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平成 5年第 3回定例会−10月25日-07号

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  1. 札幌市議会 1993-10-25
    平成 5年第 3回定例会−10月25日-07号


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    平成 5年第 3回定例会−10月25日-07号平成 5年第 3回定例会               平成5年   第3回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 (第 7 号)               平成5年10月25日(月曜日)             ――――――――─――――――――─ 〇議事日程(第7号)  開議日時 10月25日 午後1時 第1 議案第1号から第7号まで(市長提出)   (7件に対する第一部及び第二部決算特別委員長報告等) 第2 議案第34号から第36号まで(市長提出) 第3 札幌市厚別区及び手稲区選挙管理委員及び補充員の選挙             ――――――――─――――――――─ 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第1号 平成4年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件  議案第2号 平成4年度札幌市病院事業会計決算認定の件  議案第3号 平成4年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件
     議案第4号 平成4年度札幌市交通事業会計決算認定の件  議案第5号 平成4年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件  議案第6号 平成4年度札幌市水道事業会計決算認定の件  議案第7号 平成4年度札幌市下水道事業会計決算認定の件 日程第2 議案第34号 教育委員会委員任命に関する件  議案第35号 人事委員会委員選任に関する件  議案第36号 固定資産評価審査委員会委員選任に関する件 追加日程 意見書案第4号 小選挙区制の導入と政党への公費助成に反対する意見書  意見書案第5号 消費税の税率引上げに反対する意見書 追加日程 意見書案第2号 放射性廃棄物海洋投棄の禁止等を求める意見書  意見書案第3号 フロンの回収と再利用システムの早期確立を求める意見書  決議案第2号 放射性廃棄物海洋投棄の禁止等を求める決議 日程第3 札幌市厚別区及び手稲区選挙管理委員及び補充員の選挙             ――――――――─――――――――─ 〇出席議員(70人) 議   長      見 延 順 章 君 副 議 長      伊与部 敏 雄 君 議   員      藤 原 廣 昭 君 議   員      畑 瀬 幸 二 君 議   員      大 西 利 夫 君 議   員      三 上 洋 右 君 議   員      上瀬戸 正 則 君 議   員      原 口 伸 一 君 議   員      義 卜 雄 一 君 議   員      佐々木   肇 君 議   員      道 見 重 信 君 議   員      伊 藤 知 光 君 議   員      武 藤 光 惠 君 議   員      井 上 ひさ子 君 議   員      山 口 た か 君 議   員      福 士   勝 君 議   員      猪 熊 輝 夫 君 議   員      西 村 茂 樹 君 議   員      川口谷   正 君 議   員      加 藤   斉 君 議   員      村 山 優 治 君 議   員      宮 本 吉 人 君 議   員      大 越 誠 幸 君 議   員      春 原 良 雄 君 議   員      柿 崎   勲 君 議   員      千 葉 英 守 君 議   員      武 市 憲 一 君 議   員      横 山 博 子 君 議   員      中 嶋 和 子 君 議   員      佐々木 周 子 君 議   員      富 田 新 一 君 議   員      澤 木 繁 成 君 議   員      高 橋 忠 明 君 議   員      常 本 省 三 君 議   員      佐 藤 美智夫 君 議   員      丹 野   勝 君 議   員      森   健 次 君 議   員      関 口 英 一 君 議   員      佐 藤 寿 雄 君 議   員      飯 坂 宗 子 君 議   員      生 駒 正 尚 君 議   員      小 川 勝 美 君 議   員      水 由 正 美 君 議   員      赤 田   司 君 議   員      湊 谷   隆 君 議   員      柴 田 薫 心 君 議   員      小 谷 俵 藏 君 議   員      山 田 信市郎 君 議   員      長 岡 武 夫 君 議   員      政 氏   雅 君 議   員      本 舘 嘉 三 君 議   員      唯   博 幸 君 議   員      室 橋 一 郎 君 議   員      青 木   護 君 議   員      荒 川 尚 次 君 議   員      工 藤   勲 君 議   員      岡 本 修 造 君 議   員      滝 沢   隆 君 議   員      山 崎 七 郎 君 議   員      藤 田 雅 弘 君 議   員      加 藤 隆 司 君 議   員      越 智 健 一 君 議   員      吉 野 晃 司 君 議   員      田 畔   満 君 議   員      常 見 寿 夫 君 議   員      田 畑 光 雄 君 議   員      野 間 義 男 君 議   員      高 橋 重 人 君 議   員      菊 田 勝 雄 君 議   員      菅 井   盈 君   ―――――――――――――――― 〇欠席議員(1人) 議   員      八 田 信 之 君   ―――――――――――――――― 〇説明員 市長         桂   信 雄 君 助役         木 戸 喜一郎 君 助役         魚 住 昌 也 君 助役         田 中 良 明 君 収入役        長 部 幸 一 君 交通事業管理者交通局長土 榮 勝 司 君 水道事業管理者水道局長石 原 弘 之 君 総務局長       伊 藤 忠 男 君 企画調整局長     井 原 貴 男 君 財政局長       久 元 喜 造 君
    市民局長       大 野 雅 弘 君 民生局長       大 長 記 興 君 衛生局長       高 杉 信 男 君 環境局長       前 田 悦 雄 君 経済局長       鈴 木 俊 雄 君 建設局長       平 賀 岑 吾 君 都市整備局長     広 畑 民 雄 君 下水道局長      松 見 紀 忠 君 建築局長       関 谷 幸 正 君 市立札幌病院長    手 戸 一 郎 君 消防局長       中 谷 多 宏 君 教育委員会委員長   牧 口 準 市 君 教育委員会教育長   藤 島   積 君 選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君 選挙管理委員会委員  向 川 武 夫 君 人事委員会委員長   山 岡   暸 君 人事委員会事務局長  水 島 典 弘 君 監査委員       野 島 廣 紀 君 監査事務局長     東 山   誠 君   ―――――――――――――――― 〇事務局出席職員 事務局長       鍛冶沢   徹 君 事務局次長      植 田 英 次 君 総務課長       佐 藤 正 明 君 議事課長記録係長事務取扱            土 屋   逞 君 調査係長       木 村 正 実 君 資料係長       沼 田 光 弘 君 議事係長       高 森 政 行 君 委員会一係長     山 内   馨 君 委員会二係長     山 本 祥 一 君 書記         佐 藤 比登利 君 書記         高 佐 三緒子 君 書記         鈴 木 和 弥 君 書記         尾 形 英 樹 君 書記         今 井 一 行 君 書記         山 本 扶 美 君   ――――――――――――――――  〔午後1時開議〕 ○議長(見延順章君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。  出席議員数は,64人であります。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) 本日の会議録署名議員として常本省三君,丹野 勝君を指名します。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。  八田信之議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,届け出がございました。  去る10月22日に市長から,平成5年第2回臨時会において採択されました陳情の処理の経過及び結果の報告が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。  本日の議事日程,陳情受理付託一覧表及び議案審査結果報告書は,お手元に配付いたしております。以上でございます。  〔一覧表は巻末資料に掲載〕   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) これより議事に入ります。  日程第1,議案第1号から第7号までの7件を一括議題といたします。  委員長報告を求めます。  まず,第一部決算特別委員長 加藤 斉君。  (加藤 斉君登壇) ◎加藤斉君 第一部決算特別委員会に付託されました議案2件につきまして,その審査結果を報告いたします。  この場合,一般会計決算の歳入については一括し,同歳出及び特別会計については各局の所管別に,質疑の主なるものを中心に順次ご報告をいたします。  最初に,歳入については,平成4年度決算における市税の収入未済額は前年度を上回る128億円に達したが,その特徴及び内容はどのようになっているのか。昨年度は10年ぶりに20億円の減収補てん債を発行したが,平成5年度も発行を考えているのか。  財政調整基金については,平成4年度において80億円を取り崩しているが,今年度の見通しはどうなのか。  今後の納税対策として,市税の収入率の高い名古屋市,広島市などの税収施策のノウハウを調査し,これを生かしてはどうか。特定の政策目的実現のための事業委託料についても多額の消費税を負担しており,国に対して改善を求めるべきと考えるがどうか。  現在の景気低迷を踏まえ,本市も細川新政権の緊急経済対策に呼応し,今年度新たに補正予算を組む必要があると思うがどうか。また,その場合,当該年度に新たな財政支出を伴わない,いわゆるゼロ市債を取り入れてはどうか。  今後の予算編成に当たっては,現在の土木重視の公共事業から生活者・消費者の視点に立った社会資本整備へ事業展開をすべきと思うがどうか。  厳しい財政状況下にあって,来年度の予算編成方針の基本的な考え方はどうなっているのか。また,この財源として地方交付税措置のある有利な地方債の確保について,どのような見通しを持っているのか。  今回の固定資産税の評価替えは,地価の下落傾向が続く中で実施されることから,納税者の理解を得るため,逐次時点修正を行い,直近の地価を反映させることができないのか等の質疑がありました。  次に,財政局について。  総務管理費では,かつてない財政危機に直面している本市の財政運営について,当面,経常的な経費ばかりでなく政策的な経費の縮小もやむを得ないと考えるがどうか。事業化までに相当期間が見込まれる市有地については,市民に積極的に開放すべきと思うがどうか等の質疑がありました。  次に,総務局について。  総務管理費では,事務能率推進委員会の組織が改められると聞くが,新しい委員会はどのような機能を持ち,また,具体的にどのような課題に取り組むのか。企業・団体献金については,自治体の長として,適正・適法な処理さえされていれば道義的にも問題はないと考えるのか。市民サービスの一環として,来年4月に実施する行政文書のA4判化に合わせ,市民利用施設などに係る申請書などの押印の見直しを検討すべきではないのか。JICA国際研修センター用地の貸付料については,財政事情が厳しい中,必要以上の減額措置をとるべきではないと考えるがどうか。また,将来的には,当該用地をJICAが購入する予定はないのか。本市のこれまでの誘致経緯を考えたとき,同研修センターの管理運営については,北海道主体の第三セクターではなく国際プラザが受託すべきであり,また,それを国に強く要請すべきと考えるがどうか。第3回世界平和連帯都市市長会議における宣言文を広報さっぽろに掲載するなど,その成果を市民に認識してもらうことが重要と考えるがどうか。また,平和事業に取り組むため,本市の機構を強化すべきと思うがどうか。広報手段の一つである文字放送については,余暇情報に関心が高まっている折から,公共施設に受像機を設置するなど,積極的に利用促進に努めるべきと思うがどうか。狭隘化のため近隣ビルの借上げを行なっている市庁舎の現状を考えた場合,市民サービスや経済性の点からも,第2庁舎の建設について具体的な検討を始めるべきではないか。  職員費では,国際先住民年に当たり,ウタリ生活相談員の報酬など処遇改善については,民生局とどのような検討をし,今後どう対応していく考えでいるのか等の質疑がありました。  次に,企画調整局について。  企画調整費では,丘珠空港の延長問題について,地元住民の反対意向や基礎調査で明らかになった解決しなければならない諸課題を,道との協議にどのように反映させていくのか。滑走路延長や空港周辺整備に係る事業費の地元負担は,第3種空港並みと想定しているようだが,国と地元自治体の負担割合を明確に市民や議会に示すべきと考えるがどうか。道内の自治体や経済界から整備・延長の要望がある中で,札幌市として,丘珠空港の北海道における位置づけについてどのように認識しているのか。長期総合計画及び5年計画の策定においては,市民参加を一層進めていくべきと考えるがどうか。星置新駅南口の開発を初めとする近隣市町村から提案される広範な課題に対して前向きに対処するため,広域的な市町村協力の制度,または仕組みが考えられないのか。国際的な経済交流の活性化を図るため,国際ゾーン構想における世界貿易センターの事業化に先んじて,ソフト面で同センター機能の拡充強化を図るとともに,正会員としての加盟を早期に実現すべきと考えるがどうか。茨戸川周辺地域の土地利用に当たっては,本市の基本的な構想に沿って行われるべきであり,企業の利益でその計画が左右されてはならないと思うが,どのように考えているのか。本市へのJリーグ誘致については,ワールドカップ招致へ向けた誘発事業としての効果及び経済的波及効果が大きいことなどから,その実現のため積極的に検討すべきと考えるがどうか。市街化調整区域の土地利用構想で想定するゾーニングの考え方,設定区域,施策などについてはどのようになっているのか。また,この構想を実効あるものにするため,具体的施策を打ち出せる見通しはあるのか。  都市計画費では,都心交通対策については,法的裏づけのない現在の啓発活動では限界があるため,早急に実効性のある違法駐車禁止条例を制定すべきと思うが,どのように考えているのか。低迷する景気を回復させるためにも,新用途地域の指定を早期に行うとともに,用途制限などの規制緩和が望ましい地区に対し,適切な対応をすべきと考えるがどうか。地下鉄の需要喚起策として沿線の土地の高度利用が不可欠と考えるが,有効な方法の一つである緩和型地区計画制度については,今後どのように適用していくのか。都心部商業地等については,監視区域による土地取引の規制を部分的に緩和する考えはないのか。第3次長期総合計画に盛り込まれている外環状道路については,整備に相当の年数を要することから,早急に南側区間の整備にも取り組むべきと思うがどうか。地下鉄東西線の西方面の延長に伴うバス路線の再編成については,地下鉄新駅やJR既存駅への短絡を早い時期に決定すべきと考えるがどうか等の質疑がありました。  次に,消防局について。  傷病者の救命については住民の協力が大切と考えるが,専任の指導員による応急手当ての普及啓発活動を行うほか,病院,市民局などを含めた横断的組織づくりを進めるなど,積極的にその体制づくりに取り組むべきではないか。消防ヘリコプターについては,整備期間中の出動要請にも即刻対応できるよう,早期に複数体制をとるべきではないのか。