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△日程第1┌自第1号議案 平成30年度広島市
一般会計予算
┤
└至第60号議案
包括外部監査契約の締結について
(総括質問)
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○永田雅紀 議長 日程第1,第1号議案から第60号議案を一括議題といたします。
昨日に引き続き,総括質問を行います。
発言通告者に順次発言を許します。
28番
安達千代美議員。
〔28番
安達千代美議員登壇〕(拍手)
◆28番(
安達千代美議員) 皆様おはようございます。
公明党の安達千代美です。
会派を代表して総括質問をさせていただきます。しばらくの間,御清聴をよろしくお願いいたします。
まず初めに,認知症施策についてお伺いいたします。
私は,昨年の
決算特別委員会において,認知症施策について幾つかお伺いをさせていただきました。最近,特に地域住民の皆さんの声を聞いていると,認知症への関心が非常に高くなっていることを改めて実感をしています。我が国においては,2012年に認知症の方は約462万人で,65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症と診断され,また,
軽度認知障害── MCIの方を合わせると,65歳の約4人に1人が認知症またはその予備群とも言われています。
今から四十数年前,有吉佐和子さんの恍惚の人がベストセラーになりました。この本では,高齢者介護,認知症,当時はこの言葉もありませんでしたが,認知症についてスポットが当てられ,大きな社会的反響を呼びました。当時としては,極めて斬新であったと思います。ただ,現在の視点で見ると,主人公の義理の父であり,介護を受ける
認知症当事者の方は,理解しがたい存在として扱われているように見えます。
現在,認知症に関しては,映画,小説,アニメ,そして絵本においても認知症となった祖母と孫のつながりを描くものがあるなど,非常に多くの媒体でテーマとされており,また,さまざまな視点や描き方が見受けられます。加えて,当事者の方も著書や講演会や地域における活動などを通して,積極的に発信されるようになりました。認知症が非常に身近な話題となり,社会的な関心,そして,理解が高まっていることを実感しています。
このような現状を踏まえ,国は平成27年1月に新
オレンジプランを策定し,そして,昨年7月には数値目標を更新するなど,認知症施策のより一層の推進が図られています。同プランは,高齢化の進展とともに,認知症の人がさらに増加することが予想される中,認知症の人の意思が尊重され,できる限り住みなれた地域のよい環境で,自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指し,認知症の人を単に支えられる側と一くくりにしてしまうのではなく,認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるような環境整備を図っていくこととしています。
昨年の介護保険法の改正でも,新
オレンジプランの趣旨が法律上明記されました。1,認知症の理解を深めるための知識の普及や啓発,2,認知症の人の介護者への支援の推進,3,認知症の人及びその家族の意向の尊重への配慮の3項目が,国と地方自治体の努力義務として明記されています。
昨年確認いたしましたが,広島市でも第7期
高齢者施策推進プランにおいて,認知症施策の推進を重点施策の一つとして位置づけ,総合的かつ体系的に取り組みを進めていく方向性が打ち出されています。
そこで,来年度に向けて,広島市として認知症施策を具体的にどう進めていくのか,何点か質問をさせていただきます。
まず,早期診断・早期対応についてです。
認知症の人が住みなれた地域での生活を継続していくためには,認知症の容体の変化に応じて,医療・介護が適切に切れ目なく提供されることが必要となります。認知症に関しては,残念ながら根本的な治療法はまだありませんが,早期に診断を受けて,早い段階で必要な医療・介護を受けることで,一部には治るものがあるほか,例えば
アルツハイマー病などは薬をうまく使うなどで進行をおくらせて,健康的な生活を長くしていくこともできると言われています。また,病気に関する理解を早い段階から少しずつ深めることで,今後の生活で生じてくる障害を軽減したりしていくことも可能となります。
