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昭和62年第 1回臨時会−01月20日-02号

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  1. 札幌市議会 1987-01-20
    昭和62年第 1回臨時会−01月20日-02号


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    昭和62年第 1回臨時会−01月20日-02号昭和62年第 1回臨時会              昭和62年   第1回臨時会         札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 2 号 )           昭和62年1月20日(火曜日)午後1時2分開議          ―――――――――――――――――――――――議事日程(第2号) 第1 議案第1号(市長提出)    (1件に対する総務委員長報告等)  ―――――――――――――――――― 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第1号 専決処分承認の件    (札幌市特別職職員の給与に関する条例の一部改正) 追加日程 決議案第1号 市行政綱紀粛正に関する決議  決議案第2号 綱紀粛正に関する決議  ――――――――――――――――――出席議員(69人) 議   長       吉 野 晃 司 君
    副 議 長       山 崎 七 郎 君 議   員       武 市 憲 一 君 議   員       大 越 誠 幸 君 議   員       高 橋 忠 明 君 議   員       常 本 省 三 君 議   員       森   和 雄 君 議   員       猪 熊 輝 夫 君 議   員       西 村 茂 樹 君 議   員       松 浦   忠 君 議   員       川口谷   正 君 議   員       八 田 信 之 君 議   員       小 谷 俵 藏 君 議   員       森   健 次 君 議   員       小 田 信 孝 君 議   員       山 根 泰 子 君 議   員       佐 藤 美智夫 君 議   員       佐 藤 寿 雄 君 議   員       室 橋 一 郎 君 議   員       柴 田 薫 心 君 議   員       山 田 信市郎 君 議   員       加 藤   斉 君 議   員       南   二 郎 君 議   員       吉 田 哲 男 君 議   員       赤 田   司 君 議   員       斎 藤 忠 治 君 議   員       長 岡 武 夫 君 議   員       唯   博 幸 君 議   員       丹 野   勝 君 議   員       高 橋 重 人 君 議   員       青 木   護 君 議   員       須 合 一 雄 君 議   員       高 橋 光 義 君 議   員       高 橋 政 喜 君 議   員       見 延 順 章 君 議   員       富 田 新 一 君 議   員       澤 木 繁 成 君 議   員       伊与部 敏 雄 君 議   員       水 由 正 美 君 議   員       磯 野 開 丈 君 議   員       長 谷 信 一 君 議   員       常 見 寿 夫 君 議   員       政 氏   雅 君 議   員       大 杉 達 司 君 議   員       加 藤 隆 司 君 議   員       田 畑 光 雄 君 議   員       朝 川 利 雄 君 議   員       野 間 義 男 君 議   員       越 智 健 一 君 議   員       湊 谷   隆 君 議   員       工 藤   勲 君 議   員       宮 ロ 健太郎 君 議   員       鈴 木 伊佐夫 君 議   員       菅 井   盈 君 議   員       乙 川 節 郎 君 議   員       田 畔   満 君 議   員       菊 田 勝 雄 君 議   