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令和 2年第 8回12月定例会−12月09日-03号

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  1. 広島市議会 2020-12-09
    令和 2年第 8回12月定例会−12月09日-03号


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    令和 2年第 8回12月定例会−12月09日-03号令和 2年第 8回12月定例会         令和2年  広島市議会定例会会議録(第3号)         第 8 回                  広島市議会議事日程                                 令和2年12月9日                                 午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)
     一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  岡 村 和 明            2番  川 本 和 弘    3番  田 中   勝            4番  並 川 雄 一    5番  川 村 真 治            6番  石 田 祥 子    7番  川 口 茂 博            8番  水 野   考    9番  平 岡 優 一            10番  椋 木 太 一    11番  吉 瀬 康 平            12番  山 本 昌 宏    13番  山 内 正 晃            14番  碓 氷 芳 雄    15番  海 徳 裕 志            16番  木 戸 経 康    17番  山 路 英 男            18番  森 畠 秀 治    19番  石 橋 竜 史            20番  平 野 太 祐    21番  定 野 和 広            22番  伊 藤 昭 善    23番  桑 田 恭 子            24番  近 松 里 子    25番  大 野 耕 平            26番  西 田   浩    27番  渡 辺 好 造            28番  豊 島 岩 白    29番  宮 崎 誠 克            30番  八 條 範 彦    31番  母 谷 龍 典            32番  三 宅 正 明    33番  八 軒 幹 夫            34番  馬 庭 恭 子    35番  竹 田 康 律            36番  藤 井 敏 子    37番  中 原 洋 美            38番  太 田 憲 二    39番  若 林 新 三            40番  今 田 良 治    41番  佐々木 壽 吉            42番  元 田 賢 治    43番  谷 口   修            44番  永 田 雅 紀    45番  金 子 和 彦            46番  木 山 徳 和    47番  沖 宗 正 明            48番  中 森 辰 一    49番  碓 井 法 明            50番  山 田 春 男    51番  中 本   弘            52番  児 玉 光 禎    53番  木 島   丘            54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名                 な    し ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    石 田 芳 文       事務局次長   松 坂 康 雄  議事課長    小 田 和 生       議事課課長補佐主任事務取扱                                吉 川 和 幸  議事課主幹   沖 原 義 文       議事課主査   村 田 愛一朗  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     小 池 信 之  副市長     及 川   享       危機管理担当局長岩 崎   学  企画総務局長  手 島 信 行       財政局長    古 川 智 之  市民局長    政 氏 昭 夫       健康福祉局長  山 本 直 樹  健康福祉局保健医療担当局長         こども未来局長 松 井 勝 憲          阪 谷 幸 春  環境局長    重 村 隆 彦       経済観光局長  日 高   洋  都市整備局長  中 村   純       都市整備局指導担当局長                                胡麻田 泰 江  道路交通局長  加 藤 浩 明       下水道局長   油 野 裕 和  会計管理者   長   敏 伸       消防局長    斉 藤   浩  水道局長    友 広 整 二       監査事務局長  荒神原 政 司  財政課長    沖 村 慶 司       教育長     糸 山   隆  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          橋 場 聡 子               仁 井 敏 子 ───────────────────────────────────────                午前10時01分開議                出席議員  30名                欠席議員  24名 ○山田春男 議長       おはようございます。  出席議員30名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       本日の会議録署名者として                26番 西 田   浩 議員                34番 馬 庭 恭 子 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       日程第1,昨日に引き続き一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  1番岡村和明議員。                〔1番岡村和明議員登壇〕(拍手) ◆1番(岡村和明議員) 皆様,おはようございます。市民連合の岡村和明です。  冬を迎え,新型コロナウイルスはますます猛威を振るっておりますが,本日は感染症と闘う全ての皆様に感謝と敬意を表し,市民連合会派を代表して一般質問を行いたいと思います。御清聴よろしくお願いいたします。  まず,核兵器のない世界に向けた取組強化についてお伺いします。  核兵器廃絶だけが,いかなる状況でも二度と核兵器が使われないことを保証する唯一の方法です。今年10月24日,核兵器禁止条約の批准国・地域が発効に必要な50か国・地域に達し,来年1月に核兵器禁止条約が発効することが確実となりました。世界で唯一の核兵器による被爆地,ヒロシマ・ナガサキが75年間求めてきた核兵器の非合法化がようやく結実する歴史的な第一歩を踏み出したと言えます。これも長年,核兵器廃絶に取り組んできた皆様の努力のたまものです。ありがとうございます。  しかしながら,核保有国や核の傘の下にある国はいまだ同条約への署名・批准に反対の姿勢を崩しておりません。その上,発効を機に,本来であれば日本政府は条約に参加して,アメリカをはじめ核保有国に核兵器廃絶に向けて具体的な道筋を示し,核兵器廃絶を迫らなければならない立場であるにもかかわらず,アメリカの核の傘に頼る日本政府は核兵器禁止条約に背を向けたままです。本当に残念な状況にあります。  私は核兵器廃絶を世界に説得する唯一の近道は,核兵器禁止を日本国民の総意として条約に批准することだと思います。先般,ある新聞報道の調査によると,核兵器禁止条約に賛成する国民の割合は53%だそうです。皆さん,この数字をどう思われますか。考えてみてください。なぜ100%でないのでしょうか。国民の平和への意識を高めていくことがまだ十分ではありません。同条約をより実効性の高いものにするための取組が,次の課題になります。為政者の政策転換を促すには,核兵器廃絶を目指す世論をさらに高めていかなければなりません。  そこでお伺いいたします。本市は,核兵器のない世界を実現するために核兵器禁止条約の発効を契機に,さらに取組を強化していくべきと考えますが,いかがでしょうか。  広島市は世界恒久平和の実現を目指し,これまでも被爆の実相や悲惨さの伝承に関する取組を強化してきました。児童生徒への平和教育も同様です。そのおかげで,児童生徒が平和への思いを自分の言葉で伝えることができるようになり,またその姿に度々,私も感心しております。私は幼い頃,両親から原爆の恐ろしさを聞いておりましたが,広島で育った皆様の足元にも及びません。原爆や平和について,広島市で育った市民とそうでない市民とでは,関心や知識に差があるように感じます。私の知る限りでも,他県から市内の企業に就職するために転入してきた人たちは,平和への意識が低いように思います。  そこでお伺いします。広島市への転入者を対象に,平和記念資料館の見学を促す取組などを進め,原爆や平和について関心を持ってもらうようにしてはいかがでしょうか。  次に,生活環境が変化した児童生徒の福祉支援についてお伺いいたします。  保護者の死亡,離婚,入院,養育放棄といった,生活環境が変化した児童生徒に対して,福祉政策が届いていないケースがあります。広島市では一学年当たりの児童生徒数は約1万1000人です。例えば人口に占める離婚件数の割合を調査した統計によると,離婚する比率は約0.2%であり,これを活用して試算した場合,毎年,一学年で約22人,小・中学校を合わせて約200人が生活環境の変化があるという計算になります。このような生活環境の変化は,成長期にある児童生徒にとって,家庭の安らぎと生きる気力を失いかねません。  その児童生徒の大半は,学校,地域の皆様の協力で福祉の支援を受けておりますが,私は先般,親の離婚と死別,そして養育放棄に一度に遭遇し,大人になるまで保護を受けられなかった青年と出会いました。その青年は,本市の適切な対応のおかげで住民票を是正し,遺族年金や児童扶養手当など支援を受けることができ,その上,先般,校長会にて事例を報告していただき,再発防止の思いを届けていただきました。本当にありがとうございます。  同じ過ちを二度と繰り返さないためには,保護者の死亡,離婚,養育放棄などにより生活環境が変化した児童生徒の世帯において,児童手当や児童扶養手当,就学援助などの福祉施策を知ることができ,福祉施策が適切に届くことが必要となってきます。児童生徒は行政の仕組みを大人になって初めて知るため,手を伸ばせば助けてもらえる福祉支援策を知りません。本市が手を差し伸べるだけでなく,生活に困っている児童生徒が自らを福祉の道に導く手だてがあればいいと思いますが,まずは周囲の大人たちが子供の変化に気づくことが重要と考えます。
     そこでお伺いします。学校は児童生徒がその一日の大部分を過ごす場所であり,その変化に気づきやすい場所です。支援が必要な児童生徒をしっかり福祉につなげるよう,福祉部門と学校現場の連携強化が必要と考えますが,本市はいかがお考えでしょうか。学校長が本業に専念できるよう,重ねてお願いいたします。  児童福祉法に関わる本市の責任者は,児童にとって今の家庭の安らぎは何か,何が一番大切なのかを考えていただき,児童の意見を尊重し,児童の利益を確保して行動しなければなりません。また,児童の教育や養護についての責任者は校長先生です。ぜひともこの両名の方が絶えず連絡を取り合い,児童の生活環境をしっかりと把握し,児童が心身ともに健やかに成長,育成することを実現していただきたいのです。  次に,子ども・子育て支援についてお伺いします。  国が発表した昨年の出生数は全国で86万5000人と,統計開始以来初めて90万人を下回り,合計特殊出生率は1.36と前年の1.42から0.06ポイント減となるなど,少子化に歯止めがかからない状況です。こうした少子化の進行は,労働供給の減少,市場規模の縮小など,今後の社会経済に大きな影響を及ぼすものであり,本年5月に閣議決定された国の少子化社会対策大綱においても時間的な猶予はないとされております。  少子化の原因として主に挙げられているのは,未婚化・晩婚化や有配偶出生率の低下などですが,その背景には若い世代の経済的な不安定さ,仕事と子育ての両立の難しさなど,様々な要因が複雑に絡み合っていると言われております。また,近年は共働き世帯の増加や核家族化の進行に加え,地域の関わりが希薄になるなど,子供や子育て家庭をめぐる環境や構造も大きく変化し,保育園の待機児童,児童虐待,子供の貧困,いじめや不登校といった問題が顕在化しております。  こうした中,本市においては本年3月に第2期広島市子ども・子育て支援事業計画を策定され,「すべての子どもの現在と将来を社会全体で支える,子どもと子育てに優しいまち“ひろしま”の実現」を基本理念として掲げ,総合的に施策を展開しておられます。さらに,先月開催された安心社会づくり対策特別委員会においては,今後の子ども・子育て支援施策の充実にあたっての考え方を報告され,今回見直しの方向性が固まったとして,こども医療費補助,就学援助,放課後児童クラブの三つの施策を示されましたが,改めて,本市における子ども・子育て支援施策の推進に向けた市長の決意をお聞かせください。  次に,見直しの方向性が固まった三つの施策についてお尋ねいたします。  最初に,こども医療費補助についてです。  こども医療費補助制度については,多くの請願や陳情が出され,本市議会からも附帯決議がなされるなど,市民や議会の関心が非常に高い制度だと認識しています。こうした中,このたび,通院の補助対象年齢の拡大と未就学児の医療費の負担軽減という,本制度を拡充する案が示されました。子育て世帯の実態やニーズ,子供の疾患の傾向を踏まえ,見直しをされるということですが,平成29年に制度改正を行い,その後どのような検証を経て,今回の見直しに至ったのかお答えください。  一方で,本市は,こども医療費補助制度は本来,国の責任において統一的に実施されるべきものであるとして,指定都市市長会などを通じて国に対し,こども医療費補助に係る統一的な制度を創設するよう要望されております。また,医療制度の在り方も含めて,こども医療費補助制度のあるべき姿を打ち出すよう,国に対し問題提起を行うことについて明言されています。未来を担う子供たちが日本のどこに住んでいても同じように医療を受けられるよう,国において統一的な制度を創設すべきという意見については,私も同じ考えです。また,日本の総人口の5分の1を占める政令指定都市の中で,こども医療費補助制度について議論し,国に対して問題提起を行うことは意義深い取組と言えます。  そこでお尋ねします。政令指定都市の中でどのように議論を進め,国に対し問題提起をされようとしているのかお答えください。  続いて,就学援助についてです。  就学援助は,経済的理由によって就学困難と認められる児童生徒の保護者に対し,学用品の購入や給食に係る費用を援助する制度です。平成31年度の決算によりますと,認定率は25.8%と政令指定都市の中で最も高く,子育て世帯にも広く認知され,利用されている制度となっております。  就学援助制度の対象者のうち,児童生徒の保護者で生活保護を受けている者に準ずる程度に困窮している者には,生活保護基準額に一定の係数を掛けて算出する本市独自の認定基準額によって,生活状態が不安定で経済的理由により就学困難な状態にあると認定される方が含まれており,このたび,安心社会づくり対策特別委員会において報告された見直し案は,この準要保護者の認定に係る算定式を見直すもので,内容としては,算定式の基礎となる生活保護基準額が平成元年度のままとなっていること,申請者が負担する社会保険料を二重に考慮する運用となっていることの課題の解消を図るというものでした。  就学援助は,子ども・子育て支援において重要な制度であり,持続可能なものとするために随時,適正化を図ることは必要なことであると考えますが,改めて,今回の見直しはどのような考えの下に行われたのかお聞かせください。  新制度は令和4年4月からの開始に向けて準備を進めるとされていますが,新型コロナウイルス感染症拡大による経済状況の悪化により収入が激減された方への影響が心配です。見直しによって,これまで就学援助を受けてきた保護者が受けられなくなる場合に,急に経済的に不安定になって困らないように,できるだけ影響を小さくすべきであると考えます。見直し後,就学援助を受けられなくなったり,収入が激減したりするような場合には,どのような対応をお考えでしょうか,お聞かせください。  最後に,放課後児童クラブについてです。  放課後児童クラブは,広島市行政経営改革推進プランにおいて,サービスの維持・向上が課題として位置づけられており,このたび見直しの方向性が固まったとして,安心社会づくり対策特別委員会においてサービス向上策の実施と,それに合わせた受益者負担の導入について,令和5年度当初からの実施を目指すという方針を公表されたわけですが,改めて,現在無料である放課後児童クラブの基本時間部分を有料化しようとする理由,有料化した際の料金体系や負担軽減措置についてどのように考えておられるか,お答えください。また,サービス向上策については,利用児童の保護者を対象にしたアンケート調査の結果を前提にするとのことですが,現在の検討状況についてお答えください。  次に,急傾斜地崩壊対策事業の加速についてお伺いします。  西日本豪雨災害からの復旧・復興について,日々精力的に取り組んでいただいている行政並びに関係者の皆様には,心より感謝と敬意を表します。道路,橋梁,河川,下水道,公園など344か所の災害復旧箇所も10月末時点で約45%が完了し,これまでの生活に少しずつ戻りつつあり,感謝しております。引き続き,計画的に御尽力をお願いいたします。  ただ,台風の接近や大雨警報を聞く際に,甚大な被害をもたらしたこれまでの豪雨災害を思い出します。これは一生忘れてはいけない出来事であり,二度と同じ不幸を繰り返してはなりません。  先ほど申したように,災害箇所は復旧が進んでおりますが,懸念点は土砂災害特別警戒区域災害未然防止です。本市が国や県に働きかけていただいたおかげで1,412か所の急傾斜地崩壊危険箇所のうち,昨年度末までに407か所の対策が完了しました。ありがとうございます。これから,残された約1,000か所の対策をいかに迅速に実施するかが課題です。これまで急傾斜地対策は,土地所有者などの要望を受けて県・市で取り組んでおられますが,土地所有者が不明な場合や人間関係悪化を危惧して同意が進まないなど,様々な理由で対策のスピードが若干停滞しております。住居は一生に一度の買物です。安心だと思って買った住居が突然,土砂災害特別警戒区域にあると言われ,将来に不安を抱えている人たちがたくさんいらっしゃいます。その不安を取り除く手段は,土砂災害特別警戒区域,いわゆるレッドゾーンの解除です。  そこでお伺いします。レッドゾーンは必要な対策を講じれば解除できると聞いておりますが,このことについて住民には伝わっていますでしょうか。  次に,レッドゾーンの解除につながる急傾斜地対策は,土地所有者などの要望を待つだけの受け身でなく,本市が率先して土砂災害の危険性を伝えながら,要望に必要とされる土地所有者等の同意を促す方策を検討する必要があります。また,未対策箇所が多い背景にも,土砂災害の危険性を十分認識されていない住民がいることが想定されるため,これにも周知の強化は必要ではないかと考えます。  例えば,レッドゾーンにおいて想定される災害の種類や対策工事などについて,市のホームページに分かりやすく掲載することも考えられますが,市のお考えをお尋ねいたします。  また,個人に限らず民間企業においても災害対策は必要です。私自身,一定の要件に該当する民間施設にも補助制度があることは存じておりますが,これらの制度を知らず,企業の全額負担で対策工事をされた事例があることを伺いました。このため,改めて市が作成された制度の案内チラシを見ますと,民間企業も対象であるということは一読して理解しにくく,こうしたことが制度利用につながらない一因ではないかと感じております。  そこでお伺いします。民間企業への制度拡充について要望したい考えはありますが,まずはこうした点から改善すべきと考えますが,いかがでしょうか。市の考えをお尋ねいたします。  次に,市立図書館,こども文化科学館のリニューアルについてお伺いします。  図書館は,インターネットの急速な普及によって,今,大きな転換期を迎えています。図書館はこれまで情報の収集,整理,保存,提供といった役割を担い,人々が読書に親しみ,人生に必要な学問や知識を学ぶ場として存在しています。一方,インターネットは場所を選ばず情報がタイムリーですが,種類によっては内容が異なっていたり,変更・削除されたりします。したがって,信頼性がより高く,希少性があり,情報に深さがある図書館は,今後も歴史・文化を伝承するために必要不可欠な施設です。  広島中央図書館は,昭和49年に設立されました。この46年間の生活環境変化を振り返ると,現在,図書館の課題は二つあります。デジタル化と活字図書での読書が難しい人への対応です。  デジタル化については,図書館の弱点であるスピードを補うためのインターネット環境整備,より情報の希少性を高めるため各省庁や大学などからデータベースや調査研究論文などの情報提供サービスの充実,活字図書での読書が難しい人への対応としては,録音や点字や拡大文字など図書データの充実や,手話,点字,筆談のできる職員の配置といったバリアフリー化が急務です。  将来,図書館もネットワークでつながる社会が訪れます。そこで,広島市が中四国地域の文化・歴史を継承する拠点として存在すべきです。  そこでお伺いします。広島市立図書館を単に知識・情報を得るだけの場所でなく,全ての人に本の世界を開放し,印刷資料と電子資料の両方を統合して利用できるハイブリッドな図書館にしてはどうかと考えますが,いかがでしょうか。  また,使用感があり,目新しさに欠けた学習機材で運営しているこども文化科学館も転換期に来ています。こども文化科学館を単に科学に親しむだけではなく,科学が創出した電気,機械,科学といった技術,そしてこの技術により成長した農林水産業や造船,飛行機,自動車といった広島の物づくり産業との関わりを一貫して学び,体験できる場としたらいかがでしょうか。  本市が未来に平和,文化,芸術を伝承し,永続的に成長し続けるために大切なことは人づくりです。その第一歩が,未来を担う子供たちに本市の歴史や産業の礎を築いてきた人たちの努力を伝えることだと思います。物づくりが科学と技術の工夫の積み重ねであり,この技術,産業を生み出した挑戦魂が被爆からの復興を支えてきたということが学べる場をお願いします。ひいてはこれが家族や地域,そして広島への感謝の気持ちとなり,人口流出に歯止めをかけ,少子化対策や雇用創出,そして地域コミュニティー活性化につながると信じております。  そこでお伺いします。図書館は建て替えが必要な時期に来ていると思いますし,こども文化科学館の更新に当たっては,科学・技術・産業をその発展の過程とともに学べる総合施設── 広島市科学・産業歴史館を検討してはいかがでしょうか。できれば図書館と広島市科学・産業歴史館は,広島市民の世界観が広がる総合学習施設としたらいかがでしょうか。  次に,広域的な幹線道路ネットワークについてお伺いします。  広島市における主な産業拠点は,五日市地区,宇品地区,大州地区,横川地区,そして北部は西風新都や可部地区であり,さらに市域外でも府中町,廿日市,坂物流センター,北部は千代田町などの企業によって成り立っています。  一方で,経済の中心はデルタ地域,特に紙屋町・八丁堀,広島駅を中心に集中しています。こうした特徴を踏まえて,都心と市域外を含めた周辺の拠点をつなぐ広域的な幹線道路として,これまでの努力の成果もあって,国道バイパスや広島高速1から5号線なども整備が進んできています。また,交通結節点の改善や広島市都心循環バス「エキまちループ」などといったバス路線の再編など,公共交通の利便性向上にも取り組まれ,交通渋滞は昔に比べて大きく改善されてきています。  しかし,幹線道路網は断片的な整備にとどまっている部分もあり,まだ十分ではありません。現在,企業は産業活動を実施する上で,輸送時間の増加,トラック台数の増便,昼夜二直体制による配送,在庫負担費用の増加など,多くの負担を背負っていながら,懸命に改善努力を実施しています。