都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 井 原 貴 男 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
市立札幌病院長 竹 田 保 君
消防局長 前 田 悦 雄 君
教育委員会委員 冨士元 明 君
教育委員会教育長 藤 島 積 君
選挙管理委員会委員 向 川 武 夫 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 野 島 廣 紀 君
監査事務局長 西 村 公 男 君
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 植 田 英 次 君
総務課長 佐 藤 正 明 君
議事課長 坂 野 嵩 君
記録主幹記録係長事務取扱
谷 川 輝 雄 君
調査係長 深 村 康 雄 君
資料係長 沼 田 光 弘 君
議事係長 高 森 政 行 君
委員会一係長 山 内 馨 君
委員会二係長 野辺地 正 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 木 内 二 朗 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 今 井 一 行 君
――――――――――――――――
〔午後1時開議〕
○議長(
見延順章君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,66人であります。
――――――――――――――――
○議長(
見延順章君) 本日の
会議録署名議員として
武市憲一君,森 健次君を指名します。
――――――――――――――――
○議長(
見延順章君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(
鍛冶沢徹君) 報告いたします。
常見寿夫議員及び菅井 盈議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
本日の
議事日程,
陳情受理付託一覧表及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
〔一覧表は
巻末資料に掲載〕
――――――――――――――――
○議長(
見延順章君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第8号まで及び議案第10号から第14号までの13件を
一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,
代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
武藤光惠君。
(
武藤光惠君登壇・拍手)
◆
武藤光惠君 私は,
日本共産党を代表し,当面する市政の諸問題について順次質問してまいります。
最初の質問は,
在宅福祉の問題についてです。
在宅福祉の課題はさまざまありますが,
寝たきりや痴呆のお
年寄りを抱えた家族の介護の問題や,地域で生活できるようにと願う
障害者の問題を見ただけでも,深刻かつ切実な実態と要求が渦巻いております。
寝たきりのお
年寄りや障害の重い人など,社会的に弱い立場にあるすべての人々が在宅で安心して生活できるようにすることは,国や地方自治体の重要な課題であります。
一方で,国の立ちおくれた
在宅福祉施策を補うため,地方自治体独自のさまざまな取組みが始められております。本市は,厚生省の資料にも,
在宅福祉の立ちおくれた都市の事例に挙げられておりますが,これを抜本的に改善する立場から幾つかの本市の問題点を指摘し,市長のお考えを伺います。
質問の第1は,
老人保健福祉計画の策定に関してであります。
1989年12月に厚生省が発表した
高齢者保健福祉十か年戦略,いわゆる
ゴールドプランは,そのねらいが医療費の抑制にあるとしても,国民の切実な
在宅福祉への要求を国が取り上げざるを得ないという状況をも反映したものでもあります。したがって,わが党は,国の
医療費抑制の攻撃を許さず,国民が切実に求めている
在宅福祉の充実を図る立場から,
到達目標の明示が義務づけられている本市の
老人保健福祉計画を速やかに策定し,
在宅福祉の取組みを具体化すべきものと考えるものであります。
そこで,まずこの計画が盛り込むべき
到達目標とテンポはどのようなものか,お尋ねいたします。
国の
ゴールドプランとの関連から見ますと,本市の到達すべき
目標数値は,ホームへルパー1,000人,
ショートステイのベッド500床,
デイ・サービス100ヵ所,
在宅介護支援センター100ヵ所程度になると思われますが,いかがでありましょうか。
また,この目標を達成するためには,
ホームヘルパーの現状92人を約10倍に,
ショートステイは102床のベッドを約5倍に,
デイ・サービス10ヵ所を10倍に,また,
在宅介護支援センターは今年度の4ヵ所を25倍にするなど,並み並みならぬ取組みが求められますが,
在宅福祉の充実及び
目標達成に向けた市長の
基本姿勢と決意のほどをお伺いいたします。
あわせて,
計画策定の前提となる
実態調査などはどうなるのか。段取り及び時期についてもお尋ねをします。
質問の第2は,
ホームヘルプ事業についてであります。
まず,
ホームヘルパーの
大幅増員についてでありますが,わが党は,
ホームヘルプ事業の現状から,
老人保健福祉計画の実施を待つまでもなく,
ヘルパーの
大幅増員が課題となっていると考えるものであります。本市の
ホームヘルプ事業運営要綱では,
派遣回数を1日4時間,1週6日間,1週
当たり延べ18時間を上限としていますが,実際の
ヘルパーの派遣は,週1回2時間あるいは週2回4時間がほとんどの状況となっています。こうした現状から,
寝たきりのお
年寄りの家庭からは,せめてあと1回派遣をふやしてほしいなど,切実な声が上がっているのは当然のことであります。
障害者の場合もまた深刻です。いま
障害者はだれもが,
地域社会で生きていけるようにと勇気を持って
自立生活に踏み出してきています。24時間の介護を必要とする
障害者もたくさんいますが,介護のほとんどを
ボランティアに頼っており,本市の
ヘルパーがカバーする時間は全くわずかであり,
派遣回数,派遣時間をもっとふやしてほしいという声が上がっているのであります。たとえば68歳の
脳性マヒの女性の場合,
全身性重度障害者ですが,
ひとり暮らしというのに,
ヘルパーの派遣はやっとやりくりしてもらって週1回2時間という状況です。週のほとんどを
ボランティアで埋めてもらい,
ボランティアが見つからないときは,ベッドの上でじっとして過ごさなければならないのです。
このように,現在
ヘルプサービスを受けている方々が,もっと
サービスをふやしてと区役所に要望しても,人手が足りないので無理だという返答です。また,新たに
ヘルプサービスを受けようと区役所に申し込んだ人の場合にも,いつになるかわかりませんよと言われたり,人手が足りないから無理ですよという返答が長い間繰り返されてきたのが実態であります。
このように,将来の問題ではない,現在区役所で起きている
人手不足,
ヘルパーの不足について市長はどのように認識されているのか。また,本市の要綱が認めている
ヘルプサービスのレベルと,実際の週1回2時間ないし週2回4時間というレベルの開きについてどのように考えておられるのか。これで
十分寝たきりのお
年寄りや
障害者の要望にこたえているとお考えかどうか,お尋ねをします。
わが党は,
障害者や
寝たきりのお
年寄りの切実な願いにこたえるためにも,
介護支援センターの
ヘルパーを含めて,現在92人と低く抑えられている本市の
ヘルパーの
大幅増員を強く要求しますが,市長にそのお考えがおありかどうか,お尋ねします。
次に,
ヘルプサービスの内容に関する問題でありますが,現在,
家事援助型に限定されているとも言える状況の
ヘルプサービスに介護型の
ヘルプサービスをしっかりと位置づけ,改善すべきであります。
ご承知のように,本市が
ヘルプサービス事業の中心に置いている
家事援助型の
サービスは,食事の調理,洗濯,掃除,買い物など,いわゆる家事に限定されております。したがって,
障害者や
寝たきりのお
年寄りが生活する上で基本的な動作,すなわち食事,排せつ,衣類の着脱,入浴,洗濯,体をふくなどの身体の介護は,
家事援助型の
サービスでは受けられないのであります。
障害者や
寝たきりのお
年寄りの家庭では,こうした
身体介護が受けられたらどんなによいかと願っておりますが,本市では,手のかからない,時間に余り拘束されない,手軽な
家事援助型に事業の中心を置いてきたという問題があります。実際に行われている事業の内容を見ますと,家事型9に対して介護型は1の割合となっており,このことは,手のかかる介護型を少なくすることによって,
ヘルパーの人員をできる限り少なくしておこうとする本市の
在宅福祉に対する
消極姿勢のあらわれではないでしょうか。なぜ
介護型ヘルプサービスが10分の1なのか。国の基準とも照らして,その理由及び根拠についてお示し願いたいのであります。
また,
介護型ヘルプサービスを必要としている
障害者が
地域社会で生活することがふえている現状からも,これまでの発想を転換して,必要な
身体介護をきちんと行う
介護型サービスの位置づけのもと,
ヘルパーの増員など必要な体制をとり,
介護型サービスの拡大を図るべきと考えますが,どのように対処されるのか,市長にお尋ねいたします。
あわせて,
介護型サービスの拡充に関連して,現在きわめて強い要望が出されている