員       宮 田 泰 成 君 議   員       宮 川 新 市 君 議   員       乙 黒 定 七 君 議   員       吉 田 一 郎 君 議   員       山 田 長 吉 君 議   員       岡 本 修 造 君 議   員       滝 沢   隆 君 議   員       藤 田 雅 弘 君 議   員       向 川 武 夫 君 議   員       加 藤   亨 君 議   員       山 本 長 和 君 議   員       鯉 登 義 夫 君  ――――――――――――――――――欠席議員(なし)  ――――――――――――――――――説明員 市   長       板 垣 武 四 君 助   役       河 崎 和 夫 君 助   役       神 戸 隆 一 君 助   役       桂   信 雄 君 収 入 役       津 坂 俊 一 君 総務局長        平 林   勇 君 財政局長        蒲 谷 亮 一 君 経済局長        紺 野 哲 郎 君 教育委員会委員長    勝 木 郁 郎 君 教育委員会教育長    松 村 郁 夫 君 人事委員会委員長    山 岡   暸 君 人事委員会事務局長   森     清 君 監査委員        乙 川 節 郎 君 監査委員        長 谷 信 一 君  ――――――――――――――――――事務局出席職員 事務局長        川 上 光二郎 君 事務局次長       山 本 浩 介 君 庶務課長        丸 岩 公 充 君 議事課長        入 江 一 郎 君 調査課長        前 川 俊 明 君 議事係長        英   俊 彦 君 委員会一係長      田 中 博 之 君 委員会二係長      土 屋   逞 君 書   記       谷   葛 磨 君 書   記       小 堤 國 雄 君 書   記       土 屋 康 博 君 書   記       吉 田 雅 博 君
    書   記       高 佐 三緒子 君 書   記       涌 島 正 之 君  ――――――――――――――――――議長吉野晃司君) これより本日の会議を開きます。  出席議員数は,64人であります。  ――――――――――――――――――議長吉野晃司君) 本日の会議録署名議員として田畑光雄君,鯉登義夫君を指名します。 ○議長吉野晃司君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。  ――――――――――――――――――事務局長川上光二郎君) 報告いたします。  南里監査委員病気療養のため,山本監査委員は所用のため,それぞれ本日の会議を欠席する旨,届け出がございました。  本日の議事日程及び請願・陳情の閉会中継続審査申出一覧表は,お手元に配付いたしております。以上であります。  ――――――――――――――――――議長吉野晃司君) 議案提出準備のため暫時休憩いたします。  ――――――――――――――――――      休 憩 午後1時3分      再 開 午後1時32分  ――――――――――――――――――議長吉野晃司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより,議事に入ります。  日程第1,議案第1号を議題といたします。  委員長報告を求めます。総務委員長 須合一雄君。  (須合一雄君登壇・拍手) ◆須合一雄君 総務委員会に付託されました議案第1号 専決処分承認の件(札幌市特別職職員の給与に関する条例の一部改正)について,その審査結果をご報告いたします。  主なる質疑として,事件を起こした職員農務部在職期間のうち,被害状況が明らかになったのは,わずかな期間にすぎず,仮に農務部在職中のすべてにわたって着服が行われていたとすれば,被害金額は膨大なものであり,この期間についても徹底的な解明がなされなければ,市民の納得は得られないと考えるが,事件全貌解明に向けた対応と見通しはどうか。今回の事件によって退職を余儀なくされた部長らがいる中で,特別職処分が3ヵ月の減給にとどまっているのは,厳正な処分とは言えないのではないか。  また,いかに立派な人物であっても,権力の座に長くとどまれば,そこに腐敗やよどみが生ずるのは必然であり,この種の事件の再発を防止し,市政に対する市民信頼を回復するためにも,市長はみずからその職を辞して長期政権の弊害を取り除くべきではないか。  