発信地表示システムについては,救命率の向上にきわめて効果があり,早期に導入すべきと思うが,具体的な導入時期はいつか。高規格救急車については,内部構造上,新生児搬送用の大型保育器を積載できないと聞くが,今後どう対応していくのか。放射性同位元素を利用している施設は身近に多くあり,防護服などの増強及び市民への広報が重要と思うが,どのように考えているのか。放火原因の大部分は,自殺行為やうっぷん晴らしにあることから,警察や精神科医などの協力を得て,それに至る動機などを分析し,教育や文化面での充実といったまちづくりの視点で放火防止対策を考えていくべきではないのか等の質疑がありました。  次に,市民局について。  市民生活費では,次期5年計画に向け,広域避難場所である都市公園に,災害時の情報収集手段として同報系防災行政無線の設置を検討する考えはないのか。芸術文化の一層の向上を図る上からも,そのステージである街並みの整備を促進するため,都市景観条例の制定が急務と考えられるがどうか。また,コンピューターを利用した景観シミュレーション技法を導入する考えはないか。演劇専用ホールや能楽堂には,貸し館としての機能以外に文化を生産する機能を持たせるべきではないのか。また,運営については,懇談会などを通じて多くの市民の知恵を結集すべきと思うがどうか。米不足が消費者の間で大きな問題となっているが,市民が安心できるだけの在庫があるのか。また,売惜しみや値上げをさせないように,業者との話合いも必要になると思うがどうか。現在,検討が進められている消費生活条例の制定時期はいつになるのか。また,条例作成に当たって,消費者の権利についてはどのように考えているのか。少子化傾向が進む中で,仲よし子ども館の今後の運営を含めた就学前の幼児に対する施策のあり方については,保育一元化の方向で検討すべきではないか。仲よし子ども館については,幼児減少のこの時期こそ,会場を統廃合するのではなく少人数によるクラス編成を行うなど,内容充実を図るべきではないか。中央区の舟券売場建設問題について,地元が反対の意思表示をし,本市のギャンブル施設に対する基本姿勢も従来と同様,抑制の方針であれば,もっと踏み込んだ対応をとる時期に来ていると思うがどうか。札幌市と道の地域防災計画では,地震災害対策における想定震度が異なっているが,整合性という点で計画の見直し,あるいは調整の必要はないのか等の質疑がありました。  次に,教育委員会について。  教育委員会費,幼稚園費,小学校費,中学校費,高等学校費,特殊学校費,高等専門学校費学校保健給食費では,不登校児童・生徒のための相談指導施設が不足していることから,既設校における余裕教室の利用を検討すべきと思うがどのように考えているのか。学校週5日制の実施に伴い,授業時数を確保するため,子供たちの楽しみである学校行事が削減されているとの報道もあったが,本市の状況はどうなっているのか。また,今後の取組みについては,どのような展望を持っているのか。個性豊かな児童を育てることなどを目的とした学校週5日制の精神を生かすとすれば,現在の受験体制や学習指導要領を改めていく必要があると思うが,どのように考えているのか。青少年のボランティア活動を推進,援助するため,これを高校入試の評価材料とするなど,学校における評価制度の整備を図るべきではないか。給食費などの準公金をPTA事務員が扱うなど,学校によって事務処理に違いが生じているが,一括して総務担当教諭が扱うなどの方法をとるべきでないのか。文協テストの取扱いについて,回数を減らすなど改善されると聞くが,今後も必ず使用を続けるのか。また,学校で心のこもったテストをつくり,進路指導に当たるなどの工夫が必要と思うがどうか。山の手養護学校の校舎については,子供たちが不自由を感じないよう,生活実態に合わせて改修・整備する必要があると思うがどうか。また,一日も早く高等部に重複障害学級を設置すべきではないのか。中学校における免許外教科担当の解消に向けて国や道に改善を求めるとともに,非常勤講師を配置するなど,本市としても独自に取り組むべきと考えるがどうか。豊成養護学校における給食体制の現状を考えたとき,独自給食実施に向けての給食施設については,整備の方針をすでに固めている以上,増築時の整備ということにこだわらず早期に実施すべきと考えるがどうか。  社会教育費では,生涯学習総合センターの基本的な役割と機能は何か。また,市民の利便性,管理運営の効率性の向上を図るとともに,生涯学習の中心的施設として市民に親しまれるものとするため,関連する施設との複合化が望ましいと考えるがどうか。留守家庭児童対策事業については,児童クラブ,学校方式,民間方式の3方式の格差を解消するための取組みが必要ではないか。また,小学校3年生までとしている受入対象を6年生までに広げる考えはないのか。100館構想達成後の児童会館の整備については,小学校低学年の児童の行動半径を十分配慮し,小学校区ごとに整備を行なっていくべきではないか。留守家庭児童対策事業の運営に当たっては,小学校の余裕教室を積極的に活用していくべきであり,既存の学校方式を児童クラブへ廃止・統合するようなことは行うべきでないと考えるがどうか。児童会館の運営については,有効利用されるよう積極的なPRを行うと同時に,現在行われている留守家庭児童対策事業については,あくまでも児童会館における社会教育事業の一環として進めるべきではないか。札幌市資料館については,資料・情報などの収集・提供機能の充実強化を図るとともに,文学館の移転に伴う空きスペースをミニギャラリー的に有効活用すべきと考えるがどうか。図書館は,多様化する市民のニーズにこたえなければならないが,資料の整備状況と今後の計画はどのようになっているのか。また,市民の利用を促進するための方策は何か。  体育費では,身体障害者が温水プールを利用する際に介護者の負担が大きいことから,専任の介護職員を配置すべきと思うがどのように考えているのか。中島プールなどのように利用者が著しく減少し,収支のバランスを欠いている施設については,その維持管理が市税によっているという観点に立ち,適宜に施設廃止についての判断をしていくべきと考えるがどうか等の質疑がありました。  次に,環境局について。  清掃費では,ごみ減量化に当たって,ペットボトルなど再利用できないものについては,極力製造を抑えるべきと考えるが,国及び企業に対してどのように働きかけているのか。冷蔵庫などの大型ごみに含まれているフロンガスについては,現在の分別収集システムを生かして,環境局として独自に回収を行う考えはないのか。リサイクル団地の民間参入部門については,廃コンクリートを初めとする原材料の確保及び採算性の問題を慎重に検討する必要があると思うが,どのように考えているのか。ごみ袋の半透明化については,公開討論も含め市民に徹底してPRを行い,理解と協力を求めておくべきと考えるがどうか。ごみ袋については,プライバシーの保護を考えたとき,半透明のものにこだわらず,さまざまなものを用意して個人の選択の自由を確保すべきではないか。清掃事業基本計画の策定に当たっては,減量化・資源化の目標値及び策定時期についてどのように考えているのか。本市条例における事業系廃棄物の保管場所設置などの義務規定を実効あるものとするため,関係部局と連携をとるなど,強い指導体制で臨むべきと考えるがどうか。  公園緑化費では,公園の地下融雪槽設置に当たっては,交通事故や騒音,さらには自然環境面での影響などの問題があることから,慎重な検討をすべきと思うがどうか。パークゴルフは,公園の利用促進に大いに有効であると思うが,今後,公園内にパークゴルフ場を積極的に造成していく考えはないのか。円山動物園については,トトロの「ねこバス」りような,子供に夢を与えるシャトルバスの導入や,売店従業員の服装の改善などにより動物園の魅力を高め,利用客の増加を図る工夫をしてはどうか。円山動物園の動物科学館においては,子供たちの好奇心にこたえるため,ふれあいコーナーに昆虫など身近にいる生物の育成コーナーを設けてはどうか。茨戸川緑地の整備については,一日も早く官民の役割分担を含め,具体的な構想を提示すべきと考えるがどうか。大規模公園に地下融雪槽を設置するに当たっては,熱源として地下の温水を利用する考えはないか。また,公園内に市営温泉や温泉つきのサブ的老人福祉センターを設置するなど,各部局にまたがるようなトータルな考え方で公園の利用を検討してみてはどうか。個性あふれる公園整備事業における市民参加のシステム,すなわち地元との協議は,具体的にどのように行われているのか。有明小学校の裏山などで計画されている土取りの問題については,それによって緑が減少することのないよう緑地保全の観点から,都市環境緑地債などを活用した対策をとるべきではないか。白旗山都市環境林については,高齢者や障害者が健常者と一緒に利用できるノーマライゼーションの森として整備すべきと思うがどうか。公園内の体育施設については,スポーツ教室の実施や各競技団体との連携など,ソフト面を含めた一体的,専門的な管理が必要と考えるが,スポーツ振興事業団へ管理委託する考えはないのか。公園内や隣接する河川の水不足,汚れなどの問題については,どのように対処していくのか等の質疑がありました。  最後に,下水道局について。  景気浮揚策として,下水道事業においても2年連続で合計114億円の大型補正予算が組まれているが,平成8年度までの財政計画との関係はどのようになるのか。過去に高金利で借入れしている企業債については,今後の負担軽減を図る上で,現在の低金利のものに借りかえすることはできないのか。既設下水道管への雪の直接投入については,昨冬の実験結果を踏まえ,今後どのように取り組んでいくのか。下水道による浸水対策は,どの程度まで整備が進んでいるのか。また,昭和56年の本市や今年の東京のような大雨が降った場合の浸水状況はどうなるのか等の質疑がありました。  以上が,本委員会における質疑の概要であります。  引き続き,付託されました議案2件を一括して討論を行いましたところ,社会党・藤原委員,自民党・宮本委員,公明党・関口委員,自民党市民の会・伊藤委員,市民ネットワーク・中嶋委員からは全議案に賛成の立場で,また,共産党・武藤委員からは全議案に反対の立場で,会派を代表して意見の表明がありました。  討論終結後,採決を行いましたところ,議案第1号中関係分及び議案第7号の2件については,いずれも賛成多数で認定すべきものと決定いたしました。  以上で報告を終わります。 ○議長(見延順章君) 次に,第二部決算特別委員長 大越誠幸君。  (大越誠幸君登壇) ◎大越誠幸君 第二部決算特別委員会に付託されました議案6件について,その審査結果をご報告いたします。  この場合,一般会計決算の歳入については一括し,同歳出及び特別会計並びに公営企業会計については所管局別に審査しておりますので,質疑の主なるものを中心に,各局ごとにご報告をいたします。  最初に,民生局について。  社会福祉費では,精神薄弱者更生相談所について,今日の社会情勢を踏まえ,適切な名称に変えるべきではないか。また,児童福祉総合センターに併設される理由及び効果は,どのようなものがあるか。来年度,策定が予定されている障害者福祉計画の中に同施設の役割を明確に位置づけるべきと思うが,その基本的な考え方はどのようなものか。障害者の雇用について,法定雇用率を達成する企業をふやすことにより障害者の雇用機会が広がるが,どう対処する考えなのか。また,本市の関連施設における雇用を清掃部門ばかりでなく喫茶部門などにも拡大すべきと考えるがどうか。障害者が作成した製品の常設販売所の増設を障害者福祉計画の中で具体化してはどうか。ウタリ対策について,先住民族との共生の立場から,文化行政や社会教育など,福祉・保護以外の視点に立った施策が必要と考えるがどうか。  児童福祉費では,保育所について,給与改善及び予備保母の正職化等の公私格差是正に取り組むとともに,本市独自で児童の定員割れ対策を行うべきではないか。児童福祉総合センターについて,障害乳幼児に関する情報の総合調整機能を持つ中枢機関となるべきではないか。また,子供のマン・ツー・マン指導,母親カウンセリング,言語指導の強化等,療育体制の充実が必要ではないか。児童扶養手当の支給を高校卒業まで延長するよう国に要請すべきと考えるが,これまでの対応状況及び国の見解はどのようなものか。また,市単費の給付制度を創設する考えはないか。主任児童委員制度について,本市への配置定数及び選任状況はどうなっているのか。また,既存の民生児童委員との競合が懸念されるが,事前の話合いはどのように行われたか。  老人福祉費では,高齢者保健福祉計画の中にワーカーズ・コレクティブを盛り込む考えはないのか。ホームヘルパーについて,国のガイドラインを満たすためには1,400人程度が必要となるが,来年度はどのような体制で臨む考えか。また,休日,早朝,夜間の派遣要望に対応できる施策が必要ではないか。在宅福祉サービス協会の登録ヘルパーの研修は,資質の向上のため3級課程までレベルアップすべきではないか。高齢者のための住宅改善を助言するコーディネーター,アドバイザー等を設置してはどうか。保養センター駒岡について,冬季間の利用を含め,周辺環境整備の内容及びスケジュールはどうなっているのか。敬老手帳の文字の大きさ,掲載内容の全面的な見直しを行なってはどうか。  生活保護費では,母子世帯が高校進学に備える場合などの保有金について,弾力的な対応をすべきと考えるがどうか。また,被保護世帯の高校進学率を向上させるため,入学金や授業料を教育扶助の対象とするよう制度改善を国に要望すべきではないか。  医療助成費では,乳幼児医療費助成について,子育て支援や医学上の観点からも,通院の対象年齢を引き上げる必要があるのではないか。また,道が対象年齢を引き上げた場合,本市も年齢引上げを行うのか。
     国民健康保健会計では,収納対策について,地域特性に応じた各区の体制強化が必要であるが,来年度以降の体制はどのように考えているのか。医療施設が多いことなど,国保会計が赤字に至っている本市特有の背景について,市民に正しく周知することが重要と思うが,どのような方策を考えているのか。本市の保険料が高額であるにもかかわらず,その2分の1を超える未納がある世帯を対象に,機械的に資格証明書を交付している例があるのは問題であると思うが,法の趣旨に基づき,適切に対応すべきではないか。また,公的な医療費助成を受けている者については,資格証明書交付の対象から除外すべきではないか等の質疑がありました。  次に,市立病院について。  市立病院の役割について,民間の病院が余り扱わない予防医学や救急医療等の分野に力点を置き,地域医療の中心的な役割を果たすべきと考えるがどうか。外来患者減少の歯どめ策として導入が予定されている自動再来受付機の効果はどのようなものか。新病院について,計画より工事が進捗しているが,開業を早めることで財政上のメリットが生ずるのではないか。JR桑園駅からの歩行者用道路の整備を病院の経営及び市民へのサービスの観点からどのように行うのか。また,診察室や待合室については,プライバシー保護のためにどのような設計上の工夫がなされているのか。医療機器について,既存の設備を有効活用すべきだが,今後の整備はどのように進めるのか。未熟児センター及び救命救急センターの勤務体制について,職員の労働者としての権利と健康が保持されるよう配慮すべきと考えるがどうか。静療院について,患者の社会復帰施設として援護寮の設置が計画されているが,運営に当たっては地域住民の理解と協力を得ることが必要ではないか等の質疑がありました。  次に,衛生局について。  保健衛生費では,食品検査体制について,冷害により米が輸入された場合,ポストハーベスト農薬の検査を本市独自で行うと聞くが,基準,結果の公表方法等についてはどうなっているのか。市民の食生活調査によれば,食生活改善が必要と思われるが,保健所,市立病院などと連携し,市民,特に子供たちのために調査結果をどう活用していくのか。また,カルシウム不足による骨粗しょう症が懸念されるが,すこやか健診での検査や厚生省のモデル事業の適用を受けることを検討してはどうか。国の食品衛生基準が緩和される動きがあるが,現在検討中の消費生活条例に食品安全条項を盛り込む考えはあるか。食中毒事件が連続発生したが,未然防止策についてどう考えるか。すこやか健診の受診率向上のため,どのような対策を講じるのか。現在,肺がん検診は保健所のみで行なっているが,受診率向上に向け実施機関を拡大してはどうか。アトピー性疾患対策について,市立病院に専門外来が設置されたが,医師と保健所との連携に基づく一体的な対応を行うべきではないか。精神障害者対策について,現在,一部保健所で行われている社会復帰学級やデイケア事業の全区への拡大を図ることが必要ではないか。公園の砂場の衛生対策について,砂の処理や猫の飼い主に対する指導をどのように実施していくのか。  環境管理費では,環境保全アドバイザー制度について,派遣件数やPR方法及び利用者の意見はどうなっているのか。アスベスト製品工場における管理状況について,調査は行われているのか。民間ペット霊園の設置状況,墓所の区画数及び価格はどうなっているのか。本市において年々ペットが増加している現状から,市営ペット霊園の設置を検討してはどうか等の質疑がありました。  次に,建設局について。  土木総務費及び道路橋りょう費では,雪対策について,除雪に関する広報の重要性をどのように認識し,どう行う考えか。