札幌市議会 1992-03-03
平成 4年第 1回定例会−03月03日-03号
平成 4年第 1回定例会−03月03日-03号平成 4年第 1回定例会
平成4年 第1回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 (第 3 号)
平成4年3月3日(火曜日)
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〇議事日程(第3号)
開議日時 3月3日午後1時
第1 議案第1号から第85号まで(市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第1号 平成4年度札幌市
一般会計予算
議案第2号 平成4年度札幌市
土地区画整理会計予算
議案第3号 平成4年度札幌市
団地造成会計予算
議案第4号 平成4年度札幌市
母子福祉資金貸付会計予算
議案第5号 平成4年度札幌市
寡婦福祉資金貸付会計予算
議案第6号 平成4年度札幌市
国民健康保険会計予算
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 関 口 英 一 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 佐 藤 寿 雄 君
議 員 富 田 新 一 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 森 健 次 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 八 田 信 之 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 小 川 勝 美 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 柴 田 薫 心 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 青 木 護 君
議 員 水 由 正 美 君
議 員 赤 田 司 君
議 員 唯 博 幸 君
議 員 政 氏 雅 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 長 岡 武 夫 君
議 員 加 藤 隆 司 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 田 畑 光 雄 君
議 員 野 間 義 男 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 工 藤 勲 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 滝 沢 隆 君
議 員 山 崎 七 郎 君
議 員 田 畔 満 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菊 田 勝 雄 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇欠席議員(1人)
議 員 藤 田 雅 弘 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 杉 本 拓 君
助役 木 戸 喜一郎 君
助役 魚 住 昌 也 君
収入役 長 部 幸 一 君
交通事業管理者交通局長三 海 弘 君
水道事業管理者水道局長石 原 弘 之 君
総務局長 伊 藤 忠 男 君
企画調整局長 田 中 良 明 君
財政局長 高 田 恒 君
市民局長 本 間 雄 君
民生局長 大 長 記 興 君
衛生局長 高 杉 信 男 君
環境局長 大 野 雅 弘 君
経済局長 鈴 木 俊 雄 君
建設局長 平 賀 岑 吾 君
都市整備局長 広 畑 民 雄 君
下水道局長 井 原 貴 男 君
建築局長 関 谷 幸 正 君
市立札幌病院長 竹 田 保 君
消防局長 前 田 悦 雄 君
教育委員会委員 冨士元 明 君
教育委員会教育長 荒 井 徹 君
選挙管理委員会委員長 宮 川 新 市 君
選挙管理委員会委員 磯 野 開 丈 君
選挙管理委員会委員 向 川 武 夫 君
選挙管理委員会委員 大 橋 八 郎 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 水 島 典 弘 君
監査委員 野 島 廣 紀 君
監査事務局長 西 村 公 男 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 鍛冶沢 徹 君
事務局次長 櫻 田 直 己 君
総務課長 植 田 英 次 君
議事課長 坂 野 嵩 君
記録主幹記録係長事務取扱
谷 川 輝 雄 君
調査係長 深 村 康 雄 君
資料係長 沼 田 光 弘 君
議事係長 高 森 政 行 君
委員会一係長 山 内 馨 君
委員会二係長 野辺地 正 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 木 内 二 朗 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 鈴 木 和 弥 君
書記 今 井 一 行 君
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〔午後1時1分開議〕
○副議長(湊谷隆君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,65人であります。
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○副議長(湊谷隆君) 本日の
会議録署名議員として山崎七郎君,山口たか君を指名します。
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○副議長(湊谷隆君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(鍛冶沢徹君) 報告いたします。
藤田雅弘議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,また,
見延順章議長は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
本日の議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。以上でございます。
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○副議長(湊谷隆君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第85号までの85件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。森 健次君。
(森 健次君登壇・拍手)
◆森健次君 私は,
公明党議員団を代表いたしまして,ただいまから,今定例会に市長より提案のありました諸案件並びに当面する市政の諸問題について,順次質問をいたしたいと存じます。
市長はこのたび,平成4年度を初年度とし,平成8年までの5年間を計画期間とする新5年計画を発表されました。本市においては,現在,
国民健康保険や交通・
高速電車事業の財政の健全化など,多くの当面する困難な課題を抱えているところでありますが,中・長期的な視点に立って21世紀を見据え,北方圏の拠点都市としてさらなる飛躍を目指す新5年計画に大いに期待をいたしているところであります。この新5年計画を実施するに当たっては,総事業費1兆8,700億円という計画額を見込んでおり,その充当財源の捻出に当たってはあらゆる収入を捕捉し,さらには基金を取り崩すなど,相当苦労の跡がうかがえるのであります。
そこで,まず最初は財政問題についてでございます。
税収見込みの背景となる景気動向については,政府は平成4年度の
経済見通しと経済運営の
基本的態度において,平成3年度の
わが国経済は
拡大テンポが緩やかに減速しつつあり,やや加熱ぎみであった高い成長から,雇用の均衡を維持しながらインフレなき持続可能な成長経路に移行する過程にあるとの認識に基づき,平成3年度の
経済成長率を名目5.5%程度,実質3.7%程度となると見ており,こうした状況を踏まえて,平成4年度の
経済成長率は名目5.0%程度,実質3.5%程度と見ているのであります。
一方,先般の新聞報道によりますと,政府は昭和61年12月から始まった景気拡大が後退局面に入ったとの判断を示しているのであり,また,道内経済の今後の動向については,
民間金融機関の調査によりますと,景気の停滞が続き,先行きに不透明感が強いものの,4年度の後半までに緩やかに回復すると予想されているのであります。
このような経済状況の中で国の
一般会計税収予算額を見ますと,平成3年度については,昨年12月に景気後退を反映した税収動向から,やむを得ず法人税1兆8,090億円,
有価証券取引税5,280億円,印紙収入4,450億円をそれぞれ減額し,当初予算61兆7,720億円から2兆7,820億円を減じ,58兆9,900億円とする
補正予算を組んだところであり,政府が発表した平成3年度の税収実績によりますと,前年度と比較し,11月末累計では0.3%の減,12月末累計では0.1%の増の32兆4,675億円となり,ようやく補正後の目標値を達成する状況にはありますが,最終的には依然として慎重な見方を崩していないのであります。
平成4年度の
一般会計税収予算額につきましても,平成3年度の税収動向の影響を受けて,特に法人税については前年度予算額を1兆1,000億円余り下回り,さらに
有価証券取引税については39.7%減,印紙収入については22.6%減と,いずれも大幅に前年度を下回る予算額となっており,総額では3年度当初予算額と比較して1.2%増の62兆5,040億円で,昭和59年度以降最も低い伸び率となっているのであります。
一方,平成4年度の
地方財政計画の市町村税については,
法人市民税の法人税割を前年度比1.4%減と見ているほか,
個人市民税の所得割については,所得の伸び等により前年度比10.4%増,
固定資産税については,
負担調整措置及び家屋の新増築により増等が見込まれ,前年度比6.6%増の堅実な伸びを見込み,市町村税の総額で6.3%の増と見込んでいるところであります。
本市の平成3年度市税予算については,昨年の第4回
定例市議会におきまして,市民税,
固定資産税,
都市計画税の3税の
増収見込みにより約29億円の増額補正をし,その結果,
補正予算は約2,631億円,前年度決算と比較しますと7.2%の伸びとなるのであります。
そこでお尋ねいたしますが,市長はさきの
定例市議会において今年度の市税の見通しについて,当初予算額を35億円程度上回るとご答弁されているところでありますが,現時点における
決算見通しについてあらためてお示しをいただきたいのであります。
次に,本市の平成4年度予算の編成に当たり,
一般事務経費の10%カットや使用料・手数料の改定,基金の大幅な取崩しなど,財源確保に多大なご苦労をされたところでございますが,特に,自主財源の確保は最も基本的であると考えられますことからお聞きしたいのであります。平成4年度の市税収入予算を対前年度6.5%増の2,770億円と計上された基本的な考え方をお伺いしたいのであります。
次に,平成3年度の滞納の状況と今後の収納対策についてであります。
滞納市税の圧縮の問題につきましては,かねてからたびたび議会でも取り上げられているところでありまして,昨年の第3回
定例市議会におきまして,わが党は滞納市税についての抜本的な対策を講ずる必要性を取り上げているところでございます。また,
国民健康保険料につきましては,
収納率アップに向けた徴収体制が検討されている状況の中にあって,市税についても一層の収納対策が求められているのではないかと思うのであります。平成3年度は,景気の
減速化傾向が強まっている状況にあると言われておりますが,このような状況の中にありまして,平成3年度の市税の滞納の状況はどのようになるのかお聞かせ願いたいのであります。
次に,財源確保と納税者間の負担公平の原則の観点からも,滞納市税の圧縮はきわめて重要と考えられ,従来からさまざまな方策を講じてその圧縮に努めているところでありますが,平成3年第3回
定例市議会で市長は,今後の収納対策については,特に戸別訪問によるきめ細かい納税指導の積極的な推進並びに
税務オンラインシステムの活用などによって対応される旨ご答弁されておりますが,この点についての見通し並びに平成4年度に向けてどのような収納対策をお考えなのか,お示しいただきたいのであります。
次に,新5年計画についてお伺いいたします。
新5年計画は,昭和63年に策定された第3次札幌市
長期総合計画における長期的な
まちづくりの課題や施策の基本的な考え方を受けて,その実現に向けた第2次の実施計画であるとともに,桂市政にとって,この5年間の
行財政運営の指針ともなるものであります。
本市においてはこれまで,第3次にわたる
長期総合計画と第5次にわたる5年計画に基づき計画的に
まちづくりを進めてきた結果,道路,下水道等,市民生活に不可欠な
都市基盤施設は一応の水準に達しましたし,
冬季オリンピックや雪まつりなどを通じて世界的にも高い知名度を得るなど,北の拠点都市として確実に発展を続けてきたのであります。しかしながら,現在の本市を取り巻く社会・経済情勢を見ますと,世界的には旧ソ連,東欧の変化に見られるように,政治的にも歴史的にも転換期にありますし,国内的にはいわゆる
