経済観光部長 若井紳壮
観光戦略推進担当部長
宮本典明
建設部長 河毛茂利 教育部長 門田雄治
参事兼湯が
丘病院事務長 皿田敏幸 総務課長兼
選管事務局長
渡邉俊文
人事課長 岡田宏子 財政課長 山田典央
政策企画課長 宇野貴人
地域振興課長 西本員章
女性こども課長 池田かおり
ネウボラ推進課長 山田資子
農林課業 田原慎吾
都市デザイン課長 日野雄蔵
土木課長 大元唯至
環境整備課長 能島克則
上水下水道課長 田原 厚
教育政策課長 近藤陽子
学校教育課長 大川幸雄
1 事務局及び書記
事務局長 皿田利光 主 任 吉岡佑三子
主任 小川美佳
1 議事日程
日程第1 一般質問
日程第2 議案第51号の訂正について
1 本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
午前10時0分 開議
○議長(加藤吉秀君) おはようございます。
ただいまから本日の会議を開きます。
本日の議事は、配信しております議事日程表により進めたいと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(加藤吉秀君) 日程第1、一般質問を昨日に引き続き行います。
質問に関しては、通告に従ってされるようお願いいいたします。
順次発言を許します。
まず、創生会の安友正章の登壇を求めます。
安友正章君。
〔12番議員 安友正章君 登壇〕
○12番議員(安友正章君) 議席番号12番、安友正章です。議長のお許しを得て、今回は持続可能な農業について、一問一方式にて行います。
さて、7日の
東京外国為替市場は一時144円の円安に急落し、終わりの見えない円安の動きが、日本の食料、燃料依存の日本にさらなる物価高の試練を与える可能性があります。そして、ロシアの
ウクライナ侵攻から半年となります。肥料や飼料など、幅広い農業資材の高騰は続き、一方、輸入穀物が高騰し、日本の
食料安全保障にも大きな影響が出てきております。農家においては、特に影響が大きいのが化学肥料の高騰です。そして、畜産の酪農業においては、輸入飼料の高騰で収入確保も難しく、厳しい環境に追い込まれていく状態となり、廃業を余儀なくされることも起こる可能性があります。
府中市においても農業人口は減り続け、平均年齢も70歳を超えております。中山間地域は条件の不利な斜面など、田畑が多く、大半が
小規模農業で、高齢化と
担い手不足という厳しい環境です。このままでは、10年先の地域の農業と農地が守れなくなる可能性があります。そして、消滅、限界集落へと向かう可能性もあります。
そこで、私は府中市の農業を支えるための政策、
農業振興ビジョンの策定が令和4年3月に行われました。まずは府中市の
農業振興ビジョンの現在の進捗状況と、各施策の中長期計画について伺います。
〔12番議員 安友正章君 質問席に移動〕
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) それでは、
農業振興ビジョンの進捗状況についてからお答えしたいと思います。
府中市の
農業振興ビジョンは、稼ぐ農業を実現し、多様な担い手を育成し、次世代につなぐ持続可能な農業・農村の確立を将来像と掲げ、10年後の府中市の農業の姿を描くものとして策定したものでございます。
ビジョンの実現に向けた初年度、今年度の取り組みとしては、稼ぐ農業と
農業関連ビジネス、
アグリビジネスの創出を目指し、
プロ農家育成に加えまして、半農半X、体験農業を初めとした多様な担い手の確保の取り組みとする多様な担い手の確保・育成、そして、
生産性向上のための機械化・
スマート化の促進事業、また、土づくりからの高付加価値化を目指すため、有機堆肥による
土づくり推進事業などに取り組んでいるところでございます。
主な進捗状況でございますけれども、多様な担い手確保・育成事業においては、
チャレンジファーム広島の研修制度の第1期生の1年が、この4月から新規就農を果たし、また、新たな2期生となる研修生が令和6年度の新規就農に向けての研修を行っているということでございます。4月からの
新規就農者へは、就農直後の経営安定のための生活支援金の交付とともに、JAや
全農ひろしま生産者などと連携し、早期の経営安定に向けた営農指導を随時行っているところでございます。また、新たな研修生に対しましては、就農予定地の選定であるとか、就農規模の検討、必要な施設の整備方針などを含めた営農計画を関係機関において支援を行っているところでございます。引き続き、JA、
全農ひろしまと連携いたしまして、研修生の確保、
新規就農者の支援などを行ってまいりたいと考えております。
また、農業体験や食体験の実施につきましては、観光課と連携し、府中市農産物のファンをふやすための地域主体となったイベントの開催に向けて取り組んでいるところでございます。この8月に予定しておりました
収穫体験イベントにつきましては、新型コロナの影響により残念ながら中止になりましたけれども、今後も
農業体験イベントの開催に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えております。
次に、機械化・
スマート化事業におきましては、
新規就農者の機械化、担い手間の機械の共同利用や連携体制を図るため、現在、市内の集落法人や
認定農業者等と、機械の共同利用であるとか、連携体制の意見交換などを行っているところでございます。こうした意見交換にて、共同利用であるとか、連携体制、また、農業経営の課題を洗い出し、具体的な課題解決のための機械化・
スマート化を支援してまいりたいと考えております。
次に、
土づくり推進事業では、現在、土壌診断士との打ち合わせや実証圃場の選定、施肥の設計などを進めているところでございます。
このほか、
地域支援型農業(CSA)の取り組みであるとか、Eコマースの活用、専門人材の活用など、ビジョンの実現に向けて、新たな取り組みの可能性を
包括連携協定を締結しております、もみじ銀行、YMFGや広島県の知見をいただきながら、調査研究をしているところでございます。
なお、
農業関連施策につきましては、これらの重点事業のみではなくて、
有害鳥獣対策であるとか、農地の保全活動なども、引き続き取り組んでいるところであります。
次に、具体的な中期計画はあるのかという御質問でございますが、
農業ビジョンに基づく各施策の個別の具体的な
中期ビジョンはございませんけれども、ビジョンに基づく各施策を確実に実行するため、稼ぐ農業の実現、多様な担い手の育成を図る必要があることから、今後も国や県の農業政策や
社会情勢等の変化を注視しながら、現在取り組んでいる施策を検証し、効果的な施策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君)
農業ビジョン、私、しっかりと読ませていただきましたけれども、時間をかけてすばらしいビジョンをつくられていると思います。ただ、こういったビジョンというのは、各自治体においても大切な一つの将来に向かった施策ですね。そういった中で、部長がおっしゃっているように、具体的にいろんな取り組みをされていると。この
長期ビジョンの中に令和13年までには、この中山間地域の厳しい農業を何とか農業施策をもってやりたいと。令和13年というのは10年先で、果たしてこの10年後の府中市の農業の実態はどうなのかは、僕はすごく、今、不安に思っている。なぜかというと、もう
皆さん御存じのように、
少子高齢化というよりも、高齢化で担い手が不足している、担い手がいないために、先人から守ってきた農地、これを守っていけないような厳しい環境が今あると。そういった中で、府中市はそういった農地、農業に対して、本当に今やらなければならないときが、僕は来ていると思います。それを
振興ビジョンの中で書かれてありますように、長期計画はあるのか、ないのかという質問をしたときに、何でこういう質問をしたかというと、いつ、だれが、何をどうして、そういったことをしっかりと具体的に決めていかないと、ただビジョンだけで終わってしまう可能性があると、僕は思っています。
そういった中で、府中市、このビジョンにのっとった形で、ぜひ早期の計画と実行をお願いしたい。そうしないと、もう10年というのはあっという間に過ぎてしまって、待ったなしの状況がきてしまうので、ぜひ、この
農業振興ビジョン、物すごくいいことがいっぱい書かれている、この中には。本当にこれが全部実行できれば、府中市の農業は、僕は相当おもしろい展開になるんじゃないかと思いますが、実際にこれからの実行が、だれが、いつ、どうして、いつまでにやるかというところを、やはりしっかりと検証していただくことが僕は大切だと思います。
だから、この
振興ビジョンについては、現在、取り組まれていることもわかりますし、もう策定されたという事実もありますので、これをしっかりとあとは実行に移していただけるよう、よろしくお願いしたいと思います。
続きまして、この府中市の農業、農地を守るための施策として、今、ウクライナ問題、円安、先ほど言いました物流費の高騰、肥料、飼料、燃料、農家に対して多大なる影響を与えています。各農業法人、営農集団、本当に持続可能な農業を維持するためには、今、大変な努力をしなければいけない。そういった中で、所得保障と支援が私は必要であると。今こそ、この円安が進み、農業・酪農家に物すごく費用の負担が出てきている今、このまま円安が進んでしまうと、本当に円安倒産という事態も来るかもしれない。だから、そういったところで、府中市として、この次年度に向かっての農業予算をしっかりとつけていただきたいと思います。そうしないと地域の農業を守っていくことが難しい環境が、社会情勢のためにそういう環境に追い込まれていると。こういう現実をしっかりと認識した上で、次期の農林予算については、どのような考えを持っておられるのかお聞きしたい。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) 議員おっしゃいましたように、現在の物価高騰等が農業経営に及ぼす影響は多大なるものと認識をしている中で、まず、農業資材の高騰、肥料、飼料、燃料の高騰などの対策の第1弾といたしまして、市では、この6月補正にて議決をいただきました農業継続のための支援金を、この8月末には対象者へ全て交付をしているところでございます。
また、このような状況が当分の間続くとも考えておりますので、この9月議会においては、
農業者支援の第2弾といたしまして、農業者みずからが農業経営のリスクに備える
セーフティーネットの加入を促進します
農業者経営安定促進事業補助金を上程させていただいているところでございます。
このほか、国や県でも、今後、
肥料価格高騰対策であるとか、肥料コストの
低減体系緊急転換事業、また、畜産農家の
飼料購入支援などを実施し、物価高騰に対する支援等を実施していく予定と聞いております。
これらとあわせまして、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
農業ビジョンにおいても、稼ぐ農業を実現し、多様な担い手を育成することで、持続可能な農業の確立を目指しております。
次年度の農林予算につきましては、現在取り組んでおりますさまざまな調査研究などに基づきまして、新たな販路拡大に向けたEC等の取り組みなど、稼ぐ農業の実現に向けた予算などを検討していきたいと考えているところでございます。
事業内容に応じまして、国や県の事業を効果的に活用し、財源確保を努めながら、ビジョンに基づく取り組みを着実に順次実施してまいりたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 予算に関して、令和3年度の
一般会計歳出総額は245億6,700万円。その中で
農林水産予算としては3億9,128万円、これは全体の予算の中の1.6%、そして、令和2年度は3億8,103万円、1.4%。予算は限りあるものですから、なかなか一長一短にね、じゃあ一気にふやしてほしいということも、やっぱり難しいかもしれないけれども、僕は今回こそ、やはりこれだけ社会情勢が急激に変化していて、本当に農家、酪農家に現実は物すごい負担がかかっている。そういった意味で、国も今さらのように補正をどんどん出して、燃料高騰、飼料、肥料の高騰に対して補正をつけようとしているけれども、僕はね、府中市としても、そういった国がやるからやるのではなくて、やはり府中市独自の支援とか支え方をしっかりとつくっていく必要があると思います。
ちなみに国家予算の2兆3,000億円かな。110兆円の全体の
一般会計予算の中で。これは1.9%なの。ということは、国は1.9%ぐらいの
農業政策支援の予算は取ってあるけれども、国のことは地方自治体と同じではないけれども、しっかりと今までとは違う、農業の社会情勢が変わったために負担がかかっているということを認識していただいて、次年度の予算は、ぜひ増額をしていただきたい。限りある予算であるかもしれない。本当に今の農業の実態は、皆さん本当に苦しい、特に酪農家はとっても苦しいとおっしゃっている。今はで支えられるけれども、赤字が続くと廃業も考えなければいけないという意見もありますので、ぜひお願いいいたします。
そういった中で、次の質問というよりも、やはりこの府中市の農業政策を支えていくためには、やはり府中市の農林課の担当部署のことも少し聞かなきゃいけない。今現在、農林課の担当部署の職員の方は何人いらっしゃいますでしょうか。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) 現在の農林課においては、農林土木として林業及び鳥獣対策を担っている担当が6名、そして、
農業畜産担当として4名の職員で業務を行っているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 6名、畜産4名ということですね。この数字が、僕は直接現場にいないので、この担当職員の比率がいいのかどうかというのもわかりませんけれども、過去から比べたら職員数は減っていますか、ふえていますか。例えば、5年前の農林課の職員の数と今の体制。恐らく組織もいろいろ変わってきているので、一長一短にはどうかわかりませんけれども。どんな感じですかね。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) 5年前というのは機構等もありまして、一長一短で増減ということにはなりませんけれども、数でなくて、今、それぞれの職員間で連携を図りながら業務をこなしているのと、さらに県の
農業技術指導であるとか、JAとかも連携をいただきながら、諸施策を確実に実行するようにやっているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 村上副市長。
○副市長(村上明雄君) 4年前は
産業振興課だっけ、活性課だっけ、という中で、商工と農業と観光を1つの課で1つの係でやっていました。ビジョンに先駆けまして、これから一次産業、農業、とにかくどうしていくのか、待ったなしの事態という中で、御承知のように農林課を立ち上げまして、基盤整備の部門と農業振興の部門と2係、さらには
農業委員会につきましても、兼務でやっておりましたが、再任用ということでありますが、
農業委員会についても専従、専任化を図ったところです。
これが十分かどうかについては、本当に現下の状況を鑑みて、予算とか、その執行体制、こういうことについては、本当に考えていかにゃいけんところはあると思いますが、少なくとも今までどおりでやっていたということではありませんし、市独自の取り組みにつきましても、観光と連携した
農業レストランの取り組みでありますとか、新規就農の取り組みでありますとか、あるいは今回の資材高関係につきましても、6月補正、9月補正と手を打ってきております。
