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02月28日-02号

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  1. 呉市議会 2020-02-28
    02月28日-02号


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    最終取得日: 2021-09-02
    令和 2年第1回 3月定例会       令和2年第1回(定例会) 呉市議会会議録 第2号令和2年2月28日(金曜日)呉市議会議事堂において開議(第2日)出席議員       1番  上 村  臣 男       2番  阪 井  昌 行       3番  檜 垣  美 良       4番  藤 原    広       5番  奥 田  和 夫       6番  山 上  文 恵       7番  谷 本  誠 一       8番  沖 田  範 彦       9番  中 原  明 夫       10番  光 宗    等       11番  山 本  良 二       12番  梶 山  政 孝       13番  谷    惠 介       14番  井手畑  隆 政       15番  藤 本  哲 智       16番  田 中  みわ子       17番  定 森  健次朗       18番  橋 口    晶       19番  岡 崎  源太朗       20番  福 永  高 美       21番  石 崎  元 成       22番  神 田  隆 彦       23番  渡 辺  一 照       24番  林 田  浩 秋       25番  片 岡  慶 行       26番  岩 原    昇       27番  北 川  一 清       28番  加 藤  忠 二       29番  小 田  晃士朗       30番  中 田  光 政       31番  土 井  正 純       32番  森 本  茂 樹 欠席議員           な    し 説明員  市長       新 原  芳 明  副市長      小 松  良 三  副市長      濱 里    要  理事兼復興総室長 澤 村  直 樹  総務部長     阿 原    亨  秘書広報課長   宇 根    徹  総務課長     岡 本  茂 宏  企画部長     大 下  正 起  財務部長     河 野  隆 司  市民部長     神 垣  淳 司  文化スポーツ部長 神 垣    進  福祉保健部長   原垣内  清 治  福祉事務所長   北 村  健 二  子育て担当部長  竹之内    健  福祉保健部参事  海 田    茂  環境部長     大 江  宏 夫  産業部長     寺 嶋  文 秀  農林水産担当部長 松 下  武 雄  都市部長     近 藤  昭 博  土木部長     北 岡  宏 紹  会計管理者    中 野  貴 海  教育長      寺 本  有 伸  教育部長     小 川    聡  消防長      中 西  賢 一  消防局副局長   村 越    博  上下水道事業管理者増 本  寛 治  経営総務部長   道 本  幸 雄  建設部長     赤 瀬  正 敬  施設管理部長   桂    尚 嗣 議会事務局職員  事務局長     秦    和 久  事務局次長    小 森    強  議会総務課長   山 根  慶 子  議事課長     小 松  史 洋  議事課課長補佐  山 崎  幸 恵      ──────────────────────────────                       議  事  日  程 (第 2 号)                         (令和2年2月28日 午前10時開議)第1 議第1号 令和2年度呉市一般会計予算   議第2号 令和2年度呉市国民健康保険事業(事業勘定)特別会計予算   議第3号 令和2年度呉市国民健康保険事業(直診勘定)特別会計予算   議第4号 令和2年度呉市後期高齢者医療事業特別会計予算   議第5号 令和2年度呉市介護保険事業(保険勘定)特別会計予算   議第6号 令和2年度呉市介護保険事業サービス勘定特別会計予算   議第7号 令和2年度呉市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算   議第8号 令和2年度呉市公園墓地事業特別会計予算   議第9号 令和2年度呉市地域下水道事業特別会計予算   議第10号 令和2年度呉市集落排水事業特別会計予算   議第11号 令和2年度呉市地方卸売市場事業特別会計予算   議第12号 令和2年度呉市野呂高原ロッジ事業特別会計予算   議第13号 令和2年度呉市駐車場事業特別会計予算   議第14号 令和2年度呉市内陸土地造成事業特別会計予算   議第15号 令和2年度呉市港湾整備事業特別会計予算   議第16号 令和2年度呉市臨海土地造成事業特別会計予算   議第17号 令和2年度呉市財産区事業特別会計予算   議第18号 令和2年度呉市病院事業会計予算   議第19号 令和2年度呉市水道事業会計予算   議第20号 令和2年度呉市工業用水道事業会計予算   議第21号 令和2年度呉市下水道事業会計予算      ──────────────────────────────会議に付した事件 日程のとおり  北川一清議員予算総体質問  1 令和2年度予算編成について   (1) 特に「意」を用いたポイント  2 「第4次呉市長期総合計画後期基本計画重点プロジェクト事業について   (1) 目指せ!健康寿命日本一   (2) 観光推進体制の構築と誘客推進   (3) 廃棄物処理施設の適正配置・安定的運営  3 次期(第5次)呉市長期総合計画について   (1) コンパクト・プラス・ネットワークの推進   (2) 目指す都市像と効果   (3) 居住・都市機能区域への誘導と国からの支援策   (4) 市民との共通認識    ア 市民への周知    イ 地域住民との意見交換や感触   (5) 小さな拠点  4 産業振興について   (1) 中小企業・小規模企業振興基本条例と産業振興支援策   (2) より踏み込んだ産業支援策  5 1次産業育成と6次産業化の促進について   (1) 呉市の現状と課題   (2) 新年度予算における具体的施策   (3) 漁業環境改善への取組   (4) 6次産業化の促進   (5) 森林の整備  6 学習指導要領の改訂について   (1) いかなる教育の展開へ   (2) 2018年度のOECD「学習到達度調査」の結果を受けて   (3) 「教科担任制」と教師の働き方改革  中原明夫議員予算総体質問  1 日鉄日新製鋼株式会社呉製鉄所閉鎖について   (1) 当局の現状認識   (2) 閉鎖に伴う当市への影響   (3) 工業用水道事業に対する影響   (4) 支援体制  2 呉駅周辺地域総合開発事業計画の策定について   (1) 事業計画策定の基本的な考え方   (2) 開発事業者の選定の基本的な考え方   (3) 開発事業者の選定後の呉市役所の関わり方  藤原広議員の予算総体質問  1 市長退職金市民評価制度について   (1) 基本的な考え方   (2) 今後の予定  2 子育て支援のさらなる充実について   (1) 今後の方向性   (2) 児童虐待防止対策の強化   (3) 妊娠から出産・育児までの包括支援    ア 子育て世代包括支援センターの事業の状況    イ 事業課題と新年度の取組及び呉市の目指すところ   (4) 子どもの居場所づくり  3 今後の大規模災害に備えた国土強靱化に向けた取組について   (1) 国土強靱化計画の方向性と計画策定   (2) 国土強靱化計画の内容   (3) 地域計画策定のメリット  4 住み慣れた地域で元気に自分らしく暮らせるまちについて   (1) 呉市のデータヘルスの成果   (2) 今後の呉市を見据えた取り組むべき課題   (3) 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施   (4) 高齢者等の見守りネットワーク事業      ──────────────────────────────             午前10時00分     開   議 ○議長(森本茂樹) これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者として4番藤原議員、9番中原議員を指名いたします。      ────────────────────────────── ○議長(森本茂樹) この際、市長から発言の申出がありますので、これを許可いたします。 ◎市長(新原芳明) 発言の許可をいただきまして、ありがとうございます。 新型コロナウイルス感染症につきまして、昨日、市役所として主催するイベント開催について方針をお示しいたしましたので、これまでの経緯も含めて御説明を申し上げます。 呉市では、1月29日に呉市新型コロナウイルス感染症警戒本部を設置し、病院、診療所、薬局に保健所が備蓄しているマスク約15万枚を無償で配布させていただくなど、市民が安心して医療サービスが受けられるよう、医療現場での二次感染を防ぐべく、医師会などとも連携しながら対応に当たってまいりました。現段階で呉市では感染者はございませんが、全国的に多くの感染例が報告されており、国においては2月25日に感染対策の基本方針が出されるなど、感染の流行を早期に終息させるために今が重要な時期となっております。こうした状況を受け、2月26日をもって、これまでの警戒本部から、私を本部長とする呉市新型コロナウイルス感染症特別警戒本部へ移行いたしました。 また、一昨日26日に、国のイベント自粛の要請や広島県においても県が主催するイベント等の開催に関する対応方針が示されたところでございます。このため呉市では、26日の夕方に特別警戒本部において市が主催するイベントの対応方針を決め、昨日27日に市長メッセージを発出させていただきました。また、今後実施を予定しているイベント等の主催者の皆様にも、市の対応方針を参考としていただくよう関係機関にお願いをしたところでございます。このような対応方針を取りまとめるに当たっての主な視点は、次の2点でございます。 1点目は、患者の増加のスピードを抑制し、流行の規模を抑えるために、多数の人が濃厚接触する機会を減らす必要があること、2点目は、高齢者や基礎疾患を有する人などへ十分配慮する必要があることでございます。具体的な方針といたしましては、必要な感染防止対策を講じることができないイベント、これは原則として3月31日までの間、中止または延期とすることとし、開催する場合においては、個別のイベントごとに必要な感染予防対策を講じることを条件としております。 なお、昨日、安倍総理より、小中高等学校特別支援学校の臨時休校について要請がありました。これにつきましては、現在、県教委と市教委において詳細な対応について検討中でございますので、決定後、議会、市民、関係の皆様に報告、説明をさせていただきます。議員の皆様をはじめ市民の皆様には、御理解と御協力をお願い申し上げます。      ────────────────────────────── △日程第1 議第1号外20件 △北川一清議員予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 日程に入ります。 日程第1、議第1号令和2年度呉市一般会計予算、外20件を一括して議題といたします。 これより予算総体質問に入ります。 通告者は、お手元に配信しておりますとおり、10名の方であります。申合せにより、3日間に分け、順次、発言を許可いたします。 27番北川議員。              〔27番北川一清議員登壇、拍手〕 ◆27番(北川一清議員) おはようございます。それでは、予算総体質問をさせていただきます。 国が示す第1期地方創生は、地方自治体が個性を生かした総合戦略を立案し、地方で働き場所を確保して暮らし続け、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえ、東京圏一極集中を回避する地方への新しい流れをつくり、出生率を上げて、2060年、人口1億人の確保を目指すものであります。しかし、1月31日に総務省が発表した2019年の住民基本台帳による人口移動報告によると、日本人と外国人を合わせた総人口のうち、東京圏は14万8,783人の転入超過、女性が8万2,769人、男性が6万6,014人となっており、その要因としては、少子化対策の鍵を握る若い世代の女性が東京圏へ集中する傾向が顕著であり、転出超過は39道府県で、広島県が最多の8,018人であります。政府が掲げてきた地方創生の取組は、いまだ功を奏していません。 さて、令和2年度呉市一般会計予算は、歳入歳出とも1,004億200万円、歳出の一丁目一番地の施策としては、災害からの復旧・復興関係で総額105億円が計上され、災害被害者に寄り添った支援を力強く進められる予算となっております。また、次世代モビリティー導入を見据えた呉駅周辺地域総合開発の推進としては、総合交通拠点として位置づけるそごう呉店跡地及び呉駅前広場を中心に再整備し、第1期開発事業者の選定と事業計画の策定及び呉駅周辺を起点とするスマートシティーの実現に向けた、魅力的で活力ある都市形成への取組の着手が上げられています。しかしながら、予算編成後ではありましたが、2023年9月には呉市の経済、雇用、市民生活に多大な影響を及ぼす日鉄日新製鋼呉製鉄所の高炉休止と事業所閉鎖が発表されました。今回の事例で再確認したのは、グローバル化した世界において、自国、他国の経済や産業政策のいかんによっては、多くの面で地方、地域に多大な影響を及ぼすという現実を感じ、呉市はものづくりのみならず、より幅の広い分野での産業を長期的に育成する必要があるということであります。幸いにも、呉市には人や技術、自然環境から得られる恵み、歴史や文化といった多くの人的、物的資源があります。これらは市の中心部だけでなくて島嶼部にも多く存在しており、有効活用しなければなりません。 そこでお聞きします。 誰もが暮らし続けられ、訪れてみたいまちづくりの実現に向けて、来年度予算編成に当たり、特に意を用いたポイントをお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 以降は質問席で行います。            