三原市議会 > 2017-02-22 >
02月22日-02号

  • 872(/)
ツイート シェア
  1. 三原市議会 2017-02-22
    02月22日-02号


    取得元: 三原市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-10-05
    平成29年第1回 3月定例会       平成29年第1回(定例会) 呉市議会会議録 第598号平成29年2月22日(水曜日)呉市議会議事堂において開議(第2日)出席議員       1番  上 村  臣 男       2番  阪 井  昌 行       3番  檜 垣  美 良       4番  藤 原    広       5番  奥 田  和 夫       6番  久 保    東       7番  山 上  文 恵       8番  谷    惠 介       9番  林 田  浩 秋       10番  山 本  良 二       11番  林    敏 夫       12番  中 原  明 夫       13番  池庄司  孝 臣       14番  田 中  みわ子       15番  井手畑  隆 政       16番  沖 田  範 彦       17番  岡 崎  源太朗       18番  谷 本  誠 一       19番  石 崎  元 成       20番  神 田  隆 彦       21番  渡 辺  一 照       22番  平 岡  正 人       23番  梶 山  治 孝       24番  加 藤  忠 二       25番  片 岡  慶 行       26番  岩 原    昇       27番  北 川  一 清       28番  小 田  晃士朗       29番  福 永  高 美       30番  中 田  光 政       31番  土 井  正 純       32番  森 本  茂 樹 欠席議員           な    し 説明員  市長       小 村  和 年  副市長      木 坂    修  副市長      小 松  良 三  総務部長     徳 丸    肇  総務部副部長   手 島  直 樹  総務課長     小 森    強  企画部長     近 藤  昭 博  財務部長     澤 村  直 樹  市民部長     品 川  裕 一  文化スポーツ部長 上 東  広 海  福祉保健部長   濱 田  俊 文  福祉事務所長   釜 田  宣 哉  環境部長     上 藤  英 伸  産業部長     種 村    隆  都市部長     下 山  義 夫  理事(兼)土木部長田 口  康 典  会計管理者    金 木  秀 行  教育長      中 村  弘 市  教育部長     寺 本  有 伸  教育部参事    上 田  勝 治  消防長      上 野  誠 一  消防局副局長   中 西  賢 一  経営総務部長   神 垣    忍  建設部長     宇都宮  勝 彦  施設管理部長   難 波  和 夫 議会事務局職員  事務局長     山 根  直 行  事務局次長    有 田    真  庶務課長     野見山  克 宏  議事課課長補佐  沖 原  秀 規      ──────────────────────────────           議  事  日  程 (第 2 号)                         (平成29年2月22日 午前10時開議)第1 議第49号 呉市指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例及び呉市障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について   議第50号 契約の締結について   議第51号 和解について第2 議第1号 平成29年度呉市一般会計予算   議第2号 平成29年度呉市国民健康保険事業(事業勘定)特別会計予算   議第3号 平成29年度呉市国民健康保険事業(直診勘定)特別会計予算   議第4号 平成29年度呉市後期高齢者医療事業特別会計予算   議第5号 平成29年度呉市介護保険事業(保険勘定)特別会計予算   議第6号 平成29年度呉市介護保険事業サービス勘定特別会計予算   議第7号 平成29年度呉市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算   議第8号 平成29年度呉市公園墓地事業特別会計予算   議第9号 平成29年度呉市地域下水道事業特別会計予算   議第10号 平成29年度呉市集落排水事業特別会計予算   議第11号 平成29年度呉市地方卸売市場事業特別会計予算   議第12号 平成29年度呉市野呂高原ロッジ事業特別会計予算   議第13号 平成29年度呉市駐車場事業特別会計予算   議第14号 平成29年度呉市内陸土地造成事業特別会計予算   議第15号 平成29年度呉市港湾整備事業特別会計予算   議第16号 平成29年度呉市臨海土地造成事業特別会計予算   議第17号 平成29年度呉市財産区事業特別会計予算   議第18号 平成29年度呉市病院事業会計予算   議第19号 平成29年度呉市水道事業会計予算   議第20号 平成29年度呉市工業用水道事業会計予算   議第21号 平成29年度呉市下水道事業会計予算      ──────────────────────────────会議に付した事件 日程のとおり  北川一清議員予算総体質問  1 呉市の現状と未来について  2 成熟社会の道路空間について   (1) 道路空間の原則分離整備   (2) 無電柱化推進法に関連して  3 パリ協定発効を踏まえた温暖化対策について   (1) 呉市が果たすべき役割   (2) 呉市の具体的取り組み  4 学校教育について   (1) 今後の重点的に取り組む方向性   (2) 日本遺産の活用   (3) 基礎学力の定着  藤原広議員の予算総体質問  1 子育て・子育ちしやすい環境づくりについて   (1) 安心して子育てできる環境づくり   (2) 国内外に羽ばたく子どもたちへの支援   (3) 生徒指導の充実  2 児童虐待防止対策の強化について   (1) 児童虐待防止対策の事業内容と課題・問題点   (2) 今後の事業展開   (3) 子育て世代包括支援センター「えがお」の現状と課題  3 シティプロモーションの推進について   (1) 話題性・認識度向上の成果   (2) 29年度以降の展開方針   (3) 多様な主体との連携によるシティプロモーション   (4) 観光振興のための施設整備の充実  4 安全・安心な生活環境の確保について   (1) 公園等のトイレのバリアフリー化   (2) 小中学校におけるトイレの洋式化  山本良二議員予算総体質問  1 働きやすさの向上について   (1) 雇用創出に向けての意気込み   (2) 外国人向けの新たな観光戦略の展開   (3) 呉産品の販路拡大の推進  2 定住・移住のさらなる促進について   (1) 空き家バンクの現状   (2) 定住・移住希望者の動向   (3) 定住・移住のさらなる促進に向けて  3 行財政改革の着実な推進について   (1) 今後の財政見通しと課題分析   (2) 持続可能な行財政基盤の確立   (3) やりがいのある職場づくり  森本茂樹議員予算総体質問  1 合併建設計画の今後の方向性について   (1) 8町合併12年の成果   (2) 新年度予算における合併建設事業への事業費の計上   (3) 合併建設計画の進捗状況   (4) 課題のある事業、条件整備の必要な事業、困難な事業の整理   (5) 合併後の追加事業と合併特例債の充当状況   (6) 合併建設計画の見直し   (7) 安芸灘大橋の無料化   (8) 地域振興基金の活用      ──────────────────────────────            午前10時00分     開   議 ○議長(石崎元成) これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者として10番山本議員、32番森本議員を指名いたします。 この際、申し上げます。 報道関係者から写真撮影等の申し出がありますので、これを許可いたします。      ────────────────────────────── ○議長(石崎元成) 諸般の報告をさせます。     〔有田真議会事務局次長朗読〕                                呉市議会報告第3号              諸  般  の  報  告1 市長が追加提出した議案は次のとおりである。   議第49号 呉市指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等         を定める条例及び呉市障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準         を定める条例の一部を改正する条例の制定について   外2件      ────────────────────────────── △日程第1 議第49号外2件 ○議長(石崎元成) 日程に入ります。 日程第1、議第49号呉市指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例及び呉市障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例の制定について、外2件を一括して議題といたします。 本3件の説明を求めます。 市長。     〔小村和年市長登壇〕 ◎市長(小村和年) ただいま上程されました議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 議第49号は、指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部改正に伴い、関係条例について所要の規定を整備するものでございます。 議第50号は、東畑中学校校舎建設工事に係る契約を締結するものでございます。 議第51号は、所有権移転登記手続請求事件について、訴訟上の和解をするものでございます。 何とぞ慎重に御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(石崎元成) 質疑は後日行うことにいたします。      ────────────────────────────── △日程第2 議第1号外20件 △北川一清議員予算総体質問 ○議長(石崎元成) 日程第2、議第1号平成29年度呉市一般会計予算、外20件を一括して議題といたします。 これより予算総体質問に入ります。 通告者は、お手元に配付いたしておりますとおり、12名の方であります。申し合わせにより、3日間に分け、順次発言を許可いたします。 27番北川議員。     〔27番北川一清議員登壇、拍手〕 ◆27番(北川一清議員) おはようございます。 私は仁友会を代表して、四つの項目につき予算総体質問をさせていただきます。 まず第1に、呉市の現状と未来についてであります。 終戦後の呉市は、海軍解体とともに市の存立基盤を多く失ってしまいましたが、常に生きる希望を持ち、未来を考え、特に昭和25年6月に施行された平和産業港湾都市に転換する旧軍港市転換法を背景として、戦後復興を進めるとともに安定した生活基盤の確立に奔走し、発展してきました。数次にわたる不況が日本を襲う中、呉市は産業の高度化、多様化に対応した都市政策等を進めるとともに、人口減社会に対応したまちづくりにも積極的に取り組んでおります。平成17年、近隣8町との合併により新しい呉市が誕生し、多くの地域の魅力を手にするとともに、さまざまな課題を抱えながら、呉市民は小村市長にそのかじ取りを12年間委ねております。小村市長は、財政集中改革や交通局の民営移譲といった身を切る改革を実施する一方で、産業団地への企業誘致や大和ミュージアムを軸とした観光振興、人気の高い海自カレーの展開、データヘルスによる生活習慣病予防の推進など、さまざまな政策を積極的に取り組まれてきました。昨年度の新庁舎完成後、今年度は中核市への移行、日本遺産認定、市立呉高校の甲子園初出場、そしてシティプロモーションの大ヒットなど、着実に成果を上げてこられております。現在の呉市は、115年という呉市の歴史の中でも、まれに見る上げ潮状態にあると実感しております。この状態をさらによくしていくために、今後どのようなまちづくりを進めていく必要があると考えていらっしゃるのか。また、小村市長3期目の任期がことしの11月18日までになっておりますが、市長は今後のまちづくりの方向性をどのように考えておられるのか、市長の率直な思いをお伺いいたします。 以下は質問席でやらせていただきます。     〔27番北川一清議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 呉市の現状と未来、今後のまちづくりの方向性について、私の思いをというお尋ねでございます。 先ほど、呉市は今上げ潮状態だという表現をされました。市政を預かる身としては大変ありがたい言葉で、力強く思います。ありがとうございます。 ただ、こうした状態を実際につくり出したのは、私というよりは職員の努力、そして議会の御理解、御協力、また何より幅広い市民の皆さんの協力、これに対する参加ということであると思いますので、大変感謝をしております。 私は、市長という立場、職責で政策の方向性の判断を行い、議会の御同意、また議決を経て、それを執行するのが私の役割だと思っております。そして、その政策の方向性を判断する基準としては、呉市、呉市民にとって何が最良かということが最もシンプルな基準で、未来志向の基準でそれを行ってきております。12年前に市長に就任してから今まで、この判断基準は全く変わっておりません。この判断基準に基づいて、その時代の社会状況に応じて政策テーマを設定して、まちづくりの土台固めに努力をしてまいりました。1期目では改革土壌の形成をテーマに、公正透明な市政の位置づけ、あるいは財政の健全化、これ一番力を入れてまいりました。そして、教育、次の世代をいかに育てていくか、教育の再生に取り組んでまいりました。2期目は「きずなと活力の創造」をテーマに、人づくり、地域づくり、都市づくりという視点を持って重点施策に取り組んでまいりました。さらに、3期目では「未来への架け橋」、ようやく財政の健全化というか、少しその成果が出ましたので、その上に立って未来へのというテーマを掲げました。「心豊かに暮らせるまちづくり」、そして「人々を魅きつけるまちづくり」に積極的に取り組んでまいりました。 その先にある近未来、長い未来というのはわかりませんが、近未来の政策テーマは何かということでございますが、一言で言うなら飛躍と自立の徹底支援だと、そんなふうに思っております。今上げ潮状態だとおっしゃっていただきましたけれども、飛行機で言えばようやく離陸をした状態だろうと。これを飛躍させていく、これが一つのテーマであります。そして、高齢化はいや応なく進んでまいります。その高齢化社会というのは、御承知のように年金であるとか医療であるとか介護であるとか、この福祉施策の上に立って生活をしていかなきゃいけない人が随分ふえてまいります。そのためには若い世代が自立をして、自分の道を切り開いて活躍してもらわなきゃいけない。これを徹底して応援していく、そんなふうにテーマとしては掲げられるんじゃないかと思っております。社会が成熟化して求められるニーズが多様化する中で、新しい価値を付加して、活力を生み出して豊かなまちをつくっていくためには、一歩踏み出して果敢にチャレンジし続けることが不可欠で、それを徹底的に応援していくことが、今後最優先で取り組まなければならない呉市のテーマではないかと、そんなふうに思っております。 そのための基盤づくり、例えば呉市の玄関口である呉駅前の再整備、とりわけそのにぎわいの核となるそごう跡地の活性化は不可欠でありますし、また大和ミュージアムのにぎわいを市中心部に多極化していくこと、そして第3次産業の活性化に結びつけることは、一歩踏み出そうとする若い世代への最高の後押しになると思っております。また、景気の緩やかな回復基調が続く中で、市内の幹線道路を生かして企業立地を促進し、雇用の創出を図るため、問い合わせが相次いでおります苗代工業団地あるいは阿賀マリノポリス地区の埋立地に次ぐ、新たな産業団地の整備も視野に入れる必要があると考えております。さらに、特色ある農水産物のブランド化、6次産業化は、島嶼部、地域の活性化の起爆剤となりますし、健康寿命のさらなる延伸は、健康産業の創出、医工連携の推進に直結をしてまいります。任期は御指摘のように近づいておりますけれども、私としましては、これまで取り組んできたまちづくりの上にただいま申し上げましたような施策に道筋をつけることによって、さらに呉市を発展させなきゃいけない、そのための努力を全力で傾注してまいりたいと、そんなふうに思っております。どうぞ御指導よろしくお願いします。 ◆27番(北川一清議員) 市長、呉市民の思いを実現するには、強いリーダーシップが発揮できる指導者が必要だと思います。私は、マーガレット・サッチャーさん、いつも頭へあるんですが、彼女の功績、あの馬力はリーダーシップを持っている方には絶対必要だろうと思いますんで、そのあたりは頭に入れながらやっていただければなと思います。未来の呉市をより明るく、よりにぎわいのあるようにするためには、積極的に取り組む姿勢、これはもうなりふり構わずという表現はちょっと不適切かもわかりませんけれども、そういう面も多々必要だと思いますんで、よろしくお願いします。 次に、2番目に移ります。成熟社会の道路空間について質問いたします。 日本は、人口減少、超高齢者社会への突入後、地球環境の持続性を脅かす環境負荷低減の必要性からも、都市計画やインフラ整備等のあり方としては安全第一、安心第一で快適な生活環境を再構築すべきであり、高度成長期を終え、ゆとりを持った心豊かな成熟社会へと着実に私は向かっていると認識しております。重要なことは、これから更新の時代を迎える道路等の再整備に合わせ、成熟都市にふさわしい空間を都市づくりの中に創出することであります。将来の経済、社会構造を支える都市計画の戦略的政策として、都市交通網やそれを向上させるための道路網を見直した車社会から脱却し人に優しい社会へ転換すべき配置型道路空間の整備が必要ではないでしょうか。