委 員 宮 川 潤 君 委 員 山 口 た か 君
委 員 中 嶋 和 子 君 委 員 福 士 勝 君
委 員 田 中 昭 男 君 委 員 松 浦 忠 君
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開 議 午後1時
○川口谷 委員長 ただいまから,第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますけれども,
畑瀬委員からは欠席する旨,山田,福士両委員からは遅参する旨,それぞれ届出がありました。
それでは,議事に入ります。
最初に,第9款 教育費 第5項
社会教育費の質疑を行います。
◆山口 委員 私は,図書館に関しまして数点お尋ねしたいというふうに思います。
図書館問題につきましては,これまでもたびたび
代表質問,
委員会等でさまざまな提言をさせていただいておりますし,またことしの
文教委員会の
道外視察,
行政視察は,各地の図書館を見てまいりまして,私ども,さらに勉強をしなくてはいけないという思いを新たにしているところでございます。本市の図書館につきましては,1区に1館ということでずっと来まして,間もなく分区になります清田,あそこの1館ができまして,各区全部終了というふうになっております。その後の計画につきまして,まだ明らかにされておりません。
私どもは,生涯学習のかなめとして図書館が非常に大きな役割を果たしているという認識から,自転車で行ける範囲,もっと
子供たちが,いつでも日常的に行ける範囲で図書館が必要だというふうに考えております。そのことも含めまして,
図書館計画はどのような
進捗状況になっているのか,いつごろ計画ができるかということについて,初めにお尋ねしたいというふうに思います。
それから2点目でございますが,もちろん,これは
図書館計画の中身にかかわる大事な部分でございますけれども,以前,北2条に図書館がありましたときは,隣接して
子供図書館がありまして,大人が図書を選定している間,隣の図書館で
子供たちがお話を聞かせてもらったり,本を選ぶというようなことで,非常に親としても安心して図書館を利用させられたし,
自分自身もまた利用できたというようなことがございます。現在の新しい
中央図書館では,1階が大人も子供も同じフロアになっておりまして,
子供たちもやはり静かにしなくてはいけないとか,遠慮がちに使っているような状況もございます。専門の
カウンターというのもございませんし,そういう意味では,子供の図書館というものが単独館なり別な場所に必要ではないかということを常々感じている次第でございます。
現在の
中央図書館は,すでに手狭になっているというふうに感じますし,そのような意味でも,たとえば隣接している
埋蔵文化財センター,これは
博物館構想の中でいろいろ議論があるかというふうに思いますし,
博物館自体がどのようなコンセプトでつくるのかということがまだ明らかにされておりませんので,
埋蔵文化財がどのような
位置づけがされるかということについても,まだ明らかになっておりませんけれども,たとえば
博物館構想の中で
埋蔵文化財センターが一体なものとして,あそこから移転というようなことも
十分可能性としてはあるのではないかなというふうに考えます。たとえば,そのようなときに,隣接したあそこの
文化財センターを
子供図書館として
位置づけると,そのようなことも可能性としては非常にいいのではないかというふうに考えるわけですけれども,この
子供図書館についてどのようにお考えか。
それから3点目ですけれども,現在,
中央図書館のほかに各区に
地区図書館が1館ずつございまして,それ以外に,
区民センター図書室あるいは
地区センター図書室,図書館ではないけれども図書室ということで運営をされております。私どもは,ぜひ
図書館法に基づく図書館をつくるべきだということで,ずっと主張してまいりましたが,この
地区センター図書室はどのような
位置づけになっているのか,どのようにお考えかということについて,3点目お伺いします。
それと,
地区センター図書室に関連いたしまして,現在,
オンライン化の計画があるというふうにも聞いておりまして,利便性は確かに高まるというふうに思いますけれども,
地区センターは地域の
運営委員会に委託をして運営をされておりますので,地域の方が貸出しなどのさまざまな業務をなさっているという,そういう状況の中で,果たして
プライバシーの保護など,
オンラインになったとき守られるのかどうか,課題が非常に多いというふうに考えますけれども,それについてどのようにお考えか,この3点について伺います。
◎櫻田
中央図書館長 1点目の図書館の
複数館計画についてのお尋ねでございます。
図書館の
複数館計画につきましては,現在,次期5年計画における
図書館行政の課題の一つといたしまして検討を進めております。したがいまして,まだ具体的に申し上げられる段階にはございませんが,限られた財源枠のもとで,山積するさまざまな
行政需要にこたえていかなければならない本市の厳しい現状も,ご案内のとおりでございます。こうした厳しい環境のもとにございますけれども,私どもとしましては,ただいまのご提言の趣旨も念頭に置きまして,引き続き取り組んでまいりたいと,こういうふうに考えております。
それから,2点目の
博物館構想を前提としての
子供図書館の設置の話がございました。
本市の
博物館計画につきましては,目下,
基本構想委員会におきまして,設置の理念でありますとか,
基本的性格について,検討が進められている段階でございますが,仮定の話としまして,もしこの構想の中で
埋蔵文化財センターが移転をするということになりました場合は,ただいまの
埋蔵文化財センターの
保有面積が大体1,500 平米ほどございますので,
跡利用計画の検討の段階で,ご提言の
子供図書館の設置につきましても,選択肢の一つとして検討されることになろうかというふうに考えております。
3番目の
地区センターの図書室についてのお尋ねでございます。
地区センターの図書室の
位置づけについてでございますが,ご承知のとおり,
地区センターは,
地域社会の
段階的広がりに応じた
コミュニティーの形成を図るため,区と近隣住区を結ぶ地区に,文化,スポーツなどを通じた
地区住民の
コミュニティー活動の拠点となる施設として設置するということにされております。
図書室は,その中の
文化的機能の一つとしまして大きな位置を占めておりまして,多くの方々に親しまれますとともに,高い評価もいただいております。また,
本市図書館ともネットワークで結ぶ等によりまして
有機的連携を図っておりますので,
図書館行政の一端を担っているものと認識いたしております。
2点目の
地区センター図書室における
プライバシー等の問題についてでございます。
ご指摘の点につきましては,今後,いまお話しありましたように,
地区センターにも順次
オンライン化を進めていくという計画になっておりますこともありまして,
十分注意を払っていかなければならぬというふうに考えております。したがいまして,施設を所管しております市民局のほうとも協議しながら,委託の契約に,この点を明確にする条項を盛り込みたいというふうに考えております。
それから,職員の研修につきましても,
当市職員としての資質の向上とともに,
プライバシー等の倫理の徹底を図るために実施をしてまいりたいと,このように考えております。
◆山口 委員 計画についてですけれども,
複数館構想については,財源の厳しい中でも検討中ということで,私としては複数館になるというふうに理解をいたしましたので,それについては,ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに思います。まだ具体的に出てこないということでしたけれども,大体これまでの委員会の議論も聞いておりますが,具体的に出てきてからではかなり遅くて,固まってしまっていることが多いものですから,
特別委員会でも各委員の方々,固まらないような段階で,5年計画の中でぜひ盛り込んでほしいという意見が連日出されているわけなのです。その辺も,きっちりでき上がる前に,さらに
市民参加なり
市民要望を聞くような形で
複数館構想も含めました
図書館計画をつくっていっていただきたいというふうに思うわけです。
それから,
子供図書館につきましても,現在,図書館間は
オンラインで結ばれていまして,
相互貸借なんかできるようになっていますけれども,子供の場合は,ほとんどそこへ行って,見て,なければ借りないということで,コンピューターでつながっているから,ないものは,ほかの図書館から取り寄せられるのだよということがまだ理解できなくて,目で見て,そこになければ終わりというようなことも多々ございます。そういう意味では,子供のレファレンスも含めた
子供カウンターの設置とか,そういうことが望まれるわけですから,ぜひ
子供図書館の計画も積極的に取り組んでいただくということを要望したいと思います。
それから,
地区センター図書室ですけれども,いま,
プライバシー,それから研修のことでお答えございましたけれども,図書館は図書館で,借りる本なりは
思想信条の自由ということを保障されなければいけないという,
図書館員の
倫理綱領,それから図書館の自由に関する宣言などを踏まえまして運営されるべきであります。そういう意味では,図書館の人というのがとっても大事だということを常々感じております。
行政視察で参りましたときも,明確に「人です」とおっしゃった自治体の職員の方もいらっしゃいます。建物ではなくて,図書館は人ですというふうにおっしゃいました。
これからの札幌を担う
子供たちが,どんな
