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09月05日-01号

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  1. 呉市議会 2014-09-05
    09月05日-01号


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    平成26年第3回 9月定例会       平成26年第3回(定例会) 呉市議会会議録 第538号平成26年9月5日(金曜日)呉市議会議事堂において開会出席議員       1番  上 村  臣 男       2番  藤 原    広       3番  田 中  良 子       4番  下 西  幸 雄       5番  山 上  文 恵       6番  奥 田  和 夫       7番  福 永  高 美       8番  谷 本  誠 一       9番  楠 見    宏       10番  林 田  浩 秋       11番  梶 山  治 孝       12番  平 岡  正 人       13番  中 田  光 政       14番  岡 崎  源太朗       15番  土 井  正 純       16番  森 本  茂 樹       17番  小 田  元 正       18番  北 川  一 清       19番  池庄司  孝 臣       20番  岩 原    昇       21番  井手畑  隆 政       22番  渡 辺  一 照       23番  神 田  隆 彦       24番  石 崎  元 成       25番  山 本  良 二       26番  林    敏 夫       27番  中 原  明 夫       28番  茶 林    正       29番  芝      博       30番  重 盛  親 聖       31番  加 藤  忠 二       32番  片 岡  慶 行       33番  小 泉  曙 臣 欠席議員           な    し 説明員  市長       小 村  和 年  副市長      木 坂    修  総務企画部長   明 岳  周 作  総務企画部参事  下 山  義 夫  秘書広報課長   秦    和 久  総務課長     神 垣  淳 司  財務部長     大 下  一 弘  市民部長     品 川  裕 一  福祉保健部長   濱 田  俊 文  福祉保健部参事  神 垣    忍  環境部長     山 根  直 行  産業部長     西 岡  伸 一  産業部参事    盛 池  尚 教  都市部長     種 村    隆  土木部長     増 本  寛 治  会計管理者    歌 田  正 己  代表監査委員   磯 本    勝  監査委員     迫    正 博  監査事務局長   萬 田  祐 一  教育長      工 田    隆  教育総務部長   末 重  正 己  学校教育部長   寺 本  有 伸  消防局長     奥 野    彰  消防局副局長   上 垣  良 三  上下水道事業管理者長 原  寛 和  経営総務部長   小 松  良 三  水道技術部長   平 本  徳 生  下水道技術部長  中 川  博 文 議会事務局職員  事務局長     松 沢  正 佳  庶務課長     野見山  克 宏  議事課長     清 水  和 彦  議事係長     沖 原  秀 規      ──────────────────────────────           議  事  日  程 (第 1 号)                         (平成26年9月5日 午前10時開議)第1 会期決定について第2 広島県後期高齢者医療広域連合議会議員の選挙第3 総合交通対策特別委員会の行政視察報告について第4 議第78号 物品の取得について   議第79号 安芸灘大橋有料道路通行料金助成事業基金条例を廃止する条例の制定について   議第80号 安芸灘大橋有料道路回数通行券販売基金条例の制定について   議第81号 呉市放課後児童健全育成事業条例の一部を改正する条例の制定について   議第82号 呉市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について   議第83号 呉市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について   議第84号 呉市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の制定について   議第85号 呉市手数料条例の一部を改正する条例の制定について   議第86号 契約の締結について   議第87号 呉市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について   議第88号 契約の変更について   議第89号 契約の締結について   議第90号 土地改良事業計画の変更について   議第91号 平成26年度呉市一般会計補正予算   議第92号 平成26年度呉市国民健康保険事業(事業勘定)特別会計補正予算   議第93号 平成26年度呉市介護保険事業(保険勘定)特別会計補正予算   議第94号 平成26年度呉市介護保険事業(サービス勘定)特別会計補正予算   議第95号 平成26年度呉市水道事業会計補正予算   議第96号 平成26年度呉市工業用水道事業会計補正予算   議第97号 平成26年度呉市下水道事業会計補正予算   議第98号 平成25年度呉市病院事業会計決算認定について   議第99号 平成25年度呉市水道事業会計利益の処分及び決算認定について   議第100号 平成25年度呉市工業用水道事業会計利益の処分及び決算認定について   議第101号 平成25年度呉市下水道事業会計利益の処分及び決算認定について第5 請議第1号 さらなる年金削減の中止を求める国への意見書提出を求める請願   請議第2号 要支援者を介護予防給付から外すことに反対する国への意見書提出を求める請願      ──────────────────────────────会議に付した事件 日程のとおり  林田浩秋議員の一般質問  1 平成大合併から10年経過後の自立したまちづくりについて   (1) 平成大合併の意味と今後のまちづくりへの取り組み   (2) 地域協働のあり方と評価   (3) 地域内循環(人・もの・サービス)   (4) 公共施設の活用及び管理   (5) 若者への就職支援(ニートや引きこもり)   (6) 土砂災害への取り組み  2 子供たちの社会性の育成について   (1) 保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校までの一貫した社会性の教育  井手畑隆政議員の一般質問  1 地方創生の動向と呉市の対応について   (1) 地方創生に係る国の動向と呉市の対応方針   (2) 高齢者の実態と地域包括ケアシステム構築    ア 日常生活圏域ニーズ調査    イ 地域包括ケアシステム構築の課題   (3) 生活交通の方向性    ア 地域公共交通の役割・使命    イ ネットワーク型コンパクトシティ    ウ 路線バスの利用状況と市民ニーズ   (4) 若者の雇用確保と企業誘致    ア 呉市内の就職先の状況    イ 航空機産業の誘致活動    ウ 地域イントラネットの活用   (5) 地域の活性化に取り組む担い手の確保・育成    ア 地域づくりの担い手    イ 地域福祉を支える人材  2 平成26年8月豪雨広島土砂災害を教訓とした呉市の対応について   (1) 土砂災害警戒区域   (2) 避難勧告のあり方   (3) 防災情報の広報体制   (4) 居住実態の把握      ──────────────────────────────            午前10時00分     開   会 ○議長(神田隆彦) おはようございます。 ただいまから定例会を開会いたします。 直ちに本日の会議を開きます。      ────────────────────────────── ○議長(神田隆彦) 本日の会議録署名者として10番林田議員、21番井手畑議員を指名いたします。 この際、申し上げます。 報道関係者から写真撮影等の申し出がありますので、これを許可いたします。 去る8月20日未明に広島市で発生しました豪雨による土砂災害では、大変多くの方々がお亡くなりになられました。また、現在も多くの方々が避難所での生活を余儀なくされております。被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷を行いたいと思います。 ◎議会事務局長(松沢正佳) 御起立願います。     〔出席者一同起立〕 ◎議会事務局長(松沢正佳) 黙祷。     〔出席者一同黙祷〕 ◎議会事務局長(松沢正佳) 黙祷を終わります。 御着席願います。     〔出席者一同着席〕 ○議長(神田隆彦) 議会招集につきまして、市長の挨拶があります。 市長。     〔小村和年市長登壇〕 ◎市長(小村和年) おはようございます。 本日ここに議員各位の御参集をお願い申し上げ、平成26年第3回呉市議会を開会するに当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。 議員各位におかれましては、平素から市政運営に関しまして格別の御理解と御協力をいただき、各事業がおおむね順調に進んでおりますこと、深く感謝を申し上げます。 まず、去る8月20日未明の記録的な集中豪雨によりまして、広島市北部において甚大な土砂災害が発生いたしました。昨日現在で72名の方がお亡くなりになり、2名の方が行方不明でありまして、またいまだ多くの方々が避難生活を余儀なくされておられます。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。一日も早い行方不明者の発見と被災地域の復旧を切に願うものでございます。 呉市といたしましても、8月22日に設置をいたしました災害復旧支援本部によりまして、今後とも最大限の支援をさせてもらいたいと考えております。議員を初め市民の皆様にも、引き続き御支援、御協力をお願いするものでございます。 また、呉市にも地質や地形が今回の被災地域と類似した地域が多くございますし、土砂災害警戒区域など指定を受けている地域もございます。こうした災害が呉市においても発生をする危険性があることを常に認識をして、引き続き各種の防災対策にしっかりと取り組んでまいる所存でございますので、今後とも御指導よろしくお願いをいたします。 さて、この夏の第96回全国高等学校野球選手権大会広島大会におきまして、市立呉高校の硬式野球部がベスト4に進出する健闘をしてくれました。準決勝では強豪広陵高校を相手に、惜しくも4対5と1点差で敗れはいたしましたが、勝利を諦めない気迫あふれるプレーで、呉市民に熱く、そして爽やかな感動を届けてくれました。このたびのように呉の子どもたちがそのはつらつと活躍する姿を見せてくれますと、多くの市民の心が一つになり、まちじゅうから熱気が湧き上がることを実感することができました。子どもたちの活力が、まち全体の活気、エネルギーに絶大なインパクトをもたらすことを改めて痛感したところでございます。 来年度から、子ども・子育て支援に係る新たな制度もスタートいたします。現在、少子化対策推進本部のもと、この新制度の開始に向けた準備を進めており、この新制度に基づく施策を実施することによりまして、呉市の将来を担う子どもたちの健やかな成長に役立つものとなるよう取り組んでまいります。 また、この取り組みを少子化対策という一領域での展開にとどめるのではなくて、人口減少等、呉市が直面する非常に大きな課題である人口問題対策に組み入れ、総合的に検討、実施をしていくため、今後、庁内体制の整備なども図ってまいりたいと考えております。議員各位におかれましては、今後とも、さらなる御指導と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。 今議会では、先ほど触れさせていただきました子ども・子育て支援新制度に係る呉市放課後児童健全育成事業条例の一部改正案や、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定案を初め、一般会計補正予算案など、当面する市政の重要案件について御審議をお願いすることといたしております。これら各議案につきましては、後ほど御説明を申し上げますが、何とぞ十分な御審議をいただき、議決を賜りますようお願いを申し上げまして、招集の御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。ありがとうございました。      ────────────────────────────── ○議長(神田隆彦) この際、申し上げます。 お手元に配付しておりますとおり、正誤表の提出がありましたので、御了承願います。 諸般の報告をさせます。 議事課長。     〔清水和彦議事課長朗読〕                                呉市議会報告第10号              諸  般  の  報  告1 議会運営委員会林委員の同委員会委員の辞任を6月20日許可した。2 6月27日議会運営委員会委員に芝委員を指名した。3 受理した委員会の行政視察報告書は次のとおりである。   総合交通対策特別委員会行政視察報告書            1通4 市長が提出した議案は次のとおりである。   議第78号 物品の取得について                 外23件5 受理した請願書は次のとおりである。   請議第1号 さらなる年金削減の中止を求める国への意見書提出を求める請願                                   外1件6 受理した報告書は次のとおりである。   報告第25号 健全化判断比率及び資金不足比率について       外7件7 受理した監査報告書は次のとおりである。   監査報告第10号 平成25年度定期監査及び行政監査の結果報告について                                   外1件8 広島県後期高齢者医療広域連合長から呉市選出議員の辞職に伴い、後任議員の選出依頼が あった。      ────────────────────────────── ○議長(神田隆彦) なお、報告第25号から第32号並びに監査報告第10号、第11号はお手元に配付しておりますので、念のため申し上げます。      ────────────────────────────── △日程第1 会期決定について ○議長(神田隆彦) 日程に入ります。 日程第1、会期決定についてを議題といたします。 お諮りいたします。 会期は10月1日まで27日間にいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(神田隆彦) 御異議なしと認めます。よって、会期は27日間と決定されました。      ────────────────────────────── △日程第2 広島県後期高齢者医療広域連合議会議員の選挙 ○議長(神田隆彦) 日程第2、広島県後期高齢者医療広域連合議会議員の選挙を行います。 本件は、北川議員の辞職により欠員となりました議員1名を選挙するものであります。 お諮りいたします。 選挙の方法は指名推選により議長が指名することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(神田隆彦) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定されました。 広島県後期高齢者医療広域連合議会議員に26番林議員を指名いたします。 お諮りいたします。 林議員を広島県後期高齢者医療広域連合議会議員の当選人と定めることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(神田隆彦) 御異議なしと認めます。よって、26番林議員が広島県後期高齢者医療広域連合議会議員に当選されました。      ────────────────────────────── △日程第3 総合交通対策特別委員会の行政視察報告について ○議長(神田隆彦) 日程第3、総合交通対策特別委員会の行政視察報告についてを議題といたします。 本件は、お手元に配付しております。      ──────────────────────────────         平成26年度 総合交通対策特別委員会行政視察報告書1.期  日   平成26年7月22日(火)~24日(木)2.視察委員   小泉曙臣(委員長)、渡辺一照(副委員長)、藤原広、田中良子、         山上文恵、梶山治孝、中田光政、森本茂樹、中原明夫、茶林正3.視察都市月日視察先調査事項7月22日(火)鹿児島県鹿児島市公共交通ビジョン策定、公共交通(バス交通)の維持・確保のための施策について7月23日(水)熊本県熊本市公共交通基本条例制定、バス事業における路線維持費助成、公共交通空白・不便地域への対応について7月24日(木)福岡県糸島市地域交通計画策定、地域振興策としての市営航路・コミュニティバスの運営について4.視察内容(1)鹿児島県鹿児島市 平成23年3月に九州新幹線鹿児島ルートが全線開業し、日本の南の交流拠点都市としての都市機能がより一層高まっている鹿児島市は、都市づくりの方向性について基本的な方針を定めた「かごしま都市マスタープラン」の交通体系部門の目標実現のための推進計画として、平成22年3月に「鹿児島公共交通ビジョン」を策定した。策定に当たっては、交通体系に関する総合調査、評価指標・マネジメント、策定委員会の運営補助などを業務委託し、公募で選ばれた市民を含めた委員で構成する委員会と、公共団体を中心とする幹事で構成する幹事会の中で、基本理念、基本方針、重点戦略、推進施策が検討された。計画期間は上位計画のマスタープランと同じ平成33年度までの12年間とし、公共交通利用者数温室効果ガス排出量、入込観光客数、歩行者通行量の評価指標として具体的数値を盛り込むことで、市民・交通事業者・行政等が共通の目標のもと、一体となった取り組みを進めることとしている。また、公共交通の現状、社会経済情勢の変化、まちづくりの方向性から公共交通の課題を明確に打ち出し、車に過度に依存しない社会への誘導を図るため、利便性・効率性の高い持続可能な公共交通体系を構築するとともに、安全・快適で人と環境にやさしい交通環境の整備を図ることとしている。 次に、バス交通の確保のための施策については、平成18年度に選定した公共交通不便地域14エリアのうち、12エリアで高齢者などの日常生活の交通手段を確保するため、コミュニティバスや乗り合いタクシーの運行などが行われている。コミュニティバスは年々利用者数がふえており、収支状況も改善され、交通事業者への補助金交付額も減っている。また、新たな交通手段として平成23年7月より運行開始した乗り合いタクシーの利用者数も年々ふえているが、市から事業者への補助金はふえている。これは、利用距離に応じた利用料から利用者が払う安価な利用料を差し引いた額を市が交通事業者に補助するためで、利用者がふえれば補助金もふえる仕組みとなっている。ただ、公共交通ビジョンにも示されている交通不便地域の解消、拡大抑制を大前提に、今後も運行を継続していく予定である。(2)熊本県熊本市 熊本市の公共交通の利用者数は、バス以外はおおむね横ばいだが、バスは昭和40年代後半のピーク時の約3割と大幅な落ち込みを示している。熊本市では平成24年度を公共交通再生元年と位置づけ、平成24年3月に「基幹公共交通(鉄道、市電、幹線バス)の強化」、「日常生活を支えるバス路線網の再編」、「公共交通空白・不便地域への対応」の三つを柱とした「公共交通グランドデザイン」を策定し、それを具現化した「公共交通基本条例」を平成25年3月に制定した。この条例は、公共交通に特化した条例としては全国初で、市民は利用促進だけにとどまらず、担い手としての役割を果たすことが盛り込まれている。また、条例の中で公共交通空白地域や不便地域を定義化し、今後の施策展開の柱を盛り込むことで実現性を高めている。 次に、バス事業者の赤字補填に対する補助金は、平成16年度と比較し約 2.5倍に膨れ上がっていることを踏まえ、実績算定方式から計画に基づく事前算定方式に制度を変更していた。また、自主運行系統においては、これまでの事業者の経常費用単価から市標準経常費用単価を採用することで、赤字が黒字に変わった系統もあった。これらの新補助制度による効果額は、平成25年度と比べ1億 3,200万円を見込んでおり、この効果額で、バス事業者に対する新たな設備投資支援策を計画していた。 公共交通空白地域は停留所等からの距離が 1,000メートル以上離れた地域、公共交通不便地域公共交通空白地域以外の地域で、停留所からの距離が 500メートル以上離れた地域と条例で定められており、それらの地域を地図の上で図示することにより、一目でその地域がわかるようにされていた。具体的な施策としては、運行車両を小型化したり、利用時のみ運行するデマンド運行を導入することで、経費を抑えながら「地域の足」が確保されていた。ただ、公共交通不便地域は地域が主体となって取り組むこととしており、目標収入を下回った場合、翌年の運行見直しを条件に上限を設けて補助を行い、それでも下回った場合、翌々年の補助は行わないこととしていた。(3)福岡県糸島市 糸島市では社会情勢の変化を踏まえ、公共交通不便地域を縮減し、高齢者を初めとした多様な交通ニーズに対応するため、総合的な視点から交通体系を構築することを目的に、平成23年3月に「地域交通計画」を策定していた。その中で、便利な交通体系を構築するため、鉄道、バス、渡船といった各公共交通機関が連携することで利便性を図り、路線形態や運賃体系、ダイヤの見直しなど公共交通網の再構築を行うこととしている。また、四つからなる市民協働の行動方針を定めている。それは、①市民が積極的に公共交通を利用する、②行政は公共交通の利便性・効率性を高める、③交通事業者は経営努力とサービス向上に努める、④市民、行政、交通事業者はそれぞれの役割を果たし、相互に協力しながら一体となって基本方針の実現に取り組むことである。市民のマイバス意識を醸成し利用促進を図ることで、事業者への赤字補填に要する財政負担を減らしながら、持続可能なバス路線を維持することとしていた。 次に、地域振興策としては、公共交通不便地域の縮減を図る目的に地域と行政が協働して自主運行バスを走らせており、現行の路線バスや鉄道の支線として、駅、バス停、公共施設、生活利便施設などを結ぶ経路において、日常生活の移動手段に活用されている。市は運行車両の貸与、燃料費、車両保険代、安全運転講習費用などを負担しており、地域ではボランティアでの運転手や配車等のための事務員などの確保を行っている。 最後に、糸島半島から約4キロメートルに位置する有人離島の姫島までの航路については市が運営している。島民人口の減少や特筆すべき観光資源もないことから事業収入の増加は見込めず、近年は収支ともに横ばいの状況である。しかし、本航路は島民にとって市道の延長ともいうべき唯一の生活道でもあることから、今後も国・県の財政支援を受けながら市営にて事業を継続させていくこととしている。      ────────────────────────────── ○議長(神田隆彦) 本件について、委員長の報告を願います。 小泉総合交通対策特別委員長。     〔33番小泉曙臣議員登壇〕
    ◆33番(小泉曙臣議員) おはようございます。 それでは、総合交通対策特別委員会の視察報告を行います。 公共交通を取り巻く情勢が大きな変革期を迎える中、今年度呉市では交通施策の指針となる呉市地域公共交通ビジョンを策定することになっています。そこで、本特別委員会は、去る7月22日から24日までの3日間の日程で、鹿児島県鹿児島市、熊本県熊本市、福岡県糸島市を視察し、先進地の調査を行ってまいりました。 まず、鹿児島市では、平成22年3月に鹿児島公共交通ビジョンを策定していました。策定に当たっては、交通体系に関する総合調査、評価指標、マネジメント、策定委員会の運営補助などを民間に業務委託する一方、公募で選ばれた市民を含めた委員で構成する委員会と、公共団体を中心とする幹事で構成する幹事会を開催する中で、基本理念、基本方針、重点戦略、推進施策が検討されていました。ビジョンの中に、公共交通利用者数温室効果ガス排出量などの具体的な数値を盛り込み、公共交通の課題を明確に打ち出すことで、市民、交通事業者、行政が共通の目標に向かって取り組むこととしておりました。バス事業においては、新たな交通手段として導入した乗り合いタクシーの利用者数は年々ふえていますが、事業者に支払う補助金もふえています。これは利用距離に応じた利用料から利用者が払う安価な利用料を差し引いた額を市が交通事業者に補助するためで、利用者がふえれば補助金もふえる仕組みとなっているためです。ただ、交通不便地域の解消、拡大抑制を大前提に、今後も運行を継続していく予定としていました。 次に、熊本市では、平成24年3月に基幹公共交通の強化、日常生活を支えるバス路線網の再編、公共交通空白・不便地域への対応の三つを柱とした公共交通グランドデザインを策定し、それを具現化した公共交通基本条例を平成25年3月に制定していました。この条例は、公共交通に特化した条例としては全国初で、市民は利用促進だけにとどまらず、担い手としての役割を果たすことが盛り込まれています。また、条例の中で公共交通空白地域や不便地域を定義化し、今後の施策展開の柱を盛り込むことで実現性を高めていました。次に、バス事業者の赤字補填に関する補助金は、その算定方法を見直し、1億3,000万円程度の効果を見込んでおり、その効果額でバス事業者に対する新たな設備投資支援策を計画していました。また、公共交通空白地域や不便地域を定義化し、地図上に図示することで、一目でその地域がわかるようにしていました。そして、それらの地域に対しては、運行車両の小型化やデマンド運行を導入することで経費を抑えながら、地域の足を確保しておりました。 最後に、糸島市では、平成23年3月に地域交通計画を策定していました。その中には、鉄道、バス、渡船といった各公共交通機関が連携し、路線形態や運賃体系、ダイヤの見直しなど公共交通網の再構築を行うことが盛り込まれています。また、市民協働の行動方針を盛り込むことで、市民のマイバス意識を醸成し、事業者への赤字補填に要する財政負担を減らしながら、持続可能なバス路線を維持することとしていました。次に、現行の路線バスや鉄道の支線として自主運行を走らせており、駅や公共施設などを結ぶ日常生活の移動手段に活用されています。また、離島航路を市が運営していますが、事業収入の増加は見込めないものの、島民にとって唯一の生活道である航路を今後も市営で事業継続させていくこととしていました。 終わりに、呉市におきましても公共交通は市民の移動手段としてなくてはならないものであり、今後の交通体系の基礎となる呉市地域公共交通ビジョンにおいて、その意義、目的を明確にする必要があると感じたところであります。 以上で報告を終わります。ありがとうございました。 ○議長(神田隆彦) 以上で本件の報告を終わります。      ────────────────────────────── △日程第4 議第78号外23件 ○議長(神田隆彦) 日程第4、議第78号物品の取得について、外23件を一括して議題といたします。 本24件の説明を求めます。 市長。     〔小村和年市長登壇〕 ◎市長(小村和年) ただいま上程されました各議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、議第78号は、呉市東消防署に配備する救助工作車1台を購入するものでございます。 議第79号及び議第80号は、安芸灘大橋有料道路通行料金助成事業基金を廃止し、新たに回数通行券販売に係る事務の円滑化等を目的とした基金を設置するものでございます。 議第81号は、児童福祉法の一部改正に伴い、所要の規定の整備をするものでございます。 議第82号は、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定めるものでございます。 議第83号は、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定めるものでございます。 議第84号は、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定めるものでございます。 議第85号は、薬事法の一部改正に伴い、所要の規定の整理を行うものでございます。 議第86号は、仁方中学校体育館建設工事の請負契約を締結するものでございます。 議第87号は、三坂地住宅、三坂地災害住宅及び観音住宅を廃止するものでございます。 議第88号及び議第89号は、呉港阿賀塩谷地区船だまり整備工事について、変更契約を締結するもの及び新たな整備工事に係る請負契約を締結するものでございます。 議第90号は、倉橋町第三水越地区の土地改良事業計画を変更するものでございます。 議第91号の平成26年度呉市一般会計補正予算は、財政調整基金の積み立て及び市債の繰上償還などに要する経費を補正するものでございます。 総務費では、財政調整基金への積み立て等に要する経費を、民生費では、介護保険事業(サービス勘定)特別会計で納付する公課費(消費税及び地方消費税)の増額に伴う経費を、衛生費では、水痘及び成人用肺炎球菌ワクチン接種に要する経費を、商工費では、博物館推進基金への積立金を、土木費では、老朽等による危険建物除却への助成に要する経費を、公債費では、市債元金の繰上償還に要する経費を補正するものでございます。 以上、歳出合計は19億4,470万7千円の追加となり、その財源の内訳は、国庫支出金2,453万8千円、繰入金5億5,500万円、繰越金13億6,516万9千円でございます。 議第92号の国民健康保険事業(事業勘定)特別会計は、高額医療費の自己負担額の見直し等に伴う電算システムの改修に要する経費を補正するものでございます。 議第93号の介護保険事業(保険勘定)特別会計は、社会保険診療報酬支払基金への返還金を補正するものでございます。 議第94号の介護保険事業(サービス勘定)特別会計は、公課費(消費税及び地方消費税)の確定に伴い補正するものでございます。 議第95号の平成26年度呉市水道事業会計補正予算は、呉市水道アセットマネジメント計画策定業務ほか1件の債務負担行為を補正するものでございます。 議第96号の平成26年度呉市工業用水道事業会計補正予算は、二級配水管布設工事に係る資本的収入及び支出の補正並びに二級配水管布設工事ほか2件の債務負担行為を補正するものでございます。 議第97号の平成26年度呉市下水道事業会計補正予算は、上下水道局公営企業会計システム構築業務の債務負担行為を補正するものでございます。 次に、議第98号から議第101号までは、平成25年度の各企業会計の決算認定等についてお願いをするものでございます。 まず、議第98号の病院事業会計でございますが、公立下蒲刈病院ほか、蒲刈診療所、大地蔵診療所を運営いたしております。平成25年度の業務状況は、入院患者延べ1万7,166人、外来患者延べ4万2,646人に対して医療サービスを提供しております。 次に、決算状況でございますが、事業収益につきましては、入院及び外来収益の増加などにより、前年度に比べ7万円余の増収となっております。一方、事業費用は、平成24年度に整備したMRIなど医療機器の新規購入、更新による減価償却費の増加などにより、前年度に比べ1,136万円余の増加となっております。この結果、収支差し引きでは2,952万円余の純利益となっております。 議第99号の水道事業会計でございますが、事業の実施状況といたしましては、前年度に引き続き、災害、事故に強い供給体制の構築のため、配水管の更新工事や施設の耐震診断調査業務委託等を実施いたしております。 決算状況でございますが、事業収益につきましては、給水収益や特別利益の減などにより、前年度に比べ3億2,411万円の減少、事業費用につきましては、職員24人の減による人件費の減などにより、前年度に比べ2億5,609万円の減少となっており、収支差し引きでは5,333万円の純利益となっております。 議第100号の工業用水道事業会計でございますが、事業の実施状況といたしましては、前年度に引き続き、二級配水管布設工事を実施いたしました。 