バブル経済が崩壊し,昭和61年末から続いてきた長期にわたる好景気も陰りを見せ,また,本市においては,地下鉄・バスなど市営交通や国保会計の赤字が大きく市財政を圧迫するなど,内外ともに激動の様相を見せていると言うことができます。さらに,高齢化,国際化,情報化の進展など社会が大きく変化する中で,桂市長が選挙公約で掲げた本市を21世紀にふさわしい風格と個性を備え,快適で活力と魅力にあふれた都市として大きく飛躍させていくためには,いまこそ時代の流れを明確に認識し,より適切な計画とその大胆な実行が必要であると思うのであります。
発表された新5年計画の概要を見ますと,市民にとって日常的な問題である市民生活や
高齢化対策の充実など,八つの課題について重点的に計画化を図り,わが党の要望事項もほぼ全面的に取り入れられているなど,市長の躍動都市さっぽろの実現に向けた積極的な姿勢のあらわれとして評価をするとともに,計画の確実な実行を期待するものであります。
そこで,新5年計画について4点ほどお伺いをいたします。
質問の第1点目は,
地下鉄需要喚起策への取組みについてであります。
膨大な赤字を抱え,経営の重大な危機に陥っている
市営交通事業の再建は,目下のところ本市の最大の課題となっております。こうした危機的な状況にある市営交通を将来ともに市民の暮らしの足として確保していくために,現在までに880人の人員削減を含む
交通局内部の
経営効率化策や
地下鉄乗客増を図るための
需要喚起策,不足する資金に対する一般会計からの財政支援を3本柱とする
経営健全化策が取りまとめられており,さらには,利用者の方々へも応分の負担を求める乗車料金の改定も予定をされているところであります。このように
市営交通事業の再建に向け,全市を挙げた取組体制がとられつつあるのでありますが,再建には何よりも収入の増加につながる乗客の増が必要であり,その意味でも
需要喚起策が重要なポイントになると思うのであります。
そこで,新5年計画については,
地下鉄需要喚起につながる施策についてはできる限り計画化を図ったとのことでありますが,具体的にどのような事業を取り込んだのかお示しをいただきたいのであります。
第2点目は,
高齢化対策についてであります。
わが国は,すでに人生80年時代が現実のものとなっており,21世紀初頭には国民の4人に1人が高齢者という,これまで諸外国が経験したことのない急激な
高齢化社会の到来が予想されております。こうした中で,政府は平成元年に策定した
高齢者保健福祉十か年戦略,いわゆるゴールドプランで掲げた目標に向け,在宅福祉や
施設福祉等について大幅な拡充を進めております。
また,本市においても
高齢化社会への対応を市政の重要な課題として受けとめ,昨年7月に札幌市
高齢化対策指針を策定し,21世紀に向けた本市の総合的な
高齢化対策が明らかにされたところであります。
高齢化対策を推進するに当たっては,高齢者が社会とのかかわりを保ちながら健やかな生活を送り,若い世代とともに心から長寿を祝福できる社会を築くことが重要であり,健康や福祉の分野にとどまらず,雇用,教育,生活環境,女性,青少年,児童など,幅広い分野にわたる総合的な施策を効果的に推進することが求められております。
そこで,急テンポで進む
高齢化社会に備え,長い人生を豊かに暮らすための社会環境づくりを的確に進めていく必要があるのであります。
高齢化対策指針で示した施策の実現に向けて,新5年計画においてどのように取り組まれたのかお伺いをいたします。
第3点目は,地球環境問題への取組みについてであります。
酸性雨,地球の温暖化,オゾン層の破壊,熱帯雨林の伐採など,地球的規模で進行している環境問題については,国際政治の舞台でも重要課題の一つとして取り上げられており,本年6月には,ブラジルのリオデジャネイロで環境と開発に関する国連会議が開催されることになっております。この会議は,地球環境問題と持続可能な開発についての国連史上初めてのきわめて大規模な会議であり,各国の首脳レベルが参加することから地球サミットとも呼ばれております。地球環境問題の解決に向けては,これらの国際的・国家的取組みはもちろんのこと,その根本に,未来の子供たちから預かっているかけがえのない大事な自然環境を守るという人間一人一人の生活態度・ライフスタイルが深く関連を持っていることからして,地方自治体も重要な役割を担っていると思うのであります。したがいまして,地方自治体として市民とともに身近な環境問題に取り組むことが,ひいては地球環境を保全していく上で大きな原動力になるものと確信するものであります。
そこでお伺いをいたしますが,地球的規模の環境問題に対し,新5年計画で具体的にどのような取組みをされようとしているのか。また,市民の意識啓発に効果のある教育的事業も必要であると思うのでありますが,その中に織り込まれているのかどうかお示しをいただきたいのであります。
第4点目は,広域行政の推進についてであります。
第3次
長期総合計画では,札幌市の基本的都市機能として,中枢機能の高度化と広域的役割の二つを掲げております。特に,広域的役割については,北海道の産業・経済の発展をリードしていくべき地域,そして日本列島の北の拠点として総合的な機能集積を図るべき圏域として,札幌複合交流圏を設定しております。この札幌複合交流圏は,いままでにない新たな発想による圏域の設定でありまして,その活動に対しては,私としても期待とともに注目をしているところであります。
一方,圏域内の各市町村にとりましても,その
まちづくりを進める上で,札幌への期待や協力を求める声が年々高まってきております。市長は,昨年5月の市長就任以来,広域行政重視の姿勢をとってこられ,新5年計画においても重点の一つに取り上げております。
そこで,新計画では新たに札幌複合交流圏推進事業が計画されておりますが,具体的にどのような事業を計画しておられるのかお聞かせ願いたいのであります。
次に,下水道事業についてお尋ねをいたします。
下水道普及率は,全国的にはいまだに40%台の低い水準にとどまっており,下水道整備のおくれが諸外国からも指摘されているところであります。このため,国においては,さきの日米構造協議に端を発して,平成3年度を初年度とする10ヵ年の公共投資基本計画及び第7次下水道整備五箇年計画が策定され,5年後には54%,10年後には70%程度まで下水道普及率を引き上げることとしております。本市では,昭和45年にはわずか14.6%であった下水道普及率が,平成2年度末では95.4%ときわめて高い率となっており,都市基盤整備の重点施策として下水道整備に取り組んできた成果を見ることができるのであります。
このように,国あるいは他の大都市に先んじて急成長を遂げた本市の下水道事業でありますが,今後の下水道事業には新しい役割を担っていただきたいと思うのであります。すなわち,それは端的に申しまして,雪対策への下水道の貢献であります。
さきの第4回定例会でわが党の代表質問にもあったように,活力ある市民生活を冬季間も維持するため,雪対策は全力を注がなければならない重要な施策であります。特に,本市の高齢者人口の比率は,平成17年には15.7%まで高まると予想されております。来たる21世紀には,確実に
高齢化社会を迎えます。しかも,高齢者のひとり暮らしや夫婦のみの世帯は今後とも増加していく傾向にあり,高齢者にとって活動しやすい
まちづくりを実現するためには,雪対策の充実が急務であります。こうした中で昨年6月に策定されました雪さっぽろ21計画では,下水道を利用した雪対策が盛り込まれており,今後の積極的な取組みを要望するものであります。
また,雪対策のみでなく,高普及となった本市においては,下水道の将来についてより広い分野でその果たすべき新たな役割を考えていかなければならないと思います。
次に,財政面について触れてみたいと思います。
下水道事業の運営は,昭和60年度以降,経済情勢の安定にも助けられ順調に推移してきたところでありますが,平成4年度以降の収支を見通した場合,いよいよ資金不足に転ずるとのことであります。このため,今議会では下水道使用料の改定が提案されておりますが,効率的な事業運営を行い,企業内努力を尽くしてもなお市民に応分の負担を求めざるを得ないというのがその趣旨のようであります。さきに申し上げましたように,下水道が雪対策への貢献を初め,幅広い展開を図っていく上で何よりも大切なことは,安定的な財政基盤の確立であると考えます。今回策定された財政計画は,新しい事業を盛り込んだ新5年計画を支える計画になっていると思いますが,維持管理の面ではなお一層の効率化に努めていただくよう期待するものであります。
以上の観点から,3点ほどお伺いをいたします。
まず第1点目は,雪対策への下水道の貢献についてであります。
本市の雪対策は,北方圏の拠点都市として,東北,北陸の都市とは少し違った多目的展開を図っていく必要があろうかと思います。特に,高い普及率となっている下水道の積極的な利用を進めると伺っておりますが,雪対策について具体的にどのような施策があるのか,今後予定している事業あるいは検討している事業についてお示しをいただきたいのであります。
また,先般市長は,カナダのモントリオール市で,下水管渠へ雪を直接投入したのを視察し,即効性の高い雪対策として期待できるとのことでありますが,モントリオール市と本市とでは下水処理方法に違いがあること,また,本市の下水管のほとんどが口径も小さく,直接投入が困難な場所が多いことなど,さまざまな問題があることは私も承知をしております。本市では,下水管への直接投入について,今後どのように取り組んでいかれるのか,市長のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。
第2点目は,使用料についてであります。
下水道使用料の費用負担の考えは,汚染者負担の原則に基づき,使用者に下水の量及び水質,そのほか態様に応じて適正かつ公平に負担してもらうことが最も好ましいと考えます。したがって,使用者の水量及び水質に基づいた合理的な使用料の設定が要請されると思います。本市におきましては,使用水量に基づいた料金制度だけが設定されておりますが,水質に着目した水質使用料制度は採用されておりません。一方,大都市の中では,大阪市,神戸市,横浜市などは,量的な面だけでなく,質的な面に着目した水質使用料制度も採用していると聞いております。そこで,今回の審議会の答申の中では,本市の現状では水質使用料の設定は必要がないと言われておりますが,水質使用料制度についてどのように考えておられるのか,本市の基本的な考え方をお示し願いたいと存じます。
最後に,市民に負担を求める使用料改定は,必要最小限にとどめなければならないことは言うまでもありません。その意味で,今後の事業運営に当たっては,何よりもまず企業内努力が要請されるところであり,これを前提とした財政計画となっていることが必要であります。
そこで,質問の第3点目となりますが,今後の経営効率化についてどのような姿勢で臨むのかお伺いをいたします。
次に,本市の観光振興の観点から,物産と観光の拠点づくりについて,私見を交えお伺いをいたします。
物の豊かさから心の豊かさやゆとりのある生活へという国民意識の変化,また,労働時間の短縮に伴う余暇活動の着実な拡大等を背景として,本市における観光客の入込みはこのところ大きな伸びを示しております。本市を訪れる観光客は,昭和62年において13年ぶりに1,000万人を超えて以来,平成2年度まで4年連続して最高記録を更新し続けてまいりました。平成3年度につきましても,景気の減速傾向があらわれ,先行きに不透明感があるものの,4月から9月までの観光客数は約758万人,前年同期の4.1%増となっておりますし,また,第43回さっぽろ雪まつりも観光客の入込みは好調のようであり,今年度も最高記録の更新は確実と予測されるところであります。
わが国の経済環境が情報化,サービス化といった新しい局面を迎えている中で,本市においても観光というソフト産業が地域全体の経済に果たす役割は非常に大きなものがあると私は考えております。
先般,北海道が発表したところによりますと,観光客の消費が生み出す経済効果は,全道で1兆2,000億円に達するとのことであります。このことは,経済規模で全道の3分の1を占める本市にとって,その産業構造を分析するまでもなく,製造業から卸,小売業,サービス業に至るまで,本市産業全体に多大な経済効果をもたらし,市民所得の向上や雇用の創出に大きく寄与しているところであります。これといった基幹産業を持たない本市にとって,観光は本市経済をリードする重要な産業の一つに位置づけられてしかるべきと考えるわけであります。
先ほど述べましたように,本市における観光客の入込みは非常に好調であります。また,余暇開発センターが発表したレジャー白書91によると,余暇志向が年々強まり,仕事より余暇の中に生きがいを求めるといった余暇重視派が10.8%と,初めて1割を超えておりますし,「今後参加したい余暇活動」の1位は国内観光旅行となっております。景気が減速傾向になっているとはいえ,このように国民の観光需要はまだまだ大きいものがあると思うのでありますが,いまのような北海道ブームがいつまでも続くとは限らないのであります。実際,昭和50年代前半から観光客の流れは南へ向かい,本市の観光客の入込みは大きく減少し,回復するのに10年以上も要したのであります。よく言われることでありますが,観光振興の基本はリピーターづくりであります。本市を訪れる観光客の皆さんにいかに満足してもらえるか。そして,いかにまた訪れたいという気持ちを持ってもらえるかという点に尽きるのであります。本市における観光客の受入態勢については,行政を初め関係の皆様のご努力によりまして着実に整備が進められており,今後ますます期待をするものであります。
