札幌市議会 > 1993-03-15 >
平成 5年第一部予算特別委員会−03月15日-04号
平成 5年第二部予算特別委員会−03月15日-04号

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  1. 札幌市議会 1993-03-15
    平成 5年第二部予算特別委員会−03月15日-04号


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    最終取得日: 2021-04-26
    平成 5年第二部予算特別委員会−03月15日-04号平成 5年第二部予算特別委員会          札幌市議会第二部予算特別委員会会議録(第4号)               平成5年3月15日(月曜日)              ────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人(欠は欠席者)    委 員 長  丹 野   勝 君      副委員長  大 越 誠 幸 君    委  員  越 智 健 一 君      委  員  青 木   護 君    委  員  柴 田 薫 心 君      委  員  常 本 省 三 君    委  員  宮 本 吉 人 君      委  員  伊 藤 知 光 君    委  員  藤 田 雅 弘 君      委  員  滝 沢   隆 君    委  員  湊 谷   隆 君      委  員  水 由 正 美 君    委  員  伊与部 敏 雄 君      委  員  富 田 新 一 君    委  員  加 藤   斉 君      委  員  猪 熊 輝 夫 君    委  員  大 西 利 夫 君      委  員  常 見 寿 夫 君  欠 委  員  本 舘 嘉 三 君      委  員  関 口 英 一 君    委  員  長 内 順 一 君      委  員  義 卜 雄 一 君    委  員  長 岡 武 夫 君      委  員  八 田 信 之 君    委  員  原 口 伸 一 君      委  員  上瀬戸 正 則 君    委  員  三 上 洋 右 君      委  員  荒 川 尚 次 君
       委  員  小 川 勝 美 君      委  員  飯 坂 宗 子 君    委  員  横 山 博 子 君      委  員  武 藤 光 惠 君    委  員  山 口 た か 君      委  員  福 士   勝 君              ──────────────                開 議 午後1時 ○丹野 委員長  ただいまから,第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,柴田委員,本舘委員からは遅参する旨,それぞれ届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  議案第13号 平成年度札幌病院事業会計予算及び議案第1号 平成年度札幌一般会計予算中 第4款 衛生費 第1項 保健衛生費のうち関係分について,一括して質疑を行います。 ◆義卜 委員  それでは,私は,市立病院におきます医療費未収状況,それに関連いたしまして,不納欠損状況についてお伺いをしたいと思います。  これは,医療費未収になっているということでございますけれども,いろんな要因が絡まって,結果として未収あるいは不納欠損という状況になっているかと思いますけれども,私は,公平を期すといいますか,そういう観点から,こういう未収で処理されるような状況があってはまずいというようなこともありますので,その辺の今後の対策についてお伺いをしたいと思います。  まず,1点目でございますけれども医療費,これは窓口で払う方もおるでしょうし,また,振込みとかいろいろあるんでございましょうけれども,ここ数年のデータと申しましょうか,どのぐらいの件数で,金額にしますとどのぐらいあるものか,これがまず1点でございます。  それから2点目は,これは時効が5年ということのようでございますけれども,最終的に,いわゆる不納欠損となったものが,これまたどのぐらいに達しているのかと,それが2点目でございます。  もう1点目は,未収ケース,いろいろあるんでしょうけれども,主なものはどのようなケース未収として処理されているのか。その中に,外国人の方で,もし特異なケースがありましたら,それらも含めてお示しを願いたいと思います。以上でございます。 ◎佐々木 理事  医療費未収及び不納欠損についてお答えいたします。  第1点目の未収となる金額件数は最近でどのぐらいあるかというお尋ねでございますが,たとえば平成2年で申し上げますと,入院外来合わせまして,未収そのもの件数といたしましては1万2,530件,それから平成年度は1万2,345件,それから平成年度は少し減りまして1万224件。それから金額は,平成年度で1億4,760万円ばかり,それから平成年度は1億7,550万円,それから平成年度で申し上げますと1億9,503万6,000円ほどと,そういう状況未収金額が出ております。大体で申し上げますと,外来では1日当たりにいたしますと,1日平均31件ほど,それから入院の場合は月でございますが,月平均123件ほどの件数で発生いたしております。  もちろんこれは当日払っていただけなかった金額件数を申し上げておるわけでございまして,その後,徴収いたしておるわけでございます。特に,入院関係で,死亡退院の場合は当日の決済しておりませんので,結果的にこういう形で多くなることになります。  それでは,そのうち,現実に支払っていただけなくて,不納欠損という形になるのがどのぐらいあるかと2点目にお尋ねございましたが,2点目の不納欠損になる額について申し上げますと,時効5年でございますので,最近の数字で申し上げますと,昭和59年度分では319万8,000円,それから同じく60年分では697万3,000円,それから61年分といたしましては,1,058万3,000円となっております。  それから,その具体的な内容と申しますか,主なものはどんなものが不納欠損になっていくのかという3点目のお尋ねでございますが,3点目の具体的な内容で申し上げますと,これも外来入院とで内容が大きく違ってまいりますが,外来につきましては,やはり一番多いのは居所不明になってしまう,転居先不明という形で,追及ができなくなってしまっているというのが一番多うございますし,それから,入院関係で申し上げますと,経済的理由というのがやはり一番多くなってくるというような内訳でございます。  