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令和 2年第 8回12月定例会−12月08日-02号

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  1. 広島市議会 2020-12-08
    令和 2年第 8回12月定例会−12月08日-02号


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    令和 2年第 8回12月定例会−12月08日-02号令和 2年第 8回12月定例会         令和2年  広島市議会定例会会議録(第2号)         第 8 回                  広島市議会議事日程                                 令和2年12月8日                                 午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)
     一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  岡 村 和 明            2番  川 本 和 弘    3番  田 中   勝            4番  並 川 雄 一    5番  川 村 真 治            6番  石 田 祥 子    7番  川 口 茂 博            8番  水 野   考    9番  平 岡 優 一            10番  椋 木 太 一    11番  吉 瀬 康 平            12番  山 本 昌 宏    13番  山 内 正 晃            14番  碓 氷 芳 雄    15番  海 徳 裕 志            16番  木 戸 経 康    17番  山 路 英 男            18番  森 畠 秀 治    19番  石 橋 竜 史            20番  平 野 太 祐    21番  定 野 和 広            23番  桑 田 恭 子    24番  近 松 里 子            25番  大 野 耕 平    26番  西 田   浩            27番  渡 辺 好 造    28番  豊 島 岩 白            29番  宮 崎 誠 克    30番  八 條 範 彦            31番  母 谷 龍 典    32番  三 宅 正 明            33番  八 軒 幹 夫    34番  馬 庭 恭 子            35番  竹 田 康 律    36番  藤 井 敏 子            37番  中 原 洋 美    38番  太 田 憲 二            39番  若 林 新 三    40番  今 田 良 治            41番  佐々木 壽 吉    42番  元 田 賢 治            43番  谷 口   修    44番  永 田 雅 紀            45番  金 子 和 彦    46番  木 山 徳 和            47番  沖 宗 正 明    48番  中 森 辰 一            49番  碓 井 法 明    50番  山 田 春 男            51番  中 本   弘    52番  児 玉 光 禎            53番  木 島   丘    54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名    22番  伊 藤 昭 善 ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    石 田 芳 文       事務局次長   松 坂 康 雄  議事課長    小 田 和 生       議事課課長補佐主任事務取扱                                吉 川 和 幸  議事課主幹   沖 原 義 文       議事課主査   村 田 愛一朗  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     小 池 信 之  副市長     及 川   享       危機管理担当局長岩 崎   学  企画総務局長  手 島 信 行       財政局長    古 川 智 之  市民局長    政 氏 昭 夫       健康福祉局長  山 本 直 樹  健康福祉局保健医療担当局長         こども未来局長 松 井 勝 憲          阪 谷 幸 春  環境局長    重 村 隆 彦       経済観光局長  日 高   洋  都市整備局長  中 村   純       都市整備局指導担当局長                                胡麻田 泰 江  道路交通局長  加 藤 浩 明       下水道局長   油 野 裕 和  会計管理者   長   敏 伸       消防局長    斉 藤   浩  水道局長    友 広 整 二       監査事務局長  荒神原 政 司  財政課長    沖 村 慶 司       教育長     糸 山   隆  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          橋 場 聡 子               仁 井 敏 子 ───────────────────────────────────────                午前10時01分開議                出席議員  31名                欠席議員  23名 ○山田春男 議長       おはようございます。  出席議員31名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       本日の会議録署名者として               10番 椋 木 太 一 議員               36番 藤 井 敏 子 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       日程第1,一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  15番海徳裕志議員。                〔15番海徳裕志議員登壇〕(拍手) ◆15番(海徳裕志議員) おはようございます。  自由民主党・市民クラブの海徳裕志です。会派を代表しまして一般質問をさせていただきます。  初めに,平成26年8月豪雨災害からの復興についてお尋ねします。  平成26年8月豪雨災害の被災地は,この6年余りで大きく姿を変えつつあります。平成26年12月に策定した8.20土砂災害砂防・治山に関する施設整備計画における99か所全てが完成したことを受け,一昨日には平成26年8月広島豪雨災害緊急砂防事業完成式が,安佐南区の梅林小学校で開催されました。私は完成式に出席しましたが,被災地にそびえ立つ砂防堰堤を改めて目の当たりにすると,現場の第一線で強い使命感を持って取り組んでいただいたその努力が,目に見える形で具現化されたものであり,確実に災害に強く安全なまちへ変わりつつあることを実感しました。この場をお借りして関係者の皆様方の御尽力に御礼申し上げます。  こうした砂防堰堤の整備により,被災地では土石流被害を食い止める効果が期待できる状況となりました。一方で,砂防堰堤は,雨水を止めるものではないため,堰堤から流れる雨水を適正に制御することが必要となります。このため,安佐南区の八木・緑井地区においては,砂防堰堤からの排水を含む山地及び市街地の雨水を河川に流下させるため,都市計画道路長束八木線などの道路の地下に巨大な雨水渠を整備する事業が進められています。  私は,本年の予算特別委員会で,多くの災害が発生する中で,被災地の復興は,被災地の住民のみならず多くの市民に希望を与えるので,集中復興期間における事業はしっかりと取り組んでいただきたいと要望し,市からは,長束八木線と雨水渠については来年度中の同時完成を予定している,一日も早く完了できるよう全力で取り組むとのお答えをいただきました。  それにもかかわらず,今年の8月,この雨水渠の工事が大幅に遅れているとの見出しとともに,市が進めている復興事業の完成がずれ込むという報道がありました。事実,今年度中の完成を目指して進められていた雨水渠のシールド工事は,現在,掘進作業を一旦停止しており,工事の延長が約1,000メートルある中で,掘進作業はほとんど進んでいない状況と聞いています。そして,この12月議会に請負金額の増額とともに,今年度末を工期とする工事の変更契約議案が提出されていますが,集中復興期間である昨年度に完成すべき事業が1年遅れ,さらに遅れようとしており,地域の住民の方々は,雨水渠だけでなく長束八木線が一体いつ頃完成するのか,先が見えない状況に不安を感じています。  そこでお尋ねします。遅れている雨水渠のシールド工事は,本当に今年度末に完成するのでしょうか。また,雨水渠事業にはシールド工事以外の関連事業がありますが,事業全体が完成し使用できるようになる時期は一体いつなのかお答えください。  そして,道路の下に整備する雨水渠の工事が遅れることに伴って,同じく今年度中の完成を目指して進められていた長束八木線の整備にも影響が出るものと考えます。集中復興期間で進めてきた長束八木線の完成時期は,一体いつになるのかお答えください。  その上で,雨水渠のシールド工事が遅れるに至った要因や,増額変更で対応されようとしている内容については,詳細に確認する必要があります。雨水渠のシールド工事を一旦停止することになった原因は何なのか,またなぜいまだに掘進作業を再開できずにいるのか,そしていつから掘進作業を再開する予定なのかお答えください。  さらに,今回の増額変更は何を変更しようとしているのか,そして今回の変更で確実に工事を完了させることができるのか,市の見解をお聞かせください。  復興まちづくりビジョンの対象期間は,災害発生からおおむね10年間ですが,今年度から継続復興期間に移行しており,集中復興期間の事業が遅れることで事業全体の進捗にも影響があるはずです。遅れてしまった理由は当然あると思いますが,これまで約束してきた完成時期が遅れるということについて,市にはその重要性を認識してもらい,説明していただく必要があります。  改めてお尋ねします。復興まちづくりビジョンに掲げられている避難路の整備など,市が行っている基盤施設整備について,事業全体の進捗状況はどうなっているのか,特に集中復興期間で取り組んできた事業のうち,遅れている事業はどのくらいあるのか,またその主な理由は何か,そしてこうした現状を市としてはどのように受け止めているのかお答えください。
     今年も全国各地で豪雨災害が発生しました。特に7月の熊本県南部を中心に大きな被害が出た令和2年7月豪雨では,80名以上の貴い命が奪われました。私自身,平成26年8月豪雨災害において初めて耳にした線状降水帯も,今では毎年のように耳にするようになりました。線状降水帯は,観測技術が発達した今日でもいつどこで発生するかを予測することは困難な上に,これまでに経験したことのない異常気象による想定外の災害が多発しています。改めて,災害から自らの命を守る取組が重要であると再認識しました。  防災・減災のためのハード整備は,復興まちづくりビジョンに基づいて,行政による整備が進められています。しかし,それだけでは十分とは言えません。行政のハード対策と,それを生かした住民によるソフト対策の両方をうまく連携させて想定外の災害に備えることが必要だと考えます。  平成26年8月豪雨災害被災地である梅林学区においては,地域でまちづくり協議会を組織し,梅林学区復興まちづくりプランを策定しました。そして,6年前の自らの被災経験を踏まえ,二度と同じような経験はしたくない,同じ経験をほかの誰にもさせたくないという思いから,災害の教訓を次の世代に継承していくことが自らの命を守る行動につながると考え,伝承活動や防災教育などに取り組まれています。復興は,地域と行政の両輪で進めることが大事で,まさにこの地区で進められた取組は,全国のモデルになっています。  私は,梅林学区復興まちづくりプランに位置づけられた復興交流拠点施設の設置について,市民が防災・減災の取組を学ぶ場,被災者や来訪者の交流の場としてこれまでもその必要性について繰り返し述べてきました。そして,その実現に向けて梅林学区復興まちづくり協議会で何度も話合いが重ねられた結果,その建設地については,広域避難路となる長束八木線沿いの公園整備と一体となって進められることで地域の合意形成が図られました。いよいよ本格的な建設に向けた動きが加速するものと期待しています。  地域では,昨年度から将来施設で行う取組を想定した設備や,管理運営体制の目指すべき方向性などについても検討してきました。コロナ禍で会合ができず,取りまとめには時間がかかりましたが,先月25日には安佐南区長を訪問して,その活動報告を行うなど,精力的に活動を展開されています。  そこでお尋ねします。昨年の9月議会において,市からは,地域の思いがしっかりと受け止められるような施設運営に向けて地域と一体となって取り組んでいくとのお答えをいただきましたが,市としては復興交流拠点施設の開設はいつ頃を目指しているのでしょうか。そして,この施設の運営主体はどのように考えているのかお答えください。  また,今年度,地域ではこの復興交流拠点施設を訪れる全ての人に土砂災害の記録と記憶をしっかりと次世代に継承する,また伝えられるような展示内容の検討を始めようとしています。一人一人が災害を人ごとではなく我が事と捉えるきっかけとなるような展示内容にしたい。そしてこの施設と展示を生かして伝承活動や防災教育に取り組んでいきたい。さらに,この施設を通じて発信する取組が,地域内だけではなく同様な災害が起こる可能性がある広島市内の地域,ひいては全国の防災にも寄与することを目指して取り組んでいきたい。拠点施設が開設した際に,地域ができる具体的な活動の展開イメージを描きながら検討を進めているところです。この施設を訪れた人が,避難路の長束八木線通り砂防堰堤に足を運ぶ。私は,訪れる全ての人に,被災から復興を遂げようとしているこのまちの姿を見ていただきたいと思います。  そこでお尋ねします。こうした地域の思いが実現できるよう,復興交流拠点施設における展示内容の整備については,地域の意向をしっかりと反映させ,充実した内容としていただきたいと考えますが,市の見解をお聞かせください。  このように地域では,コロナ禍でも今できることをしっかりと進めていますが,全てのことが思うようにできているわけではありません。地域のコミュニティーを維持していくためには,やはり人と人が顔を合わせ会話するということが何よりも大事であり,今後はこのような課題とも向き合っていかなければならないと思っています。  こうした中,今年の10月3日,誰もが気軽に防災を学べる日本最大級防災イベントである,ぼうさいこくたい2020が開催されました。今年はオンラインでの開催となりましたが,頻発化する大規模災害に備えるとのテーマの下に,全国から防災に関わる多数の団体が参加されました。広島市主催の防災セミナーで基調講演された東京大学大学院片田特任教授は,東日本大震災発生前から岩手県の釜石市で防災教育に取り組まれています。被災当時,小・中学生が日頃の防災教育を生かして自ら高台に避難し,それにつられるように周囲の大人たちも逃げたことで多くの人が被災を免れた,いわゆる「釜石の奇跡」の立て役者です。釜石市では,それぞれがそれぞれのなすべき行動を取れるように,災害に備える主体性を醸成する姿勢の防災教育が行われていました。そして,皆さんが異口同音に語られたことを総合すると,防災の鍵は子供であるということでした。  先ほど,地域では拠点施設が開設した際に,地域ができる具体的な取組の検討を進めていると話しましたが,地域が今まさに検討していることの一つは,被災の記憶や経験のない子供たちを中心にした防災教育です。  先日,広島市の小学校で実際に使用されている副読本を読む機会があり,改めて小学校から防災教育を受けることの必要性を認識しました。しかしながら,知識を取り込むだけの防災学習では,いざというときの実効性を伴わない可能性があります。災害を我が事として考え行動できること,大切な人を考える避難,内発性を磨くこと,そのためにも小学生の頃からしっかりと防災に興味を持つことができるような防災教育を行うことが最も必要な視点だと考えます。そして,その前提として,子供たちに防災について教える側,学校の教職員が防災教育の必要性についてしっかりと認識すること,防災・減災に関する正しい知識を持ち,より知識の実情に合った教材を集め指導を行うことが重要であると考えます。  そこでお尋ねします。市の学校教育において,教職員の防災に関する意識や知識の向上を図るために,教育委員会ではどのような取組を行っているのか,また小・中学校の9年間でどのような防災教育を行っているのかお答えください。  平成31年2月に復興まちづくりプランを完成させた八木学区復興まちづくり協議会では,拠点となる避難場所が3メートル以上の浸水想定区域内にあることが地域の大きな課題と考え,避難場所を八木小学校から高台にある城山北中学校に変更しました。避難場所の変更は簡単なことではなく,この実現に向けては,学区全体の合意形成や利用のルールづくりなど,地域住民が一丸となって行動した成果であり,他の地区のモデルとなる取組です。変更後の避難訓練には400人もの地域住民が参加され,私もその様子を見させていただきましたが,真剣に取り組むその姿勢を目の当たりにし,一人一人が自分の命は自分で守るという意識の高さを感じたところです。  しかし,残念ながらこうした意識の高い地域でさえ,避難訓練に小・中学生の姿をほとんど見かけませんでした。学校で行う防災教育は,単に防災・減災に関する知識を取り込むだけでなく,こうした自主防災活動に子供たちが興味を持ち,主体的に活動に参加するなど,地域防災活動の担い手へ成長していく教育であってほしいと思います。そして,この点において復興交流拠点施設が主体的な学びの場として活用されることを期待しています。  そこでお尋ねします。今後,小・中学校での防災教育をどのように行っていきたいと考えているのか,また復興交流拠点施設の活用についてどのようなことが考えられるのか,市の見解をお聞かせください。  続いて,JR可部線下祇園自由通路等整備とこれを契機にした周辺地区のまちづくりについてお尋ねします。  私は,下祇園駅自由通路等の整備についてこれまで議会の場で質問や提案を行ってきました。自由通路等の整備については,下祇園駅北側に近接する踏切において,当駅を利用して通勤・通学する方々が改札のある駅東口までアクセスするため,歩行者や自転車が自動車とふくそうしていることから非常に危険な状態となっているため,これを解消すべく市とJR西日本において取り組んでいる事業であり,早期整備が望まれます。今年度に入ってからは,自由通路の設計に加え,債務負担行為の設定やJR西日本との協定締結などが行われており,令和5年度の供用開始に向け具体的な動きが始まりました。このたびの市が実施する整備内容は,自由通路の整備,西口駅前広場の整備やアクセス道路の整備となっております。こうした自由通路の整備を契機として,これらの施設を十分に生かしながら,学校や商業施設などを含む下祇園駅の周辺エリア全体が活性化し,さらに発展していくことを大いに期待しているところです。  