広島市議会 2018-08-28
平成30年第 3回 8月臨時会−08月28日-01号
平成30年第 3回 8月臨時会−08月28日-01号平成30年第 3回 8月臨時会
平成30年
広島市議会臨時会会議録(第1号)
第 3 回
広島市議会議事日程
平成30年8月28日
午後1時開議
日 程
第1 会期決定について
第2 報告第10号 専決処分の報告について
(道路の管理暇疵等による損害賠償額の決定)
報告第11号 専決処分の報告について
(市営住宅に係る家賃の長期滞納者に対する家屋明渡等の訴えの提起)
報告第12号 専決処分の報告について
(市営住宅に係る家賃等の長期滞納者との訴え提起前の和解)
第3 第87号議案 平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)
第88号議案 平成30年度広島市
水道事業会計補正予算(第2号)
第89号議案 平成30年度広島市
下水道事業会計補正予算(第2号)
第90号議案 専決処分の承認について
(平成30年度広島市
一般会計補正予算(第2号))
第91号議案 専決処分の承認について
(平成30年度広島市
水道事業会計補正予算(第1号))
第92号議案 専決処分の承認について
(平成30年度広島市
下水道事業会計補正予算(第1号))
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会議に付した事件等
開会宣告(終了)
開議宣告(終了)
議席の指定(終了)
会議録署名者の指名(終了)
黙祷(終了)
市長の発言(終了)
諸般の報告(終了)
日程に入る旨の宣告(終了)
日程第1 会期決定について
(本日1日と決定)
日程第2┌自報告第10号 専決処分の報告について
┤ (道路の管理暇疵等による損害賠償額の決定)
└至報告第12号 専決処分の報告について
(市営住宅に係る家賃等の長期滞納者との訴え提起前の和解)
(終了)
日程第3┌自第87号議案 平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)
┤
└至第92号議案 専決処分の承認について
(平成30年度広島市
下水道事業会計補正予算(第1号))
(市長説明)
(質疑)
(第87号から第89号議案は原案可決,第90号議案から第92号議案は承認)
付議事件議了の宣告(終了)
閉会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 海 徳 裕 志 2番 山 本 昌 宏
3番 山 内 正 晃 4番 山 路 英 男
5番 木 戸 経 康 6番 平 野 太 祐
7番 石 橋 竜 史 8番 森 畠 秀 治
9番 定 野 和 広 10番 近 松 里 子
11番 森 野 貴 雅 12番 森 本 健 治
13番 碓 氷 芳 雄 14番 西 田 浩
15番 渡 辺 好 造 16番 宮 崎 誠 克
17番 大 野 耕 平 18番 三 宅 正 明
19番 伊 藤 昭 善 20番 桑 田 恭 子
21番 馬 庭 恭 子 22番 藤 井 敏 子
23番 豊 島 岩 白 24番 八 軒 幹 夫
25番 八 條 範 彦 26番 原 裕 治
27番 米 津 欣 子 28番 安 達 千代美
29番 星 谷 鉄 正 30番 平 木 典 道
31番 今 田 良 治 32番 元 田 賢 治
33番 谷 口 修 34番 竹 田 康 律
35番 村 上 厚 子 36番 中 原 洋 美
37番 中 森 辰 一 38番 酒 入 忠 昭
39番 佐々木 壽 吉 40番 太 田 憲 二
41番 若 林 新 三 43番 山 田 春 男
44番 児 玉 光 禎 45番 金 子 和 彦
46番 永 田 雅 紀 47番 沖 宗 正 明
48番 土 井 哲 男 49番 木 山 徳 和
50番 種 清 和 夫 51番 中 本 弘
52番 木 島 丘 53番 碓 井 法 明
54番 藤 田 博 之 55番 中 石 仁
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欠 席 議 員 氏 名
な し
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職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
事務局長 重 元 昭 則 事務局次長 石 田 芳 文
議事課長 小 田 和 生
議事課課長補佐主任事務取扱
吉 川 和 幸
議事課主査 高 谷 昌 弘 議事課主査 村 田 愛一朗
外関係職員
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説明のため出席した者の職氏名
市長 松 井 一 實 副市長 谷 史 郎
副市長 岡 村 清 治
危機管理担当局長行 廣 真 明
企画総務局長 及 川 享 財政局長 手 島 信 行
市民局長 政 氏 昭 夫 健康福祉局長 古 川 智 之
こども未来局長 滝 川 卓 男 環境局長 和 田 厚 志
経済観光局長 日 高 洋 都市整備局長 山 地 正 宏
都市整備局指導担当局長 道路交通局長 谷 山 勝 彦
胡麻田 泰 江
下水道局長 早 志 敏 治 会計管理者 長 敏 伸
消防局長 斉 藤 浩 水道局長 野津山 宏
監査事務局長 堀 敬 輔 財政課長 中 村 徹
教育長 糸 山 隆
選挙管理委員会事務局長
久 保 雅 之
人事委員会事務局長
柴 田 吉 男
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午後1時03分開会
出席議員 54名
欠席議員 0名
○永田雅紀 議長 出席議員54名であります。
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開会宣告
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○永田雅紀 議長 ただいまより平成30年第3回
広島市議会臨時会を開会いたします。
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開議宣告
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○永田雅紀 議長 これより本日の会議を開きます。
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議席の指定
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○永田雅紀 議長 最初に,議席の指定を行います。
本臨時会の議席は,お手元に配付いたしました議席表のとおり指定いたします。
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会議録署名者の指名
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○永田雅紀 議長 この際,本日の
会議録署名者として
2番 山 本 昌 宏 議員
35番 村 上 厚 子 議員
を御指名いたします。
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黙祷
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○永田雅紀 議長 この際,平成30年7月豪雨災害によりお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに,被災された多くの方々にお見舞いを申し上げます。また,平成26年8月20日に発生した豪雨災害から4年が経過したところであります。このたびの豪雨災害並びに平成26年8月豪雨災害により犠牲となられた方々に対して,謹んで哀悼の意を表し,黙祷をささげたいと思います。
皆様,御起立をお願いいたします。なお,起立が困難な方は着席のままで結構でございます。
〔一同起立〕
○永田雅紀 議長 黙祷。
〔一同黙祷〕
○永田雅紀 議長 黙祷を終わります。
御着席をお願いいたします。
〔一同着席〕
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市長の発言
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○永田雅紀 議長 この際,市長より発言の申し出がありますので,これを許します。
市長。
◎松井一實 市長 ただいまから,今回の豪雨災害による被害状況及び本市の対応等について御説明をいたします。
これに先立ちまして,このたびの豪雨災害によりお亡くなりになられた方々に対して,謹んで哀悼の誠をささげますとともに,御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。けがや住宅の損壊などの被害に遭われた多くの皆様に対しましても,心からお見舞いを申し上げます。
また,このたびの災害に対して,救出・救助活動等を行っていただきました自衛隊を初めとした国の関係機関,警察などの県の関係機関,
緊急消防援助隊など他県の関係機関,宅地内の土砂撤去等に従事していただいたボランティアの皆様,義援金や寄附金等をいただいた全国の方など多くの方々に対し,この場をおかりして厚く御礼を申し上げます。
本市では,平成30年7月5日から8日にかけ,多いところで累積雨量が489ミリに達するという記録的な豪雨に見舞われました。
特に本市の東部及び北東部にある安芸区,東区,安佐北区などで土石流や崖崩れ,河川の氾濫が発生し,23名の方が亡くなられ,2名の方がいまだ行方がわからず,建物の全壊・半壊・一部破損が595棟,床上・床下浸水が1,970棟など,大きな被害が生じました。
この豪雨への対応としては,8.20豪雨災害の教訓を踏まえて見直した広島市地域防災計画にのっとり,7月6日に本市及び各区において災害対策本部を立ち上げ,避難準備・
高齢者等避難開始の発令に合わせて避難所の開設を行うとともに,その後,避難勧告,避難指示を順次発令し,最大で145カ所の避難所を開設,3,742世帯9,489人が避難されました。
避難所に避難された被災者の方々に対しては,食料や生活必需品の支給を行うとともに,酷暑の中での避難所生活が少しでも快適なものとなるよう,国の制度を活用して,避難所にエアコンを設置するなど,環境整備に努めました。
また,保健師等が避難所に常駐ないし巡回し,被災者の心と体をケアするための健康相談を行い,避難所を退所された方等についても家庭訪問を行っています。
被災者の生活再建への支援については,まず,住居が被災し,居住が困難となった被災者に対して,仮住宅として市営住宅,県営住宅,
国家公務員宿舎などの公的賃貸住宅及び
民間賃貸住宅を提供し,8月27日時点で,公的賃貸住宅には43世帯,
民間賃貸住宅には,御自身で住宅を探して入居され本市が無償提供することとしたものを含め,75世帯の入居が決定しています。あわせて,仮住宅に入居される方には,日常生活に必要となる家電製品などを支給しています。
また,
被災者生活再建支援金や災害見舞金などの支給に関する申請手続きや各種減免措置のための申請手続き,生活再建に関する各種相談を,ワンストップで済ませることができるよう,区役所に
被災者支援総合窓口を設置するとともに,避難所においても専任の職員を配置しました。
さらに,罹災証明書の交付については,被災した建物の被害認定に航空写真を活用するなどし,8月27日時点で,2,890件の申請に対して,2,698件交付しています。
土石流等により堆積した民有地内の土砂等の撤去については,現在,施工業者34社45班体制まで増強し,10月中には全ての撤去を完了させるべく,鋭意作業を進めています。8月27日時点で,被災者から撤去依頼があり,同意手続きまで終了している837件のうち,370件が完了しております。
こうした生活再建への支援のための取り組みにより,避難所に避難されていた多くの被災者が御自分の住居や仮住宅に移られ,8月27日時点で,避難されている方の数は,安佐北区井原地区で8世帯17人,安芸区の中野・矢野・矢野南地区で計22世帯55人となっており,被災者の方々の生活再建が着実に進んでいます。
次に,公共施設等の被害についてですが,道路554カ所,橋りょう25カ所,河川は190河川で842カ所,下水道58カ所,公園21カ所,
農林水産業施設等1,230件に上るなど,極めて多数の被害が発生しています。
これらの公共施設の応急対策・応急復旧として,道路啓開や河川内の土砂撤去等を順次進めるとともに,バス路線などの主要な道路の応急復旧を重点的に進めた結果,8月末には主要な道路の全てが通行可能となります。
また,水道施設については,最大1万3300世帯で断水していましたが,被害施設の応急復旧を進めた結果,8月10日をもって全ての断水が解消されました。
今回の災害については,3年間を基本的な復旧期間と位置づけて,一刻も早く本格的な復旧に取り組んでまいります。
また,国に対しては,単純な復旧にとどまらず,改良の効果が上がる復旧が認められるよう要望しているところであり,これを前提に効果的に予算を執行していきたいと考えています。
なお,土石流の被害が大きかった地域の復旧・復興に当たっては,国,県による砂防堰堤の整備や河川・道路の整備にかかる計画案を地域の方々に提示するとともに,これとあわせて,愛着を持って住み続けられるような,安全・安心なまちづくりに向けての提案を考慮した取り組みを行っていきたいと考えています。
続いて,今回の災害対応に関する検証及び今後のあり方の検討について御説明いたします。
今回の豪雨災害においては,平成26年の8.20豪雨災害の教訓から,市が行う避難勧告などの避難情報の発令については,確実に行うことができるようになったと考えられる中,残念ながら避難勧告が発令された地域において人命が失われております。
このため,今後,避難情報が発令された場合には,多くの市民が確実に,自主的かつ主体的に避難を行うようにするための方策等を検討する必要があると考えています。
具体的には,避難情報が洪水あるいは土砂災害のいずれに係るものか,地域の住民にきちんと伝わったかどうか,また,避難された方と避難されなかった方で避難行動が分かれた原因,特に自主防災組織の活動状況など
地域コミュニティーの防災への取り組みとの関係などを検証・議論してまいります。
また,あわせて,被災者の迅速な生活再建への支援や周辺の被災自治体への支援等についても,より充実したものとなるよう検証・評価することを考えています。
検証に当たっては,学識経験者,被害が大きかった区の
自主防災会連合会の代表者,国及び県の関係行政機関の職員を構成員とする
避難対策等検証会議を立ち上げることにしています。
本年中の取りまとめを目途に,最初の会議は9月上旬に開催する予定です。
最後になりますが,引き続き,国,県,市の緊密な連携のもと,本議会に提出しております補正予算などにより十分な予算を確保した上で,迅速かつ着実に復旧・復興に取り組み,被災者の方々が一日も早く日常の生活を取り戻していただけるよう,全力を傾注してまいります。
私からは,以上です。
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諸般の報告
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○永田雅紀 議長 この際,諸般の報告がありますので,事務局長に朗読させます。
◎重元昭則 事務局長 (朗 読)
報告事項
1 本臨時会に市長より提出された案件は,第87号議案から第92号議案並びに報告第10号から第12号の計9件であります。
以上であります。
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日程に入る旨の宣告
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○永田雅紀 議長 これより日程に入ります。
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△日程第1 会期決定について
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○永田雅紀 議長 日程第1,会期決定についてを議題といたします。
お諮りいたします。
本臨時会の会期は,本日1日といたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田雅紀 議長 異議なしと認めます。よって,会期は本日1日と決定いたしました。
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△日程第2┌自報告第10号 専決処分の報告について
┤ (道路の管理瑕疵等による損害賠償額の決定)
└至報告第12号 専決処分の報告について
(市営住宅に係る家賃等の長期滞納者との訴え提起前の和解)
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○永田雅紀 議長 次は,日程第2,報告第10号から第12号を一括上程いたします。
本件については,発言の通告がありませんので,これをもって終わります。
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△日程第3┌自第87号議案 平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)
┤