御指摘のように、これで終わりということでもありませんので、引き続き、今の状況とか、今後の推移というのは、本当にしっかり見ていきながら、適時に対応していきたいと思っております。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 副市長からしっかりと答弁をいただきましたので、これが次年度のね。数が多ければいいという話じゃないですので、やはり社会情勢と今のこういった円安、ウクライナ、ロシアが本当に農業、酪農に対してすごくダメージを与え始めていると、こういう現実をしっかりと踏まえた上で、次の予算編成のときに、ぜひ、少しでも地域の農業を守っていくために頑張っていますので皆さん、支援していただきたいと思います。
冒頭、私が言いました10年先を見据えた農地、これと管理・維持のあり方について、ちょっと質問させてください。
農業ビジョン振興で、第5章に実現に向けてとありますが、農業の高齢化と
担い手不足で農家の離農や法人の解散が、これからひょっとしたら、そういった高齢化、
担い手不足で起きるかもしれない。じゃあ、今の農地を今後10年先を見据えて、どのような人材育成ができるのか、もしくは、農地の利活用や保全について、どのように今考えられているのかというところを一つ聞きたいと思います。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) 2020年の
農林業センサスにおいては、府中市の
農業従事者のうち
基幹従事者の平均年齢は10年先には80歳を超えると予想されているところでございます。府中市において、そうした実態、現実を見据えながら、担い手、後継者の育成、法人間の連携・統合を含めた経営力の強化を図る必要があると認識しておりまして、法人において雇用就農を行い、人材育成を図るなど、稼ぐ農業につながる経営の改善が必要と考えております。
具体的には、高収益作物の導入であるとか、法人が連携して
生産性向上、省力化を図るための
スマート農業の技術の導入であるとか、営利販売に向けた専門人材の育成や招聘、また、農業体験や食の提供といった観光的な事業との展開もあわせながら、取り組みなどを進めてまいりたいと考えております。
また、農地の利活用の保全につきましては、稼ぐ農業が実現できる農地を稼ぐ農地として仕分けし、優先的に法人などの担い手に集積し、活用していく方針でございます。
農業委員会におきまして、毎年実施している
農地パトロールについて、そうした稼ぐ農地の仕分けを地図化を進めてまいりまして、
中間管理機構を活用して、法人などの担い手への重点的な貸し付けなどを進めてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 今から10年先を見据えていった場合、やはり、今おっしゃっていたように80歳、80歳の年齢は、もう農業、皆さんしないって、きついというふうに、実際に私は今、声を聞いている。じゃあ、どうしたらいいかということを言っても答えはない。ただ、やはりこの農地を守っていくためには、若い担い手、この人たちが、どうしても一緒にやってくれにゃあ、この農地、守れんかもしれんというふうに、皆さん、ほとんどの。法人によっては、若い人たちとか専農の職員もいらっしゃるところもあるけれども、大半がもう70歳過ぎ。あと10年っていったら本当に80歳。自分も80歳になったら、ひょっとしたら、どんな状態になるかわからない。でも、一生懸命農地をね、何とかせにゃ、守らないけんと言うて、今、やっている現実があります。
そこで、若い人たちをどうやって、今言ったように、転作でも、
スマート農業でも、専門人材でも。
スマート農業をやるためには、やっぱりある程度
スマート農業に合った人材、やっぱり若い世代の人たちの人材が必要なんですね。こういった世代を呼び込むためには、僕は地域政策だけじゃなくてね、やっぱり産業政策をもって、今言われる稼ぐ農業をすることによって、若い担い手が来るかもしれない。だから、地域政策だけの政策じゃなくて、やはり産業政策も入れて、稼ぐ農業と若い世代を呼び込む。僕は、こういった施策が必要じゃないかと思います。
そういった部分で、最後にしますけれども、地域商社に行き着くとは思いますけれども、ここのところは、じゃあ、今の農地を守るために、
中間管理機構ありますよね、農地バンク。これが府中市の中では実際に機能しているのかどうか。また、府中市として、農地を守る施策が何かあるのかという部分について、ちょっと聞きたいと思います。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君)
農地中間管理機構につきましては、農地の
中間管理事業を実施する組織で、各都道県に1つずつ設置されているところでございます。農業からリタイヤする方や、経営規模を縮小したい方の農地を
農地中間管理機構が借り受け、取りまとめた上で、法人や
認定農業者などの担い手に貸し付ける仕組みでございます。
府中市において、今は延べ88.2ヘクタールの農地を、この
農地中間管理機構を活用し、担い手に集積しております。
この
農地中間管理機構の活用も含め、府中市での担い手への
農地集積率については、令和3年度末で19.4%でございます。そのうち府中市内の集落法人への
農地集積率については、令和3年度末で12.4%という状況でございます。
広島県では、この
農地中間管理機構を活用し、令和12年度末には、県において担い手への
農地集積率を46%とする基本方針を定めておられます。
農地中間管理機構は、稼ぐ農地を優先的に借り受け、取りまとめた上で担い手に貸し付けるということでございますので、府中市では稼ぐ農地の仕分けを
農業委員会等と一緒に進め、さらなる
農地中間管理機構の活用も進めてまいりたいと考えております。また、同時にビジョンに掲げておりますとおり、受け皿となる
認定農業者や
認定新規就農者などの担い手の育成・確保も努めてまいりたいと思います。また、将来の農地を一元的に管理する組織につきましては、やはり稼ぐ農地を優先的に法人などの担い手に集積し、活用する方針を基本的に考えているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 実は、私、いろんな人のいろんな話を、僕が住んでいるところが農業地帯なので、実際に小規模農家、家族農家でやられているので、先に、例えば、もう私、田んぼつくれないよと、だれかつくってって、そうしたらだれか受け手がいますかって、地域で話をして、その後づけでこの農地バンクに何かあるようなことも聞いたりするのですよ。じゃあ、この
中間管理機構、農地バンクは本当に機能しているのかなと。みんなが、本来ならば、その農地管理機構に入れて、そこの中で農地集約して、じゃあだれが受け手として、その農地をやるかという、恐らくというか、そういう仕組みですよね、農地バンクは。ただ、実態は、なかなかそのようになっていないので、そういった意味で、せっかくある
中間管理機構なんだから、やはり地域の人たちにも、農業委員の人たちにもね、しっかりとそういうシステムはシステムで使っていかないと、やりにくいことがいっぱい。例えば、小作料とか、いろんなことがあるかもしれないけれども、あったりするようなこともあるので、できたら農地バンクをしっかり使ってやると。そのためには、農業委員の人たちにも、この機構に対してしっかりと理解と協力をもらうという方法がいいのかなとはちょっと考えて。そのために、今、実態等、聞きました。
それで、実は農業法人も非常に厳しいんですよね。だから、農地を管理できない、もう。何回も言うようですけれども、将来的に法人同士の連携とか合併を見据えて、一元的、例えば、私、上下ですけれども、上下の農業法人を1つにして、やっぱりそういう会社組織みたいな形でつくったら、みんなで寄り添ってね、本当に農地を守れるんじゃないかなと、僕自身は思っていますけれども。その辺については、今後、ぜひ検討して、農地バンクをしっかりと使えるような組織に持っていっていただけたらと思います。
続いて、これ、すごく僕は、今、興味を持っていて、みどりの食料システム戦略って、国の戦略が、今、出ていますよね。この戦略の数値目標としては、2050年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロ、2番目が有機農業を全農地の25%、日本のね。そして化学農薬使用量半減、そして、化学肥料の使用量を3割減、これが農業の数値目標ですよね。こういった中で、国の政策が、要は1997年の京都議定書に基づいたパリ協定が行われてから急激に地球温暖化に対して、各国のほっとけないような状況に今なっていて、そういった中で、日本の国も取り組んでいるみどりの食料システム戦略ということだと思います。
そこで、府中市のこのみどりの食料システム戦略、この
農業ビジョンの中にも書いてありますけれども、有機農業について、どのように実態を把握されているのか。また、その支援、どうされているのかも、ちょっと聞かせてください。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) 有機農業者の実態把握ということでございますが、一つに国の制度でございます環境保全型農業の直接支払交付金制度、この制度に取り組んでおられるのは6経営体でございまして、そのうち、その取り組みの一つである化学肥料、化学合成農薬を使用しない有機農業に取り組んでおられるのは2経営体と認識しております。また、その支援策については、その制度などの推進などを行っているような状況でございます。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 有機農業というのは、非常に現場に行くと大変な作業をされていますよね、農薬も使わない、化学肥料ももちろん使わない。こういった意味で、有機農業の実態は、非常に厳しくし、やっぱり若い世代ではないと、この有機農業は僕はできないと思いますよ。本当に雑草との戦い。こういった現場を見ているとね。でも、環境問題に基づいて、やはりこういった制度を府中市としても、もう逃げるわけにはいかないと思います。だから、そういった意味で、有機栽培、有機農業について、僕はしっかりと府中市も興味を持って、やはり取り組んでいく必要性があると思う。
この有機農業については、日本の場合は消費者のニーズが非常に低い。要は価格が割高なので、減農薬で進めて、大変な思いをしていくのに価格に反映できない、野菜がね。これではね、全く根づかない。やはり安い野菜をという話になっていくと、農家は有機農業できなくなっちゃう。そうなると、持続可能な農業なんてあり得ないですよ。だって、生計成り立たない。だから、僕は有機農業食品をしっかりとやっていくためには、やはり情報発信が必要と思いますよね。都会では、有機農業って、結構皆さん買われる方が多い、価格が高くてもね。それはなぜかといったら、子供たちに安心・安全な食べ物を与えたいということがあると思いますよ。
そういった意味で、有機農業者にとっての、まず消費者の理解と私たちの理解が絶対必要。これがないと、安い野菜っていったらね、本当に一生懸命つくってらっしゃる有機農業の農家を守れないと思いますよ。でも、頑張っている農家もありますから、ぜひ、こういったことも含めて支援を少しでも考えていただけたらなと思います。
そういった中で、じゃあ、今の食の安全について質問します。
府中市の食の安全というのは、実際にどうなのか。それで、学校給食に子供たちの食の安全を図るために、僕は有機農産物をぜひ使っていただきたい。だから、こういうことについて、どう考えられているのか、また、現在の学校給食の地産地消率の数値、ちらっと見ましたけれども、何か減ってきているんですよね。だから、その辺については、どのように考えられているのか。ちょっと聞きたいと思います。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) それでは、私からですが、学校給食の取り組みについて、御答弁をさせていただきたいと思います。
市内で生産されている有機栽培農産物の学校給食への使用については、これまで取り扱いはなく、また、現在、市内で有機JAS認定を受けて商品化されている有機米はないと認識をしている中で、農産物、お米ともに学校給食への使用はないと聞いているところでございます。
有機米に限らず、農薬や化学肥料などに可能な限り頼らないことを基本とし、自然界の力による有機農産物を生産することは、環境に配慮した農業を行えること、農産物の高い付加価値をつけることができること、何より信頼感の高い農産物をつくることができることからも有機米の使用は望ましいと捉えているところでございます。
一方で、有機農産物を生産するに当たっては、病害虫などの防除対策が難しく、収量が少ないこともあり、1日約1,200食分の食材の量を安定的な供給確保を市内産の有機米で対応することは困難な状況と考えております。
このような状況のもと、現在、府中市の学校給食の米は全て市内の集落法人が生産した米で、化学肥料や化学合成農薬の使用を慣行農法の半分まで軽減させている安心・安全の特別栽培米コシヒカリを継続して安定的に使用して対応しているところでございます。
なお、有機農業は農産物の付加価値の一つの手法でございます。そうした価値が認められている取り組みといたしまして、先ほどの地域商社であるとか、
地域支援型農業(CSA)などの構築なども含めて検討してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 実態は生産者が少ないということもあるけれども、でも、子供たちの食の安全というのは、絶対、僕は考えるべきだと思います。特に都会というか、千葉のいすみ市かな、学校給食は全部有機。太田市長という方がいらっしゃって、これは先進的に日本の中でも、食の安全は子供たちの安全ということでやられていますし、それで、ちなみにフランスとか韓国は、学校給食、全部有機米。だから、それだけ日本も有機の関心というか、この辺がすごくおくれているんじゃないかなと思っております。
今のみどりの食料システムについては、環境問題とか、その辺もしっかりとやっていかなきゃいけない。それで、堆肥センターについて、ちょっとお聞かせください。
今、循環型農業をやるために、府中市の中に堆肥センターがあります。この間は実際に見させてもらいましたけれども、今後、堆肥センター、やはり酪農家がどんどん減っていくと、今のやっている堆肥センターの活用が、ひょっとしたら将来的にはこのままでいいのかなという気持ちもしました。だから、そういった部分について、堆肥センターの今後の活用と運用について、どういう考えがあるのか聞かせてください。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) 府中市においては、
農業振興ビジョンに基づきまして、地域資源循環型農業として、堆肥加工センターで生産された堆肥を農地に散布し、その農地で生産された飼料用作物を家畜に与えて、循環型農業の推進に取り組んでいるところでございます。
この取り組みによりまして、その農地で生産された農産物の高付加価値を進めているところでございまして、このような取り組みを継続していくために、堆肥加工センターで生産されている堆肥の品質向上を図り、優良な堆肥を生産し、活用していくことは必要だと考えております。
しかし、堆肥加工センターについては、平成11年から平成15年に建設された施設でございまして、老朽化が進んでいるところでございます。堆肥加工センターは、家畜排せつ物の処理の適正化及び利用の促進に関する法律に基づく家畜排せつ物の適正管理の観点からも必要な施設でございますので、これからも計画的な修繕等を行いながら、運用と効率的な活用について考えていきたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 堆肥センターについては、本当に酪農家をこれ以上困らせないという意味においても、逆に作業とか機械化でいかないと、今度は運搬とか、いろんな支障がいっぱい出てくる可能性があると思いますので、その辺も含めて、府中市の今の堆肥センターの今後のあり方については、集約するのか、もしくは、ペレット化にするとかね、いろいろあると思いますけれども、ぜひ、堆肥センターの取り組みについては、循環農業、やっぱり環境問題に大切ですので、CO2を下に埋めることによって排出制限もできていますから、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
