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平成13年第二部予算特別委員会−03月08日-02号
平成13年第一部予算特別委員会−03月08日-02号

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  1. 札幌市議会 2001-03-08
    平成13年第二部予算特別委員会−03月08日-02号


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    平成13年第二部予算特別委員会−03月08日-02号平成13年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第2号)                 平成13年3月8日(木曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  大 西 利 夫 君       副委員長   高 橋 克 朋 君     委   員  小 谷 俵 藏 君       委   員  常 本 省 三 君     委   員  高 橋 忠 明 君       委   員  武 市 憲 一 君     委   員  村 山 優 治 君       委   員  原 口 伸 一 君     委   員  三 上 洋 右 君       委   員  宮 村 素 子 君     委   員  横 山 光 之 君       委   員  堀 川 素 人 君     委   員  勝 木 勇 人 君       委   員  山 田 一 仁 君     委   員  長 内 直 也 君       委   員  伊与部 敏 雄 君     委   員  加 藤   齊 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  小 野 正 美 君       委   員  村 上 勝 志 君     委   員  常 見 寿 夫 君       委   員  小 田 信 孝 君     委   員  柿 崎   勲 君       委   員  涌 井 国 夫 君     委   員  本 郷 俊 史 君       委   員  青 山 浪 子 君     委   員  荒 川 尚 次 君       委   員  小 川 勝 美 君
        委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  熊 谷 憲 一 君     委   員  岩 村 よね子 君       委   員  岡   千 陽 君     委   員  恩 村 一 郎 君       委   員  山 口 た か 君       ──────────────────────────────────     開 議 午後1時 ○大西利夫 委員長  ただいまから,第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,特にございません。  なお,議事に先立ちまして,審査方法についてお願いを申し上げたいと思います。  質疑者及び答弁者は,起立して発言をしていただきます。  答弁を行います部長及び課長は,冒頭に職,氏名を名乗ってから発言をしていただきます。なお,答弁が続行する場合は,最初だけで結構であります。  また,効率的な審査を行うため,質疑及び答弁は簡潔を旨とし,内容の重複等は極力避けながら,定められた審査日程を予定どおり消化できるよう,よろしくご協力をお願いいたまします。  それでは,議事に入ります。  議案第1号 平成13年度札幌市一般会計予算中関係分ほか付託議案23件を一括議題といたします。  最初に,第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費の質疑を行います。 ◆長内直也 委員  私からは,まず,小規模作業所についてご質問させていただきたいと思います。  社会福祉法等の改正によりまして,従来,20人以上とされていました通所授産施設の規模要件が緩和されたということでありまして,10人以上であれば社会福祉事業に含まれるということになったそうであります。  この通所授産施設の定員規模の引き下げにより,小規模作業所の法定施設への移行が容易になったと認識しているわけでありますけれども,実際に伺ったところでは,例えば,従来,15名から19名の小規模作業所では,1,149万円の市の単費の補助が出ておりますけれども,これが,法定施設へ移行しますと,年間1,100万円になる,逆転現象が起きるという部分も,実際あるわけであります。  このようなものも含めて,今後の小規模作業所の進むべき方向への市としての対応について,まずお伺いをしたいと思います。  それから次に,小規模作業所への補助のあり方につきましては,平成10年度から3カ年計画で補助額が引き上げられて,本年度をもって計画が達成したというふうに認識をしております。この間,重度加算等別枠補助の取り扱いにつきましては,この総体の補助の充実の後,検討していくというふうになっていたわけでありますけれども,新年度予算におきまして,重度加算の新設が計上されたと伺っております。  そこで,この重度加算額の設定に当たっては,何を基準にしたのか,また,どのくらいの人数を見込んだのか,その辺についてお伺いしたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  ただいまの小規模作業所につきまして,お答えをいたします。  まず,1点目の今後の方向への対応についてでありますが,新たに位置づけられた小規模通所授産施設への移行を目指している作業所につきましては,これを運営をする社会福祉法人に関する国の取り扱いを踏まえ,適切な指導・助言を行ってまいりたいと考えております。  また,授産施設分場やデイサービス事業移行への支援も継続する一方,その必要性から,なお存続される小規模作業所につきましては,就労支援,あるいは社会参加のための有効な事業として,引き続き支援の継続に努めてまいりたいと考えております。  次に,2点目の新年度の重度加算の取り組みについてでありますが,加算額の設定に当たりまして,法定施設での特別指導費加算額を基準として,それと同額の重度者1人当たり年額9万6,000円といたしました。  また,平成13年度小規模作業所利用予定者1,170人のうち,身体・知的・精神障害の方々全体の重度加算対象者は545人と見込んでおり,これに係る経費5,232万円を予算計上したところでございます。  以上です。 ◆長内直也 委員  いわゆる国の制度の法定施設への移行というものが容易となった反面,こういう市独自の制度が逆に後退するのではというような不安も,実際あったようにお聞きしておりましが,今の答弁で,続けて支援の継続をしていくということでございましたので,それについてはよくわかりました。  続いて,精神障害者のホームヘルプサービス試行事業について,2点ほどお伺いしたいと思っております。  この事業は,我が党が,平成12年1定の予算特別委員会において,事業内容や実施予定についてお伺いをし,早期に実施ができるよう十分な事前準備と当事者の方やご家族の理解を求めながら,事業として有効なスタートとなるよう要望してきたところでございます。今まで十分な在宅支援がないということから,長期入院を余儀なくされている精神障害者の方も,このホームヘルプ事業によりまして,地域の生活が可能になるというものでありますので,適切なサービスが求められているところでございます。  そこで,昨年の10月から試行的事業として,福祉・保健・医療関係者でつくるホームヘルプサービス評価検討委員会を設けて,ホームヘルプサービスにより得られましたケースの集約,それから効果の評価,ヘルパーの派遣のあり方,それから研修のあり方等を検討するということになっておりますけれども,現時点において,どのような実態で,どういう評価になっているのかについて,お伺いしたいと思います。  また,現在,対象者が5人という試行的な事業でありますけれども,これが,平成14年度から本格実施されることになっているそうであります。ただ,地域の中で,言うなれば孤立した生活をしていて,この制度自体を知らないという方もいるというふうに考えられますので,その制度のPRを含めて,今後の取り組みについても,お伺いしたいと思います。 ◎七田 精神保健担当部長  精神障害者ホームヘルプサービス試行事業を実務的に担当しております私から,お答えしたいと思います。  まず,1点目の検討委員会における評価についてでありますが,これまで3回ほど検討委員会を開催いたしましたが,サービス内容では,家事援助のうち,食事の準備が主となっておりまして,所要時間は平均1日3時間程度となっているのが実態でございます。  また,ヘルパー研修のあり方につきまして,実地に精神障害者の方々と交流する場を多く設けまして,接し方を学ぶ時間をふやすなど,そういう必要性が検討されておりまして,特にヘルパーさんが話し相手,相談相手となることが,この事業にとりまして非常に重要なことであるというふうに評価されたところでございます。  それから,2点目の今後の取り組みについてでありますが,委員のご指摘のとおり,制度の周知が必要と認識しておりますので,関係団体,医療機関,広報媒体などを通し,周知に努めてまいりたいと考えております。  また,研修内容には,実地に精神障害者の方々に接する機会をできるだけ多く盛り込んで,充実を図るとともに,研修を継続して行って,精神障害者の方に理解のあるホームヘルパーを,できるだけ多く養成するよう努めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆長内直也 委員  ただいまのご答弁をいただきまして,改めて思うのですが,精神障害者に対する認識のなさから,本当に接し方がわからないとか,あるいはサービス自体どのようにしていいかわからないということがやっぱり多いと思いますので,その辺の研修のあり方に特に注意をしてやっていただきたいということと,PRにつきましても,さらにいろいろと検討されて,この制度がPRできるように取り組んでいっていただきたいと思います。  以上です。 ◆小野正美 委員  それでは,私は,大きく3点について質問をいたします。  最初に,来年度の予算案に,強度行動障害・自閉症者処遇基本計画策定費として,調査費が80万円計上されました第1種自閉症児施設,札幌市のぞみ学園の今後の再編の方向について伺います。  のぞみ学園については,設置後約20年を経過しているわけでありますけれども,強度行動障害者の適切な処遇場所がないことにより入所児がそのまま引き続き入所をするという,いわゆる長期化している問題点,あるいは児施設に,成人者が増加をする中で,居室や処遇スペースの確保がなされていない,あるいは個室がない,そして男女別の構造ではないなど,いろんな不適合な状況が指摘をされてきました。  この間,我が党としては,一貫して,こののぞみ学園の再編整備を行うよう再三主張してきたわけであります。一昨年には議会陳情もありましたし,厚生常任委員会としても視察を行い,全員そろって,この早期の整備が必要であるということを痛感したわけであります。  昨年の1定における私の代表質問において,残念ながら,新しく策定をされた現5年計画に,この再編整備が触れられていない,このことを厳しく批判して,事は人間の尊厳にかかわることであって,その取り組みを強く求めてきたところであります。  さらに,昨年10月の決算特別委員会でも,市内部での検討プロジェクトでの議論から,広く関係の方々を含めた検討委員会に発展をさせて,具体的な取り組みを進めるべきと指摘をしてきたところでありました。  今回,調査費が予算に盛り込まれたことは一定の評価をするものであります。このことを踏まえて,まず2点質問をしたいと思います。  1点目は,のぞみ学園のあり方,検討委員会の構成と検討事項についてでありますが,それぞれどのような方々の参加を得て検討委員会を設置しようとしているのか。あるいは検討する重点事項についても伺います。  2点目は,この基本計画策定のスケジュールでありますけれども,どのように考えているのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  まず,1点目の検討委員会の構成と検討事項についてでありますが,プロジェクトの関係部長に加えまして,自閉症の方を抱える親の会,あるいは関係施設長,精神科医師の参加を得まして,委員会を組織することを考えております。  また,重点的な検討事項といたしましては,強度行動障害をあわせ持つ自閉症者処遇における専門施設と在宅福祉サービスのあり方を主題とし,これに連動させたのぞみ学園の自閉症児施設としてのあり方などにつきましても,ご議論をいただくこととしております。  2点目の検討委員会のスケジュールについてでありますが,平成13年度早期に検討委員会を設置し,重点事項の審議や他都市での処遇状況の視察等を行うことを予定しており,年度内に基本計画を策定してまいりたいと考えております。 ◆小野正美 委員  我が会派は,さきの代表質問の中でも,児童精神部門の強化ということで,精神,福祉,教育,この一体となった総合的な支援策,あるいは児童精神科医師と精神科療法士などの福祉部門への移管など,さまざまな問題提起をしてきたわけですし,のぞみ学園の再編整備もこういったことの中に包括をされる,そういう側面もあろうかと思います。しかし,これらの結論を待っていたのではなかなか具体的にならないだろうと。のぞみ学園の再編整備について,とりわけこの1年間保健福祉局障害保健福祉部児童福祉総合センターなどが中心になって努力をされてきていることを評価をいたしますし,やはり頑張っていただいているところにはさらに頑張っていただきたいと,そういう思いでおります。  今,回答の中で,検討委員会での基本計画策定を年内というか,年度内に行うということでありましたけれども,やはり,この基本計画を受けて強度行動障害をあわせ持つ自閉症者の処遇環境が早期に,具体的に取り組まれることが必要と考えているわけです。  現5年計画には,この点について触れられていないわけでありますが,先ほども言いましたけれども,本当に事は人間の尊厳にかかわるものでありますので,早急に事業展開を図っていただきたい,また,図っていくべきと考えるわけでありますが,この点について,ぜひ局長の方から,今特別委員会の最初の局長答弁でありますので,それにふさわしい回答をいただきたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  検討委員会での基本計画策定後の方向をどうするのだと,こういうお話でございますけれども,委員おっしゃるとおり,この方々の処遇の改善につきましては,関係部局との協議もございますけれども,できるだけ早期に実現できるように検討を行ってまいりたいと,こう思っております。  以上でございます。 ◆小野正美 委員  一応,現5年計画にない事柄であるけれども,この基本計画が年度内に作成をされるわけでありますから,それを受けて早期に事業化,具体化を図っていくということを大いに期待し,さらに頑張っていただきたいと思います。  次に,障害者福祉計画の見直しと,それから知的障害者ガイドヘルパー養成・派遣事業について質問をいたします。  障害者福祉計画は,1995年,平成7年5月に策定をされました。私もちょっと思い出がありまして,これが策定をされる前の年の6月ごろに,いわゆる障害者福祉計画策定懇話会というものが開催されて,当事者団体の代表の方も含めて,一般公募で市民が募集されまして,一応,私もはがきで応募をして当選というか,抽選に当たって,呼ばれて,たしかあのときは谷障害福祉部長だったと思うのですが,いろいろと懇話会でお話をさせていただいたことがあるわけであります。そういった公募で市民を集めたというのは,本市のいろんな事業の計画を策定する上で,初めてといいますか,はしりの段階ではなかったかなという思いをしています。  そういった思い入れがあるこの障害者福祉計画は,10年の計画で中間年を過ぎているわけでありますし,それから,国の社会福祉基礎構造改革,あるいはさまざまな障害者プランの策定だとか,この間,非常に大きく障害者福祉に関して変わってきているわけです。特に,いわゆる施設型から地域,在宅福祉へと,あるいは障害者個人の尊厳の保持や自立生活を支援する,あるいは利用者による選択を権利として尊重する,そういった福祉サービスの提供へと大きく転換をしていくものであります。  また,昨年の3定においても,我が党の代表質問に対して,障害者福祉計画については,こうした国の具体的方策や障害者プランの動向に留意しながら,計画の点検や見直し,そして市民参加の方策などを検討していくと答弁されています。  来年度の予算案には,この計画策定のための調査費800万円が計上されているわけですが,障害者福祉計画をどのように見直しをしていくのか,基本的な考え方について伺いたいと思います。  それから,2点目の知的障害者ガイドヘルパー養成・派遣事業についてでありますが,これも一昨年の3定で私も取り上げまして,視覚障害者あるいは全身性障害者の方のガイドヘルパー事業は,約20年ほど前にスタートしているわけでありますけれども,知的障害者のガイドヘルパーがまだ実現をしていないと。とりわけ,意思の伝達といいますか,コミュニケーションがなかなかとりづらいという知的障害者の特性などを踏まえて,その地域生活を支援する,社会参加を支援するという立場から,この知的障害者のガイドヘルパー派遣の必要性を指摘してきたわけであります。  そういった中で,まずは,こういった知的障害者の特性なども踏まえて,ヘルパーの養成研修が必要なのだということで,今年度は2回にわたって,それぞれ定員30人で計画をされておりまして,30人の募集に70人が応募をしたと。私の連れ合いも,昨年10月に応募をしましたところ,おかげさまで抽選に当たりまして,研修を受けてきたわけでありますけれども,まず一つは,養成研修がどのように実施をされてきたのか,この点を明らかにしていただきたい。  それから,来年度から具体的に派遣事業が実施をされるわけでありますけれども,その内容について明らかにしていただきたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  まず,1点目の障害福祉計画の見直しに対する基本的な考え方についてでありますが,国の社会福祉基礎構造改革に伴う制度の改正や障害者の意識の変化などを踏まえまして,現計画の目標年次を2年前倒しいたしまして,平成15年度をめどに見直し作業を進めてまいりたいと考えております。  なお,計画の策定に当たりましては,国の障害者プランの見直しの動向や平成15年度から実施をされる福祉サービス利用制度の内容を十分見きわめつつ,在宅福祉施策のより一層の充実強化を図るとともに,ITを活用した情報のバリアフリー化や福祉の街づくり施策などを積極的に盛り込むよう努めてまいりたいと考えております。  次に,知的障害者ガイドヘルパーでございますが,まず最初の養成研修の実施状況についてでございますが,今年度は2回の研修を,いずれも一般公募により行ったところ,ホームヘルパー資格をお持ちの方や元施設職員といった経験者だけではなく,今後のボランティア活動等に役立てたいという一般市民の方など,多数のご応募がございました。市民の障害者支援に対する意識が非常に高いことを改めて認識をいたしたところでございます。  また,この研修は,関係する講義のほか,知的障害のある方と接する実習も含めて行っており,受講者からは,今後もさらに,さまざまな体験を通じて必要な知識を得たいとの声が寄せられているところでございます。  さらに,派遣事業の内容についてでありますが,現在,ヘルパー研修を実施している札幌市の社会福祉協議会に,ヘルパー派遣もあわせた委託を考えており,利用対象者としては,満18歳以上で判定度Aの療育手帳をお持ちの方とし,月30時間以内の利用とする予定であり,養成と派遣が一体となった質の高い事業を目指したいと考えております。  以上であります。 ◆小野正美 委員  ただいま,障害者福祉計画については,2年前倒しをして,障害者福祉が措置制度から利用制度に変わるという,そういった時期に合わせて本市としての新たな計画を策定するということであります。特に,障害のある方の社会参加,あるいは就労など,幅広い施策の展開が必要だろうと思います。この計画の策定に当たって,当事者はもとよりですけれども,幅広い市民の参画が必要だと思いますので,この点の,見直しの進め方といいますか,どのように展開をされようとしているのか,お伺いしたいと思います。  それから,知的障害者のガイドヘルパーの養成・派遣事業でありますけれども,この研修,非常に多くの方が応募をされ,参加をされております。2回目も,この3月に行われているわけでありますけれども,私の知っている人は2回とも抽選に外れたという方もおります。また,ヘルパーの資格を持っている方で,ホームヘルパーの研修と間違って来られたというような方もいらっしゃったようです。  いずれにしましても,この研修はたしか4日間の日程だったと思うのですが,これで,すべての人が登録をして,ガイドヘルパーの派遣に対応できるということには,なかなかならない面もあろうかと思うのです。そういう面で,継続したといいますか,さまざまな形で直接障害者と触れ合うような,そういう経験を積み重ねるようなことも必要かなと思います。  もちろん,シンポジウムを開いたりとかいろいろあるかと思うのですが,いろんなイベントなどに,これは自主参加でいいと思うのですけれども,自主参加して,直接知的障害者の方と触れ合うと。いろいろ個人差がありますし,それぞれ対応が異なりますので,そういうことを含めて,今後引き続き,どのような研修計画を立てているのか,この点明らかにしていただきたいと思います。  それから,派遣事業の内容についてもお聞きしました。  この間,政令市の中では,大阪,横浜,名古屋,3都市で,本市が4番目の実施都市になろうかと思うのですが,そういったものとも比較しますと,やはり重度の障害だけでなくして,中度あるいは軽度の障害者についても,利用の範囲を拡大してほしいと。特に,やはり中度なんかであれば,いろんなところに行きたい,経験をしたいと。しかし,1人では難しい。かといって,いつも親,特に母親とばかり行っているというのではなくて,やはりいろんな外的な刺激,かかわりといいますか,特に同じ年代,あるいは同性と一緒に買い物に出かけたり,コンサートに行くとか,そんなこともいろいろあるわけでありまして,ぜひ中度・軽度障害者へ拡大をしてほしい。  それから,家族が病気などの場合に,施設への通所あるいは通学も含めて大変苦労しているわけです。派遣の利用は,通所だとか通勤,通学は対象外となっているわけですけれども,この点もぜひ検討していただきたいし,現状,この派遣については市内に限定されています。これは重度視覚障害や全身性もそうでありますけれども,具体的に言えば,手稲からマイカル小樽へとか,いろいろあるわけでありまして,そういう面でも,近隣への利用拡大もぜひ検討していただきたいと思いますが,これらの点,明らかにしていただきたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  まず,1点目の障害福祉計画の見直しの進め方と市民参加の手法についてでありますが,13年度において,計画策定の基礎資料とするため,身体,知的,精神の各障害者の方々のご協力をいただきまして,生活実態や意識調査などを行いたいと考えております。  また,市内部の関係部局で構成をする策定委員会を設置して,既存事業の再検討や新規事業の洗い出しなどもあわせて進めてまいりたいと考えております。  なお,具体的な構想固めは14年度の予定でありますが,市民参加の手法につきましては,障害者当事者,関係団体,民間福祉施設の代表などのほかに,一般市民の方々の公募などの方策を講じてまいりたいと考えております。  続いて,知的障害者のガイドヘルパーでございます。  来年度のヘルパー研修の内容についてでありますが,養成研修につきましては,来年度も一般公募により実施したいと考えており,内容につきましては,今年度の実施状況を踏まえまして,質の高い研修を目指したいと考えております。  また,養成研修を受講後,登録されたガイドヘルパーに対しまして,知的障害のある方々のご家族や関係者によるシンポジウムなどの継続研修を行って,ヘルパーの資質向上を図ってまいりたいと考えております。  最後に,利用範囲の拡大についてでございます。  委員ご指摘のとおり,派遣対象者や対象需要の拡大等については,他のガイドヘルパー派遣事業との整合性も考慮し,利用者の方々やヘルパーの声を参考にしながら,今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。  なお,近隣市街への外出につきましては,1日の範囲内で用務が終了する場合に限り利用できるような方向で検討したいと考えております。  以上でございます。 ◆小野正美 委員  近隣への利用については,この知的障害者のみならず,視覚障害者あるいは全身性障害者の方々にも拡大をされるように要望をしておきたいと思います。  それから,利用範囲の拡大については,来年度,具体的な派遣事業が初めて実施されるわけでありますから,今,答弁ありましたように,ぜひ関係者の経験の中から改善が図られるように,これもまた,要望しておきたいと思います。  それから,最後に,これも指摘でありますけれども,利用者負担について,これは知的障害者の家族の介護の負担を軽減するというようなことから,いわゆる主たる生計中心者の所得額に応じて利用者負担を決めているわけでありますが,視覚障害や,あるいは全身性障害者の場合には,本人の前年度の所得に応じて利用負担を決めているわけですね。他の政令市,横浜とか大阪の場合も,これは本人の前年所得税をもとに負担を決めて,名古屋は生計中心者ということになっているわけであります。この点,他の都市や,あるいは基本的には本人の自立や社会参加への支援というのが,やはりガイドヘルパーの本来的な意義があるかと思うのですが,そういう点を,ぜひ,今後,検討いただきたいと思います。  以上で終わります。 ◆涌井国夫 委員  私は,大きく3点質問をしたいと思います。  初めに,福祉除雪の点でございますけれども,今冬のように,雪が降ったり,あるいは突然雨になったりということで,非常に不安定な気象条件の中で,朝,起きたら間口に固い雪の山ができ上がっていると大変問題でございまして,そういう意味からも,福祉除雪,いわゆる間口除雪を支援するこの事業については,極めて効果的な事業だというふうに思っております。  この福祉除雪については,もう既に一昨年以来,いろんな論議があったところでございます。今年度,試行実施ということで,全市で20地区が実施され,その実施の対象世帯が,現在,652世帯ほどと,こういうふうに伺っておるわけでございます。当初の計画では,1,100世帯の実施予定であったということだと思いますけれども,現実には,652世帯,予定の60%ぐらいしか対象になっていなかったと。思うように伸びなかったということでございまして,その原因をきちんとやはり検証しなければいけないというふうに思っております。  その一つに,利用料の設定をしたことでの負担感も影響したのかどうなのか。その辺も含めて,その理由について,まずお伺いしたいと思います。  質問の2点目は,今年度,福祉除雪が試行実施されましたので,その実施結果を,今後,十分に検証をしながら,よりよい制度として検討を重ねていかなくてはならないと思います。  そこで,今後の検証をどのようにやっていくおつもりなのか。また,その検証を踏まえて,13年度の実施内容を具体的にどう検討していくおつもりなのか,まず,お伺いをしたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  ただいまご質問ありました福祉除雪についてお答えいたします。  今回,実際に受理いたしました申し込み件数は883件でございまして,審査の結果,対象路線外,あるいは年齢要件が合わないというようなことで,非該当になりましたのが174件,その他,援助者が見つかったなどの理由で辞退したのが57件と,計231件減少したわけでございます。
