だと思うのであります。  ヨーロッパ的に見ますと,特に運動関係では,地域スポーツが発展していますから,学校スポーツというのは余り,どちらかというと,地域スポーツが強いのは重々知っております。しかし,日本の今日までのスポーツ関係の部というものを見ますと,すべて学校,あるいは社会に行きますと,いわゆる企業スポーツと。これが,今日の日本のスポーツを発展させたことは事実であります。いずれは地域に行けばいいのですけれども,しかし,そうはなかなか簡単にいかないとなるならば,中学の部活動というものをひとつ考えていかなきゃならないなと,こう思うのであります。  しかしながら,やはり残念なことでありまして,小学校から中学校に入るとき,みんな夢を持っています。私も小学校のPTA会長をやっておりますけれども,中学に行ったら,あの部,あの部,あの部と言っております。別に運動部に限りません。いろんな部に夢を持っていますが,現実に今の中学の部活動というのは,中学校に入っても,やりたい部がぱっとそこにはない。野球かバスケットかサッカーぐらいはあるけれども,ちょっと違う方に行くとなかなかないと。  確かに,こういう面では,指導者がいないというのも大きな問題でありまして,1定のときにも,これからの指導者の育成ということを教育委員会の方にもこれからやっていただきたいと訴えさせていただきました。それは,ひとつ訴えて,これから少し時間がかかる成り行きになろうと思いますけれども,とりあえず,まずその中で,教育委員会の方に3点ほどお伺いしたいと,かように思います。  そういう意味におきまして,教育委員会といたしまして,部活動の意義というものをどういうふうに認識しておられるのか,まず1点お伺いしたい。  それから,中学校の運動部の活動数の推移と,現在の設置状況及び生徒の部活動参加率というのですか,これについてちょっと数字を教えていただきたい。  もう1点は,部活動の指導者となっている教員数と,その率と,その推移と現状についてお伺いしたいと,かように思います。 ◎高橋 指導担当部長  まず,部活動の意義についてでございますが,部活動は,学校教育における正規の教育課程に位置づけられているものではございませんけれども,各学校においては,部活動で培われる教師と生徒との人間関係は日常のあらゆる教育活動に生きていくことから,その重要性を理解する教職員の熱意によって,これまで支えられてきたものと考えております。  本市における中学校の運動部活動数の推移についてでありますが,平成9年度には1,237部であったものが,平成13年度には1,190部となっておりまして,5年間で40部以上の減少となっております。  また,現在の設置状況につきましては,98中学校のうち,野球部が93校,サッカー部が91校,男子バスケットボール部が87校,女子バレーボール部が82校,女子バスケットボール部,バドミントン部がそれぞれ80校となっております。  生徒の参加率につきましては,全生徒数5万3,855人に対しまして2万7,642人が部活動に参加しておりまして,率で申し上げますと51.3%の参加率となっております。  最後に,部活動の指導者となっている教員数とその率の推移,現状についてでございますが,平成9年度には,全中学校教員数2,816人に対しまして1,485人の教員が部活動の指導者となっており,全教員に占める割合は52.7%でございました。今年度におきましては,全中学校の教員数が2,524人のうち1,355人が指導者となっておりまして,その率は53.7%となっております。指導者数は130人の減少となっておりますけれども,全教員に占める率はほとんど変わってございません。  以上でございます。 ◆山田一仁 委員  教員の率は減っていないということで,先生方に大変頑張っていただいているなと,かように思うのですけれども,そうなると,部の方が40ほど減ってきたということでございまして,先生方は頑張っていただいているが,反面,部が減ってくると。  これは,いろいろ原因もあるでしょう。少子化というのも一つあろうと思います。それとともに,先生が転勤になりますと,その学校で廃部になってしまうのです。次にその先生と同じ一芸といいますか,指導力というか,得意分野がある先生が来てくれれば部も残るのですが,それがならない。こういう原因もあろうと思います。こういう面も本当は考えていただいて,異動するときに,その先生と同じ部が持てるような先生が来てくれればいいのですけれども,なかなかそうも簡単にいかないことは十分わかっております。  そういう中におきまして,私は代表質問でも言わせていただきましたが,やはり地域のスポーツ愛好家,あるいは,かつて頑張っておられた,運動に限らず文化系のクラブでもやっていた,そういう先生方が退職されていらっしゃるとするならば,そういう先生方の活用はどうかということを前にもお話しさせていただきました。  その点で,1点だけ聞かせていただくなら,いわゆる部活動における地域人材の専門的なエキスパートというか,そういう人方の活用について,今日,どういうふうになっているか,少しお伺いしたいと思います。 ◎高橋 指導担当部長  地域人材の活用状況でございますが,今年度,教育委員会に報告がありました外部指導者につきまして,9月末現在で65校が導入し,117人の報告を受けております。  部活動別の導入状況では,バスケットボール部に20人,サッカー部17人,野球部13人,柔道部,バドミントン部11人,バレーボール部10人などとなっております。  また,外部指導者の中には,保護者及び卒業生の保護者が48名,地域住民の方々が16名,自校の卒業生が12名などとなっておりまして,地域の方々のご理解とご協力をいただきながら実施をしている状況であると理解しております。  以上でございます。 ◆山田一仁 委員  今,総数で117名ということでお聞きしました。  ことしも3日休みなんていうのは結構たくさん出てまいりました。これから,5日制,いわゆる週休2日制で,来年はこういうのが本当にどんどんふえてくるわけですけれども,言うなれば,こういう地域の人にお願いしていく,ボランティアでしょう。そういう面で,お願いしていかなきゃならないことが多くなろうと思うのです。先生に全部やってくれと。例えば,3連休を全部部活に来いと。先生がちょっと体調悪くても来なきゃならないようになってきたのでは,大変であります。そういう面では,私は,いわゆる地域人材,いろんなエキスパートをたくさんお願いしていくことがこれから大事ではないかなと思っているのです。じゃ,どうやってお願いしていくのだと。ただ来てください,来てくださいと言っても,私は117名だと思います。  私が知っている限り,例えば,部ですから文化系もあります。特に,運動部で一つ例を出させていただくならば,運動というのは大抵札幌に連盟を持っています。何々連盟とあります。そこの連盟に行きますと,いろんな形で,例えば野球をやるなら,100人の監督,コーチを送りますよとは申しませんけれども,それなりの人材を彼らは物すごく持っております。ほかの運動でも持っております。  ひとつ,そういう人方と連携をとっていくということがやっぱり大事だと思うのですけれども,これは一概に今すぐやれと言っても,もちろんなかなかできません。けれども,これを検討していかなきゃならぬ。言うならば,来年度に向かって,これからあと半年ありますから,こういうものを検討していただきたいということを今言っておきます。  今どうのこうのと言っても,相手のあることですから,返事をもらっていないのに,できません。ただ,そういう面をかんがみて,まず教育委員会として,これから来年に向かって地域人材の活用を本当にさらに促進するということで,教育委員会としての方策をひとつお聞きしたい。  それともう1点,急遽で,本間次長,申しわけございません。私は1定のときにお話しさせていただきました。それと一緒に聞いたのが,5日制に伴う学校開放なのです。中学は,何とかまだ部があります。小学校は,そんな運動部だとかクラブ活動はまだ発展していません。じゃ,小学生はどうしていこうか。小学校は,それでも割と地域スポーツ,例えば野球,サッカーにしてもまだ全部とは言いませんけれども,そこそこできております。でも,やはりなかなか地域スポーツをするにしても場所がないのです。そういう面での学校開放,あるいはスポーツをしなくても,どうやって開放していくかという,この学校開放の問題は,1月のときに,これから検討してまいりますという当時の山教育長のお話でございました。  まだ半年ですから,来年まで,まだ残り半年あります。ここまで検討した結果を全部,ここまで検討しましたとは出ないと思いますけれども,少なくとも何らかの検討がされていたとするならば,その辺の検討もひとつ,突然で申しわけありませんけれども,本間次長にお願いしたいと思います。 ◎高橋 指導担当部長  地域人材の活用をさらに促進するための方策ということでございますが,私ども教育委員会といたしましては,平成9年度から10年度にかけまして,2校の中学校に学校外の社会人活用を課題とした外部指導者の活用のあり方について研究を委託してございまして,今年度につきましても,外部指導者の導入から5年目を迎えた現状について,中学校教員によるグループに研究を委託し,その成果と課題について検討を続けているところでございます。  また,平成12年度から,外部指導者の方々にスポーツ傷害保険料を措置してございます。さらに,本年度からは,文部科学省の事業で部活動の充実を図るために,専門的な指導力を持っている方を派遣するスポーツエキスパート活用事業が行われておりまして,その中で9名の外部指導者を6校に対しまして派遣しているところでございます。  私どもは,部活動に大きな意義を認めておりますことから,今後も部活動の充実に努めてまいりたいと,かように考えております。 ◎本間 教育次長  学校開放についてのその後の検討状況についてということでございますが,確かに学校開放につきましては,来年度からは学校完全週5日制に伴いまして,土・日が完全に学校が休みになるということから,極めて重要なことというふうに認識をしております。本来でありましたら,そういう学校開放の手順といいましょうか,いろいろな問題につきまして担当部課で検討を進めていくところでありますが,今年度につきましては,先ほど来お話が出ておりますが,学校管理運営検討委員会を庁内に設置しておりまして,そういう中で,主として安全管理の検討を進める中で,この学校開放は,開放と管理とが常に表裏一体となる問題でもありますので,できる限り子供あるいは地域の皆様に学校施設を利用していただくという姿勢のもとに,その管理のあり方等について,今,その検討委員会の中で検討しておりますので,この先も鋭意検討を進めてまいりたいと,このように考えております。 ◆山田一仁 委員  最後に,次長の言われるのはわかります。まだ半年です。まだ残り半年ありますから,本当に検討して,来年いよいよ始まりますから,地域のために実行できるように,ひとつその辺,来年の1月にまたお聞きしようと思いますので,それまでによろしくお願いしたいと,かように思います。  それと,外部指導者の問題で,今,6校やってきたということで聞いております。これからも,このエキスパートに限らず,いろいろな学校の中にこういう指導者を,大学時代頑張ってきた人,社会人で頑張ってきた人,そういう人がいらっしゃる,みんなじゃないですけれども,やりたいという人もいらっしゃるので,そういう方にこれからもお願いしながら,ある一面ではボランティアでしょうけれども,お願いしていきたい。  しかし,何でもかんでもボランティアというのでなく,例えば,スポーツの場合,特に言えるのです。ただ指導者に来てくれじゃ,指導する方もやっぱりやりがいがありません。もしも監督という立場ならばベンチに入れると聞いておりましたけれども,中学のスポーツのルールの中に入れるように,監督としてきちっと認知してもらえる,そういうふうにしてあげなければだめなのです。ですから,そういうふうに立場をきちっと明確にしてやる。何も報酬出せと言っているのでないです。相手も,報酬を受けるとは恐らく言わぬでしょう。そういうふうにしていってほしい。  それから,そういう面で,もちろん保険ぐらいは結構です。小さな経費,交通費や弁当代ぐらいは,そのぐらいは持ってやってください。そのぐらいのきちっとしたものをつくって,たくさんのスポーツ連盟,あるいは文化でも連盟があれば,そういうところにいろんな形の中で,音楽でも結構じゃないですか,絵でもいいじゃないですかということで,これから大いにやっていただきたい。  まだ半年あります。今,同じことを言いましたけれども,来年の1月に,これもまたもう一度聞きますので,それまでにいろいろご検討をお願いしておいて,終わります。 ○畑瀬幸二 委員長  ここで,委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後6時1分       再 開 午後6時21分     ────────────── ○畑瀬幸二 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き,質疑を行います。 ◆猪熊輝夫 委員  それでは,私の方から何点か質問させていただきます。  まず最初に,幼稚園関係の部分で質問をさせていただきたいと,こう思っています。  最初に,従前から主張させていただいてございます,いわゆる幼保一元といいますか,保育一元といいますか,そういう部分での考え方について,何とか教育委員会が,保健福祉局などを含めて,札幌市の就学前乳幼児対策ということで,一つの方向を整理して打ち出していくべきだという立場で発言をさせていただきたいと思っております。  従前からお話しさせていただいておりますけれども,女性の社会参加状況,それからこれからの見通し,あるいは,幼稚園の実態,保育園の実態,こういった部分など,そして今,本市の都心における4校の統廃合,この施設の中で,小学校の中に乳児保育園と幼児保育園という部分を,あえて今の段階で複合施設として投資をしていくというような点などを考えていきますと,少なくとも保育園と幼稚園を分離するという理由はなく,地域という単位で就学前の子供対策というのが具体的に展開をされることが理にかなっているのではないか。こういう立場に立つわけでございますが,そんな点で,本市教育委員会が一歩あるいは半歩という感じで踏み出していくべきと考えます。  少なくとも,東京都千代田区和泉小学校を中心にして,千代田区がいろいろな展開をされていっている。それが今,国に対しても具体的に動こうとしているというような状況を含めて,本市もまたそういった点で,具体的に踏み出すべきではないかということが一つです。その考え方はいかに。  もう一つは,幼稚園は,公立17園,私立134園の151園ありますけれども,3・4・5歳保育を札幌市の幼稚園が行うという状況の中で,公立の幼稚園17園の中で,なぜ3園しか3歳児保育ができないものなのかと,私は不思議でなりません。  公私に格差があってはいけんません。公私がともに同じような受け皿を整備すべきだ。そして,いい意味での競い合いの中で,民間のよさ,公立のよさ,あるいは公立の果たす役割,民間の果たす役割,こういったものがいい意味で,作動するというか,刺激し合って,市民の声なき声にこたえていくことになるのではないかと思いますが,歴然と3歳児というのでなく,4・5歳という形でその多くがなされていることは,残念ながら理屈にかなっていない。この部分について速やかに対処すべきと,こう考えますが,いかがでしょうか。  この2点,質問いたします。 ◎大西 総務部長  ただいまの2点について,私からお答えをいたします。
     まず,1点目の幼保一元化等につきまして,委員お話しのとおり,このたびの都心部4小学校の統合に伴います複合施設化等の住民要望を含めた複合化に当たりましては,確かに保育所並びに幼稚園等の合築等も検討いたしたわけでございますが,いかんせん,地域には私立幼稚園等々が近くにございまして,なかなかその調整等ができないという中で,まずは小学校と保育所との連携,また,その交流の教育を進めるというような視点から,その他,子育てセンター等を入れることとしたところであります。  これまで,私どもは,児童家庭部と緊密な連携または必要な情報交換等を行ってきておりますが,子供の視点に立てば,出生率の低下に伴う児童数の減少,あるいは地域における子育て環境の変化など,子供たちを取り巻く環境が大きく変化しております今日にありまして,子供たちの成長・発達に応じた体験や教育の機会をすべての子供に等しく保障することが必要であると認識をしております。  したがいまして,これまで以上に,同じ未就学幼児を対象といたします児童家庭部の方とも連携を密にしながら,協議をさらに進めてまいりたいと,こういうふうに考えております。  2点目の3歳児保育の市立全体での受け入れをということでございますが,現在,本市は,3歳児についての受け入れを3園でしているわけでありますが,これを加えまして,私立を含めた幼稚園3歳児の就園率は,ことしの5月現在で30%となってございます。平成7年に策定いたしました札幌市幼稚園教育振興計画では,平成12年度末で全3歳児の60%の就園率を目標としておりましたが,現状ではその半分となってございます。しかし,平成7年に計画をいたしまして以来,今までの就園率を見ますと,わずかでありますが,少しずつ就園率は伸びておりまして,保護者の関心が広まってきている,こういうふうに私ども考えているところであります。  また,委員お話しの3歳児保育の全体化につきましては,これら,保護者のニーズ等も見ながら,私立も見ながら検討してまいりたいと,こういうふうに考えているところであります。  以上であります。 ◆猪熊輝夫 委員  それで,保育園と幼稚園という点での一元化という問題については,今の部長のご発言を聞いておりまして,今までの発言とは少し違うなということを率直に感じます。そんな意味では,本当に保健福祉局と教育委員会が,いまだかつてないぐらい,この複合施設を具体化する過程の中で,相当話し込んできているなというのを僕は実感します。  そこで,言ってみれば,私立の幼稚園などが学校の中に入っちゃうというぐらいの思い切った発想の転換というのが,僕は,ある面ではあっていいという感じもするのですが,しかし,一方で,保育行政が相当立ちおくれていて,待機児童が相当いらっしゃるという状況の中で,そっくり移転というようなことが可能かどうかという点を私自身も苦慮しないわけではありません。  いずれにせよ,区役所と連絡所というのをこれからどうするかというようなことなどの検討を一方でいただいていますけれども,これは強化・発展をさせるという方向なのですよ。それで,地域コミュニティ活動というものを全面展開していく。そして,少子高齢化対策などを中心に据えて,コミュニティ活動を展開していこうという方向が出されています。  それに,ある面では,今回の中央区の複合施設というのは,本当にうまく重なり合っていく方向だろうと。だとすれば,それらの内容などについてもやっぱり思い切って,新しい世紀は発想を切りかえて,市民の期待にこたえていくのだという情熱を具体化させていくという,一つの節目をどこかでつくるべきだという思いを強くしているところです。そんな点では,答弁が相当変わってきたという点で,僕が再質問するまでもなかろうと,こう思いますので,期待を込めて,ひとつ近々具体化する方向というものを発表されることを期待します。  それから,3歳児の関係は少しいただけないのです。どうしてこだわるかというと,私自身に,父母の皆さん方から,どうして公立は4歳からなのと,民間と公立に格差を生じさせるということはやっぱりおかしいということを含めて,相当の要望があるのです。ですから,率直に言いますよ,要望が高まってきたら徐々にいこうなど,皆さんはすぐ市民の皆さん方にアンケートをとるのがお好きなようだけれども,該当年齢のお母さん方に聞かれたら,アンケートをとるまでもなく,やっぱり3,4,5ということでの保育を期待しているということですよ。私立のよさと市立のよさということを比べっこしながら,自分たちの置かれている家庭環境や社会の状況に合わせて選択をするという方向にすべきだということを僕は感ずるものですから,もう一回,もう一回,同じ部長に質問すると同じ答えになるかもしれませんので,この場合,道見委員がぜひと言われていた担当次長の方から,このことについてもう一回聞かせていただければと思います。  それから,次に,統合教育の関係についてもあわせて質問させていただきたいと思っております。  今,札幌市の教育は,ある面では,明確な分離教育で,交流ということでそれを補完していると,こういうことが教育委員会の一貫した姿勢です。しかし,皆さん,僕はある教頭先生に聞いた。あるいは,ある教壇に立っている先生に聞いた。だれ一人,交流教育というのが本当にうまくいっているよと言う先生はいなかった。しかし,中にはうまくいっているところがあることも承知しています。しかし,ごく少数だ,これは。  僕は,社会参加の問題で,これからは,ハンディのある子もない子もという形で社会参加をするということ,いわゆる共生社会をどう具体化するかです。それを感性豊かなときにこそ養っていくべきだ,身につけていくべきだ。幼稚園,保育園で統合教育をやっているが,なぜ義務教育で分離になるのか。こんな理屈はどこにも出てこない,これは,延長していくのが正しい。そして,全国的にもやっている。いろいろ質問したら,道が,教育行政というのに大きく力を持っているところで,道の方向が定まらぬから,私らなかなか踏み込めぬと,こう言う。政令都市の中でも,それなりに踏み込んでいるところがある。しかし,やっぱり都道府県が踏み込んでいるというところは事実ですよね。しかし,考え方として,みずからのスタンスをしっかり持つべきだ,そして道を説く,こういう積極性があってしかるべきでないのかと,この思いがしてならぬのです。  ここずっと諸先輩の皆さん方が質問していて,答える節々で道とか国とかという話が出てくる。全く主体性がない,こう言ったらちょっと憤慨される方もいるかもしれないけれども,主体的に札幌市の教育をどういう方向へ持っていきたいという思いがなかなか伝わってこないから,そういう表現をせざるを得ない。ぜひひとつ,統合教育という部分について,本市の教育委員会がやっぱり半歩でも踏み込んで,そして,道をくすぐったり,揺すったり,押しつけたりしながら,首を縦に振らせて,予算づけもさせていくというような積極性があっていいという思いが強いものですから,それについて,いかがなものかなと。  それから,さらに市立幼稚園の関係で,例えて,4月1日時点で編制をして,その後,障害児が市立幼稚園の方へ入ってくるというような感じのときに,先生が必ずしも思うように配置されていないやに私自身は把握をしているのですが,この辺の,まず幼児の入園の締め切りなどの手順,その他の手続の状況と先生の配置というようなことをどういった決め事でやっていらっしゃるのかということについて,二つ目,お聞きをいたします。  それから,もう一つは,幼稚園の募集が札幌市の広報さっぽろに載っている。民間は,バスをカラフルにして募集していると,募集の塊みたいにして街の中を走っている。  そこで,平等な競争をしながら,市民に選択をというような機会を与える意味では,僕はどうも,公が何かに遠慮してはいないか,こういう思いが強いのですが,そう言うと,ちょっと変に足を引っ張ったり押しつけたりの話になってもいけませんので,積極的な意味で,こういうのではなくて,カラフルなポスターを公的な町内会の掲示板の場所を借りて張らせていただくぐらいの,ハイカラな取り組みというものをした方がいいのではないか,こんな思いをします。そして,公立やり過ぎだと,万が一私立幼稚園の経営者が言ったとすれば,お互いに頑張ろうねということで,お互いに提携しながら,将来は,校区単位にしっかりとうまく就学前の子供対策というのが充実強化されていくよというようなことを含めて語り合いながら,いい意味の競い合いをされたらどうかという思いが強いものですから,そのことについて見解をお願いします。  それから,もう一つは,各学校にエレベーターをつけるということは,相当テンポを速めなきゃいかぬだろうという思いがしてなりません。複合施設や,あるいは増改築ということで,どうやら近い将来か,少し先を見てかは別にいたしまして,エレベーターの設置スペースなどを増改築の部分などについては確保していると,あるいは新設の部分についても何かそういう方向で,今進んでいらっしゃるというような状況ですが,僕は,少なくとも特殊学級が1階層にありますが,健常と言われる子供がおりてくるということだけなのかと。一つの器の中で,障害のある子が上へ上がって何がおかしいと,おかしくない。  それから,もう一つは,けがをして,足を折ったりなんだりした子もやっぱりいるわけですよ,元気がいいから。そういった子を含めて,やっぱりエレベーターの存在というのはあっていい。  だから,統合教育が始まったときに,300の学校が一斉にエレベーターの設置などということは,また50年かかる,75年かかる話になっていく,大変なことですから,今からそういったことについてもやっぱり投資をしていかざるを得ない。