広島デルタ地域における人の往来や物流を停滞させる渋滞は,ある試算によると大きな経済損失があるとの指摘があります。このような状況を鑑みると,瀬戸内海に接する広島市広域にまたがる東西方向,南北方向の道路ネットワーク強化は急務と言えます。  ただ,広島市は川が多く,橋を越えるたびに渋滞が発生する傾向があり,道路ネットワーク整備が難しいのも事実です。そして,広島市の産業構造を踏まえると,より効率的かつ合理的に経済活動が可能となるように,臨海部などへの生産・物流拠点の新規導入を進めるとともに,企業立地の集中についても考えていくべきだと思いますが,これは到底すぐにできることではありません。道路ネットワークについては,今ある道路を最大限に活用しながら,足りない部分を補って効果を上げるように着実に取り組んでいく必要があると考えます。  そこでお伺いいたします。広島市が中四国地方の経済,産業,観光の中核都市,拠点として存在するために,公共交通ネットワークを加速させながら,道路については事業中の路線をしっかり進めていただくことはもちろんですが,計画検討路線も含めた将来の広域的な幹線道路ネットワークにおいて,その中でも特に,高速道路につながる部分となる広島南道路の商工センター以西の木材港西から廿日市インターへの接続や高速4号線への延伸が必要になってくると思いますが,その検討状況はどうなっておりますでしょうか。また,市は今後どのように取り組んでいくお考えでしょうか。  最後に,本市の課題解決に向けた人材育成についてお伺いいたします。  本市は被爆という歴史的背景,デルタ地帯に集中している経済・産業構造,橋が多く,かつ空き地がなく密集した土地空間など,他都市に比べて都市や道路交通,そしてスポーツ環境など,新規事業が難しい都市であると言えます。したがって,その課題は大半が単に各課だけで解決できるものは少なく,局や部,課をまたぐ困難なものが多いというのが現状です。例えば,豪雨時の雨水排水不良を解消するためには,下水道局をはじめ,自動車の乗り上げをスムーズにするためのセーフティープレート撤去,落ち葉が原因である排水溝の詰まり対策など,関連部局の連携した取組が必要となってきます。  本市の職員は,与えられた職務をルールにのっとり,誠実で愚直に頑張っておられますが,本市を取り巻く複雑かつ多様化した社会環境における難解な課題を解決するためには,事実を確認することは当然ながら,幅広く高い視点で理想を描き,自分発で実行できる人材が不可欠だと思います。  そこでお伺いします。本市では職員の育成についてどのように取り組んでおられますか。  また,複雑な課題解決に向けて,本庁の部局内だけでなく民間の立場・視点で考え,行動する必要があります。  そこでお伺いします。そういった職員を育成するためにも,民間との人事交流を強化してはどうでしょうか。具体的には,民間企業への職員の派遣や,民間企業からの職員の受入れを進めてはどうでしょうか。  以上で,市民連合会派を代表した一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       岡村議員からの御質問にお答えします。  子ども・子育て支援についての御質問がございました。  先ほど議員からも御紹介いただきましたとおり,近年の急速な少子化の進展は,子供たちの健やかな成長,さらには将来的な社会構造全体に及ぼす影響が懸念されております。未来を担う子供たちの健やかな成長を確実なものにしていくことは,国家的な喫緊の課題であると同時に,我が市の未来の在り方にも関わる重要課題であると認識しています。  そうした中,私は平成28年2月に広島型・福祉ビジョンを公表し,高齢者と子供に着目して自助・共助・公助の適切な組合せにより,地域ごとの実情に応じた福祉の再構築を着実に進めてきているところであります。  子ども・子育てに関しては,国レベルでは主に厚生労働省と文部科学省の2省に関わる課題として諸施策が展開されているところでありますが,本市においては,安心して子供を産み育てることができる環境づくりに向けて,関連諸施策が一体的に機能するように取り組んでいるところです。  また,その際,家庭内での子育てである自助をこれまで以上に支援するため,共助や公助を強化することで,未来を担う子供たちを社会全体で支えていくまちづくりを進めており,保育園の待機児童解消に向けた受皿の整備,児童虐待防止に向けた児童相談所の体制強化,地域における子育て支援事業の拡大などに取り組んでいるところです。  こうした状況の中,本年3月には第2期の広島市子ども・子育て支援事業計画を策定し,各種の支援施策を総合的に推進しているところですが,今申し上げた考え方の下,子ども・子育て支援施策を全体としてさらに充実させ,それを確実に進めていけるよう,今後も皆様の御理解,御支援を賜りつつ,本市の重要課題の一つとして全力で取り組んでまいります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  子ども・子育て支援についてのうち,二点の御質問にお答えいたします。  初めに,こども医療費補助制度について,平成29年に制度改正を行い,その後どのような検証を経て今回の見直しに至ったのかについてです。  こども医療費補助制度については,平成29年1月に行った制度改正の効果等を見定めるため,同年8月に,未就学児から中学3年生までの子供の保護者を対象としたアンケート調査や,こども医療費補助の給付実績を基に受診動向等の比較などを行う,子どもの健康・医療等実態調査を実施いたしました。このうち,保護者を対象としたアンケート調査では,一部負担金の上限額の引上げを理由に医療機関を受診させなかったことがあるかどうかを尋ねたところ,約8割の保護者が,受診させなかったことはないと回答をしました。  また,受診させなかったことがあると回答した約2割の保護者が実際に受診させなかった理由は,最初は受診させようと思ったが,子供の様子を見て受診させなくてもよいと判断したためという回答が大半であり,医療機関で患者負担を支払うことができないと思ったためという回答はありませんでした。また,子どもの健康・医療等実態調査において,一部負担金の上限額が異なる未就学児について,医療機関の受診率を比較したところ,大きな差は認められませんでした。  その後,こうした実態調査の内容を踏まえて,こども医療費補助制度について医師会と意見交換を重ねる中で,小児科医会からアレルギー疾患を含む慢性疾患を患う子供の医療費の負担が重くなっているとの意見を頂きました。本市におきまして,厚生労働省が3年に一度実施している患者調査を調べたところ,近年では4歳以下の子供について,継続的な通院治療を必要とするぜんそく等のアレルギー疾患の患者数が急激に増加していることが分かりました。  こうしたことから,継続的な通院治療を必要とする未就学児の医療費の負担軽減を図るため,同じ医療機関へ同一の傷病で継続して通院する場合,初診時に限り1,000円を負担すれば,その後の一部負担金が生じないよう見直すことにいたしました。  また,本市が平成30年度に,未就学児から小学6年生までの子供のいる世帯を対象として実施した子ども・子育て支援に関するニーズ調査では,子育ての精神的負担を減らすために必要な支援や,国や市などの行政に期待することとして,子育てにかかる経済的支援の充実を回答した者の割合は約6割であり,経済的支援に対するニーズが高いことが明らかになりました。  このため,より多くの子供の健全な発育をさらに促進するよう,通院の補助対象年齢をまずは小学6年生までに拡大することにしたものです。  次に,こども医療費補助制度について,政令指定都市の中でどのように議論を進め,国に対し問題提起をしようとしているのかについてです。  本市では,国が教育の分野における少子化対策・子育て支援の取組として幼児教育・保育の無償化に踏み切った今,医療の分野の取組として,子供への医療費助成制度について,医療制度の在り方も含め,そのあるべき姿を政策としてどう考えるべきか,国に対して問題を提起する必要があると考えております。こうした考えの下,昨年11月に開催されました指定都市市長会の厚生・労働部会において,本市からの提案により子供への医療費助成制度の在り方について,幼児教育・保育の無償化と対比しつつ,無償化するのか,住民税非課税世帯等に限定するのか,国民健康保険の国庫負担金等の減額措置も含め,政策としてどう考えるべきか,意見交換を行いました。  また,本年8月には,自治体における子供への医療費助成制度の現状や課題について研究し,指定都市が抱える問題意識を国への要請文に反映させることを目的として,本市が事務局となって,子ども医療費助成制度のあり方に関する研究会を設置いたしました。今後この研究会では,課題の解決に向けた議論を重ねた上で,子供医療費助成に係る統一的な制度創設の要請文を取りまとめ,令和3年度内に国へ要請していくことにしております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       子ども・子育て支援について数点の御質問にお答えいたします。  まず,就学援助制度についてです。  今回の見直しはどのような考えの下に行ったのかというお尋ねです。  本市の子ども・子育て支援施策については,将来を担う子供たちを安心して産み育てることができるよう,各施策の見直しを随時行いながら,支援施策を全体として充実するとともに,将来にわたって安定的に運用できるようにすることとしています。  就学援助制度の見直しについては,令和2年2月の広島市行政経営改革推進プランに位置づけ,制度の課題を解消し持続可能性を高めるという観点で,制度の見直し方策を検討することにしました。  具体的には,生活保護を受けている者に準ずる程度に困窮している者──準要保護者を認定する際に用いる算定式が,約30年間見直されておらず,算定式の基礎となる生活保護基準額が平成元年度のままとなっており,現在の生活保護基準額との乖離が生じていること,また,申請者が負担する社会保険料を二重に考慮する運用になっていることの解消を図る方策について検討することとしておりました。  その検討の結果,見直し内容は,準要保護者とは,生活保護を受けるための直接的な基準は満たさないとしても,総合的に判断したときに同程度の者であることから,算定式に用いる生活保護基準額を直近の令和2年度のものに更新して,生活実態に沿ったものとし,生活保護基準額に乗じる係数を社会保険料相当の1.13から1.0として社会保険料控除の重複を解消するとともに,社会保険料はその負担額が大きく,また加入する医療保険の種類によっても負担額に大きな差があることから,審査用所得の算定において別途,社会保険料の実額を差し引く取扱いを継続することとしました。さらに,準要保護者の生活実態に配慮し,算定式に用いる生活保護基準額に新たに学校給食費や教材代,交通費を加え,生活保護の要否判定に用いる教育扶助の全項目を算入するとともに,学習支援費を対象項目に追加し,基準額の充実を図ることとしました。  このように今回の見直しは,要保護者に準ずる程度に困窮している者に対する経済的支援策である就学援助制度を,本来あるべき姿に改め,持続可能性を高めようとしたものです。  次に,見直し後,就学援助を受けられなくなったり,収入が激減したりするような場合にはどういった対応を取るのかという御質問です。  見直しに伴い,令和3年度に就学援助を受けていた一部の者が就学援助を受けられなくなることがあった場合は,急に援助が受けられなくなり計画的に生計を維持していくことが難しくならないよう,支援を徐々に減らしていく激変緩和の手法で救済していきたいと考えております。  具体的には,見直し前の令和3年度認定基準により認定を行い,経過措置として,1年目の令和4年度には4分の3,2年目の令和5年度には2分の1,3年目の令和6年度には4分の1と,段階的に減額して支給することにし,丁寧な対応に努めます。  なお,現行制度においては,失業・休業,賃金の大幅な切下げなどで世帯の収入が激減した者,働き先を解雇された者,廃業を余儀なくされた自営業者など,特別な事情で収入が激減した場合も就学援助の対象としており,新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるものも含め,児童生徒の世帯の状況に応じ,きめ細かく対応できるようにしております。  児童生徒の保護者には,こうした制度を積極的に活用していただきたいと考えており,今後とも,学校から保護者にお渡しするチラシやホームページ等を通じて,広く周知していきたいと考えております。  次に,放課後児童クラブについてです。  まず,基本時間部分を有料化しようとする理由は何かという御質問です。  本市における放課後児童クラブは,従来,国のガイドラインに基づき留守家庭子ども会事業として実施してきましたが,平成27年度から児童福祉法の改正に伴い,対象児童の上限をそれまでの小学3年生から6年生へ拡大するとともに,施設設備や職員配置に関する基準を条例で定めた上で,現在,児童福祉法に基づく事業として実施しております。  放課後児童クラブの運営経費については,その2分の1を利用者が負担し,残りを公費で負担するという考え方が国から示されているところですが,この事業の前身となる留守家庭子ども会において,対象児童が低学年に限定され,また利用率も低く,結果として財政負担もそれほど大きくなかったことなどから,長年,受益者負担を求めておらず,その扱いを現在まで継続しておりました。  しかしながら,児童福祉法に基づく事業となった平成27年度以降,対象児童が全ての学年に拡大され,また,利用率も年々上昇していることに伴い,運営経費も増加しており,このままでは現行のサービス水準を維持しながら持続的に運営していくことも困難になる可能性があります。また,平成30年度に実施した利用児童の保護者を対象としたアンケート調査の結果,9割近くの方がサービス向上を求めていることや,7割を超える方がサービスの維持・向上のためには一定の負担もやむを得ないと考えていることが明らかになっています。  こうしたことから,今後,保護者のニーズに応え,満足度がさらに高まるようなサービス向上策を実施しつつ,将来にわたって放課後児童クラブを安定的に運営していくためには,運営経費の一部について,受益者負担をお願いする必要があると考えたものです。  次に,料金体系や負担軽減措置について,どのように考えているのかという御質問です。  料金体系については,現在検討しているサービス向上策の詳細が固まり次第,今後の放課後児童クラブの運営経費について試算し,他都市の状況なども踏まえながら検討していきたいと考えております。また,負担軽減策については丁寧に検討を行い,経済的な理由で利用が困難とならないよう配慮したいと考えております。  最後に,サービス向上策の検討状況はどうかという御質問です。  保護者アンケートの結果,ニーズが高いことが把握できた項目としては,長期休業中等の昼食の提供,施設面の改善,第2土曜日の開所,市によるおやつの提供などがあります。現在,こうした項目を中心に,費用対効果や指導員の負担等を考慮しながら,サービス向上策の具体的な実施方法などの検討を行っているところであり,詳細が固まりましたら,改めて議会に報告させていただきます。  以上でございます。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     核兵器のない世界に向けた取組強化についての二点の御質問にお答えいたします。  本市は核兵器のない世界を実現するために,核兵器禁止条約の発効を契機に,さらに取組を強化していくべきと考えるがどうかについてです。
     議員御指摘のとおり,核兵器廃絶を実現するためには,核兵器禁止条約を実効性のあるものにし,核保有国や核の傘の下にある国を含む全ての国が署名・批准することが必要です。そのためには,各国の為政者が被爆の実相や核兵器の非人道性を踏まえれば,核抑止に頼る政策は成り立たないものであるということを十分に認識し,かつ勇気を持って大きな政策転換を行う必要があります。  本市としては,これまで,各国為政者の政策転換を後押しするためにヒロシマの心を国内外の市民社会に発信し,核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた世論の醸成を図る取組を進めてきました。こうした中,核兵器禁止条約の発効は,市民社会において価値観の転換が進んでいることを公にするマイルストーンとも言えるものであり,この機にそうした取組を一層加速させていきたいと考えています。  具体的には,核兵器のない世界を実現するために,市民一人一人が日常生活の中で平和について考え,行動することがより根源的な課題であると考え,平和への取組が市民社会に着実に定着するよう平和文化の振興の取組の中で,引き続き世論の醸成を図っていくこととしています。今後,核保有国やその同盟国を含めた各国の加盟都市との緊密な連携の下で,市民を巻き込んだ平和をテーマとしたイベント等を開催するなどの取組を進め,平和への大きな潮流をつくっていきたいと考えています。  また,こうした環境づくりの中で,価値観の転換が進んでいるということを直接受け止めてもらえるよう,日本政府に対し,先月,まずは締約国会議にオブザーバーとして参加し,核保有国と非核保有国の橋渡し役としてリーダーシップを発揮していただくよう,市長が長崎市長と共に要請するとともに,こうした政府の取組を支援してもらうため,各政党の党首や核兵器廃絶に係る議員連盟の代表に対しても,一刻も早い同条約への署名・批准に向けて,国会での活発かつ建設的な議論を行っていただくよう要請したところです。  次に,広島市への転入者を対象に,平和記念資料館の見学を促す取組などを進め,原爆や平和について関心を持ってもらうようにしてはどうかについてです。  本市へ転入される方々が,平和記念資料館の見学などを通して被爆の実相に触れ,原爆や平和について関心を持っていただくことは重要であると考えています。このため,本市では転入者に対し,区役所の窓口で配付している広島市市民くらしのガイドにおいて,平和記念資料館をはじめとする平和関連施設を紹介しているところです。  今後,原爆や平和に関する情報発信について,さらに強化したいと考えており,チラシや広報紙,ホームページなどの従来の広報媒体に加え,本市公式LINEなどのSNSを活用して,平和記念資料館の新着資料展や企画展などの情報をタイムリーに発信することとしています。  こうした取組を通して,転入者をはじめ,多くの市民に原爆や平和について関心を持ってもらうよう努めてまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       こども未来局長。 ◎松井勝憲 こども未来局長  生活環境が変化した児童生徒への福祉支援について,支援を必要とする児童生徒の世帯に対し,児童手当や児童扶養手当などの福祉施策が届くよう,福祉部局と学校現場の連携を強化してもらいたいがどうかの御質問にお答えいたします。  適切な養育を受けていない児童生徒を早期に把握し,必要な支援を速やかに行うことは重要であると考えております。  保護者が死亡された場合や離婚された場合等に必要となる諸手続を区役所で御案内する際には,児童手当や児童扶養手当などの福祉施策の手続も併せて御案内しているところです。また,学校の教員等には,日常的に児童生徒と接する中で,生活状況等の異変に気づいた場合に,各区のこども家庭相談コーナーや児童相談所に情報提供していただくこととしており,こうした情報を受け,必要な支援につなげているところです。  こうした中,議員から御指摘がありました事例につきましては,先月,小学校及び中学校の校長会において紹介し,支援を必要とする児童生徒の早期発見への協力などについて改めて学校長に依頼を行ったところです。また,例年,児童生徒の保護者に対して配付する就学援助のお知らせの中で,児童手当,児童扶養手当などに関する情報を新たに掲載するよう教育委員会と調整を進めているところであり,引き続き関係機関がしっかりと連携しながら支援を必要とする児童生徒への対応を行ってまいります。  以上です。 ○山田春男 議長       都市整備局指導担当局長。 ◎胡麻田泰江 都市整備局指導担当局長  急傾斜地崩壊対策事業の加速についての御質問のうち,土砂災害対策改修の補助対象が容易に分かるよう,案内チラシを改善してはどうかとの御質問にお答えいたします。  議員御指摘の住宅・建築物土砂災害対策改修補助は,土砂災害特別警戒区域が指定される以前から当該区域に建てられており,人が継続して使用する部屋を有する建築物について,所有者自ら土砂災害対策を行う場合,その経費の一部を補助するものであり,個人の住宅はもとより,民間企業の事務所や作業場などの建築物についても補助対象としているものです。  こうしたことから,案内チラシでは補助対象について,住宅や建築物と表記しておりますが,今後は,議員から御指摘のありましたように,一読して容易に補助対象が分かるよう,事務所や作業場などの具体例を追記するなど,表記に工夫を凝らしてまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       下水道局長。 ◎油野裕和 下水道局長    急傾斜地崩壊対策事業の加速についてのうち,二点の御質問にお答えいたします。  まず,レッドゾーンは必要な対策を講じれば解除できると聞いているが,このことについて住民には伝わっているのかについてです。  土砂災害特別警戒区域,いわゆるレッドゾーンは,急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命または身体に著しい危害を生じるおそれがあると認められる土地の区域であり,県において指定されるものです。このレッドゾーンにおいて,急傾斜地崩壊防止対策や砂防堰堤の整備等の防災工事を実施し,指定事由がなくなったと県が判断すれば,指定は解除されます。  これに関して,区域を指定する県に確認したところ,レッドゾーンを解除した実績はあり,この場合,あらかじめ法に基づき,対象地区の住民に対し,レッドゾーンの解除を反映した区域図を送付の後,公表しているとのことでした。  次に,レッドゾーンの解除につながる急傾斜地対策は,本市が率先して土地所有者等の同意を促す方策を検討する必要があるのではないか,また,土砂災害の危険性について住民に対する周知を強化することも必要ではないかについてです。  公共施行の急傾斜地崩壊対策事業では,人命保護の観点から工作物の設置等の許可を必要とする急傾斜地崩壊危険区域を県が指定することとしており,その際,要望に必要な土地所有者等の同意を求めていますが,様々な事情から土地所有者等の同意の取りまとめに際し,相応の時間を要している場合があることは承知しています。  また,本市では,近年頻発している豪雨等への防災・減災対策として,本年度は過去最大の事業予算を確保して事業を推進しているところですが,一方で,要望数に比べ,いまだ多くの未対策箇所がある実態から,土砂災害の危険性が十分周知されていない可能性も考えられます。  このため,議員の御指摘を踏まえ,まずは本市ホームページや広報紙「ひろしま市民と市政」などを活用しながら,土砂災害の危険性や要望手続を含めた公共施行の制度概要を分かりやすい形で一元的に掲載するとともに,出前講座や随時個別の御相談にも応じていくことで土地所有者等の理解や一層の周知を図り,事業を推進していきます。  以上でございます。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     市立図書館,こども文化科学館のリニューアルについての三点の御質問にお答えいたします。  まず,広島市立図書館を単に知識・情報を得るだけの場所ではなく,全ての人に本の世界を開放し,印刷資料と電子資料の両方を統合して利用できる,いわゆるハイブリッドな図書館にしてはどうかについてです。  広島市立図書館では,情報化の急速な進展に伴い,インターネットを通じた情報提供などの充実に取り組んでおり,全13施設への利用者用のインターネット端末の設置,さらに中央図書館への無線LANを利用できる席や全国紙のオンラインデータベース等の商用データベースを閲覧できる席の設置など,インターネット利用環境の整備を行っています。また,広島市立図書館所蔵の貴重資料を後世に確実に引き継ぎ,将来にわたって市民が活用できるよう,浅野文庫や,広島にゆかりの深い文学者の著書や自筆原稿等のデジタルアーカイブ化に取り組んでおり,図書館ホームページ上で公開しています。  今後,ますます情報化の進展が見込まれることから,印刷資料に加え電子書籍の導入など,電子資料の充実を図り,住民のニーズに対応できる情報拠点となるよう着実に取組を進めていきたいと考えています。  次に,こども文化科学館を単に科学に親しむだけでなく,広島の物づくり産業との関わりを一貫して学び,体験できる場としたらどうかということについてです。  こども文化科学館は,昭和55年に開館した博物館施設で,子供たちに「みる・ふれる・ためす・つくる・たしかめる」という体験的な手法を通して,科学や文化に関する興味・関心を高め,創造する心を育てることを基本方針としています。