外国人のことについてもお尋ねございましたが,現在,まだ不納欠損になっている外国人の分はございませんが,なかなか徴収が難しくなっているのでないかと思われる件数が1件ございます。それが外国人でございます。 ◆義卜 委員  いまのご答弁によりますと,若干ずつ未収額がふえているという傾向にあろうかと思います。  そこで,この傾向,今後,歯どめをかけていくにはどうしたらいいかという議論になろうかと思いますけれども,そこで再質問の1点目なんですけれども,いわゆる未収を防ぐためといいますか,解消するための徴収体制で,当然,入院される場合は,連帯保証人という形でついているかと思いますが,それらも含めまして,徴収のためにどのような方法をとっておられるのか,これをまず1点目お伺いします。  それから2点目ですが,市立病院自治体病院で,他都市徴収体制といいますか,徴収方法,これがどうなっているか。  あわせまして,自治体病院のこういう未収金額でございますので,どこの自治体でも公表するということは余りないんでしょうけれども,大都市の例を比較しますと,本市の場合は,欠損率で見た場合,どの程度に位置しているのか,その辺のところをお伺いしたいと思います。 ◎佐々木 理事  1点目の徴収体制についてお答えいたします。  先ほども質問の中にもありましたように,連帯保証人をとってございます。ただし,私どもとしては,連名の支払い誓約書等をちょうだいする等の手続をとっているわけでございますが,なかなかそれがうまくいかない場合が生じているわけでございます。したがいまして,電話催促あるいは文書による催促等を繰り返しているわけでございますが,なかなかその成果が上がっていないというところが多少ございます。  他都市との比較で申し上げますと,大体他都市も私どもと同じような徴収といいますか,あるいは電話文書あるいは支払い誓約書による徴収という形のものをとってございます。  ちなみに,仙台,横浜,川崎,千葉,名古屋,神戸,広島,この7都市は,ほとんど私どもと同じ体制でやっておりますが,東京,京都,北九州,福岡の4都市につきましては,専任というわけではございませんが,直接,徴収に出向く職員を配置して,体制強化してやっていると,そういう状況にあるというふうに聞いております。  私どもといたしましても,先ほどご報告申し上げましたように,高額未納者が順次ふえていく傾向にございますので,私どもとしても,直接,支払い者に対して,徴収体制を今後強化して対応していかなければならないというふうに考えてございます。  それから,他都市欠損率との比較において,大体札幌市はどの程度の位置づけになるのかという2点目のお尋ねでございますが,私ども札幌市の市立病院欠損率と申しますのは,0.1191%。ですから,コンマ以下の欠損率にはなってございます。ただし,他都市等と比較しますと,比較的低いところで,たとえば東京都ですと0.01%,それから仙台市が私どもより多少高くて0.1369%,それから川崎市が非常に低くて0.0077%というような割合になってございますし,あと,神戸,広島,この辺は0.025あるいは0.026%になってございます。以上でございます。 ◆義卜 委員  未収額徴収するに当たりまして,皆さん方からつくっていただいたこの資料をずっと見ていきますと,たとえば昭和62年度未収件数が185件ありましたと。約2,400万ぐらいあったわけですね。これが次年度の63年度でどれだけ徴収されたかといいますと,185件のうち156件,84%ほど徴収されたと。63年度を例に見ますと,これも213件の未収件数がありましたのが,次年度で178件ですから83%ほど回収されたと,こうなるわけです。その後はどうかといいますと,ほとんどゼロ,ゼロ,ゼロとか1,1とかということで,次年度に本腰を入れて徴収をしないとなかなか困難になるのではないかと,こういう傾向だと思います。  したがいまして,いま他都市の例もお答えいただきましたけれども,本市の場合は,文書あるいは電話ということなんでございますけれども,その文書にしましても,電話にしましても,督促のサイクルを早めると申しますか,それも大事なことだと思いますけれども,いまの病院体制の中で職員皆さん方が訪問して歩くということは,本人と直接話をする,会話をするということが困難な体制かもわかりませんけれども,これはできるだけ誠意を持って相手と話し合うということが大事ではないかと思います。そこで,そういう体制をつくれるかどうか,これ最後にお伺いしたいと思います。 ◎佐々木 理事  徴収体制は,ご指摘のとおり,時間がたてばたつほど未収分徴収というのは難しくなっています。したがいまして,まず第1番目には,早急に手を打つということが必要だと思いますし,それから,おっしゃるとおり直接面談をして,それぞれのいろんな事情を聞いて,その事情に対応した,しかるべき納付の方法を相談し合うと,そういう姿勢がやはり大事であろうと思います。したがいまして,今後,その辺の対応について,より充実させていきたいと。現行の体制を強化してまいりたいというふうに考えております。 ◆原口 委員  私は,MRSAメチシリン耐性黄色ブドウ球菌院内感染防止策についてお尋ねをいたしたいと思います。  MRSA院内感染につきましては,最近しばしばマスコミにも取り上げられておりますし,先日のこの特別委員会で,衛生局の審査の中でもMRSAの話が出ておりました。免疫不全の方であるとか,お年寄りとか,小さな子供さんだとか,それから外科手術をした患者さん等々,抵抗力が弱まっているような方々が感染しやすいと。感染をして発症をすると,肺炎を起こしたり敗血症になったりというように,非常に重い病気になるというふうに私は聞いておるわけでございます。  先週でしたか,新聞報道によりますと,市立旭川病院発症者,それから保菌者を入れて,昨年1年間,116人の人方がおったというふうなことが新聞に出ておりました。統計のとり方も正確なのかどうかわかりませんけれども,実際に旭川市立病院で,116人の方がいらっしゃった。そして,旭川保健所長が,北海道はMRSAに対する対応が非常におくれているんじゃないかと。そして,医療機関だけでなく,行政側の対応にも問題があるというふうな談話が新聞報道されているわけなんでございます。  そこでお尋ねをいたしたいと思うんですが,まず2点,質問をさせていただきたいと思います。  一つは,市立札幌病院におけるMRSA院内感染の現況はどうなっているのか。というのは,2月に,道が札幌市内300床以上の病院,32病院対象調査をしたというふうなことを聞いておるわけでございますが,おそらく道の調査につきましては,市立病院なり管轄する保健所から,札幌市立病院MRSA院内感染現況は数字として出ているんではないかというふうに私は思うわけでございまして,その院内感染現状と,現在,院内で行われております防止対策について,まず2点お尋ねをいたしたいと思います。 ◎手戸 副院長  ただいまのご質問にお答えさせていただきます。  市立札幌病院は,院内感染防止につきましては最も重要な課題といたしまして,昭和52年以来,組織的に取り組み,一定の成果を上げながら今日に至っております。  医療の変遷とともに取り組む問題も変化し,ただいまご質問MRSAもその一つでございます。  ご承知のとおり,MRSAは常在菌でありまして,健康な人,または十分な抵抗力を持っている患者さんにとっては恐るるに足らないということでありますが,白血病とか重症の糖尿病とか,それからがんの終末状態等抵抗力が著しく低下している,いわゆる免疫低下状態にある患者さんにとっては,有効な薬剤がきわめて少ないだけに,治療が非常に難しく,大きな社会問題になっているわけでございます。  そこで,ご質問の第1点の市立病院現状についてでございますが,ただいまお話がございましたように,管掌は道の保健環境部でございますが,全道の300床以上の病院平成5年2月1日現在での実態調査方法聞取り調査という形でございますが,当院では2月18日に,所管の札幌中央保健所担当官による聞取り方式調査が行われましたので,それに基づいてお答え申し上げます。  平成5年2月1日現在,入院患者の総数は728人でありまして,MRSA検出者,これは検体,たとえばたんとか尿とか,それから咽頭の分泌物とか手術の後の創部とか,こういったところから検体というものを取りまして,それで細菌の状態を見るわけでございますが,MRSAが検出されたのは,728人のうちの38人,入院患者数の5.2%になっております。このうち,問題は検出されたということではなくて,MRSAそのものがその患者さんの病状を大きく左右する,それをMRSA患者というふうに言っております。そのもの治療対象になると,ここが非常に重要なところでありまして,これは,検体38人のうち,2月1日は5人,これが直接MRSAがその病態を大きく左右している。これが治療対象になるわけです。私ども鼻咽頭でもかなりのブドウ球菌というのは出ます。そのブドウ球菌の中のいわゆるMRSA,耐性を持っている菌の検出率というのは,全国大体,日本医師会の調べによりますと70%,私ども病院では74%と,2月1日現在では出ておりますが,しかし,実際そのもの治療対象になるのは,38人中5人がMRSAの菌によって病態が大きく左右されていると,こういった現況でございます。  第2点目の院内感染防止対策でございますが,院内には感染対策委員会というのがございまして,毎月のMRSA検出状況をまとめて,院内感染対策委員から院内に報告されております。こういった現状を認識,かつ注意を促すということをまずやっております。  それから,MRSA防止のためのガイドライン,マニュアルですが,こういったマニュアルを作成いたしまして,これは平成3年7月に作成しておりますが,院内配布をして,職員対策の徹底を図っております。  そのほかに,手足のいろんな消毒が問題でありますので,消毒剤の正しく使うためのと,こういったものも作成して,院内職員対策の徹底を図っております。  それから,MRSA感染患者をできるだけ個室に移して管理する。これもなかなか難しい問題をはらんでおりますが,とにかく極力,治療対象になる患者さんを健康な方から離して管理するということに努めております。  それから,ご家族にもそういうことをお話ししなければならないわけですが,面会に来られる家族の方が菌を持っている場合がございます。医療関係者も含めまして。そういう面会の家族にもよく説明し,理解・協力を求める一方,無用な不安感,要するに,MRSAというものは大変こわいものだという,そういう社会的な認識のもとに,報道がややそちらのほうに傾きかかるというのは正しい認識ではございませんので,患者さんのご家族にも,無用な不安感を与えないように配慮,説明に努めて理解を求めております。以上でございます。 ◆原口 委員  市立病院MRSA感染対策委員会というのをつくられて,大変慎重にといいますか,最善の方法でやっていらっしゃるようなご説明をいただきまして,安心をするわけでございますけれども,常在菌だというようなことで,われわれもそれを持っているわけでございますけれども患者から患者への感染とか,患者から職員への感染というふうなことを,ぜひ最善の方法防止をして,札幌市内のリーダーの病院として,ひとつよろしくお願いをしたいと思っております。  最後に,院内感染対策委員会というのを設置をされてやっていらっしゃるというお話を聞きましたけれども,その活動状況について,もう少し詳しくお聞かせをいただいて,私の質問を終わらせていただきます。 ◎手戸 副院長  お答え申し上げます。  院内感染対策委員会は,昭和52年に設置されて,今日まで院内感染実態調査,それから感染防止対策指針作成,それから,ただいまお示し申し上げましたような消毒剤の正しい使い方の冊子を作成したり,院内趣旨徹底を図っております。  それから,この感染対策委員会の中に,平成4年7月に感染対策実行小委員会というものをさらにつくりまして,毎月1回,定期的に開催いたしまして,院内感染対策の日常的な活動の推進を図っております。  また,そのほかにも各種院内勉強会等を開催いたしまして,職員の教育,これが非常に大事なことでありまして,手洗いの励行とかを含めまして,職員医療関係者として,もっと慎重にということを教育するというのが,非常に防止あるいは効果を上げているということですので,こういうことにも取り組んでおります。  今日まで主な対策対象になりましたのは,ご存じと思いますが,B型肝炎,それからC型肝炎,それからいまやや影をひそめておりますが,緑濃菌というのがございまして,それからMRSAあるいは各種の消毒法選択等,こういったものが,この院内感染委員会の主な活動でありまして,本日はこのお話が出ませんが,今後はやはりエイズ対策といったものも,大きく取り上げるべき課題だというふうに思っております。以上でございます。 ◆飯坂 委員  私から,市立病院にかかわって3点質問いたします。  1点目は,新年度新規事業であります救命救急センターについて質問いたします。  新年度市立病院が,救命救急センターとして国の指定を受ける方向に進んでいると伺っておりますが,このことによって財政面でのメリット,つまり診療報酬あるいは国の補助金など,どのように変わるのか,お示しいただきたいと思います。また,支出の面での変化はどうなのかも,あわせて伺いたいと思います。  