除雪パートナーシップ制度に関して,地域により世帯負担額に格差が生じているが,1世帯当たり3,000円の上限を定めてはどうか。電力料金の値下げにより生じる坂道ヒーティングの維持費の軽減分約1億円を拡幅除雪に転用してはどうか。地下水や太陽熱などの未利用エネルギーをロードヒーティングに活用してはどうか。  公園を利用した雪対策が可能となったが,具体的にはどう行うのか。ロードヒーティングの設置費用補助について,一般住宅への設置を促進するため,対象の拡大や補助金の増額を行うべきではないか。また,家庭用小型融雪槽への助成に関する検討はどの程度進んでいるのか。今年度から凍結路面対策として試験舗装を行うが,本格実施の見通し及び計画内容はどうなっているのか。道路を不法占用する家屋や塀などに対しては,どのような対応策をとるのか。また,自動販売機については,清涼飲料水等の販売会社にアンケート調査を行なったと聞くが,結果はどのようなものだったのか。占用料の級地区分が設定後20年以上を経過しているが,負担の公平化や増収のため見直すべきではないか。福祉的観点に立った道路整備として,新市立病院や視力障害者センター周辺の道路に発光ダイオードを埋め込んではどうか。札幌駅北口駅前広場について,地下を含めた総合的な整備を行うと聞くが,具体的内容はどうなっているのか。サッポロファクトリー周辺の交通安全対策について,道路構造の改善等,抜本的な改善が必要ではないか。道道小樽定山渓線について,国道230号線の混雑緩和や観光客誘致のために,一日も早い通年開通が望まれるが,整備見通しはどのようになっているのか。ポプラ通屯田防風保安林の遊歩道について,周辺住民との話合いを行い,自然を生かしたものにすべきではないか。厚別東通及び青葉・平岡通については,道央自動車道で分断される地域を結ぶ幹線道路であることから,早急な整備が必要であるが,どのような見通しか。入札制度の改善について,国の検討結果を待って見直すのではなく,本市独自で積極的な検討を行うべきではないか。また,分離分割発注の拡大など,中小零細企業の受注機会をふやすことを十分に考慮すべきではないか。  河川費では,篠路川の整備について,周辺の自然環境を生かしながら進めるべきと考えるが,進捗状況と今後の計画はどのようになっているのか。  砂防用地先行取得会計では,南の沢川の砂防事業について,中ノ沢・南沢通と交差する地点までは早急に国の指定を受け,整備すべきと考えるがどうか等の質疑がありました。  次に,都市整備局について。  都市開発費では,北海道地域暖房について,過去において原油高騰を理由に値上げしてきた経過から,今回の円高に際しては料金の引下げを指導すべきではないか。真駒内地区の地域暖房料金については,利用者の生活実態を考慮し,市としても同社へ利子補給を行うなどして,料金の低廉化を図るべきと考えるがどうか。豊平中央地区再開発のマスタープランの実現に向けて,今後の取組みはどのように行うのか。また,豊平コンクリート工場跡地の活用を早期に検討すべきではないのか。豊平橋南地区コミュニティ住環境整備事業について,地区内における民間再開発の活性化をあわせて行うべきではないのか。月寒地区の再開発については,今後どのような視点でまちづくりを進めるのか。手稲東地区のまちづくりを進めるに当たり,用地確保の状況はどのようになっているのか。急傾斜地崩壊防止工事に対する国の補助金制度の適用を受けるよう,がけ地付近の住民に積極的に働きかけるべきではないのか等の質疑がありました。  次に,建築局について。  建築費では,市営住宅について,現5年計画における整備の進捗状況はどうなっているのか。下野幌団地における空き家住宅の解消と居住水準の向上のため,耐用年数到来前に建てかえを行なってはどうか。二十四軒団地について,住戸改善に当たり,駐車場の整備や住みかえ時の対応及び併設される保育所の取扱いはどうなるのか。高齢者向け住宅の仕様については,トイレの出入り口の幅を広げるなどの配慮を加えてはどうか。単身者向け住宅について,入居資格に関する国の通達の趣旨を生かし,常時介護を要しない者は,入居を受け入れるよう検討すべきであるがどうか。家賃収納対策について,滞納が長期化しないよう短期のうちに歯どめ策を講ずるべきではないか。また,管理人に収納業務を行わせることによってどのような効果があらわれているのか。福祉の街づくり環境整備要綱の理念を一般住宅に適用させてはどうか等の質疑がありました。  次に,経済局について。  商工費では,実効性のある経済政策を実施するため,全庁的な視点で取り組むセクションが必要ではないのか。不況対策として,経営安定特別資金を復活させるべきと考えるがどうか。一般中小企業振興資金,いわゆるマル札資金について,景気の現状から見て今後利用増が見込まれるが,予算措置も含めどのように対応するのか。また,利用者の実情を考慮し,担保がなくても融資を受けられるようにすべきと考えるがどうか。申込み窓口を金融機関だけではなく,融資実績の少ない零細企業のために市にも設けるべきではないのか。本市物産の海外への販路拡大について,アメリカばかりではなく東南アジア方面にも広げるべきではないのか。米不足が予想されるが,安定的な供給のために,国と道に需給計画の検討を要請すべきと考えるがどうか。  農政費では,農業振興地域整備計画の見直しに当たり,農業経営者からどのような意見が寄せられているのか。また,見直しにより,南区の農用地区域はどう変わるのか。本市が都市型農業として進める農畜産物の加工,観光農業,体験農園等はどのような計画となっているのか。有機農業の推進は,長期的な展望に立って行うべきであるが,対象品目やスケジュールについてはどう考えているのか。また,有機栽培の地場野菜を小・中学校の給食に取り入れているが,市立の保育園や老人ホーム等に拡大してはどうか。農業振興策として,農作物が安定価格で買われ,農家の再生産を保証することが必要であるが,里づくり事業の中で市民への啓発を行なってはどうか。また,有機栽培の農産物には,虫食いなどにより出荷規格から外れた物が多いが,こうした農産物の購買を促す消費者教育を行なってはどうか。  中央卸売市場事業会計では,発芽防止のための放射線を照射したジャガイモを取り扱わない申し合わせをしていると聞くが,今後もその方針を堅持する意向はあるのか等の質疑がありました。  次に,交通局について。  経営健全化に向けた職員の意識改革が必要であるが,職員研修をどのように行なっているのか。また,経営に民間人の意見を取り入れるため札幌交通問題懇話会を活用していると聞くが,計画はどう進めているのか。交通事業のPRについて,時代に合った柔軟な展開が必要であるが,本市の出資団体と今後どのような協力体制をとるのか。公共交通機関を利用するよう市民の意識転換を促すことで,交通混雑の緩和や環境保護も図れるが,どのような施策を実施する考えか。料金改定により地下鉄利用客がJRに流れ,当初の利用見込みを満たすことが困難となってきたが,JRとの運賃格差を是正し,乗客を回復するため定期料金の割引率の見直しを行うべきではないか。プリペイドカードについて,直接改札機で利用できるようなシステムの導入や,プレミアムをつけることを早期に実現すべきではないか。また,民間交通機関との共通使用についてどう考えるのか。地下鉄東豊線延長部の開業見込みが平成6年10月に早まるが,継続費の最終総額及び工期短縮に伴う節約額の処理はどのようになるのか。また,中央バスとの補償交渉に当たり,路線移譲に対する職員の不安を取り除く方策に関してどう考えているのか。延長に伴い5ヵ所の駅が新設されるが,職員の確保はどう行う計画か。停車する駅付近の公共施設や乗継路線を表示する機器を車内に設置してはどうか。また,車いすのスペースを確保すべきと考えるが,新型車両及び既存車両における計画はどうなっているのか。投身事故防止対策として,ホームドアの採用を検討してはどうか。バス路線に通年ダイヤが採用されたが,定時性の確保策をどのように行うのか等の質疑がありました。  最後に,水道局について。  4年度の給水収益が冷夏により減収となったが,決算をどう評価するのか。また,今次5年計画のスタートの年である平成5年度についても,依然として減収が続いているが,異常気象や景気の低迷という特殊事情を考慮し,一般会計からの繰入れの充実を積極的に検討すべきではないか。人口増の鈍化により,水需要の伸びが期待できない現在,いままでと違った事業のあり方と財政運営が求められるのではないか。金利の低下により,企業債や一時借入金の支払利息が減少するが,差益の使途はどうなっているのか。本市の水道は量から質への転換を迎えるが,職員の能力開発のため,総合的な研修体制を確立すべきではないのか。豊平川上流の汚染が進んでいるが,監視体制はどのようになっているのか。また,定山渓周辺にある公共施設での合成洗剤の使用中止を検討してはどうか。発寒川の水質汚染事故について,工事発注者としての責任と今後の防止策をどう考えているのか。遠隔指示メーターの試験導入を見送り,自動検針の基礎的研究を行うことに変更されたが,給水サービスの後退や市民負担の増加は懸念されないのか。住民が布設した共用管について,管理意識が薄れ老朽化したものが多いが,本市が寄附を受け,積極的に整備していくべきではないか。5階までの建物への直結給水について,実施件数は当初見込みと比較してどうなっているのか。西部配水池を通水前に市民に見学してもらい,水道行政への理解を求めることに活用してはどうか等の質疑がありました。  以上が本委員会における質疑の概要であります。  引き続き,付託されました議案6件を一括して討論を行いましたところ,社会党・畑瀬委員,自民党・村山委員,公明党・春原委員,自民党市民の会・道見委員,市民ネットワーク・山口委員からは全議案に賛成の立場で,また,共産党・井上委員からは全議案に反対の立場で,会派を代表して意見の表明がありました。  討論終結後,採決を行いましたところ,議案第1号中関係分及び議案第2号から第6号までの6件については,いずれも賛成多数で認定すべきものと決定いたしました。  以上で報告を終わります。 ○副議長(伊与部敏雄君) ただいまの各委員長報告に対し,質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(伊与部敏雄君) 質疑がなければ,これより討論に入ります。  通告がありますので,順次発言を許します。  武藤光惠さん。  (武藤光惠君登壇・拍手) ◆武藤光惠君 私は,ただいまから日本共産党を代表して,昨年度の決算認定議案7件,すなわち議案第1号 札幌市各会計歳入歳出決算認定の件,議案第2号 札幌市病院事業会計,議案第3号 札幌市中央卸売市場事業会計,議案第4号 札幌市交通事業会計,議案第5号 札幌市高速電車事業会計,議案第6号 札幌市水道事業会計,議案第7号 札幌市下水道事業会計の決算認定に反対の立場から討論いたします。  わが党がこれらの議案に反対する理由は,いずれもこの年度に料金改定や消費税の上乗せが強行されたからであります。  まず,一般会計についてでありますが,1976年以来行われてきた地方選挙翌年の各種料金の値上げをまたしても繰り返し,昨年度においては48項目もの各種使用料・手数料の値上げが消費税の上乗せとあわせて強行されました。その一方では,大企業に対する超過課税の緩和,すなわち法人市民税の税率の引下げが行われており,このような大企業本位,市民不在の決算は認定できないところであります。  次に,わが党が指摘した主な問題について触れてまいります。  まず,市長の政治姿勢の問題であります。  市長の政治姿勢にかかわる問題として,わが党は,桂市長の後援会などに対する企業・団体献金についてお尋ねしましたが,大成建設,鹿島建設など,ゼネコン疑惑がいま大きな問題となっている企業からの献金を含めて,多額の企業・団体献金を受けていることについて,市長は適正・適法と言うばかりか,道義的にも問題なしとの態度をとりましたが,企業・団体献金禁止を求める市民の強い声を無視したこのような姿勢は,まことに遺憾であります。また,代表質問や委員会質疑を通してわが党が指摘したように,本市が直接行うべき性格の事業が第三セクターに委託され,その委託料に消費税がかけられていることについて,これを当然とする市長の姿勢は問題であります。  次に,総務局において指摘しました非核平和都市宣言事業についてであります。  本年8月,広島市,長崎市で開催された第3回世界平和連帯都市市長会議に市理事者も参加されておりますが,この集会のアピールでも核兵器,化学兵器の廃絶に向けて国際世論の結集を呼びかけ,地方自治体の責務を強調しているのであります。中国の核実験に引き続き,アメリカ,フランスでの核実験再開の動きも出てきている中で,核廃絶は依然として緊急の課題であります。その意味でも,市民の理解を深め,運動を飛躍的に高めることが必要です。核兵器廃絶,平和をアピールする平和記念館の建設やモニュメントの作製を初め,体制と予算を強化しての一層の取組みを求めるものであります。  次に,企画調整局についてであります。  市街化調整区域の土地利用に関し,茨戸川周辺の問題について質問いたしましたが,本市長期計画でも明確なように,この周辺は貴重な水辺環境があり,緑と水の自然を生かしたスポーツ・レクリエーションの場所,さらには優良な農地としての活用を図るべきところと位置づけられております。都市型リゾートとしての利用構想は最近になって導入されたものであり,1988年4月,札幌テルメのオープン,1990年4月に大手商業資本であるヤオハンの進出表明,1990年5月から9月にかけてのソフィア中村による農地法に抵触する事実上の農地の買収が進められていた背景を考えれば,まさに企業の進出計画に合わせて都市計画を変更したと認識せざるを得ず,助役が「ある特定の何らかの力によって都市計画の変更を強制されたことはない」と強弁しても,事態の流れは企業の利益のための重大な都市計画変更の動きであり,問題であることを強く指摘しておきます。  次に,市民局についてですが,来年度に予定される仲よし子ども館の会場削減計画は,1キロ以上離れる会場が新たに9ヵ所生じ,東区の丘珠ひばり公園は3キロも離れた日の丸公園に統廃合されてしまうなど,核家族化,少子化の進行の中で家庭教育を補完するという仲よし子ども館本来の目的・役割を無視して,市民へのサービスを冷たく切り捨てるものであり,あらためて仲よし子ども館の削減計画の撤回を求めるものであります。  次に,民生局についてであります。  昨年度は,保育料を平均3.87%改定しましたが,17年連続のこのような値上げが共働き世帯などの生活を圧迫したのであります。また,委員会で指摘したように,市立保育所と私立保育所の職員の賃金格差が大きく開いてきています。国に対して措置費の抜本的改善を求めるとともに,私立保育所への補助金の増額や予備保母の公立並み・市立並みの正職員化など,公私格差を是正すべきであります。  わが党が代表質問でも取り上げたように,札幌は高齢者在宅福祉が全国最下位であり,これを抜本的に改めることが強く求められており,在宅福祉施策の柱でもあるホームヘルパー派遣事業の拡充と,家事援助型だけでなく介護型にも積極的に取り組まれること,あわせてホームヘルパーの研修の充実,待遇の改善を求めておきます。さらに,入浴サービスを初め,高齢者福祉の抜本的改善を図るよう求めるものであります。  次に,ウタリ対策についてでありますが,ことしは国際先住民年に当たり,ウタリ新法の早期制定を国に強く働きかけるとともに,ウタリ対策事業の積極的な取組みを強く求めるものであります。  次に,生活保護費についてであります。  昨年度は,生活保護にかかわって資産調査の同意書偽造事件や保護費横領事件など,相次ぐ人権無視の事件が表に出ました。憲法25条と生活保護法に基づいた人権尊重の温かい保護行政を強く求めるものであります。  次に,国民健康保険についてであります。  わが党は,負担の限界を超えた高過ぎる国保料の引下げこそ市民の声であることを指摘してまいりましたが,平均改定率は抑えたというものの最高限度額を44万円に引き上げ,また,均等割の比率を1ポイント引き上げることによって,関係市民に新たな負担を強いた決算には反対であります。  また,資格証明書の発行についてでありますが,昨年12月1日の国民健康保険証の切りかえ時に,前年度54世帯であった資格証明書を3,897世帯に大量発行したのに続き,3ヵ月短期保険証を交付した世帯にもさらに資格証明書を1,141世帯も発行するなどして受診抑制を図っているのは問題であります。これは,国民健康保険法の資格証明書発行にかかわる法改正時の国会質疑における厚生大臣や保険局長の「真に払えない方というより,財産処分を回避するなど,故意に滞納するという悪質なものに限って適用する」との答弁からも大きく逸脱していることは明らかであり,立法時の趣旨に立ち返ることを強く求めるものであります。しかも,これら資格証明書の大量発行に際して,国保事業が相互扶助であるかのような言いわけは大きな誤りであります。すなわち,現行国民健康保険法は,国民皆保険のもとに他の保険に加入していない者に強制加入を義務づけているものであり,任意加入の生命保険とは異なり,明確に国民健康保険法第1条で社会保障と明記されているものであります。  