そのためには,早期の発見と早期の対応が非常に重要になってきます。認知症は,いつ発症するか予測することができない上,どのタイミングで医療機関にかかったらいいのかわからない,また,受診したときには,治療するには手おくれだったりするケースもあり,早い段階での対応が重要です。ただ,認知症の御本人はもとより,御家族もすぐに受け入れられるとは限りませんし,きめ細やかなサポートが必要になってまいります。その点も含めて,認知症の早期診断・早期対応に向けて,広島市としてどういった取り組みを進めておられるのか,また,看護師,社会福祉士などが当事者に早期にかかわる
認知症初期集中支援チームを本年度中に設置することが義務づけられています。本市では,今年度,2区にモデル的に設置し取り組んでおられますが,このことも含めて,今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。
また,認知症の疑いのある人については,専門的な診断が必要となるケースもあるほか,認知症の人に行動・心理症状── BPSDや身体合併症などが見られた場合,入院など適切な医療の提供が必要となってまいります。すなわち早期診断・早期対応から急性期における対応まで,容体に応じた適時・適切な医療・介護の提供がなされる循環型の仕組みを充実させていく必要があると考えています。
今後,急速な高齢化,特に75歳以上の人口の急増に伴い,広島市における認知症の人も大幅に増加することが予想されています。そのため,
認知症かかりつけ医を初めとする日常的な診療に携わる
医療機関関係者が,認知症への理解を深め,対応力を向上させていくことは重要であるということは論をまちませんが,これに限らず,専門的な医療提供体制についても,さらなる整備を図っていくことが必要ではないでしょうか。市の御見解をお聞かせください。
続いて,認知症の当事者,御家族への支援についてお伺いいたします。
現在,65歳以上の約4人に1人が認知症,またはその予備群ともされています。特に,いわゆる団塊の世代が全て75歳以上になる2025年には,認知症の方は約700万人前後になり,65歳以上の高齢者の約5人に1人に上昇する見込みとも言われています。すなわち,誰もが認知症になり,ともに生きることになる可能性があります。それはまた,御家族が認知症となり,介護者としてかかわる可能性もあることを意味しています。それほど認知症は身近な病気であることを,地域社会全体として正しく理解し認識した上で,認知症の人を初めとする高齢者に優しい地域づくりを進めていく必要があります。特に地域では,ボランティアを初めとして,さまざまな活動をされている方がおられます。実際,認知症の方への支援にも,無理のない範囲で取り組まれている方もおられ,行政として,その後押しをしている自治体もあると聞いています。
そこで,お伺いいたします。広島市として,認知症の人とその家族を支える地域づくりに向けて,地域住民への後押しなど,どういった取り組みを進めていく意向なのか教えてください。
次に,認知症の予防についてです。
先ほど申し上げたように,認知症については,病態解明が不十分であり,現段階では根本的な治療薬や予防法は十分には確立されておりません。今後,国のほうでもビッグデータの集積等による実態解明を進め,有効な予防法の開発を進めていくことが期待されていますが,当面は取り組むことができる発症予防を地道に進めていく必要もあります。認知症の発症予防には運動,口腔機能の向上,栄養改善といった身体機能に関する危険因子を防ぐもののほか,社会参加や趣味活動など,日常生活における取り組みが
認知機能低下の予防につながる可能性が高いとも言われています。
広島市でも,地域住民主体の通いの場づくりなどを進めていると思いますが,現在の取り組み状況と今後の取り組みについて教えてください。
次に,
若年性認知症施策については,高齢者の方とは異なり,18歳から65歳で発症する現役世代であり,特に働き盛りの40代,50代の男性の発症が多く,就労の継続や生活費等の経済的な問題,主な介護者が配偶者となる場合が多く,ダブルケアなどへの対応など,多岐にわたるサポートが必要となってまいります。
また,
若年性認知症については,初期症状が認知症特有のものではなく,診断しにくいケースがあります。何より,映画,明日の記憶でも,渡辺謙さんが演じた
若年性認知症の主人公が,なかなか受診・診断に至らなかったりしましたが,御本人や周囲の人がおかしいなと思っても,認知症に結びつかず,または受け入れがたく,受診がおくれることで,結果,症状が進行してしまっているケースも多いと聞きます。そのため,