さらに,今後この事件の被害が拡大したり新たに別の事件が発覚した場合,市長はどのように対処する考えか。不祥事に対し,市長は給料の一部を減額することでその責任をとったとしているが,事件発覚後,直ちに臨時会を招集するとともに,さきに開催された関係の常任委員会に,みずから出席をして釈明することこそ,最高責任者としての立場であったのではないか。  今回の不祥事は,内部のチェック体制ができていないことにその原因があると考えられるが,業務遂行責任者である市長は,今回の事件問題点をどう分析し,改善していく考えか。  市長の多選による弊害が今回の不祥事と重大な因果関係があるのではないか。また,人脈,学閥等による不公平な人事あるいは人事の停滞が職員の士気を低下させ,不祥事の原因となっているのではないか。  昨年,管理職職務手当及び期末勤勉手当を引き上げるとともに,一方では一般職員期末勤勉手当を削減したが,結果的に一般職員士気低下を招くことになったのではないか。参与制度の導入は,職員の士気の高揚に結びつくのか。市長の考え方は,職員に反映するものであるから,市長職員に毅然たる姿勢を示すためにも,十分な責任をとるべきではないのか,等がございました。  これに対して市長から,私の感じております責任の重みにつきましては,昨年の暮れ以来いろいろな機会に申し述べてきているところであります。本当に残念な事件でありますし,最高責任者として,本当に遺憾にたえないと思っています。すでにいろいろな対応策を講じ,市民信頼を回復するような努力を重ねてきておりますけれども,これからもなお一層その意味で努力をし,市民信頼を回復したいと思っております,等の答弁がございました。  続いて討論を行いましたところ,自民党佐藤寿雄委員から賛成の立場で,社会党川口谷 正委員から反対の立場で,公明党・丹野 勝委員新政クラブ・加藤 亨委員から賛成の立場で,共産党高橋重人委員から反対の立場で,それぞれ意見の表明がございました。  討論終了後,採決を行いましたところ,議案第1号は賛成多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上で報告を終わります。 ○議長吉野晃司君) ただいまの総務委員長報告に対し,質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長吉野晃司君) 質疑がなければ,これより討論に入ります。  通告がありますので,順次発言を許します。  まず,川口谷 正君。  (川口谷 正君登壇・拍手) ◆川口谷正君 私は,社会党議員会を代表いたしまして,第1回臨時市議会に提案されました議案第1号 専決処分承認の件につき,反対の立場討論をいたします。  このたびの臨時市議会は,昨年来頻発した本市職員不祥事について,その真相究明と,市長を初めとする幹部の政治的,道義的責任市民の前に明らかにすることを目的で招集されたものと理解をしております。  私どもは,これに先立つ1月12,13日の経済公営企業委員会総務委員会また昨日の総務委員会において,事件の真相と原因の究明並びに市長,助役を初めとする最高幹部責任の所在を明らかにすることを訴えてきたところでございます。  しかし,まことに遺憾ながら,この間明らかになったことは,きわめてずさんな金銭出納管理監督不行き届き,条例上保存を必要とする公文書の紛失,甘い監査,上に軽く下に重い処分内容等々,とうてい市民の理解と納得のいくものではないものでありました。  昨年2月の市職員韓国旅行事件を初め,円山児童会館事件土木事業所汚職事件,中央区土木事業所公金詐取事件,そして12月に発覚した農務部職員の公金4,100万円着服事件で,腐敗もここにきわまれりの感があります。特に,着服をされた公金は,市民の血と汗によって賄われた何人も侵しがたい浄財であり,厳正に執行されなければならない神聖な財源であります。急激な円高不況と景気の低迷に呻吟する市民の心情を思いやるとき,私は並み大低の責任のとり方では済まないものと考えるのであります。  さらに,今回の事件は氷山の一角が明らかになったのみで,目下捜査が司直の手にゆだねられ,調査が進むにつれて,さらにエスカレートすることが考えられます。また,類似の事件が潜在しているやにもうわさされる今日の状況であります。本市の信用は,まさに地に落ちたのであります。  