しかも,委員会で指摘したように,年収340万円の1人世帯で40万円もの国保料が賦課され,政管健保の約9万円と比較して4.3倍にもなっており,保険料の半額を滞納すれば資格証明書を発行するなどということは,社会的道義からいっても許されることではなく,逆に国に対して,国保法第4条に明記されているように健全な国保財政の運営ができるよう抜本的な改善を求めるべきであります。相互扶助の美名のもと,この医療給付差しとめの制裁措置,資格証明書の発行がとられておりますが,相互扶助というのは明治憲法下の1938年に制定された旧国民健康保険法に明記されていたもので,この法は,天皇のための元気な軍隊をつくる健民・健兵思想,すなわち健康な民草,健康な兵隊をつくるということで制定されたもので,社会保障とは無縁の法律であることを強く指摘しておきます。  次に,建設局についてであります。  今日,最大の社会的不正義として国民の非難を受けている,いわゆるゼネコンを初めとする政・官・財の癒着の構造,裏献金・やみ献金を含む政治献金,わいろ工作の実態が次々と暴露されつつありますが,疑惑の構造的要因ともされている各種工事の請負契約制度について,本市においてもすべてを指名競争入札としている現状と,ゼネコンを中心とする大企業優先の実態を改めて,中小零細業者の発注拡大などを含めて,一般競争入札制度の導入を柱とした制度改正など,公正な行政への転換を求めてまいりましたが,建設省を初めとする国の指導に追随する一方,抜本的改革について消極的姿勢を示す答弁は納得できません。勇断をもって,公正・民主の入札制度への改善を強く求めておきたいと思います。  次に,環境局についてであります。  ごみ増大の原因をつくり出している製造メーカーの責任を明らかにし,使捨て容器の製造自粛,そして,家電製品などの回収システムの確立を国やメーカーに強く働きかけるよう求めておきます。  ごみの減量化・リサイクルを図るために東区のモデル地区で実施している瓶・缶の収集を全市に広げることとあわせて,各区に瓶・缶の選別施設を設置すること。また,リサイクル体制を支えている資源回収業者への支援策を具体化するよう強く求めておきます。  夢のグリーンベルト構想に位置づけられている北部緑地の整備,とりわけ茨戸周辺の緑地整備に関する本市の基本構想,緑のマスタープラン及び夢のグリーンベルト構想に基づく本市の方針が,大規模公園の配置,農地の活用を初めとして,主として公有化によって推進することになっており,ヤオハンの巨大な商業施設を伴う大規模なリゾート・レジャー施設の進出が本市の方針に矛盾することをわが党は委員会で指摘しました。  とりわけ,民間企業による茨戸川周辺の土地買収や施設建設によって,国の所有であり市民のものでもある公有水面や河川敷が,民有地によって囲い込まれることは企業による自然の独占であり,断じてあってはならないことであります。  このようなことにならないように,茨戸周辺の緑地整備については,おくれている本市のスポーツ・レクリエーション施設,緑地整備を軸とする公共主導の計画をあくまでも推進すべきであります。  次に,都市整備局についてであります。  まず,地域暖房料についてでありますが,市理事者の会社側の立場に立った高い暖房料の引下げを指導できないなどとの答弁は,暖房料の支払いに苦しんでいる市営住宅入居者の立場を無視するものであり,大変遺憾であります。暖房料が高過ぎるため,昨年度も厚別地区で541戸,光星地区で57戸の空き住宅をつくり,このために住宅部は1戸につき1ヵ月,9,179円の凍結防止料金を総額で1,770万円も暖房会社に支払わざるを得ないのであります。  暖房会社に対する指導の強化で,速やかな料金の引下げを図り,せっかく建てた市営住宅に市民が喜んで入居できるように改善すべきであります。  また,サッポロビール跡地での再開発に対して,昨年度は3億4,500万円の補助金が支出され,この4年間で6億9,340万円もの補助金となるのでありますが,このような大企業への補助金支出には反対であります。  次に,経済局についてであります。  テクノパークに進出した日本IBM,オムロンなどの大企業に先端産業立地補助金7,233万円が支払われており,このような補助金の支出には反対であります。  不況が長引く中で,中小企業の営業と暮らしを守るためにも,不況対策特別資金を復活すべきであります。また,中小企業に対する金融機関の制度融資の貸渋りの是正を強く求めておきます。  次に,教育委員会に関してでありますが,市立豊成養護学校小学部の給食改善について,わが党が指摘したように,一昨年以来,独立校舎で再スタートを切った豊成養護小学部の給食の実態は,父母,教師などによる必死の2次調理によって支えられており,独自給食への転換は緊急の課題となっております。児童数の増加に伴う校舎増築とあわせての給食施設整備などといって,これを先送りすることは許されません。来年度にも校舎増築計画と切り離して給食整備を進めるべきであることを強く要望しておきます。  次に,学童保育の問題です。  現在の本市における留守家庭児童対策についてでありますが,本市の事業として行われている学校方式育成会,民間方式育成会,そして,1989年からスタートした児童会館における児童クラブなどの格差の問題については委員会でも指摘しましたが,専用室の確保を初めとする施設の充実や指導員の適正配置と待遇改善など,学童保育の抜本的強化を求めておきます。  また,育成会の児童クラブへの移行は,児童会館内クラブの充実など,条件整備が必要であり,父母,関係者の声を無視した一方的な強行はあってはならないことであります。特に,澄川小学校の育成会への対応は,父母の意見を十分尊重することを重ねて求めておきます。  なお,学校開放事業における体育館の使用料の有料化は容認できません。  次に,一般交通事業と地下鉄事業の決算についてであります。  昨年4月から15%の料金値上げを行なったものであり,認定に反対であります。しかも,昨年の料金値上げを審議した臨時市議会で指摘したとおり,料金値上げが乗客の逸走やJRへの移行を顕著に引き起こしております。すなわち,昨年の4月の交通料金値上げ実施後のこの1年間の輸送人員の実態は,1日平均の乗車人員で,市電で510人,市バスで5,423人,地下鉄で1万2人と,いずれも大きく減少し,料金値上げ時に64億円の増収をもくろんでいたにもかかわらず38億円の増収と,当初計画の59%にすぎません。しかも,本年4月以降も,前年比で,市電814人,市バス5,436人,地下鉄1万6,687人の減少となっています。すなわち,地下鉄は料金値上げ前と比較して,今日では1日当たり2万1,700人減少,年間に直すと791万人もの輸送人員が減少することとなり,昨年度から5年間で2万人の需要喚起策をとろうとしているのに,すでに2万人も減少していては,財政の健全化もおぼつかない現状であります。したがって,通勤・通学割引など,抜本的乗客サービスの改善を図ることを強く求めておきます。  次に,下水道事業については,公費負担の割合を引き下げ,消費税の転嫁も含めた37.5%の料金値上げによって市民に多大な負担を強いたものであり,認定できません。  市立病院事業,中央卸売市場,水道事業についてですが,いずれも,この年度新たに料金,使用料・手数料に消費税を転嫁させた決算となっており,認定に反対であります。  以上で,討論を終わります。(拍手) ○副議長(伊与部敏雄君) 次に,藤原廣昭君。  (藤原廣昭君登壇・拍手) ◆藤原廣昭君 私は,社会党議員会を代表して,第3回定例市議会に付託されました1992年度決算にかかわる第1号から第7号までの議案に対し,これをすべて認定する立場から討論を行います。  初めに,1992年度決算は,桂市政として新たに第2次5年計画を策定し初の本格予算を組み,躍動都市さっぽろ実現に向けスタートした年でしたが,景気の長期低迷とも重なり,市税の落込みなどで事業の執行にも苦労の跡がうかがえます。  具体的には,財政調整基金80億円,まちづくり推進資金20億円の取崩しや10年ぶりに減収補てん債を発行するなどで,予算計上の事業はほぼ完全に執行されたものと判断されます。今後の財政運営は,従前にも増して一段と厳しい状況下にあり,より一層の配慮が必要であると考えます。  次に,各局別に社会党の各委員から発言しました主な意見,要望などを申し上げ,今後の市政運営に十分反映されるよう希望いたします,  初めに,歳入では,昨年度決算を概括すると,長期にわたる景気低迷の影響が随所にうかがわれます。特に,歳入の大宗をなす市税収入が2,726億円,前年比3.3%増にとどまり,収入未済額が128億円に上ったことは憂うべき状況であります。一方,市民の行政に対するニーズは年々高まっており,自主財源確保と税の公平負担の観点から一層の努力をすべきです。  具体的には,名古屋市のように市税収入率98%を超えるところもあり,個人市民税の銀行振替の普及拡大など,納税対策の充実を強く求めるものです。  本市は,昨年度,総額349億円に及ぶかつてない大型補正予算を組み,国の総合経済対策と連動させてきましたが,当面の課題は,景気回復と雇用対策などに重点を置いた新たな補正予算の確保など,積極的に取り組まれることを提起するものです。  次に,総務局関係では,国際協力事業団のJICA札幌国際研修センターが新年度以降着工の予定ですが,これに伴う市有地の同事業団に対する貸付価格及び減額の判断は,適正かつ厳正な手順で進めるべきです。  次に,本庁舎について,年々業務量がふえるのに伴い本庁舎が手狭となり,現在,民間ビルを5ヵ所借り上げている費用は年間約3億5,000万円にも及び,市民サービスや行政の効率化から考えても大きな問題と言えます。現在の本庁舎を建設する際にも,約10年にわたり議論と諸準備を進めてきた経過を踏まえれば,いまから新庁舎の諸準備をするための機関を設置するべきと考えます。  次に,企画調整局関係では,本市は,丘珠空港のジェット化に伴う滑走路延長の可否について総合的に判断するための基礎調査を行い,道を初めとする関係機関との折衝などを行なっていますが,今後は議会や市民に対して,より正確な情報や調査結果,関係機関との協議内容について報告を求めると同時に,札幌市全体のまちづくりの中長期的な将来展望を示し,そこから議論展開ができるようにすべきです。  2002年のワールドカップ・サッカー招致についてですが,最近のサッカーに対する関心の高まりを見るにつけ,9年後の札幌招致に向けた一層の取組みを求めるとともに,施設利用の観点からも一定の経済効果が期待できるJリーグ誘致の実現に向け,積極的に検討するよう強く求めるものです。  都心交通対策と違法駐車禁止条例の制定についてですが,現在,民間の力もかりながら,都心における違法駐車に対する誘導啓発,PR活動によって一定の成果を上げていますが,街頭での指導には法的裏づけがないために限界があります。  最近,川崎市を初め,全国45市区町で駐車禁止条例が制定されています。本市としても,早急に駐車禁止条例の制定を検討され,早期に実施できるようにすべきと考えます。  1980年,札幌地方陸上交通審議会及び翌年,札幌市総合交通対策調査審議会から出された答申では,バス運行は地下鉄駅や国鉄駅に連絡させたり,パーク・アンド・ライド駐車場の確保などが明記されていますが,いまだに確立されていません。市は,この答申に沿って関係機関に積極的に働きかけるべきと考えます。  土地監視区域については,土地の高騰を抑制するために設定されたものですが,今日的状況から,土地の有効活用によって都市開発を促進させ,経済的波及効果が期待できると考えます。したがって,都心部における監視区域について,一部の見直しを早期に図るべきです。  次に,都市計画決定に関して,確定測量のおくれによって本市に関する工事が始まる際,関係住民と補償問題でトラブルが起こっています。今後は,速やかに確定測量をされるよう要望します。  次に,消防局関係では,今後,市民応急手当て普及活動の充実強化を考えたとき,現状の消防人員で問題はないかとの心配があり,改善に向け積極的な対応を強く要望します。また,放火防止対策について,放火火災は人為的に発生するものであり,動機など,その背景にはさまざまな原因があると考えられます。これらを分析し,まちづくりに生かすなど,1件でも放火事件が減少していくようソフト面での具体的検討を強く求めるものです。  次に,市民局では,札幌市地域防災計画の中で,十勝沖地震,震度4から5,石狩湾地震,震度5が想定されています。本市では,同報系の防災行政無線システムを設置し,市内部の各行政機関などとの連絡体制を確立しつつありますが,市民などに対する避難の誘導や避難後の情報提供など,ソフト面の対応が不十分となっています。ことし,省令によって都市公園法の施行規則の一部が改正され,公園内に放送施設,ヘリポート施設などが設置できることになりました。本市も,このような施設を早急に設置すべく諸計画を進めるべきです。  次に,高齢化,余暇利用及び少子化社会の到来という状況を考慮したとき,本市のコミュニティ施設構想の見直しはもちろんのこと,地域施設の運営面の具体的援助も含め,補助制度の大幅な改善を求めるものです。
     次に,仲よし子ども館の今後のあり方についてですが,子ども館を利用する3歳児も,今年度は120会場で8,000名弱と減少し,今後さらに減少する見通しでもあり,いまから今後の見直しをしっかり立てることはもちろん,母親対策の強化策も含めて,その方向を示していくべきです。  次に,教育委員会関係では,市立幼稚園の運営面ですが,いまだ1年保育が存在していますが,いまや3年保育が取りざたされている状況の中で,地域の父母から2年保育を強く求められていることもあり,改善を強く求めるものです。  次に,昨年9月から実施されている学校週5日制の問題に関して,生涯学習社会を実現する観点に立てば,今日の受験システムや学習指導要領の改訂,週休2日制の徹底を図ることで留守家庭児童の受皿を整えなければなりません。  留守家庭児童対策については,1991年に厚生省の放課後児童対策事業実施要綱の活用を基本に,公的施設を活用し,小学校区単位に受入態勢を確立すべきと考えます。児童会館の建設計画は,1996年度までに100館を節目として今後検討するとの考えですが,各小学校区単位に配置されるように強く求めるものです。  次に,環境局関係では,特定フロンなどによるオゾン層の破壊が深刻化する中で,国内でもオゾン保護法が制定され,フロンの回収・再利用などのシステムづくりに向けたモデル事業が今年度から始まっています。  本市では,年間約2万台の冷蔵庫が未処理で廃棄されているにもかかわらず,フロンなどの回収・再利用がされていないことは強く憂慮されます。今後,関係部局との連携を深め,早急な対策が行われるよう強く求めます。  次に,事業系ごみの減量・資源化について条例の徹底が図られるなら,減量は大きく前進すると考えられます。しかし,この条例は法的拘束力を持たないことから,違反者に対する強い指導が必要であり,この場合,清掃部と建築指導部との密接な連携を求めておきます。  次に,公園緑化関係では,高齢化,余暇社会に,また,新しいスポーツなどに対応させた公園計画や整備を具体化されるよう強く要望するものです。  次に,下水道局関係では,営業収益が減少しており,今後,営業費用の節減に一層の努力を行うことと,また,金利負担を抑えるために,政府債の高金利のものについては借りかえなどの方策についても検討を行うべきです。  さらに,下水道工事の際には,やみ献金など贈賄に関与している大手ゼネコンにかえて,地場で技術力のある企業に対し積極的な発注を目指すよう強く求めるものです。  次に,民生局関係ですが,本市では高齢者保健福祉計画策定の作業を進めていますが,特に,在宅福祉サービスにおけるホームヘルパーの充実が求められており,2000年までに需要にこたえられる体制を確立すべきです。  次に,知的障害者福祉についてですが,明年策定される障害者にかかわる中長期福祉計画では,知的障害者福祉の推進を大きな柱とするとともに,その中で,スタートしたばかりの札幌市精神薄弱者更生相談所をしっかり位置づけていくことが肝要だと考えます。  次に,国保関係についてですが,昨年度から職員を増員して収納対策を講じてきていますが,今年度予算における保険料目標収納率の91%の達成は依然として厳しい状況にありますので,特別収納対策は今年度までの時限的な措置ではなく,さらに継続した取組みを求めるものです。  次に,市立病院関係では,昨年度の外来患者が前年に比べ1万4,082人減少しています。改善策の一つとして,新年度に自動再来受付機を導入し,待ち時間をさらに短縮して患者サービスの向上を図ることを明らかにしましたが,今後も,病院の移転新築の完成を待たなければ解決できない要因以外に歯どめ策があれば十分検討していくべきです。  また,新病院とJR桑園駅間の通路は,雨や雪に少しでも当たらないような工夫が必要になってくると思われますので,市民サービスや病院経営の観点から検討し,実現に努力していくべきです。  次に,衛生局関係ですが,食品の安全確保に対する市民ニーズはますます高まりを見せています。こうした状況の中で,今般,札幌市が緊急輸入米について初めて残留農薬検査を独自に実施する方針を固めたことは,まことに時宜を得た判断と評価をします。