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平成28年第 3回 9月定例会−09月23日-02号

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  1. 広島市議会 2016-09-23
    平成28年第 3回 9月定例会−09月23日-02号


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    平成28年第 3回 9月定例会−09月23日-02号平成28年第 3回 9月定例会         平成28年   広島市議会定例会会議録(第2号)         第 3 回                  広島市議会議事日程                                    平成28年9月23日                                      午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問
     休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行し,26日も続行)  次会の開議通知(26日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  海 徳 裕 志            2番  山 本 昌 宏    3番  山 内 正 晃            4番  山 路 英 男    5番  木 戸 経 康            6番  平 野 太 祐    7番  石 橋 竜 史            8番  森 畠 秀 治    9番  定 野 和 広            10番  近 松 里 子    11番  森 野 貴 雅            12番  森 本 健 治    13番  碓 氷 芳 雄            14番  西 田   浩    15番  渡 辺 好 造            16番  宮 崎 誠 克    17番  大 野 耕 平            18番  三 宅 正 明    19番  伊 藤 昭 善            20番  桑 田 恭 子    21番  馬 庭 恭 子            22番  藤 井 敏 子    23番  豊 島 岩 白            24番  八 軒 幹 夫    25番  八 條 範 彦            26番  原   裕 治    27番  米 津 欣 子            28番  安 達 千代美    29番  星 谷 鉄 正            30番  平 木 典 道    31番  今 田 良 治            32番  元 田 賢 治    33番  谷 口   修            34番  竹 田 康 律    35番  村 上 厚 子            36番  中 原 洋 美    37番  中 森 辰 一            38番  酒 入 忠 昭    39番  佐々木 壽 吉            40番  太 田 憲 二    41番  若 林 新 三            42番  熊 本 憲 三    43番  山 田 春 男            44番  児 玉 光 禎    45番  金 子 和 彦            46番  永 田 雅 紀    47番  沖 宗 正 明            48番  土 井 哲 男    49番  木 山 徳 和            50番  種 清 和 夫    51番  中 本   弘            52番  木 島   丘    53番  碓 井 法 明            54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────           職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    田 原 範 朗       事務局次長   重 元 昭 則  議事課長    石 井 一 司       議事課課長補佐主任事務取扱                                小 田 和 生  議事課主幹   今 井 悦 尚       議事課主査   高 谷 昌 弘  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     室 田 哲 男  副市長     竹 内   功       危機管理担当局長及 川   享  企画総務局長  岡 村 清 治       財政局長    糸 山   隆  市民局長    谷 本 睦 志       健康福祉局長  川 添 泰 宏  こども未来局長 滝 川 卓 男       環境局長    北 吉 孝 行  経済観光局長  久保下 雅 史       都市整備局長  宮 原   慎  都市整備局指導担当局長           道路交通局長  向 井 隆 一          香 川 寛 治  下水道局長   新 谷 耕 治       会計管理者   佐々木 政 弘  消防局長    山 崎 昌 弘       水道局長    野津山   宏  監査事務局長  大 森   寛       財政課長    中 村 一 彦  教育長     尾 形 完 治       選挙管理委員会事務局長                                住 田 雄 二  人事委員会事務局長          手 島 信 行 ───────────────────────────────────────                  午前10時00分開議                  出席議員  52名                  欠席議員  2名 ○永田雅紀 議長       おはようございます。  出席議員52名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       本日の会議録署名者として               8番 森 畠 秀 治 議員               35番 村 上 厚 子 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       日程第1,一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  44番児玉光禎議員。                〔44番児玉光禎議員登壇〕(拍手) ◆44番(児玉光禎議員) おはようございます。カープが優勝してえかったですの。  それでは質問に入らせていただきますが,環境問題,中でも産業廃棄物の不適正処理の問題についてお尋ねいたします。  産業廃棄物の不法投棄,不適正な処理等の問題は以前からマスコミ等で取り上げられ,社会問題化していますが,昨今では監視,指導する立場の行政のあり方も問題となっているようであります。  御承知のとおり,産業廃棄物の基本法令は,昭和45年の公害国会において制定された廃棄物の処理及び清掃に関する法律,いわゆる廃掃法であります。この法律の目的を達成するために,まず,収集運搬処理を業として行うものは,法に基づく許可を受けなければなりません。  この許可は一般的な禁止解除でありますので,法令に基づく基準に合致しているとか,能力を持っているとかいうだけでなく,法令規則を遵守する誠実な事業者であるかどうかが大変重要であります。  万一,法に反する行為が判明した場合は,許可の取り消しはもとより,告発を含めた厳しい対応をとるよう取り決められています。  平成25年3月には,環境省の大臣官房産業廃棄物課長より改正した新しい行政処分の指針が打ち出され,全国都道府県政令指定都市主管部局長宛てに通知されています。本市にも届いて,市当局としても熟知しているはずです。
     これは,廃掃法の一部改正を踏まえ,行政処分の指針は全国的に産業廃棄物の不適正処理が拡大傾向にあること,そして,一部の自治体において行政指導をいたずらに繰り返している事案や,不適正処理を行った許可業者に対し原状回復措置を講じたことを理由に結果的に事業者の事業継続を許容するという運用が依然として行われており,これらが市民,国民の不信を招いていることを背景として,より一層積極的かつ厳正な処分,断固たる措置を講じるよう,強く求めたものであります。  本市においても,極めて疑わしい事案が起きています。本市域で産業廃棄物収集運搬処分業を営むA社の事業場に大量の建設汚泥が保管されており,これは法律違反ではないかとの通報がありました。  早速,本年7月から市内にあるA社の中間処理施設,事業場と建設汚泥の搬出先である本市から81キロメートル離れた世羅町にある農園を現地調査するとともに,搬出するダンプトラックの追跡調査を行いました。その実態はきちんと写真を撮り,記録保存しております。実際の状況を自分の目で確かめることが最も重要で,問題解決に向けた出発点だと思うからであります。  このA社の事業場は建設汚泥等産業廃棄物について,主に天日乾燥,造粒固化といった中間処理を行う施設であり,広島県知事と広島市長による産業廃棄物処分業の許可を受けております。  その実態を調査した結果,法に抵触するのではないかとの疑問が多々あり,今回はその中から幾つかに絞ってお尋ねしたいと思います。  まず,産業廃棄物処理業者Aについてお伺いします。  最初に,現地調査した今年7月上旬ごろには建設汚泥の保管量が膨大な量に及んでいたことであります。隣接する幹線道路からもブルーシートをかけた建設汚泥が2階建ての事務所の高さをはるかに超えて,目測で約10メートルあるのではないかと思えるほどでした。そのブルーシートを剥がしたときに見ると,これも写真に撮ってありますが,建設現場から持ってきたコンクリート殻などがまじった瓦れき類,建設汚泥に見えました。  この事業場には,廃棄物保管基準で定められた建設汚泥等の保管量と保管する場所の形状,積み上げ勾配の上限が細かく定められており,これを超えていれば保管基準違反となります。どう見ても,その基準をはるかに超えています。  これについて,市当局に問い合わせたところ,当中間処理施設に対する行政対応は長年にわたり不作為ですとの旨の回答でした。  まず,その当時の保管量,保管形状は法令に基づく保管基準に違反していたのかどうか,お答えいただきたいと思います。  次に,この中間処理施設から搬出先を突きとめたところ,世羅町にある農園に運び込まれていました。  早速,世羅町農業委員会に出向いて調査したところ,その農園は農地法第4条の許可を取り,土砂埋め立てを行っていますが,埋め立てには中間処理した改良土を使用すると届けられています。  もし,これが廃棄物であれば,届け出にうそを書いて,当局をだましたことになり,重大な問題だと思います。農地法第4条の許可は取り消され,原状回復を命じられることとなりますとのことでした。運搬中のダンプトラックの荷台には,どう見ても改良土ではなく,建設汚泥とか,殻まじりの汚泥,つまり産業廃棄物そのものだと思いました。  現に,以前,関係者が撮ったダンプの積み荷の写真を見ると,間違いなくコンクリート殻がまじった廃棄物がはっきりと写し出されています。  また,昨年12月ごろ,広島県の担当部局の職員が当地を現地調査しており,それによりますと,地面に袋,ビニール片コンクリート片,プラ缶,針金,木柱,容器等が散在していたため,廃棄物を適正に処理し,廃棄物を撤去することを指導したとあります。  写真撮影をされており,廃棄物の存在が見てとれます。これは極めて疑わしい事実であります。そうであれば,農園と改良土を搬入するとした契約の違反であると同時に,産業廃棄物の不法投棄に当たるのではないかと思います。  これについて,市当局は何度もこの中間処理施設に立入調査をしているようでありますが,こうした実態を把握しているはずなのに,いつごろに把握していたのでしょうか。  また,排出された中間処理をしていない建設汚泥と考えて間違いないかどうか,それは産業廃棄物の不法投棄に当たるのではないかと思いますが,当局の見解をお尋ねします。  