休憩宣告(終了)
開議宣告(終了)
一般質問(続行)
休憩宣告(終了)
開議宣告(終了)
一般質問(続行し,明日も続行)
次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)
散会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 海 徳 裕 志 2番 山 本 昌 宏
3番 山 内 正 晃 4番 山 路 英 男
5番 木 戸 経 康 6番 平 野 太 祐
7番 石 橋 竜 史 8番 森 畠 秀 治
9番 定 野 和 広 10番 近 松 里 子
11番 森 野 貴 雅 12番 森 本 健 治
13番 碓 氷 芳 雄 14番 西 田 浩
15番 渡 辺 好 造 16番 宮 崎 誠 克
17番 大 野 耕 平 18番 三 宅 正 明
19番 伊 藤 昭 善 20番 桑 田 恭 子
21番 馬 庭 恭 子 22番 藤 井 敏 子
23番 豊 島 岩 白 24番 八 軒 幹 夫
25番 八 條 範 彦 26番 原 裕 治
27番 米 津 欣 子 28番 安 達 千代美
29番 星 谷 鉄 正 30番 平 木 典 道
31番 今 田 良 治 32番 元 田 賢 治
33番 谷 口 修 34番 竹 田 康 律
35番 村 上 厚 子 36番 中 原 洋 美
37番 中 森 辰 一 38番 酒 入 忠 昭
39番 佐々木 壽 吉 40番 太 田 憲 二
41番 若 林 新 三 42番 熊 本 憲 三
43番 山 田 春 男 44番 児 玉 光 禎
45番 金 子 和 彦 46番 永 田 雅 紀
47番 沖 宗 正 明 48番 土 井 哲 男
49番 木 山 徳 和 50番 種 清 和 夫
51番 中 本 弘 52番 木 島 丘
53番 碓 井 法 明 54番 藤 田 博 之
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欠 席 議 員 氏 名
な し
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職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
事務局長 田 原 範 朗 事務局次長 重 元 昭 則
議事課長 石 井 一 司
議事課課長補佐主任事務取扱
小 田 和 生
議事課主幹 立 原 満 議事課主幹 今 井 悦 尚
議事課主査 高 谷 昌 弘 外関係職員
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説明のため出席した者の職氏名
市長 松 井 一 實 副市長 室 田 哲 男
副市長 岡 村 清 治
危機管理担当局長行 廣 真 明
企画総務局長 及 川 享 財政局長 手 島 信 行
市民局長 谷 本 睦 志
健康福祉局長 川 添 泰 宏
こども未来局長 滝 川 卓 男 環境局長 和 田 厚 志
経済観光局長 久保下 雅 史
都市整備局長 山 地 正 宏
都市整備局指導担当局長 道路交通局長 谷 山 勝 彦
古 川 智 之
下水道局長 早 志 敏 治 会計管理者 佐々木 政 弘
消防局長 山 崎 昌 弘 水道局長 野津山 宏
監査事務局長 堀 敬 輔 財政課長 中 村 徹
教育長 糸 山 隆
選挙管理委員会事務局長
久 保 雅 之
人事委員会事務局長
柴 田 吉 男
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午前10時00分開議
出席議員 51名
欠席議員 3名
○永田雅紀 議長 おはようございます。
出席議員51名であります。
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開議宣告
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○永田雅紀 議長 これより本日の会議を開きます。
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会議録署名者の指名
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○永田雅紀 議長 本日の
会議録署名者として
9番 定 野 和 広 議員
38番 酒 入 忠 昭 議員
を御指名いたします。
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日程に入る旨の宣告
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○永田雅紀 議長 これより日程に入ります。
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日程第1 一般質問
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○永田雅紀 議長 日程第1,前回に引き続き一般質問を行います。
発言通告者に順次発言を許します。
39番
佐々木壽吉議員。
〔39番
佐々木壽吉議員登壇〕(拍手)
◆39番(
佐々木壽吉議員) おはようございます。
広島市民クラブの佐々木です。久しぶりに一般質問させていただきます。御清聴のほど,よろしくお願いいたします。
昨今,日本や世界はいろいろなことで騒がしくなっておりますが,私は,平成3年に初当選させていただき,ことしで27年目になります。その間,世の中においては,阪神・淡路大震災やサリン事件,また,広島市におきましても,橋桁落下や韓国大邱市との姉妹都市縁組,スポーツの
祭典アジア大会や,さまざまな豪雨災害による被害などもありましたし,私,3期目には,暴走族から市民を守るために,消防部局の反対はありましたが,納得していただき,全国で初めての
罰則つき暴走族追放条例の施行など,時の流れの速さを感じております。1期,2期は平岡市長,3,4,5期は秋葉市長,そして6期,7期と松井市長,三人三様ではありますが,市民のためにと頑張っておられる姿勢は同じだと感じています。
私は,初当選以来,広島駅周辺が再開発しないと広島の戦後は終わらないとの思いで力を注いでまいりました。平成10年より,まず若草住宅の移転をお願いし,平成15年には第1期が,平成16年には第2期が完成しました。その以前にも矢賀住宅が第1期が平成10年,第2期が平成12年と完成し,同時に,若草住宅から第一陣として入居いただき,最終的に若草第2期住宅完成とともに全員の移転が終わり,その後,紆余曲折はありましたが,平成22年度には再開発の完成がなされましたし,また,MAZDA Zoom−Zoom
スタジアム広島は,東区との住民との約束はまだ積み残されてはいるものの,平成21年に完成し,野球のおもしろさを伝えていますし,
二葉の里地区も
都心居住機能ゾーン,
医療福祉機能ゾーン,
業務機能ゾーンにと区分され,駅北の再開発に刺激されたのか,昨年度には南口のB,Cブロックも完成し,広島駅自由通路も秋には全面供用開始となり,商業施設も開設されると聞いています。前々から私は,紙屋町,八丁堀,広島駅を中心とした都心の回遊性のあるまちづくりをと申してきました。広島駅周辺もようやく中四国地区の中枢都市の玄関口にふさわしいまちになってきたのではないかと感じています。まあ,目指すところ,60点ぐらいになったのではないかと思います。と申しますのは,ハード整備が進んだだけでは魅力的なまちはつくれません。あくまで地域の住民や事業者が主体的にまちづくりに取り組むことで,まちの魅力が生まれるのです。
そうした中で,日本で最初の住民と企業が一体となり,それを行政がバックアップし,地域の安心・安全で活気あるまちづくりを目指した国土交通省が示した
エリアマネジメント,いわゆるソフト面の推進であります。現在,駅北においては,その前進のために平成27年3月に
エキキタまちづくり会議を設立・開催し,さまざまな活動を行っております。
エリアマネジメントに関する勉強会を重ねながら,エキキタおながフェスタや祈りの夕べなどイベントやまちづくり一斉清掃などに取り組んでおります。また,将来目標として,
エキキタまちづくりビジョンを作成し,みんなが同じ夢を共有しながら取り組みを進め,一歩ずつ着実な成果を重ねていこうとしております。
そのような中で,
エキキタまちづくり会議が活動するエリア,
新幹線口周辺や
二葉の里地区を含む広島駅周辺地区内の事業者の方々が,新たな
エリアマネジメント組織の設立に向けて検討を進めております。こうした動きの中,先日のマスコミ報道によりますと,広島駅南口周辺と
二葉の里地区がエリマネの計画と報道され,私たちが現在進めている活動がどのようになるのかという不安を抱いています。私は,地区にダブりがあっては困惑するばかりだと思います。せっかく南口に機運が生まれたのであれば,今の
エキキタまちづくり会議と連携していただき,広島駅周辺一体の
エリアマネジメントを進めていく必要があると考えていますが,市としての考えをお聞かせください。
次に,人に優しいおもてなしのまちづくりについてお聞きします。
せっかくすばらしい駅北ができ上がりつつある中,私は,他都市の新しいまちを視察いたしまして思いますことは,広島駅北は本当に心の込もったまちづくりなのだろうかと感じます。それは,数多くの市民も申されますが,エレベーターは各所にまずはあるけど,エスカレーターの数が少なく,2階部分から1階の
タクシー乗り場等に行くにはどうしたらよいのかと迷ってしまうということです。せっかくの市民の高い税金を使ってつくった
南北自由通路及び
ペデストリアンデッキです。JRに遠慮することなく,市民,県民のために早急にもてなしの優しいまちづくりをしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか,お答えください。
次に,広島駅
周辺地区医療福祉ゾーンについてお聞きします。
先週も,がんで亡くなられた小林麻央さんのことが大変なニュースとなっています。また,皆様の御家族や周りの方々におかれましても,がんにかかられた方がたくさんいらっしゃることと思いますが,現在,日本は2人に1人ががん患者と言われております。厚生労働省の
がん対策推進企業アクションにおいて,東京大学の中川恵一教授が主査となって進めておられますが,がんは生活習慣が6割強の要因を占めており,また,早期に発見できると100%近く治せる病気であると言われております。発見できる大きさ,約1センチにまで10年以上かかりますが,1センチから2センチになるには1年から2年で,この間が発見の勝負になる期間で,この段階で見つけて処置をすれば5年生存率は100%近くで治る,がんは早期発見が大事で,治る生活習慣病なのです。医者は,早期に発見することに加えて,患者側のがんの知識を正しく理解することが大事であると強調されております。
数々の治療の施策も実施されています。広島県は,広島市とともに全国一のがん対策を進めています。先日もABCC70周年記念講演においても,放射能におけるがん発生率の高さも報告されており,より一層の治療の重要性を感じております。二葉の里の
広島がん高精度放射線治療センターの平成28年度の実績も黒字経営に向けて頑張っておられるようですが,先ほども申しましたように,
がん治療方法といたしまして,患者は心の中で生きることに最善な思いを寄せています。そのような中,二葉の里に高
精度放射線治療センターがあるわけですが,がんの理解が進み,検診を受けるようになって早期にがんが発見できるようになる,つまり入り口対策が充実すると,出口対策として広島の治療体制はどうあるべきかが問題になってくると考えます。がんの治療で低侵襲治療という難しい医療用語がありますが,要は体をできるだけ傷つけない,ダメージが少ない治療がよいとされています。この一環で高
精度放射線治療施設が広島市につくられたと思います。がん治療について,一概にこれがよいと言えないのは,がんの種類,できた位置,できぐあい,患者さんの年齢や生活状況,民間保険の加入状況など,治療とかかる時間,体へのダメージなど,身体面,経済面などを総合的に判断して
