○議長(
加藤忠二) 立会人は御参集願います。 開票を行います。 〔開票、投票点検〕
○議長(
加藤忠二) 選挙の結果を報告させます。 〔
有田真議会事務局長起立〕
◎
議会事務局長(有田真) 御報告申し上げます。
出席議員 32名 投票を棄権した者 なし 投票総数 32票 有効投票 32票 有効投票中
中田議員 29票 山上議員 1票 岡崎議員 1票
平岡議員 1票
○議長(
加藤忠二) ただいま報告申し上げましたとおり、
中田議員が副議長に当選されました。 副議長に当選されました
中田議員を紹介いたします。 30番
中田議員。 〔30番
中田光政議員登壇〕
◆30番(
中田光政議員) ただいま当選させていただきました中田でございます。若輩ではございますが、議長を支え、呉市議会の発展、また呉市発展のために力いっぱい努力してまいりますので、今後も御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。まことにありがとうございました。(拍手) ──────────────────────────────
○議長(
加藤忠二) この際、渡辺前副議長から退任の挨拶があります。 22番
渡辺議員。 〔22番
渡辺一照議員登壇〕
◆22番(
渡辺一照議員) おはようございます。退任の挨拶をさせていただきます。 1年間いろいろと御指導、御鞭撻、本当にありがとうございました。この1年間の経験を糧に議員生活、また呉市議会の発展のために今後とも頑張っていきたいと思いますので、本当に1年間ありがとうございました。(拍手)
○議長(
加藤忠二) この際、渡辺前副議長に対し
片岡議員から謝辞があります。 26番
片岡議員。 〔26番片岡慶行議員登壇〕
◆26番(片岡慶行議員) 甚だ僣越ではございますが、渡辺前副議長の退任に当たりまして、
議員一同を代表いたしまして、一言お礼の言葉を述べさせていただきます。 渡辺前副議長におかれましては、副議長に就任されて以来、実直かつ温厚なお人柄でもって、また、まことに強い責任感のもと加藤議長を支えられ、終始円満な議会運営に努力されてきたところでございます。また、
政策研究会では、座長として
議会報告会の企画運営に熱心に取り組まれたほか、昨年度は次世代を担う高校生との
意見交換会を市内4校において実施するなど、大きな実績を上げられたところでございます。 これまでの御労苦と御功績に対しまして敬意と感謝の意をささげるとともに、今後とも呉市、
呉市議会発展のため、引き続き御尽力賜りますようよろしくお願いを申し上げます。 甚だ簡単ではございますが、
議員一同の感謝の言葉といたします。まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(
加藤忠二) それでは、しばらく休憩いたします。 午前10時19分 休 憩 ────────────────────────────── 午前10時40分 再 開
○副議長(
中田光政) 会議を再開いたします。 ──────────────────────────────
△永年勤続議員に対する感謝決議
○副議長(
中田光政) この際、御報告申し上げます。 去る5月30日、東京におきまして、第94回
全国市議会議長会定期総会が開催され、当総会において、
森本議員、山本議員、
渡辺議員、以上3名におかれましては議員在職20年の特別表彰を、また、加藤議長、
平岡議員、林議員、
池庄司議員、
片岡議員、以上5名におかれましては議員在職15年の一般表彰をそれぞれ受けられました。まことに御同慶にたえません。同時に、関係議員の長年の御労苦に対し、心から敬意を表する次第であります。 つきましては、申し合わせにより、議会の決議をもって感謝の意を表したいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(
中田光政) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定されました。 感謝状の文案は、先例により議長において起草いたしましたので、御了承願います。 これより感謝状の贈呈を行います。 〔
中田光政副議長、議長席より演壇におりる〕 〔
有田真議会事務局長、局長席より事務局席におりる〕
◎
議会事務局長(有田真) 受賞されました8名の方は、御起立をお願いいたします。 〔
受賞者起立〕
◎
議会事務局長(有田真) 受賞者8名を代表されまして、
森本議員、演壇へお願いいたします。 〔32番
森本茂樹議員、演壇へ進む〕
○副議長(
中田光政) (朗読) 感 謝 状 森 本 茂 樹 殿 あなたは、
呉市議会議員として20年の長きにわたり、よく市政の振興に寄与され、その功績は誠に顕著なものがあります。 このたび
全国市議会議長会の表彰を受けられましたので、その功労に対し、ここに市議会の決議をもって感謝の意を表します。 平成30年6月11日
呉市議会議長 加 藤 忠 二 〔
感謝状授与、拍手〕 〔32番
森本茂樹議員は自席へ戻り、
中田光政副議長は議長席に着席〕 〔
受賞者着席し、
有田真議会事務局長、局長席に着席〕
○副議長(
中田光政) ただいま受賞者を代表して
森本議員にお受け取りいただきましたが、ほかの方々に対しましては後ほど贈呈いたします。 この際、
議員一同を代表いたしまして、私から
一言お祝いの言葉を述べさせていただきます。 〔
中田光政副議長、議長席より演壇におりる〕 甚だ僣越ではございますが、
議員一同を代表いたしまして、
一言お祝いの言葉を述べさせていただきます。 さきの
全国市議会議長会定期総会におきまして、表彰の栄に浴されました
森本議員、山本議員、
渡辺議員、加藤議員、
平岡議員、林議員、
池庄司議員、
片岡議員の御功績に対しまして、我々
議員一同といたしましてもただいま感謝決議をもって深甚なる敬意を表しましたところでありますが、ここに改めまして心からお祝いを申し上げます。まことにおめでとうございます。 さて、呉市は、昨年9月に4市4町で形成する
連携中枢都市圏の
中枢都市宣言を行ったわけでありますが、周辺市町からは地域を牽引する中心都市としての役割が一層求められているところであります。このような中で呉らしさを生かした地方創生を実現し、より魅力的で活力あふれる
まちづくりを進めていくためには、
二元代表制の一翼を担う我々議会の役割がこれまで以上に重要なものとなります。 皆様におかれましては、これまでの豊かな経験を生かし、今後とも呉市発展のため、格段の御尽力を賜りますように切にお願い申し上げまして、お祝いの言葉とさせていただきます。本日はおめでとうございました。 〔
中田光政副議長、議長席に着席し、
受賞者着席〕 この際、表彰を受けられました議員を代表しまして、
森本議員から謝辞があります。 32番
森本議員。 〔32番
森本茂樹議員登壇〕
◆32番(
森本茂樹議員) 一言お礼を申し上げたいと思います。 本日は、
全国市議会議長会より表彰を受け、大変喜んでおるところでございますけれども、私は平成3年の選挙におきまして
安浦町議会議員として初当選をし、その後、8期連続当選を重ねてまいりました。多くの方々にお世話になったわけでございますけれども、宮沢賢治の本の中に「
雨ニモマケズ風ニモマケズ」という言葉がありますけれども、
嫁ニモマケズ親戚縁者ニモマケズ、頑張ってまいったところでございます。 冗談はさておきまして、私は常々、いつも是々非々という言葉を胸に秘めて頑張ってきたところでございます。この議案を通せば呉市がよくなる、呉市民が幸せになれると思えば賛成をし、この議案を通せば呉市がだめになる、呉市民が不幸になると思えば反対をしてまいりました。よく議会と執行部は車の両輪であれと言われますけれども、ただ単に手をつないで仲よくするのではなくて、お互いがかんかんがくがくと議論を交わしながら切磋琢磨し、呉市の方向性をよい方向に向けていくことが車の両輪ではなかろうかと思っております。呉市にはまだまだたくさんの懸案事項があるわけでございますけれども、一言で言えば
少子高齢化に伴います市民の地域が疲弊をしておるということでございます。議会と執行部が一体となってこの地域の活性化を進めていくということが、呉市にとって重要な課題であると思うわけでございます。 最後になりましたけれども、この表彰をしていただくに当たりまして、多くの皆様方の御支援のおかげ、また先輩諸公のおかげと心より感謝を申し上げ、私欲を捨て、今後ますます呉市の発展のために頑張っていくことをお誓い申し上げ、お礼の言葉といたします。本日はありがとうございました。(拍手) ──────────────────────────────
○議長(
加藤忠二) 諸般の報告をさせます。 議事課長。 〔
小松史洋議事課長朗読〕
呉市議会報告第7号 諸 般 の 報 告1 受理した委員会の
行政視察報告書は次のとおりである。
議会運営委員会行政視察報告書 2通
総務委員会行政視察報告書 1通
総合交通対策特別委員会行政報告書 1通2 市長が提出した議案は次のとおりである。 議第80号 専決処分の承認について 外21件3 受理した報告書は次のとおりである。 報告第7号 予算の繰越しについて 外6件4 受理した
監査報告書は次のとおりである。 監査報告第3号 平成29年度定期監査及び行政監査の結果報告について 外7件 ──────────────────────────────
○議長(
加藤忠二) なお、報告第11号から第13号並びに監査報告第3号から第10号はお手元に配信いたしておりますので、念のため申し上げます。 この際、異動がありました
議事説明員を紹介いたします。 順次、自己紹介願います。
◎理事(田口康典) 理事の田口でございます。よろしくお願いいたします。
◎
福祉保健部長(池田昌彦)
福祉保健部長、池田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
◎
福祉事務所長(
原垣内清治)
福祉事務所長の原垣内でございます。よろしくお願いいたします。
◎産業部長(大下正起) 産業部長の大下でございます。よろしくお願いいたします。
◎
産業部参事(松下武雄)
産業部参事の松下でございます。よろしくお願いいたします。
◎土木部長(北岡宏紹) 土木部長の北岡でございます。よろしくお願いいたします。
◎
会計管理者(矢口正和)
会計管理者の矢口でございます。よろしくお願いいたします。
◎教育部長(小川聡) 教育部長の小川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
◎
経営総務部長(道本幸雄)
上下水道局経営総務部長の道本でございます。よろしくお願いいたします。
◎建設部長(赤瀬正敬)
上下水道局建設部長の赤瀬でございます。よろしくお願いいたします。
◎
総務部参事補(小山成則)
総務部参事補、小山と申します。よろしくお願いいたします。
○議長(
加藤忠二) 以上で紹介を終わります。 ──────────────────────────────
△日程第1 会期決定について
○議長(
加藤忠二) 日程に入ります。 日程第1、会期決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。 会期は6月25日まで15日間にいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
加藤忠二) 御異議なしと認めます。よって、会期は15日間と決定されました。 ──────────────────────────────
△日程第2
議会運営委員会の
行政視察報告について
○議長(
加藤忠二) 日程第2、
議会運営委員会の
行政視察報告についてを議題といたします。 本件は、お手元に配信しております。 ────────────────平成30年度
議会運営委員会行政視察報告書(委員長班)1.期 日 平成30年4月25日(水)~27日(金)2.視察委員 片岡慶行(委員長)、山上文恵、神田隆彦、土井正純3.視察都市月日視察先調査事項4月25日(水)滋賀県彦根市議会運営・議会改革について4月26日(木)京都府亀岡市4月27日(金)奈良県奈良市4.視察目的 本市議会は、平成22年6月に議会基本条例を制定し、