     今,お話にございましたとおり,結果的には1,100件の見込みが,652件というふうになったわけでございますが,今回,地域での説明会ですとか,回覧板あるいは広報さっぽろなどでPRに努めてまいりましたけれども,時間的な余裕ですとか,初めてのこともありまして,十分準備が行き届かなかったと,そんなことで,地域への浸透が十分ではなかったのかなというふうに考えているところでございます。  また,利用負担などの関係を含めての制度面の問題につきましては,まだ途中段階ということもございますので,今後,試行結果などを踏まえまして,検証をしてまいりたいというふうに考えております。  次に,2点目の試行の検証と今後の対応でございますけれども,実施世帯に対しますアンケート調査を,試行が終了次第,速やかに実施する予定でございます。実施地域の方と意見交換会を実施することなども,あわせて予定をしております。特に,地域での意見交換会におきましては,町内会役員の方,あるいは地域協力員の方などにも集まっていただき,生のご意見をいろいろとお伺いいたしまして,今後のこの事業の参考にさせていただくというふうに考えております。  試行実施の結果につきましては,庁内関係部局によります検討プロジェクトを立ち上げまして,事業内容などを検証するとともに,これまでさまざまな意見,提言をいただいております福祉除雪を考える市民委員会にもお諮りをいたしまして,いろいろご議論をいただき,13年度の内容を固めていきたいというふうに考えております。 ◆涌井国夫 委員  ただいまの試行実施の検証,今後の対応については,生の声を積極的に聞いて政策に生かしていく,また,アンケート調査を実施したい旨のお話がございました。それらを今後の事業に反映させることは,極めて重要だというふうに思いますので,ぜひ整理をして生かしていただきたいと思います。  次に,福祉除雪の実施形態についてでありますけれども,実施形態は,行政が直接業者に発注して実施する行政発注型と,それから地域のマンパワーの活用で対応する地域協力員型の二つのタイプで実施をしているわけであります。  この地域協力員型についてでありますけれども,これは有償ボランティアということで,これまでにない市民参加方式をとる新しい試みだというふうに思います。地元の町内会役員などに協力員の確保をお願いしたり,あるいは対象世帯との交渉,説明といったようなことで,地元の負担が大変大きいのではないかといったような心配をする声も聞いてございます。したがって,地域の十分な理解が得られなければ,地域協力員といった方式は,今後,機能していかなくなる心配も考えられます。  また,この地域協力員に加えて,敷地内については,社会福祉協議会の除雪ボランティアを通して,地域の福祉活動に期待することになっていかざるを得ないと。今後のますますの高齢化を考えていったときに,除雪ボランティアのすそ野を拡大する必要があるというふうに思っております。  そこで,地域協力員,除雪ボランティアなどについて,ただ町内会だけに頼っているのではなくて,頼っていけばその発展は極めて難しいのではないかというふうに思いますので,やはり課題は,地域協力員を含めた地域の活動者の確保ではないかというふうに思います。  したがって,これまでの町内会の枠にとらわれず,福まちの活動とも十分に連携を図っていっていただいて,地域の福祉活動に新たな参加者を募っていくようなことを積極的に進めて,活動の拡大を図るべきというふうに思いますけれども,この辺,どういうふうに考えているのか。また,今後,どう取り組んでいくおつもりなのか,お伺いをしたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  ただいまの地域の除雪活動の振興についてでございますけれども,今,お話がございましたとおり,市民と行政のパートナーシップを確立していく上で,地域による自立的な除雪活動,これは非常に有意義なものと考えているわけでございます。  先ほども,ご説明させていただきましたけれども,今後は,地域での意見交換会などを通じまして,いろいろと地域の声をお伺いしながら,地域協力員制度の趣旨を生かせるように努力していきたいと思っております。  また,具体的に委員からもご指摘ございましたとおり,地域活動を活発にするため,町内会だけではなくて,幅広い参加者を募るということは,非常に大事なことでございます。今後,福祉のまち推進事業の一層の推進,あるいはまた,ボランティア研修センターなどを通じ,情報提供などを行いまして,地域の福祉除雪だけではなくて,地域の福祉活動のすそ野を拡大するということも意図しまして,努力をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆涌井国夫 委員  ぜひ,こういった新しい地域協力員の体制を今後とも発展していただきたく思いますので,さらなる努力をしていっていただきたいと,こういうふうに思っております。  続いて,障害者の就労支援対策について,3点ほど質問いたします。  初めに,障害者の就労自立に向けた講習の充実についてでありますけれども,障害者のOA機器を使用した訓練が,身体障害者福祉センター,障害者職業センター,公共職業安定所・ハローワーク等で行われております。いずれも,OA機器の基本的な操作の講習であり,修了後に就労に至るような技術習得の講習になっていないのが現状でございます。  障害者の方が,講習等により,高度な技術を身につけて,就労して社会的に自立していくということは,同じような障害を持っている人にとっても,希望や勇気を与えていくことにもなるわけです。社会全体がこれを支え,育てていくことが,極めて重要だというふうに考えております。  新年度から,障害者を対象にしたIT講習も始まります。また,厚生労働省が昨年の暮れに,在宅の身体障害者の情報バリアフリーを促進するために,IT革命による情報通信の利便を身体障害者が等しく享受できる環境づくりを進める目的で,身体障害者の情報バリアフリー施設整備事業を平成12年度に実施するというような発表もございました。  その対象の障害者福祉センター等で,障害者対応ソフトつきのパソコン,あるいは点字のディスプレー,点字のプリンターや視覚障害者用の音声合成装置などを導入することで,パソコンを購入することのできない身体障害者において,容易にインターネットの利用が可能になり,情報収集,あるいはほかの人とのコミュニケーションの形成も可能になり,生きがい対策にも寄与できるというふうに思うわけであります。  このような福祉施設にOA機器も整備されることを踏まえて,IT講習会終了後の講習のあり方として,身体障害者福祉センター等で実施している講習についても,単に基礎的技術の習得から,就労に何とか結びつくような講習に充実させていくことを考えるべきと思いますけれどもいかがか,お伺いをしたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  ただいまの就労・社会自立に向けた講習会の充実についてでございますが,このたびのIT講習会の開催によりまして,基礎的な操作技術を習得する方々が確実にふえていくこととなります。今後は,これを契機に,社会適用訓練として実施をしております講座内容の充実を図るなど,障害者の方々の就労に道を開くような講習システムについても,十分検討してまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  ありがとうございます。  初級があれば中級,上級があってもいいというふうに思います。どうか,そういった道を模索しながらしっかり取り組んでいただきたい,こういうふうに思います。  次に,知的障害者の雇用企業の就労環境についてお伺いをしたいと思います。  社団法人札幌市知的障害者職親会の会員企業では,約500名の知的障害者が製造業,クリーニング業等に雇用されて働いていると伺っております。障害者を持つ親が,我が子がどのようなところで働いているのか,冷暖房の設備,トイレの水洗化,休憩室などが整備されているのか,快適で仕事がしやすい職場環境になっているかなど,大変関心を持つことは,親として当然だというふうに思います。  折しも,さきの衆議院本会議で,我が党の神崎代表が,21世紀を迎えた今日において,障害者の社会参加が進んでいない状況を踏まえて,1990年に制定された交通,雇用,住宅等のあらゆる分野で障害を理由にした差別を包括的に禁止するADA法,全米障害者法の日本版の制定を政府に強く求めたところでございます。  障害者が企業においても差別されることなく,健常者とともに快適な就労環境のもとで働くべきだと思うわけであります。  このような状況を踏まえて,知的障害者を雇用している企業の就労環境がどのようになっているのか,実態調査をする考えはないのか,お伺いをしたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  ただいまの就労環境についてでございますが,職場環境の問題につきましては,労働安全衛生法におきまして,快適な職場環境の実現等を通じて,職場における労働者の安全と健康を確保することを事業者に義務づけをしているところでございます。  ご指摘の就労環境の状況を調査することにつきましては,この法律を所管し,事業所に対する指導・監督権限を持つ労働基準監督署とも連携をしながら,状況把握も含め,十分検討をしてまいりたいと考えてございます。 ◆涌井国夫 委員  一定の要件で,職場に衛生管理者を配置しなければならないというような法が,今,お話ししたような形であるわけでありますけれども,小規模事業者などは改善しようにもそのための資金がないとか,あるいはまた,設備資金の貸し付け制度などがあるにもかかわらず,十二分に生かされていないというようなこともあるのではないかというふうに思いますので,ぜひ積極的にPRをして,取り組んでいただくことも検討していただければというふうに思います。  次に,知的障害者就労相談主任手当支給事業について,お伺いいたします。  この事業は,平成8年度に開始されて,社団法人札幌市知的障害者職親会の会員企業が,知的障害者が抱える就労上の諸問題に適切に相談・指導を行う相談主任を設置する場合,企業に手当を支給するものであります。  お話を伺いますと,現在の主任手当というのは,雇用している知的障害者の人数にかかわらず,一律に1企業一定額の月7,000円,年で8万4,000円が支給されているわけであります。障害者の方を30人雇用している企業も,1人雇用している企業も手当が同じなのだということでございます。  ぜひ,この辺については,就労している障害者の方の人数に応じた支給制度に変更すべきだというふうに思いますけれども,変更する考えはあるのかないのか,その辺も含めて,まずお伺いをしたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  ただいまの手当支給事業でございますが,ご指摘の雇用人数に応じた支給額への変更につきましては,従業員が少ない状況におきまして,障害者の方々を雇用しております事業主側の思いでありますとか,雇用人数に合わせた支給が適当かどうかなど,総合的な検討が必要だと考えてございます。  しかしながら,知的障害者の方々の雇用の安定と拡大を図るという本事業の趣旨が生かされますよう,ご意見を踏まえまして,今後,支給事業のあり方につきまして検討してまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  最後に,高次脳機能障害モデル事業について,質問をいたしたいと思います。  高次脳機能障害については,近年取り上げられてきた問題でございまして,交通事故などによる外傷性脳損傷,あるいは脳血管障害などにより,記憶障害,判断力・遂行力の障害,認知障害,失語等さまざまな障害を伴っているわけであります。  現在の診断技術では,この障害の把握は大変難しいというふうに言われておりまして,医療・保健・福祉分野でも十分に理解されていないことから,各分野のサービスが十分にされていない状況にあります。  ちなみに,全道における交通事故死者は全国一でございまして,本市においても,平成12年には,発生件数1万2,410件,死者66人,負傷者1万4,942人を数えているわけであります。  こうした状況の中,高次脳機能障害者となる方は多いというふうに推測されるところでございます。脳血管障害による方も含め,現行の諸制度やシステムの対象のはざまに置かれて,本人及び家族は重い生活障害を持ちながら生活している。高次脳機能障害者には,若い方も多いというふうに聞いております。医療,リハビリ,福祉の面からの対策が求められていたわけであります。このたび,国においても,ようやく重い腰を上げて,この事業に本格的に取り組もうということで,本市も北海道とともに共同で取り組まれようとしていることを大変評価しているわけであります。  そこで,第1の質問でございますけれども,この事業の内容と目的について明らかにしていただきたいと思います。  次に,この障害そのものを高次脳機能障害と認識せず,孤立し悩まれている方もいらっしゃるわけでありますので,周知徹底を図るべきだというふうに思います。講演あるいはシンポジウムを通しながら図っていくべきだと思いますけれども,その辺についてもお伺いをしたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  まず,1点目の高次脳機能障害モデル事業の内容と目的についてでありますが,これは,5年間で都道府県・政令市と地域の拠点となる病院が中心となりまして,障害福祉施設等と連携をし,症例の集積やその臨床データなどをもとに,標準的な評価基準,援助プログラムの確立を図るとともに,高次脳機能障害者の社会復帰の促進や地域での継続的な生活・介護支援体制を構築することを目的としているものでございます。  次に,高次脳機能障害に関する周知についてでありますが,まず,相談窓口となる各区の保健センターの精神保健福祉相談員に対し,この障害について改めて周知を図るとともに,精神保健福祉センターや精神保健の普及啓発活動を行っている札幌市精神衛生協会による各種講演会等の機会を通しまして,関係団体との連携の中で,市民に対する周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  高次脳機能障害の方々が期待を持ってその取り組みを注目しているというふうに思います。ぜひ,本市としても全力で取り組んで,きちんとした支援体制をつくっていただくように強力にお願いをいたしまして,質問を終わります。 ○大西利夫 委員長  ちょっと委員の皆さんにお願いがございます。  この委員会では,できるだけ1問1答を避けると,こういう慣例になってございますので,質問についてはできるだけ頭出しをしていただき,そして,関連するものはまとめて質問していただくということで,ご協力をお願いします。 ◆岩村よね子 委員  私は,のぞみ学園の再編整備にかかわって,強度行動障害・自閉症者処遇の今後のあり方について質問いたします。  一昨年に,市立病院静療院のぞみ学園の親の会から,自閉症を初めとする強度行動障害を有する発達障害者の療育の充実を求める陳情があり,その後,庁内でのプロジェクトチームが立ち上がって,新年度予算では基本計画策定費が80万円盛り込まれたことにつきまして,のぞみ会初め,自閉症児・者を養育している親の方たちから,歓迎と期待の声が寄せられております。  先ほど,基本計画の策定が今年度中,そして事業展開については早期実現というふうなご答弁でしたけれども,私は,この基本計画の策定と事業展開に当たって,重視されなければならない点について,お考えを伺いたいと思います。  先ほど,検討される課題として,専門施設,それから在宅支援,のぞみ学園のあり方ということを重点課題とされていくというふうなことでしたけれども,私は,今年度事業展開されていくものがのぞみ学園の入所者の受け皿というふうなことではなくて,自閉症者が抱える問題全般について総合的に支援していく,そういうセンター的な役割を持つべきものにぜひしていただきたいというふうに思っております。  この機会に,親の方々がどんな思いと願いを持っているかということを紹介して,ぜひ部長のお考えを伺いたいというふうに思います。  今,施設に入所させている多くの親たちの心配事というのは,パニック状態になると,すぐ薬を飲まされて薬づけになるといいますか,一日中眠らされている状態になると。  また,行動障害に対するいろいろな職員の対応に対して,これでいいのかというふうな親の悩みなんかもいろいろあるのですけれども,不満があるのならここにいなくてもいいというふうなことを言われるのが非常につらいので,施設側にいろいろ注文があっても言うことができない。  それから,2階から自閉症のお子さんが飛び降りて脊髄損傷になったときに,整形外科で治療をした後,リハビリを含めて受け入れてくれる病院がなくて,親が一生懸命探して老人病院にとりあえず入院させてもらったということで,自閉症の子供たちがほかの病気になったときに,本当に受け入れてくれる病院,施設がなかなかないのだということであるとか,在宅で頑張っている方々は,子供がパニックになったときに相談したり,受け入れてくれたりする,そういう24時間受け入れる態勢がほしいというふうな,いろいろな課題がございます。  自閉症を持って生きていく方の生涯にわたって,あらゆる問題に対応できる,そういうふうなセンターがぜひ札幌にほしいということを,常々私は訴えられているところです。  入所,通所,ショートステイなどの機能はもちろんですけれども,今お話をしたような,他施設の処遇内容について相談できるオンブズマン的な役割であるとか,自閉症者を受け入れている施設の職員の研修とか,経験の交流や学べる場であるとか,生涯にわたって継続的に在宅で療育している親をサポートしていく体制とか,そういうふうな,総合的で,親の願いにこたえる豊かなものとして,今度の事業展開は出発すべきだというふうに考えているわけですけれども,このあたりについて,まず,部長のお考えを伺いたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  ただいまのご質問でございますが,このたびの13年度から始まります計画策定に当たりましては,専門施設の設置の検討のみにとどまるものではございません。ショートステイ,デイサービス,あるいは自閉症児・者を抱える親への相談,カウンセリングなど,ソフト事業の実施についても十分考慮をする必要があると考えてございますので,私どもとしましては,来年度設置をいたします外部者を含めた検討委員会の中で,それらのことも含めまして,強度行動障害・自閉症者への福祉向上に向けて総合的に検討をしていただくこととしてございます。 ◆岩村よね子 委員  ただいま,親の願いにこたえるような,総合的な施策,ソフト事業の検討というふうなお答えがございましたけれども,高等養護学校を卒業して札幌に戻ってくる18歳以上の子供たちについて,なかなかその子の適性に見合った行き場がないというふうな相談も私は受けております。入所施設の待機者が今61人,通所の施設の待機者が36人というふうなことで,入所,通所で100人近くの待機者がいる中で,本当に自閉症の人たちの行き場がなくなるというふうなことが,今後も予想されるわけですけれども,今度,事業展開される施設が,本当に在宅施設,循環できるといいますか,そこに入所したらまたなかなか入れなくなって,第2ののぞみ学園になってしまうというふうなことにならないような,本当に総合的な施策が必要だというふうに思うわけです。  また,自閉症の子供たちが本当にこういう難しい困難な病気を持っても,仕事につくであるとか,何がしかの生産的な役割を果たすであるとかということで,人生が充実していく,達成感が持てるという,そういう人生であるように応援していく,そういうふうなセンターであってほしいなというふうに思います。  ぜひ,現5年計画の中でこの事業計画が実現してほしい,そういう要望を強くお伝えして,私の質問を終わります。 ◆山口たか 委員  私も,先ほど涌井委員からご質問がございました高次脳機能障害モデル事業について,重複を避けて質問をさせていただきます。  事業の概要につきましては,先ほど佐々木部長からお答えもありましたし,さまざまな機会をとらえて市民の方にこのことを周知徹底していかれるということでした。また,北海道は交通事故が非常に多いということで,いち早く札幌市と道がこのモデル事業に名乗りを上げられたというふうに伺っておりまして,それは本当に評価したいと思います。ぜひ,いろんないい結果が出ますようにご期待申し上げるところです。  その中で,障害者施設等に人の派遣をしたり,いろんな形での症例を蓄積していくということなのですけれども,お伺いしたところ,この施設は札幌市で1カ所ということなのですが,精神障害者の社会復帰施設を想定しているようにもお聞きをしておりますけれども,私のいろいろ調べた範囲では,そこには高次脳機能障害の患者さんは一人も通所していらっしゃらないということですし,現に,高次脳機能障害の方ばかりが通っていらっしゃる作業所なんかもあるわけですから,そういうようなところに委託なり人の派遣をして,症例を蓄積されるべきではないかというふうに考えるわけなのですけれども,それについていかがか,伺います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  ただいまの高次脳機能障害のモデル事業でございますが,当初,私どもが法定施設と考えた点につきましては,昨年,国が,13年度の国家予算の予算要求時に示されたモデル事業の基本的な考え方に基づいて,生涯福祉施設としては,札幌市内の精神障害者の通所授産施設,あるいは精神障害者の生活訓練施設,援護寮,こういうことを当初想定をしたものでございます。 ◆山口たか 委員  経過はわかりましたが,私は,それよりは,現に障害の方が通っていらっしゃる,そういうところの作業所の方が当然いいというふうに考えるわけです。もし,その法定施設でしたら,今から対象の患者さんをどこからか探して,集めてきてという形になるわけですから,それは事業として検討しているのかなというふうに考えざるを得ないのですけれども,その辺でいかがか,もう一回お尋ねします。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  この問題につきましては,札幌市内に当初から積極的に取り組まれておる団体がございまして,しかも,現在,本市の小規模作業所の施設として補助金を交付している団体でもございますので,そういう団体につきましては,十分私どもも認識をしてございます。したがいまして,私どもとしましては,今後,国とも十分協議をいたしまして,当モデル事業が所期の目的を達成されるよう努力をしてまいりたいと,こう考えているところでございます。 ◆山口たか 委員  当該作業所のことは十分認識していらっしゃるということでしたので,国とも協議をしていただきたいのですが,私が入手した国の情報では,国では別に法定施設でなくてはいけないとか,そういうことは一切規定をしていなくて,それは自治体に任せているというようなご回答もいただいております。  また,精神障害者の施設についてですけれども,高次脳機能障害は精神障害ではないのですね。交通事故なんかで,脳に損傷を負ったゆえに全く人が変わってしまったり,記憶がなかったりということで,一見似ているけれども,実は,原因が全然違うということでは,当初,精神障害者の施設に委託をしようとされたこと自体,ちょっと認識が違うのかなというふうに私は感じたわけです。国では,精神保健福祉の中で対応するということなのですけれども,ご指摘を申し上げたいのです。  市立病院の松原ドクターも,この作業所の顧問でいらっしゃるというふうに伺っています。身体的,整形外科的なリハビリは既に完成の域に達しているけれども,この分野がまだで,これからは施設に収容してリハビリをする時代は終わったとおっしゃっております。そういう意味では,ぜひ支援プログラム,社会復帰の充実へ向けまして,本当にどこがふさわしいのかということを十分に勘案していただきたいと思いますので,最後ですが,局長,その辺のご決意を伺いたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  今,部長からお答えしたとおりでございまして,国に確認したら,そちらの方では可能性があるということのお話のようでございますけれども,なお確認をしまして,可能であればそのようなことで対処してまいりたいと,こう思っています。 ◆宮村素子 委員  私は,思春期の精神保健に関する相談事業についてお伺いしたいと思います。  思春期といいますのは,もう皆さんご存じのとおり,心身ともに大きな変動を来す時期で,これをうまく乗り越えなければならないという発達課題がございます。また,一方では,精神疾患の発症の時期でもございまして,精神衛生上,極めて重要な時期だと思います。  今日の思春期の心の問題について見ますと,不登校児童・生徒の著しい増加,家庭内暴力,それから青少年の引きこもり,また,17歳の凶行に代表されるようなキレル子供たちの事件の頻発など,思春期の心の問題は,家庭や学校現場での対応だけでは済まされない状況になっておりまして,重要な社会問題となってきていると思っております。  さまざまな事件が発生して,報道のされ方にも問題があるかとは思いますけれども,報道のたびに,異常さ,恐ろしさばかりが市民の中に大変浸透しておりまして,そういうものばかりが新聞を通して目につき,青少年たちの深刻な心の危機が,その中でどうしようもない状態でいるということが見えてこない,見逃されているのではないかと,大変気になっているところでございます。すなわち,青少年の相談できずにいる姿,また,支えのない中で置き去りになっている実態を決して私たちは見逃してならないというふうに思います。  思春期の心の問題に対応できる医療機関は,全国的に見ましても少ない現状でございます。本市においては,区の保健センターですとか精神保健福祉センターが,重要な役割を果たしているというふうに考えております。  そこで1点目に,本市における思春期の精神保健に関する相談は,どのような状況にあるのか,具体的な数値を含めてお答えいただきたいと思います。  2点目は,思春期の精神保健に関する相談体制はどのようになっているのか。また,どのような取り組みをされているのか,お伺いしたいと思います。 ◎七田 精神保健担当部長  思春期の精神保健に関する相談援助についてお答えいたします。  1点目の思春期精神保健相談の現状についてでありますが,精神保健福祉センターへの20代までの来所相談者は,平成11年度で172件,全相談の59%を占めております。相談内容では,対人恐怖などの精神症状の訴えが33%と最も多く,次いで不登校と引きこもりが合わせて20%となっております。  さらに,各区の保健センターの思春期相談件数を見ますと,平成11年度は131件となっており,年々増加傾向にあります。  次に,2点目の相談体制と取り組みについてでありますが,精神保健福祉センターでは,精神科医師,臨床心理士など専門職が相談を受ける一方で,各保健センターや関係相談機関等の職員に対する教育研修,技術指導・援助や事例検討会などを通して関係諸機関との連携を図りながら,その充実に努めているところであります。  また,各種講演などによる普及啓発活動のほか,調査研究事業の一環としまして,主として,引きこもりの若者を対象としましたデイケア事業をセンターにおいて試行的に実施しており,一定の成果を得ているところであります。 ◆宮村素子 委員  ただいまの思春期にかかわる相談の状況で,現状としては,20代を含めて全相談の約60%ぐらいということですので,やはり大変多いですし,それに区の相談件数を見ましても年々増加してきているという状況で,内容的にも不登校,引きこもりということがかなり多くなってきているという現状がうかがえるわけです。  そして,関連する機関のコンサルテーションというようなことで,指導・教育・啓発がされているということでございますが,そんな中で,やはり,思春期の精神保健ですとか引きこもり,子供への対応,心の対応ということが指導内容として,これからウエートを占めていくのだろうというふうに感じるところでございます。思春期の子供の心の問題が,やはりこうした現状の中からも大変重要だなと,そういうことがさらに認識されるわけでございます。  そこで,もう一度伺いますけれども,このようにニーズが増大してきている,そして,引きこもり等に対しては,試行事業で一定の成果も上げているということも伺いましたけれども,この思春期の心の問題を初めとする精神保健の相談体制を,今後どのように整備拡充するつもりなのか。特に,私は,どうしても拡充していくべきだと,そんなふうに思うわけでございますが,お考えをお示しいただきたいと思います。 ◎七田 精神保健担当部長  今後の取り組みについてでありますけれども,思春期の精神保健に関する市民ニーズは,委員ご指摘のとおり,これからますます増大していくと思われます。  それで,今まで以上に関係諸機関との連携を深めて,質の高い相談,しかも気軽に利用できるような,そういうような体制づくりに努めてまいりたいと考えております。  さらに,今後予定されております精神保健福祉センターの拡充計画の中では,新たに思春期特定相談事業ですとか,あるいは思春期デイケア事業をさらに充実させる方向で検討してまいりたいと考えております。よろしくお願いします。 ◆宮村素子 委員  どうしても拡充が余儀なくされると思いますが,平成16年,夜間急病センターの合築ということがございますよね。16年ということですと,まだ図面もできていないのかなというふうに思いますが,それに向けまして事業の拡大をしっかり検討されて,スペースが狭いから,やっぱりこういった内容でということではなく──こういった相談が本当にないような社会になればそれにこしたことはないわけですけれども,今後は,まずはそういうことはないだろうと思います。今,ちまたで聞きますのは,30歳ぐらいまでで,青年後期といいますか,大学は出たのだけれども,どうもあの人何もしていないよねとか,全然どこにいるのかわからないとか,家庭内の引きこもり,親もなかなか相談もできない,本人もどこにも行こうとしない,そういった事例も大変ふえているやに聞くわけでございます。そういう方たちに首に縄をつけて引っ張っていき,どうこうということは,なかなかできないのですけれども,今言った,本当に気楽にちょっと訪れて,それがきっかけで立ち直っていける,そして,立ち直るまでの引きこもりの期間が短ければ短いほど立ち直りが早いですし,いい成果をおさめるだろうと,私は思うわけでございます。本当にこれは重要な事業だということを,再度,私は,強く訴えまして,本当に全国に先がけた構想を早く示してほしい,打ち出してほしいと,そのことを強く要望して終わりたいと思います。 ◆岡千陽 委員  私からは,大きく3点です。  ガイドヘルパー事業についてと障害者情報バリアフリー設備整備事業,そして地下鉄エレベーターの設置です。  まず,ガイドヘルパー派遣事業についてですけれども,重度の障害者が外出時に付き添いの方がいない場合には,ガイドヘルパーを派遣するということで,1976年から視覚障害者,81年からは全身性障害者の方に派遣事業が開始されて,これまで費用は無料でした。新年度,このガイドヘルパー派遣事業に階層の区分を設けた利用者負担が導入されることになっています。  それで,1点目なのですけれども,なぜ,今まで無料だったこの事業に利用者負担を導入するのか,伺います。  次に,ガイドヘルパーの利用時間とヘルパーさんの手当についてです。  本市のヘルパーさんの手当は,1時間当たり視覚で600円,全身性で833円,新年度からは両方ともに850円に引き上げになりますが,他の政令都市との比較で見てみますと,千葉,横浜,京都,神戸,福岡では,手当がもう1,000円を超えています。手当が安いために,ガイドヘルパーを主たる仕事として位置づけるにはまだ至らず,結局はボランティア的要素が強くなっているのが現状です。  そこで,2点目伺います。  この手当を引き上げて,若い人たちの雇用の場として成り立つようにすべきだと思いますが,いかがでしょうか。