こうした観点に立ち,本年3月の予算特別委員会の質疑で,この自由通路等の整備を契機とした駅周辺地区の活性化が進むように取り組んでいただきたいがどのようにお考えかと質問をしました。これに対し市から,地域と一体となって下祇園駅周辺地区の活性化に向けて取り組んでいきたいとのお答えをいただきました。  そこでお尋ねします。その後も地域において取組が進められていると思いますが,今後市は具体的にどのように取り組んでいくのかお答えください。  続いて,祇園・山本地区における交通渋滞の問題についてお尋ねします。  当地区における朝の交通渋滞は,最近一層悪化しており,路線バスの運行にも大きな影響を及ぼしています。春日野団地から広島駅までの路線を運行するバス事業者からは,今年の11月6日,市の関係部署に対して,バスの運行が慢性的に大きく遅延している状況が訴えられました。私も同席して話を聞きましたが,とても見過ごすことはできません。  バス路線は,春日野団地から西原山本線を通り,JR可部線のアンダーをくぐった後,右折して県道を南下していきますが,その間の可部線と交差する前後で著しい交通渋滞が発生しています。特に雨の日には,朝7時台に出発したバスが,ダイヤ上では僅か2分の区間を50分以上もかかった便があります。明らかに歩いたほうが早いため,バス利用者の中には途中で下車して歩き出す人がいるそうで,この状況からも交通渋滞の深刻さが分かります。春日野団地を含む祇園・山本地区では,住宅団地の開発やマンション建設などが相次ぎ,この20年間の間に人口が1.6倍に伸びていることから,交通渋滞が発生することはやむを得ないことだと思いますが,何らかの対策が必要です。  私も現地を見てみましたが,最近になって渋滞がひどくなった大きな要因は,新型コロナウイルスの感染を懸念して春日野団地などからのバス利用が敬遠され,マイカー利用への転換が進んだからではないかと思います。この問題に関しては,さきの9月議会においても質問があり,当局からは,渋滞の先頭になっている西原一丁目交差点の改良や,祇園・山本地区から都心への交通を分散させる長束八木線計画見直しを進めていくとの答弁がありました。こうした取組自体はありがたいことですが,ハード整備にはどうしても時間がかかります。当地区の深刻な交通状況を踏まえると,整備が完成するまでの間,手をこまねいて見ているわけにはいきません。ハード整備だけに頼ることなく,短期的に実施でき即効性のあるソフト対策も併せて進める必要があります。私は,朝のピーク時のマイカー利用者に自宅から出る時間をずらしてもらうことや,マイカー利用を控えてもらうことは,即効性もあり効果的ではないかと考えます。  そこでお尋ねします。祇園・山本地区の交通渋滞への対応について,例えば地域の住民同士が申合せをし,独自に時差出勤やパーク・アンド・ライドに取り組むという方法もあると思いますが,その場合市としてどのような支援ができるのかお答えください。  次に,JAと連携した生産緑地機能の発揮についてお尋ねします。  私は,都市農業の振興において,農業の営農環境を熟知し生産物の販売支援及び市民菜園や食農体験活動の支援など,積極的に取り組む農業協同組合──いわゆるJAの果たす役割はとても重要であると考えています。  こうした考えの下,私はこれまで都市農業の振興と生産緑地制度について質問や提案を行ってきました。本市において都市農業のさらなる振興と農地の保全を図るためには,生産緑地制度の導入が一つの切り札になるという思いから,制度導入後の円滑な運用までも視野に入れるならJAとの連携や協力は欠かせないということについて,昨年9月の一般質問で市の見解をお尋ねしました。これに対し松井市長から,JAとの連携は生産緑地制度の導入時もさることながら,導入後において農家が都市農業の担い手として事業を安定的に営めるようにするには不可欠であり,JAと連携して取り組んでいくというお答えをいただきました。  その後,本年4月に生産緑地制度の導入を公表されて以後,JAと市の職員が連携して説明会や現地での立会いなど,個々の農家に対し丁寧に対応していただき,8月には合計32地区,面積にして約5.8ヘクタールの指定に向けた提案がなされました。市のほうでも予想以上のことであり,JAと市の連携の成果が現れていることだと評価しています。  ここで改めてお尋ねしますが,JAから提案のあった生産緑地の指定については,提案どおり都市計画決定されたのかお答えください。  また,生産緑地が決定された今後においては,農家の方が都市農業の担い手として安定的に事業を営んでいただく必要があり,JAにもこれまで以上に農家に対する支援をしていただきたいと考えています。市においては,生産緑地制度導入の目的には,こうした都市農業の振興のほかに,都市と農業が共生したまちづくりを推進したいとの御答弁もされているように,生産緑地となった農地を単に農作物の生産の場のみならず,学習農園や市民菜園など市民と共有した機能を発揮する必要があり,これについてもJAの協力が不可欠であると考えます。  そこでお尋ねします。都市農業の振興を一義的な目的として,指定された生産緑地を活用してさらにまちづくりへの展開を図るため,JAと連携・協力しながら,今後生産緑地の機能をどのように発展させていこうと考えているのかお答えください。  本市の生産緑地制度導入に当たって,JAとの連携をその仕組みの中に取り入れたことは,国や他の自治体からも非常に先進的な取組であるとの評価を得ていると聞いており,今後ともJAとの協力関係が本市の将来の発展に向けて大きく貢献していくことを期待しています。  最後に,ウィズコロナ時代の地域コミュニティーのあり方についてお尋ねします。  私は,先ほどの平成26年8月豪雨災害からの復興と防災教育についての質問の中で,地域コミュニティーを維持していくには,人と人が顔を合わせ会話することが何よりも大事であると言いました。広島豪雨災害をはじめとする大規模災害への備えは,住民一人一人が災害を人ごとではなく我が事と捉える意識を持つことが欠かせません。そのために地域コミュニティーでは,日頃から防災訓練への参加や避難経路の確認・周知などの防災活動を行い,非常時において住民が互いに声かけし,早めの避難を行えるよう力を尽くしています。また,不幸にも被災した場合には,住民の様々な希望や要請を拾い上げ,地域の総意を取りまとめ,復興へのまちづくりビジョンをつくり上げる,そのための協議の場としても機能します。  このように,地域コミュニティーは,防災対策をはじめとする様々な場面で地域の安全・安心な暮らしを守り続けるためのいわゆる黒子的な存在として,また,住民同士の助け合いを促すためのコミュニケーションの場として重要な役割を果たしています。  しかしながら,地域コミュニティーの活動は,非常に地味で目立たないものであるがゆえに,一部の住民からは,同じ活動ばかりしている,地域活動は必要ない,町内会に入る意味はないなどといった心ない言葉を投げかけられることがあります。実際に地域活動の恩恵を受けている方々は,地域コミュニティーの活動の効果や必要性を理解され,負担も大きく切れ目なく続く地域活動を支えてこられている町内会長や地域団体の役員などの地域コミュニティーの担い手の方々に対し,どのような支援ができるかと悩んでおられます。  そのような中で,新型コロナウイルスの感染拡大により,このような地域の状況は一段と悪化しました。私の地元では,35年にわたり毎年度実施してきた緑井学区町民運動会が中止になったほか,大きな行事でいえば,春のイベントの梅林春こい祭,また,古川の清掃活動団体せせらぎ会が実施する夏のイベント,せせらぎの夕べなど,全て中止になりました。その他地域団体の総会なども書面で済ませてしまうなど,様々な地域活動が中止・延期または大幅に活動を縮小し,コミュニケーションの場そのものが極端に減少しています。特に不特定多数の住民が参画する活動や重症化リスクの高い高齢者が中心の活動は,感染リスクがあるために今後も当分の間は再開が見込めません。  こうした間に地域コミュニティーの担い手がどんなに頑張ってみても,様々な活動を行うための地域における機運そのものが消滅してしまうのではないかと思え,私はこのような活動再開ができない現状に,大きな危機感を覚えています。また,活動再開のめどが立たない状況の下で,逆境にもめげず地域コミュニティーの活動を担ってきた方々は,続けていくべきだという思いを持ちつつも,コロナ禍での活動の不安や再開に向けてのハードルの高さ,また活動しなくてもよい楽な状況への慣れなど,様々な要因により地域活動を続ける意欲を失いつつあります。  私自身,これまで様々な地域活動に参画し協力してきましたが,今回のような地域の状況を目の当たりにし,改めて地域活動の大切さ,地域コミュニティーの重要性について痛切に実感しています。私は,現状はこのように危機的な状況にはあるけれども,このピンチをチャンスに変えるという意気込みで地域コミュニティーを何とか支えていかなければ,今後の地域は,そして広島のまちは存続することができなくなるというのが今の率直な思いです。  このような中にあって,市では新型コロナウイルス感染症の緊急対策において,地域コミュニティーへの支援として,地域福祉関係団体への応援金の支給や,地域福祉活動に対する緊急支援,また元気なまちづくりプロジェクトによるにぎわい創出への支援など,様々な切り口からの支援を行われました。これらの支援メニューに対しては,それぞれ数多くの団体から応募があり,ウィズコロナ時代における活動再開,継続の契機になっていると聞いています。こうした情報からすると,私の悲観的な受け止めをはね返す対応策は必ずやあるはずだと思います。今後長く続くと思われるウィズコロナ時代においては,地域コミュニティーや地域活動の在り方も多少変化していくかもしれませんが,昨今の大規模災害の頻発や,このような感染症パンデミックが起こることを考えれば,身近な住民同士の助け合いを支える地域コミュニティーの役割はますます重要になってくると思います。  そこでお尋ねします。現在の社会情勢を踏まえれば,様々な困難な事態が生じたとしても,地域での活動を継続し,住民同士の協力・連携を進めることができるよう,地域コミュニティーの活性化を図ることが重要です。市にはそのための体制整備や支援強化について,市としてのアイデアはあるのでしょうか。あるとすれば,どのように取り組もうと考えているのか,お答えください。  以上で一般質問を終わります。  御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       海徳議員からの御質問にお答えします。  ウィズコロナ時代の地域コミュニティーのあり方についての御質問がございました。  本市は,今回の新型コロナウイルス感染症対策において,基礎自治体としての役割を踏まえつつ,地域での支え合いや事業者同士が連携した共助による取組の支援に注力し,さらに地域コミュニティーに対しては,コロナ禍においても共助の仕組みを発揮し得るよう体制強化を図る支援策を実施してまいりました。このたびの議員の御提案は,これらの取組は効果的であり,今後もこうした支援策の拡充を図るべきとの御評価をいただいたものと受け止めています。  私は,かねてより住民に最も身近な地域コミュニティーを活性化することは,「世界に誇れる『まち』広島」を実現するための大きな柱の一つであると考えております。そして,地域コミュニティーの活性化には,自分たちのまちは自分たちで創るという気概を持って住民自らが行動を起こすことが必要不可欠であって,そのような意識を共有した住民が一丸となって行動することが,地域共生社会の形成やまちのにぎわい創出に大きく寄与し,さらには中四国の中枢都市としての本市の活力の持続的な維持・向上につながると考えています。  このような考え方の下,このたび緊急支援対策についても新型コロナウイルス感染症拡大に伴う一時的な支援としてではなく,ウィズコロナ時代を生き抜いていく将来を見据えた上で,地域コミュニティーの課題解決,さらには地域の活性化に資するような支援内容としたものであり,今後訪れるポストコロナ時代においても,今回の取組の成果を普遍的かつ日常的なものにしていきたいと強く思っているところであります。とりわけ,地域コミュニティーへの支援策の一つであります地域福祉団体への応援金につきましては,地区社会福祉協議会がその事務を通じて地域の各種団体の活動実態等を再認識するとともに,他の団体との相互理解を深める契機ともなり,今後の地域における団体間の連携強化につながるものになったと考えています。  今後は,こうした取組を土台としてさらに発展させて,地域社会において重要な共助の役割を果たしている地区社会福祉協議会や連合町内会・自治会といった組織が中心となって,より効果的・効率的な活動が展開されるよう,各種地域団体による連携体制の強化を図るとともに,併せて町内会・自治会会長をはじめとする活動の担い手の方々に対し,手厚い支援を可能とする方策についても検討を進めていきたいと考えております。  そして,このような連携強化を含めた活性化の方向性については,今後策定する地域コミュニティー活性化ビジョンにおいて市民に広くお示ししたいと考えています。現在,基礎情報の収集を目的とした町内会・自治会等の実態調査の実施など,必要な作業を順次進めているところでありまして,まずは地域団体の役割や取組の現状,団体間の連携状況,さらに住宅状況や地理条件等々に応じた地域特性等も改めて把握,整理した上で,今後の地域コミュニティーの活動や運営のあるべき姿,またその実現に向けての支援策を御提案させていただきたいと考えております。  このように,ピンチをチャンスに変える発想,これで新型コロナウイルス緊急支援対策として行った取組をさらに発展させることによりまして,共助の精神の下,住民同士が支え合い,安全・安心に暮らすことのできる地域社会の実現を図っていきたいと考えています。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    平成26年8月豪雨災害からの復興と防災教育について,数点の御質問にお答えします。  まず,雨水渠のシールド工事は今年度末で完成するのか,雨水渠事業にはシールド工事以外の関連事業があるが,事業全体が完成し使用できるようになる時期はいつかについてです。  本工事は,地中から当初の想定を大幅に超えた強度の高い転石が数多く出現したことにより,掘進工事を一旦停止し,土質調査等を行うとともに,技術的検討を進めてまいりました。この12月議会には,こうした技術的検討の結果を踏まえ,シールドマシンの改良を行うこととし,そのための増額変更と令和3年3月末まで工期を延期する変更契約の締結議案を提出しているものですが,これは地方自治法の規定に沿って会計処理を行うためのものであり,実質工期は令和4年1月末を見込んでおります。今後,年度末に繰越しの手続を行い,実質工期までの契約変更を行う予定です。  また,雨水渠整備事業の全体の完成時期につきましては,シールド工事完了後にマンホール築造工事などを進め,令和4年3月末の完成・供用を予定しております。  次に,集中復興期間で進めてきた長束八木線の全線の完成時期についてです。  都市計画道路長束八木線の整備区間の一部には,雨水渠整備に必要な立て坑等を設置していることから,その区間の道路整備は令和3年度末の雨水渠整備事業の完成後に着手することになります。このため,集中復興期間で進めてきた長束八木線全線の完成・供用は令和4年度末を見込んでおります。  次に,復興まちづくりビジョンに掲げられている避難路の整備など,市が行っている基盤施設整備事業全体の進捗状況について,特に集中復興期間で取り組んできた事業のうち,遅れている事業はどれぐらいあり,その主な理由は何か,そしてこうした状況,現状を市としてはどのように受け止めているのかについてです。  本市では,復興まちづくりビジョンの対象期間であるおおむね10年間で101の事業に取り組むこととしており,災害発生から5年間を集中復興期間として94事業の緊急整備に,その後の5年間を継続復興期間として7事業の施設整備に取り組むこととしております。  被災から6年目を迎え,今年度から継続復興期間となりましたが,事業全体の進捗状況としては,101の事業のうち約9割に当たる96事業について既に設計などに着手をしております。集中復興期間に行う94事業のうち,地下工事における想定外の事象に対する安全対策や工事がふくそうすることによる関係者との調整などに伴い時間を要している29事業を除き,今年度末までに約7割の65事業が完成する見込みです。  被災地の復興に向け,これまでかなりのスピード感を持って工事を進めてまいりましたが,結果として時間を要していることで,早期完成を望む地域の方々からの期待に十分応えることができていないとの御指摘を受けていることについては,市としても大変重く受け止めております。今後とも地域の方々の御理解と御協力を得ながら,集中復興期間内に予定していた事業を一日でも早く完成させるよう引き続き努めてまいります。また,継続復興期間に着手する事業についても着実に進むようしっかりと取り組んでまいります。  最後に,復興交流拠点施設の開設時期と運営主体について,またその展示等の整備については,地域の意向をしっかりと反映させ,充実した内容としていただきたいと考えているがどうかについてお答えをいたします。  復興交流拠点施設は,市民一人一人が常に防災・減災に対する意識や知識を高めていくための重要な役割を担うものであり,さらには市民の方々に迅速な避難行動を促すための意識づけを図ることにも寄与するものと考えられることから,本市としても地域で取りまとめられた復興交流拠点施設整備構想を基に,現在実施設計に取り組んでおり,令和4年度の完成を目指して準備を進めております。  この施設の運営主体については,昨年度から地域で検討を重ね,本年10月に取りまとめられた復興交流拠点施設実施計画において,復興まちづくり協議会自らが指定管理者制度などを活用し,施設の運営主体を目指すこととされています。本市としてもこうした地域の思いに応えられるよう,施設の運営主体の検討を進めてまいります。  最後に,復興交流拠点施設における展示等の充実を図ることについては,この施設の展示を活用して取り組む地域の伝承活動や防災教育の効果をより高めることにも大変重要なことと認識しております。このため,同じ経験をほかの誰にもさせたくないという地域の思いがしっかり反映できるよう,引き続き地域と一体となって展示内容などの検討を進めてまいります。  以上でございます。 ○山田春男 議長       下水道局長。 ◎油野裕和 下水道局長    平成26年8月豪雨災害からの復興と防災教育について,四点の御質問に順次お答えいたします。  まず,雨水渠のシールド工事を一旦停止することとなった原因は何かについてです。  本工事は,整備中の都市計画道路長束八木線の地中部において,シールド工法により延長約1,000メートル,内径約5.25メートルの雨水貯留管を整備するものです。シールドを掘進する路線は谷地形を有していることから,土質性状が一様ではなく,転石を含む堆積層も想定されたため,あらかじめ通常の約2倍に相当する11か所のボーリング調査を実施し,その結果を踏まえ,シールドマシンを製造しています。しかしながら,掘進が約160メートル進んだ付近より排出された土の中から転石が度々確認されるとともに,先端部のビットにおいて予想を超えて摩耗が進行していることが判明したことから,シールドマシンの故障リスクを考慮して掘進作業を一旦停止しました。排出された転石を分析した結果,事前のボーリング調査で想定していたものに比べ約5倍に相当する強度が確認され,これが予想を超えてビット損耗の進行を招いたものと考えています。  次に,なぜいまだに掘進作業を再開できずにいるのか,いつから掘進を再開する予定なのかについてです。  