決算状況でございますが、事業収益につきましては、給水収益の減などにより、前年度に比べ1,539万円の減少、事業費用につきましては、維持管理費の増などにより、前年度に比べ1,996万円の増加となっており、収支差し引きでは1億1,820万円の純利益となっております。 議第101号の下水道事業会計でございますが、事業の実施状況といたしましては、前年度に引き続き、管渠の整備や倉橋中央浄化センター整備工事等を実施いたしました。 決算状況でございますが、事業収益については、下水道使用料の減などにより、前年度に比べ7,426万円の減少、事業費用につきましては、人件費や維持管理費の増などにより、前年度に比べ1億339万円の増加となっており、収支差し引きでは9,587万円の純利益となっております。 なお、議第99号から議第101号までの水道事業会計、工業用水道事業会計及び下水道事業会計におきましては、当該決算に基づき発生いたしました剰余金を建設改良積立金に積み立てる処分案につきましても、あわせて御審議をお願いすることといたしております。 以上、上程されました各議案につきまして、概要を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、議決を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(神田隆彦) 次に、議第98号から議第101号までの各企業会計決算認定に関し、監査委員の審査意見についての説明を求めます。 監査委員。 ◎代表監査委員(磯本勝) 平成25年度の呉市公営企業会計の決算審査意見につきまして、概略御説明申し上げます。 平成26年6月2日から約2カ月間にわたり、呉市の病院、水道、工業用水道及び下水道の各事業会計につきまして、その決算及び証書類、その他の関係書類を慎重に審査いたしました結果、各事業会計とも決算の計数は関係諸帳簿と符合し正確であると認めた次第でございます。 なお、これから御説明いたします各事業会計の金額につきましては、100万円単位で説明させていただきます。 初めに、病院事業会計でございます。当年度の収益は、前年度とほぼ同額の7億400万円となっております。また、費用のほうは、特別損失370万円を計上したことなどにより1,500万円増加しており、収益費用差し引きでは、前年度に比べ1,500万円少ない2,900万円の純利益を計上しております。 しかしながら、地域における人口減少や超高齢化社会の到来、医師、看護師等の医療スタッフの確保、老朽化する病院建物等に対する維持補修、更新など課題は多く、厳しい経営環境であることには変わりございません。今後の事業運営に当たっては、安芸灘島嶼部地域で唯一の救急医療を担う保健・医療の拠点施設及び良質な医療を提供する地域の中核病院としての確立を目指されるよう要望いたしております。 次に、水道事業会計でございます。当年度の収益は、土地の売却による特別利益の皆減などにより、前年度に比べ3億3,100万円減少しております。また、費用のほうは、職員の減少に伴う人件費の減などにより2億3,300万円減少しており、簡易水道事業を含めた全体の収益費用差し引きでは、前年度より6,800万円少ない5,300万円の純利益を計上しております。 当事業においては、給水人口の減少などにより料金収入の増収は期待できない一方で、老朽化した管路等の更新、改良等の費用が増大することが見込まれることから、平成9年4月以来となる料金改定などを実施することとされております。今後は、呉市上下水道ビジョン及び前期経営計画に掲げる的確な水需要や財政収支計画を着実に実施し、公営水道事業の使命である信頼できる水道事業経営に努められるよう要望いたしております。 続きまして、工業用水道事業会計でございます。当年度の収益は、給水収益が減少したことなどにより、前年度に比べ1,500万円減少しております。また、費用のほうは、維持費が増加することなどにより1,900万円増加し、収益費用差し引きでは、前年度に比べ3,500万円少ない1億1,800万円の純利益を計上しております。 今後、老朽化施設の維持、更新等に多額の費用を要することが予想されることから、経営方針や事業計画など経営計画を早急に定め、より一層の経営の合理化と効率的な運営に努められるよう要望いたしております。 最後に、下水道事業会計でございます。当年度の収益は、下水道使用料の減少により、前年度に比べ7,400万円減少しております。また、費用のほうは、営業費用が増加したことなどにより1億300万円増加しており、収益費用差し引きでは、前年度に比べ1億7,700万円少ない9,500万円の純利益を計上しております。 当事業においては、年間有収水量の減少傾向が続いており、使用料収入の増収は期待できません。その一方で、老朽化した管路等の更新、改良等の費用が増大することが見込まれておることから、持続可能な事業運営を確保するために使用料の改定などを実施することとされております。今後の事業運営に当たっては、呉市上下水道ビジョン及び前期経営計画に掲げる長寿命化計画や財政収支計画を着実に実施し、経費の縮減に努めるとともに、雨水浸水対策を一層推進されるよう要望いたしております。 以上、まことに簡単ではございますが、審査意見につきまして説明を終わらせていただきます。 ○議長(神田隆彦) 質疑は後日行うことといたします。      ────────────────────────────── △日程第5 請議第1号外1件 ○議長(神田隆彦) 日程第5、請議第1号さらなる年金削減の中止を求める国への意見書提出を求める請願、外1件を一括して議題といたします。            ────────────────                                    請議第1号   さらなる年金削減の中止を求める国への意見書提出を求める請願 標記請願を受理したので議会に付議する。 平成26年9月5日                          呉市議会議長  神 田 隆 彦                          紹介議員  奥 田 和 夫                                  2014年8月25日 呉市議会議長  神 田 隆 彦 殿                             請願者                             呉市焼山中央2丁目1-21                             全日本年金者組合呉支部                             支部長 増 野 雅 夫   さらなる年金削減の中止を求める国への意見書提出を求める請願 市民の福祉増進への日ごろのご尽力に敬意を表します。 さて、一昨年11月16日には衆議院解散に先立ちほとんど審議されることのないまま、3年間で年金を2.5%も削減する法律が成立しました。 「特定水準の解消」を理由としていますが、これは2000年から2002年に消費者物価指数が下がった時に高齢者の生活と経済への悪影響を避けるために年金を下げずに据え置いたために現在の年金水準が高いままになっているというものです。 しかし、灯油など生活必需品の値上げ、各種控除の縮小などによる増税、社会保険料のあいつぐ引き上げなどで高齢者の生活は厳しさを増しています。いま、10年以上も以前の理由で年金を引き下げることは、高齢者の生活に甚大な影響を与えます。 昨年、12月に年金額の改定通知書が届いて以来、多数の受給者が行政不服審査請求を行い、その数は12万6千人を超えるに至りました。「物価が上がり、消費税が増税されるなかで、これ以上年金が削減されたら、生活が成り立たなくなる」という高齢者の怒りがうねりになって大きな数になりました。 年金の削減は消費を冷え込ませ、不況を一層深刻にし、国の経済にも負の影響を与えることが懸念されます。地域経済にも大きな影響を及ぼします。安倍首相は、「経済の好循環」を経済政策の柱にしていますが、年金のさらなる削減は、それに逆行するものです。 さらに、2.5%削減に続いてマクロ経済スライドの実施および改悪による連続的な年金削減が計画されています。また、年金制度の改悪によって、若者を中心に年金離れが一層進み、年金制度への信頼はさらに低下することが懸念されます。 このような事態を踏まえて高齢者の生活と地域経済を守るためにも次の要望が実現されるよう地方自治法第99条の規定により、国へ意見書を提出していただくよう請願いたします。                 記 年金のさらなる削減を中止すること。                                        以上            ────────────────                                    請議第2号   要支援者を介護予防給付から外すことに反対する国への意見書提出を求める請願 標記請願を受理したので議会に付議する。 平成26年9月5日                          呉市議会議長  神 田 隆 彦                          紹介議員  奥 田 和 夫                                  2014年8月25日 呉市議会議長  神 田 隆 彦 殿                             請願者                             呉市焼山中央2丁目1-21                             全日本年金者組合呉支部                             支部長 増 野 雅 夫                             呉市伏原2丁目1番11号                             呉市生活と健康を守る会                             会 長 桝 井 芳 郎   要支援者を介護予防給付から外すことに反対する国への意見書提出を求める請願〔請願趣旨〕 日夜、住民の命とくらしをまもるため、ご奮闘されていることに敬意を表します。また、私たちの活動に対するご協力に感謝申し上げます。 第186国会で強行採決された、医療介護総合法案には大きな不安と憤りをもっています。 この法案では、医療では大規模な病床削減を進め、介護保険では負担増と給付減を進める、極めて危険な法案であることが、審議のなかで浮き彫りになりました。 介護保険制度では、「地域支援事業の見直しと併せた地域の実情に応じた要支援者への支援の見直し」をするとして、これまで要支援者に介護予防給付で行ってきたサービスを、介護予防給付から外して地域支援事業で行うとしています。 要支援者にたいする介護給付が地域支援事業に移行されたら、給付内容は市町村の裁量になり、人員や運営基準もなくなるため、給付内容で自治体間に格差がうまれ、介護の質の低下などが懸念されます。また、訪問介護サービスや通所介護サービスなどが、利用できなくなる自治体が生じる恐れがあります。 これから高齢者が増えるなかで、安心して介護給付が受けられるためには、要支援者に対しては今まで通り介護保険給付(介護予防給付)で実施することが必要と考えます。 そのためには、貴議会として以下の請願事項を、国の関係機関への意見書として提出していただくよう請願いたします。〔請願項目〕1.要支援者にたいする給付を地域支援事業に移行せず、いままでどおり介護予防給付で行う こと。            ──────────────── ○議長(神田隆彦) 本2件について、紹介議員の説明を願います。 6番奥田議員。     〔6番奥田和夫議員登壇〕 ◆6番(奥田和夫議員) それでは、紹介議員として、請願の趣旨の説明をさせてもらいます。 請議第1号さらなる年金削減の中止を求める国への意見書提出を求める請願でありますが、本請願は、全日本年金者組合呉支部から出されたものです。 一昨年の11月、衆議院解散に先立ち、3時間程度の審議の中で、年金を3年間で2.5%削減し基礎年金国庫負担引き上げに消費税増税を充てる法案が強行されました。そして、ことし4月から0.7%削減が実施されたわけであります。こうした老後の暮らしを支える命綱、年金の削減に対して、全国の高齢者が立ち上がっております。全国で12万6,000人が行政不服審査請求を行っております。物価が上がり、消費税が増税をし、年金がこれ以上引き下げられたら生活が成り立たないという怒りが、こうした数字にあらわれています。年金の削減は消費を一層冷え込ませ、不況を深刻にします。政府によって、この削減に続いてマクロ経済スライドの実施及び改悪で、さらに連続的な年金削減が計画されております。若者を中心に年金離れが一層進んで、年金制度への信頼はさらに低下することも懸念されます。こうした点から、国に意見書を求められております。しっかり審議いただきまして、請願を採択いただくようお願いをするものであります。 請議第2号は、要支援者を介護予防給付から外すことに反対する国への意見書提出を求める請願であります。この請願は、年金者組合と生活と健康を守る会、いずれも、こちらのほうも全国組織でありまして、この呉で活動されている団体からの請願であります。 医療・介護総合法案が国会で強行されました。その問題点を、この請願趣旨の中で大規模な病床削減になると指摘をされております。これは、県主導で病床の再編、削減を進める仕組みがつくられ、従わないと制裁措置がとられる、そのことは国民の医療を受ける権利が侵害されることになってまいります。介護の問題では、要支援者への訪問通所介護を保険給付から外し、市の地域支援事業に置きかえることは給付内容が市の裁量になり、質の低下になる。また、特別養護老人ホームへの入所を要介護3以上に限定する問題もあります。これから高齢者がふえる中で安心して介護給付が受けられるよう、これまでどおり介護予防給付でやってもらうよう国に意見書を出してほしい、そういう趣旨の請願であります。ぜひ慎重に審議いただいて、採択いただくようお願いをするものであります。 以上です。 ○議長(神田隆彦) 質疑は後日行うことにいたします。      ────────────────────────────── ○議長(神田隆彦) この際、申し上げます。 お手元に配付しておりますとおり、林田議員外4名の方からそれぞれ一般質問の通告があります。 お諮りいたします。 申し合わせにより、本日は林田議員外1名の方の質問を日程に追加し、残り3名の方の質問は後日行うことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(神田隆彦) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定されました。      ────────────────────────────── △林田浩秋議員の一般質問 ○議長(神田隆彦) 林田議員の一般質問を議題といたします。 10番林田議員。     〔10番林田浩秋議員登壇、拍手〕 ◆10番(林田浩秋議員) おはようございます。同志会を代表し、質問します。 まずもって、先月の20日に広島市安佐南区、安佐北区において集中豪雨による大災害が発生し、広い地域が土石流により被災し、多くの方がお亡くなりになられました。亡くなられた方々の御冥福を申し上げるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。 それでは、質問に入ります。 最初に、平成の大合併の10年経過後の自立したまちづくりについて質問します。 平成の大合併により現在の呉市が形成されてから、間もなく10年が経過しようとしています。平成の合併は、中央集権的行政の見直し、地方分権のより一層の推進を図る一環として、国や県の指導により推進されました。その背景には、日本が経済成長をなし遂げた反面、東京の一極集中が進み、国民の生活形態が多様化し、これまで地域で支え合いの機能を持っていたコミュニティーや家族愛が大きく変わり、公共に対する住民要望が増大してきました。そのため、財政規模の小さなまちでは、少子化、超高齢化、人口の減少だけでなく、高度化、多様化、複雑化してきた市民の要望や市民サービスを維持すること、運営することが困難になってきました。 呉市と近隣8町では、合併の必要性として次の三つを掲げていました。一つ目は、生活圏の一体化と住民ニーズの多様化に伴う対応。それは、交通網や情報通信の発達により人々の生活圏は広域化しており、生活圏全体を対象にした一体的、総合的な対応が強く求められていた。二つ目は、地方分権、少子高齢化に備えた行財政能力の強化。