また、総合的に捉えた持続可能なまちづくりへの取り組みや、市民、観光客の足としての機能、健康増進、そして地域経済の活性化、市民生活の向上を同時に達成することも必要であります。 そこでまず、道路空間の原則分離整備についてですが、道路整備はもちろん歩行者最優先であり、弱い立場にある高齢者、障害者、子供たち等の交通弱者にとっては動きやすいまちづくりであり、安全で安心な生活環境が求められる道路でなければなりません。もうそろそろ自転車やシニアカー等を重要視した、人に優しい、地球に優しい、脱自動車社会を目指す政策的大転換である自転車革命とも言うべき自転車等配置型の道路空間を整備する必要があると求めますが、そのあたりの御見解よろしくお願いします。 ◎理事[兼]土木部長(田口康典) 自転車は、通勤、通学や買い物など、さまざまな目的で多くの人々に利用される乗り物でございますが、排気ガスや騒音を出さない環境に優しい交通手段として、あるいは運動不足を解消する手段として、職場への通勤を自動車から自転車に変える方やサイクリングを楽しむ方がふえるなど、自転車のニーズも多様化しております。こうした中、自転車対歩行者の交通事故は全国的に見ると、20年前の平成8年に比べ平成27年では約4.3倍の2,506件と増加しており、自転車と歩行者を分離した安全な自転車通行空間の確保が求められているところでございます。本市におきましても、第4次長期総合計画で地球環境の保全の観点から温暖化対策として徒歩や自転車での移動を推進しているほか、都市計画マスタープランで身近な生活を支える地域内交通では道路整備に合わせて歩道や自転車道の確保を図ることに努めるなど、自転車に配慮した施策にも取り組んでおります。今後も、自転車、歩行者及び自動車のそれぞれの利用に配慮し、道路空間の安全性、快適性を高めてまいります。 ◆27番(北川一清議員) 一例として申し上げますが、世界一の自転車先進国と言われるオランダ、人口が1,700万人弱なんですが、実は自転車は2,200万台、1人1台以上。自転車の使用頻度も非常に高く、外出時の活躍度は大体30%、毎日の通勤、通学に至っては50%なんですね。オランダはどこへ行くにしても自転車でと言っても過言ではありません。自転車活用の有用性から、政策的に自転車走行空間の整備が最優先で進めてこられたんだろうと思うんですが、呉市は、実は2008年1月に国土交通省と警察庁の合同事業であります自転車通行環境整備のモデル地区に指定されております。このモデル地区の事業の実態とか課題について、答弁いただければと思いますが、よろしくお願いします。 ◎理事[兼]土木部長(田口康典) 先ほど自転車対歩行者の交通事故が平成8年と比較すると平成27年は約4.3倍に増加していると申しましたが、実は10年前の平成17年には2,783件と、平成8年の約4.8倍まで増加しておりました。そのため、国土交通省と警察庁は学識経験者などによる懇談会を設置して、歩行者と自転車の安心と安全を確保するための対策を取りまとめ、先ほど議員のお話にもございましたが、平成20年1月、全国で98カ所の自転車通行環境整備モデル地区を指定し、自転車と歩行者を分離するための道路の改善を2年間集中的に行っております。広島県内では福山市と呉市の2地区が指定を受け、呉市におきましては、平成21年度に国と県の事業が実施されております。国の事業といたしましては、国道31号の呉駅前の約900メートルの区間におきまして自転車歩行者道に構造物を設置し、車道側に2メートル程度の自転車通行空間を確保しております。また、県の事業としましては、国道487号の入船山公園前の約500メートルの区間と、県道呉港線、これは国道31号と重要港湾呉港を結ぶ県道でございますが、この道路の国道31号から中央桟橋まで約500メートルの区間において、自転車歩行者道の中に幅1メートル程度のブルーラインを引き、自転車通行区間を明示しております。これらの事業につきましては、構造物の設置が歩行者の邪魔になる、出入り口を新たに設ける際に障害になる、あるいはブルーラインがれんが舗装にマッチしていないなどの課題があることは承知しておりますが、交通量の多い国道や県道などの幹線道路の必要な区間には自転車通行空間が確保できるよう、国や県と連携して取り組んでまいります。 ◆27番(北川一清議員) わかりました。 次に移りますが、自転車の利用範囲を考慮するとなると、市とかまちとかという規模が一番適切だろうと思います。それぞれがネットワーク計画を策定して、目的地となる駅、学校、商店街、病院など主要な生活施設を結ぶ人々の動線を考慮した効率的、戦略的なネットワーク化された自動車専用道の空間にする必要があると思うんですが、基本的には車道の一部を自転車専用に転用したり、物理的には車とレーンを分けた高規格の自動車専用道スーパーハイウエー計画と言われるらしいんですが、そういうのがあればなあと思います。自転車というのは当然基本は安全・安心ですから、快適に早く大量に運行できるようになります。そのあたりの御見解、いただければと思うんですが、よろしくお願いします。 ◎理事[兼]土木部長(田口康典) 自転車の利用につきましては、駅や学校、職場への通勤、通学や買い物などの日常生活での利用と、サイクリングなどレジャーでの利用に大きく分けられます。このうち、日常生活では町中での比較的短距離の利用が多いと思われる一方、レジャー利用は郊外での走行やまちからまちへの走行など比較的長距離の利用が多いと思われるため、自転車通行空間の整備に当たっては、ニーズや道路の現状を踏まえ、連続性や面的広がりを考慮した自転車ネットワークの構築を検討する必要があると考えております。中央地区の中心部など道路整備が一定の水準にある区域については、交通量の多い道路に併設されている自転車歩行者道の活用を基本とし、通勤、通学や買い物などの利便性を確保するとともに、国道、県道など通過交通の多い幹線道路については国や県の施策に応じた整備を行っていただき、郊外やまちからまちへの長距離のサイクリングを楽しむ方への利便性、安全性の向上を図るという大きく二つの考えのもと、ニーズに応じた自転車通行空間の確保に取り組んでまいります。 ◆27番(北川一清議員) 日本は、今まで道路を拡張し、それから車線をふやしながら、少しでも多くの車がスムーズに流れるように整備してきております。しかし、都市部では、解消しようと幾ら道路を拡幅しても、多くの車が押し寄せ渋滞するというイタチごっこの状態であります。道路の拡幅にも限界があり、幾ら道路整備をしても追いつかない状況であろうかと思います。そこで、自転車というのは環境負荷も低く、温暖ガスも排出いたしません。市民の健康推進にも貢献いたします。また、住居環境や労働環境、学校環境等の改善にもつながってまいります。もちろん全面的に車を否定するわけじゃありません。都市部内では極力自動車以外で移動、できれば自転車をというつもりで私はまちづくりができればなあと思っておりますんで、そのあたりお含みいただければと思います。よろしくお願いします。 次に、さきの臨時国会で超党派の議員立法により全会一致で可決され成立した、道端に立つ電柱を撤去し、電力線、通信線等の地下埋設を進める無電柱化推進法に関連してお聞きいたします。 1995年に発生した阪神大震災では、電力用電柱が将棋倒しのように大体4,500本が倒壊し、緊急車両等の進入を阻んだり、避難の妨げになる要因になっております。電柱は、それゆえに道路や歩道が狭くなることで事故が発生しやすくなったり、まちの景観を損ねたり、台風や地震といった自然災害によって倒壊する危険性があるなど、問題点があります。防災面での二次災害回避には無電柱化を進める必要があります。政府には推進計画の策定が義務づけられておりますが、地方自治体や関連事業者も積極的に取り組むよう求められておりますが、御見解いただければと思います。
    ◎理事[兼]土木部長(田口康典) 昨年12月に施行されました無電柱化推進法は、災害の防止や安全、円滑な交通の確保、良好な景観形成を図るため、無電柱化の推進に関し、国及び地方公共団体の責務や電線等の事業者の役割等を定めているものでございます。この法律の中で、国は、無電柱化に関する基本方針や期間、目標を定めた無電柱化推進計画を策定し、公表することが義務づけられております。また、地方公共団体は、国の無電柱化推進計画を基本として地域の実情に応じた無電柱化推進計画を策定することが努力義務とされております。本年1月には、国は学識経験者等で構成する無電柱化推進のあり方検討委員会を設立し、本格的に無電柱化を推進するための方向性の議論を始めており、その動きに私どもも注目しているところでございます。無電柱化は、景観の面だけではなく防災の面からも進めていくべき課題であると認識しておりまして、長期総合計画においても検討すべき課題と位置づけております。今後は、国や県の無電柱化推進の議論などについて情報収集に努めながら、呉市の実情に応じた無電柱化の推進方法について検討してまいります。 ◆27番(北川一清議員) 世界の無電柱化された道路の比率というのがありまして、びっくりなんですが、ロンドン、パリ、香港、100%。台北が95%。それから、シンガポール93%。かつて映画でよく見ていたんですが、ニューヨーク、今や80%が整備されております。一方、日本ではいまだに全体的には約1%にすぎないという状況であります。東京23区でも7%、大阪市は5%、京都市が2%にとどまっており、立ちおくれが顕著であります。共同溝を用いた日本の埋設技術は世界的にもすぐれていると言われておりますが、まず無電柱化をやる気があるかないかの問題であろうと私は思っております。呉市の実態はどのような状況でありましょうか。御見解いただけますか。 ◎理事[兼]土木部長(田口康典) 呉市内の道路では、国道で約3.3キロメートル、県道で約1キロメートル、市道では約5.5キロメートルの区間が無電柱化されております。このうち、災害発生時の緊急輸送を円滑に行い、防災拠点と被災地を相互に連絡する緊急輸送道路については、電線の倒壊によりその機能が失われるなどの二次災害の発生を防ぐため早期の無電柱化が求められていることから優先的に着手しておりまして、中央部の緊急輸送道路においては約4.8キロメートルのうち約4.2キロメートル、割合で申しますと約9割が無電柱化されております。なお、現在市内においては、緊急輸送道路となっている国道185号の一部について、国により無電柱化が進められている状況でございます。 ◆27番(北川一清議員) 無電柱化を進めるに当たって最大の障害は、それに要する費用、初期費用なんですけれども、大体1キロ当たり4億円から5億円ぐらいかかるだろうと言われております。それに対して、その費用の一部を担う電力会社等にとっては非常に負担が重いですよね。しかし、今現在、新しい技術革新で費用を削減できることがだんだんわかってきておりますんで、費用的には少しずつ安くはなっているんでしょうけれども。より安価な工法での工事がもし可能になってくれば、全国的に進捗方向へ加速する動きが多分出てくるんだろうと認識しております。そこで改めてビジネスチャンスが出たりイノベーションが生まれたりするわけですから、このニュービジネスにつながる、私は呉市創生の成長戦略になるんじゃないかと思っております。今後の対応について御見解をいただければと思います。よろしくお願いします。 ◎理事[兼]土木部長(田口康典) 先ほども申しましたが、無電柱化は景観の面や防災の面から推進していくべき課題であると考えておりまして、特に緊急輸送道路の無電柱化は早期に解決すべき課題であるという認識でございます。そのため、無電柱化されていない中央部の残り約1割の緊急輸送道路の区間や、中央部以外の区間のうち、まずは幹線道路である国道、県道の緊急輸送道路の区間の早期無電柱化について、国や県と連携して取り組んでまいります。このたびの法律の施行により新たな国の補助金制度の創設も期待され、また低コストとなる工法の開発が国主導で行われるとも伺っております。これらの動きについては、政府や民間との連携、協力を図り、無電柱化をより推進していく目的で平成27年10月に設立された無電柱化を推進する市区町村の会の中国ブロック学習会などに積極的に参加し、無電柱化にかかわる最新情報の取得に努めるとともに、まずは無電柱化計画の策定に向けた準備を行っていきたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 呉市はいろんな地形がありますんで、そう簡単にいくとは思っていませんが、今やもう脱自動車社会目指すと。電柱がないことが常識的になるような、景観の美しい無電柱道路の整備、これは市民のコンセンサスが要るんですけれども、覚悟を持って人に優しい道路行政、推し進めていただければと思います。よろしくお願いします。 3番目に行きます。 パリ協定発効を踏まえた地球温暖化対策についてでありますが、1997年に採択された京都議定書以来、地球温暖化対策の新しい国際的枠組みであるパリ協定が、途上国を含む全ての国が参加し、2016年11月ですが発効されております。脱炭素社会を視野に入れた協定であります。産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑える目標を示し、長期目標としては今世紀後半に温室効果ガスの実質的排出量ゼロを目指すものであります。深刻化する温暖化対策に対し、世界は待ったなしの危機的状況に面していると私は認識しております。日本は温室効果ガスの排出量を2030年度までに2013年度比で26%削減を示した国際公約の達成が求められ、それには、家庭やオフィス、そして企業、地方自治体が一丸となって、それぞれが役割を果たしながら社会システムの形成を進めることが必要不可欠であると考えております。この厳しい削減目標は企業にとって経済活動を阻害する一面がありますが、パリ協定を踏まえ、呉市の果たすべき役割について、税制の優遇措置なども含め何をなすべきでしょうか。御見解をいただきます。 ◎環境部長(上藤英伸) パリ協定を踏まえて、今後温暖化対策を進めていく上での呉市の役割についてでございますが、国は昨年5月に策定した地球温暖化対策計画の中で、地球温暖化問題は社会経済活動、地域社会、国民生活全般に深くかかわることから、あらゆる主体が参加、連携して取り組むことが必要であるとしております。特に地方公共団体の役割としては、二つの柱、地域の自然的、社会的条件に応じた施策の推進とみずからの事務事業に関する措置が上げられております。呉市といたしましても、国の計画に即して地域の特色に応じた総合的かつ計画的な施策を推進し、みずからの事務事業の遂行に当たっても、他の事業者や住民の模範となるような温室効果ガス排出削減計画を策定し、確実に実施していく必要があると考えております。 また、議員御紹介の税制の優遇措置についてですが、呉市でも再生可能エネルギー施設にかかわる固定資産税軽減のため、わがまち特例制度を実施し、太陽光発電やエネファームの設置の補助金制度とあわせて温室効果ガス排出削減の誘導に努めてまいりました。今後は市民の意識と行動の変革、地域や社会の形成のための施策についても検討する必要があると考えております。 ◆27番(北川一清議員) 次に、呉市の温暖化対策の具体例、お聞きいたします。 自治体が実施できる対策にはさまざまな選択肢があり、限られた予算の中で費用対効果を考慮しながら、地域に最も適した対策を実施しなければなりません。その際、各地域で異なる気象条件、再生エネルギー資源の導入可能性、歴史的背景、住居形態、そしてそれから発生するCO2の排出構造の違いなどを踏まえることが重要であります。それぞれに求められる対策が異なるわけですが、我々地域が変われば、国が変わります。国が変われば、世界が変わります。今や気候変動対策は待ったなしの課題となっております。地域での取り組みや市民の意識改革を重視し、地域を元気にする温暖化対策の目標を設定し、省エネルギー、再生可能エネルギーを推進するための施策を呉市も先進的に取り組むべきと考えますが、御見解をいただきます。 ◎環境部長(上藤英伸) 呉市は、これまで平成25年3月に策定いたしました第2次呉市環境基本計画の中で呉市地球温暖化対策実行計画を策定し、省エネルギーの推進や廃棄物減量の推進、呉市みずからの事務事業から排出される温室効果ガスの削減に取り組んでまいりました。この第2次呉市環境基本計画が来年度見直しの時期となっておりますので、その中で今後の具体的な取り組みを検討していくこととなります。基本的には、これまでの取り組みについてパリ協定を踏まえました新たな国の目標数値に対応できるように修正するとともに、国民の意識改革やライフスタイルの変換を図るための普及啓発活動、再生可能エネルギーの導入拡大、省エネルギーの推進や低炭素型の都市地域構造、社会経済システムの形成といった国の温暖化対策計画に掲げている地方公共団体が講ずべき措置について検討してまいります。また、温室効果ガスの排出抑制に関連する他の施策、例えばコンパクトなまちづくりやエコ通勤の普及促進などとの連携についても研究してまいります。 ◆27番(北川一清議員) わかりました。できっこないという空気に流されますと、実はもう世界から取り残されるんですね。これまで日本は環境先進国として自負してきたと思うんですが、脱炭素社会を目指す地球温暖化の取り組みは、国からだけでなく、地方からも本気で前向きな姿勢を示すべきだと私は思います。地球環境の仕組みはどのようになっているのか、なぜ循環型社会が必要なのかといった科学的知識や認識を、50年後、100年後を見据えて我々は子供たちに示さなきゃならんだろうと思っておりますんで、何とぞよろしくお願いします。 最後に、学校教育についてお伺いします。 2003年度に実施したOECD国際学習到達度調査、PISAですね、大きく順位を落としたことから、PISAショックと言われるほどの学力の落ち込みが明白になってきました。そこで、文部科学省は2005年度からゆとり教育の見直しに順次方向転換し、全国学力・学習状況調査を実施するとともに学習指導要領を改訂し、主要教科の授業時間を1割以上ふやした脱ゆとり教育を推進してきております。2015年5月から6月に実施された6回目のPISA調査結果によりますと、日本は理数分野では高水準であるが、文章や資料などから情報を読み取り、論理立てして自分の考えを記述する読解力に大きな課題があると判明しており、これを身につけるには、子供たちが主体的に問題点を解決していくために能動的な学習指導としてアクティブ・ラーニングの導入が必要であると文部科学省は指摘しております。 さて、呉市におきましては、本年度4月から中村教育長、新しく赴任していただいておりますが、非常に卓越した指導力を発揮されると思いますんで喜んでおります。