各種治療方法の中から選択する必要があると思われますし,医師側で,これがよい,これでよいと押しつけることはできないと考えます。
そこで質問いたします。がん検診の受診率は他都市に比べて低いのか高いのか,がんについて最新の情報を正しく知るという市民を対象とした教育について,市はどのように取り組むつもりですか。そしてそこで考えないといけないと思うのが,治療のメニューを多様化しないといけないのではないでしょうか。生活習慣によるというなら,一生涯に一度しかがんにならないというわけではなく,二度,三度とかかる可能性があることに対して複数の治療が選べるような体制を考えておかないといけないと思います。つまり今,目の前のがんが治ればよいという治療の考え方ではなく,治った後,再び治療を受けるという前提でどのような治療がよいかという選択をしていくような考え方,治療体制をつくっていくことが全国に先駆けて,がん先進県,先進シティーとなることができると思います。
そこで質問いたします。県は,リニアックにより光子線治療を行う高
精度放射線治療施設を設置したが,
がん治療対策について,市としての取り組み,また,方針はどうあるべきだと考えられていますか。また,広島県にはない最高精度の粒子線治療である陽子線治療についてどのように考えておられるか,お答えください。
以上で私の質問を終わりますが,お答えにより再質問させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○永田雅紀 議長 市長。
〔
松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 佐々木議員からの御質問にお答えします。
広島駅周辺についてのうち,
エリアマネジメントについての御質問がございました。
広島駅周辺地区では,新幹線口の
二葉の里地区において,業務,医療等の施設整備が進むとともに,南口においても,昨年B・Cブロックの再開発ビルが完成したところです。また,本年5月には両地区を結ぶ広島駅自由通路が一部供用開始するなど,当地区は日々そのまちの姿の変容が市民の方々に見えるようになってきております。こうした当地区におけるハード整備や各種機能の集積は,本市が進めている楕円形の都心づくりの東の核としての拠点性を一層高めるとともに,西の核である紙屋町・八丁堀における活性化への期待感をも高めているところであります。新たな開発計画が動き出すなどの相乗効果が発揮されつつあるというふうに受けとめております。
こうした中,
新幹線口周辺においては,議員の御尽力もあって平成27年に設立された
エキキタまちづくり会議が
にぎわいイベントや清掃活動などに活発に取り組んでおられます。また,広島駅南口周辺や
市民球場周辺の事業者の方々も,
二葉の里地区などの事業者の方々と一緒になって新たな
エリアマネジメントの組織設立に向けて準備を進めておられると伺っております。私としては,広島駅周辺地区をよりよいまちにしていくためには,地区内の事業者や住民の方々が主体的に進める
エリアマネジメントというまちづくりの手法を活用することがますます重要になると考えております。そして二つの組織がしっかりと連携し,完成した施設や空間などの資源を有効活用して,両者がお互いの活動を高め合えるような取り組みも必要になってくると考えております。
そこで,現状を見てみるならば,まずは両者間での予定されている連携方策についての協議が円滑に行われることが何よりも重要となります。このような視点に立って,引き続き議員の積極的な支援もいただきながら,当地区のにぎわい創出につながる環境整備をしっかりとやっていきたいと考えているところであります。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長
健康福祉局長。
◎川添泰宏
健康福祉局長 高度医療に関する市のあり方について,2点御質問をいただきました。
まず,がん検診の受診率は他都市に比べて低いのか高いのか,また,がんについて,市民を対象とした教育について市はどのように取り組むつもりかとの御質問でございます。
本市において,がんは死亡原因の第1位であり,年間約3,000人ががんで亡くなるという現状を踏まえ,がん対策が重要であると認識しております。がん検診につきましては,本市では,職域等で受診機会のない地域住民の受診率を把握しております。平成27年度のこの受診率は,胃がん検診が11.5%,肺がん検診が24.8%,
大腸がん検診が24.1%,
子宮がん検診が36.9%,乳がん検診が33.4%となっております。これは政令市で比較した場合,胃がん検診が3番目,肺がん検診が6番目,
大腸がん検診が8番目,
子宮がん検診が3番目,乳がん検診が4番目に高い受診率となっております。市民を対象としたがん教育につきましては,
健康づくり計画「元気じゃけんひろしま21(第2次)」に基づき,
生活習慣病予防教室やがん講演会など,がんに関する知識の普及啓発を行っております。今後とも,最新の情報を加えるなど,がんについての正しい知識の普及啓発により一層取り組んでまいります。
次に,県は,高
精度放射線治療センターを設置したが,
がん治療体制について市としての取り組み,方針はどうあるべきか,また,広島県にない陽子線治療についてどのように考えているかとの御質問でございます。
本市の
がん治療体制につきましては,
広島市民病院,
県立広島病院,
広島大学病院,広島赤十字・原爆病院及び
安佐市民病院が,
がん診療連携拠点病院として中核的な役割を担うとともに,平成27年10月に設置された
広島がん高精度放射線治療センターにおいて先進的な高
精度放射線治療設備と専門スタッフを集中化し,
放射線治療患者の増加に効率的に対応することにしております。本市は,
広島がん高精度放射線治療センターが,本市における
先端的医療サービスの提供や人材育成,技術力の集積等に大きく寄与するとともに,その受診患者の多くが広島市民と見込まれることから,運営に関し,広島県,広島市,広島県医師会及び4基幹病院,これは
広島市民病院,
県立広島病院,
広島大学病院,広島赤十字・原爆病院でございますが,この7者による協定を締結しまして,センターの円滑かつ安定した運営のために協力することとしております。
陽子線治療につきましては,従来の放射線治療に比べましてがん細胞を殺傷する能力が10%程度高く,正常細胞への副作用が少ないことから,
陽子線治療施設が設置されれば,がん医療の充実につながるものと認識をしております。しかしながら,現在,広島県では,立ち上げたばかりの
広島がん高精度放射線治療センターの安定した運営を目指しているところであり,患者の需要の見込みが立ちがたいことなどの課題を考慮いたしますと,慎重な対応が必要であるというふうに考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長
道路交通局長。
◎谷山勝彦
道路交通局長 人に優しいおもてなしのまちづくりについての御質問にお答えいたします。
新幹線口で2階から1階の
タクシー乗り場等に行くのに迷う,おもてなしの優しいまちづくりをとのお尋ねでございます。
広島駅周辺地区では,昨年10月に
新幹線口ペデストリアンデッキが完成し,今年度も4月20日に
新幹線口広場のマイカーと
タクシーエリアの入れかえ,5月28日には自由通路の一部使用を開始するなど,整備の進捗に伴い,順次利用の形態や歩行者の経路が変わってきております。こうした変更に際しましては,JRやその他の
交通事業者等とも協力し,各段階で事前の広報等に努めておりますが,現段階では,新たな施設の誘導案内の周知が十分図れていない部分もあると認識しております。
現在,
新幹線口広場については,本年9月30日の完成を,また,自由通路については10月29日の全面供用を目指して工事を進めているところであり,駅の構内も含めた案内板や誘導サインについては,利用者の動向や地域の意見も参考にしながら関係者と協議を行い,さらに充実を図ってまいります。広島駅は,市民の利用に加え多くの観光客が訪れる本市の陸の玄関口であり,今後とも,わかりやすく使いやすいおもてなしのまちにふさわしい交通結節点となるよう取り組んでまいります。
○永田雅紀 議長 39番佐々木議員。
◆39番(
佐々木壽吉議員) いろいろとお答えいただいたんですけども,まず,人に優しいまちづくりということで,きょうもあすも外国からのお客さん,また,広島市以外からのお客さんも来られるわけですけど,それで,すぐやってくれないかと言ったらすぐに
タクシー乗り場はということで,こういう風につくってくれてもう張っていただいております。(佐々木議員,写真を掲げる)私は,そういう姿を見て,やはりすぐやるということが重要だなと思って褒めましたんですけども,やはり行政は早く,より市民のためにということを考えてやっていただきたいと思うわけです。これは,これから広島駅周辺をつくっていく場合,また,それ以外でもやはり早く正しくやっていくということは重要だと思いますので,今後ともよろしくお願いをしたいと思います。
それから,高度医療に対しましても,ことしから学校の保健体育において,がんの治療のことも教科書の中でやるようになってると文部科学省のほうからのあれであるというふうに聞いておるんですけども,やはりがんに対しての子供のころからの知識というか,どんなもんかということを教えて勉強していただく,それが自分の体は自分で守るんだ,だから健康診断にも早くから行く習慣をつけるという,そういったことが広島市においても県においても国においても必要じゃないかと,こう思うわけです。ですから治る生活習慣病ということもあるので,そういったことでのいろいろと広島市のお互いの局でいろいろと話し合いながら,そういったこともやっていっていただきたいなと思うわけです。
最後に,今度は再質問ですけども,
エリアマネジメントについて,市長も大変頑張ってやっていこうということで,非常にありがたく思っております。そういった中で,やはりエリマネを南口と,駅北のまちづくりという中で両方ともやっていくというのは,本当ならば,それを一つにしていくのが私は一番じゃないかと常々言っておるわけです。一つで,南も北も一緒になってやったならば,駅北というよりも広島駅周辺,祭りとかそういうことも一緒に頑張っていけるし,また,いろいろな市民との,企業との交流で一度にできる。この前も,半月前ぐらいには清掃をさせていただいたんですけども,そのときも南口のほうから企業の方が勉強しにっていうか,見に来ていらっしゃいました。だから私は一緒にやろうよということは申し上げたんですけども,やはり行政も一緒にやるような方向性で早く市長も連携してやったらいいということをおっしゃっていただいてるんで,局の幹部の方も,そういうふうな方向でもって指導していっていただきたい。
二葉の里エリアの中で,二葉の里でその会費を先に取っていろんなことをやるっていうんじゃなしに,この前の
エキキタまちづくり会議の中で,もう既に二葉の里のエリアの新しく来られた企業の方々も入会をしていただいております。そんな中で,また南口のほうで会費を取ってやられるということは,その地域の企業の方が困惑されるということになると思うんですね。ですから,そういうことを一日も早く改善して,やはりやるんでしたら一つにやるか,それとも南と駅北で分かれてやるときには話し合ってやるとか,そういったことをしていくのが一番じゃないかと思っておるんです。市長もそういうお考えだと私は理解しておるわけですけども,そこで,担当局長の
都市整備局長,そういうふうなものでいこうと思っておられる市長を,私たちに対してどうなんかということを一言局長にお聞きしたいんですが,どうでしょうか。
○永田雅紀 議長
都市整備局長。
◎山地正宏
都市整備局長 駅北と駅周辺の