〔27番北川一清議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま北川議員から、誰もが暮らし続けられ、訪れてみたいまちづくりの実現に向けて、令和2年度予算編成に当たり、特に意を用いたポイントは何かという御質問をいただきました。これについて説明する機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 新年度予算の編成に当たり、私が特に大事に考えましたのは、本市の将来のために真に必要なことについては積極的に取り組むことでございます。こうした考えの下、令和2年度予算において特に意を用いた点は、大きく二つございます。 まず、1点目で優先的に取り組む施策は豪雨災害からの着実で力強い復興でございます。被災者の心に寄り添った生活支援、見守り、心のケアといった対策について、切れ目のないきめ細かな支援を実施するとともに、災害公営住宅の整備を進めてまいります。また、復興計画における復旧期の最終年度として、道路、河川、農地などの災害復旧事業を着実に進めてまいります。さらに、天応・安浦地区においては、地区計画に掲載した事業をはじめとする本格的な復興に向けた取組を一層推進してまいります。 2点目は、女性や若者や高齢者、誰もが住み続けたい、訪れてみたい魅力的なまち「くれ」の実現に向けた取組でございます。呉駅周辺地域は、誰もが活躍できる地域社会の基礎となるものでございまして、呉市全体のコンパクトシティーネットワークを形成する核となるものでございます。その呉駅周辺地域において、そごう呉店跡地駅前広場の再整備等の事業計画策定に着手をしてまいります。また、呉駅周辺を起点としたスマートシティーの実現に向けて、次世代モビリティー導入時の道路交通へ及ぼす影響の調査検証やMaaS導入に向けた環境整備に取り組んでまいります。さらに、アーバンデザインセンターの設立に向けた準備を進め、公民学によるまちづくりの取組を全市域に拡大させてまいります。 安芸灘地域におきましては、子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、安芸灘大橋有料道路回数通行券購入に対する助成を開始いたします。また、安芸灘諸島や倉橋島などでは、住民のインターネットの利用環境の改善や移住・定住の促進等を図るため、光通信回線の整備に着手してまいります。子育て世代に対する支援では、潜在的待機児童の解消に向けて、保育士の処遇改善や負担軽減など保育士の人材確保などに取り組みます。また、子育て支援手続ウェブ申請化に向けた手続ガイドの導入など、子育て支援の充実を図ってまいります。創業支援では、引き続きクラウドファンディング型ふるさと納税を活用した支援など、新たなチャレンジを積極的に支援してまいります。 日鉄日新製鋼株式会社呉製鉄所の休止発表など、本市を取り巻く社会状況は大きく変化をしております。社会状況の変化に対処していくことが今まで以上に重要になると考えております。御提案申し上げております令和2年度予算によって、未来を切り開いてまいります。 ◆27番(北川一清議員) 市長、今回質問で触れていませんけれども子育て支援の充実、これを積極的にぜひやっていただければと思います。 次へ移ります。2020年度が最終となる第4次呉市長期総合計画後期基本計画に関連して、三つの重点プロジェクト事業から一部を抜粋して質問いたします。 まず、人づくりとして、目指せ!健康寿命日本一プロジェクトを取り上げます。2000年にWHOが健康寿命を提唱して以来、平均寿命が延びるにつれて健康寿命との差が拡大すれば、健康上の問題だけでなく、医療費や介護費等の増加による財政への影響も懸念されます。新年度の取組についてお伺いします。 ◎福祉保健部長(原垣内清治) 御質問いただきました目指せ!健康寿命日本一プロジェクトについてでございます。 日常生活が制限されることなく生活できる期間である健康寿命を延伸していくためには、まずは市民お一人お一人が健診等で御自身の健康状態を適宜チェックするなど、自分の健康は自分で守るという意識を高めていただくことが重要でございます。そのため、自分の健康状態を把握できるよう、女性を対象といたしました20歳以上の子宮頸がん検診、また、30歳以上の乳がん検診、40歳からの骨粗鬆症検診、男性も含めた40歳以上の方に行っていただいている生活習慣病発症予防を目的といたしました特定健診、また、肺、胃、大腸等のがん検診や、40歳以上70歳までの各10年の節目で行っていただく歯周病検診、また、国民健康保険加入の方に限られますけれども、40歳、60歳を対象とした人間ドックなど、ライフステージに応じた健診の機会を設けておるところでございます。これらに加えまして、来年度からは後期高齢者を対象としたフレイルチェックや、50歳の国民健康保険加入者を人間ドックの対象に加えるなど、健康状態を知る機会の充実を図ってまいりたいと考えております。また、こうした機会を十分に活用していただくために、データヘルス基盤を活用いたしまして未受診の方を抽出して受診勧奨を行ったり、特定健診とがん検診をセットにして受診を進めるダイレクトメールを発信するなど、受診率の向上にも努めてまいります。 次に、来年度から新しく実施する予定の高齢者の保健事業と介護予防の一体実施につきましては、保健師等の医療専門職を市内八つの日常生活圏域に順次配置させていただき、それぞれの地域の健康課題や高齢者の特徴でございます身体的、精神的、認知的、社会的な脆弱性といった特性に踏まえました保健事業を実施してまいりたいと考えております。具体的には、比較的健康な方に対しましては、ふれあい・いきいきサロン、または貯筋クラブ、貯筋クラブと申しますのは、運動によって筋肉をためるということで貯筋という名前にしておりますけれども、そちらの貯筋クラブなどの地域の通いの場などで健康指導を行います。また、健康リスクの高い方につきましては、戸別訪問などによりまして、その方の生活実態に沿った生活習慣の指導や、必要な場合には医療、介護、サービスにつなぐといった支援を行い、年を重ねても住み慣れた地域で生き生きと暮らせるよう、きめ細やかな保健事業と介護予防を一体的に実施してまいります。 併せまして、これまで本市で全国に先駆けて実施してまいりましたレセプトデータ等の分析に基づき、かかりつけ医と連携するなどして実施いたしますデータヘルス事業につきましては、対象者を国民健康保険加入者から後期高齢者また医療扶助受給者等に広げまして、年齢や制度等による切れ目のない保健事業を実施できるようにするなど、様々な効果的な手法によりまして、市民の健康寿命の延伸を図る目指せ!健康寿命日本一プロジェクトを推進してまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 厚生労働省が発表しました2016年度の数字ですけれども、健康寿命の資料によりますと、熊本県は除外して46都道府県なんですが、女性が大体74.8歳、男性が72.1歳。平均寿命との差を考えますと、女性が12.35、男性が8.84、こういう状態であります。ちなみに、全国的なレベルで言いますと、広島県は女性が最下位の46位、男性が27位となっております。数字の捉え方ですから、これが合っているかどうかはまた別にしましても、厳しい状況にあるということは確かだろうと思います。 人生100年時代と言われておる昨今ですけれども、2011年からスマートライフプロジェクト、健康寿命を延ばそうということで、適度な運動、適切な食生活、禁煙の促進という厚生労働省が三つのアイテムを掲げて取組を推進しています。2015年、呉市は「はじめよう!減塩生活」ということで厚生労働省の大臣表彰を受けられておりますけれども、こういう結果がでてくると、ますます自信を持って取り組んでいただけるなあと思います。 次に、地域づくりとして、新たな観光推進体制の構築と誘客推進についてですが、行きたい、買いたいという意欲を引き出す取組としては、旅行客に対するおもてなしの心で受け入れる姿勢と、飲食を含めた購買意欲を高めるための観光物産等の品質向上が求められます。観光産業は、民間主導を基本に、官民一体となった推進体制の構築が重要となりますが、その取組についてお伺いいたします。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 議員御案内のとおり、観光客の来訪意欲、購買意欲の向上や、呉に行ってよかった、また来たいと感じていただけるおもてなしは、官民が協力して推進していくことが重要であると認識しております。そのためには、地域の観光関連事業者や商工会議所などの関係団体、そして市民の皆様、こういった様々な人が観光という分野を産業として捉え、役割と責任を担って、呉市全体で一体となって取り組んでいく必要があると考えております。このようなことから、まず、観光を呉市の基幹産業にしていこうという機運醸成を図るため、昨年10月に観光庁の田端長官をお招きし御講演をいただきましたほか、今後、持続可能な観光地域づくりを考える観光地域力セミナーを開催していく予定でございます。 また、新年度から、観光庁が世界のトップレベル観光ノウハウを各地に広めるカリスマとして選定しております山田桂一郎氏を観光アドバイザーとしてお迎えする予定でございます。山田氏は、観光関連事業者、市民、市役所の観光に対するマインドを観光消費額の向上や地域内消費による経済の好循環という考え方に変えていく、そして、あくまでもターゲットのカテゴリーに応じたニーズを把握していくことが重要であると説いていらっしゃいます。ニーズに合わせて地域の人々と交流し、文化や自然、歴史に触れる滞在型の消費や、マリンスポーツ、山歩きなどの体験型の消費、あるいは有料ガイド案内やホテルサービス、こういった観光関連サービスを工夫して提供していくマーケットインという世界共通の考え方に変換するための取組を実施してまいります。 現在、各地で観光地域づくり法人であるDMOの設立が相次いでおりますが、呉市といたしましては、今申し上げた考え方に沿い、観光振興計画の策定に取り組むとともに、観光消費額を向上させることにより地域に潤いをもたらし、人材のUターンや流入につながる好循環が生まれるような実質的な観光推進体制の構築に向け、官民が一体となったオール呉市で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 観光振興は、今や日本全国の自治体で地域活性化のキーワードですよね。地域間競争の状態でもありますけれども、最後のところで観光振興計画の策定ということで答弁いただきましたけれども、ぜひともこれは一刻も早くよろしくお願いしたいと思います。 次に、3番目、都市づくりとしては、廃棄物処理施設の適正配置、安定的な運営について質問いたします。 一般廃棄物については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律で市町村の処理責任が明記された重要なインフラ施設であります。昨年10月31日にクリーンセンターくれで火災が発生し、現在、施設の復旧に御尽力いただいておりますが、市民の日常生活に欠かせない施設であり、一刻も早い復旧を望んでおります。 そこで、お聞きします。 通常、ごみ処理施設は寿命が約25年と認識しておりますけれども、現在のクリーンセンターくれは2003年に竣工して以来16年以上、芸予環境衛生センターも23年が経過しております。し尿処理施設の適正配置については、さきの民生委員会において新施設を整備し、順次統合する旨の報告がありましたが、現在2か所あるごみ処理施設についてどのように考えておられるか、現状と今後の予定をお聞きします。 ◎環境部長(大江宏夫) 呉市のごみ処理施設は、合併終了時点で広多賀谷のクリーンセンターくれ、川尻町の東部中継センター、音戸町の日附環境美化センター、豊町の芸予環境衛生センターの4施設が稼働しておりました。その後、第2次公共施設再配置計画の枠組みの中で、老朽化した施設への対応や効率的な廃棄物処理を行うため、日附環境美化センターについては平成26年度末に焼却処理をやめて、平成29年度末で施設を廃止しております。東部中継センターについては平成29年度末で中継機能を縮小し、令和2年度末で施設を廃止する予定でございます。現在、焼却施設としましては芸予環境衛生センターとクリーンセンターくれの2か所が稼働しております。芸予環境衛生センターについては今年度末で23年が経過し、老朽化も進んでいることから、クリーンセンターくれに統合するなど、今後の方向性を検討していく必要がございます。また、クリーンセンターくれについても、令和9年度末で長期包括の委託期間が終了しますので、その後の施設整備の方向性についての検討が必要な時期となっており、来年度、これらの検討を行う予定です。 ◆27番(北川一清議員) ごみ処理施設を整備するに当たり、多額の費用がかかり、また、かなりの準備期間を要しますよね。令和2年度予算ではクリーンセンターくれ整備方針比較検討業務が計上されておりますけれども、その内容と結果の扱いについてお聞きいたします。 ◎環境部長(大江宏夫) クリーンセンターくれ施設整備方針比較検討業務は、現在のクリーンセンターくれを大規模改修して延命化する場合と、新たに施設を建て替えた場合と、どちらが本市にとって有効かを比較検討し、その方向性を決定する業務となります。議員御案内のとおり、仮に新たなごみ処理施設を建設することとなれば多額の費用が必要になるとともに、ごみや生活排水処理について定める一般廃棄物処理基本計画の策定、整備費に国から補助金の交付を受けるための循環型社会形成推進地域計画の策定、施設整備の具体的な内容を示すごみ処理施設整備事業計画の策定、生活環境影響調査の実施など多くの準備作業があり、建設期間と合わせると、この時期に方針を決定する必要があります。そのため、新年度予算で約850万円を計上させていただいております。 なお、検討の結果がまとまりましたら議会に報告させていただきます。 ◆27番(北川一清議員) 延命化か、もしくは建て替えかを含めて検討するということでありますが、将来の呉市を見据えた中で処理経費の削減も考慮し、安定的かつ効率的なごみ処理体制の構築をなさなければならないと思いますので、よろしくお願いいたします。 三つ目の課題として、次期(第5次)呉市長期総合計画についてでありますが、2021年度から始まる予定の次期長期総合計画は、必然的に2020年度の策定となります。人口急減、超高齢化を克服した活力ある地域経済構造を実現するために、地域それぞれの創意工夫と努力が反映されるような、政策手段を見直しつつ取り組む地域戦略を推進し、令和の時代にふさわしい、明るい将来展望を目指す魅力的なわくわくするまちづくり計画であり、呉市全域を検討する最優先のマスタープランであります。 