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09月12日-03号

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  1. 尾道市議会 2007-09-12
    09月12日-03号


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    平成19年第4回 9月定例会              平成19年9月12日(水曜日)  ────────────────── * ──────────────────                 議事日程第14号           (平成19年9月12日 午前10時開議)第1 一般質問                                    以 上  ────────────────── * ──────────────────本日の会議に付した事件日程第1 一般質問  ────────────────── * ──────────────────出席議員(33名)    1番 岡 野 孝 志             2番 宮 地 寛 行    3番 佐々木 智 朗             4番 内 海 龍 吉    5番 吉 和   宏             7番 飯 田 照 男    8番 村 上 弘 二             9番 岡 野 長 寿   10番 福 原 謙 二            11番 三 木 郁 子   12番 山 戸 重 治            13番 山 根 信 行   14番 新 田 隆 雄            15番 杉 原 孝一郎   16番 高 本 訓 司            17番 新 田 賢 慈   18番 山 中 善 和            19番 佐 藤 志 行   20番 村 上 泰 通            21番 魚 谷   悟   22番 加 納 康 平            23番 城 間 和 行   24番 檀 上 正 光            25番 三 浦 幸 広   26番 奥 田 徳 康            27番 松 谷 成 人   28番 井 上 文 伸            29番 藤 本 友 行   30番 宇円田 良 孝            31番 神 田 誠 規   32番 田 頭 弘 美            33番 寺 本 真 一   34番 荒 川 京 子欠席議員(1名)    6番 吉 田 尚 徳  ────────────────── * ──────────────────説明のため出席した者   市長      平 谷 祐 宏     副市長     加 納   彰   教育長     半 田 光 行     会計管理者   杉ノ原 憲 之   公立みつぎ総合病院事業管理者      企画財務部長  藤 井 正 喜           山 口   昇   総務部長    細 谷 正 男     市民生活部長  村 上 年 久   福祉保健部長  花 谷 慶 孝     産業部長    花 本 健 治   文化振興部長  柚 木 延 敏     建設部長    小田原 輝 志   都市部長    宇 根 敬 治     因島総合支所産業振興課長                               田 頭 敬 康   御調支所長   岩 井   誠     向島支所長   林 原   純   瀬戸田支所長  相 原   満     尾道大学事務局長阪 井 正 道   教育次長    笠 井 博 志     水道局長    本 山 勝 美   交通局長    吉 本 宗 雄     市民病院事務部長小 林   積   消防局長    森 上 孝 司     財務課長    大 崎 多久司   総務課長    井 上 俊 郎  ────────────────── * ──────────────────事務局出席者   事務局長    門 田 昭一郎     事務局次長   山 本 英 明   議事調査係長  西 原 利 昭     議事調査係主任 村 上 真由美   議事調査係主事 森 本 祐 二  ────────────────── * ──────────────────                午前10時0分 開議 ○議長(井上文伸) 皆さん、おはようございます。 ただいま出席議員33名であります。 定足数に達しておりますから、これより本日の会議を開きます。  ────────────────── * ────────────────── △諸般の報告 ○議長(井上文伸) この際、諸般の報告をいたします。 6番吉田議員よりは差し支え不参の旨、届け出がございました。  ────────────────── * ────────────────── △議事日程 ○議長(井上文伸) 本日の議事日程は、お手元に印刷、配付のとおりであります。  ────────────────── * ────────────────── △会議録署名議員の指名 ○議長(井上文伸) 本日の会議録署名議員は、会議規則第79条の規定により、議長において17番新田賢慈議員及び18番山中議員を指名いたします。  ────────────────── * ────────────────── △日程第1 一般質問 ○議長(井上文伸) これより日程に入ります。 日程第1、これより昨日に続き一般質問を行います。 順次通告者の発言を許可いたします。 8番、村上議員。 ◆8番(村上弘二) (登壇)皆さん、おはようございます。 昨日に続きまして、一般質問を行わせていただきますが、内容が重複してる面もございますが、御容赦をお願いしたいと思います。 それでは、通告に基づき、清風クラブを代表して質問をさせていただきます。 まず初めに、市長の政治姿勢についてであります。 平谷市長が就任されて5カ月が来ようとしています。市長におかれましては、所信表明において、「15万人の基盤となる新尾道市の安全と安心を確保する重大な仕事に従事することに身の引き締まる思いがしている」、また「選挙の結果を受けて、尾道に対する力強い愛情と誇りを持った市政運営の継続とともに、旧来のシステムや慣行について、改めるべきは改めてほしいとの願いであったととらえている」と、その思い、決意を述べられています。私は、この決意に賛意を送りたいと思っています。国政においては国民の目線で政をつかさどり、地方自治体においては市民、町民の立場で行政を行うことが基本であります。ところが、このたびの参議院議員選挙は、政府・自民党が60年間に及ぶ政権にあぐらをかき、国民や市民、町民の本当の痛みを感じない、いや、感じることができなくなった体質に多くの国民が嫌気を差し、このままではますます格差が広がるのではないか、このあたりで国政を変えなければ格差のない公平な社会は来ないと国民が怒りを覚え、その怒りを行動に転じたことだと考えております。市政においても、市民の立場で行政運営が行われていない部分が見受けられますが、国政と同じような怒りを持たれない行政運営を願いたいものであります。 さて、就任間もない市長の行動力には敬意を表するものでありますが、平成19年度予算は前任者の思いで編成された予算であります。改善すべきは改善したいとの思いから、補正予算を組んででも取り組みたいもの、新年度予算にはぜひ取り組みたい事業があるとするなればお聞かせいただきたいと思います。 また、この5カ月での改善すべき事項、課題、将来に改善したい問題など考えておられましたら、ぜひ御提示いただきたいと思います。市民の立場に立った行政改革には議会も全面的に協力できるものと確信いたしております。 あわせて、安全・安心なまちづくりは、五つの基本政策の中で、持続できる都市力に次いで2番目に上げておられます。生活基盤の整備、健やかに暮らせる環境づくり子育て支援体制の充実、地域環境の保全、循環型社会の構築、高潮・浸水対策の実施その他エトセトラと、市民の安全・安心の確保はこれで完全と言えるものはありません。市長として、このまちづくりを計画的に進めるとのことでありますが、どれをどのように重点的に進められるのか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 続いて、建設部管財課の公表されました工事発注の見通し、その結果についてお尋ねいたします。 平成18年4月上半期に建設部管財課が公表いたしました工事発注見通しは、発注予定263件、下半期118件、年度内に発注した件数は281件と聞いていますが、工事が完了した件数、継続件数はどのような推移を示していますか、また継続やおくれが出たものがあればその理由をお聞かせください。 平成19年4月上半期に公表された工事発注見通しは216件になっていますが、それぞれの上半期を比較しても18%程度落ち込んでいます。その理由をお聞かせください。 また、金額的にはどのようになっていますか。 また、地域的な件数等がわかればお伺いいたします。 続いて、安全・安心のまちづくりについてお伺いいたします。 安全・安心のまちづくりについては、平谷市長が課題として取り上げた目標の一つでもあり、他の事業をおいても、市民の財産と生命を守るための取り組みが優先されなければなりません。特に、火事による被災、台風、高潮、集中豪雨による浸水災害は、一瞬にして人命や多くの財産を奪い去り、もとに復元するためには多額の費用と多くの時間を費やすことになります。したがって、その危険性のある事由については、一刻の猶予を許さず、その対策を図らなくてはなりません。尾道市は、他市と違い、沿岸部を多くの面積で占めているだけに、その対策は特に急がなくてはなりません。過去の台風、高潮においても多くの被害と損害をこうむっていますが、その地域の把握や今後の対策をどのように考えておられますか。 沿岸部の改善は、広島県との連携も必要と考えますが、どのような連携がとられていますか。特に9月、10月は台風や高潮が発生するシーズンでもあり、その対策は急がれます。私が住んでいる因島田熊町の港地域においては、先月の台風4号、5号においても、夜を徹して高潮による浸水対策を行いましたが、一部道路や庭先が浸水しました。住民は、毎年のことであり、平成16年の台風16号、平成17年の台風14号のときの床上・床下浸水の大被害を心配しており、台風が来るたびに土のうを準備し、夜も眠らない状況であります。こうした状況は一日も早く取り除き、市民の安全・安心、生命と財産を守ることが行政の使命だと考えます。 この地域に隣接した地区は、たびたび浸水する場所より一、二メートル低い地域にありますが、潮持ちとポンプによる排水が確立されているため、長年浸水することがありません。したがって、この浸水を食いとめるためには、田熊港の一部を潮持ちにしてポンプを設置するような対策を考える必要があると思います。港湾のため、県との連携や対策には多くの経費と時間がかかると思いますが、他の事業を優先しても、市民の生命と財産を守るためにはどのような取り組みをされるのか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。 最後になりましたが、高齢者福祉生きがい対策についてお伺いいたします。 老人福祉法は、昭和38年に制定され、高齢化社会を迎える中で、国や地方自治体はその対策に取り組んでまいりました。目的は、「老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図る」とされています。また、基本理念としては、「老人は多年にわたり社会の進展に寄与した者として、かつ豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。あわせて」、中略をいたしますが、「知識と経験を活用して、社会的活動に参加するように努める」としています。また、第13条には、「老人福祉の増進のための事業として、地方公共団体は、老人の心身の健康の保持に資するための教養講座、レクリエーション、その他広く老人が自主的かつ積極的に参加することができる事業(以下、老人健康保持事業)などを実施するよう努めなければならない。また、老人の福祉を増進することを目的とする事業の振興を図るとともに、老人クラブ、その他の当該事業を行うものに対して、適当な援助をするように努めなければならない」とされています。 さて、長々と老人福祉法の一部を説明させていただきましたが、多年にわたり社会の進展に寄与され、豊富な知識と経験を有する老人に対して、敬愛すべきものとありますが、果たして我々を含め行政も、高齢者に対して敬愛すべき行動、対策を行っているでしょうか。まず、尾道市として、高齢者の福祉、生きがい対策について、特に老人クラブへの対策として十分取り組んでおられるかどうか、基本的な考え方を含めてお伺いいたします。 次に、老人クラブへの補助金の問題であります。従来から、国、県、市が3分の1の割合で補助金を地区単位、単老ごとに4万6,560円を支給していましたが、現在は4万2,000円に削減をされています。これは国の指導に基づいて支給されているものと思いますが、これとは別に、地方公共団体は、老人福祉法にのっとり、市町村にある老人クラブ連合会に活動を支援するため補助金を支出してきました。2市3町が合併する前は、旧尾道市が、5,177人で321万7,000円プラス190万円、この190万円については生きがい対策事業の委託料の支給であります。旧御調町では、728人で163万円、旧向島町は1,911人で44万円、旧因島市は、3,423人で234万円、旧瀬戸田町は、1,480人で107万1,000円、合計869万8,000円、これは委託料を除いておりますが、補助金となっています。 平成18年度は、旧尾道市、御調、向島の合併により、526万3,000円あったものが314万6,000円に削減されています。因島は、263万円、瀬戸田は107万1,000円と変化ない状況でした。ところが、平成19年度は、各地区の連合会が尾道市の連合会1万1,559人に統合されたにもかかわらず、全体で324万4,000円と、平成17年度から比較して39%に激減しています。本来なら、財政状況を考えても、10%程度の削減なら理解もできますが、一挙に60%も削減するというのは理解に苦しんでおります。この補助金の削減の理由と考え方をお伺いいたします。 まして、尾道市連合会の事務費は185万円で、うち109万円が人件費という内容であり、実質157万円程度の活動費しかありません。各単老から年間1万3,000円の会費を集めていますが、そこから各地区の老人クラブ連合会に配分する資金は乏しい状況であり、現在まで配分された形跡はありません。特に因島地区老人クラブ連合会は、年間250から300万円の補助金をいただいていましたものが、平成19年度には0になっております。今は、昨年度の繰越金でやっと活動を続けていますが、次年度は解散するしかない状況に追い込まれています。因島地区は、従来から自主事業協力事業補助事業委託事業など、すべて連合会が活動の中心となって取り組んできており、連合会が解散するということになれば、因島地区高齢者生きがい対策は行政として成り立たなくなってしまいます。このことは、因島地区だけではなく、尾道市全体の高齢者対策に影響を及ぼすことになりかねません。老人クラブは、会員の生きがいづくりに取り組むことだけでなく、今や寝たきり老人ひとり暮らし老人の世話、子どもたちと世代を超えた交流をしながら文化の継承を図るなど、地域のコミュニティーを支える重要な役割を果たしています。 そこで、行政として、尾道市連合会への補助金の増額はもとより、各地区連合会が活動できる仕組みを考えないと、老人の福祉を増進する本来の目的が損なわれるどころか、協働のまちづくりの基本となる地域コミュニティーが崩壊しかねない状況にありますが、この状況を行政としてどのように考えておられますか、またどのような改善に取り組まれようとしておられますか、お伺いいたします。 以上、私なりの意見を添えて、清風クラブを代表して一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(井上文伸) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)皆さん、おはようございます。清風クラブ議員団を代表されました村上弘二議員からの御質問に順次お答えを申し上げます。 まず最初に、行政運営に当たっての私の姿勢についてでございますが、尾道の特性を前面に押し出した市民生活に潤いや安らぎが感じられる文化度の高いまちづくりを一層進めていく必要があると考えております。そのため、真に必要な事業につきましては、予算を伴うものは補正予算をお願いしてでも実施したいと考えております。 今回は、県のひろしまの森づくり事業交付金を活用したおのみちの森づくりを第1弾としてお願いしているところでございます。 