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02月26日-02号

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  1. 呉市議会 2016-02-26
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    平成28年第1回 3月定例会       平成28年第1回(定例会) 呉市議会会議録 第576号平成28年2月26日(金曜日)呉市議会議事堂において開議(第2日)出席議員       1番  上 村  臣 男       2番  阪 井  昌 行       3番  檜 垣  美 良       4番  藤 原    広       5番  奥 田  和 夫       6番  久 保    東       7番  山 上  文 恵       8番  谷    惠 介       9番  林 田  浩 秋       10番  山 本  良 二       11番  林    敏 夫       12番  中 原  明 夫       13番  池庄司  孝 臣       14番  田 中  みわ子       15番  井手畑  隆 政       16番  沖 田  範 彦       17番  岡 崎  源太朗       18番  福 永  高 美       19番  谷 本  誠 一       20番  石 崎  元 成       21番  神 田  隆 彦       22番  渡 辺  一 照       23番  平 岡  正 人       24番  梶 山  治 孝       25番  加 藤  忠 二       26番  片 岡  慶 行       27番  岩 原    昇       28番  北 川  一 清       29番  小 田  晃士朗       30番  中 田  光 政       31番  土 井  正 純       32番  森 本  茂 樹 欠席議員           な    し 説明員  市長       小 村  和 年  副市長      木 坂    修  副市長      明 岳  周 作  総務部長     大 下  一 弘  秘書広報課長   秦    和 久  総務課長     小 森    強  企画部長     小 松  良 三  財務部長     澤 村  直 樹  市民部長     品 川  裕 一  文化スポーツ部長 末 重  正 己  福祉保健部長   濱 田  俊 文  福祉事務所長   武 内  保 治  環境部長     上 藤  英 伸  産業部長     種 村    隆  都市部長     盛 池  尚 教  土木部長     下 山  義 夫  会計管理者    松 沢  正 佳  選挙管理委員会事務局長           川 村  和 正  教育長      工 田    隆  教育部長     寺 本  有 伸  消防長      奥 野    彰  消防局副局長   上 垣  良 三  上下水道事業管理者長 原  寛 和  経営総務部長   神 垣    忍  建設部長     中 川  博 文  施設管理部長   難 波  和 夫 議会事務局職員  事務局長     山 根  直 行  事務局次長    田 丸  正 勝  庶務課長     野見山  克 宏  議事課課長補佐  沖 原  秀 規      ──────────────────────────────           議  事  日  程 (第 2 号)                         (平成28年2月26日 午前10時開議)第1 議第1号 平成28年度呉市一般会計予算   議第2号 平成28年度呉市国民健康保険事業(事業勘定)特別会計予算   議第3号 平成28年度呉市国民健康保険事業(直診勘定)特別会計予算   議第4号 平成28年度呉市後期高齢者医療事業特別会計予算   議第5号 平成28年度呉市介護保険事業(保険勘定)特別会計予算   議第6号 平成28年度呉市介護保険事業(サービス勘定)特別会計予算   議第7号 平成28年度呉市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算   議第8号 平成28年度呉市公園墓地事業特別会計予算   議第9号 平成28年度呉市地域下水道事業特別会計予算   議第10号 平成28年度呉市集落排水事業特別会計予算   議第11号 平成28年度呉市地方卸売市場事業特別会計予算   議第12号 平成28年度呉市野呂高原ロッジ事業特別会計予算   議第13号 平成28年度呉市駐車場事業特別会計予算   議第14号 平成28年度呉市内陸土地造成事業特別会計予算   議第15号 平成28年度呉市港湾整備事業特別会計予算   議第16号 平成28年度呉市臨海土地造成事業特別会計予算   議第17号 平成28年度呉市財産区事業特別会計予算   議第18号 平成28年度呉市病院事業会計予算   議第19号 平成28年度呉市水道事業会計予算   議第20号 平成28年度呉市工業用水道事業会計予算   議第21号 平成28年度呉市下水道事業会計予算      ──────────────────────────────会議に付した事件 日程のとおり  上村臣男議員予算総体質問  1 中核市移行後の新たなまちづくりについて   (1) 中核市移行後の新たなまちづくりへの市長の思い   (2) 呉市を中心とした連携中枢都市圏形成に対する方向性  2 地方創生の実現に向けた特徴的な取り組みについて   (1) 子育て世代包括支援センター(ネウボラ)の整備促進   (2) 呉市版生涯活躍のまち(CCRC)構想の検討  3 安全・安心な生活環境の確保について   (1) 海を活用した地域防災拠点の状況   (2) 中央公園の防災公園化のコンセプト   (3) 災害時におけるマンホールトイレの導入   (4) 先進的な呉型防災公園のあり方  4 主権者教育及び環境整備について   (1) 主権者教育の進捗状況   (2) 主権者教育の体制整備  山本良二議員予算総体質問  1 地域経済の活性化について   (1) 新年度予算を通じた地域経済活性化への道筋   (2) 若年層の定着を促す雇用の創出支援   (3) 新たな産業の創出へのチャレンジ支援  2 魅力ある都市づくりについて   (1) 定住・移住に係る現状と課題   (2) 定住・移住促進に向けての具体化方策  3 児童生徒の携帯電話等対策について   (1) 呉市の小中学生の携帯電話等の所持率と指導の現状   (2) 呉市での保護者啓発  森本茂樹議員の予算総体質問  1 産業振興について   (1) 企業誘致    ア 企業誘致に対する市長の姿勢    イ 呉市内の企業が東広島市の工業団地に新工場を建てる理由    ウ 今後の方策   (2) 地域産品販売拠点施設の整備    ア 広島県内における道の駅整備状況    イ 呉市が道の駅を整備しない理由    ウ 大和ミュージアムを核とした道の駅構想    エ 今後の方策   (3) 農業振興    ア 呉市のかんきつ栽培の現状    イ オリーブ栽培     (ア)江田島市の取り組み     (イ)地域の特産品にするための呉市の役割    ウ 有害鳥獣対策  2 戦艦「大和」の潜水調査について  平岡正人議員予算総体質問  1 次世代へのまちづくりについて   (1) 新年度予算における小村カラー   (2) 都市ブランド力の向上に向けて    ア 「大和」のふるさと・くれブランド向上    イ 「大和」の潜水調査の意義   (3) 都市計画マスタープランの実現とコンパクトシティープラスネットワーク  2 次世代への人づくりについて   (1) 特色ある呉市教育のさらなる推進   (2) 大学と連携したアスリートの育成  加藤忠二議員予算総体質問  1 地方創生元年予算について   (1) 地方創生実現に向けての市長の決意   (2) シティープロモーションを通じた戦略的な情報発信の方向性   (3) 日本遺産登録制度の活用  2 そごう跡地の活用について   (1) これまでの交渉の経緯   (2) 後継事業者が進出しない原因の分析   (3) 積極的な誘致策、呉市持ち分売却の可能性  3 将来の負担と備えについて   (1) 市債残高の現状と今後の見込み   (2) 実質的な将来負担額   (3) 財政調整基金等の状況  4 地球温暖化対策に係る取り組みについて   (1) 呉市の役割と取り組み方針   (2) 温室ガス削減に向けて呉市の具体的取り組み      ──────────────────────────────            午前10時00分     開   議 ○議長(石崎元成) これより本日の会議を開きます。 本日の会議録署名者として23番平岡議員、25番加藤議員を指名いたします。 この際、申し上げます。 報道関係者から写真撮影等の申し出がありますので、これを許可いたします。      ────────────────────────────── △日程第1 議第1号外20件 △上村臣男議員予算総体質問 ○議長(石崎元成) 日程に入ります。 日程第1、議第1号平成28年度呉市一般会計予算、外20件を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の通告者は、お手元に配付いたしておりますとおり、12名の方であります。申し合わせにより、2日間に分け、順次発言を許可いたします。 1番上村議員。     〔1番上村臣男議員登壇、拍手〕 ◆1番(上村臣男議員) おはようございます。 呉市の新しい歴史を開くこの3月議会、予算総体質問トップバッターの御指名をいただきました公明党の上村でございます。本日は多くの先輩議員が傍聴する中、大変緊張しておりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従い、公明党呉市議会議員団を代表して予算総体質問をさせていただきます。 大きな項目の1項目、まず第1点目として、中核市移行後の新たなまちづくりについてお伺いいたします。 いよいよ本年4月1日、呉市は中核市に移行します。中核市移行は地方創生と並んで平成28年度予算のポイントであると市長は言われておりました。昨年4月の地方自治法改正により、中核市の指定要件が緩和されたことを受け、これまでの特例市からより多くの事務権限を持つことができる中核市に移行すべく、さまざまな準備を進めておられることと思います。 振り返ってみますと、我が国の地方自治は昭和22年に制定された地方自治法によって産声を上げました。制定当時は、国土の均衡ある発展の中から豊かさを実感できる社会を目指して国内一丸となって突き進んだ時代でした。日本は奇跡の戦後復興をなし遂げ、国民の所得、生活水準は大きく向上いたしました。高速道路や新幹線の整備、オリンピック開催などを通じた国土開発も順調に進みました。この時代では全国画一の整備を進めるシステムが有効に機能し、地方自治は余り重視されておりませんでした。 しかし、オイルショック以降、こうした中央集権的なシステムにほころびが生じ、画一的なものに満足できない国民意識が徐々に醸成され、物の豊かさから心の豊かさを求める時代へと進化し始めました。こうして地域づくりは全国画一的な整備から地方の個性と魅力を追求する時代に移り変わってまいります。地方のことは地方でという機運が高まる中、平成5年に衆参両院で地方分権の推進に関する決議が採択され、国と地方との役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化と地方公共団体の自主性・自立性の強化を図り、21世紀に向けた時代にふさわしい地方自治を確立するための地方分権改革が加速化しました。 こうした背景のもと、呉市はこれまで地方自治法に基づく特例市として多くの事務権限の移譲を受けるとともに、特別法に基づき保健所設置などの事務権限を持ち、個性あるまちづくりを進めてまいりました。4月からは中核市として市民サービスのさらなる向上を目指した新たなるまちづくりを進めていくこととなりますが、より大きな事務権限を生かしたまちづくりをどのように進めていこうと考えておられるのか、市長の思いをお伺いいたします。 以後は質問席で質問させていただきます。     〔1番上村臣男議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 上村議員の御指摘、あるいは御案内とおりでありますけれども、呉市は先輩方の大変な努力で、昭和23年に地域保健法に基づく保健所を設置いたしました。本当に戦後の混乱の時期で、これを持つということは大変なことだったと思いますけれども、それをされ、平成12年には特例市へ移行をするなど、積極的に分権改革に取り組んでまいりました。また、平成17年までに近隣8町との広域合併も本当に大きな努力だったと思いますけれども、こうして積極的な広域行政にも取り組んでまいりました。 そうした中、平成23年から第30次地方制度調査会におきまして、特例市、中核市の両都市制度について、統合をしたらどうかということで議論が始められました。私は基礎自治体の果たすべき役割を拡大していく、この二つの都市制度の見直しというのは将来の呉市にとって重要であるという考えのもとで、積極的に特例市市長会の役員と中核市の市長会の役員で何度も協議会を開き発言をしてまいりました。 そうした中で、平成26年、地方自治法の改正に伴って中核市指定要件の見直しがありました。特例市41市でありますけれども、皆さんなかなかすぐには移行できない。というのは、ほとんどのまちは保健所を持っておりません。特例市と中核市の間には約2,000の事務権限の違いがあるんですけれども、中でも一番多いものが保健所を自前で持つということでありました。そういう状況を見まして、呉市は先輩の努力によって既に混乱の時期から保健所を運営している、これ実は呉市と佐世保市だけであります。 ですから、私どもは早期に移行しようという決断をしまして、昨年12月、関係の政令が改正をされ、4月1日付で、全国で46番目になりますけれども、中核市に指定をされたところでございます。この4月からいよいよ中核市呉市がスタートいたします。 これまでも中核市の業務である保健所の業務など担っておりましたけれども、2,000ふえるといいますけれども、1,600はもう既に呉市は県から移譲を受けて仕事をしておりましたので、残り400の事務権限でありますけれど、その中で特に福祉施設に対する指導・監督業務など新たな事務権限が移譲される。ほかにも重要な権限としては、屋外広告物の規制でありますとか、あるいは教職員に対する研修という事務が移譲されることになります。 改めて中核市移行後のまちづくりの思い、これが御質問でございますけれども、まずは中核市の権限を最大限に発揮することによりまして、市民への行政サービスは県庁に行かなくても呉市役所でできるということで、市民にとっては非常に簡易なものになりますし、また迅速に処理ができるということで、市民サービスの向上・充実をまずは図っていく、これが一番大きなことであります。今呉市はいろいろな課題を抱えておりますけれども、そういう諸課題の解決、あるいは中核市で非常に大事な位置づけといいますのは、連携中枢都市を形成するときの中核になるということであり、新たな施策の展開を図るなどしまして近隣の市町と連携をさらに密にしていって、名実ともに県南部、芸南地域といいますけれども、中核的な都市としての存在感を高めていって、そしてしっかりと将来を見据えてまちの発展の基盤を整えていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 ◆1番(上村臣男議員) ありがとうございました。小村市長のさまざまな会議への参画があって今回の中核市への移行ということで、敬意を表したいと思います。平成の大合併当時は約2,400の自治体がございまして、今は1,700と認識しておりますけれども、その中でも政令市が20、そして今回の中核市が46ということで、位置的と言うと語弊がありますけれども、全国で66番目の都市になろうかと思います。しっかりそういったランクアップされた呉市とともに、先ほども市長がおっしゃいましたように、芸南地域の中核都市として存在感を持った都市経営を進めていただきますようにお願いしておきたいと思います。 次に、呉市を中心とした連携中枢都市圏の形成に対する方向性についてお伺いいたします。 連携中枢都市圏とは、相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、コンパクト化とネットワーク化により、経済成長の牽引、高次都市機能の集積、強化及び生活関連機能サービスの向上を行うことにより、人口減少、少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための拠点を形成することを目的とした地方自治法上の制度で、政令都市と中核市のみがその中心都市となる資格を有しているとお伺いしております。 呉市は現在広島市を中心都市とする連携中枢都市圏づくりに向けた準備を進めておりますが、中核市に移行する4月以降、呉市が中心都市となる資格を有することとなります。このため、呉市は先ほどお伺いした中核市呉市のまちづくりに加えて、近隣市町と連携した活力あふれる圏域づくりについても検討を進めていく必要があるかと思います。今後どのように取り組もうとされているのか、当局のお考えをお聞かせください。 ◎企画部長(小松良三) 連携中枢都市圏制度についてのお尋ねにお答えいたします。 連携中枢都市圏制度は、先ほど議員が紹介されましたように、地方自治法の改正により創設された制度でございまして、圏域を構成する自治体同士が連携し、地域の実情に応じた行政サービスを実現していくことを目的とした制度でございます。 新たに中核市となる呉市といたしましても、国が推進する連携中枢都市圏制度を活用いたしまして、これまで以上に周辺市町と信頼関係を築き、連携の質を高め、圏域全体の活性化や住民サービスの向上など、地域が抱える課題の解決に取り組むことは大変重要なことであると認識しております。そうしたことから、平成28年度におきましては国から委託を受けて実施する広域連携促進事業を活用いたしまして、連携中枢都市圏の形成に向けた調査、検討を進めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、本市がこれまでに取り組んできた近隣市町との連携の強化と拡充を図りながら、芸南地域のさらなる発展に向けまして、積極的なリーダーシップを発揮し、中核市としての役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。 ◆1番(上村臣男議員) ありがとうございました。呉市を中心とした連携中枢都市圏の形成に向けての力強い答弁をいただきました。来年度から具体的に検討を進められるということですので、圏域全体の発展に向けましてしっかりと、リーダーシップを発揮して取り組まれるよう期待をしておりますので、よろしくお願いをいたします。 次に、大きな2項目めとして、地方創生の実現に向けての特徴的な取り組みについて、二つに絞ってその方針をお伺いいたします。 まず1点目は、子育て世代包括支援センターの整備についてです。 一昨年、人口の減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正することを目的としたまち・ひと・しごと創生法が制定されました。これに基づき、呉市では呉らしさを生かした地方創生の実現に向けた取り組みが進められており、今後もその取り組みがさらに加速されていくものと思っております。中でも特に、平成28年度から新たに子育て世代包括支援センター、いわゆる呉市版のネウボラが整備され、運用が始まります。妊娠、出産、育児に関する若い世代の不安や悩みを解消することができるワンストップ窓口を整備し、気軽に相談できる体制を整えることにより、安心して子どもを産み育てる環境を整えようとするものです。 呉市において結婚している人が望む子どもの数は2.44人と伺っております。少子化が続く中、妊娠、出産の希望の実現に向け、行政としてできる限りの応援をしていくべきであり、この子育て世代包括支援センターがまさに核となるものであると思います。その運営体制及び推進方針について、当局のお考えをお聞かせください。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 子育て世代包括支援センターについてのお尋ねでございますが、当センターにつきましては、議員仰せのように、妊娠期から子育て期までにわたりますさまざまなニーズや不安に対して総合的に相談支援を行う拠点といたしまして、すこやかセンター内に平成28年度中に設置をする予定で準備を進めているところでございます。支援センターには保健師、助産師等の専門職を母子保健コーディネーターとして複数名配置をいたす予定にいたしております。 また、当センターでは、子育てに関する総合的な相談に応じますほか、不妊治療助成に関する相談、産前産後の母子への心身のケアや育児のサポート体制の充実を図るための産前産後サポート事業や、医療機関等とも連携をいたします産後ケア事業を実施する予定にいたしております。 