もし,改良土であり,産業廃棄物でないというのであれば,関係者と私ども複数の者が直接確認した事実と異なりますので,厳正を期して世羅町の農園に運び込まれた埋立地を試掘調査,サンプリングするべきだと思いますが,市のお考えを尋ねます。  次に,市の監視,指導のあり方についてお伺いします。  市当局からの数々の資料の中で,平成20年以降,立入指導状況報告,立入検査及び産業廃棄物の処理に関する指導表というのがあり,市当局としてもこの中間処理施設に何度も行っているようでありますが,その中に市の職員が同行した地元まちづくり協議会が現地視察をした結果報告があります。  毎年,何回か視察をしているようです。地元住民の皆様がどのような意見を言われたかが記載してあります。  それを見ると,まず,平成20年2月,まちづくり協議会から多量の建設汚泥の保管は違法ではないかとの指摘に対し,市当局は是正計画を提出させ指導していますと返答していますが,後々の経過に保管基準に適合していないとか,本市の指導にもかかわらず汚泥が減量されていないなどの記述があり,どうも是正計画が提出された形跡がありません。  そのときを含めて,これまでA社は是正計画書を提出したことがあるのかどうか,あったとすれば,提出時期とその結果を。また,ないとすれば,これだけ長期間にわたり違法状態であったのに,なぜ,是正計画を提出させ,指導しなかったのかお答えください。  また,その報告書,指導表には汚泥保管量が多いとか,減量指導などと記載はありますが,保管した数量を把握された形跡が一切ありません。常識的に考えれば,許可数量,形状,勾配が幾らかを踏まえて,現地で実態調査を行い,どの程度多いのかを把握した上で指導するのが当然だと思うのです。  現地調査をして量的把握をしたのかどうか,その時期とどれぐらい数量があったのかを,許可した数量とともにお答えください。  次に,立入検査及び産業廃棄物の処理に関する指導表には,保管量の高さ及び数量は適正であるかという項目があります。適正であるとの適マークが記されているにもかかわらず,特記事項欄には,汚泥保管量が多く減らすよう指導と書かれていたり,まちづくり協議会から汚泥の保管量が多く減量を要請という指摘があるなど,実態と指導表とが相矛盾する記述があります。指導表の記述が間違っているようですが,いかがでしょうか。  広島市の職員が立入検査をする都度,職員が記入する立入検査及び産業廃棄物の処理に関する指導表に,記載された内容が間違いないという認め印を9人の職員全員が捺印している公文書ですが,もし,これが誤りであれば,明らかに公文書不実記載罪に問われ,組織ぐるみの刑法違反となってしまいます。公務員がそんなことを許されるはずがありません。市長さんの御意見をお聞きします。  さらに,市に記録は平成20年からしか残っておりませんが,そのときの記録を見ても多量の汚泥を保管していたことがわかります。その当時から今まで,少なくとも8年間は違法状態が継続していたと思われます。  また,平成26年6月から平成27年12月までの立入検査した指導表には,保管量の高さ及び数量については指導中,そして,特記事項に汚泥保管量の減量指導と記載された報告が1年10カ月間ほど続いています。  これほどの長期間,要は行政として何らの権限,何らの行政処分を科すこともなく,違法状態を放置していたことになります。  環境省がこのような厳しい指針を出すに至った結果,背景は,それは全国的に産業廃棄物の不適正処理が拡大し,国民の厳しい目,これらに対する危機感のあらわれです。他の省庁を見ても,これほど厳しい指針はありません。  市当局は,こうした指針を知りながら,私は市の取り組み姿勢に大きな憤りを感じる次第であります。こうした国の指針,指導を無視するのでしょうか。余りにも危機意識が足りないというか,市民生活に直結する産業廃棄物,この大きな使命に対する市当局の行政姿勢は余りにも手ぬるく,猛省する必要があると思いますが,市長の御所見をお伺いします。  今年,ついこの間の9月2日付で広島市は,松井一實市長名株式会社環境開発公社代表取締役小林友則宛て産業廃棄物の適正処理について指導という文書を発し,その中に,産業廃棄物の処理基準に適合していませんでしたとして,9月8日までに適合させるよう改善を求めますというものでした。  時既に遅しという感は否めませんが,るる述べていますように,広島市の怠慢,不作為については一体どのように責任をとるのでしょうか。  産業廃棄物処理基準違反保管基準違反によって改善命令が出され,それに応じなかった場合は,罰則が法律で定められています。環境省大臣官房の通知文では,厳正に処分することが行政指針として述べられていますが,広島市はどのように対応しようとしているのか伺います。  また,絶対に行ってはいけない不法投棄について,県の所管かもしれませんが,たとえ業者がその罪になれば,ずさんな管理をしていた広島市も共同正犯と言わねばなりません。市長は市民に対してどのように責任をとるつもりかお伺いします。  私は,佐伯区石内の廃棄物を処理する事業場で積み込んだ廃棄物が投棄される現場まで三度追跡調査をし,投棄現場にてダンプカーの積み荷をおろす際,中身も目撃しています。  広島市で生まれた産業廃棄物を世羅町の農園に投棄していることは,世羅町に対して大変申しわけない行為だと思っています。この問題は,法律や環境省の指針にのっとり,誠意を持って解決すべきだと考えます。  平成25年3月の環境省の大臣官房産業廃棄物課長の行政処分の指針という通知文によれば,本件のような事案にかかわるポイントは三つあると思います。  まず一つ目は,いたずらに行政指導を繰り返さず,ちゅうちょなく行政処分を行えということであります。  二つ目は,違反行為を把握した場合には,速やかに行政処分を行うべきであるが,加えて,命令に従わない場合は積極的に告発し,捜査機関と連携して許可を速やかに取り消すということであります。  三つ目は,違反行為の事実は法に基づく立入検査,報告徴収,関係機関への照会等を活用しつつ客観的に認定すれば足りるものであり,ちゅうちょなく行えということであります。  このことからすると,本市の行政対応はとても環境省が通知した行政処分の指針に本気で対応しているとは言えません。この環境省大臣官房産業廃棄物課長が出された行政処分の指針についての通知の大切なところを再度確認してみたいと思います。  行政庁として違反行為の事実を把握することに最大限努め,それを把握した場合はいたずらに刑事処分を待つことなく,速やかに行政処分を行うこと。  廃棄物の疑いがある物を社会通念に照らして廃棄物である可能性があると判断できる場合は,その物を廃棄物であることの疑いのある物と解し,報告徴収を実施しても差し支えないこと。  不法投棄の疑いが相当程度確実に予想される場合においては,法第19条第1項を根拠に立ち入り,必要な検査を行って差し支えないこと。  違反行為の事実の把握,報告徴収並びに立入検査について,排出業者,処理を業として行う者その他の関係者に対する報告徴収は,法第18条第1項の規定に基づき行われたいこと。  立入検査も任意の行政調査として行うのではなく,立入検査拒否,妨害及び忌避について罰則の適用があるなど法的効果を伴う法第19条第1項の規定に基づき行われたいこと。  不法投棄の疑いが相当程度確実に予想される場合においては,法第19条第1項を根拠に必要な立入検査を行って差し支えないこと。  改善命令,排出事業者については,保管基準に適合していない保管,または処理基準に適合しない産業廃棄物の収集,運搬もしくは処分が行われた場合に命令の対象となること。  改善命令を行う場合は,行政手続法第13条第2項第3号により同条による聴聞または弁明の機会の付与の手続は不要であること。  措置命令,法第19条の5,生活環境の保全上の支障を生じ,または生ずるおそれがあるときは,必要な限度においてその支障の除去または発生の防止のために必要な措置を講ずるよう命ずることができる。  措置命令に違反したときは,5年以下の懲役,もしくは1000万円以下の罰金,または,これらを併科される。  以上のようなことになっております。  釈迦に説法かもしれませんが,市当局はこの指針に基づいていないのです。これが事実であります。  最後に,今回はたまたま市民の通報によって発覚しましたが,最近,スマートフォンの発達等によって,直ちに情報が発信されます。市よりも先に市民が指摘する,そんなことでは市の組織としての存在意義がありません。  今後,襟を正して,これは市長がよう言うじゃないですか,襟を正してって。廃棄物の行政に携わらなければ市民の負託に応えられないと思うのでありますが,最後に,本事案に対する今後の対応措置をどのように行っていくのか,また,今回の広島市の失態について,市民に対しどのように答えられるのかお伺いします。以上です。  それで,市長さん,これがブルーシートです,見えにゃ見んでもええですよ。(児玉議員,写真を掲げる)ブルーシートが積んであって,あれを隠した一つのあれです,どういうんですか,現場。  それから,そのブルーシートを剥がして,裸になった積み荷そのもの。  それから,それを今度運ぶために,またあらわにしてるものですが,これは石やら何やら殻がいっぱい入ってる。これもとてもじゃないが,改良土ではありません。  それから,ずっと山陽道へ行って世羅のほうへ行くんですが,これはダンプに積んである土,土壌,これは改良土とは言えません。廃棄物そのものですね。  そして,これは別の機械ですが,中に積んであるのはこういう殻。これを野放しにしとっちゃ,市長,いけませんで,ほんまに。  それを,ちゃんと厳重にやっていただくようにお願い申し上げて,まだ後,いいあんばいに10分ありますから,これで終わらせていただきます。ありがとうございました。失礼します。(拍手) ○永田雅紀 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       児玉議員からの御質問にお答えします。  市長の環境政策に対する政治姿勢についての御質問がございました。  事業活動に伴って排出される産業廃棄物の減量や適正な処理は,地域経済の健全な発展,あるいは市民が健康で安全に暮らすことができる良好な生活環境を保全する上で重要な課題の一つであると考えております。  このため,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とした廃棄物処理法の趣旨を踏まえ,産業廃棄物行政を本市の実情に照らしながら,効果的かつ積極的に進めていくために,産業廃棄物処理指導計画を昨年度策定しております。  現在,この計画に沿って産業廃棄物の排出の抑制や適正処理の徹底,最終処分量の削減等に取り組んでいるところでありますけれども,産業廃棄物の不法投棄等重大かつ明白な違反行為については,生活環境に影響を及ぼすおそれが高いことから,その未然防止を図ることが重要であるというふうに考えております。  そのため,指導体制を強化しておりまして,産業廃棄物処理業者への立入検査,改善命令や原状回復のための措置命令の発出,不法投棄等の告発,許可の取り消しなど所要の対応を速やかに行うことにしております。  その他,産業廃棄物の減量化や適正な処理については,排出事業者及び産業廃棄物処理業者に対する意識啓発や的確な指導等に積極的に取り組み,法令遵守の徹底を図るとともに,違反がある場合には直ちに改善に向けた指導等を行って市民の良好な生活環境の保全に努めてまいりたいと考えておるところであります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○永田雅紀 議長       環境局長。 ◎北吉孝行 環境局長     その他の御質問に順次お答えします。  まず,平成28年7月当時のA社の汚泥の保管量や保管形状は,法令に基づく基準に違反していたのかとのお尋ねについてです。  当該産業廃棄物処理業者が佐伯区に保管をしている汚泥には2種類あり,一つ目は,建設工事から発生した汚泥を搬入し保管しているもので,二つ目は,これに固化剤を添加する一次処理を行った後に保管をしている汚泥です。  一つ目の,固化剤を添加する前の汚泥の保管に当たっては,廃棄物処理法で定められている産業廃棄物処理基準により積み上げ高さの制限と保管量の制限が適用されますが,本年7月の本市の立入検査の際には,当該汚泥は全てピットに投入されており,保管されていないことを確認いたしました。  