若年性認知症の人とその御家族が適切な支援を受けられるよう,各種の支援に携わる機関を,ネットワーク化していくこととともに,例えば当事者の方が積極的に発信するなど,
若年性認知症について,広く市民の皆さんに知ってもらう取り組みなども重要ではないかと思っています。この点について,市の御見解をお聞かせください。
昨年10月29日に,東京都国立市で開かれた啓発イベント,国立市認知症の日,その中のシンポジウムで講演された
若年性認知症の丹野智文氏,仙台市在住は,30代で
若年性認知症と診断され,不安を抱えながらも同じ認知症の人々との交流を通じて前向きになれた体験を紹介されました。家族や周囲から温かく支えられ,仕事を続けられることに触れ,私は認知症になっても周りの環境さえよければ,笑顔で楽しく過ごせることを知りましたと語りかけていたそうです。国立市は,認知症の人が安心して地域で暮らせるまちづくりを目指し,2012年に,10月の第3土曜日を認知症の日と制定,医師や介護事業者らでつくる
在宅療養推進連絡協議会と共催し,認知症への理解を深めるイベントを毎年開催しているそうです。当日は,町中で認知症の人に出会った際の対応を学ぶ模擬訓練,いいあるきネットの取り組みも報告されました。
誰もがなり得る認知症,認知症になっても安心して人生を楽しんでいける社会にしていくことが重要だと思います。今後の最重要課題の一つとして,当事者のニーズに合った施策の取り組みを推進していただきたいと思います。
次に,孤立化する子育て家庭への支援についてお伺いいたします。
少子化,核家族化の進展等により,子育てをする中で身近に相談相手がいないことから,子育ての孤立化が進んでいます。また,母親自身が赤ちゃんに触れる機会も少なくなっており,知識や経験が不十分なまま出産し,産院での入院期間も短く,育児技術を取得し切れないうちに退院している現状があります。産後の母親が最も育児不安を感じる時期は,退院直後から3カ月という報告もあり,出産後の不安感は第2子以降の出産行動にも影響を与えることや,児童虐待にもかかわってくるとの指摘もあることから,早期の支援が重要であると思います。
公明党は,こうした出産前後の母親が安心して出産,子育てができるよう,切れ目のない妊娠・出産支援に力を入れてきております。
日本版ネウボラの創設を要望してきました。
こうした中,国においては,妊娠期から子育て期までにわたる切れ目のない支援を行う,
子育て世代包括支援センターの設置を法律上位置づけ,全国展開に取り組んでいるところです。広島市においては,平成27年度から各区に
母子保健コーディネーターとして,保健師を新たに1名配置するとともに,県内で最初に妊娠・
出産包括支援事業を開始するなど,
子育て世代包括支援センターの体制を整え,切れ目のない支援に積極的に取り組んできておられます。また,本年度からは,産後の初期段階の母子への支援の強化を図るため,
産婦健康診査事業も開始されました。
このように行政の取り組みは着実に進められていると思いますが,一方で,本市の平成28年度の市民意識調査を見ると,子育て世帯── 親と子の世帯の約7割が,地域の人たちとのつながりが弱いと感じていると回答しています。また,民間の団体が行った妊娠中,または3歳未満の子供を育てている母親への
アンケート調査結果を見ると,社会全体が子育てに無関心・冷たいと回答した方が36.3%,社会から隔絶され,自分が孤立しているように感じると回答した方が33.8%,不安や悩みを打ち明けたり,相談する相手がいないと回答した方が26.2%となっています。こうした調査結果は,地域のつながりの希薄化に伴い,子育て家庭の孤立化が深刻になっていることを裏づけているのではないでしょうか。
広島市が平成28年2月に公表した広島型・福祉ビジョンでは,安心して子供を産み育てることができる環境づくりを確実に進めていくためには,自助に加え共助・公助を強化し,将来の広島市を担う子供たちの育ちを広島市全体で支えていくことが重要であるとの基本認識を示されており,地域における支え合いの重要性を指摘されています。
そこでお尋ねします。
地域のつながりの希薄化による子育て家庭の孤立化が深刻となる中,地域で子育て家庭を支援する取り組みを推進していく必要があると思いますが,どのようにお考えでしょうか,お伺いいたします。
いずれにしても,安心して子供を産み育てることのできる環境の整備が重要であり,
ワンストップで切れ目のない相談体制をぜひ整えていただきたいと思います。