そこで、中村教育長、去年6月議会で同僚議員の質問に対して、学校教育の使命は、知徳体の基礎基本が身について将来社会人として活躍できる資質を育むことであり、課題として、みずからの力でみずからの課題を解決していく力、物事を多角的に考える力や的確な判断力、豊かな表現力を養うことにあると答弁されております。私も、主体的な学びを子供たちが習得する手段としては、この国が進めているアクティブ・ラーニングが最適だと思っています。 そこでお聞きします。 小中学校では2018年度から移行措置が始まり、2020年度から順次全面的に実施される次期学習指導要領では、学習課程で全教科に有効手段としてアクティブ・ラーニングを導入予定とのことですが、その定義を含め、具体的な取り組みと今後の展開について御見解を求めます。 ◎教育長(中村弘市) まず、アクティブ・ラーニングの定義についてでございますが、文部科学省では、教員の一方向的な講義形式の教育ではなく、課題発見学習やグループ討議等を取り入れて児童生徒が能動的に学習を行うことであると定義しております。すなわちアクティブ・ラーニングとは、主体的な学びを進めていく教育活動であると認識しているところでございます。今議員のほうからの御指摘もありましたけれども、国は今、新学習指導要領の改訂に向けて準備を進めております。国の言葉をかりますと、新学習指導要領の根幹にあるものは主体的で対話的な学び、これをつくるんだと。この考え方のもとに幾つかの柱をつけております。この柱の一つとして、まず何を学ぶのか、目標ですね。それから、どのように学ぶのか、方法です。そして、何ができるようになるのか、資質、能力です。こうしたものを柱として主体的な学習の枠組みづくりが今進められているところでございますが、一方この呉市において、私就任以来、今申し上げた国の考え方はもう既に示されておりましたから、それを先取りしまして、昨年の12月までに全ての中学校区で育成すべき資質、能力を設定しております。今後は、これらの設定した資質、能力を育成するために、授業はもちろんですけれども教育活動全体にどのように位置づけていくか研究を進めて、主体的な学びを促すための単元開発を進めてまいります。 さらに、中学校区で設定した資質、能力の育成を目指すために、全ての中学校区においてカリキュラムマップの作成を進めていきたいと思っております。このカリキュラムマップというのは、例えば中学校区ごとにつけたい資質、能力の中が表現力であるとしたら、例えば国語のこの単元の中では文章による表現力を育てることができると、また、音楽のこの部分においては音によって曲によって自分の考えと思いを表現することができると、そしてまた、美術においてはイラストとか絵を描くことによってその表現力を養うと。表現力一つとっても、全ての教科、またある教科において表現力をつける単元がありますから、それを一つの地図のようにして学びの地図、このようなカリキュラムマップをぜひつくっていこうと準備をしているところでございます。 就任以来、私はこうした取り組みを進めてきましたけれども、昨年末に多くの学校で公開研究会がございました。その公開研究会の中で子供たちの様子を見ておりますと、自分の意見を根拠を持って発表できる生徒、また、他者の発言を尊重しながら自分の新しい考えを述べる児童生徒、こうした生徒が着実にふえてきているなという実感を持って、今確かな手応えを感じているところでございます。今後ともこのような教育活動をさらに充実させていくことで、先ほど6月の議会でも答弁いたしましたが、課題解決をしていく力や的確な判断力、豊かな表現力を育成して、夢を持ち、夢を語り、志を抱く児童生徒の育成を目指してまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 今御説明いただきましたが、アクティブ・ラーニングというのは教員の一方的な講義形式の教育でなく、児童生徒それぞれが能動的な学習を行うということで私は理解しております。私も、子供たちにはこういった教育こそが、これからの社会で活躍するためには最低限必要だろうと思います。呉市では、文部科学省が定義するアクティブ・ラーニングを主体的な学びとして捉えて既に取り組んでいらっしゃるということですが、その効果を期待しております。 さて、先ほどにも触れましたけれど、PISA調査、日本の子供たちには読解力が大きな課題ということで判明しております。そこで、主体的に問題点を解決するための読解力を身につけるにはどのように取り組んでいかれるのか、再度質問させていただきます。 ◎教育部長(寺本有伸) 読解力を身につけさせるための取り組みについてでございます。 文章を読み取る力は、主に国語科の読むことの領域を中心に、全ての教科等で育成されるものでございます。全国学力・学習状況調査の国語科、読むことの領域における呉市の平均正答率は、ここ数年、全国平均正答率を上回っております。しかしながら、資料をもとに自分の考えをまとめ、表現することなどに課題があると捉えております。今後の読解力を身につけさせる呉市の取り組みにつきましては、国語科だけでなく全教科等において、課題の解決に向けて複数の資料を比較分類、関係づけするなど情報を収集、整理し、根拠をもとに自分の考えを持たせる学習活動の充実を図ってまいります。また、呉市子ども読書活動推進計画に基づき、学校図書館を計画的に利活用してまいります。さらには、NIEの実践校における取り組みの充実を図るとともに、調べ学習や記事の要約、新聞の読み比べなど新聞を活用した学習を推進してまいります。 ◆27番(北川一清議員) 問題解決に向けて、今具体的な取り組み実践されているということで、今後さらなる充実を目指して進んでいっているなあという安心感を抱きました。寺本部長、読解力、先ほど説明されましたけれど、やっぱり新聞なんだよね。読書、新聞も含めてですが。今の子供たちに欠けているのは、長文を書く能力が非常に弱くなっているのかなあという気がしております。それにはやっぱり読書だろうと思うんで、そのくせをいかにつけるか。仕方なくやるのではなくて、自分たちが進んでやっていくんだよと。これが将来にどういう影響があるかということは我々大人は感じておりますけれども、それを教えるのは教育委員会、現場の先生方だろうと思いますんで、そのあたり、読解力、改めてもう少し深く説明していただければと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎教育部長(寺本有伸) ただいま仰せの新聞とか文章、長文を読むことについては、私どもも大切なこととして捉えております。そういったことから、ここ数年呉市内におきましても、朝読書とか給食時間の前後を活用して読書をしようということ、これは教員も一緒に一定の読みたい本を読むということで取り組んでおります。先ほど議員が御指摘されたように、読む習慣をまずつけることが大事だと思いますので、こういったことは大事に取り組んでまいりたいと思っております。 ◆27番(北川一清議員) わかりました。また、心を育てるという面においては、これまでも文化芸術体験活動等のさまざまな体験を通して感性や郷土を愛する心を育まれておるとともに、今年度はふるさと子どもの夢実現事業、ものづくり体験事業を新しく展開されることも承知しております。ただ、ふるさと呉を考えたとき、昨年4月、呉市は文化庁から日本遺産の認定を受けました。地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化、伝統を語るストーリーを認定されたものであります。 そこで、呉市の宝、日本の宝でもある日本遺産、学校教育に活用すべきと思いますが、御見解いただきます。 ◎教育部長(寺本有伸) 日本遺産の活用についてでございます。 まず、呉市教育大綱では、郷土を愛する心豊かでたくましい呉の子供の育成を目標に掲げております。この目標の達成に向け、学校教育においては、郷土の歴史や文化に触れさせることで郷土を愛し、郷土のよさを語ることができるようにしていくことが必要だと考えております。そのための取り組みの一つとして、今後、日本遺産を題材とした道徳学習プログラムの作成を進めてまいります。具体的には、道徳の学習指導要領に示された内容項目をもとに、平成29年度に、日本遺産を題材として呉の伝統や文化のよさに気づき、呉に対する誇りや愛着を持つことを狙いとした道徳教材を作成いたします。また、作成した道徳教材と、従来行っております文化芸術体験活動、ものづくり体験事業など豊かな感性と郷土を愛する心を育てる体験活動との関連を図り、道徳学習プログラムとして策定いたします。平成30年度には呉市内の全小中学校において、この策定した道徳学習プログラムを実施する予定でございます。 ◆27番(北川一清議員) ある情報によりますと、ことしの秋に朝鮮通信使が世界記憶遺産に登録されるのではという話が出ております。実現できるかどうかわかりませんけれども。そうなりますと、今度は世界が、外へ向けた話になってくる。それをじゃあどういうふうに取り入れていくのかというあたりも、答弁は要りません、頭に入れながら、次期のことを考えていただければなと思います。よろしくお願いします。 最後に、心を育てるという面でも取り組みを確実に進められている点は評価しております。一方、生きていくためには基礎学力の定着が必須と考えます。そこで、最後に基礎学力の定着についてお聞きいたします。 教育長は6月議会で、各教科において基礎知識の習得に加え、応用力を育てる授業を創造するとともに、特に力を入れていきたいのが学力の低位な子供たちを対象とした個別指導の充実と答弁されております。その進捗状況と今後の展開についてお聞きいたします。 ◎教育部長(寺本有伸) 基礎学力の定着と今後の取り組みについてでございます。 まず、進捗状況でございますけれども、各学校では学力調査の結果から自校の実態分析を行い、指導方法等の改善計画を作成し、課題に対応した指導を実施しております。特に学力調査において通過率、正答率が30%未満の児童生徒には、放課後の時間を活用した補充学習といった個に応じた指導や授業、朝学習、家庭学習において基本的な問題を繰り返し行う学習を実施しております。これらの学習の中で、児童生徒は自信をつけ、勉強が楽しい、もっと勉強したいという発言がふえてきたと聞いております。今後につきましては、児童生徒の主体的な学びを促すために、児童生徒がみずから課題を見つけ、課題の解決に向けて探求的な活動をしていく学習を推進してまいります。 ◆27番(北川一清議員) 先ほど30%という数字、言われましたけれど、これも数字の振り分けというか、そのあたりの構成、どのぐらい子供がいるのかなと知りたいんですが、資料ありますか。 ◎教育部長(寺本有伸) 広島県が行っております小学校5年生、それから中学校2年生を対象とした基礎基本定着状況調査の通過率というところに、正答率が30%未満、60%以上、80%以上という数値がございます。その中で言うと、定着が不十分である30%未満の子供たちには学力をしっかりとつけていこうということを考えておりますが、これで申しますと、小学校では、呉市は約2.1%の子供が30%未満の子がいます。中学校においては約5.4%の子供たちが30%未満ですので、先ほど申しましたように、さまざまな時間を通じて子供たちに学力の定着を図ってまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 全国学力テストの結果をずっと数年見ていますと、小学校はレベル結構高いですよね、呉の子供はね。しかし、逆に中学校になると、それこそ1桁だったものが2桁の、中ぐらいになっている現状があるんですが、多分これは永遠のテーマでしょうけれども、今2.1%と5.4%と伺って思ったのは、この5.4%が足を引っ張って、ちょっと言葉悪いですが、そういう状況になっているのかなあと思います。下の子のレベルアップをというのは実は楽、楽とは言いませんけれども、レベルアップするにはまだ易しいんだろうと思うんですね。これを上げちゃえばどんどん平均点は上がっていくんだろうと思いますが、さりとて上の子もいますんで、そのレベルに合わすという話じゃなくて、個々の対応、これはぜひ必要なんだろうと思いますんで、呉の子供たち、将来を背負っていく子供たちですから、万全の小中学校の教育、実施していただければと思いますんで、よろしくお願いします。 以上で終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で北川議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △藤原広議員の予算総体質問 ○議長(石崎元成) 4番藤原議員。     〔4番藤原広議員登壇、拍手〕 ◆4番(藤原広議員) 皆さんこんにちは。 私は公明党呉市議会議員団を代表いたしまして、4項目について質問をさせていただきます。 まず、1項目めといたしまして、呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略にも掲げておられます子育て・子育ちしやすい環境づくりについてお伺いをいたします。 平成27年の国勢調査結果によりますと、呉市の人口は約22万9,000人で、前回の平成22年の調査と比較して約1万1,000人の減少となっております。平成25年3月に国立社会保障・人口問題研究所が推計した平成27年における呉市の人口推計は約22万7,000人でありましたので、この推計を若干上回る形となっております。いずれにいたしましても呉市の人口減少が進行していることに変わりはなく、地方創生の取り組みを通じて人口減少の抑制に最大限努める必要があるということであります。中でも、呉市の人口自然減の大きな要因は、非婚化、晩婚化の進展、若年女性の減少とそれに起因する出生数の減少にございます。そのような中、呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして育てやすさの向上を基本目標に掲げ、結婚から妊娠、出産、子育てまでの切れ目のない支援、子育て支援、教育環境の充実に積極的に取り組んでおられます。特に平成28年度からは、子育て世代包括支援センター「えがお」を設置し、子育て支援の施策を充実してこられました。また、平成29年度からは、子育て家庭に対する経済的支援の本丸とも言うべき乳幼児医療費助成の拡充のほか、新婚子育て世代の定住支援や子どもまちづくり事業など全庁的な支援もうかがえます。子育てを担う若い世代の定着は、まちのにぎわいに直結をしていきます。子育て世代が抱く多様なニーズを的確に捉え、きめ細かく、そして末永く地道に対応していくことが不可欠であると思いますが、安心して子育てできる環境づくりに向け、今後どのように施策を推進していこうとされているのか、市長の思いをお伺いさせていただきます。 以後は質問席から質問をさせていただきます。     〔4番藤原広議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 子育て世代が安心をして子育て、また子育ちしやすい環境づくりについて私の思いをという御質問でございます。 呉市でも、御指摘のように将来を支えるゼロ歳から14歳までの年少人口は毎年のように減少しております。そうした中、本市では子育て施策は少子化対策の重要な柱だと位置づけまして、子育て世代の負担感や不安感の解消、また教育、保育の場の確保といった諸課題を解決するために、育てやすさの向上を呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略の一番基本的な目標に掲げますとともに、呉市子ども・子育て支援事業計画に基づきまして施策を展開しておるところでございます。特に妊娠期から母親が不安や悩みを気軽に相談できる場所として、平成28年10月に呉市版ネウボラ、子育て世代包括支援センター「えがお」を開設し、ストレスや不安の軽減に努めますとともに、今年1月からファミリー・サポート・センター事業の24時間サービスを新たに開始し、地域における子育て相互援助の取り組みも始めております。また、新年度からは経済的支援といたしまして、これも先ほど御発言ありました乳幼児等医療費助成の対象年齢の拡充や若年層の定住支援などによりまして、安心して子育てができる環境づくりを行ってまいります。これは力強くやってまいりたいと考えております。 いずれにしましても、次代の社会を担う子供たちの健やかな成長と、子供にとって最善のものが何か、それが実現される社会を目指すために子育てに、これは本来子育てというのは、私の体験でもこんな幸せな喜びはないと、そんなふうに思っております。これは、ごく普通に言えば素直な人の感情としてそういうものだと思っておりますけれども、そこに喜びや楽しみを持ち、安心して子供を産み育てることができる環境を地域全体でつくってまいりたいと考えておりますので、どうか御協力、また御指導のほどよろしくお願いをいたします。 ◆4番(藤原広議員) 先ほど市長のほうから御答弁いただきまして、次代を担う子供たちの健やかな成長と、親の立場からいたしますと子育てに喜びや楽しみを持ち、安心して子供を産み育てていく環境づくりの推進というのは、我が会派も同感でございます。今後とも、市長の御尽力をよろしくお願い申し上げたいと思いますので。 それでは続きまして、2項目めといたしまして、国内外に羽ばたく子供たちへの支援についてをお伺いさせていただきたいと思います。 市立呉高等学校の甲子園出場は多くの市民に感動を与えました。ゼロからスタートした公立高校の野球部が創立10年で甲子園出場の切符を手にするとは夢にも思っておりませんでしたので、改めて子供たちの可能性は果てしないと実感をいたした次第でございます。本当におめでとうございます。こうした子供たちが持つ無限の可能性をうまく引き出してあげること、また子供たちが抱く夢の実現を支えてあげることは、我々大人の責務であります。そうした中、呉市では平成29年度から新たに文化スポーツ応援事業と銘打って、文化スポーツの分野で国内外に羽ばたく子供たちの支援を行うこととしております。子供たちのモチベーションの向上を図るとともに地域のにぎわいづくりにつながっていくものと思いますが、将来トップレベルでの活躍が期待される人材の下支えについて、本事業ではどのような考えを持って、またどのような支援を行っていかれるのか、お聞かせを願いたいと思います。 ◎教育長(中村弘市) 文化スポーツ応援事業についてのお尋ねでございますが、本事業は、将来への強い志を抱いて努力し、全国規模の大会等で特に顕著な成績をおさめた呉市在住の中学生及び高校生の夢の実現に向けた支援を行うものでございます。交付する報奨金につきましては、活動を行う上で必要な用具等の購入費や大会や練習試合の遠征費に充てるなど、その後の活動に係る経費の援助を目的として、子供たちが持つ無限の可能性を引き出し、子供たちが抱く夢の実現を支えていきたいと思っております。また、この事業は後に続く者への大きな道を開く事業になるとも思っております。 ◆4番(藤原広議員) ありがとうございます。今回初めての事業ということで注目をしているところでございます。子供たちが持つ無限の可能性を十二分に引き出し、夢の実現に向けた一助となれるように全力でサポートを願うとともに、今後ともさらなる負担解消等の拡充へと進展していくことを期待しておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 続きまして、生徒指導の充実についてお伺いをさせていただきます。 広島県教育委員会が昨年10月に公表した、平成27年度の広島県における生徒指導上の諸問題の現状についてによりますと、暴力行為やいじめ、不登校といった生徒指導上の諸問題は、いずれも前年を下回る結果となりました。一方で、呉市の状況を見ますと、諸問題の発生率は県内他市町を大きく下回っているものの、暴力行為の発生件数は前年と比較して若干の増加が見られ、子供たちを取り巻く環境のさらなる改善が求められているところではなかろうかと感じているところでございます。学習指導と並んで重要な意義を持つ生徒指導は、問題行動への対応という消極的な面だけではなく、全ての児童生徒一人一人の心を育て、それぞれの人格のよりよき発達を目指すとともに、将来、社会において自己実現できるよう指導、援助するという積極的な面につながっていくものと考えられております。次代を担う子供たちの健やかな成長を妨げる要因を少しでも取り除くことが社会全体の大人の責任ではなかろうかと思っております。呉市では、これまで生徒指導員やスクールカウンセラーなどを配置し、子供たちの心の問題の解決に取り組んでこられたと思いますが、どのような成果を上げ、またどのような課題が生じているのか、生徒指導に係る近年の取り組み状況とその評価についてお聞かせを願いたいと思います。 ◎教育部長(寺本有伸) 生徒指導に係る近年の取り組み状況とその評価についてのお尋ねでございます。 呉市では、平成19年度に中1ギャップの解消と自尊感情の育成を目指した小中一貫教育の全市展開を開始し、今年度で10年目を迎えております。その間、生徒指導上の諸問題の未然防止を図るため、スクールサポーターやメンタルフレンドの派遣、いじめ撲滅プロジェクトチーム研究大会の実施など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。成果といたしましては、ほとんどの学校が落ちついてきており、この10年間で暴力行為発生件数は約3分の1に、不登校児童生徒数は約2分の1に減少しております。いじめの認知件数につきましては増加しておりますが、これはいじめを積極的に認知しようとする教職員の意識の高まりによるものと捉えており、いじめをできるだけ初期の段階で多く発見し、早期に解決しようとする考えからすれば、むしろ望ましい傾向であると考えております。課題といたしましては、平成27年度の暴力行為発生件数が前年度と比べ若干増加してきており、その要因の一つとして、問題行動等の背景には子供たちの心の問題とともに家庭や学校、友人、地域社会など児童生徒を取り巻く環境の問題が複雑に絡み合って、学校だけでは解決困難なケースが見受けられることが上げられます。 ◆4番(藤原広議員) 子供たちを取り巻く課題が複雑、多様化し、学校だけでは解決困難なケースも生じているということでございましたが、解決できない課題があるのであれば、専門家のノウハウを活用することが不可欠ではなかろうかと思います。こうした中、呉市では新たにスクールソーシャルワーカーを設置するとされております。学校と家庭のチームワークをさらに強化し、より充実した対応が可能になるのではなかろうかと期待をしておりますが、設置の意義と運用方針についてお聞かせを願いたいと思います。 ◎教育部長(寺本有伸) スクールソーシャルワーカー派遣の意義と運用方針についてのお尋ねでございます。 問題行動等の背景に、家庭の教育力の低下や経済的困難、児童虐待等の課題がある場合は、学校と福祉等関係機関とのネットワークを活用した支援が重要であると考えております。本事業は、社会福祉士などの資格を有した方を呉市スクールソーシャルワーカーとして登録していただき、学校の要望に基づいて学校や家庭等に派遣する事業でございます。個々の家庭が抱える課題に対して、スクールソーシャルワーカーが学校と関係機関とのネットワーク構築の中心となって連絡調整に当たったり、直接保護者の相談や働きかけを行ったりするなどを通して、課題の解決を図ろうとするものでございます。 ◆4番(藤原広議員) お聞きしますと、広島県内に余り類を見ないという呉市スクールソーシャルワーカーの設置でございまして、これまで学校単独では解決困難な問題に対し、しっかりと取り組んでいただける基盤を構築していただくのは本当に心強い限りでございます。今後の活動を注視してまいりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは、2項目めでございます。 このたびの新年度予算の主要事業に盛り込まれました児童虐待防止対策の強化についてお伺いをしていきたいと思います。 最初に、児童虐待防止対策の事業内容と課題、問題点でお聞きをいたします。 児童虐待の防止等に関する法律は2000年11月に施行され、この立法により児童虐待の定義を定め、児童に対する虐待の禁止、国や地方公共団体の責務、関係機関、民間団体との連携強化、早期発見、児童虐待に関する通告を明確にいたしました。2015年度に児童相談所が対応した虐待の相談対応件数は、ついに10万件を超え、調査が開始された1990年度以降、相談対応件数は25年連続で過去最多を更新し続けております。児童虐待について社会的な理解や関心が高まり、これまで隠れていたような虐待も表面化しております。一方で、虐待そのものがふえている可能性も指摘をされております。呉市においても相談対応件数は徐々にふえてきており、平成26年度は320件、平成27年度は336件の相談対応件数が上がっており、深刻さを増しているのではなかろうかと思います。こうした児童虐待の相談等に対応していく上で、課題や問題点をどう認識されておられるのかをお伺いいたします。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 児童虐待の相談等に対応していく上で、どのように課題を認識しているかというお尋ねでございます。 大きく3点ございますが、まず初めに、早期発見についてでございます。議員仰せのように児童虐待に対する社会的関心が高まります中で、本市の相談件数は平成27年度は336件、平成28年12月末現在では314件となっております。これは、学校や保育所、幼稚園、医療機関等の連携によります早期の通告や相談の増加によるものと分析をいたしております。また、最近の相談の傾向といたしましては、児童がDVを目撃することにより心理的虐待の増加があるものと分析をいたしております。2点目は、早期対応についてでございます。児童虐待の背景には家庭内で複雑な問題を抱えていることが多く、教育委員会や生活支援課、障害福祉課等の庁内関係課や西部こども家庭センター等との関係機関が連携し、相互の情報共有と役割分担を迅速に行う必要があると考えております。3点目は、継続した支援でございます。児童虐待は早期解決が困難な事例が多く、家庭内の状況の変化や困難な問題の解決に継続した支援が必要です。こういった3点が大きな課題、問題点と認識をいたしております。 ◆4番(藤原広議員) 先ほど部長の答弁のほうで、早期発見、早期対応、継続した支援の3本柱の推進で、そういったことに取り組んでいただきながら、本市においても二度と悲惨な事件が起こらないようにしっかりと取り組んでいただくように当局に申し述べておきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。 次に、今後の事業展開でございますが、新年度4月より施行される児童福祉法案の一部を改正する法律案では、全ての児童が健全に育成されるよう、児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対応のさらなる強化等を図るため、児童福祉法の理念を明確化するとともに、母子健康包括センターの全国展開、市町村及び児童相談所の体制強化、里親委託の推進等、盛り込まれておりました。児童虐待防止対策のさらなる強化を図るため本市ではどのような事業を展開していくのか、お聞かせを願います。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 児童虐待防止対策についてのお尋ねでございます。 来年度につきましては、まず相談体制の強化といたしまして家庭児童相談員を子育て支援課に1名増員いたしますとともに、夜間、休日の電話相談事業を新たに実施する予定にいたしております。2点目は、要保護児童等を早期に発見し、適切な支援を連携して行う要保護児童対策地域協議会の機能強化といたしまして、新年度から専門職員の研修の充実や適切な支援方法等の指導、助言を受けるための外部専門員の招致、また現在、要保護児童の情報については子育て支援課が中心となって取り扱いを行っておりますが、一例を申し上げますと、保健センターの子供の健診情報でありますとか、そういったものとリンクをいたしておりませんので、そうした庁内関係課が持っております情報の共有を図るための連携システムの構築を行ってまいります。さらに、要保護家庭の孤立化を防ぐための積極的な訪問を実施する予定といたしております。3点目は、養育者支援の充実を図るため、親子関係再構築支援のためのペアレントトレーニングも新たに実施をする予定にいたしております。このほか、継続的に行う事業といたしましては、児童虐待防止の啓発として引き続き虐待防止ガイドラインの作成、配布や、オレンジリボンキャンペーンを実施してまいります。今後も児童虐待防止対策のさらなる強化を図り、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) るる御説明いただきまして、さまざまな施策を今から取り組んでいくという部長の御答弁でございましたが、お聞きいたしまして安心をいたしました。そういった意味も含めて、今後さらなる行政の横串化というところの中の情報をしっかりと各部門でとっていただきながら、虐待の発生予防、また早期発見、早期対応に取り組んでいかれますように願ってやみません。どうぞよろしく今後ともお願いをいたします。 続きまして、昨年10月にスタートいたしました子育て世代包括支援センター「えがお」の現状と課題についてお伺いをさせていただきたいと思います。 いわゆる呉市版ネウボラは、妊娠、出産、育児に関する若い世代の不安や悩みを解消することのできるワンストップ窓口で、気軽に相談できる体制を整えることにより安心して子供を産み育てる環境を整備するものでございます。この支援センターは、子育て家庭の社会からの孤立を防ぐために、虐待の未然防止を初め、産前産後、そして子育てまで切れ目のない支援を行うための窓口であると捉えております。開設から約5カ月が経過いたしました。この間もさまざまなケースについて対応しておられるかと思いますが、現状と課題があればお聞かせを願いたいと思います。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 子育て世代包括支援センター「えがお」では、現在母子保健コーディネーターであります助産師や保健師等が妊娠、出産、子育てに関する相談や不妊治療助成に対応し、授乳相談、授乳教室などの産前産後サポート事業、ショートステイやデイケアを利用していただく産後ケア事業を推進しているところでございます。これまで開設後4カ月間の利用状況といたしましては、子育て応援ナビなどの電話相談が76件、授乳相談などの来所相談が127件、子育てマイプランの提案を496件、産後ケア事業の利用が4件となっており、安心して子育てできる環境づくりにつながっているものと考えております。 今後の課題といたしましては、悩みを抱えていらっしゃる妊産婦の皆さん等を早期に発見し、児童虐待の予防や早期発見につなげていくため、関係機関とより一層の連携強化を図るとともに、当センターの存在を広く市民の皆様に知っていただき、より多くの方に利用していただけるよう、ホームページや医療機関、保育所、幼稚園への広報など、さまざまな機会を通じて周知をしてまいりたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) ありがとうございます。御答弁の中で、利用者の拡大、周知を徹底するというところでございます。そういった形で、この「えがお」をどんどん利用していただけるものになっていけばと思うわけでございますが、今も部長の御答弁の中でもございましたように、部署間での情報共有徹底と関係機関との連携強化をしっかりと図っていくことが、私もここが肝ではなかろうかと思っております。今後の当局の取り組みに大いに期待をしておりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 続きまして、3項目めのシティプロモーションの推進についてお伺いをさせていただきます。 最初に、話題化、認識度向上の成果についてお伺いをいたします。 2月1日に発表された新キャラクター呉氏は、多くのメディアに取り上げていただきました。これだけ都市の名前を前面に押し出したPRは、これまで全国的にも前例がなく、予想以上に宣伝効果があったものと思われます。当局は今年度、呉の認知度向上に向けたシティプロモーションを展開すると言っておられましたが、その思惑が見事にはまった感があり、私個人といたしましても当局の御努力に対し大きな評価をしているところでございます。新キャラクターの登場をもって第1段階としての話題化、また認知度向上についてはほぼ達成されたのではなかろうかと思いますが、この1カ月間の盛り上がりについて当局としてどのように分析をされているのか、お聞かせを願いたいと思います。 ◎企画部長(近藤昭博) 呉市では、呉市の魅力、呉らしさを戦略的、効果的に発信し、呉市のブランド力の強化や都市イメージの向上を図ることにより、呉市に行ってみたい、呉市に住んでみたい、呉市に住み続けたいと思う人を一人でも多くふやしていくため、今年度から本格的にシティプロモーションを推進しております。初年度となる今年度は、呉市の認知度を向上させることを最優先に考え、強烈なインパクトを与えるイメージキャラクター呉氏とPR動画を作成し、今月一日にお披露目をいたしました。このイメージキャラクター呉氏やPR動画は、呉という市の名前を前面に押し出したもので、イメージキャラクターの露出やPR動画の視聴そのものが呉市のPRに直結するよう工夫を凝らしたものでございまして、イメージキャラクター呉氏やPR動画は全国放送のテレビで何度も取り上げられたほか、地方のテレビ番組、新聞、雑誌、ウエブサイトなどで350回以上紹介され、これらのメディアを通じた宣伝効果は、広告費に換算いたしますと3億円以上になると試算されております。 さらに、PR動画はインターネット動画サイトユーチューブにおいて、公開からわずか3日間で広島県の観光PR動画おしい!広島県の総再生回数の2倍を超える再生回数を記録しております。また、3本あるPR動画のうちメーンとなります本編の再生回数は、きょう現在38万回を超え、予告編、ダンスショット編を合わせますと50万回以上も再生されておりまして、呉の市名を前面に押し出したPR動画が爆発的に拡散されております。こうしたメディアやユーチューブでの露出を通じて、全国に向けて呉を強力に発信することができたものと考えておりますし、また、市民の皆さんや市外に住む呉市出身の方々から多くの応援の声もいただいておりまして、初年度としては期待以上の滑り出しではないかと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 爆発的なPRができたという分析でございました。2月1日に絆ホールにて、呉市のこの新キャラクター呉氏のお披露目がございまして、私も会場に足を運び拝見をさせていただいたわけでございますが、この呉氏の特徴がキレキレのダンスということでございまして、このダンスを見て、今後も見る側に勇気と希望を与えられるキャラクターとして、また、皆さんに愛される新キャラクターとして進化していくことを高く望んでおりますんで、今後とも出番があるように、この新キャラクターを随所で使用していただければと思うところでございますので、よろしくお願いをいたします。 次に、平成29年度以降の展開方針についてお伺いをしていきたいと思います。 この先重要なのは、次の一手だと思うところでございます。多くの方に呉氏を通して興味とか関心を持っていただいた今、その人々をどうやって呉に呼び、呉市のにぎわいにどう結びつけていくのか、地方創生に向けてのあらゆる取り組みを下支えする役割を担うシティプロモーションについて、当局は今後どのように展開をしていこうとされているのか、なるべく詳しくお答えしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) シティプロモーションの推進に当たりましては、継続的、戦略的な展開が不可欠であると考えておりまして、今年度からの3カ年を第1クールとして年度ごとに重点取り組みテーマを定め、プロモーションを展開していきたいと考えております。初年度となる今年度は、先ほども申し上げましたように話題化、認知度向上に重点的に取り組んでまいりました。来年度は、行ってみたいと思っていただけるようなプロモーションに重点を置き、認知度が向上したイメージキャラクター呉氏を効果的に活用した、呉市に行ってみたいと思っていただけるPR動画を作成するなど観光客の誘致に努めてまいりたいと考えております。さらに平成30年度は、住んでみたい、住み続けたいと思っていただけるような移住、定住にスポットを当てたプロモーションを展開し、移住、定住の促進に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 継続的、戦略的なシティプロモーションの展開、言うなれば呉ならではのといいますか、言いかえれば呉独自のブランド化に向けた推進を今後とも期待しておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 次に、多様な主体との連携によるシティプロモーションについてのお伺いをさせていただきたいと思います。 これまでお伺いしてきましたシティプロモーションは、どちらかといえば行政主導で進めてこられたものであります。今後の事業の広がりを考えるときに、市民を巻き込んでいくことが必要ではなかろうかと思うところでございますが、例えば学校や地域、企業など多様な主体と連携してシティプロモーションに取り組むことによりまして、さまざまな相乗効果が生まれてくるのではなかろうかと思います。