└至第92号議案 専決処分の承認について
(平成30年度広島市
下水道事業会計補正予算(第1号))
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○永田雅紀 議長 次は,日程第3,第87号議案から第92号議案を一括議題といたします。
当局の説明を求めます。
市長。
◎松井一實 市長 ただいま上程されました広島市
一般会計補正予算案など6件の議案の概要について説明いたします。
最初に,この度の平成30年7月豪雨災害に伴う補正予算についてです。
(1) 公共施設等の本格的な復旧を行うため,道路については矢野安浦線など178路線468か所,河川については榎山川など190河川815か所,農道や水路,農地,林道などの農林業施設728か所,公園施設14公園,下水道施設20地区48か所,水道施設11地区などについて,それぞれ所要の予算措置を講じます。
(2) 次に,被災した
民間社会福祉施設の復旧を支援するため,2施設の復旧工事に要する経費の一部を本市が補助します。
(3) 次に,
生活福祉資金貸付について,利子補給に係る予算を措置し,被災された方の早期の生活再建を支援します。
(4) 次に,被災した中小企業者等の資金繰りを支援するため,本市の
中小企業融資制度における
災害復旧資金等を利用する場合の信用保証協会への保証料について,本市がその全額を負担します。
(5) そのほか,避難所の運営や施設の応急復旧などに多額の予備費を充当しましたので,今後の不測の事態に備え,予備費を追加計上します。
以上の補正措置を行った結果,補正予算額は,172億794万4千円となり,補正後における全会計の総予算規模は,1兆2,420億4,504万5千円となります。
また,予算以外の議案としては,
専決処分承認案3件を提出しています。
これは,豪雨災害への応急的な対応として,直ちに予算措置が必要な災害見舞金の支給,
民有地堆積土砂等排除,公共施設の災害復旧などに要する経費106億7,750万9千円について,地方自治法第179条第1項の規定に基づき,補正予算の専決処分を7月22日に行ったことから,その承認を求めるものです。
以上が,ただいま上程されました議案の概要です。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○永田雅紀 議長 これより質疑に入ります。
発言通告者に順次発言を許します。
5番
木戸経康議員。
〔5番
木戸経康議員,発言席へ移動〕
◆5番(
木戸経康議員) 皆さん,こんにちは。自由民主党・市民クラブの木戸でございます。
まずは,このたびの平成30年7月の豪雨災害でお亡くなりになられた皆様,また,被災された方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
私の住んでおります地域も甚大な被害を受けて,残念ながら3名のとうとい命を奪われることになってしまいました。この2カ月近く,安佐北区の災害現場を見て回りましたが,一番の感動は,県内外から災害の翌日からボランティアの皆さんが,本当に暑い中,一生懸命になって作業をしていただいた。中には,熊本災害のときにお世話になったからと,寝ずに車を運転してこられた方もいらっしゃいました。地元の中学生,高校生,たくさんの皆さんにお手伝いをいただきました。また,区役所,消防署を初め,各行政機関におかれましては,広範囲に及ぶ災害であったにもかかわらず,いち早く人命救助や被害の情報収集,緊急処置に向けた,昼夜を問わず,また,土日も休まず,迅速かつ懸命な対応をしていただきました。その御苦労に対しまして,市民に成りかわりまして厚く御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
そこで,今回の災害に関係した質疑を数点させていただきたいと思います。
まず,道路,橋梁,河川の補正予算についてお尋ねをいたします。
このたびの7月豪雨災害では,記録的な大雨により,本市においても膨大な数の公共土木施設で甚大な被害が発生しております。本市の管理する道路,橋梁や河川を初め,国や広島県が管理する安佐北区の三篠川やその支流においても,浸水や護岸崩壊などの大きな被害が発生しております。こうした道路や橋梁が通行どめになったことにより,通勤や通学などの日常生活に支障があり,水道管や河川の護岸が被災して田畑への取水ができなくなるなど,市民生活に大きな影響が生じております。
今回の補正予算では,こうした被害を受けた施設のうち,道路,橋梁施設の復旧費として61億7000万円,河川施設の復旧費として57億3500万円が計上されておりますが,この予算額は,どのような考え方で計上されているのかをお聞かせください。
また,専決処分による補正予算についても,どのような考え方で計上されているのかをあわせてお聞かせください。
被災箇所の復旧に当たっては,市民の安全・安心な暮らしを確保するとともに,今後も想定される大雨などによる災害の再発を防止するためにも,早期になされるべきことであると考えます。しかしながら,多くの復旧箇所について,調査,設計などを行った上で,工事を発注し,そして,一定の施工期間が必要となるため,全体の復旧工事が完了するまでには相当の期間を要することが,今回の工事でわかっております。
そこで,お尋ねをしますが,こうした道路,橋梁及び河川の復旧工事について,優先順位はどのように考えて進めていこうとされているのか,お答えください。
次に,災害復旧工事の積算についてお尋ねをいたします。
災害発生後,広島市では,土砂撤去などの応急復旧工事に速やかに取り組まれ,現在も被災地各所で懸命な作業を続けられております。緊急を要する応急復旧工事は,市から災害協力業者へ施工依頼がなされ,あらかじめ契約書を交わすことなく作業が開始されるため,迅速な対応ができます。そうした中,施工業者からは,災害現場の工事車両の進入も困難で,作業効率が悪く,市が積算する価格では赤字になるので,受けたくないといった声も聞こえております。実情を踏まえ,実際の作業に見合った工事費を支払わなければ,依頼されても断る業者が出てくると思いますが,土砂撤去などの応急復旧工事については,工事価格をどのように積算されているのかをお答えください。
次に,平成26年8月20日の豪雨災害の経験を踏まえた今回の対応についてお尋ねをいたします。
4年前の豪雨災害では,多くの箇所で土石流や崖崩れなどの土砂災害が発生いたしました。特に安佐南区及び安佐北区においては,南北20キロメートル,東西3キロメートルの範囲に約32万平方メートルの膨大な土砂や流木,瓦れきが流出し,道路,河川,宅地,建物,車などを飲み込みました。32万平方メートルといいますと,32万トンでございます。10トントラック3万2000台分でございます。こうした災害から早期に復旧・復興を行うには,まずは,道路や河川,民有地などに多量に堆積した土砂や瓦れき等を撤去する必要がございます。そして,被災地から搬出される大量の災害廃棄物の処理や被災され,お住まいを失われた方などの支援も重要であると思います。
そこで,お尋ねをいたしますが,今回の災害において,4年前の平成26年8月20日の豪雨災害の経験を踏まえ,土砂や瓦れきの撤去,災害廃棄物の処理,被災者への支援についてどのように取り組んでいるのかをお答えください。
次に,農林業施設の被害への対応についてお尋ねをいたします。
今回の豪雨災害では,道路や橋梁,河川などの公共施設だけではなく,農地や農林道,水路,頭首工といった農林業施設にも甚大な被害が発生しております。私は,被災直後から安佐北区内の状況を見て回りましたが,その中で,土砂で覆われた農地や川沿いの護岸が壊された農地などを数多く見ており,農家の方から,ことしの収穫は諦めたとの話も聞いております。幸い農地の被害を免れた方であっても,頭首工や農業用水路が被災し,農地に農業用水が引けなくなった方が多くおられ,災害が発生した時期が稲作ではちょうど稲穂が出る前の一番水が必要なころであったこともあり,農家の方からは,農業用水をどうにか早く引けるようにしてもらいたいとの声が多かったように感じていますし,実際に自分たちで水路を塞いでいる土砂の撤去をされておられる姿もあちこちで見ております。農業用水の早急な復旧については,私も区役所へ要望し,三篠川の頭首工の被災箇所に大型土のうと仮設ポンプを設置してもらいました。区役所には,農家の方から数多くの要望が寄せられ,区役所で日夜応急復旧を行ってもらい,どうにか稲を枯らさずに済んだと安堵された農家の方も多くいらっしゃったと聞いております。
これから被災した農林業施設の本格的な復旧に取りかかるよう,現在準備を進められていると思いますが,今回のような数多くの被害の復旧工事をどのように進めていかれるのかをお答えください。
次に,避難に対する住民への意識づけについてお尋ねをいたします。
避難勧告などの避難情報の発令基準は,4年前の豪雨災害の教訓を踏まえ,見直し,精度の高いものになっていると思います。今回の災害でも,発令基準に従い,適切な時期に避難情報を発令されたと思いますが,残念ながら,避難勧告,避難指示を発令している地域においても人命が失われたことも事実でございます。今回の豪雨災害で広島市が避難指示等を発令しても,避難所に避難されなかった方が多いと聞いておりますが,市として,この事実をどう受けとめ,今後どうしていくつもりであるか,お答えください。
以上でございます。(拍手)
○永田雅紀 議長 市長。
◎松井一實 市長 木戸議員からの御質問にお答えいたします。
第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)のうち,平成26年8月20日の豪雨災害を踏まえた今回の対応についての御質問がございました。
このたびの豪雨災害は,被害が市域の広範囲にわたる大規模なものとなりましたが,本市としては,4年前の8.20の豪雨災害時におけるノウハウを生かして,迅速な災害復旧と被災者に寄り添った支援を行うという決意のもとに取り組みを進めてきました。
民有地内の土砂や瓦れきについては,前回の豪雨災害の際には,行政側で撤去をすることを決断するまで日数を要しましたけれども,今回は発災の翌日の7月7日に本市で撤去することを決定するとともに,下水道局に土砂撤去班を設置し,7月13日には具体的な対応に着手することができました。
また,その処理については,前回の豪雨災害の際には,土砂と家屋損壊等による瓦れきを分別することなく仮置き場に搬入したために,最終処分までの過程で中間処理施設を設置する必要が生じ,そのために多大な時間と費用がかかりました。
このような経験を踏まえ,今回は,被災地から災害廃棄物を搬出する段階で,土砂と土砂まじり瓦れき等を分別し,さらに,仮置き場においても再度分別作業を行うなど,中間処理が必要となる土砂まじり瓦れきを大幅に減少させるとともに,国土交通省及び環境省に対し,補助事業の一体的な活用を要請することにより,一連の処理の迅速化と関係費用の抑制が図れるようになりました。
次に,被災者支援といたしましては,まず,住宅に被害を受けた方に対して,できるだけ早く仮住宅を提供し,日常生活を取り戻していただくことが何よりも重要であるとの認識のもとで,より多くの選択肢の中から住宅を選んでいただけるよう,多様な形での入居を可能にするという方針で臨みました。具体的には,市営住宅や県営住宅等の公的賃貸住宅及び民間の賃貸住宅を順次提供していくという方針を,7月11日の広報で市民に広く周知いたしました。7月12日には,市営住宅,県営住宅の募集を開始し,7月20日から
民間賃貸住宅及び
国家公務員宿舎等の住宅の募集を開始いたしました。あわせて,仮住宅に入居される方は,日常生活に近い形で入居できるよう,前回の経験を踏まえて,国の基準を超えて,必要となる家電製品を支給しています。また,なるべく被災者の方に負担がかからないように,避難所や区役所等で仮住宅の申し込みができるよう体制を整えるとともに,区役所に
被災者支援総合窓口を設置,避難所においても専任の相談職員を配置し,きめ細かく被災者からの相談,申請等に応じるようにも配慮いたしました。さらに,
被災者支援総合窓口では,仮住宅の申し込みに加えて罹災証明の発行,見舞金等の支給,税金の減免など,各種支援策の申請手続などができるようにいたしました。
被災者の健康支援については,被災者は避難所でのふだんの生活と違った生活をいたします,ストレスの高い生活を強いられることから,特に健康面での配慮が重要と考え,保健師などを配置して,健康相談を行いながら,関係機関の支援等に直結できるような支援方法と,その後のフォローを確実にする体制を整えました。
今後も,被災した地域の改良復旧という視点で,地域の意見も伺いながら,確実に復興につなげていくこと,被災者に対しては,引き続きニーズに応じた支援を着実にやっていくという方針で,職員一丸となって取り組んでまいります。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長 危機管理担当局長。
◎行廣真明 危機管理担当局長 避難に対する住民の意識づけについての御質問にお答えします。
このたびの豪雨災害におきましては,広島市地域防災計画にのっとり,避難準備・
高齢者等避難開始の発令に合わせて避難所を開設するとともに,その後,避難勧告,避難指示を順次発令しましたが,残念ながら23人もの人命が失われる大きな災害となりました。
本市では,これまで地域における防災マップづくりや防災講演会等を通じて,避難勧告などの避難情報を受け取った際の避難のあり方について,市民への周知を図ってきたところですが,避難勧告を発令した地域において犠牲者が出たという事実を踏まえるならば,地域の防災への取り組み状況と避難情報の市民への伝達度合いの関連も視野に入れつつ,いかにすれば避難情報を受け取った市民が確実に避難を行うようになるかという視点での問題対応が重要になると考えております。
そのため,学識経験者,関係行政機関及び被災地の住民から成る「平成30年7月豪雨災害における
避難対策等検証会議」を設置し,このたびの豪雨災害での避難情報の伝達方法や避難行動を促す取り組みなどについて,検証・検討していただくこととしております。
この会議では,地域住民へのアンケート調査を通じ,避難情報が住民へ確実に伝わっていたか,避難行動を起こした住民と起こさなかった住民の避難行動が分かれた原因などについて検証し,市民に自主的かつ主体的に避難を行っていただくような方策等を検討していただき,その結果を今後の施策に反映していきたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 経済観光局長。
◎日高洋 経済観光局長 今回のような数多くの農林業施設の被害の復旧工事をどのように進めていくのかという御質問がございました。
農林道,水路,頭首工など,被災した農林業施設については,発災直後から被災した施設周辺の土のう設置等の安全対策を初め,仮設ポンプによる農業用水の確保など,応急復旧に取り組んでいるところでございます。
今回の災害については,3年間を基本的な復旧期間と位置づけており,農林業施設の本復旧については,9月下旬から年内にかけて,農林水産省と財務省の災害査定を受け,施設の重要度を勘案して,利用頻度の高い農林道や基幹的な水利施設などから順次工事に着手し,できるだけ早期に農地も含めて復旧を完了したいというふうに考えております。また,河川護岸と農地が一体的に被災した箇所で,護岸復旧後に,農地の復旧を行うものなど,現場の状況によっては,本復旧が来年度以降となるものがありますが,いずれにしましても,早期の復旧に努めてまいります。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 都市整備局長。
◎山地正宏 都市整備局長 第87号議案の関連で,災害復旧工事の積算について,土砂撤去などの応急復旧工事については,工事価格をどのように積算しているのかという御質問にお答えいたします。
被災地での土砂撤去などの応急復旧工事は,工事用車両の進入が困難なことに加え,捜索活動やボランティア活動などが行われている中での作業となるため,その作業効率が著しく悪くなります。このため,工事価格の積算については,通常の工事で使用する土木工事標準積算基準では作業実態に合った積算ができないことから,工事現場の作業実態に合うよう,実際に要した作業時間において,実際に従事した作業員の労務費や実際に使用した機械の経費などを積み上げ,実績に基づく積算を行うこととしております。このことについては,本年7月10日付で関係部署へ通知し,周知を図っているところでございます。
今後,関係部署へ重ねて周知徹底を図るなど,適正な積算ができるよう努めてまいります。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 下水道局長。
◎早志敏治 下水道局長 第87号議案のうち,道路,橋梁,河川の補正予算計上の考え方について御質問がございました。
今回の補正予算につきましては,一刻も早く復旧が行えるよう,現時点で把握している全ての被災箇所について,本復旧を行うために必要な費用を計上しております。加えて,国に対しては,単純な復旧にとどまらず,改良の効果が上がる復旧が認められるよう要望しているところであり,こうしたことを前提に,効果的に予算を執行していきたいと考えております。また,7月22日に専決処分をした補正予算につきましては,道路啓開や河川内に堆積した土砂の撤去,二次災害を防止するための土のう設置など,応急対策を初めとした被災後,迅速に対応しなければならない費用を計上しております。
次に,道路,橋梁,河川の復旧工事の優先順位について御質問がございました。