このため,同館の事業は基礎的な科学の原理や,それを応用した科学技術を,五感を通して楽しみながら学ぶことを根底に展開しているところです。  一方,議員御指摘のように,科学技術の具体的な応用として,物づくりに興味を持ってもらうことも重要であると考えており,これまでも地元の企業等から資金や役務の協力による企画展や科学教室,創作教室等を実施しています。  今後とも,科学に親しむとともに,物を作る喜びを体験し,地域に愛着を持つことができる機会を設けていきたいと考えています。  最後に,こども文化科学館の更新に当たっては,科学・技術・産業をその発展の過程とともに学べる総合施設── 広島市科学・産業歴史館を検討してはどうか,できれば図書館と広島市科学・産業歴史館は広島市民の世界観が広がる総合学習施設としたらどうかについてです。  こども文化科学館は,40年にわたり科学に親しむことができる身近な施設としてその役割を果たしてきましたが,今後の施設の在り方については,令和2年3月に策定された中央公園の今後の活用に係る基本方針において,中長期的に,耐用年数を迎える公共施設を必要に応じて集約しつつ,機能更新を図ることなどを検討することとしています。  その検討に当たっては,将来に向けてこの館にどういう機能が必要となるのか,幅広い御意見を聞きながら整理し,具体化を図っていきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   広域的な幹線道路ネットワークについての御質問がございました。  広島南道路の商工センター以西の木材港西から廿日市インターチェンジへの接続や,高速4号線の延伸が必要と思うが,その検討状況はどうか,また今後どのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。  広域的な幹線道路ネットワークについては,広島広域都市圏域における交流・連携を一層強化していくための基盤となるものであり,国や県など関係機関と連携して整備に取り組んでいます。その整備効果をさらに高める次の展開としては,つながっていないネットワークを連続させることにより,本市デルタ部と周辺市町とのアクセスを円滑にすることが重要であり,現在,広島南道路の廿日市木材港西から廿日市インターチェンジまでの区間や,広島高速4号線の山陽自動車道への延伸などの検討を進めているところです。  このうち広島南道路については,国に対して早期整備を働きかけてきた結果,国が主体となって,事業主体や事業手法など整備方針の検討が進められています。また,高速4号線の延伸については,最短経路で山陽自動車道に接続するルート案で検討を進めており,国やNEXCOなど関係者間での基本的な合意が得られた後,環境影響評価や都市計画決定などの事業化に向けた手続に入りたいと考えています。  今後とも,広域幹線道路ネットワークの整備については,広域都市圏の経済の発展や防災機能の向上という観点に立ち,国や県などの関係機関とともに優先順位を考えながら取り組んでまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   本市の課題解決に向けた人材育成について,二点の御質問にお答えいたします。  まず,本市では,職員の育成についてどのように取り組んでいるのかについてです。  本市では,複雑・多様化する行政ニーズに的確に対応し,市民に質の高いサービスを提供できるよう,職員の育成に積極的に取り組んでおります。  具体的には,まず,職務遂行に必要な知識・技能の習得を目的として,新規採用職員をはじめとする階層別の研修,個々の職場におけるOJTを実施するとともに,契約事務や文書事務など各所属に共通する実務などを学ぶ各種の実務能力養成講座を開催しています。また,幅広い見識や専門性の高い知識・技能の習得,政策形成能力の向上を目的として,市政を取り巻く環境変化や課題解決に向けたヒントを学ぶ市政課題セミナーや,各局・区等から推薦された中堅職員が本市の直面する課題をテーマにグループ研究し,政策提言を行う行政課題研究を実施するとともに,中央省庁や自治大学校等,専門研修機関,海外への派遣研修などを行っています。  引き続き,こうした取組を充実させながら,職員一人一人の職務遂行能力と意欲を高めていきたいと考えています。  次に,民間の立場・視点で考え行動する職員を育成するためにも,民間企業への職員の派遣や民間企業からの職員の受入れを進めてはどうかについてです。  今後とも,効果的かつ効率的に,質の高い行政サービスを提供していくためには,市民ニーズを的確に酌み取り,効果の高い政策を立案できる職員を育成していくことが必要であると認識しております。このため本市では,国,県や近隣市町だけでなく,効果的な行政展開を図る上で連携が欠かせないと認められる民間企業との間でも人事交流を実施し,職員の能力を高める機会としており,現在,地元の金融機関等との間で相互に職員を派遣しています。  この民間企業との人事交流を通じて,職員は専門知識や経験だけでなく,民間のノウハウや発想力を習得できるほか,職員が地域の課題を認識する貴重な機会の一つとなっております。また,本市に受け入れた民間企業の職員が本市の業務に携わることで,同じ職場で働く職員の意識改革につながることも期待できます。  今後とも,こうした取組を進めることにより,職員の政策形成能力の向上や意識改革を図っていきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       1番岡村議員。 ◆1番(岡村和明議員) 丁寧な回答ありがとうございます。追加質問はありません。とはいえ,答弁に対するお礼と幾つか要望を述べさせていただきたいというふうに思います。  まず,核兵器のない世界に向けた取組強化についてです。  政府への度重なる要請,本当にありがとうございます。日本が署名・批准するまで粘り強く共に頑張っていこうというふうに思います。とはいえ,最も大切なことはやはり国民全員が核兵器禁止条約の署名・批准に関して賛成の意思を示すことだと思います。すなわち国民の総意であることです。  そこで一つ要望がございます。臓器提供の意思表示のドナーカードというのがございます。これを参考にして,核兵器禁止条約への意思を宣言する仕掛けをつくって,その宣言結果を核兵器禁止条約の署名・批准活動をはかる物差しとして活動のPDCAサイクルを回してはいかがでしょうか。取組の問題点が見え,より効果的な施策につながると思いますので,よろしくお願いいたします。  次に,生活環境が変化した児童生徒への福祉支援についてです。  既に福祉と学校の連携を強化していただいており,本当にありがとうございます。安心いたしました。学校が教育に専念できるよう,重ねてお願いいたします。そして,引き続き,子供が安心して成長できるよう見守っていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。  その中で,再発防止として一つ要望があります。住民票と住所,これは訳があって違う場合が多々ございますが,適切な福祉を提供するためには住民票が正しいことが必要な条件だと思います。プライバシーに関わる可能性があり,慎重に進めなければならないというふうに思いますが,住民票と住所が違う児童生徒に関して,その理由,すなわち養育の状態を確認していただければというふうに思います。御検討をお願いいたします。  次に,子ども・子育て支援についてです。  市長の心強い決意,ありがとうございました。誰一人取り残されてはなりません。支援環境を検討する上で,やっぱり大切なことは,公平性と確実性と網羅性だと思います。全ての子供に福祉の手が届く施策をお願いいたします。  次に,急傾斜地崩壊対策事業の加速についてです。  急傾斜地崩壊対策事業は,土地管理者,所有者の同意がないと市が取り組むことができないということは承知しております。ただ,住居というのは一生に一度の買物であります。この大切な住居を守るために行政は一歩踏み出し,土地所有者の心を動かしたり,人間関係悪化を危惧して申し出ることができない住民の背中を押していただきたい,それが私の願いです。より市民の皆様に寄り添った対応をお願いいたします。  次に,市立図書館,こども文化科学館のリニューアルについてです。  市立図書館とこども文化科学館は,学びの拠点として重要な役割を果たしていく必要があります。時代に即した運用,イベントをよろしくお願いいたします。現在,取り組まれている地元企業の協力による企画展や科学教室は,将来の科学館のリニューアルにつながる大切なベースとなります。企業とタイアップしてどんどん取り組んでいただきたいと思います。  実は今回,広島を大切に思う子供たち,これを育てたいという一心で質問をさせていただきました。議員になり,市民の皆様と接する機会も増え,過去の皆様の努力や苦労話をよく伺いますが,そのたびに先輩たちに感謝し,広島をますます好きになっている自分がここにおります。もっと早く知っておけばということも度々でございます。これをもっと子供たちに伝えたい気持ちでいっぱいです。  そのため,広島の産業,経済がどうやって,なぜ発展してきたのか,そしてどんな苦労があったのか,その意味,背景,思想といった歴史を体系的に楽しく学び,体験する場が必要だと思います。産業と科学と技術,これは切り離すことができません。学問も同じです。産業と技術と科学の歴史を学び,体験することを通じてチャレンジ,チームワーク,粘り強さといった広島の心に共感してもらいたいというふうに思います。できればこの総合施設は,年配者が子供を連れて訪れ,広島の歴史をつなぐ場になればいいというふうに思いますので,中長期とは言わず,考えていただければというふうに思っております。  最後に,幹線道路ネットワークの件と人材育成について述べさせていただきます。  やはり広島においてのいろんな観光道路,いろんな政策というのはなかなか実施するのが難しい環境にあるというふうに思います。例えば道路は観光にとってなければいけないのか,さらに広域にどう連携すべきか,さらには消防とか危機管理,産業,生産,物流,そして陸海空との連携,さらには自転車や歩行者の立場で物事を考えなければ進まない課題ではあると思います。局の連携が大変必要になってくると思います。さらに民間との連携も必要です。これから風通しのよいオープンな意見が言え,ディスカッションできる広島の風土づくりに取り組んでいただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。 ○山田春男 議長       次に,11番吉瀬康平議員。                〔11番吉瀬康平議員登壇〕(拍手) ◆11番(吉瀬康平議員) 皆様,お疲れさまです。日本共産党の吉瀬康平です。  会派を代表いたしまして一般質問を行います。  初めに,核兵器禁止条約についてお聞きしてまいります。  去る10月24日,中米ホンジュラスが50か国目の核兵器禁止条約の批准国となり,90日後の1月22日に発効することが確定し,被爆地の悲願の実現に喜びで胸躍る思いです。  被爆地が喜びで沸いている一方で,岸信夫防衛大臣が有効性に疑問を感じざるを得ないと述べるなど,政府は核兵器禁止条約への参加を拒絶しています。広島・長崎両市が求める,締約国会議を日本でという提案にも,菅首相は,日本は批准していないからと否定的です。広島市議会は10月の臨時議会で,日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める二度目の意見書を採択し,長崎市も同様の意見書を国に上げました。今年6月の日本世論調査会の調査によれば,日本政府が核兵器禁止条約に参加すべきと答えた人は72%に達し,核の傘が必要だという人は8.6%にすぎません。  日本政府は参加しない理由として,核保有国が参加しない条約には実効性がないとしています。しかし,国際法で,非人道的で違法な兵器と位置づけた国際規範ができたことによる影響は大きく,だからこそ米ロなど核兵器保有国が,実効性がないと主張しながら,各国にこの条約に賛成・批准しないよう繰り返し圧力をかけてきました。こうした条約の発効を妨害する行動は,この条約による道義的・政治的な圧力を核保有国が恐れていることの表れです。今後,この条約への支持と参加が広がっていく中で,核保有国は核兵器廃絶への行動を一層強く迫られることになるでしょう。この核兵器禁止条約の実効性についてどのようにお考えか,市長の御見解を伺います。  これまで日本政府は,核保有国と非保有国の橋渡しをすると主張してきましたが,もはや橋渡し論の破綻は明白です。日本政府は核兵器禁止条約に反対する一方,国連総会に毎年,核兵器廃絶決議を出しておりますが,今年出した決議案の賛成は過去最少で,一昨年と比べると21か国も減少しております。決議案は,米国に配慮し,核兵器禁止条約に一切触れず,核兵器廃絶を究極の課題と先送りしていることに加え,核兵器の非人道性に対し「深い懸念」としていたものを「認識」へと,大きく後退させたことも問題視されました。特に,共同提案国が2016年には109か国だったのに,このたびは26か国へと激減しました。過去のNPT再検討会議の合意について,履行することという文字を削除したこと,包括的核実験禁止条約の批准を求める記述が曖昧になったことから,NATO加盟国の中からも支持できないとの声が上がりました。  市長は,日本政府の橋渡し論についてどのようにお考えか伺います。  今年9月21日,NATO加盟国のうち20か国と日本・韓国の22か国の56人の元首相や元外相らが,自国の政治指導者に対して,勇気と大胆さを示して核兵器禁止条約に加わらなければならないと訴える公開書簡を発表いたしました。同盟国の米国に対して,友人として命を危機にさらす向こう見ずな行動を行おうとするとき,率直に助言できるし,しなければならないと述べ,米国の同盟国にも変化が生まれています。NATO加盟国のベルギーが政権交代後,批准に前向きと伝えられ,ドイツの国内世論も禁止条約への加盟に賛成が過半数を占めているといいます。日本が批准すれば,同じ核の傘の下にある国に広がる可能性が出てきます。そうなれば,残るは核大国5か国と四つの保有国となり,いよいよ国際世論から包囲されることになります。  唯一の戦争被爆国,日本政府が批准することは,道義的・政治的な責任でもあり,被爆国にふさわしいイニシアチブを発揮してこそ核大国を動かし,核兵器廃絶へ前進できます。市長は,日本政府が核兵器禁止条約を批准することが核兵器廃絶に向けてどのような力を発揮するとお考えでしょうか伺います。  次に,黒い雨裁判の判決及び市が国や県とともに控訴したことについて,三点伺います。  まず,今回控訴を主導した国は,原判決が十分な科学的知見に基づいたとは言えない判決内容となっていると主張しておりますが,そもそも現行の対象区域自体,残留放射線量や被曝線量など,国が言う科学的根拠を求めていないにもかかわらず,今回だけ科学的根拠を求めるのは現実的でもないし,筋も通らないと思いますが,市はどのようにお考えでしょうか,お答えください。  次に,松井市長は8月12日の記者会見で,控訴に至る経緯と理由について説明をしておられます。その中で,第一に,国から黒い雨降雨地域の拡大も視野に入れた再検討を行うとの方針が示されたことを重く受け止めたこと,第二に,被爆者健康手帳交付事業は法定受託事務であり,法律上適切に履行しなければならない立場にあることから,控訴の判断をしたという趣旨が述べられております。また,判決を前にした7月13日の記者会見の中で,被爆者援護法に基づく事務は法定受託事務であり,国の手足として動かなければならない立場であるとの趣旨の発言をしておられます。  まず,第一の問題ですが,市長はこの判決をどのように理解されたのか疑問です。控訴しなかった場合,84人の原告だけが被爆者健康手帳の対象となるとの御認識でしょうか,お答えください。判決は,第一種健康診断特例区域外であっても,原爆が投下された際及びその後において,黒い雨を直接浴びるなどしたり,黒い雨降雨域で生活をしたりして黒い雨に曝露した者は,健康管理手当の支給対象となる11種類の疾病に罹患したことを要件として,被爆者援護法1条3号に該当すると解するのが相当であると述べられています。  つまり,今回の原告以外の者が黒い雨を浴びたと証言し,それが不自然・不合理な点がなく,なおかつ11種類の病気を発症していれば,被爆者健康手帳の交付ができるということです。別に新たな検証など必要がありません。この点について,市はこの判決をどのように受け止めたのかお答えください。  第二の問題ですが,市長の御見解は,以前の機関委任事務とそれを廃止して設けられた法定受託事務を混同しておられるのでないでしょうか。  旧機関委任事務は,確かに国が決めたとおりに国の指導に従って事務を行わなければなりませんでした。しかし,それは地方自治の趣旨に反するということから見直しが行われた結果,旧機関委任事務は廃止され,それに代わって法定受託事務が導入されました。  地方自治法245条では,自治権が保障されている地方自治体の事務に国が関与することは,法律またはこれに基づく政令によらなければならないと定められており,法定受託事務については,1,助言,勧告,資料の提出の要求,2,個別の法令に根拠規定がある場合に,同意,許可・認可または承認,3,是正の指示,4,代執行ができると定められております。被爆者援護事務の場合,国の考えと違うという場合は,国は是正の指示ができるということになります。その場合,地方自治法245条の7第1項は,法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき,または著しく適正を欠き,かつ明らかに公益を害していると認めるときと,是正の指示を行う場合の条件を定めています。
     広島市が被告となった裁判での敗訴に対し,控訴を断念して判決を受け入れることが法令の規定に違反しているのでしょうか。著しく適正を欠き,かつ明らかに公益を害するものなのでしょうか。市はどのように考えられたのかお答えください。  市は県とともに控訴断念の判断をするに当たって,国と協議し,その承認を得ようとしましたが,承認を得ることができず,国の要請に従って控訴を行いました。しかし,市が判決に対してどのような対応を取るかは,自治権の問題ではないでしょうか。控訴するかどうかを判断する際に,国との関係で協議や承認や要請は,地方自治法のどのような根拠に基づいて行われたのかお答えください。  国の科学の名による検証など信用できません。判決を素直に読めば,救済できる黒い雨被害者は原告以外に広げることができます。広島市は,自治権を持った自治体として控訴を取り下げ,直ちに原告に被爆者健康手帳を交付するとともに,原告以外の黒い雨被害者に手帳交付の可能性があることを知らせるべきです。市の迅速な対応を要請いたします。どのようにされるかお答えください。  次に,新型コロナの対策と市民支援についてです。  全国の新規感染者が2,000人を超し,第三波の感染拡大が起こっています。菅首相は感染拡大への最大限の警戒感を言うだけで,PCR検査も8月のピーク時,1週間平均2.6万件を下回ったままであり,爆発的な感染を抑止するためにも大規模な地域集中的な社会的検査をはじめ,保健所の抜本的強化,医療機関の減収補填など,医療崩壊を起こさない体制整備と,そのための財政支援が不可欠になっています。  広島県はこの冬に向けて,インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行に対応するため,検査能力を3,800件から年度末には5,700件に拡充するとして,11月12日時点で県内の978か所のクリニックで唾液によるPCR検査採取ができる体制がつくられ,身近なところで検査ができるようになっています。  また,広島県は中四国最大の歓楽街,広島市流川に臨時診療所── 流川積極ガード診療所を開設し,12月28日までの毎週月曜日,16時から20時まで医師と看護師2名体制で,1時間に10名程度の診察による唾液PCR検査を実施しています。この取組は全国的にも先進的な取組です。これはコロナ感染から県民の命を守るための日本共産党の申入れに県知事が応えたものです。  県は,多数の市民と接触する医療従事者や重症化しやすい高齢者・障害者が入所している介護施設の職員に対し,定期検査を実施するとして,475の介護施設・障害者施設の1万8000人の職員への月1回の抗原検査と,検体採取やコロナ患者を受け入れている49の医療機関の医療従事者に月1回の定期的PCR検査を実施するとされておりますが,実際にPCR検査が実施されている病院は7病院しかないといいます。  医療従事者のPCR検査が進まない理由の一つとして,検査の結果,無症状の陽性者が発見された場合に,2週間の保護・隔離により現場の医師,看護師など医療スタッフの確保ができなくなることに対する不安が大きいと聞きます。広島市内で対象の医療機関及び介護施設等職員の検査はどのような実施状況でしょうか,お答えください。  さらに今,医療崩壊だけでなく,保育崩壊も懸念する声が現場から出されています。自然災害時には地域防災計画で避難所が定められておりますが,感染症に対する対応方針を定めた危機管理マニュアルはありません。保育園でクラスターが発生し,園を閉鎖しなければならない事態の際,在園児をどうするのか,また保育士が感染し,長期に職場を休まざるを得ない場合に代替の保育士はどう確保していくのか。安心して保育サービスを提供し,保護者の雇用を守ることができるように,感染症に対する危機管理マニュアルを市が作成すべきだと思いますが,市の考えをお聞きいたします。  新型コロナの第三波が到来する下で,自治体が公助の力を発揮し,市民の命と暮らし,営業を守ることがこれまで以上に求められています。中小の事業者からは,国の持続化給付金はもう使い切った,とても足りないという声が出ており,年末に向けて倒産・廃業が急増することが懸念される事態です。また,貧困世帯への影響も大きく,とりわけひとり親世帯では,半年以上続くコロナ禍による収入減でお米が買えない,また放課後児童クラブのおやつ代が払えないなど,子育てと暮らしが大きく脅かされている実態にあります。  コロナで職場が倒産し,非正規で複数の仕事をこなしながら何とか収入を得て暮らしをつないでいるという市民からは,公営住宅使用料や上下水道料金を減免してほしいとの声も届いております。特に貧困が深刻化しているひとり親世帯に対し,臨時交付金を活用し,市独自の応援金を早期に出して,命・暮らしを支えることが必要と考えます。国の地方創生臨時交付金を活用し,コロナ禍で生活苦に陥っている市民生活の支援として,上下水道料金の減免,売上げが減少した事業者への一律の5万円給付など,市独自の支援を行うべきではないでしょうか,市の考えをお伺いいたします。また,ひとり親世帯の暮らしの実態に対する広島市の認識もお尋ねいたします。  市は,家賃負担の軽減を行うテナントオーナーを支援する約30億円の予算を確保していますが,活用されているのは6億円にすぎません。なぜ2割と低い活用になっているのか,苦慮されている事業者の実態に沿った施策ではなかったのではないかと思いますが,市はどのように分析されておりますでしょうか,お答えください。大家の協力や理解がなければ活用できない,靴の上から足をかくような共助の制度ではなく,家賃の支払いに苦慮している事業経営者を直接助ける家賃補助制度へと制度を見直すべきではないでしょうか。どのようにお考えかお伺いいたします。  国に対し,広島市から,年末までの制度とされている雇用調整助成金の延長や,持続化給付金の複数回支給,家賃補助制度の期間延長など,営業と雇用を守るための既存制度の継続・充実を求めることが必要だと考えますが,市の考えをお聞きいたします。  子供の貧困は,先ほど述べたように,新型コロナでさらに深刻となっておりますが,そもそも子供の貧困はコロナ前からの課題でもあります。  市が2017年に行った広島市子どもの生活に関する実態調査の結果,小学校5年生・中学校2年生ともに,4人に1人が生活困難層であることが明らかとなりました。広島市は,新たな基本計画に社会的支援の必要性が高い子供・家庭へのきめ細やかな支援を掲げ,さらに,誰一人取り残さない社会の実現を目指すSDGsにも取り組んでおります。これを踏まえて,先日,広島市が出されました三つの子育て支援の見直しについてお聞きしてまいります。  まず,子供の医療費補助について。  このたびの見直しで,通院の対象年齢を小学校3年生から小学校6年生へと拡大し,未就学児の窓口負担が初診時のみになることとなります。私たちはこの間,年齢拡大を含めた制度の拡充を求めてまいりましたので,一歩前進だと受け止めております。しかし,2017年の実態調査では,生活困難層のうち小学校5年生・中学校2年生ともに医療機関への受診抑制の経験が一定数あり,市も生活困難度が高いほど医療受診を抑制する傾向が見られると結論づけている中で,このたびの見直しでは,経済的問題で受診できていない中学生たちが救えず,実態に合いません。  