また、市民や来訪者の皆様に尾道の魅力を深く理解していただくため、歴史や伝統、文化、自然などを身近に感じ、触れていただく施策の展開が必要であると考えておりますが、具体につきましては、適切な時期に御提案させていただきたいと思います。 次に、今後改善すべき事項、課題などについてでございますが、本年5月に制定いたしました行財政改革大綱と、それに基づく集中改革プランにまとめた項目に集約していると思っております。この実現に当たりましては、市民の視点に立ち、推進してまいりたいと考えております。 次に、市民生活の安全・安心の確保に向けた施策、事業につきましては、総合計画基本構想における政策目標の一つ、「暮らしの安全・安心を確立する」を実現するため、現在策定中の基本計画実施計画において重点化を図ることとしております。 次に、工事発注予定件数と結果についてでございますが、平成18年度公表の発注予定件数は281件でした。このうち入札に付した件数は251件で、未実施が30件となっております。この主な要因は、関係者との調整が整わなかったことなどによるものであります。平成19年度分につきましては、4月公表の工事発注予定件数は216件で、その内訳は、因島地区30件、瀬戸田地区6件、因島・瀬戸田地区1件、向島地区13件、御調地区9件でございます。10月公表分とあわせて比較する必要がございます。 一般会計の工事請負費の当初予算比較では、前年度比14億8,500万円余の減となっております。減少の要因は、事業の進捗状況により変化したものと考えております。 次に、安全・安心のまちづくりについてでございますが、台風、高潮の被害状況の把握につきましては、広島県とともに実地調査を行っております。その調査結果に基づき、高潮対策事業などの防災対策を実施してきております。今後も、緊急性や事業費などを勘案して優先順位をつけ、整備環境の整ったところから順次実施してまいります。 また、広島県との連携については、広島県島嶼会などを通じて実施しており、さらには尾道市独自による要望活動を行って、事業を促進するとともに、事業実施に際しては、円滑に執行されるよう地元調整などを行っているところでございます。 次に、因島田熊町港地域の高潮・浸水対策についてでございますが、当面の対策としては、消防団等の連携や仮設ポンプの設置により対応したいと考えています。御提案の河口への樋門、ポンプの設置については、課題として関係機関と協議し、検討してみたいと思います。 次に、高齢者福祉生きがい対策についてでございますが、本市におきましては、老人クラブ活動老人大学ニュースポーツなどの生涯学習活動の支援、シルバー人材センターの就労の支援など、人との交流を中心とした施策を展開しているところです。また、138カ所でのふれあいサロン活動は、憩いの場として、健康づくり、閉じこもりや介護予防に大きな役割を果たしています。 そうした中において、老人クラブ活動は重要なものと認識しておりますが、連合会補助金については、統合後の団体の申請内容を精査した結果、決定しております。老人クラブ活動については、より効率的な運営をお願いしたいと考えておりますが、いろいろ御意見をもお聞きしておりますので、今後については検討してみたいと思っております。 以上で答弁といたします。                ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(井上文伸) 33番、寺本議員。 ◆33番(寺本真一) (登壇)おはようございます。日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。 私がまず初めに平谷市長の所見を伺いますのは、7月29日投票で行われました参議院議員選挙結果についてであります。自民党・公明党の歴史的な惨敗となった今回の選挙結果については、さまざまな角度から論評がされています。平谷市長は、この政権与党の敗因は何であったと考えていらっしゃいますか。 私どもは、今回の政権与党の惨敗というのは、政治と金や年金、さらには何人もの閣僚が次々と起こした、余りにも国民感情からかけ離れたお粗末な発言など、個々の不祥事や言動にとどまらず、構造改革の名で大企業利益を最優先し、庶民には増税や社会保障のたび重なる削減、さらには非正規雇用の拡大による労働者の大幅な所得減など格差拡大路線を突き進み、一方ではアメリカに追従して、戦争ができる国に変えるための憲法改悪を、日本が行った侵略戦争を正当化し、天皇の絶対的専制権力のもとにあった戦前の日本を美化しながら進めようとしてきた連立与党の政治の総路線に国民がレッドカードを突きつけた結果であると考えています。 私自身は、日本共産党が比例代表で得票数、率とも前回水準を維持したとはいいながら、議席面では2議席後退をいたしまして、支援をいただいた皆さんに大変申しわけない思いと同時に、私自身も大変くやしい思いをしています。また、その一方で、選挙結果の全体は、新しい政治プロセスの始まり、すなわち暮らしと平和にかかわる問題で、国民が何を求めていくのか、それに政治がどう答えていくのか、これが今後問われてくる、一方でこうわくわくした気持ちでもあります。 平谷市長は、地方自治体の長として、政権与党惨敗という結果を受けて、今後の政治展開にどのような懸念、または期待をしておられるでしょうか。多くの市民が、何がどう変わるのか、大変な関心を持って見詰めている時期でもありますので、率直にお答えをいただきたいと思います。 次に、伺いますのは、引き続き市の財政の硬直化が進んでいる要因と今後の財政運営に関して、だれもが重大な課題と認識している新市建設計画の見直しに向けた提言に対する所見であります。 今日、尾道市のみならず、全国で多くの地方自治体が財政を極端に悪化しています。その契機になったのは、1989年から始まった日米構造問題協議です。日米間の経済に関する懸案事項を解決するためにと始まったこの協議は、翌年の最終報告で日本の内需拡大が約束されるんです。これは、日米間の貿易不均衡を取り除くというアメリカ側の意図からの要求に沿ったもので、これを受けて日本は、その後630兆円に引き上げられる、10年間で430兆円という膨大な公共投資を約束させられます。その結果、それを受けて、大半の事業は、結局国から県、県から市町村へと割り振られ、各地で次々と大型開発事業が活性化の美名のもとに進めてられていきました。その結果、当然のことながら、国の財政のみならず、地方も大変な借金を抱え込むことになり、その年の借金返済に充てる予算よりは新たに起こす借金の方が多い、こういうとんでもないサラ金財政になっていったのです。それに加えて、ここ数年は、地方分権の美名に粉飾された三位一体改革によって、国から地方への支出を減らす、言葉をかえれば、国の借金の肩がわりを地方に押しつける、これがやられてきました。このことが、今日地方財政が危機的な状況に陥っている最大の要因だと私は考えています。 しかしながら、だからといって、全国に大型公共事業を押しつける国に、真の必要性や緊急性、財政力とのバランスなどを十分に検討しないまま唯々諾々と従ってこれを受け入れてきた多くの地方自治体が、自分には責任なしとは到底言えません。尾道市の場合も、前の亀田市長まではさまざまな大型開発事業が計画をされていましたけれども、亀田市長のもとで幾つもこれが中止、縮小されました。そして、その一方で、地道な財政努力が積み重ねられ、財政健全化に向けたこれらの取り組みによって財政状況は好転をしていました。しかしながら、それでも尾道市の財政基盤、基礎体力そのものが強くなっていたわけじゃないんです。にもかかわらず、それまでの地道な努力が水泡に帰することを承知で合併に踏み出していきました。旧因島市を初め、合併した各自治体も、地方自治を守るためにみずからの地道な努力を積み重ね、財政健全化への道を模索をしていたとは思いますが、限界を感じたのは、放棄したのかは知るよしもありませんが、財政力などを無視したとしか言いようのない県の一方的な線引きに従って合併に踏み出し、今日に至っているわけです。 先日、昨年度決算の概要が明らかにされました。経常一般財源に占める義務的経費のための支出の割合を示す経常収支比率は、昨年の92.8からさらに0.5%も悪化し、93.3%となっています。最悪であります。昨年度は、その前年度と比べて、経常一般財源が3億円ふえています。経常収支比率1%は約4億円の一般財源に相当しますから、0.5%だと2億円ということになり、あわせれば前年度比で、自由に使える5億円ものお金が義務的経費に吸収されてしまったわけであります。合併前の04年度決算では、経常収支比率は、前年度比で5.5%も悪化したとはいいながら、まだ87.9%でしたから、合併後のこの指標の悪化は激しいものがあります。 その原因はどこにあるのでしょうか。さきに述べましたように、最大の原因は政府にあることは間違いありません。私は、それに加えて、財政の弱い自治体同士が無理な合併を急いだ、これに尽きると考えています。合併前の各自治体の財政の力、財政力を示す指数で見てみましょう。この数値は、地方自治体として、その自治体の規模にふさわしい最低限必要な仕事をするために必要な資金をどれほど自前で調達できるか、こういうことをあらわすもので、1に近いほど財政力があるとされています。この指数、合併前年度の尾道市は0.595でありました。因島市が0.477、瀬戸田町が0.329、向島町0.426、御調町0.266でした。合併の中心の尾道市ですら、最低限必要な仕事をするためのいわば自己資金は半分しか賄う力がない、まことに頼りないものだったわけであります。ちなみに福山市の合併前年度のこの数値は0.820、福山市と合併した内海が0.131、新市は0.559、沼隈0.465、神辺0.641、三原市の合併前年度は0.690、大和町0.258、本郷町0.762、久井町0.274ということですから、尾道市の合併は、備後3市の中で最も財政力の弱い自治体同士の合併だったということが歴然としています。財政力が弱いということは、それだけ国への依存度が高いということになりますから、今年度もこの議会に地方交付税の7億円もの減額補正が提案されているように、三位一体と称して次々と国からの交付税や補助・負担金が削られれば、財政力の弱い自治体の財政はひとたまりもなく一気に悪化をするわけです。これが昨年度決算の経常収支比率93.3%の主たるもう一つの要因だと私は考えています。 改めて端的に言いますが、私は今日尾道市のこのような財政悪化に陥った原因は、国による地方への借金押しつけと歳出削減、それに加えて財政力の弱い自治体同士が無理を承知で合併に踏み出した、この2点にあると考えますが、平谷市長はどのように見ておられますか。 なぜ私がこのことを強調するか、それは財政悪化の原因と責任をしっかりと見据えた上で今後の財政運営に当たっていかなければならないと考えているからです。なぜなら、そうでなければ、政治と行政に携わる者が合併による財政悪化の犠牲を市民に押しつけるようなことがあっては絶対ならない、こういう立場に立つことができません。その結果、安易な住民負担増とサービスの切り捨てという最悪の事態が住民の上に降りかかってくるからであります。 私は、国と地方の政治に携わる者の責任を明確にし、地方財源の確保のために国に対するさまざまな努力は続けながらも、厳しい財政の中だからこそ大いに知恵の働かしがいがある時期であるととらえて、市民の願いにこたえる尾道市をつくっていく、このような立場から具体的な提案をし、平谷市長の所見を求めます。 第1に、財政が厳しい中にあっても堅持しなければならない市民の願いにこたえる市政の基本をどこに置くのかということであります。そのためには、市民の願っているまちの姿とは一体どのようなものか、これを明確にすることが必要であります。その最も確かな材料を実は市は既に持っているんです。それは、尾道市、御調町、向島町の1市2町が合併する前年の2002年11月に実施した合併に関する住民意識調査なるアンケートです。20歳以上の住民6,000名を無作為に抽出、合併に関して8項目について質問し、2,734名が回答したこのアンケートには、「尾道市、御調町及び向島町の合併を想定した場合、あなたは将来どのようなまちにしたいと思いますか」、こういう質問があるんです。16の選択肢を示しています。そして、三つ以内の複数回答を求めているこの質問に対する回答で最も多かったのは「保健・医療・福祉が充実したまち」、実に回答者の56%が選択しています。以下、2番目が「高齢者や障害を持つ人が暮らしやすいまち」32.3%、3番目が「豊かな自然環境と調和した環境に優しいまち」で29.9%、4番目が「子どもが健やかに育つまち」で28.7%と、ここまで暮らしや福祉、生活環境といった、俗に言う箱物ではない、生活のソフト面に係る項目が占めています。それに続く5番目が「産業が盛んな活力あるまち」で、ここまでが20%以上です。このアンケート以後、国の政治で社会保障政策の各分野がさらに切り下げられていますから、現在同じアンケートを実施したならば、1番目と2番目を選択する人はもっとふえるであろうことは容易に推察できます。そして、この調査の目的には、はっきりと「合併を視野に入れた将来構想を作成する上での参考にする」と書かれています。平谷市長、「市民の願いにこたえる市政を」とあなたがお考えになるんであれば、医療や介護、社会的に弱い立場とされている人たちや子どもたちのための福祉を最優先していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 それでは、第2に、その話を実現するためにも、10年間で1,000億円を超える事業のほとんどが土木建築事業である新市建設計画の大胆な見直しが欠かせないということであります。原段階での新市建設計画の見直しについての私どもの提案をお示しをして、所見を伺いたいと思います。 その提案の見直しの基本的な観点は、生活道路や下排水路という暮らしに直結した土木建設事業にはしっかりと予算を配分するが、緊急性と重要性を基準に、合併特例債適用期限内の実施や事業規模について、策定時の計画に必ずしもこだわってはならないということであります。具体例も示して、3点にわたって私たちの見直しの柱をお示しをし、平谷市長の現段階での所見を伺いたいと思います。 第1の柱は、事業の必要性と緊急性、費用対効果を勘案し、実施の是非や時期も改めて検討することです。例えば新市建設計画では、3億4,400万円の事業費が計上されている向島町での地籍調査です。この事業については、合併協議が始まるまで、向島町では準備はもちろん、検討すらされていませんでした。しかも、旧尾道市内では実施する計画はないわけですから、既に実施している御調町はともかく、これほどの予算を投入するだけの効果や必要性が本当にあるのか、改めて検討すべきではありませんか。 二つ目の見直しの柱は、事業規模そのものを再検討することです。きょう具体例としてお示しをするのは、一般廃棄物処理場建設です。新市建設計画では、事業費として103億2,800万円が計上されています。これは、合併後の数十年間を見通しても、尾道市として最大規模の事業になるでしょう。私は、これまでの処理量を既定の事実として事業規模を決定するのではなく、近隣の自治体では最先端を行っているごみ減量化の取り組みを、市民にその必要性と財政効果を丁寧に説明し、例えば今日普及し始めている電気で生ごみを自家処理する機械への補助制度を設けるなどして協力を求め、さらに強めることができれば、排出量そのものを大幅に減らすことができ、現在稼働している施設を延命することもできるし、また新たに建設する炉の規模を縮小することもできる。その結果事業費そのものを減らすことができる、こう考えるものであります。事業実施までは相当の年数がまだあります。目標値を明確にして取り組めば、決してできないことではないと考えます。 三つ目の柱は、この事業も含めて実施が求められる新市建設計画の公共事業の入札を原則一般競争入札にして事業費を縮減することです。 以上、新市建設計画の見直しについてお示しした私どもの三つの柱とその具体例について、平谷市長の率直な答弁を求めます。 さて、次は、来年4月から始まる後期高齢者医療保険に関して、その問題点を指摘し、県内すべての市町が加入している広域連合に対する当面の改善策について平谷市長の所見を伺うものです。 この保険は、75歳以上の高齢者と60代から74歳までの生涯を持ったお年寄りを、現在それぞれが加入している国民健康保険や社会保険から外して加入させるものです。問題点の第1は、現在社会保険に加入している配偶者や親族の扶養家族として保険料を払わなくて済んでいるお年寄りが、新たに保険料を全額負担して保険に加入しなければならないということです。第2は、現在は国保に加入している75歳以上のお年寄りからは、保険料の滞納を理由とした保険証の取り上げは禁じられています。ところが、新たなこの保険ではそれが義務づけられているんです。第3は、高齢者がふえ、また医療給付費がふえれば、2年ごとの見直しで自動的に保険料が値上げされる仕組みになっていることです。第4は、医療機関に支払われる診療報酬が、他の医療保険にはない別建ての定額制として、受けられる医療に制限を設けていることです。