今後とも,急増する輸入食品やポストハーベスト農薬,放射能汚染などに対し,効果的な監視検査体制ができるよう一層の充実を求めます。  今回,環境局の質疑に同席を求め指摘しましたが,本市では1990年,札幌市環境問題連絡協議会が設置されながらも,特定フロンなどに対する議論や取組みは皆無であります。ことし11月中に,さきの連絡協議会の中にフロン部会を設置し,特定フロンなどにかかわりのある部局によって各事業における具体的な協議を進めるとのことですが,早急な対策が行われるよう強く求めます。  次に,建設局関係では,除雪パートナーシップ制度についてですが,昨年度の利用状況は94件で,負担額は最低で323円から最高で6,511円,1世帯当たりの平均負担額は2,341円となっております。こうした格差の解消は急務であり,負担額の上限を3,000円に設定し,この制度の推進を図るべきです。  次に,ロードヒーティングの設置補助制度ですが,現行制度では補助限度額が5年前から1平米当たり6,000円に据え置かれており,実勢価格との格差も生じています。現在では,ロードヒーティングの設置は一般家庭にも普及し,玄関前,駐車場前の歩道にも設置したいとの希望もあり,補助対象枠拡大とあわせて,設置費実勢価格の改善を強く求めます。  次に,1981年に本市を直撃した集中豪雨の大災害に関連して進められている豊平川上流域の直轄砂防事業のおくれが際立っており,住民の不安を取り除く観点からも,砂防指定の延長がより促進されるよう関係機関への取組みを望むものです。  次に,都市整備局関係では,本市が第三セクターとして出資する地域暖房や熱供給公社の集中冷暖房の需要家には,常々利用料金の割高感があるので,その解消に努めるべきです。  次に,経済局関係では,中小企業融資制度,いわゆるマル札資金の利用状況は,ことし4月から8月の金額で224億円と,前年比84.9%増と大幅な伸びを示しています。現在の景気状況からして,ますます利用件数が増加するものと予想されますので,マル札資金予算に不足が生じないように,適切な時期に補正を講じるべきです。また,融資条件の緩和をさらに検討し,より利用しやすい制度にすべきです。  次に,里づくり事業ですが,280億円もの巨費を投じて推進しており,失敗の許されない計画です。市民や農業者を対象とする具体的な事業を通じて,農業の自立と活性化,付加価値の向上,価格の安定,低農薬栽培の確立を目指して取り組むよう提言するものです。  次に,交通局関係では,地下鉄東豊線延長部の豊水すすきの─福住間の開業が,工事の進捗状況から明年10月に目途がついた場合,現行の継続費1,018億円は,開業が5ヵ月早まることによって建設利息や人件費など,建設費約22億円の節減が見込まれることから,今年度の執行状況及び新年度の所要額などの総額が確定次第,継続費の変更について明らかにすべきです。  また,中央バスとの補償協議に関しては,路線の移譲及び附帯事業その他の便宜供与の方法によることを基本に具体的交渉に入っていますが,補償協議の内容によっては職員の間に大きな不安を与えかねない問題を抱えていますので,協議内容は職員に十分説明をし,理解をしてもらうよう配慮をすべきです。  最後に,水道局関係では,本年度は冷夏などの影響から給水需要が鈍化し,収益に影響を与えています。今後,水道事業の一層の経営努力はもちろんでありますが,一般会計繰入れの充実を図るなど,水道事業の改善をすべきです。  また,共用管の整備ですが,いまだに配水補助管制度が実施される以前に布設された管,すなわち水道利用組合,または住民が共同で布設した共用管が相当残っています。水道施設は安全で安定的に供給することを目的としながらも,この共用管の中で,目的を達していない施設が存在しているのも事実です。現在,給配水管整備事業を推進していますが,さらに踏み込んで積極的に寄附を受け,整備を図っていくことを強く要望します。  以上,各局の特徴的な問題点を指摘しましたが,今回の審議の過程でわが党議員から出されました指摘事項や要望,意見などにつきましても,新年度予算や今後の市政運営に的確に反映されますよう求めまして討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(伊与部敏雄君) 次に,三上洋右君。  (三上洋右君登壇・拍手) ◆三上洋右君 私は,ただいまから自由民主党議員会を代表いたしまして,平成4年度決算認定にかかわる関係諸議案につきまして,これに賛成する立場から,以下討論を行います。  平成4年度は,桂市長が初めて本格予算を編成するとともに,第2次5年計画をスタートさせた重要な年であり,また,国の総合経済対策に関連して,過去最大規模の補正による景気対策も実施されたのであります。  そこでまず,歳入のうち市税収入でありますが,合計2,726億5,786万円,収入率95.3%は前年比1%の減であり,2年連続のダウンであります。景気低迷といった厳しい状況下にあって税務職員のご苦労は多とするものの,引き続き一層の努力を求めるものであります。  次に,歳出でありますが,この平成4年度予算は,桂市長の公約である六つの施策を柱に編成され,執行されたものでありますので,その決算内容について,要望を含めて簡潔に評価してまいりたいと存じます。  まず第1に,すこやかサッポロの実現のための施策でありますが,市民の生命,財産を守る救急消防対策として消防科学研究所及び救急救命研修所の建設は,消防装備の研究開発と救急隊員の高度な技術向上を図るものであり,都市型災害や一刻を争う人命救助への活躍が期待されます。また,消防シグマシステムの導入は,わが国初の車両の多目的で効率的な運用方式として評価されます。  また,児童扶養手当についてでありますが,18歳到達日から受給資格が消滅するため,まだ修学途中の段階において支給を打ち切られることは,家庭への負担も大きなものとなります。そのため,せめて卒業までの間,支給期間の延長が図られるよう制度の改善を国に要望していただくとともに,これに関して本市独自の補完制度についてもご検討いただくよう要望いたします。  また,市立病院の建設についてでありますが,新病院には新たに高価な医療機器の導入を予定しておりますが,既存の医療資源を有効活用し,経費の節減に努力されることを期待するものであります。  次に,住宅政策についてでありますが,近年は地価の高騰や古い市営住宅の建てかえ団地がないことから,市営住宅の建設戸数も減少しているようですが,まだまだ市営住宅の応募倍率も高く,根強い需要がありますので,現5年計画の実現に向けた計画的住宅建設と福祉住宅や住民のニーズに対応した住宅の建設を推進されますよう期待いたします。  第2に,いきいきサッポロの実現のための施策でありますが,本市の貴重な都市施設として,交通の重要な結節点となっている丘珠空港の騒音調査が行われました。解決すべき諸問題は残っておりますが,ジェット化に対応できる整備を促進するということでありますので,住民の不安解消のためにも道との交渉を促進し,その将来像を明確にするとともに,丘珠空港とその周辺の方向性を見出すことに努力していただくよう要望いたします。  また,現在の経済情勢はまことに厳しい状況にあり,公共工事や中小企業の経営安定のための融資などにより,経済の安定施策を図ってきておりますが,全庁的にタイムリーに実効性のある強力な経済対策を実施するために,わが党としては,経済政策担当部局の必要性を強く感じ,全庁的に経済対策を担当する部局の設置を前向きに検討していただくよう要望いたします。  第3に,おおらかサッポロの実現のための施策でありますが,小学校4校の新築,小・中学校8校の増改築のほか,豊明高等養護学校を移転新築し,障害児教育の充実を図るとともに,市立高等専門学校の専門教育棟の建設などにより,初等教育から人材教育の高等教育までの学校教育環境が一層向上されました。しかし,小・中学校においては不登校児童・生徒が増加しており,重大な教育課題となっております。  本市では,相談指導学級を開設し,着実に成果を上げていることを評価いたしますが,今後とも施設の充実や余裕教室の活用を図るとともに,指導に当たる学校関係者や市教委のリーダーシップを期待いたします。  また,児童会館6館の新設を行い,100館構想をさらに進めたところでありますが,留守家庭児童対策は児童会館児童クラブの中で推進し,子供の自立を促す立場から施策を進めるべきと主張するものであります。  また,芸術文化の面では,音楽専用ホールの設計コンペや芸術の森のアートホールの基本設計が行われたことは,市民の芸術文化への関心の高まりにこたえるものであり,その完成が待たれます。  第4に,うるおいサッポロの実現のための施策についてであります。  廃棄物処理対策として新発寒清掃工場が稼働し,ごみ処理体制が充実したほか,オフィス用リサイクルマニュアルの作成,3年度に続く資源回収実施団体への助成や家庭用コンポスト化容器への助成制度の創設など,ソフト面の充実も図られました。  さらに,リサイクル団地の造成調査が行われ,先進的な取組みとして建設の早期具体化が期待されるところでありますが,民間の参入に当たっては,原材料の確保や採算性について慎重に検討すべきであり,あわせて市当局が強い決意で推進するよう期待をいたします。  また,市民のアウトドアライフの受皿として,白旗山都市環境林をさらに利用しやすいよう,特に障害者や高齢者を受け入れることのできるようなソフト面の整備の積極的な推進を要望いたします。  また,子供たちの知識や情操の向上を図るために,森林博物館を次期の構想に盛り込むよう強く要望いたします。  次に,雪対策についてでありますが,昨年来の初冬のつるつる路面や坂道ロードヒーティングの整備など,計画以外にも多くの課題が発生しており,今後とも未利用エネルギーなどの使用も含めて積極的に研究・改善に努められ,効果的な対策がとられるよう期待するものであります。  また,坂道ロードヒーティングの電力料金の値下げによる余剰資金も1億円近いとのことであり,この資金活用について,関係部局と協議の上,市民要望の高い拡幅のための除雪機を購入し,事業拡大が図られるよう要望いたします。  次に,交通事業についてでありますが,地下鉄のプリペイドカードの利用については,他の民間交通機関との相互利用や回数券タイプなどができればより効果的であり,地下鉄がより一層利用しやすいものとなると考えますので,新たな需要喚起の発掘のためにも,さらに検討されるよう要望いたします。  また,来年10月開通に向けて中央バスとの協議も開始されておりますが,路線移譲などに伴う職員の配置転換などについても,不安のないように十分ご配慮をいただき,職員と一丸となった交通再建を願うものであります。  また,水道事業についてでありますが,財政運営に当たっては,経営の安定化のために借入金依存体質を脱却し,施設の維持のための再投資資金の内部留保を図るなど,財政基盤を強化して,長期的な視点に立った運営をお願いいたします。  第5に,ふれあいサッポロの実現のための施策についてでありますが,都市計画の根幹である新用途地域の指定について,本市においては平成8年の春を予定しているとのことでありますが,市民生活に直接かかわりがありますので,市民にその内容を十分PRするとともに,指定作業を早めるよう要望いたします。  また,都市景観基本計画策定のための調査が行われ,この計画の中で都市景観条例の制定を検討しているとのことでありますが,条例は強制力が伴い,また,景観は都市固有のものでありますので,札幌らしい個性と品格を備えたまちづくりのために,十分研究の上,早期の制定に向けて取り組むよう要望いたします。  また,地下鉄東豊線の延長が来年秋の開通を控え,北海学園から豊平中央駅付近の開発は,道路や敷地が未整備のため困難を要すると思いますが,この地域の開発は地下鉄の需要喚起策のためにも必要なことであり,ぜひ最善の努力を払われ,開業に合わせて計画を推進されることを要望いたします。また,地下鉄東西線延長は,地域住民の長年の念願であります。運輸省からの指摘事項にある手稲東地区の開発促進は最重要課題であり,より強力な取組みをお願いするものであります。  第6に,みんなのサッポロの実現のための施策についてでありますが,区のふれあい街づくり事業を実施し,区の特性を生かしたまちづくりが進められたほか,地域コミュニティー活動の拠点となる厚別西地区センターの建設着手や5ヵ所の地区会館が整備され,地域の活性化が推進されました。  また,街づくりサッポロ会議の提言書が提出され,市民の主体的な討議を通じた提言は,従来の広報広聴制度に加えて,市民の声を市政に広く反映させる有効な手段であり,住民参加のまちづくりが推進されることを期待いたします。  以上,4年度決算について概括的に見てまいりましたが,総じて予算化された事業がほぼ完全に執行されておりますので,その結果を評価するとともに,関係者の努力に対し敬意を表するものであります。  しかしながら,本市の財政状況は今後一層厳しくなると予想されますので,徹底した行政経費の見直しに取り組むことはもちろん,国・道支出金や交付税措置のある市債の積極的な活用などの財源確保に努め,市民サービスを低下させないよう,健全で効率的な財政運営を要望しておきます。  最後になりますが,これまでの審議の中で,わが会派議員から指摘,要望のあった事項につきましては,理事者におかれまして,その実現に向けてご努力をお願いして,私の討論を終わります。(拍手) ○副議長(伊与部敏雄君) 次に,春原良雄君。  (春原良雄君登壇) ◆春原良雄君 私は,ただいまから公明党市議団を代表して,本議会に付託されました平成4年度札幌市各会計決算の認定につきまして,いずれも賛成の立場から討論を行います。  まず最初に,財政局関係についてであります。  平成4年度は,桂市長が21世紀のまちづくりに向けて具体的な足かがりをつける重要な年として,初めて本格予算に取り組んだ年度であります。  そこで,その決算の状況を見ますと,歳入において,市税収入は前年度と比較して史上最低の3.3%の伸び率であり,財政調整基金など100億円の全額支消,10年ぶりの減収補てん債の発行を余儀なくされるなどの厳しい財政運営でありましたが,各会計とも計画した事業はほぼ予定どおり執行されているのであります。これは,一般事務的経費を10%削減するなど,周到な計画のもとに最小の経費で最大の効果を上げるように努めた結果であり,その堅実な財政運営を評価するものであります。  しかし,市税の決算額は2,726億5,000万円で,減額補正後の予算に対してわずか1億5,000万円上回るものとなっており,収入未済額は,前年度より36億5,000万円ふえて128億円にもなっております。  一昨年来の景気の後退の影響は否めないところでありますが,収入の確保はもちろん,税負担の公平という観点からも見過ごすことはできない問題であります。徴収体制や方法に一層の工夫を凝らすなど,今後とも努力を望むものであります。  次に,企画調整局関係についてであります。  地下鉄の需要人員は2年連続して減少しており,地下鉄沿線の成熟化促進策が強く求められる中,土地の高度利用が不可欠であります。そのためには,実態に応じて誘導する用途別容積型地区計画や再開発地区計画など,緩和型の地区計画制度を導入することが必要であります。プロジェクト対応型事業や建築更新型事業を含めて,地下鉄需要を呼び起こすために沿線地区での市民の理解を深めるとともに,東西線延長部などの必要な部分においては,用途地域の変更も検討するということでありますので,その積極的な取組みを望んでおきます。  次に,市民局関係についてであります。  芸術文化環境の整備の一つとして,音楽専用ホールは設計コンペが行われ,具体的に事業はスタートしましたが,今次5年計画で調査が予定されている演劇専用ホール及び能楽堂についても,建設事業の早期スタートを期待いたします。  また,これらの文化施設は,市民の鑑賞の場にとどまるのではなく,芸術文化を創造し発信する場となることが望まれます。そのためには,その運営のあり方について,市民や文化団体,企業などの幅広い声と知恵を結集できるよう求めたいのであります。  次に,教育委員会関係についてであります。  まず,学校教育についてでありますが,昨年9月から実施されました月1回の学校週5日制は,学校や関係者の努力もあって,実施後は約7割まで保護者の賛成率が上昇し,子供たちもほとんどが歓迎しているようであります。今後は,月2回,さらに全面実施の方向に進むものと考えますが,国の動向もありましょうが,本市も独自の調査と研究を推進し,真に子供たちのための週5日制となるよう努力を願いたいのであります。  次に,社会教育についてでありますが,生涯学習総合センターの建設推進が,第2次5年計画に体系化されております。早期の建設が期待されるわけでありますが,建設費用や運営の効率化,利用者の利便性などを考慮して,施設の複合化についても十分に検討するとともに,利用者中心の施設として,また,地下鉄の需要にもつながる施設として推進するよう要望いたします。  次に,体育関係でありますが,中島プールの利用人員は,平成元年度に平岸プールが完成してから激減しております。それに伴い収入率も大幅に悪化しており,平成4年度は11%となっております。