当局のお考えをお聞かせ願いたいと思います。 ◎企画部長(近藤昭博) シティプロモーションを通じて目指すものは何かと申しますと、都市としてのブランド力を高めるとともに都市への愛着心を深めることであると認識いたしております。それを実現するためには、行政だけが取り組むのではなく、さまざまな主体と一緒になってシティプロモーションを推進していくことが大変重要であると考えております。今後、イメージキャラクター呉氏と呉の子供たちがイベントなどで一緒に踊りを披露する機会をつくったり、学校や地域の行事に呉氏を派遣したりすることにより、市民の皆さんと一緒に呉をPRしていく機運を高めていきたいと思っております。また、企業とも連携しながら、イメージキャラクター呉氏のデザインを活用した商品開発などにも取り組んでいただき、呉ブランドの強化にも結びつけてまいりたいと考えております。 このイメージキャラクター呉氏の公開直後から、例えば市民の方個人で呉氏のシールを作成したり、子供が粘土で呉氏をつくってみたり、レゴで呉氏をつくってSNSに投稿するといったことが出てきております。企業においても、医療機関におけるポスターへのデザイン掲載、社内報でのキャラクター紹介、工事看板へのデザインの使用、銀行における全店舗でのポスター掲示、あるいは最近、社用車へのラッピング、そして商品への転用の申し込みなど、市民、企業レベルにおけるさまざまな自発的なプロモーションの流れが起きておりまして、このことこそがまさに我々が望んでいた展開だと考えております。さらに、市民や市役所の職員からも動画に出てくる踊りをマスターしたいという声が上がっておりまして、今月末にはダンス教室も開催する予定にしております。今後は、このような多様な主体とさまざまな形で連携をとらせていただきまして、広がりのあるシティプロモーションを推進してまいりたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) さまざまな動きがもう既に出ているとの報告をいただいたわけでございますが、昨日も課長のほうから呉氏を入れた名刺をいただきました。そういった意味で、いろんな形の中で展開をしていくことが可能だということを実感いたしておりますので、大事なことは、呉市民の方が自分のまちに誇りを持ち、また今まで以上にこの呉のまちが好きになって、先ほども報告がありましたように、みずからPRをしていただくことが大変大きな力になっていくのではなかろうかなと思っているところでございます。多様な主体との連携した取り組みを今後も積極的に推し進めていっていただきたいと思いますので、お願いをいたしたいと思います。 次に、観光振興のための施策整備の充実についてお伺いをさせていただきます。 このシティプロモーションを進めることにより、多くの観光客が呉を訪れることになるかと思いますが、観光客の方がまた来たいと思っていただくには、受け入れ態勢、すなわち観光施設の整備をしっかりと整えていく必要が生じてくるのではなかろうかと思うわけでございます。平成29年度予算では大和ミュージアムや入船山記念館などの整備が行われるとしておりますが、観光客の受け入れ態勢の整備に向けどのような取り組みをされるのか、また、目指す方向性と具体的な取り組みについてお聞かせを願います。 ◎産業部長(種村隆) 現在呉市のシティプロモーションは、先ほど来から企画部長の答弁もありますように大きな反響を呼んでおります。フェイスブックには、呉に行ってみたい、こうした書き込みもございまして、この取り組みの効果を実感するとともに、これから本市を訪れる観光客の方の受け入れ態勢が重要であると改めて感じております。そこで、平成29年度、大和ミュージアムでは多言語対応の音声ガイドシステムの導入、あるいはガラスフェンスの改修などの環境整備を行います。また、入船山記念館では公衆無線LANの設置、案内板の多言語化や展示物の更新など、こうしたことを行いまして魅力の向上を図ることとしております。さらには、島嶼部におきましても県民の浜コテージの新設と改修、恵みの丘ではイチゴハウスを増設するなど、施設の機能向上に取り組んでまいります。このようにそれぞれの地域の特色を生かした整備にあわせまして、ボランティアガイドの充実などソフト事業も実施いたします。引き続き国内外からの観光客誘致、受け入れ態勢の整備を計画的かつ継続的に行うことで、観光で呉に訪れた方が、また来たい、来てよかった、こうしたことを感じていただけるようなまちづくりを進めていきたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) ただいまの御答弁では、大和ミュージアムを初めとした施設の改修、また更新をしていただくと同時に、島嶼部においても地域の特色を生かした整備に取り組んでいかれるということをお聞きいたしまして、私的にはここの部分が重点的な、また肝になる部分ではなかろうかなと思っております。当局の引き続いての取り組みを見守っていきたいと思っておりますので、今後ともまたよろしくお願いを申し上げます。 次に、最後の質問となります4項目めの安全・安心な生活環境の確保についてということでお伺いをさせていただきたいと思います。 公園等のトイレのバリアフリー化でお聞かせを願いたいと思います。 このたび重点戦略、地域づくり、安全・安心な生活環境の確保において、4カ所の老朽化したトイレのバリアフリーの改修を計画されているところでございます。先日テレビを見ておりましたら、旅行に出るのに、旅行先の多目的トイレの中の寸法とか広さ、装備品等、また周辺のバリアフリーの状況を調べている親子の姿が放映をされておりました。この方のお母さんが身障者の方で車椅子を利用されているため、対応しているトイレがあるかないかで旅先を決めておられた、そういったテレビ放映でございました。そういった中で、介護をされる方にとっては最優先される大事な視点であるかと思います。 そこでお伺いをいたしますが、このようなトイレのバリアフリー化を初めとした環境整備を進めることにより、市民の方はもとより身障者の方、また観光で訪れた方に対しても、安全・安心な生活環境を確保することができるかと思われますが、当局の御所見をお伺い申し上げます。 ◎理事[兼]土木部長(田口康典) 堺川沿いの公園は中央公園の一部として位置づけられておりまして、堺川に沿って、JR呉線に近いブロックから順に、1ブロック、2ブロックと道路を境に十のブロックに分かれております。公園の各ブロックは、常日ごろは市民の憩いの場となっておりますが、特に4ブロックから、市役所の向かい側の通称どんぐり公園と呼ばれる8ブロックにかけては、みなと祭、食の祭典などの大きなイベントの会場になり、市民や観光客の皆様でにぎわう場所でございます。このうち1ブロック、3ブロック、6ブロック、8ブロックと、6ブロックの堺川を挟んだ対岸、合わせて5カ所にトイレが設置されておりますが、いずれも整備して30年以上がたち、洋式トイレがないことや清掃しても汚れが落ちにくく、においも気になるなど利用者に不快な思いをさせる環境となっておりますので、この5カ所のトイレの改修を行うことといたしました。6ブロックのトイレは、本年度の堺川駐車場跡地の整備に合わせ、一般のトイレについては一部の和式トイレの洋式トイレへの交換や、汚れが取れなくなった機器の更新、高齢者の方の利用に配慮した手すりの設置、環境をよくするための通風口の整備などを行うとともに、車椅子の利用者の方が使いやすい出入り扉や洗面器、おむつの交換ができるベビーベッド、オストメイトの方が利用できるシャワーや流し台が設置された多目的トイレを新たに整備したところでございます。来年度は、残る4カ所のトイレの改修を計画しておりまして、6ブロックと同様に、一般のトイレについては洋式トイレへの交換や機器の更新、手すりの設置を行うとともに、1ブロックについては多目的トイレを新たに整備し、3ブロック、8ブロックにある多目的トイレについても乳幼児連れの方やオストメイトの方が利用できる機器の増設を行い、加えて公園出入り口からトイレまでの動線の段差をなくすなど、利用者の目線に立ったトイレのバリアフリー化を進め、誰にでも利用していただける環境の整備を行ってまいります。 ◆4番(藤原広議員) ただいま理事のほうから具体的に、またわかりやすく御答弁をしていただいて、こういった中で公衆のトイレは、新庁舎の方とか、また特に女性の方が利用したいと思われるようなトイレづくりも重要かと思います。誰もが安心をして使用できるこの多目的トイレの新設に向けて取り組んでいただくとともに、先ほど理事のほうから御答弁いただきました利用者目線での環境整備をこれからも推進していただくように御努力のほどよろしくお願いを申し上げて、次に小中学校におけるトイレの洋式化ということでお伺いをさせていただきたいと思います。 今回、東京都が人に優しいまちづくりとして、小中学校などのトイレの洋式化に約38億円を計上いたしました。都内の洋式化率は55%で、老朽化による不衛生な状況や和式トイレへの苦手意識などを理由に子供たちが利用を我慢する傾向があるようでございます。都は平成20年度までに公立小中学校や都立高校などの80%を洋式化にする目標を定めているということでございます。日本をリードしている東京でさえ、このような状況でございます。先日、婦人の方から、知人の子供が学校での和式トイレがうまく使用できずに悩み、緊張し、ストレスが蓄積されている児童もいると、そうしたことを解消するためにも一部でも洋式化にならないかという相談を受けた次第でございます。そういったことを受けまして、私どもの育った生活様式がここまで変わってきたのかと考えさせられる一場面でもございましたが、本市の今後の洋式化への進め方と目標値についてお考えがあればお聞かせを願いたいと思います。 ◎教育部参事(上田勝治) 小中学校における洋式トイレでございますが、呉市立小中学校各階に1カ所は洋式トイレを設置することなどにより、当面は洋式化率50%を目指しているところでございます。今年度は本格的な改修までの対応策として、現在2校で簡易式の洋式トイレを試行しているところでございます。しかしながら、学校のトイレは建物ごとにトイレブースの形状や規模が異なっていることから、本格的な改修には詳細な調査が必要と考えております。このため、平成29年度に小中学校トイレの実態調査を行い、基礎的な資料を作成した上で、具体的な計画及び目標を検討したいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 50%を目指して取り組んでいきたいということで、平日は児童生徒がこの学校において一日の大半を過ごす生活環境でございます。それを確保していくためにも、今後とも引き続き精査していただくようにお願いをいたしたいと思います。昔の様式から思えば今子供が置かれとる状態が、そういった環境のもとで生まれてからすぐにそういったものを経験しておりまして、私たちの育った時代とはまた幾分違った状況になっているんじゃないかなということもお察ししていただきまして、今後の取り組みについてよろしくお願いをいたします。 以上をもちまして予算総体質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で藤原議員の予算総体質問を終わります。 午後1時まで休憩いたします。            午前11時50分     休   憩      ──────────────────────────────            午後1時00分     再   開 ○議長(石崎元成) 会議を再開いたします。      ────────────────────────────── △山本良二議員予算総体質問 ○議長(石崎元成) 休憩前に引き続き、予算総体質問を行います。 10番山本議員。     〔10番山本良二議員登壇、拍手〕 ◆10番(山本良二議員) 市民フォーラムを代表して、大きく3項目にわたって予算総体質問をさせていただきます。 最初に、働きやすさの向上に向けてということでお伺いいたします。 呉市は、昨年3月、呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定いたしました。この中で呉市は、今後少子高齢化のさらなる進展に伴い、社会経済を支える人口構造の改善が求められる中、新たな雇用を生み出したり、子育てしやすい環境をつくったり、魅力的な住生活環境をつくり出しながら人口減少の抑制を図り、将来にわたり豊かで活力あふれるまちづくりを推進していくとしております。特に最重要課題として掲げられているのは、基本目標の1の働きやすさの向上、すなわち仕事づくりであります。呉市の人口社会減の最も大きな要因は、仕事を理由とする転出超過にあり、特に20代から30代にかけての若年層においてその傾向が顕著となっていると分析した上で、産業や消費を支える若年層の定着によるさらなる活性化を図るため、呉らしさを生かした雇用創出に積極的に取り組んでいくとされております。こうした中、広島労働局が公表した資料によりますと、呉管内における平成28年12月の有効求人倍率は1.28でした。1年前の平成27年12月は1.24でしたので、わずかではありますが伸びが見られました。また、平成28年の1年間の動向を見ても1.0を下回った月がなく、雇用情勢が少しずつよくなってきているものと認識をしております。しかし、広島県全体や全国の値と比べるとまだまだ低い状況にあり、さらなる雇用創出への取り組みは不可欠であると感じております。雇用創出はこれといった決め手があるわけではないため、地道な取り組みが不可欠であると思います。そのためには明確な目標を持ち、それを実現するという確固たる意思を貫いていく必要があると思います。若年層の定着に必要不可欠である雇用の創出に向け、市長はどのような思いを持っているのか、その意気込みをお伺いしたいと思います。 以降の質問は質問席で行います。     〔10番山本良二議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 雇用創出に向けての私の思いであるとか、意気込みについてのお尋ねでございます。 私の基本的な考え方は、市の基幹産業であります製造業はもとより、商業、観光、農水産業等の各分野においてバランスある雇用の確保と拡大を図るということでありまして、これまでも、本当に力を入れて取り組んできたところであります。特に第3次産業と言われる分野と、それから2次産業の関係でいうと、大体2次産業が生み出す所得が購買力になってくるわけであり、それが3次産業、商業等々に反映すると、2次産業の大体2.5倍から3倍、広島のようなところですともっと5倍ぐらい、まちのいろいろ形状はありますけれども。呉市の場合には2次産業が強いということもあって、大体1.4倍ぐらいであります。ということは、2次産業で出てくる所得、特に働く方々の収入が購買力、有効需要になって、3次産業が循環をしていくという経済循環が十分なされていないということもあって、3次産業が振興しないと、雇用、そして所得は拡大をしていかないという思いでやってきております。 先ほど議員のほうから有効求人倍率の御案内がありましたけれども、計算の仕方が、厚生労働省の算式によるんですけれども、呉市は少し低く出ております。試算してみると大体0.3ぐらい高いくらいが実態の有効求人倍率かなと、そんな試算をしております。本市には、日本経済を牽引するすぐれたものづくり企業や充実した医療、福祉機関などが多数立地をしており、数字にあらわれている以上に雇用の場があるものと考えております。御参考までに申し上げますと、昨年春、市内企業では、市内の高校生だけでも220人を超える採用の実績がございました。しかしながら、企業の皆さんと話をしてみますと、従業員の採用に大変苦しんでいると、苦慮しているという声も多くありました。雇用を出しても集まらないということで、雇用のミスマッチがあるんじゃないか、そんなふうに思っておりました。こういうことから、企業の求人ニーズと地元を指向する多くの若者の思いをつなぐ橋渡し、マッチングについての支援の重要性を痛切に感じておるところであります。そのため、本年度から、呉の産業PR事業などによりまして呉の企業の魅力を若者に伝え、地元企業への愛着を育む取り組みを始めております。そのほか、特に意を用いた施策について幾つか御紹介をさせていただきたいと思います。 まず、現在苗代工業団地の分譲がほぼ完売に向けて順調に進んでおりまして、新たな雇用の創出が期待をされております。それから、阿賀マリノポリス地区においても港湾関連用地の分譲が随分進んでまいりました。本定例会へも真ん中の工業用地の財産処分議案も提出しておりまして、引き続き精力的に企業誘致とともに企業留置も本気に考えないと、土地がないためによそのまちへ行くということが少し前までありましたので、これを防がなきゃいけないと思っております。次に、商業分野におきましては、魅力ある店舗の新規出店を支援しておりまして、この2年間で200人を超す新たな雇用を生み出しております。さらに観光の分野では、大和ミュージアム周辺のにぎわいの多極化や日本遺産の活用、台湾インバウンドなど、多くの人が集い交流する場を整備することで雇用の拡大につなげてまいりたいと考えております。このほか、農水産業の分野でも、レモン、オリーブ、酒米、カキなどのブランド化を進め、新たな従事者の増加に努めてまいります。そして、こうした産業の分野で創出される所得を、先ほど申しました市内で流通、消費していただくことによりまして、新たな雇用が生まれるよう地域経済の好循環をつくり出していきたいと考えております。今私どもが進めておる雇用創出の取り組みは、まさに仕事づくりでありまして、仕事が人を呼び、まちに活力を与えるという地方創生のかなめでもあります。こうした強い思いを持って、産業の各分野における施策をバランスよく、かつ重層的に展開して、若年層を中心とした雇用の創出に全力で取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。 ◆10番(山本良二議員) 市長の強い意気込みをお伺いいたしました。答弁にもありましたように、雇用のミスマッチ、私もあるんじゃないかと思っておりますが、多くの若者が呉で働くまちになるよう大いに期待をいたしております。 次に、外国人向けの新たな観光戦略の展開についてお伺いいたします。 昨年12月の本会議において、我が会派の中原議員からも質問させていただきましたが、呉市は昨年来、台湾インバウンドに本格的に取り組んでおります。インバウンドは国内の観光客向けのおもてなしとは違って、その国の文化や言語、習慣などに合わせた、いわば新たな視点でのおもてなしを開発する必要があります。