一方,大多数の善良な市職員市民から疑惑の目を向けられ,士気に重大な影響をもたらしていることにも心をいたさなければなりません。  市長,よく聞いていただきたい。市民の声があなたの耳に届いているのでしょうか。札幌市役所は伏魔殿だ,汚職のデパートだといった声がちまたにあふれているではありませんか。市民の憤りがわかりませんか。  私は,今回の一連の事件を顧みるとき,これは単に管理監督不行き届きにとどまらず,人事の停滞を初めとするもっと根源的,構造的汚職だと考えるのであります。  板垣市長は,人格,識見,実績とも申し分ない名市長だと言う人がいます。それも結構でしょう。では,なぜ名市長のもとで,これほどの汚職が続発するんですか。昨年正月以来の河崎助役との市長選挙出馬をめぐる目に余る権力闘争,市の出資団体である第三セクターヘの高級幹部の長期の天下り等,法外な報酬問題,事実上市長後援会に勤務時間中にもかかわらず各区長を動員する公私混同,これらの事実は,明らかに長く権力の座にある者が陥る一つの姿であります。まさに,板垣市長もその例外ではないのであります。  市長,この際多くの市民の声に耳を傾け,潔く辞職すべきではありませんか。みずからの責任は軽く,部下には重い今回の処分を私どもは認めるわけにはまいりません。このままでは,事件,事故の再発防止は全く期待できないのであります。  市長は,その職を辞して市民並びに善良な市職員に対して,最高責任者としてみずから償うべきであります。このこと以外をもって信用の回復の道がないことを重ねて申し上げまして反対討論といたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長吉野晃司君) 次に,佐藤寿雄君。  (佐藤寿雄君登壇) ◆佐藤寿雄君 今回の臨時市議会に提案されました議案第1号 専決処分の承認に対し同意する立場から,自民党公明党新政クラブを代表いたしまして討論をいたします。  このたび,札幌市行政の歴史始まって以来の計画的かつ知能的な事件,上司の机の引き出しの合いかぎをつくり,印鑑を盗用し,所定の書類を作成し,管理者監督の目を外し,長期にわたり4,000万を超える多額の横領をなし,58年以前の証憑は証拠隠滅を図り,処分されており,きわめて悪質であり,同情の余地はありません。1万7,000人余の職員の中で,ただ1人の職員不正行為が,他の多くの意欲をもって勤勉に働く職員に暗い陰を落とし,市民からの信頼を失墜させたのであります。  当人は,日ごろの勤務状態はよく,仲間,同僚にも信頼が厚く,評価されたと聞いて伺っておりますが,それだけに,処分を受けた当時の上司の方々は,信頼の上に立っての職場の人間関係であっただけに,管理者監督者としての責任の遂行の厳しさと重大さに深い思いをいたしておると思います。同時に,議員といたしましても,反省をしなければならないところであると存ずる次第であります。  いずれにいたしましても,このような不祥事が再び発生してはならぬことは当然であり,起こることはそこに何らかの間隙が存在していた事実であります。  たとえば,不正支出の事実を糊塗するための手段として,簡単に支出更正の方法を悪用できたとか,経理担当でありながら9年間も同一職場に配置されていたこと等が挙げられます。  かようなことから,これを一つの契機として,万全なペーパー管理システムの確立を急ぎ,さらに管理者監督者としての責任を十分に認識し,職員の教育,管理監督,内部の監査機能見直しに精励していただき,市民信頼の回復に全力を傾注していただきたいことを申し上げます。  かような不祥事で,今回市長助役給与の一部減額,局長職2人を含む8人の管理監督者処分は,他都市の例を見ても厳しく,それだけに市長のみずからが今回事件責任を回避することなく,しっかりと強く受けとめ対処していく姿であり,私どもは,専決処分されましたことに対して,内容も含め妥当と判断をいたしております。  そこで,次に数点要望を申し上げます。  その第1点は,今回の事件の背景なり原因なりを考えてみますと,経理会計事務におけるチェック体制の不備が指摘できますので,会計制度見直しを行うと同時に,当面支出の最終審査等を行っております会計室人員増を図ってでも,このチェック機能の強化,充実を図っていただきたいと思います。  第2点は,今回の事件において,文書管理及びその保存年限あり方にも問題があるとされておりますので,これらの点についても十分留意の上,見直しを図っていただきたいと考えます。  第3点は,機構のあり方についてでありますが,この際真に効率的で簡素な組織機構をつくり上げるための機構の改革に一層の努力を期待したいと思います。  