そこで1番目として、コンパクト・プラス・ネットワークの推進ですが、政府は都市計画区域内において、2014年8月に都市再生特別措置法を改正し、コンパクトシティーの設計図となる立地適正化計画の作成を可能とし、一方で都市計画区域外においては、2015年6月に地域再生法改正によりコンパクトビレッジ、小さな拠点となる地域再生土地利用計画の制度を創設されております。さらに、2014年11月に施行された地域公共交通の活性化及び再生に関する法により、交通ネットワーク計画である地域公共交通網形成計画策定をしております。それぞれ各計画との連携を図ることで都道府県と連携した公益性を確保しながら、市町村が主体となった多極ネットワーク型の都市構造が求められ、民間活力を最大限活用した生活サービス機能、例えば、医療、介護、地域の公共交通等を提供する取組として認識しておりますけれども、呉市においても2017年度より、コンパクトなまちづくりの実現や地域にとって望ましい持続可能なサービスを提供するため、有識者で構成される呉市立地適正化検討委員会、呉市地域公共交通協議会において検討されており、昨年12月の委員会報告では、今年の9月完成、公表されるとのことでしたが、まずお聞きしたいのは、現在までの進捗状況についてと、他都市でも策定が進んでると思いますけれども、全国的な策定状況についてお聞きいたします。 ◎都市部長(近藤昭博) 呉市立地適正化計画は平成29年度から策定に取り組んでおりまして、豪雨災害の影響で一時中断がございましたが、パブリックコメントや4回にわたる外部有識者で構成する検討委員会での議論を経まして、計画の全体像を表した素案を作成し、昨年12月に開催された産業建設委員会で説明させていただいたところでございます。現在は、本年9月の策定公表に向けて、その後の作業を進めております。 なお、立地適正化計画は、全国の市町村1,724のうち499都市が具体的な取組を行っており、そのうち278都市が、令和元年12月31日までに計画を作成、公表しているところでございます。また、地域公共交通網形成計画は、528都市が令和元年8月31日までに計画を作成、公表している状況でございます。
    ◆27番(北川一清議員) 大体3割ぐらいですかね、策定もしくは策定中ということで、コンパクトシティ・プラス・ネットワークを活用したまちづくりが進んでいると理解しました。一刻も早く呉市も進めていただければと思います。 2番目に、目指す都市像と効果についてですけれども、安心できる健康で快適な生活環境を実現し、財政面、経済面においても持続可能なまちづくりを求められますが、今日まで肥大し続けた市街地のままで、さらなる人口減少が進行すれば、これまでの人口集積により支えられた生活サービスの確保は困難となり、縮小的に集約された区域とならざるを得ません。 そこで、コンパクト化を進める上での新たな目標とすべき集約型まちづくりの都市像及びその効果についてお伺いいたします。 ◎都市部長(近藤昭博) 呉市の立地適正化計画は、コンパクト・プラス・ネットワークを基本とする多極ネットワーク型の都市構造の形成を目指すものでございます。また、市内各拠点へ役割に応じた都市機能の集積を図りながら、各拠点を交通ネットワークで結び、都市機能の補完、連携を図ることで持続的に住み続けられるまちの形成を図るものでございます。このコンパクト・プラス・ネットワークを推進するため、素案の中では、まちづくりの方針を五つ定めております。これらの方針に基づく様々な施策を実行することによりまして、若者や子育て世代の定住の促進、市街地の交流が各地区に拡大することによるにぎわいの創出、生活利便性の高い、歩いて暮らせるまちの形成、安心・安全な暮らし、便利な交通ネットワークによる移動の円滑化など、コンパクトで持続可能なまちになるという効果が期待できるものと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 分かりました。 次に、住民の居住を誘導すべく集約した区域として、居住誘導区域内とその区域外、その他区域内に生活サービス機能施設の立地を誘導する都市機能誘導区域等の設定が課題となっており、委員会で報告がされておりますけれども、計画を策定している全国各都市も苦心されているようですが、各区域への誘導を促進するための施策と、国からの補助金や税制優遇等支援策についてお伺いいたします。 ◎都市部長(近藤昭博) まず、居住及び都市機能誘導区域への誘導を図るためには、立地適正化計画を市民や事業者の皆様方に広く知っていただき、御理解と御協力を得ることが一番重要であると考えております。その上で、各区域への誘導促進施策につきましては、呉市空き家バンク制度や呉市新婚・子育て世帯定住支援事業等の既存施策の拡充を図るとともに、市営住宅の入居要件の緩和や民間活力による低未利用地の活用の検討など、庁内一丸となって取り組んでいく必要がございます。 次に、国の補助制度といたしましては、公的不動産の有効活用などにより誘導施設を整備する民間事業者を支援する都市機能立地支援事業や、地域に必要な都市機能整備に対して交付する都市再構築戦略事業などがございます。そのほか、国の税制支援策といたしましては、都市機能誘導区域外から区域内へ事業用資産を買い換えた場合の課税繰延べ制度や、誘導施設の整備のための軽減税率の適用などの特別措置がございます。 ◆27番(北川一清議員) 次に、施策実現のため、様々な施策や制度を活用しているとのことですけれども、コンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくり実現のためには市民の理解と協力が不可欠であります。そのための市民への周知方法、これについてお伺いします。 ◎都市部長(近藤昭博) 周知の方法につきましては、市政だよりやホームページ、そのほか自治会を通じまして情報発信を行っております。また、出前トークの活用や市内の小中学校、高等学校、市内の企業などに呼びかけをさせていただきまして、コンパクトシティーの実現に向けたまちづくりについて御理解と御協力を引き続き求めていきたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 次に、呉市は実は地域住民説明会を、1月27日から3月3日までの予定で、市内18か所で実施される予定ですけれども、これまでの市民の意見やその感触についてお伺いします。 ◎都市部長(近藤昭博) 各地域の説明会におきまして素案の内容を説明させていただきましたところ、居住誘導区域へ移り住むための土地に関すること、それに係る支援策について多くの意見を頂戴しております。また、移転後の跡地の維持管理についての相談などもございました。今後は、これらの御意見を踏まえまして素案の修正を適宜行ってまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) はい、分かりました。 それでは、小さな拠点ということで質問します。 ここまでは、都市計画区域内における人口減少に対応したまちづくりを進めるための計画であるコンパクトシティーについてお聞きしました。一方で、国の総合戦略においては、都市計画区域外である安芸灘4島などの人口減少と高齢化の進展が著しい中山間地域等において、利便性の高い地域をつくる小さな拠点、コンパクトビレッジと言いますけれども、そういう取組が方向性の一つとして示されております。この小さな拠点、コンパクトビレッジについてどういう認識を持たれているかお聞きします。 ◎企画部長(大下正起) 議員御案内の小さな拠点についてでございます。 この小さな拠点とは、過疎地域を含む中山間地域におきまして、商店や病院など日常生活に欠かせない生活サービスの機能を一定のエリアに集約し、これと周辺集落をつなぐ公共交通ネットワークを確保することにより、住み慣れた地域で暮らし続けていくことができる地域をつくる取組として、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略において提唱をされているものでございます。また、この小さな拠点では、観光や特産品の開発などによって仕事や収入を確保するための取組を進め、活力ある地域をつくることも大切であり、こうした取組は、まず何よりも地域住民自らが主体となって進めることが重要であるとされております。現在、本市の過疎地域などにおきましては、人口減少、少子高齢化がこのまま進めば、集落としての機能を維持することが難しくなる可能性もございます。したがいまして、地域住民の皆さんが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる環境を維持していくために、小さな拠点の考え方を取り入れていくことは大事なことであると認識をしております。 ◆27番(北川一清議員) お願いがあるんですけれどね。コンパクトビレッジもコンパクトシティーも、多分同じような内容だと思いますが、呉市の対応ですら企画部と都市部に分かれていますよね。根は一緒ですから、これは一本化すべきだろうと思います。それを私の気持ちとしてぜひお願いしたいなと思います。 それと、第5次の長期総合計画の中にコンパクト・プラス・ネットワークという言葉、これを明確にしっかり表示していただければなと思います。 4番目、産業振興についてお聞きします。 日鉄日新製鋼株式会社呉製鉄所の閉鎖報道を受けて、呉市は対策チームを設置し、情報収集や影響度把握に注力されていますが、本件のみならず、呉市の産業振興全体の観点から2点ほど質問させていただきます。 日本の鉄鋼関連事業は諸外国、特に中国、韓国との関係から岐路に立たされており、日鉄日新のみならず、造船業界等の経営難や業界再編などが呉市内企業へ大きな影響を与えております。呉市においては、昨年7月、呉市中小企業・小規模企業振興基本条例を制定され、市内企業の振興に努められておりますが、新年度予算に産業振興支援策をどのように捉えていられるかお聞きいたします。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 昨年7月に制定をいたしました呉市中小企業・小規模企業振興基本条例は、中小企業・小規模企業の活力向上に向け、自助努力と創意工夫あふれる中小企業・小規模企業が育ち、飛躍することができる環境を地域社会全体で応援する目的で制定したものでございます。その目的の実現のためには、これまで市独自で考え、実施してきた事業を、中小企業・小規模企業をはじめ、大企業や支援機関、金融機関、教育機関、市民など、関係者から広く意見をお聴きし、産業振興策に反映することが重要だと考えております。去る1月31日、条例に基づく呉市中小企業・小規模企業振興会議の第1回目を開催し、これまで取り組んできた施策及び今後取り組むべき課題について意見交換をいたしました。その際、事業承継に具体的な施策がないことなどから、今後取り組む重点テーマを事業承継とし、ワーキングチームを立ち上げて調査研究等を行うことを確認したところでございます。条例に基づく予算への反映といたしましてはこれからというところでございますけれども、今後、この振興会議において活発に議論を重ね、施策の立案につなげてまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 次に、2次産業を担う先端企業の数多くが、実は、特に製造現場を海外へ移転、または業態を転換するなど産業構造自体が変化しつつある今日、重厚長大依存型の事業展開を考え直す時期に来ているんだと私は思っております。呉市は、将来性のある企業に対し、市内に持続的に立地するため、税制の優遇措置や設備投資助成にとどまらず、高速通信回線、ローカル5G設置、f-Bizなどのような、より踏み込んだ産業支援策が必要と思いますけれども、お考えをお聞きいたします。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 呉市は、これまでくれ産業振興センターを中心に、新技術、新製品の開発や技術の高度化などに取り組む中小企業等を支援してまいりました。しかしながら、議員御案内のとおり本市を取り巻く製造業をはじめとする産業環境は大きく変化してきており、今後はこれまでの支援に加え、地域企業の多様なニーズに的確に対応するとともに、新たな市場をつくり出し、先端産業の誘致や新事業展開に取り組む人材育成などに注力していく必要があります。そのための方策といたしまして、起業家支援プロジェクトやリノベーションまちづくり事業などの創業支援事業に加え、観光産業の育成など各分野にわたる支援を複合的に行い、バランスの取れた産業構造への転換を目指していきたいと考えています。また、島嶼部を中心に光通信回線の整備を予定しておりまして、これはローカル5Gへの展開にもつながるもので、さらなる産業の新展開も期待をしているところです。このほか、試行的な取組にはなりますけれども、くれ産業振興センターにおいて、これまでのコーディネーター支援に加え、各分野のエキスパートを活用する登録制アドバイザー制度を導入し、より踏み込んだ支援をしていきたいと考えております。 なお、福山市や東広島市などが取り入れておりますf-Biz方式も、その効果などをよく研究し、引き続き果断に取組を進めていきたいと思っております。 ◆27番(北川一清議員) 次に、5番目ですが、1次産業の育成ということでお聞きいたします。 呉市の1次産業、後継者の担い手不足が新規就業者の育成に不安な状態が続いており、生産規模の拡大や設備等の整備による経営基盤を強化することを求められておりますけれども、6次産業化を通じて消費者ニーズを踏まえた生産物の供給や付加価値の向上、販路拡大を図り、経営基盤を強化することが重要課題になります。1999年に制定された食料・農業・農村基本法においては、食料や生活資材を安定的に供給し、国土の保全、水源の涵養などが必要不可欠と位置づけられておりますけれども、各島嶼部では農水産業が地域の基幹産業になっており、継続的に活性化させるには育成策、振興策が重要だと思います。 そこで、現状を把握するため、呉市の1次産業における就業者や生産量の推移と課題についてお聞きいたします。 ◎農林水産担当部長(松下武雄) 最初に、呉市の1次産業の就業者、生産量等の推移について、統計の関係上、現在のそれぞれ近い年の数値の比較でお答えします。 まず、農業就業者数ですが、平成22年の約2,300人に対しまして平成27年は約1,800人と、約23%の減少となっております。また、農業生産量ですが、統計値がないため、最も主要な農産物でございますかんきつの総生産量で比較しますと、平成25年の約1万8,000トンに対しまして平成29年は約1万2,400トンで、約31%の減少となっております。