さらに,救命救急センター指定に伴っての体制強化については,市立病院としてはどのように考えているのか,お示し願いたいと思います。  2点目の質問は,看護婦増員計画についてであります。  市立病院職員年休使用状況を見てみますと,一番新しい4年度実績,これは暦年ですが,4年度実績総平均で9.9日となっております。看護婦の部門ではどうかと見てみますと,8.2日であります。本市全体の職員年休使用日平均15.7日の約半分の使用状況というのが,看護婦実態であります。看護婦という,命と健康にかかわる大変心身疲労を伴う仕事に携わりながら,年間20日間という年休が保障されているにもかかわらず,休みたくても休めないという状況が,ここにひとつ端的にあらわれていると考えますが,このような現状をどう認識されているのか,お伺いします。  また,本来20日の年休は,働く職員当然の権利であって,年休使用を拡大するためにも,看護婦の増員が急がれると考えますけれども,どのような増員計画をお持ちなのかもお示し願いたいと思います。  さらに,新年度以降,4週8休に伴う増員,これはどれだけ必要だと考えておられるのか,数字を出してお示しいただきたいと思います。  質問の3点目は,市立病院の移転に伴う交通アクセスについてであります。  ご承知のように,桑園駅近くに移転するということに伴いまして,患者の足をどう確保するのか,これは大変大切な視点であろうと考えております。移転に伴う外来見込みは,1日1,800人と伺っておりますけれども,これらの患者さんが病院にどのようにしたら通いやすくなるのか,その手段としての交通アクセスについて,市立病院としては,いまどのような計画をお持ちなのかをお示し願いたいと思います。以上,3点です。 ◎竹田 病院長  救命救急センター指定に伴います財政面その他,ナース,それから交通アクセスに関しましては,事務局長佐々木理事のほうから説明させていただきますが,私は,主として,救命救急センター実態,あるいは今後どうなるんだろうかというようなことについて,お話ししたいというように思います。  ご存じのとおり,いま日本では109,救命救急センターがございます。去年の10月の新聞ごらんになったと思いますけれども,いま日本の救命救急センター指定が非常にずさんであり,厚生省指定どおりいっていないということが言われていまして,アンケート調査では,大体50%が固定した,いわゆる配属された専任の救急員がいないという現状でございます。いろいろありますけれども,そういうことを実態として,ご承知おきを願いたいというふうに思います。  さて,救命救急センター指定されるに当たりまして,求められる人員は,常勤医師が9名,それから常勤看護婦が23名となっております。現在,本院の救急医療部には,常勤医師が9名,常勤看護婦が42名配属になっております。したがいまして,医師看護婦ともに,厚生省の基準を十分に充足しているというふうに考えております。  また,救命救急センター指定に向けまして,これまで一般救急病床一体的看護体制にあったICUの部門を強化するために,5名の看護婦を新たに配属するということにしております。その他,現在までのところ,われわれのいまやっております救急医療部は2次救急体制でございまして,いわゆるドクター・ツー・ドクターという体制で,大体市内の70%を収容しているわけでございますけれども,その実態は,9人の医師は,外科,脳外科,麻酔科,内科,胸部外科というような体制を組んでおります。したがいまして,いまお話体制強化の問題については,私は,いまわれわれが行なっている体制というものは,一般当直医,すなわち本院全体の当直医が1人おりますし,各科当直医脳神経外科,それから一般外科,産婦人科と,プラス3名おります,並びにオンコール体制が完璧になっておりますので,十分にこれから対応できるというふうに思っております。大体いままでの日本の平均では100万単位に1ないし3名がいわゆる3次救急として運ばれるというふうになっておりますので,今後の動向を見ながら,その体制は充実していきたいというふうに考えております。以上です。 ◎佐々木 理事  財政面でのメリットについて1点目でお尋ねがございました。お答えいたします。  救命救急センター指定になることによって,どういうことがメリットとして出てくるのかということでございますが,一つは,診療報酬の中身が変わってまいります。現救急医療部ですと,たとえばICUの1日の点数が4,700点と,しかも2週間以内に限るというような報酬内容になってございますが,それらがこれから救命救急センター指定を受けることによって,1週間までは1日当たり6,000点,あるいは2週間まで5,500点というふうに,診療報酬の中身が一つは変わってまいります。  それからもう1点は,補助がふえることでございます。したがいまして,国,道合わせまして,約7,400万の補助金が交付されることになります。  それから,先ほど申し上げました診療報酬の適用の中身が変わると,そのことによって,約6,475万2,000円ほどの増収が見込まれますので,補助の増と,それから診療収益の増とを合わせますと,約1億3,900万円の財政的メリットといいますか,そういうものが平成年度では見込まれる予定でございます。  それから,看護婦の増員問題と絡んで,年休使用日数が少ないではないかと,これは前回にもお尋ねがたしかあったと思いますが,私どもとしては,確かに現在の状況では,何とかもう少し改善いたしたいというふうに考えてございますが,もともと看護婦の年休使用というのは,具体的に一つのあらわれでありまして,一つは,やはり看護業務の内容の整理といいますか,看護婦さんの守備範囲と申しますか,そういうものの整理をどんどん進めていかなければならない。新しい今度の体制では,たとえばSPD物流関係の整理,あるいはオーダーリングシステムの導入というようなことを考えながら,看護婦さんの守備範囲といいますか,業務内容の整理を第1点としては進めてまいりたい。  それからもう一つは,やはり処遇の問題であろうと思います。これは,ご承知のとおり,平成年度におきまして,副婦長というような制度を導入いたしまして,約30人ほどの副婦長を新たに制度として設けております。  それから,やはりもう一つは,人数の問題でございます。これは順次ふやしてまいっておりまして,総体で申し上げますと,平成年度584人,予算の定数で申し上げておりますが,平成年度は606人の目標というか,予算定数でやってまいりましたし,平成年度は,さらにそれより19名ふやして,625名で臨みたいというふうに考えてございます。ただ,いずれにいたしましても,単に人数だけの問題ではなくて,全体総合的な対策をとった上で,いろいろ効率よい体制,あるいは確かにご指摘のとおり少ない年休消化日数という事実もございますので,それらに向けて,改善してまいりたいというふうに考えてございます。  