このように、子育て包括支援センター母子保健コーディネーターすこやかセンターにおります保健師等々中心といたしまして、今後も市内の医療機関や助産師会、民生委員・児童委員等とも連携しながら、妊娠期から子育て期までにわたりますさまざまなニーズや不安に対応する協力体制を構築してまいりたいと考えております。 しかしながら、相談者の中には体調不良などで来所相談が困難な場合も予想されますことから、助産師等が地区担当保健師と連携しながら家庭訪問できる体制も整備し、さらにどこで相談してよいかわからない方もいらっしゃいますことから、迷わず相談できるような子育て応援ナビといたします電話相談についても開設をする予定にいたしております。 こうした取り組みを行いながら、当センターを妊娠期から子育て期にも孤立することなく過ごすことができるよう、誰もが不安や悩みを気軽に安心して相談できる場にしたいと考えております。 ◆1番(上村臣男議員) ありがとうございました。保健師や助産師等が中心となって、市内の医療機関とも連携しながら、妊産婦やその家族への支援を行っていくということで大いに期待をしたいと思います。 なお、妊娠から出産、子育てまでの包括的な支援を進めるに当たっては、母子保健だけではなく、子育て支援や幼児教育、小中学校教育などとの横断的な政策連携が不可欠です。また、民生委員・児童委員や学校、医療機関など、妊娠、出産、子育てに関係する多様な関係部署との連携も重要となってまいります。このたび子育て世代包括支援センターすこやかセンターに設置されるということで、本庁と離れていながら子育て世帯に対するさまざまなニーズを受け、切れ目のない対応に大変苦労されるのではないかと心配をしております。この支援センターの守備範囲を母子保健の枠組みにとどめることなく、縦割り行政でない、利用者目線に立った支援をしていくためにどのような工夫をしていこうとしているのか、再度お伺いいたします。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 議員仰せのように、すこやかセンターに保健所がこのまま残っております。また、福祉部門につきましては、この2月からこの新庁舎に参っておりますので、まず部内におきます福祉、保健の連携が、今後さらに重要になってくるものと考えております。 そうした中で、この子育て世代包括支援センターの位置づけ、役割につきましては、全庁的に理解を深めていくことも必要だと思いますし、保健師がこれまで行っておりますいろいろな赤ちゃん訪問でありますとか、いろんな事業も中核に置きながら、今後は関係機関と連携いたしまして、きめ細やかな支援を実施するために子育て支援課が所管しております子育て支援センター、あるいは保育所、教育委員会などともしっかりと連携をしながら、そこに医療機関も入っていただきまして、子育て世代包括支援推進ネットワークを構築いたしまして縦割り行政にならない総合的な窓口の活用、運用を行ってまいりたいと考えております。 ◆1番(上村臣男議員) 多くの子育て世代に愛されるセンターとなるよう、庁内一丸となって取り組んでいただきますようよろしくお願いいたします。 また、先ほどの答弁で、保健師、助産師等の専門職を母子コーディネーターとして複数名配置するとお伺いいたしましたけれども、誰もが気軽に安心して相談できる支援体制、先ほどもホットラインを設置していただくとおっしゃっておりましたけれども、このネットワークづくりに欠かせないのは人材の確保だと認識をしております。特に、本市では助産師さんはいなかったように認識をしております。十分な人材の確保に御尽力いただきますよう要望いたしておきます。 次に、地方創生の実現に向けての特徴的な取り組みの2点目として、呉市版生涯活躍のまち(CCRC)構想の検討についてお伺いいたします。 このCCRCについては、一昨年の年末に策定された国のまち・ひと・しごと創生総合戦略に盛り込まれて以降、本格的に検討が進められております。日本版CCRC構想有識者会議が昨年末に取りまとめた生涯活躍のまち構想最終報告によりますと、生涯活躍のまち構想は、東京圏を初めとする地域の高齢者が希望に応じ地方やまちなかに移り住み、地域住民や他世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療、介護を受けることができるような地域づくりを目指すものであると定義づけられております。一部ではうば捨て山ではないかとか、移住の押しつけではないかなどといった批判も聞かれますが、地方創生の中で東京の過度な一極集中を是正する、また地方に人の流れをつくっていく、そして何よりも一人一人の人たちに健康な段階から移住し、生涯学習や社会活動などを行いながら暮らしていく生き方もあるのだという選択肢を提示するということで、とても大きな意味のある構想だと思っております。 このCCRC構想について、呉市においても検討を進めていこうとされています。呉市にも受け皿を整備する素地があるのではないかと判断されての検討の開始であると認識をしております。地方創生の実現に向けたリーディングプロジェクトにも掲げられている呉市版CCRC構想について、どのような可能性を展望しておられるのか。また、推進に当たり、どのようなイメージを持っておられるのか、当局のお考えをお聞かせください。 ◎企画部長(小松良三) 呉市版生涯活躍のまち構想の検討についてのお尋ねにお答えいたします。 生涯活躍のまち構想は、国のまち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げられた地方への新しい人の流れをつくる施策の一つであり、高齢者が生涯学習、地域社会への参加、健康づくりなどを通じて、生きがいを持って暮らし、必要に応じて医療や介護が受けられるような地域の特性や強みを生かしたまちづくりを推進していくものでございます。 生涯活躍のまち構想が地域にもたらす効果につきましては、健康な高齢者の移住による人口の増加や消費による経済的な効果、施設の運営等による雇用の創出などが考えられますが、本市においては他世代と交流しながら、健康でアクティブな生活を送り、地域の活性化につながる呉市版生涯活躍のまち構想の検討を行ってまいります。検討に当たりましては、呉市の強みである医療機関の集積や文化スポーツ施設、高等教育機関、公共交通網など都市基盤が整っていること、さらに瀬戸内海に面した自然や歴史、文化、農水産業など多彩な地域資源に恵まれたまちであり、大都市からの移住者のみならず、地域の高齢者にとっても暮らし方の一つの選択肢となるような魅力的なものになるよう検討してまいりたいと考えております。 ◆1番(上村臣男議員) ありがとうございました。これから呉市版CCRCの検討に入るということでございますので、答弁にもありましたように、整った都市基盤や豊かな自然環境などの地域資源といった呉市の特性を生かした魅力的なものになるようお願いしたいと思います。 地方創生の取り組みはこのようにいろいろな可能性を模索しながら検討を進め、実施が可能なものから順次取り組んでいけばよいのではないかと思っております。時間をかけて検討してもよいですし、また検討の結果、時期尚早であれば先送りをする勇気も必要かと考えております。いずれにしても、失敗を恐れず、柔軟かつ迅速な事業実施が行われますよう期待をしております。 次に、大きな3項目めとして、安全・安心な生活環境の確保についてお伺いをいたします。 まず1点目は、海を活用した地域防災拠点の状況についてです。 広島県砂防課によりますと、呉市には土砂災害警戒区域が1,909カ所あり、県内の市町では広島市の2,229カ所に次ぐ2番目に多い区域であります。そうした中、危険箇所の多い本市では災害に対する対応や備え、蓄え、減災について幅広く学ぼうと取り組んでおられるところであります。その一方で、災害時における緊急車両の円滑な通行を確保するために道路橋梁施設の整備にも尽力されておられますが、大きな地震が発生した場合に陸上輸送経路には何がしかの影響があろうかと思われます。 そこで、被災者の避難及び応急対策に必要な要員、また大量の救援物資等の迅速かつ確実な輸送を確保するには、海から船を使用しての活動が適しているのではないかと思われますが、海を活用した地域防災拠点に関する本市におけるハード整備とソフト対策の状況について、またこれからの災害時における地域防災拠点として機能する重要な施設について、今後どのような計画のもとで維持管理をされていこうとしているのか、お聞かせ願います。 ◎産業部長(種村隆) 大規模災害時に緊急物資や人員を大量かつ確実に輸送するためには、阪神・淡路大震災等の教訓から、議員先ほどございましたように陸上輸送よりも海上輸送のほうが効果的であるという考え方はございます。このため、呉市地域防災計画の中にも防災拠点港湾ということで阿賀マリノポリス地区と宝町地区を位置づけておるところでございます。 そうした中で、ハード面とソフト面ということでございます。まず、ハード面でございますけれども、海の防災拠点は耐震強化岸壁やその背後地で多目的オープンスペースとして活用する埠頭用地を整備しておりまして、特に阿賀マリノポリス地区には隣接しております港湾緑地と緊急輸送路となりますアクセス道路など、大規模災害発生時におきまして緊急物資等の輸送中継拠点としてしっかりと機能ができるように一体的な整備をしております。 一方、ソフト面でございます。災害発生時の実用的な体制を構築するため、瀬戸内海沿岸の県、市町村等で構成しておりますせとうち・海の路ネットワーク推進協議会の68の市町村と相互応援に関する協定を締結しておりまして、物資輸送訓練等を実施しておるところでございます。 また、来年度末には、呉港の事業継続計画を策定する予定でございまして、災害時における市の防災体制と連携した呉港の機能維持のマニュアルを整備いたします。 なお、これらの大規模災害時に防災拠点となる重要施設につきましては、呉市港湾施設維持管理計画に基づきまして、定期的に保守・点検を行いまして、適切に補修、そして管理を行っているところでございます。 ◆1番(上村臣男議員) ありがとうございます。先ほどの答弁の中で、来年度末に呉港の事業継続計画を策定すると言われておりましたけれども、これはいわゆる防災・減災における国土強靭化計画の一環の取り組みと思いますが、初めて聞く内容ですので事業の内容をお聞かせください。 ◎産業部長(種村隆) この事業継続計画は国の国土強靭化アクションプラン2014において定められているものでございまして、大規模地震を初めとした甚大な災害時におきまして港湾としての輸送機能等が最低限維持できるように、港湾管理者と海上保安部などの関係者が取り組むべき対応や活動を定めるものでございます。こうした対応は、呉港を含む全国125の重要港湾以上の港湾管理者が平成28年度末までに策定するものとなっております。 呉港は主要な産業が集積しており、大規模災害時において企業活動が停止することは多大な損害を招くおそれがございます。そのため、平時におきます教育訓練を初めといたしまして、災害時におきます初動対応等につきまして、先ほど申しました呉市地域防災計画と連携した計画を策定いたしまして、防災体制を強化するものでございます。
    ◆1番(上村臣男議員) 内容は理解いたしました。災害時に威力を発揮できるようお願いをしたいと思います。先ほどの一体的に整備を推進してきたという1回目の答弁でございましたけれども、全国的に問題視されているのが緊急輸送道路の地中の空洞化と言われております。陥没をして道路が遮断される事例も伺っております。先ほども耐震強化岸壁で緊急物資等の輸送中継点として機能できるよう一体的な整備が完了と言われておりましたけれども、緊急輸送道路の地中の空洞化の総点検も完了してこそ事業継続計画と思いますので、空洞化の点検もあわせてお願いをしておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 次に、中央公園の防災公園化についてをお伺いいたします。 平成28年度当初予算案の新規事業として中央公園の防災公園化が掲げられておりますが、防災公園のコンセプトと拠点としての中央公園に求められる防災公園づくりについて、一般的なお考えをお聞かせ願います。 ◎土木部長(下山義夫) まず、一般的な防災公園のコンセプトでございますけれども、安全で安心できる都市づくりを図るため、災害時に復旧・復興の拠点となる広域防災拠点として、周辺地区からの避難者を収容する広域避難場所として、さらには消防等の救護活動の拠点となる公園でございます。 呉市におきましては、新庁舎が完成し、防災中枢機能が整備され、災害時の応急対策やボランティアの活動拠点など、復旧・復興活動の一部を1階の絆ホールやシビックモールで行うこととしております。 また、体育館は備蓄機能を有する避難所とされております。こうしたことから、中央公園は先ほどの一般的な防災公園の機能はもとより、新庁舎及び体育館と一体となった呉市型の防災中枢拠点として整備してまいりたいと考えております。 ◆1番(上村臣男議員) 呉市型の防災中枢拠点として整備するということで理解いたしました。これはまた後ほどお伺いをさせていただきたいと思います。 次に、災害時におけるマンホールトイレの導入についてお伺いをいたします。 防災公園のイメージにも記載されておりますとおり、導入施設のイメージもおぼろげながらつかむことができておりますが、この中で特に目を引きますのが防災トイレでございます。 昨年11月、国土交通省は災害時にマンホールの上に設置するマンホールトイレの普及に向けたシンポジウムを開き、マンホールトイレの運用指針案を発表いたしました。内容は、過去の災害をもとに避難所などへの設置数の目安を示したほか、快適なトイレ環境を確保するための配慮事項などを明記し、年度内に指針を決定し、各自治体に促したいとの記事が掲載されておりました。過去の災害時に避難所のトイレ環境が劣悪になり、避難者の健康に悪影響を及ぼしていた実態がその背景にあるものと否めません。災害用トイレとしては仮設用トイレの普及が進んでおりますが、東日本大震災では仮設トイレが避難所に行き渡るまでに4日以上を要した被災自治体が全体の約66%を占めたそうでございます。 一方で、マンホールトイレは、仮設トイレに比べ迅速な組み立てが可能で、下水道管につながっていることからくみ取りの必要がなく、日常生活に近いトイレ環境を確保できるのが特徴であります。今回の中央公園の防災公園化に伴う整備プログラムにおきましては、このマンホールトイレの導入は外すことのできない必須のアイテムと思われますが、当局のお考えをお示し願います。 ◎土木部長(下山義夫) マンホールトイレでございますけれども、災害用トイレの中でも被災地以外から仮設トイレが届くのを待つまでもなく、汚水管路にあるマンホールの上に間仕切りパネルなどの簡易なトイレ設備を設けるだけで利用が可能であり、災害時には非常に有用であるとされております。災害時のトイレにつきましては、衛生の確保が被災者の健康を維持するために重要でございます。特に女性や高齢者等に配慮したものにすることが必要であると認識しております。 このようなことから、中央公園を防災公園として整備する際には、議員御提案のマンホールトイレの有用性に着目いたしまして、災害時に被災者が安心して利用できる快適なトイレの整備を目指してまいりたいと考えております。 ◆1番(上村臣男議員) 整備を目指していくとの力強い答弁ありがとうございます。トイレが不衛生で不快な場合やトイレが遠い、寒い、暗い、怖いなど、使い勝手が悪いと、トイレに行く回数を減らすため水分や食事を控えてしまいがちになります。その結果、脱水症状になるほか、慢性疾患の悪化や体調を崩し、エコノミークラス症候群や脳梗塞、心筋梗塞で震災関連死を引き起こす場合がございます。阪神・淡路大震災で990名、東日本大震災で3,300名の関連死の方がいらっしゃったとお伺いをいたしております。今後の環境整備をよろしくお願いしたいと思います。 次に、平成28年度、平成29年度、平成30年度を基本計画、基本設計、実施設計に当てられておりますが、ぜひとも他都市にない呉市型防災公園の整備を目指す中央公園を、災害時における復旧支援活動拠点の役割を担う、また新庁舎の防災中枢機能を補完する防災公園としての整備を期待しておりますが、今後の方向性をお示し願います。 ◎土木部長(下山義夫) 国においては、平成7年の阪神・淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震などの教訓から、防災公園の整備方針が示されております。他都市においても、この方針に基づいて環境に配慮した太陽光利用、雨水・中水利用など、先進的な取り組みや施設整備を行っているところでございます。 本市の目指す中央公園の方向性といたしましては、防災ヘリの緊急着陸スペース、災害時に飲料水を提供する耐震性貯水槽、防災トイレ、救援物資置き場、テント用地など、多目的に活用可能なオープンスペースの整備を検討いたします。いずれにいたしましても、先進都市の取り組みを積極的に導入しながら、新庁舎と体育館、中央公園が一体となった呉市型防災公園の整備を目指してまいりたいと考えております。 ◆1番(上村臣男議員) 新庁舎、中央公園、体育館が一体となった呉市型防災公園の整備に大いに期待をしておきます。中央公園はこれまでも地域の方から親しまれた公園でございます。また、地域の活動拠点にもなり、イベントなどもたくさんされております。防災の視点と市民の方の利便性の視点をミックスして、大いに威力を発揮できる形になりますようよろしくお願いをいたします。 次に、大きな4項目めとして、主権者教育についてお伺いをいたします。 主権者教育の進捗状況をお尋ねいたしたいと思います。 昨年、改正公職選挙法が成立し、本年6月19日から施行され、夏の参議院選挙から実施の予定と伺っております。未来を担う若者の声を政治に反映させていくことが期待されております。 そこで、若者が政治に関心を持ち、国や地域の問題を主体的に考え行動するようになる主権者教育が求められております。昨年の9月にも同僚議員から主権者教育について質問をしておりますが、このときはまだ副教材もなく、今から取り組むとのことでしたので、改めてお伺いをいたします。 先日、東広島市の黒瀬高校で模擬投票で選挙を体験したという記事が出ておりました。2、3年生約180名が投票を行い、その体験が出ており、3年生の生徒は選挙公報を読んだのは初めて、いろんな党があって考えにも違いがあると改めてわかったとか、また政治家は高齢者ばかりに気を配っているように見える、春から社会人になるので、賃金アップなど若者の生活をよくしようと訴える政党を応援したいとか、事前に1クラスにアンケートをとったところ、政治について考えるよい機会と賛成する意見が多かったとのことです。一方で、政治はよくわからないから投票するのが不安とか、面倒くさいなどの声もあったそうでございます。模擬投票が終わった2、3年生を対象にしたアンケートでは8割から9割が投票に行くと答えました。 そこで、本市における主権者教育の進捗状況がわかればお聞かせください。 ◎教育長(工田隆) 市立呉高等学校における政治的教養の教育、いわゆる議員おっしゃられた主権者教育の進捗状況についてでございますが、まずは本年1月、全教員を対象に教育公務員の政治的行為の制限や公職選挙法の改正などについて校内の研修を実施いたしました。その研修では、特定の見方や考え方に偏った取り扱いにならないこと、教員が個人的な主義主張を述べることを避けて、中立かつ公正な立場で指導することなどの留意事項について研修をいたしました。 その上で、2月5日には2年生、3年生の生徒全員を対象にして、ホームルーム担任が総務省、文部科学省から配布された副教材「私たちが拓く日本の未来」、こういう副教材がございますが、この副教材や県の教育委員会が作成いたしましたリーフレットをもとに授業を実施いたしまして、有権者になるということ、あるいは選挙運動でできること、できないことなどについて指導をしております。続いて、その後2月12日にも同様の副教材などを活用して、広島県の明るい選挙推進協議会の会長さんをお招きして、選挙の歴史や選挙の意義などについて、選挙出前講座というのを実施いたしております。 参考までに授業後の感想について少し紹介いたしますと、自分の持っている1票の価値を社会に生かすためにもぜひ選挙に行こうと思います、あるいは選挙権が18歳からになったことで、もう自分も大人なんだと、自覚と責任を持って投票しに行きたいと思ったなどの肯定的な感想が多く見られているところでございます。 ◆1番(上村臣男議員) さまざまな肯定的な意見が出たとのことで頼もしく思っております。教員の方が中立かつ公平な立場で指導することは難しいとは思いますけれども、生徒への御指導のほどよろしくお願いいたします。 平成28年度の主要事業、特色ある呉の教育の推進事業の中にふるさと子ども夢実現事業が新規に計上されております。これは年に一度開催される中学生ふれあい夢議会の中から提案事業を実現させようとする、まさに政治を身近に感じられるすばらしい取り組みです。これを機にさらなる中学生からの政治的教養の教育、いわゆる主権者教育の取り組みが必要と考えますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。 ◎教育長(工田隆) 中学校の段階からの政治的教養の教育、いわゆる主権者教育についての再度のお尋ねでございますけれど、中学校では3年生の社会科、公民的分野の授業で、日本の選挙制度、あるいは投票率の低下、あるいは選挙権の行使の責任、こういうことについて学習をしております。また、一部の中学校では、選挙管理委員会から講師をお招きして、選挙の仕方や重要性についての授業を受けたり、あるいは模擬投票なども実施しております。 さらに、1月には指導に当たる教員、市内の中学校の社会科教員の研修の場で、呉市教育委員会の担当の指導主事が社会科における指導内容、あるいは留意点について指導を行うとともに、呉市明るい選挙推進協議会の会長を講師にお招きして講話をいただいているところです。 今後も、選挙管理委員会等との関連機関と連携を図りながら、中学校におきましても指導の充実を図っていくように取り組んでまいりたいと思っております。 ◆1番(上村臣男議員) 指導の充実を図っていただくということで、大変にありがとうございます。中学生ふれあい夢議会、昨年は11月、インターネットで拝見をさせていただきましたけれども、本当に生徒の皆さんが生き生きと力強く発言している姿に、我々も襟を正さなくてはいけないという思いで拝見をさせていただきました。御指導に当たった先生に敬意を払いたいと思います。 続きまして、選挙権年齢を18歳以上に引き下げる一番大きな意義は、若者の声を政治に反映させることです。現在の日本は世界に例がないスピードで少子高齢化が進み、これに伴う社会保障費の増大と日本が抱える政治課題は若者の未来と直結しております。高齢化の進む本市で、若者が主権者として政治に参画する意義は他都市以上に大きいと感じております。若者への政治参画への啓発が大事なときではないかと考えておりますと同時に、若い世代の声に耳を傾け、未来を見据えた政策をつくっていかなければなりません。18歳選挙権が導入されますと、全国で240万人、本市におきましても約4,000人の有権者が新たに誕生いたします。新しい有権者のほとんどは大学生と高校生になりますが、そのほかにも専門学生や看護専門学生の生徒さんたちもいらっしゃいますけれども、その方たちへの主権者教育のあり方や選挙への啓発を本市ではどのようにお考えかお聞かせください。 ◎選挙管理委員会事務局長(川村和正) 専門学校の学生への主権者教育の考え方に対するお尋ねでございますが、御案内のとおり、昨年70年ぶりとなります公職選挙法の改正により、選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げとなりました。そこで、国や社会の問題をみずから考え、みずから判断し、行動していくために必要となる知識、判断力、行動力を養う主権者教育が極めて重要になると認識しております。このため、まず施策の一つとして、投票率低下の少しでも歯どめとなり、また新たに投票の権利を得られる若者の政治参画意識向上に取り組む啓発活動の一助となるよう、広島国際大学と呉工業高等専門学校に、次の参議院議員選挙から期日前投票所の設置を決定したところです。 また、これは御存じない方も多いかもしれませんが、呉市ではこれまで20歳になられた新有権者全員に選挙のしおり等のリーフレットを郵送する方法で啓発を行っております。これを今回の法改正に伴い、18歳の有権者にまで広げ、拡充したものにすることで、18歳、19歳の新たな有権者にも啓発が行えるものと考えております。また、18歳選挙につきましては極めて肝要と考え、県内でも先進的に、数年前より出前講座で主権者教育に取り組んでまいりましたが、もう少し取り組んでみたいと思われる現在在学中の専門学校や看護学校の学生さんに、出前等による参加型学習を通じて主権者教育の促進を図っていきたいと考えております。 ◆1番(上村臣男議員) 出前トーク等でいろいろ御努力いただいているということで、大変にありがとうございます。参考になるかどうかわかりませんけれども、浜田市におきましては投票所の統合により、期日前投票の移動バスをこのたびの参議院選挙から検討すると言われておりました。地域性がありますので、本市でも可能かどうかわかりませんが、研究していただきますようお願いをしたいと思います。 やはり、選挙管理委員会の使命は政治を身近に感じていただく啓発活動が一番要るのかなと感じております。福祉保健部ではくれほっと安心メールのメールマガジンの配信サービスをされて、火曜日に定期的に情報をいただくシステムになっております。選挙管理委員会におかれましては、選挙になりますとホームページの書きかえであるとか、さまざまな発信はしているのですが、なかなか手元に届いていないというのが大きな問題であろうかと思いますので、今後またメールマガジン等も何かできるのであれば発信の努力をしていただければと要望をいたしておきたいと思います。 政治に関しましては、今回の議会報告会でも言わせていただいたんですけれども、以前、市長が言われました、政治に無関心でいることはできるけれども、無関係でいることはできないと、政治と生活は全部密着しているんだと、だからしっかり政治を監視していく、見ていくことが大事なんだというのを、我々大人も含めて児童生徒にもしっかり無関係ではいられないよというのを発信し続けていただきたいということを要望いたしまして、終わりたいと思います。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で上村議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △山本良二議員予算総体質問 ○議長(石崎元成) 10番山本議員。     〔10番山本良二議員登壇、拍手〕 ◆10番(山本良二議員) 市民フォーラムを代表して、大きく三つの項目にわたって予算総体質問をさせていただきます。 まず、1項目めとして、地域経済の活性化に向けてということでお伺いいたします。 呉市の人口は、昭和50年の約31万人をピークとして減少傾向が続いており、平成22年には約24万人、また速報値ではございますが、昨年平成27年の国勢調査人口は約22万9,000人となっております。国立社会保障・人口問題研究所によりますと、この傾向は今後も続き、何もしなければ平成52年には約16万人にまで減少すると見込まれております。その要因としては、出生数の減少、死亡者数の増加といった自然減の増加と、市外からの転入者と市外への転出者の差の拡大、すなわち社会減の増加、この双方が影響しているものと思いますが、最も大きな要因は働く場所を求めての転出者が多いことではないでしょうか。 こうした中、新年度予算において、産業の競争力強化や産業を支える人材の確保・育成などを重点項目に掲げ、呉らしさを生かした雇用創出に積極的に取り組もうとされておられます。地域経済の活性化が今後の呉市の活性化を牽引する重要な要素であることは間違いなく、その取り組みに大きな期待をいたしておりますが、新年度予算を通じて地域経済の活性化に向けてどのような施策を展開していこうとされているのか、市長のお考えをお伺いいたします。 以降は質問席で質問いたします。     〔10番山本良二議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 新年度予算を通じた地域経済活性化への道筋ということでのお尋ねでありますけれども、呉の地域経済を支えておる重要な柱の一つは若年層、若者であります。もちろん経済というのは生産から消費まであって、消費の大きな部分というのは各層あります。高齢の方まで含めてそうでありますけれども、特に生産活動の中心になるのは若者だという趣旨でお答えをさせてもらいたいと思います。呉市の就業人口の約4割は39歳までの若年層が占めております。産業、特に生産活動を支える中心的な役割は39歳ぐらいまでの若い人が担っておるということであります。また、若年層、この世代というのは子育てやら教育への投資がふえる時期でもありますことから、需要を消費という形で地域経済に転嫁をさせる、反映をさせる世代でもありますので、地域経済を支える重要な存在になっております。しかしながら、議員御指摘のとおり、若年層の仕事を理由にした転出超過が大変多く、仕事を求めて東京や広島等へという状態が相当以前から続いておる、御指摘のとおりであります。 一方で、こうした状況とは裏腹でありますけれども、若年層の地元志向というのは、これ一世代前とは相当変わってきておるように思いました。地元志向が高い水準にあるということであります。市内の高校3年生を対象にアンケート調査を行いましたところ、ことしはちょっと意外な感じがしたんですけれども、進学を希望する高校生の6割が呉市を含む広島県内へ進学をしたいと、そんな数値になっております。また、就職を希望する高校生の5割が市内で就職をしたい、あるいは4割が呉市外であっても県内で就職をしたいと、そんな希望を持っており、この意識に私どもは今まで応え切れてなかった、これも痛恨の極みであります。 こうした状況を踏まえて、私としましては何としても呉らしさを生かした雇用創出に取り組む必要があると考えております。その上で、新年度予算において三つの道筋を描いたところでございます。 1点目が産業の競争力強化ということであります。 積極的に企業誘致、これも先輩の時代からずっとやってまいりました。私もここに自分の力を注いでまいりました。同時に、市内企業を何としても市外に移らないでこの呉市内に留置をすることの促進、これまた予算総体でも御説明をさせてもらいましたけれども、市内企業が投資をする場合にも同じように行政として支援をしようという制度を設けました。 また、農産品のブランド化、1次産業にもこうして若い人についてもらいたい、6次産業化を推進する、これもそういうことでありますけれども、今大事なことは、3次産業が呉市では、非常に弱いという、2次産業で生まれているこれだけの大きな有効需要、消費需要というものが呉市で受けとめ切れてないというか、ほとんど外で使っている。2次産業と3次産業を比べてみますと、労働生産性という意味では2次産業が非常に高い。したがって、同じ1億円を生産するんでも、2次産業は今工場をごらんになられてわかるように、工場の中にはほとんど人がおりません。ところが、小さい店でも年間1,000万円くらいを売り上げるというところは必ず2~3人はおられる。それだけ3次産業の持つ雇用の吸収力、雇用を生んでいくものっていうのは大きいわけであります。この部分が非常に弱かったということが、若者がどうしてもそういう職業につこうと思えば他のまちへ行かざるを得ない状況が続いてまいりました。3次産業というものをしっかり支援をしていく必要がある。呉の産業が生産性の向上、需要拡大を目指して取り組む、産品の高付加価値、あるいは技術の高度化、サービス産業の魅力の向上、こういうことへの支援をまずはしっかりやってまいりたいと考えております。 2点目は、産業を支える人材の確保・育成でございます。 雇用拡大や創業に向けてチャレンジをするという者を支援する。また、新規農業・漁業就業者、これもたくさんの人に来てもらうというのはなかなか難しいんでありますけれども、しかし毎年何人かはこの時代でも新たに都会から漁業をやりたい、漁師さんになりたい、あるいは農業をやりたい人がおられます。着実にそういう人が定着するように、着業、定着を支援する。また、呉市の産業を支える担い手の発掘、育成をしっかり行うことによりまして、産業基盤の底上げを図り、若年層を初め、女性や高齢者や多様な人材が活躍できる場をつくり出していきたい、これが2点目であります。 3点目は、情報発信の強化であります。 シティープロモーション、今そういうことが盛んに各市としても行われておりますけれど、呉市もしっかりやっていく、特にこれから就職をしようかという若い人たちに対して、まずは呉のまちの魅力、それから呉市の産業の魅力をわかりやすく発信をすることによりまして、市内で働く人をふやす、また定住・交流人口の拡大を図っていきたいと考えております。これは大変息の長い取り組みになると思いますけれども、若い人たちを対象とした仕事づくり、人づくり、まちづくりということで特に力を入れまして、若年層の定着を図り、若い人たちが呉を出ていかなくてもいいというまちをつくっていかなきゃいけない。これは行政だけの力だけでできるというものではなくて、バランスのとれた産業のまちにしていかなきゃいけない。そうすることによって、地域経済もまた活性化してくると考えますので、そういう取り組みをしっかりやっていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。 ◆10番(山本良二議員) 地域活性化に向けた市長の決意と受けとめました。我々議会のほうもこの活性化、本当に全力で取り組んでいかなければいけないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、少しポイントを絞って2点お伺いいたします。 まず、若年層の定着を促す雇用の創出支援についてお伺いいたします。 若い人たちは、地域に根づく産業を支える貴重な担い手であると同時に、消費の主役でもあります。また、出産や子育てを通じてにぎわいをもたらすとともに、地域活動をも支える、まさに地域の活力の源と言っても過言ではございません。先ほど市長のほうからもありましたように、若年層の地元志向は思いのほか高いとお聞きいたしました。せっかく呉で育ち、呉で学んだ子どもたちを市内に引きとめることができるよう、あらゆる策を講じる必要があるのではないでしょうか。企業誘致や既存企業の転出の抑制、雇用の拡大など、若年層の定着を促す雇用の創出は地方創生の肝とも言えると思います。今後どのような施策展開を図ろうとしているのか、当局の思いをお伺いいたします。 ◎産業部長(種村隆) まず初めに、人口動態調査等の統計から見ました市内若年層の就職動向からお答えしたいと存じます。 若干市長答弁にもございましたけれども、市内高校生の約5割が市内、また県内大学生の約6割が県内の就職を希望しておりまして、議員のほうからもございました、若者の地元志向は大変強いものがございます。そうした中で、確かに若者が呉市に就職し、産業を支える重要な担い手となりまして、子育て等々を通じて地域活動を支える、これは私も重要なことであると強く思っております。こうしたことから、これまでも市内の雇用の創出、あるいは雇用のマッチングには力を入れております。 幾つか例を申し上げます。工業振興の面では、先ほど来から出ておりますように、企業立地に係る助成制度の充実によります新規の雇用を誘導していこうとした取り組み、また商業振興の面におきましては、中心部だけではなくて島嶼部も含めまして、魅力ある商業施設を出店される方をしっかり応援していこうとした取り組み、また中途採用者等向けの雇用のマッチングを図りますセミナー、あるいは就職相談も継続して行っておりまして、今申し上げましたような事業効果として、過去3カ年の数字ではございますが、約450人の雇用を創出したところでございます。 新年度におきましては、既存企業の設備投資に対する支援の新設、あるいはソフトウエア業への支援の拡充、さらには本社機能移転等に向けました支援策、セールスの充実、こうしたセールスを行うために必要な既存企業の雇用動向、あるいは投資意欲、そうしたことにつきましても詳細なアンケートをしっかりとっていこうと考えております。 また、特に就職を控えております大学生、高校生を対象にいたしまして、地元企業の魅力、あるいは就職情報を紹介いたしました冊子をつくり、配布することも考えております。そのほか、これから呉市を担うであろう小中学生に対する産業教育も充実させまして、職業意識の醸成も図りたいと考えております。各種の事業展開、あるいは企業情報の適時、的確な把握と、こうして把握した情報をしっかりと発信することによりまして、若者層を初めといたしまして、地元企業への就職の促進、雇用の拡大・創出を図ってまいりたいと考えております。 ◆10番(山本良二議員) それでは次に、新たな産業の創出へのチャレンジ支援についてお伺いをいたします。 平成の大合併により、呉市は多様な魅力を有する都市となりました。自然や歴史、文化はもちろんのこと、基幹産業であるものづくり産業を初め、大和ミュージアムを核とした観光資源を生かした観光振興、島嶼部における農水産業など、多様な産業構造とそれがもたらす魅力的な産品も呉らしさの大きな要素となりました。こうした産業構造は多くの先人により積み重ねられてきた大切なものであり、これらを継承し発展させていくことが不可欠であると思います。 さらには、新たな視点を加えて、夢が広がる産業を創出することも地域産業活性化の鍵になるものと思っております。例えばカキやレモン、広カンランなどの6次産業化に夢が持てますし、医療機関とものづくり技術のコラボ、先端技術の開発など、将来を見据え、新たな分野に果敢にチャレンジする取り組みを積極的に支援する必要があると思いますが、当局の考え方をお聞かせいただきたいと思います。 ◎産業部長(種村隆) 本市におきましては、産業振興センターが中心となりまして、創業、販路拡大など、夢の実現への挑戦をハード、そしてソフトの両面から支援しておるところでございます。ハード面では、平成13年にサポート・コア、翌年にはインターネットを活用した創業支援施設チャレンジ・コア、それから平成17年には創業から次のステップへの支援を図るための賃貸工場ということでジャンプ・コアを開設いたしまして、新技術や新製品の開発支援を継続的に実施しているところでございます。 この産業振興センターには、各分野の専門のコーディネーターを配置しておりまして、リアルタイムの相談体制をとったり、あるいは必要に応じまして大学等の専門機関への橋渡し、こうした取り組みもしておるところでございます。特に、中小企業等がみずから行う新技術、あるいは新製品等の研究開発、販路拡大を支援いたします地域産業活性化支援では、今年度13件に補助を行っております。また、医工連携の取り組みでは、病院、福祉施設及び呉市消防局とも連携を図りながら、現場の発案によります医療福祉関連製品の開発も進んでおります。 こうした取り組みのほか、先ほどもお答えいたしましたけれども、小売業や飲食業の出店、さらには本市の特産でございますカキ、広カンランなどの販路拡大の支援も行っておりまして、先月末で関東、関西圏のほうでPRをしたところ、合わせまして65件の新規の取引の契約も成立したということでございます。 新年度におきましても、こうした支援事業を継続するとともに、医工連携の強化、広カンラン等の販路拡大や、特に呉産の酒米増産支援を行います。こうした農水産品のブランド化や6次産業化支援の充実など、各分野におきまして発想力と付加価値化による夢の実現をしっかりと支援してまいりたいと考えております。 ◆10番(山本良二議員) 産業に対する夢がさらに膨らむように、官民一体となってあらゆる手段を講じていただきますよう、重ねてお願いをしておきたいと思います。 次に、大きな2項目めとして、魅力ある都市づくりについて、特に定住・移住施策に絞ってお伺いをいたします。 呉市は、15万人以上の都市の中で最も高齢化率が高くなっております。実質的に健康長寿のまちであり、お年寄りにとって住みよいまちであることのあらわれであるという考えもできると思います。お年寄りが住みやすいのであれば、誰でも住みやすいはずでございます。しかしながら、市外への転出には歯どめがかからず、先日総務省が発表した住民基本台帳人口移動報告によると、呉市の平成27年の転出超過数は全国で7番目に多いという状況が報告をされております。 呉市では、10年前の平成17年に定住対策室を設置するとともに空き家バンクを開設し、定住・移住促進に取り組んでまいりました。しかしながら、空き家バンクの利用件数は伸び悩み、定住が進んでいるとは決して言えるものではありません。住宅事情を理由に市外へ転出する方も依然として多く、島嶼部を初め、広い地域でにぎわいの低下に拍車がかかっておると思います。定住・移住の促進に際して、どういう点に課題があるのか、当局のお考えをお伺いいたします。 ◎都市部長(盛池尚教) 定住・移住に係る現状と課題についてのお尋ねでございます。 まず、定住・移住に係る本市の総体的な現状につきましては、我々も議員御指摘のとおりであると認識いたしておりますが、議員から空き家バンクの御紹介がございましたので、現状について少し御説明させていただきます。 空き家バンクは、空き家の所有者等から物件の情報を登録していただき、これを本市のホームページ上で移住希望者等に御紹介する制度でございます。昨年度、新規に登録された物件は6件で、成約件数は3件でございましたが、今年度は対象地域を島嶼部から市内全域に広げたこともございまして、新規登録件数は24件、成約件数も11件と増加いたしております。しかしながら、現状では物件の登録は空き家所有者等からの申し出を待つ以外にないことから、物件の登録数の伸び悩みが課題となっているところでございます。 次に、お尋ねの定住・移住に係る課題についてでございますが、まず移住の促進につきましては、最近相談件数は大幅に増加している中で、やはり移住希望者にとって移住に関する情報や住まいの取得に対する支援がそのニーズに対して十分ではないことが課題であると考えております。 また、定住の促進につきましては、呉市内においてマイホームを取得するための経済的な負担が近隣市と比べまして相対的に高いことなどを背景に、住宅事情を理由とした転出超過が続いているという状況が課題であると分析しております。 ◆10番(山本良二議員) 今指摘された課題を踏まえ、では今後どのような具体化方策を講じるべきでございましょうか。