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12月04日-02号

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  1. 尾道市議会 2019-12-04
    12月04日-02号


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    最終取得日: 2021-08-23
    令和 元年第5回12月定例会              令和元年12月4日(水曜日)  ────────────────── * ──────────────────                 議事日程第15号           (令和元年12月4日 午前10時開議)第1 一般質問                                    以 上  ────────────────── * ──────────────────本日の会議に付した事件日程第1 一般質問  ────────────────── * ──────────────────出席議員(27名)    1番 村 上 隆 一            2番 岡 田 広 美    3番 柿 本 和 彦            4番 二 宮   仁    5番 大 本 和 英            6番 岡 野 斉 也    7番 宇根本   茂            8番 三 浦   徹    9番 星 野 光 男           10番 山 根 信 行   11番 巻 幡 伸 一           12番 吉 和   宏   13番 岡 村   隆           14番 福 原 謙 二   15番 加 納 康 平           16番 飯 田 照 男   17番 前 田 孝 人           18番 宮 地 寛 行   19番 岡 野 長 寿           20番 吉 田 尚 徳   21番 高 本 訓 司           22番 山 戸 重 治   23番 檀 上 正 光           25番 新 田 賢 慈   26番 杉 原 孝一郎           27番 佐 藤 志 行   28番 藤 本 友 行欠席議員(なし)  ────────────────── * ──────────────────説明のため出席した者   市長      平 谷 祐 宏       副市長     冨 永 嘉 文   副市長     澤 田 昌 文       教育長     佐 藤 昌 弘   企画財政部長  戸 成 宏 三       総務部長    宮 本   寛   参事(庁舎整備担当)兼総務部総務課長事務取扱市民生活部長  高 原 茂 嘉           中 津 康 徳   福祉保健部長福祉事務所長         参事(少子化対策担当)           檀 上 由 造               村 上 宏 昭   産業部長    岡 田 正 弘       建設部長    山 根 広 史   都市部長    田 坂   昇       因島総合支所長 吉 村 雅 司   御調支所長   林 原 雅 彦       向島支所長   三 阪 詠 美   瀬戸田支所長  佐 藤 伸 治       教育総務部長  松 尾   寛   学校教育部長  杉 原 妙 子       上下水道局長  亀 田 裕 二   病院管理部長  松 谷 勝 也       市民病院事務部長永 田 一 郎   公立みつぎ総合病院事務部長         消防局長    井 上 建 次           近 藤 茂 之   財政課長    中 山 泰 則  ────────────────── * ──────────────────事務局出席者   事務局長    佐 藤 顕 治       事務局次長   原 田 政 晴   事務局次長補佐議事調査係長        主査      小 林 巨 樹           新 谷 真 子   議事調査係主任 森 本 祥 子  ────────────────── * ──────────────────                午前10時0分 開議 ○議長(福原謙二) ただいま出席議員27名であります。 定足数に達しておりますから、これより本日の会議を開きます。  ────────────────── * ────────────────── △議事日程 ○議長(福原謙二) 本日の議事日程は、お手元に印刷、配付のとおりであります。  ────────────────── * ────────────────── △会議録署名議員の指名 ○議長(福原謙二) 本日の会議録署名議員は、会議規則第79条の規定により、議長において6番岡野斉也議員及び8番三浦議員を指名いたします。  ────────────────── * ────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(福原謙二) これより日程に入ります。 日程第1、これより一般質問を行います。 順次、通告者の発言を許可します。 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) (登壇)皆さんおはようございます。平成会の柿本和彦でございます。 本議場で行う一般質問が今回で最後となることを思うと大変感慨深いものがありますが、通告に従いまして一般質問をいたします。 今回の一般質問では、開港850年を迎えた今、未来へ向けてさらに誇りある尾道を創造していくために、尾道が持つ資源をどのように生かしていくのか、またそこに暮らす人々の心豊かな生活をどのように創造していくのか、現状の課題に向き合い、今を生きる私たちにできること、しなければならないことをともに考え、実践していく機会となることを願って質問させていただきます。 まず初めに、広島県が進めている放置艇対策について質問します。 本年、開港850年を迎えた尾道は、これまで三つのフェーズで発展してきました。フェーズワンは、備後国太田庄の倉敷地として誕生し、発展した平安時代、フェーズツーは京都と九州をつなぐ西国街道や、出雲と尾道をつなぐ出雲街道が整備され、北前船を初め多くの船舶が寄港するようになった江戸時代、そしてフェーズスリーは山陽鉄道や広島銀行の前身である第六十六銀行が開業し、瀬戸内海を結ぶ定期航路の港として、また造船を初めとした海事産業の発展を見た明治時代です。 さて、放置艇とは港湾、河川、漁港の公共用水域やその水域の陸域において、継続的に係留等されている船舶のうち法律、条例などに基づき水域管理者により認められた施設や区域以外の場所に正当な権限に基づかずに係留等されている船舶のこと、または水域管理者の認めた施設や区域に係留されているが、施設使用許可等の手続を経ずに不正に係留している船舶のことと定義されています。 広島県では、平成10年に広島県プレジャーボート係留保管の適正化に関する条例を制定し、広島港及び福山港地域において係留保管施設の整備と放置等禁止区域の指定による規制を両輪とした方策を進めてきていますが、放置艇数は依然として全国ワーストワンの状況から抜け出せていません。 平成26年度の調査によると、広島県のプレジャーボート数は1万5,235隻で、全国のプレジャーボート数の1割近くが広島県に集中しています。そして、そのうちの1万1,231隻、割合にすると73.7%が放置艇で、この隻数はプレジャーボートの総数が第2位の岡山県が保有する9,184隻をも大きく上回っています。 そのような中、平成25年5月に国土交通省及び水産庁から提示されたプレジャーボートの適正管理及び利用環境改善のための総合的対策に関する推進計画では、令和4年度末までに放置艇をゼロ隻にするとともに、新たな放置艇発生の未然防止を図るとする目標を掲げていますが、これまでの広島県の方策だけでは非常に困難であるように思います。 広島県では、本年9月から係留の許可制が施行され、令和5年度から使用料が徴収されるといった計画になっていますが、どのように市民に周知徹底していくのかも大変気になっています。本年3月には、広島県主催により放置艇対策に関する説明会が開催されたということですが、尾道市として今後どのような対応をとるのか、市民にはどのような対応をとってもらうのか、混乱なく対策を進めていくためにも早期の告知が必要になると考えます。 使用料を徴収するのであれば、それなりの保管施設や係留施設が必要になると思いますが、令和5年度末までにそうした施設が整備できるのかということも甚だ疑問に感じています。 放置艇は、係留場所の私物化、私権化といった問題だけではなく、船舶航行の阻害、高潮や洪水災害の助長、河川の流水阻害など、近い将来起きると言われている東南海地震を初め災害時に被害を増大させる可能性があります。 また、既に廃船同様になった放置艇も見受けられますが、沈船からの油流出や景観悪化といったことも起きています。持ち主不明の廃船処理を誰が行うのか、あるいは処分をどのように行うのか、処理施設はどのようになっているのかといったことも気になります。 そして、対策を進めるに当たっては、尾道市の海域は愛媛県と隣接していますので、広島県の施策が愛媛県とどのように歩調を合わせているのかなど、さまざまな課題があるように思います。 そこで、6点質問いたします。 1点目、なぜ広島県ではワーストワンになっているのですか。その状況をどのように考えていますか。 2点目、尾道市海域ではどの程度の放置艇がありますか。また、広島県内の他の海域はどの程度の放置艇が存在していますか。 3点目、広島県はこれまでどのような対策を進めていますか。また、今後どのように進めていくのですか。 4点目、本年9月から施行されている係留の許可制や、令和5年度から実施予定となっている使用料徴収は、具体的にはどういった施策なのですか。 5点目、今後市民への周知や協力依頼をどのように進めていくのですか。 6点目、既に廃船となっている場合、どのように処理をするのですか。また、持ち主不明の廃船は誰が処理をするのですか。                〔3番柿本和彦議員 質問席へ移動〕 ○議長(福原謙二) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) 皆さんおはようございます。 平成会の柿本議員からの御質問にお答え申し上げます。 広島県の放置艇数全国ワーストになっている理由についてでございますが、広島県は島が多く、穏やかな瀬戸内海に面した全国8位の長い海岸線を有する地形となっております。海域には良好な漁場が多く、ボートフィッシングが盛んであることから、全国1位のプレジャーボートの保有艇数となっており、これに比例して放置艇数も多くなっているものと考えております。 本市におきましても、放置艇は船舶航行の支障、係留している水域の私物化、津波、高潮、洪水災害時の被害の助長、油流出といった問題を引き起こすおそれがあるため、早急な対応が必要であると考えております。 本市海域での放置艇数につきましては、平成30年度の全国実態調査によると約2,600隻で、県内の他海域では約8,100隻となっております。県では、これまで広島市や福山市などの都市部において係留施設を整備した上で禁止区域を指定し、施設への移動を行う取り組みにより一定の成果を上げてきました。しかしながら、施設の整備が行われてない地城では放置艇対策は進んでおりませんでした。このため、県は平成30年3月に放置艇解消のための基本方針を策定し、全県的な取り組みとして既存の港などを利用した係留場所を確保するとともに、放置艇の禁止区域を指定し、令和4年度末には放置艇の解消を図ることとしております。 係留の許可につきましては、漁船を除く船舶の所有者が管理者に対して係留場所の使用申請を行い、許可を得ることとなります。 また、令和5年度から徴収される使用料は、係留場所や船の長さに応じた額となります。 本市におきましても、県と同様に市が管理する港などについては令和5年度から使用料徴収を開始できるよう、来年度以降所有者の調査や係留場所の確保、禁止区域の指定、係留許可などの取り組みを進めてまいります。対策を進めるに当たり、関係漁協や船舶所有者地元町内会などを対象に、地区ごとの現地説明会を実施し、制度周知や協力依頼を行うこととしております。 廃船や検査を受けてない放置艇につきましては、所有者が判明している場合には所有者自身に処分等をしていただくよう取り組みを進めてまいります。また、所有者が不明である船舶については各海域の管理者が廃棄処分等を行うことになると考えておりますが、安易な行政代執行を行うことなく、相続人も含めて調査を行ってまいります。 以上で答弁といたします。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) 何点か再質問をさせていただければと思いますが、広島港や福山港を中心とした海域では、これまで施設の整備等を行ってそれなりの効果が出ているということでありました。確かにそうだろうというふうに思っております。 私も30年近く前まで広島市に住んでおりまして、当時の台風19号では嚴島神社の舞台が風で破損すると大きな、また山間部まで塩害というようなことを記憶しておりますけども、その後広島県を中心にこの放置艇対策が進められてきたというふうに理解をしております。 当時、私も海運の仕事についていたこともあって、県の方と話をした際に、放置艇対策を進めたいんだけど、保管する場所、施設がない中で、所有者にそういったことを求めるのはなかなか難しいんで、まずは広島港のほうから進めていくということで、たしか廿日市の木材港や五日市、また宇品のあたりをスタートとして整備を進めていったことを記憶にしておりますけども、尾道のこの海域では先ほど2,600隻というような数字をお聞きしましたが、この2,600隻を何も施設の整備ないままに本当に放置艇対策、解消ができるのかといったことが私は一番危惧しているところであります。尾道に住んでいる方、向島、私も住んでおりますけども、皆さん本当に海の近くでさまざまなレジャー、またフィッシングをされていますので、本当に身近にこういったプレジャーボートを感じていますけど、今ここで許可制あるいは使用料徴収というような網をかけると大変な混乱になるんじゃないかなあてなことを危惧しているわけで、まずはその係留する施設あるいはそういった係留にかわるような暫定的な施設を整えてからではないと、市民に幾ら説明しても恐らく大変な説明会になるんじゃないかなてなことを思っております。 6月議会、9月議会でしたかね、吉和港の使用目的以外の漁船以外の係留っていうような条例改正もありましたけども、その漁港だけで2,600隻が正常に許可を得て係留できるとは到底思えません。尾道水道あるいは向島の海岸を見ても、私は少なくとも500隻ぐらいは不法係留されているんじゃないかなあというふうに思っておりますので、こういった船をどのように許可をさせていくのか、逆に言えばそういった施設をつくっていくのかということが疑問に思っているわけで、そのあたり施設、係留するための施設について今後県との調整も必要になるんだと思うんですが、どのようにお考えなのか、お聞かせください。 ○議長(福原謙二) 山根建設部長。 ◎建設部長(山根広史) まず、今回の放置艇対策等の中で、プレジャーボート等を停泊する施設の整備の部分についてお答えをいたします。 まず、今回の取り組みの中では、既存の港等を使った係留場所を確保するということではございますが、施設の整備の面では現在本市の山波地区に県のほうがプレジャーボートと漁船も含めて係留する施設の整備を行っております。これは平成26年度から開始をしている事業でございます。これにつきましては、隻数はプレジャーボート等が77隻、漁船が29隻という予定で今現在整備のほうは行われております。 ただ、今回の取り組みの中ではこの施設だけではなく、既存の港、桟橋等を活用するということになっておりますので、またこの施設整備は令和4年までの取り組みの整備の中ではこの係留場所ということには現在のところ含まれておりません。これは今後の係留場所ということで整備を行っているという状況でございます。 ○議長(福原謙二) 岡田産業部長。 ◎産業部長岡田正弘) 引き続き私のほうでも答弁をさせていただきます。 市長答弁にもございましたように、来年度以降市のほうも所有者の調査から始めて禁止区域の設定等を行っていく予定にしております。具体的に、どこへどうとかというのはなかなか今まだ申し上げられる状況じゃないのでございますけれども、放置艇といいましても全く使用されてないようなものとか、検査を受けていないような船というのも相当数あるように我々は把握しておりますので、すぐに乗れない船、そういった船の所有者に対して廃棄していただくとか、例えば処分していただくとかというような形で実際に使用している船の数もまず当たっていきながら、既存のストックの中にどうおさめていくかというふうなことを今後検討していく予定でございます。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) 施設の整備でいえば山波地区の整備が今進んでいるということでありますが、隻数でいえば漁船も合わせて100隻前後というようなところで、到底尾道市海域にある放置艇が解消できるような施設ではないというふうに考えております。 今、広島県のプレジャーボート係留保管の適正化に関する条例の中に、第17条にあるんですが、知事は船舶の航行の安全等の確保及び周辺の生活環境等の保全に支障を及ぼさないと認められる範囲内において、プレジャーボートを暫定的に係留させるための区域、暫定係留区域を指定することができるというような条例、文言がございますけども、当面は尾道市海域においてはこういった暫定係留区域を認めてもらいながら、今尾道市道、向島海岸見ても入り江とか護岸に係留している放置艇たくさんあります。船舶の航行には支障はないと思いますし、生活環境等見ばえが悪いといえばそうかもしれませんけども、それほど近隣住民の方から苦情が出たというようなお話も聞いておりませんので、まずは県との協議の中でこういったことを早急に認めてもらいながら入り江や護岸への係留を行っていかないと、なかなかこれから港で栄えたまちとして、海に対する私たちはそういったところでもリーダーシップをとっていく市民でありたいなあてなことを考えておりますが、県に対してそういった暫定係留区域を認めてもらうような、そんな動きをしてはどうかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。 ○議長(福原謙二) 岡田産業部長
