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03月01日-02号

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  1. 呉市議会 2021-03-01
    03月01日-02号


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    令和 3年第1回 3月定例会       令和3年第1回(定例会) 呉市議会会議録 第2号令和3年3月1日(月曜日)呉市議会議事堂において開議(第2日) 出席議員       1番  上 村  臣 男       2番  阪 井  昌 行       3番  檜 垣  美 良       4番  藤 原    広       5番  奥 田  和 夫       6番  山 上  文 恵       7番  谷 本  誠 一       8番  沖 田  範 彦       9番  土 井  正 純       10番  中 原  明 夫       11番  光 宗    等       12番  山 本  良 二       13番  梶 山  政 孝       14番  谷    惠 介       15番  井手畑  隆 政       16番  藤 本  哲 智       17番  田 中  みわ子       18番  定 森  健次朗       19番  橋 口    晶       20番  岡 崎  源太朗       21番  石 崎  元 成       22番  神 田  隆 彦       23番  渡 辺  一 照       24番  林 田  浩 秋       25番  片 岡  慶 行       26番  岩 原    昇       27番  北 川  一 清       28番  加 藤  忠 二       29番  福 永  高 美       30番  小 田  晃士朗       31番  中 田  光 政       32番  森 本  茂 樹 欠席議員           な    し 説明員  市長       新 原  芳 明  副市長      濱 里    要  理事兼総務部長  阿 原    亨  総務課長     岡 本  茂 宏  企画部長     大 下  正 起  企画部参事    森 下  益 生  財務部長     河 野  隆 司  福祉担当部長兼福祉事務所長           北 村  健 二  子育て担当部長  竹之内    健  環境部長     大 江  宏 夫  産業部長     寺 嶋  文 秀  農林水産担当部長 吉 本  正 秀  理事兼都市部長  近 藤  昭 博  土木部長     北 岡  宏 紹  教育長      寺 本  有 伸  教育部長     坂 田  恭 一  上下水道事業管理者澤 村  直 樹  経営総務部長   道 本  幸 雄 議会事務局職員  事務局長     秦    和 久  事務局次長兼議事課長           小 松  史 洋  議会総務課長   山 根  慶 子  議事課主査    石 本  史 紀      ──────────────────────────────            議  事  日  程 (第 2 号)                         (令和3年3月1日 午前10時開議)第1 委員会提出議案第1号 広島県立呉昭和高等学校の存続を求める意見書第2 議第1号 令和3年度呉市一般会計予算   議第2号 令和3年度呉市国民健康保険事業(事業勘定)特別会計予算   議第3号 令和3年度呉市国民健康保険事業(直診勘定)特別会計予算   議第4号 令和3年度呉市後期高齢者医療事業特別会計予算   議第5号 令和3年度呉市介護保険事業(保険勘定)特別会計予算   議第6号 令和3年度呉市介護保険事業(サービス勘定)特別会計予算   議第7号 令和3年度呉市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算   議第8号 令和3年度呉市公園墓地事業特別会計予算   議第9号 令和3年度呉市地域下水道事業特別会計予算   議第10号 令和3年度呉市集落排水事業特別会計予算   議第11号 令和3年度呉市地方卸売市場事業特別会計予算   議第12号 令和3年度呉市野呂高原ロッジ事業特別会計予算   議第13号 令和3年度呉市駐車場事業特別会計予算   議第14号 令和3年度呉市内陸土地造成事業特別会計予算   議第15号 令和3年度呉市港湾整備事業特別会計予算   議第16号 令和3年度呉市臨海土地造成事業特別会計予算   議第17号 令和3年度呉市財産区事業特別会計予算   議第18号 令和3年度呉市病院事業会計予算   議第19号 令和3年度呉市水道事業会計予算   議第20号 令和3年度呉市工業用水道事業会計予算   議第21号 令和3年度呉市下水道事業会計予算      ──────────────────────────────会議に付した事件 日程のとおり  中田光政議員の予算総体質問  1 令和3年度予算に込めた市長の思いについて  2 都市機能の充実について   (1) 幹線道路の整備の進捗と今後の見込み   (2) 呉駅周辺地域総合開発の具体化   (3) 青山クラブ・桜松館の活用  3 合併建設計画について   (1) 計画期間と進捗状況   (2) 合併特例債の活用    ア 活用可能額    イ 今後の活用方針    ウ 未着手事業   (3) 地域振興基金の活用    ア 活用する際の制約    イ 今後の活用方針  藤原広議員の予算総体質問  1 新年度予算─幸せな呉市のために─について   (1) 予算編成に当たっての基本方針と留意点   (2) 今後の財政見通し  2 家計改善支援事業について   (1) 支援内容と今後の展開   (2) 運営効果と当局の意気込み  3 学校耐震化について   (1) 耐震化率の推移   (2) 当局の思いと意気込み   (3) 耐震化率100%を達成するための校数・棟数   (4) 実施にかかる課題  北川一清議員の予算総体質問  1 「脱炭素社会への認識と戦略」について   (1) 呉市の認識と方向性   (2) 再生可能エネルギーの可能性   (3) 森林資源に対する認識と整備  2 危機管理とリスク管理について   (1) リスクマネジメントの考え方   (2) 人口減少化に対する、まちづくりの方向性   (3) 国土強靱化のインフラ整備   (4) コロナ禍の社会・経済活動  3 学校教育について   (1) 呉市が進めるICT教育とは   (2) リスクマネジメントの考え方  中原明夫議員の予算総体質問  1 新年度予算について   (1) 新型コロナウイルス感染症対策   (2) 中小企業等事業再構築促進事業  2 水道事業の広域連携について   (1) 事業統合によらない連携   (2) 単独経営を行う上での技術者の確保・育成   (3) 防災体制   (4) 上下水道の老朽化施設の更新  渡辺一照議員の予算総体質問  1 誰もが住み続けたい、行ってみたい、人を惹きつけるまち「くれ」の実現に向けて、第5次呉市長期総合計画をつくられたことについて  2 産業分野について   (1) 企業誘致・雇用環境の整備   (2) 地元企業の発展と起業・ベンチャーなどのチャレンジ環境の整備   (3) 観光の振興  3 都市基盤整備やスマートシティを象徴する呉駅前再整備について   (1) スマートシティや都市間交流を考える上での呉駅前整備   (2) 市民の移動の交通拠点としての環境の整備  4 子育て・教育分野について   (1) ICTによる保護者応援とデジタル社会の子供の育成について  小田晃士朗議員の予算総体質問  1 スマートシティの推進に向けて   (1) 都市機能の強化    ア 考え方と必要性    イ 次世代モビリティの現在の取組と今後   (2) 身近なデジタル化・オンライン化    ア 窓口業務におけるタブレット    イ 子育て手続WEB申請化   (3) 今後の進め方について    ア 市民への意識づけ    イ 推進について      ──────────────────────────────             午前10時00分     開   議 ○議長(森本茂樹) これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者として10番中原議員、23番渡辺議員を指名いたします。      ────────────────────────────── ○議長(森本茂樹) 諸般の報告をさせます。 次長兼議事課長。           〔小松史洋議会事務局次長兼議事課長朗読〕                                呉市議会報告第3号               諸  般  の  報  告1 委員会が提出した議案は次のとおりである。   広島県立呉昭和高等学校の存続を求める意見書      ────────────────────────────── △日程第1 委員会提出議案第1号 ○議長(森本茂樹) 日程に入ります。 日程第1、委員会提出議案第1号広島県立呉昭和高等学校の存続を求める意見書を議題といたします。 本件は、お手元に配信しております。             ────────────────                               委員会提出議案第1号                                  発  議  書 次の意見書案を提出する。   広島県立呉昭和高等学校の存続を求める意見書 令和3年3月1日                         提 出 者                          文教企業委員長 田 中 みわ子 呉市議会議長  森 本 茂 樹 様   広島県立呉昭和高等学校の存続を求める意見書 広島県では、生徒数の減少に伴い県立高等学校の再編整備を進めているが、このたび、広島県立呉昭和高等学校(以下「呉昭和高校」という。)の令和4年度からの生徒募集停止を決定し、今後、廃校に向けた手続を行うことが発表された。 呉昭和高校は、開校以来、多くの卒業生を送り出しており、その卒業生はさまざまな場所で活躍し、呉市に大きく貢献しているところである。 広島県議会への報告では、昭和地区の中学校から進学した生徒の割合は、開校当時から比べて大きく減少しているとあるが、令和2年度の入学者63名のうち、41名が昭和地区の中学校から進学した生徒となっており、3分の2を占めている。また、直近は2年連続して定員割れをした事実はなく、昭和地区の生徒が多く在学する呉昭和高校が生徒募集停止となれば、昭和地区に居住する子供たちは、高等学校へ通学するためには公共交通機関を利用しなければならず、ひいては家計の負担も増大することとなる。通学している生徒の中には、家庭の事情から呉昭和高校を選択している生徒もおり、昭和地区唯一の重要な高等学校となっている。 また、呉昭和高校の生徒は、昭和地区で開催されているさまざまな行事への積極的なボランティア活動を行い、平成30年7月豪雨災害の際にも復旧・復興に貢献し、存続を求める声が多数挙がっている。 この呉昭和高校が廃校となることにより、呉市の子供たちの教育を受ける機会と場が失われることはもちろん、地域の衰退を招くことがあってはならない。また、在校生や周辺地域に大きな影響を及ぼすことが予想されながら、事前に呉昭和高校のPTAや地域に対して説明がないまま、このたびの生徒募集停止が発表されたことは誠に遺憾である。また、報道により昭和地区住民は非常に困惑しており、呉昭和高等学校の存続を望む会が中心となり、すでに33,000名を超える署名を集めている。 今後も呉昭和高校は、昭和地区さらには呉市の子供たちにとって必要不可欠な高等学校として存在すべきであり、そして、人材育成や地域の活力を維持する上で重要な高等学校であることは明白であるため、呉昭和高校の存続を強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。                               呉 市 議 会(提 出 先)   広島県知事   広島県教育委員会教育長             ──────────────── ○議長(森本茂樹) 本件の説明を願います。 17番田中議員。               〔17番田中みわ子議員登壇〕 ◆17番(田中みわ子議員) おはようございます。 それでは、広島県立呉昭和高等学校の存続を求める意見書の提案説明を申し上げます。 このたび、広島県は、広島県立呉昭和高等学校、以下、呉昭和高校と呼ばせていただきますが、呉昭和高校の令和4年度からの生徒募集停止を決定し、今後、廃校に向けた手続を行うことを発表いたしました。 呉昭和高校は、在校生の半数は昭和地区の中学校から進学した生徒であり、直近の5年間では2年連続で定員割れをしていませんでした。この昭和地区唯一の高校である呉昭和高校がなくなれば、昭和地区に居住する子供たちは、高校へ通学するために公共交通機関を利用しなければならなくなり、家計の負担も増大してまいります。 また、呉昭和高校の生徒には、昭和地区でのボランティア活動や、平成30年7月の豪雨災害からの復旧・復興においても多大な御協力をいただいております。設立以来、スポーツでは数種目インターハイに出場しており、また、マーチングバンドは全国的にも有名であり、書道では毎年の書道展に入賞するなど、活気にあふれ、地域の方々に愛され、地域の発展とともに歩んできた学びやがなくなることは、地域の活動の衰退にもつながりかねません。 このように大きな影響を及ぼすことが予想されながら、広島県が事前にPTAや地域に対して説明を行わず、生徒募集停止を発表したため、昭和地区の住民は非常に困惑されております。また、呉昭和高等学校の存続を望む会が中心となった署名活動では、既に3万3,000人を超える方々から存続を望む署名を集めていることからも、重要な高校であることは明らかです。 本意見書は、昭和地区、さらには呉市の子供たちにとって必要不可欠な呉昭和高校の存続を強く要望するものです。皆様におかれましては、何とぞ本案に御賛同いただきますようお願い申し上げまして、提案説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○議長(森本茂樹) お諮りいたします。 本件は、申合せにより自後の議事手続を省略して直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(森本茂樹) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定されました。 本件を電子表決システムにより採決いたします。 議席にある表決ボタンが点滅していることを確認してください。 本件は原案のとおり可決することに賛成の方は賛成のボタンを、反対の方は反対のボタンを押してください。             〔賛成・反対者ボタンにより表決〕 ○議長(森本茂樹) ボタンの押し忘れや押し間違いはありませんか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(森本茂樹) なしと認めます。よって、採決を確定いたします。 賛成多数。よって、本件は可決されました。      ────────────────────────────── △日程第2 議第1号外20件 △中田光政議員の予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 日程第2、議第1号令和3年度呉市一般会計予算、外20件を一括して議題といたします。 これより予算総体質問に入ります。 通告者は、お手元に配信しておりますとおり、11名の方であります。申合せにより、2日間に分け、順次、発言を許可いたします。 31番中田議員。              〔31番中田光政議員登壇、拍手〕 ◆31番(中田光政議員) おはようございます。トップバッターということでいささか緊張しておりますが、頑張っていきたいと思います。誠志会を代表して質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。 日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の高炉休止が発表されて、はや1年が経過しました。この衝撃的なニュースを受けて、広島県や国と合同で設置した合同緊急対策本部や呉市対策チームを中心に、関係機関が一丸となって、市民の生活や地域経済への影響を最小限にしようと、この1年、様々な取組を行われてきたことと思います。また、時を同じくして世界的な大流行となった新型コロナウイルス感染症の拡大により、昨年9月には呉市内でもクラスターが発生し、呉市の経済にさらに打撃を与えている状況が続いております。2月4日には三菱パワー株式会社の拠点再編が発表されるなど、呉市を支えてきた産業の根幹が揺るぎかねない事態が次々と発生し、新原市長にとっても想定外の1年になったのではないでしょうか。 このような厳しい環境の中でこそ、これまで培ってきた都市としての基盤を最大限に生かしながら困難を克服し、新たな未来に向けて踏み出す必要があると考えます。折しも令和3年度は新たな総合計画のスタートの年度となる年であります。新原市長は、この令和3年度予算に幸せな呉市のためにというキャッチフレーズを掲げられました。このような幸せな呉市を築くために、令和3年度予算に込められた市長の熱い思いを聞かせてください。 以下の質問は、質問席で行っていきます。            〔31番中田光政議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま中田議員から、今議会冒頭の質問として、令和3年度予算に込められた市長の思いについて聞くということで、一生懸命答えますので、どうぞお許しをいただきたいと思います。 新年度予算は、新たに策定される第5次呉市長期総合計画の初年度でございます。本市の将来都市像であります「誰もが住み続けたい、行ってみたい、人を惹きつけるまち『くれ』~イキイキと働き、豊かに安心して暮らし、ワクワク生きる~」、これを私なりに一言で表す言葉として、「幸せな呉市」を用いさせていただきました。この将来都市像の実現に向けて必要な施策を実施してまいります。 まず1点目といたしまして、本市の「隅々まで行き渡る光回線を活かして」IoT、つまり、あらゆるものがインターネットにつながり、情報のやり取りをすること、AI、人工知能などの新技術や新たに構築を検討している都市データプラットフォームに蓄積される様々なデータを活用し、様々な地域課題の解決に向けて、全国の新技術や高度な知識を軸に新たに参入したスタートアップ企業などからアイデアなどを公募いたしまして、先端技術を活かした市民生活の質の向上や産業の発展などを目指してまいります。 2点目といたしまして、「脱炭素社会の実現に向けて」、呉市の地理的要因、産業構造、日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の動向等を見据えまして、次世代のエネルギーの利活用、普及促進などについて基礎調査を行い、本市の経済と環境の好循環を生み出すために取り組むべき方向性について研究を進めてまいります。 3点目といたしまして、呉にしかない価値を継承、創造し、観光を基幹産業へと発展させ、市民が誇りに思う幸せなまちを実現いたします。そのため、市民、呉市、産業界が一体となり、自立と継続を目指した観光体制を構築し、革新と成長を続ける「観光都市くれ」を目指してまいります。 4点目といたしまして、「情報通信技術による市民サービスの向上」を図るため、各種の行政手続のオンライン化を進めるほか、行政窓口にタブレット端末を導入するなど、市民の利便性の向上を図ります。 5点目と6点目は、これまで私としても特に力を入れてきたことでございます。 5点目といたしましては、「もっと子育てしやすいまちへ」ということでございます。