これまでの経験が通用しない、まさにゼロから1を生み出すもので、大変な苦労をされていることと思います。こうしたインバウンドの取り組みを通じて、呉市の第3次産業の裾野は大きく広がると思います。既存の商業、観光施設の利用がふえるだけではなく、観光ルートの提供や特産品を活用したお土産品の開発など、外国人観光客向けの新たなチャレンジが展開され、雇用の拡大や産業の活性化に結びつくものと期待が大きく膨らみます。台湾から多くの観光客を迎え、こうした好循環を少しずつでも巻き起こしていくためには、まずは情報発信、宣伝活動を徹底して行う必要があると思いますが、その展開方針についてお伺いいたします。 ◎産業部長(種村隆) 台湾インバウンドに係ります情報発信、あるいは宣伝活動についてでございます。 情報の発信は、今日、多種多様なツールを活用してリアルタイムに世界中に発信することができる技術がございます。こうした中で、台湾の方々の心を引きつけるものは何か、まずは市場調査、マーケティング等によりましてニーズを把握することが最も重要であると考えております。具体的には、旅行目的としての買い物、観光施設等の分析や、呉の観光素材についての認知度、またそれに対する反応、さらには若年層、ファミリー層、そして壮年層など年齢層別による好み、こうしたことについて調査、分析を実施したいと考えております。その分析結果を踏まえまして、本市の観光アドバイザーによる指導、助言を受けながら、どのような情報発信の方法がよいのか、またどのような方々をターゲットにするのか、効果的な情報発信等について早急に取り組み方針を策定したいと考えております。こうした方針に基づきまして、台湾の旅行会社とも連携した旅行商品造成、また、台北市内で開催される国際観光展への出展、そうしたことで来場者に呉地域の観光をPRさせていただきたいと考えております。 さらには、台湾で人気のインターネット情報発信者、ブロガーと呼ばれているようでございますが、そうした方を呉に招待いたしまして、呉の観光素材やグルメ等を実際に体験していただきまして、こうした魅力を発信してもらうなど、効果的かつ効率的な事業を展開してまいりたいと考えております。 ◆10番(山本良二議員) そういった徹底した情報発信を行うと同時に、言語表記など外国人観光客に対応できる受け入れ態勢の整備も不可欠であろうと思います。しかしながら、現在大和ミュージアムを初め市内の公共施設では、外国人観光客を受け入れるだけの十分な体制はとれていないと思います。多くの外国人観光客がストレスなく市内を回遊することができる受け入れ態勢の整備について、どう対応していこうと考えているのか、その方針についてお伺いいたします。 ◎産業部長(種村隆) インバウンドにおける案内表記など受け入れ態勢についてでございます。 現状では外国人観光客対応の案内は、率直に申し上げまして十分ではないと私は思っております。こうした方々の移動手段を考えたとき、空路、陸路また海路、こうしたことが想定されるわけでございます。そのため、広島空港、JR呉駅、中央桟橋ターミナルなどの主要な交通結節点や、また主要な観光地、そうしたところに外国人対応の観光情報や無料Wi-Fiなどの整備が必要であると考えております。また、広島空港線や高速船宮島・呉ブルーライン、こうした公共交通機関に呉市内を案内するアナウンス、また動画の放映ができないか、交通事業者とも連携して調査研究をしてまいります。こうした事業展開につきましても、市場調査や観光アドバイザーの意見等を参考にしながら計画的に実施していきたいと考えております。 なお、来年度は公衆無線LANの増設や案内板の多言語化など外国人観光客対応の環境を整備する、こうしたことを考えております。このほかにも、外国語対応が可能なボランティアガイドの養成や免税店の開設、また外国人との接客講習会が実施できないかなど、飲食、宿泊施設等の観光関連事業者とも協議したいと考えております。こうしたハード、ソフト事業を通じましておもてなしの機運の醸成を図り、着実な受け入れ態勢の整備に努めてまいります。 ◆10番(山本良二議員) いろいろと施策を考えておられるようですが、よろしくお願いいたしたいと思います。 次に、呉産品の販路拡大の推進についてお伺いいたします。 昨年4月、産業部の商工振興課内に販路拡大グループが設置されました。農水産物や工業製品、海軍グルメなど特色ある呉の産品を国内外に広く売り込み、ブランド力を高め、付加価値の向上と生産、加工、流通の促進を総合的に図ることにより、地域産業の活性化に結びつけていこうという市長の強い思いが込められたグループであると認識をいたしております。また、先ほど台湾インバウンドについてお伺いしましたが、呉産品の販路拡大についても、その相手先は国内にとどまらず海外にも目を向け、観光振興と歩調を合わせて進めていく必要があると感じております。この1年間、さまざまなジャンルの事業者に寄り添って、国内イベントの出展を初め、台湾から食の専門家を招聘する事業など、さまざまな営業活動をされてきたと思います。そもそも商品の営業活動が本分でない公務員にとって新鮮であり、また苦労の多い1年だったのではないでしょうか。そうした経験の中でさまざまな思いを持たれたことと思います。ビジネスチャンスは必ずあるにもかかわらず、事業者がそれをうまく生かし切れていない印象があります。事業者と行政が一緒になって課題を探り、販路拡大のきっかけをつかむ必要があると思います。呉産品を国内外に売り込む上での課題は何だと分析しておられるのか、また今後どのような展開方針を描いておられるのか、当局のお考えをお伺いいたします。 ◎産業部長(種村隆) 今年度、販路開拓や拡大について事業者と協議する中で、意欲は強く感じるものの、継続的な取引に結びついていないことが見えてまいりました。その課題は、大きく3点あるものと考えております。第1に、営業活動を事業者単体で行うことによります信用力不足、第2に、労働力や資金面の不安に起因するところの営業力不足、そして第3に、自社商品の魅力を伝え切れていないアピール力不足、こうしたものと考えております。これらの課題を克服するための今後の取り組みでございます。事業者が商談会などの営業活動や国内外の物産イベントに出展する際には、可能な限り職員が同行し信用力を高めるとともに、費用の一部を助成し、営業力やアピール力、こうしたことの向上を後押しいたします。また、自社商品の強み、弱みを知り、事業者の意欲を喚起するための各種セミナーを開催いたしまして、これに合わせまして商品の個性に合った商談会などマッチングの機会を積極的につくることで呉産品をアピールしてまいります。こうして意欲ある事業者を育て、そこに職員が寄り添い、ともに行動することにより呉産品を国内外に強くPRし、地域産業全体が活性化するよう積極的に取り組んでまいります。 ◆10番(山本良二議員) 課題が大きく3点あるということで、その克服する取り組み、いろいろやられると思いますが、全力で取り組んでいただきたいと思います。 次に、大きな2項目めとして、定住、移住のさらなる促進に向けてということでお伺いいたします。 このテーマについては、昨年の予算総体質問の場でもお伺いいたしました。若年層の定着を基本理念に掲げる呉ならではの地方創生の実現に向け、中古住宅の流通が鍵となる旨の考えを示されました。一方で、中古住宅の流通の前提となる空き家バンクについて登録件数が伸び悩んでいることから、空き家の実態調査や空き家所有者への意向調査を通じて、中古住宅物件の掘り起こしに取り組む決意も明らかにされました。昨年10月、これらの調査結果を産業建設委員会に報告され、その中で利活用可能な空き家が市内に4,251軒あると明らかにされました。これらの空き家を、利活用可能な状態であるうちにいかにして空き家バンクに登録してもらい、流通させるかが重要であると思います。当局はこれらの調査を通じて空き家の所有者と接触してこられましたが、空き家バンクの登録件数は充実してきたのでしょうか。この1年の空き家バンクの動向についてお伺いいたします。 ◎都市部長(下山義夫) この1年間の空き家バンクの動向についてお答えします。 まず、空き家バンクの登録を働きかけるため、空き家所有者へのアンケート調査において空き家バンクへの登録の意向を確認し、登録希望者に登録用紙を発送しております。また、ホームページや市政だより、固定資産税の納税通知書に空き家バンクへの登録を働きかけるチラシを同封するなど、空き家バンク制度の周知を行っております。さらに、平成28年度から呉市空き家家財道具等処分支援事業を開始したところ、この制度を利用していただき家財道具を処分して空き家バンクに登録した物件の中には、既に成約に至った事例もございます。これらの取り組みによりまして、空き家バンクの相談件数が平成27年度は173件でございましたが、平成29年1月末現在で313件でございまして、昨年の2倍近い相談がございました。空き家バンクの新規登録物件につきましても、平成27年度が31件でございましたが、平成29年1月末現在で42件になっております。また、成約件数につきましても、平成27年度は12件でございましたが、平成29年1月末現在で17件になっております。いずれも増加しております。 ◆10番(山本良二議員) 空き家バンクの登録物件はこの1年でかなりふえたようで、今後ますます空き家バンクの活用が進むものと期待しておりますが、活用可能な空き家の数からすると1%程度にしかなっておりません。一方で、意向調査結果を見ますと売却と賃貸の意向がある所有者は3割を超えており、まだまだ掘り起こしの余地があると言えるのではないかと思います。所有者の方にとって、空き家バンクへの登録に対する課題は何なのでしょうか。当局の分析状況についてお伺いいたします。 ◎都市部長(下山義夫) 空き家バンクへの登録に対する課題でございますが、空き家所有者へのアンケート調査の結果や電話、窓口での対応における聞き取り調査によりますと、売却や賃貸、解体などの今後の活用の方向性がまだ決まっていない、相続人が多数いる、または不明であるため名義変更ができないといったものがございました。これらにつきましては、今後空き家バンク制度の周知や各種支援事業の情報発信、専門家団体と連携した相談会や講演会の開催などを行ってまいります。また、家財があるので売却、賃貸できないといった方につきましては、空き家家財道具等処分支援事業の御案内を引き続き行い、多額の費用がかかるため修繕できないといった方につきましては、来年度から新たに行いますDIY型賃貸借の普及促進事業の御案内を行ってまいります。このDIY型賃貸借といいますのは、空き家の貸し主は現状のまま貸して借り主がリフォームを行うもので、そのリフォームの費用の一部を助成するものでございます。 ◆10番(山本良二議員) 次に、定住、移住希望者の動向についてお伺いいたします。 定住の地として呉を選択していただくためには、希望者の意向にしっかりと応えることが極めて重要であると思います。当局は定住サポートセンターをワンストップ化し、庁内各課や市民センターが一体となって定住、移住希望者に寄り添い、きめ細かい対応をされていると思いますし、首都圏などで開催される移住に関するセミナーに出展し、呉で暮らすことに関するさまざまな情報発信を行っていると思います。こうした中、呉市への定住、移住の問い合わせや実際の移住件数はふえているのでしょうか。この1年間の状況についてお伺いいたします。 ◎都市部長(下山義夫) 1年間の定住、移住に関する具体的な取り組み状況でございますが、平成28年度から呉市移住希望者住宅取得支援事業を開始し、中古住宅の取得助成を行っております。また、首都圏で行われる移住フェアへの参加や、移住促進パンフレットを移住希望者が多数訪れる施設に配置し、呉市の魅力を全国に発信しております。また、定住サポートセンターのホームページでは、空き家バンクなど住まいの情報や各種支援事業、島嶼部の求人情報、移住者の体験談など移住希望者が必要とする情報を充実させております。さらに平成28年度から、呉市への移住に向けた活動をサポートするため移住希望者現地案内を実施し、1月末までに10件御案内し、このうち2件は移住予定と聞いております。また、移住希望者のニーズに合わせましてメール等で就職や住まい情報を提供し、きめ細かい対応を行っております。これらの取り組みによりまして、呉市への定住、移住の問い合わせは平成27年度が114件でございましたが、平成29年1月末現在で185件となっております。また、移住件数におきましても平成28年度は7件でございましたが、平成29年1月末現在で20件となっており、件数は増加しております。 ◆10番(山本良二議員) 定住、移住の促進に向けて、呉市では昨年から移住希望者や子育て世帯の中古住宅取得や親世帯との近居など支援を始めました。また、空き家の家財道具処分支援などにも取り組みを始めました。これらの支援制度の活用状況はどのようになっているのでしょうか。直近までの実績についてお伺いいたします。 ◎都市部長(下山義夫) 支援制度の活用状況についてでございます。 平成29年度1月末現在の実績でお答えいたします。 まず、呉市移住希望者住宅取得支援事業につきましては、相談件数が44件、申請件数が16件、実績、これは申請を受けて、それからお金を払ったと、全部支払いしたという実績が14件でございます。次に、呉市子育て世帯定住支援事業につきましては、相談件数が61件、申請件数は24件で実績が16件でございます。最後に、呉市家財道具等処分支援事業につきましては、相談件数が77件、申請が15件、実績が11件でございます。この数字は1月末でございますけれども、今現在多数の相談が来ておりますので、この件数は今後さらにふえるものと思っております。 ◆10番(山本良二議員) 今後も伸びるということで期待をいたしております。 最後に、定住、移住のさらなる促進に向けてということでお伺いいたします。 答えていただいたとおり、昨年度立ち上げたさまざまな施策について実績が上がっているということで大変喜ばしく思います。と同時に、どのようなところにニーズが隠れているのか常にチェックし、試行的であってもトライしてみることが肝要であると感じます。地方創生の実現に向け、全国の市町村が定住、移住促進施策を展開いたしております。これまで以上に多くの方に呉市を定住の地として選択してもらうために、定住、移住促進施策を絶えずブラッシュアップしていく必要があると思いますが、今後どのように展開していこうと考えているのか当局のお考えをお伺いいたします。 ◎都市部長(下山義夫) 呉市を定住の地として選択してもらうために今後どのように展開していこうと考えているのかとのお尋ねでございます。 まず、若年層の定住、移住の促進に向けまして今年度から実施しております中古住宅取得支援の対象者を、来年度から子育て世帯から新婚世帯まで拡充いたします。また、首都圏において開催される広島県内の市町合同移住フェアへの参加に加えまして、来年度はふるさと回帰支援センターの会員となりまして、呉市単独の移住フェアを開催し、本気度の高い移住希望者を獲得してまいります。また、移住希望者の受け皿といたしまして広島県に選定していただいております移住者受け入れモデル育成支援地域でございます豊町の御手洗地区におきまして、地域団体等が移住に向けた相談や移住後の生活をサポートするための拠点施設の整備の支援を行ってまいります。この取り組みは他の地域へも普及させたいと考えております。さらに、地方創生の実現に向けまして全国の市町村が定住、移住促進施策を展開している中、呉市を定住の地として選択してもらうために、今後も移住希望者のニーズに沿った情報発信を行ってまいります。いずれにいたしましても、定住、移住のさらなる促進には住まいに関する支援だけでなく、就労支援、子育て支援、ひいては身の回りの相談の充実等による総合的な支援が必要でございますので、引き続き県や関係課と連携しまして積極的に取り組んでまいります。 ◆10番(山本良二議員) この問題については全国でも競争が激しいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 次に、大きな3項目めとして、行財政改革の着実な推進に向けてということでお伺いいたします。 このテーマは、呉市の平成29年度予算の基本的方針の第1番に掲げられております。当局は、呉市の将来都市像『「絆」と「活力」を創造する都市・くれ』の実現を下支えする持続可能な財政基盤を確立するため、引き続き行財政改革に取り組んでいく意思を明らかにされております。平成29年度予算の内訳を見ると、平成28年度当初予算と比べて市税と地方交付税で約10億円の減、扶助費が約5億円の増となっております。一方で、収支不足に対応するため財政調整基金から15億円繰り入れることとしております。平成29年度予算編成における苦労の跡がうかがえます。今後、人口減少、少子高齢化はさらに進行すると見込まれており、このような税収の減少や社会保障関係経費の増加といった状況は避けられないと思いますが、当局は、今後の呉市の財政についてどのような中期的見通しを持っておられるのか、またその課題は何だと分析されるのか、お伺いいたします。 ◎財務部長(澤村直樹) 今後の財政見通しについてお答えをいたします。 まず、歳入につきましては、少子高齢化の進展による就業人口の減少や地価の下落などにより、市税収入の増加は見込めない状況でございます。また、地方交付税は合併に伴う優遇措置が平成26年度から段階的に減額され、平成31年度をもって優遇措置が終了する予定となっております。国におきまして、交付税の算定方法を合併した市町村の実態を考慮した形に見直しされたため、当初の想定よりも減額幅は大幅に縮小されたものの、最終的には16億円程度の減額になるものと見込んでおります。一方、歳出面におきましては、職員の削減に伴う人件費の減少や市債の計画的活用により公債費の減少が見込まれるものの、少子高齢化の進展等に伴う社会保障関係経費の増加傾向は今後も続くものと予想しております。こうしたことを踏まえ、平成29年度予算案の公表に合わせお示しした今後5年間の財政見通しでは、平成29年度から平成33年度までの5年間で約67億円の収支不足を見込んでおり、財政集中改革プログラムから一貫して取り組んでまいりました行財政改革の着実な実践により財政基盤は一定程度強化されたものの、引き続き厳しい財政状況が続くものと考えております。 また、課題についてのお尋ねがございましたが、こうした厳しい財政状況におきましても、将来を見据えたまちづくりを着実に進めていく必要がございます。今後とも未来への投資、健全な財政運営の確保、この二つのバランスをしっかりととりながら、中長期的な視点に立った財政運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(山本良二議員) 次に、持続可能な行財政基盤の確立についてお伺いをいたします。 