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令和 3年第 3回 9月定例会-09月21日-03号

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  1. 広島市議会 2021-09-21
    令和 3年第 3回 9月定例会-09月21日-03号


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    令和 3年第 3回 9月定例会-09月21日-03号令和 3年第 3回 9月定例会         令和3年  広島市議会定例会会議録(第3号)         第 3 回                  広島市議会議事日程                                 令和3年9月21日                                 午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)
     開議宣告(終了)  一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  岡 村 和 明            2番  川 本 和 弘    3番  田 中   勝            4番  並 川 雄 一    5番  川 村 真 治            6番  石 田 祥 子    7番  川 口 茂 博            8番  水 野   考    9番  平 岡 優 一            10番  椋 木 太 一    11番  吉 瀬 康 平            12番  山 本 昌 宏    13番  山 内 正 晃            14番  碓 氷 芳 雄    15番  海 徳 裕 志            16番  木 戸 経 康    17番  山 路 英 男            18番  森 畠 秀 治    19番  石 橋 竜 史            20番  平 野 太 祐    21番  定 野 和 広            22番  伊 藤 昭 善    23番  桑 田 恭 子            24番  近 松 里 子    25番  大 野 耕 平            26番  西 田   浩    27番  渡 辺 好 造            28番  豊 島 岩 白    29番  宮 崎 誠 克            30番  八 條 範 彦    31番  母 谷 龍 典            32番  三 宅 正 明    33番  八 軒 幹 夫            34番  馬 庭 恭 子    35番  竹 田 康 律            36番  藤 井 敏 子    37番  中 原 洋 美            38番  太 田 憲 二    39番  若 林 新 三            40番  今 田 良 治    41番  佐々木 壽 吉            42番  元 田 賢 治    43番  谷 口   修            44番  永 田 雅 紀    45番  金 子 和 彦            46番  木 山 徳 和    47番  沖 宗 正 明            48番  中 森 辰 一    49番  碓 井 法 明            50番  山 田 春 男    51番  中 本   弘            53番  木 島   丘    54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名    52番  児 玉 光 禎 ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    石 田 芳 文       事務局次長   松 坂 康 雄  議事課長    小 田 和 生       議事課課長補佐主任事務取扱                                吉 川 和 幸  議事課主査   村 田 愛一朗       議事課主査   小 崎 智 之  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     小 池 信 之  副市長     及 川   享       危機管理担当局長岩 崎   学  企画総務局長  荒神原 政 司       財政局長    古 川 智 之  市民局長    杉 山   朗       健康福祉局長  山 本 直 樹  健康福祉局保健医療担当局長         こども未来局長 森 川 伸 江          阪 谷 幸 春  環境局長    重 村 隆 彦       経済観光局長  津 村   浩  都市整備局長  中 村   純       都市整備局指導担当局長                                谷   康 宣  道路交通局長  加 藤 浩 明       下水道局長   油 野 裕 和  会計管理者   金 森 禎 士       消防局長    勝 田 博 文  水道局長    友 広 整 二       監査事務局長  大 杉   薫  財政課長    後 藤 和 隆       教育長     糸 山   隆  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          橋 場 聡 子               仁 井 敏 子 ───────────────────────────────────────                午前10時01分開議                出席議員  29名                欠席議員  25名 ○山田春男 議長       おはようございます。  出席議員29名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                 会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       本日の会議録署名者として               13番 山 内 正 晃 議員               29番 宮 崎 誠 克 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       日程第1,前回に引き続き一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  37番中原洋美議員。                〔37番中原洋美議員登壇〕(拍手) ◆37番(中原洋美議員) おはようございます。日本共産党の中原洋美です。党市議団を代表して一般質問を行います。  新型コロナウイルス感染症が戦後最大の危機をもたらす中,菅自公政権は,8割近い国民がオリンピック・パラリンピックは延期・中止をと求める声に耳を傾けないまま,自己責任論と安心・安全を繰り返しながら強行いたしました。五輪が始まりますと過去最悪の勢いで感染が拡大し,医療崩壊の危機的事態に至りました。入院治療を重症者だけに制限した国の方針は,まさに命を選別する最悪・最低の政権の姿をさらすものであります。中等症・軽症患者が自宅に放置され,必要な医療を受けられないまま在宅で亡くなる方が相次ぎ,一般医療にも影響が出る事態となりました。助かる命を助けることができなかった,これは五輪強行が招いた重大な人災と言わざるを得ません。何より命が大切の立場に立つならば,今回の五輪開催は間違いであったと言わねばならないでしょう。  命を犠牲にする政治でいいのかという世論に追い詰められる中,9月3日,菅首相は突然政権を投げ出す退陣表明をされました。この退陣は菅首相一人の問題ではありません。この9年間の安倍政権・菅政権を支えてきた自公政権の共同責任を問うものとなっております。新しい総裁にどなたがなられたとしても,破綻した安倍・菅政権の枠内では現状を打開する展望は見えてこないと言うべきであります。9月8日,野党4党は新しい政権で実行する六つの柱から成る共通政策で合意しております。命を守れない政権は交代をの声が広がっていますが,どんな政権であれ,被爆地が日本政府に求める二つの緊急の課題についてお尋ねをしてまいります。  まず,今年1月22日に発効しました核兵器禁止条約に日本政府は署名すべきということです。  これまでに禁止条約に署名した国は86か国,批准した国は55か国へと前進し,国内全ての自治体の33%に当たる588自治体・議会が,日本政府に条約参加を求める意見書を採択しております。日本世論調査会が今年7月に実施した平和に関する世論調査では,71%が日本政府は禁止条約に参加すべきと回答しています。ヨーロッパ諸国では7割から8割が,核保有国のイギリスでも国民の59%が政府に核兵器禁止条約への署名を求めています。  今年の平和宣言は,核抑止論を批判し,日本政府に条約批准と第1回の締約国会議への参加を要請されました。さらに,未来を託す若者の力に着目された点は評価するものです。しかし残念なのは,菅総理が式典の挨拶で禁止条約に一言も触れないばかりか,読み間違い,読み飛ばして意味不明な挨拶となったことです。原爆死没者,被爆者,被爆地に対して失礼な話であります。今の日本政府に核兵器廃絶へ力を尽くす気持ちがない,この表れではないでしょうか。菅総理は式典後の被爆者との懇談では,核兵器禁止条約に署名しないと断言されております。このような言動を継承する日本政府では核兵器廃絶の妨害者でしかないと思いますが,市の見解をお尋ねしておきます。  批准国が一つ増えるごとに条約の権威は高まり,核保有国への圧力となります。国連過半数の97か国に達すれば,核保有国は一層孤立せざるを得ません。来年ウイーンで開かれる第1回核兵器禁止条約締約国会議は,核兵器禁止条約の発効を力に核兵器廃絶を求める世界の流れを大きく発展させる重要な場です。締約国会議への参加を日本政府に要請するとともに,この会議までに条約に署名せよと,被爆自治体として明快かつ強固に求め続けるべきですが,いかがでしょうか。  また,7月16日に広島を訪問した国際オリンピック委員会のバッハ会長は,そのスピーチで核兵器という言葉を一言も発しなかっただけでなく,市長が要請された平和式典の黙祷に合わせたオリンピックでの対応も否定されました。一体何をしに広島に来られたのかと言いたくなります。にもかかわらず,広島訪問の警備費用,約379万円を県と市が折半するというのは納得できません。警備費用は国とIOCに求めるべきではないでしょうか。  次は,7月14日の黒い雨控訴審の人道的で画期的な判決を受け止め,全ての黒い雨被害者を救済する審査基準の改定を急ぐことです。  広島高裁は,黒い雨訴訟に関し,広島市長,広島県知事,厚生労働大臣による控訴を棄却し,原告84名全員について被爆者健康手帳の交付を命じるとともに,科学的根拠を主張してきた国の考え方を退けました。判決は,大雨地域・小雨地域の線引きや,国が定めるがんや白内障など11種類の疾病の必要条件も取り払いました。実際の黒い雨降雨地域が宇田雨域よりも広範囲であったと推認されること,黒い雨を直接に浴びた人は無論のこと,黒い雨を浴びていなくても放射性微粒子を含む水を飲み,野菜を摂取することで内部被曝による健康被害の可能性があると指摘し,原爆の放射能により健康被害が生じることを否定することができない人は全て被爆者と認めるとしております。この判決はこれまで宇田雨域,つまり大雨地域ですが,これ以外の放射線被曝はないとしてきた国の被爆者援護行政の根本的見直しを迫るものであり,内部被曝がもたらす危険性を深く認識した判決です。まず,この高裁判決に対する市の見解,受け止めをお尋ねします。  8月9日,NHKが「原爆初動調査 隠された真実」を放映いたしました。内容は,1948年から53年に広島・長崎でアメリカ軍が原爆の被害と効果に関する大規模な調査を行っていたこと,爆心地から50キロもの広範囲で残留放射能が計測され,人体への影響が指摘されていたこと,1950年に米軍が持ち帰ったデータでも,黒い雨,つまり放射性降下物の影響が示唆されていたこと,アメリカ政府は核兵器が残虐な兵器として国際法違反に問われることを恐れて調査結果を破棄せよと命じていたことなど,資料や映像で伝えるものでした。
     原爆投下から76年,日本政府がアメリカに従い,黒い雨に被災した人々の声を無視し続けることで原爆の非人道性を隠蔽してきたことが伝わってきます。国により意図的に置き去りにされてきた黒い雨被害者を救済することは国の責任です。  市長は,平和宣言で国に対し,黒い雨体験者を早急に救済するよう求められました。菅総理も7月27日に,原告と同じような事情にあった方々を認定し,救済できるよう検討するとの談話を発表され,閣議決定まで行われましたが,いまだに審査基準は改定されておりません。判決後,300件近い相談が被団協や黒い雨を支援する会に寄せられております。既に県には8名,市には9名の方が被爆者健康手帳の申請をされているようですが,国が審査基準を改定しなければ却下されることにならざるを得ません。高齢化する被害者に時間はありません。一日も早い救済には審査基準の改定を急ぐべきです。いつまで待てばいいのでしょうか。今日まで改定されない理由は何でしょう。市は審査基準の具体的な改定内容を国とどう調整されているのか伺います。  さて,8月2日,やっと黒い雨裁判の原告に被爆者健康手帳が交付されましたが,通常の手帳交付事務の一環として手渡されただけと聞いて驚きました。命がけで裁判までしなければ被爆者と認めてこなかった被爆行政について,市長から直接,被爆者にリスペクトの言葉があってしかるべきではなかったでしょうか,どのようにお考えでしょう。  次は,被服支廠についてです。  被爆建物だけでなく,侵略戦争の加害の歴史を語る建物としても残してほしいとの市民社会の声が,広島県を動かしました。国も所有する1棟の建物調査を実施する方針を打ち出し,全棟の保存に向けて一歩前進しています。そこで,被服支廠の活用について提案いたします。  被爆76年を迎え,NHKが実施された被爆者50人へのアンケート調査で,被爆者の半数が被爆体験をつづった日記や核兵器廃絶に向けた活動の記録など,個人が所有する資料を公的機関で保管してほしいと考えられていることが分かりました。少なくない被爆者が,海外の被爆者の手紙や被爆体験を聞いた子供たちからの感想文などを大切に保管されてきたことに,まず,感謝と敬意を表するものです。資料の保存や公開について研究されている広島大学原爆放射線医科学研究所の久保田明子助教は,時間がたってから資料を分析すると物事の異なる側面が見えてくる可能性が高く,原爆を体験した人の記録は永遠に代え難い記録だと話し,被爆者個人が持つ資料の重要性を指摘されております。  体験記をはじめとする被爆の実相を伝える貴重な資料を,後世に伝えるための対策を急ぐ必要があると思いますが,市の考えをお聞きします。  アンケートに回答された被爆者の82%が原爆資料館での保存を挙げられていますが,原爆資料館の収蔵場所はいっぱいとも聞いております。保存される被服支廠において保管・展示することを検討されてはいかがでしょうか,お考えをお尋ねいたします。  長期化するコロナ禍は,政治は命を守るためにある,この原点を改めて認識させるものとなりました。そもそも憲法13条は生命の権利を掲げています。これは,第二次世界大戦で日本軍が2000万人を超える多数の命を奪うという経験を猛省し,全体主義を否定し,個人の尊重を何よりも大切にするという決意であり,コロナ禍の下で政府には生命の権利への自覚が改めて求められています。ワクチン接種やPCR検査,自粛に見合う補償が証明しているように,自助・共助・公助という自己責任論ではコロナ禍は解決できません。公助があるからこそ共助,自助が可能になるのです。各個人の命の権利を保障するため,各個人の現実に身近で向き合う政治として地方自治の役割があります。1949年に制定された地方行政調査委員会議設置法に基づいて設置された委員会は,市町村最優先・都道府県優先の原則を勧告しています。コロナ禍で生命の権利の尊さを実感する今こそ,この勧告を実体化させ,各個人の生活の現場に向き合う基礎自治体として大きな力を発揮することが必要です。市は国・県の足りない部分を補うためにあるのではありません。市の見解を改めてお尋ねしておきます。  また,13条は,誰もが自分自身の幸福を追求できる幸福追求の権利,すなわち自己実現の権利を掲げています。その具体化には,全ての個人のための教育と学習の権利が保障されなければなりません。教育・学習権はどのような力によっても否定できない基本的人権の一つですが,コロナ禍の昨年度に退学,休学した大学生は全国で5,800人に上ることが文科省の調査でも明らかとなっております。1年半以上も続くコロナ禍は,日本の未来を担う学生からアルバイトを奪い,多くの学生が一日一食しか食べられない状況に追い込まれています。まともな食事が取れず,学業に専念できず単位を落としてしまったという学生もあるようです。オンライン授業で友達もできず孤立を感じるなど,メンタル面でも影響が出ております。  この学生の窮状を救おうと,全国各地で支援が実施されています。例えば徳島県は,緊急的な生活支援として県内学生とくしまぐらし応援プロジェクトを立ち上げ,今年6月から県内14の大学・専門学校に徳島産品を月2回配付しているようです。