広島市議会 > 2019-02-21 >
平成31年第 1回 2月定例会−02月21日-03号

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  1. 広島市議会 2019-02-21
    平成31年第 1回 2月定例会−02月21日-03号


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    最終取得日: 2022-12-05
    平成31年第 1回 2月定例会−02月21日-03号平成31年第 1回 2月定例会         平成31年  広島市議会定例会会議録(第3号)         第 1 回                  広島市議会議事日程                                 平成31年2月21日                                   午前10時開議                   日    程  第1┌自第1号議案 平成31年度広島市一般会計予算    ┤    └至第44号議案 包括外部監査契約の締結について    ┌自第129号議案 平成30年度広島市一般会計補正予算(第6号)    ┤    └至第146号議案 変更契約の締結について(広島湯来線麦谷2工区道路改良工事)      (総括質問) ───────────────────────────────────────
                   会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1┌自第1号議案 平成31年度広島市一般会計予算      ┤      └至第44号議案 包括外部監査契約の締結について      ┌自第129号議案 平成30年度広島市一般会計補正予算(第6号)      ┤      └至第146号議案 変更契約の締結について(広島湯来線麦谷2工区道路改良工事)       (総括質問)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  総括質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  海 徳 裕 志            2番  山 本 昌 宏    3番  山 内 正 晃            4番  山 路 英 男    5番  木 戸 経 康            6番  平 野 太 祐    7番  石 橋 竜 史            8番  森 畠 秀 治    9番  定 野 和 広            10番  近 松 里 子    11番  森 野 貴 雅            12番  森 本 健 治    13番  碓 氷 芳 雄            14番  西 田   浩    15番  渡 辺 好 造            16番  宮 崎 誠 克    17番  大 野 耕 平            18番  三 宅 正 明    19番  伊 藤 昭 善            20番  桑 田 恭 子    21番  馬 庭 恭 子            22番  藤 井 敏 子    23番  豊 島 岩 白            24番  八 軒 幹 夫    25番  八 條 範 彦            26番  原   裕 治    27番  米 津 欣 子            28番  安 達 千代美    29番  星 谷 鉄 正            30番  平 木 典 道    31番  今 田 良 治            32番  元 田 賢 治    33番  谷 口   修            34番  竹 田 康 律    35番  村 上 厚 子            36番  中 原 洋 美    37番  中 森 辰 一            38番  酒 入 忠 昭    39番  佐々木 壽 吉            40番  太 田 憲 二    41番  若 林 新 三            43番  山 田 春 男    44番  児 玉 光 禎            45番  金 子 和 彦    46番  永 田 雅 紀            47番  沖 宗 正 明    48番  土 井 哲 男            49番  木 山 徳 和    50番  種 清 和 夫            51番  中 本   弘    52番  木 島   丘            53番  碓 井 法 明    54番  藤 田 博 之            55番  中 石   仁 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    重 元 昭 則       事務局次長   石 田 芳 文  議事課長    小 田 和 生       議事課課長補佐主任事務取扱                                吉 川 和 幸  議事課主査   高 谷 昌 弘       議事課主査   村 田 愛一朗  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     谷   史 郎  副市長     岡 村 清 治       危機管理担当局長行 廣 真 明  企画総務局長  及 川   享       財政局長    手 島 信 行  市民局長    政 氏 昭 夫       健康福祉局長  古 川 智 之  こども未来局長 滝 川 卓 男       環境局長    和 田 厚 志  経済観光局長  日 高   洋       都市整備局長  山 地 正 宏  都市整備局指導担当局長           道路交通局長  谷 山 勝 彦          胡麻田 泰 江  下水道局長   早 志 敏 治       会計管理者   長   敏 伸  消防局長    斉 藤   浩       水道局長    野津山   宏  監査事務局長  堀   敬 輔       財政課長    中 村   徹  教育長     糸 山   隆       選挙管理委員会事務局長                                久 保 雅 之  人事委員会事務局長          柴 田 吉 男 ───────────────────────────────────────                午前10時00分開議                出席議員  49名                欠席議員  5名 ○永田雅紀 議長       おはようございます。  出席議員49名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       本日の会議録署名者として               13番 碓 氷 芳 雄 議員               20番 桑 田 恭 子 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1┌自第 1号議案 平成31年度広島市一般会計予算      ┤      └至第 44号議案 包括外部監査契約の締結について
         ┌自第129号議案 平成30年度広島市一般会計補正予算(第6号)      ┤      └至第146号議案 変更契約の締結について               (広島湯来線麦谷2工区道路改良工事)       (総括質問) ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       日程第1,第1号議案から第44号議案及び第129号議案から第146号議案を一括議題といたします。  昨日に引き続き総括質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  35番村上厚子議員。                〔35番村上厚子議員登壇〕(拍手) ◆35番(村上厚子議員) おはようございます。  日本共産党の村上厚子です。日本共産党市会議員団を代表して,総括質問を行います。  一昨年の7月,国連で核兵器禁止条約が採択されて以降,条約の制定に向けて批准,賛同する国がふえ続けています。1月30日現在,署名が70カ国,批准が21カ国となり,ことしじゅうにも条約の発効が見通せる状況とも言われています。被爆者は最後の力を振り絞って一日でも早い条約の発効を願い,声を上げ続けています。  カナダに住む広島の被爆者,サーロー節子さんもその一人です。昨年末,条約への参加を訴える世論をつくることを目的に里帰りされ,滞在中,ハードなスケジュールをこなされたあのエネルギーに勇気づけられたのは私だけではないと思います。市長とも面会されました。被爆地から具体的な行動を起こしてほしいと求められた市長は,驚いたことにもっとリーダーをやってとんがってくれと言われていることはわかっているが,とんがらなくていい,ドングリの背比べでいいと。ドングリの背比べでみんなでやると言われました。このときの様子を放映したNHKの番組は,政府に直接働きかけることに消極的な市長,その言葉はサーローさんの期待とはほど遠いものでしたと結んでいます。  お聞きしますが,市長はとんがらなくていい,ドングリの背比べでいいとはどういう気持ちで言われたのですか。広辞苑で「ドングリの背比べ」を引くと,どれもこれも似たようなもので大したものではないこととあります。横のつながりを広め,みんなで一緒に声を上げていくことは大事なことですが,被爆都市,平和都市広島の市長は特別な役割があります。被爆者の代表として,誰に対してもはっきりと物が言えなくてはいけません。幾ら平和首長会議で核廃絶を訴え加盟都市をふやしても,自国の政府にきちんと物申せない市長は説得力を持ちません。被爆都市の市長にふさわしくない姿勢だということをはっきり申し上げておきます。  被爆者の平均年齢は81.5歳,毎年5,000人以上の方の名前が原爆死没者名簿に記帳されています。73年前のあの惨禍とその後の被爆者の苦悩,体験を後世に語り継ぐことは私たち被爆二世,三世の使命であり,広島の使命です。市は7年前から被爆体験伝承者の養成事業を始めました。一人一人の被爆者の体験を後世に伝えるというものです。現在何人の伝承者がおられるのですか。どういう活動をされ,それは一人平均どのくらいの活動になっていますか,お聞きします。  市は,2001年度から国の委託を受けて被爆二世健康診断を実施しています。委託契約を行っている県内の医療機関の窓口で被爆二世健診に来たと言えば,被爆者健康診断とほぼ同じ内容の一般検査を受けることができ,医師が必要と認めた場合はさらに精密検査を受けることができます。まず,市として被爆二世健康診断をどう位置づけてどういう取り組みをされているのかお聞きします。  2017年度の実績で被爆二世健診の受診者数は6,661人ですが,お聞きしたところ市は被爆二世の数はつかんでおらず,したがって被爆二世全体から受診率を見ることができません。希望者のみに次年度の健康診断の案内を送付することにとどまり,二世の受診率を上げていく方針も持っていないのが実態です。何年か後には被爆者がいなくなるということが見えている今,被爆が及ぼす遺伝的影響を科学的,医学的見地から解明する上でも被爆二世健康診断は市が全国のリーダー的存在となって進めていくべき課題と考えます。そのためには,まず二世,三世の実態調査に取り組む必要があります。また,健康診断の受診者証を交付するなどにより二世,三世の自覚を促すことが求められます。また,健康診断の受診対象を二世にとどめず三世も加え,二世・三世健康診断とすべきと考えます。  以上の3点について,御所見をお聞きします。  次に,世界遺産原爆ドームの価値を高め保存することについてです。  私たちは,世界遺産原爆ドームバッファーゾーン内につくられたカキ船とカフェポンテは撤去するよう求めてきました。鎮魂と核兵器廃絶を願う場にふさわしくないという理由からです。私たちは,元安橋東詰め高層マンションの建設問題が浮上したときも,カキ船かなわの移転問題が起きたときも市の平和行政に大変不信感を抱き,将来を憂慮しています。バッファーゾーンを保護することにおいては,文化財保護法都市公園法,広島市公園条例,河川法,景観法,広島市景観条例など複数の法律,条例が関係しています。かき船はこれらの法令をうまく使って建築物を船だと言い張り,正当化しました。負の遺産,世界遺産原爆ドームを保護し,発信することを担うはずの国際平和推進部は蚊帳の外です。当局は,あの区域は来訪者のための憩いの場,にぎわいの場として必要だと言いますが,バッファーゾーンの外で幾らでもにぎわいの場をつくればいいではありませんか。もう一つの負の遺産のアウシュビッツ収容所の敷地内には自動販売機一つなく,商業的施設は一切ありませんでした。それでいてにぎわいがないのかということではなく,見学者がひしめいています。負の遺産,世界遺産への行政の姿勢の違いを目の当たりしました。私は,改めて原爆ドームバッファーゾーンを保護する総合部署の設置を求めます。市長の御所見をお伺いします。  次に,不要不急の開発の象徴である高速5号線シールドトンネル工事についてお聞きします。  まず,2016年5月に約200億円で契約したシールドトンネル本体工一式の契約の増額問題です。そもそもこの契約額にはトンネル内壁の材料費が含まれていなかったとして,公社に増額要請があった2017年2月の時点でその事実を議会と市民に公表し,事業の費用対効果を再検証し,事業着手の再評価を行うべきでした。しかし公社と事業者は21回も増額に関する協議をしながら,市民と議会にその事実を隠し続けてきました。広島市も昨年の7月,事業者の増額要請について協議がされていることを知っていたにもかかわらず知らぬ顔をして9月に掘削工事を始めたことは,県民,市民,議会をだますやり方で許されません。なぜ事業費の増額要請があった時点で公表しなかったのですか。なぜ事業費が足りないことを知りながら掘削工事を始められたのか,その理由をお答えください。  市長は,県,市,公社とのJVからの増額要請への対応についての協議の場において,幾らふえるかの金額が不明のまま増額を承認したのですか。市長は,今回の問題発生について市民に一言も説明されていません。事業の施行者としてきちんと市民に説明すべきです。お答えください。  これまで広島高速道路公社のトップは県と市の再就職先になっています。2015年にシールドトンネル工事の公告を行い,以後,事業者と技術提案の協議を続けてきた当時の高速道路公社の理事長,副理事長の名前と就任前の県,市での職名をそれぞれお聞きしておきます。  昨年12月10日からトンネル工事はストップしたままです。掘削に重要なマシンの中央部に取りつけているツインカッター8個のうち7個が変形,損傷したというのです。