全国では中学校卒業までを補助している自治体が9割となっています。このたびの追加予算では6億2000万円となっておりますが,あと4億円追加すれば中学校卒業まで補助できることも明らかとなっています。昨年10月,幼児教育・保育の無償化において年間32億円の財源ができたにもかかわらず,なぜ中学校卒業まで引き上げられなかったのかお答えください。また,引き続き拡大の検討を行うとのことですが,他の自治体同様,中学校卒業までの補助はいつから行うのか,お答えください。  受益者負担の措置だとし,全国でも広島市のみが行う二重の所得制限の問題は,この間,何度も指摘してまいりました。保護者からは,所得に応じて応分の税金を納めているにもかかわらず,所得に応じて補助が受けられないのはおかしい,周りの保護者に所得が分かってしまい気まずい,そうした声が多く寄せられます。これも自助ということでしょうか。  所得制限のない自治体は全国で8割となり,所得制限をなくす流れが強まる中,所得制限に加え,所得基準を設けていることを市長は恥ずかしいと思われないのでしょうか,認識を伺います。さらに,制度の早期拡大が望まれていることから,2022年元日からではなく,年度開始である2021年4月1日から開始すべきと考えますが,市の考えをお聞かせください。  次に,就学援助についてです。  このたびの見直しは,これまで認定基準額を算定する際,生活保護基準額に係数1.14を掛けていたのに対し,今度は係数を1.0に引き下げ,結果,現在受けておられる2万4000人の児童のうち1,060人を排除するものとなります。広島市は認定率が25%と4人に1人が受けており,政令市の中でも1番となっています。しかし,これは認定基準額が高いわけではなく,認定基準額は政令市では11番目と低いのが実態です。静岡市では広島市と同様に,所得から社会保険料を引いた額を審査用所得額としながら,認定基準額は生活保護基準に係数1.3を掛けているため,認定基準額が広島市よりも高くなっています。広島市の認定率が高いのは,長年の市民からの要望に応え,市が周知徹底の努力をしてきた結果であり,大いに誇るべきことだと思いますが,市はこの結果をどのように受け止めているのでしょうか。認定率が高いことが悪いとの認識なのでしょうか,お答えください。  就学援助は,生活保護世帯と生活保護に準ずる世帯に対しての制度です。生活保護世帯は課税,医療費,介護保険料,水道料金,NHKの受診料など様々な扶助・減免を受けておりますが,今回の制度改正では生活保護と同等の支援とならないため,保護に準ずる世帯は実質,生活保護以下の生活となります。仮に見直しを実行する場合,生活保護世帯が扶助・減免されているものを全て考慮すべきと考えますが,市の認識をお答えください。  市は,2020年から4年間,累積赤字が110億円となることが行政経営改革推進プランなどで示され,このたびの見直しを行うこととしています。しかし,就学援助の見直しでの削減額は8000万円しかありません。たった8000万円の削減のために1,060人の児童を排除するなど言語道断です。市は排除する児童に社会的支援は必要ないとの考えなのでしょうか,お答えください。  国の施策で年間32億円の財源ができ,4年間で128億円浮くではありませんか。削減は別の事業から行うべきであり,国も児童のために使うべきとする32億円の財源を使い,排除者を出す削減ではなく,制度を拡充し,対象者を増やすべきではないでしょうか。市のお考えをお聞きいたします。  次に,放課後児童クラブについてお聞きしてまいります。  見直し案では,今後サービス向上を行うとする一方,有料化することが明らかになりました。そこで,市の考えるサービス向上とは何なのかお答えください。また,見直しの際,経済的理由で利用困難とならないように配慮するとのことですが,経済的理由とはどういった世帯なのか,市の見解をお聞きいたします。  このたびの就学援助の見直しにより,今後対象外となる約1,000人を除いた2万3000人は,生活保護基準以下の生活状況にあると市は認定したことになります。そのうち約1,500人は生活保護を受けていると聞いておりますので,約2万1500人の児童が保護を受けず,保護基準以下の生活状況にあることになりますが,それでも有料化を行うことについて,市はどのように考えているのかお答えください。  全国の自治体で有料化が広まった中,無料で行っていることは胸を張って誇れることであり,引き続き無料で行うべきと思いますが,市は無料で行うことを恥だと思っているのでしょうか,お答えください。  最後に,上安産業廃棄物最終処分場についてです。  近年,全国で安定型産業廃棄物最終処分場について,周辺住民との間で,生活や環境への影響に関するトラブルが多発し,訴訟などが頻繁に起こるようになっています。日本弁護士連合会は,2007年に,廃棄物処理に関する法令の改正に当たって,安定5品目,いわゆる廃プラ類,金属くず,ガラス陶磁器,瓦礫など性質が化学的に安定している廃棄物を処分する安定型であっても,それ以外の廃棄物の混入は避けられず,環境汚染を引き起こすような汚染物質が流出する実態があるとして,新たに安定型産業廃棄物最終処分場は許可しないよう求める意見書を国に上げています。  広島市では現在,安定型産業廃棄物最終処分場は6か所全て民間事業者が管理運営しており,そのうち5か所の処分場が稼働しています。  その一つである上安産廃処分場は,安佐南区と安佐北区,両区にかかる野登呂山の中腹にあり,太田川の水源地にあります。35年ほど前に事業が開始され,この間も度々拡張申請が行われ,マツダスタジアムの1.7倍にまで拡張しております。現在,処分場を運営しているJAB協同組合は,今年5月にさらなる処分場の拡張許可を広島市に申請し,住民から意見書等が出されておりましたが,市はそれに回答を行わないまま12月3日,許可を出したとお聞きしました。  現地では市民団体,上安・本郷産廃処分場連絡会の方々が今年の7月以降,毎月現地調査・確認をされております。その結果,本来出るはずのない異臭や白い泡の混じった水が排出されているのを,第一調整池や近くの荒谷川で確認されました。さらに,独自に荒谷川で取水した汚染水の水質検査も行い,環境基準を超えていたことも確認し,広島市に対し,処分場の水質調査や適切な指導をするよう要請されました。  私たち党市議団も9月23日と11月20日,現地に行き,泡など河川での異常,第一調整池での異常を確認いたしました。広島市は8月26日に現地を確認し,10月に年1回の立入調査を行い,水質検査も行うと答えられております。そこで,改めて許可監督権者である広島市の指導管理について伺ってまいります。  1,8月26日以降の現地確認の際,調整池への排水状況と処分場はどういった状況だったのか,その後,当該処分場の管理状況についてJAB協同組合に対し,いつ,どういった指導を行ったのか,お答えください。  2,国は平成22年に廃棄物処理法の改正を行い,事業者に定期検査や処理施設の維持管理に関する情報の公開を定めています。これまで事業者が行った検査結果の公表について,どういった指導をされてきたのか,また,事業者が行った直近の水質検査結果について,異常はなかったのかお答えください。  三つ目,JABの計画変更の申請によると,かなりの高さまで盛土がされる計画になっております。昨今,頻発する集中豪雨や南海トラフ地震も予期される中,自然災害が起こった場合,埋立地の崩壊,土石流被害も心配されます。市は専門家の意見も聞き,拡大許可を出したとのことですが,専門家が問題ないとした根拠をお答えください。  最後に四つ目,市民意見に回答せず拡張申請の許可を出されたことに,周辺住民の不安が解消されるどころか,不信感を募らせています。今後どのように対応するかお答えください。  以上,私の一般質問といたします。御清聴ありがとうございました。 ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       吉瀬議員の御質問にお答えします。  核兵器禁止条約についてのうち,核兵器禁止条約の実効性についての御質問がございました。  核兵器禁止条約は,世界の市民社会がヒロシマの心を共有するための新たな国際的な枠組みとなるものであり,核兵器禁止条約の発効を機に,核兵器は要らないという市民社会の声を世界の潮流にしていく必要があると考えております。  しかしながら,同条約には核保有国や核の傘の下にある国も批准しておらず,また,同条約では核廃棄義務の履行を確保するために不可欠な検証の規定は概略的なものとなっており,実効性の高いものにするための取組が次の課題となっています。条約発効後に開催される締約国会議において,具体的な措置が検討されることになっており,この議論を核保有国及びその同盟国の参加の下で行うことが条約の効果的な運用と発展に欠かせません。  このために,本市は平和首長会議加盟都市と連携して,全ての国に同条約の批准を求めるとともに,核保有国とその同盟国に対して,批准するまでの間,オブザーバーとして締約国会議への参加を要請することとし,批准国が50か国に達した本年10月に,このことを要請する公開書簡を全ての国連加盟国に発出いたしました。  また,第1回の締約国会議が開催される際には,平和首長会議の代表団を派遣し,条約の実効性を高めるための議論が前進するよう,加盟都市やNGOと連携しながら,国連や各国政府代表に要請したいと考えております。  この核兵器禁止条約は,被爆者をはじめ,平和を願う多くの方々の労苦が結実したものであり,未来への希望でもあります。本市としては,同条約が核兵器廃絶の真の推進役となるよう,世界165か国・地域の約8,000の平和首長会議加盟都市と共に取り組んでまいります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     核兵器禁止条約についての二点の御質問にお答えいたします。  まず,日本政府の橋渡し論についての考えについてです。  日本政府が表明している橋渡しとは,核保有国が核兵器禁止条約に反対する状況の下で,核保有国と非核保有国との分断を解消し,共通の基盤を形成するためのものであるとしていることから,唯一の戦争被爆国である日本がその橋渡し役を果たそうという意思を表明していることは意義があると考えます。  そうしたことを前提に,日本政府には今後,同条約を包括的で実効性の高いものにしていくための議論が始まるというこの潮流を見極めていただき,橋渡し役を果たすためにも,締約国会議への出席などを通して議論に貢献していただきたいと考えています。そのため先月,広島・長崎両被爆地及び平和首長会議国内加盟都市の総意として,同条約の締約国となること,そして締約国となるまでの間,当面は締約国会議にオブザーバーとして参加していただくよう要請したところです。  次に,日本政府が核兵器禁止条約を批准することが,核兵器廃絶に向けてどのような力を発揮すると考えているかについてです。  核兵器禁止条約の発効が確定した今,その実効性の確保が次なる課題となっている中で,唯一の戦争被爆国である我が国が同条約に批准するならば,核兵器は要らないという市民社会の声を世界の潮流にしていくための強力なメッセージになるとともに,ヒロシマの心を世界に発信している本市や被爆者の方々の取組の後押しになると考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  黒い雨裁判の判決,及び市が県や国とともに控訴したことについてのうち,数点の御質問に順次お答えいたします。  初めに,現行の対象区域自体,残留放射線や被曝線量など,国が言う科学的根拠を求めていないにもかかわらず,今回だけ科学的根拠を求めるのは現実的ではなく,筋も通らないと思うが,市はどのように考えているのかについてです。  昭和51年の第一種健康診断特例区域の指定については,指定当時,原爆放射線の広がりや原爆放射線の人体影響に関する科学的知見は,必ずしも十分蓄積されていなかったものの,黒い雨降雨地域内の一部で高濃度の放射能が検出された事例の報告があったことや,広島市及び周辺町村が昭和48年に宇田雨域内の地区に居住する住民に対して行ったアンケート調査において,健康状況が弱いまたは病気と回答した住民が約4割いたことを踏まえ,被爆者援護の立場に立った政策判断から行われたものと認識しております。こうしたことも踏まえ,本市では,従来から黒い雨降雨地域の拡大に向けた国の政治判断を求めてきたところです。  次に,控訴しなかった場合,84人の原告だけが被爆者健康手帳の対象となるのかについてです。  現行の被爆者援護制度は,国の法令により定められており,本市はそれを運用するという立場にあります。したがいまして,本市が控訴をせず,このたびの広島地裁判決が確定した場合,判決に従い,現行の法令に基づいて84名の原告の方に被爆者健康手帳を交付することになります。  次に,市はこの判決をどのように受け止めたのかについてです。  このたびの判決は,原告の方々の請求を全面的に容認するものであり,心身に苦しみを抱えてこられた黒い雨体験者の方々の長年の切なる思いと,黒い雨降雨地域の拡大を目指す本市の思いが,司法の場で認知していただいたものと受け止めております。  次に,広島市が被告となった裁判での敗訴に対して,控訴を断念して判決を受け入れることが法令の規定に違反しているのか,著しく適正を欠き,かつ明らかに公益を害するものなのか,市の考えはどうかについてです。  本市が独自に控訴を取り下げ,判決を受け入れること自体は,法令の規定に違反し,または著しく適正を欠き,かつ明らかに公益を害していると認められるものではありません。なお,判決を受け入れますと,本件訴訟がいわゆる義務付け訴訟のため,原告の方々に手帳を交付することになり,一方で,原告以外の黒い雨体験者の方には本判決の効力が及ばないため,手帳を交付できないという状況が生じるものと考えます。  次に,控訴するかどうかを判断する際に,国との関係での協議や承認,要請は地方自治法のどのような根拠に基づいて行われたのかについてです。  本件訴訟における被告は,本市及び広島県であり,訴訟参加人の立場で厚生労働大臣が訴訟に参加をしております。本市としては,こうした態様の下で控訴するか否かを判断するに当たって,被爆者援護法及びこれに関係する法令等に基づき,これまでも事務処理を行ってきていること,また,高齢化した黒い雨体験者の一刻も早い援護のため黒い雨降雨地域の拡大を要望していることから,控訴手続についての国の判断を確認するために打合せを行ったものでございます。  最後に,広島市は自治権を持った自治体として控訴を取り下げ,直ちに原告に被爆者健康手帳を交付するとともに,原告以外の黒い雨被害者に手帳交付の可能性があることを知らせるべきであり,市の迅速な対応を要請するが,どうかについてです。  本市としては,黒い雨体験者の皆様の高齢化が進んでいる中,黒い雨体験者の切なる思いを踏まえ,裁判に参加していない黒い雨体験者をも救済できることが肝要であると考えており,国に対して,黒い雨降雨地域の拡大も視野に入れた検証の結論が早期に出されるように求めるとともに,科学的知見を超えた被爆者援護の立場に立った政治判断についても,引き続き,強く求めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   新型コロナウイルス感染症対策と市民支援についてのうち,新型コロナウイルス第三波が到来する下で,自治体が公助の力を発揮して市民の命と暮らし,営業を守ることが求められている,国の地方創生臨時交付金を活用して上下水道料金の減免,売上げが減少した事業者への一律5万円など,独自支援を実施すべきではないかとの御質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大の下,市民の命と暮らし,営業を守ることが求められている中,国・県・市の役割分担を明確にした上で,必要な措置が講じられることが極めて大事な局面になっております。企業の業績や資金繰りの悪化,世帯の所得減などを直接的に緩和するための諸措置については,基本的に国及び県において講じられるべきものと考えており,本市といたしましては,国・県の動向も踏まえながら,地方創生臨時交付金を最大限活用し,共助の精神に基づく地域での支え合い,事業者同士が連携した取組への支援など,国や県の公助による下支えの補完・補強に資するような対策を講じてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   新型コロナウイルス感染症対策と市民支援についてのうち,介護施設職員に対する抗原検査の実施状況についてお答えします。  広島県が今年度,介護施設職員向けに定期的に実施する抗原検査につきましては,本市において受検を希望する市内の介護施設の取りまとめを行っているところでありまして,12月4日時点で82の施設,職員数で5,602人の申込みがありまして,今月中には初回の検査が実施されると聞いております。  以上であります。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  新型コロナウイルス感染症対策と市民支援についてのうち,県は,検体採取を行っている医療機関や新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療機関の職員へのPCR検査を実施するとしているが,市内のこれらの医療機関への実施状況はどうかについてお答えいたします。  議員御指摘の広島県が実施するPCR検査は,今月から民間検査機関の活用もできるよう拡充されており,市内の九つの医療機関が検査を希望しているというふうに聞いております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       こども未来局長。 ◎松井勝憲 こども未来局長  新型コロナウイルス感染症対策と市民支援についての二点の御質問にお答えをいたします。  まず,保育園の危機管理対策のうち,保育園における感染症に対する危機管理マニュアルを,市が策定すべきではないかというお尋ねです。  保育園では,様々な感染症対策に当たり,衛生管理をはじめとした予防方法や感染症発生時の対応等を示した国のガイドラインに基づいて対応することを基本にいたしております。これに加えて,新型コロナウイルス感染症に関しては,国から随時,その対応方法等が通知されており,本市ではその都度,全ての園に通知を送付しているほか,職員や園児等に関する感染防止対策や行事開催に当たっての留意事項などについては,別途ポイントをまとめた通知文を発出しているところでございます。  また,仮に園の関係者の陽性が判明した場合には,園内での感染拡大防止のために,臨時休園や施設消毒の実施など,状況に応じた対応が必要になる可能性があることから,感染の疑いが生じた段階で至急連絡するよう呼びかけており,事前相談に対しても個別に支援を行っております。今後ともこうした対応を着実に行ってまいります。  続きまして,ひとり親世帯に対し市独自の応援金を出すなどの支援が必要だと思うが,ひとり親世帯に対する市の認識はどうかについてでございます。  新型コロナウイルス感染症の影響に伴うひとり親世帯に対する経済的な支援策といたしましては,特別定額給付金や子育て世帯への臨時特別給付金のほか,ひとり親世帯への臨時特別給付金の支給を行っており,各区の窓口で生活相談を受けた場合は,個別の状況に応じて,緊急小口資金や住居確保給付金等の制度を紹介してきたところです。議員御提案の市独自の応援金については,国民における公平性の観点から,本来,国の役割として全国で統一的に実施されるべきものであると考えております。  こうした中,国においてひとり親世帯への臨時特別給付金を再支給するという方針が示されたところでございまして,本市といたしましては,国の動向を踏まえながら,適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    新型コロナウイルス感染症対策と市民支援について,三点の御質問にお答えいたします。  まず,テナントオーナーを支援するため約30億円の予算を確保しているが,2割程度の活用になっていることを,市としてどう分析しているのかについてでございます。  本事業の予算額については,新型コロナウイルス感染症が拡大する可能性も視野に入れつつ,また,コロナ禍で自らの経営も厳しい中,家賃減額を行うテナントオーナーを最大限支援するという考え方の下,不動産関連団体等へのヒアリング結果や類似の補助事業を実施している政令市の実績を参考に,最大で2,500件,5,000店舗,1店舗当たり最大60万円の申請を見込みました。  これまでの申請は,12月7日時点で1,188件,3,631店舗,1店舗当たり約17万円の申請となっており,当初の見込みより少ないことから申請金額ベースで予算の約2割の執行額となっております。
     事業としては,テナントオーナーやテナント事業者から,当補助制度に対し多くの感謝の声が寄せられていること,さらには不動産管理会社からは,当補助制度の活用により事業継続につながっているテナント事業者がたくさんいるといった話も伺っていることなどを踏まえますと,その効果は確実に出ているものと考えております。  次に,家賃の支払いに苦慮している事業者を直接支援する家賃補助制度へと見直すべきと考えるがどうかについてでございます。  新型コロナウイルス感染症による影響は,テナント事業者のみならず,テナントオーナーにも及んでおり,家賃の減額やテナント事業者の廃業等により家賃収入が減少し,今後の先行きが見通せない中で,多くの方が日々の経営に苦労されております。  このような中,国はテナント事業者への支援策として,家賃支援給付金を設けておりますけれども,一方で,テナントオーナーはテナント事業者の家賃減額等を行い,家賃収入が減少したとしても,これへの支援策はありません。国が支援策を重複させることなく公助を展開しようとして,こうした状況になっていることに本市は着目し,共助の視点に立って,テナントオーナーに対する補助制度を設けることとしたものであり,本事業はテナント事業者の事業継続とともに,テナントオーナーのテナント経営の安定化にもつなげていくために実施しているものでございます。  その結果として,先ほど御答弁させていただいたように,多くのテナントオーナーやテナント事業者の支援につながり,双方から感謝の声もいただいております。現在,市内の感染者数が増加している中,今後さらに経営が悪化し,事業の継続が困難となるテナント事業者の増加が危惧されることから,本事業の補助対象期間や補助限度額を拡大し,申請期間も令和3年1月31日まで延長しております。  本市としては,本事業により,テナントオーナーとテナント事業者による支え合いを促し,共に厳しい経営環境を乗り越えていただけるよう,引き続きしっかりと支援してまいります。  最後に,国に対し,広島市から,営業と雇用を守るための既存制度の継続・充実を求めることが必要と考えるが,市の考えはどうかについてでございます。  本市では,本年3月以降,国に対して指定都市市長会と連携し,累次にわたり要望を行ってきたところであり,本年11月には,悪化を続ける雇用情勢を踏まえ,令和2年12月末で期限を迎える雇用調整助成金の特例措置をさらに延長することや,新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で,事業継続を下支えするため,持続化給付金などの既存の支援策について,再給付を実施することなどの要望を行いました。  こうした中,国は昨日,12月8日,新たな経済対策を閣議決定し,雇用調整助成金の特例措置に関する現行措置の来年2月末までの延長や,民間金融機関を通じた実質無利子・無担保融資の来年3月までの延長などの施策を取りまとめたところです。  引き続き,本市の経済の状況及び国・県の支援策の動向をしっかり把握しつつ,国・県・市の役割分担を念頭に置きながら,感染拡大防止と経済活動のバランスに配慮し,本市の経済の回復に向けた取組を進めるとともに,適宜,国に対する要望も行っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       この際,皆様にお願いいたします。  12時となりましたけども,このまま会議を続けさせていただきたいと思います。いましばらく御協力ください。  保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  子供の貧困と子ども・子育て支援についてのうち,こども医療費補助制度について,二点の御質問にお答えいたします。  初めに,幼児教育・保育の無償化により32億円の財源ができたにもかかわらず,なぜ通院の補助対象年齢を中学校卒業まで引き上げなかったのか,また,他の自治体と同様に中学校卒業までの補助はいつ行うのかについてです。  子ども・子育て支援施策に関しては,令和元年度に,国において所要の措置を講じることが本来の姿であるとして,幼児教育・保育の無償化が行われました。