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02月28日-03号

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  1. 呉市議会 2019-02-28
    02月28日-03号


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    最終取得日: 2021-09-02
    平成31年第1回 3月定例会       平成31年第1回(定例会) 呉市議会会議録第642号平成31年2月28日(木曜日)呉市議会議事堂において開議(第3日)出席議員       1番  上 村  臣 男       2番  阪 井  昌 行       3番  檜 垣  美 良       4番  藤 原    広       5番  奥 田  和 夫       6番  久 保    東       7番  山 上  文 恵       8番  谷    惠 介       9番  林 田  浩 秋       10番  山 本  良 二       11番  林    敏 夫       12番  中 原  明 夫       13番  池庄司  孝 臣       14番  田 中  みわ子       15番  井手畑  隆 政       16番  沖 田  範 彦       17番  谷 本  誠 一       18番  岡 崎  源太朗       19番  福 永  高 美       20番  石 崎  元 成       21番  神 田  隆 彦       22番  渡 辺  一 照       23番  平 岡  正 人       24番  梶 山  治 孝       25番  加 藤  忠 二       26番  片 岡  慶 行       27番  岩 原    昇       28番  北 川  一 清       29番  小 田  晃士朗       30番  中 田  光 政       31番  土 井  正 純       32番  森 本  茂 樹 欠席議員           な    し 説明員  市長       新 原  芳 明  副市長      小 松  良 三  副市長      濱 里    要  理事兼復興総室長 澤 村  直 樹  総務部危機管理監 関 川  秀 樹  総務部副部長   手 島  直 樹  総務部参事補   小 山  成 則  企画部長     近 藤  昭 博  財務部長     阿 原    亨  市民部長     市 本  勝 英  文化スポーツ部長 上 東  広 海  福祉保健部長   池 田  昌 彦  福祉事務所長   原垣内  清 治  福祉保健部参事  山 本  雅 之  環境部長     大 江  宏 夫  産業部長     大 下  正 起  産業部参事    松 下  武 雄  理事       田 口  康 典  都市部長     山 崎    裕  土木部長     北 岡  宏 紹  会計管理者    矢 口  正 和  教育長      寺 本  有 伸  教育部長     小 川    聡  消防長      中 西  賢 一  消防局副局長   荒 中  正 規  上下水道事業管理者増 本  寛 治  経営総務部長   道 本  幸 雄  建設部長兼施設管理部長           赤 瀬  正 敬 議会事務局職員  事務局長     有 田    真  事務局次長    小 森    強  議事課長     小 松  史 洋  議事係長     山 崎  幸 恵      ──────────────────────────────                       議  事  日  程 (第 3 号)                         (平成31年2月28日 午前10時開議)第1 議第1号 平成31年度呉市一般会計予算   議第2号 平成31年度呉市国民健康保険事業(事業勘定)特別会計予算   議第3号 平成31年度呉市国民健康保険事業(直診勘定)特別会計予算   議第4号 平成31年度呉市後期高齢者医療事業特別会計予算   議第5号 平成31年度呉市介護保険事業(保険勘定)特別会計予算   議第6号 平成31年度呉市介護保険事業(サービス勘定)特別会計予算   議第7号 平成31年度呉市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算   議第8号 平成31年度呉市公園墓地事業特別会計予算   議第9号 平成31年度呉市地域下水道事業特別会計予算   議第10号 平成31年度呉市集落排水事業特別会計予算   議第11号 平成31年度呉市地方卸売市場事業特別会計予算   議第12号 平成31年度呉市野呂高原ロッジ事業特別会計予算   議第13号 平成31年度呉市駐車場事業特別会計予算   議第14号 平成31年度呉市内陸土地造成事業特別会計予算   議第15号 平成31年度呉市港湾整備事業特別会計予算   議第16号 平成31年度呉市臨海土地造成事業特別会計予算   議第17号 平成31年度呉市財産区事業特別会計予算   議第18号 平成31年度呉市病院事業会計予算   議第19号 平成31年度呉市水道事業会計予算   議第20号 平成31年度呉市工業用水道事業会計予算   議第21号 平成31年度呉市下水道事業会計予算      ──────────────────────────────会議に付した事件 日程のとおり  阪井昌行議員予算総体質問  1 豪雨災害からの着実で力強い復興について   (1) 新年度予算に込める復興に対する決意   (2) 災害に強い安全・安心なまちづくり   (3) 今後の防災・減災に向けた取り組み  2 新たな子育て支援策について   (1) 子供の居場所づくり   (2) 居場所を今後どのように広げていくのか  3 子育て支援アプリについて   (1) 導入に至った背景と意義   (2) アプリによって提供できる支援内容   (3) アプリ登録者数の目標  4 起業家支援事業について   (1) 起業家支援プロジェクトの課題と展開   (2) 女性のチャレンジ支援の事業内容と今後の展開  5 呉駅周辺地域総合開発の推進について   (1) スマートシティ実現に向けた取り組み   (2) 次世代モビリティ導入の意義   (3) 新たな移動の概念であるMaaS  片岡慶行議員の予算総体質問  1 中心市街地の活性化について   (1) 呉駅周辺地域総合開発の今後の進め方   (2) 青山クラブの整備    ア 耐震診断結果    イ ニーズ調査   (3) 大和ミュージアムのあり方    ア 大和ミュージアムの現状    イ 魅力向上事業   (4) 中央地区商店街の活性化    ア リノベーションまちづくり事業の目的とその効果  2 今後の財政見通しとその展望について   (1) 現在の財政状況をどのように認識しているのか   (2) 今後、復興事業を実施していくことができるのか   (3) 地域振興基金の活用  3 安心・安全な水道事業に向けた強靱化対策について   (1) 7月豪雨における被害とその対応の総括   (2) 被災施設への対応    ア 水道水源確保に向けた送水トンネルへの対応    イ 断水が長期に及んだ川尻地区への対応   (3) この災害からの教訓   (4) 水道事業の強靱化の基本的な考え方  久保東議員の予算総体質問  1 産業・経済の復興について   (1) グループ補助金制度の進捗状況と市としての課題   (2) 新しい助成制度の概要、想定する対象企業数、その効果等   (3) 被災者に合わせた支援制度への所見  2 災害に強い安全・安心なまちづくりについて   (1) 農地崩落の把握状況   (2) 今後の方向性   (3) 市民が諦めてしまう市政への認識   (4) 農地崩落への市独自の支援策への見解  3 指定管理者制度について   (1) 指定管理者制度での市営住宅管理の現状認識   (2) 専門的で公正な指導はできているのか   (3) 事業所への指導内容   (4) 労働条件などのチェック機能は果たしているのか   (5) 市営住宅で暮らす高齢者の生活実態や生活要求の調査への見解  4 行財政改革について   (1) 行財政改革の名のもとに職員削減で市民の命と財産を守れる状況にあるのか   (2) 第2次呉市職員体制再構築計画への所見   (3) 臨時・非常勤職員の処遇改善に向けた方向性  山上文恵議員の予算総体質問  1 財政見通しについて   (1) 財政調整基金・減債基金残高見込み   (2) 繰入金の推移の考え方  2 行財政改革について   (1) 職員数の適正化の考え方  3 地域づくりと安心・安全なまちづくりについて   (1) 店舗の閉店・撤退による市民への影響   (2) 災害復興におけるワークショップの内容とスケジュール  4 海に面したまちとしての利点活用策について   (1) クルーズ客船誘致の考え方  谷本誠一議員の予算総体質問  1 合併町地域まちづくり補助金改革について   (1) 監査意見を踏まえた制度設計の検討状況   (2) 新制度開始時期明示の重要性   (3) 地域の課題解決に向けた収益事業の解禁   (4) まちづくり総合交付金の創設  2 指定管理のあり方について   (1) 公募・非公募に係る線引きの再考   (2) 第三者モニタリング評価の導入   (3) インセンティブ付与の考え方   (4) 公平性担保における課題認識  3 呉駅周辺地域総合開発計画の策定について   (1) そごうにおける権利集約のその後   (2) 民間主導から官民連携への転換理由   (3) 公共施設等総合管理計画との整合性   (4) 民間権利者との調整時期への疑問   (5) 次世代モビリティ実証実験の意義      ──────────────────────────────            午前10時00分     開   議 ○議長(加藤忠二) おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者として2番阪井議員、26番片岡議員を指名いたします。      ────────────────────────────── △日程第1 議第1号外20件 阪井昌行議員予算総体質問 ○議長(加藤忠二) 日程に入ります。 日程第1、議第1号平成31年度呉市一般会計予算、外20件を一括して議題といたします。 本日も、引き続き予算総体質問を行います。 2番阪井議員。     〔2番阪井昌行議員登壇、拍手〕 ◆2番(阪井昌行議員) 皆さん、おはようございます。 公明党呉市議会議員団を代表いたしまして、予算総体質問をさせていただきます。 豪雨災害からの着実で力強い復興について、新年度予算に込める復興に対する決意について、新原市長にお伺いをいたします。 新原市長は、12月定例会において、被災された方々が一日も早く日常を取り戻すこと、そして全ての市民の皆様が将来に向けて安心できる、また安全なまちづくりの実現を目指すことが市役所の最も重要なことであるとの考えを示されました。 新年度予算編成に当たっては、豪雨災害からの着実で力強い復興、行財政改革、くれワンダーランド構想等と一体となった長期総合計画の実現に向けた取り組みの3点を基本的な方針として上げられております。 その基本的方針の1番目に上げておられる豪雨災害からの着実で力強い復興では、現在策定を進めている呉市復興計画に定める、住まいと暮らしの再建、災害に強い安全・安心なまちづくり、産業経済の復興、今後の防災・減災に向けた取り組みの四つの方針に基づき、新年度において各事業を実施しようとしておられます。具体的に、新年度当初予算には、これらの復旧・復興に関する予算として62億7,000万円を計上しており、予定されているどの事業もこれからの復旧・復興に必要な事業と考えます。 被災された方々は、一刻も早く安心して暮らしたい、被災前と同じように生活したいと思っていると感じます。しかしながら、災害から半年以上たった今日において、安浦の市原地区などにおいては災害直後と変わった姿はなく、市民から見れば放置されたままではないかという印象さえ受けています。いつになったらもとの姿に戻すことができるのか。これには市長の強い思い、リーダーシップが欠かせません。そういったことから、予定されている事業の実施に当たりましては迅速に対応すること、そして何より市民に寄り添った対応が大切であると思っております。この点について新原市長の考えや、このたびの新年度予算に込める復興に対する決意についてお聞かせください。 後の質問は降壇して質問させていただきます。     〔2番阪井昌行議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(加藤忠二) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま阪井議員から、新年度予算に込める復興に対する決意につきましてお尋ねをいただきました。 まず、新年度予算の予算編成の基本的方針の第一に、豪雨災害からの着実で力強い復興を掲げました。最優先に取り組む課題としております。その実現に向け、着実に復旧・復興事業を進めてまいる所存でございます。 また、阪井議員からは、復旧・復興事業の実施に当たっては、迅速な対応と被災者に寄り添った対応が大切であるという御指摘をいただきました。私も全く同感でございます。このため、迅速な対応につきましては、ことしの出水期に備えまして、道路や河川など、被災箇所の補強や水路のしゅんせつなどのハード対策、そして避難体制、情報提供方法の見直しなどのソフト対策に取り組んでまいります。 次に、被災者に寄り添った対応といたしまして、地域支え合いセンターの相談員や保健師による相談、心のケアなどについて、現在きめ細かに対応しているところでございます。今後は、地域支え合いセンターの相談員を増員するなど、さらに被災者に対する支援を充実してまいります。 豪雨災害からの本当の意味での呉のまちの復興再生を図るためには、被災した市民が被災前の当たり前の生活を取り戻すこと、以前にも増して災害に強い安全で安心なまちとなることに加えて、女性や若者が今後も住み続けたいと思えるまち、そして外からも訪れてみたいと思える、これまで以上に魅力的なまちになること、そういう復興をすることが必要であると考えております。このため、現在、呉市復興計画を策定しておりまして、策定後はこれに沿って着実に復興を進めてまいります。 ◆2番(阪井昌行議員) 今、市長の答弁をいただきました。 呉市復興計画をもとに、外からも訪れてみたい、これまで以上に魅力的なまちとなるようにお願いをしておきます。 次に、災害に強い安全・安心なまちづくりについてお伺いをいたします。 方針の中では、都市基盤とまちづくりが一体となった多重防御や多重避難などの仕組みづくりを進めていくとあります。市民が安心して暮らしていくには、多重防御や多重避難の仕組みが必要なことであると考えます。 このたび甚大な被害が発生した天応西条3丁目地区では、具体的に工事用道路を住民の生活道路、避難道路として整備するとしておりますが、その他の地域についても多重防御や多重避難の仕組みは必要ではないでしょうか。その他の地域については、今後どのような対応をされていくのか、また多重防御や多重避難などの仕組みづくりをどのように進めていくのかお聞かせください。 ◎理事兼復興総室長(澤村直樹) 各地域における多重防御や多重避難などの仕組みづくりの進め方についてお答えをいたします。 近年、東日本大震災を初め、全国的に大規模災害が発生している中で、大規模災害については、防潮堤やダムなどの構造物で全ての被害を防ごうとするには限界があるのではないかと言われております。こうしたことから、国においては、災害に上限なしという認識のもと、人命第一の対策として、堰堤や道路整備など、複数の構造物で被害を防ぐハード面での対策に加えまして、避難経路、避難所の見直しや防災・減災に関する情報提供などのソフト面の対策をあわせて多重的に防御していく考え方を示されております。 また、多重避難につきましては、今回の豪雨災害において、市民の方から、避難所が自宅から遠く、歩いて避難ができなかったとか、大雨の中で避難しようと思っても、近くに避難できる場所がなく、自宅にとどまったなどの御意見を伺っております。このため、各地域の状況に応じまして、例えば最寄りのかたくて丈夫な建物や自治会館など、身近に避難できる場所を確保することや、必要に応じて段階的に指定避難所に避難をしていただく仕組みをつくることなど、多重的に避難できる体制を検討する必要があると考えております。 こうした考えのもと、復興計画では、天応地区だけではなくその他の地区におきましても、堰堤や市道、河川などの改良復旧や強靱化などのハード面の対策にあわせまして、避難体制の見直し強化などのソフト面の対策も検討いたしまして、地域の関係者の御意見を伺いながら、地域の防災力を高めていきたいと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) ハード面、ソフト面での避難体制の見直しをしっかり行っていただいて、防災力を高めてもらいたいと思っております。 次に、今後の防災・減災に向けた取り組みについてお伺いをしてまいります。 このたびの災害について、地元団体等との意見交換会を実施していると聞いておりますが、地域の実情や課題も多様化しており、取りまとめや検証作業は容易でないものと推測されます。市民の避難行動を最優先に考えるには、災害発生時の避難情報発令の際に、市民がスムーズに避難所へ避難できる仕組みづくりが必要です。避難の手引やハザードマップの作成、配布も当然必要となりますが、重要なのは災害発生時には何をすべきか、どうやって避難するのかなどについて市民一人一人がシミュレーションをし、防災意識を高めていくことであると考えます。 また、地域において、災害発生時の声かけや連絡網の作成、地域の避難訓練の実施などを通じて、高齢者や障害を持つ方等、そういった方々を支援する方との体制の確立も重要になってまいります。 これらの点について、呉市では今後どのように対応していくのか、お考えをお聞かせください。 ◎総務部危機管理監(関川秀樹) 防災・減災に向けた取り組みについてお答えします。 今後の防災・減災意識の向上の取り組みとして、呉市復興計画(案)などに沿って、主に次の四つの取り組みを進めてまいります。 1点目は、情報伝達方法の見直しと充実として、市民に対する情報提供については、その内容の充実や迅速かつ正確に伝える仕組みを検討していきます。 2点目は、避難行動の喚起として、国、県と連携して避難行動についての検証を行い、避難行動を喚起する有効な方策を検討していきます。 3点目は、避難行動のあり方の見直しとして、近所での避難の声かけや高齢者、障害者など避難行動において配慮の必要な方も考慮した、地域における協力体制への支援をしていきます。また、避難所のトイレなど、生活環境の改善の検討、運営面での見直しなどを行い、避難する人の不安解消やストレスの低減に取り組んでまいります。 4点目は、各主体における防災力の向上として、自宅周辺や通勤、通学経路など、ふだんの生活エリアにおける危険な場所を知ることや、防災リーダーの育成や自主防災組織など、その活性化に取り組んでいくことにより、市民、地域団体、民間企業などが災害時に連携できる体制づくりに取り組んでまいります。また、自治会を初めとした地域団体等の訓練では、実際に避難所に避難するなど、災害を意識した実効性の高い活動に対する支援を行っていきます。今後、このような防災・減災に向けた取り組みをしっかり行ってまいります。 ◆2番(阪井昌行議員) ありがとうございます。 具体的に四つの取り組みを上げていただきました。大事な4点でありますので、防災・減災意識の向上に取り組んでいただきたいとお願いをしておきます。 次に、新たな子育て支援策についてお伺いをいたします。 重点プロジェクト、未来を担う人材育成の中から、子供の居場所づくりについてお聞かせ願いたいと思います。 昨年6月、民生委員会で報告された「子どもの生活に関する実態調査の結果について」には、幾つかの課題が上げられておられました。その中で、居場所づくりに関係しそうな部分だけを取り上げてみますと、子供たちが朝食や夕食を誰と食べているのかという状況を示すデータを使って分析した上で、子供の生活に関する課題として、1人で過ごす子供の居場所のあり方、子供の基本的生活習慣の定着に向けた取り組みを上げておられます。また、子供たちの将来の夢や自分のことが好きかどうかについてデータを分析した上で、子供の自己肯定感に関する課題として、子供の自己肯定感の醸成につながる大人のかかわり方を上げておられました。 これらの課題解決に向けた第一歩が、当初予算案の概要17ページにある子供の居場所づくりであろうと推測いたします。 いただいた資料によりますと、継続的な市民啓発、子供の居場所づくりへの助成、地域コーディネーターの設置で250万円となっておりますが、どのような内容で、どのような方法で展開していかれるのか、そのあたりをお聞かせ願います。 ◎福祉保健部参事(山本雅之) 子供の居場所づくりについてお答えいたします。 近年、全国的にも核家族化や家族志向が進んでいる中、地縁団体へ加入する人の減少や子供会自体の減少などにより、子供たちの様子は地域から見えにくくなってきております。また、社会的にも共働き世帯の増加などの要因もあって、親や周りの大人たちの子供にかかわる時間がとても少なくなってきております。そのような子供たちの生活実態を知るため、先ほど阪井議員のほうから御紹介のありました、子供の生活に関する実態調査を行い、昨年6月に呉市議会に調査結果を御報告したところでございます。 その後、子供たちの課題に対応するため、庁内の関係部局で組織する、子供の貧困対策連携会議での協議等を経て、平成31年度当初予算案に子供食堂や学習支援の場など、子供の居場所を地域につくりたい団体や民間事業者などを下支えするため、開設や運営に係る助成金を計上いたしたものでございます。 また、先進都市の居場所づくりの取り組みにおいても、非常に重要な役割を担っております地域コーディネート業務を外部に委託する予算もあわせて計上いたしました。この地域コーディネーターは、新たに子供の居場所を開設したい個人や団体の相談に乗ったり、活動に協力していただけるさまざまな社会資源との橋渡しなど、中間支援を行うことを目的にしております。例えば、子供食堂の場合で申し上げますと、食材の確保が課題となるケースが多くあるため、農家や地場産業である食品メーカー、食品卸売事業者、スーパーなどの小売業、備蓄用の食品を扱う官公庁などと子供の居場所をつなぐ役目を担っていただくように考えております。 今後は、市民啓発として、呉市のホームページ内に、子供の居場所づくりの関連情報を掲載した特設サイトを設けるとともに、市内の各種イベントでその取り組みを紹介するなど、継続的に周知を図ってまいりたいと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) こういった子供の居場所づくりは、お金があれば全て解決するというものではなく、多くの善意によって支えられていくものだということを先進地での取り組みを見ても感じておりますが、呉市はどのようなビジョンを持って子供の居場所を捉えているのか、またどのような方法で拠点をふやし、子供の利用をふやしていこうと考えておられるのかお伺いいたします。 ◎福祉保健部参事(山本雅之) 子供の居場所づくりのビジョンと居場所をふやしていくための取り組みについてお答えいたします。 生きづらさを抱える子供たちの中には、誰もがその存在に気づいている赤信号がともった子供たちがおります。そのような子供たちや家庭のセーフティーネットについては、しっかりと行政や専門機関が支えていくことが大切な役割であります。 一方で、地域には周りが気づきにくい黄信号がともった、親や周りの大人の支援を必要としている子供たちも含まれております。このため、地域の子供たちが誰でも参加できる居場所を市民や事業者の皆さんの御協力を得ながら実現することで、大人がその存在に気づき、支援の手を差し伸べられることが理想であると考えております。 ことしの1月下旬に、市内で開催した「広がれ、こども食堂の輪!inくれ」というシンポジウムは、300用意した席が満席になるほど盛況でございました。また、イベント終了後に会場で行った、子供食堂づくりのワークショップには60名を超える参加があり、市民の関心の高さがうかがえました。 