第4点は,市政を立派に推進させ,市民信頼を得るためには,職員間の信頼関係が確立され,相互の意思の疎通が円滑に行われる,いわゆる風通しのよい職場の醸成が大事であると思われますので,この点についても積極的に意を用いていただきたいと考えます。  最後に,ただいま申し上げました点を含めて,今議会等の審議の過程でわれわれから出された要望及び指摘事項につきましては,今後十分に検討され,二度と不祥事を起こさないよう,強く要望して討論を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長吉野晃司君) 次に,高橋重人君。  (高橋重人君登壇・拍手) ◆高橋重人君 私は,日本共産党を代表し,議案第1号 専決処分承認の件に反対の立場から討論を行います。  市長は,昨年発生した一連の職員汚職不正事件責任をとる形で,市長の給料の30%,助役は20%,1月から3月までの3カ月,それぞれ減額する専決処分を行い,承認を求めているものでありますが,今回の農務部職員による着服事件は,4,000万を超えるその金額といい,58年度から61年度まで,足かけ4年度のその長期にわたる犯行,しかも,内部チェックが全くなされず,ずさんな予算執行状況が露呈されるなど,市政内部に生じているでたらめさを一挙にさらけ出し,市民の怒りを生じさせているのであります。  しかも,昨年1年間だけで5件の不祥事件,56人の処分者を出していることからも,市長並びに助役等の幹部の責任はきわめて重大と言わなければなりません。  市長は,市民に深くおわびをすると陳謝の意を表明されましたが,今回の給料の一部減額という措置,並びに,最大限の努力を行って信頼の回復に努め,また事件の再発を防止するよう万全を期すとの態度を明らかにされましたが,しかし,今臨時市議会並びに先般開催された総務委員会経済公営企業委員会における理事者の答弁は,市民を納得させ得ないのみならず,口先では反省していても,腐敗が生まれる根源には全く触れようとしないその場しのぎのものでしかないと言わざるを得ないのであります。  まず,本臨時議会開催の経過並びに総務,経済両委員会市長が出席しないという不誠実な態度は断じて容認できないのであります。これほどの重大な不祥事件が発生し,みずからもその管理指導の責めを認め,専決処分を行ったことに関し,直ちに臨時市議会の招集を行い,あるいは関係委員会において,市長みずからが市民に対し陳謝すべきものであります。  ところが,当初,臨時議会の招集についてはそれを拒否し,関係委員会市長が欠席という態度は,責任を深く自覚し,真に反省している態度とは受けとれないと言われてもやむを得ないのであります。また,一連の不祥事の原因についても,みずからに厳しく受けとるという点については,全く欠落しているのであります。  なぜ,これらの一連の事件が発生するのか。昨年来,私どもは再三にわたって,市長にその政治姿勢をただしてまいりました。市長は,その都度,事故の根絶を至上命令とし,有効な防止策の確立に真剣に取り組み,市民信頼を回復すべく努力すると決意を述べられてこられました。  しかし,市長の決意や努力という言明にもかかわらず,なぜ腐敗が生じるのか。それは,4期16年,助役時代を含めるなら,板垣市長市政最高幹部の職に就任されてから31年間の堆積したうみが,いま集中的に出ていると見るべきであります。  市長は,人事は難しいという口実で,人事の停滞,行政のマンネリ化や沈滞,あるいは職員の無気力,やる気のなさなどを,市長のみずからの政治姿勢から生まれてくるものとは見ず,それを否定し,河崎問題のあいまいな態度小塩北海道熱供給公社社長など,本市がつくった第三セクターの在任期間基準の抵触にも優柔不断な態度をとり,みずからの利益を最優先させている政治姿勢が,職員の士気にも陰に陽に悪影響を与えていることに目をふさいでいることが問題なのであります。  河崎問題で,わが党は行政の混乱をただしました。市政は遅滞なく進行したと,市長は胸を張って答弁をされました。まさに,そのとき,今回のような悪質な着服事件が進行中であったことは,みずからの言動に照らし,どう釈明されるのか,明快な態度が昨日の審議の中からも示されなかったのであります。  昨年は総務局長,今回は農務部長農政課長引責辞職ということがありましたけれども,昨日の総務委員会では,職員自身自発的意思で退職したものであり,やめさせたわけではない旨の答弁がございましたが,これは自己弁護以外の何物でもありません。