平成27年第5回12月定例会 平成27年第5回(定例会)
呉市議会会議録 第571号 平成27年12月8日(火曜日)
呉市議会議事堂において開議(第2日) 出席議員 1番 沖 田 範 彦 2番 岡 崎 源太朗 3番 福 永 高 美 4番 谷 本 誠 一 5番 奥 田 和 夫 6番 久 保 東 7番 山 上 文 恵 8番 谷 惠 介 9番 林 田 浩 秋 10番 梶 山 治 孝 11番 平 岡 正 人 12番 井手畑 隆 政 13番 田 中 みわ子 14番 山 本 良 二 15番 林 敏 夫 16番 中 原 明 夫 17番 藤 原 広 18番 檜 垣 美 良 19番 阪 井 昌 行 20番 上 村 臣 男 21番 石 崎 元 成 22番 渡 辺 一 照 23番 神 田 隆 彦 24番 加 藤 忠 二 25番 片 岡 慶 行 26番 池庄司 孝 臣 27番 岩 原 昇 28番 北 川 一 清 29番 土 井 正 純 30番 小 田 晃士朗 31番 中 田 光 政 32番 森 本 茂 樹 欠席議員 な し 説明員 市長 小 村 和 年 副市長 木 坂 修 副市長 明 岳 周 作 総務部長 大 下 一 弘
秘書広報課長 秦 和 久 総務課長 小 森 強 企画部長 小 松 良 三 財務部長 澤 村 直 樹 市民部長 品 川 裕 一
文化スポーツ部長 末 重 正 己
福祉保健部長 濱 田 俊 文
福祉事務所長 武 内 保 治 環境部長 上 藤 英 伸 産業部長 種 村 隆 都市部長 盛 池 尚 教 土木部長 下 山 義 夫
会計管理者 松 沢 正 佳 教育長 工 田 隆 教育部長 寺 本 有 伸 消防長 奥 野 彰 消防局副局長 上 垣 良 三
上下水道事業管理者長 原 寛 和
経営総務部長 神 垣 忍 建設部長 中 川 博 文
施設管理部長 難 波 和 夫
議会事務局職員 事務局長 山 根 直 行
事務局次長 田 丸 正 勝 庶務課長 野見山 克 宏
議事課課長補佐 沖 原 秀 規 ────────────────────────────── 議 事 日 程 (第 2 号) (平成27年12月8日 午前10時開議)第1
中原明夫議員の一般質問第2
神田隆彦議員の一般質問第3
田中みわ子議員の一般質問 ──────────────────────────────会議に付した事件 日程のとおり
中原明夫議員の一般質問 1 一億総活躍社会の実現について (1) 経済成長を見据えた産業振興 ア
呉ならではの産業振興に対する市長の考え イ 企業誘致の動向と今後の見通し ウ 市民の消費拡大に向けての今後の展開 (2) 少子化の進行に歯どめをかけるための支援 ア 妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援 イ 多様な
保育ニーズへの対応 (3) 福祉・介護にかかわる人材の確保 ア 福祉・介護人材の現状と課題 イ 多様な担い手の掘り起こしと活用 2 新庁舎における
行政サービスの
満足度向上について (1)
ワンストップサービスの展開見通しと
障害者差別解消法への対応 (2) 職員の資質向上 (3) やりがいのある
職場風土づくり 3
合併特例債について (1)
合併特例債とは (2) これまでの
合併特例債を活用した事業 (3) 今後の動向
神田隆彦議員の一般質問 1 人口減対策について (1) 呉市
版地方総合戦略の策定 ア 既定路線ではない呉市独自色を出した戦略 イ 策定する上での組織体制 (2) 特色ある
学校づくり ア
市立呉高校への
スポーツ科の新設 2 失敗を恐れない
職場環境づくりについて
田中みわ子議員の一般質問 1 未来を担う「人づくり」のあしたについて (1) 「人づくり」の基本となる子供の教育に対する市長の思い (2)
小中一貫教育を通じた「人づくり」 (3) 地域の教育力を活用した「人づくり」 2 過疎化の著しい島嶼部の「
未来づくり」について (1) 働く世代の負担軽減 (2) 島嶼部への観光客のさらなる誘客 3 若者が住みやすいと思う「
まちづくり」の推進について (1) 不妊治療に対する支援 (2)
放課後児童会の充実 (3) 住まいに対する支援 (4) 女性の活躍を応援する企業の誘致 ────────────────────────────── 午前10時00分 開 議
○議長(石崎元成) おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 本日の
会議録署名者として13番田中議員、16番中原議員を指名いたします。 この際、申し上げます。
報道関係者から
写真撮影等の申し出がありますので、これを許可いたします。 ──────────────────────────────
△日程第1
中原明夫議員の一般質問
○議長(石崎元成) 日程に入ります。 日程第1、中原議員の一般質問を議題といたします。 16番
中原明夫議員。 〔16番
中原明夫議員登壇、拍手〕
◆16番(
中原明夫議員) 皆さんおはようございます。 久しぶりの代表質問で、毎回私、短いんですが、きょうは期待を裏切って、少し長目にいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、
市民フォーラムを代表いたしまして質問させていただきます。 今回の質問内容は、大きく3点提出しております。 それでは、1番目の一億総活躍社会の実現に向けてということで、経済成長を見据えた産業振興について質問させていただきます。 政府は、アベノミクス第2ステージとして、新・三本の矢による一億総活躍社会の実現を今後の大きな目標として掲げ、50年後も人口1億人を維持し、一人一人が生きがいを持って充実した生活を送ることができる社会を構築しようとしております。希望を生み出す強い経済の実現という第1の矢を放ち、従来の三本の矢による取り組みを継続して消費や投資の拡大を図ると同時に、夢を紡ぐ
子育て支援、安心につながる社会保障という第2、第3の矢を放つことにより、
少子高齢化という構造的な問題への不安や悲観の解消を図り、経済の好循環をより一層強化しようとするものでございます。 こうした動きに呼応して、各自治体においても、経済成長を見据えた産業振興に積極的に取り組むこととなると思います。特に呉市は、合併により多様な産業を擁する都市となったことから、特色を生かした産業振興を幅広く展開することにより、地域経済の底上げを図っていくことが求められております。 そこで、
呉ならではの産業振興に向けて、今後何に力を入れていく必要があると考えていらっしゃるのか、市長の考えをお伺いしたいと思います。 以降の質問は、質問席で行います。 〔16番
中原明夫議員降壇、質問席へ移動〕
○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。
◎市長(小村和年)
本市ならではの産業振興でありますけれども、私ども呉市の
まちづくりの歴史を振り返ってみますと、戦前は海軍、海軍工廠のまちとして、戦後はまたそれを引き継いだ、特に海軍工廠の跡地に立派な企業に立地をしていただいた、そういった
ものづくり、その技術においてオンリーワン、ナンバーワンの企業から成る
臨海工業地帯が形成をされました
瀬戸内海有数の
重厚長大型の産業を基幹とする工業都市、まさに
ものづくりのまちとして発展をしてまいりました。 この間、石油危機、円高、あるいは
バブル経済の崩壊等々、本当に幾多の困難もありましたけれども、内陸部あるいは臨海部への工業団地の造成等によりまして、
先端技術産業等の企業誘致を図る、またくれ
産業振興センターを設立しまして、中小企業を中心とした技術の高度化、あるいは販路の拡大のやり方、こういうことについても支援をしてまいりました。 今後は企業誘致や技術の
高度化支援に加えまして、この産業集積と雇用の場が維持をされるように、既存の企業の設備投資に対しても支援をしてまいりたいと、これは積極的に行ってまいりたいと考えております。 一方、商業を初めとする第3次産業に目を向けてみますと、その生産額は広島県の平均で2次産業の2.6倍くらいの規模があります。特例市を見てみますと、大体2次産業の3倍ぐらいの3次産業があるというのが、経済循環がその地域で行われるという形になっております。 これに比べて、呉市は2次産業と3次産業の比率っていうのが、2次産業が非常に立派であるということもありますけれども、大体1.3倍ぐらいでありまして、これが何を意味するかでありますけれど、1次、2次産業が基本的な付加価値を生んでくる、本質的な付加価値を生んでくる、そこから派生的に3次産業、
サービス業が展開をしていくというのが、経済の基本的な循環だと思いますけれども、2次産業から生み出される所得、有効需要を呉市の3次産業が受けとめ切れてない。ですから、よそへ買い物に行くというこんな構造になっております。 3次産業というのは、高い雇用、同じ1億円という所得を生み出すにも、2次産業ですと本当に大きな工場の中に、人はもうぽつりぽつりになってまいりました。3次産業で1億円、普通の小売店で1億円売り上げるというと、何人もの店員の方がおられます。そんなふうに雇用という面から見ても、あるいは所得創出、これは所得っていうのはお金が循環することによって膨らんでまいりますので、こういうことから、本年度より小売業等の商業施設が増加するように、
商業施設等活性化促進事業を開始したところであります。 また、8町との合併によりまして、本市にはかんきつやカキなど特色ある農水産業の産品も多くありますから、これらの
ブランド化、販路拡大を進めるとともに、6次産業化も推進をしてまいりたいと、そんなふうに考えております。 さらに、歴史文化、自然を背景とした観光分野におきましても、
大和ミュージアムを初めとする
呉ならではの観光振興に取り組むとともに、旧軍港4市で連携をして今作業を進めておりますけれども、旧海軍、海軍工廠あるいはこれらの遺産群が呉にはたくさんあります。そして、その特徴は、先ほど申しました海軍工廠の跡に立地をされた、本当に大きな立派な企業がありますけれども、これは皆現役として今でも機能しているということが大きな特色であります。そして海軍、海軍工廠が残した、呉のまちに文化として残っているものがたくさんあります。そういうものを日本遺産として登録に向けた取り組みもしていきたいと、そういうことによって
都市ブランドを高めていく努力をしていきたいと思っております。 いずれにしましても、呉市が持続的な発展をしていくためには、根本的に雇用の創出が不可欠でございます。そのため、本市の基幹であります
ものづくりの産業を中心として、農業、商業、観光等の各分野において、さまざまな活性化を図りながら、雇用の創出の維持あるいは都市経済の成長につなげていくように努力をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆16番(
中原明夫議員) ありがとうございました。やはり呉市の基幹産業というのは、もう50年、60年続いた企業でございます。それの裾野に広がった呉市の企業が残っていただく施策というのが大切になってくるんだろうと思います。したがいまして、市長が言われましたように既存企業の設備投資に対する支援をこれまで以上に取り組んでいただきたいと思います。 そしてまた、話の中にありました6次産業化ですね、1次、2次、3次足して6次というんですけれども、実際市長が言われたように、いわゆる3次産業の部分が弱いということがあるので、6次産業化が難しいということになると思います。
農林水産業に携わる方々に聞いてみますと、1次、2次まではできても、次の3次部門、いわゆる販路拡大であるとか販売戦略が非常に難しいというところがございますので、こちらのほうも今後ますます力を入れていただきたいと思います。 先ほど答弁にもありましたけれども、そういった努力が実を結べば、雇用の創出というのは自然にできるんではないかと思いますので、今後とも当局の御努力に期待するところでございます。 次に、企業誘致の動向と今後の展開についてお伺いいたします。
呉ならではの産業振興を考える上で最も重要になるのが、企業誘致であると思います。これまで
ものづくり企業の盛衰が呉市発展のバロメーターであるとたびたび当局の答弁もございましたが、まさにそのとおりでございまして、呉市にとって製造業を中心とする企業の集積が不可欠であろうと思われます。そのためには、引き続き
産業団地等への企業誘致に積極的に取り組むとともに、先ほどから申し上げております流出防止の観点から、市内企業に対する支援も重要であると思いますが、現在の取組状況と今後の展開についてお伺いいたします。
◎産業部長(種村隆) まず初めに、企業誘致の取組状況と今後の展開について、産業団地の分譲状況から御説明させていただきます。 阿賀マリノ
ポリス地区埋立地は、昨年度までで3社、約0.9ヘクタールを分譲、本年度は
分譲契約を1件締結し、現在最終的な調整を行っております案件が1件ございます。 次に、
苗代工業団地は、昨年度までで2社、約1.7ヘクタールを分譲、本年度は複数の企業から問い合わせはあるものの、
分譲契約には至っておりません。 なお、両産業団地とも、現在熟度の濃淡はございますが、複数の企業と継続した交渉をしておるところでございます。 一方、商業施設の立地促進の状況でございますけれども、いっぱい来てくれ
店舗公募事業、また島の
にぎわい拠点公募事業について、それぞれ8件と10件に支援を決定しまして、現在追加募集をするなど、特色ある新規店舗の出店支援、また雇用創出にも力を注いでおります。 続きまして、今後の
企業誘致等の対策でございます。 本市への
本社機能移転等をより積極的に推進するための支援の創設、また
ソフトウエア業等の誘致強化に向けた助成制度の拡充、さらには
市内既存企業の市外転出を防止するため、設備投資に係る助成制度の創設を予定しております。加えまして、
商業系企業の立地につきましても、商業、農業、
サービス業等を対象といたしました
出店支援事業の継続、また拡充も検討しているところでございます。 これからも
全国トップレベルの助成制度を初め、
企業ニーズ等の情報収集、分析を行い、時代にマッチした助成制度のあり方を検討し、雇用の創出、そして維持を図りたい、このように考えております。
◆16番(
中原明夫議員) ありがとうございます。 阿賀マリノポリスですね、私も何回も通りますけれども、なかなか分譲には至ってないというのは、見てのとおりよくわかります。ただ、呉市の歴史上から考えて、大きな企業であるとか、地場産業の優良企業というのは、基本的に呉市が造成しました埋め立てもしくは内陸部の工業団地に進出をして、規模を拡大したという経緯がございます。 呉市というのは、土地がございませんので、そういった造成した分譲地というのは武器にしなきゃいけないと思っております。これからも分譲のいろんな条件とか優遇措置もございますけれども、地元企業も誘致の対象に入れていただいて、我々の宝であります阿賀マリノポリスとか、そういった工業団地の分譲に今後も努力していただきたいと思っております。