読書環境にあるかというのは,非常に重要な課題ではないかというふうに思うわけなのですけれども,それを踏まえまして,ぜひ
地区センター図書室はきっちりと図書館として
位置づけ,分館として
位置づけることを再度求めたいというふうに思います。
次に,それらも含めまして,計画の中で開館日のことなのですけれども,現在は,祝日は開館されておりませんで,日曜日だけというふうになっています。たとえばゴールデンウイークなんかも,非常に先日問題になったかというふうに思いますが,4月末から5月初めの1週間は,
館内整理や祝日ということで,ほとんど開館していないという中で,市民の方も行って初めて知って,びっくりするというような状況がありました。私のところへも何人もの方からそういうお声が届いておりまして,
祝日開館について,来年以降の計画も含めまして,開館するお考えがあるかないかについてお伺いをしたいと思います。
それから,前回も取り上げましたが,
貸出冊数制限というのが,いま4冊というふうになっておりますが,私は,先日,剣淵町に行ってまいりまして,絵本の館というところを見てまいりました。本当に
子供たちのためにいい絵本がたくさんそろっておりまして,全国から貸出しを受けているのですね。
貸出冊数の制限もなしで,地域の制限もなしということで,希望者には郵送で貸しております。そのようなことも含めて,4冊というのは余りにも少ないのではないかというふうに考えるわけですが,
貸出冊数の制限について,ふやすお考えはあるかどうかということについてお伺いをしたいと思います。
◎櫻田
中央図書館長 地区センター図書室の分館化についての再度のお尋ねでございます。
地区センターにつきましては,先ほどお話しありましたように,地元の
運営委員会に委託しておりますが,この
センターは,先ほど申し上げましたけれども,
コミュニティ活動の拠点としまして,地域に密着して運営されておりまして,保有するそれぞれの機能との
相乗効果によりまして,
コミュニティーの形成に大きな成果を上げてございます。したがいまして,図書室もこの中の
中心機能の一つとしまして,他の機能とも一体の形で運営されることが,施設の性格上望ましいというふうに考えておりますので,
現行どおりの運営の仕方が,私どもとしては望ましいというふうに判断をいたしております。
それから,
祝日開館についてのお尋ねがございました。
ご指摘のとおり,
本市図書館を祝日に開館することにつきましては,市民の強い要望もございますし,その必要性につきましても十分私どもとしては認識をいたしております。しかしながら,ご承知のとおり,この問題は職員の
勤務体制でありますとか
勤務状況に大きくかかわる事項でございます。さらには,これに伴う庁舎の管理の面でありますとか,
財政負担の問題などクリアしなければならない要件が多々ございます。今後の
検討課題とさせていただきたいというふうに考えております。
それから,図書の冊数についてのお尋ねでございますが,現在,4冊ということでやっておりますが,市民の要望あるいは他都市の状況等も踏まえまして,これをふやす方向で現在検討をいたしているところでございます。以上でございます。
◆山口 委員
地区センター図書室の
位置づけにつきましては,考えが私などと違うわけですけれども,これについては,引き続き提案もしてまいりたいし,議論もしていきたいというふうに考えます。
それから,
祝日開館についてなのですけれども,これは組合とのいろいろなお話なんかもあるかというふうに思いますが,行政は最大の
サービス産業であるというふうなことを踏まえますと,ぜひこれは何とかクリアをしていただきたいということを再度求めておきたいと思います。
最後の質問になりますけれども,先ほども,建物ではなくて,一に人だというふうに申しました。本市では,現在,
専門職制度をとっておりませんけれども,絶対これは司書が必要であるということは痛感をしております。きのうは,
学校図書館の問題で,
福士委員のほうからも司書教諭の配置ということでございましたけれども,ぜひ札幌市でも司書の配置ということで,
専門職制度のあり方という点で,ぜひご検討いただきたいと思います。先日,生涯
学習フェスティバルが終わったところでございまして,生涯学習の観点から,再度,図書館の重要性というか,あり方についてどのようにお考えか,確認ですけれどもお伺いをして,司書についても,あわせてお考えを伺って質問を終わりたいと思います。
◎櫻田
中央図書館長 司書の
専門職化についてのお尋ねがございました。これにつきましては,たびたび議会の中で質疑が行われてきた経過がございます。
ご指摘のとおり,図書館につきましては三つの要素がございまして,まず一つは,図書でございます。それからもう一つは,施設ということでございまして,そのほかに人ということがございますけれども,その中で人の要素が75%を占めるというふうに言われております。すなわち,図書館は人であるというご指摘はそのとおりであるというふうに思いまして,人間の関係につきましては,大変重要なことであるというふうに受けとめてございます。
ただ,司書の
専門職化につきましては,これは本市のいわゆる
人事制度の根幹にかかわる事項でございまして,簡単にまいる問題でございませんので,引き続き
検討課題とさせていただきたいと,このように思っております。
それから,最後の図書館と生涯学習の関係でございます。ご承知のとおり,本年4月に札幌市生涯
学習推進構想が制定されたところでございますが,この構想は,市民のだれもが,いつでも,どこでも,みずからの意思と選択に基づいて学習を実践でき,その成果が適切に出されるよう,総合的かつ体系的に施策を推進するものであるということになっておりまして,市民の生涯学習を支援し,
学習環境を整えることに主眼を置くということになっております。私どもとしましても,図書館を,生涯学習を支援するための重要な施設と
位置づけておりますので,これまでも施設の拡充等に努めてまいりましたが,今後も,より一層整備向上に向けて努力をしてまいりたいと,このように考えております。
◆岩木 委員 私は,本市の
留守家庭児童対策について,二,三お伺いをしたいと思います。
この件につきましては,10月9日,
文教委員会で
連合北海道札幌地区連合,
札教組等5団体からも,この施策の今後のあり方について陳情があり,初審査を行なったところであります。また,さきの
代表質問におきまして,
社会党会派先輩議員であります
加藤委員が,福祉問題の中でこの対策について質問を行なったところでもあります。その答弁の中で,
教育委員会としての今後の方向が一応示されているのではないかと思います。
その内容ですが,確認の意味で申し上げます。
この事業が小学校低学年の児童を対象としていること,また,児童の日常の
行動範囲を考えると,身近なところで施策が行われることが望ましく,そのために,地域の
公的施設の活用も含め検討するということでありました。この施策をさらに拡充していくことを示唆したものと,私は理解しております。
さて,昨年,国では
全国的少子化の傾向の対策としまして,積極的に子育てを社会的に支援していこうということで
エンゼルプランを作成したところでもあります。本市では,このような社会的な状況にも対応して,
児童会館の整備を積極的に進め,現5年計画でその目標をほぼ達成しようとしているわけであります。
ただいま申し上げましたような世の中の変化,あるいはさまざまな
市民要望が上げられておりますけれども,今後の
留守家庭児童施策を進めるに当たって,児童の減少による各学校の
空き教室をどう地域で生かしていくか,学校の資源,
空き教室,そういったものをどういうふうに活用していくのか,そのことに私
ども会派では注目をいたしております。本市の
財政的負担を考えても,既成の資源を有効的に活用することは大変意義のあることではないかというふうに考えてもおります。
そこで,平成8年度から次期5年計画が始まるわけでございますけれども,現在,その策定作業も大分進んでいるのではないかと思います。次期5年計画の中で,この
公的施設の活用に着目し,計画の中でどんなふうになっているのか,現時点でどこまでそういったことが進んでいるのか,明らかにしていただければと思います。質問の1点目でございます。
◎小川
社会教育部参事 次期5年計画の中で,
留守家庭児童施策において,どのような地域の
公的施設を活用し,施策を行おうとしているのかというご質問にお答えいたします。
さきの
代表質問でお答えしておりますが,この施策の対象としている児童は,委員のご指摘のとおり,小学校の低学年でございます。また,児童の日常の
行動範囲を考えますと,児童の身近なところで施策が展開されることが望ましいと認識しているところでございます。
このようなことから,次期5年計画におきましても,今後も児童の健全育成の観点に立ち,より細やかな施策の展開を図るため,たとえば,いまお話のありました学校を初め幼稚園,保育園,
地区会館などを視野に入れながら,
公的施設の活用について検討しているところでございます。
これらの活用に当たりましては,利用する際の子供の利便性,安全管理,
施設設備などにおける
問題点等について,いろいろな角度から総合的に検討を重ねており,あわせて国や他都市の動向,さらに議会に提出されております陳情の審議の推移を見ながら,対応を考えてまいりたいと考えております。
◆岩木 委員 公的な機関をいま挙げていただきましたけれども,私どもの知り得ている範囲でも,たとえば青少年のためのLet'sでありますとか,いろいろな知恵を出すと,建物はあっても余り有効的に機能していないというところもあるようでございますので,そういったことも含めまして,ぜひ見直しをお願いしたいなというふうに考えております。