次に,
電子母子健康手帳についてお聞きいたします。
母子健康手帳とは,母子保健法に基づき,市へ妊娠の届け出を行った際に交付される紙の手帳で,妊婦の健康状態や乳幼児の発育記録,予防接種の接種記録などを記載するほか,妊婦健診の受診補助券等が添付されています。この
母子健康手帳については,持ち歩くのが不便,記入が面倒,家族間での情報共有が難しいといった紙ゆえの不便さもあることから,子育て世代に広く普及している
スマートフォンのアプリを活用し,紙の
母子健康手帳の機能を補完するものとして,
電子母子健康手帳の導入,配信を行う自治体が年々増加している状況にあります。
例えば尾道市では,昨年の3月から
インターネットサイトと
スマートフォンアプリのサービスを始めており,市のホームページなどに点在していた
子育て支援情報を
ワンストップで提供しています。中身を見ると,行政サービスを届け出,健康,預けるなど,項目別に検索できるようになっていて,予防接種や
ファミリーサポートなどの制度についての情報を見ることができるようになっています。また,英語や中国語,韓国語にも対応しています。これまでは,市のホームページや冊子などで情報発信していましたが,情報が点在してわかりにくいといった声を受け,手続の窓口が探しやすくなることで,子育ての不安解消につなげたいと,
インターネットサイトとアプリのサービスを始められたようです。
こうしたアプリについては,利用できる機能は自治体によって異なっているようですが,予防接種の予定日時のスケジューリングのサポートや接種の記録,妊婦健診や乳幼児健診の記録,胎児や乳幼児の発育曲線等のグラフ表示,自治体からのお知らせの受け取りなどができ,また,入力した情報は家族で共有することができます。
私は,昨年度の
予算特別委員会で,この
電子母子健康手帳の導入について質疑をさせていただきましたが,今回の当初予算に新規事業として,健康診査や予防接種の情報配信等を行うことができる
スマートフォン向けのアプリを導入するための予算が計上されたことについては,
電子母子健康手帳を導入すべきとの議会の意見を真摯に受けとめられ,前向きに検討していただいたものと評価しているところです。
そこでお尋ねいたします。
このアプリについて,記者発表資料を見ると,健康診査や予防接種の情報配信等を行うことができる
スマートフォン向けのアプリとなっていますが,どのような機能を持ったアプリになるのでしょうか。また,導入に伴い,どのような効果を期待されているのでしょうか,お伺いいたします。
今回のアプリの導入により,万が一,
母子健康手帳を失うようなケースが生じた場合でも,紙の
母子健康手帳の情報全ては難しいかもしれませんが,一定程度補完する役割を担うことが可能となり,市民にとってのメリットは大きいものと考えています。また,各自がスマホで予防接種や健康診査のスケジュール管理ができるようになることで,予防接種の接種率や健康診査の受診率の向上にも寄与するものと考えられます。
こうしたITの分野は日進月歩で発展していく分野だと思います。今後,運用に当たっては,利用者の声をしっかり聞いていただき,適宜,必要な改善を図っていただきたいと思います。また,個人情報の管理には十分注意をしていただき,情報漏えい等が起こることがないよう,情報セキュリティーの安全対策をしっかりしていただきたいと思います。
最後に,今こそ核兵器廃絶に向けた協働をについてお伺いいたします。
昨年は,国際社会における核兵器の非人道性に対する認識の広がりや核軍縮の停滞などを背景に,7月7日に核兵器禁止条約が国連加盟国の6割を超える122カ国の賛成により採択され,多くの国が核兵器廃絶に向けて明確な決意を表明いたしました。
また,12月には条約採択への貢献などを理由に,核兵器廃絶国際キャンペーン── ICANが,ノーベル平和賞を受賞するなど,世界的に条約に対する関心と期待が高まっています。
しかし,その一方で,昨年は北朝鮮による6度目の核実験や弾道ミサイルの発射が相次ぐ中,12月には新たな国連安保理決議が全会一致で採択されました。さらには,トランプ政権が本年2月2日に発表した米国の中期的な核兵器政策の指針を示す,核態勢の見直し── NPRにおいて,核抑止力を一層強化する方針が示されました。
こうした世界の動向を見るにつけ,昨年,採択された核兵器禁止条約は,国際的に核兵器を禁止する規範が確立されたという点から,画期的な意義があると思います。