学生の徳島での暮らしを応援することで県との絆の強化にもつなげたいとの考えもあるようです。  広島県内でも,民主青年同盟が取り組んだ食材や日用品を無償提供する支援は,今年9月14日までに市立大学を含め,県内の11大学で33回,延べ2,029人に利用され,多くの学生から助かったと喜ばれています。  一方,広島市の支援は,昨年5月に市立大学生への授業料の減免,オンライン授業によるパソコン貸出し,通信に必要な経費を補助する支援が実施されただけです。今年だけでも3度目の緊急事態宣言が出され,宣言が延長される状況下では全く不十分な支援です。大学生からは,コロナ禍2年目はより大変になった,預金も尽き,大学の支援だけでは足りない,臨時給付金を再支給してほしいとの声も上がっております。何より困窮する学生の救済は政治の仕事であります。広島市でも全国の事例に学び,市立大学生への応急奨学金の増額など直接支援を拡充すべきではありませんか,見解をお尋ねしておきます。  今年5月5日は,日本に児童憲章が制定されて70周年の記念日でした。児童は人として尊ばれる,児童は社会の一員として重んぜられる,児童はよい環境の中で育てられる,子どもの権利条約が国際的に定められる30年以上も前に,日本は子供の人間としての権利を宣言しております。この児童憲章を生かす立場からも,3項目についてお尋ねいたします。  まず,ヤングケアラーを早期発見する教育環境の整備についてです。  ヤングケアラーとは,家族などの介護,看病,世話,見守りなど,本来大人が担うと想定される家族の世話を行っている18歳未満の子供たちのことで,ほかの人に話すことができない孤立感を抱えているといいます。  神奈川県藤沢市が2016年7月に公立小・中学校などの教職員を対象に実施された,ケアを担う子供の調査によると,教職員がヤングケアラーに気がついたきっかけで一番多かったのは,子供本人の話,朝の登校の様子,子供の何げない会話,忘れ物が多いなどから,ケアを担う子供ではないかと気づいたと答えております。この結果を受けて,藤沢市では2015年から段階的に,担任以外に,小学校では児童支援担当教諭,中学校では生徒支援担当という立場の教職員を各学校に1名配置しております。この担任を持たないみんなの先生が中心となり,担任1人が抱えていた課題を管理職も含め組織的に対応できるようになり,福祉部門との連携など,支援の幅が広がったといいます。  国は今年3月,中学2年生を対象にしたヤングケアラーの実態調査の結果を公表し,5.7%がヤングケアラーの経験者ということが明らかになっております。国の調査結果を受けて,市教育委員会はどのような対応をされているのか伺っておきます。  元ヤングケアラーだった方から話を聞きますと,学校が唯一,ケアから解放される場所だったと言います。家に帰れば大変な状況があっても,学校に来たら安心できて,ちょっと愚痴をこぼしたり,悩み事を打ち明ける大人がいる場所,それが学校だったというのです。  学校は単に学習の場ではなく,子供の安心・安全な居場所にもなっているということです。そうであるならば,学校が全ての支援策を把握することは困難ですから,当然のことながら,スクールソーシャルワーカーの増員や,藤沢市のような,みんなの先生と呼ばれる教職員の増員が必要です。2020年3月にケアラー支援条例を制定された埼玉県の調査では,ケアラーの開始時期は中学生のときが一番多いと明らかになっております。  かねてから私たち日本共産党市議団は,どの子にも行き届いた教育を保障するため中学2年生,3年生の35人学級を求めてきましたが,コロナ禍での安心・安全な教育環境だけでなく,教師がヤングケアラーを早期に把握する意味からも,中学2年生,3年生の35人学級の必要性が高まっているのではないでしょうか,認識をお尋ねいたします。  既に広島市は中学1年生まで35人学級を実施していますが,今年度から国が5年計画で小学校の35人学級に踏み出しました。そのため,市独自の財源で加配してきました教員の人件費が毎年1学年ずつ浮くことになります。現在,小学3年生から6年生で35人学級のための人件費はどのくらいになっていますか。この財源を使い,義務教育課程の全学年で正規の学級担任による35人学級にすべきではないでしょうか,お考えをお尋ねいたします。  次は,子供の一時保護についてです。  2020年10月31日に,広島県西部こども家庭センターが児童養護施設に一時保護委託していました10代の児童が居室内で倒れ死亡するという事件が発生しております。この案件は,母親が施設入所に同意しなかったため,保護者との面会を基本的に認めない面会通信制限がされておりました。半年を超える長期間にわたり一時保護委託の状態が続き,会いたい母親に会わせてもらえない日々が希望を奪ってしまったのではないかと推察するところであります。改めて亡くなられた児童の御冥福と御遺族にお悔やみを申し上げたいと思います。  広島県は,この事例から学ぶとの立場で,外部有識者を中心とした検証会議を立ち上げ,本年4月23日に検証報告書がまとめられました。検証で明らかになった最大の問題点は,保護者と児童相談所の意見が対立していたため,子供の側に立つ第三者に子供が意見を述べたり,聞く機会が保障されていなかったなど,子供の権利がないがしろにされる実態が指摘されております。子供の貴い命が失われるという痛ましい事件を繰り返さないため,県の検証会議の提言を広島市に引き寄せ,子供が安心して過ごせる環境づくりに向けてお尋ねをいたします。  広島市の児童相談所で一時保護した子供は何人いますか。そのうち,虐待で施設入所となった子供は何人でしょう。子供と利害関係のない第三者機関が子供の相談を受ける機会を確保されているのでしょうか。子供に自分が権利の主体であることをきちんと伝えておられるのかも伺っておきます。  日本共産党市議団には匿名の方から子どもの権利ノート,通称オレンジノートについての意見が寄せられました。オレンジノートは,子供が施設内での生活の不安や,不適切な扱いを受けた場合,手紙と封筒を使って切手を貼らずに投函できる命綱のノートともいえるSOSレターです。しかし,コロナ禍の下で外出できず,投函できないんだと話されるんです。この方は,せめて子供の声,親の声が聞けるように,施設内に公衆電話を設置してほしい,こんな声も寄せられました。改めて,子どもの権利ノートの活用実態を調査し,子供の意見表明権が守られるよう改善,検討すべきと考えますが,市の見解をお尋ねいたします。  子供が親と分離される下で,自ら置かれた状況を正しく理解するには,日々揺れ動く子供の気持ちに寄り添うケアが不可欠です。広島市では児童福祉司,児童心理司,医務官,弁護士など,専門家体制の充実とともに,子供が抱えている問題を専門家チームとして情報共有できる十分な体制と連携が取られているのか伺っておきます。  また,児童保護機関から独立した組織が子供の立場に立ち,子供の意見を聞くアドボケイト制度の活用についてはどのようにお考えでしょうか。  最後は校則についてです。  2018年3月に国会でゼロトレランス──子供の問題行動を寛容度ゼロで取り締まる手法でありますが,ブラック校則の問題が取り上げられました。当時の文科大臣は校則の見直しの必要性を認め,その際には生徒の参加が好ましいと答弁しております。しかし,今なお特定の髪型の禁止,下着の色は白など,人権侵害ともいえる校則が子供たちを苦しめている実態が明らかになっております。  日本共産党が実施しました校則アンケートでは,全国の中高生1,453人をはじめ,保護者,教職員,2,954人から回答が寄せられました。生徒も保護者も教職員も,8割から9割が校則に疑問を持っていると回答しています。西広島駅で実施した対話形式のアンケートでも,疑問に思う校則のトップはツーブロックなど特定の髪型の禁止でした。肩に髪がかかったら絶対に結ばなければならない,うなじが見えたら駄目という理由でポニーテールが禁止されている,靴下も靴も白しか駄目という意味が分からないなどの声が寄せられました。子供たちが一番強く訴えていたのは,校則は子供が安心して学校生活を送るためにあるはずなのに逆に苦しめられているということです。教師不信の訴えもありました。  文部科学省は,学校の決まりなどが原因による不登校の児童生徒数は5,572人としています。厳し過ぎる校則は子供の権利,人権の観点から見直しが必要です。文科省も6月8日に学校や地域の実態に応じて校則を見直すよう通知していますが,市教委はこの通知をどう受け止めておられますか。  教育行政は教育条件整備が大切な任務ですが,同時に,指導・助言という教育行政に関する事柄について大事なことを述べる専門的な指導・助言の仕事も担っております。社会全体に多様な個性を尊重する流れが増しています。校則が矛盾を深め,子供たちが声を上げている今,校則の実態を調査し,憲法と子どもの権利条約の見地から,子供たちと率直に話し合い,子供たちが疑問に感じている校則を見直す立場に立つべきではありませんか。  また,ある保護者から,市立高校の新入生と保護者に宣誓書を書かせる理由が分からないとの声が寄せられました。市立8校の宣誓書を見ますと,内容は全て同じ文言です。私は,学校の決まりを守り,心身を鍛え,勉学に励むことを誓いますとなっています。学校の決まりには生徒が疑問に感じる校則も含まれます。この学校の決まりを守ることを誓わされる宣誓書は提出したくない,決まりを守らなければ宣誓書を根拠に退学を強要されるのではないかと不安に感じると話します。この子供の意見表明をしっかりと受け止めていただき,一人一人の生徒の成長を支える教育の場にふさわしく,宣誓書の在り方を検討されるよう求めておきます。  最後に,高校受験について要望します。  今年3月に行われた広島県立高校の一般入試,選抜Ⅱを受験した複数の生徒が,受験要項では携帯できないとされているコンパスを机の上に置いていたことから,この行為が不正に当たるとして受験が無効となりました。不正のレッテルを貼られ,人生をいや応なく変更せざるを得なくなった生徒だけでなく,御家族の皆さんの落胆は想像以上です。県教委は当該の生徒に対し,受験できなかった高校への入学の機会を保障することもなく,4月15日には県内全ての教育委員会に中学生への入試時のルールの指導を徹底しております。  コンパス一つで子供の将来を変えさせてしまう厳罰的な指導やルールはあまりにも冷酷といわざるを得ません。東京大学大学院の小玉教授は,生徒の多くが人生で初めて挑む関門であり,教育的配慮が必要と話されております。不要物を机の上に出していれば,試験監督官が事前に指導し,片づけさせれば済むことではないでしょうか。受験生を画一的なルールで縛りつけ,厳罰を科す試験の在り方は,子供の将来にも関わる重大な人権侵害です。子供の成長・発達にプラスにはなりません。本事案は県立高校のことではありますが,市立高校の受験においては,受験生がその持てる力を発揮できるような指導をしていただくよう求めて一般質問を終わります。 ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       中原議員からの御質問にお答えします。  命を守る自治体の役割を果たすときのうち,コロナ禍,公助の力の発揮についての御質問がございました。  本市の市政運営については,従来から国や県が責任を負うべき行政サービスであっても,その提供を基礎自治体の役割とされているものを提供するとともに,地域固有の課題解決など,基礎自治体として自らが責任を負うべき行政サービスを提供しているところであります。そうした中で,今回のコロナ禍での困窮は,国及び県が打ち出した新型コロナウイルスの蔓延防止対策によって引き起こされたものであると言っても過言ではなく,困窮している方の状態を緩和または解消するための直接的な支援は,第一義的には国及び県において講じられるべきものであると考えています。また,実際に困窮する市民・事業者に対しては,国及び県において様々な支援が講じられているところであります。  そこで,地域共生社会の実現を目指す本市としては,国や県が行う個人や事業者への直接的な支援の足りない部分を単に補うといった発想に立つのではなく,基礎自治体としての本市の役割を踏まえつつ,一過性のものではなく,コロナ禍後の社会のありようも見据えて,地域での支え合いや事業者同士が連携した共助に主眼を置いた取組こそ重要であると考え,その支援に注力しているところであります。  こうした取組をしっかりと支援することで,多くの市民・事業者が共助の精神に立って自分たちの日常生活,経済活動の維持に努めるとともに,困窮する方の支援を一緒に担ってもらえるような状態になるならば,現下の困窮状況を緩和させることはもとより,共助の精神に基づく地域共生社会づくりの確実な進展につながっていくものと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  命を守る自治体の役割を果たすときのうち,学生への直接支援についての御質問がございました。困窮する学生を救済するため,再度,本市が市立大学の学生への応急奨学金など直接支援を拡充すべきではないかについてお答えいたします。  先日の質疑において御答弁いたしましたとおり,コロナ禍にあって市立大学においては,アンケート調査等を実施した上で様々な学生支援を行っております。例えばオンライン授業の実施に当たり,自宅等での受講に必要となるパソコン等の無償による貸出しや,インターネット環境の整備に必要となる経費に対する補助などを行うとともに,附属図書館の図書の貸出しに当たり,自宅等への配送料を大学が負担するなどの支援を行いました。特に,生活に困窮している学生に対しては,昨年度及び今年度の2か年にわたり応急奨学金を支給するとともに,今年度は新たに大学内の食堂や売店で使用可能な金券を配付し,食品等の現物支給も行っているところです。このような学生への直接支援は,誰よりも学生の実情を把握している市立大学において,まずは検討・実施されるべきものと考えております。  一方,本市といたしましては,市立大学が大学の自治の中で実施する学生への支援に要する経費のうち,大学自体の運営や教育の質に影響を与える経費について,大学の設置者として運営費交付金で措置していくべきであると考えており,昨年度は授業料減免に伴う減収を補填する経費や,オンライン授業の実施に要する経費を運営費交付金で措置したところです。  なお,市立大学から議員御指摘のような本市が学生に対して直接支援してほしい旨の要請はありません。  以上でございます。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      被爆地ヒロシマの願いを受け止める政府をのうち,核兵器禁止条約に署名する政府についての三点の御質問にお答えをします。  まず,菅総理は式典後の被爆者との懇談では,核兵器禁止条約に署名しないと断言をされていると,このような言動を継承する日本政府では核兵器廃絶の妨害者でしかないと思うが,市はどのように考えているかについてです。  菅総理の発言は,従来からの日本政府の方針を示したものであり,唯一の戦争被爆国として核廃絶というゴールは共有しているとしながらも,核兵器禁止条約への対応については,日本のアプローチと異なることを理由にしているものと受け止めています。本市としては,核廃絶というゴールは共有しているとする日本政府も含め,全ての国が政策転換を決意し,核兵器禁止条約に批准する必要があると考えています。  次に,締約国会議への参加を日本政府に要請するとともに,締約国会議までに条約に署名せよと,被爆自治体として明快かつ強固に求め続けるべきだがどうかについてです。  今後,核兵器禁止条約の実効性の確保が次なる課題となっていく中で,唯一の戦争被爆国である我が国が同条約を批准するならば,ヒロシマの心の世界への発信と被爆者の方々の核兵器廃絶に向けた取組の後押しにもなると考えています。このため,本市としては,これまでも核兵器禁止条約の締約国となることを直接日本政府に要請し続けており,今年の平和宣言においても一刻も早く締約国となるよう,明快かつ強固に求めたところです。今後とも,日本政府に対して様々な機会を捉えて核兵器禁止条約への参加を働きかけていくとともに,核兵器は要らないという市民社会の声を世界の潮流にしていくために,市民の平和意識の醸成などの環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。  三点目に,バッハ会長の広島訪問の警備費用は,県・市折半ではなく国及びIOCに求めるべきではないかについてです。  本市はこれまでも迎える平和を掲げ,世界の人々,その中でも特に為政者や市民社会に影響力を発揮できる立場におられる方々には,ぜひ広島に来ていただきたいと呼びかけてまいりました。7月16日のバッハ会長の来広については,要人としての広島訪問であったことから県と共に警備業務を委託することとし,バッハ会長の広島訪問が,恒久平和を願うヒロシマの心が世界のスポーツ界に広がる一助となると考え,警備費用を県・市で折半して負担することとしたものです。  次に,被服支廠の活用についての二点の御質問にお答えします。  まず,被爆体験記をはじめとする被爆の実相を伝える資料を後世に伝えるための対策を急ぐ必要があると思うが,市の考えはどうかについてです。  被爆者やその遺族が所蔵する被爆に関わる資料は,後世に原爆の歴史的な事実や被爆の凄惨さを伝える上で大変貴重なものであることから,衣類などの実物資料については平和記念資料館において,被爆体験記などの被爆後の記録に関わる資料については追悼平和祈念館において,積極的な収集に努めているところです。