こういった資源とか循環型といいますと、やはりカーボンニュートラルという言葉がね、副市長も大変興味を持っていらっしゃると思いますけれども、今回の補正の中でも、恐らく何か仕掛けをつくられるために出されているんじゃないかと思いますけれども、府中市としても、やはりこういった環境問題というのは、しっかりと取り組む準備をしておかないとおくれてしまう。僕は、その中で今のバイオマス発電であるとか、エネルギーを自給するとか、いろんなやり方があるとは思うんですけれども、そういった中で、僕はJ-クレジットというのが、いつも頭の中にある。府中市も国もそうだけれども、環境問題の中に、このJ-クレジットが出たということは、財源を稼ぐ道でもあるし、そのJ-クレジットを生むことによって、農家を支える、酪農家を支えることにも使えるJ-クレジット。府中市には、環境問題に絶対に取り組まなきゃいけない企業が2つある。北川とリョービ。もう国の環境法に基づいて、都会では、私が元いた会社は、もう国の政策で環境問題、どれだけの削減努力をしているかと数値目標まで与えられる。各企業は、排出をしている企業ほど、この環境問題の取り組みはしっかりやらなきゃいけない。府中市には、北川とリョービがあるので、ぜひ、そこと連携しながら、このJ-クレジットのシステムをね。要は、クレジットを売って、企業はそれを買う、その資金を転換する、こういう仕組みをつくるJ-クレジットの創出者というんだけれども、これは自治体もなれますので、ぜひ、今後、活用を考えていただきたいと思います。
時間もありますので、今後の府中市の取り組みの中で、何かもし考えがあれば、ちょっと教えてください。カーボンニュートラルについて。
○議長(加藤吉秀君) 村上副市長。
○副市長(村上明雄君) ちょっと前置きで振られましたので、私から。
先ほど安友議員が言われましたように、一つにはCO2の排出を抑制すると。そういう意味では、府中市内のデータ的にいうと、大手さんでありますリョービ、北川鉄工になります。これらについては、製造業とか産業面でいくと、当初予算にも課題意識を述べましたけれども、今後、国際的な商取引関係をやっていく上で、CO2をいかに化石燃料から脱カーボンにシフトしたかが、今後、国際取引面を含めまして参入条件になってきつつあるというか、現になっていると。そういう中では、単に今までの環境運動というレベルを超えて、まさに産業として対応していかにゃいけん問題だという問題意識を持っておりまして、とりわけ中小企業さん、零細企業さんに向けて、どういった御支援ができるかといったようなことを考えていかなければならないと。こういった観点から、今回、取り組みについて、どういうことをやっていくべきかを深掘りしていくための業務委託経費、コンサル経費も、この補正で出させていただいております。
もう一つ大きな切り口は、議員おっしゃいましたように、グリーンというような切り口の中で、林業とか農業とか、これまでつくって売るだけではなかなかもうかりにくいというところに、このカーボンニュートラルという世界的な動きを組み込むことで、経済循環、つくって売るだけじゃなくて、営みそのものとか含めてお金が循環するといったような仕組みが考えられないかと。そういう中では、排出権取引、J-クレジットのようなことですとか、以前、加島議員から出ておりましたようなエシカル消費、こういった消費行動でありますとか、CSRに近いような企業さんの社会貢献、こういったものをいかに府中市に取り込んでこれるか。こういったことの手だても含めて、今回、補正出させてもらいました検討経費の中で、しっかりと考えていきたいと思っております。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) ぜひ、府中市としても、このカーボンニュートラルというのは、やはり世界的な動きですので、積極的にアピールする場として取り組んでいただきたいと思います。
最後に地域商社について。今までの話の中で、今の仕組み、J-クレジットの仕組みにしても、カーボンニュートラルですね、こういった仕組みにしても、やはり地域商社、農業地域商社の中で動かす一つとして、そういった動きがあると思いますので、ぜひ、地域商社について、ビジョンの中にも掲げられていますけれども、だれが、いつ、どういうふうにして、いつ設立できるのかを、ちょっと聞かせてもらえますか。
○議長(加藤吉秀君)
若井経済観光部長。
○
経済観光部長(若井紳壮君) まさしく稼ぐ農業を実現するために、生産から販売だけではない新たな経営モデル、地域商社などが挙げられると思います。
現在、包括連携を締結しております、もみじ銀行、YMFG ZONEプランニングなどとの意見交換を行いながら、そのような検討を進めているところでございます。
このような取り組み状況でございますので、現在、具体的にいつ、だれが、どのような設立をするかというところまでは至っておりませんけれども、稼ぐ農業を実現するためには、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) ぜひ実現して。私、これ毎回この質問させてもらっているので、中身とかこの辺については、もうちょっと済みません。
そういう稼ぐ農業の中で、実はこのビジョンの中に観光事業との連携についてという部分が、僕はすごく気になっていて、これが府中市の稼ぐ農業の一端を担うんじゃないかなと考えております。
それで実は、来年度、広島でG7サミットが開催されます。このG7サミットの開催と同時に、府中市の農作物をブランド化できないかということも考えたりして、いいPRの機会じゃないかなと。これもやっぱり観光と農業をセットにするような考え方が必要だと思いますので、何かその辺について、お考えはあるのでしょうか。
○議長(加藤吉秀君) 宮本
観光戦略推進担当部長。
○
観光戦略推進担当部長(宮本典明君) 農業と観光、とりわけ食の連携につきましては、食の魅力の向上のみならず、地域のブランディング化にもつながるということで、大変重要なことと認識しております。
そういった中で、府中市におきましては、昨年度来、連携した取り組みを進めております。10月に井永でのショウガの収穫体験、また、そのショウガを使いまして調理飲食するひろしま農場レストラン、また、市の観光協会や市内の料理店の皆様の御協力をいただきまして、諸田のごんぼうを使用した新しいメニューの開発を実施したところでございます。
こうした取り組みの中で、参加者からは、「府中にこんなすばらしい地域があったんだ」また「すばらしくおいしい食材があった」というような話、また、農業と観光・食の連携が非常に大事であるというような意見もたくさんいただいております。また、その一方で、限られた中での取り組み、限られた生産者、料理人、それから消費者の間での取り組みであったということでありますので、もうちょっと広がりを持たせたほうがいいんではないかという課題もございました。
そうした中、今年度、「恋しき」での料亭機能の再生ということで、料理人の皆さんと折衝なり、話をさせていただいているところでございますけれども、その中には、国内外で活躍されている料理人さんもいらっしゃいます。例えば、中国四国でナンバーワンの評価を受けておられます方、また、2008年の洞爺湖サミットで総料理長を務められた日本を代表するような料理人の皆さん、そういった方ともお話をさせていただいております。そんな中で、府中の農業、また、観光・食の振興についても協力したいというようなありがたいお言葉もいただいているところでございます。せっかくいただいているお話でございますので、そういった方と、また、地元の料理人さん、また、関係者と十分連携をして取り組みを進めてまいりたいと思います。
そういうことも踏まえまして、今回の議会の補正予算案に食の魅力事業ということで計上させていただいております。ちょっとその内容を紹介させていただきます。
2点ございまして、1点目は、先ほど申し上げました著名な料理人さん、国内外で活躍されているような料理人さんに、まず府中にお越しいただきまして、地元の料理人さん、また、生産者と交流、意見交換をした上で、市内にございますすばらしい食の資産ですね、食材等、コースメニューなど献立化しまして、また、もう一つのすばらしい財産であります「恋しき」においてコースメニューを提供、また、そのロケーションを生かした食体験の場でありますプレミアムレストランイベントという形で開催したいと考えております。このイベントには、まず広島サミットの関係者、それからメディアの皆さんとか、インフルエンサーの方、そういった影響力の大きい方に参加していただいて、府中の魅力を存分に体験していただいて、また、協力に発信していただきたいと思います。そして、その後、旅行会社とも連携をさせていただいて、旅行商品等の商品化に努めてまいりたいと思います。日本、世界には食を求めて各地を訪問される方、たくさんいらっしゃいますので、そういった方を、ぜひ府中にお越しいただくような形にしていきたい。そして、府中の食材や食を求めて訪問者があふれるような状態を目指していきたいと思います
次に、補正予算に計上させていただいております2点目でございますけれども、先ほど来の著名な料理人さん、あと、市内外の料理人の皆さんの御協力をいただき、市内の農産物を使った料理、また、加工品の開発をしていただきたいと考えております。御協力いただいた皆さんのアイデアをもとに、府中といったらこれがあるというような名物の料理なり加工品を確立、また、普及させていきたいと考えております。そして、その名物につきましては、先ほど申しました「恋しき」でのプレミアムレストラン等に提供できるようになればいいなと考えております。
こうしたプレミアムレストラン等の取り組みは、広島サミットにおいて活用されるように県に提案しているところでございます。
広島サミットは、広島サミットの本体だけではなくて、各プログラムがあるということでございます。配偶者プログラムでありますとか、先遣隊の夕食会、プレスツアーといった形で、さまざまなプログラムが予定されております。
このサミット、当然ではございますけれども、広島市だけで完結するものではございませんし、府中市にとっても大きなチャンスであると認識しております。この機会を逃すことなく、ぜひですね、府中市に連携、誘致ができますよう、諦めることなく、粘り強く取り組んでまいりたいと思います。
こうした取り組みにつきまして、冒頭から申し上げましたとおり、農業、観光等の連携を深め、農業また食の高付加価値化、そして地域のブランディング、農業観光の振興につなげてまいりたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 安友議員。
○12番議員(安友正章君) 切り口がすばらしい。ただ販路拡大だけではなくて、そういったやはり食材、調理人がこの食材を使っていただくという切り口は、僕は新しい切り口だと思います。ぜひ、地域の農業推進のためにも協力してください。
農業政策、社会情勢によって、いろんな変化があると思います。このビジョンも5年ごとに見直すとされていますけれども、そのときには必ず実効性のある
農業ビジョンであることを期待したいと思います。
これをもって、私の質問を終わります。
〔12番議員 安友正章君 降壇〕
○議長(加藤吉秀君) これをもって、創生会の安友正章君の質問を終結いたします。
10分間休憩をいたします。
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午前11時0分 休憩
午前11時10分 再開
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○議長(加藤吉秀君) 再開いたします。
休憩前に引き続き、一般質問を行います。
続いて、創生会の田邉稔君の登壇を求めます。
田邉稔君。
〔18番議員 田邉稔君 登壇〕
○18番議員(田邉稔君) ただいま議長のお許しをいただきましたので、創生会、18番議員、田邉稔が一問一答方式で一般質問をいたします。
今回は、平成30年豪雨の復旧工事と強靭化に向けた防災対策、また、それに関連いたしまして、府中上下線の代替道路、そして、坂根トンネルの建設について質問いたしたいと思います。
今年度、府中市は豪雨災害記録史をつくられまして、平成30年度豪雨の記録を次の世代へ伝える、日頃からこういった災害へ備えていこうという決意を記録史で示されました。この記録史は非常にいろんな被害の中での体験を交えられて、後世に深刻さを伝えられているということで、もっともっと活用していただければと思うわけですが、あれから4年たちまして、大規模災害箇所については、かなりの場所で復旧の工事が完了しております。府中市土木課、農林課含めて関係部署の方々に対して感謝を申し上げたいと思います。
平成30年豪雨から4年経過して、当初の復旧工事に対する計画の進捗率と未完了地域が今現在どれぐらい残っているのか、まずお尋ねいたします。
〔18番議員 田邉稔君 質問席に移動〕
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 平成30年豪雨の災害復旧工事の進捗率についてお答えいたします。
まず、府中市が行う災害復旧工事について、お答えいたします。
平成30年7月豪雨により、公共施設災害として国に復旧申請した箇所、そして、農地、農業施設及び林道施設災害の復旧工事につきましては、全て完了したしております。
広島県の災害復旧工事でございますけれども、こちらにつきましても令和4年5月までに全て完了しております。
○議長(加藤吉秀君) 田邉議員。
○18番議員(田邉稔君) 国、県については、ほぼというか全て完了したということで、今後は目に見えないといいますか、要望でもなかなか達成されないような細かいところについてやっていくことが課題だと思うわけですけれども、そういった中で、河川の関係について、まだ小さい谷川含めて、手がつけられていないところが残っているんじゃないかと思いますけれども、その辺の府中市としての認識はどうなっているんでしょうか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 小河川などの復旧状況についてでございますけれども、国の災害復旧工事の対象とならないような箇所につきましては、現在まで工事を進めてきたところでございますけれども、今現在、残り工事は約3件、2件は発注済みとなっております。これらの箇所につきましては、住民からの通報や職員のパトロールにより確認しているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 田邉議員。
○18番議員(田邉稔君) 大体、数カ所というふうな把握だと思うわけですけれども、その点について、私が住んでいる北部周辺地域を中心にまだまだ残っているんじゃないかと思いますので、平成30年豪雨の体験を踏まえて、その予防、防災対策がこれから必要となるということで、それぞれ質問させていただきたいと思います。
まず、治山堰堤、砂防堰堤の管理、また、新設についてでありますけれども、平成30年豪雨では、急峻な山に囲まれた谷川で上流からの土砂が流出して、農地や民家などに土砂が押し寄せ、大変な被害をもたらせました。
府中周辺地域では、崩壊土砂流出危険地域に指定されているところが非常に多いわけで、そうしたところで治山ダム、砂防ダムが設置されている箇所では、平成30年豪雨でかなりの土砂が流出しまして、その砂防ダム、治山ダムの役目を果たして災害の被害の増大を食い止めたところが多いわけですけれども、それによって、それぞれのダムでほぼ満杯の土砂が今現在たまっているところがあります。そういった中で、堰堤機能の回復の要望が出ているわけですけれども、その土砂堆積の現状とダムの土砂撤去の予定があるのかどうかについて伺いたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) まず、砂防堰堤についてお答えいたします。