あれも投資せよ,これも投資せよといろいろ言われたと,おまえは何番目だと,だから,それは難しいと言わずに,やっぱり検討して具体化すべきだ,こう考えますが,いかがでしょうか。  以上です。 ◎霜觸 教育次長  なかなか歯切れのいい答弁にならないので,大変申しわけございません。  3歳児の受け入れについてでございますけれども,確かに,公立幼稚園の場合は,今,3園ございますけれども,改築時に合わせてつくってきた経過がございます。3歳児は30%の受け入れと先ほどお答え申し上げましたけれども,私立の方を見ましても,なかなか伸びていないのが現状でございます。  そうした中で,私どもも,やはりそこのところは,公立・私立の役割も見きわめながら検討していかざるを得ないというふうに考えているところでございます。 ◎岩崎 学校教育部長  私の方から,統合教育を積極的に進めよという委員のご指摘と,それから幼稚園の入園に関しての手続等についてお答えを申し上げたいと思います。  統合教育を積極的にという委員のご指摘でございますが,これからの障害のある子供の教育というのは,まさに,障害のある人もない人も同じように,社会の一員として,社会活動に参加して,自立するというノーマライゼーションの理念に基づきながら行っていくべきであり,そして,なおかつ障害のある子供の自立や社会参加の基盤となる生きる力を培うことを目指して,一人一人の特別な教育的ニーズに応じて,特別な支援を行っていくことが極めて大切だろうと思っております。  したがいまして,まさにその子供たちが暮らしている地域において,ともに学び育ちながら,お互いを理解し,よりよい人間関係を築き上げていくことができるようにすることが必要であり,また,もう一方では,障害のある子供一人一人の障害の種類や程度等に応じた特別な支援が必要であると,このように考えているところでございます。  そういう意味で,障害のある子供の教育について提唱されております教育のインテグレーションあるいはインクルージョンという理念による教育,いわゆる統合教育の考え方につきましては,私どもといたしましても,今後の障害児教育を推進するに当たりまして,十分研究し,参考にしていくべきものであると考えております。  しかし,これまでもお答えさせていただいてきたところでございますが,統合教育は,将来に向けた大きな目標ではございますが,その中で,一人一人の障害の状態等に応じた適切な教育のあり方などという観点から,十分に今後検討してまいりたい,このように認識しているところでございます。  2点目の幼稚園児の入園,さらに,そこに配置されます先生方の配置の関係でございますが,基本的には,新入あるいは先生方というのは4月1日を基準にしてございます。園児の場合,途中入園児については,市立の幼稚園の場合には,欠員の状態に応じまして4歳児は随時受け付けてございます。しかし,3歳児及び5歳児につきましては,私ども,市立幼稚園の入園事務の取扱方針に基づきまして,第1期保育期,これは7月31日までとしてございますが,このところまでは受け入れるというふうにしてございます。  なお,それらに伴いまして先生方の配置でございますが,いわゆる年度当初に配置し,さらに5月1日の学校基本調査時点にその在籍数に即しまして再配置をすると,こういう手順で進めているところでございます。  以上でございます。 ◎大西 総務部長  私の方から,市立幼稚園の募集と学校エレベーターの設置につきましてお答えを申し上げます。  まず,市立幼稚園の募集でございますが,市立と私立を合わせまして,保護者にわかりやすい情報を提供するためということで,園児募集のポスターを共同で作成してございます。内容につきましては,魅力あるものということでやっておりまして,枚数につきましては500枚をつくっております。そして,公共的な施設に200枚,そして私立の関係の方々には300枚,それぞれ掲げましてお知らせをする,こんなことをさせていただいております。  それから,エレベーターについてでございますが,学校のエレベーターにつきましては,ただいま委員のお話のとおり,統合教育の観点からも考慮する必要があるというふうに考えております。  私どもとして,今,新・増改築であるとか,そういう場合に,可能な限りエレベーターが設置できるスペースを確保するというようなことで,現在は,スペースの確保ということで対応させていただいております。また,現在の5年計画の中では2校の整備計画をしてございまして,これらを見ながら,今後につきましては,委員のお話のことも含めまして,設置も視野に入れながら検討してまいりたいと,こういうふうに考えております。  以上です。 ◆猪熊輝夫 委員  それで,実は,統合教育という部分では,理念的に押さえるというようなことを含めて部長はご説明されたけれども,やっぱり,ともに育ち,ともに学び,ともに社会参加をする,そしてともに生きるということを含めて,互いに理解し合ってなきゃだめなのですよ。保健福祉局などで今大きく問題になっているのは,就労の問題でも健常者の方が理解でき得ないというようなところがあるのですね,現実問題。あるいは,社会参加,要するに社会に出ていこうとしても,あるいは道端や電車やバスの中でどう声かけをするかというような点で,必ずしも,ともに生活をし学んできておりませんから,そこに距離があって,心にどうしても壁ができてきている。皆さんの中にも,教育委員会の関係者は心に壁はありませんか。私にはまだ少しあります,率直に言って。やっぱり僕は,みんなに少しずつあると思う。  それは,そういう教育環境で学んできたからでして,家族や,あるいは隣近所で常時交流をしている,家庭の中にそういうハンディのある人がおられる場合については,十分理解できるというのは当然のことだと思いますけれども,そんな点ではなかなか難しい側面がある。そんな意味では,本当に,感性が豊かなときにこそ,ともに学び,ともに遊ぶという形の中で互いに理解し合うということが一番大事なことで,これは国際化という点で,大人になって,いろいろな国々の人と対等・平等に思いやりを持って交流し,信頼し合っていくという点で,この教育は欠かせない大事な視点だと,こう私は思っています。  教育長は,ぐっと上目遣いで私を今見ていらっしゃいますけれども,僕はそう思っている。国際化ということに対して,こういった部分の教育というのはとても大事だと。その辺で,僕は,単に理念だけという形でお逃げになられるというのはいかがなものか。ここは,発想を変える時期だという点で,相当内部で議論をいただいて,これからの教育のありようという点で,しっかり統合教育あるいは総合教育という言葉にこだわるのでなく,ともに学ぶというスタイルをつくるという点で一つの決断をする時期ではないか,僕はこう考えているものですから,あえてもう一度,僕をぐっと凝視された教育長に,ご見解があればお聞かせを願いたい,こう思います。  それで,あと,いろいろ工夫をいただくという点ではいいのだけれども,3歳児の保育で,全体的なバランスでどうこうと,こう言われた。それじゃ,全体が3割いっているか。市立はそういっていませんから,まだ三つですから,17あるうち三つです。すずらん幼稚園を改築すると言っていて,なかなか先が見えてこない。そしてまた,5カ年で延ばしていきそうな動きになっているということですよ。ですから,やっぱりやるべきことはやって,そして,いい意味の競い合いをしながら市民の期待にこたえていくという形の,そういう体制をつくりながら,幼保の一元というものを含めて,どうしていくかというようなことをしっかり議論すべきだと,こういう考え方を,あえてこの場合,意見として申し上げておきます。  次に,(発言する者あり)週5日制に関連をして質問させていただきます。  実は,来年,週5日制を完全実施するということで,その前段で,学校行事,例えてスキー教室だとかの春,秋の遠足あるいは運動会など,学校行事がいろいろありますけれども,どうも間引きをして試行実施しているというのが今あるようだ。そのことについて,どういった実態になっていて,どういったまとめをし,新年度にどう向かおうとしているのか。まさか,こういった行事を大きく削減するような形で,新年度の完全5日制というものが実施されるようなことはないだろうという思いを込めて質問をさせていただきたいと思います。  それから,もう一つの質問は,市立高等学校が八つある中で,本市の場合,全日制普通科6,商業科1,定時制普通科3,商業科1,高等専門学校,これは別枠で一つということになっていますが,札幌市の市立高校というのは,商業科など,あるいは高専は別にいたしまして,普通課程というのはどうも大学への一里塚といいますか,その過程の市立高校,僕はこういうぐあいに見えてなりません。  そこで,広島市を視察したときに,教育委員会の方に質問をさせていただいたら,市立高校は八つあると。その中に普通科が五つ,商業科が二つ,工業科が一つということであると。全部言うと時間がかかりますので,普通科の部分について少し触れてみたいと思います。  例えば,普通科の中に体育コースというのが1クラス40名である。これは,スポーツ振興や健康生活改善に寄与する人間の育成を目指すということで,特徴を持たせてそういう人材を養成していこうとしている。あるいは,もう一つの普通科の高校は,国際理数コース,豊かな科学的素養を身につけた国際サイエンティストの育成を目指すと,こういうような目的を持って,これもまた40名で1クラス,普通科の高校の部分に設置をしている。あるいはまた,もう一つは,国際コミュニケーションコースということで,外国語の分野における専門性を生かし,国際化が著しい社会を主体的に生きる国際人の育成を目指すということで,40名の定数を,また別の学校では設けている。あるいは,国際情報コースということで,情報活動能力を蓄えた経済人を育成するとともに,生徒の個性を伸ばすということを目的にして,40人クラスをもう一つの普通科の市立高校で設けている。あるいは,創造表現コースというようなことで,芸術の分野。  普通科の高校の中にこういう専門のクラスをそれぞれ配置をして,今,広島にどういう人材が必要か,そして将来も必要かというようなことを意識しながら,市民の合意形成をして,こういった個性というものをつけてきているという状況です。  そこで,平成13年5月に,札幌市立高等学校教育改革推進協議会で第1次答申をされている。少し触れている部分もあることは承知をしておりますが,しかし,広島の名前は出ていない。出ているのは,神奈川県の専門コース制について触れているというようなことなのですが,僕は,市立高校の改革ということで今いろいろと検討を内部的にもされているのではないかと,こう思いますが,どういった側面を検討しているのか,明らかにできることがあるとすれば,期待を込めて答弁を求めます。  それから,もう一つは,外国語教育のあり方という点で何回か発言をさせていただいておりますが,13年度は23名,外国語指導助手というのが配置になって,当時,予算議会では,これから毎年2名ずつ指導助手をふやすということで,私は,そんなことをやったら50年かかると,こう言いましたけれども,新年度に向けて,どういった内容で外国語指導助手,とりわけ英語部分での体制強化を考えていらっしゃるのか,そのことについて質問をいたします。  以上。 ◆小谷俵藏 委員(関連)  猪熊委員から先ほど段々の話がありました,いわゆる統合教育の関係であります。  思いは私も変わらないわけですが,現実を考えたときに,これはなかなか難しい問題であるということを,私は自分の家族に重度の障害児を抱えているだけに,その辺をつぶさに理解しているつもりであります。  確かに,健常の子供たちと障害を持った子供たちが,日常,ともに遊び,ともに学んでということは,本当に,思いとしてはあってしかるべきだと思います。しかし,現実は,幼稚園とか保育園のときはしつけが中心でありますから,これは当然,ぜひともより充実をさせていくべきだと思います。しかし,学校になりますと,プラス教育,知的,皆さんの教養を高めるために先生は努力をしております。そのときに,障害児というのは,100人おれば100のいろんな障害の差があります。したがって,先ほどちょっと触れましたが,私は,やはり受け入れとしては,札幌では今,特殊学級,大阪で言いますと,障害別養護学級と。  実は,大阪の場合ですと,小学校299校のうち91.3%,中学校は129校に対して95.3%,平均しますと92.5%,100校あれば92.5校まで,札幌で言う特殊学級を配置しているわけですね。やはり学びの中では,それぞれ同じ校舎の屋根の下で,別な教室であっても,休み時間とかその他,いわゆるフリーの時間にともに接触することが,むしろ健常の子供たちに対して福祉の心を養う条件につながっていくのであろうと,私はこう思うのです。  きょうも,せんだっても質疑がありました。大変な犯罪を犯しましたね。たまたま,普通の学級で小学・中学を学んだと,私は仄聞しております。そして,高校は養護学校。普通学校の普通学級に入った,結果的に親御さんの意向が強かったのでしょう。そこで,その子供さんが,普通学級の中で,小さいときはいいのですが,大きくなると,だんだんそこに大きな差が出てくる。これが,いわゆる孤独な気持ちをより高めていく。そして,自分自身が持っている病理の問題がそこに重なってくる。そういったところから,だんだん成長し,大人になって,ああいう現象になっていった。あれは急になったものではなくて,学校の責任とかなんとかでなくて,やはりその人を取り巻く環境として,その人をフォローできなかったのかな,このことを痛切に今感じております。  したがって,特殊学級をもっともっと充実させていってほしい。この場合,私はこう考えますので,意見として,そしてまた,これに対する見解があれば承りたいと思います。 ◎本間 教育次長  先ほど,猪熊委員のご質問に対して,学校教育部長の方から,教育委員会としての統合教育に対する基本的な考えにつきましてお話をさせていただいたわけでありますが,私の方で少し詳しくお話をさせていただきたいと存じます。  ただいま,小谷委員からもお話がございました。私ども教育委員会といたしましては,先ほどもちょっとお話ししましたが,障害児教育とか特殊教育という文言がいろいろ話題になっているのは十分承知しておりますが,まだ決定的なものはございませんので,現時点では特殊教育とか障害児教育とかということでご理解いただきたいと思います。  札幌市におきましては,特殊教育につきましては,それぞれの障害別の特殊学級もしくは通級指導教室,あるいは子供の質や状態によりましては通常の学級で配慮して指導していると。あるいは,子供によりましては盲・聾・養護学校での就学をさせるという考え方で進んでおりまして,猪熊委員のお話にありますように幼稚園は統合保育ということでやっておりまして,小学校からは,委員のお言葉ですと分離教育ということになるわけであります。  先ほどもお話しいたしましたように,私どもとしましては,障害の種類とか程度,質に応じた教育を十分に行い,そのままでは,委員のおっしゃるように,お互いに,ともに生きるとか,ともに助け合う,ともに認め合うというところが欠落していくわけでありますから,そういう面では交流教育ということで対応しているということであります。  私は今,障害児と言いますが,基本的には,障害児は一人一人違うわけであります。それから,障害の種別によって大きくくくることもできますが,それによっても大きく教育の内容,方法が異なってまいります。  したがいまして,子供によっては,猪熊委員おっしゃいますように,統合という形で通常の学級に入れたりして,足りない部分を補うというような考え方で十分伸びる子供もおりましょうし,また一方では,小谷委員がおっしゃいますように,障害の内容によりましては,そういう子供たちの学級もしくは養護学校等で,専門的な教育をより一層継続的に続けていくことによって伸ばしていくということもあろうと思います。  したがいまして,大事なことは,先ほど小野委員のときにお話をさせていただいたのでありますが,やはりノーマライゼーションの理念を実現していくという前提のもとに,統合とか分離とか交流とか,大きくくくって決定的に考えるのではなくて,一人一人の子供に応じて,多様な子供のニーズに対応して,どのような教育をしていくかということが大事だろうというふうに私は思っております。  いろいろな保護者の方のご意見もございますが,例えば聴覚障害などですと,普通の学校に統合ということで,インテグレーションということで入ってこられた方は大勢いらっしゃいますが,やはりそこでは専門的な聴能訓練とかあるいは発話指導等々,あるいは補聴器の指導等十分にできない,極端に言えば,全くできないというようなことになれば,やはり聾唖学校で専門的にそういう技量を持った教員から指導を受けて社会に適応していくと。それから,知的障害の場合には,通常の学級で学びますと,なぜできないかというと,ああいう子は,座学といいますか,座って,教科書をもとにして知識中心にやっていくことに対応できないと。したがって,それを,ああいう子供たちに合わせて,教科・療育に合わせて日常生活の指導とか,生活単元学習とか,いろいろなそういう工夫をして長年培ってきているものであります。  したがいまして,国とか道とかという前に,やはり障害児一人一人を考えた場合には,その子供に適した教育が必要であると。したがって,子供によっては統合もあり得ますし,子供によっては盲・聾・養護学校等で徹底した教育をした上で,そういう交流をしながら社会に適応していく。そして,社会で差別とか偏見があってはいけないわけでありますから,ノーマライゼーションということで,学校教育だけでなくて,学校も福祉も,社会全体の責任でそれの実現に向けてやっていくということが,私は,障害児教育のあり方として望ましい方向であると,このように考えております。  以上でございます。 ◎土橋 教育長  今,ご承知のように,本間次長は特殊教育といいましょうか,障害児に関する教育の専門家でございまして,見解を申し上げました。私も全く同意見でございます。  ただ,ノーマライゼーションという理念,これは何回か何人かの方がおっしゃいましたけれども,私ども,社会全体として追求すべき目標,目的であろうと思います。ですから,それにどう近づけていくか,学校システムをつくっていくかということは,私はやっぱり多少試行錯誤的なところがあろうかと思いますが,札幌市としてどういうあり方が一番いいのかということは,先ほどからおっしゃられておりますように,今,地方分権化の時代でもございますし,試行錯誤しながら考えていくという姿勢が大事だろうと,私はそんなふうに考えております。  以上です。 ◎高橋 指導担当部長  私の方から,2点お答え申し上げます。一つは,学校週5日制に伴う,委員ご指摘の安易な行事の精選がなされているのではないかという観点と,もう一つ,外国語教育についてでございます。  まず,学校週5日制に向けての学校行事のあり方でございますけれども,学校行事は,学校の教育課程の編成にかかわることでございまして,地域や学校の実態及び子供の心身の発達段階を十分考慮しまして,各学校が最終的には決定するものであります。そういうことで,各学校におきましては,平成14年度から始まります完全学校週5日制に対応するために,学校行事だけではなくて,教育課程全般について,現在,見直しを図っているところであります。  完全学校週5日制でございますが,この実施に伴いまして,小・中学校では土曜日2日間,授業が行われなくなりますので,授業時数が年間70時間程度削減されることになっております。  教育課程というのは,まず教科と,それから道徳と,今ご指摘の行事が含まれております特別活動というものと,それから総合的な学習の時間と,この4本の柱から教育課程が編成されることになっているわけですけれども,各学校では,その削減される70時間を見越しながら授業時数をバランスよく配置して,教科で何時間とり,必須でこれだけとらなきゃならない,あるいは総合的な学習の時間を何時間とる,それから行事をどのくらいとるかということで,バランスのとれた教育課程を編成しようと腐心しているところだというふうに考えております。と申しますのは,子供たちの人間としての調和のとれた育成を図ることについては,教育課程の編成の中でバランスよく,意図的,教育的な配慮の中で子供たちを育てていこうという配慮が必要だからであります。  こういうわけでありまして,委員ご指摘のとおり,各学校では,そのバランスに配慮しながら教育課程を編成するわけでありますけれども,子供たちが楽しみにしている特別活動の中の学校行事が,単に70時間が削減されるからといって,安易に次々と整理統合され縮小されていくということになれば,各学校が保護者や地域の方々と一体となって地域に開かれた学校づくりを進めていくという視点からも,その趣旨に沿った活動が損なわれるという側面も,確かに委員ご指摘のとおりだと思います。  したがいまして,私どもといたしましては,各学校の教育課程の編成に当たりましては,保護者や地域住民の方々,学校と家庭,地域が一体となって学校教育を進めるという観点に立ちまして,現在,先ほど申し上げました開かれた学校づくりの推進が一層求められることから,保護者の皆様に,教育課程の編成の内容について,十分な説明責任のもとで,理解をいただきながら実施をしていただきたいと,そのように校長会等では伝えておりますし,また,今後,そのように指導してまいりたいというふうに考えております。  大変長くなりまして恐縮でありますが,2点目の外国語教育について申し上げます。  先生に,以前から,21世紀の国際社会を生きる生徒の英語力を育成するのは大変重要な課題だというご指摘を受けておりました。これはそのとおりでありまして,特に近年,インターネットの普及に伴いまして,国際言語としての英語の必要性は,ますます高まっているというふうに認識しております。  このような中で,来年度から実施されます新学習指導要領の中では,中学校で今まで選択履修とされておりました英語が必修教科となりました。こういったことは,英語の重要性が再確認されたものと考えております。  本市におきましては,現在,23名の外国語指導助手がおります。高等学校7校に年間を通じて常駐させており,中学校につきましては,23名というわけでございますので,15校に学期間で配置し,74校には週単位で回っていただくと,あるいは,小学校でも既に要請があって17校に派遣をしていると,このようなことであります。  ただ,私ども,外国語指導助手を早くにたくさん配置するというご意見をいただいているところなのですが,私は,英語教育としての基本的な押さえは,日本人教師が教科担任あるいは学級担任として,日常的に生徒と触れ合いながら英語の指導をするということを中心にしていくべきものであろうと考えておりまして,外国語指導助手というのは,文字どおり,アシスタントとして英語の授業をネーティブとして補助すると,あるいは異文化の担い手として,生徒の実践的なコミュニケーション能力の向上を図るための動機づけの役割を果たすと,このように考えているところであります。  また,財政面からも,すべての中学校,高等学校に配置するとなりますと,100名以上の外国語指導助手が必要であるというようなこと。もう一つは,各学校が受け入れ態勢を整えるにも十分時間が必要だと。こんなことから,委員会としましては,日本人教師の英語力の向上を図るということを第一義的に考えて,ただいまの5年計画の中で,学校の受け入れ態勢を高めながら段階的に指導助手の配置を考えていきたいと,このように考えているところでございます。  以上でございます。 ◎岩崎 学校教育部長  私の方から,市立高等学校の教育改革の方向性についてお答えを申し上げたいと思います。  委員のご指摘もございましたように,市立高校の教育改革推進協議会が行われておりまして,本年5月には,その中から第1次答申をいただいたところでございます。  主なものといたしましては,基本的には,生徒が望ましい勤労観,職業観に裏づけられた将来の社会的自立や生き方を考えることができるよう,より充実した進路探求のための学習を工夫すること,また,豊かな国際感覚を身につけた人材の育成を市立高校全体の目標として,各学校や生徒の状況に応じた取り組みを進めるなど,改革の基本方針に位置づけるように提言されてございます。  委員のご指摘にもございましたように,特色ある学校づくりに向けた取り組みとして,例えば普通科における新たな専門コースの導入のあり方,これはどういう形ができるのだろうか,あるいは,普通科と新たな専門学科の一部併置について,普通科における単位制の導入について,これらのいろいろなケースについて検討され,今後,最終的な答申をこちらにいただく予定でございます。  したがいまして,私ども教育委員会といたしましては,第1次答申,さらには今後予定されています最終答申で示される考え方を十分に踏まえまして,各学校とも十分に連携を図りながら,まさに社会の要請,あるいは市民の皆様の期待にこたえる特色ある学校づくりを進めてまいりたいと,このように考えているところでございます。  