今後は、呉市と地域コーディネーターが連携して、こういった関心の高い市民や民間事業者の方々などが取り組む場合の初動を支援していくこととしております。行政、地域、民間が、それぞれの得意な分野を結集することで、大人がしっかりとかかわることができる子供たちの居場所をふやし、子育て世代にとって住みやすいまちにつなげてまいりたいと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) ありがとうございます。 今後の期待といたしましては、地域の団体のみならず、民間事業者も含めた市民全体の機運の醸成が重要であり、全国的にも関心の高い取り組みなので、やってみたいという意思のある団体や事業者が漏れなく参画してもらえるよう、しっかりとした下支えをしていただけるよう、今後の展開を注視し、期待をしております。 次に、子育て支援アプリの導入についてお伺いをしたいと思います。 初めに、導入に至った背景と意義でございますが、昨年の災害では、被災地で復旧作業中に子供の一時預かりをしてほしいとか、息抜きができる場所が欲しいといった支援を必要とする子育て世帯のニーズがボランティアによる支援活動につながり、フェイスブックやツイッターなど、SNSによってその様子が全国に拡散されました。その結果、被災地に設けられた親子の交流広場には、全国の災害支援、NGOやNPO、民間企業や子育て支援に携わる多くの人々から支援の手が差し伸べられました。 誰もがスマートフォンを持ち、誰もが情報発信者になれる現在、必要な情報は所有し、持ち歩くのではなく、すぐにアクセスできたり、重要な情報であれば手元まで届くことにその価値があると思います。こうしたことから、災害にかかわらず、さまざまな支援を必要としている子育て世帯にとって、必要なときに必要な情報が届く仕組みがあることは子育ての安心感につながることと実感をしております。この当初予算の概要18ページに新規事業として上げられている子育て支援アプリの導入は、その一環ではないかと思われます。そこに着目されたことに対し評価するものでありますが、導入に至った背景と意義についてお尋ねいたします。 ◎福祉保健部参事(山本雅之) 子育て支援アプリの導入に至った背景とその意義についてお答えいたします。 子供の生活に関する実態調査におきましても、生活の困難度にかかわらず、ほとんどの家庭が子供に関する施策の情報源はホームページやSNSであると回答しております。現代社会は、スマートフォンを使えば、いつでもどこでもアクセスさえすれば、必要な情報をすぐに取り出せ、また自分が欲しい情報が自動的に届く時代になっており、若い子育て世代にとってスマートフォンは手放せない情報ツールとなっております。このため、子育て支援アプリを導入することで、妊娠時から育児期にわたる子育てに関するさまざまな情報を手軽に入手できる環境を整え、これを有効に活用していただき、子育て世代に住みやすいまちを実現してまいりたいと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) 次に、アプリによって提供できる支援内容についてお伺いをしていきたいと思います。 少ない予算でどのような情報発信が行えるのか、どんなことが実現できるのか、まずお伺いをいたします。 ◎福祉保健部参事(山本雅之) 子育て支援アプリで提供できる支援内容についてお答えいたします。 この子育て支援アプリをダウンロードしていただき、子供の名前や生年月日、住んでいる地域などの属性を登録していただければ、プッシュ通知機能を使って予防接種の情報を初め、子供の成長や時期に合わせた子育て支援情報など、呉市側から発信したい情報を受け取っていただくことが可能になります。また、子育て動画配信を活用すれば、初めての人でもおむつがえや入浴、離乳食などを動画を参考にして実践することができます。さらに、子供の成長や予防接種履歴などを記録する日記機能や地域のイベント情報の発信、地図を利用した病院や保育所、公園などの子育て支援施設の検索などもできるようになりますので、子育てのさまざまなシーンで有効に活用していただけるものと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) アプリの導入はよいことだと思っておりますが、登録しないことには便利な機能も宝の持ち腐れとなると考えておりますが、どのような方法で利用者をふやしていく考えなのかお尋ねいたします。
    福祉保健部参事(山本雅之) 子育て支援アプリの利用登録者についてお答えいたします。 アプリの登録の方法につきましては、子育て家庭の皆さんがすぐにその場で登録できるよう、QRコードを読み取り、アプリ提供サイトに誘導する方法を考えております。 また、子育て中の方々に、その家庭がかかわっている公共機関等、例えば子育て支援センター「くれくれ・ば」や「ひろひろ・ば」を初め、子育て世代包括支援センター「えがお」、また子供が通っておられます保育所、認定こども園、幼稚園、放課後児童会などの各施設等においてもアプリの登録を促して、登録者をふやしていくように考えております。さらに、妊娠時の母子健康手帳の交付の際に御本人に目の前で登録してもらうこととしておりまして、母子健康手帳の交付を受けられる方が年間1,400名ほどおられますので、登録利用者が毎年安定してふえ続けていくものと考えております。 こういった取り組み以外にもさまざまな広報手段を用いて、積極的にアプリ活用のPRを行ってまいります。 いずれにいたしましても、子育て支援アプリを通じて、子育て世代に漏れなく必要な情報を届け、さまざまな子育ての機会に活用していただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。 ◆2番(阪井昌行議員) ありがとうございます。 今後の期待といたしまして、子育て世帯にとっては真に必要な情報をタイムリーに受信することが重要であると思われます。 しかし、情報は詰め込み過ぎてもあふれ返り、用をなさないこともあり、しっかりと子育て世帯のニーズを把握して、効果的な情報伝達になるよう、子育て支援担当部局においてはしっかりとした情報整理をしてもらうことを期待いたします。また、年度を追うごとに求められる情報の変化にもアンテナを張っていただき、受信者の要求に応えられる情報の発信に期待をいたしております。 次に、起業家支援事業についてお伺いをいたします。 起業家支援事業、平成30年度の事業において、産業を支える人材確保、教育プロジェクトを立ち上げることとなり、呉市内で起業しようとする者にその事業に必要な費用を支援し、その財源にクラウドファンディング型ふるさと納税を集め、産業振興と雇用創出、さらには移住・定住促進を図る事業を昨年初年度として実施をされました。 このたびの市政だよりに3名の方が紹介をされていましたが、平成30年度の事業の結果を踏まえ、どう分析され、どのような課題が見えてきたかをお聞かせください。また、その課題を踏まえて、今後の事業展開を教えてください。 ◎産業部長(大下正起) まず、今年度の起業家支援プロジェクトにつきましては、Uターン者を含め、市内から10件の応募がございました。災害の影響で広報活動が出おくれましたが、予想以上の応募数でございました。また、市内の映画館において、公開により行いました最終審査会には、高校生を含む120名以上の来場があり、中には来年度の応募を検討するという方もいらっしゃいました。地域経済の活性化を担う起業家に対する市民の期待や関心の高さがうかがえ、事業目的である創業機運の醸成を図れたと感じております。 なお、最終審査会で3名の方が選定され、現在クラウドファンディング型ふるさと納税を募集中でございますが、目標金額達成の目安と言われている最初の1週間で目標金額の20%を達成したプロジェクトが2件ございます。引き続き、目標金額の達成に向けて、3月22日まで募集しておりますので、どうぞ御支援をよろしくお願いいたします。 また、本事業は通常のクラウドファンディングと異なり、総務省のふるさと起業家支援プロジェクトの制度を活用したもので、寄附金額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで税金が控除されるふるさと納税を使った、寄附のしやすい制度となっております。 次に、本事業の課題と今後の事業展開でございます。 1点目としては、潜在的な起業家の掘り起こしと事業広報の強化がございます。 具体的には、知名度があり、全国各地で頑張るローカル起業家を招いての講演会の開催や、市外、県外からの応募にも結びつくよう、メディアやSNSなどの活用により効果的な広報活動を行い、事業の周知を図ってまいります。 2点目としては、呉市であれば何かチャレンジできるという機運を高めるための時代を先取る事業や、クラウドファンディングで共感を集める事業を創造する仕組みづくりです。 これについては、選考委員に先輩起業家、クラウドファンディングに詳しい方、女性や若者を加え、多様な視点による事業計画のブラッシュアップや選考を進めていくことを考えております。 3点目としては、起業家に対する継続的な支援でございます。 経営に関する各分野の専門家への相談など、事業の成功に向けた継続的な支援が受けられる体制づくりを進めてまいります。 ◆2番(阪井昌行議員) 事業の成功に向けた継続的な支援が受けられる体制づくりを進めていくとありました。成功するまで面倒を見るということが、非常に起業家に対しても安心なことだと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、女性のチャレンジ支援の事業内容と今後の展開についてお伺いをいたします。 呉市の男女共同参画基本計画、第3次によりますと、女性の活躍推進のために、女性の個性や能力を十分に発揮できるように、家庭、地域、職場などに対し、継続的に啓発や情報提供を行うとしています。呉市としては、このたび女性の創業支援事業を推進し、人材育成に取り組むこととしています。呉地域の中小企業支援機関や金融機関等で構成された呉創業支援ネットワークが主体となり、創業に興味のある子育て世代の女性を対象としたセミナーなど、事業展開していくようですが、女性の活躍の場が行政や地域支援によって広がっていくことに大きな期待をしているところでございます。初年度となる平成31年度は、この事業をどのように進め、どこまで支援するのか、また今後どのような事業展開をされるのかお聞かせください。 ◎産業部長(大下正起) 女性の創業については、近年、広島県を初め、県内各市でさまざまな支援事業が実施されており、呉市におきましても、昨年度、呉青年会議所が女性の創業セミナーを開催されました。 また、呉市の創業支援事業である、来てクレにぎわい店舗公募事業におきましても、奨励店舗のうち女性創業者の割合が平成28年度では26%、平成29年度は33%、今年度は57%となっており、年々増加傾向にございます。そこで新年度においては、潜在的な女性の創業意欲をさらに喚起する取り組みを進めたいと考えております。 女性が創業する場合は、資格や趣味を生かしたプチ起業であったり、時間的な制約を考慮したりと、フルタイムの起業とは違ったものも多く存在をします。そこで、必要となるのは、やりたいことを仕事にするであるとか、私にもできるかもといった雰囲気づくりであり、まずは導入部分として起業に興味のある、あるいは起業を考えている女性同士が集まり、先輩女性起業家の話を聞くスタートアップセミナーや、創業への思いや互いの悩みを語り合う、少人数制でのワークショップ形式の創業カフェなどを開催いたします。これらの取り組みは民間主導で、そのノウハウを活用し、市がそれを支援していく手法で実施し、最終的に実際の起業に結びつけていきたいと考えております。 そのための次の事業展開といたしまして、先輩女性起業家や市内の創業支援機関と連携し、創業の準備段階から創業後の経営支援まで、その人の段階に応じた伴走型の支援を実施するとともに、女性の起業家同士のネットワークづくりや、女性同士が語らえる場の定期的な開催を継続し、起業家同士の連携や販路拡大へとつなげてまいりたいと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) 女性が起業しやすい環境整備をどうぞよろしくお願いをしたいと思います。 三次市では、昨年4月より行政の委託事業としてアシスタlab.というプラットフォームをつくり、子育て中のママや家庭と仕事の両立の模索する女性など仲間と出会い、子育てしながら何ができるのか考え、自分の可能性を見つけ、起業の準備をする場所です。起業するまでの支援や応援、そして仕事づくりのコーディネーターが常駐し、いつでも気軽に相談できる環境になっています。そのほかにも販路をつなげるアドバイスや起業のためのハード整備として200万円の補助制度もあり、現在までに来客数2,333名、利用者数144名にも上り、今後の成果に期待が持てます。 呉市においても、女性創業支援事業の核となる場所があり、継続した支援が受けられる仕組みがあれば、安心して相談できるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎産業部長(大下正起) 議員御案内のように、子育て中の女性などがいつでも気軽に相談できる拠点があることは、女性の起業支援を考える上で重要な要素の一つであると考えます。 しかしながら、本市においては、当面女性の起業に向けた雰囲気づくりを中心に取り組みを進め、次の展開を目指していきたいと考えており、現時点では拠点としてのハード整備については予定をしておりません。 今後、先進事例を参考にしながら、場所、人、必要な設備、予算も含め、これから取り組もうとしている女性の起業支援とあわせて効果的な方法を検討してまいりたいと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) ありがとうございます。 効果的な方法をいろいろ考えていただいて、よろしくお願いをしておきたいと思います。 それでは、次に移りたいと思います。 呉駅周辺地域総合開発の推進について、3点お伺いをしていきたいと思います。 本年の呉商工会議所の互礼会のときの新原市長の挨拶の中にもありましたが、これはくれワンダーランド構想の一つでありますけれども、年頭からいいお話を聞かせていただきました。わくわくする夢のあるお話ですけれど、まず初めにスマートシティー実現に向けた取り組みについてお伺いをしていきたいと思います。 平成31年度当初予算案の概要には、呉駅周辺地域を次世代モビリティーやMaaSなど、新しい技術をまちづくりに取り入れたスマートシティーの実現を目指すとされております。まずはこのスマートシティーに取り組むことにより、どのようなまちづくりを進めていこうとされているのかお伺いをいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) まず、スマートシティーとは、都市や地域の抱えるさまざまな課題に対して、AI、いわゆる人工知能やIoT、これはインターネットがいろんなものにつながることということでございますけれど、これらの新技術を活用いたしまして、計画、整備、管理運営等のマネジメントが行われ、全体の最適化が図れる持続可能な都市・地域であると国土交通省において定義づけがされております。 政府におきましては、このスマートシティーの実現に向けた取り組みを推進しているところでございまして、今後、企業や関係団体、自治体等と連携して移動、物流、インフラ、防災、気象、エネルギー、環境、観光など、さまざまな分野を対象といたしましてスマートシティー施策を推進していくとされております。 また、スマートシティーは、昨日も申し上げましたけれども、日本経済団体連合会が日本の目指すべき方向性や行動指針を示したビジョンとして提言をしていますソサエティー5.0でも中心をなすものでございます。 呉市は、人口が中規模の都市としては珍しく、呉駅周辺は国道31号や今西通りなど、道路空間が広く、1車線を自動運転の実験に使用する余裕があるとの御意見をいただいております。また、旧市内は非常にコンパクトであり、斜面地の上まで行くにも、青山クラブ、れんがどおり、あるいは港に行くにもさほどの距離がなく、こうした実験に非常に適したこととなっております。さらには、駅、国道、港が近接し、複数の交通モードが結節していることから、MaaSにも親和性があるのではないかと考えられております。 こうしたAIやIoTなどの新技術を活用した自動運転車などの次世代モビリティーやMaaSなど、スマートシティーの考え方を取り入れることによりまして、便利で持続可能なまちづくりを進めていきたいと考えているものでございます。 ◆2番(阪井昌行議員) ありがとうございます。 しっかり研究をしていただいて、市民の方が希望を持って喜んでいく、また呉に住みたいという思いになれるまちづくりを研究していただきたいと思っております。 次に、次世代モビリティー導入の意義についてお伺いをいたします。 スマートシティー実現に向けた取り組みの一例として、自動運転車など、次世代モビリティーの導入を上げられました。自動運転技術の開発は全国的に進められ、安倍総理も東京オリンピック開催時には自動運転車が東京を走っている、そのような目標を上げられております。 この次世代モビリティーを呉に導入しようということですが、そもそもなぜ呉で自動運転の導入を検討していこうとするのか、その意義についてお伺いをいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) 自動運転を初めといたします次世代モビリティーは、人的ミスを要因とする交通事故の抑制や、車間距離を狭められることによる交通容量の拡大、渋滞緩和への効果のほか、人口減少、高齢化社会において課題となっております、高齢者の移動手段の確保、運転手不足などへの対応など、さまざまな可能性を有しております。先ほど、議員からも御紹介がありましたように、国は東京オリンピック開催までに自動運転車を導入しようとしており、全国各地で技術開発や導入に向けた社会実験が行われております。繰り返しになりますけれども、呉駅周辺はこうしたことに対して非常に適した土地柄であるということは先ほども御説明をさせていただきました。 また、呉市は他都市に比べまして早く高齢化を迎えておりまして、高齢者の移動手段の確保や公共交通の維持が非常に大きな課題となっております。自動運転など次世代モビリティーの導入は、こうした本市の課題の解決にもつながるものと考えております。 自動運転車が町なかを走る、そのような社会の実現にはもう少し時間がかかるかもしれませんが、近い将来訪れる自動運転社会に迅速に対応できるよう、次世代モビリティーを念頭に置いた交通拠点整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) 全国から呉市が注目をされることをやっていただいて、注目を浴びるということでお願いをしたいと思っております。 最後に、MaaSについてお伺いをいたします。 もう一つの取り組みとして上げられておりますMaaSですが、出発地から目的地までの最適な手段をシームレスにつなぐサービスであるとされていますが、このMaaSを導入することによって市民の生活がどのように便利になるのかお伺いいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) MaaS、いわゆるMobility as a Serviceの略でございますけれども、鉄道、航路、バス、タクシーなど、さまざまな交通サービスを一連のサービスとして提供することによりまして、出発地から目的地までの最適な手段を利用者に提供できる交通システムのことでございます。 具体例で申し上げますと、例えば、MaaSの先進都市であるフィンランドのヘルシンキのの事例では、電車やバスなどの交通機関のほか、タクシー、レンタカー、シェアサイクル、カーシェアといった交通手段全てを一連のサービスと捉えまして、出発地から目的地までの経路を検索すると、その時々の状況に応じて最適なルートが検索され、予約、乗車、決済までスマートフォンなどで一括して処理することができるようになっております。 また、月額定額プラン、いわゆる定期券のようなものでございますけれども、こういったものを利用すれば、どの交通手段を使っても料金は同じであるということで、スマートフォン等のアプリ画面をかざすだけで利用ができるということになっております。 このようなMaaSの取り組みはフィンランドのほか、イギリスやベルギーなどヨーロッパで導入が進められておりまして、日本ではこれから本格的な検討が始められるという状況でございます。 こうした利便性の高い交通システムを実現いたしますMaaSへの対応も念頭に置きながら、呉駅周辺の基本計画を策定してまいりたいと考えております。 ◆2番(阪井昌行議員) 大変にありがとうございました。 このMaaSにつきましては、少し調べてみますと、国土交通省も国も全面的に推進をしていこうということがありましたので、しっかり研究を重ねていただいて、またこれも全国から注目を集める呉として頑張っていただきたいと思います。 以上で終わります。大変にありがとうございました。(拍手) ○議長(加藤忠二) 以上で阪井議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △片岡慶行議員の予算総体質問 ○議長(加藤忠二) 26番片岡議員。     〔26番片岡慶行議員登壇、拍手〕 ◆26番(片岡慶行議員) 改めまして、おはようございます。 仁友会を代表いたしまして、平成31年度予算案について質問をいたします。 昨年7月の豪雨災害から初めての予算編成となります。被災された方が当たり前の生活を取り戻せるよう、そして災害に強い、幸せで魅力ある都市として復活、再生できるようにとの思いが込められた予算になっているものと思料しております。 その上で、くれワンダーランド構想の推進に向けて、新原市長が重点を置かれている事業についてお伺いをしたいと思います。 まず初めに、呉駅周辺地域総合開発についてをお伺いいたします。 呉駅周辺地域総合開発については、昨年5月に懇談会が設置され、3回の会議が開催されたところであり、その検討内容については、先般の行政報告でも、またこの予算総体質問でも相当な答弁があったように思います。 自動運転などの次世代モビリティーの導入を見据えた交通結節点の整備や、市民の憩いの空間となる広いデッキの整備などを掲げられており、大変夢のある構想であると思っております。 都市交通の専門家から御意見をいただいているところでございますが、今後、呉駅前を呉市民が使いやすい、市民が誇れる駅前として再整備していくためには、実際に使う市民の目線に立った計画づくりが必要ではないでしょうか。そごう閉店から既に6年を経過しております。市民は、一刻も早く駅前のにぎわいを再生してほしいと願っております。こうした市民に対して、わかりやすく現状や今後の進め方について教えていただければと思います。 そこで、呉駅周辺地域の総合開発を今後どのように進めていこうとされておられるのか、市長の熱い熱い思いを聞かせていただければと思います。 以後の質問は質問席にて行います。     〔26番片岡慶行議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(加藤忠二) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(新原芳明) ただいま片岡議員から呉駅周辺地域総合開発の今後の進め方について御質問をいただきましたので、熱くお答えを申し上げたいと思います。 昨日の森本議員へのお答えと重なる部分があることはお許しをいただきたいと思います。 この呉駅周辺の整備につきましては、昨年の5月に、日本でも有数の専門家である4人の方に委員になっていただき、オブザーバー4人と合わせて構成する懇談会を設置いたしまして、専門的な知見から御意見、御提案をいただいているところでございます。 現在まで3回の会議を開催しています。これは片岡議員のおっしゃるとおりでございます。この懇談会では、自動運転など次世代モビリティーやMaaSの導入を視野に入れた次世代型交通拠点の整備が議論されております。大都市では、品川や神戸、三宮で検討が進められておりますが、小都市では呉が初めてということで国からも大変注目をいただいております。 阪井議員の御質問でも、こういった話が出たところでございますけれども、先ほど企画部長がいろいろお答えをしたんですが、委員の方々からは、呉というのは戦前、戦中、戦後も真藤恒さんの新しい経営の仕方といいますか、船のつくり方、ものづくりについては日本最先端を進んできた。これはものをつくるだけじゃなくて、経営管理とか工程管理も含めてでございます。