それから,3点目にご質問のございました交通アクセスの問題でございます。  患者の足,1日外来患者で,ご指摘のとおり,新病院では1,800人ほどの外来患者を見込んでおりますが,その交通手段をどういうふうに確保していくか。これは私どもにとっても,経営上も非常に大きな問題でございます。基本的には,バスあるいは鉄道,それから自家用車の駐車場のより充実というようなことが基本になると思います。ただ,現状,各年度,私ども病院にいらっしゃる外来患者さんが,どんな交通機関を利用しておられるのか,そのときどきに応じて調査をしてまいりましたが,これからもその調査を続け,現実,平成7年の開院時までには,関係部局とも相談いたしまして,よりよい交通アクセスの確保に努めてまいりたいと,以上のように考えてございます。 ◆飯坂 委員  私が質問した内容に必ずしも十分答えていただけていないんですが,たとえば,4週8休に伴っての増員はどれぐらい必要なのかということでは,具体的なお答えいまなかったんですけれども。  それから,先ほど,救急救命センターの指定に伴って看護婦5名増員すると,院長さんからご答弁あったんですが,これは,具体的には,第2の質問ともかかわるんですが,この5名の増というのは,年休の使用を拡大する方向につながるものなのか,どういう部門でこの5名というのははじいたのか,その辺についてもお聞かせ願いたいと思います。 ◎佐々木 理事  ただいま看護婦の増員の関係で,4週8休の体制についてはどういう増員をしたのかというお尋ねでございますが,4週8休に取り組むために,直接増員するということはやってございません。ただ,看護体制をより充実させるということの中で,これらの課題についても消化しているということでございます。  それから,5名というのは,救急のことだけでおっしゃられているんだと思いますが,救急に5名ふやしたのはどういうわけかということでございますが,これはやはり,今度,救急救命センターになることによって,より一層ICU体制の充実等を含めまして,強化する必要があるという判断で,その後の適正人員として,5名増員を計算したものでございます。以上でございます。 ◆飯坂 委員  そこで,看護婦さんの年休使用状況というのが,先ほど言ったように,平均値で言うと8.2ということなんですが,入院病棟だけで見てみますと,7.7ですね。そして,現状では救急部のところは3日と,1人平均3日しか年休を使用できていない。それから内科の病棟でも,3の5とか3の6とかあるんですが,たとえば3の5というのは呼吸器とか血液,この病棟では,平均4日しか取れていない。それから3の6,内分泌,消化器,ここでは4.4日しか取れていないということで,全体に低いんですが,著しく年休使用状況が悪いわけです。それだけハードな仕事を看護婦さんたちがこなしているというふうに,数字の上からも見れると思うんです。  なお,前年度との比較の表も見せていただいたんですが,たとえば救命救急にもかかわりますけれども,救急部のところでは,新人が7人入ってきているということは,つまり,40人の正規の職員の中で,7人は何らかの理由でやめて新人に変わっているということです。大変比率が高いと思うんです。2割近いですね。それだけ相当きつい仕事を余儀なくされているわけですから,なかなか救急部では,看護婦目指してきたんだけれども,長続きがしないという状況も見られるんじゃないかというふうに思うんです。そういう点で,抜本的な増員計画を持たなければ,これらの諸課題は解決しないというふうに思います。  そこで,私が4週8休に伴っての増員はどれだけかというふうにお尋ねしましたら,それは特別はじいていません,全体の中で増員を考えていますと。先ほどのご答弁では,新年度は19名でしたか。そういうような数字だったんですが,全体で19名,救命救急の関係で救急部に5名ということですから,残り14名を全体で配分すると,こういうふうになると思うんです。本当にそれで間に合うのか。年休が十分取れるような保障につながるのだろうか,非常に疑問なわけです。  もうちょっと言いますけれども,たとえば未熟児センターの深夜勤,いま3人体制です。ご存じのように,小さな小さな赤ちゃんの命を預かっているわけですから,大変目配りも必要ですし,また,ミルクを飲ませたりとか,お世話をしたりとか,そういう仕事が当然あるわけです。ですから,3人体制では,深夜勤に当たった看護婦さんは,自分の食事が満足にとれない。片手でおむすび食べながら,片手で赤ちゃんにミルクを飲ます,こんなような勤務状態になっているというふうに伺っております。それは,即刻,深夜勤の看護婦を増員するとか,そういった体制がとれなければ,本当に大切な仕事をしている看護婦さんたちの健康をも害してしまうというような,深刻な状況になっているんでないかというふうに私思うものですから,その点でのやはり抜本的な増員計画を,より積極的に持つべきだというふうに考えるんですが,この点についてはいかがでしょうか。 ◎佐々木 理事  看護婦の増員については,先ほども基本的な考え方を申し上げましたが,単に定数,これは決して関係ないとは申しませんけれども看護婦の業務量,守備範囲,あるいは処遇といいますか,そういうもの,それから定数と,これら全体を含めて,やはり総合的に判断しなければならないというふうに思っておりますし,現実の業務量を少しでも軽減していくような形でやっていく対応策,これは私ども病院にとっては,ある意味では非常におくれている分野でございましたので,これらも充実させていくといいますか,対策を考えていきたいというふうに思っています。  ただ,現実の問題として,例として挙げられました年休3日とか4日という部門があるのも事実でございます。これは確かにおっしゃるように少ないといいますか,一面ではありますが,厳しさをあらわしているということは否めない事実だろうと思いますので,それらの対策も全体の中でいろいろ考えながらやっていきたい。ただ,病院といたしましても,仕事全体の中の改善を進める中で,定数問題もその一環として考えてまいりたいというふうに思っておりますので,決してこのままでいいというふうに思っているわけではございません。以上でございます。 ◆飯坂 委員  このままでいいとは思っていないという率直な意見出ましたけれども,本当に4週8休を完全実施して,そしていま大変深刻になっている深夜勤のところを増員するということ,そして,年休をせめて十二,三日とれるような体制をとるとすれば,80人の増員は必要でないかという話も私は聞いております。  