全国トップレベルの助成制度という御回答がございましたけれども、これも地場産業が進出する場合は、また違った特典を設けるとか、そういったことも今後視野に入れていただければと思います。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 市民の消費拡大に向けての今後の展開ということでお伺いしたいと思います。 呉市は市民の消費拡大を通じた経済の活性化を図るため、平成26年度の補正予算でいわゆる
プレミアムつき商品券の発行を決めまして、ことしの夏以降、呉・
やまと商品券として希望する市民への販売を行ったところでございます。第3次産業の振興が課題である呉市にとって、
プレミアムつき商品券の発行は商業の底上げになると期待しております。しかし、消費拡大に向けた取り組みを続けていかなければ、一時的な消費の刺激に終わってしまうおそれがあります。
プレミアムつき商品券の発行により、市民や事業者に今回どのような効果や変化が生じていると捉えられているか、またこうした機運を今後どう維持していこうと思っているのか、当局の考えをお伺いいたします。
◎産業部長(種村隆)
プレミアムつき商品券発行事業の概要と、その効果からお答えさせていただきます。 発行枚数12万1,000冊、総額14億5,200万円で、大きな反響の中、完売したところでございます。 効果といたしましては、1,445店舗が参加しまして、11月20日現在、約12億5,000万円、率で86%程度使用されております。この事業は
つり銭対応ができない仕組みになっておりまして、追加の支出も見込まれるため、約2割から3割増の消費につながっていると推計しておりまして、消費行動を大きく喚起したものと考えております。 次に、
事業者意識の変化でございます。
中通商店街や
広域商工会安浦支所では、この
プレミアムつき商品券の利用者を対象とした抽せん会を開催するなど、工夫を凝らした例も見受けられます。また、この事業に並行して広島県が実施いたしました
電子マネー方式でございますが、HIROCA、この取扱店として、大規模店舗だけではなく、中通や
吉浦商店街の17店舗が参加するなど、
地域事業者の意欲高揚と
地域活性化にも一定の効果があったものと考えております。 こうした
消費喚起効果や
消費動向等の実態につきましては、
商品券利用者や参加店舗に
アンケート調査を実施し、分析することとしております。この調査結果を参考にいたしまして、市民の消費拡大やあるいは商業振興に向けての施策等について、調査研究したいと考えております。
◆16番(
中原明夫議員) ありがとうございます。12億5,000万円が使用されているということでございました。確かにおつりが出ませんので、もうちょっと高いものを買うという傾向があると思います。2割、3割は言い過ぎかなと思いますが、13億円程度の影響があったんだろうと思われます。こういったお得感を出すと、かなり消費が刺激されるということが如実にあらわれていると思います。 呉市は
高齢化率日本一と言われている都市でございまして、年金収入が現金で大体年間2,000億円ぐらいあるとお聞きしております。そういった高齢者の方々に気持ちよくお金を1割でも使っていただければ、200億円の売り上げが発生いたします。今後、消費の刺激をするポイントは高齢者じゃないかなと私は思います。したがいまして、今後は高齢者の方々が気持ちよくお金を使っていただける施策も、また今後当局として検討していただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 少子化の進行に歯どめをかけるための支援ということでお伺いいたします。 新・三本の矢の第2の矢である夢を紡ぐ
子育て支援として、国は国民の
希望出生率1.8の実現に向け、安心して子育てができる
社会づくりを強力に進めることとしております。その中で最も基本となるのは、
子育て世代に対する
ワンストップ相談窓口の設置であります。妊娠から出産、子育てに至るまでの支援を切れ目なく包括的に行っていこうとするものでございます。介護に関する包括支援の取り組みの応用とも言えるこの発想は、先日同僚議員からもございましたけれども、
北欧フィンランドではネウボラという名前で親しまれております。
少子高齢化や核家族化が進展する中、子育てに不安や負担を感じる人は少なくないと思います。また、働き方の多様化によりまして、子育てへのかかわり方も昔と比べて大きく変化してきております。 こうした中、
子育て世代が安全かつ安心して妊娠、出産、子育てができるようにするためには、これらに携わっている専門家はもちろんのこと、過去にかかわってきた人や知識や経験が豊富な人など、プロ、アマを問わずたくさんの
マンパワーを最大限有効活用すべきであると考えます。 その
ワンストップ窓口となる
子育て世代包括支援センター、こうした
マンパワーの
コーディネート役としても大きな役割を果たすことが期待されております。 そこで、呉市においてもこのセンターの設置を目指しているようでございますが、多様な
マンパワーを生かした包括的な支援をしていくためには、どのような体制を築き、どのような方針を持って対応に当たっていこうと思っていらっしゃるのか、当局の考えをお伺いいたします。
◎
福祉保健部長(濱田俊文)
子育て世代包括支援センターについてのお尋ねでございますが、このセンターにつきましては、先ほど議員のほうから御案内のあったとおりでございます。妊娠から子育て期にわたるまでさまざまなニーズや不安に対して、総合的に相談支援を行います
ワンストップの拠点でございますが、現在平成28年度中にすこやかセンターくれの中に設置、開設を行うよう準備を進めているところでございます。 また、当センターには新たに助産師等の専門職を
母子保健コーディネーターとして複数配置する予定にいたしております。この
コーディネーターが妊娠から子育て期でいろいろ不安を感じていらっしゃる方々の相談に対応しながら、その一方で
地区担当保健師とともに、また既存の
子育て支援センターなど関係機関や、またいろんな方々のノウハウも把握しながら、連携をしながら、こうした妊娠中や産後の不安感あるいは孤立感が少しでも軽減でき、
子育て世代の皆さんが安全かつ安心して妊娠、出産、子育てができる支援を行ってまいりたいと考えております。
◆16番(
中原明夫議員) ありがとうございます。
子育て世代包括支援センターの設置を平成28年度中に設置するということでございます。 呉市に住んで出産、子育てまでしようというお母さん方は、昨今ではICTの発達によりまして、いろんな手段を検索することができます。呉市の中でも広地区とか呉地区の
マンションを分譲して、即売する要因の一つに、広島市圏内への通勤時間の短縮がございまして、ドア・ツー・ドアで広島市内の企業に1時間以内に行ける。これは五日市や廿日市より有利な立地にあるので、
マンションが売れているという分析を聞いたことがございます。 そして、その中で生活を始めようという中で、ICTを使っていろんな自治体の制度を調査してから決めるという傾向があるようでございます。したがいまして、当局におかれましても簡単にそういう制度が発見できるといいますか、検索できるといいますか、そういった環境にも努力をしていただきたいと思います。 交通手段が発達するに従って、まだまだ呉市というのは、ベッドタウンとは申しませんけれども、住みやすいまちになるだろうと思っておりますので、これは福祉保健部だけじゃないと思いますが、当局の方々の御努力をお願いしたいと思っております。 次の質問に移りたいと思います。 多様な
保育ニーズへの対応についてお伺いいたします。 少子化や核家族の進展によりまして、保育に対する市民ニーズが多様化しており、その対応が求められております。これまでの本会議においても、多様化する
保育ニーズへの対応について、さまざまな議論が交わされてまいりました。 私が着目したいのは、企業による取り組みでございます。呉市がことし行った結婚、出産、子育てに関する
アンケート調査によりますと、子どもが病気のときなどに休暇がとれる職場環境の整備、育児休業が取得しやすい職場環境、雰囲気づくり、出産や育児で会社をやめた女性の再雇用などについて、子育てと仕事の両立のために企業に期待する声が大きかったとお聞きしております。 また、子育てのために行政に期待する取り組みの第4位には、企業の
子育て支援制度に対する支援がランクインしております。 少子化対策は、個人だけの責任でなければ、行政だけの責任でもございません。社会全体で解決すべき問題であると思っております。働き方の多様化が今後さらに加速することが見込まれる中、従業員の
保育ニーズに合った制度を企業みずから構築し、サポートすることにより、従業員も企業もハッピーになると思われます。 また、行政がそのような取り組みを後押しすることにより、他の企業への波及が期待できるとともに、やがて社会全体が幸福になると。できるだけこうした企業をふやしていくべきであろうと思いますけれども、そのためにはどのような促進策が考えられるか、またそれを少しでも実行に移していくべきであろうと思いますが、当局の子育て施策担当部門としての見解を伺いたいと思います。
◎
福祉保健部長(濱田俊文) 本市では、保育所等で提供いたします保育サービスを基本といたしまして、市民ニーズの高い延長保育や一時保育、あるいは病児・病後児保育なども実施しているところでございます。しかしながら、深夜間あるいは休日保育など多様な利用者のニーズに応え切れてない状況もございます。このため、企業や事業所が設置している保育施設などが、こうした利用者の受け皿となっている実情がございます。 こうした現状に鑑みまして、子ども・
子育て支援新制度におきましては、事業所等が設置いたします保育施設に従業員以外の地域の子どもを受け入れた場合には、運営費を公的に助成する制度が平成27年度に創設されたところでございます。 また、今後も社会全体で仕事と子育ての両立しやすい環境づくりに取り組んでまいりたいと考えておりまして、企業みずからが従業員の
保育ニーズに合った制度を構築する場合におきましても、市としてどのような支援ができるか研究してまいりたいと考えております。
◆16番(
中原明夫議員) ありがとうございます。これはいずれにしても今後の課題と思っておりますので、引き続き御検討をよろしくお願いいたします。 それでは、次の質問に移ります。 福祉・介護にかかわる人材の確保ということで、呉市における福祉・介護人材の現状と課題についてお伺いいたします。 先ほどから申しております新・三本の矢の第3の矢である安心につながる社会保障として、国は介護離職ゼロに向けた取り組みを強力に進めようとしております。人口減少、高齢化が進む中で、介護と仕事の両立ができず、希望に反して離職、転職しなければならないといった状況を克服していこうというものでございます。 特に呉市は、人口15万人以上の都市の中で高齢化率が最も高く、実質的に長寿日本一の都市と言われております。その分サービス受給者も比較的に多いため、福祉や介護に携わる人材の確保は重要な課題であると考えております。 日本創成会議がことし6月に発表した東京圏高齢化危機回避戦略によりますと、呉市における2040年の介護ベッド準備率は、7段階中、平均以上のレベル5であると推測されております。ハード面で今後も一定の受け皿は維持できる見込みであるようでございますが、仕事を理由に市外に転出する若者が多い中、ソフト面、すなわちニーズに対応できるだけの
マンパワーを今から確保し、育成していくことが極めて重要であると思います。 こうした中、呉市における福祉・介護人材の充足状況はどうなっているのか、また今後どう変化していくと見込んでいるのか、当局の認識をお伺いいたします。
◎
福祉保健部長(濱田俊文) 福祉人材の充足状況あるいは今後の見込みでございますが、6月に厚生労働省が2025年度に向けての介護人材需給推計というものを発表いたしております。これによりますと、現在広島県の介護人材の充足率は約95%と発表されておりますが、2025年には広島県で全体で約7,000人の人材が不足するということが示されております。 また、現在呉市におきます一般の有効求人倍率は、平成27年10月の実績で1.07倍とお聞きいたしておりますが、福祉・介護分野では4.8倍、これは平成21年では2.2倍でございましたので、4.8倍ということで倍率が非常に高くなっておりまして、現在もこうした高い水準で推移をいたしております。 こうしたことから、呉市におきます福祉・介護の現場では、ニーズの増大、多様化、労働力人口の減少などにより、多くの施設におかれまして人材不足感を抱いておられると思っております。 今後、呉市の高齢者数は平成28年度にピークを迎えますが、介護需要が高くなります75歳以上の後期高齢者の数は、平成37年度まで増加することが見込まれております。今後も福祉・介護人材の需要はますます増加していくものと考えております。
◆16番(
中原明夫議員) 4.8倍というのはすごいと思います。また、こういった人材需要推計というのもやられているということは、日本全国でも懸案事項になっていて、呉市においても平成37年度が本当のピークを迎えると答弁がございました。逆に言えば、10年先まで予測ができているということでございますので、介護が困難になる事態を、時間もございますので、当局もゆっくりといろんな施策を打っていただいて、介護ができないという状況に追い込まれることのないよう、今後も努力をお願いしたいと思っております。 次に、多様な担い手の掘り起こしと活用ということで御質問いたします。 呉市は歴史的に福祉の充実したまちであると認識しております。福祉サービスや介護サービスの事業者はもちろんのこと、自治会や女性会、民生委員など、地域ぐるみの支え合いが盛んであると思っております。また、福祉・医療に関する教育機関も充実しております。今後、福祉・介護の担い手のさらなる充実が求められる中、このような特性を生かし、多様な方に担い手として参画していただき、より暮らしやすいまちを目指すべきであると思います。 将来を見据え、地域包括ケア構築の観点からも、若年層の雇用の確保の観点からも、福祉・介護に携わる多様な担い手の掘り起こしと活用は喫緊の課題であると思いますが、どのように進めていこうとしているのか、当局の考えをお伺いいたします。
◎