     3点目は,ガイドヘルパーの利用時間についてです。  現在のガイドヘルパー利用時間は,原則9時から17時,時間外はヘルパーさんの了承があれば可能となっていますが,利用する側にしてみますと,病院や買い物,時にはコンサートなどにも行ってみたいなど,夜5時以降の希望もあります。また,土・日・祭日に関しても,ヘルパーさんの了承によっては可能になっていますが,現状は,ヘルパーさんの好意によって時間外や土・日・祭日の利用が行われています。都合のよいヘルパーさんがいない場合は利用ができないという状況もあります。  そこで伺いますが,この利用時間を,例えば,横浜市では8時から20時,北九州市は8時半から21時というふうに拡大していますが,このように拡大をして利用しやすくすべきと考えますがいかがか,伺います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  まず,1点目のガイドヘルパーの養成・派遣事業について,利用者の費用負担制を導入した理由でございますが,本市におきましては,この事業を継続して実施していく中で,今後も利用者の方々に対する一定のサービスを確保していくためには,利用者の方々に経済的な能力に応じました応分の負担をしていただきながら,サービスの提供を行う必要があると考えております。  したがいまして,他の障害者施策との整合性を図り,総合的な判断をする中で,知的障害者のガイドヘルパー派遣事業と視覚障害者のガイドヘルパー派遣事業ともに,13年度から費用負担制を導入することとしたものでございます。  2点目の手当につきましては,この制度が,特に視覚障害者については昭和51年,それから全身性につきましては昭和56年からと,逐次拡大をしてきてございます。利用時間あるいは単価につきましても,利用実態を見ながら拡大をしてきたところであります。今後も,その実態を見きわめながら検討してまいりたいと,こう考えております。  3点目の利用時間につきましても,同様でございます。ただ,この場合,ヘルパーの派遣体制の問題もございますので,関係機関とも協議をしなければならないと考えておりますし,また,全体的なヘルパーの派遣要請にこたえれるべく,人材の育成という点もございますので,この点につきましては,今後も力を注いでまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆岡千陽 委員  利用者負担についてなのですけれども,今まで,政令市の中でも,札幌は頑張って無料にしてきています。例えば,視覚障害者の利用時間で見ても,1997年度ヘルパー数が61名で6,639時間,ヘルパーさん1人当たり108時間,それが2000年度は,ヘルパー数が現在56名で,利用時間が1万時間を超えている状況です。年々利用時間がふえて,行動範囲が広がって,家にいるだけではなく,いろんなところに行けると喜ばれているこの事業なので,これまでどおりぜひ無料にして,利用しやすい制度にしていただきたい。障害者福祉の後退にもつながると考えられるこの有料化を,今までどおり,無料に戻すという方向が考えられないのか,この点,もう1点伺います。  それから,ヘルパーさんの働く時間数もふえて,申し込んでも人がいない,断られる状況も出ています。それから,手当の引き上げもそうなのですけれども,今,ご答弁にありました,逐次拡大してきた,それから,今後,実態を見きわめながら人材の育成にもということなので,ぜひここには力を入れてやっていただきたいと思います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  1点目でございますが,先ほどもお答え申し上げましたように,この事業につきましては,障害者施策の全体との関連性がございます。すなわち,ホームヘルプサービス事業でありますとか,デイサービス事業,短期入所等の事業がございます。これらは国の補助事業でございまして,国の補助要綱に沿って事業を実施しているわけでございます。したがいまして,障害施策全体の中で検討すべきものでございまして,先ほど答弁したように,総合的な判断の上で,13年度からの負担を一定程度ご負担をいただくこととしております。  ただし,国の基準では,無料から950円までの7段階の負担となってございますが,本市におきましては,利用者の負担の軽減を考えまして,最大でも1時間当たり250円までと考えているところであります。  また,2点目につきまして,引き続き,先ほどお答えいたしましたように,利用実態,他都市の状況等も勘案しながら,今後,検討してまいりたいと考えてございます。 ◆岡千陽 委員  新年度から,この事業の利用時間が月60時間,ただし月20回以内というこの回数の制限がなくなって,60時間という制限だけなので,利用する側にしてみると,回数の制限がなくなった分,より利用しやすい事業になったわけです。そこから考えても,利用者負担の導入を行ったり,ヘルパーさん自体が足りないというままでは,月20回の制限がなくなっても利用しづらい,こういった制度にもなりかねませんので,ぜひこの事業は負担の導入をやめていただく方向で検討していただきたいことを要望いたします。  次の質問です。  次は,身体障害者情報バリアフリー設備整備事業についてです。  この事業は,在宅の障害のある方が容易に使用できる情報機器を,全国の障害者更生援護施設等に配置し,情報バリアフリーを促進することを目的として,本市では21カ所の施設に情報機器が配置されるということになっています。  障害種別や程度の違い,日常生活の状態の違いも大きい障害者にとっては,情報機器に触れる機会も少なく,修得の場もほとんどないのが現状です。  特に,中途失明者が増加している視力障害の方々にとって,健常者と,点字ではなく墨字を通してコミュニケーションを図れる事業ですが,まず,1点目は視力障害の方々へのこの情報機器の配置場所として,使いなれている視力障害者センターを望む声が多いわけですが,ここに配置を考えていられるかどうか。さらに,配置された場合に,講習会など広く触れる場を設定してほしいという声も出されていますが,その点についてはどうか。  2点目は,この事業自体についてどのように周知を図っていこうとしているのか。この事業の実施要綱を見ると,広報紙やパンフレット等による広報活動となっていますが,在宅の障害者にどのくらい周知徹底できるでしょうか。また,視力障害の方々にはどのような周知法をお考えなのか,伺います。  3点目は,実施要綱によると,利用時間の実施に当たっては,利用者から実費相当分の利用料を求めることは差し支えないものとするとなっていますが,この実費相当分の利用料とはどのくらいを想定しているのか,この3点を伺います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  まず,1点目の視力障害者の方々へのIT情報機器の配置場所でございますが,委員ご指摘のとおり,最も視力障害者の方にとって使いやすい,中央区北2条西12丁目に所在しております札幌市視力障害者福祉センターに,視力障害者の方々への情報バリアフリー設備を整備いたしまして,ここを中核施設として,今後,活用していきたい。そして,その利用に当たりましては,ご利用いただく視力障害者の方々のご意見等を十分お聞きをしながら,講習会等についても十分配慮してまいりたいと,こう考えてございます。  2点目の視力障害者の方々への事業周知についてでございますが,情報機器の利用につきましては,点字やテープでの広報によりお知らせするなどの方法をとりまして,この事業の全体につきまして,十分に関係の皆さんの周知に努めてまいりたいと考えております。  3点目の利用者の負担でございますが,実費相当分とは低額な消耗品程度を想定いたしてございます。  以上であります。 ◆岡千陽 委員  今のご答弁にもございましたが,ぜひそのように,一人でも多くの障害者の方に,この事業によって,コミュニケーションの手段として活用をしていただくためにも,広く周知徹底を図っていただきたい。  また,実費相当分の利用料に関してなのですが,今後の事業なので,ぜひ利用の実態を見ていただきながら,配置した施設側にとっても,利用者側にとっても,負担が大きくならないように,実態把握に努めて,また,せめて視力障害者センターや身障センターに関しては,ここは障害のある方が通いやすい施設ですので,ここは無料にしていただくことも検討していただきたいと思います。これは要望です。  最後に,3点目,地下鉄エレベーターの整備事業です。  新年度,新たに地下鉄駅エレベーター整備として,大通,さっぽろ,すすきの,平岸,福住の5カ所,また,設計が麻生,東札幌の2カ所となっています。  これまでも障害者,高齢者や妊婦さんなどからの,すべての地下鉄駅にエレベーターの設置を求める声が大きくなっています。そこで伺います。5年計画での整備の予定,それから,未設置駅の今後の整備見通しについてお聞かせください。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  地下鉄エレベーターの5年計画での整備予定でございますが,今5年計画では新設7駅を計画しております。このうち4駅につきましては12年度までに手がけ,13年度予算では麻生駅,東札幌駅の2駅を計上しており,計画を着実に推進しているところでございます。  さらに,全駅設置の早期実現は切実な課題でありますことから,条件が整った駅から設置をしてまいりたいと,こう考えてございます。  未設置駅の今後の整備見通しでございますが,残りの駅につきましては,ご存じのとおり,いずれも駅舎が狭い,あるいは地上部に設置用地がないなど,困難な問題を抱えておりますが,全駅設置に向けまして,さらに駅舎構造等の検討を進めてまいりたいと考えております。  また,新年度設計の麻生駅,東札幌駅は周辺地権者等の協力により設置可能となった駅でありまして,このような動向を見逃さず設置用地の確保等に努めることによって,早期実現を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆岡千陽 委員  未設置地域に関してなのですけれども,今のご答弁で,駅舎が狭いだとか,地上部に用地がないだとか,いろいろ問題点も出されています。設置の手法についても,この未設置駅についてはいろいろご検討もされているようですけれども,今回の整備5カ所,また新設2カ所に関してみると,設置の手法として書かれているものとは別の手法で設置されたり,また,そのうち2カ所は,設置の手法が特に挙げられていない中で設置が実現している状況であります。ということは,やっぱり本市がつくる気になればできるという例をつくってきたわけです。  そこで改めて伺いますが,この未設置駅に関して,今後,計画を具体化していくというふうになっていますけれども,今回の東札幌駅のように,福祉のまちづくりの担当部局だけではなくて,他部局からの働きかけで設置ということもあるわけですから,ぜひ地下鉄駅のエレベーター設置を全庁的な取り組みとして,早急に全駅設置の取り組みを行うつもりはないのかどうか,伺います。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  最近の,特に麻生駅,東札幌駅につきましては,先ほどご答弁申し上げたような状況でございまして,ここ数年,事業者の方,あるいは地権者の方のバリアフリーに対するご理解が大変進んでまいりました。また,来年の秋には,障害者インターナショナル,DPI世界会議が札幌で開催をされると,こういう機運が盛り上がっておりますことから,今まで設置が困難な駅であったものが,ご理解をいただいて進んできている状況であります。引き続き,関係部局,あるいはきょうご出席の委員の皆さん方におかれましても,またいろんな情報がございましたら,私どもも努力してまいりますが,何とぞよろしくお願いを申し上げます。 ◆熊谷憲一 委員  私の方からは,精神障害者への交通費助成の問題1点について,簡潔に質問をさせていただきます。  新年度,精神障害者の交通費助成が,1・2級で3万円から4万円に,3級で1万5,000円から2万円に引き上がることになりました。しかし,この引き上げについても,精神障害者団体の要求から見れば,ようやく半ばに達したと言えるものだと思います。札幌市のウィズユーカードの使用実績を見ましても,約62%の人がほとんど6カ月で使い切ってしまうという報告がされておりまして,大体要求の半分程度に引き上がったのではないかというふうに言えると思います。  そこで,質問でありますけれども,精神障害者の交通費助成について,他の政令都市がどうなっているのか。そこから見て,札幌市の現状はかなりおくれていると思うのですけれども,これでよしとするのか,お考えを伺います。  質問の第2は,桂市長は,2000年4月,選挙の年でありますけれども,札幌市精神障害者回復者クラブを初めとした精神障害者8団体に対する公開質問状に答えて,精神障害者への交通費助成の,早急な,障害の区別なく公平感を持っていただけるような制度の施行を約束しております。新年度のテンポでは実現はかなり厳しいと思われますけれども,今後の見通しについてお伺いをいたします。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  精神障害者の方々への交通費助成についてでございますが,10割助成につきましては,他の都市においては大半の都市が,いろんな形がございますが,実現をしているところでございます。ただし,他の都市における助成は,その方法や対象となる交通事業者の範囲がさまざまであるのもまた実態でございます。  私どもは今回,12年度に引き続き13年度予算におきましても増額を計上しているところでございますが,もちろんこれでよしとしているわけではございません。充実に努めたいと考えてございます。  なお,その場合,制度が始まりまして4年目であり,ご利用いただく方も大変ふえてきてございます。すなわち,手帳を所持する方ももちろんふえてございます。そういった背景もございますし,また,利用いただいた方から実際にウィズユーカードを回収して,その利用実態も調査をしているところでおります。したがいまして,今後は,その利用実態も把握しながら,さらにこの制度の充実に努めてまいりたいと考えてございます。  それから,2点目の市長公約との関係でございますが,この点につきましては,今後とも,他の障害者施策との間にある格差につきまして,その是正になお一層努力をしてまいりたいと,こう考えているところでございます。 ◆熊谷憲一 委員  他の障害者の交通費助成については,実態としては,札幌市の交通事業者を初めとして,JRやJRバス,中央バスなどの事業者による交通費の半額免除,この措置があって,そして,10割助成が行われているというふうに思いますけれども,札幌市としても,交通事業者に対して半額免除の措置を要求すべきでないかと思うのですけれども,この点についてはいかがでしょうか。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  私ども,この制度が始まった当初から,各事業者には協力を求めているところであります。これからも引き続きその努力については行ってまいりたいと,こう考えてございます。 ◆熊谷憲一 委員  他の民間業者の動向,意向は別にして,あるいは国の方針待ちになるのではなく,市営の地下鉄やバス,電車については半額免除の措置をとって,ぜひ交通費の10割助成を実現すべきであると思うのですけれども,この点について最後にお伺いいたします。 ◎佐々木 障害保健福祉部長  札幌市営交通事業のみの10割助成についてでございますが,現行の制度と異なりまして,いろんな技術的な検討課題も出てまいりますことから,十分に総合的に勘案をいたしまして,当該交通費助成制度全体の施策の中で検討してまいりたいと,こう考えております。 ◆武藤光惠 委員  私は,福祉除雪について,何点かお尋ねしたいと思います。  先ほどもありましたので,重複しないように避けて質問を行いますが,まず,質問の第1点目,これは基本的な考え方ですが,部長にお尋ねをしたいと思います。  まず,今冬から実施されました札幌市の福祉除雪制度の対象箇所はどこなのでしょうか。あわせて行政発注型,それと地域協力員型とでは,対象箇所が変わるのでしょうか。この点をまず確認させてください。 ◎宮崎 総務部長  ただいまの対象箇所数でございますが,全体で20カ所ございます。行政発注型が14,それから地域協力員型が6カ所という状態になっています。 ◆武藤光惠 委員  ちょっと箇所の意味のご理解が違ったと思うのですが,実は,今,私は,そちらからいただいた札幌市福祉除雪仕様書というものを見ております。ここには目的,対象世帯,対象箇所というのがあります。ちょっと部長,今もし手にしていましたら,その対象箇所のところを見ていただいて,改めてお答えください。 ◎宮崎 総務部長  ちょっと私の理解が違っていたのかもしれません。いわゆる福祉除雪の行う場所という意味かと思いますが,ご紹介をいたしますと,地域協力員型の場合でございますと,除雪車が通った後に置かれた公道上の間口,及び必要において敷地内,そこの除雪を行うことができるということでございます。 ◆武藤光惠 委員  今,部長が読まれました対象箇所というのは,地域協力員型の仕様書に書かれた内容ですね。福祉除雪は,利用者から見れば,その除雪をやってくれる人が業者であるか協力員であるかは問わないわけです。それぞれ非課税世帯で5,000円,課税世帯で1万円の利用料金を払っているわけですから,料金によって格差が生じることもあってはいけないですよね。これが大前提だと思うのです。  そこで,改めてお尋ねしますが,実は,私は,部長にお読みいただいた地域協力員型と同じだろうと思い,行政発注型の仕様書を取り寄せてみました。そこでびっくりしたのですが,対象箇所が,地域協力員型の内容と違っているのです。今,部長が読まれたところを改めて読みますが,地域協力員型は「除雪車が通った後に置かれた公道上の間口,並びに必要に応じて敷地内の雪とする」と。ところが行政発注型は「除雪車が通った後に残る公道上の間口の雪とする。(玄関前1カ所のみ)」と。  このように,同じ福祉除雪であるのですが文言は違っております。これはどのように理解をすればいいのでしょうか。 ◎宮崎 総務部長  基本的に,福祉除雪の対象の箇所は1カ所ということでございまして,いわゆる行政発注型については,そのことを契約上はっきりうたうということもございまして,明確にしているものと思います。  もう一つ,地域協力員型につきましては,従来,地域のボランティアの方々の好意という形で玄関前なり敷地を含めておやりになっていたという経過もございますので,この手法を導入する際に,地域協力員型につきましては,間口だけでなくて,間口から玄関までご協力をいただければ,そこの部分も実施していただきたいという気持ちをここであらわしているということでございます。 ◆武藤光惠 委員  それは全く答弁になっていないと思うのです。だれがやるかによって受ける側のサービス内容が変わるというのは,同じお金を徴収している側としては,全く許される話ではありません。私もあちこち見てきましたけれども,業者は機械でやっていません。車で二人組がスコップを担いできて,1.5メーターの間口をあけていきます。これを機械でやっているところは,ほとんどありません。地域協力員が必要に応じて敷地内の雪を除雪してくれるという中で,業者がやるのは1.5メーターだけあけて,敷地内は一歩もやってもらわない,こういう格差を生んでいる現状なのです。このように,地域協力員の犠牲によってやられて,そこにおんぶにだっこしているというように,今の部長の答弁は聞こえます。  やっている人たちが,その状態を見ながら,その敷地内も含めてやっていただいているかもしれません。だけれども,私は,協力員の方の何人かから,たくさん意見を聞いています。これは協力員で,今まで実際にボランティアをやっていて,そして今度2万1,000円で請け負うことになった人なのですが,実は,こういうことを言っているのです。除雪ボランティアをやってきたが,福祉除雪という制度ができて,請け負い契約になって,対価の支払いを受けることになるのは本当に嫌だ。人のためと思ってやってきたこれまでのことが,軍手代という名目で届けられていた5,000円さえもらうのが心苦しかったというのに,それが請け負い契約という制度に変わるのであれば,私は一切手を引きたい。こういう思いでボランティアの人たちは受けとめているわけなのです。  私は,いい方に改善されれば結構だと思うのです。ですから,地域協力員の方だから除雪範囲が広くなるのではなく,福祉除雪制度という中でやっているわけですから,ぜひ,行政発注型の除雪についても,この枠を拡大し,必要な方には敷地内についても除雪をやるということで,地域協力員地区と同じようにするべきだと思いますが,この点の決意をお述べください。 ◎宮崎 総務部長  ただいまのご質問は,この福祉除雪が行われます際に,昨年ですが,多々ご議論があった部分かと思います。私どもの考え方は一貫しておりまして,あくまでも敷地内は個人の私有財産ということでございますので,基本的にはその範囲内で,財産維持ということで対応していただきたいと。  公道上の残された雪につきましては,現実に大変困っている方がおいでになるということで,行政発注型なりあるいは地域協力員型なりいろいろと工夫をいたしまして,一つの福祉活動の形態として制度化したものでございます。  いずれにしましても,地域の方々のそういういろんなご意見もあるかもしれませんけれども,地域の福祉力なりあるいはボランティア活動なり,これは今後ますます盛んに取り組んでいただかなくてはなりませんし,我々市としても,パートナーシップなり,あるいは共同という意味合いでもそれは欠かせないことでございますので,ただいま試行という形で取り組んではおりますけれども,基本的にはこの形態で,今後とも進めさせていただきたいと。  なお,涌井委員のご質問のときもお答えしましたけれども,試行実施終了後,速やかきちんとに検証をいたしまして,いろんなご意見は伺わせていただくつもりでございます。その意見を十分踏まえまして,本格実施に向けていろいろと取り組んでいきたいと思っております。 ◆武藤光惠 委員  部長,今いろいろ言っていますけれども,実は,昨年の8月のある連絡所を使って開かれた町内会向けの意見交換会なのですが,この中でも町内会側から,敷地内もぜひ除雪をやってほしいのだと,こういう要望があり,これはあちこちで出されていることなのですけれども,これに対して行政は敷地内は私有財産だと,だからできないのだということをずっと述べていて,町内会の人たちもがっかりしていたのです。ところが,福祉除雪が始まる寸前になってから,できないと言っていた敷地内除雪を市民税非課税世帯に限ってやりましょうというような,こういう回答を出しているのです。  これに基づいて,実は,地域協力員型のこういう仕様書に基づいた,敷地内の必要に応じては,数は少ないですけれども,敷地内の除雪もやっているのです。ですから,皆さんの善意に依拠して,ボランティア精神でやってもらっているのだと言ってしまえば,やっている協力員の方が怒りますよ。ですから,これは責任を持った答弁をしていただかなければ,協力員の方々も納得できないと思いますので,ぜひ局長,助役,責任を持てるご答弁をいただきたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  福祉除雪の定義は,昨年いろいろとご説明をしておりまして,行政発注型であろうと地域協力員型であろうと間口という限定をして,これを福祉除雪という形での実施をしていくということになっております。  ただ,部長もお答えしましたように,従前から社協がボランティアで実施してきているという中にあって,本当はボランティアがすべての地区で十分取り組んでおられれば,そういう必要性はないのでございますけれども,なかなかそれが追いつかないという中で,やはり地域の協力員型だけではなしに,行政が直接発注しなければならない部分が出てきたという観点から,こういう形での地域協力型ということで,二通りに分けたわけでございまして,あくまでも基本的な考え方は同じでございます。 ◆武藤光惠 委員  それでは,これからみんなに喜んでもらうために中身を充実させるとすれば,地域協力員型中心の福祉除雪にしていかなければならないわけです。だけれども現状はどうですか,協力員の数は思ったより募れなかったわけですよ。先ほどもお話がありましたが,実際に協力員の人たちを募るために,町内会が主体的に地域協力員を確保するのは相当に困難だと。私は,あちこちの町内会長さんからも聞いてきました。地域協力員制度は遅かれ早かれ限界に突き当たるだろう,これが大方の意見です。対象世帯の認定に当たって,申し込み件数は多かったけれども,実際にいろいろ調査をしてみたら,申し込みが883件,そのうち結果として対象世帯は652件になったと,こういう数の違いもいろんな調査に出たわけなのですが,地域協力員を町内会に推薦させておきながら,こういう調査の段階では町内会に何の相談もないと。これでは一体何のために町内会が汗水流して協力員を探さなければならないのか全くわからないと言っている方もたくさんいらっしゃいます。  ですから,私は,福祉除雪制度というものを,本当に福祉の立場に立って考えるのであれば,これまでも主張してきましたように,料金を取るのではなく,利用者の除雪弱者と言われる方々が,お金の心配をしなくとも安心して通路の確保ができるような,そういう除排雪をやるべきだということを,改めて強調しておきます。  それと,協力員と業者によって,やる中身が違うという点については,これはやっている協力員が聞いたら大変驚くことだと思うのです。ですから,この点については,今冬,年度内において,早急に皆さん首脳部が集まって検討され,統一されることを求めたいと思います。  2点目ですが,新年度予算では8,000世帯を対象として予算計上をされております。この8,000世帯という数字なのですが,これは何を根拠に8,000世帯としたのか,この点についてお尋ねします。 ◎宮崎 総務部長  予算上8,000世帯ということで,その根拠はということでございますけれども,ちょっと細かいのでございますが,こういうような推計をしております。65歳以上の方々だけで構成されている世帯が,札幌市は約10万世帯ございます。そこから70歳以上の方だけで構成されている世帯の割合,これは54%程度あるのですが,さらに戸建て住宅に居住している割合が37%,間口除雪のためにそれなりの負担を払っていいというお考えの世帯は38%と,こういう統計をバックに試算をいたしまして,基本的に総世帯数が7,600戸ぐらいというふうに押さえております。  次に,障害者世帯の方も該当になりますので,同様な推計をいたしまして,この障害者の世帯につきましては約600戸ぐらいというふうに押さえまして,合わせて約8,000戸というふうに押さえております。 ◆武藤光惠 委員  今,部長のお話の中で,昨年行いました高齢者世帯の除雪に関する実態調査,これは昨年の前半,1,2,3月ぐらいでしたか,それと障害者の世帯に対する除雪に関する実態調査も,昨年の7月に行われているようなのですが,それらをもとにしてこういう数字をはじいているわけですよね。分母になっている数字は,65歳以上の方だけで構成されている10万世帯と,障害者世帯で見れば1・2級の重度身障者数,これを分母にしながら数字をはじいているわけなのですが,私は,ちょっと疑問に思ったことがあるのです。それは,間口除雪のためにお金を支払ってもよいと考えている人,これは高齢者も障害者もそういうカウントをされて,アンケート調査の結果から出ている数値,これをもとにして8,000世帯を計算して出したとすれば,お金を払えない人たちは既にこの計画を立てる段階からはじかれているということになるのではないでしょうか。この点のお考えをお示しください。 ◎宮崎 総務部長  それなりの負担をしてでも福祉除雪のサービスを受けたいという方の割合が約38%という数字であらわれたということでございまして,私どもが,実際に現在試行しております福祉除雪につきましては,一定の条件でございますけれども,無料で行っている方もおいでになるわけでございます。その点はご懸念がないのではないかというふうに思います。 ◆武藤光惠 委員  お金が払えると答えている人は,このアンケート調査をやった対象者の高齢者で38%,障害者で32%ですから,圧倒的多数,半分以上の人はお金を払えると言っていないわけです。だけれども,除雪弱者というのは,お金が払えなくても,この数に限らずいるわけですよね。病院代がなくても病気の人はいるわけですよ。介護保険を使わなくても,介護を必要とする人はたくさんいるわけです。ですから,本来の福祉除雪という福祉が有効であるならば,そういう人たちも対象範囲として検討すべきではないかと思います。この点,改めて伺います。  それと,これは難しい問題かもしれませんけれども,障害者世帯の1・2級の重度身障者,これを対象にしてカウントしているわけなのですが,障害者1級,2級,3級,4級,5級,いろいろ等級によって活用できる制度も違っています。しかし,通常いろんな制度を使えるのは,例えば,生活保護であっても3級までは障害者加算がつきます。交通費助成もそのように1・2級,そして3級,3級までは大体入るのですよ。なぜかといいますと,やっぱり3級の障害者というのは内部疾患も非常に多いのですが,例えば,3級に該当するものにこういうのもあるのです。体幹の機能障害により歩行が困難な者,歩行が困難なわけですから除雪はできませんよね。それから不随意運動,失聴等により家庭内での日常生活に制限される人,これも3級なのです。その他,心臓や腎臓の機能の障害によって,家庭内での日常生活活動が著しく制限される,こういう人たちも3級なのです。  ですから,私は,対象を考えるであれば,やはりそういうところまで広げてやるべきだと思うのです。対象の絞り方につきましても,お金が払えるか払えないかでやるのであれば,これは普通の商売と変わらないわけですから,やはり行政がやる福祉除雪であるならば,障害の1・2級で区切ったり,お金が払える人で区切るのではなく,すべての除雪弱者を対象にこの制度を充実させるべきだということを強く求めて,質問を終わります。 ○大西利夫 委員長  以上で,第1項 社会福祉費の質疑を終了いたします。  ここで,おおむね20分間休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時2分       再 開 午後3時25分     ────────────── ○大西利夫 委員長  それでは,再開いたします。  次に,第2項 児童福祉費及び議案第5号 母子寡婦福祉資金貸付会計予算について,一括して質疑を行います。 ◆小野正美 委員  それでは,放課後児童健全育成事業について,さきの我が党の代表質問に関連して,数点質問をします。  本市の放課後児童健全育成事業は,留守家庭児童に一定の配慮をしながらも,留守であるなしにかかわらず,すべての児童の放課後生活の充実に努めてきています。この事業は,現在の子供たちが置かれている環境を考えると,より一層の充実が求められるものでありますし,中でも,障害児の放課後生活の充実を図ることは重要な課題であり,急務であると考え,再三,私も取り上げてまいりました。  さきの代表質問の答弁の中で,障害児をすべての児童会館で受け入れることを基本とすることを明確にし,そのために,必要に応じた指導員配置の拡充や職員研修を充実し,その資質向上を図るということでありましたが,第1点目として,その受け入れ態勢を具体的に示していただきたい。  2点目として,民間施設方式に対する障害児加算についても,現行の加算額からの引き上げと新たなランクの設定を考えているとの答弁でありましたけれども,その具体的な加算額などについて明らかにしていただきたい。  それから,3点目として,新年度の児童会館及びミニ児童会館の整備箇所について,具体的に明らかにしていただきたいと思います。 ◎八反田 少年育成担当部長  ただいまの放課後児童健全育成事業に係るご質問についてお答えを申し上げます。  まず,1点目でございますが,児童会館における障害のある児童の受け入れに際しましては,基本的には現状の職員体制で受け入れることとなりますが,障害の程度や人数によりまして,必要に応じた指導員の加配を行うことで対応してまいりたいと考えております。  また,研修の充実につきましては,これまでの実績をもとにした事例研修でありますとか,専門知識を持つ巡回指導員などによる研修を取り入れて,資質の向上を図ってまいりたいと考えております。  次に,2点目の民間施設方式の児童育成会に対する助成の関係でございます。  現在,年度当初に障害のある児童を2人以上受け入れている場合に,年間40万7,000円を障害児加算として助成してまいりました。制度を創設いたしました平成10年度と比べますと,障害のある児童の受け入れが着実に進んできているものと認識をしております。