その場その場を言葉だけで糊塗していく板垣市政のその態度こそ,深く反省が求められているのであります。  一連の不祥事を真に市民立場でその責任を受けとめようとする考えがあるならば,即時辞職するか,少なくとも五選出馬は辞退する意思表明こそ,公人としてとるべき当然の態度であることを主張し,反対討論といたします。(拍手) ○議長吉野晃司君) ほかに発言がなければ,討論を終結し,直ちに採決に入ります。  議案第1号を承認することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長吉野晃司君) 起立多数であります。よって,議案第1号は承認されました。  ――――――――――――――――――議長吉野晃司君) ここで,日程に追加いたしまして,決議案第1号 市行政綱紀粛正に関する決議及び決議案第2号 綱紀粛正に関する決議一括議題といたします。  決議案第1号は,社会党所属議員全員の,また決議案第2号は,共産党所属議員全員の提出によるものであります。  まず,決議案第1号の提案説明を求めます。富田新一君。  (富田新一君登壇・拍手) ◆富田新一君 私は,社会党議員会を代表し,決議案第1号 市行政綱紀粛正に関する勧告決議案(14ページで訂正)の趣旨を申し上げるものでありますが,本決議案は,将来にわたる本市行政の円滑な推進を図ろうとするものであり,出席全議員各位のご賛同を得たいと存じるものであります。  まず,現在開催されている第1回臨時市議会がどうして開催されたかについてでありますが,昨年の2月,元土木部主幹等が,土木建築業者との癒着により韓国旅行をしていたことが表面化し,その後も市費の不正流用や収賄事件が相次いで発覚し,その都度再発防止と異例な通達が繰り返されてきたにもかかわらず,何らその効果もなく,昨年の暮れも迫った12月,一つの事件としては余りにも衝撃的な公金詐取事件が発覚し,その大きさに驚き,これまでに解明された被害額だけでも4,100万円を超える巨額なものであり,加えて,重大なのは,行政執行上欠かすことのできない組織運営が欠落し,数年にわたる犯罪であるにもかかわらず,全くこれらがチェックされることなく,その被害を増大ならしめたことは,一職員の引き起こした問題であるとはいえ,市政の公正な執行に心血を注がなければならない最高責任者たる市長は,事の重大性について何を認識するかが問われているのであります。  こうした中で,事件を起こした職員の上司2名は辞職をもってみずからの責任をとらされたのであります。同時に,市長・助役はご承知のような減給処分を行い,本議会への提案となったのでありますが,問題は,かかる不祥事のよって来た要因は何かということを真剣に考えなければなりません。もとより,事件を起こした原局の組織責任は真っ先に問われるのは当然であります。しかし,その組織機能は,単に一職員が印鑑を盗用し,事務処理を適当に済ませていたとしても,常時報告される予算執行状況の分析,あるいは決算見込みを立てたり,決算書の作成,さらには予算案の要求など幾つものチェックポイントがあるにもかかわらず,その組織機能が働かなくなっていた現状は一体何であったのかと問われているのであります。  市長は一体,いま何を考えているのでしょうか。昨日の総務委員会において,第1号議案が多数決で通過したからこれで一安心,一件落着とでも思っているのでしょうか。そのようなものではないと思うのであります。このような組織機能を麻痺させてきた,そもそもの大きな原因は,市長みずからの言動に起因したかもしれないという責任をどの程度感じておられるのでありましょうか。そこを考えない限り,今回のような処分で事足りるものだと思い込んでしまうのではないだろうか。  同時に,これまでの市長の座は,みずからの意思に反した長いものでもあったろうと思うのであります。なぜなら,3期目の市長は,4選出馬はあり得ないと繰り返してきたものの,結局は今日の4期目を迎え(発言する者あり),58年の初顔合わせにおけるこの議場において,「私の市長はこれで終わりである」ことを述べられ,その後,庁内における部長会議等においても,この中から後継者を出したい旨の発言をしてきたというのですが,同時に,市長公宅の改築を提案するに当たっても,自分にかわる新しい市長のために改築したいという意向を示しながら完成を見たのでありますが,いつの間にかこの次も市長選に出馬するというのであります。