本市はこれを受けて,増加し続ける社会保障費を賄うと同時に,健全な財政運営を目指す取組を進めている中で,社会保障の分野を中心に,本市として行うべき裁量的な施策に,ようやく自主財源が充当できたと言えるようになったものと考えております。  こうした中,こども医療費補助制度については,引き続き国に対し,国の責任において,こども医療費補助に係る統一的な制度を創設するよう要請することを前提にしつつ,先ほど岡村議員に答弁しましたとおり,まずは,通院の補助対象年齢を小学6年生までに拡大するとともに,継続的な通院治療を必要とする未就学児の医療費の負担軽減を図る必要があると判断し,今回の見直しを実施することにしたものです。  今後のこども医療費補助制度の見直しについては,平成29年の制度改正後の様々な検証結果も踏まえながら,さらに検討を進めていくことにしております。このため,現時点で,いつ通院の補助対象年齢を拡大するかということについてお答えすることはできません。  次に,全国の自治体で所得制限をなくす流れが強まる中,所得制限に加えて一部負担金の額を区分する所得基準を設けていることについて市の認識はどうか,また,本制度は早期の拡大が望まれているため,令和4年1月からではなく令和3年度当初から開始するべきと考えるがどうかについてです。  本市における子ども・子育て支援施策は,家庭内での子育てである自助を支援し,将来の広島を担う子供たちの育ちを社会全体で支えていくことが基本になると考えております。これを踏まえ,こども医療費補助制度の所得制限や一部負担金の額を区分する所得基準は,市民における公平性の観点から,受益者の負担能力を考慮し,設定しているもので,適当であると考えております。  また,今回の見直しについては,令和3年2月に条例改正議案及び制度改正に伴う福祉情報システム改修費等の令和3年度当初予算案を上程し,議決の上は,令和3年4月以降,福祉情報システムの改修に着手することにしております。福祉情報システムの改修と改修後のシステムの検証におおむね9か月を要することから,実施時期を令和4年1月からとしております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       子供の貧困と子ども・子育て支援について数点お答えをいたします。  まず,就学援助についてです。  広島市は認定率が政令市の中で一番高いが,この結果をどう受け止めているのか,高いことが悪いという認識かというお尋ねです。  政令指定都市における平成31年度の就学援助の認定率は,本市が最も高く25.8%で,最も低い都市は7.9%,単純平均では15.4%となっております。就学援助制度は,学校教育法に基づき各自治体が実施しているもので,認定基準はそれぞれ異なっており,一概に比較することはできませんが,政令指定都市においてその市民の所得水準に大きな違いがないと仮定すれば,結果として本市では,低所得世帯をより広く対象としてカバーすることができていると考えております。  次に,見直しを実施する場合,生活保護世帯が援助・減免等されているもの全てを考慮すべきと考えるがどうかという御質問です。  今回の見直しでは,社会保険料控除の重複を解消する方策として,生活保護基準額に乗じる係数を1.0とすることにしましたが,それに併せ,算定式に用いる生活保護基準額について,生活保護の要否判定に用いる教育扶助の全項目を算入するとともに,さらに学習支援費を対象項目に追加し,また審査用所得においては,加入する医療保険の種類によって負担額に大きな差があり,その額も大きい社会保険料の実額を差し引く取扱いは継続することとしました。  その結果,見直し後の認定率の試算を見ても24.7%で,ほぼ4分の1の世帯をカバーしており,生活保護を受けるための直接的な基準は満たさないとしても,総合的に判断したときに同程度の者である準要保護者への支援として,十分な制度になっていると考えております。  次に,市は排除する児童への社会的支援は必要ないとの考えか,制度を充実し対象者を増やすべきではないかという御質問です。  今回の見直しは,要保護者に準ずる程度に困窮している者に対する経済的支援策である就学援助制度を,本来あるべき姿に改め,持続可能性を高めようとするものであり,結果として,平成31年度の実績に基づく試算では,認定者数や支給額が4.4%減となったものです。  見直しに伴い,令和3年度に就学援助を受けた一部の方が就学援助を受けられなくなることがあった場合は,急に援助が受けられなくなり,計画的に生計を維持していくことが難しくならないよう,支援額を徐々に減らしていく激変緩和の手法で救済していきたいと考えております。具体的には,経過措置として,1年目の令和4年度には4分の3,2年目の令和5年度には2分の1,3年目の令和6年度には4分の1と段階的に減額して支給することにし,丁寧な対応に努めます。  次に,放課後児童クラブについてです。  まず,市の考えるサービス向上とは何かという御質問です。  平成30年に実施した利用児童の保護者を対象としたアンケート調査の結果,ニーズが高いことが把握できた項目としては,長期休業中等の昼食の提供,施設面の改善,第2土曜日の開所,市によるおやつの提供などがあります。  現在,こうした項目を中心に,費用対効果や指導員の負担等を考慮しながら,サービス向上策の具体的な実施方法などの検討を行っているところであり,詳細が固まりましたら,改めて議会に報告させていただきます。  次に,経済的理由で利用困難とならないよう配慮するということだが,どういう世帯を想定しているかという御質問です。  負担軽減策については,現在,料金体系と併せて検討を行っているところです。今後,検討を進めていく中で,経済的な理由で利用が困難とならないよう配慮したいと考えております。  最後に,就学援助の説明によれば,2万人以上の児童が生活保護基準以下の生活状況にあることになるが,こうした状況下で有料化を行うことについて市はどう考えているか,無料で行うことを恥と思っているのかという御質問です。  本市における放課後児童クラブは,平成27年度以降,児童福祉法に基づく事業として実施しており,その運営経費については,2分の1を利用者が負担し,残りを公費で負担するという考え方が国から示されているところですが,この事業の前身となる留守家庭子ども会において,対象児童が低学年に限定され,また利用率も低く,結果として財政負担もそれほど大きくなかったことなどから,長年,受益者負担を求めておらず,その扱いを現在まで継続しておりました。  しかしながら,児童福祉法に基づく事業となった平成27年度以降,対象児童が全ての学年に拡大され,また,利用率も年々上昇していることに伴い,運営経費も増加しており,このままでは現行のサービス水準を維持しながら,持続的に運営していくことも困難になる可能性があります。また,保護者アンケートの結果,9割近くの方がサービス向上を求めていることや,7割を超える方がサービスの維持・向上のためには一定の負担もやむを得ないと考えていることが明らかになっております。  こうしたことから,今後,保護者のニーズに応え,満足度がさらに高まるようなサービス向上策を実施しつつ,将来にわたって放課後児童クラブを安定的に運営していくためには,運営経費の一部について,受益者負担をお願いする必要があると考えたものです。  以上でございます。 ○山田春男 議長       環境局長。 ◎重村隆彦 環境局長     上安産業廃棄物最終処分場についての四点の御質問に順次お答えをいたします。  まず,調整池への排水状況,処分場の状態,その管理状況に対する事業者への指導についての御質問にお答えします。  本市は,上安産業廃棄物最終処分場を拡張するための変更許可を行うに当たり,8月26日から4回にわたり立入調査を行いました。立入調査の際,処分場内の廃棄物への覆土の一部が不十分であること,侵入防止柵の追加設置が必要であること,調整池の排水に泡と臭気があることを確認したことから,事業者に対して改善を指導しました。その結果,事業者は十分な覆土を行い,侵入防止柵を追加設置し,調整池の清掃を実施しています。また,新たに排水処理設備を設置,稼働させており,本市として調整池の水質改善が図られたことを確認しています。  次に,事業者が行った検査の公表に対する指導と,事業者による直近の水質検査の結果についての御質問にお答えします。  廃棄物処理法において,処分場の水質検査結果など維持管理情報の公表は,インターネットの利用,その他の適切な方法により公表しなければならないとされており,現在,当該事業者は処分場に隣接する事務所において紙媒体により公表を行っています。本市としては,地域住民等が随時,維持管理情報を確認できるよう,インターネットによる公表も併せて行うよう申し入れているところです。また,昨年度,事業者が実施した水質検査の結果に異常はありませんでした。  次に,自然災害が起こった場合,被害が想定されるが,専門家が問題ないとした根拠についての御質問にお答えします。  変更許可申請書における計画では,広島市産業廃棄物処理施設の構造に関する指針に基づき,処分場外への土砂の流出を防ぐ沈砂池や埋立地の崩壊を防ぐ堰堤を設置する設計となっていることから,専門家からは特に異論はありませんでした。  最後に,周辺住民への対応についての御質問にお答えします。  周辺住民等からの生活環境保全上の意見は,専門家が実状に即して,より適切な意見を述べる参考とするためのものであり,これに対する回答は,許可するか否かの判断に関連するものであることから,許可後,意見提出者に郵送したところです。  以上でございます。 ○山田春男 議長       11番吉瀬議員。 ◆11番(吉瀬康平議員) いろいろ回答いただきましたが,まず初めに,核兵器禁止条約について,国にしっかり言っていくということではあるんですけれども,この有効性というところは,この間述べられておりますが,そこの認識においても今ではまだまだ不十分で,今後のことについて,実効性についてというところで深めていくべきだという発言もありましたけれども,核兵器廃絶を願う広島市の市長としての,そこの認識はいかがなものかなというところを改めてちょっと指摘させていただきます。  核兵器廃絶に向けて,この条約をしっかりと日本でも署名・批准させるためにというところは言われていましたけれども,その意気込みが感じられなかったということをちょっと指摘させていただきます。  黒い雨判決についてですが,その84人しか救えない判決であるというところでの回答があり,是正においても別にそういったものではないけれども,その先を見込んで控訴したんだという発言もありましたが,このたびの判決は先ほど申し上げましたように,84名以外でも救えるような判決になっているため,やはりここは国を突っぱねてでも市民の被爆者,黒い雨被害者というのを助けるためにも,早急に解決させるために取り急ぎ,やっぱり控訴を取り下げて手帳を発行することが必要というところをちょっと指摘させていただきます。  コロナ対策というところで,県のところを聞かせていただきましたけれども,市では今のところそういったコロナの検査というのは行っていないと聞いております。そうした中で,今,徐々に徐々に,広島市内でも広がってきているという中で,このたびの県におけるPCR検査及び抗原検査においては,介護施設等においては入所施設のみであって,訪問または在宅をされているところは対象外というところがあります。また,医療機関においても民間施設を利用されるというところではありますけれども,そうした問題もある一方で,医療機関ではやはり人員の不足であったり,財政の困難さというところは大きな声が上げられています。  そこでちょっとお聞きいたしますが,今後,まずその県の検査から外れたところに対して,市としてPCR検査を広げていくべきではないかと思うんですが,市の対応をお聞きするとともに,医療機関,空いている病床等はありながらも人員不足で全部埋めることができないということもお聞きしますが,人員の確保について,市としてどう考えているのか,また,財政の補填において,市立病院等においてはどうやって補填していくのか,どのように考えているのか,ちょっとお聞かせください。  また,保育園についてのところに関しては,感染が出た後に対応していく,一応国のガイドラインもあるということですが,事前の調整というところでも,幾らかいろんな対応が考えられることから,電話でまずは連絡してほしいということだと思います。そこはしっかりと対応していただきながら,遅れることがないように,しっかり対応いただきたいなというふうに思います。  また,広島市独自の施策というところで,まずは国・県が行うべきであって,市はその補完だという発言がありましたが,この間ちょっと中小企業の方々とお話しする機会があって,特に流川のところではあるんですけれども,流川では,その日食べるものにも苦労する方々が多数いらっしゃる。さらに,仕事を休むと,もう収入がないため仕事が休めない。結果,体調が悪くても自分で何とかしようとされる,しなければならないということになってしまい,PCR検査を受けられない。むしろ受けてしまって,もし陽性だった場合に,仕事が続けられなくなって,もう生きていけないという声をいただきました。  市として,そういった実態を今どこまで把握されているのかというのをちょっとお聞きするとともに,そうした事業者の方々も踏まえて,今年を越えられるかどうか分からない,下手するともう本当に自死しなければならないという声もお聞きする中で,市民を助けるために市として何を考えているのか,どういったことを考えられているのか,改めてお聞きいたします。  子供の分野についてですが,子供の医療費補助については,まずは小学校6年生までというところで,今後,制度を改正した後に検討していくという発言もありましたけれども,本当に4億円あればできるというところを小学校6年生までというところに抑えてしまったとあるんですが,アンケートでは,先ほども申し上げましたように,中学生でもやはり受診抑制というのは一部出ている,またそれを認めているのが市の態度であるにもかかわらず,そこまで補助をしないというのは,このアンケートに対しての対応としてはいかがなものかと。ただ取っただけなのか,それともそうではなくて,実態をつかんで対応するんだというアンケートであるならば,ここはやはり小学校6年生ではなく中学校3年生まで,卒業まで,補助を拡大するべきだと思いますが,改めて市の意見をお伺いさせていただきます。  あと,放課後児童クラブにおいても,今ほとんど何も決まっていないけれども,有料化だけはするというような方針を上げられておりますが,今コロナ禍の中で,おやつ代等も払えず,放課後児童クラブを辞めざるを得ないという方々も少なくないとお聞きします。そうした中で,今後有料化していくんだ,さらに免除するところはまだ分かりませんなんて言われると,やはり保護者として今後どうなっていくのか,精神的にも大きな負担となるところだと思います。そういったところも考えてのこのたびの発言なのかというところをちょっと改めて,その認識をお聞きするとともに,ぜひとも無償化についても改めて検討いただきたいと思いますが,お聞きいたします。  就学援助ですが,認定率が高い,一応基準を替えても24%だ,それで約4人に1人は助けられるというところもありましたけれども,そうではなくて,やはりこれまで誇っていたところだけれども,結果として別に基準が高いわけでもない,市の努力によってというところはもちろんありますが,そうしたところがあるためで,やはりここはその認定基準というところの見直しに際して,まずはその排除される方々を出さないような基準の変更の仕方が必要ではないかと思います。  このたび,もともと間違っていた,余分に補助していたから適正化した結果,排除された1,060名,これまで受けてきたんだからよかったねというように聞こえるんです。それで急に切っても困るだろうから,少しずつ支援を減らしていくような形で対応しますということではあるんですけれども,そもそも基準を替えてこなかった市のところでもありますが,社会保障が二重だと言いますけれども,その社会保障を判断したのも,もともとは違う観点から補助されてきたところを30年たっているから社会保障でしょうということで指摘されて,二重だから片方なくそうというところも,もうちょっとそこは市の身勝手な判断になるんじゃないかと言わせていただきます。  ぜひともその排除というところはなくすように,改めて検討いただきたいと思いますが,市のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  また,上安産廃処分場においては,いろいろ動かれて調整池,排水のところの機材も取り付けたというところもあるんですけれども,本来,安定型処分場というのはそういった機材を取り付けなくても対応ができるものであって,取り付けなければその基準が保てないというのであれば,そもそもこれはもう運営ができないのではないかと判断するんですけれども,その辺りどのように考えているか,お聞かせください。  また,広島市の作成している産業廃棄物処理施設の維持管理に関する指針というものもありますが,これにおいては定期的な水質検査を行い,その結果をこの処分場が廃止するまで保存することも掲げられている。また,現場に搬入されたごみはその日のうちに締め固め,覆土を行い整地すること,また3か月に1回以上,同場所からの写真を撮影し,処分場の廃止まで保存することなどなど挙げられております。また,ほかにも拡張に当たって,この間,二度,三度,JABから申請が上げられていると思いますが,その際に廃棄物のごみの厚さは2メートルにし,中間の覆土は0.5メートル……。 ○山田春男 議長       すみません,吉瀬議員,10分を超えておりますので,御協力ください。 ◆11番(吉瀬康平議員) JABの示した基準も守られているかどうかをちょっとお聞きしまして,再質問とさせていただきます。 ○山田春男 議長       健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   介護施設の職員向けの抗原検査の件で,通所系をどうするのかといったお話があったと思うんですけど,もともと今回,県がやる介護施設の抗原検査というのは,感染拡大を受けて全国的に特に介護施設系のクラスターが発生しているということを踏まえて,重症化しやすい重度の方が入所されている施設を対象にしたということであります。そういう意味で通所系は外れているということです。  それから,あとはやはり抗原検査をした後の検査体制,これは専門の臨床検査センターが各施設を回って,その検査の検体を回収するということになるんですけど,そうした検査後のことも考慮した上での体制を取ったというふうに私どもは理解しております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     核兵器禁止条約についての意気込みについての再質問があったというふうに理解しておりますが,先ほど市長の答弁にもございましたように,この核兵器禁止条約というものが,被爆者をはじめとする多くの方々の苦労のたまものであって,核なき世界への希望というふうに考えておりまして,この核兵器禁止条約の実効性を高めるということが必要であるということが,本市をはじめ約8,000の平和首長会議加盟都市の間で共有されているところでございます。  であればこそ,批准国が50か国に達した10月,直ちに全ての国連加盟国に対し公開書簡を発出いたしましたし,第1回の締約国会議においても,本市として,あるいはその加盟都市と一緒になって,働きかけをしていこうというふうに考えているところでございます。いずれにしましても,核兵器禁止条約の発効という新たなフェーズを迎えますので,我々といたしましては,この核兵器禁止条約の発効を機に,核兵器は要らないという市民社会の声,これを世界の潮流にしていくということで取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  新型コロナウイルス感染症に関しまして,医療機関の人員確保についてでございますけれども,これは市立病院機構も含めまして,各病院において,まず人員確保については判断されるべきものというふうに考えております。  また,市立病院機構の新型コロナウイルスの影響に係る減収につきましてですけども,これについては今後の経営状況を見ながら,市としてしっかりとバックアップをしていきたいというふうに考えております。  そして最後に,こども医療費補助の制度についての御質問についてですけれども,先ほども御答弁いたしましたように,国による幼児教育・保育の無償化を受けて,これにより本市は増加し続ける社会保障費を賄うと同時に,社会保障の分野を中心に,本市として行うべき裁量的な施策にようやく自主財源が充当できたと言えるような状況にあります。そういったことも踏まえて,今後の制度改正につきましては,先ほど議員御指摘のアンケート調査等を含めまして,様々な検証結果も踏まえながら,さらに検討を進めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       数点の再質問にお答えいたします。  まず,放課後児童クラブが先に御質問がございました。  無償化はないのかということでお尋ねがありました。  先ほどの有料化ということに関していいますと,過去からの経緯,そして現在に至るまでのいろんな事業費を含めた推移,そしてアンケート結果,こうしたことを踏まえながら,今後,保護者ニーズに応え,満足度がさらに高まるようなサービス向上策を実施しつつ,将来にわたって放課後児童クラブを安定的に運営していくためには,運営経費の一部について受益者負担をお願いする必要があるということで考えているところでありまして,ここについては変わらないということでございます。  それから,検討中がいろいろ多いので不安があるということでございました。  確かに現在,サービス向上策をどうするのか,あるいは負担軽減をどうするのかということで,放課後児童クラブの有料化については,年度的に申しますと,令和5年度の実施ということに向け,その前にシステム改修に着手いたします。もう少し時間的ないとまがありますので,それまでに経済的理由で利用が困難にならないような配慮をどうするか,あるいはサービス向上策をどうするか,そこはしっかり検討してまいります。  それから,就学援助についてです。これも外れる人を出さないようにするべきではないかというお尋ねでした。  これも先ほどお答えを申し上げたとおり,今回の見直しは要保護者に準ずる程度に困窮している方に対する経済的支援策である就学援助制度,これを本来あるべき姿に改めて,持続可能性を高めようということでやっていくものでございます。一応実績に基づいて試算をすると,結果として認定者数や支給額が4.4%減となっておりますけども,基本的にこの就学援助制度の低所得者に対する経済的支援という本来の役割ということは,きちんと維持されている状態になっていると考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    中小企業の厳しい状況をどこまで把握をしているのかということと,今後どういった対策をするのかということでございますけれども,これまで経済団体でありますとか商工会ですとか,それから飲食関係団体,あるいは宿泊関係,ホテル関係の団体とか,いろいろお聞きをしておりますし,これからもそういった声をいろいろお聞きしていきたいというふうに思っております。そうした声を聞きながら,いろいろな施策を議会のほうにお示しして,今やっております。今,感染者が増えておりますので,国の既存の支援策の活用を促すということも,これからやっていきたいと思っていますし,それから現在,市のほうで経済対策を行っておりますけども,これも継続中の支援策を引き続き着実に実施していきたいということを考えております。  今後ですけれども,先ほども御答弁しましたが,本市の経済状況,それから国・県の支援策の動向もしっかり把握しながら,国・県・市の役割分担を念頭に置いて,感染拡大防止と経済活動のバランスに配慮するといった形で施策を進めていきたいというふうに考えております。