続いて,学校はあくまでも
教育活動の場でありますので,それはもう当然のことでありますけれども,学童保育の立場で論議する場合は,あくまでも
空き教室,
余裕教室を前提にして申し上げているわけであります。
管理上のことからいえば,いろいろなことが出てくるかと思いますけれども,現在,そういう状況の中でありましても,17校では,
学校方式で
留守家庭児童を預かっておりまして,きわめて評判もよいわけでございます。
ぜひこの問題につきましては,私は,この事業が始まって,すでに15年ぐらい経過しているのだと思います。15年の差があって,私がこの場に立つのは,かなり自分なりに努力をし,理解をするための作業をしたと思います。しかし,何といってもこのギャップは埋めることができないかもしれません。私も,実に私の
同僚たちも,本当に子育てで苦労しながら職場で仕事も一生懸命やっておりました。そういう
仲間たちのためにも,私は,この問題について頑張ってまいりたいと思います。どうぞ前向きな結論を早くお願いしたいと思います。最後は要望になりましたけれども,これで終わります。
◆義卜 委員 それでは,私のほうから,学校週5日制の今後の施策についてお伺いをしてまいりたいと思います。
5日制は,平成4年9月というきわめて変則的といいましょうか,当初,初年度のスタートというところから始まればよかったのでしょうけれども,こういうきわめて変な時期に導入をされたということでございましたけれども,これは
教育委員会の皆様方,あるいは各学校,あるいは
PTAの方々,地域の方々のご協力によりまして,おおむね現在は順調に推移しているのではないかと,私はそう思っているのですが,問題は,今後,制度の趣旨といいましょうか,これにのっとった施策がどこまで展開されていくのかという,行政としての今後の展開が問われているというふうに思っております。
その意味で,私は,若干の懸念といいましょうか,心配といいましょうか,あると思います。
中教審が平成8年度に結論を出すと,何年から完全実施に移行するかという結論を出すということですので,各都道府県の
教育委員会の皆様方もそれぞれいろいろな情報を集めて,これは今世紀中にはないだろうということで進めておる
教育委員会もありますし,いや,あるのじゃないかということで,いろいろな諸準備をされている
教育委員会もあるわけでございまして,それは中教審の結論を待たなければなりませんけれども,私は,いずれにいたしましても,いろいろな懸念材料があるわけでございますので,できるものであるならば,いまから進めていく,受入れを万全の体制で進めていく必要があるのではないかと,このように思っております。
もともと5日制というのは何で始まったのかと。すでにスタートして3年たったわけでございますけれども,これは,いまさらここで申し上げるまでもないわけでございますけれども,どうしてこれが始まったのかという,その原点といいましょうか,趣旨というものをもう一度ここで,その趣旨にのっとった施策を,行政の皆さん方は押しつけるということはしてはいけないわけでございますけれども,そういうことをさらに今後展開していく必要があるだろうと。
毎度言われていることでありますが,
PTAの会合でも言われていることでありますけれども,学校・家庭・地域の有機的な連携を図っていくと,
代表質問におきましても,何回かのご答弁で,教育長もそのようなことを申されておりますが,なかなかこれが,口で言うのは簡単でございますけれども機能していないと。三百何校ある学校ですので,全部が全部というふうにならぬでしょうけれども,そういうことを考えますと,もう一度,この趣旨にのっとったことをいまからやらなければ,完全実施のときに,果たしてこれで軟着陸できるのかというような不安を私は持っております。
土曜日の過ごし方ということで,いろいろな選択肢があるわけでございますけれども,まず
子供たちが本当にその地域で主体的といいましょうか,自主的に何かをやるということが一番望ましいわけでございまして,第三者あるいは行政が型にはめたようなことは,札幌市は一切やっていませんけれども,そのようなことはこの本旨にも反するわけでございますので,多様な選択肢をどんどん提供していくと。しかし,いままで努力はされておりますけれども,現に社会全体がまだ週休2日になっていないということもありましたり,留守家庭の方,あるいはいろいろな障害を持っている方なんかおりまして,その方々のためにも,やはり何かをこれからしていく必要があるのではないかと,このように思っております。
そういうことで,いろいろな選択肢をつくるわけですけれども,札幌市
教育委員会としましては,スタートした平成4年9月以降,いろいろな選択肢がある中の一つとして学校施設,主に体育館だったと思うのですが,体育館を中心に学校開放事業というものを,これは
PTAの皆さん方のご協力を得ながら進めてきたわけでございますけれども,その開放事業の実績といいましょうか,推移を踏まえて,どういう認識をお持ちか,1点目お伺いします。
それから2点目でございます。これはいろいろなところで,5日制に関しましては調査されておりますけれども,札幌市
教育委員会としての独自の意識調査といいましょうか,そういうものがあれば,その結果のデータをお示しを願いたい。あわせて,
子供たちがどのような評価をされているかということもありましたら,まずお示しを願いたいと思います。
◎羽田 社会教育部長 学校週5日制に関する施策についてお答えを申し上げます。
1点目の5日制学校施設開放事業の実績についてでございますが,小学校につきましては,平成4年度は199 校中189 校,平成5年度は203 校中177 校,平成6年度は205 校中144 校の開放を行なっており,養護学校につきましては,各年度とも3校全校を開放しております。さらに,平成7年度の現時点での開放状況について申し上げますと,小学校は207 校中114 校,養護学校は3校中2校となっておりまして,開放校は,いまお示ししたとおり,年々減少をしてきております。
その評価でございますけれども,この制度の実施当初は,子供や家族にも戸惑いがあったものの,制度の定着につれまして,親や友人とともに過ごすなど,それぞれの生活パターンを見出して,児童・生徒の
行動範囲も次第に広がっていきまして,週休日の過ごし方も多種多様化してきたことが背景にあるものと考えているものでございます。
次に,2点目の5日制に関する意識調査の結果についてでございますが,まず,学校週5日制に対する保護者の賛否につきましては,実施前の意識といたしまして,30%強が賛成をし,条件つきを含めますと約65%が賛成でございましたが,実施後の昨年10月に行いました調査では,57%強が賛成をし,条件つきを含めますと77%弱が賛成となっているものでございまして,着実に保護者の学校週5日制への理解が深まっているものと考えております。
また,休業土曜日に対する児童・生徒の意識についてのお尋ねでございますが,平成6年10月の調査では,「どちらかというとよかった」を含めまして「よかった」と答えた者は,小学生約89%,中学生が約93%となっておりまして,休日がふえたことにつきましては,素直に歓迎する結果となっているととらえております。
週休日の過ごし方に対する
子供たちの評価につきましては,小学生,中学生ともに7割近い児童・生徒が「楽しかった」あるいは「ゆっくり過ごせた」としておりまして,残りの約3割は,「疲れた」「忙しかった」あるいは「楽しくなかった」という答えをしているところでございます。以上でございます。
◆義卜 委員 まず,学校開放の件ですが,私は,年々低下してきていることは,むしろ望ましいことであると思っております。これは,スタートしたとき以来,学校の関係者も私もそういうふうに思っているのですけれども,このスタートしたときには,学校依存体質を改めましょうというのが一つの要素であったわけですので,開放はどうしても,いろいろな家庭の事情があって学校に行くという方もおりますけれども,総体として見るならば,人数が減ってきていることは歓迎すべき点であろうと思います。と申しますのも,開放したからには,必ず先生が学校に行くということもあるわけですので,そういうことも考えますと,この傾向は歓迎されていいのかなと思うわけです。
しかし,いまの調査の結果にもありますように,じゃ,子供はどうかというと,いまのご答弁では,着実に深まっていると。その深まっている中身は,これまた別な議論なのですけれども,
子供たちにとりまして,じゃ,ゆとりがあるとか,あるいは楽しかったというのが多いことは多いのですが,3割ということもあるわけですね。これは家庭のいろいろな事情とか,さまざまなことが背景にあるのでしょうけれども,そういうことを踏まえますと,またそれなりのきめ細かな施策をやっていく必要があるのではないかと,このように思います。したがいまして,これから
子供たちが学校を離れて,もっと地域で参加意欲がわくような,そういった場を提供していくという,そういうきめ細かなソフト面をどんどんと展開していく必要があるのではないかと思っております。
そこで,質問でございますけれども,先ほど申しましたように,いずれ,毎週毎週の土曜日が休みになるわけでございますので,今後の施策を推進していくに当たっての課題,これをどのようにとらえているか,また,その課題にどのような対応をされようとしているのか,お伺いをいたします。
◎羽田 社会教育部長 学校週5日制の拡大に伴います事業の課題と対応についてのお尋ねでございますが,本年4月の学校週5日制の月2回の実施に際しましては,学校,地域,そして行政,社会教育団体等の代表者で構成をしております札幌市学校週5日制協議会を開催をさせていただきまして,学校,家庭,地域の協力体制,啓発活動等の一層の推進について確認をさせていただいたところでございますが,さらに週5日制の拡大に伴い,