そういう意味で、交通体系についても、先ほどのMaaSのような非常に新しいコンセプト、それから自動運転で交通をどうしていくかという新しいことについて、最先端のことをこの場でみんなで考える、実験をしてみるということに非常にふさわしいまちではないかということを委員の方からも言われておりますことを今思い出しましたので、つけ加えて熱い気持ちとして申し上げたいと思います。 今年度の呉駅周辺地域総合開発についての構想検討のための調査費につきましても、実は国から非常に手厚い補助、10分の10をいただいております。そういう意味で、地方都市の駅前整備の先駆になる取り組みとして、国土交通省からもこうした補助を具体的にどういうふうにして申請してとったらいいかということも含めて、かなり具体的に指導や支援をいただいているところでございます。 こうした中、先般開催をいたしました第3回の懇談会では、ディベロッパー、20社程度に回答をいただきました詳細なアンケート調査結果に基づきまして、開発についての用途でございますとか、ボリュームなどの検討を行っていただいたところでございます。民間のニーズを把握しながら検討を進めているところでございます。 今後、さらに呉駅周辺地域の将来像をディベロッパーの方などにも理解をしていただいて、共有をしていただきますと、さらにこのニーズは調査したときよりも高くなるのではないかと思っております。このような懇談会での議論を踏まえて、平成31年度から基本計画の策定に着手していきたいと考えております。 片岡議員のおっしゃるように、こうした駅周辺整備を進めるに当たっては、実際に利用される市民の皆様の声をお聞きすることが本当に大事だと思っております。このため、基本計画の策定に当たりましては、懇談会からの提言内容を、イメージ図でお示ししながら、わかりやすく市民の皆様にお伝えしたいと考えております。このため、御提言をいただいたら、もうできるだけ早く、すぐにでもフォーラムを開催いたしまして、幅広く市民の皆様や利用者の御意見をお聞きしたいと思っておりまして、片岡議員御指摘のとおり、利用者の目線に立った計画づくりを進めさせていただきたいと考えております。 ◆26番(片岡慶行議員) 市長の熱い思いをお伺いいたしました。 研究所や大学の誘致等々も広島大学とのサテライトで開かれておりますし、そういうものを最大限また利用されて、また国からの補助、10分の10ですか、国から補助を最大限取っていただいたと、きのう答弁がありました。大阪万博のときには、もう完成を見ておるという呉駅前の、呉駅周辺のそういったものを呉市挙げてやっていただきたいと思います。ありがとうございました。 次に、青山クラブについてお伺いいたします。 青山クラブについては、昨年7月に財務局から財産を取得しておりますが、その活用について、当局は建物の耐震診断調査やニーズ調査の結果を踏まえて判断していくとされております。青山クラブは、海軍のまちとして発展した呉の歴史を象徴する、歴史的にも大変貴重な建物でありますし、多くの方にその魅力を発信し、全国から観光客を呼ぶことができる施設であると考えております。今年度はこの青山クラブについて耐震診断を実施していると思いますが、その結果はどうだったのか、耐震性があるのかないのか、ないとしたら耐震補強ができるのかどうなのか、耐震診断の結果をお教えいただきたいと思います。 ◎企画部長(近藤昭博) 青山クラブの耐震診断につきましては、まだ途中なんでございますけれども、今のところの結果を申し上げますと、まずは現地調査を行い、耐震診断に必要となる平面図、立面図、構造図等の作成を行うとともに、建物を活用するために必要となるコンクリート強度の有無について、まず調査を行っております。 単位は省略いたしますが、コンクリート強度の基準値が13.5のところ、調査の結果、最低平均値でも18.7の調査結果が出ておりまして、コンクリート強度につきましては必要な強度を有しているものと考えております。 次に、耐震診断の結果でございますが、一つ一つの部屋が大きゅうございまして、耐震機能を有する壁の量が少ないことや、上の階の壁を支える壁が、下の階に存在しないなどの構造的な問題から、1階から3階、全ての階で耐震性がないと判断されております。 詳しく申しますと、耐震性の有無の判断につきましては、構造耐震判定指標Iso値でございますけれども、基準が0.54以上というものがございます。これに対しまして、青山クラブは横方向と縦方向の指数がそれぞれ、1階が0.2と0.22、2階がいずれも0.29であり、かなり低い数値が出ております。また、3階につきましても0.52と0.44でございまして、全ての階におきまして基準値を下回っております。 このため、活用に当たりましては、耐震補強が必要となってまいります。この耐震補強の方法につきましては、今後詳細な検討が必要となってまいりますが、今回、概略の検討を行ったところ、柱の補強や耐震壁の増設等の方法によりまして、外観をほとんど損なわない形での検討が可能であろうと思われております。 ◆26番(片岡慶行議員) 耐震補強をすれば活用は可能という結果であるということで安心をいたしました。 先ほども申しましたように、青山クラブは全国から観光客を呼ぶことができる大変魅力のある施設であると思っております。 先日、青山クラブの窓を塞いでおるベニヤ板に、「この世界の片隅に」のシーンを掲示し、戦前の市民生活や呉のまちの様子を観光客に紹介していくという取り組みをされるとのことでございますが、まさに青山クラブは、こうした呉の歴史や魅力を発信していく素材として非常に大きなポテンシャルを有しているものと思っております。来年度、ニーズ調査を行っていくとのことですが、今後どのように方向性を決めていこうとするのか、お考えをお伺いいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) 今後の方向性についてでございますけれども、耐震診断の結果、ハード的な耐震補強は可能ということでございますので、来年度は具体的な用途等を決めていくためのソフト面でのニーズ調査を実施してまいりたいと考えております。 具体的には、開発事業者、いわゆるディベロッパーでございますとか観光事業者、また市民などへのアンケート調査も実施したいと考えておりまして、このニーズ調査の結果、そして耐震補強改修工事に要する経費、事業採算性等を踏まえながら、活用の可否、具体的な活用方法や用途につきまして、方向性を決定してまいりたいと考えております。 ◆26番(片岡慶行議員) 桜松館等のすばらしい施設もありますので、早く方向性を決めて市民のほうへお示しをいただきたいと思います。 そこで次に、中央地区商店街の活性化についてお伺いをいたします。 呉市の中心市街地である中央地区商店街では、現在空き店舗やコインパーキングが増加し、空き店舗率は全国平均を上回る19.8%となっているところでございます。そういった状況の中で、以前より呉市が実施している、「来てクレにぎわい店舗公募募集」により年々新しい店舗が少しずつふえてきつつありますが、さらに来年度の新規事業としてリノベーションまちづくり事業を実施されると伺っております。これまでにない新たな取り組みとして大変期待しているところですが、この事業の目的と内容、それから事業を実施することにより、どのような効果が期待されるのかお伺いをいたします。 ◎産業部長(大下正起) まず、リノベーションまちづくり事業の目的でございます。 遊休不動産の増加、商業機能の衰退、雇用やにぎわいの創出などに伴うエリア価値の低下といった中央地区商店街が抱える課題を解決することでございます。その手法は、空き店舗や空きビルなどの遊休不動産をリノベーション、すなわち新しい方法で再生活用して、生まれ変わった遊休不動産を核に、まちを連鎖的に変えていくものでございます。 市内では、中通2丁目エリアなどで、にぎわいの核となる店舗が出店することにより、その一帯に店が店を呼ぶ好循環が自然発生的に起きていますが、こういった状況を意図的に仕掛けて生み出していくものでございます。 次に、具体的な事業内容として、一つ目はリノベーションまちづくりに関する啓発活動がございます。 講演会を開催し、リノベーションまちづくりにかかわる人材の発掘を行うものでございます。 二つ目が、リノベーションスクールの開催です。 これは、実際の遊休不動産を題材に、事業化を前提としたプランを考え、不動産オーナーに提案するもので、これによりリノベーションまちづくりにかかわる人材を育成するものでございます。また、この事業の対象エリアは、中央地区商店街の中の半径200メートルから300メートルのエリアを想定しております。 最後に、事業実施により見込まれる効果でございます。 まず、遊休不動産を活用した新たな業態の店舗の出店と、それに伴う雇用の創出が期待されます。これら再生された店舗を核とする周辺の遊休不動産のさらなるリノベーションと、さまざまな店舗ができることによるまちのにぎわいの創出により、最終的には中央地区商店街のエリア価値の向上を目指していくものでございます。 ◆26番(片岡慶行議員) ありがとうございました。 順番というか、大和ミュージアムのあり方が3番目でございました。 済みません。中央地区商店街の活性化、新しい手法でございます。しっかりこの手法を取り入れて、中央商店街、相当疲弊をしておりますので、回遊性を高める事業になりますことをよろしくお願いしたいと思います。 それでは、(3)の大和ミュージアムのあり方でございますけれども、大和ミュージアムの現状についてお伺いをしたいと思います。 ◎産業部長(大下正起) まず大和ミュージアムでございますけれども、大和ミュージアムは呉市の歴史を後世に伝える、呉ならではの博物館であるともに、平成17年の開館以来、年間約100万人の来館者が訪れ、その約8割が市外の方ということもあり、市内有数の観光施設であると認識をしております。 この大和ミュージアムは、当初、年間の来館者数を20万人と予測して建設されましたが、現在はその約5倍の来館者がございます。このため、土日祝日など来館者の多い日は、エントランスを初め、館内が大変混雑し、スムーズな移動が困難になっておりますし、トイレ、授乳室、休憩スペースなども不足をしております。この想定以上の来館者による設備への負荷の増大や経年劣化により、特に空調設備や照明設備の損耗が進んでおります。また、常設展示については、開館以来、大規模な展示更新を行っていないため、リピーターの減少が心配されるところでございます。 さらに、現在の来館者数を維持するためには、話題性とともに集客力のある新たな取り組みについても検討する必要があると考えております。 ◆26番(片岡慶行議員) ありがとうございました。 元来20万人ぐらいを予想したミュージアムでございますので、年間100万人近い来訪者があるということで、相当傷んでおるとお伺いをしておるところでございます。 それでは続きまして、魅力向上事業を掲げられておりますが、その辺についてをお伺いしたいと思います。 ◎産業部長(大下正起) 魅力向上事業といたしまして、来年度、大和ミュージアムのリニューアルに向けた調査検討等を進めることを考えております。 この調査検討はハード、ソフト両面から魅力向上を図る必要があることから実施するものでございます。 まず、ハード面では、エントランス、トイレ、照明設備、空調設備などの改修や、授乳室、休憩スペースの整備など、来館者が安心・安全、快適に過ごせる空間の整備について検討をいたします。また、新たな取り組みとして、施設見学の後に、飲食を伴うレセプション会場としても使用していただくユニークベニューの対応についても先進施設を参考に進めてまいります。また、3階の船をつくる技術コーナーの抜本的な見直しも検討する必要があると考えております。 ソフト面では、1階、呉の歴史コーナーにおいて、最新映像技術を生かした展示や寄贈を受けた戦艦「大和」の引き揚げ品など、新たな魅力ある資料を展示することで、来館者の満足度を高めていくことが重要でございます。 また、インバウンドへの対応として、案内表示や展示解説の多言語化などを進めていく必要もあります。さらには国内外の博物館連携を推進し、連携特別展示事業の開催や資料の相互活用、学芸員の相互派遣による講座の開催などを積極的に実施したいと考えております。 このように、大和ミュージアムの魅力向上を図ることで、現在の来館者数を維持し、中心市街地の核となる集客施設としての役割を継続できるよう、リニューアルに向けた調査検討等を行ってまいります。 ◆26番(片岡慶行議員) ありがとうございました。 今、呉駅周辺地域の総合開発、青山クラブの活用、中央商店街の活性化、大和ミュージアムの魅力向上、中央地区の四つの大きな取り組みについてお伺いをいたしました。 今後、中央地区においては、3月10日に休山新道が4車線開通をいたしますし、クレアラインの4車線化を進めていくという話もあります。クレアラインを4車線化するとなりますと、二河のテニスコートの移転も生じてくるのではないかと思われます。 また、五番町小学校跡地の活用などもあり、呉駅周辺の南側の整備だけではなく、中央地区全体のまちづくりが大きな転換期を迎えようとしております。当局におかれましては、こうしたことを念頭に置き、中央地区のまちづくりを将来どのように進めていくのかをしっかり検討していただきますよう要望いたしまして、次の質問に移ります。 今後の財政見通しとその展望についてを御質問したいと思います。 新年度予算は、豪雨からの復旧・復興事業に重点を置いた堅実なものと受け取っておりますが、その資料として提供された平成31年度当初予算案の概要を見てみますと、今後の呉市財政は大丈夫なのかとの危惧を持ちましたので、その点についてお伺いいたします。 まず、5年間の財政見通しと財政調整基金についてであります。 少子高齢化の影響により扶助費の増加が続く中で、主な歳入である市税の増加は見込めず、交付税も減少傾向にあり、結果として69億円の収支不足となっております。これまでなら、こうした財源不足には財政調整基金で補填していくということになるでしょうが、頼みの財政調整基金は平成29年度末に76億円あったものが、豪雨災害への対応などで多額に取り崩す予定としているため、予算ベースでは平成31年度末にわずか4,000万円と、ほぼ底をつく見込みとなっております。近年、呉市の当初予算は、財政調整基金を10億円以上取り崩して財源とする予算組みとなっておりますので、4,000万円では全然足りないことになります。この基金をある程度戻すには、3月に交付される特別交付税に期待をせざるを得ないのかなと思いますが、この特別交付税の大幅な増額がなければ、財政調整基金を戻すことができずに、平成32年度以降の予算が組めなくなるのではないかと心配しております。 つきましては、当局はこの状況をどのように認識しているのかをお聞かせください。 ◎財務部長(阿原亨) 現在の財政状況の認識についてお答えをいたします。 本市の財政調整基金の残高は、議員からお話がありましたが、平成30年7月豪雨災害に対応するため、昨年8月の専決処分による補正予算において56億円を取り崩し、平成31年度の当初予算案におきましても、収支不足への対応から10億円を取り崩すことといたしました結果、平成31年度末時点で約4,000万円まで減少する見込みとなっております。 しかしながら、昨日来の御答弁と重なりますけれども、補正予算の執行状況は現在、来年度への繰越事業などの精査を進めている段階でございます。災害復旧事業における国庫補助率のかさ上げや、災害等廃棄物処理事業における補助対象の拡大などにより、所要の一般財源の減少を見込んでいるところでございます。 また、3月に交付が予定されております特別交付税について、議員御案内のとおり市を挙げて増額要望をお願いしているところでございますが、過去の被災都市の例を見ましても、例年よりも多い額が交付されているという実情がございます。したがいまして、まずは3月末における決算見込みを慎重に勘案した上で、現時点において、平成30年度、本年度の予算ベースで71億円を見込んでおります財政調整基金の取り崩し額を少しでも圧縮し、決算ベースではその残高を一定程度確保することにより、平成32年度以降の予算編成への影響を最小限に抑えてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、今後5年間の財政見通しでは、なお多額の収支不足が見込まれておりますので、引き続き着実に行財政改革を進める中で、収支不足額の解消を図りながら、持続可能な財政基盤の確立に向けて取り組んでいく必要があるものと認識をいたしております。 ◆26番(片岡慶行議員) 財政調整基金はある程度額が戻って、来年度すぐに予算が組めなくなるという状況じゃないようであります。安心をいたしました。 余裕がないことには変わりがないようですので、引き続き健全な財政運営に努めていただきたいと思います。 それでは次に、この財政見通しを踏まえて、今後の復興事業について質問いたします。 今回示された財政見通しには、豪雨災害の影響額も示されていますが、これには、これから具体化し、今後実施していく復興事業は含まれていないとのことです。現時点で未確定の事業を財政見通しに含めないという指標は理解できますが、5年間で69億円の収支不足としている現状から、今後現実的に復興事業など、本市のまちづくりに必要な事業を実施していくことが可能なのかどうか、今後の財政運営についてお伺いをいたします。 ◎財務部長(阿原亨) このたびお示しをいたしました今後5年間の財政見通しでは、豪雨災害の影響額を別にお示しいたしております。 歳入112億円、歳出123億円と見込んでおりますが、歳出の大半は災害復旧費と借り入れた市債の元利償還金であり、歳入はその財源である国庫支出金や市債の償還に伴う普通交付税の増額分などでございます。 今後、復興計画を策定し、豪雨災害からの復興に向けて必要となる事業を具体化する中で、財政見通しにも反映していくこととなりますが、事業化の際には国や県に対して引き続き支援を要望し、補助金などの有利な財源を活用することにより、本市の実質的な負担を少しでも抑制してまいりたいと考えております。 また、昨年度策定いたしました第3次呉市行政改革実施計画に掲げました取り組みにつきましても、被災された方々への影響を考慮しつつ、歳入の確保と歳出規模の縮減に向けまして着実に取り組んでまいります。厳しい財政状況ではございますが、必要な財源の確保に努め、本市の最優先課題である豪雨災害からの復旧・復興を着実かつ力強く進めていくことにより、災害に強い、幸せで魅力的な都市の実現を目指してまいります。 ◆26番(片岡慶行議員) 復旧・復興を最優先に今後も取り組んでいくという方針は、私もそうすべきだと思いますし、誰もがそのとおりだと言われるでしょう。国、県からの財源確保に努め、また行政改革にもより一層取り組んでいただいて、復旧・復興事業などに十分な予算を配分できるよう、最善の努力をしていただきますようお願いをいたします。また、議会も一緒になってそれらに取り組んでいく必要があると思います。 しかしながら、近年の呉市一般会計予算は、一般財源不足状態、いわゆる赤字体質となっております。先ほども言いましたが、財政調整基金を10億円以上取り崩す予算編成が続き、今回の財政見通しにおいても、各年度の収支は歳入不足、赤字見込みとなっております。今後、財政調整基金がどれくらい戻り、復興事業などがどれくらいの規模になるのかわかりませんが、財源確保や行政改革への取り組みだけでは間に合わないと思います。あと数年で息切れするのではないでしょうか。今回の豪雨災害は全市的なものとなっておりますので、今後の復興事業などで一般会計の財源が不足する場合には、復旧・復興や呉市全体のまちづくりのために地域振興基金40億円を活用すべきと考えますが、見解をお聞かせください。 ◎財務部長(阿原亨) 地域振興基金の活用につきましてお答えをいたします。 地域振興基金は市町村の合併の特例に関する法律に規定された基金で、平成15年度に呉市民の連帯と地域振興のための事業に充てることを目的に呉市地域振興基金条例を制定し、以後、平成17年度までの3年間で、その財源に合併特例債を活用して40億円を造成したものでございます。平成31年度末の残高見込み額は40億円で、基金から生じる運用益につきましては、条例の規定に基づき、合併町地域まちづくり振興事業補助金の財源として活用をいたしております。 また、地域振興基金の造成の原資として借り入れました合併特例債は、平成32年度まで償還中でございまして、その取り崩しに当たっては、合併特例債の償還が終わった範囲内であること、また取り崩した資金の使い道につきましては、建設計画に位置づけられた事業に限定されること、さらにはもともとソフト事業を実施するための基金であったために、ハード事業の財源には活用できないなどの制約を受けております。このため、償還期間中における地域振興基金の取り崩しにつきましては現時点では考えておりませんが、議員から御提案のありました復旧・復興事業や本市全体のまちづくりだけではなく、少子高齢化の一層の進展に伴う扶助費の増加や公共施設、インフラの老朽化への対応など、さまざまな行政課題もございます。これらのことを十分に勘案し議会とも御相談をしながら、本市にとってよりよい選択となるよう、活用の方向性につきましては慎重に検討をしてまいりたいと考えております。 ◆26番(片岡慶行議員) よくわかりました。 呉市独自の地域単独事業といったものを考えていただきたいと思います。 災害においても、呉市特有の制度といいますか、呉市ならではの地形でございますので、そういうところの新しい制度に知恵を絞って、国からの補助をぜひとも獲得していただきたいですし、災害列島でございます。呉市からの発信という制度を、ぜひともおつくりいただきたいと思います。 時間がありませんので、次に移りたいと思います。 安全・安心な水道事業に向けた強靱化対策についてお伺いをしたいと思います。 呉市水道事業は、大正7年に旧海軍からの余水分与を受け市民送水を開始いたしました。昨年4月には100周年を迎え、7月に記念式典を開催し、次の100年に向けた新たな出発をされました。この100年の間には、戦争による水道施設の破損や自然水害などさまざまな苦難がありましたが、これらを乗り越え、呉市民に安全・安心な水道水を供給し続けてこられました。本市の発展を陰で支える存在であり、我がまちの水道を誇りに思っているところでございます。 くしくも100周年を迎えた昨年7月、これまでに経験したことのない豪雨に見舞われました。御承知のとおり、この豪雨では水道のみならず、あらゆるライフラインが被害を受け、市民生活に、経済活動に、甚大な被害が及ぶこととなりました。 水道に関しては、上下水道局において、発災直後からの懸命な運搬給水や、昼夜を問わず被災施設への応急復旧作業を実施され、その対応に大いに感謝するところであります。しかし、現実として広範囲で長期間にわたり断水となりました。断水となった時期は真夏であり、市民の皆様は酷暑の中、水を求め長時間順番待ちをせざるを得ない状態でございました。大変な御苦労だったと思います。このような経験から、この災害を通じ、改めて水道の重要性を再認識いたしました。 まず最初に、平成30年7月豪雨による水道事業の被災の原因や、その初動についてを総括してお願いいたします。 ◎上下水道事業管理者(増本寛治) このたびの平成30年7月豪雨災害では、呉市内の約7割の世帯が断水し、期間も最長で約1カ月に及びました。その間、市民の皆様、企業、病院など、多くの方々に御不便をおかけいたしました。 まず、断水の原因でございますが、太田川の水を呉市に送水している広島県管理の送水トンネルに土砂が流入し、送水が停止したことによるものでございます。7月12日には送水が開始されましたが、呉市の水道施設である川尻地区の柳迫第1ポンプ所や広石内地区の基幹配水管などが土石流により大規模に被災し、仮復旧に時間を要したことから、断水が長期化したものでございます。 次に、初動対応といたしましては、第1に応急給水体制を整えること、第2に川尻、広石内地区など、基幹水道施設を仮復旧させること、第3に土砂災害等で水道が使えない方々に、一日でも早く給水するため仮設配管をすることなどの対策を進めてまいりました。 現在は、本復旧に全力を挙げておりますが、振り返ってみますと応急給水も水道施設の仮復旧も、地域の皆様を初め、国、県、全国の市町、さらには民間企業の方々の協力により何とか乗り切れたように思っております。 これから大きな災害や事故が発生しますと、一事業体だけでは対応しがたい状況にありますので、国を初めとする関係機関との連携を密にするとともに、水道施設の重要度、危険度のほか、広島県が進めている広域化も踏まえ、計画的な施設更新に努めてまいる考えでございます。よろしくお願いします。 ◆26番(片岡慶行議員) ありがとうございました。 