しかもホルダーを取りつけている直径13.5メートルの台座が直径2.2メートルにわたって深さ最大27センチメートルもえぐられたということなので,少々の修理では済まない状況ではないでしょうか。原因究明中ということですが,現状はどうなっていますか。そもそも事業費を24億円増額して安全対策の一つとしてシールドマシンの前方に設置した探査機は機能していなかったのですか。今後の見通しはどうなりますか。  先月の閉会中の建設委員会の緊急質問に対する答弁で,当局はシールドマシンのカッターの損傷や増額事業費などを含めた事業費総額が明らかになった時点で費用対効果を再評価されるとしています。現時点での費用対効果はどうなっていますか。今後,どのくらい事業費がふえると事業対効果の基準となる1を下回るのですか。事業効果が1を下回ることになれば事業の必要性がないという判断になるわけですから,5号線建設は中止すべきです。  これだけ大きな問題が起こっているというのに,先日,この月曜日,2月18日から中山側坑口からナトム工法でトンネル掘削が始まりました。トンネル工事の契約の増額要請を隠して掘削を始めたように中山側でも知らぬ顔でトンネルを掘り,既成事実をつくるというのでしょうか。事業費の増額金額が判明した時点で,改めて事業の必要性を検証する必要があります。災害の検証,住環境への影響等も踏まえた検証を行い,その上で市民に公開し,事業の再検討が必要です。市長の見解をお聞きします。  次に,災害復旧についてです。  昨年の西日本豪雨災害で,市内でも規模の大小はあるものの多数の崖崩れが発生しました。広島市南区では,丹那地区において山林の所有者が組合を結成し,山を切り開いて団地を整備する区画整理事業が進められてきましたが,開発業者の倒産やかたくて大きな岩があるなどの理由から開発が中断したまま長年放置されてきたことが要因の一つになり4カ所で崖崩れが発生し,家屋が流失,全壊の被害が発生し,犠牲者も発生してしまいました。なぜきちんとした雨水処理対策がされていなかったのか,悔やまれます。現在,ビニールシートや土のうなどで応急処置はされているものの,抜本的な防災対策はされていません。周辺住民もいつごろどんな対策がされるのか全く説明がないと不安を抱き,ことしの梅雨時期までには安全対策を講じてほしいと願っておられます。広島市には開発許可権者としての責任があります。民間の開発だからと対岸の火事のような態度では済まされません。  昨年の7月の建設委員会で,市がイニシアチブをとって丹那地区の防災対策を地域住民に説明することを求めましたが,その後どのように組合を指導され,現状はどうなっているのか,地域に説明をされたのかお聞きします。  新年度予算で,急傾斜地整備復旧資金融資事業を拡充する予算額で1818万2000円を計上しています。現行の融資要件を自然崖,人工崖を問わず崖の高さを2メートル以上,保全家屋数は1戸以上を対象にする緩和内容となったことは,小規模の急傾斜地所有者も対策工事がやりやすくなることは確かです。しかし,無利子とはいえ借りたものは返さなくてはいけません。東区は安佐北区と並んで急傾斜地崩壊危険箇所が市内で一番多い地域です。市は9月議会で市内のこういった危険箇所の対策に10年程度かかると答弁されています。防災対策を進めていくことは喫緊の課題です。今回の緩和は歓迎するものですが,もう一歩進んで市独自の助成制度を創設することを強く要望しておきます。早急に検討してください。  市長は,就任以来たびたび自助,共助,公助を強調してこられました。まずは自分のことは自分で解決しなさい。その上で,できないことは地域で助け合いなさい。それでも足らないことがあれば公共が助けましょうということです。つまり公助が一番最後に位置づけられています。このことが市民生活に冷淡な今の広島市行政のあり方につながっているのではないかと考えています。この問題は,1995年の政府の社会保障制度審議会勧告で社会保障は自助,自立が基本と明確に打ち出して以来だと思います。その後,小泉内閣で社会保障構造改革を推進し,基本は自助,自立,それが難しければ共助で,それでも対応できない困窮者は公助でカバーするとしました。この流れの中で,社会保険制度の給付の削減や保険料引き上げなど市民への負担ふやしが進められてきました。この自助,共助の強調と社会保障制度の給付削減,負担増政策の推進や公的扶助について,真に必要な場合にといった言い方もよく行われてきたことから,今日,国では常に自助,共助が先行し公助は最後の手段,どうしてもほかに手段がない場合にやむを得ず公助が実施されるという考え方になってきていると言えます。これは自分や家族,地域がどうしても解決できない場合に最後の手段としてやむを得ず行政が助けてやる,恩恵を与えるといった考え方です。  憲法25条は,第1項で「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とうたっています。日本国憲法は,恩恵から契約や法律による権利へと発展してきた社会保障の歴史を踏まえて,社会保障を受けることを人間としての権利と定めました。したがって,社会保障を受けることは一人一人の国民の人間としての権利,人権として保障されているのであって,やむを得ないときに公,行政が助けるというものではありません。必要なときは人権保障の立場で公共機関が積極的に社会保障制度の適用を行うということであり,さらに社会の発展に応じてその内容も豊かにしていく必要があります。どうしてもやむを得ないときに行政が助ける公助という考え方は,明治・大正時代の援助を受ける人を自立した人間として扱わず,生きていればいいというだけの最小限の恩恵を与える,つまり救済は家族及び親族並びに近隣による扶養や相互扶助にて行うべきであるとし,どうしても放置できない身寄りのない困窮者だけはやむを得ず国庫で救済してよいとされた時代に逆戻りしかねない考え方です。公助の考え方とよく似ています。  2012年の社会保障制度改革推進法で,社会保障制度の基本を自助,共助,公助とした以降,松井市長も強調されてきましたが,市長が言われた公助は社会保障ではありません。日本国憲法でうたう社会保障は,今で言えば今日の一般的な社会生活の水準に応じた医療水準が保障され,文化水準を享受できる人間らしい生活が誰でも平等に与えられるべき人権です。憲法25条が保障した社会保障について,改めて市長のお考えを伺います。  また,憲法25条では第2項で「国は,すべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とし,国は社会保障の水準を日本社会の発展状況に即して向上,増進させることを義務づけています。国とは日本国政府及び地方自治体です。日本国憲法制定から70年たち,国民の一般的生活水準は大きく向上しています。日本は世界有数の経済大国の一つとなっています。その国民に保障された生活水準が生きていればいいというだけの最低限度のものであっていいわけはなく,その水準を引き上げることを通じて日本国民の生活水準の底上げを進めていかなければならないのです。先進諸外国に引けをとらない水準の健康で文化的な生活を保障する責任が日本の行政,国と地方自治体にはあります。広島市行政はどのようにお考えでしょうか,答弁を求めます。  残念なことに,常に世界から注目されてきた広島市でも市民が受ける社会保障水準は後退の一途ではないでしょうか。政府が社会保障制度を切り下げれば,広島市は政府の切り下げそのままに執行しています。例えば生活保護基準が繰り返し切り下げられ,食費を削ったりお風呂の回数を減らしたり,ぎりぎりの生活をさらに切り詰めている家庭がたくさんあります。介護保険のサービスが削られたのに,保険料だけは着々と上がってきました。65歳になった障害福祉サービスを利用していた方には,生活を成り立たせていたサービスの利用が制限された上に新たな負担が生じています。現状でも生活を削って払っている所得実態を無視した高額な国民健康保険料を,今まで以上に際限なく引き上げようとしています。もともと水準の低い高齢者公共交通機関利用助成制度も,実態を無視して廃止しようとしています。  さらに,今の広島市政は広島市だけ独自の福祉施策をやると他の自治体と格差が生じて不公平だなどと言って,例えば障害児の給食費,年間134万円の助成をばっさり打ち切りました。昨年4月から国民健康保険の運営主体が広島県に移ったことで,政府の言いなりで県が一般会計からの決算補填等目的の法定外繰り入れを廃止する方針を受けて,市もこれを了承し廃止するとしました。そうなると,保険料は毎年着実に引き上げられていくことになります。国保料は所得で比較すると組合健保や協会けんぽに比べて非常に高いことが明らかで,全国知事会はせめて協会けんぽ並みに引き下げるために年間1兆円の政府の支出を求めていました。日本共産党は,全国知事会の提案に賛同するものです。同時に,単に政府の支出をふやすだけにとどまらず,他の健康保険制度にない応益負担,すなわち広島市でいえば均等割と平等割を廃止する必要があります。市としても,所得に比べて国保料が極めて高額だということはよく認識しておられるはずです。医療保険制度として国保も協会けんぽも組合健保も所得に応じた保険料を出し合う点は同じです。しかし,国保だけは応益割があるために所得を無視した高額な保険料となっています。国保は社会保障制度に重要な柱と位置づけられているにもかかわらず,所得を無視した応益割は社会保障制度の意義からも公的医療保険制度の意義からも外れたあり方です。特に所得のない子供にまで保険料を課す均等割は前近代的な人頭税と同じであり,早急に廃止すべきものです。国民健康保険料の応益割の問題と高額な保険料の実態について市長はどのようにお考えでしょうか,お聞かせください。  また,所得のない子供にも保険料を課す現行の仕組みをどのようにお考えでしょうか。子供は均等割の対象から外すべきですが,お考えをお伺いします。  広島市独自の生活関連施策をどんどん削ってきています。それでは何のために市民が選んだ人が市長を務める地方自治体があるのでしょうか。市民生活の実態や市民の意見を踏まえて,市独自の実情に応じた独自の施策を実施するためではないでしょうか。国が決めたことをそのまま市民に流すだけなら,選挙で市長を選ぶ必要はありません。広島市は何のために税金を集めているのでしょうか。市民から集めた血税は,市民生活を守り豊かにしていく,そのことによって広島市を発展させるためではないでしょうか。  そもそも国と自治体は主権者である国民,市民の人権を保障することを使命とする機関です。それに必要な費用を確保するために,税金を徴収することが認められています。その税金は,第一義的に国民生活,市民生活のあらゆる部面における健康で文化的な生活を保障し,常に向上させるために使わなければなりません。経済界の求めに応じて大規模な公共事業を行うための財源を理由に,人権である社会保障権を損なったり削ったりしてはならないのです。以上について,市長のお考えをお聞かせください。  さて,私ごとですが,私は今期をもって市議会議員を引退します。22年間保育の現場で子供たちの豊かな発達を願って同僚とお母さんたちと一緒に保育運動に携わってきました。議会では,子供と高齢者をテーマに子育ても老後も安心の広島をとライフワークに取り組んでまいりました。国の医療費改悪に伴い,市独自の重度心身障害者医療費補助が打ち切られるというとき昼夜を問わず何度も交渉を重ね,市は助成の継続を決断しました。このときの障害者と家族の方の喜びの笑顔は,その後の私の議会活動の糧になっています。  初当選した1999年の初めての6月議会の真っ最中に,佐伯区,安佐北区の一部で大雨による土砂災害が発生しました。その後,2014年の安佐南区,安佐北区で発生した土石流災害,そして昨年7月の集中豪雨と,この20年間に3度も大きな災害を経験しました。その都度被災者の生活再建最優先で取り組んでまいりました。昨年の西日本豪雨で東区も甚大な被害が発生しました。河川の氾濫で住宅ごと濁流にのみ込まれ亡くなられた方は,14年前から一緒に河川の改修を要求してきた方でした。市は県の事業だといって他人事のように対応。県は予算がない,順番待ちを繰り返すだけでした。その方は災害発生の二,三日前から川の流れが違うことに気づかれ,消防署や区役所に様子がおかしいと何度も電話をされていたということを御家族の方からお聞きし,行政が早く対応していたらここまでの被害はなかったと悔やまれてなりません。  広島県は,全国一土砂災害危険箇所が多い自治体です。2000年に土砂災害防止法がつくられたのは,前年の広島の災害がきっかけでした。何を置いても防災対策に傾注しなくてはいけないはずの県の砂防予算は,この20年間ずっと右肩下がりで減っています。昨年の県議会で,このままでは200年かかるとの答弁がありました。こんなことでは,県民,市民の命と財産は守れません。災害で亡くなられた方と遺族の方の思いに報いるためにも,こういった県政をただしていく決意を持って4月の県議会選挙に立候補することを決意いたしました。  私の決意を申し上げて,総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○永田雅紀 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       村上議員からの御質問にお答えします。  市長の政治姿勢のうち,自助,共助,公助についての御質問がございました。  自助,共助,公助の関係については日本国憲法第25条を持ち出すまでもなく,広島型・福祉ビジョンにおいてお示ししているところであります。すなわち,今後さらに少子高齢化が進展する我が国において,現在の公助としてのシステムである社会保障が将来にわたって機能するためには,勤労の権利を有し義務を負う国民がみずからの生活や健康はみずから維持するという自助,地方自治を支える住民が相互に支え合うという共助とともに,公的機関が社会的な義務を果たすために必要となる支援を行うという公助を適切に組み合わせることが重要であると考えておるところであります。こうした考え方のもと,高齢者いきいき活動ポイント事業の実施により高齢者の社会参加の促進や活動の場となる地域団体の活性化を図るなど,自助,共助の精神を踏まえた環境づくりを積極的に進めるとともに,必要な公助はしっかりと行ってきていると考えているところです。  本市としては,現行の国の社会保障制度を踏まえながら,こうした取り組みが有効に機能するように努めることにより市民の誰もが住みなれた地域でそれぞれに役割を持ち,お互いに支え合い,心豊かに暮らし続けることができる地域共生社会を形成し,「世界に誇れる『まち』広島」を実現していきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○永田雅紀 議長       財政局長。 ◎手島信行 財政局長     自助,共助,公助についてのうち,大規模な公共事業を行うための財源を理由に社会保障を削ってはならないと考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。  