子育てのいろんな手続が、市役所や保健所などに電話をしたり、あるいは直接赴いたりしなくても、スマートフォンを使って順に読んでいく、押していくだけで様々な手続が行えるようにしてまいります。そのほか、スマートフォンだけで子育ての関係の情報が得られるように、若いお父さんお母さん方の利便性を考えてまいります。また、不育症への助成制度を創設いたしますとともに、不妊治療への支援を拡充いたします。 6点目、高齢者対策でございますが、「日本最初のデータヘルスをさらに前進」させ、全国に先駆けて取り組んでいる保健事業と介護予防の一体的実施を市内全域に拡充し、健康寿命の延伸を図ります。 さらに、認知症の方が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、地域で支える社会を目指してまいります。 7点目といたしまして、「呉駅周辺地域総合開発」について、まず国の主導でターミナルとしてとても使い勝手のいいものにしてまいります。同時に、国と連携をいたしまして、呉駅周辺のにぎわいや快適な空間を創出するとともに、本市のスマートシティーの起点として再整備を進めてまいります。 8点目といたしまして、主要な交通施設のバリアフリー化や、災害に強い安全・安心なまちづくりを進めると同時に、島嶼部における魅力を活かした取組を行ってまいります。これらの取組によりまして、私は呉市の集積されたものづくり技術や豊富な医療資源といった強みを活かしながら、AIやICTなど、最先端で身近な技術を民間の協力を得て、呉市民の生活に取り入れるとともに、本市の産業分野に取り入れていただくよう努めてまいります。これにより、「誰もが住み続けたい、行ってみたい、人を惹きつけるまち『くれ』」~イキイキと働き、豊かに安心して暮らし、ワクワク生きる~「呉市」の実現を目指してまいります。 ◆31番(中田光政議員) 市長、ありがとうございました。大きく8点の重要課題をお聞きしました。改めて抜け目のない予算になっていると感じているところではございますが、大切なのは、市長の思いが市民にしっかりと届いているかどうかだと思っております。そして、施策が市民の皆さんに喜んでいただけるものになっているかどうかだと思ってもおります。市長におかれましては、これからも市民の声に耳を傾けながら計画を着実に実行し、その思いを実現していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 次に、都市機能の充実についてお伺いいたします。 さきに申しましたとおり、呉市を取り巻く環境は厳しいものがあります。日鉄問題や新型コロナウイルス感染症などで先行きが不透明な現状の中で、市民が少しでも安心して暮らしていくためには、自分たちの生活のすぐ近くで具体的な取組が進んでいる実感が得られることが重要であると考えております。幸せな呉市のためにのサブタイトルでは、集積したものづくり技術、豊富な医療資源を基盤に、先端技術を生活や産業に取り入れ、幸せなまちを実現するとあります。我々の生活や産業分野に先端技術を取り入れていくことはもちろん重要でありますが、アフターコロナの呉市経済の早期回復を図る上で、幹線道路や呉駅前の機能といった都市機能を充実させていくことが特に重要になっていくものと考えられます。まず幹線道路につきましては、現在、東広島・呉自動車道阿賀インターチェンジの立体化が進み、令和3年度中には供用開始されると伺っております。また、クレアラインの4車線化に向けた工事が発注される予定と伺っております。大変喜ばしいことではあります。これまでの関係各位の皆様の御尽力に感謝する次第でございます。しかし一方で、主要地方道路呉平谷線の整備につきましては、広島県の発表では10年以上の工期を想定しているとされております。主要地方道路呉平谷線を毎日利用している我々にとっては、いつ、どのように通行できるようになるのか、大変待ち遠しい限りであることも事実でございます。そこで、主要地方道路呉平谷線の工事の進捗状況と今後の見込みについてお伺いいたします。 ◎土木部長(北岡宏紹) 主要地方道呉平谷線は、中央地区から昭和地区を経て熊野町に至る幹線道路でありますが、慢性的な交通渋滞や大雨に伴う事前通行規制など、安全で円滑、安定した交通機能の確保が大きな課題となっております。このため、広島県において、上二河地区から此原区間の道路改良事業を推進していただいており、此原工区につきましては令和3年度末を完成目標として工事が進められております。また、上二河工区につきましては、トンネルと橋梁の大規模な構造物を建設する区間となっており、現在、橋梁建設のための工事用仮橋の工事契約が行われたところでございます。今後の予定といたしまして、工事用仮橋から橋梁を建設し、その後、橋梁を工事用ヤードとしてトンネルを建設する工程となっており、大規模な建造物を段階的に整備していくため、10年以上の工期が想定されております。呉市といたしましては、広島県と一体となり、事業の進め方や工事内容について地元に丁寧に説明するとともに、一日も早く完成するよう引き続き要望してまいります。 ◆31番(中田光政議員) 一日も早く完成するよう引き続き要望しまして、よろしくお願いしたいと思います。 さて、主要地方道路呉平谷線が完成いたしますと、懸案であった幹線道路の整備計画も大きく前進したものと感じています。しかし、まちは生き物でございます。人々の生活様式は日々変化し、それに伴い、人の流れも大きく変わるものであります。無駄のない道路を整備するためには、必要に応じた道路整備計画の見直しが必要と感じております。そのような中、市は今後どのような道路整備が必要であると考えていらっしゃるのかお伺いいたします。
    ◎土木部長(北岡宏紹) 今後必要と考えている道路整備についてのお尋ねでございます。 より効果的な道路ネットワークを構築するためには、国事業では、東広島・呉自動車道阿賀インターチェンジの広方面出口、広島呉道路呉インターチェンジから阿賀インターチェンジ間、国道185号広から安浦間、また県事業では、主要地方道路呉平谷線の街路事業である焼山押込線焼山北工区や呉環状線天応から焼山間などの道路整備が必要であると考えております。さらに、安芸灘地域の持つ潜在能力とポテンシャルを十分に発揮し、瀬戸内ブランドの確立を図るため、とびしま海道としまなみ海道を結ぶ道路の整備も必要と考えております。引き続き事業中の路線の早期整備と未着手区間の事業化について、国、県に要望してまいります。 ◆31番(中田光政議員) 引き続き事業中の路線の早期整備と未着手区間の事業化について、国や県に強く要望していくとのことでございます。第5次長期総合計画では、市の10年後の人口は大幅に減少していると見込んでおり、そうなりますと、必然的に車の使用台数も比例して減ってくるものではないかと想像できます。現在、コロナ禍においては地方移住が注目され、地方で働きたいと思う人が増えているのも確かでございます。そういった意味では地方の利便性が高まることは望ましいと考えますが、市におかれましては、町の変化をしっかりと見据え、無駄のない道路整備計画を立てていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 次に、呉駅周辺地域総合開発についてお伺いいたします。 呉駅周辺地域総合開発につきましては、昨年8月の産業建設委員会において、新型コロナウイルス感染症の発生により、特に宿泊業、飲食業を中心とした開発ニーズに影響が出ており、影響回復に、どの程度の期間を要するか不透明な現状であることから、プロポーザルの実施及び優先交渉権の選定を1年程度延期することが報告されました。旧そごう呉店におきましては、平成25年1月の閉店以降、姿を変えぬまま、既に8年が経過しました。令和3年度には国のバスタプロジェクトと連携し、開発事業者を選定することは伺っておりますが、市民から見れば、呉駅前の開発が進んでいないように見えるのが現状ではないでしょうか。そこで、この事業を一刻も早く目に見える形で進めていただくためには、例えば、まず旧そごう呉店を解体し、その上で開発事業者を募集するなど、これまでとは違うアプローチで事業手法を考えられないのか、改めて現在の考え方をお聞かせください。 ◎理事兼都市部長(近藤昭博) 旧そごう呉店の再活用につきましては、議員御提案のように工事により解体した上で、プロポーザルを実施する手法も一つの手法であると認識をいたしております。仮に先に解体する場合、一般的には地盤支持などのために活用可能な地下構造物も全て撤去することとなり、工事費は高くなり、工期も長くなること、また、地下構造物を全て撤去する場合の解体工事は大きな費用が見込まれ、コロナ禍の影響が不透明な中で、売却に先立ち、市が大きな財政的リスクを負担するおそれが生じることなどを勘案し、現時点では現状のままで売却し、開発事業者において、後継建物の構造、形状も考慮しながら、新たな建物を建設する流れの一部として解体工事を行っていただくほうが、時間的、経済的なロスが少なく、スムーズな事業遂行が可能となり、最善の手法ではないかと考えております。 一方で、現在、呉駅周辺地域総合開発の重要な要素でございます駅前広場の再整備につきましては、国道31号の一部となる交通ターミナルといたしまして、国直轄事業として整備を進めていただく方向で事業計画の策定を進めており、呉市から国に対しまして、令和3年度の新規事業化を強く要望しているところでございます。この新規事業化が認められましたら、国道31号呉駅交通ターミナルの整備と連携しながら、来年度秋頃を目指しまして開発事業者を決定するプロポーザルを実施したいと考えております。このプロポーザルにより、最も優れた後継事業計画を提案した事業者に旧そごう呉店の財産を売却し、民間により解体・整備を進めていくことが呉駅周辺のポテンシャルを最大限に引き出す手法であると考えております。 ◆31番(中田光政議員) 予定されている手法が、時間的、経済的なロスが少なく、スムーズな事業遂行が可能となり、最善の手法であるとの答弁であったと思います。費用対効果を最大限に発揮できると私も認識いたしました。ですが、市民の見える化といったところから、ぜひとも令和3年度には、市民の皆様が一歩も二歩も駅前開発が進んだなと思えるよう進めていってください。お願いいたします。 次に、青山クラブの現状についてお伺いいたします。 昨年6月の総務委員会で、青山クラブ並びに桜松館の活用に関するニーズ調査の結果について報告がありました。その後の報告はなく、また、新年度予算にも青山クラブの文字が見当たらないため、現在どのような検討をされているのか、どのような活用を考えておられるのか、進捗が全く分からない状態となっております。そこで、現在の進捗状況と活用策について、考え方をお示しください。 ◎企画部長(大下正起) 議員御案内のとおり、青山クラブのニーズ調査の結果につきましては昨年6月に御報告をさせていただいたところでございます。その際の内容でございますが、建物の活用方法、使用する範囲につきまして、いずれも意見が分かれるとともに、民間事業者への調査では、事業者自らが施設を整備、運営する可能性は極めて低く、活用に当たっては呉市が公共施設として整備、運営する必要があるという結果でございました。こうした中、新型コロナウイルス感染症の拡大や日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止発表など、青山クラブの活用を検討するに当たり、考慮しなければならない新たな社会経済情勢の変化も生じております。また、現在は呉駅周辺地域総合開発や大和ミュージアムのリニューアルが進められており、これらの進捗状況によっては青山クラブ等の活用方法を検討する前提が変わる可能性もあることから、現在はこれらの状況を見極めながら、少し時間をかけて活用方法を検討しているところでございます。こうしたことから、新年度予算で青山クラブ等の活用に係る予算は計上しておりません。活用の方向性が見えてきた段階で議会にお示しをし、御相談させていただきながら活用方針を定めていきたいと考えております。 ◆31番(中田光政議員) 活用方針を定めていくということでございます。この青山クラブというのは、市中心部のにぎわいの創出のためには、なくてはならないものだと私は感じております。そういう意味から、青山クラブの活用は大変重要なものであるとも考えております。しっかり検討して、よりよい活用をしていただきますようお願いいたします。 次に、財産の大きな課題ではございますが、合併建設計画についてお伺いいたします。 合併前の旧市町が協議を重ねて策定した合併建設計画は、旧呉市とか旧合併町といった区分のない、一つの新しい呉市をつくっていこうという思いが詰まった計画であると認識しております。私は、これまで折に触れて合併建設計画に対する進捗状況の定点観測を行ってまいりました。現時点での合併建設計画の進捗状況についてお伺いしていきたいと思います。 まず、合併建設計画はこれまで二度にわたり計画期間が延長されておりますが、計画期間の最終年度について確認いたします。併せて、合併特例債の発行限度額と現在の進捗状況についてもお伺いいたします。 ◎企画部長(大下正起) まず、合併建設計画の最終年度でございますが、下蒲刈町が令和5年度、川尻町など7町は令和6年度となっております。また、合併特例債の発行限度額は約559億円でございます。 次に、合併建設計画事業の進捗状況でございますが、令和2年度末の見込みでお答えをいたします。 計画事業数270事業のうち230事業を事業化し、事業化率は85%となっております。事業費につきましては、事業化した230事業の総事業費は約1,030億円となり、そのうち約998億円を執行しておりますので、執行率は97%となっています。 なお、事業化できていない40事業につきましては、事業費実施のめどが立っておりませんので事業費を計上しておりません。 ◆31番(中田光政議員) 合併特例債の発行限度額が、約559億円との御答弁でございました。合併建設計画に位置づけられた事業の全てに合併特例債を活用できるわけではないことは認識しております。下水道や集落排水など、企業会計で実施する事業については、財源として合併特例債を活用できません。また、活用可能な事業につきましても、国や県の補助金や過疎債などの合併特例債よりも有利な財源を活用してきた結果、総事業費は合併特例債の発行限度額約559億円を大きく上回る1,030億円となっております。また、未着手事業が40事業もあるものの、事業化した230事業の執行率が97%となっております。これは当局が知恵を絞り、有利な財源を確保しながら進めてきた結果だと思います。それでは、合併特例債の発行限度額約559億円のうち、活用可能な残高についてお伺いいたします。 ◎企画部長(大下正起) 活用可能な残額についてでございます。 合併特例債の発行限度額約559億円に対しまして、これまでに借り入れた額と来年度以降の借入予定額を合わせると約535億円となりますので、令和2年度末での見込みで、差引き約24億円が活用可能額となっています。 なお、平成30年12月の議会協議会において合併建設計画の進捗状況を御報告させていただいた際には、活用可能な額を約16億円とお伝えしておりましたが、その後、消防局、西消防署、新庁舎整備事業など大きな事業が完了したことから執行残が生じ、活用可能額が増加しております。また、事業化できていない未着手事業40事業につきましては、来年度以降の借入予定額には加えておりません。 ◆31番(中田光政議員) それでは、活用可能額の今後の活用方法についてお伺いいたします。 計画期間の最終年度は、先ほども御答弁がありましたが令和6年度となっており、残り4年でございます。私は、呉市にとって有利な財源である合併特例債を余すところなく活用してほしいと強く思っておりますが、その観点から、活用可能額24億円について今後の活用方法をお尋ねいたします。 ◎企画部長(大下正起) 活用可能額24億円につきましては、先ほど御答弁させていただきました青山クラブ並びに桜松館の活用を含めた呉市中心部回遊性向上機能整備事業の財源として活用することとしております。私どもも、市中心部のにぎわいを創出していくために青山クラブ等の活用は大変重要なものであると認識しておりますので、しっかりと活用方法について検討してまいります。 また、来年度予算案に計上しておりますJR安芸川尻駅バリアフリー化の基本計画については、合併建設計画事業である安芸川尻駅及び周辺整備事業の一環として、事業の進捗に応じて有利な財源である合併特例債などの活用も想定しております。 ◆31番(中田光政議員) JR安芸川尻駅のバリアフリー化、そして呉市中心部回遊性向上機能整備で、青山クラブ、桜松館の整備にも特例債を充てるということでございます。私は合併建設計画の令和6年度以降の期間延長はないと考えております。合併して16年が経過して、現在もなお未着手の事業を残り4年間で完了させることは難しいと思っております。着手が困難な事業につきましては、無理なものは無理と市民に分かってもらう必要があるのではないでしょうか。こういうことを折に触れて市民にしっかり説明していただくことを要望しておきます。 次に、地域振興基金の活用についてお尋ねしたいと思います。 地域振興基金は、呉市民の連帯と地域振興のため、地域行事の支援などソフト事業に活用することを目的として、原資に合併特例債を活用して40億円積み立てております。この基金については、その運用益を合併町地域まちづくり振興事業補助金の財源として活用していること、また、基金造成の原資として借り入れた合併特例債の償還が終わった範囲で取り崩して活用できると認識しておりますが、その償還期限と活用する際の制約についてお伺いいたします。 ◎財務部長(河野隆司) 地域振興基金に関する2つの御質問にお答えします。 まず、借り入れた市債の償還時期でございます。この基金造成の原資は合併特例債です。平成15年度から平成17年度までの3年間で借入れを行っております。いずれも15年償還で借り入れておりますので、平成30年度から順次償還が終わり、令和2年度をもって全ての償還が終わります。 次に、活用する際の制限でございます。議員御承知のとおり、償還終了後は償還した金額の範囲内という取崩し額の制約はなくなります。一方で、合併建設計画の期間中である令和6年度までの間は、資金活用の使途についての制約がございます。合併建設計画に位置づけられた事業に使途が制限されることや、ハード事業の財源には活用できないといった制約となります。 ◆31番(中田光政議員) それでは、最後の質問になりますが、地域振興基金の活用の今後の活用方針についてお伺いしたいと思います。 令和6年度までは、地域振興基金を取り崩して活用する際には制約があると、先ほどの答弁でもおっしゃっていただきました。この40億円をどのように活用するのかは、今後の呉市にとって大変重要なことだと考えております。呉市は、平成30年7月豪雨災害や新型コロナウイルス感染症対策などに、財政調整基金を取り崩して対応してこられました。その結果、財政調整基金の額は、被災前である平成29年度の約76億円から、令和3年度には32億円まで減少しております。一方、新年度から第5次呉市長期総合計画がスタートいたします。将来都市像に掲げている「誰もが住み続けたい、行ってみたい、人を惹きつけるまち『くれ』」を実現するには、産業や都市基盤など各分野において新たな投資が必要になると考えております。これを踏まえて、今後の地域振興基金の活用方針についてお尋ね申し上げます。 ◎財務部長(河野隆司) 基金の活用方針につきましては、重要な課題であると認識しております。しかしながら、先ほどの答弁のとおり活用に制限があることから、現時点で明確な活用方針をお示しできていない状況でございます。先ほど御答弁させていただきましたが、合併建設計画終了後の令和7年度以降は制約を受けることなく活用できる状況となることから、これに向けて議会とも相談させていただきながら、少し時間をかけて慎重に検討してまいります。 ◆31番(中田光政議員) 制約と今後の活用方針について質問いたしました。令和7年度以降には制約がなくなり、言うなれば自由に活用ができるということだと思います。持論ではございますが、まちによっては既得権的な考えの方もいらっしゃると思っております。また、この基金の積立てをいかに、今後どのように活用していくかが最大の重要課題だと思っております。