掘進作業停止後,掘進予定区間も含めた追加のボーリング調査を実施したところ,シールドマシンを一旦停止している位置から先の約140メートルの区間でも同様の転石の存在が判明したことから,着実な掘進が可能となるよう,シールドマシンの改良に向けた技術的検討を進めてきました。技術的検討の結果,転石対策としてシールドマシン先端部のビット位置の見直しやビットの増加,またビットを設置する面盤を補強するとともに,交換用ビットも追加・製造することとしました。こうした調査・検討,そしてシールドマシンの改良に時間を要してきましたが,今月末までには完了する予定であり,年明けとなる1月には掘進作業を再開する予定としています。  次に,今回の増額変更は何を変更しようとしているのかについてです。  このたびの契約変更は,先ほど御答弁した追加のボーリング調査及びシールドマシンの改良,交換用ビットの追加に要する費用について請負金額を増額するものです。  最後に,今回の変更で確実に工事を完了させることができるのかについてです。  今回の契約変更では,強度の高い転石に対応するため,ボーリング調査の結果を踏まえ,先ほど御答弁したシールドマシンの改良と交換用ビットの追加を措置しています。また,シールドマシンの運転管理においても,今回のような土質性状での掘進経験を有する作業員を追加配置することとしています。こうした対策を講じることで,所定の期間内に工事を完成させていきたいと考えています。  豪雨災害からの復興を目指して取り組まれておられます地域の皆様や関係者の皆様の安全と安心を実感していただくためにも,雨水貯留管を含む雨水渠整備事業ができるだけ早期に完成できるよう,積極的に取り組んでまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       教育長。 ◎糸山隆 教育長       平成26年8月豪雨災害からの復興と防災教育について,数点お答えをいたします。  まず,教職員の防災に関する意識,知識の向上を図るため,教育委員会ではどのような取組を行っているかという点についてです。  教育委員会では,平成24年度から毎年教員を対象とした防災教育に関する研修を実施しています。これまで防災教育の狙いと展開,過去に学ぶ防災などの研修テーマを設定し,大学教授や気象台職員,防災士,被災地の学校長などを講師として招いて行っており,受講者へのアンケートでは,防災教育は教員の意識により変わってくる,過去の災害に学ぶ重要性や学び方,課題などが分かったなどの回答がありました。  また,管理職である学校長については,平成27年度から毎年,災害発生時に求められるリーダーシップや学校防災体制の整備等を内容とする防災管理に関する研修を実施しています。なお,本年度は新型コロナウイルス感染症対策のため,これらの研修は開催せず,梅雨入り前に非常時に必要な措置が確実に行える体制づくり等について通知するとともに,校長会において重ねて注意喚起を行ったところです。  次に,市内の小・中学校ではどのような防災教育を行っているかという点についてです。  小・中学校における防災教育については,毎年度当初に各学校が地域の状況等を踏まえた上で,安全に関する年間の指導計画や避難訓練の実施などを内容とする学校安全計画を作成し,計画的に防災に関する学習を行っています。具体的には,主に特別活動や総合的な学習の時間において,平成28年度に本市が作成した「土砂災害防災教育の手引き」を活用した学習を行っています。この手引は,小学校1年生から中学校3年生までの9年間で児童生徒の発達段階に応じた学習内容を設定するとともに,過去の災害から視覚的に学習できるよう,本市で発生した土砂災害の被害状況の写真や映像,水害碑に関する資料等を収録しています。  また,理科,社会科などの各教科では,災害の原因となり得る自然現象やその背景にある地球温暖化の問題,自然災害の危険から命と生活を守る社会の仕組み等について学習しています。また,議員御紹介の副読本「わたしたちの広島市」については,主に小学校4年生において活用し,砂防堰堤の役割や地域での防災訓練などについて学習するとともに,学んだことを基に自分たちを守るために何をすべきかを考えるなど,地域に根差した防災学習に取り組んでいます。  さらに,各学校の地理的特性などを踏まえた避難訓練を実施しており,例えば,土砂災害や浸水被害を想定して上の階に避難するなど,災害の種類に応じて安全な避難場所,取るべき行動について理解できるよう,毎年繰り返し実施をしているところです。  最後に,今後小・中学校の防災教育をどのように行っていきたいと考えているのか,また復興交流拠点施設の活用についてどのようなことが考えられるのかという点についてです。  本市においては,平成26年,平成30年の2度にわたる豪雨災害を教訓として,災害などの危険から自らの命を守り抜くこと,災害に強い安全で安心なまちづくりに自らが進んで参加し貢献できる力を身につけることなどの視点から,これまで以上に防災教育を推進していく必要があると考えております。このため,手引や副教材などを活用した学習を繰り返し行うことにより,防災に関する理解の定着を図るとともに,避難訓練などの参加体験型の学習を併せて行うことにより実効性を高めていきたいと考えています。  さらに,地域の防災リーダー等を講師に招き,地域と連携した学習を行うなど,児童生徒が地域社会の一員として主体的に防災活動に取り組むことのできる大人へと成長するよう,防災教育の充実に取り組んでいきたいと考えております。  また,議員から御提案のありました復興交流拠点施設の活用については,土砂災害に関する記録の展示を見学したり,被災者から直接体験談を聞いたりすることができるほか,防災機能を有する公園や,このたび完成した砂防堰堤についても併せて見学することができるなど,貴重な体験を得られる機会になるものと考えております。このため,復興交流拠点施設の展示内容等の詳細が決まった段階で,それを踏まえて学習内容を検討し,施設が完成した際には校外学習等での活用について校長会等で周知を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   下祇園駅自由通路等整備とこれを契機にした周辺地区のまちづくりについての御質問がございました。  自由通路等の整備を契機として,下祇園駅周辺地区の活性化に向け,地域において取組が進められていると思うが,今後市はどのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。
     下祇園駅周辺地区は,大型商業施設や大学等の文教施設が立地し,近年,新たな住宅開発やマンション建設等が進むことによってまちの活力が高まってきた地域であり,地域全体で防災学習に取り組んだり,地域の声によって新たなバス路線を新設するなど,まちづくりへの機運が高い地域です。  本市としても,下祇園駅の自由通路や周辺道路等の整備を契機として,周辺地域のまちづくり活動がさらに活発になっていくものと期待しており,これまでも整備内容をお示しするなど,その活動に寄り添ってきています。現在,アクセス道路を含めた駅周辺の整備に当たって,既存の路線バスの利便性向上策や,通学児童・生徒の安全確保策等の検討を行っており,今後も地域と課題を共有しながら,一体となって下祇園駅の周辺地域全体の活性化に向け取組を進めてまいります。  次に,祇園・山本地区における交通渋滞についてお答えいたします。  例えば地域の住民同士が申合せをし,独自に時差通勤やパーク・アンド・ライドに取り組むという方法もあると思うが,市としてどのような支援ができるのかとの御質問がございました。  祇園・山本地区で生じている交通混雑は,国道183号の西原一丁目交差点が発生の起点となっており,これまでにも右折車線の延長や右折時間の延長などの対策を行ってきたところですが,今年度から右折車線の増設など,さらなる対策の検討を進めているところです。  バス事業者による運行遅延状況調査によると,朝ピーク時における春日野団地発のバス便は交通混雑が著しい区間では平均約10分,特に雨の日には最大で約50分の遅れとなっていたため,本市職員による調査も行い,コロナ禍においてバス利用からマイカー利用の転換が進んだことで,混雑状況が一層悪化したのではないかという結論に至りました。  議員御提案の,地域が主体となって時差出勤等に取り組まれることは,現状において高い効果があると考えられ,市としても,混雑を避ける効果的な出勤時間をお示しするための調査や,市の広報媒体を活用して地域の取組を広くお知らせするなどの支援を検討してまいります。また,各公共交通機関が丁寧な感染防止対策を実施していることを周知しながら,マイカー利用者にJR駅近くの商業施設を活用したパーク・アンド・ライドの実験に協力を求めるなど,少しでも渋滞緩和につながるような取組を組み合わせることも検討してまいります。  地域における共助の取組を軸として,交通管理者や交通事業者等との調整も行いながら効果的な対応ができるよう,しっかりと取り組んでいきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    JAと連携した生産緑地機能の発揮について,二点の御質問にお答えをいたします。  JAから提案のあった生産緑地の指定について,提案どおり都市計画決定されたのかについてです。  議員御説明のとおり,JAから合計32地区,面積にして約5.8ヘクタールを生産緑地に指定する案が提案されており,所要の手続を経て,先日12月1日にJAからの提案どおり都市計画決定する告示を行ったところでございます。  次に,都市農業の振興を一義的な目的として指定された生産緑地を活用して,さらにまちづくりへの展開を図るため,JAと連携・協力しながら今後生産緑地の機能をどのように発展させていこうと考えているのかについてでございます。  生産緑地地区は,市街化区域内において緑地機能等の優れた農地等を計画的に保全し,良好な都市環境の形成に資することを目的に定めるものであり,本市の都市計画マスタープランでも市街化区域内農地の保全を視野に入れ,「農」と共生したゆとりある良好な市街地の形成を図ることとしております。本市がこれを推進するに当たり,生産緑地は営農等の継続を前提としているので,営農指導や担い手の育成などを通じて個々の農家に丁寧に対応し,かつ農業に関する知見と経験を生かすことのできるJAとの協力関係が欠かせないものと考えております。  今後は生産緑地の指定を受けた農地が,新鮮な農産物を供給する機能のみならず,地震時における避難場所となるなどの防災機能,住民や学童の農業体験や学習の場を提供する機能など,JAとの連携協力の下で多様な機能を発揮できるようにしたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       15番海徳議員。 ◆15番(海徳裕志議員) 御答弁いただきましてありがとうございました。  三点要望させていただきます。  一点目は,地域コミュニティーについてです。広島市においても新型コロナウイルス第三波襲来の様相を呈してきました。思えば平成26年8月の広島豪雨災害では,町ごと土石流に飲み込まれ,コミュニティーが崩壊しかけました。しかし,共助の精神で立ち上がり,市にしっかりと下支えしていただき,復興に向けて話合いを重ねてまいりました。この中で絆やまちづくりへの機運というものを熟成し,コミュニティーを維持してきたのです。このように様々な困難に立ち向かい,災い転じて福となすの精神で逆境を乗り越えてきました。このコロナ禍の厳しい状況の中,今こそ共助の精神で住民同士が支え合い,厳しい状況に打ちかっていかなければなりません。そのためにも地域コミュニティーの活性化に向け,地域の実情に応じたきめ細やかな支援策を打ち出していただくことを要望いたします。  二点目は,生産緑地についてです。今年度から始まった生産緑地ですが,意欲のある農家の方がもっと頑張れるよう,また都市農業がもっと振興できるような制度とするため,JAとの協力体制や指定条件などが適正なのか,それともさらなる改善が必要なのかについては,今後の議会においても状況を確認させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  三点目は,平成26年8月広島豪雨災害についてです。今回は予測できないことが起きてしまい,雨水渠や避難路となる長束八木線の完成が遅れることになったことは,本当に残念です。しかし,被災地の住民の皆さんは,復興事業は地域の安全を守る上で重要なものであると期待され,一日も早い完成を待ち望んでいらっしゃいます。私は,今回の件で被災地の皆さんからお話を伺いました。皆さんとしては,たとえ完成が遅れたとしても,これまでと変わらず応援しようと考えておられます。こうした被災地の皆さんの声にしっかりと応えていただき,頑張って早く完成させてほしいということを強く要望させていただきます。  以上三点を要望しまして,質問を終わります。  ありがとうございました。 ○山田春男 議長       次に,19番石橋竜史議員。                〔19番石橋竜史議員登壇〕(拍手) ◆19番(石橋竜史議員) 皆様,おはようございます。  自民党・保守クラブの石橋竜史です。  まずは,ゼロカーボンシティーへ向けた本市のエネルギー政策について伺います。  さきの10月,菅新総理は就任に際しての所信表明において,温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにすると力強い口調で宣言され,経済界からは極めて困難な挑戦であるとの声や,一方ではまたとないビジネスチャンスとも捉えられるなど,悲喜こもごも,国内の業界を震撼させました。そこへ加え,パリ協定を批准する189の国や地域のうち,50年ゼロを宣言するのは既に120以上にも及ぶとおり,このたびの日本政府の態度表明は世界の潮流と相まって,ようやく足並みをそろえてくれたと先進的に取り組む各国からは歓迎を受けたところです。  さて,目標の達成へ向け,今後は企業や自治体のみならず,国民一人一人の意識と行動がより一層求められますが,その出発点として,そもそも50年ゼロはどれだけ高いハードルなのでしょうか。  国連環境計画によりますと,産業革命以降からの気温上昇を1.5度に抑えるには,世界の温室効果ガスの排出を2020年から毎年7.6%ずつ削減する必要があると言われます。参考までに,今年は新型コロナウイルスの影響で多くの温室効果ガスを排出する産業界が軒並み機能停止に,また排出量の多い運輸部門でも,経済の動脈となるサプライチェーンが寸断され,一時は各航空会社の減便数も9割に及ぶなど,各国がロックダウンを図り,経済活動や人々の行動が長期にわたり制限される生活を1年間世界規模で送って,ようやく減少の見込まれる排出量が,さきのとおり毎年必要とされる削減目標8%前後です。重ねて,カーボンニュートラルとは,たとえ排出量が増えようとも,森林などによる吸収量が追いつけば相殺されますが,この吸収量とは,締約国会議の数式で個別に算出されており,例えば,我が国の2018年度の吸収量は5590万トンと定められながら,経済活動や人々の暮らしによって発生した温室効果ガスの総排出量は12億4000万トンと,吸収量の20倍以上にも及ぶ,これが私どもの現在地です。  つきましては,本市は今年度末までに環境基本計画を,また国は中期的な指針となるエネルギー基本計画を来年の夏までに改定する方針であり,この内容がいかなる変容を遂げるのか今から期待する次第ですが,私も今日まで環境やエネルギー分野の政策提言を繰り返してきたのは,ひとえに自らが描く本市の未来像を実現したいがゆえであり,それは大別すると三つの要素から成り立っています。  まず,一つ目は,自然災害が頻発化,激甚化する近年,例えば,2年前の北海道胆振東部地震では,広域にわたり大規模な停電──ブラックアウトが発生したように,1か所の大型発電所に電源を依存するリスクは回避すべきで,そのためにも各所で地域特性に応じた電力の自給自足に努めてはエネルギーの地産地消を図り,エネルギー面で自立した各クラスターが災害時には周辺エリアをカバーするなど,有事の回復力,レジリエンス強化を確立すること。  二点目は,エネルギーの大半を輸入に頼る現実が当たり前になり無自覚となって久しい日本ですが,それはイコール国民が額に汗して稼ぎ納めた税金が,島国のエネルギー対価とはいえ,海外へ流出し続けており,こうした構造の縮図とも化している各自治体や本市でも,エネルギーを域内で生み出し循環させるシステムへ早急に転換を図るべきであること。  そして三点目は,環境対策やエネルギー政策の展開に伴い,特に再エネの分野などは伸び代の宝庫とも言え,再エネを主力電源に据えんとする取組は,地域の産業振興や,そこに伴う雇用創出など,地方の成長戦略に資するアプローチでもあって,環境と経済,二つの課題解決を同時に図るグリーンリカバリーへ傾注すること。  以上の三点となります。  そこで,非常に示唆に富む事例を紹介させていただきますと,東日本大震災で甚大なる被害を受けた岩手県の宮古市では,被災に屈することなく市民の総力を結集して復興を果たそうと,まずは震災でエネルギー供給が断たれた経験を教訓に,「森・川・海の再生可能エネルギープロジェクト」を重点施策に据えられます。このプロジェクトは,メガソーラーやバイオマスなど,地域でつくられた再エネを持ち寄り,地域内のあらゆるエネルギー需要を満たしていく再エネの地産地消を掲げるもので,推進協議会には多くの企業や大学が名を連ねるなど,産学官一体となって施策を展開。現在もエネルギー総需要のおよそ3割を再エネで補完し,50年には全ての需要を賄うべく取り組んでいらっしゃいます。  そして,一連のプロセスをひもとけば,原発の事故を大胆に再エネへシフトチェンジを図る際に,当初は当然のごとく利害の擦れ違う自治体と大手電力会社の間であつれきが生じたのですが,地域の未来のために折衝を重ねては,そこへいや応なしにクリーンエネルギーへ向かう時代も手伝い,その結果,自治体に住民,大手電力会社の良好なる関係性が築かれ,三方よしのプロジェクトは飛躍的な前進を遂げていきます。  るる述べてまいりましたが,折しも時代の追い風を感じますのは,今日まで再エネ普及への牽引役をFIT──固定価格買取り制度が担ってきましたけども,クリーンエネルギーの分野が確立されるほどに,同制度は需給バランスへの対応がかなわず,マーケットにひずみを与えていたのも事実です。  そこで,さらなる再エネ普及と経済性を担保しようと,2022年度より電力マーケットで市場価格に補助金を上乗せするFIP──フィード・イン・プレミアムが新たに導入される予定であり,さらに国は,こうした転換点を契機にアグリゲーション・ビジネスの活性化を,言うなれば多様なる小型電源の統合を図り一つの発電所のように機能させる,そのための環境整備に本腰を入れて着手すると言われています。  いずれにせよ,はるか昔より既に温室効果ガスは私どもの青い空へ放たれ続けており,近代社会でも統一の数値を掲げては,ここまで世界規模で目標を一にして取り組む機会は前例がなく,そこで伺います。今を懸命に生きる人々の生活環境を必ずや守っていくためにも,そして子や孫の世代にこの青い地球をきちんと残し受け渡していくためにも,50年までに温室効果ガスの排出ゼロへ向けて本市はさらに全力を尽くしていく旨を宣言してはいかがでしょうか,お聞かせください。  そして,環境対策やエネルギー政策のみならず,防災面や地域振興にも寄与すべく幾つか例示しますと,風光明媚な佐伯区の湯来は,まきボイラーを基調に,安佐南区の戸山では,バイオマス発電と連動して,南区の似島は,瀬戸内の長い日照時間を太陽光パネルで生かし,ほかにも旧市内は,デルタに注がれる豊かな川の流れを小規模なマイクロ水力発電に利用するなど,とにかく始まりは限定的な集落など小規模からでも構いません。再エネの利用率を着実に上げるべく,まずはモデルとなる再エネ地産地消エリアを設定,その後も得られた知見や便益を本市全域にも還元,融通し合う体制を整えていただきたいと熱望するものです。  