(発言する者あり)  このような経緯の中,市長の威厳は4年前の市長就任と同時に失われ,(発言する者あり)庁内における部下職員の中には,この後の市長はだれであるかということに着目し,みずから果たすべき職務の責任をついつい(発言する者あり)置き去りにされる空気をつくり出してきたのだということに,最も責任を感じなければならないのであります。  いまから30年前の昭和31年12月20日,本市議会は市長に対し,相次ぐ不正事件の発生により,綱紀粛正に関する勧告決議を手渡したことがありますが,この当時も,今回の事件と同じように,日雇い労務者の賃金に関して,架空の人物を捏造し,不正に公金を支出した問題があり,このときは,6,042円の支出で済んだのですが,それらの事件を含め12件の事柄を対象に決議がなされたのです。それに比べて,今回の事件は余りにも異常と言える事件を引き起こしてしまったのであります。  これまでの質疑の中で処分の軽重も問われていますが,助役は,「特別職本人にかかわる事件でないとこのような処分が行われておらず,今回の措置が異例の措置である。」と繰り返し答えているが,そもそも最高責任者としての使命的責任体制を放棄する姿勢であり,このような認識においては,部下職員に締まりのある組織上の責任を植えつけることは,ますます困難なものであると言わなければなりません。一連の不祥事を他人事としてとらえている無責任さを示すことは,到底容認するわけにいかないのであります。(発言する者あり)この際,すべての私心を捨て,初心に返り,身の正すべき出処進退を明確にすることにより,責任ある執務体制の確立と市民信頼の回復が図られるものと確信し,本案を提出するものであります。  先ほどですね。一番冒頭に勧告決議案と申し上げましたが,これは決議案ということで読みかえていただきたいと思います。  大変どうも失礼いたしました。以上で終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
    議長吉野晃司君) 次に,決議案第2号の提案説明を求めます。高橋重人君。  (高橋重人君登壇・拍手) ◆高橋重人君 決議案第2号 綱紀粛正に関する決議について,提案説明を行います。  まず,文案でありますが,「度重なる一連の職員による不祥事は,市政に対する市民信頼を失墜させ,市民市政に対する期待を裏切るものである。この不正,汚職事件は,不公正人事,差別人事,幹部職員の天下りなどを行ってきた板垣市長自身の長期にわたる市民不在の政治姿勢に起因するものである。よって,市民本位の市政による民主的人事行政をはかり,不正の再発防止につとめることはもとより,市長はその責任を明確にするため,即時辞職すべきであります。」  こういう文案の決議案を上程をするわけでございますが,先ほど私が討論でも申し上げましたように,昨年来のこの一連の不祥事件をいうものは,非常に重大な中身であることは,これはもう皆さんすでに異議のないところでございます。  汚職事件というのは,もとより,それを行った職員の個人の資質の問題や,その個人の犯したその個人の責任が問われなければならないことは言うまでもありません。しかし,同時に,この4,000万を超える事件に見られますように,市役所職員の中にある沈滞したムード,また,管理・監督にある係長を初め,課長・部長,さらに局長や,その局長を指揮・監督する助役を初め,市長のこの最高首脳者の政治姿勢も,このそれぞれの汚職事件と全く無関係であるとは,断じ得ないのであります。  昨日の総務委員会におきましてはも,市長は,「みずからの政治姿勢とこれらの犯罪行為との因果関係が明確になれば,その責任を明確にしていきたい」,こういうようなご答弁もございました。私は,このご答弁の趣旨を真に突き詰めていくならば,やはり,これほどの重大な事件が次から次と惹起されておるこの現状について,今回のように給料の30%削減あるいは20%削減というだけで市民に対しておわびの意を表明する,こういうことにはならないことは明らかだと思うのであります。  いま,札幌市民市政の動向に大きなまなざしを注ぎ,注目をしております。それは,市税を納める上でも大変苦労をしながら働いて,大変な税金を納めておる。その市税が有効に使われているんではなくて,一悪質な職員とは申せ,このような不正・乱脈な経理が横行しているというところに,限りない憤りを持っているからであります。  いま,市政は,この市民の不正に対する追及の要望,これにどう真剣にこたえるか,これが問われているのであります。