子供たちが有意義に週休日を過ごせるよう,関係機関と密接な連携をとりながら,先ほど段々のお話がございましたこの制度の趣旨に沿った事業を推進することが主要な課題と私どもも認識をしているところでございます。
これまでも,
児童会館の設置であるとか,青少年科学館の2期整備の着手,そして定山渓自然の村の建設推進計画などを初めといたしまして,コミュニティドームや温水プール等の体育施設につきましても,逐次整備を進めてきたところでございまして,今後も本市の特性を生かしながら,休業日に
子供たちがさまざまな体験や学習ができる施設の拡充に努めてまいりたいと,このように考えているところでございます。
また,ソフト面におきましても,サタデーテーリングや青少年科学館における親子科学教室など,
子供たちが気軽に参加できる事業等につきましても,全庁的に実施をしていただいてきているところでございますが,今後につきましても,子供や保護者の意向調査などを実施をいたしまして,それらから出てくるニーズを十分反映しながら,一層の充実に意を用いていきたいと考えているものでございます。以上でございます。
◆義卜 委員 それぞれの部局でいろいろな施策を展開されてきているということは,私も知っております。この制度がスタートするに当たっての調査研究校というのですか,これを十何校か指定をして,されてきたその実践例というものも,こういうふうになっていまして,本当に趣旨にのっとって進めているなということもあります。
しかし,その一方で,先ほど来申し上げていますように,3年を経ているわけですけれども,依然としてばらつきがあると。ばらつきがあるということは,地域の方々の意識の問題も多分に私はあると思います。しかし,趣旨にのっとったことをやりたいのだという方々がおっても,まだまだそれを手助けしてくれるような場がないということだと思います。
昨年の文部省の調査ですので,これは札幌市ももちろん入っているのですけれども,どういうふうに
子供たちが市町村に要望を出しているか,また,保護者は市町村に何を要求しているかというアンケートなのですけれども,これは,私は,おおむね全国の数値というのは札幌市も当てはまると思っています。まず一つには,「子供は何を市町村に要望しているか」という設問なのですが,「遊びや学習の場所の情報をもっと提供してほしい」というのが48.6もある。また「団体・グループの活動,催物,講座などの情報を提供してほしい」が20%もあるわけですね。合わせれば約7割あると。その一方で,保護者に対して「市町村に何をしてもらいたいか」というその問いかけに対しましては,これまた「子供の学校外活動に関する情報を提供していただきたい」と,こういう声が36.3%もあると。家族で参加できる催物,地域活動,講座などの開設を望んでいる方々が,これまた35.6,合わせますと70%を超えているわけですね。
ですから,私は,先ほど申し上げましたように,それぞれ皆さん方が一生懸命されているのはわかるのですが,どうもそれがうまく機能していないというふうに思うのです。だから,メニューを提供するとか情報を提供するということが,私は行政の皆さん方の責任ではないのかということを申し上げたいのであります。
いま私が申し上げましたような,こういうデータを踏まえますと,これは全国共通の話ですけれども,では,札幌市としてはどうするのだと,北海道はどうするのだということで,北海道の話をして恐縮ですけれども,道
教育委員会としては,今年度から,こういう実態があるのだということであれば何かを手助けしなきゃならぬということで,学校週5日制地域対策指導者設置費補助金というものを創設しまして,地域で活動されている,いろいろなプログラムを開発したり,それから実践を行なっているそういう専門的な指導者を設置する市町村に対して補助を行うという,こういう制度をつくったと。お金を出すことが,私はすべていいとは申しませんけれども,そういう何かの手助けをしようとしていると。
皆さん方は市教委だから関係ないと言えばないのですけれども,先ほど,私が一番初めに言いましたように,中教審が答申を出すと。今世紀中にはないだろうということなのですが,仮にあるかもしれないということで,道教委は完全実施を4年後に想定していて,こういうことを検討されていると。そして,今後,さらにこういったものをどんどん拡大していきたいと,これは道教委の考えでございます。
したがいまして,私もそういうことを踏まえますと,本市においても,先ほど申し上げましたように,こういう研究校として指定された学校でありますから余計気合いが入ったのでしょうけれども,本当に地域の方々,いろいろな地域のリーダーとか老人会だとか,一体になって,文字どおり趣旨にのっとった活動をやっている。そして,こういうものも集約されているわけですので,こういったものも実践事例として現にあるわけでございますので,何をやったらいいかはわからないという方々がたくさんいらっしゃる,行政に対する要望もあるということですので,こういったものも大いに活用をすると。あるいはまた,地域や団体に,事業のメニューとか,あるいは運営について助言するということで,私は,学校5日制のアドバイザーといいましょうか,そういったものを置いてはいかがかと思うのでございますが,いかがでしょうか。
◎羽田 社会教育部長 ただいま,委員から,学校週5日制にかかわります地域活動などの支援策について,幾つかのご提言を含めてご質問がございました。
これまでも,本市の学校における数々の事例を盛り込みました学校週5日制資料を作成いたしまして,学校へ配付するなど,その普及啓発に努めてきたところでございます。しかし,いま段々のお話の中で,情報提供等のことが一番望まれているということでございます。今後は,子供会のリーダーや
PTAの指導者,さらには青少年育成委員など,本市の青少年の健全育成に取り組んでこられております団体等にもこれらの事例を配付し,あわせて,本市のみならず,他団体のユニークな事例などの情報提供を行うとともに,子ども会のリーダーなど,地域の人材の育成や活用を図っていくことによりまして,子供や地域の特性に合った有意義な事業の展開を図られるような支援策を一層検討してまいりたいと,このように考えているものでございます。以上でございます。
◆義卜 委員 私,これは認識の問題かなというような気もするのです。それぞれの原局において,この5日制の趣旨にのっとって施策を展開されてきたということなのですが,それはそれで結構だと思いますけれども,どうもそこで有機的な連携というのでしょうか,それが各地域にストレートにおりてきていないということがあると思います。
それともう一つは,私は,取り組みの姿勢,甘いとは言いませんけれども,先ほど私が言いましたように,北海道としては平成4年の秋にスタートしたわけですが,その年の1月に北海道青少年問題協議会,これはずっと前からあるわけですけれども,別に5日制に対応してつくられたものでも何でもないのですけれども,その北海道青少年問題協議会が,1月の時点で,すでに5日制でどう対応するかということで協議を進めてこられて,2年後の平成6年3月に,知事とか道警本部長に答申を出していると。
札幌市は,じゃ,どうかといいますと,札幌市も青少年問題協議会というのがあるわけです。これは
教育委員会の皆さん方が所管しているわけではありませんけれども,市民局だと思うのですが,この5日制,私,前の委員会でも言ったかと思うのですけれども,明治5年の学制が公布されて以来の大改革ではないですかということで,取り組みのことをお話ししたことがあるかと思うのですが,札幌市青少年問題協議会というのがあるわけですので,いままでどんな活動をされてきたか,詳細に私わかりませんけれども,いち早くそういうことで機能させて,何かの対応をしましょうやというような動きがなかったのは甚だ残念だと思うのです。
そこで,並行して,札幌市は青少年育成計画というものをつくりましょうということが出てきたこともありまして,しばらく休眠していたのでしょうか,札幌市の青少年問題協議会が,そこで出てきて,審議を始めたという経過がありまして,これは平成6年9月にスタートをしたと。5日制が始まって2年後になるわけですね。ですから,北海道も2年間かけて協議をしてきたわけですけれども,この育成計画は,別に5日制に限ったことではなくて,総合的な本市の青少年のための育成計画ということですから,私は,2年で答申がまとまるかちょっとわかりませんけれども,その中にも間違いなく5日制の対応という項目はそのままでないにしても,入っているようでございます。それを受けて何かをしようということであれば,私は甚だ遅いのではないかと,このように思っております。
そこで,先ほど来ご答弁ありますように,それぞれの原局でいろいろな知恵を出してやってこられているわけですが,私は,答申なるものが出てこなくても,いまからできるものもあるわけでございますので,これは
教育委員会の社会教育部に限らず,受皿をどうするかという問題については,市民局あるいは環境局も入るわけですから,あるいは交通とかも入るわけですので,全庁的な連携をもっと強化して推進体制をつくって,市民の皆様方に多様な情報を提供していくと。そういうことに取り組むお考えはないか,お伺いをしたいと思います。教育長にご答弁をお願いします。
◎藤島 教育長 現行の学校週5日制,それから,なかんずく,委員からお話のありました完全週5日制への移行,こういったことで,いまからいろいろな体制を考えるべきではないかと,こういうご趣旨だろうと思います。