平和記念資料館では,寄贈していただく資料が既に被爆から75年以上が経過していることから,適切な温湿度の下で管理できる収蔵庫において,資料の劣化に十分配慮しつつ保存に努めているところです。今後とも,指定管理者である広島平和文化センターと緊密に連携しながら,貴重な被爆に関わる資料の収集と保存に努めてまいります。  最後に,原爆資料館の収蔵場所がいっぱいだと聞いているが,被服支廠において被爆資料等を保管・展示することを検討されてはいかがかについてです。  旧陸軍被服支廠につきましては,本年5月に広島県が所有する3棟について安全対策を実施する方針が示され,また,このたび国が所有する1棟についても安全対策の検討に向けた取組を行うことが示されました。今後,広島県において重要文化財の指定に向けた取組を行い,その取組の中で活用の方向性も検討していくと聞いています。具体的な利活用策については,こうした県による検討を踏まえ,国・県・市で構成する旧陸軍被服支廠の保存・継承にかかる研究会において議論していくこととしており,その中で様々なアイデアを出し合い検討していくことになるものと考えています。  なお,平和記念資料館の収蔵スペースについては,現時点で不足が生じている状況ではありませんが,将来にわたる被爆資料の適切な収蔵管理について,今後,広島平和文化センターと協議をしていきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  被爆地ヒロシマの願いを受け止める政府のうち,黒い雨被害者の早期の救済について,三点の御質問に順次お答えいたします。  初めに,このたびの高裁判決に対する市の受け止めはどうかについてです。  このたびの広島高裁判決は,心身に苦しみを抱えてこられた黒い雨体験者の方々の切なる思いと,黒い雨降雨地域の拡大を長年にわたり要望し,高齢化が進む黒い雨体験者を早急に救済することを目指していた本市の思いを,司法の場から認知し,実現のための論拠を明示していただいたものと受け止めております。  次に,一日も早い救済には審査基準の改定を急ぐべきである,市は審査基準の具体的な改定内容を国とどのように調整しているのかについてです。  本年7月27日に閣議決定された内閣総理大臣談話が発表されて以降,本市をはじめ県内の市町には手帳交付申請に関する問合せが多数寄せられるなど,多くの方々が制度改正を待ち望んでおり,また,既に申請書を提出された方もおられます。こうした状況を踏まえ,黒い雨体験者の早急な救済に向けて,今月14日に県と合同で厚生労働大臣に対して,高齢化が進む黒い雨体験者を早期に救済するための制度改正を急ぎ,改正に向けたスケジュールを示すとともに,遅くとも来年度当初には運用を開始すること,また,援護対象とする地域は,最低でも大瀧雨域,増田雨域を合わせた地域とするとともに,これらの地域以外であっても援護対象となり得るよう,控訴審判決を尊重した制度設計にすることなどの要請を行ったところです。引き続き,黒い雨を体験された方々の身になって,原告以外の黒い雨体験者の方々を一日も早く救済することができるよう努めてまいります。  最後に,被爆者健康手帳を原告に交付する際に,まず,市長から直接被爆者にリスペクトする言葉があってしかるべきではなかったのかについてです。  被爆者健康手帳の交付は,広島市が国からの委託を受けて行っているものであり,今回,国が上告しないとしたことから,ようやく原告の皆様に被爆者健康手帳をお渡しすることができるようになったものです。今回の対応は,これまでも交付事務に携わってきた市として,原告お一人お一人に対して,医療費や手当などの詳細をしっかりと説明することこそが重要であると考え行ったものです。  以上でございます。 ○山田春男 議長       こども未来局長。 ◎森川伸江 こども未来局長  子供の最善の利益のためのうち,子供の一時保護について四点の御質問にお答えいたします。  まず,昨年度の広島市で一時保護された子供の人数と,そのうち虐待により施設に入所となった人数についてです。  令和2年度に広島市の児童相談所が一時保護した子供は330人で,このうち虐待により児童養護施設等に入所となった子供は32人です。  次に,利害関係のない第三者機関等が子供の相談を受ける機会が確保されているか,また,自分が権利の主体であることを伝えているかについてです。  児童相談所では,子供の権利が守られることは大変重要であることから,その意見を最大限尊重することとしており,子供の支援に当たっては,まず子供が主体的に自分の気持ちや希望を話すよう丁寧に伝えています。また,子供の意見などを聞く際には,担当の児童福祉司に加え,子供の気持ちや思いを酌み取ることのできる児童心理司や,一時保護所などで共に生活する中で子供の正直な思いを受け止めることのできる保育士・児童指導員,子供の権利擁護に重点を置いた役割を担う弁護士など,多職種の専門職員が対応し,子供が話せる機会を確保しています。その上で,今後の援助方針などについて児童相談所と子供の意向が一致しない場合には,学識経験者や医師,弁護士等で構成する社会福祉審議会児童福祉専門分科会入所措置等専門部会で意見を聞いて対応することとしています。  次に,子どもの権利ノートの活用実態を調査し,子供の意見表明権が守られるよう改善・検討すべきと考えるが,市の見解はどうかについてです。  子どもの権利ノートは児童養護施設などに入所している子供に施設内で権利が守られることなどを説明する小冊子で,複数の相談機関の連絡先を掲載するとともに,切手不要で送付できる本市の所管課宛ての封筒をつけています。この権利ノートについては,施設入所が決まった際に児童福祉司から子供に手渡し,一緒に読みながらその内容や利用方法を説明していますが,活用実態については,今後,児童福祉司が年1回施設を訪問し子供と面接を行う際に,改めて利用方法などを理解しているか確認し,必要に応じて改善を図っていきたいと考えています。  また,議員御指摘のとおり,封筒を投函できない場合も考えられることから,説明の際には,学校の先生に手渡すなど,投函以外の方法も伝えるようにしてまいります。  最後に,子供の抱えている問題を専門家チームとして情報を共有するための十分な体制と連携が取れているか,また,児童保護機関から独立した組織によるアドボケイト制度の活用についてどう考えているかについてです。  児童相談所では,児童福祉司や児童心理司,保育士,児童指導員,弁護士などの専門職員が情報共有を行い,支援方針などについてそれぞれの立場で意見を出し合うなど,チームで対応しており,今後もこうした体制の下,子供の最善の利益が守られるよう取り組んでまいります。  議員御質問の児童保護機関から独立した組織によるアドボケイト制度の導入については,国において令和3年5月,学識経験者や弁護士などで構成される子どもの権利擁護に関するワーキングチームの取りまとめが公表され,これを受けて児童福祉法等の改正が検討されていることから,国の動向を注視していきたいと考えています。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       子供の最善の利益のためにのうち,ヤングケアラーを早期に発見する教育環境整備について三点お答えをいたします。  国の調査結果を受けて,市教育委員会はどのように対応しているのかという御質問についてです。  教職員は,児童虐待やヤングケアラーなどの課題を抱え,悩みや困り感を持つ児童生徒を早期に発見できる立場にあります。こうしたことを踏まえ,教育委員会では,学校に対し,ヤングケアラーなどの課題を抱えた児童生徒が在籍している可能性があることを十分に理解した上で,学校生活の様子の観察や教育相談等を通じて,児童生徒の実態を見取るとともに,ヤングケアラーの疑いがあると判断した場合,スクールソーシャルワーカーを活用し,関係機関と連携して当該児童生徒の支援を行うよう指示をしております。さらに,教職員がヤングケアラーへの理解を深め,その早期発見及び適切な対応ができるよう,ヤングケアラーへの対応についてと題したリーフレットを作成し,本年8月に各校に配付して,教職員への周知に努めております。  こうした取組を進める中で,学校では,遅刻や欠席が目立つようになった児童生徒について,その背景に家庭内で保護者の介護を行っている状況が確認できたため,スクールソーシャルワーカーが福祉の関係機関と連携して家庭への支援,この場合は訪問看護でしたが,これに結びつけたといった事例も出てきております。今後もヤングケアラーの早期発見に努め,具体的な支援につなげていけるようしっかりと取り組んでまいります。  次に,ヤングケアラーを早期に把握する意味からも,中学2,3年生の35人学級の必要性が高まっていると,その必要性についての市の認識です。  現在,本市においては小学校1年生から中学校1年生までを35人以下学級編制とし,中学校2年生,3年生では国語・数学・英語を対象に少人数指導を実施しております。中学校2,3年生を35人以下学級編制とすることは,学級担任の目が生徒一人一人に行き届きやすくなることなどから,より望ましい姿であると考えております。  一方で,これを実現するためには,学級数の増加に伴う新たな教員の採用や教室の確保などの課題もあることから,今後,国の少人数学級に関する動向や本市の生徒数の推移などに十分留意しながら,検討を進めていきたいと考えております。  次に,市費で負担していた加配分が毎年1学年ずつ国費に置き換えられると,来年度以降予定されている小学校3年生から6年生までの35人以下学級のための人件費は現在どれくらいかかっているか,また,この財源を使い義務教育課程の全学年で正規の学級担任による35人学級にすべきではないかという御質問についてです。  本市が独自に行っている小学校3年生から6年生までの35人以下学級のための令和3年度の人件費は約9億円です。  次に,この財源の活用のお尋ねについてですが,本市では,将来にわたって持続可能なまちづくりを進めていくこととしており,そのためには,このケースのような国と市の役割分担が適切になり,国の財源措置により確保できることとなった自主財源については,本市が推進すべき施策の全体最適のために活用していくこととなっております。中学2年生,3年生の35人以下学級については,先ほど申し上げましたとおり,学級数の増加に伴う新たな教員の採用や教室の確保などの課題もあることから,今後,国の少人数学級に関する動向や,本市の生徒数の推移などに十分留意しながら検討を進めていきたいと考えております。  次に,校則について二点お答えいたします。
     文部科学省が6月8日に学校や地域の実態に応じて校則を見直すよう通知をしたと,市教委はこの通知をどう受け止めているかという御質問です。  校則は,各学校がその教育目的を実現していく過程において,児童生徒が遵守すべき学習上,生活上の規律として定めるものです。教育委員会としては,令和3年6月8日付の文部科学省の事務連絡にあるとおり,学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況は時代とともに変化するため,校則はその時々の児童生徒の実情,保護者の考え方,地域の状況,社会の常識などを踏まえたものになっているか,各学校において積極的に見直す必要があるものと考えております。  最後に,校則の実態を調査し,憲法と子どもの権利条約の見地から,子供たちと率直に話し合い,子供たちが疑問に感じている校則を見直す立場ではないかという御質問です。  校則の決定は最終的には校長の権限に属するものですが,その見直しに当たっては,児童生徒が話し合う機会を設けたり,保護者からの意見を聴取したりするなど,児童生徒,保護者との共通理解の下で進めていくことが重要と考えております。これまでの事例としては,生徒会執行部の生徒と教員が話し合い,校則で決められていた靴下の色に選択の幅を持たせたり,教員と保護者が協議した上で生徒の意見を取り入れ,自宅に持ち帰らなければならない授業道具を大幅に減らしたりした学校がございます。  教育委員会としては,これまでも学校に対して,校長会等を通じて校則の見直しに取り組むよう働きかけてまいりましたが,今後もこうした好事例を紹介するなどして各学校の積極的な取組を促していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       37番中原議員。 ◆37番(中原洋美議員) 幾つか再質問をさせていただきたいと思います。  まず,今,教育長が御答弁された校則についてでありますけれども,やはり校則はとても身近なものですから,教職員と生徒が率直に話し合えるという学校の雰囲気がどうしても必要だというふうに思っております。  宣誓書ですけれども,お聞きしますと高校に入ったときに義務教育から離れた,自分の責任,そういう高校生になったという自覚を高めるためのものだというふうにお聞きもしましたけれども,別に宣誓書を書かせる法的な根拠はないんだと聞きました。改めてその必要性も問われておりますし,やはり宣誓書1枚で自覚が高まればこれほど簡単なことはないわけですけれども,実際はそうではありません。逆にそういう宣誓書でいろんな不安を子供たちが持っているということですから,改めてここは在り方,その是非も含めて検討いただければというふうに思っております。  教育委員会からいきますと,今のケアラーを把握するための35人以下学級,この必要性はもう言うまでもないと思うんですけれども,改めて確認したいのは,広島市は少人数教育のための段階的プランというものをおつくりになっていて,小学校低学年では20人と,その他の学年は30人と,こういう目標を決めていらっしゃいますけれども,やはりこれは現在も生きているのかということと,それから,中学校2年生,3年生の35人以下学級の,これまでなかなか前に進めようというような答弁ではなくて,今の習熟度別授業がいいんだというふうに何回も御答弁された記憶もありますが,改めてこの少人数教育の意義は私は大きくなったと,ケアラーも含めて,子供たちを把握する意味でも少人数のほうがいいわけですから,そういう35人以下学級に中学2年生,3年生をもう早急にしなきゃいけないんだなという認識があるのかどうかというのを,これ,聞きたいんですよね。初日の質疑でも,オンライン授業で机を大きくしなきゃいけないんじゃないかというような質問もありましたが,そういう物理的なことからいっても,もう35人以下学級にせざるを得ない,もっと市が言うような少人数学級に向かわなきゃいけないということが,今,教育委員会にとっては教育環境整備で大きな課題じゃないかと思うわけですが,その辺の認識をお尋ねしておきたいと思います。  それから,学生支援ですが,これは何も学生だけ支援すればいいということではなくて,やはり今,長期化するコロナ禍で,とりわけ非正規の人たちに大きなしわ寄せが来ております。学生さんは市大でも7割ぐらいがアルバイトをしている,そして8割ぐらいは寮とかアパートで暮らしていると。学生になるときに自立しようと決意します。授業料はアルバイトで稼ぐよと,アパート代ぐらいは,生活費はアルバイトで稼ぐよといってそれぞれ市大の学生さんになられたということは多いと思いますが,それが今できない状況に追い込まれているわけですね。ここは自助で何とかしろといっても無理な話です。共助も今たくさんやられています。御紹介もしたように様々な団体が学生支援に取り組んでいる。やっぱり後に残ったのは公助じゃないですか。  私聞きたいんですが,今,市大だけの話ですけど,市大にお聞きしましたら,コロナ禍を理由に退学者はいないけれども,11名が休学を余儀なくされているというふうにおっしゃっていました。これは,一人も取り残さないというようなスローガンがSDGsの中にありますが,その視点からいったら取り残してしまいかねない状況じゃないでしょうか。こういう学生さんがいる,そこへ行政が,大学生が何も言ってこないからいいんだというんじゃなくて,やはり市のほうから足を運んできちんと支援する,そういう心構え,そういう体制が必要じゃないかというふうに思うわけであります。この辺の認識を伺っておきたいと思います。  それから,最後は黒い雨であります。9月14日に厚生労働大臣に対して,原告以外の黒い雨体験者の早期救済に関する要請というのをされているようであります。その中に,遅くとも来年度当初に運用開始,これを市が求めたというんです。驚きました。何でまだ半年以上もかかるんですか。広島高裁は内部被曝というものを重く受け止めた判決を出しました。内部被曝というのは,閾値はありません。放射線量が一定の数値を超えたかその以下かで,被爆者か非被爆者かを問うものではありません。内部被曝に閾値がないんですから,この原告と同じような状況にある,すなわち何か,同じ地域に住んでいたことが証明されればいいはずだと私は思います。76年前,原告と同じ地域,すなわち広島県と市が2010年に発表した黒い雨の降雨図,国の6倍ぐらいの広さがありましたけれど,ここに住んでいたことが証明できる方は被爆者として認めるというふうにすれば,今後まだ半年,もう上告を断念してから2か月たつじゃないですか。まだ今から半年もずるずる延ばすというのは,全くこの高裁の判決を受け止めていないし,被爆者が亡くなるのを待っているんじゃないかと言われても仕方がない状況だと思いますけれども。改めて,国にこんな来年度当初でよろしいですよみたいな生ぬるいことじゃなくて,もっとすぐやんなさいと,年内までにも決めなさいと,新しい基準を,そういうふうになぜ言えないんですか。