以上でございます。 ◆猪熊輝夫 委員  外国語教育という部分で触れれば,これから札幌が,資源も何もないという状況の中で国際的に羽ばたいていける,そして180万の市民がしっかりと足を地につけて生活基盤をという状況を考えていったときに,やっぱりワイドに物を見ていくしかないのです。そのときに,日本語だけではなくて,最低でも英語,さらにほかの外国語も必要ですよ,でも,最低でも英語を身につけていくということが,会話力を含めて身につけていくということが,もう必須条件になってきているということは,お互い共通認識ではないかと思うのです。  それで,札幌市の財政力が弱いだの,働く場がないだの,いろんなことを言われていますけれども,そんな中で,世界の競争に打ち勝って経済基盤というものをしっかりさせていくためには,やっぱり世界の歴史観を含めてしっかりと物事を見据えて展開していくという,そういう発想は必須条件の一つだと,僕はこう思えてならないのです。  ですから,そんな点で,財政でも僕は発言をさせていただきましたけれども,今何が一番大事かという点を含めて,効果的に,ないなりの予算というものを,どこに重点を置くかという点で,あすの札幌を担う子供たちの教育予算として重点を置くということは,だれも否定しないし,市民の皆さんも,つらいけれども納得することだと思いますから,そんな点で,僕は,外国語教育というものに対する予算を一定程度膨らませた形での対応というのは大事ではないかと,こう思うのです。  これに対してまた答弁を求めれば,大変難しくなろうかと思いますから,この半年間,皆さん方のご努力でどういう変化をもたらしていくかということで,注目をさせていただいて,予算議会でまた発言をさせていただければと,こう思います。  それから,市立高校の関係であえて発言させていただいたのは,札幌が,情報産業やコールセンターということにとりあえずは重点を置いて,雇用を創造していこうというようなことになった。あるいは一方で,産・学・官ということの動きで,何とか企業起こしということをやっていく。近い将来を含めて,今,札幌がどういう人材を育てていって,あすの札幌を担う舞台をつくっていくかということをしっかりと見据えて,そういう専門コースを配置して人材を育成していくという視点が大事だと思います。あれもつくりました,これもつくりましたということを期待しているわけではありません。ですから,そんな点で,ぜひ十分に深みのある議論をいただいて,市民の合意形成をいただけるように,注目させていただきたいと,こう思っています。  それから,週5日制の関係は,現実問題を部長は何も触れなかったけれども,今時点で試行的に行事を減らしているところがあるじゃないですか,現実問題。それをどういうまとめをして新しい年度に向かおうとしているのですかと言っているわけですよ,僕は。そのことを一切スポイルして,70時間の140時間減るから,行事は減らさなきゃならぬ。そしたら何と言ったか。説明責任において,父母や地域の人に説明すると言ったのだ。ノーマライゼーションだの,パートナーシップなどという言葉はどこへ行った,パートナーシップは。ともにつくるという言葉がないじゃない。相変わらず上から下へおろそうとしている。その発想を変えてくれと言っているのだよ,僕は。  ともにつくるというのは時間がかかるのですよ。少なくとも,要するに140時間をカットするときに,学習指導要領との兼ね合いと行事との関係でどうするか。私自身がPTAの活動をやっていて隔週になったときに,子供が学校へ行けなくなったというのを体験していますよ。だから,そういったことを含めていろいろと,プロパーがいるわけですから,しっかりと精査をして,父母との関係で,ともにつくるという関係をつくっていってほしいですよ。そういう言葉が出てこないじゃないですか。説明責任などという言葉は古い体質だよ,それは。20世紀の体質だ,それは。(発言する者あり)  だから,そういう点で,ぜひ考え方を改めていただいて,これから,変えなきゃいかぬ,変えなきゃいかぬということが寝言にも出てくるぐらいの気持ちで,やっぱり教育委員会の体質を変えて市民の期待にこたえてほしいと,こういう思いで発言しておりますので,これはもう一回聞きたいのだけれども,実態をどう受けとめて,今,試行していることをどういうぐあいに,どれだけの学校で,何を削って,それをどういう整理をして,そして新年度に向かおうとしているのかということを聞かせてください,何も隠すことでないのだから。  それから,僕は,教育長にはまだ期待を持っています。教育次長と同じ考え方だと言われたのは残念だ。しかし,今までの経過としてはやむを得ないかもしれぬ。いわゆる家庭にこもりがちの子供について教育の場に参加をいただくという形で,ここまで来たのですよ。そして,これでいいということではなくて,検証をされるべきだ。  要するに,世界がどうのこうのじゃないですよ,国内的にだって,今,大きく統合教育の方へ向かっているのですよ。そうしたら,一番難しい聴覚障害者の問題を言った。聴覚障害は難しいということは,世界的にも意識されている。一番難しいことを例えで言うことはないじゃないですか。どこまでやれるかということで,今,現実問題として,ハンディのある子が普通学級に行ったときに,担任が1人だから,残念ながら,その子はその集団の中になじめないというか,ある面ではいじめに遭うというようなことで,ある面では表現が適当でないかもしれないけれども,今の状態での,紛れ込むような形での普通学級での学びというのは大変難しい。でも,副担をつけるということですよ。(発言する者あり)次長,反論すればいいのだ,首を横に振るのでない。  今までは,一つの場所に集まっていただいて,その教育をしているわけですよ,特殊学級ということで。ですから,各校区単位に障害のある子がその校区に通うということでは,極端な集団にはなっていかないわけです。何人かがそういう構成をする。そして,教育を受け,あるいは療育をするという時間を当然設けるわけですよ。そして,体力や知的や身体状況に合わせて,ともに学ぶ部分と療育という部分を含めて学んでいく。その中で,思いやりや,いわゆる共生のための必要条件が互いに身についていくということじゃないですか。(発言する者あり)
     僕は,今にとどまるのではなくて,これでいいのかという検証をすべきだ,こういう思いで発言をさせていただいているのですけれども,今の状態が100%正しいような発言が,次長のお言葉のようだから,僕はあえてもう一回,これでいいというのではなくて,これでいいのかというような形で検証していただいて,新たな飛躍に向かってほしいという思いを込めて,答弁を求めたい。 ◎本間 教育次長  ちょっと時間をいただき過ぎて申しわけないなと思っていたものですからあれなのですが,先ほど小野委員のときのお話と,それから猪熊委員,それから小谷委員で,私の意図は通じたかと思っていたのですが,私の稚拙な言葉で大変失礼をいたしました。  私がお話ししておりますのは,統合とか交流とか分離とか,そういう考え方ではなくて,あくまでも障害児一人一人が,多様なニーズを持っていて,障害の程度も質も違うわけですから,それに基づいて教育の内容,方法が変わってくるわけです。ですから,聴覚障害が難しいと言っているのではなくて,一例として,聴覚障害の中でも,先ほどお話ししましたような子供もいれば,逆に聾学校にいれば伸びなくて,通常の聞こえる人たちの中に入ってやることの方が伸びる子供もいると,それは一例として申し上げたわけであります。  したがいまして,私は,障害児に対しての思いやりとか,それはもちろん大事なのでありますが,一方では,障害者自身の言葉として,障害児を教材化するなという意見もあるわけであります。これはどういうことかといいますか,お互いの思いやりを育てるために,障害児を専門の教育をしないで普通の中に入れるということではなくて,まずその障害に基づく専門的な教育をしっかりやってくれと。それと並行して,あるいはそれとあわせて,あるいは加えて,そういう社会性を十分に育てていく,あるいは人間としてのお互いの価値を認め合うとか,ともに育ち合うということをやっていくことが大事であって,決して今までのが100%正しいとか正しくないとかと言っているのではなく,先ほどもお話ししましたように,今までの考え方,枠組みでは対応できない新しいものも当然出てまいりますから,そういうやわらかい発想のもとに,いろいろな内容に対応していくことが必要であると。それが,今後求められている障害児教育の方向性であろうと,このようにお話をしたわけでございます。ご理解をいただければ幸いでございます。 ◎高橋 指導担当部長  学校行事に充てた年間時数の一例しか,今手元に持ち合わせておりませんが,小学校で平成4年9月に週1回土曜日の休みが始まったのでありますが,このときに学校行事が71時間されておりました。それが,平成7年,これは週2回実施になったときですが,このときに学校行事が54時間というふうになっております。平成13年,今年度でありますが,大体同じく五十三,四時間と見ております。これは,ある小学校のデータでございますが,主に削減された行事は,芸術鑑賞会でありますとか観劇会,登山遠足,スキー遠足といったものが,市内の小学校の中では多く削減の対象になったというふうに理解しております。  ただ,委員ご指摘の今年度,13年に入って非常に削減が多いと,特定のものが多いということについて,今,資料を持ち合わせておりませんので,また後ほどお持ちしてご理解いただきたいと思います。  また,学校行事については,先ほどから何度も申し上げておりますように,子供たちにとっても,教科では容易に得られない教育的な価値を持つ集団活動でありますので,先ほどご指摘いただいたように,学校,地域の方,保護者の方,子供たちと一緒に,ともにつくるという観点に立って,私どもも学校と一緒に取り組んでまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◆猪熊輝夫 委員  僕は,(発言する者あり)統合教育の関係で,少なくとも建前的と言っては失礼なのですが,理論的にどうこうと,それは大事なのですよ,しかし,それをどう具体化して実現をするかなのですよ。だから,問題は,どう具体化して実現をするかというところで,現状からさらにどう改善をしていくかというようなところが,僕は期待したいところなのです。それの一つの形として僕は問題提起をしているのですが,なかなかその辺が現状では受けづらいところなのかもしれませんので,また大いに私自身も勉強させていただいて,何とか,教育委員会が,おまえ,いいこと言うなということで,それでいくよと,こう言っていただけるように,さらに研究を重ねて,予算議会で発言の機会を得たいと思います。 ◆三浦英三 委員  私は,市立高等学校の入学時に伴う保証人の制度について,もう一つは,教員の長期社会体験研修について,以上,2点について質問をしたいと思います。  初めに,市立高等学校入学に伴う保証人制度についてであります。  高等学校に入学する場合は,一般的には保証人が必要であります。しかし,近年,保証人を定めることが大変難しいという切実な相談等が私のところにもあるわけであります。札幌市立高等学校においても,入学許可の日から10日以内に保証人を定め,校長に提出しなければならないと,このようにあります。さらに,この保証人は,保護者に事故があるときには保護者にかわって,学校に対して,生徒に関する身分上及び財産上の一切の責任を負わなければならないと,このようにされております。  率直に言って,保証人は大変に重い責任を負うこととなっているわけであります。したがいまして,だれにでもお願いするというわけにはいかないのが,この保証人であります。祖父母やおじ,おばなど,親戚の方にお願いするとか,さらには相当に親しい方にお願いをして引き受けていただくのが一般的でありますけれども,昨今は,核家族化や保護者自身に兄弟が少ないこと,さらには長引く不況等もありまして,その影響でありましょうか,この保証人を立てることが大変に難しい家庭がふえている状況であります。  そこで,質問でありますけれども,実際に市立高等学校において,保証人に対して生徒の身分上,財産上のことで何らかの行為や責任を求めたことがあるのか,その実態について伺いたいと思います。  もう一つは,政令指定都市における状況について伺います。本市以外の政令指定都市において,それぞれの市立高等学校の保証人制度はどのようになっているのか,この2点,お伺いをしたいと思います。  次に,教員の長期社会体験研修についてでありますけれども,学校が社会のニーズを把握して,地域社会と連携をしながら学校づくりを進めていくためには,教員みずからが学校外へと視野を広げ,みずからを省みる機会を積極的に設ける意味で,教員自身が学校以外の施設等で体験を積み,これを通じて得た見方や考え方を学校教育の場に還元していくことが,今後,ますます重要になると思うわけであります。  このたび,札幌市においても,今年度から長期社会体験研修を開始するとのことであり,大きな意義があるものと思います。また,せっかく研修を行うのですから,研修成果を適切に評価していくことも大切だと思います。  そこで,質問ですけれども,我が会派の義卜議員が代表質問で質問いたしまして,11月から2カ月間で研修を行うという答弁がありました。そこで,具体的な状況についてお聞きしたいと思います。具体的な研修先は決定をしたのか。さらに,研修成果をどのように集約し,どのように学校に還元しようとしているのか,以上,お答え願いたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  私の方からは,市立高等学校の保証人制度についてのお答えをいたしたいと思います。  1点目の保証人に対しまして何らかの行為あるいは責任を求めたことがあるのかということについてでございますが,生徒指導上の問題で保護者との連絡がとれなくなったとき,やむなくこの保証人を介しまして連絡をとったなどの事例がございます。また,授業料の滞納について保証人に相談した事例などが過去にございます。  2点目の政令指定市における状況についてでございますが,本市を除きます11市のうち,仙台,千葉,横浜,名古屋,神戸の5市において,入学者に対して保証人を定めることを義務づけております。なお,京都市におきましては,保護者が市外に居住している場合に限って保証人を求めているところでございます。  以上でございます。 ◎高橋 指導担当部長  長期社会体験研修でございますが,現在,小学校,中学校,高等学校に通知をしまして募集を行っているところでございます。  今年度の派遣先についてでありますが,現在,ホテル関連施設,社会教育施設,障害者関連施設等について,最終的な折衝を行っているところでございます。  次に,研修成果の集約と学校への還元についてでございますが,教育委員会と派遣先の責任者の方々,派遣者の学校長で構成する長期社会体験研修連絡協議会を設置しまして,研修終了後,研修者から提出された研修報告書等をもとに,研修の成果や課題を反省,交流するとともに,来年度に向けた具体的な計画を進めていく所存であります。また,研修成果につきましては,それぞれの学校の場で成果を還元するとともに,研修成果を市内全教員に還元していく方法について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆三浦英三 委員  初めに,保証人の件でありますけれども,経済的な理由から授業料等の滞納があって,納入できない場合には,授業料の減免制度もありますし,また,財産上の問題で保護者のかわりに保証人に対して何らかの請求をするということは極めてまれな状況であると,このように私は思うわけであります。  また,身分上の問題についてですけれども,これは生徒指導に関することが主なものかと思います。このことについては,あくまでも保護者とのかかわりが重要であり,さらに関係機関などとの連携も含めた,より多様な対応が必要ではないかと,このように思うわけであります。  答弁によりますと,政令市においては,その半数が特に保証人を必要としていないということであります。そのような実態も考えますと,私は,すべての入学者に対して一律に保証人を求める必要はないと,このように思うわけであります。  そこで,質問ですけれども,教育委員会として,保証人の廃止を含めて,この制度を見直す考えはないのか,お伺いをしたいと思います。  それから,社会体験研修についてでありますけれども,ただいまの答弁で,研修実施に向けた準備が進んでいることがわかりました。ただ,残念なことに,今年度はわずか2カ月という短期間であります。また,小・中・高各1名というわずかな人数で開始するということで,果たしてこの程度の期間と人数で本当に効果があるのかということを懸念しているところであります。  一方,道教委では,今年度,25名程度の教員が長期社会体験研修を受けると,このように聞いております。  そこで,札幌市として,来年度,この研修を拡充していく計画があるのかどうか,伺いたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  高等学校におきます保証人制度につきましては,保護者にかわりまして生徒に関して責任を負うという点で,過去においては一定の役割を果たしてきたものと,このように理解しております。しかし,委員ご指摘のように,社会の状況は大きく変化してございます。本制度のあり方についても,種々の課題があるものと認識しております。したがいまして,今後,市立高等学校の意見も徴しながら,制度の見直しを早急に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎高橋 指導担当部長  来年度の体験研修の拡充についてでございますけれども,派遣期間の延長及び派遣者数の増員につきましては,小・中学校の教員が道費職員であり,代替措置等について道教委と連携が必要になりますことから,今回の派遣結果をもとにしまして,道教委と十分な協議を重ねながら,拡充に向けて努力を重ねてまいりたいと思っております。 ◆三浦英三 委員  保証人制度については,今,前向きな答弁がありました。現行の保証人制度はもはや形骸化しているのではないかと,私はこのように思うわけであります。仮に,どうしても保護者にかわる第三者の力をかりなければならない,そういう事例があったとしても,それは生徒のごく一部に限られた問題であり,すべての生徒について保証人を求める必要はないと考えております。そういう意味からも,この制度の廃止を求める声もたくさん聞かれておりますので,教育委員会としてぜひ英断を下されるよう要望しておきたいと思います。  もう一つ,社会体験研修でありますけれども,民間企業や社会福祉施設などで社会体験を取り入れたこの研修を拡充していくことは,教員が社会の幅広い人々との接触により,対人間関係,能力等を高めるとともに,社会の構成員としての視野を一層広げるために大変有意義なものであると思うわけであります。ただ,ある程度の人数が継続的に研修に参加しなくては,効果が上がるとは思われません。道教委との話し合いも必要と,このようなお話でありましたけれども,ぜひとも教員の資質向上のためにも,この研修を拡充していく方向で検討をしていただきたいと思います。  以上,要望して,私の質問を終わります。 ◆宮川潤 委員  私は,大きく2点,一つは豊成養護学校に関して,もう一つは障害児学級について質問をいたします。  まず第1に,豊成養護学校に関してであります。  かつて,教育の場が保障されていなかった重度の障害児が,親子で登校し,児童本人はもちろんですが,親も教員も大変な努力をされて,生きる力を身につける教育が豊成養護学校で実践されております。給食の出し方も,児童に合わせて出せるように改善がなされてきました。養護学校の機能が発揮されるから障害の重い子も発達の場を保障されているのであり,養護学校がなければ,豊成に通っている子供たちが通常の学校に通うということは非常に困難で,通ったとしても,その子に必要な生きていく力をつける教育が行えるでしょうか,大変難しいでしょう。そうなりますと,その子の発達の保障がなされない。養護学校は,極めて重要な役割を果たしていると思うのであります。  今,その豊成で大きな課題となっておりますのは,親子の分離を図ることができないのかということであります。  教育委員会は,豊成養護学校でいつまでも親子登校を続けるとお考えか,あるいは条件が整う中で親子分離を目指していくというつもりがあるのか,伺います。また,分離を図る場合の隘路となるものは何とお考えになっているのか,お示しをいただきたいと思います。  次に,障害児学級の整備の点でありますけれども,段々の議論がございました。大阪などと比べて,大変に整備の状況がおくれているという指摘も先ほどなされました。小学校,中学校ともに整備率は二十七,八%ということでありますから,おおよそ4校に1校程度しか整備がなされていないということです。障害を持っているのですから,通学ということだけでも大変な困難を強いられているというのが実情であります。また,本来校区の学校に通えないということで,地域での孤立を深めるということもあります。また,その地域で孤立するということを恐れて,そうならないために無理をして通常学級に通う,こういうことも実際には数多くあるようです。  私は,障害児学級については,今後,速度を上げて,ペースを上げて整備を進めるべきというふうに考えております。  障害児学級に通っている子供さんが通常学級との交流をする中で,大変刺激を受けて急速に発達が促されるということもあります。しかし,それだけではなくて,障害児に合わせた教育ということも非常に重要だというふうに考えております。  小学校時代はずっと通常学級にいたけれども,軽度の知的障害があったためになかなか大変だったという子供さんが,中学校でだんだん勉強についていけないという困難さがあらわれて,学校を休みがちになり,2学期からは不登校になってしまったという子供さんがいらっしゃいましたが,決意して,年度途中の3学期から障害児学級に移って,そこで体力づくりや作業学習をやったり,特殊教育研究連盟のバスケットボールの活動を行うという中で,だんだんと自信を回復して,心身ともに健康になった。高等養護学校では,バスケットボールも続けて,昨年のシドニーのパラリンピックで日本代表のバスケットボール選手として活躍もされたという方もいらっしゃいます。障害児学級に通うことで不登校を克服して,自信を持って頑張っていく力を身につけたという例であります。  こういう例からも明らかなように,障害に応じた多様な発達の場,盲・聾・養護学校,障害児学級,それぞれの整備が必要と思いますけれども,その点についてどうかという点と,先ほど申し上げました,一方では整備が大変おくれているという点は重大な問題であるというふうに考えております。その点についてどう認識されておられるのか,あわせて伺います。 ◎岩崎 学校教育部長  まず,豊成養護学校にかかわります親子登校の件についてでございますが,豊成養護学校に通う児童・生徒は大変重度の障害が重複してございます。日常的に医療的ケアが必要なこと,あるいは家庭での訓練につなげるために,保護者同伴でタクシーにより通学いたしまして,日常的な医療的ケアは保護者が行っているところでございます。このことから,通学における親子登校につきましても,登校中の医療的ケアの問題も含みますことから,国の動向などを見きわめながら総合的に検討していかなければならないと,このように考えているところでございます。  2点目の障害の種類や程度に応じた発達の場が多様に用意されるべきでないかというご質問についてでございますが,本市では,障害のある子供の教育の場といたしまして,特殊学級,通級指導教室,養護学校を整備いたしまして,障害に応じましたきめ細かな指導を行うとともに,通常の学級においても子供の状態に留意をしながら指導に努めてまいっているところでございます。これらの多様な教育の場で,障害のある子供一人一人に応じた指導の充実を図ってきたところでございますが,今後も引き続き,障害児教育の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。  なお,本市の整備がおくれているということについてでございますが,これについては,前にもお答えしているところでございますが,現時点で,おくれているという認識を持っております。  以上でございます。 ◆宮川潤 委員  豊成養護学校についてでありますけれども,登校の方法と,それから医療的ケアという点が問題であるそうでありますが,以前に視察させていただいた他都市の養護学校では,障害児を乗せられるように改造したバスを何台も保有することで,子供と学校職員とで登下校は可能となっておりました。豊成の場合は,かなり重い障害ということですから,どうすれば親子分離での登下校が可能になるのか,検討すべきと思いますがいかがか,伺います。  また,医療的ケアについてでありますけれども,経管栄養ですとか,自力で喀たんできない場合の吸引などは親が行っておりますが,これを学校が行うことができれば,親子で登校した後,下校の時刻に迎えに行くまでの間だけでも親が学校を離れることができ,負担がかなり解消できると思うのであります。