ポイントはやはり若年層の定着にあると思います。若年層の定着を促すことにより、産業、教育、地域づくりなど、さまざまな面での活性化が期待できます。また、働き方の多様化が進む中、親世帯との近居を促進することにより、子育て世帯の負担軽減にもつながります。効果があらわれるまでには時間を要するため、息の長い取り組みになると思いますが、定住・移住の促進に向け、どのような取り組みを推進していこうと考えているのか、当局の考え方をお伺いいたします。 ◎都市部長(盛池尚教) 先ほど御答弁させていただきました課題を踏まえまして、移住の促進につきましては、新年度において民間事業者や庁内関係部署との連携を強化いたしまして、定住サポートセンターの総合窓口化を図ることで、移住希望者への情報提供や相談体制の充実を図ってまいります。また、移住希望者の住宅取得を支援するため、中古住宅購入費の2分の1を補助し、さらに子育て世帯、親世帯との近居、島嶼部への移住といった場合につきましてはそれぞれ助成額を加算いたしまして、最高100万円の助成としております。 次に、子育て世帯の市内定住を促進するために中古住宅購入費の2分の1を助成し、さらにこれも親世帯との近居の場合は助成額を加算することで最高40万円を助成したいと考えております。さらに、今年度実施しております市内全域の空き家の実態調査に基づきまして、新年度において空き家所有者等への意向調査を実施するとともに、家財道具の処分費についても助成を行うことで、空き家バンク等への登録物件の掘り起こしを図ってまいります。 いずれにいたしましても、定住・移住の促進のためには、住まいに関する支援を初め、働きやすさや育てやすさにつながる総合的な支援が必要であり、呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略にも掲げておりますように、大学や金融機関などとも連携をいたしまして積極的に取り組んでまいります。 ◆10番(山本良二議員) 新年度からいろいろな事業に取り組まれるということで評価をしたいと思いますし、そういってこの1番目の項目と2番目の項目が関連しますが、どう呉市から人が出ていくのを防いでいくかということが呉市の人口減と活性化、本当に重要な課題であると思いますので、今後さらに積極的な取り組みを進めていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、3点目の携帯電話やスマートフォンの児童生徒への対策についてお伺いをいたします。 近年、携帯電話やスマートフォン等の急速な普及に伴い、高い利便性を得る一方、これらを長時間使用することで生活習慣が乱れたり、出会い系サイトを利用しての被害や誹謗中傷や嫌なことをされるといった、いわゆるネットいじめなど、不適切な利用によって児童生徒が犯罪被害に遭ったり、プライバシー上の問題等につながったりするケースがふえております。幸いにして、呉市では小中学生が大きな問題に巻き込まれるという事案は発生しておりませんが、いつ呉市の小中学生にも起きてもおかしくない状況だと感じております。 そのような中、平成21年4月に青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備に関する法律が公布され、平成27年7月には同法を受けて第3次青少年インターネット環境整備基本計画を国は策定いたしております。この計画では、フィルタリングの性能の向上及び普及の強化、保護者・家庭への支援の充実強化等についての施策を強力に推進することが示されております。 そこで、まずお伺いいたしますが、呉市の児童生徒の携帯電話等の所持率はどのくらいなのでしょうか。また、呉市では携帯電話等の問題に対応するため、学校ではどのような対策をとっておられるのでしょうか、お尋ねいたします。 ◎教育長(工田隆) 呉市の小中学生の携帯電話などの所持率と学校におけるその対策についてのお尋ねでございます。まず1点目の呉市の児童生徒の携帯電話などの所持率でございますが、呉市では3年に一度調査をしておりまして、直近の調査では平成25年度に調査を実施しています。その調査結果では、小学校全学年の平均が28.8%でございました。中学校の全学年の平均は44.6%となっております。先ほど申しましたように、今年度は呉市独自の調査年度に当たっていないんですが、今年度文部科学省が調査しております小学校6年生と中学校3年生を対象にした全国学力・学習状況調査というのがありまして、この中で質問内容として携帯電話などの所持率を問う内容がございました。その結果では呉市の小学校の、これは調査があったのが6年生ですから、6年生では所持率は54.6%、中学校3年生は72.0%となっています。 次に、2点目の学校における対策はどのようになっているのかということでございますけれど、呉市では呉市立の全ての小中高等学校で、平成21年度からこうした携帯電話などを学校へ持ち込むことは原則禁止としております。また、教職員に対しては、学校での指導に生かすために、携帯電話などに関する事件や事故の実態、あるいは児童生徒への指導を行っていく上での留意点について、警察などから講師を招いて研修会をまず実施をしております。 そして、それを受けて、児童生徒に対しては、全ての学校で、これも警察などと連携をして非行防止教室というものを実施して、その中で携帯電話などの持つ危険性や犯罪性、そして適切な使い方について指導を行っているというのが現状でございます。 ◆10番(山本良二議員) ありがとうございました。教育委員会のほうでしっかりと対応していただいていることは十分理解いたしております。しかしながらこの問題については学校での指導のみならず、家庭での指導が極めて重要ではないかと思います。 昨年末にたまたまテレビを見ようたら、報道というかワイドショーでしたが、愛知県の刈谷市では市内の小中高等学校、警察署などでつくる刈谷市児童生徒愛護会が発案し、PTAと学校の連名で保護者に協力を呼びかけ、平成26年4月から児童生徒に午後9時以降、携帯電話等を使わせない、スマートフォン夜間制限の取り組みをしているとのことでした。この取り組みは携帯電話等の問題に対して非常に有効ではないかと考えさせられました。 そこで、お尋ねいたしますが、呉市ではどのような保護者啓発をされているのでしょうか。 ◎教育部長(寺本有伸) 呉市における保護者啓発についてのお尋ねでございます。 広島県では、平成21年度から携帯電話から子どもを守ろう運動と銘打ち、携帯電話などの学校への持ち込みを禁止したり、平成27年度からは刈谷市と同じように携帯電話などによる通信を午後9時以降はしないストップナインの運動を全県一斉展開しており、呉市もこの運動に基づいて保護者啓発に取り組んでおります。 また、呉市独自の取り組みとして、平成26年度から呉市PTA連合会等と連携し、我が家の約束カードの取り組みを行っております。この取り組みは、保護者が子どもに携帯電話などを持たせる際に、子どもと一緒に使い方を話し合い、我が家の約束としてこのカードに記入し、子どもに常備させることで約束を守ることを意識させる取り組みでございます。平成27年度には、このカードを携帯電話などを所持している児童生徒の約4割に当たる約2,400枚を配付し、活用しているところでございます。今後も、我が家の約束カードの有効活用も含め、積極的な保護者啓発に取り組んでまいります。 ◆10番(山本良二議員) 呉市での取り組みはとてもよいことだと思います。呉市においてもしっかりと保護者への啓発が行われるということで少しは安心をしたところですが、これが徹底されると、例えばLINEとかで友達からかかって既読にならないとか、既読になればまた返信をせんといじめに遭ったりとか、そういうことが徹底されると、そういうこともなくなるとテレビのほうで報道されとりました。子どもたちが携帯電話等を使用する場面の多くはほとんど家庭だろうと思います。保護者の責任が非常に大きいものだと思います。 刈谷市の例は保護者の協力が十分あって成功しとると私はテレビを見て思ったわけなんですが、今後も積極的な保護者啓発に取り組んでいただいて、取り組みの効果を一層上げていただきますようお願いして質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で山本議員の予算総体質問を終わります。 午後1時まで休憩いたします。            午前11時34分     休   憩      ──────────────────────────────            午後1時00分     再   開 ○議長(石崎元成) 会議を再開いたします。      ────────────────────────────── △森本茂樹議員の予算総体質問 ○議長(石崎元成) 休憩前に引き続き、予算総体質問を行います。 32番森本議員。     〔32番森本茂樹議員登壇、拍手〕 ◆32番(森本茂樹議員) 誠志会の森本でございます。誠志会を代表して予算総体質問を行います。 先日、福岡市でありましたセミナーに中田議員と参加してまいりました。「人口減少に立ち向かう戦略、自治体消滅にならないために」という題目で、人口減少の事実を受け入れ、減少を食いとめる、減少しても元気な自治体を目指せというセミナーでございましたけれども、2040年、今から24年後には人口が2割以上減少する自治体は70%と予想されるということで、呉市では19万人。そうなると、さらなる合併を行うことが考えられるわけでございますけれども、大きな都市は合併をしない宣言をするようになるのでは。小さな町村はますますお荷物になるのがわかっているから、福祉にしても教育、交通いろいろなところに問題があるということだと思います。 長野県の長野市は合併しない宣言を行いました。これでいいのかと物議を醸すことになると思いますけれども、鳥取県は24年後には人口が44万1,000人と推定され、島根県と合併をするかもしれないということも言っておられました。 そのような中、減少幅をおくらせる地方版総合戦略とはということで、まず魅力ある地域へ変貌し転出をストップさせる、元気で生き生き平均健康寿命の拡大、3番目といたしまして出会い促進による出産の増加、山本議員にはまだまだ頑張っていただきたいと思いますけれども、不妊治療による第1子の出産──済みません要らんこと言いました──5番目といたしまして希望する家庭がもう一子出産したくなる自治体を目指すことだということでございます。 さて、平成28年度の予算案の概要を見ますと、一般会計は908億2,000万円で前年度比88億1,000万円、8.2%の減となり、中学校建設や扶助費等の増加があるものの、職員人件費、庁舎整備費の減により平成27年度を大幅に下回る予算規模となりました。『「絆」と「活力」を創造する都市・くれ』の実現に向けた取り組みを見てみますと、人づくりでは人口減少に歯どめをかけようとする施策がありありと見受けられます。妊娠から出産、育児までの包括支援に1,031万円、不妊治療の支援に4,400万円、またファミリー・サポート・センターの充実とか健康つながりサポート事業、一般介護予防の充実ということで8,092万円、ふるさと子ども夢実現事業ということで1,518万円という予算を組んでおられます。地域づくりにおきましては、産業競争力のさらなる強化、道路整備にも力を注いでおられます。都市づくりでは、証明書のコンビニ交付の導入、市営プール、体育館等の大規模改修、魅力ある住生活環境の確保、子育て世代の定住支援に2,000万円、移住希望者の住宅取得支援に2,000万円等力を注いでおられる姿勢が見受けられます。 さて、私は、重点戦略の地域づくりの中の産業競争力のさらなる強化、産業振興についてお伺いをしたいと思います。 私がいつも申しておりますように、若者が定住しなければそのまちは滅びてしまう、そのためにどのような施策を講じていくかということだと思います。12月の定例会におきましても、神田議員は呉市版地方総合戦略の作成ということで、呉市独自の色を出した戦略を、策定する上での組織体制、企画部だけが策定するのではなくて、各部が参戦しないとできないよと、具体的にどうするのか、具体策を示せとの質問もありました。中原議員は、一億総活躍社会の実現に向けてということで、呉市ならではの産業振興は、企業誘致の動向と今後の見通しということで質問があったわけでございます。ほとんどの議員の方が具体的に今後どのように進めていくのかということを思っておられるわけであります。今後どのような方策で企業誘致を推し進めていくのか市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。     〔32番森本茂樹議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 企業誘致に対する市長の姿勢、基本的な考え方ということかと思いますけれども、本市には、議員御高承のとおりでありますけれども、戦後復興期に呉や広地区の旧軍財産の跡地に日本を代表する企業が立地をいたしました。これは大きな呉の力になっております。その後、高度成長期から平成初期にかけまして、市内の企業におきましても工場用地が狭くなったという需要に対応していく、拡張する必要があるということで、虹村工業団地や内陸部の桑畑、長谷、郷原の工業団地等に多くの企業が立地をし、こうしたものづくり産業を中心に呉市経済を牽引してまいりました。そして、私が就任して以来は、臨海部に大きな埋立地があるということで天応や阿賀地区の埋立地、また新たに造成をした苗代工業団地等に特色ある企業を誘致してまいりました。確かに、都市の発展、雇用機会の創出にはこうしたものづくり産業の振興は大変重要であります。しかし、従来から私は申し上げておりますけれども、工業系はもとよりでありますけれども、商業、農水産業、観光等の各分野で所得・雇用を創出拡大させるバランスある産業構造を構築することが大切であると考えております。 ものづくり産業を初めとして創出される所得は、呉市はこれだけの工場がありますので、非常に大きいものがあります。しかし、それが市内で消費をされる構造になっていない。市内で流通、消費をすることで、呉市内における経済循環が拡大をし、また所得や雇用を乗数的に拡大させる効果があります。そうすることで若者の就業機会も拡大をし、人口減少に一定の歯どめをかけて、またこれに付随するにぎわいも生じてくると考えております。 本市は、まちづくりの歴史や地理的特性から、教育、文化、医療機関など他都市と比較しても大きな強みを持っており、また気候温暖で交通アクセスの面からも海と陸、そしてようやく私どものまちも空に直結した都市となりました。今後ともこうした都市特性、優位性を全国に発信をして、バランスある企業誘致を推進してまいりたいと考えております。 こういう観点から、このたびの新年度予算は中核市呉創生予算と位置づけまして、企業誘致を初めとする雇用の創出、仕事づくりを大きな目標の一つとしております。 ものづくり産業につきましては、今年度企業誘致に係る支援策を相当充実、拡大したところでありますけれども、今議会には苗代工業団地第2期の財産処分議案も提出させていただいており、精力的に企業誘致を進めてまいりたいと思います。 また、本社機能の移転や既存企業の留置を目的とした新たな支援策、さらには情報通信業等の立地に係る支援策の拡充など、最大限の環境整備をしようとしておるところでございます。それに加えて、高い雇用や所得創出の効果を有する商業施設出店者の支援につきましても、従来の小売業や飲食業に加えて新年度は新たにサービス業まで対象を広げて、第3次産業の雇用の創出を着実に推進したいと考えております。 本年度、平成27年度、空き家・空き店舗に対するこういう支援をしたいということで出しましたところ、思いのほか多くの方から手が挙がって、これまでお店がどんどんなくなっておった島嶼部においても手が挙がってきております。 そういうことも踏まえて、私がとにかく先頭に立って全庁一丸となって積極的に企業誘致やまた企業留置活動を推進するとともに、商業やサービス業といった第3次産業においても雇用の創出、拡大を図るさまざまな活性策を展開して、本市経済の成長につなげていきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 ◆32番(森本茂樹議員) ただいま市長が先頭に立って全庁一丸となって企業誘致や第3次産業、サービス業においてもさらなる成長につなげてまいりたいという御答弁でございました。よろしくお願いを申し上げたいと思います。 さて、呉市内の企業が東広島市の工業団地に新工場を建てるという記事が昨年の9月4日の新聞に出ておりました。県営黒瀬工業団地に自動車部品製造のベンダ工業(呉市)が新工場を建てると東広島市議会経済委員会で報告がありました。同社は、既に別の団地で操業をしており、土地を追加購入する用地取得費を含む投資額は約4億円、ことし8月の操業開始を目指す。約30人の新規雇用計画もあり、また県営のテクノタウン西大沢の一区画、約1万3,000平方メートルにトヨタカローラが進出し、中古車の清掃工場が操業開始したとあります。 そこでお聞きをいたしますけれども、どのような理由で呉市の企業が黒瀬の工業団地へ行くのか、県営工業団地と市営工業団地との価格差はどのくらいあるのか、またどのような理由があるのかお聞きをいたします。 ◎産業部長(種村隆) まず初めに、東広島市の県営団地と本市の団地の価格差、こうした点からお答えさせていただければと存じます。 県営団地は、県の企業局が造成いたしまして、その価格は原価計算、いわゆる造成単価を参考に算出しておりましたが、平成26年度から鑑定評価方式に改めておりまして、本市の分譲価格も同様に鑑定評価額としております。この価格差は、東広島市のテクノタウンと本市の苗代工業団地と比較しておりますと、東広島市の価格が3分の2程度という価格差と御理解いただければと存じます。この鑑定評価に当たりましては、地価公示あるいは路線価また近隣の取引事例等を参考に算出するとなっておりまして、都市間の土地の価値、そういったものに差があるのかなと理解しております。 次に、呉市の企業がどんな理由で東広島市の工業団地に立地するのかというお尋ねがございました。 企業が新たな工場等に係る立地を検討する際は、既存拠点や取引先との距離感あるいは用地価格、交通条件、加えまして周辺の環境等々さまざまな条件を総合的に考慮するものと考えております。その際、企業としてのリスクマネジメントから集約するのがいいのか、あるいは分散することで災害リスクを軽減させるのか、こういった部分も十分に検討されて最終的な意思決定をされるものと考えております。ただ、そうした中でも、やはり企業のマインドとしてはイニシャルコストに重きを置いているという感じを受けております。 ◆32番(森本茂樹議員) 価格の差が3分の2程度であるということでございますけれども、呉市は海に面しているという強みがあるわけです。船を利用した運搬でしたら10トン車とか、トラックで運ぶよりは大量の輸送ができるという強みもありますし、そういった企業を呼び込むといった努力が必要であると思いますが、これらのお考えをお聞きしたいと思います。 ◎産業部長(種村隆) 現在、呉市の工業団地は、臨海部の阿賀マリノポリス埋立地区、そして内陸部にも苗代工業団地がございます。こうした企業の立地志向に合わせまして、それぞれの利点等を鋭意説明しておるところでございます。 両団地とも陸運、海運ともに利便性が高うございまして、特に沿岸部への立地メリットといたしましては、海運を利用した原材料あるいは製品等の大量輸送、耐震強化岸壁や上屋の整備を済ませております。さらには、海運の利便性をさらに高める新航路等の検討についても具体的な発信をしておるところでございます。 今後とも、沿岸部だけでなく内陸部の工業団地への誘致に向けまして、呉市の都市特性の優位性、トータルコストについても誠意と熱意を持って説明したいと考えております。 例えば、充実した助成制度、層の厚い産業や技術の集積、あるいはくれ産業振興センター等の産業支援、そうした機関が立地していること、こうしたことにあわせまして気候が温暖で地震や津波等の自然災害が少ない地域であること、先ほど市長のほうからも答弁させていただきましたけれども、本市の都市特性、優位性をしっかりと発信しながら企業誘致には鋭意努力してまいりたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) いかにすれば企業誘致ができて雇用の創出が可能となるのか。先ほど市長のほうからもありましたが、呉市のほうとしてもいろいろ助成を今回手厚くしたり、企業の地方移転に対する処置も講じておられますけれども、今後どのような方策をもって企業誘致を進めていくのかお聞かせを願いたいと思います。 ◎産業部長(種村隆) 企業誘致をする際には、精度の高い企業動向をキャッチいたしまして、当該企業の既存拠点、取引状況、そういったもろもろの条件を総合的に把握していくことが大切であると考えております。そうしたことから、これまでも市長をトップに全庁一丸となりまして企業立地に係る情報収集、分析、課題解決等に迅速に対応する企業立地推進本部を、また本市工業団地の概要や支援制度の内容等を発信する企業誘致推進協議会を設置いたしまして誘致に取り組んでまいったところでございます。 また、平成26年度には東京事務所を設置いたしまして、本社が多く集積する関東圏を中心に、リアルタイムに効果的な誘致活動や情報収集、そうした活動を実施しております。