さらに、この広域連合は自前の財源を持たないため、独自の減免制度を設けることができない、また現在、医療と介護の利用料の上限を定めて、それを超えた金額は返還するという自動償還制度が、申請償還、みずから申し出なければ返してもらえないなどなど大変な問題をはらんでいます。 以上のことを踏まえて幾つか質問します。 その一つは、広島県の場合、この保険の保険料は幾らになりますか。想定されている平均と最高額及び最低額をお答えください。 この保険の実施によって、尾道市で新たに国保に加入しなければならない人は何人いますか。その人たちの保険料は幾らになりますか。これも平均額と最高額及び最低額をお答えください。 私は、この制度は、国民の批判と高齢者の負担に到底耐えられず、早晩国は改善を迫られるであろうと考えています。市が直接求めることができる当面の改善策として、これは広域連合に対してしかそれはできませんが、まず第1に、高齢者から直接意見を聞く公聴会などを実施する、第2に業務報告や財務報告を市町の議会に対して義務づける、第3に県民に対して情報公開の徹底を図る、こういう3点が必要であると思っていますけども、市としてそれを広域連合に求めるおつもりはありませんか。 さらに、この制度はメディアがほとんど報じていません。問題点はもちろん、制度そのものも知られていません。このまま実施されるのならば、大変な混乱が生じることは目に見えています。そこで、最後に、できるだけ早い時期に、この制度をわかりやすく市民に知らせる必要があると思いますが、今後どのような計画をお持ちでしょうか、お答えください。 次にお尋ねしますのは、法が改定されて1年半、全面的に実施されて1年経過した介護保険によって起きている事態への認識と市としてできる改善策についてお聞きします。 昨年この法律が改定された主要な点は、それまで要介護1から5、そして要支援と6段階に分かれていた認定基準を要介護1から5と要支援1と2の6段階にし、そのうち要介護1と要支援1、2を軽度とみなし、給付内容を大幅に削減したことです。また、事業者に対しては、幾つものサービスの介護報酬を切り下げてしまいました。その結果、介護の現場でどのようなことが起きているでしょうか。それまで要介護1だった人が要支援に切りかえられたために、福祉用具を利用するのに介護保険が使えなくなり、全額自己負担になった、要介護1も軽度とみなし、それまで受けていた家事援助サービスが大幅に減らされた、施設は施設で、介護報酬が減ったために経営が悪化し、それまでの労働の質と量に対し不十分だった介護従事者の労働条件や賃金がさらに劣悪になったなどなど、加入者にも事業者にも大変な困難が押しつけられているんです。具体的にどのような変化が起きているか、数値によって全体像を明らかにしたいと思いますので、以下の質問にお答えください。 第1に、法改定に伴う認定基準を主たる要因として認定のランクが重くなった人と軽くなった人、そのうち要介護1、2から要支援1、もしくは2になった人はそれぞれ何人でしょうか。その結果、それまで介護保険を利用して受けていたサービスが受けられなくなったり、受ける時間が減少した人が何人もいます。電動ベッド、電動車いすが利用できなくなった人のそれぞれの人数、実際の家事援助の利用時間が減少した人の人数と減少した時間の1週間の平均値をお答えください。 第2に、利用が大幅に制限されたために、保険から払う介護給付費も変化していると思います。一昨年と昨年の4月から9月までの各月の額と増減額をお答えください。 第3に、介護サービスを受けるランクが下がったり、給付内容が削減されたことによってこれまで受けていたサービスが受けられなくなった結果、介護給付費全体の減少につながっているわけですから、そのような人たちを対象にした市独自の利用料軽減を行って当然だと思います。そのおつもりはありませんか。 第4に、介護報酬引き下げによる賃金水準や労働条件が、これは改善どころか後退をし、介護従事者の退職者の補充がままならず、結局残った従事者の労働がさらに過重になり、それがさらに職員補充のネックになるという、この制度の根幹を揺るがしかねない事態も広がっているようですが、この点については市はどのような認識を持っていますか。また、それを解決するためには何が必要と考え、保険者としてどのような策を講じようとしていますか。 最後に、この法律では介護予防を地域包括支援センターが担うことになっていますが、現状はケアプランの作成に追われ、予防事業は全くおざなりにされているのではありませんか。地域包括支援センターが取り組んでいる介護予防事業があれば、具体的に紹介してください。と同時に、現状でよしとされているのか、それとも課題があるとすればどのようなことか、今後考えておられる施策があれば御紹介をいただきたいと思います。 次にお尋ねをするのは、公共事業の入札は原則としてことし初めて施行した条件つき一般競争入札にすることについて平谷市長の所見を求めるものであります。 私は、これまで16年間の議員活動の中で、何度も談合と疑われても仕方ない入札状況を紹介してきました。その際の状況証拠として取り上げてきたのが落札率、発注者が見積もった予定価格に対する落札額の接近率であります。いま一つは、昨年明らかにした、入札辞退により形式的にも競争が成り立たなくなっているその実態であります。私は、常々指名競争入札の弊害は、それが談合という不法行為を容易にすることと、その結果、受注調整した本命業者が独占的に落札額を決めることができるため、発注者側が高い買い物をさせられるという二つの問題を指摘してきました。現に、全国的にも一般競争入札による落札額は予定価格より20%から30%も低くなっているんです。尾道市で初めて条件つき一般競争入札が実施された防災行政無線整備工事では、2億3,500万円の予定価格に対して落札額は1億6,757万円で、ほぼ30%も低くなっています。ところが、昨年度すべて指名競争入札で実施された予定価格1,000万円以上の工事63件を調べてみますと、落札率の平均は93%となっています。1,000万円以上の予定価格の総合計画が26億5,700万円ですから、私が計算した限りでは、仮に落札率が平均2割下がれば、総額で5億3,000万円の経費の節減になります。私は、市財政の節減という観点からも、入札は、一定の条件を付すことも含めて、一般競争入札を原則とするべきだと考えます。特にことしから来年にかけて入札が実施される予定の市民センターむかいしまと因南中学校の二つの建設事業は、いずれも10億円を超えるというめったにない多額の事業費を予定しているものであり、節減効果は大変大きくなるはずであります。 財政が厳しい、厳しいと言いながら、市民向けの補助金や予算を削りながら、行政の努力ですぐにでもできる一般競争入札に踏み出さず、相変わらず指名競争入札を続けるということは許されるものではありません。今示した二つの事業も含め、一般競争入札を原則とすることについての平谷市長の所見を求めます。 次に、市の管理職に女性職員を積極的に登用することについて、平谷市長の所見を伺います。 現在、尾道市の職員数は、病院と消防を除くと1,429名となっています。このうち病院、保育所を除く一般事務の管理職は91名いますが、全員が男性です。周辺の自治体では、福山市が職員総数3,735名のうち一般事務の女性管理職5名、府中市が同じく440名のうち3名、三原市は1,071名のうち5名、東広島市は1,586名のうち10名となっており、尾道市の状況は異常です。 尾道市は、国が1999年に男女共同参画社会基本法を定めたことを受けて、2005年に男女共同参画プランを作成しています。このプランの体系では、三つの基本目標に続く重点課題の一つに「男女がともに能力を生かせる職場環境の整備」を上げています。目を民間に転じてみますと、性別の違いだけで不利益な扱いをしていたとして、鉄鋼大手の住友金属が女性社員から訴えられていた住友金属女性裁判では、昨年大阪高等裁判所で事実上原告勝訴の和解が成立しました。それは、前段の大阪地裁判決が、原告の訴えに対して、性別のみによる不合理な差別的扱いとして違法なものと断じたことに続くものでありました。私が注目しましたのは、和解に際して高裁が、性中立システムが構築されたに見えながら、実際には賃金、処遇等における男女間の格差が適正に是正されたとは言いがたい現実があり、真の男女平等を目指す精神が社会、とりわけ企業内に深く根づいているとは楽観できないと述べ、その上で、均等法等を受けて、表面的な整合性を追い求めることから来るものではないかと思われるとしている点です。要するに、雇用の際は男女平等、均等などと言いながら、職場での処遇は能力を無視した性の違いによる差別を当然としているのではないかというわけであります。 尾道市が幾らプランを作成し、男女がともに能力を生かせる職場環境を言い、採用では性の違いを理由にしてはいないとしても、実際の現場では、それでも私は少ないと思いますが、他の自治体の女性管理職の数に無限大に及ばない現状を市役所の中に存続させておいて、幾ら男女共同参画社会プランを作成し、それを市民に説いても説得力は全くありません。平谷市長は、この尾道市の現状をどのように思われますか、率直な感想と、今後積極的に女性を管理職に登用することについての決意を伺いたいと思います。 最後に所見を伺いますのは、自衛隊の住民票閲覧申請を許可したことと個人情報保護条例の関係についてであります。 本年7月27日、自衛隊の地方協力本部の職員が、県の職員を同行し、尾道市に対し住民票の閲覧を申請し、尾道市はこれを許可、8月21日から24日の4日間、地方協力本部の職員が来庁し、1998年4月2日生まれから2000年4月1日生まれの市民の住民票を閲覧し、それをすべて写して持ち帰りました。目的は、自衛官募集の広報のためということです。 私は、このことを知って、瞬間ぞっとしました。それは、私は体験しておりませんが、戦前の徴兵制とダブったからです。行政機関が、個々人や家族の思想も含めあらゆる情報を手にし、国家のため、天皇のためをにしきの御旗に、本人の意思はもちろん、家庭の事情や個人の事情など一切お構いなしに赤紙一枚で戦場にかり出す、これが徴兵制度です。総理として初めて、日程まで示して戦争する国に変えるための憲法改定を公約に掲げ、その上、改造した第2次内閣でも、第1次と同じく、さきの侵略戦争を正義のやむを得ざる戦争とうそぶき、従軍慰安婦も沖縄での集団自決への軍の関与も否定する靖国派と呼ばれる議員でそのほとんどを占め、戦前への回帰、逆戻りを押しつけようとしているのが安倍内閣の真の姿です。そのもとで今回の事態が明らかにあったわけですから、すわ徴兵の準備かと思ってもあながち過剰反応だとは言えないと思います。 しかも、私ども志位和夫委員長が、6月6日、国会内で自衛隊の内部文書を示して記者会見を行いましたが、この自衛隊の情報保全隊なる部隊が、自衛隊の海外派遣反対の集会やデモの参加者の調査を反自衛隊活動として記録し、そればかりか年金改悪反対や消費税増税反対などの集会や会合に紛れ込み、勝手に日本共産党系とか社会民主党系と連合系など区分までしていた、明らかに戦前、戦中の憲兵政治の復活につながるもので、集会、結社及び言論、出版など表現の自由を保障した憲法21条と思想・信条、内心の自由を保障した19条を犯しています。こういうわけですから、今回の住民票に基づく自衛官就任適齢全市民の4情報を収集して一体何に使おうとしているのか、疑念を持っているのは当然ではないでしょうか。ところが、尾道市は、毎年行われていたこの申請を、これまでは断っていたのに、今回はいとも簡単に許可してしまいました。 以上のことを踏まえてお尋ねします。 目的は自衛官募集の広報のためとされていますが、高校3年生全員の氏名、住所、生年月日、性別を写し、持ち帰ったということになれば、全員にダイレクトメールでも送るのか、こういうことが考えられるわけですが、そういうことなんでしょうか。 さらに、これまでは断っていたが、法律が改定されたために許可せざるを得ないと判断したということですが、これまでは一体何を根拠に断っていたんですか。住民基本台帳法の改定によって閲覧させることが義務づけられたと判断したようですが、改定された法律のどこにその根拠があるのですか。 こうして持ち帰った個人情報が横流しされ、他の目的に利用されないという保障はどのように市はとりつけたのですか。 さらに、尾道市の個人情報保護条例には、「個人情報の適正な取り扱いの確保に関し必要な事項を定めることにより、市民の基本的人権を擁護することを目的とする」、こうありますが、今回協力したことはこの目的に反しているんじゃありませんか。 以上、一方で個人情報保護を言いながら、一片の法律改定でいとも簡単にそれを投げ捨てたとしかいいようのない今回の閲覧許可にはどうしても納得いかないので、丁寧に答弁されるよう求めまして、日本共産党議員団一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(井上文伸) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)日本共産党議員団を代表されました寺本議員からの御質問に順次お答え申し上げます。 まず最初に、さきの参議院議員選挙の結果に対する私の所見についてのお尋ねでございますが、年金記録漏れ問題、政治と金の問題、閣僚の失言などの不祥事が重なり、国民の怒りと失望が投票行動にあらわれた結果であろうと思っております。 政府・与党におかれましては、今回の選挙結果を厳粛に受けとめていただき、真に国民のための議論を尽くす中で、今の政治が取り組むべき最重要課題は何なのかを問い直し、地方の視点に立った改革の推進が図られるよう期待しております。いずれにいたしましても、今後の国会審議を注視してまいりたいと考えております。 次に、経常収支比率などの財政状況悪化の原因についてのお尋ねでございますが、国の三位一体の改革による地方交付税の削減や合併などによるものと考えております。しかしながら、この合併は、大多数の住民の合意を得て、地方分権にふさわしい自治体づくりを目指して、効率的行財政運営を行うことを目的に2市3町が合併いたしました。いずれにいたしましても、今後は行財政改革大綱財政運営計画に基づき、財政の健全化を進めながら、新しい尾道のまちづくりに邁進してまいります。 次に、市民の願いにこたえる市政の基本についてでございますが、合併に関する住民意識調査で、合併後のまちの姿として、多くの市民が「保健・医療・福祉が充実したまち」を選択しておられるように、高齢者を初めとする社会的弱者に対する福祉施策や子育て支援策が大変重要であると認識しております。今後、少子・高齢化の進展に伴い、給付と負担が増大していくことが見込まれますので、効率化を図るとともに、国、県に対する財源確保に向けての取り組みを行うなど、将来にわたって持続可能で安定的な施策を進めていきたいと考えております。 次に、新市建設計画の見直しについてでございますが、この計画の完全実施と健全な財政運営の両立は、現状では大きな課題であると認識しております。これに対応していくため、個々の事業につきまして、必要性や緊急性、費用対効果などの観点から総合的に再点検をいたしまして、実施すべき事業の選択と集中を図ってまいりたいと考えております。具体的には、現在策定中の総合計画実施計画で整理をしてまいります。その中で、事業規模につきましても、見直すべきものは見直しをする必要があると考えております。 入札に当たっては、既に本市が発注する工事につきましては、条件つき一般競争入札を試行導入しております。 次に、広島県広域連合の平均の保険料と最高額、最低額についてでございますが、加入者全員が支払う均等割と所得に応じて負担する所得割を合わせた保険料は、現在広域連合で検討中であります。なお、国より1人当たり年50万円を上限に設定するとの基準が示されております。 次に、扶養者が後期高齢者医療保険に加入することにより国民健康保険に加入しなければならない被扶養者の人数についてでございますが、8月末現在で75歳以上の被用者保険加入者数は569人ですが、その被扶養者につきましては把握は困難です。 年間保険料の最高額につきましては、緩和措置がされる2年間は2万5,050円、その後は7万1,970円、最低額は1万5,030円で、平均保険料につきましては、所得及び加入者数が不明のため、算出することができません。 次に、広島県広域連合に求める改善策についてでございますが、広島県広域連合では、現在準備業務に精力的に取り組んでおられ、公聴会などの実施予定はありませんが、運営に関する重要事項を調査審議するために広島県後期高齢者医療広域連合運営審議会が設置されており、審議の上、御意見をいただくことになっております。 また、業務報告や財務報告につきましては、県内各市町の議会の議員により構成されている広域連合議会で説明報告を行っており、資料提供につきましては、要請があれば可能となっております。 さらに、広域連合においては、情報公開条例を定め、住民参加の公正で開かれた行政を推進し、議会や審議会などの情報についてはホームページで公開されております。 