福祉保健部長(濱田俊文) 多様な担い手の掘り起こしについてというお尋ねでございますが、高齢化の進展に伴いまして、要支援、要介護認定者が増加する一方、少子化、人口減少が進む中、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには、介護の専門職の確保だけではなく、議員仰せのように、自治会等の地域力を生かした介護の多様な担い手の確保が課題となってまいります。 そうした中、平成27年の介護保険法の改正では、要支援者への介護予防・日常生活支援サービスの提供が総合事業として地域住民の主体によるもの、あるいはNPO、民間企業等によるものなど、ニーズに合った多様なサービスの提供が可能になっておるところでございますので、呉市でもこうした多様な担い手づくりを進めているところでございます。 また、専門職の確保につきましては、広島国際大学や広島文化学園大学等、市内にキャンパスを有します医療・福祉系大学と連携協定を結び、将来福祉・介護の職を目指す若い人材の市内定着のための協議を進めているところでございます。 また、呉市社会福祉協議会に委託いたしまして、市内事業所の協力のもと、介護員養成研修や、福祉の仕事を希望する人に対して、就職相談や就職あっせんを行います人材バンク事業を実施しているところでございます。今後もこうした呉市の特性を生かした多様な介護人材の育成、定着、確保に努めてまいりたいと考えております。
◆16番(
中原明夫議員) ありがとうございます。恐らく先ほどの人材不足をカバーするためには、いろんな方々の力を頼らざるを得ないという時代がやってくるだろうと思っております。こういった担い手の掘り起こしというのは、今後重要な事項だろうと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、新庁舎における
行政サービスの
満足度向上に向けて、総合窓口における
ワンストップサービスの展開見通しということで質問をしてまいりたいと思います。 間もなく新庁舎が竣工いたしまして、いよいよ行政の本拠地が新庁舎に移ります。新庁舎建設の真の完了は、市役所が変わったと言われる状態になることであると思っております。そのためには、ソフト面の充実が不可欠であると考えております。 人は待ち時間にシビアでございます。行政窓口での待ち時間が15分を超えると、7割以上の人がいらいらゾーンに入ると言われております。 こうした中、新庁舎では総合窓口を設置し、
ワンストップサービスの実現を目指そうとしているとお聞きしております。既に試行的にフロアマネジャーの配置や市民窓口課の業務時間延長など、来庁者目線での業務改善に取り組んでおられますが、今後ライフステージに応じた届け出の受理や手続の簡素化などを行うことができるシステムの構築などを進め、新庁舎移行にあわせて本格稼働させようとしているとお聞きしております。また、来年度から施行されます
障害者差別解消法の対応も重要と考えられます。 このような状況下におきまして、間近に迫った新庁舎への総合窓口の開設により、どのような
ワンストップサービスを展開していこうとされているのか、当局の思いと決意をお伺いいたします。
◎市民部長(品川裕一) 私のほうからは、総合窓口と
ワンストップサービスの展開見通しという点につきましてお答え申し上げます。 これまで複数の建物に窓口が分散し、御不便をおかけする中で、来庁者の利便性の向上を図るため、新庁舎への移行を見据えまして、平成25年1月から総合窓口の開設及び
ワンストップサービスの実現に向けましたモデル事業を施行してまいりました。 このたび、新庁舎の完成によりまして、一つの建物に役所機能が統合された上に、1階から3階までの低層階に特に利用が多い窓口を集約することができました。モデル事業で実施してまいりました住所変更、出生、死亡などに伴う手続の
ワンストップサービスとあわせまして、各窓口の連携により一層の総合窓口機能を果たしてまいりたいと考えております。 また、専門的な内容や相談を伴う手続などの場合につきましても、玄関口の庁舎案内と、それに隣接させました新たに総合案内機能を持たせた市民相談室が関係部署と連携し、適切な窓口に誘導、状況に応じましては担当課を呼び寄せて対応する体制をとることで、利用者に喜ばれる、より使いやすくわかりやすい市役所の実現を図ってまいります。
◎総務部長(大下一弘) 私のほうからは、
障害者差別解消法への対応についてお答えいたします。 この
障害者差別解消法は、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、平成25年に制定され、来年度平成28年4月から施行されるものでございます。 地方公共団体におきましては、さまざまな場面で必要な配慮を講じ、適切なサービスを提供できるよう、その指針となる対応要領を定めることが求められております。この対応要領は、例えば窓口で障害者の特性に応じた手話や筆談などの方法で対応することなど、公務員として当然に求められる行為について、全職員に向けて広く徹底、浸透させるため、具体的な例示をするものでございます。 現在、総務部を中心といたしまして福祉保健部と連携しながら策定作業を進めており、今後関係団体の方々にも意見をお聞きする予定といたしております。 また、要領の策定後は、その内容につき課程研修等で研修を実施し、職員への周知、啓発を進めるとともに、相談窓口を障害福祉課に設置するなど、庁内体制を整備してまいります。
◆16番(
中原明夫議員) 先日、新庁舎の見学をさせていただきまして、エントランスとか1階の窓口等も見学させていただきました。ショッピングモールに行ったようなイメージを受けるすごいエントランスがありまして、入ると非常に明るい窓口が見えました。 大体建物が新しくなって設備が一新されると、そこで働く人たちも非常に優秀に見える場合がございます。そういった期待を裏切ると、市民の皆様からお叱りを受けるんだろうと思いますので、今取り組んでおられます
ワンストップサービスが、市民の皆さんが満足していただける
ワンストップサービスとなるよう、努力をしていただきたいと思います。 もう一つ、
障害者差別解消法でございますが、こちらのほうは公共機関は必須義務で、民間事業者は努力義務となっていると思いますので、市役所の場合は必ずやらなければいけないという範疇に入ると思います。呉市にはいろんな障害者団体があると思いますけれども、そういう団体の方々といろんな意見をすり合わせしながら、対策を練っていただきたいと要望しておきます。 では、次の質問に移ります。 職員の資質向上についてお伺いいたします。
行政サービスを行うのは、システムではなく、職員でございます。一部アウトソーシングによる実施も考えられますけれども、職員が熱意と思いやりを持って迅速かつわかりやすい対応を行うことが、市民からの信頼につながると考えております。これは総合窓口に従事する職員に限らず、職員全般に言えることだと思います。 昨年呉市が行った市民意識調査によりますと、職員の資質向上に対する市民の満足度は相対的に低くなっているそうでございます。一方で、職員の資質向上が重要だと思っている市民の割合は、相対的に高くなっております。これは不満が大きいというよりは、職員に対する市民の期待が非常に大きいと捉えるべきであろうと考えます。 新庁舎への移行を機に、ますます職員の資質向上が求められると思いますけれども、そのためにはどのような取り組みが必要と考えているのか、当局の考えをお伺いいたします。
◎総務部長(大下一弘) 職員の資質向上に関するお尋ねでございます。 本市では、目指すべき職員像として、市民の立場で考え行動する職員、常に改革・改善に取り組む職員、市民に信頼される職員の三つを掲げ、その実現に向け職員の資質向上に種々取り組んでいるところでございます。 こうした中、このたびの新庁舎移行に向けましては、特に職員が熱意とおもてなしの心を持って立ち働き、市民の皆様の信頼に応えていく、そういった意識をより一層浸透させることが重要であると考えており、平成25年度にはおもてなしマネジャー養成研修という通年の研修を全9回にわたり実施したところでございます。 この研修の受講生のうちからは、研修修了後も活動を発展、継続させ、全職員が個々のおもてなしの心構えを記載したカードを常に携帯するおもてなしクレドの取り組みや、現在手づくりで接遇力向上マニュアルの策定作業を進めているグループもあるなど、自発的で意欲のある試みも生まれつつあります。 また、新庁舎開庁に万全を期すため、新庁舎における動線確認や接遇技術の習得、心構えの高揚に向け、先般11月には新庁舎移行サポートセミナーを実施し、さらには新庁舎窓口対応研修などの取り組みを進めているところでございます。 いずれにいたしましても、窓口職員に限らず、新庁舎の建設はその中で働く私ども職員自身の意識を改革していく大きなチャンスであると捉えております。現在、窓口対応の満足度調査では、市民の皆様から高い評価をいただいておりますが、このたびの新庁舎建設を新たな契機に、研修等の座学に加え、職員がみずから考え、改革していく意識を全庁に広げ、さらなる資質向上とサービスの
満足度向上に取り組んでまいります。
◆16番(
中原明夫議員) ありがとうございます。先ほども申しましたが、新しいハードができて、市民の皆さんも何が変わったんだろうかということを恐らく見ていられると思います。また、職員の方々もいろんな取り組みをやられているようでございますけれども、やらされているというイメージではなくて、おもてなしというか、接遇というか、そういったことを謙虚に学んでいただきまして、すがすがしい気持ちで市民の方々に接していただければと思っております。 次に、やりがいのある
職場風土づくりについてお伺いいたします。 今後、人口減少、
少子高齢化がさらに進行いたしまして、
行政サービスに対する市民のニーズはますます複雑多様化していくと思います。こうした状況に迅速かつ的確に対応していくための施策を展開していくためには、職員一人一人の資質向上、レベルアップを図ると同時に、職員のやりがいが高まる
職場風土づくりも大切であると考えます。 呉市では、今年度から係制を廃止してグループ制に移行し、職員一人一人の個性や能力が十分に発揮できる組織づくりに取り組んでいるとお聞きしております。その成果は今後検証されることと思いますが、いずれにしましても少数精鋭部隊で最高のサービスを提供するためには、レベルアップした職員のやる気ややりがいを引き出す
職場風土づくりが不可欠であると考えます。その具体化方策について、当局のお考えをお伺いいたします。
◎総務部長(大下一弘) やりがいのある
職場風土づくりについてのお尋ねでございます。 職員がやりがいを持って仕事をしていくためには、職場の目標が明確となっており、上司が部下を信頼して仕事を任せ、常日ごろからアドバイスや激励の声かけを行い、部下はそれに応えて成果を上げていく、そういった活気ある職場環境が理想であると考えております。 そのような理想の職場の実現には、何より管理職員の強いリーダーシップが求められますが、これを手助けする取り組みの一つとして、本市の人事考課制度が挙げられます。職員が一丸となって目標に取り組んでいくため、上司と部下が年度当初に職場と個人の目標をすり合わせ、適宜その達成度や改善点を確認していくという、職場内での対話や面談を重視した制度の展開をしているところでございます。 また、上司と部下とのコミュニケーションの促進の一助となるよう、昨年度呉市版OJTマニュアルを策定し、さらに内容の拡充にも取り組んでいるところでございます。まだまだ道半ばではございますが、これらの取り組みにもうこれで十分というゴールはないものと考えております。引き続き制度の拡充、改善を進め、全ての職場がやりがいの感じられる理想の職場となるよう取り組んでまいります。
◆16番(
中原明夫議員) 民間企業にもグループ制に移行しているところが多いということで、私が所属しております企業においても、グループ制、チームリーダー制とか導入されております。こういったところの一番の弊害と言ったらおかしいですけれども、指揮命令系統が曖昧になるというところが心配されるところでございます。 今回、答弁にもございましたようにOJTマニュアルとか作成して、取り組んでいらっしゃるようでございますけれども、結果的に職場の中がグループ制になって、そのグループリーダーだけが最終的に仕事をするということに陥らないように、今後も御努力をお願いしたいと思います。 時間も残り少なくなりましたので、最後の質問に移りたいと思います。
合併特例債についてお伺いいたします。 最初の
合併特例債とはということで、平成17年に1市8町の合併が完了いたしまして、ことし10年が経過いたしました。合併により自治体としての行政能力を高め、効率的、効果的な
行政サービスを展開していくとともに、新呉市が一体感を持って発展していくことも大いに期待されております。 新呉市の発展に多大な貢献をしたのが、
合併特例債であると思っております。合併した市町村にのみ発行が認められるこの
合併特例債を活用して、10年間さまざまなハード整備を行ってまいりました。この
合併特例債は市債、つまり借金でありながら、有利な財源と言われることが多いですけれども、改めて
合併特例債の制度内容と、呉市における発行限度額についてお伺いいたします。
◎企画部長(小松良三)
合併特例債の制度内容と、呉市における発行限度額についてお答えいたします。 まず、
合併特例債は、合併建設計画に基づいて実施する新市の
まちづくりのための建設事業、または新市の振興のための基金の造成に対する財源として借り入れることができる地方債でございます。その活用期限は、合併年度とこれに続く10カ年度に限られておりましたが、現在は特例法の施行によりましてその期間が5年間延長されており、呉市におきましては下蒲刈町が平成30年度まで、そのほかが平成31年度までとなっております。なお、
合併特例債の充当率は95%、交付税措置率は70%となっております。以上が制度の概要でございます。 次に、呉市における
合併特例債の発行限度額についてでございますが、約559億円となっております。
◆16番(
中原明夫議員) それでは、これまで特例債を活用した事業についてお伺いいたします。 559億円の発行限度額ですね。この
合併特例債を活用して、新市の一体性の確保と均衡ある発展を目指してさまざまな事業を実施してまいりました。平成27年度予算においても87億円の
合併特例債を予算計上して、合併建設計画に掲げた事業を推進することとしておりますけれども、これまで10年間どのような事業を実施してきたのか、合併建設計画事業の進捗状況と主な事業の実施状況についてお伺いいたします。