道路,河川の復旧工事につきましては,都市圏全体の経済活動等に大きな影響のあるバス路線などの幹線道路や,家屋が隣接するなど二次災害が想定される河川護岸などの工事を,まずは優先的に実施するよう考えております。また,橋梁につきましては,落橋などの被災に伴い,地域住民の方が大きな迂回を強いられている箇所について,河川管理者との協議や設計を早急に行い,優先的に本復旧を実施するよう考えております。
こうした公共土木施設の本復旧に当たっては,9月上旬から国交省,財務省による災害査定を開始し,順次復旧工事に着手してまいります。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 5番木戸議員。
◆5番(
木戸経康議員) ありがとうございました。御丁寧に。
最後に一言お願いでございますが,本市域で発生した河川の被害箇所については,河川管理者が国,県,市とそれぞれ分かれております。また,道路に隣接する河川の護岸が被災した場合に,その復旧を道路管理者が行うものがあるなど,住民の方々には復旧要望を誰にすればよいのか戸惑っておられる場合がございます。ついては,国,県,市がしっかりと連携して,被災施設の復旧を行い,住民の方にとってよりよい安全な復旧となるよう,市から国や県にしっかりと要望し,対応していただくことを要望しておきます。
今回のこの災害が,本市にとりまして経験を生かしたより安全で住みよいまちづくりの一歩になりますように祈念をいたしまして,私の質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○永田雅紀 議長 次に,14番西田浩議員。
〔14番西田浩議員,発言席へ移動〕
◆14番(西田浩議員) 皆さん,こんにちは。公明党の西田です。会派を代表して,質疑を行います。
第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)についてお伺いします。
最初に,このたびの豪雨災害でお亡くなりになられた方々に対し,心から御冥福をお祈りいたします。また,被災された方々に心からお見舞いを申し上げますとともに,我々も市当局と協力しながら,一日も早い復旧,復興に取り組んでいきたいと思います。
それでは,質問に入ります。
まず,最初に,急傾斜地対策についてです。
急傾斜地対策については,高さが5メートル以上,保全家屋5戸以上など,一定の条件をクリアしないと保全対象にならない急傾斜地がたくさんあります。しかし,保全対象以外の急傾斜地でも,土砂崩れなどの危険が予想される場所は多々あります。そのため,災害が発生する前に対策をしてほしいという御要望を我が会派の議員もあちこちでお聞きしました。保全対象の急傾斜地でもなかなか工事ができていない状況であることは承知していますが,このような場所も含めて,今後の急傾斜地の保全をどのように実施しようとしているのか,教えてください。
次に,学校の復旧についてです。
小学校等は,避難所になったり,グラウンドが緊急の撤去土砂などの仮置き場になったりなど,災害発生時には,地域の拠点として重要な役割を担っています。一方,子供たちの通う学校なので,一日も早く再開できるように早期の復旧も必要です。そのため,校舎の復旧,グラウンドの土砂の撤去や通学路の復旧,避難所の対応など,学校の再開に向けて取り組まれています。学校側から見ると,学校の職員や教育委員会でできることは進捗が目に見えますが,現場組織に対応を委ねている部分については情報が入ってこないのが実態です。また,今回の矢野小学校への災害土砂の搬入は学校に伝わってなかったことをお聞きしています。このような状況下で不安は募るばかりで,地域の方からも臆測の情報が飛び交い,情報の混乱も招いています。このような情報混乱を解消して,安心して自分の役割を果たせるように,教育委員会と現場組織の連携は欠かせないと思います。そのため,現場組織の対策会議等に必要に応じて教育委員会も加わるなど,連携を強化すべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。
次に,河川改修についてです。
最初に,河川の形状についてです。
基本的には,国,県の支援が必要な問題であると思いますが,三篠川や矢野川のように,河川の形状がボトルネックになっているような形状では,これからも氾濫が繰り返し発生します。そのためには,根本的な河川改修が必要であると考えますが,いかがでしょうか。
次に,県管理の河川と市管理の道路の兼用護岸についてです。
県河川の増水により,多くの市管理の護岸道路が崩壊していますが,このような護岸の復旧に当たっての県と市の役割分担はどのようになっているのか,教えてください。いずれにしても,県と市が連携して,早期の復旧を目指していただきたいと思います。
今回の補正予算には,3年越しの計画にかかわる予算も計上されていますが,これは原状復旧だけの予算なのか,改良復旧の予算も含んでいるのか,教えてください。過去の災害で原状復旧された箇所が再度崩壊した箇所もあり,改良復旧が必要な箇所がたくさんあると思います。
最後に,矢口川排水機場のポンプの故障についてです。
JR安芸矢口駅周辺が冠水したことは,テレビ報道などで詳しく報じられましたので,詳細は省きますが,被災地域の方々は,新しいポンプが設置されたことで,災害は起こらないと安心されておられました。ところが,今回新設のポンプの一部が故障していたということが報道されました。故障した原因究明や故障した場合の移動ポンプ車の設置や的確な避難指示などについて,検証すべきだと思います。当局の見解をお伺いします。
そのほか,被災者の対応についてですが,できないと簡単に断って,途方に暮れた被災者が議員に相談され,こちらで調べたら,実はできることであったとか,隣接町では災害対応が遅いなど,対応が後手に回っていることも耳に入っています。このように,被災者に対しては,丁寧に対応していただきたいことや,市域外の地域にもさまざまな支援ができるよう,200万人広島広域都市圏の一員として市も取り組んでほしいことを要望して,質問を終わります。
○永田雅紀 議長 市長。
◎松井一實 市長 西田議員からの御質問にお答えします。
第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)のうち,改良復旧についての御質問がございました。
今回の豪雨災害では,河川護岸や道路の崩壊,橋梁の崩落及び学校を初めとする公共施設の損壊等が多数発生しており,市民生活に大きな影響が生じました。こうした公共施設の災害復旧に当たっては,原形復旧が原則とされていますが,今回の豪雨災害では,過去の災害に伴い,一定の施設の復旧が行われた箇所においても被害が発生していること,また,4年前の豪雨災害の後,集中的に復旧・復興事業が進められた地域では被害がほとんど発生しなかったことなどを踏まえると,単に機能回復を行うのみでは,再度の災害によりさらなる被害が発生する蓋然性が高いと考えています。さらに,昨今の異常気象の増加を背景として,国土強靱化を強力に進める必要性を踏まえるならば,災害復旧工事については,河川の法線の改良,橋梁の拡幅,桁下高さの確保など,改良復旧の考え方に立った計画で取り組むことが肝要であると考えており,この7月には柔軟な制度運用や所要の予算確保を国に要望したところです。
今回の補正予算においては,冒頭申し上げたとおり,3カ年を基本的な復旧期間と位置づけて,全ての被災箇所に係る予算を計上しているところです。また,復旧を進めるに当たっては,単純な復旧にとどまることがないよう,効果的に予算を執行すると同時に,よりよい復興を目指した計画案を地域の方々に提示いたします。それとともに愛着を持って住み続けられるような安全・安心なまちづくりに向けての地元の方々からの提案を考慮した取り組みを行っていきたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長 危機管理担当局長。
◎行廣真明 危機管理担当局長 安芸区におきまして,学校関係者との連絡体制が不十分であった,教育委員会からの要請を受けて現場組織が動ける体制づくりが必要だと思うがどうかという御質問にお答えいたします。
議員御指摘の安芸区の矢野小学校での対応に関しましては,矢野地区では,大量の土砂が流出し,主要道路や学校の校庭及び周辺の通学路も土砂で埋め尽くされる状況になっていた中で,行方不明者の人命救助活動を優先するため,緊急対応としまして,幹線道路に堆積していた土砂を矢野小学校の校庭に搬入いたしました。この一連の対応は,発災直後に自衛隊が本市災害対策本部と連絡をとった上で行ったものですが,当時立ち上げたばかりの本部におきましては,参画していた教育関係者への情報伝達が行き届いていない中で処理されたものです。緊急事態対応で,対応する組織の中で関係者が十分情報を共有し,また,下部の現場組織に伝えるというのが理想であり,議員の御指摘はごもっともでございますが,あるべき組織論と,実際に対応を急がなければならないという内容を考えたときに,きちんとした組織対応ということと,関係者への周知ということに関しまして,理想を目指しながら,今後とも努めてまいりますが,こうした事態での最優先課題にも十分応えることに心がけながら,御指摘いただきました組織的対応,体制づくりというものにも十分留意して今後は取り組んでまいります。
以上です。
○永田雅紀 議長 道路交通局長。
◎谷山勝彦 道路交通局長 第87号議案について,河川改修についての御質問のうち,県管理河川と市管理の道路の兼用護岸における復旧に当たっての役割分担についての御質問がございました。
議員御質問のとおり,このたびの豪雨での河川の増水によりまして,県管理の河川と市管理の道路の兼用護岸が多くの箇所で崩壊し,被害を受けております。こうした兼用護岸の災害復旧に当たっては,国の取り扱いにより,河川と道路,いずれか効用の大きいほうの管理者が行うこととなっておりますが,通常,周辺の民有地が護岸の高さより低い築堤構造の堤防につきましては,その重要性から河川管理者が,また,民有地の高さが護岸と同じか,または護岸より高い掘込構造のものは道路管理者がそれぞれ対応しております。今回被害を受けた道路兼用護岸は,全て後者の掘込構造の護岸でございまして,自動車交通や歩行者の安全確保を早急に行う必要があるという観点から,道路管理者である本市が復旧工事を行うこととしております。なお,このたびの道路兼用護岸の被災箇所につきましては,9月上旬から災害査定を受けた後,順次,復旧工事に着手してまいります。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 下水道局長。
◎早志敏治 下水道局長 第87号議案のうち,急傾斜地崩壊対策事業の実施についての御質問がございました。
本市では,急傾斜地の崩壊により,相当数の住民に危害が生じるおそれがある一定規模として,実施要領により,高さ5メートル以上,保全家屋数5戸以上の箇所を対象に,県から2分の1の補助金を得て事業を実施することにしております。そして,現在,この事業の対象となり,要望書を受けている箇所は,市内に40カ所ございますが,県からの補助金が市の要望額を下回っているために,事業の十分な進捗が図られていない状況にございます。このたびの7月豪雨で多くの崖崩れが発生していることや,今後も多発することが予想される豪雨に対応するためには,まずは,県からの補助金が本市の要望に沿ったものになるようにするとともに,あわせて,危険度の高い箇所における急傾斜地崩壊対策事業の対象要件の緩和についても検討してまいりたいと考えております。
次に,抜本的な河川改修の必要性についての御質問がございました。
このたびの豪雨により,被害が甚大であった三篠川や矢野川等の県管理河川の復旧方針について,広島県に確認したところ,県内の多数の河川において浸水被害や護岸崩壊等の被災が数多く発生しており,こうした被災の要因を分析し,対策を検討するため,学識経験者等で構成する「平成30年7月豪雨を踏まえた今後の水害・土砂災害対策のあり方検討会」を設置し,この検討会における議論を踏まえつつ,再度災害防止の観点から,当面の対策や中長期的な対策を検討しているところであるとの回答を県から得ております。また,本年7月31日には,本市から広島県に対して,昨今の異常降雨の増加に対応し,安全で安心な市民生活の確保や安定した経済活動の発展のため,原形復旧だけではなく,改良復旧を行うなどの抜本的な対策を講じていただくよう強く要望するとともに,国に対してもその支援を要望したところでございます。本市としては,県管理河川の改修が市民の安心・安全につながる抜本的な対策となるよう,今後とも広島県や国としっかり連携して対応してまいります。
最後に,矢口川排水機場のポンプの故障原因の検証についての御質問がございました。
矢口川排水機場については,矢口川のたび重なる氾濫による周辺地域の浸水被害に対応するため,本年3月,国においてポンプの排水能力の増強を行いました。具体的には,毎秒4トンの排水能力を持つポンプを2台増設し,既設と合わせて毎秒12トンに強化したものでございます。国からの報告によれば,このたびの豪雨に対応するため,7月5日の18時50分からポンプの運転を行っていたところ,今回増設したポンプ2台のうち1台が保護装置の作動により一時的な停止を繰り返したことにより,排水能力が低下したということです。排水ポンプの一時的な停止の原因等については,現在国において調査中でございますが,本市としては,早期の原因究明を国に対し要請しており,周辺地域に浸水被害が発生しないよう,国としっかり連携して対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 14番西田議員。
◆14番(西田浩議員) どうもありがとうございます。
再質問はないんですけど,まず,矢野小学校の対応については,多分情報がかなり混乱して,私もいろんな間違った情報をお聞きして,間違ったことを区のほうにお伝えした経緯もあります。あると思うんですけども,現場にいろいろ正確な情報が伝わってなくて,ちょっと不安をすごく校長先生とか感じられていましたので,そういう,先ほどありましたように,きちんと伝えればいいんでしょうけど,非常事態ですから,なかなか伝わらないというのも理解できますので,そういう協議の場に教育委員会の皆さんもいらっしゃれば,そこで即わかるということで,毎回とは言いませんけども,そういう形で,教育現場の方もそういう対策本部の中の会議に参加していただければ,より情報共有ができて,安心して復旧に取り組めるんじゃないかなというふうに感じました。
それと,先ほど御答弁いただきました急傾斜地,あるいは河川改良,あるいは改良復旧については,市だけでは到底できない問題でありますので,うちの党の基本的なスタンスとして,もう県,国と連携しながらしっかりと要望していきたいと思っております。
先日,実は公明党の中国方面の議員研修会というのが岡山であったんですけども,石田政調会長に来ていただきまして,各県から代表して,いろいろ要望じゃないですけど,現況の報告をするという会を持っていただいたんですけども,この河川の話とか,しっかりお伝えしたところ,他県の話はほとんど聞いてくださらずに,我が県の話を本当にこれは大事な話だというふうに受け取ってくださって,いろんな発言もしていただきましたので,そういう意味ではしっかり伝わっているんじゃないかなと思います。これからも党を挙げて国のほうにも要望し,また,県のほうにも要望して,よりよい結果が出るように頑張っていきたいと思いますので,お互いに復旧に向けて頑張っていきたいと思います。
どうもきょうはありがとうございました。(拍手)
○永田雅紀 議長 次に,20番桑田恭子議員。
〔20番桑田恭子議員,発言席へ移動〕
◆20番(桑田恭子議員) お疲れさまです。市政改革ネットワークの桑田恭子です。
質問に先立ち,このたびの豪雨災害において犠牲となられました方々や現在も避難生活を余儀なくされている方々に対し,御冥福とお見舞いを申し上げます。
では,質疑に入ります。第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算,第90号議案,専決処分の承認について質疑を行います。
4年前の8月20日の豪雨災害に続き,7月初め,再び広島市域で豪雨災害が起き,死者,行方不明者,家屋の崩壊など,甚大な被害となっています。広島市は,4年前の豪雨災害の経験から,危機管理室を市長直轄の組織として新たに設置し,体制を整備してまいりました。4年前の災害が今回の災害対策にどのように生かされてきたのか,また,災害発生から2カ月近く経過をした現在の課題は何かお答えください。
次に,災害援護貸付金について質問いたします。
7月23日,専決処分された96億4050万9000円のうち,2億1500万円の災害援護貸付金については,貸付限度額350万円に対し,利率は3%,償還期間は10年となっています。利率3%については,広島市が実質無利子となるよう利子補給をするものですが,なぜ国は被災者から3%もの利息を取るのか,昭和48年に制定された制度の趣旨はどのようなものかお答えください。
45年間変わらなかったこの利率が,法律の改正により来年度4月1日から3%以内で,自治体で決められるようになりました。広島市はどのように対応されるのか,お答えください。
被災後1カ月の時点で,共同通信がアンケート実施をしています。生活再建の見通しが立っていないとの回答が65%,今後最も必要な支援については,経済面での公的支援の充実を挙げた方が46%としています。生活再建には,経済的支援が不可欠です。行政としては,被災者個々の事情を踏まえた丁寧な対応が必要と思いますが,どのように行っていますか,お答えください。