市民サービスについても,税金の適正・公平な配分という観点も大切であり,さらに行政の効率化ということも常に押さえておくべきであると申し上げるものであります。  また,スポーツ振興基金として5億円が造成されましたが,昨今の厳しい経済状況を反映し,目標額である10億円にはまだまだであります。平成5年度からは,円山球場,麻生球場,月寒体育館の3施設に広告枠を設け,その広告料を基金の原資として積み立てるということでありますが,これをさらに広げて,すべての体育施設に広告枠を設け,基金の原資確保を図るべきであります。  次は,環境局についてであります。  増大するごみ処理対策については,市民の協力が不可欠であります。ごみ分別の徹底と作業上の安全確保の面から,半透明ごみ袋の採用が有効と思いますが,プライバシー保護の問題もあり,何よりも市民の理解を得ることが大切でありますので,十分なPRを望んでおきます。  また,都市公園法の政令改正により公園設置者の独自性が発揮されるところとなり,本市の個性あふれる公園整備が期待されます が,公園の冬における有効活用として,大規模公園に地下水の温水を融雪に利用し,さらに多角的利用として,市立の温泉施設の設置やサブ老人福祉センターの設置など,高齢化社会に向けてトータル的に考えた積極的な取組みを要望いたします。  次は,下水道局についてであります。  雪対策において,下水道を利用した融雪槽や流雪溝などの技術開発への取組姿勢は高く評価するものであります。特に,昨年度の発寒鉄工団地内で実験されました直接投入は,技術的には可能であり,今年度は都心部においても実施されるとのことでありますが,ロードヒーティングに下水の熱を利用するヒートポンプを含めて,下水道を最大限に生かした方策を検討し,市民の期待にこたえるよう望むものであります。  次は,民生局についてであります。  駒岡保養センターは,開設以来,利用者数は毎年増加し,利用者からは施設内容の充実が求められており,効率的利用を図るためにも,パークゴルフや遊歩道,冬の歩くスキー等を設置し,子供からお年寄りまで多世代が交流できる施設となるよう周辺整備の充実を要望いたします。  次に,衛生局についてであります。  すこやか健診の受診率が厚生省の目標を大きく下回っており,受診率が他都市に比べても低い状況にあることは,健康都市さっぽろを掲げる意味からも残念なことであります。  また,最近増加傾向にある肺がんは,死亡率が高く発見が困難なことから,検診の実施体制の強化が叫ばれており,今後とも受診機会の拡大とともに,肺がんの検査体制の早期充実を願うものであります。  次に,建設局についてであります。  道路にはみ出して設置している自販機についてであります。  歩道などの不法占拠により,体の不自由な方やお年寄りの通行に支障を来たしており,このことは福祉の街を掲げる本市としてはゆゆしきことであります。また,冬季間の通行障害がはなはだしいことから,行政の厳正な指導を願うものであります。  また,札幌東部地域の交通対策について,特に羊ケ丘通の延長部分に当たる広島町大曲付近における国道36号の一部区間は,朝夕の通勤時における道路交通混雑が著しく,高速道路の出入り口とも重なる区間ではマヒしている状況であり,地域住民の通勤・通学や健康への影響もさることながら,観光都市さっぽろのイメージの低下ともなっております。  また,豊平区は近い将来分区を予定しており,この地域住民の足の確保を図るためにも,広島町や関係機関との連携の上,早急に道路整備が実施されるよう要望いたします。  次に,都市整備局についてであります。  今年は,例年になく異常気象等により各地に大きな災害が発生しており,本市も例外ではありません。がけ地対策として,特に危険重点度の高い箇所は,住民や地権者に対しても周知啓蒙を図られ,早急に国の補助等を受けるなどして,積極的に崩落防止工事を行うよう要望いたします。  また,豊平コンクリート跡地の利用についてでありますが,ここは東豊線の学園前駅に近い大規模な空閑地であるため,ぜひ地下鉄喚起需要策として周辺地域開発も含め,有効活用が図られますよう要望いたします。  次に,経済局についてであります。
     札幌産品については,札幌物産協会などを通じて,全国主要都市や海外のハワイやロサンゼルス市で物産展や見本市などを開催し,販路拡大に努力され,本市経済の発展に貢献してきたことは高く評価しております。今後は,もっと身近で大きな市場である東南アジアも含めて,積極的な事業の拡大と活性化を図られることを期待します。  次に,交通局についてであります。  地下鉄における投身事故防止対策等でありますが,他都市では人命尊重の立場からホームドアの設置が行われております。本市では,経費面やホームの状況等において設置困難であることは理解できますが,運転者の心理的圧迫の軽減や将来の社会環境の変化を見据えて,これら対策の研究・改善を継続され,安全で快適な地下鉄運営が行われるよう希望いたします。  次に,水道局についてであります。  遠隔指示メーターの導入については,現在,自動検針を初めとする検針体制の長期的改善の方法について,より慎重に研究が行われているようでありますが,研究に当たっては,他の公共的・公益的機関との協力・連携のもとに行い,効率的かつ経済的市民負担の軽減が図られることを望むものであります。  このほか,わが党の議員が申し上げました要望,意見等につきましても,今後十分検討され,市政に反映されるよう要望するものであります。  以上,要望事項を主体として,4年度決算について述べてまいりましたが,総体的に見ますと,一般会計,特別会計合わせて,歳入歳出ともに執行率が98%以上であり,ほぼ予定どおりと言ってよい執行状況でありますので,ここであらためて決算認定について賛成する立場を明らかにして,私の討論を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(伊与部敏雄君) 次に,伊藤知光君。  (伊藤知光君登壇) ◆伊藤知光君 私は,ただいまから自民党市民の会を代表いたしまして,本議会に提出されました平成4年度各会計決算認定につきまして,これをすべて認定する立場から,以下討論を行います。  平成4年度は,桂市長が躍動都市さっぽろの実現を目指し,急速な高齢化社会の進展,環境問題,国際化,情報化などに対応した新たな目標に向けて,第2次5年計画による施策を出発させた意義深い年であります。  そこで,補正を含めた平成4年度予算の執行状況を見ますと,一般会計,特別会計及び企業会計を合わせた決算総額は,歳出で約1兆2,499億3,000万円,執行率は98%となっており,5年計画の初年度として,市民ニーズに対応する当初目標の事業はほぼ達成されたものであり,高く評価するものであります。  次に,これまでわが会派が重点的に取り上げてまいりました事柄を中心に,決算内容を見てまいります。  まず,財政運営についてであります。  本市は,他の指定都市に比べて,自主財源である市税収入の歳入総額に占める割合が低くなっております。平成4年度決算では,市税収入の伸びが3.3%と,過去最低の伸びとなっております。今後も高い伸び率の確保は困難な状況であり,経常収支比率が比較的高い本市にとっては,特に厳しい財政環境であります。したがって,従来の財政運営を見直し,政策的事業についても,後年度に先送りするなども考える必要があります。  また,財源確保について,交付税措置のある市債の活用などは評価をいたしますが,今後とも収入率の向上や,国庫支出金の確保などに全力で取り組まれるようお願いをしておきます。  また,市民の共有財産である市有地の未利用地についてでありますが,市民に積極的に開放し,有効活用につなげる弾力的な取扱いを望んでおきます。  次に,行政の効率化・減量化についてであります。  地方公共団体は,常にその組織及び運営の合理化に努める責務があります。本市の交通事業においては,財政再建のために大幅な人員削減が行われましたが,先ほど述べました厳しい財政環境に対応して,人件費など義務的経費の節減についても積極的に取り組み,一般部局においても,人員配置の適正化を初めとして,事務の合理化,機構見直しなどが必要であります。現在,総務局に置かれている事務能率委員会を発展的に改組することにより,厳しい行政環境に即した根本的な対策を具体化するなど,積極的な取組みを要望いたします。  次に,世界貿易センター構想についてであります。  本市は,第2次5年計画において,商業振興の施策としてWTC構想の推進を掲げております。他都市と比較して,まだ低調である経済面での国際交流を促進することは,本市の国際交流に一層重みを加えるとともに,本市産業の活性化に大きく寄与するものと考えます。そのため,国際ゾーンに先立って,国際貿易センターとネットワークを構築し,交流事業を行うなどソフト面の機能強化を図り,同センターの正会員として早期に加入するよう十分な検討を要望いたします。  次に,救急救命業務についてであります。  本市では,平成9年までに約100名の救急救命士が養成され,高規格救急車の整備充実と相まって,高度救急体制が整ってまいります。それらを受け入れる病院側との連携についても検討されるよう要望いたします。  また,救命率の向上には,通報を受けてから出動までの時間短縮が重要でありますので,正確な情報を把握できる発信地表示システムの一日も早い導入を要望いたします。  次に,教育関係についてであります。  制度発足から1年が経過をいたしました学校週5日制は,各種の調査によりますと,地域社会や学校関係者の努力によって,制度として定着しつつあるということでありますが,その土曜休業日を利用して子供たちが地域社会活動の芽を伸ばしていくことは,これからの高齢化社会,成熟化社会を考えますと,大いに意義のあることであります。このために,学校教育において身近なものからボランティア活動を取り上げるとともに,社会教育の中で,ボランティア活動に対する評価制度の導入について積極的な取組みを要望いたします。  次に,公園整備についてであります。  本年6月の都市公園法の政令改正に先立って,本市においては個性あふれる公園整備事業を計画し,年間20ヵ所の整備を予定していることは,全国的にも例を見ないものであり,その積極的な取組みは大いに敬意を表するものであります。特に,事業の進め方において,地域住民と意見の交換をしながら,地域に親しまれる公園を造成するということは画期的なことであり,住民参加の行政を推進していく上でのモデル事業として,時代の要請に適合した取組みであると評価するものであります。  次に,公園内の運動施設についてであります。  第2次5年計画において,市民1人当たり15.7平方メートル以上を目標に公園・緑地の整備促進に努力されていることは敬意を表するものであります。特に,公園内の体育施設の設置は,補助率が2分の1と他の施設に比較して有利であり,本市の厳しい財政状況を考えますと,積極的に活用すべきであります。しかし,本市の体育施設は,所管部局が多岐にわたっており,市民の利用には不便なものとなっておりますので,地域サービス情報システムを整備するなど,一体化することが望まれます。  また,公園を地域に密着したものとするために,文化的なイベントに活用できるなど,ソフト面にも配慮をした公園づくりを要望いたします。  次に,国民健康保険についてであります。  国民健康保険料の滞納整理については,平成3年度から特別収納対策室を設置し,対応してきたところ,4年度は前年度を1.7%も上回る収納率を上げ,保険料換算では4億2,500万円の増収という実績をつくられ,赤字解消に大きく寄与したことは高く評価し,職員のご努力に敬意を表するものであります。今後とも,多くの市民が国保についての理解を深めるためにも,地域住民に積極的なPR活動を続けられ,医療費の適正化が図られますよう,さらなる努力を期待いたします。  次に,市立病院についてであります。  公立病院は,地域医療のセンター的な役割を果たす意味や,救急救命や伝染病予防,医療従事者の研修・研究,高度医療,そして未熟児医療など,地域における大切な役割と使命が挙げられます。市立病院が地域医療での役割と使命を果たすとともに,予防医学の見地から市民の健康増進に寄与されますよう,従事される医師の方々を初め,関係者の努力に期待をいたします。  次に,札幌市民の食生活に伴う健康管理についてであります。  5年に1回実施される札幌市の食生活調査の平成4年度の結果報告では,市民は主食の絶対量の消費が低く,特にカルシウムについては,対象者の70%の人に摂取不足が認められ,一方,動物性脂肪とたんぱく質については,青壮年層の男性の65%にとり過ぎが認められています。  このような貴重な結果について,より多くの市民の健康増進への活用が図られるとともに,すでに小・中学校での糖尿病検診が実施されている実情を考えますと,子供の食生活の改善指導についても,教育委員会や保健所など関係機関等と連携し,健康管理について努力されることを望むものであります。これが,ひいては国保赤字改善の道でもあります。  次に,除雪の広報対策についてであります。  毎年,市民要望及び苦情の中で最も多いのは除雪に関するものであり,これは,市民の方々のために昼夜を分かたず除雪作業に従事している方々の努力が,市民に十分伝わっていないことのあらわれであると思うのであります。広報は除雪と同じく大切なものであり,地区除雪連絡協議会を通じるなど,もっと市民の身近において積極的に広報を展開していくことを要望いたします。  次に,市営住宅家賃の滞納整理についてであります。  今年度から導入した短期滞納者への督励について,各団地の管理人に業務委託したことは新しい試みでもあり,このような積極的な試みと努力に対し,高く評価するものであります。また,収納率向上のためにも,口座振替制度の積極的な活用と,その啓蒙にさらなる努力をお願いいたします。  次に,信用保証協会の新設についてであります。  本市の中小企業者の経営を支えるものとして,本市の経営安定化資金は大きな役割を担っております。しかしながら,信用保証協会の保証のほか,個人保証,さらには担保の提供によりマル札資金が運用されているのが現実であります。本来からいえば,担保力のない中小企業者のための制度として信用保証対策が必要となっております。これらの事業者の救済のためにも,本市において保証協会の新設について前向きに検討され,国等に働きかけていただくよう切に要望いたします。  次に,都市型農業の振興についてであります。  農業は,緑豊かで良好な都市環境の形成に大きく寄与するものであり,農地の果たす役割はきわめて大きいものがあります。特に,南区は自然条件が厳しいため,自然条件を生かした観光農業に取り組んでいるところでありますが,小金湯地域の農業の発展のためにも,農業センター跡地の利用として,地域農業を支援をされる施設について検討されるよう要望いたします。  また,本市の札幌里づくり事業の中に都市型農業の推進が挙げられておりますが,農業後継者不足が深刻化する中で,将来の札幌の農業のあり方が問われております。本市の農業が生きていくためにも,観光農業や有機無農薬栽培に力を注いだ都市型農業の積極的推進をすべきであります。  次に,交通事業の再建についてであります。  職員と一体となった経営認識を持つことにより取組みが進むものと思いますので,今後とも,民間企業の接遇など新しい研修の方策も含め,多くの職員に対する意識改革に取り組まれるとともに,教習所の機構等の充実強化がますます重要であります。  また,交通局においては,民間人による経営委員会的組織の設置が必要であるとの提言を受けて,早速,交通問題懇話会を有効的に機能されたようでありますが,今後,より一層この懇話会の意見を反映し,交通の健全経営が図られるよう希望いたします。  以上,4年度の決算について要望も含めて概括的に見てまいりました。厳しい財政状況の中,予算化された事業はほぼ予定どおり執行されておりますので,その結果を評価するとともに,関係者のご努力に対し敬意を表するものであります。今後とも,なお一層の行政改革と効率的な財政運営に配慮し,積極的なまちづくりを推進することはもちろん,公営企業会計の部局におかれましては,民間活力の導入を積極的に図り,公営企業体質の改善を労使ともに真剣に取り組まれることを要望いたしまして,私の討論を終わります。(拍手) ○副議長(伊与部敏雄君) 次に,中嶋和子さん。  (中嶋和子君登壇) ◆中嶋和子君 私は,市民ネットワーク北海道を代表いたしまして,第3回定例市議会に付託されました議案第1号から第7号までの1992年度の決算認定の件につきまして,ほぼ適切に執行されたと判断し,これに賛成する立場から討論を行います。  まず初めに,財政局についてです。  景気の低迷によって法人市民税が大きく落ち込み,厳しい財政運営となりました。このため,予定していた財政調整基金とまちづくり推進基金,合計100億円を取り崩すという結果になりました。しかし,一般事務的経費の10%削減を行うなどの努力は評価いたします。今後も厳しい財政運営が予想されますが,高齢化社会に備えたまちづくりを重点的に行なっていくべきと考えます。  また,土木工事は,むだが出ないように計画的に行なっていくことがますます大切です。  次は,総務局についてです。  東京都を初めとして幾つかの自治体では,すでに押印の見直しが行われております。