◎企画部長(小松良三) まず、合併建設計画事業の進捗状況についてでございますが、平成26年度末の進捗状況で申し上げますと、全事業269事業中225事業で事業着手しておりまして、事業化率は84%となっております。また、発行限度額559億円に対しまして、平成31年度末までの発行予定額は551億円を予定しているところでございます。 次に、これまでに実施した主な事業についてでございますが、市役所本庁舎整備事業、一般廃棄物最終処分場整備事業、音戸、安浦、豊及び広の各市民センター建設事業、下蒲刈保育所、川尻保育所、安浦中央保育所の保育所整備事業、川尻中学校、豊中学校の中学校建設事業、渡子多目的グラウンド及び川尻グラウンドの整備事業、倉橋町の桂浜周辺整備事業、それとケーブルテレビ施設改良事業、そして各合併町の農道、林道などの道路整備事業でございます。
◆16番(
中原明夫議員) 時間もございませんので、最後の質問ですね。今後の動向についてお伺いいたします。
合併特例債を活用できるのが、合併建設計画の期間である平成31年度までということで、あと4年余りとなっております。一方で、進捗状況は8割強ということで、期間内に着実に実施できるかどうか心配されるところでございます。
○議長(石崎元成) あと3分です。
◆16番(
中原明夫議員) (続)合併建設計画は、いわば合併時の約束であると思います。とはいえ、計画を実施に移す際には、さまざまな事情により、実施手法や実施時期などを見直すことはよくあります。真に必要な事業かどうか、その時々で判断することが極めて重要であると思います。未着手となっている事業について今後どう取り扱うのか、当局のお考えをお伺いいたします。
◎企画部長(小松良三) 合併建設計画事業につきましては、議員御指摘のように、
合併特例債の活用期限が定められております。そのようなことから、計画策定の趣旨を尊重しながら、現在計画期間内における完了を目指して各事業を実施しているところでございます。 しかしながら、学校の廃校や航路の廃止といった計画策定後のさまざまな状況変化により実施困難と整理した事業や、補助採択要件の再整理が必要といった理由などによりまして、いまだ事業着手に至っていない未着手事業もございます。この未着手事業につきましては、事業担当課とも連携し、事業効果の再検証や関連事業等の整理を行いながら、計画期間内の事業実施に向けまして引き続き努力を続けてまいります。 また、事業実施の課題が解決せず、平成31年度までの実施が困難な場合には、合併時の約束を尊重し、事業実施に向けた条件が整った時点で最も有利な財源を充当しながら、事業実施していきたいと考えております。
◆16番(
中原明夫議員) ありがとうございます。いわゆる平成31年度末完工であろうと思いますので、あと4年と言いながら、実際の工事を考慮した場合、あと一、二年のうちに最終判断を下して、全ての事業を確定させるということが大事ではないかと思います。当局においては非常に厳しい作業になるだろうとは思いますが、あと一年か二年では事業を確定させて、真に呉市のためになる事業をまた織り込んでいただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(石崎元成) 以上で中原議員の一般質問を終わります。 ──────────────────────────────
△日程第2
神田隆彦議員の一般質問
○議長(石崎元成) 日程第2、神田議員の一般質問を議題といたします。 23番神田議員。 〔23番
神田隆彦議員登壇、拍手〕
◆23番(
神田隆彦議員) おはようございます。 かなり久しぶりの質問なんでちょっと緊張しておりますが、同志会を代表いたしまして一般質問をさせていただきます。 最初に、人口減対策について、呉市版の総合戦略策定ということでお伺いをいたします。 ことしの9月末における呉市の人口は約23万3,000人で、1年前と比較して約2,500人減少しております。このまま何も対策をしなかったら、25年後、平成52年には約16万人にまで減少するという推計もあります。来年4月には中核市に移行する呉市が、いずれは中核市の要件である20万人を割り込んでしまいます。 このような状況の打開に向けて、市長はこれまで地方創生の実現について答弁されてきました。人口減少を抑制し、地域の活性化を図るという市長の思いについては、方向性は理解できるものの、具体性がなかなか見えてきません。これという特効薬がないのはわかりますが、全国一斉に地方創生の取り組みを進めている中で、呉市の独自色を出した取り組みをしていかないと、都市間競争に勝ち抜くことはできません。人口減少に歯どめをかけるため、既定路線の戦略ではない、大胆な実効性のある呉市独自のビジョンを描く必要があると思いますが、一歩踏み込んだ具体策についてお伺いをいたします。 あとは質問席で行います。 〔23番
神田隆彦議員降壇、質問席へ移動〕
○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。
◎市長(小村和年) 呉市の独自色を出した総合戦略についてでありますけれども、今我々が一番苦しんでいるのは、自然減はある程度仕方ないとしても、社会減が相当数ある。特に若者が仕事を求めて、特に広島に行く若者が多い。我々の時代には、東京へというものはありましたけれど、今少しその現象といいますか、出ていく人たちの形態が変わってまいりました。あるいは住宅を求めて隣まちへ行くということもあります。 そういう中で、何としても若者が定着できる、する、そういうことをやっていかなきゃいけないということでありまして、何よりも若者、若年層の定着を基本理念に据えてまいりたいと考えております。 若年層というのが、まさに呉市の産業あるいは消費、地域づくりを支える重要な存在でありますので、おっしゃるようにこのまま減少が続くと、にぎわいの低下につながってまいります。そのために、呉市が地方創生を進めていく上で最重要課題としてこれを捉えて、こうした思いの実現に向けて、これは議員もおっしゃるように手品のような方法はありません。無から有を生ずるということはできませんので、呉市が持っておる財産、呉らしさを生かした地方創生の実現を目指してまいりたいと考えております。 では、呉らしさとよく言うんですけれども、じゃあ何だというと、皆割と漠然としているんですね。突き詰めていくと、呉市には旧海軍、海軍工廠とともに発展をしてきた、こういうまちの生まれ、成り立ちがあります。そういう歴史を持っている。そういうことから、その海軍工廠の遺産を活用した
ものづくりのまちであるとともに、やはりこれも旧海軍の遺産を生かしたものでありますけれども、都市機能が充実をしたまちだ、そして
大和ミュージアムなどを初めとする多様な観光資源があるまちだということであろうかと思います。 また、
小中一貫教育やあるいは多彩な地域資源、これは合併によって随分多彩なまちになりました。これだけ工業と農水産業が混在をするという、一つのまちにあるという、これは珍しいまちであります。こういった特色があります。 こうしたしっかりした都市基盤やさまざまな特色を総合して呉らしさと捉えておりますけれども、今後その辺の特徴をもう少し議員がおっしゃるようにしっかりしたものにしていきたいと考えております。そして、この二つのキーワードであります若者の定着、そして呉らしさ、こういうものを念頭に独自色のあるプロジェクトを推進していきたいと考えております。 例えば
都市ブランドの向上にしましても、
大和ミュージアムというのは日本全体の近現代史あるいは文化、平和、科学技術、そして戦後の都市発展のメカニズムを内外に発信する、これはもう本当にオンリーワン施設でありますけれども、呉市の宝である
大和ミュージアムのさらなる活性化を図るとともに、そういうものを総合して、日本遺産への登録を念頭に置きながら、旧海軍、海軍工廠が残した技術や都市基盤を生かした新たな魅力づくりを推進することによって、呉らしい
都市ブランドというものの向上を図っていきたい。そのことによって交流人口が増加をする、あるいは雇用の場を創出する、そんな取り組みをしっかりやってまいりたいと考えております。 教育、子育ての支援の充実についても、呉市は教育のレベルといいますか、そういうものが高いまちであろうかと思います。ただ、これまでともすれば、これは我々の歴史が持っているいいものと、それから陰の部分といいますか、外にいいものがあると何となく思ってきました。これは私自身もそういうところがありましたけれども、子どもたちに、実は呉っていうのはこんなすばらしいまちなんだということをきちんと伝えて、呉市に対する誇り、愛着、そういうものをしっかりつくっていきたい。 あるいは妊婦さんや家族を総合的に支援する
ワンストップの拠点となります
子育て世代包括支援センターを設置して、産前産後におけるさまざまなニーズに細かく対応ができる、子育てをするなら呉がいいねというそんな機運を醸成してまいりたいと考えております。 意は尽くしませんけれども、こういう取り組みをしっかりやって、人口減の抑制あるいは地域の活性化に総合的に取り組んでいかなきゃいけませんから、これをやりゃあいいんだというものはありませんので、そういうことをしっかりやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
◆23番(
神田隆彦議員)
都市ブランドの向上とか教育、また
子育て支援の充実など、呉市の特色を生かした取り組みを進めていきたいというのはわかります。しかし、やはり何かもう一つ物足りないように感じております。できるとかできないとかは別といたしまして、これをやるんだというものを決めておかなければ、我々議会としても応援をしにくいのではないかなと。そういう意味で、もっとわかりやすく、独自色の強い具体策を明確にすべきではないかと思います。 例えば、先ほどもお話の中に出ておりましたけれども、
大和ミュージアム、これは全国区になりました。全国区になったけれども、残念ながら点でしか捉えていないのではないか。
大和ミュージアムに行ってみようという人はたくさんおられると思います。しかし、呉に行ってみようという人がどれだけおられるのか疑問に思います。
大和ミュージアムが大きなポテンシャルを秘めているというのであれば、それをさらに引き出し、活力につなげる新たなストーリーを大胆に描いていく、これによって独自色の強い
呉ならではの具体策が企画できるのではないかと思いますけれども、再度御見解をお伺いいたします。
◎市長(小村和年) おっしゃるように、呉市が歩んできました歴史を踏まえますと、呉らしさの中核をなすものは、何といっても海軍あるいは海軍工廠、そしてその後に海上自衛隊の拠点があり、またけさほどの御質問にもありましたけれども、大変大きな立派な企業が立地をしております。そういうことではないかと思いますけれども、これが
ものづくりのまちとして戦後の経済復興あるいは経済発展というものを牽引してきました。我々はそれを誇りに思っていいと思いますけれども、これをどうやって未来に伝えていくか、つないでいくかであろうかと思います。 海軍の伝統を引き継いだ海上自衛隊の文化を生かした呉海自カレーが大変好評をいただいておりますけれど、こういうこともまさに遺産を生かしたものだと、呉らしいということで、毎月1万人以上の人がカレーを食べに来てくれている。これは本当に市外の方が物すごい多いんですね。それだけインパクトを市外の人にも与えているということ、これは本当にありがたいことだと思います。 先ほど申しましたこういった海軍、海軍工廠、ほとんどが現役であります。ドックも、製鉄所も、あるいは大砲をつくったところも、こういうところはみんな現役として今でも日本の先端といいますか、日本の高い技術を伝えております。こういうものを総合して日本遺産に登録をしていきたいということで、旧軍港4市で連携をしております。
大和ミュージアムはこうした呉市の歴史あるいは日本の近現代史そのものを体験できる唯一の施設として、10年で1,000万人のお客さんを迎えられたということは、奇跡的なことでありますけれども、これをおっしゃるように点にとどまってないで、面として、エリア全体、さらには呉市全体に広げていかなきゃいけない。この課題認識っていうのは、ずっと私も肩にかかっております。その実現に向けて、
大和ミュージアムの持つポテンシャルを最大限に引き出す必要がありますので、これまでもさまざまな調査研究を重ねてまいりましたけれども、さらに今後学術的あるいは機能的にレベルアップを図る必要があるということで、これは呉市が行うことによって意義があると私は思っており、戦艦「大和」の潜水調査についても、視野に入れながら取り組んでいく、それによってさらに魅力の向上につなげていきたいと思っております。 また、
大和ミュージアムあるいは呉駅前、入船山記念館を結ぶエリアには魅力的な資源がぽつぽつ、たくさん点在をしております。これらを一体的に機能的に結びつけることによりまして、多くの人を引きつける魅力的な空間を創出して、交流人口の増加ということをやってまいりたいと思います。 いずれにしましても、我々はハード面と、それから
行政サービスとしてはいろんなことができますけれども、呉市の中で皆さんにずっと回遊してもらうためには、やはり民のサービスとセットじゃないと、やっぱりおいしいものがあるとか、もてなしがいいとかっていうこととセットになりますので、こういうことも皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。
大和ミュージアム及び周辺エリアの一層の活性化に向けた検討を早急に進めるとともに、事業の具体化に向けて庁内一丸となって取り組んでいきたいと思いますので、どうか御協力のほどよろしくお願いをいたします。
◆23番(
神田隆彦議員)
大和ミュージアムを中心としたエリアの活性化というお話でしたけれど、私もこのエリアについては魅力的だなと思います。観光客の関心を点から面に広げることによって、例えば今まで2時間ぐらいしか滞在をしていただけなかったものが、3時間、4時間とふえるかもしれません。そうなると、ちょっとお土産を買おうかとか、ちょっと御飯でも食べようかとか、いろいろな新たなにぎわいが広がってくると期待できると思います。ぜひ人を引きつける大胆なストーリーを描いていただき、
呉ならではの具体策について検討を進めていただくようにお願いを申し上げます。 次に、策定する上での組織体制についてをお伺いいたします。 呉市版の総合戦略策定に当たっては、どうも企画部の影しか見えてこない気がします。企画部が国の交付金取得に向けて奔走しているだけで、各部署は目の前の通常業務の処理に追われ、地方創生について考える体制になっておらず、協調がとれていないように感じられます。人口減対策は全庁的に考える問題ではないでしょうか。市役所が一糸乱れぬ体制で総合戦略を策定していると言えるのか、その状況についてお伺いをいたします。