そういうことで,いま業務の見直し等々,当然,総合的に改善していくということは当たり前のことであって,必要なことだとは私も思いますけれども,とりわけ,この看護婦の増員問題につきましては,そういう位置づけで,きちんと体制に見合うような形で取り組んでいただきたいというふうに思っているわけです。つまり,専門職として,とりわけ女性の専門職としての看護婦さんの職場が,こういう現状になっている。この改善が図られるということは,女性の地位向上にも直接つながる,そういうことにもなるというふうに私思いますので,現在,大変過酷な中で,とうとい仕事に献身的に従事されている看護婦さんに敬意を表すると同時に,行政がここに光を当てて,市民の命と健康を守る,市民サービスを強化する,そういう視点に立った抜本的な増員計画を求めておきます。  最後に,意見として申し上げておきますが,交通アクセスについて,調査をいままでしてきましたよ,これからも引き続き調査をします,7年の開院に向けて対策をとっていきますよという基本姿勢は,いま述べられたんですが,やはり具体的にどうやっていくかという,そのあたりが大変かぎになる。現在の市立病院であれば,西11丁目の地下鉄駅あるいは北1条線のバス,こうしたものを利用する患者さんが多いかと思いますけれども,これらの方々が新しい市立病院へ行くとなると,その足の確保という点で,たとえば西11丁目からのシャトルバスを出すとか,あるいは市電,うちの荒川議員が交通のところでも提言したことがありますが,そういった交通アクセス,あるいは南北線の北24条からバスを出して患者さんの利便を図るとか,あるいは交通局に委託して無料バスを出して,市民の皆さんが市立病院に通いやすくする。民間の病院では,すでにそういった特定路線を走る,患者さん向けあるいは職員向けのバスも走らしているわけですから,そういった視点に立って,7年の開院のときに,市民の皆さんから,さすが市立病院だと言われるような,そういった交通アクセスをいまから十分に検討していただきたい,そのことを求めて私の質問を終わります。 ◆山口 委員  私は,平岸分院の周辺整備を中心にお伺いいたします。  今回出されました予算案には,老人性痴呆疾患専門治療病棟の設計工事費が盛り込まれておりますし,また,老人性痴呆疾患センターを併設するというふうにも伺っております。高齢化社会に対応して,平岸分院周辺を再整備というようなことで取り組まれるということですけれども,これは緊急課題でもあり,家族患者さんは待ち望んでいた事業だというふうに考えますが,その再編事業の中身について,これ以外にも,もっと充実ということが考えられると思うんですけれども,その辺の事業について,まずお伺いいたします。  それから2点目なんですけれども,ドクターがいらっしゃるので,ちょっと素人の質問なんですが,本当に素朴な質問をさせていただきたいんですけれども,そもそも老人性痴呆というのは,何をもって老人性痴呆というのかということなんです。この言葉自体,余りいい言葉ではなくて,何かもっと言葉を生み出したいなという思いはあるんですけれども,いわゆるぼけとか痴呆というのは何をもって言うのか。どんなものがあり,原因は何なのか。そして,何をもってこの方は痴呆というふうに判定するのかという,大変恥ずかしいんですけれども,素人の素朴な疑問としてお答えいただきたいと思います。 ◎駒井 平岸分院長  ただいまのご質問にお答えいたします。  まず,平岸分院の再編事業でございますが,大まかに申しますと,老朽化した配管を中心とする施設の改修計画,これはぜひやらなければならない事業なんですが,それと組み合わせて,病院を21世紀の医療にふさわしいような精神科の病院に再編したいというのが考えでございます。  その大きな柱の一つといたしまして,現在の高齢化社会で,ますます大きな問題になることが予測されますところの痴呆性老人に対する対策を一つの柱としたいと。この老人性痴呆対策の具体的なことといたしましては,まず,急性期の痴呆性老人を主として扱うところの老人性痴呆疾患治療病棟,これを建設する。そして,デイ・ケアの新設を行う。それからもう一つは,ご指摘の痴呆疾患センターの開設というようなことが,老人にかかわる大きな再編の主要点でございます。  次に,痴呆の症状はどんなことで,どんなふうに診断していくのかというようなご質問でございますが,痴呆の症状といたしましては,大きく三つのことが大事な症状というふうに言われております。一つは記銘力。記銘力と申しますのは,物を覚え込む力,そして覚え込んだものを,ある時間,頭の中に蓄えるというような記憶につながる初期の段階の記銘力。それからもう一つは,見当職というふうに私たち専門には申すんですが,きょうは何日かとか,いまは何時かとか,そういう時の観念,あるいはいまここはどういう場所であるか,あるいは家はどこかというような場所の観念,それから,私の前におられるのはどなたかというような,そういう人物を見分ける観念。また,抽象的思考と申しますが,そういう面が最初にやられてきて,だんだんに知的な能力が落ちていくというふうに言われております。  それで,診断の方法でございますが,目の前に座られた患者さん,家族からお話を聞いて見当をつけておくわけですが,質問をすることによって,こういう面が少し落ちているなというのは,大体見当がつきます。
     さらに詳しくは,簡単な方法といたしましては,外来では,私たち繁用するのは,長谷川式の質問紙法というような,11問から成る質問ですが,これは非常に簡単な質問で,これでひっかかるようになると,かなり痴呆は確実だというふうに申せるようなテストです。  さらに,痴呆の中でも,どこの知的な能力が特に侵されているかというようなことは,もろもろの心理テストを駆使して診断してまいります。  そのような検査を行いまして,痴呆であるというようなことが確定しますと,そういうような痴呆の症状が何ゆえに出現してきたかと,脳のどこの場所がやられて出現してきたんだろうかというようなことを攻めていかなければならないわけでありまして,これには,従来の脳波の検査であるとか,あるいはご存じのCTの検査であるとか,MRIの検査であるというような,もろもろの画像診断を用いて診断を進めてまいります。  これらの補助診断を加えて診断を進めてまいりまして,痴呆の形といたしましては,いま現在では,大きく三つに分類されております。一つは,脳血管型の痴呆。脳の中の細かな血管が詰まるとか,そういうようなことが多いわけですが,脳血管型の痴呆。それからもう一つは,原因不明なんですが,昔から言われているアルツハイマー型の痴呆。これが現在なお原因がわからずに,脳の神経細胞が何らかの理由で脱落していってしまうというような痴呆です。両者がまざったものを混合型というように第3型に分けております。