そこで伺います。本市も再生可能エネルギーの地産地消に取り組んでいただきたいと存じますが,本市の御所見をお聞かせください。  このくだりを結ぶに当たり,いま一度,さきに紹介した宮古市の取組を補足させていただきますと,民間の技術力が集約される現場にて次々と雇われ活躍するは,定年退職後の市の職員であり,長年にわたり培った行政経験と専門的な知識を定年後も遺憾なく発揮できる就労環境に,誰もがやりがいと生きがいを感じ,職場で目を輝かされていると言われます。一案として,働き盛りの職員を特定分野の先端企業へ出向させ,経験を積ませては行政へフィードバックさせるなど,官民協働でできることに際限はなく,いずれにせよ法制度にも明るく経験豊富な行政職員が,定年後も未来を担う伸び代の多分にある分野へ再就職できる,再エネならぬ人材の再生が当たり前のように図れる土壌をこの広島でも県域レベルで築いていくべきではないでしょうか。  では続いて,ゼロカーボンシティーへ向けた取組として,本市の自転車戦略について伺いますが,顧みれば,政府が50年ゼロの政策を掲げた際に,国内のメディアからは次のような論調も飛び出しました。日本の温室効果ガスの排出量は,世界でも5番目となる全体の僅か4%ほどであり,仮に懸命な努力でパリ協定の公約量を達成しても,それは世界規模の1%が減るにすぎないと。考えてみれば,世界で最も排出量の多い中国は,その規模も日本の8倍以上に及びますが,これを国単位から国民1人当たりで換算すると日本人が逆転するのも事実で,しかも世界の僅か1%となる数億トンの排出量を是が非でも費やし生活しなければならない新興国は多く,オフセット・クレジットではありませんがグロスで捉え,誰かが使える1%に回すためにも繰り返しとなれ,今後は一人一人の意識改革と,より一層の緊急行動が必然になってまいります。  そこで,家庭からの二酸化炭素排出量の内訳を見ると,照明や家電製品などからがおよそ31%,次に自動車からのおよそ26%が続きますので,一つの提起として,時節柄,自動車の代替機能を担い始めた自転車にスポットを当ててみるとします。  このコロナ禍にあって,三密ともなり得る公共交通機関での通勤を避けるため,社員の自転車通勤を認める企業が急増しては,この春から夏場にかけて販売台数が全国的にも4割前後増えたとおり,明白に自転車の利用者が増加する昨今,本市でも自転車都市づくり推進計画を掲げては取り組み,本年3月には時代にそぐうものへと改定されたばかりです。  改めてこの推進計画にある四つの基本方針,その一つに,走行空間整備が掲げられているのですが,こちらは主にデルタ市街地の自転車道整備を段階的に進めていく事業で,これまでの実績値としては6.7キロメートルが整えられ,令和6年度末にはトータル25キロメートル以上を目標値に定め,今まさに取り組んでいるさなかにあります。  では,世界有数の環境都市とはいかなる状況なのか。ここにスウェーデンのマルメシティーを取り上げますと,夏場に得られた熱を地下タンクに貯蔵して冬場に利用すれば,ソーラーパネルや風車の普及はもちろん,市内を走る200台弱のバスは全てバイオガスで,またごみ収集車やタクシーも,その半分は同様にバイオガスで走行する環境先進都市の自転車事情に迫ってみるとします。  人口およそ30万人のマルメシティーでは,十数年前に可能な車道は取り払い,自転車道に再整備しては,その距離,市内に全長500キロメートル。要所の交差点にはレーダーを取り付け,自転車が近づけば信号が青になる専用システムを導入するなど,全人口の3人に1人となる10万人が毎日自転車で移動しています。  これを別世界の話と捉えるのか,それとも大いなる参考対象として捉えるのか。そこは,ゼロカーボンシティーへ向けて達成したい目標の高さと本気度に起因してまいりますので,ここに伺います。  世の健康志向や脱炭素社会へのパラダイムシフトを予見すれば,都心部の走行空間整備に並行して,一定の中長距離を自転車で移動する。つまりは,郊外と都心部を結ぶ走行空間の確立も重要かと存じますが,本市としてはいかなる御所見を持ち,いかに計画を立てては整備を進めてくださるのか,お聞かせください。  続いては,唐突に局所的な話となり誠に恐縮ですが,緊急性を要するので触れさせていただきますと,私は毎日自転車のペダルをこぐ一人として,通勤に通学,昨今は頻繁に行き交うフードデリバリーを含め,日々確実に増加する自転車の数を実感しており,朝の8時から9時の時間帯など,市役所に設置された駐輪場では,何とか1台分の空きスペースを探し出そうと人々が自転車を押しながら右往左往する光景が頻繁に見られます。何より花と緑にあふれ,環境に優しい自転車で往来することに適したまちづくりを進める本市の市役所の話であり,早急に改善が求められますが,余剰スペースは限られ,整備費の捻出も伴ってまいりますので,まずは取り急ぎ改善を図る代替案として,過去,議会棟横の駐輪場を改修した際,一時的に本庁南側の歩行空間を仮設の駐輪場に設定しました。当時,非常に多くの人々がその駐輪場を利用しては,出し入れが簡素なことからも,非常に好評を得たのですが,今後未来永劫とまで言わずとも,提示した打開策なりで早急にこの事態へ対応していただきたいのですが,いかがでしょうか。ここにお聞かせください。  自転車戦略の話を締めくくるに当たり,在住の方にヒアリングしたフランスはパリの事情に触れておきますと,大気汚染問題で都心部への車両の流入を徹底して抑制しては,当初市民の反発も相当なものだったそうですが,昨今はコロナ禍も手伝い,対応策はさらに加速度を増し,市内6万台分の路上駐車場を削減する予定であれば,現に都心部の車道を次々と自転車道に変更するなど,世界でもいち早くレンタサイクルを普及させた都市は,今なお市民の自転車利用に拍車がかかっています。  こうした背景には,かねてより電動自転車の新規購入時に最大で50%,500ユーロまで,日本円にしておよそ6万3000円になりますけども,また保守点検や修理費用に上限で50ユーロまで受けられる補助金制度などの存在もあり,あれだけ母国の自動車メーカーが名をはせるフランスにあって,自転車の推奨は既に国策です。  私にせよ,あらゆる事例を追随すべしとは申しませんが,例えば10万円前後する電動自転車の新規購入時に半額補助となれば,子育て世代の親御さんも非常に助かりますし,環境や健康面のみならず,何よりも経済的な格安の維持管理費と,統括すればソフト面のマナーに,ハード面の走行空間や駐輪場,そこへ制度面のサポートも伴い,バランスをもって自転車の普及に取り組んでいただくことをここに要望するものです。  では次に,縦割り110番について伺います。  さきの9月に菅新総理が誕生後,新たなキャビネットが組まれ,規制改革担当大臣に就任された河野太郎氏は,新内閣の掲げる目玉政策,その一角を担う縦割り行政の改革を推し進めるべく,自身の公式サイトへ規制改革に関する意見を国民から募る,規制改革・行政改革ホットライン──いわゆる縦割り110番を9月末に開設されました。顧みれば,こうした目安箱とも呼べる機能は,規制改革に取り組む一端として,個人や企業等民間から広く意見を募るためにかねてより内閣府に設置されていたものですが,このたびの試みは,大臣自身が寄せられた声に全て目を通す触れ込みも手伝い,開設後,多様なる要望が1日平均百数十件も寄せられ,その数は僅か2か月間で8,000件を突破。前身の内閣府のサイトでは年間を通じて規制改革の要望が700件程度であった過去と比較しても,これは12年分の量に当たり,担当部局が業務困難に陥ることから,河野大臣の開設した縦割り110番は再開未定とし,11月下旬に一時停止する旨を表明されました。  私もこの一報を耳にした際は,アドバルーンを打ち上げ,短期の宣伝と観測気球の役割を終え,早々に店じまいしたものと感じていたのですが,このために全国各地から参集した自治体職員や大臣の動静など,内閣府の動きをつぶさに追ってみますと,寄せられた全ての要望を精査し,改革に有益と判断された案件は各省庁に伝達していくとうたわれているとおり,改めてここに一区切りをつけ,今日まで寄せられた多くの要望に,まずは徹底して向き合う体制を整えるための一時停止であるとの本気度がうかがえます。  いま一度,河野大臣のサイトとは別に,従来の内閣府に設置されている規制・行政改革ホットラインには,届いた要望に対する所管官庁からの回答も掲載されており,そこへは,次の法令により対応は不可,事実に誤認がある,一方,今後検討を進める,改善に着手するなど,個人や民間企業から寄せられた提案の内容,各種制度の現状や該当する法令,対応の行方まで明記され,改革へ向けた提案の採用・不採用を問わず,送り手と受け手双方がブラッシュアップされています。  また,今回の成果の一例では,救急車の緊急搬送の事例が度々引き合いに出されておりますけども,こちらは救急車が緊急搬送を終えた後,消防署へ戻る際に高速道路を利用した場合,無料区間の対応などがまちまちだったものが,縦割り110番への要望により,国交省や消防庁が連携して検討し,完全なる無料化にこぎ着けました。  いかなる自治体も諸課題を内包しているのは間違いなく,私どもは真摯に広く耳を傾ける姿勢を忘れてはなりませんし,行政や議会の常識は世間の非常識ではないのかと,関係者の誰もが常に自問自答すべきであり,ここに伺います。  あらゆる人々の英知を市政運営に結集させるべく,本市におかれましても縦割り110番とも言える行政改革目安箱ともなる機能を設置すべきかと存じますが,本市の御所見をお聞かせください。  続いて,サッカースタジアムについて伺うに当たり,まずはスタジアムに関する動向を押さえておきますと,さきの9月議会において向こう4年間の債務負担行為となる事業費257億400万円の予算案が議決を経た後,10月下旬に同事業の公募型プロポーザルが公示され,翌11月の中旬には2社以上で構成するJVを対象に参加表明書の受付が行われました。今後は,年をまたぎ来年の2月中旬に技術提案書などを提出し,3月下旬に行われるプレゼンテーションを経ては,設計や施工,工事管理業務の一括発注先となる優先交渉権者を選定され,数か月以内に本契約が締結されるなど,開業時期の2024年を目指し,徐々にではありますが,スタジアムの絵姿が輪郭を帯びながら浮上してまいります。  そして,いま一度私どもに自覚が促されるのは,広島のスタジアム建設は現在,スタジアムやアリーナを核に人々が集うまちづくりを掲げる国の方針とも相通ずるものであり,広く国民の方々からも国庫を通じてサポートを頂戴すれば,2015年の吹田スタジアムや2020年の京都スタジアムなど,近年に着工,完成したスタジアムを,私どもが基本計画を策定する段階からも大いに参考とさせていただいたとおり,今なお新スタジアム構想を抱く他都市は後を絶ちませんが,こうした各自治体は格好のモデルケースにしようと広島の事業動向に熱い視線を注がれている点にあります。  このように広島のスタジアム構想は,既に国家プロジェクトの一役を担っており,また,このたびのプロポーザルにより提示されてまいります世界レベルの技術の粋とあふれる創造性を県・市が培ってきた知見と融合させては,人々が恒久平和を願い,現世の平和を謳歌する。こうした広島の新スタジアムを築くに当たって,波及効果の基準は県内にあらず,あくまで世界であり,私どもの尺度となる国際平和文化都市がぶれてはなりません。  そして,機を見るに敏として事業を進めるべきで,適例を挙げますと,2019年に改正労働基準法が施行され,あらゆる業種で働き方改革が進められておりますが,建設業界では職人の高齢化や担い手不足が顕著なところへ,時の建設ブームも相まって長時間労働が常態化しており,働き方改革へ急速に対応することが難しい同業界に対しましては,国が激変緩和となる5年間の移行期間を設定しました。そして現在,建設業界は,1か月のうち完全に幾日かは現場を閉め切る閉所日を設けるなど,段階的に休みを増やし,長時間労働の是正を試みるただ中ですが,5年の猶予が切れ,罰則つきの一般則が適用される期日が,くしくもスタジアム開業とほぼ重なる2024年の4月であり,今後AIの導入やICT化により生産性は向上していくにせよ,あらゆる事業において納期の見極めは重要度を増し,ここへ付言すれば,その変動が事業に直結してくる市場動向にも私どもは目を配ることを忘れてはなりません。  例えば現在の労務単価は,近年の職人不足による雇用確保のため,社会保険など法定福利費の充実を図る背景も手伝い,高止まりの状態から,今後はさらなる高騰が目され,一方,資材単価にせよ,このコロナ禍で需要が低迷し,鉄鋼関係などは大手が軒並み減産にシフトし,マーケットで底値を打っている状態にありますが,昨今中国経済の回復で原材料価格が上昇基調にあるなど,今後メーカーが応分の値上げを打ち出してくる可能性を業界は危惧されています。つまるところ,ありていな物言いながら,経済学にもある,注いだ事業費に対してその対価を最大限にするバリュー・フォー・マネーの概念を突き詰めるならば,まずこの機を逃すことなく,しかも事業を遅延させないことです。  加えて,私はかねてより唱えているとおり,スタジアムにせよ,それは世界でも希有なるエリアを築く目的のために用いるあくまで手段の一つであって,裏を返せば,ほかにもいかなる手段を用いるべきなのか。コンセプトの統一を図るのはもちろん,収支にせよ,エリア全体でのマネジメントが大前提になってまいります。  では,問題提起に,このたびは青少年センターに着目しますが,近年の緊急安全確認の耐震診断結果においても,震度6強以上の大規模地震に対しては最も倒壊,崩壊の可能性が高いと位置づけられており,築53年を迎える旧耐震構造の建築物は,毎年本市による多額の持ち出しに支えられながら,あの都心に鎮座します。現代の潮流として,民間に任せられるものは極力民間へと,自治体が抱え込む資産を見直しては,サービスの向上に結びつけて収益も生み出していく。そして,近未来では,民間が提供しては,役所がユーザー側に回るのではとも口にされる昨今,命に直結する建築物の安全性も含め,私どもは青少年センターの在り方を問わなければなりません。一方,過去に同施設の存続が問われた際に,機能の存続を求めて若者グループが署名活動を行ったとおり,かつてはフォーク音楽の聖地でもあったその文化と機能は,私も必ずや守り継承すべきかと存じます。  ただし,現在は既に若者の集うスペースなどはあえて各商業施設などに確保,点在させては人々の回遊性を図るなど,1か所に多くの空きスペースを抱え込んで局所的にオペレーションを完結させる時代になく,今後の方向性としては,青少年センターのスペースを市内各所へ戦略的に点在させた上で,商議所の移転に加え,同センターも前向きな移転を成し遂げたらば,それだけで都心部の収支は改善され,利便性も向上しては,事実として耐震化に対し利用者の安全も担保されてまいります。  また,都心部の再編には,ポストコロナの時代も念頭に,世界的にもデジタル図書館化が進む折,中央図書館にせよ,読書が生涯の友である私は,安直に機能の廃止など求めませんが,その在り方を時代にキャッチアップするのは必須であり,積み残された宿題は後回しにするほどその代償は高くつき,私どもが懐古主義にとらわれていては,将来世代の未来は描けません。  そこで,まずは現状を皆様で再確認すべく伺います。現在,都心部の中央公園広場を含めた各公共空間,公共施設は,指定管理制度を用いては,利用料金では賄えぬ部分を本市が補償し続けている状況にありますが,その金額は,今後エリアマネジメントを確立するに当たって格好の材料となりますので,果たして幾らになるのか。対象を上げますと,中央公園広場,ファミリープール,青少年センター,こども文化科学館,こども図書館,中央図書館,映像文化ライブラリー,以上,トータルの金額をお聞かせください。  また,中央公園の今後の活用に係る基本方針は策定されながら,これまではスタジアム建設地の行方もあり,施設群の具体的な着地点に係る検討は留保されていましたが,スタジアムの建設場所が決定し,具体的な建設のフェーズに入るこのタイミングを都心部の改革元年とすべく,新年度予算に相応の検討費を盛り込み,庁内でも各局にわたり横の連携を図りながら,今こそ夢にあふれる大きな未来予想図を描き,その実現に着手すべきかと存じますが,本市の御所見をお聞かせください。  結びに,このコロナ禍にあって,建設事業に関しましては毀誉褒貶が渦巻くことも,私は一人の議会人として真摯に受け止める次第です。しかし,サッカースタジアムは,人の命を救うことはかなわずとも,必ずや人々の魂を救うことはできます。新スタジアムでのキックオフへ向けて,引き続き広島県民でチーム一丸となりては,微力ながら私も全力で取り組むことを誓い,一般質問を以上といたします。  御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○山田春男 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       石橋議員からの御質問にお答えします。  ゼロカーボンシティーについてのうち,2050年までに温室効果ガス排出ゼロへ向けた宣言についての御質問がございました。  地球温暖化対策は,人類の存続基盤に関わる重大かつ喫緊の課題であると認識しており,本市では平成29年3月に策定した広島市地球温暖化対策実行計画において,令和32年──2050年までに温室効果ガス排出量を平成25年度比で80%削減するという長期目標を掲げ,省エネルギー対策,再生可能エネルギーの導入の推進など,市民や事業者の価値観や行動の変革を促す取組を進めております。  そうした中,議員御紹介のとおり,国においては菅内閣総理大臣が2050年までに温室効果ガス排出を全体としてゼロにすることを目指すことを宣言し,地球温暖化対策をより一層進めていく方針を示されたところです。  この国の宣言を受け,先月指定都市市長会において,各都市が環境と成長の好循環の実現に向けた課題の解決策などを共有した上で,より効果的な地球温暖化対策を推進するとともに,その推進に当たっては,指定都市が中心となって周辺の自治体に取組を拡大し,先導的な役割を果たしていくことなどについて連携宣言を行いました。  本市としては,広島市環境基本計画に掲げる環境像であります,将来にわたって豊かな水と緑に恵まれ,かつ快適な都市生活を享受することができるまちを実現できるよう,引き続き市民,事業者と一体となって脱炭素化・脱炭素社会,この構築に向けて取り組んでまいりますけれども,その際,長期目標に関しましては,今申し上げたような動向も踏まえ,本市としても2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするということを目指すことにいたしたいと思います。この長期目標の変更に関しましては,この実行計画の次期改定の際に明記をするということにもしていきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   ゼロカーボンシティーについての御質問のうち,本庁舎の駐輪場について,過去歩行空間を仮の駐輪場に設定したような打開策を導入し,駐輪スペースが見つからないという事態に対応してもらいたいと思うがどうかとの御質問にお答えをいたします。  本庁舎の敷地内には4か所の駐輪場を設けており,警備員等が定期的に巡回し,駐輪スペースを確保するため車列を整理するとともに,来庁者に対して空いている駐輪場を案内するなど,円滑な利用の促進に努めているところでございます。しかしながら,昨今はコロナ禍等で本庁舎でも自転車利用が増加傾向にございます。このため,まずは警備員等が駐輪場を巡回する回数を増やし,車列の整理等を徹底するなど運用の改善に取り組んでまいります。  また,こうした取組と並行して,来庁者の安全確保や庁舎管理上の課題に十分配慮しつつ,限られた敷地の中での新たな駐輪場所の確保を含め,どのような対応が可能か検討してまいります。 ○山田春男 議長       環境局長。 ◎重村隆彦 環境局長     ゼロカーボンシティーについてのうち,再生可能エネルギーの地産地消に取り組むべきと思うがどうかとの御質問にお答えします。  議員御紹介の再生可能エネルギーの地産地消に係る取組は,地球温暖化対策につながることに加え,災害時の非常用電源として活用することで,地域の強靱性──レジリエンスを高めることができます。また,地域の自然や人材等を活用することから,雇用を生み出し,地域内のヒト・モノ・カネの好循環を促すことも期待できます。  このため,広島市地球温暖化対策実行計画において,本市の目指すべき方向の一つとして,人や自然に優しいエネルギーにシフトしていくことを位置づけ,住宅や市有施設への太陽光発電システムの導入,木質バイオマスの活用等の取組を行うなど,地域の再生可能エネルギー導入を推進しています。本市としては,こうした取組を通じて,先ほど市長が答弁しましたとおり,2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指して再生可能エネルギーの地産地消を一層推進していきたいと考えています。  以上でございます。 ○山田春男 議長       道路交通局長。 ◎加藤浩明 道路交通局長   ゼロカーボンシティーについての御質問のうち,自転車戦略についてお答えいたします。  都心部の走行空間整備に並行して,郊外と都心部を結ぶ走行空間の確立も重要だと思うが,どのように考え,どのように計画を立てて整備を進めるのかとの御質問がございました。  本市における自転車走行空間の整備は,自転車利用の約半数がデルタ市街地を発着していることを踏まえて,自転車利用の多いデルタ市街地を優先して進めています。また,デルタ市街地以外については,自転車走行ネットワークを効果的・効率的に構築するため,デルタ市街地での整備状況を踏まえながら,自転車利用が多いJR駅等を中心とした地域などにおいて整備方針を定めていくこととしています。こうした中,コロナ禍における三密を避ける移動手段として,自転車利用の増加や電動アシスト及びスポーツタイプの自転車の普及などによる長距離通勤者やサイクリストの増加により利用状況に変化が生じているため,議員御指摘の郊外と都心部を結ぶ自転車走行空間の整備についても,今後の自転車利用の動向を的確に捉えながら検討していきたいと考えています。