◎企画部長(小松良三) 総合戦略の策定体制についての御質問でございます。 総合戦略の策定に当たりましては、本年4月1日に市長を本部長とする呉市まち・ひと・しごと創生本部を設置し、庁内一丸となって総合戦略を策定しているところでございます。 また、新規施策や個々の事業の企画立案に当たりましては、4月から7月にかけて、庁内各部において総合戦略に盛り込む施策の検討を行うとともに、8月以降、新年度予算も念頭に置きながら具体的な事業の調整を進め、ヒアリングを通じて事業内容の精度を高めるなど、各部と連携して作業を進めているところでございます。 このようにして総合戦略を策定し、3月に最終案をお示しすることといたしておりますが、これで終わりとは考えておりません。今後とも各部との連携を図りながら、毎年度進捗状況を点検するとともに、事業の見直しや新たな事業の企画立案を進め、予算編成にあわせてローリングしてまいりたいと考えております。
◆23番(
神田隆彦議員) 庁内一丸となって作成に当たっているというのはわかりました。しかし、それが形式的に事務的に淡々と進められているのでは、魂のこもった人口減対策にはならないと思います。 人口減対策は、将来の呉市のありようにかかわる大変重要な取り組みです。推進に当たっては、多くの困難が立ちはだかると予想がされます。覚悟と熱意を持って取り組まれないと太刀打ちできないのではないでしょうか。当局におかれては、この人口減対策にどれだけの熱意を持って取り組もうと思っているのか、その決意を再度お伺いいたします。
◎副市長(木坂修) 人口減対策に対する市の熱意という御質問でございます。市全体のことにかかわることでございますので、私のほうからお答えをさせていただきたいと思います。 人口減対策につきましては、御案内のように雇用の創出を初めとした産業の振興、さらには人材育成、
子育て支援、文化教育、住宅等、本当に総合的に取り組んでいく必要があると思っております。 このことにつきまして、全職員が新たな意識、目標を持って取り組んでいくことはもちろんでございますが、人口減対策や地方創生は行政だけではどうしてもなし得るものではなく、市民の皆様にも共有をしていただき、また民間の持つ力を最大限に発揮していただくことが極めて重要であると思っております。呉をもっとよいまちにするという一つの目標に向かって、官民一体となって取り組んでまいりたいと考えております。 歴史を振り返ってみますと、呉市は昭和16年、人口40万人を擁するまちでございました。戦後16万人に激減をいたしましたが、造船、鉄鋼等
ものづくり産業を中心とした
まちづくりに官民一体となって取り組み、昭和50年には24万3,000人を擁するまちとなり、現在に至っております。 本市には厳しい人口減少を克服した歴史がございます。その中には、多くの先人の方々が本当にたゆまない努力を重ねてきたという歴史もございます。我々は先人の我がまちに対する思いをしっかりと引き継ぎ、またそれに負けないように、次の世代に向けた
まちづくりに職員一丸となって取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞ御協力のほどよろしくお願いをいたします。
◆23番(
神田隆彦議員) 決意をお伺いいたしました。我々議会も気持ちを新たにして、議会としてできることを精いっぱい行うとともに、これからもさまざまな提案をしていきたいと思います。どうかよろしくお願いをいたします。 次に、特色ある
学校づくりという観点でお伺いをいたしたいと思います。 私は、昨今の情勢から見ても、人口の自然動態の増加はなかなか見込めないものと考え、社会動態をどのような方法で増加させていくのかに重点を置くべきではないかと考えます。 そのような中、現在呉市は空き家バンクなどを活用した定住促進や企業誘致による雇用促進など、市外からの転入者の確保に傾注されているところですが、私はまだ物足りないものを感じております。 そこで、人口減対策に関連させ、教育の観点から質問をいたします。 今後若者が減少し、高等学校の学生確保に向けた競争が激化することが予想される中、各学校独自の魅力向上や差別化の取り組みが必要となってきます。 現にスポーツ技術の向上を目指し、呉の中学校を卒業後、市外の高校へ進学するケースが多く見受けられます。広島県内では公立、私立高校のうち2校の公立高校のみで体育科が設けられております。スポーツについて専門的で高度な技術の習得や、スポーツの振興、発展に寄与する資質や能力を育成することを行っております。 我が呉市を見ますと、この体育科を設けている高校はありませんが、幸いにも市立呉高等学校が近年野球の強豪校と呼ばれるようになり、今年の夏、皆さんも御存じのように甲子園をかけて決勝まで勝ち進んだこと、このことにより学校のイメージがさらにアップしたのではないかと感じております。 そこで、市立呉高等学校に体育科を設置すれば、近隣の学校との差別化が図られ、スポーツ技術の向上を目指す市内外からの学生を確保することができ、若者たちの市外流出に歯どめをかける一助になるのではないかと考えます。加えて、卒業後の地元企業への就職が見込まれるのではないかと考えられます。 若者たちがいないと、結婚、出産、子育ての支援をどれだけ充実させてもつながってこない。とにかく若者たちをどう市内へ迎え入れるか、そして流出させないか、そのあたりについて当局のお考えをお伺いいたします。
◎教育長(工田隆) ただいま市立呉高等学校への他の地域にある高校との差別性ということで、特色をもっと出せば、
スポーツ科の新設ということで御提案をいただきました。 教育委員会としても、この高等学校入学時の生徒の市外流出のこの現状に関しては、課題意識を持っております。呉市内の中学生が他の市町の高等学校に進学するのではなくて、呉市内にとどまる方策を検討することは大変重要だと考えています。全く議員のお考えと同感であります。 その方策の一つとして、例えばということで今お示しいただいた呉市が設置している呉市立呉高等学校、この魅力をより高めていくっていうことは、当然必要なことであると考えています。 議員から御提案のあった
スポーツ科の新設をすることについてでございますけれど、この新設については手続がまずございます。この手続は、学校教育法に定められておりまして、設置は呉市が設置をしておりますが、県の教育委員会へ申請を行って、その認可を受けなければならないということが法に定められています。 これは手続論の部分でございますけれど、加えてこうした認可を受ける際に最も重視されることは、まず、これは当然のことなんですが、新設学科に必要な指導体制、それから設備面の整備のこと。最も配慮をする必要があるのは、その新設した新設学科に入学定員に見合ういわゆる受験者が安定的に確保できるかどうかということが大変大きなウエートを占めているということも、県の教育委員会からもお聞きしています。 そういうことはあるわけですが、先ほど来議員がさまざま、できるかできないかということよりは、将来へ向けて一つの夢を持とうではないかということでありますが、こうした問題を一つ一つ私どもも研究をしてまいりたいと考えております。その点については御理解のほどよろしくお願いいたします。
◆23番(
神田隆彦議員) 手続論を言いますと、いろいろな手続があるというのは、何をするんでもやっぱり壁が立ちはだかるということで、そうだと思います。 昨日の小田議員の質問の中にも、アスリート養成であるとか、いろいろなスポーツに関しての質問も出ておりました。スポーツ少年団であるとか、いろいろなところに補助金を出してスポーツの発展に寄与されているのはわかります。 ただ反対に考えれば、アスリートを呼んでいろいろなスポーツはすばらしいんだということを子どもたちに教えていくと、その子どもたちがスポーツをやりたいと思う。そうすれば必然的に強い学校へ強い学校へと、市外へ全部出ていくわけですね。だから、どういうんですかね、逆効果の面も必ずしも捨てがたい。逆効果をしているということも考えられるのではないかなと思います。 だから、その面を考えれば、やはり市立呉高等学校に
スポーツ科というのを設けて、そこでしっかりとスポーツに関しての教育、またアスリート教育をしていくというのも一つの方策ではないかなと。 今教育委員会は、
小中一貫教育というのが軌道に乗っております。これを反対に考えれば、中高一貫として、隣の阿賀中学校も巻き込んでの中高一貫のアスリート校をつくるという考え方も、私はできるんではないかなと。そうすれば、中学校から高校へ進学するときに、市立呉高等学校に行けばある程度の実力は確保できる、それがひいては5年後、10年後にもインターハイの常連校になっていけば、非常にすばらしいことではないかなと。 ことしの8月に日本体育大学との提携をしたというお話をお伺いしました。その日本体育大学がこういう市町村と提携をしているところが何個かあるようにお伺いをしております。その中で、附属高校までつくろうとして努力をしている自治体もあるわけなんですね。だから、よそがやって成功したから呉市がやるっていうんでは二番煎じ、おくれてしまうわけですよ。そういう情報があるんであれば呉市がいち早く手を挙げて、アスリート養成校じゃないですけれども、そういうのをつくっていくっていうのも考えられると思うんですが、再度お伺いをいたします。
◎教育長(工田隆) 再度のお尋ねでありますけれど、ちょっと今の
スポーツ科とはずれるかもしれませんけれど、行き着くところっていうのは、若者がこの呉のまちに残る、そのためにはどうすればよいのか、これをいろいろな角度から先ほど来御質問をいただいていると受けとめています。 この呉市が設置する市立呉高等学校につきましても、その将来像を1年、2年先のことではなくて、それが10年先になるかもしれない、その将来像をしっかりと考えながら、それが議員御提案の、ひょっとするとスポーツという部分でさらに魅力をアップさせていこうということもあるかもしれませんけれど、大変もどかしい回答になりますが、一つ一つ課題も含めて、先ほど申しましたように研究をさせていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
◆23番(
神田隆彦議員) 今ここまで来たらやっぱり何かをしないと、思い切って何かの方策、やり方を変えるであるとかをしないと、この人口減というのは本当にとめることができないと思います。 広島県では、平成16年に県立広島中高等学校ということで、高屋でしたかね、中高一貫教育の進学校として成功をおさめられているように聞いております。呉市も、うわさかどうかはわかりませんけれども、三津田高校との中高一貫教育校という話を聞いたことがあるんですが、これは定かでないんであれなんですが、反対に言えば、三津田高校のOBの方が後ろにおられるから怒られるかもわかりませんけれども、三津田高校とのコラボで、呉市にもそういう進学校として学力を伸ばす中高一貫教育校を県にお願いをしてつくっていただけるであるとか、そうなればこの進学校と、阿賀地区のアスリート校という両構えで呉市をアピールできる学校が二つできるということなんですね。そうすれば、市内外からの、また県外からもたくさんの生徒が集まってくれるんではないかなと思っております。 実際に、私は剣道をやっていますけれども、剣道がしたいがために大阪、また山口、九州へ、わざわざ中学校を卒業して、また中学校からそこへ行くと言って行っている生徒もたくさんいるわけなんですよ。そういう生徒をいかにして呉にとどまってもらうかというところも、もうこの機会に真剣に考えていくべきと私は思いますが、その点再度お伺いをいたします。
◎教育長(工田隆) 今呉市の中学校卒業後の特色として、例としていわゆる勉学にすぐれた特色のある高等学校、あるいはそれがスポーツに、ひょっとすると文化ということもあるかもしれませんけれど、それを一つの中学校からのつながりで中高の一貫という考え方も御提示いただきましたけれど、ここらも新たな御提案ということで、今話題になりました呉市内にある高等学校も所管している、県の教育委員会が所管する県立学校もございますので、さまざまなアイデアを、思いはさまざまな場で伝えていきながら、先ほど申し上げた長いスパンで、今後呉市の子どもたちが市外に流出しない、呉市内に特色のある学校、高等学校を求めて進学していくことを目指して研究を進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
◆23番(
神田隆彦議員) この市立呉高等学校の
スポーツ科っていうのは、総合学科ができて間なしぐらいでしたかね、私はずっと、
スポーツ科、体育科、どっちでもいいんですけれども、つくったらどうかという質問をし、提案してきましたけれども、いまだに何も進展していないということで、これはこの人口減少社会において、本当にやってみる価値はあるのかなと思っておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。 それでは次に、失敗を恐れない職場環境について質問させていただきます。 先ほどお尋ねをした地方創生については、やはり呉市の呉らしさを生かした取り組みが必要であると考えます。また、先ほど来申しておりますように、来年4月には中核市への移行となっております。これは単に昇格するというだけでなく、県南部、芸南地区の中心となる連携中核都市として、圏域を牽引する役割も期待をされていると思います。 これらの実現のために、計画づくりや予算も重要であると思いますが、その根底にあるのはやはり人、市職員であると思います。個々の市職員の資質向上をさせることが必要であると考えます。それに加えて、課題に果敢にチャレンジする職員の育成や組織、風土づくりが必要と考えます。 最近の職員は、失敗を恐れ、何か小さくなっている気がします。大胆で夢のあるアイデアを提案したり、取り組んだりすることが少なくなったように感じます。この状況の中で、産業部の呉海自カレーの取り組みはおもしろいアイデアであり、市の活性化に貢献したものと思います。多い人はもう5回目を回っているとお伺いをしております。 私は、実現の可能性は別として、とにかく新しいアイデアを提案しチャレンジする、失敗を恐れない職場をつくることがこれから必要と考えますが、市の御所見をお伺いいたします。
◎総務部長(大下一弘) 失敗を恐れない職場環境についてのお尋ねでございます。 第2期呉市人材育成基本方針では、目指すべき職員像の一つとして、常に改革・改善に取り組む職員を掲げており、前例にとらわれないチャレンジ精神を持って、失敗を恐れず新たな課題に果敢に挑戦することを奨励いたしております。 この実現のためには、職員に調査研究の機会を与え、新たな提案を同僚や上司が受け入れ、職員を信頼して任せつつも、必要に応じて上司がアドバイスをして軌道修正ができるといった上司と部下のきずな、信頼関係の構築が重要でございます。その際、時には部下の失敗を認め、この反省を次の改革・改善につなげる組織としての姿勢も必要と考えております。このような職場環境の整備が必要であると考えております。