全身性重度障害者の日曜・祝祭日の対応,あるいは派遣されることとなっていた
ヘルパーが急用で休む場合の
代替確保など,切実な要望にどのようにこたえていくのか,お尋ねいたします。
次に,
ヘルパーの専門性に関してであります。
現在,資格があるなしにかかわらず,
ホームヘルパーは経験と研修を積むことによって
家事援助型サービスから
介護型サービスに至るまで,その職務を立派に果たしております。しかしながら,
障害者やお
年寄りの家庭を取り巻く条件が多様化するもとで,
ヘルプの
サービス向上が求められている状況も広がっております。こうしたニーズにこたえる上で,いま
ヘルパーの専門性に着目した
スタッフの確保が大きな課題となってきていると思うのであります。
ヘルパー派遣が必要な
家庭事情にあっても,適切な介護ができないことから派遣が断られ,施設入所しなければならないということも現に起こっております。
ある4歳の
脳性マヒの子供がそうであります。この子は
吸引分娩による出産で,その際脳障害が起こり,
脳性マヒとなったのですが,4歳まではこの子の母親が
母子訓練センターに通いながら一生懸命育ててきました。ところが,母親は1人で24時間の介護に疲れ果て,倒れてしまったのです。母親が倒れた後は,母親の両親,祖父母の手によって介護されました。その祖母も難病を抱えた身で,24時間の介護は厳しく,だれかに少しの時間でも助けてほしいと
ヘルパー派遣を要望しましたが,
ヘルパーは派遣されませんでした。その理由は,この子は,のどに詰まるたんを常時取り出すために,のどの
切開手術を受けており,のどのたんを取り出すのに専門性が要求されるということで,本市の
ヘルプ事業では対応できないということでした。適切な
ヘルプがなされれば家庭で生活ができたこの4歳の子供は,結局,小樽の療養所に入所したのであります。
いま
在宅福祉が叫ばれておりますが,本来,在宅で福祉が受けられるようにする上でも,
介護型ヘルパー事業の充実の観点からも,専門性を身につけた
スタッフの確保,養成に努めるべきと考えますが,今後どのように取り組むのかお尋ねをします。
質問の第3は,在宅の
重度障害児・者のための
ショートステイ,一時
保護施策の充実に関してであります。
本市には,
国庫補助事業としての一時
保護施設がありますが,どの施設も数ヵ月先まで予約者で満員の状況にあります。また,委託している病院についても,15歳以上を対象に1ヵ所,15歳未満を対象に1ヵ所あるだけで,しかも,15歳
未満対象の病院は,小児科は閉鎖されているのであります。これでは家族の事故や病気あるいは
ヘルパーが確保できないなど,さまざまな事情が生じた場合,在宅の
重度障害児・者は一時保護を受けられないのであります。市長は,こうした現状をどのように認識され,今後,
在宅重度障害児・者の一時
保護対策を充実されようとしておられるのか,お尋ねいたします。
質問の第4は,
国庫補助事業である
日常生活用具給付事業についてです。
寝たきりのお
年寄りも
重度身体障害者も,ともに
日常生活を容易にするためのものとして,
国庫補助事業として
用具給付が行われています。その
日常生活用具を扱う
指定業者は,
寝たきりのお
年寄りの場合は,昨年度までの3社からことしは19社へと広がり,利用の拡大が期待されております。しかし,問題は,どんなにふさわしい商品があっても,国の定めている基準額が大変低く抑えられており,症状に見合ったものを給付してもらえないということです。
たとえば
特殊ベッドの場合,国の基準で手動式でも電動式でもよいとされていますが,実際には,15万9,200円の基準額では
手動式ベッドしか給付されません。
手動式ベッドを給付された
寝たきりのおじいさんが,せっかく起き上がることのできるベッドなのに,介護するおばあさんがこの操作が大変なために十分生かすことができず,
特殊ベッドとしての機能を活用していない実情があります。やむを得ず4万円も
自己負担をして電動式に改造している利用者もいます。体の不自由なお
年寄りや
障害者のために,
スイッチ一つで操作できる
電動ベッドが支給されるよう国の基準を引き上げるべきと思います。
また,札幌市独自で
電動ベッドも選択できるよう
上乗せ措置を講ずるべきでありますが,いかがでありましょうか。このことは,
特殊ベッドだけでなく,すべての
日常生活用具について言えることでもあります。実態に見合う
日常生活用具給付事業となるよう,制度の
抜本改善を求めて,国に対して基準の改正,基準額の引上げを要望すべきでありますが,いかがかお尋ねいたします。
次に,
高齢化対策部での
日常生活用具給付事業への対応の問題についてです。
これまでは,
重度身体障害者の対応と同様に,基準額内までは商品も業者も
利用者自身が選択することができました。ところが今年度から,本市は,国の基準額よりもさらに低い金額で抑えたものを含めて
商品指定をしました。なぜ,ただでさえ低過ぎる国の基準額より低い単価にする必要があったのか。また,せっかく
指定業者もふえ,多種多様の商品から,よりよいものを利用者が選択できるようになったその瞬間から,あえて
商品指定をし,選択の範囲を狭くしなければならなかったのか。以前のように
利用者自身が選択できる制度に戻すべきでありますがいかがでありましょうか,お尋ねいたします。
質問の第5は,
自助具給付事業と,これに関連する
住宅改良についてです。
自助具給付事業は,
寝たきりのお
年寄りには
道費補助事業として,
重度身体障害者には
本市単費事業として実施されています。自助具が
日常生活用具と大きく違うのは,歩行を助けるものであったり,あるいはトイレやおふろなどを使いやすくするものであったりと,
動作そのものを補うものであることです。その中でも,特に重要なものとして手すりが挙げられます。寝込み始めたお
年寄りには,
寝たきりにならないために,
最低限自分でトイレに行けるように介護することがポイントだと言われています。
重度身体障害者でも,ベッドから目的地まで支えがあれば足を運ぶことができる人もいます。このような方々にとって,手すりは不可欠なものです。
ところが本市の実態は,お
年寄りには
トイレ用と
ふろ用手すりが,
重度身体障害者には
ふろ用手すりのみが
給付対象となっており,差異がつくられ,おまけに取りつけ料は
自己負担となっています。寝室や居間からトイレやふろに行く過程は対象外となっているのであります。トイレやふろにたどり着けなければ,せっかく給付した手すりも役立たないということになるのではありませんか。ここに,お
年寄りや
障害者の実態,実情に配慮を欠いた本市の対応が示されているのではないでしょうか。市長は,いかがお考えでありましょうか。必要な手すりの設置を取りつけ料を含めて助成するよう改善すべきでありますが,市長のお考えをお尋ねします。
いま,東京の江戸川区が行なっている「
すこやか住まい助成制度」が全国の大きな注目を集めています。これは,介護を必要とするお
年寄りが住んでいる家を介護しやすいように改造しようとする制度で,本市の
自助具給付事業では対象から外されている室内及び玄関の
段差解消,簡易な
昇降リフトや
入浴リフトの設置なども対象としています。60歳以上の介護を必要とするすべての世帯に
所得制限なしで,また上限なしで
改造費用のすべてを区が助成するものです。これまでの江戸川区の実績を見ますと,1件当たりの助成額の平均は82万円,最高は392万円だといいます。本市においても,江戸川区の取組みを参考にして,お
年寄りや
障害者が在宅で安心して生活できるように,また介護しやすいように,
住宅改造助成制度をスタートさせるべきでありますが,市長のお考えをお尋ねいたします。
次に,お
年寄りや
障害者のための住宅問題についてです。
質問の第1は,
ケア付住宅についてであります。
本市住宅対策協議会の昨年3月の
中間答申は,
公営住宅の建設に当たっては,地域のニーズに応じて
老人福祉施設等との複合化を図り,入居者及び
周辺住民が,保健,医療,
福祉サービスをいつまでも受けられるよう
拠点整備に努める必要があると,
ケア付住宅についての提言を行なっておりますが,本市において新5年計画に新たに6ヵ所の
緊急対応型,いわゆる
麻生方式の
ケア付住宅が盛り込まれたものの,
福祉施設と相まって,保健,医療,福祉の
サービスを受けられるような,いわゆる複合型の
ケア付住宅については見送られております。再開発にも関連して地上げが進み,お
年寄りなどが追立てを食っている中央区の創成川以東地域などから,複合型の
ケア付住宅を求める請願も一昨年来,本市議会に提出されており,この問題は,いまや重要な高齢者福祉対策の柱の一つともなっております。
いま,
ゴールドプランの作成作業とも相まって,全国の主要都市がこぞってこのような複合型の
ケア付住宅の建設に取り組んでいる中,本市においても,住宅対策協議会の答申にこたえる立場で,早急に検討と具体化が必要と考えるものでありますが,いかがでありましょうか。前向きの答弁を求めるものであります。
質問の第2は,低所得の高齢者や
障害者などに対する住みかえ家賃の助成についてであります。
本年4月に出された
本市住宅対策協議会の最終答申は,
自立生活と継続居住の支援が必要だとして,長年住みなれた地域への愛着を尊重した施策とし,地域密着型のコミュニティ
公営住宅の供給とあわせて,住宅困窮者への家賃助成を推進すべきと提言しています。また,すでに川崎市などでは,建てかえ等による立退き要求を受け,住宅確保に困窮する民間賃貸住宅居住の低所得の高齢者世帯に対して,住みかえによって生ずる家賃の差額を助成する制度がスタートしています。転居前の家賃と転居後の家賃の差額について,月額7万円を限度とした家賃助成を実施しているのであります。