今回の断水の主な原因は、送水トンネルへの土石流による送水停止であったこと、また特に長期間断水となった地区は水道施設の全壊であったということですが、今回被災した送水トンネルは平成18年8月にトンネル内が崩落し、今回と同様に送水が停止したことが原因で、最大で1週間程度断水したと記憶しております。この施設は、呉市の水源の多くを賄う太田川の水を送水する、まさに呉市水道事業の命綱であります。この送水トンネルに対する危機管理はどのように考えているのかお尋ねをいたします。 ◎建設部長兼施設管理部長(赤瀬正敬) 今回の災害で被災しました県営送水トンネルに対する危機管理対策でございます。 広島県では、土砂が流入したトンネルの管理用施設を含め3カ所の施設の点検口を閉鎖し、今後土砂が流入しないよう未然防止対策を実施しております。 また、広島県では、平成18年8月に発生した送水トンネル崩落事故を踏まえ、送水ルートを二重化するため、安芸郡海田町から呉市二河峡町までの約14キロメートルに新たな送水トンネルの整備を進めております。平成28年度にトンネル本体工事に着手し、平成33年度の完成を目指しております。 この送水トンネルの整備は、本市にとって太田川水源の送水ルートが強化される重要な事業でありますので、広島県と一層連携を図り、市内の地元説明会等に同行するなど、地元住民の理解を得ながら工事が円滑に進捗するよう協力しているところでございます。 ◆26番(片岡慶行議員) 県の工事でありますけれども、県の送水トンネル工事を着実に進めるため、市として協力できることについては最大限の協力をお願いいたします。 次に、川尻地区についてお聞きいたします。 先ほどの答弁にありましたが、川尻地区は水道施設が流出したため、1カ月間という大変長い期間で断水となりました。この間の川尻地区の皆様の肉体的、精神的な苦労、負担は想像を絶するものであったと思います。現在は仮設のポンプにより水道に関しては災害前の状態に戻っているものの、今後住民の不安を払拭することのできる対応が必要だと考えております。 今後、このようなことが起こってはならないと考えておりますが、どのような対応をしていくのか、お尋ねをいたします。 ◎建設部長兼施設管理部長(赤瀬正敬) 川尻地区の大半の給水を担っております柳迫第1ポンプ所が土石流により壊滅的な被害を受けたことを教訓としまして、新たなポンプ所は旧ポンプ所周辺の土砂災害等の危険性の少ない市道沿いの用地を候補地として建設する予定でございます。 今後は、測量、地質調査、詳細設計を経まして、平成31年の秋ごろから建設工事に着手し、平成32年度末の完成を目指しております。また、断水範囲を縮小できるよう、水道施設が被災した場合に、各水系間で水を融通するバックアップ施設等の検討を行ってまいります。 ◆26番(片岡慶行議員) ありがとうございました。 しっかり新設してください。よろしくお願いします。 最後に、今後、水道事業として取り組む強靱化の考えについてお聞きをいたします。 先ほどの答弁で、上下水道局として今回の災害からさまざまな教訓を得たということでありました。 最初に、昨年、呉市の水道は100周年を迎え、次の100年に向け新たな出発をされたという話をいたしました。水道は永遠に継続していかなければならない事業であります。将来も安全・安心な水道水を供給していくためには、今回の災害から得た教訓をどのように生かしていくかが重要であると考えております。今回の災害の教訓を生かし、どのように強靱化を進めていくのか、基本的な考えをお伺いいたします。 ◎建設部長兼施設管理部長(赤瀬正敬) 強靱化につきましては、現在策定を進めております、仮称でございますけれども、呉市復興計画に掲げる災害に強い安全・安心なまちづくりの基本方針に沿いまして取り組んでまいります。 強靱化の基本的な考え方でございますけれども、まずハード対策としましては、地震等による被災リスクを低減するため、老朽化した管路を耐震性の高い管に更新しており、今後も継続して実施します。また、配水池、ポンプ所等の水道施設では、老朽度や重要度等を踏まえた優先度に基づく計画的な更新とともに、耐震対策や施設ごとの被災リスクに必要な対策を検討、実施してまいります。特に、広域的な基幹施設につきましては、広島県と連携を図りながら検討を行い、整備を進めてまいります。また、各水系間で水を融通するためのバックアップ施設など、災害時や事故時で送水に影響が生じた場合に、断水やその他の給水への影響ができるだけ少なくなるよう、また速やかに復旧できるよう、さまざまな方策を検討してまいります。 次に、ソフト対策としましては、このたびの応急給水活動の検証結果を踏まえまして、災害時や事故時に必要な水道水を効率的に届けられますよう、資機材の備蓄や関係者間の連携、そして実効性を高める訓練を通じまして、応急給水体制の強化に取り組んでまいります。 ◆26番(片岡慶行議員) ありがとうございました。 結びになりますけれども、日本の水道は蛇口をひねれば水が出ることが当たり前でありまして、水道は市民生活の一部分となっております。断水が一たび発生すれば、それは当たり前の市民生活とは言えません。人口減少による使用水量の減少に伴う料金の減収や老朽施設の更新に多額の投資が必要となるなど、厳しい経営環境にあるとは思いますが、市民生活を守るため、上下水道局が一丸となって、強靱な水道システムの構築や減災対策を強力に進めることをお願いいたします。よろしくお願いをいたします。 以上をもちまして、私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(加藤忠二) 以上で片岡議員の予算総体質問を終わります。 午後1時まで休憩をいたします。            午前11時38分     休   憩      ──────────────────────────────            午後1時00分     再   開 ○議長(加藤忠二) 会議を再開いたします。      ────────────────────────────── △久保東議員の予算総体質問 ○議長(加藤忠二) 休憩前に引き続き、予算総体質問を行います。 6番久保議員。     〔6番久保東議員登壇、拍手〕 ◆6番(久保東議員) 日本共産党呉市議団の立場から予算総体質問を行いたいと思います。 先日御説明のあった平成31年度予算総体説明を中心に質問をさせていただきます。 予算総体説明の冒頭、景気はこのところ穏やかに回復しており、先行きにつきましても雇用、所得環境の改善が続く中で穏やかな回復が続くことが期待されていますとあります。また、消費税増収分を活用した幼児教育、保育の無償化を初めとする社会保障の充実とあります。冒頭には景気は穏やかに回復している、あるいは雇用所得環境の改善が続くとあります。その後も消費税増税を肯定的に捉えている文面が続きます。 しかし、私が呉のまちを歩き、商店主、若い労働者、臨時職員、嘱託職員、介護職員、医療関係者、教員から聞く話とは随分とかけ離れた分析であるという印象を持ちます。みんな、口々に言うのは、ぎりぎりのところで踏ん張っているということです。 広商店街の御主人は、消費税3%のときは市民の消費が一時的に落ちてもいずれ戻ってくるという見方があったが戻ってこなかった。5%のときも落ち込んだまま戻ってこなかった。8%になるとさらに落ち込みが激しく、商売を続けることが難しくなった。10%になると、商店主に商売をするなということに等しい。10%になれば、またやめる商店がふえるだろうと話をしてくれました。また、医療現場や介護現場、そして教育現場でも同じことが言われております。人手が足りないと。景気の緩やかな回復を実感するどころか、家計消費は2014年度以降、5年連続でマイナスという結果が出ています。市民は、ぎりぎりのところで踏ん張っているのです。こういった現状認識を持たない限り、市民の暮らしとかけ離れた、リアリティーのない予算立てで終わってしまうと言えるのではないでしょうか。そのことをまず述べさせていただいて質問に入ります。 このたびの予算編成における基本方針として、豪雨災害からの着実で力強い復興に向けて、四つの方針に沿って取り組んでいくとあります。その四つの中で、産業経済の復興において、グループ補助金の対象とならない企業への支援策として、企業が実施する被災施設等の復旧に対する助成を行っていくとあります。また、農林水産業施設の災害復旧工事を迅速に進めるとともに、集落等に隣接する林地の崩落等が発生した箇所について保全工事を行っていくとあります。 初めに上げましたグループ補助金について、12月議会でも質問をさせていただきました。その際は、グループ補助金制度の自己負担分の軽減策を市として行うべきではないか、そうした支援充実こそが災害復興への一歩となり、強いては地方経済の活性化につながるとの意図で質問をいたしました。まずは、現状として現在取り組まれているグループ補助金制度の進捗状況と市としての課題をお伺いいたします。 この後は質問席で質問を行います。     〔6番久保東議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(加藤忠二) 当局の答弁を求めます。 ◎産業部長(大下正起) グループ補助金制度の進捗状況とその課題でございます。 まず、グループ補助金の復興事業計画の認定状況ですが、1月の第4次締め切りの段階で、10グループ、159の事業者で構成されており、うち補助金申請を予定する事業者が136社、国と県の補助金総額で14億4,000万円余りとなっております。そのうち、2月15日現在で交付決定を受けた事業者数は全体の約30%に当たる41社となっております。 今後の課題でございますが、当該制度につきましては申請漏れなどないよう、これまでも精いっぱい広報してまいりましたが、被災したにもかかわらずいまだ申請に至っていない事業者がいる可能性もありますので、広島県と協力しながら再度広報に努めてまいりたいと考えております。 ◆6番(久保東議員) 現段階で41社が交付を受けて、申請の30%程度の交付率であるとの御答弁でした。 グループ補助金制度においては、交付決定を受けても土地の改良など、公共工事が終わるまで補助金が出ないとか、あるいは災害前と同等水準の設備しか対象にならないといった問題点が指摘されているわけですので、その点への配慮は十分に行っていただきたいと申し添えておきます。 続いて、今回の予算でのグループ補助金制度対象外の企業への助成制度の概要、想定する対象企業数、その効果等をお示しください。 ◎産業部長(大下正起) 被災企業への新たな助成制度について御説明をいたします。 この制度は、広島県が新たに創設した被災施設等復旧助成に関する本市の協調助成制度であり、平成30年7月豪雨により直接被災し、グループ補助金などの対象外となる大企業に対して支援するものでございます。 県制度の対象業種は製造業等で、県内の大企業が施設、設備を復旧する場合に、設備投資額が5億円以上で、かつ雇用を維持すること及び流入土砂等の撤去処分費用の4分の1を該当市町が助成することを条件としております。したがいまして、本市においては県制度の対象条件のとおり、流入土砂等の撤去処分費用の4分の1助成について新年度予算案に計上しているものでございます。 なお、県の助成率は、新たな設備投資費用に対する固定資産評価額の5%、土砂等の撤去処分費用については4分の2で、限度額は10億円でございます。ちなみに、呉市内の対象企業は、現在のところ2社を想定しております。 この助成制度の事業効果でございますが、当該制度は多額の復旧費用を要する県内の大企業を対象とするものであり、早期復旧を後押しし、企業の県外流出を防ぐとともに、さらなる投資を促すことで地域の経済、雇用の回復を図ることを目的としており、当市においてもその条件を満たすため、県の制度に合わせて助成をするものでございます。 ◆6番(久保東議員) 予算の概要を見させていただいたときに、このグループ補助金の対象外への支援とあったんで、災害に遭ってグループ補助金制度の要件に合わず、資金繰り等で困っている零細中小企業への支援が生まれるのかと非常に期待したわけですよ。ねえ、部長、ところが、その制度の中身を今おっしゃっていただきましたけれども、県の制度と連動して大企業への支援であるとのことでした。大企業への支援策も必要だとは思いますけれども、我が国における企業数の比率で1%の大企業への支援はいち早く行って、99%の中小企業、特にグループ補助金制度の要件を満たさず支援を受けにくい、厳しい環境にある零細企業への支援自体がないというのは許されないことだと考えます。 呉市の復旧・復興のかなめは、中小企業の復活なくしては語れないと言えませんか。呉市の復旧・復興と経済活性を本気で考えているのかと言わざるを得ません。市の本気度が問われています。厳しい災害で、被災という現実の中で、必死に再建を目指す事業者の方々の事情を極力勘案した対応が望まれるわけです。そういった点で、グループ補助金制度という制度に被災者を合わせるのではなく、被災者に合わせた制度が求められていると考えますが、市の御所見をお伺いいたします。 ◎産業部長(大下正起) これまでも本市においては、国、県の支援制度の広報、相談体制の充実、申請手続のサポートなど、被災した中小企業の事業再開に向け、スムーズな申請と被災事業者の不安を取り除くことに注力してきたところでございます。 また、グループ補助金等の支援制度につきましては、被災市町の求めに応じて、これまで数回にわたり申請期限の延長がなされており、当初対象とならなかったカキの抑制棚の復旧など、被災事業者の実態に合わせて支援対象となったケースもございます。 今後も、さらなる制度の延長や手続の簡略化などについて国、県に要望するとともに、申請の断念や申請漏れといったことが極力ないよう、再度広報を実施し、引き続きでき得る限りの被災者に寄り添った対応を心がけてまいります。 ◆6番(久保東議員) 被災された中小企業への復興、特に、特にですよ、特に、零細中小企業に向けた市としての支援課題は山ほどあるのではないでしょうか。中小企業への自己責任論を押しつけて、結果的に見捨ててしまう状況を生むのではなく、被災された零細中小企業への支援策を充実させることをさらに求めておきます。 次に行きます。 災害に強い安全・安心なまちづくりについてというところなんですけれども、災害発生から7カ月、いまだに車で走りますと、爪でひっかいたような状況になっている山々を数多く目撃します。災害のひどいところから復旧を行っていると心の中では思いながら、きっと手つかずのままで、近隣の方々は二次災害などを心配されているだろうと心を痛めるわけです。 そこで、先ほどの予算編成の基本方針で触れましたが、農林水産業施設の災害復旧工事を迅速に進めるとともに、集落等に隣接する林地の崩落等が発生した箇所について保全工事を行っていくとあります。 先日も相談を受けたわけですけれども、きっと多くの議員の方々も、被災された市民の方々から同様の訴えをお聞きになっていると思われますけれども、山が崩れた場合の土砂撤去の問題です。住民の中には、畑が崩れた場合は市は何もしてくれないという、要は畑は民地扱いになり、私有財産だから行政は手が出せないということで、被災された市民は途方に暮れているという問題です。 具体的に質問をしていきます。 こうした畑が崩れてそのまま放置されている事例は、呉市において何カ所くらいあるのか。その把握状況とこれに対しての支援制度についてお聞きします。 ◎土木部長(北岡宏紹) 議員御説明のとおり、農地のその多くは個人が所有する私有財産ではございますが、豪雨や台風などの異常な天然現象により被災した営農している農地については、農業生産活動の維持と農業経営の安定化を図るために、国の補助事業としての災害復旧事業制度の適用がございます。 農地が崩れている場合、市の対応といたしましては、被災した農地の所有者の方からの申請を受け、1カ所の復旧工事費が40万円を超える農地につきましては、国の査定を受検し、認められたものを国の補助事業として市で復旧工事を実施いたします。農地が崩れている箇所数ではございませんが、これらの被災した農地の災害査定の受検件数は398件でございます。 ◆6番(久保東議員) 今、御説明がありましたけれども、農地が崩れた場合でも補助要件を満たし、農地を復旧さすということで申請すれば、市のほうで対応するということがわかりました。被災をされた住民の皆さんは、こういう制度があるんだということであれば非常に喜ばれると思います。 ただ、そうした市の姿勢といいましょうか、正しい情報が被災者に伝わっていないのではないでしょうか。例えば、私有地である畑が崩れたわけだから、市には直してもらえないと判断して、申請をされなかった被災者もいらっしゃるのではないでしょうか。そういった点で、被災者を支援するために、市としての今後の申請等の方向性をお示しいただければと思います。 ◎土木部長(北岡宏紹) 被災した農地の復旧は、国の補助事業の対象となる農地であったとしても、あくまでもその対象は個人が所有する民有地であることから、復旧には自己負担が生じることや農業を継続する必要があることなど、一定の条件がございまして、それを理解した上で、被災した農地の所有者の方の意思に基づいて農地災害の申請をされることが基本となります。 昨年の7月豪雨で被災した農地の所有者の方々には、農業関係者や関係団体、市民センター、ホームページなどを通じて、幅広く農地災害の申請について御案内をいたしておりました。 国の補助を受け、市で復旧工事を行うための災害査定が、既に本年1月上旬に終了しており、農地災害の申請をされなかった農地については、国の補助事業である農地災害復旧制度の事業の制度上、追加で申請することはできません。したがいまして、受け付け期限までに農地災害の申請をされなかった農地につきましては、市で災害復旧工事を実施することはできないものでございます。 ◆6番(久保東議員) 今の御説明では、既に申請を締め切っているとのことですけれども、先日御相談を受けた被災地域で、被災者の方々は、天応や安浦に比べたら小さい規模だからということを言われておりました。しかし、行ってみたら、幅でいうと20メートル以上、高低差で30メートル以上にわたって崩れ、下にあった工場を直撃したそうです。土砂が入り込んだ工場は既に撤去されておりましたが、二次被害が怖いということで、工場の横にある民家の住人は、自力で一つずつこうやってブロックを重ねていっとってんですよ。多分、流れてきたら一遍に崩れてしまう状況だと思います。それでも、毎日が怖いから、二次災害が恐ろしいということで努力されていらっしゃったんだと思いますけれども。 ほかの被災者を思い、遠慮をされ申請をされていない方々、いろいろな事情から申請がおくれた方々が復旧してもらえないということでは、余りにも酷な話だと思うんです。ここら辺は、臨機応変に支援の手を伸ばしていくべきではないでしょうか。被災された住民が我慢や諦めてしまう政治でよいとは言えません。市の認識をお聞かせください。 ◎土木部長(北岡宏紹) 農地災害の申請の受け付け期間につきましても、農業関係者や関係団体、市民センター、ホームページなどを通じて受け付け期間の延長を幅広く広報し、被災直後から災害査定の受検可能限度まで受け付けをしておりました。 繰り返しの答弁なりますが、国の補助を受け、市で復旧工事を行うための災害査定は本年1月上旬に終了していることから、農地災害の申請をされなかった農地につきましては、国の制度を利用して市で災害復旧工事を実施することはできないものでございます。 ◆6番(久保東議員) 被災された方々が一日も早く被災前の生活を取り戻せるようと、市長もおっしゃっております。きょうの午前中の市長の答弁も、まさしくこの宣言をされた言葉にのっとったお話だったと思います。 しかし、今のお話、御説明の流れでいきますと、その市長が宣言されていることとは異なった対応であると言えるんじゃないでしょうか。 今回、相談を受けた現地に、──このときは1人ですけれど、──職員の方に同行していただきました。心配されている住民の方々が7~8人集まってこられ、市の職員は4回も来てくれたが何にも変わってない。天応の状況を見たら自分らのことばかり言えないが、ここも二次災害が怖いと要望や不安を話されていました。 同行してもらった職員は、住民の訴えを聞いた後、その崩れた崖を住民と登り、水路が壊れていることや里道が壊れていることなどを見つけ、住民の皆さんに、この二つのことは必ず市のほうで直しますと答えてくれました。すぐに全ての問題解決につながらないでしょうが、現場で被災者の要求に応えようとする職員が頑張っています。 市長、災害で不安な暮らしぶりを我慢する被災者や、制度の縛りの中で苦悩しながら頑張る市の担当職員を後押しする上でも、申請締め切りに間に合わなかった被災者への救済策をとる必要があると考えますけれども、御見解をお伺いします。 ◎土木部長(北岡宏紹) 災害からの復旧・復興については、被災者に寄り添った観点で進めていくことが大切だと考えております。 農地であれば全てが農地災害復旧事業の対象となるわけではなく、耕作放棄地などは制度の適用外であり、たとえ制度の対象農地であったとしても、農業を継続する意思がない場合など、国の補助制度を活用することはできないものでございます。 昨年の7月豪雨では、多くの民有地が崩れておりますが、県や市の砂防事業、治山事業や急傾斜地崩壊対策事業の対象とならないかなど、現行制度の中で何か活用して復旧できないか、現地に行ってさまざまな視点から検討しておりますが、各制度の活用が困難な箇所につきましては対応ができないのも事実でございます。 現在、農地災害の申請をされなかった被災者に対する市独自の救済策はございませんが、激甚法の指定を受けたことにより、国の補助対象とならない1カ所の工事費が13万円以上40万円未満の農地などの小規模な復旧工事に対して、農地等小災害復旧事業という制度の適用がございます。 呉市の今後の取り組みといたしましては、農地災害の申請をされなかった全ての被災者の支援につながらないかもしれませんが、国の補助対象とならない農地の被災を受けた被災者を支援するため、この制度を活用したいと考えておりまして、必要な事業費を平成31年度予算に確保し、制度について十分な周知を図り、被災者へ寄り添った復旧に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆6番(久保東議員) 部長、きょうはもうゼロ回答だと思っていたんですよ。落ち込んでいたんですけれども、最後に、補助要件に合わない中でも、何とかして制度に乗れる動きをつくろうとされていることがわかりました。現場の最前線で指揮をとる部長の被災者に寄り添おうとする思いが、今の御答弁にあらわれているんじゃないかと思います。被災現場に同行してもらった担当職員が、懸命に被災者に寄り添おうとするのも、ごまをするようで気持ち悪いかもしれませんけれど、部長の今の真摯な思いというものが、部下のほうにも、担当職員の方々にも伝わっているんじゃないかなということも感じました。 私が言うと、大体褒めて下げるんじゃないかとかと言って、やゆされ、批判されるんですけれど、でも実際にそう思います。きょうはゼロ回答かと思っていたんですよ。全くこのことがほったらかしになるんかなと思って心配しておりましたけれども、ある程度の道筋を立てていただいて、それに向けて予算立てもされているということであるんで、ほっとしております。ぜひ、制度を超えて、被災状況に応じた制度設計への取り組みを実施してもらうことを要望しておきます。 次に参ります。 指定管理者制度についてです。 今後、魅力ある住生活環境の確保を図っていくことが市の発展につながるとの思いで、予算立てにも上がってきております。魅力ある住生活環境の確保ということで、市営住宅に関する指定管理者制度のあり方について質問をさせていただきます。 私どものところに入ってくる市営住宅についての苦情で一番多いのが、修繕依頼をしても直してもらえないというものです。 呉市市営住宅は79団地あり、約3,600戸ある住宅に関して、平成25年から指定管理者としてA事業所が管理運営されているわけですが、どうも市営住宅で暮らす住民の要求に応え切れていない状況が続いているように思います。 関係者からは、修繕関係の業務を約4人の職員で担当していることや、一部では雨漏りをしていること、市営住宅は全般的に老朽化が進み、水道ポンプの老朽化、水漏れ、そして過去にはガス漏れ等も起こってきているという話でした。 私も現地調査に入りましたけれども、駐輪場のブロック壁にひびが入り、浮いた状態で危険と思われることや、水道ポンプの老朽化、雨水が排水となって、たまって悪臭がする、また家庭内の粗大ごみが放置してある現状を確認しました。 市のほうにも連絡をとり、すぐに現地調査に動かれたようですが、どちらにしても住民の生活に影響があることは間違いないと言えます。