砂防ダムでございますけれども、流域における荒廃地域の保全及び土石流などの土砂災害から下流部に存在する人家、耕地、公共施設などを守ることを目的としたものでございます。
府中市管内での砂防堰堤につきましては、平成30年災害で堆積土砂の撤去が必要な箇所は、全て完了しております。
砂防堰堤の施設点検につきましては、5年ごとに実施されているところでございます。点検の結果、現在は異常堆積となっている堰堤はございません。
続きまして、治山堰堤についてお答えいたします。
森林の荒廃地を放置すると、洪水で浸食され、森林の崩壊が起きやすくなります。治山ダムは主に川底に土砂が堆積している箇所や河岸が浸食され山崩れが発生しやすい箇所などに設置し、ダムに土砂を堆積させ、川や森林の荒廃地の傾斜を緩くすることで、渓流による山腹などの浸食や森林の崩壊を防ぎ、森林機能を高めて、森林の維持、造成を図るのが目的でございます。このような治山ダムの目的上、土砂が満杯になった場合でも、土砂を取り除くことはしません。ダムの上流の森林荒廃状況によりまして、必要に応じましてダムを上流へ追加していくのが一般的な治山の考え方でございました。しかしながら、今回の平成30年豪雨による山腹崩壊につきましては、土砂や流木が異常に堆積したダムが市内あちこちに確認されております。施設管理者である広島県と合同で状況調査を行いまして、新たな土石流を食いとめる能力のないダム、市内19カ所でございますけれども、この19カ所につきましては、ダム内にたまった土砂や流木を一定量取り除く作業をしているところでございます。進捗状況でございますけれども、平成30年度より令和3年度までに、市内の18カ所について堆積土砂等の撤去を完了し、令和4年度、1カ所を予定しているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 田邉議員。
○18番議員(田邉稔君) どのダムが治山か砂防かというのが、一見しただけではちょっとわからないんですけれども、砂防ダムについては完了しているということで、治山ダムが19件中18カ所という説明がありましたが、私が見たところ、多分といいますか、ダムのすぐ下側に家屋がありまして、それが恐らく治山ダムになっているんだと思いますけれども、目いっぱい土砂がたまって、次に豪雨が起きますと、そのまま下流に土砂が流れて、田んぼとかの排水路、用水路を埋めてしまうんじゃないかと思うわけです。
それで、私が見ただけでも、3カ所から4カ所程度、そのまま土砂がたまっているところがあるということで、見解がちょっと違っているんじゃないかと思うわけで、それはどこから発生しているんでしょうか。この違いは。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 平成30年の災害の時点では、災害後に治山堰堤も砂防堰堤についても点検をして、異常堆積がある箇所は順次撤去しているところでございます。
先ほどもお話させていただきましたように、点検が5年に1度になっております。平成30年以降も、令和元年、2年、3年と、今年度も大雨が降っておりますので、そういったところで、また堆積した可能性も考えられますが、そういった堆積がある場合は、また市へ御連絡いただいて、現地確認して、撤去が必要なのかどうかは考えていきたいと思います。
ただ、私自身、今回の件、反省すべき点もございまして、現場への調査や視察が行えていなかったということでございますが、早期に現場での確認を行っていれば、今回の事故もまた違った形で防ぐことができたのかなと感じております。本議会中にはなるんですけれども、建設産業委員会で、再度現場へ出向いて、調査、確認もする予定とさせていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
いずれにしても、府中市の市民の生命や財産を守るために、行動と協力はしてまいりたいと考えております。
次に、高架水槽についてお伺いをさせていただきます。
高架水槽とは、マンションやビル、または、府中市民病院などの中高層建築物に用いられる貯水槽の一つになり、屋上に設置されているタンクを高架水槽というんですけれども、水道本管から受水槽、高架水槽に水が貯水されて、その水を給水するという仕組みになっております。市内で、この高架水槽が設置されている件数はどのぐらいあるのか、お伺いをさせていただきます。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 府中市水道施設との直接の接続から外れ、設置者の管理責任となる受水槽や貯水槽については、高架水槽も含めまして、現在、244と把握しております。
○議長(加藤吉秀君) 加島議員。
○9番議員(加島広宣君) 244あるということでございますけれども、この高架水槽には常に水が貯水されていて、水道水にはミネラルが含まれているので、当然、中が水あかが蓄積されたり、あと、土や砂、ほこりや虫や鳥などの死骸などがたまってしまったりということも伺うんですが、飲み水や生活用水として使用されている水が不衛生な状態となり、そのままにしておくと健康被害に発展する可能性もございます。水は腐るもので、湿度管理ができていないとカビや雑菌といったものも増殖してしましますし、水道法がありまして、それに定められた衛生管理者が義務づけられて、適切な管理を高架水槽を設置されている設置者に対して定期的な水質検査が行われているというようになっているんですけれども、それが行われているかどうかという把握はされていらっしゃいますでしょうか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 受水槽の点検、清掃や水質も含めた施設の管理は設置者が行うこととなっておりますので、上水下水道課では把握をしておりません。
受水槽、貯水槽設置者に対しましては、ホームページで貯水槽の管理の徹底を呼びかけ、「広報ふちゅう」でも、毎年注意喚起をしているところでございます。
また、設置者の負担を解消するため、給水装置の新設や改築時の設計審査では、可能な範囲で直結給水方式の採用を指導、推進しているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 加島議員。
○9番議員(加島広宣君) 先ほど、水道法による定められ内容の水質検査が毎年行われているのかなと思っていたんですけれども、それの確認をするところもなければ、報告する義務もないということなんですか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 今の御質問ですけれども、貯水槽の有効容量が10立米を超えるものにつきましては、簡易専用水道となりまして、水道法によって設置者の義務が規定されます。簡易専用水道の設置者に義務は、厚生労働大臣に届けた検査機関による検査の受検、年1回でございます、衛生的な管理として、年1回の貯水槽の清掃も行う必要があります。あと、施設の点検、そして、汚水事故が起きたときの対応となります。10立米以下につきましては、簡易専用水道に準じ管理することが望ましいとされております。
○議長(加藤吉秀君) 加島議員。
○9番議員(加島広宣君) 済みません、ちょっと私の質問が悪いのか。
最初に244、府中市内にあるというような御答弁をいただいて、その244、一緒の方もひょっとしたらいらっしゃるのかなと思うんですけれども、その水槽を設置されている設置者は、いわゆる法的に年1回検査をしているとは思うんですけれども、その報告をして、その報告がどこに上がってくるようになるんですか、府中市は把握されていないということなんですか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 今の報告につきましては、市民課へ報告が上がっているという指導になっております。
○議長(加藤吉秀君) 加島議員。
○9番議員(加島広宣君) 市民課に振られたんですけれども、市民課で把握をされていることでよろしいですか。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) ちょっと不勉強でたどたどしい答弁になるところがあったら御容赦いただきたいと思いますが、このことに関しましては、水質関係の権限委譲が広島県から行われまして、報告は市民課に報告がされていることは承知をしております。済みません、ちょっとそこから先の手続的なところは不勉強で大変申しわけございません。
○議長(加藤吉秀君) 加島議員。
○9番議員(加島広宣君) 蛇口をひねると当たり前のように出てくる水道水なんですけれども、管理を怠ると本当に事故につながることもございますので、そうした正しい管理が行われているかという部分は、チェックができるような形にしていただきたいなと思っております。
次に、鉛管についてお伺いするのですが、平成27年の12月議会で一度取り上げもさせていただきました。その後、御答弁で調査をしていくという御答弁をいただいているので、その後の調査の報告を伺いたいんですけれども。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 平成27年度に調査した結果、平成27年4月1日の段階でございますけれども、2,989件の給水装置に鉛管が使用されていることを把握しております。配水管布設工事に伴う給水装置の接続かえや給水装置に漏水修理の際、鉛管があればVPなどへの変更を行い、令和4年8月末時点で334件減少いたしまして、現在数は2,655件となっております。
過去の一般質問の答弁にもありますが、51項目の水質基準には鉛の含有率という項目がありまして、鉛管による健康被害が報道された際に検査した事例では基準内の数値であったと議事録にもございます。また、水質基準については、生涯にわたって何十年も摂取し続けて健康被害が生じないといった基準でございます。
今後、水道工事の事業計画においては、管路の耐震化や老朽化の更新につきまして、事業を加速してまいります。それに伴い、鉛管の撤去、より安心な配管への置きかえも進んでいくと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 加島議員。
○9番議員(加島広宣君) 府中市水道ビジョンでは、できるだけ早期に鉛管はゼロにするというような目標も掲げられていたかと思います。
先ほどの御答弁にもありましたが、法的に認められている数値以内であるということと、また、人体に影響がないという内容の御報告になろうかと思うんですけれども、やはり飲み水として使用されていれば、多少なりにも体の中に入り込んで蓄積されていくということは気持ちのいいものではないと、私個人的には思いますので、早期にゼロになるような周知なり、市民向けにしていただくことがいいのかなと思っております。
どの質問を最後にしようか迷っていたんですけれども、広域連携を言われておりましたので、最後に広域連携についてお伺いするのですけれども、市民が一番関心が高いのは、やはり広域連携後の料金がどのようになるのかということではないかなと思いますし、また、広域連携によって府中市の水道事業に多くのメリットがあると、以前、土井議員が広域化のメリットでの質問で御答弁を聞いて私自身も感じております。でも、少なからずデメリットもあるんではないかと思いますので、デメリットとか課題を最後に質問させていただきたいんですが。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) まず、水道料金の影響はどうなるのかについて答弁させていただきます。
企業団は現在の事業ごとに経理を区分し、別料金とする経営統合を行います。水道料金は事業開始時は構成団体の料金体系を引き継ぐとともに、料金の価格も据え置きますが、将来の更新事業や収支推計などを踏まえまして、適切な水準を設定する計画です。具体的には、おおむね5年ごとに見直しを行い、経営の効率化を図ってもなお恒常的な損失や資金不足が見込まれる場合は料金改定を行いますが、改定に際しては構成団体の協議や水道事業審議会の答申を踏まえた上で料金改定を行うと事業計画にも明記しています。水道事業審議会には、住民代表や有識者に参加いただく予定であり、従来の料金改定における手続と大きな違いはないと認識しています。
水道広域化による水道料金への影響といたしましては、単独経営を維持した場合でも、企業団で経営を行った場合でも、料金値上げは避けられませんが、統合による国交付金の活用や業務効率化により単独経営を維持する場合と比べ、料金改定率は一定程度抑制できる見込みであることが試算されております。
続きまして、広域連携は府中市にとって多くのメリットを感じるが、デメリットはないのかという質問に対して答弁いたします。
統合効果は料金値上げ抑制効果以外に、府中市が考えるメリットについて、ちょっと紹介させていただきます。
事業計画の本部の事務の中に、国交付金の活用をした施設の再整備に係る工事の執行及び事務所のバックアップと記載されております。府中市水道事業では、老朽管路の更新や配水池、ポンプ場などの更新が待ったなしといえますが、どうしても市単独の水道事業では、技術職員の確保、配属などが難しく、費用は用意できたとしても、事業執行に係るマンパワーに課題がありました。本部による事務所工事のバックアップをしっかり活用し、必要な事業を強力に進めていくことも大きなメリットと考えております。
もう一点は、府中市職員のスキルアップにつなげていきたいと考えています。城山浄水場に置く企業団府中事務所には、事業開始時には13人の職員と派遣することになります。企業団の制度、仕事の進め方などは、広島県企業局がベースとなりますので、ここで働く職員は、県・国に派遣される職員と同等の経験が積めると考えます。また、施設の更新や統廃合の考え方などは、水道事業に限ったことではありませんので、派遣で学んだ職員が市の他部署で経験を生かすことも大きなメリットと考えているところです。
令和3年4月に締結した広島県における水道事業の統合に関する基本協定には、統合の目的を健全な経営基盤を確立し、地方公共団体の責務として、将来にわたり安心・安全な水を適切な料金で安定供給できる水道システムを構築すると定めております。この協定に基づき統合の検討準備を進めてきたところであり、企業団採用職員の早期事務所配属や地元事業者の育成など、統合の効果も高めるために必要な事項は、現在も広島県に要望しており、今後も連携協定を図りながら進めてまいります。
こういったことも含めまして、広域化に特段のデメリットはないと考えているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 加島議員。
○9番議員(加島広宣君) メリットばっかり聞いているように思ったので、やはりそうでしたね。いずれにしましても、府中市はこの広域連携にかじを切られたということでございますし、府中市では上水下水道課ということで、非常に上水と下水の連携もよく取れていたのかなというように感じております。その上で、今後は切り離して考えなければならないのかなということになりますと、市民の方の御理解も必要ではないかと思います。さまざまなケースがあろうとは思いますけれども、どちらに問い合わせればいいのか迷われることのないように、広報等でも周知していただければと思います。
今回、ちょっと上水について主に質問させていただきましたですけれども、今後は下水道事業も聞いていきたいなと思うんですが、下水道事業においては、府中市においては、県内でも計画整備率が非常に低いというように思って、整備が最もおくれているのかなというように考えておりますが、今後、公共事業、水道事業に関してもスムーズな整備が行われますことを期待するところでございますので、早期に計画整備率100%を目指していただければとお願いし、私の一般質問とさせていただきます。
〔9番議員 加島広宣君 降壇〕