本市においても,住宅対策協議会の答申において,特に中央区には老朽化した低水準の民間借家が集中しているため,多くの
ひとり暮らし老人が劣悪な居住状況にあると指摘していますが,その中央区などでは,古い木造アパートと,これを壊した後にできる賃貸マンションとでは大きな家賃の格差があって,住みなれた地域から離れたくないというお
年寄りの願いにもかかわらず,住みかえが困難な状況が生まれています。今日,生活保護基準で見られる家賃は,
ひとり暮らしの場合3万円,世帯持ちでも3万6,000円でありますが,中央区に新しくつくられる賃貸アパート・賃貸マンションの家賃は,最低でも5万円ほどになっており,お
年寄りに住みなれた地域に安心して住み続けていただくために,このギャップを埋める家賃助成制度は不可欠であります。市長は,お
年寄りの願いにこたえ,
本市住宅対策協議会の答申を尊重する立場で,緊急を要する住みかえ家賃助成制度を早急に検討,実施すべきと考えますがいかがでありましょうか,お尋ねいたします。
質問の第3は,お
年寄りや
障害者のための借上げ福祉住宅についてであります。
最近行われた本市市営住宅の抽せんで特徴的なことは,
ひとり暮らしやケアを必要とするお
年寄りに対する市営住宅の提供が実情に見合うものとなっていないということであります。ことしの場合も20倍から30倍もの狭き門となっているといいます。高齢化時代に向けて,
ひとり暮らしを含めて,老人・身障者世帯が安心して暮らせる需要に見合う市営住宅の建設は焦眉の課題となっておりますが,同時に,それを補完する民間共同住宅の借上げなどによる福祉住宅の確保も重要であります。これもまた川崎市などですでに実施されていることであり,
本市住宅対策協議会の答申においても,緊急対策として盛り込まれた施策でもあります。答申は,良質な民間借家を借り上げ,これを低廉な家賃で賃貸することにより,居住の安定性の確保と家賃負担の軽減を図るべきであると明記しているのでありますが,市長は,単身の高齢者などに対する市営住宅の建設を需要に見合うよう,どう拡大しようとしているのか。また,民間借家の借上げによる家賃負担の軽減や公的助成による民間借家の建設促進について,どう受けとめ,どのように具体化されるのか,明らかにしていただきたいのであります。
次に,輸入食品の安全対策の問題についてです。
政府は14年ぶりに農薬の残留基準を変更しようとしていますが,この基準は日本独自の食品安全基準をなし崩しに緩和するもので,アメリカなどの市場開放の圧力に屈するものだと厳しい批判の声が上がっております。市民団体や消費者団体からは,余りに甘い基準だ,ないほうがましという声が上がり,答申がなされた4月28日には,全国消費者団体連絡会や主婦連合会など10団体によって,厚生省前でポストハーベスト禁止と食品の安全確保のための抗議行動も行われました。
今回の残留農薬基準案は,たとえばジャガイモの発芽防止剤であるクロルプロファムをとって見れば,この農薬は国内では発芽防止剤ではなく除草剤として使用されていますが,農薬取締法の登録保留基準が0.05ppmであるにもかかわらず,今回の基準では50ppmと1,000倍も拡大されているのであります。人間が1日に摂取してよい量,いわゆるADIを同じ発芽防止剤のマレイン酸ヒドラジドと比べると,クロルプロファムは50分の1,すなわち50倍も毒性が強いのに,今回の残留基準は同一であります。
また,今回の諮問で初めて登場した殺虫剤ジクロルボスは,アメリカでは発がん物質とされているものであります。パンの原料である小麦のポストハーベスト農薬マラチオンの基準案は,これまた80倍もの緩和となっています。日本では収穫後の農薬散布は行われていない中で,このような輸入食品に伴う残留農薬の不安は増大するばかりであります。
本市議会においては,本年第1回定例会で,食品の安全性確保に関する意見書を全会一致で可決し,こうしたポストハーベスト農薬の規制緩和を行わないよう政府に求めたところであります。市長は,市民の安全な食品を確保する立場で,厚生省案の撤回を求め,輸入される穀物や生鮮食品,食肉,飼料などの残留農薬の厳しい基準を設定するよう政府に要望すべきと考えますが,いかがでありましょうか。今日までの対応を含めて,市長のお考えをお尋ねします。
次に,本市独自の食品安全条例の制定についてであります。
食品安全条例について,市長は第1回定例会で,食品衛生法の運用などで十分であるかのような答弁をされましたが,実際には,基準が設定されていないものは食品衛生法では取り締まれないとして,事実上野放しであります。たとえば最近の新聞報道の中で,フィリピンではパイナップルを水槽に数秒浸す。水槽には,殺菌剤ベノミルとある種の油を混ぜた薬液を使ってきた。89年以降は,日本向けのものに限って殺菌剤トリアジメホンをかわりに使っているとの記事がありましたが,どちらの農薬も日本では食品衛生法に定める残留基準がないため,輸入された後で仮に高い濃度で残留していたことがわかっても,流通を食いとめる強制力はないのです。しかも,パイナップルなどは検疫段階で害虫のチェックはあるものの,残留農薬の検査体制はとられておりません。
そのような中,食品衛生法で基準がないものについては規制するとの立場を貫いて,独自に条例を制定し,食品の安全性を守っている自治体もあります。学校給食パンでかつて使用されていた臭素酸カリウムの禁止の先駆けとなった愛知県の津島市であります。ここでは,食生活に関連する分野での安全性を増進し,市民の現在と将来にわたる安全な食生活を確保することを目的とする食品等の安全監視に関する条例を制定し,消費者が過半数含まれている
委員会も設けられ,自治体独自で食品の安全性確保に継続的に努力しております。
また,東京都においては,3年前に食品安全条例の直接請求運動が行われ,今回,自治体レベルで初めて,残留農薬に独自の指導基準を設けたほか,食品の安全性確保のため消費者,業者,行政による協議機関を設置する方針とのことであります。
本市においても,基準未設定の農薬等については,原則禁止の立場に立った独自の食品安全基準を設定すべきです。これらを盛り込んだ食品安全条例の制定を行うべきと考えますが,いかがでありましょうか。また,大型店など本市中央卸売市場を通らない輸入食品の流通実態を把握し,輸入食品などの監視検査体制をより強化すべきと考えますがいかがでしょうか,市長のお考えをお尋ねいたします。
次に,ごみの減量・リサイクルの諸問題についてです。
最近,地球環境への深い関心とも結びついて,ごみの減量・リサイクルが市民の間で具体的に取り組まれてきています。ところが,昨年来のバブル経済の破綻で,景気の冷込みにより古紙,鉄くずなどの再生資源の価格が暴落し,資源回収の中で最も量が多い古紙の価格が,88年次でメーカー工場着価格がキロ20円だったものが,本年3月には15円にも下がり,末端価格も3円で取引きされています。スチール・アルミ缶もただ同様となっており,鉄くずも末端回収業者が買い取る価格も,昨年1トン当たり1万円以上だったものが3,000円までに引き下がっています。このため,市民から再生資源を直接集めている回収業者は人件費すら確保できず,廃業や転業せざるを得ない深刻な状態に陥っています。
しかし,末端回収業者は市民と信頼関係で営業を行なっており,市民が集めたスチール缶などの再生資源は,収益がなくても引き取っているのが現状であります。このままで推移すれば,市民へのリサイクルもかけ声だけに終わる危険性も出てきます。なぜ再生資源の価格が暴落するのでしょうか。古紙の問題でいえば,大手製紙メーカーは製紙原料のほとんどを低価格の輸入パルプや安い輸入古紙によって確保していること。また,製紙メーカーが再生紙の生産のための設備投資を怠っているところに最大の原因があります。
このほど,わが党調査団が苫小牧の王子製紙工場を視察してまいりましたが,王子製紙工場での古紙混入率が18%で,本格的にリサイクルを進める体制になっていないのが現状であります。鉄鋼・製紙メーカーは末端回収業者の経営が成り立つ価格で再生資源を買い入れる責任があり,また,古紙や鉄くずの混入率を高め,リサイクル体系の確立を目指す責務も持っています。
このほど,札幌市リサイクルシステム制定
委員会は中間提言を発表しましたが,その中で「現在の大量生産,大量消費型の経済活動をこのまま進めていけば,地球環境は早晩危機的な状況に陥ることは必至」と述べていますが,ごみ問題の解決は,大企業がつくり出している大量生産,大量消費型など,浪費の構造にメスを入れることです。最近,1升びんの再利用が鈍り,回収業者が引取りを拒否していますが,ビール,酒,ジュース,しょうゆなどの製造企業は,重くて消費者が嫌がるなどの口実で,プラスチック,紙パック,缶などの使い捨て容器に切りかえています。こうしたプラスチック容器などの使い捨て商品は,すでにイタリアでは特別に課税され,ドイツでは使用中止,オーストリアでは生産禁止など,諸外国ではいろいろな制限を行なっているところです。
ごみ問題の解決は,大企業利益本位の大量生産,大量消費型の浪費構造を社会的に規制するとともに,製造企業などの責任を明確にして,リサイクルを第1に考えたリサイクル社会の形成が重要であります。そのためにも,新聞用紙やOA用紙,トイレットペーパーなどの古紙混入率の公的基準を確立すること。スチール空き缶は,全量を鉄鋼業界に引き取らせる。紙パックを含む古紙,空き缶,空き瓶などは,メーカーやスーパーに引き取らせる義務を負わせるなどのシステムを確立することであります。また,冷蔵庫,テレビなど,処理困難な廃棄物は製造メーカーなどに回収義務を負わせることです。
以上の立場に立って,ごみの再生資源のリサイクル問題について質問いたします。
質問の第1は,古紙など,再生資源の回収システムの確立と価格の安定についてであります。