    産業部長岡田正弘) 県に対してという御質問でございます。 先ほど、申し上げました2,600隻という放置艇の数というふうに把握しておりますけれども、当然尾道の海域には県が管理をしておられます海域もございまして、2,600隻のうち今思ってる2,100隻ちょっとぐらいが県が管理をされている海域にある放置艇というふうに認識をしておりますので、当然ですけれども、広島県と尾道市のほうでいろいろやりとりをさせていただきながら、県が少し先行してやっておりますけれども、同じ海域等々調整しながら進めていくということになりますので、先ほど議員さんが言われましたようなことについても、今後の調査次第でございますけれども、可能性的にはあるのではないかというふうには考えております。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) 入り江であれば、川であれば第1橋、一つ目の橋までは海というような扱いで、県が国から委託を受けて管理しているはずなんで、そういったところしっかりと県のほうにお願いをして、尾道市として所有者と混乱のないような、あと残された期間それほどありませんので、進めていただきたいというふうに思っております。 あと一点、先ほどから建設部長産業部長、水産の関係と港湾振興の関係ということでお二方の部長から答弁をいただいたんですが、8月にも広島県放置艇対策協議会というのが開催されて、関係市町からも出席をされたというようなことをお伺いしておりますけども、この放置艇対策協議会、県の。こちらには市としてはどちらの部署から出席をされてるんですか。先ほどからの入り江や護岸ていうようなところの管理が県ということを考えると、港湾振興の関係でそちらの担当の方が出席されないとなかなか話が前に向いて進まないのかなと思ってますが、ここだけお聞かせをください。 ○議長(福原謙二) 岡田産業部長。 ◎産業部長岡田正弘) 済いません、手元にある資料では8月2日に市町説明会開催というふうなのが手元にございます。どこの部署が、誰がというところについては今ここでお答えできませんので、資料には開催と書いてありますので、誰かが出席しているものというふうには今推測しておりますけれども、はっきりとした答弁ができません。申しわけございません。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) わかりました。しっかりと横の連携をとっていただいて、本当残された時間はそれほど私はないように思っていますので、混乱を起こさないように進めていただきたいと思います。 あともう一点、最後聞いた廃船となっている放置艇、所有者わかる、わからないにかかわらず、この処分についてなんですが、尾道市内にそのプレジャーボート、廃船となったプレジャーボートを処理する施設はあるんでしょうか。 ○議長(福原謙二) 岡田産業部長。 ◎産業部長岡田正弘) 市内にあるかどうかという御質問でございますけれども、私が今持っております知識ではお答えできません。申しわけございません。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) 指導を行って、廃船処分しなさいって指導を行う際にどうやって処理すればいいのかって聞かれた際に、どこで処理するんでしょうねでは指導にも何もならないと思いますので、しっかりとそういったことをこれから早急に調べていただいて、対応していただければというふうに思います。 それでは、続いて文化財の保存活用について質問をさせていただきます。 去る10月31日、那覇市にある世界遺産の首里城跡に復元された首里城で大規模な火災が発生し、正殿など主要な建物が全焼、琉球王国時代から伝わる貴重な収蔵品約400点余りが焼失しました。翌日から文化財保護強調週間だったというのは、何か因縁めいたものを感じますが、文化財が多く存在する尾道市において、この火災は他人事ではないように思います。 文化庁では、ことし4月15日にフランス・パリのノートルダム大聖堂で大火災が発災したことを受けて、4月22日付で国宝・重要文化財防火設備等緊急状況調査を実施していますが、その調査結果を受けて何らかの対策をとることができなかったのかという、少し残念な気もしています。 ただ、これまでの寺社仏閣の防火対策が基本的に外部からの飛び火などに重点を置いたもので、内部の対策については消火器による初期消火や、火災感知器などによるものしか行っていない現状では、抜本的に防火対策を見直さなければ難しいのかもしれません。 また、尾道市においても、海龍寺で火事や仏像の盗難が発生しましたが、仏像の盗難は全国的にも多発しています。そして、寺院においては、今後住職がいなくなる無住の寺が急激にふえ、30年もすればほとんどの小さな寺院は無住になると言われていますので、そこにある仏像を初めとした文化財に関しては、今から対策を検討しなければ文化財が紛失あるいは転売目的による盗難等が相次ぐという結果になってしまいます。文化財は、その地域の歴史であると同時に誇りであり、心のよりどころでもあります。そうした過去からの贈り物をどのようにして未来へつないでいくのか、今を生きる私たちは真剣に考えなければなりません。 改正文化財保護法がことしの4月から施行されていますが、文化財をいかに活用して地域を元気にしていくかという観点も重要になってきています。文化財保護法の改正は、過疎化、少子・高齢化などを背景に、文化財の滅失や散逸等の防止が緊急の課題であり、未指定を含めた文化財をまちづくりに生かしつつ、地域社会総がかりでその継承に取り組んでいくことが必要。このため、地域における文化財の計画的な保存活用の促進や、地方文化財保護行政の推進力の強化を図ることを目的に制定されており、今後は保存と活用のバランス感覚を持ったまちづくりを進めることがより重要になってきているように思います。 そうした中、平成23年に策定された尾道市文化財保存活用計画は、計画期間である10年が間もなく終了します。その間どのような成果があったのか、またこれまでの進捗を確認しながら次の10年に向けた計画立案が必要になってきているように思います。 そこで、8点質問いたします。 1点目、尾道市内では、寺社仏閣や仏像等の文化財を火災から守るため、どのような対策がとられていますか。 2点目、文化庁が行った防火設備整備状況等の緊急アンケート調査に関して、尾道市ではどの程度の文化財が調査対象で、どのような回答を行ったのですか。 3点目、全国各地で仏像や刀剣等の美術工芸品が盗難に遭うという事件が発生していますが、尾道市として何らかの対策をとっていますか。 4点目、住職がいなくなる無住のお寺が今後急激にふえ、30年後にはほとんどの小さな寺院が無住になると言われていますが、尾道市においてはどのような状況ですか。 5点目、文化財の保存管理は個人レベルでは解決できない状況になっていると考えますが、行政で補助金等を出して防火対策、防犯対策等を実施することについてどのように考えますか。 6点目、個々の寺社仏閣が保有する文化財を個人レベルで保存管理することは困難になってきており、例えば旧筒湯小学校を改築して文化財の保管庫として活用してはどうでしょうか。 7点目、文化財を活用して交流人口をふやしていく、例えば海龍寺の鎖山を観光資源として活用できるよう整備し、そこに至る動線となる道路の美装化を進めている久保地区のにぎわいを創出してはどうでしょうか。 8点目、尾道市文化財保存活用計画が策定から8年余り経過していますが、その間の成果や進捗、また次の10年に向けての計画をどのように考えていますか。 ○議長(福原謙二) 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) それでは、ただいまの御質問にお答え申し上げます。 尾道市内の文化財を火災や盗難から守ることについてでございますが、国宝、重要文化財である建造物については、重要文化財防災施設整備事業により所有者が国、県、市の助成を受けて自動放水銃や火災報知機、防犯カメラ等の防犯・防災設備の整備を行い、行政と地域住民も連携しながら防災訓練を実施しています。また、所有者が実施する防災設備の定期点検に対し補助を行っております。 国宝、重要文化財である美術工芸品については、収蔵庫の改修、防犯・防災設備の設置を実施しています。また、県及び市指定文化財である美術工芸品は、全てを網羅する悉皆調査を行い、台帳を整備し、防犯対策の基礎資料としております。こうした取り組みとともに、文化財講座等の実施により市民の文化財への関心と防災意識の向上にも努めております。 次に、文化庁が行った国宝、重要文化財である建造物の防犯・防災状況の実態調査についてでございますが、各所有者から火気の使用状況や防犯・防災設備、警備体制の現状を報告いただき、文化庁に提出いたしました。 また、重要文化財である美術工芸品を所蔵する博物館等施設に対する現状アンケート調査につきましても、管理者から報告をいただき、文化庁に提出しております。 さらに、国宝に指定されている建造物につきましては、9月に文化庁のチェックリストに基づいて防火体制を確認し、報告をいたしました。 重要文化財防災施設整備事業を未実施の建造物や、防災施設の老朽化など課題も報告されており、今後は所有者が実施する整備を文化庁と調整しながら支援してまいります。 無住のお寺につきましては、その有無を把握しておりませんが、現状としては複数の寺院を管理する兼務の寺院があることは承知しております。 個人所蔵の文化財の保存についてでございますが、国指定文化財につきましては防犯・防災設備の整備に対する国、県、市の補助がございますが、県、市が指定する文化財への補助はなく、県や他市町の動向も見ながら文化財保護のための制度のあり方について研究してまいります。 また、個人が所有する文化財の市による一括した保存管理につきましては、防犯・防災設備の保存環境の整備など課題も多く、所有者から保存管理について相談があった場合には、県、市の施設への寄託等、個別に対応してまいります。 次に、文化財の活用による交流人口の拡大につきましては、本市では旧来から寺院などの文化資源の観光面等での活用に努めてまいりましたが、さらに近年では日本遺産による取り組みを進め、箱庭的都市、村上海賊、北前船の三つの日本遺産ストーリーにより、尾道の魅力を情報発信しております。今後も、本市の所有する豊かな歴史文化の資源をまちづくりに生かしてまいります。 平成23年3月に策定した尾道市文化財保存活用計画につきましては、調査、修理、防災、継承の仕組み、活用、関連文化財群の保存活用の六つの方向性を持ち、28の事業を進めております。このことによって、悉皆調査や重要文化財浄土寺、西國寺、常称寺建造物の保存修理や防犯・防災設備の整備、美術工芸品の保存修理、文化財講座、小・中学生を対象とした体験教室の実施など、着実に文化財及び周辺の環境整備や継承が進んでおります。市民の皆様とともに歴史文化や景観を守り続けてきた成果として、平成25年度の文化芸術創造都市部門で文化庁長官表彰や三つの日本遺産認定につながっていると考えております。今後も、当該計画に基づいて文化財の保存活用を推進し、必要に応じて計画の見直しも行ってまいります。 以上で答弁といたします。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) 何点か確認をさせていただければと思いますが。 文化庁が行った緊急アンケート調査に関して、国宝、重要文化財が対象ですけども、博物館に所蔵されているものについてというような答弁があったんですが、尾道市に重要文化財、国宝を収蔵している博物館ていうのはどちらにあるんでしょう。 ○議長(福原謙二) 戸成企画財政部長。 ◎企画財政部長(戸成宏三) この博物館の部分につきましては、重要文化財云々ではなかったように理解しております。 この博物館につきましては、瀬戸田耕三寺さんの博物館ではなかったかと思っております。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) わかりました。 あと一点、市の文化財等に関しては台帳をつくって基礎資料としているというような答弁をいただいたんですが、台帳をつくって管理しているだけでは当然防火、防災対策、基礎資料にはなりますけども、それが進むというのは到底考えられません。なかなか財源がない中で、市としてどこまでできるのかっていうようなことももちろんありますけども、先ほどから申し上げておりますとおり、一つの寺院だけに任せてそれを何とかしなさいというのは無理があるんだろうと思いますし、文化庁、国、県、市でやるとしてもどうしても浄土寺が終わって今常称寺ということで、国の管理する文化財が優先となって、全国たくさんありますので、市まで回ってくるのは恐らく無理なんだろうというふうに考えますので、そこをどのように考えていくのかということが大切になってくるんだと思うんですが、今首里城でも行われておりますけども、民間の活力をかりてそういった修復あるいは保存活用ということもこれからは必要になってくるんだと考えますが、そういった民間の力、所有されてる寺院だけではなくて民間の力をかりるといったようなことを市としてリードしていくようなお考えはございませんでしょうか。 ○議長(福原謙二) 戸成企画財政部長。 ◎企画財政部長(戸成宏三) 悉皆調査についてお尋ねの部分もございましたが、これにつきまして確かにそのこと自体が盗難等をするということに直結はなかなかしないと。ただ、一旦事件が発生した後の解決に向けた基礎資料として実際にも活用した事例もございますので、大きく捉まえれば有効なものともなっていると考えております。 あと、個人所有の文化的な財産、これは大きく捉まえれば市民の財産でもございます。議員がおっしゃる趣旨も十分わかります。ただ、答弁の中でも申し上げているように、防犯・防災設備を設備した、そうしたスペースの確保や、そういった保存環境の確保、そういったものは非常に大きな課題があると考えておりますので、ただ一方で先ほど申し上げたような大切なものであるという、さらに社会の環境の変化によってそうしたものの保存が非常に厳しくなってるというところも承知しておりますので、将来に向けた課題であろうかというふうに今はお答えさせていただきたいと思います。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) 台帳をつくって基礎資料としとけば、写真等も撮っておけばその盗まれた仏像がもし見つかった際に、それはあそこの寺院から盗まれたものだというようなこともわかりやすいというようなお話も聞いたことがあります。写真や基礎データがなければ盗まれた仏像が見つかってもどこのお寺のものかわからないというようなことが言われていますので、それも一つの解決策だとは思うんですが、未然防止という観点からも、ぜひまた何らかの対策を検討していただければと思います。 あと一点、文化財保存活用計画が間もなく今の10年を迎えるわけですけども、その中に推進組織として尾道市歴史文化資源保存活用推進協議会(仮称)となっておりますけども、こういったことも今の計画の中では立ち上げて、今後のまちづくりというようなことが書かれておりますけども、この推進組織については今現状はどういった状況なんでしょうか。 ○議長(福原謙二) 戸成企画財政部長。 ◎企画財政部長(戸成宏三) 保存活用に向けた推進組織、文化財保護の委員会を常設で持っております。そういった、そこで当然基本的な部分あるいは取り組みも、それに沿った取り組み、そこでの御提言等に沿った取り組みを進めている。取り組みを進める上では行政と、あるいは民間の防火や防犯にかかわる組織との連携の中で進めておるものでございます。 あと、文化財の保存活用計画の中で、尾道市文化財保護保存活用推進委員会といったようなものの必要性、そういったものの検討をするということで計画の中へ計上している部分もございますが、これはこれの組織につきましては検討は行った、準備委員会のようなものも立ち上げましたが、その部分で少しとまっているという状況に現状はございます。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) 今検討して、今とまっているというような状況ということで理解をしておきます。 最後の質問のところで、次の10年に向けた活用計画の策定についてどのように考えていますかという質問をしたんですが、その点についてはどのような、私が聞き逃したんですかね。文化財保存活用計画から策定が8年余り経過し、次の10年に向けて、まだ10年にはなっていないんで、今後計画を検討していくのか、あるいはおおよそ10年というようなスパンで今の計画がされてますんで、当面は次の10年については時期を見て、今は見直しを行いながらというような理解でいくのか、そこだけ確認をさせてください。 ○議長(福原謙二) 戸成企画財政部長。 ◎企画財政部長(戸成宏三) この文化財保存活用計画でございますけども、答弁の中でも申し上げましたように、六つの方向性を定めて、その中で28の事業を進めさせていただいています。概括的にもこの計画の進捗の状況を捉まえてみますと、おおむね順調に進んでいるかというふうに思っております。計画の性格として、ここまでやっておしまいというようなものではございませんので、中には先ほど申し上げたように28の事業の中には取り組みが十分に始まってないというようなものもございますけれども、現状の計画に沿って取り組みを今後も進める中で、また新たな視点を持って展開するべきようなものがあるといったようなことなど状況も踏まえて、必要に応じた変更は検討することもあるかなという、現状ではこの計画に沿ってなお進めていくという考えでございます。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) わかりました。ことし4月から改正文化財保護法が施行されたわけですけども、尾道市では恐らく先行的にこの活用計画はパイロット的に文化庁のほうから指定を受けて事業を進めていたということもあり、恐らく全国の中でも先駆けて策定されたものだというふうに理解をしておりますので、ぜひ見直しを進めながら、県内においても廿日市市、また尾道市というのは文化財をたくさん持ってる市であります。ただ、廿日市市の場合は嚴島神社がほとんどの文化財なんで、嚴島神社を除けばほとんど廿日市市は持ってないということになるんで、県内においては本当突出した文化財たくさん持ってるということで、保存管理も大変だとは思うんですけども、しっかりと未来へつないでいくためにも検討を進めていただきたいと思いますし、改正文化財保護法、保存活用というようなスタンスから活用が前に出てくるような形にはなっております。専門家の方からすると活用が前に出てくるのは気に食わないというようなことも聞きますが、これからのまちづくりを考えていく上ではしっかりと文化財を使ってまちを活性化していく、まさに活用が前に来ることも必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 続いて、中高年のひきこもりについて質問をいたします。 これまでも他の議員による一般質問等でひきこもりに関する質問がされていますが、中高年のひきこもりは喫緊の社会課題であり、ひきこもり者の親の会や当事者の会、そして行政を初めとした福祉関係者の会が三位一体となって状況を打破していくことが大切だと思いますので、改めてさまざまな切り口から確認をしておきたいと思います。 振り返りますと、中高年のひきこもりに注目が集まったのは、本年3月末に内閣府による初の全国推計が公表されたことだと考えます。従来は、15歳から39歳までの若年層にだけスポットが当てられ、内閣府が2回ほど若者の意識に関する調査の中でひきこもりに関する実態調査を行っていましたが、ひきこもりの長期化を指摘する声が大きくなり、40代以上を除いた調査では全体像がわからないという指摘が当事者団体などから出てきたことにより、実施されたものです。 つまり中高年のひきこもりは今に始まったことではなく、国による調査が行われていなかったために、社会問題化していなかっただけだと思います。そして、今回の調査結果からもわかるように、ひきこもりの状態になってからの期間は3年から5年がおよそ21%、5年以上が半数を超え、30年以上と答えた人もいるなど、長期化の傾向が明確になりました。また、ひきこもりをサポートしているNPOの調査によると、中高年のひきこもりの発端は学齢期の不登校や最初の就職時の挫折であることが多いと言われています。 ひきこもり者の中にはほっといてほしいという人も多く、本人の意思に反してまでほっとけないという周りの思いを押しつけるわけにはいきません。しかし、ひきこもり状態にある人は本来であれば就労し、所得を得て地域消費を支え、納税者となり得る人です。また、社会参加することで経済の活性化につながり、あるいは地域コミュニティーの一員として生きがいを見つけて活躍すれば、地域の活性化にもつながります。 ひきこもり者がふえると生涯未婚者数の増加や生活の質の低下など、大小さまざまな影響があります。そして、財政的な視点で考えると、担税力のある市民の減少、また生活保護受給による社会保障費の増加といった影響もあります。 ただ、ここで間違ってならないことは、ひきこもりの人を悪者にはしてはならないということです。