一方,二つ目の固化剤添加の一次処理を行った後の汚泥の保管に当たりましては,産業廃棄物処理基準により積み上げ高さ制限のみが適用されますが,これは基準を満たしていない状況でございました。  次に,当該事業場から世羅町にある農園に搬出されたものは改良土ではなく,建設汚泥であり,不法投棄に当たるのではないか。また,これが改良土であるというのであれば,厳正を期して試掘調査等をすべきと思うがどのように考えるかとのお尋ねです。  議員御指摘の搬出物については,本年8月,本市職員が広島県の現地調査に同行して,改良土であり,廃棄物に該当しないことを確認しております。  また,その際,広島県が昨年12月に行った現地調査でも改良土であることを確認していたことを知りました。  次に,平成20年2月にあった地元住民からの指摘に対し,市は事業者に是正計画を提出させ,指導する旨を回答していると。これまで是正計画書を提出した時期とさせた時期とその結果はどうだったのかとのお尋ねです。  本市は,当該事業者に対して,平成20年2月に地元住民からの指摘を受け,直ちに是正計画書の提出を求めました。  事業者からは,同年3月に固化剤添加の一次処理を行った後の汚泥を同年6月末までに搬出するとする改善計画書の提出がありましたが,その後,同月末までには搬出は完了しませんでした。  そこで,粘り強く口頭指導を続け,本年9月2日,文書により改めて期限を定めて改善を指導したところ,同月9日には処理基準に適合した状態になっていることを確認しております。  次に,当該事業場へ現地調査して量的把握をしたのか,その時期,実際に保管してあった数量等を教えてほしいというお尋ねです。  これまでの立入検査では,先ほど御答弁しましたとおり,固化剤添加の一次処理後の汚泥の積み上げの高さが基準に適合するか否かがポイントでしたが,本来積み上げが禁止されている領域にも積み上げられていたことから,一見して基準不適合の状況でした。そのため,高さの計測を行う必要はございませんでした。  次に,立入検査及び産業廃棄物の処理に関する指導表には,保管量の高さ及び数量は適正であるかという項目があって,そこには適のマークが記載されているけれども,特記事項欄に指導という内容が書かれている。これは,記述が間違っているようだがどうかとのお尋ねについてです。  平成26年6月までの立入指導表における保管量の高さ及び数量の欄は,固化剤を添加する前の汚泥についての検査結果を記述していたものであり,この汚泥は全てピットに投入されており,保管されていなかったことから,適と記載されていたものです。  また,固化剤を添加する一次処理後の汚泥については,積み上げ高さのみが制限されるものであることから,その検査結果は特記事項の欄に別途指導した旨を記載していたものでございます。  平成26年6月からは,一次処理後の汚泥が不適正なことを明示的にするため,記載方法を改めております。  次に,立入検査指導表の記述が偽りであれば公文書不実記載罪等に問われ,刑法違反となるがどのように考えるかとのお尋ねです。  ただいま御答弁いたしましたとおり,立入指導表の記載に偽りはございません。  次に,平成25年3月の環境省の通知,行政処分の指針については,違反行為に対して厳正に処分するよう求めているが,これを無視するのか。この通知に基づいてどのように対応しようとしているのかとのお尋ねについてです。  本市におきましては,ダイオキシン類濃度の基準値超過事案については,焼却施設の設置者に対し,速やかに施設の一時停止を命じ,また,産業廃棄物の不法投棄事案については,産業廃棄物処理業者に対し,直ちに許可取り消しを行うなど,厳正に対処してまいりました。  また,環境省通知は産業廃棄物の不法投棄等の重大かつ明白な違反行為については,生活環境に影響を及ぼすおそれが高いことから速やかかつ厳正な対処をせよという趣旨のものであり,本市がこれまでとってきた処分方針と軌を一にするものであり,これからもしっかりと対応してまいりたいと考えています。  次に,仮に広島県が管轄する地域で業者が行った行為によって不法投棄罪が問われることになれば,市も共同正犯と言わねばならないが,どう責任をとるつもりかとのお尋ねです。  先ほど御答弁いたしましたとおり,今回の事案については不法投棄ではございません。
     最後に,本事案に対する今後の対応措置をどのように行っていくのかとのお尋ねです。  今回の事案については,その改善に期間を要しましたが,現在,違反状態は解消されております。廃棄物の保管に関しましては,違反状態にならないよう引き続き監視指導を行っていきます。  そして,仮に違反状態がある場合は,直ちに改善に向けた指導等を行い,市民の良好な生活環境の保全に努めてまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       44番児玉議員。 ◆44番(児玉光禎議員) ただいまの御答弁の中で,二,三ちょっとお伺いしたいことがあります。  汚泥のですの,汚泥が2種類ある,固化剤を入れた,入れんのと。それは,ようけあれだけ積んであるの,線を引いてみんさいや,皆同じですで,これは。これ,詭弁ですよ。  それから,ちょっとお伺いしますが,産業廃棄物処理基準により積み上げ高さ制限のみが適用されますが,これは基準を満たしていない状況でした。これ,違法じゃったいうことですか,基準を満たしていないんだから。  役所じゃけん,違法じゃいうことは言いとうないから,わざとこういう書き方しとるんじゃろうと私は拝察をしてます。どうですか,これは答えてください。  だいたいあの環境局長は,ええかげんなこと答えるの大きな声で答えてからね,いかにもほんまげなけど,そうじゃないよ,本当。冗談じゃないよ。  それから,本会議ですから,一々余り細かいこと言いませんが,別の機会できちっと言いますが,これが違法だったか違法でなかったか。  それともう一つ,大きなことは,不法投棄ではないと言いますが,何をもって不法投棄でないと言うんですか。  県が言うた,立ち会いのときに県が言うたから,それを言うて,不法投棄でないという。人が盗人せい言やあ盗人するんですか。  私は,あの処分場の中に莫大なあれが入っておるということを内部告発した人がおる。それから,写真を持っとる。すごいですよ,これ。あなた,ようそういうええかげんなこと言うの。もし,あったらどうするんや。すぐやめえよ,環境局長,ほんま。  これ,見んさいよ。あるんじゃけ。(児玉議員,写真を掲げる)わざわざ,トラックに積んどる。これのどこが改良土なんですか。そんなことないよ。  これ,ずっと写真撮って,これ運転手が撮った。何でか言うと,これを運搬したら運転手も罰せられるから,これどこどこへ持っていってこいと言われたときに,あれでも何かあってはいけんけ思うて,念のために撮った写真がこれです。撮った人もわかっとるし,持ってった場所もわかっとるし。  局長は,市が行って,ちょっとでも掘ってみたか。あれらは,立入検査の日にちを決めるんじゃから,前もって,しゃしゃっと取り繕うといて,それで,きれいな土をぱっと置いたら,それを写真撮って戻って,不法投棄ありませんでしたいう結論出しとる。  それを,あなたらが信じて,不法投棄があったらどうするんや,市長も首になるで,これは。ちゃんと本気でやらにゃいけんよ。  だから,今の二つの問題を答えてください。  いわゆる,違法であるか,ないか。それと,不法投棄が,やってない言うんじゃから,これに二言はないじゃろの。ここで,話変えたけえいうて許さんよ,わしは。  以上,ちょっと聞きます。 ○永田雅紀 議長       環境局長。 ◎北吉孝行 環境局長     まず,最初の積み上げ高さの制限に対してどうであったのかという御質問については,廃棄物処理法によって定められる廃棄物の処理基準,これに違反をしていた状態が続いていたということでございます。  それから,何をもって不法投棄でないというのかとのお尋ねにつきましては,先ほど御答弁しましたように,一つは,確かに御答弁しましたように,昨年の12月,広島県が独自の調査をした際に,現地調査で改良土であったことを確認したというのを聞いております。  それとは別に,本年の8月に私ども職員も県の調査に同行させていただきまして,改良土であって廃棄物に該当しないということを確認したものでございます。  以上です。 ○永田雅紀 議長       44番児玉議員。 ◆44番(児玉光禎議員) あれは違法じゃいうて認めたんじゃから,それはそれでええよ。悪いことは悪い言わなしょうがないんじゃけん。  それで,不法投棄でないいうて,あんたここにはっきり書いとるけどね,どうやって調べたんか。人の言うのを聞いて,人が不法投棄でない言うたから,それをそのまま書いとるだけのことよ。何の努力もしてない,不法投棄かどうかいうことをこうやって疑いが出とるのに,どうやって調べるかいうことを考えて,調べて,もし不法投棄じゃったら,それは原状回復,皆,取ってのけにゃいけんので,農業委員会も言いよったよ。  だから,市は,わし,これ答弁をそういって言うとるから,これは今から攻めがいがあるの思っとりますが,本当にこれ不法投棄,入れたものを写真撮っとるんじゃから。  それで,立入検査いうのは何日か間を置いて日にちを設定するから,県でも,市でも。その間に業者は行って,不法投棄のような,表にぱっと見えるようなものは取り除いて,さっきも言うたでしょう,県が行くときには取り除いて,それで,跡,きれいに化粧して,化粧の砂と改良土をかけて,わからんようにして,中がわからんようにしてやっとるんじゃから,それを真に信じるような行政じゃ手ぬるい,それはいけん。  こういう事案は,ここだけじゃないよ。わし,あともう3カ所知っとるよ,こういうことやっとるのは。  いうことは,広島市がええかげんじゃと,本当に手ぬるいと。これをどんどん不法投棄なんかが起きたときに,市は責任とりますいうけど,どうやってとるんや,はあ入れてしもうたものを。  市が行って,掘って,それ皆,除去するんですか。そんなことできないでしょう。  だから,それは,あなたらが言うのは,余りにも簡単すぎて,ええかげんすぎて,私は,ちょっとあんたの言うことは信じられん。  以上で終わります。 ○永田雅紀 議長       次に,16番宮崎誠克議員。                〔16番宮崎誠克議員登壇〕(拍手) ◆16番(宮崎誠克議員) おはようございます。自由民主党の宮崎誠克でございます。  それでは,会派を代表して一般質問をさせていただきますので,しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  まず,東京オリンピック・パラリンピックに向けた事前合宿等の取り組みについてお伺いをします。  この問題については,平成26年9月議会でも取り上げさせていただいていますが,あれから2年が経過しました。このたびは事前合宿誘致の取り組み状況も含め,少し角度を変えて数点の質問をさせていただきます。  去る8月5日から8月21日までの17日間にわたって,2016リオデジャネイロオリンピックが204の国,地域から1万500人もの選手が参加し,28競技,306種目が開催されました。  我が日本におきましては,金メダル12個,銀メダル8個,銅メダル21個の計41個のメダルを獲得し,日本オリンピック史上最多のメダルを獲得しました。  特に,今回のオリンピックは10代後半から20代前半の2020東京オリンピックにおいて活躍が期待される世代の活躍が目立ち,国を中心に各都市が実施しているジュニア世代の育成強化が少しずつ実を結んでいることを感じました。  と同時に,各競技において,相次ぐ逆転劇が繰り広げられ,日本選手団の決して最後まで諦めないという強い気持ちに多くの国民が胸を打たれ,日本中が感動の渦に巻き込まれました。  そして,いよいよ4年後の2020年には,二度目の夏季オリンピックが東京で開催されます。  世界最大のスポーツの祭典,平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックの開催は,国民に感動と勇気,活力を与えるだけではなく,平成23年3月11日に発生した東日本大震災から復興した姿と世界から寄せられた支援に対する謝意をあらわす好機となると同時に,本市にとりましても大会期間中に被爆75周年の8月6日を迎えることから,平和記念式典に各国の為政者を初め,選手や関係者,観光客など多くの方々に足を運んでいただき,被爆の実相に触れていただく絶好の機会であると思います。  