◆23番(
神田隆彦議員) ありがとうございます。前例にとらわれない、チャレンジ精神を持ってという言葉がありましたけれども、何かを言うと、「いや、前例にございません」、「いや、他都市ではやっておりません」と返ってきます。前例にとらわれているのが行政の仕事だと私は思っとったんですけれども、答弁とやっていることが多分違うんじゃないかと思います。 この質問は、先ほど中原議員ともちょっとかぶるところがあると思いますので、簡単にしたいと思いますが、やはり上司と部下のきずなとか信頼関係とかっておっしゃっていますけれども、どうなんですかね。ちょっと違うんじゃないかなと。やはり部下を信頼するんであれば、部下を100%信頼できるか、部下が反対に上司を信頼しているかというところに疑問があるんですよね。だから、そういう面も含めながらやって、失敗を恐れない職場環境。 今の現状やっていることっていうのは、やはり一番最初に誰かがやられたから今の環境、今の制度っていうのがあるわけですよね。だから、それをしっかりと、一番最初にやることを恐れずに、先ほどの一番最初の質問にも関係があると思いますけれども、そういうことをしっかりとやりながら、上司は上司としての誇りと自信を持って、部下の模範となる上司を目指していただきたいと思っておりますけれども、その実現に向けどのような取り組みで努力を行うのか、そういうことに関してお伺いしたいと思います。
◎総務部長(大下一弘) 取り組みについてのお尋ねでございますけれども、まず新たな提案ができる職員を育成するために、先進先端事例研究を初めとした各種研修に参加させ、知識の習得や他都市の職員との交流をすることによって、夢のある新たな提案ができる素養の育成に取り組んでおります。 次に、上司と部下のきずな、信頼関係の構築につきましては、人事考課制度として目標管理と情報共有の推進をいたしております。これは年度当初に、職員が課題や新しい提案に挑戦する目標を上司と部下とが面談をして設定し、それを組織で共有し、グループリーダーや管理職がサポートしながら目標を実現していくことで職員の育成を図り、個々の職員の目標と組織全体の業務目標を達成させるものでございます。 このような取り組みによりまして、職場環境の整備に努めているところでございます。
◆23番(
神田隆彦議員) わかりました。10年後、20年後も呉市が発展していくためには、先ほどもおっしゃっていましたけれども、市役所が変わっていかないと何も変わらないと思います。そのために、くどいようですが、失敗を恐れない職場環境の構築が必要であると考えております。呉市のさらなる発展のために頑張っていただきたいと思います。 全国には現在1,700余りの市町村があります。呉市は来年4月に全国で46番目の中核市となります。市職員はこの意義をしっかりと理解をしていただき、呉市の職員であるというプライドと、呉市民を支えていくという気概を持っていただきたい。人口減、
少子高齢化社会にあっても、地域を活性化し、経済を持続可能なものとし、市民が安心して暮らしを営んでいけるよう、課題に果敢に取り組む職員となっていただきたいと思います。 先ほども質問の中で申しました。市立呉高等学校に体育科の新設という提案をいたしました。我々議員は、呉市のために日々いろいろなアイデアをめぐらせております。当局においては、すぐに実行可能か不可能かは別として、大きな夢のあるアイデアをぜひ議会に提案していただきたいと思いまして、その点をしっかりとお願いをして、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(石崎元成) 以上で神田議員の一般質問を終わります。 午後1時まで休憩いたします。 午前11時47分 休 憩 ────────────────────────────── 午後1時00分 再 開
○議長(石崎元成) 会議を再開いたします。 ──────────────────────────────
△日程第3
田中みわ子議員の一般質問
○議長(石崎元成) 日程第3、田中議員の一般質問を議題といたします。 13番田中議員。 〔13番
田中みわ子議員登壇、拍手〕
◆13番(
田中みわ子議員) 皆さんこんにちは。 仁友会を代表いたしまして一般質問させていただきます。 先日の議会報告会で、議員は市民の代表であり、市民の思いを呉市に伝え、市政に反映させていくという役割を担っているということで市民との話し合いをいたしました。私も、住んでいる人が幸せを感じる
まちづくりのために、皆さんの思いを伝えていこうと思います。何分にも初めての登壇でございます。上がっております。優しい気持ちで受けとめていただき、当局のお答えをいただきたいと思います。 きょうは未来を担う人づくりと、それから過疎化の著しい島嶼部の
未来づくり、それから若者が住みたいと思う
まちづくりの三つについてお伺いしたいと思います。 まず、未来を担う人づくりの基本となる子どもの教育についてお願いいたします。 長期総合計画では、将来都市像を『「絆」と「活力」を創造する都市・くれ』と定め、平成33年までの10年間、ちょうど今年度末で折り返しの前期5年ということになると思います。その三つの重点戦略の一つに人づくりを位置づけ、未来を担う人材育成のための重点プロジェクトを推進していただいておりますことに大きな期待を寄せております。 今回は、この重点戦略に掲げる人づくりに関し、教育に焦点を当て、私自身が教員として過ごす中で常々感じていたことを質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 子どもに対する教育は、未来を担う人づくりの基本であります。学力の向上はもちろんのことですが、特に人を大切にすること、道徳観を育むことは大変重要なことであると感じております。生まれつき備わっていない子どもの道徳観を養い育てていくことは、これまで親が担ってまいりました。しかしながら、高度経済成長期以降、我が国では核家族化や
少子高齢化、働き方の多様化が進む中、家族の形態は変化してきております。これは呉市においても例外ではありません。 こういった状況の中で、現在の子どもたちについて考えてみますと、食事であったり、睡眠、挨拶といった基本的な生活習慣が身についていない場合があると思います。親が親として本来果たすべき役割と責任はあると思いますが、親だけでは十分に担うことができないさまざまな要因もあると考えます。 そこで、未来を担う人を大切にする豊かな心を持った子どもを育てるために、お手本となるべき私たち大人世代は何をすべきであるか、市長のお考えをお聞かせください。 これ以降は質問席で質問させていただきます。 〔13番
田中みわ子議員降壇、質問席へ移動〕
○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。
◎市長(小村和年) 大変大きな御質問であります。未来を担う人づくりについて、特に家庭、親が果たすべき役割という視点から、市長の考えを、思いをということでありますので、これは私見も入ると思いますけれども、私も3人の子どもを育てました。そして、若い30歳ぐらいのときからずっと学生たちの世話をしてまいった、そんな経験も踏まえて申し上げさせていただきたいと思います。 私は、そもそも教育というものは家庭の教育も学校の教育も社会の教育もそうでありますけれども、教育の最大の目的、目標というのは、社会、動物の場合は自然界の中で、自立ができる気概と能力を身につけさせる、これが基本中の基本だと思っております。その上に立って初めて国際化対応でありますとか、ずっと以前森内閣のころはITだ、ITだということで言われました。でも、そういうのはそういった基本的な自立のできる気概と能力、その上に立つものだと思っております。 私は、「ダーウィンが来た!」っていうああいう動物番組は好きでよく見るんですけれども、子どもが生まれながらにして餌をとるとか、鳥が飛べるとか、あるいはイルカが泳げるとか、そういうものはないわけですね。それを身につけさせるために餌をとる、あるいはそうやって自然界で自立ができる能力を身につけさせるために、親が本当に根気よく導いておりますし、またこの次は自立をすべきときが来たら、物すごく厳しく子どもを突き放して、もうそれ以上面倒見ないという、これで自立ができなかったらほかの動物に食べられる、こういう営みは本当に教えられるところが大きいなと思いながら見ております。 そこで、我々人の親として、あるいは大人、人生の先輩として、未来を担う子どもたちを育てるために何ができるか、何をすべきかということであります。これも私見が入ると思いますけれども、まず私は、基本的な人間観として持っておかなきゃいけないと思いますことは、人間は生まれたときから性格、能力、そしてその人が持っておる運がみんな異なるということであります。本当に性格は違いますし、3人の子ども、私もみんな違う、能力も全く違う、そういうことであります。 ピーター・ドラッカーという人、これは世界のビジネスリーダーを育てる、経営者を育てるということで、20世紀において最も力を尽くした、発揮した人でありますけれども、あのビジネススクール、世界中から秀才が集まってきます。そこでどんな能力でも身につけさせることはできるけれども、経営者として一番大切な不可欠な要素である人間の品性は、ここでは育てられない。生まれつきだ、生まれつきといいますか、そんな意味のことを、これだけはどうにもならんということをおっしゃっていますけれども、こういう趣旨のことを私も読んだことがあります。これは本当に子どもを育てたり、あるいは長く学生たちを見ておる、あるいは同級生も卒業して50年です。その姿をずっと見ておってつくづくと実感をするところでありますけれども、それを前提に親が家庭において具体的にやらなきゃいけないこと、そして他人に託さなきゃいけないことがある、そんなふうに思っております。 この出典はちょっとよくわかりません、私も先輩から教えていただいた言葉ですけれども、親が子どもにしてやれることは三分の飢寒──30%の飢えあるいは寒さですね──と最高の教育だという言葉があります。欲しいだけ与えるんじゃないと、少し足りないぐらいで我慢をさせて工夫をさせる。 そして、その子に合った最高の教育というのは、いわゆるよい学校へ入れる、そんなばかなことじゃないんだと。資質を開花させるために専門の学校へ行かせる、あるいは大工の棟梁に弟子入りさせるとか、ゴルフのうまい子は中学校卒業してプロゴルファーになる、あるいは相撲の部屋へ入るっていう子がたくさんいますけれども、そういったことを施してやるということだと思いますけれども、私もそういう思いで子どもを育ててきました。 食べるものであるとか着るものであるとか、こういうものは少し我慢をさせる。そして、やりたいということ、習いたいということは、多少家計に無理をしてもみんなやらせました。ほとんど物になっているというものはありませんけれども、発達段階に応じて自発的に湧いてくる夢だとか希望だとか、こういうものは私はその子どもの発育を、その心身の発育を助ける、そんなふうに思っております。 そういう中で、親でなきゃできないことというのは、いつも皆さんおっしゃいますけれども、子どもにしつけをするということであろうかと思います。幼いころ、これは一つ、二つ、三つ、つがつく期間にやらないと、この期間というのは子どもが何でも親のまねをしたがる。電話でも何でも親そっくりという光景をよく見ますけれども、この期間にしつけを完了しないと、自我が出てからではもう遅いんだ、もう素直に身につかなくなるということを、森信三先生という国民教育の父と言われた先生がおっしゃっております。 そして、しつけの基本は三つだとおっしゃっております。第1は、朝、おはようございますという挨拶をする子にする。そのためには親のほうから誘い水を出しなさい、親のほうからおはようという声をかけてやりなさい、これが一つですね。二つ目は、呼ばれたら「はい」という返事を、「はい」とはっきり返事ができる子どもにする。そのために母親というのは、主人に呼ばれたら何があっても「はい」という返事をしなさい、こんな指導をしております。三つ目が、席を立ったら必ず椅子を机、テーブルの下にちゃんと入れる、履物を脱いだらきちんとそろえる、そういうことをおっしゃっています。 この三つの基本動作というのは、これは心のあり方を規定する。履物をきちっとそろえる、椅子をきちっと入れるということでもののけじめをつけるという、自然にそういった心のあり方を規定をする。いろいろ詳しいことは申しませんけれども、私はこれらにいただきます、ごちそうさま、こういうものを入れたらいいんじゃないかと思ってやってまいりました。 これは大人が、特に親とか先生が手本を見せることによって、子どもたちの基本動作として定着をするということであれば、子どもが成長して自立をして、社会の中で仕事をし、生活する上で基本的な心構えをつくるし、また社会生活を円滑にする力をつけることにつながるんではないかと、そんなふうに思っております。 私は、具体的な教育の内容については一切口を挟みませんけれども、こういうことについてはぜひとも、今おっしゃったように家庭の教育力といいますか、親が、我々団塊の世代が十分に育ててないところもありますけれども、そこは難しい家庭がふえているので、学校の特に低学年でこれを実施してくれということで、子どもたちが大きな声で返事をするという光景が大分定着をしてまいりました。 そのためには、先生がとにかく「はい」という返事をしてくれと、これは大人になってからは不可能なんで、難しいんで、先生はそれを意識してそれをやってくれということで進めております。しかし、ここからが結論でありますけれども、だからといって子ども、人間は、こういうしつけをしたりこういう教育をしたからこんな人間になる、これを施せばこんな人間になるという単純なものじゃない、つくづくそう思います。生まれ持ったもの、あるいはその子が持っている運命といいますか運勢、もうここから先は神様の領域だという言葉がありますけれど、そんなふうに思います。 基本的な動作、基本的な社会のルールは、社会の共通したものとして身につけさせなきゃいけませんけれども、本当に松は松、杉は杉、梅は梅として成長するように、素直に成長するように応援をしていくということしかできないんじゃないか、そんなふうに思っております。これを長い間、日本の教育の中では、ヒノキが高く売れるからみんなヒノキに育てようという雰囲気がありました。我々が子どものときを考えてみても、国公立大学何人みたいなばかな目標を立てて、子どもの尻をたたくという、これはこれで一つの方向、頑張る目標ですけれども、そういうものじゃない。その子の個性が生きる、資質が生きる、そんな指導といいますか、そういう思いを大人が持ってやらなきゃいけないんじゃないか、そうした上で大きな愛情をかけていくというのが、私は大人の役割じゃないかと、そんなふうに思っております。