私は、ひきこもりはインターネット社会が生み出した一つの現象であると考えています。インターネットの普及や便利さを追求したサービス業などの発達により、幼少期からコミュニケーション能力を開発する機会が失われてきています。以前にも増して人とのかかわりを苦手とする若者、相手意識を持った行動ができない若者がふえてきているように感じますが、そうした若者は現代社会の犠牲者であるように思います。インターネット社会により、目の前にいる人ではなく、パソコンや携帯端末の先にいる、いわば仮想の人物が相手になりますので、深く人とかかわる場面が少なくなり、コミュニケーション能力を育むことが難しくなったのだと思います。 従来のひきこもり支援は、当事者を就労に導くことがゴールとなっていましたが、家族だけで解決するのは難しく、親にとっても、子供にとっても、まず必要なのは自分の気持ちを吐き出させる外の居場所である地域の支援だと思います。関係者だけが解決に向けた対策に取り組むのではなく、地域が当事者意識を持って取り組んでいくことが重要です。 広島県では、厚生労働省が進める施策によってひきこもり相談支援センターを設置していますが、厚生労働省が進めているもう一つの施策であるひきこもり対策推進事業、ひきこもりサポート事業を積極的に展開し、推進することが、若年層を初め中高年のひきこもりを解決することにつながるように思います。これからの時代は地縁だけに頼るのではなく、同じ志や思いを持って活動する志縁、志の縁を切り口としてアクションプランを考えることが大切だと考えます。今こそ市民一人一人がアクションを起こせるよう、ひきこもりサポーターをふやしていく仕組みをつくってはどうかと思います。 そこで、4点質問いたします。 1点目、内閣府ではどのような方法で調査を行い、40歳から64歳のひきこもり状態の人が全国に61万3,000人いるという結果を公表したのですか。 2点目、尾道市において中高年のひきこもりについての対策を検討する場合、まずは実態把握をすることが何よりも大切になってきますが、内閣府が行った調査結果の割合を尾道市の人口に当てはめると、尾道市における中高年のひきこもりは何人くらいになりますか。 3点目、厚生労働省が推進しているひきこもり対策推進事業、ひきこもりサポート事業はどのようなものですか。 4点目、尾道市においてひきこもりサポート事業を積極的に推進し、まずはひきこもりサポーター養成研修を実施して、ひきこもりサポーターが活躍する仕組みをつくってはどうでしょうか。 ○議長(福原謙二) 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) それでは、ただいまの質問にお答え申し上げます。 内閣府が平成30年12月に実施しました40から64歳の方のひきこもりに関する調査でございますが、全国199市区町村200地点に居住する5,000人と、そこに同居する成人に対し調査員の訪問による調査票の配付、回収という方法で実施した調査でございます。 有効回答数、本人3,248人、同居者2,812人の結果で得られた自分の趣味に関する用事のときだけは外出すると回答した準ひきこもり群と、ふだんは家にいるが、近所のコンビニ等に出かける。自室から出るが、家からは出ない。または自室からほとんど出ないと回答した狭義のひきこもり群のうち、その状態が6カ月以上継続してる人数を合計し、回答者数に占める割合1.45%をひきこもり出現率としています。全国の40から64歳の人口にこの出現率を乗じた数が61万3,000人となっております。 この出現率を本市の当該年齢人口に当てはめた場合の推計値でございますが、平成30年12月末の人口で推計しますと614人でございます。 次に、ひきこもりサポート事業についてでございますが、当事業はひきこもり支援に関する相談窓口や、支援機関の情報発信及び関係機関とのネットワークやひきこもり支援の拠点づくり、ひきこもりサポーターの派遣を通じてひきこもり支援の基盤を構築し、ひきこもりの状態にある方の状況を踏まえた早期支援、自立支援を図ることを目的とした事業でございます。 本市では、「広報おのみち」やこころの体温計、各種支援団体への研修会等を通して相談窓口や支援機関の情報を発信しております。また、ひきこもり状態の方の相談支援にかかわる庁内の関係部署や関係機関との連携会議を行っているところでございます。 次に、ひきこもりサポーター養成研修についてでございますが、本事業はひきこもり支援が適切に行える人材を養成することにより支援の質の向上を図ることを目的にした事業で、実施主体は都道府県とされております。ただ、本年7月に施行されましたひきこもり対策推進事業実施要領によりますと、市区町村も実施主体となることができるとなっております。 本市におきましては、市民や関係者のひきこもりに関する理解を深め、早期の相談支援につながることを目的に、9月には民生委員、児童委員の集まりでの出前講座を実施し、10月には社会福祉協議会主催の「ひきこもり支援の明日を考える」と題したくらしサポートセミナーにおいて、本市が実施している相談支援の状況を紹介させていただきました。さらに、11月にはひきこもり経験者による講演会を開催したところでございます。 今後は、ひきこもりサポーター養成研修を検討するための調査を行ってる広島県の動向を注視していくとともに、引き続き講演会や出前講座、各種相談事業やアウトリーチによる訪問相談であるこころサポート事業、こころの体温計等の事業を関係機関と連携して実施してまいります。 以上で答弁といたします。 ○議長(福原謙二) 3番、柿本議員。 ◆3番(柿本和彦) 内閣府が行った調査の割合を尾道市の該当年齢に当てはめると614人ということで、有効回答数、回答しなかった人がいることを考えれば、少なくとも614人というふうに考えていくことが大切なんだというふうに思います。 まさに昨年度、平成30年度に生まれたゼロ歳児出生数に近づくような人たち、中高年がひきこもりになっているということで、本当に喫緊のこれは社会課題だろうというふうに考えております。ひきこもりサポーター養成研修、都道府県が実施主体であったのが、要件を満たせば市町村でもできるというようなことになったようなんで、ぜひ積極的にこのサポーター養成研修を社会福祉協議会等ともタイアップしていただいて、多くの市民の中にサポーターが生まれて、尾道市からはひきこもりがゼロに近づくような、そんな取り組みをお願いをして、私の一般質問を終わります。(拍手) ○議長(福原謙二) 先ほど、柿本議員の質問に対する不足分の発言を求められましたので、これを許可します。 岡田産業部長。 ◎産業部長岡田正弘) 先ほどの放置艇の御質問の中でお答えできなかった部分が確認がとれましたので、お答えをさせていただきます。 まず、放置艇の処分、処理についての業者でございますけれども、県内に10業者程度ございまして、尾道市内にも最終的にどこで処分しているかというところまでは確認とれておりませんけれども、処理を受け付けている事業者等があるということで、そちらのほうを経由して処分ということで対応しております。所有者の方から御相談があれば、こういった部分も含めて丁寧に対応していきたいというふうに考えております。 また、8月2日の会議の出席者でございますけれども、農林水産課から1名、港湾振興課から2名を出席させていただいております。 県との連携という御質問であったと思いますけれども、その後県のほうが市内の漁協のほうを説明に回られておりますけれども、それに市の職員、農林水産課の職員も同行して漁協のほうのお考えとかというふうなのを確認をとりながら、市のほうは来年度以降の実施ということになりますけれども、事前に県と連携しながら取り組みを進めているということでございます。 以上でございます。                〔3番柿本和彦議員 質問席を退席〕                ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(福原謙二) 12番、吉和議員。 ◆12番(吉和宏) (登壇)おはようございます。 平成会の2番手として吉和が質問をいたします。 私は、先日の全国都市問題会議の主要テーマとなりました防災とコミュニティーについて質問をいたします。 1点目です。 ことしも大きな災害の爪跡を残して台風シーズンが過ぎました。ことしの台風の発生数は、11月14日時点で26回であり、これはその後2回発生をいたしましたので、現在のところでは28回ということではあるというふうには聞いておりますけれども、1951年から2018年までの年平均発生数が26.2回であることからすると、発生数自体はほぼ平年並みと言えます。 一方、日本列島への上陸数は2004年、平成16年の10回は例外として、2番目に多いのは6回で、過去3回あり、ことしは同じく11月14日時点で5回であり、上陸回数は多かった年と言えるでありましょう。 今思い返しても、上陸時の勢力は関東としては史上最高クラスであり、千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号、16都府県の延べ262河川で越水、7県で125カ所の堤防の決壊を引き起こし、浸水範囲は昨年の西日本豪雨を超えたほか、土砂災害も一つの台風によるものとしては最も多くなるなど、国にとっても対策の見直しを迫られるような記録的な豪雨災害を引き起こした台風19号等が記憶に新しいところであります。 そのほか、8月末に九州北部を襲った線状降水帯による記録的大雨、台風19号が去った後、息をつく間もなく千葉県を三たび襲った大雨災害など、記録的、過去に例を見ないなどの表現が頻繁に使われるような大雨による災害が、日本列島の各地で発生した年でありました。 このような状況を鑑みてのことでありましょう。ことしの全国都市問題会議は「防災とコミュニティ」というテーマで10月7から8日、霧島市で開催されました。尾道市議会からも多くの議員が参加しており、おのおのが課題認識や成果を持ち帰ったことと考えます。 2日間の会議の中で、私は当然のこととはいえ被災時における共助を支えるコミュニティーの重要性を再認識したわけでありますが、一方では行政の限界の認識を持たなければならないことも学んで帰りました。地域防災力を高めるためには従来型のトップダウンではなく、ボトムアップ型を目指さなければならないという考え方からの意見であります。自分の命は自分で守る。自分たちの地域の命も自分たちで協力して守る。そういうことが巷間広く認識されるようになった昨今、的を射た考察であると考えます。中央集権から地方分権的な政策の推進、行政中心から地域コミュニティーなど社会的な分野の重視への転換ということでありましょう。 その実現のためには、行政側の視点としては公平性の原則に拘泥されない地域の実情に合わせた個別の対応、地域コミュニティーからの内発的な努力を誘発、促進するための協働やバックアップは必要とされているということであると考えます。そのためには、職員が地域コミュニティーの場へ出ていき、地域の状況を正しく認識することが不可欠であるとの点が強く指摘されておりました。地域コミュニティーの防災力が高まらなければ個人の防災力は高まらないとの指摘もありました。 札幌市では、防災協働社会の構築を目指すなど、全国各地で行政とコミュニティーの協働による地域の防災力強化の取り組みが行われています。いつの時代でも、住民の生命、財産を守ることは自治体の究極の使命でありますが、天災は忘れる間もなくやってくる現代においては、災害の甚大化とともにその重要性がより高まっていると考えます。そのことを基底に据えながら、少子・高齢化や過疎化で災害対応力が低下している地域コミュニティーへの地域防災力の強化のためのバックアップや協働について、今後どのような対応を考え、実施していくのか、見解をお聞きいたします。 続いて、2点目です。 近年、防災を考えるに当たってタイムラインと呼ばれる新しい防災対策が注目をされています。この対策は、2012年にサンディと命名されたハリケーンによってアメリカ東部で甚大な被害が出た際に、住民避難対策として使われたことが始まりとのことであります。日本でも、三重県紀宝町が2014年、平成26年からタイムラインについての検討を始め、翌年には全国で最も早く本運用を開始し、これまで30回以上運用されているとのことであります。また、2016年、平成28年、国土交通省が指針をまとめるなど、タイムラインの策定、運用は自治体を中心に広がりつつあります。 タイムラインとは、台風などの大雨の場合、段階を追って災害の危険性が高まっていくことが大きな特徴であることに着目した対策であり、事前の防災計画とも呼ばれるものです。したがって、地震などと違い一定の準備期間がある災害により効果を発揮します。災害が起きると予測される時刻に向かっていつ、誰が、何をするのかを事前に防災行動計画として決めるとともに、文書化しておき、実行に移していくものであります。このタイムラインについて、市長はどのような認識をお持ちでしょうか、お聞きをいたします。 このタイムラインの効果の一つとして、日ごろから防災の専門機関と連携が図られることが上げられており、危機感の共有や助言体制の構築など、首長の判断を支援する有効な仕組みとなり得るものだということが示されています。私は、9月の一般質問において、市長に進言できる人材育成が必要との考えを述べましたが、人材が育つまでの間、早期にタイムラインを策定することで、その課題の解消につながるとも考えます。 前述の紀宝町では、防災担当職員からは早い段階から役場や防災機関と情報の共有が図れ、それぞれの役割を確認できた。住民からは、早目の呼びかけで避難の心構えができたといった反応があったとのことであります。 台風や前線の活動の活発化による大雨災害では、従来から自治体の対応のおくれがしばしば指摘されてきました。ことしの台風15号では、国や千葉県の初動対応のおくれが問題視されたことは記憶に新しいところであります。このような点を解消し、犠牲者を一人も出さないために本市においてもタイムラインの早期策定に向けた取り組みが必要と考えます。市長の見解をお聞きします。 3点目です。 ことしの都市問題会議においても、テーマに沿って学者や有識者、広島市長を初め各地の市長らが意見や取り組み、過去の経験などを披瀝されました。先ほどのタイムラインという新しい取り組みについての考察も知ることができたなど、私にとっては有意義な2日間であったと考えています。 松井広島市長は、平成28年の豪雨災害での経験が役立ったと述べながら、昨年の豪雨災害における対応と取り組みを語られました。このような話を聞きながら、私は市長や部長ばかりでなく、もっと若い職員にも聞かせるべきだとの考えを持ちました。少子化対策プロジェクトやおのみち幸齢プロジェクトは、若い職員がまとめた施策と聞いています。防災とコミュニティーについてもさまざまな考察や取り組み、経験談を聞いた上で、若い職員にしっかりと議論してもらうことは自助・共助・公助など防災に関する行政施策を考えるにとどまらず、ハード面、ソフト面を含めた地域の現状を知り、ひいては今後のまちづくりのあり方を考えることにもつながる可能性があると考えたからであります。 研究事例には、「タイムラインを活用した地域コミュニティーの活性化」と題する中村八代市長のレポートもありました。若い職員たちは、これからの尾道市を、あるいは地域をどのような姿にしたいのでありましょうか。ぜひとも聞いてみたいものであります。みずから考え、議論した結果を携えて地域に出ていき、広がりを見せつつあるコミュニティータイムラインの策定の後押しまでをも期待するものでありますが、若手職員を尾道市が準備する研修ばかりでなく、談論風発の場である全国都市問題会議へ派遣することに関しての市長の見解をお聞きいたします。 ○議長(福原謙二) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)平成会の吉和議員からの御質問にお答え申し上げます。 地域防災力の強化についてでございますが、地域防災力の基盤となるのが地域コミュニティーであり、地域防災力の強化には行政と地城の協働による取り組みが必要不可欠と考えております。 局所的豪雨災害や南海トラフ地震が懸念される中、自助・共助の役割が大変重要となるため、地域防災活動に対する一層の支援が必要と考えており、自主防災組織の結成及び活動の支援や各地域での防災出前講座、防災リーダー育成講座や防災士の育成などに取り組んでまいりました。さらに、今年度から地域防災担当主幹を配置するとともに、うちらの防災マップ作成事業やうちらの避難所登録制度の実施など、地域防災活動を支援する取り組みを強化しているところです。今後も、防災訓練などにより自助・共助を高め、地域防災力を強化するため、地域の実情に応じた支援に努めてまいります。 次に、タイムラインについてでございますが、台風のように事前にある程度の規模と時期が予測できる災害に対しては、実施すべき防災行動をあらかじめ時系列で定めておくことは、迅速、的確な災害対応と被害の縮小を図ることができるものと考えております。 本市では、本年7月に台風接近時の市災害対応部署における防災行動を時系列に定めた台風タイムラインを作成し、既に運用を始めております。あわせて、本市を流れる二級河川の藤井川と御調川については、洪水発生までに住民が避難するタイミングを河川水位に応じて時系列に定めた河川タイムラインを平成29年度に県とともに作成し、運用を行っているところです。これら自治体タイムラインのほか、地域や自主防災組織の防災行動を取りまとめるコミュニティータイムラインや、さらに住民一人一人が状況に応じて防災行動を整理するマイ・タイムラインの普及啓発についても検討してまいりたいと考えています。 次に、若手職員を全国都市問題会議へ派遣することについてでございますが、同会議は毎年時宜を得た地方自治体が抱える課題をテーマに開催されており、私も時間が許せば出席し、先進都市の事例や最新情報を学び、市政の参考にしているところでございます。職員につきましては、同会議への派遣は行っておりませんが、市町村アカデミー及び国際文化アカデミーやひろしま自治人材開発機構などの研修機関に積極的に職員を派遣しております。 市町村アカデミー及び国際文化アカデミーは、市町村の人材育成の推進を図り、もって地方自治体の振興に資することを目的に、全国市長会や全国市議会議長会などが設立した財団により運営されており、双方合わせて年間160を超える職員向けの講座があり、毎年約50人の職員がみずからの希望や推薦により参加しております。両アカデミーでは、宿泊を伴う集合研修が実施されており、その中では自治体の課題等を研究している学者や研究者、先進都市の職員から専門性の高い知識及び技術、最先端の情報等を得るとともに、演習などを通じて同じ課題を抱える他自治体職員との情報交換や人脈の拡大を図ることができています。今後とも、高度、多様化する行政需要に的確に対応するため、両アカデミー及びひろしま自治人材開発機構への派遣研修を活用しながらより効果的な人材育成、施策展開につながるよう、先進地視察なども含めさまざまな機会を活用してまいります。 以上で答弁といたします。 ○議長(福原謙二) 12番、吉和議員。 ◆12番(吉和宏) 多くの点で認識が一致をしたというふうに思いながらお聞きをいたしておりましたけれども、協働ということも推進をしているというふうにおっしゃいました。 その中で、1点私が質問の中で触れております職員が地域の場に積極的に出ていく、そして地域の実情を知るということに関しての認識はいかがでしょうか。その点、1点お聞きいたします。(拍手) ○議長(福原謙二) 宮本総務部長。 ◎総務部長(宮本寛) 地域防災力にかかわってお答えを私のほうからさせていただきますけれども、自主防災組織の結成、それから活動の支援といったこと、それから本年度から取り組んでいますけども、うちらの防災マップの作成事業とかといった形を進めていく中で、もちろん地域に出向いていって地域の実情をお聞きしながら支援をしていくという営みを行ってございます。 