エリアマネジメントということで,今,議員から御指摘ございましたエリアがダブっておるというとこ,ちょっとそこの我々の認識をまず説明させていただきたいんですが,
エキキタまちづくり会議,駅の北側でございますけれども,これにつきましては,尾長の地区連合町内会,それから光商工会など地域の住民の方,それから企業の方々が中心になって
二葉の里地区の事業者の方と一緒に活動を拡大されてまいりました。一方で,駅の南口中心に広島駅周辺地区,これの新たな
エリアマネジメントの組織につきましては,駅南口のB・Cブロック,それから
市民球場周辺,それから
二葉の里地区という新たな開発地,これに伴い立地した事業者の方が中心になって設立の検討が進められていると,こういう違いがございます。このように双方の組織といいますのが,構成員やエリア,この性格が異なるものであったため,エリアが重複する地区の事業者の方も,双方の組織に両方参加するという意向で取り組まれているものと認識をしております。
それで,どのように連携していくかということで,今,議員から一緒になってという御提案がございましたけれども,連携方法につきましては,今後,両者間で協議が行われる予定となっております。考えられる連携の方法としましては,一例としましては,例えば駅から北側の
新幹線口周辺,
二葉の里地区,この活動に,また新たな
エリアマネジメントの組織がどのようにかかわっていくのか,あるいは駅南口でやるようなイベントに今度はエキキタの会議がどのようにかかわっていくか,また,北と南で一緒にやるようなイベントには両方の組織がどのようにかかわっていくかというようなことも検討の材料ではないかと考えております。一緒になるというようなことも含めて,地区内の事業者の方,住民の方,これが主体となる取り組みでございますので,今後,二つの組織が協議をしていく中で適切な連携方法が決められていくものと考えております。
以上です。
○永田雅紀 議長 39番佐々木議員。
◆39番(
佐々木壽吉議員) 今お答えがあったわけですけども,あくまでやはり市民と企業が中心になってどんどん進めていくということが一番必要なわけで,行政が引っ張っていくというのは,行政がバックアップしてあげるというのが一番だと私は思います。ですから,これからそういったお互いが連携するためにはどうすればいいんかということは,企業とか南口のほうの方々にどんどん意見を聞きながら,なるべく早く一つになるように,
二葉の里地区が迷われることのないようなことを私はやっていきたいと思います。どうしても企業は行政の方が言われると,そっちのほうにつられて,そうしないと私たちは,あと何かあるんじゃなかろうかというそんたくをされるようなことがあっちゃいけませんので,だからそういったことで,我々は南口の方々とも,それを進めておられる企業の方々と一緒になって頑張って,それについて局の御支援もいただこうと思いますので,よろしくお願いしますと同時に,局のほうも,やはり
エキキタまちづくり会議のほうにいろんなことで相談もしていただいたり,進んでやっていただくことをお願いをして,終わります。
○永田雅紀 議長 次に,3番山内正晃議員。
〔3番山内正晃議員登壇〕(拍手)
◆3番(山内正晃議員) 市民連合の山内正晃でございます。一般質問に入らせていただく前に,皆様に一つ御報告させていただきたいと思います。
私は,先月のこの日,5月26日に入籍をさせていただきまして……。(拍手)ありがとうございます。ようやく人生をともに歩んでいくパートナーを得ることができました。これから2人で一生懸命,私たちなりに市政のために頑張ってまいりたいと思いますので,同僚,先輩議員の皆様の御指導,御鞭撻をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは,質問に入ります。
平和行政の推進についてお尋ねします。
オバマ前米国大統領の広島訪問から1年余りが経過をしましたが,依然,世界には抑止力という名のもとに核兵器が存在し続けています。本市は,核兵器の廃絶に向けて一歩一歩取り組みを積み重ねてきました。本市が会長都市を務める平和首長会議における加盟都市は1982年のスタートから年々増加し,ことしの2017年6月1日現在で7,355都市まで拡大をしています。平和首長会議は,核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起していくことが大きな目的とされていますが,飢餓,貧困,難民,人権,そしてさらには,環境保護といった人類の共存を脅かす諸問題に対しても取り組んでいくことが目的として示されています。
松井市長は,ことし6月,米国ニューヨーク国連本部での核兵器禁止条約の第2回交渉会議に参加されました。核兵器保有国,非保有国,核の傘の下にある国,三者三様の立場がある中,第2回交渉会議の結論は,ことし7月7日の閉会日までははっきりとはしませんが,核兵器禁止条約の締結に向けての前進が期待されています。この会議に出席して市長はどのようなメッセージを発信されたのでしょうか。また,その成果をどのように捉えておられるのでしょうか,お尋ねします。
一方,平和首長会議の国内加盟都市の加入率は約96%までに達したとお聞きします。未加盟の自治体数は国内で約70程度であるということです。これだけ加盟都市がふえるとなれば,発信力も相当程度高まってきたと言えると思います。世界各国の加盟都市との取り組みとともに,国内加盟都市としての活動の活性化にも期待をしています。国内加盟都市会議では,毎年総会を実施し,日本政府への要請文を採決するなどの取り組みをされていると伺っていますが,ことしの国内加盟都市会議総会においても,加盟都市の総意として核兵器廃絶に向けて国に対して働きかけていただきたいと思います。平和首長会議の会長都市である本市の考えをお尋ねします。
次に,平和記念公園に供する折り鶴を昇華する取り組みについてお尋ねします。
平和記念公園に手向けられる折り鶴は,一時期は約100トンもの量が保管されていたと伺います。その後,広島市では昇華する取り組みを始められていますが,現在はどのように昇華の取り組みをされ,どの程度まで取り組みが進んでいるのか,お尋ねします。
また,昇華の取り組みの一つとして,折り鶴を再生紙とし,それを卒業証書の用紙として活用され,市内の小学校,中学校の卒業式で児童生徒に渡されています。市内のある学校が発案された取り組みであると伺っておりますが,この取り組みは市内の小中学校に広がり,市民からも大変好評を得ていると思います。こうした折り鶴再生紙を卒業証書の用紙へと昇華する取り組みを平和首長会議役員都市といった他都市にも紹介をするなど,拡大をする取り組みをされてみてはいかがでしょうか。卒業証書は児童生徒の手元に残るものであり,本市が発信する平和への祈りを広げていくことができると思います。本市の考えをお尋ねします。
続きまして,米軍機の低空飛行訓練についてお尋ねします。
米海兵隊岩国航空基地所属と思われる航空機の低空飛行訓練の目撃情報を本市の市民からお聞きすることがふえています。例えば島根県や広島県の県北の自治体では,運動会の最中に低空飛行訓練が目撃され,騒音によって運動会を中断せざるを得なくなるなどの学校行事への支障も起きており,住民から懸念の声が出ています。こうした米軍機の飛行訓練について,広島市においてはどのような状況であると本市は認識をしておられるでしょうか。また,米軍や日本政府に対して,低空飛行訓練の中止の要請や飛行ルートについての情報提供を求めるべきと考えますが,本市としてはどのような対応を行っておられるのでしょうか,また,今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか,考えをお尋ねします。
次に,観光施策と平和行政についてお尋ねをします。
広島市では,原爆ドーム周辺において,昨年12月7日からことし2月5日まで,平和の光・イルミネーション事業が実施されました。この事業は,原爆ドーム世界遺産登録の20周年観光キャンペーン事業の一つであり,市も,被爆者団体や関係団体に事前に事業内容を説明した上で実施をされたものと伺いますが,ドリミネーションの一部がバッファーゾーン内で実施をされていたこともあり,市に対してはこの平和の光・イルミネーション事業に対して反対意見が寄せられる結果となったと伺っています。本市の平和記念施設保存・整備方針においては,平和記念公園並びにその周辺区域についてこのように方針が記載されています。平和活動やコンサートなどのイベントに積極的に開放すべきとする考え方と,慰霊,鎮魂の場,聖地であることから開放すべきでないとする相反する考え方がある,平和記念公園の使用許可については,これまで平和記念公園を聖域として捉え,限定的な取り扱いを行ってきたが,今後,平和記念公園が果たすべき役割を踏まえるとともに,市民の意見を聞きながら開放を含めた新たな取り扱いについて検討する必要がある。
こうした記述からは,平和記念公園やその周辺において新たな取り扱いを検討していく考えが示されていますが,いみじくも市が指摘しているように,平和記念公園やその周辺は人々が集い,憩う場であるとともに,被爆の惨禍を学び,平和を考える場所としてどのようにあるべきか,しっかりと考えていくことが大切であると思います。例えば,今,広島市が取り組みを進めているピースツーリズム事業のように,原爆被害,平和についてしっかりと発信する観光事業は広く市民の賛同を得ていると感じます。観光施策においてもこうした視点が重要だと思います。平和の光・イルミネーション事業は,世界遺産登録20周年記念事業としての実施であったということで,ことしは実施をする予定はないと伺っておりますが,まず,この平和の光・イルミネーション事業の目的はどういうものであったのか,お尋ねをします。
忘れてしまおうとすること,記憶を抑圧してしまおうとすることの誘惑が大変に大きなものであることは確かです。しかし,私たちは,それに負けてしまうことはないでしょう,これはアウシュビッツ強制収容所解放60周年に当たり,当時のドイツ連邦首相であったシュレーダー氏の演説での言葉です。被爆の記憶を風化させないよう,本市においては,観光施策においても被爆者の思いや市民の意見をしっかりと踏まえていただきたいと思います。お尋ねをします。平和記念公園並びにその周辺における観光施策の実施に当たっては,被爆地広島としてふさわしいものなのかについて,被爆者団体等,関係団体を交えて丁寧な議論や説明をする必要があると考えます。市の考えをお尋ねします。
続きまして,迎える平和に取り組んでいる本市におきましては,平成28年度の資料によると,外国人観光客のうち,アメリカ合衆国からの観光客が最も多く17万5400人,続いてオーストラリアが12万8400人,以下,中国,香港,台湾と続きます。6位にイギリス,7位にドイツ,8位にフランス,10位にはイタリアとヨーロッパ諸国がランクインしています。これらのヨーロッパ諸国4カ国の観光客を総計すると,約19万人に上り,1位のアメリカ合衆国の17万5400人を上回ります。こうしたさまざまな国から訪問される外国人観光客からの視点を広島市の観光行政,とりわけ平和記念公園や原爆ドーム周辺における施策に生かすことが大切ではないでしょうか。平和記念公園についてどのように感じたのか,改善すべきところはどのような点なのか,外国人観光客対象のアンケート調査を行い,本市の平和記念公園の整備やおもてなしの向上に役立ててみてはいかがでしょうか,お尋ねします。
続いて,公共交通についてお尋ねします。
国は,2014年5月に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部改正をする法律を公布し,それに基づいて,例えば岐阜市などでは地域公共交通網形成計画を策定した上で,実施計画となる地域公共交通再編実施計画について国土交通大臣の認定を受けて実際にバス路線の再編を行っているところです。広島市においても,昨年12月に地域公共交通網形成計画が策定をされ,現在は再編実施計画の策定に向けて検討をされている段階であると伺います。全国の動きを見ると,これまで15の地域においてこの再編実施計画が策定に至っています。