豊成養護学校が障害児に吸たん等の医療的ケアを行うことについて,教育委員会はどうお考えになっておられるのか,伺いたいと思います。  障害児学級の整備について,おくれているという認識が示されました。政令指定都市の比較,横並びをした中でも,11位だとか12位だとかという,最低のランクにあるのが現状というふうに思います。  障害児学級の整備を進めながら,交流教育等で大変な刺激も受ける中で発達が促されるという点については,私も,そういうことはあり得ることだし,大いに行っていくべきだというふうに思っています。また,通常学級の子供さんたちにとってみても,ふだんは障害児学級にいる子供さんが,教科の勉強あるいは行事などを通じて,この分野では大変な能力を発揮するというところを目の当たりにすることができる。それは,その子供さんの存在をきちんと認めることであり,今,いじめですとか学級崩壊ですとかいろいろ言われている中で,他者を認める,ほかの人権をきちんと認める,私は,そういう人権教育という側面も持っているものというふうに思います。  しかし,何でも一緒にというだけでは進まない。やっぱり障害児に合わせた教育の場を一方で用意されている中でこそ,そういう交流も生かされるものであるというふうに考えます。  よくノーマライゼーションということを言うときに,盲・聾・養護学校ですとか特殊学級を敵視するような考え方も一部にあるようです。しかし,そうではなくて,ノーマライゼーションと言うのであれば,障害のある子がきちんと発達できる場を保障してこそ,ノーマライゼーションという考え方が成り立つというふうに思うのですが,この点についていかがか,伺いたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  まず,豊成養護学校の親子分離の登下校が可能になるかどうかということでございますが,これについては先ほどもお答えを申し上げましたが,登下校時も含めて,日常的な医療的ケアの問題,あるいは親子訓練をしなければならないなど,大変難しい課題がございますが,子供の実態に応じた対応について,保護者の負担の軽減なども視野に入れ,国の動向なども見きわめながら総合的に検討しなければならないと考えております。  次に,医療行為を行うことについては,現行法制度のもとでは,学校の教員が医療行為を行うのは困難であると,このように考えているところでございます。  それから,多様な学ぶ場を設けるということにつきましては,私ども,そのような認識のもとに,先ほどもお答え申し上げましたが,整備をさせていただいているところでございます。  以上でございます。 ◆宮川潤 委員  豊成養護学校が障害の重い子の教育を行っているという点では,その実践をしている教育委員会として,国や道に対しても要求すべきところは要求していくという態度が必要だと思います。  一方,一部で,これらの医療行為の扱いについては検討されているということも伺っておりますけれども,その辺の事情について,あわせてお示しいただきたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  医療行為につきまして,今,どういう検討が行われているかということについてでございますが,文部科学省の方では,日常的に医療的ケアを必要とする児童・生徒への対応のあり方を検討するために,平成10年から特殊教育における福祉・医療との連携に関する実践研究事業を実施するとともに,このことにつきまして,厚生労働省との協議を進めているところでございます。また,北海道教育委員会におきましては,北海道の特殊教育のあり方検討委員会で検討を行う予定であると聞いてございます。  本市におきましても,現在,障害児教育基本計画の策定の中で,障害の重度・重複化への対応という観点から検討を始めているところでございます。  今後,国や道の動向を見きわめながら,医療的ケアを必要とする児童・生徒への対応のあり方を検討してまいりたいと考えています。  以上でございます。 ◆横山光之 委員  私からは,大きく2問,心の教室相談員についてと学校の安全管理について伺いたいと存じます。  初めに,心の教室相談員について伺います。  最近のマスコミ報道では,依然として青少年の問題行動や凶悪事件が取り上げられており,子供たちの心の問題がいろんな場面でクローズアップをされております。  このような状況に対処するため,平成7年度からスクールカウンセラーが学校に配置されました。さらに,平成10年度からは,心の教室相談員が,学校外の第三者的な立場で,気軽に生徒の悩みを聞いてあげることのできる人として,中学校に配置をされております。  この事業は,導入当初,数々の問題があったことはご承知のことと存じます。実施要項策定の問題を初めとして,相談員を先生たちが快く受け入れてくれない学校があったり,生徒が直接相談員に相談を申し込むシステムになっていない学校があったり等,相談活動が円滑に実施されていない学校が多くありました。  私は,この事業の趣旨,昨今の子供の置かれている状況を考えたとき,これは大切な問題である,事業を進める上で大きな障害になっているのではないかと,こう思うのであります。  そこで,まず質問いたしますが,心の教室相談員について,事業開始から4年目を迎え,現在の事業展開の状況についてお伺いいたします。  さらに,スクールカウンセラーは,専門的な知識や経験を持った臨床心理士が,子供たちや保護者に専門的なカウンセリングを行ったり,教職員の資質向上のための指導・助言を主な仕事としているのに対して,心の教室相談員は,子供たちと気軽に語らいながら,悩みや人間関係の相談相手となったり,学校と家庭,地域が連携を図るためのコーディネーターとしての役割も持っていると聞いております。  そうしたことから,心の教室相談員は,これまでの学校にはなかった大きな働きをしていると思うのであります。学校によっては,相談員がなくてはならない存在になっており,生徒にとって心のよりどころになっているということを耳にしております。特に,不登校の子供たちにとって救いの場になっている例を私も実際に見聞きをしているところであります。  そこで,質問でありますが,心の教室相談員事業の相談の内容と成果についてお伺いをいたします。 ◎高橋 指導担当部長  心の教室相談員事業の現在の事業展開の状況についてお答え申し上げます。  この事業の開始当初は,委員ご指摘のとおり,相談員を配置できない学校,あるいは相談活動が円滑に実施されていないという学校もございましたが,現在は,対象のすべての中学校82校に87名の方が配置されております。さらに,アンケート調査の結果では,相談員が生かされているとした学校が85%以上にも上っておりまして,ほとんどの学校でこの事業が定着していると考えております。  次に,相談内容と成果についてでございますが,平成12年度中の相談件数は,全学校合わせて延べ1万1,086件ございまして,これも延べ人数でありますけれども,2万665人の生徒が相談に訪れております。相談内容で一番多いのが友人関係についてであり,続いて学習や勉強のこと,不登校のことであります。また,日常的な会話や触れ合いを求めて相談員のところへ来る生徒たちもおりまして,相談員の活動を通して生徒の悩みが解消されたり人間関係が回復されたりするなど,生徒のストレスが和らげられたという報告や,学校に対する地域社会の見方が変わったなどという報告もございます。  特に,不登校の生徒につきましては,昨年度,相談員が不登校傾向の生徒313人にかかわりまして,そのうち177人が心の教室に登校できるようになっており,77人が学級に入ることができるようになっております。  以上でございます。 ◆横山光之 委員  ただいまのご答弁で,心の教室相談員事業が学校に定着をして,大きな成果を上げていると。件数で1万1,000件を超え,あるいは相談人数が2万人を超えるということであります。そして,不登校児についても大きな役割を果たしているということであります。事業の今後の展開について,大いに期待をしているところであります。  さて,心の教室相談員事業と同様に,子供の心の問題に大きな役割を果たしているスクールカウンセラー事業について,文部科学省では,次年度以降,拡大をしていく方針と伺っております。心の教室相談員事業の実施要項には,相談員はスクールカウンセラーの配置されていない3学級以上の中学校に配置するとあり,二つの事業のかかわりから考えますと,スクールカウンセラーが配置される学校には心の教室相談員は配置されなくなるということになるようであります。  そのように,スクールカウンセラーが文部科学省の今後の方針で拡大をされていくということになりますと,心の教室相談員事業は一体どうなるのかということが心配になるのであります。制度発足以来,児童の心の問題,これを一生懸命に解決しようとして頑張ってきた心の教室相談員の間で,行き先に不安を感じているという声が私に寄せられているのであります。これは,まさに士気に影響する事態ではないか。一生懸命やっている人たちにとっては心外な事情ではないかと,こう思うのであります。  そこで,質問でありますが,本市における心の教室相談員事業の今後の見通しについてお伺いをいたしたいと存じます。 ◎高橋 指導担当部長  現在行っております心の教室相談員事業は,文部科学省の活用調査研究委託事業として行っております。心の教室相談員は,生徒の不安や悩みの相談相手としての役割はもとより,学校と家庭,地域をつなぐパイプ役として活用されており,事業開始から4年目を迎えて,大きな成果が上がっているところであります。  そうしたことから,大変重要な事業でありまして,次年度以降,スクールカウンセラー事業が拡大していくという文部科学省の方針が示されておりますけれども,心の教室相談員事業の必要性については,スクールカウンセラー事業との関連も含めまして,国の動向も見きわめながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆横山光之 委員  答弁をお聞きいたしましても,文部科学省の方針から考えて,非常に心の教室相談員事業の先行きがはっきりしない部分があるのではないかと,こう思うのであります。  事業開始から4年目を迎えて,先ほどお話がありましたとおり,相談員事業が大変定着をして,学校にとって大事な役割を果たしているということでありますので,この事業の必要性というものは,もう随分明らかになっているのではないかと,こう私も感じているところであります。  最近のさまざまな少年の問題行動・事件,こういったものを考えるときに,学校における子供の心のケア,さらに学校,家庭,地域との連携の必要性はますます大きくなっていくと考えられるのであります。そうしたことからも,心の教室相談員あるいはスクールカウンセラーの役割は,非常に重要であると思うのでありまして,せっかく定着をした心の教室相談員事業でありますから,カウンセラー事業と並んで,二つの事業を積極的に活用して,子供たちの心の問題の解決に取り組んでいただくように要望をいたしたい,こう思うところであります。  次に,学校の安全管理についてお伺いいたします。  この問題については,ほかの委員も質問をしておりますので,重複を避けて質問をいたしたいと思います。  去る6月8日に,大阪教育大学教育学部附属池田小学校で発生した事件であります。無防備で抵抗力のない低学年の児童が襲われた,余りにも痛ましく,信じがたい惨事であります。文部科学省においては,事件後,早速,緊急対応策として,特に不審者侵入への対応については,出入り口での確認や不審者を識別するための方策を講ずるよう求めたと伺っております。これに対して,札幌市教育委員会は,速やかにモニターつきインターホンと管理錠を設置するとともに,携帯防犯ベルを導入・配備して対策を行ったということでありまして,この素早い対応に心からの敬意を表するものであります。  私は,先日,北区内の小学校と中学校をそれぞれ見てまいりました。応対された先生方も,このシステムが導入されて大変心強いと,子供たちの安全を守るために有効な措置だと思うと申しておりまして,大変評判がよいということであります。  ただ1点心配なのは,これまで,学校の出入り口というものはあいているのが普通で,この緊急対策によって,保護者や来校者の出入りは制約をされるわけであります。安全管理の強化が,これまで推進してきた開かれた学校づくりに影響を与えるのではないかという点であります。  これらの点から,緊急対策に対する学校あるいは地域の反応について質問をいたします。
     先ほど申し上げましたとおり,学校への不審者の侵入を防ぐには,施錠は有効な手段でありますし,緊急対策として設置されたモニターつきインターホン及び管理錠は,出入り口の管理にとっては極めて大きな役割を果たしております。学校においては,施錠を基本としながらも,登下校時や中休みなど,子供たちの出入りが多い時間帯は,自由に出入りができるようにかぎをあけるなど,柔軟な対応がなされていると伺っております。  しかし,施錠が基本でありますから,施錠時の来校者はインターホンで用件を告げ,かぎをあけてもらわなければ学校に入れないのはもちろんでありますし,学校もインターホンを通して対応しなければならないということでありますから,学校の安全管理の強化は焦眉の急ではありますけれども,来校者や学校にとっては面倒な手続がふえて煩瑣であるといったところもあろうかと,こう思うところであります。  私が来訪した折にも,おくれてきた生徒がモニターつきインターホンの場所に気がつかなくて,戸惑ってうろうろしていると,たまたま玄関にいた先生が玄関わきの開錠ボタンを押して入れてあげるといった様子を見ました。このシステムの周知という点でもさらに努力が必要なのではないかと,こう思うのであります。  特に,不登校になりかけたような生徒にとっては,おくれてきたときのインターホンでのやりとりということに,やはり心理的な負担を感じて,1度の遅刻が引き金になって不登校になってしまうというようなことがあってはならないと,こう心配をするのであります。  そこで,質問ですが,緊急対策による安全対策に対して,学校あるいは家庭,地域はどのように感じているのか,その効果と問題点についてお伺いをしたいと思います。 ◎大西 総務部長  ただいまの学校の安全管理につきましてお答え申し上げます。  緊急対策に対します学校,地域等での反応や対策の効果及び問題点等についてでありますが,学校におきましては,モニターつきインターホンや管理錠など,安全管理の措置が具体的に目に見える状態になりましたことから,教職員の意識が大きく変化してございまして,学校全体で安全管理への取り組みが講じられるとの意見が多く寄せられておりまして,これは大きな効果であるというふうに感じております。  また,子供たちが玄関に入りにくいというお話もありましたが,その一方で,遅刻した子供たちがインターホンを押すわけであり,そこで先生とのやりとりの中で,直接,その状況での生徒指導的なやり方の効果があるというようなお話もありますし,また一方で,突然来訪いたします販売業者などに対しまして,その確認が容易にしやすくなる,安心感が高まったというような意見もいただいているところであります。また,委員からもお話がありました,保護者や地域の方々から,気持ちの上で不便になった,あるいは待たされることがあるなどの意見も,少しではありますが,聞いております。  次に,問題点でありますが,来訪者を確認する職員室に置かれておりますモニターに対応するために,職員が張りついていなくちゃいけないわけでございますが,これについてもちょっと拘束されるという意見がございます。  これらの緊急対策の内容につきましては,各学校から保護者あてに,文書によりまして,または機会を通じまして,家庭,地域へ周知と協力方の要請をしているわけでございますが,一部の方のそういうご意見もお聞きはしております。これからそこら辺のところは,さらに周知徹底を図るということの努力をしていただくよう指導してまいりたいと思いますが,大方の保護者の方々からはご理解いただいていると,このように聞いております。  以上でございます。 ◆横山光之 委員  遅刻した者に対しては1対1の対応ができるということであります。しかし,不登校の問題については,こういう子供たちに対してはさらに配慮が必要なのではないかと,こう思いますので,ご努力を賜りたいと思います。  また,関係者への周知徹底を一生懸命やるということでありますけれども,これもなかなか理解を得られるまでに時間がかかるかと思いますので,一生懸命に取り組んでいただきたいと,こう思うところであります。  先ほど申し上げました,緊急対策による学校への出入りが制約をされたことによって,その分,これまで進めてきた開かれた学校づくりが後退しないかという危惧の声であります。  開かれた学校づくりというのは,学校の活性化を図るために,学校が家庭や地域社会に働きかけて,学校,地域とともに子供たちを育てていくという視点に立った,地域に支えられた学校運営を意味するものというふうに理解をしております。同じく,学校の出入りにかかわる問題で,学校の安全確保のための施錠と開かれた学校の問題が抵触をすることがあってはならないと,こう思うのであります。  開かれた学校づくりは,今後も一層推進をしていかなければならないものでありますし,また,子供たちの安全確保には,家庭,地域の協力が不可欠なことは申すまでもありません。今回の事件を契機に,学校の安全管理を学校と家庭,地域が一体となって取り組むことができれば,これはむしろ開かれた学校づくりの一環になり得るのではないかと,こう考えるのであります。  そこで,質問でありますが,子供たちの安全確保について,学校,家庭,地域の3者が連携をして取り組むべきと考えますが,3者の連携をこれからどのように推進していくのか,お伺いをいたします。 ◆原口伸一 委員  (関連)先ほど,校舎を施錠して,学校に訪ねてくる人は確認をして入れるというのはわかったのですが,大抵の小学校では,校舎の中には入れなくても校地の中には入れるのですね。チェーンがあったり,塀も低いですからすぐ乗り越えられる。体育実技であるとか運動会の練習だとか,そういうようなグラウンドで体操だとかスポーツ関係の授業をやっているときの安全管理についてはどうなっているのか,示してほしいと思います。 ◎大西 総務部長  まず,横山委員から出されました3者連携をということでございます。  学校,家庭,地域が連携した安全確保の推進については,日常の生活や通学時などの子供たちの安全確保につきまして,3者の協力によりまして,例示でありますが,PTAによる通学路の巡回や,子供たちが助けを求めることができる110番の家等の協力をいただいている事例があるというふうにも聞いております。  また,これからのさらなる開かれた学校との連携等もということでありますが,先ほどほかの委員にもお答えしましたが,学校管理運営検討委員会というのを立ち上げておりますが,この中で,学校,家庭,地域の3者連携による子供たちの安全確保が大きなテーマとなっておりますから,これらのことを含め,さらに開かれた学校という観点からも,安全策の具体化に向けましてさらに検討を進めてまいりたいと,こういうふうに考えております。  なお,原口委員から出されました,校舎のほかグラウンドはということでございます。  本市の学校のほとんどは,本州の方と違いまして,冬場の問題等々もございます。いわゆる除雪の問題等もありまして,入り口のさく等があっては開閉がなかなかしにくいということで,そういうものは設けずに,除雪のしやすい形をとらせていただいているところであります。  なお,これから,新学習指導要領等に基づきまして,子供たちが体験というようなことで,グラウンド,街の中,国内,いろいろ出かけるということにもなります。そんな意味では,学校が一致協力しまして,先生方は,2学級といいますか,いわゆる複数学級で,できるだけ行くようにする。または,学校の方にはかなりの数の防犯ブザー,携帯ブザーのお渡しも一部しております。そんなものを活用していただいて外に出ていただく,そんなことをさせていただいております。  以上でございます。 ◆川口谷正 委員  時間も経過しておりますし,前の発言者と重複している部分もございますので,簡潔に質問をさせていただきたいと思います。  1点目は,少人数学級の実現についてであります。二つ目は学力低下問題,3点目は情報教育について,3点質問いたしますけれども,少人数学級の実現につきましては,先ほど,ほぼ似たようなやりとりがありまして,私としてもやる部分が相当少なくなりましたので,その関連の部分で質問させていただきます。  一つは,代表質問で大西議員が少人数学級の質問をいたしました。その答弁の中で,あるいは先ほどの答弁の中でも,国や道の動向を見きわめて云々という答えがあるわけであります。私どもは,本市独自のオンリーワンの教育を実現すべきだと,こういうふうに考えておりまして,道の動向を見きわめということは,どうも答弁に変化がないわけでありますけれども,本市が主体的に独自性を持って少人数学級に挑むとすれば,一体どういう障害があるのか,あるいはバリアがあるのか,この点,もう一度お答えをいただきたいと思います。  他市の例も紹介をされておりますけれども,他市は,そのあたりをどのようにクリアしてやっておられるのか。非常に例が少ないようでありますけれども,ぜひその点,答えをお願いしたいと思います。  それから,関連をして,英語指導助手の話がありました。これは,いわゆる加配教員の中に入るのでしょうか,極めて初歩的な話でございますけれども,どの範疇に入っていくのか,この点などもあわせてお答えいただきたいと思います。  それから,もう一つは,道の同意が必要であるということを同じような立場で答弁されておられますけれども,これは教育の自主性あるいは地方分権という観点に照らしてみた場合に,非常に私としては抵抗があるわけです。現実の問題として,国なり道を横に置いて,札幌だけひとり歩けということではないですけれども,札幌が責任を持ってこの形で,例えば単費でやっていきたいということに関して同意が必要だというのは,相手が金でも出すのであれば別ですが,私は非常に抵抗を感ずるのですが,制度上,どういう制約を受けることになるのか,この点,お答えいただきたい。  それから,同じく少人数の実現で,実質的な少人数学級を実現するために,現在やっておられる複数配置であるとか,教科別の加配などという手法をもっと拡大していくという,そういう余地が十分にあるのではないか。代表質問で,ほぼゼロ回答であったわけですけれども,ここのところはひとつ何か前進回答をいただけないものかどうかということでございます。 ◎岩崎 学校教育部長  少人数学級につきまして3点ご質問があったことについて,私の方からお答え申し上げたいと思います。  まず,本市が独自に改善を行うとしたらどんな問題があるのかということについてでございますが,基本的に学級編制基準は各都道府県が弾力的に定めることになったところでございますが,給与等の国庫負担については,従来どおり40人学級基準で算出されているということでございます。このため,市町村が独自に40人を下回る学級編制を実施する場合,都道府県の同意が必要となるほか,先ほどの熊谷委員のところでもご説明申し上げましたが,仮に小学校1・2年生で30人学級を実施した場合でも,年間およそ25億円の人件費の負担が見込まれ,さらには教室確保のための費用が必要になるものと考えてございます。  なお,他都市の状況についてですが,私ども,政令市の名古屋市において,本年度から,一部の小学校1年生を対象に30人学級の試験的導入を行っているという事例は承知しているところでございます。これにつきましては,各区1校ずつ,あくまでも試験的にということで導入されていると,こういうふうにお聞きしているところでございます。  それから,あわせまして,ただいまの道の同意ということの問題でございますけれども,先ほどもご説明申し上げましたように,あくまでも基準規則が現時点においては弾力化を定めていないということから,もし市町村が独自に行う場合には,その同意が必要となるということになるわけでございますが,いずれにいたしましても,私ども,現段階では,あくまでも道の基準に従って学級編制を行っていくべきと,このように考えているところでございますので,その点でご理解をいただければと思います。  なお,現在,定数改善の中で図られている,いわゆる少人数指導のための教員の加配,これをできるだけ多くという視点でのご質問でございますけれども,これにつきましては,第7次の定数改善が今年度から始まったばかりでございます。これにつきましては,私ども,今後とも道教委等にも要望申し上げながら,できるだけ円滑な実施,できるだけ早期に配置をさせていただけるように,道及び国に対しても要望してまいりたいと,このように考えているところでございます。  以上でございます。 ◎高橋 指導担当部長  外国語指導助手の件でございますけれども,結論を申しますと,教員の定数配置とは全く異なるものでございまして,いわゆるJETプログラムというのがございまして,これは文部科学省と総務省と外務省とで連携して行っている事業でありますが,地方公共団体が外国青年を招致する事業でありまして,外国語教育の充実を図るとともに,地域レベルでの国際交流を推進するということを目的にして,私ども本市では,現在,23名の外国語指導助手を採用しております。  以上でございます。 ◆川口谷正 委員  恐らく国の補助も,この場合,ついていると理解をいたします。それはそれで理解をいたしました。  ここで,英語の問題が出ましたので,私も日ごろ考えていることについてちょっと申し上げたいと思います。  先ほど,私どもの猪熊委員の方から英語指導助手の問題が取り上げられましたけれども,私は180度ぐらい違う考えを持っておりまして,英語教育に関しては,学界の中でも大変な論争が存在していますね,ご承知のように。これは,教育長も十分ご承知だと思うのですけれども。つまり,発達過程の子供に対して,日本語がおろそかなままに英語を優先していった場合,どういうことになるのかということが延々と論議されています。私は,日本語ができない人は外国語もできないという,そういう立場をとっておりまして,基本的には小学校・中学校では日本語,国語をしっかりやっていただかないと,次のステップとして外国語に取りつくのは大変なことだと思います。一つの問題をとらえて論理的にこれを解明し,そして自分の意見を主張する場合に,母国語ができないで,日本語がちゃらんぽらんな場合,中途半端な場合,これは到底ディベートなんかできっこないと思うのですね。その点で,以下,私の学力低下問題ともちょっと関連いたしますけれども,外国での経験も長い,あるいは恐らくは英語も堪能でありましょう教育長,この点,どういう見解をお持ちか。  それと,JETプログラムですが,この一つの方策に乗っかって,予算的にもかなり有利だということで受け入れているようでありますけれども,しっかりしたそういう理念を持った指導の立場をとっていただかないと,経費上有利だからとか,あるいは,英語がかなり世界を支配しているという,そういう潮流にただ乗っかるのではまずいのではないかと,ちゃんとしたスタンスを持つべきだと私は思うのですが,この2点について。 ◎高橋 指導担当部長  教育長の前に,先にお答え申し上げます。  実は,先ほど猪熊委員のご指摘にお答え申し上げましたのは,英語指導方法等改善の推進に関する懇談会の審議経過報告というのが,昨年6月に,文部大臣の諮問機関でありますが,出されておりまして,これは先生ご指摘のとおり,小さいころから英語教育を身につけさせるのがよいのか,あるいは母国語をしっかり身につけさせることによって英語教育を身につけさせるのがよいのかということで,学識者が集まって検討した結果を出したものでございます。この中で,先ほど申し上げましたように,国際化社会の中では英語力というのは今後必要になるだろうと。しかし,これについては中学校から教科を必修科目として学んでいくのであって,小学校から英語漬けにするということではないのだと。この中で特に指摘を受けておりますのが,母国語をまず身につけて,そしてその思考形式でありますとか文化を身につけていくと。そういうことと合わせて,小学校でこれから行われます総合的な学習の時間等を通して,ALTを活用したり,地域のネイティブの方あるいは英語を話される方を活用して,英語に興味を持たせていくと。小学校はあくまでもそういう段階で,中学校につなぐのだと,こういう報告がまとめられております。  以上でございます。 ◎土橋 教育長  英語教育については本当にたくさん論争がございまして,また改めてそれぞれについて私から申し上げることは差し控えたいと思いますが,私個人の,自分の体験に基づく考えから申し上げますと,英語を学ぶという目的は何なのか,つまり英語の何を身につけるのかということによると思うのですね。つまり,話すことができる,コミュニケーション能力をつけるということであれば,それはまさしく泳ぐということと非常に似ておりまして,体で覚えなければ覚えられません。したがって,非常に時間もかかりますし,それから指導者も必要でございます。そういうことから,何を目的として英語を学ぶのかということによって,指導の仕方,方法,いろいろ異なるだろうと思います。  私個人としましては,義務教育,つまり小・中学校においては英語の基本を学んでいただければいいし,実際にコミュニケーション能力を培うのであれば,やっぱり高等学校からというふうに思っておりますので,そういった意味で,今,ALTの皆さんが来ていらっしゃいますが,札幌市では高等学校を中心につけておりまして,私は正しいと思いますけれども,もっともっとあの人たちの力を出していただくような工夫はする必要があろうと,そんなふうに思っております。 ◆川口谷正 委員  外国語イコール英語という形で,今は何かお互いに理解されているようでありますけれども,私は,行く行くは,外国語と言う以上は,中国であり,韓国であり,その他の国も含めていかないとおかしいと思うのですね。本当の意味で国際理解につながっていかないと思いいます。この問題については,別な機会にまた議論をしたいと思います。  学力低下問題でありますけれども,これは,予算議会のときに,私,第1ラウンドをやらせていただいて,平行線で終わりました。学力の低下はない,良好な状態であると,こういう答弁を高橋部長から,たしかいただいたと思っております。これは当時の文部省の見解と同じでありまして,非常に忠実な答えをいただいたと思っておりますけれども,実は学力問題,学習指導要領の改定とともに,各種の調査結果からいえば,ほぼそれに比例して学力が低下をしているということが多くの専門家,学者の先生から指摘をされているところであります。  教育長は,学力とは何ぞやという反問もされたことがございますけれども,学力は過去に習った成果を本当に身につけているかということと,みずから学ぶ力,思考力をしっかり身につけているかどうかということに尽きるのではないかなというふうに思います。ですから,そこは一応そういうぐあいに定義をして,これから質問させていただきますけれども。  例えば,80年代の後半から,東大の工学部,4年ごとに同じ問題で数学のテストをやっています。ところが,やるたびに8点から9点下がっているという一つの報告があります。たくさんあるのですが,一々やっていたら夜が明けちゃいますので,もう一つだけちょっと申し上げますけれども,日本数学会数学基礎教育ワーキンググループ,これは大学教員で構成されておりますけれども,95年実施のアンケート調査で,大学で数学教育に当たっている100の組織のデータ,それによりますと,8割の回答は,大学生の数学の学力低下があるとし,向上は皆無,こういう結果が出ております。低下に気がついたのは80年代の後半だそうであります。つまり,学習指導要領が掲げたゆとりの教育,この結果が内容の希薄化につながっています。このことが学力の低下を招いたと,そういう分析がされております。  残念ながら,本市では独自の調査結果を持っておりませんので,本市を素材として議論はできませんけれども,こういう観点からいって,私は,こうした各種の結果をどのように受けとめておられるのか,簡潔にお答えいただければというふうに思います。  それから,学力問題の二つ目ですけれども,来年から週休2日制が完全実施になると,授業時数3割減というふうに言われていまして,先ほどの答弁でいきますと,70時間の時数減というようなことであったかと思いますが,この点について,やはり決定的に学力の低下を招くのではないかと私は思っておりますが,この点,どういう見解を持っておられるか,お答えいただきたいと思います。 ◎高橋 指導担当部長  まず,学力低下ということでございますが,現行の学習指導要領のもとで,簡単な小学校程度の分数計算ができない大学生がいますとか,あるいは,その後も,相次いで,高校生においても同様であるというようなことが,マスコミ等によって紹介されたということは承知しているところであります。  ただ,大学生の学力低下は,大学の進学率が高まってきたことと比例しているという元有馬文部大臣の指摘もございまして,これについては,私ども,委員ご指摘のような資料を持ち得ていないので不明なところでございます。  しかし,現行の学習指導要領のもとで,文部科学省がこれまでに実施してまいりました「教育課程の実施状況に関する総合的調査研究」あるいは国際教育到達度評価学会の調査結果からは,我が国の子供の学習状況は全体としておおむね良好という見解を,文部科学省そして国立教育政策研究所が示しております。  ただ,この国際教育到達度評価学会の調査結果からは,我が国のこれまでの教育が過度の受験競争のもとにあった影響もあって,知識を詰め込む授業になっていたことから,自分なりの考えを持ってそれを表現する力というのが十分に育っていないと。特に,算数,理科などでは,国際比較すると,得点は高いけれども,意欲的に学ぼうとする点で,諸外国に比べて劣っているという指摘がされているところであります。  2点目の,完全学校週5日制になった場合に,学力がさらに低下するのではないかというご指摘でありますが,先ほどもほかの委員のところでお答え申し上げたのですが,授業時数の3割減ということがよく言われておりますけれども,今回の改定では,学習内容は3割程度削減されたわけでありますが,授業時数につきましては,土曜日の授業がなくなるということから,小・中学校とも週当たり2単位時間縮減となりまして,総授業時数は70時間の削減,約7%の減少となっているものでございます。これは,授業時数の縮減以上に学習内容を削減することによりまして,子供たちに基礎的・基本的な内容を確実に定着させることを図ったものだというふうに受けとめております。  さらに学力低下を招くのではないかというご指摘でありますけれども,今日のように変化の激しい社会にありましては,10年前には役立った知識でも今日ではもう既に役に立たないという,いわゆる知識の陳腐化ということが進行しておりまして,学校時代に獲得した知識を保持していれば済むという時代ではなくなったのではないかなというふうに考えております。したがいまして,マルチメディアなど,情報化が進展する中では,知識,情報を獲得するのはもちろんでありますけれども,それらを活用して,さらに新しい考え方を導き出すというような創造性に力を入れるということが必要ではないかなと,こんなふうに考えておりまして,私どもといたしましては,授業時数が現行と比較して,7%とはいえ,70時間の削減がなされるわけでありますので,基礎的・基本的な内容を確実に身につけるように指導するとともに,その力を使って総合的に考え,判断する力といったものを身につけるように,総合的な学習の時間等を通して身につけさせるように指導するよう,工夫を学校現場に求めてまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆川口谷正 委員  今,答弁の中で,10年前に習った学校時代の知識というのは陳腐化するというお答えもありましたけれども,私は,基礎・基本であれば,決して陳腐化することはないのじゃないかなというふうに思うのですね。その答弁については余りいただけないなと,何を指して言っておられるのか,それは僕はよく理解できないです。それはいいでしょう。  それで,私は,やはり決定的に学力の低下は避けられないというふうに考えております。私が言っても余り説得力がないのかもしれません。人の力をかりて申し上げますけれども,名古屋大学に浪川幸彦さんという先生がおりますが,大学院の多元数理科学研究科の教授でありますが,この先生が唱えております。学力低下を防止するには,やはり授業時数の確保が第一だということを言っているのですよ。  それで,先ほど70時間減ると。いろいろ学校の諸行事を減らしていって,当時の71時間が今は54時間ぐらいまで減っていますというお話がありましたけれども,その54時間を丸々やめても,まだ年間で減る70時間との差というのは埋まらないのじゃないですか。これをどう埋め合わせるか。私は絶対に不可能だと思うのですよ。ゆとりの教育で,子供が,隔週でも,休みになって,結果的にどういうことになったかというと,自宅で学習する時間が減った。テレビゲームをやる時間がふえた,こういう結果が調査のデータとして出ているわけですよ。それが,今度,完全週休2日制になったらどうなるか。そういうものに拍車がかかるだけじゃないですか。私は,札幌の教育を所管されている皆さん方,答弁ではそういうふうにおおむね良好とおっしゃっていますけれども,ひとつ腹を割ってみれば,実は心配をしているのだと,こういうことではないかなというふうに思います。  それで,私が求めておきたいことは,先ほどの浪川教授が唱えておられる解決のための方策,一つは授業時数の確保,それからセンター試験を資格試験にしてしまえと,こういうこともおっしゃっておられる。それから,最初に取り上げた少人数クラスの実現ということも言っておられます。それはもう申し上げましたので,四つ目に言っているのは,資質の高い教員の養成ということを言っています。  これは非常に大事なことでして,今,学級崩壊でありますとか学校崩壊とか,あるいは不登校とかいろいろ言われておりますけれども,子供ほど敏感に先生の能力に対して分析力を持っている者はいないというふうに言われています。つまり,先生が,教える方法は知っているけれども,教える内容について精通しているか,どれだけ情熱を持っているかということを極めて敏感に見抜く目を持っていると言われているのですね。つまり,先生自身が勉強しないことには,荒れたクラスをまとめていくことはできないのではないか。それがすべてとは言いませんけれども,大変決定的な要素だというふうに思います。  したがって,ここの部分は,答弁は要りませんけれども,この決定的な授業時数減によって,落ちこぼれもふえるけれども,浮きこぼれもふえる。つまり,私はもっと勉強したい,まだわかるのに,それ以上の勉強を教えてくれない,浮きこぼれという言葉があるそうでございますけれども,そういう現象が起きるというふうに言われております。こういうことにならないように,くれぐれもひとつ札幌の教育に責任ある立場で努力をいただきたいなというふうに思っております。  私は,市の教育委員会に別に責任を問うとかなんとかという気持ちは毛頭ありません。お互い同じ気持ちだと思うのですよ。将来の日本をしょって立つ子供たち,しっかり立ってほしい,しっかり基礎・基本を学んでほしい,その立場で申し上げております。  時間も経過しておりますので,あと最後の1問にいたしますけれども,情報教育について。  情報教育の促進が掲げられて久しいわけです。情報教育が掲げられたのは,たしか1988年当時ではなかったかなというふうに思いますけれども,改めて簡単に情報教育の指針についてお示しをいただきたいなというふうに思います。  それから,現在,情報教育にかかわる機器類の整備状況,あるいはハードのみならずソフト,こういったものについて簡潔にお答えをいただきたい。  それから,教師の状況について,どういう状況にあるのか。整備の当初の段階では,ハードはそろったのですけれども,教える先生が極めて少ないということがあったと思いますが,現時点でどういう状況になっているのか,答弁いただきたいと思います。 ◎大西 総務部長  私の方から,情報機器の整備についてお答えを申し上げます。  まず,機器類の整備状況についてでありますが,本市におきましては,昨年度をもちまして,小学校の各校に22台,中学校及び高等学校に42台の教育用コンピューターの整備が完了したところであります。  文部科学省は,平成17年度を目途に,小学校のコンピューター教室の42台化とあわせまして,すべての授業におきまして教材の提示や調べ学習に活用できるように,普通教室用に各2台,特別教室用に各学校に6台のコンピューターを整備するという新たな整備水準を示しております。本市といたしましては,今後の更新時期に合わせまして,整備台数の拡充を目指し整備計画を検討してまいりたいと,このように考えております。  次に,ソフトウエアの整備状況でありますが,現在は,小学校に10種類,中学校に11種類の教育用ソフトウエアを整備しております。この整備の考え方に当たりましては,毎年,各学校の情報教育担当者で構成しております連絡協議会の意見を取り入れまして,学校教育に必要と思われるものを吟味いたしまして,さらには学校間の格差が生じないよう統一するというようなことで配慮しまして,選定,整備をいたしております。  以上です。 ◎高橋 指導担当部長  私の方から,情報教育の指針と,それから現在の教員の操作能力等について申し上げます。  まず,情報教育の指針についてでありますが,文部科学省では,平成9年10月に,情報教育の推進等に関する調査協力者会議において,これからの学校教育においては情報活用能力を育成することが重要であるという考え方を示しまして,育成すべき内容を次の3点に焦点化し,情報教育の指針として位置づけております。  1点目は,情報活用の実践力であります。これは,コンピューターやネットワークなどの情報手段を自在に活用できる能力の育成を目指すというものでございます。  2点目は,情報の科学的な理解。これは,情報機器や情報通信ネットワークの基本的な仕組みを理解して,適切な活用方法を理解するということになっております。  3点目は,情報社会へ参画する態度であります。社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割,及ぼしている影響を理解し,情報モラルの必要性やコンピューター犯罪など,情報化社会の影の部分について考え,望ましい情報化社会を創造する態度の育成を目指すという,3点でございます。  続きまして,本市の教員のコンピューターの操作・指導能力の現状でございますが,平成13年5月の調査によりますと,コンピューターを操作できる教員の割合は,率で申し上げますと,小学校で81.5%,中学校76.1%,高等学校69.7%,養護学校79.0%で,平均いたしますと78.7%となっております。全国平均は,ちなみに79.7%となっております。また,コンピューターで指導できる教員の割合でございますが,小学校で53.6%,中学校で25.1%,高等学校25.4%,養護学校20.4%で,平均いたしますと40.8%で,これも全国平均は40.9%となっておりまして,ほぼ全国平均に位置しているというふうに押さえております。  以上でございます。 ◆川口谷正 委員  1980年代の後半から見ますと,大変前進しているなということで,少し安р「たしますけれども,ただ,世界はもっと進んでいるわけですから,努力もいただきたいなというふうに思います。  さて,問題は,そういう目標,指針を立ててスタートした情報教育でありますけれども,学校教育における情報教育の到達点ないし,現状はどこまでいっているのか,これが一番大事だと思います。指針の中で明らかにされた,例えば自在に活用できる能力だとか適切な活用方法,あるいは情報社会に参画する態度といったものについて,当初に掲げたことと,到達度といいますか,それはどういうことになっているのか,この点,お答えいただきたいと思います。  もう一つは,教師の問題でありますけれども,私も時々学校に出入りをさせていただきますけれども,職員室に行きますと,ほぼ先生方のデスクの上にずっとノートパソコンが並んでおります。あるとき,聞きました。これは全部学校でそろえていただいたのですかと。いや,違います,これは私物ですと。校長先生に,一体学校にどのくらいあるかと聞きましたら,これは私の地元の小学校で,校名ははばかりますけれども,4台ですという話でありました。平均1学校25人の教師がおられたとする。そうすると,4台なり5台ということは,5分の1しか公共で用意をしていない。残り20台は,先生方が自分で私物を持ってきてやらないと,もう授業に間に合わないということがあるようであります。さらに,小さい声で,実はこういう情報機器,私物を持ち込んではいけない規則になっておりますとも言うわけです。違反をしながらみずからのノートパソコンでやっているという現状は,いかがなものかなというふうに思います。  そういう意味では,先ほど,各学校への配備状況,あるいは小学校にも42台つけるようでありますけれども,教師一人一人に対する配備ということについても,これから考えていただかないと,本格的な授業への活用というのはなかなか時間がかかっていくのではないかなと思いますが,この点についてもお答えいただきたいと思います。 ◎高橋 指導担当部長  情報教育の効果,成果という点でございますが,本市の学校にコンピューターが整備されまして,情報教育が本格的に開始されましたのは昭和60年代というふうに考えております。当初は,物珍しさもありまして,キーボードを操作する児童・生徒が多数見られまして,算数ドリルや図工でのお絵かきソフトといったものでの実践事例が数多く蓄積されております。  最近になりまして,コンピューターの機能や操作性がかなり向上してまいりまして,児童・生徒がマウスを用いて音声や図形,写真などを取り込んだ表現力豊かな作品をつくるという事例が紹介されるなど,情報教育の成果が見られてきているものというふうに考えております。  また,インターネットが導入された学校におきましては,博物館や図書館などの情報を即座に入手したり,遠くに住む友達とリアルタイムに会話や情報交換をする取り組みが見られております。  また,総合的な学習の時間等を例にとりますと,児童・生徒の企画したテーマに関する情報を検索,収集しまして,その情報をコンピューターで編集,加工して電子メールで相手に伝達すると,こういうような事例も報告されて,学びの事例が変わってきているというふうに受けとめております。  また,家庭でもかなりインターネットを用いる保護者の方が多くなっておりまして,そういった意味で,家庭の中からの情報モラルの問題,いわゆる影の部分,そういったものについても学校の中で指導の必要性が迫られていると,こういう状況であるというふうに認識しております。  以上でございます。 ◎大西 総務部長  教師用のコンピューターの整備の考え方についてお答えを申し上げます。  ただいま川口谷委員お話しのとおり,私ども,情報教育用にということで,まず子供たちの方を優先して整備をさせていただいたという状況でありますので,学校の方の公務処理等につきましては若干おくれているという状況であります。  現在,私どもとしましては,学校の校務処理用の,学校と全体のITネットワーク構想というものを検討中でありまして,今年度,学校のそれぞれの公務事務であるとか,先生方のニーズ,需要,そういうものをただいま調査をしているところであります。  一方,各政令都市やなんかの教員用のコンピューターの状況でありますけれども,高校の方についてはかなりの台数が入っている状況にございますが,小・中学校等につきましては,台数につきましてはかなり低い状況になっております。  いずれにしましても,私ども,実情を調べて,どういう方法がいいのか検討させていただきたい,こういうふうに考えております。