答弁を求めます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  市大の学生に対する直接支援について再質問がございましたので,私のほうから御答弁をさせていただきます。  まず,先ほども御答弁いたしましたけれども,市立大学をはじめといたしまして,大学には,憲法の基本的人権が保障しております学問の自由を制度的に保障する,大学の自治が認められております。この大学の自治は,具体的には人事の自治,施設管理の自治,学生管理の自治,研究・教育の自治,予算管理の自治があるとされております。一方,本市は市立大学の設置者として資本金を出捐するとともに,その運営に必要な経費について毎年多額の運営費交付金を支出しているところです。そのため,毎年,市立大学の経営状況について,地方自治法の規定に基づきまして,議会に報告をさせていただいているものでございます。  こうしたことに鑑みれば,コロナ禍において困窮する学生への直接支援につきましては,まず市立大学が行うべきものでありまして,大学自体の運営や教育の質に影響するものについてのみ,設置者である本市が引き続き支援をしていく,このような考えでおります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  黒い雨に関しての御質問で,年内に決めるということを国に言っていくべきじゃないかという御質問がございました。  今,9月14日に国のほうに我々のほうから申し上げまして,国もやっぱり急いでやるべきだという認識は持ってくれています。当然のことながら我々広島市,県も,被爆者の皆さんの御高齢のことを考えると早く,一日でも早くという思いは強く強く持っております。  そういう中で,今回,総理大臣の談話の中でもありましたけれども,原告の皆様と同じような事情にあった方々については,訴訟への参加,不参加にかかわらず,認定し救済できるようにするという,そういった内容がございました。その中で,原告の皆様と同じような事情という,同じ事情とは言っていませんけれども,この同じような事情という,何をもって同じとするかということについても,しっかりした判断基準をつくり上げなければいけないという,そういったことがございます。また,この訴訟への参加,不参加にかかわらず,認定し救済できるというふうに言っておりますので,この認定行為も入れる,何もせずに救済ということは言っていません。  そうしましたときに,現在,3号の被爆者の方については,一旦,受診者証をお渡ししまして,そして病状が発生したときに手帳を交付するというふうに,2段階救済でございます。これを1段階救済みたいにするのか,あるいは認定作業をどこまでするのか,そういった点が今回の改正のポイントの一つじゃないかというふうに考えております。  やはりこうした難易度の高い基準の改正については,しっかりと国と県と市で議論をして,先ほど私のほうが御答弁申し上げましたように,この控訴審判決を尊重した制度設計にすると,そういったところまで持っていきたいというふうに考えておりますので,これはやっぱりしばらく時間がかかると。しかし,我々も待てない,そういう状況の中で,我々は国に対して引き続き一刻も早く基準をつくってほしいということを言い続けてまいります。  以上です。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       学校の少人数学級のお話がございました。  まず,中学校での35人学級,早急に実現しようという認識があるのかということですが,思いとすれば,これはぜひ早く実現したいという思いでおります。それから,あわせて,さらに20人学級とか30人学級とかいうお話がございました。恐らく段階を踏むということになると思いますけれども,例えば広島市議会においても30人学級の実現ということで意見書を採択されているということで,35人以下学級という,次のステップとすればまた30人ということが出てこようかと思います。  ただ,先ほど御答弁申し上げたのは,これを実現したいという思いを持ちつつ,例えば35人以下学級にしてもこれを瞬時にやろうとしたときには,やはり今,教員を希望する若い人が減っている中で,瞬時に教員を大量に採用する,あるいは,教室が瞬時に幾つも必要になるという状況がございます。そういった課題もありますので,今後の児童生徒数の状況とかいうのも見ながら,どういったスケジュール感でやっていったらいいかということ,引き続き検討したいと思っております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       37番中原議員。 ◆37番(中原洋美議員) 少人数学級の必要性はもう異議を唱える人はいないというふうに思いますので,ぜひ進めていく形で予算をやはり最優先でつけていただきたいというふうに思うところです。  黒い雨ですが,黒い雨の被害者は,やはり高齢者ですから,皆さん,時間がないということは私が言うまでもないことですけれども。やはり,先ほど難易度が高い基準改正なんだというふうにおっしゃったんだけど,私なんかはどこがどんなふうに難易度が高いのかよく理解をすることができないままでいます。エリアであれば,広島市が作った,調査の結果作った,国の6倍のところへ住んでいましたという謄本か何かでもあれば,それがそのまま認定されれば済むことなので,何がそんなに難易度が高いのかというのが理解できませんが。とにかく国には時間がないんだから早くやんなさいということを,国が難しいと言うたら,そうですよねなんて言うんじゃなくて,早くやろうよということで,いろんな問題があるかもしれません,一滴も漏らさないような制度にしようなんてなかなか難しいことですが,やはりそれも目指さなきゃいけないかもしれませんが,今はもう時間がないんで,早く被害者を広く救済できる,そのほうに重点を置いてほしいということを申し上げたいと思うんですが,いかがでしょうか。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  その思いは議員と全く変わりございません。引き続きしっかりと対応していきたいと思います。  以上です。 ○山田春男 議長       次に,38番太田憲二議員。                〔38番太田憲二議員登壇〕(拍手) ◆38番(太田憲二議員) おはようございます。市民連合の太田でございます。会派を代表して一般質問を行います。しばらくの間,御清聴よろしくお願いいたします。  最初に,平和についてお尋ねいたします。  平和首長会議は,2003年に2020年までの核兵器廃絶を目指すことを行動指針にした2020ビジョンを打ち出し,被爆者の存命のうちに核兵器廃絶を実現するための取組を進めてきました。この取組は,2020年までの核兵器廃絶を実現するものとはなりませんでしたが,核兵器禁止条約が発効するなど,廃絶に向けての一歩を確かなものとすることになりました。  2021年7月に平和首長会議が策定した,持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン──略称PXビジョンは,2020ビジョンの総括を踏まえて策定されたもので,これまでの核兵器のない世界の実現,安全で活力のある都市の実現という2本の柱に加えて,平和文化の振興という三つ目の柱を加えています。この平和文化の振興の視点は,核兵器廃絶と世界恒久平和を目指す上で極めて重要な視点であると思います。  そこでお聞きします。2020ビジョンの総括を踏まえて,平和文化の振興を三つ目の柱として加えた理由をお答えください。  今後,日本においては,戦争を知らない世代が核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に向けた取組を担うことになります。いわゆる若い世代へのアプローチが今まで以上に重要になってまいります。また,核兵器廃絶を進めるには,日本国内はもとより,世界の人々と連携しその機運を高めて為政者へのアプローチを進めることが必要になります。これからは核兵器廃絶を中心とした上で,各地域での戦争体験の共有・共感も大きな柱として取り組む必要があると思います。この二点を踏まえると,これまでの活動の充実はもとより,さらなる施策が必要と思いますが,どのようにお考えでしょうか。  PXビジョンが今年策定され,これから具体的な行動,取組が始まります。まず,世界の8,000を超える加盟都市に先駆け,広島市の全ての職員がPXビジョンをしっかりと理解した上で,各局・各区においてもどのようなことができるのか議論を進めるとともに,来年度以降もしっかりと予算を確保した上で,広島市が平和文化の振興の先導役を果たす必要があると考えます。具体的にどのように取り組むか,お聞かせください。  次に,新型コロナ対策についてお尋ねします。  新型コロナによってお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに,現在の感染者の方の早期回復を心より願っております。そして医療関係者,保健所などの行政職員など,全ての関係者に敬意を表するとともに,さらなる人的配置などの整備を国や県などに要請したいと思います。  広島市の累計患者数は1万2644人で,お亡くなりになられた方は119人,現在の患者数は376人で,そのうち中等症の方が39人,重症の方が7人となっています。新型コロナの対応は,昨年の春から既に1年半が過ぎ,その多くは国民の移動制限や三密の回避など,自主努力によるものが中心でした。もちろんその努力は続けながらも,現在はワクチン接種での感染拡大抑制と重症化の防止に期待がかかっています。  広島市は一般の接種を5月17日から始め,既に4か月が経過しました。現在の2回目全体の接種率はどのようになっているでしょうか。また,若年層として10代,20代,30代,壮年層として40代,50代,60歳から64歳,高齢者層として65歳以上の方と,世代別に分けた接種率はどのようになっているでしょうか。さらに,広島市では,8月に公表した新型コロナウイルスの新規感染者数は3,247人でしたが,このうち2回ワクチンを接種した後,2週間以上経過していた人が何人いましたか,その割合も併せてお答えください。また,重症者における2回ワクチンを接種した人の割合はどのようになっているでしょうか。  9月6日から12日までの1週間における1日平均ワクチン接種回数は1万743回と聞いています。このペースで接種対象者の8割相当の方への2回の接種を終える時期はいつ頃と想定されるでしょうか。  特別措置法では,都道府県知事にその権限が与えられていて,様々な対策が行われています。しかし,基礎的な指標が県と政令市とでは明らかな違いがあり,その結果,対応が遅れるケースが全国で見られます。今後,迅速に的確に市民の健康と安全を守るために,政令指定都市への権限移譲が急務であります。これまでも市長会などを通して国に要望されてはいますが,さらに強力に国に要請する必要があると思いますが,いかがでしょうか。  広島市の8月の新規感染者は3,247人,そのうち30代以下が2,099人で,約65%にもなります。行政は三密回避やソーシャルディスタンスなどの感染防止対策を呼びかけています。しかし,その情報発信は若い世代にはなかなか届いていません。今年,広島市LINE公式アカウントをスタートさせました。新型コロナの情報を的確に受け取るツールとして役に立つものです。そこで提案しますが,広島市内の大学,企業に協力をいただき,広島市LINE公式アカウントの登録を強力に要請してください。そのことが若い世代へ行政の働きかけ,呼びかけが届くことにつながります。  次に,これからの経済・福祉対策について質問いたします。  新型コロナの感染拡大で長い間の自粛が続く中で,多くの業種が大打撃を受けました。そうした業種への行政支援を継続し,また,新たな政策を検討し実施することが求められています。現段階では,コロナ後ではなく,コロナ感染対策と同時並行での経済・福祉対策となるものと思われます。  例えば,GoToトラベルやイートは実施時期や範囲を間違えたことで感染拡大を助長してしまいました。しかし,経済対策としてはすばらしい政策です。こうした人が移動する仕組みを広島市域内や200万人都市圏構想の広域都市圏内,さらには中国5県と四国4県などの範囲を想定して政策をつくり,適正な時期に実施する必要があります。  福祉の分野では,生活困窮者への支援の継続や新設があります。直接行政の支援ではなくても,民間がやっている食料支援などを下支えする仕組みづくりなども考えられます。いずれにしても,今後も継続した行政支援が必要であり,全ての部局で政策が考えられるはずです。広島市の来年度予算に向けた考え方をお聞かせください。  次に,交通政策についてお尋ねいたします。  2015年に広島市は,公共交通の目指すべき体系を示した公共交通体系づくりの基本計画や,バス活性化基本計画を策定され,その後も広島市地域公共交通計画や広島市地域公共交通利便増進実施計画など,具体的な施策を盛り込んだ交通計画を策定されました。その上で,「エキまちループ」や「まちのわループ」,バス路線の新設や均一運賃エリアや共通定期券の導入など料金制度の改革などに取り組んでこられ,公共交通の利便性は確実に向上してきていると実感しております。  現在,市では,交通政策の進路を示す広島市総合交通戦略を改定中です。市のこれまでの交通政策の方向性は正しく,具体的な政策についても支援をしております。その上で,今後は,1,都心において人の回遊性をいかに生み出すのか,2,郊外部においてバス路線の存続が危ぶまれる中でどのように住民の移動手段を確保していくのか,3,ウィズコロナ,アフターコロナでの公共交通の維持に向け,交通事業者に対する支援をどうするのかといった観点からの取組が重要になってくると思います。こうした点について,改定を進めている総合交通戦略の中でも検討されているのか,お聞かせください。  二輪車等駐輪対策についてお尋ねします。  通勤通学はもちろん,様々な移動手段として二輪車利用が増大しています。特に自転車は究極のドア・ツー・ドアの快適な乗り物です。用事のあるお店の前に止め,買物などをし,そして目の前から自転車で帰るという,市内の移動にはとても便利なものです。民間事業者のノウハウを活用し,都心の歩道や公共施設,民間施設などの利便性の高い場所に駐輪場を数多く整備してもらいたいと思いますが,いかがお考えでしょうか。  次に,乗合タクシーなどの生活交通の在り方についてお尋ねします。  この事業は2004年に開始し,これまで56の地域から相談が寄せられ,このうち6地区が本格運行につながっています。現在,広島市においては,乗合タクシーなどをはじめとする新しい交通システムを地域ごとやモードごとに研究・検討されていて,今後の成果に大きく期待するところです。  交通における今後の課題は,中心市街地であってもバス路線が撤退する地域は多くあります。また,鉄道やバス路線が近くにあるにもかかわらず,少し距離があり,既存交通までの継続交通を求める声はとても多くあります。さらに,バス事業は人口減少や新型コロナ禍による自粛などもあり,極めて厳しい状況にあります。バス路線の減便はもとより,路線の廃止が議論されている地域もあるように聞いています。つまり,今以上に都市部でも郊外でも既存公共交通では担えない地域である交通空白地域が増えていくということが予想されます。  現在の乗合タクシーシステムでは地域負担が発生しています。この負担は人口減少などにより今後増加することが予想されます。国や市の補助金を適宜増額し地域負担の軽減を図るとともに,既存の民間事業者において存続が困難になったバス路線を乗合タクシーなどへとスムーズに転換させることができるよう,従来の乗合タクシーの仕組みそのものを見直し,再構築していただきたいと思いますが,いかがでしょう。  公共交通の支援についてお尋ねします。  新型コロナの蔓延で交通事業者は大打撃を受けています。広島における交通事業者の状況は掌握しておられますでしょうか,どのような状況かお聞かせください。  今年度当初予算においても,また9月の補正予算においてもPASPY割引事業への支援などを実施していただき,とても感謝をしております。しかし,新型コロナが一定に落ち着いても公共交通利用者数は感染前の状態には戻らないといわれています。公共交通といってもあくまで民間事業者が運営しており,もともと厳しかった経営状況が新型コロナによる大幅な利用者の減少のためさらに厳しくなっていることから,今後は路線の減便や廃止が各地で相次ぐことが予想されます。  公共交通の状況を的確に掌握し,公共交通が衰退しないように市がこれまで以上に交通事業者を支援していく必要があると思いますが,いかがお考えでしょうか。  地域コミュニティ活性化についてお尋ねします。  地域においては,社会福祉協議会や町内会などの地域組織が,高齢化や担い手不足などにより運営がとても困難になっていたり,組織そのものが機能していなかったりする地域もあります。さらに,今ある組織も将来存続できるかどうかなどの極めて大きな課題に直面しています。  広島市は,自分たちのまちは自分たちでつくるというコンセプトを基に地域コミュニティ活性化に向けたビジョンを策定し,地域住民と一緒に活性化に取り組もうとしておられます。この,自分たちのまちは自分たちでつくるためには,地域住民自らが具体的に議論して計画を立て活動することが求められます。ある意味では,これまでのまちづくりからの大きな転換となります。