この制度の周知については、広域連合において広報計画を作成し、県及び市町と共同で、広報紙、パンフレットなどによる周知や医療機関など関係機関との連携による周知を行うことになっております。このことから、本市といたしましても、改善策については必要に応じて対応してまいりたいと考えております。また、市民向けには、広域連合と共同で、広報などを利用した制度の周知徹底を来月から適宜実施してまいります。 次に、法改正後の認定結果の変更状況についてでございますが、平成18年4月を境として、認定結果が重度になった方が2,820人、軽度になった方が1,385人となっております。また、要介護1から要支援1、2に変更となった方が857人、要介護2から要支援1、2に変更となった方が86人となっております。 次に、電動ベッド、電動車いすの利用状況についてでございますが、福祉用具を限定しての利用状況の算出は難しいため、福祉用具の貸与サービス全体での数値を比較した場合、要支援1、2及び要介護1の方の利用件数は、制度改正前の平成18年9月サービス分が498件、改正直後の10月サービス分が273件、ことしの5月サービス分が191件と減少しております。また、家事援助の利用時間につきましても、数値の算出が難しいため、要介護1までの軽度者について訪問介護給付費を比較した場合、平成18年2月サービス分で3,440万円、平成19年2月サービス分で2,500万円と減少しております。 次に、在宅介護にかかわる給付費の状況についてでございますが、要支援から要介護1までの軽度者については、平成17年度と平成18年度を比較した場合、平成17年4月から9月における受給者1人当たりの月平均給付費6万1,934円に対しまして、平成18年4月から9月においては5万8,775円でありますので、この期間の月平均給付費を比較しますと、3,159円の減額となっております。 次に、軽度の認定結果が出たことによって受けられなくなったサービスに対する市独自の利用料の軽減策についてでございますが、国の制度改正によって要介護状態区分によるサービス内容や支給限度額が設定されており、本市独自の制度を講じることは現段階では考えておりません。 次に、介護従事者の不足に対する認識についてでございますが、四、五年前に比べ、介護職関係の説明会へ訪れる人が減少していると伺っており、景気が回復基調にある中で、人材が給与水準の高い他業種に流れていると推察しております。また、去る7月26日には、介護職員の待遇改善に努める指針案が厚生労働省でまとめられ、社会保障審議会に諮問され、了承されております。指針案では、労働環境を見直し、経営者、国、自治体に対して、適切な給与水準の確保のほか、キャリアと能力に見合った給与体系の構築や労働時間の短縮などに努めるよう求めており、今後具体的な方向が示されるものと期待しております。 次に、地域包括支援センターについてでございますが、ケアプラン作成にかかわる業務量が多く、本来の機能が十分には発揮できていない状況がございます。介護予防事業については、昨年度から特定高齢者の運動機能の向上などを目的とする通所型介護予防事業を実施し、参加者数も徐々に増加してきております。ケアプラン作成業務の体制は、現状では課題があるかとは思ってはいますが、職員の業務に対する理解度や習熟度は向上しておりますので、その役割は担える体制が整いつつあると考えております。 次に、条件つき一般競争入札の導入についてでございますが、本年度2,000万円以上の工事を対象に、これまでに5件実施しております。(仮称)市民センターむかいしま新築工事はこの方式で入札することにしております。また、(仮称)因南中学校建設工事につきましても、同様な方式とすることが望ましいと思っています。今後、公共工事の発注につきましては、順次この方式を拡大していきたいと考えています。 次に、女性職員の管理職への積極的登用についてでございますが、職員の昇任につきましては、知識、思考力、行動力といった職務遂行能力や意欲、態度等を総合的に評価して行っております。特に管理職につきましては、これらに加え、指導力や調整力及び部下からの信望の厚い人材を登用することとしております。現在は、女性職員も管理職の候補者として育ってきておりますので、今後は積極的に管理職への登用を検討してまいりたいと考えております。 次に、自衛隊による住民基本台帳の閲覧に関する御質問のうち、まず最初に閲覧情報のダイレクトメールでの利用につきましては、請求の際の協議において、そのような利用はしない旨、聞いております。 次に、閲覧の根拠についてでございますが、昨年度までは、自衛官募集事務について市町村長が協力することを規定した自衛隊法第97条及び同法施行令第120条を根拠とした依頼でありました。本市としましては、これらの規定は住民基本台帳の閲覧まで求められているものではないと判断し、お断りしておりました。しかしながら、このたび住民基本台帳法第11条の「国または地方公共団体の機関は、法令で定める事務の遂行のために必要である場合には住民基本台帳の閲覧を請求できる」との規定に基づき、閲覧請求がなされました。防衛省設置法第4条第6号並びに自衛隊法第29条第1項及び第35条の規定による自衛官の募集に関する事務が、住民基本台帳法第11条に規定する法令で定める事務に該当すると判断し、閲覧に応じたものであります。 閲覧した個人情報の取り扱いについては、当然法に基づき、適切に管理されるものと理解しております。 次に、本市の個人情報保護条例とのかかわりについてのお尋ねですが、法令に定めがある場合、その法令が優先し、適用されます。このたびは、住民基本台帳法の定めにより行ったものです。 以上で答弁といたします。 ○議長(井上文伸) 33番、寺本議員。 ◆33番(寺本真一) 幾つか再質問したいと思うんですが。 まず、新市建設計画の見直しですけれども、私は、事業そのものの是非も含めて検討するものと、それから事業規模を新市建設計画に盛り込まれているものよりもさらに縮小する、そういうことも含めて検討するものということで、具体例を示して、第1の点については向島における地籍調査、第2の点については一般廃棄物の処理場建設事業、これについて私の具体的な考えも示して質問したわけですが、さらっと検討すると、見直すということで答弁されたんです。これは、私の提案も含めて、積極的にとまでは求めませんが、私の提案も含めてきちっと今後検討していくよというふうに理解をしていいんでしょうか、個別に答弁がなかったから、この一般質問では、ということをまず一つ聞きたいと思います。 それからもう一点は、女性職員を積極的に市の管理職に登用するということですが、これはもう積極的に登用するというふうに答弁されたんでいいと思うんですが、この質問が、私が準備してきょうの日を迎えるまでにこれ以上の情報はなかったんですが、実はきょう、毎日新聞の2面に、私の質問に時を合わせたかのような記事が載ってたんですよね。それはどういう記事かというと、「地方公共団体女性管理職率最高に」と、こうなってるんです。これは、上川陽子少子化担当相が11日午前の閣議で、調査した結果をまとめて報告したという内容なんですが、これを見ますと、市町村での女性管理職の率は8.6%、これは本庁の課長級以上と、こうなってますが、8.6%とこうなってるんですね。尾道市の場合、事前に議会事務局で概数をお聞きしたんですが、大体三十数名ということですから、これに当てはめると、尾道市の場合、本庁で2名の女性管理職がいるという計算になるんですね。これは、やはり一般論として積極的に登用するというんではなくて、他の全国的な自治体の状況も見ながら、やはり目標値も定めながら実行していくということがどうしても要るというふうに思いますので、そういう目標値も設定して今後取り組んでいくということについての見解をお聞きしたいと思います。 ちなみに、この記事の中では、全くゼロという市町村がまだあるそうです、尾道みたいなんが。その数は3割ということですから、恥ずかしい3割か、あなた方は誇りある3割と思っとられるんか知らんが、そういう実態も、状況を踏まえた上でこの問題を積極的に考えて具体策を講じていただきたいというふうに思います。 それから、いま一つは、自衛隊の住民票の閲覧ですが、ダイレクトメールを送るというふうな利用はしないんだという回答を得てるという答弁があったんですが、ほいじゃ何のために写して持って帰ったんですか。私が一般質問の中で述べたように、すわ徴兵の準備かと、いざあるときのためかということになるじゃないですか、それだったら。これは、何のためにほいじゃ持ち帰ったんですか。 いいですか、氏名、生年月日、性別、住所、いわゆる個人情報4条件と言われるものを全部写し帰ったわけでしょう、千数百名分。ダイレクトメールを送らんのであれば、何のために持ち帰ったんか。個々接触するために持ち帰ったんかということになるじゃないですか。そこの確認はしておられないんですか、おられるんですか。 もし、これは個々接触をするということになると、ダイレクトメール以上に別の問題が発生してくるんですよ。ダイレクトメールは送らんと、持って帰るよと言われた、ダイレクトメールを送るためじゃないというて言われた、それをそのまま信じて、それは何のためかと。当然あなた方はつかんでおられるはずですね、それは。これだけ重要な情報を持ち帰らせるわけですから。いいですか、去年まではあなた方は断っておったんですよ、個人情報保護の観点から。それを持ち帰らせたんであれば、何のための持ち帰るのか、明確にあなた方把握する義務があるじゃないですか。その点、これも聞かせてください。 それから、法令に基づくものと判断をしたということは、もしこのとおりやらなかったら市が法的な制裁を受けるという、裏を返せばそういうことになるんですが、そういうふうな理解をされたのかと。そうであれば、福山市は、一般質問の答弁で、新聞にも出てましたが、羽田市長が明確に、個人情報保護の観点からこれは断ったと、こういうふうに言っておりましたから、福山市は法令に反したと、法令に反したことをやってるというふうに、あなた方の答弁を聞けばそういう理解にしかならんのんですが、そういうふうに解釈してええですか。いや、福山市は福山市の勝手な解釈じゃというんじゃいけんですよ、そりゃあなた、同じ地方行政ですからね。あなた方の見解に立てば福山市はそういうことになるんですが、そういう理解でよろしゅうございますか。 以上。 ○議長(井上文伸) 藤井企画財務部長
    企画財務部長(藤井正喜) それでは、御質問にお答えさせていただきますが、まず第1点目の事業の見直しに関しましてでございますが、今後は事業の見直しにつきましては、事業全体について見直していくという考えでございますので、御提言の事業も含めて見直しをするということで御理解いただきたいと思います。 ○議長(井上文伸) 細谷総務部長。 ◎総務部長(細谷正男) 女性職員の登用の件についての御質問ですけども、これ、目標値を定めてということでございましたが、市長答弁でも申し上げましたが、管理職への登用は、それぞれの職員の資質、これが大事でございます。とはいいながらも他市の状況も参考にしながら、こういったことを積極的に登用を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(井上文伸) 村上市民生活部長。 ◎市民生活部長(村上年久) 自衛隊による住民基本台帳の閲覧に関しての御質問ですが、ダイレクトメールにつきましては、私どもも第一番に思いましたのは、ダイレクトメールに使用するんじゃないかと思いましたので、お聞きしてみましたが、使わないということでありました。その他の使用形態については聞いてはおりません。 それと、閲覧が義務で制裁を受ける可能性があるのかという、拒否した場合に制裁を受けることになるのかということでございますが、この住民基本台帳の11条の規定によりますと、適法に地方公共団体から閲覧請求があった場合は、市町村長はそれに応じる義務があるという解釈をするのが正しかろうと思います。したがって、福山市さんがなぜそれに応じなかったというのは私どもにはわかりません。 ○議長(井上文伸) 33番、寺本議員。 ◆33番(寺本真一) 時間がないんで。ダイレクトメールに使うことはないと、しかしながらその後の使い道は知らんと。これは自衛官を募集するための活動でしょう。そしたら、何に使われるかというと、個人接触ですよ、もしそれが合うとるんなら。そうするとどういうことが起きるかというと、ここへ広島県の労働局が出した新規学校卒業者の採用手引というのがあるんですが、ここにはどう書いてあるか。求人者及び求人者から委託を受けた者が生徒の家庭を訪問し、直接生徒、保護者に応募を働きかけることは、中学校、高等学校を問わず一切禁止されてると、こうなってるんですよ。違法なことを自衛隊はやりかねないと、違法とは言いませんが、ということに使われかねないんだと。これらもあなた方勉強して、来年からはしっかり考えてくださいよ。 終わります。 ○議長(井上文伸) 午前の会議はこの程度にとどめ、暫時休憩いたします。                午前11時23分 休憩  ────────────────── * ──────────────────                午後1時0分 再開 ○議長(井上文伸) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 7番、飯田議員。 ◆7番(飯田照男) (登壇)誠友会の飯田でございます。会派を代表しまして質問をいたします。 大変貴重な時間でございますが、40分も私がいただきますこと、まことにありがたく、また責任ある立場を心得てこの壇上に上がりました。質問も重複する点があるかと思いますが、よろしくお願いいたします。 平谷市長には、激動するこの時代に、15万の市民を乗せた尾道丸の船長として、大変な激務だと思いますが、よろしくお願いいたします。 つきましては、4月の選挙のマニフェスト、また6月議会においての所信表明等については、各議員より総体的な質問をされ、その回答もいただいておりますので、私は、小さいことですが、具体的にお尋ねしたいと、このように思っております。 御承知のとおり、尾道は、自然の環境に恵まれ、歴史と文化の薫るまちであります。千光寺山より渡船の往来する尾道水道を眺めていると、時の過ぎるのも忘れます。また、しまなみ海道沿線の多島美は世界に誇れる景観で、「潮は流れて白帆が走る」、想像するだけで心が和みます。このように、尾道のすばらしい景観は万人の認めるところでございます。 さて、この美しい尾道を数字に置きかえてみるとどのように見えるかです。それは、平成19年度の尾道の予算書、決算書であります。この数字が一段と美しくなるように、私たちはお互いに努力しなくてはならない、このように思っております。 それでは初めに、財政問題について、その1としまして、市民の尾道の財政に対する認識についてでございます。 1項目めとしまして、財政問題についてお尋ねするのですが、まず市民の尾道の財政に対する認識ですが、ことし3月に尾道市財政運営計画等が発表されました。この計画を実施すると同時に、現在の尾道のこの苦しい財政の内容を市民に理解していただくことが大切と思っております。砂浜に水を移したときのようにみんなで吸い取ることが大事で、まして全員参加の時代に、市民をわきに置いたまま、行政と議会がいかに力んでもよい結果は出ず、不満ばかりが噴出して、行政と住民の距離は遠くなるばかりと思います。 そこで、お尋ねですが、市民は今の尾道の財政の現状をどのように認識しているとお考えですか、お伺いします。 私の感じたことですが、「広報おのみち」等で収支比率の円グラフや経常収支比率が94.何%とか、公債費比率も18%を超えというように行政専門用語で説明しても、失礼とは思いますが、市民にはぴんとこず、理解できてないと思います。平谷市長は、尾道をいかに前進させていくかを行政運営の基本の一つにしております。前進するためには軸足がしっかりしなくてはなりません。その軸足とは、市民の認識、危機感だと思います。尾道市民が、自分の家計、こういう雰囲気になったときに、健全と名のつく財政改革がスタートすると思います。どのようにして市民に財政の内容を周知徹底するかが課題です。例えば今の「広報おのみち」を新聞方式にすることも考えられますが、また弊害も大きいかと思います。どんな方法で市の財政の状況を市民に理解していただくか、お伺いいたします。 その2として、財政運営、資金計画についてです。次に、財政運営、資金計画についてですが、財政の健全化は、滞納管理機能の充実をして収納率を高めて、補助金や予算をカットするのが一番手近な方法ではあります。望ましいのは、相手に痛みを与えずに改善することが健全なる改革だと思います。 参考までに実例を1件申し上げます。高額医療費、療養諸費等について、旧瀬戸田町では誕生月健診というのがあり、その費用の一部を町が負担しておりました。健診結果が何も異常がなければ郵送で結果が来る、少しでも異常があれば保健師が家に来て、精密検査の受診の勧めなど今後の指導をするという内容でした。当時は3名の保健師でしたが、とても対応し切れないので1名募集したら2名の応募があり、試験の結果、保健所長より2名とも合格点があるというので、2名とも採用となり、1万の人口に対して5名の保健師が住民の健康管理に当たっておりました。