我が国は唯一の戦争被爆国です。核軍縮,さらには核兵器のない世界実現への責任と権利を有しています。だからこそ,積極的に核保有国・非保有国間の橋渡し役として主導的な役割を果たし,そして,核軍縮の結果を出していくべきではないでしょうか。この具体的な取り組みが,昨年11月,我が国の主導により広島で開催された核軍縮の実質的な進展のための賢人会議第1回会合です。私たち公明党も,昨年7月,賢人会議はぜひとも被爆地で開催していただきたいと強く外務省に申し入れをさせていただきました。
この会議において,本年4月のNPT── 核拡散防止条約── 運用検討会議第2回準備委員会に向けて提言を取りまとめることが決定しました。この提言において,核兵器のない世界実現へ,各国の協力と協調のもと,現実的かつ実践的な道筋が示されるものとなるよう強く期待したいと思いますし,それまでに第2回目以降の賢人会議が開催されるようでしたら,市長には被爆地で引き続き開催されることを外務省に強く要請していただきたいと思います。こうした賢人会議等の国際会議の誘致に,広島市はさらに力を入れていく必要があると考えますがいかがでしょうか,お考えをお伺いいたします。
次に,2020ビジョンについてお伺いいたします。
平和首長会議は,2020ビジョンの策定後,その具体的な取り組みとして,国連や各国政府等に対する要請活動の展開や核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動などに取り組んでいます。昨年8月に開催された第9回総会では,2020年までの具体的な取り組みとして,核兵器のない世界の実現と安全で活力のある都市の実現を柱とする平和首長会議行動計画が策定されました。主な取り組みには,1,国連や各国政府等に対する要請活動の展開,2,加盟都市の拡大,3,リーダー都市を中心とした地域活動の活発化,4,被爆樹木の種や苗木の配付,5,青少年「平和と交流」支援事業,6,核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動,7,平和首長会議原爆ポスター展の開催,などがあります。どれも大変重要な取り組みですが,中でも,2番目の加盟都市の拡大,3,リーダー都市を中心とした地域活動の活発化,5,青少年「平和と交流」支援事業に重点を置いて取り組むことによって,2020ビジョンが加速度的に進展していくのではないかと考えています。
加盟都市をふやしながら,リーダー都市と連携し,平和首長会議のネットワークを機能的に運営していくためには,次世代の平和活動を担う若者の貢献が重要だと思います。ICANの世界的な広がりも,こうした取り組みを行った結果ではないでしょうか。核兵器のない世界の実現のためには,国際世論の醸成・拡大が不可欠であります。そのためには次代の平和活動を担う青少年の育成が大事であることは論をまちません。
2020年まであと2年半です。青少年「平和と交流」支援事業への加盟都市からの参加人数をもっと大幅にふやしたり,インターネットを活用して,広島市で開催する国際的な平和イベントに,加盟都市の若者が参加できるようにするなど,若者が主体的に参加できる平和活動を展開していくべきだと思いますが,いかがお考えでしょうか,お答えください。
以上で総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○永田雅紀 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 安達議員からの御質問にお答えします。
認知症施策の推進についての御質問がございました。
高齢化の進展と75歳以上の高齢者人口の増加とともに,本市の認知症の方の数もふえ続けることが見込まれています。要支援・要介護認定を受けている認知症の方の数は2017年の約3万3000人から,2025年には約4万5000人に達すると推計されており,早期診断・早期対応体制とともに,認知症の専門的な医療提供体制を整備していくことが重要であると認識しております。
こうした中,本市においては認知症対応力向上研修を修了したかかりつけ医が412名,地域の認知症に係る地域医療体制の中核的な役割を担う認知症サポート医が102名いるなど,身近な地域で医療面での支援が受けられる環境が整ってきております。また,認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問し,早い段階で支援を包括的・集中的に行う
