それでは、通告に従いまして質問をいたします。
朝晩さわやかな風が吹くようになり、秋らしくなりましたが、この夏は記録的な猛暑が続きました。9月に入っても残暑は厳しく、お隣の広島市では6日に36.9度と、9月としては93年ぶりの
歴代最高気温を更新しました。また、先月31日、隠岐の島では1時間で131ミリ、今月9日、岐阜県羽島市でも1時間で71ミリと想像を絶する大雨が降り、多大な被害を起こしています。更に、大型台風が相次いで日本列島に上陸し、各地で河川のはんらんや浸水、土石流による家屋の損壊と大雨による被害が多発しています。多くの被災地はこれまでの時間雨量をはるかに上回る激しい雨となっています。この現象は地球温暖化による異常気象であると一部の専門家は言っております。
このような状況下において、これまでに整備されている一級河川は100年に一度、二級河川、砂防河川においては50年に一度の
予測最大雨量で設計がなされているとのことであります。残念ながら、普通河川に至っては、整備が行き届かない状況と言っても過言ではないでしょう。最近の傾向として、時間雨量が50ないし70ミリと非常に激しい雨が降り、川の増水によるはんらん、低い土地での浸水が頻繁に新聞やテレビで報道されています。
本市においては、一昨年9月、台風14号により佐伯、宮島地域で多大な被害を受け、現在もなお一部において復旧工事が行われています。昭和26年のルース台風以来の大災害でした。ルースをはるかに上回る洪水で、多くの住民は改めて自然の猛威を知らされました。現在、市内で大雨による
浸水被害予想地域として、海抜ゼロ地帯、天井川流域、老朽した護岸を持つ河川区域、雨水施設及びポンプ場の能力不足と浸水は避けられない状況にあり、市民の安全確保に努めるべきであります。ハード面の整備は10年、20年あるいは50年、100年と長い期間が必要であり、それまでの安全対策としてソフト面での
洪水ハザードマップの作成が必要不可欠であります。
そこで、先月23日、
総務常任委員会では、
洪水ハザードマップの先進地として静岡県磐田市に視察研修に行ってまいりました。磐田市は国内でも屈指の大河である
一級河川天竜川と二級河川太田川に挟まれた典型的な
デルタ地帯で、昔から浸水との闘いが絶えないいわゆる海抜ゼロ地帯であります。そこで、市民の安全対策として、浸水の及ぶ範囲と深さ、
指定避難所の位置及び緊急連絡先や避難の際の心得など、マップと冊子で市民にわかりやすくあらわし、市内全戸に配布しております。人的災害を最小限に防ぐ方法として最も有効な手段であり、ハード整備が追いつかない本市にとって必要であると確信いたすところであります。
以上のことから、国が推進している
洪水ハザードマップについて質問いたします。
近年、異常気象による
洪水高潮被害が全国的に発生しております。ハード部分の整備には限界もあり、多額の資金と時間を要し、早急な対策は望めないとのことでございます。そこで、
洪水ハザードマップにより、洪水時の破堤、はんらんなどによる人的被害をなくすことを目的として、洪水時の浸水状況と避難にかかわる情報を地図上にわかりやすく表示し、住民に洪水発生時における浸水の深さなどの被害状況に関する予測情報をあらかじめ提供することにより、地域の特性に応じた避難区域を住民に徹底し、災害時における生命の安全を確保する必要があります。よって、
洪水ハザードマップの
早期取り組みが必要であります。本市の作成時期はいつごろなのか、お尋ねいたします。
次に、
五日市断層について質問をいたします。
昨日も
スマトラ島沖で
マグニチュード8.2という地震が発生したとテレビ報道されておりました。たまたま日本列島ただいま
安倍首相退陣というニュースでこの地震が余り報道されておりませんけれども、多大な被害を出したやにも報道しております。災害に備える9月1日は「防災の日」です。「防災の日」は大正12年9月1日、関東大震災の教訓を忘れないという意味で、昭和35年に制定されましたと9月1日発行の広報「はつかいち」2ページ目の見出しで始まり、地震に対する備え、台風に対する備え、災害に対する備え、危険を感じたら早目に自主避難をと詳細にわたって書かれています。これまでに地震を経験した多くの人がとっさのことでどうしていいかわからなかった、まさしく
パニック状態になると調査結果が出されています。こうした事態を解消するためにも、緊急時の
地震対策マニュアルなどで市民の意識向上を図るべきと思います。
そこで、次の点についてお尋ねいたします。
広島県内では最も大きな被害を受けると言われる
五日市断層が佐伯区石内から廿日市市阿品まで存在し、震度7弱の地震が発生すると、3,400人の死傷者と5兆2,000億円の被害が予測されると広島県は発表しました。
そこで、10月1日から実施される
NHK緊急地震速報や防災無線の活用を住民に徹底し、正確な判断を促し、被害を最小限に食い止める必要があります。今後の取り組みについてお尋ねいたします。
以上、1回目の質問を終わります。
7 ◯市長(山下三郎) 議長。
8 ◯議長(登 宏太郎) 市長。
9 ◯市長(山下三郎) 皆さんおはようございます。
ただいまは身に余る激励の言葉、大変感謝申し上げます。
さて、質問でございますが、1番の
洪水ハザードマップについては総務部長の方から、2番の
五日市断層について私の方から答弁をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
今後の取り組みについてという質問でございます。
五日市断層については、広島県
地震防災戦略策定委員会の報告書が今年の3月に公表され、断層の長さ20キロメートル、
マグニチュード7と設定し、被害想定の見直しが行われたものであります。気象庁が発表する
緊急地震速報は、地震のとき発生するP波とS波の伝ぱ速度の差を利用して、大きな揺れが到達する前に予測を発表するものであります。そのため、
五日市断層による地震のような震源地が近いケースでは、このシステムは役に立たないが、南海地震のように震源地が離れている場合には効果があるものと考えております。
国においては、
緊急地震速報を
Jアラートに乗せて配信することを計画していることから、本市においても、
防災行政無線に
Jアラートの機能ができるだけ早く付加したいと考えております。
また、ことし7月に発生した
中越沖地震には、1,000棟を超す住宅が全壊し、死者の大半が家屋の倒壊で下敷きになった人でありました。特に、昭和56年の
建築基準法改正前に建築された家屋の被害が多かったと言われており、改めて耐震化の必要性を痛感をしております。市民の財産である家屋については、強制的な耐震化への誘導は困難ではありますが、可能な限りPR等に努めていきたいと考えております。
本市においても、平成13年3月24日に発生した芸予地震では、住宅の屋根がわらが落ちたり、宅地の石垣に大きく亀裂が入ったり、また埋立地では液状化現象により護岸がずれるなどの大きな被害が発生をいたしました。この地震による
廿日市市内における公共施設等の被害総額は8億5,000万円以上に達し、人的被害は軽傷者8名、全壊の家屋が1棟、半壊及び一部損壊の被害を受けた住宅が3,271棟など、市民生活に非常に大きな影響を与えました。平成11年6月29日の豪雨災害をきっかけに始まった自主防災への取り組みは、この芸予地震をきっかけに更に機運が高まり、現在本市においては、14の
自主防災組織が設立され、定期的に避難訓練や消火訓練などが行われております。地震などの大災害に対する備えは日ごろからの準備が大切であり、このような地域に根差した自主的な組織の設立や育成を通じ、
近隣相互扶助の精神のもと、今後とも災害に強い安全なまちづくりに努めてまいりたいと考えております。
私の方からは以上です。
10
◯総務部長(
小西三喜男) 議長。
11 ◯議長(登 宏太郎) 総務部長。
12
◯総務部長(
小西三喜男) 私の方から、大きい1番、
洪水ハザードマップについてというご質問でございまして、内容は、
洪水ハザードマップの
早期取り組みが必要だと思うが、本市の作成時期はどうかというご質問でございます。
近年の異常気象による洪水や高潮により、毎年のように日本のどこかで大きな被害が発生いたしております。幸いにも、本市では昨年度は大きな被害がなく、比較的平穏な1年であったと言えますが、これも台風の進路と潮の干満のタイミングによっては大きな被害が出ていた可能性があります。ところで、これらの災害をハード事業のみで押さえ込むことは現実的に困難であり、これは先ほどご指摘いただいたとおりだろうと思います。
ソフト対策を効果的に組み合わせた減災という考え方が重要視されており、ご指摘の
ハザードマップ作成もその取り組みの一つであると認識いたしております。そのうち
洪水ハザードマップにつきましては、本市の二級河川である可愛川、御手洗川、そして永慶寺川が
情報周知河川に指定されたことに伴い、平成20年度に県において
浸水想定調査が計画されており、その調査結果、
調査データを利用して
洪水ハザードマップを作成したいと考えております。
また、高潮の方でございますが、
高潮ハザードマップにつきましては、
県港湾振興局と
広島地域事務所がそれぞれ管理区域内で
高潮浸水想定調査を行っておりまして、現在
調査データの整合を図るために関係機関と調整しているところでございます。これらの
ハザードマップの作成につきましては、国、県からの補助が採択されたものからできるだけ早期に予算化し、住民による情報の共有化や意識の啓発に役立ててもらうことで、水害による被害の最小化を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