とても大きな転換ですので,はっきりとした将来ビジョンを示す必要があります。その上で,地域の皆さんがビジョンの全体を理解し,具体的に行動を進めるためには時間がかかることが想定されます。各地域でビジョンに基づく取組を進められるような内容にしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  また,町内会の仕事の一つである行政からの連絡資料の配布作業や,独り住まいの高齢者の方々の安否確認などもスマートフォンなどを使うことができます。簡単な会議はオンライン利用も考えられます。こうした取組を通して地域の仕事量の軽減と時間の節約につながると考えられます。いわゆるICTの活用を進めることをビジョンにしっかり盛り込んでいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  美化推進区域・喫煙制限区域についてお尋ねします。  広島市はぽい捨て等の防止に関する条例を2003年度に施行し,政令指定都市の中では,早期に喫煙制限区域の指定を行いました。結果として,歩きたばこやポイ捨てなどはとても少なくなり,町もとてもきれいになりました。また,受動喫煙の可能性も大きく減少したことにとても感謝しているところです。一方で,喫煙制限区域では喫煙ブースが設けられています。このブース内において喫煙が許可されていますが,昼休みなどに人が集中したり,そのブースの外側での喫煙によってたばこの吸い殻のポイ捨てや,望まない受動喫煙が生じていると思います。この課題にどのように取り組んでいるのかお聞かせください。  さらに,美化推進区域及び喫煙制限区域は広島市内全体への拡大を望む声が多くあります。横浜市や川崎市などでは条例制定後,JRの駅を中心に区域を拡大しています。また,相模原市では,罰則を伴う路上喫煙重点禁止地区と罰則を伴わない路上喫煙禁止区域を設け,小・中学校の周りなどにも喫煙禁止地区を拡大しています。広島市においても,美化推進区域及び喫煙制限区域を公共交通の主要駅や学校周辺などに拡大することを,多くの市民が求めていると思います。今後できるだけ早期に区域の拡大に取り組んでいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  最後に,災害に強いまちづくりについてお尋ねいたします。  広島市は避難行動要支援者避難支援制度として,要支援者約2万6200人の個別避難計画をつくる必要があります。そのうち自主防災組織などの地域への個人情報の提供に同意しておられる方が1万700人おられ,その中から優先度の高い方約2,300人の個別避難計画を地域の協力の下に作成されようとしています。一方で,要支援者は約2万6200人おられ,その方々の個別避難計画をどのようにするのかも大きな課題となっています。  避難行動要支援者の個別避難計画の作成について,市は自主防災組織などへの情報提供に同意された方のうち,まずは優先度が高いと判断した方の計画を作成するとしていますが,その後それ以外の同意した方についても計画を作成するのかお聞かせください。  さらに,自主防災組織等の地域への情報提供に同意の意思を示されていない約1万5500人の方への対応が課題となってきます。神戸市では,神戸市における災害時の要援護者への支援に関する条例を制定して,情報提供に同意していない方でも一定の範囲でその情報を地域で共有できる仕組みをつくっています。また,要支援者の意向調査の際に,情報提供を拒否する人に対し返信を求め,それ以外の人は同意したとみなす方式により要支援者の情報共有をしているケースもあります。つまり,個人情報保護法の下であっても,様々な工夫により地域との情報共有の取組につなげて,市民の命や安全確保に努めようとしています。  広島市でも他都市の例を参考に,意向調査において明確な同意の意思がなくても一定の範囲で情報提供できるよう,条例制定や仕組みづくりを検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  以上で一般質問を終わります。御清聴大変ありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       太田議員の御質問にお答えいたします。  平和についてのうち,平和首長会議が新たに策定したPXビジョンに平和文化の振興を加えたことについての御質問がございました。  平和首長会議は,2020ビジョンの下,被爆者の存命のうちに核兵器廃絶を実現することを目指して,被爆者や加盟都市,NGO等と連携しながら様々な活動を行ってきました。そうした中で,今年1月に発効した核兵器禁止条約は,史上初めて核兵器は全面的に禁止すべき対象であることを明確にする根本規範であり,核兵器廃絶を目指す市民社会における取組の道しるべとなるものであります。この条約の発効を,加盟都市と連携しながら,核兵器は要らないという市民社会の声を世界の潮流とする大きな転換点にしていきたいと考えています。しかしながら,現下の国際情勢を見ますと,核保有国は国益追求のために核兵器の増強を進めており,国家間の対立は冷戦以降最も予断を許さない状況であり,被爆者の思いである核兵器のない世界への道のりを断ちかねないものであります。  そうした状況を打開するためには,為政者が国家の安全保障から人間の安全保障へと政策転換せざるを得ないような社会環境を醸成する必要があると考えます。そのために根源的に重要なことは,核兵器のない平和な世界の実現を市民社会の総意にすることであり,世界中の市民一人一人が日常生活の中で平和について考え行動し,平和への思いを共有する文化である平和文化が必要不可欠であると考え,平和首長会議の新たな行動指針であるPXビジョンの三つ目の柱として,平和文化の振興を加えたものであります。この平和文化を市民社会に根づかせ,あらゆる暴力を否定する平和意識を醸成していく平和文化の振興こそ,市民に最も身近な存在である自治体の首長により構成された平和首長会議が今後果たしていくべき重要な役割だと考えております。  今後,PXビジョンの下で世界165か国・地域の8,045都市に拡大した加盟都市において,平和文化を振興することによって為政者の政策転換を強力に後押しする潮流をつくり出すことができるよう,たゆまず行動していきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁をいたします。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎杉山朗 市民局長      平和についての二点の御質問にお答えをします。  まず,今後,核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた取組を担う若い世代へのアプローチや,核兵器廃絶を中心とした上で各地域での戦争体験の共有・共感にも取り組む施策が必要と思うが,どのように考えているかについてです。  議員御指摘のとおり,若い世代が今後の核兵器廃絶と世界恒久平和の取組を主体的に担っていけるように育成することや,被爆体験とともに戦争体験の共有にも取り組むことは大変重要であると考えています。このため,平和首長会議がPXビジョンの下で取り組む2025年までの行動計画において,次代の平和活動を担う青少年の育成や,被爆や戦禍の実相の発信・共有を掲げています。  平和首長会議では,昨年度から,青少年が主体となった平和活動を活性化するため,国内外の青少年が行っている平和活動をオンライン上で相互に発表し合い,視聴者も含めて被爆体験の継承等をテーマに意見交換を行う平和教育ウェビナーを実施しています。今後は,この平和教育ウェビナーをさらに多くの青少年が主体的に取り組む契機となるように,被爆体験だけでなく第二次世界大戦中の空襲などの戦争体験などもテーマとして実施することを検討し,被爆や戦禍の実相の発信・共有にも取り組みたいと考えています。  次に,全ての職員がPXビジョンをしっかりと理解した上で来年度以降も予算を確保し,広島市が平和文化の振興の先導役を果たす必要があると考えるが,具体的にどのように取り組むのかについてです。  本市における平和文化の振興の取組については,まず今年6月に幹部向けに説明を行い,平和文化の重要性について理解と協力を求めたところです。今後,庁内LANなどを活用してPXビジョン及びその柱の一つである平和文化の振興への職員の理解をさらに深めていきたいと考えています。  今年度の具体的な取組としては,11月を平和文化月間と定め,平和文化講演会や被爆ピアノコンサートなど,この期間に平和への思いの共有につながる取組を集中的に実施したいと考え,各局・各区に対し平和文化の振興に資する事業の積極的な検討,実施を依頼したところです。また,次年度以降は平和首長会議加盟都市である広島広域都市圏各市町にも取組の輪を広げ,圏域全体で平和文化が根づくようさらに取組を充実させ,定着させていきたいと考えています。  今後,世界の8,000を超える加盟都市においても平和文化が根づくよう,国内外加盟都市との連携の下,本市が先導役となって平和文化を振興し,ビジョンに掲げる世界恒久平和の実現に向けて尽力していきたいと考えております。
     以上でございます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  新型コロナウイルス感染症対策についてのうち,二点の御質問にお答えいたします。  まず,新型コロナの情報など,行政が発信する情報を若い世代に届けるため,広島市LINE公式アカウントの登録について,市内の大学や企業に対し協力要請をしてはどうかについてです。  本市のLINE公式アカウントは,本年3月から運用を開始し,9月17日現在,約3万4000人の登録者数があって,新型コロナウイルス感染症に関する情報など市政情報をタイムリーに発信しているところであり,より多くの市民の方に情報を伝えるため,本市の様々な広報媒体を活用し,公式アカウントへの登録を周知しています。  具体的な周知方法としては,広報紙「ひろしま市民と市政」,本市のホームページや各種SNSへの掲載をはじめ,テレビ・ラジオ広報番組でのPR,市内中心部のデジタルサイネージでの配信,ワクチン集団接種会場等へのポスター掲示,本市転入者へのチラシ配付などを行っています。  このたびの議員の御提案は,若い世代への情報発信の強化を図る上で有意義であると考えており,今後,市内の大学等に積極的に働きかけ,若い世代をはじめとして幅広く市民の登録者の増加に取り組んでまいります。  次に,経済・福祉対策について,今後も継続した行政支援が必要であり,全ての部局で政策が考えられる,広島市の来年度予算に向けた考え方はどうかについてです。  本市では,これまでもコロナ禍における経済・福祉対策については,国・県・市の役割分担を明確にした上で,公助による下支えにも取り組みつつ,それを補完・補強するためにコロナ禍後も見据えて,地域での支え合いや事業者同士が連携した共助による取組を支援し,本市が目指す地域共生社会の基盤強化を図るという考え方の下,日常生活・経済活動に影響を受けている方への支援策を講じてきたところです。  議員御指摘のとおり,今後,新型コロナウイルス感染症との共生が続くと見込まれることから,生活様式や社会の変化に対応しつつ,継続した支援を行っていくことが必要であると認識しています。このため,今後も市民の日常生活や本市の経済活動への影響を把握しつつ,国・県の支援策の動向も踏まえた上で,感染防止対策と経済活動のバランスに配慮し,長期的な市民活動や事業活動への支援という視点にも意を用いて,全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  新型コロナウイルス感染症対策について,四点の御質問に順次お答えいたします。  初めに,現在,2回目全体の接種率はどのようになっているのか,また,若年層として10代,20代,30代,壮年層として40代,50代,60歳から64歳,高齢者層として65歳以上の方と,世代別に分けた接種率はどのようになっているのかについてです。  本市の接種対象者のうち,2回目の接種を終了した方の接種率は,9月17日時点で50.5%となっております。世代別に分けた2回目の接種が終了した方の接種率を申し上げますと,10代が20.8%,20代が27.3%,30代が28.2%で,若年層全体としては26.0%,次に,40代が37.0%,50代が47.2%,60歳から64歳までが61.8%で,壮年層全体として45.1%,最後に高齢者層として65歳以上が85.3%となっており,年齢が高いほど接種率が高くなっております。  次に,広島市では,8月に公表した新型コロナウイルスの新規感染者数が3,247名だったが,このうち2回ワクチンを接種した後,2週間以上経過した人が何人いて,その割合はどうだったのか,また,重症者で2回ワクチンを接種した人の割合はどうなっているのかについてです。  8月に公表いたしました新型コロナウイルスの新規感染者3,247人のうち,ワクチンを2回接種した後,2週間以上経過していた方は59人で,感染者全体に占める割合は1.8%となっております。また,重症者は10人いましたが,いずれもワクチンを接種されていませんでした。  次に,9月6日から12日までの1週間における1日平均のワクチン接種回数は1万743回と聞いている,このペースで接種すれば,接種対象者の8割相当の方への2回の接種を終える時期はいつ頃と想定されるのかについてです。  今後,国からこれまでと同程度の量のワクチンが供給され,現在のペースで接種を進めることができれば,接種対象となる市民の約8割の方が2回の接種を終えるのは11月初旬と想定をしておりました。しかしながら,10月11日の週以降の本市へのファイザー社製ワクチンの供給が不透明な状況であることから,同ワクチンを使用する一部の医療機関及び集団接種会場の予約につきまして,10月11日以降の1回目の接種を対象に受付を順次停止するとともに,10月末をもって2回目の接種の受付も一旦停止せざるを得なくなりました。こうした状況を踏まえますと,接種対象者の8割相当の方が2回の接種を終える時期は,現時点では11月初旬から延びる可能性があるというふうに考えております。  最後に,今後,迅速かつ的確に市民の健康と安全を守るためには,政令指定都市への権限移譲が急務である,これまで市長会を通して国に要望はしているが,さらに強力に国に要請する必要があると思うがどうかについてです。  新型コロナウイルス感染症の対策を総合的に推進するため,新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき設置される都道府県対策本部の本部長である都道府県知事には,緊急事態宣言が発令された場合における外出自粛の要請や,施設の使用制限,休業要請,催物の開催の制限など,多くの権限が付与されております。  一方,人口が集中し,活発な経済活動が行われていることなどから感染者が多く発生し,また,短期間に急激な感染拡大が発生することも少なくない本市を含む政令指定都市は,保健所や地方衛生研究所,高度医療機関を有し,圏域の中枢としての役割は重要であるものの,特措法においては,指定都市の市長の事務・権限は極めて限定的なものとなっております。  このため,本年5月の経済財政運営と改革の基本方針2021に対する指定都市市長会提言において,また,本年7月の令和4年度指定都市の国の施策及び予算に関する提案において,特措法に基づく道府県知事の権限を希望する指定都市の市長に財源と併せて移譲できるようにするなど,指定都市が地域の実情に応じて柔軟かつ機動的に感染症対策を実施できる仕組みを構築するよう,指定都市市長会を通じて国に対して要請を行いました。さらに,現在,指定都市市長会の厚生・労働部会において,広域自治体と指定都市の役割分担等について検討を進めており,新たな感染症への備えを万全にするため,権限移譲についての要請を行う準備を進めているところです。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   交通政策について,五点の御質問に順次お答えいたします。  まず,都心における人の回遊性の創出,郊外部においてバス路線の存続が危ぶまれる中での住民の移動手段の確保,ウィズコロナ,アフターコロナでの公共交通の維持に向けた交通事業者に対する支援といった観点からの取組は,改定を進めている総合交通戦略の中でも検討されているのかについてです。  今回改定する本市の総合交通戦略は,第6次広島市基本計画に基づく交通分野の部門計画であり,交通政策の進路の全体像を示す交通ビジョンなどについて,学識経験者,交通事業者などで構成する協議会の議論を経ながら,本年度の策定に向けて取り組んでいるところです。  議員の御指摘は重要なポイントであると考えており,都心においては,歩きたくなる歩行環境の整備や,公共交通と自転車の利用環境向上等による都心の魅力と回遊性の向上,郊外部においては,乗合タクシーや新たな交通サービスの導入支援等による地域特性に応じた持続可能な移動手段の確保,ウィズコロナ,アフターコロナにおいては,公共交通利用者が感染拡大前の状況に戻らないことを前提とした,公共交通を維持するための支援策などについて検討を進めているところです。また,これらに加えて,公共交通を中心としたシームレスな交通ネットワークの構築や,物流・広域交流を支え,災害に強い強靱な道路ネットワークの構築といった点についても併せて検討を進めており,今後,施策の方向性として取りまとめたいと考えています。  