新年度におきましても、ものづくり産業の誘致を初めまして、ソフトウエア業、本社機能の移転、既存企業の留置、また商業施設の出店など、とにかく産業構造をしっかりとしたバランスのあるものにしたいと考えております。しかし、一番大事なのは、冒頭申しました企業の採用情報とか投資意欲、景気感、こうした精度の高い企業情報をしっかりと収集して分析しておくこと、これが一番私は大事だろうと思っております。したがいまして、早急にこういった準備も進めながら、お話をいただいたときには分譲方法につきまして最大限分筆できるのか、どういった形がいいのか、そういった企業の御要望へもしっかりと添った丁寧な対応に努めて企業誘致に努め、その結果としての雇用の拡大、創出につなげてまいりたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) 時間の関係もありまして、次に進ませていただきますけれども、地域産品販売拠点施設の整備についてということで、これも先般の新聞によりますと、東広島市は国道2号西条バイパス沿いへの整備を目指して道の駅基本計画案の概要をまとめたと。昨年の10月29日の話でございますけれども、予定地は山林で面積が2.6ヘクタールの市有地を予定しており、210台の駐車場を確保する方針ということであります。地産地消のレストランや農林水産物の販売施設のほか、子どもの遊び場などを設けたいということでありますけれども、県内で国道2号沿いにあるのは三原市のみはら神明の里だけでございまして、東広島市の企画課は設置の必要性は高く、観光情報も発信し、市の魅力も伝える拠点にしたいということであります。そこでお伺いをいたしますが、広島県内における道の駅の整備状況について、また道の駅を整備する目的、どういう目的を持って整備をするのか、まずお聞きしたいと思います。 ◎都市部長(盛池尚教) 県内における道の駅の整備状況についてお答えいたします。 まず、道の駅についてでございますが、長距離ドライブや高齢者など、ドライバーが増加する中で交通の円滑な流れを支えるため、一般道路に設置する休憩施設として誰もが快適に安心して利用でき、また地域の文化や観光資源、特産品などを活用した多様なサービスを提供できる施設であると認識しております。設置については、市町村または市町村にかわり得る公的な団体が国への登録を経て設置し、運営をすることになります。 議員お尋ねの整備状況でございますが、現在全国で1,079カ所、中国地方では100カ所、うち広島県内におきましては18カ所の道の駅が整備をされておりまして、最近では昨年の5月に尾道松江線の供用開始に合わせまして世羅インターチェンジのすぐそばに道の駅世羅が開業いたしております。 ◆32番(森本茂樹議員) 広島県内には18カ所ということで、近隣の市では竹原市とか東広島市が既に整備をされておるわけですが、呉市が道の駅を整備しない理由、なぜ整備しないのか、できないのかについてお伺いをいたします。 ◎都市部長(盛池尚教) 呉市においてこれまで道の駅を整備していない理由ということでございます。 道の駅に必要な施設の要件といたしましては、利用者が無料で24時間利用できる十分な広さの駐車場やトイレ、道路や地域の情報が提供できる施設のほか、レストラン、地域産品販売施設などさまざまなサービスを提供する施設の整備が必要となってまいります。これらの整備には、幹線道路沿いの広大な用地と、またこの施設を実際に運営する団体が必要でございますし、特に周辺で開業している民間事業者への配慮など、慎重に検討を行う必要がございます。 こうした課題がある中で、市内の主要幹線道路の沿線におきましては、道の駅本来の目的である道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供という観点から見ますと、休憩や飲食施設など沿道のサービス環境はある程度充実をしております。 こうしたことから、本市といたしましても、これまで道の駅について検討したことはございますが、今申し上げましたような理由などにより今実現には至っておりません。 ◆32番(森本茂樹議員) 少し苦言を申すかもしれませんが、最初から道の駅をつくると、自分たちの仕事がどんどんふえるとか、失敗したらどうしようかという考えでは、私は発展はないと思うんですよね。市は仕掛け人になりんさいということを私はいつも言っているんですが、呉海自カレーにしても今大人気でやっていますけれども、これも、ある職員が一つ仕掛けて、呉海自カレー、戦艦とか潜水艦のそれのどれのカレーをあれして、誰かやってみませんかというて、その店が手を挙げてそれをやって今成功になって、やっぱり市の職員が仕掛けていって、やるのは店の人やら専門家がやるわけですから、仕掛け人にわしはならんにゃいけんと思うんですよ。 先ほど話がありました、尾道からやまなみ街道を通って出雲へ抜ける道に、道の駅世羅、また道の駅たかのといった道の駅があるわけですが、特に高野の道の駅は、高野というたら大根、リンゴという特産品があるわけで、それを使った6次産業化の品物もたくさんあって、そこはレストランも評判がよくなって来場者が多いわけですよね。誠志会で福岡県の糸島市の伊都菜彩という道の駅へ行きまして、最近テレビでも宣伝しておりますけれども、土日は車が渋滞してなかなか道の駅に入れないぐらい評判がいい。漁業者は、直接とってきた魚をサランラップでさっさ奥さんが巻いて値札をつけてどんどん並べていく。イチゴから洋ラン、米、いろんな加工品やら品物があって、私自身もまたもう一遍行ってみたいなと思ったわけですよ。同じ福岡県の宗像市の道の駅では、1,000万円以上売り上げる漁業者が十何人おるということで、国道に面しておるわけでもなく、場所としては余りよくないところでございますけれどもお客さんが集まる。漁業者も市場へ出せば、20センチぐらいのタイなんかもう売れんけん市場が持ってくな言っても、この道の駅へ1匹300円で100匹とったの出しゃあ3万円になる。やっぱり、漁業者も市場へ出しゃあたたかれるんじゃけれど、普通の店よりちょっと値段安くして売りゃあお客さんは新鮮さを求めてどんどん集まってくる。やっぱり漁業者も1,000万円以上の水揚げがありゃやる気になってから一生懸命やりますよね。そういうことを仕掛けるのがわしは市の仕事じゃろうと思うんです。職員もネクタイを締めて、ただ仕事するんじゃなくて、じかに生産者の声を聞いたり話を詰めて、一度、二度はそりゃ誰でも失敗すると思うんです。それを糧にして成功へ持っていくというぐらいの勇気を持って取り組まにゃ、わしゃ何にもできんと思うんですよ。ジェネリック医薬品にしても、アイデア次第ですばらしい力が生まれてくるわけですから、そういうことを期待したいと思っております。 次に、大和ミュージアムを核とした道の駅構想ということでございますけれども、年間80万人から85万人の来場者があって、1週間に1回休みだったら、単純に割ったら1日に2,500人の来場者が大和ミュージアムに来ているという計算になるんですが、2,500人のお客さんを逃さんように特産品を販売する。川尻の筆にしても仁方の爪を研ぐやすりにしたって、水産物、農産物にしたって、2,500人の人がよそから来たら気がうきうきしとるけえ、わしらでもよそへ行ったら買うて帰るようなもので、せっかくこういう人が集まる場所があるのに何でこれを利用せんのかと思うんですが、そこらのお考えをお聞きしたいと思います。 ◎産業部長(種村隆) 確かに、今議員から御紹介ありましたように、大和ミュージアム周辺は年間を通じまして市内外から多くの観光客の方でにぎわっておられます。そのため、施設周辺で呉市の特産品をPRして、また本市の食文化を堪能していただくということは、もっとにぎわいが出ますし、大きな経済効果も期待できると私も同じように考えております。しかしながら、先ほど都市部長から道の駅についての必要な機能条件をお答えさせていただきました。厳密な意味での道の駅ということになりますと、もろもろの諸条件があるということと、あるいは近隣の施設への影響も考えなければならないということがございます。しかし、そうしたことばかりにとらわれておりましたら、今議員が言われるように前へ向いてないじゃないかとまたお叱りを受けますので、今私どもが考えておりますのは、そうした道の駅と同等の地域の販売機能を確保できないだろうか、あるいはまた、より効果的な産直市が開催できないか、こうしたことは部内で今しっかりと検討を進めております。 ◆32番(森本茂樹議員) 次の質問も何か答えてもろうた気もするんですけれども、今後の方策ですよね、どのように考えておられるのかお聞きをしたいと思います。 ◎産業部長(種村隆) 初めに、地域の産品販売の拠点ということでございますので、本市の地域産品あるいは販売促進の取り組み状況からお答えさせていただければと存じます。 平成21年度から市内の3JA──農協でございますが──中心といたしまして、グリーンヒル郷原などで産直市を年4回程度、平成26年度からはJAに加えまして14の漁協と共同いたしまして年6回程度、阿賀マリノポリス地区の埋立地などで開催しておりまして、こうした行事というものは定着したものになっているという感じを受けております。 このほか、今年度は初めての試みといたしまして、今議員が言われました大和ミュージアムに隣接した商業施設の駐車場でこうした産直市を開催いたしました。大変好評でございました。また、常設の直売所につきましては、平成26年3月に主要地方道呉環状線沿いの苗代町に呉、芸南、そして広島ゆたかの三つのJAの産品をそろえまして整備をしております。しかしながら、年間を通じて農産物を確保することに苦慮するなど、若干苦戦していると伺っております。 地域産品の販売拠点の設置は、地産地消、あるいは地域産品のPRをする上で非常に有効でございます。こうしたことから、拠点の整備につきましては、年間を通じた集荷体制や運営方法、また集客が可能な場所につきましてもJAあるいは漁協も含めまして協議、検討していきたいと、また今協議をしていると御理解いただければと思います。 ◆32番(森本茂樹議員) 今の答弁ではなかなか理解できないと申しますか、私の考えとちょっと合わないんで、お互い勉強して研究しながらまた次の機会にやろうと思いますんで、時間の都合上、次に参りたいと思います。 次に、農業振興についてということでお伺いをします。 先日2月6日に豊町の産業文化祭が行われました。これに出席をいたしましたが、途中の蒲刈、豊浜、豊町のミカン畑を見ておりますと、荒れた畑が多く見られるようになりました。生産者の高齢化が進み、5年先10年先のことを考えると、ほとんどの畑が荒廃するのであろうと思ったわけでございます。私の家もかんきつとビワを85歳の父親が栽培しており、年々面積を減らしたり木を伐採したりしながらやっておりますけれども、かんきつの場合は年に7回から8回の農薬を散布したり、収穫をするのも段々畑で力仕事となりまして、また今価格も低迷しておりますから、なかなか後継者が育たないというのが現状なわけであります。まず、呉市のかんきつ栽培の現状についてお聞きをしたいと思います。 ◎産業部長(種村隆) 呉市のかんきつ栽培の現状ということでございます。 呉市の、特に島嶼部におきましては瀬戸内海の温暖な気候と水はけのよい土壌という地形、あるいは地理上の特性から全国でも有数のミカンの生産地でございまして、大長ミカン、大長レモン、いしじミカンなどのブランドが広く知られておるところでございます。しかしながら、地形的なものによる非効率な生産性、また安定収入の確保などの課題もございまして、後継者不足と高齢化が進んでいる実情は私も認識しておるところでございます。 こうした対策の一つといたしまして、分散しております園地の集積を進めまして、作業効率の向上あるいは農作業の省力化、こういったことを取り組んでいるところでございます。また、いしじミカンや…… ○議長(石崎元成) しばらく休憩いたします。            午後1時38分     休   憩      ──────────────────────────────            午後1時51分     再   開 ○議長(石崎元成) 会議を再開いたします。 休憩前に引き続き当局の答弁を行います。 ◎産業部長(種村隆) かんきつの栽培の現状ということをお尋ねいただいたところで、非常に後継者不足あるいは高齢化という認識はあるとお答えしたところだと存じます。そうしたことから、分散しております園地の集積による作業効率の向上あるいは農作業の省力化を図っていきたいと申し上げたところでございます。 また、いしじミカンとかデコポン、レモンなど収益性の高い品種への転換を奨励することで所得の増加を図っていきたい、あるいはリタイア層の幅広い担い手の受け皿といたしまして、恵みの丘蒲刈の果樹園を活用した研修会も開催し、さまざまな事業を展開することとしております。 いずれにいたしましても、確実な成果を生み出すにはもう少し時間が必要でございますけれども、引き続き国、県そうした関係機関とも連携いたしまして、呉市の誇れるかんきつ産地の維持、再生、さらなる発展に向けて努力していきたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) 大したことがなくてよかったですけれども、今、朝のテレビ小説でいえば「びっくりぽんや」という感じでございます。 次に、オリーブ栽培についてお伺いをいたしたいと思います。 今、部長のほうから答弁がありましたように、かんきつ栽培の現状の中で、今後の呉市の農業をどう進めるのか、またどうあるべきかということを自分なりに考えてみました。そこで、目をつけたのが江田島市が行っているオリーブの島構想と申しますか、オリーブ栽培でございます。かんきつの場合は、先ほど言いましたように農薬の散布が大変で、収穫時も力仕事が大変ですが、オリーブはほとんど農薬を散布しなくても無農薬栽培が可能でありまして、3歳から4歳の苗木で実をつけ初め、樹齢も古いもので1,000年以上のものもあり、老熟後も収穫量は余り衰えないということであります。 豊町のみかんメッセージ館の前の駐車場の一角に、樹齢100年前後のオリーブの木が2本あります。誰が植樹したのかよくわかりませんが、明治の終わりのころオリーブの木を植えた人がいる、さすが大長にはすごい人がいたものだと思うわけですが、誰もこの木に農薬を散布したこともなく、管理をしたわけでもなく、毎年オリーブの実をつけております。一度植栽をしておけば、将来にわたり農業振興が図れると思いますが、江田島市における取り組みについてお伺いをいたします。 ◎産業部長(種村隆) 江田島市では、瀬戸内の気候に適し、また栽培が比較的容易、さらには化粧品、食用オイル、健康食品と付加価値の高い商品化が可能なオリーブ栽培に着目されまして、市を挙げた取り組みをされております。 推進体制といたしまして、平成23年6月に生産者、JA、行政などで組織いたします江田島市オリーブ振興協議会を設立いたしまして、苗木の低価格での販売、栽培指導、それから誰でも使える搾油機も設置されておられます。また、平成25年4月には農林水産課内にオリーブ振興室を設置されるなど、まさに市を挙げて事業推進しているものと理解しております。 江田島市といたしましては、こうしたオリーブを核とした産業を振興することで産業全体の活性化をさせたいという強い思いがあるものと推察しておるところでございます。 ◆32番(森本茂樹議員) 世界のオリーブの生産量は、スペインが35%のシェアを誇っておりまして、9割以上は地中海沿岸で生産をされております。日本では、小豆島が95%のシェアを占めており、国内自給率は1%にも満たず0.05%でありまして、イタリア産が6割の輸入量を占めておるのが現状であります。需要はまだまだあるわけでありまして、地中海気候と瀬戸内海気候はよく似ております。オリーブ栽培が瀬戸内海の気候に向いているということはわかっておりますけれども、特産品にするための呉市の役割、例えば苗木の購入の補助とか、果樹の買い取りやら搾油機の設置等いろいろなことが考えられるわけでございますが、どの家庭にも庭にオリーブの木を2~3本植えるとか、遊休地に植えるとか、いろいろな方法があると思いますが、呉市の役割についてお伺いをしたいと思います。 ◎産業部長(種村隆) 本市におきましては、昨年7月、地方創生交付金を活用いたしまして新たな特産品等の開発やブランド化に取り組む事業を公募いたしました。その際、オリーブを通じて地域経済を活性化しようとする事業提案を採択したところでございます。その事業内容を若干御紹介させていただきますと、島嶼部の農地等を活用したオリーブの栽培を行うものでございまして、具体的には苗木の植栽によります遊休農地の解消、それから将来構想といたしましては、オリーブオイル等新たな特産品の開発による6次産業化、レストランの設置、またイベントの開催などによりまして地域経済の活性化が生まれるということが期待できるというものでございます。 呉市といたしましても、こうした新産業創出の機会を捉えまして、江田島市とも連携を視野に入れた振興策を協議しておりまして、事業推進に係る協議会の設置、あるいは議員のほうからも御提案ありました苗木取得に係る助成等についても検討したいと考えております。 また、将来的には、小豆島あるいは岡山県の牛窓などでオリーブハマチとかあるいは化粧品の加工品というものも開発しておられますので、そういった地域とも交流を深めながら、多様な商品の開発支援を行って呉市のブランド化の確立を目指してまいりたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) 将来的に江田島市と呉市で小豆島を追い越して、むき身のカキとかレモンの生産量が今、呉市は日本一でございますけれども、オリーブも日本一を目指して農家所得が向上するように頑張ってもらいたいということで終わっておきます。 有害鳥獣に関しましては、いろいろと私のほうから要望を出しましたけれども、3戸以上の農家が防護柵を設置すれば国の補助があるとか、狩猟期間における箱わなの設置とか、狩猟免許取得の今年度は助成も行っていただきました。ほぼ実現してまいりましたので、時間の都合上ちょっときょうは割愛させていただきたいと思います。 最後になりましたけれども、戦艦「大和」の潜水調査についてということでお伺いをいたします。 昨年、この場で私は提案型の質問を行いました。戦艦「大和」を活用したまちづくりとして実物大の263メートルの大和ホテル構想についてということで質問をいたしました。世界に一つしかない、よそのまちにない財産を生かして活性化していくという発想は、地方創生の根底に据えるべく基本的な考え方でありまして、今後も持ち続ける必要があると思っております。 こうした中、国の補正予算を活用されて、戦艦「大和」のふるさと・くれブランド向上事業に取り組もうとされております。大和ミュージアムの来館者数は1,000万人を突破しました。呉海自カレーは大きな盛り上がりを見せております。こうした動向を一過性に終わらせるのではなくて、永続的ににぎわいを創出していく必要があるわけでございます。そのために欠かせないのは、回遊性の向上であると思いますし、大和ミュージアムへの観光客をまず市内にとどめる、そしてお客さんに市内でたくさん消費をしていただく、このたびの予算における宝町から幸町エリアの整備構想策定はそのようなことを念頭に置いているのだろうと思いますけれども、大和ミュージアム周辺における回遊性をどう高めていくのか、当局のお考えをお聞きいたします。 ◎企画部長(小松良三) 大和ミュージアム周辺における回遊性の向上策についてお答えいたします。 大和ミュージアムの一点集中は呉市観光の抱える課題でございます。ソフト事業の取り組みとして呉海自カレーが盛り上がりを見せるなどしていますが、まちづくりの視点から宝町から入船山記念館がある幸町に至るエリアを対象として、にぎわい創出と回遊性向上を目指した面的整備に関する構想の策定に取り組み、同地区の交流機能の拡大を目指していきたいと考えております。 構想の具体的な内容は今後検討してまいりますが、例えば民間事業者との連携や日本遺産の認定を見据え、エリアに点在する近代化遺産の充実を図り、これらをテーマやストーリーでつなぐことにより、にぎわい創出と回遊性の向上を図り、消費拡大や雇用創出などにつなげてまいりたいと考えております。また、そのにぎわいを呉市の玄関口である呉駅前や中央商店街にも回遊させることで地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) 具体的な検討はこれからということでございますけれども、多くの観光客が少しでも市内にとどまるよう、またお金を使っていただけるような仕掛けづくりをしていただくようお願いしておきます。 次に、戦艦「大和」の潜水調査を行うこととした経緯についてお伺いをいたします。 まさに、この取り組みは呉市でしかできない取り組みであると思いますけれども、しかしこの調査はこれまでに民間事業で実施されており、大和ミュージアムにおいてそれを映像化したりするということがもう既に行われ公開されているわけでございますが、なぜ今市として取り組むこととしたのか、その経緯と調査の目的について、またそれをどのように活用していこうとしているのかお伺いをいたします。 ◎産業部長(種村隆) まず初めに、潜水調査の概要からお答えさせていただきます。 