○議長(加藤吉秀君) これをもって、公明党の加島広宣君の質問を終結いたします。
○議長(加藤吉秀君) 続いて、公明党の大本千香子君の登壇を求めます。
大本千香子君。
〔10番議員 大本千香子君 登壇〕
○10番議員(大本千香子君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、公明党の大本千香子が一般質問をさせていただきます。
今回は子育て支援について伺いたいと思います。
まず初めに、府中市の人口ビジョンにかかわる点から伺いたいと思います。
社人研の人口推計では、38年後の2060年には、府中市の人口は2万人を下回ると予測されています。何もしなければということですけれども。2015年に策定した人口ビジョンでは、2060年の年間の出生数は200を上回るというふうに推計されておりますけれども、2022年の現在の府中市では、年間出生数が200人を下回って4年目となっています。これは2020年、令和2年に策定された子ども・子育て支援事業計画、これは2024年までの計画ですけれども、この中で令和4年度、ことしの推計として、ゼロ歳から5歳の就学前の子供さんの総数を1,271と推測されておりますが、現状では1,080ぐらいという現状がございます。
この今後の出生数の予測と人口ビジョンとの差の要因を伺いたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 御紹介いただきましたように、人口ビジョンとの乖離でございます。
平成28年の第1期人口ビジョン策定時の社人研の推計では、御紹介いただきましたが、現状を前提として、2060年の本市人口は2万人を切り、出生数は100人を大きく下回るというふうにされております。この現状を打破するために魅力あるまちづくりによる定住化、移住の促進、結婚、出産、育児、子育て環境の整備等々の各種政策の実施により、自然増減、社会増減ともに改善した場合に、2060年に人口は2万4,000人から2万5,000人、5年間の出生数を1,000人以上、これを1年換算でいたしますと200人を上回るという推計を出したところでございます。
近年の年間出生数についてですが、御指摘のとおり、2017年は200人を超えておりましたが、年々減少傾向となっており、2021年は141人となっているところでございます。
今後の出生数の予測と人口ビジョンとの乖離の要因についてでございますが、これはあくまで予測になろうかと思いますが、母子手帳の交付数から見ますと、直近1年間とその前1年間が同数であること、4月から8月までの5カ月間の交付数が前年52件に対して本年55件であること等を考慮いたしますと、確定的ではございませんが、今年度の出生数としては前年並み、もしくは微増と予想しております。
人口ビジョンとの乖離の要因でございますが、落ち込みの要因につきましては、人口ビジョン策定時には織り込んでいなかったコロナ禍による人々の交流機会の減少や将来への不安感の高まり等も考えられます。また、一時の落ち込みから、若干上向く兆しもございますが、人口動態の傾向を見ますと、20歳代30歳代の女性の数が予想よりも減少していることも挙げられます。
府中市といたしましては、近年、安心して子供を産み育てることができる環境として、妊娠や出産、子育てまで切れ目のない支援ができるネウボラでありますとか、子育て世代の方々を応援する府中市こどもの国の整備、また、小・中学校の一貫教育の展開、地域企業が一体となったコミュニティ・スクールの取り組みなど、全国的にも評価されている先進的な取り組みを行ってきているところでございます。加えまして、子育て世代や若い方にも選んで住んでもらえる町となるよう、府中駅南側エリアの整備による活気、にぎわいづくり、南北道全面開通に向けた沿線土地の活用、また、山間部や都市部全体で多様な暮らし方を可能にするといったまちづくりという観点からの取り組みを、現在見直し中の都市マスタープランや住生活基本計画を基盤として進めていきたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) コロナの影響もあると思われるかもしれないんですけれども、若干計画よりも早く下方に向かっている可能性があるように感じておりますが、このデータは、今後のまちづくりとか、今後の設計とかを考えるに当たって、かなり大きな課題というか、余り乖離が続くことは、設計そのものが変わってくると思いますので、この人口動態とか、そういったものについての現状での修正というか、人口ビジョン的なもののデータの修正が必要とは考えられていないんですか。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 令和3年3月に策定をいたしました第2期府中市人口ビジョンでは、人口の実績値は2015年の国勢調査の数値を使用しておりまして、総合戦略の基礎的な計画として位置づけております。
人口ビジョンにおいても、適宜修正、見直しを行うこととしてはおりますが、現時点では推計の下方修正ではなく、少子化対策としての第2期府中市総合戦略の戦略2、府中市で育てる、安心して出産・子育てができる環境をつくるといった取り組みの着実な実行及び成果につなげていくことに注力をすることが急務であると考えております。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) 後ろ向きに考えないで、前向きに取り組んでいきたいということかなと思います。
ただ、この出生数の中で、今後の府中市の保育ビジョンについて伺いたいと思います。
現在、府中市には市立が6個、1個は休園しておりますけれども、法人立が5個の保育所、そして、幼稚園が法人立で1個、事業所内の保育所が4つということで、事業所内の保育所を外しても定員としては1,380の枠がございます。もちろん待機児童はない状態で、ありがたく運営されているわけなんですけれども、これまで府中市は、各保育所の施設整備を計画的に進めていただいております。広谷保育所や、また、民間としては国府保育所、それから、リョービ、たんぽぽ、和光園、中須たま、と施設整備が進んで、いずれもきれいな保育所として、保育環境はかなり充実していただいている状況だと思います。
出生率が減少してきているわけなんですけれども、国の助成金を使いながら、施設を整備されてきたわけですけれども、保育環境の変更で、ちょっと今、例えば法人でつくられたところは助成も受けられているし、また、負債も抱えていらっしゃるというか、借り入れもされているわけで、今後、借り入れに対する返済も始まる状況が今の府中市の保育所の状況かなと思います。
この状況の中で、定員割れがどうしても起きてしまっている。絶対数が少ないので、園児の定員割れが起きてきているかなと思います。この定員割れの状況の中で、特に市立のところは余り関係ないと思うんですが、民間の保育園では、園の運営やスタッフの確保に不安が生じているのが現実です。今後の出生数の状況も踏まえながら、より現実的な保育体制が検討されなければならないと思います。もちろん少ない園児を各園で取り合うような形ではなくて、市全体で未来の子供たちのために安心して継続できる方向を検討しなければならないと思います。
この保育ビジョンの方向性と、さらに検討状況について伺いたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 府中市におきましては、平成17年策定の府中市保育所再編整備計画、これが第一次ビジョンという言い方をしておりますが、この中で、主に無認可保育所への認可化により低年齢児保育の受け入れ拡大でありますとか、休日保育、一時預かりなど、特別保育事業を実施してまいりました。その後、第二次計画、第三次計画という中で、今、御紹介いただいたように施設整備でありますとか、機能向上を図ってきたところでございます。
第四次となります保育計画について、今、御紹介いただいたようなことも含めて、我々として大きな課題が4つあると考えておりまして、その課題解決に向けた内容を、今後、検討していくところでございます。
4点、御紹介させていただきますと、1点目、例えば、年度の途中から低年齢児の定員にあきがなく、休職中の方の年度途中の入所が難しいという状況であったり、2点目、老朽化している公立保育所の建てかえ、保育内容の見直し、それから3点目、将来を見据えた保育士や調理員の定数と計画的な職員配置、4点目、療育的支援や発達障害児への対応の充実を図るための保育の質の向上、こういったことをこれから検討していきたいと考えているところでございます。
一方、今、御紹介をいただきました私立、いわゆる法人立の保育所等についても、児童数の減少に伴って運営がかなり難しい、厳しくなっている状況を伺っているところでございます。これまで第三次保育計画を策定してきた段階では、出生数の減少を見込んでいたものの、ここまでの減少とは想定をしておらず、見込みより早い段階で低年齢児の入所児童が定員を割っている状況を我々としても把握しております。待機児童を出さないために、私立保育所の認可化を促進してきましたが、今後、安定した運営となるよう、例えば定員数の見直しでありますとか、補助制度の制定を考える必要があるんではないかということで、検討を始めているところです。
この定員数の見直しといいますのも、運営費は国が定めた公定価格に児童数を掛けて単価が支払われますが、この公定価格は定員数が多いほど単価が下がりますので、適正な定員にする、定員を下げることで公定価格が上がるという点、それから、補助制度の制定でいいますと、これまで、令和3年度まで定員払い事務費という形で、定員を割った場合に支援をするというやり方をしておりましたが、ちょっとこういったやり方は時代にそぐわないということで、昨年度限りとしたところですが、例えば、今後、予約制度によって、年度途中から入所する児童さんのために、枠をあけていただいている、ただし、それには人件費がかかるといった実情もございますので、そういった状況で、入所されるまでの間の補填をするというふうな方向も考えるべきではないかと考えております。まだこれは行政の中で十分オーソライズされておりません。検討段階の案ではございますが、そういったことを含めて、これからしっかりと検討していきたいと考えているものでございます。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) これからの検討になるということなんですけれども、ほぼほぼまとめ上げられる予定というのは、どのくらいの予定を考えていらっしゃいますか。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) いろんな計画を立てようというスケジューリングを考えておりましたが、先ほど申し上げましたように、出生数が予想以上に減少していたり、私立保育所の運営状況の厳しさといったようなところがかなり出てきております。当初、今年度、しっかり議論をしてまとめたいと考えていたところですが、まだ現段階では関係者の聞き取りと、それによる課題出し程度となっており、なかなか議論としては進捗が見られていないという実情がございます。若干策定の期間を長めにとることになるかもわかりませんが、しっかりと大きな方向性を定めたいと考えております。
今年度内の策定は、ちょっと若干ずれるかなと思っているところです。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) 少しちょっと時間がかかるということなんですけれども、多分、現場は待ったなしの状況になっているかもしれないので、その間の助成なり、継続的な運営については、前向きな議論をしていただけたら、次の新しいプランができたときに、今ある保育のインフラをちゃんと使って、よりすばらしい府中市の保育のやり方が検討できるのではないかと思いますので、ぜひ、そういったところも含めて、なるべく早く結論的なものを出していただけたらと思います。
続いて、この出生数が減少する状況の中で、府中市は子育てしやすい町というふうに選んでいただきたいということを前面に出して政策を進められているかと思います。先ほど部長から、具体的に府中市の魅力のある子育て支援とか、施設整備は伺いましたので、申しわけないですけれども、この中で、「こどもの国ポムポム」とか「子育てステーションちゅちゅ」など、かなり市外からの方が来られている。こういう状況の施設が今あるかと思うんですけれども、この利用状況について伺いたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 府中市こどもの国は、市内外からたくさんの方に御利用いただいている施設です。
ポムポムにつきましては、フリースペースとなっておりますので、市内市外別の利用割合の把握はできておりませんが、オープンして、これまで約1万人の利用がございました。夏場は猛暑のため減少してきておりますが、また秋になれば増加するのではないかと見込んでおります。
一方、ポムポム本館につきましては、コロナ感染防止のため、クール制の人数制限をかけており、ことしの4月までの2年間は1カ月約3,000人の来館者数でしたが、ポムポム公園が整備されてからは利用者数が月を追うごとに増加し、8月には1万人を超えました。そのうち市内利用者が約17%、市外利用者が約83%となっております。
それから、ちゅちゅでございますが、この1年間はコロナによって2カ月間の休館期間があったにもかかわらず、7月末までの約1年間で約1万700人と、3年後の目標1万人に対し、目標を既に達成できている状況です。市内市外の利用割合については、市外の方の利用割合が平日で約44%、休日で約56%となっております。
なお、上下地域の拠点として5月下旬にオープンしたふらっと上下でございますが、こちらの子育て支援センターにも、最近市外の方が定期的に訪れていただいております。府中地域のネウボラ拠点、子育てステーションちゅちゅとの連携を強化し、府中市全体の子育て環境の充実を図ってまいりたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) いずれも継続的に市外からの集客というか、来ていただける状況の施設になっているということは、かなり魅力的な施設というふうに若い世代に映っているのではないかなと思っております。
ただ、この間の委員会で管内視察をさせていただいたときに、この魅力的な施設に府中市のよさを発信するとか、府中市の子育て支援がこんなにすてきだということを発信するような資料が余りなくて、今の子育てに対しての活動をすごく一生懸命していただいているんですけれども、定住だとか移住だとか、若い方が府中市に来ていただくような、府中市がもっとにぎやかになるような、そういう意味での連携が、ちょっと取られているのかなという、そういう感じがしたんです。府中市には少子化対策何とかという課はありません。トータル的にそうしたものを把握するところがないせいなのかもしれないんですけれども、こうしたせっかく魅力的な施設なので、もっと発信していただけたらとお願いはしたんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 御指摘いただいたとおり、市外の若い世代が府中市を訪れ、市内の施設を利用いただいているところです。ポムポムやちゅちゅといった施設には、市外の若い世代に府中市に行こうという行動を起こさせ、府中市は子育て支援に熱心な町であるという印象を与えるプロモーション効果を有していると思っております。これによって、施設を利用される若い世代がすぐに府中市に移住するといった短期的かつ直接的な効果は望めないかもしれませんが、実際に府中市に住もう、府中市に家を建てよう、市内の宅地を購入しようという若い世代も着実にふえているところです。
現在策定中の住生活基本計画の中でも、子育て世代が府中市に住むための支援策といったところも念頭に置いて検討しているところです。