次に,災害に伴う市債発行,基金について質問いたします。
今回,災害復旧に係る費用は,専決処分で約106億円,このたびの補正予算で172億円の予算を組んでいます。市債発行も100億円を超えています。市債の償還について,国からの交付税措置はあるのか,広島市の負担はどうなるのか,お答えください。
災害に関する財政調整基金の取り崩しはどの程度か,取り崩し後の基金残高の見込みは幾らになるのか,お答えください。
今年度の当初予算を組んだ時点の基金残高は約26億円。財政運営方針の目標額69億円を大きく下回っていましたが,当局には,災害時には国からの支援が充実していると,危機感は特にありませんでした。4年前,今回と,災害が続く中,基金のあり方についての考え方を改めて質問いたします。
次に,民有地の土砂撤去について質問いたします。
専決処分された民有地の土砂撤去は,費用は約53億6000万円です。民有地の土砂撤去については,平成11年の6.29豪雨災害において,個人では土砂撤去に時間を要し,生活再建ができないとの声から,まず,民有地の土砂を道路まで出せば撤去することとなりました。4年前の8.20の災害では,民有地の土砂撤去は,当初から広島市が行っており,今回においても,いち早く民有地の土砂撤去を広島市が行ったことが報道され,よい対応であると,他の市町においても影響を与えればよいと思っています。広島市が調査した宅地約1,000カ所のうち,約300カ所が撤去完了との説明を受けました。しかし,家屋の中の土砂については,市が撤去できません。ボランティアの方々や所有者での撤去となりますが,高齢者のひとり暮らしの方などは,自力での撤去はできません。支援の情報すらとることもできません。ボランティアの対応だけで,応援だけで撤去ができるのか疑問です。広島市としてはどのように対応されますか,お答えください。
また,空き家の土砂撤去についてはどのように対応されるのか,お答えください。
次に,個人で土砂を撤去した場合の償還払いについて聞きます。民有地の土砂撤去については,環境省が既に自力で撤去された方々の費用についても,事後精算に応じる方針を7月20日,通知をしています。広島市も環境省の方針を受け,個人で土砂撤去された費用については補助することを決めていますが,どこまで補助するのか,詳細は決まっていません。環境省のこの制度は,東日本の震災時に制定されています。4年前の豪雨災害では,環境省が指定を見送ったため,広島市はこの制度が使えていないと聞いています。今回が初めての適用です。通知から1カ月が過ぎています。急ぐ必要があります。まず,おくれている理由は何か,お答えください。
どのような方針で制度をつくり,いつから運用となるのか,お答えください。
広島市のホームページでは,7月下旬から費用補助の相談を受けると広報をしています。しかし,あたかも領収書と写真さえあれば,補助が全額受けられるともとれる内容です。わずかに,償還額は適正な価格で算出した金額となると,全額補助ではない旨が小さく掲載されているだけです。実際,被災された方々が書類を持ってこられての対応はどのようになるのか,お答えください。
以上で質疑を終わります。
○永田雅紀 議長 市長。
◎松井一實 市長 桑田議員からの質問にお答えします。
第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)のうち,4年前の災害後に危機管理室を設置したが,今回の災害対応にどのように生かされたのか,また,被災から2カ月近く経過した現在の課題についての御質問がございました。
4年前の8月20日豪雨災害後に,市全体の組織を挙げた危機管理体制の構築を図り,危機管理に係る全庁的な指導・調整機能を強化するため,消防局にあった危機管理部門を市長事務部局に移管し,危機管理室を新設いたしました。
今回の豪雨災害では,危機管理室が7月5日に立ち上げた災害対策本部の事務局として全庁が一丸となった災害対応への取り組みの取りまとめ役を行っております。具体的には,本部を立ち上げた後,直ちに避難情報の発令状況,指定緊急避難場所の開設及び避難状況等を,災害発生後においては,被害の状況や避難者の状況等の情報や各局での取り組みを全庁で共有するとともに,被災者の支援や応急対応の実施等についての意思決定を行っております。
被災から2カ月近く経過した現在の課題についてでありますが,まずは,避難生活を余儀なくされている被災者の支援をしっかり行う必要があります。そして,市営住宅,県営住宅,
国家公務員宿舎及び
民間賃貸住宅や御自身で住宅を探し入居され,本市が無償提供する仮住宅での生活再建を図っている方々に対する物心両面にわたる的確な支援に取り組んでまいります。
また,極めて多数の被害が発生した道路,橋梁,河川,下水道,公園,
農林水産業施設等公共施設の復旧を早急かつ確実に進めていく必要があります。そのために3年間を基本的な復旧期間と位置づけ,改良復旧に主眼を置いた本格的な復旧に取り組んでまいります。
さらに,今回避難勧告等の避難情報を発令したにもかかわらず,人命が失われたことから,避難情報を受けた多くの市民が確実に,自主的かつ主体的に避難を行うようにするための方策等を検討する必要があると考えています。今後立ち上げる検証会議において,避難情報が洪水あるいは土砂災害のいずれに係るものなのか,地域の住民にきちんと伝わっていたかどうか,また,避難された方と避難されなかった方で避難行動が分かれた原因,特に自主防災組織の活動状況など,
地域コミュニティーの防災への取り組みとの関係などを検証,議論してまいります。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長 財政局長。
◎手島信行 財政局長 市債発行,基金について,2点の御質問にお答えいたします。
まず,今回の災害により発行する市債の償還について,地方交付税措置や広島市の負担はどうかについてでございます。
今回の災害対応に係る一般会計の市債発行額は,現時点で約106億円ですが,その大部分は災害復旧事業債で,約104億円の発行を予定しております。この災害復旧事業債は,1カ所当たりの工事費の規模などにより,補助災害復旧事業債と一般単独災害復旧事業債に区分され,その元利償還金について,補助災害復旧事業債は95%が,一般単独災害復旧事業債は47.5%が地方交付税で措置されます。その結果として,約104億円の災害復旧事業債のうち,約84億円が地方交付税で措置されることになり,発行額との差額,約20億円が本市の負担ということになります。
次に,今回の災害対応で財政調整基金をどの程度取り崩し,その結果,残高は幾らになる見込みか,また,災害が続く中,基金のあり方についてどのように考えているのかについてでございます。
このたびの豪雨災害の対応として,専決処分と今回の補正で,財政調整基金を約7億円取り崩すこととしており,それを反映した年度末残高見込みは,約19億円となっています。今後,災害関連やその他の財政需要に対応するため,一定の財政調整基金の残高を確保することは重要であると考えております。そのため,災害で必要となった経費については,まずは,国に対して十分な財政措置を求めていくとともに,引き続き決算剰余金を活用した財源確保などに取り組むことで,基金の残高を確保していきたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 健康福祉局長。
◎古川智之 健康福祉局長 第90号議案についてのうち,災害援護資金貸し付けについての御質問にお答えをいたします。
まず,利率3%の根拠,それから,制度の趣旨,それから,法改正に伴う広島市の対応についてでございます。
災害援護資金貸付制度は,自然災害により住居や家財に被害を受けた場合及び世帯主が負傷した場合に,その世帯の立て直しを目的として設けられたものであり,貸付利率は,災害弔慰金の支給等に関する法律で,据置期間中は無利子とし,据置期間経過後は,その利率を,延滞の場合を除き,年3%とすると規定されております。この貸付利息は,事務費として市町村の収入となるものでございます。その利率については,国に問い合わせたところ,昭和48年に本制度を制定した際,他の公的貸付制度の貸付利率のうち,最も低い利率3%に合わせて設定をしたとのことでございました。
本市におきましては,被災者の負担軽減を図るため,実質的に無利子となるよう,償還利息相当額の利子補給を行っているところでございますが,今般,災害弔慰金の支給等に関する法律の一部改正により,平成31年4月1日から据置期間経過後の貸付利率は,延滞の場合を除き,年3%以内で条例で定める率とされましたことから,現在実質的に無利子としていることを踏まえまして,対応を検討してまいりたいと考えております。
次に,被災者個々の事情を踏まえた丁寧な対応についての御質問がございました。
本市では,
被災者生活再建支援金や災害見舞金などの支給に関する申請手続や各種減免措置のための申請手続,生活再建に関する各種相談を,ワンストップで済ませることができるよう,区役所に
被災者支援総合窓口を設置するとともに,避難所においても専任の職員を配置しており,被災者一人一人の状況を丁寧にお聞きし,支援策の説明や申請手続を行うなど,きめ細かく被災者からの相談,申請等に応じているところでございます。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 下水道局長。
◎早志敏治 下水道局長 第90号議案のうち,民有地の土砂等の撤去についての御質問に順次お答えいたします。
まず,高齢者のひとり暮らしの方に対する家屋内の土砂等の撤去についてです。
本市において行う民有地内の土砂撤去については,大量の土砂等が広範囲にわたって民有地にも流出した場合には,従来からの考え方に固執することなく,被災された住民の皆様に一日でも早く被災前の日常生活に戻っていただけるようにする必要があると考え,所有者の要望を受けて行うようにしているものでございます。したがって,本市による大量に堆積した土砂等の民有地からの撤去の範囲は,所有者がボランティアの助けを受けながらでもみずからの力で撤去を行い,それを超える部分を対象として,ショベルカーなど建設機械を投入して行っているところでございます。
議員御質問の高齢者のひとり暮らしの方などに対しては,市による土砂撤去は,こうした考え方に基づいて行うものであることを十分に理解していただくことが重要であり,発災後の対応においては,本市職員が撤去作業の現地確認に赴いた際に,積極的にお声がけをするとともに,ボランティアセンターと連携をとって,その周知を図るようにしているところですが,今後は,平常時から機会を捉えて,十分な周知が図られるよう工夫してまいりたいと考えております。
次に,空き家の土砂等の撤去について,どのような対応をしているかについてです。
これまでのところ,本市では,空き家の土砂等の撤去については,問題は生じておりません。しかしながら,空き家対策については,それを放置しておくことでさまざまな問題が生じるおそれがある場合に,地元の要請等も踏まえ,空き家の所有者を確認し,十分な話し合いを行った上で,所要の対策を講じることとしているところであり,土砂等の撤去についても,このような考え方に沿って対応をすることになると考えております。
次に,個人で土砂を撤去した場合の償還払いについて,運用がおくれている理由は何かについてです。
このたびの環境省における費用償還の補助制度については,本年7月20日の事務連絡において初めて明らかになったものです。また,その内容は,これまでは被災した家屋の解体撤去のみが補助対象となっていたものが,このたびは土石流等で宅地に流入した土砂等の撤去についても,新たに補助対象となっております。そのため,環境省から償還すべき適正な額や撤去数量の具体的な確認方法等が明らかにされない限り,具体的な作業が進められない状況にございます。本市としては,現在こうした状況を打開すべく,環境省や広島県と調整を急ぐなど,運用開始に向けた準備を進めているところです。
次に,どのような方針で制度をつくり,いつから運用するのかについてです。
本市としては,環境省から事務連絡のあった補助制度を活用するという方針でございまして,環境省における具体的な運用基準等の策定を受けて,運用を開始することとしております。
最後に,被災された方が書類を持ってこられたときの対応についてです。
被災された方が書類を持ってこられた際の対応については,具体的な運用基準等が定まっていない中ではありますが,環境省からの事務連絡があったことは既に市民に周知されていることから,申請書,施工前後の写真,撤去費用の領収書及び土量等の内訳がわかる書類を提出していただくようにしております。なお,その後の諸手続につきましては,環境省による具体的な運用基準の策定を受けて決定することになります。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 20番桑田議員。
◆20番(桑田恭子議員) まず,要望を少しさせていただきたいと思います。
基金についてですけれども,一定の必要な基金を確保するという御答弁なんですけれども,その一定というところが多分そちらとこちらの認識が違うんだろうと思うんですけれども,もうこれ以上取り崩しようがないというような基金残高になっておりますので,やはり災害に備えての基金というものは必要だろうというふうに思いますので,きちんと確保していくと,目標を持って確保していくということが必要だろうと思いますので,確保していくという御答弁でしたけれども,さらにそこをしっかりとしていただきたいなというふうに思います。
それから,土砂撤去の償還払いですけれども,既にもう自分で撤去をされた方が80件以上はあったというふうに聞いております。この方々が対象になるんだろうと思いますし,これからもふえてくると思います。県から適正な単価が示されなかったというふうにも聞いておりますし,御答弁に,環境省における具体的な運用基準をとにかく定めてもらいたいということを繰り返しおっしゃられますけれども,なかなかここを待っていては進まないのかなというふうにも思います。ある程度広島市がそこを頑張って設定するなりなんなりして,広島市が提案をする形というものもあろうかと思いますので,そういったほうが早くなるのではないかなというふうに思いますので,ぜひそこを頑張っていただきたいなというふうに思います。
また,この対象が多分今回の災害に限ってということになるんだろうと思いますけれども,災害は,我々は災害の規模とかいうことでいろいろ判断はするんですけれども,被災された方は大きかろうが小さかろうが,被災をして,家が流された方はそうなわけですから,やっぱり災害災害によって差があってはいけないかなとも思いますので,ぜひこれが,実績があれば今後の災害にも生かされるかと思いますが,制度になればいいかなとも思いますので,その辺の要望をぜひしていただければなというふうに思います。
それと,ちょっとこちらは再質問を簡単にさせていただきたいんですけれども,危機管理ということで,検証会議を今後していくということで御答弁をいただきました。これについては,先日,新聞報道でもされていますし,市長も記者会見をされているので,こういったことをされるんだなというふうに,アンケート調査もされるというふうに先ほどの御答弁もありましたけれども,県知事も大きな規模の調査をするというふうに先日,記者会見で述べておられたと思うんですけれども,そことの関係,連携して調査をするのか,重なった調査になるのはちょっともったいないかなとも思いますので,向こうも大規模な調査を予算をつけてするというふうに記者会見されておられましたので,その辺の連携はどのようになっているのか,教えていただければと思います。
それと,災害援護貸付金についてですけれども,これ,今後は利率3%が無利子になっていくように検討されていかれるんだと思いますけれども,4年前の8.20のときでは,この制度を20人の方が利用されているというふうに聞いております。今回も使われる方があるんだろうというふうに思います。一人一人の状況に応じて,丁寧な対応をして,申請をする,生活支援をしていくというふうに御答弁をいただきましたので,そんなに心配をする必要はないのかもしれませんけれども,もうこの貸付金,3%の利息は今後実質無利子,今回も無利子ですし,無利子になっていきますけれども,償還期間は10年なんですよね,これが延滞をした場合は,多分延滞の利息は10.75%と,非常に高額なものになっていると思います。阪神大震災もまだこれを引きずっていて,なかなか生活再建ができずに,これが返せないという例がたくさんあるというふうにネットなんかでは出ているんですけれども,古い制度ですから,多分ここの延滞利息についてもそのままになっているんだと思います。今回ここについての改正はありませんので,今後やっぱりこれも,国が定めたものを広島市が条例制定しているだけだと思いますので,国に対して改善をしていくという要望が必要なんではないかなと思いますが,これについてのお考えをお聞かせください。
○永田雅紀 議長 危機管理担当局長。
◎行廣真明 危機管理担当局長 県と市の検証会議のすみ分けないし連携の御質問についてです。
まず,県で取り組まれるのは,やっぱり全県的な内容の対応だと思っております。もちろん広島市も含んでおりますけれども,全県的に適用できるような今後の対応,あり方というものを検討するというふうに伺っております。私どもは,その中でも広島市にもそれぞれの独自性,例えば