そこで、市としてこうした状況は認識されていますでしょうか。 ◎都市部長(山崎裕) 市営住宅の状況把握など、行政が指定管理者へ業務を任せっきりになっていないかというお尋ねでございます。 少しお時間をいただきまして、今の現状から御説明をさせていただきます。 市営住宅の指定管理は、平成22年4月に維持補修業務を対象としてスタートいたしまして、2期目の平成25年度からは収納業務を加え、平成29年度に再選定を行い、平成30年4月から3期9年目となっております。 指定管理者制度の導入後は、急な水漏れ事故や電話による問い合わせなどの受け付けに24時間対応を可能とした体制が整備されるなど、住民サービスの向上が図られたほか、行政改革の面においては、職員の業務の負担軽減や人件費などの費用の削減も図られたものと認識をしております。 住宅政策課の職員体制は、導入前の平成21年度は、課長を含め11名で管理しておりましたが、平成30年度現在では、課長を含め6名、それから指定管理者が、管理監督者4名、担当者9名、合計19名と人員は増加しております。一方、管理戸数は、平成21年の3,670戸から3,565戸と減少はしておる状況でございます。 市営住宅の老朽化につきましては、現在、管理する団地が79団地、274棟ございますが、募集停止の選定基準などによりまして、22団地、141棟の新規募集を停止しております。 募集停止中の住宅につきましても、日常生活を送る上で支障となる雨漏りや水漏れなどにつきましては、指定管理者により有資格者が即座に対応をしております。 また、市営住宅の修繕費用は基本ルールを定め、消耗部品などの交換、少額補修につきましては入居者の方、それから指定管理期間の計画修繕や小規模修繕につきましては指定管理者、それ以外の国庫補助の対象となる大規模修繕は市のほうで担当をしております。耐用年数により交換が必要になった機器等につきましては、市と協議の上、指定管理者が計画的に交換をしておる状況でございます。 以上のように、入居者のニーズや施設、設備のふぐあいなど、職員、また指定管理者、それから各団地におります連絡員などとしっかり情報共有をさせていただきながら、今まで以上にしっかりした管理業務に努めてまいりたいと考えております。 ◆6番(久保東議員) 入居者から改善等の要望があった住宅へ、指定管理者の職員と市職員が現地調査を行ったということでありますけれども、指定管理者への専門的で公正な指導は本当にそれでできるのかなと思うわけです。第三者を入れて調査をするほうが、より的確な調査になっていく、正しい調査になっていくのではないでしょうか。市の認識をお聞かせください。 ◎都市部長(山崎裕) 市営住宅の修繕につきましては、課内に知識や経験が豊富な職員が配置されておりますが、大規模修繕などの専門的な知識が必要な場合などでは、部内外の建築、土木技師に技術的な指導やアドバイスを受けながら、指定管理者の修繕担当職員に指示等を行っております。 ◆6番(久保東議員) 指定管理者以外の専門的知識、あるいは管理業務にたけている第三者の調査を持たなければ、本当の意味での住環境整備が整備されているかどうかの正しい判断はできないというのが、社会的な常識と言えるんではないでしょうか。 さて、関係者からは労基法を遵守していない職場環境であるという指摘もあります。この指定管理者への指導も行っているように聞いておりますけれども、また部長のほうも直接指定管理者の責任者を指導されたと聞きました。 そこで質問です。 事業所への指導内容、部長がどのような指導をされたか、そこら辺をお示しいただけますでしょうか。 ◎都市部長(山崎裕) 指定管理者にどのような指導を行ったかのお尋ねであります。 指定管理者に対する指導内容につきましては、市と指定管理者は市営住宅を適正かつ円滑に管理するための必要な事項を基本協定書に定めておりまして、毎月の定例会、月報、年報、それから監査で指定管理者の業務内容を確認し、適正な業務の実施に努めておるところでございます。 指定管理者には入居者に対するサービス向上を目的として、利用満足度を把握するためアンケート調査を実施させ、調査結果に基づき改善に向けた取り組み内容を報告させることとしております。 また、業務の執行状況につきましても、モニタリングによる自己評価、それから市が行う総合評価を共有することで、サービスの一層の向上を図っております。指定管理者には労働安全等、基礎法律等各種の法律を遵守し、市の職員の代理者として自覚を持って接遇するよう指導をしております。 ◆6番(久保東議員) 自覚を持ってやっていくように指導しているということの御答弁でした。 指定管理者との指定管理者制度の契約額、今回の場合ですけれど1億8,000万円です。修繕費予算は6,800万円であると聞いております。この修繕費の中身、市としてしっかりとチェックはされているのでしょうか。指定管理者の提出してきた報告書と領収書等との照合などはしているものなんでしょうか。それとも、指定管理者制度なんだから、そこまではしていないということなんでしょうか。そこらの見解とあわせて、労働条件などのチェック機能は果たしていらっしゃるのか、そこら辺を御答弁いただければと思います。 ◎都市部長(山崎裕) 指定管理者は民間事業者であることから、社員の勤務、労働条件などにつきましては、労働基準法などの各種法令に基づいて、労使間において決定されるものと認識しております。 しかしながら、市は指定管理者に業務を委託している以上、継続的かつ安定的に業務を遂行させるためにも、指定管理者の選定時に提案をされた人員体制や勤務体系などが確保され、適切に実施されているか確認する必要があると思っております。 基本協定書に基づきまして、報告内容や業務の実施状況などを確認するため、ことしは2月に監査を行いました。事務所の立入調査で領収書などを含む報告書等の関係資料、また勤務シフトなどを確認いたしまして、労働関係法などの遵守や社員の業務配分の適正化について確認をしたところでございます。 入居者のニーズに対応できるよう、市と指定管理者の双方が緊張感を持ちながら、今後とも適切な勤務体制を継続的に維持するよう指導してまいりたいと思います。 ◆6番(久保東議員) そうですね。いい意味での緊張感というか、牽制し合う関係というかそういうものがないとだあだあになってしまう、おっしゃるとおりだと思います。それを今の指定管理者事業所と市がちゃんと持ち得ているのかどうか、そこが一番問題だと思いますけれども、部長はお持ちだということですけれどね。 さて、東京の足立区では、指定管理者選考における労働条件審査の導入を行っていますし、新潟市などでは一定期間を置きながら、指定管理者の労働実態に関する調査を行い、雇用条件、賃金、労働管理、職員の教育などを調査し、公開されております。非常に有効な方法であり、呉市もこれを導入すべきだと考えます。 またもう一つ、全国社会保険労務士連合会では、指定管理者制度の課題として、コスト削減に起因する労働条件の低下、法令違反、それから公共事業の質の低下を課題に上げながら、委託者である国、地方自治体の責任として、措置を講じる必要があると断言されております。指定管理者制度における財源論から出発した業務の効率化、合理化による従業員の労基法の問題はもちろんですけれども、市として市営住宅を魅力ある住生活環境にしていく努力を怠ってはいないかということです。要するに、市の姿勢として、指定管理者制度の導入によって、市民の福祉向上に努めるといった地方自治としての責任を放棄した形になってはいないかということです。 市営住宅に住む住民からこんな話を聞きました。 一番上の階に住んでいるのだが、高齢で階段を上ることがきつくて、1階があいているのでそこに移らせてもらいたいと言っても、申し込みをして正式な手続を経ないとすぐには転居できないと言われたと、そういうお話でした。もちろん、一定のルールはあります。他の入居希望者もおられるわけですから、市営住宅で暮らす住民の住みかえには一定の制約があり、身体状況の客観的な判断、例えば医師の意見書等による証明は必要かと思います。しかしながら、市営住宅で暮らす住民の住生活環境の充実のためには柔軟な対応が必要であると考えます。 くれワンダーランド構想でうたっている安全・安心、生活環境の確保にもセーフティーネットとしての市営住宅は必要不可欠であると考えます。市営住宅で暮らす住民が高齢化していることは誰もが知っております。指定管理者に全て委ねるのではなく、高齢者福祉の観点からも、市営住宅で暮らす高齢者の生活実態や生活要求について市として把握し、真摯に対応するべきではないでしょうか。御見解をお示しください。 ◎都市部長(山崎裕) 現在、市営住宅の世帯の6割に高齢者が含まれておりまして、その約半数が単身高齢者の世帯と、入居者の高齢化は進んでおる状況でございます。これらのことに対応すべく、平成22年には呉市営住宅の住みかえに関する要領を定めまして、一定の要件を満たす場合には低階層への入れかえ入居を可能としております。入居者の高齢化や空き室の状況もあって、入居がえは全ての希望者の方に即座に対応することはなかなか困難ではございますけれども、市の職員も窓口や電話の問い合わせ、それから住宅連絡員からの報告などで、高齢者を含む入居者の方の要望の把握に努めております。 また、指定管理者が日常点検に赴く際には、単身高齢者への声かけなども行っております。 入居者からの突発的な修繕依頼にも早急に対応し、入居者のニーズに沿った対応に努め、満足度の向上を図るとともに、今後も安心して住み続けられるように指定管理者と連携し、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。 また、指定管理者のみだけでなく、福祉部局とも連携を図り、高齢者の方々が住みやすい市営住宅となるよう、行政としての責任をしっかり果たしてまいりたいと思っております。 ◆6番(久保東議員) 今回の公共施設における指定管理者制度の実態を見ていきますと、情報公開に向けた市の後ろ向き、これはきつい言い方かもしれませんけれども、情報公開に向けた姿勢がまだまだ前向きではないということが見えてきます。このことは、市民との距離が離れつつある市の姿勢につながると言えるんじゃないでしょうか。 昨年末に出された宮原浄水場の維持管理業務を指定管理者制度で行うことも、将来の水道事業の民営化に至る布石であろうと感じております。水は市民の命と直結しております。非常に危惧をしている問題です。 先ほど提案させていただいた指定管理者の業務改善と情報公開に努めるとともに、地方自治の原点に返り、公的責任を民間に投げ出すような指定管理者制度は見直すべきと強く求めておきます。 最後、行政改革について。 今回の行政改革で、職員の適正化の名のもとに、平成30年から40名削減し、平成31年に1,592名となると胸を張っていらっしゃるように感じたのは私だけなんでしょうか。 以前、国が定める消防力の整備指針に基づき算出した消防職員数として、これが436人と言われたと思います。ことしの職員数、呉市においては377人だと。充足率は86.5%となります。災害時にも、今回の7月の豪雨災害においても、市職員の手が届いていないというのが被災された皆さんの実感ではないでしょうか。 国の地方創生という号令で合併、合併で、行政の効率化と広域化と集約化によって行政サービスの低下を招いているのが呉市の実情、いや、全国の地方自治体の実情と言えます。こういった体制で、本当に市民の命と財産を守れる状況にあると言えるのでしょうか。市の認識をお示しください。 ◎副市長(小松良三) 現行の職員体制で市民の生命と財産を守れるのかについてお答えいたします。 職員数の適正化につきましては、単に職員を削減するのではなく、事務事業の見直し、アウトソーシングの推進などで対応するものでございます。 一方、職員体制の充実といたしまして、計画的な職員採用によりまして、職員の年齢構成の平準化、職種別定員管理や豊富な経験を有する再任用職員の活用などによりまして、組織力の維持向上とそのノウハウの継承などに取り組んでおります。 いずれにいたしましても、議員お尋ねの市民の生命と財産を守ることは、自治体の責務であると認識しておりまして、御説明いたしました体制整備により、その責務は果たせるものと考えております。 なお、このたびの7月豪雨災害におきましても、国、他の自治体職員などの積極的な応援、また市内部の柔軟な職員配置、いわゆる人事異動、流動配置により対応いたしました。今後、このような災害においても、自治体の責務は果たしてまいる所存でございます。 ◆6番(久保東議員) 守っていくということと守れるということは違うと思うんですね。この違いは重々認識しておいていただいているとは思いますけれども、ぜひ具体化をしていただければと思っております。 さて、広島自治労連が行った呉市役所や市役所関連職場で働く臨時、非常勤職員へのアンケート調査では、明らかに人手不足の課がある、市役所全体でそれぞれの課に何人正規職員は必要が見直すべき、そうしないと非正規職員の負担はふえる一方だ、あるいは、正規職員の減により、仕事の量、質、責任が増加しているというアンケートに寄せられた思いが、アンケートのほうに寄せられているわけですけれども、正規職員を減らす一方で、安く雇用している臨時や非常勤職員にしわ寄せが行っているということがこのアンケート調査からもわかってまいります。 誰かの犠牲の上に成り立っている第2次呉市職員体制再構築計画であってはならないと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ◎副市長(小松良三) 第2次呉市職員体制再構築計画への所見についてお答えいたします。 呉市を取り巻く社会情勢を見れば、人口減少、少子高齢化は今後も続くものと見込まれており、さらに厳しくなることが予想されております。 こうした状況を踏まえ、呉市が持続的に発展するためには、行政サービスの維持向上と安定した行政運営を目的として、職員体制の再構築に不断に取り組むことが必要であると考えております。 この呉市職員体制再構築計画を推進することによりまして、行政サービスや組織力の維持向上を図りつつ、正規職員数の適正化に取り組むとともに、新たな行政課題への対応に必要な職種の職員確保にも取り組んでおります。なお、再任用職員や非常勤職員等の活用については、職員体制再構築計画推進のための具体的方策として掲げておりまして、実際の配置に当たっては業務の内容等を見定めながら、活用に適した職場を十分に検討して、実施してまいりたいと考えております。 ◆6番(久保東議員) 今、副市長のほうからありました新たな行政課題への対応に必要な職種というところで、福祉職員などの採用もあったというところ、そのことだとは思います。 ただ、正規職員数の適正化という問題、この適正化というのがどういうライン、レベルなのか、どういう線を引くのかって、大きく違ってくるんかなと思っております。ここら辺、またいつか教えていただければなと思っておりますので。 最後になりますけれども、臨時非常勤職員の処遇改善の一つとして御提案をさせていただきます。 昨年の災害時に、仕方なく休んだり遅刻したりした場合、災害特別有給休暇がとれる、とれるのは基本ですけれども、年休で休んでいる人が多くいらっしゃいます。 また、災害時にいつもと違う通勤手段で余分に費用がかかった場合や有料駐車場を利用した場合など、わかってまいりました。中には、通勤費用が9月までで2万円以上かかった方もいます。呉市では交通費に上限があると聞いております。それをはるかに超えてしまった額で通勤する人に勤務を命じたのであるならば、交通費の補填などの必要も考えていかなくてはならないのではないかと思うんですけれども、臨時非常勤職員の処遇改善に向けた方向性をお示しください。 ◎副市長(小松良三) 臨時非常勤職員についてお答えいたします。 臨時嘱託職員はさまざまな分野で活躍し、今や地方行政の重要な担い手となっております。 臨時非常勤職員の処遇につきましては、基本的には平成32年4月1日から開始する会計年度任用職員制度への移行に向けて、現在検討を進めているところでございます。 また、本市の臨時嘱託職員の勤務条件については、おおむね国と同様の制度を整備しており、嘱託職員については、先ほど議員も言われましたけれど、災害時等に出勤することが著しく困難である場合の有給休暇は整備済みでございます。これまでも制度周知には取り組んでいると思っておりましたけれど、今後もさらに周知に努めてまいりたいと考えております。 また、議員御指摘の通常と異なる通勤経路や有料駐車場を利用した場合の差額や料金については、条例規則の規定上、正規職員についても支給できておりませんで、これは臨時嘱託職員についても同様でございます。 今後、会計年度の任用職員制度の導入を進めていく中で、臨時嘱託職員の給与や休暇などの勤務条件につきましては、正規職員との均衡を踏まえ、従事する内容、職務の内容や責任の程度などを考慮しながら、引き続き検討を進めてまいります。 ◆6番(久保東議員) 正規職員には支給していないので臨時嘱託職員についても支払いはしないというお答えでありましたけれども、下見て暮らせではなくて、しっかりと呉市職員を、正職であろうと、臨時であろうと、非常勤であろうと、先ほど副市長がおっしゃったように、非常に大きな担い手であるということであれば──呉市行政を支えるね──十分にそこら辺は処遇改善をしていただければと思っております。市の職員として、今回の災害なんかでの緊急時に働いているわけで、そういった場合、個人が支出した差額分を出すというのは当たり前のことであろうかと思います。 冒頭、臨時それから嘱託職員の声を述べさせてもらいましたけれども、明らかに人手不足の課がある。あるいは、正規職員の減により仕事の量、質、責任が増加しているとの声に、どのように応えようと今後されていくのか。その一つの解決策として、会計年度任用職員制度というのも導入されるということがありますけれども。 前回も、同じような質問を会計年度任用職員の問題で聞かせていただきましたけれども、先ほどのような引き続き検討しますといった回答では、結局のところ臨時嘱託職員の声を真摯に受けとめていないということになります。いま一度、臨時嘱託職員の声に耳を傾け、具体的な処遇改善に向けて取り組みをすべきと強く申し上げまして、私の予算総体質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(加藤忠二) 以上で久保議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △山上文恵議員の予算総体質問 ○議長(加藤忠二) 7番山上議員。     〔7番山上文恵議員登壇、拍手〕 ◆7番(山上文恵議員) 私は、社民党呉市議団として、豪雨災害復旧・復興予算が重点に置かれた新年度予算案について予算総体質問をいたします。 東日本大震災から丸8年を迎えようとしております。8年前、忘れもいたしません。議会中でございました。テレビのある会派のところで津波が押し寄せてくる光景の報道を見ました。そして、大変な状況が次から次へと起こっている事実が突きつけられました。まだまだ復興状態にあります東日本でございます。 そして、昨日の新聞報道で、政府の地震調査委員会が青森県東方沖、宮城県沖、岩手県沖、福島県沖、茨城県沖の東北太平洋沿岸の陸に近い海域で、30年以内にマグニチュード7.0から9.0の地震が5%から50%で起きる。また、岩手県沖北部、宮城県沖、茨城県沖においてマグニチュード7.0から7.5の地震が90%の確率で起きると書かれておりました。また、二千バツバツ年のある冬の夕方、マグニチュード9クラスの南海トラフ巨大地震が起きると言われております。 豪雨災害を受けたばかりですが、日本各地で起きている地震を聞くにつけ、芸予地震のように身近でまた起きるのではないかと私たちは考えておかないといけないと思っております。 いつ何が起きるかわからないことを踏まえて、財政見通しについて質問をいたします。 豪雨災害復旧・復興予算により、被災された皆様が一日も早くふだんの生活に戻られるように、行政が努力をしなければならないと思っております。そのために、このたびの新年度予算の一般会計額が4年ぶりに1,000億円を超え、大型事業への投資を見送り、災害対応優先の予算とされていますことで、復旧・復興が進むことを願っております。 復旧・復興のためにどのようなの資金を投入されるのかと思っておりましたところ、市債発行は前年度に比べて37.3%、71億6,900万円と減少されておりますので、専決処分をされた補正予算同様に、さらに基金を取り崩されて対応されております。このような対応は仕方のないこととはいえ、不安を感じざるを得ません。 私は、基本的に借金は少なからずせざるを得ないと思っております。そして、財政調整基金は一般家庭でいいますと貯金に当たるものですから、これも少なからずあるにこしたことはないと思っております。いざというときに、貯金と借金で対応せざるを得ないと思っております。しかし、このたびの豪雨災害で、財政調整基金残高が余りにも少なくなり過ぎているのではないでしょうか。同僚議員もおっしゃっておりました。 そこでまず初めに、財政調整基金、減債基金残高見込みについてお伺いをいたします。 昨年、平成30年7月の豪雨災害により、財源調整のための基金、財政調整基金や減債基金が大幅に減少することが見込まれております。確認の意味で、財政調整基金残高や減債基金残高が、平成30年度末と平成31年度末でどのように推移する見込みなのかをお伺いいたします。 以後の質問は質問席にて行います。     〔7番山上文恵議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(加藤忠二) 当局の答弁を求めます。 ◎財務部長(阿原亨) 財政調整基金と減債基金の残高について、現時点における予算ベースの金額をお答えいたします。 まず、財政調整基金の残高は、平成30年度当初予算において15億円、また平成30年7月豪雨災害に対応するため、昨年8月の専決処分による補正予算において56億円を取り崩すことといたしました結果、平成30年度末時点で約10億4,000万円まで減少する見込みとなっており、さらに平成31年度の当初予算におきまして10億円を取り崩すことといたしました結果、平成31年度末時点では約4,000万円まで減少する見込みとなっております。 次に、減債基金の残高でございますが、平成30年度当初予算において2億円を取り崩すこととしたため、平成30年度末時点で6億8,000万円まで減少し、さらに平成31年度の当初予算で3億5,000万円を取り崩すことといたしました結果、平成31年度末時点では3億3,000万円まで減少する見込みとなっております。 ◆7番(山上文恵議員) 財政調整基金残高が4,000万円まで減少している見込みということですね。減債基金は3.3億円まで減少して、合わせて3億7,000万円の貯金といいますか、蓄えはあるということで、本当に少ないなという思いをして聞いております。 2番目の繰入金の推移の考え方についてお伺いいたします。 このたび財政当局から示されました、今後5年間の財政見通しにおいて、財源調整のための基金からの繰入金がどのように見込まれているのでしょうか。繰入金の考え方をお伺いいたします。 また、今後5年間での収支不足額を69億円と見込まれておりますけれども、財源調整のために基金からの繰り入れを考えていらっしゃいますけれども、基金そのものが残っていませんので、どのような方法で解消されていかれるのかお伺いをいたします。 ◎財務部長(阿原亨) まず、新年度予算の発表に合わせてお示しをいたしました、今後5年間の財政見通しにおける歳入のうち、繰入金についての考え方を御答弁いたします。 平成31年度は、当初予算案において、単位を億円単位とするため四捨五入はいたしておりますけれども、財政調整基金10億円と減債基金4億円の計14億円を繰入金の欄に計上いたしております。 また、財政見通しの作成は、今後の収支を明確にすることを目的といたしておりますので、平成32年度以降の欄に、財源調整のための基金繰入金を見込まずゼロとしているために、5年間で69億円の収支不足が生じるという見込みとなっているものでございます。 また、この収支不足額への対応についてでございますが、先ほど御答弁いたしましたとおり、平成31年度末時点の基金の残高では収支不足額を解消していくことはできませんが、これはあくまでも現時点における予算ベースでの数字であり、平成30年度の執行見込みでは、午前中に片岡議員へも御答弁いたしましたとおり、所要一般財源の減少が見込まれておりますし、特別交付税につきましても例年よりも多い額が交付されるものと期待をいたしております。したがいまして、決算ベースでは財政調整基金の取り崩し額を圧縮し、一定程度の残高を確保できるのではないかと考えております。 