     以上でございます。 ○山田春男 議長       企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   縦割り110番について,本市においても縦割り110番とも言える行政改革目安箱となる機能を設置すべきと考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。  本市は,市民に最も身近な基礎自治体として,これまでも個人,企業,団体等に関わらず幅広く御意見や御提案をいただき,有益と考えられるものについては可能なものから市政運営に反映しているところでございます。  意見聴取等の具体的な取組といたしましては,市民相談センターやホームページ上で市民の声として御意見,御要望を募るとともに,投書箱を本庁舎や区役所,各公共施設などに設置をしております。また,産業界,学術界の方々などを交えた懇話会や,市政車座談義などにおいて積極的な意見交換を行うとともに,各種団体からの御要望などを聞く機会を設けています。  このほか市内部の仕組みとしても,日頃から市民対応を行っている職員から,施策や事業の改善に係る提案等を求める職員提案制度を設けております。  引き続きこうした取組を継続するとともに,議員の御提案を含め,より効果的な意見等の聴取方法についても不断に検討していきたいと考えております。 ○山田春男 議長       都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    サッカースタジアムについてとして,都心部の再編に関する二つの御質問にお答えいたします。  まず,中央公園広場,ファミリープール,青少年センター,こども文化科学館,こども図書館,中央図書館,映像文化ライブラリーの,利用料金で賄えない本市が負担している金額の合計についてでございます。  中央公園,ファミリープール,青少年センター,こども文化科学館,こども図書館,中央図書館,映像文化ライブラリーに係る管理運営費から利用料金等を差し引いた本市負担額の合計は,令和元年度決算額で約11億4700万円になります。  次に,中央公園の今後の活用に係る基本方針を踏まえ,庁内の横の連携を図りながら,施設の再配置に関する未来予想図を描き,その実現に着手すべきと思うがどうかについてでございます。  本市では,本年3月に策定しました中央公園の今後の活用に係る基本方針を踏まえ,サッカースタジアムの建設や旧広島市民球場跡地イベント広場の整備など,魅力や回遊性の向上につながる事業を着実に進めております。一方,公共施設の老朽化や機能面での課題への対応という問題は,中央公園内の公共施設についても生じてきており,基本方針ではこれらの再配置等は中長期的な取組に位置づけております。しかしながら,基本方針の策定後,これらの施設を所管する関係課の間で連携して検討する中で,機能更新等の早急な対応を必要とする施設があるのではないかという議論がなされたところでございます。このため,今後より一層庁内の関係課の横の連携を図り,中央公園内の公共施設の再配置や機能更新など,その在り方について具体的な検討に着手していきたいと考えております。  以上でございます。 ○山田春男 議長       19番石橋議員。 ◆19番(石橋竜史議員) 各種答弁を頂戴しまして,まずゼロカーボンシティーに向けてなんですけども,本当まさに今,市長から号砲が鳴らされたといいますか,我々広島市でも,50年ゼロに向けて一直線に取り組んでいかなければならないと切に感じております。  今回この質問をさせていただいた趣旨というのを改めてちょっとかいつまんで補足をさせていただきますと,もう今まさに,例えば国際エネルギー機関──IEAからも,今後50年までに年間で125兆ぐらいのやはりお金が動くのではないか。そういう中で,世界の投機筋のトレンドというか,今本当にESG事業を主にお金が本当に集まって,せんだっては菅総理が2兆円の基金のほうもつくる方向でということで,まさにこのクリーンエネルギー,グリーンの世界にどんどんと世界のお金が集まって,また飛躍的に技術革新が進んで,昨年度などは再エネの世界の創出量が原発を上回りましたけども,飛躍的に今後どんどんと再エネに関わるそのエネルギーの創出のコストも安くなっている。  そういった中で,私も一つ慎重にならなければいけないと思うのは,今の技術革新,技術レベルがデフォルト──標準ではないので,例えば,今,1億注いで10%削減できたものが3年後は2000万円注いで30%削減できるとか,もうそういう時代に入ってきていますので,そういった意味でもやはり我々もその機を見極めながらこつこつと進めていく。  そういう中で,もうお金だけではないんですけども,一番やはり変えなければいけないのは,私ども一人一人のそのマインドの部分であり,生活習慣の部分ですので,今回は,例えばちょっと例示させていただきましたけども,湯来町ですとか,また戸山ですとか,似島を挙げさせていただきましたが,そういったところは今まさに地域振興をしようとしている。そういう各小規模なエリアでも構わないので,我々のエリアは再エネで100%のエネルギーを賄っているというと,これはもちろんニュースにもなるし,そこに住んでいる人々たちの,ありていですけども,シビックプライドというか,本当にやっぱり地域の一体感も生まれますし,そういった意味で,簡単ではない道のりですけども,僅かでも一歩一歩でもステップ・バイ・ステップでその再エネの使用量を増やしていきたいという思いでちょっと提言させていただきましたので,今後もそういうエリアを中心にちょっと進めていただければすごく幸いなんですけども。  時間もありますし,もういっぱいしゃべりたいことがあるんですが,スタジアムの部分,都心部の再編で,私,今回はあえて回答を求めていない部分が多分にあります。  というのは,例えば青少年センターを一つ例示に挙げましたけども,じゃあ,青少年センターどうするんですかと迫ってはいません,皆さんで議論しましょうと。青少年センターで言いますと,年間の管理運営費がおよそ8900万円。そこに500万円の実入りがありますので,ですから毎年毎年8400万円ですか。じゃあ,向こう10年考えた場合に,8億円,9億円ずっと注いであの青少年センターをあそこに置いておきますかという話なんですよね,どうしましょう。さきに11億4000万円という数字が出ましたけども,今の施設群を10年間110億注いであの機能を私たちはキープするんですか,今考えなきゃいけないんですかということで,では本当に青少年センターなどでは,今,教育委員会の青少年育成部が所管していると思いますけども,例えば,教育の部門では去年いじめの認知件数が最大になりましたよね,およそ61万3000件ですか。また,不登校も18万人で過去最多でしたけども,でも子供たちは今,例えば教室以外の居場所を求めている部分もある。じゃあ,青少年センターも,あのままにするのではなくて,もっと再配置して,子供たちのために,早期発見・早期対応は掲げているけども,何かできるんではないかということは絶対あるはずだし,そうすることによってまた都心部の収支も改善されてくるというのは,ウィン・ウィンという言葉は使いたくないですけども,すごく前向きになると思うんですね。  だからそういった意味で,本当都心部の再改造に向けての提起としてこのたび発言させていただいたんですけども,ぜひともまた,何よりも安全性もありますので,予算を設けて引き続き検討していただいて,また新たな未来図が中央都心部で実現されることを切に願って,私の今回の一般質問は以上とさせていただきます。  ありがとうございました。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○山田春男 議長       この際,暫時休憩いたします。                午前11時46分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時04分開議                出席議員  29名                欠席議員  25名 ○渡辺好造 副議長      出席議員29名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  5番川村真治議員。                〔5番川村真治議員登壇〕(拍手) ◆5番(川村真治議員) 皆様,お疲れさまでございます。  公明党の川村真治でございます。会派を代表して,一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  初めに,人口減少社会の市行政の取組について質問をいたします。  国立社会保障・人口問題研究所──社人研が公表したデータによると,全国的には12年前の2008年の1億2808万人をピークに,既に人口減少社会に突入しておりますが,本市においては2020年の本年,120万8000人予測を人口のピークとして人口減少社会に入ります。40年後の2060年の本市の人口予想は102万1000人で,現在の84%まで減少し,さらにその先加速度を増して減少が予測されております。  紀元前からの人類の統治の歴史は,人口は増加するもの,あらゆるパイは拡大するという右肩上がりの成長モデルを前提として社会は深化・発展してきましたが,今後は未知なる縮小モデルというフェーズに突入することになります。通常,際限のない縮小傾向の先にあるのは,消滅か崩壊であり,その環境の中でサステーナブルな社会を構築することは非常に困難な課題であると考えます。近年,地球温暖化の世界的な課題を踏まえ,SDGsに代表される持続可能な社会という考え方が普及してきましたが,殊に特定の先進国においては,持続可能な社会を構築するためには,環境問題の克服以上に人口減少問題の克服が困難な課題であるかもしれません。  また,人口が減少していくこと以外にも,高齢化による内部構造の変化も深刻であり,社会保障費の増加と就業人口の急減等の悪条件も考えられます。また,国土交通省は,2010年から2030年までの僅か20年間で基礎自治体の年間維持管理費及び更新費用は2倍になると試算をされており,これは戦後急速に整備を行った道路や橋,そのコンクリートや鉄の耐久年数が限界に達し,維持管理では補えない再建の費用も加算されることからです。  このような点から,行政も人口減少率に合わせた相似形の税配分の縮小のみでは乗り越えられない困難なかじ取りが迫られることになります。国土交通省をはじめとした各機関が予測したデータや状況はショッキングな内容ですが,行政も市民も共にこの現実を冷静に受け止めて対応していかなければならないと考えます。  そこでお尋ねします。今後行政サービスの質や量の変化や,市民の協力を得なければ持続できない行政課題も予測されること,また行政の十分な説明が果たされないと,行政と市民の認識の乖離は年々増加され,将来的なハレーションを起こすことも考えられることから,人口減少社会の変化を市民にあらゆる方法を活用して周知し,理解,協力を得ていく必要が不可欠であると考えます。この点について,本市の御見解をお聞かせください。  次に,集約型都市構造についてお伺いをします。  人口減少社会の対策として,国,県,本市も集約型都市構造への転換は重要施策として掲げています。本市においては,広島市都市計画マスタープラン及び広島市立地適正化計画にも施策の詳細が明記されておりますが,広島市における集約型都市構造の転換は,駅前,八丁堀,紙屋町の都心部分に全てを集中するわけではなく,市全域に点在する拠点地区とそれを結ぶ主要な交通機関と幹線道路の沿線に都市機能を高め,今まで広域かつ均一的に投下されていた資本を,集中した投下へと変更することにより,財源の減少があっても最低限の市民サービスの維持に努める施策だと理解をしています。また,広島市においての集約型都市構造の転換は,市民サービスの維持以外にも,デルタで平野が少ない地形の中,山際まで住宅宅地開発が進んでいるという地形的な要因と,真砂土という崩れやすい地質的な要因の二つから,市民の生命と財産を守る効果も発揮されると考えます。  しかしながら,この集約型都市構造,またはコンパクトシティーといった用語と目的が市民にあまり浸透しておらず,ましてや集約型都市構造への転換への誘導策としての財政,税制,金融など,またその他多くの優遇措置に対しての情報を知っている市民はほぼ皆無だと思います。  また,集約型都市構造の転換の実施においては,住居の移転による費用の発生はもとより,住み慣れた家への思い出や地域のコミュニティーの変化やアイデンティティーといった心の問題まで波及してきます。集約型都市構造の転換は,市民の協力がなくては成り立たない施策であり,そのためにも就職,結婚,退職やついの住みかの検討など,人生の折々の節目などを契機として移転の判断ができるよう,なるべく市民に痛みを伴わない,時間をかけた配慮と啓発期間が必要になると考えます。その点からも,早期の周知の推進と,人口減少対策の中でも特に市民への説得ではなく納得を得るアプローチが必要となると考えます。集約型都市構造の成功事例として挙げられる富山市の取組は,マイカーがなくてもスーパーや公園,図書館,地域包括支援センターなど,徒歩で行ける便利さや特定地域の新築改修などの補助金や助成金でのお得感の演出により,集約型都市構造を実現しました。  以上のことからも,集約型都市構造への推進には,工夫とスピード感が必要になると考えます。本市としてはどのような周知に取り組まれるお考えかをお聞かせください。  また近年,保健医療分野で注目される,活用が増えている行動経済学の一つでもあるナッジ理論は,相手に選択の余地を残しながら,相手がよい選択をするように導くアプローチですが,このような手法の活用など,集約型都市構造を実現していく上で有効な手法の一つであると考えますが,いかがお考えでしょうか。  次に,少子化対策についてお尋ねをします。  人口減少問題の施策には,人口減少という現実を真摯に受け止める施策と,人口減少傾向にあらがう施策の二つがあると私は考えます。本年7月に改定された「世界に誇れる『まち』広島」人口ビジョンの中,2060年の社人研の人口予測は102万1000人に対し,本市の総人口の将来展望では16万人多い118万1000人となっております。社人研の推計にあらがう人口将来展望における合計特殊出生率の仮定は,10年後の2030年には市民希望出生率の1.81で,さらに10年後の2040年とそれ以降は人口置換水準の2.07となっております。  そこでお伺いをします。本市がこれからの合計特殊出生率の仮定を定め,目指している総人口の将来展望に近づけるために努力をされていますが,どのような施策をお考えなのかお尋ねをします。  また,「世界に誇れる『まち』広島」人口ビジョンの中に,若い年代の東京・関西圏への転出超過を抑制し,2018年時点から2025年までの7年間で1,900人の増加を本市は仮定されていますが,そのためにどのような取組を考えておられるか,重ねて御見解をお伺いします。  少子化対策は,先ほど述べたように,人口減少という現実にあらがう施策であると考えます。65歳人口が総人口に占める高齢化率が7%から14%の倍に到達する数字である倍化年数は,アメリカは72年,フランスは126年のところ,日本は僅か24年と,欧米と比較するといかに速い速度で高齢化が進んでいることがうかがえます。加えて,フランスでは,2019年の合計特殊出生率が1.87と,少子高齢化の傾向はありながら,緩やかな変化の中,少子高齢化の諸問題を社会の成熟度の中で吸収してくれる側面もあると考えます。このような事例からも,人口置換水準を超えなくて人口維持ができなかったとしても,減少の変化のスピードが緩やかであれば,懸命にあらゆる施策を実施することにより,行政サービスの質を維持したサステーナブルな社会の実現可能性が高まるのではないかと考えます。  このような観点からも,少子化対策はあらゆる施策の中で最も優先される一丁目一番地の最重要課題だと考えます。具体的には,結婚しやすい社会,子供を産み,また育てやすい社会の実現のために,国,広域自治体,基礎自治体はそれぞれの角度を持った施策に財源を惜しむことなく投入していくべきだと私は考えます。  そこで,具体的な施策について何点かお伺いをします。  産みやすい社会について,今回は不妊治療についてお伺いをいたします。  近年の少子化の要因とされる晩婚,晩産化の進化とともに,不妊に悩む夫婦の割合も,本市ではこの10年で25.8%から35.0%と上昇をしております。現在,不妊治療を受ける夫婦は5.5組に1組と言われ,体外受精や顕微授精といった高額となる特定不妊治療で生まれる子供も増加し,2017年には約5万7000人が誕生し,計算上では学校1クラスに2人から3人いる割合となります。  公明党としても不妊治療の経済的な負担を保険適用によって軽減すべきだと長年にわたり訴えてきましたが,今回の菅政権誕生によって,不妊治療の助成拡充や保険適用に向けての前進が期待できる状況になってきました。不妊治療は肉体的・精神的な負担も大きいので,治療費負担の軽減が不妊治療に取り組む夫婦の背中を押すことになると考えます。今後も国による拡充が予想される不妊治療について,改めて本市の御見解をお伺いします。  次に,育てやすい社会について,保育の受皿確保等に向けた取組についてお伺いをします。  