当時、広島県には80余りの自治体があり、どこも医療費のグラフが年々上に向いて伸びているのに、瀬戸田はそのグラフが下に伸びておりました。不思議に思った県担当職員が特別に調査した結果、原因は大病になる前に処置されていることが判明したのです。私もそれで助かった一人ですが、10日ほどの入院でしたが、先生に「もう少しおくれていたらあなたの体は大変なことになっておるんです」と言われましたので、改めてお礼に行きました。そのとき、先生は、「私は医者としての当然の仕事をしただけです。礼を言うのであればこのような企画をされた方に言うのが筋だ」と言われたのが印象に残っております。このような事例を参考にしていただければと思います。 次に、市債についてですが、2005年度決算時における820億300万円の市債残高を2010年度までには二十数億円削減する計画ですが、これは新市建設計画と大きく関係していると思います。新市建設計画は合併協議の約束事ですから、実施していかなければなりません。その内容は、合計で141事業、金額は1,065億円余りです。その財源は、合併特例債、一般単独事業債、過疎対策事業債といろいろありますが、単純計算をすれば、10年で1,000億円の事業をすれば、その30%は地方自治体の負担となります。そんな状況の中で、3カ年で二十数億円の削減をするというのはいささか理解に苦しむところでございます。その資金計画についてお伺いいたします。 次に、職員の削減及び適正人員について。職員の削減及び適正人員についてですが、定員適正化計画において、2007年4月1日現在の職員数2,426人を2011年には5.2%の126人を削減する計画ですが、今安倍内閣は、行政改革、地方分権をさらに進めると言っております。そうなりますと、地方の自治体には権限に仕事もついてきます。現に、パスポートの発行や建築確認申請は県に申請しておりましたが、本市でできるようになっております。仕事はふえ、職員は削減するという、その整合性についてお伺いします。 そして、最終的に職員は何名ぐらいが適正人員と考えているのか、お伺いします。 2、EM菌・微生物による水質浄化の取り組みについてです。 2項目めとして、EM菌・微生物による水質浄化についてお尋ねしますが、文明の時代とともに、私たちの生活内容、また生活環境も大きく変わってきました。それに伴い、自然環境を少なからず壊していることも事実だと思います。そんな中で、ことし4月の選挙前に、尾道地球エコの会が、市長、市議の立候補予定者に環境政策について公開アンケートを実施しましたが、ほとんどの方が水質汚染や地球温暖化に強い関心を持たれておりました。私たちが子どものころには、どこの井戸でも水を自由に飲んでおりましたが、今は自分の井戸の水も飲めません。それだけに、生活排水、洗剤、農薬等で地下水までが汚染されているわけです。船でも、傾いたらもとに戻そうとする復元力が働きますが、その復元力がなくなったときに船は転覆、沈没ということになります。環境も汚染されたら、今の流行語で、「しようがない」で済ますわけにはいきません。生きている環境をみんなで守る必要があります。その原動力となるのがEM菌・微生物だと思います。 ことし7月に、安浦町でEM菌の研修会がありました。この中の議員さんも数名参加されておりましたが、呉から出席していた職員の話によると、プールに5000分の1のEM菌を入れるだけで水が見違えるほどきれいになり、大腸菌もいなくなる、そして後の管理が大変助かるという発言もありました。EM菌に取り組んで大変な成果が上がっている太田川、内海町、また神石高原町などは、下流の高梁川までがヘドロが分解されていることについて、改めて微生物の威力を感じております。 今、どこの自治体も予算が逼迫しているからこそ、こうした微生物に注目しなければならないのに、これに背を向けることは、自治体の自殺行為に等しいとまで言われている今日、県が効果がないというジャッジをしたことに問題があると言われております。そうした中で、だれも振り返ってみないことを評価するという先見力も必要と思います。有機化合物農法が法制化され、またEM菌の活用は、プラス面ばかりで、マイナスの要素はゼロと言われております。いいと思われるものにはトライする気概なくして進歩はありません。 水質汚染の原因の70%は家庭排水によるとなっております。これを住民に喚起し、専門的知識を持つ人を講師として迎え、微生物による浄化の認識を高める必要もあると思いますが、どのように考えておられますか。 本市では、公衛協を通じ、有効性を見きわめながら取り組むとの方針を出しておりますが、公衛協より報告が来ていればお示しください。 そして、今後のEM菌についての取り組みはどのように考えておられますか、お伺いします。 3、今後の尾道の創造について。3項目めとして、今後の尾道の創造についてお伺いします。 平谷市長は、2市3町が合併して初めての選挙、そして旧尾道にとりまして12年ぶりの市長選挙で選ばれた市長です。それだけに、市民の期待は大きく、また平谷市長も所信表明のとおり輝かしい抱負を胸いっぱいに秘めていることに対し、深く敬意を表しますと同時に、私たちもその協力は惜しまない考えでございます。 そこで、今後の尾道についてお尋ねします。 その1としまして、新市建設計画。初めに、新市建設計画ですが、旧市町での合計が141事業で、事業費は1,065億円余りとなっております。これは、合併当時の約束事ですから、大変重要な約束であります。つきましては、これだけの事業を完成するには大変な労力と時間を要することは言うまでもございません。用地の問題、その事業によって経済効果はどうか、周囲の環境はどう変わるのか、完成後の管理運営については、こういった大まかなものができて初めて優先順位の検討もできると思うのです。この優先順位をどの程度具体化されておりますか、お伺いします。 その2、市旗、市章の見直しについて。次に、市旗、市章についてですが、現在の市旗・市章は、太い赤が本土尾道側をあらわし、細い赤は向島をあらわし、間の白いところは尾道水道をあらわしていると聞いておりますが、平成の大合併で1市3町が加わったのですから、一体感の醸成という意味からも、市旗・市章を見直す必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。 その3、地名の変更について。現在、尾道市因島洲江町、因島原町となっておりますが、あの地域は、因島ではなく生口島なのでございます。なぜその地域に「因島」がつくのか、「因島」は不要ではないかという声もありますが、どのようにお考えですか。 その4、海事都市構想について。市長の所信表明の中に、海事産業、海事都市とありますが、海は天与の資源であり、私たち海を見て暮らす者の共有の財産でもあります。その海を舞台にした海事産業の振興といえばすぐ造船が浮かび、理解できますが、海事都市尾道を世界に発信するとありますが、この言葉は大変明るく、夢膨らむ言葉です。海は、観光に、レジャーに、また産業にと大変幅広い活用ができます。造船を主とした都市となれば、造船は世界の景気に大きく左右されます。造船不況となったとき、海事都市のイメージは一気に影が薄くなると思いますが、海事都市とはどのような都市をイメージされているのかお伺いいたします。 4、教育問題について。4項目めとして、教育についてお尋ねします。 まず、所得格差と学力格差ですが、今大きな社会問題の一つに教育問題があります。特に道徳教育は身近な問題となっております。教育ほど人間社会に大切なものはないのですが、そんな中でことし2月に就任されました半田教育長は、広島県の教育界のリーダーとしてその名も高く、また平谷市長は学校現場も経験されており、教育のプロ中のプロとも言われております。このお二人に寄せられる信頼度は高く、市民が最も期待しているところです。そんな中で、新しい時代に向けての教育基本法も改正されました。しかし、安倍内閣での教育再生会議で、所得格差と学力格差についての審理がされていないのが残念です。本市においても、所得格差がそのまま学力格差となっているように思いますが、その対応についてお伺いします。 その2、尾道学区内の成績について。尾道学区内の成績についてですが、県立尾道北高校は、進学校として、国公立合格率県内トップで、難関校の入学率も全国でトップとなり、一段と有名になっておりますが、その北高の成績の上位を占めているのは、尾道学区以外の生徒で上位が占められていると聞いております。また、中学校進学も、尾道学区以外の中学校に通う生徒がおりますが、何名ぐらいおられてですか。また、こうした内容をどのように受けとめておられるのかお尋ねします。 その3、家庭と教育委員会の連携について。家庭と教育委員会の連携についてですが、申し上げるまでもありませんが、教育の基本は、命のとうとさ、命の大切さをいかに認識させるかということだと思います。それには、家庭、学校、地域の3者が同じ方向を向いて指導することだと思います。それとは裏腹に、日本のリーダーの最先端にいる現職閣僚の自殺、またわずかなお金を盗むために簡単に人を殺す、まさに金がかたきの世の中のようです。親が子を殺し、子が親を殺すといった、教育の基本とは全く逆の方向を向いた荒廃し切った日本になっております。こんな現状を学校現場ではどのように対応されておりますか、お伺いいたします。 依然として後を絶たない不登校、いじめ、いじめによる自殺等、こうした問題を解決するには、責任の所在をはっきりさせることが解決の糸口だと思います。いじめが起こると、すぐ学校と教育委員会が悪いと決めつけて解決を図ろうとしておりますが、いじめを行う子どもの責任の大半は家庭にあると思っております。今は、子どもの教育より親の教育だとも言われております。親が子どもの前で先生を批判することほど教育に大きなマイナスはないと思います。教育委員会と家庭との連携はどのようになっておりますか、お伺いします。 その4、道徳教育の取り組みについて。最後に、道徳教育についてお尋ねしますが、最近の親は余り童謡を知らない、知らないから子どもに歌って聞かせない。童謡は、日本の美しい言葉を集めてできたものです。それを歌うことで、一人の人間として完成する、その人間形成の一つの段階として、幼稚園、小学校低学年で歌うことが大切と言われております。そのときに道徳の目ができ、また教育基本法にあります人格の完成というのもこのときが第一歩だと思います。中学校や高校で童謡を歌う者はいないわけです。潮どきを逃して、そうした芽を摘まれた者に道徳教育と言っても花が咲くわけがありません。母親が病死して、幼い子どもは悲しさと寂しさで毎日泣いていた。そんな子どものためにできたのが「歌を忘れたカナリヤ」だそうでございます。子どもを勇気づけ、また人間形成にも童謡は大きな意味を持っていると思います。いい歌は時代を越えて歌い継がれるように、いつの時代でも童謡は必要と思いますが、今後の道徳教育についての取り組みをお伺いします。 次、これは質問ではありませんが、私ごとでまことに恐縮ですが、参考になればと思い、申し上げます。 私は、仕事でよく山に行くことも多いのですが、深い雑草の中を歩いているとき、何かやわらかいものを踏んだ、瞬間足元から1羽のキジが飛び立ち、あっと驚いて立ちどまったら、足元に数羽のヒナが走り回っているではありませんか。そのヒナをつまかえようとした瞬間、私のほおをかすめて親鳥が2メーターほど前におり立ち、ガアガアと羽ばたくのです。親鳥に近寄っても全然逃げようとしないので、一気につかまえたのですが、キジは私の手首が折れるぐらいもがき、暴れて逃げたのです。私の手には尾の毛が四、五本残っておりました。また、2メーターほど先で羽ばたくので、今度とは思い、枯れ枝を持って完全に打ったのですが、キジは二、三回転してまた立ち上がり、二、三メーター前に出る、そんな繰り返しをしているうちに、キジは山奥に見えなくなりました。もとの場所に帰ったが、ヒナの姿も見えませんでした。そのとき、私は大変悪いことをしたと気づき、帰って近所の年寄りとこの話をしたら、キジは我が身を捨ててでも子どもを守るものだと聞かされました。 明治の初めころに、火ノ滝山、今の多々羅大橋のところですが、山火事があり、鎮火した後、村じゅうが総出で残り火の始末をしているとき、1羽のキジが数羽のひなを抱いたまま丸焼けになっているのが見つかり、近くにいた人がみんな集まり、手を合わせたそうでございます。火が来れば飛び立って逃げられるのに、我が子を火の中において逃げられなかったこの親鳥の気持ちを思うと、何だか胸が痛くなります。 また、蛇がキジの卵をとりにくるのですが、そのときキジは、体をできるだけ細く細くして、わざと蛇に三重、四重にと巻きつかせ、締めつけさせ、もうキジが身動きできなくして、蛇はキジののど元へかみつく、その瞬間に一気に羽を広げる、その力で蛇はちぎれるそうでございます。キジのその近くには、蛇のちぎれた死骸がよくあると聞きます。 このようにして子どもを守るキジと、子どもに食事も与えず、親が子を殺す、子が親を殺すといった今の日本の人間社会を考えてみるとき、あとの言葉がございません。また、日本の花は桜、鳥はキジを国鳥に指定しております。お札の裏にキジが描かれている意味がわかるようでございます。 これは、平成10年に広島県教育会が心に残る教育の体験手記を募集したときに、「山鳥に学ぶ」というタイトルで応募をした一部でございます。参考になればと思います。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(井上文伸) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)誠友会議員団を代表されました飯田議員からの御質問に順次お答え申し上げます。 まず最初に、市民の皆様が本市の財政状況をどのように認識しているかとのお尋ねでございますが、私は就任以来約5カ月の間に、市内の各地域での催しや行事に参加し、機会あるごとに住民の皆様方の声を直接聞かせていただきました。そして、さまざまな御意見をちょうだいしております。多くの住民の皆様方は、現在の本市の財政状況が厳しいことはよく認識しておられ、大変建設的で前向きな御意見を多々拝聴しておるところでございます。しかし、一方で、市の財政状況の内容についてはわかりにくいという声があることも承知しております。 次に、財政状況を幅広い市民の皆様に理解していただく方法についてでございますが、御所論のとおり、経常収支比率などの財政指標につきましては説明が難しい点があります。したがいまして、内容も、財政指標よりも、具体的に市税と人件費の比較であるとか、あるいは公債費との比較といったより具体的な内容についての説明やグラフを用いるなどして工夫を凝らしてまいりたいと考えております。 また、周知の方法につきましては、「広報おのみち」を中心に考えておりますが、説明について一層の改善を行うとともに、今まで以上にホームページやケーブルテレビなどの媒体の活用なども考えてまいります。 次に、財政運営計画の資金計画、とりわけ市債の残高の推移についてのお尋ねでございますが、新市建設計画の事業等に充てるため市債の発行をしておりますが、同時に償還期限の到来しております借入金につきましては、逐年その元金の償還をしております。例えば本年度は、約59億円の借り入れ予定に対しまして約73億円の元金返済をいたします。このことから、平成21年度の市債残高は平成17年度の市債残高より約25億円減少するものと見込んでおります。 次に、職員の定員管理についてでございますが、御所論のように、本年5月に策定をいたしました第4次の行財政改革大綱に基づく集中改革プランにより、今後4年間で126名の職員を削減することとしております。この定員適正化計画は、権限移譲等による業務量が増加する中での削減計画でございますので、さらなる事務事業の見直しや民間活力の導入等を図る中で達成してまいりたいと考えております。 次に、最終的な適正人員についてでございますが、今後業務内容が変化する中で、この数値をお示しすることは困難でございます。いずれにいたしましても、現時点では、集中改革プランでお示しした平成23年4月1日における全会計の職員数2,300人が当面の目標数値でありますので、今後4年間はこの目標の達成に全力を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、有用微生物群による水質浄化についてでございますが、御承知のとおり、有用微生物群を利用した取り組みは市内各所で行われておりますが、その効果につきましてはさまざまであるように報告されております。今後も、町内会など地域での水質浄化への自主的な活動につきましては、引き続き尾道市公衆衛生推進協議会と連携し、支援してまいります。 次に、新市建設計画の優先順位についてでございますが、個々の事業につきまして、必要性や緊急性、熟度などの観点から総合的な点検を行い、実施すべき事業の選択と集中を図ることとしております。具体的には、3年ごとに策定します総合計画実施計画において、財政状況を勘案しながら取りまとめてまいりたいと考えております。 