いずれにいたしましても、平成32年度以降に見込まれる収支不足額につきましては、基金の取り崩しによる対応だけではなく、事務事業の見直しなどによる歳出の削減や新たな歳入の確保に努めるなど、不断の行財政改革に取り組んでいくことにより、収支不足額の解消を図ってまいりたいと考えております。 ◆7番(山上文恵議員) 片岡議員、同僚議員もおっしゃっておりまして、その答弁も聞きまして、今もう一度言っていただいたんですけれども、果たして繰入金、収支不足額の解消が本当にできるのかなという心配をしています。 その前に、繰入金の見込みというのがどうして書き込めないのかなと思っておりまして、その書き込めない理由が今わかりました。書き込めないのではなくて、書き込まないために収支不足額を明らかに提示ができるんだということで理解をいたしました。 先ほどの収支不足額をどうやって解消するのかということで、3月の特別交付税に期待をされている。一般の事業に対しても減額ができるのではないかとおっしゃっておりますけれども、期待どおりに国からいただければいいのですけれども、こなかった場合どうするんだろうという不安を私は感じてしまっております。ある程度は入ってくるんだとは思うんですけれども、その額よってはまだまだ厳しい財政を運営していかなきゃいけないというのが迫っているということですね。入ってきても復旧・復興を着実にやっていこうと思えば、財源は厳しいと思いますし、財政運営はさらに厳しいと私は思っております。そのときに、市民サービスに一番影響が出ないようにしなければならないのが行政ではなかろうかと考えております。同僚議員もおっしゃっておりました。年々市税や地方交付税が減少傾向であって収入がありません、減少しております。今回、新年度ではネーミングライツの導入とか、利用の可能性が低い市有地の売却とか、貸し付けを考えていらっしゃるんですけれども、私はそれほどここのことにおいて期待できるものではないと思ってしまっております。 また、先ほどもおっしゃいました不断の行財政改革に取り組むと言われておりますけれども、人員削減によって2億円の削減額を見込まれているということで見させていただいても、到底収支不足額を解消する額にはならないと、これもまた思ってしまっているところでございます。 ということで、その財政調整基金をいつごろまでに今までどおりの、今までどおりということは70億~80億円の額まで基金を積み立てることができるのか、それが無理ならばいつごろまでにどのぐらいの基金を積み上げることができるのか、その点をどのようにお考えなのかをお伺いしたいと思います。 ◎財務部長(阿原亨) 財政調整基金は、年度間の財源調整機能を有していることから、健全な財政運営に資することを目的に設置をしておりまして、議員の御指摘のとおり、今後起こり得る災害など不測の事態に迅速に対応していくためには、一定程度の基金残高を確保することが必要だと私も考えております。 この財政調整基金をいつまでに幾らの残高を回復できるのかというお尋ねでございますが、先ほど御答弁いたしましたとおり、決算ベースでは本年度の取り崩し額を圧縮することにより、現地点では幾らとは申せませんが、一定程度基金の残高を確保できるものと考えておりますので、御理解をいただきますようお願いいたします。 また、地方財政法の規定に基づきまして、各年度の決算剰余金の2分の1以上を翌年度に財政調整基金に積み立てることとされておりますので、今後の予算執行に当たりましても、当たり前のことではございますが、最少の経費で最大の効果を上げられるよう執行段階においてさらなる創意工夫や見直しを行い、決算剰余金の確保に努めることにより、結果として基金残高の確保を図ってまいりたいと思っております。 ◆7番(山上文恵議員) 努力あるのみと、あとは国からしっかりいただける状況を見据えないといけないということですね。一般家庭を考えてみても貯蓄はある程度要りますし、家を建てて、大きなものを買って、ローンを組んで、借金をしながら日々の暮らしをしております。それを考えると貯蓄が少なくなると不安でたまりません。10年ぐらいたつと電化製品なども買いかえなきゃいけない、いろんなことがまた起きてくる、そのときのために貯蓄は要ります。しかしながら、積み立てる額も黒字にならないとだめなわけですから、積み立てられる額も思考段階での努力というのがそこで必要なのかなというのを今お聞きしておりますが、それこそ不安なものですからお聞きをしております。先ほども地震の問題も申し上げました。予測不能ということが起こる今の状況がありますので、万が一のことも考えなければならない、そのためにはそのときにはどうしていくんだろうかという、それも一抹の不安を全部残しております。同僚議員からも言われて、答弁もありまして、赤字体制のまま今後数年で息切れをしないようにするためにどうするんかということで、国への要望をして有利な補助金等の活用も図られるということも、先ほどもおっしゃいましたけれども、それだけでも財政見通しに光が当たってこないという思いをお伝えいたしたいと思います。 次に2番目、行財政改革のさらなる推進における職員数の適正化の考え方についてお伺いいたします。 これも、同僚議員のそれぞれ思いの中で御質問がありましたので、私は私の思いの中で質問をさせていただきたいと思います。 昨年もお聞きしておりますけれども、行財政改革のさらなる推進において歳出の抑制を図るために職員数の適正化を図り、毎年度人件費の縮減を図られようとされておりますけれども、当初予算案の概要に職員数を40人減少させて人件費の2億円を縮減すると記載されておりました。実質、今年度の退職者数と来年度の新規採用人数、どのような人数になるのかをまずお伺いしたいと思います。 ◎副市長(小松良三) 平成31年度一般会計当初予算の人件費では退職予定者94人、新規採用予定者など54人を見込んでおります。 ◆7番(山上文恵議員) 職員の20歳代とか30歳代、年代別の表を見ますと50代以降、40代以降は200人を超えた人数が確保されておりますけれども、30代、20代下がるにつれて100人前後、100人より少ない人数構成で構成をされている現在、今回また退職者が94人ということで新規予定者54人で、この54人が入ることによって年齢代別の人数構成がどう変化するのかなと思いまして御質問させていただきました。毎年、お答えをいただいておりまして、徐々に回復をさせてバランスのよい職員数の配置をしていきたいと言われておりますので、それに向けて努力をされてきている数字なのかなと思って受けとめさせていただいております。 平成31年度の当初予算の予算編成において、基本的な方針で三つの柱を掲げていらっしゃいますよね。一つに豪雨災害からの着実で力強い復興、二つが行財政改革のさらなる推進というここですね、三つがくれワンダーランド構想等々一体になった長期総合計画の実現に向けた取り組みということで、このうちの2番目の行財政改革のさらなる推進において、第2次呉市職員体制再構築計画のもと、ずっと取り組まれてきていると思いますが、その結果昨年7月の豪雨災害のときに職員数が不足しているなと私は感じてしまいました。避難所開設においてとか、職員の配置がちゃんと配備できなかったり、断水において各地区への給水においての車を運転する人も足りなかったのではないかなと思ったりしております。それは、過去において避難所の開設もしていただいて、そして、断水もありましたので断水時の給水経験もありますので、そのときから考えておりますと今回は被災範囲が広がっていたということもあるんでしょうけれども、その対応において職員数が足りないのではと思ってしまいました。 このような状況から見ても、職員数が不足しているということを私は言いたいんですけれども、これ以上の職員数の削減はしてはいけないと思っておりまして、今回の退職予定者が年齢的に60歳をお迎えになるという方々であれば仕方がないことなのかとも思いますけれども、肩たたきというか、退職勧奨を行われて減少させるということをさせてはいけないと私は思ってしまうところです。 昨年も人員削減はしないでくださいと申し上げましたから今後も減少させることなく、市民に対してのサービスの低下が起こると考えておりますから、また職員の意欲の減退にも通ずる気がしますので、適正化という言葉が、議論を先ほども久保議員もされておりませんで、私も難しい部分だなと思いつつ、この適正化という言葉についても議論は差し控えますけれども、職員数が市民に対して必要な人数であることを願います。それは、先ほども言いました災害において職員の確保、人数は必要であるという認識をしていただきたいんですけれども、市民が安心・安全に暮らしていけるように行政は市民サービスを低下させてはならないんですね。それで、そのためにもどうしても職員の確保、人数は要るんです。それも労働条件の厳しい非正規職員をふやすのではなくて、雇用の安定した正規職員をふやすべきと考えております。非正規職員の方々の雇用は契約が1年ごとで決まる不安定さと賃金の格差の中で仕事をしていかなくてはならない不公平さを感じながら、働いて暮らしていかなければならない人たちです。生きる権利、安心して暮らしていく権利を奪われるんではないでしょうか。労働者としての尊厳が損なわれていくと思っております。ということで正規職員でしっかり対応をしていただきたいと思っております。 次に、職員の関連で年齢構成、先ほどからずっと言っておりましたけれども、平成17年の広域合併後、一時的に職員数は増加いたしました。その対応のために、それ以後職員の採用を抑制されてきておりますね。その結果、現在の30歳代以下の職員数は40歳代以上の人数構成と比べると半数以下であります。将来に向けて安定的に組織運営が行われるためには、職員数の年齢構成の平準化が求められていると思います。若手職員の積極的な採用が必要と考えますけれども、市当局はどのようにお考えなのかお伺いをしたいと思います。 ◎副市長(小松良三) 職員の年齢構成の平準化につきましては、安定的な組織運営を行うために重要なことと考えております。第2次呉市職員体制再構築計画では平準化への対応について、これは基本方針にも掲げて、計画的な職員採用に取り組んでおります。正規職員の採用予定者数を20人から40人にするとともに、採用上の上限の年齢の見直しを図って実施しているところでございます。これらの取り組みによりまして、職員の年齢構成の平準化は今後着実に改善されるものと考えております。 ◆7番(山上文恵議員) 平準化が着実に行われていくということで少しばかり安心をしておりますけれども、先ほどもずっと言っておりますけれど、災害など起こったときに一人一人の命を守るためには自助、共助、そして近助、この間講義を受けまして近助という言葉が出まして、近所の助け合いが必要なんだなというのをすごく思いまして、それが強調されておりますけれども、個人や地域においては限界があるんですね。ある程度の日数までは自助、共助、近助で頑張っていけるんですけれども、その後はどうしても公助に頼らざるを得ません。インフラ整備、情報提供、災害時の避難指示や誘導、そして避難所の設置や運営、生活再建に向けたさまざまな取り組み等はどうしても多岐にわたりますけれども、その場合は公助の行政の取り組みにお任せするしかありません。そこをしっかりしていただくために人が大事だと思いますし、そのために身近な行政であってほしいとともに、人づくりをしっかりしていっていただかないといけないと思っております。市民に期待される行政、そして職員として行政運営を担っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 3番目の地域づくりと安心・安全なまちづくり、特に店舗の閉店、撤退による市民への影響について質問をさせていただきます。 昨年の豪雨災害以降、昨年の11月には安浦地区のスーパーとドラッグストアが閉店をいたしました。そして、2月28日本日付で、そして来月の中旬の2回に分けて、市内の老舗スーパーが複数閉店されるとのことでございます。復興に向け頑張っていこうというこの時期に、地域住民は大きな衝撃と打撃を受けております。日常生活に必要な買い物をする地域のスーパーがなくなるということは、移動手段を持たない高齢者の方々など買い物困難者が増加している現在、住民同士やお店の人と顔を合わせて話ができるコミュニケーションの場もなくなってくる、なくなってしまうということでございますので、本当に打撃でございます。 また、そこに働いていらっしゃる従業員の雇用の問題や、買い物をする場所がなくなることによって、逆に言えばこの地区にはいられないから他の居住地を求めて人口の流出が起こるんではないかという不安もありますし、地域の活力がそこで低下をしていくのではないか、それにつながってしまうのではないかという不安も発生しております。 市民の安心・安全を守るために行政としてどのような支援策をお考えかお伺いをしたいと思います。 ◎産業部長(大下正起) 議員御案内のとおり、地域の小売店の閉店は市民生活に大きな影響を及ぼします。市として民間事業者の経営等に直接関与することは困難でありますが、店舗が撤退した後の土地、建物所有者と、出店意向のある小売事業者、双方への迅速な情報提供や融資制度の紹介など後継店舗の早期出店に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。 また、移動販売や配達サービスなど店舗販売以外の買い物サービスについても、その情報を広く収集し、地域住民の皆様へ的確に情報を提供するほか、必要に応じて移動販売事業者などへ協力を要請するなど、当該地域への買い物サービスの参入を促し、できる限り地域住民の皆様の日常生活に支障を来さないよう取り組んでまいります。 ◆7番(山上文恵議員) 日常生活を支える支援を考えてくださっていることを感謝いたします。地域の意見をまとめて、我が地域も店舗がなくなりますので、どのようなことをしていけばいいか、みんなの要望を聞きながらまとめていきたいと思っておりますけれども、そのときにはお力をおかしください。 また、日常生活における食料や日用雑貨を買い求めるために、移動手段を持たない高齢者などの買い物困難者に対して生活バスなどの移動手段を考えていただけないかなという思いがしております。 また、交通手段においてどのような支援策が考えられるか、その点もお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◎都市部長(山崎裕) 先ほどの答弁にもございましたように、豪雨災害以降市内のスーパーが閉店いたしまして、高齢者の方が移動手段を持たない、買い物困難者がふえているといった状況がございます。直ちにそうした方々に向けて新たなバス運行をしていくというのは現実では非常に厳しい状況でございます。高齢者の方々には乗降のときに優しいバリアフリーのバスの導入も今現在、進めておるところでございますが、現在の運行中のバスを可能な限り最大限に利用していただけたらと思っております。 買い物の交通手段についてでございますけれども、ある一例を御紹介させていただきたいと思います。 安浦地区におきましては、豪雨災害により大規模スーパーが閉店いたしたため、車を運転できない方などは、バス停が近くにない別のスーパーまで買い物に行く必要がございました。そこで、このスーパーのほうにも御協力、御理解いただきながら、この2月からスーパーの敷地内に新たなバス停を新設したところでございます。利用者の声といたしましては、特に高齢者の利用者の方々からは買い物に出かけられるようになったとか、道路を横断する必要性がなく恐怖感がなく安心して買い物に行けるようになった。また、事業者のほうからは買い物のときに今までであれば自家用車で買い物に行っていた方がバスに乗られるようになったとか、それからバスの利用者がふえたというお声もいただいてございます。 今後とも、市民の皆様の利便性の向上に向けまして、引き続き努力してまいりたいと考えております。 ◆7番(山上文恵議員) 既にスーパーの中にバスを乗り入れられて、普通の国道でバスが停車しましたら後続の車に停車する時間が長かったら、乗りおりで、迷惑をかけてしまいますので、その時間は安心して乗りおりが十分できて、それもスーパーの中にあるということで、安心されて乗られるだろうなあと、今お伺いしてよかったなという思いをしております。 また、ほかの旧市内におきましても普通にバス路線を利用して買い物にも行きますけれども、高いところから、まずはカートを引きながらおりてバス停まで行ってバスに乗って、またスーパーまで行くという行程をしております地域がございますので、これはもう昔からなんですけれども、そこへ身近なスーパーがなくなったときにじゃあどうやって行こうかしら、そのスーパーに行くためのバス路線までのバスの便数が減っているとかいろいろ言われておりましたので、そこら辺も調査をしながら、またそのときには要望しに行かせていただきたいと思っております。一つの地域でそういうふうによい結果が出たということはうれしい限りでございます。他のところでも買い物困難者が安心して買い物に行ける状況づくりを何とか市のほうでも考えていただくよう、よろしくお願いを申し上げます。 2番目の災害復興におけるワークショップの内容とスケジュールについてお伺いをいたします。 先般の豪雨災害復旧・復興対策特別委員会において、呉市復興計画案が報告をされました。その中で、今回の災害で特に大きな被害を受けられた天応地区と安浦地区における地区計画を策定されるとお伺いをいたしております。 ワークショップ方式で開催されているとの説明もありました。ワークショップはどのような内容でどのようなスケジュールで行われているのかをお伺いしたいと思います。また、ワークショップに参加されている方々、構成メンバーについてもお伺いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。
    ◎理事兼復興総室長(澤村直樹) 現在、天応、安浦地区で行っておりますワークショップの内容、メンバー構成、それからスケジュールについてお答えをいたします。 このたびの豪雨災害で、特に大きな被害を受けました天応地区、安浦地区につきましては、復旧・復興に向けた取り組み方針となる地区計画を策定することとしておりまして、策定に当たっては地域住民の皆さんの意見を伺うためにワークショップを実施することといたしました。 このワークショップでは、地域住民が話し合いや共同作業などを通じまして、まちづくりに関する考え方を共有しながら住民の皆さんで考えていただきまして、復旧・復興に向けた将来のまちづくりの方向性を取りまとめていただきたいと考えております。ワークショップの構成メンバーは、地域の幅広い意見を伺うために自治会や消防団、小中学校のPTA役員、それから参加を希望されました住民など、地域のさまざまな立場の方に参加をしていただいております。また、各地区の中でも地域によって被害の状況が異なっていますので、天応地区で6班、安浦地区では駅周辺地区で4班、市原、中畑、下河内地区でそれぞれ各1班をつくりまして、班ごとに議論をしていただいております。最終的には、天応地区、安浦駅周辺地区、それから市原、中畑、下河内地区の三つの地区として意見を集約していただくこととしております。 次に、スケジュールでございますけれども、昨年12月22日から各地区におきまして順次実施しておりまして、それぞれ2回目までが終了しております。現在は発災時の被害の状況、それから避難の状況を確認した上で、それを踏まえまして復旧・復興に向けての個々の提案をいただいている段階でございます。 今後、3月中旬に3回目を開催いたしまして、ワークショップの進捗状況に応じまして、来年度以降も1~2回程度開催をし、まちづくりの提案をいただきたいと考えております。 その後、ワークショップでまとめていただいた提案につきまして実現性等を、私どものほうで検討いたしまして、来年度の上半期を目標に地区計画を策定してまいりたいと考えております。 ◆7番(山上文恵議員) 詳しくお聞きしたので、安浦も天応でもそれぞれ被災状況が違う人たちが集まって話し合われても違う意見がすごい飛び交ってしまうんで、班に分かれてやられるのが一番いいなと思っておりまして、そのようにされているということで安心をしたところです。あとは若い方がいらっしゃるのかなと思っておりましたら、PTAの方が入ってらっしゃいますので、それぞれに若い方の意見をどんどん聞いていただきたいという思いがしておりますので、入れていただいてよかったと思っております。あとは、どういう提案が上がってくるかということで期待をしておりますし、そのように皆さんが望まれるまちづくりが今後できることを願っております。 あと、平成31年に行われるまちづくりのゾーニングという言葉が出ておるんですけれども、このまちづくりのゾーニングというのはどういうことなのかを1点お聞かせ願えたらと思うんですけれども、どうでしょうか。難しいですか。 ◎理事兼復興総室長(澤村直樹) 今申しましたワークショップの結果、地区計画をつくりますけれども、これがまさにまちづくりのゾーニングになってこようかと思います。 ◆7番(山上文恵議員) わかりました。今そういうゾーニングに向けてということで、それぞれをやっていかれるということですね。 それでは、4番目ですね。海に面したまちとしての利点活用策についてお伺いをしたいと思います。 当初予算案の32ページにも新規事業として書かれております呉港へのクルーズ客船誘致についてなんですけれども、豪雨災害で陸路が閉ざされたときに航路を利用されて人や物資が運ばれております。海に面したまちだからこそできたことだと私は思っておりまして、海に感謝をしております。その海を活用した呉港の観光遊覧船もありますし、このたびの32ページに掲げられておりますクルーズ客船で来ていただくように働きかけられる事業が提案をされております。広島や廿日市等へ大型客船が入港したというニュースもありまして、呉にも入港してくだされば海に面したまちの利点活用策の一つとしてとてもよい取り組みになるのではという思いもしております。真っ白な大きなクルーズ客船が呉港に停泊する、呉港ではなくてこっちの川原石港だとは思うんですけれども、停泊する光景、私は両城の上からいつも海上自衛隊の護衛艦やさまざまな船を見ることもでき、そして造船所のタンカー等もいろんな船が停泊している場面を見て、呉ってこういう景色がすてきだなという思いをしておりますので、上に上がったら必ず海を眺めで一息つかせていただいております。そういう見なれた光景の中に白い、真っ白な大きなクルーズ客船が停泊していたら、またイメージが全然違ってくるかなという想像をしております。 そして、それによってお越しくださるクルーズ客の皆さんが呉に立ち寄っていただいて、また経済効果を増していただけるように期待できるものかなという思いがしておりますので、そのクルーズ客船に対して、じゃあどのような大きさのクルーズ客船が来るのかしらと疑問を持っております。その船の大きさ、それから乗られている方々、そして国籍、そして年齢構成、それから大体旅行だと思いますけれども、その中にもいろんな思いの目的を掲げてこられる、乗ってこられるという思いもしておりますので、呉市の観光資源をどれだけその方たちに伝えることができるのだろうかとか、どういうところを好んで来られるのだろうかを想像しながら考えております。 このクルーズ客船の大きさ、どのくらいの船の大きさで、何人ぐらい乗ることができる船で、どこの国の方々が乗ってこられるのか、そして多分世界一周も含めて高齢の皆さんが乗ってこられる気もいたしますけれども、若い人もいらっしゃるかもしれない、大体の年齢構成をどのように考えてらっしゃるのか、そして旅の目的というのがありますよね、日本ならこういうところへ行きたいとか、そういうことも思っていらっしゃると思いますので、そういう目的などいろいろお聞きしたいので、その点をどのようにお考えなのか、実際どういうところをターゲットにしてポートセールスを行っていらっしゃるのかお伺いをしたいと思います。 ◎産業部長(大下正起) まず、ターゲットとしている客船のクラスであるとか客層、これをどのように考えているのかという御質問でございます。 対象の客船や客層につきましては、呉市の港湾施設の能力でありますとか、観光資源の内容、特性を考慮いたしまして、歴史や自然に興味のある日本及び欧米の高齢者、それから富裕層が多く乗船する3万トン未満の中小型船を考えております。なお、中小型船と申しましても船の長さは100メートル以上あり、乗客も数百人規模のラグジュアリータイプと呼ばれるクラスを対象としております。 ◆7番(山上文恵議員) 船の長さが100メートル以上ということになりますと、私は広島の100メートル道路を想像しながら、その距離感を思ってしまうんですけれども、そういう中で、多分船の中には映画館があり、プールがあり、ランニングコースがあり、とか多分そういう客船が多いので、そういうものかなと思いながら聞かせていただいておりますが、人数的にも数百人ということで、かなりの数の皆さんが来られる、そしたらそういう方たちをじゃあどういう形で呉市の中にお招きするのがいいのか、どういうプランにされるのがいいのか、どういう形で受け入れを考えてらっしゃるか、そういう点をお伺いしたいと思います。 ◎産業部長(大下正起) まず、クルーズ船の受け入れ方でございますけれども、クルーズツアーの前後の寄港地や滞在時間など船主の要望に柔軟に対応するため、呉市中心部の岸壁へ接岸し直接上陸する方法と島嶼部の周辺海域に停泊し、小型船で小さな港に上陸する方法、これらを提案し、できるだけ船主が呉市の観光地を選択しやすいようにポートセールスをしております。 また、大型クルーズ客船のお客様に対しては、広島港のほうに寄港していらっしゃいますので、バス1台からオプショナルツアーなどで呉市に来ていただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆7番(山上文恵議員) クルーズ船の受け入れ方、私はすぐ呉港を考えてしまいましたけれども、そういう意味ではなくて沖合へ停泊してそこから小型船で上陸することも可能だよということをお聞きしまして、ということは呉市の島嶼部の小さな港湾施設へも上陸が可能なんだなということをお聞きして、それはいいことだな、呉港に来られてそこからバスで行かれるよりはせっかくの船と島々の多島美というか、海から見る景色のすばらしさを満喫していただいて、島嶼部へ行ってそこで上陸をしていただいて、さらに自然のある風景を身近で感じていただいて、さらに朝鮮通信使等のその時代の歴史を感じていただきながら、そういう時代を伝えられる建造物、さらには美術館もありますし、いろんなところを散策していただいて、見ていただきたいなという思いに今なっております。それこそ、産業建設委員会でも皆さんいろいろ意見を出されておりますから、そういう意見に合致したものなのかなという思いもしておりますね。 そこにはプランというものが必要だなと思いますね。ポートセールスをされるんであってもこういうところがありますよ、こういうところを選ぶにしても、たくさんこういうプランがあって、そういう中でここはこういうところをぜひ行ってみてくださいとかをセールスしていただかないといけないと思います。 皆さんに観光資源の何を見ていただいて、どこに行っていただいて、何を体験していただいて、何を感じていただくか、そのプランを打ち出さなくてはならないという思いがしていますので、クルーズ船の会社に対して呉市の観光資源を紹介していかれるとは思いますけれども、どのように紹介をする予定にされているのか、そこら辺をお伺いしたいと思います。 ◎産業部長(大下正起) クルーズ客船誘致に係る船会社への観光資源の御紹介についての御質問でございます。 議員御案内のとおり呉市には魅力あふれる観光資源が豊富にございます。市内中心部は鎮守府や海軍工廠などの遺構が日本遺産に認定をされております。また、瀬戸内海国立公園に指定された島々や山は美しい自然を有しておりますし、多様な歴史文化も有しております。例えば倉橋島には平清盛伝説の音戸の瀬戸、遣唐使船の歴史、とびしま海道にはユネスコ世界の記憶に認定された朝鮮通信使に関する資料、日本遺産に認定された北前船などの歴史を伝える御手洗の町並みなどがございます。さらには県民の浜や桂浜、野呂山は美しい自然を体感できるスポットであり、カヤックやサイクリング、ハイキングなどのアクティビティも楽しむことができます。 一方で、クルーズ船会社の求める観光資源や滞在時間はさまざまでございます。先ほど申し上げました観光資源をクルーズ船の船会社のニーズに応じて御紹介をさせていただいているという状況でございます。 ◆7番(山上文恵議員) ニーズに応じてということなんですが、こちらがしっかりこういうところもありますよという積極的なアピールをもってポートセールスをするべきだと私は思いますので、いろんなものを提示しながら、ここへ行ったらこういうものが見れます、こういうふうに、どう感じてくださるかわかりませんけれども、こういう体験をしていただきたいんですとか、こちらがいいところをどんどん前面に出してポートセールスをしていただきたいなという思いがしておりますので、よろしくお願いしますね。 クルーズ客船では、基本的に宿泊は船の中ですよね。食事も基本的に多分船の中だと思うんですけれど、お昼ぐらいに上陸されていたら陸地で食事を召し上がってもらえるのかなという思いがしているんですけれども、ぜひ、呉の地で食べれる食材を船に、そのクルーズ船に買っていただいて、そのクルーズ船の中でお客様に食事を出していただくという方法も考えられるんじゃないかなという思いがしています。お宝トマトとかおいしいですよね。魚もおいしいですし、ネギも刻んでかけるということがヨーロッパ、北欧、どうなんですかね。ヨーロッパの方々がどう受けとめられるかわかりませんけれども、そういう香辛料的にも使えますし、それからイノシシの肉も結構ヨーロッパの方は好まれて食されるとお聞きしておりますので、そういうものもぜひ呉市で調達ができる、そして呉市のものを食べていただくということもぜひセールスをしていただければありがたいなという思いがしています。呉市が潤うのであって、呉市にあるものをしっかり紹介し、見てもらい、そして食べてもらうという、そこまで全部していただくと、セールスとして来ていただく方へおもてなしができるのではないかと思いますので、よろしくお願いしますね。 友人が、リゾート地を呉につくって、滞在型観光のプランをつくったらどうかという話をしたんです。リゾート地には、そばにゴルフ場があったり、美術館があったり、観光地があったり、釣り場があったり、泳ぐこともできるところもあれば、船で宮島や広島に送迎することもでき、また戻ってきて滞在をするという形のリゾート地、呉はかなり狭い土地柄ですので、どこにできるかと考えながら、そんなリゾート地ができ上がればうれしいなという思いがしております。そういうところも含めて、ぜひ観光振興課の皆さんにはそういう視点でも見ていただいて検討してみてくださればありがたいなと思います。 もう一点、3月3日はひな祭りの日でございます。いろいろな地でひな人形を飾られて、町並みを散策できるようにされたり、回遊性を持たせて日本固有の伝統文化を見ていただくことが今行われております。結構遠くまで皆さん見に行かれることも多いです。 そういうことで、呉市にあるひな人形を1カ所に集めて展示し、常設ですね。ヨーロッパの方々やアメリカの方、富裕層の皆さんに日本の固有の人形というひな人形を見ていただいて、堪能していただくとかもするといいのではないかという思いがするんです。それは、今だんだん高齢者の皆さんが亡くなられて、ひな人形が置いてあっても、それは廃棄される状況にあるんですね。せっかくいいひな人形があっても、それが廃棄されてしまう、寂しい思いがしております。歴史的に古いものもお持ちなっている方々も多いです。そういう方々のためにも、それを市のほうが受け入れて、体育館に全部集めて飾られていたのもニュースに出ておりましたけれども、1カ所に集めて展示をされて、そういうクルーズ客船で来られた皆さんに観光地めぐりもいいですけれども、ひな人形とか端午の節句のかぶとなども入れてもいいですし、そういうものを見ていただいて日本固有の伝統文化、そういうものを見ていただくことも一つの策ではないかと私は思うので提案をさせていただいて、考えていただきたいなと思っております。 それから、観光客にどういうことをして感動を与えていくかということですよね、その点で。 最後に、ごめんなさい、本当は質問をしなきゃいけなかったんですけれども、都市づくりの呉駅周辺地域総合開発の推進について、皆さん同僚議員が質問されておりまして、私は一言だけ言わせていただきたいなと思います。呉市の玄関である呉駅の周辺の開発というのは早くしていただかないと。旧そごうが閉店してから寂しい思いをしておりますから、全体的に開発されるということは期待をしているところでございます。おばさんの発想なんでございますけれども、呉市内外からの人の集客を図るときに、特に若い人たちが集まれる楽しい場所、楽しめる場所、イベントが行える場所というものをそこの一角につくっていただくといいなと思うので、そこを要望させていただきたいと思います。これは利用者である若い人たちに本当は意見を聞かないといけないので、そこの調査も含めてしていただいて、呉市がさらに若い人たちが元気になれる場所にさらになることを期待し、そして災害からの復旧・復興に向けて呉市が一歩ずつ頑張って、皆さんが日常の生活が取り戻せる呉市になることを期待しておりまして、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(加藤忠二) 以上で山上議員の予算総体質問を終わります。 午後3時5分まで休憩いたします。            午後2時48分     休   憩      ──────────────────────────────            午後3時05分     再   開 ○議長(加藤忠二) 会議を再開いたします。      ────────────────────────────── △谷本誠一議員の予算総体質問 ○議長(加藤忠二) 休憩前に引き続き、予算総体質問を行います。 17番谷本議員。     〔17番谷本誠一議員登壇、拍手〕 ◆17番(谷本誠一議員) 皆さん、こんにちは。私は自然共生党として、大きく3点に絞って予算総体質問を行います。 第1は、合併町地域まちづくり振興事業補助金に係る抜本改革についてであります。 これは、平成28年度における包括外部監査から意見具申されたもので、合併町地域まちづくり振興事業における合併町への毎年度一律300万円の補助金は、合併後12年から14年を経た今日、一定の成果を上げたとして公平性の観点からも類似事業であるゆめづくり地域交付金との統合を図るべしとされました。それを受けて私は平成29年9月定例会一般質問の場で当局にただしたわけですが、監査意見の重みを鑑みて制度改革を現在検討しているとの答弁を引き出しました。その際、下蒲刈町は平成30年度まで、他の7町は平成31年度までが計画期間なので、それに間に合わせるよう制度設計を講じるため早急に検討を煮詰める必要がありました。ところが、本当に検討しているのか、単なるその場しのぎの言葉のマジックでその後人事異動があるのを待っているだけなのか、全く動く気配すら見えてまいりません。具体的に関係機関たる企画課、地域協働課、財政課が検討チームを立ち上げて、何度か協議したのか、その検討手法や動向について、まずお伺いいたします。 これより質問席に移らせていただきます。     〔17番谷本誠一議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(加藤忠二) 当局の答弁を求めます。 ◎企画部長(近藤昭博) 旧合併町地域を含めまして、地域で伝統行事やイベントを継続することは、地域のにぎわいの創出、地域住民の交流、人材育成等地域力の向上のために大変重要でございまして、これらの地域活動に対する一定の支援は必要であると考えております。 制度の見直しに当たりましては、旧合併町地域に限らず、旧市内のまちづくり委員会、まちづくり協議会を含めた市内全域を対象とする制度とすることを検討しておりまして、これまでにも市民部等と継続して協議を進めているところでございます。 ◆17番(谷本誠一議員) これは大改革ですからね。プロジェクトチームをつくってやるぐらいじゃないと、これはなかなか成果が上がらないと思うんですよ。だから、担当部署で部署間で検討を進めているぐらいでは、これは難しいのではないかと思います。 ところで、東日本大震災合併特例法が改正され、建設計画期間がこれまでの15年から20年に延長されました。それを受け、本定例会においても合併建設計画の期間延長を含む議案が提出されています。同法が制定された平成23年度にも計画期間を当時の10年から15年に延長した際、それに便乗する形で議会に一切説明することなく事業費を300万円ずつ計2,400万円を計上し、それが今年度まで続いてきました。ということは、もし再度の5年間延長を含む計画変更が議決された場合、下蒲刈町は新元号5年度まで、他の7町は新元号6年度まで、各町への補助金300万円が継続される懸念が出てまいります。となれば監査意見を無視することになりかねません。昨年12月の議会協議会で私がこのことを質問したところ、企画部長は事業統合を含む改革は計画期間に影響されることなく、別途講じていきたいと答弁されました。ところが、新年度予算を見ますと、またもや2,400万円がそっくりそのまま計上されているではありませんか。本来なら下蒲刈町には計画期間オーバーとなるところです。これでは議会が計画延長を認めてくれるのは確実だと決め打ちしているようなものです。議会軽視も甚だしいわけですよ。今後もずるずるとばらまきを続けるのではないかと懸念が拭えません。このような惰性を避けるために、そして各合併町にも覚悟していただくと同時に、準備期間を与えるために改革年度を明示する必要があります。その目標年次を掲げて逃げ場を断つことをしないと、いつまでたっても抜本改革はできないでしょう。当局の御所見をお伺いいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) 昨年12月の議会協議会でも申し上げましたとおり、合併町地域まちづくり振興事業補助金の交付期間と、合併建設計画の延長期間とは切り離して検討しているところでございまして、合併建設期間が5年間延長となりましても、その認識に変わりはございません。 また、議員御案内のとおり旧合併町地域には、特に安浦町のように昨年7月の豪雨災害で甚大な被害を受けた地域もございますし、新たな制度へ移行するにしても一定程度の周知期間と地域の準備期間が必要であると考えております。いずれにいたしましても、市民部と新たな制度設計を行いまして、方針が決定いたしましたら、議会に御報告するとともに、地域にも十分周知を図りながら、新たな制度へ移行できるよう努めてまいります。 ◆17番(谷本誠一議員) 結局、私が申し上げているように、後を断つための区切りというのは設定できないという答弁であります。ということは、この計画期間の延長とこちらの改革、補助金改革は別だと言いながらも、結局はその延長期間に合わせる形で結果的になるのではないかと懸念しておりますので、そこら辺はよろしく肝に銘じてお願いをいたします。 一方、過疎化が急速に進展している浜田市では、地域の課題解決に向けた独自事業を一部のまちづくり委員会が展開しておられます。例えば、地域内スーパーの閉店を受け、わくわくマーケットを町内スーパーマーケットが行う移動販売に合わせ、週1日開店するようにしました。また、高齢者等の交通手段として運輸局に登録しての公共交通空白地有償運送をスタートしました。市から車両の無償貸与を受け、運転手は住民みずからが務めておられます。呉市でも一部のまちづくり委員会が地元タクシー会社と組んでコミュニティバスの運行をしてはいますが、あくまでも交通政策の一環であることに違いがあります。また、朝市を展開しているまちづくり協議会もありますが、その開催頻度が違うようです。呉市ではまちづくり委員会等における収益事業は認めていませんが、浜田市では新しい公共として地域協働を位置づけるために、収益事業にまで門戸を開放するお考えのようでした。これは発想の転換とも言えますが、呉市においての御所見をお伺いいたします。 ◎市民部長(市本勝英) 収益事業の解禁等についてのお尋ねでございます。 現在、市内28地区のまちづくり委員会等では、地域課題の解決に向け、みずから地域まちづくり計画を策定され、さまざまな地域公益活動に取り組んでおられます。このまちづくり委員会等がゆめづくり地域協働プログラムに基づく交付金を活用して行う事業等につきましては、この地域まちづくり計画に基づく市民公益活動に限定されるものでございまして、交付金を活用しての収益事業はできないものと考えております。 ただし、まちづくり計画に基づく事業等とは別にまちづくり委員会等で自主独立し、地域課題の解決につながる公益的な収益事業に取り組まれることは特に制限はしておりませんが、これまでのところ収益事業に関する御相談は受けておりません。呉市が目指す協働型自治体に向けて、地域の課題に合わせた住民が主体となった公共的サービスの提供は必要と考えているところでございますので、御紹介の先進事例も含めて研究し、今後地域力の向上に役立ててまいりたいと考えております。 ◆17番(谷本誠一議員) ゆめづくり地域交付金を活用して、収益事業ができるかできないかというのは、まだそこに一定のルールをはめればできないことはないと思われます。要は、この可能性を広げていくということは地域の活性化において重要なことであると思うわけです。実際、呉市では昭和地区まちづくり委員会は指定管理者を受けておられますから、これは収益事業の一つなんですね。だから、先鞭でやっているところもあるわけですから、ぜひ御検討いただければと思っております。 ところで、合併町は地域の伝統行事が多く、まちづくり振興補助金がカットされれば過疎に輪をかけてしまいかねないリスクをはらんでいることも事実です。旧市内まちづくり委員会との公平性を図りつつ、かつ伝統行事も継続させるため、浜田市の地域の課題を解決する独自事業に着目してみました。 同市では、地域協働を支援する財政的裏づけとしてまちづくり総合交付金制度がございます。これは均等割、世帯割、面積割の合計で基礎額をまず決め、そして計画に基づき実施する事業経費として活動費を上乗せいたします。これが30万円から200万円の範囲であります。そして、驚いたのがまちづくり推進委員会が独自に課題解決に取り組む事業に対して課題解決特別事業費がさらに上乗せされるシステムとなっておりまして、この交付金制度は3階建て構造になっていることがわかりました。しかもこれは、プレゼンテーションを受けて事業採択されるもので、第三者の目が入ることが特徴です。つまり通常必要とされるまちづくり経費というよりも、その地区独自の課題を住民みずからの知恵と力で克服しようとする事業への上乗せということになります。 本市においてはその原資として地域振興基金を取り崩すことなく、また類似の地域協働に係る市民の寄附や本庁舎自動販売機収入を充てた市民公益活動支援基金も合体させて新たなまちづくり総合交付金制度の構築を目指すというのはいかがでしょうか。その際、類似事業である市民ゆめ創造事業や子どもまちづくり事業、そして今年度スタートしたばかりの緩やかなお節介事業も一括統合させるのです。そうすれば、必要な事業を許された財源の中から各まちづくり委員会等が地域の実情に合わせて取捨選択できるというわけです。ちょうど今年度と来年度が市内全まちづくり委員会等の10カ年計画改定期に該当しており、抜本改革のよきチャンスを迎えていると言えましょう。御所見をお伺いいたします。 ◎市民部長(市本勝英) まちづくり総合交付金の創設についてお答えをいたします。 呉市ではゆめづくり地域協働プログラムに基づき、ゆめづくり地域交付金をベースに各まちづくり委員会等に対する財政的な支援を実施しております。あわせて、地域ごとの個別の課題に対応するため、その時々の実情に合わせまして市民ゆめ創造事業、まち普請事業、子どもまちづくり事業等のメニューを用意して、各まちづくり委員会等が行う積極的な地域活動に対しての支援を行っているところでございます。 議員御提案のまちづくり総合交付金も、地域の実情に合わせた支援策の一つであると考えられますが、呉市における支援制度の見直しに当たりましては、これまで継続して実施してこられたまちづくり活動等に支障が生じないよう慎重に行う必要があるものと考えております。御提案の制度も含め、他都市の実例等について、その効果や課題について研究し、呉市の現状に合わせた支援策等について検討していきたいと考えております。 ◆17番(谷本誠一議員) 今、市民部長から地域協働の観点で答弁がされたんですよ。だけれど、今回のこのテーマは役割を終えた合併町地域まちづくり振興補助金、これをどう今のゆめづくり地域交付金と統合して、そして合併町も独自の事業をやりやすいようにしていくか、そして不公平感をなくすかという、企画部と市民部が一緒になってやる大きな改革でございますので、よくよく肝に銘じていただきたいと思います。 第2は、指定管理のあり方についてであります。 去る12月定例会における不肖による一般質問では、呉市100%出捐団体たる公益財団法人呉市体育振興財団の新元号2年度からの指定管理を、これまでの非公募ではなく、公募も含めて検討する旨の若干突っ込んだ答弁がございました。同様に呉市が100%出捐している公益財団法人には、例えば呉市文化振興財団とくれ産業振興センターがございます。一方、平成15年の地方自治法改正における指定管理者制度の導入は、公共的団体のみが公共施設の管理、受託できるのでは競争原理が働かないことによる無駄な出費やサービス低下につながる問題が生じたことに端を発しています。 また、平成21年度に策定した指定管理移行計画では、公募を原則としつつも明らかに公募が非効率である場合において非公募ができるとしています。平成26年12月定例会での不肖による議案質疑では、明らかに公募が不利益となる理由を3点上げておられましたが、補足説明が必要だったということは明らかではない証左とも言えましょう。 この明らかに公募が不効率になる公益法人はくれ産業振興センターです。これは施設管理の目的ではなく、地場産業や中小零細企業の育成支援を目的に設立されたものだからです。ということは呉市文化振興財団による文化ホールや呉市美術館の指定管理も期間が新元号元年度までですが、同様に公募も含めて検討するものと考えてよいか伺っておきます。 ◎文化スポーツ部長(上東広海) 現在、文化ホールや美術館の管理、運営を行っている呉市文化振興財団は、芸術、文化の振興、教育普及活動などの事業を行うことで市民文化の向上や発展に寄与することを目的に設立された呉市の出資法人でございます。 前回の選定の際には、当財団が公益財団法人化されたことにより、より公益性が高く安定的、効果的な施設の管理運営ができるようになるということから、市民サービスの向上につながるものと考え非公募としたものですが、次期指定管理者の選定に際しましては他都市の実例などをよく調査し、検討してまいりたいと考えております。 ◆17番(谷本誠一議員) 確かにこのときも、私も議論をさせていただいたわけなんですが、今おっしゃったように当局は明らかに非効率だという移行計画の、それを根拠に理由を言った。だけれど、それはしょせん無理があったわけですよ。 他の特例市は非公募が多かったということもそのときに事例に挙げられたと思います。だけれど、これはこじつけにすぎないと思うんですね。ここは、指定管理制度を導入した地方自治法改正の原点に立って立ち返り、公益財団法人であったとしても公募に再度転じるべきと考えますが、この明らかに非効率だという無理やりのこじつけ、そこのところがどうも納得いかないままでくすぶっておりますので、もう一度御見解を伺います。 ◎文化スポーツ部長(上東広海) 前回の文化施設の指定管理者の選定に当たりましては、呉市文化振興財団が公益財団法人化したこと、市の事業と財団の公益目的の事業とを一体的に展開できること、財団の設立目的と施設の設置目的が合致していること、こういった三つの理由により非公募としたものです。 文化ホールで開催されるコンサートや美術館の企画展などは、数年単位にわたる交渉と相手との信頼関係が必要となってまいります。文化振興財団は著名な演奏家、芸術家、エージェント、さらには地域の文化団体などと連携、協力体制を築いてまいりました。次期指定管理者の選定については、繰り返しとなりますが、他市の状況、先ほど言いました事業の継続性、安定性なども考慮して検討してまいりたいと考えております。 ◆17番(谷本誠一議員) 一応、検討するということだから、公募の可能性が出てきたということで前向きに解釈をしておきます。ただ、この明らかに非効率の三つの理由については、あくまでもそれは財団側に立った、いいような解釈と指摘しておきます。 ところで、本市では指定管理者へのモニタリング評価を呉市みずからが実施しています。しかし、これでは身内に甘い評価となってもおかしくはありません。現にグリーンピアせとうちの指定管理者だった株式会社ゆうとぴあセトウチにおいては、結局指定管理協定を破棄せざるを得ない状況にまで追い込まれました。その間、取引業者へも支払いを滞らせとった。また、スポーツ会館の指定管理者である体育振興財団が食堂業務を再委託する際、スポーツ施設条例を無視して食堂使用料や光熱費も実費徴収せずに、逆に委託料と称して事実上の補助金を支出しておったことがわかりました。