続きまして、漁業就業者数ですが、平成25年の約1,100人に対しまして平成30年は約800人と、約22%の減少となっております。また、漁業生産量ですが、平成25年の約3万トンに対しまして平成29年は約2万6,300トンで、約12%の減少となっております。 次に、呉市の1次産業の課題でございますが、農業、漁業における共通の一番の課題は、担い手の高齢化と後継者不足です。これらの要因は、農業では農産物の価格低迷や生産資材費の高騰等による収益性の低下、特にかんきつでは急傾斜地等条件不利地の小さな畑が多いこと等が上げられます。また、漁業では漁場環境の悪化、漁業資源の減少や魚離れ等による魚価の低迷により漁業者の収入が減少していること等が上げられます。 ◆27番(北川一清議員) 次に、呉市の特色であるかんきつ栽培を中心とした農業や水産業が年々減少傾向であると認識しておりますけれども、先ほど答弁されました課題や育成振興については、新年度予算にどのような施策を展開されるのか、お聞きいたします。 ◎農林水産担当部長(松下武雄) 新年度の農水産業に関する主な施策についてお答えします。 農業、漁業の大きな課題である担い手対策でございますが、自立経営が可能な新規就農者や漁業者等を育成するため、引き続き技術習得に係る研修の開催や設備整備等に係る費用の支援等を行ってまいります。農業関係では新規事業として、かんきつだけではなくフルーツ全般の栽培を支援していくフルーツアイランド事業を実施してまいります。また、農業生産基盤を整備し、大規模農業経営体の誘導を図るため、安浦町日之浦地区の県営の圃場整備事業に係る換地原案の作成に関する地元調整等や、安浦町市原地区では災害復旧事業と併せて圃場整備事業を実施してまいります。 続きまして、水産業につきましては水産資源の増大対策として、市が一部経費を負担することによりキジハタ等の稚魚集中放流事業を県が実施することとなっております。また、漁業生産の基盤を整備し、生産性の高い漁場の確保をするため、引き続き魚礁の設置や藻場の整備を実施してまいります。 最後になりますが、1次産業を取り巻く環境は依然として厳しいものがございますが、本市の状況に合った市独自の事業を展開しながら、法人化等による自立経営可能な農水産業者の育成につながる施策を実施してまいります。 ◆27番(北川一清議員) 次は漁業ですけれども、漁業というのは本来環境依存型の産業であり、漁場環境を良好に保たなければ、成り立ちません。一部海域では、イワシやカキ、タチウオ等をはじめとする資源水準量が低下し、回復すべき魚種が増えており、広島県や近隣市、特に江田島市と広島市ですけれども、連携した環境改善の実証実験などの取組が求められていることについて、お伺いいたします。 ◎農林水産担当部長(松下武雄) 魚類各種の天然資源は近年減少傾向にあり、漁業経営に深刻な影響を及ぼしており、資源減少の要因は、天然の干潟や藻場が減少していることや水質の変化による栄養不足が原因などと言われております。水産物の生産力を高めるための方策としまして、国や県の補助を利用して漁場の環境を改善するための海底清掃事業や海底耕うん事業を実施しております。水産資源の保護の観点からは、各漁協が実施する稚魚放流等に対して継続的に補助を実施しているとともに、広島県と連携し、比較的単価の高いオニオコゼやキジハタなどを放流しております。また、放流した稚魚の育成環境を整備するため、投石や魚礁設置を行うことで資源の増大を図っております。兵庫県では、特産品であるノリやイカナゴの不漁を発端として、県が中心となり、下水の排水基準の緩和など先進的な取組を行い、知見を積み重ねております。水質や底質などの漁場環境の改善には広域的な取組が不可欠であるため、今後先進事例を参考にしながら、県や周辺市町と連携を図り、調査研究を行っていく必要があると認識しております。 ◆27番(北川一清議員) 6次産業の実施については、消費者ニーズを踏まえた生産物の供給や付加価値の向上、販路の拡大を図り、産地の競争力を高める必要があります。現状での実態と来年度予算にどのように組み込まれているかお聞きします。 ◎農林水産担当部長(松下武雄) 6次産業は農林水産物の付加価値向上を目指した、農林水産業者による生産と加工販売の一体化等に向けた取組でございます。しかし、本市においては本来の意味での6次産業化は進んでおりませんが、広い意味での6次産業化のこれまでの主な取組状況を紹介させていただきます。 平成23年度から市内の農家と酒蔵、酒販店の三者が連携し、呉産の酒米を使用したオール呉産の日本酒を製造販売しております。また、平成26年度に国の助成制度を活用した漁業者と民間事業者が連携してちりめんアンチョビを開発し、販売しております。さらに、広カンランでは生産者と加工業者が連携して広カンランの漬物や広カンラン入りイカフライなどが商品化されており、どの商品についても消費者の方に好評を得ております。6次産業化の予算は来年度計上しておりませんが、6次産業化の推進は1次産業者の所得向上や地域の活性化につながるものと期待されることから、今後も引き続き本市の産業振興センターや広島6次産業化サポートセンターなどの関係機関と連携し、可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 次に、林業分野につきましては、あまり呉市にはなじまないところがあるんですけれども、あえて森林整備についてお聞きいたします。 森林を整備することは、地球温暖化防止のみならず、国土の保全、水源の涵養、快適な生活環境の創出につながり、その恩恵を多くの国民が感じております。しかしながら、現在、手つかずの森林がほとんどで森林環境は荒廃しております。森林整備を促進するため、本年度から森林経営管理制度がスタートしておりますけれども、新年度の森林整備についてはどのようにしていくのかお聞きします。 ◎農林水産担当部長(松下武雄) 議員御指摘のとおり、森林の整備を促進するため今年度から森林経営管理制度に取り組んでいるところでございます。今年度は広島県が作成した森林簿を基に、災害が大きかった安浦町の中畑、女子畑地区等のまとまった人工林を抽出し、資料調査や現地調査等を実施しました。その後、その所有者等に対して森林経営管理制度による意向調査を実施し、管理委託希望の森林につきましては森林整備の内容を検討するため、現在、立木調査業務等を実施しているところです。新年度におきましては、この立木調査業務等の結果を踏まえ、実際に森林整備を実施する予定としております。また、この業務と並行して新たに森林を整備する地区を選定し、今年度実施した同様の調査を行う予定としております。何分にも今年度からスタートしたばかりの事業で全く手探りの状態ではございますが、他都市の状況も調査しながら、広島県や森林組合等の関連機関と緊密に連携を図り、着実にこの事業を進めてまいります。 ◆27番(北川一清議員) ありがとうございました。森林というのは、それこそまちづくりの基本だと思っておりますんで、ぜひそのあたりの整備をしていただければと思います。 最後に、学習指導要領の改訂についてお聞きいたします。 学習指導要領の改訂は、小学校では2020年度、中学校では2021年度から全面実施、高校は2022年度の入学生から実施するということでございますけれども、グローバル化や情報化などにより人工知能、AIなどの技術革新が急速に進み、予測困難なこれからの時代に、子供たちには自ら課題を見つけ、学び、考え、判断することが求められております。10年前では考えられなかった激しい変化が起きており、今後もさらに社会や生活の変化が予想されています。子供たちが社会の変化に対応し、これから生きていくために必要な資質、能力を総合的にバランスよく育んでいくことを目指さなければならないと認識しています。 そこで、新しい学習指導要領では社会に開かれた教育課程の実現、主体的、対話的な学びの実現、そして各学校におけるカリキュラムマネジメントの確立が重要視されておりますけれども、呉市においては、この新学習指導要領に対応してどのような教育を実施していくのかお聞きいたします。 ◎教育長(寺本有伸) 議員御案内の新学習指導要領で重要視されている3点のポイントを踏まえて、今後呉市でどのような教育を展開するのかについてお答えいたします。 まず、1点目のポイントでございます。 社会に開かれた教育課程の実現についてでございますが、これからの時代に求められる教育を実現していくためには、それぞれの学校において必要な学習内容をどのように学び、どのような資質、能力を身につけられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、家庭、地域との連携及び協働により、その実現を図っていくことが大切になってまいります。これまでも学校関係者評価委員から学校の教育活動に関わり意見を聴いたり、学校だより、ホームページ等で家庭、地域への情報発信を行ってまいりましたけれども、これまで以上に教育方針や特色ある教育活動の取組、子供の状況などについて家庭と地域の連携を求め、協力を得ながら教育活動を展開してまいります。 次に、2点目のポイントでございます。 主体的、対話的で深い学びの実現についてでございますが、学習の質をより一層高める授業改善が必要であるため、本年度から呉市全体で考える授業づくりをキーワードに小中学校の教職員が組織的に取り組んでおります。今年度の取組をさらに焦点化し、来年度からは、授業改善のポイントとして教師から児童生徒への発問の工夫を示し、授業の中で児童生徒がより思考を広げたり深めたりできるよう取り組んでまいります。 最後に、三つ目のポイントでございます。 各学校におけるカリキュラムマネジメントの確立についてでございますが、このカリキュラムマネジメントとは、子供たちの姿や実情を踏まえて各学校が設定する教育目標を実現するために、教育課程に基づき、組織的かつ計画的に教育の質の向上を図っていくことを目指すものでございます。先ほど申し上げました社会に開かれた教育課程を実現させながら、学校全体として教育内容や時間の適切な配分、必要な人的、物的体制の確保、実施状況に基づく改善などのカリキュラムマネジメントの充実を通じて教育活動の質の向上をさせ、学習効果の最大化を図ってまいります。このように新しい学習指導要領の趣旨を踏まえ、これまで進めてきた小中一貫教育の取組を基盤とし、新しい時代に求められる資質、能力を育成する教育活動を展開してまいります。 ◆27番(北川一清議員) 2番目に、2018年度のOECD学習到達度調査、PISAについて結果をお聞きしています。PISAというのは3年ごとに実施されており、今回特に日本において問題になっているのは、読解力が前々回4位で前回8位、それが今回一気に15位に大きく順位を下げ、過去最低となりました。教育現場は非常に大きな衝撃を受け、危機感を募らせたと思います。近年、教材の文章を理解できない子供が増えているとの声が教育現場から聞かれます。一因として、新聞や読書などの長文に触れる時間の減少や学習でのICT活用のおくれといった要因が指摘されております。2020年度から順次実施される新学習指導要領では、論理的に思考する力を養う方針であり、全ての教科に不可欠である読解力の重要性を改めて認識しておりますけれども、その読解力の向上に近道はありません。時間をかけて地道に取り組める教育環境をいかにつくっていくかが問われております。2003年のPISAショック、当時14位だったですけれども、大幅に学習内容を転換し、授業時間を増やし、全国学力テストを復活させて結果を出してきましたが、再度急落したわけで、見直しが必要となりました。この結果を踏まえ、読解力に関しての呉市での現状と課題についてお聞きします。 ◎教育部長(小川聡) 呉市の子供たちの読解力についての現状と課題、そして今後の対応についてお答えいたします。 まず、現状といたしましては、ここ数年の全国学力・学習状況調査の国語、読むことの平均正答率は、小学校、中学校ともに全国を上回っている状況でございます。今年度、令和元年度の読むことの平均正答率は、全国平均正答率から小中学校ともに2ポイント以上上回っております。課題といたしましては…… ○議長(森本茂樹) あと3分です。 ◎教育部長(小川聡) (続) 文章の展開に即して情報を整理し、その内容を捉えることが上げられます。このような課題の解決に向けては、国語科を中心とした全ての教科等の授業において、様々な文章や図表等を活用し、自分の考えをまとめる学習を充実させ、読解力の向上に努めていきたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 最後ですが、教科担任制についてお聞きします。 2020年度から小学校5、6年生の英語の教科化、プログラミング教育の必修化が実施されますけれども、小学校教師の約3割が過労死ラインを超えている現状を考慮しますと、教員の多忙や長時間労働の問題はかなり深刻であり、働き方改革のさらなる推進に取り組まなければなりません。昨年4月、当時の柴山文部科学大臣が中央教育審議会において新しい時代の初等教育の在り方について諮問されております。それによりますと、既に一部の小学校で導入されている授業の改善や教員の負担軽減を目指すため、2022年度から教科担任制を小学校5、6年生に導入する方針をまとめています。現在の学級担任制では、毎日、毎時間、質の高い授業をしていくのは無理があると結論づけ、国は教科担任制に必要な教員定員確保の在り方等について検討を進めていくと聞いています。呉市教育委員会の考え方と取組についてお聞きします。 ◎教育部長(小川聡) 教科担任制についての呉市の取組についてのお尋ねでございます。 教科担任制につきましては、現在、呉市の小学校では、音楽、理科、家庭科等の授業を専科の教員が行ったり、教員の得意分野を生かして担任同士で受け持つ教科を交換したり、中学校の教員が小学校で音楽、理科等を担当するといった一部教科担任制を行っている状況でございます。今後、教員の負担軽減を図るため、教科担任制について国の動きを注視していきたいと考えております。 ◆27番(北川一清議員) 分かりました。いろんな課題が多々あると思いますけれども、地道にやっていくしかないんで、特に教育についてしっかりやっていただければと思います。 以上で私の質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で北川議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △中原明夫議員予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 9番中原議員。              