次に、市旗・市章の見直しについてのお尋ねでございますが、本市の市章は合併協議の中で決定したものでございます。この市章は、明治31年に制定されたもので、100年以上の長きにわたり親しまれてきた、歴史的にも文化的にも貴重なものであります。これからも新尾道市において受け継がれていくものと思っております。 次に、町名の変更についてのお尋ねでございますが、現在生口島の因島洲江町と因島原町に「因島」がついておりますのは、旧因島市との合併協議の中で決定したものでございます。この町名について、当該地域において変更の要望が強く、その機運が盛り上がるということであれば町名変更について検討していかなければならないと考えております。 次に、海事都市についてでございますが、本市は古くから海上交通の要衝として栄え、水軍や北前船などのさまざまな歴史に彩られ、海にまつわる文化をはぐくんできた地域でございます。さらに、近代では、国内屈指の造船、舶用工業、海運業の集積地として発展してきました。海事都市とは、広く市民が海と親しみ、海にかかわる歴史、文化や産業に誇りが持てる海のまちづくりであると考えております。 以上で市長答弁といたします。 ○議長(井上文伸) 半田教育長。 ◎教育長(半田光行) 教育委員会にかかわる御質問には私からお答えさせていただきます。 まず最初に、本市における所得格差と学力格差についてでございます。今日の社会状況の中で、所得格差と学力格差に因果関係があると懸念されていることも事実でございます。教育委員会としましては、各学校に対して、家庭訪問などによって子どもの家庭環境を十分把握するとともに、必要に応じて就学援助等の取り組みを進めるよう指導を行ってまいりました。今後もこれまでと同様、すべての子どもたちが安心して教育を受けることができるよう、適切に対応してまいります。 次に、本市の中学校の学力についてでございます。まず、平成19年度に本市の小学校から市外の中学校へ進学した児童の数は、卒業生の約8%に当たる110名となっております。市外の中学校へ進学した理由はさまざまですが、いずれにしても、本市のすべての公立中学校が市民に信頼され、積極的に選ばれる学校でなければならないと考えております。ここ数年、各中学校においては、学力の向上や特色ある学校づくりに向け、教育内容の充実を図ってきております。引き続き各中学校が生徒にみずからの進路を選択できる学力をつけることを重点課題とし、具体的な目標を設定して取り組むことが最も重要であると受けとめております。 次に、家庭と教育委員会の連携についてでございます。議員御所論のとおり、家庭教育こそは人間形成の基盤であるととらえております。現在各学校では、子どものさまざまな課題に対して、家庭への助言も加えながらその解決に努めております。また、教育委員会にも、保護者から学校への意見や要望、さらには子育ての相談などは寄せられますが、それらにつきましても、保護者への助言も含め、課題が解決できるよう学校への指導を行っております。 次に、道徳教育の取り組みについてでございますが、幼児期や小学校低学年における道徳教育は、人間形成の第一歩として大変重要であると認識しております。また、議員御所論のとおり、そうした幼い時期に積極的に童謡に触れさせることも、子どもたちに細やかな思いやりや優しい心を養い、豊かな感性をはぐくんでいく上で大変有効であると考えます。 本市におきましては、尾道教育さくらプランに豊かな心の育成を重点施策として掲げ、学校と家庭が一体となった道徳教育を推進しているところでございます。今後も、子どもたちに思いやりや優しい心、豊かな感性をはぐくんでいくために、発達段階にふさわしい、心に残る道徳教育を進めてまいります。 以上、答弁とさせていただきます。                ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(井上文伸) 15番、杉原議員。 ◆15番(杉原孝一郎) (登壇)新政会の杉原孝一郎でございます。9月議会最後の質問者となりました。2日目の午後、退屈で眠い時間にならぬよう、声を張り上げ、頑張ってまいりますので、もうしばらくおつき合いください。 市長には、簡潔でも結構ですが、市民の皆様にもおわかりいただけるよう、中身の濃い、誠意ある答弁を期待しております。 さて、さきの参議院選挙の結果、国民の選択は、年金、格差社会、政治と金、この三つの問題に象徴される権力をかさに着た自民党のおごりと強引な手法にノーを突きつけるものでありました。自民党もいつからこんなに変節してしまったのか。小泉チルドレンを自認する国会版紅衛兵が登場してからか、あるいは予想を超えるメディア戦略の成功に気をよくしてからなのか、いずれにしても強い味方と思っていたメディアがいつの間にか凶器と化していた、そういうことであろう思います。 安倍内閣閣僚大幅に入れかえ、捲土重来を期しましたが、相変わらずのどたばた劇、表紙を変えなきゃ中身も変わらぬ、そんな気もいたします。 佐藤公治さんは57万票を超える圧倒的な支持を得て御当選を果たされました。心からお喜び申し上げます。 民主党を中心に野党が過半数を占める参議院、私は衆議院の解散を急ぐより、民主党に政権担当能力があるのかないのか、それとも自民党以上にあるのか、我が国将来の必要経費として、政策論争による両党の戦いを1年ほど見ていたい気がいたしますが、果たしてそれまで政権がもつのかどうかという質問をここまで書いたところでありますが、先ほど安倍総理が退陣というニュースが今流れているそうであります。これが1年間見れるかどうか、ますます不透明になってまいりました。 我が第6選挙区は、衆・参合わせて3人の国会議員を輩出しております。亀井静香先生、亀井郁夫先生、そして佐藤公治先生。都市間競争がますます厳しくなるこれからの時代、3人の先生方のお力添えを得て、尾道市のさらなる発展を願うものであります。 それでは、質問に入ります。 1番目に、まず尾道大橋無料化後の課題について、具体的な対応策をお尋ねします。 平成25年3月に無料化が内定している尾道大橋、このこと自体、喜ばしい限りでありますが、一方無料化した後の島内交通事情等、島民にとって未解決の懸念材料が幾つか考えられます。6月議会において同僚新田隆雄議員も質問しておりますが、担当者が勘違いされているのか、問題意識が希薄なのか、何度読み返しても市長答弁は向島島民の懸念解消にはほど遠いものです。 そこで、何が問題なのか、具体的にお聞きいたしますので、市長のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。 1点目は、尾道大橋無料化後、延伸道路への進入料金は無料か、有料のままなのか。有料ならば幾らの料金になるのか、この懸念であります。6月議会では、利用者の負担が軽減されるよう関係機関と協議する、こう答弁されています。こんなよそごと答弁はいただけません。大橋は無料になった、しかしバイパスや長者原へ最短で行こうとすれば料金はかえって高いものにつく、これでは困るのです。行政としては、早いうちにこの点をはっきりさせ、対応しておかなければ、市民の負託にこたえることにはなりません。大事な問題を先送りしてはだめです。 2点目は港内渡船についてです。自動車料金は現行のままでいけるのか、駅前渡船のように車両の運搬を中止する可能性があるのかないのか、中止となった場合、人や二輪車の料金はどうなるのか、何より渡船営業の継続は大丈夫なのか、こうした問題が心配の種です。 私は、六、七年前、渡船を利用する自動車の台数を調べたことがあります。業者の数字を合計すると、2,000ないし、2,500台ということでありました。現在の状況はわかりませんが、仮に渡船が車両の運搬を中止した場合、この車は全部尾道大橋に回ります。大和のロケセット公開中、島内の交通がどれだけ渋滞したか、まだ記憶に残っているでしょう。ああした状況が連日続くことを考えてみてください。 渡船に関する6月議会の答弁は、尾道大橋の無料化が実現した場合であっても、渡船航路は、学生、高齢者など地域住民の生活航路として必要というものであります。私は、この答弁を聞き、行政の認識レベルに唖然としました。そんなことはだれでもわかっていること、問題は業者が渡船を残せる環境をどう整理するか、その調査研究を今からやっておかないでどうします。こんな肝心な部分が全く語られていない、まさに傍観者的答弁であり、無策行政の最たるものと言わざるを得ません。行政がこうした懸念払拭プランを用意できなければ、市民生活に深刻な打撃を与えかねません。その可能性の有無をもっと真剣に受けとめてください。 3点目の二番潟交差点を中心にした渋滞緩和策についても、さきの6月議会答弁は的確性を欠くものであります。市道森金江奥線の整備を渋滞緩和策と位置づけていますが、この事業と二番潟交差点の渋滞緩和対策とは全く関係ありません。人口1万人を超える向東町は、東西を往来する幹線道路が1本しかありません。向島町は、どの地域からも幹線が中心部の富浜へつながっています。唯一田尻江奥地区に幹線道路がないため、田尻江奥線の建設に取り組んだのです。富浜地区は、地勢的に見て向島のちょうど真ん中に位置し、公共施設、商業施設が集中している地域です。森金江奥線は、合併後、向東町民が中心部を行くための生活幹線道路がもう一本必要との認識で計画したものです。繰り返しますが、二番潟の交通渋滞緩和策とは関係ないのです。 さらに、県が二番潟から東西橋交差点までの交通安全施設の整備や交差点改良により交通緩和を図ると聞いている、こう答弁されていますが、これもよく調べた上での答弁なのか、お聞きしたい。交通安全施設の整備とは歩道拡張のことではありませんか。これが渋滞緩和に役立つと本気で考えているのでしょうか。この事業は、要望段階から多少の交通渋滞やむなしの判断をしております。五、六年前、朝の通勤時間帯に向島町の主婦が二番潟-東西橋間で横断中バイクにはねられ亡くなるという不幸な事故がありました。それをきっかけに、向島町が県へ要望し、地元県議のお力をかり、数年を経て実現した整備事業です。バイクなどの速度通行を制限してでも交通弱者、歩行者の安全を優先したい、同時に車いすで歩道通行ができるようにしたい、そのため平均1.5メートルの歩道幅を2.5メートルに広げることにしたのです。交通渋滞こそあれ、渋滞解消とはほど遠い事業です。 また、交差点の改良が広銀向島支店周辺のことであるなら、尾道市は地権者の一人が既に土地の売却に不同意であることを承知しているはずです。地権者のお気持ちが変わるのを待つというならとんでもない話、残り5年6カ月という期間、問題解決にはないに等しい時間なのです。 さらに言えば、この程度の改良で交通渋滞が緩和されると考えるなら、実態認識が余りに乏しい。行政サイドは、もっと深刻に、そして市民の側に立って改善策を考え、問題解決に取り組んでいただかなければ困ります。 4点目は、本件の最後になりますが、新市建設事業でやる二番潟交差点の直進突き抜け道路の建設に全く触れてないのはどういうことでしょう。本事業は、交通渋滞緩和策の最重要事業として位置づけられた計画です。一昨年12月議会で私は同じような質問をしています。あれから1年9カ月、この事業計画、どこまで進捗しているのか、状況を御説明ください。まさか勝手にやめるというのではないでしょうね。 尾道大橋は、年間800万台を超える車両が往来しています。私が懸念する状況が起こるのか起こらないのか、あるいは市民にとって最良の方策がほかにあるのか、いずれにせよ、対策が手おくれにならぬよう、交通動態調査研究の委託を行い、島民の不安解消のため、万全の策をとっていただきたい。早急なる予算計上がお考えにあるのかどうか、お聞かせください。 この問題は、2年5カ月前の増員選挙で当選した直後から私は関係部局に伝えていますが、一向に進展がありません。本件は、課題が多岐にわたるため、一部局で処理できる範囲を超えています。それこそ市長がおっしゃる縦割り組織の弊害を取り除く格好の事業プランです。市民の目線を大切にされるなら、こうした難問から目をそらしてはだめです。数年後には間違いなく直面する大変大きな課題なのです。政治に先見性が必要であるように、行政もまた同じものが求められるのは言うまでもありません。 以上4点、詳細なるご答弁をお願いします。 次に、三次市の驚異的な開票時間短縮業務に尾道市としてどう受けとめていらっしゃるかお尋ねします。 先般の参議院選挙におきまして、三次市は、前回5時間かかった開票時間を1時間48分12秒で終えています。時間はほぼ3分の1、人員も前回並みの130名、やればできる、そのお手本、見本がここにあります。このことについて、選管の事務局長は次のように話しています。「職員の気づきを生かして短縮できた。ほかの業務も前例主義を見直せば住民サービスにつながる」、立派なものです。 私は、かねがね役所で一番欠けているものは時間に対するコスト意識の乏しさ、費用に関する金利感覚のなさ、この2点を特に感じています。金利感覚についてはまたの機会の質問に譲るとして、時間に対するコスト意識が三次の職員に芽生えていることにうれしさを感じます。公務員という職業、職員個々は高い能力を持つ者が多いのですが、これがグループ力となると途端にレベルダウンしてしまう。普通なら1人より2人、2人より3人というように知恵の力が増していくのに、公務員の場合、数がふえると、責任の所在があやふやになるせいか、逆に働くケースが多いようです。三次の場合、職員にこのような発想、改革思想が持てるということは、市長のマネジメント力に負うところ大きいかと思います。時間と費用の大幅削減に加え、市民サービスの向上を同時に実現した開票事務は、行財政改革の具体的な実行例として特筆ものであります。笛を吹いても戻ろうとしない公務員社会にあって、使命感を背負うと前向きな仕事があそこまでできることに新鮮な感動を覚えています。尾道市も、フレッシュな市長、副市長が誕生しました。ぜひとも眠っている職員の潜在能力を引き出すよう頑張っていただきたい。本市も、こうした三次市の取り組みを学び、実践していくお気持ちがおありか、お聞かせください。 3番目に、支所長への移譲権限をふやし、市民本位の行政を推進するお考えの有無についてお尋ねします。 現在、尾道市より旧1市3町に4人の支所長が派遣されています。どういう人選かわかりませんが、はっきりしているのは、支所長が赴任先のトップリーダーであること、場合によってはそのまちと心中するくらいの覚悟と気骨を持った人が選ばれているものと思いますが、さてその支所長の責任と権限がどのようになっているのかお尋ねします。 支所長は、民間で言えば支店長か支社長、その地域のトップとして、より活力を持った魅力ある地域づくりに専心しなければなりません。無論トップの意思を呈し、責任を持って職務に専念されていると思いますが、同時に支所長の創意工夫が生かされる環境が用意できなければ、個性ある地域の発展、活性化は極めて難しいと言えるでしょう。 このたびの参院選で圧勝した民主党小沢一郎党首は、道州制の積極論者です。また、総務大臣に就任された前岩手県知事の増田寛也大臣も道州制論者です。今後、国政レベルではますます道州制が議論されていくものと思われます。与・野党とも、その意図するところはさらなる基礎自治体の減少なのです。ちなみに、道州制の正否は、新しい基礎自治体がいかにきめ細かく旧自治体住民の意向を酌み取れるか、またそういう組織がつくれるか否かでしょう。いわゆる積み木方式の分権自治、その実現いかんにかかっていると言えます。 平成14年4月、合併に関する取り組み姿勢提言集の中で、東大名誉教授の大森先生は次のように述べています。「区域を外に向かって拡大するなら、従来以上に内における地域自治を図る必要がある。周辺が寂れるとか自治が遠のくという論、それは構想力と手法が貧困。各市町村がこれまで築いてきた地域の個性と自治の実績を生かす工夫が必要である。合併後、周辺は、よほどの手だてを講じておかないと埋没の危険がある。例えば地域局を置き、地域のニーズに応じた一定の事務事業を執行する職員と、予算を付与する、局長の人選を考える、地域自治を充実する意思、意欲を持たずに、やむを得ず合併したのでは、やがて不平不満が出てきて地域はよくならない」。私も全く同感です。尾道の場合は、地域局長が支所長に置きかわるわけですが、以上の意味合いからも、支所長に分権自治の実験的担い手として、地域における市長職務の委任代行をさせるべきではないでしょうか。支所長の決裁権強化や地域完結事業の推進は、次なるステップへの試金石であり、基礎自治体拡大時の対処策にもなります。因島、瀬戸田については、本議会で何人もの議員が橋代の大幅割引を求め、それがかなわぬなら、せめて市の助成金をと訴えています。市の答弁は、判で押したように、「値下げを要望していきます、市の助成はできません」、それはそれでわかります。ならばこそ、各支所で市民の要件がほとんど達せる組織の編成、権限移譲の抜本改革を図る必要があるんではないでしょうか。 一連の改革は、決して新市の一体感を阻害するものではありません。行政組織にとって、新市の一体化は速やかに必要ですが、市民には、二、三十年かけ、次の世代が意識できるようになれば十分です。