     こうした状況を踏まえまして,平成13年度からは,民間施設方式におけるさらなる受け入れ促進のために,2人と3人の場合の加算額を56万4,000円に増額いたしますとともに,人数に応じたランク制を導入いたしまして,4人以上の場合については,平成13年度から国が行います障害児受入促進試行事業の基準額に準じまして,71万円を助成してまいりたいと考えております。  3点目の児童会館及びミニ児童会館の整備についてでございますが,13年度における児童会館の新設の計画はございませんが,西区にあります手稲東児童会館の全面改築を予定しております。この児童会館は,建設から既に35年を経過しておりまして老朽化が進んでおります。このため,全面改築する必要があるというふうに判断したものであります。  次に,ミニ児童会館についてですが,北区の白楊小学校,それから東区の苗穂小学校,豊平区の西岡小学校にそれぞれ整備をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆小野正美 委員  児童会館における障害児の受け入れについては,昨年,議会に陳情もありまして,特に,今まで個々の児童会館の現場に対応を任せているというか,非常にアンバランスがあったり,あるいはトラブルなんかも幾つかあったわけでありますけれども,今回,すべての児童会館で受け入れることを基本とすると,このことを明確に宣言をしてきたことが,一つ大きなことかなと思います。  まだまだ試行錯誤といいますか,受け入れに当たってのいろんな困難さもあろうかと思いますけれども,ぜひそのことを基本にして努力をしていただきたいと思いますし,指導員の加配など,その充実に向けた努力に評価をしたいと思います。  研修の充実についても,実は,先日,私どもの会派として,幼稚園の先生方との交流会を行いました。本市の場合,公立幼稚園の特徴といいますか,この大きな柱として,障害児教育を打ち出しているわけで,今,定員の約1割の障害児を受け入れているわけでありますけれども,実際に幼稚園の先生方も,学生時代といいますか,研修の課程では,なかなか障害児のことを教えてもらっていないと。実際に幼稚園に配属になって,お医者さんだとか,頭の中での研修はいろいろ受けるのだけれども,本当に実際に障害児と接触したときに,一人一人ケースが違う,対応が異なるという中で,なかなか苦しんでいる,苦労しているといった中で,同時に,養護学校の先生方と交流をしまして,非常に役に立ったというか,本当に目からうろこが落ちるというか,本当にいい話を聞かせてもらったという,そんなふうであったわけであります。今,専門指導員の方を巡回させているわけですけれども,ぜひ,現場の指導員の方にとって,より具体的で,役に立つ研修に,努力をしていただきたいと思います。  そういった中で,次の質問に移りますけれども,こういった障害児の,あるいは親にとっても,放課後の生活をより充実させる,生活の幅が広がったり,もちろん障害児だけではなくて,ともに触れ合う健常児にとっても,成長に大いに役立つわけですし,ノーマライゼーションの推進につながっていくわけであります。  そういった中で,例えば,留守家庭児童で児童クラブに登録をすると,学校から直接来館することができるわけでありますけれども,留守家庭児童でなくても,障害児が放課後,児童会館に直接行くことができないものか。これは親が付き添っていくことも含めてですけれども,これはこの間,話もしてきましたが,例えば,清田小学校,隣に児童会館があって,清田小学校の養護学級に通っている子供がいたのですけれども,校区外から親が毎日送り迎えをしているわけですね。ところが,ほかの兄弟のPTAや学校の行事で,親が迎えに行けないと。すぐ隣の児童会館に夕方までいなさいよと言っても,児童会館の側ではかばんを持ったまま来てもらっては困るというようなことで,親が一度子供を迎えに行って家に帰ってきて,また児童会館に送って,そしてまた夕方迎えにいくと。要するに3往復していると。朝,昼,夕方とですね。そんな実態もありました。  こういった個々のケースによるかと思うのですけれども,学校側あるいは親が一応了解をする中で,直接来館することが出来るように検討できないのかと。それから,あわせて,これも陳情の中で要望が出ているわけですけれども,留守家庭の障害児,これはさきの地方社会福祉審議会の答申の中にもありますけれども,4年生以上であっても,児童クラブに登録をして受け入れることができないのか,この2点。  さらにもう1点,これは障害児に限ったことではなくて,例えば,留守家庭児童の4年生以上の場合,これもまた直接来館ができないことになっているわけでありますけれども,こういった子供は,3年生までは児童クラブに登録して,児童会館に通いなれた顔なじみなわけでありますから,そういった面では,これらの子供も直接来館ができるようにすべきではないのかと思うわけですが,この3点についてお聞きをしたいと思います。  それから次に,先ほどの民間施設方式の障害児加算についてでありますけれども,基本額のアップや人数に応じたランク制の導入などによって,より実態に即した内容に充実されたことは評価をしたいと思います。  ただ,この助成の基準として,現行では,年度当初において複数の障害児,1年生から3年生を登録している場合ということがありまして,年度途中に人数がふえても,こういう助成対象になっても適用されないできたと。逆に減った場合には減額をされたようでありますけれども,年度途中にこういった助成基準をクリアした場合に,より実態に即した形で助成が行われるように柔軟に対応すべきでないかと思うわけでありますが,この点,明らかにしていただきたい思います。 ◎八反田 少年育成担当部長  障害のある児童の児童会館利用に係るご質問について,一括してお答えをさせていただきます。  本市の放課後児童健全育成事業は,留守家庭児童対策実施要綱にありますとおり,小学校3年生までの低学年の児童を対象としており,障害のある児童につきましても,この範囲を基本としてまいりたいと考えております。  ただいまご指摘のありました障害のある児童であって,留守家庭でない場合とか,それから留守家庭であっても,4年生以上の場合というようなお話が具体的にございました。こうしたお子さんにとっての児童会館利用,これはやはり検討すべき課題と受けとめてまいりました。当面の対策といたしまして,直接児童会館に行くというようなことを取り入れられないかということで,特殊学級に通学している小学生については,留守家庭であるなしにかかわらず,児童会館に直接来館できるように対応してまいりたいと考えております。  また,留守家庭の児童すべてというわけにはいきませんが,特認校に通い,児童会館を利用しづらい,児童会館が遠い児童,それから弟や妹が児童クラブに在籍している児童など,こうした方々については,この機会に,障害のある児童と同様に,一定の手続のもとに直接来館できるようにしてまいりたいというふうに考えております。  それから,2点目のご質問についてですが,現在,年度当初に障害のある児童を2人以上受け入れているということが,助成の要件となってございます。新年度におきましては,年度途中で2人以上になった場合にも,助成対象とすることができますように,柔軟に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆小野正美 委員  今の答えで,障害児あるいは弟や妹が児童クラブに登録をしている留守家庭児童で4年生以上の児童については,直接来館ができるようにするということで,一歩前進であると評価をしますが,残された課題として,先ほども言いましたけれども,留守家庭児童であれば4年生以上であっても,直接来館にすべきだと思いますし,それから留守家庭児童が障害児であれば,4年生以上であっても児童クラブに登録し,受け入れていくべきと。この二つについては,さきの答申でも具体的に指摘をされている事項でありますから,ぜひ早い時期に具体化されることを強く求めておきたいと思います。  それから次に,ミニ児童会館の整備箇所について,来年度3校で行うということが示されたわけでありますけれども,その3校に決めた理由といいますか,どういった配慮がなされてきたのか,この点,お聞きをしたいと思います。  それから,約50校区あると言われていました,いわゆる留守家庭児童対策の空白校区ですね。児童会館もない,あるいは民間方式もない,そういう空白校区を早急に解消すべきであると指摘をしてきているわけでありますが,来年度3校の中でこういった解消につながっているのかどうか,お聞きをしたい。  それから次に,ミニ児童会館の整備についてでありますけれども,今5年計画では29館整備するとなっているわけでありまして,平成12年度は3館でありますし,来年度に3館だとすれば,計6館でしかないわけですね。ミニ児童会館については,特に学校の中で,留守ないしは留守でないにかかわらず,授業が終わった後,お互いに誘い合っていくことができるし,そういった中で,異年齢といいますか,異なる学年が遊びを通じて触れ合うことができると。いろんな面で高く評価をし,この整備については大きな期待を寄せているわけでありますが,残り3年間で23館整備をしなければならないということでは非常に難しい,厳しいという感じがするわけであります。  そこで,質問なのですが,このミニ児童会館の現5年計画策定時,29館整備をしていくということと,この2年間といいますか,現状で何か違う要素といいますか,困難となる,あるいは障害となるものがあるのかどうか,あるいは出てきたのかどうか,その点,お聞きをしたい。あるいはこの計画の達成が可能なのかどうか。現時点での見解をお聞きしたいと思います。 ◎八反田 少年育成担当部長  まず,ミニ児童会館3館の整備理由ということでございますが,これら3館は,いずれも既設の児童会館の距離が遠いこと,それから交通量の多い幹線道路があることなどから必要性が高いものということで判断したものであります。  次に,それらの整備が,空白校区の解消につながるのかという点でございますが,白楊小学校と西岡小学校の2校については,留守家庭児童対策がない校区となりますので,解消につながるということになります。  もう一つの苗穂小学校につきましては,現在,留守家庭児童対策といたしまして,学校施設方式の育成会を開設しておりますが,これにミニ児童会館の整備にあわせて児童クラブに移行する予定でございます。  それから,3点目の5年計画との比較についてのご質問でございます。  この事業は,ご承知のように,余裕教室の活用を前提として行っております。留守家庭児童の状況や地域からのご要望などを総合的に判断し,必要性の高いところから整備を進めておりまして,5年計画2年次におきまして6館という状況にございます。  今後は,余裕教室の活用を基本としながら,振興住宅地など,留守家庭児童の急増が見込まれる地域などに着目いたしまして,必要性,緊急性をよく見きわめた上で,できる限り計画の目標値に近づけるよう努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆小野正美 委員  この留守家庭というか,放課後児童健全育成事業が,教育委員会から保健福祉局児童家庭部に移管をされて,ちょうど3年がたつわけでありまして,この間,まだまだ課題はありますけれども,非常に努力されてきていることを評価したいと思うわけであります。  利用時間を5時から6時に延長する,あるいは公民の共存を認め助成も行っていく,あるいは障害児の受け入れ,あるいは加算制度,それから直接来館と,さらには,運営の一元化などによって,意思の疎通なり意識の向上などに努力をされているという点があろうかと思うのです。しかし,ミニ児童会館について,これは今,答弁もありましたけれども,余裕教室の確保といいますか,これが前提になると。しかも,今,特に小学校には養護学級の開設,こういう要望やあるいはそういった必要性もある中で,このミニ児童会館の整備を進めていくということは,非常に大変なこともあろうかと思うのです。  しかし,特に,私ども手稲区などのように,人口もふえ,児童数もふえていくと,当然,そこは若い世代が多くて,留守家庭も多いわけでありまして,そういった地区における空白校区の解消というのは非常に急務なわけであります。  これを妨げる要因として,例えば,学校側の,いわゆる管理上の事情から抵抗があったり,あるいは余裕教室があるにもかかわらず,それが地域開放などというもとで,福祉のまち推進センターに使われていたり,あるいは体育館などもいろんな形で利用の制限がされているわけでありますけれども,やはり何といっても,学校施設というのは,子供たちにとっての施設でありまして,こういった子供たちの事業,とりわけこういった放課後健全育成やあるいは留守家庭児童に対するものとして,ぜひ活用されなければならないと思います。そちらの担当部局もいろいろと苦労され,努力をされていると思いますが,私どもも関係機関,教育委員会も含めて,今後とも努力をしていきたいと思いますので,これをお互い確認し合って質問を終わらせていただきます。 ◆青山浪子 委員  私からは,子育て支援の関係で2点と,児童虐待についてお伺いいたします。  まず,1点目として,子育て便利帳についてです。  昨年の決算特別委員会でも,子育て家庭が必要とする情報を一まとめにした子育て便利帳の作成について質問をさせていただきました。このたび,平成13年度予算案に盛り込まれたところであります。この便利帳を,子育てをしている家庭の役に立つものとするためには,保健,医療,福祉から教育に至るまで,子育てに関する情報を広く網羅すべきと考えます。そのために,どのような形で内容を検討していくのか,また,広く市民の皆さんに配付するには,例えば,子育てをするお母さんたちが多くいる保育園や幼稚園などの協力を得ることも有効と思われますが,配付方法についてどのように考えているのか,お伺いをいたします。  2点目は,子育て家庭支援サービス推進事業についてでありますが,厚生労働省のファミリー・サポート・センター事業を活用して,13年度より新たに実施する予定であることは,先般,我が会派の代表質問で,市長より答弁をいただいたところであり,子育て家庭の多様なニーズにこたえる新たな事業として,大変期待できるものであります。  同様の事業を既に実施している他都市では,事務局を公益法人などに委託している例が多いと聞いており,地域に密着したサービスを提供するには,区単位で事務局を設置することが有効ではないかと考えますが,事務局の運営方法及び区ごとの設置について,どのようにお考えなのか,お伺いいたします。  また,より多くの方に会員として参加していただくため,会員募集の方法も大変重要になると考えますが,この点については,どのようにお考えなのか,あわせて事業開始に向けた今の時点でのスケジュールをお聞かせ願います。  次に,児童虐待について,簡潔に質問いたします。  国においては,昨年11月に,児童虐待防止法が施行され,この問題に対して本格的な取り組みが開始されたところであります。本市におきましても,新年度予算に新規模事業として,児童虐待防止対策事業の850万円が計上されておりますが,初めに,その内容について,どのような事業を考えているのか,お伺いをいたします。 ◎平井 児童家庭部長  私から,子育てに関する2点のご質問について,お答えをいたします。  まず,便利帳でございますけれども,委員がおっしゃるように,幅広い情報というのが必要と考えておりまして,いわゆる関係部局で編集委員会のようなものをつくりまして,十分にその内容を検討し,13年度の早い時期に作成をしたいというふうに考えております。  また,その配付方法ですけれども,広く,確実に必要とする市民に行き渡るようにということで,保育所,幼稚園での配付,それから,例えば,母子手帳交付時等に配付ができないか,有効な配付方法を具体的に検討していきたいというふうに考えております。  2点目の子育て支援サービス推進事業でございますが,事務局の運営に関しましては,既に類似のサービスを実施して,ノウハウがございます札幌市在宅福祉サービス協会に業務の委託を予定しております。事務局の設置については,当面,1カ所のみを予定しておりまして,会員数や利用件数の動向などを見ながら,委員のご提言にもありました区等にも広げていきたいというふうに考えております。  それから,会員募集でございますが,5月ごろから始めまして,募集方法としては,まず,広報さっぽろを使いまして広く呼びかける。それから,保育園,幼稚園,類似のサービスをしている非営利団体などにも働きかけて,広く会員募集をしていきたい。また,サービス提供については,ことしの夏ごろをめどに作業を進めたいというふうに考えております。 ◎竹内 児童福祉総合センター所長  児童虐待防止対策事業費の内容について,お答えいたします。  一つには,児童相談所の体制強化を図るために,虐待業務に専属的にかかわる虐待対応協力員と,それから一時保護所に,最近は被虐待児の入所が増加してきておりますことから,一時保護期間中の子供の心のケアを担当する心理職員の2名を非常勤職員として配置する人件費,約580万でございます。  二つ目には,児童虐待予防・防止連絡会議というのを設置しておりますが,これの拡充であるとか,各警察署との定期的な会議の開催,それから児童虐待予防地域協力員の拡大等に関する関係機関との連携強化費用として約49万円。  それから,三つ目には,医療機関や虐待防止の活動を行っている方々に配付をいたします,虐待対応マニュアル,活動手引き書,それから,虐待事例集等の作成を考えておりまして,この予算として222万ほどを計上しております。  以上でございます。 ◆青山浪子 委員  ただいまの答弁では,事務局の運営は,在宅福祉サービス協会に委託するとのことでしたが,同協会が従来から行っているすくすくサービスと,新事業で取り組むサービスはほぼ同じ内容と考えられます。事務局を在宅福祉サービス協会に委託したときに,従来からある同協会のサービスの扱いはどのようになるのか,お伺いをいたします。  児童虐待については,児童相談所の体制強化と連絡会議の充実が挙げられておりましたが,この会議は,昨年7月に第1回の会議が開かれています。そこで,この会議のその後の活動とあわせて,区単位の防止ネットワーク会議がどこまで進んでいるのか,お伺いをいたします。  2点目として,虐待防止法ができて,虐待を未然に防ぐという入り口の整備は進んできていますが,私は,虐待を受けた児童の心のケアや虐待をしている親へのカウンセリングなど,出口の対応にも力を入れていかなければならないと思っております。そこで,この点についての取り組みをどのように考えていらっしゃるのか,お伺いをいたします。 ◎平井 児童家庭部長  在宅福祉サービス協会では,すくすくサービス事業というのを現在やっておりまして,子育て家庭支援推進事業はこの夏ごろのスタートになるので,既に事業を選考しておりますので,今年度については,並行した形になっていくと思いますが,事業が定着していけば,将来,この児童家庭支援サービス推進事業の中に取り込んでいくものと考えております。 ◎竹内 児童福祉総合センター所長  札幌市児童虐待予防・防止連絡会議についてでございますが,関係機関が積極的に情報を提供し,共有する,そして,共通の認識を持つことが虐待の防止に重要というふうに考えております。そういうことで,この連絡会議を設置したわけでございますが,当会議につきましては,年間2回の開催を予定しておりまして,今年度は第1回目を7月23日に,これは中身的には,児童虐待防止法の新設,要点を中心とした研修と意見交換を行ったところであります。  次回につきましては,今月末に,各関係機関や団体の活動状況の報告をいただく,それから具体的な虐待事例を取り上げての研修を実施するように考えております。  それから,各区の児童虐待予防・防止ネットワーク会議でございますが,各区の保健センターが中核となっておりまして,地域の子供に関係する機関や団体の方々を構成委員としまして,地域に密着した児童虐待のネットワークづくりを進めております。現在は,全区で設立をしておりまして,実務者による検討会議を開催し,虐待や虐待のおそれのある親子への具体的な支援・援助活動が展開されております。  虐待児へのカウンセリング,虐待者である保護者へのケアでありますけれども,親子で児童相談所に来所していただき,児童福祉司,心理判定員による助言・援助,医師によるカウンセリング,それから,もう一つの方法としては,児童相談所職員が家庭の方に出向く,家庭訪問によるケア,精神保健福祉センターでの相談,市内の病院等への受診の指導を行っております。  さらに,新年度からは,精神科医師を委嘱しまして,児童相談所の中で児童虐待者のカウンセリングを強化していきたいと考えております。  以上でございます。 ◆青山浪子 委員  最後になりますが,ファミリー・サポート・センター事業は,在宅の子育て家庭の方も利用できるサービスということで,この事業に対する地域の期待も大変に高まっております。より多くの方が会員として参加し,子育て家庭に広く利用されるサービスとなるように,PRには特に力を入れていただくことを要望して,終わります。 ◆岩村よね子 委員  私からは,児童虐待防止対策の体制強化で,親の心のケアにかかわって質問したいというふうに思います。  ただいまご答弁にもありましたけれども,今年度の新規事業850万円の中身が,非常勤職員2名の配置とその他,虐待防止マニュアル作成と啓発活動などということなのですけれども,全区で虐待防止ネットワークが立ち上がったことによって,本当に早期発見の機会が,今後ますますふえていくだろうというふうに思います。社会的な要因からも,本当に全国的に虐待がふえておりますし,札幌市におきましても,この5年間で約2倍というふうに,今後のことがすごく心配になってくるわけですけれども,内容としては,いただいた資料では,虐待者が実母であるというのが,本当に年々ふえてきているというふうな数字で,この3年間で45.7%から65%と,20%以上の増で,実母が虐待者になっているというような数字なのですけれども,再発予防という点で,今後ともいろいろなところで取り組みが進んでいくというふうに思うのですが,家庭に戻る子供たちが75.2%ということで,本当に家庭の中での再発予防という点では,親のケアにもっともっと力を入れていく,光を当てていくというふうな対策が急がれると思うのですが,先ほどのご答弁でもいろいろありましたけれども,もっともっと有効な,親に深くかかわれる専門的な取り組みが必要だというふうに思います。東京都では,同じ体験をして同じ苦しみを持つお母さんたちがグループで集まり,お互いの体験を話す中で心がいやされて立ち直っていくというふうな取り組みもあるというふうに聞いていますし,親のケアを具体的に進めていくのかということを,もう一度お伺いしたいと思います。 ◎竹内 児童福祉総合センター所長  先ほどもお答えを申し上げましたが,特に虐待をする保護者に対するケアというのは,問題解決の第一であろうというふうに思っております。  ただいまも答弁申し上げましたが,そういう保護者というのは精神的にいろんな問題を抱えているという方が大変多うございますから,そういう方については精神科の医師の診断を進めるとか,それから,本市の精神保健センターでの相談を進める。各区とのネットワークを通じて保健センターとの連携,また,それぞれのセクション,生活保護であるとか,福祉の関係であるとか,保健婦さんであるとか,そういう直接事務に携わっている方との連携をさらに強めていって,そういうことで親の精神的な回復に努めてまいりたいと,そんなふうに考えております。 ◆岩村よね子 委員  ただいまお答えがありましたけれども,虐待の重症度が非常に高い,ひどい虐待を繰り返す親ほど,自分から治療に結びつこうとしないというふうな各地の専門家の指摘もあるわけです。また,親への接近という点では非常に難しい側面がたくさんあるというふうに思います。児相に本当に簡単に来てくれるかなというふうな点でも,ケアに結びつくまでのいろいろな地域でのかかわり合いが本当に大事になってくるというふうに思います。  今,所長さんからご答弁がありましたように,保健センターの役割が大きいというふうなお話でしたけれども,児相が発行しております虐待予防地域協力員活動ハンドブックの中を見ましても,本当に保健センターが家庭に入りやすいというような実例として,乳児健診などのさまざまな機会から,保健婦だったら家庭に介入しやすいというふうな面から,保健センターの役割というのは,本当にこれからも大事になってくるなと,私は読んでいたのですけれども,そういう点で,非常に難しい専門的なかかわり合いを要する児童虐待の取り組みが,今年度非常勤2名の配置ということでいいのかなというふうに問題に思っております。  児童福祉司さんがいろいろな連絡調整をして,今度は,非常勤で配置されている職員の人たちとも協力し合い,いろんなことを進めていくのでしょうけれども,児童福祉司の配置が札幌市では,政令市の中でも最低ランクで,他都市に比べて本当にふえていない。最低ランクに位置づけられているという点では,もっともっと児童福祉司を児相に常勤職員としてふやしていく,加配していくということが必要だと思いますし,さらに,地域に密着している保健センターで,本当に頑張ってこの児童虐待問題にも取り組まれている保健婦さんの増員なども,今後,ぜひ視野に入れていくべきではないかなというふうに思っておりますので,そのあたりの,本当に手厚い人員配置という点では,舘美保健福祉局長にお伺いしたい。人員配置についてどのように考えているか。