ところで,観光で訪れるお客様の大きな目的の一つに,その土地の名産をお土産に買い求めることであります。ここに42回さっぽろ雪まつりの観客調査の結果がありますが,道外からの観光客が市内で消費する金額のトップは買い物費で,全体の43%を占めております。このことからも,土産品等の物産販売が本市の経済振興に果たす役割は大きいと思うのでありますが,本市の現状を見ますと,個々には全国的にも名の知れた特徴のある土産品店のゾーンがありますが,そこに行けばすべての物がそろっているというような場所が札幌にはないのであります。札幌の,あるいは北海道の物産をすべて取りそろえ,品質も価格も,そしてサービスも良好な施設が,いま望まれているのではないかと思うのであります。また,札幌は北海道観光のゲートウエーと言われ,本市を拠点に道内各観光地を訪れる観光客が多いようであります。道内主要観光地の見どころ,そこに至る交通機関,宿泊施設,さらには所要経費等々,観光情報のすべてを提供し得る総合インフォメーションも必要であろうと思われます。
そこで,先ほどの総合的な物産販売の機能と観光情報の提供機能をあわせ持ち,かつ観光バスのターミナル機能も備えた総合的な物産と観光の拠点づくりを構想すべき時期に来ているのではないかと思うのであります。
私のイメージで申し上げますと,1階と2階は観光情報の総合インフォメーションを中心として,旅行代理店,輸送関連の各店舗を,3階から10階までは物産販売や飲食の各店舗,さらに上階にはホテル,そのほか何らかのアミューズメント機能も併設してはどうかと思うのであります。この種の施設を市の入口の,しかも地下鉄沿線に設けることで北海道観光の実質的なゲートウエーとして機能させ,そしてそれ自体が新たな観光資源となる,そのような拠点づくりが本市の観光振興に大きなインパクトを与えるのではないかと考えるものであります。
以上の観点から,以下2点についてご質問をいたします。
まず,質問の第1点目は,本市産業の振興にとって観光が果たす役割は非常に大きなものがあると考えるのでありますが,市長はこの点どのようにお考えかお伺いをいたします。
質問の第2点は,観光の振興を図る上で,先ほど述べましたような総合的な拠点づくりの意義は大きいと思うのでありますが,この点についても市長のご所見をお伺いいたしたいと存ずるものでございます。
次に,消防施策についてお伺いいたします。
人口すでに180万人を超え,全国でも5指に入る大都市に発展しました本市にあっては,全国の大都市と比較いたしまして災害の少ない街と言われております。確かに,雲仙・普賢岳のような火山災害はもとより,これまで大きな地震災害もなく,また,昨年あれだけ全国各地に大きなつめ跡を残した台風19号に際しましても,本市においてはほとんど被害が生じなかったという顕著な例にも見られますように,北方に位置しているという地理的な条件や,市域面積が全国で3番目に広く,傾斜地の宅地造成が非常に少ないことなども幸いし,台風による甚大な被害を免れてきております。
一方,自然災害から視点を変え,人災であります火災に目を向けますと,平成3年中の火災件数は520件であり,これを人口1万人当たりの出火件数であります出火率であらわしますと3.0件となります。これは,全国11政令指定都市の中では京都市に次いで2番目に少ない数字であり,これら12都市の平均値であります4.8件を大きく下回っている状況にあります。
さらに,火災件数の推移を長期的に分析いたしますと,初めて500件台を記録した昭和38年以降の29年間で600件を超えたのは,昭和63年の最高記録628件を含めわずか4回を数えるのみで,ほとんどが500件台にとどまっており,平均526件という状況であります。つまり,都市化の進行に伴って人口が著しく増加してきたにもかかわらず,火災件数はほとんど増加しておらず,結果として,当然ながら出火率は年々はっきりと減少傾向を示しているのであります。
これは,とりもなおさず本市が災害のない明るい街札幌を目指し,長期的な展望のもとに消防力の整備に取り組まれ,市民の負託にこたえるべく,消防行政を積極的に推進してこられた結果の顕著なあらわれであると私は高く評価しているところであります。
特に,都市化の進展に伴う都市構造と環境の変化,これは防災面から見るとむしろ悪化でありますが,これにより災害要因は複雑・多様化を呈し,災害の大規模化,多発化がとりわけ懸念されるようになってきた背景を踏まえ,昭和59年から,大規模災害,同時多発災害にも万全の体制で対応できるよう,消防指令業務にコンピューターを活用した防災トータルシステムの構築に着手され,昭和62年2月に消防局新庁舎の落成に合わせてその運用を開始されたところであります。それまで人間の判断により手作業で行なっていた119番通報受信から,出動指令,現場活動支援,災害事案管理,災害活動終了までの複雑な情報処理が,コンピューター処理により非常に敏速かつ的確に行えるようになり,きわめて大きな効果を上げているとのことであります。本市に生活する市民の一人といたしまして,大変心強く思うとともに,今後におきましても,災害のない明るい街札幌づくりが一層強力に推進されることを切に願うものであります。
さて先般,21世紀においても活力と魅力に満ちた躍動都市さっぽろの実現を目指して策定が進められている第2次5年計画の概要が公表されましたが,その中の消防関係の施策といたしましては,1.救急高度化推進整備事業,2.消防科学研究・救急研修センター建設,3.消防署所の整備,4.消防指令システムの整備の4項目が盛り込まれております。この中で,私は,最後の消防指令システムの整備,すなわち事業内容といたしまして,発信地表示システムの導入による通報受信体制の充実につきまして特に関心を持ちましたことから,次の3点についてお伺いをいたします。
まず第1点目は,札幌市全域から119番通報を受信しております消防局指令室の体制についてであります。
119番通報の受信,出動指令等を行う指令システムといたしましては,先ほど述べましたとおり,コンピューターを活用した防災トータルシステムが昭和62年2月から運用されており,一見,ほとんどの処理が機械化されているかのように考えがちでありますが,しかし,先般消防局指令室を視察して感じましたことは,通報内容を聴取し,現場の状況等を判断して種々の出動指令を行うのは指令員,すなわち出動指令するか否かは機械ではなく,あくまで人間が判断して行なっているのであります。
一方,火災件数にあっては,先ほど述べましたとおり,長年横ばい状況が続いておりますが,事救急件数にあっては,人口の増加に伴い増加の一途をたどっております。資料によりますと,平成3年中には12万5,938件の119番通報を受信した中から3万8,348件の救急出動が指令されておりますが,これは10年前の昭和56年中の2万7,847件に比較をいたしますと,1万件以上の増加であり,実に37.7%の増加率となっております。
そこで,救急出動指令に代表されますように,人間の判断処理としての通報受信・指令件数は年々増加してきている状況下において,これに対応する十分な体制が確保されているのかどうか,今後の対応も含めてお伺いをいたします。
次に,第2点目といたしまして,出動指令から現場活動支援,災害事案管理等の情報処理に威力を発揮している防災トータルシステムのコンピューター,すなわちソフト面だけでなく,ハード面に関しての質問であります。
コンピューターは,普通処理する業務量や扱うデータ量が増加してまいりますと,処理能力や処理速度に限界が来るものであります。そこで,通報受信・指令件数や処理データ量が年々増加してきている状況下の現行システムの実情と,今後どのように対応されようとしているのかお伺いをいたします。
最後に,3点目といたしまして,具体的に事業内容が記載されております発信地表示システムについてであります。
これにつきましては,昨年の決算特別委員会において取り上げられ,そのすばらしい機能や効果が明らかにされ,札幌市としても導入に積極的な姿勢を示されたところであります。そして,その後,策定されております第2次5年計画の事業として早速盛り込まれたことにつきましては,私も高く評価をするところでございます。
119番通報者は,通常,動揺して住所すらなかなか言えないことが多いという現状にあって,119番通報するだけで通報場所が瞬時に判明するというこのシステムは,市民にとりましてもきわめて心強いシステムでありますと同時に,第1点目の質問の中で考察いたしました,通報を受けてから,指令員,つまり人間が慎重に処理しなければならない重要な部分を,これは機械が瞬時に,しかも正確に処理してくれるきわめて効果の大きいシステムであり,これはぜひとも早い時期に導入すべきであると私は考えるのであります。また,他都市におきましては,このシステムの導入に積極的であり,政令指定都市のほとんどがすでに導入済みか,または導入を計画しているほか,政令指定都市以外におきましても導入され始めているやに聞いております。
そこで,この発信地表示システムの導入についてどのようにお考えなのか。できれば,導入予定時期につきましても,具体的にお示しをいただきたいと存じます。
最後に,障害児教育等の問題についてお伺いをいたします。
昭和54年養護学校が義務化され,さらには昭和56年国際障害者年が施行されて,すでに10年を経過いたしております。わが国においても,毎年身体障害者スポーツ大会が開催される等,障害児・障害者を取り巻く環境は着実に整備が進められております。本市教育行政におきましても,ここ数年,特殊学級の整備を初め,つぼみ,豊明等,養護学校関係において飛躍的に整備が進められているのであります。
まず,つぼみについて申し上げますと,それまで山の手養護学校の分校であったものが,肢体不自由養護学校として豊成養護学校の名称で独立することとなり,同時に,小学部については,屋体,水中訓練室等,重度重複肢体不自由児のために十分配慮された独立校舎が間もなく完成し,この4月から移転開校されると聞いております。
次に,豊明高等養護学校でございますが,これについても豊平小学校の旧校舎を利用している関係上,狭い,古い,グラウンドがない等,障害のある生徒にとりまして決して十分とは言えない教育環境でございますが,本校についても平成4年度予算案の中に移転改築計画が盛り込まれていることは,本校の歴史にとって画期的な飛躍となるものでございます。
つぼみにいたしましても,豊明にいたしましても,児童・生徒はもちろん,父母や教職員からも感謝されていると伺っておりますし,このことはこれら障害のある子供の教育に対し,北海道の主都札幌市の積極的な姿勢を示すものとして高く評価されるところでございます。しかし,このような父母の願いは,今後とも継続されるものと推測されます。
そこで,まず第1点目として,今後の児童・生徒数を掌握する中で,豊成及び豊明高等養護学校として今後の受入態勢をどう充実するのかお聞かせ願いたいと存じます。
次に,第2点目として,このような実績,成果を踏まえ,新年度からスタートする新5年計画を含め,本市が今後これら障害児教育に対しどのような施策をお持ちになっているのかお聞かせ願いたいと存じます。
次に,不登校児童・生徒の問題についてお伺いをいたします。
このことについては,これまでにも本会議においてもさまざまな観点から取り上げてまいりましたが,この問題の究明とその解明を目指しての具体的な対策については,今後も検討をし続けなければならない重要な課題であると考えるわけでございます。幸い,本市においては,平成3年度から月寒中学校に相談指導学級が設置され,大きな成果を上げていると聞いており,私といたしましても意を強くするものであります。しかしながら,本市の平成2年度における小・中学校の不登校児童数は668人に上っており,そのうちの約3割が,主として心理的な要因によるものと聞いております。このような状況を考えるとき,予防的な措置はもちろんのこと,現に不登校状態にある児童・生徒の対応についても早急に検討をしなければならない問題であると考えております。
そこで,本市における不登校児童・生徒のための相談指導学級について,市教委の考えをお伺いいたします。
第1点目についてでありますが,相談指導学級のこの1年間の実践を通して得られた成果と,今後の課題についてお伺いをいたします。
また,相談指導学級は,現在不登校状態にある児童・生徒を通常の学校に復帰させるためにだけあるのではなく,この学級で得られた相談指導の成果は,それぞれの学校の児童・生徒の健全育成並びに不登校問題の予防的な対応に積極的に役立てていかなければならないという重大な使命を持っていると考えております。したがいまして,この学級の成果をどのような形で各学校へ反映させていくつもりなのかについても,あわせてお伺いをいたします。
第2点目についてでありますが,私は本市における不登校児童・生徒数を考えるとき,現在月寒中学校に設置した相談指導学級だけではとうてい対応できるものではないと考えます。また,全市に点在している不登校児童・生徒の通級を考えると,現在の場所に1ヵ所だけでは不都合が生じること,さらに,教育施設や指導スタッフの面でも多くの課題が予想されますが,市教委は新5年計画の中で,不登校問題の今後の対策についてどのような考えを持っているのかお伺いをいたします。
以上で,私の質問はすべてを終了いたしました。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(湊谷隆君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私から,4項目についてお答えをいたします。