次に,民間事業者のノウハウを活用し,都心の歩道や公共施設,民間施設などの利便性の高い場所に駐輪場を数多く整備してはどうかについてです。  都心の利便性の高い場所に駐輪場をきめ細かく配置することは,ドア・ツー・ドアでの自転車利用が可能となり,利用者ニーズも高いものと考えています。そのため,本市では公共による整備に加えて,民間事業者が駐輪場を整備し,利用料金で運営する路上駐輪場の整備も進めています。これまでにアリスガーデン,相生通り,白島通り,鯉城通りの4か所で運用を開始しており,来月にはアリスガーデンの駐輪場を増設する予定です。一方で,実施事業者からは,アリスガーデン以外の駐輪場は赤字となっており,今後,新たな場所での実施は慎重にならざるを得ないとの意見も聞いています。このため,今後は事業者が負担する道路占用料の軽減や,駐輪場の整備費補助制度の適用などにより採算性の向上を図るとともに,駐輪場設置場所の要件緩和や本市が沿道関係者等との調整を行うことで新たな駐輪場の整備を促進させていきたいと考えています。  次に,乗合タクシーについて,地域負担の軽減を図るとともに,存続が困難となったバス路線からスムーズに転換させることができるよう,従来の仕組みそのものを見直し再構築してほしいと思うがどうかについてです。  本市の乗合タクシー導入支援については,6地区で本格運行へとつながっていますが,相談のあった数多くの地区では,地域負担に対する不安感もあり,いまだ導入に踏み切れていない状況にあります。現行の補助制度は,地域の人たちの乗って支えようという機運を高めるため,運営経費の一部を地域に負担してもらう仕組みになっていますが,これまで地域と話をする中で負担額の大きさよりも,これを地域主体で安定的に確保する方法が見つからないということが導入に踏み切れない主な理由であることが分かってきました。  このため,導入を検討しようとする地域に対して,本格運行している6地区で実施されている地元企業からの広告収入,運行経路上の商業店舗からの負担,自動販売機設置などの収入事例を丁寧に説明し,地域の実情に合った費用確保策を一緒に検討するよう取り組むことにより地域の不安感が軽減され,幾つかの地域において検討が進むようになりました。  また,存続が困難となったバス路線への対応として,バスのフィーダー化や乗合タクシーの活用を図る場合,例えば複数の事業者が乗り入れている地域であれば,事業者同士が協調し工夫することによって小型車両への切替えや,ピーク時とオフピーク時の事業者の入替え,さらには,新たな枝線を運行するなどのきめ細かな対応が可能となり,現在必要としている経費も削減することができます。こうした取組を,現在進めているバス路線再編の中で生かすことができるよう,路線バスや乗合タクシーの組合せによる交通サービスの仕組みの再構築を進めたいと考えています。  次に,コロナ禍において広島の交通事業者はどのような状況なのかについてです。  新型コロナウイルスの感染拡大による公共交通への影響は甚大であり,路線バス,路面電車,アストラムラインなどの利用者は軒並み減少しています。例えば,広島県バス協会の調査では,路線バスの利用者はコロナ禍前の令和元年と比べると,昨年5月に減少率が約55%と最も落ち込み,その後一定の回復傾向を見せているものの,度重なる外出自粛要請や新しい生活様式としてのテレワーク,リモート会議の普及などにより,直近の本年7月の時点においても,例年に比べ約25%の減少率となっています。同様に,路面電車市内線は約26%,宮島線は約28%,アストラムラインは約20%の減少率となっており,いずれの交通事業者もいまだ厳しい状況にあると認識しています。  最後に,新型コロナにより交通事業者の経営状況がさらに厳しくなり,路線の減便や廃止が予想される中,公共交通が衰退しないように市がこれまで以上に交通事業者を支援していく必要があると思うがどうか,どのように考えているのかについてです。  公共交通は,人口減少・少子高齢化の進展や運転手不足の深刻化等により厳しい経営環境に置かれているのに加え,新型コロナウイルスの感染拡大に伴う輸送需要の大幅な減少に直面しており,これまでどおり民間交通事業者の経営努力によって事業を存続させることは難しくなってきています。市民生活や経済活動を支える公共交通の維持・確保に取り組むことは地方自治体に課せられた重要な役割であり,本市としても交通事業者との対話を重ねながら,コロナ後も見据えて今後の支援の在り方について検討していきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎荒神原政司 企画総務局長  地域コミュニティーの活性化について,二点の御質問にお答えいたします。  まず,各地域でビジョンに基づく取組を進められるような内容にしていただきたいがどうかについてです。  地域社会が抱える様々な課題に対応していくためには,共助の精神に基づく取組を広く地域に根づかせていくことが必要です。このため,今年度策定するビジョンでは,本市が理想とする地域コミュニティーの姿を市民の皆様にお示しするとともに,行動を起こそうとする地域の方々に対して行政の支援策を整理してお示しし,地域の実情に応じた取組を促していきたいと考えています。現在,ビジョンの策定に向け地域コミュニティ活性化に関する懇談会において地域課題の解決に向けて取り組んでいる事例を取り上げて議論をしていただいており,そうした取組事例や地域活動に役立つ情報を,長年地域活動に従事されている委員の方々の現場の声を反映する形で,ビジョンに盛り込みたいと考えています。そうすることで,各地域がその実情に応じて地域コミュニティーの活性化に向けた取組を行う上での一助になると考えています。  次に,ICTの活用を進めることをビジョンにしっかり盛り込んでいただきたいがどうかについてです。  議員御指摘のとおり,ICTの活用は,回覧などの情報共有の時間や手間を軽減するとともに,オンライン会議などの活用により,若い世代など地域活動の参加の経験のない方々や,仕事が忙しく時間の確保が難しかった方々など,新たな参加者も期待できることから,団体運営の効率化や活動の担い手確保に有益です。このため,懇談会において,地域活動を行う際,いかにしてICTを活用していくか,先進事例も参考にしっかり議論をしていただき,その結果をビジョンに盛り込みたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       環境局長。 ◎重村隆彦 環境局長     美化推進区域・喫煙制限区域について,二点の御質問にお答えします。  まず,喫煙制限区域内でのポイ捨てや受動喫煙などの取組状況についての御質問にお答えします。  喫煙ブースは,改正健康増進法に基づき,事業所など多数の方が利用する施設等が原則屋内禁煙となっている中で,ポイ捨てや喫煙を禁止すべき区域内における喫煙者向けの喫煙場所として本市が設置しているものですが,ブース内に収まり切らず,ブースの外側での喫煙が多数見られる状況があります。こうしたブースの外側での喫煙は,そもそも喫煙を禁止する区域での喫煙になりますが,ブースの設置数の増加は健康増進法の趣旨等を踏まえつつ慎重な検討が必要なことや,灰皿のそばでの喫煙を認めていることから,厳格に運用をしてきていませんでした。  しかしながら,ブースの外側での喫煙は受動喫煙とともにポイ捨ての増加に直結するものであり,見過ごし難い状況にあることから,本年10月以降は過料徴収に係る運用を厳格化することとしました。なお,現在,喫煙ブースは新型コロナウイルス感染症対策で閉鎖中ですが,過料徴収に係る運用を6月末からブースに掲示するなどして周知を行っているところです。  次に,美化推進区域及び喫煙制限区域の拡大についての御質問にお答えします。  まちの美化の推進や屋外における受動喫煙防止の強化の観点などから,美化推進区域及び喫煙制限区域を拡大することを望む市民からの声があることは承知しており,検討すべき重要な課題であると認識しています。  こうした中で,特に喫煙制限区域以外での歩行喫煙等に関する苦情が多い乗降者数の多いJR駅の周辺については,これまでの啓発文の掲示等に加え,今年度からは横川駅や西広島駅周辺などの巡回パトロールを行い,歩行喫煙やたばこのポイ捨て対策を強化したところです。今後とも,こうした対策の効果も検証しながら,地元の意見や地域の状況を踏まえた上で,効果的な様々な方策についての検討を進めていきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       危機管理担当局長。 ◎岩崎学 危機管理担当局長  災害に強いまちづくりについての二点の御質問にお答えいたします。  まず,避難行動要支援者の個別避難計画の作成について,市は地域への個人情報の提供に同意した方のうち,優先度が高いと判断した方約2,300人の計画を作成するとしているが,その後,それ以外の同意者についても計画を作成するのかについてです。  個別避難計画の作成については,災害危険区域に居住し,かつ家族等の支援が受けられない方を優先し,自主防災組織などの地域の避難支援等関係者と連携して取り組んでいきますが,それ以外の方についても順次計画作成に取り組んでいくこととしております。  次に,避難行動要支援者の個人情報を自主防災組織等に提供することについて,他都市では,意向調査で明確に同意の表明がなくても情報を提供できるようにしている例もあることから,本市もそうした方向で条例制定や仕組みづくりを検討してはどうかについてです。  避難行動要支援者の個別避難計画の作成などのため,要支援者情報を平常時から自主防災組織などの地域の避難支援等関係者に提供することについて,災害対策基本法では,市町村の条例に特別な定めがある場合を除き,要支援者情報の提供に係る本人同意が必要であることが定められております。他都市では,これを根拠として,本人が同意しない旨を明示しないときに同意したものと推定するという条例を制定しているところもありますが,最終的には要支援者の意向を確定させるための手続を取る必要が生じるものと受け止めております。  個人情報の保護は極めて重要であることから,本市としては,要支援者の意向をできるだけ丁寧に把握していくべきであると考えております。このため,未返送,未記入など,明確に意思の確認ができない方については,現在でも,返送を促す,意向を確認するなどの電話連絡を行っているところですが,まずは今後,連絡回数を増やしたり,連絡先を再調査することなどによりこの意向確認を徹底するとともに,それでもなお連絡が取れない方については,有識者,避難支援等関係者などの意見も伺った上で,例えば関係機関と連携した自宅訪問など,より効果的な意向確認の方法を検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       38番太田議員。 ◆38番(太田憲二議員) 要望して終わりたいと思います。  まずPXビジョン,平和文化の振興の視点,とてもすばらしい視点だと思います。ただ,まだまだ市民の皆さんにしっかり理解をしてもらった上で広げていくということが必要だと思います。それには市の施策がとても重要になろうかと思います。その中で市民の皆さんにも理解をしていただいて,最終的な核兵器廃絶の力につなげていっていただきたいと,しっかりと取組をしていただきたいと,私も頑張りたいと思いますけれども,よろしくお願いします。  二つ目はコロナの関係で,先ほどありましたけれども,8月の3,247人のうち,ワクチン接種2回で2週間後,2週間後というのは抗体が十分に活性化をするという意味ですけれども,1.8%で重症者はゼロだと。こうした情報が的確に伝わってほしいわけですよね。ワクチン接種,非常に有効であると,このことが爆発的感染にはなかなかつながりにくいんだよと。こういう情報をぜひ出してもらいたいんですけれども,先ほども言いました,若い世代はテレビ,新聞を見ません。ということは,市の情報発信,県の情報発信,ほとんど届いていないんですよね。今,インターン生を私は連れていまして,今傍聴にも来ていますけれども,いろいろ聞いてみますと,ほかの学生君たちにも聞くんですが,ほぼ情報は知らないです。とするならば,先ほど提案しました広島市LINE公式アカウント,せっかくいいものをつくっていただきました,プッシュ通知でいろいろ情報が行きます。ぜひこれを登録していただく。大学は一斉メールを持っています。各大学は,学生のための。そこで案内をしてもらう。企業も一定の規模のところは一斉メールを持っています。そこで案内をしてもらう。あるいは,教育委員会は小・中・高,保護者メールを持っています。そこでこの広島市LINE公式アカウントを案内してもらう。各部局で実はやることがたくさんあって,広げる可能性があります。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。  それから,交通についてですけれども,本当に厳しい状況で,直接聞いております,減便,廃止。今日,今ここにおられる議員の皆さんの目の前の地域,近くの地域でも起こり得る,もう来年度にも起こり得る話であります。あらかじめ様々な業者と市行政は連携を取って,こうしたことが極力避けられるように努力をお願いしたいと思います。  最後に喫煙禁止区域ですけれども,私の地元横川,三篠小学校という学校の通学路です。その通学路,駅のところを通って学校に行くんですけれども,その横でたばこを吸っている人がいるんですよ。毎日のように子供たちが受動喫煙になっているんですよね。で,例えばモデル地区で1か月間,2か月間,社会実験をしてもらうと,新年度に。それで市民の皆さんの声を聞いていただいて,恐らくは反対をする人は限りなく少ないと思われます。そういったこともしながら,できる限り地域を拡大していっていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。  以上です。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       この際,暫時休憩いたします。                午後0時02分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時03分開議                出席議員  29名                欠席議員  25名 ○若林新三 副議長      出席議員29名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○若林新三 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  8番水野考議員。                〔8番水野考議員登壇〕(拍手) ◆8番(水野考議員) こんにちは。自民党・市民クラブの水野考です。会派を代表して質問をさせていただきます。  まずは,先月8月11日からの大雨による災害についてお聞きします。  このたびの大雨では,中国地方の幾つもの地点で平成30年7月の西日本豪雨を上回る,観測史上最多の雨量を記録しました。総合雨量では,広島市の中では安佐南区の山本にある観測所において,8月19日時点で760ミリメートルを観測しました。  このたび軽度の土石流が発生しました山本川では,祇園町誌歴史書によれば過去から何度も水害があったことが記録されております。江戸末期の嘉永3年,明治38年,そして大正15年です。特に大正15年の大雨では,ピーク時の最大雨量は79.2ミリ,午前1時から6時までの雨量を合計すると322.8ミリという記録的な短期集中豪雨でありました。大規模な土石流が発生した結果,24名の方がお亡くなりになりました。当時の荒れ果てた山本村の様子は,今でも写真に残っております。  なぜ大正15年の大雨の話をするかといいますと,このたび山本で起きた土石流は当時崩れた谷,地獄谷といいます,この谷の隣の谷が崩れて起きた土石流だからです。山本川は,西山本川と東山本川という2本の川が合流して一つの川,山本川になったものです。大正15年の土石流とこのたびの土石流は,このうちの西山本川という川で起きたものです。東山本川の流域でもこのたび土石流が発生し,流域の民家の床下に土砂が流れ込みました。大雨のピーク時には川の上流にあるため池,新堤が崩れるかもしれないとのことで,被害が想定されるお宅に避難が呼びかけられもしました。  後日,地元企業の方にボランティアで撮影していただいたドローンの写真によれば,東山本川上流で山肌が2か所崩れておりまして,その土砂が一部,東山本川に流入していたようです。また,同じく東山本では,7年前の8.20広島土砂災害で家の裏山が崩れ,児童2名がお亡くなりになっております。8.20のときには,山本学区の山沿いのお隣であります長束西学区でも,人命こそ失われませんでしたが,土石流が発生しました。  このたびの大雨でも,山から数か所出水が確認され,濁った水が坂道を走ったそうです。また,小規模な土砂崩れも起き,床下に濁流が流れ込んだ家もあります。また,山本川が合流して長束・長束西の境を通り太田川に合流いたしますが,この長束は昔,少しの雨でも泥沼のようになるぐらい水はけが悪い地域だったようです。山本の平地部分から祇園のイオンモールの一帯の地域も水はけが悪く,ぬかだと呼ばれていました。今でも昔の呼び名が伝わっております。  地域の御年配の方からお伺いしたところによりますと,梅雨のときには,町全体が見渡す限り大きな水たまりのようになっていたそうです。また,当時平地部に住んでいた方によれば,ちょっと強い雨が降れば一抱えもある流木が家の前まで流れてくるのが当たり前であったようです。  1950年代,今から70年前の地図を見ると,この地域は,平地部分はほぼ田んぼで,家が少ない地域でした。もっと言えば,イオンモールの東側の太田川に至る地域も,家や町が少しは見られるものの,一面田んぼでした。しかし,1960年代からの太田川の放水路をはじめ,河川の整備やかんがい施設を整備していただき,徐々に,少しぐらいの雨が降っても水没しない地域にしていただいて,現状のようなまちの形になりました。  このたび土石流が起きた山本近辺を基点に,安佐南区の下半分,旧祇園町がどれだけ水の災害に弱い地域かを今述べさせていただきました。もともと住居を構えることが難しかった土地に,行政が手を入れてくださって住宅地が増え,まちのにぎわいが生まれました。しかし,もともとが水に弱い地域です。急傾斜地が多く,山のそばは土砂災害,川のそばは土石流,また平地の部分は浸水の被害と,大雨が降りましたら規模の大小はあれど,災害が起きやすくなっております。  さて,このたびの災害において,全市的に災害が起きておりますが,特に安佐南区の旧祇園町についてお伺いをいたします。  山本六丁目及び九丁目の土石流による被害状況はどんなだったでしょうか。また,山本六丁目と九丁目の復旧状況と今後の見通しはどうでしょうか,併せてお伺いをいたします。