それは、少子高齢化の急速な流れの中で、地域ごとの創意工夫による魅力あるまちづくりが求められるとともに、効果的、効率的な都市経営を行っていくための行財政の基盤強化が不可欠となっていた。三つ目は、広域行政の合併。それは、一部事務組合など事務の共同処理による成果は上がっていたものの、総合的な行政主体として迅速、的確な意思決定を行うためには、単一の自治体であることが最適であるとされていた。このように、掲げていたことを実行するために当局はさまざまな事業に取り組み、市域内の均衡ある発展を図りつつ、個性的な地域づくりを推進してきました。 地域づくりでは、地域協働を基本として自立した地域づくりに取り組み、自己決定、自己責任のあるまちにしなければいけなくなりました。しかしながら、地域の自立はこの10年で実現したとは思えません。当局は各地域にまちづくり協議会を立ち上げたものの、地域の自立のための担い手は減少し、地域の各団体は弱体化し、ばらばら感が否めない状態であると思います。人口減少、少子高齢化がさらに進もうとしている中、本当に自立した地域を実現できるのか心配です。市民は合併の意味を理解していないように思うし、自立しなければいけない理由も理解していないように感じるときがあります。いまだ行政へ依存しているように見受けられるときがあります。こうした中、この10年を振り返って、平成の大合併にどのような意味が込められていたと認識しているのか、また持続可能なまちを目指して地域の自立をどのように促進しようとお考えなのか、市長の考えをお伺いします。 この後の質問は降壇し、行います。     〔10番林田浩秋議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(神田隆彦) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) 平成の大合併と今後のまちづくりへの取り組み、特に合併した地域の自立ということで、議員は、その地域で活動しておられますので、いろんなお感じになることがあろうかと思います。率直な私の考えを述べさせていただきたいと思います。 平成の大合併は、おっしゃられたように人口減少、少子高齢化といった社会経済情勢が変化する中で、地方分権の担い手となる基礎自治体にふさわしい行財政基盤の確立を目的として、平成11年以来、合併特例債、あるいは地方交付税の合併算定がえといったインセンティブを持たせた財政支援措置によりまして、全国的に積極的に推進されてまいりました。こうした背景のもとで、呉市は平成15年から平成17年にかけて近隣の8町と合併し、これまでの間、合併建設計画を着実に推進するとともに、『「絆」と「活力」を創造する都市・くれ』、特に合併したことを意識した将来都市像を掲げて第4次呉市長期総合計画を策定して、協働による自主的で自立したまちを目指してさまざまな施策に取り組んでまいりました。ここで言う協働による自主的で自立したまちづくり、これがまさに合併後のまちづくりにおける目標であると同時に、平成の大合併に込められた真の意味であると考えております。すなわち行政主導ではなくて、市民の皆さんと行政が地域課題の解決に向けてお互いに協力をし合いながら、よりよい成果を効果を生み出す、これが平成の大合併後の新たな基礎自治体像でありまして、地方分権時代における新たな公共サービスのあり方でもあると思っております。その実現に向けて、呉市は地域力の向上と協働型自治体への移行、この二つを政策目標としてゆめづくり地域協働プログラムを策定し、自主的で自立した地域活動を全面的に支援いたしてまいっておるところでございます。 ここから私の考えもありますけれども、私はこの自主、自立は、人が尊厳を持って真に心豊かな生活、人生を送る上で不可欠な要件だと考えております。日本人は有史以来、家族で助け合う、あるいは親族、一族で助け合う、地域で助け合うことで自立をして暮らしてまいりました。これほどまでに行政が人々の生活に深くかかわるようになったのは、この20~30年であります。高度成長の成果、結果だと言ってもいいかと思います。そういう中で、行政のコストは実は受益者がほとんど負担しておりません。受益と負担の関係が全く乖離をしております。こういう仕組み、システムは、私は永続しないと考えております。苦しくても尊厳を持って自立をしていかなきゃいけない、そういうまちづくりあるいは地域づくりをしなきゃいけないと考えておるところでございます。 こうした中で、少しでも自主、自立社会に近づけていくために、ゆめづくり地域交付金や市民まち普請事業といった財政支援、まちづくりセンターなどの活動拠点確保、まちづくりサポーターの育成を初めとする人材育成など、ゆめづくり地域協働プログラムに基づく自主的な地域活動の支援を行っておりますけれども、議員御指摘のとおり、意識も、あるいは生活実態も一朝一夕には本当に変わりにくいものであります。地域にはさまざまな課題もございますので、地域の実情を見ながら毎年事業の追加を行い、プログラムを拡充、充実してきております。簡単に成果は出ませんけれども、地道に長い視点でこの施策を続け、支援を継続していくことが必要であると考えております。 明治の時代に、国家の独立は個人の独立からなんだということを福沢諭吉がおっしゃっておりますけれども、いずれにしましても地域の自立が持続可能なまちづくり、これはひいては持続可能な国づくりにもつながる、そういうものだと思っております。その第一歩だと思っております。特に議員は地域において本当に地域活動の中心的な役割を果たしていただいておりますので、どうか今後ともよろしく御指導のほどをお願いをいたします。 以上でございます。 ◆10番(林田浩秋議員) 今市長からの、地域の自立は個人の尊厳を大事にしながら行っていくという考えを理解し、やはりその自立がまちづくりの目標であると思いました。例えば、安芸高田市に川根地区という集落があります。これ何遍も私行ってるんですけれども、その地区は過疎化、いわゆる人口の減少と少子化が進みまして、地区の人たちでガソリンスタンドなどさまざまな施設を運営しておられます。そして、いろんな形の中で地域で協力し、地区を維持しているところです。その地区の代表の方に、どうして住民の方は互いに助け合い、元気が生まれる活動ができるのですかとお尋ねしました。その答えは、あなたたちのまちは豊かで危機感がないから。私たちの全地域住民はこの地域がなくなるのではないかという強い危機感があるから、何とかしなければいけないと思っているからこそできますとのことでした。自立しなければ地域は崩壊するという危機感を持って、今市長が言われましたことを取り組んでいただければと思います。ところで、いいこととして、このたび広島の大災害に多くのボランティアの方が駆けつけました。大変うれしく思いました。日本人の心の底には助け合いの精神がありますので、地域の自立、活性化について、ぜひとも実現していただくようお願いいたします。 地域の自立のための支援の方法として、市民協働を推進していく必要があると思います。当局は市民協働の推進のために、多くの部局が多くの団体とさまざまな市民協働を推進してきました。市民部においてはゆめづくり地域協働プログラムを策定し、ゆめづくり地域交付金など、さまざまな事業を展開してきました。市民協働を推進していく上で、この市民部の取り組みは評価しています。しかし、疑問に思うことが少なからずあります。私には、各団体がばらばらに活動しているように思えるときがあります。何のためにまちづくり協議会があるのか、何のために地区社会福祉協議会があるのかと思います。まちづくり協議会の役割も重要ですけれども、互いに協力、実行していく上で基本的なルールづくりや、その事業に対する共通認識が必要であると思います。部局の縦型行政が影響しているのかどうなのか。また、そのことが市民参加が進展しがたい理由にもなっているのではないかと思います。行政の仕事としてコーディネーターをする役を果たしていただきたいと思います。 先ほど言ったように、合併後10年が経過するが、各地域のまちづくりの取り組みの中には、各種団体が個別に同様の事業を実施するなど相互の連携不足を感じています。同様の事業であればお互いに連携し協力して取り組むべきではないかと思いますが、当局はどのように考えられているのかお伺いいたします。 ◎市民部長(品川裕一) 議員御指摘のとおり、地域のまちづくりや課題解決には各種団体が互いに連携、協力して取り組んでいく必要がございます。市内全ての地区で組織されたまちづくり委員会は、地域における課題を話し合い、解決することを目的に、各種団体を包括する組織と位置づけられております。このまちづくり委員会を通して連携を深めることで、地域内の各種団体の取り組みが一体的に行われるようになるとともに、自治会、それから民生委員協議会、女性会など、それぞれの団体の特性がより発揮できるものと考えております。まちぐるみで地域課題に向き合うことで、次世代に残していくべきものは何か、それをつないでいくにはどうあるべきかを考えていくことが、今まさに重要になっていると思います。 ◆10番(林田浩秋議員) 連携というのは本当に難しいと思います。各団体それぞれの考え方があり、連携し取り組んでいくことは本当に困難なことと思います。市民協働の定義は、市民、市民活動団体、行政などさまざまな主体が、それぞれ単体では解決できない地域の課題に対して、他の主体と協力し合いながら、お互いを尊重し合い、補い合い、対等のパートナーとして、地域の活性化や地域における課題解決という共通の目的のために取り組んでいくことであると思っています。やはりこういう定義がありますので、少しずつ前に進めていただきたいと思います。当局が、市民、地域協働について、各支所や各まちづくりセンターで地域協働に懸命に取り組んでいることは本当に私自身も理解しております。呉市は、これまで地域協働を推進していくため、まちづくり委員会への助成を初めとした取り組みを行ってきました。合併10年を経過した今、どのように評価しているのかお伺いします。 ◎市民部長(品川裕一) 呉市で平成20年度から推進してまいりましたゆめづくり地域協働プログラム、さまざまな取り組みを行ってまいりました。その間、地域の課題の解決に向けて地域みずからが子どもや高齢者の居場所づくりに取り組んだり、まちづくり委員会同士が連携して事業を実施するなど、このプログラムを活用した先駆的な取り組みも行われるようになってきたと評価しております。 一方で、まちづくりの担い手の固定化や高齢化など背景といたしまして、地域の自立に向けた協働型自治体への移行についてはまだまだ発展途上であり、多くの課題があると認識しております。これらを踏まえ、新たな人材の発掘や後継者の育成への支援など、地域の自立に向けた取り組みをさらに充実させていく必要があると考えております。 ◆10番(林田浩秋議員) 今地域の自立という点では課題があるという答弁でした。私は、地域の自立を阻む要因の一つに、補助金、助成金があると思います。市民は、市民協働は行政が行うものと思っているように思います。そのため、助成金、補助金がなければ何もできないという流れがあるのではないかと思います。資金なくして実施することが困難であると思いますが、本当にそれでいいのでしょうか。今後、補助金に頼る運営では事業を継続していくことは困難ではないかと思っております。全額もしくはその事業の多くを助成金や補助金で運営している団体はないとは思いますが、助成金、補助金は地域自立のためであると思っております。当局は地域自立に資する助成金や補助金のあり方を今後考えていただきたいと思っております。そのほかにも、当局が認識している課題は地区で違うと思います。課題解決のためにあらゆる角度から検証し、失敗を恐れず取り組んでいただきたいと思っております。 自立への方法と考え方で、物、金、サービスが地域内で有効に循環する仕組みづくりができれば、地域は持続するのではないかと思っております。その方法の一つとして、里山資本主義への考え方、その取り組みがあると思っております。これを大まかに言いますと、地域内にあるものは有効に使おうということで、里山において自給自足の生活をすることではなくて、今の生活の中で地域内にあるものを有効に使うことができれば、心豊かな生活ができ得るという考えと私は理解しております。 地域内には多くの有効な資産があります。例えば自家消費のために栽培している農産物のうち、消費できないものや廃棄するもので食品として使えるものは、小学校の給食材料の一品のうちの一つの材料を5人分持っていく、その対価として学習発表会特別席案内券や学校給食券を渡す。その対価は、産品の状態や量により券の価値を算出し、学校に来てもらう仕組みづくりをする。そうすることにより子どもは提供してくれた方に、ありがとう、いつもおいしいという児童と地域の人との挨拶や会話が生まれる、地域の人、特に高齢者は生き生きした生活、やりがいが生まれると思います。高齢者の笑顔ややりがいが地域に循環することが、物や心が循環することになると思います。このようなことも地域内循環と私は考えております。福祉施設でも活用できることであると思っておりますし、さまざまな部局においても取り組んでいけることだと思っております。 そこで、行政が少しでもかかわった事業があれば、このような取り組みを進めてはいいのではないかと思います。呉市は、まちと田舎で構成されています。それぞれの役割を有効に生かすためにも、里山資本主義のような考えを生かしたまちづくりに取り組んでいく、またはその取り組みを研究するときではないかと思いますが、当局のお考えをお伺いいたします。 ◎総務企画部参事(下山義夫) いわゆる里山資本主義的な地域活性化に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。 里山資本主義とは、耕作放棄地や立ち木など、里山に眠ります金銭的に余り価値のない資源を資本として活用することによりまして、食料やエネルギーなどを一定程度需給することができ、成熟社会におけます安心・安全を増加させる効果が期待できるという考え方で、日本総研主席研究員の藻谷浩介氏が提唱しておられます。この主張の意義は、地域ぐるみで本気で地域を守っていかないと地域の消滅は避けられないという警鐘と、地域を守るために必要なものは実は地域の中に宝のように埋もれているという指摘、この2点に集約されていると思っております。呉市においても、例えば農水産物の地産地消やブランド化、6次産業化など、特色ある資源を生かした地域の活性化を推進しておりますけれども、その取り組みをさらに発展させていく上で、非常に興味深い考え方であると思っております。今後、人口減少、少子高齢化のさらなる進行が見込まれる中、住みなれた地域で安心して安全に暮らせるまちをつくることは極めて重要であると考えており、こうした地域内循環、議員が仰せの地域内循環を念頭に置いた地域自立、地域の存続に向けた取り組みにつきまして、引き続き研究してまいりたいと考えております。 ◆10番(林田浩秋議員) やはりこの地域内循環は、私自身、今後必要だと思っております。地域の資産は、ほかにも活用するものは多くあると思います。例えば自治会館の屋根と太陽です。具体的には、安浦町の原畑自治会館の屋根に太陽光パネルを設置しています。その資金は、その地域の方の一人が、少しでも地域のためになることができればとの思いから資金を提供されました。その内容は、提供者が会館の屋根を借り、年間の使用料を負担し、投資金額を回収した後、自治会に寄附するとのことでした。このような取り組みも、地域の自立にとって収入がふえれば有効なことであると思っております。地域協働を推進していくためにも、地域を持続していくためにも、自治会の存在は大きいものがあります。高齢化や人口が減少している地域では、自治会の活動は資金を継続的に生み出す一つの方法ではないかと思っております。 呉市は、合併したことにより都市部と周辺部、高次機能が備わった地域と自然豊かな風光明媚な地域があり、それぞれの役割を果たすことが大切であると思っております。高次都市機能については、私たち会派からさまざまな要望をしていますのでこれ以上のことは言いませんが、周辺部においては、長期移住や週末移住という考え方もあると思いますし、週末農業とかクラインガルテン等の、農業でなく農としてのさまざまな施策の展開が可能であると思っております。私の例えは空想かもしれませんし、法律に当てはまっていないかもしれません。しかしながら、地域の自立を実現するためにも、今まで取り組んできた考え方、発想を変えるべきときであると思っております。ぜひとも里山資本主義の考え方を研究していただきたいと思っております。 今まで各地域、各地区に、そのときのニーズに応じた公共施設を建設してきていると思います。