日本では,幸いに脳血管型というのが多くて,欧米諸国では,アルツハイマー型のほうが多いというふうに言われております。以上でございます。 ◆山口 委員  大変詳しく教えていただきまして,ありがとうございました。  再編計画につきましても,デイ・ケアも含めてトータルな形でのケアができるということで,非常に道内でも数少ないセンター的な役割を果たすのかなというふうに理解をいたしました。  いま,痴呆の判定というところで,いろんなものをトータルに複合的に判定なさるということで,よくわかりましたけれども,私は長谷川式について,ちょっと以前聞いたことがあったものですから,それで判定なさるのかなというのも,納得がちょっとできない部分がありました。といいますのは,「きょうは何日か」とか「ここはどこですか」という質問はわかるんですけれども,4番目の「最近起こった出来事から何年くらいたちましたか」とか「大東亜戦争が終わったのはいつか」とか,それから「日本の総理大臣はだれか」とか,そういう質問がありますし,「100から7を順に引いていってください」とか,それから「数字の逆を言っていく」とか,そういうのをやっていきまして,31点以上取らないと正常ではないということですから,私もちょっと自分でやってみますと,とても31点は取れないような感じで,22点以下だと境界で,10.5までで準痴呆,それから10点以下が痴呆と,その長谷川式ではなっているということですけれども,現実には,いまの総理大臣がわからなくても,それから大東亜戦争がいつ終わったかわからなくても,全然痴呆ではない方がいらっしゃいますし,また,逆にそれがちゃんと答えられても,私の曾祖母なんかは,非常にアポロの宇宙船で到達したときの宇宙飛行士の名前まで詳しく覚えていましたけれども,私のことがわからないとかというのがありましたので,この判定が非常に難しいし,逆に烙印を押されてしまったら,家族も安心する部分とショックを受ける部分があるんではないかなということで,いま伺いましたいろんなトータルな,それから混合型もあるということですので,いろんな面で評価していただきたいというのを強く感じたわけです。  それで,これからの事業ですから,要望にもなるかとは思うんですけれども,どういうことを治療して治るのか,どうなのかというところで,現在の老人病院でいろいろ言われております,抑制と称して徘回する患者さんを縛りつけるとか,それから私のご近所の方では,裸で町内を歩かれるというようなお年寄りがいたんですけれども病院に連れていった途端に薬で非常におとなしくなられて,半日以上寝ているというような状況になってしまった方なんかもいるんですけれども,どういう治療方法をおとりになろうとしていらっしゃるのかというところを伺いたいと思います。  学校の先生と公務員で痴呆が多いというようなことも聞きますし,私が半日研修で行ったところでは,公務員の方で水道局の課長さんだったという方ですけれども,1日じゅう私は怒られていたんです。だから,この人はきっと部下にこういう形で指示をずっと与えていたのかというのがわかったんですけれども,ある駅長さんの事例で言いますと,いつも夜になると起き出して「出発進行」と言うんです。それをお薬とかでなく「きょうのお勤めご苦労さまでした。」と言ってから,ぱたっとそういう夜の徘回とかそういうのがやんだという事例がありますし,それから大学の先生でも,毎日,夕方になると,教科書を全部ふろしきに包んで,「いまから講義に出かける」ということを必ず言う方がいらしたのですが,ちゃんと「きょうは講義お休みですよ,きょうは休校です。」と言うと,「ああそうか。」と言ってお部屋に戻るとか,むしろ身体的な衰えからくる環境の変化とか,人間関係の変化がそういう痴呆の原因になっているのかなというふうに,私はいろんな方とお会いしたりして感じたんです。ドクターを前にして大変失礼かもしれませんが,そういう感じが非常にするものですから,医学的なアプローチだけじゃなくて,むしろ人間関係学みたいな,そういう関係の場づくりみたいなところで治療していくと,いいほうに向かうのかなというような感じを強く持っております。  それで,生活を重視した,ノーマライゼーションを基調とした治療というようなことで,何かお考えがあるのかどうか,あればお聞かせいただきたいというふうに思います。  それから,最後の質問ですけれども,平岸分院の再編事業によりますと,ちょうど痴呆性とか精神性の病院の整備ができると。それから既存の施設としては,かしわ学園とかひまわり整肢園とか,いろいろ一帯にあるということがわかりますので,医療部門,それから保健部門,それから福祉部門のいろんな施設があそこにあるわけですから,その辺のネットワークが組めるのではないか。そのモデル化ができるのではないかというような感じもいたしておりますので,そのような方向性をもしお考えでしたら,お答えいただきたいと思います。 ◎駒井 平岸分院長  お答え申し上げます。  いまの一般の老人病院ではというふうにおっしゃいましたが,確かに残念ながら,一般には静穏化,患者さんをおとなしくするというようなことを目的として,向精神薬というふうに私たち呼ぶんですが,精神科の患者さんに使うようなお薬をかなり使って,そして患者さんがぐったりしておとなしくなると。これは私は,本来的なことではないというふうに考えておりますし,このようなことは,極力控えなければならないというふうに考えております。  そして,その工夫といたしましては,患者さんの活動性を保つために,病棟に回廊,病棟の中にロの字の回り廊下を設けて,そこを患者さんが歩き回れるように工夫するというような病棟をつくったりして,伸び伸びと生活する場というふうなものを,建物の上からも工夫したいというふうに考えております。  それから狭義の治療ということでございますが,脳血管型の痴呆の初期の段階におきましては,最近,脳循環の改善剤であるとか,脳代謝の賦活剤というような薬がかなり数多く開発されてきまして,初期にそういうことが原因だということで見つかると,痴呆に至らないで,あるいは進行を食いとめて治すことができるというふうに変わってきております。ただ,アルツハイマー型というのは,先ほども申し上げましたように,まだこれを薬で治すというような治療手段がございません。  ご指摘ありましたように,いずれの痴呆におきましても,老人性痴呆というのは,老人の精神活動が全般的に一遍に脱落してしまう,一遍に落ちてくるということでは決してございませんで,ある部分は保たれていて,ある部分は落ちてくるというふうなでこぼこがあるわけです。そのでこぼこのありようというのは,それぞれの患者さんごとに違うわけです。