私が思いますに、合併してもう16年たって、もはや呉市は一つのまちになっているという認識を持っております。そういった観点から、呉市民の皆さんに喜んでいただける、市民の皆さんにこれをやってよかったなと思えるようなことを行っていただきたいと思っております。その分、慎重に検討していただいて進めていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 私は、議員にならせていただきまして10年経過しました。今回の質問は、ちょうど節目のときではありますが…… ○議長(森本茂樹) あと3分です。 ◆31番(中田光政議員) (続)まず、旧そごう呉店の問題、そして合併特例債、そして幹線道路といった具合に質問を重ねてまいっております。10年で変わったところがはっきりしているのは道路のことでございます。これから先がどのように市民の皆さんに影響を与えるかということも考えながら質問をしてきましたが、20年後、30年後といったように呉市がますます繁栄していくためには、ここが踏ん張りどころじゃないかなと感じております。持論で、解体すればどうかとか、いろいろ述べさせていただきましたが、一日も早く目に見える形で、事業や施策を行っていただきたい、そういう思いであります。 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で中田議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △藤原広議員の予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 4番藤原議員。              〔4番藤原広議員登壇、拍手〕 ◆4番(藤原広議員) おはようございます。公明党の藤原でございます。私は、公明党呉市議会議員団を代表いたしまして、通告に従い、順次簡潔に質疑をさせていただきます。当局におかれましては、意をお酌みおきいただき、また、簡潔明瞭に御回答いただきますように、よろしくお願いを申し上げまして、質疑に入らせていただきます。 初めに、令和3年度当初予算のテーマといたしまして、幸せな呉市のためにと掲げておられます。これは、呉市がこれまで培ってきた技術を基盤に、先端技術を新たな生活様式や様々な分野に取り入れられるよう、価値、創造を担う呉市の未来像に向けての指針と、私は受け止めるものでございます。新年度は、そんな幸せな呉市の実現に向けて、一つ一つの政策が市民お一人お一人の幸せに直結するものであると信じております。そこで、新年度予算編成に当たっての基本方針と留意点をお聞かせください。 以後の質疑は質問席にてお尋ねをいたします。            〔4番藤原広議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま藤原議員から、令和3年度予算編成に当たっての基本方針と留意点について御質問いただきまして、ありがとうございます。お答え申し上げます。 新年度予算編成の基本方針につきましては、大きく3点ございます。 1点目は、「未来の呉市を見据えた投資」でございます。新たに策定いたします第5次呉市長期総合計画の初年度として、本市の将来都市像でございます「誰もが住み続けたい、行ってみたい、人を惹きつけるまち『くれ』~イキイキと働き、豊かに安心して暮らし、ワクワク生きる~」呉市の実現に向けて必要な施策を重点的に実施いたします。 2点目でございますが、「市民の命と暮らしの確保」でございます。新型コロナウイルス感染症日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止発表による地域経済への影響へ対応、また、豪雨災害からの復旧・復興を図るものでございます。 3点目は、「行財政改革のさらなる推進」でございます。健全な財政運営の確保に向け、第3次呉市行政改革実施計画などに基づく行財政改革を推進するものでございます。こうした3つの基本方針の下、編成をいたしました令和3年度予算について、私が特に意を用いたことについて御説明申し上げます。 まず、これまでに引き続きまして、もっと子育てしやすいまちになるということでございます。市役所や保健所などに出向いたり電話をしたりしない、いつでもどこからでもスマートフォンから手続等が、あるいは情報を集めることができるように、子育て支援手続がスマートフォンで行えるようにする事業など、スマートフォン対応を拡充して、子育て世代の皆様へのサービスを向上させます。 また、不育症への助成制度を創設するとともに、不妊治療への支援を拡充いたします。さらに、高齢者の方々が住み慣れた地域で幸せに暮らし続けることができるように、全国に先駆けて取り組んでおります保健事業と介護予防の一体的実施を市内全域に拡充してまいります。 今の子供、高齢者に加えて新しい取組といたしまして、AIなど新技術を活用した生活の質の向上や産業の発展等を図るため、呉市スマートシティ推進会議を運営いたします。さらに、データプラットフォームの構築調査を実施いたします。 また、国が脱炭素社会の実現を目指す中で、呉市の取組をどのように進めたらいいか判断するための基礎調査と研究を行います。さらに、観光客が繰り返し訪れる「観光都市くれ」を目指して、新たな観光推進体制の構築などに取り組んでまいります。 また、呉駅周辺地域総合開発は、国のバスタプロジェクトと連携いたしまして開発事業者を選定するなど、さらに進展させてまいります。安芸川尻駅のバリアフリー化や呉ポートピアパークの道の駅をはじめとした土地利用の検討、安芸灘地域などでのワーケーションやサテライトオフィスの誘致など、快適で人に優しいまちづくりに取り組んでまいります。 また、平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興に向けて、引き続き被災者へのきめ細かな支援に取り組むとともに、被災する前以上の魅力あるまちづくりに向けた施策を推進してまいります。日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止発表につきましては、令和2年度の補正予算のビジネスモデル転換支援事業によりまして、事業転換についての機運が大きく盛り上がっておりますので、この機を捉えまして、大変有利な国の補助制度であります「中小企業等事業再構築促進事業」に市内の事業者の皆さんに取り組んでいただけますよう、呉市の上乗せの助成を行います。 ◆4番(藤原広議員) ただいま市長から御答弁をいただきまして、議会から様々な要望、また、提案した言葉が随所にちりばめられていることを実感し、高く評価させていただきたいと思っております。今年度予算に掲げておられます「幸せな呉市のために」、このスローガンを市民お一人お一人が実現できる、明るい希望の持てる1年となりますようにお願いを申し上げまして、次への質問に移らせていただきたいと思います。 次に、本市においても重要懸念事項となっております日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の撤退及び新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえた今後の財政見通しをどのように捉えておられるのか、そのあたりをお聞かせ願いたいと思います。 ◎財務部長(河野隆司) 今後の財政見通しについての御質問でございます。 令和3年度当初予算案の提案に当たり、今後5年間の財政見通しをお示ししております。この見通しでは、令和3年度から令和7年度までの5年間で約46億円の収支不足を見込んでおります。これは、少子高齢化の進展に加え、議員お尋ねの新型コロナウイルス感染症及び日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止発表の影響を見込んだことによるものでございます。このように引き続き厳しい財政状況が続くものと考えておりますが、より一層の行財政改革を進める中で収支不足の解消を図りながら、持続可能な財政基盤の確立に向けて取り組んでまいります。 ◆4番(藤原広議員) 5年間で約46億円の収支不足が見込まれ、引き続き厳しい財政状況が続くとのことでございましたが、財政基盤の立て直しに向けまして、いま一度の御尽力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 続きまして、家計改善支援事業についてお伺いいたします。 今回の予算では、生活困窮者からの相談に応じて家計のやりくりを支援する家計改善支援事業という新たな事業を展開するとのことでございます。新たなとはいうものの、平成27年度に自公連立の下、我が党が国民の生活安定を願い、経済的にお困りの方に対する包括的な支援を行い、生活保護に至る前の第2のセーフティーネットワークとして掲げたのが生活困窮者自立支援法でございます。本制度が施行されまして実質7年目にして、本市においてもこの事業に着手する運びとなりました。今回実施されるに当たり、待ちわびたと申しますか、この事業に対して大いに期待するものであり、改めてこの取組に対し評価するとともに、市長の御理解にも感謝しているところでございます。 そこで、お伺いいたしますが、今回この事業を実施する運びとなった理由と、併せて事業費の内訳、どのように相談者に対応していくのか、また支援内容、当局の考えておられます展開をお伺いいたします。 ◎福祉担当部長兼福祉事務所長(北村健二) 家計改善支援事業は、生活困窮者自立支援法に基づき、家計に問題を抱えて生活に困窮されている方からの相談に応じ、相談者とともに家計の状況を把握し、必要な情報提供や専門的な助言、滞納金の解消支援などを行い、相談者の家計の改善意欲を高めることにより、生活再建を支援する事業です。現在のコロナ禍において、生活に困窮している方への支援をこれまで以上に行っていく必要があることから、本事業を実施し、支援体制を強化することとしたものです。事業の予算の内訳は、家計改善支援員1名を自立支援室の福祉の窓口に配置し、家計状況の分析や助言などの相談支援を行うために要する委託料675万円です。 ◆4番(藤原広議員) 厚生労働省のホームページ内の全国の優良事例を閲覧いたしますに、各事業を積極的に実施している自治体が多く見られるところでございます。その中でも、この事業において、最近ではファイナンシャルプランナーなどを専門的に委託し、成果を上げておられます。先ほど事業内容についてお答えをいただきましたが、最後に、この事業を当局においてどのように運営されて、どのような効果を期待しておられるのか、意気込みも含めましてお伺いできたらと思います。 ◎福祉担当部長兼福祉事務所長(北村健二) 運営効果でございますが、本事業により専任の支援員を配置することで、これまで以上に一人一人へのより丁寧な相談対応、そして、困窮の原因や背景などをより深く分析した支援、さらには、税、家賃などの滞納解消に向けた同行支援が行われると考えております。これらの支援により、本人自らが幾ら足りないかに気づき、何を増やし、何を減らすかを考えていただき、自力で家計管理できるようになることにより、生活再建が始まることを期待しております。家計の背景にある生活全般にわたる根源的な課題を捉え、支援の出口を見いだし、課題の解決を図っていきたいと思っておりますので、様々な理由で生活が困難な状況にある方々に対し、一人一人に丁寧な寄り添い型の支援を行ってまいります。 ◆4番(藤原広議員) このたびの事業でございますが、立ち上げた初年度の取組が重要になっていくのではなかろうかと思うところでございます。生活支援課、また自立支援室としっかり情報を共有していただきまして、市民のセーフティーネット、最後のとりでとして、運営をこの新年度におきましてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。当局に対しまして熱いエールと期待を寄せるものでございますので、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、これまで我が党、我が会派が一貫して取り組んでまいりました、学校施設の耐震化について質問をさせていただきたいと思います。 令和3年度予算のポイントに学校耐震化の推進とあり、またさらに、主要施策及び行財政改革の取組、未来の呉市を見据えた投資には、学校施設の耐震化の内容が示されております。これを見ますと14億円強の予算計上がされており、未来を見据えた投資にふさわしい予算だと期待をしているところでございます。 そこで、この3つの学校施設の耐震化が進められることにより、耐震化が完了する前の耐震化率と後の耐震化率の推移についてお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(坂田恭一) 耐震化の推移についてお答えします。 令和3年度予算に掲げる3校の耐震化対策が完了すれば、耐震化率は現在の96.6%から98.3%へと1.7ポイント上昇します。 ◆4番(藤原広議員) 小中学校全体の耐震化率が98.3%になるとのことでございます。これまで、平成30年7月豪雨災害の影響などもあり、学校施設の耐震化自体が緩やかなスピードでしか進めることができなかった事情も理解をしておりますし、その分を取り戻すというわけではないのでしょうけれども、今回の学校施設の耐震化の予算化は、児童生徒や教職員、さらには地域の皆さんの安全・安心を最優先して考えていただいたものと推測しております。この予算計上に当たり、当局の思い、意気込み等がございましたら、お聞かせを願いたいと思います。 ◎教育長(寺本有伸) 学校施設の耐震化の思いについてでございますが、学校施設の耐震化については、補強することで耐震化が確保できる建物については平成28年度までに完了いたしております。補強では耐震化が確保できない建物は建て替えることで耐震化を進めております。平成30年7月豪雨災害で工事を延期した影響により、建て替えのスケジュールが重なった経緯はございますが、令和3年度には3校3棟の整備を行うこととなりました。学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす、学習、生活の場であるとともに、災害時には地域住民の避難所となっておりますので、その安全性を確保することは極めて重要であると認識しております。整備が遅れた地域の児童生徒や教職員、さらには地域の皆様には御心配をおかけしておりますが、これからも安全・安心な教育環境の確保について推進してまいります。 ◆4番(藤原広議員) ただいま教育長のほうから御答弁していただいたわけでございますが、そこで、今後この学校施設の耐震化率100%を達成するには、あと何校何棟の耐震化をすればよいのか、再度お聞かせ願いたいと思います。 ◎教育部長(坂田恭一) 耐震化率100%を達成するために必要な校数と棟数についてお答えします。 令和3年度予算に掲げる3校の耐震化対策が完了すれば、残る耐震化対策が必要な学校数及び棟数は、坪内小学校1棟、宮原小学校1棟、港町小学校2棟の3校4棟となり、これらが完了すれば耐震化率は100%となります。 ◆4番(藤原広議員) ぜひとも早い時期に残り3校4棟の耐震化に向けての事業化をお願いしたいと思います。この残り3校4棟の実施に当たりまして、何か課題、そういったものは現在ございますでしょうか。その辺もお聞かせ願いたいと思います。 ◎教育部長(坂田恭一) 平成21年12月改定の学校統合基本方針に基づき、坪内小学校と宮原小学校、港町小学校と両城小学校の学校統合が予定されております。学校統合については、保護者や地域の御意見によく耳を傾けながら円滑に進めていく必要があると考えております。 ◆4番(藤原広議員) 学校施設の耐震化、また、児童生徒や教職員、地域住民の安全・安心を最優先に考えていただき、例えば統合の方向性や時期が確定するまでは、耐震性のない校舎は使わずに、仮設的な校舎を少し拡張していただくなど、まずは児童生徒や職員の安全・安心を確保する方策等を検討していただきたいと思うところでございます。我が党、我が会派は、特に学校施設の耐震化100%の達成に向けて取り組んできたのは、呉市の未来を担うのは今の子供たちであり、その子供たちの安全・安心な教育環境の整備や確保に力を注いできたわけでございます。今の子供たちが安心して学び、学校生活を送ることができるということが未来にしっかりとつながり、現時点で投資していただくことが子供たちのさらなる成長、飛躍への支援となり、近い将来、呉市を牽引してくれる大きな原動力となることに期待しているからでございます。いずれにいたしましても、この早い時期に、残り3校4棟の耐震化に向けた事業化を推し進めていただきまして、一日も早く公立小中学校の耐震化率100%を達成していただきますよう最大限に期待をいたしまして、また、お願いをしたいと思うところでございます。 以上で私の総体質問を終わらせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で藤原議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △北川一清議員の予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 27番北川議員。              〔27番北川一清議員登壇、拍手〕 ◆27番(北川一清議員) 仁友会の北川でございます。私は、3つの大項目について予算総体質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず、1番目ですが、脱炭素社会への認識と戦略についてでございます。 2016年11月4日のパリ協定発効をきっかけに、世界の潮流は省エネルギーなどで温室効果ガスの排出を減らす減炭素から、排出そのものを実質ゼロとする脱炭素を目指す方向へ大転換しております。それ以前の2016年2月には、ノルウェーを皮切りに、ヨーロッパではガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止する方向へ動き出し、今や世界の国々や都市ではゼロ・エミッション、これはCO2を排出しない循環型技術と言うんですが、これに同調する方向へ既に動き出しております。この脱炭素へ向けた動きは産業政策ともリンクさせ、2019年12月にEUの執行機関は、経済成長との両立を図る新しい総合政策、欧州グリーン・ディールを発表、それによりますと、2050年までに欧州圏域で温室効果ガス排出量ゼロを掲げ、エネルギーの効率的利用や循環型経済に向けた産業活性化とともに、環境負荷が少ない社会を目指すということであり、経済界にも大歓迎されております。 一方、菅総理大臣は、2020年10月26日の所信表明で、脱炭素社会実現を宣言されております。12月25日の成長戦略会議では、2050年までに温室効果ガス排出量を全体でゼロとする目標達成に向けた実行計画を公表されております。それによりますと、14の産業分野で具体的目標を設定、自動車・蓄電池産業の分野では、遅くとも2030年代半ばで、軽自動車を含む乗用車の新車販売を全て電気や燃料電池などの電動車とするハードルの高い目標を掲げておられます。政府は一方で、目標達成のためにはビジネスモデルを根本的に変える必要があるとして、これまでになかったCO2の排出量に応じてコストを企業などが負担するカーボン・プライシングと言う手法も活用するとしております。欧州各国と同様に実現性が問われる中、日本では国家主導で官民を挙げた研究開発や人材育成、財政の積極的支援体制が必要で、地方自治体にも具体策が求められております。 そこでお聞きします。呉市の認識と劇的変化に伴う方向性について見解を求めます。 以下は質問席でやらせていただきます。            〔27番北川一清議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま北川議員から、脱炭素社会を目指すに当たって産業に劇的な変化が起こるのではないか、それについての認識はどうかという御質問をいただきましたので、答弁をさせていただきます。 北川議員御指摘のとおり、国は脱炭素化を進め、温室効果ガスを実質ゼロにする目標を掲げられました。このような動きは、呉市の産業にとって大きな追い風となる可能性があると思います。