13 ◯18番(堀田憲幸) 議長。
14 ◯議長(登 宏太郎) 18番
堀田憲幸議員。
15 ◯18番(堀田憲幸) 最初に、
五日市断層の方について再質問をさせていただきます。
現在のところでは、
五日市断層、
万が一地震が発生したときは直下型であるというふうに報じられておりますが、いずれにいたしましても、そこに住んでおる住民が、そうした地域に私たちが住んでいるんだよという認識が一番大事なことではないかと私は思っております。いろいろ地震が日本各地で発生しておりますけれども、地震が起きた瞬間にどうすればいいかということでなしに、まず身構えるという表現をしておりましたけれども、自分自身でその揺れに反応できるという姿勢が大事だと言っております。以前はまず火を消してというふうなことを言っておりましたが、現在では直ちに身を守る、机の下であったりとか、あるいは上から物が落ちてこないようなとことか、そうしたところにまず一番に逃げなさいよと、ということはふだんから我が家には一番安全な場所はどこにあるのかということを把握しておく必要があるということであろうかと思うんです。ですから、こうした地震が発生した折には、そういったことが常に
市民一人ひとりが自覚できるような、そんな資料が、あるいは情報が必要なんではないかと思います。
先ほど申し上げました磐田市、ここは
皆さんご存じのとおり、
東海沖地震のちょうど面したところにあるわけですけれども、その磐田市では、
地震対策マニュアルというものを作って全戸に配布をいたしております。これをいろいろ読みますと、今申し上げたようなことをはじめ、多くのことが書き込まれております。これが我が市にも要るんではないかと、直ちに充実すべきというのではなくて、将来的にはこういったものも備えて各戸に持っておく、そして自分たちが住んでおる環境がどのようになるのかということを認識する、こういうことが大事ではなかろうかと思います。近い将来、
地震対策マニュアルを作られるお考えかどうか、お伺いをいたします。
16 ◯市長(山下三郎) 議長。
17 ◯議長(登 宏太郎) 市長。
18 ◯市長(山下三郎) 地震は今世界各国でですね、大きな災害をもたらしておるところでございまして、
五日市断層が発表されたのは10年ぐらいじゃないかと思うんですが、それが発表されたときの議論がですね、いつ起きるかわからんようなその災害を市民に大々的に発表することが不安を募らせるだけでどうだろうかと、こういう議論と、やはり市民に知らせて安全のためにやらないかんだろうという議論がですね、両方ありましたが、やっぱり最終的には市民に知らせて、そして安全対策を作るべきだと、こういう議論になったというふうに記憶をいたしております。今どの
程度地震対策について進んでおるか、承知しておりませんが、そういうことについてはじゅうぶん市民に周知をして、安全対策が図れるような政策をとっていきたいと、かように考えておりますので、ご理解いただきたい。
以上です。
19 ◯18番(堀田憲幸) 議長。
20 ◯議長(登 宏太郎) 18番
堀田憲幸議員。
21 ◯18番(堀田憲幸) もう一つの
洪水ハザードマップについて質問をいたします。
今答弁をいただいた中には、
廿日市市内では可愛川、御手洗川、そして大野地域の永慶寺川、これが県の指定を受け、20年をめどにそうした
洪水ハザードマップの作成というふうな順序になるというふうに答弁いただきましたけれども、実は一昨年の台風14号、佐伯地域でも同じようなことが起きておる、
小瀬川水系の木野川支流、あるいは玖島川支流、至るところで護岸が決壊をいたしました。これによって
友和小学校前の家屋は3棟、市の集会所も含めて3戸の家屋が流失をいたしました。ちょうどそのとき私はパトロールに出ておったわけですけれども、護岸を越えて
友和小学校の校庭に水が入ってきた。ちょうど
友和小学校の体育館が避難場所となっておったわけですけれども、急きょそこに避難されている住民のかたがたに、校舎の2階に上がってくださいよということをお願いをして、移動していただいたというふうなことも起きております。また、
小瀬川水系によっては、岩倉橋、流木のたい積によって段となったといいますか、水をせきとめたことによってですね、護岸を越堤という言葉がいいのか、護岸を越えて民家に流出する。また、
岩倉ロッジ癒心館の下流においては、もう申し上げることもありませんけれども、大変な被害を受け、あの辺り一面はまるで海のごとく水が流れたのであろうと、夜のことですからはっきり見ておりませんけれども、後で歩いてみますと、ある家は天井まで水が達しておったと、そういった状況が起きておるわけですから、私はこの3本の水系だけでなしに、他にもそういったところがあるんじゃないかと、そのように思っております。
また、津田の河本地区、ちょうど
岩倉ロッジ癒心館の対岸になるわけですけれども、洪水時にははるかに水位が上がって天井川となっておるわけですが、この堤防がもし決壊をしたならば、あのあたり一面は大変な被害を受ける流域であります。ですから、その護岸の整備というものに対しては、膨大な資金も要り、また年月もかかるわけですから、大変な事業であるというふうに私たちも認識しております。であるならば、少なくとも人命を救うための何かの対策が必要である、それがまさしく
洪水ハザードマップというものなんです。どうか3本の水系だけでなしに、
廿日市地域全域を、本市は本市として調査をし、その指定区域にすべきであろうかと思います。
ここにある図面が磐田市の
洪水ハザードマップ、いわゆる地図でございます。色分けはしてありますけれども、水色の濃い部分、2メートルから5メートルの水深になるというふうに予測をされております。本市にはそういったところが随所にあるとは申し上げませんけれども、これに近いような状況が起きる可能性があるということをじゅうぶん認識をしていただきまして、今後取り組んでいかれるに当たって、もう少し目を広げて、その
洪水ハザードマップの指定区域を拡大されるお考えはないか、再度お伺いをいたします。
22
◯総務部長(
小西三喜男) 議長。
23 ◯議長(登 宏太郎) 総務部長。
24
◯総務部長(
小西三喜男) 議員さんご承知のように、
洪水ハザードマップは、洪水の方ですと河川がはんらんした場合に浸水が想定される区域、あるいは今おっしゃった水の深さ、浸水の深さというようなものを指定し、それから避難場所をそこへ指定するというような形で
ハザードマップを作るということになっておるわけでございまして、そういう意味では基本的に磐田市のような
デルタ地帯、あるいはこの辺りなら沿岸部というふうなものがある程度想定されて、河川全域というようなことではなくてある程度、それと人口の密集地、今の国の制度であれば人口の密集地域というようなことを念頭に置いての
ハザードマップあるいはそういった制度だということでございますので、今とりあえず指定されておるのはそういった要件にかなう河川なり、その河川周辺の地域ということになろうかと思いますけれども、ただそれはそれと同じような条件、特徴的にあるというのは当然ございますので、国の考え方による
指定うんぬんとはまた別に、それの周知、それと同じような考え方が必要な場所への周知徹底というふうなことは当然必要であろうと思いますし、
洪水ハザードマップの作成の過程、プロセス、あるいは整理の仕方というのが当然それ以外の地域へも役立ってくるような情報の提供というのは当然やっていく必要があるだろうというぐあいに考えております。
以上でございます。
25 ◯議長(登 宏太郎) 第20番
岡本敏博議員の発言を許します。
26 ◯20番(岡本敏博) 議長。
27 ◯議長(登 宏太郎) 20番
岡本敏博議員。
28 ◯20番(岡本敏博) 皆さんおはようございます。
ことしはこの廿日市市が市制施行20年、20周年ではありません、20年ということです。実は私にとってもことしは記念すべき年なのでございます。昭和62年9月に
佐伯町議会議員にチャレンジをし、初当選を果たしました。あれからことしのこの9月25日でぴったり20年の議員活動となります。
(「おめでとうございます」と呼ぶ者あ
り)
ありがとうございます。デビュー20周年を迎えるわけでございますが、私にとって人生の大きな分岐点、新しい出発にしたいというふうに決意も新たにしております。山下市長の、いえ、全部ではありません、いいところだけを見習って、山下市長の地方自治一筋52年、到底及びませんが、それを目標に頑張っていきたいと思っておりますし、初心に返って20年目のスタートを切りたいと思っております。
今回の質問ですが、いろいろ考えました。市長が急でなくやめられますので、それも念頭に置いて、一つは、自立した廿日市の西部の拠点都市を作るためには、やはりもっと自主財源といいますか、企業の誘致、そういうことをしていかないといけないな、そのためには工業団地、産業団地が要るんじゃないか、そんなことも思いながら、また合併建設計画の中で、所山から吉和の潮原線について、県の計画に上がっておりますが、何もされておりませんし、それがどうなってるんだろうかとかですね、あるいは宮島の支所を何か美術館に検討しているというような話も全協でありましたから、その後どうなっているんだろうかとかですね、民間にできることはできるだけ民間にしたいということでございます。保育所はどうするんだろうかという、その辺もいろいろ聞きたかったんですが、今回はこれまでに質問をしております農業問題を2点ほど質問をさせてもらいます。
1点目ですが、新農業施策についての質問です。