非常勤でいいのかどうかということをお伺いしたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  いわゆる児童相談所における体制強化をもっと図るべきではないかという趣旨だと思いますけれども,虐待件数はますます増加していくと予想されております。そして,このたび児童福祉司の増加に加えまして,2名の非常勤職員を配置することにしたということで,これまで以上に体質の強化が図れたと,こう思っておりますけれども,なお,児童福祉司の配置につきましては,配置基準の見直しが今後予測されますので,その都度増員,あるいは今後とも保健福祉局全体の事務執行の見直しも含めて,大幅な改善を検討する中で,充実強化に努めてまいりたいと,こう思っております。 ◆岩村よね子 委員  本当に毎日のように児童虐待の痛ましい報道があって,多くの人たちが心を痛めているというふうに思うのですけれども,行政の対応が不十分なために,子供の犠牲者をこれ以上出してほしくないなというふうに本当に思います。ここで保健センターの保健婦とか,児相がしっかりかかわっていれば,子供の命を落とさなくて済んだのになというふうに思う報道もたくさんあると思うのですけれども,行政ができることは一生懸命行政が行っていく,そういう姿勢を強く持ちながら,今後の体制強化を図っていただけるように要望いたしまして,質問を終わります。 ◆恩村一郎 委員  私の方からも,この児童虐待について,青山委員それから岩村委員の質問と重複しない形で,端的にご質問したいと思います。  まず最初に,ちょっと原点に戻って,札幌市における児童虐待問題の実態を市はどのように把握されているのか。この点について,まず1点お伺いしたい。  それと同時に,先ほどからセンター等の体制の強化という話もあるのですが,実際問題,幼稚園ですとか保育園,児童会館,そういったところに来られているお子さんを職員が見て,児童虐待を発見するケースは非常に多いというふうに聞いています。そういう部分で,そこにいる職員の方たちに,虐待を早期発見するための研修的なものを市の方で積極的に進めていけば,センター等を強化する前に,児童虐待の一つのサポート的な役割としてできるのではないかというふうに考えるのですが,その点についていかがでしょうか。 ◎竹内 児童福祉総合センター所長  1点目の児童虐待の実態について,お答えいたします。  児童相談所が,児童虐待ケースとして取り扱った件数は,平成9年度が81件,10年度が125件,11年度が137件と,年々増加をしてきております。虐待の内容や,主な虐待者と被虐待者の年齢構成を平成11年度で見てみますと,ただいま申し上げた総数137件のうち,身体的虐待が47件,心理的虐待が8件,性的虐待が7件,ネグレクト,いわゆる養育を放置するというようなネグレクトが75件となっております。  主な虐待者でございますが,実母が89件と,全体の65%という高い数値を示しております。また,児童虐待を受けている児童の年齢というのは,乳幼児が65件で全体の47%,それから,小学生が55件の40%となっております。  これらの状況から判断いたしますと,精神的,家庭的に不安定な比較的若い母親が,子育てに苦闘して子供を上手に育てられず,そしてもてあましている。そういうストレスが子供に虐待という形で向けられる傾向があるのではないかと,そんなふうに思っております。  それから次に,一番幼児の虐待を発見しやすいのは,保育所であるとか幼稚園ということになるわけでございます。これらの施設の職員の研修ついてでございますが,これらの職員が虐待に対する正しい知識を持っていただくことが大変大事というふうに理解をしております。  今後とも,さまざまな機会をとらえまして,虐待に関する研修会を,私どもが積極的に働きかけて,実施をしていただけるように考えていきたいと,そんなふうに思っております。  以上でございます。 ◆恩村一郎 委員  私がちょっと聞いた例ですと,やはり保育園に迎えに来られたお母さんは非常にいいお母さんだと。ところが,ある日子供を見てみると,とんでもないあざだとかがあって,後でよくよく聞いてみると,やはり子育ての中での一つのストレスが,子供に対して虐待という格好であらわれてしまったと,そういった例も聞いております。そういった意味で,本当に保育園ですとか幼稚園ですとか,そういう一番最前線のところで,ちょっとケアができる,心のケアも含めてできると随分変わってくるのだろうなと思います。  働いているお母さんたちというのは,センターなどに直接行く時間というのをなかなかとれないというケースも随分あると思うのです。それを,いわゆる水際で,職員がちょっと対応をとれれば,そこで未然に防げるという例は随分あるのではないかというふうに考えている次第なのです。  それと同時に,対応マニュアル等をおつくりになって配られているということを,先ほど伺いましたけれども,そういう中で,きょうは財政の方も来られていますけれども,今回の850万円という予算で,これで十分なことができるのかということについて,1点だけ,最後にお伺いしておきたいと思います。 ◎竹内 児童福祉総合センター所長  児童相談所の体制強化,それから関係機関,団体との連携をする会議等の強化,マニュアルを初めとした啓発活動の小雑誌等の作成というふうなことで,一応,一連の経費を計上することができましたので,これですべてとは言いませんけれども,ある程度のことはやっていけれるというふうに思っております。  また,今後とも,虐待の防止対策に一層努力をしていきたい,そんなふうに思っております。 ◆山口たか 委員  私からは,大きく4点ほど伺いたいと思います。  1点目なのですけれども,代表質問でも伺いましたが,子育て支援についての経済的負担についてです。これはさまざまなアンケートからも,少子化の要因としての経済的負担感というのが調査結果からも明らかですし,札幌市が昨年2月にまとめました少子化に関する調査でも,経済的負担の軽減が96%という数字になっていますし,教育費の軽減も95%と,ともに圧倒的上位に経済的負担の除去というものが挙げられているわけです。  また一方,子育てについて楽しいと感じるときもあれば辛いと感じるときもあるが58%,楽しいと感じるときの方が多いというのが30%で,辛いときの方が多い人が5%と多くはありませんけれども,辛さの原因としては体力,根気,自分の時間がなくなるなどを挙げる人が多く,全体的に子育て支援策の不足感というのがアンケートから読みとれるわけなのです。  札幌市はいろんな場面で言われておりますが,1.05と合計特殊出生率がさらに低下して,大都市の中でも最低水準できているという中で,何とかこの施策を充実させなくてはいけないだろうということは,皆さん共通の認識だろうと思いますし,そのことで,現在,社会福祉審議会の少子化対策専門分科会で検討中ということは十分承知をしております。  そこで,経済的負担とは一体どれぐらいだろうかということで,代表質問で伺いましたら,生まれて小学校入学まで在宅で過ごすと330万円,幼稚園で400万円,保育園で390万円ということで児童家庭部で試算していただいたお答えがあったわけですけれども,1人でこの額ですから,2人目,まして3人目というのはすごい決断がいるのだなという感じを印象として持ちました。  それに対して,いろんな形での公的支援ということが必要になってくるわけですが,では公費というのはそれぞれの保育形態に応じて一体どれぐらい投入されているのかということが,負担を減らすための一つの目安として考える指標になるのではないかと考えるわけなのですけれども,この公費の投入がどれぐらいなのか,それぞれの保育形態別に,まず伺います。  それから,3年間で少子化対策臨時特例交付金22億円が出ておりまして,これは主に保育所の待機児童解消に使われたということでございますけれども,保育所以外の部分では,一体どれぐらい活用されたのかということをお尋ねしたいと思います。  さらに,新年度で最終年度になるわけですけれども,この残った交付金の使い道についてもお尋ねをしたいと思います。  以上が1点目,経済的負担についてです。  それから,2点目です。これも代表質問でも申し上げましたが,保育一元化についてということでお尋ねをしたいと思います。  少子化の進行で,集団で行うことで成果が上がるようなものがほとんどできなくなっている地域もあるように聞いておりますし,学校の場面では1学年2クラスというふうになってきますと,例えば,合唱コンクールができない,2クラスではコンクールにならないとか,円山でやっていた陸上競技大会がもうできないとか,おもちゃ産業が衰退していくとか,子供服が売れなくなるとか,子供が減ってきたことの影響がいろんな形で出始めて,これはいずれ経済にも大きな影響が及んでくるのだろうなという感じがするわけなのです。  その中で,一方では,働く女性がふえて保育所のニーズが非常に高まり,今年度1月現在の待機児童数は,いただいた資料によりますと890人というふうになっております。保育所に入ったお子さんなんかを見て,やっぱり自分も預けて働きたいという方がどんどんふえまして,待機児童を解消しても,またさらにニーズが発掘されるということで,どんどん入所希望がふえてくるということがあるかと思います。
     既存の保育所の増築とか新築なども必要ですけれども,一方で,既存の施設として幼稚園などの活用ということも国では考えているようなのですが,その辺で,いわゆる幼保一元化は,現実にどのような状況になっていて,延長保育,預かり保育,幼稚園における預かり保育の実態というのはどういうふうになっているのか,調査などがありましたらお示しいただきたいと思います。  それから,3点目ですけれども,子供の権利条例についてお尋ねをしたいと思います。  桂市長は折り返し点に入りまして,私どもも市長公約を一つ一つ点検をさせていただいております。自治基本条例などについての議論も始まるということですし,オンブズマン制度はスタートいたしました。公的達成が少しずつ進んでいるということは評価をいたしますが,この子供の権利条例につきましては,公約の中で市民議論をやっていきたいということがございますので,質問いたしました。条例なり議論を高めていこうというお答えはありましたが,具体的にどういうふうな形で市民の議論を喚起していくかというような施策が見えておりませんので,その辺についてお尋ねをしたいと思います。  それから,最後ですけれども,児童福祉総合センター,児童相談所に関しまして,先ほどから虐待の質問がたくさん出ておりますし,一時保護や虐待が増加ということも所長からお答えがございました。  私は,3定のときに家庭内暴力の夫から子供と一緒に逃げてくる親子がいるけれども,道立女性援助センターが満員で,しかも,子供を預かるような形になっていないので,母子分離で,親と乳児が道立で,子供が児童相談所という例を引きまして,何とかDVの駆け込みの部分でも,児童相談所を活用できないかというふうに提言を申し上げました。  特に,3階,4階の発達医療センターが完璧には使われていなく,活用が不十分である,もう使われていないという言い方が正しいかと思いますけれども,97年以降に入所,入院で早期療育を受けようという方は,97年で6人,それ以降は閉所しているということで,もとの肢体不自由児母子訓練センター,現在は発達医療センターですが,全体で2,200平米のここがあいていると。児童相談所が2,543平米でして,そこでここを活用できないかということで質問をいたしましたけれども,その後,どのように検討されたのか。DVのシェルターとしての活用はできないのかどうなのか,お尋ねをしたいと思います。それから,このあり方にもついても,どのようにお考えか,お尋ねをしたいと思います。  とりあえず,四つですね。 ◎平井 児童家庭部長  私から,最初の2点についてお答えをいたします。  まず,子育て支援の関係でございますが,一般の在宅家庭,幼稚園入園,保育所入園,3形態それぞれで,どの程度の公費が年額で投入されているのかということですが,私ども保健福祉局所管の事業予算のうち就学前の子供にかかる予算,それを12年度ベースで集計をいたしました。例えば,子育て支援費とか児童手当,それから乳幼児健診の費用等々集計をいたしまして,就学前児童9万3,457名,これで割りましたのを共通部分ということで算出しますと,在家庭においては児童1人当たり10万7,973円ですね。それから幼稚園では,幼稚園の運営経費を入園児童数で割りまして,これに在家庭の10万8,000円や入園費の補助金等をプラスをしますと,1人頭34万6,520円。それから,認可保育所の場合も同じような計算をしまして,138万296円と。文化施設とか体育施設,公園などそういうものは入れてはいない,とても粗い計算ですけれども,公費投入ということで,一応,私どもの目安としている数字が以上でございます。  それから,特例交付金の22億円のうち,いわゆる保育所経費を抜かしてどの程度かということでございますが,平成11年度決算,それから12年度予算,それから13年度予算案,これを集計しますと,いわゆる子供たちにかかわる経費というのは保育所経費,幼稚園の整備費等を除きますと6.4%,金額にして1億4,000万ほどになります。  それから,13年度の特例交付金の使途でございますけれども,保育所整備に4億4,000万円,それから子育て便利帳作成として230万円,子育てフェスティバル開催経費として200万(41ページで訂正),子育て環境対策,いわゆる乳児用チャイルドシート貸し出しのための費用として1,900万円を計上しております。  それから,幼稚園における預かり保育の状況でございますけれども,札幌私立幼稚園連合会の調査によりますと,私立幼稚園133園中91園において預かり保育をやっていると聞いております。  以上でございます。 ◎八反田 少年育成担当部長  3点目のご質問についてお答えを申し上げます。  私どもといたしましては,子供の権利を守るための取り組みに当たりましては,まず,子どもの権利条約の趣旨,内容を広く市民の皆様にご理解いただくことが大切であると考えておりまして,平成6年に子どもの権利条約が国において批准されましたことを受けて,平成7年度から小・中学生に向けた普及啓発活動を続けてまいりました。今年度につきましては,いじめと虐待をテーマとするアニメ映画の上映を通じて,子供の権利の大切さを広めるとともに,条約の趣旨を掲載したノートを作成いたしまして,さまざまなイベントの中で配付し,子供たちの関心を引きつけるよう努めてまいりました。  新年度におきましては,オリジナルの脚本による人形劇の上演を予定しております。子供と大人が一緒になって,子供の権利の大切さを考える一つの契機としていただきたいと考えております。今後とも,さまざまな機会をとらえて普及啓発活動を効果的に進める中で,市民の皆様の論議を高めていただく方策をさらに検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎竹内 児童福祉総合センター所長  児童福祉総合センターの空き部屋をシェルターとしての活用というふうなお尋ねでございます。  確かに,児童福祉総合センターの3階と4階は,発達障害児の診療施設,療育訓練室,それとご指摘の入院室が6部屋設置されておりまして,これらは診療所としての届け出がなされております。シェルターが比較的短期間の利用であるにせよ,利用者の,とりわけ子供にとっては生活の場になるわけでございますし,この建物の構造上から部外者の出入りチェックがなかなか難しいということもあります。  それから,3階,4階というのは,身体に障害を持つ乳幼児が中心となった診療所でございますので,利用するお子さんの行動上の制約というのは当然かかってくる,そんなふうに考えます。  それから,火気の取り扱いであるとか,夜間の緊急対応であるとか警備などという,そういう施設管理面での課題が多くて,仮に緊急,臨時的な利用としても,ちょっと転用は困難というふうに考えております。  それから,空き室があるということで,発達医療センター全体のこれからというふうなお尋ねであろうかと思いますが,肢体不自由児が母親と一緒に入院して訓練を受ける,そういう当初の目的がだんだん変わってきました。いわゆる交通手段が多様化したこともありますし,通所による訓練が可能になったということもあります。それから,あわせて地域の療育機関もどんどんできてきた,そんなふうなことによって,市民ニーズが変化し,現在は,母子入院の希望がないということであります。  そこで,現在は,従来の小児整形のほかに,歯科,眼科,耳鼻科,これらの診療も広げておりまして,外来の受診者にこたえているところでございます。さらに,難聴幼児の通院での訓練,それから医療的看護のもとで集団生活の訓練を行う必要のある1歳半を中心とした乳幼児の保育訓練,それからなかなか診断名がつかないというような複雑な障害を持つお子さんの保護者の方の相談,ケアなども発達医療センターでは行っております。  先ほどこの母子入院室が全く閉鎖されているというふうに言っておられましたけれども,いろんな形で活用を図っているところでございます。この発達医療センターにつきましては,今後とも,本市における障害児の診療訓練の中核機関として充実を図っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆山口たか 委員  1点目の経済的負担についてですけれども,在家庭ですと10万円,幼稚園が34万円で,認可保育所が138万円ということで,親の立場としては保育所についても,今,数も足りない,もっと内容も充実してほしいという要望がたくさんありますが,一方で,行っていない子供たちと10万円ということですから,やっぱりもっと在宅の親子に対する支援というのがバランスの上からも必要ではないかと考えているわけなのです。先ほど,ファミリー・サポート・センターについてのご質問がありましたし,ご答弁も伺いましたけれども,その中で,一つ,ファミリー・サポート・センターは,在宅にも対象が広がったということで期待を申し上げたい。子育て家庭支援サービス推進事業という長い名前ですが,この事業には期待をしたいというふうに考えています。そこで,再質問させていただきます。  新年度,子育てフェスティバルなどで,保育園以外の予算として計上されているようですけれども,これは,どのようなやり方で行おうとしているのか。例えば,子育てにかかわるNPOなんかも全部含めた感じでのフェスティバルというようなイメージが,私は,今,ご答弁を聞いて浮かんだのですけれども,そういうことも含めていろんな保育資源,子育て資源が一堂に会すような形でのフェスティバルだったらば,子育て中の若い親にはとてもいいかなというふうに思うのですけれども,このフェスティバルについていかがか,お尋ねをします。  それから,先ほどの中で,触れられなかった部分ですが,ファミリー・サポート・センター事業についてですけれども,在宅福祉サービス協会に委託をするということで,既に同様の事業を行っているノウハウがあるということだったのですが,在宅福祉サービス協会の事業計画を見ますと,確かに,子育て援助すくすくサービスというのがありまして,計画では年間1,200世帯に6,000回サービスを行う計画になっております。  半年間での途中経過での計画達成度をサービス協会からいただきましたら,目標は1年間1,200世帯ですけれども,半年で12世帯の派遣です。達成率1%ということですね。これは,私は,ノウハウがあるとか実績があるというレベルではないのではないかなというふうに言わざるを得ないのですけれども,PRとかそういうことも含めて,1%では事業というふうに言えないのではないかと考えるのですが,その辺でノウハウがあるとか,そういう認識についてはいかがかなというふうに思うわけなのですが,それについてお考えを伺いたいと思います。  それから,価格設定,サービス協会は1時間800円の利用料になっておりますが,ファミリー・サポート・センターはどれぐらいの価格でおやりになろうとしていらっしゃるのか,お尋ねします。  それから,これは,親が保育者のところまで子供を連れていくということになっているようなのですけれども,それはなかなか難しいのかなと。NPOなんかに聞きますと,出張託児で,例えば親が病院へ行ったりする間,保育者がそこのお宅へ行って,預かるというニーズの方が多いように聞いています。その辺では,預ける人が保育士の家に連れていくのと,逆に,保育をする人が家まで行くのと,両方活用できるのかどうなのか,お尋ねをしたいと思います。  それから,既に先行してこの事業をやっているほかの自治体の実態なんかを調べますと,依然として,職業を持っている方のためのサービスという意識が強くて,なかなか利用が伸びていないというふうなことも聞いております。土曜・日曜の対応などはどうなっているのか。あわせまして,緊急な場合や,保育者が毎回毎回かわる不安があるという声も聞こえますので,その辺の対応についてどうお考えか,お尋ねをしたいと思います。  それから,預かり保育のことですけれども,133園中91園が既に預かり保育をやっていると。そういう実態ということでございましたけれども,これは幼稚園は教育委員会の所管ということですから,なかなかその辺の連携が難しいのかなと思いますが,昨年3月の保育の規制緩和,それから3月31日には,文部省から社会福祉法人でも幼稚園を認めるということで,事実上垣根が取り払われたという中で,このまま私立幼稚園は幼稚園でどうぞやってください,保育は保育ですということではなくて,やはり児童家庭部なりが,この現状を把握して,どうやって子供の最善の権利を保障していくか。どの子も親が働いているかいないかではなくて,どのような形で保育の一元化を保障していくかという観点から,やはり積極的に検討をすべきではないかなというふうに考えるのです。このまま手をこまねいていない方が,私はいいと思います。  保育園の場合は一日8時間を基本ということでできている中で,幼稚園の場合は,一日4時間を基本としています。そういう施設でしかないわけですから。やはり幼稚園が長時間子供を預かるということについてのいろんな問題点もあろうかと思います。その辺については,ぜひ,児童家庭部がリーダーシップをとって,この問題を積極的に検討していっていただけないかなというふうに考えるわけなのですけれども,その辺についてのお考えと,それから,積極的にこれをやっている自治体の事例などがありましたら,ご紹介をいただきたいと思います。  それから,権利条例についてですけれども,子供たちにいろんなパンフレットを,小学校4年生と中学校1年生に配付をしていることなんかも十分承知をしておりますけれども,川崎市の事例なんかですと,やはり子供も参加をして,200回にわたる会議などを重ねる中で条例をつくっていったということなのですが,私は,そのプロセスがとても大事だというふうに思います。子供に冊子を渡すだけではなくて,いろんな議論の中で市民全体,大人全体にこういう子供の権利というものがあるのだと,重要なのだという認識が広まる,その経過というものも非常に大事だと思うわけです。そういう意味で,このようなものができて,すべての子供に配られることで,とっても自信がわいてくるとか,自分には意見を表明する権利があるのだ,安心して生きる権利があるのだということを子供に知らせるとともに,親にも知らせるという,そういう効果があると思うので,これからもさまざまな場面を通じて,権利意識の醸成に努めていきたいということでございました。ぜひ,これは市長公約ですから,条例化の方向も含めて,これは児童家庭部だけでは多分お答えできない,市長なりがトップダウンでやるということを決断しないとなかなか動いていかないのかなという認識を持っておりますので,公約の達成ということを含めて,これは大長助役にお答えをいただきたいというふうに思います。 ○大西利夫 委員長  答弁は簡潔に。 ◎大長 助役  市長は,かねがね公約の実現には力を入れているところであります。あと2年の残りがありますので,ご質問の件については,その間に公約の実現に向けてご努力をされるというふうに思っております。 ◎平井 児童家庭部長  まず,子育てフェスティバル事業でございますが,先ほど,私,ちょっと上がっておりまして,予算は200万円,ゼロが一つ多うございましたので,訂正を願います。  それで,今,基本的には,11月に生涯学習総合センター「ちえりあ」で事業を実施したいと。それから大まかでございますが,特に,日ごろ子育てにかかわりの少ないお父さんを引っ張り出したいと。それから,小学生,中学生,高齢者まで,いろんな世代の交流ということで考えております。まだ中身は具体的に詰めておりませんので,今,委員のご提案のありましたいろいろな団体等も入れて,有意義なものになるように詰めてまいりたいというふうに考えております。  それから,ファミリー・サポート・センター事業は,在宅福祉サービス協会に委託ということで,この事業が,これまでは就労者が対象ということでしたが,特に,今年度から一般在宅の家庭も対象というように,新しい事業で対象者を新しくした事業でございます。そういう意味では,他都市の先行した事例は,働いている人が対象でしたので,土・日の扱いとかをそういう扱いにしていないという実績だろうと思います。  今後,対象が,一般在宅家庭も含めてということですので,いろいろ他都市の例を見ながら,いろんなご提言等もございましたので,それを頭に入れながら,ぜひ,それぞれの家庭支援になるような制度にしていきたい,いい制度にして実施をしていきたいというふうに思っております。  それから,幼保の保育一元化ということでございますが,他都市の例としては横浜市における市立幼稚園が運営する横浜保育室とか,あるいは道内では,様似町の幼稚園と保育所の隣接例,そういったものをいろいろ情報として得ております。私が自分自身で視察をしたものでは,東京都の千代田区の例を申しますと,小学校の老朽改築にあわせて,その利用に当たっては,小学校ばかりでなく幼稚園,保育所,男女共同参画センターなどを入れる複合施設として立ち上げようということで,幼稚園と保育所が隣接しておりました。このやり方は年齢区分方式ということで,保育所はゼロ歳から2歳まで,そして3歳以上は幼稚園ということで,この幼稚園は一般の幼稚園の時間のほかに,前後に長時間保育というのを設けてやっている形で,保育所からこの幼稚園に行く,あるいは他の保育所に移るというのは,それぞれ利用者の自由ということで,ほとんど90%がこの幼稚園に引き続き行っているという事例を見ております。  私ども保育所では,待機児童を多く抱えていますけれども,一方,幼稚園の方では定員割れを起こしているという中で,いずれにしましても,いろんな施設がこの就学前の児童をどういうふうに役割分担をしながら受け持って,児童の健全な育成を図っていくかということは大きな課題ですので,教育委員会とも引き続き連携をとりながら,そのあり方を探っていきたいと思っております。(「金額のほうも。いくらで設定をされていますか」と呼ぶ者あり)  ファミリー・サポート・センターの金額ですが,他の政令市の例等によりますと,通常の時間帯であれば,時間700円から800円というところですので,この辺の数字を参考に,私どもも金額を設定していきたいというふうに考えております。 ◆山口たか 委員  長くなりましたので,もう徐々に終わりにしたいと思いますが,子育てフェスティバルを含めて検討をしたいし,期待を申し上げたいのですけれども,幼保の一元化につきましては,たしか99年ですが,3歳児になったら幼稚園はいつでも入れるというふうに文部省が言いまして,その年齢というのは,保育所で言えば2歳児クラスで,保育士と子供の比率は6対1ですよね。幼稚園だと,同じ2歳でも35対1という場合もあり得るわけです。そういうことは,やっぱり子供にとってどうなのかという観点で,本当の意味での保育一元化ということの検討をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  それから,権利条例についてですが,すぐできることとして,先ほど来虐待の話がありましたし,いじめについても,札幌市教委に尋ねましたら1,300件くらいで推移しているように聞いておりますけれども,子供たちが家にこんなものを持ってまいりまして,「勇気を出して電話しよう」という子供電話相談のカードなのですが,街で配られている「無理はしないで聞かせてね。一人で悩むのもうやめよう」とか,それからコンサドーレの写真で「いじめのこと何でも相談しようよ」と,いろんな形のカードがあるのです。裏を見ますと道の教育研究所があったり,道警があったり,または札幌市教育研究所があったり,札幌市児総があったりと,ばらばらであります。しかも,ほとんどが平日の9時から5時,大体平日の昼間は子供は学校へ行っている時間なのですよね。なかなか電話というのはかけられないのですけれども,唯一羊ケ丘養護園が24時間対応で相談を受け付けているということなのです。また,いきなり,ここに北海道警察本部と書かれるとなかなか電話もできないとか,それからひらがながふっていないと小さい子は読めない,低学年では読めない漢字もあるのではないかと感ずるわけなのです。これをもう少し一つにまとめて,相談の選択はいろんなところがあるのだというような形で作成し,人権侵害から守る一つの手だてとして考えられないかなというふうに思うのですけれども,それについていかがか,最後にお答えをいただきたいと思います。  それから,児童相談所につきましては,これは要望になりますけれども,発達相談とかも非常にふえていって,場所がなくて廊下やロビーでという,立ち話の場合もあるやに聞いておりまして,その中で医療機関の部分を何とか活用できないかなと。DVが無理であれば,その辺のところでも既存施設の活用ということでご検討いただけないかなと,これは要望にしておきますけれども,これについてお答えをいただきたいと思います。 ◎八反田 少年育成担当部長  ただいまのご質問でございますが,私どもも,子供と相談の機関がきちんとつながっていくということは大切であると考えておりますので,いろいろあるものを一つにまとめることで,あるいは平仮名をふったりすることでお役に立つのであれば,それを一元化し,簡単なリーフレットを作成して,配付をしてまいりたいと考えております。 ◆長内直也 委員  私からは,保育所の待機児童対策についてお伺いしたいと思います。  全国の数字で見ましても,昨年の4月1日現在3万3,000人ということで,依然として保育の需要が増加しているということであります。本市におきましても,この5年計画におきまして,定員増705名を計画して,初年度405名という施設整備が行われると聞いております。  まず,質問なのですけれども,ことしの1月の待機児童が890人と,先ほども話に出ていましたが,その内訳,区別,年齢別,それから現在の保育の状況について,まずお伺いしたいと思います。  それから,平成12年度におきまして,保育所の整備として,405名という整備が行われていまして,先日の代表質問でも,おおむねこの4月には待機児童の解消が図られるということでありましたけれども,施設整備の現在の進捗状況について,お伺いをしたいと思います。  それから,さらに,年度当初の待機解消が図られたといたしましても,5月,6月,7月と,当然子供が生まれてくるわけですから,月が進んで待機児童が出てくるということがあるわけですけれども,年度途中の解消についてどのように考えているのか,この三つについて,まずお伺いしたいと思います。 ◎平井 児童家庭部長  890名の内訳でございます。まず,区別でございますが,北区が202人で最も多く,以下,西区160人,白石区131人,手稲区が105人というふうになっております。次に,年齢別の内訳でございますけれども,3歳未満の低年齢児が530名,3歳以上児が360名というふうになっております。この待機されている児童をだれが見ているかということでございますが,母親が見ているというのが67%,認可外保育施設が16%,祖父母が12%となってございます。  施設整備の進捗状況についてては,この12年度は,新設2カ所,改築等11カ所,計13カ所の整備を進めておりますが,既に整備が終わり,開園した施設もございまして,この4月には,計画どおり405名の定員拡大が図られるものと考えてございます。また,年度途中の解消につきましても,この4月の整備後の需要状況等を見ながら,必要な対策を考えていきたいというふうに考えております。 ◆長内直也 委員  年度途中につきましては,明快な答えがありませんでしたけれども,その解消について積極的に進めていただきたいと思います。  それから次に,定員外入所についての質問であります。1月現在の定員外入所は1,547人というふうにお聞きをしております。この分は,定員があって,それを超えている分ですから,待機と同じような考え方も一方でできるわけでありますけれども,この定員外入所の位置づけと対応についてお伺いしたいと思います。  それから,もう1点は,認可外施設への助成についてなのですけれども,実は,先日,横浜市の認可外保育施設であり,市から助成を受けている,横浜保育室の事業をちょっと見てきました。実際に保育室を見学させてもらったのですけれども,そこは,夜の10時まで時間外の延長保育をしているというところで,非常に熱心なところでありましたし,実際に声を聞きますと,そういう市の制度は非常に助かっているという声もありました。そしてまた,子供たちも何か元気そうに見えたのは,気のせいかもしれませんけれども,そんな印象を持って帰ってまいりました。  横浜保育室は定員3,476人で,実際に通う子供は2,000人を超えているというふうに聞いています。そして,基本助成費なのですが,3歳未満の子供1人当たり月額8万2,400円,この事業の実施前は2万4,000円ぐらいだったということなので,今は3倍以上の助成になっているということです。また,延長保育に対する助成,これもここの例でいいますと,10時まで延長保育をしているので,10万5,200円の助成が出ていました。そういったいろんな工夫をした内容になっているということで,札幌でもいろいろ取り入れるべきところはあるのではないかなと思って見てまいりました。  保育需要が伸びる一方で,子供の数はどんどん減っているという現状を考えますと,施設整備というものは長期的な数字の把握,それを見きわめながらすることは当然なのですけれども,その反面というか,当面の間の認可外保育施設の活用というものもやっぱり必要ではないかなと思っております。  そんな観点から,現在,札幌市では,指定認可外の12カ所のみに助成を行っているわけでありますけれども,このような横浜の例も参考にしながら,広く認可外施設を助成するような制度についてお考えがないのか。この2点についてお伺いしたいと思います。 ◎平井 児童家庭部長  超過入所の件でございますが,まず,超過入所を認める場合は,児童福祉施設の最低基準を満たしていることで,施設の面や人員の面を確認した上で超過入所を認めております。  この超過入所というのは,本来的には年度途中における弾力的な受け入れとして容認していくべきものと基本的には考えてございます。そういった意味で,今後とも,受け入れ枠の拡大について可能な限り改善を図っていきたいというふうに考えております。  それから,2点目の横浜保育室の制度のお話ですが,認可外施設に対する助成のあり方ということで,特に横浜市,さらには東京都において,それぞれの都市独自の助成制度を設けてやっているということで,ただいまの長内委員のお話を,私どもも大きな関心を払ってお聞きをいたしました。  私どもは,保育所の整備や施設の整備により,待機児童の解消を目指しているところでございますけれども,施設が整備されるとさらに保育需要も生むと,さらには,生活ニーズ,それから保護者のニーズがいろいろ変わって,生活様式が多様化され,多様な保育形態が求められているというようなことも現実問題でございます。  そういったことで,保育ニーズの動向を踏まえながら,その認可外施設の対応のあり方についても,そういった観点で柔軟な考えを持って今後,検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆長内直也 委員  ただいまのお話,よくわかったわけですけれども,認可外の施設について言いますと,指定認可外の12カ所以外にも,例えば,非常に良質なところもあるわけであります。そういったこともやっぱり見てもらって,いいところは認めてあげるというか,ある程度差をつけるという考えも必要かと思います。そういったところにも光が当たるような感じで検討していただきたいということを,昨年に引き続き要望したいと思います。  それから,最後に1点だけお伺いしたいのですが,現在,乳幼児健康支援デイサービス事業を天使こどもデイサービスセンター1カ所で行っておりまして,昨年の私の質問で,もう1件ふやすという意向を示してもらいましたけれども,これが実際にどこに決まったかということだけ,これだけお伺いして,終わりたいと思います。 ◎平井 児童家庭部長  いわゆる病後児保育の二つ目ということで,先ごろ9月に,市内の医療施設に公募を行いしまして,複数から受託希望の申し出がありました。それで,保健所さらに札幌医師会と協議を行ったところでございますが,総合的に勘案して,医療的なサポート体制,それから施設配置のバランスというようなことから,現在,豊平区中の島にございます北海道社会保険中央病院,ここを新年度の実施施設の有力な候補と選定して協議を進めているところでございます。 ◆村上勝志 委員  私からは,家計急変,少子化などにかかわって,奨学金制度を質問させていただきたいと思います。  昨今の社会経済構造の変化に伴い,昨年の全国の完全失業率は4.7%と2年連続で過去最悪を記録し,本道は5.5%と過去最悪を更新しました。働きたくとも働く場がないということは,家計を直撃し,子供にもしわ寄せが来るというわけでございます。  一方で,本市の少子化は著しいスピードで進行を続けており,憂慮すべき状況にあると思います。  少子化の要因として,先ほども話がありましたけれども,一昨年,本市が実施したアンケート調査,さらには昨年の読売新聞社が実施したアンケート調査でも,子育てや教育の経済的負担が大きいことが,その理由のトップに挙げられている。平成10年度の子供の教育費調査によると,幼稚園から高校までの14年間の教育費の合計は,すべて公立の場合で515万円,小・中学校が公立で,幼稚園と高校が私立の場合であると713万円に達し,これらに生活費が加わると親の負担はかなりなものになると言えます。  さらに,大学に行くとなると,平成10年度学生生活費調査によれば,家庭からの給付,つまり親の納付金や仕送りは,4年間で国立大学へ自宅から通学させても大学4年間で約281万円,親元を離れて私立大学へ通学させると約841万円に達する。これでも家庭からの給付のみでは就学が非常に困難である,不自由であると回答する学生が3割弱を占めているという現状がございます。  こうした状況は,先ほども述べました少子化の一因とともに,豊かな才能がありながらさまざまな事情により進学を断念せざるを得ない,その結果,これからの時代を担っていく有為な人材が埋もれてしまうということにもなりかねないと考えるわけであります。  こうした現状を打破するには,一定の年齢に達したら家庭の状況によらず,経済的に自立をして学ぶことのできる環境を社会全体で整備をしていく必要があるのではないかと思うわけであります。  政府の少子化対策推進基本方針でも,教育に伴う経済的負担の軽減策として,育英奨学事業の充実をうたっており,平成11年度には日本育英会の奨学金制度を抜本的に改正し,失業,破産,病気,災害による家計急変による就学困難者を対象とする無利子の緊急採用と,有利子ではあるが採用枠の大きな第二種奨学金を創設し,奨学生を大幅にふやしてきたところであります。  一方,本市の奨学金制度には,教育委員会所管の札幌市奨学金と保健福祉局所管の札幌市特別奨学金があり,このうち,札幌市特別奨学金については,福祉局が所管をする全国でもユニークなもので,政令指定都市では本市以外には,京都市のみと認識しているところであります。  そこで,質問でございますが,札幌市特例奨学金の概要と最近の支給状況について,お尋ねをいたしたいと思います。 ◎平井 児童家庭部長  本市の特別奨学金は,生活が困難になっている世帯のお子さんに対して,技能を習得するのに要する学費を支給することにより,その世帯の経済的自立を図ることを目的としております。  具体的には,普通科以外の学科を有する高等学校や技能の修得を目的とする専修学校,各種学校に学ぶお子さんを対象として,公立学校の場合は入学支度金として1万円,技能習得資金として月額5,000円,また,私立学校の場合は,入学支度金として1万5,000円,技能習得資金として月額8,000円をそれぞれ支給しているものでございます。  最近の支給状況でございますが,平成11年度の奨学生は188名,12年度は208名となっておりまして,13年度につきましても,今年度の同程度,208名の奨学生を見込んでいるところでございます。 ◆村上勝志 委員  技能習得を目的としてということでありましたが,ただいまの答弁を踏まえまして,以下3点,お伺いいたしたいと思います。  先ほども,日本育英会が平成11年度に,失業,破産,病気,災害による家計急変に対応する無利子の緊急採用を創設したということを私の方からご紹介申し上げましたけれども,本市でも,こうした事情にある家庭が多くなっているものと考えるわけであります。  そこで,平成13年度の新規奨学生として申請を受理したもののうち,これらの事情に該当するものは何件あるのか,伺いたいと思います。  また,奨学生の採用に当たっては,前年度所得などに基づく審査を行うものと思いますが,現行の申請制度で,これらの事情に十分に対応ができているのか,お伺いいたしたい。  さらに,経済的負担,中でも教育費の負担を軽減し,子育てに対する不安を少しでも解消するために,本市においても経済的負担軽減策について検討すべきと考えるのであります。奨学金制度のあり方についても,現在,札幌市社会福祉審議会に諮問をしている少子化対策の一環として検討を行うべきと考えますがいかがか,お伺いいたしたいと思います。 ◎平井 児童家庭部長  1点目の13年度の申請者は254名おりますが,このうちリストラ等の経済的急変を理由に挙げておられる方は69名,申請者全体の約27%となっております。  この奨学金の場合,世帯の収入状況の把握を申請時点の直近4カ月としておりますので,この制度は比較的,経済状況の変化を適切に反映して,対応できているのではないかなというふうに考えております。  それから,少子化対策として,経済的負担の軽減のための奨学金制度の検討ということでございますが,少子化対策専門分科会で,現在までに4回議論が行われていまして,各委員さんが,少子化に対する共通の基礎的な認識を持つということで,いろんなデータ,アンケート等の分析を行ってまいりましたが,その中で,この奨学金問題も教育を初めとする経済的負担の軽減ということで議題になっておりました。今後,具体的な審議の中で,この件も大きなテーマとして論議されていくものと考えております。  以上でございます。 ◆村上勝志 委員  今後の審議会での審議に期待するとともに,奨学金制度の趣旨を十分認識され,不断の研究といいましょうか,研さんに努めていただきたいということを要望いたしまして,質問を終わらせていただきます。 ◆岡千陽 委員  私からも,保育行政について4点伺います。  まず,待機児童対策です。  我が党は,保育行政を代表質問でも取り上げましたが,その代表質問でのご答弁,また先ほどの平井部長のご答弁でも,新年度当初におおむね解消が図られる。さらには,先ほど平井部長は,4月整備後の需要状況を見ながら,必要な対策を講じてまいりたいと,このようにお答えしていましたが,それでも,現実には,新年度になっても既に待機者が予想される保育園があります。これでもなお解消と言えるのかどうか。  さらには,定員超過園が全保育所160園中153園になっている。これをそのまま放置されるわけですが,このような状況があるのに,それでも待機児童の解消が図られるとお考えでしょうか。まず1点目伺います。  次に,公私間格差の是正についてです。  国で定められている保育運営費の保育単価が,2001年度国家公務員の人事院勧告に沿って引き下げられました。それにより,民間保育所では,公立に比べると賃金格差が著しくなっています。今回のように保育単価が引き下げられた場合,民間では,賃金の経験年数分の財源が困難となり,結局,民間保育所の低賃金の実態は改善されません。  また,予備保育士の配置の制度も,公私間では大きな開きがあります。代表質問での答弁では,他の政令指定都市とも連携しながら,国に対して要望していきたいとおっしゃいました。国への要望は,これはもちろんですけれども,賃金や予備保育士の公私間の格差を是正するためにも,民間保育所も,市独自で,公立と同様の水準に引き上げるべきと思いますが,いかがでしょうか。  次に,3点目です。
     3点目は,札幌市民間保育所設置認可要綱素案についてです。  この要綱は,児童福祉法に規定する保育所を設置認可する際の基準となる事項について定め,適正な保育所設置認可を図ることを目的とするという要綱です。中身を見ますと,その第3条に,保育所の設置者は,基準に適合する場合にあっては,社会福祉法人以外のものであっても,保育所の設置者となることができるとなっています。この社会福祉法人以外のものが,認可保育所の設置主体となることができるというこの状況を,本市はどのように考えているのか,伺います。  最後,4点目です。  4点目は,保育園における栄養士の配置についてです。2001年度により,2園を1名の栄養士で兼務することになりました。子供たちを取り巻く食生活の変化により,さまざまな種類の食品にアレルギー反応を示す乳幼児もふえ,加えて父母の食に関する関心も高まっています。保育園における栄養士の果たす役割は大変大きいものとなっている中,栄養士は各園に1名の配置が必要と考えますがいかがでしょうか,伺います。 ◎平井 児童家庭部長  4点のご質問でございますが,まず,待機児童対策でございますが,先ほど来申し述べているとおり,405名という大幅な施設整備をいたしましたので,年度当初はトータル的に待機児童というものはゼロに近い形でスタートできるものと考えております。ただ,地域によってはばらつきがあろうかと思いますので,今後,4月以降の状況により,地域的に限定をしながら,ぜひ待機児童の解消のために,いろいろな知恵を出し努力をしていきたいというふうに考えてございます。  それから,公私間格差の是正でございますが,これは国において定められております保育所運営費の保育単価,それから保育所職員等の最低基準が,実態に比べて低い水準にあることから生じていることでございまして,これまでも本市単独による各種補助を行い,その改善に努めてきております。  しかしながら,財政事情の厳しい中,本市単独の手当てというのもそう長く続きません。公私間格差の是正は,本来的には国における運営費の内容や職員配置の改善等によって改善されるべきものと考えておりまして,引き続き他の政令市等とも協力しながら,国に改善を要求してまいりたいというふうに考えてございます。  それから,国の規制緩和を受けまして,この4月から新たに要綱を設け,委員ご指摘のように,これまでの社会福祉法人以外にも,学校法人やNPO,または民間企業も運営主体として参入できるというふうに規制が緩和されました。これを広く市民に明らかにするために要綱をつくり,その認可の基準を明らかにしていきたいというふうに考えております。  しかしながら,この新たな基準に基づく認可というのは,本市の整備計画に基づいて整備が必要な場合に,この要綱によって,それぞれ必要な手続を経て審査会なり,必要な機関の審査を得て認可されていくというもので,要件がかなえば直ちに認可するというものでもございません。また,既存の社会福祉法人と同じように,最低基準などの児童福祉法上の厳しい規制も科せられるということで,もし,社会福祉法人以外のものが,今後,認可されるというような状況になったとしても,子供たちの利益が最大限に保障されるよう,既存の認可保育所と同様に,私どもは適切に対応してまいりたいというふうに考えております。  それから,保育園における栄養士の配置でございますが,これまで乳児園を中心に栄養士を配置しておりました。業務内容の実態は,離乳食の調理業務にその機能が6割方奪われるというようなことで,現場の栄養士さんとも相談しながら,アレルギー児への対応等からも,栄養士の本来業務である栄養指導,食教育をするために調理業務を外しまして,そのかわり栄養士さん1人で2園を面倒みてもらうというふうに改善したものでございます。 ◆岡千陽 委員  まず,保育所の栄養士の配置なのですけれども,今のご答弁にもありました,これまでは6割以上かかわっていた調理業務を外して,栄養士本来の業務である栄養指導や食教育に力を入れられる体制になった。さらには新年度から乳幼児だけではなく,幼児保育園の栄養指導業務にも携われるようになる体制をつくるということは,これは前進だと思います。  アレルギー児が入園している保育園というのが全体の85.4%を占めている状況からも,ますます栄養士の果たす役割,これは大きくなっています。ところが大きな問題は,保育園の人員構成に調理士さんは入っているけれども,栄養士さんは入っていない。栄養士さんの立てた献立に基づいて,調理師さんが子供の顔を思い浮かべて心のこもった食事をつくるというように,栄養士さんと調理師さんの連携があってこそ,安全でおいしい給食がつくられますので,ぜひ,国に対しても,栄養士配置の位置づけを要望していただきたいと同時に,今後,ますます要望が大きくなってくる栄養士の配置を2園に1名ではなく,ぜひ各園に求めていきたいと思いますので,これは要望します。  それから,待機児童の解消なのですけれども,トータル的に見て,待機児童はゼロであると。プールをしてみるとゼロであるといっても,実際には,現在,父母が申し込んで第1希望,第2希望を記入しているのですが,既にその時点で,希望どおりいくと,ここは4月の時点で待機がいそうだから変えた方がいいよと言われて,ほかの区に変えているというような事態も起きています。それから,超過入所にしてみても,先ほども最低基準を満たしていることを確認した上で超過入所を実施しているというふうにお話がありましたけれども,この最低基準自体は,あくまでも子供にあわせた基準で,保育士さんが加わった状況ではないのです。今現在でも,零歳児の場合は3名に保育士が1名で,その場合,さらに授乳で父母が入ってくると,とても手狭で厳しい状況になっていて,子供の安全と生活の保障の場を守る上でも,この超過入所の解消というのはとても急がれることになっています。  保育所の増設をしなければ,こういった状況は解消されないと思いますが,5年計画の705人の定員増よりも,まず保育所の新増設を進めるべきだと思いますが,改めて伺います。  それから,保育士の生活保障,労働条件の整備を行うことが,ひいては子供のよりよい保育につながると思いますので,ぜひ民間保育所との公私間の是正は,この対策を講じていただきたい。特に,民間保育所では,何年間も保育士として働きながら,その身分はパートさん,臨時という状況で,中堅の世代まで働き続けられない,若い新人が中心という構成になっていますので,この格差の是正は,対策を講ずるように強く要望いたします。  それと,民間保育所の設置認可要綱なのですけれども,先ほどのご答弁にもありましたが,保育園の現場では,この保育の現場に企業が参入してくるのではないか,こういったことが懸念されています。また,保育の民間への委託化などが予想されて,不安の声も上がっています。  改めてお聞きしますが,札幌市の子供たちをどう育てていくのか,その姿勢が問われていると思いますが,保育行政に対する本市の姿勢をお示しください。 ◎平井 児童家庭部長  施設整備を含めたこれまでの保育所整備のあり方にプラスをしていろいろなソフト面の改善ということも,先ほど委員の間からそういうお話もございました。いずれにしましても,私どもは子育てと仕事の両立支援ということで,ぜひ待機児童の解消を図りたいということを考えております。そういう意味では,それぞれの地域ごとに保育ニーズというものを的確に把握をして,そして適切な対応策をこれから講じていきたいというふうに考えております。 ◆岡千陽 委員  実際に,出産されたお母さんが,本当は育児休暇をとりたいのだけれども,育児休暇をとってしまったら,待機児童が多いために希望する保育園に入れないということで育児休暇もあきらめるというような,育児休業制度も利用できないという,そんな状況も起きているのです。代表質問のご答弁でも,保育所の待機児童の解消は,本市の最優先課題の一つとご答弁されているわけですので,この待機児童対策は大きくプールをしてみるのではなく,それぞれの個別の問題をきちんと取り上げながら,まず初めに保育所整備,保育所の増設,これを改めて強く求めて終わります。 ○大西利夫 委員長  議事進行について,委員長からお願いがあります。  休憩をとりたいところですが,残った方があと6名でありますから,継続して進めたいと思います。議事進行にぜひ協力をお願いします。理事者の皆さんも休憩が入りませんから,大変ですけれども,ちょっと我慢をしていただきたいと思います。 ◆原口伸一 委員  ようやく順番が回ってまいりました。  本市での少年の健全育成体制の充実について,基本的なことを,まず,お尋ねをいたしたいと思います。  私は,かつて,青少年育成委員として活動し,現在は,保護司として犯罪者の更生のために地域での支援に携わっておるわけであります。今まで重ねてきましたこうした活動を通して,また,地域においてそれぞれの立場で,少年の健全育成に当たっている人たちのお話から,日ごろ感じておりますことは,大事に至る前に学校や地域,行政で何かできなかったのだろうかと。どこかに悩める子供たちを受けとめる,子供たちの立場で一緒に悩むというか,考えるというか,親身になって考えてやれるような,そういうものが必要ではなかろうかと,常々私は考えておるわけであります。  確かに,現在は,学校関係につきましては,いろんな子供たちの相談には教育研究所がありますし,警察の関係については,道警の少年サポートセンターというものがあります。また,本市の中では児童福祉総合センター,こういうふうにそれぞれの立場で,子供たちの,また子供たちとその保護者の相談に乗ってくださるところがあるわけであります。  しかし,こうした相談機関があることも知らないとか,また知っていたとしても,どうしたらいいかと悩んでいるうちに,ずるずると悪い方向に進んでしまう,そういうことを多々耳にしたり話を聞いたりしており,心を痛めておるわけであります。速やかな対応で,初期の段階でそういう少年を何とか救ってあげられないものか,改善へ導く方法はないのだろうかと。私は,これが,今,行政に求められているのではないかなというふうに思っております。  本市では,昨年4月に,少年育成センターが児童福祉総合センターから児童家庭部に所管替えとなりました。そして,所管替えになったことで,私は地域活動団体との連携が大いに深まっていくのではないのかなと,こういう期待をいたしておるわけであります。  この少年育成センターは,調べてみましたら,昭和33年の7月に,少年補導センターとしてスタートしておるわけでありまして,時代が変化する中で,それぞれの時代の社会要請にこたえてきたということは一定の評価をしたいと,私は思うわけであります。しかし,現在,少年犯罪が低年齢化し,凶悪化されてきているということが全国的に叫ばれておるわけでありますし,それから,昔,学校にいた悪ではなくて,本当に,ごく普通の少年が,突然あるときキレて,凶悪な犯罪に走ったり,またそういう事件に巻き込まれたりというようなことを見ておりますと,これまでの補導を中心とした指導というのは,やっぱり限界があって,そして,街頭指導で出会った子供たちに対するフォローなど,先ほどもお話がありましたが,道警のカードを持っている少年補導員の人が補導をするとか,それが,いろんな子供たちにとっては悩みの相談相手ではない,そういうことになっているのではないかなと,私はそういう面では非常に危惧しているわけなのです。  そこで,本市の少年育成センターにおける指導の状況,これはどうなっているのか。それが1点。  そしてまた,少年育成センターの果たすべき役割は,本来,こうあるべきだというふうなものをお聞かせ願えれば,大変ありがたいなというふうな思っております。  以上です。 ◎八反田 少年育成担当部長  ただいまの少年育成センターに対するお尋ねのまず1点目でございますが,少年育成センターにおける指導状況につきましては,都心部や各区の繁華街を中心に,年間約1万人の少年に対して指導を行っておりまして,特に,必要な少年に対しては家庭訪問などを継続的に行っております。  今,お話のあったように,喫煙とか生活の乱れといった非行が犯罪につながるという,そういうケースが多いとされてきたこれまでの例では,こうした街頭指導が非行の抑止という面で確実に効果を上げてきたものというふうに思っております。  2点目の果たすべき役割についてのお尋ねでございますが,近年は,少年非行が外見ではなかなかわからない形の中で進行し,あるとき突発的に表面化するというような傾向にあります。やはり,これまでの補導を中心とした活動だけでは対応が難しいものがあるということでございまして,子供たちの悩みを受けとめ,一緒に考えていけるような,そんな相談業務に軸足を移していく必要があると考えております。  そこで,13年度には,センターの名称を子供たちに親しんでいただけるように,少年アシストセンターと改めまして,日々の悩みに初期の段階で対応していくような体制を整えていきたい,そして,少年非行の未然防止に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○大西利夫 委員長  理事者の皆さん,適宜にトイレタイムをとってください。 ◆原口伸一 委員  ただいまのお話を聞いて,少年育成センターが,平成13年度から,少年アシストセンターと名称を変えて,子供たちにより親しまれるような,そういう形に持っていきたいというご答弁でありました。私は,先ほどお話しした,また,私が危惧しているような問題にようやく対処をされることになってきたのかなと,今のご答弁を聞きまして,大変希望を持たせていただきました。そういうアシストセンターができるということは,私のイメージにもぴったり合うような,そんな気持ちで聞いておりました。  しかし,私が更生保護活動に携わって思いますのは,やっぱり1人の人間に深くかかわって,そして,大げさな言い方をすれば,その人の人生までも左右するような仕事というのは,どうしても生易しいものではないわけでありまして,それがまた,成長過程における少年であればなおさらなことだというふうに私は思っておるわけです。やはり,対応には心のケアをするための専門性も必要だと思いますし,個々の子供たちが置かれている環境であるとか背景によって,やっぱりほかの事案よりも丁寧に対処することが必要だというふうに私は思うのです。  少年に寄り添う考え方といいますか,それ自体は大変正しいと思うわけでありますけれども,いずれにしましても,子供たちを受け入れて,その心の内面に迫るために,具体的にそれではどう取り組んでいこうとしているのか,まず1点ですね。  