呉市には、オンリーワン、ナンバーワンの技術を持つ企業も多くあり、脱炭素化に資する技術開発などに取り組んでおられる企業もございます。私は、今後の温室効果ガスの削減や次世代エネルギーへの転換は、呉市の強みである、ものづくり産業の技術やノウハウを活用して、新たなビジネスに発展させていく上で大きなチャンスではないかと考えております。脱炭素化の流れを企業の成長や収益拡大へつなげていくことは、基本的には民間企業の責務であると思いますけれども、呉市としても、産業面のこのような流れを踏まえながら、脱炭素化や次世代エネルギーに関する知識を一生懸命習得いたしまして、呉市の新しい産業の発展のために、市としてどのような準備をしたらよいのか、整理しておくことは大事ではないかと考えております。そのため、今回1,000万円の予算により、「脱炭素社会の実現に向けた基礎調査」と、呉市が経済と環境の好循環を生み出すために取り組むべき方向性について研究を進めてまいります。 ◆27番(北川一清議員) 減から脱へ発展して、実は、2019年12月のCOP25では、小泉環境相が、「日本は批判を真摯に受けつつも、脱炭素化に向けた行動で結果を出していく」と訴えられております。石炭石油等の化石燃料中心のエネルギー政策の見直しには一切踏み込んでおらず、実はこれ大不評だったんですね。ある団体から、化石賞と言われる状態になっておりますので、ぜひ呉市も積極的に取り組んでもらえればと思います。 日本政府はエネルギーミックス政策として、2030年度の電源構成について、化石燃料が大体56%程度で、再生可能エネルギーと原子力がそれぞれ大体22%前後という目標を掲げられております。これは前年比で結構、原子力以外は大幅に増えているんですけれども、2030年度には26%の削減に取り組むとされておりますが、呉市における再生可能エネルギーの可能性について意見をお伺いいたします。 ◎環境部長(大江宏夫) 国は2050年の脱炭素社会の実現に向けて、国と地方が協力して、持続可能で強靱な活力ある地域社会を実現するために、今後5年程度を集中期間とし、地域から既存技術を活用した、脱炭素を実現するモデルケースを複数創出し、ドミノのように全国に脱炭素の輪を広げ、2030年までにできるだけ多くの脱炭素ドミノを実現することを目指しています。中でも、排出量の多い電力部門の脱炭素化が重要であり、再生可能エネルギーの割合を今後さらに増やしていく必要があります。また、地球温暖化対策推進法の改正案では、再生可能エネルギーを活用した施策の実現目標などを、地方公共団体が策定する地球温暖化実行計画において定めることとされています。脱炭素ドミノにおける再生可能エネルギーのモデルケースとしましては、地方自治体・企業・市民など地域社会全体が協力し、地域の再生可能エネルギー資源を開発・活用し、地域内で利用するエネルギーの地産地消の取組が挙げられております。この取組は、あらゆる地域で実現可能で、脱炭素社会の実現のみならず、地域エネルギーの自立を高め、新たな雇用と収入源の創出が期待されます。再生可能エネルギーは地域によってポテンシャルが異なりますので、呉市ではどういった目標設定や事業推進していくのがよいか、今後、国の動向や他都市の成功事例を注視しながら、呉市にふさわしい再生可能エネルギーの活用策を検討し、令和4年度中に策定予定の「第3次呉市環境基本計画」に位置づけて、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。 ◆27番(北川一清議員) 実は産業界で、イノベーションを通じて環境と成長の好循環を目標として、今や社会的課題となっておりますSDGs、またはESGという言葉があるんですが、ESG投資、これは環境、社会、企業統治と、訳すとそういうふうになるんですが、その方向性を打ち出して、ネット・ゼロの早期実現を目指す重要な取組を評価しなきゃいけないんですけれども、再生エネルギーの利用比率の遵守や労働環境改善の状況が大きなポイントだろうと思いますので、そのあたりを注視しながら進めていただければと思います。 3点目に、日本にはよく資源がないと言われるんですが、実は、十分に活用されていない2つの資源があります。1つは、領海と排他的経済水域を合わせると世界第6位とも言われております海底資源、それと国土面積比率が約7割を占める森林資源があります。今日、日本では、林業衰退とともに全域的に森林が放置され荒廃した状態になっており、森林資源が有効に活用されておりません。森林には大量のCO2が蓄えられており、伐採して農耕地や住宅地に転換するため森林を切り開けば切り開くほど、CO2が大気中に放出され、気候変動が加速いたします。CO2を資源とみなし、太陽光の自然エネルギーを利用した積極的な循環利用を図り、森林による光合成の仕組みを再認識すべきだと思います。 そこでお聞きします。森林効果ガス排出量の約11%が森林減少に起因すると言われておりますが、森林資源に対する呉市の認識と整備についてお伺いいたします。 ◎農林水産担当部長(吉本正秀) 森林資源に対する認識と整備についてお答えいたします。 森林は、地球温暖化の防止をはじめ土砂災害の防止・水源の涵養など、多面的機能を有していることから、森林の大切さと適切な整備の必要性を認識しているところでございます。国におきましては、パリ協定の枠組みにおける我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や、災害防止を図るための森林整備等に必要な財源を安定的に確保するため、令和元年度に森林環境税及び森林環境譲与税を創設いたしております。それを受け、呉市では令和元年度から森林経営管理制度に取り組み、本年度は経営管理権を取得した人工林約7ヘクタールの間伐を実施いたしました。この事業の事業費は、令和元年度は320万円、今年度は約700万円、令和3年度予算額は2,080万円と推移しております。間伐によって健全になった森では、光合成によって二酸化炭素の吸収と固定が促進され、温暖化防止に貢献するものと考えております。また、広島県におきましても、森林を県民共有の財産として守り育て、次世代に引き継ぐため、平成19年度にひろしまの森づくり県民税を創設しております。ひろしまの森づくり事業におきましても、人工林及び天然林の間伐に取り組んでおり、平成19年度から令和元年度までで約91ヘクタールの間伐を実施しているところでございます。この事業では地域で管理している森林の整備に取り組む団体にも支援を行っており、地域が自主的に森林整備に取り組めるまちづくりを推進しているところでございます。さらに、小学生や市民を対象とした出前森林学習や山の日イベントなどの開催により、森林の大切さと適切な整備の必要性を啓発しているところでございます。これからも森林を大切な資源として有効活用し、市民の皆様にも興味を持って行動していただけるよう、これらの事業を継続して行ってまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) ありがとうございます。徐々に増えているということで安心はしましたけれども、積極的に増やしていただければと思います。 実は、先週でしたか、トヨタ自動車株式会社が先進技術の実証都市ということでウーブン・シティを設置し、2025年、大阪万博の年までには、2,000人ぐらいが暮らすらしいんですけれども、民間企業はもうやり始めているんですね。私は非常に関心がありますので、市長も関心を持っていただいて、あと4年後ですけれどもどういうものか、行ってみたいですよね。そういう状況が動いていますので、産業界も大歓迎でやると思いますので、地方自治体の呉市も当然やってもらえばという気がしております。 2番目の危機管理とリスク管理について質問させていただきます。 阪神・淡路大震災が発生した1995年が危機管理元年と言われ、この大震災を契機として、国民や行政が、危機管理に対する関心度の高まりを見せたと私は認識しております。危機管理とは、危機が発生した場合にその影響を最小限にとどめるとともに、いち早く危機状態から脱出し、早期回復するために何をすればよいかが基本であり、一般的には大規模な自然災害やサイバーテロによる影響を意味すると思います。一方で、リスク管理は、将来的に想定されるリスクを事前に徹底的に洗い出して整理し、防止策、対応策を検討して未然に抑え込むことを意味します。この危機管理とリスク管理の意味や活動内容は全然異なるんですけれども、それぞれ密接な関係にあります。 そこで、リスクマネジメントの考え方について質問します。 リスクによる危害の発生源と、その原因、損失などを組織的に回避、もしくは低減するプロセスで、各種の危機による不測の事態に備えて、最少の経費で最大の効果を求める経営的管理手法がリスクマネジメントであります。近年、多方面でリスクに対する意識の高まりを受け、事後対策に焦点を当てる危機管理部門から、発展させるリスクマネジメントに特化した専門的な部門を配置する企業や組織が多くなっております。リスクによって発生する確率とその影響は違いますが、全てを管理し、実施するとなると、莫大な投資と時間を要し、優先順位が必要となります。国民の危機意識は、老朽化したインフラや公共施設等の社会資本整備や働き方改革、地球温暖化対策など、数多くの分野に及びます。 そこでお聞きします。呉市におけるリスクマネジメントの考え方について見解を求めます。 ◎理事兼総務部長(阿原亨) 本市のリスクマネジメントの考え方についてお答えをいたします。 議員御案内のとおり組織運営に当たりましては、官民を問わず、また発生要因が自然的か人為的か、あるいは内部的か外部的かを問わず、リスク管理、リスクマネジメントが重要であると言われているところでございます。リスクとは、組織目的の達成を阻害する要因であり、リスクマネジメントとは、能動的にそのリスクが将来的に発生し得るものとあらかじめ想定し、組織的に想定するリスクを回避したり低減させるなどの対応策をとることと認識をしているところでございます。行政分野におけるリスクといたしましては、近年頻発しております大規模自然災害のほかに、事務処理のミスや法令違反、情報漏えいなど、多岐にわたって想定されているものでございます。このため、呉市におきましては、まず大規模災害等のリスクマネジメントを行うため、平成27年度の機構改革により、新たに危機管理課を設けたところでございます。危機管理課におきましては、自然災害等のリスクへの対応として、備蓄物資の充実などの事後的な備えに加え、災害図上訓練や地域での避難訓練、また、自主防災組織の育成や出前トークによる防災意識の啓発など、地域防災力の向上に向けて様々な事前の対応を行うことにより、リスク発生時における被害の軽減にも努めているところでございます。また、地方自治体のリスクマネジメントにつきましては、平成29年の地方自治法の改正によりまして、地方公共団体における事務の適正な執行を確保するため、内部統制が制度化され、同制度に基づく方針施策の策定及び必要な体制の整備について、都道府県及び政令指定都市においては義務化され、その他の市町村におきましては努力義務とされたところでございます。これを受けまして、現在呉市においても、国から示されましたガイドライン等を参考に、内部統制制度の導入に向けて検討を行っている段階でございます。 ◆27番(北川一清議員) 今の内部統制についてお聞きしますけれども、制度導入を検討されるということで、答弁可能な範囲で結構ですから、どのようなスケジュールで制度の実施を検討されていくのか、再度お伺いします。 ◎理事兼総務部長(阿原亨) 内部統制に係る制度導入までのスケジュールについてのお尋ねでございます。 現時点におきましては、まず早期に制度の導入に向けた全庁的な協議検討を行う体制を整備し、令和3年度には執行体制の整備や基本方針の決定などを行った上で、令和4年度から制度を導入してまいりたいと考えております。 なお、内部統制は地方公共団体における事務の適正な執行を確保するために大変重要な制度であり、その導入に当たりましては、国のガイドラインや、本年度から実施をされておられます都道府県、政令指定都市の取組を参考にしながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。その検討状況等につきましては、議会へ御報告をさせていただくとともに、議員の皆様の御意見もお伺いしながら制度の構築を進めてまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) はい、分かりました。ありがとうございました。 それでは、次に、人口減少化に対するまちづくりの方向性についてお聞きします。 人々は活力の維持向上と豊かな生活実現のため、安全・安心で利便性の高い都市基盤の充実を求めます。反面、空き地、空き家、空き店舗等の増加に伴い、人影もまばらな商店街等を有する地方都市では、町なかに放置された空間が点在することで、にぎわいの低下や景観、居住環境の悪化をもたらします。加えて防災関連のインフラ整備の立ち後れは、災害発生の要因ともなり、安全・安心な生活環境の確保が必然となります。このような状況が続くと、これからのまちづくりを担う若者や女性たちが市外へ転出することで人口減少につながり、ますます衰退を招くものと考えます。 そこで質問ですが、人口減少に歯止めをかけるまちづくりの方向性について見解を求めます。 ◎理事兼都市部長(近藤昭博) まず、呉市におけます人口減少の要因でございますが、昨年度の人口移動統計調査では、就職や転勤による仕事関係の事情を理由として市外に転出する人が最大の6割を占めていることから、自分らしく働ける場所の確保が、人口減少の抑制に向けて重要な要素の一つであると認識いたしております。また、昨年実施いたしました市民意識調査では、人口減少を抑えるために必要な取組として、災害に強いまちや公共交通の運行支援といった生活環境の充実が必要であるとの回答が5割を占め、最も多くなっております。こうしたことから、本庁舎や各市民センター周辺など各拠点に生活するために必要な都市機能や居住環境を集積し、にぎわいや自分らしく働ける場所を創出するとともに、これらの拠点間を結ぶ公共交通を支援することによって人の流れの活性化を図り、市全体で活力あるまちづくりを進めていくことが重要であると考えております。このため、これまでも取組を進めておりますが、コンパクト・プラス・ネットワークの都市構造の構築を今後より一層加速化していくことが必要であり、現在進めております呉駅周辺地域総合開発は、その取組の柱となるものと考えております。総合交通拠点駅である呉駅を中心に、商業、にぎわい機能や居住機能を集積するとともに、将来的には次世代モビリティーなどのネットワークにより市全体の人流を持続的に活性化することで、人口流出を食い止めるダム機能の役割を果たしていくものと考えております。こうしたコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりをしっかりと進めながら、「第5次呉市長期総合計画」や「国土強靱化地域計画」に基づく企業誘致、防災、公共交通支援等の取組を効果的に推進し、住みやすい、住んでみたいと思っていただける魅力あるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) はい、分かりました。 次に、国土強靱化のインフラ整備についてお聞きします。 よく天災は忘れた頃にやってくると言われておりましたが、地球温暖化の影響による気候変動に伴い、毎年、全国どこかで水害や土砂災害の被害に見舞われており、近い将来には、南海地震や東南海地震などの発生が高確率で予想されております。一方、2012年12月に発生した中央自動車道笹子トンネルでの天井板の落下事故により、インフラ老朽化の警鐘が鳴らされております。インフラ、砂防ダムとか急傾斜地崩壊防止施設などの整備が不十分であれば、都市の荒廃を飛び越えて、崩壊に直面することとなります。自然災害の頻発化、激甚化に対する国土強靱化は喫緊の課題となりますが、呉市ならではの地理的条件を踏まえたインフラ整備について、このたび策定される呉市土木未来プラン(案)ですけれども、考え方についてお聞きします。 ◎土木部長(北岡宏紹) インフラの老朽化対策や激甚化する風水害、切迫する大規模地震等への対策は非常に重要であると認識しております。また、国土交通省は、平成30年度から防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を実施し、さらに令和3年度からは防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を掲げ、取組のさらなる加速化、進化を図ることとしております。こうした中、呉市土木未来プランは、第5次呉市長期総合計画が目指す将来像の実現を着実に推進し、国土強靱化地域計画を計画的に推進するため、広島県の社会資本未来プランを踏まえ、道路、河川等に係るマネジメントの基本方針と、その方針に基づき、効率的、効果的に整備を推進するための実施計画として策定することといたしました。この詳細につきましては、本定例会中の産業建設委員会で行政報告をさせていただく予定としておりますが、主な施策として、基本方針、社会資本の適正な維持管理では、事後保全から予防保全の転換を図るインフラ施設の老朽化対策を推進していくこととしております。また、基本方針、社会資本の重点化では、激化する異常気象と自然災害に対する防災・減災、強靱化対策として、気候変動による水災害の増大に備え、抜本的な河川改修など様々な取組を流域全体で行う治水対策や、呉市は急峻な土地が多いことから土砂災害危険箇所も多く、これまで幾度となく災害に見舞われてきたことから、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業など、命と暮らしを守る土砂災害対策を推進していくこととしております。さらに、災害に強い道路ネットワークの構築として、道路ネットワークの多重性、代替性の強化や、重要物流道路、緊急輸送道路等における橋梁の耐震補強対策を推進していくこととしております。いずれにしましても、呉市土木未来プランに基づき、将来を見据えた戦略的なインフラ整備、老朽化対策や強靱化などの取組を推進してまいります。 ◆27番(北川一清議員) 一番の課題は平準化だろうね。どうやっていくか、それが大きなポイントだと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、コロナ禍の社会活動、経済活動についてですが、今年度、4月から6月の第1四半期でのコロナ禍における世界各国の財政支援措置を、対名目GDPで国際比較しますと、これはIMF基準ですけれども、先進21か国の平均値が19.1%、ドイツ・日本・イタリアが40%前後でベスト3を形成しております。金額は曖昧なものが多いんですが、実は、アメリカは15%程度となっています。ビヨンド・コロナは新しい時代の幕開けとも言われますが、我々は大転換の時代を迎え、激変環境の認識で新しい世界観、地域感覚で再構築し、経済成長の両立も実現させねばなりません。 そこでお聞きします。コロナ禍での社会活動、経済活動をいかに醸成していくのか、呉市の見解を求めます。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 現在コロナ禍という状況の中、市民や事業者の皆様も新しい生活様式に基づいた対応を行う必要があり、また、外出機会の削減要請等の影響により、飲食店やその取引事業者をはじめ、特に中小零細事業者は大きなダメージを受けております。特に呉市では、日本製鉄株式会社の休止方針の影響もあり、また、全国的にも企業再編の動きが加速するなど、社会的な不安要素も多いと認識をしております。これまで呉市は、鉄鋼・造船等をはじめとする重厚長大型産業により発展してまいりました。今後、呉市の経済発展のためには、産業構造の転換と中小企業の振興が非常に重要だと考えております。そのためにも、1つは、令和元年に制定いたしました中小企業・小規模企業振興基本条例の考え方である中小企業の自助努力と創意工夫による活力向上が不可欠でございます。一方、今年度は新型コロナウイルス感染症に対する支援策としての消費喚起事業のほか、小規模企業者応援給付金といった事業もありましたし、新事業の転換や販路拡大等、新たなチャレンジを実施しようとする事業者を応援します呉市ビジネスモデル転換支援事業などの取組を、国、県をはじめ金融機関等とも連携、協力しながら実施してまいりました。