     以上でございます。 ○山田春男 議長       環境局長。 ◎重村隆彦 環境局長     廃棄物処理施設の指針と覆土に関しましては,本市の立入調査の際,廃棄物の一つの層,1層の厚さや覆土の高さは目視確認しており,これまでの調査では問題ないことを確認しております。今後,必要に応じて測量や,また処分の進行状況の写真等を活用して,適正に覆土されているかどうかを確認していきたいと考えております。  また,もう一つの点ですけども,今回の変更許可に当たりましては,職員が現地を確認し,専門家も書類審査だけでなく,現地を実際に確認してもらっており,廃棄物処理法,その他の関係法令等に基づき,適切に対応しているものと考えております。  以上でございます。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       この際,暫時休憩いたします。                午後0時31分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時30分開議                出席議員  30名                欠席議員  24名 ○渡辺好造 副議長      出席議員30名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  10番椋木太一議員。                〔10番椋木太一議員登壇〕(拍手) ◆10番(椋木太一議員) 皆様,お疲れさまです。広島新生クラブの椋木太一でございます。  午後一番,張り切ってまいりますので,最後までどうぞよろしくお願いいたします。それでは,発言通告に従い,五点質問させていただきます。  まず,大都市制度について,具体的には特別自治市制度についてでございます。  この件に関しては,先日,公明党の川村議員が質問されていたわけですが,私自身も大阪都構想の賛否を問う住民投票を間近に控えていたということもありまして,今年10月の決算特別委員会でこの特別自治市について,広島市のお考えや取組状況について聞かせていただきました。そして,この決算特別委員会が終わった後の11月1日に大阪都構想の住民投票が行われ,大都市制度を取り巻く環境が変化しつつありますので,改めて取り上げさせていただきます。なお,この構想の考え方については,特別自治市とは全く異なるものですので,構想自体の中身や投票結果については,この場では脇に置いておきます。  さて,この住民投票はメディアで大きく取り上げられ,国民の皆様は政令指定都市制度を含む大都市制度の在り方に対して,少なからず関心を抱いたのではないかと思っております。そして,住民投票を境に,横浜市や神戸市,政令都市市長会などが特別自治市に関する動きを活発化させているのも事実です。  そもそも特別自治市とは何か,10月の決算特別委員会でお答えいただきましたが,改めて簡単に説明しますと,地方が行う事務を一元的に政令市に移し,より効率的,柔軟に行政サービスが提供できるようにする制度と言えます。メリットとして,無駄のない自治体運営が可能になることや,地域の実情に即したまちづくりがしやすくなることといったことが挙げられるそうです。また,強調すべきは,広島市は現在,特別自治市を視野に入れ,200万人広島都市圏構想を掲げ,周辺自治体を巻き込むような諸施策を講じているということでした。  さて,新型コロナウイルス感染症の拡大により,行政サービスはより迅速に,より効果的に,地域の実情に適したものを提供していかなくてはならないということを痛感しております。やれ,あれは県,これは市,それは国といったように,行政サービスの窓口や管轄がばらばらなことで最も不都合を受けるのは,住民である広島市民の皆様なのです。住民目線で見たとき,窓口や管轄が,国か県か市かといったことは,はっきり言ってどうでもいいことなのです。住民第一,住民ファーストで考えたとき,事務が一元化され,すっきりスピーディーになることが求められているからこそ,200万人広島都市圏構想を起点とした,特別自治市への道筋をつけなければならないと痛切に感じているわけなのです。  とはいえ,特別自治市への道のりは険しいの一言で済まされるレベルのものではないことは十分承知しております。  まず第一に,特別自治市を導入するには法整備が必要不可欠であります。現実はそこまで至っておりません。また,特別自治市の制度設計そのものも進んでおりません。さらには20ある政令指定都市は人口や経済規模等に違いがあり,各政令指定都市が制度導入に向けて歩調を合わせられるかといいますと,合わせられるとこの場で断言することはなかなか難しいのが現実だと思います。  一方で,先ほど申しましたように,特別自治市に向けて積極的だった横浜市や神戸市は,さきの住民投票後,さらにアグレッシブな動きをしております。ぜひ広島市も大都市制度や特別自治市への関心が高まっていることを契機に,この流れをがっちりとつかむべきだと私は感じております。  実は私は,広島市のそういう鼓動を感じております。10月の決算特別委員会の後,本市のホームページの特別自治市の項目が,より詳しいものに更新されておりました。これは広島市も特別自治市への思いがあるというメッセージだと,私は勝手に受け止めているわけですが,私の気のせいではないと思っております。繰り返しになりますが,住民第一の視点で見たとき,広島市も先行する一団とともに,特別自治市に向けてさらに一歩踏み出していただきたいというのが切なる思いなのであります。  そこでお尋ねします。新たな大都市制度である特別自治市を目指す本市として,先月の大阪都構想の住民投票が否決されたことを踏まえ,改めてどう取組を進めていこうとお考えなのかお聞かせください。  続いて,市立学校の学習状況についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症は,終息の兆しを見せません。それどころか,本市においてもクラスターが発生していますし,ここ数週間,市立学校の臨時休校が相次いでおります。幸いこれらの臨時休校は,今のところ比較的早く再開しているようですが,教育現場の皆さんの緊張感は相当なものがあると思います。そのような中,教育環境を維持しておられる不断の努力に感謝申し上げます。  新型コロナウイルス感染症拡大防止のため,今年3月から全国一斉休校となり,市立学校においては6月に再開いたしました。そして,約半年が経過したわけです。その間,授業日数が確保できるのかということが保護者の皆様の関心事となっております。  そこで,まずお伺いしたいのが,年度当初の一斉臨時休校の影響により,児童生徒の学習に遅れは生じていないのでしょうか,お聞かせください。  冒頭で申し上げましたように,感染者・陽性者の数は増えております。GoToトラベルでは,一部地域が対象除外となる事態となっております。新型コロナウイルス感染症に関し,日本では今年2月以降に患者が増えたということから,1月という時期は実質的には初めて迎えるものとなります。仮に今のところ授業日数の消化率が当初の予定に即した動きになっていたとしても,決して楽観視をすることはできません。  お伺いしますが,臨時休校とした場合,どのように今年度の学習を終わらせるのか,現在想定し得るパターンと対処方法をお聞かせください。  次に,オンライン授業についてお伺いします。  国のGIGAスクール構想に基づき,市立学校の児童生徒に対して,一人一台のタブレット端末が整備されることとなりました。報道等で見聞きしたところでは,全国的にタブレット端末の品薄が続いているということで,果たして本市の児童生徒に端末が届くのであろうかと危惧しております。予算は確保したけど物はないということでは,公金投入という観点からは望ましい状況ではありません。また,忘れた頃に物がやってくるということでは,捨て銭になってしまいます。  そこでお尋ねします。本市におけるタブレット端末の納入状況はどのようになっているのでしょうか。直近のデータでお示しください。また,今後の納入見込みをお聞かせください。  先ほどGIGAスクール構想と申しましたが,この施策は令和5年度をめどに,全国の学校のICT化を目指したものだと認識しております。そこに新型コロナウイルス感染症が拡大したことが重なり,臨時休校の補完策の一環として前倒しでタブレット端末の配付並びにハード整備に着手したということです。  そこで,お尋ねします。臨時休校や濃厚接触者となって登校できないケースでの活用例を挙げてください。  臨時休校した学校の児童生徒の様々なケアも大切な要素だと思われます。いわれのないいじめや誹謗中傷などもあるのではないかと大変心配しております。  そこで,お尋ねいたします。市立学校において,新型コロナウイルス感染症に関する児童生徒の心のケアはどのように施されているのでしょうか。また,いじめや誹謗中傷を生んだりしないような取組はどのようなものがあるのかお聞かせください。  以上,よろしくお願いいたします。  3番目,続いて,地域猫活動についてお伺いします。  この件に関して,昨年12月定例会で公明党の渡辺議員が御質問されております。そのとき私は,へえ,そういう活動もあるんだ,なるほど,渡辺議員,偉いなというような感じで,のほほんと聞いておりました。ところが面白いもので,先月11月,突如,私は当事者になってしまいました。  地元の祇園地区にも結構な数の野良猫が住み着いておりまして,近隣住民の方が頭を悩ませておりました。その中の一人が本市の地域猫活動の施策を知り,何とか野良猫問題を解決できないかということで,私が自治会の会長ということもあり,広島市議会議員として本市の施策を率先垂範する意味を含め,この地域猫活動に取り組み始めたわけでございます。  そして,これが想像以上に奥深い活動でして,野良猫を減らすというだけではなく,地域コミュニティーの結びつきを深める狙いも含んだ,とてもいい取組だということが分かったのです。せっかくだからと思いまして,いろんな方々に勧めてみたわけですが,その中で,この施策に対して数々の問題提起をされたり,様々な課題も見えてきたりしたわけです。そうした経緯から,このたびの一般質問で,この地域猫活動について質問したわけでございます。  先ほど申しましたこの施策の課題といいますと,言わば致命的欠陥と言ってもいいわけですが,住む地域によってこの地域猫活動のサービスを受けられる人と受けられない人が存在してしまうということです。これは税の負担と受益の観点から申しますと,公平性が著しく損なわれており,大変ゆゆしき問題だと思います。そもそも何でこんなことが起こるかと申しますと,この地域猫活動の申請主体が町内会・自治会のみに限られているからであります。  昨今,町内会・自治会をはじめとする地域コミュニティーの活性化が叫ばれる中,地域によっては町内会・自治会が組織されていない,もしくは,組織されていたとしても活動実態がほとんどないというような状態に陥っているところもあります。そのような地域の住民は,この地域猫活動に参加したくてもできない,あるいは,とても困難を強いられるという現実があるのです。また,逆に,一つの町内会・自治会が500世帯ぐらいあるような大規模なものや,中には団地が丸々一つの町内会・自治会となっているケースもあり,そのような地域では地域猫活動をすることに対して,他の住民の同意が得られにくい,そもそも話合いが難しいといった障壁も出てきているのです。  昨年12月の一般質問での渡辺議員への答弁にもありましたが,個人での参加は受け付けておりません。こうした地域では,やむなく目の前にいる野良猫を放っておくか,個人が身銭を切って避妊手術をさせているという現実がございます。手術費用は1頭,万単位の代金と言われております。本来,広島市民が受けられるはずの行政サービスでありながら,善意の個人が相当の費用を負担しているということは,制度上,明らかな欠陥であり,この現状を放置していいものではないはずです。  そこで,数点の質問と御提案をさせていただきます。  現在,町内会・自治会に限っている申請主体を見直し,NPO法人やボランティア団体にも門戸を広げ,網をかけるべきだと思いますが,いかがでしょうか。そのように門戸を広げた場合,おのずと野良猫の手術頭数が増えることになります。現在,この地域猫活動に関し,動物管理センターの担当獣医師は1人で,年間約1,000頭の手術をされていると聞いております。これでは,いずれ限界がやってくるのは目に見えております。  まずは本市の担当獣医師の増員を目指すべきだと思いますが,どうお考えでしょうか。  とはいえ,人事の面もありますし,すぐさま増員というのはなかなか難しい面もあると思います。本市の獣医師確保で抱える課題について,採用の面で広島県と比較してお答えください。  動物病院やNPO法人等に手術を委託するなり,補助金を出すなり,本市だけでなく民間等にも受入先を広げていくべきだと私は思っております。福岡県の獣医師会では,独自に地域猫活動を支援する事業に取り組まれております。本市の獣医師会にも積極的に働きかけることにより,この地域猫活動が広がりを見せると思うのですが,いかがでしょうか。  また,地域猫活動において,日頃の餌やりは大きな出費となります。参加されている町内会・自治会に餌代などの補助を検討いただきたいのですが,どうお考えでしょうか,お答えください。  路上の猫たちは野良猫になりたくて産まれてきたわけではありません。公衆衛生の面からも,ぜひスピード感を持って検討をよろしくお願いいたします。  続いて,児童相談所についてお伺いします。  児童相談所とは,子供に関する様々な相談に対して,その子供や家庭に最も効果的な援助を行うことで,子供の福祉を図り,また子供の権利を守るために設置されている専門機関でございます。  近年,児童虐待の増加もあり,児童相談所の重要性が増すとともに,その反面,児童相談所職員の心身の負担も増大しているのが現実だと思います。児童相談所に寄せられる相談は,虐待や非行,生育状況,家庭環境や保護者の心身に関するものなど多岐にわたります。同時に,警察や学校,地域の団体などとのコミュニケーション能力も求められます。このように高い専門性を持ちながら,さらには激務に耐え得る高いモチベーションを維持することで,子供たちの福祉増進,権利擁護という児童相談所が持つ本来の目的が達成されるのではないかと思っております。  私の思いを述べさせていただきます。まず,児童相談所,児童福祉部門の専門性についてです。  児童相談所において専門性を担保するためには,職員の人事面における体制づくりが必要になってくるのだと思っております。例えば教育関係であれば,学校という現場と教育委員会という事務方があり,そこを職員が行き来することで教育のプロでありながら,一方でゼネラリスト的な視野を持つ人材育成がなされると思います。同様の視点を児童福祉の行政に置き換えた場合,児童相談所という現場と本庁等の事務方を行き来することで,児童福祉のプロであり,ゼネラリストを育成できるのではないかと思っております。  次に,モチベーションの維持についてですが,行政職で入庁した後,児童福祉に目覚めるケースもあると思います。民間企業においても,入社当初は企画系の部署を志望していたものの,様々な経験を経て,ばりばりの営業マンに目覚めることなど多々あります。人事異動システム等の工夫により,そうした人材を集め,福祉の専門チームをつくるようなイメージで,より意欲の高い児童福祉専門集団が出来上がるのではないかと思っております。  そこでお尋ねいたします。本市において児童相談所の専門性確保のため,現在どのような取組を行っているのかお聞かせください。  重篤な虐待事案が後を絶たず,児童相談所の果たす役割はより一層大きくなると思っておりますが,専門性向上のため,さらなる今後の取組についてもお答えください。  児童相談所への通告や問合せは,昼夜問いません。虐待は保護者が家にいる夜間に起こりやすいでしょうし,児童の非行や問題行動も学校から離れる夜間に起こりやすいものだと思います。となりますと,警察などの関係機関からの連絡は夜中にも入るわけですし,児童が助けを求める連絡も夜間が多くなってきます。  とはいえ,児童相談所の職員といえども一人の人間です。夜間も待機状態というのは心身ともに大きな負荷がかかります。私自身も新聞記者時代に24時間365日,警察や消防の対応をしていたことがあり,その辺りの有形,無形のストレスは十分に理解できます。そうした勤務が続くことは,児童相談所並びに本市の児童福祉にとっても決してプラスとは言えません。たとえ高い意欲を持っていても,心身が疲弊してしまい,児童福祉を図り,権利を擁護するという崇高な目的を達することが難しくなってきます。  ある新聞報道では,児童相談所職員の休職率は他の行政職員より高いというデータが紹介されておりました。自治体によっては4倍ほどの差があるそうです。そこで,こうした心身の負担を減らし,ひいては児童相談所のモチベーションを上げるため,夜間・休日体制改善の一環として民間委託を検討してはいかがかと思っております。  他の政令指定都市では,例えば福岡市は平成24年度から土日・祝日と平日の午後6時から翌午前8時半までは虐待が疑われるといった通告に対する安全確認を民間委託しているということです。また,札幌市では,電話相談受付は直営ですが,通告のうち軽微と判断されたケースの安全確認を民間委託しているということです。  そこでお伺いします。まず,本市における児童相談所の夜間・休日体制はどのようになっているのでしょうか。また,民間委託して児童相談所職員の負担を軽減することで本市の児童福祉の向上を図ることはできないでしょうか,お聞かせください。  最後に,町内会・自治会への加入促進についてお伺いします。  町内会・自治会をはじめ,子供会,老人クラブ,地区社会福祉協議会といった地域コミュニティーは,住民同士の交流を支え,住みやすい地域をつくり上げていくための要となっております。皆様御存じのとおり,その機能の衰退,団体の弱体化は久しく問題となっております。本市においても同様でございます。先ほどの地域猫活動といった他の施策の遂行にも影響を及ぼしております。  要因については,少子高齢化や価値観の多様化,またライフスタイルの変化といったことが挙げられているところですが,その一つとして,若者の地域への愛着が薄れ,町内会・自治会をはじめとする地域コミュニティーに興味・関心を持たなくなったことが大きな要因となっているのではないかと感じております。現代社会では,生まれ育った土地にそのまま住み続ける人は少なくなってきております。また,核家族化が進む中で,近隣に住む者同士のつながりも非常に希薄になっていると感じております。  そのような大変残念な状況で,さらに若者世代は仕事や子育てに忙殺され,日々の生活に追われており,地域との関わりを持つような時間を確保することも難しいのは言うまでもございません。私は常々,地域コミュニティーの入り口は町内会・自治会への加入だと申し上げております。若いうちからまずは町内会・自治会に加入するところから始め,地域コミュニティーとの関わりを少しずつ築いてほしいと考えております。  町内会・自治会が回覧板などで提供している地域情報には,地域団体や公民館が行う行事などの情報,ごみ収集等の生活情報,市や様々な関係機関からのお知らせなど,地域に密接した内容が盛りだくさんとなっております。まずはこのような地域情報に触れ,活動を知っていただくところから始め,参加できそうな親睦行事や祭りなどへの参加をきっかけに,少しでも自分が現在住んでいる地域に関心・愛着を感じていただきたいのです。そして,いざ日々の生活の中で時間に少しでも余裕ができたときに,地域活動に可能な範囲で参加,協力してもらえればと考えております。  本市においても転入者に対し,町内会・自治会への加入促進チラシを配付したり,小学生に対して町内会・自治会の活動について副読本を使った学習機会を設けたりするなど,様々な対策を行っていることはよく存じ上げております。こうした施策を踏まえ,これからはより一歩踏み込んだ働きかけが必要になってくるのでないかと感じております。  そのような中,本市の三世代同居・近居支援事業の存在を知りました。この事業では,親の世代と同居,または近くに住んだ若者世帯へ引っ越し費用などを支援するというもので,この支援の要件として,町内会・自治会への加入があると聞きました。  そこでお聞きいたします。この事業の実施目的,また,この制度をきっかけに町内会・自治会に新たに加入した実績についてはどのようになっているでしょうか。また,この制度を利用した方は町内会・自治会への加入についてどのような感想をお持ちでしょうか,教えてください。  この三世代同居・近居支援事業の利用実績は年間120件程度とお聞きしました。若者世帯の全体数から考えれば,私としては非常に少なく感じられるというのが率直な感想でございます。そして,この事業そのものはまだまだ潜在的な需要があるのではないかと期待を抱いております。  そこでお聞きいたします。本市ではこの三世代同居・近居支援事業の利用促進を図るため,どのような対策を行っていきたいと考えていらっしゃるのでしょうか,お答えください。  また,この制度により町内会・自治会への加入促進を図ったとしても,あくまで親世帯との同居または近くに住んだ若者世代への働きかけだけであり,実際はその効果が限定的だと思っております。現に,本市の町内会・自治会の加入率は10年前に65.6%だったのが今年は56.0%と約10ポイント低くなっております。そこで,若者世代をはじめ,未加入の市民に対し全体的にアピールできるような町内会・自治会への加入促進策を検討することも必要な時期に差しかかっていると,私は考えております。  そこで最後にお聞きしたいのですが,本市として町内会・自治会についてどのように認識されており,未加入の市民の町内会・自治会への加入促進について,今後どのように進めていくつもりなのかお答えください。  以上で,私からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○渡辺好造 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       椋木議員の御質問にお答えします。  町内会・自治会組織の認識及び町内会・自治会未加入者への加入促進についての御質問がございました。  私は,町内会・自治会は,地域における住民自治を支える中心的な存在として福祉活動や防犯・防災活動をはじめとする様々な地域活動において大変重要な役割を果たすべきものであると考えております。  しかしながら,町内会・自治会を取り巻く現状は少子高齢化の進行や価値観の多様化などにより,地域活動への参加者の減少や担い手不足など,町内会・自治会の存続そのものを脅かす問題が深刻化しております。そうした中にありながら,災害などの非常時には自助・公助とともに地域住民が協力して自分たちの地域を守る共助のとりでとして活躍するとともに,新型コロナウイルス感染症が拡大し,その終息が見通せない中において,住民同士が助け合い,この困難を乗り切るという共助の精神による取組を担うなど,大変な御労苦をいただいているところであります。  こうした状況を放置することは,地域活動の減少にとどまらず,地域コミュニティーそのものの崩壊を招くことになりかねません。  そこで,現在,町内会・自治会を地域共生社会の形成やまちのにぎわいの創出などに大きく寄与する存在へと変革していくことを視野に入れつつ,そのあるべき姿や行政の支援の在り方等について,将来像をお示しする地域コミュニティ活性化ビジョンの策定を進めているところであります。  町内会・自治会の加入促進策につきましては,このビジョン策定のために現在行っている町内会・自治会等の実態調査の結果分析などを踏まえながら,地域コミュニティーの活性化方策の一つとして同時並行的に実施してまいりたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○渡辺好造 副議長      企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   町内会・自治会への加入促進についての御質問のうち,三世代同居・近居支援事業の実施目的及びこの制度をきっかけに町内会・自治会に新たに加入した実績はどうなっているのか,またこの制度を利用した方は町内会・自治会の加入についてどのような感想を持っているのか,さらに,市は本制度の利用促進を図るためどのような対策を行っていきたいと考えているのかについてお答えをいたします。