大規模プロジェクトの推進は,新たな投資を呼び込み都市の活力を生み出し,ひいては税源を涵養するために重要であると考えており,将来にわたって社会保障を機能させるための財源確保に資するものと考えております。  なお,社会保障に関しましては,国の果たすべき役割と本市が果たすべき役割を整理した上で,引き続き選択と集中の徹底や民間委託などによる財源確保と国からの財源確保をバランスよく行うことにより,その充実に努めてまいります。 ○永田雅紀 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     核兵器禁止条約の発効に向けてについて,サーロー氏との面会の際の市長の発言についてですが,核兵器のない世界の実現に向けて日本を含む各国の取り組みを前進させていくためには,国内外に被爆の実相を伝え,こんな思いをほかの誰にもさせてはならないという被爆者の願いに共感する方々をふやし,ヒロシマの心を市民社会における民意とすることによって,各国の政策転換につながるようにしていくことが重要であると考えています。そのためには被爆都市が頭抜けて平和問題に取り組むというよりも,市民社会を代表する国内外の多くの首長が一緒になって取り組むほうが望ましいと考えており,市長の発言はこのような考えを比喩的に述べたものです。このため,本市では平和首長会議の加盟都市の拡大に努めてきており,国内においては現在では基礎自治体の99%以上が加盟するに至っています。  こうした中で,昨年11月には国内加盟都市会議の総意として日本政府に対して核兵器禁止条約の締結とNPT等の体制のもとで核軍縮の進展に力を尽くすよう強く求める要請書を提出したところです。今後とも平和首長会議の加盟都市と密に連携し,核兵器廃絶に向けた取り組みを着実に推進してまいります。  次に,被爆二世健康診断についてのうち,現在何人の被爆体験伝承者がおられ,一人平均でどのくらいの実践をされているかです。  被爆から70年以上が経過し被爆者の高齢化が進み,みずからの体験を語ることのできる方が少なくなっている中,被爆者の体験や平和への思いを受け継ぎ,被爆者にかわってそれらを伝える被爆体験伝承者の養成事業を平成24年度から実施しています。現在118名の方が被爆体験伝承者として活動しており,平和記念資料館において伝承講話を行うとともに国の派遣事業により全国の学校等に出向き,修学旅行の事前学習等として被爆体験を伝えています。  平成30年度の活動実績については,本年1月末現在の10カ月になりますが平和記念資料館における伝承講話が954件,学校等に出向いて行う伝承講話が446件,合わせて1,400件となっており,1人当たりの活動件数は約12件となっています。本市としては,修学旅行のさらなる増加に向けて派遣事業を一層活用したいと考えており,国においても来年度予算の拡充が予定されていることから,今後被爆体験伝承者の活動件数は増加するものと考えております。  最後に,世界遺産バッファーゾーンを守ることについて,バッファーゾーンを保護するための総合部署の設置についてでございます。  現在,原爆ドームバッファーゾーンは文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷,破壊等の脅威から保護し保存するという世界遺産条約の目的を達成するため,当条約の指針に定める緩衝地帯として平成8年の世界文化遺産への登録に当たって設定したものです。このバッファーゾーンについては,国内関係法令等に基づき保護することとしており,これまでも世界文化遺産登録を所管する国際平和推進部文化財保護法都市公園法及び広島市公園条例,河川法,景観法及び広島市景観条例などを所管する関係部局とが連携しながら,適切な管理を行っています。今後とも各部局が密に連携することによって,市としてバッファーゾーンの保護に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       健康福祉局長。 ◎古川智之 健康福祉局長   被爆二世健康診断と国民健康保険事業についての御質問にお答えいたします。  まず,被爆二世健康診断の位置づけと取り組みについて,また二世,三世の実態調査,健康診断受診者証の交付及び被爆三世の健康診断についての御質問にお答えいたします。  国からの受託事業として行っている被爆二世健康診断は,被爆二世の方の健康不安の解消及び健康管理に資するため実施しているものです。本市としては,この実施に当たり広報や対象者への受診勧奨を積極的に行うことなどにより,健康不安を抱える被爆二世の方々の不安解消に役立つよう努めているところです。  また,被爆二世や被爆三世の対策については,本来被爆者と同様,国の責任においてなされるべきであり,その実態の把握についても国が行うべきであると考えています。  本市としては被爆二世の健康診断についても同様の考え方に立って,広島,長崎両県市による八者協においてこの内容の充実を国に要望しており,本市独自に受診者証の交付や受診対象の被爆三世への拡大などを行うことは考えておりません。引き続き八者協を通じて被爆二世健康診断の内容の充実について要望していきたいと考えています。  次に,国保料の応益割の問題と高額な保険料についてどのように考えているのか。また,子供が均等割の対象となっていることについての御質問にお答えをいたします。  国保は高齢者や低所得者の加入割合が高くならざるを得ない制度であることから,所得に対する保険料負担が重くなっています。このため,国として低所得者の保険料について法律で軽減措置を講じており,この軽減措置を平成26年度から6年連続で拡充してきていると承知しています。  また,国保料の負担率引き下げについては制度が抱える構造的な課題と捉え,その解決のために国に対して白本要望を行っているところです。  次に,国保料の応益割は国保がお互いを支え合う保険制度であることから設けられているものと承知をしています。子供を均等割の対象とすることについては,保険制度として維持しつつも子供がふえれば一定の軽減を図ることとし,国において平成26年度から毎年度制度拡充されてきているものと承知をしております。  なお,子育て世帯の負担軽減については,国において所要の措置を講ずるべきものであることから,これまでも指定都市市長会や全国市長会などを通じて国に対して支援制度の創設を要望しているところであり,今後も必要に応じて国に要望してまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       都市整備局指導担当局長。 ◎胡麻田泰江 都市整備局指導担当局長  災害復旧について,丹那地区の防災対策についてどのように朝見原土地区画整理組合を指導しているのかとの御質問がございました。  朝見原土地区画整理事業区域の防災措置については,発災直後から区画整理組合に対し適切な措置を講じるよう指導を行っており,既に破損した仮設防護柵の撤去や仮排水路の整備などについては工事が完了しています。残る崩落のり面の防災措置についても梅雨時期前までに実施するよう指導を重ねた結果,先月に区画整理組合から防災措置の内容について,事前の市の了解を得た上で5月末までに工事を完了したい旨の報告を受けました。このことについては既に本市から地元の町内会長に説明しており,具体的な工事スケジュールが決まった後には区画整理組合から改めて地元の方々へ説明を行うよう指導しています。本市としましては,地元の方々の不安を払拭できるよう地元説明等を丁寧に行っていくとともに,梅雨時期前に着実に工事を完了させるよう引き続き区画整理組合を指導してまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       道路交通局長。 ◎谷山勝彦 道路交通局長   市長の政治姿勢についての御質問のうち,高速5号線二葉山トンネルについて6点の御質問に順次お答えいたします。  まず,なぜ最初に事業費の増額請求があった時点で公表しなかったのか。また,事業費が足りないことを知りながら掘削工事を始めた理由は何かについてでございます。  公社からは,JVと工事費についての協議を開始するに当たって,大規模事業で注目を集めている工事であることからこれを公表することとしたとの説明を受けているところであり,公社として最初にJVから増額要請があった時点では,協議することを公表する必要がある事案とは受けとめていなかったことによるものではないかと考えております。  また,JVは請負契約に基づきトンネル掘削工事を進めながら増額についての協議を行うことで公社と合意していると聞いておりますので,そうした当事者間の合意の中で掘削工事は開始されたものと考えております。  次に,市は金額不明のまま増額を認めたのか。今回の問題について,きちんと市民に説明すべきだと思うがどうかということについてでございます。  本市としては,金額が不明のまま増額を認めたというような事実はなく,またJVが掘削工事を開始したことで本市が増額を認めたということになるものでもございません。シールドトンネルの工事費に関しましては,現在進められている公社とJVとの協議の結果の報告を待って対処すべきものと考えているところでございます。  なお,公社からは協議結果がまとまり次第,直ちに県,市に報告をしたいと考えていると聞いておりまして,その際には公社において公表された内容を議会にも御説明することになると考えております。  次に,シールドトンネル工事の公告当時の高速道路公社の理事長,副理事長の名前,就任前の県,市での役職についてでございます。  当時の理事長は高井巌氏で,就任前の役職は本市道路交通局長でございます。また副理事長は泉谷伸生氏で,就任前の役職は広島県道路企画課長でございました。  次に,シールドマシン損傷の原因究明の現状と今後の見通し,また追加した前方探査の機構は機能しなかったのかという御質問がございました。  公社からは,JVが調査結果を取りまとめ次第,学識経験者で構成される高速5号線トンネル施工管理委員会を開催し,原因分析や補修方法等について審議する予定と聞いております。再開時期のめど等につきましては,この審議の結果を待たなければならないと考えております。  なお,議員御質問の前方探査の装置につきましては,掘削地点の前方に破砕帯のような脆弱な箇所がないか,また多量の湧水の発生がないかなどについて把握するためのものであり,シールドマシン損傷に関係するような岩盤の強度を把握するためのものではないと公社から聞いております。  次に,現時点の高速5号線事業の費用対効果はどうなっているのか。また,今後どのぐらい事業費がふえると1を下回るのかについてでございます。  平成28年度に実施した高速5号線事業全体の事業再評価において,費用対効果を示す指標である費用便益比は1.01となっております。今後,費用対効果を検証するに当たっては,費用と便益のそれぞれについて変動する要因を加味して算出する必要があることから,現時点で御質問のような数値の把握は行っておりません。  最後に,事業費の増額金額が判明した時点で災害や住環境への影響等を踏まえた再検証を行い市民に公開し,事業の必要性について再検討が必要と思うがどうかということについてでございます。  本市としては,今回公社とJVで行っている工事費についての協議は,トンネル建設に伴う地表面沈下や土砂災害等周辺への影響に変化をもたらすものではなく,協議の結果,工事費が確定した場合は事業採算性等を踏まえ事業についての対応方針を県,市と公社で協議することになるものと考えております。こうした対応方針については議会にも御説明するとともに,これまで同様に事業主体である公社が中心となって県,市もサポートしながら地元にも必要な説明を行うことになるものと考えております。  以上でございます。
    ○永田雅紀 議長       35番村上議員。 ◆35番(村上厚子議員) 私にとりまして最後の登壇となったわけですけれども,松井市長の8年間を私なりに総括といいますかいろいろ考えて,言い残すことがないようにという思いで質問をいたしました。  自助,共助,公助について取り上げたのも,松井市長の8年間を一言で言えばというか,言えないんですけれども,そういう思いがありまして取り上げたわけですけれども,答弁はあっけなくてとても唖然といたしました。もうかみ合わないのでここでは余りがたがた言いませんけれども,選択と集中の徹底とそれから民間委託で財源確保してというふうに言われたんですけれども,そこが一番問題なんですよね。やっぱり市民生活の安心安全が後回しになることがないようにという,これだけは言っておきたいと思います。  それから,再質問なんですけれども,二葉山トンネルについてです。きのうの答弁でも感じたんですけれども,公社からは,公社によるとみたいな枕言葉がついて,すごく人ごとのような印象を与えるような,そういう答弁をされています。質問でも言いましたけれども,この事業は県と市が施行者であって,公社がそれを受けて仕事をしているということですよね。  公社の人事をお伺いをいたしましたけれども,2012年に市長は二葉山トンネルの工事の事業の再開を決定をされました。シールドトンネル,シールド工法で掘削をするからより安全に掘るということで,そういうことで事業の再開を決定をされました。その直後に就任をされたのが広島市の道路交通局長であります。2014年から2017年,公社の人事としては異例とも言える4年間,理事長と副理事長がかわっていないという,それだけシールド工法で着工するその期間,そういう意味では大変重要な期間を担って就任をされたということであります。市長の命をしっかりと受けて,仕事をされたという,広島市が全く関係ないということは言えないと思います。もう少し主体者であるという認識を示していただきたいと思います。  それから,費用対効果なんですけれども,今の時点で1.01だと。辛うじて1を超えているということですけれども,じゃあ一体今度事業費がどれだけふえたら1を下回ることになるのかという質問に対しては言われませんでした。言われませんでしたけれども,単純計算で費用対効果の計算は費用便益,総便益割る総費用ですから,今の段階で18億円事業費がふえれば1になる。18億円以上になれば,どんどん1を下回るということになるわけです。当然,今,現時点で事業費がふえた時点で計算するのに便益がその計算が変わってきます,数値がね。交通量とかいろんな直近のデータを入れることになりますから総便益も変わってきますけれども,大きく変わるだろうかというのはそういうふうにはちょっと考えられないのではないかなというふうに思います。  それともう一つ,やはり中山側を掘ってるということ,これは納得できません。きょうの中国新聞にも大きく出てますよね。掘削機,契約増額どこまで,見通しめどが立たないという。めどが立たない状態で反対側から掘ってるんですよ。これどういうことですか。おかしいんじゃないでしょうか。納得できません。  今後増額金額が明らかになって,整備計画の見直しをして,費用対効果もきちんと出して,議会にも市民にも説明をして,そして事業の検証をいま一度するべきではないでしょうか。