御指摘いただいた点でございますが、現在、府中市では市内の子育て支援施設、コンテンツを取りまとめたハンドブックの作成にも着手をしております。各施設にこういった情報媒体の設置をするとともに、これをきっかけに府中市の子育て支援の魅力を知っていただくための情報発信拠点としていきたいと考えております。
さらに、府中市内で子育てしながら働きやすい環境を整えている企業の紹介をし、子育て中の方の働き場所のマッチングにつながるような情報提供や方法も企画しております。ちゅちゅなどの子育て支援施設やi-coreFUCHU(いこーれふちゅう)に設置されておりますデジタルサイネージを利用するなどを想定しておりまして、府中市外の方へも府中市の子育ての魅力を発信できる機会と捉えております。
短期的に効果が出るばかりではない面もあり、今後とも工夫しながら、将来において、これらの施設が有益であったと言われるように取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) ぜひ、しっかり発信のほうで、刺さる発信をしていただけたらと思います。
次に、子育てについて、若い女性の中で、子供がなかなか産みにくいと思われている方の多くは、子育てとか教育にお金がかかり過ぎる、こういう御意見があります。確かに収入が低い若い世代にとって、子育てというのは大きなハードルになるのかもしれないんですけれども、もっと保育とか出産に手厚い支援策を講じることで、府中市で子供を持ったりすることが、もう少し楽にできるのではないかなと思います。
そこで、一つ初めに伺いたいと思うんですけれども、きょうの中国新聞に出産時に幾らぐらいかかるかという記事が載っていたんですけれども、これ、8年間で4万円ぐらい上がっていて、広島県は46万5,000円ぐらいかかっているそうなんですね。ただ、出産育児一時金が健保から出されて、42万円の助成が現在ございますけれども、それでもやっぱり医療機関にお支払いする金額がそれを超えているということなんです。政府でも、この出産育児一時金の増額を検討され始めているようなんですけれども、府中市において、この差額分の助成は考えられませんか。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 御紹介いただきましたように、現在、出産育児一時金42万円という形になっております。厚生労働省が令和3年度に調査研究した結果では、広島県の令和2年度の出産費用の平均値が約45万7,000円となっておりまして、地域によって若干の差はあるものの、出産費用が足りていない状況です。
現在、政府が増額を表明しておりまして、年末の予算編成過程で議論をされることとなっておりますので、府中市としても、これに注視をしているところです。
府中市といたしましては、出産費用の補填を目的とした補助については、こうした国の動向や出産時の経費内容など、総合的に判断していきたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) ぜひ、よろしくお願いいいたします。
それから、3年前から国の制度として、保育料の無償化がスタートいたしました。このときの調査でも大変喜んでいただいていたわけなんですけれども、3歳から5歳までの保育については無償となりましたけれども、低年齢児の保育は有料です。住民税の非課税の世帯は無償となっていますけれども、現在の低年齢児保育の預かり状況と、その中での無償世帯の割合を伺いたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 府中市では、これまで私立保育所の認可促進や公立保育所の整備により、低年齢児保育の拡充を図ってきました。また、府中市では、育休復帰による予約制度を導入しており、その予約数を含めた今年度の数字で申し上げますと、ゼロ歳児が75人、これは率にすると55.6%、1歳児が101人、64.7%、2歳児が155人、77.9%となっております。このうち生活保護世帯及び市民税非課税世帯が保育料ゼロ円となりますが、これに該当する世帯、人数が9月1日現在で8.7%の27人が該当児童ということになります。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) それでは、有償になっている、保育料を払われている低年齢児の御家庭では、とのような負担になっているのか伺いたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 保育料は市民税が課税世帯となっている場合は、保護者の所得税額の合算額により算定しております。均等割のみが課税されている場合は1万400円、所得割が課税されている場合は1万2,600円から6万円まで、15階層の保育料となっております。
お尋ねいただいたことにつきまして、各階層にばらつきがございます。また、所得税から収入状況を算出するのは、ちょっと世帯状況により大きな幅があるため、仮説でのお答えとなりますが、府中市の令和2年度の推計平均収入で計算をいたしますと、夫婦のどちらかが府中市平均の約419万円の収入とし、夫婦のどちらかが扶養の範囲内で働かれ、子供2人を扶養とした場合で1万8,400円辺りの階層と想定されます。また、夫婦ともにフルタイムで想定いたしますと、同様に府中市の推定平均年収419万円の2人分の収入で試算し、同じように2人の子供をそれぞれが扶養されている場合、5万3,900円辺りになるのかと想定されます。
保育料の徴収基準額は国が定める水準を限度として、各自治体が設定をすることとしていますが、府中市では国が定めている非課税世帯の9,000円を無料をとし、課税世帯も国が定める1万9,500円から10万4,000円までという幅を1万400円から6万円としているところです。さらには、課税世帯を国では6階層に分けておりますが、府中市ではその段階を滑らかにするために16階層に分けて保育料の設定をし、差額は市が負担をし、保護者の経済的な負担軽減を図っているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) ゼロ歳児から2歳までの年代に対する預かりから見ると、かなり多くの方が預けていらっしゃるんだなという感じがするわけです。
この中で、ゼロ歳から3歳までの脳の発達というのが、約8割とか9割とかって言われるぐらい、本当に低年齢児、あるいは6歳まで含めて、非常にその子の人生を左右するくらい、その子の将来の収入を左右するぐらいのどういう保育だったのかというのが影響すると言われている中で、この低年齢児の子供たちがもっと、例えば施設とか、たくさんの経験が豊かな保育者がいらっしゃるところで、いろんな子供たちと触れ合いながら、刺激を受けながら、また、いろんな手厚いというか、教育も受けながらこの時期を過ごすのか、あるいは、ちょっと今はお母さんがひとりで育児をするという状況の中では、悪いんですけれども、例えばスマホを見ながら授乳したりとか、テレビをずっと見せっ放しで何かをされていたりとか、いろいろお母さんの状況によって、保育の質とか力量にかなり差があると思うんです。こうしたお母さん方でも、例えば保育料、この低年齢児の保育料が低くなったりするのであれば、あるいは無料になったりするのであれば、もっと預けていただいて、市全体で、社会全体で、子供たちを小さいときからきちんと保育するという方向に切りかわらないのかなと考えたりします。また、コロナ禍の中で産後鬱の女性も倍増していると言われており、孤立することは、とても保育にとってはいい環境ではないと思います。
府中市ではネウボラの推進で、丁寧な相談体制を取っていただいて、大変ありがたいなと思うんですけれども、提案として、ゼロ歳児からの保育料の無料化を検討できないか伺いたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 唐川
健康福祉部長。
○
健康福祉部長(唐川平君) 若い世代にとって、子育てをしていく上で、経済的な不安というものは具体的に何なのか、どんな経済支援があれば出産をされるのか、どんな環境があれば子育てしたいと思われるのか、しっかりとデータ分析や若い世代への聞き取りなどを行っていき、限りある財源の中で、本当に響く施策を早急に実施していかなくてはいけないと考えております。
現在、市のあらゆる施策に少子化対策という観点を含めるために、エビデンスに基づく地域政策の立案についての職員研修を実施しておりますが、府中市の現状や地域の特性を改めて深掘りし、データを施策のロジックに生かすことができるよう、市全体で取り組んでいきたいと思います。
また、保育所に預けることで子育ての孤立化を防ぐという点につきましては、議員御指摘のとおり、子供の人格形成にとても大切な乳幼児期に親子が孤立し、子供とのかかわりが分からず、子供に必要な愛情を注ぐことが難しい、あるいは、子供も他者へのかかわり方がわからないというような状況も社会的な課題となっております。そのため、保育所で預からない場合でも、保護者が少し休めるような一時預かりや育児ヘルパーなどの事業について充実を図っていくことを進めております。子育てが孤立せず、安心して子育てができる環境を整えることについて、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) 府中市にとって、この子供たちというのは未来の宝であり、本当に人材になる子供たちだと思います。人にお金をかけることは、決して、いわゆる食い潰し予算ではなくて、未来への大きな投資になるものだと考えます。
最後に、市長の御見識を伺いたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 小野市長。
○市長(小野申人君) おっしゃるとおりだと思っております。
現在、府中市は、妊娠期からトータル的なサポート体制や保育体制や学校だけじゃなく、行政全体、地域全体で子供を見守っていくことに力を入れているわけであります。これらは、人、そして、つながりを育て、府中に誇りと愛着を持つ次世代を育てるためのものであり、そのための必要な経費は積極的に予算化をしていきたいと思っております。
しかしながら、子育て支援だけ、あるいは、子育てへの予算を十分に確保するだけでは出生数が増加しないのが現実であると思います。出会い、あるいは、結婚、出産、子育て、小学校の入学といった市民のライフイベントに寄り添いながら、府中市においては、どの部分で何が必要となるか、何が課題となっているかをデータやアンケートなどから要因を読み解き、取り組みを行っていくことで市民の希望をかなえることが必要であると考えております。
議員おっしゃるとおり、人口減、あるいは、少子化というのは大変大きな課題であろうかと思っております。
皆さん御承知のとおり、先ほどからも紹介のありました、例えばポムポムであったり、ちゅちゅであったり、本当に市外からも多く来ていただいて、そういった方々にも府中に住んでいただきたい。あるいは、御承知のとおり昼間人口のほうが多いわけでありますが、そういった方々に対して何ができるかといったところもしっかり分析をして取り組んでいきたいと思います。
子育て、教育が大切であるのは間違いないところでありますが、そうした部分は、どちらかというと妊娠をされてからの支援だと。先ほども少し御紹介いただきましたが、じゃあ、妊娠をされる前の方に対する支援、あるいは、結婚をされる前の方に対する、例えば住環境であるとか、そういった取り組みもあわせて考えていく必要があろうと思っております。
これは何度も言いますように大変大きな課題であろうと思っておりますので、住宅事情や、あるいは、雇用情勢など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こることであろうかと思いますので、子供関連の部署だけでなく、議員もおっしゃったように、組織の枠にとらわれず、市役所全体として、また、市民の皆さんと共に考えながら、今取り組んでおります住生活基本計画、あるいは、都市計画マスタープランの改正も踏まえながら、しっかり議論し、柔軟で組織的な取り組みとなるように進めてまいりたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 大本議員。
○10番議員(大本千香子君) 終わります。
〔10番議員 大本千香子君 降壇〕
○議長(加藤吉秀君) これをもって、公明党の大本千香子君の質問を終結いたします。
10分間休憩いたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
午後2時24分 休憩
午後2時34分 再開
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(加藤吉秀君) 再開いたします。
休憩前に引き続き、一般質問を行います。
続いて、岡田隆行君の登壇を求めます。
岡田隆行君。
〔8番議員 岡田隆行君 登壇〕
○8番議員(岡田隆行君) 議長の御指名をいただきましたので、無所属で日本共産党の岡田隆行が一般質問をさせていただきます。
きのうも土井議員、きょうも加島議員からも触れられましたけれども、きょうは、私は2つの大きな点で質問させていただきます。1つは危機管理のさらなる強化について、湧水処理場からの重金属の流出事故への対応、そして、2つ目は交通移動手段の確保について、質問をさせていただきます。
まず、湧水処理場からの重金属事故への対応を通して、危機管理のさらなる強化を求める上での質問をさせていただきます。
8月23日の火曜日に、荒谷町の出口川の湧水、湧き水ですね、湧き水処理施設から、カドミウムや銅、亜鉛など、重金属を含む汚泥1.6立方メートル、私の身長がちょうど1.6メートルですので、これを1メートルの四角で囲んだぐらいのというふうにされていますが、そういう汚泥が流出をしたと。府中市は一時運転を停止して、出口川や芦田川6カ所で水質の検査を実施した。その結果、重金属は基準以下、基準値を下回ったために生活への影響はないということでした。
この湧水処理施設ですけれども、これは今から34年前の1988年から運転をしていると聞いています。出口川上流の湧き水、湧水に含まれる銅や亜鉛、ヒ素、カドミウムなどの除去を行っていると聞いております。
今回、汚泥をポンプで貯槽に移す際に満了、いっぱいになったことに気づかず、この貯槽からあふれ出してしまったと。その原因の一つが、ためる貯槽の水位が高くなったときに鳴る警報のセンサーが1年ほど前から故障していたというふうに報告を受けています。報道もされていました。
先ほどの村上副市長の答弁の中にもありましたが、ヒューマンエラー、人為的なミスと機器のトラブルの複合的なものと考えているということを答弁をされたと新聞にも載っておりました。
そこでお尋ねをします。
出口川から芦田川への流出地点にある、先ほども出ておりましたが、府中市こどもの国ポムポム、ここまで赤茶けた汚泥水、ずっと流れていく影響、これは発生当初予想できなかったのかどうか。また、そのための安全対策は十分であったかどうかについて、まずお聞きをしたいと思います。
〔8番議員 岡田隆行君 質問席に移動〕
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) まず、事故が発生いたしまして、汚泥水の影響を確認する初動を取りまして、水質検査による影響の程度を検証したところでございます。