そうした中で、地域のニーズを聞き取って防災の出前講座であるとか、支援が何が必要かというような御相談もしながら取り組んでおりますので、議員おっしゃられたように市長の答弁で申し上げましたが、地域の実情を把握しながら、それに応えるような形を検討しながら取り組んでおります。                ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(福原謙二) 21番、高本議員。 ◆21番(高本訓司) (登壇)皆さんおはようございます。平成会の高本訓司でございます。 通告に従いまして、一般質問を行います。少しの時間ではありますが、御清聴をお願いいたしたいと思います。 平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震を上げるまでもなく、地震を初めとして集中豪雨等日本は自然災害の多い国であり、本市も昨年7月にはとうとい命が失われる災害が発生いたしました。不自由な生活を強いられる断水や停電も経験し、蛇口をひねると水が出て、電気が普通につく生活のありがたさを改めて感じたのは私だけではないと思います。 どのまちもいつ、どのような災害に見舞われるか、誰にもわからない状況であります。最近では、台風19号や21号によりまして100名近い方が亡くなり、今でも不自由な避難生活を送られている方もおられるようであります。亡くなられた方の御冥福をお祈りいたしますと同時に、一日でも早い復旧復興を願っております。 それでは、質問に入りますが、先ほど台風19号、21号による記録的な大雨被害につきまして触れましたが、その中でもいまだに問題になっておりますのが被災地での災害廃棄物、災害ごみの処理問題となっております。 環境省によりますと、台風19号、21号による災害ごみは、昨年の西日本豪雨で出た約190万トンを上回る数百万トンに上ると見られ、処理完了までに2年以上かかると予想されております。また、当初浸水が予想されていなかった場所でも浸水し、処理施設が使えなくなっており、災害ごみどころか生活ごみの処理もままならないのが現状のようであります。さらに、車が冠水して仮置き場までごみを運べない被災者も少なくないようです。 こういった状況をさらに悪化させるのが、原則市町村単位で処理するごみを無断で地域外から持ち込み、仮置き場に投棄する不心得者もいるようであります。こういった悪質な住民対策には、住民以外はごみ集積場への立入禁止や現場での身分確認が必要となると考えます。 一方で、ごみ処理をめぐっては過去の大災害で県境や地域をまたぐ広域処理も行われてきました。約2,000万トンの災害ごみが発生した平成23年の東日本大震災では、東京都や大阪府などが処理を受け入れ、福島県の一部を除き約3年間で処理をされました。平成28年の熊本地震でも、県外施設の協力などで約300万トンの災害ごみを2年の年月をかけて処理いたしました。昨年の西日本豪雨でも同様な処理が行われております。 このような状況を踏まえ、災害廃棄物、災害ごみの処理について、3点お尋ねいたします。 1点目ですが、大規模災害に備え、災害廃棄物、災害ごみの処理について、処理計画は策定されているのかどうか、お尋ねいたします。 2点目は、災害廃棄物、災害ごみの分別に多くの時間と労力を要すると思われますが、その対応はどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 3点目は、広域処理についての協力支援体制はどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 最後になりますが、今回の台風の犠牲者は、車で避難中での犠牲者が多かったようであります。基本的には、自分の命は自分で守ることが大切だと認識しておりますが、住民への避難周知についてどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 以上、4点お尋ねいたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(福原謙二) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)平成会の高本議員からの御質問にお答え申し上げます。 まず最初に、災害廃棄物処理計画の策定についてでございますが、本年3月に策定をいたしました。本計画は、広島県災害廃棄物処理計画や尾道市地域防災計画、尾道市一般廃棄物処理計画との整合を図りつつ、地震災害や風水害、そのほか自然災害全般を想定して廃棄物発生量の推計等を行い、生活環境の保全を図りながら迅速、適正に災害廃棄物の処理を行うための基本的な考え方や実施手順を取りまとめたものです。大規模災害が発生した場合には、被災状況の把握に努め、災害廃棄物の発生量を推計し、住民用仮置き場、1次仮置き場、2次仮置き場等を設置してまいります。 災害廃棄物は、可燃物、不燃物、コンクリート殻等6種類程度の分別が必要と考えており、市民の皆様や解体撤去事業者にはあらかじめ可能な範囲で分別を行っていただき、仮置き場への搬入時には罹災証明書等の確認を行います。その後、重機等により分別を行い、再資源化を図りながら中間処理と最終処理施設へ搬出を行います。 災害廃棄物の広域処理の協力支援体制についてですが、災害の規模によっては市の廃棄物処理体制では対応し切れない状況も想定されます。その際は、広島県や本市と災害協定を締結している自治体、民間事業者等へ支援の要請を行ってまいります。 南海トラフ巨大地震のような大規模災害が発生した場合には、広島県だけでなく、近隣他県も大きな被害を受けることが想定されます。速やかな災害廃棄物処理のためには県域を越えた広域での処理が必要になる場合があることから、必要に応じて県を通じた広域的な連携体制を構築することとしております。 次に、住民への避難周知についてでございますが、昨年の7月豪雨ではさまざまな防災情報が発信されたにもかかわらず、多様かつ難解であったため、多くの住民が活用できず被害が拡大したところです。これを踏まえて、国におきましては住民が情報の意味を直感的に理解でき、速やかな避難行動がとれるよう、防災情報をレベル1からレベル5の5段階の警戒レベルであらわすこととなりました。本市におきましても、こうした情報を含め出前講座や防災訓練等を通じてみずからの命はみずからが守るという意識の徹底や、とるべき避難行動等の周知など、防災知識の普及に努めているところです。 なお、市からの避難情報は防災無線や安全・安心メール、LINE、緊急速報メール、FMおのみち、Lアラートといったさまざまな手段を使って伝達しているところです。さらに、来年度デジタル防災無線を整備し、順次戸別受信機を設置する計画としており、戸別受信機の設置完了後には各家庭に確実に避難情報を周知することが可能になると考えております。 以上で答弁といたします。                ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(福原謙二) 4番、二宮議員。                〔4番二宮 仁議員 質問席へ移動〕 ◆4番(二宮仁) 皆さんおはようございます。平成会最後に質問を行う二宮仁です。 手話は挨拶のみですが、引き続き御清聴をよろしくお願いいたします。 さきの尾道市青少年健全育成大会では、子供さんが手話で作文を朗読されまして、大変な感動を呼んだということですので、私ももっと勉強したいなというふうに思います。そういう意味では、最近NHKの「手話CG」というのを見つけましたので、これは手話の辞書のような、知りたい単語を引いてアニメで答えてくれるということですので、手話の入り口として大変すぐれたサイト、ホームページですので、ぜひ皆さんも一度アクセスされてみてはいかがでしょうか。 それでは、質問に入らせていただきます。 地震、異常気象が続き、今日本全国で防災が大きな課題です。どの自治体も防災体制を見直しています。いろいろ防災について学びますと、日本と海外の防災あるいは災害時の支援体制に違いがあることに気づきました。その根本的な考え方で私も賛同したのは、海外では災害支援は被災していない人が中心になって動くということです。日本は、どうも被災した自治体がみずからの住民を支援するという仕組みが基本になっているように思います。もちろんそれも重要です。最近は、自治体の限界が叫ばれ、地域コミュニティーの防災力をいかに高めるかが重要課題となっています。尾道市も、もっと推進すべきです。しかし、尾道市内に目を向けたときの課題とは反対に、市外と連携した防災対策となると、尾道市が被災したとき尾道市にできることには限界があると思います。 阪神・淡路大震災以降、自治体応援が活発になりました。被災していない自治体が被災した自治体を支援する、そんな考え方が広がっています。そろそろ日本もそうした考えを一歩進めて、被災した自治体を被災していない自治体あるいは連携組織が支援する体制を制度として構築すべきときではないでしょうか。 自衛隊があるじゃないかと思われるでしょうが、自衛隊もその機能の一つです。しかし、市町村、都道府県、国がお金を出し合って道州制度のような広域単位をめどに防災倉庫を建設し、管理運営する事務局組織を設置すべきではないでしょうか。 さらに、その組織に全国の防災ボランティアをつなぐ住民ネットワークの防災力を支援する機能を持たせる、そんな自衛隊でも、消防でも、行政の危機管理室でもない広域の防災専門組織が必要ではないでしょうか。 海外の具体例を挙げます。 欧州のある国では、被災した地域に速やかに仮設住宅並みの避難生活村が設置され、そこには個室型のシャワー施設群、レストラン並みの仮設食堂が設置されるそうです。被災したかわいそうな人を支援する、援助するという考え方ではなく、被災した人の生活レベルを保障するという考え方がそのベースになっています。 以上のことから、1、尾道市が主体となり、広域連携型防災組織の設置を近隣の市町村、県、国に対して呼びかけてはどうか。2、瀬戸内の十字路を生かした防災支援基地及び100メーター四方規模の巨大防災倉庫群を尾道市に誘致してはどうかと考えます。この2点についてお考えをお聞かせください。 ○議長(福原謙二) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) 平成会の二宮議員からの御質問にお答え申し上げます。 広域連携型防災組織についてでございますが、基礎自治体である各市町村は、当該自治体内の災害対応を担い、広域自治体である都道府県が市町村と連携協力し、広域的災害対応の役割を担うこととなります。また、都道府県内のエリアを超え、救助活動を行う緊急消防援助隊や災害警備活動を行う警察の広域緊急援助隊などが組織されています。さらに、被災していない都道府県の自治体から被災地域へ職員を派遣する対口支援など、大規模災害時に関係機関が相互に連携して対応する体制が構築されております。加えて、本市におきましても県及び県内各市町で締結している災害時の相互応援に関する協定や、近畿、中国、四国、九州の瀬戸内・海の路ネットワーク推進協議会を構成する各市町村、また備後圏域連携協議会を組織する市町とも災害時の相互応援に関する協定を締結しているところです。 また、本市では市内に倉庫や物流施設等を有する企業等と協定を締結し、災害時の物資の供給や集積場所として施設を活用させていただくこととしております。 災害支援基地等についての御提言でございますが、広域にわたる応急復旧活動の展開拠点、あるいは救援物資の中継拠点となる広域防災拠点などについて、人的支援や物資の受け入れ態勢の整備を含め研究してまいりたいと思います。 以上で答弁といたします。 ○議長(福原謙二) 4番、二宮議員。 ◆4番(二宮仁) 今の答弁にもありましたように、消防、警察、自衛隊、あるいは国交省など、あるいはまた全国自治会、全国市長会、全国町村会、そういった連携した組織がそれぞれ連携して防災に当たると、そういう体制もあるということではございますけれども、自治体という意味で御質問をしてみたいというふうに思います。 まず、尾道市がもし被災した場合、大規模に被災した場合、駆けつけてくれそうな自治体はどちらになるでしょうか。 ○議長(福原謙二) 宮本総務部長。 ◎総務部長(宮本寛) 広域連携ということで、市長の答弁でも申し上げましたけども、基本的に尾道市が被災をした場合、近隣の市町が支援をするというのがまず最初でございます。もちろん広島県もございますけども、それとさらに申し上げれば協定を結んでおりますところということになりますので、県内の市町村、それから先ほども申し上げました近畿、中国、四国、九州の自治体ということになります。姉妹都市であります今治市であるとか松江市といったところもいち早く、昨年もそうでしたけども、支援においでいただいております。 ○議長(福原謙二) 4番、二宮議員。 ◆4番(二宮仁) 姉妹都市の今治市という具体的な名前も上がりましたけれども、尾道市の地域防災計画の中を見ますと、要員の確保という項目がありまして、その中におおむね次の順序で確保するということで、あいうえおのあからけまでありました。1番は、最初に災害対策本部の要員、当たり前ですけれども。それから、大体市内の関係が来まして、かきくけこのき、きが自衛隊、くが県の職員、最後のあからけまでのけの最後が他市町からの応援というふうになっておりますので、災害のまずの体制というのは自助努力といいますか、自治体の自助努力というふうなイメージなのかなあというふうに思っております。 その中で、先ほど私が申し上げました連携、これについてお尋ねをしたいと思いますが、その中でもあらかじめの防災という意味での備蓄倉庫、広島県の場合広島県防災拠点施設というのが三原市、すなわち空港、こちらにございます。敷地面積は約2万5,000平米、その中に備蓄倉庫棟ということで約4,500平米の備蓄倉庫があるということです。 お尋ねいたしますが、こちらのほうの、もちろん認識がおありだと思いますが、どういった備蓄物資あるいは重機設備は来てもらえるようにそろっているのか、御認識を伺います。 ○議長(福原謙二) 宮本総務部長。 ◎総務部長(宮本寛) 県の防災倉庫に何が備蓄されているかということでございますが、乾パン、それから毛布等が備蓄されているということでございます。 ○議長(福原謙二) 4番、二宮議員。 ◆4番(二宮仁) 突然の質問ですので、微細には当然お答えできないと思いますが、乾パン、粉ミルク、離乳食、ビスケット、アルファ化米、それから毛布、紙おむつ、生理用品、簡易トイレ、こういったものということですが、私が気にしておりますのは設備の重機、こういった部分ですね。こういった食料品とかこういうのは尾道市内にももちろん備蓄をしていますので、あれですが、例えば重機というような大がかりな設備、これが私は日本ではない部分だろうというふうに思っています。 先ほどの欧州の例というのを御紹介をいたしましたが、2018年7月の西日本豪雨のとき、坂町小屋浦地区というのは大変な災害を受けたわけですが、そこにエコノミー症候群の検査ということで日本静脈学会災害対策委員で避難所・避難生活学会代表理事の榛沢和彦先生と一緒に私も同行をさせていただきました。その先生は、日本中駆け回っておりますので、避難生活に対して完璧な知見を持っておられまして、日本だけに限らず世界の情勢にも詳しいということでいろいろお聞きをいたしましたところがそういった日本と海外の違いというところでございました。 その中で、具体的に言いますと大体イタリアの例なんですけれども、トイレ、トイレが設置されると。近隣から、そういった組織から来るということで、これは大体4時間以内ですね。このトイレというのも車椅子対応型の簡易トイレ、もうコンテナのような大きなトイレ、そういったものが来るということです。それから、キッチンカー、これは大型トレーラー、これがもう駆けつけてくると。これは1時間で1,000食分の、これはもう食事じゃなくてもう料理です。レストラン並みの料理を1,000食分温かいものを出すということができるキッチンカーが駆けつけるということです。それから、簡易ベッド、これもすぐに来るということです。この簡易ベッドについては、当然プライバシーを守るという意味でテントつきで来るということです。それから、ベッドもすぐに来るのは簡易ベッドですけれども、1週間ぐらいするともうちゃんとマットレスも普通のベッドになるというふうな体制が組まれておって、それを実行するのがそういった被災していない地域の拠点から来るというふうな仕組みができているんだということです。基本的に、被災した自治体は情報収集だけに専念し、それをそういった組織に渡すということで、実際実働するのはそういった組織。 ボランティアも専門のボランティアがいて、防災専門ボランティアということで専門的な講座で講習を受けたボランティアの方が、イタリアの場合は登録している方だけで80万人ということですので、日本とかとは桁違いで、被災していない人が駆けつけて被災したところを応援していく。そして、困っている人を助けるということではなくて、その人たちの本当にもう今までと同じとは言えませんけれども、生活レベルを保障するんだと。心地よく暮らして、もちろん健康的にも二次災害が起きないような形を実現しているというのが海外の考え方、特にそういうイタリア等はそういった考え方ということですので、そういった考え方に基づくようなものを持ってきて、そういった、特にそういったキッチンカーみたいなそういったものをもし尾道であればびんご運動公園とか、そういったところのスペースに倉庫つきで備えておって、瀬戸内の十字路ということですから南は高知、山陰方面あるいは関西近く、九州あたりまで広域にみんなでお金を出し合った形でそういったものを尾道市の中で維持管理をするといいますか、そういった誘致をしていくというふうな広域の防災拠点都市尾道というイメージづくりもあってはいいのかなと。そういったまずこれは尾道市の行政課題とはなかなか言いにくいので、尾道市からそういった提案をしていくというふうな形の中で、広域連携で尾道市もある意味救われていくというふうな体制づくりを尾道市から声を上げていくということがあってもいいのかなというふうに思います。 それと、話が変わるんですが、私も霧島の都市問題会議に参加しましたので、尾道市が広域連携が必要だというふうに想定する自然災害は何かというのをお尋ねいたします。 ○議長(福原謙二) 宮本総務部長。 ◎総務部長(宮本寛) 広域連携が必要な自然災害は何かというお尋ねでございますが、広域的に連携をしてという対応が必要になるというのは大きな災害を受けたときということになりますので、全ての災害についてということだろうと思いますが、特に地震であるとかということ、それからもちろんこのたびもございましたように大きな台風が来たりとかっていうことも対象にはなってこようかと思います。 ○議長(福原謙二) 4番、二宮議員。 ◆4番(二宮仁) 先ほど申し上げました地域防災計画等を読みましても、一つないのは火山活動、それはないなあというふうに。確かに尾道火山余り関係ないなあというふうに私も思っておりましたが、霧島さすがに火山のことについてもいろいろ防災対策がありました。気になったんで、尾道もどうかなあというのを調べてみましたところ、これは気象庁のホームページですけれども、中国地方には山口県の阿武火山群、それから島根県の三瓶山、この二つが活火山ということだそうです。しかし、一番近い三瓶山まで尾道から約90キロということなんですが、その三瓶山でも噴火は約3,600年前ということで、有史以降の火山活動は記録がないということですので、差し迫った危険はないのかなあというふうに安心をしたところです。 都市問題会議の中で、国立研究開発法人防災科学技術研究所火山研究推進センター長の中田節也さんによりますと、日本は今のところ日本全体でいうと静粛なといいますか、静かだと。日本は長い歴史の中で370年の周期で巨大噴火、36年の周期で大噴火があるということですが、富士山にしても300年近く火山活動はないということですので、いつ起きてもおかしくないという今状況なんですよというのをお聞きしましたので、私も中国地方どうかなということでお知らせをしてみたところです。 