それまで中山側は掘るべきではありません。4日目です。どれだけ穴があいているか。今であっても格好はつきます。ということで,市としての責任をもう少しきちんとどういう気持ちでお持ちなのか。費用対効果,私は18億円というふうにそういう数字言いましたけれども,当局は本会議の場で数字は言えないと思うんですけど,考え方として私が言った考えが間違っていれば正してください。  それから,中山側のトンネル工事は中断するということに対してお答えを求めます。 ○永田雅紀 議長       道路交通局長。 ◎谷山勝彦 道路交通局長   再質問に対して順次お答えいたします。  まず,広島市も事業の主体じゃないかというお尋ねでございますが,確かに県,市が出資した高速道路公社が進めている広島都市高速の事業でございますけれども,広島高速道路公社が事業主体として現場を預かっておりまして,今回の契約につきましても主体は公社でございます。そういったことで,現場の運営,それと工事費に関する協議というのは広島高速道路公社が主体となって行っておりますので,県,市としましてはそれを注視しながら今後の対応を報告があった際には県,市,公社とともに協議をしていくという立場でおるということでございます。  2つ目の費用対効果の件でございますが,先ほど議員御紹介されました数字は平成28年12月にこの高速5号線事業全体の事業再評価を行った際の数字かと存じます。御指摘のように,総便益と総費用の差は,当時は18億円でございます。ただ,この費用対効果,費用便益比と申しますものは,過去の投資,これからの建設投資,それと供用開始後の50年間の維持管理費等を現在価値に置きかえて,便益も同じでございますけども比較するものでございまして,単純にその差額が今後投資可能な事業費であるということにはならないものでございます。  先ほど答弁申し上げましたように,今後工事費の変動あるいは今後の工事の進め方等が確定しましたら,その時点で正確に算定いたしまして議会にも御説明していきたいと考えております。現時点での数字は持ち合わせておりません。  最後に中山側の着工でございますけれども,高速5号線事業全体につきましては現在シールドトンネル工事の工事費の協議が行われているところでございますが,県,市,公社としましてはこの工事費の協議が調ったところで今後の事業の進め方,対応方針についてしっかり検討して,高速5号線事業自体は完成に向けて進めていきたいと考えておりまして,工事,事業の全体としては必要な工事は進めていくという立場で現在進めておるところでございます。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       35番村上議員。 ◆35番(村上厚子議員) とても18億円の増額では済まないというのは,もうみんなそういうふうに思うと思います。桁が違うんではないかと思うわけです。それだけのお金を,税金をつぎ込んでもそれでも必要というふうに言われますけれども,やはりここでは費用対効果から見て,情勢も変わってきていますので,事業そのものの再検証が必要であって,そういう中で中山側では既成事実をつくっているというのは,これは到底認められません。しっかりこれからもこの問題,引き続いてやっていきます。  終わります。(拍手) ○永田雅紀 議長       次に,40番太田憲二議員。                〔40番太田憲二議員登壇〕(拍手) ◆40番(太田憲二議員) 皆さん,お疲れさまでございます。  市民連合の太田でございます。会派を代表して,総括質問を行います。しばらくの間,御清聴よろしくお願いいたします。  最初に,平和についてお尋ねいたします。  松井市長は,今期で2期8年間の任期を全うされようとしています。松井市長の取り組みも含めて,これまでの広島市の平和行政の取り組みについて少し振り返っておきたいと思います。  最初に,平和宣言についてです。  広島市長の最初の平和宣言は1947年で,1945年の原爆投下の2年後から平和宣言は続いております。日本国内はもとより,世界に恒久平和と核兵器廃絶を訴えてきました。  松井市長は,市長就任時から平和宣言には被爆者の体験談や平和への思いを盛り込みたいとして毎回触れられてきました。被爆73年を過ぎて,平和を語り継ぎ継承する難しさの中で,被爆者の声を盛り込むことで世界の人々への理解を深めようとする努力がうかがえると思います。昨年までで8回目の平和宣言となりましたが,この間,市長はどのような考え方で広島市の思いを発信されようとしたのでしょうか。そしてそれは平和宣言の中でしっかり伝わったとお考えなのか,お聞かせください。  次に,松井市長の迎える平和について総括していただきたいと思います。  直接被爆地を訪れてその実相を体験することは,一番の勉強になることは間違いありません。迎える平和は,広島市の平和の取り組みを推進していく際の基盤となる政策だと思います。特に最近の外国人観光客の急増は,平和にとっても大きな貢献だったと思います。初めて平和記念資料館を訪れる方もふえたのではないでしょうか。  かつて平和は経済効果がないとも言われました。しかし,今では被爆地広島だからこそ観光客が来るということを知らない人はいないでしょう。迎える平和が核兵器廃絶に向けてはもとより,広島の経済効果にも寄与していると言えるのではないかと思います。  そこで,お伺いいたします。迎える平和としてのこの2期8年間の取り組みはどのようなもので,市長はどのような成果があったとお考えでしょうか,お聞かせください。  次に,被爆体験の継承・伝承についてです。  被爆から70年以上が経過し,被爆者の高齢化は確実に進み,みずからの体験を語ることのできる方が少なくなってきています。厚生労働省の統計によりますと,松井市長が就任された年,全国で約21万人おられた被爆者の方も2017年度では約15万4000人となっており,平均年齢も78.1歳から80.06歳に上がっています。このうち,広島市においても2011年度には約6万6000人おられた被爆者の方が2017年度は約5万人となっています。先月も放射線研究の第一人者で引退後は被爆者として体験証言活動を続けられました広島大学名誉教授の葉佐井博巳さんが亡くなられました。また一人,被爆の惨禍を生き抜き,その体験を語ることで後の世代に被爆の実相を伝えられたとうとい命が失われました。また,このように亡くなられた方々だけではなく,病気や体力の問題からやむを得ず被爆体験証言活動をやめられる被爆者の方もいらっしゃいます。こうした中で,被爆体験の継承・伝承はまさに待ったなしの状況と言えると思います。  そこで,お伺いいたします。人類史上最初の被爆地である広島が将来にわたって被爆の実相を伝え続けることができるよう,これまで被爆体験の継承・伝承にどのように取り組んでこられたのか,改めてお聞かせください。  次に,平和首長会議の取り組みについてです。  平和首長会議は,1982年6月にニューヨークの国連本部で開催された第2回国連軍縮特別総会において当時の荒木広島市長が世界の都市が国境を越えて連帯し,ともに核兵器廃絶の道を切り開こうと核兵器廃絶に向けての都市連帯推進計画を提唱したころから始まったものであります。ことしは設立から38年目となります。今では163の国と地域の7,709の都市が加盟し,うち日本国内では全市区町村の99.5%に当たる1,732都市が加盟するに至りました。被爆地広島発の呼びかけが世界中の都市の賛同へと広がり発展したことに誇りを感じるとともに,核兵器のない世界の実現に向けて取り組みを進めていく上で非常に心強く感じています。  平和首長会議では,この世界的なネットワークを生かし,被爆者の平和への思いが市民社会共通の価値観となり,核兵器廃絶こそ今後目指すべき姿であるとの認識や,それを切望する思いが広く共有されるような環境づくりを目指して取り組みを進めてこられたと思います。具体的に,これまでどのような取り組みを行ってこられたのか,こちらも改めてお聞かせください。  次に,財政についてお尋ねいたします。  広島市は1997年9月に広島市財政健全化計画を策定し,現在では財政運営方針として継続的に取り組みを進めてきました。財政を振り返ってみると,歳出決算額は全会計と一般会計とも1998年ごろからほぼ横ばいです。それは市税収入が同じようにほぼ横ばいで推移しているからでしょう。一方で地方交付税は大きく減らされ,臨時財政対策債に頼るしかない現状もあります。  一方,経費,人件費については,一昨年の県費負担教職員制度による包括的な権限移譲の影響を除くと,1998年ごろから大きな変動はありません。一方で,扶助費については高齢化などにより急激に増加しています。また,投資的経費は1993年の2247億円をピークに右肩下がりで,2017年度決算では700億円台まで減少してきました。減少してきたというより,減少させなければならなかったと言えると思います。実質的な市債残高は,2002年の8483億円をピークとして2017年度決算では6600億円にまで減らしてきました。もちろん先ほども述べたように地方交付税を減らされたことにより臨時財政対策債を使わざるを得ないので見かけ上の市債残高はふえていますが,これは国の政策によるものですので,別なところで議論したいと思います。  細かいところは今回は議論をしませんが,長期的な視点と大局観に立って財政を見ると,大変厳しい財政事情の中でとてもよく頑張ってきたなというのが率直な感想です。改めて行政の皆さんの努力,そして市民の皆さんの御協力に感謝申し上げたいと思います。  今回は,松井市長の8年間の総括の意味で質問いたします。財政については,どのような方針のもとで運営されていたのかお聞かせください。  また,一旦方針を打ち出したとしても,経済情勢や市民ニーズなどの変動の激しい世の中であります。財政運営を円滑に行っていくためには,歳出を抑え歳入をふやすための不断の努力が求められると思います。具体的な取り組みとして,本市は歳入歳出の両面でどのような工夫をされていたのかお伺いいたします。  今後はこれまでの努力に加えさらなる市民の皆さんとの協力によるまちづくりや支え合いの地域づくり,健康増進策の推進,市民の皆さんと一緒につくる広島が大きなテーマになってくると思います。さらに公共施設と民間施設との複合化など,民間活力の導入は今後の大きな課題ともなるでしょう。こうした課題に向けて,市はこれまで財政運営方針や行政改革大綱を策定し取り組まれてきました。今後もこの方向性に変わりはないと思います。私は,それに加えてさらに一歩進めて各部局が取り組むべき市民参加型のまちづくり,民間活力の導入に向けた方針を全庁的に示されてはどうかと思いますが,いかがでしょうか。  ここからは私の提案ですが,私は行動指針のようなものをつくることが有意義だと思っております。予算も現段階ではついていませんけれども,まずは行政で基本計画を策定し,その後,専門委員会を設置しさまざまな提言をいただき具体化をしていけばいいと思います。ぜひ市民の皆さんや民間企業を巻き込んだまちづくりを進めていってもらいたいと思います。  次に,広島市の今後の将来を見る上で重要な政策である200万人広島都市圏構想の取り組みについてお尋ねいたします。  この構想は,広島市の都心部からおおむね60キロ,車で約1時間の圏内の24市町で構成する広島広域都市圏で1993年から圏域の一体的発展に向けた連携,交流を推進しており,現在の圏域人口は約232万人です。しかし,国立社会保障・人口問題研究所の2013年の推計によると,2040年に圏域人口は200万人を割り,それ以降も減少すると見込まれています。そのため各市町が一丸となってこれに立ち向かい,圏域経済の活性化と圏域内人口200万人超の維持を目指すというのが200万人広島都市圏構想です。  この構想において,広島市は広域都市圏のエンジンとなるべく人口の現状分析,市民などの意識・希望の分析や歴史的・地政学的特徴から見る本市のあるべき姿を踏まえた上で目指すべき将来の方向を定め,人口将来展望を行った「世界に誇れる『まち』広島」人口ビジョンを策定しました。さらにこの人口ビジョンを踏まえ,来るべき人口減少に歯どめをかけるために必要となる基本的な考え方,基本目標と施策などを定めた「世界に誇れる『まち』広島」創生総合戦略を策定しました。同時に広域都市圏として取り組むべき方針として広島広域都市圏発展ビジョンを策定し,総合戦略の取り組みとあわせて推進することで「世界に誇れる『まち』広島」を,また200万人広島都市圏構想を実現していくとしました。  そして2016年2月15日,第1回広島市議会定例会の冒頭で松井市長が連携中枢都市宣言を行い,この構想の実現に向けた具体的な取り組みがスタートいたしました。まだスタートして3年間ではありますが,200万人広島都市圏構想の実現に向けこれまでどのような取り組みが行われ,どのような成果があったのでしょうか。  この200万人広島都市圏構想はとても重要な政策だと思っています。人口減少というかつて経験したことのない時代を迎え,将来世代に持続可能な広域都市圏をつくり,残していく。これまで当たり前であった首都圏などへの一極集中の時代を変えていく壮大な政策です。  ただし,現実は厳しい状況です。例えば2月1日の中国新聞朝刊には,東京圏への一極集中加速という記事が掲載されました。このことについて,広島広域都市圏による転出超過数の推移を調べてみたところ,2013年に2,578人だった転出超過数は2018年に2,795人とふえています。この間,若干改善した年はあるものの,平均して約2,300人の転出超過が続いているような状況です。しかし,こうした状況を嘆いてばかりはいられません。厳しい状況の中で,いかに地方が地域の魅力を高めていくための施策を打ち出すことができるかが求められています。  例えば,技術の革新は時にライフスタイルや人々の考え方さえも変えてしまうこともあります。約20年前の1997年の携帯電話の普及率は,人口当たり約16%でした。それが今では人口当たり約135%になっています。この20年間だけを見ても携帯電話の普及で社会が大きくさま変わりしましたが,こうした技術革新の影響によるものの例として首都圏から地方への移住が挙げられると思います。東京にいなくても,インターネットさえあれば仕事ができるからです。この事例一つを見ても,地域の魅力を高めていくことは意外に難しくないと想像できます。  広島広域都市圏は,広島市を中心とした都市部のほか緑豊かな内陸部,瀬戸内海に面した島嶼部,沿岸部を擁した地域であり,住みやすい魅力的な地域です。  先ほど広島広域都市圏全体の転出超過を申し上げましたが,その大きな原因の一つに若い世代の首都圏等への流出があります。近年の推移のうち15歳から29歳の若者について見ると,平均して約1,500人もの転出超過が続いている状況です。この若者世代の人口流出を抑え,今後圏域内の若者人口をふやすために,私はUIJターンの促進は重要な柱になると考えていますが,この点についてどのような政策を進めておられるのでしょうか。  