加島議員の答弁にも触れておりますけれども、市民への通報に関しましては、通報の内容や伝達ルートをこれから整理してまいっていくということでございます。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) 汚泥水の影響は、当初予想ができたかどうかという点ではどうですか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 日常の運転に関しましては、ヒューマンエラーという話もしておりますけれども、時間管理で運転しているところが伸びたということで、ちょっと全ての事故についての想定できたものではなく、今も業者、市も含めまして、さらなる整理をしていくところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) 湧き水の処理をしているということですので、決してこれが人体にいいものではないことは前提だろうと思います。それが汚泥水が出たということですよね。それを私たちが見つけたわけではなくて、事業者の人が、下流におる方が言われたからわかったということになりますよね。その間は出続けていたということ。しかも、先ほどもちょっと触れましたけれども、人為的ミスもありますが、機器のトラブル、1年間センターが動いていなかったということもあります。そうすると、出ていったかもしれないけれども、それさえ感知できていなかったという。見方を変えれば、そういう面もあるんではないかと思います。
そうしてくると、この日は8月23日です。ずっと下流に流れていきます。どのぐらいの影響を与えるかと、だれもそのときわかりません。流れていきます。ちょうどこの日は始業式ですので、うちの学校の場合は、子供たち、小学校、中学校はいないかもしれませんが、小さい子はいるかもしれません。そうしてくると、下流にどんな子がどういうふうに遊んでいるかもわからないわけですけれども、そういう点からいうてみると、こういうことを真剣に捉えられたかどうかということ、そっちも大事になってくると思います。
今後のことですけれども、こうした市民への安心・安全な生活を脅かすような事態が発生した場合、どのような点に留意して住民に伝えていこうとされているのか。その点についてお聞かせください。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 先ほども答弁いたしておりますけれども、契約先事業者への指導といたしまして、市長から事故原因と対策について自己分析を行うよう指示しているところでございます。それについて、今、整理を行っております。整理内容といたしましては、背景や問題の所在、対策の方向性など、及び契約の見直しについて取り組んでいるところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) ちょっとよくわかりません。
大きく原因だなと思うのは、大変だなと思うのは、一つはやはりセンサーが壊れていたのが1年間そのままになっていたということですね。これは、管理の責任というのは、だれにあるんですか。教えてください。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 管理につきましては、業者が点検などを行うことになっております。そういったことも含めまして、原因の究明を指示して、こういったことが起こらないように改善策を整理しているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) 業者にと言われましたが、市には責任は全くありませんか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 当然、業者へ今の点検方法とか、市も含めて、先ほども答弁しておりますけれども、市と業者が一緒になって、例えば点検方法の見直しとか、原因究明、点検方法、あとは検査の仕方、市も当然現地で検査するとか、情報のやりとりとか、そういったところについて書面でやるとか、そういったことを含めて、今、整理を行っているところでございます。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) もう一つ言わせてもらいますと、例えば、この流出がわかったという時点から、検査の結果が最終的に出るのは、出されておる資料からいうと4時20分となっていました。そうすると、その間、どのように市民の方に知らせていったかということ、とても大事になってくると考えます。その辺りは、どのように伝えられていったんですか。
○議長(加藤吉秀君) 村上副市長。
○副市長(村上明雄君) 先ほど加島議員のところでも御答弁させていただきました。事態については、すごい軽く受けとめているつもりはありませんで、深刻に受けとめています。
業者との関係についても、これも先ほど加島議員との御答弁でも御説明いたしましたように、設備点検のあり方なり、あるいは、市への連絡通報体制の問題、あるいは、現場オペレーションに対する本社の対応状況でありますとか、事故が起きたときの危機管理のオペレーションなりマネジメントの問題、全体を通して、本社、現場を含めましての危機管理意識はどうだったのか。こういったことについて、市長みずから厳しく指摘し、どこに問題があったのか、なぜ起きたのか、そういったことについて、現在、整理しよるということであります。
現時点では、こういった整理をしっかりとやっていき、先ほどお答えしましたのは、遅くても11月までに一定の方向なり、整理なりをさせていただき、公表をさせていただくことを申し上げたところでございます。
最後の御質問であります市民への通報のあり方、告知のあり方につきましても、これまた繰り返しになりますが、危機管理の鉄則でいいますと、最大の最悪の事態を想定して行動すると、これは言われるまでもなく鉄則、鉄板だと思っております。
一方で、今回の重金属につきましては、科学的な知見、本当に直ちに健康リスクにつながるのか、摂取とか体内蓄積含めて年スパンの問題であるという仄聞もしております。こうしたことも含めまして、科学的知見をしっかりと、今、問い合わせとかもしているところですけれども、こうした科学的知見に基づいて、事実を早急に伝えたほうがいいのか、あるいは、それだけじゃなくて健康リスクについてもあわせて伝えるべきなのか、タイミングはどうなのか、こういったことについても先ほど御答弁しましたように、お伝えする内容、あるいは、タイミング、あるいは、その伝達の方法、こうしたことについて、整理をしているところでございます。
何もしないでよかったということではなくて、そういったことも含めて、本当にこれからどうあるべきなのかを考えているところです。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) 最も大事なことだと思います。例えば、ここの場で異臭がした場合であれば、私たちは何をするか。異臭がした場合は、じゃあちょっと検査をするからと、検査の結果が出たから判断をしましょうとは言わない。異臭が出れば、やはりすぐ退去をする、その場から離れるという指示をしますよね。同じことだと思います。
それから、先ほど鉄則、鉄板ということを言われましたけれども、全くこの部分は揺るがしてはいけない部分だろうと思いますけれども、その辺りはどう思われますか。
○議長(加藤吉秀君) 村上副市長。
○副市長(村上明雄君) 現在、整理中だということで、真剣に受けとめながら、科学的知見に基づいて整理させていただきます。
先ほどのことではないんですけれども、例えばガソリンだとか、一酸化炭素だとか、その異臭というのと、何か魚の焼け焦げた臭いの異臭というのは全然違うわけで、やはりその物質の特性、それが一体どういうふうな人体に健康に影響を及ぼすのか。これ、本当に先ほど言いましたように、最悪のことを考えるというのはそのとおりなんですけれども、正しい知識、知見なり、そういうのもちゃんと調べた上で、住民の皆さんに何を伝えるべきなのか、これは行政の責任として考えていきたいと思っています。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) 真剣に考えられているということで、これはその報告も含めて、待たしてもらいますが、事故以後、今日まで2週間余りが過ぎております。その後の異変とか、あるいは被害、こういったものは報告されてはいないということでいいんですか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 事故後に水質検査、河川状況なども調査して、排水基準等は基準内ということでございますが、近くの養鯉場のところで魚が死んでいるという報告を受けております。ただし、直接的にこのことがどうだったかというところは、今、お話をさせていただいている状況です。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) 近くの養鯉場で魚が死んでいるのは、それは、いつだったんですか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) それは、当日に死んだと聞いております。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) どのように影響があったのかはわかりませんが、事実としてそういうことがあったということは、事後どうなっていっているのかも念入りに調査をいただきたいと思います。
あわせて、このことについて、11月末までにはきちんとした方針も出されるということで、市民の方にも伝えていくことになると思うんですが、どういう形で方針、あるいは、知らせるということをされていくか、それをお聞かせください。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 市民への周知ですけれども、現在、整理を行っています内容について固まりましたら、市民の皆様、議員の皆様はじめとしまして、周知をしていきたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) あわせてもう一つお聞きします。
23日の発生の日、私たちは1時から水道の関係での全員協議会を持っていたと私の記憶にはあります。当然、方針までは立たないにしても、その朝に起こっていたことなので、何らかの報告があってよかったのではないかと私は思います。私は帰って、私自身からいうと、多分同じような経験をされた議員もおられると思うけれども、夜のテレビで、それでもわからない、次の日の読売ニュースとか中国新聞で見たと。だから、早くからどうなっているんだという複数の連絡をいただきました。非常にある意味、何もわからないので、とてもつらい思いをしましたけれども、こういうあり方について、いかがお考えですか。
○議長(加藤吉秀君) 村上副市長。
○副市長(村上明雄君) これも大事な話だと思っていまして、先ほど加島議員の御答弁でも申し上げましたように、内部ルール、内部統制、ガバナンスの関係として、しっかりとセオリーというか、つくっていきたいと思っていますが、私自身、過去の教訓といたしまして、2年前、コロナの感染者発生がありまして、公表権限は県だと。これ議員にお知らせしなきゃいけないんじゃないのかと、今、フライングだったと反省しとるんですけれども、いろいろなマスコミ含めて、市は隠しておるとか、議員にだけ伝えたのかとか、結果的には県も本人の同意がなくても、所在とか性別、ちょっと忘れましたけれども、基本4情報は出すと改善されたので、こうした板挟み状態というのは制度的に解消されたわけですけれども。大事な話だと思っておりまして、議会へ、いかにどのタイミングでお伝えするか、マスコミ、市民の皆様へどういうふうなタイミングでお伝えするか。どっちが後なのか先なのかも含めて、本当に悩みながらやっているところでございまして、こういったことも含めて、執行部と議会との関係になりますので、組織対組織の話でありますから、個人的にはどちらも遅からず早からずというか、同じタイミングと言いながら、体は一つでありますので、どういったふうにさばいていくか、案件にもよるかもしれませんし。こういった辺りについて、全部類型別にはできないと思いますけれども、大きな考え方だとか、立ち回り方、また、議会とされても執行部から通報なり連絡なりあったときの議会の中での共有の仕方とか、いろいろあると思いますので、今回はよかったとか、悪かったとかということではなくて、今後に備えて、これも議会と執行部の中の考え方というか、担当部署だけで動くのではなくて、情報発信なり公表の仕方のガバナンスの話としてしっかりと考えて、議会ともしっかりとしたルールを確立していきたいと思っております。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) 今回に関しては、早朝起きたことで、1時から集まっているわけですので、詳しくはというのじゃないけれども、報告は無理だと思います。ただ、こういうことが起こっていますということぐらいは伝えてほしかったと思います。
今日の読売新聞を見ていますと、備後欄に府中市の川で生物調査をしようということで、官民連携で活動する芦田川の環境マネジメントセンターが25日に芦田川水辺の学び舎ということで参加者を募集されています。安心・安全だということであれば、それにも正確に伝えてあげることが大事だろうと思います。やはりわかったことは伝えることがとても大事だと。伝え方は工夫をしなければいけませんがね。というふうにお願いをします。
さて、もう一点、きょう、取り上げさせていただきたいのは、JR福塩線の運行確保とバスの併用運行についてです。
1つ目ですが、JR福塩線の便数がとても減少してしまいました。その影響を市として、どのように認識しているかをお話しください。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 令和3年10月のダイヤ改正によりまして、一部、吉舎府中間の取りやめに伴い、府中発8時11分の便と府中着9時32分の便が減便となっております。
鉄道は高校選択にも大きな影響を与えますし、通勤通学など、中山間地域におきましては欠かせない交通インフラと捉えておりますので、減便は利用者にとって利便性が悪くなったと捉えております。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) そうですね。通勤もそうですが、高校生の通学上の課題、これ、今も出されましたけど大きいと思います。
バスを、やはりこうなれば、効果的に取り入れる工夫がないかということでございますよね。例えば、県北のあるバス会社が、市の観光センターとも協力し合って取り組んでいるのが、高校生などの学生に限定した施策ですけれども、ちょこっとパスというような形の、こういうものを取り組んでいます。JRの定期券を持っていれば、1,000円程度で乗車パスが買い求められて、バスも併用できるという形のものですね。こうしたもので、うちは3つ高校があるんですけれども、上下高校にもこれを使って来る。去年なんか9人ぐらいそれを使っていた1年生がいたわけですけれども、上下町以外からもJRで来られたが、ことしゼロだったのでね。余計にそうした何かの工夫が必要だろうと思うんですが、その辺りについてはどうでしょう。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 芸備線対策協議会とも連携して情報を共有しておりますので、ちょこっとパスの取り組みについては、私も知っております。こうした取り組みも一案と考えているところでございます。
これまでの一過性の利用促進だけでなく、観光やインバウンドの取り組み、新幹線駅の接続による広域的なハブ機能など、鉄道特性を発揮できる取り組み、待ち時間の縮小など、路線の維持確保に向けた沿線自治体、県内の各協議会や広島県と歩調を合わせまして、JR福塩線と沿線地域の活性化に向けて、鉄道利用者をふやす効果的な対策を考えて取り組んでまいります。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) 一案ということですので、ほかにも案があるかもしれませんが、これも一つの案として考えてください。もし、使えれば検討していただければと思います。
あわせて、JR沿線の住民の方で、しかもバスなどが確保されていない方がおられます。こういう方たちを回らせていただきますと、ある町へ行きますと出てくるお話が3つぐらいあるんですが、そのうちの大きいのは何かというと、このことと、自分らは高齢化してきているんだと。今はまだ何とか車も運転できるんですよと。しかし、もう一つは、だれか帰ってきて連れていってはくれるんですよ、町なかへという話はするのです。もっと5年たったり、その上たつとどうなるんだろうか、それを考えるととっても心配なんですよというお話をされるんですよね。こういう方たち、もう一つは有害鳥獣の被害ですが、きょうはそれはこっちに置いておきましょう。