議会報告会の開催、一般質問や議案質疑における一問一答方式の導入、決算審査における事務事業評価の活用などのほか、タブレット端末の導入や議会図書室の機能強化などの議会改革に取り組んでいる。 そのような中、他市の一般質問の方法や予算・決算の審査方法、議会改革の取り組みを参考とするため、視察を行った。5.視察内容(1)滋賀県彦根市 ①調査内容 彦根市議会では、質疑と一般質問を「質疑ならびに一般質問」として代表質問、個人質問の中で行っている。代表質問は3月、9月定例会、個人質問は定例会毎に行うこととしている。発言時間は代表質問60分以内、個人質問30分以内で、いずれも答弁を含まない。特筆すべきは、委員会での議案審査の後に委員会が所管する事務について、通告も時間制限もない一般質問を行っているとのことである。 予算の審査方法については、平成20年以前は常任委員会ごとに分割審査していたが、平成21年から特別委員会となり、平成28年5月臨時会で委員会条例を改正し、予算常任委員会を設置し審査している。委員構成は会派按分ではなく、専門性を重視し、予算常任委員会以外の3つの常任委員会から4人ずつ選出している。 決算については特別委員会で審査し、委員構成は予算常任委員と正副議長を除く10人で分科会はない。審査日数は9月定例会中の3日間で、発言時間の制限はない。 また、議会改革の取り組みとして、広報、広聴機能を充実するため、議場開放促進委員会、広報委員会、広聴委員会の3つの委員会を設置している。 平成26年から開催している
議会報告会は、これまでワークショップ形式やワールドカフェ方式での開催にも取り組んでいる。 また、市民に議場をより身近に感じてもらうため、議場開放の一環として議場コンサートを開催している。開催時間は午前に会議がある日の午後30分程度とし、出演者は議員の仲介により出演交渉しているとのことである。 そのほか、市の未来を担う子供たちに、議員として質問や提案をすることを通じて、市議会や市の取り組みを身近に感じ、興味を持ってもらうことを目的に、議場開放促進委員会が中心となり、市、教育委員会と合同で「子ども議会」を開催している。 また、地方自治および地域社会の活性化と地域における人材育成に寄与することを目的に、彦根市議会は滋賀大学経済学部と連携及び協力に関する協定を平成29年8月に締結している。大学の講義に議員が参加し、市議会広報紙に大学生の意見を反映させるための意見交換を行ったとのことである。 ②質疑応答 委員会で一般質問を行うようになった経緯、委員会での委員外議員の発言、討論での発言時間、
議会報告会でのファシリテーター、
議会報告会からの政策提言、議選監査委員のあり方についての協議、議会広報紙などについて質疑が行われた。 ③呉市での展開の可能性 広報、広聴機能を充実するために3つの委員会を組織して取り組むことは、役割が明確になるだけでなく、議会全体で広報、広聴の推進を図ることとなり、開かれた議会の促進につながるのではないか。また、大学との連携についても、若者の意見を議会に取り入れることで、議会の活性化につながるのではないかと感じた。(2)京都府亀岡市 ①調査内容 亀岡市議会では、一般質問を代表質問と個人質問に分けており、代表質問は3月定例会のみ実施している。代表質問の発言時間は答弁を含まず40分以内、個人質問の発言時間は答弁を含めて45分以内で、3月定例会のみ会派配分としている。正副議長、議選監査委員は質問しないこととなっており、そのほかの議員は毎定例会質問している状況である。 次に、予算の審査については、全議員の半数で構成する予算特別委員会で行い、分科会はない。委員会での発言の方法は、一問一答方式で1回当たり3項目以内、回数制限は原則ない。 決算の審査については、議長と議選監査委員を除く全議員で構成する決算特別委員会に付託し、常任委員会単位とする分科会で審査している。審査においては、各分科会3項目を選定し、事務事業評価を実施している。 議会改革の取り組みとしては、
議会報告会と並行し、各自治会からの希望により「わがまちトーク」という
意見交換会を実施している。平成28年度は5地域、平成29年度は4地域で開催し、各地域での課題について
意見交換会を行った。また、平成29年には、成人式実行委員会と将来の亀岡像をテーマに意見交換を行った。 また、議会活性化の一環として、平成30年6月議会から通年議会を実施するとのことである。定例会の会期を概ね1年間(6月~3月)とし、会期中は必要に応じて会議を開くことができ、これまで閉会中に市長が専決処分していた議案等を、迅速に審議できる体制を整える。会期は6月から翌年の3月末までとするが、議案審査や一般質問については、従来どおり6月、9月、12月、3月の各議会期間の中で実施し、会期中の休会期間に市長から議案が提出される場合は、特別議会を開き、速やかに議案を審議するとのことである。 そのほか、反問権については、論点整理のために認めていたが、平成23年9月定例会より、制限なしの反問権とした。 ②質疑応答 通年議会の導入に至った経緯、これまで専決処分していた年度末の税制改正の対応、反問権行使の頻度や内容、議会広報紙における発言者の写真掲載や編集作業、常任委員会の同時開催などについて質疑が行われた。 ③呉市での展開の可能性 通年議会の導入については、以前の
議会運営委員会で検討したこともあるが、議会が主導的、機動的に活動できるようになり、行政をチェックする機関としての議会の権能をさらに高められるのではないだろうか。現在、いくつかの議会が導入しているが、今後も他都市の事例を参考に通年議会の導入を研究していくべきであると感じた。(3)奈良県奈良市 ①調査内容 奈良市議会では、質疑と一般質問を併せて行っており、その中で代表質問と個人質問を行っている。代表質問、個人質問とも毎定例会行っており、代表質問の発言時間は答弁を含めて60分以内。個人質問の発言時間は、会派においては会派人数に15分を乗じた時間を割り当て、無所属議員においては1年間60分としている。いずれも答弁を含むこととしている。 次に、予算と決算の審査方法は、奈良市議会委員会条例により常任委員会として予算決算委員会を規定している。議長を除く全議員で構成し、予算決算委員会に付託された議案は分科会で審査している。現在も予算決算案件の審査方法については検討中であり、以前のように選抜委員で構成する特別委員会での審査のほうがよいという意見もあるようである。 審査の流れは、本会議で全議案の付託を受けた後に、委員会単位の分科会を開催する。分科会では質疑のみで、全ての分科会が開催された後、最後に全体会としての予算決算委員会を開催し、分科会での委員長報告、総括質疑、討論、採決を行う。 そのほか議会改革の取り組みとして、平成23年の議長選挙における不祥事を受け、市民の信頼を回復するため、平成24年から正副議長選挙の立候補制を導入している。本会議を一旦休憩し、立候補者からの所信表明の後、本会議を再開して選挙を行う方法で、インターネット中継により公開した。しかし、立候補していない議員に票が入り、本来の目的である、市民に対し、どういった経緯で選ばれたかを明らかにすることが不透明になったことから、平成26年からは、本会議での所信表明をなくし、公開する
議会運営委員会において、会派からの推薦者の氏名のみを表明し、立候補を擁立した理由を説明することとしている。 また、議会の閉会中に発生した緊急の場合の有効な対策として、平成25年から文書質問を導入していた。1議員につき年4回までとし、1回当たりの質問件数は1件。質問は全議員に配付され、ホームページにも公開される。実績としては、年数件程度とのことである。 ②質疑応答 予算決算委員会の分科会での審査方法、正副議長選挙の立候補制を導入した背景、文書質問の質問内容や有効性、委員会での一般質問、議会改革の歴史、委員会でのインターネット中継などについて質疑が行われた。 ③呉市での展開の可能性 予算決算を常任委員会単位である分科会で審査する方法は、常任委員会が所管する事務を専門的に審査することができることとなる。今後の本市における予算決算の審査方法の参考としたい。 また、本市議会は呉市議会基本条例第2条で議会の活動原則として「市民にわかりやすい議会運営」を規定している。正副議長選挙の立候補制は、これに沿ったものであり、今後の議会運営において必要なことではないかと感じた。 ────────────────平成30年度
議会運営委員会行政視察報告書(副委員長班)1.期 日 平成30年4月25日(水)~27日(金)2.視察委員 林田浩秋(副委員長)、藤原広、岩原昇、小田晃士朗3.視察都市月日視察先調査事項4月25日(水)山口県山陽小野田市議会運営・議会改革について4月26日(木)大分県大分市4月27日(金)長崎県長崎市4.視察内容(1)山口県山陽小野田市 ①調査内容 山陽小野田市では、議会運営に関する視察の対応を
議会運営委員会の委員が行っている。 予算・決算の審査方法については、2年前まで予算決算常任委員会の9名で行っていたが、全議員が審査にかかわることができるように、昨年10月の改選から議長を除く全議員で行う一般会計予算決算常任委員会を設置した。審査は、総務文教、民生福祉、産業建設、理科大特別委員会の4つの分科会で行っているが、分科会では質疑のみで討論採決が行えない、1日に1分科会しか行えないため、日数がかかるといった課題がある。 また、議会改革について、山陽小野田市では、公開方式による全議員参加型の議会政策討論会を開催している。開催の流れは、会派の代表が議長に対し議題を申し入れ、
議会運営委員会で議題を決定し、当日は議長が座長となり議事進行する。この討論会で出された意見は、各委員会で審査や政策立案し、意見がまとまれば市長(執行機関)に対して政策提言を行っている。そのほか、議会における政策形成に反映される。 市民との意見交換については、議会市民懇談会、議会カフェといった
意見交換会が設置されている。まず、議会市民懇談会は、市内の団体等が特定のテーマについて開催の要望を提出し、議長が指示し開催される。これまで、「保育所運営上の諸問題」など地域での大きな課題が発生した際には多く開催されたが、現在は減少傾向にある。また、予算が確定した後に開催した際は、順番が逆ではないかとの市民意見も出されている。議会カフェは、
議会報告会の人数が減少しマンネリ化してきたため、他市の事例を参考にカフェ形式にしてはどうかということで立ち上げた。リラックスした雰囲気で行えるように、お茶やコーヒーを飲みながらテーブルを囲み、意見交換が活発に行われるよう工夫されている。 ②質疑応答 予算決算の分科会方式のメリットについては、全議員が分科会に属し審査を深めることができ、今まで予算審査を行えなかった委員のジレンマが解消されたとのことだった。 市民懇談会・報告会といった同じような
意見交換会を行う必要性については、それぞれ内容は異なり、参加者の減少などで開催回数の議論はあったが、形式を変えてもっと呼びかけていこうということになったため行っていると回答した。 ③呉市での展開の可能性 議員みずから視察対応をしていただいたことで、議員間で踏み込んだ意見交換ができたため、呉市議会においても議会運営関係の視察については、議員による対応を検討すべきではないか。 予算及び決算審査については、分科会方式では審査のみで結論が出せない、審議日数の増加、全議員が全ての案件に対して審査できないという点から現状の方法でよいと考えるが、予算を全議員で審査していることを踏まえ、決算も全議員で審査することを選択肢の一つとして検討してもよいのではないか。(2)大分県大分市 ①調査内容 大分市議会では、議会運営に関する視察の対応を議員が行っている。 大分市は、議会基本条例を制定するに当たり全議員による大分市議会議員
政策研究会を設置し、全体会議5回、役員会議12回開催、推進チーム会議21回、市民
意見交換会を市内13カ所の公民館で開催、パブリックコメントの実施、各会派での最低3回以上の検討という協議を経て制定された。この議会基本条例には、「自由討議による合意形成」や「議会広報の充実」が盛り込まれている。 委員会での自由討議については、ベテランの委員長と新人の委員長では自由討議の運用が違ってくるため、マニュアル等が必要ではないかと考えているところである。
意見交換会について、平成29年度は市内13地区の公民館で開催し、延べ395人の市民が参加したが、参加者は年々減少している。打開策として、公民館等約600カ所に議員が赴き、ポスター掲示の依頼を行っており、参加人数にはこだわらずに継続し、議会の姿が市民に見えてくれば必然的に参加者ふえるのではないかと考えている。また、参加者が高齢化していることもあり、高校生や大学生など若年層との
議会報告会も開催している。 議会改革について、
議会運営委員会では活性化の話が出づらいということで、議会の活性化に特化して議論する議会活性化推進会議が設置された。構成員は、正副議長及び会派から選出された1名以上議員となっている。
議会運営委員会の下請という扱いではなく、議会運営に関する課題は
議会運営委員会、それ以外の個々の課題は議会活性化推進会議議論と区分けし、議論した結果を