200万人広島都市圏構想の実現には,情報発信がとても重要だと思っています。具体的には都市の魅力を発信するビデオなどを作成し,学校や地域などあらゆるところで上映する,マスコミと連携して定期的,継続的に魅力を発信してもらうなど取り組むことはたくさんあります。しかしながら,実は行政組織,大変失礼ではありますが,情報発信が余り上手ではないと言えると思います。全国の市町ではやっている御当地紹介ビデオなどは一部マスコミで紹介されたりしますが,費用の割には一過性で終わってしまいます。イメージキャラクターもいいのですが,あれは何というほどとても多く存在し,これも多くを望めません。  本市も例外ではなく,2年前の広島市市民意識調査によると,広島広域都市圏の取り組みについての認知度はわずか2割にとどまっています。このため行政だけが主導して行うのではなく,民間事業者のノウハウを活用した情報発信に取り組む必要があると考えますがいかがでしょうか。ちなみに,10代や20代の多くはテレビを余り見ません。パソコンもやりません。ほとんどスマートフォンで完結しているのです。そんな世代に広島広域都市圏に残ってもらうような情報を届けるやり方について,専門家の力も活用しながらぜひ効果的な方法を検討してみていただきたいと思います。  次に,交通問題についてお尋ねいたします。  最初に,広島市総合交通戦略について質問いたします。  広島市の交通政策の基本となる総合交通戦略は,前回2010年に策定されました。今回,2019年度末を目途にその改定を行うわけです。改定を行うに当たり,そもそもの議論をしておきたいと思います。  まずお伺いします。前回23年7月に策定した広島市総合交通戦略の政策理念を教えてください。広島市の資料を見ると,公共交通の1日当たりの利用者は1994年度の67万6000人をピークに減少を続けてきましたが,2002年度の55万1000人以降は全体的に増加傾向にあり,2016年度までの間で約5万人ふえています。公共交通の1日当たりの利用者数が約5万人ふえたことについて,この状況をどう評価し何を要因として考えているのでしょうか。  総合交通戦略の改定に当たってはこうした状況の分析が欠かせないものであり,その結果を生かしていくことが重要だと思いますが,その上で現行の総合交通戦略の成果を踏まえて今後の交通課題という視点からどのような総合交通戦略をつくろうとされているのかお聞かせください。  交通問題について,少し具体的にお尋ねいたします。  私は,昨年を広島市の公共交通改革元年と呼んでいます。市においては地域公共交通網形成計画を策定され,それ以降,この計画に基づいてバス会社と連携しながらさまざまな取り組みを進められています。昨年,バス再編の第一弾として再編実施計画(第1版)を策定し,都心循環バス「エキまちループ」の運行開始となりました。実は,これは画期的なことなのです。これまでバス会社がお互いに競争し合ってそれぞれが思い思いにダイヤを組みバス停をつくって個別に運営していたものを,バス会社同士が協力して利用者にとって便利な乗り物に変えることができました。今までは事業者間の競争や独占禁止法に阻まれてなかなか事業者間での調整が難しかった利用者サービスが,市が事業者の間に入り再編実施計画をつくることで実現したものです。  もう一つ事例を紹介します。西部方面では,彩が丘団地や藤の木団地などからバスセンターに向かう日中のバス便はおおむね1時間から1時間半に1本程度です。これとは別に,各団地からJR五日市駅に向かうフィーダーバスがおおむね30分間隔で運行しています。このため,このフィーダーバスに乗って途中のバス停で別のバスに乗りかえれば30分間隔で都心に行くことが可能なのですが,乗り継ぐことによって運賃が高くなってしまうという問題がありました。そこで,事業者は昨年3月から乗りかえても直通と同じ運賃となるように直通乗り継ぎ割引を導入したのです。これまでに1時間から1時間半に1本のバス便が,30分に1本になったも同然です。驚くべき発想の転換です。  以前,私は次期公共交通網形成計画の特徴は特にバスに重点を置いた公共交通の再編に資する計画であること,協議会を設置して関係者の共通認識のもとに策定したため,実現可能性が高くなっていることなどであると申し上げましたが,実際に事業者独自の動きも出てきています。この計画に位置づけた取り組みが具体的に昨年から実現していることが,まさに昨年を改革元年と呼ぶにふさわしいと感じているところです。  そこで,お伺いいたします。地域公共交通網形成計画の策定以降,事業者においてどういった動きがあるか御紹介ください。  今後,取り組みがあちこちで進み,市の都心部だけではなくデルタ内や郊外部などでも公共交通が利用しやすくなっていくと思いますが,その中でも特に「エキまちループ」に続く第二弾の再編実施計画に期待をしています。  そこで,お伺いいたします。今後,どのように再編実施計画の策定を進めていこうとしているのかお答えください。  私は,いつも議会で皆さんにお話をしています。今ある日本の公共交通の多くは,民間事業者がほとんど補助金を受けることなく独自に経営をしています。ですから赤字になる路線は運行便数が減らされ,最終的には廃止になってしまいます。先ほども紹介しましたが,彩が丘団地,藤の木団地などの直通乗り継ぎ割引は事業者独自のサービスです。今の段階では一部での実施ですが,これを全ての路線で実施するには事業者だけではできません。市民の皆さんの利便性を確保しながら公共交通を維持していくためには,行政のさらなる支援が必要ではないかと思います。行政の財政支援は企業の利益のためではなく,利用者のためなのです。もちろん多額の税金をつぎ込めと言っているわけではありません。年間数億円でできるのです。公共交通に税金を投入することこそが,これからの元気な広島をつくることにもつながります。  公共交通改革元年と述べましたように,これまで実現しなかった取り組みが着々と進められている公共交通政策については,私自身大変評価をしております。そして,今後の取り組みに大いに期待をしています。そういう取り組みの中で,本当の意味での公共交通に税金を投入し持続可能にするために今後どういうことが考えられるのか,さらに検討を始められることを期待をしております。  以上で私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○永田雅紀 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       太田議員の御質問にお答えします。  平和についてのうち,平和宣言と迎える平和についての御質問がございました。  被爆から長い時間が経過し,みずからの被爆体験を語ることができる被爆者の方々は年々少なくなる中,私はその体験を世界の人々に広め,次世代に伝え,そして平和への思いを市民社会全体の共通の価値観にしていくことが極めて重要であると考えています。こうした考えのもと,広島市長の重要な使命の一つである平和宣言において,被爆体験を根底に平和を願う広島市民を代表してその時々の時代認識を踏まえながら,被爆の実相や核兵器廃絶に向けた決意を宣言の形に凝縮し,広く国内外に訴えてきました。  私の1期目,平成23年から4年間の平和宣言は,広島の原点である被爆の実相や被爆者の体験をしっかりと伝えることを重視する観点から,4カ年にわたり被爆体験談を公募し,直接被爆者の方々からいただいた体験談を宣言文に盛り込みました。2期目となる平成27年からの4年間は,核兵器をめぐる国際情勢が厳しさを増す中,被爆の実相に加え世界の人々,特に為政者に対し相互不信,疑心暗鬼の暗闇から抜け出し,理想の実現に向けて前向きな行動に踏み出してほしいとの考えから,人類愛,情熱,理性といった行動理念を提示いたしました。この8年間の平和宣言を通して,被爆の実相から湧き上がってくる率直な人間としての思いをいつも忘れることなく,さまざまな合理性を加味した思考体系をしっかり持つことの重要性を伝えることができたものと考えております。  また,できるだけわかりやすい表現にすることに努めたことで,次代を担う若い世代を含む世界の多くの方々の理解が深まったものとも考えています。やはり日本は核兵器に反対し続ける国であるべきだと目が覚めた,広島と長崎は自分たちにとって平和の原点であってほしいといった意見に,私は平和宣言で訴えた思いが凝縮されております。  また,国内外からできるだけ多くの人々に広島に来ていただき,被爆の実相に触れ,被爆者の願いを受けとめ,核兵器廃絶に向けて努力する決意を固めていただくため8年前から迎える平和を提唱し,その取り組みを進めてきております。  例えば国際会議の誘致については,この8年間でNPDI外相会合やG7外相会合,国連軍縮会議など多くの国際会議が本市で開催され,各国政府の要人や国際機関の関係者に本市を訪問していただきました。特にG7外相会合では,核保有国であるアメリカ,イギリス,フランスの外務大臣が初めて広島を訪問されております。また,各国為政者の被爆地訪問については,被爆70周年に当たる平成27年度の平和記念式典には過去最多となる100カ国の大使等が参列されました。さらに平成28年度にはオバマ米国前大統領が来広され,平和のメッセージが広島から発信されることにより国内外における本市の認知度が向上し,平和記念資料館の入館者数は大幅に増加しております。広島を訪問していただいた方々には,被爆の実相に触れ,被爆者の体験や平和への思いをしっかりと受けとめていただいたものと考えています。また,議員御指摘のとおり来訪者が増加するなど経済効果にも寄与しており,こうしたことも迎える平和の成果だと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○永田雅紀 議長       市民局長。 ◎政氏昭夫 市民局長     平和についてのうち,2点の御質問にお答えいたします。  まず,被爆体験の継承・伝承の取り組みについてでございます。  被爆者の高齢化が進む中,被爆体験を風化させることなく後世に確実に伝えていくことは被爆地広島の使命であると認識しており,これまでもその継承・伝承に向けさまざまな取り組みを行っております。  具体的には,まず平和記念資料館では国の重要文化財である本館の老朽化への対応や被爆の実相をよりわかりやすく伝えるための展示更新を行うため,平成23年度から再整備事業に取り組んできました。平成29年4月には東館を先行してオープンし,本年4月には本館をリニューアルオープンする予定です。原爆被害の惨状を肌で感じ,被爆者や遺族一人一人の苦しみや悲しみに向き合ってもらえるような展示により,これまでにも増して被爆の実相を深く理解していただくことができるものと考えています。  また,修学旅行生等を対象とした被爆体験講話の開催や体験証言ビデオ,体験記の保存活用に引き続き取り組んでおり,加えて平成24年度からは被爆者の体験や平和への思いを受け継ぎ,被爆者にかわってそれらを伝える被爆体験伝承者の養成事業を実施しています。現在118名の伝承者が平和記念資料館において伝承講話を行うとともに,国の事業により全国の学校等に出向き,修学旅行の事前学習等として被爆体験を伝えています。  さらに,平成28年度からは平和記念資料館観覧料の引き上げに伴う増収相当分を財源として,被爆資料の保存措置の強化や民有被爆建物の保存工事に対する補助限度額の引き上げなど,被爆の実相を守り広め伝える事業に力を入れて取り組んできたところでございます。  次に,平和首長会議の具体的な取り組みについてです。  核兵器の廃絶に向けては,ヒロシマの心を市民社会における民意とすることによって各国の政策転換につながるようにしていくことが重要であり,本市が会長を務める平和首長会議において加盟都市とともに為政者を後押しする環境づくりを進めてきました。具体的には,世界中の多くの市民に核兵器のない平和な世界こそ市民社会が目指すべき姿であるとの認識を共有してもらうための取り組みとして,加盟都市において原爆ポスター展の開催,被爆樹木の種・苗木の育成,スカイプを活用した被爆体験証言や被爆体験伝承者の講話を聞く会などの実施に取り組むとともに,核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動を推進していくよう呼びかけています。  また,核兵器廃絶に向けた国際世論を拡大していくためには,次代の平和活動を担う青少年の育成が極めて重要であることから,重点的に取り組んでいます。平成26年度から署名活動に従事している高校生をNPT再検討会議及びその準備委員会に派遣し,ヒロシマのメッセージを発信してもらっているほか,平成28年度から広島市立大学の夏期集中講座や青少年国際平和未来会議ヒロシマなどに国内外加盟都市の青少年を招聘し,被爆の実相を学ぶとともに広島の青少年等と議論や交流を行う機会を提供しています。  さらに,加盟都市における平和教育の活性化を促進するための新たな取り組みとして,今年度「平和なまち」をテーマにした子供たちによる絵画コンテストや各加盟都市による平和を希求する心を育てる取り組みの好事例のニューズレターやホームページでの紹介を始めたところです。  こうした平和首長会議による環境づくりの取り組みについては,各国の為政者に対して会長である市長がNPT再検討会議等の国際会議でのスピーチや面会等を通じて平和首長会議の取り組みにより為政者のイニシアチブを支援するので,核兵器のない世界の実現に向けて果断なリーダーシップを発揮してほしいと訴えてきたところです。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       財政局長。 ◎手島信行 財政局長     財政について,3点の御質問に順次お答えいたします。  まず,松井市長の8年の総括として,財政についてはどのような方針のもとに運営してきたのかについてでございます。  本市の財政は,市長が就任した平成23年度当時から市税や地方交付税などの一般財源収入が伸び悩む一方で,社会保障費や公債費といった義務的経費が増大するなど厳しい状況が続いております。そうした財政上の課題を乗り越え「世界に誇れる『まち』広島」の実現に向けた取り組みを進めていくため,平成23年度,27年度にそれぞれ4年を計画期間とする財政運営方針を策定し,計画的な財政運営を行ってきました。それぞれの財政運営方針では,その理念として,都市としての活力を生み出す財政運営,持続可能な財政構造を確立する財政運営,将来世代のために市債残高を抑制する財政運営の三つを掲げ,その理念のもと,収支の均衡と市債残高の抑制を図りながらさまざまな施策を推進してきたところでございます。  次に,財政運営を行っていくため歳入歳出の両面でどのような工夫を行ってきたのかについてです。