来年度はこの取組をさらに進化させ、国の中小企業等事業再構築促進事業を活用し、思い切った事業再構築にチャレンジし、採択された事業者を呉市としても応援していくこととしております。さらに、今後、光回線の整備により、テレワークなど、どこでも働ける環境が整っていきますので、ワーケーションやサテライトオフィスの誘致を目指すとともに、観光産業の分野でも新たなチャレンジが生まれることが期待されます。引き続き既存産業の再構築とともに、バランスの取れた産業構造への転換や、観光振興を柱とする産業の活性化も図り、あらゆる多くのチャレンジができる呉を目指してまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) それでは、最後に学校教育について質問させていただきます。 これまで、日本の学校教育におけるICTや先端技術の利活用は十分ではありませんでした。皮肉なことに、コロナ禍でオンライン化、GIGA構想が、飛躍的に前進するチャンスとなり、最適で質の高い学びを今まで以上に提供できる時代が到来しております。令和3年度より小中学校の全児童生徒と教職員にタブレットが配布され、先を見越した教育が実施されると聞いておりますが、来年度から実施されるタブレット端末の活用による教育がどのように変わるのか。Wi-Fi環境や教職員の研修など、準備状況についてお聞きします。 ◎教育長(寺本有伸) タブレット端末の活用により、教育がどのように変わるのか、また、その準備状況についてでございます。 ICTに関する知識、技能、いわゆるICTリテラシーは、社会に出て必要不可欠なものであり、社会生活を有意義に過ごすため、身につけることが大切であると認識しております。また、ICTはこれからの学校教育を支える基盤的なツールであると捉えております。タブレットを活用することで、授業中、タブレットに児童生徒が記入した考えを瞬時に教師が集約し、全体の場に提示することで、自他の考えを共有したり比較したりできるようになります。また、教師が家庭学習の支援のための音声動画等を、児童生徒のタブレットに送信することで、プリント配布だけではできなかった分かりやすい学習支援も可能となります。それだけではなく、今後、学校が臨時休業となったときにはオンライン指導も可能であるため、児童生徒の学習機会を保障することができます。教育委員会では、こういったICT活用に向けての準備を着実に進めているところでございます。 まず、タブレット端末の整備についてでございますが、令和3年3月末までに全児童生徒分の端末を学校に届け、4月には児童生徒に配布できる準備を整えております。これに先立ち、1月28日には全ての学校に教職員用のタブレット端末を配布済みでございます。Wi-Fi環境の整備につきましては、令和3年3月末までに工事を完了する予定です。教職員のタブレット活用のための研修については、本年度、基本操作講習会等を既に21回実施済みでございます。そのほか、呉地区の県立高校に御協力をいただいて、授業の参観や基本講習会も実施しているところです。また、4月からICT支援員を6名派遣する準備も進めております。ICT支援員は、機器操作のトラブル対応や授業の支援、危機管理のサポートや研修にも携わってまいります。教育委員会といたしましては、今後ICT活用を加速化させ、教職員のICT活用指導力の向上、児童生徒の情報活用能力の育成に努めてまいります。 ◆27番(北川一清議員) 最後になりますが、学校のリスクマネジメントについてお聞きいたします。 危機こそ学校が変わるチャンスと捉え、経営感覚でリスクマネジメント推進については、理論のための実践でなく、実践を助成する理論があると思います。危機の原因として、前兆がある、連鎖する、慣れや油断、内部処理や保身などがあり、現場において身につけるのが知識ですが、重要なことは、リスク管理に対する意識を高く保つことであります。いかに子供たちに身につけさせ、持続させるか。その意識づけについて、教育委員会の見解を求めます。 ○議長(森本茂樹) 残り3分です。 ◎教育部長(坂田恭一) 呉市の学校では、子供たちに危機を予測し回避する能力、自分の命は自分で守る力を身につけさせるために、安全教育を発達段階に応じて行うこと、日常的・継続的に行うこと、実践的に行うことをポイントに進めております。内容については、3つの領域がございます。 1つ目は、日常生活で起こる事故から安全に行動できるようにする生活安全、2つ目は、様々な交通場面における危機について理解し、安全な歩行や自転車等の利用ができるようにする交通安全、3つ目は、様々な災害発生時における危険について理解し、正しい備えと適切な行動が取れるようにする災害安全でございます。具体的には、体育科の保健領域等の中で、事故やけがの原因を考えさせることで、けがの防止方法について理解させたり、道徳観、さらには特別活動の中で進んで決まりを守り、危険を回避し、安全に行動できる能力や態度を育成させたりするなど、それぞれの特質に応じて適切に実施しております。今後も引き続きリスクマネジメントを身につけ、持続させるために、知識だけでなく、意識づけすることを大切にしながら、継続的に安全教育に取り組んでまいりたいと思います。 ◆27番(北川一清議員) 了解しました。コロナ禍で、子供たちの安全・安心と学習機会を守るために奮闘されている教育関係者や保護者、地域の皆様方に、心から敬意を表すとともに、困難な状況下で頑張っている児童生徒たち、彼らに、心からエールを送りたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。終わります。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で北川議員の予算総体質問を終わります。 午後1時まで休憩いたします。             午前11時46分     休   憩      ──────────────────────────────             午後1時00分     再   開 ○議長(森本茂樹) 会議を再開いたします。      ────────────────────────────── △中原明夫議員の予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 休憩前に引き続き、予算総体質問を行います。 10番中原議員。              〔10番中原明夫議員登壇、拍手〕 ◆10番(中原明夫議員) それでは、市民フォーラムを代表いたしまして質問をさせていただきます。 まず最初に、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。 呉市では、昨年4月の感染者発生から延べ300名以上の感染者並びに、誠に残念ですが、8名の犠牲者が発生しております。このような状況下において、国・県・市町村で様々な支援策が実行されております。そこで、令和3年度予算を含む新型コロナウイルス感染症対策に係る総事業費、財源内訳、主な事業とアフターコロナの対策について、現状で何か考えているものがあるか、当局の考えをお伺いいたします。 以後の質問は質問席で行います。            〔10番中原明夫議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま中原議員から、新型コロナウイルス感染症対策について、それから支援策について御質問いただきましたので、お答えさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症対策予算につきましては、令和元年度の既存の予算の活用をはじめ、令和2年度においては1月専決処分までに計8回の補正予算を編成するなど、機を逃さずに対応をしてまいりました。今回の3月定例会に上程しております3月補正予算と新年度予算を合わせると、これら全ての総事業費は310.6億円となります。また、この財源内訳につきましては、臨時交付金の39.4億円を含めた国、県の支出金が292.1億円、地方債6.7億円、その他の財源が0.8億円、一般財源が11.0億円でございます。 次に、呉市における新型コロナウイルス感染症対策の主な取組について御説明申し上げます。 まず、感染拡大の防止対策として、公共施設や避難所、社会福祉施設等における必要な物資の整備やPCR検査体制の確保などを実施してまいりました。また、これまでの呉市独自の新型コロナウイルス感染症対策の主な取組を申し上げますと、ひとり親世帯への応援給付金、子育て世代への応援給付金、新成人応援給付金、小規模企業者応援給付金、感染症対策取組事業者支援給付金、くれまち店舗応援プロジェクト、呉市ビジネスモデル転換支援事業など、多くの事業を実施してまいりました。令和3年度は、引き続きPCR検査体制の確保、乳幼児健診、就学時健診等の安全確保、コールセンターの設置などの感染拡大防止対策を行います。 さらに、日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止発表につきましては、令和2年度の補正予算で行いました呉市ビジネスモデル転換支援事業により採択された企業はもちろんのこと、途中まで検討された企業も含め、検討が進んで実施されなかったそれ以外の企業でも、かなり検討が進んでいる案件もあるということで、事業転換についての機運が盛り上がっております。これは、私が、実際に審査に当たられた金融機関の経営陣の方々に直接お話を伺って確認をしております。 ところで、今申し上げましたこの事業の事務局となりました、市内の金融機関などが国の中小企業等事業再構築促進事業の認定支援機関となっております。この国の中小企業等事業再構築促進事業でございますが、この事業は、支援の上限金額でも、支援の割合でも、呉市のビジネスモデル転換支援事業よりかなり有利でございます。ただ、呉市の事業は、あまり条件がついてないんですけれども、この国の事業は、認定支援機関とともに事業者の方々が計画を策定することが必要でございます。呉市内の金融機関に伺ったところ、既に市内の事業者とかなりの程度まで相談をしているということでありましたので、これをさらに市として後押しするために、市の上乗せ助成を行うことといたしました。金融機関のみならず、商工会議所・広域商工会・くれ産業振興センターなども認定支援機関となっておりますので、これらの認定支援機関に対しましても、呉市内の中小企業、小規模事業者に早めに御説明をしていただいて、できるだけ広くこの支援制度を利用するよう呼びかけていただくようお願いしているところでございます。既に、かなり広く呼びかけを行っているというお話も伺っております。今後につきましても、新型コロナウイルス感染症対策として本市にとって必要な施策については、議会の御理解をいただきながら、機を逃さず、丁寧に対応してまいる所存でございます。 ◆10番(中原明夫議員) 一部、次の質問に関わるところも御説明いただいたんですが、令和2年度並びに令和3年度合わせて310億円の事業費を投じるということでございます。そのうち呉市単独が11億円、この11億円が多いか少ないかは別といたしまして、これほど事業費を投入しても、市民感情としては危機感が拭えないのかなあと感じております。ワクチン接種も始まりまして、来年度中には感染状況も徐々に改善され、経済活動も正常化に向かうことを切望しているところでございます。当局におかれましては、これまで以上に、タイムリーな支援策を立案、実行されますよう要望しておきたいと思います。 次に、先ほど市長答弁でも若干御紹介がありましたが、国の令和2年度第3次補正予算に織り込まれました中小企業等事業再構築促進事業、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、需要や売上げの回復が困難な中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業などの事業再構築を支援する制度で、予算額は1兆1,000億円程度と聞いております。この補正予算に基づく呉市の対応及び日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の対応についてお伺いいたします。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 呉市では、新型コロナウイルス感染症の影響や日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止発表などがあり、中小企業等はポストコロナ時代の経済社会の変化に対応しながら事業継続をすることが重要となっております。そういった中で、先ほど市長からも御紹介がありましたけれども、新分野展開や事業転換など、事業の再構築に取り組む企業を支援する国の制度、こちらは通常枠でも6,000万円まで支援することとされておりますが、こちらに対して上乗せ補助を行う呉市独自の支援制度を新年度から創設することとしております。具体的には、通常枠といたしまして事業者負担の10分の1を補助することとしており、限度額は300万円でございます。さらに、日鉄加算として日本製鉄株式会社との取引割合に応じて上限額を決めており、取引割合が10%から30%で上限100万円、31%から50%で上限200万円、51%以上が上限300万円としております。つまり、日鉄加算を含みますと1事業者当たり最大で600万円まで補助する仕組みとしております。そのほか、広島県におきましても、企業の合理化計画の実施により影響を受ける取引先企業が、引き続き県内で事業を行うために必要な設備投資を支援するため、最大1億円の助成制度を新年度から創設することとされております。 なお、日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止に関する雇用への対応につきましては、合理化計画の実施により影響を受ける日本製鉄株式会社や関連・協力会社の従業員のうち、地元に残り新たな就職先を探すことを希望している方を対象とした合同企業説明会、相談会を、引き続き広島労働局などと協力しながら実施してまいります。今後とも広島県・国と連携し、日本製鉄株式会社に対して、計画どおり全面休止となった後の対応も含め、具体的な方針などを早急に示すよう引き続き粘り強く求めていくとともに、地域への影響を最小限にとどめることができるよう、地域や企業のニーズを踏まえながら必要な対策を実施してまいりたいと考えております。 ◆10番(中原明夫議員) ありがとうございます。先日の新聞記事に、呉関税支所管内の2020年の輸入額が前年を43%下回ったという記事が載っておりました。要するに、これはほぼ半減したということでございます。これは日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区で使用する石炭や鉄鉱石が大幅に減少したことが主な原因と書いてありました。輸入総額は、過去10年で最低ということでございました。本年9月末には、鉄を作る工程が全て停止する予定でございます。今後は、多方面にわたり様々な影響が出てくると考えられます。このような状況において、答弁にありました呉市に残りたい方を対象とした合同企業説明会には、多数の企業が参加いただいたと聞き及んでおります。これは要望ですが、採用が実現した事業者に、何らかのインセンティブといいますか、補助とかができないかというのも今後は検討していただけないかなあと思っております。 また、呉市ビジネスモデル転換支援事業や事業再構築事業の支援策によりまして、日本製鉄株式会社の関連会社において、呉市での事業継続を目指して事業転換や設備投資に踏み切る事業者も出てまいりました。この場をお借りして感謝申し上げるとともに、今後とも力強い支援策の立案、実行を要望しておきたいと思います。 では次に、水道事業の広域連携に移りたいと思います。 水道事業は、配水管など水道施設の老朽化に伴う更新需要の増大や人口減少に伴う料金収入の減少等により、経営環境は厳しさを増しております。こうした中、水道事業は市民に必要不可欠なライフラインとして持続的な経営を確保するため、経営基盤の強化を進める必要がございます。こうしたことを背景として、地域の実情を踏まえ、水道事業の広域連携の検討が各都道府県を推進役として進められております。広島県は市町の意見を参考に、広域連携の推進に向けた基本的枠組みや具体的な取組などを取りまとめた広島県水道広域連携推進方針を令和2年6月に策定いたしました。この中で、広域連携の基本的枠組みとして、経営組織を一元化する統合による連携と、事務の広域的処理などに取り組む統合以外の連携が示されまして、いずれかを市町において選択することとされました。そこで、呉市が県案に示されている統合以外の連携という選択をいたしましたが、まず、その考え方を改めて確認させていただきたい。併せて、今後どのように県や周辺市町の事業体と連携を行っていく方針なのか、また、県などから具体的な内容が示されているのか、お伺いいたします。 ◎上下水道事業管理者(澤村直樹) 2点の御質問がございましたので、順次お答えをさせていただきます。 まず、現在、広島県を中心に協議を進めております県内水道事業の広域連携の問題につきましては、本市は統合以外の連携を選択いたしましたので、その考え方につきまして改めて御説明をいたします。 現在、本市の水道事業は、平常時における窓口の24時間体制でのサービスや、漏水など配水管の事故が発生した際に直営で即時に対応する体制、さらには、災害時における危機管理体制などについて高い水準にあると考えており、現在の人員や技術力を継承しながら、さらなる向上を目指して取り組んでいるところでございます。こうした状況の中、統合による連携への参加については、企業団に参加しても市民にこれまでどおりのサービスが提供できるのか、また、これまで以上に経営力や技術力の向上が図られるのかなどを見極めた上で判断をすることといたしました。そうしたことから、広島県が昨年6月に策定をしました広島県水道広域連携推進方針に従いまして、当面は統合以外の連携という形で広域連携に参画することといたしました。このことにつきましては、昨年12月の文教企業委員会で御報告をさせていただいております。 次に、統合以外の連携を選択した市町の広域連携への取組については、推進方針において2点が示されております。1点目は、施設の共同化ということで、浄水場などの施設を共同で整備することでございます。2点目は、事務の広域的処理ということで、職員研修や施設の運転監視業務、窓口業務などを共同で実施することでございます。具体的な内容につきましては、令和3年度以降に検討することとなっており、現時点ではまだ示されておりません。広域連携ということで申しますと、本市では昭和40年代から既に広島県と休山隧道配水池などの水道施設を共同で運用し、また、本市の戸坂取水場の維持管理業務を広島県に委託するなど、既に施設の共同化、事務の広域的処理を実施し、事業の効率化を図っているところでございます。今後も本市にとってメリットがある連携かどうかをしっかり検討しながら、設立が予定されております企業団はもちろんのこと、本市と同様に統合以外の連携を選択しました広島市、他の市町などとも効果的な広域連携に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆10番(中原明夫議員) 統合以外の連携を選択したということは、単独経営を続けるという意思表明であると考えます。現時点では、統合による連携で発足する企業体の詳細も明らかになっていないようでありますので、本市と同様に統合以外の連携を選択した市町と連携を深めながら、状況を注視して慎重に検討を継続していただきたいと思います。 次に、単独経営で運営するためには、技術者の確保、育成や経験者の配置が必要不可欠であるとともに、各部門での技術継承・人材育成を、人事計画等を含めて計画的に行う必要があると考えております。職員の高齢化も進行しており、年齢構成のひずみの改善をするためには、新規採用を十分に行い、職員を育成し、単独で責任ある運営を行える体制を継続していく必要があると考えますが、当局の見解をお伺いいたします。 ◎経営総務部長(道本幸雄) 単独経営を行う上での技術者の確保・育成についてお答えをいたします。 