人口減少がさらに進展していく中、それらの施設の配置及び管理方法を検討していかなければいけないと思っております。当局は今回、第3次公共施設再配置計画の検討をしておられます。そこで、管理方式にファシリティーマネジメントがあると思います。それは、保有または使用する全施設資産及びそれらの利用環境を経営戦略的視点から総合的かつ統括的に比較、管理、活用する経営活動です。最少のコストで最大の効果が得られる状態で保有し、賃借し、使用し、運営し、維持するための管理活動です。当局は、これまでの取り組みを鑑み、再配置計画をどのような方法で進めようとしておられるのかをお伺いいたします。 ◎総務企画部長(明岳周作) 公共施設再配置の考え方と、これまでの取り組みについてお答えさせていただきます。 本市では、市が保有する施設の有効活用を図るため、平成22年度から、県内ではいち早く公共施設の再配置に取り組んでおります。まず、この取り組みの基本的な考え方でございます。今後も人口減少が進行する中で、現状の公共施設を全て保有したまま安定的な行政サービスの提供を維持することは、管理する人員や費用の面で困難な状況が予測されております。このため、用途が類似した施設の集約化などによる総量の縮減や指定管理者制度の導入など、活用方法や運営方法の見直しを行いまして、施設の有効活用を図ろうとするものでございます。 続きまして、これまでの取り組み内容でございます。呉市では平成22年度に呉市公共施設白書を作成し、呉市全体の公共施設の実態を把握いたしました。また、平成23年度には、この実態を踏まえ、公共施設再配置の基本的な考え方となります基本方針を策定いたしております。この基本方針に基づきまして、再配置計画を3回に分けて策定することといたしました。平成24年度に、学校や保育所など既に所管課で取り組みを行っておりました施設を対象とした第1次計画を、そして平成25年度には、ごみ処理施設や水産施設などを対象とした第2次計画を策定いたしております。現在、集会所などのコミュニティー施設など残りの施設を対象とした第3次計画の策定に現在取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ◆10番(林田浩秋議員) 当局が取り組んでおられることは本当に評価するところでありますけれども、私は地域にあるものはその地域の資産であると思っています。どんな公共施設や廃止された施設であろうともその地域にとっては有効な公共施設であるのかもしれません。当局は、自治会が利用する案、特に学校の施設のことに関し提案があれば検討すると言いますけれども、自治会が縮小する中、その施設が大きければ大きいほど、自治会が施設の再利用に対して最良の案を提案できるとは思いません。例えば、病院の形態として一つのビルに複数の診療科の医院が入居しています。廃校になった学校に知的産業、福祉産業、そして地域でとれたもの、例えば地域でとれた米を備蓄米として、災害に対応した備蓄基地を導入するなど、複合化した施設にして、管理運営もただ単に委託や指定管理したりするのではなく、地域の担い手を活用することなどさまざまな形態があると私は思います。当局はコーディネーターの役割をし、研究し、情報提供をしていく必要があると考えます。 そこで、当局は廃施設をどのようにすべきと考えておられるのかをお伺いいたします。 ◎財務部長(大下一弘) 供用を廃止した施設の活用についてのお尋ねでございます。 御質問の中で廃校施設について触れられておりますので、私のほうで廃校施設の活用の現状についてお答えさせていただきます。 廃校施設の活用方法については、地域とともに検討し、決定しているところでございます。校舎等を地元で活用される場合には、その維持管理にかかる経費を地元で負担していただくこととし、その負担を少しでも軽減するため、利用実態に応じ電気や水道のスケールダウン等の改修を行った上で、必要な部分だけを地元自治会等に対し無償貸し付けを行っているところでございます。また、管理運営に充てるための利用料の徴収を可能にするなど、地元による自主的な運営ができるよう工夫も行っているところでございます。しかしながら、議員御指摘のとおり施設の規模が大きく、また撤去にかかる経費も多額であることから、結果として施設の全てが活用されていない実態もございます。議員から活用方法についていろいろと御提案がありましたが、このことにつきましては、今後策定を予定しております公共施設等総合管理計画の中で、どのような活用が最も有効となるのか検討してまいりたいと考えております。 なお、企業からの申し入れを受け、廃校跡地を太陽光発電の事業用地として貸し付けた例もございます。廃止した施設について企業等からの活用の提案などがございましたら、計画の策定を待つまでもなく、前向きに検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(林田浩秋議員) 廃止した施設の利用について、少しずつ変わっていることを知りませんでした。大変失礼いたしました。 やはりそういった取り組みに対しては評価いたします。しかし、不動産価値が低下している現状を考ますと、いかに施設を有効活用するかが大切ですので、現状維持でなく、一歩一歩前に進めていただきたいと思っております。 そして、地域の自立のためには若者の力が必要です。各地域において若者が減少している、同僚議員から、呉市に若者がとどまってくれるよう呉市の企業に雇用できるよう取り組んでいくようにと指摘しております。呉市は優良企業が多数ありますので、当局は地元での雇用増加に向けて取り組んでいただいていると思いますので、企業への取り組みのことは質問しませんけれども、就職したくてもできない、しにくい、ニートやひきこもりの若者の就労支援について、どんな取り組みをしているのか。 私たち会派はこの7月に、長野県上田市で取り組んでいる若者サポートステーションと連携したニートやフリーターの就業支援について調査してきました。上田市では、社会労務士の資格を持つ専門のコーディネーターを市独自で雇用し、さまざまな支援をしておりました。ニートやひきこもり者への取り組みは、若者サポートステーションを設置し、就職相談や就職セミナーの開催などに取り組み、その運営をNPO法人侍学園スクオーラ・今人に委託していました。そのNPO法人は、合宿型訓練、総合学習、体験学習、そして就労学習をし、基本的な生きる力を身につけることができるように取り組んでいました。そして、NPO法人若者サポートステーション学生寮と連携し、精神的、経済的な自立を目指し、就業の支援をしていました。このような形はNPO法人などと連携しないと行政だけではできないと感じました。ぜひとも呉市で取り組んでいただきたいと思います。 そこで、当局はニートやひきこもり者への就業に関し、上田市のような取り組み、NPO法人と連携した取り組みをする考えはないのかをお伺いいたします。 ◎産業部長(西岡伸一) ニートやひきこもりなどの若者に対する就業支援の取り組みについてのお尋ねでございます。 本市のニートやひきこもりの方に対する就労支援といたしましては、くれしごと相談館を週2回開設しております。平成25年度においては89人から延べ239回の相談を受け、10件の就職につながったところでございます。また、広島県の就労支援といたしましては若者交流館がございまして、週に1回、県の呉庁舎で実施されております。しかしながら、ニートやひきこもりの方に対する就労支援は行政の対応だけでは難しい面もあると感じております。 議員から御案内がありました上田市のNPO法人侍学園が行っている学校形式や合宿形式による就労支援は、実績が示すとおり大変効果的であると考えております。この侍学園の理事長は、ニートやひきこもりなど社会に参加できずに苦しんでいる若者の問題に正面から取り組むため、教員時代の教え子とともにNPO法人を立ち上げた、とても熱心な方であると伺っており、上田市のように民間の就労支援団体と市が連携した取り組みは大変すばらしい形であると思います。呉市においても、若者の就労を支援している団体についてもっと情報収集するとともに、協力いただける民間団体がありましたら、上田市同様、連携した取り組みを行ってまいりたいと考えております。 ◆10番(林田浩秋議員) 本当にこの上田市に調査に行って、そのNPO法人の方から説明を受けたときに、ああすごいことをしているなと。やっぱりこういうところまで踏み込んでいかなければ、ニートやひきこもりの方が心を開いてくれないのではないかと感じました。理事長の熱心さが子どもたちに、また若者に響いていったのではないかと。この合宿型等で卒業した若者は100%の就職率らしいですので、ぜひとも呉市でも取り組んでいただきたい。やはり多くの若者が呉市に住み続けることが大切ですので、若者に支援の輪を広げていただくことを強く申し入れておきます。 自立のためにも、地域間交流をすることも大切な取り組みの一つだと私は思っています。交流のためにはスムーズな移動ができる幹線道路が必要です。土木部も地域間交流や地域活動を守り、自立を支える部署であると思っています。しかしながら、このたびの広島市で発生した大災害は、呉市でも従前から発生しています。今後発生する可能性もあります。呉市の土壌は広島市と同様です。住宅や幹線道路への被害は、広島市よりも多大な被害になる可能性があると思います。特に耕作放棄地と山林の保全ができていない灰ヶ峰では、今回の大雨による土石流が発生したときは、想像を絶するぐらいの土砂災害が発生する可能性があると思っております。そこで、地域間の交流の動脈である幹線道路への災害対策と災害発生後の対応はどのように行うのか、特に地域の建設業者とどのような話をされているのかをお伺いいたします。 ◎土木部長(増本寛治) 土砂災害により地域と地域を結ぶ道路が被災した場合の対策でございますが、災害の規模及びその災害場所によって対策方法も異なると考えております。 そこでまず、呉市では、平成16年の大きな台風被害の経験を生かし、平成18年に呉市内の建設業者で組織されている呉市建設業危機管理対策協議会と災害時の協力体制について協定を締結して、支援体制を強化しているところでございます。次に土木課では、市内を22地区に分割し、緊急時の維持管理等に対応できるよう地元業者と年間契約を締結しており、特に梅雨時期であるとか台風時期には早くから体制を整えておくよう事前に指示をしているところでございます。そしてさらに、その災害規模の大小を問わず、人命にかかわることや二次災害の防止、輸送路の確保など緊急を要すると判断した場合には、近隣の地元業者に契約を待たずして対応を要請することもございます。いずれにいたしましても、この迅速な対応にはどうしても地元の皆様の協力が不可欠であると考えております。例えば小規模な土砂の撤去であるとか倒木の除去など、重機や資材を持っている地元の業者や消防団などを含めて、地域の皆さんで対応できる仕組みが確立できるものと思っております。 以上です。 ◆10番(林田浩秋議員) 今言われましたように、災害が起きたときは初期動作が大切ですので、地域におられる皆様と協力して行っていただきたいと思います。今自立の質問の中でなぜ土木部が答弁しなければいけないのかと、疑問に思っているんじゃないかと思いますけれども、私は自立への取り組みは全部署、部局がかかわっていると思っています。ぜひとも地域を守るためにさまざまな取り組みをしていただきたいと思います。 しかしながら、災害への取り組みは行政だけで全て行えるものではありません。先月の広島市での大雨災害により多くの方々が犠牲になられ、改めて御冥福をお祈りするところでありますけれども、この災害で感じたことが多くあったと思います。災害の大小にかかわらず、災害が発生した際の対応や復旧、復興、また防災訓練に際して地域住民やボランティアの方々の果たす役割は非常に大きいものがあると思います。防災の一歩は挨拶からという言葉もあります。このことは、家族や隣近所の人とふだんから挨拶を重ねておく、このことで、何かあったときに思い浮かび、駆けつけやすい傾向にあると言われております。こうした面からも、地域の自立についてもっと真剣に考えていく必要があると思います。地域が自立していくための取り組みは各部局に波及し、取り組んでいることと思いますが、一つの事業でも複数の部局にまたがっているので、ともに連携していただきたいと思います。そして、地域協働による自主的で自立したまちづくりのさらなる推進に向け、地域と行政が一緒になって取り組んでいくことを期待しております。 次に、子どもたちへの社会性の育成について質問いたします。 持続可能なまちをつくっていくための担い手は市民全員でありますが、その中で子どもたちは、その地域を和ませる笑顔をつくるもとであると思います。しかしながら、子どもたちの見本であるべき大人たちはどうなのか。テレビや新聞で報道されている出来事は、子どもたちの見本と言える行動でしょうか。人としての特性があるのかという事件や事故が連日報道されています。マネー資本主義の弊害なのか、個人中心主義の弊害なのか、このままでいいのだろうかと思います。幾ら経済的に豊かになっても、1人では生きていけないと思います。 先日、月刊「到知」の藤尾社長の講演を聞く機会がありました。久しぶりに心に響く話を聞けたと思います。何点か印象に残ったことの一つに、子どもたちには「つ」が終えるまでに特性を教えることが必要であると言われたことです。「つ」とは、一つから九つまでの間です。本来、子どもに特性を植えつけるのは、親であり祖父母であり近所の方であると思います。特に親が責任を持って、理想は3世代で家族を構成し、家族全体で子どもに特性を教えていくのが本来の姿であると思います。しかし、特性を持っていない方が子どもたちにかかわっても、子どもたちに特性は備わりませんし、特性が備わっていない子どもが大人になっても、次の子どもも特性のない子どもたちになるのではないかと思います。子どもたちにかかわっている行政や教員も子どもたちの特性を育成していかなければいけないと思いますし、責任があると思います。 そこで、当局は、「つ」が終えるまでの間どのように社会性を育成されているのか、そして保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校まで、どのように一貫性を持って取り組んでおられるのかをお伺いいたします。 ◎教育長(工田隆) 子どもたちの社会性の育成についてのお尋ねでございますが、まずもって、教育は何のために行うのか。これは、将来この子たちが社会に出て自立していく人間になっていく、こういう子どもを育てることにあると考えております。そのため、現在呉市では、学校教育という視点で申し上げますと、その指針を確かな学力の向上と、もう一つ、規範意識の涵養、社会性の定着、こういうふうにして取り組みを進めております。 とりわけ今お尋ねの社会性の定着について申し上げますと、全ての呉市立小中高等学校において、以前から御案内しておりますとおり、返事、挨拶、くつそろえの徹底を図る取り組みを進めております。では、なぜ返事、挨拶、くつそろえなのかということなんですが、返事は、まず自分の存在を確かめて、自分も表現させるためのものです。次に挨拶、これは委員も今おっしゃられましたけれど、コミュニケーションの入り口であって、相手を思う気持ちを育てて人間関係や社会生活を円滑にするためのものであります。さらにくつそろえ、これは物事のけじめをつける習慣を育てるためのものでございます。少しずれますが、ちなみに日本経団連が実施した社会が求める人材というアンケート調査によりますと、第1位は挨拶に代表されるコミュニケーション能力を身につけた人材であるという結果も出ております。 次に、保育所、幼稚園、小学校の連携についてでございますけれど、幼児期の教育から小学校への教育への円滑な接続ということから、平成22年度に呉市保幼小連携に関する代表者会を立ち上げております。平成26年度は、発達段階に応じた返事、挨拶、くつそろえの取り組み、これについて協議を進めて実践をスタートさせているところでございます。今後も子どもたちの社会性の育成のため、これは家庭との連携なくしては成り立ちませんけれど、家庭ともしっかり連携を図りながら、保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校が一貫性を持った取り組みをさらに進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(林田浩秋議員) やはり根の要ることであると思いますし、また家庭と連携していくのはなかなか難しい面が多々あるのではないかと想像をします。