そればかりかその業者が撤退してしまい簡易縮小営業にもかかわらず、食堂、厨房機能が頓挫した状態だったのです。それでもAランク評価とはあいた口が塞がりません。 また以前は、蘭島文化振興財団が春蘭荘において宿泊施設であるにもかかわらず、条例を無視して勝手に宿泊料を大幅に下げ、迎賓館扱いしておりました。ということは、多少経費がかかっても第三者機関によるモニタリング評価に切りかえたほうがよいのではないでしょうか。横浜市を初め、それを導入している市も幾つかあります。そして、川越市のように指定管理者が雇用している従業員等への労働条件審査をモニタリングとあわせて実施している自治体もあるのです。そこで、本市においても第三者モニタリング評価制度を導入するお考えはないかお尋ねいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) 本市のモニタリング評価は、施設管理課の職員が管理運営の取り組み状況や利用者の満足度及びサービスの向上の取り組みなどについて評価をしておりまして、また昨年度からはグリーンピアせとうちの件を受けまして、決算書や財務諸表の見方などについて講師を招いて研修会を開催するなど、以前にも増して厳しく評価に当たっております。したがいまして、市の職員の評価であっても指定管理者に対して甘い評価になっているとは考えておりませんけれども、議員御案内の第三者評価につきましては評価の客観性、透明性をさらにより一層高めるために有効な面もあると考えられるため、他都市の取り組み事例などについて調査研究をしてまいります。 ◆17番(谷本誠一議員) ぜひ、これは前向きに進めてほしいなと思っているわけでございます。 次に、インセンティブ付与について考察してみたいと思います。 昨年12月定例会における野呂山周辺施設指定管理議案において指定管理料収入を含め収支とんとんの計画を出させ、それ以上の利用客収入があれば、その分がそのまま指定管理者のインセンティブになるとの御答弁がありました。ただこれでは、収益が計画段階から見込まれておりませんので応募者としてはうまみに乏しく逡巡してしまうわけです。 ところが、工業用水施設における株式会社水みらい広島への指定管理議案では計画段階から年間45万円程度の収益を計上していたのです。これは非公募提案なので、広島県の工業用水施設同様の考え方を堂々と踏襲したものです。ということは、指定管理料が生じる指定管理の応募において、インセンティブの考え方が異なるということになります。大体収益を予定していない計画策定では、企業の応募意欲をそぐことは間違いないでしょう。交通局の民間移譲にしても、指定管理料に匹敵する経営支援補助金において収支計画に2%ののり代をつけており、インセンティブが目に見える形で付与されているのです。当局の考え方をこの際、整理してお示しください。 ◎企画部長(近藤昭博) 指定管理者制度運用ガイドラインにおきまして、指定管理者制度を効果的に運用するためには、指定管理者の創意工夫や経営努力に対する意欲を高める動機、インセンティブの付与が有効であると記載しております。このインセンティブの付与の例といたしましては、利用料金制度がございまして、利用料金制度をとっている施設は指定管理に出している施設の3割強程度でございますけれども、こういった施設にはインセンティブが働いている一方、指定管理料のみで施設管理している場合はインセンティブが働きにくい面があると我々も認識しております。いずれにいたしましても、指定管理者制度の効果を最大限に発揮できるよう、施設ごとに適したインセンティブの付与について施設所管課に促してまいりたいと考えております。 ◆17番(谷本誠一議員) 今、利用料金制度そのものがインセンティブとおっしゃったけれど、これは手を挙げる業者からしたら、逆に収入が少なければ赤字になるわけですから、逆にリスクもはらんでるわけですから、それをもってインセンティブだというのは飛躍しているじゃないかなと思っております。 ところで、体育振興財団や文化振興財団、野呂山観光開発公社や株式会社県民の浜、倉橋まちづくり公社、蘭島文化振興財団、NPO法人ベンチャーかまがりでは、公共が出資し、その設立経緯から登記簿謄本における指定管理対象施設が本部となっています。となりますと一般管理費がわずかで済み、公募の際、収支計画策定段階で最初から有利な状況下にあるのは否めません。ましてや野呂山観光開発公社においては、退職手当引当金を合併前は行ってこなかったわけで、現在は合併前の就職者に限って引き当てを行わず、退職金は一般会計から支出しているのです。ということは、少なくとも現在公募選定を行っている野呂山関連施設、県民の浜関連施設、桂浜温泉館周辺施設、であいの館においては公募段階から不公平が存在していることになります。スポーツ会館や文化ホール、松濤園が本部になっている体育振興財団や文化振興財団、蘭島文化振興財団においても、今後公募となれば同様のことが言えます。公募にするということは、競争原理を働かせることとイコールですが、公正な競争を阻害している要因がここにあるわけです。 そこで、今後公平性を担保した公募を実施するに当たって方策を検討しておられないのかお尋ねいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) 指定管理施設内に事業所を持つ事業者は、そうでない事業者よりも経費の面で差が出ていると考えられますが、審査をする上におきましては、施設の適切な維持管理、施設の利用促進、管理能力などの審査項目もございまして、経費の面だけをもって大きな不公平とは言えないと考えております。 しかしながら、公平性をもって競争原理を働かせることは、指定管理者制度を有効に運営していくために重要なことと認識しており、今後とも公募を実施する際には公平性ができるだけ保たれるよう所管課に対し指導を行ってまいります。 ◆17番(谷本誠一議員) 答弁が若干ごまかしがあるんですよ。 適切な維持管理、利用促進、管理能力などは、これらの審査項目はあくまで応募者の努力の範疇なんです。ところが、最初から事務所が公共施設内にあるという事実は、これは他の応募者の努力が及ばない点において不公平であると言っているんです。 そこで、公共施設内に登記簿上の事務所がある場合は、一般管理費の減額分を収支計画の評価における減価事項とするという提案をしておきます。 対策を各施設管理部署に投げるのではなく、資産経営課、企画部が統一基準をつくるべきと考えますが、再度お尋ねいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) 繰り返しになりますけれども、できるだけ公平さが保たれる指定管理制度の公募制度についてこれからも努力をしてまいります。 ◆17番(谷本誠一議員) 言葉では簡単ですけれど、そのために私は具体的に統一基準をつくるということを言っとるんだけれど、それはやらないというマイナスの答弁ですわ。 第3の柱は、呉駅周辺地域総合開発の基本計画策定等についてであります。 これには、新年度予算として2,500万円が計上されています。まず、一昨年9月に開かれた総務委員会でそごう跡地の公募型プロポーザル方針が示されました。その際、建物と土地の権利者を株式会社そごう・西武、日本通運株式会社、呉市の3者に集約した上で実施するとして、既に建物における個人権利者5名のうち4名はそごう・西武が買い取ったということでありました。残り1名は権利売却には同意をいただいているものの事務手続だけが若干おくれており、3者に集約でき次第、早急に呉駅前再開発ビル管理組合として公募を実施することで議会に報告するとの説明があったわけです。その後、1年8カ月もたった昨日の同僚議員に対する答弁でも、全く進捗がないことが判明いたしました。では、なぜそのような曖昧な状況下で早々と勇み足的に見切り発車で発表してしまったのか、その理由について伺います。 ◎企画部長(近藤昭博) 権利集約につきましては、昨年6月及び11月の総務委員会、さらにはきのうの本会議におきましても御説明したように、現在残っているのは個人権利者では1名のみという状況でございます。この権利集約を開始するに当たりましては、あらかじめ当時の権利者全員で構成いたします呉駅前西再開発ビル管理組合におきまして、土地建物の一括売却に向けて管理組合が一体となって取り組んでいくということで、権利者全員の同意をいただいた上で、平成29年6月以降、そごう・西武において権利の買い取りを進めていただいているものでございます。 それを受けて、平成29年9月の総務委員会の行政報告の時点では、6名中既に5名の個人権利者の買い取りが完了し、残る1名につきましても所有権移転のための具体的な手続を残すのみとなっていたものであり、その旨を報告したものでございます。しかしながら、その後この個人権利者の個人的な財産上の御事情で手続を進められないという想定しなかった状況が生じ、プライバシーの関係がございますのでこれ以上は詳細に申し上げられませんけれども、いまだ権利集約が完了していないという状況でございます。これは、権利集約に反対に転じたというものではなく、また対呉市という問題でもございませんので、直接呉市が何らかの解決策を講じるということできませんけれども、我々といたしましてはできるだけ早期に権利集約を完了していただくようそごう・西武にお願いしている状況でございます。 ◆17番(谷本誠一議員) もし権利集約ができても、新しい市長が今度は開発方針を変えられたわけですから、また前に進まないんじゃないかと思いますね。 前市長のときは、そごう跡地再開発はあくまでも民間主導で行い、呉市は一権利者で臨むとのスタンスでありました。呉駅前再整備は呉市の役割として、そごう跡地開発とは切り離して実施するとしていたものであります。ところが、新政権になって、そごう跡地も呉駅前周辺地域全体としての再開発に含まれるとして官民連携方針への転換を明言されました。これには公費投入がかなりかさんでくることが目に見えています。現に昨年5月、そごう跡地を含む呉駅周辺総合開発に関する調査が、国土交通省の先導的官民連携支援事業に採択され、呉市の2,000万円の予算のうち1,300万円の国庫補助が認められた経緯があったわけです。呉市の財政における今後5年間の収支不足が、昨年の豪雨災害影響分の11億円を含め69億円と見込まれる中、公費支出が大幅増となる官民連携による総合開発は避けるべきと考えますが、財政事情を無視して官民連携シフトに転換した市長のお考えをお聞かせ願います。 ◎企画部長(近藤昭博) 呉駅周辺地域の総合開発につきましては、たびたび御説明いたしましているように、そごう呉店跡地だけを再開発としたのでは地域の活性化への効果が限定的であって、もう少し広い範囲で将来のあり方を検討すべきであるとの考え方に沿って、現在進めているところでございます。 こうしたことから、昨年5月に専門家4人で構成する懇談会を設置し、専門的な知見から御意見、御提案をいただいているところでございます。この懇談会におきましては、そごう呉店跡地を住宅、商業、公共公益施設などとして活用するたたき台が示されておりますけれども、これはあくまでもたたき台でございますので、具体的な用途や事業手法につきましては、来年度基本計画を策定する中で財政状況も踏まえながらしっかりと検討を行ってまいりたいと考えています。 ◆17番(谷本誠一議員) 財政を無視して、どんどん一応たたき台ではありますけれども進んでいるという印象、それがどこまで引っ張られるかというのを危惧しとるわけですよ。 次に、呉駅周辺地域総合開発に関する懇談会の検討内容を見てみましょう。 去る1月の第3回会議では、コンサルによる市場ニーズ調査を踏まえた開発ゾーニング案が示されました。それによると、第1期開発としてそごう呉店跡地と呉駅前広場にとどまらず、JA敷地まで及んでいます。10月の第2回会議でも広場面積を現在よりも拡大するため、そごう敷地の一部を取り込み、残りのそごう敷地と隣接するJA会館とセットで再々開発を行うとの素案が示されました。その建てかえたビルには商業施設を誘致するとともに、公共施設を整備し、上層部はマンションにする構想です。公共施設の余剰が多い中で、新庁舎整備もあって、新たに公共施設を整備するとは正気の沙汰ではありません。 さらには、公共施設たる呉駅西駐車場を建てかえ、低層部にバスプールと駐輪場、上層部を駐車場として再整備するという案まで飛び出しています。 第2期開発としては、周辺整備を位置づけています。これには駅舎の橋上駅としての建てかえが含まれます。駅舎については、呉ポートピア駅、新広駅、安芸阿賀駅と同様、JRは一銭も支出しないでしょうから、国庫補助はあるかもしれませんが、それ以外は全て市の持ち出しとなります。しかも、JR敷地内に立地した比較的新しい商業施設であるヒマラヤも含めた建てかえも検討に入っているのです。 加えて、このたびは駅前広場上のデッキに商業店舗を誘致する案まで踏み込んでおられます。おまけに駅南地区において、新元号3年に20年間の定期借地期間が切れる一街区のシティ・ホール跡地の活用検討がこのたび盛り込まれました。これらの素案がたたき台となって新年度に基本計画が策定されようとしているのです。そうなりますと、呉市の持ち出しははかり知れませんよ。 このように民活の総合開発の中に公共施設を入れたり、公共施設の建てかえまであり得るということですから、新元号22年度には箱物公共施設の総床面積を3割縮減するという公共施設等総合管理計画は吹っ飛んでしまうでしょう。 そこで、総合管理計画との整合性をどう図っていくのか、当局のお考えをお聞かせください。 ◎企画部長(近藤昭博) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、懇談会で議論されておりますゾーニングの案は、あくまでも議論を深めるためのたたき台として示されているものでございます。 また、公共公益施設につきましても、ニーズ調査の結果、立地が望ましい施設として回答のあった施設を例示しているものでございまして、これをもって直ちに公共施設を単にふやしていくということではございません。 具体的な用途につきましては、来年度基本計画の中でしっかりと検討してまいりますが、真に必要な施設については移転や集約などの可能性も含めまして、いたずらに公共施設をふやすことのないよう、しっかりと検討してまいります。 ◆17番(谷本誠一議員) たたき台、素案の段階で、新たに再開発したビルの中に公共施設を入れるというのが出るし、既にある公共施設である呉駅西駐車場なんかも検討に入っているわけですから、そりゃ公共施設ふえますよ、これは。ただでさえ縮減するのに皆、各部署がこれから個別計画も立てますし、大変な血のにじむような努力をしている中で、青山クラブという新しい公共施設も出ていますけれど、どんどんふえる。これは、大変なボディーブローのように財政の持ち出しがきいてくるでしょうね。そのように私は指摘しておる。 だから、これはたたき台だから決まってないんだとおっしゃるんだけれど、そのたたき台をもとに新年度予算で、それをまた今度は具体的に図柄を計画に描いていくわけですよ。それはもうとまらなくなる。じゃあ、そこまでのそういう議論すること自体が、東京からそのような学者の方々をお呼びになって、地域の実情に合わせた状況じゃない中でやるということ自体がどうだったのかということを指摘しておきます。 ところで、机上で勝手な意見が飛び交っていますが、再開発は相手があることですので、行政の思惑どおりに進まないのは過去の事例が教訓として示しているとおりです。そごう単独での再々開発でさえ一権利者の法的手続が進まないまま、はや1年8カ月が経過してしまっているのです。しかも、閉店に追い込まれてから既に丸6年が経過しました。広島駅前は再開発を成功させはしましたが、組合設立から完成実現までAブロックで17年、B、Cブロックで35年もかかっているんですよ。さらに、広島駅ビルも大規模改修を行って新幹線との連絡口を商業施設直結につくり直しましたけれどね。利用者の規模が違い過ぎるんですよ。 このたびのたたき台にしても、そごう・西武やJR西日本、JA呉、ヒマラヤ、シティ・ホールにとっては寝耳に水なわけです。つまり、現段階では机上の空論でしかありません。にもかかわらず、新年度予算で基本計画を策定した後に、それに基づき新元号2年度以降に関係機関との調整に入るとしています。市長は新元号4年度事業着手するとの目標を掲げ、そのような答弁を今回されました。ただ、資料を見ますと、新元号5年度までは調整スケジュールがずっと書いてあるんです。新元号4年度からは着手のような、一応図表はないんですね。ここでも早くも矛盾が露呈した格好であります。つまり、基本計画策定後が簡単ではないことを暗に示しているわけです。ということは、今年度の調査費が2,000万円、それを受けての新年度計画策定費が1,500万円と合計3,500万円かけても、相手が拒否すれば水泡に帰すということになってしまいます。調整を全て終えてから基本計画を策定するというのであれば少なくとも策定費は無駄にならないでしょうが、逆であれば税金の無駄遣いになる可能性が極めて高いわけですよ。これに対する当局の御見解を求めます。 ◎企画部長(近藤昭博) 懇談会での議論を開始するに当たりましては、そごう・西武を初めとする関係者の方々に対しましては、事前に呉駅周辺の総合開発について検討を始める旨の説明を行っておりまして、その方向性については御理解をいただいているところでございます。また、懇談会の資料につきましても随時情報提供を行っておりまして、関係者の御理解は十分にいただいているものと考えております。 次に、基本計画の策定費が無駄になるのではないかとのお尋ねでございますが、関係者との調整を円滑に進めていくためにはイメージを共有するための素案、図面もそうでございますけれども、この提示は不可欠でございまして、基本計画の検討作業は関係権利者との調整と並行して行うべきと考えております。 なお、基本計画の策定費用につきましても、予算上は一般財源で計上させていただいておりますが、国からの助成をいただけるよう努力しているところでございまして、できるだけ市の負担も少なくしていきたいと考えております。 ◆17番(谷本誠一議員) 大きな夢を膨らませる、希望を与えるというのは一つの手法ですけれど、それで結局そのためにはまず計画をつくらなきゃいけない、そのために大きな予算を支出する、だけれどその後が大変なんです。結局はそれぞれ、総論賛成だけれども、それぞれ自己負担が生じる段になったら各論が反対になる。今までも、例えば中通のサン劇跡地や銀座デパートもそのような轍を踏んどるわけですから、過去の教訓も知っておいたほうがいいと思います。 最後に、新年度予算2,500万円のうち次世代モビリティーによる回遊性向上実証実験の予算が1,000万円組まれていることについて考察してみます。 市長は、さきの呉商工会議所新年互礼会でこのことを自慢されました。呉駅前周辺地域総合開発懇談会には開発実績のある方々を委員に委嘱しており、自動運転を含めた次世代モビリティーの導入を地方都市では呉市が初めて検討しているということでした。全国での初導入を検討している品川駅と呉市を同列に考えては失敗は明らかです。しかも、呉駅前広場と呉駅南側を駅構内を走らせることで連結しようとの構想が第2回会議で示されています。駅南側には現在レクレビルが立地していますが、この構想を実現するために新元号7年度に定期借地契約が切れることを念頭に、この市有地を駅前ロータリーに改変することも含まれていました。しかも、実証実験を行った上で新元号2年から導入に向け数年間かけてじっくり検討するとしています。これは、現段階で実現性が非常に乏しことを暗に示しているわけですが、このような実験は時期尚早で無駄になる可能性が極めて高いと思いますが、それをあえて予算計上する考え方について伺います。 ◎企画部長(近藤昭博) 午前中の答弁と重なるようで大変申しわけございませんけれども、自動運転を初めとする次世代モビリティーにつきましては、交通事故の抑制や交通容量の拡大への効果のほか、高齢者の移動手段の確保、運転手不足への対応などさまざまな可能性を有しております。 こうしたことから、次世代モビリティーの導入は本市の課題解決にもつながる取り組みであると考えております。したがいまして、近い将来訪れる自動運転社会に迅速に対応できるよう次世代モビリティーを念頭に置いた駅周辺整備を検討していきたいと考えております。 なお、平成31年度につきましては、こうした自動運転等の次世代モビリティーについて市民の皆様の御理解を深めるための第一歩として社会実験を実施する予定といたしておりまして、実験に係る経費につきましても、現在一般財源で計上しておりますけれども、できる限り国等の助成を受けられるように努力していきたいと考えております。 ◆17番(谷本誠一議員) 市長が、国とのパイプが太いので、いろいろ財源を持ってこられるというのはすごいことなんですけれど、ただそれが後につながるものであってほしいと私は思うんですね。将来それはいろいろ科学が発達して自動運転という時代も来ますよ、そりゃ将来。だけれど、それが呉市は今じゃないんですよ、東京とか大都会、先ほど三宮というのも出ましたけれど、あちらのほうが先でしょ。その後、どんどんそれを利用して、自動車の価格も下がり、そうなったときにようやく地方に波及するということですから。よくよく現実を見ていただきたいと思います。 さらに、この駅南ロータリーは広域間バスの発着点にするとの構想も示されていました。JRバスが大阪市のユニバーサルスタジオジャパン行きの広域間バスを呉市内から走らせていましたが、採算が合わず3年ほど前に路線廃止した経緯があります。呉市は今後も人口減が続いていきます。そのあおりを受けて、血税を投じ続けた交通局の破綻を招き、広島電鉄バスに経営移譲した経緯があるのです。しかも、広島空港線は赤字幅がふえつつあり、これも税金投下が拡大しつつあります。次世代モビリティーとは聞こえはよいですが、自動運転の市内循環バスや広域間バスを導入すれば、さらなる血税による補填は火を見るよりも明らかです。 このような机上の空論としか思えない懇談会の暴走を当局はどう捉えているのかお尋ねいたします。 ◎企画部長(近藤昭博) 国は、東京オリンピック開催の2020年までに首都圏と限定された地域ではありますけれども、無人による自動運転タクシーの導入を目指しておりまして、また2025年を目途に高速道路における完全自動運転の導入を行うべく、現在技術開発が進められているところでございます。 自動運転車が街中を走る、そのような社会の実現には確かにもう少し時間がかかるかもしれませんが、これから進めてまいります呉駅を中心とした交通拠点整備は50年、100年と利用される大変重要な都市基盤と捉えております。 こうしたことから、近い将来訪れる自動運転社会を念頭に置いた駅周辺整備を検討していくことは、呉市の将来のまちづくりを考えていく上で大変大きな意義があるものと考えております。 ◆17番(谷本誠一議員) かなり遠い先にそういうことができるときも来るでしょう。だけれど、今新原政権で、それがまだ目に見える形になるとは到底私は思えません。 これら呉市の財政事情や箱物余剰状況を無視した形で基本計画が策定されようとしていることには大いに問題を感じます。つまり、呉市の将来像を描くに当たっては箱物整備中心とか、大型開発を中心に据えるのは非常に危険なのです。 前市長のときもJR呉線複線化をマニフェストに掲げ、2年間にわたって調査費を2,000万円も組みましたけれど、それらは結局、捨て銭となった苦い経験があることを忘れてはなりません。しかも、呉駅前地区整備計画策定費を前市長が1,000万円予算を組み、新市長が誕生したことで中途半端な390万円の執行でとどめたため、事実上どぶに捨てた経緯もあるのです。 橋下徹元大阪市長ではないですけれど、人口減少が激しく、高齢化率も日本一の呉市にとって、身の丈に合った必要最小限の整備にとどめ、あとはソフト事業を中心に活性化を図るようシフトするべきだと訴えまして、私の予算総体質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(加藤忠二) 以上で谷本議員の予算総体質問を終わります。 残り2名の方の質問は後日行うことにいたします。      ────────────────────────────── ○議長(加藤忠二) 本日はこれをもって散会いたします。            午後4時03分     散   会 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。       呉市議会議長  加 藤  忠 二       呉市議会議員  阪 井  昌 行       呉市議会議員  片 岡  慶 行...