先日,菅首相は臨時国会の所信表明演説において,長年の課題である少子化対策に真っ正面から取り組むとした上で,改めて待機児童の解消を目指すことを強調されておりますが,本市における待機児童数の状況と,待機児童解消に向けた保育の受皿確保や,その受皿を支える保育士の確保に関する取組の状況を教えてください。  次に,特別自治市についてお伺いをします。  人口減少社会への突入で,財源は今後さらに厳しくなることは明白です。貴重な原資をさらに有効に活用しようとすることを求める中に,二重行政解消の議論は当然検討のテーブルに上がるべきであり,本市と広島県も2012年から二重行政解消に向けた合同研究会を設け,検討を行っています。広域自治体の県に比べ,基礎自治体である指定都市のほうがより現場に近く,地方事務の一元化の担い手としてふさわしいと考えています。また,本市もこの点は同様な見解だと思います。  単純に本市だけの立場だけを考えた特別自治市への転換は,財源のより効果的な活用と,さらに安定した行政運営が行えるなど,大きなメリットが生じると考えますが,一方,俯瞰して見た場合,県の人口の43%となる本市の財源と権能を失った広島県との関係性や,県内や広島広域都市圏の市町との関係にも影響が生じてくると思われます。  このような点も踏まえ,特別自治市を標榜する本市の御見解をお聞かせください。  次に,社会保障費の中の医療費削減について質問をさせていただきます。  昨年度の総括質問において,肺炎球菌ワクチンの再通知はがきの実施における医療費の削減について質問をさせていただきましたが,今回は平成28年の2月定例会で我が会派の西田議員から質問のあった,糖尿病性腎症について質問をさせていただきます。  2型糖尿病は,現在40歳以上の4人に1人と急増している生活習慣病の一つであり,全国では1000万人ほどが罹患していると推定されています。また,糖尿病は放置すると網膜症,腎症,神経障害などの合併症を併発し,さらに人工透析導入となると,患者さんの日常生活に支障を来すだけではなく,莫大な医療費が必要となり,医療費適正化の点でも大きな課題であります。  国は,平成28年4月に,日本医師会,日本糖尿病対策推進会議,厚生労働省の三者で糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定しました。このプログラムは,糖尿病が重症化するリスクの高い未治療者,治療中断者について,関係機関から適切な受診勧奨,保健指導を行うこととともに,リスクの高い通院患者に対して保健指導を行い,人工透析等への移行を防止することを目的としています。また,医療費の適正化に向けた取組を支援する保険者努力支援制度が平成30年より本格施行されましたが,糖尿病等の重症化予防の取組は配点の高い項目となっており,国が将来の医療費削減のために糖尿病の重症化予防を重視していることがうかがえます。  本市においても,透析に当たる診療行為が行われている患者をレセプト──診療報酬明細書から特定し集計しております。平成28年度の結果によると,2型糖尿病による糖尿病性腎症の割合は,透析患者全体の64.8%を占める704人となり,透析関連・透析関連以外の医療費合計は年間44億円,1人当たりの年間医療費は600万円程度となります。人工透析の期間は,年齢にもよりますが,おおよそ15年から7年程度のようです。仮に透析期間の平均を10年と仮定して本市の平成28年の患者数の半数の約350人が透析を回避できたとしたら,実に210億円の医療費削減が可能となります。  そこでお伺いします。2019年3月に厚生労働省保険局国民健康保険課から「糖尿病性腎症重症化予防に関する事業実施の手引き」が発表されておりますが,この手引の冒頭で,事業実施の抽出にレセプトを活用している保険者が少ないことが指摘をされています。健診結果やレセプトを活用することで,糖尿病治療を行っている人及び中断している人や糖尿病性腎症の病期が第2期,第3期及び第4期と思われ重症化するリスクの高い人を見つけることができるそうです。こうした方々への受診勧奨や保健指導はできているのでしょうか。本市の現状を教えてください。  基礎自治体である市町村では,国民健康保険被保険者の健診結果やレセプトデータを5年間保存されていると思います。治療中断者はどれくらいいるのか教えてください。また,糖尿病性腎症が重症化するリスクが高い人に対してかかりつけ医の判断により健康指導を行って人工透析への移行を防止する取組について,これまでの参加人数と,どのような効果があったのかについても教えてください。  人工透析に至る起因の中で最も多い糖尿病性腎症については,早期に保健指導を行い,生活習慣を改善することで腎症の悪化を予防する必要があるとのことです。そのことで国保の被保険者の健康寿命の延伸と医療費の適正化を図り,国保の安定的な運営,ひいては医療保険制度の持続可能性を高めていくことは何より大切だと考えます。今回,こうした観点からレセプト等を用いた対象者の抽出による糖尿病治療中断者への対応や,糖尿病性腎症の重症化予防をテーマに取り上げ,本市の現状を確認しました。この透析予防対策,糖尿病の重症化予防対策は,さらに力を入れて取り組む必要があると考えますが,本市の御所見をお聞かせください。  次に,介護現場の効率化について質問をさせていただきます。  今後,人口減少社会を迎え,なおかつ労働人口の減少化は,既に特定の業界において慢性的な人手不足の現状を表しています。その中でも特に介護業界では働き手が足りず,今後安定した介護サービスの提供が困難になる可能性もあります。現在,介護する側もされる側も65歳以上という自宅での老老介護が問題となっておりますが,先日視察に行かせていただいた民間の介護施設では,介護従事者の最高年齢が75歳という施設で,老老介護の問題は,個人宅だけではなく介護施設にも顕在化していることに驚きを感じながら,施設を後にしました。さらに,高齢者の介護従事者は肉体的な負担も大きく,腰痛は介護従事者の職業病の一つだとされています。  このような介護現場の人手不足,介護従事者の身体的な負担の軽減や業務の効率化に資するため,介護ロボットの導入を実施されている施設も徐々に増えてきています。広島県は,広島県介護ロボット導入支援を実施しており,移乗介護,移動支援,排せつ支援,入浴支援やICTを活用した見守り・コミュニケーション,介護業務支援などの支援に対して補助を行っております。介護ロボットやICT機器の導入は,介護環境の改善に即効性を持たせるとともに,介護人材確保にもつなげることにも期待をされており,その活用促進は不可欠と思われます。今後本市において高齢者人口が増加し,介護サービスの需要はさらに高まると予想され,介護人材不足はより深刻になる可能性があります。  そこでお伺いをします。今後介護現場における介護ロボット・ICT機器の活用促進に向けてどのように取り組んでいくのかお考えをお聞かせください。  次に,放射線影響研究所の移転について質問をします。  先月11月27日,放射線影響研究所の移転候補地として,これまで検討されてきた広島市総合健康センター案に加えて,広島大学霞キャンパス案が浮上していることの報道がありました。公益財団法人放射線影響研究所は,1947年に設置された原爆障害調査委員会──ABCCと,同所で共同研究を行っていた厚生省国立予防衛生研究所──予研を再建し,1975年に日米共同出資運営方式の財団法人放射線影響研究所として南区比治山公園に発足をされました。放影研は,被爆者の健康や寿命に関する調査研究,被爆者に関する病理学的調査研究,その他放射線の人に及ぼす影響及びこれによる疾病に関する調査研究を行っており,その結果得られた成果は,放射線医学に多大な貢献をもたらしています。  また,福島第一原子力発電所事故が契機となり,低線量被曝に対する研究は,放影研が今後長きにわたり実施すべき重点課題と捉えるとともに,統括研究機関として原発緊急作業従事者に対する疫学的研究についても取り組んでこられました。この放影研の移転は,長く中区千田町の広島市総合健康センター案で検討されていましたが,これは,国から広島市に対し既存の建物を賃借し,そこに入居する方法で検討するという考え方が示されたことから,広島市は広島市医師会の全面的な協力の下で,広島市総合健康センター案を国に提示し,この案により検討が進められてきたものです。また,2018年には放影研において移転に関する調査が行われ,候補に挙がってきた広島市総合健康センターのみ移転の判断基準をクリアできたという内容が報告されたとお聞きしています。  このような状況の中,本年7月に放影研から広島市に対し,広島大学霞キャンパスを移転先候補地として検討するよう評議員から意見があり,新たな候補地として検討すると説明をされ,同年10月16日に放影研から,広島市総合健康センター案に加え,広島大学霞キャンパス案が正式に加わったと説明があり,同年10月27日に放影研から,広島大学に候補地として検討する旨の申入れを行ったと説明を受けたという経緯があります。その後,12月3日に開催された放影研の地元連絡協議会において正式に公表されたものです。  そこでお尋ねします。このたび広島大学霞キャンパス移転案が検討に加わったことについて,本市はどのように考えているのか,また,今後どう対応していくつもりなのかお伺いをいたします。  また,本市はこれまでも一貫して早期の移転を要望されていますが,改めてその理由を伺わせてください。あわせて,放影研移転後の跡地はどのように活用していくのかについてもお伺いいたします。  最後に,冬季の新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。  私は,本年の3月の予算特別委員会の総括質疑の中で,やまない雨はないという言葉を引用して新型コロナウイルス感染症対策に奮闘されている関係者の方々にエールを送らせていただいたつもりでしたが,まさかこんなに長く雨が降り続き,さらに激しい雨になろうとは想像もしていませんでした。振り返ってみて,自身の見通しの甘さを反省をしております。関係者の皆様,長きにわたっての努力と奮闘に敬意を表するとともに,心から感謝を申し上げます。  この長い新型コロナウイルス感染症との闘いの中でも,治療薬やワクチンの開発は進んでおり,ファイザー製のワクチンはイギリスで本日から接種が始まっております。日本でも既に臨床試験が進められており,具体的な接種時期は国から示されておりませんが,厚生労働省は申請があれば迅速に審査・承認する見通しで,ワクチンの保存や輸送に向けた準備を進めているとのことです。  楽観視は禁物ですが,急速に拡大する第三波を何とか抑え込み,ワクチンが供給されれば,ソフトランディングも期待でき,新型コロナウイルス感染症との闘いも新たな局面を迎えることができるのではないかと考えます。  そこで,今回は冬季の新型コロナウイルス感染症対策に特化して質問をさせていただきます。  まず,初期症状が類似している疾病対策についてお伺いをいたします。  冬季は,風邪やインフルエンザの流行期でもあります。新型コロナウイルス感染の初期症状である喉の痛み,せき,鼻水,熱やだるさは,風邪やインフルエンザの初期症状とほぼ同じです。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためには,感染者を早期に把握することが重要ではないかと思います。これからの時期にこの三つの感染症が混在する可能性が高まりますが,発熱などの初期症状がある場合,新型コロナウイルス感染症に感染している患者をどのように把握していくのか教えてください。  次に,現在の状況ですが,全国的に感染者が急増をしており,東京や大阪など感染拡大に歯止めがかからない地域では,医療供給体制の崩壊が心配されております。本市においても,11月以降これまでにない勢いで感染患者が増加しております。特にこの12月に入り,クラスターが複数発生するなど感染患者が急増し,昨日までの1週間で197人,累計695人の感染患者が確認されています。  本市では,このように新型コロナウイルス感染症の感染患者が増えた要因について,どのようにお考えでしょうか。また,どう対応されるのかお伺いをいたします。  最後に,感染が拡大する中,市民の方から検査が必要なときに検査を受けることができるか不安だという声も聞きます。本市の衛生研究所でも検査体制の拡充をされているところですが,本市のPCR検査の現状について教えてください。  以上で質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○渡辺好造 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       川村議員からの御質問にお答えします。  放射線影響研究所の移転についてのうち,広島大学霞キャンパスが移転候補地に加わったことへの本市の考えと今後の対応についての御質問がございました。  公益財団法人放射線影響研究所──放影研の比治山からの移転につきましては,これまで長年にわたり,本市は国に対してその実現を強く要望してきました。こうした中,このたびこれまで検討されてきた広島市総合健康センター案に加えて,広島大学霞キャンパスへの移転案が追加されたことは,国及び放影研において移転に向けた前向きな検討が行われ,早期移転の可能性が高まっていることを示すものであり,広島市にとって喜ばしいことであると考えています。この広島大学霞キャンパスへの移転案は,広島大学と放影研との共同研究の拡充や施設の共同利用などにより,被爆実態に関する調査研究のさらなる促進が図られるなど,広島大学及び放影研双方の大きな発展につながるものと考えています。  一方,これまで本市が提案し進めてきた広島市総合健康センターへの移転案については,公益財団法人広島原爆障害対策協議会や近隣の広島赤十字・原爆病院との連携が一層深まり,被爆者の健康管理と医療面の調査研究のさらなる向上につながるものと考えており,それぞれにメリットがあると考えています。  今後,国及び放影研により両案について検討が進められることになりますが,放影研の比治山からの移転は,被爆者をはじめとする全市民的宿願であり,被爆者の平均年齢が83歳を超えた今,その実現は待ったなしの状況というふうに認識しております。本市としては,早急に放影研の今後の方向性を決定し,早期に移転が実現するよう,引き続き強く要望していきたいと考えております。  その他の御質問については関係局長から答弁いたします。 ○渡辺好造 副議長      保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  放射線影響研究所の移転についての御質問のうち,本市が早期の移転を要望している理由と,放影研移転後の跡地の活用についてお答えをいたします。  放射線影響研究所に関しましては,放影研の前進である原爆傷害調査委員会の比治山への建設に際し,本市は反対いたしましたが,占領下で強行されたものであり,移転は全市民的宿願であること,また古くから市民に親しまれてきた比治山は貴重な精神的・文化的財産であり,比治山の環境整備はかねてからの懸案であること,さらに建設後70年が経過し,施設・設備の老朽化が著しく,これまで蓄積された被爆者の血液などの貴重な資料の保存など,今後現行の機能の維持さえ困難となる可能性があることなどの理由から,昭和55年度以降,国への要望や広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会──いわゆる八者協ですけれども──などの機会を捉えて早期に移転が実現するよう強く要望を続けてまいりました。  また,本市では,被爆100周年を見据えて目指すべきまちの実現に向けて,平成29年3月に比治山公園「平和の丘」基本計画を策定し,現在この計画に基づき比治山公園の再整備に取り組んでいるところです。本計画では,放影研の敷地は総仕上げの対象としているところであり,放影研が移転した暁には平和・芸術文化ゾーンとして新たな施設の整備を行うことにしております。その推進に当たりましては,比治山公園をより多くの人々が訪れる魅力的な公園とするために,民間事業者や市民等の多様な方々から意見を聞き連携していくことにしておりますが,そのためにも放影研の移転が欠かせないものとなっております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   人口減少社会における市行政の取組について,三点の御質問に順次お答えをいたします。  まず,人口減少社会における社会の変化を市民に周知し,理解,協力を得ていく必要があると思うがどうかについてです。  議員御指摘のとおり,人口減少の進行が本市にもたらす影響について市民と認識を共有し,理解,協力を得ながら施策を推進していくことは重要であると考えています。人口減少という難局に対して,本市は200万人広島都市圏構想を掲げ,近隣市町と協力してその実現に向けた取組を推進しており,こうした取組を行う背景や考え方などについては,市長の講演会をはじめ広報番組,広報紙,ホームページ,市政出前講座,リーフレットなど様々な手段で市民への周知を図っているところです。  また,先般取りまとめた新たな総合計画についても,その概要版を作成し,本市が人口減少をはじめとする様々な課題に直面していることや,そうした課題に対応し,持続可能なまちづくりを進めていく必要性について分かりやすく市民に周知したいと考えています。  今後もあらゆる機会を捉え,本市を取り巻く状況や施策の方向性等について周知し,市民の理解,協力を得ながら,人口減少という難局を乗り越えていきたいと考えています。  次に,合計特殊出生率の向上,若い世代の東京圏,関西圏への転出超過数の抑制に向けてどのように取り組もうと考えているかについてです。  まず,合計特殊出生率の向上に向けては,仕事と子育てを両立できる環境整備を進めるため,引き続き保育園の整備や保育士確保等のハード・ソフト両面の対策に取り組むほか,中小企業を対象に,女性が働きやすい職場環境づくりに関する研修会,無料相談会等を実施するなど,企業への働きかけを行います。  また,子供を安心して産み育て,一人一人の子供が健やかに成長できるよう,第2期広島市子ども・子育て支援事業計画に基づき,子供の発達段階に応じた切れ目のない支援やきめ細かな社会的支援の充実,地域社会全体で子育てを行う環境づくりの推進といった幅広い観点から必要な施策を総合的に展開してまいります。  次に,若い世代の東京圏,関西圏への転出超過数の抑制に向けては,学生が地元企業をより深く知ることにより,地元企業への就職,定着を図ることを目的に実施している有給長期インターンシップ事業について,参加学生数の増加に向けた改善を図ります。また,UIJターン就職の促進につなげるため,東京圏,関西圏での合同企業説明会を開催するとともに,高校在学時からUターンへの関心を高めるための方策等について検討を進めます。さらに,本市や周辺市町には優れた技術力等を有する企業が集積しているという独自の強みを中学生など早い段階から確実に伝え,職業観の醸成と地元の企業を知ってもらうための取組を推進します。  こうした総合的かつ継続的な取組を産業界や大学等とも連携しながらさらに発展させ,本市が結婚,出産,子育てなどに希望を持つことができ,働きがいのある人間らしい仕事に就くことができ,多様な価値観を持ちながらいきいきと暮らすことができる魅力あるまちであることを若い世代に実感してもらうことにより,人口減少に歯止めをかけ,将来にわたって持続的に発展する「世界に誇れる『まち』広島」を実現してまいります。  最後に,広島市が特別自治市になることで広島市にとっては大きなメリットが生じるが,一方で県内や広島広域都市圏内の市町への影響も生じるものと思われる。これらを踏まえた上で特別自治市を目指す広島市の考え方を聞かせてほしいについてです。  