議会運営委員会に提案するという形態をとっている。 決算審査においては、平成22年9月定例会から、正副議長、議員選出による監査委員を除く全議員が参加できるよう決算審査特別委員会に分科会方式を導入した。その後、議会活性化推進会議において事務事業評価導入に向けた議論があり、平成24年9月定例会から決算審査の一環として、事務事業評価を導入した。なお、審査対象項目は、議会が選定している。 ②質疑応答 自由討議を行う上で議員の資質向上の方策はあるのかという問いに対し、委員会運営、基本条例を見直しているが、政策的に委員会へどう生かせるかが鍵であり、自然に委員会で自由討議を行えるような仕組みづくりが課題であると回答した。 議員定数の協議については、議会改革=定数削減ではないということを市民に理解してもらうため、大分市では、公開シンポジウム等を開催している。その結果、前回の議員定数協議の際は、自治会組織等から定数削減についての要望は出なかった。議会バッシングがふえている流れの中、市民に信頼してもらうことが大切であるという回答をいただいた。 ③呉市への展開の可能性 大分市は、「市民目線」を議会全体で意識して行動している。超党派が一丸になることが容易ではない中で、それを実際に行っているところがすばらしく、呉市も見習うべき点である。また、市民と接する機会の確保にも積極的であり、
議会報告会の参加人数が減ってきている中で、市民に参加してもらうための工夫について前向きに議論されている。その一つとして、全議員で啓発ティッシュを配り企画の案内を行う、ポスターを貼るという広報活動があり、ベテラン議員も率先してチャレンジしようとするマインドも見習うべき点である。(3)長崎県長崎市 ①視察内容 長崎市では、常任委員会の任期を1年、特別委員会の任期は調査終了までとしているが、大半が1年で終了している。常任委員会の任期が1年である理由は、議員全員が全ての委員会を経験するためであり、4年間の任期で全ての委員会を経験することになる。また、特別委員会は1年で終了しても、長期にわたる案件については、形を少しずつ変えながら新しい特別委員会を立ち上げている状況である。 本会議運営上の特徴は、常任委員会での審議・審査を主に考えているため、ほとんど議案質疑が行われていないことである。 予算及び決算の審査方法については、平成11年6月から各常任委員会で審査を行う分割付託方式を採用している。予算の分割付託は、議案一体の原則に反しており、行政実例でも認められていないが、長所として各常任委員会で詳細に審査ができること、議員全員が審査に参加できること、各常任委員会で一斉に審査できるため期間を短縮できるという理由で他の自治体でも採用されている。これまでも、審査方法については議会内でたびたび議論されているが、詳細な審査や全議員がかかわるには、最終的に分科会方式をとることになるため、現在と余り変わらないという結論から変更されていない。 議会改革について、長崎市の議会基本条例第4条、第5条、第9条に議員間討議が規定されている。また、本会議での議員間討議は煩雑になることが想定されるため、運用指針により委員会での委員間討議の運用を取り決めている。委員会討議については、議案等の審査において、委員からの申し出があったとき、または委員長が必要であると認めるときに委員間討議を行うものとなっており、討論の前に行っている。平成23年から各委員会において委員間討議を導入し、現在までに20回開催されている。当初は次第書に記載していたこともあり多く行われていたが、全ての案件に対して委員間討議を行わなくてもよいのではないかとの声が上がり、平成28年以降行われていない状況である。議員の中には、委員間討議の開催を希望する議員もいるが、委員長が開催を認めないという現状である。なお、これまでの委員間討議では、委員のそれぞれの思いが主となって論点が絞りこめず、議論が深まらずにまとまりに欠ける結果となるという課題もある。 反問権の導入については、議論を深めるために反問権を導入し、現在までに反問権が発議された例はあるが議論が深まったということはない。 ②質疑応答 委員外議員の取り扱いについて、委員会は同時開催のため委員外議員はいない。また、決算審議では
総務委員会に執行部が集中するため、3委員会を休止にしているが、委員外議員の発言はないとのことだった。 ③呉市での展開の可能性 各常任委員会において予算・決算審査が行なわれる長崎市の分割付託方式では、全議員が任期中に全ての委員会にかかわることでき、内容を理解することができるため参考にすべきである。また、導入する場合には開催時期を見直す必要があると考える。 自由討議については、呉市が昨年行った議員研修での講義において、活発な議論を生むためには議員の意見をテーマ別に絞り、それぞれを議論していくべきであるということであった。長崎市議会では執行部が同席して討議しているため、テーマを絞って議員間での活発な議論を行うことが難しいのではないかと思われる。そのため、討議を活発にする手法として、各委員会で勉強会を開催し、自由討論を行うのも一つの方法であると考える。 ────────────────
○議長(
加藤忠二) 本件について委員長班の報告を願います。 片岡議会運営委員長。 〔26番片岡慶行議員登壇〕
◆26番(片岡慶行議員) それでは、
議会運営委員会委員長班の視察報告を行いたいと思います。 本市議会は、平成22年6月に議会基本条例を制定いたしました。
議会報告会の開催、一般質問や議案質疑における一問一答方式の導入、決算審査における事務事業評価の活用などのほか、タブレット端末の導入や議会図書室の機能強化などの議会改革に取り組んでまいったところでございます。そのような中、本
議会運営委員会は他市の議会運営や議会改革の取り組みを参考とするため、委員長班と副委員長班の2班に分け、県外視察を行ってまいりました。委員長班は、4月25日から27日の3日間の日程で滋賀県彦根市、京都府亀岡市、奈良県奈良市の3市を視察いたしました。一般質問の方法や予算、決算の審査方法などの議会運営については各市議会の歴史や背景もあり、報告書に記載しているとおりですので、ここでは視察市の議会改革について、その主な内容について御報告いたします。 まず最初に、滋賀県彦根市について報告いたします。 彦根市議会では、広報、広聴機能を充実するため、議場開放促進委員会、広報委員会、広聴委員会の三つの委員会を設置し、
議会報告会の開催や議会広報紙の作成、議場コンサートの開催に取り組まれておられました。 その取り組みの一つとして、市の未来を担う子供たちに議員として質問や提案をすることを通じて、市議会や市の取り組みを身近に感じ、興味を持ってもらうことを目的に、議場開放促進委員会が中心となり、市、教育委員会と合同で子ども議会を開催しておられました。また、地方自治及び地域社会の活性化と地域における人材育成に寄与することを目的に、滋賀大学経済学部と連携及び協力に関する協定を締結しておられました。直近では、大学の講義に議員が参加し、市議会広報紙に大学生の意見を反映させるための意見交換を行ったとのことであります。 次に、京都府亀岡市について報告いたします。 亀岡市議会では、
議会報告会と並行し、各自治会からの希望により、わがまちトークという
意見交換会を実施しておられました。昨年度は成人式実行委員会と将来の亀岡像をテーマに意見交換を行ったとのことでございます。また、議会活性化の一環として、平成30年6月議会から通年議会を実施するとのことであります。これにより、これまで閉会中に市長が専決処分していた議案等を迅速に審議できるとのことでありました。 最後に、奈良県奈良市について報告いたします。 奈良市議会では、議会改革の取り組みとして、市民に対し、どういった経緯で議長、副議長が選ばれたかを明らかにするため、平成24年から正副議長選挙の立候補制を導入しておられます。そのほか、平成25年から文書質問を導入しておられました。実績としては年数件程度とのことですが、議会の閉会中に発生した緊急の場合の対策として有効であるとのことであります。 視察した3市は、いずれも積極的に議会改革に取り組まれておられましたが、議会改革は市民のための改革、取り組みでなければなりません。本市議会においても、市民の目線に立った議会運営、議会改革を今後も進めていきたいと感じたところでございます。 以上、報告を終わります。
○議長(
加藤忠二) 以上で委員長班の報告を終わります。 続きまして、副委員長班の報告を願います。 林田議会運営副委員長。 〔9番林田浩秋議員登壇〕
◆9番(林田浩秋議員) 続きまして、副委員長班の視察報告を行います。 副委員長班も、他市の議会運営や議会改革について4月25日から27日の3日間の日程で、山口県山陽小野田市、大分県大分市、長崎県長崎市を視察いたしました。それでは、副委員長班も委員長班同様、視察市の議会改革についての主な内容を御報告いたします。 初めに、山陽小野田市について説明します。 市民との意見交換では、議会市民懇談会、議会カフェが設置されています。議会市民懇談会は市内の団体等から開催の要望が提出されて開催いたします。地域での大きな課題が発生した際には多く開催されましたが、現在は減少傾向にあり、また、予算が確定した後に開催した際は順番が逆ではないかとの市民意見が出されました。次に議会カフェは、
議会報告会の参加者の減少やマンネリ化から、カフェ形式のリラックスした雰囲気で行えるようお茶やコーヒーを飲みながらテーブルを囲むという形の中で、意見交換が活発に行われるように工夫されていました。呉市での展開の可能性についてですけれども、山陽小野田市では議員みずから視察対応をしていただき、議員間で踏み込んだ意見交換ができました。呉市議会においても、議会運営関係の視察については議員による対応を検討すべきではないかと考えます。 次に、大分市について説明いたします。
意見交換会について参加者が年々減少していますが、参加人数にはこだわらずに継続されていました。議会の姿が市民に見えてくれば必然的に参加者がふえるのではないかと考え、議員が公民館等約600カ所に赴き、ポスター掲示の依頼などをしています。また、参加者が高齢化していることもあり、高校生や大学生など若年層との
議会報告会も開催していました。次に、
議会運営委員会では活性化の話は出づらいということで、議会の活性化に特化して議論する議会活性化推進会議が設置されています。この会議は、
議会運営委員会の下請という扱いではなく、議会運営に関する課題以外の個々の課題を議論し、結果を
議会運営委員会に提案するという形態をとっておられました。大分市は、市民目線を議会全体で意識して行動し、超党派で一丸となって行っているところがすばらしく、呉市も見習うべき点だと思います。また、市民と接する機会の確保にも積極的で、
議会報告会の参加人数が減ってきている中で、参加してもらうための工夫として全議員で啓発ティッシュ配りなどを行い、ベテラン議員も率先してチャレンジしているところも見習うべき点だと思いました。 次に、長崎市について説明いたします。 長崎市議会基本条例の第4条、第5条、第9条には議員間討議を規定し、また、本会議での議員間討議は煩雑になることが想定されるため、運用指針により委員会での委員間討議の運用を取り決めています。委員間討議は、議案等の審査において委員からの申し出があったとき、または委員長が必要であると認めるときに討論の前に行われます。制度化した当初は多く行われていましたが、平成28年以降行われていない状況です。議員の中には委員間討議の開催を希望する方もいるようです。長崎市の委員間討議は執行部が同席して討議していますが、テーマを絞って議員間での活発な議論を行うため、討議を活発にする手法として、各委員会で勉強会を開催し自由討論を行うのも一つの方法であると考えます。 このたび視察した3都市は、いずれも議会改革に積極的に取り組んでおり、大変参考になりました。 以上で報告を終わります。
○議長(
加藤忠二) 以上で副委員長班の報告を終わります。 ──────────────────────────────
△日程第3
総務委員会の
行政視察報告について
○議長(
加藤忠二) 日程第3、
総務委員会の
行政視察報告についてを議題といたします。 本件は、お手元に配信しております。 ────────────────平成30年度
総務委員会行政視察報告書1.期 日 平成30年5月22日(火)~24日(木)2.視察委員 井手畑隆政(委員長)、谷惠介(副委員長)、檜垣美良、久保東、神田隆彦、