呉市は、平成20年度から5年間続けた財政集中改革プログラムにより384億円の収支不足を解消しました。このプログラムを達成したことについては、私どもも大変高く評価をいたしております。市債残高や職員数は大きく減少し、その傾向は現在も続いております。しかしながら一方で、先ほどお聞きした今後の財政見通しを踏まえますと、いささか不安が残るところでございます。今後も引き続き地道な努力を行う必要があると思いますが、歳入の確保、歳出の抑制、将来負担の抑制などによる行財政改革の着実な実践により平成29年度予算においてどれだけの改善効果を生み出したのか、お伺いいたします。 ◎財務部長(澤村直樹) 平成29年度予算における行財政改革の取り組み状況についてお答えをいたします。 まず、歳入の確保といたしましては、利用予定のない市有地の売却を進めるとともに公共施設の有効活用を図るほか、市税などの負担の公平性の観点から、引き続き収納率の向上に努め、収入未済額の解消に取り組んでまいります。また、歳出の抑制といたしまして、職員体制再構築計画に基づく職員数の適正化を図り、平成29年度は一般会計の職員を39名削減し、退職手当を除く職員人件費を約5億6,000万円削減したところでございます。また、投資的事業についても、緊急度、必要度を十分に勘案し計画的な執行に努めるとともに、限られた行政資源を効率的、効果的に配分するため、事務事業をゼロベースで見直し、本市の将来にとって真に必要な事業への重点投資を図っております。 次に、将来負担の抑制といたしまして、建設地方債の計画的な活用により市債の借り入れを抑制することで、平成29年度末の一般会計の市債残高は前年度比34億4,000万円減の1,253億6,000万円となる見込みでございます。また、平成29年度は呉市営プールの整備など大規模事業を実施することから、市債発行額は前年度と比較して13億円増の94億円となりましたが、その約9割について交付税措置のある有利な市債を活用するなど、実質的な将来負担の抑制を図っているところでございます。 ◆10番(山本良二議員) 持続可能な行財政基盤を確立するために、中長期的な視点を持って改革、改善に取り組む必要があると思いますが、今後の方向性について当局のお考えをお伺いいたします。 ◎財務部長(澤村直樹) 今後の方向性についてでございます。 今回の財政見通しでお示ししたとおり引き続き厳しい財政状況が続くことを踏まえますと、健全な財政運営を確保しつつ将来のまちづくりを進めていくためには、不断の行財政改革への取り組みが必要であると考えております。このため、国、県の動向や社会経済情勢の変化を踏まえた財政見通しを毎年度作成し、将来の収支見込みを常に念頭に置いた上で真に必要な施策に重点投資するなど中長期的な視点に立った財政運営を行い、財政規律の維持を図ることで持続可能な財政基盤の確立に努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(山本良二議員) 中長期的、長期的に考えると非常に不安が残るところでございますので、しっかりとやっていただきたいと思います。 最後に、やりがいのある職場づくりについてお伺いいたします。 新庁舎が稼働して1年が経過いたしました。我々がなれ親しんだ旧庁舎が解体されたということもあり、職員はもとより市民の皆さんにとってもすっかり新庁舎が定着しているのではないでしょうか。特に、新庁舎の1階では総合窓口が開設され、来訪者目線でのサービスがなされております。ワンストップのおもてなしができるよう、職員が市民の立場に立って考え、知恵を出し合い、日々改善努力をされていると思います。こういうところにこそ職員のやりがい、やる気が生まれてくるものと思います。新しい行政サービスのスタイルを模索する1年だったと思いますが、総合窓口サービスに関する1年の振り返りと、2年目に向けての思いをお伺いいたします。 ◎市民部長(品川裕一) 新庁舎総合窓口を開設いたしまして、何とか長かった1年が経過いたしました。利用者に喜ばれる窓口を目指しまして、開設前から市民窓口課初め窓口関係課職員は、その基本となりますスムーズな連携が図れるよう模擬訓練、接遇研修などを重ね、オープンに備えてまいりました。開設後、庁舎案内係、それからフロアマネジャーによる案内の充実とあわせ、1階から3階までの窓口の関係課がしっかりと連携することにより、利用者目線での対応を心がけてきたところでございます。マイナンバーカード交付元年と重なる中、市役所は変わったねえ、親切にありがとう、こういった声かけに励まされながら職員一丸となって対応してまいりましたが、待ち時間が長い、案内表示がわかりにくいなどの御意見をいただくこともあり、まだまだ改善すべき点が残っているものと認識しております。こうした課題につきまして、随時、終業時にグループミーティングをしたり、窓口関係課、それからフロアマネジャーなどが定期的に集まり意見を出し合う場を持つことで、職員相互の意思疎通を図り、改善につなぎ、総合窓口のサービス向上に努めておるところでございます。議員仰せのように、職員一人一人が市民本位に考え、知恵を出し合い、ともに取り組み、そして形にしていくことが職員のやりがいを維持高揚し、職場の活性化にも資するものと思います。2年目以降も、この1年の反省と成果を踏まえながら、担当職員一人一人の窓口サービス向上への思いを組織として生かせるよう取り組み、引き続き市民のための総合窓口の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(山本良二議員) 総合窓口については評価したいと思いますが、行政サービスを提供するのは総合窓口だけではありません。このような機運を庁舎全体に広げることにより、職員のやりがいややる気が引き出され、意識改革や生産性の向上といった働き方改革に結びつくのではないかと思いますが、当局は今後こうした職場づくりをどのように進めていこうとされるのか、お伺いをいたします。 ◎総務部長(徳丸肇) 職員のやる気を引き出すための意識改革や働き方改革についてお答えをいたします。 本市では、職員の能力開発、意識改革や組織力の強化を図るため、呉市人材育成基本方針を策定し、種々の取り組みを行ってまいりました。この基本方針の体系では、職場の環境整備、職員を育てる、職員を生かすといった三つの視点を設定しております。このうち、特に職員を生かすという視点が、議員お尋ねのやりがいのある職場づくりなどにつながるものと考えております。この視点では、職員みずからの適性を認識し、意欲と能力のある職員が力を最大限に発揮できるよう、人事考課制度、庁内公募制度や自己申告制度といった人事任用制度の充実を図っております。あわせて職員と所属長との話し合いの場を積極的に取り入れることにより、組織として職員の能力開発などを推進しております。また、職員表彰制度として成績が顕著な組織や職員に対して表彰を行っており、今年度は収納率向上という目標に組織を挙げて取り組んだ収納課などを表彰しております。こうした取り組みを進める中で、職員一人一人が市民本位に考え、知恵を出し合い、事業に取り組む姿勢が多く見られるようになったと認識しております。今後ともこうした取り組みをさらに充実させ、これまで以上に職員の能力を引き出すとともに、やりがいのある職場づくりに取り組んでまいります。 ◆10番(山本良二議員) しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 平成28年度は呉市にとって1年を通じて本当に話題の多い1年でございました。その勢いを一過性のものにするのではなく、平成29年度にもつなげていかなければなりません。より多くの人に呉を知ってもらい、呉に来てもらい、そして呉がにぎやかになるよう期待するとともに、我々議会も一体となってそれを下支えするよう全力で取り組む決意を明らかにして、私の予算総体質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で山本議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △森本茂樹議員予算総体質問 ○議長(石崎元成) 32番森本議員。     〔32番森本茂樹議員登壇、拍手〕 ◆32番(森本茂樹議員) 初めまして、呉氏です。     〔イメージキャラクター呉氏が描かれたクリアファイルを示す〕 ◆32番(森本茂樹議員) もうちょっとウケるか思うたんですが。 誠志会の森本でございます。誠志会を代表して予算総体質問を行います。 昨年の秋から順風満帆の風が吹いているという気がしております。秋季中国大会で準優勝を果たした市立呉高等学校が甲子園出場の切符を手にいたしました。議会もマニフェスト大賞の優秀賞を受賞し、呉市も中国地方の観光振興アワードの受賞に輝きました。また、キャラクターの呉氏君も頑張っているようでございますが、65歳以上の方は余りぴんとこないようでもあるわけです。順風満帆なときこそ身を引き締めて、かぶとの緒を締め、さらなる呉市の発展に努めることが肝要かと思います。以前も申しましたが、呉市といえば「大和」でございまして、よいにせよ悪いにせよ「大和」を中心としたまちおこしをすることが、呉市にしかない財産を利用したまちおこし、他市にはまねのできないまちづくりではないかと思います。 合併建設計画の今後の方向性についてお聞きしたいと思います。 平成17年3月20日、近隣6町、及び先に合併をしておりました下蒲刈町、川尻町を含めた8町が呉市に編入合併をし、25万5,000人の新生呉市が生まれました。それぞれのまちの議長、町長が呉市の市長、議長と合併調印をし、合併協定書が交わされたわけであります。現在、調印を交わした議長は、呉市議会の中では私一人となりました。大道議員、綿野議員もおやめになられ、合併8町を代表して申し上げたいと思います。 まず、合併建設計画の趣旨とは何ぞやということでございますが、合併後の新しいまちづくりを総合的かつ効果的に推進するため、少子高齢化対策、産業の振興、定住促進のほか、高次都市機能との連携を強化しながら地域の均衡ある発展と市民福祉の向上を図るとあります。次に、建設計画の中身には建設計画事業内訳総括表があり、平成17年度から平成26年度までの10カ年間の年度別の事業一覧表があります。それぞれの部局が、何年度にはこの事業、何年度にはどの事業を行うという事業計画表が示されているわけでございます。しかしながら、下蒲刈町は合併からもう14年が経過をいたしますし、川尻町は13年、あとの6町は12年が経過しようとしているわけでございますけれども、この8町との合併、12年間を振り返られ、合併建設計画実施に伴う成果についてお伺いをいたしたいと思います。 これからの質問は、質問席で行います。     〔32番森本茂樹議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 8町と呉市が合併をして12年の成果についてのお尋ねでございます。 呉市と合併8町は合併前から、通勤、通学圏あるいは医療圏、商圏といった住民の日常生活につながる強いつながりがありました。そして、行政面においても観光や福祉、環境、消防を初め、幅広い分野での事務の共同処理、あるいは住民同士の交流促進を行ってまいりました。こうした強いつながりを下地に1市8町は合併をし、新市の一体感の醸成と均衡ある発展を目指して新たな船出をいたしました。合併後の新しいまちづくりを総合的かつ効果的に推進するために、呉市と合併8町は合併建設計画を策定いたしましたが、この中で、合併により期待される効果として、大きく三つの項目が掲げられました。先ほど議員述べられましたけれども、第1点は、広い視野でのまちづくりの政策展開と個性的な市域づくりの推進でございます。呉市と合併町を結ぶ幹線道路網の整備や消防、救急、防災体制の強化などを通じて、新市の一体的な都市機能の強化充実を図るとともに、農水産品などの特産品の振興や地域のまちづくりの活動支援などによりまして、特色ある資源を生かした地域の活性化を図ってまいりました。2点目は、各種サービスの充実による住民の利便性の向上であります。例えば水道料金を旧呉市の水準に引き下げたり、あるいは乳幼児医療の助成対象年齢を旧呉市の水準に引き上げたりするなど公共サービスや福祉サービスの制度統一を図るとともに、保健所機能を生かした健康づくりの推進など呉市の都市機能を生かした新たな住民サービスを展開してまいりました。そして、3点目は、道路網などの生活インフラの整備促進でございます。生活道路や農業、漁業、生産基盤、防災施設、上下水道などの日常生活基盤や庁舎、学校、幹線道路などの都市機能の整備を合併建設計画に位置づけ、合併特例債という有利な財源を最大限有効に活用しながらインフラ整備を充実してまいりました。この12年余で、合併あるいは合併特例債がなかったなら難しかったであろうと思われる重要なインフラ整備が随分と進んだと思います。 私は、呉市ほどこの合併建設計画を誠実に実行した、恐らく全国でないだろうと、それぐらいの自負を持っております。もちろんいろんな事情で、用地が買えないとか、学校廃止になったとかいろんなことで既にこの計画に立った事業は必要がなくなったものも含めまして、その全部が実施をされているわけじゃありませんけれども、基本的に全部やるというつもりでやってまいりました。当時、合併した直後に市長の選挙がありました。選挙中は、小村が市長になったらこの計画は実施されないんじゃないかということも心配されたやにお聞きしますけれども、私は、これは個人の約束ではない、旧呉市と旧合併町の約束であると、誰が市長であろうと誠実に実施すべきだということで、それは本当にやってまいりました。このように合併建設計画に基づくさまざまな取り組みを推進することによりまして多くの成果を得ることができましたが、合併後のまちづくりはこれで終わりということではありません。全部はできていませんけれども、たとえ合併特例債の期限が切れても私どもはやれることはしっかりやっていくつもりでおります。引き続き新市の一体感の醸成と均衡ある発展を念頭に、第4次呉市長期総合計画や呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略と一体となって、地域の発展、さらには呉市全体の発展に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。 ◆32番(森本茂樹議員) 今市長の答弁の中に、新市の一体感の醸成と均衡ある発展を念頭にということでありました。一つの呉市になることが重要でありますし、今後とも呉市発展のために御尽力を賜りますようよろしくお願いをいたしたいと思います。 次に、新年度予算における合併建設計画への事業費の計上についてお伺いをいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) 平成29年度予算に計上した合併建設計画事業は、一般会計、特別会計、企業会計を合わせて事業数は32、事業費は約42億円となっております。そのうち合併特例債の充当額は約27億円となっております。 ◆32番(森本茂樹議員) 27億円ということでございますけれども、着実に建設計画を進めているということでございますので、今後とも引き続き早期に完了するようにお願いをしておきたいと思います。 続きまして、合併建設計画の進捗状況についてお伺いをしたいと思いますが、昨年6月の定例会において中田議員への答弁では、269の事業に対して昨年度まで225事業を事業化しており、事業化率が84%、執行率が77%となっているという答弁でございましたが、その後の進捗率はどのようになっているのかお伺いをしたいと思います。 ◎企画部長(近藤昭博) まず、事業化率でございますけれども、総事業数269に対しまして今年度末時点の予定で228事業が着手済みとなりまして、事業化率は85%となる見込みでございます。また、事業費の執行率でございますけれども、全体事業費1,027億円に対しまして平成28年度末時点での執行済み額が872億円となる見込みでございます。したがいまして、事業費の執行率は事業化率と同じ85%となる見込みでございます。 ◆32番(森本茂樹議員) 事業化率も事業費の執行率も、もう85%になったということでございます。今後とも着実に執行していただくよう要望をしておきます。 続きまして、(4)番の課題のある事業、条件整備の必要な事業、困難な事業の整理ということで、課題のある事業が18件、条件整備が必要な事業が33件、実施困難な事業が6件。これは、この57件はほとんどもう困難であるということだろうと思いますけれども、8町で合併協定書で交わした事業の57件が破棄されることになる、うそをつかれたことになる。ちょっと厳しい言い方になってしまいますけれどもね。呉市と結婚をするに当たって、これとこれをするから結婚しようということで約束したのに、約束を破ることになるというような、現実にはこの57項目がちょっと難しいということになっているわけですね。私がこの57項目を見ても、実際には先ほど市長が述べられましたように必要でなくなった事業もありますし、やってもほとんど効果が薄い、もうやらんほうがええんじゃないんか、農道整備やなんかやっても、皆さんが耕作放棄をしてつくっている田んぼがもう全然ないのにそこへ農道つくっても、自然環境にただ悪いだけの道路をつけたってしょうがないわけですから。そういうものをはっきりさせて、納得のいく事業を今からやることが肝要じゃないのかと思うんですが、今後どのように進めていくのかお伺いをしたいと思います。 ◎企画部長(近藤昭博) 議員のお話にもございましたように、計画に上げております269事業のうち57事業につきましては、例えばでございますけれども国や県の補助採択要件の変更でございますとか事業の緊急度の低下など、さまざまな理由によりまして計画期間中の進捗が大変難しい状況にございます。しかしながら、実施困難であると位置づけている6事業、例えば航路が廃止になってもう港の整備が必要でなくなったとか、廃校によりまして給食室の整備が必要でなくなった、そういった事業六つございますけれども、6事業を除いた51事業につきましては、合併建設計画の趣旨、重みを最大限に尊重させていただいておりまして、できるだけ有利な財源を確保しながら実施に向けた協議検討は継続してまいりたいと考えておりますけれども、先ほど議員のお話にもございましたように、実質もう実施しても効果がない事業につきましては、地元の意見もよく聞きながら整理を進めてまいりたいと考えております。