地域コミュニティーのあり方とか,広島市の独自性というものがあろうかと思いますので,そのあたりについては,広島市のほうの検証会議でしっかりと議論していきたいと思ってます。ただ,連携につきましては,私どもの検証会議の中に県の職員も入っていただきますので,十分事務的には連携をとって,内容が重複しないように,うまくすみ分けをやりながら対応していきたいと思っております。
以上です。
○永田雅紀 議長 健康福祉局長。
◎古川智之 健康福祉局長 延滞利息の見直しについて国に要望してはどうかということでございます。
延滞利息が発生ということは,当然延滞をされた方に対する対処ということでございますので,まずもって,延滞が発生しないようにきめ細かく実際の利用者の方に対応していくということがまず一義的に必要であるというふうに考えております。実際延滞された場合の利息ということにつきましては,やはりそういう延滞を一定程度抑止するというような意味もございますので,そういった効果も踏まえつつ,また,これまでの貸し付けの中で,どのような形で延滞について発生し,それに対する対応をやっているかというようなことも踏まえながら,この対応について,どうするかということについては検討してまいりたいというふうに考えております。
○永田雅紀 議長 20番桑田議員。
◆20番(桑田恭子議員) 生活再建の資金が生活再建にならないといった事例があるようなので,質問させていただきました。対応するということなので,さまざまな給付を使って,さらに足りない方がこの貸付制度を使われるんだと思いますので,その辺についてはしっかりと対応していただければと思います。
8.20のときの生活再建もまだ完了しているわけではありませんし,これから生活再建というのは非常に長い期間,支援を要すると思いますので,議会も一緒になって復興に進んでいければなというふうに思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
以上で質疑を終わります。
○永田雅紀 議長 次に,36番中原洋美議員。
〔36番中原洋美議員,発言席へ移動〕(拍手)
◆36番(中原洋美議員) お疲れさまです。日本共産党市会議員の中原洋美です。
日本共産党市会議員団を代表しまして,第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)並びに第90号議案,専決処分の承認について質疑を行います。
最初に,このたびの豪雨災害で亡くなられた方に心からのお悔やみを申し上げるとともに,被災をされた皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。また,発災以後,人命救助や復旧活動に昼夜を問わず奮闘された多くの皆様に心からの敬意を申し上げたいと思います。
さて,質疑に入ります。
このたびの補正では,災害復旧工事として,総額約154億円が補正予算として出されております。内訳を見ますと,農林業施設が728カ所,公園施設は14公園,道路橋梁施設が178路線468カ所,河川施設は190河川815カ所の補正であります。伺うんですが,これで全ての被害箇所が復旧できるんでしょうか。どのようにして被害箇所は把握されてきたのか,漏れている箇所はないのか,お尋ねをします。全ての復旧箇所が完了するのはいつごろの予定になるでしょうか。
このたびの補正の中に,道路橋梁施設の復旧箇所の一つとして,南4区289号線というのが上がっております。これは,南区の本浦から丹那地域へ向かうちょうど黄金山を越える,南区では重要な生活道路でありますけれども,ここの山が崩れました。この山は,聞きますと,民有林ということであります。地元が負担金を出さない限り,対策はできないというふうにも聞いておりますけれども,今回補正が上がっております。どのような工事をされようとしているのか,お聞かせいただきたいと思います。
さらに,似島の平和養老館の裏山も崩壊をいたしました。この施設は,特別養護老人ホームや通所介護事業所として,日中には80人ぐらいの高齢者が利用されるとお聞きをしております。避難行動には支援が必要な要配慮者が暮らす施設でありますから,最優先に安全対策が講じられてしかるべきだと思うわけですが,この施設の裏山の安全対策はどのようになっているのか,このたびの補正にあるのかどうか,いつごろされるのか,伺っておきます。
農林業施設災害復旧の分担金・負担金というものがありまして,1億5000万円の補正です。この中には,民有林の小規模崩壊に対する地元負担金があると聞いていますが,対象となる箇所数は幾つで,地元が負担するお金は幾らでしょうか。民有林の復旧工事は,所有者が市のほうへ申し出をされた後に,行政側が現地を調査をされて,採択基準というものに適合すれば,工事が始まるということですけれども,この基準とはどんなものなのかお尋ねをしておきます。
次は,先ほどもありました急傾斜地の話であります。
日本共産党市会議員団は,これまで急傾斜地対策の要望が出ているのに対策が遅々として進まない,これは問題ではないかということを指摘をし,県にしっかり予算の確保を求めなさいと要望もしてきましたけれども,昨年の決算特別委員会の質疑でありましたけれども,平成28年度末現在では,急傾斜地崩壊対策事業の採択要件に適合するだろうと言われる箇所が市内に1,412カ所あるという御答弁でした。そのうち,既に整備が済んだのが387カ所,整備率は27%ということでありますから,約3分の1しか済んでいない。市が要望を受けている箇所のうちでも,43カ所が未整備ということでありました。そこで聞くわけですが,今回のこの豪雨災害で,地元から要望が出ていたにもかかわらず未対策のまま被害が出た,こういうところはないのか,伺っておきます。
今回,災害復旧工事のために約60億円の市債を発行することになっておりますけれども,復旧に向けて市債発行もやむなしというふうには思いますが,被災をして犠牲者を出して多額の借金をするよりも,日ごろから防災・減災のためにしっかり整備予算,防災対策予算,管理予算を確保することが必要だったというふうに悔やまれてなりません。今後,砂防ダムの整備や急傾斜地対策が進むように,県に予算をきちっと確保しなさいと要望するとともに,市としても災害に強いまちづくりのためには,予算は最優先で確保するという考えが必要だと思いますけれども,市のお考えを伺っておきます。
さて,災害復旧工事がいつまでにどのように行われるかは,被災者の皆さんがどこで生活再建をするのか,この判断の上でとても重要な情報であります。8.20広島土石流災害では,発災から半年後の3月には復興まちづくりビジョンというものが示されまして,地域ごとに住民説明会が行われたと記憶しております。今回の豪雨災害で広島県は,既に被害を受けた市内7河川に西部山系直轄砂防事業として砂防ダムを整備するという方針のようでありますけれども,安心・安全なまちづくりに向けて,各地域からもさまざまな要望が私たち市議団のもとにも届いております。例えば南区で言えば,似島では家下川の拡幅をしてほしい,土砂を食いとめるための擁壁が欲しい,丹那地区は,民有林の安全対策,楠那,日宇那は砂防堰堤の管理など,さまざまであります。安芸区でも,上瀬野にあります清山団地,また,矢野東七丁目の梅河ハイツなど,大変被害が大きかった箇所ですけれども,ここの被災者は,戻ってきても安全に暮らせるのか,帰るべきか,帰らざるべきかと迷い悩んでいらっしゃる現状であります。
こういう状況を受けまして,早期に被災した地域の意見を聞く場が必要だと思うわけであります。地域別の復興ビジョンを早期に策定されて,住民説明会を開催されて,今後の復興に向けて県と市と住民が,国もですけれども,心を一つにする場が必要だと思いますけれども,どうされるのか,お聞きをしておきます。
ここからは,具体の支援の中身についてお聞きをしてまいります。
まず,土砂・瓦れきの撤去です。
深川小学校,矢野小学校,矢野幼稚園の土砂撤去のために2億2600万円の補正が専決処分でされておりますが,いつまでに全て撤去されるのか,見通しをお聞きしておきます。
また,似島中学校のグラウンドは土砂の仮置き場となっておりました。学校施設が仮置き場になることは余り好ましいことではないと思うわけであります。早期に撤去すべきと考えますが,今回,この撤去の中に入っているんでしょうか。加えて似島港の入り口には,土砂が多量に積まれて,小山のように盛られているわけですが,全くビニールシートが覆われておりません。風が吹けば周辺の民家に飛ぶわけでありますが,大変環境面で問題ではないかと,周辺の民家への配慮が欠けているのではないかと思うわけですけれども,この対策についてお聞きをしておきます。
次は,災害救助法の問題です。
災害救助法の施行令第2条第2項を御存じでしょうか。ここには,災害によって住居またはその周辺に運ばれた土石,竹木等で,日常生活に著しい支障を及ぼしているものの除去となっております。災害救助法にこう書いてあるんです。ですから,民有地であろうが,公道であろうが,私道であろうが,土砂撤去は災害救助法に基づいて行政が行うというふうに書いてあるんです。ですから,市が特別に何かやったとかいうことではないと言わねばなりません。実際,8.20の広島土石流災害時には,民有地の土砂も公費で撤去されております。にもかかわらず,このたびの豪雨災害では,過去の支援は御破算となっておりました。私も被災者に目の前の土砂を早く撤去してほしいということで要望を受けて,区役所にも出向いたわけでありますが,民地の土砂はボランティアで撤去してください,公共はできません,公道は撤去しますけれども,私道はできません。とてもとても冷たい対応でした。本当にこれを聞いて被災者はどう思われたか,想像してみてくださいよ。本当に二重に被災者を苦しめる対応,私は許されないなというふうに思っております。また,電話の窓口に出てこられる行政の担当者の対応,行政の窓口によっても対応が違って,とても私自身も混乱いたしました。
このような混乱がなぜ起こるのか,考えてみますと,本庁を初め,各区の災害対策本部に従事されている職員さんに,この災害救助法が求める被災者支援の内容が熟知されていないと言わざるを得ませんし,市内部の方針も不徹底だと言っておきたいと思います。振りかえれば,この4年間で2度も広島市は大きな被害に見舞われました。今後,災害救助法が適用される規模の災害に見舞われることは想定されて当然であります。ですから,二度と混乱しないように,被災者支援マニュアルなどを作成されて,復旧作業が遅滞なく,被災者に心寄せた支援ができるようにすべきだと思いますけれども,お考えをお聞きしておきます。
次は,先ほどもありました独自に業者に依頼をされて土砂を撤去した場合の事後精算の件であります。
もう説明はしませんけれども,いま一度,障害は何なのか,いつ具体的にこの制度を確定されて,申し込みを受け付けられるのか。実際,現在まで広島市に償還払いの相談をされた事例は幾つあるのか,お聞きしておきます。
次は,避難所やみなし仮設入居についてであります。
被災者が生活避難所から第2次避難所となるみなし仮設に入居される場合に,被災者生活再建支援法によって,日常生活に必要な日常生活用品が支給されます。しかし,その支給品は時代おくれじゃないかというふうなつぶやきが被災者から聞こえてまいりました。例えば,ほうきとかちり取りというふうになっているんですが,なぜ掃除機じゃないのというのが率直な御意見でした。さらに,広島市が単市の事業として,被災者に支給をされております家電7品目というのがあります。テレビ,冷蔵庫,洗濯機,炊飯器,扇風機,湯沸かしポット,照明器具。この中には,エアコンがなかったわけであります。豪雨災害で助かった命もエアコンがない仮設住宅では,熱中症で命が奪われるんじゃないかというのが被災者の声でありました。もっともな話でありますけれども,このエアコン整備については,現在どのようになっているのか,お聞きをしておきます。
時代に合わせて,掃除機,エアコンを初めとして,生活必需品というものの追加や見直しが必要ではないかと,このように思うわけですが,どのようなお考えでしょうか。
さらに,市が仮設住宅とみなさない住宅に入られた方,例えば御親戚の空き家に入られたとか,自分の事業をしている倉庫を何とか片づけて,そこに入られたとか,さまざまなケースを私も聞いておりますけれども,そういう方には,この日常生活用品,ほうきやちり取りや紙コップやいうものは支給をされます。しかし,先ほど申し上げました家電7品目は支給対象外です。これはとても理不尽だと私は思うわけであります。どこに住もうと被災者であることは間違いありません。御本人がそんなものは要りませんとおっしゃるんであれば,支給される必要はないと思いますけれども,なぜ暮らす場所によって家電7品目が支給されたりされなかったりするのか,ここの仕組みがわかりません。ぜひこの仕組みは変えていただきたいと思うわけでありますけれども,いかがでしょうか。
次は,避難所での食事であります。
1日分の水や食料は,避難者が避難所に持っていくというふうになっておりますね。よって,避難指示が出ました7月6日に乾パンという対応は,これはやむなしというふうに私も思います。しかし,問題なのは,甚大な被害が出たということが明らかになった,災害救助法が適用された,生活避難所としての対応が求められたにもかかわらず,その後,3日間も4日間も被災者に乾パンしか渡さなかった,こういう区がある。大変心が痛みます。その一方で,翌日の7月7日からは,被災者に避難所でお弁当を出したという区もあるやに聞いております。なぜ同じ広島市で,同じ被災をして,区によって乾パンだけなのか,お弁当が出るのか,私は納得できません。なぜこのような差が出るのか,伺っておきます。
この避難所生活が続く中,生活を向上させるために,健康維持を図るために,どんな食事を提供するかというのは重要な問題であります。8.20の広島土石流災害も1カ月以上避難生活は続きましたが,朝はパン,昼はおむすびが2個,夜は弁当と同じものが毎日,食事として提供されて,揚げ物ばかりは食べられないというのが多くの8.20の被災者の声でした。こういう声を本当に聞いて,これを生かそうとするならば,食事も違ってきたのではないかと思うわけであります。広島市は,8.20の土石流災害で避難所の運営を体験した行政として,生活避難所における被災者への食事の提供のあり方について,検証されていないのかと思うわけでありますが,今後,災害救助法の目的が果たせる避難所になるように,支援の仕組みをつくっていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
次は,床下浸水の支援についてです。
床下浸水の場合,罹災証明は発行されます。しかし,被災者生活再建支援法による見舞金もありませんし,このたび,県が出しました義援金の対象外にもなっております。被災者からは,床下に入った土砂を撤去するために,最近のうちはフローリングであります,床を剥がさなきゃいけない,こういう事例もあって,まさに大切なマイホームを半壊の規模ぐらいまでにしなきゃいけない,そんな多額の経費を負担する状況にもあります。床下浸水の被災者にも見舞金や義援金を出してほしい,これが被災者の声であります。それだけではありませんで,床下浸水というのは,1階に皆さん,室外機をつけていらっしゃったり,電気温水給湯器があったりするんですね。だから,床下浸水でも,そういう家電製品が被害を受けて使えなくなって,新たなものを購入し,かえなきゃいけない。そこに大きな負担が出るんです。しかし,何も支援がないわけであります。
島根県の川本町や江津市では,国や県による支援の対象外となっている住宅について,住民の生活再建を後押しする必要があるとして,住宅そのものの修理や,住宅設備の補修にかかわった費用を最大20万円まで助成することを決められています。また,補修をされない場合でも,床下浸水した被災者には,一律3万円の独自助成があるようであります。県内でも庄原市が独自に床下浸水に2万円の見舞金を出すようにされたようであります。ぜひ広島市も床下浸水への市独自の支援を検討されるべきではないかと思いますが,どうされるのか,お聞きをしておきます。
最後です。民間事業者の被災状況なんですが,経済的な損失はどの程度になるんでしょうか。被災した中小業者はどのくらいありますか。補正では,被災中小企業支援として,広島県信用保証協会に対する保証料を免除する144万円の支援だけとなっています。この程度の支援で十分なのか,この金額は何件の中小企業の支援に相当するのか,お聞きをしておきます。
以上で質疑を終わります。
○永田雅紀 議長 市長。
◎松井一實 市長 中原議員からの御質問にお答えします。
第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)のうち,災害に強いまちづくりについての御質問がございました。
今回の豪雨災害では,市内各所において大規模な土石流に伴う家屋の流出等により,甚大な人的・物的被害が発生しましたが,平成26年8月20日の豪雨災害を受けて,国において緊急事業として砂防堰堤を整備していただいた地域では,幸い被害を免れることができました。砂防堰堤の整備が土石流の災害に対して最も効果的な対策であることから,発災後,速やかに国に対して砂防堰堤の整備について要望を行った結果,今回の豪雨で甚大な被害を受けた矢野東地区,上瀬野地区など7地区で国において砂防堰堤の整備を実施することになりました。
また,急傾斜地崩壊対策事業についても,県からの補助金が市の要望を下回っているため,事業の十分な進捗が図られていない状況にあるため,本市の要望に沿ったものとなるよう,県に対し強く要望していきたいと考えています。