特別自治市制度は,住民がよりよい行政サービスを受けられるようにするために,指定都市が基礎自治体が行うべき事務の全てを一元的に取り扱えるようにするとともに,必要となる自主財源が制度的に保障されるようにするための新たな制度でございます。このことを前提としながら,本市の場合,中四国をリードする本市が特別自治市となって広島広域都市圏内の市町への様々な支援をこれまで以上に適切かつ的確に実施することで,市民だけでなく,この圏域に住む全ての住民の方々がよりよい行政サービスを受けられるようになるものと考えております。  指定都市市長会では,現下のコロナ禍において指定都市に求められる役割が一層大きくなったことなどを踏まえまして,新たに特別自治市制度の法制化に向けました多様な大都市制度実現プロジェクトを設置することとしており,本市としてもこの取組への参加とともに,引き続き,あらゆる機会を活用しながら制度の実現に向けて国や国会議員に対し粘り強く働きかけていきたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      こども未来局長。 ◎松井勝憲 こども未来局長  人口減少社会における市行政の取組についての二点の御質問にお答えをいたします。  まず,不妊治療助成の拡充についてでございます。  不妊治療は,子供を持つことを望む方の希望をかなえることができるものであるとともに,社会として取り組むべき少子化対策にも資するものであることから,その重要性は認識しております。本市におきましては,国の基準に基づく特定不妊治療費助成制度の実施に加えて,平成29年度からは本市独自の助成として第2子以降の出産を希望する場合に,国の基準を超えた回数の助成を行っているところですが,こうした医療に係る公的な支援につきましては,本来国の役割として全国で統一的に実施されるべきものであるため,他の政令指定都市と連携し全国統一的に制度の改善を図るよう要望してきたところです。  こうした中,議員御指摘のとおり,現在国において特定不妊治療の保険適用や現行の助成制度の拡充が検討されているところであり,本市としては今後の国の検討結果を踏まえながら適切に対応していきたいと考えております。  続きまして,待機児童数の状況,その解消に向けた保育の受皿確保や保育士の確保に関する取組状況でございます。  本年4月1日現在の本市の待機児童数は,昨年度に比べて3人減の33人でございまして,4年連続で減少しており,待機児童数ゼロとはならなかったものの,これまでの取組は成果を発揮してきていると考えております。  待機児童の解消に向けた取組としては,毎年度地域の需要推計を行い,必要に応じて保育園の新設整備等を進めるとともに,保育サービスアドバイザーが保護者の個別の状況や保育ニーズを踏まえ,最も適した保育サービスの情報提供を行うことなどにより,保育園の受入れ枠の効率的な活用を図っております。また,保育士の安定的な確保に向けては,養成校の学生等を対象とした就職支援,ICTの導入等による保育士の負担軽減などの取組を行っております。  引き続きハード・ソフト両面からの総合的な取組を着実に実施していくことで,待機児童の解消を図ってまいります。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      都市整備局長。 ◎中村純 都市整備局長    人口減少社会における市行政の取組について,二点の御質問にお答えをいたします。  まず,集約型都市構造について本市としてどのように周知に取り組むのかについてでございます。  本市では,一定の都市機能が集約している地域を公共交通等で接続した集約型都市構造へと転換することを目指しており,そのためのアクションプランとなる立地適正化計画を平成30年度に作成し,現在,公共交通等を軸としたコンパクトなまちづくりに向けた取組を推進しているところでございます。立地適正化計画では,都市機能誘導区域を定め,当該区域に立地を誘導すべき都市機能増進施設を誘導施設に設定しており,この誘導施設を立地する場合は国の財政支援や税制支援などを受けることができることから,民間の建築計画が具体化する際に本計画と調和したまちづくりを進めていただくことを期待してございます。このため,計画策定に当たっては,パブリックコメントを二度行い,市民意見を反映したほか,作成後は広報紙や市ホームページへの掲載,広報チラシの配布に加えて,経済界,建築業界,不動産業界などの団体に対する説明会も開催し,広く市民等に周知してきたところでございます。  今後もあらゆる機会を捉え,立地適正化計画について周知し,市民の理解を得ながら集約型都市構造への転換を推進していきたいと考えております。  次に,集約型都市構造への転換には行動経済学の一つであるナッジ理論の活用なども有効であると考えるがどうかについてでございます。  議員御紹介のナッジ理論は,国における社会資本整備審議会都市計画基本問題小委員会におきまして昨年7月に公表された中間取りまとめ「安全で豊かな生活を支えるコンパクトなまちづくりの更なる推進を目指して」においても言及されているところです。本市としては,この理論が個人の権利行使や選択の自由を認めつつ,情報提供や選択肢の与え方を工夫することによって社会的利益にとって望ましい選択肢が選ばれるよう促すものであることから,これを有効活用するなどし,引き続き集約型都市構造への転換を図ることとしたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  社会保障費の削減について,三点の御質問にお答えいたします。  初めに,健診結果やレセプトの活用により糖尿病治療を行っていない人及び中断している人や,糖尿病性腎症の重症化するリスクの高い人への受診勧奨や保健指導に係る本市の現状についてです。  本市では,糖尿病や高血圧症,脂質異常症により継続的な受診が必要であるにもかかわらず治療を行っていない方や3か月以上通院していない方を,健診結果やレセプトのデータを活用して抽出し,対象者に医療機関の受診を勧奨する通知書を送付するとともに,勧奨を通知した後も受診しない方については,対象者本人に直接電話をして勧奨をしております。また,糖尿病性腎症患者が重症化して人工透析に移行することを防ぐため,そのリスクが高いと考えられる患者を健診結果やレセプトのデータを活用して抽出し,保健指導を行う上で必要なかかりつけ医の指示書に基づいて,専門の研修を受けた糖尿病療養指導士が患者への面談や電話等により約6か月の保健指導を行っております。  次に,本市において直近5年間の糖尿病等の未治療者や治療中断者はどれくらいいるのか,また糖尿病性腎症が重症化するリスクの高い人に対して保健指導を行い人工透析への移行を防ぐ取組について,これまでにどのくらいの参加人数があり,どのような効果があったかについてです。  糖尿病等の未治療者や治療中断者について,平成28年度以降の累計で申しますと,受診が必要であるにもかかわらず治療を行っていないために受診勧奨の通知書を送付した者は約2,600人,また3か月以上通院していないために受診勧奨の通知書を送付した者は約1,900人となっております。  また,本市が平成28年度から開始した糖尿病性腎症重症化予防事業の保健指導プログラムにこれまで参加した者は約400人です。このプログラムに参加した者のうち,プログラムを終了した時点で人工透析に移行した者はおらず,また保健指導の前と後で検査数値を比較いたしますと,血糖値の指標であるヘモグロビンA1cや,肥満度の指標であるボディマス指数が優位に改善するなど,重症化予防の効果が確実にありました。  最後に,糖尿病患者の人工透析への移行を防ぐなど糖尿病の重症化予防の対策は今後さらに力を入れていく必要があると思うが,市の考えはどうかについてです。  いわゆる人生100年時代を迎える中にあって,本市においても健康寿命の延伸が最も重要な課題の一つとなっております。健康寿命とは,健康上の理由で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを指しますが,この日常生活が大きく制限され,患者の肉体的・精神的負担が大きい人工透析の最大の原疾患が糖尿病性腎症です。  そこで本市は,今年度からこれまでの糖尿病療養指導士による保健指導に加えて,薬局の薬剤師がかかりつけ医などと連携し,服薬管理のモニタリングや相談・指導を実施する取組を新たに開始したところです。これにより患者の生活習慣の改善に加えて,適切な服薬による治療効果が期待されており,例えば,薬剤師とかかりつけ医との連携で一度に服用する複数の薬を一つにまとめる一包化調剤に変更することによって,薬の飲み忘れがなくなるなどの好事例も生まれております。  議員御指摘のとおり,糖尿病患者が重症化し人工透析に至ることを防ぐためには,医療専門職が連携して効果的な保健事業を行うことが必要であり,引き続き国保被保険者の健康寿命延伸や医療費の改善につながるようしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   介護現場の効率化について,今後介護ロボット・ICT機器の活用促進に向けてどのように取り組んでいくのかについてお答えを申し上げます。  今後,団塊の世代が75歳以上を迎え,介護が必要な高齢者が急速に増加する中,満足度の高い介護サービスを持続的に提供していくためには,介護人材の確保・育成と併せて,介助等の負担が増している介護現場の業務効率化を図ることが不可欠であると認識しております。  議員御指摘の介護ロボットやICT機器につきましては,介護職員が行う移動,あるいは入浴等の介助支援やケース記録作成の省力化など介護現場の負担軽減に資する有効なツールとして全国的に導入が進められつつありまして,市内でも特別養護老人ホーム等の施設居住系サービスの事業者を中心に活用への関心が高まっております。  このため,本市としましては,現在策定を進めている第8期高齢者施策推進プランにおいて新たに介護サービスの質の向上と業務効率化を重点施策の一つに掲げ,今後,介護現場への介護ロボット等の導入を支援することとしておりまして,導入経費を補助している広島県とも連携しながら積極的に活用促進を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      保健医療担当局長。 ◎阪谷幸春 健康福祉局保健医療担当局長  冬季の新型コロナウイルス感染症対策について,三点の御質問にお答えをいたします。  初めに,発熱などの初期症状がある場合,新型コロナウイルスに感染している患者をどのように把握していくのかについてです。  本市では,本年8月下旬から,保健センターを介することなく身近な医療機関において医師の判断によりPCR検査を受けることができるようになりました。このため,身近な医療機関に電話で相談いただくか,市のコールセンターに相談いただければ,発熱等の症状から感染が疑われる方に対して速やかにPCR検査を実施し,感染者を把握していくことにしております。  次に,複数のクラスターが発生するなど感染患者が急増しているが,その要因をどのように考え,どう対応していくのかについてです。  感染者が急増いたしました11月以降の感染経路等を分析したところ,感染拡大地域への往来により発生した患者が会食や職場で他の者に感染させ,さらに家庭を介して学校や施設等に感染が拡大をしております。加えて,発熱や倦怠感などの症状があるにもかかわらず勤務し,また,会食に参加して感染を拡大している事例が多数見受けられます。12月に入って既に5件のクラスターが発生しており,感染の拡大が継続した場合には,病床は確保されているものの,医師や看護師等のマンパワーが不足し,医療提供体制が逼迫するおそれがあることから,新規感染者を早期に把握し,クラスターの芽となる個別感染を囲い込み,感染の連鎖を遮断することが重要であると考えております。  また,感染拡大を防ぐためには,御自身や他人への感染を避けるため,マスクや手洗い,三密の回避など基本となる感染対策を行うとともに,発熱や倦怠感などの症状があるときは仕事や学校などを休み,会食などの参加を断り,身近な医療機関を受診していただくことを市民一人一人に徹底していただきたいというふうに考えております。このため,先週金曜日に,市長が広島商工会議所会頭に対して企業における感染予防対策の徹底について緊急要請をしたところです。  一方,市民への周知につきましては,日常生活の中で行うことができる防止策や注意事項などを分かりやすく情報発信することが重要であると考えております。このため,これまでも記者会見などを通じて本市における新型コロナウイルス感染症の現状や,家庭や会食などにおける感染予防対策などを分かりやすく伝えるとともに,それらの情報をホームページに掲載し,広く市民や事業者に実践していただけるように努めているところです。引き続き,感染拡大を防ぐために積極的に情報を発信してまいります。  最後に,本市の衛生研究所でも検査体制を拡充しているとのことだが,本市のPCR検査の現状はどうかについてです。  発熱などの症状がある場合には,先ほどの答弁で申し上げましたとおり,身近な医療機関で検体を採取し,民間検査機関においてPCR検査を行っております。一方で,患者の発生に伴い,本市が行う積極的疫学調査により判明した濃厚接触者や,接触者等については,保健センター等で検体を採取し,本市の衛生研究所で検査を行っており,現時点では,新たなPCR検査機器の整備など検査体制を拡充したことにより,従来の2倍となる1日当たり160件の検査が可能となっております。このように,PCR検査が必要な方の状況に応じて確実に検査を実施できる体制としております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      5番川村議員。 ◆5番(川村真治議員) 丁寧な御答弁,大変にありがとうございました。何点か要望させていただきます。  まず,人口減少社会の少子化対策について要望いたします。  少子化対策の中で今回は,子供を産み,また育てやすい社会について質問させていただきました。その前段階としての結婚しやすい社会への支援も今後必要であると考えます。9月20日に内閣府は,現行制度より倍額となる1世帯当たり上限60万円の結婚新生活支援事業の拡充案を示しました。この支援制度は,政令市の本市の規模ではそぐわない制度であるかもしれませんが,社人研の調査では,25歳から34歳の未婚者が独身でいる理由として,男性の29%,女性の19%が結婚資金が足りないという経済的な理由を挙げているようです。この状況を受け止めて,本市に合った,結婚にちゅうちょするカップルの背中を押してあげられるような結婚しやすい社会への支援策の検討もぜひとも考えていただければというふうに思います。  また,子供を産みやすい社会について,今回は不妊症の支援について質問をいたしましたが,できづらい病気として不妊症以外に不育症があります。この不育症は,妊娠しても2回以上の流産や死産などを繰り返す病気で,公明党は一貫して不育症対策についても推進をしてまいりました。その結果もあってか,先月11月30日に政府の不育症支援策に検査の助成制度が創設されました。これは,助成を行う自治体を補助する仕組みでございますが,不妊症も不育症も子供を望む夫婦の悩める気持ちは同じであると思います。不妊治療支援においては,今の答弁にもあったように,本市は国の支援を超える取組を行っていただきました。今後,不妊症に比べ支援の光が当たっていなかった不育症においても,今回創設された国の支援策等も活用して,不妊症支援と同等に不育症支援も今後取り組んでいただけるよう要望をいたします。  次に,人口減少問題全般について提案をさせていただきます。  先ほど質問の中でも触れましたように,今後持続可能な社会を構築する上で,環境問題と人口減少問題は乗り越えなければならない双璧であると考えます。環境問題については,平成19年度の組織改正のタイミングで温暖化対策課が新設されておりますが,一方の人口減少問題を専門として扱う部署は今のところありません。ぜひとも,仮称でございますが,人口減少問題対策課を新設し,あらゆる部署の施策に関係する人口減少問題に対応していくべきではないかと考えます。しかしながら,実際に課の新設となると,人員や予算,役割分担の検討など,即答できる課題ではないと思いましたので,今回は質問でなく要望とさせていただきます。これからの社会構造の変化を考えると,必要な課だと思います。ぜひとも前向きな御検討をお願いいたします。  最後に,社会保障費の医療費削減について,若干意見を述べさせてください。  今回,糖尿病性腎症の重症化予防について調査研究をさせていただきました。保険年金課が今取り組まれているレセプトを活用した重症化予防対策は,ピンポイントの取組であるために広く周知をされておらず,私もこの取組を初めて今回知りました。しかしながら,先ほどの答弁にもあったように,保健指導プログラムに参加した400人の中で1人も透析患者を出していないということは,多くの市民の健康寿命の延伸に貢献していただいただけではなく,恐らく数十億円の医療費削減効果にも貢献されていると思います。加えて,薬剤師会と連携しての服薬治療効果の向上策は,全国的に見ても本市だけの先進的な取組でございます。光の当たらないところで黙々と大きな成果を出して市民生活を守ってもらっていることに感謝をし,深く敬意を表したいと思います。  また,本年2月の定例会で質問させていただいた肺炎球菌ワクチンの再通知はがきの実施についても,保健予防担当課で明年の1月から実施されるとお聞きをしました。この医療費削減効果は1人当たり30万円弱で,私の試算では年間6億6000万円の医療費削減の可能性があります。この英断にも感謝をしたいと思います。  医療対策,疾病の重症化予防対策は,市民の生命と健康を守るだけではなく,大きな歳出削減につながり,実施年度から効果が期待できる即効性も高い施策です。これからもこの分野に貢献できるように,その他の疾病に関しても調査研究を行ってまいりたいと思います。  以上,要望と感想を述べさせていただき,質問を終わります。  大変にありがとうございました。 ○渡辺好造 副議長      次に,35番竹田康律議員。                〔35番竹田康律議員登壇〕 ◆35番(竹田康律議員) 市政改革ネットワークの竹田康律でございます。  一般質問を行いますので,しばらくの間,御清聴のほどお願い申し上げます。また,お聞き苦しいこともあろうかと存じますが,併せて御容赦のほどお願い申し上げます。  それでは,質問に入らせていただきます。  今年1年を振り返ってみますと,新型コロナウイルス感染症に始まり,今日も猛威を振るっておりますことは,皆様御存じのとおりでございます。我が国内においても,各地域で感染者が発生しており,去る4月7日,当時の安倍総理大臣がコロナウイルス感染症に対し緊急事態宣言を発し,注意の喚起をされましたが,今日に至って東京をはじめ,北海道,愛知,大阪地区にて感染者が増加しております。本市においてもここ数日間感染者が増加しております。医療従事者の方には,日夜御尽力いただいていることに対し心から感謝を申し上げます。  申し遅れましたが,不幸にして犠牲となられた方々には心からお悔やみ申し上げますとともに,感染された方にはお見舞いを申し上げます。早期に完治されることをお祈り申し上げます。  新型コロナウイルス感染症に対する症薬,予防薬を世界中の関係者が研究開発に取り組んでおられますが,今のところめどは立っておりません。コロナの感染要因としては,飛沫感染が主流であることから,現在の対応策としては,防護マスクの着用,人々が触れ合うことを避ける密集,密閉,密接のいわゆる三密を避けることを対応策とされております。新型コロナウイルス感染症は,健康被害だけでなく,市民生活や経済活動に大きな影響を来しております。  そこで,市民生活に関係する事柄について数点お伺いいたします。  最初に,財政についてであります。新型コロナウイルス感染症により,経済活動の停滞に伴い,個人所得税や法人税などの税収の低下が予測され,資金不足を生じ,今後市民生活に支障を来すと思いますが,財政局としてはどのような対応をお考えかお伺いいたします。  経済対策については,去る9月議会において市長より,国に対して新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額や追加の経済対策を講ずることなどを要望するとの答弁がありました。また,本市は市民生活や経済活動を守り抜き,新型コロナウイルスとの闘いに打ち勝つため,新型コロナウイルス感染症緊急対策第一弾から第三弾を立てられました。その概要は,個人事業者に対する直接的な支援,公助による下支えでありますが,共助の精神に基づく地域での支え合い,事業者同士が連携した取組への支援並びに広島広域都市圏全体に波及する取組への支援を行うとされております。私としては,中小企業者をはじめとした事業者に対する支援と,イベントや地域福祉活動などの地域の活動再開に対する支援が重要であると考えております。  そこでお伺いいたします。これまでの緊急対策のうち,事業者に対する支援として,感染拡大防止等に取り組む事業者への支援及び家賃負担軽減を行うテナントオーナーへの支援,地域の活動再開に対する支援として元気なまちづくりプロジェクトの推進及び広島市社会福祉協議会を通じて支給する地域福祉関係団体への応援金の4事業に取り組まれておりますが,改めて各事業の内容と予算額並びに現時点における執行額についてお答え願います。