本市においても,昨年度から競技団体や関係者と意見交換会を開催し,誘致に向けた取り組みをスタートされましたが,事前合宿誘致に向けた各競技団体の進捗状況並びに誘致の可能性も含め,現在の取り組み状況をお伺いします。  次に,ホストタウンの推進についてお伺いします。  ホストタウン事業は,参加国・地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図る地方公共団体を登録する制度で,事前合宿だけではなく,地域の活性化,観光振興に大きな効果をもたらすと期待されています。  ホストタウンに登録された場合,事前合宿や競技施設の改修に国の財政措置があり,本市としても早めに相手国のNOC── 国内オリンピック委員会などにアプローチするとともにホストタウンへの申請を進めるべきと考えます。  既に,第一次,第二次の募集が締め切られ,91件の登録があるようですが,本市のホストタウンの登録に対する検討状況をお聞かせください。  次に,競技会場についてお伺いをします。  先般の事前合宿誘致意見交換会の中で,野球,ソフトボールが正式種目になった場合には,マツダスタジアムを競技会場とするよう,日本野球機構── NPBなどに働きかけていると報告をされました。  野球が正式種目になった現在,どのような状況になっているのか,お答えください。  次に,ジュニア選手の育成強化についてお伺いをします。  リオ五輪でも,水泳の金藤選手や陸上の山縣選手など,地元出身の選手が大活躍し,連日大きく取り上げられました。こうした地元選手の活躍は郷土の誇りだけではなく,市民,県民のスポーツの振興に大きく貢献するものと思われます。スポーツ振興計画でも競技力の向上を掲げられていますが,広島県と連携してジュニア選手の育成強化を積極的に取り組むべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,文化プログラムの登録についてお伺いをします。  文化プログラムとして,スポーツと平和に関する国際会議の予算を組まれていますが,文化庁への申請等も含め,現在の進捗状況をお聞かせください。  あわせて,平和に造詣の深いIOC委員やスポーツ選手などによる会議を検討されておりますが,かなり大がかりな事業であり,広島市が実施主体になるだけではなく,広島県はもとより,文化庁やJOC,組織委員会なども巻き込む必要があると考えますが,いかがでしょうか。  また,神楽など,広島の伝統芸能も文化プログラムに入れてはどうかと考えますが,お考えをお聞かせください。  最後に,オリンピックを活用した平和の発信について要望をさせていただきます。  オリンピック期間中,被爆75周年目の平和記念式典が開催されます。さきに述べましたマツダスタジアムを競技会場にすることを初め,競技の終わった選手,役員等の関係者に,本市にお越しいただく取り組みや,平和の灯の採火,8時15分の黙祷など,オリンピックを活用して核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けてメッセージを世界へ発信できるまたとない機会であると思います。  リオ五輪でも開会式の演出に当たった親日家の映画監督,フェルナンド・メイレレス氏は,当初,ブラジルから平和へのメッセージを送るため,広島に原爆が投下された8時15分に会場全体で黙祷をささげる計画をされていましたが,国際オリンピック委員会── IOCから政治的な行動に当たることを理由に反対をされました。  しかし,フェルナンド・メイレレス氏はブラジルの国の成り立ちを伝えるショーの中で,日の丸をモチーフにしたダンサーが100年以上の歴史を持つ日系移民をテーマにした舞を披露されました。しかも,舞が披露された時刻は,広島に原爆が投下されたのとほぼ同時刻であり,日本と広島への思いを別の形で伝えられました。  ぜひとも,4年後の東京オリンピックでは選手,役員等の関係者の平和記念式典への出席や,8時15分の黙祷など,平和のメッセージを全世界に発信できる取り組みを組織委員会等に働きかけ,早めに対応していただくよう強く要望しておきます。  次に,重症心身障害児者の専門的な相談支援体制についてお伺いをします。  平成25年度に全国の児童相談所で対応した児童の虐待件数は7万3802件で,統計をとり始めた平成2年度を1とした場合,約67倍となっています。  その後,平成12年5月24日に児童虐待防止法が制定され,児童虐待の通告義務が課せられ,相談対応件数は年々増加し,平成26年度は8万8931人に達すると報告されています。  また,厚労省の社会保障審議会,児童部会の児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会では,虐待死を心中以外の虐待死と,心中による虐待死に分けて検討も行われていますが,約10年間に虐待で亡くなった子供は1,009人で,3日半に1人の割合で虐待によって子供の命を落としている結果となっています。  特に,心中以外の虐待死は1歳代の子供が大半を占め,そのうちの90%が身体的虐待とネグレクトとなっており,虐待者は実母が60%で,実父を合わせ90%が両親からの虐待となっています。  このような現状から,子供に重い障害がある場合や家族を取り巻く社会環境に問題がある場合には,家族が子供を育てていくリスクは高まることが予想され,最悪の場合には,児童虐待へとつながる危険性をはらんでいます。  例えば,始まったばかりの育児が重い障害のお子さんで,医療的ケアが必要なお子さんの場合には,たんの吸引など医療的なケアだけではなく,吸引器や人工呼吸器などの医療機器の衛生管理などに追われる毎日で,医療的ケアを伴わないお子さんでも寝返りができない場合は,母親が一晩に何度も起きて体位を変換したりしなければならず,母親は一時的ではなく何年も寝不足な日々が延々と続きます。  また,重度の知的障害児のお子さんにおいても,絶えず目が離せないといった状況にあり,このようなことから重度の障害を持つお子さんを主に介護している母親の心身への影響は大きく,虐待につながる危険性が出てきても不思議ではありません。  実際,私自身も重度障害者を抱える保護者の方から上述した現状をお聞きすると同時に,御本人も同じ保護者仲間からのさまざまな相談に親身に対応される中で,ときには介護の悩みや子供の将来を不安視されたお母さんから,呼吸器を外そうと思った,何度殺そうかと思った,何度手錠をかけようかと思ったなど,続けて打ち明けられることもあり,このようなお母さん方を私一人で支えることに限界を感じたと,疲れ切った顔で苦しい胸のうちを打ち明けられました。  広島市において,広島市から委託を受けた相談事業者が,障害者やその家族等からの個別の福祉サービスの利用相談など,さまざまな相談に応じており,私も何度か事業所を紹介したことがありますが,先ほども申し上げたようなさまざまな生活上の困難さを抱えた重度障害者の方や,そういった方の介護を行い,心身ともに疲れ果てている保護者に対する支援体制は,整っているとは言いがたい状況にあると思います。  また,重度障害者,中でも医療的ケアが不可欠である重症心身障害児者の場合には,その支援は個別性,専門性が高いため,支援のマネジメントに当たっては,医療機関や教育機関,障害福祉サービス事業所等の関係機関との連携が不可欠ですが,本市において,そうしたノウハウを有する相談支援体制は十分とは言えないと思います。  このような重症心身障害児者やその家族の置かれている状況をどのように認識しておられるのか,また,深刻な生活の困難さや悩みを抱えている重症心身障害児者やその保護者に対する専門的な相談支援体制の構築について,当局の考えをお伺いします。  最後に,障害者への相談支援に関しては,関係機関との連携が不十分で問題がなかなか解決につながらなかった事例もあるように聞いています。  また,重症心身障害児者以外にも,脳の障害などで途中から障害を持った中途障害者の方や,その家族など,専門的な支援を必要とする方々がまだまだおられるように思います。  なかなか一度には難しいかもしれませんが,本市としてもこうした課題をしっかりと受けとめ,今後ともさらなる相談支援体制の充実に努めていただくよう,要望しておきます。  次に,農水産物を活用した都市の魅力づくりについてお伺いをします。  去る,6月13日付で都市魅力づくり対策特別委員会の調査項目である,新たな観光資源の創出についてのこれまでの取り組みや提言をまとめた報告書が提出されました。  提言は大きく五つの項目に分かれており,被爆都市ヒロシマとダークツーリズム,広島ブランドの充実とニューツーリズムの創出,グローバルMICE強化都市としての展開など多岐にわたり,多くの具体的取り組み例や提言も取り上げられていました。  その中で,私自身が感じたのは,広島は瀬戸内海で水揚げされた豊富な海の幸や山地で収穫された山の幸など,農水産物の宝庫といわれながらも,これらの魅力を生かし切れていない現状があります。  このたび提出された報告書の中にも,夜市,朝市の開催や中央卸売市場関連棟の活用など,農水産物を生かした魅力づくりも提言されております。  先般,朝市,マルシェの先進地である高知県高知市の高知の日曜市,徳島県徳島市のとくしまマルシェを視察をさせていただきました。  まず,高知の日曜市は,元禄3年── 1690年に始まって以来,実に300年以上の歴史を持つ土佐の日曜市ですが,年末年始とよさこい祭りの期間を除く毎週日曜日に開催されており,全長1,300メートルにわたり,約420店舗が軒を並べ,決しておしゃれではありませんが,雑多な感じで趣があり,アジアンチックな雰囲気を醸し出す中,新鮮な野菜や果物はもちろん,海産物,加工品,金物,植木なども売られており,市民や県外からの観光客を合わせると,1日約1万7000人が訪れる生活市として大変にぎわっていました。  周辺には高知城やはりまや橋,また,ひろめ市場などがあり,日曜市を存分に堪能した後は,周辺の観光名所も回れるようなロケーションにあり,また,朝早くから開催されているため,前泊してから日曜市を楽しむ観光客も多く,高知の宿泊客の増加にも寄与しています。  次に,徳島県徳島市のとくしまマルシェですが,徳島市は自然と共生するおしゃれなまちというのが特徴であり,これらの特徴を生かし,経済活性化の効果を考え提案されたのが,徳島LEDアートフェスティバルととくしまマルシェです。  2009年5月に農業法人や農業関係者,県,市,流通業会等で構成された農業ビジネス活性化研究会が約1年間の議論を経て,徳島県の農業ビジネス活性化構想を発表されました。  この構想の一部を具体化したのが2010年12月からスタートしたとくしまマルシェで,徳島市を流れる新町川沿いにあるしんまちボードウォークで毎月最終日曜日に開催される食文化のイベントです。  目的は,農業ビジネスの活性化,産直市による県外観光客の誘致,中心市街地の活性化を目的として立ち上がりました。当初は40店程度の出店でしたが,5年間を経過した現在は,100店舗程度までになり,1日の来場客数も1万人に達しています。  高知の日曜市とは対照的に,白い大型パラソルに象徴されたように,木製の統一什器で展開されており,マルシェの名にふさわしいおしゃれ感を演出されていました。  基本は,徳島の農業ビジネスの活性化が主目的であり,徹底して生産者の質にこだわり,ターゲットはあくまでも徳島市民であり,地元に愛されるマルシェを目指されています。  このたびの視察を通じて,改めて地場産野菜等のポテンシャルを強く感じました。  一方,広島市では100メートル道路での日曜朝市や,NPOが宇品港で毎月2回開催するマルシェ等があります。  宇品のマルシェの運営者によれば,出店数は30から40店舗,来客数2,000人程度とお聞きしています。  さまざまな工夫をしながら頑張っておられますが,市内中心部,特に平和公園,原爆ドーム等から距離があり,また,中心市街地からも距離があるため,順調とは言えないようです。