     また,今回の大雨により,長束や西原の太田川堤防近辺では浸水被害が発生しました。県が新安川のポンプを増設して以来,被害はかなり収まっていると地元の方から聞いていました。なぜ今回災害が発生したのでしょうか。また,浸水被害が起きないような対策はあるのでしょうか,お伺いをいたします。  あわせて,急傾斜地崩壊防止施設の点検・補修についてお伺いをいたします。  広島は急傾斜地危険箇所が全国で一番多い地域です。また,急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律がつくられたのは昭和44年でありますから,初期につくられたものは既に50年経過している計算になります。コンクリートの寿命は,施工の方法やコンクリートの厚さ,沿岸部かどうかといった環境で変わるようですが,悪条件の場合,50年程度が寿命とも聞きます。急傾斜地崩壊防止施設は市内にどれだけあり,これらの点検や補修はどのようにしているのでしょうか。  続いて,避難所についてお伺いをします。  まずはお礼から。このたびの避難所運営では,初動から市役所の職員にしっかりと務めていただき,また,生活避難所になってからもしっかりと食料や物資を届けていただきました。また,大手のお店の駐車場を避難所として使わせていただきました。さらにはテレビでよく取り上げていただき,避難者が連日100名を超えていた学区の避難所では,発災後の8月14日以降は避難所近辺のお店がラーメンサービスをしてくださったり,企業がタオルや飲物,食料,寝袋,つい立てといった物資の提供をしてくださったり,ウオーターサーバーやサーモグラフィー,携帯の充電器,Wi-Fi機器といった様々な物資を貸し出してくださったり,また,近所のスポーツトレーナーの方が避難所に来て皆さんと体操してくださったりと,思いも寄らない支援をたくさんいただきました。本当にありがたい限りでした。1週間程度避難所を使われた御年配の方からは,私も避難所にいた際に,水野さん,ちょっと来てと呼ばれて行ってみましたら,役所の方には本当によくしていただいて,毎日来てくださって,御飯も用意してくださって,この恩をどう返していいのかしらと質問をされました。こんなことを思っていただけるなんて,広島市すごいなと思います。この場を借りて,改めて,避難所に避難された方々から受け取りました感謝の思いを伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。  さて,質問に戻ります。避難所の安全性についてです。  今回の災害で避難者が突出して多かったのは,春日野小学校,山本小学校と聞いております。隣接学区でもある長束,長束西,祇園学区は,春日野や山本の半分以下の人数,避難所の開設期間も短かったと聞いております。土石流が春日野と山本の境で起きたことが主要因とは思いますが,それだけではないと思います。大雨が降り,まさに山本小学校,春日野小学校に避難者が押し寄せていたときに,長束小学校では,小学校に続く道が膝上,土地が低いところでは腰近くまで水がある状態でした。長束小学校の避難所に詰めていた地域の方からは,こんなことでは皆さんが避難所に避難できない,何とか無理をして来られた方も服がずぶぬれで,特に御婦人はどうしたらよいのかと,やるせない思いを抱えていらっしゃいました。このたびの祇園学区の避難所であった祇園中学校も校舎が土石流のイエローゾーン,祇園中学校に続く道も一部急傾斜のレッドゾーンです。長束西小学校区では学校の前の道こそ指定はありませんが,体育館は急傾斜地のイエローゾーンで,避難場所は教室を使っております。  ここでお伺いをいたします。避難所に行くことだけが避難とは思いませんが,特に大雨に関する災害が起きそうなとき,避難所となっている学校の入り口が内水の浸水区域や土砂災害の警戒区域に入っている場合は,避難所として危険ではないのでしょうか,お伺いをいたします。  続きまして,大雨に関する避難の在り方についてです。  何度も例に挙げて大変申し訳ないのですが,このたび山本小学校の避難所に多く人が集まったタイミングは2回ありました。1回目は,六丁目に土石流が発生し,さらには山の頂上付近に土石流がとどまっているという危険情報が流れたときです。このとき避難の呼びかけが行われました。2回目は,東山本川上流にある新堤が決壊する危険性があると,同じくまた避難の呼びかけが行われたときです。1回目は130名,2回目は150名を超える数が避難所を訪れました。山本小学校が一時的に過密になったため,春日野小学校や祇園中学校に避難された方もいらっしゃったそうです。  同じ頃,避難所では,もしかしたら呼びかけに応じて200名を超える方が避難してくるかもしれないと想定し,教室を新たに開放していただきました。先ほどの避難者,それほどの避難者の数ではなかったので,そんなに呼びかけをしても避難はされないんだなというふうに当時は思っていました。しかしながら,後日いろいろな方からお話を聞いてみましたら,むしろ避難所に避難されなかっただけで,危険が事前に予測できる,例えば新堤のため池の下にあるおうちとかは,何人かの方は親戚の家やお友達のおうち,ホテルに早々に避難されていたということが分かりました。長い人は10日ほどホテル暮らしをされていました。科学技術の発達により,雨雲が通る位置も大体予測でき,ましてコロナで密を避けるべき状況の中で,事前に家族で話し合い,早々に避難をされたそうです。避難所に来ることを選択しなかっただけで,自助,共助がまちの中で体現をされておりました。  そこで質問です。どれだけの人が避難所に,どれだけの人が友達のおうちにといったような,避難の実態を把握するためのアンケートをしたことはあるのでしょうか。実態を把握すれば有効な避難対策も立てられるのではないかと思います。どうでしょうか。  また,事前の避難の際,一部の都市が実施しているような,妊娠している方や障害を持たれている方の家族に限定するなどして,ホテル・旅館への避難を認め,ホテル代の支援を実施できないでしょうか。先ほども例で挙げましたが,家族で10日間ホテルに泊まるのはかなり負担になると思います。負担の軽減という意味でも実施していただけたらと思います。また,妊娠している方,障害を持たれている方,避難所として受け入れるときに,コロナのこともあり,スペースなど広く取る必要があります。それ以外でもトイレの位置や移動のしやすさなど,やはり特別な配慮が必要になります。どうすれば避難された方が少しでも安心や居心地のよさを感じてもらえるのか,避難所では常にそれを考えて行動していますが,妊婦さんや障害を持たれている方の場合には,特に配慮が必要になると感じております。  続きまして,地域の防災力の強化についてお伺いをいたします。  このたびの大雨災害では,山が崩れ,多くの流木が流れてきました。素朴な疑問として,なぜこんなに枯れた木が流れてくるのかと有識者の方にぶつけてみましたら,山が死んでいるからだよというふうに教えていただきました。具体的には,雑草木の刈り払いや枯れた木の撤去等,里山を保全するために必要なことができていないということだそうです。また,瀬戸内の山は昔から照葉樹林帯で,照葉樹は針葉樹と比べて根が太くて深くて保水力に優れているのだと,だから杉やヒノキなど建築材として有用な木を育てるのもいいけど,山を安全にするためには照葉樹林を守って育てることが大事なんだよと教えていただきました。  広島市も里山林整備を行う町内会を支援する取組や,森づくりを行う市民活動を支援しております。このような制度を利用するなどして,地域やNPO法人と,どう山や川を保全していくのか,地域で考えていく必要があるなと,このたびの災害を通して改めて感じております。  また,人と人とのつながりという点では,地域は大きく変わってきました。大正15年の水害の際には,一番足りなかったのは人と人とのつながりではなく,資金力だったそうです。当時,何百世帯の小さな村で死者24名,全壊・半壊の家が約50世帯,ところどころ石積みで整備してあった川底や,へりの部分もほとんど剥ぎ取られ,大々的な改修が必要,そんな被害状況だったそうです。到底一つの村で捻出できるわけではなく,そのお金の寄附を募ることになりました。しかしながら,村人からの寄附もそんなに思うように集まらずに,結局,当時,ハワイに出稼ぎに出かけていた村人の三男,四男の方の力を頼ることになったそうです。当時の村の代表の方が各家の被害の様子を文字や写真で克明に記録したものを持って行き,帰りに,当時の社会情勢もあり,多額の寄附金とハワイに行かれた方の家族写真を持って帰られたと,このことは地縁や血縁が強い地域ならではのやり方だったのだろうというふうに思います。  現在では,町の人口も当時の数十倍,同じ学区に住んでいたとしても住んでいる丁目が異なれば被害の状況についてよく知らない,そういうふうにおっしゃる方が多数いらっしゃる,これが現実です。  さて,このたびの災害において,危機が迫った地区に対して緊急的に消防団などが1軒ずつ住宅を回り避難を呼びかける局面がありました。その際に,土のうを作ってくれなど,おうちの方に頼まれることもあったと聞いております。  さて,8.20や7月豪雨,また,雨が多めに降ったときでも,規模は異なりますが,やはりこのたび川から土砂があふれたところと同じ箇所から水があふれているところが幾つもあります。これらの箇所は事前に土のうを積むなどしておけば,減災を行うことができたのではないかと感じております。  このような災害に対する事前準備や被災後の土砂撤去については,人手が多いほうがよく,また,ふだんからの自主防災を中心とした町内会・自治会・消防団など,各種団体が連携し地域の方々を巻き込んだ活動がとても大事になることが改めて浮き彫りになったところです。  昨年,広島市が行った町内会・自治会等実地調査でも,町内会として,今後,内容や活動を充実させたい活動は,防災活動・災害時の活動が全体の24.5%と最も高くなっており,このことは全市的な問題です。しかし一方,各地の各種団体は高齢化,担い手不足といった共通の課題を抱えております。このため,ふだんの担い手だけでなく,災害時の活動をしっかりするために消防団の方々に土のうの作り方を学んだり,いざというときに活動できる方を地域で募ったりといった活動などが,今後,地域で大事になってくると思います。また,こうした活動に加えて,町内会・自治会や地区社会福祉協議会,自主防災組織などの地域団体,さらには,企業や大学などの地域を取り巻く主体が日頃から様々な地域活動を通して連携体制を構築していくことが,ひいては災害への備えにもつながるのではないかと考えております。  そこでお聞きします。地域防災力の強化に向けては,地域の様々な主体が連携することが必要であると思いますが,市としてどのように取り組んでいきたいと考えているのでしょうか,お伺いをいたします。  また,避難所と併せて祇園中学校のことについてもお伺いをいたします。  祇園学区の避難所である祇園中学校は,レッドゾーンやイエローゾーンがかかり,土砂災害の危険性があります。また,祇園小学校では,8.20のときに周辺の道とともに水没したことがあり,土砂災害のときは祇園小学校,太田川の決壊など水害の危険性があるときは祇園中学校など,地域でどのように避難するかというのは前々から考えられていることであります。そして今度,新しく避難所の候補となり得ると思うのですが,祇園中学校に体育館を新設していただけます。現在の体育館は急傾斜地,イエローゾーンに少しかかるぐらいですが,新しくできる体育館はほぼイエローゾーンの中にあり,すぐ傍らにレッドゾーンがあります。  ここでお伺いをいたします。昨年この場で質問をさせていただきました祇園中学校体育館ですが,その後,建設は順調でしょうか,いつ頃完成する予定でしょうか,お伺いをいたします。また,新しく建てられる体育館はどれぐらいの土砂に耐えられるよう設計,工夫がなされているのでしょうか,お伺いをいたします。  このたびの工事に当たり,祇園中学校の運動場の大きさは以前の半分以下になっております。特に部活動について,もともと生徒数に比べて運動場の面積が少なかったところ,さらに少なくなり,四つの部活動がローテーションで狭い運動場を分割して使用して,運動場を使えない部活動は祇園中学校の外周をぐるぐる走るようになっております。現状では部活動を通して持久力とかそういう力はついているかもしれませんが,競技経験という意味では本当にこれでよいのだろうかと思うところです。  もともと保護者の方から,部活動で競技がなかなかできない,人数が多くて練習の時間が回ってこないので,部活動に入ってもなかなか上達せず,もともと競技をしていた生徒と新しく始めた生徒の差が埋まらず,最初のときにレギュラーになれなかった子供は最後までレギュラーになれないと,これではあまりに子供がかわいそうだと相談をされておりました。現状では,さらに競技ができなくなっておりますので,この傾向はさらに強まっていると思われます。予定どおりに体育館を完成させていただき,続けて今の体育館の解体,運動場の整備を早期に実現していただけるよう,強く要望いたします。  続きまして,GIGAスクール構想で配付されたタブレット端末の活用についてお伺いをいたします。  東京都町田市立小学校6年生だった女児がいじめを受けて自殺したというニュースが9月14日の中国新聞で掲載をされました。両親の会見によれば,小学校に配備されたタブレット端末のチャット機能を使い,うざい,きもい,死んでなど,女児に対する悪口がやり取りされていたといいます。また,自殺した女児の両親によれば,女児が通った小学校では,児童に貸したタブレット端末を起動する際のパスワードを123456789といった一般的なものに統一をし,IDは児童の所属学級と出席番号を組み合わせたものにしていたそうです。両親が同級生らに聞き取ったところ,端末上での会話について,自分が書いていないのに勝手に書き込まれていた,書いていた内容を削除されたなど,なりすましの被害を訴える複数の証言があったそうです。このことについて両親は,他人のIDを容易に推測できたためなりすましが横行していたのではないか,学校の管理がずさんだったと指摘をしております。  このような痛ましい事例が広島市で起きないために,タブレットの活用についてお聞きをします。  タブレットを活用した授業は,12月ぐらいから全校で実施予定と以前お伺いをしておりますが,GIGAスクール構想で市立学校に配備されるタブレット端末を児童生徒が自宅に持ち帰り,アプリケーションを自由にインストールして使うことはできるのでしょうか。また,タブレット端末にはどのようなアプリケーションがインストールされており,授業ではどのように活用する予定なのでしょうか。また,インストールされているアプリケーションで,例えば新聞記事にあるように,児童生徒間で自由にチャットする,このことができるのでしょうか。  私自身,子供のチャットの件では他の相談を受けたこともあります。コロナにかかった児童が自宅待機中にオンラインゲームをしており,その際に,自分はコロナであるといろんな友達にチャットで言っていたそうです。行政や学校,保護者が個人の特定を避けるために努力をしていても,当人から自己申告をしていたのでは何もなりません。この件がいじめにつながったということは聞いておりませんが,チャットの使い方についてはしっかり学ぶ必要があると感じております。  また,保護者の方から,SNSなどで多分,学校の同級生からうちの子をおとしめるようなサイトを立ち上げられているのだと相談を受けたこともありました。既に教育委員会や学校から対応,御指導していただきましたが,そのサイトはいまだ誰でも見られるような状態です。海外に本社を置くサイトであると,サイトを立ち上げた方でない方が不利益を被っているんですというふうにサイトに訴えたとしても,なかなか削除要請に応じてもらえないようです。チャット等,インターネットを通じて他者とつながる機能を使う際にはルールを教えることが大切であると思いますが,使用に際してどのように指導を行うのでしょうか。  