慌てることではありません。各支所長には有能な人材を配置していると思います。古来より名代官の存在は領民の喜び、城主の手柄、支所長の思い切った活用で市民の利便性を高める、これこそ市民の目線による行政と言えるのではないでしょうか。市民の目線は、市長の市民に対するマニフェストでもあります。 お尋ねします。 支所長の決裁権は現在どの程度あるのでしょうか。決裁権をふやし、地域分権を進める気持ちがおありでしょうか。所管の自主的事業を推進する権限を与えてあるのでしょうか、あるなら、そういう事業の提案が出されたことがありますか。それとも本庁の意向を伝達するだけの職務なのでしょうか。 以上、市長のお考えをお聞かせください。 4番目に、景観条例制定と中心市街地活性化の共生についてお尋ねします。景観条例が本年3月に成立しました。しかし、条例の制定は、単にまちづくりのスタートにすぎず、景観は守る、つくる、育てるが三位一体となって初めて意義をなし、その先にあるのが景観まちづくりです。条例制定により、守るという部分はクリアしました。ところが、その次のつくる、育てる、この方針が全く見えてきません。一体どうなっているのでしょう。景観を守るという大義名分のもと、地域の活力と生存手段を奪ってしまっては本末転倒、景観条例を関係地域の発展にどう結びつけていくのか、これが最も重要な作業です。それができなければ、単に市民の財産権を侵害しただけと言われても仕方ありません。 つくる町並みの目的は、地域経済の活性化です。尾道で言えば、中心市街地の活性化をどう実現、いや、回復するかにかかっています。中心市街地の活性化に欠かせないもの、それは楽しい場所づくりです。楽しさには、見る、買う、食べる、憩う、交流するなどが考えられますが、こうした課題をプロジェクトとして立ち上げる機運が行政内にあるのか、既にスタートしているのか、お聞かせください。 中心市街地を育てるについては、観光客だけでなく、域内の定住人口をいかにふやせるかにかかっています。中心市街地の活性化は、定住人口の増加なくしては考えにくいでしょう。かつての尾道市は、天然の良港を背景に、近隣ではどこよりも人、物が集まり、まちがにぎわっていました。しかし、昭和30年代以降、流通革命の流れの中で小売業の業態が大きく変わります。郊外型大型店舗の出現とともに、既存商店街は地域住民のための小売店と化し、どこもが定住人口の減少とともに衰退の道をたどっているのであります。2007年問題、いわゆる団塊世代の大量退職が始まる年です。1971年のドルショック、73年のオイルショックは、当時世界に激震を走らせました。我が国においても、先行きの激変を予感させる大事件でありました。この両ショック事件の前後に社会人となった方々が、後に有能な企業戦士となり、未曾有の危機を乗り越え、我が国を世界第2位の経済大国に押し上げる原動力となったのであります。そうした方たちが今後10年間に次々と退職され、その数1,500万人とも言われております。 我が国は、今後50年間に3,000万人、70年後には5,000万人の人口減少が予想され、尾道市では、10年間に少なくとも1万2,000人の減少が見込まれています。人口減少は確実に国力の衰退につながります。特に個人消費がGDPの60%を占める我が国経済にあっては、ことに深刻です。商業地域である旧尾道市内に置きかえますと、人口の減少はそのまままちの活力低下とイコールのように思えます。景観まちづくりのプロセスについて、市長の見解をお聞かせください。 また、中心市街地の定住人口をふやすプランをお持ちでしたら、どんな計画をどういうスケジュールで進めようとなさっているのかお示しください。 以上、個々にお聞きしましたが、守る、つくる、育てる、このセットに対し、具体策をまとめて御答弁いただいても結構です。 5番目に、旧橋本庭園の一部公開について、市のお考えをお聞きします。 橋本庭園こと爽籟軒庭園が開園したのが本年4月27日、茶室の明喜庵は5月13日に茶室開きをしております。爽籟軒庭園と明喜庵、開園以来、8月末現在で庭園に6,317人、茶室に724人の来園者があるそうですが、この庭園の公開方法に疑念を持つ者として一言申し上げ、市長の見解をお聞きします。 御承知のように、爽籟軒庭園は、居住部分と一般公開部分との間が高い竹塀で完全に仕切られています。セキュリティーの関係で、御当主の強い御希望だったのかもしれませんが、そうであるなら、この事業は基本的なところで過ちを犯していると思います。今さらですが、庭園全体を公開できないなら、寄附を受けるべきかどうか慎重に考えるべきではなかったでしょうか。寄附を受けたといっても、約1億円もの巨額な市費を投じて整備している代物です。庭園は、高い塀で囲まれ、閉塞感の強いものとなっております。圧迫感こそ感じても、とても安らぎを得られるものではないです。日本庭園には造園家の魂が込められています。一つが全体、全体が一つ、庭園とはそういうものではありませんか。分断しての一部公開は、造園家の魂を冒涜することであり、来園者にも大変失礼なことです。絵画で言うなら、画面を半分布で隠して公開しているに等しい。そんな絵を見せられて満足する人がいるでしょうか。おまけにトイレの施設もなく、来訪者の不評をかっています。中途半端な公開は、尾道の文化どころか恥の文化を公開しているようなもの、庭園のため息が聞こえてくるようです。 芸術文化度の高さを誇りとする尾道ならば、こうした点にもっと神経を張りめぐらせていただきたい。仕切り塀の撤廃が困難であるなら、せめて腰の高さくらいまで垣根を低くできないものでしょうか。あれを橋本庭園と言われたのでは、御当主も恐縮されるのではありませんか。改めて橋本家と交渉されるお気持ちはございませんでしょうか。 また、土日だけの公開です。一般道の歩行者からも庭園が楽しめるようにできないものか、あわせて市長の考えをお聞かせください。 6番目に、映画資料館の展示作品の見直しについてお尋ねします。 大林宣彦監督と平谷市長のにこやかな写真が初夏のころの紙面に載っていました。前市長と監督の関係をいろいろ仄聞していただけに、写真から伝わってくる雰囲気がそのとおりであるなら、まことに喜ばしい限りであります。かつて、若い旅人たちが尾道に愛着と郷愁を持ってくれるようになった最大の功労者が大林監督、尾道市にとって欠かせない存在であることはだれしもが認めるところです。いずれ名誉市民の有力候補に上がる方でしょう。 さて、おのみち映画資料館ですが、入館された方のブログに「がっかりした」という書き込みが相当数あるやに聞いております。尾道を舞台にした映画は過去50本近くあると思いますが、昭和20年代の「東京物語」は別格としても、多くの方がおのみち映画資料館とくれば大林監督を連想するのが普通でしょう。どういうわけで大林作品が展示されていないのか存じませんが、やはり尾道としては画竜点睛を欠いている実態と言わざるを得ません。来館者をがっかりさせないためにも、展示作品を再検討されるおつもりがございませんでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。 最後に、市長に意見を少々述べさせていただきたいと存じます。 6月議会の市長所信表明の中に、「議員の方々と建設的な意見交換をしながら、ともに衆知を集め、力を合わせながら」というくだりがあります。お言葉に甘え、幾つか建設的な意見を述べさせていただきたいと存じます。 ところで、加納副市長がラガーマンであることは知っていたのですが、市長も大学時代ラグビーをやっていたそうですね。私も高校時代1年間ラグビーをやっておりました。今の体型では想像できないでしょうが、ポジションは12番と10番、センターとスタンドオフであります。イギリスで生まれたこのスポーツ、一番好きなところはゲーム終了後のノーサイドです。ラグビーは格闘技と呼ばれるほど激しいスポーツですが、ゲームが終われば敵味方なくお互いをたたえ合う、このノーサイド精神が私は大好きです。市長も、御就任以来4カ月半余り、市民の声を真摯に受けとめ、持ち前の情熱と行動力で果敢にトライ目指して頑張っておられる、その姿勢たるや上々と感じております。今後ともぜひノーサイド精神で行政に取り組んでいただければと期待するものであります。 先日、市長が吉和中の教師時代の話をお聞きしました。生徒に問題が起これば、昼夜の別なくすぐに駆けつける、すばらしい熱血先生であったと地元の母親がなつかしがっておられました。 さて、行政は市内最大のサービス産業です。知恵と工夫で市民生活向上のために精励するのは当然のことですが、「サービス産業たる行政に携わる者すべからく市民に笑顔で接することを旨とする」、こういう憲章はつくれないものでしょうか。公務員はすべて、「全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する」、この文を宣誓して役所に入っています。にもかかわらず、職務熱心を履き違えているのか、市民に対し恫喝まがいの言辞を弄する一部職員も見受けられます。大半のまじめな職員は大変迷惑していることでしょう。未来の子どもたちだけでなく、職員にも公務員、パブリックサーバントとしての再教育を徹底していただきたい。市民本位の行政とは、まずこうしたことからのスタートと思いますが、いかがでしょう。 次に、今尾道市が進めている一体化策は、単に旧2市3町の一元化を進めているにすぎない施策と感じております。一口に尾道市といっても、山育ち、海育ち、風土的にも民意的にも異なる人たちの集合体です。合併後の自治体の姿として、形式的な一体感、形骸化するだけの一体化でなく、本当の意味で地域住民の充実感、幸せ感を満たす施策は何か、いま一度じっくりお考え願いたいと思うのです。市行政の座標軸は常に市民のため、そう思うからであります。 国の強力な主導で行われた平成大合併の目的ははっきりしています。国の財源が厳しくなってきた今日、無目的な公共事業の抑制、ふえ過ぎた公務員の削減、その上で本当に国民生活に必要な仕事はしっかりやること、そのかわり合併特例の10年間は猶予期間とするから、その間、周辺地域で整備不十分なところはきっちりやりなさい、これだけのことです。増田総務大臣は、知事時代、権限、財源、人の一括移譲による市町村中心の行政を推進しておりました。大臣になってもこの方針が変わらなければ、地方分権、地域分権の流れは相当加速されるものと思われます。国や県に対し、地方分権を求めることはしても、その先の地域分権を認めないというのであれば、それは単に地方自治体の御都合主義、市民にとって活力に満ちた生きがいのある地域づくりは絵にかいたもちになりかねません。きめ細かい行政が行き届かないからであります。 また、尾道に編入した我々1市3町の議員や地域活動に汗を流している人に対し、余り地域のことばかり言うなという声をちらほら聞きますが、私はそうした考えに疑問を持っております。特に議員については、オール尾道を視野に入れて考え発言するのは当然のこと、同時に、選挙区は全市であっても、どの議員も地盤とする主たる地域があり、だれよりも当該地域の実情を知っているはずです。その議員が地域の主張を怠っては住民代表とは言えません。議員は地域住民の代弁者でもある、私はそう考えております。 道州制が現実のものとなってきたとき、尾道市もいずれかとの合併は避けることはできません。仮にその合併先が福山市としたならどうでしょう。都市力からいえば、尾道はまず編入合併、よくて新設合併、どう見ても尾道市が存続自治体になることはありません。そうした場合、尾道のことは主張しなくていいのでしょうか、新市のことだけ考え、我が郷土のことはほっておいていいのでしょうか。そうではないでしょう。地域を知り抜いた者がそれぞれアイデンティティーを主張し合うことでよりよい新市が生まれ育つ基盤がつくれます。この過程が尊重されるか否かで合併の正否が決まるものと思っております。このことを市長はどうお考えでしょう。 先ほど、行政に携わる者は笑顔でと申し上げました。市長御自身も率先垂範笑顔で公務、そう願っている市民も多いかと存じます。宮崎県の東国原知事は例外としても、人柄が醸し出す明るさは周囲の人にやる気を起こさせ、市民には元気を与えます。市長は、まちのシンボル、その一挙手一投足がまちの個性ともなります。尾道市は国際芸術文化都市をうたっています。それから伝わるイメージをどうとらえていらっしゃるでしょうか。 最後の項は質問でなく意見としておりますが、私が求めている答弁以外に市長の総括的なお考え、思いがおありであればぜひお聞かせください。 なお、質問通告後ですが、一文つけ加えます。 8月1日より、市から出す書類は順次元号に統一されているよし、これはよくぞ踏み切っていただけました。従来から市の書類は元号と西暦の表記がばらばらのものが多く、例えば決算書類の場合、表題の事業年度は平成の元号、中を見ると西暦と元号が同じページでにらみ合っている。よくもこんな書類を平気で出せるものと、2年前担当部に何とかしなけりゃ恥ずかしいだろうと話していただけに、よく気がついていただけました。この件は、通告期限を過ぎた7日にお聞きしました。しかし、よくぞやった、それをどうしても言いたくてつけ足しました。おかしいものはおかしいのです。こうした改革には大賛成です。これからも大いに頑張ってください。 以上で質問を終わります。9月議会最後の一般質問、皆さん大変あお疲れのところ、長時間にわたる御清聴まことにありがとうございました。 ○議長(井上文伸) 理事者より答弁を求めます。 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) (登壇)新政会議員団を代表されました杉原議員からの御質問に順次お答え申し上げます。 まず最初に、尾道大橋無料化後の延伸道路の料金についてでございます。本州四国連絡高速道路株式会社によりますと、この道路は瀬戸内しまなみ海道の料金徴収区間であり、料金を徴収する大臣許可を受けているとのことでございます。料金は、軽自動車などにつきましては50円、普通車につきましては150円となっており、その他の車種においても、現行の大橋通行料金と同額となっております。なお、尾道大橋と連続利用される方には、通行料金負担を軽減するため、両区間を合わせても、普通車においては150円に抑える特別の措置がとられているとのことでございます。 本市といたしましては、利用者の負担が軽減されるよう、関係機関と協議をしてまいりたいと考えております。 次に、港内渡船の課題についてでございますが、尾道大橋が無料化された場合にあっても、港内渡船には日常生活に密着した交通機関としての大きな役割があると認識しております。従前より、渡船事業者とはさまざまな形で意見交換を進めているところでございます。 次に、国道317号の渋滞緩和対策についてでございますが、市道森金江奥線は、合併協議の際、向島循環線二番潟交差点の慢性的渋滞を緩和する機能を有する新市の交流連携に寄与する路線として位置づけられ、新市建設計画に掲げられております。合併協議時の平成16年度に、旧向島町において委託調査された将来交通量推計によりますと、この路線の整備により、向島循環線の約50%を森金江奥線に転換できると予測されております。このため本路線は、向島地区との大動脈として、また土地利用の促進、交通の分散化といった観点から早期完成を目指しております。 また、広島県におきましても、東西橋の変形五差路を交通安全並びに二番潟交差点の渋滞緩和の観点から改良すべき交差点として、平成17年度から平成18年度にかけて測量設計に着手し、用地交渉を進められています。森金江奥線の整備と東西橋の交差点改良などにより渋滞緩和を図っていきたいと考えています。 次に、(仮称)堤線の整備についてでございますが、この路線も、森金江奥線と同様、新市建設計画へ向島循環線、二番潟交差点の慢性的渋滞を緩和する路線として位置づけられております。(仮称)堤線につきましては、一昨年以降、本四高速並びに広島県と最適ルートの検討に向けて調整しております。本路線の整備のために本四高速の用地を利用した場合には、本来の道路整備費に加え、将来尾道市が支払うこととなる負担金が生じてまいりますので、これらを踏まえた最適ルートの検討が必要であり、関係機関と調整を行っております。 次に、交通動態調査研究の委託費についてでございますが、新市建設計画に位置づけられている路線につきましては、旧向島町の路線計画の中で、それぞれ必要な範囲で交通量を調査し、平成42年までの将来交通量の推計がされておりますので、当面はこれによりたいと思います。加えて、尾道市と向島町を含めた総合都市交通計画が広島県により策定されております。この際にも、詳細な交通量調査に基づき、平成27年までの将来交通量の推計がされておりますので、交通動態推計として活用してまいりたいと考えています。 次に、開票時間の短縮についてでございますが、本市におきましても、さきの参議院選挙では、開票時間の短縮を目指して、三次市や他市の取り組みを参考に開票事務従事者全員を対象にした事前研修や機能性を重視した運動靴、スラックスの着用、開票所のレイアウトの見直しなどを行ったところでございます。このことにより、開票終了時刻を予定より約40分短縮することができました。