〔9番中原明夫議員登壇、拍手〕 ◆9番(中原明夫議員) おはようございます。市民フォーラムを代表いたしまして質問をさせていただきます。 まず最初に、日鉄日新製株式会社鋼呉製鉄所閉鎖について伺いたいと思います。 2月7日、日本製鉄のリリース発表以来、議会、当局において、陳情、決議、意見書等関係各位の活動に、この場をおかりして感謝を申し上げたいと思います。 報道等で様々な臆測やうわさが飛び交っておりますけれども、現時点における当局の現状認識をお伺いしたいと思います。 以後の質問は質問席で行います。            〔9番中原明夫議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま中原議員から、現在の呉市にとって喫緊の課題となっております日鉄日新製鋼株式会社呉製鉄所について現状認識をという御質問をいただきました。御説明をする機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 日鉄日新製鋼株式会社呉製鉄所につきましては、2021年度上期末をめどに高炉を、それから2023年度上期末をめどに全設備を休止する旨、日本製鉄株式会社から2月7日の午後、プレスリリースがありました。議員御説明のとおりでございます。同じ日の午前中、昼前に、日鉄日新製鋼株式会社の柳川社長から私に対しまして、インサイダー取引の懸念があるので発表までは秘密厳守だというお約束で、その日の午後に正式発表があるその内容についてのお話を伺いました。その際の柳川社長の御説明では、呉製鉄所及び子会社の従業員については、一人一人丁寧にお話を伺った上で配置転換等により雇用を確保するという御説明はございましたし、協力会社については、最終的にはそれぞれの事業主の方々の御判断ではあるけれども、御希望があれば雇用や業務について紹介を行うという御説明がございました。 また、広島県知事をはじめ国の各関係機関、広島労働局長、中国経済産業局長、中国財務局長、それから日本銀行の広島支店長には、1月31日に観測記事が出た後に私から直接連絡を取りまして、地域経済や雇用に関して主体的な御対応をいただくようにお願いをいたしました。そして、そのときにそれぞれの方から、一緒に取り組んでいきましょうというお話をいただきました。 その後、2月10日に広島県、国と合同で緊急対策本部を立ち上げるとともに、呉市においても、ハローワーク呉、地元経済団体や金融機関とともに対策チームを設置し、今後、役割分担を決めて情報収集に当たろうということを確認いたしました。 さらに、2月17日には緊急対策本部の本部長であります広島県知事とともに日本製鉄の本社を訪問いたしまして、呉製鉄所の存続を含めた合理化計画の見直しと地域経済や市民生活への最大限の配慮、並びに今後のスケジュールや手順に関する適切かつ十分な情報開示について要請をいたしました。また、同日、経済産業大臣、中小企業庁長官、財務大臣、厚生労働副大臣を訪問いたしまして、知事と一緒に同じメンバーで訪問いたしまして、最大限の支援をお願いしてまいりました。現在、合同緊急対策本部と呉市対策チームのメンバーである各関係機関で相談窓口を設置いたしております。それとともに、広島県や国と協力しながら情報収集に当たっているところでございます。 いずれにいたしましても、呉製鉄所は、呉海軍工廠の製鋼部を引き継ぎ、戦後70年にわたり呉市の地域経済や雇用を支えてきた重要な存在であり、呉市民の誇りでございます。その全面休止というこのたびの発表は大変残念であり、かつ地元に与える影響は非常に大きいものと考えております。今後も広島県、国の機関、関係の経済団体などとともに、日鉄日新製鋼をはじめ関係者や各機関の窓口相談を通じて情報収集を行い、日鉄日新製鋼への要請などを通じて、地域経済や雇用への影響が最小限となるように取り組んでまいる所存でございます。 ◆9番(中原明夫議員) ありがとうございます。当局の前向きな対応を期待しておきたいと思います。呉製鉄所は、直営、協力会社従業員約3,000名が生産に従事しております。表現で言いますと、2023年9月末までに全ての設備を停止して閉鎖する予定になっています。この表現だけでは、2023年9月まで約3,000名程度の従業員が従事して工場が稼働していると錯覚しがちですけれども、来年9月までに停止する設備は製鉄所の3分の2を占めております。単純計算ではありますけれども、来年9月までに2,000名程度の配置転換、退職、転職が懸念されます。このような状況を踏まえた場合、当市に与える影響はどのようなものが考え得るか伺いたいと思います。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 今議員が言われましたように、仮に来年9月末までに協力会社含め2,000名程度に影響が出るとした場合、これが配置転換となるのか、あるいは転職か退職か、それぞれによって影響の度合いは変わってくると思われます。また、今回の合理化計画の内容につきましては、今後の具体的なスケジュールなど詳細がまだ明らかになっておりませんので、先般、広島県知事と市長が日本製鉄本社を訪問した際にも、適切かつ十分な情報開示を要請したところでございます。今後、同社からの情報収集とともに、経済的な裾野の広い呉製鉄所の地域経済や雇用に与える影響等について、広島県、国並びに関係機関と一緒になりまして、引き続き早急に状況の把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆9番(中原明夫議員) ありがとうございます。2,000名が一度にいなくなるということではないと思いますので、準備期間はあと一年ぐらいございますんで、呉市独自でやるというのは非常に難しいかもしれませんが、いろんな事態を想定して対応策を練っていただければと思っております。 次に、工業用水道事業に対する影響についてお伺いいたします。 呉製鉄所は、1日15万立米の工業用水を使用しております。このうち4万から5万立米を呉市水道局から供給を受けております。さきに述べましたように、3年後に全ての設備が停止した場合における呉市水道局の減収や設備更新計画等経営計画に与える影響についてお伺いしたいと思います。 ◎経営総務部長(道本幸雄) 工業用水道事業に関わる御質問でございます。 日鉄日新製鋼株式会社呉製鉄所は呉市の工業用水のうち約4割を御利用していただいておりまして、工業用水道事業を経営する上で大切なお客様でございます。呉製鉄所への呉市の工業用水は、呉市の専用管と、呉市と同様に工業用水を供給しております広島県との共同管により送水をしております。そのため、今後広島県をはじめ関係機関とも連携をしながら情報収集に努めるとともに、水需要に応じたこうした施設の最適な運用や更新計画の見直しなどを行うことによりまして、健全な工業用水道事業の経営に努めてまいりたいと考えております。 ◆9番(中原明夫議員) 今さらりと4割と言われましたけれども、一般企業で言うと、4割売上げが落ちると、もうほぼ廃業という事態ではないかと懸念するところでありますが、すぐにその供給を停止してくれということにはなりませんけれども、1年、2年、3年たつ間に徐々にその使用量は減ってまいります。基本契約等がございますんで、全て停止するようなこと、途中で契約水量を変えることができるかどうか分かりませんけれども、そういった交渉も今後発生してくると思われます。その際は、両者の意見を十分勘案していただいて対応していただければと思っております。 次に、支援体制についてお伺いいたします。 これまで申し上げました状況を勘案した場合、支援体制の構築やいろんな施策の実行は、この1年間が重要な時期になると考えます。現時点で実行可能な施策の有無、または今後取り組む課題について伺いたいと思います。 ◎産業部長(寺嶋文秀) 先ほどの答弁にもありましたように、2月7日の発表以降、広島県、国と呉市合同で緊急対策本部を立ち上げ、呉市の対策チームも設置し、各関係機関に相談窓口を設置するとともに、先般、呉市長が県知事とともに国の各関係省庁を訪問し、最大限の使用を要請したところでございます。現時点で目に見える形での支援体制といたしましては相談窓口での対応になっておりますけれども、引き続き日本製鉄株式会社の動きを確認しながら、地域経済や雇用への影響等について情報収集に努めるとともに、国や広島県の支援も仰ぎつつ、過去の事例についても広く調査をしまして、できることから、スピーディーに最大限の取組をしてまいりたいと考えております。 ◆9番(中原明夫議員) よろしくお願いいたします。今朝の新聞報道にありましたけれども、日本製鉄株式会社の社長が全事業所を回りたいということを言っているようでございます。呉にもおいでになるんではないかと思いますので、そのときにお会いできたりすればいいかなあと思います。日鉄日新製鋼株式会社は約70年の歴史がございまして、呉市に貢献した面もありますけれども、呉市に大変お世話になった面もございます。従業員、または協力会社の中には、呉市に残りたいという方々もいらっしゃるんだろうと思います。また、私のところにもいろんなところから、退職予定者を採用したいとか、いろんな御相談をいただいております。今後、呉市独自の施策が難しいということもございますでしょうが、呉市しかできない施策もあるんじゃないんかなあと思いますので、そういった面は重々配慮いただき、政策の立案に当たっていただきたいと思っております。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 次に、呉駅周辺地域総合開発事業計画の策定についてお伺いしたいと思います。 令和2年度予算案では呉駅周辺地域総合開発事業計画の策定に2,000万円が計上され、第1期開発の開発事業者の選定や事業計画の策定を行うとございます。昨年度の懇談会から提言、今年度の基本計画、来年度は事業計画と進捗してきておりまして、いよいよ具体的な中身に入ってきた感がございます。 そこでまず、この事業計画の位置づけ、策定の主体など基本的な考え方をお伺いしたいと思います。 ◎都市部長(近藤昭博) 呉駅周辺地域総合開発につきまして、最初に、昨年度の懇談会からの提言、現在策定を進めております基本計画、そして来年度予算案を計上させていただいております事業計画につきまして、それぞれの位置づけを説明いたします。 まず、昨年度の懇談会からの提言は、都市交通や再開発の分野の第一線で活躍されている有識者の皆様に議論をいただきまして、呉駅周辺地域を、鉄道、バス、港、次世代モビリティーが集積する総合交通拠点とし、そして、今後のまちづくりの核として総合的に開発していくことなど、大変意義のある10の提言をいただいたものでございます。 次に、現在策定作業を進めております基本計画は、懇談会からの提言に加えまして、市民アンケートや民間開発事業者へのニーズ調査を踏まえながら、呉市が策定主体として呉駅周辺地域総合開発の基本計画を策定するという位置づけになるもので、駅前広場やそごう呉店跡地だけではなく、地域全体のビジョンやロードマップを定めた上で、その第一歩となる第1期開発の基本方針もお示しするものでございます。 そして、来年度策定を予定しております事業計画は、交通ターミナルの整備と併せ、そごう呉店跡地などに複合施設を整備するという第1期開発につきまして、各施設の機能やおおむねの配置、規模、構造、事業遂行に当たっての官民の役割分担等を策定するものでございます。この事業計画の策定に当たりましては、呉市のほか交通ターミナルの整備主体として想定される国や複合施設の整備主体となる民間開発事業者が相互に連携しながら、より具体的な計画を策定することを予定いたしております。 ◆9番(中原明夫議員) 呉市と国、民間開発事業者ともに事業計画を策定していくこととなりますと、どのような民間開発事業者を選定するのかが極めて重要になると思います。プロポーザル等の詳細は今後報告があるものと承知しておりますけれども、どういう視点で、どのように民間開発事業者を選定していくのか、考え方をお伺いいたします。 ◎都市部長(近藤昭博) 第1期開発では、国のバスタプロジェクトの一環といたしまして、そごう呉店跡地に交通ターミナルの整備と併せまして民間事業者による複合施設の整備を目指しております。この交通ターミナルの整備範囲と複合施設の整備範囲は一部重複するものと想定をしておりまして、開発事業者には、こうしたバスタプロジェクトに係る協議調整につきまして、国、市とともに積極的な対応ができることが大前提となります。また、複合施設におきましても、駅北側のにぎわいの再生に向けまして、一定規模以上の商業、にぎわい機能を誘導するため、開発事業者にはこうした機能をコーディネートできる企画力が求められます。さらに、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり、都心居住の促進に向けて、様々な世代が暮らしやすい高質な居住機能を誘導したいと考えておりまして、単なるマンション分譲ではなく、こうしたまちづくりの視点を理解できる開発事業者であることが必要となります。プロポーザルでは、こうした視点を盛り込んで適正に事業者の選定をしてまいりたいと考えております。 ◆9番(中原明夫議員) 実は我が会派は、今年、熊本市のSAKURA MACHIKumamoto(サクラマチクマモト) という施設を視察させていただいております。これは、熊本県、熊本市、九州産交等が再開発という意味合いで行った事業で、大体600億円かかっているという規模でございます。このような規模を呉市がやるという感じではないかもしれませんけれども、このプロポーザル等を実施するに当たりまして、これまでは諸般の事情で個人権利者の権利集約が完了してないと問題になっておりましたけれども、この権利集約の問題は解決したのかどうかお伺いしたいと思います。 ◎都市部長(近藤昭博) 本件につきましては、株式会社そごう・西武から、昨年末に個人権利者の権利集約を完了した旨の報告を受けております。したがいまして、現在、そごう呉店跡地の土地建物の権利者は、株式会社そごう・西武、呉市、日本通運株式会社の三者となっております。引き続き権利者間の協議調整を進めていく必要がございますが、プロポーザルの実施に向けて一歩前進しているものと理解しております。 ◆9番(中原明夫議員) 旧そごう呉店の物件の整理について、条件が整いつつあるということは第一歩であろうと思います。また、事業計画の策定に当たっては、呉市、国、民間開発事業者三者で、官民連携で進めていくということも理解いたしました。しかしながら、その後、建物が建ち、交通ターミナルが整備された後はどのような状況になるのか。第2期、第3期と呉駅周辺地域総合開発を進めることは承知しておりますけれども、第1期開発は箱物を建てたら終わりなのか。