まず,財政問題についてでございます。
第1点目の,平成3年度の税収見通しと平成4年度の市税予算の見積もりについてでございますが,まず,平成3年度の税収見通しにつきましては,土地の譲渡による
個人市民税,
固定資産税及び
都市計画税などで増収が見込まれますことから,市税全体では当初予算額を45億円程度上回るものと見込んでいるところであります。
次に,平成4年度の市税予算についてでございますが,基本的には,平成3年度の税収見通し,過去の税収実績,税制改正による影響,景気の動向などを勘案いたしまして見積もったところであります。その主な特徴を申し上げますと,
固定資産税については,土地の
負担調整措置,新増築家屋の増加などにより堅実な伸びが見込まれるところでありますが,
法人市民税については,法人所得の減少により前年度を下回るものと見込まれるところであります。
第2点目の,平成3年度の滞納の状況についてでございますが,企業の倒産が増加をしたことなどにより悪化しつつあり,特に高額滞納者が増加している傾向にあります。
次に,今後の収納対策の見通しについてでございますが,戸別訪問の充実のため,機動力の一層の確保にかかわる具体の方策を検討しているところであり,また,
税務オンラインシステムについても最大限活用することを考えているところであります。平成4年度に向けましても,新規滞納の発生と高額滞納の恒常化を防止することが重要でありますことから,高額滞納者に対する早期着手,日中不在者対策を強化するほか,悪質滞納者に対しては,厳正な滞納処分を執行するなどして,なお一層滞納税額の圧縮に向けて努力してまいる所存であります。
次に,新5年計画についてでございます。
ご質問の四つの項目につきましては,本計画の策定に当たっていずれも重要な課題として認識をし,重点的に計画化を図ったところでございます。以下,具体的にお答えをいたします。
まず,第1点目の
地下鉄需要喚起策でございますが,都市計画的
需要喚起策といたしましては,
緩和型地区計画制度の導入や再開発及び区画整理事業の積極的な推進を図り,交通計画的な
需要喚起策としては,パーク・アンド・ライド駐車場,福住バスターミナル,地下鉄アクセスバス路線網の整備を推進。また,公共施設等の効果的配置による
需要喚起策としては,芸術文化ホールやコミュニティドームの建設。青少年科学館の第2期整備などに取り組んでまいります。さらに,ソフト事業としては,国際見本市,PMFの充実などを図るほか,即効性が期待できるものについては弾力的に対応してまいりたいと考えております。
第2点目の
高齢化対策でございますが,高齢者が安心して暮らせるための施策として,ホームヘルパーやデイ・サービス事業の充実・強化,特別養護老人ホーム,ケアハウス,ケア付住宅の整備を初め在宅介護支援センターの拡充,訪問指導の充実,訪問看護制度の導入,さらには健康づくりセンターの建設や市立病院平岸分院に老人性痴呆専門病棟及び疾患センターの設置,シルバータウン構想実現に向けた調査などの事業を積極的に進めてまいります。また,高齢者の生きがい対策といたしましては,生涯学習総合センター建設に向けての調査設計や老人福祉センターの建設,保養センター駒岡周辺の整備を進めてまいりたいと考えております。
第3点目の,地球環境問題への取組みでございますが,市民に対する意識啓発事業として環境フェアの継続開催,地球環境問題をテーマとした市民講座の開設,また,省資源・省エネの観点からリサイクル活動の促進に向けたリサイクル団地の造成事業,緑の保全という観点から一般民有林の保全を目的とした都市林整備事業,そのほか,自動車排出ガス抑制の観点から,旧式のディーゼル車の更新を促進する最新式規制適合車購入資金の貸付けなど,幅広い視点からの事業を予定しております。
また,環境教育への取組みも重要でありますので,学校教材としての環境副読本も作成配布を継続するとともに,新たに「環境教育モデル校事業」に取り組み,得られた成果を広めていくことも検討してまいりたいと考えております。
第4点目の,広域行政の推進についてでございます。
お尋ねの札幌複合交流圏推進事業でございますが,これは,本市の広域的役割を具体化するため,図書情報や観光情報のネットワーク化,圏民交流イベントの開催や札幌複合交流圏ふれあい広場の整備などを計画化したところでございます。
次に,下水道事業についてお答えをいたします。
まず,ご質問の第1点目の雪対策関係の施策についてでございますが,雪さっぽろ21計画を基本として,下水処理水などを活用した流雪溝,大規模融雪槽,それから融雪管といったような施設づくりを進めてまいりたい,このように考えております。
また,下水管への直接投入につきましても,この冬から実験に取りかかっており,モントリオール市の事例なども十分参考にしながら,本市の条件に適した方法について調査・研究を進め,実施に移してまいりたい,このように考えております。
次に,ご質問の第2点目の水質使用料についてでございます。
本市では,悪質排水に対して,これまで条例を制定して,厳しい水質規制で除害施設の設置等を義務づけてきております。その結果,良好な管理がなされていることから,対象となる事業所がきわめて少ない状況にあります。したがって,現段階では,水質使用料金制度の導入は必要はないものと判断しているところであります。
次に,ご質問の第3点目の,経営の効率化についてでございます。
本市の下水道が高普及率を達成した今日,管理・運営につきましては,今後ますます経営の効率化が重要な課題になってきていると認識しているところであります。したがいまして,有人ポンプ場の一部無人化及び汚泥処理施設の集中化を図るとともに,維持管理業務等については,民間活力の導入,組織機構の統廃合,さらには効率化による職員の意識高揚などを図って,今後ともより効率的な事業執行に努めてまいりたいと考えております。
次に,本市の観光振興についてであります。
ご質問の第1点目の本市産業の振興に果たす観光の役割についてでございますが,観光産業は複合産業として,交通,宿泊,土産品の販売などを通じて,広範囲にわたり波及効果をもたらすものでありまして,私も森議員同様,本市にとりまして非常に大きな経済効果をもたらしていると認識しております。したがいまして,本市といたしましても,関係する民間諸団体と協力して,観光客の受入れに当たり,ハード・ソフトの両面から諸施策を推し進めているところでありますし,今後も力を入れてまいりたいと考えております。
ご質問の第2点目の総合的な物産と観光の拠点づくりに関してでありますが,これは貴重なご提言と受けとめております。観光の振興は行政全般にかかわるものでありまして,
まちづくりと一体をなすものでありますので,ご提言にありました施設については,今後,国内外の観光客の動向や需要などを見きわめながら,総合的な
まちづくり施策の中で十分研究させていただきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(湊谷隆君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 私から,消防施策についてお答えいたします。
まず第1点目の指令室体制についてでございますが,近年,特に救急業務を中心に通報件数が増加しておりますことから,業務の効率化を図る一方,業務量に見合った体制を確保するよう努力してきたところでございます。今後におきましても,適宜必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
次に,第2点目のコンピューターの処理能力の問題についてでございますが,現行のシステムは昭和62年に導入したものであり,今後,増加する業務量に対応するためには,より高度な機器の導入を検討する時期に来ていると思っております。したがいまして,現在の機器類の更新時期を十分考慮しながら,適切に対処してまいりたいと考えております。
最後に,第3点目の発信地表示システムについてでございますが,お話にもありましたように,きわめて効果の大きいシステムでありますので,導入に向けて努力してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(湊谷隆君) 荒井教育長。
◎教育長(荒井徹君) 教育問題について,私からお答えいたします。
初めに,障害児教育についての1点目,養護学校の受入態勢についてでありますが,まず,豊成養護学校小学部は,現在17学級50人が在籍しておりまして,新校舎については,30学級90人を想定して建築しております。
次に,豊明高等養護学校は,移転改築をすることによりまして,教育環境の整備,さらには職業教育の充実等を図ろうとするものでありまして,現在の1学年4間口36人から6間口54人に定員の拡大を予定しております。
2点目の今後の施策についてでありますが,一つには,主として,自閉症の子供を対象とした静療院院内学級につきまして,平岸分院の再編成計画との整合性を図りながら,分校化及び校舎の整備について検討を進めたいと考えております。
次に,特殊学級生徒の社会自立・社会参加を促進するため,豊明高等養護学校移転後の施設の一部を活用して,心身障害児のための作業センターを設置したいと考えております。
また,病・虚弱児を対象とした山の手養護学校の整備拡充と高等部の重複学級設置について検討していきたいと考えております。
さらに豊成養護学校の中学部及び高等部につきましても,移転などの調査を進めるなど,札幌市における心身障害児の教育について,環境整備を含め一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に,不登校問題についてお答えいたします。
1点目の相談指導学級における成果と課題についてであります。
この学級は,当初10人でスタートしましたが,その後,37人が通級し,そのうち6人が学校へ復帰するなど,着実に成果を上げてきております。
この1年間の貴重な成果につきましては,資料として各学校に配布し,不登校問題の予防的な対応にも役立てていきたいと考えております。
今後も入級を希望する生徒がふえていく傾向にあることから,教育施設の拡充,新設,さらには指導スタッフの増員等が課題となってきております。
2点目の今後の対策についてでありますが,これまでの指導効果を十分見きわめながら,他の施設の有効活用なども含め,ただいま申し上げました課題の解決に向けて努力してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(湊谷隆君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
――――――――――――――――
休 憩 午後2時5分
再 開 午後2時36分
――――――――――――――――
○議長(見延順章君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。千葉英守君。
(千葉英守君登壇・拍手)
◆千葉英守君 私は,ただいまから,自民クラブ議員会を代表いたしましてご質問を申し上げますが,まず21世紀を目前として,次々と市民のニーズに対応をしていかなければならない諸課題が山積する中で,平成4年度は,桂市長にとっては就任後初めての本格的な予算編成であり,その基本に新5年計画を策定されました。特に,交通・高速事業,
国民健康保険両会計の財政健全化に向け,財政的に最も厳しい折,全庁挙げて内部努力に努め,予算編成を示されたそのご努力に敬意を表するものであります。
そこで,これから私は,率直に,本市を取り巻く諸課題について提言を交えながら,市長のご所見をお伺いいたします。
まず,財政問題についてお伺いいたします。
わが国は,いまや平均寿命80歳という世界最長寿国となり,21世紀には,国民の約4人に1人が65歳以上の
高齢化社会になると言われております。このような
高齢化社会を,国民が健康で生きがいを持ち,安心して暮らせるような,明るい活力のある長寿福祉社会とするために,わが国が現在の北欧並みの
高齢化社会を迎える20世紀最後の10年に,特に,高齢者の保健福祉サービスの分野における基盤を早急に整備するため,平成元年12月に厚生省,大蔵省,自治省の3省の合意のもと,
高齢者保健福祉推進十か年戦略,いわゆるゴールドプランが策定されました。
このゴールドプランは,厚生省の推計で,地方負担なども含め,総事業費6兆円と言われており,昭和55年度から平成元年度までの10年間の事業量が約1兆7,000億円であることを考えますと,保健福祉分野では,かつてない大規模なプランであります。
その内容を見ますと,在宅福祉サービスの飛躍的充実を図る在宅福祉推進十か年事業,21世紀には,寝たきり老人の新規発生をなくするねたきり老人ゼロ作戦,福祉需要の増大・多様化に対応して,民間の在宅福祉事業などの推進を図るための長寿社会福祉基金の設置や高齢者福祉施設の大幅な充実を図る施設対策推進十か年事業や,長い老後を健康で生きがいを持って過ごすことができるような高齢者の生きがい対策の推進,老後のメカニズムや老人に適した介護の解明を目指す長寿科学研究推進十か年事業や,各地の特性を生かした健康長寿の
まちづくりを推進する高齢者のための総合的な施設整備の7本柱から成っております。
当然のことながら,
高齢者保健福祉の増進には,地方公共団体が創意と工夫を生かしつつ,地域の実情に即した施策の展開が必要であり,そのために地方公共団体が単独で行う基盤整備事業に対する支援措置として,地域福祉推進特別対策事業という制度が平成3年度から地域総合整備事業の中に創設されております。