認知症初期集中支援チームを二つの区に設置し,活動を始めております。さらに,認知症の専門医療相談や鑑別診断,行動・心理症状── BPSDや身体合併症に対する急性期治療等を行う認知症疾患医療センターを,市内西部と東部の2カ所に設置し運営することで,地域における認知症医療提供体制の充実を図ってきております。
今後は平成32年度に向けて,
認知症初期集中支援チームを設置するとともに,高齢化の進展により,認知症の人の大幅な増加が想定される市内北部には,同センターが未設置となっていることから,平成34年度の開設を予定している安佐市民病院の移転整備にあわせて設置するよう検討を進めてまいります。
こうした取り組みを通じて,市全域における認知症医療提供体制のさらなる拡充を図り,認知症の容体に応じた切れ目のない良質な医療・介護の提供体制の構築を推進してまいります。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長
健康福祉局長。
◎川添泰宏
健康福祉局長 認知症施策の推進に関する御質問に順次お答え申し上げます。
まず,認知症の早期診断・早期対応に向けて,
認知症初期集中支援チームを含め,今後の広島市における取り組みの方向性はどうかとのお尋ねでございます。
議員御指摘のとおり,本市では今年度より,認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問し,早い段階での支援を包括的・集中的に行う
認知症初期集中支援チームを東区と西区の2区に設置し,モデル的に活動を開始しております。両支援チームにおいては,地域包括支援センターなどからの情報提供を受け,医療・介護サービスを受けていない方に訪問支援を行うことで,医療・介護サービスにつながり,その後のモニタリングにおいても,安定してサービス利用が継続しているケースが複数あるほか,経済的な問題など,複合的な課題を抱えるケースにも他機関と連携して粘り強く支援を行うなど,事業の効果があらわれつつあります。
そのため,平成30年度から32年度を計画期間とする,第7期広島市
高齢者施策推進プランにおいて,3カ年で支援チームを全区に設置し,対象者を速やかに医療・介護サービスに安定的につなげる体制を構築していくこととしております。さらに,この
認知症初期集中支援チームを初め,
認知症かかりつけ医や認知症サポート医,地域包括支援センター等の連携のもとで,認知症に至る前の軽度の認知障害── MCIや認知症の初期段階で対象者を把握し,適切な予防策・治療につなげることで認知機能の改善や進行をおくらせることができるよう,認知症の簡易スクリーニング等,早期把握のための手法の導入についても検討していきたいと考えております。
次に,認知症の人とその家族を支える地域づくりに向けて,地域住民への後押しなど,どのように取り組みを進めていく意向かとのお尋ねでございます。
認知症の方には,なじみのある環境での生活の継続が特に重要となり,医療・介護といった専門的なサービスの適切な提供はもとより,老若男女を問わず多くの市民や事業者が,地域において認知症の方への理解者・支援者となることが必要です。そのため,本市においては,認知症について正しい知識と理解を持つ認知症サポーターの養成を進めており,平成28年度末で約6万5000人と数値目標を上回る状況になっています。次期
高齢者施策推進プランにおいても,国の新
オレンジプランにおける数値目標の上方修正と歩調を合わせ,さらなるサポーターの養成に取り組み,市民への普及・啓発を進めてまいります。
また,議員御指摘のとおり,見守り活動や認知症カフェのボランティアなど,地域において認知症の方とその家族を支える活動に自発的に取り組んでいただくことも極めて重要です。本市が行った市民意識調査では,4割以上の方が認知症の人が近所にいた場合,今すぐまたは今後協力したいと回答していることから,具体的な活動へつなげるきっかけづくりとともに,こうした考えを持つ市民の割合をふやしていくような後押しが求められていると考えております。
そのため,本市においては,今年度から認知症サポーター・ステップアップ講座を開催しており,認知症の方とその家族を支える活動の実践につなげていくことにしております。来年度以降も,同講座の開催等を通じ,認知症になっても住みなれた地域で安心して生活を継続できるよう,認知症の方とその家族を地域で支える体制づくりを進めていきたいと考えております。
次に,認知症の予防にもつながる住民主体の通いの場づくりなどを進めているが,現在の取り組み状況と今後の取り組みはどうかとの御質問でございます。