それから,先ほど所管替えになって,地域のいろんな機関と連絡が密にできてくるというふうなことを,私は大変期待をしていると申し上げたのですが,そういう地域の,例えば,青少年育成委員会だとかPTAだとか,いろんなところがあろうかと思いますけれども,地域組織や他の機関と,どのように少年アシストセンターがこれから連携を保って仕事をされていこうとされているのか,その辺の決意を聞かせていただきたいと思います。 ◎八反田 少年育成担当部長  難しい問題でありますが,私どもも,この問題に真剣に何とか取り組んでまいりたいと思っております。  それで,まず悩みをどのような形で受けとめ,取り組んでいくのかということでございますが,少年アシストセンターでは,まず,職員体制の充実を図りまして,面談や電話相談などを実施するほか,街頭においても従来よりも対話を大切して,子供たちの心の悩みを受けとめていきたいと考えております。  それから,子供たちとの対話を重ねる中では,Eメールなども活用して,丁寧に継続的に支援してまいりたい。そして,必要に応じて専門家の協力を得ながら対応してまいりたいと考えております。  2点目のPTA,あるいは育成委員会といった地域組織やほかの機関との連携についてでございますが,悩みを抱える少年や家族からのサインを見逃さないようにするためには,地域社会の協力と理解が不可欠でございます。今後は,青少年育成委員会を初めとする関係の団体の皆様に,私どもの情報を積極的に提供いたしまして,さらに連携を深め,地域全体で子供たちを見守っていけるような環境づくりに努めてまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◆原口伸一 委員  それでは,最後に要望させていただきます。  今,少年アシストセンターの問題で,私のイメージに大変合うというお話をさせていただいたのですけれども,今のご答弁を聞いて,子供たちだけではなく,家族の悩みも非常に大きいわけですから,子供と家族の両方に対して比重を持って,相談相手になっていただくような機関になっていただきたいなと。そして,親しい家族関係を復活させてあげられるような,そういう機関になっていただきたい。これは要望させていただいて終わらせていただきたいと思います。 ◆熊谷憲一 委員  私の方からは,学童保育の問題,放課後児童健全育成事業について簡潔に質問をさせていただきたいと思います。先ほども質問がありましたので,重複する部分を避けて質問をさせていただきます。  私は,児童会館あるいはミニ児童会館の児童クラブの施設整備及び運営についてお聞きをいたします。  質問の第1は,児童クラブの指導員体制についてであります。  現在,児童クラブにおける指導員は39名まで担当1名で,これを超えるとアルバイトないし指導員を1名加配するという体制であります。39名まで1名で,本当に留守家庭児童の保護,指導ができるのか,私は大変疑問を持っております。少なくとも,学校方式や民間方式並みに専任指導員を配置すべきと考えますがいかがか,お伺いをいたします。  質問の第2は,ミニ児童会館の児童クラブの問題についてであります。  施設的にも,児童会館に比べて非常に狭いという状況だと思うのですけれども,この児童クラブで留守家庭児童の生活の場が本当に保障されているのか。この辺についていかがか,お伺いをいたします。  質問の三つ目は,学校方式で行われていたところがミニに移行したために保護機能が低下する,そういうことがあれば本末転倒になるわけであります。学校方式で確保されたきた保護機能といいますか,指導員体制を含めて,それが前進をする,後退をしない,そういうことが担保されない限り,私は,安易に児童会館,ミニ児童会館を開設し,移行していくというふうにしてはならないというふうに考えますけれども,いかがか,お伺いいたします。 ◎八反田 少年育成担当部長  まず,1点目の児童会館の職員体制,そしてその児童クラブの人的体制が民間に匹敵してどうなのだろうかというようなお話でございます。  ただいまのご質問にございましたように,児童会館の職員体制というのは館長が1名,指導員2名を基本といたしまして,児童クラブを開設した場合にはクラブ担任として,登録児童数に応じ39名までに対して指導員1名ということでございます。  学校施設方式や民間施設方式の場合はということで,この二つの場合には,受け入れ児童数が22名までが指導員1名,45名までが2名,それを超えると3名ということで,その数の違いから体制が違うのではないだろうかというお尋ねかと思いますけれども,児童会館の方はクラブ担任の指導員というのがおりまして,そのほかに,館長を初め指導員もおりますので,全体で目を配っているというような状況にあります。ですから,ほかの二つの方式と比べても,遜色がないというふうに思ってございます。  それから,2点目のミニ児童会館での生活の場はどうなのだろうかというようなお尋ねでございますが,私どもは,児童会館,児童クラブ,そしてミニ児童会館を整備する中で,留守家庭の児童にとって心地よい放課後の居場所づくりということに取り組んでまいりました。そして,放課後生活の場の一つとして,多くの児童や保護者の方のご信頼を得ているものと認識しております。  細かなことを申し上げるのは時間もかかりますので差し控えたいのですが,日常的には,児童と担任指導員が深くかかわる中で,本当にクラブの児童の気持ちの変化や,体調などもよく見るようにしておりまして,それから学習環境の設定だとか帰宅の指導だとか,きめ細かにいろいろとさせていただいております。  それから,学校施設方式を廃止するべきではない,少なくとも保護機能の後退につながるようなものでは,それはどうなのだろうかというようなお尋ねでございますけれども,本市の放課後児童健全育成事業というのは,児童会館やミニ児童会館の児童クラブで,すべての児童の健全育成を図りながら,留守家庭児童にも一定の配慮をさせていただくということを基本としております。  札幌市の社会福祉審議会の答申の中でも,学校施設方式はミニ児童会館に速やかに転換を図るべきとされておりまして,必要性が高く条件が整ったところから順次ミニ児童会館を整備して,児童クラブを開設してまいりたいというふうに考えてございます。  この場合に,その保護機能が後退するのではないだろうかというお話ですけれども,それは,最初のご質問にお答え申し上げましたとおり,遜色のない体制でやっているというふうに理解をしてございまして,その辺をご理解いただきたいというふうに思います。  以上です。 ◆熊谷憲一 委員  実際に,現在,児童クラブに勤めている指導員の方から,やはり児童クラブには専任の指導員が必要だということを強い要求として私も聞いておりますので,ぜひ,児童クラブ担当だけではなくて,きちんとした正職員として専任の指導員を配置するべきだというふうに考えます。  質問の三つ目に移らせていただきたいと思うのですけれども,児童クラブの保護機能の強化について,関連しますので質問をさせていただきたいと思います。  児童クラブへの転換に反対の声が起こるのは,その保護機能に対する不安が主な原因となっている,このことについては,今回の代表質問でも,我が党の方から質問したところでありますけれども,ともかく,留守家庭児童は,帰りたくとも一定の時刻になるまで帰ることができず,疲れたときや休みたいときなども,クラブで過ごさざるを得ない。元気のないときに,温かく受けとめてくれる,やはり,そういう専任指導員の配置がどうしても必要だと思うのです。  そこで,質問ですけれども,札幌市の児童クラブ運営要領,これに指導の内容が規定されて定められております。指導内容については,三つありまして,自主性・自立性を育成する,それから社会性を育成する,文化的素養を育成すると,こういう三つの内容であります。  この内容を見てみますと,留守家庭児童のための指導内容というよりも,全児童に当てはまる内容ではないでしょうか。国が児童健全育成事業の実施要領の留意事項の中で,活動の内容について規定をしておりますけれども,ここには6項目ありまして,特に,留守家庭児童に対して,どういう活動が必要なのかということを強調して,特徴的なことが書かれているのです。例えば,放課後児童の健康管理,安全確保,情緒の安定,あるいは遊びの活動状況の把握と家庭への連絡,こういうことなどが明確に規定されているわけであります。札幌市の児童クラブ運営要領にはそれがない。これは薄められているのではないかと言わざるを得ないのです。  これについて知らないということはないと思うのですけれども,少なくとも,やっぱり札幌市としては,運営要領自体は非常に全児童対策のものであるとは思いますけれども,基本的には,留守家庭児童対策として,このことを行うべきだと思いますし,これは最低限の必要事項だと思います。この辺についても,現在の留守家庭児童会でどのように行われているのか,最後に質問をさせていただきます。 ◎八反田 少年育成担当部長  ただいま委員からご指摘のありました,通知にあります6項目については,もちろん承知をしております。その趣旨を我々の要領の中に盛っているということでございます。  6項目は,いろいろ多岐にわたるわけでありますが,ただいま例示として挙げられました家庭への連絡などということについては,留守家庭のお子さんには連絡帳というのを一人一人用意をいたしまして,家庭との連絡を密にしておりますし,それから,先ほど申し上げましたように,健康管理だとか,安全面のことについては十分配慮をさせていただきながらやっております。 ◆熊谷憲一 委員  指導員が39人に1人という中で,家庭への連絡が細かいところまで,子供たちを手の平に乗せて指導するという上では非常に少ないのではないかというふうに考えます。ぜひ,指導体制を今後,機能の強化のために全力を尽くしていただきたい。そのことを要望しまして,私の質問を終わります。 ◆小谷俵藏 委員  それでは,私から,幼稚園と保育園の一元化についてお尋ねをいたしたいと思います。  先ほど,山口議員の方からこの件についてるる質問がありました。したがって,私はできるだけ簡潔に進めたいと思いますが,いずれにいたしましても,このことについては,おおむね平成8年ごろから地方分権推進委員会の勧告,あるいはまた文部省,厚生省等において,いろいろと検討がなされ,その連携の必要性が言われてまいっております。  端的に質問に入ります,全力で。  まず,市内の幼稚園と保育園のそれぞれの施設数,児童数などの配置状況の基礎的データについてお尋ねをいたしたいのと,さらに,先ほどの山口委員の質問にもありました幼稚園の預かり保育の実施施設について,預かり幼児数,保育料,実施時間について,掌握をされていればお答えを願います。 ◎平井 児童家庭部長  12年の5月1日現在の数値で申し上げますと,幼稚園につきましては,施設数は150カ所,入所児童定員は3万2,746人に対し,入所児童は2万8,176人ということで,入所率は86%となっております。  次に,保育所でございますが,施設数は158カ所,定員は1万3,349人に対して,入所児童数は1万4,079人,入所率105%となってございます。  2点目の,先ほどお答えしました91園の幼稚園の預かり保育の状況ですが,1園当たりの預かり幼児数につきましては,1日当たり9.8人,預かり保育料につきましては,1人当たり月額9,200円程度,時間につきましては,終了時間が17時までが16%,17時30分までが19%,18時までが50%,以上のような状況でございます。 ◆小谷俵藏 委員  今の答弁の中で,幼稚園が大きく定員割れをしている実態,そして預かり保育が大変大きく広まっているという事実がわかったわけであります。  保育所の待機児童問題については,就学前の児童を抱える保護者のニーズが,保育所側に少しずつシフトしているものだと,私はこのように考えております。基本的には子供が減っており,保育所が不足している数だけをどんどん新たに建てるというのは,実は現実的に,また財源的にも難しいものでありますから,幼稚園と保育園が,就学前の施設として一元化されれば,こうした問題は解決をすると,このように考えるわけであります。  そこで,質問でありますが,幼稚園と保育園の一元化については,片や学校施設,片や社会福祉施設と制度が異なるわけでありますが,一元化に関して,具体的にどのような問題点があるのかをお答え願いたいと,このように存じます。  また次に,その問題点は問題点と認識するとして,市として独自に,今後,どのように対応されようとしているのかをお尋ねいたします。 ◎平井 児童家庭部長  1点目の幼稚園と保育所のそれぞれの学校教育法,あるいは児童福祉法に基づいて,それぞれの制度の中で整備充実が図られてきておりまして,制度上の異なる点,問題点としましては5点ほどございます。  1点目として,保育所が児童福祉法上,保育に欠けるということが入所条件となってございますが,幼稚園についてはこういった条件がございません。利用方法の差異がございます。2点目は,幼稚園は3歳以上,保育所はゼロ歳児からとなっておりまして,受け入れ対象年齢の差異。3点目は,保育所の保育料が国により徴収基準が定められているのに対しまして,幼稚園保育料は設置者により決定されるという利用料の差異。そのほか,保育士,幼稚園教諭という職員資格の差異。それから,保育所が8時間,幼稚園が4時間という基本運営時間の差異。以上のような制度上の違い,問題点がございます。  しかしながら,委員も先ほど来おっしゃっておられますように,両施設はいずれも地域の就学前児童のための子育て支援施設でありまして,教育委員会とも引き続き十分協議しながら,連携の強化,さらには一元化の取り組みを強化していきたいというふうに考えております。 ◆小谷俵藏 委員  わかりました。  この件につきまして,最後に一言要望させていただきますが,市として,今後も積極的に関係部局が連携して取り組む,こういう姿勢がわかりました。  法律が異なる二つの制度がある以上,当然,自治体レベルではできること,できないことがあるのはいたし方がないわけでありますが,しかしながら,保護者ニーズが多様化し変化し始めている以上,その需要にこたえていく,需要に沿うような方策を講じていく,モデル的な実施を含めて検討する,こうしたことが重要であろうと,こう考えるわけであります。  また,国に対しても,制度面と地域の実態とのギャップを訴えていくことも必要であり,他都市と連携をとりながら,よりよい方向に変革されるよう粘り強く取り組んでいくべきであろうと思います。  私は,この幼稚園が保育をするということについて,制度の問題よりも,資格の問題として考えるならば,比較的容易にやりやすいことではないのかなと。保育所が幼稚園の機能を持つというのは,これはまたいろいろなハードさもあるのかなと思いながら,しかし,その垣根をぜひとも取り払えるようなことを,教育委員会とも十分積極的に協議をして果敢に取り組んでいただきたい,こう要望を申し上げておきます。  また,別な件でありますが,1点質問をさせていただきたいと思います。  先ほどの小野委員の質問に対する答弁には触れられていないところで,児童会館,児童クラブにおける障害のある児童の受け入れに関して,1点だけ,私がちょっと気になるところがあるので,質問をさせていただきます。  私は議員としても,また個人としても,障害のある児童の放課後生活の充実を求め続けて今までまいりました。あえて苦言としてここで申し上げておきたいのは,実は,障害というのは,一人一人がその内容が違っており,知的障害,肢体不自由,重複,そしてこれらは千差万別,10人いれば十色,100人いれば百色。児童会館等で,これを留守家庭児童として受け入れていくということについては,何らかの限界が生じてくるのではないのかなと。  本当に重度の子供たち,先天的あるいは後天的に障害を持つ子供の保護者の方々は,一番最初にそれを知ったときに大変な宿命を抱いた。そして,それを試練として乗り越えていかなければならない,また,生きがいと励みを逆にばねにしていく,その間においては,大変なストレスがたまることもあると思います。また,ノイローゼ気味になることもあるのではなかろうと,実はこんな感じがいたしているわけであります。  その中で,私は,こうした子供たちが,ぜひとも,お母さんは学校へ行っている間は学校にお願いしながら,帰ってきて,学校へ一緒へ行くこともあります。例えば,札幌市立の豊明養護学校は,父兄が付き添って行って帰ってきます。  そして,今度はそういった子供も受け入れる,重度な子供であります。しかし,そうした子供たちも,十分に受け入れられるという条件で,考えておられるのかどうか。これをお尋ねいたしたいと存じます。 ◎八反田 少年育成担当部長  先ほどの小野委員のご質問にもお答え申し上げましたとおり,障害のある児童の児童会館での受け入れに当たりましては,すべての児童会館において,現状の職員体制で可能な範囲の中で受け入れることを基本としてまいりたいと考えおります。  その中にあって,必要に応じた指導員配置の拡充や研修の充実によって,資質の向上を図りまして,障害のある児童にとって,放課後の居場所の一つとして,より身近な施設となるように努めてまいりたいと思っておりますが,ただいまお話のありましたような,重度の方々を直ちにというのは,なかなか難しいところがあるのかなとは思ってございます。
     委員から,そういう苦言,警鐘としていただいたご指摘でございますが,障害の内容や程度,それぞれ一人一人異なりますので,個々のケースの対応につきましては,専門的な知識をお持ちの方を交えた合同会議におきまして,丁寧に見きわめながら対応してまいりたいというふうに思ってございます。  以上でございます。 ○大西利夫 委員長  以上で,第2項 児童福祉費及び議案第5号の質疑を終了いたします。  最後に,第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆小川勝美 委員  それでは,生活保護費にかかわって,3点の質問をいたします。  第1は,昨年の決算特別委員会で質問をいたしました生活保護費の中の一時扶助で,求職活動に伴う移送費の支出ができるようになっておりましたが,昨年,決算特別委員会でお尋ねをしたら,札幌市は一件も支出をしていないと,こういうことで,改善を図るよう求めてまいりました。実際に,病院に行くような場合の移送費については,以前から出されているわけですけれども,生活保護法にも,また生活保護の実施要領の中にも,求職活動,職を求める活動における移送費の支出が一時扶助で出るようになっているにもかかわらず出していなかった。この点についてお尋ねをいたしましたが,その後,これについて具体的にどんな改善がなされてきたのか,それらについてまずお尋ねをしたいと思います。  また,この問題については,新たにそういう一時扶助として出すことから,各区の保護担当者との協議なども進められてきたと思いますが,それらの経緯も含めて,お尋ねをしたいと思います。この問題については,余り長々と質問をしたくないので,明確にご答弁いただきたい。この点をまず第1点としてお尋ねをしたいと思います。  次に,生活保護法にかかわる介護扶助の運営について,お尋ねをしたいと思います。  昨年,4月から介護保険がスタートいたしました。生活保護世帯の要介護者についても,介護扶助を受けながら在宅介護サービスを受けるということでスタートしております。それと同時に,知事が指定した指定介護事業所だけではなくて,札幌市の要綱に基づいて札幌市が承認をした基準該当事業所,ここでの介護サービスも昨年4月からスタートしたところであります。  ところが,10月ごろになりまして,基準該当事業所については,生活保護受給者の介護サービスはやめていただきたい。4月からの人については経過措置として引き続き認めるけれども,生活保護を受けている方は,基準該当事業所での在宅介護サービスの新規は受け付けないでほしい。生活保護世帯については指定介護事業所にしてほしいと,こういうふうな市からの指示が回ったために,基準該当事業所,NPO組織などが,結局,生活保護世帯のホームヘルプサービスなどが行えなくなり,新規の受け付けができなくなってきた。その理由が,札幌市からも明確に示されないと,こういう状況がございました。  それで,私どもは,これについて当時の厚生省に問い合わせをしても,さっぱりよくわからなく,また,市の方にも,なぜ,札幌市が承認をしている基準該当事業所に,生活保護世帯が介護サービスを受けたらだめなのか,厚生省に問い合わせをしてほしいというふうにずっとお尋ねをしておりました。なかなかこの結果が出てこなかったのですけれども,近日,何かその辺で新たな変化があったようにもお聞きをしたものですから,このようなことがなぜ起こってきたのか,こういうふうな基準該当事業所を生活保護受給者に限って対象から外す,これはおかしい話でありますので,これらについてどう改善を図るよう国と協議を進めてきたのか,国に改善を求めてきたのか,この点についてお尋ねをしたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  それでは最初に,まず第1点目の求職活動の交通費,いわゆる移送費の支給の関係でございます。  今,議員からいろいろとお話がありましたけれども,従来,この移送費といいますか,交通費につきましては,基準保護費の中に含まれておりまして,この中で対応していただけるという考え方で従来取り扱ってまいりました。しかしながら,昨年の小川委員からのご指摘もありましたとおり,議論がありましたので,それらを踏まえ,さらに最近のこういう非常に厳しい経済状況の中での雇用環境では,何度も求職活動のため足を運ぶ人がいると。そのためにまたいろいろと経費を必要としてまいりますので,そういう状況を勘案いたしまして,昨年,札幌市といたしまして,12年12月末近くでございますけれども,その取り扱いについて通知をいたしまして,取り扱いが可能なように,あるいはまた,その取り扱いについて統一的に運用ができるように連絡したところでございます。  国の指針におきましては,従来から根拠として置かれておりまして,このことは小川委員も十分ご存じのことと思うのですが,支給手続,期間の他,特に交通費の支給の要件といたしまして,熱心かつ誠実にというような,一つの判断基準として,特別に出す場合は,その留意点を国から示されていたと,この辺が大変,運用上難しい面があったわけですけれども,今回,これを,先ほどのような状況を踏まえまして,私たちは具体的な取り扱いに当たって差異が生じないように,内部指針を定めて通知をして,10区の対応に不均衡が生じないように改正をしたということでございます。  ついでに申し上げますと,この結果の該当数でございますが,1月,2月では,今のところ4件の実績があったという報告を受けております。  それから次に,要介護状態にあります被保護者の基準該当事業者の利用の関係,いわゆる介護保険と生活保護制度の関係です。介護保険の場合,自治体の裁量というのはかなり認められていて,扱いを決めることに可能な余地があるわけですが,生活保護はご存じのとおり,従来の機関委任事務という兼ね合いもあり,国の指針どおり実行していかなければだめだという背景がございまして,そこの狭間の中で生じた中身でございます。  このことについては,今のような考え方から,従来,厚生省の通知によりまして,生活保護上は基準該当サービス事業者,これは離島などの例外的な場合を除いて,原則として,生活保護の介護扶助の指定介護機関にはならないというふうに指示がなされております。しかしながら,本市では,ちょうど介護保険制度の条件を走りながらいろいろと整備したということもございまして,結果的に,17名の利用を既に認めてきたという経過がございます。  そこで,介護保険との整合性を図るために,昨年の11月,また,ことしになってからも,厚生省の方にいろいろと改善について,本市の事情等も直接ご説明して強く要請いたしました。この結果,厚生労働省の方から,本市の要望に沿って改善するということで,近日中その旨正式に通知いただけるというふうになっております。  なお,通知があり次第,関係の方々には周知徹底を図りたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◆小川勝美 委員  一つは,移送費の問題であります。これは昨年末に各区とも何度も協議を重ねたようでありますけれども,統一的な取り扱い基準を内部指針としてつくられて,今,部長の答弁では1月,2月で,4件の移送費の一時扶助の支給が行われたということであります。しかし,実際にはたくさんの方が求職活動を,ケースワーカーの指導に基づいて行っているわけですが,先ほど部長が答弁されたように,熱心かつ誠実,こういうわかるようでわからない物差しがあるのです。熱心かつ誠実。ケースワーカーの判断によって熱心さが足りないというふうに判断できたり,あるいは誠実さが足りないというふうに判断したら,この一時扶助は支給されない。  また,申請主義ですから,保護を受けて,熱心かつ誠実に求職活動をやっている方が,必ずしもこの中身自体を知らないという場合があるのです。そしたら,本人から申請がありませんでしたから出しませんでしたと,こういうことになりかねない内容のものであります。  そういう意味で,深刻な不況の中,仕事につきたい,つきたいと思いながらもつけない,こういう人たちが現実にたくさんおられて,そして,それらの人に対して,現場では就労指導をされています。そして,住んでいるところから遠く離れたところにも面接に行く,面接を受けども受けども,高齢であるとか,さまざまな理由から採用に至らない。また,1人を採用するのに40人,50人と来るわけですから,そういうような状況で,採用に至らない方がいます。何とか就職して,早いうちに自立をしたいと考えている方が,不本意ながら自立に至らないで保護を受けている。そういう人たちが,熱心にやればやるほど交通費がかさんでいって,第1類,あるいは第2類として出されている生活費や食費を削らざるを得ないということになっては,本来の生活保護法の趣旨と違うわけでありますから,これらについて,現場にさらに徹底をしていただいて,本人の申請主義なので,本人から申請がないから出していませんということではなく,適切に対応されるよう求めて,この後,少し経過を見させていただいてから,改めて機会を見てお尋ねをすることにして,この問題を終わっておきます。  2点目の介護保険の介護扶助にかかわる基準該当事業所の利用はだめだということでありますが,厚生省から現場に通知が来たのは6月を過ぎてから,そして,札幌市がスタートをさせた後に通知が来ていて,しかも,実態としては基準該当事業所はホームヘルプサービスを始めていて,その後でだめだという形で来る。しかも,札幌市では,指定介護事業所も基準該当事業所も同じように,介護報酬についても国保連合会に請求する,こういうふうになっているにもかかわらず差別をしてくるというようなことで,現場では大変混乱し迷惑をした話なのですが,これも,改善にむけて通知が来たら,引き続き基準該当事業所も介護サービスを受けれるように近日中に改善を図ると,こういうことでありますから,ぜひそういうふうにしていただきたいと,このことを述べて,次の質問に行きます。  次の質問は,ホームレスの問題についてであります。  これは,一昨年の決算特別委員会で,私が実態調査を求めたところであります。その後,一昨年の12月,そして昨年の12月と,二度にわたって札幌市内のホームレスの実態について調査が行われております。一昨年に確認をされた方は50名としながら,その当時も,バスセンター及び地下街の管理事務所に確認したところ,ほかに十数名程度いるらしいと,こういうふうな形の実態調査でありました。  昨年12月に行われたときには,68名という状況になってきています。増加してきていると言えばいいのか,把握できなかったものを把握してきたというふうに言っていいのか。しかも,12月という北海道札幌の冬の中で,60名を超える人たちがホームレス,野宿生活をされている,こういう実態にあるわけです。  そういう中で,国は,早いうちにホームレス対策室を設けてきておりますし,つい先日の3月2日の全国の生活保護担当係長の会議の中でも,ホームレスに対する基本的な生活保護の適用についてと,こういう取り扱いが示されたと思うのです。今まで札幌市の場合も,ホームレスの場合は住所がないとか,若い40代,50代,64歳未満,稼働能力があるなどで,保護の申請をしても門前払いと,こういうことが現実にあります。これはホームレスだけではなくて,ほかの場合でも同じようなケースが実態としてあるわけですけれども,そういう中で,3月2日の会議におけるホームレスに対する基本的な生活保護の適用と,その辺のことが新たに変わったと,私たちはこういうふうに見ているわけですけれども,どのように変わったのか,この点を明らかにしていただきたいと思います。また,この間,札幌市としては,住所がない,稼働能力があるということで保護はしてきませんでしたけれども,ホームレスなどの人たちが,実際に保護を開始した場合,どういう要件があるのか,それらについて明らかにしていただきたい。 ◎宮崎 総務部長  ただいまのホームレスにかかわる問題でございます。  まず,第1は,今,委員からお話がありました厚生労働省の指示事項と申しますか,その件に関連してでございます。  新聞等でも報道されておりますとおり,ホームレスの取り扱いについては,全国的にいろいろと難渋している状態にあるようでございまして,その生活保護の適用の取り扱いについても,各自治体で異なっているところもあるやに聞いております。そんな背景もありまして,厚生省では,ホームレスに対する基本的な生活保護の適用ということで,考え方を示しております。それは,単にホームレスであることをもって当然に保護の対象となるものでなく,また,居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものではないと,こういうふうに統一的な見解を示して,ホームレスであるがゆえにすぐ保護にする,あるいは保護にならないということではないことを言っております。  