ですから,よく患者さんを観察,観察というと言葉は悪いですが,一緒に患者さんと生活をして,そして,その患者さんの中でどういうことが問題なのかを極力心理的な意味のことも発見して,そして働きかけを,ある場合は行うべきであるし,ある場合は働きかけを行わないほうがいいというような場合もあるわけで,そういうようなことを見分けた上で対応していく。そういうことをすることによって,実際に,それまで意味不明に怒りっぽかったということでおうちの人が困って連れてきた患者さんを一時お預かりして見ていますと,その理由がある程度わかって,そういうふうに対し方を変えるだけでおとなしくなられる。それからある程度ぼけの症状を示しながらも,ほかの方との交流が可能となるというような事例も見ております。  それで,そのような生活処方せんというようなものを,狭い意味の薬の処方せんだけでなくて,このお年寄りにはこういったことが非常に問題なので,こういうところを工夫することによって,うまく対応できるんじゃないでしょうかというような処方せんをつくって,それがある程度できましたら,家族にも1週間ほど一緒に泊り込んで身につけていただいて,そして納得の上,帰っていただくと,それで在宅療養につなげるというふうなことも,一生懸命やってみたいというふうに考えております。  それから,モデル地区云々ということですが,これはまだ私の妄想の段階でございまして,幸いに,あそこの平岸分院の土地,まだ遊んでいるというか土地に多少ゆとりがございますし,それから先ほどご指摘のひまわり整肢園とか,その他精薄の施設等もございますので,精神保健法の大都市特例というようなことも云々されておりますので,そういうことが具体的な問題になってくる時点では,あの地区を札幌市の精神衛生行政を考える中心的な場所というようなことで,そして,これは私たち病院だけでできることではございませんので,民生とか,それから保健衛生とか,そういうところと,十分連絡をとってやっていかなければと考えております。以上です。 ◆常本 委員  私も静療院の再編成事業関係お尋ねしようと思っていたんですが,いま山口委員とかなり重複する感じがするんです。それで,やめたらどうだという話ですが,ちょっとずばり聞いておきます。  高齢化が進んでいますので,これから特にぼけ対策の大事な事業になってくると思うんです。そこで,ぼけというのは,ほとんど正常な人に近い段階から相当悪い段階まであって,私ども子供のころ見ていた感じでは,相当重い人以外は社会生活を続けておったような気がするんです。私の子供のころというのは戦時中なんですが,よくお年寄りにいたずらで物を聞いてみる。そうすると,聞いたことに対しては,まるっきりあさってのお返事が返ってくる。ところが,よく確認してみると,ぼけているんじゃなくて,耳が遠くて聞こえないからあさっての返事が返ってくる。それで子供同士で,あれ本当はぼけていなくて,聞こえないんだわなんていうようなことを言ったりしていた。だけれども,当時,そういう方々というと,人生50年と言っていた時代でして,60過ぎた方はもうお年寄りだと思っていました,私ども。これからはお年寄りというと,本当の意味では80過ぎなきゃというぐらいな時代になってきたんですが,それでもお年寄りがふえていくことだけは間違いございません。お年寄りの社会になるんじゃないかということまで言われている時代なものですから。  そこで,本年度,予算を計上しまして新しくつくるのは,老人性痴呆疾患専門治療病棟というものをつくりますね。それからそれに併設して,老人性痴呆疾患センター,これが新しい体制を模索された施設だと思います。  そこで,これらの目的,それぞれこれをつくられる目的ずばり。  それから,今後どんなふうに運用していくのが,お年寄りがふえていく時代に合致しておるのか,この二つ。端的で結構でございます,大分重複していますので。お答えを願いたいと思います。 ◎駒井 平岸分院長  お答え申し上げます。  まず,急性の痴呆性老人の治療病棟でございますが,これはいまご指摘がありましたような,早期になるべく患者さんを発見して,そしてひどくならぬように何か手が打てないか。それから,在宅につなげることができないかと。ただ,そういうことをねらいにいたしましても,実際は慢性化して帰れなくなる人も出ることが予測されるわけで,そういう部分に関しましては,民間の精神病院等で,慢性期の痴呆性疾患病棟というのも精神保健法で位置づけられそうで,そちらのほうで慢性期のものはやっていただくというふうに考えております。  それから,痴呆性老人センターのことでございますが,これは,窓口になるべき業務と申しますのは,たとえば区役所の窓口の方に痴呆らしい方の相談があったとか,あるいは保健所に相談があった。どういうような形の痴呆かはっきりしないと。そういうことがあった場合,連絡をいただくことによって,短期入院していただいて,病気を見きわめて一番適切な対応するのが一つでございます。  それからもう一つは,病棟と関連して,そこを研修のフィールドといたしまして,いろいろな関連,パラメディカルの職員の研修教育の場というのもしなければならないんでないかというふうに考えています。  それから,あとは,医師会とかほかの病院であるとか,あるいはほかの施設であるとか,そういうような,もろもろの関連の場所との連合を図るというんでしょうか,どこかが音頭をとってそういうものをやっていかなければならないので,そういう働きかけを行なっていく中核になればということです。そういうものができれば,今度,患者さんをお帰しする場合にも,在宅になるのが一番いいんですけれども,在宅が困難な場合は,精神科の慢性病棟に行く方もあるでしょうし,老人病院の特殊病棟を持ったところへ行く方もあるでしょうし,特別養護老人ホームの中に行かれる方もあるでしょうしと,そんな交通整理をして,お帰し,あるいは家族の相談に乗れるというふうなことを目的としております。  道内に,痴呆性老人の急性病棟は一つ苫小牧にあって,センターは旭川と釧路に市立病院が持っているんですが,それぞれ別々にしかありませんので,二つの病棟とそういう機能を1ヵ所で持つということによって,それぞれがなお一層生かされるんでないかというふうな考えで,この事業を考えております。以上です。 ◆常本 委員  わかりました。新しい体制の模索だと思いますので,どうぞ頑張って,期待していますのでやってください。 ○丹野 委員長  以上で,議案第13号及び議案第1号中関係分の質疑を終了いたします。  本日は,これをもって終了し,次回は,明16日午後1時から建設局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。              ──────────────                散 会 午後2時16分...