再編実施計画においては,路線網や運行ダイヤ,運賃体系など具体的な計画を作成する必要があるほか,同一区内を営業するほかの交通事業者の全ての同意を得る必要があるなど,策定に至るまでには大変な調整が必要であると思います。一方で住民側からは,身近な交通手段であるバス路線やその便数あるいは料金体系などがどのように変わるのか,期待と不安が混在をしている状況でもあります。これまで本市の答弁では,関係者の同意が得られたところから順次計画を取りまとめ,以後,発展的に追加修正をしていくということですが,計画がある日突然公表されるというのではなく,スムーズに再編を進めていくためには,事前に再編実施のイメージを議会や住民に伝え,理解を進めていくことが必要ではないでしょうか。
例えば,東広島市では,東広島市地域公共交通再編実施計画という資料が既にホームページなどで公開をされています。これは法定の再編実施計画ではなく任意の計画ではあるようですが,バス路線の再編のイメージが公共交通網形成計画に比べて随分とわかりやすくなっています。このように再編の成果がどのようになるのか,再編を実施する前に見直し内容を知ることができるよう,議員など関係者にお示しいただきたいと思います。市の考えをお尋ねします。
続きまして,JR駅のバリアフリー化についてお尋ねします。
国のバリアフリー法の規定に基づく移動等円滑化の促進に関する基本方針においては,1日当たりの利用者数3,000人以上の駅については,平成32年度,2020年度までにバリアフリー化することとされています。広島市においても,この方針に沿って交通事業者が実施するバリアフリー化の整備費の一部補助を行うなど取り組まれている状況ではありますが,芸備線の安芸矢口駅,下深川駅については,1日当たりの利用者数3,000人以上という基準に合致していながらバリアフリー化が実現をできていない状況です。このたびこの両駅のバリアフリー化について3月に基本構想を策定され,今後は実施計画などに取り組まれていくと期待をしているところです。実際,下深川駅については実施設計予算が今年度当初予算に計上されていますが,改めて下深川駅と安芸矢口駅の両駅について,どのようなスケジュールでバリアフリー化に取り組んでいこうとされているのか,市の考えをお尋ねします。
次に,スクールカウンセラーの充実についてお尋ねします。
本市においては,スクールカウンセラーは,平成13年から小学校や中学校に配置をされているとのことですが,平成24年度は,中学校は各校,週8時間,小学校においては111校に各校,週2時間の配置であったのに対し,平成25年度には小学校も全校へと配置を拡大し,また,配置時間を各校,週4時間へと拡大をした結果,年間の相談件数は平成24年度の2万2503件から平成25年度は3万2946件へと1万件以上増加をしたとのことです。昨年度,平成28年度には,スクールソーシャルワーカーについては8人から12人へと拡充が実現し,難しい課題を抱える家庭や児童生徒への支援が充実をすることが期待をされているところではありますが,スクールカウンセラーの加配は平成25年度以降実施をされていない中,スクールカウンセラーへの相談件数はおおむね年間3万2000から3万3000件台の横ばいで推移をしています。これは,保護者や教職員,児童生徒などからの相談をしたいという意向がふえていないというよりも,スクールカウンセラーが対応が可能な相談件数について,これ以上ふやすことが難しくなっているのが実情ではないかと私は思います。先述したように,加配を実現した平成25年度は相談件数が急増したという結果もあります。不登校,暴力行為,いじめなど,学校現場での課題に取り組む上でスクールカウンセラーに対しては大きな期待が寄せられています。現在,スクールカウンセラーの配置は,小学校は各校,週4時間,中学校,高等学校は各校,週8時間となっていますが,今後,配置増が必要だと考えます。加配について,市教育委員会の考えをお尋ねします。
また,スクールカウンセラーは,教職員や地域の方々あるいは児童生徒本人からだけではなく,保護者からも直接相談を受けておられます。このスクールカウンセラーの取り組みについて,学校だよりなどを通じて保護者への周知にも取り組まれていると思いますが,まだまだスクールカウンセラーの仕事や制度への認知が十分とは言えないと思います。スクールカウンセラーの役割と制度について,保護者への周知はどのようにされているのでしょうか,また,周知をより強めていただきたいと思いますが,どのようにお考えでしょうか,お尋ねします。
次に,公民館の活性化についてお尋ねします。
公民館の利用者数はほぼ横ばいですが,施設の稼働率は地域によって増減がありながら,全体として減少傾向にあると伺います。また,活動団体においては高齢化が進み,活動団体数は減少傾向にあるようです。公民館は,戦後,戦争によって荒廃した日本を新しく築いていくためには教育の力が必要であり,地域の人々が議論をし,学習をする場をつくることが必要であるという理念のもと,民主主義と平和主義を根づかせ,自分たちのまちや地域を復興していこうとする住民の活動場所として広がってまいりました。公民館とは,地域の方々のさまざまな学びのための場所であり,また,地域の活性化に資することが求められる場所であります。そうした活動拠点である公民館においては,住民の自治と交流を促進し,そして学習や活動を盛り上げていくために職員が適切な支援をしていくことも大切です。活動団体の活性化という点では,本市の公民館においては,学習講座を開催し,それを契機として公民館活動グループへと発展させていく取り組みが行われていますが,この取り組みについてどのような成果が出ているのか,まずお尋ねします。
先述のとおり,公民館は地域の方々の自発的な学習の場所であるとともに,地域をつくっていこうとする人々の拠点でもあります。地域の活動団体や自主活動グループの活動が活性化をしていくことで,地域の方々の輪が広がっていき,地域課題を解決する草の根の動きへとつながっていくことが期待できます。近年の地域課題としては,どこの地域も直面しているのが高齢化社会への対応です。実際に広島市でも,例えば南区の仁保公民館では,地域包括支援センターとの連携により認知症カフェが月1回実施をされていると伺います。また,そのほかの公民館においても,いきいきサロン等に活用されている事例が複数あると伺います。本市の公民館においては,こうした地域の課題やニーズをどのように把握するように努めておられるのか,お尋ねします。
また,こうした地域課題を把握し,次の施策を展開していく上では,公民館にそうした人材を配置し,研修を深めていくことも大切だと思います。現在においても公民館においては,生涯学習に関する研修や地域課題を各区内の公民館で共有するなどの取り組みを行われているとは伺いますが,先進的な地域課題解決の事例を広く共有していくことも大切だと思うところです。区内,市内の公民館で共有できるよう研修機会をふやしていくことも大切だと思いますが,本市の考えをお尋ねします。
次に,障害者差別の解消の推進についてお尋ねします。
国においては,2016年4月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行されました。この法律では,障害のある人もない人もともに暮らせる社会を目指し,障害のある人に対する不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供を求めています。たとえ現時点で障害がない人であっても,いつ何どき事故や病気によって障害者となるかはわかりません。当たり前のことですが,ともすれば,その当たり前を当たり前とせず,障害のある人に対して理不尽な対応をしていることが私たちの日常にはあふれています。スロープ状になっていれば車椅子で移動できるのに階段しか設置をされていない場所,色覚障害がある人には読みにくい色で書かれた看板やパンフレットなどなど,こうしたちょっとした一つ一つを改善することで,障害のある人が社会生活や社会参加を行っていく上で困っていることは多少なりとも解消されていきます。障害のある人とない人の間に垣根はないという当たり前の原点に立ち返り,ともに生きる社会を目指すことが大切だと思います。
本市としても,障害者差別の解消について市民への周知や啓発に努められているところではあると思いますが,条例が制定をされることにより障害者への差別解消がより進むことが期待できると考えますし,また,進めていかなければなりません。本市議会では,昨年12月議会において,障害者差別を解消する施策を推進するための条例制定などを求める決議を全会一致で決議したところであり,本市におかれましては,引き続きの条例制定に向けた取り組みを求めます。決議から約半年たちましたが,障害者差別の解消に向けて本市はどのように取り組まれているのか,お尋ねします。また,障害者差別を解消する施策を推進する条例の制定について,本市はどのようにお考えでしょうか,お尋ねします。
最後に,LGBTの人権啓発についてお尋ねします。
2020年夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックまでおよそ3年余りとなりました。オリンピック憲章には,性的指向による差別の禁止がうたわれるなど,LGBTの方々への差別,偏見の撤廃にどのように取り組むのか,企業や国,自治体などの姿勢が問われる時代となっていると思います。日本国の法律において同性婚は認められていませんが,自治体では,それぞれ独自の取り組みが先行して始まっています。その一つが,同性のカップルであっても家族として公営住宅の入居を認めるなど,自治体の制度の範囲においてLGBTの方々の権利を保障しようとするパートナーシップ制度です。政令市においては,札幌市で同性であっても市の条例上パートナーとして認める札幌市パートナーシップ宣誓制度をことしの6月から実施をされたところです。また,LGBTの差別撤廃に取り組むことは,企業にとっても多様な人材確保や企業の社会的責任──コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティーの観点などから重要視されており,企業内で研修を行う会社もふえています。ある航空会社では,同性パートナーであっても婚姻している家族と同様にマイルを共有できる制度の対象と認めたり,また,携帯電話の会社によっては同性パートナーであっても家族割引の対象とするなど,法律の枠組みを超えてLGBTを家族として認めていく取り組みが見られます。さきに御紹介した自治体が発行する同性パートナーシップ制度は,こうした企業の制度を利用する際の証明書として使うこともできるようです。
国際的知名度の高い広島市においては,ぜひともほかの政令指定都市に先駆けて取り組んでいく必要があるのではないかと私は考えているところです。まず本市においては,LGBTの人権学習や知識の普及啓発についてどのように取り組んでいかれるのかをお尋ねします。また,民間企業においては,企業内での研修が盛んに行われるようにもなっています。私も,約8年前に当時勤めていた企業の研修で,ダイバーシティー研修──多様性を認める研修を受け,大変勉強になりました。広島市においても,まずは広島市役所の職員並びに関係団体職員の方々に対してのLGBTに関する啓発の研修機会を設けてはいかがかと思いますが,どのようにお考えでしょうか。
以上で壇上からの一般質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○永田雅紀 議長 市長。
〔
松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 山内議員からの御質問にお答えします。