今言いましたように高齢化が進む中で、なかなか利用したくても利用できない状況がJRにある中で、何らかの形でバスなんか確保できたらいいなという声があったりはします。その辺り、何かお考えがあるようなら聞かせていただきたいんですけれども、どうですかね。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) まちづくりを考えていく上で、公共交通は非常に大事なものでございます。府中市もコンパクト・アンド・ネットワークということで、その中でも公共交通の果たす役割は非常に重要と考えております。
そういった中で、来年度から府中市も地域公共交通計画の策定を始めてまいります。そういった中で、府中全体の公共交通のあり方と、JR鉄道だったり、バスであったりといったところも含めまして検討してまいります。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) そうですね。JRのよさもしっかり活用させてもらいながら、そこを補完できるような体制をつくれるといいなと思います。
私、声として聞いている、届いている声を一つ二つ紹介しますと、これは久佐町に住んでいる方ですね。「久佐町に住んでいます。福塩線の本数が減り、乗車して府中に出ても帰る便がないとの話を聞きます。そのため利用者が少なくなり悪循環になっています。福塩線の便の間に、ぐるっとバスのようなものが運行してもらえれば、利用者もふえるんではないでしょうか」というような声もあります。また、ある人は「列車運行で福塩線河佐駅を朝7時27分に出ます。朝9時前後の府中行きがあれば、私たちは幸せです。車の運転ができない者は、これができたら幸いです。JRの車ですので、無理と思いますが」もう無理と思いますがと書かれてはいるんですが、しかし、こうなるのが実現できたらいいなという声だと思います。ある方は、1カ月に1遍、病院に行くんだけどタクシーを利用しているんだと。そうすると往復で1万円を超すんですよという話をされます。年金で1万円を超して病院に行くのは、とてもつらいですね。しかし、協和のほうから回っている、この平成27年6月から府中市民病院の医療スタッフがお住まいの地域に出向いて巡回診療内科がスタートしていますという、この資料提供もいただいたんですが、これはありがたいよと言われる方も複数おられました。
いずれにしても、いろいろ悩みを持ちながらも、もっともっといろんなところに活動的に出ていきたいという願いを持っておられる方がたくさんおられるんですよね。
もう一人紹介しますと、「久佐町に住んでいます。久佐町は福塩線が通って便利であるということで、住宅も建設され、人口もふえ、喜んでいました。しかし、福塩線も客の減少が続き、朝出て3時半まで帰ることができません。買い物や病院などに苦労しています。要望として、府中市内の「ぐるっとバス」、こうしたものを回してくだされば大変助かります」というような声もあります。
なかなか、よし、そうしようという声にはならんと思いますが、こういう声を聞かれて、どう思われますか。
○議長(加藤吉秀君) 河毛建設部長。
○建設部長(河毛茂利君) 先ほどもお話しさせていただいたとおり、公共交通は非常に地域にとって大事なもので、地域を維持していくためには、非常に大切なものであります。また、先ほども答弁いたしましたけれども、利用促進ということで、市民の皆様の大切な移動手段、こういったものを維持していくためには、市民の皆様の御理解と御協力も必要不可欠だと考えております。
公共交通でありますけれども、先ほどお話ししましたとおり、府中市の地域公共交通計画というものを策定していく予定になっておりますけれども、そういった中で、皆さんの利便性を向上して、地域が発展していくことも踏まえまして、考えていきたいと思います。
○議長(加藤吉秀君) 岡田議員。
○8番議員(岡田隆行君) こうした声にしっかり真摯に耳を傾けていただいてね、できるだけ願いの実現に向けて動いていただければと思います。
ただ、行政が主導で何かをセットしていくこと、この面もありますが、それだけではなくて、近隣市町でも取り組まれているように、地元でタクシーを回すとか、いろいろな取り組みがされていると聞きます。こういう住民の方たちが主体的に動かれるものを応援していく、そんな形が理想的かなと思うし、それが現実的かなと思います。いずれにしても、声をしっかり聞いていただきたいと思います。
きょうは、危機管理のさらなる強化、そして、交通移動手段の確保について問わせていただきました。ありがとうございました。
〔8番議員 岡田隆行君 降壇〕
○議長(加藤吉秀君) これをもって、岡田隆行君の質問を終結いたします。
続いて、藤本秀範君の登壇を求めます。
藤本秀範君。
〔2番議員 藤本秀範君 登壇〕
○2番議員(藤本秀範君) 無所属の藤本秀範でございます。議長のご指名により、発言をさせていただきます。
本日は、教育関連と本市におけるシティープロモーションについて、質問させていただきます。
まずは冒頭、先般起こりました市立第一中学校における御不幸に心より御冥福を、また、お悔やみを申し上げます。
それでは、質問に入らせていただきます。ちょっと質問の2番と1番を入れかえさせていただきます。
現在、私は総務文教委員会に所属しております。先日、その所属委員会で管内視察に行ってまいりました。そこでタブレット端末機を活用した光景を拝見させていただき、一気にGIGAスクール構想の体制が整ってきた認識を改めて感じた次第でございます。しかしながら、まだまだ手探りが続いている状況も想像され、ICT教育における端末利用に関する質問を幾つかさせていただきます。
まず、タブレットの持ち帰り状況についてでございますが、現在、タブレット端末機、日々持ち帰ることを基本としている状況を聞きました。特に夏場を含め、教科書と併用して持ち帰ることは、児童・生徒への大きな負担となっている声を聞きます。
そこで質問ですが、学習を家庭でする際に、当然、タブレットを利用する意図も踏まえ、保護者からのそういった声にはどう対応しているのか、お伺いいたします。
〔2番議員 藤本秀範君 質問席に移動〕
○議長(加藤吉秀君) 門田教育部長。
○教育部長(門田雄治君) タブレット端末を御家庭に持ち帰る意義は、大きくは2つほどここで説明させていただきます。1つは、学びの連続性を構築するということ。それから、2つ目は、コロナ禍等における学びの充実、あるいは確保といったことなどがあると考えております。
1つ目、学びの連続性については、学校での学びと家庭での学びをつなぎ、連続的に取り組むことが重要であると捉えております。学校だけICTを活用した学びをするのではなく、家庭でも文房具として活用することを狙いとしております。また、さらに自分の学びに必要なチャンスには、そういった場面にみずから持参していくといった活用も期待している。これを学びの連続性と捉えているところです。
もう一つ、コロナ禍等における学びの充実、また、確保でございますが、学校が休業中であっても、いつでも、どこでも学習を可能にしていく必要があるということ。そして、学校に通っている子供たちにだけ対応するのではなくて、全ての児童・生徒に対応する必要があると捉えております。これは、毎日の持ち帰りということとは少し質は違いますけれども、広くは遠隔授業なども見通した対応と捉えております。
現在、タブレット端末の学校教育現場での活用については、多くは学校の先生方の指導や指示のもとで使う、そういった端末の利用とはなっておりますけれども、府中市教育委員会としては、やがては先生方の指導を超えて、自分の学びにもっと身近に使いこなしていく、そういった方向性を日常的な持ち帰りの中に込めていきたいと考えております。これは、方向性ではございますけれども、現在、では、どういう取り組みをしているかといいますと、タブレットドリル、あるいは、教師から課された課題などに加えて、自分で課題を、それから目標を見つけたり、解決方法を試行錯誤するといった取り組みを通して主体的に学びに向かうためのツールとして、端末を活用しているところでございます。
一方で、議員御指摘のとおりですけれども、使用に伴う課題も確認しているところでございます。情報端末を使用することによって、どこが疲れるのかという調査研究もございます。その中では、首、指、目が疲れることと同時に、また、うまく使えるようになると疲れにくくなっていくことも紹介されているデータもございます。これは、我々大人にとっても同様であると考えております。長時間使う、短時間でも連続的に使うと、当然に影響がありますので、必ず現在指導や声かけを適宜行うこと、これを重視しているところでございます。
また、教科書や端末、体育用品等が過重になることで、子供たちの身体の健やかな発達に影響を生じかねないこと等の懸念も、保護者から配慮を求めるといったことも寄せられていることも承知しております。
各学校においては、これは今までの市議会の中でも議論、対応してきたところでもございますけれども、児童・生徒の携行品の重さや量について、毎年4月に改めて子供たち、また、家庭にもお伝えするという取り組みをしておりまして、宿題のあり方や教科書、また、その他教材等のうち、何を児童・生徒に持ち帰らせるか、何を置いてもよいことにするのかについては、協議して伝えているといった状況です。
その上で、こういったことも学校を通じて子供たちに指導はしておりますけれども、子供たち自身がそういった対応を判断していけるといった環境も整えていきたいといった取り組みも進めているところでございます。
情報端末の活用については、使用時間に関するルールや活用に関するルール、場所に関するルールを徹底することに加え、日常的なしつけや生活習慣についての保護者の協力がとても大切であると捉えておりますので、今以上に保護者の理解もいただきながら、学校と家庭が連動して歩調を合わせ、子供たちに丁寧に指導を進めてまいりたいと考えております。
○議長(加藤吉秀君) 藤本議員。
○2番議員(藤本秀範君) 私がちょっと質問しようと思っていた2点含めて答弁をいただきました。
その中で一つ、タブレット、家庭に持って帰って勉強でやっていく中で、当然、家庭学習の中で動画や配信ですね、動画やホームページなどを学習している子供たちが別の意識にとらわれる心配もあります。タブレットを長時間することによってのフィルタリング機能ですね。それは、どう備わっているのか。今、わかるようであれば教えてください。お願いします。
○議長(加藤吉秀君) 門田教育部長。
○教育部長(門田雄治君) 学習端末に対するフィルタリングについては、ウェブ、インターネットに対して閲覧の制限をかけております。学習には関係のない不適切なサイト等、カテゴリーごとに制限をかけておりまして、子供たちが安心・安全に端末を活用できる設定としております。これは、今後も学校と連携しながら、必要に応じ、また、課題に応じて設定は見直していきたいと考えているところです。
○議長(加藤吉秀君) 藤本議員。
○2番議員(藤本秀範君) そういったフィルタリング機能もしっかりやっていただきますのと、それと文部科学省が作成した児童・生徒の健康に留意してICT活用するためのガイドブックも活用していただきながら、しっかりと視力の低下や電磁波など、子供たちに対する影響を防止していく牽制もしていただきたく思っております。
次の質問に移ります。
続いて、学力テストに関連した質問をさせていただきます。
先日、文部科学省より小学校6年生、中学校3年生による全国学力テストの結果が公表されました。府中市では、全国、県内ともに平均値を下回る正答率でした。この結果を踏まえ、私なりの考えを若干申し上げ、本市教育委員会の御見解をお願いいいたします。
まず初めに、本来、児童・生徒の学力などを把握するためには、年1回の全国調査だけでは明確な学力レベルははかれないのではないかと考えます。さらに、今回のテスト問題は長文で、質問する問題も数多く存在しています。よって、長文問題になれることや全学年による学力調査を定期的に実施し、その都度学力がついていないところはどこなのか検証した上で学習に生かしていく必要があるのではないかと感じました。それを行うことから、生徒の実態をつかめると同時に、それぞれの生徒が抱える課題の分析も行えるのではないかと考えます。
そして、重要な点は、本市における各学校が持つ体力や学力が一体どのような状況であるのかを一覧で見ることができるようなものをホームページなどに公開し見える化にする。そのことから、まずは生徒や保護者、教職員も含め、さらに関心を抱いていただけるのではないかと考えます。
あくまでも理想論ですが、本市教育委員会の御見解をお願いいいたします。
○議長(加藤吉秀君) 荻野教育長。
○教育長(荻野雅裕君) 令和4年度全国学力・学習状況調査、府中市は小中学校ともに、全国及び広島県平均を1ポイントから3ポイント下回る結果となりました。この結果は真摯に受けとめて、また、改善につなげるチャンスと捉えまして、子供たちの可能性とチャンスを生かすための学力の向上にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
今、議員から3点御指摘いただきました。それについてでございますけれども、まず1点目の年1回の一部の学年だけでは、なかなか学力の状況をはかれないのではないかという御指摘についてでございますけれども、全国学力・学習状況調査は、御承知のとおり、毎年度4月に小学校6年生及び中学校3年生、義務教育学校でいうと9年生を対象に、国語、算数、数学、また、3年に1度、理科及び英語の学力の状況を把握をすることとしております。教育施策の成果と課題を検証し、その課題をはかるとともに、学校における児童・生徒の教育指導の充実、または、学習状況の改善策に役立てることを目的として実施をしております。
議員おっしゃるように、本調査は一部の学年である小学校6年生と中学校3年生のみの限定調査となるため、他学年の学力の調査については、学力の把握は十分ではないという状況でございます。独自の調査を行っている学校もございますけれども、府中市全体を把握する状況にはないため、共通の調査で、または一部の学年ではなくて、全ての学年の状況を幅広く確認でき、さらには経年変化を把握できる有効な本市独自の学力調査を実施して、その結果を改めて授業改善につなげる、そして、子供たちの学力向上につなげていきたいと考えております。
2点目、調査問題自体が年々長文化しているということでございます。調査問題の中にある長文については、全国学力・学習状況調査や公立高校の入試問題によって、より知識技能を実生活のさまざまな場面に活用する力や、さまざまな課題解決のための構想を立て、実践し、評価が改善する力を問う問題であるため、質問自体が長文となる傾向は見られております。問題を解く知識技能、そして思考力、判断力、表現力が発揮される前に、そもそも問題で問われていること自体が十分に理解できていないという状況も少なからず確認をしております。児童・生徒がそのような問題に日頃の学びの中で、質問文が長い問題にもなれていくことは大切なことであると考えております。
日頃のプリント学習であったり、全国学力・学習状況調査の過去の問題、類似問題、また、公立高校の過去の問題や予想問題が自由に使用できる、それを本市では問題別データベースということで導入をしております。改めて、このデータベースを年間を通して単元の終わりのまとめや宿題等の時間を活用して取り組む、そういう形を進めております。改めて学校で問題別データベースの有効活用について指導していくとともに、これらの資料を全国の調査に対する対策的な活用としてだけではなくて、これからの時代に必要となる学力形成のための学習経験、挑戦意欲の喚起として、児童・生徒に提供し、みずから、こういう意思で学力を獲得していく環境を整えてまいりたいと考えております。