対象となる事業については,高齢者,障害者に優しい
まちづくり事業,高齢者の社会参加・生きがいづくり,世代間交流のための施設整備,高齢者の健康づくりのための施設整備等々があります。
この支援内容は,地域総合整備事業債が許可され,その元利償還金について,後年度,約50%に相当する額が地方交付税措置され,さらに原則として,事業費の15%については当該事業年度の地方交付税措置がなされるという,地方公共団体にとりましては非常に手厚いものであります。私は,このような制度を積極的に取り入れて,福祉面の充実を図ることが札幌市にとって重要なことであると思うのであります。
そこで,市長は,この制度をどんな姿勢で活用されようとしているのか。その取組み方,今後の展開について具体的なご答弁をいただきたいのであります。
次に,ここ数年来,いま申し上げました地域福祉推進特別対策事業と同じ程度の財政支援措置のある事業が,地域総合整備事業の中に幾つか創設されております。
古くは,昭和59年度に創設されました
まちづくり特別対策事業であります。これは,地方公共団体が自立・自助と連帯の意識のもとに,地域の実情に即し,地方単独事業を効率的に実施し,個性的で魅力ある
まちづくり,地域づくりを積極的に推進するための事業を対象とするものであって,地域総合整備事業債が許可され,その元利償還については交付税措置がなされるものであります。
また,平成2年度から創設されました地域づくり推進事業は,みずから考え,みずから行う地域づくり事業,いわゆる1億円事業をフォローアップするために創設された事業で,地方公共団体の自主的・主体的な地域づくりの取組みを永続的なものに発展させていこうとする事業であります。この事業の支援措置も,地域福祉推進特別対策事業と同様に手厚いものであります。
このほかにも挙げられるものとして,21世紀に向けての重要な地域政策課題にかかわる,いわゆるリーディングプロジェクト推進事業や,既存商店街の振興整備及び新たな商業拠点の整備を促進するための商店街等振興整備対策推進事業,さらにふるさとづくり特別対策事業など,いずれも地域総合整備事業債が許可される事業として,その元利償還については交付税措置がなされるものであります。
言うまでもなく,これらは多極分散型国土の形成を促進し,豊かで住みよい地域社会の実現に寄与するものであり,市長の唱える躍動都市さっぽろの実現のためにも,本市として今後とも大いに活用していくべきと考えられます。
そこで,これらの制度を活用してきた本市事業は,具体的にどのようなものであったのか。新5年計画には,里づくり事業,音楽専用ホール建設事業,芸術の森第3期建設事業などの大規模な事業が盛り込まれておりますが,これらの計画事業に,先ほど私が申し上げました地域総合整備事業の中の各制度をどのようにして活用されていこうとするお考えなのか,将来の展望も含めて市長のご所見をお伺いいたします。
次に,このたび策定されました5年計画についてお伺いをいたします。
新5年計画についての質問ということになりますと,その事業内容についてお聞きするのが通例でありましょうが,私は観点を変えて,これらの計画により整備される
都市基盤施設などの管理活用の面からお聞きしたいのであります。
さて,この計画では,まず第1に,市民生活の充実ということが重点課題として挙げられているのでありますが,このような市民本位の
まちづくりのためには,言うまでもなく,市民が快適な都市生活を享受することのできるような都市機能の確保,すなわち都市基盤がまずもって十分に整備されなければならないのであります。
急激な人口の増加とともに都市規模を拡大してきた本市にとっては,都市基盤整備は,何よりも急がれる重要な課題だったわけであり,事実,これまでの5年計画などにおいても,これらの事業に重点的に取り組んできたところであります。とりわけ本市における
都市基盤施設は,札幌オリンピック冬季大会を契機に飛躍的に整備が進み,その結果,道路,下水道を初めとする主要施設については,他の政令市と比べて,まさるとも劣らぬ高水準に位置しているところであります。これは,札幌の将来を見据えながら,一貫して計画的,積極的に都市基盤整備を推進してきた本市の計画的な
まちづくりがもたらした成果であると高く評価しているものであります。
しかしながら,一方では,施設整備が一応の水準に達した本市にとって,
まちづくりが一つの節目の時期を迎えていることもまた事実なのであります。言うならば,建設の時代から維持管理する時代へと移行しつつあるのが本市の状況ではないかと考えるわけであります。
そこで,私は,このような状況下において,これらの札幌の
まちづくりを考えた場合,大切なことは,これまで整備してきた
都市基盤施設の補修・改修などの維持管理を,いかに適切かつ効果的に行うかということであるように思われるのであります。ことに,本市のように急速かつ集中的に基盤整備を行なってきた都市にとっては,遠からずこれら施設の改修時期が集中的に訪れることは容易に予測されるところでありますので,このことが札幌の将来の
まちづくりにとって大きな足かせになっていくのではないかと危惧するものであります。
そこで,本市がこれまで築き上げてきた街の活気や魅力を維持し,市民生活の利便性や快適性を確保するために,今後は,維持し,管理するということに十分配慮した施策の展開が,これまで以上に必要になってくると思うのであります。
このような観点からお伺いしますが,新5年計画の中で,
都市基盤施設の計画的,効率的な維持管理を行うために,何か具体的な施策を考えておられるのか。また,これらに要する経費についても,少なからず金額を見込む必要があると思うのであります。そこで,その財政的措置を,計画的かつ安定的に確保しておくことが望ましいと思うのであります。これらの点についてどのように考えておられるのか,市長のご所見をお伺いいたします。
次に,下水道事業についてお伺いいたします。
本市は,これまで下水道整備を重点的に行なってきており,普及率100%を目前にしております。この間,豊平川にサケが戻ってくるなど,市内に流れる川の水質も,以前と比べて大幅な改善が見られているところであります。しかしながら,なお茨戸水域など一部の河川は,水質環境基準の達成がなされておりません。このため,私は処理レベルの一層の向上を図る必要があると考えます。
また,これにより一層清浄となった下水処理水は,都市内の貴重な水資源として,さまざまな有効活用の方法があると思います。特に,枯渇した小河川のせせらぎの復活など,潤いのある
まちづくりを実現するために下水処理水を有効利用することは,広く市民の望むところであり,今後の事業展開に大きな期待が寄せられているのであります。
一方,昭和46年度以降今日まで,5次にわたる下水道整備5年計画を実施し,下水道事業は,平成3年度末までで管渠総延長6,900キロメートル,処理場9ヵ所,ポンプ場17ヵ所など膨大な施設を有し,1日約98万立方メートルの下水を処理する規模に発展してまいりました。しかしながら,これらの施設も,移り行く時の経過とともに次第に老朽化し,これを放置しておくことは,下水道サービスの提供に重大な支障を来たすおそれがあることを心配しているのであります。
したがって,今後は,これら既存施設の適正な維持管理に努め,改築・更新事業にも力を注いでいく必要があると考えます。
そこで,今後の本市の下水道のあり方という観点から,次の2点につきまして市長のご所見をお伺いいたします。
まず1点目は,昨年11月,創成川処理場において,道内初の高度処理施設が稼働したところでありますが,今後の札幌市の高度処理導入に対する基本的な考え方をお伺いいたします。
また,より清浄となった高度処理水は,いろいろな使い方が考えられると思いますが,処理水の有効利用の可能性についてどのような将来展望をお持ちなのか,お聞かせ願います。
次に,使用料のあり方についてであります。
平成3年度末の予定貸借対照表を見ると,下水道事業の資産総額は,およそ8,800億円もの膨大な額となる見込みであります。これらは,下水道サービスを今後とも継続するための貴重な市民の財産であり,適正な維持管理が要請されるところであります。このため企業会計方式では,建物や構築物などの資産については,毎年減価償却費を計上することにより,これらの再構築に必要な資金を徐々に確保していくのが原則とされているのであります。
しかしながら,このたびの使用料改定は,従来同様,減価償却費にかえて,企業債の元金償還金を基礎として資金ベースで算定しているようであります。したがって,借金を返済するだけで,財産の再構築に必要な資金は確保されない方式をとっているわけであります。
そこで,質問の第2点目として,私は,将来についてもサービス水準を低下させないことを担保するためには,本来の損益ベースで使用料を算定していくのがよい方法だと思うのでありますが,なぜ資金ベースを採用しているのか,その理由をお伺いいたします。
次に,札幌駅周辺整備など都心部の諸問題について,以下数点お伺いをいたします。
まず,JR札幌駅周辺の整備についてであります。
札幌駅周辺の整備の方向につきましては,わが会派挙げて,他都市の視察などを初め,調査,視察をし,平成元年の予算議会におきまして,わが会派の長岡議員も代表質問をするなど,会派として積極的にこの問題に取り組んできたところです。
それは,JR札幌駅は,何と申しましても札幌の今日の発展をもたらした,いわば都心の心臓部でありますし,本道における商業・行政・文化面など,あらゆる面の情報発信基地の役割を担ってきたと認識するからであります。特に,函館本線の連続立体交差事業によりまして,現在の南口駅前広場部分を除いても4万平方メートルを超える空間が出現するのでありますから,道都札幌の今後の
まちづくりの面から,関心を寄せるのは,市政にかかわる者としてばかりでなく,札幌を愛する市民の一人としても至極当然のことであります。私は,札幌駅の今後の役割について多角的に考えていく必要があると思います。
その一つ,千歳空港との関連におきましても,当空港が国内旅客数で,羽田,大阪に次いで3番目の位置にあり,これが年を追うごとに増加の一途をたどっており,たとえば昨年の旅客状況について運輸省発表のデータを見ましても,前年より108万人増の年間1,400万人台となり,このうち国際線では,定期便,チャーター便合わせて前年より倍増となっているとのことで,目下,当空港は国際空港を目指して着々と整備が進んでいる状況であります。
本年7月には,新ターミナル施設も営業開始となり,JR線もここに札幌駅と直行の形で乗り入れるわけで,JR札幌駅は,単に札幌広域圏のターミナル機能にとどまらず,全世界に向けて門戸を開いた日本の拠点の一つになっていると言っても過言ではないと思います。
本市の
まちづくりとしましては,こうした情勢を踏まえて,駅周辺に発生する空間地の活用を考えなければ,将来に禍根を残すことになると思うのです。
これまでの議会での質疑あるいは各種報道などを集約すると,次のようになります。
まず駅前広場を拡張し,従前の交通広場の要素とは別に,北海道らしさの表現あるいは国際都市さっぽろの顔にふさわしい整備を行う。また,周囲の土地利用については,鉄道南北の市街地の一体化,シンボルロードとなっている札幌駅前通との連携についても配慮する。地下歩道についても,北口地区と連結されることは無論のこと,東西方向についても,地下鉄東豊線などの施設と有機的に連結を図っていく方向で進んできていると理解しているわけであります。私は,札幌駅周辺にそういった方向で整備が進むという前提の中で,特にご留意いただきたい点につきまして,この機会に市長のご所見を伺っておきたいと思います。
そこで,札幌駅南口の土地利用のあり方についてであります。
旧駅舎,すなわち現在のJR本社屋を移転して,駅前広場を拡充し,さらに,所有者ごとに点在,細分化されております土地を,土地区画整理方式によって集約,換地し,使いよいものとすると伺っておりますが,場所柄から,どうしても土地の立体高度利用が志向されると考えられます。
よって,本市が都市計画の立場で,積極的に土地利用のあり方について規制,誘導を図っていくべきであります。この場合,土地活用の仕方も問題になると思われますが,風格ある都心空間をつくり上げていく必要から,商業業務のスペースばかりでなく,国際都市さっぽろのイメージアップとなるようにすべきであると考えます。
例を挙げますと,先日も東京駅を見てまいりましたが,風格ある駅舎にJR美術館が配置され,観客も多く,より一層魅力を醸し出しておりました。本市も十分調査・研究し,文化の薫り高い施設配置などを念頭に入れながら,国鉄清算事業団,JR北海道などの理解と協力を求めつつ対処していく必要があると考えるのでありますが,この点について市長はどのように考え,取り組まれようとしているのかお伺いいたします。
次に,都心部の雪対策にかかわる施設づくりについてであります。
積雪寒冷の札幌において,四季を通じて魅力ある都心を維持していくためには,冬季間の都市活動を確保することが重要であり,雪国のハンディキャップを最小限に抑え,冬季交通を確保していく必要があります。
そこで,昨年の6月に,21世紀に向けての札幌市の雪対策として雪さっぽろ21計画が策定されたところであります。都心部においては,歩行者対策として歩道ロードヒーティングの推進,自動車対策として,道路の機能に応じた除雪水準の確立と除排雪のレベルアップなどが計画されているところでありますが,この中で私が注目しているのは,都心部融雪槽の整備であります。都心部の限られた道路空間においては,除排雪とあわせ,将来にわたって効率的に雪処理を行う施設が必要であり,長期的な除雪コストの低廉化の面からも積極的に取り組むべきであると考えるのであります。