中田光政3.視察都市月日視察先調査事項5月22日(火)宮城県塩竃市東日本大震災被災当時の避難所での状況について5月23日(水)東京都墨田区女性の防災対策懇談会での取り組みについて5月24日(木)東京都江戸川区災害に対応した学校づくりについて4.視察目的 現在、呉市では、総合的かつ計画的な防災行政の推進を図り、市民の生命、身体及び財産を災害から保護することを目的とした「呉市地域防災計画」作成し、運用している。 しかし、呉市では大雨や台風等による短期間の避難所開設しか実績がなく、実際に大規模災害が発生した場合、さまざまな問題が発生してくることが予想される。 このたび、避難所のあり方についての議論をさらに深めるため、東日本大震災当時の避難所での状況や、さまざまな視点からの避難所運営、災害に対応した学校づくりについて、先進事例を調査した。5.視察内容(1)宮城県塩竃市 ①調査内容 〔東日本大震災被災当時の避難所での状況について〕 平成23年3月11日14時46分ごろに発生した三陸沖を震源とするマグニチュード9の巨大地震により、塩竃市の沿岸部に津波が襲来し、津波の高さは、本土側ではおおむね1.5~4.8メートル、浦戸地区では8メートル(標高)を超え、浸水範囲が本土地区では市域面積の約22%、浦戸地区では全島において居住区域に達するなど甚大な被害をもたらした。 避難所の運営状況(平成26年4月1日現在)は、3月11日では、39カ所8,047人、3月12日は46カ所8,771人、4月1日は6カ所770人、7月13日に避難所閉鎖となった。 現在、「復興整備計画」に基づき、復興事業に約600億円、復興交付金事業で586億円、合計1,200億円を投入し、土地区画整理事業や水産加工業施設整備、中心市街地の復興などに取り組み、全体の事業費の80%超を消化している。 ②質疑応答 災害を受けた直後の避難方法や要支援者の避難所の受け入れ状況等、地域住民と行政等との情報共有のあり方についてについて質疑を行った。 また、海に近い地域において、津波避難ビルに指定されているビルと商業施設を結ぶ通路を津波避難デッキ(マリンデッキ)として設置した経緯、被災後の復興状況、防災対策について質疑を行った。 ③呉市での展開の可能性 津波災害は島の存在や湾の入り組み方など、地形的条件の影響を受けやすいとの説明を受けた。呉市においては、瀬戸内海に面し、目の前に島嶼部を持つなどの地形的特徴を把握した上で、防災対策に取り組む必要がある。 また、津波対策として、避難通路と避難場所を兼ねる「津波避難デッキ(マリンデッキ)」は津波防災対策として大変有効であり、呉市においても、中央桟橋周辺等で検討できるアイデアである。 塩竃市長の誓いの中に、「構造物による災害対策には限界があることを生涯忘れまい」と示されているように、構造物による対策と備えはもちろん大切であるが、豪雨災害、土砂災害、台風災害など、さまざまな種別の災害に対して、地域住民、自治会、自主防災会、防災リーダー、行政の地域担当者などを含む避難所訓練、避難所運営訓練を定期的に行い、地域のつながりを常日ごろから育んでいくことが大変重要であることを改めて再認識した。(2)東京都墨田区 ①調査内容 〔女性の防災対策懇談会での取り組みについて〕 平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、避難所での女性や子育て家庭へのニーズへの配慮や、予防・応急・復旧・復興の場における女性の参画の推進等、さまざまな課題が浮き彫りとなった。 そこで、区では、町会長・すみだ女性センター運営委員会委員・墨田区男女共同参画推進委員会委員・墨田区子ども子育て会議委員・高齢者支援総合センター職員など、普段から地域で活動している女性を区民委員とした「女性の防災対策懇談会」を発足させ、女性や男女共同参画の視点など、さまざまな角度から防災対策に対して意見を集約した。 その中で、女性防災リーダーの育成や女性向けの衣類・衛生用品、乳幼児のミルク及びおむつなどの確保などに加え、プライバシーの確保や防犯対策など、避難所の運営に関する現状の課題を分析・検討を行い、女性や要援護者に配慮した防災対策を推進した。 ②質疑応答 防災マニュアルや避難所運営マニュアルなど、市民向けにさまざまなマニュアルが作成されているが、今後それらを広く市民に対し、いかに効果的な広報を行うかについて質疑を行った。 また、避難所や地域防災リーダーの現状について質疑を行い、今後の展開について活発な質疑を行った。 ③呉市での展開の可能性 「女性の防災対策懇談会」が設置され、委員8名により「避難所の生活環境について」というテーマで協議し、区への7つの提言がなされた。女性ならではの視点からなされた提言は、呉市においても災害への備えとして大変参考となった。 この提言を、より実効性のあるものにしていくため、今後、地域防災計画に反映されると伺い、呉市においても、さまざま観点から呉市地域防災計画を見直していく必要があると感じた。 また、参考資料としていただいた「東京くらし防災」という東京都発行の市民向け冊子は、日常的な防災知識を提供するものとして大変効果的であり、防災に関するさまざまな知識等を市民向けにまとめた資料が呉市においても必要であると実感した。(3)東京都江戸川区 ①調査内容 〔災害に対応した学校づくりについて〕 小中学校は、未来を担う子どもたちの学びの場であるとともに、地域住民の集う場ともなり、災害時には避難・復旧の拠点となる、地域の中核施設である。 地域の避難所となる学校の防災機能整備に当たっては、早期に学校教育活動を再開させることを念頭に、想定される避難者数や、起こり得る災害種別のリスクを十分に考慮し、学校設置者と防災担当部局との間でお互いの役割を明確にしていた。また、施設の安全性の確保や避難所として必要な機能の確保、避難所の円滑な運営方法の確立、学校教育活動の早期再開などを踏まえ、計画を進めている。 さらに、災害発生から避難所の解消までのプロセスについては、①救命避難期、②生命確保期、③生活確保期、④教育活動再開期の4つの段階(フェーズ)に区分し、おのおのの段階で必要となる防災機能を整理している。避難所として必要な機能は各段階で変化していくことから、これらのプロセスに留意して対策を検討していた。 特に、避難生活が長期化する場合には、避難者の生活の質に十分配慮することが重要であるとのことであった。 ②質疑応答 小学校を改築していくに当たっての、どこの担当課が中心となって計画を進め、財源や基金をどのように活用したかについて質疑を行った。 また、完成後の施設管理を地域の業者中心となって行うための入札方法等について質疑を行った。 そのほか、施設を運用するに当たり、利点、問題点及び改善への取り組みについて質疑を行った。 ③呉市での展開の可能性 江戸川区立「第三松江小学校」は、災害時における地域防災拠点機能を備えるとともに、環境に配慮したエコ・スクールである。 災害対策機能については、設計段階から、誰でも操作できるよう配慮され、また、災害時には、上空から学校が認識できるよう、屋上に学校名が大きく書かれているなど、さまざまな災害対策が講じられている。 さらに区では、学校改築の際に防災や環境対策をより一層推し進めていくため、計画的に500億円程度の基金を積み立てるとともに、国、都の補助金を有効に活用しながら、学校改築工事を計画的に実施している。 呉市においても、学校の改築・新築に関しては、教育の場としての機能のみならず、地域における学校の役割を地域とともに検討しつつ、将来を見据え、未来に向けた有効な投資となるよう全庁で取り組んでいくべきである。 ────────────────
○議長(
加藤忠二) 本件について委員長の報告を願います。 井手畑総務委員長。 〔15番井手畑隆政議員登壇〕
◆15番(井手畑隆政議員) それでは、
総務委員会を代表して、行政視察の報告をさせていただきます。 なお、本行政視察の報告書はお手元に配付されていると思いますので、ここでは要点のみ報告いたします。
総務委員会では、市民にとって身近なテーマであります避難所のあり方についてをテーマといたしまして、所管事務調査を進めているところです。呉市では、呉市地域防災計画を作成し運用しておりますが、避難所についてはこれまで短期間の開設しか経験しておらず、実際に大規模災害が発生した場合、さまざまな問題が発生することが予想されます。
総務委員会では、避難所のあり方についての議論をさらに深めるため、5月22日から24日の期間で、宮城県塩竈市、東京都墨田区、東京都江戸川区の先進事例を調査いたしました。 まず、宮城県塩竈市では、東日本大震災当時の避難所での状況について調査いたしました。大震災が発生した平成23年3月11日には39カ所8,047人、翌3月12日には46カ所8,771人の避難状況となり、避難所の当初想定を大きく超えたにもかかわらず、日常的な避難訓練、避難所運営訓練により大きな混乱は来しておらず、塩竈市の大震災による死者は17名にとどまっておりました。防災訓練においては避難所運営の訓練も行うべきと考えます。また、復興時に整備されました避難通路と避難場所を兼ねる、通称マリンデッキでありますが、津波避難デッキというものがございまして、これは呉市においても有効な施策として検討すべきと思いました。 次に、東京都墨田区では、女性の防災対策懇談会での取り組みについて調査いたしました。東日本大震災により多くの課題が浮き彫りとなり、地域で活動している女性を委員として女性の防災対策懇談会を発足し、さまざまな観点から意見を集約し、区に対して七つの提言がなされておりました。今後、地域防災計画に反映していくとのことでした。女性ならではの視点は、呉市においても災害への備えとして考慮していくべきと考えます。また、都民に配布されておりました「東京くらし防災」と題した日常的な防災知識を一まとめにした小冊子がございましたが、これは大変有効な施策であり、参考にしていきたいと思いました。 最後に、東京都江戸川区では、災害に対応した学校づくりについて調査いたしました。江戸川区立第三松江小学校は、災害時における地域防災拠点機能を備えるとともに、環境にも配慮したエコ・スクールとして、区の長期的展望に基づき基金や補助金も活用し、地域を含めた関係者間の討議を重ねまして計画的に整備されてきたものです。江戸川区では今後もこのような学校づくりをしていくとのことですが、地域における小中学校の担う役割の大切さを改めて学びました。また、校舎の屋上には大きく学校名が書かれておったわけですが、上空からヘリコプター等から場所の特定が容易に行える手法として、呉市においてもぜひ検討すべきものだと考えます。 以上の行政視察を今後の所管事務調査で十分生かしていきたいと考えております。 以上で
総務委員会の行政視察の報告とさせていただきます。
○議長(
加藤忠二) 以上で本件の報告を終わります。 ──────────────────────────────
△日程第4
総合交通対策特別委員会の
行政視察報告について
○議長(
加藤忠二) 日程第4、
総合交通対策特別委員会の
行政視察報告についてを議題といたします。 本件は、お手元に配信しております。 ────────────────平成30年度
総合交通対策特別委員会行政視察報告書1.期 日 平成30年4月16日(月)~18日(水)2.視察委員 阪井昌行(副委員長)、山上文恵、中原明夫、石崎元成、梶山治孝、岩原昇3.視察都市月日視察先調査事項4月16日(月)鹿児島県霧島市地域公共交通網形成計画の策定,交通不便・空白地域におけるふれあいバス・デマンド交通の運行について4月17日(火)熊本県熊本市地域公共交通網形成計画の策定,市営バス事業廃止後の路線維持について4月18日(水)山口県下関市合併町地域における生活バス(定時定路線バス及び予約バス)の運行について4.視察目的 現在、呉市では、市の基本的な交通政策に係る指針として策定した「呉市地域公共交通ビジョン」の具体的な取り組み方針を示し、より実効性のある施策を計画的に推進していくため、地域にとって望ましい公共交通網の姿を明らかにする「呉市地域公共交通網形成計画」の策定を進めており、また、バス路線の再編や交通機関の転換、
まちづくり等との一体性の確保など、今後の公共交通のあり方はどうあるべきかを検討していくことは喫緊の課題であることから、先進事例を調査することとした。5.視察内容(1)鹿児島県霧島市 ①調査内容 霧島市では、平成28年3月に平成28年度から31年度までを計画期間とする「霧島市地域公共交通網形成計画」を策定、市にとって望ましい公共交通の姿を明らかにするとともに、