     三世代同居・近居支援事業は,世代間の子育てや介護などの支え合いを促進するとともに,地域コミュニティーの次世代の担い手を確保することを目的に実施しているもので,小学生以下の子供がいる世帯が,親元近くに住み替えて同居または近居を始める場合,引っ越し費用など転居に要する費用について10万円を上限に,その2分の1を助成する制度です。  本制度を契機とした町内会・自治会への新規加入については,昨年度の制度利用者では71%の世帯が本制度をきっかけに加入したと回答しており,例年,約6割から7割の利用者から同様の回答をいただいております。  また,本制度の利用者の感想については,制度利用後に実施しているアンケートの中で,町内会長をはじめ周辺に住む方々と出会うきっかけとなった,町内会長とゆっくり話ができ,最近の町内会・子供会の様子や活動について教えてもらえるよい機会をいただいたといった声があり,おおむね肯定的に受け止めておられると考えております。  次に,本制度の利用促進については,これまで広報紙「ひろしま市民と市政」や本市ホームページでの制度紹介を中心に行ってきましたが,子育て支援が必要な世帯や実際に転居を検討している世帯にダイレクトに情報を伝えるため,昨年度末から,各区役所の子育てオープンスペースへパンフレットを配置したり,公益社団法人広島県宅地建物取引業協会のホームページへ事業案内を掲載するといった取組も行いました。  今後も,本制度のニーズの高いと考えられる世帯に対し,効果的に周知できる方策について検討を進め,順次実施していきたいと考えております。  次に,大都市制度について,特別自治市を目指す本市として,先月行われた大阪都構想の住民投票が否決されたことを踏まえ,改めてどう取組を進めていこうと考えているのかとの御質問にお答えいたします。  本市では,市民のまちづくりへの思いや行動を生かせる行政を実現していく上で,基礎自治体という市民に最も身近な存在がとりわけ重要であると考え,地方が行うべき事務を基礎自治体である指定都市に一元化し,大都市特有の課題や行政需要に対応できる特別自治市を目指しております。このことを視野に入れつつ,急速な人口減少社会がもたらす様々な弊害などに対応するために,200万人広島都市圏構想を掲げ,現行制度の下で連携中枢都市圏制度を活用しながら,実施可能な方策を展開してきているところでございます。  議員御質問の,先月の大阪都構想に係る住民投票の結果は,地方が行うべき事務の一元化の担い手は,広域自治体よりも基礎自治体にその責務があることを明確にしたとも受け取れるものであり,特別自治市を目指すことの応援になるものと考えております。  昨日,川村議員に御答弁しましたとおり,今後,指定都市市長会では新たに特別自治市制度の法制化に向けたプロジェクトを設置する予定としておりまして,本市としても,この取組に参画するとともに,引き続き,制度の実現に向け国等に対し働きかけていきたいと考えております。  以上です。 ○渡辺好造 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       市立学校の学習状況について,数点お答えをいたします。  まず,年度当初の新型コロナウイルス感染症に伴う一斉臨時休業の影響により,児童生徒の学習に遅れは生じないのかという御質問です。  本年4月,国から緊急事態宣言が発令されたことなどを踏まえ,4月15日から5月31日まで全ての市立学校を一斉臨時休業としましたが,その間の授業日数は29日でした。これについては夏季休業日の短縮で17日分,冬季休業日の短縮で4日分,残りの8日分については,学校行事の重点化や準備時間の縮減,時間割編成の工夫などにより対応することを基本として確保することとし,現時点での学校からの聞き取りによれば,こうした取組により,年度当初の一斉臨時休業の影響による授業時数の不足は解消できる見込みとなっております。  次に,今後,臨時休業の措置を取った場合,どのように今年度の学習を終わらせていくのかという御質問です。  昨日,竹田議員に御答弁申し上げたとおり,本年7月から一昨日まで臨時休業の措置を取った市立学校15校のうち,計画していた授業が実施できなかった学校は11校で,できなかった授業時数は平均で11時間,約2日分程度でした。各学校では通常,大雨や台風などの自然災害等により,数日程度,臨時休業となることを想定して,年間の授業計画を立てており,このたびの新型コロナウイルス感染症による臨時休業については,この中で対応することが可能と聞いております。  今後,仮に学校内での感染拡大が次々起こり,その学校の臨時休業を長期化せざるを得ないという状況になった場合には,例えば1日当たりの授業時数を増やす,土曜日に授業を実施するなどの対応を検討することになります。  また,最終学年以外については学習内容の一部を次年度以降に移すことも可能ですが,こうした対応を取ることがないよう,引き続き,学校における感染防止対策の徹底に努めてまいります。  次に,本市におけるタブレット端末の納入状況と今後の納入見込みについてです。  タブレット端末については,広島市立の小学校141校,中学校63校,中等教育学校の前期課程,特別支援学校の小・中学部の児童生徒用等として合計約10万4000台を購入することとしており,令和2年9月末までに全台の購入契約を締結し,本年11月末時点で約1万4000台の納品を受けております。今後も順次納品を受け,本年度内には全台の納品を受ける予定となっております。  次に,臨時休業や濃厚接触者となって登校できないケースでのタブレット端末の活用例についてです。  新型コロナウイルス感染症の陽性者が出た場合の臨時休業措置は,長くとも3日程度であり,この間についてはプリントなどにより家庭学習の課題を出しています。  次に,濃厚接触者については,陰性であっても2週間の出席停止となりますが,それに対する対応事例としては,日中使用できるパソコンがない場合は,タブレット端末等を貸し出した上で,学校と家庭をインターネットを介してつなぎ,双方向コミュニケーションツールを活用し,朝夕の健康観察,授業の配信,学習課題の提示や提出,教員や児童生徒同士の意見交換等を行ったものがございます。  それ以外の例では,家庭の希望を聞いた上で課題プリントや生活ノート等を家庭訪問により届けたり,ポスティングしたりするなどの対応を行っているところです。  今後とも,学校に登校できない間の児童生徒に対する学習支援については,一人一人の家庭の状況に応じて,双方向コミュニケーションツールの活用も含め,適切に対応してまいります。  最後に,新型コロナウイルス感染症により臨時休業となった学校の児童生徒への心のケア,またいわれのないいじめや誹謗中傷を生まないため,どのような取組を行っているのかという御質問です。  児童生徒や教職員に感染者が出たことにより臨時休業となった場合,その学校の児童生徒が不安を感じ,様々な反応を示す可能性があることから,臨時休業となった学校において,支援が必要な児童生徒を把握した場合には,速やかにスクールカウンセラーに相談できる体制を取っております。  また,新型コロナウイルス感染を要因としたいじめや誹謗中傷の未然防止に向けて,学校の授業の再開日や陽性となった児童生徒の登校再開に合わせ,改めて指導徹底するとともに,校長OBのいじめ対策推進教諭等を当該校に派遣し,教室を巡回して児童生徒の様子を観察するなど児童生徒への見守り体制を強化しているところです。  また,臨時休業措置があった場合に備え,全市立学校に対し,校内で児童生徒の感染者が出た場合の児童生徒対応の留意点や,児童生徒の不安感を察知するためのアンケート例を示した資料を配付しており,各学校ではこれらの資料を活用して,万一に備え教職員の共通理解を図っているところでございます。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  地域猫活動について三点の御質問にお答えいたします。  現在,町内会・自治会に限っている申請主体を見直し,NPO法人やボランティア団体等にも門戸を広げるべきだと思うがどうか,また,本市の獣医師会にも積極的に働きかけることにより,地域猫活動が広がりを見せると思うがどうかについてです。  地域猫活動は,地域の住民の方々の理解と合意の下に野良猫に不妊・去勢手術を行い,餌やりやトイレ管理などを適切に実施し,住みよい地域をつくるための活動であることから,その申請の対象は町内会・自治会としております。一方で,議員御指摘のとおり,町内会・自治会が組織されていないなどの理由により,住みよい地域づくりに貢献したい方々が地域猫活動の申込みができないといった状況にあります。  このため,今後は,適切な餌やりやトイレの管理を行い,継続して活動できるグループ等に対象を広げることや,議員御提案のNPO法人等に手術費を補助することなど,地域猫活動の事業スキームを他都市の取組も参考にしつつ,獣医師会や関係機関とも協議し,見直しを検討したいと考えております。  また,現在,動物管理センターには獣医師6名を配置しており,このうち不妊・去勢手術を主に担当する獣医師は1名で,年間1,000頭余りの手術を行っております。こうした中,近年,地域猫活動に参加する町内会や自治会が増えてきており,不妊・去勢手術も3週間から1か月近く待っていただいてる状態が続いております。  今後,このような状態を解消するためには,例えば,動物病院の獣医師を動物管理センターに派遣してもらい手術を実施していただくなど,獣医師会との連携を図ることを検討したいと考えております。こうした取組に獣医師会に加わっていただくことができれば,これを契機に,地域猫活動はさらに広がりを見せると考えております。  次に,不妊・去勢手術が増える中で,本市の担当獣医師の増員を目指すべきではないか,急な増員は難しい面もあると思うが,本市の獣医師確保で抱える課題について,採用の側面で広島県と比較してどうかについてです。  議員御指摘の担当獣医師の増員につきましては,先ほど御答弁しましたとおり,獣医師会との連携を図ることも視野に入れつつ,今後検討してまいります。  また,自治体の獣医師については全国的に不足している状況にあり,本市でも例外ではなく,採用確保に苦慮しているところです。  このような中,広島県と本市の獣医師の令和元年度の採用試験の実施結果を比較してみますと,広島県の場合,採用予定数4名に対し申込者数が8名,合格者数は7名でした。本市の場合は,採用予定人員若干名に対し申込者数は4名,合格者数は1名でした。  また,広島県と本市の獣医師の採用試験について比較してみますと,広島県の場合,試験項目は専門記述試験と面接の1回となっておりますが,本市の場合は一次試験から三次試験まであり,試験項目は,一次試験は教養・専門試験,二次試験は面接・小論文試験,三次試験は面接・集団討論試験というふうになっております。  最後に,地域猫活動において日頃の餌やりは大きな出費である,参加している町内会・自治会に餌代等の補助を検討してはどうかについてです。  地域猫活動は,地域に暮らす住民が人と猫との関係について共通の理解と認識の下に,民間団体や行政などと協働して野良猫を減らし,人と猫が共生できるまちづくりを進めていく取組であると考えております。  このため,現行の制度では,行政と地域の役割分担の下,餌代等については地域において負担いただくものと考えておりますが,本制度は平成26年度から開始し,7年が経過していることから,今後,まずは餌代の負担など地域が抱える運営上の課題について,その実態を確認したいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      こども未来局長。 ◎松井勝憲 こども未来局長  児童相談所につきまして,二点の御質問にお答えをいたします。  まず,児童相談所の専門性の確保のために,現在どのような取組を行っており,今後どのような取組を行うかについてでございます。  本市の児童相談所では,子供やその保護者が抱える複雑かつ困難な問題にも専門的・多角的な視点を持ってチームとして対応できるよう,児童福祉司,児童心理司に加え,医師,弁護士,保健師,保育士,教員,警察OBといった多様な人材を配置しております。  また,現場で奮闘する児童福祉司等が自信とやりがいを持って業務に励めるよう,任用前後の法定研修や職歴に応じた外部の専門研修の受講に加え,業務マニュアルを用いた職場内研修や経験の浅い職員へのOJTを実施しています。さらに,警察及び広島県と合同で立入調査等の訓練を実施し,実践力を養うなど専門職としての資質向上に取り組んでいます。  今後も,児童福祉司等の法定研修の充実や処遇改善等について,他都市と連携して国に要望を行うなど,職員一人一人の負担が過重となり過ぎず,高い意欲を持ち続けることができるよう努めながら,専門性の向上に取り組んでまいります。  次に,児童相談所の夜間・休日体制はどのようになっているか,民間委託して相談所職員の負担を軽減してはどうかについてでございます。  本市の児童相談所では,24時間365日体制で児童虐待通告等を受け付けるため,専任の電話相談員を雇用しております。  夜間は,この電話相談員が通告等を受けた後,輪番制で自宅待機している役付職員が連絡を受け,緊急性や一時保護等の対応の必要性を判断するとともに,同じく自宅待機している職員2名に連絡し,実際の一時保護の実施などの必要な対応を行っております。また,休日の昼間は,電話相談員1名に加え職員2名が職場に待機し,対応を行っています。  なお,いずれの場合も,緊急で子供を一時保護する必要がある場合などは,警察とも連携して迅速な対応に努めております。  議員から御提案のありました民間委託につきましては,子供の安全確保と職員の負担軽減の両面から,他都市の状況等も参考にしながら,検討してまいりたいと考えております。  以上です。 ○渡辺好造 副議長      10番椋木議員。 ◆10番(椋木太一議員) 丁寧な御答弁ありがとうございました。再質問は特にございませんが,ちょっと要望等を手短に述べさせていただきます。  まず,松井市長にお答えいただいた町内会・自治会等のことで,地域のとりでだというお話がございました。基礎自治体における地域のとりでということは,まさに地方行政を支えている,根幹をなす部分であります。それが今,非常に苦しい状況にあります。活性化ビジョンを策定中で,それに基づいて施策を打っていただけるということなので,期待しておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。  特別自治市なんですが,これは法整備等々が必要になってきますので,本市だけでどうこうするというものではないとは思っております。ただ,他の自治体もそろりそろりと歩いておりますので,先ほど局長がおっしゃったように,応援と受け止めているというふうなかなり前向きなお答えをいただいておりますので,市議会,私としましても何らかの形でこのことには関わっていけたらなと思っておりますので,どうぞよろしくお願いします。  学習状況についてなんですが,コロナはまさに生き物でございます。現在進行形で状況が刻々と変化しております。危機管理でありますが,最悪のケースを想定して大きな風呂敷を広げて,何か起こったときに迅速に,スピーディーに対応できるようにどうぞよろしくお願いします。日頃から緊張感が物すごい中で頑張ってらっしゃるのは重々承知しておりますが,子供たちの安全・安心を確保するためどうぞよろしくお願いいたします。  地域猫活動についてですが,私,質問上で致命的欠陥とか,かなりちょっと辛辣な言葉を使ってこの制度について申し上げたんですが,猫のことに限らず,先ほど申しましたように地域コミュニティーの件であったり,獣医師の件であったり,このことは多面的なことがかなりごちゃ混ぜになって,なかなか難しい問題だと思います。どんな切り口でやっていくのかは今後になっていくんですが,かなり私が想像していた以上に前向きな答弁をいただきましたので,今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  最後に,児相なんですが,子供たちは社会の宝物でございます。広島市の未来を担う大切な人材,財産でございます。民間委託の件,よりよい制度ができるように前向きに検討いただけるよう要望して,私の質問を終わりにいたします。ありがとうございました。 ○渡辺好造 副議長      次に,8番水野考議員。                〔8番水野考議員登壇〕(拍手) ◆8番(水野考議員) こんにちは。自民党・市民クラブの水野考です。  会派を代表して質問をさせていただきます。  まず,幼児教育についてお伺いいたします。  12月2日の中国新聞では,広島県内の認定こども園のうち,幼保連携型に通う園児の数が2020年に1万9475人となり,統計を始めた15年と比べて2.9倍に増えたこと,また,幼稚園の園児数は4分の3に減少,保育ニーズの高まりとともに教育と保育の両機能を備えた施設への移行が進んでいることが取り上げられました。  広島市においても幼児教育の充実については,平成30年9月議会において海徳議員からの質問に対し,限られた財源を活用しながら,公立・私立の幼稚園・保育園などが適切な役割分担と厳密な連携を図ることで,将来にわたって持続可能なものにしていくと答弁をいただいております。  幼児教育の重要性は,平成18年の教育基本法の改正の際にも,生涯にわたる人格形成の基礎を養う重要なものと規定をされ,その重要性は年々高まっているものと認識をしております。  本市では,令和2年3月に,全体最適の視点に立って幼児教育・保育の一体的な質の向上を図るとともに,持続可能な提供体制を構築していくため,広島市幼児教育・保育ビジョンが策定されました。  その冒頭には,アメリカのミシガン州の研究が出てきます。経済的・社会的に恵まれない子供たち123名を対象にした研究です。3歳から3年間,就学前教育を受けたグループ,そうでないグループに分けて,その後,40年の追跡調査を行った大規模介入・長期横断研究です。その結果,14歳時点での学力や高校の卒業率,40歳のときの年収などなど,幼児教育を受けたほうが高くなるという結果が出ています。  このような幼児教育の効果を,特に金銭的・人的投資とその経済的なリターンという費用対効果の観点から捉えた経済的な研究が近年,世界でも盛んに行われております。  このリターンとは,例えば,犯罪率が減少することは治安維持費や裁判費用の節約につながり,失業率が減少することは福祉関係費の節約につながり,大学進学率が増加することは生涯所得や税収入の増額につながるというような考え方です。このような観点の研究の知見では,幼児教育により多く投資をしたほうがたくさん経済的なリターンが生まれ,その効果は教育する年代が高くなるにつれて指数関数的に減少すること,また,特に恵まれない子供に対する効果が高いことが分かっています。  令和元年度の決算額で見てみますと,広島市の市立施設において子供1人当たりに要した費用は,幼児教育段階で約120万円,義務教育段階で約67万円,市立高等学校については約103万円です。幼児教育段階が一番高いですが,詳細を見るとゼロから3歳の子供の保育を行う教員の数を確保するための費用が一番多く,教育の質を高めるためにはまだまだ投資の余地が残されていると思います。  幼児教育の質については,イギリスの研究でEPPEプロジェクトが現在進行形で行われています。この研究では,施設の保育・幼児教育の質を評価し,質の高い園,中程度の園,質の低い園の三つに分けて,子供の発達との関係を検討しております。対象となった子供は3,000人です。この研究の知見によれば,子供が11歳になったとき,国語と英語の成績が,より質の高い園で教育を受けたほうが高くなっています。また,成績だけでなく,心の面でも違いがあります。特に自分を律する自己抑制と社会に対して前向きな気持ちになれる向社会的行動では,さきと同様,より質の高い教育を行っているところのほうがよい結果が出ていました。  このような研究では施設の整備や保育・教育の方法によって園の格付をしておりましたが,アメリカのスタープロジェクトでは,単純に教師の経験年数によっても違いが見られるという知見があります。具体的には,経験年数10年以上の先生に教育を受けた場合では,そうでない人たちと比べて26歳のときに年収に1,000ドルの差があるというものです。  以上のような研究は,基本的には就学前の子供たちに,特に3歳から6歳までの教育状況がその後の人生にどのような影響を与えているのか調べるものです。お示ししたとおり,11歳の学力や40歳の年収にまで差が出ています。そして,質の高い教育を受けたほうがより効果が見込めます。  こういった何十年も時間をかけた大規模縦断的な研究は,残念ながら日本ではまだ明確な形になっておりません。海外でも数が少なく,言わば証拠不十分な状況かもしれません。ただ,3年間の幼児教育が終わった後,紆余曲折,様々な人生があったとしても,それでもたった3年間の就学前教育がその後の人生に大きな影響を与えるかもしれない,このことは恐ろしいことでもあると同時に,幼児教育の可能性を示しています。  さて,日本の幼児教育を見たときに,平成29年3月には幼稚園教育要領や保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領の三つが改定され,内容の整合性が高まり,質の高い幼児教育の推進が図られております。  広島市でもさきに紹介しましたビジョンが策定され,現在,このビジョンに基づく具体的な取組を定める実施方針を策定しているとお聞きしております。  ここで,改めて広島市としてどのような認識・考え方からビジョンを策定されたのかお伺いをいたします。  広島市には,公立に限れば19園の幼稚園があり,87園の保育園・認定こども園があります。幼稚園の本務者は51人で,保育園・認定こども園の正規職員は1,171人です。規模を見れば,圧倒的に保育園・認定こども園のほうが大きいです。  時代の流れを見ても,厚生労働省の統計によれば,専業主婦の数は年々減り続け,2017年の直近では専業主婦世帯は36%まで減少し,共働き世帯が社会のマジョリティー世帯となっております。  当然,子供を預けることのできる時間が長い保育園のニーズが高まり,核家族化も相まって,幼稚園に子供を行かせることのできる家庭の数が減りました。10年前には1,579名いた幼稚園児の数は,本年では682名になりました。  しかし,そんな中でも幼稚園を選ぶ方の数は少ないながらもあるように思います。実際,保育所に通う保護者の中からも,仕事のことを考えたらどうしても保育所に預けるしかなかったんだとの声も,数人からですが,聞いたことがあります。  ビジョンでは,幼児教育・保育の質の向上を図る拠点となる園として,市立幼稚園と保育園の両方の機能を持つ公立の認定こども園を設置するようになっています。  認定こども園には,大きく分けると幼稚園型,幼保連携型,保育所型の三つの類型があります。大ざっぱに言えば,既存の幼稚園がゼロから2歳までの保育も行えるようにするのが幼稚園型,保育園が学校教育の側面を取り入れた教育も行えるようにするのが保育所型,幼稚園と保育所が合併するのが幼保連携型です。どの型でも就学前を広くカバーしており,うまくいけば,ゼロ歳から一貫した教育・保育を行うことにより子供の育ちの保障が得られるという大きなメリットがあります。  しかしながら,両者はシステムが大分異なるので,変更や調整がとても難しくなっております。  例えば勤務体系,子供の保育時間を見てみると,市立幼稚園では9時から14時までが保育時間となっており,土曜,日曜,祝日も休みのほか,夏休みや冬休みなどがありますが,市立の保育園では7時半から18時半までの保育時間が標準で,日曜,祝日と年末年始しか休みがありません。このため保育園では,複数の保育士がシフトを組んで1日11時間,週6日の保育を担っており,幼稚園教諭と保育士とでは勤務体系が大きく異なっています。  また,教育の観点では,子供たちが小学校就学時までに育ってほしい姿は幼稚園も保育園も同じではありますが,幼稚園は,学校基本法で規定する学校として幼児期の特性を踏まえ教育課程を編成し,各学級担任を中心に教員全員で一人一人の育ちのよさを見取り,自己肯定感や満足感,達成感を高めていく教育を行うことになっています。  一方,保育園は,児童福祉法に規定する児童福祉施設として家庭との緊密な連携の下に,乳幼児期の特性を踏まえ全体的な計画を作成し,クラス担任を中心に職員全体で長い生活時間の中で子供の生命の保持や情緒の安定を図るための援助や関わりといった養護と,一人一人の育ちのよさを理解し,自己肯定感や満足感,達成感などを高めていく教育を一体的に行うことになっています。  続いて,研修を見ても,市立幼稚園・保育園とも園内研修は共通してありますが,幼児が降園した後や長期休業中に園内で研修するとともに,公立・私立を問わず幼稚園・保育園や小学校教員に対して保育を公開するなどの取組を実施して,教育の質の向上に努めているとお聞きしています。  違うところは,幼稚園では,職務の経験年数に応じた研修や免許の更新講習が法律で受けられるように決まっていることです。最近では幼稚園教諭,保育士,両方の免許を持っている者が増えているようですので,保育園にいても幼稚園の研修を受けていることも増えているようです。  しかし,私が以前,教員免許の更新講習の講師をさせていただいたときに,同じ免許を持っていても,幼稚園で勤務されている方と保育園で勤務されている方では,同じ課題,同じ教え方でも,受け取り方,考え方が違うんだなというのは感じたことがあります。取得されている資格や経験の違い,様々な先生がおられる中で,その資質向上が見込めるよう工夫する必要があるように思います。  以上,勤務体系や教育の仕方,研修などを見ただけですが,違いがあります。これを統合するのは非常に難しい。幼稚園の先生は教員ですし,保育園の先生は保育士です。自己認識も違います。それぞれプライドを持って仕事をされております。これらの違いがあるから,実際には,認定こども園になっても,なかなか話合いの土俵が合わなかったり,交流が少なかったりもするようです。  保護者としても幼稚園を選択する親,保育所を選択する親を比べると,保育所を選択する親のほうが考え方が多様のようです。どこにでもある問題かもしれませんが,どんどん園に関わっていきたいと思う保護者と,できるのなら園に子供を任せたいと思う保護者と,双方の了解を得ながら園の運営をしていくことはとても難しいと聞きます。認定こども園制度は,この難しさをさらに推し進める可能性もあります。