◆13番(
田中みわ子議員) すごく詳しく、また深い御意見だったと思います。子どもの挨拶、返事、それから椅子を片づけるとか、そういう小さなことを積み重ねることは大切である、それは親が小さいときにしつけなければならないけれども、私たち大人世代は、未来を救うのは子どもであるということもその中にあったと思います。これからも子どもの教育の推進を図っていただきたいと思います。ありがとうございました。 続いて、
小中一貫教育を通じた人づくりについてお伺いいたします。 呉市では全国に先駆けて、平成12年から
小中一貫教育の研究をスタートさせ、平成19年からは全ての小中学校においてこの
小中一貫教育に取り組まれ、その取り組みは全国的にも高く評価されております。この取り組みが国を動かし、今年6月には義務教育学校を名称とする小中一貫校を制度化する改正学校教育法が成立したと聞いております。 また、
小中一貫教育の目的は、子どもたちの自尊感情の育成と、中1ギャップの解消であるとも聞いております。 私も以前、小学生が中学1年生になったときに暴力行為やいじめ、不登校が大幅に増加するなど、新しい環境での生活や学習不適応を起こす、いわゆる中1ギャップについては課題意識を持っておりました。しかしながら私は、この中1ギャップについては、社会に出ればそういう状況はあるのだから、克服させるためにも、その中1ギャップはあってもいいのではないかと思うときもありました。 しかしながら、現在の親や子どものいじめのありようが変わっていることを保護者や同僚教員に聞かされました。それを聞いて、今はいじめなどの課題を解決し、呉市の将来を担う子どもたちの豊かな心を育んでいくために、小学校と中学校の段差に入るし、安心して中学校に入学できる
小中一貫教育は極めて効果的な手段であると考えております。 呉市では、
小中一貫教育の本格実施から今年度で9年目を迎えます。その間、いじめや不登校の解決に向けて、学校現場ではどのような対応をされてきたのか、またどのような成果があったのかお伺いしたいと思います。お願いします。
◎教育部長(寺本有伸)
小中一貫教育の本格実施から、いじめや不登校の解決に向けて、学校での対応と成果についてのお尋ねでございます。
小中一貫教育におけるいじめや不登校の解決に向けた基本的な考え方でございますが、まず子どもたちにしっかりと自身を持たせ、自分をかけがえのない存在、価値ある存在として捉える気持ち、すなわち自尊感情を育成する教育を行うことが重要であると考えております。 この自尊感情を育成するため、呉市立の全ての学校では教職員が児童生徒を笑顔で褒めて育てることを徹底するとともに、小学生と中学生がかかわり合う異学年交流や小中合同行事を実施し、小学生が中学生に憧れの気持ちを抱いたり、中学生が小学生からの感謝の言葉を受けたりする体験を大切にしております。 また、呉市立の全ての学校にいじめ撲滅プロジェクトチームを設置して、年2回、いじめ撲滅キャンペーンを実施したり、小学校と中学校の教職員が情報を共有した上で、丁寧な教育相談活動を実施するなどして、いじめや不登校の未然防止を図っております。 こうした取り組みにより、学校に行くのが楽しい、自分にはよいところがあると感じる児童生徒が増加するなど自尊感情が向上し、いじめの認知件数や不登校児童生徒数も減少しております。
◆13番(
田中みわ子議員) ありがとうございました。取り組みについてよくわかりました。また、いじめや不登校が減少してきて安心いたしました。しかしながら私は先日、卒業生から、四、五十年たった卒業生なんですけれども、自分が高校のとき学校へ行かなかったのは、いじめに遭っていたからだと聞かされました。済まなかったと思うと同時にぞっとして、もう自分がどうしていいかわからなくなりました。 教育は限りないものです。限りがないのです。いじめゼロに向かって、今後とも学校教育を推し進めてほしいと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、地域の教育力を活用した人づくりについてお伺いいたします。 近年、地域の教育力の低下が叫ばれています。私が子どものころは、近所に怖いおじさんやおばさんがいて、また優しいおじさんやおばさんもいて、怒られたり褒められたりしながらさまざまなことを教えてもらいました。また、行事等で祭りや清掃活動、それに参加する中で、お兄ちゃんやお姉ちゃん、そして自分より下の妹や弟に値する仲間と交流し、育てられてきたと思います。 しかしながら、現在生活環境の変化や少子化に伴って、地域の行事等を通した人とのつながりが希薄になっていると感じています。だからこそ、地域の教育力を積極的に学校に取り入れることが欠かせないのではないでしょうか。 私は、地域の教育力とは、地域が受け継いできた歴史や伝統、また地域を支える文化、産業そのものであり、それが生きる力を育むものであると考えています。将来を担う子どもたちに地域への愛着を深めさせるためにも、これらのことを伝えていくことは欠かせないと思います。 現在呉市では、子ども、教職員、学校、家庭、地域などがともに力を合わせて教育活動に取り組み、ふるさとを誇る教育や未来に向かって協働する教育を推進していると聞いております。教育委員会が掲げる「協働」の具体的な中身と、地域の特色を生かした教育がどのように行われているのかお伺いします。お願いいたします。
◎教育長(工田隆) 教育委員会では、今御紹介いただきましたが、今年度「協働」をキーワードに掲げて、全ての学校で教育活動を推進しております。このことは、郷土、私たちの住むこのまち呉を愛して、郷土に誇りを持てる呉の子どもたちを育てるということを狙いとして、子ども同士あるいは教職員同士、子どもと教職員同士、あるいは学校間、小中学校、高等学校とのつながり、あるいは学校と家庭、地域とのつながりをより一層深めていくことによって、お互いが目標を共有して、ともに力を合わせて教育活動に取り組むということでございます。 お尋ねのそれぞれの地域の特色を生かした協働による取り組みについてでございますが、紹介できますのはほんの一部でございますけれど、例えば地域の方をゲストティーチャーとして招いて、音戸地域では音戸の舟唄であるとか、昭和地域では郷土料理「八寸」のつくり方を一緒に教えてもらうだとか、郷原地区での郷原音頭であるとか、こうした地域の民謡であったり、あるいは伝統的に引き継がれている文化などをともに学んで、学校の教育活動に生かしております。 また、地域の諸行事にも子どもたちが積極的に参加をするように促しています。例えば毎年夏に梶ケ浜でビーチフェスティバルなどが行われますが、この際には子どもたちが学校で練習を積み重ねた和太鼓の演奏を披露したり、あるいは野呂山の山開きでは、その会場設営などのボランティアに参加したり、あるいは市内各地域で催される成人式での吹奏楽部の演奏など、地域に貢献する活動というのも大切にしています。 さらに、地域と連携協力しながら合同で行っている清掃活動、あるいは合同防災訓練なども実施をいたしております。 紹介したのはほんの一部でございますけれど、どの学校でも何らかの地域との協働の活動を行っております。 加えて、先ほどいじめの問題も取り上げられましたけれど、全校共通の取り組みとしては、市内の全小中学校では、いじめをなくすための撲滅プロジェクトチームというのをつくっておりますが、この構成員には必ず地域の方も位置づけて、このいじめ撲滅に向けた取り組みを一緒になって進めたりもしております。 こうした子どもたちはこれらの活動を通して、改めて自分たちの暮らす地域のよさに触れて、その地域に対する愛着が深まってきているように感じているところでございます。
◆13番(
田中みわ子議員) 私は蒲刈に住んでいるんですけれど、この前、蒲刈小中学校の合同発表会へ行かせていただきました。今お答えいただいた回答かなと思いましたけれども、子どもたちが親の仕事場、仕事をしている姿を見て、父親が好きになって、漁師になるんだと。それからまた、同窓会という劇をつくって、ふるさとに帰ってこようという劇もされていました。 これからも世代を超えて、子どもは宝ですから、住民と連携協力して、地域の宝である子どもたちの育成にみんなでかかわり合い、さまざまな活動に取り組んでいっていただきたいと思います。 次に、二つ目の項目に入るのですけれども、私が住んでいる島嶼部の
未来づくりについて質問いたします。 住みやすい島嶼部のあり方ということで、8年目を迎えた意見交換会が11月15日でしたか、100名余りの島民が集まって行いました。その中で話されたことをもとに、過疎化の著しい島嶼部の
未来づくりについて質問いたします。 1市8町が合併して10年経過いたしました。この間、特に島嶼部においては、高齢者のバス優待制度や安芸灘大橋の通行券の助成などの施策によって利便性が高まってきました。私は島で生まれましたが、家庭の事情で広に30年余り住んでいました。そのとき、安芸灘大橋ができたときに、何と便利になったのかと大喜びしたことを思い出します。 しかしながら、定年後、生まれ育った島に帰ってまいりました。そこで生活してみると、急速な人口減少、
少子高齢化に伴うさまざまな問題が生じておりました。その一つが、教育費に関する負担です。 島嶼部には高校がなく、島外の高校に通うことを余儀なくされていますが、島嶼部から市内に高校で通う場合、通学費は子ども2人がいる世帯では毎月、ちょうど中間点、大浦というところですけれど、4万円程度の自己負担が必要です。また、中学校のスポーツ大会においても、親が頻繁に送迎しなければならず、かなりの費用負担となっております。 これはほんの一例として紹介させていただきましたが、島嶼部に住む住民にとっては大きな負担であり、それが原因で旧市内に移ったり、それから市外に移ったりする。そうして転居することによって、人口減少につながっております。 本日は、この件については、他の遠距離通学の子どもの状況もありますので答弁は求めませんが、このような実態があることもしっかり認識していただき、今後島嶼部の子どもの
未来づくりのためにも施策の展開を図っていただきたいと思います。 さて、このように同じようなことが働く世代にあります。生活にかかわる大きな課題として質問させていただきます。 島嶼部で生活していても、働く場は限られており、多くの方は職場が本土にあるというのが実情です。その際に問題となるのが、安芸灘大橋の通行料金で、特に通勤で毎日の往復となると、家計にとってもそれなりの負担となります。働いても給料全額が収入とはなりません。今後、島嶼部での生活の維持や地域の活性化のためには、そこで暮らしておられる方々の所得の維持や負担の軽減が必要であると考えております。 安芸灘大橋の通行料金の負担軽減策について、市にお考えがあればお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
◎都市部長(盛池尚教) 安芸灘大橋の通行料金についてのお尋ねでございます。 安芸灘大橋につきましては、広島県と広島県道路公社において建設され、一部有料道路事業が導入されたことから、その償還が平成42年1月まで残っております。そのような状況のもとで、広島県道路公社におかれましては、島嶼部の皆様を初めとする利用者の負担軽減とさらなる利用促進を目的として、平成26年4月から100回回数券について大幅な割引料金への改定を行ったところでございます。 本市といたしましても、島嶼部の皆様の負担軽減のためには、安芸灘大橋の一刻も早い償還に向け利用促進を図ること、これが最善の策と考えております。具体的には、現在安芸灘とびしま海道におきまして開催されておりますイベントや行事等につきましては、今後とも支援を継続してまいります。 また、今年度新たな利用促進策といたしまして、呉市と今治市の関係課が県境を越えて連携し、呉市の安芸灘とびしま海道から今治市大三島のしまなみ海道に至る広域的なルート、これは一部フェリーを使ってのルートでございますが、これを周知する内容のパンフレットを作成しているところでございます。 こうした取り組みによりまして、広島市や今治市など広域的にこの地域の回遊性や魅力を発信することで、新たな来島者の増加を図り、利用促進につなげてまいります。
◆13番(
田中みわ子議員) 今お伺いしましたが、安芸灘大橋の通行料金の軽減については、債務の償還という大きな課題があると、それは理解しておりますが、一方でこの地域で生活しておられる方々にとっては相当の負担となっております。いろいろな施策をしていただいておりますが、そのことも地域の活力低下につながりかねないと思いますので、今後ともそれを御理解いただき、負担軽減に向けて検討していただきたいと思います。 続きまして、島嶼部への観光客のさらなる誘客についてお尋ねします。 ことし4月に
大和ミュージアムが開館10年を迎えて、5月に1,000万人を超えるなど好調に推移しておりますが、午前中からも、それから先日も皆様が言っておられましたようにその観光客の多くが、他のところへ、特に島嶼部へも周遊することなく、広島市や宮島などに流れているように思います。 私は、島嶼部の活性化には交流人口の拡大が不可欠であると考えています。そのためには、これまでにも増してより多くの観光客の方に島に来ていただき、楽しんでいただくことが大切であると考えておりますが、近年島嶼部への入り込み観光客数は伸び悩んでいるのが現状です。 これまでも島めぐりクルーズ船の運航や御手洗休憩所の整備など、島嶼部の観光資源の魅力アップ等、それから情報発信に取り組んでいただいております。また、呉とびしまマラソンやオレンジライドなどの全国規模の大会も開催していることで、安芸灘4島の多島美を紹介しておりますし、さらに島内で1,000円以上の買い物された方は、安芸灘大橋の片道通行券を交付したりするなど、ハード、ソフト両面でさまざまな取り組みをしていただいて、一定の効果が上がっているものと評価はしております。 しかしながら、依然として島嶼部の観光資源の認知度は低いと思いますし、安芸灘大橋の通行助成制度を知らなかったという観光客の声を聞くことがたびたびあります。まだまだ島嶼部の魅力の発信が足らないのではないかと私は感じております。 そこで、島嶼部への観光客のさらなる誘客のため、積極的な情報発信とさらなる観光施設の魅力アップが私は必要であると思いますが、呉市として今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。お願いいたします。