    ◆川口谷正 委員  最後にしますけれども,小・中・高でのインターネットの接続は51校程度ということでありまして,残りは来年の3月末までに接続したいということのようであります。そこは,それでひとつ理解をいたしますけれども,先日,私,ソウルの教育委員会あるいは中学校を訪問しまして,いろいろ交流をしてまいりました。教科書問題,靖国参拝問題,非常に厳しいやりとりをしましたけれども,参観をさせていただいたときに驚きましたのは,韓国の中学生の95%から97%が家庭でパソコンを持っていて,全部インターネットでつながっているそうであります。学校とも当然つながっていて,先生との,例えば宿題に対する質問とかなんとかということもダイレクトにやれるということを聞かされて,愕然としたわけです。その後,この情報教育の問題について,はて,札幌はと思ってきょうの質問に及んだわけでありますけれども,かなりお寒い状況であります。  技術立国を目指す,あるいは文化立国を目指す日本にとって,お隣の韓国がそういう状況。あそこは,決して日本よりは経済的に豊かじゃないです。にもかかわらず,それだけの先行投資をするということは,5年後には完全に,少なくとも今の中・高校生のレベルでは,日本は完全に抜かれてしまうのではないかなという危機感を持っています。到底追いつかないのじゃないかという思いでありまして,ここは千葉助役,いろいろ金目の話ばかりで申しわけありませんけれども,将来に対する非常に大切な投資でありますので,こういった部分に対してもう少し思い切った投資,予算の割りつけということについて勇断を持っていただきたいなと思いますが,最後に答弁いただきたいと思います。 ◎千葉 助役  これは,教育の分野といいますか,教育の問題だけでないと思います。情報教育なりIT産業の今後の振興のためには,いろいろな分野,特に教育はなかなか時間がかかるという予想を持っていますけれども,産業政策なり経済政策の中でも,そういうことをいろいろと進めていかなければならないだろうというふうに思っております。 ◎土橋 教育長  済みません。私に質問はありませんでしたけれども,今の点で,私自身も自分の経験を含めて短くお話しいたします。  おっしゃるように,今,日本の政府,特に文部科学省は,IT教育において完全に韓国から置いていかれているということを認識して,これを非常に広めようとしておりますが,私は,とても今の状況では追いつかないと思います。これをどうカバーしていくのか。今まで,地方の教育委員会にしましても,国からお金がつかないといろいろなことができないというような形でしておりますが,それではとても間に合わないと思うのですね。ですから,今,千葉助役にご質問がありましたけれども,これは市長,助役にお願いしまして,札幌市なら札幌市が相当これに力を入れていただくようなことでないと,少なくとも札幌のレベルは上がっていかない。  私自身の経験からいいますと,大学レベルでも,先ほど先生方のというふうにおっしゃいましたけれども,私がおりました北星学園大学,私も情報教育は非常に大事だから,できるだけたくさん買うようにということで予算をどんどんつけまして,今から4年ぐらい前に,大体学生10人に1台ということで350台,学生数が約3,000人でしたが,10人に1台ぐらいの割合で,しかも朝の8時から夜の9時まで自由に使えるようにというような形にしまして,学生の満足度は,東北,北海道で,私のおりました北星が一番上がりました。しかし,それにもかかわらず,先生方については,私も先生方に1台ずつ買いましょうと言ったのですが,予算はやっぱりつけられないのですよ。  ですから,どうしてもやっぱり学生の方が先行してしまうというような実情がありますけれども,本当は,先ほどおっしゃったように,先生方にまず習っていただかなければいけないと。ですから,生徒につけるのと同時に,先生方にも1台ずつ学校でやっぱりきちんと予算をつけて買うような政策が欲しいなと。これは私の気持ちで,隣でそれをお聞きいただいて,予算をつけていただければいいなと,そんなふうに思っております。  以上です。 ◆武藤光惠 委員  私からも数点質問いたします。  まず,最初の質問は,学校給食についてです。  2学期に入ってから,厚別区のある小学校で,ことし4月から委託校になったところですが,まず6月14日にアスパラのクリーム煮の調理中,ゴムべらの先端部分がミキサーに巻き込まれ,気がつかないまま配ぜんされた。同じ学校で,7月13日,エビのクリーム煮の調理中に,職員室にいた栄養士が異臭に気づき,調理室に駆けつけて,鳥がらスープの腐敗を発見。また,別の区の小学校では,8月23日にホッケのフライが生臭いことを検食していた校長が気づき,配食を中止にした。このような事故が相次いでおりますが,これらの事故の原因と改善策について,まず,お尋ねをします。 ◎大西 総務部長  ただいまの2件の事故についてでありますが,まず初めのシリコンゴム製のへらのかけらが混入したことについてでありますが,この原因につきましては,調理員がクリーム煮に入れるホワイトルーと牛乳をミキサーで攪拌中に,ホワイトルーがかたかったために,ミキサーをとめて,へらでルーを溶こうとしましたが,ミキサーが完全に停止していない状態でへらを使用したために,先端が欠けて混入したということであります。このことに気づかずに,そのまま給食を提供してしまったということでありまして,検食の段階,それから子供たちが食べた段階で発見されたわけですけれども,こういう事故は,作業終了時の器具の確認が適切になされていれば起こり得なかったと考えております。受託業者には,このような事故の再発を防ぐため,器具のチェック等に万全を期すとともに,適切な指導を職員に行うよう,文書と口頭により厳重注意を行ったところであります。  次に,鳥がらスープの事故についてでありますが,この製品自体は,O-157食中毒事故に対応いたしまして平成8年度から行っておりました衛生管理の徹底の一環としまして,その利用を検討し,平成11年度から学校給食に取り入れております,本市が独自に開発した加工品であります。事故は,この鳥がらスープが腐敗しておりまして,そのことに気づかず,エビのクリーム煮をつくりまして,その段階で発見ができまして,子供たちには提供いたしませんでした。  なお,腐敗の原因についてでありますが,食材のあっせん機関であります学校給食会を通しまして,納入業者及び製造業者を調査いたしましたところ,製造工場での作業工程中の加熱むらによる加熱不足が原因であったということで,報告が上がってまいっております。これを受けまして,教育委員会並びに学校給食会からは,業者に厳重注意を行うとともに,再発防止に関する報告を求め,加熱方法の変更などの安全対策を講じていただいたところであります。  ホッケの件につきましては,調べてまた報告をさせていただきます。 ◆武藤光惠 委員  今のご答弁で,答弁漏れのあるホッケのフライというのは,白石区の小学校で起きた件なのですが,これは既に保護者あてに文書も配られていることなのですね。調査の結果は,腐敗してはいなかった,問題はなかったということのようですが,実際に,校長先生が検食をした段階で生臭かったと。私は何を言いたいのかといいますと,この学校自体は子学校ですから,運ばれてくるわけですよ。ですから,親学校は当然既に食べているのですが,その事後の調査もやったけれども,何ともなかったと。結果においてはこういうことだったのですが,検食をやる校長先生というのは,どこの学校も検食をやるのですけれども,学校給食そのものに対して,民間委託も始まって,教育委員会の皆さんもかなり気を使っていることとは思うのですが,子供たちに食べさせる給食だけに,検食する校長先生の役割というのは非常に重要なわけですよね。ですから,ちょっとでも生臭ければやっぱり子供たちに配食できないと。こういうように,私は,校長先生の負担がこういうことでも重くなっているのかなということを感じざるを得ませんでした。  それから,一つの学校で1カ月置きに2回もこのような事故が起きるということについては,今,部長の方からご答弁ありましたけれども,ゴムべらについては,調理員みずからが,ちゃんとミキサーが回らないから攪拌するためにゴムべらを入れているわけですよ。だから,なぜそれを抜かなかったのかという問題。それから,なぜ事後の点検をやらなかったのかという点が非常に私は疑問に感じるのですが,部長の今のご答弁の中には,器具の点検がされなかったということで,ゴムべらがなくなっていたのに気づかなかったからこういうことになったのだというお話がありましたよね。それでは,この器具の点検というのは,調理業務の中にきちんと位置づけられているものなのかどうなのか,この点についても改めて確認をしたいと思います。  それから,鳥がらスープの腐敗の問題については,私も検査の結果をいただいているのですけれども,レトルト殺菌機によって加熱処理されて殺菌されるのですが,実際にこのレトルト殺菌機に加熱むら危険区域というのがあるわけですよね。ここは加熱むらが起きる場所だから,ここには鳥がらスープを置かないのだということで,業者はどこの場所が加熱むら区域なのかということを事前にわかっていたわけなのですよ。わかっていたけれども,たまたまそこに鳥がらスープが置かれていた。その置かれていたものが,ここの小学校に配られてしまったと。だから,ほかのものは確かに何ともないということで検査の結果が出ましたよね。  だから,こういうぐあいに,事前にわかっているレトルト殺菌機でありながら,こういうことが起こっているわけですから。これまでは,各学校の調理室で鳥がらそのものからスープをみんなとっていたわけです。それが,鳥がらスープがレトルトにかわりまして,今回のこのような事故が起こってしまっていると。私は,本当にこういう,わかっていたにもかかわらず起きてしまった事故,これは調理現場の事故ではありませんが,先ほど狂牛病の問題も質疑されました。そのときに,消費者の80%が不安がっている問題で,これを使うわけにいかないのだと,給食費をもらっている保護者に対して,不安を持っている保護者に安心を与えなくちゃいけないというようなことで,だから使わないようにしたというお話もありました。こういう立場で考えるならば,やはりこのような状態に置かれて,業者が,いや,この辺を気をつけて,今度はむら危険区域には置かないように気をつけますから,ぜひご愛顧をお願いしますと,こういうことを教育委員会に出しているわけなのですが,この鳥がらスープについても使用を当然検討すべきではないのかと思いますが,この点に対しても安全であることをどのように確認されているのか,改めて伺います。 ◎大西 総務部長  先ほど,ちょっと答弁が漏れましたホッケの件について,先に答弁をさせていただきますが,これは,ある直営調理校におきまして,ホッケのフライを子学校の方へ配送したわけでありますが,子学校の校長の試食の段階で,においがきついということで,腐っているのではないかということでそういう状況になったわけですが,結果的には,においが多少きつかったわけでありますが,腐ってはいなかったという今の武藤委員からのお話のとおりでありました。  そこで,今,ご質問の2点についてでありますが,まず器具のチェック等につきましては,洗浄等をいたしました後には全部器具等をチェックするということになっておりますし,また,使った後にもそれぞれの器具について確認をしていくということになっております。  今回の,このシリコンべらのことにつきましては,この事故を受けまして,関係職員,それからチーフを含めまして全体で研修会,また現場で器具の取り扱い,衛生管理研修,こういうことを行いまして,全員で再発防止の徹底を図っているところであります。  また,鳥がらスープの件でありますが,措置といたしましては,加熱むら,加熱不足が原因でございましたので,まずスープの味の面もございますが,今までは120度Cで15分間加熱をしてございましたが,若干,2分でありますが,味の問題等があるということで,17分の加熱に変えてございます。また,加熱むらが生じないようにということで,その場所等にも置けない状態にきちっとしているということと,また,作業マニュアルをしっかり見直しておりますし,さらには,その実施管理について徹底を図るというようなことを講じております。  なお,この鳥がらスープにつきましては,先ほどもご説明させていただいたとおり,O-157を受けての学校栄養職員等の知恵に基づくものでございますので,私どもといたしましては,こういう徹底を図った中で安全を確保し,利用してまいりたいと,こういうふうに考えております。  以上です。 ◆武藤光惠 委員  食器具,ゴムべらの問題については,器具の点検というのは前後にやることになっていたのですね。けれども,この時点ではやられていなかった。だから,私も伺っておりますけれども,改善策としては,まず器具の点検を前後にしっかりやると,これも改善策の一つで掲げられていますよね。ですから,なぜやらなかったのか。その決められていることが,調理業務の一環である器具の点検がなぜできなかったのか。  もう一つは,鳥がらスープの問題で,私もいろいろ調査結果の資料をいただいておりますけれども,その中で,それぞれの部署の人がその当時何をしたのか,どうだったのかというのが報告書に載っていました。私が非常に気になったのは,鳥がらスープの場合,今,委託校には男性のチーフがいまして,そこでパートの調理員さんが一生懸命働いていらっしゃいますけれども,そのチーフの方がこう言っていると報告書に書いてあるのですね。異臭を確認したが,他の業務に従事していたので栄養士への報告がおくれた,こういう報告をしているわけですよ。つまり,部長のお話ですと,栄養士が異臭を感じて飛んできて発見したと,こういうお話でしたね。けれども,実際には現場で確認をされていたのだけれども,次の仕事があって栄養士への報告がおくれてしまったと,こういうように,いただいた報告書の中には明記されていました。  つまり,器具の点検も,それから鳥がらスープの場合のチーフの対応も,やはり業務内容がいかに大変なのか,本当に大変な中で業務内容が多忙過ぎる,そのことが結局はこのようなことにつながってしまったのではないかと,私は非常に懸念せざるを得ないのですが,この点についていかがか,改めてお尋ねをします。  それとあわせて,今回のこのような事故,私はこの件については民間がどうのこうのとか,直営がどうのこうのじゃなくて,それ以前の問題として,やはり事故というのは絶対に起きないということはあり得ないわけですから,起きたときにどう処理していくのかということが,教育委員会の責任として問われてくることだと思うのです。  民間委託後,大丈夫か大丈夫かということを,私たちはいつもその懸念を委員会で言ってきましたよ。けれども,その前提でもある事故が起こったときの対応をどうしていくのかという問題につきまして,私は,教育委員会がきちんとやっていないのじゃないかと,この点でも非常に疑問を感じます。  例えば,私は,この問題について,親からの不安の声としてこれを知ることができました。ホッケのフライの果てまで,親から,学校で出したプリントを見ることによってこの事故を知ることができました。私は,ほかの調理員だとか栄養士さんにも聞いてみました。こういうことが皆さんのところに伝わっているかどうかと。伝わっていないのですね。私,これにびっくりしたのですが,全区に聞いてみました,直営・民営含めて,いろんな人たちに。こういう事故が起こったときに,私は,当然,周知徹底を図って,二度とこのようなことが起きないように,このケースはこのようなことで起こったと,こういう改善策を図ったと,やはりこれを本当に周知徹底することこそ最大の改善策だろうと思うのですが,これがやられていないのではないかと思いますが,いかがか。  それと,もう一つ,現在,私たちは教育委員会に給食の問題では1年に1回ほど申し入れも行わせていただいておりますけれども,その都度に言ってきている問題で,研修のやり方の問題。例えば,今年度から委託校が大幅にふえまして,そういう中で,結局,委託校については委託費の中に研修費が入っているものですから,組合自身が研修を行っているわけですよね。直営部分は教育委員会が直接研修を行う,これまでどおり。同じ学校給食という業務についていながら,横の交流がないばかりか,研修すらも別々に分けられてやっている。だから,こういう事故が起こったときに,私は,周知徹底することができないのではないのかなと。  ですから,やはり教育委員会の責任で直営も民営もやっているわけですから,何かあったときに教育委員会が責任とるのだと明言してきたわけですから,そういう点からすると,せめて最低限,直営も民営も合わせて,教育委員会の責任で研修を行うべきだと思いますが,この点についてもあわせてお尋ねをいたします。(発言する者あり) ◎大西 総務部長  まず,この事故が起きましてから,私も,大変なことだということで,まずは担当の職員に学校の方へ飛んでもらいましたし,そして2回目が起きたと,これもまた大変だということで,校長に来ていただきまして,校長とお話をしました。そこら辺,校長もかなり心配をしていたところでありますが,若干,校長自身が調理現場とスムーズにいっていないところがあったというようなことがありまして,私としては,やはりこれはしっかりと調理体制を見直すべきだということで,チーフをかわっていただくことで調整をさせていただきました。2学期からは,新しいチーフのもと,現在,しっかりやっていただいていると,こういうふうに考えているところであります。  以上です。(発言する者あり) ◎霜觸 教育次長  武藤委員からいろいろご指摘がございました。民間委託が始まって何年かたちましたけれども,確かに,今,委員ご指摘のあった点については,今後,少し是正をしていかなければならないものと考えているところでございます。 ◆武藤光惠 委員  ちゃんと答えていただいていない点があるのですが,食器具の点検を今までやられていなかったということについても,きちんとお答えいただきたいのですね。  それから,これからいろいろ改善していくと,部長のお話がありましたけれども,研修の問題,それから周知徹底の問題については,具体的にお答えをいただきたいと思います。 ◎大西 総務部長  今のお話のことも含めて,私の方で検討させていただきます。 ◆武藤光惠 委員  確認だけ。ぜひ研修の方向も,委員会が終わってからでもその経過を見ながら回答をきちんと出していただきたいと,検討結果を伺わせていただきたいということをお願いしておきますが,チーフの話も含めまして,それから器具の点検の問題も,やることになっていたのにやられていなかったというこの実態について,教育委員会は,やはり徹底して,業務内容が本当に負担増になっていないのか,過重労働になっていないのか,この点についても再点検をすべきだということを強く求めておきます。  次に,不登校児対策について何点かお尋ねをします。先ほどからも不登校児対策の問題については質疑が行われていますが,私は,不登校児対策の問題について,フリースクールにかかわって幾つかお尋ねをしたいと思います。  これまでのご答弁の中にも何度か出てきましたが,相談指導学級という,不登校児が週に二,三回あるいは連日通う学校がありますけれども,相談指導学級と同じように,札幌市内には全部で12のフリースクールがありまして,札幌市の教育委員会が,各学校で不登校児になった子供たちがフリースクールに行っているとカウントしているだけでも7のフリースクールに,小学校で9名,中学校で27名,合計36名の子がフリースクールに通っているという現状であります。  私は,相談指導学級の実態をいろいろお聞きしましてびっくりしたのは,伏見小学校,小学校はここ1校しかないのですね。それから中学校は全市に澄川中学校と新琴似中学校,この2カ所。小・中合わせても3カ所しかない。これが全市の,2000年度で見れば,小学生の不登校児が264人,中学生で1,251人いるわけですから,この子たちの,本当に相談指導学級としての役割をこの数で果たし切れるのだろうか,こういう疑問を感じました。結局,そういう中で,フリースクールというものの果たしている役割というのは決して見逃せないのだなというのを,非常に痛感させられたわけなのです。  そこで,関心を持ちまして,相談指導学級とフリースクール,やっていることは同じ内容なわけなのですが,どこがどう違うのかということを少し調べてみました。そこで違うのは,フリースクールというのは,かつては民間だということで,保護者や本人が自分の意思で自由に選択して行っているのがフリースクールだったのですね。ところが,平成5年以来,国の方も,フリースクールに対する考え方,不登校対策として位置づけが変わりまして,現在では,民間施設についてのガイドラインというのも札幌市教育委員会が出していまして,結局,相談指導学級に行っていれば出席簿も指導要録とも出席としてカウントされるのですけれども,このフリースクールについては,かつて出席簿も指導要録も欠席としてしか登録されなかったのですが,平成5年以後は,学校に行っていなければ出席簿には確かに欠席なのですが,指導要録には出席としてカウントされるようになってきて,学校とフリースクールの関係も密になってきている。そういう関係を密にしながら,少しでも在籍校に子供たちが復帰できるようにしていこうと,こういう努力がされてきているわけなのですね。こういう努力がされてきて,フリースクールに行っても指導要録には出席とされているのですが,相談指導学級とフリースクールにはまだまだ大きな隔たりがあります。その中の一つに,例えば交通費の問題,それからそれぞれの学校でかかる教材費の問題,こういう問題が出てくるわけなのですね。この辺の格差を私はやはり是正すべきじゃないのかと思うわけなのですが,これについてお考えがどうなのか,まずお尋ねをします。  それと,相談指導学級についてのことなのですが,これは出席簿でも出席となっていて,在籍校と同じ扱いになっているのですけれども,実はこの相談指導学級に何年間も通っている子もいるのですが,在籍校に何年も行っていないのに給食代が徴収されていると,こういう事例があります。ある学校では,校長先生がかわったために,この子は相談指導学級に行っているので給食代をもらうべきではないと言って,払った給食代を返還している校長先生もいるのですね。私は,やはり教育委員会としての方針を一本化させ,各学校に周知徹底すべきだと思うのですが,この点ついて現状はどうなのか,お尋ねをしたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  私の方からは,フリースクール等に通う子供のための交通費ですとか,あるいは教材費等の父母負担の軽減,補助的なものについて質問になったというふうに受け取っておりますので,そのことについてお答え申し上げたいと思います。  フリースクールに通所いたします児童・生徒の交通費と父母負担の軽減等についてでございますけれども,これらの施設は,学校教育法というもので規定されている学校として位置づけられているものではございません。したがいまして,現行制度の中で交通費等の公的な助成を講ずることは困難であると考えているところでございます。  以上でございます。 ◎大西 総務部長  給食費の徴収につきまして私からお答えしますが,長期に学校を欠席する子供たちの給食費徴収の具体的な取り扱いについてでありますけれども,個々のケースによりまして,保護者の意見を尊重し,教育的配慮のもとで各学校長が判断するというふうになってございます。  これまでは,長期の欠席の場合につきましては,保護者の方からの申し出を受けまして,学校において減額等の措置がとられていると聞いております。  給食費は,給食に係る原材料費として徴収しているものでございまして,長期に欠席することによりまして,長期間,給食を食べない子供たちの給食費につきましては,減額等の措置がとられるのが望ましいと考えております。  したがいまして,委員がご指摘のような状況がありましたら,状況の把握に努め,対処してまいりたいというふうに考えます。 ◆武藤光惠 委員  給食費については,当然,食べていないわけですから,今,部長がおっしゃったように,各学校にその旨,長期休暇の場合,本人から申し出があれば減額するということで,ぜひ徹底させていただきたいということを要望しておきます。  それから,交通費の問題については,相談指導学級については教育委員会の配慮のもとで位置づけられて,出ているわけですよね。なぜフリースクールが指導要録に出席となるのかという問題については,私は,札幌市では,小学校は伏見小学校のみ,それから中学校でも2校しか相談指導学級がないという現状の中では,やはりフリースクールに依拠している,こういう不登校対策になっているのじゃないのかと思わざるを得ないのですね。実際に,伏見小学校や澄川・新琴似中学校まで他区から行くとなれば,非常に遠いわけですよ。そして,ここの学校の配慮というのは,子供たちが一歩でも家から外に出てこれるようにということで,いろいろな配慮をされているわけですよね。いつでも,どんな子供が来ても受け入れられるようにしている。  こういう学級が各区に整備されていれば,交通費の助成も当然要らないでしょうし,フリースクールに依拠することもないでしょうけれども,現状は,とにかく小学校1校と中学校2校しかないわけですから,そういう点からすると,やはりフリースクールに対して国がいろいろな形で補助しているように,不登校児の相談それから指導委託校として,国はそういう制度を設けて,札幌市内のフリースクールに対してもお金をつけているわけなのですが,そういう点から考えると,私はやっぱりフリースクールに対してもしっかりと目を向けた,改めての対応も含めて検討していくべきではないかと思いますので,この点については,ぜひ前向きにご検討いただきたいと思いますがいかがか,お答えをいただきたいと思います。  最後の質問は,コンピューター教室の問題なのですが,先ほどもいろいろ質疑がありました。私は,コンピューター教室の整備についてのみお尋ねをしたいと思います。  市教育委員会では,2000年度でコンピューター教室は100%整備したと報告しておりました。しかし,100%という数字は,コンピューター機器が導入されたというだけで,そのための教室は必ずしも整備されていないのが現状だったのですね。現在でも,コンピューター教室がないために,現在,コンピューター教室がないのは5学校ありますが,そのうちの一つは図書室,先ほども岩村委員の質疑にありましたけれども,教育長も愕然としたというお答えもありましたが,図書室をつぶしてコンピューター室にしている学校がありました。それから,多目的室をつぶしてコンピューター室にしている学校もある。ほかの3校は,各学級に2台ずつ分散してコンピューターを導入しているわけなのですね。  私は,こういうような現状を見たときに,本当に,市教委が発表するように,これでコンピューター100%整備と言っていいのかどうなのか,この点について改めてお尋ねをしたいと思います。  