     まず,歳入面の取り組みといたしましては,200万人広島広域都市圏構想のもと,ローカル経済圏の構築を進めることで将来的にも市税を確保できる仕組みづくりを目指しております。その上で,個別の取り組みといたしましては市税の収納率の向上に取り組んできており,平成23年度の95.8%から平成29年度には96.8%,特別土地保有税の徴収猶予期間の満了等による影響を除きますと97.8%に向上いたしました。  また,命名権の導入について,平成23年度の対象施設は広島市民球場のみでしたけれども,現在は14施設まで拡大し,平成29年度決算では約3億円の収入を得ております。  次に,歳出面の取り組みといたしましては,予算編成に当たって一律に経費を削減するのではなく,選択と集中という考え方のもと事務事業の見直しを継続的に行うこととし,例えば競輪事業の包括委託や学校給食センターの民設民営化などの民間活力の活用を図るほか,高齢者公共交通機関利用助成事業を高齢者いきいき活動ポイント事業へ移行することで的確かつ効果的に社会参加を促進するとともに,国費の活用により一般財源の負担を軽減するなど,効果的・効率的な行政運営に取り組んできております。  最後に,各部局が行うべき市民参加型のまちづくり,民間活力の導入に向けた方針を全庁的に示してはどうかについてでございます。  議員に御指摘いただいた視点は,財政的な要請だけではなく今後の市政運営のあり方全体にかかわる重要なポイントであると考えております。本市におきましては,これまでも福祉分野における自助,共助,公助の適切な組み合わせや施設整備等における民間活力の活用に取り組んできているところです。これは人口減少社会の中にあっても本市が持続的に発展し,複雑化・多様化する行政需要に応え続けていくために,これまでの行政改革という観念を超えて市の施策としての全体最適を追求するという発想に立って取り組んでいるものでございます。議員から御提案のありました市民参加型のまちづくりや民間活力の導入は,既存施策を含めた全体的な資源配分を見直し,新たな裁量的経費を確保していく上で欠かせない観点であり,本市としては保有するヒト・モノ・カネ・情報といった限られた経営資源を最大限活用しながら,効果的・効率的に質の高い行政サービスを提供できるようしっかりと検討してまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       企画総務局長。 ◎及川享 企画総務局長    広島広域都市圏について,3点の御質問にお答えいたします。  まず,これまでの取り組みとその成果についてです。  200万人広島都市圏構想の実現に向けたこれまでの具体的な取り組みとしては,ヒト・モノ・カネ・情報の循環を基調とするローカル経済圏を構築するため,ものづくり産業の強化や圏域内の周遊観光の促進,圏域内農水産物等の地産地消などを進めてまいりました。これにより,呉市,大竹市など8市町の自動車関連企業等における生産技術力の強化に向けた業務改善や英語,中国語など8言語による24市町の観光情報の発信,三原市,岩国市など6市の歴史的建造物,文化施設等のユニークベニューの商品化,また安芸高田市,安芸太田町など8市町の農産物の生産者,出荷者と卸売業者との商談会により新たな取引などが実現しております。  また,広島広域都市圏をどこに住んでも安心で暮らしやすい都市圏とするため質の高い医療サービスの安定的な提供体制の構築に取り組み,安佐市民病院と安芸高田市,安芸太田町,北広島町の六つの医療機関との間でテレビ会議システムによるカンファレンスが開始されております。  さらに,本年1月28日から広島県の13市町と山口県の2市町の15市町を対象エリアとして,急な病気やけがで救急車を呼ぶかどうか迷ったときに相談できる救急相談センター広島広域都市圏ダイヤル♯7119の運用を開始しております。  また,病児・病後児保育事業の全24市町での相互利用や一時預かり保育事業の23市町での相互利用に取り組み,圏域内の住民に対するサービスについても充実を図ることができるなどの成果が上がっております。  次に,若者世代の人口流出を抑え,圏域内の若者人口をふやすためにはUIJターンの促進は重要な柱となると考えるが,どのような政策を進めているのかについてです。  東京一極集中が加速する中,圏域の若者人口を確保するためには圏域内での若者の就職を促進するとともに圏域外の若者が圏域内に戻ること,すなわちUIJターンを促進することが重要であると考えております。広島広域都市圏としては,平成28年度から圏域内の大学生に地元企業で働く機会を提供します有給長期インターンシップ事業により地元企業における若者の雇用を促し,若者の圏域外への流出を防ぐための取り組みを進めています。また,平成30年度からは事業の対象を東京・関西圏の大学生にも拡大してUIJターンにも取り組んでおります。  さらに,昨年10月には広島広域都市圏UIJターン促進協議会を立ち上げ,東京・関西圏の学生等を対象としたUIJターン就職を促進するための施策の検討を続けており,そうした中で来年度は東京・関西圏において圏域内企業の合同企業説明会の開催などに取り組むこととしております。また,圏域内市町や広島県と連携して首都圏における移住フェアを平成29年度から開催しております。新たに来年度は首都圏在住の若年層に訴求できる移住検討者向けの全国雑誌に圏域の魅力や移住支援策等の情報を掲載するなど,広島広域都市圏内への移住の促進に取り組むこととしております。引き続きこうした若者を初めとする人口の流出抑制と流入増加につなげる施策を着実に進めてまいります。  最後に,200万人広島都市圏構想の実現には情報発信が重要であり,民間事業者のノウハウを活用した情報発信に取り組む必要があると考えるがどうかについてです。  議員御指摘のとおり,200万人広島都市圏構想の実現には情報発信も重要であると考えており,これまで広報紙への掲載を初め専用ウエブサイトの開設やパンフレットの作成・配布などを通じて構想の意義について周知を図るとともに,イベント情報紙やフェイスブック等を活用して圏域の魅力発信に取り組んでいるところでございます。  こうした中,今年度は圏域内全市町を代表する若手職員24名が共同で広島広域都市圏の効果的な情報発信をテーマに調査・研究に取り組んだ成果を,今月行われました首長会議で発表したところです。その成果発表のポイントとしましては,一つ目に情報発信のターゲットは人口流出が最も多い年代である圏域内の高校,大学に通う学生やマイホームの購入割合が最も高い30代の子育て世帯に絞ること,二つ目に,情報発信のツールとしてはスマートフォンを活用すること,三つ目に,ターゲットとの情報交換のきっかけづくりとして,例えば圏域の形がエビフライに似ていることから広島広域都市圏をエビフライ都市圏と命名してはどうかなど,極めて斬新な提案を受けたところでございます。今後はこの提言も踏まえつつ,議員御提案の民間事業者のノウハウの活用を含め,広島広域都市圏の情報発信のさらなる充実に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       道路交通局長。 ◎谷山勝彦 道路交通局長   交通について,5点の御質問に順次お答えいたします。  まず,現行の総合交通戦略の政策理念についてです。  現行の広島市総合交通戦略は,地球温暖化やエネルギー問題の深刻化,急速に進む高齢化や人口減少社会の到来などへの対応を行うため,平成20年度に実施した交通実態調査の結果に基づき各種交通施策の再検証を行った上で,平成22年7月に取りまとめたものです。その政策理念は,「ひと・環境にやさしく,活力ある広島の交通体系をめざして」としております。これは自動車に過度に依存するこれまでの交通体系を見直し,自動車と公共交通の分担バランスを考慮しつつ,軸足を自動車から公共交通や自転車,徒歩にシフトさせることにより人を中心に据えた環境への負荷が小さい持続可能な都市の形成を目指すとともに,本市の都市活力の向上を図るため都市活動や都市の魅力を高める交通体系を目指すというものでございました。  次に,公共交通の1日当たり利用者数が5万人ふえたことについてどう評価し,何を要因と考えているのかについてでございます。  平成14年度から平成28年度までの間の公共交通利用者の増加要因については,交通体系の軸足を自動車から公共交通等へシフトさせるという理念のもとに,本市と交通事業者が相互に協力してさまざまな公共交通の利便性向上策に取り組んできた結果が大きいものと考えております。その主な取り組みとしては,まずハード面でJR横川駅前広場への路面電車の乗り入れ,新白島駅の設置等による新たな交通結節点の整備やJR可部線の電化延伸などがあり,JR駅へのエレベーターの設置,低床路面電車・バスの導入などバリアフリー化も推進してまいりました。また,ソフト面の施策ではPASPY等の交通系ICカードシステムやバスロケーションシステムの導入などがございます。その後も広島駅の自由通路の整備や交通系ICカードの全国相互利用サービスの導入,都心循環バスの導入などに取り組んでおり,今後も継続して公共交通の利用者増につながる利便性向上策に取り組んでいきたいと考えております。  次に,現行の総合交通戦略の成果を踏まえて,どのような総合戦略をつくろうとしているのかについてでございます。  今回改定する本市の総合交通戦略については,少子高齢化のさらなる進行などの社会経済情勢の変化を踏まえながら,集約型都市構造への転換や200万人広島都市圏構想といった都市の将来像を実現するため,現在実施している交通施策の再検証と必要に応じた見直しを行い,自動運転など急速に進むICT社会への対応など新たな取り組みを加えたものを学識経験者,交通事業者,関係行政機関や関係団体で構成する広島市総合交通戦略協議会の議論を経て取りまとめたいと考えております。  今後の議論の方向性としましては,まず現行の総合交通戦略のもとで取り組んできた各施策の成果を踏まえつつ,公共交通の面では軌道系交通機関や交通結節点の機能強化や地域公共交通再編実施計画によるバスの再編などにより,持続可能な公共交通ネットワークの構築を目指してまいります。また,道路の面では集約型広域連携といった都市づくりを支援するための骨格的な道路整備や,災害に強いまちづくりに向けたインフラ整備について検討いたします。  さらに,圏域内の人の循環を支えるため,乗り継ぎの負荷ができるだけ少ないスムーズな公共交通体系はどうあるべきかといったことや,公共交通だけではサービスが十分に行き届かない中山間地域等における移動手段の確保などの新しい課題についても議論していきたいと考えております。こうした考え方のもと協議会での議論を深め,来年度末を目指して都市の将来像を見据えた総合交通戦略を構築していきたいと考えております。  次に,地域公共交通網形成計画策定以降,事業者においてどのような動きがあるかについてでございます。  本市が平成28年12月に策定いたしました地域公共交通網形成計画の検討過程では,各バス事業者と議論を行い,利用者の利便性の向上という観点で事業者と認識を共有しております。こうした共通認識のもと,各事業者においては中心部における180円均一運賃エリアの設定を初めとして異なる事業者のバスでも乗車できる共通定期,あるいは西部方面の基幹バスとフィーダーバスの乗り継ぎバス停において乗り継いでも運賃が直通の場合と同額となる乗り継ぎ割引の導入など,わかりやすく使いやすい運賃体系の構築に向けた独自の取り組みが着々と進められております。  さらに,これらの取り組みに加えてバスロケーションシステムの設置箇所の拡大や交通結節点におけるバス待合施設の整備についても事業者において積極的に進められており,本市もこうした取り組みに対して支援を行っております。  最後に,今後どのように再編実施計画の策定を進めていこうとしているのかについてでございます。  人口減少・少子高齢化社会が急速に進展する中,利用者の利便性と事業者の効率性の両立を図り,将来にわたり持続可能なバス路線のネットワークを確保するため策定に取り組んでいる地域公共交通再編実施計画については,昨年5月に運行を開始した第一弾の「エキまちループ」に続き,第二弾として広島駅を起点としデルタ内の主要な施設を連絡する新たな循環路線の計画について,現在中国運輸局や関係事業者等と協議調整を進めているところです。  一方,郊外部におきましても基幹バスとフィーダーバスの新たなネットワークのあり方について,PASPYの利用データから得られる利用実態を踏まえながら輸送需要に見合った運行形態はどのようなものか,また運行事業者が確保できるかなど,再編の方向性を具体化するため,関係する市町や事業者等と協議を始めたところです。いずれにしても具体化した案については議会に御説明するとともに,特に郊外部のバス路線のフィーダー化については対象となる地域の御意見も伺いながら,今後とも持続可能なバス路線の確保に向けて取り組んでまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       40番太田議員。 ◆40番(太田憲二議員) 答弁ありがとうございました。  再質問はありませんけれども,実は私たち,市長もそうですけれども,これから選挙という形で市民の皆さんの審判を仰ぐということになると思います。そういう意味で,今回は私の質問や提案もそうでありますけれども,松井市長の8年間の総括という意味でも質問させていただきました。  財政のところでありますけれども,トータル的に見れば見るほど本当に厳しい財政でありますから,この中でどうやって元気なまちづくりを進めるのかいろんなことを考えるわけで,先ほども私言いましたけれども,1993年の2247億円も投資的経費に使っていた時代,そして今は700億円しか逆に使えないという時代。それから例えば市民の税金を見て,これも市のホームページに昨年,一昨年ですかね,随分要望してもっとわかりやすいのを載せてよという話で載せてもらっているんですけども,市民が税を払ったときにどんな施策になるのかということで載せてもらっていますけども,1,000円のうち238円が民生費,それから223円が教育費,合計461円ですよ,もう。残り土木費は139円しかない。これ1993年のときは逆転ですよ。もっと使ってたはずです。  ですから,実は私は財政のその行政の努力もそうですけれども,一番重要なことはやはり市民の皆さんはさまざまな税金を支払っている。だけれども,こういう形で現状はこうなんですと,市の財政として。ですから一緒にまちづくり進めてほしいという意味合いも含め,あるいはいろんなアイデアも出していただきながら取り組みましょうというところをもっともっと積極的に投げかけて,どうやったらこの厳しい財政が維持できて新しいまちづくり,広島の発展ができるのか。そういうとこにぜひつなげていってもらいたいなというふうには思っております。  それから,平和についてですけれども,これも実はこの総括をするときに古い資料などを見ておりまして,私たちが若いころに実はどう言っていたかというと,訴える平和,訴える平和という言葉をよく実は言っておりました。それで広島から情報を発信しないといけないという意味ではありますけれども,当時はそれが当たり前に使われていた言葉なんですけれども,よく資料を見ると出てきました。