認知症の発症予防につきましては,運動や口腔機能の向上,栄養改善,社会交流といった日常生活における取り組みが
認知機能低下の予防につながる可能性が高いと言われています。これらは,介護予防・健康づくり全般に通ずるものであり,本市としても,介護予防・日常生活支援総合事業による介護予防・生活支援サービス事業に加え,一般介護予防事業においても,地域住民が主体となって,運動を中心とした介護予防活動に取り組む場である地域介護予防拠点づくりを進めております。この地域介護予防拠点においては,現在,原則週1回以上,いきいき百歳体操などの筋力運動を行うことを基本としていますが,リハビリ専門職との連携による立ち上げ支援と相まって,昨年9月から,高齢者いきいき活動ポイント事業を開始したことにより,昨年末時点の実施箇所数は市内400カ所を超え,参加者数も約8,800人と取り組みが大きく広がりを見せています。これにより,運動機能向上はもとより,地域ぐるみで取り組むことで,人と人のつながりを通じて,楽しく継続することができ,閉じこもりも認知症予防の効果も期待できます。
今後,実施箇所数・参加者数がさらにふえるよう,地域包括支援センターが中心となって支援していくほか,取り組みの内容についても,口腔機能や認知機能向上に資する運動を追加したり,講師を招いて,フレイル予防や
認知機能低下の予防に向けた学びの場としていくなど,認知症予防を含めた総合的な介護予防活動につながるよう,取り組みのさらなる拡充を図っていきたいと考えております。
次に,
若年性認知症については,支援に携わる機関をネットワーク化していくとともに,広く市民への普及啓発を行うことも重要ではないか,市の見解はどうかとのお尋ねでございます。
若年性認知症の人とその家族等が抱える多様な課題に対応する関係機関のネットワークの構築と切れ目のない支援に向けましては,
若年性認知症支援コーディネーターの配置が有効であると考えております。昨年12月に広島県においても,
若年性認知症サポートルームが設置され,コーディネーターが活動を開始していますが,平成28年度の地方分権改革に関する提案募集での本市からの提案を受けて,都道府県に加え,政令市でコーディネーターを設置することができるよう,国において検討が行われており,その結論を受けて,県とも連携しつつ,市としての対応を検討していきたいと考えております。
また,
若年性認知症につきましては,市民に広く普及・啓発を図っていくことが重要であると考えており,従来から実施している介護従事者向けの研修に加えて,市民を対象とした
若年性認知症講演会を開催し,正しい知識の普及と早期診断・早期対応へとつなげていきたいと考えております。その際,
若年性認知症の当事者の方みずからが発信することで,画一的・否定的なイメージを払拭するとともに,力強いメッセージとなることが期待されることから,講演会においても,こうした方法を取り入れるなど,市民・当事者の方にとって,より効果的なものとなるよう検討を進めてまいります。
以上でございます。
○永田雅紀 議長
こども未来局長。
◎滝川卓男
こども未来局長 2件の質問にお答えします。
まず,孤立化する子育て家庭への支援について,どう取り組みを推進していくのかについてです。
核家族化の進展や地域のつながりの希薄化等に伴い,子育て家庭の孤立化や子育てに対する負担感が増大する中では,地域の関係機関などが連携し,地域全体で子育て家庭を支援していく必要があると考えています。このため,本市では,子育て親子が身近な場所で相談・交流できるよう,常設オープンスペースを設置するほか,地域のオープンスペースを運営する団体への助言等を行う,地域子育て支援拠点事業,民生委員・児童委員が乳児のいる家庭を訪問する,こんにちは赤ちゃん事業,子育ての相互援助活動を支援する,ファミリー・サポート・センター事業などを実施しています。また,来年度は常設オープンスペースについて,安佐南区に1カ所増設するとともに,地域の包括的な支援体制づくりを行うため,他の区役所に先駆けて東区役所厚生部を再編し,新たに地域支えあい課を設置することとしており,今後とも地域と連携を図り,地域で子育て家庭を支援する取り組みを推進し,安心して子供を産み育てることができる環境づくりを進めてまいります。
次は,
電子母子健康手帳についてです。
「ひろしま子育て応援アプリ」はどのような機能を持つのか,また,導入に伴いどのような効果を期待しているかについてです。
子育て応援アプリについては,子育て世帯の多くが日常的に利用している