国は、大規模農家や集落営農組織に支援を限定する農業政策を進めようとしています。しかし、条件が不利な多くの中山間地域の集落はとてもついていけないという状況にあります。このままでは耕作放棄地は増え、集落消滅にもつながりかねないと思っています。法人化や大型化できない農家に対する施策も必要と思うがどうでしょうかということでございます。
集落をないようにしたらいけん、そう強く思っております。広島県の農協グループが実施した全集落実態調査でわかったことですが、県内で農業を営む約4,400集落のうち、13.4%は10年後の農家戸数は現在より3割以上減ると自ら予測し、1割以上3割未満と見る集落を加えると50.2%にも達するという結果が出ております。国が幾ら大規模農家や集落営農組織に支援を集中しようとしても、支援の受け皿の集落が消滅をしかねないという厳しい状況にあります。国が掲げる規模拡大の理論では、条件が不利な中山間地域の多い中国地方の多数の集落が衰退し、コミュニティ崩壊も招きかねないとされております。減少の理由の主なものは、農家の投資に見合う収入がやれなくなった、鳥獣害がひどくなった、農地の経営委託が進んだなどです。
私は、平成17年12月の一般質問で、国の経営安定対策大綱を活用できるよう受け皿づくりを行い、持続的な営農組織を育成し、農地の荒廃防止を進めるべきであり、市の積極的な指導助言が必要であると発言をしております。市長は、今ある農業法人の育成をはじめ、地域、集落等の農家の合意形成の機運を醸成し、新たな集落型農業生産法人の設立に向けた取り組みも進めるとともに、地域の担い手の育成確保を推進すると答弁をされております。しかし、間に合っておりません。本市の集落法人の数はたったの一つです。ということは、ほとんどの集落は国の新しい施策に乗り遅れることになり、支援は受けられないということになります。大規模化、法人化は推進すべき一つの方向であることは間違いないし、私も反対でもありませんが、それだけに限定をするというのはどうなのでしょうか。北海道ならともかく、本市のような地域には合わない制度ではないでしょうか。法人に対して土地を預け、一握りの人たちで農地を守ることが正しい選択なのでしょうか。全国一律の枠に当てはめること自体、無理があると思えるし、日本の米づくり、稲作文化を壊すことになるのではないでしょうか。農業には地域の歴史や伝統を守り、環境を保全するという多面的な機能があります。条件の悪いささやかな農地でも、みんなで大事に守る、できる限り多くの人たちがかかわっていくという方向も大切に思えてならないのです。先般の参議院議員選挙において、農家への個別補償を公約に掲げた民主党が農村部などの1人区で支持を一気に広げて、大躍進を果たしました。農政に対する農家の評価は、大規模化や法人化の自民党ではなくて、個別補償の民主党を選択をしました。安倍総理は、内閣改造などで地方への配慮を前面に打ち出して、何とか政権を維持しようともがいてきましたが、それも無責任に投げ出してやめてしまいました。美しい国と言っていた総理のその美学はどこに行ったのでしょうか。教育について語る資格はないぶざまなことでございます。
また、本市では、「フレッシュ!はつかいちホウレンソウ“夢”物語」というプロジェクトを打ち出して農業の再生を図ろうとしております。こんなチラシも作って新規就農研修生を募集もしております。夢物語ではなくて、耕作放棄地にストップをかける、集落の消滅を招かないようにするという今ある現実の問題に取り組むということがまず必要なのではないでしょうか。県の職員さんが私のところにも何回か足を運んでくれました。市の担当者職員とも何回か話し合いの機会を持ちました。県の職員は、何とか法人化を推進したい、実績を作りたいという気持ちが前面に強く出て、農家の今ある問題を何とかしようということにはなっていない、実態に合わないことを進めていると感じております。県庁の4階、農林水産部には集落法人が設立される度に、バラの絵柄つきの張り紙が壁に加えられると新聞に出ていましたが、法人化すれば支援金のごほうびを出しますというようなそんなやり方では農家はついていかないのではないでしょうか。ついていけない、取り残される集落に対するセーフティーネットの施策も必要と考えますが、いかがでしょうか。
次は、農地・水・環境保全向上対策についてです。
この対策は、農地や水路、豊かな自然を地域ぐるみで守り、良好な農村環境の保全と向上を図ろうとする共同活動を支援しようという制度ですが、県は支援を集落法人に限定をするとしています。県に対して要件緩和の見直しを求めるとともに、本市独自の対応も検討すべきではないでしょうかということですが、この制度は農家と住民らの活動組織が市と5年間の協定を結びます。水田の共同活動には10アールに年間4,400円の交付金が出ます。減農薬栽培などの先進的な営農活動には、上乗せの助成もあります。事業費は国が2分の1、県と市が4分の1ずつを負担をします。国は交付税措置により自治体の負担を軽くすると言っています。全国の集落で農地や農業用水などの資源を守る地域のまとまりが弱まってきております。また、国民の環境への関心が高まる中で、良好な農村環境の形成や環境を重視した農業への取り組みに対し支援をしようとするものです。農家ではない自治会あるいはPTA、地域住民、消防団、都市住民、NPO、企業などを含めた地域での共同活動を基本に環境を守ろうということが大きなねらいです。
しかし、広島県はこの支援対象を集落法人など担い手だけに絞ったため、国の制度をじゅうぶんにいかすことができないという状況にあります。中国5県での取り組み予定地区の数は、広島89地区、山口は235地区、岡山は262地区、島根460地区、鳥取260地区、面積では島根の1万3,900ヘクタールが最高で、広島は3,200ヘクタールと5県で最低となっています。他県では、要件がそんなに厳しくはないのです。こんな状況の中で、支援を集落法人に限定という県の方針を見直すべきだという声が高まってきております。県議会の農水委員会では、他県に比べて厳しい条件を緩和するように促す意見や交付対象の拡大を求める声が出されたと報道もされています。安芸高田市の
児玉市長は県知事に、他県並みの制度適用を求め、集落法人化は理想でも、現実はそうはいかない、法人化できない農地や集落を維持するためにも、せっかく始まる制度を活用できるようにすべきだと述べ、県の要件から外れる法人以外の8地区を189ヘクタールを単市で負担をし、支援の対象とするということを決定をしております。北広島町も同様に、独自の支援をするという方針を出しています。本市としても要件緩和の見直しや独自の対応も検討すべきと思うが、いかがでしょうか。
次は、大きい2番の旬彩市場さくら館についての質問です。
本市における農業・農村づくり、更には地域づくりの新たな視点として、地産地消を実現するために、農産物等直売施設旬彩市場さくら館が整備をされていますが、現在では週1回、日曜日午前中のみのオープンであり、整備計画の趣旨がじゅうぶんにいかされていないのではないか、営業日を増やしたり、販路拡大を図るなどの見直しや新たな段階へ進めることが必要と思うがどうでしょうかということです。
このさくら館は、平成16年6月にオープンしました。私は、山下市長が特産物販売施設アンテナショップの開設を選挙時に公約として掲げられておりましたので、平成16年3月の一般質問で、その考えをただしております。成功のポイントは、消費者、生産者、行政との連携、支え合いというシステムにあると思う、企画の段階から多くの市民の声を取り入れ、田園ゾーンと都市ゾーンとの交流が進み、地産地消の推進や農地の荒廃防止に役割を果たすべきであり、基本理念を明確に示して取り組むべきであるという趣旨の質問をしております。市長は、平成18年度の本格稼働を目指して行っていきたいと考えていると答弁をされました。520万円をかけてコンサルに委託して基本計画を作られております。平成17年7月24日にはさくら館1周年記念イベント、昨年の7月30日には2周年の記念イベント、ことしは7月22日に3周年記念イベントが行われております。18年度には本格稼働を目指すということでしたが、オープンのときから変化といいますか、進歩がないように感じております。週1回日曜日午前中、それも2時間、3時間のオープンで、後は利用をされておりません。民間の経営ではとても考えられないという状況だと思いませんか。
農業農村づくり、更には地域づくり、地産地消を実現するための施設として役割を果たしているのでしょうか。オープンをして3年以上も経過しました。食の安心・安全について関心も高まっています。原点に立ち返ってこれからどう発展させていくのか、運営の見直しや新たなステップへと次の一歩を踏み出すべきだと思っていますが、いかがでしょうか。
以上で演台からの質問を終わります。
29 ◯市長(山下三郎) 議長。
30 ◯議長(登 宏太郎) 市長。
31 ◯市長(山下三郎) それでは、ただいまの質問にお答えをさせていただきます。
1番の新農業施策については私の方から、旬彩市場さくら館については産業振興課長の方から答弁をいたしますので、ご理解をいただきたいと思います。
ご承知のように、日本の農業は戦前、戦後を通して補助政策で支えられて運営されてきたのはご承知のとおりでございまして、日本は非常に狭い農地で効率が悪く、農業経営も非常に厳しい状況でございます。特に、最近の農林水産省はですね、次から次へ大臣がかわって、本当政策を打ち出すような暇もないような状況で、大変な状況ではなかろうかと思いますし、今まで日本農業で農業が政策的に認められたといいますか、成功した例は極めて少ないと、このような状況であろうかと思います。