私ども,一貫して申し上げてきたことでありますが,完全学校週5日制は,無理のない形で,ごく自然な中で移行していきたいと,これが基本的なスタンスであります。これは,委員からもお話がございました。したがいまして,支援策につきましても,やはりごく自然な形で,そしてそれを支援をしていきたいと,このように思っているわけです。
もちろん,このことによりまして,じゃ,何もしないのかということになるわけですけれども,そうではなくて,先ほど来,部長がお話を申し上げておりますように,現在の地域における
PTAであるとか,あるいは子ども会であるとか,あるいは青少年育成委員,こういった立派な地域における
子供たちの育成関係の団体があるわけですから,その皆さん方の力をおかりしながら,さらに私どももいろいろなメニューを提供したり,あるいは情報を提供しながら,連携を深めて備えていかなければならぬと,このように思っております。
そういう意味での私どもの決意としては,これまで以上にきめ細かい連携体制といいますか,あるいは協力体制といいますか,そういったことを心がけなきゃならぬと,このように思っております。
もとより,育成計画ですか,それをまつまでもなく,私ども,そういった協力関係あるいは連携への体制を固めるべく努力を傾けたいと,このように思っております。
◆武藤 委員 私からは,
留守家庭児童対策について,1点のみ質問させていただきます。
10月9日にも5件の陳情に基づいて審議がされたところですけれども,まずお尋ねしたいのは,
教育委員会として,2年前の4月に障害児保育の都市視察を行なっていると思います。この視察の意義と目的について,まずお尋ねします。
それと,先ほど岩木委員へのご答弁にもありましたけれども,
公的施設という問題です。委員会では,ここまで具体的に答弁されていませんでしたけれども,きょうは学校,幼稚園,
地区会館などということで,具体的にどういう施設なのかということが明らかにされたわけですが,これはどのようにやろうとしているのか。たとえば,現在3形態,
留守家庭児童対策事業のもとで行われている施設があるわけなのですけれども,これはトータルで見ても3形態合わせて151 ヵ所となっています。小学校区で見ますと,200 以上の校区になるわけですね。現在,この3形態のいずれもないところで考えているものなのか,それとも,この3形態のいずれかでもあるところにも公で整備していくということで検討されているのかどうなのか,まずこの2点についてお尋ねしたいと思います。
◎小川
社会教育部参事 1点目の平成5年に調査いたしました意義と目的についてお答えいたします。
この調査は,政令市の障害児の
留守家庭児童施策における受入実態につきまして調査したものでございます。これは,他都市のこの件に関する実態や問題点をつぶさに把握し,本市の施策の参考にしようとしたものでございます。
また次に,2点目でございますが,今後の
公的施設を活用した施策についてのお尋ねでございますが,今後の方向につきましては,先ほどもお答えしましたが,児童の健全育成の観点に立ち,
公的施設を活用した細やかな施設の展開を図るというようなことを念頭に置きながら,現在,検討を進めております。
◆武藤 委員 1点目の障害児の受入れの問題ですけれども,政令市における障害児受入れの実態を調査し,そして,本市の施策の参考にしたいと,こういうお話でしたけれども,2年前ですから93年4月の時点,視察に職員を送り出す時点では,本市においても,障害児保育を
留守家庭児童対策事業の一環として,やることを前提に行われたのだと思います。ですから,それからすでに2年半以上経過しているわけなのですが,この2年余りの期間,どのような検討をされてきたのか,その経過についてお尋ねしたいと思います。
それと,2点目のお答えなのですけれども,検討していくということで,
公的施設を活用しようということははっきりしたと,新5年で検討していこうということなのかなという気がするのですけれども,先ほどお尋ねしたのは,どういう活用の仕方,たとえば小学校区全部に整備するために,3形態のいずれもないところに
公的施設を活用していくものなのか,それとも,いまある3形態の中を整備しながら,あるところにも公的に整備をしようとしているのか,この点をお尋ねしたのですけれども。
◎小川
社会教育部参事 まず,1点目の障害児の検討の経過,どういうようなことを検討してきたかということについてお答えいたします。
本市の現在の
留守家庭児童施策の中におきましても,いわゆる現行の指導体制の中で,指導できる範囲の障害を持っている方については,受け入れているところでございますが,この間,いろいろな方々から,さらに障害児の受入れ等について要請があり,現在の
児童会館あるいは学校施設方式,さらには民間施設方式,それぞれの施設の実態,あるいは健常児との交流の中で,どこまでの障害の程度を持った子供さんを受け入れることができるか,あるいはまた受け入れるとした場合の指導体制,あるいはその場合の施設のあり方等さまざまございます。また,これを取り巻く関係団体もございまして,私ども,そういった方々との意見の交換をしているところでございますが,そういったことを検討してきているというようなことでございます。
次に,今後の施策の方向づけについての検討ということで,3形態があるところ,それから全くないところについて考えているのかというようなことでございますが,それらを含めまして,現在,総合的に検討させていただいているところでございます。
◆武藤 委員 障害児保育の問題ですけれども,結局,視察に行く前段では,本市でもやりたいという意向があって行かれたということは,はっきりしていると思うのですよね。だから,これまでも検討されてきているし,その方向は変わっていないだろうと思うのです。
ただ問題なのは,他都市を視察,あるいはいろいろな調査を行なった結果として,本市のいまの実態では,今の指導体制のもとでは,他都市でやっているような障害児保育はできないという,そういう結論が見えたのかどうなのか。
たとえば,実際にやるべくして行っているのに,余りにも時間がかかり過ぎているのではないだろうか。何一つ変わっていないわけですね。本市が3形態で受入れ可能なもとではやっていると。確かに,
学校方式でも児童クラブでも,障害児を受け入れていると言っています。ところが,その前提にあるのは,自分のことは自分でできる,つまり人に迷惑をかけない,つまり健常児と何一つ変わらない,こういう障害児と名のる子供,あるいは親がうちの子は障害児ですとみずから告知する,そういう障害児を受け入れているにすぎないわけですね,現実的には。ですから,いまの体制でできないことは,すでにこの調査が終わって2年半の経過の中でも明らかになってきたと思うのです。ですから,これから先,何を検討されようとしているのか。
それから,この新5年で障害児保育をやるべきだということで,この間,何度も何度も陳情や請願が毎年のように行われてきて,
文教委員会でも毎年のように審議されてきているところですけれども,この2年半の間に障害児保育の問題で確かに検討はしてきたけれども,目に見えるような結論を出す検討が行われてきているのかどうなのか。
それと,現状の指導体制では,いま障害児保育,41名受け入れている民間方式の学童保育の障害児,いまの体制ではもちろん受け入れることは不可能だと思うのですけれども,だから,指導員の加配をということで陳情も出されているわけなのですが,こういうような民間方式が受け入れている障害児の中身を見て,障害児保育というのは,こういう多くのいろいろな種類の障害を持った
子供たちも受け入れるべきだという前提に立って検討されているものなのかどうなのか,この点をお尋ねしたいと思います。
それから,
公的施設の活用の問題では,これから検討だと。つまり,来年度も5館の
児童会館が建てられる予定になっていますけれども,来年から始まる新5年の中で,またしても5年かけてどうしていくのか検討するということなのでしょうか。5ヵ年で検討するというのはどういう意味なのか,その辺をもう少し具体的にお示しいただきたいと思います。
◎小川
社会教育部参事 障害児について,何を検討してきたかというようなことでございますけれども,先ほどもお答えしましたが,私ども,社会教育施設である
児童会館,あるいは学校施設方式,あるいは民間の中でさらに受け入れることが可能かどうかという姿勢を持って検討してきているわけでございます。しかしながら,私ども社会教育という施策の根本理念の部分で,おのずと一定の限界があることは否定はできないところでございます。
次に,5年計画の,あと5年かけて検討していくのかということでございますけれども,次期5年計画に向けて,今後の施策の方向性について検討しているところでございます。
◆武藤 委員 障害児保育の問題では,多くの障害児を抱えた親たちの要求でも一番強い要求,毎年毎年出されてきている要求に対して,もう少しやはり真正面に据えて検討すべきではないかと思うのです。
たとえば,参事がおっしゃったように,ことしの早い時期から3形態の関係者と,実際に障害児を受け入れているクラブの方々ともいろいろなお話合いを進めてきたところかもしれませんけれども,やはり話合いをしても解決するのかなと,要望をたくさん聞いても聞きっ放しでいるのでは,いつになっても実現しないのではないかという,そういう不安も非常に感じられるわけなのです。ですから,もう少し具体的に障害児保育をやるための施策を新5年で出していただきたい,そのことを強く要望したいと思うのです。