本人確認の方法は印鑑以外でも可能と思われますので,法で義務づけられているもの以外については,押印の廃止について検討をしていただきたいと思います。  また,街づくりサッポロ会議の今後の進め方について伺いました。より有意義なものにするために現在検討中ということですが,ぜひ市民の声を聞く課だけの取組みに終わらせないで,すべての局,すべての区役所で自治型の市民参加についての工夫を重ねてほしいと思います。  企画調整局については,今後の本市の長期総合計画や,5年計画策定の際の市民参加について伺いました。  東京都の武蔵野市では,全国で初めて長期総合計画の策定に当たって市民委員会方式という市民参加のシステムを考えました。また,市民だけではなく,職員参加のシステムも設けております。また,市民,行政,議員が,まちづくりのために必要な情報を共有化するために,地域生活環境指標を作成しています。武蔵野市は,戦後間もなく町内会を廃止しておりますが,何事にも町内会を頼る本市とは全く対照的です。この他の自治体でもさまざまな市民参加のための工夫をしており,ぜひとも本市でもオルターナティブな市民参加に取り組んでいくべきと考えます。  消防局には,ラジオアイソトープについて質問しました。  今月の17日,ロシアが日本海に放射性廃棄物の投棄を行いました。日本や韓国などの強い抗議を受けて中止せざるを得ない状況になりましたが,私たちの身の回りにも,医療用などのさまざまなラジオアイソトープがあります。一たび事故が起きますと,市民はもちろん,出動する消防局の皆さんの健康にも大きな影響がありますので,事故に備えて,関係機関との連携を密にして十分な体制をとっていただくことを要望いたします。  次は,市民局です。  消費生活条例制定の進捗状況について伺いましたが,関係部局との調整を終えて制定される運びということです。日本では,いまだにPL法もなく,消費者の権利が十分に保障されているとは言えませんが,消費生活条例の制定によって本市の消費者行政が大きく前進することを期待するものです。  また,第2次女性計画策定の進捗状況についても質問しましたが,男女の共同参画型社会の一日も早い実現を願うものです。また,これを推進するために,女性センターのより一層の機能の充実を望みます。  次は,教育委員会についてです。  ことしは冷害のために米が不作ということですが,子供たちの給食用の米の確保ができるのかどうか心配です。第一部決算特別委員会で質問した時点では大丈夫のようでしたが,先週の新聞報道によると,確保は難しく,当分の間古米になりそうだということです。今後も,地場のもので給食が賄えるようご努力してほしいと思います。  さらに,文協テストや入試制度の改善についても伺いましたが,質問の後に道教委の入試についての新しい方針も出されました。受験シーズンももうすぐですが,ぜひとも心のこもった進路指導を行なっていただくよう要望いたします。  次は,環境局についてです。  中島公園の子供の国移転に際しては,円山の原生林や杉の樹林地を傷めることがないように,十分注意して工事を行なっていただきたいと思います。  また,都市公園法の改正によって公園内に融雪槽の設置が可能となりますが,交通や騒音,また環境問題を十分に考えて慎重に行うべきと考えます。  下水道局については,浸水対策事業について聞きました。  本市のアクアレインボー計画はまだ半分ぐらいしか進んでおらず,浸水対策が十分とは言えないようです。今後も,計画を進めて災害に備えるべきと考えます。  次は,民生局についてです。  国際先住民年に当たり,本市のウタリ政策も見直す時期と考えます。福祉対策としてとらえるだけでなく,文化や教育の面でも,アイヌ民族との共生を展望する施策を求めるものです。  障害者福祉については,これまでも私たちは,障害を持った方たちの雇用,職域の拡大について提案をしてきましたが,市が率先して公共施設において働く場をつくり出していくべきと考えます。  また,小規模作業所の作品の販路の拡大についても検討していただきたいと思います。  児童福祉については,障害を持つ乳幼児の療育体制を初め,児童福祉行政の一体的な体制づくりを進めるよう要望するものです。  また,子供を取り巻く状況が大きく変化している現在,子育て支援策も含め,総合的な子供の福祉計画の策定が時代の要請と言えます。  次に,高齢者福祉についてです。  デイサービスセンターやミニデイサービスセンター等を歩いていける範囲に設けることが,寝たきりや閉じこもりの高齢者を減らすことにつながります。保健福祉計画策定の際は,国のガイドラインを下回ることがないようにしていただきたいと思います。  次は,衛生局についてです。  精神障害者の福祉計画を策定する際は,当事者及び保健所職員の意見を十分に取り入れること,また,保健所への専門的な教育を受けた熱意ある人材の配置を求めます。  また,細川新政権の規制緩和の94項目の中に,加工食品の製造年月日の廃止がありますが,厚生省に対して事前の情報公開や,消費者も交じえて十分な議論をするよう要望すべきと考えます。  また,アスベストの使用建築物の監視体制については,一層強化するよう求めます。  次に,市立病院についてです。  患者のプライバシーが守られるような設計上の配慮を求めたところですが,さらに患者と医療に従事する者とのあるべき関係について,さらなる議論の深まりを望みます。  また,静療院の再整備が予定されていますが,精神科病院の在院日数は全国的に見ても短縮されてきており,静療院及び援護寮においては,精神疾患の方々の社会復帰を第一に考えることを求めます。  建設局については,先人が残した貴重な緑地帯である屯田防風林ポプラ通を,できる限り現状のまま保全するよう求めました。  また,道路の整備に際しては,高齢化社会に備えて,発光ダイオードを用いた光る歩道や車どめなどを積極的に取り入れるべきと考えます。  続いて,建築局です。  障害を持った方たちは,民間賃貸住宅の確保が困難な状況にあります。市営住宅への入居を拡大するため,関係部局との調整を進めるべきと考えます。  また,1980年の建設省105号通達の趣旨を踏まえ,単身者車いすの方が自立して生活できるようにするべきです。そのためには,車いすの方が入れる住宅の建設をもっとふやすべきです。  また,高齢化社会の進行によって,今後は公共施設だけでなく,個人住宅も変えていく必要が出てくるものと思われますが,市民の住宅相談を受けられるような対応が必要と考えます。  また,建築事業においては,もっと女性の視点を取り入れることが大切です。  次に,経済局についてです。  現在,本市の学校給食には有機低農薬野菜が使われていますが,さらに保育園や特養ホーム等の公共施設での利用を推進することを求めます。  次は,交通局についてです。
     全庁挙げての経営健全化対策が行われておりますが,料金値上げや週休2日制の普及などによって厳しい事態となっています。経費の削減などでは評価できる点もありますが,さらに1人でも多くの市民に利用してもらえるような抜本的な方策を真剣に考えるべきです。  また,市民の移動する権利としての交通権を保障し,エレベーター,点字ブロック,次駅表示,車いす用スペースの確保など,障害者,高齢者,乳幼児を連れた親にも優しい市営交通を目指すことを強く要望いたします。  最後に,水道局です。  ミネラルウォーターや浄水器の普及に見られるように,全国的に公共上水道への信頼が低下しつつありますが,上流水源の環境保全は何よりも大切です。  また,水源周辺の公共施設での合成洗剤の使用を中止することは,すぐに実行できると考えます。今後も,より安全でおいしい水を供給するよう望むものです。  このほか,市民ネットワークが本会議や決算特別委員会で述べました意見,提案についても,今後の市政に十分反映されるよう要望いたしまして,私の討論を終わります。(拍手) ○副議長(伊与部敏雄君) ほかに発言がなければ,討論を終結し,採決に入ります。  議案第1号から第7号までの7件を認定することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○副議長(伊与部敏雄君) 起立多数であります。よって,議案第1号から第7号までの7件は認定されました。  ここで,およそ20分間休憩いたします。   ――――――――――――――――      休 憩 午後3時21分      再 開 午後3時50分   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第2,議案第34号から第36号までの3件を一括議題といたします。  いずれも市長の提出によるものであります。  提案説明を求めます。桂市長。  (市長桂 信雄君登壇) ◎市長(桂信雄君) ただいま上程をされました議案3件につきまして,ご説明申し上げます。  まず,議案第34号は,教育委員会委員任命に関する件であります。  本市教育委員会委員であります岡部卓司氏は,来たる10月31日をもって任期満了となりますので,その後任者といたしまして,山藤邦雄氏を任命することを適当と認め,議会の同意を得るため,本案を提出したものであります。  山藤邦雄氏は,昭和30年9月に山藤印刷株式会社に入社され,常務取締役等を歴任し,現在は,代表取締役社長に就任されている方でありまして,北海道私立学校審議会委員等を歴任され,人格,識見ともに高く,教育委員会委員として適任と考えるものであります。  次に,議案第35号は,人事委員会委員選任に関する件であります。  本市人事委員会委員であります浅野國夫氏は,来たる10月31日をもって任期満了となりますが,引き続き同氏を選任することを適当と認め,議会の同意を得るため,本案を提出したものであります。  浅野國夫氏は,長く郵政省に勤務され,北海道郵政局長,関東郵政監察局長等を歴任し,現在は,株式会社エフ・エム・ノースウエーブ相談役に就任されている方でありまして,昭和60年11月から本市人事委員会委員をされており,人格,識見ともに高く,人事委員会委員として適任と考えるものであります。  次に,議案第36号は,固定資産評価審査委員会委員選任に関する件であります。  本委員会の償却資産部会に属する委員であります佐々木茂好氏は,来たる10月29日をもって任期満了となりますので,その後任者といたしまして,木村 實氏を選任することを適当と認め,議会の同意を得るため,本案を提出したものであります。  木村 實氏は,昭和31年10月に北海道放送株式会社に入社され,経理部長,総務局長等を歴任し,現在は,常務取締役をされている方でありまして,固定資産評価に関する専門的知識に長じておられ,本委員会委員として適任と考えるものであります。  以上で,ただいま上程をされました各案件についての説明を終わりますが,何とぞ原案のとおりご同意くださいますようにお願いを申し上げます。 ○議長(見延順章君) ただいまの市長の提案説明に対し,質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) 質疑がなければ,討論の通告がありませんので,採決に入ります。  議案3件に同意することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長(見延順章君) 起立多数であります。よって,議案第34号から第36号までの3件は同意されました。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) ここで,日程に追加いたしまして,意見書案第4号 小選挙区制の導入と政党への公費助成に反対する意見書及び意見書案第5号 消費税の税率引上げに反対する意見書の2件を一括議題といたします。  いずれも共産党所属議員全員の提出によるものであります。  提案説明を求めます。生駒正尚君。  (生駒正尚君登壇・拍手) ◎生駒正尚君 私は,ただいまから日本共産党所属議員が提出した意見書案第4号 小選挙区制の導入と政党への公費助成に反対する意見書及び意見書案第5号 消費税の税率引上げに反対する意見書の2件について提案説明を行います。  まず,第4号についてでありますが,これを提案したのは,細川連立内閣が小選挙区比例代表並立制による選挙制度の改悪や,憲法に規定される思想,信条,結社の自由を侵す政党助成制度の導入などを政治改革と称しつつ,今国会での成立を至上命令にして突っ走っており,日本型ファシズムに道を開く小選挙区制の導入の危険性が,きわめて切迫した現実の問題となっているからであります。  細川内閣のいわゆる政治改革関連法案は,国民が求めている金権腐敗政治を終わらせるための企業・団体献金の禁止を棚上げするとともに,現実的かつ実効性のある政治改革,すなわち国会でも決議されている衆議院の定数抜本是正を投げ捨て,国民の期待を裏切りながら,政権政党が圧倒的な議席を握り,強力な内閣で反動政治を推進する体制づくりのために,小選挙区制を導入しようとするものであります。  導入のために,中選挙区制の制度疲労とか,政権交代のためという口実がありますが,並立制と中選挙区制を比べれば,準比例代表制とも言われるほど中選挙区制のほうが比例代表制に近く,しかも定数是正をやれば民意の反映という点で,より民主的になるものであり,問題の政権交代も,定数是正がやられていれば70年代初めには交代する状況となっていたのであります。現に今回の政権交代も中選挙区制のもとで行われたことを見れば,そのほかの理屈も含めて,全く理由にならない理屈で小選挙区制を通そうとしていることは明白であります。  この間の国会論戦でも明らかになっていることは,並立制であろうが,どんな形態をとろうと,小選挙区制中心の選挙制度は大量の死票を生み出し,多様な民意を正確に国会の議席に結びつけることを妨げ,批判勢力を国会から排除する民主主義破壊の制度であることです。  また,金がかからない選挙と言いながら,企業・団体献金を温存しつつ,年間414億円もの血税を政党助成として,料亭での飲み食い代も含めた政党活動費に充てようというのは,全く虫のよい政党エゴというべきものです。  わが国では,明治時代に1回,大正時代に1回,小選挙区制を導入しましたが,そのたびに買収選挙が横行して,どうにもならないということで中選挙区制に戻さざるを得なかったというのが歴史的な事実であり,小選挙区制は金がかからないなどとの言いわけは,事実を全く偽ったものであります。  世界に目を転じてみれば,中選挙区制が制度疲労した時代おくれの制度だなどの批判が全く根拠のないことは明らかです。世界では,小選挙区制こそ時代おくれの制度なのであります。  発達した資本主義国でつくっているOECD(経済協力開発機構)に加盟する24ヵ国で,小選挙区制を採用している国はわずか7ヵ国で,少数派であることがはっきりしています。しかも,7ヵ国のうち,イギリスでもフランスでも小選挙区制への批判が強まっており,小選挙区制度の見直しに動いているのであります。ニュージーランドでは,昨年9月,国民投票によって小選挙区制度の廃止が決定されております。これが世界の流れであり,小選挙区制こそが制度疲労を起こしていることは明白であります。  このように時代おくれの小選挙区制を,何ゆえに細川連立内閣は導入しようとしているのでしょうか。小選挙区制のもとで強力・強権内閣をつくることによって,消費税の引上げ,米の輸入自由化,日米共同作戦体制の強化,憲法改悪と,すでに細川首相や小沢新生党代表幹事が発表している方針の中で,その見取図ははっきりとあらわれています。  小選挙区制に反対していた社会党,公明党,民社党が連立与党となり,小選挙区推進勢力と合流したところに猶予ならない危険性があり,また,このことが反国民的な政治推進の現実的な危険性となっております。  政権入りした社会党の閣僚は,国会答弁において,日の丸,君が代の容認,日本軍国主義の侵略戦争によるアジアでの2,000万人の犠牲者という歴史的評価の全面的な撤回,核持込み容認政策への同調,自衛隊の防衛出動容認など,従来の政策と立場を捨てて次々と自民党の政治路線に同調しており,小選挙区制導入もまた現実となる容易ならざる状況となっているのであります。  このように,小選挙区制導入の危険性をつくり出した社会党の態度変更は,何ゆえに起こったのでありましょうか。小沢新生党とも手を組んで連立与党となった理由に,冷戦終結,保革対立消滅論が挙げられます。しかし,このような世界論,情勢論自体間違っていることを指摘しなければなりません。  そもそも冷戦構造とは,歴史的に見ると,単純に米ソの関係を規定したものではありません。それは帝国主義的な戦略外交姿勢,他民族の抑圧と干渉のための軍事的緊張態勢ということがその本質であり,1947年のギリシャ内戦に軍事介入したアメリカの軍事体制を指して使われた用語であるというのが歴史的事実であるからです。アメリカの戦略も,現実にはソ連封じ込めから中国封じ込め,各個撃破政策,柔軟即応戦略へと変化したように,米ソ対決だけを冷戦というのは,歴史的事実としても正しくないということであります。  したがって,冷戦終結論の根底にある,ともかくソ連がつぶれた,新しい世界秩序の時代になったという見方の誤りは,崩壊したのが偽りの逸脱した社会主義とソ連覇権主義であるということを故意に,あるいは無意識的に見落としている点で正しくなく,さらにアメリカの野望である世界の憲兵戦略,軍事力を軸とする戦略は変わっていないという歴史的,現実的事実を見ないという誤った議論であります。  