昨今の異常気象の増加を背景として,災害に強いまちづくりを強力に進めるため,河川の法線の改良,橋梁の拡幅,桁下の高さの確保など,改良復旧の考え方に立った計画で取り組むことが肝要であると考えております。今回の補正予算においては,3年間の基本的な復旧期間の中で,単純な復旧にとどまることのないよう,効果的に予算を執行すると同時に,よりよい復興を目指した計画案を地域の方々に提示いたします。それとともに,愛着を持って住み続けられるよう,安全・安心なまちづくりに向けての地元の方々からの提案を考慮した取り組みを行っていきたいと考えております。
また,ソフト面での防災対策については,平成26年8月20日豪雨災害の教訓を踏まえ,平成27年度からわがまち防災マップ作成支援や地域の防災リーダーの養成などを柱とする防災まちづくり事業に取り組むなど,地域の防災力の向上を図っているところです。今回の豪雨災害においても,地域ぐるみで声をかけ合い,避難を促した地域では,早期に避難された方もおられます。こうした地域での共助の取り組みは,住民の避難行動を促進させるものであって,改めて地域の防災力を向上させることが必要であるということを再認識しました。このため,学識経験者等による検証会議においては,住民の避難行動の促進を図るだけでなく,地域の防災力の向上を図るための方策についても検証・検討していただくことにしておりまして,その結果を踏まえて,今後の施策に反映し,災害に強いまちづくりの推進に取り組んでまいります。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長 危機管理担当局長。
◎行廣真明 危機管理担当局長 被災者支援マニュアルなどを作成し,混乱なく復旧作業や被災者支援ができるようにすべきだがという御質問に対してお答えいたします。
災害時に被災者の皆様に対する行政上の取り扱いを統一的に行うことは重要であると考えておりまして,今回の災害におきましても,8月20日豪雨災害の教訓を踏まえ,被災者に対する支援策を一覧形式の資料として取りまとめ,市全体で周知を図るとともに,
被災者支援総合窓口でも被災者の相談の際などに活用しているところです。ただし,国の取り扱いが追加拡大されたり,市として新たに取り扱いを決定したりした場合には,今回の災害でも周知が不十分な場合も見られたため,この資料を随時修正した上で,口頭も含めまして,各担当へ徹底を図ったところであります。また,それに加え,指定避難場所運営マニュアルや災害対応事務マニュアルなども作成しているところであり,今後必要に応じてマニュアルを修正し,さらに周知徹底を図ってまいります。
以上です。
○永田雅紀 議長 健康福祉局長。
◎古川智之 健康福祉局長 第87号議案についての数点の御質問にお答えいたします。
まず,生活必需品の品目等について御質問がございました。
災害救助法に基づく支給品は,災害を受けての日常生活を営むのに最小限必要なものとされておりまして,テレビや冷蔵庫,洗濯機などの家電製品は対象外とされておるところでございます。ところで,本市では,仮住宅の提供を国の運用対象より広げることとあわせまして,支給する生活必需品の対象について,一般的な生活に最小限必要とされるものも追加するようにしておるところでございます。このように災害救助法の解釈について,国と本市との間に差がある中で,被災者の視点に立った支援を行うための運用に努めているところでございまして,引き続き国に対して支給品目の見直しを要望してまいります。なお,今回,エアコンにつきましては,国においても被災者の酷暑対策として,臨時的に支給対象とすることとされたところでございます。
次に,家電6品目について,仮住宅にお住まいの方とそうでない方と差があることについてでございます。
住宅が床上浸水以上の被害を受けた世帯であれば,本市が提供する住宅で生活を始めたか否かにかかわらず,まず,寝具,日用品の申し込みがあれば,支給することとしておるところでございます。御質問の家電6品目につきましては,災害救助法では,救助のための必要最小限の物品とはされていませんけれども,早期の生活再建を支援するために本市が提供する仮住宅が市民にとって住居として機能を発揮するために備えておくほうが望ましいと考えられることから,独自に支給しているところでございます。したがいまして,自力で確保された住居につきましては,その機能の状況を逐一把握するということを行っていないことに鑑みまして,家電6品目までは提供しないこととしているところでございますけれども,この対応につきましては,支給するための諸手続等を考慮するならば,妥当であると考えております。
次に,避難所での食事についての御質問がございました。
まず,区によって対応に違いが出たことについてでございます。
被災者に提供する食事につきましては,地域防災計画において,備蓄している食品を優先的に活用すると定められている中で,各区災害対策本部において,避難所及びその近傍の状況等を踏まえて選択をしているというところでございまして,区によって対応に違いが生じることはあるものと考えております。ただし,食品の取り扱いについては,支援を受ける避難者の視点も考慮することが重要でありますことから,今後,この点についての周知を図ってまいります。
それから,避難所における食事提供のあり方に関する御質問がございました。
8.20豪雨災害における食事の提供につきましては,避難生活が長期化する中で,弁当の種類に変化をつけたり,野菜ジュースの提供を行うなど,被災者の要望も踏まえ,また,栄養等にも配慮した対応を行っております。したがいまして,今回の対応におきましても,8.20豪雨災害の経験を踏まえた対応を行ったところであり,今後も避難者の方々の目線に立った必要な配慮をしてまいりたいと考えております。
最後に,床下浸水を受けられた方についての支援についてでございます。
床下浸水そのものにつきましては,災害を受けての日常生活を営むのに,一般的には必ずしも支障を来すまでのものではないということから,支援の対象にしていないというところでございまして,本市としては,独自に支援を行うということは考えておりません。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 経済観光局長。
◎日高洋 経済観光局長 第87号議案について御質問がございました。
まず,民有林の小規模崩壊につきまして,対象箇所数と負担金額はどの程度か,また,その採択基準はどのような基準かという御質問にお答えいたします。
小規模崩壊地復旧事業は,大規模な山地災害に該当しない小規模な崩壊箇所を対象とした広島県の単独補助事業でございまして,県からの補助金,市費及び地元負担金により実施する事業でございます。今回の8月補正予算で計上しております箇所数は5カ所でございまして,地元負担金は390万円というふうになっております。
また,県が定めている採択基準は,地目が保安林及び山林等で,人家2戸以上または,人家1戸と道路,もしくは学校など主要公共施設等に直接被害を与え,または与えるおそれがあると認められ,1カ所当たりの事業費が100万円以上のものとなっております。
次に,民間事業者の被災についてでございます。
被災した中小企業者はどのくらいあるのか,また,被災企業の経済的な損失はどの程度になるのかという質問にお答えいたします。
本市では,市内商工会議所や商工会等の16の経済団体に電話調査を行いまして,このうち会員企業から被害報告のあった経済団体については,職員が直接訪問いたしまして被害状況の確認等を行っております。こうした経済団体を通じて,現時点で市内で300社以上の事業者が被災し,建物の床上・床下浸水,機械設備・商品の冠水等の被害を受けていることを確認をしております。
なお,被災企業の被害額につきましては,これら経済団体の調査においても不明と回答する企業が非常に多く,現時点では正確な数字が把握できておりませんが,引き続き関係団体等と連携をして,被害額を含め,詳細な被害状況の把握に努めてまいります。
最後に,補正では,被災中小企業支援として,広島県信用保証協会に対する保証料を免除する144万円の支援だけだが,この程度の支援でよいのか,この金額は何件の中小企業の支援に相当するのかという御質問がございました。
本市では,発災直後から被災された事業者の一日でも早い復旧,経営再建を目指して,中小企業支援センターでの経営相談や資金繰りに関する相談対応,災害復旧資金などの特別融資制度の運用等を行っているところでございます。こうした施策に加え,新たに災害により資金繰りが厳しい中小企業者等をしっかりと支援するという観点から,本市の特別融資制度を利用する場合に,公的な保証機関である広島県信用保証協会へ支払う信用保証料を本市が全額負担することといたしました。利用件数は,平成26年8月20日の豪雨災害時の融資利用件数の約2倍に当たります30件の利用があるというふうに見込んでおります。さらに,これらに加え,中小企業センターには,災害被害に対する助成金や補助金はないかといった要望が寄せられておりまして,現在,国が中小企業者等の支援施策として創設しましたグループ補助金や小規模事業者に対する持続化補助金等の周知を図るため,国,県,商工会と連携いたしまして,中区,東区,安佐北区,安芸区で中小企業者等を対象に説明会を行っているところでございます。今後,これらの制度を活用した支援に力を注いでまいります。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 都市整備局長。
◎山地正宏 都市整備局長 第87号議案の関連で,二点の御質問にお答えいたします。
まず,似島の平和養老館の裏山の安全対策についてです。
似島の広島平和養老館の裏山につきましては,似島臨海公園の区域内であり,今回の補正予算において,崩壊したのり面を保護するための経費を計上しております。なお,応急対策として,崩れた土砂の撤去及びのり面へのブルーシートの設置を既に行っております。補正予算議決後は,のり面の保護工事に速やかに取り組んでまいります。
次に,8.20広島土砂災害では,復興まちづくりビジョンが示された,今回の豪雨災害でも地域別の復興ビジョンを策定するべきと思うが,どのようにするのかということについてでございます。
平成26年8月20日の豪雨災害においては,被災地を安全・安心なまちによみがえらせるための復興には,地域の方々からの意見をお聞きしながら進めることが効果的であるということを経験いたしました。今回の災害対応においても,前回の経験を十分に生かすことにしております。具体的には,土石流の被害が大きかった地域について,国,県による砂防堰堤の整備や河川・道路の整備に係る計画案を地域の方々にお示しすることにしております。また,それとともに,愛着を持って住み続けられるような,安全・安心なまちづくりに向けて,地域の方々からの提案も考慮した取り組みを行っていきたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 道路交通局長。
◎谷山勝彦 道路交通局長 南4区289号線の復旧工事についてのお尋ねがございました。
議員御質問の被災箇所は,黄金山南側の丹那地区と北側の本浦地区を結ぶ生活道路に隣接した民有地ののり面が崩壊したものであり,早期に通行の安全を確保する必要があったことから,本市において崩土撤去や大型土のう設置などの応急対応を行ったものでございます。この箇所の本復旧につきましては,道路の安全確保のため,崩壊したのり面にコンクリートによるのり枠等を設置する必要があると考えておりますが,このように道路防災の観点から工事を実施するに当たりましては,民有地の所有者から用地の寄附を受けることが前提となります。このため,今後早期の復旧に向けまして,地権者等と必要な協議を進めてまいりたいと考えております。
もう一点,似島中学校のグラウンドの土砂撤去及び似島港の入り口の土砂集積の環境面への配慮というお尋ねがございました。
まず,似島中学校への土砂の仮置きにつきましては,似島小・中学校の通学路の土砂撤去を行うに当たりまして,地域住民や学校と協議の上,グラウンド利用の支障とならない区域の約15メートル四方を使用しておりますもので,この区域の土砂は9月中旬までに搬出できるよう,現在調整を進めております。
また,似島港入り口付近の仮置き場につきましては,主に地域住民やボランティアにより撤去された土砂等を一旦集積しているものでございます。現在は市の委託業者により,随時搬出作業を行っていることから,砂ぼこりなどの対策として散水を行うなど,近隣環境の保全に努めてまいります。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 下水道局長。
◎早志敏治 下水道局長 第87号議案のうち,災害復旧工事に関して,被害箇所の把握方法,そして,完了時期の見通しについての御質問がございました。
道路,橋梁及び河川などの公共土木施設や農道,水路,農地及び林道などの農林業施設の災害復旧工事については,現時点で把握している全ての被害箇所について,本復旧を行うために必要な経費を計上しております。その被害箇所につきましては,本市職員が現地調査を行うとともに,市民の方からの情報提供や建設コンサルタントへの委託により把握したものでございます。こうした公共土木施設等の復旧に当たりましては,9月上旬から国による災害査定を開始し,順次復旧工事に着手してまいります。こうした復旧工事については,3年間を基本的な復旧期間と位置づけて,一刻も早く復旧が行えるよう取り組んでまいります。
次に,急傾斜地対策の要望箇所のうち,未整備箇所で被害は発生していないのかとの御質問がございました。
本市が行う急傾斜地崩壊対策事業において,地元から要望書が提出されている40カ所のうち,このたびの7月豪雨災害で7カ所で被害が生じております。
最後に,所有者みずからが土砂等を撤去した場合の費用償還についての御質問がございました。
このたびの環境省による費用償還の補助制度については,本年7月20日の事務連絡において,初めて明らかになったものでございます。また,その内容は,これまでは,被災した家屋の解体撤去のみが補助対象となっていたものが,このたびは土石流等で宅地に流入した土砂等の撤去についても,新たに補助対象となっております。そのため,環境省から償還すべき適正な額や撤去数量の具体的な確認方法等が明らかにされない限り,具体的な作業が進められない状況にございます。本市としては,現在,こうした状況を打開すべく,環境省や広島県との調整を急ぐなど,運用開始に向けた準備を進めているところであり,環境省における具体的な運用基準等の策定を受けて,運用を開始することとしております。費用償還につきましては,現在,128件の御相談をいただいており,このうち82件については,既に所有者みずからが撤去作業を完了された方からのものでございます。
以上です。
○永田雅紀 議長 教育長。
◎糸山隆 教育長 専決処分に計上した深川小学校,矢野小学校,矢野幼稚園の土砂撤去はいつごろ完了するのかというお尋ねです。
御質問のあった学校等の土砂撤去についてですが,深川小学校では,既に撤去を完了し,8月20日の授業再開時にはグラウンドが利用できる状態となっております。矢野小学校については,矢野児童館を含むグラウンド面積約7,200平方メートルの全てに土砂が堆積しておりましたが,授業再開時に児童が少しでも体を動かすことができるよう,グラウンドの3分の1程度,約2,000平方メートルの土砂を撤去し,8月23日に授業を再開しました。グラウンドの残り約5,000平方メートル及び矢野幼稚園の園庭の土砂については,現在撤去作業に着手しており,9月末を目途に土砂撤去を完了させる予定です。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 36番中原議員。
◆36番(中原洋美議員) たくさんの質問に答弁ありがとうございました。
答えていただきましたが,一つ確認は,この家電6品目のことなんですが,結局エアコンは8月10日ぐらいに家電品に加わったという理解でいいんでしょうか。
それから,市がみなしとしていない住居に入居された方には,結局出るようにするのか,出るのは難しいのか,よくそこの答弁がはっきり理解できなかったんですが,再度教えてください。
それから,床下浸水は冷たい対応でしたね。これを聞いた皆さんはがっくりです。ぜひ義援金でその分手当てをしていただきたいというふうに言わざるを得ませんが,先ほど臨時の措置ではあるが,エアコンを酷暑の中で家電品として出したということでありますと,この床下浸水の皆さんも室外機が壊れてエアコンが使えないということでは,エアコンの買いかえみたいなケースであれば,やはり出すべきじゃないかなと。市の方針として,片やみなしはエアコンを出すけど,床下浸水のエアコンには出しませんというのも,これもいささか納得いかないというふうに思うわけですが,どうされるんでしょうか,再答弁を求めます。
それと,けさ,私のもとに,6時半ぐらいにメールが来まして,これは,丹那町にお住まいの方,現住所は丹那新町なんですけどね。丹那町の山崩れの被害者のお一人です。メールの内容はこうでした。流出した土砂は撤去されて,黒い土のうが積まれております,ビニールシートもかけられました,しかし,ビニールシートは全体の4分の1ぐらいしかかかってなくって,あとの4分の3は地肌がむき出し,最近のまた雨で自然に山肌に水路ができてしまって,そこが川のようになって,だあっと流れてくる,これはやはり不安でたまらないので,なぜ一部分しかビニールシートをかけないのかと,全体にかけてほしいというようなメールでした。この方おっしゃるには,黄金山の崩壊地には,全面的にビニールシートがしっかり張ってあるのに,なぜ丹那町の裏山は張れないのかと。私はここが民有林だからかなというふうに勝手に理解をしております。黄金山は市の公園ということで,公共が手だてするからそうなるのかもしれませんが,やはりこれは民有であろうが,公であろうが,そこへ住む被災者の不安は同じでありまして,これは本当に応急復旧対策ですが,何とかしていただきたいということなんです。