この市民の期待にこたえるためには,何といっても市長みずからが,その責任を明らかにして,やはり,単なる給料の削減というのみにとどまらず,みずからの出処進退,先ほどの私どもの決議にありますように,やはり,辞職をして責任を明確にすることが,何よりも公人としてのとるべき態度であることは明らかだと思うわけであります。  昨年来,五選をめぐりまして,私どもは多選の弊害を追及してまいりました。市長は,「多選の弊害はない,行政の停滞もないし,人事の停滞もない」,こういうことを言われてまいりました。しかし,今回の一連の不祥事件そのものが,市長がいかに答弁をそのように行おうとも,行政の中身から停滞があり,すでに腐敗があったということをいみじくも証明しているわけであります。市長はこうした事態に対し,やはり公人としての責任を明確にすることを要求し,決議案を上程した次第であります。  議員各位におかれましては,この決議案第2号の趣旨にご賛同をいただき,この決議が採択をされますよう,心からお願いを申し上げまして提案説明にかえさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長吉野晃司君) ただいまの各提案説明に対し,質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長吉野晃司君) 質疑がなければ,討論の通告がありませんので,直ちに採決に入ります。  この場合,分割して行います。  まず,決議案第1号を問題といたします。  本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長吉野晃司君) 起立少数であります。よって,本件は否決されました。  次に,決議案第2号を問題といたします。  本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長吉野晃司君) 起立少数であります。よって,本件は否決されました。  (見延順章君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○議長吉野晃司君) 見延順章君。 ◆見延順章君 先ほど川口谷議員討論の中で,非常に聞くにたえないと言いましょうか,乱暴だと言いましょうか,不穏当の発言があった部分があると思われますので,議長職において十分精査を賜わりたいと存じます。(発言する者あり)  (湊谷 隆君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○議長吉野晃司君) 湊谷 隆君。 ◆湊谷隆君 いま見延議員のほうから,川口谷議員の不穏当の発言というところが出ましたが,どの部分が指摘をされたのか,それを明らかにしていただきたい。  それと同時に,採決の終わった後でありますので,それについては議長の職権でお諮りをしていただきたいと思います。  (山田長吉君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○議長吉野晃司君) 山田長吉君。 ◆山田長吉君 議長,この場所で休憩してくれ。この場所で。(発言する者あり) ○議長吉野晃司君) それでは,この場において暫時休憩します。  ――――――――――――――――――      休 憩 午後2時14分      再 開 午後2時45分  ――――――――――――――――――議長吉野晃司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  最後にお諮りします。  請願・陳情の閉会中継続審査について,各委員長の申し出のとおり決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長吉野晃司君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。  ――――――――――――――――――議長吉野晃司君) 以上で,本臨時会に付議の案件はすべて議了いたしました。  これをもって,昭和62年第1回札幌市議会臨時会を閉会いたします。  ――――――――――――――――――      閉 会 午後2時46分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長        吉   野   晃   司  署名議員        田   畑   光   雄  署名議員        鯉   登   義   夫...