特に、食糧の自給率は40%を割ったと発表されておりますが、米の主食用は100%自給、小麦は14%、豆類が6%、野菜は80%、果実が39%、肉類55%、牛乳乳製品で67%、油脂類、油ですが、13%と、以上のような状況が日本の自給率で、先般発表されておりましたが、そういう中で日本農業のこれからの極めて重要な自給をどうしていくか、あるいは後継者をどう確立していくか、大変な問題を抱えておると思います。
そういう状況の中での農業政策に対する質問でございますが、1番の法人化や大型化ができない農家に対する施策も必要だと、こういうご質問でございます。
本市の中山間地域の農家は、経営耕地面積も小規模で、経営形態は農業以外の所得に依存している兼業農家がほとんどで、個々の農家ごとに農業経営、農地維持しているのが現状でございます。しかしながら、高齢化が進む中にあって、担い手不足が深刻な問題であり、個人経営を続けることは困難になってくると予測をされます。こうした状況に対処するためには、集落営農をすることによって農地を管理、保全することが最も有効であると考えております。そのため、昨年から県や農協と協力して、集落座談会を開催をし、集落営農法人の設立について啓発を行ってきましたが、法人化に対する理解はなかなか得られないというのが状況でございます。
中山間地域を対象とした現行の補助制度は、中山間地域等直接支払交付金制度のほかはほとんど制度化されておらず、交付要件も集落協定に集落マスタープランを位置づけるなど、集落の全農家の賛同を得なければ採択されない要件があるため、交付金を受けることのできない集落も存在しております。こうした厳しい農業環境において、今後耕作放棄地や遊休農地をこれ以上増やさないためにも、集落合意のもとで国の制度を活用できるよう体制づくりに向けて推進していきたいと考えております。
二つ目でございますが、県に対して要件緩和の見直しを求めることについて、あるいは市の独自の対応も検討すべきではないかというご質問でございます。
農地・水・環境保全向上対策は、農地や水などの資源の保全とその質の向上を図る新たな対策として、本年度から始まった支援制度であります。この対策は、農家だけでなはなく、地域住民、自治会、関係団体などが参加する活動組織を作って、地域内の農業施設のきめ細かな保全管理や、農村の自然や環境などを守る地域共同活動に対して支援されることになっております。また、この活動組織が化学肥料や化学合成農薬の使用量を5割以上削減する等、環境に負荷のかからない先進的な営農活動を行う場合は支援するというものであります。この事業の採択要件は、議員のご指摘のとおり、国では定めていない集落営農法人の設立を広島県においては絶対要件としているため、農振農用地区域内において採択されている集落は5.4%と全国に比べて非常に低い状況にあります。国においては、来年度以降も法人化のいかんを問わず、採択を行う方針と聞いておりますが、広島県においては、20年度以降の採択基準も19年度と同様に集落法人化が交付条件とすると聞いております。ただし、集落法人の設立は、平成22年3月末日までを目途に設立する予定地域も採択するという2年間の緩和措置を講じることとされておりますが、期限内に法人設立できない場合は、交付金を返還するという厳しい条件がついておるのも事実です。こうした条件は、全国でも広島県だけであり、本市としても先般、条件の緩和について強く要望したところでございます。先ほどご指摘ありました安芸高田市、そして北広島町等、我々西部の首長会議のときにこの問題が出て、知事に強く要求したところでもございます。今後、県には再度の条件緩和を要望していく考えでありますが、この制度が中山間地域にとって活用できる数少ない支援制度であることから、この制度を活用できるように、地域や集落とも協議をし、集落の法人化に向けた取り組みを推進していきたいと考えております。
先ほどもご指摘ありましたが、今県の指導により新しい経営として、ホウレンソウの栽培が提案をされ、これを中心とした野菜団地の確立と販売ルートの確保により、目標としては平成22年には2億円の収益をと、このように目標が掲げられております。県は自立的で持続可能な農業がやっていけるところには支援をすると、このように発表いたしておりますが、市としても法人化の問題、あるいは農協との協力関係の問題についていろいろ議論をし、協議を続けておりますが、いろいろ問題点もあり、非常に難しい点もあることも現状でございます。いずれにいたしましても、今の農業をどうするか、極めて大切な政策であろうかと思いますので、今後ともじゅうぶんなる議論を続けていきたいと思います。
私の方からは以上です。
32 ◯産業観光部長(松田秀樹) はい、議長。
33 ◯議長(登 宏太郎) 産業観光部長。
34 ◯産業観光部長(松田秀樹) 二つ目の旬彩市場さくら館についてお答えを申し上げます。
旬彩市場さくら館でございますけども、本市内産の農林水産物等の消費拡大と食の安心・安全を目指して、高齢者や女性など多様な市内の農家の生産意欲の向上を図り、地産地消を推進するということによって、本市の農業の活性化をするということを目的に、平成16年度に試験市としてオープンをさせていただきました。
さくら館は、ことしで3年目を迎えております。これまでの実施効果等を踏まえて、昨年の7月に生産者を主体とした運営協議会を設置をして、自主運営を開始をしたところでございます。現在、毎週日曜日午前9時から11時まで、22の出店者が生産者との対面販売を行っておりますが、販売も一定量がそろい、先ほどご紹介いただきましたように、夏と年末の大市には1,000人から1,200人、通常の毎週1回の市では200人から300人の来場がありまして、市民の皆さんにも大変喜んでいただいておるんじゃないかというふうに思っています。
現在、売上げも大幅増というふうなことではないんですけれども、堅調に推移をしておりまして、消費者、生産者ともに一定の満足感を持ってこの市を開催されておると、一応の実施成果は上がっておるというふうに思っています。ご指摘いただきましたんですが、今後更にこの旬彩市場を充実させるために、開催日を増やしたり、販売拡大を図るということは当然必要であるというふうに認識をいたしております。そのために、出店品目あるいは生産量の確保が必要であるということから、運営協議会あるいはJAの理解、協力のもとで、他の出店希望農家、現在22ですから、それ以外の他の出店希望農家、あるいは加工グループの掘り起こしなどを行って、運営協議会への参加誘導に努めていきたいというふうに思っています。
また、現在の生産者と消費者の対面販売の方法を更に効率的にするということで、POSシステム、バーコードの方式ですね、そういったものを導入をしてみたり、あるいは最近はやっておりますけども、インターネットの直売方式といいましょうか、そういったことも視野に入れて積極的な充実策を講じていきたいというふうに思っています。
以上でございます。
35 ◯20番(岡本敏博) 議長。
36 ◯議長(登 宏太郎) 20番
岡本敏博議員。
37 ◯20番(岡本敏博) それではですね、最初の新農業施策についてから再質問をさせていただきます。
市長言われるとおりで、本当に農業の施策で成功した例はない、本当に難しい問題をですね、多く抱えておりますし、これほど大臣がかわっていくんでは本当に、それから政権もですね、どうなるかわからないというような中で、しかし農家というのは本当にいろんな意味で日本の昔からの伝統文化を守ってきたというそういう歴史もありますので、どうしても集落をなくしちゃいけないという強い思いは私にはあります。
これはですね、新聞のちょっと記事ですが、「山あいの斜面にほ場整備した農地12.9ヘクタールに張りつく安芸太田町猪山地区自治会長の佐々木静雄さんは、高齢農家の機械作業を請け負うなどして荒れるのを防いできた。農地・水・環境対策に期待していたが、県の要件を知り、ハードルが高過ぎると落胆した。佐々木さんは、国や県が進める集落法人化に反対ではない。だが、棚田が多く広い農地が少ない県の農業は、小さな集落を見捨てるようにならんかと懸念する。幹だけ大きくしようと枝葉をもいだら木は枯れる。枝葉に例える小さな農業にも光が当たる要件緩和を切望している」というふうな記事が載っておりましたが、私も同感です。農業政策、日本をですね、一つの基準でやっていくと、農村にはですね、いろんな実情が、差があるんですね。ですから、国もですね、一律に基準を決めてやるんでなしに、総合支援といいますか、中身は各市が決めていくといいますか、きのうも話がありましたが、分権の中の分権、いつも言いますが、そういうことにですね、やってもらわんと、いつまでたってもそういう本当の集落の維持ができないし、また大きい農家と個人農家といいますか、その差がですね、格差がですね、広がっていくというふうになると思うんですよ。これもですね、国の制度ですから、国にですね、しっかりですね、この辺をですね、地域の実情に合うような分権をしなさいというふうなですね、要望をですね、強くしてもらいたいと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
それから、県の農地・水・環境ですが、市長はこれまでも強く要望しているし、再度要望もしていきたいという、条件緩和をするためのですね、というふうに言われましたんで、そのようにですね、お願いしたいと思いますが、やはりこれもですね、本当に農業というものを、産業ということよりも、お金もうけということよりもですね、もう一つの視点としてやはり環境ですね、そういうことを守るんだということを前面に押し出した、これから廿日市が進めております協働づくり、協働のまちづくり、そういうものとも農業を組み合わせてですね、やっていけるようなですね、そういう施策にしていかないといけないんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