まちづくりをあずかる立場として第1期開発の完了後も呉市が関わり続ける必要があると考えますけれども、考え方を伺いたいと思います。 ◎都市部長(近藤昭博) 呉駅周辺地域総合開発は単なる駅周辺の開発ではなく、呉市全体の交通まちづくりとスマートシティーの起点となる大変重要な位置づけを持つものでございます。呉駅周辺におきまして、国が提唱するスマートシティーやSociety5.0が目指す未来社会の姿を先行的に具現化し、市全体に広げてまいりたいと考えております。また、公民学が連携しながら様々な課題解決を目指していく推進組織、アーバンデザインセンターによる新たなまちづくりの取組や、公共空間の利活用などに関する新たな制度活用等についても、呉駅周辺地域全体、市全体に広げてまいりたいと考えております。そのため、第1期開発の完了後、すなわち複合施設や交通ターミナルの整備の後におきましても、引き続き呉市がまちづくりに主体的かつ積極的に関わってまいります。具体的には、複合施設内にアーバンデザインセンターを設置し、市民や民間企業、大学などの多様な主体とともに、交通まちづくりやスマートシティーの実現に向けて先導的な社会実験等に継続的に取り組んでいくこと、また、2階デッキ広場において、飲食、物販やイベントなど民間事業者によりにぎわいが生まれる仕組みを構築すること、さらには災害時の代替え交通拠点として、また、帰宅困難者の受入れ空間として機能もするよう、周辺事業者と連携する仕組みを構築することなどにつきまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。こうした施設整備後のまちづくりについても念頭に置きながら、引き続き第1期開発の検討を行っていく所存でございます。 ◆9番(中原明夫議員) 先ほど少し申し上げましたが、SAKURA MACHI Kumamoto(サクラマチクマモト)は九州産交と、開発事業者の中には株式会社マリモという会社が含まれております。これは広島の会社でございまして、再開発とか地域活性化の事業に非常に興味を示しているだろうと思います。SAKURA MACHIKumamoto(サクラマチクマモト) は物すごく大規模なものですけれども、機能としては今回この呉駅周辺の開発も同じものだろうと思います。この総合開発については、個人権利者の権利集約も完了して来年度は事業計画の策定ということで、一歩一歩進んできた感がございますから、市民の方々からはどう動いているのかがよく分からないという声が散見されます。ホームページに検討会の状況などが掲載されていることは承知しておりますけれども、全ての方々がホームページを見ているわけではないと思います。そこで、このたびの基本計画の策定をよい機会としまして、市民の方々に分かりやすく進捗状況を伝える工夫をぜひ取り組んでいただきたいように要望いたします。スマートシティーや交通まちづくりなど新たな視点から、今後の市全体のまちづくりの起点となるような先駆的な開発を呉駅周辺地域で展開していただくよう切望いたします。 今回は日鉄日新製鋼株式会社の質問、まさか私がこういう質問をここでするとは夢にも思いませんでしたけれども、このたび質問をさせていただきました。また、呉駅周辺の再開発についても質問させていただきました。ちょうどこれらの計画が実行に移されるのが3年後ぐらいだろうと思います。そのときはかなり呉市の状況も変わってきているだろうと思いますので、実施に当たりましては慎重かつ大胆にやっていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で中原議員の予算総体質問を終わります。 午後1時まで休憩いたします。             午前11時32分     休   憩      ──────────────────────────────             午後1時00分     再   開 ○議長(森本茂樹) 会議を再開いたします。      ────────────────────────────── △藤原広議員の予算総体質問 ○議長(森本茂樹) 休憩前に引き続き、予算総体質問を行います。 4番藤原議員。              〔4番藤原広議員登壇、拍手〕 ◆4番(藤原広議員) 皆さんこんにちは。公明党の藤原でございます。 質疑に入る前に、午前中に新型コロナウイルスの対応方針につきまして市長のほうから表明がございましたが、これを受けて本市におかれましても感染患者を出さないためにも早めの対応をしていただけますようお願いを申し上げます。 また、日鉄日新製鋼株式会社呉製鉄所の休止につきましても、同僚議員のほうから質疑がございました。行政、議会と心を一つにしながら情報を共有し、取り組んでいきたいと思いますので、併せてよろしくお願いをいたします。 それでは、公明党呉市議会議員団を代表いたしまして、通告に従いまして順次質疑をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。 最初に、市長退職金市民評価制度についてお聞かせを願いたいと思います。 この制度につきましては、平成29年12月、定例会の本会議におきまして、私の代表質問に対し市長は、あまり慌てずに、どういう手順で誰にどういう意見を聞いて進めるかも含め、少し丁寧に取り組んでいきたいと考えているとの御答弁をされておられます。あれから2年余りが経過をいたしまして、市長の任期も折り返し点を過ぎたところでありますので、何点か質問させていただきます。 定例会初日の予算総体説明におきまして、市長退職金市民評価制度については有識者から御意見をお聴きした上で検討を行い、市長退職金の特例を定める条例案の提出を目指して制度を構築していくとの御説明がございました。これも、もともと市長の退職金については呉市特別職員退職手当支給条例、すなわち議会が議決した条例により、その支給額が明確に定められているため、市民評価制度を導入するためにはその特例を定める条例が必要であるとの考えに基づくものと理解をしております。しかしながら、制度を構築していくに当たっては様々なことを検討する必要があるかと思います。例えば、この制度を恒久的な制度にすることも考えられますし、あるいは新原市長に限定した制度になることも考えられます。また、市民評価が非常に高い場合、退職金が現在の条例で定められた金額に比較して非常に高額となる可能性も考えられます。そのほか、評価方法をどうするのか、またいろいろあるかと思っております。 そこで、特例条例を検討されるに当たり、まず制度についての市長の基本的な考え方についてをお伺いしていきたいと思います。 以後の質疑は質問席にて行わさせていただきます。            〔4番藤原広議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(森本茂樹) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま藤原議員から、私の公約であります市長退職金市民評価制度について御質問いただきました。ありがとうございます。御説明をさせていただきます。 平成29年12月の代表質問においても御答弁申し上げましたけれども、この制度につきましては、選挙のときには市民の方に丁寧に判断をしていただくのですが、退職時におきましても同様に市民の方々に評価をしていただくことが大事ではないかと考えまして、私の公約に掲げた次第でございます。そのため、有識者の御意見をお聴きし、市民評価制度を導入するに当たっての論点や注意すべき点などを検討し、特例条例の提案を目指してこの制度を構築させていただきたいと考えております。その中で、この制度はあくまで私の公約でございますので、私に係る退職金に限定した制度とすべきであろうと考えているところでございます。そのように有識者の方にお願いをしようと思っております。また、現在の呉市特別職員退職手当支給条例は当然尊重して、といいますのは、すなわちこの条例の規定により算出した金額を上限として、その範囲内で退職金の額を市民の皆様の評価により決めていただきたい、そういうふうに考えているところでございます。 なお、具体的にどのような評価をして、その評価をどのように退職金に反映させていくかなどにつきましては、これから有識者の御意見を聴いた上で検討してまいりたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 具体的な評価方法や退職金への反応方法などは、これからの有識者の御意見をお聴きして検討していくという市長の御答弁でございました。しかし、市長の任期も半分以上が終わりまして、また、特例条例の提案を目指すということであれば、それなりのスケジュール感が必要となっていくのではないかと思うところでございます。今後の予定について、現時点で決まっているものがあれば、お聞かせを願いたいと思います。 ◎市長(新原芳明) 今後の予定についてお答えいたします。 この制度は全国に類を見ない制度だと思っております。現在は地方自治制度や公務員制度に造詣の深い専門家をアドバイザーにお願いして、これから制度をつくり上げていくに当たっての助言をいただこうと思っているところでございます。また、令和2年度は、新年度予算案にも予算計上しておりますが、この制度について意見を聴くための懇話会の開催を予定しており、この懇話会で有識者の意見を十分に聴いた上で制度設計について検討してまいりたいと考えております。この制度の案ができましたら議会の皆様にも御説明を申し上げた上で、特例条例の提案を目指してまいりたいと考えているところでございます。この特例条例を提案する時期につきましては、あくまでも現時点における予定でございますけれども、令和3年11月に現在の私の任期が満了いたしますので、その約1年前に当たる本年12月議会を目標としていきたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 先ほど市長の御答弁の中に、全国に類を見ない市民評価制度ということでございまして、多くの市民の目が市長に向けられていくのではなかろうかと思うところでございますが、呉市が現在抱えている大きな課題をそのリーダーシップで何としても乗り越えていただきまして、市民からの高い評価と、さらなる呉市の発展のために取り組んでいっていただけるよう切に望んでおきますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。 続きまして、子育て支援のさらなる充実についてお聞かせを願いたいと思います。 今回の令和2年度予算案の重点プロジェクト事業を見るに、子育て中の若い世代にも焦点が当てられ、子育て世代が住みやすいまち、子供が伸び伸びと育つまちをイメージされ、子育て支援のさらなる拡充に重点を置かれているように読み取ったわけでございます。限られた財源の中で一生懸命に知恵を出され、子供たちの居場所の環境改善や新たな家庭支援の仕組み、利便性の向上など、今の子育て世代のライフスタイルに合わせた取組が盛り込まれていることに対しまして、我が会派といたしまして高く評価するとともに大変に期待を寄せているところでございます。 そこで、今後どんな視点で子育て支援策を展開していかれるのか、また、令和2年度の予算案で重点プロジェクトに掲げられた取組がどのように関係しているのかをお聞かせ願いたいと思います。 ◎子育て担当部長(竹之内健) お答えします。 本市では、子育て世代が住みやすく、子供が伸び伸びと育つまち、子育て世代が生き生きとチャレンジし、活躍できる地域社会を実現することを目指しております。今年度、第2期呉市子ども・子育て支援事業計画の策定に当たりまして、市民の皆様の御意見をお伺いしながらこれまで議論を重ね、令和2年度から5年間の施策の方向性をまとめているところでございます。今回の計画案では、教育、保育の受け入れ態勢の充実や、子供が伸び伸びと育つ居場所づくりの推進、子育て情報の発信力強化、児童虐待防止対策のさらなる強化など、重点項目として推進していくこととしております。これらの取組を進めていくための主要施策を令和2年度当初予算の重点プロジェクトに掲げております。具体的には、子育て世代の利便性向上のための子育て支援手続ウェブ申請化に向けた手続ガイドの導入や、子ども家庭総合支援拠点の設置による児童虐待防止体制の強化や、助産師等を増員して子育て世代包括支援センターの機能を拡充するほか、子供の居場所づくりとして放課後児童会の充実を図ることとしております。今後も子育て世代の負担や不安感を和らげ、子育てや子供の成長に喜びが感じられる取組を進めてまいります。 ◆4番(藤原広議員) ありがとうございます。先ほど部長のほうから御答弁していただきました今回の計画案の中に、児童虐待防止対策の強化という言葉も出ておりました。令和2年度からスタートする第2期呉市子ども・子育て支援事業計画の策定作業がほぼ完成されると思いますが、第1期のこの計画期間中に実施された内容を丁寧に振り返る中で、新たな課題や継続が必要な取組等を踏まえた上での令和2年度に対する予算になっているのであろうと、さらに期待をしているところでございます。 そこで、この令和2年度予算の具体的な内容につきまして、少しお聞かせを願いたいと思います。 以前にも我々公明党呉市議会議員団のほうからの代表質問で何度か取り上げてきました子ども家庭総合支援拠点の設置が来年度予算に盛り込まれておりまして、真剣に取り組み、早期実現を目指していただいたことには高く評価をするところでございます。 そこで、その拠点化を実現することで市民にどのようなメリットが生まれるのか、また、この拠点整備をしていくために必要な条件はどういったことがあるのか、その辺もお聞かせを願いたいと思います。 ◎子育て担当部長(竹之内健) 子ども家庭総合支援拠点は、平成30年12月に国が策定いたしました児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づきまして、令和4年度までに全市町村が設置することを目標としている組織でございます。県が設置しております児童相談所が、一時保護などの緊急性を要し、高い専門性が必要なハイリスク案件を中心に対応するのに対しまして、この拠点は、より身近な場所で子供とその家庭及び妊婦等に幅広く関わりながら、継続的な支援が必要となる案件については、相談、調査、訪問等による支援を行う組織でございます。この拠点設置によりまして、養育困難な家庭に対し、社会福祉士などが専門的な相談や家庭訪問を通じその家庭に応じた支援につなげるなど、しっかりと寄り添い、時間をかけて対応することが可能となりますので、さらなる児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応につなげていけるものと考えております。