質問は以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○若林新三 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       水野議員からの御質問にお答えします。  地域の防災力の強化についての御質問がございました。  近年多発する想定を超える自然災害に対応し,地域の防災力を強化するためには,自分の命は自分で守る自助,自分たちの地域は自分たちで守る共助,行政機関による公助の一体的な機能発揮が重要であります。このうち共助については,市民,そして行政が一丸となって取り組める体制を確保する必要があるとともに,町内会・自治会など特定の地域団体のみならず,企業,大学,消防団などといった地域の様々な主体が共助の精神に基づき,適切な役割分担の下で携わっていただくことでより効果が発揮されます。  この共助の精神に基づく住民同士の助け合いは,非常時のみならず,平常時にも必要なものであり,特に自然災害が多発する昨今においては,安全・安心に暮らすことができるよう日頃から地域団体と消防団や自主防災組織が連携強化を進めることが大切であります。このため,例えば地域の防災活動を積極的に担っていただいている消防団員や防災士といった方々が,地域団体などあらゆる主体が連携する運営協議体といったものに加わって,地域コミュニティーの活動に参加してもらうことになれば,地域との関係を強化する広島ならではの連携策になるのではないかと考えております。  現在策定中の地域コミュニティ活性化ビジョンにおいては,こうした地域における共助の取組を後押しできるよう,組織横断的な視点に立ってあらゆる団体間の連携強化に向けた取組や支援策などについても議論し,同ビジョンでお示ししたいと考えており,そのことにより地域の防災力の強化を含めた広島ならではの持続可能な地域社会を実現していきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○若林新三 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       地域の防災力の強化について,二点お答えをいたします。  まず,祇園中学校体育館の建設は順調か,いつ頃完成する予定かという御質問です。  現在建設中の祇園中学校の屋内運動場は,狭隘な既存の屋内運動場を現行基準に合わせて整備を行うとともに,限られた校地の有効活用を図る観点から,武道場・特別教室との重層化を図っております。この工事の進捗としては,現在,1階の躯体工事を終え,2階の躯体工事を行っており,今後,屋根鉄骨,内装等の工事を行い,当初の予定どおり令和4年2月末に完成する見込みです。  次に,祇園中学校の新しく建てられる体育館はどのぐらいの土砂に耐えられるよう設計,工夫がされているかという御質問です。  祇園中学校の屋内運動場の建て替え場所は,限られた敷地の中でできるだけグラウンド機能を維持するため,山側の土砂災害警戒区域──イエローゾーン内となっております。このため,山側の壁の強度について,近接の土砂災害特別警戒区域──レッドゾーンで想定される流入土砂の衝撃にも耐えられるよう,通常より使用する鉄筋の量を増やし,基礎と壁を一体構造とするとともに,山側の窓についても想定される土石流の高さより高い位置に設置することとしております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      危機管理担当局長。 ◎岩崎学 危機管理担当局長  令和3年8月11日からの大雨による災害についての三点の御質問にお答えいたします。  まず,避難所となっている学校の入り口が内水の浸水区域や土砂災害の警戒区域に入っている場所があるが,避難所としては危険ではないのかについてです。  本市の指定緊急避難場所は,土砂災害や浸水など,その地域に想定される災害の種別ごとに災害対策基本法で定められている安全性等の基準に適合する市有施設を中心に指定しております。  議員御指摘の,長束や祇園地区で最初に開設する指定緊急避難場所としている学校については,一部は内水の浸水想定区域や土砂災害警戒区域に該当しておりますが,こうした災害が発生したとしても,受け入れた避難者が安全に滞在できるスペースが確保できることから,避難場所として開設することとしております。  安全確保のため,避難は災害が発生するまでに完了しておく必要があることから,本市では,平時からホームページや広報紙などを活用して早めの避難を呼びかけるとともに,市が開設する避難場所だけではなく,安全な場所にある親戚・知人宅等への避難を促しております。さらに,災害発生のおそれが高まった場合には,対象地域に対して,安全な避難に必要な時間が確保できるタイミングで避難情報を発令し,地域住民の安全を確保することとしております。  次に,災害時の避難の実態を把握するため,住民アンケートを実施したことはあるか,実態を把握すれば有効な避難対策が図れるのではないかについてです。  災害時の市民の避難行動については,平成30年度に平成30年7月豪雨の避難行動に関する調査として,当該災害により人的被害が発生した地区や,平成26年8月豪雨災害の被災地に居住する方等を対象としたアンケート調査を実施しました。この調査では,有効回答数858件のうち,避難したと回答したのは全体の22.1%の190人で,避難情報だけでは必ずしも避難行動につながらないことが明らかになったほか,避難先の内訳は,自宅の上階が34.2%,親戚・知人宅が25.8%,市が開設した避難場所が20.5%,地元が自主的に開設した集会所など他の建物が15.2%でした。また,避難の決め手となった理由は,自ら身の危険を感じて避難した方が24.2%,次いで,家族や地域の方など第三者から避難を勧められた方が21.6%であり,災害から身を守るためには我が事として認識することと,日頃からの地域コミュニティーの役割が大きいということが判明しました。  この調査結果を受け,本市では,避難行動を促すことが最重要の課題であるとの認識から,市民に災害を我が事として捉えていただくためのわがまち防災マップの作成支援や,避難所へのルートを示す避難誘導アプリの導入のほか,地域コミュニティーの防災力向上のための防災リーダーの養成や,自主防災組織等による声かけ避難の推進など,災害に強いまちづくりに向けた施策に注力して取り組んでいるところでございます。  最後に,事前の避難の際,一部の都市が実施しているように妊婦や障害者がいる家族に限定するなどして,ホテル・旅館への避難を認め,宿泊代等の支援を実施できないかについてです。  災害時の避難先について,本市では,コロナ禍を踏まえ,住民が多様な選択肢を持つことが適切に自らの命を守る行動につながると考えており,避難情報を発令するに当たり,市が開設する避難場所だけでなく,安全な場所にある親戚・知人宅等も選択肢とするよう呼びかけております。  議員御提案のホテルや旅館の活用について,本市では,災害発生前や発生直後の一時的な避難場所とすることや,その利用を助成することについては,立地がデルタ部に集中しており,居住地にかかわらず利用しやすい状況とはいえないことなどから,今のところ考えておりませんが,災害が発生し,被災者が長期の避難生活を強いられる事態となった場合には,生活環境や感染症対策の面からもホテル等の活用が望ましいと考えており,その場合,できるだけ早急に配慮が特に必要な妊婦や障害者の方などを優先して活用したいと考えております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      下水道局長。 ◎油野裕和 下水道局長    令和3年8月11日からの大雨による災害についての御質問のうち,四点について順次お答えいたします。  まず最初に,山本六丁目及び九丁目の土石流による被害状況はどうかについてです。  8月14日に山本六丁目で発生した土石流は,西山本川の源頭部付近より発生し,家屋被害や民有地内への土砂等の流入などの被害をもたらしました。具体的には,9月17日時点で罹災証明の交付を受けた被災建物は7棟であり,本市への撤去依頼のあった民有地内への土砂等の流入は3件となっています。また,同日,山本九丁目で発生した土石流は,東山本川の源頭部付近より発生し,家屋被害並びに民有地内及びため池への土砂等の流入などの被害をもたらしました。具体的には,9月17日時点で罹災証明の交付を受けた被災建物は1棟であり,本市へ撤去依頼のあった民有地内への土砂等の流入は7件となっています。  次に,山本六丁目及び九丁目の復旧状況と今後の見通しはどうかについてです。  山本六丁目の被害の原因となった西山本川の土石流については,8月15日以降,県において土砂等の撤去を一部開始しており,国は県の要請に基づき二次災害防止のための監視カメラやワイヤセンサーを設置し,今後,土石流を捕捉するワイヤネットを設置する予定です。  また,山本九丁目の被害の原因となった東山本川の土石流については,県において砂防堰堤に堆積した土砂等の撤去を11月末の完了を目途に進めており,この撤去完了に合わせて,本市において下流にあるため池の土砂等の撤去を開始する予定です。さらに,本市では,8月19日より市域全体を対象として土地所有者の同意の下,民有地内の土砂等の撤去を進めており,山本六丁目及び九丁目においても撤去を進めているところです。  本市では,今回の大雨による災害発生を受け,国土交通大臣及び県知事に対し,砂防堰堤に堆積した土砂等の早期撤去及び適切な保全とともに,砂防堰堤の整備促進を要望しており,国及び県においては,これに応じる形で迅速に応急復旧の対応をいただいているところです。引き続き,住民の安全・安心な生活を確保していくため,恒久対策となる砂防堰堤の整備促進を強く要望するとともに,本市においても本格的な災害復旧に早期に取り組んでまいります。  次に,今回の大雨により,長束や西原の太田川堤防周辺では浸水被害が発生したが,県が新安川のポンプを増設して以来,被害はかなり収まっていると地元から聞いている,なぜ今回被害が発生したのか,また,浸水被害が起きないように対策はあるのかについてです。  平成22年7月に安佐南区の長束地区と西原地区で発生した浸水被害を受け,新安川の河川管理者である県は,平成28年度に太田川放水路への排水ポンプを増設しており,本市においても,一部の区域を対象として平成25年度から26年度にかけて,同地区の山本川へ排水するためのポンプを新設するなど,連携して被害軽減のための対策を講じています。しかし,本年8月11日からの大雨は祇園山本の観測地点で19日までの総雨量が760ミリを記録する未曽有のものとなり,4日目の14日には太田川放水路の水位上昇が顕著になってきたため,県において,逆流防止として新安川の水門を閉め,臨時の排水ポンプも追加し,全てのポンプを稼働して排水に努めたものの,新安川の水位上昇を抑えることができずあふれ出す事態となり,今回の浸水被害につながったものです。  県では,今回の大雨により県内各地で発生した河川の浸水被害等を受け,河川への流出量や水位,流下能力等を検証することとしており,この中に新安川も該当していると聞いています。この検証結果と被害状況を踏まえた所要の対策レベルに基づき,今後の浸水対策が具体化するものと考えており,本市としては,県に対し早期にこうした取りまとめを求めつつ,実行可能な連携策を検討していきたいと考えています。  最後に,急傾斜地崩壊防止施設は市内にどれだけあり,これらの点検,補修はどのようにしているのかについてです。  本市域内の急傾斜地崩壊防止施設は,令和2年度末時点において県施工が231か所,市施工が184か所,合計415か所となります。施設管理者である県及び市では,急傾斜地崩壊防止施設の適切な機能と安全性を保持するため,おおむね5年ごとの定期点検を実施しており,この中で劣化や損傷状態についてより詳細に調査する必要があるものは詳細点検を実施しています。こうした点検を基に補修の緊急度を評価し,実施に反映することで適切に維持管理を行っているところでございます。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       タブレット端末の活用について,三点お答えをいたします。  まず,市立学校に配備されるタブレット端末を児童生徒が自宅に持ち帰り,アプリを自由にインストールして使うことができるかという御質問です。  このタブレット端末は,情報セキュリティーを確保する観点などから,利用場所が学校であるか自宅であるかにかかわらず,児童生徒が自由にアプリケーションをインストールすることができないようにしております。  次に,タブレット端末にはどのようなアプリケーションがインストールされており,授業ではどのように活用するのか,また,インストールされているアプリケーションを使えば,新聞記事にあるように児童生徒間でチャットができるのかという御質問です。  本市が整備するタブレット端末には,児童生徒が写真撮影や情報検索,文書等の共同編集,双方向のコミュニケーション等を行うアプリケーションがインストールされています。学校ではそれらを活用し,観察記録・実験結果等の提示,得た情報の共有やチャット機能を使用した意見交換,レポートや発表資料の作成等の学習活動を行うことにしております。なお,児童生徒間で利用するチャット機能については,学校の授業時間以外は使用できないようにしております。  最後に,チャット等,ネットを通して他者とつながる機能を使う際にはルールを教えることが大切であると,使用に際してどのような指導を行うのかという御質問です。  児童生徒がインターネットを通じてやり取りすることが日常化している中,各学校では道徳科や技術・家庭科技術分野等の授業において,そうしたやり取りをする際のルールやマナーを守ること,SNSを介した被害に遭わないようにすることなど,児童生徒の発達段階に応じた情報モラルの指導を行っております。また,こうした指導内容を学校だより等で保護者に知らせるとともに,スマートフォン等の使用に係るルールを家族で話し合って決めることを促す取組も行っております。  今後,タブレット端末を初めて使用する際にも,本市で作成した手引に沿って,基本的な機器の扱い方とともに情報モラルに関する指導を行うこととしております。  以上でございます。 ○若林新三 副議長      水野考議員。 ◆8番(水野考議員) 丁寧な答弁をいただきまして,誠にありがとうございます。災害のことにつきましては,引き続きどうぞよろしくお願いいたします。  また,学校のことにつきましても丁寧な答弁ありがとうございます。先ほどの答弁をお伺いさせてもらいましたら,広島市では東京のようなことは起きないんだろうというふうに思いますが,やっぱり起きるかもしれないという思いでしっかりと御指導していただけたらと思います。  さて,一点だけ要望をさせてください。災害のことについてです。  地震のような予測がつかない大規模なものと比べて,大雨による災害というのは局所的であって,ある程度予想がつくものであるというふうに思っています。また,個人によって,例えば道が1本ずれるだけでも安全な道があったり,安全じゃない道があったり,個々人によってどう避難したらいいのか,何が一番正解なのかというのはすごい判断に困るところであろうというふうに思っています。ただ,この大雨による災害の死者,その災害というのは,恐らく地震に比べて比較的避けやすいものなんだろうというふうにも感じています。7年前に山本でも児童が2名亡くなっているんですけれども,そのお母さんがつい最近,紙芝居を出されました。そこには,自分のお子さんは亡くなったんですけれども,最後,そこの紙芝居の中では助かっているんです,ちゃんと被害状況を見て避難をして助かった,よかったねと。重過ぎもせず,また軽過ぎもせず,絵とか色合いとか言葉とか,すごくしっかりと心を込めて,地域のママさんサークルと一緒に作ったものなんですけれども,それを見てすごい心に訴えられるものがありました。  特に雨による災害というのは,死ななくてもいい災害であるというふうに思いますし,もちろん行政が今していただいていることというのはすごいありがたいことだし,よいことだと思うし,制度もしっかりつくっていただきたいんですけれども,こういう地域の心に訴えるようなものと併せて,ちゃんと避難をしなければいけないのだというふうに地域の一人一人が思えるような,そんな広島市をつくっていただきたいなと。そのために,私たちも地元でしっかりと活動をさせてもらって,粘り強く心に訴えられるように頑張っていくつもりでありますが,市としてもしっかりと支援をしていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  以上です。 ○若林新三 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○若林新三 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。
    ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○若林新三 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後1時47分散会 ─────────────────────────────────────── ───────────────────────────────────────   議 長   山  田  春  男   副議長   若  林  新  三   署名者   山  内  正  晃   署名者   宮  崎  誠  克...