そこで,本市の場合の扱いでございますけれども,従来から,この指示が出る以前から,この指示の基本的な考え方に沿いまして,保護の適用となる場合には,生活保護の適用として取り扱っているところでございます。また,現在のところ,札幌市の実態は,本州,大都市のように社会問題と申しますか,そういう状態には至ってはおりませんけれども,いずれにしても,その対策をとるに当たりましては,当然,市民の理解を得て実践することが必要であるというふうに考えております。  また,生活保護の適用,あるいは既存施策のいろんな組み合わせ,そういう対応をとることによりまして,現在の札幌市に居住しているホームレスの対応は可能であるというふうに考えております。 ◆小川勝美 委員  3月2日の全国の生活保護担当の会議の中で,今,部長が答弁されたように,単にホームレスであることをもって当然に保護の対象となるのではなく,また,居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものでないと,こういう明確な指針というか,適用基準が示されたと思うのです。  部長は,札幌市は従来からと言っておりますけれども,実際には,どういう状態であったかといったら,ホームレスの人が区役所を尋ねて保護の申請をすると,住所がない,若いと,もうそれで追い返されているのが実態ですよ。そして,どういう人が保護されてきたかといったら,ぐあいが悪くなって病院に入院してお金も何もない,身元もよくわからないと病院から通報を受けた人たちです。病院から区役所の保護課に通報を受けて,そして保護課の職員が病院に出向いて面接をして,病気があるなと,それじゃ医療扶助を適用しましょうと,こういう形で保護を開始した人がそのほとんどで,住所のない人は門前払いをしていたのです。これは,今までホームレスでない人も同じことをやられていますから,そういう実態があった中で,こういう新たな指針が国から示されて,ぜひ,これは必要な人については──今言われたように,居住地がないことだとか稼働能力があるといっても,今の深刻な不況の中でつくり出されたホームレスですから,もともともは皆さんきちっと働いていたのが,リストラで解雇になり,そして,家賃も払えなくなって追い出されたと。住むところがないから大通公園で寝ているとか,そういうことで,何か仕事があれば,大通公園から働き口を探しているとか,こういう人たちがほとんどです。できることなら,仕事を回してほしい,こういう声が強いわけです。  しかし,病気の人については治療をしなければならないから,今まで医療機関に入院して保護を開始してきたということです。その辺で,ホームレス対策というのは,生活保護を支給するだけが解決策ではないと思うのです。  国の指針においても,自治体内部で他部局と,また,他の自治体や関係機関との連絡,連携体制をやれということで,保護だ医療だ住宅だと,あるいは一時保護,救護施設への収容,こういうことなんかも連携をとってやるというふうな新たな指針も出てきたので,そういう意味で改めて,生活保護については居住地がないとか稼働能力がある,こういうことだけではなく,やっぱり札幌市においても全部の局で連携をとってやらないと,この問題の改善方向は見えてこないと思うのです。  大通公園は公園ですし,駅前なんかであれば道路管理にかかわる,あるいは地下鉄のシャッターの前で寝ていれば交通局にかかわり,そして,保護になれば保健福祉局になります。今までのところ,これらについては,保健福祉局の総務部が中心的にかかわっていて,エルムの里公園については,北区の土木センター管理事務所が窓口になって対応をしたり,いろんなことをやってきていると思うのですけれども,やはり全庁的な体制をとって,対応すべき時期に来ていると思うのですが,これについては,保健福祉局だけではなくて環境局にかかわったり,建設局にかかわったりということになるわけですので,最後に,大長助役から,これらについて,最後になるかどうかわかりませんけれども,この問題について解決策,方向性,全庁的な連携体制をつくっていくと,そして対処していくと,そういう答弁をいただきたいのですがいかがか,まず,お伺いしておきます。 ◎大長 助役  ご指名をいただいたのですけれども,私もホームレスにつきましては不勉強な部分がありまして,答弁が十分かどうかわかりませんが,私どもとしては,先ほどのお話にありましたように,生活保護対応のやり方等につきまして,国からきちっと示されたこともありますから,そういう部分では,きちんとした対応を本市としては今後もやっていくということには変わりはございません。  また,いろいろな部局に分かれて,取り扱いがその都度場当たり的というようなお話ではないかと思いますけれども,私どもとしては,ホームレスのこの問題に限らず行政の対象となるものすべてについて,札幌市全体の中で対応するという気持ちを持ちながら仕事をしてきたつもりでありますが,足りない部分につきましては,今後とも総合的な行政をするということに,なお一層努めてまいりたいというふうに思っております。 ◆横山光之 委員  私からも,ホームレス問題についてお伺いをいたします。  今,小川委員からホームレスについてもご質問がありましたので,重複を避けるようにいたしたいと思います。  昨年の第1回定例市議会の予算特別委員会以来,私はホームレス問題について取り上げてまいりました。その間に,全国的にはさまざまな取り組みが行われております。  12年度は,ホームレスが急増している大阪市,東京都,横浜市などの大都市において,ホームレスの自立を一層推進する自立支援センターの整備が進められておりますし,13年度は夜間の宿泊所の提供などを行う緊急一時宿泊施設の設置やホームレス能力活用推進事業といったものの実施が予定されているところであります。  私は,昨年10月末に,東京都が台東区に新たに設置をいたしました路上生活者自立支援センター台東寮というのを視察をしてまいったところであります。これは104人のホームレスを収容する施設でありますが,原則,2カ月間にわたって就労支援,生活支援,あるいは社会生活支援の三つのプログラムで自立を支援するということであります。建物だけで1億3,500万円という費用で建設されたもので,プレハブでありますけれども,いわゆるプレハブの概念を超えた大変立派なものであります。運営費も12年度で9,900万円もかかるということであります。東京都におけるホームレス問題の認識が非常に深刻で,自立支援に対しては熱心な取り組みが行われているというのを見てきたところであります。  そこで,私は,平成12年3月の予算特別委員会,そして昨年10月5日の決算特別委員会でも質問をして,札幌市においてもこのホームレスの問題に手がつけられないような状態になる前に,早く手を打って解決をしていくべきであるとご提言を申し上げてまいりました。今,小川委員もこのホームレスの問題は,関係部局が各局にまたがっているので,いろんなところと連絡を取り合って協力をしなくてはならないというお話がありました。私も,予算特別委員会でその旨を申し上げてまいりました。  札幌市では緑化推進部,保護指導課,公園管理課,そして北区,中央区の維持建設課等が入ってのホームレス連絡会議というものがつくられて,何度も会議が開かれているというふうに伺っております。そして,生活保護課や緑化推進部等を中心にして対応を行ってきたということであります。  昨年の10月に,高齢者,障害者,あるいは入院を要する病弱者を対象に,いろいろお話を伺って,保護課での生活相談,あるいは緊急入院による医療扶助,そして救護施設への入所といった生活保護の適用を実施してきたということをご答弁いただいているところであります。  また,昨年の12月には,さらなる実態調査も行われているようでありますが,その後の生活保護課を含めた対応はどんなことが行われているのかを,まずご説明をいただきたいというのが1点であります。  次に,エルムの里公園の問題であります。  ここは,ホームレスが公園を占拠してテントを張って生活をしている,札幌のホームレスの代表というような報道もされ,ニュース等でも盛んにその実態が報道されているところであります。私も,昨年の予算委員会以来1年間にわたって様子を見ているわけであります。町内でありますからしょっちゅうそばを通り,みんなの意見を聞きながら見ているのでありますけれども,市のいろんなご努力にもかかわらず,一向にその状態は改善されていないと。テントもふえることがあっても減る様子はないというような状況であります。関係部局一丸となっての対応ではありますけれども,その地区の者からは,横山さん一体何をやっているのと,1年たっても何も変わらないのではないかというふうに,大変要望が寄せられているところであります。  エルムの里公園というのは公園でありますから,ホームレスのみが利用するのではなくて,一般市民が利用できる公園でなければなりません。公園としての機能がなくなっているのであれば,公園管理者としては,公園としての機能回復をさせるということをしなければなりませんし,万が一,機能回復が困難だということであれば,場合によっては公園としての機能を廃止するということも考えなければならないと,こう思うのであります。  そこで,今回は,公園管理の責任者であります齊藤緑化推進部長にご出席をいただいておりますのでお尋ねをするのでありますが,今,このエルムの里公園について,緑化推進部としてどんな対応をとってきたのかということを,前回も伺ったのでありますけれども,再度お伺いをいたしたい。  次に,このような問題を解決するためには,今申しましたようなはっきりとした対処方針を,市民だけでなく実際にそこにいるホームレスの人にもわかるように,公園管理者として明確に打ち出すべき時期に来ているのではないかと思うわけであります。  いずれにしても,ホームレスがこの公園を占拠することは放任できるものではありません。景観が悪いというばかりではなく,何しろそこにはトイレがないわけでありますから,用を足す者も後を絶たなく非常に不潔であり,気持ちも悪いということで,何とかしてほしいというのが,私どもの偽らざる気持ちであります。  そこで,その対処方針という意味で,市民や関係団体とも論議をしながら,もちろん生活保護課においても対応を探りながら,半年以上の猶予期間を設けて,退去をしてもらう期限を定めて,期限までに自主的に退去をしてもらうような具体的な方策を打ち出さなければならないのではないかと。公園管理者として,その対処方針を打ち出していただきたい,そして,いつ打ち出せるのかということを,具体的にひとつお答えをいただきたい。  以上,2点,お伺いをしたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  ホームレスにかかわる,私ども,生活保護部門の関係でございますけれども,まず一つは,実態がどのようなものかつかむことが大事だということで,事前調査なども踏まえまして,ホームレスがいるという推測のできておりました大通公園周辺,札幌駅周辺,それから今,委員からお話のありましたエルムの里公園,この周辺につきまして,昨年の12月でございますけれども,6日から8日の3日間,市の職員が深夜も含めまして,直接調査を行ってまいりました。  調査の結果,この時点では68名のホームレスの方を確認しております。このうち54名の方に聞き取りができましたので,いろいろとお伺いしておりまして,例えば,年代構成は20代から80代までと非常に幅広い年齢構成でございました。健康状態については,比較的まあよいと答えた方が多くて,よいが36名,普通ですとのお答えは15名と,大部分の方が健康状態には問題がないという回答をいただいております。  それから,せっかく足を運びましたので,困ったときやいざというときのために,区の相談窓口の周知ということについて心がけてまいりました。42名の方については,困ったときの相談窓口は知っていますということでご返答がありました。知らなかったという方が4名おりましたので,その方には緊急の場合の区の相談窓口をお知らせして,いざというときの対応をとったところでございます。  なお,高齢者なり病弱者の方もこの調査の中で把握できましたので,その方については,区役所の来所を促しまして相談をするということで指導をしたわけですが,その結果,入院などをして保護を受ける方も出てまいりましたし,あるいは区への相談ということで訪れた方も何人かおりましたので,私たちの行った調査というものは,効果があったというふうに考えております。  なお,参考までに,こういう対応をとった結果もありまして,昨年4月からことし1月までの10カ月間で,ホームレスの方で出入りがありますから,先ほどの68名という数字と多少異なりますけれども,64名の方が生活保護の適用を受けているという状態になっております。  以上でございます。 ◎齊藤 環境局緑化推進部長  エルムの里公園のホームレスに関しますこれまでの対応と今後の対処方針について,お答えしたいと存じます。  昨年の決算特別委員会でお答えいたしましたように,現在まで私どもは,再三現地に赴きまして粘り強く指導,勧告を行ってまいりました。その結果,一部退去した人もおりまして,その効果が見られましたものの,その後,新たに加わった人もございまして,前回の調査より残念ながら若干増加したというのが現状でございます。  今後の対策につきましては,現在,鋭意検討中でございますけれども,委員ご指摘のとおり,退去の期限を具体的に定めますことは有効な方策であると認識をしております。一定の期限を定めることで,退去することの認識を強く持っていただくということと,その間に,私どもが退去後の身の処し方について,それぞれの方の実情に合った指導なり,助言を行うことなどが可能になるわけでございます。  いずれにいたしましても,早い時期に自主的な退去を促していくような方策を考えまして,実行してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆横山光之 委員  生活保護課のご努力もよく理解できるところであります。ホームレスというのは大都市病といいますか,大都市に特有の病巣ではないかと思うわけでありまして,180万都市でありますから,そういうきめ細かい適切な対応をとっていっていただきたい。現に,生活保護によってたくさんの皆さんが救われるということであれば,この積雪寒冷地の厳しい寒さの中でのホームレス生活でありますので,市の適切な対応をさらに進めていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  また,エルムの里公園でありますけれども,すぐ近所に偕楽園緑地というのを今建設しているところでありまして,もっと大きく立派な公園もできることでもありますし,このエルムの里公園は,ホームレスの里公園というふうに町内では言っているわけでありまして,本当に退去期限を設ける可能性について,今,部長からご答弁もありましたけれども,ぜひ,これを実行に移していただいて,ことしの秋の決算委員会のときには,きれいになったねと言えるように努力をしていただきたい。  非常に解決の難しい問題で,各都市は大変苦慮しているわけでありまして,札幌市もよくやっているということは認めるところでありますので,さらなるご努力をご期待申し上げたいということで,質問を終わりたいと思います。 ◆西村茂樹 委員  最後ですから,私も協力する意味で簡潔に質問をします。前置きを抜きにします。  ことしの生活保護の扶助費でありますけれども,予算書を見ましたら約726億円の予算が盛られております。これは平成12年度から見ると,おおよそ12.2%増ということになっておりまして,具体的に言いますと,12年度の予算では646億7,000万円を計上しまして,昨年12月の4定の中で,これでは足りないということで62億円の補正が組まれました。したがって,12年度の生活保護費というのは,結果的には708億円余の予算が組まれたわけであります。  10年前の平成2年のときはどうかというと,生活保護費というのは大体450億円ですから,そういった大変な額がこの10年間でどんどんと上がってきた,予算が増加してきたということが言えるわけであります。  それに加えて,今年度の予算というのが,先ほど言ったように,726億円近い金額が出されているわけでありまして,大変な予算になってきているというぐあいに考えるわけであります。これは単なる人口増に伴った予算の増加というだけでは済まないのではないかと。  これは,補正の中でも,私は質疑の中でもいろいろお聞きをしましたけれども,経済の不況というものが結果的に企業の倒産であり,あるいはリストラという状況になって,生活困窮者がどんどんと増加をしてきたと。その結果が,やはり生活保護費に頼らざるを得ないという状況になり,加えて微々たるものでありますけれども,今言ったホームレスの対策もせざるを得ないと。  こうなってきましたら,一体全体この先どうなっていくのだろうと,幾ら生活保護というのは国の政策であり,国からお金が来るのだといっても税金であります。それに,国から来る交付金だとかそういったものですべてが賄えるかというと,そうではなく,札幌市も1割ぐらいは一般財源から出さざるを得ない,12年度でいうと大体62億円余も一般会計から出てきているとお聞きしています。  そういった意味で,私は,この数字を見る限りにおいて,生活保護費は一体どこまで行くのだろうという心配があります。幾ら経済不況といえども,この12年度における生活保護費の中身の問題,あるいは13年度以降どういった流れになっていくのかということについて,ひとつお聞きをしていかなければいけないというぐあいに考えております。  この所管する部局として,生活保護費の動向をどのように押さえているのか。そしてまた,受給状況については,どの程度の保護率になっているのか,この保護率が全国的に比べてみて,果たしてどういう位置づけ,順番になっているのか,具体的には,政令市の中で札幌市の状況というのはどうなっているのか。そのことも含めてひとつお聞かせを願いたいと思うわけであります。 ◎宮崎 総務部長  生活保護の受給状況等について,ご説明したいと思います。  本年1月中の保護の状況でございますけれども,被保護者世帯で見てまいりますと,2万5,223世帯,被保護人で見てまいりますと3万9,101人と,保護率では21.4‰です。これを大都市比較で見てまいりますと,1番が大阪でございまして,ここは25.8‰となっており,札幌市は,大阪に次いで第2位という状態になっております。  若干,過去の経過を含めて見てまいりますと,ちょうど平成景気が終わりました平成4年から,この状態が引き続いていた8年ごろまでは,保護率は大体17‰前後を保ってまいりましたけれども,9年の秋から著しく増加してまいりまして,本年1月と9年1月の数字を対比して見てまいりますと,世帯数では5,682の増,人員で8,981人,保護率で4.5%と,こういうふうに著しい増加になってきております。  この原因についても,若干触れさせていただきますと,リストラですとか倒産ですとか,こういう,いわゆる景気を理由として,保護の開始が著しく増えているという状態が増加の原因かなと思っております。 ◆西村茂樹 委員  今,お答えいただきましたけれども,札幌市は,大阪に次いでかなり保護率が高いという順番で,大阪には有名な釜ケ崎がございますし,そんな意味ではわかるわけでありますけれども,それに次ぐということは,札幌市も大変な状況にあるなと。加えて,昨年の失業率が,北海道では6%台に乗っていたという状況で,このことが結果的にも,札幌市の背景になり保護率にあらわれているのかなというぐあいに理解をするわけでありますけれども,先ほど来,生活保護の関係で,就労支援の問題も出ておりました。  私は,そんな意味では,生活に困窮したから生活保護に頼らざるを得ないということについては,生活保護法の第1条でしっかりとうたっているわけでありますから,そのことについてはいいわけであります。しかし,第1条は生活困窮者に対する支給と同時に,その自立を助長することも目的としているわけであります。したがって,これを所管する部局においては,ただ困窮者の申請を受けて,生活保護で生活扶助をしますよというだけではなく,やはりその人方に対する自立支援を,もっと真剣に取り組んでいかなければいけないのではないかというぐあいに私は考えるわけであります。  そこで,私は,これを全国的に調べてみたとき,札幌市の実態と比較してみると,大体生活保護を受けざるを得ないというこの構成比率を見ると,高齢者,いわゆる年をとって収入もなくなってきたという,そういった層は全国的には44.5%,札幌はどうかというと37.4%,若いのですね。そして,傷病,障害を持っている方々ではどういう構成になっているかというと,全国では40%,札幌では35.8%,三つ目は,母子家庭についてどうなっているかというと,全国では8.2%,札幌では15.7%,そしてその他,これはそれら以外ですから,今言った時代背景の中で,経済不況という中で,仕事をしたくてもできなくて困っているという,やむにやまれない人方も含めて全国では6.8%,札幌では11.1%,したがって,私が,今の答弁の中で見られるのは,確かに札幌の経済不況が全国的に見ても大変厳しいので,そういったところになってくるのかなという気はしますけれども,しかし,少なくてもそういった11.1%なり,あるいは私は,たとえ母子家庭だったとしても,やはり稼働能力を持った世帯に自立をさせていくという支援策を札幌市でどうやって取り組んでいくかというのが,これからの問題ではないかと,実は思うわけであります。  そこで,今日まで,札幌市が取り組んできた自立のための支援策をお聞きしましたら,区の保護課において,ケースワーカーの皆さん方が,それぞれ自前でいろんな情報を持ってきている。例えば,ハローワークやあるいは高齢者就職相談コーナーからいろんな情報を持ってきて,保護世帯の皆さん方に情報を提供しているというその苦労を承知はしておりますけれども,今日まで一体どういった自立のための支援策を札幌市としてとってきたのか,取り組んできた経過について,そのことをひとつお聞かせを願いたい。 ◎宮崎 総務部長  被保護者に対する自立,あるいは就労支援の対策でございますけれども,具体的な取り組みといたしましては,これは従来から国の国庫補助事業としてあったもので,被保護者の勤労意欲助長のための事業がございます。この内容でございますが,先ほど委員が指摘されておりましたけれども,主に母子世帯を対象にいたしまして,就労につなげることを目的に,協力いただける企業,あるいは団体に就労先を提供していただきまして,おおむね1年程度,実際に仕事についてなれていただくというような就労訓練で,こういうものにも取り組んでおります。  また,本年度から国の保護実施要領が改正されまして,やはり非常に厳しい労働環境ということを背景にしていると思います。例えば,ホームヘルパーですとか,ケアマネージャー,あるいは調理師など,こういう職種等については資格が必要でございますので,技能修得の費用の支給要件が緩和されております。これは,結局,そういう資格が資力的に取れないということで,結果的に就労できないということになるわけですが,そういう意味で,国のこういう支援策も新たにできましたので,意欲があればそういう制度を活用して,就職などに必要な資格を得る道が開かれたということでございます。  それから,私どもの内部体制といたしましても,さらなる支援なり,あるいは就労のための取り組みを何とか強化したいということで苦慮しておりまして,一つは,今回,予算で通していただければ手がけることができるのでございますが,公共職業安定所のOBの方を採用したいということで,予算を,今お願いしております。それで,これは,専門的見地から助言をいただいたり,あるいは就労支援のノウハウですとか,そういう情報を提供してもらうことによって,市全体の生活保護行政部門での就労支援対策を強化していきたいという趣旨でございます。  いずれにいたしましても,非常に厳しい雇用環境の中でありまして,そういう意味では,被保護者の就労は一層難しい状況にあるわけでございますけれども,今後とも,根気強く被保護者の自立意欲を喚起いたしまして,就労支援対策の効果を実行あらしめたいと,こういうふうに思っております。 ◆西村茂樹 委員  今,区の方で,ケースワーカーを含めながら,就労の自助努力をするための支援策として受けたわけでありますけれども,いま一つきめ細かに答弁をいただきたいのであります。  母子世帯を対象にしたさまざまな取り組みで,例えば,協力企業や団体に就職先を提供してもらってという話がございましたけれども,一体,どのぐらいの件数でどういった受け皿があったのか。そして,そのことが効果として具体的にどのぐらいあったのか。そのことも含めて,お聞かせを願いたいと思います。  なぜかというと,生活保護を受給するときは,本当に困窮しているのでしょうけれども,一たんその世界に入ってしまい長くなってくると,すっかり居心地がよくなって,生活保護でずっと生活をするという,そういった状況がよく見られるわけであります。これはいろいろあると思うのですが,聞くところによると,世代を超えて,親が生活保護を受けていたら子供の世代まで継続していくという,そういったことも聞かされるわけであります。それは,恐らくそういう理由があるから,そういう状況になっているのだと私は思いますけれども,少なくとも,やはり仕事をしたいのだけれどもできないという人たちに対しては,職業安定所ではないのですが,積極的に取り組んでいかなければいけないだろうと思っております。  特に,今,後段で言われました,これから公共職業安定所のOBの方々にも来ていただきながら,そういった手助けをしたいというのでありますが,私は,それに期待をすることはしますけれども,ただ,実は,札幌市もIT講習が13年度から始まってまいりますね。少なくとも産業基盤というのが,これからはだんだんとIT産業にシフトされていくという。そうすると,こういった人方にも,そういった知識なり能力というような技術を身につけていくという,そういった努力もやはり必要になってくるだろうと思っております。  したがって,今年度の予算の中で,国の政策により日本全国IT産業にシフトしていこうということで,札幌市にも予算がつけられて,そして8万人を対象としてやっていくという講習会などの機会を上手に使いながら,また,指導しながらやっていく必要があるのだろうと私は思っているわけであります。その辺,先ほど言ったように,今日まで取り組んできた具体的な効果についてと,今言った新たな産業の講習を視野に入れて,シフトしていった形での,勤労意欲を持たすための技術修得,そういったところの見解をお聞かせ願いたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  雇用拡大ですとか,あるいは自立に向けた具体的な支援策ということでございますが,先ほどちょっと触れました勤労意欲助長事業について,若干具体的にご説明をさせていただきます。  協力いただいております企業なり団体ですが,平成12年度におきましては,具体的には,札幌市母子寡婦福祉連合会に10名受け入れていただいております。それから,白石区内の洋服の縫製会社が2名,さらに西区内の病院で1名となっております。訓練の具体的内容でございますけれども,清掃業務,ミシンがけ作業,それから病院においては厨房等での補助作業ということになっております。  この事業効果でございますけれども,11年度の場合で申し上げますと,対象者12名中,訓練修了後に引き続き雇用になった方が2名,それから就労意欲の向上が認められまして,事業所外で訓練の継続になったものが7名という状態でございます。12年度におきましても,現在13名の方をお願いしておりますけれども,11年度を上回る効果が期待できるのではないかというふうに受けとめております。  それから,各企業への協力の依頼体制等でございますけれども,各区内での担当課で,地元の事業所ですとか,病院ですとか,日ごろの業務上のつながりなどを利用いたしまして,折を見て訪問させていただき,この事業の趣旨などをご説明してご理解いただき,訓練を受け入れていただいているという状態でございます。
     それから,先ほどお話にありましたとおり,世の中が非常に大きく変わってきておりまして,そういう意味で就職の構造も変化してきているわけでございます。そういう中で,特にご提言のありましたIT関係は,これから社会的に欠かせない基盤となりますので,国において講習会等を積極的に展開する予定でございます。こういうものも大いに活用して自立支援に結びつけていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◆西村茂樹 委員  要望しておきます。  前段言ったように,生活保護費の割合というものが,大変予算的に高まってきている状況にございます。そんな意味では,どうやって自立をさせていくのか,どうやって就労させていくのかと,そういったことも視野に入れながら,ぜひ取り組んでいただきたいと。とりわけ協力会社,企業,そういったところについても拡大をしながら,成果の上がるような形で,ひとつ努力をしていただきたいと要望して,終わります。 ○大西利夫 委員長  以上で,第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。  本日は,これをもって終了いたしますが,休憩も入れませんで,大変,皆さん方にご迷惑をかけました。次回は,明日9日午後1時から,保健福祉局関係のうち,高齢保健福祉部,保健医療部,保健衛生部,生活衛生部,衛生研究所及び高等看護学院の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会します。     ──────────────       散 会 午後6時58分...