私は、農家が一番困っているのは、作業をかわってやってくれる人がいないかということをいつも言われます。その作業の中で一番皆さんが困っておられるのがですね、稲の害虫の予防なんです、防除なんです、病気の。これ何とかしたいということで、10年ぐらい前でしょうか、無人ヘリコプターによる防除をですね、導入もしました。玖島地区と浅原地区でやっておりまして、これはですね、大変好評なんですよね。どんどん農地は減るんですが、利用をお願いする人は増えているというような状況にあります。こういうことを一番農家は望んでおられまして、もっと言えば、空中防除もそうですけども、春の粗起こしから、それから田植えから、秋の収穫から、そういう農作業の一部を自分にかわってやってもらいたい、それが一番大きな農家の望み、廿日市の中山間地域ではですね、それが一番大きな望みなんですよ。ですから、そこをですね、何とか解決していく方策、それを考えないとですね、いけないんじゃないかと思うんですよ。農地を集約して、一部の者が作って、あとはもう任せっきりよというんじゃですね、やっぱり守っていけない。自分ができることは、草刈りをする、水の管理をする、そんなことは自分がやって、ただ自分の農地で自分の米を食べたい、人に権利は渡したくない、そういう気持ちがありますから、そこをですね、うまく運んでいけるようなシステムを作っていく、そこに集中していかないとですね、やっぱりだめなんじゃないだろうかと思うんですよ。この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
38 ◯市長(山下三郎) はい。
そして、退陣なさるとはいえ、まだ市長としての残った任期がございます。これまでどおりしっかりとした市政運営をしていただき、最後まで廿日市市の発展のために尽くしていただきますようお願いをいたします。
では、1点目の質問に入ります。
1点目は、防災対策です。
この夏の猛暑は日本各地で40度を超える気温を記録しました。広島でも9月6日には36.9度Cとなり、今朝ほど堀田議員もおっしゃいましたが、93年ぶりに歴代記録を更新したということです。明らかに地球温暖化の影響による異常気象を感じずにはいられません。異常気象は世界各地で災害を引き起こしていますが、日本でも気象庁の調べによると、ここ10年の雨の降り方は短時間に集中的に雨が降るいわゆる集中豪雨の回数が増加しており、1時間に50ミリ以上の雨が観測された事象は3,132回で、前々の10年間に比べると約1.6倍にもなっています。一昨年廿日市市を直撃した台風14号で、佐伯地域、宮島地域で大規模な土石流が発生して大きな被害が発生したことは記憶に新しいことですが、そのとき津田地区でも1時間の降雨量が50ミリを記録しております。また、台風に着目すると、ことしは台風の発生数が大変少なく、平年同時期の約6割程度ですが、日本へは既に3個が上陸しています。台風の発生周期は約20年間の波で変動していると言われておりますが、近年はその減少傾向期にあるということです。しかし逆に、発生数は少なくても、日本への上陸の数は増加傾向にあるそうです。気象庁の研究結果では、周期的な変動だけが原因ではなく、地球温暖化が台風の発生を抑える一方、いったん発生すると大変強い勢力の台風を増やしており、加えて日本を直撃する確率も高くしているというふうに指摘をしています。
また、風水害だけでなく、我が国は地震大国と言われ、大きな地震が発生しやすい地理条件を有しております。平成16年の中越地震、そして平成17年の福岡県西方沖地震、ことし3月の能登半島地震、また7月の柏崎原発にも大きな被害をもたらしました新潟
中越沖地震など、いわゆる想定される震源地以外の土地、そういう土地でも大きな地震が発生をしております。このように近年、地球温暖化に起因すると思われる集中豪雨の多発や相次ぐ地震の発生に自然災害はいつどこにでも起こり得るということを再認識させられます。
こうした災害時に的確な危機対応が行われるためには、日ごろからの防災対策が重要であり、安全・安心のまちづくりには欠かせません。特に、ここ数年の風水害や地震においては、死者の大半が65歳以上の高齢者となっているなど、災害時要援護者の対策については、人的被害を少なくしていくための最重要課題となっております。
先日、関東地方に上陸した台風9号による大雨の影響で、群馬県南牧村の4地区につながる県道などが土砂崩れで崩れ、不通となり、226世帯、488人が孤立状態になっているというニュースが流れました。この村は群馬県の南西部に位置し、山間部に集落が点在しており、昨年10月から高齢化率が全国一になった村だそうです。独り暮らしの高齢者が多く、区長さんがおむすびや水などの食料を持って一軒一軒回っておられる様子がテレビで放映されました。孤立状態で救援もままならない状態では、地域の自主防災力が問われるということを改めて感じました。
一方、東京世田谷区では、多摩川周辺の住民1,490人に避難勧告を出しましたが、避難したのはわずか6人、世田谷区と区民の防災意識のずれが浮き彫りになりました。世田谷区長は、災害は予想外のことが起きる、勧告にこたえていただくよう平素からPRしたいというふうに述べました。このように住民の災害に対する認識はまだまだじゅうぶんとは言えず、大災害が起こった直後には意識は高まるものの、時間の経過とともに意識が薄れてしまいます。また、独り暮らしの高齢者の増加や核家族化など、世帯の形態が変化していることも災害時の課題になっています。
平成16年7月の梅雨前線豪雨、一連の台風などにおける高齢者等の被害状況から、災害時要援護者への対応について、三つの大きな課題が浮き彫りになりました。一つは、防災関係部局と福祉関係部局の連携が不十分なこと、二つ目は、個人情報への意識の高まりに伴い、要援護者情報の共有、活用が進んでいないこと、三つ目は、要援護者の避難支援者が定められていないなど、避難支援行動計画体制が具現化していないことなどが上げられました。そこで、政府は平成17年3月に、災害時要援護者の避難支援ガイドライン等として取りまとめを行いました。
(19番石原 顕「よし、そろそろ質問に
入れ」と呼ぶ)
その後、平成18年3月に改訂版が出され、ことし3月には手引も示され、要支援者に関する情報を平時から収集し、一人ひとりに対する具体的な避難支援プランを策定するよう市町村に呼びかけています。
廿日市市においても、災害時要援護者を特定し、把握し、そして
自主防災組織など地域の協力を得て、避難支援プランを策定する必要があると思います。ついては、本市における住民啓発、
自主防災組織、災害時要援護者対策への取り組みについてお伺いをいたします。
2番目の質問は、食育についてです。
日本は海に囲まれた山国で、海の幸、山の幸など豊富な食材に恵まれたすばらしい食環境にあります。しかも、季節ごとの旬の材料を使ったバラエティーに富んだ料理をはじめ、世界中で今日本食が見直されているように、栄養バランスのとれた食文化を築いてきました。ところが、ライフスタイルの変化や独り暮らし世帯の増加などで、家族で食卓を囲む機会が減り、朝御飯を食べないなどの欠食や、家族がばらばらに食事をする孤食など、食生活の乱れが目立っています。また、子どもたちが食べ物の生産現場を見る機会も減り、自然の恵みに感謝する機会も大変少なくなっています。加えて、メタボリック症候群に代表されるような肥満など、食習慣が起因すると思われるような生活習慣病も増加をしております。
一方、BSEや鳥インフルエンザの発生、そして北海道の食肉偽装や香川県で起きた学校給食牛肉偽装事件など、食品メーカーへの不信が募るとともに、輸入野菜の残留農薬問題など、食の安全を脅かす事件が後を絶ちません。こうした社会情勢を受け、国は平成17年7月、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむことを目的として食育基本法を施行しました。続いて、18年3月には食育基本計画を作成し、家庭、学校、地域などあらゆる場で食育を推進しようとしています。広島県においても、昨年10月16日に食育基本条例が公布施行されました。そして、今年度4月には食育推進会議を設置し、今推進計画を作成中です。また、ことし、今年度からは小・中学校10校に栄養教諭を配置するなど、学校における食育の充実への取り組みを始めております。
廿日市市においても、学校を中心に食育の推進に努められていることとは思います。つきましては、次の5点についてお伺いをいたします。
学校における食育指導の状況、欠食、孤食等の把握と課題、学校給食における地消地産の取り組み、学校給食における食材の安全検証のシステム、市としての今後の食育に関する取り組み、以上5点についてお伺いをいたします。
最後に、選挙開票時間短縮について質問をいたします。
選挙開票事務改善の動きは、昨年4月18日の産経新聞に、「コンマ1秒の節約実る、多摩市長選46分で開票終了」という記事が載ったことがきっかけになり、全国的に大きな運動となっているものです。特に、ことしは統一地方選挙の年で、全国各地でこのような取り組みが行われ、開票時間ランキングも発表されるなど話題を呼んでいます。近いところでは、三次市が積極的に取り組み、4月の県議選では、開票時間29分で全国2位、また先の参議院選挙においても、1時間48分でやはり全国2位という結果でした。