地元はさまざまな要求,私も先ほど質問の中で言いましたが,一日も早く現場の意見を聞く場を設けてほしいと思うわけです。先ほども地域とともに復興をやることは大切だと,意見を聞く場は大切なんだとおっしゃいました。とても同感するものであります。南区と安芸区では全然被害の状況も違いますし,要望も違うでしょう,南区の中でも,似島も元宇品も丹那のほうも違います。それぞれの地元,それぞれの地域で,いつごろ開催をされるのか,教えていただければというふうに思います。
それと,最後は,市の内部の徹底なんですが,日本共産党市会議員団のある一人に,市の職員でこう言った人がおります。そのうちの議員が,民有地の土砂撤去は公共でやりますよというふうに被災者にお話をしたら,先走って勝手なことを言うなと,議員が叱咤されたという状況がありました。これは先ほど市長が最初にお話をされた,8.20の災害を受けて,すぐに土砂撤去できるようにしたんだというふうにおっしゃった内容と,随分現場は違うということを理解してほしいし,知ってほしいと思いますが,そのような事実は御存じだったかどうか,教えていただきたいと思います。
改めて災害救助法が何を求めているのか,どうしなければいけないのか,先ほどマニュアルをつくったとおっしゃいますが,マニュアルをつくったら済むという問題じゃありません。やはり被災者に心を寄せるというのは,マニュアル読んでできるということではなくって,日ごろからそういう行政の行政マンとしての被災者に心を寄せるということがどういうことなのか,研修も必要かなというふうに思いますが,どうされるか伺って,質問を終わります。
○永田雅紀 議長 健康福祉局長。
◎古川智之 健康福祉局長 床下浸水の件でございます。
先ほど議員のほうから御紹介がありましたようなケースの場合に,例えば電気温水給湯器に土砂が入って動かない,故障して買いかえになりますとかいうような場合に,罹災証明の一部損壊になる可能性もございますので,その場合には,義援金の対象になったりというようなこともあり得ますので,その辺は,よく個別にまず御相談をいただければというふうに思います。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 危機管理担当局長。
◎行廣真明 危機管理担当局長 民有地の土砂撤去につきまして,議員が叱責されたという事実につきましては,私ども,申しわけございません,存じておりません。議員御指摘のとおり,現場のほうには十分徹底してなかったという,そういうケースだと思いますので,先ほども御答弁したとおり,支援の一覧資料とか,マニュアル等を十分活用しまして,現場のほうにも今後徹底させるようにしてまいります。
以上です。
○永田雅紀 議長 36番中原議員。
◆36番(中原洋美議員) 今の床下浸水ですが,こだわりますが,一部損壊という罹災判定にもなるということで,相談に来てくださいというわけですが,多くの皆さんが床下浸水はもう何も支援がないからといって,罹災証明をとること自体,諦めてらっしゃる方たくさんいらっしゃいます。ですから,諦めなくって大丈夫ですよという周知ですね。今,局長がおっしゃったように,室外機とか温水器などが壊れた場合は,一部損壊に当たることもあるので,相談をという,このやっぱり一大キャンペーンも張らなきゃいけないと思いますが,どうされるのか,伺っておきます。
私の再質問が皆さんの胸によく落ちなかったでしょうか。必要な復旧について,いつごろ地域の意見を聞く場を設けるのかというのは全く答弁がなかったんじゃないかなと思いますけど。被災した地域の意見を聞く場は大切ということをおっしゃいました。じゃあ,大切ならばいつやるのかというふうに聞いたつもりなんですが,いかがでしょうか。
○永田雅紀 議長 健康福祉局長。
◎古川智之 健康福祉局長 まず,床下の話でございますけども,先ほどの罹災証明,それまで対象になるかもしれない,それは個別の状況に応じて判断されていくということでございます。その辺のところをどのように周知できるのかということも含めまして,所管の危機管理担当のほうとも協議しながら,対応は検討させていただきます。
○永田雅紀 議長 都市整備局長。
◎山地正宏 都市整備局長 復旧の計画案を地元のほうへいつごろ示すかということで,これは先ほど私のほうでビジョンという関連で考え方,御説明させていただきましたけれども,内容といいますのが,砂防堰堤整備,それから,河川,道路,あと公園がございます。いろいろ多岐にわたっております。各地域でそれぞれの需要がございまして,今から例えば道路,河川あたりというのが災害復旧という,災害査定を受けて,それをまた順次9月から何回かに分けてやると。各地域ごとにその案がまとまる,また,改良復旧ということは,またそういう案をつくるまでにまた時間がかかるというようなところでございますので,各地域ごとにこれはばらつきがあろうかと思います。今回は,そうした被災地の各地域ごとにお示しできる段階で,まとめてお示しするようになろうかと思っております。今はっきりといつごろということが御答弁申し上げることはちょっとできませんけれども,そのような手順になろうかと考えております。
以上です。
○永田雅紀 議長 いいですか。
◆36番(中原洋美議員) ありがとうございました。
○永田雅紀 議長 この際,皆様にお願いいたします。
質疑の予定者,あと1名であります。このまま会議を続けさせていただきたいと思います。いましばらく御協力よろしくお願いします。
次に,3番山内正晃議員。
〔3番山内正晃議員,発言席へ移動〕
◆3番(山内正晃議員) 市民連合の山内正晃でございます。
第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)について質疑をさせていただきます。
まずもって,このたびの豪雨災害でお亡くなりになられた皆様,御遺族,被災された皆様,関係者の皆様に心よりお悔やみを申し上げさせていただきまして,質問に入らせていただきます。
このたびの災害におきましては,河川の増水,あるいは氾濫に伴いまして,橋梁の崩落があちこちに見られたことが一つ大きな特徴であるというふうに思っておりますので,まず,道路,橋梁施設災害復旧のうち,橋梁の部分につきましてお尋ねをさせていただきます。先ほど来からの御答弁を聞かせていただきますと,一つ方向性はもう既に見えているのかなというふうにも思いますけれども,重複になるかもしれませんが,改めてお尋ねします。
まず1点目,市内では橋梁の被災件数が何件あったのか,お尋ねをします。
また,損壊した橋梁の中の幾つかを視察をさせていただいておりますと,損壊状況はそれぞれ異なります。橋桁,橋台,橋脚など,それぞれほぼ完全に流出しているというケースもあれば,橋梁の一部だけが壊れたケース,あるいは,先ほどから御指摘が各議員からありますように,護岸が崩落しているというケース,こういったケースなど,さまざまでございます。いずれにしましても,この三篠川流域,あるいは広島市域におきまして,これほど多くの橋が流出,あるいは損壊するということは,私自身は想定をしておりませんでした。
お尋ねをいたしますけれども,橋が流出した原因,あるいは崩落した原因につきまして,広島市としてはどのように現時点で認識をされているのでしょうか。
こうしたことへの対策としましては,橋桁の本数を減らす,例えば4本あるところを2本,3本に減らすといったことや,橋の周辺の河川の底を掘削して受けとめられる水量をふやす,こうしたいわゆる原形復旧にとどまらない,今後の防災強化を見据えた改良復旧が必要な橋脚もあるというふうに私は考えているところでございます。
また,例えばこのたび流出した橋の中では,もともと幅員が非常に狭く,乗用車1台がぎりぎり通行できるといった,そういった橋もございました。こうした橋は従前から救急車など,緊急車両が通行できるように拡幅改良していただきたいということが地元の要望から出ていたというケースもございます。
そこで,お尋ねをしますけれども,橋梁復旧に当たりましては,河川の流れをできるだけ阻害しないようにするとともに,地元住民にとっても使いやすいような拡幅をする,こうした改良復旧が必要と思っております。本市としましては,どのようにお考えでしょうか。
続きまして,JR芸備線の復旧についてお尋ねします。
このたびの豪雨災害によって,各地でJR各線が寸断をされました。現在各線,JR西日本によりまして復旧が進められているところですけれども,ぜひとも沿線自治体にも早期復旧に向けた取り組みを強めていただきたいと私は思うところです。
JR芸備線につきましては,8月25日に,下深川駅から狩留家駅間が復旧をしまして,運行が再開をされたところですけれども,しかしながら,狩留家駅から三次駅方面に向けては,鉄橋崩落もありまして,運行再開まで1年以上がかかる見込みとされているところです。JR芸備線は,通勤通学に利用される方を初め,地元住民の皆様から早期復旧を願う声を私も多数お聞きしているところです。とりわけ高校生にとっては,通学に直接的に支障が出るということもあり,現在は鉄道代行バスが運行されておりますが,鉄路は重要な交通手段でありまして,やはり不便な思いをされています。
今後は沿線地元の連合町内会としても要望書をJRや県,市に対して提出をしていこうではないかという声もあるというふうにお聞きをしています。本市にとりましても,JR芸備線は,広島市と県北部の三次市,庄原市などを結ぶ観光や交流の重要なインフラでございます。沿線自治体とぜひとも復旧に向けた取り組みを行っていただきたいと思います。
そこで,お尋ねをします。芸備線の沿線自治体の活動としましては,本市は,安芸高田市や三次市,庄原市とともに芸備線対策協議会を組織されていると思います。この協議会で,芸備線の早期復旧に向けてどのような議論をされているのでしょうか,お尋ねをします。
最後に,3点目でございます。防災訓練の推進についてお尋ねします。
防災訓練につきましては,本市も新たな補助予算を設けるなど,取り組みを強められているやさきのことではございましたが,やはりこのたびの災害を通じまして,早目の避難勧告の発令,そして,住民は早目の避難行動を開始していただくことが大変大事なことであるというふうに思います。
住民に避難を呼びかける,あるいは危険を伝えるには,これまでも申し上げてきましたとおり,防災サイレンや防災行政無線,防災情報メール,緊急エリアメール,それに加えて,消防団や自主防災会,あるいは町内会による声かけなど,こうした重層的かつ複合的な避難の呼びかけが重要であるというふうに思います。このたびの災害では,こうした呼びかけを行った,あるいは避難指示を知っていたけれども,本人の御意思で避難をされなかったというケースがあるというふうにも伺い,最後は,自分の身は自分で守るという意識があるかどうかが生死を分けたケースもあると言えると思いますが,このたびの災害の教訓を生かして,高齢者や障害者など災害弱者と言われる市民への避難行動の支援とともに,より充実した避難情報の伝達に努めていただきたいと要望いたします。
さて,このたびの災害では,各地の避難所が開設され,多くの住民が避難をしました。4年前の8.20豪雨土砂災害の教訓を生かし,これまでに防災訓練などを積極的に行っていた地域は,住民の避難行動も比較的早く,また,避難所の開設や初期運営もスムーズであったというふうに私は感じておりますが,防災訓練が十分に行えていない地区やこれから行おうとしていた地区においては,プライバシーの確保策,あるいは物資の配布など,運営のスムーズさに違いがあるようにお見受けしました。改めて,事前の防災訓練の重要性を私も認識したところです。
また,このたびの災害では,私の地元の小学校区は,平常の避難勧告時には,避難所を開設しても避難をしてこられる方は少ないのですが,このたびは災害が広域であったこともあり,ほかの地区から避難をしてこられる方もいらっしゃり,避難所は大変混雑をしており,運営も大変苦労しておられました。災害の危険性が低いと思われる地区であっても,こうした被害が広域に及んだ場合は,他地区からの被災者を受け入れる側になるというケースもあります。ぜひとも各自治会,町内会,あるいは自主防災会には御協力をいただいて,防災訓練の実施を進めていただきたいと思うところです。
そこで,お尋ねをしますが,過去3年間で避難所運営など,防災訓練を実施した学区は市の全体の中で幾つあるのでしょうか。また,今後,市として地域が実施する防災訓練について,どのように進めていかれるのでしょうか。
以上,質疑をいたします。御答弁をよろしくお願いいたします。
○永田雅紀 議長 市長。
◎松井一實 市長 山内議員からの御質問にお答えします。
第87号議案,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号)のうち,JR芸備線復旧についての御質問がございました。
このたびの豪雨災害によって運転見合わせとなっているJR芸備線の狩留家駅から三次駅間につきましては,現在,JR西日本により,バスによる代行運送が実施されておりますが,鉄道と比較すると輸送力,定時性とも劣ることから,通勤や通学など,市民の日常生活のみならず,観光などの地域間の経済活動にも大きな影響が出ており,JR芸備線の早期復旧は,本市はもとより,沿線自治体共通の願いとなっております。
このため,私は,芸備線対策協議会の構成市の市長に呼びかけ,今月3日に早期復旧に向けた意見交換会を開催いたしました。この意見交換会では,JR芸備線の沿線自治体として,一層,地域間の連携・交流の充実・強化を図る必要があること,そして,そのためにはこれまで以上にJR芸備線を活用する必要があることを確認いたしました。その上で,芸備線対策協議会の協力体制をさらに強化して,JR西日本とともに取り組める新たな利用促進策を提案することとあわせまして,早期復旧の実現と運転可能区間の順次拡大を要望することについての合意ができました。
現在,この要望をできるだけ早期に実施するために芸備線対策協議会において,沿線地域の交流促進とJR芸備線の利用増の両面に効果のある利用促進策の検討を行っているところであります。今後とも,沿線自治体とともにJR芸備線の早期復旧の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長 危機管理担当局長。
◎行廣真明 危機管理担当局長 防災訓練の推進についての御質問にお答えいたします。
災害の危険性が高まったときにみずからの命を守り,また,災害発生時に被災者の方が円滑に避難所での生活を送るためには,議員御指摘のとおり,各地域において避難訓練や避難所運営訓練などの防災訓練を行う必要があります。そのため,これまでも区役所や消防署と連携しながら,各地域において防災訓練を行うよう,必要な助言や指導を行ってきており,防災訓練の実施状況につきましては,平成27年度から平成29年度までの3カ年で1回以上実施している小学校区は,市内141小学校区のうち70小学校区となっています。しかし,一方で,同一の学区で複数回実施しているなど,実施にばらつきが見られるところです。
今回の災害で明らかになった避難情報が避難行動につながらなかったという課題についても,防災訓練により実際に避難を体験することは大いに意義があるものと考えており,今年度,新たに設けた防災訓練を行う自主防災組織に対する補助制度を活用しながら,これまで防災訓練を実施していない地域も含め,市内の全ての地域において,定期的に防災訓練を実施できるよう,積極的に働きかけてまいります。
以上です。
○永田雅紀 議長 道路交通局長。
◎谷山勝彦 道路交通局長 第87号議案のうち,橋梁の復旧工事についての御質問に順次お答えいたします。
まず,橋梁の被災件数でございます。
このたびの豪雨での河川の増水により,被災した橋梁は25橋ございます。このうち,上部工が落橋したものは15橋,上部工の崩落は免れましたが,橋脚や橋台の一部が洗掘されたことにより,現在,通行不能となっているものが10橋でございます。
次に,こうした橋梁が崩落した,流出した原因をどのように認識しているかとのお尋ねでございます。
今回の災害により落橋した橋梁は,その多くが昭和40年代以前に整備されたもので,最も古い三篠川の鳥声橋は昭和6年にかけられております。こうした橋梁は,架設当時の技術基準に従って整備されてはいるものの,現在の技術基準である河川管理施設等構造令の規定に比べまして,橋脚の間隔が狭いなど,土石や流木を含む多量の出水に弱い面があったものと考えております。
最後に,橋脚本数を少なくするなど,河川の流れをできるだけ阻害しないようにする,あるいは,地元にとっても使いやすいよう拡幅するなど,改良復旧が必要と思うが,どうかとのお尋ねでございます。
今回,落橋した橋梁の復旧工事に当たりましては,再度災害を防止する観点から,原形復旧にとどまることなく,現行の技術基準に基づき,河川を阻害する割合を少なくするよう,橋脚本数を減じるなどの改良復旧に取り組みたいと考えております。また,その際には,緊急車両の通行や地域の利用状況などを踏まえ,幅員についても,前後の道路幅員に合わせた拡幅を検討いたします。
今回の発災後の国への要望に当たりましても,この改良復旧の採択を強く要望したところでありまして,この考え方を基本として,国の災害査定に取り組み,早期の復旧工事の着手を目指してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 3番山内議員。
◆3番(山内正晃議員) 御答弁ありがとうございました。