いろんな防災に対してこれからもいろんな対策を練っていただいて、特に広域の連携をお願いして私の質問を終わりたいと思います。皆様御清聴ありがとうございました。(拍手)                〔4番二宮 仁議員 質問席を退席〕 ○議長(福原謙二) 暫時休憩といたします。 再開を午後1時からといたします。                午前11時54分 休憩  ────────────────── * ──────────────────                午後1時0分 再開 ○副議長(宇根本茂) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問に入ります前に、理事者より発言の申し出がありますので、これを許可いたします。 戸成企画財政部長。 ◎企画財政部長(戸成宏三) 発言のお許しをいただきましてありがとうございます。 本日、午前中の柿本議員の御質問に対する私の答弁の訂正をさせていただきます。 博物館への調査についての御質問に対しまして、その対象を耕三寺さんの博物館とお答えをしましたが、その前段で重要文化財にかかわる調査ではないといったお答えをいたしました。正しくはあくまでも国宝、重要文化財を保管する博物館への調査でございます。訂正しておわびを申し上げます。 ○副議長(宇根本茂) 一般質問を続行いたします。 2番、岡田議員。 ◆2番(岡田広美) (登壇)こんにちは。新和会の岡田広美でございます。 通告に従って、一括質問させていただきます。 この場所での一般質問をさせていただくのは最後となりますので、しっかりとやりたいと思います。よろしくお願いいたします。 尾道市も1月から新市庁舎ができ、多くの受付窓口が1階と2階とオープンスペースでできるようになるとお聞きしました。それに伴い、さまざまなサービス向上を目指して取り組まれると思いますので、お伺いします。 1、配偶者や親が亡くなった後に遺族が行う行政手続の負担を軽くしようと、全国の自治体で専用の案内窓口を設ける動きが広がっています。日本の年間死者数は約136万人、2018年度で。20年間で1.5倍近くにふえました。9割が65歳以上で、手続をする遺族も高齢になっており、その負担感は大きいものと考えられます。 おくやみコーナーといった名称で必要な手続を一覧にしたり、部署や階を移動せずに済むようにしたりして、死亡時の行政での手続がスムーズになるよう多死社会を背景に全国の自治体へ普及しています。おくやみコーナーの配置の先駆けは、2016年に始めた大分県別府市、人口11万8,154人であります。市長が市役所窓口の改革というスローガンを掲げたことにより、窓口のたらい回しによる遺族の体力的、時間的な負担を減らそうと、若手議員が発案されました。どんな手続が必要なのかわかりにくいことや、何枚も書類に同じ情報を手書きしなければならない点を改めました。 一般的には10前後の手続、国民健康保険証の返還、後期高齢者医療保険証の返還、介護保険被保険者証の返還、葬祭費の請求、世帯主変更届などがあり、多くの役所ではそれぞれ窓口が分かれています。手続ごとに受付窓口を探し、時には階段を上りおりして同じような書類に故人の名前や住所などを記入し続けなければなりません。別府市が始めた「おくやみコーナー」はこの手間がかかる手続を一元的に受け付けてくれるのです。 まず、訪れると専任の職員から必要な手続について説明が丁寧に行われます。お客様シートに故人の名前や住所、口座番号など必要な項目を記入します。職員がその内容をパソコンに入力すると、10の手続が必要なら10枚の書類が自動的に印字されて出てきます。この後は、二つのパターンから選べます。1、窓口に各担当職員に来てもらう。それぞれの手続を担当する職員がおくやみコーナーに来てくれます。2、自分で窓口を訪ねますが、待たせません。市役所の各担当窓口を自分で訪ねて手続しますが、チャットのような仕組みで、おくやみコーナーから各担当者に事前に連絡し、情報を伝えているため、待たせることはありません。書類も整っているので、印鑑を押すだけで手続を済ませることができます。 このおくやみコーナー、全国から視察が相次ぎ、導入に向けた動きが広がり始めています。その一つが、三重県松阪市、人口16万4,905人です。松阪市は、別府市の視察後、2017年11月おくやみコーナーを開設しました。別府市に倣ったお客様シートに加え、役所では珍しい手続受け付けの予約制度を導入して、待ち時間を減らす独自の取り組みも実施しています。 松阪市も、市長自身が親を亡くしたときに同じような思いをした経験があったということで、直ちに実現するように指示したと聞きました。高齢化が進む日本社会で毎年亡くなる人の数はふえます。残された家族が役所で大変な思いをしています。大切な家族を失ったとき、故人との思い出に浸りながら静かに時を過ごしたいものです。でも、実際はそんな余裕もないほど忙しいというのです。葬儀の準備や故人の身の回りの整理、そんなときに訪れざるを得ない役所の手続が特に高齢者にとって大きな負担となっているのです。 別府市がこれまで問い合わせを受けたり、視察を受けたりした自治体は70を超えました。このことで動き始めたのは自治体だけではありません。内閣官房IT総合戦略室では、2017年から死亡、相続の手続を電子化し、ワンストップで手続ができないか検討を始め、死亡に伴う手続を行う人やかかわる人の行政側の負担が国レベルの課題であると考え、2018年3月、死亡・相続ワンストップサービスにかかわる政府の方針を出しました。それが、デジタル技術を徹底的に活用した行政サービスの断行、死亡、相続、引っ越しなどのワンストップ化の推進です。 我が国の年間死亡者数は、先ほども言いましたが、約136万人と増加傾向にあることからも、相続人の手続にかかわる負担やその手続を受ける行政機関、民間事業者などの負担軽減に向けた取り組みが必要です。また、行政機関での手続もデジタル化されておらず、死亡者数増加に伴う手続件数の増加による行政側のコストも増大しています。実現したい状況としては、必要となる手続先を容易に確認できる仕組み、行政手続のバックオフィス連携などによる手続の最小化、デジタル化による業務改善、オンラインでどこからでも手続を可能にするワンストップ化による相続人や行政機関、民間事業者の負担を軽減するなどがあります。将来的に支援ナビをベースに遺族がオンラインで必要な手続が確認でき、オンラインで手続が完了する仕組みが提供できるよう、オンライン上での申請者の身分確認方法や行政機関に対する手続に対するマイナポータルを活用した電子申告の仕組みなどのデジタル化に向けた課題を2019年度中に整理するなどの政府の方針が出ています。 2019年9月の新聞記事にありました出雲市役所、人口17万5,401人に設けられましたおくやみコーナーも御紹介いたします。 利用者がコーナーを訪れると、最初に専任の職員が生前受けていた福祉サービスの種類などを聞き取り、必要な書類や関係する課をリストアップし、必要な書類をまとめて印刷して渡します。各課の職員が順番にコーナーを訪れるので、階を移動する手間はありません。その方は、死亡届のほか介護保険証や障害者手帳の返還など、7種類の手続が必要でした。本来なら四つの部署を回り1時間ほどかかるはずが、30分足らずで終わったということでした。コーナーをつくるのに高額な予算は必要なく、一手間をかけるだけで家族の負担が軽減されたということでした。 11月11日、佐賀市役所、人口23万3,095人において、遺族が行う健康保険証の返還、返却といった福祉に関する手続をまとめて行うことができる福祉おくやみ窓口が開設されました。福祉おくやみ窓口は、死亡後に遺族が行う健康保険証の返却や葬祭費の手続、死亡一時金請求など、福祉分野の手続を1カ所ですることができました。時間短縮にもつながり、遺族の方の負担軽減にもつながりました。 同日、都城市、人口16万5,679人もおくやみ窓口を開設されました。都城市も、長い日では6時間もかかってたという死亡に関する手続の負担を軽くするためのおくやみ窓口を市役所に設置しました。市が設置したおくやみ窓口では、担当職員が必要な手続と担当の窓口を案内します。さらに、これまでは各課を訪れたときそれぞれの書類に書かなければならなかった名前や生年月日、住所などはあらかじめ書類に印刷されて渡されることになっています。市によりますと、この窓口の設置でこれまで3時間から6時間かかっていた手続を、およそ3割減らすことができるということです。 西尾市、人口17万1,869人、おくやみ窓口を開設予定です。家族が亡くなった際に、遺族が多種の手続を一括して行える予約制のお悔やみコーナーを西尾市が2020年1月6日からスタートさせます。遺族の負担軽減が主な狙いで、市民課によると同様の取り組みは愛知県では初めてということです。当面は、国民健康保険や後期高齢者医療から支給される葬祭費などの申請、介護保険料の還付など、福祉分野を中心にした24種類の手続を一つの窓口で行います。手続を行う遺族が死亡届を出す際に、訪問日時を予約します。市側は、各担当課が必要な手続を調べてあらかじめ資料を準備しておきます。これにより、手続に必要な時間の大幅縮小が期待できるだけでなく、職員にとって比較的手のすいた時間に準備作業をして、業務を効率化する利点があります。 静岡市も、別府市のおくやみコーナーの新聞記事を見た市民の声が反映され、10月から全3区役所におくやみ窓口を開設しています。二人の職員を常時配置し、リレー方式で行っているそうです。市は、窓口開設に伴って名前や住所など、必要な書類に一括で入力できるシステムを導入しました。リレー方式と一括入力で2時間かかっていた手続が50分で済むようになりました。窓口を利用した人に対するアンケートでは、ほぼ100%の人が満足していると答えました。 現在、尾道市役所での現状は、死亡に伴う手続についての1枚の書類を渡し、手続に来られた方に動いて回ってもらっています。ただし、御調支所、向島支所、百島支所、浦崎支所、因島総合支所、瀬戸田支所は、その支所で大体の手続ができます。そのほかの旧市内の方々においては尾道市役所での手続となります。1階の市民課から始まり、高齢者福祉課2階、保険年金課、市民税課、資産税課、口座振替をしていたら収納課、子育て中だったら3階子育て支援課、農地があれば6階農業委員会などです。その都度その窓口で待って手続をします。 では、お伺いします。 この1月から新市庁舎になるに当たり、お悔やみコーナーなどのワンストップサービスにどのように取り組まれるのか、お伺いします。 1、死亡時の手続で家族を失ったこの大変なときくらいあちらに行ってください、次はこちらに行ってくださいと言わないで済むように、住民サービスの最大化こそが役所の仕事ではないかと思います。悲しみのさなかにある人たちに寄り添うお悔やみコーナーなどのワンストップサービスが広がるよう期待したいと思います。お考えをお示しください。 続きまして、尾道市において10月に施行された食品ロス削減推進法について、食品ロス問題についてお考えをお伺いします。 食品ロスについて、2016年の推計では、全国では年間643万トンの食品ロスが発生しています。スーパーやコンビニから出る事業系が352万トンで全体の55%を占めています。全国のフードバンクに寄せられる年間の食品は、約3,808トンとされています。食品ロス削減法とは、前文に世界には栄養不足の状態にある人々が多数存在する中で、多量の食材を輸入し、食料の多くを輸入に依存している我が国として、真摯に取り組むべき課題であると明示されています。 食品ロスを削減していくための基本的な視点として、国民各層がそれぞれの立場において主体的にこの課題に取り組み、社会全体として対応していくよう食べ物を無駄にしない意識の醸成とその定着を図っていくこと、まだ食べることができる食品については廃棄することなく、できるだけ食品として活用するようにしていくことを明記しています。多様な主体が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進するため、本法を制定する旨を宣言しています。食品ロスの発生源は、食品関連事業者、食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業及び一般家庭であり、双方が国や地方自治体とともに食品ロス削減に向けて取り組むことが望まれるとあります。 世界では、生産された食べ物の3分の1が廃棄されています。その一方で、食べ物が十分に得られず、飢えや栄養失調で苦しんでいる人は約8億人に上ります。私たち日本人の食べ物の約6割を世界中から輸入しているにもかかわらず、年間約646万トンもの食品ロス、食べられるのに廃棄している食品を出しています。これは国連、WFPによる食料援助量の約2倍に当たります。日本の食品ロスの半分は家庭から出ており、一人が1日に出す量は卵約1個分です。卵1個分なら一人一人の心がけにより食品ロスは確実に減らせていけそうだとは思いませんか。 そういう考えでフードバンク事業を展開している団体もあります。フードバンクとは、放送の印字ミスや賞味期限が近いなど、食品の品質には問題がないが、通常の販売が困難な食品、食材をNPOなどが食品メーカーから引き取って福祉施設などへ無償提供するボランティア活動です。食品ロス削減推進によると、国税庁もこのフードバンクへの食品の企業側からの提供は寄附ではなく廃棄との考えを示し、企業側も廃棄となれば提供分を損金として計上され、法人税の節税につながるため、提供する企業の取り組みを後押ししています。国は、フードバンク事業をする団体に対して倉庫や車両などのレンタル費用の半額を交付で賄うメニューを設けていますが、受け取れるのは最大3年間です。持続可能な活動を支えるとは言い切れません。 2016年8月に、任意団体ジャパン・フードバンク・リンクが発足し、福山にも事業局を構えています。実際に、福山の発達障害の子を持つ親でつくるNPO法人では、フードバンク福山から野菜などの提供を受けてお好み焼きにして販売し、活動に役立てたり、相談に来られた困窮家庭に無償で食料を渡すことがあるそうです。 フードドライブとは、家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち帰り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに寄附する活動のことです。昨年、広島市では企業のエコロジー活動や大学の学園祭などで家庭に眠っている食品をフードバンクに寄附するフードドライブを実施されました。2会場で366人の方に御来場いただき、米や乾麺、缶詰、レトルト食品、飲料など、144個の食品を提供していただいたということでした。 東広島市においても、昨年東広島健康福祉まつりにおいてフードバンク事業を開催されました。回収食品として米、缶詰、レトルト食品、インスタント食品、乾物、お菓子、飲料、調味料などで、市民と事業者から受け取った食品の総重量は638.8キログラム、事業者から福祉施設へ直接譲渡されたもの45.2キログラム、食品の譲渡については集まった食品は市内の福祉施設、東広島市社会福祉協議会、子ども食堂、小規模多機能ホームや県内のフードバンク活動団体に譲渡しました。ほかにも消費者や事業者の啓発運動、3010運動、食品ロス削減協力店の登録など、食事のとり方についての啓発、指導、食育、健康と環境に配慮した適量の勧めの啓発なども行っていました。 ごみの中には食べられるのに捨てられているものがある。市民にもったいない感情を取り戻してもらうことがごみ減量につながるのです。学校給食においても、児童1人当たり年間17.2キログラムの食品残渣があります。全体では5万トン。市川市の子供たちへの働きかけによる食品ロス削減対策として「かしこくおいしく食べきりチャレンジ」を実施、食べ物に感謝して残さず食べる教育を進めています。 ただし、給食の食品ロスを削減するために、子供たちに完食を強制したり、無理強いしたりせず、自然に楽しく食べ残させない工夫が必要だと思います。大阪では、2017年に教師が完食を無理強いした結果、5人の生徒が嘔吐し、給食を完食しなければ先生や友達に何か言われてしまうというストレスから、心と体に不調を感じるようになり、2017年5月から2018年9月までに不登校になる子供や体調不良になったりすることで、その相談件数が約1,000件を超えてあったそうです。 先生方がその子に合った給食の指導方法については大学など4分の1ぐらいの大学でしか学ぶ機会がないそうで、その結果、完食させることばかりを重要視して無理強いしてしまうことがあるのではないでしょうか。子供たちが自然に食べ残さないようにするためには、1、食事時間を5分延長する。足立区で5分延長する取り組みのアンケートをしたそうです。小学校で3%、中学校で4%食べ残した割合が減少したということでした。 2、食材が給食になるまでの過程に興味を持たせ、命の大切さを学ばせる。3、いろんな食材をバランスよく食べることの大切さを学び、栄養に関する基礎的な知識などを子供たちに学んでもらう。4、給食を楽しみな時間とする。そこには大切なのは無理に食べさせることではなく、食べることは楽しいと感じてもらうことだということです。 では、食品ロス削減推進法に伴う食品ロス問題に対するお考えをお伺いします。 1、現在尾道市では「残さず食べよう!30・10運動」、これは宴会などで始まって30分と終わりの10分間は席に座って楽しく食事しましょうという啓発運動をされてますが、ほかにフードバンクやフードドライブなどに取り組んでおられますか。また、取り組もうと思っておられますか。 2、尾道の学校給食における食品残渣はどのくらいの量ありますか。 3、子供たちに対して食品ロスの観点から食育教育をどのようにされていますか。 以上、お聞かせください。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(宇根本茂) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)新和会の岡田議員からの御質問にお答え申し上げます。 お悔やみコーナー等のワンストップサービスへの取り組みについてでございますが、死亡に伴い国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、税金等でさまざまな申請や届け出が必要となります。家族を亡くされ、複数の窓口でなれない手続を行うことは御遺族にとって御負担になっていると認識しており、お悔やみコーナーのような仕組みは必要と考えております。このため、手続にかかる時間を短縮しつつ、なるべく1カ所で手続を終えていただくための具体的方法について検討を始めているところでございます。今後は、先進地視察を行う等、他市の状況も参考にしながら早期の設置に向けて取り組んでまいります。 次に、フードバンク、フードドライブへの取り組みについてでございますが、市内では尾道市社会福祉協議会が平成29年2月からフードバンク事業を行われており、福山のNPO法人と連携して小売店からいただいた食料品を福祉施設、子ども食堂、個人などへ配付されています。現在は、市として直接それぞれの事業は行っておりませんが、各施設へ配付できる食料品の種類、数量が拡充できるよう、尾道市社会福祉協議会、NPO法人と連携しながらフードドライブの取り組みも含めて研究してまいります。 以上で市長答弁といたします。 ○副議長(宇根本茂) 佐藤教育長。 ◎教育長(佐藤昌弘) (登壇)皆さんこんにちは。 教育委員会にかかわる御質問には、私からお答えさせていただきます。 学校給食における食品残渣についてでございます。 本市では、現在食品残渣に関する調査は行っておりませんので、具体的な量をお示しすることはできませんが、毎月19日を食育の日と設定し、感謝・完食をテーマに取り組みを進めるとともに、学校給食の残食率を集計しております。 