私は、3月定例会の予算委員会、また6月定例会の一般質問においても、選挙開票時間短縮についての取り組みを行うよう提案してきました。6月議会での私の一般質問に対して、分権政策部長は、公職選挙法の趣旨にのっとり、開票時間の短縮に努めたいと答弁されました。当然開票時間の改善については取り組みが行われたものと思いますが、残念ながら7月の参議院選挙においては、開票時間の短縮は見られなかったと聞いております。今回の参議院選挙での開票事務について、どのような取り組みをされたのか、結果はどうだったのか、また反省点がありましたら加えてお伺いをいたします。
続いて、10月に行われる予定の市長選挙、市議会議員補欠選挙におけるこの開票時間短縮の取り組みについてお伺いをいたします。
選挙開票については、正確性、公平、公正性を重視し行うことは重要ですが、公職選挙法では選挙の結果を選挙人に対して速やかに知らせるよう努めなければならないという規定があります。また、地方自治法上でも、地方公共団体はその事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるよう努めなければならない。地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めると規定されています。このように公職選挙法からも、また地方自治法からも、選挙の開票事務は迅速かつ効率的に行わなければなりません。今回、廿日市市でもこのような公職選挙法の趣旨にのっとり時間短縮に向け努力をされたとは思うのですが、思ったような結果が得られておりません。取り組みの趣旨は徹底していたのか、また職員のかたがたは自ら進んで時間短縮に取り組まれたのだろうかと疑問を持ちました。
私は、選挙開票時間の短縮に取り組むに当たっては、行財政改革の視点で取り組んではどうかと提案してまいりました。その一番の理由は、職員の意識改革につながるからです。6月の定例議会でも申しましたが、開票時間短縮に取り組んだ自治体では、作業の工夫、改善への新しいアイデアが生まれ、職員一人ひとりが今まで気づかなかった職務への取り組みについて疑問を持ち、前例踏襲ではなく、考え始めるようになったというふうに報告されています。職員一人ひとりが自らコスト意識を持ち、業務の工夫改善に努め、そして働く意欲を持って仕事、業務に当たる、これこそ行政品質向上に向けた取り組みではないでしょうか。
また、開票事務は自治体の仕事の中で、職員が係を越えて行う数少ない業務です。いわゆる役所の悪癖と言われた職員の所属意識、縦割り意識の枠を外し、職員が一丸となって取り組むことのできる作業なのです。こういった一連のことが正に行財政改革、行政経営改革への取り組みにつながることと思います。10月の選挙は市長選挙、そして市議会議員の補欠選挙が重なり、複雑な作業が予想されます。また、長時間作業による職員の負担も予想されます。少しでも開票時間を短縮し、職員の疲労を少なくすることは大切ですし、翌日の業務への支障を少なくすることにもなります。選挙管理委員会は、首長の執行機関から独立した機関であり、首長が口を出すことに抵抗がおありかとは思いますが、選挙に関する事務は自治体の事務の一つであり、首長の総括の対象となるものと考えます。是非市長がトップとしてのリーダーシップを発揮し、開票時間を何分以内にやり、幾ら幾らのコスト縮減に努めるというような明確な数値目標を持ち、取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょう、市長の考えをお伺いします。
以上で壇上からの質問を終わります。
109 ◯市長(山下三郎) はい、議長。
110 ◯議長(登 宏太郎) 市長。
111 ◯市長(山下三郎) それでは、ただいまの高橋議員の質問にお答えさせていただきます。
防災対策については私の方から、食育については福祉保健部長、選挙開票時間短縮については総務部長の方から答弁いたしますので、ご理解いただきたいと思います。
防災や災害対策についてでございます。
今回の新潟県
中越沖地震において、要援護者に関する情報の共有が不十分であったことにより、安否確認や避難支援等が迅速かつ適切に行えなかった等の指摘があったところから、平成19年8月10日付けで厚生労働省から、要援護者にかかわる情報の把握、共有及び安否確認等の円滑な実施について早急に取り組むよう通知されたところでございます。また、この通知には、市町村地域福祉計画において、要援護者の情報把握、共有、安否確認の方法について盛り込むように示されております。
本市の現在の取り組み状況は、今年度廿日市地域に
防災行政無線を整備し、全市域へ防災情報を迅速に提供できる体制を整えるとともに、市内の各町内会などにおいて検討されている緊急連絡網の整備や
自主防災組織の立ち上げなどを支援しております。昨年度から社会福祉協議会が主催をする講演会、ワークショップなどによって地域の要援護者支援に対する取り組みの機運の醸成や民生委員を通じて、65歳以上高齢者の要援護者情報の把握にも着手しております。要援護者避難支援については、行政だけでの対応には限界があることや、個人情報の保護などいろいろ課題があります。平成19年度及び平成20年度で策定する地域福祉計画の策定過程において、地域住民と協議しながら、要援護者の情報の共有方法や避難支援体制のシステムを構築し、
自主防災組織、民生児童委員、近隣住民やボランティアの協力を含めた自助、共助による避難支援の仕組みづくりに努めていきたいと考えております。
私の方からは以上ですが、防災について再質問があれば総務部長の方からしますので。
112 ◯福祉保健部長(中村正則) 議長。
113 ◯議長(登 宏太郎) 福祉保健部長。
114 ◯福祉保健部長(中村正則) それでは、2番の食育について、食育への取り組みと学校給食の安全性について答弁させていただきます。質問の中で5点ばかり言われましたけど、まず総括的に答弁させていただきたいと思います。
広島県では、昨年度制定されました広島県食育基本条例に基づきまして、広島県食育推進会議を設置し、広島県食育推進計画の策定など、食育推進を図っているところでございます。これは先ほど議員のご質問で言われたとおりでございます。その一環として、広島県では、二次保健医療圏域におきまして、食育推進圏域連絡会議を開催し、食育関係団体、教育関係者、農林漁業関係者、食品関連事業者などによります食育推進のネットワーク化を進めております。
市では、平成17年3月に策定いたしました次世代育成支援行動計画の中で、親子の健康づくりの推進施策として、食育の推進を上げておりまして、乳幼児健診時におけます栄養相談、離乳食講座などの保健事業や地域の食生活改善推進員によります活動などを通じて、正しい食事のとり方、あるいは生活習慣病予防のための望ましい食習慣の定着などに取り組んでいるところでございます。また、小・中学校期におけます食育の推進におきまして、学校給食は子どもの望ましい食習慣の形成、また食に関する理解を促進するための生きた教材として重要な役割を担うものでございます。本市では、文部科学省が示す基準に基づきまして、給食納入業者に対して保健所の食品衛生監視票や原材料配合及び栄養分析表の提出、また栄養士によります研修を実施したりするなど、学校給食用食品の点検を行っております。また、体に優しい食材選びを心がけておりまして、食品添加物や農薬などはできるだけ避け、生鮮食品の当日納入調理や基本的に国内産あるいは県内産など、身近な地域でとれた食材を使用することといたしております。
以上でございます。
115
◯総務部長(
小西三喜男) 議長。
116 ◯議長(登 宏太郎) 総務部長。
117
◯総務部長(
小西三喜男) 大きい3番の選挙開票時間短縮についてというご質問にご答弁させていただきたいと思います。
1番目の選挙開票時間短縮についての取り組みの結果という1番目の質問と、2番目の10月に行われる予定の市長選、市議補選においてのスリム化、コスト縮減の視点からの取り組みについて努力すべきだと思うがどうかというこの二つのご質問に同時にお答えしたいと思います。
6月定例会の答弁でも申し上げましたが、選挙の開票結果につきましては、公職選挙法第6条第2項において、選挙人に対して速やかに知らせるよう努めなければならないとされており、正確性はもとより、迅速性についても求められているものと思っております。
そこで、本市におきましても、7月に行われました参議院議員通常選挙において、開票時間の短縮に向けた取り組みを行ったところでございます。具体的には、開票時間作業の環境面からの見直しとして、開票台の高さの調整、作業しやすい服装及びスニーカーなど動きやすい靴の着用などを行いました。また、少しでも開票時間の効率化を図るために、空になった投票箱の確認は一定の場所で立会人自らが動いていただいて確認していただくこととしてみたり、あるいはまた点検を、これは立会人のかたの点検でございますが、点検をスムーズに行なってもらうために、立会人が開票作業を事前に自由に巡視できるように改善いたしました。また、投票用紙をそろえたまま持ち運びできるイチゴパックを活用し、開票を各係の事務につきましても、担当を固定化しないで、作業量に応じて臨機応変な体制で作業を進めることを徹底いたしました。結果につきましては、比例代表選挙において疑問票が多数出たことにより、この取扱いに時間を要し、開票時間は残念ながら目標としていた午前1時台には終了することができず、2時25分となりました。