いま,ごみの減量・リサイクルを促進させる立場から,再生資源取引価格の暴落を是正させなければなりません。市長は,国や製紙メーカー,鉄鋼メーカーに対して,古紙や鉄くずなどの再生資源の混入率の向上を申し入れるべきです。また,メーカーに社会的責任を果たさせる立場で,末端業者の経営が成り立つ価格で引き取るように申し入れるべきと考えますが,市長のお考えをお尋ねいたします。
質問の第2は,資源回収業者に対する育成についてであります。
札幌市の集団回収事業に約160業者がかかわっていると言われています。再生資源の価格が暴落している状況のもとで,集団回収を支えているのは,資源回収業者と言っても過言ではありません。すでに他都市でも実施していますが,集団回収奨励金制度の中に,回収業者も対象に加えるべきであります。また,経営が困難な資源回収業者に対して融資のあっせんや経営相談,また,集団回収事業から発生するごみの処理に対して,市清掃工場への持込手数料の減免を行うなど,資源回収業者の育成を具体的に実施するべきだと考えますが,市長のお考えをお尋ねいたします。
質問の第3は,資源回収の促進についてであります。
集団資源回収には2,000団体が登録され,市民が再生資源の回収にかつてない取組みを行なっていますが,こうした市民のごみの減量・リサイクルの取組みを支えていく上でも,市民,回収業者,行政が一体になって資源回収のシステムを確立しなければなりません。その上でも,市として回収業者を登録し,資源回収団体など取組みを援助する一つとして,いつでも回収業者を紹介できる体制を確立すべきであります。また,古紙再生紙の利用を高めるための広報活動を積極的に,かつ具体的に展開すべきです。市長のお考えをお尋ねいたします。
なお,一昨日の本会議で市長は,市民意識の動向を見きわめつつ,ごみ有料化についても検討する旨答弁されましたが,ごみの無料化については,いまから22年前,市民の強い運動を背景に議会が全会一致で請願を採択し,市長の公約ともなって2年後に実施されてきたものであり,軽々に有料化問題を論じるべきではないことをここで指摘しておきます。
最後に,白石区の諸問題についてお尋ねいたします。
最初の質問は,JR白石駅の北側改札口の開設と駅前広場の整備についてであります。
JR白石駅は1日平均1万1,200人からの利用者があり,JRは白石区の区民にとって重要な交通機関の一つでもあります。また,利用者の8割は駅の正面とは反対側の北郷地域の利用者であり,改札口のない北側の利用者は,行きは線路の上の陸橋を渡り,改札口を抜けたら,また岩見沢や千歳方面の乗客は駅構内の跨線橋を上りおりしなければならず,帰りは札幌方面からの乗客は,ホームから跨線橋の階段を上りおりして改札口を通って,また陸橋を上りおりしなければならないのです。特に,高齢者の方や心臓病の持病を持つ通勤者などは,階段の途中で休まざるを得ないという実情です。JR白石駅北側に改札口を設置してほしいと地元住民からも強く要望が出されており,わが党も地域住民の方々と一緒に,JR北海道にも要請を重ねてきているところです。
そこで伺いますが,本市においても,JR北海道に要望してきているとのことですが,住民の切実な要求を実現する立場で,今後どのように北側改札口の実現を図っていくおつもりなのか,お伺いいたします。
また,第2次5年計画にも盛り込まれているJR白石駅の南北駅前広場の整備についてです。
すでに改札口のある南側の整備は進められているところですが,北側の北郷側駅前広場整備はこれからでありますが,その具体的な整備計画についてお示しください。北側の地域は線路に沿って細い道路があり,その前は両側を住宅地域で囲まれた農地があり,また,この地区の生活道路も大きな道路につながっていないなど,付近の整備も含め考えなければなりません。地元住民は北側改札口とあわせて,この北側駅前整備を強く望み,市バスを走らせて駅前にバス停を設置してはどうかとか,住民が憩える公園的な広場にしてほしいとの声も上がっております。この北側駅前広場の整備について,どのような具体的計画をお持ちなのか,お伺いいたします。
質問の第2は,市街化調整区域の下水道整備事業についてであります。
本市の下水道事業は,第6次下水道整備5ヵ年計画をスタートさせ,市街化区域100%目指し,さらに市街化調整区域の普及をも目指そうという方針が打ち出されています。白石区の調整区域からの要望も強い次の箇所については,どのような計画で,いつまでに下水道を普及させようとしているのかお尋ねいたします。
一つは,川北地区についてであります。白石高校前の市道13号幹線道路の下水整備についてですが,ここは道路の拡幅整備も予定されているところであり,当然,道路拡幅整備工事とあわせて下水道整備を行うべきだと思います。道路整備は今年度から月寒川にかかる橋梁整備や用地買収等が開始されていますが,具体的な下水道整備計画をお示しください。
あわせて,白石高校の裏側に,来年度,市バス白石営業所が移転される予定となっていますが,下水道整備はまだ具体化していないところであります。さらに市バス営業所移転用地の隣接地には,平和通4丁目の救護施設を移転する計画もあるようですが,この周辺地域には,昨年,住民の強い要望でやっと上水道を引くことができた30戸ほどの住宅地域があります。市の施設や
福祉施設などの移転も予定されているわけですから,これに合わせて下水道も整備すべきでありますがいかがでありましょうか,お尋ねいたします。
もう一つは,東米里地区への下水道整備についてです。この地域は,道央自動車道建設や本市のグリーンベルト構想で50戸からの住民が他地区へ移動してしまいましたが,現在でも農協の支所から小・中学校,郵便局もあり,318世帯927人が居住する地域でもあります。児童数の減少で昨年から小学校の一部の学年が複式となったのですが,教育
委員会は,この東米里小・中学校のくみ取り式トイレを水洗化したい,とりあえず簡易水洗にしてでもと考えているようでもあります。しかし,これら地域の東栄町内会など3ヵ所については,すでに昨年4月に建設省の下水道整備対象地域に認可されたところであり,下水道整備を急ぐことがよりベターだと考えますが,この東米里地区への下水道整備に対する市長のお考えをお示しください。
以上で,私の質問のすべてを終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私から,3項目についてお答えをいたします。
初めに,
在宅福祉についてのご質問でありますが,1点目の
老人保健福祉計画の策定についてであります。
この計画の目標量とその達成時期は,高齢者のニーズ把握を含む
実態調査によって明らかになるものだと考えております。本市におきましては,これまでも
在宅福祉事業の充実強化に努めてまいりましたが,これらの事業の果たす役割は,今後ますます重要になるものと認識しておりますので,このことを十分踏まえて策定作業を進めてまいりたいと考えております。
なお,
実態調査は,国の具体的な策定方針が明らかになり次第,速やかに実施いたしたいと考えております。
第2点目のホーム
ヘルプサービス事業についてでございます。
ホームヘルパーの
サービス内容と増員についてでございますが,
ヘルパー派遣の回数,時間及び
サービス内容の決定は,申請に基づいて訪問調査の上で,身体や世帯の状況等を十分に勘案して行なっているものであります。
また,介護型ホーム
ヘルプサービスの拡大につきましては,これは重要な課題と認識しておりますので,直営
ヘルパーに加えて,在宅
福祉サービス協会の事業の拡充や
在宅介護支援センターにおける介護型ホーム
ヘルプサービスの充実など,今後とも効率的で柔軟性のある体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
また,日曜・祝祭日の派遣や代替
ヘルパーにつきましては,今日的な労働事情もありますので,今後さらに研究してまいりたいと考えております。
次に,
ホームヘルパーの専門性と養成についてでございますが,
ヘルパーの業務内容は,生活に必要な直接的,平常的なものに限られており,現状では,医療的知識と技術を伴うものについては難しいのではないかと考えております。
次に,第3点目の
在宅重度障害児・者の一時保護についてでございます。
重度障害児・者を介護している保護者の方が病気などで介護ができなくなった場合の緊急一時保護は,現在,
福祉施設や医療機関など13ヵ所を指定しているところでありますが,中でも重症心身障害児・者の場合には,24時間の看護体制や医療整備の整った病院以外では受入れが難しい状況にあります。そのため,さらに医療機関などの理解と協力を得られるよう,強く働きかけてまいりたいと考えております。
次に,第4点目の
日常生活用具給付等の事業についてでございます。
この給付事業の中で,特殊寝台については今年度から基準額が大幅に引き上げられたところでありますが,なお,他の
日常生活用具も含めまして,その実態を把握した上で,国に対して基準額の引上げを要請してまいりたいと考えております。
また,単価契約制度の導入につきましては,これまで基準額を上回るものが多いため,利用の高い品目について,単価契約をすることによって基準額内となるよう,利用者の負担軽減を図ったものであります。指定以外の品目を希望する場合には,これまでとおりの給付が可能となっております。
第5点目の自助具の給付と
住宅改良についてでございます。
自助具の取りつけ料につきましては,家屋の構造あるいは取りつけ場所などによってそれぞれ異なるものでありますので,一律に給付基準を設けることは難しいものと考えます。また,お
年寄りや
障害者のいる世帯が増改築等を行う場合には,低利の住宅整備資金貸付制度があって,