まちづくり、医療・福祉及び観光振興等の多角的な観点から、公共交通のあり方を検討し、将来にわたり持続可能な地域公共交通ネットワークを構築することとしている。 平成28年度以降、国の補助金を活用し、地域公共交通の利用促進として、路線バス、ふれあいバス、JR等の公共交通網を一元化した地域別公共交通マップの作成、市内5地区10カ所での住民座談会やワークショップ等での直接的コミュニケーションによる利用促進活動の実施、地域公共交通のサービス見直しとして、ふれあいバスや市街地循環バスの見直し案の作成等を行っている。そのほか、公共交通啓発チラシや市の広報等を活用した利用促進、観光客の回遊促進を目的とした周遊バスの導入なども行っている。 今後は、霧島市地域公共交通会議において、進捗状況や達成状況の把握、分析に努めるとともに、公共交通を取り巻く社会情勢や市民ニーズの変化等に柔軟に対応できるよう必要に応じて計画の見直しや改善を行うこととしている。 ふれあいバスは、交通不便・空白地域における住民の移動手段を確保するため、各集落と地域拠点までを結ぶ路線で、平成17年11月の1市6町による合併に伴い、各コミュニティーバスを引き継ぐとともに、平成20年4月の溝辺及び福山地区での運行開始と同時に名称を統一した。6地区39路線をバス事業者に委託、29人乗り車両で運行し、運賃は1乗車につき大人150円、小学生80円となっており、停留所以外でも乗り降りできるフリー乗降区間も設定している。運行に当たっては、運行経費から運賃収入及び国庫補助金を控除した額を市が委託料として支払っており、平成28年度は約6,940万円となっている。 デマンド交通は、著しく利用者の少ないふれあいバス路線を廃止した地域及び交通空白であった地域の5地区5路線をタクシー事業者に委託、5人乗り車両で運行し、運賃は1回につき150円となっており、利用者は利用者登録と電話での事前予約が必要である。ふれあいバスと同じく、運行経費から運賃収入及び国庫補助金を控除した額を市が委託料として支払っており、平成28年度は約167万円で、ふれあいバス運行時と比べ、大幅な経費削減が図られている。 今後、ふれあいバスについては、路線再編を行ったにもかかわらず、利用者数が伸び悩んでいることから、利用促進の取り組みを強化するとともに、運行ルートの見直しやデマンド交通への移行等を行う必要が、また、デマンド交通については、乗合率が著しく低い地域があるため、何らかの制度設計の必要があると考えている。 ②質疑応答 ふれあいバスからデマンド交通への転換を検討する際の基準、ふれあいバスにおけるフリー乗降区間設定の効果、霧島温泉等へ訪れる観光客の回遊促進、デマンド交通の乗降場所が路線廃止前のふれあいバスの乗降場所となっている理由、公共交通啓発チラシ作成の効果などについて質疑が行われた。 ③呉市での展開の可能性 地域公共交通網形成計画の策定後において、その目的である持続可能な交通体系を確保していくためには、地域別公共交通マップの作成、住民座談会等を通じた利用促進活動の継続的な実施などが必要である。また、合併前の旧町営バスを引き継いだ生活バスは、経常収支率の悪い路線について、今後、費用削減の効果が期待できるタクシー等によるデマンド交通への転換を検討していく必要がある。(2)熊本県熊本市 ①調査内容 熊本市では、平成24年3月に公共交通の将来像を描いた「熊本市公共交通グランドデザイン」を策定し、鉄軌道を基軸とした基幹公共交通軸の機能強化、わかりやすく利便性の高いバス路線網の再編、公共交通空白・不便地域の解消などの取り組みを進めている。さらに、これらの取り組みを進めるに当たっては、公共交通に対する全市的な意識の共有化と市・交通事業者・市民等の参画と協働による公共交通の維持、充実に取り込む必要があることから、公共交通に特化した条例としては全国初となる「熊本市公共交通基本条例」を平成25年4月に施行している。 これらを踏まえ、熊本市及び嘉島町全域を計画区域として、将来にわたり持続可能で利便性の高い公共交通網を形成するために必要な取り組みを体系的に位置づけるため、平成28年3月に平成28年度から37年度までを計画期間とする「熊本地域公共交通網形成計画」を策定した。 公共交通活性化及び再生に向けた3つの方向性と3つの目標を掲げ、公共交通にアクセスしやすい区域の人口カバー率、公共交通機関の年間利用者数、目的地に公共交通機関を利用する市民の割合について数値目標を設定し、達成状況の評価・検証を行うとともに、施策の拡充や改善などを行うこととしている。具体的には乗りかえ拠点の整備、バス路線網の効率化、ロケーションシステムの導入、バリアフリー化、新たなコミュニティー交通の導入など18事業について検討、実施している。 計画は上位計画である熊本市第7次総合計画等の見直し時期に合わせ、計画期間の4年後、8年後を目途に見直しを実施する予定としている。 熊本市営バスは、九州産交バスの経営再建問題をきっかけに平成16年度から民間との競合路線の移譲を開始、平成21年度からは民間バス3社からのさらなる路線移譲や熊本都市圏での共同運行等の要望により共同出資された熊本都市バスへの路線の面的移譲も開始され、平成27年3月31日には昭和2年の営業開始から88年にわたる事業が廃止された。 平成16年度からの競合路線の移譲、平成21年度からの面的移譲、いずれも移譲後3年間は路線を維持する協定を結び、競合路線の移譲については、収益に貢献し得るとして路線維持のための補助制度はなかったが、面的移譲を行った熊本都市バスに対しては、移譲路線の運行に必要なバス車両や車載機、運行システム改修費などの初期費用を負担するとともに、会社全体での欠損に対する補助を行ってきており、平成28年度補助金は2億5,926万円となっている。今年度からは全ての路線移譲から3年が経過したことにより見直しを実施、路線別での欠損補助を行っている。 今後は、地域、事業者と連携をしながら利用率を向上させることにより、熊本都市バスの経営改善と利便性を考慮した持続可能な公共交通の維持を図りながら、補助金の妥当性や費用対効果を確保していくこととしている。 ②質疑応答 市交通局が直営で運行している路面電車の今後の方向性、民間バス3社が共同出資して設立した熊本都市バスへの集約、熊本市公共交通基本条例の策定経緯と改正、公共交通空白・不便地域の現状と乗り合いタクシーの運行状況などについて質疑が行われた。 ③呉市での展開の可能性 現在策定中の地域公共交通網形成計画においては、乗りかえ拠点の整備、バス路線網の効率化、バリアフリー化など利用者の利便性向上を図る事業が推進できるような計画にしていくべきと考える。広島電鉄に対する経営支援補助金は路線別の補助であるが、路線の維持には不可欠なものであることから、熊本市のように利便性を考慮した持続可能な公共交通の維持を図りながら、補助金の妥当性を確保していく必要がある。(3)山口県下関市 ①調査内容 下関市は、平成17年2月に1市4町が合併し、同年10月に中核市に移行している。 旧下関市は、サンデン交通による下関駅を中心とした路線バスが運行されており、旧4町においては、主にブルーライン交通による廃止路線代替バスと生活バスが運行されている。下関市の生活バスは、合併前の4町地区でそれぞれ運行を行っていたが、運賃、運行形態等がさまざまであったため、合併後5年を目途に制度を見直すこととし、平成20年2月に下関市バス交通整備計画を策定、バス不便地域の解消、サービス水準設定など、地域内バス交通計画の基本方針を定めて実証運行を開始、平成22年度から本格運行を始めている。 現在は、主に菊川地区、豊田地区、豊北地区で13路線(定時定路線型8路線、デマンド型5路線)を運行しており、運行形態は自治体が自家用バスの有償運送許可を受けて運行する自家用有償運送であり、運賃は平成30年4月2日からワンコイン化し、1乗車につき100円としている。 利用者は平成21年度2万7,613人であったが、年々減少してきており、平成28年度は1万8,269人、委託料は約4,648万円となっている。高齢化や過疎化による利用者の減少により、平成28年度においては目標としていた収支率10%以上を満たす路線は4路線のみという状況であったが、平成30年度からは運賃ワンコイン化による利用者増を図っている。これまで必要に応じて、路線や便数の変更を行ってきたが、利用者は通院、買い物目的の高齢者がほとんどで、固定客化している現状があり、定期的な利用者が入院、入所等で利用しなくなると年間利用者数の大幅な減少につながる傾向がある。 生活バスが運行されている地区の各総合支所においては、利用促進のためのチラシや時刻表の作成及び配布、アンケート調査の実施、利用実態説明会の開催、要望に応じたバス停の新設などに努めている。 また、豊北町粟野地域では、地元組織によりコミュニティータクシーが運行されていたが、利用者の大幅な減少により平成30年5月で廃止となった。 ②質疑応答 合併以前の運行形態及び現在の収支状況、運賃ワンコイン化の経緯、路線再編及びフリー乗降区間、貨客混載などの検討状況、呉市のいきいきパスのような高齢者の外出を支援する制度の有無、コミュニティータクシーの運行状況や廃止後の対応などについて質疑が行われた。 ③呉市での展開の可能性 生活バスの利用者は年々減少傾向にあり、収支状況の悪化が懸念されているため、適宜見直しを行っているところであるが、利用促進のためのチラシ作成、アンケート調査等を実施し、利用者増を図っていくとともに、著しく収支率の悪い路線については、費用削減の効果が期待できるタクシー等によるデマンド交通への転換を検討していく必要がある。 ────────────────
○議長(
加藤忠二) 本件についての報告を願います。 阪井総合交通対策特別副委員長。 〔2番阪井昌行議員登壇〕
◆2番(阪井昌行議員)
総合交通対策特別委員会を代表して、視察報告を行います。 本委員会は、去る4月16日から18日の日程で、鹿児島県霧島市、熊本県熊本市、山口県下関市を訪問し、今後の公共交通のあり方はどうあるべきかについて先進事例を調査いたしましたので、その内容を報告いたします。 まず、鹿児島県霧島市です。 霧島市では、平成28年3月に平成28年度から31年度までを計画期間とする霧島市地域公共交通網形成計画を策定し、
まちづくり、医療・福祉及び観光振興等の多角的な観点から、持続可能な地域公共交通ネットワークの構築に取り組まれておられました。国の補助金を活用し、地域公共交通の利用促進として、路線バス、ふれあいバス、JR等の公共交通網を一元化した地域別公共交通マップの作成など、地域公共交通のサービス見直しとして、ふれあいバスや市街地循環バスの見直し案の作成などを行っておられました。ふれあいバスは、6地区39路線をバス事業者に委託、29人乗り車両で運行し、運賃は1乗車につき大人150円、小学生80円となっており、停留所以外でも乗りおりできるフリー乗降区間も設定しておられました。デマンド交通は、5地区5路線をタクシー事業者に委託、5人乗り車両で運行し、運賃は1回につき150円となっており、利用者は利用者登録と電話の事前予約が必要となっていました。ふれあいバス、デマンド交通ともに、運行に当たっては運行経費から運賃収入及び国庫補助金を控除した額を市が委託料として支払っておられました。 次に、熊本県熊本市です。 熊本市では、平成28年3月に平成28年度から37年度までを計画期間とする熊本地域公共交通網形成計画を策定し、公共交通活性化及び再生に向けた三つの方向性と三つの目標を掲げ、公共交通にアクセスしやすい区域の人口カバー率、公共交通機関の年間利用者数、目的地に公共交通機関を利用する市民の割合について数値目標を設定し、達成状況の評価、検証を行うとともに、施策の充実や改善なども行うこととしておられました。熊本市営バスは、九州産交バスの経営再建問題をきっかけに平成16年度から民間との競合路線の移譲を開始し、平成27年3月31日には昭和2年の営業開始から88年にわたる事業を廃止されました。路線を維持するため、平成21年度からの面的移譲を行った熊本都市バスに対しては、移譲路線の運行に必要なバス車両や車載機、運行システム改修費などの初期費用を負担するとともに、会社全体での欠損に対する補助を行ってきましたが、今年度からは全ての路線移譲から3年が経過したことにより見直しを実施され、路線別での欠損補助を行っておられました。 最後に、山口県下関市です。 下関市では、菊川地区、豊田地区、豊北地区で定時定路線型8路線、デマンド型5路線、合わせて13路線の生活バスを運行しておられました。運行形態は自治体が自家用バスの有償運送許可を受けて運行する自家用有償運送であり、運賃は定時定路線型、デマンド型ともに平成30年4月2日からワンコイン化し、1乗車につき100円となっておりました。高齢化や過疎化により利用者は減少傾向にあり、平成28年度において、目標としていた収支率10%以上を満たす路線は4路線のみという状況になっており、生活バスが運行されている地区の総合支所においては、利用促進のためのチラシや時刻表の作成及び配布、アンケート調査の実施、利用実態説明会の開催、要望に応じたバス停の新設などに努められておられました。 このたびの視察を通じて、現在策定中の呉市地域公共交通網形成計画においては、乗りかえ拠点の整備、バス路線網の効率化、バリアフリー化など、利用者の利便性向上を図る事業が推進できるような計画にしていくべきであり、策定後においても、その目的である持続可能な交通体系を確保していくため、地域別公共交通マップの作成、住民座談会等を通じた利用促進活動の継続的な実施などが必要であると考えます。また、市内で運行している生活バスにおいては、経常収支比率の悪い路線について、今後費用削減の効果が期待できるタクシー等によるデマンド交通への転換を検討していく必要があると考えます。呉市が支出している広島電鉄に対する経営支援補助金は路線別の補助でありますが、路線の維持には不可欠なものであることから、熊本市のように利便性を考慮した持続可能な公共交通の維持を図りながら、補助金の妥当性を確保していただきたいと思います。 以上で報告を終わります。
○議長(
加藤忠二) 以上で本件の報告を終わります。 ──────────────────────────────
△日程第5 議第80号外21件
○議長(
加藤忠二) 日程第5、議第80号専決処分の承認について、外21件を一括して議題といたします。 本22件の説明を求めます。 市長。 〔新
原芳明市長登壇〕