それと,2点目の公共施設の問題ですが,これも検討ということで,たとえば,今回の決算議会も終わりに近づいているわけなのですけれども,新5年でこういう方向でというのでは,かなり具体的に各部局でも話が出てきている段階なのです。それが新5年で何が出てくるのか全くわからない。先ほど岩木委員のほうから,
学校方式でというお話もありましたけれども,これも検討事項であって,新5年でどうするのかも全くわからない。
教育委員会のほうで検討されている中身について,公表できないということでお話になれないのか,それとも全くこれから検討していこうとしているのか,新5年で具体的に計画を盛り込んでいくお考えがあるのであれば,先ほど私が言いました公共施設で実施する場合の問題でも,もう少し具体的に,3形態一つもないところで実施することを検討するだとか,いろいろなことが出てきてもいいのではないかと思うのですね。その辺で,本当に雲をつかむような話でして,新5年で何が出てくるのかなということで非常に不安な思いをしています。
それと,公共施設の問題なのですが,現在,80館で児童クラブを実施されていますね。
児童会館ができたからといって,
児童会館がある地域だからといって,直ちに児童クラブが開設されるわけではない,これも事実ですね。ですから,
児童会館があったからといって児童クラブではないのですね。
児童会館を社会教育のほうでどんどん建てて,児童クラブをつくろうといったときには,そういうスペースをとって,児童クラブとして専用室とは呼ばないけれども,登録された
子供たちがいる場所を現在もつくっているわけですよね。ですから,そういう設計もされているわけなのです。
ところが,児童クラブを開設できない児童クラブ,たとえば宮の森だとか麻生だとか伏古,これらはなぜ児童クラブを開設できないかといえば,施設の狭隘,増築が不可能だと,それから他の複合施設,五つの複合施設となっているので,児童クラブができないだとか,こういうような問題で開設不可能なところもあるわけなのです。
ですから,公共施設と一概に言いましても,
空き教室も,きのう以来いろいろ問題になっていますけれども,必ずしも学校の教室があいているから直ちに利用できるというのも,またこれも難しい話。そして,いまある
地区会館だとか他の公共施設,幼稚園だとか,保育園でお年寄りのデイサービスを始めた施設も1ヵ所生まれましたけれども,こういうような新たな見直しは始まっていますけれども,児童クラブのようなものを考えていったときに,簡単に公共施設を利用しますなんていうことが言えるのだろうか。そのために,他の部局とも連携しながら,児童クラブのような施設を併設できるような公共施設を建てるときに,そういう部屋を一緒につくってもらうのか,その辺についてはどういうイメージをお持ちなのでしょうか。
◎小川
社会教育部参事 公的施設の活用と言いましても,いま,委員のご指摘のとおり,それぞれの施設の設置目的,あるいは管理上の諸問題があり,困難な問題も多々あろうかと思いますが,この施策にかなう
公的施設の活用を鋭意,現在しているところでございます。
また,今後新たに施設を考えるに当たってのご質問ですが,私どもの
児童会館の整備目標も一定程度来ていると。今後,いろいろ地域の中に施設が建設される折,いま現在,児童クラブ等でカバーできていない部分につきましては,そういった施設も含めながら検討していくことが必要でないかというふうに,現在考えております。
◆武藤 委員 最後にしますけれども,いまの問題ですけれども,私は,いま存在している3形態は今後とも残るだろうと思うのです。だからこそ,この3形態の充実,それから1校区に1施設のないところの整備は,これは当然やらなくてはいけない。
たとえば,市民局で先日発表されましたけれども,幼児を持ったお母さんたちを対象にしたアンケートの中でも,やはり3分の2の女性が働きたいという回答の結果が出たのですね。そういうことで,何でアンケートの中に,3形態の留守家庭対策事業があるのに,あえて児童クラブとしか書いていないのかなという不思議な思いもしたのですけれども,そういう問いかけも出てきているわけなのです。ですから,実際にいまある3形態でも,児童クラブしかない地域においては,定数が39しかないわけですから,残り,はみ出した
子供たちについては,現在も待機させているのです。
たとえば,10月9日付ですけれども,北郷の
児童会館は39人,もう満杯です。1人待機者がいます。山の手
児童会館も40人で,さらに1人待機者。西野の
児童会館も46人入っていて,4人待機しているのですね。ですから,実際に39人以上になったら待機してもらうというのが,
教育委員会の方針でやっていることですから,ここの時点だって,3形態の比較をしてみれば,児童クラブの格差も出てきているわけなのです。
それともう一つは,だから私は,その3形態は今後とも継続させるべきだし,現在のこの要綱に載せられている,児童クラブができたらほかの施設については,2年間の経過措置はとるけれども3年目には補助金もカットですよと,こういう要綱自体の見直しをも検討しなければならない時期に来ているのではないか,そのことを強く感じるわけなのです。
それと,障害児の問題では,障害を持っているがゆえに,親の働く権利も奪われ,
子供たちが同じように行くことができるのに,留守家庭事業の中で同じように扱われない。このことは,やはり子供を対等・平等に扱わなくちゃいけない教育の場における
教育委員会がとるべき措置ではない。だから,そのためにお金がかかったとしても,指導員を加配する必要があったとしても,やはり健常児と障害児を対等に見て,こういう障害を持った
子供たちも障害の重い軽いを抜きにして,どんな子でも,現在41名いるわけですから,実際に健常児と一緒に生活をしているわけなのです,その間。ですから,この現実をきちんと認識して,新5年でも盛り込んでいくべきではないかということを強く要望したいと思います。
それと最後に,要綱の見直しについては,今後近い将来,検討するつもりがあるのかないのか,この点だけお答えをしてください。
◎小川
社会教育部参事 要綱の見直しということのご質問ですが,何の要綱を指しているか,民間に対する助成という部分での要綱のことを言っているのでしょうか,児童健全育成事業全体を指しておっしゃっているのか。
○川口谷 委員長 質問の趣旨は,2年たったら3年目からやめるという要綱の部分を指していますから,そこのところだけ答えてください。
◎小川
社会教育部参事 経過措置ということでございますね。その要綱の改正は考えておりません。
◆涌井 委員 私は,市民の生涯学習推進の一環としまして,
中央図書館の金曜日の夜間開館をさせたいとの観点から質問をいたします。
ご存じのように,本市の
中央図書館では,現在,毎週水曜日と木曜日に夜7時まで夜間開館を行っております。しかし,これでは,夜に図書館を利用したいとの多くの方々の要望との間に相当の隔たりがあるのでないかというふうに思います。
本市では,この4月に生涯
学習推進構想を策定したところでございますけれども,その第1章の意義と
位置づけの中で,この構想を時代の要請に対応し,生涯学習の観点から
学習環境を整え,市民みずからの向上心に基づく幅広い学習を支援するものであると述べております。そして第7章では,図書館を個人学習を支援する重要な生涯学習施設として
位置づけておるわけでございます。
このように,生涯学習への支援の姿勢を明確に打ち出している立場から,私は,図書館の夜間開館の拡大を実現していくときに来ている,こういうふうに考えるものでございます。特に,最近は週休2日体制が普及しており,土曜日と日曜日の休日に,ゆっくり自宅で本を読みたいと思っている市民の方も大勢おられると推測され,こうした方が金曜日の夜に図書館から本を借りたいと思っても,現実には5時15分で閉館されている状況でございます。したがって,借りることができない。実際,そうした声が私のところへも来ております。
そこで,お尋ねいたしますが,私は
中央図書館の夜間開館日を,毎日は無理としても,せめて金曜日1日だけでも8時半あるいは9時まで開館するように,市民の要望にこたえるべきである,こういうふうに考えておりますが,この点についてどのように受けとめられておられるのか,まずお考えをお示しいただきたいと思います。
◎櫻田
中央図書館長 中央図書館の夜間開館を金曜日まで拡大してはどうかとのご提言でございます。
ご指摘のとおり,図書館の夜間開館の拡大に対しましては,市民の強い要望があることは十分承知をいたしております。また,その必要性につきましても,強く認識をいたしているところでございます。
しかしながら,この問題は,職員の
勤務体制等にかかわる課題を内包いたしておりますほか,女性の多い職場であるという特性もございまして,その実現には難しい要素が幾つかございます。したがいまして,今後ともその解決方法を模索してまいりたいというふうに考えておりますけれども,この間の事情もそんたくいただきまして,ご理解をいただきたいと,このように思っております。
◆涌井 委員 ただいまの答弁なんかは,必要性は強く認識されながらも,職員の勤務条件等々の問題があって難しいというような,はっきり言いまして,そのようなことでございます。私も図書館の職員の方が,すでに土曜日・日曜日に出勤する変則勤務になっており,その上さらに
勤務体制の変更をお願いすることは大変難しい状況にあることは十分に理解いたします。あるいは半数に近い職員の方が女性ということもあって,何か聞くところによると,力仕事が多いだとか,知的作業がさまざまな形で多い,あるいは一緒に家族で休日がなかなかとりにくい,子育ての時間的余裕がとれない等々,さまざまな状況がございますけれども,これほど市民の間に生涯学習への意欲がますます高まりつつある中で,市民の要望も強まってきている現状を直視され,生涯学習を支援する重要な施設としての責任を遂行する上からも,学習意欲に燃える市民の要請に真剣にこたえるべきだと考えますけれども,もう一度答弁を求めたいと思います。