そこでお伺いいたしますが,この都心部融雪槽について,本市としてどのように今後の取組み方をお考えになっているのか,ご所見をお伺いをいたしたいのであります。
次に,都心部の交通対策についてであります。
近年の自動車社会の進展は著しく増加を続けており,本市においても,自動車保有台数は,すでに70万台を超え,1世帯に1台となっており,自動車交通の増加が,都心部を中心として幹線道路において終日混雑を呈している状態であります。とりわけ冬季間は,降雪のたびに渋滞が発生しております。このため,交通事故やNOxによる自動車公害が今後顕著になるのではないかと懸念されますし,商業業務機能が集積した都心部においては,交通渋滞による経済損失は少なからぬものがあり,将来の本市の発展を考えたとき,一刻も早く対策を講ずるべき重要かつ緊急な問題であると考えます。私は,都心部交通の円滑化を図るためには,通過交通の排除が根本的な解決策であり,バイパスや環状道路の整備が急務であると考えます。
さらに,都心交通のネックを解消するため,北大通の連続化や創成川通の連続アンダー化などについても,早期に実現させるよう積極的に取り組むべきであると思います。
また,違法駐車の問題については,やはり何といっても市民の協力や,地域関係者が問題意識を持ち,警察と連携をとりながら,実効性のある対策に取り組む必要があると考えるのであります。
さらに,駐車場を探すうろつき車両や商店街・大型店の契約駐車場へ集中する空き待ち行列も交通混雑の一因となっております。そのため,利用者を駐車場へスムーズに誘導する工夫が必要であり,本市が現在取り組んでいる駐車場案内システムの導入に対しては,非常に期待されるところでありますが,なお一層の今後の積極的な取組みを要望しておきます。
さて,都心交通対策につきましては,私が以前ご提言を申し上げておきましたが,その後,本市は,商店街,運送業界などから成る札幌市都心交通対策協議会を設置し,以来,これらの問題の解決策が検討され,昨年の12月に市長あて提言がなされたのであります。これらの具体的な対策を今後実行していくには,行政だけでなく,市民,関係業界の協力が不可欠であると思いますが,私は,この取組みにおいて特に注目したいのは,商業界,運送業界などの方々が,この協議会に参画し,都心交通問題に対する共通認識を持ち,納品配送方式の見直しや荷さばき作業の自粛など,具体的な目標を掲げ,一つの提言としてまとめ上げたことであります。
そこで,都心部の交通対策についてお伺いいたします。具体的な施策の取組みについてであります。
せっかく関係者が努力を重ねてまとめられた貴重な提言ながら,実行されなければ何の意味もありません。ただ,即刻実行し,成果を上げるためには,多くの関係者の理解と協力が必要となってまいります。本市として,これらの関係者の方々と今後どのように取り組んでいこうとしているのか,すなわち,実行体制をどのように具現化しようとしているのか,具体的な施策をお示しいただきたいのであります。
次に,都心部の歩行者交通対策についてお伺いいたします。
都心部における機能の集積による歩行者の増加は,特に交差点などにおいて,車両とのふくそうが交通混雑を引き起こしており,また,交通事故の要因にもなっております。私は,このような都心の歩行者交通の増加に対応するためには,歩行者と自動車交通の分離により自動車交通の円滑化と歩行者の安全性の確保を図ることが必要であると思うのであります。
このため,都市のあらゆる空間を最大限に活用し,快適で,かつ効率的な歩行者空間をつくり出すことを目指すべきであると考えるのであります。
現在,本市における地下を利用した歩行者空間としては,大通下のオーロラタウン並びに駅前通下のポールタウンなど,公共地下歩道として10路線,延長約1,670メートルが整備されており,さらに地下鉄各線のコンコースと連絡され,これらが一体となって,線的には快適な歩行者空間として広く市民に利用されております。しかしながら,本市における地下歩行者空間については,地下鉄の建設などに合わせて段階的に整備が行われてきたものでありまして,都心としてのネットワークの形成,つまり線から面への配慮がなされておらず,北国の歩行者空間としては必ずしも十分とは言えないのであります。
都心部では,札幌駅北口地区の再開発事業,札幌駅周辺地区整備構想,サッポロファクトリー,北1条地下駐車場整備,さらには国際ゾーン整備構想など大規模な再開発の計画が進められておりますが,これらは,今後の都市構造機能に大きな変化をもたらすものであり,JR札幌駅から大通と薄野を拠点として集中発生する歩行者の交通量は,ますます増加するものと思われます。
したがって,私は,第3次
長期総合計画にもうたわれておりますように,特色ある雪国の
まちづくりを進めるためには,雨や雪などの自然環境に左右されない快適な歩行者空間ネットワーク化により,積雪寒冷の北方風土に適応した機能的かつ都市景観に配慮した風格ある都市空間を創設していく必要があると思うのであります。
すなわち,ただいま申し上げました開発プロジェクトなどと有機的に連携を図りながら,札幌駅周辺と大通地区を結ぶ地下歩行者空間ネットワークを形成すべきと考えるのであります。
具体的には,札幌駅前通と西2丁目線に地下公共通路を設け,両地区をロの字型に連結させることが望ましいと思うのであります。聞くところによりますと,北1条地下駐車場を建設するに当たり,北1条通と大通間を地下通路で結ぶ計画があると伺っておりますので,これを契機に,本市においても札幌駅周辺と北1条通間を地下通路により連絡すべきと考えるのであります。
薄野地区まで歩行機能の連檐性が確保されることになりますと,札幌駅周辺地区,大通地区及び薄野地区間で,歩行者交通の回遊が可能となり,これが都心機能の拡充及び都心部の活性化を促すとともに,自動車及び歩行者交通の円滑化が図られます。さらには,これら3地区を結ぶ歩行者ネットワークと地下鉄駅が有機的に連結されることにより,地下鉄を利用しての都心部へのアクセスの利便性,快適性が大きく改善され,地下鉄の利用促進が期待されるのであります。
そこでお伺いいたしますが,21世紀に向けて交通計画,アメニティ計画などの面から,本市の都心空間のあり方を考えていく必要があると思いますが,特に札幌駅周辺地区は,今後,南北駅前広場の整備に合わせて周辺再開発及び地下開発など具体的に進めることにより,地域拠点として一層充実していくものと思われますし,北1条通には,国において地下駐車場の建設が進められるものでありますから,これを契機に,札幌駅周辺開発,北1条地下駐車場建設に連動した形で,駅前通などに大通地区と結ぶ地下公共歩道を整備するべきと考えますが,そのためにも,都心部の地下歩行空間ネットワークの策定に早急に着手すべきではないかと考えます。さらにその実現に向けて,整備手法について具体的に検討を開始すべきと考えるのでありますが,ご所見をお伺いをいたします。
次に,人材の育成,特に技能士の育成,向上について,本市の基本的な取組み姿勢に関してお伺いをいたします。
これまで雇用の問題は,そのときどきの景気と密接な関係を持ち,論じられてまいりました。景気が上向きになると,企業の採用枠が拡大し,労働側の売り手市場となり,一たん景気が下向きになると,企業の採用手控えによる企業側の買い手市場になります。景気と雇用の関係は,このようなある一定の法則を持って続いてまいりました。しかしながら,近年における雇用の現状を見ると,必ずしもこの法則どおりではない状況が生み出されております。
これは,若年労働人口が減少していること,技術革新や生産の合理化が定着しても,なお人の手によらなければならない仕事の量が減少していないことなどの理由から,景気が減退してきた今日においても,企業にとっては若年者の人材確保が困難な状況にあり,将来的にも継続することが予測されております。
さらに,近年の若年層の就職傾向としては,建設業や製造業の,いわゆる3K職業よりはサービス業に就職する者が多く,建設業や製造業の技能を身につけている若者が特に減少していると聞いております。
私は,開拓が始まってからわずか120年余りで,本市が今日における本道の中枢都市として,さらに北方圏を代表する国際都市にまで急激な発展を遂げることができたのも,都市基盤建設の直接的な担い手であるこれら技能者がその役割の一端を果たしてきたことによりなし得たものと考えており,近年の技能者不足は,今後の都市の発展やわれわれの生活にとっても大きな影響を及ぼす重要な問題として考えております。
また,業界でも,人材の不足に対応して,在職者の能力開発,その向上が急務の課題となってきております。各種の職業教育訓練の重要性が再認識をされてきているところであります。
職業能力開発に関する事業は,本来,都道府県の事務になっていることは私も理解をしておりますが,本市は,昭和47年に,職業訓練のための施設として技能訓練会館を設置し,他の都市に先駆け,訓練の積極的な支援を行なってきております。このことに対し,私も高く評価をしているところでございます。
しかし,技能訓練会館は,設置されてから20年を経過し,その老朽化が進むとともに,施設内容も当初からほとんど変わっていないことから,時代おくれのものとなってきており,利用者の利便という観点からしてみれば,余り利便性のよい施設とはなっておりません。また,最近の事業内職業訓練の職種は,建設関係のみならず,理・美容やバスガイドといった職種が加わるなど,多様化してきておりますが,技能訓練会館は,これに対応できるような施設内容を備えておらず,各方面から会館施設の充実が求められてきております。
このような会館の状況を踏まえた上で,本市としては,職業訓練の重要性を再認識し,訓練が一層効果的にかつ円滑に行えるよう,その方策を考えていかなければならない時期に来ていると考えるものであります。
一方,職業訓練の促進は,国レベルにおいても重要な施策として位置づけられております。雇用保険法の中で,地域職業訓練センターの設置についての定めがあります。これは,各地方の実情に応じて,技能者の育成や女性労働力の活用を促進するための施設として,労働省の予算で地方に施設を設置し,第三セクターにより運営しているものであります。すでに全国では,地方型の施設として58ヵ所,大都市型の施設として8ヵ所,計66ヵ所にこの施設が設置されております。
私は,先日,千葉市と愛知県岡崎市にある施設を視察してまいりました。千葉市の施設は,現在建築中で,平成4年度の開館予定でございますが,岡崎市の施設は,地元業界の要望を取り込みながら運営されており,また,市民にも開放されているなど,地域に密着した活用がなされているという印象を受けてまいりました。逆に問題点としては,運営に当たって,地方公共団体のかなりの持出しがあること,設置基準や施設内容は,労働省によって厳しく制約されていることがわかってまいりました。
しかしながら,本市としても,これまでの技能訓練会館の機能を取り込んだ地域職業訓練センター的な施設の設置について早急に検討を行い,地域における人材育成の促進を図るべきであると考えております。
これまで私は,職業訓練の重要性,それに対する本市の支援施設などについて述べてまいりましたが,本市の人材育成促進という観点から,次の2点につきまして市長のご所見をお伺いいたします。
まず第1点目は,人材不足に対応して,職業能力の開発,その向上に対する支援は,本市にとっても急務の課題であると考えておりますが,本市の職業能力開発に対する支援の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
第2点目は,先ほど述べてまいりましたように,職業能力開発事業は,都道府県が主体となって進めていくべきでありますが,本市としても,さらに一歩進んだ支援が必要ではないかと考えております。今後,本市として,地域における人材育成の促進及び支援施設のあり方について市長はどのようにお考えになっているのか,ご所見をお伺いをいたします。
私は,次に,平成2年の1定での質問に続いて,身体障害者のスポーツ振興と国際交流という観点から幾つか提言を申し上げ,市長のお考えをお伺いいたします。
本年は,国連が定めた障害者の10年の最終年に当たります。この10年に本市の障害者福祉行政は,世界的に広まったノーマライゼーション思想を背景として,福祉の
まちづくりの環境が着々と整備され,思いやりに満ちた社会づくりに真剣に取り組んでまいりましたことは高く評価いたすものであります。
障害者の社会参加という面で,重要な柱の一つに身体障害者スポーツがあります。申すまでもなく,スポーツは身体障害者の皆さんにとって,その残された機能を最大限に発揮して可能性に挑むことにより,体力の維持・増進に役立つことは無論,スポーツを通して日常生活に自信と勇気をもたらすという点で,まさにかけがえのない貴重なものであって,スポーツによって得られるものは,はかり知れない,すばらしいものであることを大きく叫びたいものであります。
さらに加えて見逃せないのは,スポーツを媒体として相互の交流による効果であります。
平成元年秋に本市で開催された全国身体障害者スポーツ大会に,本市選手団の総監督として参加し,選手と行動をともにした私は,障害を乗り越えて力走した後,互いに手を取り,肩を抱き合って健闘をたたえ,激励し合う選手たちの交歓風景を目の当たりにして胸を熱くしたのは,決して私だけではありません。スポーツを通じ,汗と涙で交したこうした友愛の体験は,選手のその後の生活にどれほど大きな心の糧となったか,はかり知れません。
私は,こうした体験から,身体障害者相互のスポーツによる交流の意義を確信して,一昨年の本会議において,国際都市を目指す本市が提唱して,さらにその交流の輪を広げ,姉妹都市間などで身障者の方々の文化・スポーツ交流を行なってはどうかと提言し,市長のお考えをお尋ねしたところであります。