予算といたしましては8,000万円をお願いしておりまして、現地海域での調査、またその調査データを分析いたしまして、映像の編集等行った後、大和ミュージアムにおける公開展示等の資料を充実していくというものでございます。 次に、経緯と目的でございます。 今、議員のほうからもございました、戦艦「大和」が建造された呉市として潜水調査を行い、発信していくことは、呉市の使命であると考えております。あわせまして、日本遺産の認定を目指している中で、都市ブランドの向上に向けましての相乗効果も期待できる、こうしたところがございます。さらには、開館10年を迎えたところの大和ミュージアムの次なる10年に向け、展示等の資料を充実し、さらなる魅力向上を図るものでございます。 先ほど、議員のほうから過去に民間のほうが潜水調査したということでございますが、確かにそうした調査を一部公開しておりますけれども、調査から17年が経過しておりまして、撮影機材や技術の発達によりまして格段に精度の高い映像を撮ることとしております。 最後に、潜水調査結果の活用でございます。 こうした調査の結果、得られました映像、分析、編集し、大和ミュージアムにおきまして常設展、企画展で公開する予定でございます。こうすることで、大和ミュージアムの機能、魅力向上によりますさらなるにぎわいの創出、入り込み観光客の増加、また観光振興やこれに関連する産業の雇用創出等が期待できると考えております。加えまして、戦艦「大和」の技術を継承するものづくり、高度な産業が集積するまちとしてのイメージアップを図り、一方で戦艦「大和」から読み取れる戦争の悲惨さや平和への大切さもあわせて発信してまいりたいと考えております。 ◆32番(森本茂樹議員) よくわかりました。有効に活用していただくように要望をしておきます。 さて、最後になりましたが、私が副議長をしておるときに、東京であった新椿会の新年会に出席したときのことでございますけれども、平成22年だったと思いますが、当時の商工会議所の会頭が戦艦「大和」を引き揚げたいという夢を持っていると挨拶されました。私も、単純に戦艦「大和」を引き揚げれば話題にもなるし、呉市をアピールすることができると思っておりましたけれども、遺族の方や自衛隊のOB、また市民の皆様とこの話をしておりますと、もうそのままにしておいてください。「大和」が沈んで70年以上が過ぎて安らかに眠っているのに、墓場を揺り動かすことはやめてください。沈没して2年か3年のうちに引き揚げるというのならわかるが、もうやめてください。今さら引き揚げてどうするんだ。船首にある菊の御紋がみたまの象徴であり、魂を揺り動かすことはやめたほうがいい。何百億円もかけてさびた鉄を引き揚げてどうするんだという声ばかり聞くわけであります。いろいろな考えの方がおられると思いますけれども、誠志会といたしましては引き揚げには断固反対をしたいと思います。ですが、潜水調査を行って大和ミュージアムの魅力向上を行い、さらなるにぎわいの創出や観光客の増加、産業の雇用創出を行い、平和の大切さが発信できるならこの潜水調査には賛成をしようと思っております。いろいろと申し上げましたが、これで質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で森本議員の予算総体質問を終わります。      ────────────────────────────── △平岡正人議員予算総体質問 ○議長(石崎元成) 23番平岡議員。     〔23番平岡正人議員登壇、拍手〕 ◆23番(平岡正人議員) こんにちは。同志会を代表して予算総体質問をさせていただきます。 まず、未来を展望した呉市のまちづくりについてということで、最初に新年度予算における小村カラー、これについてお伺いいたします。 市当局の説明にも予算概要にありますけれども、平成28年度予算編成の背景として、我が国の経済は緩やかな回復基調であり、先行きについても、雇用とか所得環境の改善というのが続くということで、重複しますけれども、緩やかな回復に向かうことが期待されております。しかしながら、その一方では消費税率の引き上げに伴う反動とか、中国を初めとするアジア新興国の景気の下振れなどによる景気の下押しリスク、これも心配されるところでございます。 さて、平成28年度の本市の予算規模は総額で申しますと1,875億円ということで、前年度予算を65億円ほど下回りました。ただ、見かけ上はマイナス予算ということになりますけれども、平成27年度当初予算において新庁舎の整備関係ということで約100億円計上したことを思えば、人口減少が進む中でそれ相応の努力をして11億円の補正予算も合わせて計上するなど、全般にわたって予算編成の努力が私には見えます。この予算は、先ほど述べたように、呉市を取り巻く回復基調の経済情勢とはいえ、地方財政の非常に厳しい環境下で、言いかえれば『「絆」と「活力」を創造する都市・くれ』の実現に向けた取り組みなど、魅力ある都市呉の創生、次世代にこれを引き継いでいく責任世代としての立場を持って編成された予算であると思いますが、この新庁舎での最初の年度の予算として市長はどのような点に特に意を用いて編成されましたか、この基本的な考えをまずお伺いいたします。 以後の質問は質問席から伺います。     〔23番平岡正人議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 多くの皆様の御協力のもとで、長年の懸案でありました庁舎の建てかえが無事完了をいたしました。分散する庁舎を集約化した新たな庁舎は、行政サービスの総合窓口として機能するだけではなくて、市民の安全・安心を守る拠点として、また市民のきずなを育む拠点として重要な役割を担ってまいります。そういう中で、呉市をよいまちにする、発展をさせるためには、職員一人一人が質の高い人間になっていくということが不可欠であります。そうなることによって質の高い行政サービスを提供できる、そんなふうに思っております。いろんな御指摘はありますけれども、そういう思いを持って行政に取り組んでおるところでございます。 こうしてしっかりと整備をされた基盤の中で、職員が一丸となってこういう思いを実現していく必要があり、これからがまた新たな市役所づくりであり、新たなまちづくりが始まると思っております。その新たなまちづくりの初年度となります平成28年度予算でございますけれども、教育とかいろんなときに小村カラーということをおっしゃられるんですけれども、私は自分のカラーを出すとか、そういう思いはありません。そういうことじゃなくて、どうすれば呉市が持っている大きな課題に対して対応できるか、そういう思いだけで予算の編成に当たっており、特に意を用いましたのは地方創生ということと中核市になるというこの二つでございます。 まず、地方創生についてでございますが、呉市の人口減少のうちで、自然減はある程度仕方がないところがありますけれども、社会減の大きな要因が若年層の人口流出ということでございます。これは午前中から議論をされているところでございますけれども、このことから若年層を対象とした仕事づくり、人づくり、まちづくりに特に力を入れることによりまして、呉らしさを生かした地方創生を推進してまいりたいと思っております。 呉らしさといえば、先ほどの御質問にもありましたけれども、多くの人が思い起こすのは海軍であり、戦艦「大和」でございます。海軍あるいは海軍工廠とともにまちが発展をしてきた歴史を踏まえまして、ハード・ソフト両面からその遺産を呉市の活性化に結びつけてまいりたいと思っております。特に戦艦「大和」のふるさと・くれ、これは一つの呉市のブランドでありますけれども、このブランド向上の事業として大和ミュージアムの機能向上、また幸町、宝町エリアの魅力向上に取り組んで、交流人口を増加させる、そしてそれによって雇用も増加をさせることができるのではないかと考えておりまして、地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。 また、若者の就業の確保というのは、本当に喫緊の課題でございます。基幹産業であるものづくり産業の振興に加えまして、島嶼部を中心とした農水産業の6次産業化、あるいは飲食、小売、サービス業の出店奨励などによる第3次産業の振興にも力を入れて、産業の裾野を広げていく、これによって若者の流出に歯どめをかけてまいりたいと思っております。 一方、中核市についてでございますけれども、本年4月に中核市に移行するということで、呉市はより幅広い事務権限を持つことになります。午前中も申し上げましたけれども、特例市と中核市というのは2,000ぐらい事務が違います。そのうちもう1,600ぐらいは既にやっておるということで、あと400ぐらいの事務がこの4月からふえるわけでありますけれども、これによりまして、ニーズを踏まえた特色あるまちづくりを展開することが可能になるほか、特に迅速で市民にとってはより親しみやすい細かな行政サービスの提供が可能になってまいります。父子・母子家庭等への福祉資金の貸し付けでありますとか、あるいは不妊治療費の助成、こういうもののほか、拡大をした権限を最大限に有効に活用して市民サービスの向上を図るとともに連携中枢都市圏の形成を目指してまいりたいと思っております。 このように、平成28年度はまさに新たな時代の幕あけとなる重要な年でございます。次世代に魅力ある都市を引き継ぐために、「中核市くれ創生予算」と銘打っておりますけれども、新たなチャレンジに果敢に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうかよろしく御指導のほどお願いいたします。 ◆23番(平岡正人議員) 先ほどから市長の新年度予算の最重要ポイントということで、地方創生、それから中核市の創造元年予算、そういう強い思いが私はよくわかります。私は、旧庁舎からこの新庁舎への移行がまず順調に完了した今、まさに一丸となって将来を展望したまちづくりを推進する体制は整ったかなと思っています。将来の見通しとして、先ほどの話はしましたけれども、まだ経済的には不透明なところもありますし、かなりの困難も予想されますけれど、我々も一緒になって明るい呉市、未来をつくっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、この未来を展望したまちづくりの推進に向けて特に力を入れるべく二つの都市づくり戦略について質問いたします。 1点目は、都市ブランド力の向上に向けた取り組みということで、先ほどの市長のお話の中に呉らしさを生かした地方創生について、呉らしさといえばやはり海軍であって「大和」であります。また、大和ミュージアムが持つポテンシャルを最大限引き出すとともに、周辺エリアの活性化に取り組むことによってにぎわいの創出を図るという答弁がございました。以後、その具体化の一弾として、国の補正予算を活用して戦艦「大和」のふるさと・くれブランド向上事業に取り組むこととされております。これから先は、先ほどの森本議員の質問とも重複することがあると思いますけれども、なるべく重複を避けながら質問いたします。 私は、戦艦「大和」の歴史的意義を発信する大和ミュージアム、これは平和の大切さを語る、これを引き継いでいく使命を持っていると考えておりますし、この事業は確かに大変意義深い施策であると思います。この施策を通じて平和貢献に資するとともに、「大和」がもたらした建造技術の顕彰とか、こういうものが図れると大いに期待はしておりますが、大和ミュージアムの魅力の向上ということで周辺エリアの整備に向けた検討を今一体的に進めようとしている、このブランド力の施策にかける思いについて答弁をお願いしたいと思います。 ◎企画部長(小松良三) 「大和」のふるさと・くれブランド向上事業についてのお尋ねにお答えいたします。 大和ミュージアムは、呉らしさをあらわす象徴として、1,000万人を超える来館者を引きつける呉市中心部の観光及びにぎわい創出の中核施設でございます。同館を中核として呉らしさを生かした地方創生を推進するため、次の三つの事業を一体的に実施することといたしております。 まず一つ目は、大和ミュージアム魅力向上構想策定、資料収集調査でございます。同館のさらなる魅力向上を目指すとともに、博物館としての価値を高めていくため、資料収集、保存、展示、調査研究に関する中長期的な計画を策定するものでございます。 二つ目は、宝町~幸町エリア整備構想策定でございます。呉市の観光の課題である大和ミュージアム一点集中から脱却し、宝町から入船山記念館がある幸町に至るエリアを対象として、にぎわい創出と回遊性向上を目指した面的整備に関する構想を策定するものでございます。 三つ目は、戦艦「大和」潜水調査でございます。海軍工廠時代のものづくりの集大成であり、産業遺産である戦艦「大和」を広く語り継ぎ、情報発信することは呉市の使命であると思っております。最新の映像技術を用いた潜水調査を行い、その調査で得られた結果を大和ミュージアムで公開するなど、さまざまな利活用に資することにより、同館の充実強化を図ってまいりたいと考えております。 大和ミュージアムは、開館から10年、呉らしいオンリーワンの博物館として、教育、文化、観光、地域経済など、呉市のまちづくりに大きく寄与してまいりました。今後、これらの三つの事業を一体的に推進することで、大和ミュージアムのさらなる学術的、機能的なレベルアップを図り、この周辺エリアに点在する資源を一体的、有機的に結びつけ、多くの人を引きつける魅力的な空間を創出したいと考えております。そして、戦艦「大和」のふるさと・くれの都市ブランドの一層の向上を図り、交流人口の増加や雇用創出、地域経済の活性化など、呉らしさを生かした地方創生に邁進してまいりたいと考えております。 ◆23番(平岡正人議員) よくわかります。全体構想としては、宝町から幸町までのエリア全体の活性化を促進する事業ということでありますが、事業の主たる取り組みの中に戦艦「大和」の潜水調査、これは本当に情報を公開する効果としては、エリア全体の活性化とともに2本立てでやっていくということで「大和」の潜水調査というところには私は意義があると思いますが、この件について、確かにこの取り組みは「大和」を建造したまちである我が呉市にしかできないものである。また、これをあえて地方創生の一環として取り組もうとされた理由とか、特に戦艦「大和」の潜水調査をこの時期に行うことに当局としていかなる意義があるかお伺いします。 ◎産業部長(種村隆) 地方創生は各地方が特色を生かした自立、そして持続的な社会の構築に向けて魅力ある地方、まちにしていくことだと私は理解しております。こうした意味から、先ほど企画部長からも答弁がありましたけれども、戦艦「大和」が建造された本市が潜水調査を行い、発信していくことは最も呉らしさを生かした事業でございまして、本市の使命であると考えております。また、大和ミュージアムはオンリーワンの博物館であり、開館10年で1,000万人もの来館者を迎えました。今後、新たな資料の収集、分析によりまして展示等を充実し、その成果を公開することで魅力が向上し、さらなる成長や進化につながるものでございます。事業実施の時期もまさに地方創生、大和ミュージアムの次なる10年に向け絶好のタイミングだと言えます。 また、調査の意義でございます。産業振興の面から、文化及び観光振興等、地域産業の活性化が期待できるとともに、国内外に発信することによりまして、ものづくりや高度な産業技術集積のまちとしてのイメージアップを図り、呉ブランドの向上にもつなげてまいります。学術的な面では、これまでの調査では不十分であった海底での状況、船体構造、造船技術等を解明することで、資料としても本市の貴重な財産として将来にわたり活用、継承することができます。さらに、教育的な面では、戦争の悲惨さや平和の大切さを発信するとともに、日本の科学技術、文化、そして戦後の都市発展のメカニズムを発信することができるものでございます。 ◆23番(平岡正人議員) 絶好のタイミングということで、確かに内容は了解しました。しかしながら、先ほどの森本議員と同じなんですが、御遺族とか関係者の方々の中には、海底に沈む「大和」、これは墓標であると考えられている方々もおられます。墓荒らしというたら大げさなんですけれど、そっとしておいてほしいという意見が相当数あると思いますし、今の答弁では触れられませんでしたけれど、これは将来的に「大和」の引き揚げも視野に入れているということになれば、この調査は事業自体が難しくなるおそれも出てくることはある程度容易に予想もされるでしょう。したがって、こうした御遺族とか関係者の方々の思いを大切にしながら詳細に繊細に事業を計画していく必要があると私は考えますが、再度考えをお伺いします。 ◎産業部長(種村隆) 今回の潜水調査は、船上から遠隔調査が可能な無人潜水探査機によります映像や静止画のデータを取得するものでございます。 なお、先ほどお答えしたように、海底にある戦艦「大和」の現状把握、船体構造、造船技術等の学術的また産業振興、教育的な意義によるものでございまして、今回の調査は引き揚げを目的としたものではございません。こうした趣旨であり、遺族を初めとする関係者の皆様には最大限の配慮が必要であると考えております。そのため、今回の潜水調査は呉市のものづくりの原点というべき産業遺産であり、また時代の証人、平和の礎である戦艦「大和」を語り継ぎ、発信していくための調査であるという意図を事前に広く周知してまいりたいと考えております。 ◆23番(平岡正人議員) わかりました。いずれにいたしましても、戦艦「大和」のおかげで今の平和がある、そういう部分もございますし、当時培われた技術、これも今の「大和」にまだ生きておるということもございます。答弁されましたように、こういう情報をしっかり発信することによって、先人に対する敬意の表意というものもありますし、情報を受けた方々にこれが平和について考えていただくチャンスかもわかりませんが、呉市が平和の先駆者として確たる思いを持ってこの事業を進めていただくようお願い申し上げます。 次に、都市計画マスタープランということで、この実現の方策の中にコンパクトシティープラスネットワークのまちづくりというものがございます。これに関して質問いたします。 現在、呉市では、将来といいますかもう進行形でしょうけれど、人口減少社会を迎える中で、総合計画である第4次長期総合計画の後期基本計画、あるいは呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略など、種々な政策が打ち出されています。その中で、コンパクトシティープラスネットワークのまちづくりを目指した呉市都市計画マスタープラン、これについても外部委員から成る検討委員会を設置して、先日は市民意見の募集の実施を得て、間もなく全体構想ができるだろうと聞いております。さらに、来年度、地域別構想が策定されることによって、呉市全体あるいは地域ごとの将来像や都市づくりの理念、目標が明らかになるということで、これについて今後のまちづくりに確かに大いに期待しているところであります。 そこで、このマスタープランの実現に向けてどのような具体方策を今考えておられますか、お聞かせください。 ◎都市部長(盛池尚教) 都市計画マスタープランの実現方策についてのお尋ねでございます。 本年度より、将来のまちづくりに向けてコンパクトシティープラスネットワークを前提とした呉市都市計画マスタープランの改定作業を進めており、現在都市全体のまちづくりの方針となる全体構想を策定中でございます。また、新年度におきましては、各市民センター単位で各地域ごとのまちづくりの方針となる地域別構想の策定を予定しております。 一方、国におきましては、平成26年8月に都市再生特別措置法を改正いたしまして、まちをコンパクトに再構築し、公共交通によりそれらをネットワークするコンパクトシティープラスネットワークのまちづくりを進めることとして、医療、福祉、商業等の施設や住居等の立地を緩やかに誘導する立地適正化計画制度が創設されました。このため、本市におきましても今後都市計画マスタープランをより具体化し、コンパクトで持続可能なまちづくりを実現させるため、長期総合計画などとの整合を図りながら、立地適正化計画の策定に向けて取り組んでまいります。 また、ネットワークの部分につきましては、引き続き東広島・呉自動車道阿賀インターチェンジの立体交差化や広島呉道路までを結ぶ地域高規格道路など、幹線道路の整備促進も図りながら、JRやバス等新たに地域公共交通サービスの全体を対象とした総合的なネットワークに関する計画である地域公共交通網形成計画の策定を進めることとしております。 この二つの計画を軸といたしまして、コンパクトシティープラスネットワークのまちづくりの実現に向けて取り組んでまいります。 ◆23番(平岡正人議員) わかりました。呉市が西日本で有数の中核市として、先ほどのような道路網の整備は言うに及ばず、高い都市機能を有するコンパクトで本当の実力がある中核市の創造、これを力強く推進されますよう期待いたします。 次に、大きな項目で、第2番目の次世代への人づくりについてということで少しお伺いいたします。 まず、1点目として、特色ある呉の教育のさらなる推進でございますが、我が会派はいつも次世代を担う子どもたちへの投資は惜しむべきでないと主張してまいりました。 呉市は、小中一貫教育に関しては全国のパイオニアとしての多くの視察を受け入れており、本当に全国のパイオニアとして頑張っておられるという認識を私は持っております。児童生徒の教育について、小中一貫教育制度につきましては、市教委当局の御努力に敬意を表するところであります。