ふろ用手すりや
入浴リフト,居室・玄関の
段差解消なども対象としておりますので,この制度を十分に活用していただきたいものと考えております。
次に,お
年寄りや
障害者のための住宅問題についてでございます。
第1点目の
ケア付住宅についてでございますが,市営住宅と
福祉施設等との複合化を図った
ケア付住宅につきましては,市営住宅の建設計画に合わせて整備に努めてまいりたいと考えております。まず,
デイ・サービスセンターとの複合化について検討をしているところであります。
第2点目の住みかえ家賃の助成についてでございますが,立退き等によりまして住みかえをしなければならない高齢者等の住宅困窮者に対する施策につきましては,他都市の制度も含め,研究してまいりたいと考えております。
第3点目は,借上げ福祉住宅についてでございます。
まず,単身高齢者などに対します市営住宅の建設につきましては,これまでも計画的に建設してまいりましたが,市民要望にこたえるため,現5年計画では,単身高齢者向け住宅を300戸,車いす使用者向け住宅については60戸の建設を計画いたしております。今後とも供給推進に努力してまいりたいと考えております。
次に,民間借家の借上げによる家賃負担の軽減や公的助成による民間借家の建設促進についてでございますが,高齢者等の住宅に困窮する低所得者に対する施策につきましては,基本的には
公営住宅による直接供給により対処していくべきものと考えております。
なお,今後も,住宅対策協議会の答申を踏まえ,本市の住宅行政の推進に努力してまいりたいと考えております。
次に,白石区の諸問題についてお答えいたします。
第1点目のJR白石駅の北側改札口の開設と駅前広場の整備についてでございますが,JR白石駅につきましては,年々乗降人員が増加していることから,本市といたしましても,利用者の利便性を確保するため,南口駅前広場の整備を鋭意進めてきたところであり,本年秋には完成の予定でございます。
ご指摘のありました北側改札口と北側駅前広場の設置につきましても,これまで各方面から多くの方々から要望のあったところであり,私もその必要性を十分認識しているところでございます。
そこで,北側改札口の開設につきましては,従来からJRに対し要望してまいりましたが,今後ともJRとの連絡調整会議の場などを通じて,この早期実現に向けて働きかけてまいりたいと考えております。
また,北口駅前広場の整備につきましては,用地確保などの課題を抱えておりますことから,関係する地域の皆さんのご理解とご協力を得ながら,その実現に向け努力してまいりたいと考えております。
次に,第2点目の市街化調整区域の下水道整備についてでございますが,川北地域の13号幹線道路及び白石高校周辺の市街化調整区域の下水道整備につきましては,当地区に市バス白石営業所及び
福祉施設等の移転が予定されておりますことから,現在,実施に向けて関係部局と調整を図っているところでございます。
さらに,ご指摘の東米里地域の下水道整備につきましては,全市的に,大規模な集落から漸次整備を進めているところでありまして,下水道整備の進捗状況等を勘案しながら,当該地域の事業化を進めてまいりたいと思っております。以上です。
○議長(
見延順章君) 木戸助役。
◎助役(木戸喜一郎君) 輸入食品の安全対策について,私からお答えいたします。
第1点目の残留農薬基準の設定に関する対処方針につきましては,全国衛生部長会において,基準の定められていない農薬を新たに設定するよう国に要望しているところでございます。本市といたしましては,現在,国が検討している残留農薬基準は,日本人の食生活の実態を踏まえて適切に設定されるものと認識しております。
次に,第2点目の独自の食品安全条例の制定につきましては,国においては,食品衛生法に基づき残留農薬基準を順次設定することとしており,この基準を適切に運用することによって,市民の食生活の安全を確保できるものと考えております。
また,輸入食品の監視・検査体制につきましては,増大する輸入食品の安全を確保するために,本年4月に新たな体制を整備したところであり,今後とも輸入食品の安全確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(
見延順章君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 私から,ごみの減量・リサイクルについてお答えいたします。
第1点目の再生資源の回収システムの確立と価格の安定についてでありますが,昨年10月に再生資源の利用の促進に関する法律が施行され,制度的な枠組みが整備されたところであります。国の指導を受けて,一部企業では,すでに再生資源の利用拡大に取り組んでいるところもありますが,まだ十分に機能していない面もございますので,その促進や価格の安定について,全国市長会,全国都市清掃会議等を通じ,さらに要望してまいりたいと考えております。
第2点目の資源回収業者の育成についてでありますが,回収業者の事業活動は,集団資源回収を積極的に進めていく上で欠くのことのできないものと考えております。したがいまして,資源回収業者の育成に当たりましては,業界や他都市の状況等を見きわめながら対処してまいりたいと考えております。
第3点目の資源回収の促進についてでありますが,集団資源回収事業に携わる回収業者につきましては,すでにその名簿を地域別に作成し,資源回収団体からの照会に応じているところでございます。
また,古紙などの再生品の利用促進につきましては,イベントや広報誌を通じて広く市民への普及・啓発をしてきているところでありますが,今後,さらに充実させてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(
見延順章君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
――――――――――――――――
休 憩 午後1時54分
再 開 午後2時25分
――――――――――――――――
○副議長(湊谷隆君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。中嶋和子君。
(中嶋和子君登壇・拍手)
◆中嶋和子君 私は,市民ネットワーク北海道を代表して,当面する市政の諸課題について質問させていただきます。
6月4日からブラジルのリオデジャネイロで国連環境開発会議が開かれています。地球温暖化や人口の爆発的増加,フロンガスによるオゾン層の破壊,海洋汚染,酸性雨,熱帯林の減少などによって地球は危機に瀕しています。いま,地球環境の保全に向けて,国連や国,自治体,企業,NGO,市民と,あらゆる人たちが大きく動き出そうとしています。
日本は,いままで経済の成長を優先する余り,水俣病を初めたくさんの公害を生み出してきました。こうした反省の上に立って,環境を大切にした社会をつくり上げるべきときにきています。
自治体レベルでも環境問題に対する取組みが高まり,5月20日から3日間にわたって,十勝の池田町で第1回環境自治体会議が開かれました。全国の自治体から,市町村長,自治体職員,議員,市民が一堂に会し,自治体を環境重視へ変えていくためのさまざまな議論が交わされました。最終日には,環境自治体池田町宣言が採択されております。
それには,これまでも市町村は自然保護や公害防止に直接的な責任を負い,水や廃棄物行政の担い手として努力を払ってきたが,さらに水,有機農業,自然環境,エネルギー等,それぞれの問題を持ち寄り,相互交流を深め,21世紀を担う子供たちを初め,この地球上のすべての人,すべての生物と共存・共生する文化をつくり出すために,世界の自治体の連帯を基礎に努力すると述べられております。これはまだ第一歩の試みではありますが,すべての自治体にこの宣言の理念を具体化していくことが課せられていると言っても過言ではありません。
こうした認識に立って,幾つかの質問をさせていただきます。
まず第1番目は,国際化についてお伺いいたします。
ミュンヘン市との姉妹都市提携20年に当たり,本市の姉妹都市交流のあり方と国際化政策について伺います。
本市は,1959年ポートランド市と,また,1972年本市での冬季オリンピック開催を機に,同年夏季オリンピックを開催したドイツのミュンヘン市と姉妹都市提携が実現しました。その後,1980年には瀋陽市,1990年はノボシビルスク市とおのおの姉妹都市提携を結んでおります。本市の長期総合計画でも国際化,情報化の推進を挙げており,世界に結ぶ札幌を目指しております。いまや,国際化,国際都市づくりは時代のキーワードとも言えます。
一体,国際化とは何か,なぜこのようなブームとも言える状況が生まれてきたのかを考えてみますと,第二次臨時行政調査会以降の国の統治戦略としてあったと言えます。1987年6月30日,閣議決定された第4次全国総合開発計画,いわゆる4全総は,2000年を目標とした国,地方公共団体の施策の総合的かつ基本的な計画です。
計画の柱の一つとして,地域の国際化の推進がうたわれています。この点で,これまでの全国総合開発計画とは異なった特徴を持っています。すなわち,地域の活性化を目標とし,その基本戦略として地域の国際化を位置づけています。その具体的方策として,ハード・ソフト両面における国際交流のための基盤整備の必要性が述べられています。
総理大臣の諮問機関,国際協調のための構造調査研究会は,1986年,貿易不均衡に対する外圧から世界経済における目本の責任を問われ,輸出主導から内需拡大へと政策を転換し,世界に貢献する日本という考え方を提起しています。すなわち,現在多数の自治体で展開されている国際交流は,まさに上からの国際化戦略に沿ったものであったと言えます。この戦略の流れの上に国際貢献のPKO法案があることを強く批判しておかねばなりません。