当時の板垣市長は,私の考えに理解を示され,姉妹都市の状況も踏まえ,十分把握しながら,その実現に向けて努力をしてまいりたいとの積極的姿勢を示されました。しかし,それから2年,私の知る限り,身体障害者の皆さんのこうした国際交流は進展を見ないまま,板垣市長から桂市長へとバトンタッチされたのであります。
そこで,私は,まず身体障害者の方々の国際スポーツ交流について桂市長のお考えをお尋ねいたします。
身体障害者スポーツの国際大会としては,パラリンピック,フェスピックなどがありますが,いずれもレベルが高く,本市の選手が出場する機会を得るのはごくまれであります。そのため私は,本市の身体障害者の皆さんが,一人でも多く身近でスポーツを通して海外の身体障害者の方々と交流できるように,勝敗にのみとらわれない,交流親善を目的とした競技会を姉妹都市間で行うことを考えてはどうかと思います。その際,姉妹都市の理事者の方々や身障者団体長のサミットを行い,それぞれの姉妹都市の障害者の方々の実情や,ともに手助けをできる施策を話し合える場を設けてはどうかと考えるのであります。
スポーツ交流の輪が国際レベルにまで広がりを持たせることができれば,身障スポーツの愛好者にとって励みになることは無論,国際親善も深まり,本市が福祉の分野でも国際交流に先導的な役割を果たすことになり,この輪の広がりによる国際的な貢献はまことに大きいと考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。
質問の第2は,身体障害者スポーツ振興の活動の母体となる団体の設立についてであります。
従来,リハビリテーションを主な目的として行われてきた身障スポーツも,近年は,競技スポーツとしての傾向が強くなってきております。各種競技種目の全国大会も,ここ数年かなりの数になり,本市の選手の中には,国際大会フェスピックでバドミントンシングル優勝者,アーチェリー国内大会優勝者,昨年の全国身障スポーツ大会で盲人野球の全国優勝等々,すぐれた選手が出てきております。
本市の場合,身体障害者スポーツの普及と選手の育成・強化,各種競技大会の開催調整などに取り組んでいる団体として北海道身体障害者スポーツ振興協会があり,本市も含めた全道一円を対象にこれらの活動を行なってきております。しかし,その対象区域が道内全域と広範な上,選手指導に当たる指導者もごく少数で,本市の身障スポーツ振興に注ぐ力はおのずと限られているのが実情であります。
私は,身障スポーツ人口も多い本市としては,同協会から外幌協会を独立させ,それに対して本市が側面から支援を行い,スポーツ振興に専念できる体制を築くことが急務であると考えます。また,市長が公約されております身障スポーツセンター建設に伴って,運営管理面でも必要と考えますが,本市の今後の対応をお伺いいたします。
以上,身障スポーツに関しての2点について市長のご所見をお伺いいたします。
最後に,本市のスポーツ振興についてお伺いいたします。
最初に,本定例会に提出されております議案第56号 札幌市基金条例の一部を改正する条例案が上程されておりますが,そのうち,スポーツ振興基金に関して,端的に以下3点についてお伺いをいたします。
まず,目的についてでありますが,スポーツに資するとなっていますが,いずれも抽象的で,具体像をとらえにくく,もう少し基金創設の趣旨も含めて明確なものにしていただきたいと思いますが,いかがでありましょうか。
2点目は,造成費について5億円が計上されていますが,その内容と最終目標額について明らかにしていただきたいと思います。
3点目としては,運用益の活用について,スポーツ振興助成及び選手等,指導・育成事業となっておりますが,具体的にはどのような事業を考えているのか,その内容を明らかにしていただきたいと思います。
次に,各種スポーツ大会開催についてお伺いいたします。
人生80年時代を迎え,長い人生を心身ともに健やかに過ごすことは,市民共通の願いであります。本市においては,昭和51年に健康都市さっぽろを標榜し,いつでもどこでもだれでもをスローガンに掲げて以来,本市の四季を織りなす特色を生かしたスポーツ・レクリエーションのための施設整備,あるいは指導者の育成,さらには市民が参加できるイベントの実施など,市民一人一人が自発的にスポーツに親しめる環境づくりに努めるとともに,健康づくりを積極的に支援することを基本目標として諸施策を展開し,市民スポーツの振興を推進するなど,本市の取組みに対し高く評価をいたすものであります。
折しも,本年2月,フランス・アルベールビルにおいて
冬季オリンピックが開催され,日本の選手団が大活躍をいたしたのは記憶に新しいところであります。顧みて,20年前,1972年本市で
冬季オリンピック大会が開催され,市民は世界のトップクラスの競技を目の当たりにして深い感動を覚えたものでありました。スポーツが私たちの生活を豊かにすることに欠くことのできない要素である今日,これからも新しい発想を取り入れながら,市民ニーズにこたえるスポーツイベントを積極的に展開し,本市として積極果敢にスポーツイベントの誘致を進め,市民のスポーツに対する関心を高めることが肝要であります。
以下,3点について市長のお考えをお伺いいたします。
第1点目は,国際スポーツ大会の誘致についてであります。
私は,本格的な国際時代を迎え,本市は国際社会の一員として,さまざまな分野において海外諸都市との友好親善を深めておりますが,この間にスポーツ交流が果たした役割はきわめて大きいものがあると思います。
これまで本市では,札幌
冬季オリンピックを初めとして,第1回,2回の冬季アジア大会,そして冬季ユニバーシアード札幌大会を開催し,国際都市さっぽろとしての高い評価を受けたところであります。この先,本市においては,国際スポーツ大会を開催する予定がなく,スポーツの分野での地盤沈下につながると心配いたしておりますし,今後こうした国際スポーツ大会を誘致する必要があると考えますが,本市として今後の基本的な取組み方をお聞かせいただきたいのであります。
さらに,仄聞するところによりますと,これまで第7回を数える南アジア大会及び第16回を数える東南アジア競技大会に加え,新たに,アジアでスポーツ競技のレベルが両大会よりも高水準にある東部地域においても,スポーツ交流と相互の協力関係強化にいままで以上にスポーツを発展されることを柱として,第1回の東アジア競技大会を1993年に中華人民共和国で開催される方向で固まり,以降2年に1度開催することとし,95年の第2回大会は,すでに朝鮮民主主義人民共和国が第3回アジア冬季大会に合わせて開催の名のりを上げております。したがって,この東アジア競技大会を本市で開催するとなると,1997年の第3回大会に向けて名のりを上げることになると思いますが,これを誘致するお考えがあるのかどうかお伺いいたします。
次に,昨年1月,本市では,かねてから念願でありました国際的なクロスカントリー競技場として,自然環境を生かした白旗山距離競技場をオープンしましたが,冬季スポーツのメッカたるこの札幌にとりまして,欠くことのできない競技場であります。この競技場は,国際スキー連盟公認の施設となっており,昨年3月のユニバーシアード冬季大会では,選手たちの力とわざを競い合った会場でもあります。
そこで,この世界に誇り得る立派な競技場を,さらに積極的に活用を図るべきであるとの観点から,現在世界的に認知されているクロスカントリースキー・ワールドカップ大会が毎年ヨーロッパを中心に,アメリカ,カナダなど,クロスカントリースキーの盛んな世界の各都市において,毎年12回程度の競技会を開催しておりますが,本市において関係団体の協力が得られるのであれば,開催地及び日程などがまだ決定していない1995年大会の競技会を誘致することに焦点を合わせて名のりを上げてはどうか,そのお考えをお伺いいたします。
第2点目は,ママさん国体の創設についてであります。
近年,生活の中にスポーツを積極的に取り入れる人がふえております。なかんずく,これまでとかくスポーツとの縁が薄かった家庭の主婦の皆さんが,スポーツと親しみながら不断の努力を積み重ねておられる姿を,最近はよく見かけるのであります。主婦の皆さんが,さわやかな汗を流しながら,心と心をつなぐ場としての全国規模による競技大会は,私が調査した範囲では,バドミントン,ソフトボール,バレーボール,卓球など8種目が主婦を対象として,それぞれの競技団体において単独で開催している状況にあります。
そこで,これら個別に行われている大会を統合し,一堂に会して,各市持回りによる,いわゆるママさん国体を創設するよう関係機関などに働きかけるお考えはないか。また,創設が可能となった場合,名誉ある第1回目のママさん国体を,北の都札幌でさわやかな季節に誘致するお考えはないかお伺いいたします。
第3点目は,札幌駅伝大会の創設についてであります。
近年,マラソンに対する人気が急速に高まっております。本市は,札幌マラソン大会を実施し,また昨年,三井海上全国縦断市民駅伝札幌大会を市民が走る身近な大会として,しかも,北海道から九州まで1年かけて,四季折々の美しい各地の風景を舞台にし,日本を縦断する雄大な大会として創設され,札幌市は,この大会の出発地としての栄誉を担ったところであります。
そこで,本市の場合,地下鉄南北線,東西線,東豊線の駅を結びながら,市民ランナーの手から手ヘリレーされる1本のたすきを通して,市民の心と心をつなぐ友情のたすきが届けられ,家族と仲間と一緒に快い汗を流す身近なスポーツを体験できる,そんな大きな夢膨らむすばらしい大会として,加えて,経営の重大な危機に陥っている市営交通,とりわけ地下鉄の需要喚起につながる施策の一助として札幌駅伝大会を創設するお考えはないか,市長のお考えをお伺いをいたします。
以上で,すべての質問を終わりますが,市長のご理解あるご答弁,ご期待をいたしますとともに,ご清聴いただきました皆様に心から感謝を申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(見延順章君) 答弁を求めます。桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私から,5項目についてお答えをさせていただきます。
まず,財政問題についてでございますが,第1点目の地域福祉推進特別対策事業についてでございます。
平成3年度からこの制度の高齢者,障害者に優しい
まちづくり事業を活用いたしまして,既存の公共施設を高齢者や身障者が利用しやすいように,エレベーターやトイレ及び出入り口等の改良や設置を行なっており,平成4年度は,対象施設の範囲が特に認められる公営企業の施設にも拡大されますことから,地下鉄駅のエレベーター設置にもこの事業を活用してまいりたいと考えております。
第2点目の地域総合整備事業債の活用についてでありますが,いままでに芸術の森,平岸プール,新中央図書館の建設や坂道ロードヒーティングの設置などに交付税措置のある地域総合整備事業債の活用を図ってまいりました。
お話にもありましたような大規模な事業につきましては,多額の財源を要しますことから,実施に当たりましては,交付税措置のあります地域総合整備事業債を活用するのが本市にとって最も有利であると考えております。
具体的には,各制度の内容等を十分に見きわめながら,積極的に対応してまいりたいと考えております。
次に,新5年計画における
都市基盤施設の計画的,効率的な維持管理を行うための具体的な施策と,これに要する経費の計画的,安定的な確保についてでございます。
今後,
都市基盤施設の維持管理ということが,これまでになく重要な課題になってくるとのご指摘については,私も同様の認識を持っております。
そこで,新5年計画におきましては,このような点にも十分配慮をいたしまして,事業を取り込んだところでありまして,たとえば本市の建築物について効果的な維持管理ができるような管理状況のデータ蓄積と一元的な管理体制を確立するための調査・研究や,道路の科学的,効率的管理を行うためのレーザー計測システムによる道路舗装状態のデータベース構築,気象レーダー等の情報を活用した除雪作業の計画的運営や坂道ヒーティングの効果的制御を行う降雪情報システム整備などを計画化したところであります。
また,経営的視点に立った事業展開も,効率的かつ経済的な維持管理を行うためには重要であり,そのため,たとえば,ただいま申し上げました降雪情報システムの運用については札幌総合情報センターに委託をし,あるいは道路舗装材等の再生事業拡充のために道路維持公社を新たに設立するなど,第三セクターを十分に活用した施策も積極的に取り込んだところであります。
次に,維持管理に要する経費の計画的・安定的確保ということにつきましては,将来,施設の改修等の集中が予想されることから,先ほども申し上げましたけれども,重要な問題であると認識しておりますので,今後の検討課題として研究してまいりたいと思います。
次に,下水道事業についてお答えをいたします。
ご質問の第1点目は,高度処理導入の基本的な考え方についてでございます。
高度処理は,公共用水域の水質向上を図るとともに,潤いのある水辺空間を創造するため有効な方法であると考えておりますが,多額の建設費と管理費を要しますことから,放流水域の状況や処理水の利用目的によって判断してまいりたいと考えております。
また,この高度処理水は,都市内の貴重な水資源であり,昨年の11月に通水をいたしました安春川のように,今後は都市内の枯渇河川に清流を復活させる利用が考えられますし,工業用水や雑用水としての利用も可能であろうと考えております。