JR芸備線の復旧につきまして,市長も復旧に向けてしっかりとした思いを持っていただいているということを確認できまして,大変心強く思いました。ぜひともお力添えをお願いしたいというふうに思います。
また,橋梁の拡幅につきましても,改良復旧の方向でぜひとも国に要望していただきまして,今後の豪雨等にもぜひとも耐えられるといいますか,そういったことを勘案した堅固なものをぜひともつくっていただきたいというふうに思います。
私の質疑は終わります。ありがとうございました。
○永田雅紀 議長 以上で質疑を終結いたします。
お諮りいたします。
本件は,いずれも委員会付託を省略いたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田雅紀 議長 異議なしと認め,さよう決定いたしました。
これより討論に入ります。
発言通告者に発言を許します。
37番中森辰一議員。
〔37番中森辰一議員,発言席へ移動〕(拍手)
◆37番(中森辰一議員) お疲れさまです。日本共産党広島市会議員団を代表いたしまして,本臨時会に提出された議案,このたびの豪雨災害への対応にかかわる補正予算案3件と専決処分の承認案3件,平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号),同じく
水道事業会計補正予算(第2号)及び
下水道事業会計補正予算(第2号),平成30年度広島市
一般会計補正予算(第2号)と,同じく
水道事業会計補正予算(第1号)及び
下水道事業会計補正予算(第1号)のそれぞれ専決処分の承認について,討論を行います。いずれも広島市行政全体の問題として,一括して意見を付して賛成といたします。
今回の専決処分も含めた補正予算は,広島市行政として,被災市民の救援の取り組み,今後の復興のあり方にかかわるものですから,広島市の災害対応への取り組みがどうであったか,どうあるべきかということについて意見を申し上げます。
7月に大規模な災害が発生して,またしてもたくさんの命が失われ,大勢の市民が家を失い,あるいは市民に対して住宅再建と生活の再建に多大な負担を強い,あるいは今後の暮らしの先行きに大きな不安を生じさせることになったことを,行政はどのように受けとめているか,どのように責任を感じているかということが,今深刻に問われています。つまり,そのことが今回被災された市民への当座の救援活動のあり方に反映しますし,今後の地域の復興と生活再建,なりわいの再建をどう支援するか,行政がどうかかわっていくかに反映します。
広島市では,19年前の6月29日,4年前の8月20日と,最近では2度も集中豪雨による大規模な土石流災害が発生しました。これらの災害を教訓に,国や県が防災対策に力を尽くしてきたかとなると,そうなってはいませんでした。県も国も砂防予算や河川対策予算を急速に減らしてきたのが実態で,そのために防災事業がおくれていて,県議会の答弁では,土砂災害危険箇所対策の完了までに200年かかると平然と述べています。そういう対策ができていないところでまた災害が発生したわけです。広島市行政がこうした防災事業のおくれに対して,国・県に早急な推進を厳しく要求してきたということは聞いたことがありません。その点で,広島市行政にも今回の災害発生には大きな責任があったと言わねばなりません。さらに言えば,民有林対策を含めて,急傾斜地崩壊対策をやる必要がある箇所があと7割も残されているのに,地元負担があるので,住民から対策の要望があるところしか対策工事をしないという姿勢では,いつまでたっても対策は終了しません。危険箇所があるところに対して,行政として積極的に対策工事を提起し,地元負担はできるだけ軽減する,あるいは免除する制度を創設するなどの努力が必要であります。
3度も豪雨による災害を経験した広島市は,もう想定を超えていたという言いわけは言えません。今度こそ思い切った防災対策を進める,これを厳しく国・県に要求する立場に立たなければなりません。もちろん広島市がやるべきことは早急に取り組まねばなりません。そのような市民に対して責任を負った行政が十分に行われてきたわけではない中で,今回の災害が発生したのだということを認識した上で,被災した市民に対する救援活動でも,今後の復興活動でも,被災者に寄り添う立場で取り組むことが求められております。
救援活動という点では,避難所での食事の問題一つとっても,4年前の災害の到達点が生かされず,片や乾パンが3日間も続く,片や初日から弁当が出されると,区によって避難所の食事の内容に大きな差がありました。他の自治体に比べて,広島市が先進的にやったと報道されていた宅地内の土砂撤去についても,4年前の到達が生かされず,道路の土砂撤去のついでにやりたいと言っていたのが当初の状況でありました。それどころか,末端のほうでは,宅地内の土砂撤去はできないという対応もありました。それに対して,日本共産党市議団が4回にわたる要望書を出す中で,実態を示し,対応を統一するよう改善を求めましたし,土砂撤去については,4年前と同じ対応を求めました。
日本共産党市議団は,災害の発生に当たって,改めて災害救助法とその施行令を読み,広島市行政の対応では法が生かされていないことを痛切に感じました。災害救助法をきちんと読めば,避難所での食事は温かい食事を提供する必要があるし,プライバシーが守られ,きちんと眠ることができる設備の提供が求められることがわかります。早急な生活再建のために,宅地内の土砂・瓦れきは行政が迅速に撤去するよう取り組む必要があります。災害救助法にのっとって取り組む立場に立つなら,行政の責任は道路などの公共施設だけではないことがわかるはずです。その点で,先ほどなされた答弁では,極めて不十分であります。
19年前に続いて,4年前にも大規模豪雨災害に見舞われた広島市では,少なくとも4年前の対応がどうだったのか,全ての職員が土砂災害防止法及び施行令を学び,災害の際にどういう対応をすべきか,日ごろから確認しておく必要があったのです。突然の災害に遭い,前の日までの暮らしとは打って変わった事態の中で,肉体的にも精神的にも打ちひしがれている状態の被災市民に,いかに寄り添った対応をすべきか,できるかを日ごろからよく話し合っておく必要があったと考えます。それがきちんとなされていなかったということです。大規模災害の可能性は今回で終わりではありません。このことは,今後,職員研修のプログラムに入れるなど,きちんと取り組んでいただくよう求めます。
今回のような災害への対応の際によく,国の支援が,財源がということが行政の現場から出てきます。しかし,私は,災害への対応は,財源の問題ではないと思います。市の行政は,市民の暮らしの安全と安定に責任を負わねばなりません。地方行政の災害対応に国が最大限の財政的支援を行うのは当然ですが,そういうことを国が決めてくれる前でも,市長の判断でいかに安心な避難生活を保障するか,いかに迅速な生活再建を図るか,地域復興を進めるかという立場で,被災地,被災市民の一人一人の実態に即した対応を進めていくべきです。
仮に国の支援が得られない状況があっても,被災地,被災者への対応が何よりも優先するはずです。今年度計画していた建設計画を後年度にずらしてでもやる必要があるのが災害対応だということを,そういう覚悟が求められるのだということを,広島市行政としてよく考えてくださるよう求めておきます。そういう実践から,国の法整備も行われていくわけです。
災害発生から2カ月近くになるのに,いまだに土砂・瓦れきの撤去が終わらないところが残されているのは,被災者の生活再建にとって重大な障害です。行政の手が届かないから,待ち切れずに被災者がみずから業者に頼んで,土砂などの撤去をしている例がたくさんありますが,このことは,業者がいないわけではないということであります。行政がこれまでの枠にとらわれて,あらゆる手を打つということになっていないからではないのでしょうか。市内の業者が足りないとするなら,それこそ自衛隊の手を積極的にかりるということがあるでしょうし,全国の業者に目を広げて,積極的な被災地での業務活動を要請するなどの決断も必要ではないかと考えます。いかに被災者優先という立場に立つか,これが今行政にも議会にも問われているわけであります。最初から無理だと考えずに,柔軟に知恵を絞るという姿勢が求められるところであります。
国がやると言っているのに,いまだに支援の枠組みさえできていないのが民地内の土砂撤去の事後精算です。国が金を出すというが,後から査定されるかもしれないから,国が基準を出してから,市の基準を決めるということになっています。国が出すと言っているのですから,さっさと市のほうで制度の枠組みをつくって申請を受け付け,それに基づいて国と交渉する,そういう姿勢が求められております。これは早急に取り組むべきです。
最後に,日本共産党の仁比聡平参議院議員が8月2日の参議院災害対策特別委員会で災害救助法と最近の全国の災害対応での到達点に基づき,現場の実態や被災者の声を受けて質問を行ったことに対して,政府が答弁し,確認したことを6点指摘しておきます。このたびの災害対応については,国も柔軟に対応しようとしていることがわかります。このことをよく吟味して,被災者への対応を行われるよう求めます。
1,二次災害の懸念があり,公益上支障となる場合は,自治体が民有地内の土砂を直接撤去可能である。環境省の災害等廃棄物処理事業と国交省の堆積土砂排除事業,公共施設の災害復旧事業は契約事業者を分けず一体で土砂等を撤去し,事後的に費用を各事業で案分できる。
2,環境省の災害等廃棄物処理事業費補助金による自治体の瓦れき撤去経費の被災者負担は必要ない。所有者が業者に依頼して撤去した場合でも,市町村の事業として整理すれば補助対象となり,事後償還も可能である。
3,2については,空き家の瓦れき,屋内の床下を埋めた土砂の撤去についても,被災市町村が生活環境保全上実施した場合は補助対象である。
4,2については,全壊・半壊・床上浸水・床下浸水などの住家の被害状況,災害救助法の適用のいかんにかかわらず補助対象となる。
5,持ち家に直接の被害はないが,二次災害で住宅が被害を受けるおそれや,ライフラインの途絶,地すべりなどで避難指示を受けている場合など,長期に自宅に住めない被災者も仮設住宅に入居可能である。
6,商工業者への直接支援について,グループ補助金による設備復旧支援や持続化補助金による小規模事業者の販路開拓支援への要望も踏まえ,速やかに必要な支援措置を実現できるよう取り組む。
以上の6点を国会で政府がはっきり言明しております。
例えば床下浸水の場合は,現状で行政の支援は何もないように見えます。しかし,昔と違って,今の住宅は床が低くて,しかも,フローリングの場合は,床を剥がさなければ床下に入った泥を取り除くことはできません。この作業ともとに戻すのには大変なお金がかかります。この場合の少なくともフローリングを剥がして土砂を撤去するところまでは,国の補助を受けて市町村の事業として整理すれば,行政が床下の土砂撤去をすることができるし,業者が実施した場合は,その費用を事後精算で出すことができることが考えられます。政府がやると約束していることをしっかり踏まえて,いかに被災者の負担を軽くできるか,知恵を絞ることができる行政でありたいものであります。
以上,いろいろ申し上げましたが,被災者の救援と生活再建支援のために必要なことを述べたつもりです。広島市行政として,取り組んでいただくよう,強く要請して,討論を終わります。
以上です。(拍手)
○永田雅紀 議長 以上で討論を終結いたします。
これより採決いたします。
本件のうち,第87号議案から第89号議案については,いずれも原案どおり決することに,第90号議案から第92号議案については,いずれも承認することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田雅紀 議長 異議なしと認め,さよう決定いたしました。
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付議事件議了の宣告
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○永田雅紀 議長 以上で付議事件は全て終了いたしました。
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閉会宣告
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○永田雅紀 議長 これをもちまして第3回臨時会を閉会いたします。
午後3時51分閉会
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△(参照1)
議席表……省略
△(参照2)
議 決 事 件 一 覧 表
(平成30年第3回臨時会)
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│ 議 案 │ 提 出 │ │ 付託委員会 │ 議 決 │ │
│ │ │ 件 名 及 び 内 容 ├───────┤ │ 議 決 結 果 │
│ 番 号 │ 年月日 │ │ 付託年月日 │ 年月日 │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ │ │会期決定について │ │30. 8.28│ 8月28日の │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │ │ │ │ 1日と決定 │
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│ 報 告 │30. 8.21│専決処分の報告について │ │ 〃 │ 終 了 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ 10 │ │(道路の管理瑕疵等による損害賠償額の決定) │ │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 〃 │ 〃 │専決処分の報告について │ │ 〃 │ 〃 │
│ │ │(市営住宅に係る家賃の長期滞納者に対する家屋明渡等├───────┤ │ │
│ 11 │ │ の訴えの提起) │ │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 〃 │ 〃 │専決処分の報告について │ │ 〃 │ 〃 │
│ 12 │ │(市営住宅に係る家賃等の長期滞納者との訴え提起前の├───────┤ │ │
│ │ │ 和解) │ │ │ │
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│ 87 │ 〃 │平成30年度広島市
一般会計補正予算(第3号) │ │ 〃 │ 原案可決 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │ │ │ │ │
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│ 88 │ 〃 │平成30年度広島市
水道事業会計補正予算(第2号) │ │ 〃 │ 〃 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │ │ │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 89 │ 〃 │平成30年度広島市
下水道事業会計補正予算(第2号) │ │ 〃 │ 〃 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │ │ │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 90 │ 〃 │専決処分の承認について │ │ 〃 │ 承 認 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │(平成30年度広島市
一般会計補正予算(第2号)) │ │ │ │
└─────┴────┴─────────────────────────┴───────┴────┴────────┘
┌─────┬────┬─────────────────────────┬───────┬────┬────────┐
│ 議 案 │ 提 出 │ │ 付託委員会 │ 議 決 │ │
│ │ │ 件 名 及 び 内 容 ├───────┤ │ 議 決 結 果 │
│ 番 号 │ 年月日 │ │ 付託年月日 │ 年月日 │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 91 │30. 8.21│専決処分の承認について │ │30. 8.28│ 承 認 │
│ │ │ ├───────┤ │ │
│ │ │(平成30年度広島市
水道事業会計補正予算(第1号))│ │ │ │
├─────┼────┼─────────────────────────┼───────┼────┼────────┤
│ 92 │ 〃 │専決処分の承認について │ │ 〃 │ 〃 │
│ │ │(平成30年度広島市
下水道事業会計補正予算(第1 ├───────┤ │ │
│ │ │ 号)) │ │ │ │
└─────┴────┴─────────────────────────┴───────┴────┴────────┘
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議 長 永 田 雅 紀
署名者 山 本 昌 宏
署名者 村 上 厚 子...