○川口谷 委員長 櫻田館長,ちょっとお待ちください。
女性が多いということだけの答弁では説明が足りないのではないかと思うのですよ。別な誤解も生まれますので,そこも補足して答弁をお願いします。
◎櫻田
中央図書館長 ただいまご指摘のとおり,夜間開館の必要性は重々承知してございますが,先ほど申し上げましたように,これには,委員長からの女性の問題もちょっとお話しございましたけれども,女性の問題以外にもいろいろございまして,それらの問題もクリアしなければならない大きな課題もございます。
これにつきましては,今後の
検討課題とさせていただきたいと,このように思います。
◆涌井 委員 また今後の
検討課題と,ずいぶん
検討課題ということで答弁ありましたけれども,ずっと調べてみますと,委員会で前から要望が出されるたびに,課題課題ということで答弁する。もうこれ以上は,実行する以外にないというふうに思います。こういった教育学習施設はだれのためにあるのか,市民のために多くの方々に利用していただくためにある施設である以上,そこに目的があるのですから,本市として,その市民の声にこたえ,市民が真に利用しやすい形で運営していくこともまた重要かと思います。そうしてこそ,施設をつくった意味があると思います。そうでないと,何のための施設なのか,それこそ本末転倒になってしまうというふうに思います。
したがいまして,図書館の夜間の開館の問題につきましても,難しい事情があることもよく理解しますので,今後の図書館の整備計画等を考えていく上で,何としても夜間開館の問題は織り込んでいくべき課題ではないか,再度答弁を求めます。
◎藤島 教育長 お答え申し上げます。
私ども,決してだらだらと検討しているということではなくて,ご案内のとおり,水曜日それから木曜日は,いろいろな問題があったにもかかわらず,夜間延長に踏み切ったわけでございます。それが第1段階でございます。したがいまして,やはり段階を踏みながらこれから進めていきたいと,このように思っております。
繰り返すようでございますが,その必要性は,私も十分承知しております。以上でございます。
◆涌井 委員 今後の開館のあり方,整備は,真に市民に利用されやすい,充実したものにしていくためにも,現在ある
地区会館,区民
センターあるいは
地区センターにも充実した図書館として整備し,多くの市民の方々の学習意欲にこたえていくためにも,希望ある図書館整備計画を示していただくことをお願いいたしまして,私の質問を終わります。
◆松浦 委員 私から,二つについてお尋ねをいたします。
一つは,5月の第2回定例議会でお尋ねをして答弁をいただいているのですが,いわゆる
児童会館の100 館構想というのは,平成8年で全部終わると。そして,平成9年以降はどうするのかといったら,いわゆる中学校1校区1館は終わって,その次は谷間になっているところ,ここらを整備していきたいと,こういう話でありました。
そこで,先ほど来
教育委員会は,次期5年計画について,きのう,きょうと審議をしておるけれども,さっぱり5年計画の話は具体的に出てこぬと,忙しくて,まだこれからなのかなと,こういう感じを実は私も受けているのですが,具体的に
児童会館について,来年から始まる5年計画で,大体何館ぐらい,どういう基準で,たとえば半径ぐるっとやったら,ここのところが谷間になるからこんな感じのところとか,そんなような具体的な基準と館数など詰まっているかどうか。詰まっていたら,その2点についてお示しをいただきたいと思います。
続いて,先ほど,図書館の司書の関係についていろいろ質疑がありまして,後ろの山口委員だとか皆さんからお話があったのは,
中央図書館の司書の女性の方の大半は嘱託の方だそうであります。したがって,ちょっと人をふやして,そして勤務時間の指定がえをすれば,金曜日の開館も可能ではないかと,正確に答えていないわねと,こういうことがあって,あんた最後だからちょっと聞いてみたらと,こういうことですから,私,ちょっと聞いてみます。
そんなことで,いま教育長は,必要は感じていると,こうおっしゃっていましたね。そこで,たとえば嘱託の方の勤務時間の指定をそういうふうにずらした場合に,いまの人数でできないのかどうか。そして,できないとすれば,あと何人ふやせば,たとえば
中央図書館はできるのか。そんなことを,たとえば人をふやすのは向こうでだめだという話もありますから,だめだと言っても,どうしてもしようがない場合もありますから,その辺の考え方をちょっと提示をしていただきたいと思います。それもいいのでないですか。
それから3番目は,図書館の建物の耐用年数,一般的に建物はそれぞれ言われていますけれども,耐用年数,図書館の場合に,特別何かあるかどうか,この3点についてお尋ねをいたします。
◎小川
社会教育部参事 児童会館の今後の整備計画についてのお尋ねでございます。
児童会館の整備につきましては,前にもお答えしておりますが,1中学校区1方式を原則に,今5年計画でほぼ目標が達成される見込みということで,現在,中学校区にありながら利用が大変不便な地域,あるいは校区が広いと,また地形的に利用しづらいというようなことからの地域からの要望が出ております。そういったことで,そういった地域について新たな施設をつくる,あるいは現在ある学校等の
公的施設を有効活用できないかというようなご意見もありました。そういったことを含めまして検討しております。
ただ,基準につきましては,1中学校区一つという基準で現在は考えているところでございます。
◎櫻田
中央図書館長 中央図書館の夜間開館のことで,関連のご質問がございました。これは,先ほどご答弁いたしましたように,大変難しい問題であることはご承知のとおりでございます。
それで,嘱託職員をふやせばできるのではないかというご質問でございますけれども,確かに,できるかできないかということでのお尋ねでございますと,ある程度人数をふやしますと可能であると思います。おそらく夜間開館をします場合は,勤務時間の2段階勤務といいますか,そういう形になりまして,おそらく2班編成にしなきゃならぬだろうと思います。そうしますと,人数もある程度カバーしなければできない状況にございます。ただし,何人がいいかにつきましては,これはいろいろ要素によって違いますので,いまここで何人というふうに申し上げられませんけれども,数人程度は必要であろうと,こういうふうに思っております。
ただし,この問題は,人をふやすだけでは進められがたい問題も多々ございまして,先ほど申し上げましたように,私ども大きな問題として,今後論議をしていきたいと,このように考えております。
それから,建物の耐用年数のことでございますが,私も突然のご質問でちょっと勉強してございませんけれども,図書館だけに限った耐用年数等はないというふうに受けとめてございます。
◆松浦 委員
中央図書館の金曜日夜間延長の問題は,皆さんが望んでいることですから,いろいろな方策で,お金が余りかからぬようにどうやったらできるかということで,次の1定までにぜひひとつご検討をいただきたいと思います。
それから次に,
児童会館の建設は来年で1中学校1館が終わると。そして,平成9年から,さてどうするかということについて,次の5年計画というのは来年の4月から始まるわけですね。そして,少なくとも札幌市の事務の作業の流れからいったら,ことしの11月いっぱいぐらいにはこれを取りまとめて,そして12月から1月の中旬ぐらいにかけて,おそらく総合的な財政調整をして,そして1月末には市長は5年計画の具体的な方策だとか,あるいは8年度の予算の取りまとめ作業に入ると,こういうことになると思うのですね。
そういうことからいったら,もうきょうは10月20日ですから,いまだに来年から始まる5年計画の基本的な考え方が,まだいままでの1中学校区1館構想しかありませんというのでは,何かずいぶん,
教育委員会,人が足りぬせいかどうか,仕事が詰まっているなと心配になりますね。本当なのですか,これ。僕は変だと思うよ。もうここへ来たら,具体的にそこのところはこういう考え方だということになっていなかったら,
教育委員会だけが札幌市の部局の中で作業がおくれていると,こういうことになりますね。私は,やはりこれは変だと思うよ,きのうからの議論も聞いておって。やはり具体的に,議会ですから,議員の方はそれぞれ地域からのいろいろな要望を受けて,そしてそれをどうするかということをお互いにここで質疑をしているわけですから,したがって,進めている内容について,いまここまで来ていると,こういう考え方で進めていくというものがあったら,もっときちっと胸襟を開いて,開示をして,そしてその方向性のできるだけ認識の一致を図っていくということが,私は,この議会のあるべきものだと思っているのですね。したがって,そういう見地で,ひとつこの点,お答えをいただきたいと思います。
それから次に,図書館の関係なのですが,場所は白石区の図書館です。これは,私の住んでいる菊水にありますから,建物は旧札幌市の保健所だったものを活用しており,おそらく9区の図書館の中では一番古い図書館だと思います。建物は昭和36年に建てられた鉄骨一部れんがづくりの建物で,ボイラーなんかも,確かに石炭ボイラーを改良した古いものであります。
そこで,この図書館の設計費がことしは計上されて,設計調査が行われていると。こういう設計の,あるいは実務が進むと,こういう段階だと思うのですが,用地の選定経過についてひとつ示していただきたいと思います。