あわせて,先ほども計画の問題がありましたが,当初のコンピューター整備計画では,94年から99年までに,小学校で22台,中学校42台,高校42台を整備して,その後,2005年までに小学校42台にするという,こういう計画のもとで整備が進められてきました。先ほどもお話がありましたけれども,この計画どおりに今後も進めていくのか。そうであれば,先ほどの部長のご答弁の中にもちょっと出ましたが,小学校,中学校のコンピューターの更新時期が6年目なので,札幌市のコンピューターは平成7年から入っていますから,更新時と次期整備計画とは合体しちゃうわけなのですよ。そのとき,お金の問題ですよね,なかなか今は大変ですから。お金が大変だ大変だと言っているときですから,こういうように重なってしまったときに,どのような対処をしていこうと考えていらっしゃるのか,この点についても,今後の見通しについてお尋ねをしたいと思います。 ◎岩崎 学校教育部長  いわゆるフリースクールに通所いたしております子供たちへの交通費あるいは教材費等にかかわる支援,補助ということについてでございますが,先ほどもお答えしたことで大変恐縮でございますけれども,現行制度の中での公的なそういうものについては大変難しいものであると,このように考えているところでございます。  以上です。 ◎大西 総務部長  まず,コンピューターの12年度までの整備ということでありますが,これは,ご案内のとおり,平成14年度から実施されます新学習指導要領に基づく情報教育の実施に間に合わせるということで,整備を図ったところであります。  また,コンピューター教室の未整備校についてでありますけれども,私どもといたしましては,コンピューター教室の未整備校につきまして,今後の子供たちの推移を見ながら,さまざまな整備手法等も考え合わせ,検討してまいりたいというふうに考えております。  また,42台に台数をふやす整備の考え方についてでありますが,先ほど川口谷委員にもお答えしましたとおりの答えになりますが,今後,整備計画を検討してまいりたいと,こういうふうに考えております。 ◆武藤光惠 委員  コンピューター室の問題は,児童数の推移を見ながらということですけれども,図書室がいかに大事なのかというのは先ほどの議論でも明らかになったところなのですが,例えば図書室をコンピューター室にかえている学校は白石区の川北小学校というところなのですが,ここは,まだ1スパン増築できるだけの未完成校なのですよ。ですから,増築は十分に可能なのです。  さらに,ここの学校は,ちょうど学校の目の前が,今,宅地造成されていまして,2年後ぐらいには住宅が250から300戸ぐらい張りついてくるだろうと言われている地域で,現在でも,4学級ある学年まであるような,児童数がまれに見るスピードで増加しているところなのですよ。そういうところですから,コンピューターがいきなり入れられて,廊下に積んでおくわけにもいかず,慌てて図書室を明け渡したと。図書室は,多目的室の隅っこに置かざるを得なかったと。こういうすべての状況を考えても,やはり私は,早急に増築をして対処すべきではないのか。  それから,整備計画もこれからやっていくというわけですから,小学校では今22台が42台になるわけですから,こういうようにコンピューター教室のない5校があるのに,これを,その推移を見ながらというような悠長なことでは,整備計画も進捗できないのではないでしょうか。この点についても,増築をやるべきと思いますがどうなのか,改めてお答えをいただいて,質問を終わります。(発言する者あり) ◎大西 総務部長  先ほどお答えしたのと同じ答えになりますが,いずれにしても,図書室,それからコンピューター教室,いろいろな課題を私ども持っておりますが,さまざまな角度から,またいろんな,子供たちの推移,または補助の見通し,それらも考え合わせながら,今後,積極的に検討してまいりたいと思います。  以上です。 ◆宮村素子 委員  私からは,本市における生命尊重教育の一環としての性教育についてお伺いいたします。  私は,さきの代表質問におきましても,本市の人工妊娠中絶件数,特に10代の人工妊娠中絶件数の比率が高いというデータから,札幌市における性教育,生命尊重教育の重要性を訴えたところでございます。教育長は,答弁の中で,生命尊重は教育の根幹であり,学校教育の今日的課題である,そういった認識を持って,道徳や各教科の指導で推進していると述べられたところでございます。  総合的な学習の時間もスタートしてまいりますし,時代とともに,また社会の変化に伴って,性にかかわる教育,教科の内容も変わってきて,再編成が必要な時期ではないかとも思っているところでございます。  きょうは,具体的に少し伺ってまいりたいと思います。  教育委員会では,性に関する指導や相談について,産婦人科医師を講師として派遣したり,産婦人科医師が相談を受けるといった事業を実施していると聞いております。  そこで,質問でございますが,教育委員会で実施されている産婦人科医師による講師派遣事業及び性に関する相談事業について,その内容と回数の実態をお伺いいたします。  また,各学校においては,性教育を学校の年間指導計画の中に位置づけて実践しているのだろうというふうに思っておりますが,学校によって,その実践に時間的な差異もかなりあると,そんなふうにも聞いているところでございます。  そこで,質問でございますけれども,性教育をどのような教科や領域で扱っているのか,小学校,中学校における性教育の実態についてお伺いしたいと思います。 ◎高橋 指導担当部長  まず,産婦人科医師による講師派遣事業の内容と回数についてでありますが,内容につきましては,人間の生き方に関することや思春期の体と心,具体的な性感染症への対応など,各学校の要望を取り入れながら実施しております。回数につきましては,平成12年度,32回実施したところでございます。  産婦人科医師による性に関する相談事業の内容と回数についてでありますが,内容につきましては,子供や保護者からの電話による相談に対応するものであります。平成12年度は,性に関する疑問や悩みについて68件の相談がございました。  小・中学校における性教育の実態についてでありますが,市内の小・中学校すべての学校で性に関する指導が行われております。具体的に申し上げますと,小学校の体育科あるいは中学校の保健体育科では,思春期における心と体の変化やエイズとその予防などについて指導しております。また,学級活動や道徳では,教科と関連させながら,男女の協力あるいは生命のとうとさなどを指導しております。さらに,今年度は総合的な学習の時間で指導している学校もございます。  以上でございます。 ◆宮村素子 委員  ただいまのお答えの中で,産婦人科医師による性教育の内容ということで,人間の生き方,男女のあり方でしたか,それから性感染症等,具体的なことで指導しているようでございます。  それと,相談は68件ということでございましたけれども,小・中学生の子供が対象で,またこれは父兄の相談ということもあるようでございますが,そうすると,実際には,子供たちが相談していくべきところとして本当に認識しているのだろうか,子供の数からいって,68件というのは,ないに等しいのではないかなというふうに思っておりまして,生徒に対する指導・相談機能として,この相談事業というのは本当に十分機能しているかどうかということを,成果を含めてもう一回お伺いしたいと思います。  それから,性教育の実態については,できるだけ教科との連携の中で,生命の尊重,大事にしていきたいのだということでしたので,具体的にその方向で進めていくように,ぜひ強力に推進していただきたいと思います。  そこで,次の質問に移りますけれども,今日の10代の青少年の性行動について伺います。  高校生の性意識と性行動につきまして,これは札幌市での実態調査がございますので,それを参考にちょっとお話しさせていただきたいと思います。  これは,調査したところは北海道大学医療技術短期大学の専攻科で行った調査で,時期は平成11年8月から9月にかけて,対象は市内公立,男女共学の高校ですけれども,5校の協力を得られたということで実施しておりまして,対象は1,084名でした。男子508名,女子576名が協力してくれたということです。  この調査の結果については,昨年,日本思春期学会でも発表されておりますけれども,それによりますと,性知識の情報源は何かといいますと,同性の友達から,それから雑誌とアダルトビデオといいますか,そういったものが多いと。それから,避妊や中絶については学校の教科書や授業に頼っていると,そういった状況です。それから,性意識については,妊娠を望まないときには避妊をすべきだというのが62.9%と,大変高いのですけれども,じゃ,その避妊の知識,方法がどうであるかということは,非常に知識が不確かだということなのですね。数%しか正解率がないと,そういった状況でございます。(発言する者あり)そして,人工妊娠中絶は,望まない妊娠は中絶してもいいのだと,そういった考え方が15.3%,それから,それはもう当事者の問題よというあっけらかんとした答えが多いのですね。それから,性体験の平均年齢は15.4歳でございまして,最年少は13歳と。性体験率は26.3%であるということから,4人に1人はそういった経験があると,そういうことだろうというふうに思います。それと,性の悩みは妊娠への不安というのが一番多いです。それから,相談相手がやはりなかなかいないということ。そして,同性の友人なのですけれども,問題解決に至っていないと。それから,親や教師は相談相手としては10%以下なのですね。  ですから,先ほど私がもう一度伺いたいと言いました,例えば産婦人科医師による相談窓口を開いていても,本当に子供たちの期待にかなっていないのじゃないかと思いますけれども,こういった調査の結果からそういうことが歴然としているところでございます。  それで,これは札幌市の実態でございますけれども,そういったことから,今日の10代の青少年の性行動について,私たちは,どういう状況にあるのかということの正しい認識を持つことが重要だと思っております。そして,対策を十分考えていかなければならない。そして,その対策というのは,やはり思春期の時代の男女を含めて,心身の健全を保つということが大事ですし,性を尊重するという態度を育成することが大事だと考えております。  そこで,質問でございますが,10代の青少年における性体験,人工妊娠中絶,性感染症の急増,特に本市のこういった現状について,教育にかかわる立場としてどのように受けとめておられるのか,伺います。  また,こうした中で,このような状況への対応として,私は,本市の柏中学校の先進的な取り組みが大変意義あるものと考えているわけですが,質問ですけれども,この柏中学校の先進的な取り組みの成果を全市にも広げていくべきではないのかと,そのように考えておりますが,その点についてどのようにお考えか,お伺いいたします。 ◎高橋 指導担当部長  まず最初に,先ほど相談件数が68件ということについての考え方ということでございましたが,私ども,少年相談室というのがございますが,そこに相談員が常駐しておりまして,一般的には,先ほど申し上げましたように,子供たちあるいは保護者の皆さん方からの幅広い悩みについて相談対応しているところでございます。特に,その相談を受けたうち,専門家である産婦人科医師等に相談をした方がいいと,そういう医師へ対応をお願いした件数が68件ということでございます。残りの多くの部分については,少年相談室で対応しているところであります。  続きまして,今日の10代の青少年の性行動についての本市の現状に関する受けとめ方ということでございましたが,委員ご指摘のとおり,本市における人工妊娠中絶あるいは性感染症の割合は,全国的に見て高くなっておりまして,憂慮すべき状況にあるというふうにとらえております。  次に,柏中学校の取り組みについてでありますけれども,柏中学校は性教育に重点的に取り組んでいる学校であり,私どもといたしましても,生命尊重に基盤を置いた取り組みとして,その成果を高く評価しているところであります。したがいまして,教育委員会が作成している性に関する指導の手引におきましては,柏中学校の実践の取り組みや成果を十分に取り入れておりますので,各学校が教育課程を編成する際に手引を有効活用するように,さらに働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆宮村素子 委員  そうしましたら,少年相談室の中で,特に産婦人科医師に相談した方がいいという件数が68件ということであれば,やはりその相談というのはかなり重大な相談なのだろうというふうに思います。例えば,本当に妊娠であると,そういったことなのだなというふうに思いますけれども,そうであれば,やはり数としては多いと思わざるを得ませんし,また少年相談員による相談というのは,そのほかにどのぐらいあるのかというのはちょっと明らかにされませんでしたけれども,そこをもう一度お聞きしたいと思います。重大な相談が68件で,それ以外にということであれば,答弁のときになかったものですから,伺いたいと思います。  それと,柏中学校の成果について。  現状は大変憂慮すると,大変な状況にあるということは認識されているということで,柏中学で重点的に取り組んでいる,それを指導要綱等に生かしているので十分使えばということでございましたけれども,文書に書いてあるものをそしゃくして教師が指導していくということの中で,教師を批判するという意味ではございませんが,やはりかなり得意分野があったりするのではないかと思います。それから,性の教育そのものは,まだまだ社会の中では,寝ている子を起こすというような意識があるのも確かでございます。本当に,小学校,中学校の子供たちの妊娠に関連した性に関する具体的な問題は,指導の実態によりますと,保健体育の時間で取り上げているのが小・中ともに多いわけです。学級の中で指導している,または年間の指導計画をつくっているというところもありますけれども,大概は,60%から80%ぐらいが保健体育の時間で行われているということでございますので,その中で指導していくということで,柏中学のものを即十分生かされているのであればいいのですけれども,実態としては,先ほど言いました10代の性の状況からいきますと,十分いかされていないのじゃないかと,そんな気がしてならないのですが,本当に生かし切っているのか。広げていってほしいと私は思うのですけれども,うまくそれを活用しているよということであれば,本当にそれがうまく生かされていると,こういった現状の中でそう言い切れるのかどうか,もう一度そこを確認させていただきたいと思います。  それと,人工妊娠中絶ですとか性感染症について,学校教育では今後はどのような指導が可能だと考えているのか,それも伺いたいと思います。
    ◎高橋 指導担当部長  まず,少年相談室の相談総数でございますが,きょう,あいにく資料を持ち合わせてございませんので,後ほどお届けをいたしたいと思っております。  続きまして,性教育そのものが学校の中で生かされているかということでありますが,私どもとしましても,先ほど申し上げましたように,札幌市の子供たちが性感染症でありますとか人工妊娠中絶というのに非常に高い割合にあるということで非常に憂慮しておりまして,そういう意味で,本市のグループ研究の委託の中で,性教育に関する実践的研究と銘打ちまして,性感染症の増加というものの実態をもとに,性に関する指導は,先ほどご指摘のように,どうも眠ったままにしていたのではないかというようなことで,学校の方で具体的にどのように取り上げるべきかというようなことを含めまして,関係機関との連携も含めて,保健福祉局それから助産婦等,そういった方々にも研究に参加していただいて,今,研究委託を進めているところであります。  また,人工妊娠中絶それから性感染症の具体的な指導ということでございますけれども,人工妊娠中絶につきましては,学習指導要領等の位置づけから見て,小・中学校で直接的に取り上げることが非常に難しいということから,生命尊重という観点から扱うことができるものというふうに考えております。性感染症につきましては,先ほど申し上げましたように,性に関する指導の手引の中で指導計画例を示しているところでありますので,その活用方法を図ってまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆宮村素子 委員  総数については後ほどいただくことにいたします。  それと,生命尊重の観点から,人工妊娠中絶等の問題については十分対応していきたいと,そういうことですので,ぜひそのようにお願いしたいと思います。  研究委託を進めていると,性感染症,性に関連することだろうと思いますけれども,関係機関に委託して進めているということでしたが,この研究というのはどのぐらいの期間の研究になるのか,いつぐらいに研究の成果というのが出るのか,現状でわかっていればお知らせいただきたいと思います。  それと,あとは要望でございますけれども,なかなか性に関する指導というのは,指導した対象のそのときのニーズによって,それが生きるかどうかというのは大変難しい問題でもありますし,これは担任だけではなくて,専門医,また養護教員ですとか,それから保護者の連携も図りながら対応していかなければならないというふうに思っておりまして,ぜひとも関連する皆さんとの連携の強化を図って,10代の人工妊娠中絶がとにかく低下していくように,そして生命の尊重が本当に教育の基本として生きているということが言えるような取り組みをぜひともお願いしたい。それを要望して,終わります。  1点だけ,研究についてだけお答えいただきたいと思います。 ◎高橋 指導担当部長  グループ研究委託でございますが,今年度の2月には成果がまとまるというふうに考えておりまして,現在,中学校の教員2名,小学校の教員4名,そのうち養護教諭が3名入ってございますけれども,そのほか,先ほど申し上げました保健福祉局あるいは助産婦の先生,その方々と今連携して研究を進めているところでございます。  以上でございます。 ◆道見重信 委員  私から,過日終了した教科書の選定採択について1点質問いたします。これは,牧口委員長と矢野委員と土橋教育長に質問をいたします。  まず,教科書選定の作業,いろいろご苦労されたというふうに思います。テレビ等もいろいろと各報道機関が報道していましたから,大体想像はしておりましたが,本市において教科書を選定する過程において,いろんな政治団体だとか諸団体含めて,あるいは出版会社などから皆さん方に何らかの圧力があったかどうか,その実態をまずお聞かせ願います。 ◎牧口 教育委員長  このたびの教科書の選定に当たりしましては,教育委員会におきまして,教科用図書選定審議会の部会あるいは小委員会から,調査研究の経緯や各教科書の特徴などについて説明を受けたところでございます。そして,その際,政治団体や出版社などから圧力があったかどうかについても直接確認をいたしました。その結果,そういう事実はなかったものであります。もちろん,教育委員に対しましても,そういう事実はありません。  以上でございます。 ◎矢野 教育委員  ただいま,牧口委員長からも答弁ございましたとおり,私に対しても一切そういうことはございませんでしたので,お答え申し上げます。  以上でございます。 ◎土橋 教育長  同じく,私に対しても圧力はございませんでした。  以上です。 ◆道見重信 委員  最終的な段階の皆さん方には圧力がなかったというご答弁ですから,粛々と行われたのかなと,こういうふうに認識をしているのですが,実際的にそれがどういう程度でどうだということは,若干私も話をしたい点はあるのですけれども,テレビ報道なんか見ていると,例えば栃木県だと思うが,採択をしてから再考したというか,わかりやすく言えばひっくり返ったというのですか,あの報道を見ていると,圧力団体が押しかけていって,会議をやっているそのそばまで押しかけていって,押し問答というのですか,ああいうような状態は本市の選定の過程にはなかったのだろうと。私は,今,報告を聞いて安心しているわけなのですが。  果たして,次に,3人の方にお聞きしたいのですが,ああいうような状態を皆さん方も感じながらその作業に当たっていたのだろうと。そういうことで,皆さん方のそういう精神的な苦痛だとか,あるいは採択の過程における,判断をするに当たって,そういうようなことが皆さん方に影響を与えたことはなかったかどうか。どういう選定をしたかというのは,ホームページを見て,その結果が載っておりますから,理由はわかっておりますが,現実の選定の中において,皆さん方に少なからずも精神的,あるいは判断に,本当は,例えばAというものを選定しようというふうに自分は考えていたのだけれども,ああいうテレビ報道を毎日のように,やんやんやんやんと放送されるというような中から,皆さん方の気持ちが緩んだとか,そういうような判断に何らかの微妙な影響を与えたと,あったかどうか,その件も確認のため質問します。 ◆生駒正尚 委員  (関連)私からも教科書問題についてお尋ねしたいと思うのですけれども,この場所で,私も歴史教科書の問題については随分委員会質疑でやってまいりました。  今,圧力という問題ですが,実は議会の場ですから,こういうところで,まともに,考えていることを言って,皆さんに考えをお聞きすると。これを議会の中でやってきたわけですが,私は野党ですけれども,与党の,いわゆる権力党の自民党が(発言する者あり)権力党でしょう,政権党だから。政権党の自民党が繰り返し(発言する者あり)言っているって。政権党イコール権力を持っているということでしょう。政権党がこういう公式の場で,質問をすると。そして,そういう場合,どうお考えになるのか。いわゆる圧力というものにはならないのかどうか。この辺は,この間ずっと私もやってきましたし,自民党の議員さんもやってきたし,そういった点ではどんなふうな感想を持っておられるか。  それから,現に,自民党が求めた内容で,いわゆる教科書の採択をめぐる基準等を,道教委という形で,その動きに沿って今回も選定の仕方を変えた部分がありますよね。現にそういう動きがあったわけですけれども,そういったことで,実際上,圧力と感じられないのかどうか,この点1点お尋ねをしたいと思います。 ◎牧口 教育委員長  まず,圧力の問題ですけれども,ただいま申し上げましたように,圧力はありませんでした。このことは,はっきり申し上げておきます。  それから,教科書の採択にかかわりまして,その責任の重さというものは十分痛感いたしておりますけれども,それが精神的苦痛にまで至ることはありませんでした。このこともまた,はっきり申し上げておきます。  したがいまして,採択した教科書は,審議会の意見を参考にいたしまして,本市の児童・生徒にとって最もふさわしいかどうかという観点から検討いたしまして,教育委員会として総合的に判断し,決定したものでございます。  また,生駒委員のご質問でございますけれども,圧力と,市民の政治活動というのがあります。今回の場合も,ある教科書に対して反対あるいは賛成という意見を記載しましたはがきのようなものが,私どものところに来たりしたこともありますし,また,ある委員の中には電話をいただいた方もいらっしゃいます。そういう市民活動あるいは政治活動としての意見というものと,私どもに対する圧力というものはやはり区別して考えるべきだというふうに考えますから,その辺は圧力というまでにはなっていないということだけは,はっきり申し上げておきます。 ◎矢野 教育委員  私も学校教育の場に身を置いた者でございますので,過去において教科書の審議委員もやらせていただいたことがございます。大変責任のある仕事でございまして,教科書を決めていくわけでございますから,その辺の責任ということについての意識は,緊張して審議したというか,採択の場に臨んだわけでございます。  専門家である教科書選定委員の皆さんが真剣に話し合って,その結果をお聞きしての最終的な結果が出たということでございまして,私としても緊張しながら,その話を聞きながら最終的に臨んだということでございまして,圧力がかかったとか大変苦しい思いをしたといったようなことは全くございません。  以上でございます。 ◎土橋 教育長  圧力という言葉で受ける,いわゆる心理的に圧力がかかると,普通,どういう状況が起きるかといいますと,例えば夜寝られなくなるとか,そういうことでございましょう。だから,非常に心が不安になると。そういうふうに感じることは一度もございませんでした。私はよく寝ておりましたし。(発言する者あり)  牧口委員長が申されたとおり,私どもの立場は,札幌市の子供たち,児童・生徒に最もふさわしい教科書は何かという1点で,公平に教科書を判じて選定いたしましたので,今おっしゃったような形で,雑音と言っちゃいけないのでしょうけれども,いろいろな声は聞こえてきましたけれども,それを圧力と感ずることは一切ありませんでした。  以上です。 ◆道見重信 委員  本市の教育委員の皆さん方が,圧力とは感じなかったと。いろんな市民活動の範疇というふうに理解をしていると,こういうことなのだろうというふうに思いますけれども,本市はそういうことがなかったということはよかったなと,私は率直に思うのです。  