まず、技術者の確保につきましては、計画的な職員採用が必要であると考えておりまして、第2次呉市上下水道局職員体制再構築計画に基づき、職種を考慮しながら、毎年度、技術職員の採用に努めております。 次に、こうした技術者の人材育成につきましては、日々の業務の中でベテラン職員が有する技術を若い職員へ継承するとともに、技術職員を対象として、例えば仕切り弁などのバルブ操作とか、探知機を用いた漏水箇所の特定など、上下水道局独自の研修を実施しているところでございます。また、先端技術や専門技術等を習得するため、公益社団法人日本水道協会等の研修へ積極的に職員を派遣しているところでございます。さらに、令和元年度から指定管理者制度を導入し、指定管理者へ職員派遣を行うことで、民間を含めた技術・技能の継承に取り組むとともに、民間のノウハウの習得にも努めております。水道事業を運営するに当たって、人材育成・技術継承は重要であると考えておりまして、今後ともしっかりと取り組みながら、技術力の向上に努めてまいりたいと思います。 ◆10番(中原明夫議員) ありがとうございます。豪雨などの異常気象による自然災害の頻度も増えてきております。緊急時の現場対応は必要と考えますので、十分な採用人数の確保、職員の技術継承・人材育成に取り組んでいただくよう要望しておきたいと思います。 次に、防災体制についてお聞きいたします。 統合以外の連携を選択することで、単独経営時の公益社団法人日本水道協会を通しての応援態勢などの防災体制も、より強化されるのでしょうか。また、統合以外の連携による広域連携での協力体制はどういった形になるのか、お伺いいたします。 ◎経営総務部長(道本幸雄) 統合以外の連携を選択後の防災体制についてお答えいたします。 まず、現在、本市の水道施設が被災した場合の他市町からの応援態勢につきましては、全国の市町村等で構成をする公益社団法人日本水道協会を中心とした相互応援の仕組みに基づき、本市からの要請により応援活動を行っていただいております。統合以外の連携を選択した後も、こうした仕組みを活用して、これまでと同様に、迅速かつ効果的な応援活動を行っていただけるものと考えております。また、本市では、これに加えて、市長事務部局職員のマンパワーの協力を得ながら、きめ細かな応急給水活動を行っておりますので、今後もしっかり連携させていただきたいと考えております。新しく設立される企業団の防災体制は、今後、設置される企業団設立準備組織で検討されることになりますが、いずれにいたしましても、企業団や広島市など他の市町と、災害時の応急給水作業・応急復旧作業において、十分な連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆10番(中原明夫議員) ありがとうございます。呉市では、寒波による凍結・漏水対応も、上下水道局の応急止水班の職員が対応しているということを聞いております。迅速に対応できていると認識しているところでございます。小さな市町では、職員と技術不足でそうした対応ができないところも多いと聞いております。呉市内でのきめ細やかな対応を今後も継続できる体制を維持できるように要望しておきたいと思います。 次に、呉市は、三永・本庄・二級・新宮・休山隧道配水池等の老朽化施設を多く抱えております。これらの施設の維持管理費用も今後増加すると考えられます。人口も減少し、料金収入等も減る中で、更新計画の考え方、水需要に応じたインフラ整備の考え方について、お伺いいたします。 ◎経営総務部長(道本幸雄) 上下水道事業における老朽施設の更新の考え方についてお答えをいたします。 議員さんが、冒頭にもおっしゃられましたけれども、本市の上下水道事業を取り巻く環境は、人口の減少や節水機器の普及による水需要の減少に伴い、料金収入等が減少する一方で、高度経済成長期に建設・整備した多くの上下水道施設が老朽化し、今後更新時期を迎えるため更新費用が増大するなど、厳しい状況となっております。このことから、老朽化した施設の更新に際しましては、将来の水需要の減少を考慮し、施設の適正な規模を見極めた上で施設能力を縮小するほか、市町の枠を超えて施設の共同化を行うなど、最適な施設規模での更新、廃止を進めてまいりたいと考えております。施設の更新に当たっては、多額の費用と長い期間が必要となります。そのため、平成25年度に策定しました呉市上下水道ビジョンや、平成28年度に策定をいたしました呉市水道アセットマネジメント計画等に基づき、更新費用の抑制や平準化を図りながら、着実かつ計画的に推進してまいりたいと考えております。 ◆10番(中原明夫議員) 水道は快適な市民生活や都市活動において欠くことのできない重要なインフラ設備であり、安心できる水の持続的な供給が求められております。20世紀に整備拡大した施設の多くが老朽化しつつありまして、21世紀の現在は、水道施設の更新、再構築が水道事業運営における重要課題の一つになっていると思います。水道施設の老朽化が進行していく中で、本市においても施設の更新、再構築費用の増加が見込まれる一方、人口減少や水需要の減少、節水の取組等により水道料金収入も減少し、一層厳しい状況になると予想されております。前の質問でも述べましたが、地方公共団体の水道技術職員の減少、高齢化によりまして、水道施設の維持管理、運営業務を独力で行うことが困難になる可能性も考えられ、今回のような連携が生まれたんだろうと思います。今後こういった技術の継承への対応も必要となってまいりますし、近い将来、水道施設の大量更新、再構築が必要になってくることから、アセットマネジメントは確実に行いまして、資産の更新、再構築計画を長期スパンで行うことで、事業計画に伴う財政収支の妥当性や資金の確保、財政計画等を確実なものとして水道事業の運営基盤の強化が推進されまして、統合以外の連携の下で、安心できる水の供給が達成できることを御期待申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で中原議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △渡辺一照議員の予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 23番渡辺議員。              〔23番渡辺一照議員登壇、拍手〕 ◆23番(渡辺一照議員) 同志会を代表いたしまして、令和3年度、新年度予算総体質問をさせていただきます。 この1年間ほどは、世界中が新型コロナウイルス感染症に翻弄され続け、社会も経済も大きなダメージを受けることとなりました。日本においても、感染拡大が顕著になり始めたのは、昨年の3月以降のことでした。以来、新規感染者数は波を打つように増減を繰り返して、呉市も、先日までは新規感染者が出る日もあり、出ない日もありという状況で、収束の見通しがまだつかないまま、この1年がたとうとしております。このウイルスの蔓延と感染症への拡大は、未曽有のパンデミックへと発展し、1年が経過しても、今なお世界を混乱させ続けており、経済、社会両面において、近年まれに見る苦難の1年となりました。呉市においては、日鉄日新製鋼株式会社瀬戸内製鉄所呉製鉄所の全高炉休止や、三菱パワー株式会社の事業縮小など、呉市経済にはとてつもない激震が走っております。かなり大きな余震が今後も続きそうです。通常であれば、この激震を広島市などの近隣地域に助けの手を差し伸べてもらい、緩衝していく、そしてしのいでいきたいところですが、このコロナ禍におり、各自治体はそれどころではない状況は見てとれます。呉市は、最悪のタイミングでコロナ禍に突入してしまいました。この不運を妬んだり悔やんだりしてもしょうがないので、このピンチをチャンスに変えるように発想を大転換する必要があります。令和3年度を初年度として、第5次呉市長期総合計画が策定されました。通常なら、呉市の将来像を市民に想像させて、その実現のために必要な施策を行っていくということですが、このコロナ禍という未知の転換期に突入しております。自分自身や家族間の根本的な価値観、または、周りの社会や経済の価値観も変化し始めております。このコロナ禍の状況や日本製鉄株式会社等の問題を踏まえ、呉市の市政運営の指針でもある10年後の呉市の未来の姿を示す第5次呉市長期総合計画を、市長はどのような思いで作成されたのか、お尋ねいたします。 以後の質問は、質問席で質問をさせていただきます。            〔23番渡辺一照議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま渡辺議員から、第5次呉市長期総合計画について市長はどのような思いで策定したのかという御質問をいただきましたので、お答えをさせていただきます。 私は、くれワンダーランド構想のときから一貫して申し上げていることでございますけれども、呉市は豊かな自然に囲まれていることに加え、古くから大陸や日本海からの交易の地として栄えてまいりました。戦前、戦中は世界最高水準の技術と人が集まる日本一であり、世界でも有数の海軍工廠を擁するまちとして発展をしてまいりました。広地区には航空廠もございました。現在の呉市は、こうした歴史と技術を生かしたものづくり産業、そして豊富な医療資源などを有する多様性に富んだ都市となっております。一方、今の呉市は、人口減少、少子高齢化が進行しています。また、人工知能や全ての人と物がつながるIoTなど、様々な技術の急速な進展へ対応していかなければなりませんし、自然災害の脅威への対応が求められるとともに、新型コロナウイルス感染症を克服し、新たな日常を構築することも求められております。さらには、議員御指摘のとおり、日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止発表に伴い、地域の雇用や関連企業の経営等が極めて大きな影響を受けております。地域経済への対応も急務となっております。 このような時期を迎えた中で、呉市総合計画審議会などにおいて、様々な分野の専門家の方々や議会・市民の皆様から、私たちは一人一人が危機感を持ちながら、主役となって変化する社会や課題に正面から向き合い、柔軟に対応しながら、未来のあるべき呉市をしっかりと描き、その実現に取り組んでいくことが望まれるとの御意見をいただいたところでございます。この長期総合計画の基本構想では、将来都市像の実現に向けて呉市が取り組む政策を8つの分野に分類し、それぞれの政策分野で、令和12年度、2030年度末までに実現する、目指すべき姿を掲げ、取組を進めてまいります。これらの取組の推進に当たっては、海軍の発展とともに世界最高水準の技術や人が集まった歴史や文化、ものづくりの技術、島・海・山などの豊かな自然や、その中で育まれた地域資源を生かした産業など呉市ならではの特性と、最先端の情報通信技術や、データを集積・分析する技術などを融合させながら進めていきたいと考えております。先ほど渡辺議員がおっしゃいましたように、ピンチをチャンスに変えてまいりたいと考えております。ありがとうございます。 ◆23番(渡辺一照議員) ありがとうございます。この呉ですから、海軍からの技術の移転を受けたものづくりの技術を発展させた産業と、また、島と海と山の自然の地域資源などを絡めた10年後の将来都市像を見させてもらいながら、ぜひとも具現化してもらいたい。また、それを、市民の理解を得つつ、理想の呉市へ引っ張っていってもらいたいと思っております。 次に、産業の分野についてお尋ねいたします。 第5次呉市長期総合計画の令和3年度予算は、「誰もが住み続けたい、行ってみたい、人を惹きつけるまち『くれ』」の実現に向けています。その中の産業分野について、企業誘致、雇用環境の整備についてお聞きします。 予算を踏まえまして質問いたしますが、呉市の地域経済の活性化と雇用の場の拡大を図るため、地域の特性や特徴を活用して企業誘致を進めていただきたいと思っております。呉市の特徴でもある、ものづくりの産業の誘致、そして、より有効的な企業の集積地、工業団地などの構築などをどのように考えていますか。企業誘致には、企業の立地へのサポートが欠かせません。企業立地としてのニーズと、市内の遊休不動産等の有効活用を図るためのマッチングも考え、そのためのライフラインなど環境整備や、各種の助成金、補助金の活用等の手引き等も相談に乗っていかなければなりません。この点、当局はどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いいたします。 ◎産業部長(寺嶋文秀) ものづくり産業の誘致と産業団地の再構築等についての御質問でございますが、呉市の経済活性化と雇用の場を確保する上で、新たな企業の誘致、あるいは既存企業の誘致といったことにつきましては非常に重要であると考えておりまして、これまでも様々な機会を捉えてセールス活動を行ってまいりました。こうした取組もありまして、苗代工業団地は平成29年度に完売、阿賀マリノポリス地区についても大半が売却済みとなっているところです。また、御承知のとおり呉市は山に囲まれた地形であり、産業団地に適した平地を確保することが難しい中、苗代工業団地が完売して以降も新たな産業団地の確保に向けた検討をしてまいりました。その検討の中で、候補としていた箇所につきましては、残念ながら平成30年7月豪雨災害による山腹崩壊等によりまして、造成の採算性や安全性の確保が見込めないことが判明したため、現在検討業務を中断しております。今後も新規企業の誘致と既存企業の留置に向けた取組を継続して行うため、産業団地の確保だけではなく、市内の遊休不動産の活用を含めた再構築の視点を持ち、取組を進めていきたいと考えております。 また、立地を検討されている企業に対し、効果的で適切な説明を行うためには、日頃から企業ニーズをしっかりと把握することや、広島県などとの情報交換が重要だと考えております。そのため、企業訪問等により、周辺環境の整備を含めた企業ニーズの把握や、遊休地の情報収集など広島県とも協力して情報を共有し、企業からの要望等に対しても、丁寧で迅速な対応に努めているところです。また、呉市では県内トップクラスである企業進出の優遇制度を用意しており、広島県が市町と共同で実施する広島県企業立地推進協議会にも参加し、東京・大阪などの企業が集まる場でのセミナーを行うほか、企業誘致担当者の誘致力向上に向けた研修会にも参加するなど、企業ニーズの把握とセールス活動を行うとともに、職員のスキルアップを図り、企業誘致を進めているところでございます。 ◆23番(渡辺一照議員) ありがとうございます。誘致はほかの市町村も一生懸命やっているので、なかなか難しいとは思います。また、日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区の休止や、その下請等々の会社倒産のこともありますので、その点も想定内として考えながら今後の誘致活動をやってほしいと思います。 続きまして、大都市から地方へと、本社機能の移転が、今随分と話題に上がっており、大々的に言われております、皆さん御存じのとおり人材派遣大手の株式会社パソナは、淡路島へ本社を移転することにより、社員1,000人が移住することになりました。その家族を含めると、地域経済への影響やコミュニティーへのインパクトは、かなりのものだと思われます。また、江田島市においても、IT企業の本社機能移転が行われているようであります。今後このような流れも出てくると思いますが、そのような勧誘などの話が来た場合に、想定内として行動できるようになってほしいのですが、当局のその点の動きやお考えをお伺いいたします。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 先ほどの答弁と重複をいたしますが、企業立地に向けた取組については、広島県とも情報共有しながら行っているところでございます。本年度は、コロナ禍ということもあり、県内などの企業訪問等を行うことが非常に難しい状況となっており、なかなか成果が現れておりませんけれども、引き続き本社機能移転やIT企業等へのセールス活動を進め、また、そういったお話をいただいた際には、引き続き丁寧で迅速な対応を心がけてまいりたいと考えております。 また、令和2年度から本市の企業立地条例にサテライトオフィスに関する助成を追加しております。今後、呉市全域で光回線が整備されることに合わせて、ワーケーション・サテライトオフィスの誘致等に関しましても、各種助成制度の説明や物件の紹介、あるいは物件探しのお手伝いも含め、積極的に取り組んでいきたいと考えております。 ◆23番(渡辺一照議員) この本社機能ですが、大体が東京方面に本社がありますので、ぜひとも東京事務所等の出先機関と連携を取りながら、今はリモートの時代なので、いろいろな形で情報は得られると思いますので、そういう点を考えていただきたいと思います。 続きまして、地元企業の発展と起業・ベンチャーなどのチャレンジ環境の整備について、新たなビジネスチャンスへの挑戦としておりますが、個人経営者1人から事業を始める起業家や、製品や技術のイノベーションを伴いながら新たな事業輩出を目指すベンチャー企業は、次なる企業拡大を試みるため、ベンチャーへの投資家の投資による成長というものが基本的なビジネスモデルとなってきております。ベンチャー企業は日本の経済を活性化する存在として期待されておりますが、起業する人材やベンチャー企業への理解者が少なく、また、サポートする施策や人材がまだまだ弱い状況です。国・県も様々な取組によってそのような環境整備を進めていますが、その間を取り持つ人材等の不足が思いやられております。そのような点について、当局のお考えをお伺いいたします。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 起業者やベンチャー企業の間を取り持つ人材についての御質問でございます。 現状、新たな事業展開に向けた相談があった場合、各種支援制度の説明に関しては、商工振興課や広島県の担当課で対応するとともに、実際の事業計画の相談等につきましては、くれ産業振興センターや金融機関をはじめとした支援機関につなぎ、スムーズに対応するよう努めております。また、呉市では、起業・ベンチャー事業者などへの支援として、平成30年度から起業家支援プロジェクトを実施し、その選考過程において支援機関や企業OBなどによるブラッシュアップを行うなど、事業成功に向けた支援を行っているところです。このほか、昨年4月からくれ産業振興センターに外部アドバイザーを配置しており、10月には、事業者の新事業や事業転換なども含め、様々な悩みや相談に応えるため、飲食店や商店街など全ての業種の総合支援を行う窓口として「Bit's呉」を開設し、様々な機関との橋渡しや課題解決に向けた取組を行っております。今年度は、当該アドバイザーの取組によりまして、国の事業の一環といたしましても、神戸大学大学院の忽那(くつな)教授をお迎えしまして、「ビジネスモデルの転換とベンチャー型事業承継」をテーマに、既存の事業と新しい事業を同時に発展させていく、両利きの経営について講演をいただくなど、新たな取組も始まっているところです。今後も引き続きこういった取組を発展させながら、地元企業の発展と新たなチャレンジの支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆23番(渡辺一照議員) ぜひともベンチャー企業を助けてあげてください。GAFAみたいな大きな企業が、将来、呉から出るかもしれないので、最初の手助けをしてあげてください。 続きまして、観光振興についてお伺いいたします。 今はコロナ禍で、呉市の観光産業も観光客もビジネス客も少ない状況であり、呉市の業界も危機的状況です。先日、呉市は、観光振興計画策定委員会を開催され、観光消費額を年17億円増やしていく計画で、5年後には観光消費額を310億円に引き上げると計画しております。1人当たりの消費額を年8,300円から500円増加させ、宿泊者を年1%増やしていくことをおっしゃっています。大変明るい希望の計画で、観光で恩恵を被る事業者は、一遍の光を見つけたようで、大変心強いと言っております。これは計画でしょうが、これらの裏づけとなる御説明をしていただきたいと思います。例えば観光客1人当たりの消費額をどのぐらいに設定し、日帰り客と宿泊客の人数のような内容で、この増加要因等でお考えがあるのなら、教えていただきたいと思います。 ◎産業部長(寺嶋文秀) ただいま、議員のほうから御紹介がありました呉市観光振興計画の策定委員会でございますが、策定委員会におきまして、その計画について御審議をいただいているところでございます。同計画の素案でありますけれども、令和4年度から令和8年度までの5か年の計画期間中に観光消費額を毎年17億円増加、その算定基礎となる令和元年度の観光消費額の総額249億円を、令和8年には317億円まで引き上げていくという目標値を設定することで検討を進めております。これは、今後の人口減少に伴う個人消費額の減少を補完するためには、観光消費額を毎年17億円増加させる必要があるということで試算をしたものでございます。お尋ねの観光客1人当たりの観光消費額の増加額及び日帰り客と宿泊客の内訳でございますが、まず、令和元年の観光客1人当たりの観光消費額は8,300円で、このうち日帰り客の単価は7,000円、宿泊客の単価は1万6,200円でございました。観光消費額を毎年17億円増加させるためには、これらを、日帰り客の単価は毎年400円、宿泊客の単価は毎年1,000円増加させていく必要があるという試算で、平均1人当たりの観光消費額単価は、毎年500円ずつ増加させていくとしているものでございます。また、観光客数についても、令和元年の入り込み観光客数が推計300万8,000人、そのうち日帰り客が260万人、宿泊客が40万8,000人ですが、日帰り客については、毎年0.5%、これは1万5,000人程度でございます。そして、宿泊客は毎年1%、4,000人程度を増加させていくことを試算の前提としております。この計画なんですが、市民や事業者など観光に関わる全ての人たちが、この目標を達成するための行動指針として、たくさんの人に呉にしかない日常に触れてもらい、たくさんの人と人がつながり、たくさんの呉ファンを生み出し続けようといった指針を、前回の策定委員会で素案として提案させていただいたところでございまして、今後さらに議論を深めていくことになります。 また、具体的な取組内容の事例といたしましては、例えばマーケティングのデジタルトランスフォーメーション化がございます。これは、顧客データベースを構築し、そのニーズ分析に基づいた商品やサービスを提供していくマーケットインの発想により、いかに呉市外からの外貨を獲得して、地域経済の好循環を図るかといった地域経営の考え方を推進していくものでございます。また、このような観光による地域経営に取り組むには、顧客データベースを運営していく組織や、ニーズに基づいた商品やサービスを開発・提供していく事業者、そして商工会議所は、商工会などの団体や市民がそれぞれどのような役割を担いながら観光産業を推進していくのがよいかといった体制づくりの検討も今後、必要になってまいります。そのほか、市民意識を向上していく取組などがございますが、現在、策定を進めている5か年の計画では、これからの呉市の観光振興の土台を作る大切な期間として位置づけ、目標達成のためにオール呉市で取り組んでいきたいと考えております。今後、議員の皆様には、計画策定委員会での議論を踏まえ、その内容や進捗状況につきまして、丁寧に説明をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆23番(渡辺一照議員) 計画が実現になるように頑張ってもらいたいと思っております。 続きまして、都市基盤整備やスマートシティーを象徴する呉駅前再整備についてお伺いいたします。 これは、午前中の同僚議員のほうから呉駅前開発の質疑がありましたので、少し見方を変えて質問させていただきます。 スマートシティーや都市間交流を考える上での呉駅前整備についてお聞きします。 市長も呉駅周辺地域の総合開発は大変重要な取組だとされております。この呉駅周辺地域総合開発については、昨年4月にまちづくりとスマートシティーの発信拠点を形成していくという基本理念と、その実現のために5つのビジョンが示されておりました。また、昨年11月には、旧そごう呉店の所有権の権利集約が終わり、再開発をスタートできる環境整備ができましたが、呉市民からは進んだように見えておりません。スマートシティーや都市間交流の推進に、呉駅周辺地域がどのような役割を果たしていくのか、今後、市民に対してどのように分かりやすく説明をしていくのか、お伺いいたします。 ◎理事兼都市部長(近藤昭博) 呉駅周辺の再整備を進めるに当たりましては、まず、単に旧そごう呉店の跡地活用にとどまらず、少し広い範囲で再開発を考えるべきであるという発想から始まっております。この発想の原点となりましたのが、呉駅周辺地域の大きなポテンシャルであり、国道31号、JR呉駅、呉中央桟橋が半径300メートル以内に立地しており、バス・鉄道・航路の3つの交通モードが集積していること、県内全域で見渡しましても、広島市内へ電車で30分、空の玄関口である広島空港へもバスで1時間程度と比較的近く、また、海側へは四国方面、とびしま海道にも近いといった立地的な優位性がございます。都市間交流を考える上で、こうした優位性を生かしていくことが非常に重要であり、呉駅周辺地域総合開発は、まさにこの観点から市全体のまちづくりの起点となる総合交通拠点を目指していくものでございます。スマートシティーも同様の観点でございまして、現在、世界でスマートモビリティーの分野が大変、注目を浴びております。これからの次世代モビリティーは、走行中に莫大な情報を習得し、こうした情報が様々な次世代サービスを自ら生み出していく可能性が高いと考えられており、スマートモビリティーの拡大が、まずは市全体のスマートシティーの拡大につながっていくものと考えております。こうしたことから、呉駅周辺地域総合開発は、都市間交流の起点であると同時に、人・物・情報がつながるスマートシティーの起点としての役割を果たすものと考えており、本市においては、交通社会実験などの取組を行いながら、総合開発の検討を進めているものでございます。 ◆23番(渡辺一照議員) 市民の移動の交通拠点としての環境整備について、お伺いいたします。 国はバスタプロジェクトの考え方で、呉駅の交通拠点としてバスタ新宿の呉版として、整備を進めようとしております。将来像としては、バス・タクシー・一般車両などが利用しやすい交通拠点広場として造り替え、2階には歩行者通路、あとEV・電気自動車などのスペースを造るという構想が練られております。この駅前整備により、どのように市民の移動がしやすくなるのか、また、交通拠点としてはどのような整備がなされるのか、また、バスタプロジェクトの実現に向けた状況についてもお伺いいたします。
    ◎理事兼都市部長(近藤昭博) 現在、駅前広場の再整備につきましては、国直轄事業として国道31号の一部となります交通ターミナルの整備を進めていただく方向で、国土交通省とともに事業計画の策定を進めております。この詳しい内容は、本定例会中の産業建設委員会にて追加の行政報告案件として報告させていただく予定としておりますが、この事業計画の中でも、市民の移動の交通拠点としての環境整備という点に十分意を用いて作業を進めております。具体的には、雨天時や寒いとき、待ち時間が長いときなどの利便性向上に向けて、トイレを備えた待合機能を建物内の2階部分に整備すること、そのほか、鉄道・バス・タクシー・一般車・自転車・航路など、呉駅周辺の多様な交通モード間の接続を強化していくこと、こうした交通モードとの連携を考慮しながら、広場2階のデッキにより、そごう呉店跡地を含む駅前空間を立体的に活用し、効果的な施設配置と便利で安全な歩行者動線を確保すること、利用者の利便性に資するにぎわい機能や、運行情報をはじめとする全ての交通機関の情報発信機能、さらには災害時の帰宅困難者の受入れを想定した防災機能を導入すること、最後に、次世代モビリティーの導入を想定し、タイプに応じて導入空間をすみ分け、最適なモビリティーネットワークの形成を図ることなどについて、事業計画に盛り込むことといたしております。現在、この事業計画の策定作業を国とともに進めておりますとともに、その新規事業化を呉市から国に強く要望しており、近々、事業化が決定されるものと大きな期待をいたしております。事業化決定後も引き続き国と連携しながら、市民や来訪者全ての人が利用しやすい総合交通拠点の整備を実現してまいりたいと考えております。 ◆23番(渡辺一照議員) ありがとうございます。午前中の同僚議員のお話のように、なかなか市民に対して見えるものがないので、ぜひとも、もうちょっと具現化して見せたほうが今後はいいのかなと思いますし、また、バスタについても、新宿バスタを見た者からすると、呉市のバスタ呉ってどうなるのという、新宿と比較をして質問するし、また、見られてない方とかは、バスタって広島バスセンターとどう違うのという疑問もかなり出てくるので、根本的な説明もしていってあげないと、なかなか理解してもらえないのではないかと思います。 続きまして、子育て、教育分野のICTについて質問をさせていただきます。 このコロナ禍で、大学生は今オンライン授業をやっておりますが、呉市においてもICTによる保護者応援とデジタル社会の子供の育成について、ICTを活用した教育の推進のために1億2,000万円余りの予算がついていますが、保護者はいろいろな不安を持っております。例えば、1台幾らぐらいで、何人に配布するのか、教員も同じように配布するのか、ICTの支援員はどのような方で人数は足りるのかとか、タブレットを持ち帰ること、自宅のWi-Fi環境の格差、保護者への説明など、これは午前中の同僚議員もタブレットについて質問等をさせていただきました。また、これは保護者から見た疑問とか、そういう不安をお伺いさせていただければと思います。 まず、児童生徒のICTへの順応では、初めて触る児童生徒もいれば、プログラムを組む児童生徒もいます。これらの格差をどのように調整していくのか。 また、児童生徒に対して、教員が、ICTの使用方法などを指導できるだけの理解力をつけることができているのか。保護者には、トラウマのようなものとして、小学校での英語教育の開始時に、教員による授業の質の高い低いが出ていたようなことがあり、そのおそれが今回もあるのですが、これらを不安視するのは杞憂でしょうか、これらの不安をお伺いさせていただきます。 ◎教育長(寺本有伸) ICTを活用した教育について、保護者の不安等を踏まえたお尋ねでございます。 ICTを活用した教育の推進のための予算のうち、タブレット端末配布に係る費用等については、タブレット端末は1台当たり4万4,990円で、児童生徒1万4,866人、教職員1,141人に3月末までに各学校に配布する計画で進めております。ICT支援員についてでございますが、機器操作をする上で生じるトラブル対応、授業の支援、危機管理のサポート、タブレットの有効活用に向けた研修等を行うことができるICTに関して専門性のある方で、教員などの学校勤務経験者等を考えております。このようなICT支援員を、呉市立小中学校全60校に対し6名派遣いたします。ICT支援員1名が約10校を担当する考えです。タブレット端末は持ち帰りを前提としておりますので、保護者に不正使用や目的外使用の禁止等の取扱いのルールを示したり、リーフレット等を配布いたします。また、自宅にWi-Fiネットワーク環境がない家庭に対しては、モバイルWi-Fiルーターの貸出しを行ってまいります。児童生徒への指導についてでございますが、一人一人の理解度に合わせた適切できめ細やかな指導をしてまいります。最後に、教師のICT活用指導力の違いにより授業の質に差が出ないよう、既にタブレットの有効活用に向け、基本操作の講習会や授業支援アプリの講習会等を実施しております。また、ICT支援員によるサポート体制を構築してまいります。教育委員会といたしましては、保護者の不安を解消すべく全力で取り組んでまいります。そして、新しい時代に求められる教育の充実に向け、ICTを活用し、創造性を育み、個別最適化された学びを推進し、未来をつくる人材の育成を目指してまいります。 ○議長(森本茂樹) あと3分です。 ◆23番(渡辺一照議員) ありがとうございました。教育長、よくお分かりなんですけれど、家庭に持って帰ると、中学生のお兄ちゃんのタブレットか小学生の弟のタブレットか分からなくなって、どちらを持っていくかということもあります。同じiPadだと思いますが、そういう点で保護者にはいろんな問題があります。その前に、親としては、小学校1年生からタブレットを渡すという状況になりますので、今までスマートフォンをいつ渡すかと何年間も戦い続けた親と子供の関係が皆さんあると思うんです。あの子はもう小学校低学年からもらっているが、私はもらっていない。中学校からはいいでしょう、高校まで駄目だとか、各家庭でその戦いがかなりあると思います。そこへ小学校1年生からタブレットをぽんと渡すと、じゃあスマートフォンはという状況にもなり、保護者のほうがつらい立場にだんだんなっていくんじゃないかと思います。 また、その段階で、教育長もおっしゃったように、子供がタブレットなりスマートフォンをどういうルールで使っていくのか。それは家族間のルールなのか、それとも学校からのルールがまずあるのか。そういう話をしていかないと、なかなか家庭内で収まるものも収まらなくなりますので、ぜひともそういう部分も考えて御指導ください。これは、親と子供のスマートフォンをいつ渡すかという永遠のテーマとなっております。 以上で私の質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で渡辺議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △小田晃士朗議員の予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 30番小田議員。             〔30番小田晃士朗議員登壇、拍手〕 ◆30番(小田晃士朗議員) 皆さんこんにちは。誠志会の小田でございます。早速ですが、質問に入らせていただきます。 呉市は、昨年、第5次呉市長期総合計画の基本構想を策定し、我々も議決をいたしました。この計画については、るるありました。質問を割愛させていただきますが、私はこの令和3年度から10年間、大事な計画のスタート、初年度の予算ということで、しっかりと議論を深めていきたいと思い、この場に立たせていただきました。お時間をいただき、感謝を申し上げます。 その中で、私の質問内容は、注目したい言葉、この基本構想の中の将来都市像の1番目に、質の高い生活が実現されるスマートシティ「くれ」と書かれております。この将来都市像の1番目に書かれているこのスマートシティーという言葉は、今後の呉市にとって非常に大切なものではないかと考えております。アレルギーのある言葉だとは思うんですけれども、今日このスマートシティーについていろいろ、一本で聞いていきたいと思います。小問で計6問させていただきます。 早速ですが、そのスマートシティーに私が思う事業を含めて質問していきたいと思います。 まず初めに、このスマートシティーという言葉、様々な解釈がございますが、呉市においてこの考え方、どういった考え方で、なぜ今この政策が必要なのか、説明をお願いいたします。 以後、質問席で質問をさせていただきます。           〔30番小田晃士朗議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま小田議員から、なぜスマートシティーなのか、その根本的な理由についての御質問をいただきました。 先ほど議員からもお話がありましたように、基本構想について議会で御了承、御議決をいただいておりますけれども、その中にもありますように、かつての呉市は、世界最高水準の技術と人が集まるまちでございました。今、世界では同時進行で、AIやIoTなど先端技術を活用して、データを用いて市民生活の課題を解決するための努力が行われています。呉市も来年度中には、全地域に光回線を整備することができますので、先端技術活用のための環境が整います。そこでまず、庁内で設けた呉市スマートシティ推進会議の場で課題を見いだし、その課題を解決するために、全国のスタートアップ企業、つまり新技術や高度な知識を軸に新たに参入した企業などからアイデアを募集し、呉に来てもらって、呉を現場として情報交換し、答えを出し、呉で実際に市内の企業や市民と一緒になって実用化することを目指してまいります。興味を引いてもらえる課題を示すことができれば、アジアやアメリカなど海外からも来てもらえるのではないかと、海外のスタートアップ企業にも来てもらえるのではないかと思います。そのためには、市民生活の向上や新たな産業の創出、双方に魅力的な課題を選び出すことが大事です。呉市民側の課題と、それから技術を出す側で新たな産業の創出、その双方に魅力的な課題を選び出すことが必要でございます。その意味では、多くの課題を抱えて苦しんでいる呉市には、逆にピンチ中にチャンスがあるのではないかと思います。 それからもう一つは、国のバスタプロジェクトと連携して行う呉駅周辺地域総合開発でございます。駅前広場を再整備するに当たっては、次世代モビリティーや自動運転車の乗り入れを想定しております。その際、運行情報をはじめとした大量のデータを蓄積、利用することとなります。そのために、広島大学や呉高専、呉市などで構成するKUREスマートシティコンソーシアムで、国の国土交通省の委託によって調査も進めております。旧そごう呉店の再開発に当たっては、その中に高等教育機関や、呉市、民間などが主体となってアーバンデザインセンターを設置したいと考えています。今後、呉市といたしましては、巨大なデータベースのプラットフォームを作ってまいりたいと考えておりますが、アーバンデザインセンターには、その中で大事な役割を担ってもらうことが考えられます。 健康面で申し上げますと、もともと呉市は、電子化されたレセプトデータの解析、活用については、広島大学や東京大学と共同研究を進めており、全国でも最先端を進んでいるところでございます。さらに、市役所などの持つ多くのデータ、スマートメーターなどによる再開発地域のエネルギーデータ、あるいは河川・道路などに設けられたセンサーのデータや企業のデータなど、多くのデータを集めることができます。このように、大量のデータを集めることができること、加えて、先ほど申し上げたように市から課題を提示することで、多くのスタートアップ企業が呉に集まって、大量のデータを利用して市民生活の向上、あるいは新たな産業を創出することを目指してまいりたいと考えております。市民や民間の企業と一緒になって、そういうことをしてまいりたいと考えております。これによって、再び、かつてのような人と人が出会い、集まる情報などから様々な分野でイノベーションが起こり、ライフスタイルが大きく変化するなど、全国の地方都市のモデルとなることを目指してまいりたいと考えております。 ◆30番(小田晃士朗議員) それでは、モニターをお願いします。             〔自動運転バス実験中の写真を提示〕 ◆30番(小田晃士朗議員) ありがとうございます。市長の熱い思いがすごく伝わってまいりました。その中で、るる同僚議員から同じ質問があったのですが、せっかく写真を撮ったので、見てください。 次の質問に移ります。 今、市全域でスマートシティーを推進していくに当たりまして、その起点として推進しているのがスマートモビリティーでございます。こちら、1月22日から1月24日まで行われておりました、呉市役所から呉駅を周回ルートとする自動運転のバス走行実験の様子でございます。これは小型バスですが、実際に乗せさせていただきました。感想とすれば、すごいなと思っています。皆さん分かりにくいと思うんですけれど、右にエディオンが写っておりまして、右手にエディオンを見ながら、呉駅に向かってずっと進んでおります。これは動画じゃないのが残念なんですが、これを見ていただいたら、運転手さんは手を離して動いています。自動運転というのが、すぐそこに来ているんじゃないかなというのをすごく体感させていただきました。画面ありがとうございます。 そこで、お伺いをさせていただきます。 今年度は5,000万円の予算をかけまして、導入に向けた取組の推進として、自動運転の実装に向けた道路環境の整備、そして民間事業者等による交通社会実験の誘致と書かれており、認識しておりますが、これは具体的にどういった内容なのか、そして我々にどういった影響があるのかをお伺いいたします。 ◎理事兼都市部長(近藤昭博) まず、こうした取組の背景から御説明をいたします。 近年、スマートシティーの取組の中で特に注目を集めておりますのが、単に次世代モビリティーを走らせるだけではなく、都市の様々なデータと連携して新たなサービスを創造するMaaS、モビリティー・アズ・ア・サービスという考え方でございまして、モビリティーとサービスとの連携は、今後大きく前進していくものと考えております。こうしたことから、今後、市全域でスマートシティーを推進していくに当たり、その起点となる最初の取組としてスマートモビリティーを推進しておりまして、具体的には、昨年度は燃料電池バスの社会実験、今年度は、先ほど御紹介もございました自動運転バスの社会実験と、もう一つ、広島大学の主催によるグリーンスローモビリティーの社会実験を実施いたしました。さらに来年度は、全庁的な取組として、スマートシティーに関する幅広い分野での民間シーズの公募を行うことといたしております。 その上で、御質問の自動運転の実装に向けた道路環境整備でございますけれども、GPSやセンサーなどが機能しにくい場面、場所を想定いたしまして、これまで社会実験を行ったルートを中心に、国の助成を受けながら道路側の環境を整備するものでございます。例えば、GPSの電波状況が悪い箇所に磁気マーカーを設置したり、一般車両が多い場所で舗装表示を工夫することなどが想定されますが、まずGPS電波の調査などを行い、環境整備が必要となる箇所、機能を精査して整備を進めてまいりたいと考えております。こうした道路環境整備を行うことにより、自動運転だけでなく、AIやセンシング技術などを活用した生活サービスなど、幅広い分野で民間事業者の社会実験を誘致し、それを実装につなげ、市民生活や企業活動をより便利にしていくことを目指してまいりたいと考えております。 ◆30番(小田晃士朗議員) 先ほど申し上げた、本当に遠い未来だったなあというのが、今すぐそこに来ているように感じます。また、道路側の環境整備ということでありますが、実際に私たちもモビリティーに関して体感し、来年は目で見ることができるんだろうとすごく期待しております。市長からも先進モデルということでありましたが、もっともっと、とがって突き抜けていただいて、呉市すごいなと他市からも言われるように、この政策を推し進めていただきたいなと思います。 次の質問に移りますが、その前に、これ以降の質問をスムーズに行うために、前提となるお話をさせていただきたく、少しだけお時間をいただきますが、お付き合いくださいませ。 今までスマートモビリティーについてお伺いをしましたが、なぜこれを先にお聞きしたかというと、結局このスマートシティーを取り上げた理由でもありますが、市民の皆さんから、スマートシティーって何ですかと聞かれたり、逆にスマートシティーが分かるかって聞くと、スマートシティーってまちが何かこう超ハイテクになったりすることですかとか、呉駅を開発するから呉駅がすごくなるのがスマートシティーでしょと言われます。スマートシティーの概念って、結構いろんな方が分からないなということで、同僚議員からもたくさんありましたが、市民に分かるようにお伝えすることは大事だなと思っています。その課題というか、そうなる理由が、議員の皆さん、先ほど市長を含め回答をお聞きされて、どう思ったでしょうか。なかなか難しい言葉がたくさんあって、批判を恐れず申し上げると、やっぱり難しいなと正直思いました。 2点あるうちの一つとして、要は市民からすると始まったばっかりで実感がないんで、本当に私らに関係があるのって思ってしまいます。 もう一つが、呉駅周辺地域総合開発イコール、スマートシティーだと思っていらっしゃる方が多い。これはなぜかというと、3月の個人総体でも質問させていただきましたが、次世代モビリティーと呉駅周辺地域総合開発の質問をさせていただいたとき、呉駅周辺を起点としたスマートシティーの推進という言葉だけで、スマートモビリティーというのはなかったです。要は、呉市中央地区のことだけで、あんまり関係ないんじゃないのって思っていらっしゃる市民がいるのは非常に残念だなと思いました。 最初に、スマートシティーには、様々な解釈があると申し上げましたが、私は、市民が実際にデジタル技術を利用して便利になる、私たちの生活の質が向上していくということを、まず体感してもらうことが一番説明になるんじゃないかなと思っています。今回のスマートモビリティーというのも、政策というのはすごく大切ではあるんですけれども、身近なデジタル化やオンライン化が進む、これは実感することで、皆さんもスマートシティーというのに納得いただくし、後押ししていただけるんじゃないかなと思っています。 画面お願いします。       〔加古川市の「加古川市スマートシティ構想(案)」を提示〕 ◆30番(小田晃士朗議員) ちょっと見えにくいんですけれども、先ほどの話が分かりやすかった加古川市スマートシティ構想の施策体系を抜粋させていただきました。説明は割愛いたします。インターネットで見ていただけたらと思うんですが、これは何が言いたいかというと、抜粋したところを読み上げさせていただきますと、この施策の趣旨は、市の様々な課題について、テクノロジーを手段として市民の皆さんと解決する市民中心の課題解決型スマートシティを目指し、誰もが豊かさを享受でき、幸せを実感できる加古川を実現するための加古川市スマートシティ構想ですとありました。これをなぜ出したかといいますと、この赤い丸を市民とおきまして、市民の利便性を向上するサービスと書かれています。そして、オレンジがまち、都市機能強化として都市環境整備、まちの輪っかがあります。そして、緑色のこちらが行政、デジタル行政の推進というふうに分かれております。要は、今呉市をこれに置き換えると、この黄色のまちという、都市機能強化としてのスマートシティーというのが目立っているんじゃないかなと思います。そうなると、市民からすると、確かにこれが展開されて便利になるんですけれど、今実感としてないので、呉市は何やっているのという声が出てくるんだろうと推測いたしました。 質問に移ります。画面ありがとうございます。私の中でシンプルに整理したスマートシティーというのは、市民の皆さんも、デジタル技術を使って質が高まる。便利になるなあといったことと、併せて持続可能なまちをつくることができるというのがスマートシティーだと思っています。実際に来年度予算の中に、私が思うデジタル化・オンライン化の予算がございますので、聞かさせてもらいます。 例えば、窓口のタブレット導入、こちらの具体的な内容と、その狙いをお聞きいたします。 ◎企画部参事(森下益生) 本事業は、来庁者の利便性の向上を図るため、本庁舎や市民センター内の無線環境の整備に合わせて、本庁舎や各市民センターの窓口にタブレット端末を導入するものでございます。具体的な活用例としましては、例えば、窓口に来庁された方にタブレット端末でホームページなどの画面を表示して、分かりやすく制度の説明をしたり、すぐその場で施設の概要や空き状況を調べたりできるほか、土木関係の相談においても、タブレット画面に表示した地図や写真を見ながら一緒に現地の確認を行うといったことも可能となります。また、本庁舎と市民センターをビデオ通話でつなげば、現在は本庁舎の国際交流センターへ電話をして対応しておりますが、通訳が必要な外国人の相談者に対しましても、市民センターの窓口でタブレットの画面で顔を見ながら対応できるなど、様々な形での活用ができるのではないかと考えております。将来的には、窓口における申請手続などへの活用も検討してまいります。 ◆30番(小田晃士朗議員) デジタル化・オンライン化で窓口に来られた市民の皆さんのサービスも向上させるということで、受け手の市民の皆さんからしたら、スマートな行政手続で分かりやすく快適になるんじゃないかなと思います。結構あるんですけれども、ここが、この道路がといったことを地図で見せながらとか、先ほどオンラインで通訳というのがありましたけれども、市民センターで分からなかったら、直接、本庁の担当の方とオンラインでつないで会話ができちゃう、そんなこともあるんじゃないかなと思います。これもデジタル化、オンライン化として、市民としてはすごく便利になったと感じる内容じゃないかと思います。 次の設問でございますが、市長のほうで、これは子育てしやすいまちづくりということで本日も説明がございました、子育て支援手続きWeb申請化の具体的な狙い、効果をお聞きいたします。 ◎子育て担当部長(竹之内健) 子育て支援手続きWeb申請化の詳細についてお答えいたします。 今年度、まず子育てに関する手続に役立つサービスとして、子育て手続ナビを導入いたしました。このサービスは、子供が生まれたときや保育所に入所したいときなどに、スマートフォンを使って幾つかの質問に答えることで、必要な手続や受付窓口、持参する物などを個別に案内するもので、現在、多くの方に御利用いただいております。令和3年度には、このサービスをさらに発展させ、放課後児童会の入会や児童手当、乳幼児等医療費助成、保育所入所などの手続が、スマートフォンを使ってオンライン上で済ませることができるサービスを順次開始いたします。これまでは、多い場合には数回にわたり窓口を訪れ、申請書を提出したり、添付書類を追加提出したり、申請書の本人確認をしたりする必要がございましたので、できる限り市民の皆様の手間を減らすため、サービス導入に向けて業務フローを一から見直すことといたしました。現金を支給するため、どうしても個人認証が必須となります児童手当を除きまして、本人に成り済まして申請されるリスクがなく、市が独自に取扱いを決めることができる手続については、マイナンバーカードの所持、不所持にかかわらず、オンラインで全て完結するよう業務フローを整理いたしました。例えば、病院で受給者証を提示する乳幼児等医療費助成は、必要な事項の入力だけで申請を済ますこととし、実際に子供が毎日利用します放課後児童会の入会申込みでは、勤務証明書をスマートフォンで撮影し、画像を添付することで審査ができるよう、手続を簡略化することといたしました。こうした手続のオンライン化によりまして、休日・夜間を問わず申請することができ、何度も市の窓口や利用する施設に出向く必要がなくなることで、子育て家庭の負担軽減を図ることができるものと考えております。今後も、子育て家庭のライフスタイルに合ったデジタル化を積極的に進めることで、もっと子育てしやすいまちを目指して引き続き取り組んでまいります。 ◆30番(小田晃士朗議員) 同僚議員からございましたセキュリティーリスクは、しっかりとしていただきたいと思いますが、非常に便利になるんじゃないかと思います。申請が、日中や曜日を問わずスマートフォンでできるというこの仕組みは、その人の時間を制限せず、わざわざ仕事を休んで申請書をもらったり、出しに行ったりというのはしなくてもよくなり、この時間も、便利なデジタル技術の活用で生まれたものじゃないかなと思います。今までの手続フローが、オンラインで可能となりまして、昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中、ニューノーマルな取組として大切な考え方で、私は、こういった利便性の享受こそ、スマートシティーと感じる一つではないかなと思います。デジタル化・オンライン化も、テクノロジーを手段としたスマートシティーの一つだと考えております。 スマートモビリティーの話に戻るんですが、令和元年度の予算に初めて、次世代モビリティによる回遊性向上実証実験、このワードが出てまいりました。そして、このたびの予算ということで、実験は令和元年度、令和2年度、そして来年度と、実験から実装まで多くのお金が投資されております。結構な額です。市民の皆さんの一人でも、私には関係ないんじゃないかとか、何しているのか分からないという方がいちゃいけないと思うんです。今、重要なプロジェクトの一つとして進めようとしている、このスマートシティー・スマートモビリティーの推進ですが、やっぱり市民の皆さんに共感してもらわないといけません。そのために、デジタル技術の活用について、呉市全体で、市民に対してどのような意識づけができるのでしょうか。私はこういったことは大切だと思っています。来年度、そういった機運の醸成や、皆さんへの周知徹底など、何か企画をしていることがあれば、お伺いをいたします。 ◎企画部参事(森下益生) 令和3年度は、ICTの活用に対する意識の醸成を図るため、企業や市民の方々に対して、講演会やICT教室などの開催を予定しております。講演会では、企業の方に対してAIを活用した品質管理などの導入事例を紹介したり、市民の方に対して、ビデオ会議システムやSNSでの情報発信方法を紹介するなどの内容を考えております。また、ICT教室では、スマートフォンを用いたキャッシュレス決済やオンライン申請の方法を紹介するなど、デジタルの利便性を体感していただける内容を考えております。さらに、出前トークの項目にデジタルの活用に関するメニューを新たに追加し、生活を便利にしてくれるアプリの利用やセキュリティーに関する留意点などを、丁寧に分かりやすく説明することも考えております。こういった取組によりまして、高齢者の方をはじめ、より多くの市民の方にデジタルの利便性を浸透させ、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を目指してまいります。 ◆30番(小田晃士朗議員) 誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化をぜひ目指していただきたいと思います。実際、今、図書館電子サービス、先ほどもあったSNSの発信もそうですし、産業分野でドローンの農薬散布実証実験とか、市長のほうからありましたレセプトのデータを活用した重症化予防とか、呉市で、デジタル技術やオンライン化を使ってトライされていることは、今すごくたくさんございます。質問にもありましたけれども、新年度予算には、ICTを活用した教育推進が入っております。そして、ウェブ版のハザードマップの構築などの予算も見えます。福岡県福岡市では、LINEアプリから粗大ごみの回収申込みができる取組が、住民から強く支持されていると聞いております。また、兵庫県神戸市では、スマートフォンを活用した介護事業者向けの手続案内サービスを提供しまして、職員の電話対応にかかる時間が減っただけでなく、介護事業者からも便利だという声が多くあると聞いております。なぜ市民の理解・意識・応援というのが必要なのかと思ったところ、デジタル技術を活用して便利な形に変革することで、住民の満足度というのはすごく高まります。優れたサービスの提供が、結果的に、住民の皆さんの呉市への信頼と支持を強めて、さらなる改革や変革の後押しになるといった好循環が生まれると思っております。そのために、便利になっていくんだというものを、しっかりと伝えていくため、しっかりとした体制が必要でございます。専門性が高く、新たに進めていく新規性もあり、多くのマンパワーが必要ではないかと考えます。このスマートシティーを進めるに当たっての庁内の推進体制について、最後、お伺いいたします。 ◎企画部参事(森下益生) スマートシティーの推進につきましては、全庁的に取り組む必要があることから、去る2月12日に、庁内に呉市スマートシティー推進会議を立ち上げたところでございます。今後の進め方としましては、本推進会議で抽出しました地域課題を公開して、一緒になって課題を解決してくれる民間事業者を募集し、課題の掘り下げや事業の費用対効果などについて意見交換を行いながら研究を進め、先端技術の実装につなげていきたいと考えております。スマートシティーの実現は、市役所だけの取組でできるものではなく、多様な主体との連携が必要不可欠でございます。したがいまして、スマートシティーの推進に当たりましては、呉市スマートシティー推進会議を中心として、情報政策アドバイザーである呉市顧問の助言をいただきながら、民間事業者や高等教育機関、市民などと連携してスマートシティ「くれ」の実現に向けて取り組んでまいります。 ◆30番(小田晃士朗議員) 庁内のデジタル化に向けた予算として、新年度、電子決済の導入やデジタルツールの導入等も盛り込まれております。市民に、生活が豊かになること、このスマートシティーのまちづくりを進めていくということを意識づけるには、庁内の意識づけも大切だと思っております。 まとめに入りますが、私はこのスマートシティーというのを推し進めるに当たりまして、目で見て分かる計画、もしくは構想等が必要ではないかと考えました。画面をお願いいたします。     〔浜松市の「浜松市デジタル・スマートシティー構想(案)」を提示〕 ◆30番(小田晃士朗議員) こちら、小さくて見えないと思いますが、浜松市が、現在、策定中のデジタルスマートシティ構想の抜粋資料でございます。これは、将来像:デジタルで“繋がる未来“の概観というページなんですけれども、ここを読ませていただきます。課題解決型のアプローチと未来に夢と希望を持てるチャレンジを組み合わせることで、ヒト・モノ・コトを繋ぎ、“繋がる未来“を共創しますと書かれています。私が言いたかったのは、真ん中の地図、これは浜松市なのか分からないですけれど、この地図の中に、いろんなデジタルでつながる未来、スマートシティを形成するデジタルがたくさんありますよという絵になります。病院にはこんなデジタル活用があり、農業のところにはこんなデジタル活用があり、こういうオフィスビルには防災に関するデジタルを駆使した都市づくりがございますということが書かれております。 そして、これもまた字が小さいので、すみません。絵だけ、色だけ初めに見ていただきたいんですけれども、これは浜松市デジタル・スマートシティ構想を進める4つの重点分野を色分けしたものです。 まず、真ん中が、デジタル・スマートシティ浜松の基礎固めということで、これ4つございます。例えば、浜松らしいニューノーマル社会の実現を目指してと、ここに書いてあるんですけれども、いろいろ皆さんの話もありましたけれども、例えば、移住拠点にリモートワーク・テレワークの促進、また、テレワークパーク構想をやりますということです。 次に、下の丸では、教育・子育て分野ではGIGAスクールやオンライン授業の推進の掲載もございます。呉市も同じような予算がありますよね。例えば3番、デジタルの力で持続的・包摂的社会を構築というところに関しましては、ここに、モビリティと書いています。小さいですが、トラックやバスなどのイラストがあるんですけれども、モビリティサービスのコンソーシアムを中核とした官民連携によるプロジェクトや医療MaaSの推進と書かれております。 最後に、浜松デジタル・スマートシティ構想というのは、最上位計画の浜松市総合計画に基づく個別計画であるとともに、デジタル活用の観点から、分野の横断的な指針として作られております。画面ありがとうございます。私が言いたいのは、スマートシティーの計画をマストでつくりなさいと申し上げているわけではなくて、一番初めに、まとめで申し上げました、庁内の皆さんが目標として分かりやすいもの、市民の皆さんも目で見て分かりやすいものが必要なんじゃないかと思っております。庁内の実務レベルでも、横断的な体制や専門性の高いマンパワーが必要です。外部人材や外部企業の協力も必要になるものと思います。ぜひ、スマートシティ「くれ」を力強く進めていくために、最善の体制と投資を考えていただきたいと思います。呉市のステークホルダーみんなで、スマートシティーがいいということを共感していけたらと思います。 以上をもちまして私の質問とかえさせていただきます。スマート議会になればと思いまして、モニターをあえて使わせてもらいました。質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で小田議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── ○議長(森本茂樹) 残り5名の方の質問は、後日行うことにいたします。 本日はこれをもって散会いたします。             午後2時40分     散   会 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。       呉市議会議長  森 本  茂 樹       呉市議会議員  中 原  明 夫       呉市議会議員  渡 辺  一 照...