次に,ご質問の2点目の資金ベースを採用している理由についてでございます。
ご指摘のとおり,私も,本来的には損益ベースで使用料を算定し,財政基盤の安定を図ることが望ましいと思っておりますが,幸いにして,下水道事業における現行制度では,施設の更新時にも国庫補助金や企業債が導入されることになっておりますので,再構築が可能でありますし,また,あわせて使用者への負担を考慮いたしまして,当面,必要な資金需要に見合った資金ベースを採用している次第であります。
次に,札幌駅周辺の整備等都心部の諸問題についてお答えをいたします。
第1点目の札幌駅南口の土地利用のあり方についてでございますが,国際化が進んでいる今日,JR札幌駅は,世界に向けての日本の玄関口の一つであると認識いたしておりまして,駅周辺は,その評価に耐え得る質の高い土地利用を進めていくべきだと考えており,そのために必要な規制,誘導は行なってまいりたいと思っております。
また,機能面におきましても,当該地区の特性から,単なる商業業務機能の集積だけではなくて,公共的な施設,機能も取り入れた高度な都市機能が求められることは当然のことと考えております。
したがいまして,いま具体的な土地利用の検討を進めるに当たりまして,お話にもございました教養・文化の情報源となるような施設の配置につきましても,地権者である国鉄清算事業団及びJR北海道の理解,協力を求めるとともに,関係機関とも十分な協議を行なってまいりたいと考えております。
第2点目の都心部の融雪槽についてでございますが,お話にもありましたとおり,都心部の雪対策は,本市の重要な課題と私も受けとめております。したがって,このたびの新5年計画では,雪さっぽろ21計画の一環として,都心部の除排雪のレベルアップを図るため,札幌駅北側に融雪槽を整備したいと考えております。
なお,整備に当たりましては,土地の高度利用を図る地域でありますので,駅前広場の整備にあわせ,その地下公共空間を有効活用してできるだけ早期に事業に着手してまいりたいと考えております。
3点目の都心部の交通対策についてでございますが,札幌市都心交通対策協議会の提言に盛り込まれた具体策を今後実行していくためには,行政と市民,関係者が連携をとり,一体となって対策を講じる必要があると私も認識しております。
そこで,その実行体制として3月中に,商業界,運輸業界,卸業界などを中心とした札幌市都心交通対策実行委員会が設立されますので,本市も積極的にこれに参加し,関係者が一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
また,具体的な取組みにつきましては,交通渋滞時の荷さばき作業を避けること,効率的な納品,配送システムを行うこと,従業員のマイカー通勤を自粛することなどを推進しますが,特に緊急課題である路上駐車対策として,指導員による啓発活動を実施するほか,特約駐車場の拡大,バス・タクシーベイの整備などを行なってまいりたいと考えております。
第4点目の都心部の歩行者交通対策についてでございますが,さきの第5回北方都市会議が開催されましたモントリオール市におきましても,地下鉄とショッピング街とを連結した地下歩行空間網が整備されており,人の回遊によって都心の活性化に大きな成果を上げております。
そこで,本市におきましても,天候に左右されない安全で快適な歩行空間は,市民の利便性の向上や都市機能の充実を促進するものであり,重要な都市施設であると考えております。
したがいまして,このたび国の北1条地下駐車場整備を契機に,本市といたしましても,将来に向けて地下歩行空間ネットワーク計画を策定する必要がありますので,国など関係機関と調整を行いながら,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また,整備手法につきましても,建設には多額の費用を要しますことから,国庫補助事業の導入を初め,融資制度の活用など,さまざまな手法がございますので,今後多面的に検討を行なってまいりたいと思います。
次に,人材の育成についてであります。
第1点目の職業能力開発に対する本市の支援事業の現状についてでありますが,本市では,他の市町村に先駆けて昭和47年に技能訓練会館を設置し,職業訓練の場を提供してまいりました。
また,本市にとって若年層の職業訓練が最も重要であると考えておりますことから,若年層を対象とした事業内職業訓練には,訓練費用の一部助成を行う制度を設けて,平成3年度では19団体に助成を行なってきたところであります。
さらにコンピューター関係の技術者の能力開発につきましては,財団法人札幌エレクトロニクスセンターによる研修事業や株式会社北海道ソフトウェア技術開発機構に対する出資を通して能力開発の促進を図っているところであります。
また,本市では,経営管理者研修会も実施をしておりまして,今後は,デザインなど幅広い職業能力開発事業を展開してまいる所存でございます。
第2点目の地域における人材育成の促進及び支援施設のあり方についてでございますが,職業訓練の重要性は,私自身も十分に認識をしており,特に本市の経済基盤の担い手である技能者に対して,効果的に技能の向上が図られるよう支援をしていかなければならないと,このように考えております。
先ほどお話の中にもありましたように,職業能力の開発事業は,本来都道府県が主体となって進めていくべき事業でありますが,本市としてもすでに技能訓練会館を設置するなど,職業能力開発事業の支援を行なってまいったところであります。
今後におきましては,職業能力開発事業が効果的にかつ円滑に行えるような施設のあり方について,業界の要望等を取り込みながら,技能訓練会館の見直し,あるいは多様な職業能力開発に適した総合的な施設など,さまざまな角度から積極的な検討を行なってまいりたいと考えております。私からは以上です。
○議長(見延順章君) 木戸助役。
◎助役(木戸喜一郎君) 私から,身体障害者のスポーツ振興と国際交流についてお答えいたします。
第1点目の身体障害者の国際スポーツ交流と団体交流についてでありますが,本市の身体障害者が姉妹都市とスポーツや社会参加の現状などについて情報を交換し,交流を深め合うことは,国際親善にも役立つことから,その意義は大きいものと考えております。
スポーツの交流につきましては,たとえば本市内で開催されている身体障害者のスポーツ大会の記念大会などに参加を呼びかける方法もございます。
また,団体との交流につきましては,今後予定している姉妹都市提携の記念事業などに,身体障害者の代表の方に参加していただくなどの方法で検討をしてまいりたいと考えております。
第2点目の札幌市の身体障害者スポーツ振興団体の設立についてでありますが,近年における身体障害者スポーツに対する関心の高まりや競技人口の増加などから,その組織や活動の拠点を整備することは,本市の身体障害者スポーツのより一層の振興に意義のあることと考えております。
平成元年度に,北海道,札幌市などが出捐をして法人化した財団法人北海道身体障害者スポーツ振興協会は,本市を取り込んだ形で活動をしております。今後,新たに団体を組織する場合,現在加入している協会との関係あるいはスポーツ指導者などの人材の確保,また,団体の運営体制や資金などの課題が多くあり,団体の設立については,関係機関と十分に協議して検討をしていかなければならないものと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) 荒井教育長。
◎教育長(荒井徹君) スポーツ振興についてのご質問のうち,後半の部分について市長にお尋ねでございましたが,関連がございますので,一括して私からお答えいたします。
初めに,スポーツ振興基金についてであります。
1点目の目的についてでありますが,本市は従来から,市民スポーツの振興のための各種事業を積極的に実施してきております。これを一層充実させ,さらには新規の事業を展開し,より幅広く市民の間にスポーツ活動の普及,発展を図っていくため,今後安定した財政基盤を確立する必要があることから,新たに基金を設置し,この運用益をもって各種事業の助成に充てようとするものでございます。
次に,2点目の造成費についてでありますが,5億円のうち1億円を現文化交流振興基金から繰り入れ,残り4億円については,一般財源で措置することとしております。
なお,目標額としては,平成8年度までの向こう5年間に10億円を予定しておりますが,残りの5億円については,民間からの寄附金等も含め,さらに充実を図っていく考えであります。
3点目の運用益の活用についてでありますが,総体の対象事業としては,一つには,市民スポーツ振興事業,二つ目には,スポーツ指導者育成事業,三つ目には,スポーツ交流事業,四つ目には,スポーツ選手育成・強化事業を柱としております。
その具体的な事業といたしましては,札幌の四季を通じて,市民が広く継続してスポーツに親しむことを目的として,既存のクロスカントリー,札幌マラソン,札幌国際スキーマラソンの各大会に,新たにアルペンスキー,水泳等を加えた札幌の四季を制する5種目のスポーツイベント,仮称札幌四季ペンタスロン大会の実施や,だれでもいつでも気軽に楽しむことができる本市独自のニュースポーツの開発普及に努めた者に対する表彰,指導者の海外派遣研修の実施,市民のスポーツ振興に寄与する交流活動を行う者に対する助成等を考えております。
平成4年度におきましては,初年度ということもあって,運用益が2,000万程度しか見込めないことから,この範囲で実現可能なものから順次実施してまいりたいと考えております。
次に,各種スポーツ大会の開催についてお答えいたします。
1点目の国際スポーツ大会の誘致についてでありますが,まず,今後の本市の基本的な取組み方といたしましては,本市は,これまで国内外のスポーツイベントを積極的に誘致,開催してまいりました。今後もその姿勢を変える考えはございませんので,事情の許す限り大会の開催に努めてまいります。
次に,ご提案の大会について順にお答えいたします。
初めに,第3回東アジア競技大会を1997年に札幌に誘致することについてであります。
国際スポーツ大会を所管する日本オリンピック委員会によりますと,1994年に広島市で第12回アジア競技大会を,翌1995年には福岡市で第18回ユニバーシアード夏季大会を開催し,第3回東アジア競技大会が予定される1997年には,翌1998年に長野市で開かれる第18回
冬季オリンピック大会のプレオリンピックを開催しなければなりません。特に,長野市での
冬季オリンピック開催が決定したことにより,日程的に過密となり,第3回東アジア競技大会の日本開催は,オリンピック委員会として対応がとれず,苦慮している状況である旨確認しております。本市といたしましては,今後とも同委員会との連絡を密にして情報収集を行なってまいりたいと考えております。
次に,クロスカントリースキー・ワールドカップ大会を本市に誘致することについてでありますが,この大会の開催地については,国際スキー連盟に提案し,ここで決定の運びとなります。
なお,これら一連の手続を主管する札幌スキー連盟においては,1995年大会に意欲をお持ちと伺っております。本市での開催が決定した場合には,同連盟に対し,ジャンプワールドカップ札幌大会同様の支援・協力をいたしたいと存じますが,その動向等を見定めつつ対応してまいりたいと考えております。
2点目のママさん国体の創設と誘致についてでありますが,全国大会を行なっている競技種目のうち,バレーボール,軟式庭球及び剣道は毎年東京で,また,サッカーは毎年静岡県清水市で開催されると聞いております。したがいまして,これら個別大会を統合し,各市持回りにより国体を開催することについては,競技団体と時間をかけて十分に協議・調整を図る必要があり,現時点では難しいと考えられます。
しかし,ご提案につきましては,意義のあることと存じますので,国体の運営等を所管する文部省及び日本体育協会に対して申入れしたいと考えております。
3点目の札幌駅伝大会の創設についてお答えいたします。
ご提案の大会は,まことに興味をそそられるものでございますが,そのコースとしては,当然,すべて市街地を走行することとなります。市街地走行の大会としては,北海道マラソン大会あるいは札幌国際ハーフマラソン大会などがすでに行われておりますが,この実現のためには,道警及び札幌陸上競技協会等関係団体との協議・調整を進めていく必要がございます。本市としては,まず,実績のある本市主催の札幌マラソン大会を全面的に市街地走行としたいと考えておりまして,その面から,この駅伝の開催は難しいものがあると考えられます。
また,限られたシーズンでの日程調整等の検討課題も多くございます。したがいまして,ご提案の札幌駅伝大会の創設につきましては,諸課題を克服できないかどうか,今後十分に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(見延順章君) お諮りをいたします。
本日の会議はこれをもって終了し,明3月4日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(見延順章君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○議長(見延順章君) 本日は,これで散会をいたします。
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散 会 午後3時57分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 見 延 順 章
副 議 長 湊 谷 隆
署名議員 山 崎 七 郎
署名議員 山 口 た か...