◎市長(新原芳明) ただいま上程されました各議案につきまして、その概要を説明申し上げます。 まず、議第80号は、呉市特別職員退職手当支給条例の一部を改正する条例の制定について専決処分いたしましたので、その御承認をお願いするものでございます。 議第81号は、呉市税条例及び呉市都市計画税条例の一部を改正する条例の制定について専決処分をいたしましたので、その御承認をお願いするものでございます。 議第82号は、地方税法の一部改正等に伴い、所要の規定の整備をするものでございます。 議第83号は、呉市の議会の議員の選挙における
選挙運動用ビラの作成を無料とするため、所要の整備をするものでございます。 議第84号は、幸町地区観光交流拠点整備事業に係る土地、建物等を購入するものでございます。 議第85号は、
指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準の一部改正に伴い、所要の規定の整備等をするものでございます。 議第86号は、介護保険法施行令の一部改正に伴い、関係規定の整理をするものでございます。 議第87号は、
放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準の一部改正に伴い、所要の規定の整備をするものでございます。 議第88号は、呉市国民健康保険安浦診療所の
指定管理者を指定するものでございます。 議第89号は、呉市営プール等建設工事、呉市体育館改修工事等により新たに整備される施設等に係る使用料の額を定めるものでございます。 議第90号は、呉市水道事業及び呉市工業用水道事業において宮原浄水場等の管理を
指定管理者に行わせることができる旨の規定の追加等をするものでございます。 議第91号は、片山中学校校舎、体育館建設工事における契約金額を変更するものでございます。 議第92号から議第98号までの議案は、白岳小学校ほか6小学校の普通教室に設置する空調機器を購入するものでございます。 議第99号は、押込西平39号線ほか2路線を市道認定するものでございます。 議第100号は、グリーンピアせとうちの
指定管理者を指定するものでございます。 議第101号は、平成29年度呉市一般会計補正予算は、市債の決定に伴う所要の補正について専決処分をいたしましたので、その御承認をお願いするものでございます。 以上、上程されました各議案につきまして、概要を説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(
加藤忠二) 質疑は後日行うことにいたします。 ──────────────────────────────
△日程第6 報告第7号外3件
○議長(
加藤忠二) 日程第6、報告第7号予算の繰越しについて、外3件を一括して議題といたします。 本4件の報告を求めます。
◎財務部長(阿原亨) それでは、報告第7号及び報告第8号の予算の繰越しについて、一括して御説明申し上げます。 報告第7号は、一般会計におきまして住民記録システム管理事業ほか22件を、報告第8号では、港湾整備事業特別会計におきまして港湾施設整備事業を、それぞれ平成29年度から平成30年度への繰越明許費として繰り越したものでございます。 いずれの事業につきましても、内容は繰越計算書のとおりでございまして、地方自治法施行令第146条第2項の規定により御報告申し上げるものでございます。
◎
経営総務部長(道本幸雄) それでは、私のほうからは、報告第9号及び報告第10号の予算の繰越しについて、一括して御説明を申し上げます。 報告第9号は、水道事業会計におきまして宮原浄水場県占用施設自家用発電設備工事を、報告第10号は、
下水道事業会計におきまして広雨水1号幹線整備工事ほか2件を、それぞれ平成29年度から平成30年度へ繰り越したものでございます。 いずれの事業につきましても、内容は繰越計算書のとおりでございまして、地方公営企業法第26条第3項の規定により御報告申し上げるものでございます。
○議長(
加藤忠二) 質疑は後日行うことにいたします。 ──────────────────────────────
△日程第7
岩原昇議員の一般質問
○議長(
加藤忠二) 日程第7、岩原議員の一般質問を議題といたします。 27番岩原議員。 〔27番
岩原昇議員登壇、拍手〕
◆27番(
岩原昇議員) 皆様おはようございます。私は、仁友会を代表して一般質問をさせていただきます。 今回の一般質問は未来に向けた呉の
まちづくりというテーマを設定し、その中で、中核市としての存在感のある
まちづくり、安全・安心な
まちづくり、市民の生活を支え守ることを見据えた危機対応に配意した
まちづくりの3点に絞って質問をさせていただきます。 まず初めに、中核市としての存在感のある
まちづくりについてです。 呉市は、平成28年4月、中国地方において4番目の中核市として移行し、2年が経過したところです。中核市は、広島市や岡山市といった指定都市とともに、地域のリーディングシティーとして独自性、創造性を発揮した
まちづくりを推進していくことにより、市民が誇りと愛着を持てる都市として、その存在感を示していく必要があると私は考えております。こうした中、呉市は、近隣の竹原市、東広島市、江田島市、海田町、熊野町、坂町、大崎上島町と広島中央地域
連携中枢都市圏を形成し、圏域全体の経済成長の牽引、高次都市機能の集積強化、生活関連機能サービスの向上につながるような連携事業を本年度から実施するなど、広島中央地域の中枢都市として、その存在感は確実に高まってきておるものと感じております。しかしながら、今後さらに中核市としての存在感を高めていこうとする場合、例えば幹線道路網や呉駅周辺地域の整備、市民サービスの向上など市民生活に直結するような都市機能の充実も求められるところです。こうした中、中核市としての呉市に今後求められる都市機能とはどういったものがあると考えておられるのか、市長に思いをお伺いいたします。 以後は質問席にて質問します。 〔27番
岩原昇議員降壇、質問席へ移動〕
○議長(
加藤忠二) 当局の答弁を求めます。
◎市長(新原芳明) ただいま岩原議員から中核市についての御質問をいただきました。私も市長にならせていただいていろんな新しい経験をさせていただいているんですが、全国市長会のほかに中核市だけの中核市市長会というのがありまして、5月14日に初めて出席をさせていただきました。そのときに、県庁所在地である松江市とか鳥取市も呉市におくれてこれから中核市になっていくということで、呉市が中核市の一つであるということを改めて実感いたしました。 ところで、呉市は平成28年に中核市に移行し、介護など高齢者、身体障害者や児童福祉など福祉分野を中心に事務の移譲を受けました。これらの移譲事務につきましては、私はまだ呉市長をさせていただいて半年でございますけれども、実際に見ておりまして、職員が非常によく努力をして着実に事務を行ってきておりまして、これは呉市民として誇りに思ってもいいことではないかと感じております。 それから、岩原議員お尋ねの都市機能につきましては、これからの人口減少社会においては全てのものを全ての自治体が備えるということではなくて、周辺の市町と役割分担をして、呉市として必要な役割を果たしていくべきであると考えられているところでございます。その中で、本市は中核市として、また、この広島中央地域において最大の市として応分の役割を果たしていく、その必要があると思っておりまして、広島中央地域
連携中枢都市圏を形成して、平成30年度から
連携中枢都市圏ビジョンに基づく連携事業を実施しているところでございます。また、これまで中心都市として、例えば呉市営プールの整備、呉市体育館の改修、消防局西消防署新庁舎の整備、東広島・呉自動車道阿賀インターチェンジ立体交差化の整備促進等を進めているところでございます。これらの都市機能を圏域全体で有効活用していただけるようにしていきたいと考えております。
◆27番(
岩原昇議員) それでは次に、具体的な内容として東部地区の
まちづくりについてお伺いします。 市長は、くれワンダーランド構想推進会議などを立ち上げられ、まさにこれから構想の実現に向けて具体的な取り組みを進めていかれることと思います。しかしながら、この構想を見ますと、安芸灘大橋の通行料金のことや広湾周辺のベイエリアの整備などといったものはあるものの、広地区を含む東部地区の
まちづくりについては余り触れられていないのではないでしょうか。人口約4万6,000人を擁する広地区を初めとする東部地区について、今後の
まちづくりをどのように考えておられるのかお伺いします。
◎企画部長(近藤昭博) 議員御質問の呉市の東エリアは、虹村工業団地を初め、ものづくりに関連する企業が立地するとともに、大学等の高等教育機関、大規模な病院、商業施設などが多くあり、本市にとって重要な地域であると考えております。また、このほかにも、古来より瀬戸内海の海上交通の要衝として栄え、北前船寄港地として日本遺産の追加認定を受けた豊町御手洗地区や蒲刈地区の県民の浜、ユネスコ記憶遺産に登録された朝鮮通信使関連資料を所蔵する下蒲刈地区の松濤園や蘭島閣美術館、川尻と安浦にまたがる野呂山など、豊かな自然や文化がございます。こうした地域の状況を踏まえまして、地域の
まちづくりにつきましては、安全・安心な生活環境の確保に向けた道路整備事業や各地区の特色に応じた産業振興などの事業を実施しております。具体的には、広地区におきまして横路1丁目白石線など4路線の道路整備や雨水対策事業などを行っておりまして、このほかの地区におきましても、道路整備事業や農水産業、観光の振興に関する事業を実施し、地域の活性化や豊かな自然環境や文化を生かした交流人口の拡大に取り組んでいるところでございます。
◆27番(
岩原昇議員) それでは次に、
人口減少対策についてお伺いします。 現在の呉市の人口は約22万4,000人となっておりますが、国立社会保障・人口問題研究所が平成25年3月に公表した日本の地域別将来推計人口によると、今から22年後の平成52年には呉市の人口は約16万2,000人で、現在と比較して6万2,000人減の、率にして約27.7%減少すると見込まれております。このような状況の中、呉市は平成27年度に呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、特色ある地域資源を生かした新たな魅力、価値の創造による雇用創出や子育てしやすい環境づくり、また魅力的な住生活環境の創出などを通じて若年層の市内定着や出生数の増加を図り、人口減少の抑制策に取り組んでおられるところですが、毎年人口が2,000人から3,000人減少している状況を見ますと、なかなか有効な手だてがないのが現状ではないかと感じております。しかしながら、中核市として引き続き存在感のある
まちづくりを進めていこうとした場合、一定程度の人口規模の維持が必要となるものと思います。そのためには出生数を増加させることが必要であり、結婚から妊娠、出産、子育てまでの切れ目のない支援を充実させることにより、子供を産み育てる環境をより一層整える必要があると考えます。こうした中、現在呉市で出産、分娩ができる病院は、呉医療センターと中国労災病院、個人病院の1カ所、合計3カ所のみとなっております。今後出生数を本気でふやしていこうとするのであれば、出産、分娩の可能な病院が明らかに少ないのではないかと考えますが、現状と今後の方針について、当局の所見をお伺いいたします。
◎
福祉保健部長(池田昌彦) 本市におけます分娩の状況でございます。市内三つの医療機関における分娩数は、平成28年度で申しますけれども約1,480件でございます。一方、呉市の出生数は約1,500人となっておりますので、全国的に産科医が不足している中、本市はおおむね安心して出産できる状況が整っていると考えております。 次に、今後の福祉施策における取り組みでございますが、若い世代の方が結婚を考え、家庭を持つ機運を醸成することや、子育て世代が安心して子供を産み育てることができる環境づくりが重要でございます。そのため、今後も子育て世代包括支援センターにより結婚から妊娠、出産、子育てまでの切れ目のない支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◆27番(
岩原昇議員) 昭和地区には現在3万4,000人の方が住んでおられますが、最近は高齢化が進み、空き家もふえてきていると聞いております。例えばこうした空き家を子育て世帯用として活用することであれば、家主と子育て世代の双方にメリットがありますし、若年層の市内定着の増加にもつながるのではないかと考えます。これは一例ですが、当局におかれましては、出生数の増加につながるような子供を産み育てる環境整備をより一層進めていただくよう要望いたします。 次に、
まちづくりを進めていく上では、呉市役所や市民の皆様、地元企業、自治会等の各種団体等が一体となって、また、それぞれの役割分担の中で取り組んでいく必要があるわけですが、その