では,国の国際戦略ではない,自治体にとっての国際化とは,どのようにあるべきでしょうか。
市民ネットワークでは,ミュンヘン市を含むドイツの行政を研究いたしました。ミュンヘン市は,ドイツの中でも保守的で,高齢化が進んでいると言われるバイエルン州に属しています。その政策,制度には,学ぶべき点が多々あります。
ミュンヘン市議会では,1990年12月に,熱帯材の伐採により森林が破壊されていく現状を憂慮し,熱帯材不使用を決定しました。公共建築物への熱帯木材の不使用と,民間資金による建築物にも利用を控えること,国内林の伐採についても環境保護に留意することを定めています。しかしながら,そのような情報は本市の建築局には全く伝わってはおりませんでした。
ごみ政策について見ましても,500メートルごとに1ヵ所ある回収ステーションで,再資源化可能なものとそうでないものを徹底して分別しています。いわゆるリユース(再使用)・リサイクルなどに行政と市民の環境保護への強い意欲が感じられます。
また,バイエルン州レベルでは,使い捨て容器の全面禁止の住民投票が行われました。これは否決されましたが,ごみを出さないシステムづくりへの真剣な取組みがなされております。緑の党の結成以来,環境保護はすべての党,すべての企業の政策に取り入れられています。
ミュンヘン市では,大市長のほかに第2市長,第3市長がおり,第3市長は30代の女性で,市議会議員80名のうち実に32名が女性です。財政局より環境局の力が強く,ステータスが高いと言われるのもうなずけます。ミュンヘンのまちづくりについても,また見るべきものが実に多いのです。
交通機関も大変安く,どこへでも一律料金で乗ることができます。1960年代の車中心の都市開発に対する反省もあり,都心から車を排除しているのです。歩行者専用ゾーンは次第に拡大され,都市空間を人間中心に転換することが基本政策となっています。交通渋滞が大きな問題となっているのに,さらに都心部に駐車場をふやそうとしている本市と比べ,何と大きな違いでしょうか。
博士号も持っているミュンヘン市の重要ポストのある男性は,「札幌との姉妹都市提携は知っているが,スポーツ交流と観光が主で,市の政策での交流はないから僕の出番はない」と語っているそうです。これらは一例にすぎませんが,姉妹都市ミュンヘンのこのような取組みが全く市民に伝わらず,本市の政策に反映されているとはとても言えず,問題と考えます。
大阪市は,姉妹都市サンフランシスコと連携し,熱帯材を公共施設に使わないモデル事業を開始しました。
また横浜市は,ハンブルクとバンコクを衛星中継で結び,「地球を救うために―横浜から」というテーマでシンポジウムを行い,横浜環境宣言を採択しました。自治体によっては,すでに国境を越えた政策交流が先駆的に取り組まれているのです。自治体にとっての国際化とは,交流によって得た情報やすぐれた施策を取り入れ,市民生活に反映させることではないでしょうか。経済交流が活発になるにつれ,国境を越えて,人,物,情報が動いています。この1年間に本市に住民登録をした外国人は496人に上り,これらの外国人と共生していくまちづくりも大きな課題になると思われます。
そこで1点目に,政策交流について伺います。
ミュンヘンと姉妹都市提携をした20年前は予想もしなかったベルリンの壁の崩壊に見られるように,世界は大きく動いています。これまではスポーツやイベント,親善訪問が中心でしたが,これらはすでに市民レベルで活発に行われております。今後は,地球規模の視点での政策交流を行い,本市の市政に反映すべきと考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。
2点目に,北方都市会議について伺います。
この会議は,自治体間の国際会議として評価できるものです。しかし,2年に1度ではイベントとしての首長会議になりがちで,具体的,現実的に政策に反映できないと考えられます。そこで,定期的事務レベルでの政策交流や情報交換が不可欠と思われます。今後の取組みについてお聞かせください。
3点目として,国際部と国際プラザの役割分担について伺います。
これまで述べてきたように,民間の国際交流と行政の役割分担を明確にしていくことが必要と考えられます。現在,国際プラザには36名の職員が配属され,うち19名が市から派遣となっております。
一方,国際部は11名で,海外からの訪問者や問い合わせに追われている状況で,国際部とプラザの職員数が逆転しているのを見ると,国際化の主体はどこか,疑問がわいてきます。そこで,国際部と国際プラザの役割を明確にお答えください。
4点目として,外国の情報の活用機能についてお伺いいたします。
現在,外国からさまざまな形でいろいろな情報が,国際部を初め庁内の各部局に入ってきていると思います。しかし,このような情報の周知や活用についての積極的な姿勢が,全庁的に欠けているように思います。
そこで,情報の有効活用を図る庁内のネットワークが必要と考えますが,市長のお考えを伺います。
質問の第2番目は,都市景観についてお伺いいたします。
日本は,高度成長に伴い,各地で高速道路や高層建築物,ニュータウン建設などが進められてきました。これらは都市の機能性と効率性を高めてきましたが,一方,地域住民に親しまれてきた自然環境を消滅させ,画一的な街並みをつくり出しています。
札幌市は,1972年の冬季オリンピックを境に一気に開発が進み,都心部を中心にどんどん街がつくりかえられております。その結果,札幌らしい街並みや景観が失われつつあります。
1991年3月に,本市の依頼を受け国際都市イメージ調査をまとめたカナダの都市計画専門家アーニー・フーラトンさんは,自然環境について,「札幌の人々は自然に対し感謝の念を抱いている一方,都市の発展過程において自然環境に余り注意を払ってこなかった」と述べています。都心では特に自然の緑が少なく自然保護への配慮が足りなかったのではないでしょうか。これからは,札幌の歴史を物語るにふさわしい建造物や自然を最大限に生かした札幌らしいまちづくりが大切と考えます。
旧札幌農学校演武場,札幌時計台は,まさにそのまちづくりにふさわしい建造物です。そして,現在の地にあってこそ,その価値があると言えます。風雪に耐えてきた建造物とあの澄んだ鐘の音が,先人の苦労をしのばせます。歴史ある建造物を1ヵ所に集めてただ眺めるだけというのでは,博覧会の展示場にすぎません。そこに生きて生活してきた人の息遣いを感じることはできません。これらを考え合わせますと,歴史的建造物の保存とその周辺の自然環境,さらに地域の景観形成は,総合的に考えなければならないと思います。
市は現在,地下鉄の赤字を抱え,財政再建を図るため,需要喚起策の一つに地下鉄沿線等の高度利用促進を重要課題としております。また,都市計画法改正などによりスタートした新しい地区計画制度は,効率的なまちづくりの推進を目指しております。しかし,このことによって歴史的建造物や緑がますます失われるのを見過ごすわけにはまいりません。
そこで,景観行政について3点質問いたします。 質問の1点目に,歴史的建造物の保存についてお伺いいたします。
本市では,1988年4月1日,個性と風格を備えた都市景観の創造と保全を目的とする札幌市都市景観要綱を定めました。また,21の重要な文化財を除き,市内に点在する歴史的建造物及び街並みなどを,さっぽろ・ふるさと文化百選に選定しました。その後4年を経ておりますが,その間,高度利用の名のもとに,都心再開発事業や郊外の宅地化により,人の心に潤いを与える自然や歴史を感じさせる建造物が消えていきました。
先日,市が調査した景観資源のうち,都心部に点在する歴史的建造物を15件ほど見てまいりました。どの建物も想像以上に趣があり,あらためて保存の意義を感じました。しかし,中央区南2条西8丁目にありました札幌軟石づくりの倉庫が,現在は駐車場になり,また西6丁目のレンガづくりの工場もなくなっており,残念に思いました。
市の再調査の結果によりますと,この10年間で,市内の歴史を感じさせる建造物が,362件のうち99件がなくなっているということです。実に,3割もの建物が消えたということです。このように,都心部から歴史的建造物が姿を消していく現実を市長はどのようにお考えでしょうか,お聞かせください。
また,歴史を感じさせる建造物や自然と新しい街並みが調和したまちづくりを進めるべきと考えますがいかがでしょうか,お伺いいたします。
2点目に,都市景観条例についてお伺いいたします。
政令都市では,京都市を初め6都市が都市景観条例を定めております。そのうち神戸市は,1978年10月20日に都市景観条例を制定し,都市景観形成上,特に重要な地域・地区を都市景観形成地域・伝統的建造物群保存地区などに指定しています。また,市全域を景観形成指定建築物等届け出地域とし,神戸らしい街の景観を守り,育て,つくることとしています。
現在,本市での取組みは都市景観要綱にとどまっており,札幌らしい景観形成がトータルで考えられたものにはなっておりません。そこで,札幌市の景観を総合的にとらえた景観条例を制定すべきと考えますがいかがでしょうか,お伺いいたします。
3点目に,景観条例を制定するに当たっての眺望点及び市民参加について伺います。
本市を囲む手稲山や恵庭岳等,雄大な山並みや豊かな川は,市民の共有の財産でもあり,札幌らしい景観と言えます。現在,大通公園から眺める大倉山や,山もなく緑も少ない東区からの手稲山の眺望は,市民にとって貴重な財産と言えます。
神戸市では,公園,山頂等多数の市民の利用に供される地点のうち,特に眺望がすぐれているところを眺望点とし条例の中に取り入れております。本市でも,各区ごとに市民に親しまれた場所からの眺望点を残すべきと思いますが,市長のお考えをお伺いいたします。