     さて,唐突ではありますが,結婚に例えるなら,幼稚園と保育園を合併することは,お互いのよさを認め合い,一緒になった恋愛結婚ではありません。むしろ,文部科学省と厚生労働省の縦の壁の間を内閣府が取り持った政略結婚です。どうしても裏には,財政の問題と,共働きの増加で保育園が足りない中,定員割れとなることもある幼稚園を受皿にしようという発想が見えます。だからこそ幼稚園のよさ,保育園のよさの双方が無理なくしっかりと残った認定こども園をつくれる制度を,親の立場である行政がしっかりと考えるべきです。  特に,数的に劣勢であり,受皿の役目を持つ市立幼稚園でのこれまでの幼児教育を確実に引き継いでいくためには,法的にも学校としての位置づけのある認定こども園の類型とするなど配慮が必要となる場合もあるでしょう。  学校教育の観点から見ると,学級編制や職員の勤務体制が複雑となる保育園型,幼保連携型では,教員の研修時間の確保や同じ職員が継続的に子供の姿を捉えた上で,子供の主体的な活動につなげていくことが困難になる可能性もあります。  認定こども園に幾つもの型があるのは,地域の実情を考慮しながら各園が無理なく認定こども園の形態を取れるようにするためでもありますし,まずもって保護者の方々に選択の自由を保障するためではないでしょうか。  ここでお伺いをいたします。公立の認定こども園の設置に当たっては,どのように認定こども園化を進めていくのかお聞かせください。また,類型については,幼稚園型とする必要があるとも考えますが,市の見解をお聞かせください。  続きまして,GIGAスクール構想の実現に向けた取組についてお伺いをいたします。  総務省から出ている令和2年版情報通信白書によれば,2030年代Society5.0の実現により,都市部と地方,国境などの地理的な障壁に加えて年齢,障害の有無といった様々な差が取り除かれ,誰もが活躍できる社会が到来するとあります。2030年代といえば,今,義務教育段階の子供たちが社会に出る頃であり,まさにSociety5.0の若き担い手として期待をされる年代です。  世界を見たときに日本のデジタル産業は遅れています。2019年,世界の5大IT企業であるGAFMA── グーグル,アップル,フェイスブック,マイクロソフト,アマゾンの年間売上高合計が約8000億ドル,約88兆円であり,その経済効果や雇用に与える影響は計り知れません。IT産業は,今後さらなる発展が見込める分野で,新規参入も比較的しやすいと言われていますが,現実日本にはGAFMAに比肩する企業はなく,出遅れている状況です。  我が国がデジタル後進国である理由は,一つは,デジタル産業への投資が他国と比べて少ないからです。平成30年版情報通信白書によれば,平成6年には1.4倍だった日本と米国のICT投資額の比率は,平成28年には4.0倍と差が拡大をしております。また,人員配置や人手不足の点も課題があります。令和2年度の経済財政白書によると,日本ではIT人材のうち約70%がIT産業に集中しているのに対し,アメリカやドイツではその比率は40%,ほかは金融やサービス,製造業など幅広い分野で活躍をしています。また,人材育成でも遅れが見られ,経済産業省は令和12年にIT人材は79万人不足するというデータを出しています。  さて,1年後には本格実施を迎える予定のGIGAスクール構想ですが,子供の学びをサポートするだけでなく,ICT技術に慣れ親しんでもらえる機会となることを願います。子供たちの,将来ああなりたい,こうなりたいという夢が伸びる方向にICT技術が導入され,発展していくのではないかと思うからです。  さて,ここで四点お伺いをいたします。  授業におけるICT活用については,教科書に準拠したソフトやデジタル教材を活用しながら,個々の習熟度に応じたペースで学習を進めることや,インターネットを活用した情報収集,観察や実験時の写真や動画による記録を行うなど計画しているようですが,こうした活用に当たっては,民間企業は様々な優れた教材やコンテンツを開発しており,民間の力も活用すべきと考えますが,どうでしょうか。  二つ目,ICT環境を活用した授業の推進に当たり,機器の使い方やトラブルへの対応について学校や教員への支援が必要だと考えますが,支援体制についてはどのように考えていらっしゃいますか。  三つ目,ICT機器を使用し活用する能力は,これからの教員に必要な資質・能力になると考えますが,研修はどのように行っていかれますか。  四つ目,GIGAスクール構想の実現に向けた取組を通じて,どのような力を子供たちに育もうと考えていらっしゃいますか。  以上,四点お伺いをいたします。  続きまして,GIGAスクール構想下での少人数によるきめ細やかな指導体制の計画的な整備についてお聞きします。  今回の武漢発のウイルス感染症により,学校現場では3月に全国一斉に休校となりました。6月頃から徐々に学校が再開し始めましたが,当面は分散登校となり,授業時数を確保するために夏休みが短縮され,さらに子供たちが楽しみにしていた運動会や修学旅行の中止も余儀なくされました。  こうした現状を踏まえれば,これから第三波が来ても,あるいは新たな感染症が来ても教室内で身体的距離を十分確保して,全ての子供たちが学びを止めず,安心して学べる環境を整えていかなければなりません。  このような中,広島市は,GIGAスクール構想の下,ICT教育環境の整備を進めるとともに,一人一台の端末の活用などを始めるために小学生,中学生の全児童生徒にタブレット端末の配付を行います。  そこでお尋ねをします。全国的に普通教室の広さの平均は64平米と言われています。全教室の約7割が8掛ける8の64平米であり,広島も大多数の教室が基準に沿っていると聞いております。実際,GIGAスクール構想の下,一人一台の端末を使い授業を始める場合,新たに充電保管庫のスペースを確保する必要があります。  そこでお尋ねをします。現在の64平米の普通教室の広さで身体的距離を十分に確保しようとすれば,30人学級にする必要があると聞いております。このことについて,広島市のお考えをお答えください。  次に,文部科学省は,今後の児童生徒数の減少に伴う定数減を活用して一定期間をかければ,大きな追加財政の負担がなく30人学級の実現が可能であると言っております。  しかし,コロナ禍において少人数学級の必要性は,これまでになく高まっております。仮に新たな財政負担を生じるとしても,日本の未来を担う子供たちのために,今こそ30人学級を実現すべきです。  もちろん,30人学級の実施に伴って,地域や学校によっては教室不足が課題となります。施設整備の財政措置も国の責任においてしっかりと講じられるべきだと考えます。  また,学校現場には,いじめや不登校など支援を要する子供たちのために加配教員が配置されていますが,これらの加配教員は学校現場で極めて重要で固有な役割を担っています。30人学級になるのだからといって,この加配教員を30人学級の財源として削減されるようなことはあってはなりません。  以上を踏まえ,30人学級の実施に伴い,施設整備のための財源措置や加配教員の維持・充実を堅持しつつ,法改正などにより,国の責任で計画的・段階的に30人学級を進めるよう国に対し強く要望すべきではないかと思いますが,どのようにお考えかお答えください。  続いて,広島城天守閣についてです。  先日,広島城のあり方に関する懇談会も開催され,木造復元を望む声が大勢を占めたと聞き,同じく天守閣の木造復元を望む私としましては,大変喜ばしく思っております。  新聞報道によりますと,事業予算は耐震改修の場合が約1億4000万円から9億8000万円,それに対して木造復元の場合が約86億円とのこと。また,事業期間については,耐震改修が2年から6年程度,木造復元が約20年。使用可能年数については,耐震改修が30年,木造復元では数百年とのことでした。  そこで幾つかお尋ねをいたします。  耐震補強の予算について随分と幅がありますが,その理由をお答えください。  また,耐震改修を行う場合,耐震壁を造ったり,鉄骨を入れたりするだけではなく,併せて壁や床など内装についてもきれいにしなくてはならないと思いますが,これらの費用も合わせると実際にはどれくらいになりますでしょうか。  次に,木造復元の場合,事業期間は20年とのことですが,これはあまりにも長過ぎるような気がするのですが,その根拠は何でしょうか。実際の工期はどれくらいなのでしょうか。  最後に,耐震改修後の使用可能年数について,報道では30年とありましたが,築56年で耐震改修を施した小田原城は,耐震改修後の使用可能年数を20年とされております。また,現在築54年で耐震改修工事中の福山城は,使用可能年数を20年から最大30年とされております。それに対して,広島城天守閣は既に,築62年を経過しております。今から耐震改修をしたとして,その後30年使用するというのは多分に無理があると思われるのですが,いかがでしょうか。  以上,質問をさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○渡辺好造 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       水野議員からの御質問にお答えします。  幼児教育・保育についてのうち,広島市幼児教育・保育ビジョンの策定の趣旨についての御質問がございました。  先ほど岡村議員にも御答弁したとおり,未来を担う子供の健やかな成長を確かなものにしていくことは,我が市の未来の在り方にも関わる重要な課題であると認識してます。  急速な技術革新やグローバル化の進展など,社会経済環境が大きく変化していく中で,将来の広島を担う子供にはこうした変化に対応していくことのできる知識や能力を身につけ,自立して生き抜いていけるようになってもらうということが大事であり,そうしてもらいたいと考えております。  その意味で,生涯にわたる人格形成の基礎が培われる乳幼児期に,知識及び技能の基礎,思考力,判断力,表現力等の基礎,学びに向かう力,人間性等の資質・能力を一体的に育む質の高い幼児教育・保育を行っていくことで,小学校以降の学びに着実につないでいくことは,三つ子の魂百までといった言葉に象徴されますように,極めて重要であると認識しております。  また,近い将来,さらなる少子化の進展によって,幼児教育・保育全体の需要が減少に転じると見込まれている中で,幼児教育・保育の提供体制に及ぼす影響も懸念されております。このため私は,公立・私立,幼稚園・保育園等を問わず,全体最適の視点に立って幼児教育・保育の一体的な質の向上を図り,長期にわたって持続可能な提供体制を構築していくための基本方針として,本年3月に広島市幼児教育・保育ビジョンを策定いたしました。  幼児教育・保育に関しては,国レベルでは,議員が言われたように主に文部科学省と厚生労働省の2省によって諸施策が展開されているところでありますけれども,本市においては,幼稚園・保育園といった施設の種別に関係なく子供たちが質の高い幼児教育・保育を受けられるよう,教育委員会とこども未来局が緊密に連携して取組を進めております。  今後は,このビジョンに掲げた施策の方向性に基づく実施方針を策定し,幼児教育・保育の一層の充実に向けた取組を具体的に進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○渡辺好造 副議長      こども未来局長。 ◎松井勝憲 こども未来局長  幼児教育・保育についての御質問のうち,本年3月に策定いたしましたビジョンにおいて,幼児教育・保育の質の向上を図る拠点として公立の認定こども園を設置することになっているが,どのような進め方で認定こども園化を進めようとしているのか,また,この認定こども園の類型は幼稚園型とすべきではないかというお尋ねにお答えをいたします。  新たに設置いたします公立認定こども園は,国レベルでは2省に分かれて展開されてきた幼児教育・保育を一体のものとして,公立・私立を問わず,その質の向上を図るための拠点として設置することにしているものです。  その設置にあたりましては,まずは,既存の公立幼稚園と公立保育園から統合する園を選定し,運営面での連携強化を図った上で,施設の更新時期等を踏まえながら,統合・認定こども園化を進めていくことにいたしております。  具体的には,来年度から,全区において,選定された公立幼稚園と公立保育園が連携して,乳幼児教育保育支援センターとともに公開保育を実施し,令和4年度からは小学校教育との円滑な接続に関する新たな課題の調査・研究などを開始することにしております。  統合する園につきましては,幼児教育・保育を一体的なものとして行う拠点として,その後も必要な機能を順次充実していくこととしておりますが,議員の御提案も踏まえまして公立幼稚園として蓄積してきた実績やノウハウを最大限生かしていくという観点に立って,いただいた御意見が反映されるような取組を検討してまいります。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       GIGAスクール構想の実現について,数点の御質問にお答えをいたします。  まず,授業におけるICTの活用については,民間企業が様々な優れたコンテンツ・教材を開発していると,こうした民間の力も活用すべきと考えるがどうかという御質問です。  現在整備している児童生徒一人一台の端末を授業で効果的に活用するためには,ハード面だけでなくソフト面の整備も重要であると考えております。  議員御提案のとおり,民間企業では様々な優れた学習ソフトを開発されており,こうした学習ソフトを活用することは,児童生徒一人一人の学習の状況に応じた最適な学びを一層充実できるとともに,教員が教材づくりをする負担軽減にもなり,教員の働き方改革につながるものであることから,その導入について,関係部局と協議をしていきたいと考えております。  次に,ICT環境を活用した授業の推進に当たり,機器の使い方やトラブルへの対応等について学校,教員への支援が必要だと考えるが,どのように考えているかというお尋ねです。  端末操作等に関する学校への支援としては,令和3年1月以降に,ICT機器やソフトウエアの取扱いに関する知識・経験を持つ民間の情報通信技術者が各学校へ巡回して,職員室に無線LAN及び数台の端末を設置し,端末の操作説明などを行うほか,端末操作等に関する問合せ対応を行う予定です。  また,令和3年3月頃には,端末操作方法を動画で学べるeラーニングや教育センターに無線LAN,電子黒板,端末15台程度を整備し,授業の実施体験ができるようにする予定です。さらに令和3年度には,教育委員会事務局の情報教育担当指導主事等が各学校を巡回し,授業での効果的なICTの活用方法について指導を行うことなどを検討しております。  次に,ICT機器を使用し,活用する能力は,これからの教員に必要な資質・能力になると考えるが,研修をどうするのかという御質問です。  ICTの活用に関する研修については,教育センターにおいて,各学校のICT活用の推進者を育成する情報教育担当者研修と,教員個々の希望に応じて受講できるICTを活用した授業づくり研修を実施しているところです。  情報教育担当者研修では,教科等の指導におけるICTの活用についての校内研修が充実したものになるよう,具体的なICTの活用事例や校内研修の実施計画例を紹介するなどしています。また,ICTの活用が得意な教員と苦手な教員をペアにして校内でフォローし合う事例や,ICT活用に不安を持つ教員に対する支援方法を紹介するなど,教員のICT活用能力を高められる校内研修が効果的に実施できるよう工夫をしているところです。  来年度は,タブレット端末の活用例を紹介するほか,文部科学省が作成しているICT活用に係る動画や資料の効果的な活用方法を紹介するなどして,校内研修のさらなる充実を図りたいと考えております。  また,希望に応じて受講するICTを活用した授業づくり研修では,情報教育推進校である藤の木小学校において,タブレット型パソコンや電子黒板等の機器を一人一人が操作しながら授業での活用方法を学ぶとともに,これらの機器を活用した授業の参観と意見交換を実施しております。ICT活用経験の浅い教員の質問に対して推進校の教員が答える時間も設定しており,来年度は,タブレット端末の操作方法や活用についても扱う予定としております。こうした研修を通し,引き続きICTに関する教員の資質・能力の向上に努めてまいります。  次に,GIGAスクール構想の実現に向けた取組を通して,どのような力を子供たちに育もうとしているのかという御質問です。  現在導入を検討している学習ソフトの中にあるデジタル教材を活用することで,児童生徒が自らの疑問について深く調べることや自分に合ったペースで学習することが容易になり,児童生徒一人一人の理解や関心の程度に応じた主体的な学びを実現することが可能になると考えております。  また,タブレット端末や電子黒板等を,調べる,撮影する,記録する,考えを整理したり深めたりする,説明・表現するなどのツールとして活用することで,児童生徒同士の意見交換や発表といった活動が容易になり,互いに学びを高め合い,思考力,判断力,表現力等を育成することが可能になると考えております。こうした力は,技術革新など変化の激しいこれからの社会を生きていく上で,基盤になるものと考えております。  次に,現在の64平方メートルの普通教室の広さで身体的距離を十分に確保しようとすれば,30人学級にする必要があると聞くが,どう考えているかという御質問です。  新型コロナウイルス感染症対策としての教室内の環境については,文部科学省の衛生管理マニュアルでは,児童生徒の間隔を1メートルを目安に学級内で最大限の間隔を取るように座席配置を取ることなど,学校の新しい生活様式が示されており,本市においては,これに基づき感染リスクを可能な限り低減しつつ,通常の学級編制で授業を行っているところです。  今後,少人数学級編制が進むことになれば,より身体的距離を確保することが可能となり,新型コロナウイルス感染症対策にもつながるものと考えております。  最後に,30人学級の実施に伴い,施設整備のための財源措置,加配教員の維持・充実を堅持しつつ,法改正等により,国の責任で計画的・段階的に30人学級を進めるよう国に対し強く要望すべきではないかというお尋ねです。  一クラス当たりの人数が少なくなれば,個に応じたきめ細かな指導を行うことができ,より質の高い教育が実施できるものと考えております。そうした認識の下,本市では,平成20年度から23年度にかけて段階的に拡充しながら,小学校1年生から中学校1年生までについて,35人を上限とする少人数学級編制を独自に行っているところです。  本市としては,子供たち一人一人の状況に応じた誰一人取り残すことのない指導の実現のためには,少人数学級等によるきめ細かな指導体制を整備することが必要と考えており,また,議員御提案のような少人数学級編制が実現することになれば,新型コロナウイルス感染症対策にもつながることから,本年度,国に対して指定都市市長会や指定都市教育委員会協議会を通じて,学級編制の標準の改正,学校や地域の実情に応じて配置されている加配のさらなる改善,施設整備に必要な財源措置等について要望しているところです。  今後とも,国の動向を注視しつつ,少人数学級編制の実施について,国に対し要望していきたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     広島城について三点の御質問にお答えいたします。  まず,耐震改修に要する費用が1億4000万円から9億8000万円まで随分幅があるが,理由はどのようなものか,また内装のリニューアルなどの費用も含めると実際どのぐらいかかるのかについてです。  12月2日に開催された広島城のあり方に関する懇談会では,専門業者の調査結果を踏まえ,想定される四つの耐震改修工法に係る費用等の比較資料を提示しました。四つの耐震改修工法のうち,耐震性が特に低い3階のみを補強する簡易な工法に係る費用は約1億4000万円と最も安い一方,天守閣全体を補強する工法については約6億3000万円から9億8000万円と,補強する範囲や工法によって費用が異なっているところです。  なお,今回の費用試算においては,具体的な金額の試算が困難な共通仮設費や,展示リニューアルに係る映像設備等の費用は含まれていないことから,仮に耐震改修を採用する場合には,これらの費用も別途さらに要する可能性が高いと考えています。  次に,木造復元の事業期間が20年と長過ぎると思うが,年数の根拠は何か,また実際の工期はどのくらいなのかについてです。  先日の懇談会では,仮に木造復元を行う場合の想定時期について,文化庁の現状変更許可を得るために必要な期間をはじめ不確定要素が多いことから,現時点で確定的な目標時期を定めることは難しく,今後必要な調査や手続を進める中で,実現可能な手順・工程を精査することを基本的な方針とすべきとの考え方を示したところです。  このような考え方を前提としつつ,既に木造復元を本格的に検討している名古屋城では約20年を要すると見込んでいることや,広島城においても必要な調査・手続を洗い出した結果,事業期間は長期にわたると想定されることを踏まえ,名古屋城と同様,約20年を要すると仮定したものです。なお,天守閣の解体・新築工事に係る工期は,専門業者による調査の結果,約5年10か月との試算結果が出ております。  最後に,耐震改修後の使用可能年数について30年とあるが,小田原城や福山城と比較した場合には30年使用することは難しいのではないかについてです。  専門業者による調査の結果,広島城のコンクリートの中性化の状況は比較的良好であり,いずれの耐震改修工法を採用しても外壁・屋根等のメンテナンスを適切に行えば,今後約30年は使用が可能と見込まれています。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      8番水野議員。 ◆8番(水野考議員) 丁寧な御答弁をいただき,誠にありがとうございます。  先ほど市長に答弁をしていただきましたが,幼稚園・保育園といった施設の種別に関係なくというところと,緊密な連携にというのがとてもありがたく,そのように進めていただけたらとてもうれしく思っております。  実際に,僕も大学の先輩とかが幼稚園・保育園にいろいろ入られているんですけども,いろいろ聞くと,やっぱり一緒になったときに何もないところはないということなので,しっかりと先生方がストレスなく一緒になれるような仕組みというのを考えていただけたらというふうに思っております。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。  あとGIGAスクール構想についてなんですけども,やっぱりこれから1年をかけてじっくり何が問題なのか,もしかしたら紙ベースのほうがやりやすいということもあるかもしれないし,もちろんICTを使ったほうがいいということもあるだろうし,現場の人のいろいろな思いというのを,多分指導主事の方が行ってそこでいろいろ受け取られたり,研修の現場でいろんなことが発見されたりしていくと思うんです。  ただ,そういう場面だけではなくて,例えばせっかくICT環境が学校に整うので,そのプラットフォームを一個作って,そこで皆がこういう教材を作りましたとか,こういう困り事がありましたとか,こう解決しましたとか,そういうのができたらもう少しICT教育,先生方が楽になるのかなというふうに思ったので,一つ提案をさせていただきます。  30人学級の実現は,現状,なかなか金額のことを考えたら難しいとは思うんですけども,やっぱり質の高い教育をしていくためには,もしくは安全・安心な環境で教育をこれからもしていくためには必要なことであると思います。推進に向けてどうぞよろしくお願いをいたします。  すみません,広島城についてなんですけど,9月から2回目で,いざ鎌倉じゃないですけど,話すなら今だと思っております。  ちょっと確認というか,もちろん要望なんですけども,耐震改修と,あとは年数,寿命に関することというのはやっぱり分けて考えるべきだと。耐震改修をしても寿命が延びるわけではないし,両方をしっかりとカバーしてやっていくということであれば,やっぱり木造復元が一番なんだというふうに私は考えております。そこを改めて,ちょっとくどくなってしまって申し訳ないんですけども,要望させていただいて私の発言を終わります。ありがとうございました。 ○渡辺好造 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────
                    次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後3時03分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   山  田  春  男   副議長   渡  辺  好  造   署名者   西  田     浩   署名者   馬  庭  恭  子...