ただその一方で、若年層の定着という地方創生の理念を踏まえると、子どもたちの成績向上に加えて、呉市の子どもたちが郷土愛に目覚めて、呉市を愛する成人として巣立っていくことへの取り組みも急がれる課題でありましょう。 こうした中に、新年度予算において、子どもと子育て世代でにぎわうまちづくりの一環として、特色ある呉の教育のさらなる推進に取り組むこととされております。小中一貫教育を土台としながら、成長途上にある多感な時期の子どもたちに、呉らしさを生かした教育を通じて、豊かな感性とか、特に郷土を愛する心などを養成、培うことによって、呉市の教育の幅がまた大きく広がるものと考えます。さらには、ふるさと子ども夢実現事業とか、ものづくり体験事業等を新しく施策に上げられました。心から賛同いたします。その実現についても、本当に大きな期待感が持てるものであります。 特色ある呉市教育のさらなる推進に向けた市教委当局の思いについてお伺いいたします。 ◎教育長(工田隆) 特色ある呉市教育のさらなる推進に向けた教育委員会の思いについてのお尋ねでございますが、まず呉市の学校教育の目標は、御案内のとおり、郷土を愛し、郷土に誇りを持てる、心豊かでたくましい呉の子どもを育成することでございます。 この目標達成のための手段として、御案内いただきました全国に先駆けて取り組んでまいっております、呉の教育の特色である小中一貫教育については、今後も継続し充実を図ってまいりたいと考えています。また、今年度に引き続き、来年度も協働ということをキーワードに、地域学校間あるいは家庭とのつながりをこれまで以上に深めて、学校教育の充実をさせていきたいと考えています。 今、御紹介いただきました新年度の新たな事業のことについて少し触れさせていただきますけれど、さらにふるさと呉への愛着を深めて、呉市に貢献する意欲を育成するために、来年度から新たに二つの事業を実施させていただきたいと考えております。 一つ目は、ふるさと子ども夢実現事業でございます。 この事業は、中学生による地域の活性化に向けての具体的な取り組みを、これまで取り組んできておりますふれあい夢議会で討論させ、これまでは討論に終わっておりましたけれど、新年度に当たっては、この討論の結果を受けて、実際に子どもたちが実施する事業として実現させていきたいというものでございます。 二つ目は、ものづくり体験事業でございます。 これは、先ほど来、呉市の特色として意見をいただいております、すぐれた技術力を持つ呉のものづくり企業、あるいは高等教育機関から講師を招聘して、ものづくり体験の出前講座を実施していきたいというものでございます。 こうした新たな事業も含めた取り組みを通して、今後も引き続いて特色ある呉の教育を意欲的に進めてまいりたいと考えております。 ◆23番(平岡正人議員) ありがとうございます。 私は、本当に教育こそが、人々の多様な個性とか能力とかを開花させて、人生を豊かにする、社会全体の発展を実現する人材ができる大切な基盤であると思います。将来の呉市を担う子どもたちの育成を、我々は責任世代として着実に行っていただきますようお願い申し上げます。 最後に、大学と連携したアスリートの育成について質問します。 地方再生の実現に当たっては、民間が持つ力を最大限に生かしていく必要があります。特に、行政が関与しにくい専門的な分野については、大学とか医療機関、さらには企業などの多様な主体と連携しながら、よりよい効果を生み出していくことが極めて重要となってきます。こうした中、呉市では、昨年8月に日本体育大学と連携したスポーツ振興に関する協定、これに基づいて、新年度から、日本体育大学が持つ知識や技術それから人材を活用した技術指導等を行うことによって、子どもたちの競技力の向上を図ろうとする取り組みを始めようとされています。 教育の裾野の拡大にもつながると思える取り組みでございますが、どのような思いを持って推進しようとお考えなのか、また今後どのような展開を考案されておられるのか、考え方を教えてください。 他方、中央地区での進学を主体とした中高一貫教育校の導入が聞かれますが、この情報の具体的な内容を把握されておられましたら教えてください。 また、さきの定例会で同僚議員からの質問がございましたが、市立呉高等学校に例えばスポーツの中高一貫教育システム、こういうものについて導入を企画されておられるか、あわせてお聞かせ願います。 ◎文化スポーツ部長(末重正己) まず、私からは、大学と連携したアスリートの育成についてお答えいたします。 現在、青少年期における競技力の向上につきましては、呉市体育協会及び呉市スポーツ少年団が中心となり、選手強化育成やジュニア選手育成を実施しております。市では、昨年8月27日に日本体育大学との間にスポーツ振興に関する協定を締結し、日本体育大学が持つ専門的な知識、ノウハウ、人材等を積極的に活用し、青少年の健全な人間形成につなげていきたいと考えております。さらに、呉市の選手がオリンピックや国民体育大会などで活躍し、市民の皆さんがその姿に夢と感動、郷土の誇りを感じることで地域の一体感が醸成され、活力に満ちた元気な呉づくりにつながると考えております。 この日曜日、2月28日に開催の第7回呉とびしまマラソン大会へ、ゲストランナーとして2名の日本体育大学の学生を招聘しております。来年度におきましても、とびしまマラソンへの招聘、さらにはトップアスリート及び指導者の育成事業、中学校運動部活動への講師招聘、技術指導、また健康ウオーキング大会を通じた健康づくりの普及啓発等を行う予定でございます。 今後とも、本市と大学とが継続して、それぞれが有する教育資源を有効かつ適切に活用し、指導者と生徒、学生との相互交流や健康寿命の延伸などの取り組みに相互協力を進めまして、スポーツ振興及び健康づくりにつなげていくとともに、トップアスリートを育成し、スポーツ王国呉の復活を目指してまいります。 ◎教育部長(寺本有伸) 続きまして、私から、中高一貫教育校の導入についてお答えいたします。 まず、1点目の中央地区での中高一貫教育校の導入についてでございますが、県教育委員会に問い合わせたところ、広島県では、平成26年度に策定した今後の県立高等学校のあり方に係る基本計画に基づいて、併設型の中高一貫教育校、これは現在東広島市の広島県立広島中高等学校のようなもの、これを併設型の中高一貫教育校と言っておりますが、このような学校については現在設置場所も含めて検討をしておりますとの回答でございました。 次に、2点目の市立呉高等学校のスポーツにおける中高一貫教育等についてでございますが、まず中学生の競技力の向上については、先ほど文化スポーツ部長のほうから御答弁したように、日本体育大学との連携の中で、すぐれた技能を持つ選手や指導者の育成に取り組むこととしております。 議員お尋ねのスポーツにおける中高一貫教育校について言えば、12月定例会での市立呉高等学校へのスポーツ学科の新設という御提案も含めて、現在指導者の確保のための県との連携や、寮などの宿泊施設の必要性、競技施設の整備問題、開設する競技種目の調査などを引き続き情報収集に努め、研究してまいりたいと考えております。 ◆23番(平岡正人議員) こういうような子どもたちに夢とか希望を与えて、技術の向上を目指そうという取り組みにつきましては、私は非常に興味深く捉えております。また、中高一貫教育では、いろいろ障害もありましょうけれど、これも教育だけでなくて、市長が最初におっしゃったように間接的には人口の流入ということも期待できますので、本当に当局の、よく検討された上での積極的な取り組みを期待いたします。 以上、新年度予算について総体的に質問いたしました。 新庁舎1年目の予算ということで、これまでの財政健全化に向けた地道な取り組みにより築かれた土台をもとに、活力あふれる呉市の実現に向けて、今後は積極的に取り組む姿勢を示されたものと思います。本予算を通じて、中核市移行への的確な対応とか、地方創生の実現並びに『「絆」と「活力」を創造する都市・くれ』の実現に向けて邁進されるものと理解しております。大きな期待を持ちながら、実現に向けての努力を再度お願いし私の予算総体質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で平岡議員の予算総体質問を終わります。 3時10分まで休憩とします。            午後2時53分     休   憩      ──────────────────────────────            午後3時10分     再   開 ○議長(石崎元成) 会議を再開いたします。      ────────────────────────────── △加藤忠二議員予算総体質問 ○議長(石崎元成) 休憩前に引き続き、予算総体質問を行います。 25番加藤議員。     〔25番加藤忠二議員登壇、拍手〕 ◆25番(加藤忠二議員) それでは、仁友会を代表いたしまして、大きく四つの項目にわたって予算総体質問をさせていただきます。 まず、1項目といたしまして、地方創生元年予算についてお伺いをいたします。 地方創生の必要性が議論され始めておおむね2年が経過をいたします。平成26年5月に公表された、いわゆる増田レポートに端を発したこの問題は、瞬く間に全国の自治体に衝撃を与えております。それまでも、各自治体は人口減対策に取り組んでまいりましたが、これを境に、危機感を持ったさらなる検討が進められることとなりました。自治体だけでなく、国もこの問題には本腰を入れており、自治体が取り組む地方創生の実現に向け、人的支援、財政的支援、情報支援など、全面的なバックアップ体制が構築されております。中でも、特に財政的支援については、地方創生の実現に向けて交付金制度の創設や各種補助金制度の拡充、そして地方交付税の増額など、平成28年度は総額2.5兆円を超える予算を確保して、地方創生の加速化を後押しする形となっております。 こうした中、呉市においては、昨年3月以降、国の交付金を活用して地方創生に資する取り組みを先行して実施するとともに、第4次長期総合計画と表裏一体をなすものとして新たに呉市版の地方創生総合戦略を作成して、いよいよこれを本格化させる段階に来ております。地方創生の実現に向けてのリーディングプロジェクトとして平成28年度予算に約15兆円を計上するなど、まさに平成28年度予算は地方創生元年予算と言っても過言ではないと思っております。呉市の課題である人口減少の克服は容易ではございません。しかし、対策を講じるタイミングがおくれればおくれるほど効果が薄れ、問題解決も低くとどまってしまいます。新庁舎に移行して心機一転した今、地方創生の実現に向けてどう取り組んでいこうと考えておられるのか、市長の決意をお伺いをいたします。 この先は質問席で質問させていただきます。     〔25番加藤忠二議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(石崎元成) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 地方創生実現に向けての決意ということでございます。 地方創生という理念は、各地域、地方がそれぞれ地域が持っておる固有の財産、あるいは宝を見詰め直して、再発見をして、これを生かしてみずからのいき筋を見つけていこうと、自立的で持続的な地域社会、この地域の中で心豊かに暮らしていける地域を全国につくっていかなければいけないという危機感から出ておるもんだと私は理解をしております。そのために、地域産業の競争力を強化しようということでありますけれども、これを内外に向かって、あるいは未来に向かってコミットメント、約束をするものがまち・ひと・しごと創生総合戦略であると考えております。 この作業、これはそれぞれの地域で知恵を絞らなきゃいけない。そのための応援の仕組みが新型交付金と言われるものでありまして、したがって従来の国の支援と異なって、ここの部分は調査なり検討、ソフトに絞られております。それによって、出てきた知恵を実行していく、そのときに、いろんな従来から各所が持っている応援、システムでやっていこうと、そんなことになっておりますけれど、これは戦後一貫、国主導でインフラを整備し、統一的、あるいは画一的という言葉もありますけれど、地方を含めて国全体を運営して、インフラの整備がされ、経済発展もなし遂げられてまいりましたけれども、近年成熟社会を迎えて、全体として活力を失ってきている、その現状に対して、もう一度地方の宝あるいは知恵を引き出すことによって地方から活力を取り戻そうじゃないかと、そういう流れであると思っております。 この地方創生の実現に向けまして、国は平成26年11月にまち・ひと・しごと創生法を制定いたしました。いろんな施策の中で、やり方ありますけれども、閣議決定あるいは予算措置にとどまらず、新たな法律を制定したところに国の強い決意を感じるところでございます。 そして、我々としては、これに積極的に対応しなきゃいけない。我々もそれをチャンスとして、あるいは待ったなしという思いで対応していこうということで、呉市の実情に応じた地方創生を実現していくために、呉市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定をするとともに、平成28年度予算に関連予算を盛り込みまして、地方創生の取り組みを本格的に推進することといたしております。 これも、午前中からいろんな議論がありましたけれども、呉市の宝はいろいろありますが、やはり海軍、あるいは海軍工廠とともに発展をした歴史を持ち、ハード、ソフト両面において多くの遺産を有しております。また、課題としては、若年層の定着が大きな課題でございまして、まずは歴史遺産を生かして、これは戦艦「大和」の潜水調査等も含めた大和ミュージアムの一層の充実強化、あるいは宝町から幸町、地域の整備を含めて、交流人口あるいはにぎわいの創出、雇用の増大を図りますとともに、ものづくりの技術の高度化促進や、あるいは6次産業化の推進、3次産業の魅力向上などを通じて、若年層の雇用の創出に積極的に取り組みますとともに、妊娠、出産、子育てまでの切れ目のない支援や、特色ある呉の教育の推進、大学と連携したアスリートの育成などによる子育て、また子育ちしやすい環境づくりや、若年層の定住・移住に向けての支援を充実させることによって、将来の世代の核となります若者が集い、にぎわうまちづくりを推進しようと考えておるところでございます。 本当に行政だけでできることではなくて、何といっても民の力を引き出す、あるいは民主導でまちづくりをしていかなきゃいけない、そういうことでありますけれど、行政としてこれをしっかり後押しをしていくことが欠かせないと思っております。これまでの公共事業的な発想から進んで多様な主体と連携をしながら、人口減少対策あるいは地域の活性化をどう実現をしていくか、本当に今後も息の長い仕事になると思いますけれども、引き続き全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。午前中からの議論の総括になりますけれども、若年層をターゲットにした仕事づくり、人づくり、まちづくりに特に力を入れることによりまして、呉らしさを生かした地方創生に積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうかよろしく御指導のほどお願いいたします。 ◆25番(加藤忠二議員) 市長の答弁の中に、初めて民の力というお言葉をいただきました。これは民の力を最大限に発揮することができるようにいかに後押ししていくか、これが地方創生の実現には欠かせない、重要なことだとおっしゃいましたけれど、私も同感だと思っています。どうかしっかりと取り組んでいただきますようによろしくお願いをいたします。 次に、2点目といたしまして、シティープロモーションを通じた戦略的な情報発信の方向性についてお伺いをいたします。 先日、総務省が発表した平成27年の住民基本台帳の人口移動報告によりますと、東京圏における人口移動は約12万人の転入超過となりました。昨年に比べまして約1万人も増加しており、転入超過の状態は20年連続となっております。つまり、東京圏への人口一極集中はさらに加速化して、深刻化している現状であります。 一方で、国が行った東京在住者の今後の移住に関する意識調査の結果によりますと、東京在住者の4割が、また関東圏以外の出身者に絞ると、5割が地方への移住を検討している、または検討したいと考えております。特に30代以下の若年層及び50代男性の移住に対する意識が高くなっております。しかし、出身地以外の地方への移住を考えている人の約4割は、移住に関する情報が十分でないと感じております。 こうした結果は、ある意味でチャンスであると思います。このような情報を総合的に収集し、戦略的に提供していくことにより、東京への一方的な人口流入の流れを変えることができる可能性があります。その一助となるのが、シティープロモーションを通じた戦略的な情報発信であると思います。呉市では、平成28年度から新たに地方創生の一環として、シティープロモーションに取り組むとしております。呉で働き呉で暮らすことのよさや、呉の魅力を発信して人口減少に歯どめをかけていく必要があると思いますが、今後シティープロモーションを通じて戦略的にどのような情報発信をしていこうと考えておられるのか、お伺いをいたします。 ◎企画部長(小松良三) シティープロモーションを通じた戦略的な情報発信の方向性についてのお尋ねにお答えいたします。 呉市の人口減少に歯どめをかけ、にぎわいと活力あるまちづくりを実現していくためには、市内外を問わず、多くの人に呉の魅力を情報発信し、都市イメージを向上させていく必要がございます。 呉市におけるシティープロモーションにつきましては、これまでは観光振興、定住促進など、各部署において個々に活動を展開してまいりましたが、平成28年度からは、本市の魅力が十分に市内外に伝わるよう、総合的かつ統一的にシティープロモーションを行うこととしたところでございます。 具体的には、呉市の観光、定住等の魅力を伝えるプロモーション映像やポスター等を統一感を持って作成し、それらをJR駅構内や、浅草にございます情報発信施設まるごとにっぽんにおいて配信するなど、さまざまな媒体を活用し、戦略的、効果的に情報発信していく予定でございます。 いずれにいたしましても、呉市がより多くの人に、住んでみたい、行ってみたい、働いてみたいまちとして選ばれる都市となるよう、都市のブランド力を高めてまいりたいと思います。 ◆25番(加藤忠二議員) ありがとうございました。 呉らしさを戦略的に情報発信して、呉市のすばらしいイメージをしっかりとつくっていただきたいと思います。 次に、3点目といたしまして、日本遺産認定制度の活用についてお伺いをいたします。 地方創生の実現に当たっては、呉らしさを十分に発揮するために呉で何ができるかと考えたとき、真っ先に思い浮かぶキーワードは、旧海軍のまちであると思います。旧海軍が置かれたまちは全国に4カ所しかありません。この4市は、我が国を語る上で欠かせない旧海軍の産業遺産が点在をしております。 国はこうした地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化、伝統を語るストーリーを日本遺産として認定することを始め、既に第一弾として尾道市の町並みなど、18のストーリーを認定しております。現在、第二弾の認定に向けた選考が行われており、呉市も旧海軍4市の一員として共同申請していると伺っております。認定の可否はもう少し先になるということですが、この制度を活用して、地域振興の新たな形として、旧軍港4市がどのような連携を図り、どのように地域活性化に取り組んでいこうとしているのか、お伺いをいたします。 ◎企画部長(小松良三) 日本遺産登録制度の活用についてお答えいたします。 まず、日本遺産でございます。先ほど議員も御紹介されましたけれど、地域の歴史的魅力や特色を通じて、地域固有の文化伝統を語るストーリーを認定して、ストーリーを語る上で欠かすことのできない魅力ある文化財群を総合的に活用する取り組みを文化庁が支援する制度でございます。その認定は文化庁が行いますが、今年度の実績で申し上げますと、83件の申請に対し18件しか認定されておらず、認定に至るまでのハードルは非常に高いものがございます。 旧軍港4市は、軍港、鎮守府が置かれたまちとしての歴史や、日本の近代化に向けた躍動を体感できるという共通するストーリーを有するまちです。4市では、近代化の歴史を物語る遺産の活用や環境整備などに連携して取り組み、国内外へ積極的に情報発信を通じまして、まちのにぎわい創出につなげることを目的といたしまして、このたび日本遺産の共同申請を行いました。日本遺産の認定結果は4月に判明する予定でございますけれど、認定されれば、日本遺産を活用し発信していく4市連携事業として、例えば旧軍港フェスティバルの開催や4市をめぐるツアーの創設、4市のストーリーブックやガイドブックの作成、4市統一の案内板の整備などに文化庁の支援を得ながら取り組んでいく予定としております。 日本遺産認定を契機といたしまして、こうしたさまざまな事業に4市が連携して取り組み、4市固有の歴史や食文化等の魅力を国内外に広く情報発信し、4市の都市ブランドを高め、観光客の増加と地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。 ◆25番(加藤忠二議員) 日本遺産の認定は、呉市の観光業者にとりましても大変効力があると思いますので、しっかりと取り組んでいただきますようにお願いをいたします。 それでは次に、そごう跡地の活用についてお伺いいたします。少し厳しい質問になるかもわかりませんけれど、よろしくお願いをいたします。 本年4月、呉市は中核市へ移行するわけですが、移譲を受けた事業を的確に遂行していくことはもちろんですが、中核市にふさわしい都市ブランド力を兼ね備えていくことも、また求められていることであると思います。多くの人に、呉市に行ってみたいと思ってもらう、また住んでみたい、住み続けたいと思ってもらうためには、まちの第一印象を意識づける市の玄関口がにぎやかで活気があるということも重要な要素の一つであると思います。 このように考えますと、市の玄関口としての呉駅前の活性化及びにぎわいの創出は、中核市呉としての喫緊の課題であることは間違いございません。そごう呉店は閉店から3年が経過した今も跡地活用が進んでおらず、市民からも寂しいという声を多く寄せられております。呉駅前のにぎわいを一刻も早く取り戻していきたいと思いますが、跡地の活用に関するこれまでの経緯や市の対応についてお伺いをいたします。 ◎企画部長(小松良三) これまでの交渉の経緯についてのお尋ねにお答えいたします。 平成25年1月のそごう呉店の閉店により呉駅前のにぎわいが減少し、市民の皆様が寂しさを感じていることにつきましては、大きな危機感を持つとともに、早期に跡地の活用を図ることは呉市のまちづくりを進めていく上で喫緊の課題であると認識しております。 これまでも答弁させていただいておりますが、後継事業者の選定につきましては、建物の約8割を所有するそごう・西武が窓口となり、現建物の活用を前提に事業者との折衝を行い、呉市といたしましてもいろいろな情報を提供するなどの協力をしてまいりました。その間、本市といたしましては、呉駅前ににぎわいをもたらす商業施設として、できるだけ早期に事業者を選定の上、開店するように再三にわたり要望するとともに、一緒になって努力を続けてまいりました。しかしながら、現在に至るまで約130社以上に声をかけ、そのうち熟度が上がった数社とは具体的な協議を進めたものの、最終合意に達した事業者がないのが実情でございます。