この拠点を整備していくために必要な条件といたしましては、現在、子育て支援課家庭児童相談グループ13名に、さらに社会福祉士や心理職など有資格者5名を増員し、体制強化を図る必要がございますので、令和2年度予算案に必要経費を計上しているところでございます。 ◆4番(藤原広議員) 先日もテレビで、幼児、我が子を虐待したという裁判の模様も出ておりまして、守るべき親が虐待をしてしまうという痛ましい事故でございましたけれども、評価体制をしっかりと図っていくんだという本当に心強い御答弁をいただいたわけでございますので、今後呉市のほうから、虐待で苦しむ子供がいなくなるように、しっかりと横の連携を取っていただきながら、それぞれの職務の中で情報を共有していただき、しっかりとした対策を取っていただければと思うところでございますので、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、妊婦から出産、育児までの包括支援を行う子育て世代包括支援センターの事業の状況でお伺いをさせていただきます。 現在、子育て世代においては、核家族化や地域とのつながりの希薄化等により妊産婦の孤立感や負担感が高まっており、子育てへの不安感を抱えている方が多くなっているかと思います。これに対応するため、呉市では妊娠期から子育て期にわたる総合的な相談、支援を行う子育て世代包括支援センターを平成28年10月から開催しており、着実に呉市の子育て支援に取り組まれていると感じているところでございます。 そこで、子育て世代包括支援センターにおける事業の内容や、その実績についてお伺いをいたしたいと思います。 ◎福祉保健部参事(海田茂) すこやかセンターの3階に開設をしております呉市子育て世代包括支援センターは、通称えがおと呼んでおります。えがおでは、助産師や保健師などの母子保健コーディネーター3名により、妊娠、出産、子育て等の悩みに関して、切れ目なく、そして気軽に相談できる体制を整え、子育て世代に対する支援を推進しております。 主な事業概要と活動実績でございますが、まず、母子健康手帳を交付するときが全ての子育て家庭に対する支援のスタートの場と捉え、対象者全員を面接し、生活の実態を把握することで、お一人お一人の状況に応じた支援メニュー、子育てマイプランと呼んでおりますが、子育てマイプランとして提案をしております。平成30年度には1,365件でございます。 次に、産後早期でございますが、産後鬱の予防という観点から、出産後の2週間目と4週間目に行っております産婦健康診査の費用を助成しております。これは平成30年度の10月から開始をしておりますが、半年で802件でございます。そのほかにも、授乳教室とか授乳相談、母乳外来や助産所で使用できます授乳相談利用券については平成30年度232名に発行しておりますが、そういったものを発行したり、産後に心身不調なために育児サポートが必要な母子が助産所に通いながらケアを受けることができる日帰り型の産後デイケアとか、医療機関や助産所に宿泊しながらケアを受けることができる産後ショートステイも実施をしております。このように各時期に応じた相談事業や交流の場を設けることで、早期に不安や悩みを相談できる環境を整えております。 また、呉市の特色といたしまして、支援が必要な方を早期に相談や支援につなげるため、医療機関や民生委員児童委員の方と各地区担当の保健師が一体となって取り組む体制を整えております。その中で、虐待等の支援が必要な場合があれば、速やかに同じフロアにございます子育て支援課家庭児童相談グループにつなぐ体制を整えております。 ◆4番(藤原広議員) ありがとうございます。今御答弁いただきましたように、様々な機関、医療機関及び民生委員児童委員、また各地区担当の保健師が一体となって、こういった取組をしてくださっており、皆さんの思いが、子育て世代包括支援センターの一番のもととなるところだと思っておりますんで、またしっかりと横のつながりを密にしていただきながら取組を展開していっていただければと期待をしておるところでございます。 次のイでございます。 事業課題と新年度の取組及び呉市の目指すところというところで、呉市では様々な相談、補助、支援サービス事業を実施してくださっておりますが、現在の課題を踏まえて、令和2年度にはどのような取組をされていこうとしておられるのか。さらには、呉市として今後の子育て支援として目指すところは何なのかお聞かせ願いたいと思います。 ◎福祉保健部参事(海田茂) 課題と今後の目指すところについて御答弁をさせていただきます。 まず、課題でございますが、妊産婦の人数は減少傾向にございます。平成28年には1,450人だったものが平成30年には1,365人と、かなりの減少傾向にはございますが、逆に、支援者がいないとか経済的な問題や精神的に課題があるなど、支援が必要なハイリスクの妊婦の数は増加傾向、ちなみに数が平成28年が588名から平成30年には633人という形で増加をしております。そして、このような方々に対応するための業務量の増加を課題として捉えております。今後、より適切な支援を行うために、新年度予算には子育て世代包括支援センターえがおの母子保健コーディネーター、これは助産師もしくは保健師等の資格を、有資格者ということで1名増員、現在3名ですが4名に増員をいたしまして、相談支援体制の拡充をしてまいりたいと考えております。 また、現在は産婦人科や小児科、精神科医等の医療機関と連携をとり合い、支援が必要な方に対して早急な対応を行っておりますが、これらもさらに連携の強化を図ってまいりたいと考えております。このように本市といたしましては、子育て世代包括支援センターえがおを拠点といたしまして、民生委員児童委員や医療機関、そして地区担当保健師が連携いたしまして、子育て世代と顔の見える関係を築くことで、子育て世代が孤立せず、気軽に相談ができるよう努めてまいります。そして、妊産婦や子育て世代が抱える多種多様な課題について、対象者に寄り添った支援を行うとともに、必要なときにはより専門的な支援につなげていくなど、呉市版ネウボラとして安心して子育てができるまちづくりを目指していきたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 今、参事のほうから御答弁をいただきまして、妊産婦の方も安心されたんじゃないかなと思うところでございます。呉市版ネウボラ、安心して子育てができる呉市のために現場で対応していただいております職員の活動に、これからも期待を寄せるところでございます。対象者に寄り添った支援、我が娘とか我が子供というように、現場の職員さんも一生懸命に業務を遂行していただいていることは日頃からよくよく理解はしておりますが、それ以上にまた、この呉市版のネウボラのさらなる推進を行い、子育てしやすい呉のまちづくりに向けて御努力をしていただければと思うので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。 続きまして、子供の居場所づくりでお聞かせを願いたいと思います。 今回の予算案では、安浦さつき児童会の小学校内への移転、発達に関する巡回アドバイザーの派遣、豊小学校への放課後児童会の新設など、子供の居場所づくりにも重点を置かれておりますが、これらの重点化された事業を実施するに至った背景、また課題は何であったのか、お聞かせ願いたいと思います。 また、子供の居場所としての今後の方向性はどういったものになるのか、またどういう形のものを目指しておられるのか、お尋ねをいたします。 ◎子育て担当部長(竹之内健) 子供が伸び伸びと育つ居場所づくりの推進を図るために、放課後児童会のさらなる充実に取り組むこととしております。まず、安浦さつき児童会の移設につきましては、統合によって学校から離れた場所で運営をしております現在の旧安浦図書館と学校との間の送迎にかかる時間をなくし、安全で自由に遊べる運動場が確保できるよう、小学校内にプレハブを設置するものでございます。また、豊児童館については、豊地区、豊浜地区では放課後に自宅周辺で子供たちが集まって遊ぶことが難しいため、それに代わる居場所をつくってほしいというPTAの要望に応えまして、豊小学校内に新設するものでございます。また、近年発達に特性のある子供たちが増加するとともに、生育歴や家庭内の問題が子供たちの気がかりな行動につながっている事例なども多く見られることから、放課後児童会の指導員も適切な対応に苦慮している状況がございます。そのため、巡回アドバイザーを派遣し、研修や実地指導により子供の発達について正しく理解したり、子供や保護者への対応の具体的手法について学ぶことで、指導員のスキルアップを図るものでございます。放課後児童会の充実に関する施策の方向性といたしましては、児童会が遊びと生活の場を与える場であるという法の趣旨を踏まえ、環境改善を最優先に取り組むとともに指導員の質の向上を図ることで、全ての子供が安全・安心に過ごし、子供の主体性を尊重した多様な体験、活動ができるよう、さらなる充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 一昨年の豪雨災害の折にも、安浦地区も本当に大変な状況で、子供たちにも大きな傷跡を残した豪雨災害ではなかったかと思っております。そういったところの中で、早くに放課後児童会の設置をしていただけるところでございます。地元にとりましては本当にうれしい話ではないかなと思っておるところでございます。この令和2年度の予算におきまして、次代を担う子供たちのためにも光の当たる予算配分が行われ、重点的に取り組んでいただけることに期待をいたしまして、次の質問に移りたいと思います。 3番目といたしまして、今後の大規模災害に備えた国土強靱化に向けた取組についてお聞かせを願いたいと思います。 呉市は、令和2年度重点事業で復旧・復興関係予算に105億円を計上し、豪雨災害からの着実で力強い復興を掲げて、道路、河川、農地などの災害復旧事業に取り組むとともに、災害公営住宅など住まいの再建、整備や生活支援など被災者に寄り添った支援を実施していくとされております。国は東日本大災害の教訓を踏まえ、平成25年には国土強靱化基本法を制定、また、翌年の平成26年にはこの基本法に基づく国土強靱化計画を策定されました。また、国は地方公共団体においても、国と地方が一体となって強靱化の取組を推進していくため、地域の状況に応じた国土強靱化地域計画を策定することができるとしておるところであります。呉市の災害の歴史を見ましても、大規模災害に備えた地域づくりを進める必要があり、予算書の説明の中にも国土強靱化地域計画の策定が盛り込まれているところでございます。呉市において、この計画の方向性など、どのように計画を策定していかれるのか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎企画部長(大下正起) 呉市は、平成30年7月豪雨災害で甚大な被害を受けました。過去にも風水害や地震などで大きな被害を受けてきておりまして、今後も起こり得る大規模自然災害に備えるためには、これまでの災害を教訓として、土木施設の整備や建物の耐震化の促進、地域の防災力を高める取組などを長期的かつ計画的に進めていく必要があると考えております。議員御案内のとおり、国は地方公共団体に対して国土強靱化地域計画の策定と地域の状況に応じた国土強靱化の施策を総合的かつ計画的に実施するように求めておりますし、また、地域計画に基づいて実施する事業への支援を打ち出されております。こうしたことから、本市といたしましては、令和2年度末を目途に国土強靱化地域計画を策定することといたしました。策定に当たりましては、国土強靱化基本法に、地域計画は国土強靱化に関して自治体における他の計画の指針となることが定められていることから、市政全般の基本指針となる次期長期総合計画と一体的に策定することとし、人命の保護や財産や公共施設の被害の最小化などが図られるよう、土木施設、交通基盤、上下水道施設などの強靱化、地域防災力の向上などの取組を計画に盛り込み、災害に強い安全・安心なまちづくりを進めていきたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 一昨年の豪雨災害、呉市にとっても今まで経験したことのないような被害を受けたところでございます。ぜひとも、先ほど部長のほうの答弁にありました次期長期総合計画と一体化、ここは大きなポイントになっていくんではなかろうかなと私は感じているところでございますので、災害に強い安全・安心なまちづくりを今後とも進めていっていただくよう、期待をしておきますので、取組をよろしくお願い申し上げます。 次に、国土強靱化計画の内容でお伺いをいたしたいと思います。 国は国土強靱化地域計画についてガイドライン策定を促しております。ガイドラインでは、国土強靱化基本法の目的を示し、この基本目的を達成し、本市が災害に対する強靱化を図るためには、ハードとソフトの両面の取組や、自助、共助、公助の取組、また平時における利活用を進めていく必要があるかと思います。呉市ではどのような内容の国土強靱化地域計画を策定しようとしているのか、そのあたりをお聞かせ願いたいと思います。 ◎企画部長(大下正起) 国土強靱化地域計画の内容についての御質問でございます。 国土強靱化は議員御案内の国のガイドラインが定める四つの基本目標、これは一つは、人命の保護が最大限図られること、二つ目は、社会の重要な機能が致命的な傷害を受けずに維持されること、三つ目は、国民の財産や公共施設に係る被害の最小化、四つ目は、迅速な復旧・復興でございますが、この四つの目標を成し遂げるために、強さとしなやかさを持った安全・安心な国土、地域、経済社会の構築に向けて推進するものとなっております。 次に、策定の手順ですが、この目標に向けて、まず大規模自然災害の発生時に起きてはならない最悪の事態、リスクシナリオと申しますが、これを明らかにし、そうした最悪の事態に対する現状の対応策を整理いたします。その上で、取組が弱い部分がないかをあらかじめ点検いたします。取組が弱い部分は新たな対応策を検討し、優先順位をつけて計画的に備えていくということが示されております。本市の地域計画の策定に当たりましては、これまでの災害の教訓から、台風や大雨による土砂災害を含めた風水害と地震に備え、それぞれのリスクに対する脆弱性を分析し、道路や河川などのハード整備のみならず、防災に関する情報提供の方法の見直しや避難行動の喚起といったソフト対策を含め、全庁的な対応策を取りまとめ、計画にしていきたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) このハード整備とソフト面の対策、この両面を兼ね備えた計画の推進になっていくようにしっかりと臨んでいきたいと期待をしていきたいと思っておりますので、今後の対応をよろしくお願いいたします。 