また,潤いのある景観は,歴史と文化と,さらにそこに住む人の参加と意識があって形成されるものです。魅力ある景観づくりを進めるために,地区指定する際には,いままでの学識経験者や専門家のみならず,広く市民の声を聞く場を設けるべきと考えますが,あわせてお答えください。
質問の第3番目は,アレルギーについてお伺いいたします。
5月31日,新聞各紙は「アレルギー症状3人に1人自覚」というショッキングな見出しで,厚生省の
日常生活とアレルギー様症状についての保健福祉動向調査結果について報道しております。
さて,アレルギーとは一体どんな症状をいうのでしょうか。外から入ってきた風邪の菌やウイルスなどの敵に対して,体の内部から生命を守っていこうとする働きを生体防御機構といいます。この生体防御機構の一つに免疫反応があります。アレルギー反応とは,この免疫機構が過剰に反応し,生体に対して不利益な症状を起こす現象のことです。アレルギー性疾患には,花粉症や食物アレルギー,気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などがあります。しかし,まだ免疫機構の解明は医学的にも難しく,研究の途中にあるようです。食物アレルギーには,3大坑原として卵,牛乳,大豆などが挙げられます。特に,そばは強い即時型アレルギー反応を起こすことが以前から知られております。
本市では残念ながら,1988年に学校給食でそばを食べた児童が,アレルギー性気管支ぜんそくを起こし死亡するという痛ましい事故がありました。本市で事故が起こる8年前には,堺市で同じように学校給食でそばを食べてぜんそく発作を起こした児童の例が,朝日新聞に掲載されております。このようなことが起きたときには,教育
委員会は医師会や市立病院などに問い合わせて調べるべきと考えます。そばアレルギーに注意を促すよう各学校に知らせていれば,死亡事故を防ぐことができたのではないかと思います。今後二度とこのようなことが起こらないようにすべきだと考えます。また,死に至らずとも,アレルギー性疾患に悩む子供は多く,その対策も必要と考えます。
さきの全国の4万5,000人を対象にした厚生省の調査では,皮膚,呼吸器,目,鼻のいずれかにアレルギー症状のあらわれた人は35%となっています。アレルギー以外の病気の症状があらわれている人も含まれていると見られますが,医師にかかってアレルギー性の病気と診断されたのは,このうち56%でした。症状を訴えているのは,14歳以下の子供が40%前後と圧倒的に多いのですが,年齢が高い人たちにも見られます。
さらに,大都市と郡部とを比べてみますと,すべての年齢階級において,大都市ではアレルギー症状の割合が高くなっております。特に14歳以下でこの差が大きいと報告されています。
さらに,アレルギー性疾患に悩む市民の要望としては,病院にアレルギー専門の医師を置いてほしい,アレルギーに効く薬の開発に力を入れてほしい,アレルギーと生活環境との関連を研究してほしい,保健所や病院等に専門の相談窓口を設けてほしい,アレルギーに関する情報を積極的に提供してほしい,加工食品等の成分内容を詳しく表示してほしいなどと,切実なものがあります。アレルギーは,文明病・現代病とも言われ,家の中のほこりやダニ,食品,農薬や食品添加物,合成洗剤,大気の汚染,また精神的ストレスなどが複雑に絡み合って起こると考えられています。
原因究明や治療法について,小児科や皮膚科の医師を中心に研究が進められているところです。また,横浜市では小児アレルギーセンターを建てて,アレルギー性疾患を中心に腎疾患,肥満等の小児慢性疾患の入院を含めた治療に当たっています。そこで,質問いたします。
まず1点目は,市長は,今回の厚生省の
日常生活とアレルギー様症状の調査結果をどのように受けとめておられるのか,お伺いいたします。
2点目は,そばアレルギーで死亡した児童の教訓等を踏まえて,本市でのアレルギーに関する
実態調査をするべきと考えますが,お考えをお聞かせください。
質問の第4番目は,学校事故についてお伺いいたします。
言うまでもなく学校事故は,あってはならないことであり,事前に予防することが大切です。しかしながら,学校事故はふえ続け,日本体育・学校健康センターの調査によりますと,1988年には災害共済の給付件数は144万6,000件に達しています。また,死亡件数は209件となっています。残念にも学校事故が起こった場合,被害者の制度的救済となっているのは,日本体育・学校健康センターの医療給付金及び障害・死亡見舞金が唯一と言えます。見舞金という言葉にあらわされるように,この補償は被害者を救済するのに十分とは言えません。障害が残った場合など,学校や社会へ復帰するリハビリなどの措置も必要です。日本体育・学校健康センター以外の補償を求めるとすれば,学校設置者に対する提訴しか方法がありません。
本市では,さきのそばアレルギーでぜんそくの発作を起こして死亡した児童のほか,1983年には,図画工作の授業中,竹ひごが目に当たり視力障害を起こした児童もおりました。水泳の授業中に死亡した児童,また,同学年の男子生徒から集団暴行を受けてけがをした中学生もいました。これらの児童や生徒の学校事故は訴訟に発展しています。
戦後,憲法17条に基づいて国家賠償法が制定され,学校事故補償にも道が開かれたとはいえ,この方法は時間と費用を要します。また,現行過失責任主義の法制下において,その過失の立証は困難をきわめます。そのため提訴をあきらめるケースもあると思われます。また,こうした訴訟によって教師と生徒の信頼関係が壊れてしまうことや,教師が事故を恐れる余り管理教育につながることも危惧されます。
そこで,学校事故に遭った子供たちの救済が十分行なえて,かつ教育現場の先生方が安心して教育に携わることができるような仕組みをつくり出すことが大切と考えます。生き生きとした教育環境をつくっていくためにも,国立,私立の学校で学ぶ児童・生徒の学校管理下における災害について,無過失賠償責任制に立った学校等の災害補償法などの法律をつくるべきと考えます。このような法律があれば,すべての学校事故の被害者が救済できます。この法律の制定を国に対して要請すべきと考えますが,教育
委員会のお考えをお聞かせください。
また,あわせて本市での学校事故の状況や件数などもお示しください。
質問の第5番目は,清掃事業についてお伺いいたします。
1991年10月20日,廃棄物の処理及び清掃に関する法律が改正になり,1992年7月4日までにそれに伴う政・省令が制定されることになっております。これまで清掃事業は処理,処分で終わっていましたが,さらに分別・再生まで求められることになり,各自治体にはそのための施策が義務づけられております。また,同法第3条3項では,自治体の施策に対して事業者も協力するよう求めております。
本市でも,瓶・缶分別収集が施行されることとなりましたが,粗大ごみの収集方法についても見直す必要があると考えます。本市の粗大ごみの収集方法は,年2回の収集が1970年から始まり,その後何回か見直され,1988年4月から現在の分別ごみと同時の週1回となっております。これを振り返りますと,市民に,いつでも好きなときにごみを出すよう奨励してきたようにさえ思われます。経済優先の日本の社会では,使い捨てがもてはやされ,耐久消費材もその例に漏れず,1年もしないうちにモデルチェンジをし購買意欲をかき立てています。ごみの量の多さが文化生活のバロメーターとも言われてまいりました。
しかし,ごみの減量だけではなく,環境の保全までをも視点に据えた清掃事業が求められている現在,大胆な発想の転換を図る必要があると考えます。すでに市民の間には,物を大事に使い,耐久消費材のリサイクルをする機運が高まっております。
質問の第1点目は,粗大ごみの回収方法の見直しについてお伺いいたします。
東京都では,粗大ごみの回収は,1991年7月から申込みの上有料化に踏み切ったのを初め,横浜市,川崎市等でも申込みの上,市が収集する方法となっています。一たん申込みを受けることで,市民に対し適正処理困難物を市では収集しないことを知らせることもできます。
そこで,本市でも,粗大ごみについては申込制をとるなど,収集方法の見直しを図るべきと考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。
また,粗大ごみの収集回数は,現在毎週となっておりますが,その回数についても,ごみ減量のために減らす必要があると考えますが,あわせてお答えください。
質問の2点目に,不用品の情報交換についてお伺いいたします。
5月17日,中島公園でリサイクルフェスティバルが開かれ,清掃部でも粗大ごみの中から家具などを展示して市民に提供し,大変な人気を博しておりました。市民の間には,捨てるのはもったいない,だれか使ってくれる人があればと思う人は多いのです。幾つかの市民団体では,不用品の情報を会員に流しておりますが,もっと多くの市民に知らせることも大切と思います。
そこで,情報交換の場を本市としても提供することが有効と考えます。川崎市は,「リユース」という不用品情報パンフレットを作成し,公共施設や民間のスーパーの店頭に置いて市民の関心を呼んでいます。本市でも市民向けのリサイクルと施設の早期設置が待たれるところです。当面は,清掃工場や清掃事務所の一角を不用品の交換の場に開放すべきと考えますが,いかがでしょうか。
また,市民の交流の場でもある区民センターやその他公共施設の壁面を,不用品の情報交換の場として提供したり,不用品パンフレットの作成を考えてはいかがでしょうか,お伺いいたします。
質問の第6番目に,オゾン層を破壊するフロンガスについてお伺いいたします。