     新型コロナウイルス感染症はまだ収束の兆しが見えておりません。特に大打撃を受けているのは観光業,旅館宿泊業,飲食業,個人事業主ではないかと思います。不足している事業,不足が予測される事業に対しては,経済の停滞が生じないよう切れ目のない支援を行うとともに,経済活動への支援にもかかわらず,倒産・失業により生活に困窮された方に対しては,行政としてしっかり寄り添った相談支援を行い,生活困窮者支援や生活保護などの必要な施策に確実につなげていくよう強く求めておきます。  次に,新型コロナウイルス感染症に伴う教育関係への影響についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症が発生してから感染拡大防止策として,臨時休校をせざるを得ない状況が起こり,本市においてもコロナ感染予防策としてこれまでに学校行事の重点化や準備時間の縮減等の工夫をするとともに,臨時休校による授業日数の不足を補うため,夏休みなどの休日を課業日として不足を補填されております。文部科学省では,各科目ごとの授業時間数も決められております。大学生については,単位数となっており,またリモート授業も可能でそれほど危惧することはありませんが,高校生と小・中学生の場合,万一コロナウイルス感染症の拡大により再度休校しなければならない状況が,既に昨日7日現在で小学校8校,中学校6校,高等学校1校,合計15校で感染者が見つかり3日間程度の休校をしております。さらに休校日が増え,授業日数の不足が生じた場合,どのような対応をしていくのかお聞きいたします。  次に,地域包括支援センターへの委託の在り方についてお伺いいたします。  我が国は世界のどの国も経験したことがない超高齢社会です。国の動向として,地域包括ケアという概念を打ち出し,社会保障制度をはじめ,医療費削減を視野に入れて様々な動きがあります。住み慣れた地域で最後まで我が家で過ごすことは,高齢者にとっての願いであることは言うまでもありません。しかし,それぞれの地域によって社会資源,医療資源に差があり,また個別の事情によって望みがかなえられないということも一つの現実です。  広島市は,中学校区ごとに41か所,高齢者支援のための業務を地域包括支援センターとして委託しております。業務委託先は社会福祉法人,医療法人などの法人格を持っている団体で,その業務を運営する人材はいずれも保健師か看護師,社会福祉士,介護支援専門員という3種類の職種基準が設けられております。委託先の法人では,法人ごとにこの三つの職種を雇用し育成することが必要不可欠であります。しかし,現実は法人ごとに雇用規定が異なっております。病気になったり出産があったりすると,もともと人材不足の中,その人材の補填・人件費は法人の持ち出しとなります。  そこでお伺いいたします。超高齢社会を迎えて医療介護の専門職をはじめとする人材の確保が課題となる中,高齢者を支える要となる地域包括支援センターの果たすべき役割について市はどのように認識しておられますか。法人によっては,出産などの場合における人材の補填に係る人件費が持ち出しとなっているという事実を把握しておりますか。人材が補填できないとなると,基準を満たさないことになって業務が停止状態となり,そこの地域の数々の事業をはじめ,住民の皆さんの不安や不平は高まります。仮に受託法人が人材を補填できず利用者が休止状態となるような事態となったとき,市として対応を考えておられますか。今起こらなくても近い将来必ず起こることを想定して,職員の出産などで代わりの職員を配置する必要がある場合に,法人の人件費負担を軽減するように委託料を見直す必要があると思いますが,お考えをお聞きいたします。  次に,玖谷埋立地の跡地利用について,住民の声を申し述べさせていただきます。  玖谷埋立地は,平成2年から本市の最終処分場として活用しておりますが,令和4年度初頭,新しく恵下埋立地が開設されることから,移管されることとなっております。長年の間,関係地域の皆様には大変お世話になりましたことに,この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。  玖谷埋立地の跡地利用については,さきの決算特別委員会で西田委員からも要望が出ておりましたが,最近中・高年層で幅広く活用しておりますグラウンドゴルフ,パークゴルフ場を整備することにより,健康増進,親睦に役立つと思いますが,玖谷埋立地の跡地利用についてどのようにお考えかお答え願います。  以上で私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○渡辺好造 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       竹田議員からの御質問にお答えします。  地域包括支援センターへの委託の在り方についてのうち,地域包括支援センターの果たすべき役割についての御質問がございました。  人口減少・少子高齢化の進展,家族形態の変化,コミュニティー意識の希薄化が進むなど,社会構造,経済環境が変容する中,私は自助,共助,公助の適切な組合せにより,地域ごとの実情に応じた福祉の再構築を中長期的な視点に立って着実に進めることで,こうした状況下にあっても,これに打ち勝つ持続可能な市政運営を行っていきたいと考えており,このたびのコロナ禍における住民同士による支え合いを目の当たりにして,その決意を新たにしているところであります。  高齢福祉の分野について申し上げれば,いわゆる団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となる2025年,さらにその先の団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年を見据え,高齢者が人生の最後まで住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう,医療,介護,住まい等を包括的に確保する地域包括ケアシステムの充実強化に取り組んでいるところであります。  市内に41か所設置している地域包括支援センターは,地域包括ケアシステムの中心的な役割を担う機関であり,保健師や看護師,社会福祉士など多職種の専門スタッフが常駐するメリットを生かし,地域の高齢者やその家族が,保健,医療,福祉サービスに関する総合的な相談ができる身近な存在として,また一人暮らしの高齢者等を地域全体で支える支援体制の要として活動しております。とりわけ,各種団体や地域住民と連携して取り組んでいる高齢者の見守りや,認知症支援のためのネットワークづくりなどは,共助の精神の下,高齢者が安全・安心に暮らすことができる地域社会の実現を目指すものであり,センター内外の専門職が連携して地域住民等による支援体制づくりを推進しております。  具体的には,全てのセンターに1名ずつ保健師等を加配し,これらの職員が社会福祉施設や病院のリハビリ専門職等と連携して,地域住民が主体となって百歳体操等の介護予防活動に取り組む通いの場の立ち上げから運営に至るまで専門的な助言を行うなどの支援を行っています。  また,同様に,センターに加配した社会福祉士等が,区役所と連携しつつ民生委員・児童委員や地区社会福祉協議会,老人クラブ,町内会・自治会などが行っている高齢者の見守りなどをこれらの地域団体等が参画したネットワークによる活動に発展させることで,見守りの対象者の拡大や適切なサービスへのつなぎなどのより細やかな支援が行えるよう取り組んでいるところでもあります。  本市としては,こうした専門職による地域支援の取組などが,業務体制を取り巻く環境に変化がある中でも内容の充実を図りつつ確実に実施され,センターが地域包括ケアシステムの要としての役割をしっかり果たしていくことができるよう,委託先法人への運営経費の取扱いについて柔軟な対応を検討していきたいと考えております。  その他の御質問については関係局長から答弁いたします。 ○渡辺好造 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   地域包括支援センターへの委託の在り方についてのうち,委託先法人によっては,出産などの場合における人材の補填に係る人件費が持ち出しとなっているという実情を把握しているか,また,仮に委託先法人が人材を補填できず業務が休止状態となるような事態となったとき,市として対応を考えているか,さらに,職員の出産などで代替職員を配置する必要がある場合に,法人の人件費負担を軽減するよう委託料を見直す必要があると思うが市の考えはどうかについてお答え申し上げます。  地域包括支援センターの職員の人件費等は,その運営に当たる委託先法人への委託料から支払われており,代替職員の配置等によって議員が指摘された産休中職員の給与等についての取扱いがなされているものと認識しております。現行の委託料に関して,職員の欠員が生じる場合の対処につきましては,新規採用や法人内の配置転換等により処理されてきており,これまでのところ運営に支障が生じたという声は聞いておりません。  しかしながら,御指摘の点について,委託先法人が支障なく運営できるよう,今後各センターにおける経費負担等の実態を把握した上で,他の委託業務とのバランスも考慮しながら,本市としての対応を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      企画総務局長。 ◎手島信行 企画総務局長   新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち,元気なまちづくりプロジェクトの推進の事業内容と予算額並びに現時点における執行額についてお答えをいたします。  元気なまちづくりプロジェクト地域活動支援事業は,コロナ禍の中,地域の皆さんが行事や活動等を実施することに慎重にならざるを得ない状況下にあるこうしたときだからこそ,新しい生活様式等を踏まえて中長期的な視点に立ち,地域の魅力を高めるため,新たに挑戦する取組に対して,これまでの枠組みを超えて思い切った支援を行うものでございます。  予算額は3億円でしたが,見込みを大幅に上回る応募がありまして,審査の結果,52件,補助額3億7449万円の事業を採択することといたしました。なお,予算額を超える7449万円については,地域において早期の事業着手が可能となるよう,予算流用により対応しております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      財政局長。 ◎古川智之 財政局長     新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち,本年度の税収の低下が予想されるところであるが,今後の市民生活に支障は生じないのかとの御質問にお答えをいたします。  議員御指摘のとおり,感染症の影響により税収入等の減少が懸念されるところでございます。こうした事態に対処するため,本年度においては,まずは法人税割など特定の税目の減収を補填する減収補填債や,地方税の徴収猶予に伴う一時的な減収を補填する猶予特例債を発行することで,減少する税収の補填に努めていきたいと考えております。また,国に対して指定都市市長会を通じ,減収補填債の対象税目に特例的に地方消費税交付金や軽油引取税交付金などを追加することなど,地方公共団体への財政措置の拡充を要望しており,こうした措置を講じることで市民生活に影響が出ることのないよう財源確保に努めてまいります。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      健康福祉局長。 ◎山本直樹 健康福祉局長   新型コロナウイルス感染症対策についてのうち,市社会福祉協議会を通じて支給する地域福祉関係団体への応援金についての内容,それから執行額等についてお答えを申し上げます。  本事業は,日頃から高齢者や障害者,生活困窮者など困難を抱えた方々を様々な形で支援してきた地域の福祉関係団体に感謝するとともに,安心して活動を再開,継続していくことを支援する取組として,これらの団体等への縁の深い市社会福祉協議会が主体となって1団体当たり10万円の応援金を支給するものでございます。予算額は,事務費と合わせまして1億6827万5000円で,本市から市社会福祉協議会に対し全額を補助金として交付しております。  応援金につきましては,地域においてその調整に当たりました地区社会福祉協議会が各団体の活動実態等を踏まえて取りまとめた1,602の団体に対しまして,総額で1億6020万円が支給されているところでございます。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      経済観光局長。 ◎日高洋 経済観光局長    新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち,感染拡大防止等に取り組む事業者への支援及び家賃負担軽減を行うテナントオーナーへの支援について,その事業内容と予算額,現時点における執行額はどうかについてお答えをいたします。  感染拡大防止等に取り組む事業者への支援は,営業活動に影響を受けながらも,感染拡大防止や苦境打破に取り組む事業者を共助の精神に立って支援するものに対し,広報活動や割引チケットの発行などに要する経費や,新しい生活様式に対応した営業活動を行うために必要なマスク,消毒液などの購入経費を補助するもので,予算額は11億4600万円,執行見込額は12月7日時点で10億2020万円となっております。  また,家賃負担軽減を行うテナントオーナーへの支援は,テナント事業者の事業継続等に大きな負担となっている家賃等の負担軽減を図るため,共助の精神に立って家賃等の減額を行うテナントオーナーに対し,令和3年3月までを対象として減額した家賃等を補助するもので,予算額は30億6000万円,審査中のものを含めた執行見込額は12月7日時点で7億27万円となっております。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      教育長。 ◎糸山隆 教育長       新型コロナウイルス感染症対策についての中で,教育関係についてお答えをいたします。  休校となった学校において,さらに休校日が増え授業時数の不足が生じた場合,どのような対応をしていくのかという御質問についてです。  本年4月に国から緊急事態宣言が発令されたことや,本市の感染拡大状況を踏まえ,本年度においては4月15日から5月31日まで全ての市立学校について一斉臨時休業としましたが,6月に学校を再開してからは,子供の学びを保障していくという基本的な考えの下,各学校では感染防止対策に万全を期した上で,可能な限り教育活動を継続することとし,児童生徒等の学校関係者の感染が判明した場合は,一斉臨時休業の措置は取らず,関係部局と連携し,消毒や濃厚接触者等の調査を行うため,当面3日間程度,当該の学校を臨時休業としております。  7月から昨日まで市立学校15校について臨時休業の措置を取りましたが,これらの中には休日や長期休業日を含んでいるものや,濃厚接触者等の調査結果から判断し,休業措置を短縮した学校もあり,計画していた授業が実施できなかった学校は11校で,実施できなかった授業数は平均で約11時間,約2日分程度でした。各学校では,通常,大雨や台風などの自然災害やインフルエンザの流行等により数日程度臨時休業となることを想定し年間の授業計画を立てており,このたびの新型コロナウイルス感染症による臨時休業については,この中で対応することが可能と聞いています。  今後仮に,学校内での感染拡大が次々と起こり,その学校の臨時休業を長期化せざるを得ないという状況になった場合には,授業時数確保のため,例えば1日当たりの授業時数を増やしたり,土曜日に授業を実施したりするなどの対応を検討することになります。また,最終学年以外については,学習する内容の一部を次年度以降に移すことも可能とはなっていますが,こうした対応を取らざるを得ない事態を招かないよう,引き続き学校における感染防止対策の徹底に努めてまいります。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      環境局長。 ◎重村隆彦 環境局長     玖谷埋立地の跡地利用についての御質問にお答えします。  玖谷埋立地は,広島市の最終処分場として平成2年4月から30年以上の長期にわたり,地元の皆様の御理解,御協力により,継続して円滑に運営を行っています。  玖谷埋立地の跡地利用については,地元町内会から,地域の活性化につながるよう公園や運動広場等として整備してほしいとの御要望をいただいています。今後こうした地元からの御要望を基に,このたびの御意見も踏まえ,地元の皆様と意見交換を重ね,関係部署等とも協議の上,跡地の利用策について検討してまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○渡辺好造 副議長      35番竹田議員。 ◆35番(竹田康律議員) 地域包括支援センターのことについてちょっとお聞きしますけども,これで運営に支障が生じたということは聞いておりませんという御答弁があったんですが,実際に産休とかなんとかで欠員になった場合は補充のしようがないわけですね。だから,もうちょっとよく調べて答弁していただきたいと思うんですよ。現実に,現場においては退職した場合には補填が利くかも分からんですけども,産休とかなんとかで休まれた場合には,給与は持ち出しになるわけですよね。そこらをよく調べて,また改めて答弁をお願いいたします。  以上で私は終わります。 ○渡辺好造 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○渡辺好造 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後2時37分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   山  田  春  男   副議長   渡  辺  好  造   署名者   椋  木  太  一   署名者   藤  井  敏  子...