平和行政の推進についての御質問がございました。このたび核兵器禁止条約の第2回制定交渉会議へ出席し,交渉会議の議論が本格的に深まる前の会議初日の6月15日に,NGOの最初のスピーカーとして発言をいたしました。こんな思いをほかの誰にもさせてはならないという深い人道的信念から,長年核兵器廃絶を訴えてきた被爆者の存命のうちに核兵器の法的禁止を見届けたいと切望してると,その思いを伝えました。また,コスタリカのホワイト交渉会議議長により5月に発表された条約素案が,被爆者の苦しみや願いをきちんと受けとめ言及されていることを心から歓迎するとともに,将来,核兵器に依存する国々が加盟できるようにするための工夫が凝らされていることも平和首長会議の主張と合致してるということを伝えました。さらに,新条約が核兵器に関する既存の法的規制をさらに強化,徹底する禁止条約となるよう,各国政府が建設的でオープンな議論を重ね,何としても今会期中に条約案が採択されることを強く期待するということを述べたところであります。
国連の中満軍縮上級代表やホワイト議長,オーストリアのハイノツィ駐ジュネーブ国際機関代表部大使らの面会におきましても,被爆者の核兵器廃絶への思いをしっかりと伝えて,平和首長会議としても引き続き加盟都市の仲間とともに核兵器廃絶の幅広い国際世論を高めていくので,今会期中に条約案がまとまるように努力をしてほしいと要請をいたしました。スピーチに際しましては,各国政府関係者が熱心に聞いてくださっていることを感じながら,終わった後には多くの方々から拍手をいただき,十分意は伝わったんじゃないかなと実感いたしました。また,面会した方々は,被爆者の核兵器廃絶への思いに共感し,平和首長会議の取り組みに対する理解を深めていただきました。今会期中の条約案採択に向けて尽力していただくとともに,今後も,さらに連携を深めながら核なき世界に向けて協働していけるものというふうな期待をしております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長 市民局長。
◎谷本睦志 市民局長 平和行政の推進について,平和首長会議国内加盟都市会議総会において核兵器廃絶に向けて日本政府に働きかけを行っていただきたいと思うが,どうかという御質問がございました。
国内の96%に当たる1,671の自治体が加盟する平和首長会議では,毎年開催している国内加盟都市会議総会において,日本政府に対し,核兵器禁止条約の早期実現に向けた取り組みの推進を求める要請文書を採決し,日本政府に提出しています。第7回となることしの国内加盟都市会議総会は,8月に長崎市で開催する第9回平和首長会議総会とあわせて開催します。この総会において審議,採決することになりますが,日本政府に対しては,核保有国と非核保有国の橋渡し役を果たすとともに,唯一の戦争被爆国として実効性のある核兵器の法的禁止を実現するために力強いリーダーシップを発揮されるよう求めたいと考えています。
次に,折り鶴に関して,どの程度昇華の取り組みが進んでいるのか,折り鶴再生紙を活用した卒業証書は他都市にも紹介するなど,広げる取り組みを図ってはどうかとの御質問がございました。
平和記念公園の原爆の子の像にささげられた折り鶴については,平成23年度末時点では約97.4トンを保管していましたが,その後,28年度までの5年間で新たに約57トンの折り鶴がささげられた一方で,折り鶴に託された思いを昇華するための取り組みを進め,名刺や絵はがきといった折り鶴再生製品の作成などの取り組みが広がったことなどにより約93.8トンの折り鶴が活用され,その結果,同年度末の折り鶴の保管量は約60.6トンとなっております。
次に,折り鶴再生紙を活用した卒業証書については,本市で育った児童生徒が平和と希望の象徴である広島にささげられた折り鶴を再生した卒業証書を手にすることにより,改めて世界の人々の平和への思いや願いを共有し,そして継承していくとともに,郷土広島への愛着や誇りを一層強くすることを期待して,被爆70周年に当たる平成27年度から全ての市立の学校で授与されているものです。今後,この卒業証書につきましては,議員御指摘のように,平和首長会議国内加盟都市会議総会において,折り鶴再生紙の活用事例として紹介するなどの取り組みを行っていきたいと考えております。
最後に,米軍機の低空飛行訓練について広島市域ではどのような状況か,また,米軍や日本政府に対して中止要請や飛行ルートについて情報提供を求めるべきであると考えるが,どのような対応を行っているのか,また,今後どのように取り組むのかとの御質問がございました。
本市における米軍機の低空飛行訓練の過去3年間の目撃件数は,平成26年度が9件,平成27年度が88件,平成28年度が5件となっており,本年度は6月1日時点で7件となっています。米軍機の低空飛行訓練については,騒音問題や事件事故の発生など県全体として広域に住民生活への影響が懸念されることから,これまでも広島県が本市を初め県内各市町における米軍機の低空飛行訓練の目撃情報を取りまとめ,年2回,日本政府及び米国政府に対しその実情を伝えるとともに,県民が生活する地域での訓練中止や飛行ルートの積極的な情報提供等を要請しているところです。今後とも実態の把握に努め,広島県等と連携を図ってまいりたいと考えています。
以上でございます。
○永田雅紀 議長
経済観光局長。
◎久保下雅史
経済観光局長 観光施策と平和行政の3点の質問について順次お答えします。
まず,昨年度実施した平和の光・イルミネーション事業の目的は何かとの御質問でございます。
平和の光・イルミネーション事業は,原爆ドームの世界遺産登録20周年を契機に,祈りの場としての原爆ドームの価値を一層高めるとともに,平和について考えていただく機会をつくることにより,来訪者に平和のとうとさを実感していただくことを目的に実施したものです。
続きまして,平和記念公園並びにその周辺における観光施策の実施に当たっては,被爆地広島としてふさわしいものなのか,被爆者団体等関係団体を交えて丁寧な議論や説明をする必要があると考えるが,どうかとの御質問です。
平和記念公園並びにその周辺区域における観光施策の策定,実施に当たっては,当該区域を原爆犠牲者の慰霊,鎮魂の場として配慮しつつ,より多くの方々にこの地を訪れていただき,被爆の実相を学び,平和のとうとさについて考えていただくための取り組みとの調和を図ることが重要であると考えています。このため具体の施策を進めるに当たっては,引き続き平和記念公園等が果たすべき役割,機能を踏まえるとともに,市民や被爆者団体等の意見を十分に聞いてまいりたいと考えています。
最後に,平和記念公園についてどのように感じたのか,改善すべきところはどのような点なのか,外国人観光客にアンケート調査を行い,平和記念公園の整備やおもてなしの向上に役立ててみてはどうかとの御質問です。
また,同時に,MICEの開催地設定における動機づけに資するために,さまざまな工夫を凝らすことも重要であると考えておりまして,例えばユニークベニュー等の開発について,広島広域都市圏の各市町と連携しながら圏域内の魅力的な資源を活用した取り組みを進めることとしているところでもあります。いずれにしても,本市におけるMICE推進は,広島広域都市圏の発展を視野に入れた上で行うべき大きな課題であるというふうに認識しておりますことから,地元MICE関係者の意見等も踏まえながら,持続型のMICE都市を目指していきたいというふうに考えております。
なお,本年2月に協同組合広島総合卸センターから商工センター地区の活性化策としての提案がありましたMICE施設整備については,このようなグローバルMICE都市への整備ということも視野に入れながら検討を行ってまいりたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○谷口修 副議長
企画総務局長。
◎及川享
企画総務局長 広島市の国際都市戦略について,MICEの質問のうち,職員の海外研修制度の充実についてお答えいたします。
職員の国際感覚を養成するとともに,外国語能力等の向上を図り,MICEや平和推進など,さまざまな分野で活躍できる職員を育成することは大変重要であると考えております。このため本市では,平成7年度から実施しておりますCLAIR── 一般財団法人自治体国際化協会ですけれども,この海外事務所へ長期派遣研修に加え,全国市町村国際文化研究所などが主催します短期海外派遣研修プログラムについて,平成24年度までは2コースであったものを平成25年度には4コース,さらには平成26年度からは5コースとしており,これまで研修機会の充実を図ってきているところでございます。今後も引き続き海外派遣研修の機会の充実を図りながら,職員の能力向上に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○谷口修 副議長 市民局長。
◎谷本睦志 市民局長 まず,いかなる国際機関等の誘致が本市に有益と考えているのか,その誘致に向けて具体的にどう動いて,いかなる感触を得てきたのかという御質問についてです。
本市にとって誘致が有益と考えられる国際機関等については,広島からの平和の推進に深くかかわるような国連機関等が広島に設置されることになれば,国際的なネットワークの拡大につながり,それに伴い平和の発信力が高まるなど,非常に意義が大きいと考えています。本市は,これまで外務省やユニタールを通じて国連機関等の海外拠点設置の動向等について継続して情報収集してきました。昨年度は,外務省の国連及び軍縮関連部署を訪問し情報収集しましたが,いずれにおいても,現時点ではそのような動きはなく,また,外交上の問題や国連自体が合理化の方針を持っている中で,我が国への誘致は簡単ではないとお聞きしております。国連機関等の誘致については,今後とも引き続き外務省を中心に連携を密にしながら情報収集等を行うとともに,他都市における国連機関等の状況も調査し,費用対効果も考慮しながら,粘り強く広島からの平和発信に資するため誘致に向けた取り組みを検討してまいりたいと考えております。
次に,国連軍縮会議の広島開催の常設についてどのように考えているか,また,常設した場合の年間予算の推計,今後具体的に外務省及び国連アジア太平洋平和軍縮センターと協議を行う予定があるかとの御質問についてです。
国連軍縮会議については,外務省としては,国内のできるだけ多くの都市で開催されることにより核兵器廃絶と世界恒久平和に向けた国内の機運醸成を図ることが効果的であることから,これまで全国の都市で26回開催されてきました。本市では,これまで4回開催し,直近では,被爆70周年に当たる平成27年度に開催されました。会議開催に必要な予算については,平成27年度は本市と広島県で各2000万円の負担を行っており,毎年開催する場合においても同程度の予算が必要と考えています。同会議は,基本的にはより多くの都市で開催し,広く核兵器廃絶の思いを共有してもらうことも有効であることや,毎年,本市と広島県に相当な経費負担が生じるなどの課題があるため,毎年開催することについては慎重に考えています。
一方,ことしに関しては,現在,国連において核兵器禁止条約制定に向けての会議が着実に進行している状況もあることから,国連軍縮会議が条約への参加国拡大のための環境づくりに資するような内容の会議になるのであれば,本市での開催について外務省及び国連アジア太平洋平和軍縮センターと協議していきたいと考えております。
次に,ユニタールの関係ですが,ユニタール広島事務所の果たしている役割について,本市のプロジェクトへの支援の目的と予算額,活動報告の提出状況についてでございます。
ユニタール広島事務所は,中四国地方で唯一の国連機関として平成15年に開設され,開発途上国の外交官や公務員,開発途上国出身の国連・専門機関等の職員を対象として,紛争後の復興や国際平和,安全保障に関する研修プログラム等を実施しています。こうした事業を通じて世界の平和と安定に寄与する人材育成に貢献するとともに,本年4月までに海外から約6,100人の研修生が広島を訪れ,被爆の実相や復興の歴史を学ぶ機会となっており,広島から平和のメッセージを発信する役割も果たしていると考えています。