     本市においては,200万人広島都市圏構想の中で,農業面においては農林水産物等の地産地消施策として近隣市町と連携をした大消費地広島をターゲットにした流通チャンネルの構築を検討しているところです。  また,観光面においても,本市を中心とした滞在型観光の一大観光圏を目指すことを掲げられています。その実現のため,本市が圏域全体の観光振興の牽引役となって近隣市町との強力な連携による効果的な観光施策の展開に取り組むこととなっています。  その両方の課題を解決する一つの提案として,市内中心部での広島市及び200万人広島都市圏に含まれる市町と連携をしたマルシェの開催が効果的であると思います。  そこでお伺いします。多くの人が集まり,そして,地産地消が進む仕掛けともなる農産物を活用した本市の新たな魅力づくりについて近隣市町との連携も含め,どのように考えているのか,お聞かせください。  次に,安佐市民病院の建てかえについてお伺いします。  先月,8月21日と27日の2日間にわたり,安佐北区の各地域の5会場で第3回目となる安佐市民病院建てかえに関する説明会が開かれました。  この説明会では,改めて安佐市民病院の機能分化整備方針についての説明があり,現時点での荒下地区に整備する病院と現在の北館に整備する病院や,北館に併設する行政機能などの概要が説明されたそうです。  今回の説明会では,最初の説明会で出されたような機能分化整備方針に対する意見や,現在地の北館に専門外来を設置してほしいといった要望等は一切なく,通院のためのバス便を確保してほしいといった要望が多かったようです。  荒下地区に整備する病院は,いよいよ設計段階に進むものと思われますが,6月議会の一般質問では,荒下地区の区画整理組合設立準備委員会において業務代行者が決まらなかったことから,区画整理事業がおくれ,病院の建てかえに支障が出るのではないかという指摘がありました。  それに対して,当局は,区画整理組合設立準備委員会ではもともとことしの秋ごろまでに業務代行者を決定すると予定していたことから,それが決まれば病院整備の全体スケジュールに影響を及ぼすことはないとの答弁がありました。  先日,新聞で区画整理組合設立準備委員会と広島県まちづくり土地区画整理協会との間で業務委託に関する覚書が結ばれ,同協会が業務を代行することになったとの報道がありました。  また,病院建てかえ後の跡地の活用についても,検討協議会で活発な議論が行われているとの報告がありました。  そこで,何点かお尋ねいたします。  昨年9月の市議会定例会において,機能分化整備方針を可決したところですが,今後,当局の市立病院機構はこの方針に基づき安佐市民病院の建てかえをどのように進めようとされているのでしょうか。  また,現在の安佐市民病院の跡地活用について,今後どのように進められるのかお考えをお伺いします。  次に,区画整理事業の代行を引き受けた広島県まちづくり土地区画整理協会とはどういった団体なのでしょうか。具体的にどのような業務を行うのか,お伺いをします。  最後に,超高速ブロードバンド環境の整備についてお伺いをします。  先般,私の地元,湯来町の地元の方とお話をする機会がありました。そのとき,いろいろな意見や要望が出たのですが,中でも強く印象に残ったことがありました。  それは,湯来町のブロードバンド環境はいまだに電話回線を利用したADSLで,光ファイバーなどの通信回線を利用した超高速ブロードバンドが整備されていないため,インターネットのスピードが遅くて困っている,何とかならないかという意見です。  具体的にどんなことに困っておられるのか幾つか紹介しますと,湯来町で旅館を営んでいらっしゃる方が言われていたのが,現在,宿泊者へのサービスとして,旅館やホテルの部屋でWi−Fiを使えるようにすることが全国的に当たり前に行われているが,湯来町には光ファイバーがなく,アクセスポイントを設置できないため,このサービスを提供することができず,宿泊者の確保に苦労しているということでした。  さらに,会社経営者の方からは,今はあらゆる資料や建築図面等のやりとり,また,申請や手続などについてもほとんどインターネットで行われており,特に建築図面などのように,大容量のデータのやりとりは時間がかかって困るといった意見や,地域の再生に取り組んでいらっしゃる方からは,若者の定住促進や地域の活性化のためには,企業を誘致し,働く場を確保することが効果的と聞くが,今どき光ファイバー網のないような地域に企業が進出するわけがないといった厳しい意見もありました。  こうしたことは,実は湯来町のみで発生していることではなく,他の光ファイバーなどの有線方式の超高速ブロードバンドが整備されていない地域においても同様ではないかと考えています。  そこでお伺いします。本市域において,有線方式の超高速ブロードバンド,いわゆる光ファイバー網が未整備となっている地域はどこでしょうか,お伺いをします。  広島市では,現在,有線方式の超高速ブロードバンドが未整備の地域の方には,LTE等の無線方式の利用を求めているという方針であると聞いていますが,無線方式は通信量に上限があり,動画などの大容量の通信には制約があるとともに,山陰やビル陰等の障害物の影響を受けやすく,安定した通信に支障があります。  こうした中で,先ほど御紹介したように,Wi−Fi環境の提供や定住促進,また企業の誘致など,光ファイバー網が整備済みの地域では当たり前にできることが湯来町などの光ファイバー網が整備されていない地域では困難であること,すなわち,光ファイバー網の有無により市民生活や地域活動等において格差が発生していることは非常に大きな問題だと思います。  このままでは,ますます人口減少や地域の衰退が進んでしまうのではないかと大きな危惧を覚えずにはいられません。  また,御承知のとおり,現在,我が国ではまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき,地方創生の取り組みを推進しており,広島市においても,昨年度末に「世界に誇れる『まち』広島」創生総合戦略を策定し,今年度から具体的な取り組みが始まっています。  また,地方創生の取り組みと連動して,同じくことし3月に策定した広島広域都市圏発展ビジョンに基づき,ヒト・モノ・カネ・情報の循環を基調とする200万人広島都市圏構想の実現を図ることとしています。  今後,こうした取り組みを効率的に進めていくためには,インターネットは非常に有効なツールであると考えており,現に国の総合戦略等においても,ICTは地理的,時間的な制約を解消し得る手段であり,適切に利活用することで大きな付加価値を生み出すもの。  また,ICTは地方が抱える課題解決の有効な手段で,医療・教育・雇用・行政・農業など,幅広い分野でのICTの利活用を推進するとうたわれており,地域においてもICTの恩恵を十分に享受することができるよう,超高速ブロードバンド等による地域の通信環境の整備を推進すると明記をされています。  また,広島広域都市圏を構成する近隣市町,例えば安芸太田町や北広島町などにおいても有線方式の超高速ブロードバンドを今後の地域の活性化や人口減少抑止の切り札と位置づけ,行政が直接,あるいは一定の経費を負担をして,その整備を行っておられます。  先ほど申し上げたとおり,同じ広島市でありながら,光ファイバー網がないことにより市民生活や地域活動,企業活動等に格差が生じている現状を是正する必要があることは言うまでもありませんが,それに加えて,今後の広島市が広島広域都市圏の連携中枢都市としてのその役割を全うし,名実ともに世界に誇れるまち広島を実現していくためにも,それを下支えする社会インフラとして市内全域に有線方式の超高速ブロードバンド,すなわち,光ファイバー網を整備していくことが必要不可欠と考えます。  そこでお伺いをします。  有線方式の超高速ブロードバンド,いわゆる光ファイバー網の整備について,広島市は行政として積極的に取り組んでいくべきと考えますが,今後,どのようにしていくおつもりなのか,基本的な考え方や方向性をお聞かせください。  この件については,整備費用の問題,財源確保等,幾つかの課題があることは承知していますが,ぜひ前向きに御検討いただくよう,強く要望いたしまして私の一般質問を終わらせていただきます。  長時間の御清聴,まことにありがとうございました。(拍手) ○永田雅紀 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       宮崎議員の御質問にお答えします。  安佐市民病院の建てかえのうち,病院の建てかえと跡地活用の進め方についての御質問がございました。  私は,安佐市民病院の分化整備の前提は,地域の住民の方の思いに真摯に向き合いながら,安佐北区のまちづくりに資するものにしていくことであるというふうに考えております。  市政に対する基本的な考え方であります対話・ビジョン・実行ということに基づきまして,昨年の11月からことしの8月まで4回にわたりまして地元の説明会を開催し,地域の住民の皆さんと対話を通して,分化整備によるビジョンをお示しすることができたんではないかと思っております。  こうしたことによって,安佐市民病院の機能分化整備方針については,地域住民の皆さんに十分浸透して理解が深まってきたものと認識しております。  そして,いよいよ実行であります。  荒下地区に整備する病院については,現在,市立病院機構において基本計画を策定しておりまして,今後,基本設計,実施設計を行い,そして,土地区画整理事業の造成工事完了後の平成31年4月から建設工事に着手する計画になっております。  また,北館に整備する病院については,日常的に高齢者等の地域住民が受診できる医療機能等を備えた病院や地域包括ケアシステムを担う病院にするという方針のもとで,平成31年度からは設計,改修工事に着手する予定になっております。  また,この方針を踏まえて,市北部地域のかかりつけ医等で構成される一般社団法人安佐医師会に設置・運営主体となっていただくよう要請を行っております。  跡地活用については,安佐市民病院跡地活用検討協議会において,若い世代へのアンケート調査や各委員みずからが行っていただいたアンケート,ヒアリング等々の結果を踏まえまして,活発な議論が交わされていると聞いております。  また,跡地への導入が望ましいと考えられる施設・機能については,子育て世帯向けの公園・イベント広場,あるいは看護系,医療技術系,福祉系の学校など,5項目に意見集約されたとの報告も受けております。  今後,協議会で取りまとめられる最終的な意見につきましては最大限尊重して,地域住民にとって,納得度の高い跡地の活用方針を策定していきたいと考えております。  こうした取り組みを着実に実施していくことによりまして,平成34年春には両病院を同時開業させるということとともに,その後,速やかに跡地活用に取りかかってまいりたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○永田雅紀 議長       健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   安佐市民病院の建てかえに関する御質問にお答えをいたします。  荒下地区の区画整理事業の業務の代行者に決まった広島県まちづくり土地区画整理協会はどのような団体なのか,また,どのような業務を行うのかとの御質問でございます。  一般財団法人広島県まちづくり土地区画整理協会は,広島県内において土地区画整理事業の推進を図り,広島県の都市行政に寄与することを目的に昭和36年に設立された団体です。  主な業務として,土地区画整理事業の普及啓発や業務の受託を行っており,本市域内においても荒下地区と同様に組合施行の土地区画整理事業を多く受託しております。  この協会と荒下土地区画整理組合設立準備委員会とは9月6日付で業務の代行の覚書を取り交わし,既に協会による土地測量等が始まっております。  今後,協会では事業計画や換地計画の策定,官公署との協議や許認可申請などの土地区画整理事業全般にわたる業務を実施することとなっております。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     東京オリンピック・パラリンピックに向けた事前合宿等の取り組みについてでございます。  まず,事前合宿誘致に向けた各競技団体の進捗状況と誘致の可能性も含め,現在の取り組み状況はどうかとの御質問がございました。  