◎産業部長(種村隆) 島嶼部、特に安芸灘地域におけます観光振興策、特に情報発信の現状からお答えさせていただきます。 御案内とは思いますけれども、山陽自動車道の小谷、それから宮島の各サービスエリアのほうで観光パンフレットの常設配備を、それから本年8月には全日空の機内誌のほうで安芸灘エリアのタイアップ記事を掲載しておるところでございます。そのほか、東広島・呉自動車道を阿賀方面におりていただきますと案内板を設置しております。本年10月でございますけれども、阿賀インターチェンジ出口近くの2カ所に安芸灘地域への誘導案内板を設置しております。加えまして、マラソンあるいはウオーキング等イベント参加者がお越しになりますと、その場でリアルタイムに魅力を紹介するなど、県内外へのPRも努めておるところでございます。 次に、今後の情報発信、議員のほうからしっかりともう少し情報発信あるいは施設の魅力向上ということで御質問いただきましたので、今考えております、あるいはもう検討しております事業について、幾つか御紹介させていただければと存じます。 市政だよりを活用いたしまして、安芸灘地域の魅力、それから安芸灘大橋通行助成制度の特集の記事、こうしたものを掲載して、まずもって市民の皆様にお知らせをしたいと考えております。あわせまして、今年度も実施しておりますけれども、県、それから周辺市と連携をとりまして、地域のPRあるいは呉海自カレー提供店舗の拡大にも取り組んでまいります。 そのほか県民の浜など市内3カ所の公的宿泊施設の相互意見交換、蒲刈町内にございますであいの館や恵みの丘など集客施設間、こうしたものの横の連携強化などを図り、加えまして先ほど都市部長からも答弁がございました関前を含めた広域のそうしたものとも連携しながら魅力発信を努め、さらなる観光客の誘客を目指してまいりたいと。 こういったように、先ほど申し上げましたように個々具体的な事業展開を検討し、できるものから実施してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、当該地域は観光客を誘客できるポテンシャルの高いエリアでもございます。今後も積極的な情報発信、加えまして魅力の向上に取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
◆13番(
田中みわ子議員) さまざまな取り組みをしていただきましたことはよくわかりました。しかし、さまざまな観光アピールに努めていただいておりますが、呉市の島嶼部は島ごと今CCRC状態、高齢者のシティー状態でありますので、これからも魅力の発信に力を注いでいただき、誘客をよろしくお願いしたいと思います。 3番目に入りたいと思います。質問が4項目あるので、早口で言ったりしてわからないこともあると思いますが、よろしくお願いいたします。 さて、3項目めの若者が住みたいと思う
まちづくりに向けて、私は少子化が続く呉市では、若者が住みたい、住み続けたいと思う
まちづくりが必要であると考えています。そのうちの不妊治療に対する支援についてお伺いしたいと思います。 近年晩婚化が進む中で、子どもが欲しいと思いながら授からなかったり、不妊症かもしれないと悩んでいる御夫婦は少なくないと思います。この方々にとって、不妊治療は希望の光です。以前なら妊娠が難しかった御夫婦にとっても、子どもを授かる可能性が大きく広がっております。 一方で、不妊治療は治療費が高額な上、時間を要することも多く、精神的にも経済的にも夫婦に負担がかかるのも事実です。中でも、体外受精などより高度な医療が必要な特定不妊治療については医療保険が適用されず、治療を受ける御夫婦の方々は高額な治療費負担を余儀なくされております。 国は、平成16年度に特定不妊治療の助成制度を創設し、県、政令市、中核市が実施主体となって助成を行っております。呉市は来年度に向けて中核市への移行準備を進めており、この助成制度についても県から本市に移管されると聞いております。また、以前不妊治療に関する質問に対して、この助成制度に加え、市独自の支援を検討しているとの答弁をされました。 特定不妊治療の平均的な治療費を考えた場合、国の助成制度のみでは十分とは言えず、県内でも独自の支援制度を創設している市町もあると聞いておりますが、呉市はこの点について今後どのような対応をしていこうと考えておられるのか、お伺いします。
◎
福祉保健部長(濱田俊文) 不妊治療についてのお尋ねでございます。 議員仰せのように、子どもを産み育てたい、子どもは自分たちや家族の未来であるという思いを持っていらっしゃるにもかかわらず、不妊に悩む御夫婦が増加している状況がございます。そうした子どもを希望している御夫婦にとって、不妊治療は最後の一筋の光明であり、精神的な支えになっているものと考えております。 現在我が国では、小学校の1クラスに1人は体外受精などの特定不妊治療により出生していると言われており、不妊治療は非常に重要な役割を果たしているものと考えております。 現在国では、一億総活躍社会に向けた緊急対策案といたしまして、2020年代半ばに
希望出生率1.8を実現するため、2015年度補正予算案を編成する方針を固めており、その中に不妊治療への助成を拡充する動きもございます。 こうしたことから、今後も国の動きも十分注視しながら、不妊に悩む御夫婦が安心して治療に取り組めるよう、本市でもより効果的な補助制度を検討していきたいと考えております。
◆13番(
田中みわ子議員) ありがとうございました。市独自の補助制度を検討しているということなので、安心いたしました。ぜひとも行政の温かい手を差し伸べていただきたいと思います。 続きまして、
放課後児童会の充実についてお尋ねいたします。 我が国では
少子高齢化が進行する中、女性の社会進出に伴う共働き家庭の増加や働く環境の多様化によって、子育てをめぐる環境は大きく変化しております。 こうした状況の中で、国においては平成24年に子ども・子育て関連3法が制定され、呉市も平成27年4月から新たに子ども・
子育て支援事業計画がスタートしたものと理解しています。ここでは、地域で子どもと子育て家庭を支える支援があり、子どもの居場所づくりや各種体験活動の推進が重点施策とされています。 私は、学童期の子どもたちが安全に過ごすためにも、放課後児童健全育成事業としての
放課後児童会の充実が必要であると考えております。
放課後児童会の足りない部分をファミリー・サポート・センター事業で補充している事例もあるように聞いていますが、このファミリー・サポート・センター事業が利用者や提供者にとって利用しやすい制度になっているのかどうか、お伺いしたいと思います。
◎
福祉保健部長(濱田俊文) ファミリー・サポート・センター事業の運用についてでございますが、御案内のとおりファミリー・サポート・センター事業は子育ての援助を受けたい人、依頼会員、また援助を行いたい人、提供会員でございますが、この方々がお互いに子育てを行う相互援助活動の会員組織でございます。 現在の利用状況を見てまいりますと、学童の登校前の預かりでありますとか、
放課後児童会への迎え及び帰宅後の預かりといった、
放課後児童会で過ごす時間帯の前後で利用されていらっしゃる方がふえてまいっております。 しかしながら、地域によりましては、この依頼会員に対し提供会員の登録人数が極端に少ないといった偏りが生じている地域もございます。そうしたことで、一部の提供会員に過度の依頼が集中したり、また支援を受けたくても近くに提供会員がいなくて支援が受けられないといった実情もございます。 このため、現在提供会員が少ない地域におきまして、提供会員の増強を図るため、PTA連合会や老人クラブあるいは女性会などの各種団体を通じて、提供会員になっていただくようお願いをしているところでございます。
◆13番(
田中みわ子議員) 今、各地域においてもファミリー・サポート・センター事業を利用できる状態にあるということはわかりました。 それでは次に、公設児童会についてお伺いいたします。 夏休みなどの長期休暇中の公設児童会は、8時30分からの開始となっておりますが、共働きやひとり親の家庭では、出勤時間の関係で子どもより早く家を出なければなりません。子どもだけでの児童会への通所には心配が尽きません。何らかの対策が必要ではないかと思いますが、考えをお伺いいたします。
◎
福祉保健部長(濱田俊文) 放課後児童クラブの開設時間についてのお尋ねでございますが、この
放課後児童会の運営指針につきましては、国によりまして開所時間は、学校休業日で1日8時間以上の開設という形になっております。現在、呉市の
放課後児童会の開設時間は午前8時30分から午後5時30分までで、30分延長利用が可能となりますので、午後6時まで、最大9時間半の開設時間となっているところでございます。 議員お尋ねの開設時間につきましては、現在は市内小学校の始業時間を鑑み午前8時30分の開設といたしておりますけれども、この開設時間の前倒しにつきましては、人員配置や運営費も影響していることが考えられますので、今後保護者の皆様の声もお聞きしながら、運営体制について研究をしてまいりたいと考えております。
◆13番(
田中みわ子議員) 子どもだけでの通所の不安はあると思いますので、引き続き開始時間について配慮していただくよう、強く要望いたします。 続いて、3番目の住まいに対する支援についてでございますが、
子育て世代の定着には、生活の基盤となる住まいへの支援も必要だと思います。坂町では
子育て世代向けの公的住宅を整備し、経済的な負担が大きい
子育て世代への支援を充実させており、このことが
子育て世代の人口増加の要因の一つになっていると聞いています。 呉市においても
子育て世代の定着とにぎわいづくりをつくるため、思い切った施策を講じるべきだと考えますが、御所見お願いいたします。
◎都市部長(盛池尚教)
子育て世代に対する住まいの支援策についてお答えいたします。 坂町の平成ヶ浜住宅では、広島県と坂町が共同でPFI事業によりまして、申込資格を5歳以下の子どもを有する世帯に限定した
子育て支援住宅を整備し、
子育て世代の町内定着やUターンの促進が図られたと伺っております。 議員御指摘の若者が住みたいと思う
まちづくりにおいて、
子育て世代の住まいに対する支援の充実は大変重要なものであると認識をしております。このため、現時点では具体的な計画はございませんが、将来市営住宅の建てかえ等を行う際には、PFI等の民間活力を活用する手法や、
子育て世代向けの住戸の整備について研究をしてまいりたいと考えております。 一方、こうしたハードの整備には大きな費用と時間を要するものでもございますので、ソフト事業による住まいの支援策も重要であると考えております。国におきましては、子育てしやすい環境づくりを進めるため、自宅を3世代同居のために住宅改修を行った場合、改修費用の一定割合を所得税から差し引く制度の導入などを検討しております。 本市といたしましても、こうした国の動向などを注視するとともに、呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略の柱の一つとなる暮らしやすさの向上に向けて、新たな
子育て世代への住まいの支援策をしっかり検討してまいります。
◆13番(
田中みわ子議員) 将来的に
子育て世代に対する住まいの支援策について考えていくという答弁でありましたので、期待しております。よろしくお願いいたします。 最後に、女性の活躍を応援する企業の誘致についてお尋ねします。 今までは環境整備について、女性が子育てと仕事を両立できることについて質問してまいりましたが、住みたいと思う
まちづくりに向けては、働く場所、女性が就業しやすく活躍できる企業がふえることが望まれると思います。 女性の活躍する企業の一例になりますけれども、15人のトラックドライバー、トラガールというそうですが、活躍する運送会社が坂町にございました。先般そこに行ってまいりましたが、業界内でも指折りの女性ドライバー数で、会社の活力にもつながっておりますし、職場の雰囲気も和やかになっていると伺っております。託児所の設置も考えておられました。 つきましては、呉市においても女性が住みたいと思う
まちづくりに向けて、女性が就業しやすく活躍できる企業を積極的に誘致してはいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
◎産業部長(種村隆) 女性あるいは高齢者の就業や活躍が進みましたら、企業としては新たな活力を創出でき、今後の人口減少で不足する労働力を担うなどの効果が期待できるところでございます。そのため、国では本年9月に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律を施行いたしまして、301人以上の労働者を雇用する事業主に対して、自社の女性の活躍状況の把握や女性の活躍推進に向けた行動計画の策定等を義務づけております。 一方、広島県でも女性の働きやすさ日本一を目指し、経済団体、労働団体、そして県内20市町で構成いたします働く女性応援隊ひろしま、こうしたものを昨年4月に結成し、女性の活躍促進シンポジウムや仕事と家庭の両立のための講習会など、普及啓発活動等を実施しております。 こうした中、本市におきましても、既存の企業に対しまして、事業所内託児所新増設など職場環境を改善する資金を融資する制度を設けております。また、
ソフトウエア業等の企業誘致強化に向けて、企業立地助成の拡充を予定するとともに、小売業等の商業施設が増加するよう、本年度から
商業施設等活性化促進事業を開始し、女性が就業しやすい環境整備に取り組んでおります。 今後とも時代にマッチした助成制度の構築を図ることで雇用の拡大につなげ、また女性の就業と活躍も応援しながら、若者が住みたいと思うまちとなるよう取り組んでまいります。
◆13番(
田中みわ子議員) 広報の強化、最後に言っていただきましたが、女性の就業と活躍を応援し、若者が住みたいと思う
まちづくりに取り組んでいただけるものと期待いたします。ありがとうございました。 以上、市民の思いを中心に伝えてまいりましたが、御答弁ありがとうございました。生活している市民が幸せを感じる施策の進展をお願いして、質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(石崎元成) 以上で田中議員の一般質問を終わります。 これをもって各会派代表による一般質問を終わります。 ──────────────────────────────
○議長(石崎元成) 以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後2時00分 散 会 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。 呉市議会議長 石 崎 元 成 呉市議会議員 田 中 みわ子 呉市議会議員 中 原 明 夫...