昨年度、市内の平均残食率は約3.5%で、食べ残しの量は1人当たり年間約2.9キログラムでした。ちなみに平成25年度の全国の調査結果における平均残食率は約6.9%となっております。 次に、食品ロス削減の観点からの食育についてでございますが、食品ロスの削減は、ことし5月に食品ロスの削減の推進に関する法律が公布されるなど、持続可能な循環型社会の構築に向けた世界的な課題の一つでもあり、今後ますます重要になってまいります。これまでも食品ロスの削減に向けた取り組みとして、栄養教諭の配置校を中心として栄養教諭と担任のチームティーチングによる食育の授業を実施し、好き嫌いなく食べる、残さず食べる、食べ物に感謝の気持ちを持つ等の項目を設定して指導することで、食べ残しを減らす取り組みを進めてまいりました。今後も、栄養教諭の効果的な活用に努めるとともに、総合的な学習の時間や道徳科、各教科などさまざまな場面において食品ロスの削減に向けた食育の充実が図れるよう、学校への指導を進めてまいります。 以上、答弁とさせていただきます。 ○副議長(宇根本茂) 2番、岡田議員。 ◆2番(岡田広美) ありがとうございます。 先ほどの食べ残しをしないよう皆さんでっていう、栄養教諭も配置してっていうことでしたが、以前に吉和小学校が食育推進モデル校になったときに、みんなが楽しく残さず食べるっていう、ランチルームがあって楽しく食べられてるというのを拝見したことがございます。ただ、大規模校になると前へ向いて静かにみんなで御飯を食べましょうという、静かにっていうのが黙って食べろという話になりますので、その辺が楽しくないということで、学校格差が余りにも多くって、楽しくないと御飯も進まないし、みんなでしゃべって嫌いなものでもほかの子が食べているから食べれるよっていうような楽しい食生活っていうのが一生の子供の食にかかわると思いますので、心と体を健やかに、食べることの大事さをもっとよろしくお願いいたします。(拍手)                ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(宇根本茂) 9番、星野議員。                〔9番星野光男議員 質問席へ移動〕 ◆9番(星野光男) 皆様こんにちは。 引き続き、新和会の星野が通告に従って一問一答方式で一般質問をさせていただきます。 まず、岡田議員のお悔やみコーナーの答弁が非常に市民に向いたいい答弁だったなあと思います。私の質問にも同じような市民に向いたいい答弁を期待して始めます。 地域医療構想について伺います。 9月に厚生労働省が再編、統合の検討が必要な424の公立・公的病院の名前を公表しました。本市のみならず、各地で関係する医療機関関係者や自治体、そして地域住民の多くに困惑が広がりました。本市に限っては、公的病院ということで日立造船健康保険組合の因島総合病院が取り上げられていました。 因島総合病院について御存じない方のために、少し説明をします。 当病院のホームページによると、今から約100年前の大正6年に日立造船職員、関係者の福利厚生の一環として90床でスタートされました。昭和18年に120床に増床し、この時期に一般市民の診療も始まりました。平成14年に透析センターとして30床を新築、また労働環境の整備では平成5年から院内保育にも取り組み、現在は事業所内保育として地域からの保育需要を受け入れたり、病児・病後児保育にも積極的に取り組んでいます。地域の学校連携でも、因島南中学校の生徒の職場体験を受け入れるなど、地域に欠かすことのできない医療機関であります。 現在は、病床数160床、職員数243人の体制で、因島のみならず生口島や愛媛県上島町の方などが多く利用されています。しかし、報道があって以降、同病院の今後について問い合わせを受けます。勤めている方、納品業者など病院関係者、そして子育て世帯、車を運転しない高齢者の方などです。現在でも多くの方がそれぞれの立場で不安を抱えています。特に、中途や新規に職員を受け入れるときに風評被害が出ないか心配でもあります。 厚労省は、発表翌日から必ずしも医療機関の統廃合を決めるものではないとの見解を示していますが、報道発表が余りにも唐突であったことは否めないと感じています。その後も厚生労働省職員さんが各地に出向き、関係機関に説明をしている旨の報道を目にします。 一方で、報道を肯定的に受けとめる意見もあります。増大する国の医療費に対処する方向性の一つとして、現状を知ってもらうためにあえてインパクトのある発表をしたのではないかといった意見もあります。事実、厚生労働省は以前より病床の削減を訴えていました。2015年ごろからは特に具体的に数字を示し、急性期病床等を減らし、回復期病床を当時の3倍にふやす方向性も示していました。しかし、厚生労働省がとるべき方法はほかにもあったであろうと考えます。最も大切にされなければならないのは市民です。そして、因島総合病院で治療を受ける方々です。 まずはここまでについて質問に移ります。 再編、統合の議論が必要とされた病院の報道を受けて、関係する市民が不安を抱いています。正しい状況を伝える必要があると思いますが、この発表についての見解と、本市の今後の取り組みや方向性をお示しください。 報道の是非は別にして、本市を取り巻く医療圏域の方向性に移ります。 病院を再編、統合する必要性については、人口の減少や高齢化といった社会の変化に応じて病床数や機能を見直すことであると認識しています。大まかには、一つ、不要な病床の削減、二つ、隣接病院間での診療科集約、三つ目、他の医療機関との統合や廃止などが主な方向性と認識しています。病院の統合や廃止については簡単には賛成できませんが、これらは病院機能、資源の効果的な活用につながることも事実であります。 二つ目の質問です。 広島県地域医療構想の中で、本市に関係する病院の再編、統合について、今後の進め方や具体的なスケジュールがございましたらお示しください。 ○副議長(宇根本茂) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) 新和会の星野議員からの御質問にお答え申し上げます。 9月26日の厚生労働省による再編、統合の検討を必要とする公立・公的病院名の公表についてでございますが、今回の公表は全国一律の基準指標による機械的、定量的結果であり、地域の個別事情が反映されたものではありません。この公表を機に地域医療構想の議論を促すものであり、分析結果をもとに担うべき医療機関の役割や必要病床数等について再検証を要請するものです。本市といたしましては、地域医療の実情を踏まえ、必要な医療を守っていかなければならないと考えております。 次に、今後の進め方や具体的スケジュールについてでございますが、国から調整会議においての議論の進め方の具体的な論点やプロセス等が示されると伺っております。それを受けて、今年度中に県単位の地域医療構想調整会議や尾三圏域地域医療構想調整会議が開催される予定と伺っており、来年9月末までに他の医療機関の診療実績や将来の医療需要の動向等を踏まえて協議し、結果について合意を得ることとされております。 以上で答弁といたします。 ○副議長(宇根本茂) 9番、星野議員。 ◆9番(星野光男) 市長の答弁で、全国一律の条件、そしてそれを機械的に抽出した、機械が選んだものを公表したと。発表によって再検証を促すという答弁でありましたが、果たしてこの報道の真意、市長の答弁というのが大まかな報道にもあるんですけれども、2025年に向けて尾道市民病院でいえばさまざまな改革プランなどあるんですけど、民間含めて遅々として進まない病床の再編、結論が出にくいのかなというところに対するカンフル剤というのを僕も感じるんですが、本市の医療政策を担う立場としてはこの発表の真意、どこにあると考えていらっしゃいますか、答弁をお願いします。 ○副議長(宇根本茂) 檀上福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(檀上由造) この発表の真意につきましては、図りかねるところがございますので、なかなかお答えしにくい内容ではございますが、全国的に2025年問題ということがございまして、医療費、これがかなり膨らんできている状況ございます。そういった中で、医療、介護、そういったこと全体を含めた上でそういったものの社会保障費の抑える、抑制することが必要とされておりますので、そういった取り組みの一環としてということだと市としては理解しております。 ○副議長(宇根本茂) 9番、星野議員。 ◆9番(星野光男) 多くの自治体では、首長さんがさまざまな見解を公式に発表したりしています。少し話はそれるんですけれども、羊の皮をかぶったオオカミとかという表現の仕方、通り名とかよく言われますが、私に限って言えば羊の皮をかぶったヤギというふうなことを言われるくらい気が長いと自負しておるんです。でも、この報道を見たときにはかなり驚いて、地域ではまさに今医療について議論している、地域医療について取り組んでいるのに、なぜ、特に近くの病院だったんで、なぜこういう名前が上がったのかということに非常に憤りを感じたわけです。担当部長は、喜怒哀楽でいうとこのことについてどのような感情をお持ちですか。 ○副議長(宇根本茂) 檀上福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(檀上由造) この場で個人的な喜怒哀楽を示すものではないかと思いますけど、この発表、私から見ても非常に唐突な発表だと受けとめております。該当の病院のほうにもお伺いして直接お話を伺わせていただきましたけど、そういった具体的な内容についての発表をされるということも県のほうからは連絡はなく、ただそういう数字的には難しい状況がありますよというところは聞かれてたようなんで、そのあたりで私も驚いているというところがございます。 以上です。 ○副議長(宇根本茂) 9番、星野議員。 ◆9番(星野光男) 本筋に戻りますが、公的医療機関等ということで因島総合病院の名前が含まれていたわけですが、基本的な認識として何をもって公的医療機関等に分類され、発表されたのか。そして、この公的医療機関等という位置づけの因島総合病院に対して本市は何か指導的立場などにはあるのでしょうか、説明をお願いします。 ○副議長(宇根本茂) 檀上福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(檀上由造) まず、公的医療機関ということでございますが、医療法の第31条に公的機関、公的医療機関という定めがございます。ここには都道府県、市町村、その他厚生労働大臣の定めるものの開設する病院、診療所となっております。ただ、先ほどの因島総合病院につきましては、この中には該当はしておりません。ただし、その医療法第7条の2の規定の中で、県の行使する権限の及ぶ範囲ということで各共済組合の連合会の設置する病院、健康保険組合の設置する病院等が入っております。そういったことで、権限的には県の権限が及ぶところでございますので、市の権限というのはほとんどない状況でございます。 ○副議長(宇根本茂) 9番、星野議員。 ◆9番(星野光男) 僕もそのあたりどういう接し方といいますか、我々のスタンスをとるのが正しいのかなということでいろいろ勉強したんですが、市民病院ではありませんので、資本関係もない、県のほうが指導的立場はあるんだろうなということですけれども。尾三圏域、市長の答弁にもありましたが、そことあと尾道市の因島の地域にある総合病院というところからすると、我々尾道市に関係するものと因島総合病院の共通言語というのは地域の方の医療現場における命を守る、そういったことが共通言語になるのかなあと思っております。 これから圏域の医療の方向性が話し合われ、まとまっていくその中で、今現在目標に対しての進捗状況、このあたりは我々はどのように認識をしていいか、簡単に説明をお願いします。 ○副議長(宇根本茂) 檀上福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(檀上由造) 県の定めました地域医療構想、これに基づいて尾三圏域でその中身についての協議が行われている状況でございます。まだ、結論とか、そういったことまでは至っておりませんし、今回の発表もそういったことがなかなか進んでないということでの発表が一部あったんだとは思っております。そういった中で、該当の病院の院長さん含め市内、三原、世羅、こちらの病院の院長さんもその構想調整会議の委員に入られております。そういったところで地域の状況とか、そういったことを述べられると思いますし、私本人もその調整会議の市等の代表として出ておりますんで、先ほど市長が申しました内容のとおり、地域の医療を守っていく立場での発言をしていきたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(宇根本茂) 9番、星野議員。 ◆9番(星野光男) よく言われるんですが、総論賛成、各論反対、まさに僕も今回身にしみてその立場に置かされたわけですけれども、総論としては国全体の医療費42兆円、1人当たり約33万円だと僕は思ってるんですけど、そこの縮減、削減については誰も異論はありませんが、地域としてああいった形になると非常に総論では賛成しても各論では難しい、反発も当然出てくるとかと思います。これから進めていく中にあって、そのあたり丁寧に方向性を示していただいて、地域の声を聞き、国の国会の厚生労働委員会、そこでは最終的には地域における医療構想会議で議論して方向をまとめ上げると、そのような答弁もありますので、市民に理解が得られる方向性を導いていただきたい。 そういったところで次の質問に移らせていただきます。 ここまでは厚生労働省の報道を受けて本市が関係する部分を伺いましたが、ここまでとは別の視点で地域医療に関係して病院への移動手段について見解を伺います。 2025年には、先ほどもありましたが、団塊世代が75歳以上になり、効率的な医療体制の整備と同時に、特に高齢化が進む地域については医療機関までの交通手段についても整備が必要です。現在、御調町で実施されているみつぎ乗合タクシーでは、目的地には医療機関も含まれています。高齢者人口が増加する時代においては参考になる運行と評価していますが、一つ目の質問は、1年経過した現在の評価を伺います。 また、今後の導入エリアなど、新たな展開についてお示しください。 二つ目の質問は、現在JR西日本と本市が実施している尾道グリーンスローモビリティは、観光スポットの周遊バスとして東は浄土寺あたりから西は尾道駅までの区間を運行していますが、今後新たな交通移動手段として他の地域への展開はどのように考えられますか、見解をお示しください。
    ○副議長(宇根本茂) 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) それでは、ただいまの御質問にお答え申し上げます。 みつぎ乗合タクシーの評価と今後の展開についてでございますが、みつぎ乗合タクシーは、路線バスの廃止に伴い地域の実情に応じた新たな交通手段として地域の皆様、交通事業者と検討を重ね、平成30年10月から自宅近くと医療機関等を含めた中心部を結ぶ予約型の乗り合いタクシーとして運行しているものでございます。運行開始から1年が経過しましたが、通院や買い物などの利用ニーズに対し、従前の路線バスと比較し、1日当たりの利用者数では若干の増加にとどまっていますが、予約型により効率性の高い運行ができていることから、1便当たりの利用者数は大きく伸びており、事業の継続性の面では有効性を発揮できていると捉えております。 乗り合いタクシーの今後の展開については、御調地域と同様に、既存の交通手段が機能せず、廃止の判断がされるような状況が生じた場合にはその地域特性、利用ニーズ等を勘案し、乗り合いタクシーも含めて新たな交通手段のあり方を検討していくものと考えております。そのため、みつぎ乗合タクシーが持続可能な公共交通として機能するよう利用促進を図ってまいります。 次に、グリーンスローモビリティーについてでございますが、グリーンスローモビリティーは市民の皆様、観光客を対象に、環境に優しく、路線バス等では補い切れないラストワンマイルの新たな交通手段として、本年11月から当面来年1月末まで環境省と国土交通省が連携した実証事業として運行しているものでございます。来年度は、瀬戸田地域においても運行を予定しており、鉄道、航路と一体となった移動サービスの構築に向けた実証事業を考えております。 本市における実証事業は、令和3年度末までの期間で、この2カ所でさまざまな運行を実施し、地域住民や観光客の移動手段としてのニーズの把握を行い、実証事業の終了後は交通事業者による事業化につなげていくことを目指しております。 以上で答弁といたします。 ○副議長(宇根本茂) 9番、星野議員。 ◆9番(星野光男) 乗り合いタクシー、どれくらいの地域で、最近よく聞くんで、どれくらいの地域で運用されているのかなあ。尾道だけでなく、全体を見たところ国土交通省の平成28年の資料なんですが、4,174コースで乗り合いタクシーが運行されている、国土交通省が把握している部分ですね。 医療のこととあわせて聞いておりましたので、これから後どうなるのかなというところ、例えば2040年といえば団塊の世代の方が90歳あたりになる年、このあたりが医療の需要が大きいのかなと。このころまでずうっと増加傾向でいくのかなというところがあるんです。当然、90歳というボリュームが多くなるわけですから、自分で病院に行くということが非常に難しくなる。ここに向けて少し先ですけれども、このあたりを見据えたイメージというのはどのように描いていらっしゃいますか、答弁をお願いします。 ○副議長(宇根本茂) 戸成企画財政部長。 ◎企画財政部長(戸成宏三) 御調での乗り合いタクシーの運行を昨年度から始めておりますけれども、現状将来へ向けて継続可能なものとして運行が続けられるかどうかというものを検証するというような性格も有しておるものと思っております。 現状においては、各所で路線バスの運行というものが住民の方の近しい交通手段になっておろうと思います。これについては収支の面で非常に厳しい面もある、あるいは運転手の確保が厳しいというような面もございます。そうした中で、将来へ向けて現状でも路線の廃止あるいは便数の減少というようなことで住民の方への影響も出ている面もございますけども、当面現状においては最も必要な守っていくべきものだと考えておりますので、それではどうすべきかと。まずは利用をもっと促進、活用していただいて、少しでも収支の改善、路線等の維持というものを図っていくべきだろうと考えます。 将来に向けて、現状においても御調の乗り合いタクシーでごく自宅近くから医療機関等の集中する中心部に向けた交通手段として一定の評価をいただいてますので、議員が御指摘の将来の部分も見通しますと、そういった交通手段の確保というものが重要になってくるのかなとは思います。ただ、それも事業として一定の採算性が得られるようなもの、継続可能なものを求めていかなきゃいけない、そういったことも踏まえながら、御調の乗り合いタクシーの利用促進、そして状況を十分見ていく。また、現状においては新たなモビリティーが次々と考案もされてますし、夢のようなものであったり、自動運転というものも、それも近い将来と言いましょうか、思っていたほど遠い未来の話ではないというような状況もあるのかもしれません。そういったものにも十分注視をして、今後の展望を徐々にでも持っていくべきだろうとは考えております。 ○副議長(宇根本茂) 9番、星野議員。 ◆9番(星野光男) 市長の答弁でも、グリーンモビリティーのところで事業者による運行ということを言われてました。戸成部長も採算ベースということを言われておったんですが、僕もそうです。乗り合いタクシーといえどもそこに税金が投入される、税金の投入、仕方がないといいますか、どうしても投入すべき部分は当然あるわけですが、可能な限り民間でかなうものは民間でやっていただく、そこで利益が出る仕組みを構築する、そうすると市のほうは財政的にも楽ですね。人員的にも楽です。