10月に実施されます市長選挙、市議会議員補欠選挙におきましては、参議院議員選挙時の開票時間の体制や流れなどについて再度検証し直し、進行状況に応じた柔軟な体制による開票事務の実施を更に徹底するなど、よりコンパクトな体制で効率的に実施することに努め、コストの縮減を図るとともに、あわせて開票時間の縮減に向けて一層の努力をしていきたいと考えております。
以上でございます。
118 ◯9番(高橋みさ子) 議長。
119 ◯議長(登 宏太郎) 9番高橋みさ子議員。
120 ◯9番(高橋みさ子) それでは、質問の順番に再質問をさせていただきます。
防災対策についてですが、厚労省からことしの8月通知が来て、早く地域福祉計画の中でプランを作るようにというような通知が来たということでした。市長も答弁の中で言われたんですけれども、ことしの7月の新潟
中越沖地震でなかなか要援護者の情報が伝わらなかったというようなことがあったというふうに言われたんですが、私もちょっと調べてみましたら、柏崎市がですね、個人情報保護法を理由に、せっかく要援護者の名簿は作っていたんですが、その個人情報保護を理由にその名簿を地元自治会や消防に提供していなかったということが後からわかって、そして亡くなられたかたのうちの4人の死亡者がその名簿の中に記載されており、もしも早目にこういうことが提供されていれば、また救援の方法も違ったのではないかというような疑問が出ていると。そしてまた、地震発生直後に消防側の方に、行政から行政ですから、消防側には名簿を提供したということなんですが、そのタイムラグや混乱で実効性が伴わなかったと、そういうふうな指摘があったというふうなニュースを見ました。一方、同じ新潟県でも、長岡市では名簿登録に同意が得られた3,236人の名簿と、そして未同意、同意が得られてない1,419人の名簿を作成しており、この同意名簿は事前に
自主防災組織や町内会に提供して、そして各組織が要援護者の避難プランを検討するというような、そういう取り組みをされていると。同じ取り組みについても、随分な対応の違いがあるなというふうに感じました。そして、長岡市においては、未同意の名簿であっても、やはり個人の人命を尊重するという意味では、個人情報はありますけれども、万が一の大災害のときにはその名簿も提供する構えだと、そういう方針を立てているというようなニュースがありました。要援護者の情報の共有については、市長も言われたように、なかなか情報提供の問題、難しい問題があると、個人情報保護法の問題があり、大変難しい保護法があるというふうには聞いておりますけれども、これらのいろんな形で今の長岡市、それから柏崎市の状況を見てみるとですね、やっぱりその運用の仕方によって対応が違ってくるんじゃないかなというふうに考えられます。ですから、是非個人情報保護については、臨機応変の運用をされることが必要ではないかと思いますので、今後これから作られる地域福祉計画の中でも是非情報がしっかりと活用できるような、そういうふうな方法で研究検討をしていただきたいと思います。
そして、要援護者のことなんですけれども、大変高齢者が多かったということで、今朝ほどの堀田議員の質問にもお答えの中にも、昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅、その倒壊が非常に多くて、死者の多くがその木造住宅の倒壊による死亡原因だったというようなことがやはり示されております。耐震化についてなんですけれども、耐震診断とか耐震改修について、国の方も進めていますし、いろいろ進めていこうというような声はあるんですが、先ほども言いましたように、高齢者の独り暮らしのかたが沢山亡くなったわけですが、高齢者にしてみれば、高額な改修費用、耐震診断だけならまだいいんですけども、その診断した後、いざ改修しようとなるとかなり高額な改修費用が必要になってくると。そういう意味でなかなか耐震化が進んでいないというような現状があるというような報告がありました。
その中でちょっと、あ、これはいいなと思ったのが、家の全体を直すのではなく、高齢者がよくいる場所、よく使用する場所、そこ1か所だけでも、1部屋だけでも改修をすると、改修の費用を安くして、それで耐震に努めると、そういうふうな呼びかけをしてはどうかとか、または要援護者だけでもですね、補助の措置を考えるとか、そういうようなことを考えてはどうかというふうなことを思うわけですけれども、その2点についてまずお伺いをいたします。
121 ◯福祉保健部長(中村正則) 議長。
122 ◯議長(登 宏太郎) 福祉保健部長。
123 ◯福祉保健部長(中村正則) まず、1点目の情報の共有でございますが、おっしゃるとおり、臨機応変に対応できるようなものが必要であろうと思いますし、先ほど地域福祉計画、今策定中であるというふうに申し上げましたが、その中でどういったような方法で共有できるかということをしっかり議論していきたい、また臨機応変に対応できるようなものにしたいというふうに思っております。
それから、2点目の木造住宅などに対して、耐震化についての助成ということだろうと思いますが、まず私どもで今考える、やはり今朝の堀田議員の質問にもございましたが、やはりハードでは限界があろうかと思います。やはり今我々が取り組むべきはですね、やはり避難支援プランをまず最初に作っていくということが一番ではなかろうかと。それと、やはり仮にハードに、耐震化しても、一定の負担を伴いますので、一気にこれはすべてですね、整備できるというものでもございませんし、仮に整備されても、そこはそれじゃ避難支援の対象にせんでいいんかというと、そうではないというふうに思っております。従って、私どもとしては、まず支援プランを第一に作成したいというように思っております。
以上です。
124 ◯9番(高橋みさ子) 議長。
125 ◯議長(登 宏太郎) 9番高橋みさ子議員。
126 ◯9番(高橋みさ子) まず、台風だとか、そういうものであれば避難支援できると思うんです。だけど、地震というのは、起こって避難するまでには、避難支援するにはなかなかそういう意味では時間がないんで、なかなか人の避難支援ということでは地震の場合は間に合わないと、そういうふうな考えがあります。今朝ほどの答弁の中で、個人の家屋なんでそこら辺はどうかなというようなお答えもいただいたわけなんですけれども、私もだからすべての家屋についてどうのこうのというつもりはないです。ただ、本当に高齢者で、要支援を受けられるようなかただけにでもですね、そういうふうなこと対策を考えられてはどうかなというような思いがありましたので、お伺いをいたしました。
それとですね、先ほどの地域福祉計画の中で情報共有と、大変難しい状況を私も、手挙げ方式だとか、情報共有方式だとかなんか、いろいろ三つぐらいある、それぞれにでもなかなかいろんなリスクがあったりとかというふうな状況は聞いております。できたらいろんな形を組み合わせてですね、先ほども言いましたような運用をうまくしていただきたいなというような思いがあるんですが、実際に本当に民生委員さんも、何かしてあげたいという思いはあっても、個人情報の保護条例があるので、自分も守秘義務がある、じゃあだから区の中とか、町内会の中で、じゃあどなたがあれなんですかと、ほかの市民のかたから聞かれても、自分は守秘義務があってなかなか情報を出せない、そういうジレンマに陥っておられるような状況もありますので、そういう意味では、
自主防災組織がしっかりしているか、受入れ場所がしっかりしていれば、その情報提供をここにするんですというようなこともできると思うんで、受け皿となる
自主防災組織なり町内会、区の組織なり、そういうものがやはりじゅうぶん必要ではないかなというふうに思います。
今朝答弁で、今現在14の
自主防災組織が市内の中にあるというふうには承っておりますが、なかなかその
自主防災組織というのも、自分たちではい作りなさいよと言われても、なかなか作りにくい状況があるんで、何らかのやっぱり市の指導なり援助なり、そういった立ち上げのための市の働きかけが必要ではないかと思うのですが、そこら辺についてもう一回お伺いをいたします。
それと、要援護者の対象なんですが、一般には高齢者、障害者、外国人、乳幼児と、それから妊婦が上げられておりますけれども、私が思うには、今核家族化、そして両親が働いていると、共稼ぎの家庭が多くて、台風時とか、そういう場合に子どもが1人で、兄弟がいればあれなんですけれども、1人でいたりとか、子どもだけで家にいるというような、そういうような可能性も多いんじゃないかというふうに思います。まだ小学校の低学年ではなかなか台風時とか災害時に自分だけで対応するという能力、なかなかついてないと思うので、できたら国の規定ではそうかもしれないけど、廿日市では子どもたちも含めてそういう要援護者の対象にするとか、特別対象にしなくても、その地域の中の見守りの中でカバーしていけるんだよというような、そういう積極的な取り組みを推し進められるとか、そういうような方法をとっていただければと思うのですが、以上についてお伺いをいたします。
127 ◯都市部長(中 逸雄) 議長。
128 ◯議長(登 宏太郎) 都市部長。
129 ◯都市部長(中 逸雄) 先ほどですね、高齢世帯の部屋を限定した建物補助制度ということについてお答えをさせていただきます。
私どももですね、こういったものがあるというのは承知しておりまして、検討は今からしていきたいと思うんですが、現在ですね、国の耐震改修の促進に関する法律、これに基づきましてですね、廿日市市の耐震改修促進計画といったものを今作っております。この具体的な内容としましては、まずは耐震診断、耐震改修の具体的補助メニューの検討、それとか重点的に耐震化すべき区域や優先的に耐震化すべき建築物の検討、あとは相談体制の整備の検討、そういったことを今策定中でありますので、こういった中でですね、どういったことができるのか検討をさせていただきたいというふうに思います。