5月21日の北海道新聞によりますと,1月14日,札幌上空15キロメートルのオゾン濃度が25マイクロミリバールであり,同時期の通常値の約2割しかなかったと,驚くべき事実を伝えました。これが恒常的であるかは,今後の調査を待つ必要もあります。
しかし,数年前から私たちの身の回りでも日光アレルギーが確実にふえておりますし,南極地方のオゾンホールも予想以上の速度で拡大しております。1974年初めて成層圏汚染が問題提起されて以来,世界的にはフロンガスの生産量が減少傾向にあります。
しかし,日本ではその間,5万5,000トンから13万3,000トンと,ほぼ3倍にふえているという事実は何を物語るのでしょうか。経済を優先し,規制されるまで使い続け,環境に与える影響を軽んじた結果であると考えます。
しかし,1991年4月23日,おくればせながら経済団体連合会は,経団連地球環境憲章を制定しました。その基本理念の中で,企業活動は,全地球規模で環境保全が達成される未来社会を実現することにつながるものでなければならないとしています。この憲章が生かされるように,かけ声だけではない,本当の意味での地球環境対策が望まれます。
自動車業界では,エアコンのフロンガス問題を重要視し,メーカーの直轄の工場を中心に数年前からフロンガスの回収・再使用を進めております。
また,通産省は1990年10月に,フロンガスの回収を促すため高圧ガス法の改正を行いました。しかし,末端の最終処理業者による回収は,フロンガスの回収・再使用システムが確立していないことから,いまだ手つかずの状態です。
また,冷蔵庫等の家電製品のフロンガスについては,これまで,家電業界では何の対策も講じておりません。そのため,粗大ごみとなって他の不燃物とともにパッカー車や破砕工場で処理されたため,何十年もの間,私たちの目の前でフロンガスが大気中に放出されてしまったのです。オゾン層が危機的な状況にあり,1995年に予定される特定フロン全廃を前に,一刻も早く大気への放出をとめることが必要です。
そこで,フロンガスの回収と再使用について質問させていただきます。
車両及び冷蔵庫等のフロンガス回収についてのメーカーの責任は大きいと言えます。そこで,その回収と再使用のシステムを確立するため,メーカーに対し強力に指導すべきと考えます。また,国に対しても,フロンガスの回収と再使用を製造販売業界へ強力に指導するよう要請すべきと考えます。また,代替フロンの早期普及もあわせて要請すべきと考えます。市長のお考えをお伺いいたします。
最後に,泊原子力発電所の核燃料輸送の事前公表中止についてお伺いいたします。
5月12日報道各社は,泊原発に搬入される核燃料の輸送日時,経路等の情報を非公開とするとの北電発表を伝えております。市民ネットワークは,これまでも多くの市民の原発への不安の声を議会で伝えてまいりました。また,市独自の防災計画を策定するよう提案しております。
今回の北電の発表は,これまで安全性に対する理解を広く得られるよう努めていくと繰り返してきたはずの同社の方針転換であり,情報公開の流れに大きく逆行するものです。今回の措置に大きな不安と憤りを禁じ得ないのです。
以上の重大な状況を踏まえ,質問いたします。
170万市民の不安を少しでも解消するため,市としては情報の公開を北電に申し入れるべきと考えますが,市長のお考えをお聞かせください。
また,市民ネットワークと生活クラブ生活協同組合の抗議に対して北電は,道と地元4町村には伝える,その情報を道がどのようにするかは関知しないと答えております。市は,道と連携をとって情報を入手し,広く市民に広報すべきと考えます。あわせてお答えください。
以上で,市民ネットワーク北海道を代表しての私の質問を終わります。最後までお聞きくださいまして,ありがとうございました。(拍手)
○副議長(湊谷隆君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私から,3項目についてお答えをいたします。
まず最初の国際化でございますが,第1点目の政策交流についてでありますが,本市では,姉妹都市交流あるいは北方都市会議を国際交流の柱としながら,友好親善を図るとともに,技術的な交流も行なって本市のまちづくりに反映してきたところであります。今後とも幅広い交流を着実に進め,市政に役立ててまいりたいと考えております。
第2点目の北方都市会議についてでございますが,実務者レベルでの交流につきましては,すでに,市長会議のもとに環境小
委員会を設けておりまして,さらに都市間の緊密な情報の交換が必要であるということから,去る1月に開催されましたモントリオール会議では,情報ネットワーク化について合意をしたところであります。現在,札幌とエドモントンで準備作業に入っているところであります。
第3点目の国際部と国際プラザの役割分担についてでございますが,国際交流を推進する上で,行政が直接かかわるものについては国際部が,市民主体の交流やコンベンション事業については国際プラザが行なっておりまして,この役割分担のもとに,両者が一体となって国際化の推進を図っているところであります。
第4点目の外国情報の活用機能についてでございますが,ご提案のございましたネットワークにつきましては,連絡会議等の設置を検討してまいりたいと思います。
次に都市景観の第1点目,歴史的建造物の保存についてでございますが,都心から札幌の歴史を伝える古い建物が消えていくことは,時代の趨勢とは言いながら,大変寂しいことだと思います。本市の歴史的建造物は,京都や神戸などのように集中して街並みとしての歴史的景観を形成しているのとは異なって,広く市内に点在をしており,また近年における本市の急激な発展と積雪寒冷による建物への影響,あるいは財産権の問題などがあって,大変難しい環境にございます。
しかし,それにもかかわらず多くのものが守られてきているということは,所有者の方々の愛着と熱意によるものと思っております。こうした歴史的建造物や自然を,都市としての発展と調和させながら,潤いと安らぎ,そして個性のあるまちづくりを進めることは大切なことだと認識いたしております。
本市といたしましても,これまで旧黒岩邸あるいは旧永山邸のように文化財に指定したり,あるいは月寒の旧北部軍指令官官邸を郷土資料館として活用するなど,さまざまな方法で保存に努めてきているところでございます。
また,民間に対しましても,優良再開発建築物整備促進事業として,現在建設中のサッポロファクトリーにおいては,赤レンガ館を残させるなどの努力もしているところであります。
第2点目の都市景観条例についてでございますが,今年度からスタートいたしました5年計画で,市域の景観特性の把握を目的とした調査を行いまして,札幌にふさわしい都市景観の方向性を示す基本計画を策定することといたしておりますので,この中で条例化についても検討したいと考えております。
3点目の条例制定に当たっての眺望景観に対する考え方につきましては,市民生活の潤いという点からも大切なものでありますことは,認識をしております。
本市の場合,神戸や函館のような,いわゆる眺望がその都市の景観を左右するといったような地形や形態の都市とは,必ずしも同一視できない面がありますが,今後の街の発展との兼合いにも考慮しながら,基本
計画策定事業の中で研究してまいりたいと思います。
また,景観づくりへの市民参加についてでございますが,ご指摘のとおり,快適で潤いのある景観形成には,市民の方々の積極的な参加と協力が必要であります。これまでも本市の都市景観要綱に基づく景観形成の地区指定に当たりましては,その基準づくりから地元の方々の参加をいただいておりますが,今後とも市民とともに考える札幌の景観づくりを推進してまいりたいと考えております。
次に,清掃事業について,私からお答えいたします。
第1点目の粗大ごみの回収方法の見直しについてでございますが,ご指摘のとおり,今日の清掃事業は,ごみの減量化と資源化が重要な課題であり,こうした観点から,収集体制のあり方につきましても総合的に検討する時期に来ておりますので,ご提言の趣旨を踏まえて十分検討してまいりたいと思います。
第2点目の不用品の情報交換等についてでありますが,さきに関口議員からのご質問にもお答えをしたとおり,家電製品や家具などのリサイクルに対する市民の関心は非常に高いものがありますので,リサイクルに関する情報提供など,可能なものから実施をしてまいりたいと,このように考えております。私からは,以上です。
○副議長(湊谷隆君) 杉本助役。
◎助役(杉本拓君) 核燃料輸送の情報公開について,私からお答えいたします。
原子力行政につきましては,国がその責任において十分な安全対策を講じて行なっているものと確信しておりますが,本市としても原子力発電所の安全性の確保を強く求めて,これまでも北海道及び北海道電力と緊密な連絡をとってきたところでございます。
今般の核燃料輸送にかかわる情報の取扱いにつきましても,国際的な核物質防護の観点から,国において慎重に検討を重ねた上で決定されたものと受けとめており,北海道電力におきましては,この方針を受けて今回の措置をとられたものと考えております。
また,北海道においては,核物質の輸送にかかわる情報の取扱いについて,国の要請等を踏まえて適切に対処していかなければならないものと考えているとのことであり,今後の北海道における対応を見守ってまいりたいと考えております。
○副議長(湊谷隆君) 木戸助役。
◎助役(木戸喜一郎君) アレルギーとフロンガスについて,私からお答えいたします。
まずアレルギーについてでありますが,関連するご質問でございますので,一括してお答えをいたします。
日常生活とアレルギー様症状に関する調査は,保健福祉に関する国民の意識調査として行われたもので,その調査地区には札幌市も含まれており,本市の保健医療対策の基礎的資料になるものと評価しております。