次に、地域計画策定のメリットでお聞かせを願いたいと思います。 策定に当たっては、大規模自然災害が発生したときに起きてはならない最悪の事態を防ぐために、全庁的にしっかりと脆弱性の分析、評価を行い、適切な事業を計画に盛り込んでもらいたいと提案をしておきたいと思います。地域計画を策定して強靱化を進める上でのメリットは、被害の縮小があるかと考えられます。大規模自然災害に備え、日頃からの強靱化を進めることが被害の縮小を進めることだと思っておりますが、そのほかにどのようなメリットがあるのか、また考えられるのか、お教えを願いたいと思います。 ◎企画部長(大下正起) 国土強靱化地域計画を策定するメリットといたしましては、議員御案内の被害の縮小のほかに、国は二つのメリットがあることを上げております。一つは、強靱化に関する事業のスムーズな進捗でございます。地方公共団体が国土強靱化地域計画に基づいて実施する事業に対して国は交付金や補助金を優先的に配分することが示されるなど、国の支援を受けながら強靱化を進めていくことができるとされております。二つ目は、地域の持続的な成長でございます。地域の強靱化を進めることにより地域の災害への対応力が高まり、地域の持続的な成長を促すことができるとされております。国土強靱化地域計画の策定により、これらのメリットを生かした強靱化の取組を計画的に進めていきたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) 今部長のほうから御答弁いただきました二つのメリットということで、強靱化に関する事業のスムーズな進捗と地域の持続的な成長、この二つをもって今後も計画的に取り組んでいただきまして、呉市民の生活の安全・安心に全力で取り組んでいただくように努めていただきたいと望んでおりますので、よろしく申し上げます。 それでは、最後の質問でございます。 住み慣れた地域で元気に自分らしく暮らせるまちについてということでお聞かせを願いたいと思います。 呉市では、平成20年度からのレセプトのデータ化と、これを活用して生活習慣病の重症化予防に取り組んでこられたところでございます。さらに、現在では健診データや介護データなども活用した健康課題の分析を基に重症化予防などの効果的な保健事業を実施しておられます。 そこでまずお尋ねをいたしますが、呉市がこれまで取り組んでこられたデータヘルスの成果についてをお聞かせ願いたいと思います。 ◎福祉保健部長(原垣内清治) 御質問いただきましたデータヘルスについてでございますが、この事業は国民健康保険などの医療保険者が特定健診や診療報酬明細書、これをレセプトと申しますけれども、そういったデータを活用して被保険者等の健康状態に即し、また、PDCAサイクルを使うことによってその事業成果を検証することで、効果的、効率的に行う保険治療のことでございます。本市では、2008年、平成20年からでございますが、まず国民健康保険におきましてデータベースを構築し、糖尿病性腎症など生活習慣病の発症、また重症化予防に重点的に取り組んでまいりました。それらの成果といたしまして、重症化予防プログラムでは生活習慣病に係る健診等の検査値の改善や人工透析者の減などの実績を上げることができております。また、これらの取組は、保険者とかかりつけの医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の多職種が連携して地域総合チーム医療として実施しているものであり、こうした連携基盤を構築して保健事業を展開できることも成果の一つでございます。こういった連携した取組は、国の経済財政諮問会議等でも取り上げていただいており、呉市モデルとして全国的に施策の横展開が図られているところでございます。 ◆4番(藤原広議員) これまでの取り組んでこられたデータヘルスの取組についてはよく分かったところでございます。しかしながら、このデータヘルスの取組も10年が経過をいたしておりまして、さらなる高齢化の進展や単身、高齢者の増加など、社会の情勢も変化をしているところでございます。 そこで、今後呉市として取り組むべき課題についてをお尋ねいたします。 ◎福祉保健部長(原垣内清治) データヘルスに関しましては、先ほども御説明いたしましたとおり、本市では国民健康保険に係るデータを基に最初は始めておりましたが、現在では呉市においては、国民健康保険に加えまして後期高齢者医療のレセプトや介護保険情報、また医療扶助レセプトについても、このデータなどについても、保健医療、健康等に関するものをデータベース化して、連携、分析できるシステムということで構築しております。 これらのデータ分析の具体的な例を示させていただきますと、本市の高齢者が介護を要する状態になる原疾患として、骨粗鬆症等による骨折や関節症、また、脳血管疾患、認知症といった健康課題があるということが得られております。こうした疾患につきましては徐々に進行する特性がございますことから、市民一人一人が健康診断等で自分自身の健康状態を確認していただき、できるだけ早い時期から予防に取り組んでいただくことが重要でございます。そのため、より多くの方に健診を受けていただく受診勧奨に取り組んでまいりますとともに、現行制度上の課題として、生活習慣病、フレイル等は医療保険者の保健事業として、また、介護予防は市町が実施主体となっております介護保険の事業としてということで、一体的に対応できてないという課題がございます。これにつきましては医療保険と同じように介護保険につきましても、後期高齢、75歳以上になりますけれども、そこを境に保険者が替わり、これでまた保健事業が継続されないといった課題がございます。こういった課題に対応するために、翌年度、令和2年度からということでございますが、新規事業である高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施をはじめといたしまして、高齢者の特性に応じた施策をより効果的、効率的に推進していきたいと考えておるところでございます。 ◆4番(藤原広議員) ありがとうございます。先ほど部長の御答弁の中で、高齢者の保健事業と介護予防の一体化、一体的実施ということでございますが、それについてお伺いをさせていただきたいなと思っております。 加齢による筋力の衰え、疲れやすくなり家に閉じ籠もりがちになるといったフレイルの段階で、高齢者の特性を踏まえた保健事業の実施が、先ほどもおっしゃったように重要になっていくんじゃないかと思っているところでございます。先ほどいただいた御答弁の解決を図る事業だと思っているところでございますけれど、具体的にどのような取組をされるのか、また、どのような成果を期待しておられるのか、そこらも加えて御答弁していただければと思います。 ◎福祉保健部長(原垣内清治) 御質問いただいた具体的な取組についてでございます。高齢者は、高血圧、高血糖など慢性疾患を複数持つ場合が多く、認知機能障害などの老年性症候群などと相互に影響し合うことによりまして、要介護状態に至る前段階でございますフレイル、先ほど御紹介いただいたフレイルが顕著に進行するという特性があると言われています。しかし、このフレイル等の状態でございますが、早期に兆候を見つけることによって、その状況に介入、支援することで健康な状態に戻ることができるとも言われております。こうしたことから、本事業の取組といたしまして、保健師等の医療専門職を日常生活圏域ごとに配置し、比較的健康な方に対しましてはふれあい・いきいきサロン、また筋肉を鍛える貯筋クラブでございますが、そういった地域の身近な通いの場等で、その地域の健康課題に基づく健康指導を行い、健康リスクの高い方には個別指導、今度は個別指導等によって生活習慣の指導や、必要な場合には医療、介護、サービスにつなぐなどの支援を行ってまいりたいと考えております。 この事業でございますけれども、令和2年度には日常生活圏域1圏域でモデル的に実施し、そこでの検証を基にいたしまして、令和3年度以降、順次市内全域に展開できればと考えております。また、後期高齢者の基本健康診断のときの問診票が来年度から改正され、フレイル等の高齢者の特性を把握しやすくなるということがございますので、高齢者一人一人の健康課題に応じまして必要な支援をきめ細かく行っていきたいと考えております。こうした取組に併せまして、引き続きこれまで本市が培ってきましたデータヘルスのノウハウや関係団体等との連携による事業を実施できる環境を使いまして、平成29年度から実施してきました骨粗鬆症重症化予防プロジェクトなどにより、介護状態となる原因疾患の予防として、骨折、骨粗鬆症予防のための普及啓発や骨折リスクの高い方への個別支援などにより、高齢者の閉じ籠もり、または介護のリスクの減少を図ってまいりたいと思います。これら高齢者の特性に合わせました保健事業と介護予防の取組を一体的に行う中で、それぞれの事業の効果の検証を重ね、市民誰もが年齢を重ねましても住み慣れたこの呉市で生き生きと暮らしていけるよう、より効果的な事業を展開してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆4番(藤原広議員) 御答弁いただき、ありがとうございます。高齢者一人一人の健康課題を掌握して必要な支援につなげていき、この検証を重ねながら継続実施をしていくという力強い御答弁をいただいたわけでございます。呉市の高齢者が本当に生き生きと暮らしていけるための必要なアイテムかと思っておりますので、しっかりとした実証をしていただきながら取組をよろしくお願いいたしたいと思います。 次の4番目でございます。 高齢者等の見守りネットワーク事業についてお聞かせ願いたいと思います。 新年度予算案では、認知症等により徘回する高齢者の早期発見、消費者被害を未然に防ぐため、新規事業として高齢者等の見守りネットワーク事業に取り組まれるとのことでございますが、平成30年度版の高齢社会白書によりますと、65歳から74歳で要支援の認定を受けた人は1.4%、要介護の認定を受けた方が2.9%であるのに対し、75歳以上では要支援の認定を受けた人が9.0%、要介護の認定を受けた方が23.5%となり、75歳以上になりますと要介護の認定を受ける人の割合が大きく上昇していることが分かります。また、要介護になった主な原因は、認知症が18.7%と最も多いという結果が出ておりまして、要介護になった場合、自宅で介護を受けたい人の割合が73.5%という結果が出ておりました。高齢者とその家族が住み慣れた地域で安心して生活が続けられるようにするために、具体的にどのような体制で事業を進められていかれようとしているのか、お尋ねいたします。 ◎福祉保健部長(原垣内清治) お尋ねの高齢者等の見守りネットワーク事業についてでございますが、まず初めに、呉市の現状ということで御説明させていただきます。 65歳以上の高齢者の、約6人に1人、1万4,000人の方が要支援、要介護の認定を受けておられます。そのうち認知症で認定を受けられた方が約半数、6,600人になっております。加齢による心身機能の低下は、認知症による徘回や消費者被害の問題につながりやすいと言われております。認知症や、また、心身の機能低下につきましても、早期発見、早期対応が必要となってまいります。そのため本市では、平成29年度から、認知症高齢者家族支援事業といたしまして、徘回高齢者の早期発見を目的に位置情報探索機、GPS端末でございますけれども、こちらの購入費などにつきまして初期費用の一部を助成してまいったところでございます。 また、高齢者等の見守りにつきましては、これまでも民生委員、自治会、老人クラブを中心としました地域の方々と協力をいたしまして見守りを実施してきたところでございます。これに加えまして、新年度からは、高齢者等の御自宅を訪れることが多い宅配業者や高齢者自身が立ち寄られる機会が多い商店などと呉市が連携協定を締結いたしまして、業務の支障のない範囲でということになりますが、協力機関として高齢者の見守り等のネットワークに加わっていただきたいと考えております。このネットワークでは個人情報保護には配慮いたしますが、メール配信等のサービスを導入いたしまして、見当識等の障害によりまして行方不明になる可能性がある高齢者等に事前に登録していただくことで、行方が分からなくなった場合には関連情報をメール配信し、早期発見につなげていきたいと考えております。併せまして、このシステムを使いまして消費者被害情報なども配信いたしまして、高齢者等への注意喚起にも役立てていただくようにということで予定しておるところでございます。こういう制度にいたしまして重層的な見守り体制を構築することによりまして、高齢者等とその家族が、先ほどと繰り返しになりますが、住み慣れたこの地域で、呉市のそれぞれの地域で安心して生活できるよう、しっかりネットワーク、見守りも実施していきたいと考えております。 ◆4番(藤原広議員) ありがとうございました。今御答弁いただいた中に、我が会派のほうからも平成29年からGPS端末機を提案させていただきまして、それを行政のほうで助成していただくようになりました。私のほうも高齢者に優しいまちづくりというところを、いつかの会で最後の締めくくりの言葉として申し上げたかも分かりませんけれど、認知症の方も含めた高齢者が、本当に気軽に呉市のまちを、自分が住み慣れたこの呉市を、いろんな思い出を思い出しながら歩いていただける。それを、周りにいらっしゃるいろんな仕事の方なり市民の方が温かく見守り、心配している市だということが、今から心の通う、絆のある呉市につながっていくんではなかろうかと思っているところでございます。住み慣れた、本当に自分たちの誇りに思える呉市の制度を確立していただきながら、高齢者に優しい呉市のまちづくりを目指して今後ともまた頑張っていっていただければと思いますので、しっかりと期待しております。よろしくお願いを申し上げまして、私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴大変ありがとうございました。(拍手) ○議長(森本茂樹) 以上で藤原議員の予算総体質問を終わります。 残り7名の方の質問は後日行うことにいたします。      ────────────────────────────── ○議長(森本茂樹) 本日はこれをもって散会いたします。             午後1時55分     散   会 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。       呉市議会議長  森 本  茂 樹       呉市議会議員  藤 原    広       呉市議会議員  中 原  明 夫...