これは皆さん理解できると思うんですが。 今、国土交通省でも昨年実証実験をしたものがあるんですが、皆様のわかりやすいものでいうと読み放題とか、携帯でいうと話し放題とか、そういった何々放題、そういったことをよく耳にすると思うんです。サブスクリプションですか、ということで最近貸し衣装ももう1カ月これだけ払えば何回でもうちの店にあるものはレンタル自由ですよというのとか、非常にある。 ある資源を少ない金額を多くの人に負担していただいて、事業として成り立たせるということなんですが、交通においてもこういった視点ができればいいのかなと国土交通省が手がけたのがタクシー事業者によるタクシー乗り放題と。一瞬聞くと自由にどこまででも何回でも乗れるというイメージなんですが、その辺は地域の事情を勘案して、交通のインフラと調整しながら時間であったり、エリアであったり、人間の乗る回数というのを定額で保障して運行する、こういったことも今国ベースでも取り組んでますので、市内でも可能なエリアがあれば民間をどんどん、民間に利益を上げてもらう取り組みっていうのも勉強して、これからにつなげていただきたいなと思います。 要望して私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)                〔9番星野光男議員 質問席を退席〕                ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(宇根本茂) 5番、大本議員。 ◆5番(大本和英) (登壇)皆さんこんにちは。尾道令和会の大本和英でございます。 一般質問を行います。しばらくの間、御清聴よろしくお願いいたします。 私は、尾道市が現在行っている事業や、これから新たに行おうとしている事業、また国の事業に上乗せして市独自で行うことが求められている事業など、厳しい財政事情の中、開港850年を迎えた尾道市が尾道市としてさらなる発展を目指していくための新たな財源になるのではないかと考えている二つの制度について質問をいたします。 まず初めに、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)──以下、企業版ふるさと納税と言います──についてお伺いをします。 平成29年4月に内閣府地方創生推進事務局が「企業版ふるさと納税活用の手引き-企業の力で地方創生-」の案内をされているのは皆様御存じのことと思います。 この手引の最初の部分を少し紹介いたします。 我が国は、世界に先駆けて人口減少、超高齢化社会を迎えています。人口減少を契機に地方の活力が低下し、将来的に我が国全体の競争力が弱まることが懸念をされています。このため、人口減少を克服し、社会全体の活力を維持するため、政府として地方創生の実現に取り組んでいます。 地方創生を実現するためには、産官学金労言(産業界、行政機関、教育機関、金融機関、労働団体、メディア)を初め各界各層の参画と協力のもとで取り組みを進めていくことが必要です。中でも産業界(民間企業)の役割は非常に大きいものがあります。こうした考え方に基づき、民間企業の皆様から積極的に寄附を行っていただけるよう、平成28年度税制改正において、企業版ふるさと納税を創設いたしました。このたび、企業版ふるさと納税を有効に御活用いただくための手引を作成いたしましたので、ぜひ御参照いただき、地方創生の取り組みに御協力をいただきますようお願い申し上げますとあります。 また、制度の趣旨として、各地の地方創生の実効性を高めていくためには、従来の施策に加えて地方創生事業に対する民間資金の新たな流れを巻き起こすことが必要です。民間企業の皆様には、企業版ふるさと納税を活用して各地の地方創生の取り組みに理解を深め、寄附を通じて積極的に貢献していただくことを期待しております。地方公共団体が民間企業に地方創生の取り組みをアピールするために、政策面のアイデアを競い合うことでよりよい地方創生の取り組みが生まれ、各地で地方創生の進化につながっていくことを期待しておりますとあります。 この制度のポイントは、志のある企業が地方創生を応援する税制(地方公共団体による地方創生のプロジェクトに対して寄附をした企業に税額控除の措置)であり、企業の寄附にかかわる負担を軽減(税負担の軽減効果を2倍にするということ)、また寄附額の下限が10万円で、活用しやすい制度だということです。 企業版ふるさと納税の節税効果は2段階に分かれています。まず、寄附金額は全額損金算入の対象となります。法人税、住民税などの税率から算定される実質的な税負担率(法人実効税率)は約3割となるため、寄附金額に約3割を掛けた分の税負担が軽減されることになります。さらに、寄附金額の3割(法人住民税、法人税から2割、法人事業税から1割控除)を税額控除することができるため、寄附金額の実質6割の減税効果があることになります。例えば企業が地方公共団体に1,000万円寄附をした場合、現行の制度では寄附額の約3割、約300万円だった税の減税効果が企業版ふるさと納税では新たに寄附額の3割、300万円が税額控除され、これまでの2倍の約600万円の減税効果があるということになります。 また、平成31年度の税制改正で、そもそも対象となっていた地域創生事業以外に地方創生関係交付金の対象事業にも寄附することが可能になり、地方公共団体が複数の事業の実施を目的とした寄附受け入れのための基金の設置が可能になりました。さらに、寄附累計額が事業の支出累計額を上回らないことを前提に、各年度の寄附額上限も撤廃。これにより、企業側としては寄附金額や寄附を行う時期の自由度が高まり、寄附額が事業費を上回らないことが確実だと見込まれる場合は、事業費確定前の寄附受領が可能となりました。 加えて、内閣府は令和2年度税制改正要望に減税の割合を寄附額の約6割から約9割まで引き上げる方針を盛り込み、今年度で終了予定だった制度の期限も、年間の寄附額が5,000億円を超す好調な個人版に比べ納税を募っている自治体が都道県と市町村を合わせても414で、全自治体の23.7%にとどまり、寄附額が34億5,000万円と伸び悩む企業版を促進し、地方への資金の流れを強化することを狙い、令和6年度まで5年間延長をするようです。ちなみに中国地方では岡山県が27市町村のうち15市町が納税を募り、寄附額は平成30年度で約2億543万円、山口県が19市町のうち4市で、寄附額は同じく350万円、島根県が19市町村のうち9市町で、寄附額は同じく約4,227万円、鳥取県が19市町村のうち2町で、寄附額は同じく50万円、そして広島県は23市町のうち呉市、福山市、東広島市、江田島市、坂町、安芸太田町、北広島町の7市町で、寄附額は同じく2億6,350万円です。 問題点、課題もあります。企業にとっては寄附の目的や使途が明確であり、地域への社会的貢献が実現でき、信憑性の高いCSR(企業の社会的責任活動)として多くの方に企業の取り組みを知っていただく機会になりますが、企業側から見て幾つか利用しにくいと思われる点もなくはありません。 1点目は、寄附の代償として経済的な利益を受け取ることは禁止されているということ。つまり個人版のような返礼品などを受け取ることはできないということです。2点目は、寄附は企業の業績や景気に左右される側面があり、企業の知名度向上など、メリットと比較検討して企業が寄附をやめてしまう、あるいはやめざるを得ないことがあるかもしれないということです。そうならないように、企業には社会貢献、地域貢献の意識を発揮していただき、自治体はそれぞれの地域が持っているよさを認識して、企業が寄附したくなる事案を発案することが重要になるわけです。 企業版ふるさと納税対象事業は、交通都市計画や空き家、空き店舗対策、環境保全、結婚、子育て、観光交流、ICT、移住・定住など、19の分野があります。例を幾つか挙げますと、福山市は人材育成就業支援事業分野で平成29年度から事業費約1億540万円の夢・希望の実現による福山未来づくりプロジェクト事業を実施し、寄附額は平成29年度1,000万円、平成30年度510万円です。ほかにも交通都市計画事業分野で平成31年度から事業費約9,310万円の福山城築城400年~城のあるまち福のまちプロジェクト~事業と事業費約3,600万円の福山城築城400年を核とした地域活性化プロジェクト事業を実施しています。 三原市は、観光交流人材育成事業分野で広島空港隣接地区において民間事業者が主体となる三原市版DMC「株式会社空と道の港」を設立し、地域観光会社と地域商社の二つの機能を持つ事業を支援し、地域商社機能では市内及び広島空港を活用した全国からの特産品を集荷し、ファーマーズ・マーケット、マルシェの運営や、国内、海外向けECサイトで販路を確保するとともに、海外からの来訪に結びつけ、また地域観光機能ではインバウンド、とりわけ富裕層をターゲットとした観光コンテンツの開発とプロモーションにより交流人口の拡大と地域の活性化を図るとともに、専門人材や新たな人材確保、育成を実施し、UIJターンなどによる雇用の創出を図ることを目的として、平成31年度から事業費約3,420万円の広島空港隣接地を拠点とした「DMC×地域商社」官民協働プロジェクトによる地方創生計画事業を実施しています。 倉敷市は、交通都市計画事業分野で大きな被害をもたらした昨年の7月豪雨で被災された皆様が、一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻し、地域産業の早期事業再開などによる活力あるまちづくりを行うことにより、市内への定住・移住を促進し、人口減少や観光客の減少に歯どめをかけることを目標として、平成31年度に事業費約3億3,250万円の豊かな自然と歴史・文化を未来へつなぐ復興まちづくり事業を実施しています。ほかにも観光交流事業分野で平成28年度から事業費約2億3,620万円の倉敷の個性と魅力の情報発信力強化と観光力の強化計画事業を実施しています。 笠岡市は、子育て事業分野で子育て世代からのさまざまなニーズに対処するため、育児相談や他の保護者との交流により育児不安を解消し、子育てに関する必要な情報を提供する組織として子育て世代包括支援センターの設立を目標としながら子供を産み育てられる仕組みづくりを進め、また子育て家庭の経済的負担の軽減や子育てを支える環境の整備を図り、切れ目ない子育て支援に取り組むことにより、若い世代が出産や子育てに希望が持てるようにし、子育てに最良なまちづくりを進め、出生数減少に歯どめをかけるとともに、子育て世代の転出抑制、転入増加を図ることを目標として、平成30年度から事業費約5億7,720万円の笠岡市きめ細やかな子ども・子育て支援計画事業を実施し、寄附額は平成30年度320万円です。ほかにも交通都市計画分野で平成31年度から事業費約760万円の自助・共助による減災のまちづくり支援事業を実施しています。 2014年に岡山県算出の合計特殊出生率が2.81と非常に高くなって脚光を浴び、その後も本州トップクラスの2.0前後を記録している岡山県奈義町は、人材育成、観光交流事業分野で地域における教育環境づくりの一環として、奈義町の子供たちにクリエーターやアスリート、東京大学等の学生といったふだん会わない人々による創造的なワークショップや仕事につながる体験、未知の世界の紹介やすぐれた学びを提供し、その際奈義町の強みであり、特徴でもある自然とアートを生かし、一流の講師、本物の体験とすることにより、都市部の子育て世代や子供たちが魅力を感じ、さらには実際に参加することで子供同士が交流できるような特色ある教育を構築し、奈義町の将来を担う人材を育成すること、あわせて移住・定住増加を図るための鍵として位置づけ、さきの教育プログラムの推進拠点となる現代美術館が建設から20年を経て一部で老朽化が始まっていることから、ワークショップなどの場として活用する町民ギャラリーなどの学びや創造交流スペースの機能強化を初めとした美術館全体の質を高めるための整理を行うこと、そしてこのような豊かな学びと創造の広場の増強や機会の増加及びそれらの情報発信を通じ町内の参加者数の増加や満足度の向上はもちろんのこと、町内の子供たちが将来奈義町で自立して暮らし、活躍できる力を身につけることで流出せず、あるいはUターンしてくること、さらには町外からの子育て世代の移住や子供も含めた町外の関係人口をふやすことで社会増を図り、全国トップクラスの合計特殊出生率とあわせて人口減少に歯どめをかけることを目的として、平成28年度から事業費約1億4,300万円の奈義町子どもの“学びと創造の広場”づくり事業を実施し、寄附額は平成28年度60万円、平成29年度110万円、平成30年度70万円です。 岡山県瀬戸内市の観光交流文化芸術事業分野の国宝「山鳥毛」購入活用プロジェクト事業では、平成30年度からの約16億5,700万円の事業費に対し、寄附額は平成30年度1億4,915万円で、寄附企業は83社に上ります。 このように、二つも三つも事業を行っている自治体、あるいは他市と比較して十分高い水準にあるのにさらにそれを高めるための事業に企業版ふるさと納税を活用している自治体などもある中、自治体にとって企業版ふるさと納税は財源構造の新たな選択肢となり得るにもかかわらず、なぜ伸び悩んでいるのでしょうか。企業の寄附を募れるような事業が見当たらない、あるいは事業はあっても寄附してくれる企業がないなどとして実施を見送っている自治体が多いのかもしれません。 寄附法人の見つけ方については、市長や出先機関からの紹介や同郷の集いを通じて市長や担当者が直接企業に訪問しているケースが多いようです。実例を挙げれば、北海道夕張市の交通都市計画エネルギー分野でコンパクトシティの推進加速化と地域資源エネルギー調査事業に操業地が北海道である会社の社長が北海道への恩返しの気持ちを込めて以前から夕張市に桜を植樹するなど同市とつながりがあったことから、市長から直接事業の説明を受け、4年間で5億円の寄附を決定しています。 企業の寄附を募れるような事業につきましては、幾つか例を挙げましたようにいろいろと考えられますし、考えなければなりません。尾道市におきましても、なかなか目に見える進展がない産業団地などの働く場所に関する事業、あるいはさらなる子育て施策の充実に関する事業や防災や地域コミュニティーの充実に関する事業など、取り組まなければならないことは幾らでもあります。 個人版ふるさと納税では、一部の自治体が過度な返礼品で多くの寄附金を集めて問題になりましたが、少しでも我が自治体のためにという姿勢は、私は見習うべき点はあると考えています。事業を実施しても予定どおり寄附が集まるとは限りませんし、実際実施自治体の状況を調べると、そのような自治体も多くありますが、都内の企業で事業計画の説明を聞かせてもらえれば前向きに検討するとおっしゃっていただいている企業もありますし、尾道市政にかかわる全ての人が営業マンとなって活動すれば、費用対効果を考えても十分財源構造の新たな選択肢になると考えます。 そこで、お聞きいたします。 尾道市は、企業版ふるさと納税制度の活用について考えておられるのか。考えておられないのであればその理由を、考えておられるのであれば今後の進め方についてお聞かせください。 次に、ネーミングライツについてお伺いをいたします。 ネーミングライツとは、公共施設の名前を付与する命名権と附帯する諸権利のことを言い、1980年代以降にアメリカのスポーツ施設を対象として始まった自治体と企業のパートナーシップです。日本では、2003年から導入され、東京スタジアムが味の素スタジアムとなり、その契約金額は5年間で12億円でした。 施設の呼称そのものを対象とするケースと、施設の愛称のみを命名権の対象とし、正式名称も従来どおり使用するケースがあります。大型ドームやスタジアムなどの例から、ネーミングライツは大企業でないと難しいと思われがちですが、公共施設の規模は大小それぞれあります。多いのは、スポーツ施設や文化施設ですが、施設に限らず駅舎、市道、歩道橋、国道にかかる橋、県道のトンネル、ダム、県有林、市有林、海水浴場、街路灯、また公共トイレなどの設備でもネーミングライツは行われています。 例えば京都の清水寺境内にある公衆トイレははんなりトイレと命名され、トイレメーカーで有名なTOTOがネーミングライツを導入しました。この場合、年間の契約金は10万円であり、比較的コストも安いことから、清掃会社を中心とした小規模な会社も公共トイレのネーミングライツに参戦しています。まだ、結果は発表されていないようですが、岡山市でも民間活力の導入により公園トイレの管理の質を高め、市民等が快適に利用できるようネーミングライツ制度を活用し、公園の魅力向上及び地域経済の活性化を図るため、市内の2公園を対象にネーミングライツ事業者募集を行っていました。 また、鎌倉市では2014年に海水浴場に導入し、地元の豊島屋が10年間、計1億2,000万円で獲得。宣伝ではなく、地元への恩返しをと全国から募集し、400ほどから自社の名前を付さない従来どおりの名称を選び、由緒ある名前を守ったと企業評価が高まったという事例もあります。 ネーミングライツを導入することは、自治体にとっては安定的な収入により維持管理費軽減になり、持続的な施設維持やサービス向上が期待でき、企業側にとっても自治体の公共施設には人がたくさん集まり、イベントが開催されるたびに名前が連呼されるため、企業の認知度を高め、また地域貢献をしたと捉えられ、イメージアップを図れることから両者にとって大きなメリットがあります。 もちろん問題点、課題もあります。1点目は、ネーミングライツ先進地のアメリカでは、20年、30年という長期契約がほとんどですが、日本では契約期間が短く、3年から5年というところが多く、短期間で施設名が変わってしまう可能性があり、市民にとってはわかりにくい、親しみにくい、ころころ名前が変わると不便という声もあるということです。 2点目は、公の施設の広告媒体化、特に歴史ある施設の場合市民感情を害する可能性があり、自治体が建設した、つまり税金が投入された公共施設を特定の企業の広告に利用することを快しとしない見方もあるということです。 3点目は、契約企業が不祥事を起こすリスクがあり、ネーミングライツ企業が不祥事を起こした際にはその施設イメージへの影響が懸念されるということです。 令和元年第3回、前回の9月定例会で少し申し上げましたが、福山市は福山競馬場の跡地に今月の完成に向けてメーンアリーナ、サブアリーナ、武道場などを備えた福山市総合体育館を建設していて、呼称エフピコアリーナ福山というその体育館は、福山市がネーミングライツパートナーを募集し、株式会社エフピコに決定。ネーミングライツ期間は、供用開始日から令和11年3月31日までで、そのネーミングライツ料は年額1,500万円です。 また、今までも福山市汚泥再生処理センターやリムふくやまなどの3施設にネーミングライツを導入済みで、さらにことしの9月には屋内競技場のローズアリーナなど、市営スポーツ3施設のネーミングライツ使用者の募集を始めています。 三原市では、三原運動公園が平成27年4月1日から5年間呼称やまみ運動公園となっており、ネーミングライツ料は年額50万円です。 近隣の市町ではありませんが、つい先日も鹿児島市が市内四つの公共施設で募集したネーミングライツについて、優先交渉権を獲得した企業の発表を行いました。 先ほども申し上げましたように、幾つか課題、問題点がありますけれども、私は企業版ふるさと納税と同じように、財源構造の新たな選択肢となり得るものではないかと考えています。市内の企業で制度があれば前向きに検討するとおっしゃっていただいている企業もあります。福山市と違って市内には対象になる大きな施設が少ないので、ネーミングライツ料は大きな額にならず、新たにかかる必要を含めたトータルの費用と効果を考えたときには、新たな選択肢というほどにはならないかもしれませんが、少しでもプラスになるのであれば制度をつくり、募集していくべきではないかと私は考えます。尾道市は、全国の自治体の中で知名度は高いほうだと思いますので、全国に募集をかければ鎌倉市とまではいかなくてもある程度の応募は見込めると思います。 