それで今,迎える平和なんですけれども,実は昨年から韓国の友達というか同じ世代の人の娘さんが今広島に来てまして,その友達とかいろんな方々が来るんですけれども,必ず平和記念資料館とかいろいろ案内をして,そうするとやっぱり,本人たちどうも行きたくなかったみたいなんですけど,最初は。だけれども,聞いていたことと見ることが違うと。聞いていたことは,それは落とされて当然だなということを一部思っていたと。しかし現実を見ると,とてもそんな世界ではないということをみんな言って帰ります。そういう意味でのやはり実際に物を見るということの大切さを改めて私自身も感じているところですし,もちろん全世界の人が広島や長崎に来ていただくことはできませんから,その情報発信もどうするかということも重要ですけれども,ぜひこれも引き続き大きな流れの中ではやはり現地を見てもらうということは非常に大きなことですし,来ていただいた方がまた情報発信をしていただくという連鎖をどんどん広げていくということが重要だと思いますので,よろしくお願いします。  それから広域都市圏,これはぜひ最初から何とかしないといけないなと思っていましたし,これを取り組む地域と取り組まない地域では10年後,20年後は全く違う,日本の中でも。そういうふうに思っています。  先ほどエビフライ都市圏というふうに言われましたけれども,実は若い世代が余りテレビを見ない,パソコンを使うということを知らない世代の人が多いんですよ。スマートフォンで全部完結する。原稿も論文もスマートフォンで書いちゃうんですよ。僕たちではちょっと考えられないです,僕の年代では。だけれども,そういう年代に届けないといけないですよね。情報を届けないといけない。若い職員さんたちがいろいろアイデアを出してというのもありますし,またいろんな民間のアイデアも使っていただきながら,ぜひこの取り組み頑張っていただきたいと思います。  最後に,私のライフワークであります公共交通。ちょっと名前がいいかどうかわかりませんが,改革元年と言ったほうがいいのかどうかわかりませんけれども,そのぐらい画期的な年でありました。長い間いろんな議論を積み重ねてきましたし,先ほどもありましたように5万人利用者がふえるという地域は余り実はありません。都市の人口増は別です。東京の増のところは別です。地方都市で人口がそんなにふえているわけでもないのに公共交通の利用者がふえるという地域は珍しいわけでありまして,それは行政の皆さんとその事業者のいろんな努力によるものでありますけれども,特に昨年の「エキまちループ」を初めいろいろなものがスタートした。これはもう画期的なことですし,これが先ほどもちょっと紹介しました郊外部の乗り継ぎの利便性のこと。ちょっとアイデアを絞ると,実はできたのかということがたくさんあるんですよね。今まで事業者もやらなかったということもあるでしょう。しかし,これからのまちづくりの中で私は衣食住交とよく言ってますけれども,とても重要な交通で,先ほどの200万人都市圏構想にもつながる話でもありますから,できる限りいろんな意味で交通にも支援をしていただきながら,誰もが移動できやすい,使いやすい公共交通もつくっていただきたいなという,最後また演説のようなことをお願いをしまして終わりたいと思います。ありがとうございました。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       この際,暫時休憩いたします。                午前11時56分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時04分開議                出席議員  47名                欠席議員  7名 ○今田良治 副議長      出席議員47名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○今田良治 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,総括質問を行います。  39番佐々木壽吉議員。                〔39番佐々木壽吉議員登壇〕(拍手) ◆39番(佐々木壽吉議員) 御苦労さまです。  自由民主党・市民クラブを代表して質問をさせていただきます。  私は,平成3年に初当選させていただき28年間が過ぎようとしております。私は,当時の立候補公約として,1番に広島駅周辺の再開発をと訴え当選をさせていただきました。その結果,若草地区の再開発を初めとし現在は皆々様から変わったねと言っていただけるようになり,感謝しております。広島市民球場も紆余曲折ありましたが完成し,10年がたち,カープも3年連続優勝となり活気づいており,私のおります愛宕神社も恩恵を受けております。また,私は平成9年に韓国大邱市との姉妹都市縁組のお手伝いをし,平成13年には全国初の罰則つき暴走族条例を発案・制定にと尽力させていただきました。  先ほども申しましたが,広島駅周辺地区の完成について,私が思いますに現在目指すところの70%ぐらいの完成で,残り30%ぐらいは未完成であると思います。市長が掲げておられる200万人広島都市圏構想はよいことと思いますが,私は広島市におけるまちづくりはコンパクトシティーを目指すことが将来における最良の都市づくりと思います。特に広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区については人が集まるにぎわいのまちを目指すべきと考えます。それには,次なる目標としてハード面からソフト面も考えなければなりません。そのソフト面ですが,現在市のほうでエリアマネジメントの認定制度を立ち上げようとされています。エキキタ地区では,この制度を活用するためエリアマネジメント活動計画を作成し,本市第1号の認定を目指し取り組んでおり,企業の代表である下河内会長と町内会組織の代表である山城副会長が申請書を提出される予定ですので,よろしくお願いいたします。  さて,それでは都心の活性化についてお伺いします。  私は,以前から紙屋町,八丁堀,広島駅を中心とした都心の回遊性のあるまちづくりの必要性について申しているところですが,広島駅周辺地区については冒頭にも触れましたが,駅北における若草町地区の市街地再開発事業や二葉の里地区の土地区画整理事業,南口におけるB・Cブロックの市街地再開発事業,さらには駅の南北を結ぶ自由通路などの整備が完了し,中・四国地区の中枢都市の玄関にふさわしいまちに大きく変貌してきたと感じています。このように広島駅周辺地区の開発が著しく進歩を見せたのは,平成15年に都市再生緊急整備地域に指定されたことが大きな原動力になったものと考えています。  一方,こうした規模の大きな開発が進展する中,広域的な交通結節点である広島駅に近接し,都市再生緊急整備地域のエリア内でありながら,低容積率のまま取り残されている地区があります。私は,こうした地区についても非常に大きな開発ポテンシャルを有していると考えており,広島駅周辺地区を真に活性化していくためには早急に容積率の見直しが必要と考えています。そうすれば例えば都心でのマンションの建てかえなどもやりやすくなり,高齢者は自宅を売却し郊外の団地から歩いて生活できる利便性の高い都心に移り,若者はその高齢者の自宅を比較的安価な費用で購入し団地に住むことで,それぞれのエリアのコミュニティーの再生や活性化に貢献するといったことにもつながるのではないでしょうか。  ところで,この都市再生緊急整備地域には昨年10月,紙屋町・八丁堀地区も指定されました。このことはマスコミの関心も非常に高く,新聞を中心にさまざまなメディアにたびたび取り上げられ,とりわけ元旦の新聞では大々的に特集記事が掲載されました。こうした力のこもった報道は,近年郊外における大型商業施設の開発が相次ぎ都心の求心力が低下していることへの危機感と,都心復活への期待感のあらわれであると感じています。  先月16日の新聞報道にも,中心街高まる開発機運と題して天満屋八丁堀ビルの建てかえが検討されているとの記事が掲載されましたが,その一方で記事には紙屋町・八丁堀地区は古い建物が多く,平成26年度の市と県の調査では3,391棟のうち6割が築30年以上だったとありました。このように紙屋町・八丁堀地区においては多くの建物が更新時期を迎えていることから,この機を捉えて都市再生緊急整備地域制度のメリットを生かし,老朽化した建物の建てかえを加速させる必要があると思います。  都市再生緊急整備地域の指定のメリットとして,広島駅周辺地区においてはB・Cブロックと若草町地区が開発計画の内容に即してオーダーメードの容積率等の緩和を受けられる都市計画,すなわち都市再生特別地区に定められています。また,二葉の里地区のイズミ本社建設事業と広島テレビ放送本社社屋・エネコム広島ビル共同事業が国から民間都市再生事業計画の認定を受け,不動産取得税等の税制上の優遇措置を受けています。ところが,こうした国の支援制度を活用するためには幾つか要件があると聞いています。具体的には,特別の容積率等の緩和が受けられる都市再生特別地区の都市計画の提案には0.5ヘクタール以上の事業区域の面積要件が課せられています。また,税制上の優遇措置を受けるための民間都市再生事業計画の認定には,原則1ヘクタール以上の事業区域の面積が求められます。しかしながら,広島駅周辺地区や紙屋町・八丁堀地区などの本市の旧市内には,間口が狭く奥行きの長い短冊の小規模な敷地が多いという地域特性があり,国の支援制度の対象となる開発はごく限られたものになると言わざるを得ません。また,民間事業者の一部からは,この面積要件のハードルが高いため事業性の高い計画が立てられず,建てかえに踏み切ることができない事例も多いと聞いています。  このような状況を踏まえて,都心の活性に確実につながるものであるならば,広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区の都市再生緊急整備地域において事業区域の面積が国の支援制度の対象とならない規模の開発であっても何らかの支援措置が講じられるような方策を早急に考える必要があると思いますが,市のお考えを伺います。  本市の都心の活性化の観点からもう1点,建築物の建てかえなどを行う際に必要となる駐車場に関する制度,いわゆる駐車場附置義務制度についてお伺いします。  2月9日の中国新聞に,紙屋町・八丁堀地区が都市再生緊急整備地域に指定されたことを受け,市は来年度,附置義務駐車場の台数の緩和に向けた実態調査を行うとの記事が掲載されました。市では,平成29年度に事務所について附置義務制度の緩和を行ったところですが,私も実際民間事業者から附置義務駐車場の台数のさらなる緩和などを望む声を聞いており,今後再開発を進めていかなければならないこうした地域において駐車場附置義務制度が足かせになってはいけないと思います。また,都心のにぎわいづくりの観点からも,余分な駐車場は排除して自動車を中心としたまちづくりから公共交通機関や歩行者を中心とした誰もが行きやすく歩きやすいまちづくりに転換していくべきであると考えます。  駐車場附置義務制度は,国が示す標準条例に基づき各自治体が条例に定めるものですが,その内容は必ずしも一律ではなく,各自治体の実情に応じた独自の制度とすることが可能であると聞いています。本市においても,再開発の促進と歩きやすいまちづくりの両面から今後都心部に適した駐車場附置義務制度を考えていくべきだと思いますが,今回の実態調査の実施にはどのような背景があったのか。また,調査結果を踏まえてどのような見直しをしようとしているのか,市のお考えを伺います。  それでは,次に国際平和文化都市の実現に向けた観光施策の推進について,ソフト面からお伺いします。  松井市長も折に触れおっしゃっていますが,広島市が1970年,昭和45年にあるべき都市像,国際平和文化都市を掲げ来年50年目となりますが,これをいかに実現するのか観光という視点からお尋ねします。  それでは,まず国際の面についてです。  平成20年の広島市の観光客数は1043万5000人で,そのうち外国人は31万人で3%,平成29年は1341万4000人で,そのうち外国人は151万9000人で11.3%と,外国人の占める割合は10年間で3.5倍の伸びとなっています。また,観光客の宿泊はと申しますと,平成20年が355万8000人,そのうち外国人が25万3000人で7.1%,平成29年は533万4000人,そのうち外国人が87万4000人で16.4%と,外国人の占める割合は2.3倍の伸びとなっています。このように外国人観光客の人数,宿泊とも大きな伸びを示しておりますが,札仙広福と言われる4都市を比較すると宿泊について札幌市と福岡市に大きく水をあけられており,その差は10年前より開いております。さらに,平成29年の政令指定都市における国際会議の開催件数は広島市が87件で札幌に次いで10番目,1位の神戸市の405件に比べて大きく水をあけられております。  こうした中で国際都市広島を実現するためには,せっかく広島を訪れた外国人観光客が広島についてより理解を深めていただくことが必要です。そのためには,英語が通じない,外国語の案内板が少ないなどの外国人観光客にとって障壁となっている事項を解消していくことが必要であります。今はいろいろな機器の機能がすばらしく進んでおり,どこよりも早くスマートフォン等を活用しボタン一つで案内板のかわりになるような仕組みを構築することが必要であると思いますが,いかがでしょうか。  次に,平和についてです。  国際平和文化都市を目指す広島市にとって,平和の発信は最大の柱であることは言うまでもありません。そして,平和を発信する上で重要なのが若者への被爆体験の継承です。将来の世界を担う若者に戦争の悲惨さと平和のとうとさを伝え,理解し,実践していただくことが平和都市広島の役割であると考えます。その取り組みの一つが修学旅行の誘致ですが,少子化が進展する中,何とか30万人を維持しているというのが現状です。今後,修学旅行生の数を35万人台にすることを目標にするとのことでしたが,その実現に向けてどのように取り組まれているのでしょうか。  また,戦後,広島平和記念都市建設計画によって整備された平和大通りの道路空間を活用した新たなにぎわいづくりも必要です。現在,市において平和大通りの道路空間を活用した新たなにぎわいづくりのためのさまざまなモデル事業を実施されていますが,余り順調に進んでいないのではないでしょうか。その要因として,昨年の9月議会での宮崎議員の質問への答弁で,道路空間を使用する際の法的な規制や担い手が持続的に活動するための財源の確保といった課題を示されましたが,こうした課題の解決に向けての提案をさせていただきます。  平和大通りを規制が厳しい道路ではなく公園としての位置づけで規制を緩和したり,国がガイドラインを示しているPark−PFI制度を活用して財源確保を図ってはいかがでしょうか。  次に,国際平和文化都市の実現に向けた観光施策,文化についてお伺いします。  江戸期に整備された西国街道は,歴史資源であると同時に観光面でも活用可能な資源です。