まちづくりの推進の下支えを担うのは、やはり呉市役所の職員であると私は考えております。こうした状況の中、呉市役所の正規職員数は毎年減少しており、少数精鋭の中で中核市として存在感のある
まちづくりを進めていこうとした場合、優秀な人材の確保が非常に重要になってくるものと私は思っております。現在のような売り手市場の中で優秀な人材を確保するためには、昨今叫ばれております働き方改革や職員給与などの処遇改善なども必要になってくるのではないかと思われますが、現在の取り組み状況と今後の方向性についてお伺いいたします。
◎総務部長(澤村直樹) 優秀な人材の確保につきまして、まず現在の取り組み状況についてお答えをいたします。 民間企業が採用人数を拡大する中、職員採用試験の受験者数をふやすため、PR活動や試験制度の見直しに取り組んでおります。具体的には、大学や資格スクールの就職担当者との面談、学生を対象としたセミナーの開催、そして就職専門のウエブサイトを活用した情報発信を行っております。また、試験制度については、受験資格の年齢要件の拡大や資格職の専門試験の廃止など受験しやすい環境づくりに取り組んでいるところでございます。また、こうした人材確保に向けた取り組みとあわせ採用後の継続的な人材育成が重要であると考えておりまして、職場内での研修のほか、年齢や職位に応じた職員研修を充実させ、職員の資質向上に努めております。 次に、今後の方向性でございます。ことし3月に策定いたしました第2次呉市職員体制再構築計画では、福祉専門職を初め必要な人材を確保するため、職員採用数を昨年度までの約20名から40名に充実することとしておりますので、これにあわせまして受験者へのPRや試験制度の見直しなどにつきましても、さらに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、働き方改革や職員給与などの処遇についてもしっかり対応したいと考えております。時間外勤務の縮減に取り組むとともに、人事院勧告に基づく職員給与の改定についても適切に対応してまいりたいと考えております。
◆27番(
岩原昇議員) 最近の景気回復を背景として、賃金の改善を予定している企業が5割を超えるとの報道を見ましたが、この主な理由は、深刻な人手不足に対応した人材の定着、確保であるとのことです。呉市も優秀な人材を確保するため、職員の給与アップをぜひ検討していただくよう要望いたします。 次、毎年8月6日に広島市の平和記念公園において、原爆死没者の霊を慰め、世界の恒久平和を祈念するため、原爆死没者の遺族を初め多数の参加者のもとに平和記念式典が挙行されております。この式典には全国各地から多くの方が集まり、広島市へ2泊程度滞在して、8月9日の長崎市での平和記念式典に参加される方もいらっしゃるのではないでしょうか。こうしたことから、呉市でも、8月6日に挙行される平和記念式典の後の8月7日、8日の宿泊誘客の取り組みをしてはどうかと考えます。市長がくれワンダーランド構想に上げる世界に誇れる交流都市への発展にもつながってくると思いますが、当局の考え方をお伺いします。
◎産業部長(大下正起) 平和記念式典に参列される方の呉市への宿泊誘客についてのお尋ねでございます。 平和記念式典は世界の恒久平和を祈念するための慰霊の行事と認識しておりまして、広島市を初め周辺市町におきましては、この式典に参列されている方を対象とした積極的な観光客誘致の取り組みは、式典の趣旨を踏まえ、差し控えている現状がございます。また、呉市内の宿泊状況でございますが、8月は宿泊施設が不足する第1ピークであり、平和記念式典前後の市内の主要な宿泊施設においては、式典の参列者を含むお客様で既に予約が困難な状況とのことでございます。こうしたことから、式典参列者を対象とした宿泊誘客は難しいのではないかと考えております。しかしながら、平和記念公園や宮島といった1年を通して多くの観光客が訪れるエリアから呉市への観光客誘致を図ることは大変重要でございます。このため、広島市や廿日市市などと連携した観光情報の発信など、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◆27番(
岩原昇議員) それでは、宿泊施設が不足しているという観点から質問させていただきます。 鹿児島県の奄美大島あるいは新潟県の佐渡島などでは、伝統的な古民家あるいは歴史的な施設を活用し、その施設に宿泊するという連泊と呼ばれる取り組みがあります。このような取り組みについてどのように考えているのかお伺いいたします。
◎産業部長(大下正起) 伝統的な建物などを活用した取り組みにつきましては、市内の民間事業者において大正時代の病院や昭和初期の建物を改修、再生し、ゲストハウスとして活用している事例があるものと承知しております。こうした取り組みは、近代的な設備の宿泊施設とは異なる旅の魅力があり、呉市への宿泊誘客にも一定の効果があるものと考えております。
◆27番(
岩原昇議員) 当局におかれましては、平和記念式典の後の誘客を取り組む方策をぜひ考えていただき、一人でも多くの観光客に来ていただき、呉市のよさを知っていただき、それをきっかけとして人口増加の一助になればこれにこしたことはありませんので、知恵を絞っていただきたいと思います。 次、安全・安心な
まちづくり、まず、ゾーン30に対応した
まちづくりについて質問をいたします。 ゾーン30とは、生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を確保することを目的として、ゾーン、区域を定め、時速30キロの速度規制を実施するとともに、そのほかの安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制や、抜け道として通行する車両の抑制等を図る生活道路対策です。広島県内では現在42カ所にゾーン30が整備されており、このうち呉市内にも4カ所整備されており、その整備箇所のほとんどが小学校周辺となっております。広島県内の交通事故死傷者数は年々増加傾向にありますが、幅員5.5メートル未満の生活道路における交通事故死傷者数は約20%を占めており、今後もより一層の生活道路対策を推進していく必要があるとされております。通学路には地域により狭隘道路など危険箇所があると思います。子供たちが安全・安心して登下校するためには、この生活道路対策であるゾーン30の取り組みを、まず未整備の小学校周辺にも拡大していくべきではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。
◎市民部長(市本勝英) 議員御案内のとおり、ゾーン30につきましては、平成23年度から生活道路における安全確保を推進するため警察庁により進められているもので、現在は主に小中学校等の通学路を含む区域などを中心にゾーンの設定、整備が進められております。この取り組みの進め方でございますが、地域と警察署、また道路管理者などを含めた関係者との協議により合意形成がなされた箇所について、ゾーンの設定、整備が進められており、呉市内におきましては、御案内のとおり4カ所の整備が実施されております。また、整備内容といたしましては、路面へのゾーン30の表示や中央線の消去及び外側線の引き直しによる車道幅員の縮小などにより運転者に注意喚起等を促すものであり、生活道路等における歩行者の安全確保のための有効な手段の一つと考えております。今後も交通安全に関する着実な啓発活動に取り組むとともに、こうした取り組みを活用しながら関係機関と連携して地域住民のより一層の安全確保に努めてまいります。
◆27番(
岩原昇議員) ゾーン30は行政、警察、地域が一体となって行う事業であり、市民が肌で安全・安心を実感できる事業でありますので、当局にあっては事業の優先度を上げていただき、通学路においては今以上に安全・安心度を上げていただきたいと思います。 次に、市民が安心して暮らせる環境づくりについて質問します。 私は常日ごろから犯罪を起こさせない環境づくりの整備を訴え続けており、呉市における防犯対策については、これまで防犯カメラの設置、不審者情報のメール発信やホームページでの公表、安全パトロール車の巡回活動、防犯啓発街頭キャンペーンなど、さまざまな取り組みを行ってこられたところであります。こうした取り組みなどにより、呉市内における自転車盗や器物損壊、侵入窃盗など身近な犯罪の認知件数は年々減少してきております。しかしながら、平成29年の認知件数はいまだ
990件という状況であります。この状況を当局はどのように捉えられているのか、また今後の取り組みについて考えをお伺いいたします。
◎市民部長(市本勝英) 議員御案内のとおり犯罪の認知件数は年々減少の傾向にございますが、一方で、近年の犯罪は複雑、巧妙化が進み、全く予断を許さない状況にあると認識しております。こうした中、本市におきましては安心・安全な
まちづくりを推進するため、自治会等によるLED防犯灯や防犯カメラの設置に対する助成を行うことで、自主的な防犯活動を支援しているところでございます。また、自治会等におかれましては、定期的な防犯パトロールの実施など犯罪の未然防止だけではなく、住民同士の防犯に対する意識の高揚を図るため、さまざまな活動に取り組んでいただいているところでございます。今後もこうした地域の自主的な防犯活動を支援するとともに、警察署等の関係機関の協力を得ながら地域の防犯設備等の活用に努め、誰もが安全で安心して暮らすことができる地域協働による防犯対策を進めてまいります。
◆27番(
岩原昇議員) 国は、新潟で発生した女児殺害事件などを受け、5月25日、犯罪から子供を守るための対策に関する関係省庁連絡会議を開催し、この会議に使われた国土交通省からの資料の中に、危険が予想される場所での防犯カメラの設置等について、社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金等により地方公共団体が行う防犯
まちづくりへの取り組みを支援するという内容がありますので、子供に対する安全・安心の観点から通学路への防犯カメラを積極的に設置していただくよう要望します。また、中央公園を中心として既に設置、運営されている10基のスーパー防犯灯についても、最大限の活用を考えていただきたいと思います。スーパー防犯灯の説明については機会があれば詳しく説明しますが、今回は時間の都合上、名称のみを紹介させていただきます。 最後に3点目として、市民の生活を支え守ることを見据えた危機対応に配意した
まちづくりについてお伺いします。 市民の生命と財産を守るのは地方公共団体の責務であり、あらゆる危機管理への想定が必要ではないでしょうか。地震や台風、集中豪雨などといった自然災害に対する
危機管理対応に加え、最近の国際情勢の不安定さから懸念されている武力攻撃など、新たな脅威に対しても適切に対応していかなければなりません。そこで、
電磁パルス攻撃を受けた場合の
危機管理対応について質問します。
電磁パルス攻撃とは、高度30から400キロの上空で核爆発を起こし、地上に強力な電磁波を到達させ、地上にあるインフラの電子機器の破壊を通じて大停電を起こし、都市機能を麻痺させる攻撃であると言われております。その影響範囲は広島型原爆の3分の2の規模で、ほぼ日本全土に影響が及ぶとも言われ、日本の対策はほぼ手つかずで、専門家からは懸念の声が上がっております。
電磁パルス攻撃によって大規模な停電が発生すれば、電話やインターネットなどの通信やガス、水道の供給が停止し、都市機能が麻痺します。万が一この
電磁パルス攻撃を受けた場合の呉市の初動態勢や広島県や自衛隊などといった関係機関との連携など、
危機管理対応をどのように想定しているのかお伺いいたします。
◎総務部長(澤村直樹)
電磁パルス攻撃を受けた場合の呉市の対応についてお答えをいたします。
電磁パルス攻撃は武力攻撃災害に該当いたしますので、呉市の初動態勢は呉市国民保護計画に沿って対応することとなりますが、こうした事態は一自治体だけで取り組むことは難しい、大変厳しい事態だと思っております。具体的には、国が事態認定を行い、対処基本方針等を示しますので、それらに基づき対応することとなります。なお、この攻撃は人体や建物に直接影響を与えることはございませんので、直ちに避難所等を開設する必要はないと考えておりますが、停電や通信障害、交通障害といった都市機能の麻痺による生活への影響の状況によっては、避難所開設などの対応が必要となる場合も出てまいります。また、関係機関との連携につきましては、他の災害と同様に状況に応じて広島県や警察、医療機関などとの連携体制を構築し、必要があれば広島県を通じて自衛隊に国民保護派遣を要請することになります。いずれにいたしましても、電子機器等の破壊や通信障害、交通障害が生じた状況での円滑な連携体制が図られるか、こういったことは現時点では不透明なところもございますので、今後は
電磁パルス攻撃に関する情報収集に努めるとともに、図上訓練において、こうした都市機能が大幅に低下した状況を想定した訓練も検討してまいりたいと考えております。
◆27番(
岩原昇議員) この