また、選挙終了後には、職員から開票事務への建設的な意見や改善点の提案を受けております。今後も職員の意見や各市の取り組みを参考に、効率的な開票事務に取り組んでまいります。こうした意識改革は行財政改革の推進には欠かすことのできないものであると思っております。開票時間短縮の取り組みに限らず、職員1人1人が高い意識と新しい感覚を持って、あらゆる分野において発想の転換を図り、従来の考え方や仕事の進め方を見直すことが肝要であると考えております。今後も、職員研修等を通じて、引き続いて職員の意識改革に取り組んでまいります。 次に、支所長の決裁権限についてでございますが、合併により新設した支所長は部長級の位置づけとしておりますので、支所長の決算権限は本庁部長級と全く同様となっております。決裁権限の移譲につきましては、副市長制度の導入に当たり見直しを行い、市長権限の一部を副市長へ移譲いたしましたが、今後は副市長の権限を部長へ、部長の権限を課長へと、さらなる移譲も検討していきたいと考えております。 次に、合併により尾道市となった地域につきましては、地域の個性や特色を生かしながらまちづくりを進めていくことが当然のことと考えております。一方、事務処理につきましては、地域全体で統一的な処理を行う必要がございますので、現在のところ支所長に市長の権限を委任したり、支所長の決算権限を他の部長に比べて強化したりといった考えはございません。 次に、地域に密着した事業につきましては、御調支所及び向島支所における地域づくり活動支援事業や、市民センターむかいしま及び瀬戸田支所庁舎の建設事業、囲碁のまちづくり事業、水軍ふるさとまつり、瀬戸田夏祭りなどのイベント、健康診断や健康相談などの健康づくり事業等は、それぞれ所管の支所に予算を配当いたしております。いずれにいたしましても、現在の仕組みの中で自主的事業の推進などに努め、引き続き魅力ある地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、中心市街地活性化についてでございますが、将来にわたって活力のあるまちを持続的に発展させていくためには、既存のストックなどを有効に活用し、個性を一層磨いていく必要があると考えております。今後は、まちが持つ資源、財産等を活用しながら、花を中心とした潤いと安らぎのあるまちづくりを進めるとともに、来訪者が歩いて楽しめる回遊ルートの企画、発信などに努めてまいりたいと考えております。また、商工会議所、商店街などとの意見交換を行った上で、具体的に何ができるのかを検討する場を設定したいと考えております。 次に、景観まちづくりのプロセスについてでございますが、現在景観条例等の施行により、新しい枠組みでの景観の景観まちづくりを進めており、その周知啓発に努めているところです。景観の守る、つくる、育てるの観点からは、まだ緒についたばかりであり、当面は新しい枠組みの中で地域の活性化につながるような事案について支援するという立場でまちづくりを進めていきたいと考えております。 次に、中心市街地の定住人口の増加策についてでございますが、まちが持つ資源、財産に一層磨きをかけるとともに、新しい魅力を発掘することで、より個性的なまちづくりを行い、交流・定住人口の増加につなげていきたいと考えています。 また、空き家情報や就業相談窓口、交流体験メニュー、暮らしの情報など、移住を希望する方に必要な情報を効果的に発信するため、広島県と県内市町が連携して開設した広島県交流・定住ポータルサイト広島暮らしを積極的に活用してまいります。 次に、爽籟軒庭園についてでございますが、この庭園は、尾道の歴史、文化を語る上で大変貴重な資産であるものと思っております。公開に際しましては、セキュリティーやプライバシーへの配慮も念頭に、橋本家と十分協議を重ねる中で竹塀を設置したものでございます。また、デザイン的にも庭園との調和に意を用いております。歩道沿いの塀につきましても、橋本家と協議し、高さにも配慮して、開口部を設けるなど、歩行者から庭園内がかいま見れるよう工夫もいたしております。 次に、おのみち映画資料館の展示内容についてでございますが、この施設は、尾道ゆかりの映画の資料を展示する施設として整備したものでございます。開館に当たっては、大林監督の御意見もお聞きし、また運営検討会議においても幅広く皆様の御意見を聞く中で、今日まで「東京物語」を中心とした映画資料の展示や特別展等に工夫を凝らしてまいりました。今後とも皆様に親しまれる資料館となるよう努めてまいります。 最後に、御意見をちょうだいし、何か思いがあればということでございますので、私の市政運営に対する考え方を申し上げたいと思います。 さきの6月議会におきまして、私は、「未来ある子どもたちのために私たちは何を残すのか」、「合併した個性豊かな地域と地域が理解し、認め合い、手をつなぎ、新生尾道をいかに前進させていくか」という二つの視点を大切にした市政運営を行ってまいりたいと所信を述べさせていただきました。これを可能にするためには、言いかえれば、尾道の未来を支えるものは、トップのリーダーシップと約2,400人の市役所職員一人一人の持つ力が有機的に結びつき、市民のために進むべき方向性が一致し、連携することで生まれる総合力だと思っています。職員一人一人がやりがいをもって働き、それを組織全体の力として集約することがなければ、リーダーシップも十分機能しません。その意味からも市役所の新しい仕事のスタイルを確立し、チーム力、総合力を高める取り組みを進めていく必要があると考えています。 また、市民が真に求めるサービスをより高めていくために、積極的に市民の市政参画をいただき、民間の知恵や力を取り入れながら、行政と市民との協働によるまちづくりを進めてまいりたいと考えています。官民の役割と連携を進めるとともに、特に行政をして担保すべきサービス水準とそのための仕組みづくりに取り組んでまいります。 因島ロッジの前に、「念ずれば花ひらく」と刻まれた石碑があります。これは、いやしの詩人と言われ、また人はどう生きるべきかを一生の命題とする祈りの詩人とも呼ばれた坂村真民先生の言葉です。先生の「あとから来る者のために」という詩を御紹介します。「あとから来る者のために、苦労するのだ、我慢をするのだ、田を耕し、種を用意しておくのだ、あとから来る者のために、真民よ、おまえは詩を書いておくのだ、あとから来る者のために、山を、川を、海をきれいにしておくのだ、ああ、あとから来る者のために、皆それぞれの力を傾けるのだ、あとからあとから続いてくる、あのかわいい者たちのために、未来を受け継ぐ者たちのために、皆それぞれ自分でできる何かをしていくのだ」。私は、この詩を胸に刻んで尾道市政に対する責任を果たしてまいろうと強く思っております。 もとより行政は、住民の福祉の向上を目指すものでなければなりません。尾道市の長として、市民全体の利益を最優先として考慮することが重要だと考えています。行政運営の失敗の影響は市民に及ぶことを踏まえ、市民、市議会、首長が自治の担い手としての意識改革を行い、そのもとで職員もみずからの使命をしっかり自覚して、それぞれが確固たる意思と責任を持って進んでいかなければなりません。どうか議員各位、市民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げまして、答弁といたします。 ○議長(井上文伸) 15番、杉原議員。 ◆15番(杉原孝一郎) 市長の思いを聞かせていただき、ありがとうございました。 ならば、その思いをもう少し実態的なところに踏み込んでいただきたいと思うところがございます。 まず、冒頭に淡々と述べられた延伸道路への進入料金が、軽四50円、普通車150円とさらっと言われましたが、現在私たちは大橋を、通勤者は軽四が35円、回数券40円で渡ってるんですね。普通車については、通勤車105円、回数券120円。尾道大橋は無料になったけれども、延伸道路、今約60%車が通行してると思いますが、かえって高くつくと。ただになったら、向島の人が高いものを払わなきゃいけないということをそう淡々と述べられたのでは困りますね。そこをどうとらえていらっしゃるのかということがまず1点。 そして、尾道大橋無料化後、いろんな課題を言いました。真摯に取り組んでいるものももちろんあるんでしょう。先ほど直進道路について、永遠にその自治体として本四高速に負担金を払わなきゃいけないというのは、どういう場合に払うかということが今抜けてましたね。あれは、上の高架橋を4車線にした場合負担が生じるということなんですよ。その4車線にそれを拡幅するという計画が現実にあるかどうか、今でさえ大赤字のこの大橋が、100年後にはあるかもわかりませんが。そういった点をもっときめ細かく分析した上で、どうするかということをぜひ我々の方にも言ってほしいと。一部の情報ないままそういった答弁をされたのでは、誤解を招く原因にもなります。 そしてもう一つ、向島の町民については、迂回をしてから向東の小学校を回っていけということでございます。これ50%じゃ言われましたね。何を根拠に50%という数字をはじかれたのか、これもあわせてお聞きしたいと思います。 それから、もう余り言いません、定住人口のところでありますが、ずっと聞いてますと、3人ほどの答弁に同じ答弁をほぼされてました。しかしながら、空き家対策をしたぐらいでは、これはスズメの涙といいますか、ほんのわずかの効果で、本当のその商店街の活性化につながることは、はっきり言ってありません。抜本的な人口増を図る方策を考えない限り、ちょっとあいたところへ人住まわせたぐらいで商店街の活性化があるはずもありません。そういった点を、もっとこれ市長、担当部局の方は真剣に考えてやっていただきたい、そのように思っております。 今のでちょっと御答弁ください。 ○議長(井上文伸) 藤井企画財務部長。 ◎企画財務部長(藤井正喜) 最初のしまなみ料金にかかわっての御質問でございますけれども、この問題につきましては、私どもも本四高速へ無料後ということで延伸道路についてのお問い合わせをいたしましたところ、御答弁申し上げたような回答が返ってきました。決して淡々と御答弁をさせてもらったわけでございません。このことについては、今後、本市としても一丸となって、住民に負担が最小限、できるだけ軽減されるようにというふうな視点に立ってあらゆる努力を傾注してまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(井上文伸) 小田原建設部長。 ◎建設部長(小田原輝志) 私の方へ2点の御質問でございますが、まず1点目の(仮称)市道堤線の整備に伴うことの中で、尾道市が将来負担金を支払う可能性についての御指摘でございますが、これにつきましては、本四高速と協議する中で、現在、議員御指摘のように、4車線化した場合のもう既に設計ができておりますが、その設計変更をする場合は、当然将来的には尾道市へそういう負担がある、どうしても降りかかってくるという御指摘なり、向こうの方の意見が出ましたんで、市道を整備する場合、そういうふうな後年度負担の可能性がある市道をそこまでやっていくのがどうなのか。今現在でも、市道整備プラスの、市道整備分以上の負担金が生ずるような市道を本当にやるべきなんか、その渋滞の原因は何かっていう、そういうふくそうした複合した検討した中では、二番潟交差点から東西橋にかけての渋滞につきましては、東西橋の変形した交差点が主な原因でございまして、あそこを起点に渋滞しておりますんで、そこら辺のところのまずは整備が肝要かということの中で、市長答弁のようにさせていただきました。 それから、50%の向島循環線の転嫁でございますが、これにつきましては、向島町時代に、平成17年3月に、町道田尻江奥線の測量設計業務委託っていう報告書ございますが、設計報告書がございました。その中の設計の中で、循環線分の約50%が森金江奥線の方へ転嫁できる可能性があるよっていう分析がございますんで、これを援用した中で今のあの事業を進めているところでございます。 以上で答弁させていただきます。 ○議長(井上文伸) 藤井企画財務部長。 ◎企画財務部長(藤井正喜) 定住の問題につきましても、中心市街地に人口をふやすという視点からすれば、私どももそういう営みをやってきておるところでございますが、なかなか難しいところがございます。ですから、情報提供ということに視点を置いて御答弁させていただきましたけれども、本市独自の施策といたしましても、例えばロングステイ型の、滞在型の施策を展開するとかというふうに、そういった視点からの営み、そしてまた総合的に見れば、産業基盤あたりの安定化、産業基盤を強化するという意味の視点からでの取り組みと、そういったことも視野に入れながら取り組んでいきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(井上文伸) 15番、杉原議員。 ◆15番(杉原孝一郎) まず、橋のとこ、こだわりますけど、橋を無料にした方が高い料金につくということは、これは市民のほとんどは知らないんですよ。そういった問題の情報を、だからこそ私は早く開示して、市民にとって一番いい方策は何かを考えてくださいということをこのたびも質問したわけです。今初めてでしょう、尾道市側から。今35円ないし40円で通過できるものが今度は50円かかるという、普通車に対しても30円高いもの、じゃあ何のために橋を無料にするのかということになるわけです。山波へおりるとなるとそれは嫌で、あそこの交通渋滞はどれほど続くと思いますか。あの信号は約1分40秒かかるんですね、向島側からあの国道2号線へ出ようとすると。それを何回待つようになりますか。そういった物すごい大きな問題があるんです。もちろんぼうっとしてるとは言いません、ぼうっとしてるとは言いませんが、本当に深刻なんです。 先ほど小田原部長の方が、兼吉の交差点をやらなきゃいけない、私言ったでしょう、地権者売らないと言っているものをどうやって改良できるんですか。そして、車両が1万台超えたら複線にしなきゃいけないというのありますが、あそこのあずまやさんのとこからはずっと向こうにかけて、もう一度下がれというてもだれも下がりません、いましばらくは。そういう現実的な対応ができないときどうするかということは、直進道路を何が何でも抜いていくんだという、そういう気構えが欲しいんです。今最後に市長が自分の意気込みをおっしゃいました。それを各部局の方々も真剣に受けとめて、何が何でもおれの責任でやってやるんだという、そういう気概を見せてほしい。そういう気概を持って初めて大改革も可能だし、尾道も変わっていくんじゃないでしょうか。ツートップが変わっただけじゃだめですよ、皆さん方が変わってくれないと。 長くなるんで余り言いませんが、先ほどの答弁ずっとお聞きしておりますと、ちょっと間の抜けた答弁もあります。担当者がどれだけ問題意識を持っているか、私はそれを聞きたくてこのたびいろんな問題を提示しました。一緒に変わろうじゃないですか。あくまで座標軸は市民のためでしょう、フォー・ザ・ピープルですよ。そういった点を、これはもう答弁結構です。今問題意識は共通したと思います。本当に橋が無料になってかえって高いものにつくようになるということを市民に知らせ、それをどう防いで、どうきちっと対応していくのか、そういったことを真剣に受けとめ、実施していっていただきたいと思います。 渡船についても同じです。また、前回答弁と同じように傍観者的なものであって、積極的にどう取り組んでいくのか、総合施策が今欠けてると思います。 以上であります。 ○議長(井上文伸) 平谷市長。 ◎市長(平谷祐宏) 特に答弁を求められてるわけでございませんが、向島町における交通渋滞、それから尾道大橋の料金の問題、私も向島在住でございますので、その料金の問題、交通渋滞の問題については町民の立場、市民の立場でございますが、毎日実感してるものでございますので、緊張感を持って取り組みをしていくというのは前提でございます。そういうようにとらえていただきたいと思いますが。 ただ、向島町のこの交通渋滞というのは、道路整備等も含めて、あるいは信号の問題も含めて、そういった過去の経緯が向島町の時代にもありますので、そういった内容も踏まえながら前向きに考えていかなければならない問題だというふうにとらえています。向島大橋のいわゆる無料化に伴うこのそれぞれの課題については、担当部署等含めて、とにかく気持ちを一つにしながら取り組みをしていきたいというふうに思いますので、また具体的な内容等につきましては、意見等は委員会等で聞かせていただいたらというふうに思います。 以上です。 ○議長(井上文伸) これをもって一般質問を終わります。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。                午後2時45分 散会  ────────────────── * ──────────────────   地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。     尾 道 市 議 会 議 長     尾 道 市 議 会 議 員     尾 道 市 議 会 議 員...