    ◆25番(加藤忠二議員) わかりました。 後継事業者が進出しない原因の分析についてお伺いをいたします。 先ほど答弁にありましたように、そごうと呉市が連携いたしまして、130社以上の事業者に働きをされて交渉を行ってきたことは理解をいたしました。建物の大部分をそごうが持っておりまして、市が主体となって動けない状況の中で努力されていることはわかりましたけれど、現実として閉店から3年がたっても、よい話は聞こえておりません。これまで交渉された中で、事業者からさまざまな要望や意見が寄せられていると思います。これまでの交渉を通じて、後継事業者が進出しない原因を市としてどのように分析されているか、お伺いをいたします。 ◎企画部長(小松良三) 後継事業者が進出しない原因についてのお尋ねでございますが、これまでの交渉等を踏まえまして、大きく次の二つの要因があると分析しております。 まず一つは、建物の老朽度の問題でございます。 当該建物は平成2年に竣工していることから築後25年が経過しており、当面の使用には支障ないものの、今後10年、20年といった一定期間の使用を見越しますと、熱源設備や空調機器などの改修、更新に相当な費用が必要になるなど、初期投資に大きな資金が必要となってまいります。 もう一つは、地上8階建てで売り場面積が約2万4,000平米という規模形態の問題でございます。 大型百貨店のように1階から最上階まで統一された形態で営業するのとは違いまして、例えば、いろいろなテナントが入るいわゆるショッピングモールのような利用形態を考えたときに、売り場面積が大き過ぎることに加えまして、上層階への誘客が容易ではなく、建物全体の利用が難しいとの声が多く寄せられております。 このほかにもさまざまな要因がございますが、大きな要因として以上の2点があると考えております。 ◆25番(加藤忠二議員) 答弁によりますと、進出しない原因は二つあるということでございまして、現在の呉地域の商業の状況を踏まえますと、建物の規模が少し大き過ぎるということと、もう一点は、建物の竣工から25年が経過していることから、老朽が非常に進んでいる、そのために後継事業者の初期投資が多く見込まれるなど、この2点が大きな課題になっているということでございます。それはよくわかりました。そういった状況を踏まえますと、現在の建物を活用することを前提とした、そごうの後継事業者を探すのではなくて、さまざまな選択肢や可能性を視野に入れて検討する時期に来ているのではないかと思っております。 例えば、現在の建物を解体した上で、思い切った大規模な活用を促進する。そのためには、土地も含めて全ての権利を売却することなどが近道だと思いますが、呉市の持ち分を売却する可能性はあるのか、お伺いをいたします。 ◎企画部長(小松良三) そごう呉店の閉店表明から3年半以上にわたり、建物の8割と土地の2割を所有するそごう・西武の持ち分を後継事業者に売却し、残りの呉市と個人権利者の持ち分は従前と同様に後継事業者に賃貸することを前提とした交渉を行ってまいりました。しかしながら、先ほどの答弁でも申し上げましたように、現在の建物を活用することだけを前提とした交渉では、相当に厳しいものがあると認識しております。 したがいまして、今後は他の権利者との調整も必要となってまいりますが、従前の方式に加えまして呉市の持ち分も含めて建物と土地全体を売却することによるいわゆる民間主導の再々開発も視野に入れながら、跡地の活用策を検討してまいりたいと考えております。 ◆25番(加藤忠二議員) 現在の建物を活用する前提での交渉は非常に難しいということもわかりましたし、また少しびっくりしたんですけれど、呉市の持ち分も含めて建物と土地の全体を売却すると、そして民間主導による再々開発を視野に入れているという答弁でございました。新しい事業展開ですし、私も同感でございます。思い切った決断に評価をいたします。せっかく決断していただきましたので、できるだけ早期に具体的な事業展開をしていただきますようによろしくお願いを申し上げます。 続きまして、将来の財政の備えと負担についてお伺いをいたします。 国の平成28年度予算は、国債発行額を前年度から2.4兆円減らしまして34.4兆円とし、歳入全体に占める公債費の割合を示す公債費依存度をリーマン・ショック以前の水準まで回復させるなど、財政の健全化に取り組んでおります。しかしながら、公債費、これは普通公債残高ですけれど、依然として増加の一途をたどっており、平成28年度見込みでは838兆円に達し、一般会計規模の約15年分に相当する規模にまで膨らんできております。また、国、地方を合わせた長期債務残高は、主要先進国中で最悪の水準となるGDPの約2倍に達する見込みなど、国全体が赤字国債などの発行を通じて、次世代に負担を先送りする構図になっている状況であると言えます。 一方、呉市におきましては、平成24年度に財政集中改革プログラムが一区切りいたしました。評価されるべき一定の成果を残したわけですが、それから3年が経過する中で、このたび新市庁舎も落成し、本市の財政状況はある程度好転している状態だと思っております。しかしながら、本市の新年度予算では、人口の減少の抑制に向けた新たな施策を積極的に展開することとされておりますが、人口減少が進行する中にあって、持続可能な財政基盤の確立と積極的な施策展開という二つの命題にバランスよく対応していくためには、今後も厳しいかじ取りが求められていると思います。 そこで、次世代への責任という観点から、将来の負担と備えについてというテーマで何点かお伺いをさせていただきます。 まず初めに、呉市の市債残高の現状と今度どのように推移していくと見込まれているのか、お伺いをいたします。 ◎財務部長(澤村直樹) 市債残高の現状と今後の見込みについてお答えをいたします。 一般会計の当初予算ベースにおける平成28年度末の市債残高は1,288億円で、今年度末に比べ50.9億円減少する見込みでございます。その要因といたしましては、後年度元金利子の償還時に全額交付税措置される臨時財政対策債の残高は451億円と、今年度末に比較して約15.8億円増加いたしますが、投資的事業の計画的な執行により、建設地方債の残高は837億円となり、66.7億円減少する見込みとなったことによるものでございます。 次に、今後の見通しでございますが、平成28年度は新庁舎の建設という大型建設事業が完了したこともあり、今年度に比べ借入額が減少いたしますが、今後は合併特例債を活用した温水プールや消防局西消防署庁舎建設などの事業進捗に伴って、一時的に借入額は増加するものと見込んでおります。しかしながら、建設地方債の計画的な活用によりまして、今後も元金償還を下回る範囲での市債発行になるものと見込んでおりますので、結果として市債残高は着実に減少していくものと考えております。 ◆25番(加藤忠二議員) 答弁によりますと、市債残高ですけれど、今後は市営プールとか、消防局の西消防署の庁舎建設などで、一時的には少し増加するけれど、相対的には残高は着実に減少していくということで、よくわかりました。 続きまして、実質的な将来負担額についてお伺いをいたします。 一般会計における市債残高は、市長が就任された平成17年度の1,456億円がピークでありまして、その後は着実に残高を減らしてこられており、将来の負担は軽減されるということでありました。特に、臨時財政対策債を除いた建設地方債の残高で見ると、平成17年度の1,292億円から、先ほど答弁がありました837億円と大幅に圧縮されております。これは、いたずらに投資的事業を抑制してなし得たものではなくて、この間も新庁舎建設を初め、幹線道路網の整備や最終処分場の建設など、本市にとって必要な生活基盤や都市基盤の強化を図りながら残高を抑制されたものであり、その努力に対しまして高く評価をするものでございます。また、新年度予算の基本方針の一つとして、将来負担の抑制を掲げられております。 そこで、お伺いいたしますが、実質的な将来負担の軽減を図るため、このたびの予算において実際に有利な起債をどの程度活用されたのか、また先ほどお伺いしました市債残高においても、有利な起債がどれくらい含まれているのか、お伺いをいたします。 ◎財務部長(澤村直樹) 有利な起債の活用状況についてお答えをいたします。 新年度予算では、一般会計において約81億円の借り入れを予定しておりますが、このうち交付税措置のある有利な起債は約74億円で、借入額の約9割を占めております。主なものといたしましては、先ほども申し上げましたけれども、全額が後年度に交付税措置される臨時財政対策債が約40億円、約7割が交付税措置される合併特例債や過疎債、緊急防災・減災事業債が約16億円などとなっております。 次に、残高の状況で申し上げますと、平成28年度末の残高見込みは1,288億円でございますが、そのうち交付税措置のある有利な起債の残高は約1,100億円で、全体の8割を超える状況でございます。また、これらの有利な起債1,100億円の償還時における交付税措置の額は800億円程度と見込んでおりますので、この結果、市債残高1,288億円のうち、市の実質的な将来負担は約4割の500億円程度になるものと考えております。 ◆25番(加藤忠二議員) わかりました。 それでは次に、基金についてお伺いをいたします。 今後の財政運営について申しますと、やはり人口減少、少子高齢化や老朽化する公共施設、インフラへの対応など、長期的な視点を保ちつつ、災害や不況などの不測の事態が生じても、行政サービスを安定して継続的に提供できる持続可能な財政基盤の確立が不可欠になってまいります。こうしたことにおきまして、財政調整基金を初めとする基金の役割は、将来への備えという観点で大変重要であると考えております。新年度予算では、昨年度よりも少ない9億円を取り崩しておりますが、これにより財政調整基金、減債基金の基金残高はどの程度を見込んでおられるのか、お伺いをいたします。 またあわせまして、新年度に示された今後の財政見通しで、向こう5年間で55億円の収支不足が見込まれておりますが、財政調整基金を初めとした基金をどの程度活用していくのか、お伺いをいたします。 ◎財務部長(澤村直樹) 財政調整基金を初めとした基金残高の見込みと今後の活用方針についてお答えをいたします。 財政調整基金は、経済情勢の変動や災害により財源が不足する場合のほか、年度間の財源の不均衡を調整するための積立金でございまして、新年度予算では5億円を取り崩す予定としており、平成28年度末の残高は約73億円となる見込みでございます。 次に、減債基金については、平成28年度は取り崩しを予定しておりませんので、年度末残高は約9億円となる見込みでございまして、財政調整基金、減債基金を合わせた残高は82億円程度になるものと考えております。 また、参考までに申し上げますと、その他にも合併特例債を財源とした地域振興基金が40億円ございますので、この基金も将来的には有効な財源として活用することが可能であろうと考えております。 いずれにいたしましても、人口減少など、社会経済状況の変化やさまざまな地域の課題に応じた施策に対して、柔軟に財源を配分することができるよう、毎年度財政見通しを作成し、将来の収支を見込みながら、予算編成の中で各年度の財源不足の状況に応じて、計画的に財源調整のために取り崩しを行ってまいります。また、執行段階においては、経常経費の節減など、適正な予算の執行により黒字決算を確保し、その2分の1を財政調整基金へ積み立てることによりまして、持続可能な財政基盤の確立に努めてまいりたいと考えております。 ◆25番(加藤忠二議員) 通常地方自治体の財政状況を判断するには、市債残高の推移はどうなのか、また自主的な将来の負担はどうか、それから手持ち資金である基金はどの程度あるのか、これを判断すればわかると言われておりますけれど、答弁によりますと、建設地方債は1,288億円で、有利な起債の償還に伴う交付税措置が行われているのが800億円ということでございます。したがいまして、自主的な市債残高の将来負担は500億円となります。これは非常にすばらしいと思っております。 それから、基金で申し上げますと、財政調整基金と減債基金を合わせて82億円あるということでございまして、そのほかに地域振興基金を40億円積んでおられますので、合計基金の金額は122億円となると思っています。これは私の記憶ですけれど、私が議員になった当時は基金の残高は20億円から30億円程度だったと思っています。そういったことから判断しますと、呉市の財政は全体が非常に健全化されていると、進んでいると、これは評価をさせていただきます。 それでは次に、地球温暖化対策に係る呉市の役割と取り組みについてお伺いをいたします。 近年、世界中で極端な気象現象といたしまして、強い台風、集中豪雨、干ばつや熱波などの異常気象による被害が各地で発生いたしております。多数の死者を出し、農産物の甚大な被害が報告されております。日本においても、昨年8月、広島安佐区で最大1時間に降水量101ミリという観測史上最高の降水量を記録しまして、大きな被害をもたらしたことは、まだ記憶に新しいところでございます。このように、異常な気象は温暖化の影響と言われておりますが、地球温暖化が進行すれば、人間の社会や自然の生育形態にさまざまな影響を及ぼすことが懸念されております。 昨年12月に、世界196カ国が参加するSPO21のパリ協定が採択をされております。我が国はパリ協定を踏まえまして、温室効果ガスを2030年度に2012年度比で26%削減することを目標といたしております。また、この2月に地球温暖化対策推進法の一部改正法案におきまして、地域の実情に応じた地方自治体への地域レベルの温暖化対策の推進を、低炭素社会構築の重要な柱といたしております。 国の政策の目標実現に向けて、呉市の役割と、それから今後どのような取り組みをしようとされているのか、お伺いをいたします。 ◎環境部長(上藤英伸) 地球温暖化対策に係る呉市の役割と取り組み方針についてお答えいたします。 現在、本市は、呉市環境基本計画の中で地球温暖化対策実行計画を定め、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの普及促進に重点的に取り組んでいくこととしております。 国は、地球温暖化対策推進法の一部改正法案で、削減目標の達成には民生部門の温室効果ガス排出量を40%など大幅削減が必要であること、また規制や補助金、税制優遇だけの誘導ではなく、国民各階層の意識と行動の変革まで踏み込み、地球温暖化への危機感を共有し、低炭素な製品やサービス、ライフスタイルのメリットを伝え、行動につなげる国民運動の強化に取り組むこととしております。 本市における温室効果ガス排出を抑えるためにも、増加傾向にあるオフィスや家庭部門からの削減が重要と考え、市民の暮らしの中でより一層の省エネの取り組みが図られますように、国の施策と一体となり、温室効果ガスの削減の推進に努めてまいります。 ◆25番(加藤忠二議員) 温暖化ガス排出量40%の大幅な削減を国が出しておるということですが、大変これは厳しい数字だと思っております。 そこで、温暖化ガス削減に向けての呉市の具体的な取り組みについて少しお尋ねをいたします。 温暖化効果ガス削減に向けて、呉市はこれまで具体的にはどのような取り組みをしてこられたのか、お答えをしていただきたいと思います。また、新年度はどういった取り組みを計画しておられるのか、お伺いをいたします。 ◎環境部長(上藤英伸) 具体的な取り組みについてお答えいたします。 本市では、再生可能エネルギーを普及促進するため、太陽光発電システムの設置助成を平成9年度から実施してまいりました。助成件数は平成26年度までの累計で2,657件、再生エネルギーとして総出力は1万724キロワットに達しております。この総出力を例えますと、平成26年度の1年間では、8,096トンの二酸化炭素を削減することができたと換算でき、一定の効果があったと考えております。 国は、家庭用太陽光発電システムについて、普及が進み設置費用が以前と比べ物にならないほど安くなったとして、平成25年度をもって設置補助を終了しております。太陽光発電システムの設置助成につきましては、太陽光パネルの価格低下と電力会社が太陽光などの再生可能エネルギーを一定価格で買い取る固定価格買取制度が平成24年7月から始まり、経済的メリットが大きくなったことから、設置促進のための本市の助成は役割を終えたと考えておりまして、今後は国と一体となって、水素エネルギーを活用する家庭用燃料電池、いわゆるエネファームでございますが、こちらの助成へとシフトしたいと考えております。 ◆25番(加藤忠二議員) 太陽光発電システムの設置助成ですけれど、平成26年度末の累計で2,657件実施されたということでございます。この太陽光発電システムの助成は、国も平成25年度で終了しておりまして、呉市も役割は終えたという判断でございます。 今後は国と一体となって、水素エネルギーを活用した家庭用燃料電池エネファームの助成を行うということでございますが、どのような設備で、どのような効果やメリットがあるのか、お尋ねをいたします。 ◎環境部長(上藤英伸) 家庭用燃料電池についてお答えいたします。 家庭用燃料電池は、天然ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて電力を生み出し、さらに発電時に発生する熱を給湯に利用でき、家庭で電力と熱を同時につくることができます。自宅で発電し、自宅で使うことから、最も送電ロスがない設備でございます。また、家庭用燃料電池は、家庭で電気、ガス等を使用した場合に排出する二酸化炭素の量を1世帯当たり大体4分の1程度削減ができると言われております。 国が推進する水素社会の実現には、燃料電池の普及は欠かすことはできません。国は平成21年度から導入支援補助を行っており、本市においても国と一体となって助成を行うことにより、二酸化炭素排出量の削減や省エネ等の環境に対する市民意識の向上を図り、地球温暖化の防止に寄与したいと考えております。 ◆25番(加藤忠二議員) 家庭用燃料電池エネファーム、新しい事業でございまして、呉市も平成28年度から助成を実施するということでございます。これによって、家庭での電気、ガス等を使用した場合に出ます二酸化炭素の量を、1世帯当たり年間で4分の1削減することができるという、すばらしい制度だと思っております。どうかしっかりと取り組んでいただいて、市民の皆様に普及できるように努力していただければと思います。 私いつも思うんですけれど、環境政策は非常に地味な分野でございまして、そういった点で、部長を初め、環境の職員の皆さんはしっかりと取り組んでいただいております。改めて感謝を申し上げます。 以上で終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(石崎元成) 以上で加藤議員の予算総体質問を終わります。 残り7名の方の質問は後日行うことといたします。      ────────────────────────────── ○議長(石崎元成) 本日はこれをもって散会いたします。            午後4時01分     散   会 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。       呉市議会議長  石 崎  元 成       呉市議会議員  平 岡  正 人       呉市議会議員  加 藤  忠 二...