このまま続けていただけたらと思いますが、本当はここで詩を言って、福祉保健部に答弁を求めたかったんですけれども、ちょっと詩は長過ぎるということでだめなので、やはり福祉保健部も子どもたちにかかわっていると思いますので、どういうお考えなのかお伺いいたします。 ◎福祉保健部参事(神垣忍) 私のほうからは、就学前の子どもたち、幼稚園、保育所の社会性に対する教育、これについてお答えいたします。 その中で、ゼロ歳から5歳までを全て所掌しております保育所についてお答えします。 保育所は、子どもたちの人間形成の基礎を培う極めて重要な時期を過ごす場所でございます。こうしたことから、集団生活をする中で基本的な生活習慣を初め、人に対する愛情や、自主、自立、協調性、道徳性を身につけることを保育の目標といたしております。具体的には、小学校就学への準備の一つとして、登所時、降所時を初め、昼食時や散歩のときに出会う方々に対してしっかり挨拶すること、遊びや行事を通して仲間と協力すること、小さな子どもを気遣うこと、菜園活動などで自然を大切にする心、そういった取り組みをしております。また、地域の方々との交流を通じまして温かい見守りをいただく中で、郷土を愛し、未来に明るい展望を持てる豊かな心を育んでいくことに取り組んでおります。また、幼児期から小学校への教育内容につきましては教育委員会と連携いたしますとともに、子どもたち一人一人の様子についても、小学校へ上がる際に引き継ぐなど一貫した教育が行えるよう努めております。 以上でございます。 ◆10番(林田浩秋議員) 今部長が言われましたように、教育委員会と福祉保健部は目標は一緒ですので、共通認識を持って取り組んでいただければと思います。家庭教育が崩壊している中で、行政の役割は本当に大きいと思います。広島市での災害で空き巣事件が多発したと聞いています。悲しみの中追い打ちをかける、本当に悲しむべき出来事です。人に悲しみを分け合える心、相手の気持ちを分かち合える心があったなら、このようなことは起きなかったと思います。しかし、広島市での災害報道で、高校生が部活の時間に災害地域での土砂除去活動を行っている姿や、小学生が自校が開校できるように自発的に土砂除去や掃除をしている姿を見ると、ぜひともこのような子どもたちが数多くなるよう、子どもたちには特性を身につける取り組みを続けていただきたいと思います。たとえ保護者から行政に嵐のような強い風が吹こうとも、根気強く取り組んでいただきたい。時には保護者に勇気を持って伝えることが大切であると思いますので、先ほども言いましたが、ともに共通認識を持ち、頑張っていただきたいと思います。 最後に、地域住民が互いに助け合いながら地域が一体となって暮らしていくことが本当に豊かな生活を送ることではないかと思いますので、何度も言いますが、全部局、部署が一体となって取り組んでいただきたいと思います。 以上で代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(神田隆彦) 以上で林田議員の一般質問を終わります。 午後1時まで休憩いたします。            午前11時39分     休   憩      ──────────────────────────────            午後1時00分     再   開 ○議長(神田隆彦) 会議を再開いたします。      ────────────────────────────── △井手畑隆政議員の一般質問 ○議長(神田隆彦) 井手畑議員の一般質問を議題といたします。 21番井手畑議員。     〔21番井手畑隆政議員登壇、拍手〕 ◆21番(井手畑隆政議員) 皆さんこんにちは。私は、仁友会を代表して質問いたします。 改めまして、今般の集中豪雨、土砂災害で、とうとい命を落とされた方々に哀悼の意を表し、また被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧を願うのみであります。災害からの教訓につきましては、後ほどの質問の中で取り上げていきたいと思います。 さて、ことしに入りまして連日のように、人口減少、少子高齢化に関する話題を耳にいたします。本会議におきましても、多くの同僚議員によって取り上げられてきました。消滅可能都市という話題が取り沙汰される中、国は、人口減少、少子高齢化社会への本格的な移行や東京への一極集中進展に大きな危機感を覚えまして、地方創生という新たな方向性を打ち出しました。一昨日になりますが9月3日には、内閣総理大臣を本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されるなど、国を挙げて地方の人口減対策や経済活性化に積極的に取り組む姿勢を見せているわけです。国もようやく重い腰を上げ、地域支援に力を入れて取り組もうとしている中、呉市としては、国からの支援策が提示されるのを待つことなく、呉市らしい地域の特性を勘案した地域活性化の方向性をみずから見定めておくことが必要であると考えます。このような地方創生をめぐる動向及び呉市の対応方針について、市長の思いをお伺いしたいと思います。 以下の質問は質問席に移って行います。     〔21番井手畑隆政議員降壇、質問席へ移動〕 ○議長(神田隆彦) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(小村和年) ただいま地方創生に係る国の動向と呉市の対応ということで、特に人口減については、これは本当にいろんな課題がありますけれども、私も就任以来ずっしり肩にかかっている、本当にそういう意味では大きな課題でありますので、少し長くなりますけれども私の思いを述べさせてもらいたいと思います。 人口減少、少子高齢化の進行は、現在我が国の最重要課題の一つでありまして、これらの趨勢を改めていかないと、我が国の社会経済が縮小し国家としての活力を維持していくことが難しくなる、そう言われております。このことは、10年以上前からいろんな指摘があり、その趨勢がはっきり出ておりましたけれども、東京でありますとか、あるいは地方都市においてもその地域の中心的な大都市にはその周辺から若者が流入するということで、これは平均年齢でありますとか高齢化、そういう問題について大都市においては問題が顕在化しないできました。そのために中央においては、あるいは霞ヶ関や、あるいは県庁においてもそうでありますけれども、これを切実に捉えることが少なかったように思います。議員おっしゃったように、ようやくそのことがどれほど深刻かということに気がついたというのが現状であろうと思います。 こうした状況の打破に向けて、御承知のように国は大きく二つのプロジェクトを重点的に取り組んでおります。一つは、アベノミクスの第三の矢であります新たな成長戦略でございます。個人税制や労働市場改革、医療、農業などの分野における改革を柱とする「日本再興戦略改定2014」をことし6月に策定し、経済の好循環を一過性に終わらせることなく持続的な成長軌道につなげようという取り組みであります。それからもう一つが、議員御指摘の地方創生でございます。元気で豊かな地域づくりに向けた支援を通じて、人口1億人の維持に向けてあらゆる手段を構築しようとしております。新たに設置をされました、「まち・ひと・しごと創生本部」が政府全体の司令塔となって、長期ビジョンと総合戦略をまとめて政府としての中期的な施策方針を提示するとともに、地方創生に係る法案、これ第一弾が秋の臨時国会へ提出される予定だと聞いております。 この地方創生の意図はボトムアップ、すなわち地方の元気が日本全体の元気、活力に結びつくんだという、ボトムから元気をつくっていかなきゃいけない、こういう考えであります。呉市におきましても第4次呉市長期総合計画基本構想におきまして、まず人づくり、そして地域づくり、都市づくりという、ボトムアップの考え方を用いておりますが、国がまさに幾ら霞ヶ関で施策を考えても、現実に実行していく地方がその地域の実情に合った施策としてやっていかないと成果が出ないだろうと。そういう意味で、一丸となって取り組んで初めて先が見える問題だと思います。それに、この問題は人の意識が非常に深くかかわっているので、幾ら支援策をやってもこの問題、ここにやっぱり踏み込む、そういうものが必要だろうと、そんな思いがしております。 こうした国の動きに加えまして、地方みずから、地方創生の核となる人口減対策の検討を既に始めておりまして、全国知事会における少子化非常事態宣言の採択や、全国市長会における少子化対策・子育て支援策に関する研究会の設置、20を超える都道府県での人口減対策検討組織の設置など、さまざまな形で議論がなされております。呉市におきましても、私も本当に就任以来これ肩にかかっておって、平成20年から、なぜ人口流出がこんなに続くんだということで、人口動態、どういう理由で出ていくか、どういう理由で入ってくるか、これを実は詳細に調査をしてきております。そういうものをもとにしまして、この7月に人口減対策を検討するための関係課長会議を立ち上げまして、現状分析や考えられる対策の抽出などを進めておるところでございます。今後、第4次呉市長期総合計画後期基本計画の策定が控えておりますけれども、国が進める地方創生の取り組みを注視しながら、活力のある持続可能な都市を目指して、あらゆる施策の検討を行い、それを呉市の施策の柱にしていきたいと、そんなふうに思っておりますので、どうか御指導のほどをよろしくお願いいたします。 以上でございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) ありがとうございました。地方みずからが考え行動するボトムアップ型の施策によって、呉市を活力あふれるまちとして未来に継承していきたいという市長の強い思いを確認させていただきました。 では、地方創生に向けて、呉市民が住みなれた地域で安心して暮らし続けるために喫緊かつ身近な課題4点に絞って質問していきたいと思います。 まず、高齢者の実態と地域包括ケアシステムの構築についてでございますが、さきの国会で、いわゆる医療・介護総合推進法が成立しました。高度急性期から在宅医療介護まで、一連のサービスを地域で総合的に確保する仕組みづくりを推進していくことになりました。中でも、高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けるために、医療・介護のみならず予防、生活支援、住まいまで含めた切れ目なく支援する地域包括ケアシステムの構築が、人口減少、少子高齢化社会における共助のセーフティーネットワークとして必要不可欠なものになると考えております。 さて、地域包括ケアシステム構築の前提ですが、地域の実情を知ることであると考えます。そこで、第6期介護保険事業計画の策定に先立ち行われた日常圏域生活ニーズ調査がございますが、これについてお伺いします。 まず、日常生活圏域はどういう意味を持って定めたのか、またこの調査の目的、狙いをお尋ねします。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) それではまず、日常生活圏域の意味合いについてでございますが、これにつきましては介護保険法で、地理的条件、人口、交通事情など社会的条件のほか介護サービスの施設整備状況などを総合的に勘案して定める地域と定義されております。具体的には、地域包括支援センターの担当区域などの目安となる区域でございます。呉市では平成18年度に、行政区域を参考として地形、高齢者数、居住形態などを勘案し、市内を八つの圏域に分けているところでございます。 次に、日常生活圏域ニーズ調査の目的、狙いでございますが、これは各地域の高齢者の生活機能や生活状況などを調査し、地形、地域が有する課題や高齢者の生活状況等に合ったサービスを分析し、高齢者福祉計画、介護保険事業計画策定の基礎資料とするもので、厚生労働省から示された調査票に準じ、行っているものでございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) その日常生活圏域ニーズ調査ですが、では具体的にどのような方法でニーズ調査を進めたのか。調査の対象とか対象者全体の数とか、質問の概要あるいは回収状況などについて御説明をください。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) まず、調査方法についてでございますが、調査対象者は合計2,000名で、内訳は要介護認定を受けていない一般高齢者が1,600人、要支援認定者が200人、要介護1、2の認定者が200人となっております。対象者は、日常生活圏域ごとの高齢者数で案分し、無作為に抽出しております。 次に、質問項目でございますが、食事、排せつなどの日常生活動作や疾病の症状、認知症のリスク、世帯の状況など、96項目にわたっております。また、福祉サービスや介護サービスなどの利用動向など、本市の独自の質問項目も追加しているところでございます。また、回収状況についてでございますが、要介護1、2の認定者はケアマネジャーによる聴取調査のため、回収率は100%となっておりますが、他の調査は郵送回収方式のため、現時点では約70%となっております。 以上でございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) 2,000名のサンプリング調査とお聞きしましたが、多分総数に対して約3%ぐらいのサンプル抽出かなと思いましたけれども、それで十分かどうかというところがちょっと気にかかります。また、郵送方式の場合、現時点で回収率が約7割だったということですが、お聞きしましたら質問が合計130項目もあるわけですから、回答が返ってきていない残り3割の方々に課題が内在しているのではないかという見方もしなくてはいけないと考えます。 ところで、第5期介護保険事業計画のときも日常生活圏域ニーズ調査を行っていると思いますが、多分このときも同様のサンプリングの手法で行っていると思います。この手法についてですが、過去3カ年を振り返りまして、介護ニーズの把握と推計の適切性について現時点でどのように評価しておられるかお答えください。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 第5期介護保険事業計画におけますニーズ調査の結果につきましては、要介護認定者数や訪問介護などの居宅サービス見込み量、さらには保険給付費の推計の参考とさせていただいております。第5期介護保険事業計画での計画数値や予算額と実績の比較で申し上げますと、要介護認定者数が平成24年度、平成25年度と約99%でございます。また、保険給付費で見ますと、平成24年度が計画の約99%、平成25年度が約97%となっており、おおむねニーズ調査をもとに策定をいたしました計画どおりとなっており、調査結果が適切に反映されているものと認識をいたしております。 以上でございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) 現在の2,000名のサンプリング調査方式で第5期介護保険事業計画のときも適切な推計が行われたことはわかりました。確実な基本データに基づきまして、呉の将来を見据えた地域包括ケアシステムを構築していただきたいと思います。なお、今実績についてお話しいただきましたが、計画と実績を随時検証して、ぜひPDCAサイクルを確実に回して事業実施していただくようにお願いいたします。 さて、医療・介護総合推進法によりまして、平成28年度末までに要支援者に対する予防給付が地域支援事業として移行されるわけですが、これを踏まえまして、呉市における地域包括ケアシステム構築の課題をどのように認識しているかお伺いします。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 地域包括ケアシステムの構築についてでございますが、現在策定中の第6期介護保険事業計画において、現在検討を進めているところでございます。そこでの課題でございますが、大きく3点に分かれようかと思います。1点目は、在宅医療や在宅介護サービスの提供体制についてでございます。その内容といたしましては、訪問診療が可能な医師の確保のほか、訪問看護サービス24時間対応につながる介護サービスなどの基盤整備、さらには、医師を中心として、看護師、介護職員などの多職種連携による在宅高齢者支援体制の充実でございます。 2点目は、介護予防や生活支援などの一連のサービスの提供体制についてでございます。