ところが,西国街道は南区猿猴川橋まででとまっているような印象があります。しかし,そこから先も私が住んでおります愛宕,そして尾長,岩鼻,矢賀,府中へと続いております。このような西国街道は地理的にも広島広域都市圏の市町を通っており,これを生かした取り組みは近隣の市町もともに取り組むべきであると思いますがいかがでしょうか。こうした観光という視点からのアプローチにより,国際平和文化都市広島を実現していただきたいと期待しています。市長の御所見をお伺いいたします。  それでは,最後に広島市が8月6日の平和記念式典の際での会場周辺でデモ行進による拡声機の声がうるさいと感じているかどうか,市民3,000人にアンケートを始めた。その中で,憲法が保障する表現の自由があるとは思いますが,対策を尋ねる質問の選択肢に新たな条例規制も問うとあるマスコミの記事が出ていました。意味合いは少し違うかとも思いますが,ことしは統一地方選挙,参議院選挙の年です。無投票の選挙区もあると予想されていますが,日に日に後援会活動は加熱していくと思われます。  そこで,昨年末より市民に1,投票率アップについて,2,選挙中の拡声機の音が気になるかについて,3,選挙後援会事務所からの電話についてのアンケートを実施させていただきました。そのアンケートの回答結果を御紹介させていただきますと,1,投票率アップについては投票所の増設を希望する方が約10%で,期日前投票ができるからいいとの声もありました。2,拡声機の声が気になりますかについては,使わないほうがよいが約20%。その中で,連呼したり,病院や学校付近ではやめてほしい。3,選挙,後援会活動からの電話はやめてほしいが30%でした。家庭での仕事中にかかると手をとられるからという内容でした。このアンケートの結果を見てみますと,立候補を予定している私たちとしては,こうした市民の声に対してどうしたら自分の声をより聞いていただけるかよく考える必要があると感じているところです。  そこで,お伺いします。選挙管理委員会として拡声機の声がうるさい,電話による働きかけはしないでもらいたいなどの市民からの要望について,どのような見解を持っているのかお聞かせいただければと思います。  そして私に届いた声や私の思いですが,後援会活動も選挙が近づくにつれヒートアップしてまいりますが,活動の中で自分自身の名前入りの旗を持って挨拶されるなどどうかなとの声や,その他にも公職選挙法に反する行為も多々あると思います。選挙のあり方や公職選挙法の見直しも必要があると思います。市民,県民,国民に支持されるような選挙を行いたいものです。  以上で私の総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○今田良治 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       佐々木議員からの御質問にお答えします。  国際平和文化都市の実現に向けた観光施策の推進についての御質問がございました。  国際平和文化都市という都市像は,昭和45年,1970年に本市が初めて策定した基本構想に掲げたものであり,広島市のあるべき姿を象徴的に言いあらわしたものであります。私はこの都市像を確固たるものとするために,広島を世界に誇れるまちにすることを掲げて活力とにぎわい,ワーク・ライフ・バランス,平和への思いの共有という三つの要素を柱としてまちづくりを進めてまいりました。  さらに,こうしたまちづくりを着実に実現するため,200万人広島都市圏構想を掲げ,ヒト・モノ・カネ・情報の循環を基調とするローカル経済圏を構築し,本市を初めとする広島広域都市圏域の経済の活性化と自立的で持続的な発展を図るための施策を展開しているところであります。  こうした視点のもとで観光の振興を積極的に図り,国際平和文化都市広島の実現に向けて取り組んでいるところでありますが,観光の振興に当たっては何よりも観光客の目線に立った受け入れ環境を整備すること,すなわちおもてなしが基本であると考えています。このため,近年急激に増加している外国人観光客にとっての多言語での情報入手方法としてはスマートフォンが圧倒的に多いことから,あらゆる場所でスマートフォンを利用できるよう,「HIROSHIMA FREE Wi−Fi」の対象エリアを拡大するなどして受け入れ環境の整備を進めております。  また,スマートフォンを活用した周遊促進の取り組みとして,観光客がスマートフォンで平和関連施設やルートなどの情報を入手し,それらの施設等をめぐるピースツーリズムを推進しております。今後はスマートフォン一つで観光地を手軽に安心して効率的に周遊できるようにしたいと考えており,観光情報の入手に加えて公共交通や観光施設の利用などができる広島周遊パスのアプリの開発に向けて,関係機関や交通事業者等との協議・調整を進めてまいります。
     次に,修学旅行の誘致についてです。  次代を担う若い世代がヒロシマを訪問し被爆の実相に触れることは,本市が核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願う広島の心を国内外の市民社会に発信するに当たって大変重要であると考えています。  そこで,被爆80周年に当たる2025年に修学旅行生を年間35万人に増加させるという目標に向けて,全国の学校への個別誘致訪問などの取り組みを進めているところです。今後は本市の修学旅行誘致推進員による積極的な誘致活動や国の被爆体験伝承者の派遣事業の紹介に加えて,県外の教員を対象とした修学旅行の事前・事後学習の手法を説明する講習会や広島への修学旅行コースを体験してもらう研修会を拡充するなど,取り組みを強化してまいります。また,佐伯区湯来町における民泊による体験型修学旅行の魅力や効果も全国の学校に引き続き丁寧に伝えてまいります。  さらに,私や副市長が昨年からことしにかけて東京都特別区の区長等を訪問し,広島への修学旅行拡大に向けた協力を要請するトップセールスを実施しており,引き続き他都市の市長や教育長等に対しさまざまな機会を捉えて直接働きかけを行ってまいります。  次に,平和大通りのにぎわいづくりについてであります。  平和大通りのにぎわいづくりの基本は人の流れをつくることにあるという考え方のもとで,その流れを阻止するような規制をいかに解除し,流れが持続的かつ恒常的なものになるようにするための担い手と,担い手が活動するために必要となる財源をいかに確保していくかという課題に真正面から向き合うことであると考えております。  議員御提案の平和大通りを都市公園として位置づけ,Park−PFI制度を活用してにぎわいづくりを展開する手法は,こうした課題を一度に解決する上で有効であると考えております。今後こうした手法の導入に向けた具体的な検討を行い,平和大通りを舞台として新たなにぎわいを創出したいと考えています。  最後に,西国街道を生かした周辺市町と一丸となった取り組みの充実についてです。  本市では,広島駅周辺から平和記念公園までをつなぐ西国街道を文化の薫り漂う街並みにし,ゆったりくつろげる歩行空間とするため,仏だん通りの事業者等が設立したまちなか西国街道推進協議会の活動を支援してきているところであります。また,これに加えて草津地区の地元ボランティアグループなどが実施するまち歩きやイベントの支援なども行ってきているところです。本市周辺の市町においても西国街道を生かした取り組みが進められていることから,広島広域都市圏産業振興研究会の観光振興部に西国街道など歴史的街道を活用した観光振興をテーマとするワーキンググループを設けており,今後例えば街道沿いの各市町のボランティアガイドを連携してガイドするといった広域的な取り組みを進めていきたいとも考えています。  さらに,ことしは浅野氏の広島城入城400年の節目を迎えることから,広島広域都市圏の各市町に残る西国街道ゆかりの歴史的建造物等をめぐるイベント等を実施してまいります。本市としては引き続き観光の振興に係る諸施策に積極的に取り組み,中四国地方の発展を牽引する中枢都市として国際平和文化都市広島の具現化に全力を尽くしてまいります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○今田良治 副議長      都市整備局長。 ◎山地正宏 都市整備局長   都心の活性化について,都市再生緊急整備地域において事業区域の面積が国の支援制度の対象とならない規模の開発であっても,何らかの支援措置を考えたらどうかということについてお答えをいたします。  都市再生緊急整備地域に指定されている広島駅周辺地区及び紙屋町・八丁堀地区においては,多くの建物が更新時期を迎えております。そのような背景の中,今回の指定を機に本市に設置した相談支援窓口には,民間開発に関する多くの相談が寄せられているところでもあります。議員の御指摘はこのような状況をも踏まえたものであると考えますが,広島駅周辺地区及び紙屋町・八丁堀地区においては小規模な敷地が多いといった地域特性を踏まえながら,民間事業者の間で高まっている開発機運をしっかりと取り込んでいくことが重要であると考えています。  そこで,国の支援対象にならないような規模が小さな開発であっても,都市再生緊急整備地域に指定された地域内の土地の有効活用や都心にふさわしい都市機能の充実が図られるような民間開発についても,積極的に推進するための本市独自の工夫を行っていきたいと考えております。  以上です。 ○今田良治 副議長      道路交通局長。 ◎谷山勝彦 道路交通局長   都心の活性化についての御質問のうち,駐車場附置義務制度に関する御質問についてお答えいたします。  本市では,建築物における駐車施設の附置等に関する条例に基づき,建築物の用途や規模に応じた駐車需要に対応するという観点から,商業地域等において一定規模の建築物の新築,増築等を行う場合には駐車場の設置を義務づけております。  この駐車場附置義務について,近年特に都心部でホテルの新設を検討する民間事業者から,現在の市の附置義務台数ほど駐車場は必要ない,あるいは建築敷地以外の離れた場所への駐車場の設置を認めてほしいといった要望を多く受けておりますが,昨年10月に紙屋町・八丁堀地区が都市再生緊急整備地域に指定され,今後都心の活性化に資する都市規模の更新が期待される中,こうした要望がますます強まってくるものと考えられます。  また,議員御指摘のとおり駐車場附置義務制度は各自治体が地域の実情に応じてその基準を条例で定めており,例えば政令市の中では名古屋市がホテル等について附置義務基準を緩和しているほか,札幌市や仙台市ではそれぞれ駅周辺地区といったエリアを指定して附置義務基準を緩和しております。  こうした他都市の事例や民間事業者からの要望を踏まえると,対象地域や利用用途によっては附置義務駐車場が供給過剰になっているケースも考えられることから,来年度都市再生緊急整備地域内の附置義務駐車場を中心にその利用実態等の調査を行うこととしております。本市としては,この調査結果やひろしま都心活性化プランに掲げた市民や観光客が都心を安全で快適に回遊できる空間づくりという観点も踏まえて,駐車場附置義務基準の緩和など再開発の促進にも資する本市の都心に適した駐車場施策についてどのような工夫ができるか検討を行っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○今田良治 副議長      選挙管理委員会事務局長。 ◎久保雅之 選挙管理委員会事務局長  公職選挙法について,選挙の拡声機の声がうるさい,電話による働きかけをしないでほしいといった要望についてどのような見解を持っているのかとの御質問にお答えをいたします。  拡声機を使っての連呼行為や街頭演説は公職選挙法において認められている選挙運動の一つでございまして,これを制限する規定としては,同じく公職選挙法において午前8時から午後8時までの時間に行うこと。さらに,学校や病院,診療所その他療養施設の周辺においては静穏の保持に努めなければならないことが定められております。  しかしながら,これらの規定以外に具体的な制限はなく,音量を規制する法的根拠がないことから,どの程度の音量で連呼行為を行うかは各候補者の判断となり,その良識に委ねられることとなります。また,電話による選挙運動については法令上の制限はありませんけれども,何度も電話をされたり早朝,深夜に電話をされたりすることは有権者の方々の御迷惑になる可能性があることから常識ある対応が求められます。いずれにいたしましても,選挙管理委員会といたしましては,立候補予定者説明会などにおいて時間帯や周辺環境等に応じた常識ある運動をしていただくようお願いをしているところです。  また,今回行われます統一地方選挙は市民にとって最も身近な代表者を選ぶ極めて大事な選挙となりますので,法令が守られることはもちろんのこと,モラルの高い明るい選挙が行われるよう注意喚起を図ってまいります。  以上でございます。 ○今田良治 副議長      39番佐々木議員。 ◆39番(佐々木壽吉議員) いろいろとありがとうございました。  まず,活性化なんですが,再質問じゃないんですけども,やはり経済は動いております。ですから容積率の見直し等は一日も早い決断をしていただいて,いろいろと税金も入ってくることですので,その点はよろしくお願いいたしたいと思います。  また,観光施策につきましても,明治時代に大本営が広島に置いてありましたけども,その復元をということを願っている方々も相当いらっしゃいます。東京以外であったのは広島だけですから,それをぜひとも広島でみんなの力で復元したいなという声もたくさん聞いておりますので,そういったことも観光の一つの目玉になるんじゃないかなと思いますのでみんなで考えさせていただきたいと思いますし,市長さんにもよろしくお願いしたいと思います。  選挙につきましては,やはり選挙管理委員会としてと警察のほうとは違うわけですから,違うといいましてもやはり選管のほうからも十分なことはやっていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたしたいと思います。  終わります。 ○今田良治 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き総括質問を行います。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○今田良治 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○今田良治 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後1時43分散会 ─────────────────────────────────────── ───────────────────────────────────────   議 長   永  田  雅  紀   副議長   今  田  良  治   署名者   碓  氷  芳  雄   署名者   桑  田  恭  子...