本市は,ユニタールの研修プログラムの中で,本市の平和推進施策や国際交流,協力施策の推進に意義のあるプログラムに対して補助してきており,現在は,アジア諸国の核軍縮不拡散を所管する省庁の若手実務者を対象とする平和構築に向けた核軍縮不拡散のためのワークショップについて補助を行っております。平成29年度の予算額は700万円としています。活動報告につきましては,毎年度,事業実施報告書を提出してもらっています。平成28年度のワークショップについては,平成28年5月30日から6月3日の5日間,アジア5カ国から10名が参加して開催され,核軍縮不拡散に関する世界及びアジア地域の情勢の理解や国レベルでの核軍縮不拡散を進めるための行動計画の作成,外交交渉スキルの習得のための研修,さらには,広島の歴史に関する講座や平和記念資料館の視察といった事業の詳細及び収支決算書の報告を受けています。
次に,市民の国際性の涵養に資するプログラムの実績はどうか,それから同様の目的を持った事業を推進する必要性に鑑み予算を拡充していくことは可能かとの御質問についてです。
ユニタール広島事務所は,平成15年の開設以来,地域に貢献し,相互交流を促進することを目的として,本年4月までに外交官や学者等を招いて市民を対象に講演やパネルディスカッションを行う公開セッションを91回,高校等で講演を行うレクチャーを86回実施しています。これらに延べ2万7000人以上が参加し,外交や安全保障,紛争後の平和構築など国際問題を学ぶ機会となっています。このように公開セッションやレクチャーは,ユニタール広島事務所の専門性を生かした自主事業として継続して実施されていますが,より広い市民が参加できるような事業として展開していくことについて,費用のあり方も含め,ユニタールと意見交換していきたいと考えております。
最後に,国連本部へ職員を派遣してはどうかとの御質問についてです。
地方自治体からの職員が国連における事務を担うことと本市の平和発信を戦略的に推進することを両立させる制度は,各国から独立して運営されるべき国際組織のあり方からして認められておらず,現に国連広報センターに確認したところ,国連に直接職員派遣を行う制度はないとのことです。したがって,議員御提案の本市の平和発信を戦略的に推進していくための方策としては,国連関係の会議等の本市への誘致にしっかり取り組むことを中心に対応してまいりたいと考えております。
以上です。
○谷口修 副議長
経済観光局長。
◎久保下雅史
経済観光局長 観光都市広島としての発展と日本版DMOについての質問に順次お答えします。
本市における1人当たりの観光消費額,リピート率の現状と今後いかにそれらの引き上げを図り,新たな消費市場を実現していこうとしているのかとの御質問でございます。
平成28年に平和記念資料館を訪れた観光客に対して実施したアンケート調査では,本市における1人当たり観光消費額は1万8220円です。また,本市への訪問回数が2回以上と答えた方は約34%となっています。今後,1人当たりの観光消費額を引き上げるためには,日帰り客を宿泊客にシフトさせるなど滞在時間の延長を図るとともに,飲食消費額の上昇を図る取り組みが必要であると考えています。また,リピート率を高めるためには,本市の魅力をタイムリーにきめ細かく情報発信するとともに,滞在中に,飲食,購買,移動などがスムーズに行えるよう受け入れ環境の整備,充実を図り,観光客の満足度を向上させることが重要であると考えています。
こうした観点から,ホームページのリニューアルなど情報発信の充実や,無料公衆無線LANであるHiroshima free Wi−Fi整備エリアの拡大,広島駅観光案内所の再整備など,受け入れ環境の整備,充実に重点的に取り組んでいるところです。また,広島広域都市圏協議会において,産業振興研究会に観光振興部会を設け,これまで広く認知されていなかった地域の観光資源を生かし,圏域内の周遊を促進するための具体的な施策を検討しているところであり,新たな観光市場の創出につなげたいと考えています。
続きまして,平成24年度に経済観光局が発足して以来,本市は観光事業を通していかに稼ぐ力を意識し,養ってきたのか,また,観光事業による経済波及効果を算出,公表することで,地域経済の活性化に果たす観光事業の貢献度が明確になるとともに,観光で稼ぐという市民の意識づけとホスピタリティーの醸成につながると考えるが,その認識はどうかとの御質問です。
本市では,広範な分野と密接な関係にある観光の有機的な連携による施策展開が図れるよう,平成24年度に経済局と都市活性化局の観光部門を統合し,経済観光局として再編しました。この再編によって観光政策部と産業振興部,農林水産部との施策の共有化が一層進み,観光や物産に関する海外プロモーションの一体的な展開や広島ならではの農林水産物を活用した食の観光振興など,これまでにも増して稼ぐことを意識した施策を効果的に進めることができるようになったと考えています。
具体的には,平成28年度に経済成長が著しい東南アジアの中でも,特に市場の拡大が見込まれるマレーシアで産業振興部が開催した物産展とあわせて観光PRを実施し,特産品の販路拡大と誘客を図りました。また,食をテーマとした観光キャンペーンとして,農林水産部が推奨している「広島湾七大海の幸」を中心とした限定メニューを提供する瀬戸内かき海鮮食堂を広島広域都市圏内の店舗の協力を得て展開しました。こうした取り組みを通じて職員に対して,観光によって稼ぐという意識の醸成を図っています。議員御提案の観光事業による経済波及効果を算出,公表することは,幅広い産業が関連する観光事業がリーディング産業であるということを多くの方々に理解していただけることから,有益な方法であると考えています。
続きまして,2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機として観光振興計画を策定してはどうかとの御質問でございます。
本市の観光振興計画は,平成23年度から平成32年度までの10年間を計画期間として策定したひろしまビジターズ・インダストリー戦略行動計画があります。また,人口減少に歯どめをかけるために必要となる基本目標等を定めた世界に誇れる「まち」広島創生総合戦略,200万人広島都市圏構想の実現に向けて取り組む施策を取りまとめた広島広域都市圏発展ビジョンにおいて,短期,中期における観光振興に係る施策を掲げています。現在これらの計画等に基づいて各種施策に取り組んでいるところですが,ひろしまビジターズ・インダストリー戦略行動計画の計画期間が満了する平成32年度までに,議員御指摘の観点を踏まえながら新たな計画の策定についても検討してまいりたいと考えています。
それから,DMOについてでございますけど,まず,他の政令指定都市で既にDMOに予算を確保し取り組んでいるのは何都市あるのかとの御質問でございます。
平成29年度にDMOに関連する予算を計上している政令指定都市は,静岡,浜松,名古屋,京都,大阪,神戸市の6都市でございます。
続きまして,地域の幅広い関係者が参画し,その合意に基づいた観光戦略を策定,実行し得る良質なモデル的DMOの設立を本市が積極的に支援すべきであると考えるが,どうかとの御質問でございます。
近年,地域の暮らしや文化との触れ合いを求める個人旅行者が増加する中で,行政や観光関連事業者だけでなく,さまざまな産業や住民等が一体となって旅行者を受け入れる観光地域づくりが注目されています。さらに,地域の観光資源を磨き上げ情報発信していくためには,確かなデータに基づいたマーケティングと戦略に基づく効果的なプロモーションなどが必要です。こうした立場の異なるさまざまな関係者が参画,連携し,戦略を策定,実行することが可能なプラットホームとしてDMOの必要性が認識されるようになっており,議員御紹介のとおり,各地域で設立の動きが起きています。本市においても,将来的なDMOの設立を見据えながら,当面は,既に設立されたせとうちDMOを初めとする多様な関係者との連携を深めていきたいと考えています。
せとうちDMOの取り組みにおいて,本市はいかなる関与を持って取り組んでいるのか,また,本市にいかなる効果を見込めるのかとの御質問でございます。
本市は,せとうちDMOに対する職員の派遣や資金の拠出など直接的な関与はしておりませんが,せとうちDMOと本市の取り組みが相乗的な効果を得られるよう,それぞれの事業計画を情報交換し,連携を図っています。また,せとうちDMOは,瀬戸内7県のさまざまな地域資源を組み合わせた一体的なブランドづくり,情報発信・プロモーション,効果的なマーケティング,戦略策定を推進しており,非常に広範囲にわたりますが,その中でも,本市は重点的な市場であり,当然波及効果があると考えています。さらに,せとうちDMOでは,マーケティングの一環としてデータ収集,分析を詳細に進めており,こうした情報を共有することにより本市の効果的な観光施策の立案にもつながるものと考えております。
最後に,200万人都市圏構想の取り組みをさらに有機的な構造へと発展させていく手段として,広域都市圏で例えば生活圏を同じくするエリアごとに良質なDMOを育成,支援していくことが各エリアにおけるボトムアップによる取り組みを補完し,結果として本市及び広域都市圏の持続可能性を担保するものと考えるが,どうかとの御質問でございます。
広島広域都市圏協議会では,昨年度,圏域全体で誘客の促進と滞在時間の拡大を図ることを目的として,広島広域都市圏産業振興研究会に観光振興部会を設置しました。この部会には圏域内の全市町が参加していますが,効果的な観光振興を図るためには,行政だけではなく,観光に関連する民間事業者の取り組みが欠かせないことから,交通事業者,旅行代理店,地元金融機関などの民間事業者にも参画していただいています。この部会については,広島広域都市圏向けのDMOの基礎ともなり得るものであると認識しています。したがいまして,今後,観光振興部会において新たなDMOの設立を選択肢の一つとして念頭に置きながら,せとうちDMOとの役割分担等を含め,主体となる組織や仕組みについて検討したいと考えております。
引き続きまして,広島市の国際都市戦略,MICEについての数点の御質問に順次お答えします。
MICE戦略担当を設置以降,役所内の変化,市場的な変化について体感していることがあるかとの御質問でございます。
先ほども御答弁しましたように,本市では,平成24年度に経済局を経済環境局に再編し,国際会議等の誘致,開催やメッセ・コンベンション等交流施設の整備に向けた取り組みに注力するため,観光政策部内にMICE戦略担当を設置しました。それ以降,本市のMICE推進と実務を担う専門組織である公益財団法人広島観光コンベンションビューローについても,組織としての体制強化を図っています。こうした状況の中で,MICEの誘致,開催に係る支援メニューをより効果的なものとする方向性が関係部局においても徐々に浸透をしてきたことにより,支援メニューの多様化を図ることができました。こうしたことが国内外の会議に関係している庁内関係課からMICE戦略担当へ会議開催等に関する情報提供がふえることにもつながってきており,庁内におけるMICE誘致に向けた機運が醸成されていると感じています。
また,地元MICE関係者の連携組織として,広島観光コンベンションビューローが関係団体などに呼びかけて,広島産学公連携MICE推進協議会を平成24年7月に設立しました。それ以降,MICEの誘致に係る支援や受け入れ体制の整備などについて,地元MICE関係者から本市に対して積極的に要望等が寄せられるようになり,関係者の意識が高まってきていると感じています。
続きまして,国際会議の過去5年間の開催実績はどうかとの御質問でございます。
国際会議の実績について,日本政府観光局の基準── 参加者数50人以上,参加国数,日本を含め3カ国以上,会期,1日以上という基準でございますけれども,これによりますと,過去5年間の開催件数を申し上げます。平成23年が24件,平成24年が37件,平成25年が50件,平成26年が50件,平成27年が59件となっており,着実に増加しております。