昨年度から関係競技団体の意見交換会を3回実施し,情報を共有するとともに,競技団体は国際大会等の機会を捉え,競技団体を通じて本市の利用可能な施設を紹介したトレーニングキャンプガイドブックを配付するなど,交流のある国や地域への誘致の働きかけを行っています。  本市としても,県と連携し,誘致に取り組んできており,現時点で公表はできませんが,複数の国と交渉を進めているところです。  また,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会を通じて,各国へ施設情報を提供するとともに,大使館,競技関係者に広島での合宿の意向についての情報収集をしておりますが,大半の国がリオ大会終了後に本格的に検討するという状況であることから,今後改めて働きかけを強めていきたいと考えております。  次に,ホストタウンの登録について,検討状況はどうかとの御質問がございました。  ホストタウンに登録されるには,大会等に参加するために来日する相手国の選手や関係者などとスポーツ,文化を通じて交流し,大会後も継続的に地域の活性化につなげていく事業を実施することが要件となっております。  このため,事前合宿を受ける国をホストタウンの相手国として登録することが最も効果的であると考えており,現在,事前合宿の誘致に向け交渉を進めている国をホストタウンとすることについて検討を進めています。  次に,マツダスタジアムを競技会場にすることについてどのような状況になっているかとの御質問がございました。  東京オリンピック大会における野球競技について,昨年度,県と連携してJOCや日本野球機構等に対しマツダスタジアムを競技会場にしてほしいという要望書を提出しました。  8月に野球競技が正式に五輪種目に復活することが承認されたことを受け,改めて東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に問い合わせたところ,メーン会場を横浜スタジアムとし,出場枠は6チームという内容でIOCの承認を受けている。これ以外の予選リーグが開催されるかどうかなどは何も決まっていないとのことでした。  今後とも,情報収集に努めながら要望活動を行っていきたいと考えています。  次に,ジュニア選手の育成強化について,県と連携して積極的に取り組むべきであると考えるがどうかとの御質問がございました。  議員御指摘のとおり,地元出身選手の活躍は市民に夢と感動を与えてくれることから,東京オリンピック・パラリンピックに向けてジュニア世代の競技力向上に向けた取り組みを強化する必要があると考えています。  競技団体からは,有力選手の情報を望む声が強く,県や競技団体,学校運動部等と連携して,素質,能力のあるジュニア選手の発掘に力を入れていきたいと考えています。  また,引き続き,市スポーツ協会と連携して,有力なジュニア選手に対し,計画的な合宿や遠征等に係る経費を助成する,また,優秀な指導者を招聘するなどの支援を行っていきたいと考えています。  最後に,文化プログラムの登録について,現在の進捗状況,県や文化庁,JOC,大会組織委員会なども巻き込む必要があると考えるがどうか。  また,神楽など広島の伝統芸能も文化プログラムに入れてはどうかとの御質問がございました。  先月,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から地方自治体などが東京オリンピック・パラリンピック競技大会とつながりを持ちながら参画・機運醸成等に向けた事業を実施できる東京2020参画プログラムが発表されたところです。  本市では,既に昨年度からスポーツを通じて平和のメッセージを発信することを目的に,平和に造詣の深いスポーツ選手やIOC委員等によるスポーツと平和の国際会議の開催を検討しています。  これまで,国やJOC,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に対し,協力や支援を要請しており,東京2020公認プログラムとして認証されるよう努めてまいりたいと考えています。  なお,神楽など,広島の伝統芸能をプログラムに加えるなどの具体的な内容については,今後,関係者の意見も聞きながら検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   重症心身障害児者の専門的な相談支援体制に関する御質問がございました。  重症心身障害児者やその家族の置かれている状況をどのように認識しているか,また,専門的な相談支援体制の構築についてどのように考えているかとのお尋ねでございます。  重症心身障害児者の置かれている状況は大変厳しく,また,その介護を行う保護者の方の負担は大きく,悩みは深刻なものであると認識しており,その支援体制の確立は急務であると考えております。  そうした中,本市の重症心身障害児者への支援体制につきましては,平成25年度に社会福祉法人三篠会が医療機関や障害福祉サービス事業所等の関係機関の連絡調整の場として重症心身障害児者地域生活支援協議会を設置しておりまして,これに本市も参画し,さまざまな関係機関が協議を行うことのできるネットワークを構築しているところでございます。  本市としましては,このネットワークの機能強化,拡充を進めることにより,生活上の困難さが著しい重症心身障害児者や心身ともに疲れ果てている保護者の精神的な悩みや相談を受け,その立場を理解して支えていくことができる専門性を持った相談支援体制の確立に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       経済観光局長。 ◎久保下雅史 経済観光局長  農水産物を活用した都市の魅力づくりについて,近隣市町との連携も含め,どのように考えているのか伺うとの御質問でございます。  広島広域都市圏における農水産物等の地産地消の推進については,広島広域都市圏産業振興研究会に地産地消部会を設置し,調査検討を進めているところですが,この中で,圏域内に供給される農作物は九州など他の産地のものが多く,圏域内で生産されるものは少ないことがわかってまいりました。  このため,地産地消の推進はもとより,議員御紹介の地元の農水産物を活用したマルシェを開催するに当たっても,まずは圏域内農作物の生産拡大が不可欠であると考えています。  このため,本市では新たな担い手を育成するため,広島市農林水産振興センターが行う担い手育成研修の対象者を圏域内の他市町へ拡大しており,今後,圏域内市町と連携して,さらなる担い手育成体制の充実強化について取り組んでいきたいと考えています。  また,この生産拡大の取り組みと合わせて,圏域内農水産物を住民にしっかりとPRすることも重要であり,これにより,消費の促進が新たな生産を生み出す好循環をつくり出すことができます。  議員御提案の,多くの人が集まる地産地消の仕掛けづくりについては,そのための有効な方法であり,まずは広島フードフェスティバルといったイベントや,直売所などを活用しながら圏域内農水産物のPRに取り組んでいきたいと考えています。  そして,生産拡大と圏域内農水産物のPR,双方の取り組みの成果を重ねながら,新たな都市の魅力となるような多くの人が集まる地産地消の仕掛けづくりについて検討していきたいと考えています。  以上でございます。
    ○永田雅紀 議長       企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   超高速ブロードバンド環境の整備について,2点の御質問をいただきました。  まず,本市域において,有線方式の超高速ブロードバンドが未整備となっている地域はどこかというお尋ねについてです。  本市域においては,議員からお示しされた佐伯区湯来町全域のほか,南区似島町の全域,安佐南区沼田町阿戸,吉山の全域,安佐北区白木町市川の一部,同じく安佐町小河内,筒瀬の全域及び久地,鈴張の一部などで有線方式の超高速ブロードバンドが未整備であり,市域全体で約4,400世帯,約8,600人の市民が十分にインターネットを利活用することができない状況となっております。  次に,有線方式の超高速ブロードバンドの整備について,今後どのようにしていくのかというお尋ねについてです。  有線方式の超高速ブロードバンドの未整備地域においては,議員御指摘のとおり,市民生活,地域活動,企業活動等においてインターネットの利用による便益が十分享受できず,同じ市内にありながら,ICT化の流れから取り残された地域となっております。  こうした情報通信基盤の未整備による地域格差を解消し,全ての市民が市内のどこに住んでいても必要に応じ,十分にインターネットを利活用できる環境を整えることが喫緊の課題と認識しています。  このため,現在,民間事業者からのヒアリングを重ねるなど,整備を推進するための事業手法等について精力的に検討を進めるとともに,並行して広島広域都市圏発展ビジョンの取り組みとして,近隣の12の市町と共同で設置した超高速ブロードバンドの整備に関する研究会においても,本年4月から整備に当たっての財源確保方策や,今後の技術動向等について調査研究を進めているところです。  今後,事業手法や財源確保策等の詳細な検討を急ぎ,市域全体における有線方式の超高速ブロードバンド環境の整備を,早期に実現できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ○永田雅紀 議長       16番宮崎議員。 ◆16番(宮崎誠克議員) ありがとうございます。  2点ほど要望をさせていただきます。  まず,東京オリンピック・パラリンピックに向けた事前合宿等の取り組みについて,一番重要なのはホストタウンの登録であると思っております。  国の財源措置によりまして事前合宿,また施設整備に大きく貢献してもらうものと思っておりますが,事前合宿の今,誘致の検討状況,複数あるとお聞きしておりますけど,まだ公表できないということでございますんで,今後,この動向を見守っていきたいと思います。  それと,マツダスタジアムを競技会場にすることについて,先ほど,組織委員会に問い合わせたら,メーン会場を横浜スタジアムとして,出場枠は6チームという内容でIOCの承認を受けていると。  これ以外の,予選リーグが開催されるかどうかはまだ何も決まっていないということですけど,皆さん御承知のように,カープも25年ぶりに優勝しまして,野球熱も大変,広島市は盛り上がっております。  平和都市,この広島で五輪の開催が実現できれば,世界の核兵器廃絶を世界にアピールできる絶好の機会であるとともに,市民,県民,また次世代を担う子供たちにとってこれほど夢と感動を享受できるチャンスはないと思っております。  ただ,大変厳しい状況であることは間違いありませんけど,可能性のある限り,粘り強く交渉していただくよう強く要望をさせていただいておきます。  それと,重症心身障害児者の専門的な相談支援体制についてですが,非常に前向きな御答弁をいただいたと思っております。  ちなみに,他の団体等をお聞きしましたら,難病を抱える方々の相談窓口は,難病17団体が加盟しておられる広島難病団体連絡協議会が県と市の両方から委託をされて相談事業を行っておられるそうです。  本市におきましても,立派な冊子をつくっておられて,福祉サービスや医療手続などの情報提供を行っておられて,この難病の方々については比較的手厚く相談支援の体制を整えていただいておるようにお聞きしております。  しかし,質問でも申し上げましたとおり,児童虐待によりまして3日半に1人,本当にびっくりするような数字なんですが,3日半に1人の割合で自分たちの子供,実母が60%,お父さんも含めて90%の子が両親の手によって命を失っておる現状があります。  ぜひとも,この重症心身障害児者,心身ともに大きく負担を抱える保護者の方がたくさんおりますんで,この深刻な悩みを抱えたまま孤立することがないよう,安心してお子さんに寄り添えるように,心のよりどころとして相談支援体制の充実を強く要望いたしまして,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       この際,暫時休憩いたします。                