このことは,世界で唯一の軍事超大国となったアメリカの脅威,軍事戦略の現実,日米軍事同盟体制の現実そのものが,冷戦終結論,新しい世界秩序論の誤りを明らかにしています。すなわち,世界が変わったと言ってみても,これら現実の脅威が民族の自決,平和と民主主義を脅かしているのが現実であるからであります。  こうした誤った世界論を前提とする保革対立消滅論の誤りと,この議論の反国民的,反革新的性格もまた明白となります。  細川首相は所信表明演説で,冷戦構造に根差す日本政治の二極化の時代の終えんを言いながら,国民的和解,対立から対話へと述べましたが,これは間違った世界論を前提に,世界でも国内でも現実に存在している平和と民主主義,民族自決を求める人々とそれを押さえつけようとする勢力との対立を故意に押し隠そうとする偽りの議論であり,間違った議論であります。  国内では,消費税や米の輸入自由化,あるいは自衛隊の海外派兵,憲法改悪などについても対立する路線はない,保守も革新もないとして,国民の要求や運動を押しつぶし,結局は支配体制の継続を国民に求める議論にほかなりません。これは,現実にある矛盾を見ないということで誤っており,国民に現実の保守政治の支配を押しつけるという反国民的,反革新的な性格を持った議論であります。このはやり言葉のような,冷戦は終わった,世界は変わった,保守も革新もなくなったという誤った見方に社会党が立って,自民党の中でも最も汚れた強権政治の中枢にあった小沢新生党と連携し,政権与党となって小選挙区制推進の立場に立ったことは,この議論の危険な本質を如実に物語るものであります。  いまや国会は,小選挙区並立制の翼賛政治とも言うべき状況となっており,小選挙区制導入をめぐる状況は,きわめて緊迫しています。このような状況を踏まえて,ファシズムの再来を許さないために,日本の歴史に禍根を残さないためにも,意見書案第4号 小選挙区制導入と政党助成への公費負担に反対する意見書を提出した次第であります。  次に,第5号についてでありますが,これを提案したのは,現在,細川連立政権のもとで,国民が強く反対している消費税率の引上げに向けた危険な動きが,これまた現実のものとなっているからであります。  細川内閣は,国民が求めており,圧倒的な世論となっている消費税廃止や食料品非課税については顧みないで,逆に,減税財源などを口実に消費税率の大幅引上げに向けて動き始めておりますが,連立与党の社・公・民3党は,かつて消費税廃止を国民に公約しております。また,連立与党の社会党,公明党は,つい3ヵ月前の総選挙で,税率アップ反対をはっきりと公約していました。これらの連立与党を含む細川内閣が税率アップの動きとなっているだけに,消費税率引上げの危険性は現実のものとなっているのであります。  加藤政府税制調査会長が,税率アップは避けられないと繰返し強調するとともに,細川首相が,所得,資産,消費のバランスのとれた税体系や直間比率の是正をうたい,95年度からの税率アップを視野に入れていることを衆議院予算委員会で公式に表明するなどの動きの中で,10月21日,政府税制調査会の答申素案の骨格が明らかになりましたが,これは消費税率7%を軸とするものであります。こうした動きは,細川政権の仕掛人と言われる新生党の小沢一郎代表幹事が主張する税率10%への引上げが,自民党単独政権のとき以上に危険な現実となってきていると考えるのであります。  税率1%で2兆3,000億円の消費税が,税率10%にでもなれば何と16兆円,国民1人当たり13万円というとんでもない増税となり,所得税の減税を実施しても,多くの高齢者世帯,年金生活者,生活困窮世帯はもちろんのこと,圧倒的多数の国民に増税だけが押しつけられることになります。このことが物価をつり上げ,国民の消費を抑え込んで,現在のひどい経済不況を一層激しくすることは目に見えております。それだけに国民の消費税に対する目は厳しいものがあります。  最近の各種マスコミの世論調査の結果を見ますと,所得減税の実施について,消費税の税率引上げを財源とすることには反対と答えた人は,朝日が70%,NHKが63%に上っており,ほぼ3分の2の人々が消費税の引上げに反対しているのであります。こうした国民の反応は,消費税の税率アップが現実の危険となっていることに対する意思表示でもあります。  こうした状況にかんがみ,市民生活を守るために猶予ならない事態となりつつあることから,意見書案第5号 消費税の税率引上げに反対する意見書を提出した次第であります。  なお,本市議会においては,消費税に反対する多くの意見書が可決されております。すなわち,1988年9月16日の社会党,公明党,日本共産党が提出した消費税導入に反対する意見書,また,1989年3月29日の社会党,公明党,日本共産党,民社クラブ共同提出の消費税の廃止を求める意見書及び1991年12月11日の全議員提出による食料品の消費税非課税に関する意見書などであります。今回,日本共産党が提出した意見書も,この精神に沿ったものでございます。  以上,提案の趣旨についてご説明を申し上げましたが,重大な情勢にかんがみ,地方自治の本旨にのっとって良識あるご判断,ご賛同をお願いし,説明を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(見延順章君) ただいまの提案説明に対し,質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) 質疑がなければ,これより討論に入ります。  通告がありますので,発言を許します。佐々木周子君。  (佐々木周子君登壇・拍手) ◆佐々木周子君 私は,市民ネットワーク北海道を代表して,共産党から提案されました意見書案第4号については反対の立場で,第5号については賛成の立場で討論いたします。  意見書案第4号 小選挙区制の導入と政党への公費助成に反対する意見書につきましては,同案は,選挙制度と政党への公費助成についてのみ反対を表明しています。これは,政治改革の全体を見誤り,木を見て森を見ないたぐいの議論になると思われます。今回議論すべきは,いつ果てるともしれない大手ゼネコン汚職に代表される政治腐敗をどう断ち切るかという点にあり,意見書を出すのであればこの点を強く主張すべきです。  選挙制度改革については,政府及び自民党が提案している小選挙区比例代表並立制案は,世論調査により国民の理解を得ていないのは明らかです。これについては賛同できる点もありますが,制度疲労を指摘されている現行中選挙区制にしがみつく考えには同意できません。国民の総意がよりよく反映される選挙制度について,さらに深い議論が必要であると考えます。  また,意見書案では,政党への公費助成を憲法に保障されている思想,信条,結社の自由を侵すものとして全面的に否定していますが,私たちは政治改革の枠組みの中で企業献金の全面禁止等の措置が講じられ,かつ国民の合意が形成されれば,一概に全面否定することはできないと考えます。  以上,述べましたように,私たちは,今国会で行われている政治改革論議の方向,政府案,自民党案にも賛成しかねますが,意見書案第4号にも反対いたします。  次に,意見書案第5号 消費税の税率引上げに反対する意見書についてですが,私たちも消費税導入のときには逆進性や益税等の問題点を指摘し,その導入に強く反対してきました。しかし,高齢化社会へ突入した現在,福祉財源をどう確保するかといった議論が早急に必要です。税体系全体の見直しの中で,国民の間に根深い不公平税制の是正を前提として,目的を福祉財源とし,低所得者層への戻し税などの逆進性の是正,インボイス方式の導入等の是正が行われるのであれば,議論の俎上にのせることも避けられないと考えます。  23日には,首相の諮問機関である政府税制調査会の中間答申の方向性として,消費税率引上げが示されたいま,私たちは消費税率の引上げには反対するものです。よって,意見書案に全面的に賛成はできないものの,安易な消費税率引上げはとうてい許されることではなく,意見書案第5号に賛成いたします。  以上で,私の討論を終わります。(拍手) ○議長(見延順章君) ほかに発言がなければ,討論を終結し,採決に入ります。  この場合,分割して採決を行います。  まず,意見書案第4号を問題といたします。  本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長(見延順章君) 起立少数であります。よって,意見書案第4号は否決されました。  次に,意見書案第5号を問題といたします。  本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長(見延順章君) 起立少数であります。よって,意見書案第5号は否決されました。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) さらに,日程に追加いたしまして,意見書案第2号 放射性廃棄物海洋投棄の禁止等を求める意見書及び意見書案第3号 フロンの回収と再利用システムの早期確立を求める意見書並びに決議案第2号 放射性廃棄物海洋投棄の禁止等を求める決議の3件を一括議題といたします。  いずれも全議員の提出によるものでありますので,直ちに採決に入ります。  意見書案2件及び決議案1件を可決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,意見書案第2号及び意見書案第3号並びに決議案第2号の3件は可決されました。   ――――――――――――――――
    ○議長(見延順章君) 次に,日程第3,札幌市厚別区及び手稲区選挙管理委員及び補充員の選挙を行います。  この選挙は,厚別区及び手稲区の選挙管理委員及び補充員が,来たる11月5日をもって任期満了となることに伴い,地方自治法第182条の規定に基づき,両区の選挙管理委員4人,合計8人及び両区の補充員4人,合計8人を選挙するものであります。  まず,委員の選挙を行います。この選挙は,両区を一括して,投票により行います。  議場の閉鎖を命じます。  (議場閉鎖) ○議長(見延順章君) ただいまの出席議員数は,70人であります。  投票用紙を配付させます。  (投票用紙配付) ○議長(見延順章君) 投票用紙の配付漏れはありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) 配付漏れなしと認めます。  投票箱を改めさせます。  (投票箱点検) ○議長(見延順章君) 異状なしと認めます。  念のため申し上げます。投票は,単記無記名であります。  お手元に配付の札幌市厚別区及び手稲区選挙管理委員被選挙人名簿記載の被選挙人のうちから,1区につき1人の氏名を投票用紙に記入願います。  投票用紙への記入は,全部終わりましたか。  (「終わりました」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) これより投票を開始します。  この場合,両区を一括して,点呼に応じて順次投票願います。  点呼を命じます。  (氏名点呼,投票) ○議長(見延順章君) 投票漏れはありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) 投票漏れなしと認めます。  投票を終了いたします。  議場の閉鎖を解きます。  (議場開鎖) ○議長(見延順章君) これより開票に入ります。  会議規則第30条第2項の規定により,立会人に加藤 斉君,佐藤美智夫君の両君を指名いたします。  両君の立会いをお願いいたします。  (立会入所定の位置に着く) ○議長(見延順章君) 開票を行います。  (開票) ○議長(見延順章君) 選挙の結果を報告いたします。  まず,厚別区について報告いたします。  投票総数70票。これは,先ほどの出席議員数に符号いたしております。  そのうち,有効投票67票,無効投票3票。  有効投票中 芳 賀   昶 君 18票        中 村   勲 君 17票        藤 原 泰 治 君 12票        佐 藤 信 吉 君 11票        森 原 榮 治 君 9票  以上のとおりであります。  この選挙の法定得票数は5票であります。よって,芳賀 昶君,中村 勲君,藤原泰治君,佐藤信吉君が本市厚別区選挙管理委員に当選されました。  次に,手稲区について報告いたします。  投票総数70票。これは,先ほどの出席議員数に符号いたしております。  そのうち,有効投票67票,無効投票3票。  有効投票中 千 葉 光 三 君 18票        山 本 勝 雄 君 17票        佐々木 作 松 君 12票        大 庭 嘉 平 君 11票        兼 平 茂 雄 君 9票  以上のとおりであります。  この選挙の法定得票数は5票であります。よって,千葉光三君,山本勝雄君,佐々木作松君,大庭嘉平君が本市手稲区選挙管理委員に当選されました。  次に,補充員の選挙を行います。この選挙も,両区を一括して,投票により行います。  議場の閉鎖を命じます。  (議場閉鎖) ○議長(見延順章君) ただいまの出席議員数は,70人であります。  投票用紙を配付させます。  (投票用紙配付) ○議長(見延順章君) 投票用紙の配付漏れはありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) 配付漏れなしと認めます。  投票箱を改めさせます。  (投票箱点検) ○議長(見延順章君) 異状なしと認めます。  念のため申し上げます。投票は,単記無記名であります。  お手元に配付の札幌市厚別区及び手稲区選挙管理委員補充員被選挙人名簿記載の被選挙人のうちから,1区につき1人の氏名を投票用紙にご記入願います。  投票用紙への記入は,全部終わりましたか。  (「終わりました」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) これより投票を開始します。  この場合,両区を一括して,点呼に応じて順次投票願います。  点呼を命じます。  (氏名点呼,投票) ○議長(見延順章君) 投票漏れはありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) 投票漏れなしと認めます。  投票を終了いたします。  議場の閉鎖を解きます。  (議場開鎖) ○議長(見延順章君) これより開票に入ります。  会議規則第30条第2項の規定により,立会人に本舘嘉三君,武市憲一君の両君を指名いたします。  両君の立会いをお願いいたします。  (立会入所定の位置に着く) ○議長(見延順章君) 開票を行います。  (開票) ○議長(見延順章君) 選挙の結果を報告いたします。  まず,厚別区について報告いたします。  投票総数70票。これは,先ほどの出席議員数に符号いたしております。  そのうち,有効投票67票,無効投票3票。  有効投票中 小 松 恒 雄 君 18票        田 中 敬 三 君 17票        村 木 正 雄 君 12票        松 坂 信 義 君 11票        成 田 敏 彦 君 9票  以上のとおりであります。  この選挙の法定得票数は5票であります。よって,小松恒雄君,田中敬三君,村木正雄君,松坂信義君が本市厚別区選挙管理委員補充員に当選されました。  次に,手稲区について報告いたします。  投票総数70票。これは,先ほどの出席議員数に符号いたしております。
     そのうち,有効投票67票,無効投票3票。  有効投票中 木 村 祐 二 君 18票        田 邊 安 徳 君 17票        伊 藤 新 平 君 12票        関 川 和 男 君 11票        吉 田   隆 君 9票  以上のとおりであります。  この選挙の法定得票数は5票であります。よって,木村祐二君,田邊安徳君,伊藤新平君,関川和男君が本市手稲区選挙管理委員補充員に当選されました。   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) 最後にお諮りをいたします。  各位のお手元に配付の閉会中継続審査申出一覧表記載の請願・陳情につきましては,各委員長から閉会中継続審査といたしたい旨の申し出がありますので,その申し出のとおり決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。  〔一覧表は巻末資料に掲載〕   ―――――――――――――――― ○議長(見延順章君) 以上で,本定例会に付議の案件はすべて議了いたしました。  これをもって,平成5年第3回札幌市議会定例会を閉会いたします。   ――――――――――――――――      閉 会 午後4時45分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長           見  延  順  章  副 議 長           伊 与 部  敏  雄  署名議員           常  本  省  三  署名議員           丹  野     勝...