続きまして,経済波及効果を算出することで地域経済の活性化におけるMICE推進の貢献度が明確になると考えるが,経済波及効果,税収増,雇用促進などの間接的効果の実情を数値として把握しているのかとの御質問でございます。
公益財団法人広島観光コンベンションビューローでは,会議の主催者及び参加者に対して会議で必要となった支出に関するアンケート調査を実施し,会議参加者の消費額から導き出された経済波及効果を算出しています。平成27年度の1人当たりの経済波及効果額は5万8704円であり,これを平成27年の国際会議開催実績実数の11万165人で試算した経済波及効果額は約64億7000万円となります。また,MICEの誘致による税収効果や就業効果をはかる数値を把握しておりませんが,これらの数値がマクロベースで効果があることを地元MICE関係者に示すことは,関係者の納得度を高め,協力体制をより一層強化していく上で有効であると考えています。このため,今後どのような切り口で効果をお示しすることができるか,検討したいと考えております。
それから,海外からの参加者を迎え入れ,さまざまな交流を図ることによる住民の国際感覚の養成,すなわち地域の国際化について,MICE事業としてどのような取り組みを行っているかとの御質問でございます。
海外からの国際会議参加者と地域住民との交流については,積極的に取り組んでおります。例えば,今月下旬に開催される第26回国際行動神経科学学会年次大会では,世界のトップレベルの知識や最新の情報を広島の大学生が学ぶことができるよう,大学生向けの公開講座を主催者に依頼して開催いただくことになりました。こうした国際会議開催の機会を捉えて市民向けの公開講座の開催などを働きかけていきたいと考えています。また,小学校内に平和資料館のある本川小学校,袋町小学校では,国際会議の主に外国人参加者を対象としたおもてなし市民交流プログラムを実施しており,会議参加者,児童及び地域住民が平和資料館の見学や日本文化などの体験を通じて交流し,平和の発信,国際理解の促進などを図っていきます。今後とも引き続き,こうした広島ならではのおもてなしにより,会議参加者がまた来てみたいと感じていただけるような取り組みを実施していきたいと考えています。
最後に,本市のユニークベニュー施策の推進についてどのような状況なのか,また,広島広域中枢都市圏事業におけるユニークベニューのリスト化についてどう考えているのかとの御質問でございます。
公式な会議場とは別に,リラックスした状態で参加者の交流や意見交換が行われるユニークベニューは,その地域の特別な空間を体感できる催しであり,MICEの開催効果を高める取り組みの一つとなっています。本市では,これまで市内で開催された国際会議において,タカノ橋商店街やおりづるタワーを活用したユニークベニューのモデル事業を実施するなど,その開発に取り組んでまいりました。また,平成28年度からは,広島広域都市圏内の魅力的な観光資源をユニークベニューとして活用することに着手し,本市を含む17市町の29施設等を対象に専門家による活用可能性調査を実施しました。本年度は,昨年度に実施した活用可能性調査の結果に基づき,対象となる施設等の市や町の意向を踏まえつつ,ユニークベニューとして活用する際の運営主体やセールスポイント,価格を設定するなど具体的な商品化に取り組むこととしております。今後は,この取り組み結果をリスト化し,会議主催者などへのプロモーションを行いたいと考えております。
以上でございます。
○谷口修 副議長 豊島議員。
◆23番(豊島岩白議員) 長らくお疲れさまでございました。
経済観光局長には過去最高に長い答弁をいただきまして,ありがとうございます。
今,議員にならせていただいた10年ですけれども,きょうの一般質問で14回目,意外と少ないなと思ったんですけど,14回目なんですね。その間の中で,今回のテーマ,過去見てみましたら11回,同じようなことをずっと言わせ続けさせていただいております。これも常に思いを持って継続的に発信してきたその結果,本当にこの10年間で,特に松井市政になってから,この観光MICE推進に当たっては,もちろん局も部課ができて予算もとったということもありますけれども,本当に広島市を全体地域としてその発展は目まぐるしいと思います。特に経済効果,これも着実にふえ続けておりますし,本当に広島市場経済,そして中小企業,さまざまな活性化の振興に大きく寄与してきている,これは本当に私も肌で感じますし,ここはお礼を申し上げたいなというふうに思います。
今までの答弁も本当に前向きなものをいただきましたし,これからの予算特別委員会であるとか特別委員会,各種委員会でまたいい足がかりになる御答弁をいただきました。そして,やっぱりずっと私,アジアのジュネーブと言っておりますけれども,一つの観光やMICEというこの予算の使い方は,時には投機的な要素も大きく加味してるんですね。であるからこそ,やっぱりビジョンが必要だと思います。どういったMICE都市を目指すのか,どういった観光都市で,どういうある意味の着地点を設けていくのか,それがなければ,何が投資で何が無駄遣いかということも客観的にわからなくなってしまう。こうしたことも踏まえて,自分なりに思いやビジョン,夢や希望を持ってこの問題に取り組ませていただいております。この10年間で本当に大きく推進してきていると思います。これからも,このまま,またさらに広島市がこのアジアの中でMICE都市として,観光先進都市として発展するように,限られた時間と予算ではございますけれども,皆様のお知恵をいただきながら私たちも一生懸命頑張るんで,御尽力をお願いして,終わらせていただきます。
○谷口修 副議長 次に,11番森野貴雅議員。
〔11番森野貴雅議員登壇〕(拍手)
◆11番(森野貴雅議員) 広島維新の会の森野貴雅です。一般質問の機会を与えていただいたことを感謝を申し上げ,質問に入らせていただきます。しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願いいたします。
最初に,ふるさと納税から考える200万人広島都市圏構想について質問いたします。
ふるさと納税は,もともと2007年5月に当時の菅総務大臣が表明した,地方のふるさとで生まれ,進学や就職を機に都会に住み,納税する人に,自分を育んでくれたふるさとに自分の意思で幾らか納税できる制度があってもいいのではないかという問題意識から始まりました。それが地方間の税収格差の是正手段として注目されましたが,当初より賛否さまざまな議論がありました。一番重要な問題点が,税制理論上の問題点です。地方税は,その自治体区域の行政サービスの対価として負担されているものであり,それが行政側の課税根拠となります。ふるさと納税で他の自治体に納税をすると,今,住んでいる自治体の行政サービスに対する対価として支払われるべき税金が失われ,他の自治体に納められるわけです。確かに大都市とその他の自治体では税収に大きな差がありますが,その分,社会インフラなどの必要な行政サービスが大都市は多いという側面もあるわけです。地域間の不均衡については,国からの地方交付税で調整するのが本来の方法です。このような受益と負担の関連性に切断が生じかねないというその懸念からか,その後,ふるさと納税は寄附を他自治体に行うことにより寄附金控除をするという制度になりました。
今回の質問趣旨からは外れますが,近年,このふるさと納税は寄附者に対する返礼品が加熱し,本来の趣旨からどんどん離れていってしまってるという問題が起きており,本市もその問題に巻き込まれるように年間1億円が流出してしまっております。国からの75%の補填があるとはいえ,ほっておいてよい問題ではありません。このことは,以前に予算特別委員会にて指摘させていただきましたので,今後も動向を注視していきたいと,そのように思います。このようにさまざまな問題点があるふるさと納税制度ですが,寄附という形をとることにより,住民が行政サービスを享受する自治体以外の自治体に納税をする課税根拠を失いかねない事態に一応の対応をしております。
その点,200万人広島都市圏構想はどうでしょうか。広島市を中心とするおよそ半径60キロメートル圏内の自治体が互いに連携をとることによって,圏域内で200万人の人口を維持していこうというこの制度は,人口減社会という時代において非常に大切な試みであると私は考えております。しかしながら,地方公共団体の課税権は,地方公共団体の区域内に対して行政サービスを行うからこそその権利が認められるのであり,区域外に対しての行政サービスについて税金を投じることは,間接的に区域内に恩恵があるのだとしても,慎重にならなければ,その課税根拠を脅かしかねないことになるのではないかと危惧しております。市長は,平成27年の6月議会において,旧来の発想を乗り越え市域を超えての費用負担をいとわず尽力したいと御発言されました。その財源につきましては,平成27年12月議会において,竹田議員の質問に対する答弁で地方交付税で措置をするとお答えをされておられるわけでございますけども,今後,市税を投入して200万人広島都市圏構想を進めていくというお考えはありますでしょうか,お答えください。
続いて,住宅団地の活性化についてお聞きいたします。
広島市では,高度経済成長期にデルタ市街地周辺を中心に多くの住宅団地が造成されました。住宅団地の多くは,都市計画法の開発許可制度等に基づいて整備が行われ,住宅の区画,道路の配置,公園・広場の整備,町並み,景観など,居住地として良好な環境を有しています。日照や通風に考慮した敷地割で,建物の高さや容積率,建蔽率が抑えられていることから,外構面積が十分確保された緑豊かな低層な町並みが続いています。団地住民を対象に行った意識調査においても,6割以上が現在の住宅に満足しており,項目別では,日当たり・風通し,敷地の広さ,駐車スペース,住宅の広さや間取りなどの満足度が特に高いということです。しかしながら,昨今は坂道が多い郊外の住宅団地より,高齢者は車を使わず過ごせる快適性を求めて都心回帰という現象が起き始めています。子育て世代に関しても,一昔前のような郊外に戸建てマイホームを求める傾向が希薄になっています。
広島市が今後も同スケールの大都市機能と人口を維持していくためには,現在,広島市民の25%が住むボリュームゾーンである郊外の住宅団地を,人口減で活力が失われることにより魅力を減らして人口流入がなくなるという負のスパイラルに陥らないように活性化しなければなりません。広島市は,平成27年3月に「住宅団地の活性化に向けて」という冊子を作成しました。今後30年を見据えた検討課題と14項目に及ぶ課題解決の方針が示され,それぞれの課題に対しての市の支援対策が盛り込まれています。その支援内容は,空き家・空き地活用,団地内への住みかえ,親子の近居の誘導,乗り合いタクシーの導入,協同労働,ネットスーパー利用と多岐にわたります。その中で,地域活性化を牽引する先導施策に対して補助を行う“まるごと元気”地域コミュニティ活性化補助についてお聞きいたします。
この事業は,これまでも“まるごと元気”住宅団地活性化補助として地域団体が自主的,継続的に行う住宅団地の活性化に資する取り組みを総合的に支援することによって,自助,共助を基調とした住宅団地の活性化の推進や,地域団体が取り組みを検討する早い段階から行政が助言,支援などを行うことにより,地域と行政とが一緒になってまちづくりを進めていく事業として展開されてきました。ライフステージが変わり,今まで不便に感じてこなかった居住環境にさまざまな不便を感じるようになった高齢者がふえたことに対し,きめ細かいサービスを提供しており,一定の評価をするものではありますが,子育て世代などの若い世代の暮らしやすさや活力向上に対しては,より一層の制度拡充が必要ではないかと考えます。