午前11時26分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時04分開議                出席議員  47名                欠席議員  7名 ○沖宗正明 副議長      出席議員47名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  21番馬庭恭子議員。                〔21番馬庭恭子議員登壇〕(拍手) ◆21番(馬庭恭子議員) 市政改革・無党派クラブの馬庭恭子です。ただいまより,一般質問をいたします。  まず,被爆地ヒロシマの継承についてです。  歴史的瞬間,ヒロシマの悲願などと新聞各紙はオバマ大統領の訪問を伝えていました。彼は被爆地ヒロシマで何を見て感じたのでしょうか。  52分の短い滞在の中で17分間のスピーチ,被爆者との握手,ハグを終え,資料館見学10分程度,帰国後の感想では,広島市民が歓迎してくれてよい訪問だったというコメントが出ていました。  しかし,平和記念公園に持ち込んだ,通称フットボールという核ミサイルの発射ボタンの入ったかばんを持参していたと聞きます。  プラハ演説から始まり,核なき世界を訴えたオバマ大統領の思いは今や核の先制不使用の声明さえ出せない政治的思惑の中でかき消される状況です。  さて,全国の広島・長崎の被爆者は現在17万4080人,年間の減少者は9,439人,広島市の死亡者数は2,810人となっています。平均年齢は80.86歳で,前年に比較して0.7歳上がっています。  しかし,被爆者の方々が誰もいなくなる日がやってきます。被爆地ヒロシマとして,平和であることの意味を伝え続け,都市機能だけではなく,そこに生活を営んできた人々の暮らしを,そして,生きてきた時間を実感してもらうことが大切です。  平和記念資料館の免震化工事で国指定の名勝である平和記念公園内に奇跡的に残っている遺構は大変貴重です。6月議会の答弁では,被爆75年ということを念頭に置きながら,地下に存在する遺物・遺構の活用については発掘場所への公開の手法も含め整備の議論を行う中で検討すると述べています。  あと4年で75年を迎えます。私は,来訪者の歩く動線上を意識した場所,例えば禎子像の近くであるとか,象徴的な場所での黒い地層を初め,被爆当時の暮らしが見える保存・活用を検討すべきと考えますが,どうでしょうか。  次に,原爆ドーム周辺の景観は市民の財産です。河岸緑地にあるカフェレストラン,国の一級河川上に係留するカキ船高級レストランが行政主導で登場しました。  特に,カキ船は川の景観を大きく変えてしまいました。川沿いを散策する市民にとっては対岸の緩やかな岸辺の眺めは,カキ船が係留していることで突然眺めを遮断されてしまいます。  広島市は建築物ではない,船であるということを主張し,船であるので随時かつ任意移動可能であるということも説明されてきました。  また,年に一回はそれを確かめるということでしたが,それはいつ,どのように行われるのですか。市は,それをどう確認するのですか,お答えください。  また,もう一つのカキ船がまだ元安川の河川上にありますが,営業していないようです。川向こうのアステールプラザに移動するという説明ですが,まだ同じ場所にあります。どのように指導しているのか,お答えください。  次に,被爆の事実を正確に丁寧に伝えるための担い手育成についてです。  現在,資料館や碑めぐりの説明はピースボランティアが担っています。その登録数は197人で,登録のみで活動していない人たちも含まれています。彼らの資料館での説明や碑めぐりなどの役割は,被爆都市ヒロシマを知ってもらうには有効です。説明者は何度も経験することですが,説明を聞く人にとっては生涯に一度しかない貴重な体験であるかもしれません。そこでお尋ねしますが,どういった研修を組み,継続・育成を図っているのでしょうか。  私は無料のボランティアガイドだけではなく,公認ガイドとしてプロの選択があってもよいのではないかと考えています。来館者が選択すればいいことだと思います。特に,外国からの来訪者は,卓越した知識と多言語能力での対応が必要不可欠です。広島にはそういったプロの非営利団体があり,その登録人数は187人です。そういった人たちを認定し,活用することがいいのではないでしょうか,いかがお考えかお答えください。  次に,市長の発言とサッカースタジアムの検討についてお尋ねいたします。  広島には幾つかのプロスポーツがあります。特に野球,サッカーと誇れるチームが二つあります。今シーズン,野球のカープは善戦に次ぐ善戦で25年ぶりに優勝しました。優勝が近くなると行政職員もスポーツ担当課の職員はカープの赤いユニホームで仕事をし,応援していることが記事に出ていました。  翻って,サンフレッチェの善戦時はどうだったか,安佐南区の職員のみ紫色のユニホームを着て応援していたと聞きます。カープは歴史的に見ても,市民との歩みも深いということを承知していますが,行政の立場では平等に機運を高めていく必要があると私は思います。  さて,松井市長は平成24年3月1日,激励会でサンフレッチェが3回優勝すればサッカースタジアムをつくると公言されました。政治家の言葉は重く,しかも市長であればなおのこと,その発言は慎重であるべきで,市民に説明責任が生まれます。  その後,サンフレッチェの善戦は目覚ましく,サッカースタジアムの実現性が高まり,市民も盛り上がり,サッカースタジアム建設の実現に向けて署名活動がさらに活発になりました。  そのような状況下で,平成25年12月3日,市長は優勝されるとサッカースタジアムが土俵際に追い込まれるのでサンフレッチェは2位でいいとあり得ない発言をし,さすがに翌日に市民の皆さんに陳謝しています。私は,リーダーの発言としては非常に残念で,顔から火が出るぐらい恥ずかしい思いをしました。  しかし,サンフレッチェは3回優勝を果たし,サッカースタジアムをつくろうと約37万人の署名が集まり,いよいよ土俵際に追い込みました。  それより県と市は,平成25年6月6日から平成26年11月21日まで計19回のサッカースタジアム検討協議会が開催され,その議論の結論を踏まえて,最もサッカースタジアムを建設するにふさわしい地はみなと公園としてきました。  しかし,みなと公園は港湾関係者より猛烈な反対があり,さらに,サンフレッチェの久保社長からは,サッカースタジアムがみなと公園なら完成しても行かないと,みなと公園拒否の発言がされました。  また,久保社長を入れた4者会談の開催の求めがあり,そして非公開の4者会談を2回開くと,候補地として排除された中央公園が浮上し,有力な候補地であるような報道が現在されています。  そこで,お尋ねいたします。  まず,現在,報道で俎上に上がった中央公園は,議事録はありませんが,テープ起こしの原稿を読むと,サッカースタジアム検討協議会の最終日の19回までは候補地として残っていましたが,最終的にはみなと公園と旧市民球場跡地の2案に絞られていました。どのような理由で候補から外されたのか,お答えください。  また,4者会談で中央公園を候補地とするなら,さきの検討協議会の結論との整合性はどうなのかお答えください。  次に,作業部会は県・市で予算をつけ,交通量調査など2案に絞るための必要な費用,実質1248万4000円を議会は承認してきました。あの検討協議会や作業部会は何だったのでしょうか。検討協議会や作業部会で出された結論は,今後,どのように扱うのか,お答えください。  また,サッカースタジアムを建設することは4者で合意したと報じられていますが,広島市のお考えをお答えください。候補地としてはどこがいいと思っているのか,事業主体となり得るのか,お答えください。  結局,何年後にサッカースタジアムは完成するのですか。中区選出議員として,市民の皆様から旧市民球場跡地問題はどうなるのか,決定が遅く物事が動かないことへのいら立ちや怒りの御意見を長く長く聞いてきましたので,明快な答弁をお願いいたします。  次に,地域包括ケアについてお尋ねいたします。  2000年開始の介護保険制度は,家族介護の負担を減らし,介護の社会化をうたい,スタートいたしました。  しかし,介護保険給付費は天文学的数字になること,国の財政圧迫が必須ということで方向転換し,国からおりてきた概念が地域包括ケアです。いわゆる地域の中における介護と医療と福祉の土壌づくりです。この土壌の上に自助,共助,公助という花が本当に咲くのでしょうか。  今,介護予防を初め,健康寿命の重要性がうたわれていますが,私たちはよく立ちどまって考えなければなりません。  こういった見方もできます。健康寿命といいますが,そこには所得格差が背景にある健康格差が影響しています。また,介護保険サービスの利用を抑制できるように,取り組めば取り組むほど掛け捨てという部分がふえます。  介護保険料の料金設定は市町村裁量です。高齢者施策推進プランによると,広島市は2025年には基準月額が9,200円と推測されています。広島市の介護保険の対象者の8割は元気な高齢者で,介護保険の認定を受けず,介護保険サービスを利用してはいません。  そこでお尋ねいたします。  本来,介護保険はみんなで支え合うものであるということは承知していますが,別の政策でこの方々にどう還元すればよいと考えていますか,お尋ねいたします。  また,介護予防で,介護や医療にかかる費用を抑制すると言いますが,超高齢者が増加するということは,実は身体的には免疫力が低下し,回復力がなく,重篤化し,個人の経済も先細りするので国や自治体,そして健康保険組合の介護費や医療費の負担が一方でふえていくということになります。  ぴんぴんころりと逝きたいところですが,そうはいきません。がんの新薬の開発,胃ろうを初め,高度医療の発達によりなかなかあっちには逝けません。どんな最期を迎えたいかを今,元気なうちから考えておくべきだと思います。  次に,介護予防・日常生活支援総合事業についてです。  今,市は地域住民などによる多様なサービスを先行的に行い,実施モデルの確立に取り組むとして今年度予算を組んでいます。  高齢化が加速する中,地域特性,活動主体も異なり,公平性,継続性を担保できないかもしれない不安定な住民主体のサービスに税金を投入しているわけですが,どのような結果を期待しているのでしょうか。  定着できる地域もあれば,そうならない地域ができ,同じ市民でありながら,住んでいる地域によって資源が異なるという事態が生まれます。ここをうまく乗り切る知恵や策がありますか。  一方,公益団体として広島市シルバー人材センターがあります。幅広く暮らしのお手伝いをしますとキャッチコピーが書かれ,家事全体のお手伝いから通院の付き添い,話し相手,草刈り,植木の手入れ,ごみ出しまで,いろいろなメニューがあります。  会員総数3,811人,会員は登録料を毎年1,800円支払っています。年齢別構成は65歳から74歳までが66%でいわゆる元気な高齢者たちです。ちなみに最高年齢は95歳です。しかも,働く意欲のある高齢者で,地域のしがらみのない,縛られない集団です。この団体における仕事の就業率は現在何%ですか。本当に需要と供給がかみ合っていますか。  この組織を有効活用し,時代のニーズに合った育成をしていくことが私はよいのではないかと考えますが,いかがでしょうか。地域でも生活援助など積極的に進め,マッチングをし,高齢者の就業支援として開発していただきたいと思います。  廃棄物処分のあり方についてです。  廃棄物の最終処理場が広島市に必要なことは理解できています。また,その場所が恵下と決定し,議決されたことも承知しています。しかし,より安全性が担保されなければなりません。  広島市は恵下埋立地の浸出水の処理を,当初の計画は水圧をかけて全線圧送することが一番安全と説明したにもかかわらず,実施不可能な計画であったため撤回しています。今は,ポンプによる圧送計画としています。  また,不測事態に備えて全線2条管としていた計画を,今はマンホールが少ないほうが車の通行によいという理由で,自然流下部で1条管に計画変更するなど,変更に次ぐ変更をしています。初めから,丁寧に練りに練った計画ではありません。この道の専門家や有識者,そして地元住民に相談しながら進めているのでしょうか。  次に,広島県より平成28年6月29日付で,出島の処分場に一般廃棄物を受け入れするので協力をとの正式文書が届いています。  かつて,出島処分場の前の五日市処分場では,広島市は一般廃棄物を搬入し,市と県との連携はスムーズでした。  広島県の第4次広島県廃棄物処理計画によれば,平成7年度に207万トンあったものが,平成25年度には37万トンに減少しています。この激減の背景には,建設,リサイクル法の制定が影響しています。出島処分場はまだ廃棄物は5%しか埋まっていません。まだ入る余地はあります。なぜ,出島処分場を有効活用しないのですか。その理由を説明してください。  中工場も南工場も近く,搬入には便利です。また,出島処分場建設約500億円のうち,市は負担金として約109億円出しています。出島周辺の地元の各種団体と県は10年で受け入れ終了を協議の上,確認,合意していますので,県もこの10年を担保するのに非常に困っていると思われます。県は最近,大型搬入者には割引制度の創設もし始めました。以前と状況が変わっているのではないでしょうか。  次に,恵下への廃棄物の車両搬入経路についてです。