◎藤島 教育長 前段の児童開館の100 館構想後のお話でございますが,確かに市5ヵ年の策定段階としてはもう大詰めでございますので,はっきり申し上げますが,私どもの試案は当然できております。
ただ,しかしながら,きょうもご議論いただいておりますように,放課後児童対策事業,非常に大きな課題を抱えております。たとえば,国の方向がまだ見出せない,法改正の動きはあるというものの,その見通しもまだつかないと。その中で,私ども非常に揺れ動いているわけでございまして,そういった方針的なことを,この試案についてお示しできないのが非常に残念でございますけれども,そういう事情をご理解いただきたいと,このように思います。
◎櫻田
中央図書館長 白石区の図書館の用地の選定経過についてのお尋ねでございます。
これはまだ交渉中でございまして,正式に交渉してございませんけれども,私どもが内々に考えております土地は,東札幌4条2丁目,現在そこに建設をしたいという方向で進めております。
選定の経過でございますけれども,当然,白石区の図書館でございますので,白石区のほうと十分協議をしまして進めてきたわけでございますが,その考え方としましては,現在の菊水図書館からさほど離れていないと。従来からなれ親しんだ方にとっても,さほど離れておらないのでご理解いただけるのでないかということが一つございます。
それから,白石区の図書館でございますので,交通の便ということも考えなきゃなりませんので,東札幌の駅から至近距離にあるということがございます。
それから,白石区には,ほかに区民
センターの図書室がございます。それから,現在建設しております白石東
地区センター,ここにも図書室ができる予定になってございます。これは,施設等の配置関係なども配慮いたしまして,この土地について現在取り進めているところでございます。
◆松浦 委員 実はこの経過について,私もいろいろ調べました。
私は,なぜこういう質問をするかといったら,現在予定されている場所というのが,館長が今言われたように,白石区に平成5年ころに話をされて,区が当初考え提示した場所,これは南郷6丁目の体育館の横に,札幌市が持っている広い空き地があります。あの場所でどうかということで,連合町内会長会議のときに提示をしたと,平成5年度に。
その後,平成6年6月ごろになって,東札幌の菅野さんという方が所有している駅そばの,こちらから行きますと,地下鉄の駅をおりて左側に広い畑をつくっている土地があるのですが,そこにどうかということの話になっていったと。そして,場所的には確かにいい場所なのですよね。
ところが,そこの地主さんはもうずっと昔から,開拓以来百姓をやって,そしていまも百姓を続けていると,こういう方で,いわゆるそれを他に転用するという意思は,もう全くないと。こういうことは,周囲の人も関係者も,これはもう周知のことであります。それが,そこに場所が選定されて,そして白石区は館長の意を受けてどういう作業をしたかというと,去年の6月ごろに,まず最初に,菅野さんというお宅に,東札幌の連絡所が入っている会館が古くなったから,町内会の役員の方が訪ねて,まず連絡所の会館用地を分けてほしいと言ったと。そこで,菅野さんから断られたと。
その後,今度菅野さんのほうに区の市民部長さんがおいでになって,そこで今度は図書館を建てたいので,ぜひひとつ図書館もあわせた用地を何とかと,こういう話をしたけれども,菅野さんは最初からお断りをしたと。
そして,だんだんしているうちに1年がたったと。そして,ことしの段階になって,どこかあの付近にないかということになって,現在,古河電池株式会社の札幌の営業所がある3階建てのビルが建っている土地を,たまたま古河さんは会社の経営上のこともあるのでしょうけれども,値段が折り合うならば売ってもいいよということになって,そこにという話になっていったと,こういうことなのですよ。
そこで,私は,何を申し上げるかと……
○川口谷 委員長 松浦委員,発言中ですけれども,固有名詞,個人名,法人名は極力必要最小限にして発言をしてください。
◆松浦 委員 これは大事なことですから話しているのです。
そして,このことは何を言うかといったら,私も営業所長に会いました,古河電池さんは,札幌市から話が来たから,うちも本社のほうで経営上のこともあるから,資産がそれなりに売れるならばと,こういうことなのですね。ところが,少なくとも,いま古河電池さんはそれなりにちゃんとした会社で営業して,固定資産税も払っているわけです,法人事業税も払っているのですよ。それで,その会社の土地を特別求めなくても,特にいま札幌市の平成6年度の税収を見たって,固定資産税,法人税あるいは市民税含めて,かなり減収があると,こういうことで苦慮しているわけですから,そしてまた一方では,札幌市は過大な市有地を抱えて,もう10年以上前に買って,持ってはいるけれども,ほかに代替地その他としてお呼びがかからないという土地がかなりあります。過般のこの
特別委員会でも管財部が表明しているように,そんな土地を処分もしていかなきゃならぬと,こういうことにもなっております。
したがって,私は,いまそういうような場所を買うとすれば,少なくとも3億円ぐらいの金がかかる。そうすると,札幌市が保有している土地,そういうものを活用していけば,いま,この財政が逼迫している中で,あらためてそんな土地を買わなくても,事は終わるわけであります。そしてまた,図書館の場所について,菊水から何ぼも離れていないところ,それも一つの理由でしょう。しかし,しょせん図書館をどれだけの人が利用するかといえば,20万の区民全部が利用するわけではないのですね。利用する人は,たとえばいま館長がおられるあの
中央図書館も都心から離れた場所にありますが,この間,私がお伺いしたときに館長がいみじくも言っておられるように,あの図書館を利用したい人は篠路からでもやはり本を借りに来るのです。したがって,図書館の利用範囲,利用されている人数,そういうことからいけば,どこでなければと,特にどこから何メーター以内でなきゃならぬということではないのですね。
したがって,そんなことからすれば,私は,市が保有している南郷6丁目の土地,あるいはまた民間の土地をどうしても求めなきゃならないとすれば,たとえば不要な土地をいっぱい持っておるわけですから,3億もの金を無理して使わないで,たとえば代替地を提示をして,その代替地で済ましていくとか,そういう具体的な方法をとらないで,この財政の緊迫したときに,市民の多くの皆さんから見れば,これはむだな金をかけるようなことをやるなと,こういうことになるわけです。
そこで,管財部長においでいただいておりますけれども,札幌市で現在,10年以上保有して,全く代替地のお呼びがかかっていない土地,どのぐらいあるか,これをひとつ管財部長のほうで明らかにしていただきたいと思います。
○川口谷 委員長 松浦委員,いまの質問の全体からいきますと,私が注意申し上げましたように,個人名,法人名をあえて出す必要は,私には全く感じられないわけですよ。ですから,ここの部分,今後の発言の場は
十分注意をしていただきたいと思います。
◎石原 管財部長 ただいまの質問は,10年以上持っている中で,使っていないという土地のご質問でございますが,私ども,一般会計,それから各基金地,それから各企業,そして両公社を含めますと,現在1,068 件294 ヘクタールというふうに承知しております。
◆松浦 委員 そこで,櫻田館長にお尋ねしますけれども,いま館長と,この議会が始まる前に,私もいろいろ調査をしてお話をしました。そのときに館長が言われていたのは,とにかくお金で,あの場所でなければだめなのだというような,固執をしたような話をされておりましたけれども,私は,図書館の性格上,あの場所に固執をするという必要もないし,もう一つは,財政的なことから,3億前後の金をいまあの場所に投じて,新たに買いとらなきゃならぬということでもないと思うのですね。それから,いままでの経過からしても,これもまた不自然な話と,こういうことに私はなると思うのです。
この点について,館長,いまの段階でどう考えておられるか,お示しをいただきたいと思います。
◎櫻田
中央図書館長 だんだんのお話がございました。その中で,最初に私ども考えておりました東札幌3条3丁目の土地がございましたので,その点につきまして申し上げます。確かにお話のとおり,この土地につきましては最適地と考えておりまして,地元の皆様にもご了解を得た中で進めてきた経過がございます。しかし,残念ながら,地主の了解を得られなかったということもございまして,その場合に,私どもの判断基準といたしましては,ここからさほど離れていないところで,菊水図書館の移転地のあり方として適当かどうかという判断基準で検討いたしましたところ,たまたま私どもの条件にぴったりの東札幌4条2丁目の土地につきまして,売りの情報がございましたので,種々関係のところと協議いたしました結果,皆さんの意見の一致も見たこともございましたので,内部で検討しまして,ここが最適地というふうに判断した経過がございます。
◆松浦 委員 最適地の判断と言うけれども,それでは,平成5年に白石区の市民部長から7人の連絡協議会の会長会議に示された南郷6丁目の案というのは,その後,関係の会長さんに意見をお聞きしましたら,示されただけで,何の協議もされていないと言うのですよ。そこで,市民部長が翌年交代したと。そして,さっき言ったような話になってきたと。
これは,市がいろいろな施策を進めていく上で住民の意見を十分に聞いてと言って,住民の意見を聞く団体として,各町内会長だとか連合町内会長を一つの団体として主にやっておりますけれども,これではきわめて形だけで,一方的に,前の年にはこう言っていく,人がかわって,またこう言ってということで,聞いたということではないですよ,これは。