現在この補助を活用しているのは,町内会や社会福祉協議会ですが,地域の高齢化が進行する中で,若い世代も積極的に参画し,取り組める仕掛けが必要です。若い世代を中心として企画された事業を行うために,町内会以外にも地域の任意団体であると認められるものについて補助を行ってもよいのではないかと考えますが,いかがでしょうか。若い世代の多くは地域活動に参加されていないのが現状ではございますが,地域活動を含めた社会貢献に興味を持っている方は多いと感じています。その思いを地域行事に結びつけ,次代のまちの中心を担っていただくためにも,若い世代が中心となって進められる事業をふやして地域コミュニティーへの参画を促進すべきであると思います。また,単位町内会ではなく,小学校区をカバーする連合組織やまちづくり協議会等の大きな組織に対しては,より大きな事業を行うため補助金額の拡大を検討してはいかがかと思いますが,御所見をお尋ねいたします。
次に,“まるごと元気”地域コミュニティ活性化補助の中の地域活性化プランについてお尋ねいたします。
地域が抱える問題解決のため,住民間で話し合い,課題について共通の認識を持ち,それを解決する取り組み内容を共有するためのプランとして地域ごとに作成するとされていますが,地域ごとにさまざまな特有な課題がある中,未来に向けて課題解決のプランを作成することは,住宅団地に限らず非常に重要であると思います。現在どれだけの地域が作成しておられるでしょうか。また,作成されてない地域に対しては,今後どのようなアプローチをされますか,お答えください。
未来に向けての取り組みという点では,子育て世代の人口流入を促進していくことが一番の大きな課題となります。団地の魅力を向上していくのと同時に,引っ越しを検討している御家庭に住宅団地に住むという選択肢を入れていただく取り組みが必要です。その点では,住宅団地の空き家への住替え促進事業を促進していくことが重要であると思います。住宅団地の空き家への住替え促進事業は,住宅団地で空き家になっている住宅を市場へ流通させることにより,子育て世代の新たな転入につなげることで地域コミュニティーの新たな担い手を確保するとともに,人口バランスが高齢者に偏在している住宅団地において人口構成のバランスを図るために大切だとして,空き家のリフォームに対しての補助を行うのが趣旨です。
空き家については,平成27年5月に完全施行された空家等対策の推進に関する特別措置法第10条に,市町村長は,固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって,氏名その他の空き家等の所有者等に関するものについては,この法律の施行のために必要な限度において,その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができるとあり,これにより空き家物件の所有者に行政がアプローチすることができるようになりました。不動産業者等と連携して市場流通量をふやし,空き家と入居希望者をうまくマッチングし,住宅団地の空き家への住替え促進事業の制度活用を促進することで,若い世代が住宅団地に転入する後押しとなればと考えます。住宅団地における住替え促進モデル事業は,家賃補助について平成27年度が1件,平成28年度が1件でありましたが,平成29年度は6月20日現在でリフォーム費補助が申込数6件,家賃補助の新規が2件と着実に伸びつつあります。この事業の一層の周知と活用促進を要望して,この件については終わります。
続いて,特殊詐欺について質問いたします。
第3次広島市安全なまちづくりの推進に関する基本計画によりますと,平成26年時点で刑法犯罪認知件数はピーク時の平成14年次の2万9071件から半分以下の1万349件に減少しております。平成28年には8,261件と本市の刑法犯罪認知件数は着実に減少しております。これは,広島県警の努力はもちろんではありますが,本市の基本計画にある行動理念である自分たちのまちは自分たちでつくり,守るという理念のもと,本市と市民,事業所が一体となり防犯対策に取り組んだたまものであると言えます。私も地域の防犯組合長をしておりまして,地域の犯罪を防ぐために微力ながら尽力させていただいております。防犯パトロールを中心に組合員の意識向上のために講習会なども行っておりますが,その際,いつも広島県警生活安全課の方をお招きして御講義を受けるのでありますけども,講習内容は特殊詐欺についてがほとんどです。
今,市民の安全・安心を脅かす犯罪として大きな問題として認識されてるのは,特殊詐欺です。本市の基本計画には,特殊詐欺被害については,件数,被害額は平成23年の36件,約9262万円から平成26年の164件,約7億4206万円と件数は約4.6倍,被害額は約8倍になっていますと,近年大きく増加していることが記されています。また,対策として,市窓口等を活用した被害防止の呼びかけ,防災情報メールによる情報の提供,本市市民安全推進課へ相談電話の設置,特殊詐欺撲滅期間の設定,地域住民等による戸別訪問,金融機関に対する特殊詐欺被害防止の働きかけ,家族等による高齢者への被害防止策の周知が挙げられていますが,一方で,これまでの広報啓発だけでは情報が伝わりにくい高齢者への被害を防ぐことは困難になっていますとも書かれています。
そこで,私は,電話がかかってきた際,相手に,この電話は防犯対策のために録音されますなどと警告音声を発するにせ電話詐欺対策機器が有効なのではないかと考えました。高齢者のみならず,人の心の中のまさか自分が当事者になることはないという意識をなくすことがさまざまな対策を行っても,なお高いハードルであるならば,犯罪を犯そうとする者に直接警告することがこの犯罪の発生の抑制に大きくつながるのではないかと思います。機器によっては,ナンバーディスプレーを契約している回線であれば非通知電話の着信拒否などもできるそうです。福岡市では,このたびこの機器を100台無料で貸し出しをすることを決定されました。そこで,本市でもにせ電話詐欺対策機器の無料貸し出しを行ってはいかがかと思いますが,お答えください。
平成26年に本市では,国保料を約10万世帯に過大請求をするというミスを引き起こしてしまいました。そのようなことがあるので,市役所から国保料の還付金があるとささやく犯罪者の詐欺の手口が真実味を帯びてしまうわけです。これ以上,特殊詐欺による被害をふやさないために,広島市はこれまで以上に対策を行うべきだと強く要望いたします。
最後に,ヘルプマークについて質問いたします。
ヘルプマークとは,義足や人工関節を使用している患者,内部障害や難病の患者,精神障害,知的障害または妊娠初期の人等,援助や配慮を必要としていることが外見ではわからない人々が周りに配慮が必要なことを知らせることで援助を得やすくなるよう作成されたマークであり,東京都福祉保健局が作成し,今,全国に広がりを見せています。このヘルプマークは,社会モデルという理念に基づいてつくられたものです。従来の個人モデルが,障害を個人の問題として取り扱い,個別に治療を行うことで改善,完治へと目指すのに対して,社会モデルとは,障害が社会環境により発生したものと捉え,社会環境の改善を図るものです。ヘルプマークは,赤地に白十字と白ハートマークが描かれています。これは,日本グラフィックデザイナー協会が協力して作成されたもので,赤色と白十字マークは助けを必要としているという意味,ハートマークは助ける気持ちという意味をあらわしています。このデザインは,中学校の美術の教科書でユニバーサルデザインの一例として紹介されるほどの高い評価を得ています。
ヘルプマークがつくられたきっかけは,2011年に東京都議会で自由民主党の山加朱美都議が行った提案がきっかけです。山加議員御自身も人工関節を使用されており,内臓疾患を抱えている人など,外見的に助けが必要だとわかりづらい人が優先席に座っているとつらい目に遭うことが多いので,何らかの支援が必要ではないかという提案をされたのを受けて,東京都が2012年度にヘルプマークを制定いたしました。以来,東京都では配布と普及啓発に努め,平成28年7月時点で約13万枚を配布し,認知度は平成29年3月16日の東京都福祉保健局の発表によりますと,平成26年秋の前回調査時から20ポイント上昇し,72.1%になったとのことです。
都は他の自治体にも活用を呼びかけ,京都や青森,神奈川,岐阜,大阪などの府県が導入し,基礎自治体で独自に導入しているケースもあります。
障害のためのマークはこれまでさまざまなものが乱立し,それぞれに誕生のいきさつもあって,統一的なマークを定めることが難しかったのですが,昨年4月の障害者差別解消法の制定や,3年後に迫る東京オリンピック・パラリンピックがきっかけとなり,今まさに大きな広がりを見せようとしています。
従来の国がトップダウン式に導入されてきた施策とは違い,大都市東京といえど一自治体が作成したものが全国的に広がりを見せ,来月にも日本工業規格,通称JIS規格に登録される見込みであり,このボトムアップ式の流れが私は率直にすばらしいと感じております。
そこでお伺いいたします。今まさに全国的な広がりを見せているヘルプマークを本市も導入し,普及,啓発に努めるべきではないかと思いますが,いかがでしょうか,お答えください。
以上で壇上での質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○谷口修 副議長 市長。
〔
松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 森野議員からの御質問にお答えします。
ふるさと納税制度から考える200万人広島都市圏構想についての御質問がございました。
人口減少,少子高齢化という差し迫った課題に対応するためには,地方分権,あるいは地方創生を推進するという国政上の流れも踏まえながら,広島広域都市圏の24市町がみずからだけの発展を目指す旧来の考え方を改めて,圏域全体で必要な施策について実現の可能性を探り,圏域全体の発展を目指す施策を着実に実行していくことが重要であるというふうに考えています。
200万人広島都市圏構想は,まさにそうした施策展開を,経済面や生活面で深く結びついている圏域内の市町が連携することで実現しようとするものであり,この構想を実現するために,政令指定都市となり広域自治体── これは県でありますけれども── の権能を持つに至っている本市が,本市から半径60キロ圏内の圏域を牽引するエンジンとして,地域全体の発展のための役割を担っていこうというものであることを,これまでも繰り返し述べてきているところであります。
圏域全体を見据えたとき,本市がとるべき立場は,圏域内で発現するさまざまな施策効果を圏域全体に行き渡らせ,各市町の連携により相乗効果につなげていく意識を共有できる環境づくりを行うこと,また,そのための費用を必要に応じて負担するということであると考えております。
国により創設された連携中枢都市圏制度は,このような考え方に基づいて,地方交付税が,本市のような連携中枢都市が広域連携の観点から近隣市町の住民のためにも財政支出を行うための財源として措置されているというものであります。
今後とも本市とともに圏域全体の発展に資する種々の施策を展開していく考えでありますが,その際には地方交付税措置も考慮しながら,圏域において相当の規模と中核性を備える連携中枢都市としての役割を果たしていくために必要となる施策を着実に推進していくという覚悟で取り組んでまいりたいと考えております。
その他の御質問については関係局長から答弁いたします。
○谷口修 副議長
企画総務局長。
◎及川享
企画総務局長 住宅団地の活性化について,2点の御質問にお答えします。
まず,“まるごと元気”地域コミュニティ活性化補助についての質問がございました。
“まるごと元気”地域コミュニティ活性化補助は,地域コミュニティーの活性化を図ることを目的としまして,地域活性化プランの作成や空き家等を活用した住民間の交流拠点づくりなど,地域団体による主体的,継続的な取り組みを支援するためのものでございます。
地域コミュニティーは,子供,現役世代,高齢者など多様な世代から構成されるものであり,その活性化を図るためには全世代が問題意識を共有し,一丸となって取り組みに関与することが重要であります。
署名者 定 野 和 広
署名者 酒 入 忠 昭...