その内容は、支援が必要な高齢者に対するサービスを高齢者の社会参加と融合する生きがい就労の取り組みのほか、民間企業を含めた多様な主体による生活支援サービスの確保など、検討を行っているところでございます。なお、こうした在宅医療と介護の連携、生活支援体制の整備には地域包括支援センターの役割が大変重要であることから、センターの機能強化も必要であると考えております。 3点目は、これから増加が予想されます認知症高齢者やひとり暮らし高齢者等への支援体制についてでございます。その内容といたしましては、認知症疾患医療センターや専門病院に受診しやすい環境づくりを進めるため、認知症初期集中支援チームや支援推進員の設置のほか、ひとり暮らし高齢者が地域から孤立しないような見守り体制の充実が必要であると考えております。呉市は長寿のまちでございます。今後の高齢社会のフロントランナーとして、高齢者が地域で安心して住み続けられるまちづくりについて今後も鋭意努力をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) 課題の認識状況を御説明いただきましたが、サービス提供体制の確立が大きな課題だと思います。ニーズ調査の結果を受けまして、生活圏域ごとの実態に基づいて、どのようなサービスが真に必要とされているかを把握していただきたいと思います。特に、介護に頼らず在宅で自立した生活ができるようにする支援、例えば配食ですとか買い物支援など、いわゆる日常生活支援に関するニーズがこれからますます高くなるものと想定されます。そういう点を御留意いただきたいと思います。 また、地域包括ケアシステムを持続可能な仕組みとして確立していくためには、共助の仕組みもさることながら、まずは自助意識の高まりも必要であると考えます。御答弁の中で生きがい就労という取り組みを紹介されておられましたが、地域で高齢者に役割を担っていただき、活躍の場を設けることも自助意識の啓発につながっていくのではないかと考えます。 続いて、二つ目ですが、生活交通の方向性についてお伺いします。 高齢化の進展に伴いまして市民の外出支援の必要性が高まる中で、地域における移動手段の確保は必要不可欠であると考えます。現在当局においては、地域公共交通ビジョンの策定に向け鋭意取り組んでおられると思いますが、地域公共交通の役割、使命について、基本的な考え方をお伺いします。 ◎都市部長(種村隆) 人口減少や少子高齢化の加速度的な進展、また自動車への過度な依存など、公共交通を取り巻く環境は年々厳しさを増しております。そうした中、本市には市域を東西に貫く鉄道や市域の大半をカバーする路線バス、これらを補完する移動手段である地域内の生活バスや航路、タクシーなど、多様な公共交通機関がございます。そして、それぞれに役割、使命があると考えております。例えば鉄道やバスであれば、定時大量輸送による通勤、通学、観光など、航路は当該地域唯一の移動手段として、またタクシーは24時間個々の要求に応じた移動手段として、いずれも必要不可欠なものでございます。こうした公共交通機関は市民の重要な社会基盤の一つであり、地域の活性化につなげていくため、まちづくり等の地域戦略と一体となったネットワークとして形成させていきたいと考えております。今年度、こうした基本的な考えのもと、地域公共交通ビジョンを策定しているところでございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) わかりました。地方創生に係る施策として、国においてはネットワーク型コンパクトシティーというまちづくりの方向性を一つ示しているわけですが、都市機能の集約とあわせて周辺地域に小さな拠点を設けて、これらをネットワークするという考え方なんですけれども、呉市の都市構造においても有効な手法ではないかと考えます。地域公共交通ビジョン策定において考慮すべき要素ではないかと考えますが、当局の御所見を伺います。 ◎都市部長(種村隆) 冒頭、議員のほうから御紹介もありました、本年6月、国が地方再生の一つのメニューとして、地域公共交通の役割に新たな方向性を示しております。その概要は、高齢者や障害者などの交通弱者の移動手段確保という役割に加えまして、まちのにぎわい創出や健康増進、人の交流の活性化、そしてコンパクトシティーの実現に向けて、効率的、効果的な交通手段を提供していく考え方でございます。こうした考え方が、御質問のネットワーク型コンパクトシティーと理解しております。 そこで、現状の本市の地域公共交通を見たとき、大きく二つの役割があると考えております。第1に、生活バスや循環線、航路、タクシーなどが、市域拠点内の行政、教育及び医療福祉施設等へスムーズに連絡して、地域内の日常生活を支えることでございます。第2に、鉄道や幹線路線バスに円滑に連絡し、利用者の利用に応じた各地域の拠点間あるいは都市機能が集積する都市拠点地域への移動手段となることでございます。地域公共交通ビジョンは、こうした役割にあわせまして交通結節点の整備促進も盛り込んでいきたいと考えております。こうした公共交通のネットワークを整備することで、誰もが住みやすく、活力ある地域社会の実現を目指してまいります。 ◆21番(井手畑隆政議員) ネットワーク型コンパクトシティーという考え方を一つとして、必要な公共交通機能を整備されると理解いたしました。 さて、呉市では、基本的に路線バスを維持したいという考え方があると思いますけれども、一方で、生活バスや広電バスの利用率低下が目立っています。路線バスの利用率低下要因をどのように分析しておられるか、お伺いします。 実際の市民ニーズと呉市の考え方の間に乖離があるのではないかと思うわけですが、御所見をお伺いします。 ◎都市部長(種村隆) 総論としてお答えさせていただきます。 先ほどお答えしたように、人口減少や少子高齢化など外的要因によりまして、路線バスの利用率低下に歯どめがかからない状況でございます。このため、昨年11月の総合交通対策特別委員会で御説明したように、地域全体でバス路線を支えていく協働イメージとして、行政、バス事業者、そして利用者である市民の役割を明確にして、連携を強化いたします。具体的には、利用率が低い路線についてその原因を分析するため、現行のダイヤ、便数、運賃、経路等と地域のニーズとの違い、あるいはバスの必要性等どこに課題があるのか、地域の方々やバス事業者と適宜協議してまいりたいと考えております。 ◆21番(井手畑隆政議員) ぜひ実情を把握して対応していただきたいと思うわけですが、例えばバスの経路が不便だとか乗り継ぎが難しいといった市民意見をよく聞きますので、市民ニーズを適切に反映した、利用しやすい公共交通網を目指していただきたいと思います。一方で、地域における交通実態は非常に多様化しておりまして、例えば福祉系の移動支援サービスもありますし、医療機関ですとか商業施設による送迎サービスといったものもあります。こういったことが一つの市民ニーズのあらわれではないかと考えています。地域公共交通の役割、タクシー事業者や、ほかの民間移動支援サービスなどとの共存、あるいはバランスという観点から、改めて当局の御所見をお伺いします。 ◎都市部長(種村隆) 公共交通機関の利用目的は、通勤や通学、通院、買い物、観光、年齢、性別、また曜日や時間帯等により異なるものでございます。これは各地域の人口構成や地理的、地形的、そういった特性によりまして、あるいは社会環境の変化に伴い、その需要も変化してまいります。そのため、公共交通機関の役割は、それぞれの地域特性や移動ニーズなど地域の実情の変化に応じて検討する必要があると考えております。地域の移動手段には、バス、航路、タクシーなどのほか、今議員おっしゃいましたように、特定の事業者が特定の利用者のために無料で運行する送迎バスなどがございまして、果たすべき役割には違いがございます。こうした交通機関がそれぞれの役割を機能的に分担することが大切で、行政は利用者が各機関を快適に選択できるよう、柔軟な発想でハード、ソフト両面から支援することに心がけていく必要性を感じております。その結果、効率的、効果的な交通体系を構築することができ、市民生活に不可欠な移動手段の確保につながっていくものと考えております。 ◆21番(井手畑隆政議員) わかりました。路線バスの維持だけでなくて、各地域の今お話しいただいたような実情とか市民ニーズをぜひ勘案していただきまして、地域交通のあり方全体をビジョンとして示していただき、交通空白地帯あるいは交通不便地帯といったものをつくらないよう継続的な努力をしていただくことをお願いいたします。 続いて、若者の雇用確保と企業誘致について御質問いたします。 呉市の人口減少要因の一つとして、若者が呉市外に職を求める現実があると思います。市内には働く場所がないという声を聞くわけですが、呉市内には若者にとって魅力ある働き場所が本当にない。呉市内の若者の就職先について、現状どのように把握、分析しておられるか伺います。 ◎産業部長(西岡伸一) 呉市内の若者の就職先の状況についてお答えいたします。 今春の就職状況で申しますと、市内学校の卒業生で地元へ就職した者の割合は、高校生が約6割、大学生、高専生は約1割でございました。また、市内の主要15企業へ聞き取ったところ、今春の新規採用者のうち、地元採用者は高校生が中心とのことでございました。このようなことから、製造業の多い本市では高校生の就職先は一定程度確保できておりますけれども、大学生等が希望する就職先が確保できていない現状でございます。これまでも市内の大手企業に対しまして、機会を捉え地元出身者の採用を強くお願いしているところでありまして、今後も市内企業における職種の拡大や採用増、それと市外からの企業誘致の両面について取り組み、若者の雇用の場の確保を図ってまいりたいと考えております。 ◆21番(井手畑隆政議員) 大学生が就職できるようなところがないのは非常に気になるわけですけれども、製造業が多い呉市の現状は理解しておりますが、若者にとって将来の夢を描ける、ここで働いてみたいと思える就職先が必要ではないかと思います。そのために、やはり企業誘致を考えなくてはならないわけですが、6月議会で我が会派の池庄司議員より航空機関連産業の誘致について質問いたしましたところ、当局からは成長の見込める分野であると認識を示しておられましたが、昨今の状況を見ますと、国産小型ジェット旅客機の話題ですとか、広島でも本格的に航空機部品の製造を手がけるという話も出ています。広島県主導で広島航空機産業振興協議会が設立されたと聞き及んでおりますが、呉市もこういう場に参加して、航空機関連産業の誘致を積極的に進めるべきと考えますが、御所見を伺います。 ◎産業部長(西岡伸一) 航空機産業の誘致活動についてでございます。 航空機関連産業は、自動車産業にも増して技術波及効果が大きく、他市の部品市場や航空機の整備市場も有することから、一層の成長が見込まれる分野でございます。本市には、IHIやヒロコージェットテクノロジーといった航空機関連企業が立地しております。本県における航空機関連産業への参入等を目指す産学官の連携といたしまして、今議員の御質問にもございましたけれども、広島航空機産業振興協議会がことしの5月に設立され、83の企業が加入されております。そのうち、市内からは企業6社と、支援機関としてくれ産業振興センターが加入しておりますが、この機会に本市も加入したところでございます。今後はこうした協議会も活用しつつ、成長分野である航空機の部品市場や整備市場の動向も含めまして、さらに幅広い情報収集に努め、高い技術力や成長力を持つ企業の誘致を進めてまいりたいと考えております。 ◆21番(井手畑隆政議員) 既に広島航空機産業振興協議会に入会されたと聞きましたんで一安心なんですが、ぜひ、まずは情報収集が大切だと思いますんで、企業誘致についても将来ビジョンを持ちながら、待ちの姿勢ではなくて積極的に行動していただきたいと考えます。 さて、地域振興の事例としまして、廃校施設などを利用したIT関連産業誘致という話をよく聞くわけですけれども、若者の就職先としても人気の業種でありますので、IT関連産業を積極的に誘致することを提案したいと思います。 ところで、IT関連産業でありましたらネットワークインフラが欠かせないわけですけれども、呉市では平成21年度までに地域イントラネット基盤整備、いわゆる光ファイバー網の整備が行われており、市内の公共施設が光ファイバーで結ばれております。これは呉市にとって大変な財産だと思うわけですが、この地域イントラネットを民間に開放して活用できましたら、IT企業誘致に対しても非常にアピール力が高まるんではないかと考えます。御所見を伺います。 ◎総務企画部参事(下山義夫) 呉市地域インターネット基盤整備事業は、平成13年度から平成21年度にかけ、総務省の情報通信格差是正事業を活用し、各市民センター、学校、図書館など本市の公共施設を高速、大容量の光ファイバーで結ぶ地域公共ネットワークの基盤整備を行ったものでございます。御質問の民間への開放につきましては、本事業は国の補助金を活用して整備しているため補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、いわゆる適化法でございますけれども、それによりまして一定の制限があり、整備後10年間は目的外の利用ができませんが、整備後10年を経過している地域では光ファイバーのあきがございます。このため、一定のルールを整備すれば民間へ貸し付けるなどの手法で開放は可能であると考えられますので、関係部署と連携しながら呉市地域イントラネットの有効活用に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆21番(井手畑隆政議員) 地域イントラネットの開放は可能だとお答えいただきましたので、ぜひ有効活用に取り組んでいただきたいと思います。地域イントラネットの開放は企業誘致のみならず、新たなビジネスチャンスですとか、また緊急時の情報網といったように多様な活用が期待できるものであり、呉市のお宝ですので、これを埋もれさせることなく積極的に活用していただきたいと考えます。 次に、地域の活性化に取り組む担い手の確保、育成についてお伺いします。 地方創生に関連して幾つかの課題について伺ってきましたが、特に合併町地域ですとか周辺地域におきましては少子高齢化に伴う過疎化の進展が著しく、地域の存続自体が喫緊の課題となっているわけです。地域活性化に取り組む担い手、特に合併町地域の個性とか特性を生かした地域づくりを推進する人材が必須であると考えますが、どのように確保、育成しようとしているかお伺いします。 ◎市民部長(品川裕一) 地域協働の推進をするためには、地域の中核となり、各種団体との連携や行政との橋渡しなどを担える人材の育成が重要であると認識しております。そのため、ゆめづくりフォローアップ事業として各地区の取り組み事例の情報交換や先進地視察などを行い、まちづくりを担っていただく人材のスキルアップを図ってきているところでございます。また、過疎化が進む地域では地域内だけで人材を確保し続けることは難しい面もございまして、呉市では、首都圏などに住み、地域の活性化に意欲を持つ若者を地域おこし協力隊として受け入れる準備を現在進めております。来年度まず安芸灘地区で受け入れ、その成果を見ながら、次年度以降も他の過疎地域に拡充させていきたいと考えており、今後ともこうした取り組みを通しまして、地域づくりの担い手の確保、育成に努めてまいります。 ◆21番(井手畑隆政議員) 地域おこし協力隊を初めとした国や県の支援制度の活用とか外部のプロフェッショナル人材の登用によりまして、地域づくりをぜひ加速させていただきたいと思います。また、例えば大学生等との交流も推進してはどうかと考えております。 ところで、地域の存続のためには、最初に質問いたしました地域包括ケアシステムからも考えられますように、地域福祉を支える人材の確保、育成が重要になるわけですが、これに関する考え方と取り組み状況をお伺いします。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 地域福祉を支える人材といたしましては、民生委員、児童委員等を中心に高齢者や子育て世帯の見守り、支援活動を日々行っていただいているところでございます。しかしながら、民生委員、児童委員の高齢化の進展や地域のつながりの希薄化など社会環境の変化に伴い、後継者の確保、育成が課題となっていました。そこで、平成25年12月から呉市独自の取り組みとして、民生委員、児童委員のサポーターとして民生委員協力員制度を創設し、本年8月末時点では73名の協力員を委嘱し、人材確保に努めているところでございます。