スマートフォンで,好きなときに,好きな場所で,容易に子育てに関する情報を取得できるよう導入するものです。主な機能としては,母親の健康や子供の成長の記録,予防接種等の管理など,
母子健康手帳の補完機能のほか,児童手当等の各種手続や制度の周知など,
子育て支援情報の配信機能を備える予定です。また,アプリの導入により,予防接種等のスケジュール管理が容易になることによる接種率等の向上や,家族間での情報共有が容易になることによる父親の子育ての参加促進,母親の孤立感の軽減といった効果が見られると考えております。
以上でございます。
3 第284号議案 広島圏都市計画(広島平和記念都市建設計画)地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について
4 第290号議案 市道の路線の認定について
5 第291号議案 契約の締結について(八木・緑井地区雨水渠築造工事(その1))
6 第292号議案 契約の締結について(広島湯来線麦谷工区道路改良工事)
△(参照2)
平成30年2月22日
議 員 各 位
広島市議会議長
永 田 雅 紀
請願・陳情の受理について(報告)
下記のとおり請願・陳情を受理し,関係委員会に付託したので報告します。
記
請願
┌───┬─────────────────┬─────┬─────┬─────┐
│ 受理 │ 件 名 │ 受 理 │ 付 託 │付託委員会│
│ 番号 │ │ 年 月 日 │ 年 月 日 │ │
├───┼─────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 44 │教育予算の増額,教育費の無償化,父│ 30. 2.15 │ 30. 2.15 │文教委員会│
│ │母負担軽減,教育条件の改善を求める│ │ │ │
│ │ことについて │ │ │ │
├───┼─────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 45 │知的障害特別支援学校の新設を求める│ 30. 2.20 │ 30. 2.20 │文教委員会│
│ │ことについて │ │ │ │
├───┼─────────────────┼─────┼─────┼─────┤
│ 46 │永田雅紀広島市議会議長不信任とし,│ 30. 2.20 │ 30. 2.21 │議会運営 │
│ │議長の交代を求めることについて │ │ │委員会 │
└───┴─────────────────┴─────┴─────┴─────┘
陳情
┌───┬─────────────────┬─────┬─────┬─────┐
│ 受理 │ 件 名 │ 受 理 │ 付 託 │付託委員会│
│ 番号 │ │ 年 月 日 │ 年 月 日 │ │
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│200│平成26年8月21日 22日 戸山中学校│ 30. 2.14 │ 30. 2.14 │文教委員会│
│ │の教育指導連絡会議について,当時の│ │ │ │
│ │学校長である村田吉弘のから出張の疑│ │ │ │
│ │いがあることについて │ │ │ │
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│201│本年2月9日 五日市観音中学校が生│ 30. 2.14 │ 30. 2.14 │文教委員会│
│ │徒自殺の原因は教員の管理下である授│ │ │ │
│ │業中のいじめとの調査報告が全国報道│ │ │ │
│ │され,広島市教育委員会会議でも委員│ │ │ │
│ │からこれについて非難をうけながら,│ │ │ │
│ │同日午後4時に反省文や謝罪文ではな│ │ │ │
│ │く「2月9日1年生英単語クラスマッ│ │ │ │
│ │チ」との内容でホームページが更新さ│ │ │ │
│ │れたことについて │ │ │ │
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│202│市道へのミラー設置に関することにつ│ 30. 2.16 │ 30. 2.16 │建設委員会│
│ │いて │ │ │ │
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議 長 永 田 雅 紀
署名者 宮 崎 誠 克
署名者 八 軒 幹 夫...