電磁パルス攻撃は宇宙から襲う津波のようなもので、被害を完全に防ぐことは不可能であると考えます。しかしながら、備えを行うことなどにより減災に取り組むことは可能ではないでしょうか。一地方自治体である呉市が取り組める範囲はおのずと限界があると考えておりますが、この
電磁パルス攻撃があった場合にどういう手段をとろうとしているのか、考えをお伺いいたします。
◎総務部長(澤村直樹)
電磁パルス攻撃があった場合、一自治体だけで取り組むことは限りがございますが、呉市といたしましては停電や通信障害、交通障害など市民生活に大きな支障を来した事態への対応が主なものになると考えております。こうした事態への備えとしましては、生活物資、特に水や食料品などの備蓄をしっかりしておくことや、守りたい電子機器のコンセントを小まめに抜いておくことといった対策が有効とされております。そうしたところから、毎月市役所の庁内LANに危機管理だよりを掲示しておりますが、昨年10月には
電磁パルス攻撃を取り上げ、その概要と対処につきまして職員に周知啓発をしたところでございます。今後は広く市民の皆様にも、
電磁パルス攻撃により都市機能が大きく低下した環境下においても最低限の生活が可能となるよう個人でも物資を備蓄するよう推奨するとともに、重要な電子機器のコンセントを抜いておく等の防御策につきましても啓発に努めてまいりたいと考えております。
◆27番(
岩原昇議員) 現在毎年行われている防災訓練の中で、
電磁パルス攻撃が行われた場合の避難、あるいは対処要領を取り入れていただき、大々的に広報していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。 次に、サイバーセキュリティー対策について質問します。
サイバー攻撃とは、インターネットを通じて企業や政府、地方自治体、軍などのシステムを攻撃する行為で、標的とする団体や個人の持つサーバーやパソコンにメール経由でウイルスを送り込んだり、不正なログインなどにより、そのシステム内のデータを改ざん、破壊、盗むなどをする行為のことです。 そこで、呉市はこの
サイバー攻撃を受けたことがあるのか、また対策はどのようにしているのか、現状をお伺いいたします。
◎企画部長(近藤昭博) 現在、呉市の職員が使用しておりますパソコンのインターネット接続につきましては、昨年度、国からの指示に基づきまして各自治体のインターネット接続口を広島県が1カ所に集約をしております。その当該接続口に対する直近の攻撃数といたしましては、本年4月の1カ月間に約64万件程度あったと伺っております。このうち呉市を標的とした件数のみを特定することはできませんけれども、これらの攻撃に対しましては最新のセキュリティー対策機器を多層的に設置しておりまして、このことにより内部への侵入を防止しております。これまでデータの盗難や改ざんなどの被害は発生しておりません。このように強固なセキュリティー対策で守られておりますので、
サイバー攻撃による被害の可能性は現状では低いものと考えております。 また、住民情報や税情報等を取り扱っております呉市の業務システムにつきましては、通常のインターネットから切り離して運用しておりますので、外部からの攻撃に対するセキュリティーは確保されております。これについても同様に、現状では外部からの侵入を受けた被害はございません。今後も関連機関や保守事業者を通じた情報収集等を行いながら、
サイバー攻撃に対する情報セキュリティーの維持強化に努めてまいります。
◆27番(
岩原昇議員) 私が聞いたところによりますと、今後、自衛隊が1,000人規模のサイバー対策部門の増強を図るために幹部をエストニアに派遣し、行く行くはサイバー対策部隊を某所に設置するとのことです。この
サイバー攻撃への対策はパソコンがあればできるので、大がかりな設備も必要ありません。こうした自衛隊のサイバー対策部隊の設置は国防上のことであり、呉市に誘致することはなかなか難しいと思いますが、例えばサイバー対策を専門に行う企業等を誘致することはできないでしょうか。そういった企業を誘致することができれば、より一層市民に対する安心・安全が増すのではないかと思いますが、誘致する考えがあるのか考え方をお伺いいたします。
◎産業部長(大下正起) 本市では、サイバー対策関連企業に限らずIT関連企業の誘致について、ソフトウエア業等誘致促進事業助成金により設備取得費や新規雇用、通信回線使用料に対する企業立地助成制度を整備しているところでございます。しかしながら、サイバー対策を専門とする企業に特化した誘致については、具体的に検討をした経緯はございません。今後の誘致活動に当たりましては、雇用の創出や産業の活性化等の視点とあわせて、サイバー対策など市民の安心・安全につながる先進技術の開発や普及といった視点も持ちながら、企業情報の収集並びに誘致を図ってまいりたいと考えております。
◆27番(
岩原昇議員) よろしくお願いします。今回はこの
電磁パルス攻撃や
サイバー攻撃を例に質問しましたが、このほかにも、例えば飲料水汚染や感染症の流行など、市民の生活を支え守るための危機対応は多岐にわたっているのが現状です。当局におかれましては、引き続き
危機管理対応にしっかりと取り組んでいかれることを要望しまして、私の一般質問を終わります。(拍手)
○議長(
加藤忠二) 以上で岩原議員の一般質問を終わります。 午後1時まで休憩をいたします。 午後0時03分 休 憩 ────────────────────────────── 午後1時00分 再 開
○議長(
加藤忠二) 会議を再開いたします。 ──────────────────────────────
△日程第8
石崎元成議員の一般質問
○議長(
加藤忠二) 日程第8、石崎議員の一般質問を議題といたします。 20番石崎議員。 〔20番
石崎元成議員登壇、拍手〕
◆20番(
石崎元成議員) それでは、皆さんこんにちは。私ごとではありますが少しお時間をいただきまして、私の政治の師匠であります谷川和穂氏の葬式をきょうやっております。私の本当の父と思える人の別れをできない心情をお酌みいただいて、皆様方にはよりよい答弁をお願いしたいと思っております。お願いいたします。 さて、浅学非才はもとより下品が服を着て歩くような男が、新市長にいろいろ失礼な質問をすると思いますが、それはまず最初に謝っておきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 1898年呉鎮守府が開庁され、130年がたっております。この130年のうちに呉市が受けた海軍の歴史、これをどのように
まちづくりに生かしていくか、市長の考えを尋ねてみたいと思っております。海軍鎮守府とともに海軍工廠も呉市の各地にできまして、それを見ながら周辺の地域の住民が、この呉市に集まってきたわけでございます。私の祖父もそういう一人でございました。呉鎮守府の海軍工廠に勤めるということが農業収入より漁業収入より多少よかった、こういう観点で皆周辺の人たちが呉市に集まったと思います。そういった海軍工廠を受けまして、呉市に40万の人が集まったこともありました。その中では、戦時中、我々が信望してやまない戦艦「大和」を、世界に誇る戦艦「大和」を呉市でつくったということが呉市民のアイデンティティーになっておるんじゃないか。それ以後、このアイデンティティーをもとに、戦後は平和産業都市、ものづくりのまち、そして重厚長大のまちとして発展してきたわけでございます。したがって、この130年の歴史は呉市にとっては何とも言えない時間があると思います。この辺をどのように
まちづくりに生かして、どのような呉市をつくっていくのか、こういうところで市長の答弁を求めたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 以下は質問席で行います。 〔20番
石崎元成議員降壇、質問席へ移動〕
○議長(
加藤忠二) 当局の答弁を求めます。
◎市長(新原芳明) ことしは明治150年に当たります。まさにこの年に、石崎議員から海軍の歴史と呉市という大変大きな重要な問題提起をいただきました。最初に谷川和穂先生のお話がございましたけれども、私も心からお悔やみを申し上げます。 議員最初に言われたことですが、私はこうやってお答えすることを大変光栄に存じておりますので。はい。 呉市は、先ほどおっしゃられましたように明治22年の呉鎮守府開庁により東洋一の海軍基地と海軍工廠が整備をされました。これによって、西洋列強による植民地支配から我が国や国民の独立を守ることができました。また、呉工廠や広工廠を中心として、全国各地から一流の人材が呉市に数多く集まりました。我が国は、当時西洋列強に比べて資源も少なく、短い期間に西洋列強に追いつかなければならないという状況でございました。そのために、具体的な技術だけではなくてマネジメント、つまり全体としての工程管理、生産管理、それから原価管理、こういったことが徹底をされました。今日本の製造業の強みとされているのは納期の厳守と絶え間ない改善による生産性の向上でございますが、こうした日本の特徴は海軍にその基礎があります。その結果、当時の世界最高水準の戦艦「長門」がまずつくられまして、その後、大変驚異的な短期間でスーパー戦艦の「大和」が誕生をいたします。 一時呉は、横須賀、佐世保、舞鶴の合計よりも大きい一つのまちで、それよりも大きい工廠でした。当時、企業会計、私は企業会計に詳しいんですが、企業会計の面でも海軍は日本をリードしておりました。その企業会計のうち、特に原価の基準は、今の企業会計の原価の基準は海軍に由来するものでございます。世界的な監査法人でありますデロイト・トウシュ・トーマツという会社がありますが、このトーマツはもともと日本の海軍経理将校の出身者でつくられた会計事務所でございました。呉の海軍の歴史は徹底的に合理的に物を考える、それによって不可能と思えた短期間で創意工夫を重ねて合理的なコストで世界最強の艦隊をつくったという歴史でございます。こうした経験が、呉に立地した企業を初め、戦後、日本中の企業に伝わって、戦後の高度成長を支える自信につながったと思っております。 呉市は、戦後は平和産業港湾都市を目指して制定された旧軍港市転換法に基づきまして、旧海軍施設の多くが鉄鋼業、造船業、紙パルプ製造業といった企業に払い下げられまして、呉の製造の面でも我が国の高度経済成長を牽引する大きな力となりました。この歴史は、呉市長として大変誇りに思っております。特に徹底的に合理的に考えることによって、創意工夫によって、不可能と思えたことを可能としてきた歴史を呉は持っております。私は、女性や若者、中小企業全ての人に、創業を初め多様な夢に向かって挑戦していただき、経済界や市民の皆様とともに、そういう呉市にしてまいりたいと考えております。
◆20番(
石崎元成議員) 市長の思いは伝わってまいりましたが、もう少しお時間をいただいて、ひもといてみたいと思います。きょうは手話通訳の方がいらっしゃいますんで、後ろにいらっしゃる聾唖者の方にも市長のお言葉がじかに伝わるようにしたいと思いますんで、市長の御答弁をよろしくお願いいたしたいと思います。 私は、市長がかねがね言われております、市民がわくわくどきどきするワンダーランド構想ですか、こういうものは市長の頭の中にはあると思うんです。それと海軍の歴史をどのようにリンクさすのかということを、少しでもワンダーランド構想の一部にひっかけていただきまして御披露いただければ、市長の思いが市民に伝わるんじゃないかと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
◎市長(新原芳明) 私は、呉の鎮守府、そして工廠の歴史は、創意工夫を重ねて不可能と思えたことを可能にしてきたということだと考えております。それは、今の呉市にも、呉市民の心の中にも誇りとして大きく残っているのではないかと思います。したがいまして、呉市民、女性、若者、そして呉に来ることによって、外から来た人も含めて、呉が夢に向かってチャレンジできるまちだと、創業を初め中小企業や女性や若者がみんなで夢に向かって挑戦できる、それをみんなが応援する、そういう呉市にしていきたい、それが私のワンダーランド構想の中心的な考えでございます。
◆20番(
石崎元成議員) 市長の言われることはよくわかるんですが、市長は政治家ですから少し大風呂敷を広げて市民に夢を語っていただきたい、もっともっと夢を語っていただきたい。そして、その大風呂敷をどのように畳むかというのが政策に出てくるんじゃないかと思っております。ですから、市長にはもっと大風呂敷を広げて、呉市民がわくわくするようなことを述べていただきたい。今までどう見ても、市長、非常に遠慮がちに本当に真摯にお答えになっていただいておりますが、我々ぼんくらとしては、もっと大風呂敷を広げて市民を喜ばせるようなことを言っていただきたい。そして、それを少しずつ実現していっていただきたい。このような思いであるんですが、何か大風呂敷がありましたら、ぜひ披露をいただきたいと思います。