そこで、お聞きいたします。 尾道市は、ネーミングライツ制度を導入されるおつもりがあるのか、ないのか。導入されるのであれば、今後の進め方についてお聞かせください。 以上であります。 ○副議長(宇根本茂) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)尾道令和会の大本議員からの御質問にお答え申し上げます。 地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税の活用についてでございますが、この制度は平成28年度に創設された制度であり、活用に当たっては地域再生計画を作成し、内閣府の認定を受ける必要がございます。地域再生計画が認定されるためには活用事業が総合戦略に位置づけられたものであり、法人からの寄附を呼び込むことができるような効果の高い魅力的な事業であることが必要とされています。また、地域再生計画の申請時点において、寄附を行う法人の具体的な見込みが立っている必要があることや、地方創生推進交付金との併用ができないなど、自治体にとっては活用が難しい点もございました。 本市におきましては、観光振興や子育て支援に関する事業について本制度の活用を検討したこともございました。また、私みずからが企業を訪問する中で、本制度による寄附の可能性を打診した事案もございましたが、申請には至ってない状況にございます。しかしながら、平成31年度の税制改正において、寄附企業確保の要件緩和や地方創生推進交付金との併用ができるようになるなど、以前より活用しやすい制度となったことから、本市においても各種事業の実施に当たり本制度の活用を継続的に検討しております。 さらに、政府・与党は令和2年度から本制度の令和6年度までの5年間延長や、税負担を軽減する割合を約6割から約9割へと引き上げるなどの方針を固めており、企業にとっても活用しやすい制度になることから、各種事業の財源確保を考える中で本制度の活用について引き続き前向きに検討してまいります。 次に、ネーミングライツ制度についてでございますが、当該制度を新たな財源確保の手段として、また命名権を購入する企業等においては社会貢献や地域の活性化に寄与するという観点から、近年各地で導入されてきているところでございます。大規模なスポーツ施設や文化施設のみならず、歩道橋、公園、トイレなど、市民の皆様が日常利用されているさまざまな施設においても幅広く導入されているようでございます。 これまで当該制度導入について検討をした事案がございますが、導入に伴う新たな名称の追加への懸念や名称看板、印刷物等の変更のための経費の負担などがある中で十分なメリットを見出せず、導入には至らなかったという経過もございます。しかしながら、当該制度は財源確保の有効な手段の一つと捉えており、市民の皆様を初めとする利用者の施設への思い入れや導入に伴うコストも勘案しながら今後も検討してまいりたいと考えております。 以上で答弁といたします。 ○副議長(宇根本茂) 5番、大本議員。 ◆5番(大本和英) 今、市長のほうから前向きな回答をいただいたというふうに思っております。検討していただけるっていうのは非常にうれしいんですけれども、先ほど申し上げましたように、国のほうの延長、企業版ふるさと納税について言えば国のほうの延長はとりあえずは5年ということでありますので、どれぐらいの期間をかけて検討していかれるのか、少しお聞かせを願えればと思います。 ○副議長(宇根本茂) 戸成企画財政部長。 ◎企画財政部長(戸成宏三) 企業版ふるさと納税についてのお問い合わせですが、これまでも当然企業版ふるさと納税の制度についての庁内各部門への周知、そしてまた制度変更などの折に触れた周知にも努めてまいりました。そうした中で、答弁の中でもあったような要件をクリアするために研究した、あるいは一定の取り組みをしたこともございますが、最終的には私どものほうは地方創生交付金のほうを活用するというようなことが最終的には選択されてまいりました。今後について、要件の緩和等もございますので、そのあたりも十分庁内的には周知する中で、また財政の部門が予算の内容等それぞれの部門と協議する中で、財源の一つとして具体的に検討できるかどうかといったようなところをしっかりとそれぞれの事業の部門と研究をしてまいりたいと思います。 時期につきましては、この場でいつまでにこうしたいというようなことはなかなか申し上げられないかなというふうに思っております。企業版ふるさと納税を使うために事業を起こすということではなくて、事業、これをやらなければならない事業に対して企業のお力をいただけるかどうかというようなことでしっかりと前向きに考えてまいりたいと思います。 ○副議長(宇根本茂) 5番、大本議員。 ◆5番(大本和英) わかりました。ただ、私星野議員と違って気が余り長くないので、毎日のように部長のところにお伺いしてどうなった、どうなったと言うかもしれませんが、よろしくお願いをいたします。 私は、尾道市が開港900年、1,000年を尾道市として迎えるためには人口減少問題というのは避けて通れない、克服しなければならない最も重要な課題ではないかと考えています。当然、尾道市も対策はいろいろと考えておられるわけですけれども、人口減少が続いているという今現在の実態があります。地方の自治体でも、福岡県福津市のように平成23年から右肩上がりに人口が増加しているところもあります。また、福井県鯖江市のように国勢調査で12回、60年連続で人口が増加しているところもあります。福津市は、企業版ふるさと納税は募っていませんが、鯖江市は若者を中心に県外への転出超過となっている現状が続けば出生数が伸び、加えて老齢人口の増加に伴う死亡数の増加により、大幅な自然減が将来にわたって進んでいくとの推計のもとに、空き家の利活用を促進することで移住・定住人口の増加や交流人口の増加を図るとともに、空き家問題に対応することを目標として空き家、空き店舗対策事業分野に平成28年度から事業費3,850万円、鯖江市空き家利活用マッチングプロジェクトを実施しています。人口が減っていくのはある程度は仕方がないと決めつけるのではなくて、利用できる制度は利用し、現実に税金や公共料金が安い、あるいは子供に対する手当などのサポートが充実しているといった理由でその市町に住むことを選択する人がいるわけですから、危機感を持ってさまざまな事業に積極的に取り組んで、ほかの市町に負けない魅力あるまちづくりをしていかなければならないと思っています。 ちょうど昨日の中国新聞に、安芸高田市の企業版ふるさと納税に関する記事が掲載されました。安芸高田市の進める田んぼアート公園整備事業の財源に充てる企業版ふるさと納税の寄附が当初目標の3,000万円を上回り、既に14社から8,310万円の寄附を受け、ほかの6社とも交渉中で、本年度の事業費1億4,100万円のうち企業版ふるさと納税では3,000万円を充てる計画が、主に国の交付税を受けられる過疎債を活用しなくても、田んぼアートに使い道を限定した2個人の寄附1,100万円と合わせて寄附だけで賄える見通しになったとのことです。市商工観光課の課長は、市の負担も出る過疎債の発行を抑えることができ感謝したい、有効に活用して事業を進めたいというふうに話されています。 尾道市は、昨年災害ありましたけども、それでもまだ全国的に見れば災害の少ない温暖な気候と瀬戸内の十字路という地理的条件に恵まれていて、全国的な知名度もあります。やってみりゃええじゃん、やってみにゃわからんじゃろ、ある先輩議員がいつもおっしゃっている言葉です。挑戦、挑戦、また挑戦。やってやれないことはない。やらずにできるわけがない。近代日本を代表する彫刻家平櫛田中の言葉です。石橋をたたいて渡ることも当然に必要ですが、一日も早く取り組んでいただくことをお願いをいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)                ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(宇根本茂) 6番、岡野斉也議員。 ◆6番(岡野斉也) (登壇)皆さんこんにちは。尾道令和会の岡野斉也です。 本日最後の質問者になります。また、8人目となりますので、多少重複するところもありますが、どうか御了承ください。 それでは、質問に移らせていただきます。 まずは、消費増税に対する尾道市の対応についてお尋ねいたします。 10月より消費税が8%から10%に引き上げられました。政府は、増税対策として軽減税率やキャッシュレス決済でのポイント還元などで負担の軽減を図り、消費を下支えするとあります。軽減税率とは、特定の対象品目、飲食料品と新聞について消費税を軽減する制度です。軽減税率の導入目的の一つは、低所得者ほど収入に占める消費税の負担割合が高いことを緩和すること、つまり家計の負担を和らげるために食料品、飲料品及び新聞を8%に据え置く制度です。政府は、軽減税率の導入とあわせて消費増税の対策としてキャッシュレス決済を使用した場合にポイントバックを行い、税負担の軽減とともにキャッシュレス決済の普及を狙ったキャッシュレス・消費者還元事業と題し経済産業省によって行われております。 消費税の増税は、日本の少子化、高齢化が避けられず、特に社会保障費が増加し続ける現状を加味すると、いたし方がない気がしております。 お尋ねいたします。 軽減税率やキャッシュレス決済の導入に際してどの商品やサービスが8%か、10%か、なれるまで消費者及び店舗側が戸惑っている現状がありますが、尾道市はどのような対策をされているのか、お答えください。 続きまして、軽減税率対象品目は国が一定の議論をされた上での結論ですが、生理用品やおむつがなぜ対象ではないのかという声を行政側の皆様も聞かれた方も多くいらっしゃると思います。軽減税率は、そもそも海外を参考にしたものですが、ヨーロッパ諸国では生理用品の税率の引き下げや減税も行われております。例えばフランスでは税率が20%から5.5%に引き下げられております。ドイツ政府も来年1月1日から生理用品の一部を19%から7%に削減する方針を示しました。特に、生理用品は必ず使用するものですが、女性がもっと輝けるまち、活躍できる環境整備を考えるならば、尾道市独自で増税に対応する必要があると思いますが、尾道市のお考えをお聞かせください。 続きまして、尾道市の地域公共交通網の方向性についてお尋ねいたします。 地域住民の生活の足として欠かせない路線バスや海上交通ですが、少子・高齢化に伴う利用者の減少を受けて減便、廃止という負の連鎖に陥っている路線が県内にも多く見受けられ、早急な対策が求められていると考えます。 近年では、免許証を返納した方に対するさまざまな助成や給付が全国的に広がりつつあり、免許証の返納が微増傾向であります。都市部のまちと違い、私たちが住む尾道市同様の地方都市は、世帯当たりの車や車の所有率が都市部と比較して高いです。都市部と比べ公共交通網の脆弱な私たちのまちは、免許証を返納すれば直ちに日常生活に直結する危機感を持っている方も多くいらっしゃいます。路線バスのルートを例えに挙げると、山間部や島嶼部は家からバス停までの距離が車で行くような距離の家が多くある現状があります。一方、尾道市は近隣市町に先立ち北部の御調ではデマンド型交通の導入実験、また最近ではIoT技術を活用したグリーンスローモビリティーの効果的導入実証事業としてグリーンスローモビリティー車両を尾道市中心部で運行を始めました。 グリーンスローモビリティーとは、2015年に締結されたパリ協定に基づき、21世紀の後半には温室効果ガス排出の実質ゼロを目指すものです。また、この市内中心部で運行を始めた車両は、公道を走る4人乗り以上の電気自動車で、家庭用コンセントで充電できるので、ガソリンスタンド撤退地域でも運行ができます。時速20キロ未満とゆっくり走るので、観光に適しており、高齢者でも運転できます。さらに、小型なので、狭い道でも走行できるなどの特徴を持っておるそうです。 さらに、今議会では百島でも小型バスのフリーライド、フリー乗降制の議案が上がっております。このフリーライドは、バス停留所以外でも路線上の任意の位置でバスに乗降できる制度です。こういった実験がいつか実を結び、市内の各地域が抱える公共交通網の課題解決になるよう期待しております。 お尋ねいたします。 尾道市の公共交通網は、北部は御調の山間部から南は瀬戸田を含む島嶼部までさまざまです。今後、人口が減少し、少子化、高齢化が避けられない中、公共交通網をどのように再構築、整備していくのか、お答えください。 あわせて、因島重井町にある細島の海上交通、市直営フェリーについてお尋ねいたします。 細島は、皆様御存じのとおり百島と同じで完全な離島です。島の人口は約40名、小売店は一軒もなく、産業は農業のみです。市内で最も人口減少、高齢化が深刻な地域です。島の唯一の産業である農産物を出荷する際には、商品を乗せた車をフェリーに乗せ、因島に渡らなければなりません。フェリー代は、片道で軽車両810円、普通車1,010円です。橋代の負担は議会でもよく議論に上がりますが、細島は橋代に加え、さらに船代がかかる地域です。農業を守る意味でも、公共交通網を再構築する際に、細島の住民に対してだけでも水上交通に対する軽減策を検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。 以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(宇根本茂) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)尾道令和会の岡野斉也議員からの御質問にお答え申し上げます。 消費税率の引き上げに対する本市の対応についてでございますが、税率の引き上げに関しましてはチラシやリーフレットを窓口等に設置し、配付することにより、市民への周知に努めております。また、国の開催する軽減税率制度の説明会や事業者のレジ導入等に係る補助制度について、広報紙やホームページ等で情報提供を行っております。 加えて、国や商店街、商工団体と連携し、キャッシュレス・消費者還元事業の説明会を市内3カ所で開催しております。商工団体におかれては、独自に説明会や相談会を開催するほか、随時の相談にも応じておられます。今後も、関係機関と連携しながら消費税率の引き上げに係る制度の周知に努めてまいります。 対象品目の拡大については、軽減税率制度の継続的な実施の中で、今後国において議論されるものと考えております。 次に、本市の公共交通網の再構築についてでございますが、本市では平成30年3月に人口減少、少子・高齢化を背景とした今後の地域公共交通のあり方を考えていくために、地域公共交通網形成計画を策定し、地域の実情に合った交通手段の確保、その維持継続に取り組むこととしております。本計画では、地域公共交通のあるべき姿として、持続可能なまちづくりを支え、将来にわたって親しまれる地域公共交通の実現を掲げ、便利で効率的な地域公共交通網、安全・安心で、利用しやすい・したくなる地域公共交通、多様な関係者の連携・協働により地域公共交通を創り・守り・育てるとの基本的方針に基づき、取り組みを展開しております。 地域公共交通を持続可能なものとするためには、地域公共交通の必要性と利用することへの意識醸成等の取り組みとともに、既存の路線バス、航路等の利便性向上、効率化による取り組みが重要です。既存の交通手段が機能せず、廃止の判断がされるような状況が生じた場合には、その地域特性、利用ニーズ等を勘案し、御調地域で導入しました乗り合いタクシーや、現在実証事業として取り組んでおりますグリーンスローモビリティーも含めて新たな交通手段のあり方を検討してまいります。 次に、細島航路についてでございますが、細島には学校や病院、店舗がなく、生活する上で本航路の利用が欠かせないため、住民にとって運賃が負担になってることは認識しております。市としましては、そうした事情を考慮して、運賃は平成10年4月に改定して以降は据え置いております。また、近隣航路と比較いたしましても低い設定にしております。本航路は、細島住民にとって唯一の公共交通機関であるため、引き続き経営努力に取り組みながら航路維持に努めてまいります。 以上で答弁といたします。 ○副議長(宇根本茂) 6番、岡野斉也議員。 ◆6番(岡野斉也) 再質問させていただきます。 今回、消費税に対する尾道市の対応を質問した趣旨っていうのは二つありまして、もちろん税金というのは基本的には国がすべきであって、国の広報とかもやっていかないといけないと思うんですが、増税に関しては貧困対策、例えば低所得者に対してっていうのは自治体によって全然すごく差が出てくるものなんです。ですので、例えばおむつとか、そういうのは給付も含めて検討していただきたい課題と思ってます。 そしてもう一点が、女性の生理用品等々なんですけど、今例えばここの会場、理事者とかほとんどが男性なんですが、逆にこれが全員男女がかわってたらじゃあどうなるのかっていうことで、女性の生理用品ていうのだけがどうして税率が上がったままなのか、給付も考えていただきたいっていうのも思っております。 そこで、質問なんですけど、このおむつに関して言うと高齢者や子供へのおむつへの支援ていうのは何か尾道市でされていれば教えてください。 ○副議長(宇根本茂) 檀上福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(檀上由造) 高齢者への支援ということでのお答えさせてもらいますと、介護のケアが必要な方、そういった方で家族介護、家庭で介護されている方につきまして、介護認定度が一定以上の方につきまして、おむつ券を支給している状況がございます。今回の消費税に関することでは、そういったことはまだやっておりません。 以上でございます。 ○副議長(宇根本茂) 6番、岡野斉也議員。 ◆6番(岡野斉也) 前回の議会でも、これ藤本議員さんも言われたんですが、例えば高齢者福祉、75歳以上の1人当たりの予算が約20万6,000円、それでゼロ歳から19歳の1人当たりの予算が約8万9,000円、9万円ですね。これ世代間で約2.3倍あるっていうことは議会で議論されております。また、敬老の日でもなぜ敬老の日は4,000万円使って、こどもの日ではないのかっていうのも議論されております。そういった中で、ではなぜおむつに関しては非課税世帯に関しての補助だと思うんですけど、非課税世帯の家庭の特に子育て世帯にはこういったおむつへの支援がないのかっていうのがわかりにくいので、教えていただけたらと思います。(拍手) ○副議長(宇根本茂) 戸成企画財政部長。 ◎企画財政部長(戸成宏三) 子育てに限らず、市民の方に対する支援であるとか、補助であるとか、そういったことはそれぞれの分野の中で行政の施策展開といいましょうか、としていろんな優先度合い、そういったものを判断しながら政策、施策、そして具体的な事業というものが形づくられてきておるわけでございます。ですから、これがなぜないのかというところは、そうした過程の中で最終的に現状のようになっているということでしかお答えできないかなと。 ○副議長(宇根本茂) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問についてはあす午前10時開議してこれを行いたいと思います。これに御異議ございませんか。                〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(宇根本茂) 御異議なしと認め、そのように取り計らいます。 本日はこれをもって延会いたします。                午後3時5分 延会  ────────────────── * ──────────────────   地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。     尾 道 市 議 会 議 長     尾 道 市 議 会 副議長     尾 道 市 議 会 議 員     尾 道 市 議 会 議 員...