また、全市的に地域福祉を支えていただいております呉市社会福祉協議会との連携では、ヘルパー研修の開催やふれあい・いきいきサロン世話人育成のための研修会を開催するなど、人材育成に努めているところでございます。 以上でございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) 今おっしゃられた社会福祉協議会との連携は、非常に有効な解決策の一つであると思いますが、もう一歩進んで地域福祉を支える人材の育成策は何かお考えはないか、もしあればお答えください。 ◎福祉保健部長(濱田俊文) 今後の地域福祉を支える人材の確保、育成につきましては、例えば、まちづくり委員会を初めとする地域団体と呉市が連携し結成されました第2地区地域見守り隊のような、組織や団体の垣根を取り払った取り組みが必要であると考えております。このためには地域のリーダーが必要であることから、社会福祉協議会やまちづくり協議会などと連携しリーダーの育成に努めるとともに、今後もこうした事例を参考にそれぞれの地域の実情に即した地域での自助、互助の意識づけを行いながら、人材の確保、育成を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) 地域福祉におきましては、専門人材に加えて地域の高齢者の活躍の場もあるわけですし、またNPO法人やボランティア団体など、さまざまな人材の協働によって成り立つものだと考えます。特に中心となるリーダー的人材の育成に努めていただきたいと思います。 さて、冒頭、市長が御答弁いただきましたように、地方創生の核心はボトムアップ、すなわち地方の元気を日本全体の活性化に結びつけるプロジェクトであると考えます。そのためには、まず担い手が輝くことが大切です。これが地域活性化、地域協働の出発点だと考えます。ここで留意したいことは、よく行政からの仕事の押しつけ的な地域協働になりがちだということが指摘されるわけですけれども、やはり地域住民みずからがやる気とやりがいを感じられるようなお膳立てをしてやることが行政側の役目ではないかと考えます。地域創生を目指して元気で豊かな地域づくりに向けて、さまざまな観点から一緒に知恵を出していきたいと思っております。 次に、大きな2点目でございますが、広島豪雨土砂災害を教訓とした呉市の対応についてお伺いします。 雨雲がもしあと30キロもずれていましたら呉市が被災したと考えたら他人事ではないわけですけれども、これを教訓として考えたいと思うわけですが、新聞報道によりますと、今回被災した地域の多くが土砂災害防止法に定める警戒区域指定外であったとのことです。呉市には、地域防災計画、いわゆる赤本、非常によくまとめられております。この赤本でございますが、この中に、県及び国からの情報提供を踏まえ、市域における土砂災害関係情報の一元的な把握と住民への土砂災害危険箇所等の周知及び緊急時の避難体制の整備に努めると定められております。しかしながら、広島市の状況を見ますと、国、県の警戒区域指定情報をうのみにすることは住民に対する注意喚起の欠如につながりますし、自然災害から人災に拡大していく懸念もあると考えます。まず、呉市において土砂災害警戒区域指定の現状はどうなっているか、お伺いいたします。 ◎都市部長(種村隆) 土砂災害防止法に基づきます特別警戒区域あるいは警戒区域の指定は、県が計画的に行うこととなっております。平成25年度末現在の呉市における指定状況のお尋ねでございますが、平成15年度に昭和地区が指定され、順次、郷原、広、川尻、阿賀及び天応地区の6地区1,593カ所、率で申し上げましたら55%が指定されている状況でございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) 今お話しいただきましたように、まだ55%ということなんですが、この警戒区域は市民周知のために土砂災害ハザードマップを作成して周知していると思いますが、この土砂災害ハザードマップの作成状況や配布状況についてお尋ねいたします。 ◎消防局長(奥野彰) 土砂災害ハザードマップの作成及び趣旨についてお答えいたします。 土砂災害ハザードマップは、いわゆる土砂災害防止法の規定に基づき、住民周知のための印刷物として警戒区域、特別警戒区域、避難所等記載したものを作成し、市民の皆様にお示しすることが義務づけられており配布したものです。広島県の区域指定に伴いまして、平成21年度から、昭和、郷原、広、川尻、阿賀及び天応の6地区のハザードマップを作成しまして、順次自治会を経由して該当地域の全戸に配布し、呉市のホームページ、市政だよりにも掲載しておるところでございます。もちろん、これで全市民に確実に周知されているとは考えておりません。このたびの災害を受けまして、国、県における土砂災害防止法の改正や、県による法指定前の警戒区域の公表等の動きに迅速に対応し、的確な情報をできるだけ早く市民の皆様に提供できるよう努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆21番(井手畑隆政議員) 御説明いただきましたが、ハザードマップも全市民に配られていないということは非常にやっぱり懸念すべき点だと思います。インターネットで広島県防災ウェブがありますけれども、そこを見ましたら県内全域の土砂災害危険箇所図があります。法指定との関連はもちろんあると思うんですが、少なくとも呉市内全域についての危険箇所を、このような防災ウェブにあるような情報でよろしいかと思いますので、とにかくここは危険だという情報を全市民にまず周知する必要性があるんではないかと感じます。施策としては市民の安全を第一に考えて、自分で考えられる情報を周知することをお願いしたいと思います。 続いて、避難勧告のあり方ということでお伺いします。 広島のケースでありましたら避難勧告発令のおくれが指摘されているわけですが、呉市には避難勧告等の判断、伝達マニュアルがあると思います。これによりましたら、今回のようなケースを想定したときに避難勧告発令は適切に行われたと考えられるかどうかお答えください。 ◎消防局長(奥野彰) このたびの広島市の避難勧告につきましては、8月20日午前1時15分、広島県と広島地方気象台が共同で土砂災害警戒情報を発表し、その後、午前4時15分に避難勧告を発令いたしました。呉市の避難勧告発令基準につきましては、土砂災害警戒情報が発表され、広島県防災ウェブの土砂災害危険度情報で1時間後に土砂災害発生危険基準値を超過することが見込まれるときに避難勧告を発令することとなっております。しかしながら、今回は土砂災害警戒情報発表時には雨も弱まっていたこと、その後、急激に同じ場所で積乱雲が繰り返し発生し、想定をはるかに超える局地的豪雨となったこと、またその時間帯が深夜から未明であったことなどの要因が重なったことにより、難しい判断になったのではないかと考えております。そのようなことから広島市では避難勧告の判断がおくれる結果となりましたが、呉市に限らず全国どこの市町においても、今回のケースでは勧告の時期を判断するのは難しかったと思われます。 以上です。 ◆21番(井手畑隆政議員) 今回のケースでは勧告の時期判断は難しかったというお答えでしたが、現在では、集中豪雨などの予測情報はインターネットなどを通じて誰でも早期に得られるようになっています。市民は自主的に判断することもできるわけですので、当局としましては空振りを恐れることなく、早目に避難勧告、避難指示を発令することが必要ではないかと考えますが、御所見を伺います。 ◎消防局長(奥野彰) 市民の皆様に避難を呼びかける避難情報につきましては、段階に応じて避難準備情報、避難勧告、避難指示があります。こうした避難情報は、人的被害を回避するため、災害が発生する前に安全な避難場所等に避難し身を守るための最も重要な防災情報だと思っております。今回、広島市で発生したような短時間で予測が難しい局地的な豪雨や夜間で判断が困難な場合にも、空振りを恐れず、早目の避難勧告、避難指示に努めてまいりたいと考えております。また、あわせて市民の皆様にも、防災情報の収集やみずからの判断により避難する努力をお願いしてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆21番(井手畑隆政議員) ぜひ今の姿勢を保っていただきたいと思います。特に市民の皆さんには自主的な判断が大切だという啓発も行っていただきたいと思います。 ところで、いざというときの避難場所について、例えば地震、津波、土砂災害など災害の種別によって異なってくると思いますけれども、この避難場所については市民には確実に周知されているとお考えでしょうか。 ◎消防局長(奥野彰) 避難場所の周知についてのお尋ねでございます。 避難場所につきましては、災害が発生するおそれがあるときなどに避難し、命をつなぐ大切な場所だと考えております。そうした意味から、今年度、呉市地域防災計画を修正し災害種別ごとに避難場所等を指定するとともに、呉市のホームページや市政だよりなどに掲載をいたしております。しかしながら、市民全般に確実に周知されているとはまだ言いがたいと思っております。今後も意識啓発にあわせ、災害種別ごとに安全な避難ができるように地域の防災訓練や研修などさまざまな機会を捉えて市民の皆様に周知してまいります。 以上です。 ◆21番(井手畑隆政議員) やはりこれまで津波の話ばっかりしてきましたが、災害種別ごとの避難場所の周知は非常に大切だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 それから、あわせてお願いですが、先ほどお話のありました呉市避難勧告等の判断、伝達マニュアルについても見直しが必要であると考えますので、御検討いただきたいと思います。 次に、防災情報の広報体制についてお伺いします。 防災情報や避難情報の伝達手段には、防災行政無線あるいはテレホンサービス、メールなどがございますが、現在防災行政無線のデジタル化が進められておりますけれども、ここでは聞こえない区域が残っても仕方がないという設計思想で行っていると聞いております。現在の設計ではどの程度の難聴地域が残るのか、設計を変更する予定はあるのか、お伺いします。 ◎総務企画部長(明岳周作) 防災行政無線のデジタル化整備におけます難聴地域の問題についてお答えをさせていただきます。 今回の整備では、現在設置しております屋外拡声子局の位置を原則としながらも、居住地域の変化なども考慮し、一部地域では設置場所の移設や新しく設置することなどを計画し、これまでよりも改善したい、できるだけ聞こえない地域を減らしていきたいとの考えで行ってきております。こうしたことから、整備区域であります旧7町において、音の届くエリアの面積は整備前の約1.2倍となり、難聴地域の世帯数の約8割程度が改善される見込みとなっております。しかしながら、依然として難聴地域が全て解消するわけではないのも事実でございます。そのため、今年度と来年度に実施いたします各地域での屋外拡声子局の設置工事に当たりましては、実際の音の聞こえ方なども考慮して、必要であればスピーカーの出力や向きの調整、増設など柔軟な対応を実施することで、さらなる改善ができるようにしていきたいと考えております。また、今回の整備が完了した後におきましても、新しいシステムでの運用や音の聞こえ方等に関しまして各地域から御意見を伺いながら、引き続き改善に努めてまいります。 以上でございます。 ◆21番(井手畑隆政議員) 防災行政無線は最も基本的な情報伝達手段ですから、ぜひ、今御説明ありましたように実効性のある整備をお願いしたいと思います。また、豪雨のような状態では防災行政無線自体が聞こえない状態にもなりかねませんので、そのときはこのテレホンサービスも使えないわけですから、高齢者とか情報弱者も多くいる中で、テレホンサービスやメールでは緊急情報の伝達は不十分ということも考えられます。また、新聞報道にもありましたが、広島市の事例ではメール運用の不備も指摘されておりました。ぜひ市民が自主的に判断できる情報を全市民に対して確実に提供することが行政の使命だと考えていただきたいと思います。また、広報の手段として、以前から御提案しておりますが戸別受信機の導入でありますとか、例えばコミュニティーFMといったものの活用についても御検討していただけますようにお願いいたします。 最後に、居住実態の把握についてお伺いいたします。 広島市のケースでは、被災者や行方不明者の実態把握に問題があったわけです。これは日常的な住民の居住実態把握の問題であると考えます。住民票と居住実態には食い違いがあると思いますけれども、呉市の現状についてどのように把握しておられるか。もし国勢調査等との差異とか、データがありましたら示していただきたいと思います。 ◎市民部長(品川裕一) 住民票の移動は、法令で一時的な居住を除き14日以内の届け出が義務づけられております。届け出制であることから、単身赴任、大学への進学、長期入院、老人福祉施設への入所など諸事情で届け出がなく、住民票と居住実態の食い違いは多分に生じているものと考えております。平成22年の国勢調査では人口23万9,973人で、住民基本台帳の人口24万6,640人と、ここでも6,000人余りの差がございます。このように住民票だけで日常的な住民の居住実態を正確に把握することは困難であると認識しております。 ◆21番(井手畑隆政議員) 6,000人程度の差ということであり、住民票に基づく現行の制度では実態把握の方法がないという御答弁だったと思いますけれども、災害時緊急対応とか今後の高齢化社会を考えますと、何らかの方法で居住実態を把握する努力が必要ではないかと思います。例えば地域協働の中とか自治会活動の中とか、あるいは昔は警察官が一軒一軒回ったりしておりましたけれども警察との連携ですとか、方策は何かあるんではないかと思いますが、再度御所見を伺います。 ◎市民部長(品川裕一) 災害時における迅速な避難や居住実態の把握につきましては、日ごろから地域のきずなをいかに深めておくかが重要であると思っております。地域では、自治会、民生委員を初め地域の皆さんにより、人々のつながりを強めるためのさまざまな取り組みが行われておりますが、何より隣近所での日ごろの声かけにより、いざというときに助け合える関係をつくっておくことが肝要であると考えております。我々といたしましては、そういった地域内のきずながより一層深まるよう、今後とも支援してまいりたいと考えております。 ◆21番(井手畑隆政議員) 何かこう、もうちょっと具体的な方策があればいいんですけれども、御存じのように現代社会でやはり居住の実態は非常に複雑化しておりますので、何カ所にも住んでる人もおりますし、難しいと思います。地域のきずなは、今おっしゃったような一つの解決策と思うわけですが、やっぱり個人情報保護という壁もあるわけでして、制度面から何か見直すことも必要ではないかと考えております。 いずれにしましても、緊急時の判断とか行動は、みずからの身はみずからで守るという自助に尽きるのではないかと考えますが、地域においては互助あるいは共助の仕組みを確立しておくことが地域の力でありますし、緊急時の備えであると考えます。合併町や周辺地域での人口減少、少子高齢化はますます進むものと思われますが、一方で、この合併町というところは、中央地区と比べますと自治会の加入率が比較的高い地域だと認識しております。自治会加入率が高いということは、ここに地域のきずながあるわけですから、このきずなをベースにして…… ○議長(神田隆彦) あと3分です。 ◆21番(井手畑隆政議員) (続)呉市における元気で豊かで安心・安全な地域における地方創生のモデルケースがつくれるのではないかと考えております。ぜひ一緒に考えて推進していきたいものだと思います。 以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(神田隆彦) 以上で井手畑議員の一般質問を終わります。      ────────────────────────────── ○議長(神田隆彦) 以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。            午後2時01分     散   会 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。       呉市議会議長  神 田  隆 彦       呉市議会議員  林 田  浩 秋       呉市議会議員  井手畑  隆 政...