そこで,本市ではそういうことがなかったけれども,報道された栃木県の例は,これは牧口委員長にお聞きしますが,教育委員長の見解からいくと,あれは市民活動の一端だというのか,あれはその度を超えた,まさしくその採択をさせないという意味において,あれは圧力というふうに考えるかどうか。 ◎牧口 教育委員長  実は私,事実関係を正確にわかっておりませんので,正確にお答えはできません。 ◆宮本吉人 委員  大変お待たせいたしました。しんがりを務めます真打ちが登場させていただきました。(発言する者あり)自分で言っておりますから。大変長い論議が続いておりますから,皆さん方には大変お疲れだろうと思いますし,また眠気も来ているのでないかと思いますので,眠気を覚ましながら,すきっとして帰れるように,最後を務めたいというふうに思いますので,よろしくお願いをしたいと思います。  大きく分けて2点質問をさせていただきたいと思います。まず1点は,先ほど質問が福士委員,横山委員から出ておりました学校における安全管理と用務員業務の見直しについてであります。続きまして,大きな2点といたしまして,幼稚園にかかわる幼稚園教育の振興計画についてと幼保連携について質問させていただきます。  まず,大きな1点でございますけれども,先ほど来ありましたとおり,池田小学校では,本当に,学校は安全な児童の教育の場であるとの常識を破り,衝撃的な大変痛ましい事件が発生したのでございます。そういったことによりまして,先ほどの横山委員よりありました開かれた学校教育ということで,過去,学校が,昔はそういう学校であったのですが,一時的には閉鎖されたというか,地域社会との連携あるいは父兄との連携が非常に細くなってきた時代がございました。そういった状況の中で子供たちの教育が行われて,そんな状況の中から大変大きな社会問題につながったり,校内暴力,家庭暴力あるいは学級崩壊というようなことで,そういった閉鎖社会の中における教育に行き詰まりを感じた中で,これは私の考えでありますから悪く聞かないでください,行き詰まりを感じた中で,これはもう我々の手に負えないということの反省から,地域に開かれた学校ということで,できるだけ学校と地域,あるいは父兄,あるいはそういった方々との連携を深めながら,一体となって子供の教育をしなきゃならないのだという考えに基づいて,開かれた学校ということで,今,大いにいい方向へ歩みかけたという喜ばしい状態だと思っていたやさきに,この問題が発生した結果,先ほど来いろいろ話があったとおりでございます。  現実に私も直面した問題でありますけれども,地域の小学校の近くで,私,用事がありまして,10時ちょっと前でありましたけれども,歩いておりましたら,一,二年生ぐらいの女の子がランドセルをしょって,ぶらぶらというか,遊び半分でもないのですけれども,とにかくそういう感じで学校の方へ向かっていっている。そんなことでありますから,私も,学校もとっくに始まっているのに,何か不登校につながるような状況の子なのかなと思って,心配になりながらついていきました。(発言する者あり)そうしましたら,その子はぶらぶらと歩きながら学校の生徒通用口の方へ回ったのですね。当然,今の時代ですから,かぎがかかって入れなかった。そして,その子はそこにしゃがんで,石ころで遊んでいるのですね。それで,私は声かけたのです。「どうしたの。学校へ来たのでしょう」と言ったら「うん」と言うのですね。「じゃ,正面玄関に回ってみたら」と言ったら素直に回ったのです。そこで,なれているのかどうかわからないのですけれども,学校の正面玄関に回ってピンポンとやっているのですね。今,皆さん方が緊急対策として設置した設備だと思います。ピンポンと鳴らした。その子が玄関をこうやったらドアがあいたのですよ。それで,その子は入っていった。そして,階段を上がって2階に上がる姿が見えたのですが,そのころ,先生が飛んできた。「何かありましたか」と言ったから,「実はこうこうこういうことで,女の子が今上へ上がっていったよ。僕のことはもういいから,ちょっと対応してあげて」と言ったら,慌てて追いかけていきました。  こういったことで,先ほど言った不登校になりがちな子供が,そういったことでまたさらに不登校の原因になるのではないかという心配やら,先ほど言ったように,開かれた学校と言っていながら,やはり我々もちょっと抵抗を感じますよ,学校へ行ってピンポンと,先生が出てくるまでしばらく待つなんていうのは。こういうような状況が生まれているのだということを私は訴えておきたいというふうに思います。したがいまして,そういった部分やら,あるいは先生方,学校職員挙げて緊張の中での対応をしていきますなんていうことを言っていますが,しかし,私は,これは長く続かないのではないかなと思っております。  そこで,私は,この問題につては,やはりこういうことになれた専門職,こういったものを配置すべきだと。こういうことが,過去において教育委員会の中で語られたのかもしれませんけれども,ここで,あえてその辺の考え方についてお伺いをしたいなというふうに思います。  さらにまた,別な方法でありますけれども,現在,各学校に一,二名の学校用務員が配置されておりますが,ほとんどの学校が2名なのです。本当に小さい学校とか,ああいうところはわずか1名のところがあるけれども,ほとんどの学校は2名いるのですよ。この用務員業務の中に警備業務もできるのではないかと考えるのですが,こういった部分について。  用務員の業務内容でありますが,私たちが学校に通っていたころは,ほとんどが木造校舎で,僕の学校はぼろ校舎でありましたから,本当にそういった学校は修理や修繕などの作業も多く,特にそのころの冬などは,ご存じのとおり石炭ストーブでありましたね。それで,用務員さんが朝早く,あくを取って,それからさらにストーブに火をつけて,子供たちが出てくるまでに暖かくしておかなきゃならない,かなり早くから。そして石炭を運ばなきゃならぬ。雪が降ったら,除雪をしておかなきゃならぬ。こういったことで,大変作業量が多かった時代もありました。しかし,今の学校は,どんな学校でもほとんどは鉄筋コンクリートで,また暖房もほとんど電気・ガスで,スイッチを入れれば暖かくなる。ましてや,今,タイマースイッチなんて便利なものがあるから,タイマーをしておけばちゃんと時間にすぱっと入って,用務員さんがそんなに早く行かなくても学校は暖かくなっている。そういうようなことで,当然,業務内容も変化をしてきて,軽減されているというふうに考えます。  そこで,現在の用務員の業務内容はどのようになっているか。また,用務員による警備業務への従事についての可能性について,見解をお伺いします。  次に,大きな2点目といたしまして,幼稚園でありますが,幼稚園の教育振興計画,さらには幼保連携についてお伺いをしたいというふうに思います。  現在,札幌市には,市立幼稚園が17園,私立幼稚園が134園あり,児童数の公私の割合は,市立が6.6%に対して,私立は93.4%,圧倒的に私立が担っているのです。さらに,全体の3歳・4歳・5歳児の児童数合計に占める割合も,市立が3.9%であるのに対して私立が55.2%と,そのほとんどが私立幼稚園に依存している状況にあります。特に,児童教育は,今の現状と少子化,あるいは日本の将来を考えれば,先ほど来,論議されているように,大変重要で急を要する問題であります。  私は今,深刻な教育問題となっている不登校,学校崩壊,いじめ等の原因や,社会問題となっている凶悪犯罪の低年齢化なども幼児教育に起因するものと考えており,幼児期からの取り組みがこれからの日本の教育を支える重要な部分であると考えているのであります。したがって,日本の教育にかかわる大きな問題でありますから,札幌市としても,これからの幼児教育をどう考えていくのかというしっかりした方針を立てて,その前提をもとに,札幌市はこういう幼児教育をしているのですよ,ですから,子育てをするならぜひ札幌でというぐらい自信を持って言えるような夢のある施策を打ち出すべきだと,私は思うのであります。  さらに,幼稚園と保育所のかかわりでありますが,両施設とも同じ就学前の幼児を対象としていますし,ことしの4月より,札幌市でも幼稚園が保育園を設置することが認められたことから,この幼保連携についても具体的な施策を検討し,展開していかなればならないと考えているのであります。  平成7年に幼稚園教育振興計画が作成されましたが,既にこれらも論議になりましたけれども,3歳児の就園率が目標に達していないことはわかっていると思いますが,これらは時代の要求に合っていないと同時に,公立,私立の経済的な格差が大きな原因であります。私立幼稚園の父兄による公私格差をなくすイコール運動がことしもあり,毎年6万から7万人に及ぶ署名,しかもそれは捺印の上で,多くの署名が寄せられているところでございます。  したがって,この際,国がことし3月に策定をした幼児教育振興プログラムを受けて,これを見直し,ぜひ教育委員会としての新たな計画を策定すべきと考えます。そして,その中で,公私の役割や保護者負担の格差是正など,計画的に実施や解消をすべきだと考えますがいかがでしょうか,お伺いいたします。 ◎大西 総務部長  安全管理の警備員の配置につきまして,まず私からお答えをさせていただきます。  本市におきます学校警備につきましては,学校の夜間施設管理を行うために,この業務を専門業者に委託してございます。現在,経費と管理効果を考慮しまして,常駐警備から機械センサーによります警備へと,警備形態の見直しを行っているところであります。  委員お話しの日中における警備員常駐についてでありますが,私どもとしましては,広い校舎を少人数で対応できるかどうか問題があると思っておりますし,また費用面からも,現状では難しいのではないかと,こういうふうに考えております。こんなことから,委員からもお話しありましたとおり,ハード面からの,施設設備面の強化ということで,人感センサー・モニターつきインターホンを設置いたしております。  ただ,ちょっとお話をさせていただきますが,この設備をつけたことによりまして,従来からございますインターホンと二つ設置されたことになりまして,従来からありますのは,従来どおり,教職員が行ってかぎをあけないと入れないのですが,今回つけたものは,モニターにより職員室の方から錠の遠隔操作ができまして,要するに,職員室からモニターを見ながら自動的に開閉ができるということになっております。  そんな強化をさせていただいたところでありますが,一方で,ソフト的な対応といたしまして,学校教職員一体となりまして,出入り口の管理等に努めております。それから,校舎内外の巡回も行っていただくことで,不審者の侵入防止というようなことで取り組んでいただいているところでもございます。  以上でございます。 ◎山本 調整担当部長  第1点のうちの学校用務員の業務に関しまして,私からお答えいたします。  まず,現在の業務内容についてでありますけれども,巡回点検業務といたしまして,校舎内外の諸設備の点検や各玄関の施錠の確認を,環境整備業務といたしまして,校舎・運動場の床の清掃・ワックスがけ,窓のガラスふき,校地内の草刈り,樹木の手入れや除雪など,さらに施設維持業務としまして,フェンス等の小規模修繕や塗装,トイレ・手洗い場等の給排水設備や照明・暖房設備の機器の整備も行っております。このほか,教育活動支援といたしまして,教材教具の製作・修理,学校行事における製作物の準備や設営などを行っているところもあり,その業務は非常に多岐に及んでおります。  次に,学校用務員の警備用務への従事についてでありますが,日常の業務が多岐にわたることに加え,警備業務の本来的な目的であります不審者への対応,すなわち盗難事故の発生や人身への危害発生への警戒,防止等について専門的な訓練がなされていないことなどから,実質的に難しいものと考えております。  以上でございます。 ◎霜觸 教育次長  幼稚園のご質問に対しまして,私からお答えを申し上げます。  新たな幼児教育の計画の策定についてでございますけれども,幼児教育につきましては,今,委員のおっしゃったとおり,大変重要な課題と,私ども十分認識をしているところでございます。  本市といたしましても,幼稚園教育をどのようにしていくか,委員のお話にもございましたとおり,公私の役割等々さまざまな課題を含めて,今後,十分検討してまいりたいと考えております。  さらに,幼保連携についてでございますけれども,先ほど猪熊委員に私どもの総務部長からお答え申し上げましたとおり,これについても具体的な施策を担当部局と十分検討し,協議をしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆宮本吉人 委員  まず,最初の質問でありますが,ただいまの答弁では,民間の警備会社の常駐配置も用務員を警備業務に従事させることも難しいということでありますから,本当に大変あれなのでしょうけれども。また,機械的な警備を夜はやっているし,昼もそういった方向でいきたいというような感じでありますけれども,先ほども言ったように,機械的な整備については非常に大きな問題もあるし,冷たい対応になってしまうというような状況でありますから,私は,これはベターなやり方でないというふうに思っております。  また,学校全体で不審者の侵入防止対策を行っていくということですが,確かに今は事件後間もないですから,職員も皆さん方も,あるいは教育委員会も一体となって,そういった指令を出してやっていますよと言うけれども,私は,今の学校の実態を考えたら,こんなもの無理だと思っていますよ。大体,皆さん方もご存じのとおり,この春に日の丸・君が代の業務命令出したって,実態はあんなものでしょう。そんな人がいる中で,確かに校長,教頭や総務の先生方は忙しくて,対応だ何だとやっているかもしれないけれども,やらないのはやらないのですよ,何ぼやったって。本当にいい先生もいますけれども,やらないのがいるから問題なのですね。そんなことですから,私は,こんなものは長続きしないと。だから,実態にそぐわないということを言いたいのですよ。  そこで,いい機会ですが,私は,かねてより,学校用務員の業務に民間活力を導入して,そういった面で,多岐にわたる問題に臨機応変に対応できる学校管理体制にするべきだと考えていたのですね。そんなような状況の中で,今まさに新たな警備業務への対応もあり,これを含め,用務員業務の効率化を推進すべき時期に来ていると,いいタイミングで考えていくべき時期に来ていると私は考えるのです。  我が会派でも,平成8年に,私の提案で行財政改革臨時調査会というのを発足させまして,行革についてさまざまなことやら,民間委託等行政の効率化などについて市長に数多く提言を行い,それらの結果,一定の成果を上げてきていることはご存じだというふうに思うのです。しかし,札幌市は依然として非常に厳しい財政状況の中にありますし,また,今後もその辺のところの見通しは決して明るくなく,むしろ逆に厳しい,暗い方向に行くということを考えますと,事務事業の効率化など,行政改革のさらなる推進が求められているときではないかと,そしてやらなきゃならないだろうと。  そこで,用務員業務の直営体制の見直しによる効率化やコストの削減を積極的に進めるためにも,学校用務員業務の民間委託化を検討する時期に来ていると考えますが,その見解をお伺いしたいと思います。  次に,2点目の再質問でありますが,今,日本全体で小泉内閣による聖域なき構造改革,機構改革が進められております。行政改革をしなかったらもう日本の国はもたないと,そういうことであります。また,聖域なき行財政改革というのは,いいですか,聖域ないのですよ,教育も福祉も聖域ないのですよ,そういうところでむだに使われているものを見直そうじゃないかということであります。  一般的な例で言えば,親に収入がなくなった,少なくなった。バブルぼけして,バブルにどっぷりつかった子供が,あれも欲しい,これも欲しい,あれも買ってくれ,これも買ってくれと,わがまま言いたい放題に言ったりごねたりして,時には親を脅迫してというような言動をとったりして,そのような考え方で,自分さえよければいい,自分たちさえよければいい,他人はどうでもいい,そんなような雰囲気で言っているということに関して,私は大変憤りを感じているのです。収入がなくなったら,普通の家庭はどうしますか。やっぱりみんなで考えて,工夫して,節約して,我慢してやるのが普通じゃないですか。そういうことをみんなで一緒に考え言うのが,良識ある大人と言うのですよ。良識ないのがいっぱいいるものですから,本当に。(発言する者あり)  そこで,本題に入りますけれども,私立幼稚園が,今日まで,その建学精神に基づいて,特色ある,教育環境を生かした多様な幼稚園教育を行う中で,先導的な役割を果たし,児童の急増期と幼児教育の需要増に対応しながら,園児数の9割以上を受け持っているという本市の現状から,ここで私立幼稚園を見直し,積極的な施策を展開すべきと考えているのです。  一方,市立幼稚園でありますが,その設置目的は,当初,人口急増に対応すると同時に,幼児教育の研究と障害児の研究受け入れということでありましたが,札幌市の幼稚園教育における市立の役割についての認識でありますが,今後の市立幼稚園のあり方についてどのような考え方を持っておられるのか,お伺いいたします。 ◎山本 調整担当部長  学校用務員業務の民間委託についてでございますけれども,先ほども申し上げました学校用務員の業務のうち,日常の環境整備,施設維持に関するものにつきましては,学校という施設の性格上,児童・生徒の安全確保のため,随時または即時の対応が必要となるものであり,また,教材教具の製作等につきましては,教育活動を支えるものとして一定の役割を果たしており,現状において,教育スタッフとしての用務員の必要性が認識されているところでございます。  したがいまして,学校用務員の業務につきましては,業務内容,役割等から判断いたしまして,業務の委託は困難であると考えております。  以上でございます。 ◎霜觸 教育次長  市立幼稚園の今後のあり方についてでございます。  市立幼稚園は,本市の幼稚園教育の質的向上を図るために指導的な役割を担うと,こういった目的のために設置をされてきております。特に幼稚園教育の研究,あるいは障害幼児教育の研究の実践の場としているものでございまして,私どもといたしましては,その役割は十分あると認識しているところでございます。  いずれにいたしましても,委員のお話も含めて,市立幼稚園のあり方につきまして,前段でご答弁申し上げましたとおり,今後十分に検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆宮本吉人 委員  本当にあれなのだよな。学校用務員業務の委託は難しい,そんなことを言っているから,そんな答弁しかしないから改善できないのだよね。本当にもう怒っちゃうよな。(発言する者あり)でも,わかっているのですよね,皆さんね。ただ,ここで言えないだけなのだ。そのことは,こっちはわかっているのだ。それはなぜか。やっぱり背後にいる,何とか組合だか何だか知らぬけれども,それらの監視人がここにもたくさんいるから,なかなか言えないのだ。(発言する者あり)そう,抵抗勢力だ。  いいですか。先ほどの業務内容ですよ。まず言ったのは,校舎・運動場の床の清掃・ワックスがけ,こんなことに高い給料と退職金を払って直営でやらなくちゃならない理由はどこにあるのですか。委託で十分じゃないですか。それから,次の業務は窓のガラスふき,校地内の草刈り,樹木の手入れや除雪,こんなもの,年に何回あるのですか。除雪だって年に何回かでしょう。草刈りだって年に何回かでしょう。そんなもの,必要なときに専門業者にやってもらった方が,より効率的で,いい仕事してくれるのですよ。また,最後に,フェンス等の小規模修繕や塗装,トイレ・手洗い場の給水設備や照明・暖房機器の整備と,とんでもない,こんなもの何をか言わんやですよ。  いいですか。あなたたちは,一番忙しい日を標準にして用務員を配置しているのですよ。暇のときのことを計算していない。一番忙しいときを標準にしているから,2人必要なのですよ。民間は,暇なときを標準にしてやっているのですよ。忙しいときはパートを使ったり,あるいはほかに頼んだりしてやっているのですよ。そして,経費の削減をやっているのですよ。とんでもない話ですね。  また,教材教具の製作・修理,学校行事への作業支援,そんな熱心な用務員さんもいるとは聞いておりますけれども,ほとんどそうでないというふうに聞いております。(発言する者あり)しかし,根拠ないと言うから,用意しているのだ。(発言する者あり)そういうことで,私は資料を用意してまいりましたけれども,用務員の日常の様子ということで,用務員業務日誌より1週間の作業内容を書き出したのです。これは,きょう言ったってあれだから,後でゆっくりこの問題でやりたいと思います。さらに,この問題に投書がたくさん寄せられております。私,たまたま学校給食でやったものですから,これが新聞に報道されたり,どこかの会派にセクハラ議員なんてやられたものですから,おもしろがって雑誌屋さんが書いた。だから,すごくあれなのだ。そんなことだから,宮本に頼めば何とかなるのでないかといって,私にそのことがどんどん入ってきているのです。これは改めてやりますけれども,今はちょっと控えておきます。  よって,学校の安全性を問われている今,限られた財源と人員体制の中で,新たな課題である日中の警備の常駐化を図るためにも,用務員業務の委託化の検討を早急にされるよう強く要望しておきますと同時に,これは継続してやることを申し上げておきますので,覚悟のほど,よろしくお願いします。  次に,2点目のことでありますが,これについても,現状や将来については,私に指摘されるまでもなく認識しているのですよね。わかっているのですよ。けれども,また何かを意識して言えないでいるだけだということを私は理解します。  この問題についても,我が会派で昨年から教育改革臨時調査会というのを発足させまして,私がその調査会の会長をしておりますから,この問題についても,大きな問題として,今後,積極的に取り組みますのでよろしくお願い申し上げますが,例えば幼保連携についても,保健福祉局と従前にも増して連絡を密にし業務を進めているとおっしゃっていますね。これも役所の縦割り行政,幼稚園は教育委員会,それから保育園は保健福祉局でしょう,このお互いの縄張り意識というのか何か知らないけれども,既得権を離したくないというのかもしれないけれども,柔軟な形でやっていかないと,連携は無理だから,両方で委託しちゃったら委託先は全部連携してやってくれるのですよね。だから,そういう意味で,これは非常に難しい。  また,国が保育待機児童の完全解消ということで,これを打ち出して積極的に行うと言っています。それはどういうことかといったら,保育園を新たにつくるということでないかと私は思っているのですよ。こんなことをやったら,金が何ぼあっても足りない。今,特に私立幼稚園は児童数が減って大変困っている。ですから,私立幼稚園に保育業務をしっかりやれるような形にしてあげればいいのですよ。そうすると,先ほど言った一体的な教育,連携も成立するのですよ。  そんなことで,市立幼稚園の設立目的の幼稚園教育の研究ですが,今は全く役割を果たしていないのではないかと。(発言する者あり)要するに,市立幼稚園は今,形骸化された中で,そしていろんな制約の中で,失敗を恐れて,なかなかいろんな方にいかないのですよ。そういうような状況で,役割を終えた市立幼稚園を早くやめて,また,これらの問題は,むしろ父兄が求めているのは,私立幼稚園の方が教育方針やそういった魅力があるのです。ただ,何で市立幼稚園がというと,安いからなのです。だから,この格差をなくしたら,父兄は私立幼稚園に子供をやりたいのです。そういうことをしっかり踏まえていただいて,そしてまた,障害幼児教育の研究ということもありますけれども,今,私立幼稚園はどんどん障害児を受け入れているのですよ。それで,答弁の中に,人口急増期に対応するということは入っていませんでしたけれども,これなんか,もう少子化で完全に目的・役割がなくなってきているのです。現在,私立幼稚園に対する補助については,私立学校教材教具等整備費補助金がありますが,今後,例えば3歳児の就園や預かり保育の実施,障害児の受け入れなど,特色ある取り組みを行っている私立幼稚園に対し,公私の格差の是正を含め,教育委員会としてどのような支援が可能なのか,新たな補助制度の創設も含めて十分検討するように強力に要望しておきます。また,この問題も継続して今の教育臨調でやりますので,そのことを宣言いたしまして,終わります。 ○畑瀬幸二 委員長  第1項 教育費等の質疑を終了いたします。  以上で,本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが,明日午後1時から,教育委員会のうち,生涯学習部及び中央図書館関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。  本日は,これをもちまして散会いたします。     ──────────────       散 会 午後10時38分...