    ◆32番(森本茂樹議員) ただいまの答弁では、実施困難な事業を除く51事業については合併建設計画の重みを十分考慮しながら検討を進めてまいりますということでございましたけれども、先ほど部長が答弁されたように、合併町としては、なぜ課題があるのか、どういう条件整備が必要なのか、なぜ困難なのか、なぜもう必要がなくなったのかということを、議員にもその説明をして、各合併町へその経緯を報告すべきだろうと思うんですが、できる事業と、もう余り必要でなくなった事業を明確にすべきと考えますけれどもね。そういうことについてどのようなお考えであるのか、お聞きをしたいと思います。 ◎企画部長(近藤昭博) 合併建設計画の計画期間は平成31年度となっております。現在の長期総合基本計画、第4次の長計は平成32年で最終年度を迎えます。したがいまして、平成30年度に入りますと、もう次の総合計画の策定の準備に入る必要がございます。ちょうど地方創生の総合戦略も平成31年度までとなっておりますし、平成30年から平成31年度あたりが一つの大きな節目を迎えるのではないかと思っております。合併建設計画の事業につきましても、そのあたりを目途に合併建設計画の進捗状況を説明させていただくようになるのではないかと思っております。 ◆32番(森本茂樹議員) ある程度実施に向けた方向で進めてまいりますという答弁でございましたけれども、先ほども申しましたように、廃校になった三津口小学校の給食室を整備したってもうしょうがない、進入路を整備したってしょうがないわけであり、農道の基盤整備事業をやったって、もう耕作しておる人がおらんところへ農道をつくっても、合併をしてから14年から12年たったわけですから、もう必要のないものははっきり切っていくことが肝要になってくるわけですが、この質問はまた後にしまして、(5)の合併後の追加事業と合併特例債の充当状況についてを質問いたします。 12月の総務委員会に出された合併特例債にかかわる資料によりますと、まず合併特例債の発行限度額は559億4,700万円ということで、合併が決まったときにもうこの発行限度額は560億円という頭が皆さんあると思うんですが、その560億円の中身で、合併町で299億円を使いますよ、旧呉市で260億円を使いますよという計画が立てられておったわけですが、現実は合併町で134億円の借入予定で旧呉市側が403億円ということで、当初の計画299億円から134億円を引いたら165億円、半分以上が旧呉市へ、後からやった事業へ流れておるわけですよね。それには、本庁舎の整備事業とか一般廃棄物の最終処分場とか呉市全体で必要な事業でありますから、ほとんどの議員がこの予算に賛成をしてきたわけでございますけれども、まず、9項目ほどあったと思いますけれども、追加事業の内訳と金額が幾らになるのかお伺いをしたいと思います。 ◎企画部長(近藤昭博) それでは、順に事業名と事業費、合併特例債を充てた金額の順番で御説明をさせていただきます。 まず一つ目が、陸上競技場の取得整備事業でございます。事業費26億円で特例債を15億円当てはめております。2番目が豊中学校の建設事業でございます。事業費が12億円、合併特例債が7億円でございます。3番目が防災行政無線整備事業でございます。事業費5億円で特例債が1億円。四つ目が一般廃棄物最終処分場整備事業でございます。事業費57億円、特例債が40億円でございます。次が市役所本庁舎の整備事業でございます。事業費167億円、特例債が141億円でございます。次に、消防局西消防署新庁舎整備事業でございます。事業費30億円、特例債が21億円。二河プール整備事業でございます。事業費32億円、特例債が29億円。小中学校空調施設整備事業でございます。事業費16億円、合併特例債13億円。最後に、呉市体育館大規模改造事業でございます。事業費9億円で特例債の充当は7億円と見込んでおります。 ◆32番(森本茂樹議員) ありがとうございました。9項目で事業費が約354億円ということでございますが、先ほども申しましたように呉市全体で必要な事業でございますので、反対をするという意味で申し上げているんじゃないんで。今からお話ししますけれど、もう少し合併町のこともお考えいただけませんかという、今からその問題に入っていきたいと思いますが、(6)の合併建設計画の見直しということで質問をいたします。 もう一度、重要なことですから、合併特例債の発行限度額が559億円、まあ560億円だということを何遍も申し上げますが、そのときの合併町の内訳というのが、下蒲刈町が18億2,300万円で56億円の事業をやりましょうという計画があります。川尻町は65億円の合併特例債を使って105億円の事業をやりましょうと。音戸町は70億円の合併特例債で103億円の事業をやりましょうって、8町の合計があるんですが、それが299億円の合併特例債を利用した計画になっとるわけですね。この中を見ますと安浦町が何か一番多い事業をやるようになっているんですが、そのときの町長がしっかりしていたんだろうと。欲が深かったんかのうとも思うんですが。それはまあ冗談にして、よく頑張って121億円も事業費を立てたものだと、あのころ一緒にやった、林田議員も合併建設計画の委員におりましたけれども、よく頑張ったものだと思っております。 先ほどから何遍も言ようりますように合併建設計画の見直しということで、合併をして下蒲刈町はもう14年が経過するわけですよね。6町でも12年が経過をする中で、その当時は必要な事業であったんかもわからんけれども、もう合併して14年がたった今、それよりまだ今必要な事業が発生して、新しいまちづくりを推進していくのに新しい事業を、できれば8町の合併町に対して今必要な事業を一つずつでもいいですからやっていただきたいという思いがあるわけです。だから、もう必要のない事業は切ってもらい、14年たった今必要な事業を一つずつでもよいのでやってもらえないかという、これが一つのきょうの質問の趣旨でございます。今地域の住民、市民は14年前とは違う思いを持っておるわけでございまして、先ほど申しましたように、小村市長になられて呉市に本当に必要な追加事業をやってこられたのは全く間違いだと思っていませんし、よくやっていただいたと思っているんです。ですが、合併町に対しても、必要ない事業はもうやめて、今必要になった新しい事業を一つぐらいずつでもやっていただきたいということをお願いしたいんですが、この辺を踏まえて答弁をお願いしたいと思います。 ◎企画部長(近藤昭博) 合併町地域にお住まいの皆様が日々の生活の中でさまざまな思いをお持ちになっておられることは、我々よく理解をさせていただいております。旧呉市の地域、旧合併町地域にかかわらず、地域の発展に必要な事業につきましては、これまでも長期総合計画の重点プロジェクトに掲げさせていただいたり、過疎計画とか辺地計画に追加して盛り込まさせていただいて、有利な財源、国庫補助金や過疎債など、合併特例債に限らずさまざまな財源を確保しながら実施してまいりました。議員の御案内の中にもございましたように、今後も、事業担当課とか各地域の市民センター、あるいは議会の皆様方を通じまして地域の実情を十分に把握した上で、できるだけ有利な財源を活用しながら地域にとって真に必要な事業を着実に推進してまいりたいと考えております。 なお、合併建設計画への事業の追加につきましては、県との協議が必要となってまいりますのでその事業が新市全体のまちづくりに資するものであるかどうか、その辺が判断基準になるということでございますけれども、その点等も踏まえまして、十分に精査をさせていただきたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) 私のモットーと申しますか、私議員になりまして、ただ執行部に対して文句言うだけじゃなくて、こうしたらどうだろうか、執行部の考えにこれをつけ加えたらまだ呉市がよくなるんじゃないのかとか、代案を持っていつも臨むようにしているんですけれども、イノシシ対策にしても、狩猟期間中に鍵をかける、それだったらイノシシがふえるばっかりでしょ、箱わなを開放して一緒に子供がおるイノシシをとったらどうかとか、ふるさと納税にしても、特産品の拡大を努めるためにももうちょっと発展に努めてはどうかとか、いろいろな代案を持って臨んでおるわけですが、今合併町が必要としているもの、私が合併町の方とかいろいろな方に話を聞いてみる中で、安浦町としては、お年寄りがグラウンドゴルフができたり、野球やらサッカーボールを蹴ったりキャッチボールができるような、またカキ祭りができるような屋根つきの練習場みたいなのが安浦町の人は結構望んでおられると思いますし、倉橋町は、本浦地区にあったもとの庁舎と申しますか、もとの支所の活用をどうにかしたいということでいろいろな方が言われております。また、川尻町の方は川尻駅周辺の整備事業をどうしても進めていってもらいたい、また、音戸町の方は湾内アクセス道の整備を行っていただきたいとか、いろいろなお話が来るわけです。安芸灘4島は、どうしても安芸灘大橋の無料化をしないと安芸灘4島はますます少子高齢化が進むばかりだということで無料化を望んでおられるわけですが、合併町のまちづくりについてどのようにお考えなのか、再度、重要な案件でございますので市長あるいは副市長の答弁を求めます。 ◎副市長(小松良三) 人口減少、少子高齢化の進展によりまして、各地域が抱える課題はますます複雑、多様化してまいります。そうした課題を的確に捉え、その課題解決に向けた取り組みを一つ一つ実施していく必要があるということは、森本議員と同じ思いでございます。先ほど市長が御答弁申し上げましたように、合併後の新市のまちづくりはこれで終わりではございません。いずれにいたしましても、将来にわたり豊かで活力あふれる地域づくりを推進するため、引き続き地域の実情を十分把握した上で、地域課題の解決や地域の発展に資する事業につきまして、できるだけ有利な財源の確保、活用を図りながら着実に実施してまいりたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) ありがとうございました。将来を見据えて、市民が望む事業を、活力のあふれる地域づくりを推進してまいりたいということでありますので、よろしくお願いをしたいと思います。 さて次に、安芸灘大橋の無料化、(7)番でございますが、先ほどから申しておりますように、安芸灘大橋の無料化は呉市にとっても、安芸灘4島の島民の悲願でもあります。広島県道路公社が管理する有料道路は広島熊野道と安芸灘大橋有料道路とが二つあり、広島熊野道路は平成32年2月ごろには無料化、また広島呉道路も平成32年11月ごろ無料化になるという話でございます。3年9カ月先でありますけれども、残るのは安芸灘大橋だけとなるわけでございまして、まずお聞きをしたいのが、安芸灘大橋の償還状況についてお伺いをしたいと思います。 ◎都市部長(下山義夫) 安芸灘大橋でございますけれども、本土と安芸灘諸島を結ぶかけ橋といたしまして平成12年1月に開通いたしました。全体事業費は約500億円でございますが、早期完成を目指して、事業費のうち110億円を有料道路事業の借入金により調達し、平成42年までの30年間の償還計画に基づき、通行料金を徴収しているものでございます。借入金償還の状況でございますが、平成27年度末の未償還残高は43億円程度となっており、残債の償還は今のところ着実に進んでいるものと伺っております。本市といたしましては、この償還が着実に進捗するよう、関係機関と連携を図りながら引き続き利用促進に努めてまいります。 ◆32番(森本茂樹議員) 広島県が110億円を借りて、現在67億円ほど償還が進んで43億円の償還残金が残っているということで、私の計算によりますと年に4億円ぐらいずつ減っているのかなという気がします。 次に、安芸灘大橋無料化に向けて県のほうもいろいろと頑張っていただいていると思うんですが、広島県と調整をしながら、とにかく早い無料化ができないものかということで、下蒲刈町、蒲刈町、豊浜町、豊町が疲弊をしないためにも、少子高齢化対策のためと申しますか、地域の均衡ある発展と市民福祉の向上に無料化というのがもうぜひ必要と思うんですが、そこのところを踏まえて答弁をお願いしたいと思います。 ◎都市部長(下山義夫) 私も、安芸灘諸島の関係でずっと今まで携わってきましたけれども、まさに安芸灘大橋は普通の有料道路と違いまして生活橋であると。ですから、そこの橋を渡らなければなかなか生活が、いろいろかかわってきているということで、早期無料化に対していろいろ取り組んでまいりました。ただ、いずれにしても借入金があって、それを償還しないと無料化にならないと。その借金の償還以外には無料化は難しいんだろうなあと。でも、県のほうといたしましては、そうはいっても市民生活を考えて、720円ですけれども100回券で300円に、格安に割引制度を導入していただいているとか、いろいろなことをやっていただいております。ですから、我々も早期無料化について、まずは利用促進を頑張ってもらいたいと。県ともいろいろパイプがございますので、いろいろな方策等につきましても今後話し合ってまいりたいと思っております。 ◆32番(森本茂樹議員) 広島県にもいろいろと、施策と申しますか、考えがあると思うんですが、よく県と協議をしていただきたいということでお願いをしておきます。 (8)の地域振興基金の活用についてということでお聞きをしますが、呉市は、平成15年3月14日に条例第19号呉市地域振興基金条例をつくられております。これは恐らく下蒲刈町と合併をしたときの日付だと思うんですが、それから川尻町が合併をして、あと6町が合併をしたということで、3回にわたってこの地域振興基金の額がふえて、40億円を積み立てているということだと思うんですが、この地域振興基金について、まず、第1条には、呉市民の連帯の強化と地域振興のための事業費用に充てるため地域振興基金を設立するということでありますが、この目的と活用方法についてお伺いをいたします。 ◎財務部長(澤村直樹) 地域振興基金についてお答えをいたします。 地域振興基金は市町村の合併の特例に関する法律に規定された基金で、平成15年度に呉市民の連帯と地域振興のための事業に充てることを目的に呉市地域振興基金条例を設置し、以後、平成17年度までの3カ年で合併特例債を活用して40億円を造成したものでございます。平成29年度末の残高見込み額は40億円で、基金から生じる運用益については、条例に基づき、合併町地域のまちづくり振興補助金の財源として活用しているところでございます。また、地域振興基金の造成の原資として発行した合併特例債38億円は、平成32年度までは償還中であるため、その取り崩しについては制約がございます。基金の造成のために起こした合併特例債の償還が終わった範囲内であること、また、その使途は建設計画に位置づけられる事業に限定されること、さらには、もともとソフト事業を実施するための基金であるためハード事業の財源には活用できないことなどといった制約がございます。このため、合併特例債の償還期間中における地域振興基金の取り崩しについては現時点では考えておりませんが、償還終了後はこうした制約を受けることもなく、市の政策的な判断により活用が可能となってまいりますので、今後その方向性について検討してまいりたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) 平成32年度までの償還が終われば制約もなくなるから自由に使えるとの答弁でしたけれども、またその金利で、地域振興のための各町へ充当している分よね、あれに使っているということよね。今金利が低いので、大分持ち出さないと、あれですね。要らん質問して済みませんね。 この基金を使用して平成32年前後に、これは誠志会の思いでもあるんですが、安芸灘大橋をもう無料化するということで早期に実現をしてはどうかと思いますけれども、一日でも早く実現するためにはどうしたらよいのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎都市部長(下山義夫) 先ほどの残債に対する基金の支出についてでございますけれども、そもそも県の借入金、借金ですけれど、それを市が肩がわりできるのかといったこともございます。また、借金の肩がわりについて市民の皆さんの理解も必要となろうと思います。まだ残債もすごく大きいものでございますので、そういういろんな課題を解決していかなきゃならんと思うんですけれども、そういう手法につきましては今後研究させていただきたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) 最後にしますけれども、課題は私が考えてもあると思います。それは呉市がお金を出さなくても無料化になることがあるかもわかりませんし、今から考えたらいろいろな方法があろうと思うんで、その辺も、呉市発展のためと申しますか、特に安芸灘4島の方から思えば、一日でも早く呉市のほかの方たちと同じ生活がしたいという思いがあろうと思うんです。行って帰れば、とにかく1回出れば1,000円払わないといけないわけですから、島から広とかあっちのほうへ行こうと思えば、1日1,000円余計なお金も要るわけですし、特に子供を抱えている人はどうしても、広のほうへ出ようかという気にもなると思うんですよね。先ほど申しましたように、それは呉市がとにかく金を出さない方法が、まず言っときますが一番いい方法なんで、ですが、もしも1円でも2円でも出したらよくなるというんなら、そら、わしは出してもいいと思うんで、ちょっと協力してくださいといえば協力ぐらいはしたほうがいいと思うんです。先ほどから申しておりますように、広島県も無料化に向けて随分と努力をしておられるようにお聞きをしております。県会議員の方も随分と頑張ってやっていただいておるんですが、道路公社とよく連携をとりながら、また県知事とも協議を重ねて、地域振興基金を活用してでもやるよというぐらいの熱意を持って取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。 最後に、まとめでございますが、効果のない、または効果の少ない事業はやめて今必要になった事業を行ってはどうかということと、地域振興基金をうまく利用したまちづくりについて、どういった事業を行えばよいのかしっかり検討していただきたいということを強く要望して、その質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で森本議員の予算総体質問を終わります。 残り8名の方の質問は後日行うことにいたします。      ────────────────────────────── ○議長(石崎元成) 本日はこれをもって散会いたします。            午後2時37分     散   会 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。       呉市議会議長  石 崎  元 成       呉市議会議員  山 本  良 二       呉市議会議員  森 本  茂 樹...