130 ◯福祉保健部長(中村正則) 議長。
131 ◯議長(登 宏太郎) 福祉保健部長。
132 ◯福祉保健部長(中村正則) まず、1点目の
自主防災組織の立ち上げでございますが、これは現在市民活動支援センター、こういったところでですね、コミュニティを通じて立ち上げをいろいろ働きかけています。援助という言葉は適切かどうかわからんですが、サポートというような形でですね、当然やっておると認識いたしております。
それから、二つ目の子どもだけ長くいる家庭への避難支援ということでございますが、国は一応子育て家庭、こういった家庭については対象者と考えておるようですが、今それとは別に言われる子どもだけ、かぎっ子ですか、そういった家庭、こういった家庭についても市としてはですね、やはり避難誘導あるいは安否確認、こういったものが必要な対象者だというふうに考えておりまして、支援体制のシステム構築の際には、これらも視野に入れて検討をしてまいりたいと考えております。
以上です。
133 ◯9番(高橋みさ子) 議長。
134 ◯議長(登 宏太郎) 9番高橋みさ子議員。
135 ◯9番(高橋みさ子) では、2番目の食育についてお伺いをいたします。
食育の推進については、県も今推進計画を作成中ということなんですけれども、市においてもそれを受けてですね、多分推進計画作っていかれるんではないかというふうに思います。その中でですね、次世代育成プランの中で育成、食育の推進について記述があるというふうなことは伺ったんですけれども、今健康はつかいち21も策定中ではないかというふうに思います。今食育についてはどうしても、学校現場での推進の方が先行してるというよりも、特に学校で取り組みをされているとは思うんですけれども、やっぱり横の連携といいますか、今みたいな次世代育成プラン、また健康はつかいち21、そして学校教育の中とか、そういう横の連携の中で今後市の取り組みとしては推進プランなり、推進計画を作っていただきたいなというふうに思うんですが、その点について一つお伺いしておきます。
そして、今朝ほども出ましたけれども、旬彩館、地消地産の取り組みなんですけれども、学校給食でも既に地消地産で地域のものを使った食材を使った学校給食をされているというのは聞いております。ただ、センターなんかでは数が間に合わないか、供給量が間に合わなくてなかなか取り入れにくいというような状況も聞いておりますが、できたら産業観光部、農林水産とか、そういうところとですね、タイアップというか、これだけ学校給食で必要なんだから、これだけお米を作るとか、海のものにしてもそうなんですけれども、そういうふうな何か連携協力みたいな、あるから使うというんじゃなくて、反対にやっぱり積極的に働きかけるようなシステムができないかなというふうには思うのですが、その点についてお伺いをいたします。
そして、一番聞きたいのが、学校給食における食材の安全検証システムなんですが、今いろんな形、食品衛生の観点から点検なり、それから食品添加物の入らないようなものをなるべく使うとか、国内産、県内産のものをなるべく使用している、なるべくということなんで、全部というふうには、添加物についてもですね、全く入らないというようなことにはなっていないのだろうというふうに思うんですけれども、今一番問題になっているのが、幾ら安全なものだと思っていても、偽装なり何なりという問題があって安全ではなかったというようなことが、私たちも買い物するときにそこら辺すごい心配なんですけど、そういう意味では、業者の方がこれは安全ですよと言ったからそれでオーケーなんだというんではなくてですね、やはり時折は抜き打ちといいますか、ちゃんと検査をするとか、そういうシステムがないと、業者選定のときにも、この業者はオーケーだったからいいんだよというようなことで済ませてしまえば、なかなかそういうような偽装を見抜くというのは難しいかもしれませんけど、食材の安全についてなかなか安心して食べられない状況が出るんじゃないかなというふうに思います。そういう意味で、できたらセンターも、自校式のところは栄養士さんもおられてあれでしょうけれども、センターなんかも含めて、教育委員会の方でそういうような食材の安全システムといいますか、業者に対する安全のいわゆる教育といいますか、そういうふうなことを責任を持ってされてはどうかと思うのですが、今三つ聞きました。よろしくお願いします。
136 ◯福祉保健部長(中村正則) 議長。
137 ◯議長(登 宏太郎) 福祉保健部長。
138 ◯福祉保健部長(中村正則) まず、1点目といいますか、食育推進計画についての考え方でございますが、答弁の中でも申し上げましたように、現在県では食育推進計画を策定途中でございまして、その過程の中でそのネットワーク化も図っております。こういった動向を見ながら、市としても食育推進計画の方向性、こういったものを検討していきたいというふうに考えております。
そういった中で、横の連携というふうなことを言われましたが、具体的には育児相談あるいは親子健康スクール、こういった市の保健事業におきましてヘルスメイト協議会、こういったものがございます。また、地域保健所管内の栄養士会、こういった協力を得て栄養相談あるいはバランスのとれた食事のための調理の紹介、また実習などによりまして食を通した健康づくりを今でも進めておるところでございます。そういった中で、食育の推進に関しましては、県あるいは学校、市の栄養士間の情報交換、それから協力について連携を図ってまいりたいと思いますし、先ほどございましたように、生産者あるいは消費者、取扱業者との連携も図っていく必要があろうかと思いますが、実質的には今動いてないですから、こういったことはやはり今後の課題であろうというふうに考えております。
それから、地産地消への取り組みでございますが、地産地消、給食で一つの例をとりますと、やはりまず第一に物資が安全である、それから安定的な供給体制、給食ですから大量のものが必要でございますから、安定的な供給体制が必要であると。それから、安価なことがやはり給食、非常に、給食費の問題がございますから、こういったことが条件になろうかと思います。本市におきまして、生産された農林水産物、これらの条件に合うことができればですね、給食物資ということで使用することも考えられるというふうに思っております。また、農林水産業の振興を図る、こういう意味でもやはり地産地消は推進していく必要があるというふうに考えております。具体的には、今朝ほど産業観光部長の方から言いましたように、総合計画策定の中でそういったことも検討していくということになろうかと思います。
以上でございます。
139 ◯教育部長(正留律雄) はい、議長。
140 ◯議長(登 宏太郎) はい、教育部長。
141 ◯教育部長(正留律雄) 先ほどの福祉保健部長の地産地消についての学校での取り組みを補足いたしますと、職員推進基本計画の中で各地域の学校給食において、地場産物の活用をするよう進められておりまして、各調理場のですね、調理室の違いがございますけども、廿日市の給食センターでは13.3%、128品目中17品目が広島県産のもの、そのうち4品目が廿日市市域のものを使っております。大野東小学校を例にとりますと、24.3%、43品目が広島県産のもので、廿日市市域のものは13品目を使っております。どこでとれたかということがわかることはですね、2番目の安全のチェックのところでも大変重要だろうと思います。各学校給食の安全性ですか、平成9年度に定められた学校給食衛生管理基準に従いまして衛生管理に努めております。調理場ごとにチェック表を作っておりまして、その中には納入業者の加工現場の視察をし、鮮度のよいものを選択するよう指導したりですね、毎回ではないんですが、指導したり、納入業者の衛生管理として検便をお願いをしたりしております。そして、入ってきましたときに、それぞれの調理場に入ってきましたときには、納入品の産地の確認、加工品の原材料配分分析表による確認、納入の際の立ち会い検収を行っております。また、給食調理後は、その計画との違いをチェックをいたしたりしておりまして、食品の安全管理に努めております。
142 ◯9番(高橋みさ子) 議長。
143 ◯議長(登 宏太郎) 9番高橋みさ子議員。
144 ◯9番(高橋みさ子) 食品の安全については納入業者の視察というようなこともチェック項目の中に入っていることであれば、その回数をですね、何回やられているかというのはあれなんですが、増やしていただくなりなんなりで、安全なものを子どもたちに食べさせていくように努力していただきたいと思います。
最後の選挙時間短縮についてですが、前回の参議院選挙よりももっと検証し直して、よりコンパクトで効果的なことに努めていきたいというようなことがありました。是非そういう取り組みをされてですね、期待をいたしておりますので、よろしく取り組んでください。いいです、答弁は要りません。
145 ◯議長(登 宏太郎) ここで休憩をいたします。
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休憩 午後2時36分
再開 午後2時55分
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146 ◯議長(登 宏太郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。
第19番石原顕議員の発言を許します。