     計画では,沼田町阿戸地区からの出入りになっています。標高差,道なりの複雑さを考えると県道71号線の湯来から進入し,戸山に抜ける道を採用してはどうでしょうか。車両の燃費や排気ガスのことを考慮すると,環境に優しい配慮だと考えますが,いかがお考えかお答えください。  次に,市営住宅についてです。  広島市の市営住宅の管理戸数は1万4609戸で,全市の空き家率16.9%となっています。さらに市営住宅の居住者の過去5年の高齢化率を調べると,年々上昇し,全市営住宅における高齢化率は現在は41.9%となっています。地区別で見ると,南区は50%,次いで東区45.4%,中区44.5%と続いています。  つまり,市営住宅の半数近くは高齢者が住み,これからも年々その数はふえていくことになります。高齢者の単身世帯も増加していく中,市営住宅の何世帯かをぶち抜き,グループホームなど共同施設を開設できるのではないかと思いますが,いかがでしょうか。  広島市の高齢化率も年々上昇する中,日常生活圏内での市営住宅に居住していない対象者も利用できると思います。特に,地価の高い中区などの地域には,私は有効だと考えています。  次に,市営住宅の抽選についてです。  当選しなかった申込者は,申し込み回数に見合った優遇として,持ち玉がふえています。ガラポンといわれる抽選器を使用して出た玉に書かれてある数字を確認し,決定されます。  聞くところによると,50回申し込んでも当選しないという声を聞いています。また,何回申し込んでも当たらないという方からは,本当に公平なのかなどと疑念を抱かれる声も聞いています。公平性をどう保っていますか。また,改善点をどう考えてるのか,お答えください。  次に,中学校の基準服の価格についてお尋ねいたします。  小学校,中学校は義務教育です。義務教育となれば公的支援も必要な対象者には対応していかなければなりません。子供の貧困化初め,就学援助を受けている子供の数は小・中学校で全体の29.5%になっています。広島市では,小学校141校,中学校63校あります。小学校は基準服を導入している学校もあれば,私服という場合もあります。広島市は,中学校は全て基準服で対応しています。  そこで,中学校の基準服の価格の実態はどうなっているか調べたところ,平成21年度の調査がありました。この結果からわかったことは,学校によって価格に差がありすぎという事実です。  例えば,冬服男子は,最高価格4万1970円,最低価格1万8570円で2.3倍の差があります。冬服女子は,最高額3万6560円,最低額は2万3300円で1.6倍の差,夏服男子は,最高額は1万5820円,最低価格は7,040円で2倍の差,夏服女子は,最高額1万8420円,最低額は7,660円で2.4倍の差となっています。  この調査から既に7年間経過しているので,羊毛価格が上がっているので価格はさらに上がっています。基準服は保護者と学校が決定するということです。なぜ,こういった差が生まれるのかお答えください。  こういった差が生まれないように,毎年,基準服の価格調査を行い,各学校の基準服の価格を一斉に公表し,差が大きく生じないような適正な価格にすべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。  また,LGBTの生徒については,学校内で対応するためにも,学校内ではジャージや私服も認めるべきと思いますが,どうでしょうか。  次に,入学時の基準服の購入時期と就学援助支給の時期についてです。  福岡市では,就学援助が今まで7月であった時期を変更しました。昨年3月中旬より政令指定都市で初めて就学援助の必要な新1年生の入学準備費を入学前に支給しました。義務教育なのに市費の負担が大きいという問題をいかに解決するか,就学援助を受ける対象者への負担軽減ができるように配慮した結果です。立派な福岡市だと思います。広島市もそういったきめ細かい対応をすべきと考えますが,いかがでしょうか。  最後に,育成型ジョブローテーションについてお尋ねいたします。  政令指定都市の行政組織として1万人弱の職員の中で課長レベルの職位にある職員は,いわば政策を企画実行するための司令塔と同時に,部下を育成する大切な役割を担っています。部下が20人を超える部署もあれば,2人から3人の部下しかいないという部署もあります。  まず,平成24年度から今年度までの5年間,課長ポストがどう増減したか調べました。前市長からは21人の課長が減り,平成26年度は平成25年度の637人から市立病院の地方独立行政法人への移行により165人減で472人です。平成27年度は474人,平成28年度は480人となっています。やや微増していると思います。  この480人の課長などが行政のエンジン部分です。また,政策の変化に伴って課長が新設されたり廃止になったり,名称が変更になったりしています。毎年内示があり,異動があるわけですけれども,課長が2年から3年で異動する場合もあれば,その専門性ゆえ10年近く同種のポジションにいる課長もいます。  また,課長は部下を育成していかなければならないと思います。例えば,今回の監査で指摘されている児童手当などの返還にかかわる債権管理事務,この9月16日に発表した後期高齢者医療の保険料の算定に係る事務手続のミス,こういった事務作業に関するさまざまな思い込み,手違い,未確認などがあります。そのたびに再発防止を図ると言いながら,結局,再発を生んでいるのです。  そこには,上司には相談できない,一人抱え込む,能力を超えた仕事量など,ストレスの高い職場の風土もあるのではないかと感じています。  そこでお尋ねいたします。  市は,職員の才能を見抜き,事務能力が高く,コミュニケーション能力の高い職員へとどう育成していくおつもりかお答えください。  また,広島市には,広島市職員の人材育成基本方針や,広島市ハラスメント対策基本方針があります。しかし,人材育成基本方針は平成24年度から変更していません。基本方針の中には管理監督者については課や係の統括者として部下の育成指導が挙がっています。気持ちよく仕事ができるように,課長のジョブローテーションを考えた具体的な見直しをしたらいかがでしょうか。  最後に要望ですが,くれぐれもパワハラのない職場風土にしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○沖宗正明 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       馬庭議員からの御質問にお答えいたします。  地域包括ケアについてのうち,介護予防・日常生活支援総合事業についての御質問がございました。  私は,地域によって高齢者や子供の数に差があるだけでなく,それらの置かれている状況がさまざまであるという現実の中で自助,共助,公助を適切に組み合わせていくことで持続的に展開されるような地域福祉を構築していくことが重要であると考えております。  そのためには,地域の実情に応じた包括的な支援体制を確立していくこと,すなわちエリアマネジメントの視点が不可欠であり,その上で,高齢者に関してはこれまでの公助による支えはもとより,健康寿命を延ばしていくための自助や近隣との共助を厚くしていくことが重要であります。  こうした考え方のもと,本市ではこれまでも全市域を対象として高齢者を見守り,支え合う地域づくりや,地域に開かれた住民運営の介護予防拠点の整備などを着実に進めてきております。  ところで,介護予防・日常生活支援総合事業,すなわち,いわゆる総合事業を見てまいりますと,みずからが元気でいようとするための自助を促す環境づくりのために,共助と公助を今まで以上にうまく組み合わせて取り組む事業となっております。公助のかかわり方を工夫しながら継続性を担保しようとするものではないかと考えております。  なお,平成29年4月からの制度開始に先立ちまして,ことしの10月から実施する住民主体による訪問型生活支援モデル事業は,公助と共助の組み合わせの具体例でありまして,総合事業の一部先行事業として実施し,その後,全市域に広げていきたいと考えております。  このように,総合事業はエリアマネジメントの視点に立って地域ごとに多様な担い手を確保するとともに,新たな社会資源の開発などを行うことによって,高齢者を地域全体で継続的に支えていく体制づくりの一つの柱として展開していくものであると考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   地域包括ケアにつきまして御質問がございました。  健康寿命を延ばして介護保険サービスの利用を抑制すると,高齢者にとっては介護保険料を掛け捨てになる部分がふえるけれども,元気な高齢者にどう還元すればよいと考えるかとの御質問でございます。  介護保険制度は,介護が必要となった高齢者を社会全体で支えていくための保険制度です。  一方,健康寿命が延びるということは,高齢者が健康な状態で生活する期間が延びるということであり,大変重要なことだと考えております。  また,被保険者が負担する介護保険料は,介護保険給付に係る費用を賄うものであり,高齢者が健康で長生きすればするほど保険給付の総額を抑制し,介護保険料の上昇を抑制するという関係にあります。  この関係をより確実なものにしていくことが高齢者自身のメリットになり,また,介護保険制度を持続可能なものにするためにも必要であるというふうに考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      経済観光局長。 ◎久保下雅史 経済観光局長  地域包括ケアにつきまして,シルバー人材センターに関する御質問がございました。  まず,広島市シルバー人材センターにおける就業率は幾らかとの御質問。それと,需要と供給が見合っているかとの御質問がございました。  まず,就業率についてですが,平成27年度の実績を申し上げますと,会員総数3,811人に対し2,742人が就業しており,年間就業率は71.9%となっています。  次に,需要と供給が見合っているのか,すなわち,全ての会員の方に仕事を紹介できているのかとの御趣旨の質問だと思いますが,シルバー人材センターに確認したところ,就業の希望がある会員であれば,病気等の事情がある場合を除き,それぞれに見合う仕事を紹介しているとのことです。  続きまして,シルバー人材センターを有効活用し,育成していくことが必要ではないかとの御質問にお答えします。  シルバー人材センターが請け負う仕事の中には,高齢者の日常生活の支援に関するメニューがあり,豊富なノウハウ,人材を有していることから,これらを議員御紹介の介護予防・日常生活支援総合事業に活用することは可能であると考えています。  そうしたことから,シルバー人材センターにおいても当該事業への参入を就業機会の拡大や就業率の向上,組織活性化のチャンスと捉え,現在,参入の条件や内容等について事業を所管する健康福祉局と協議を行っているところです。  こうした広域的な事業も積極的に活用しつつ,シルバー人材センターの育成に努めてまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     被爆地ヒロシマの継承について,まず平和記念公園の象徴的な場所で遺構を保存・活用することを検討すべきと考えるがどうかとの御質問がございました。  平和記念公園の区域は,当時,約4,400人が生活していた旧中島地区の町並みの上に,被爆後,盛り土をして整備されたものであることから,公園の地下には現在でも被爆した黒い地層や町並みを含む遺物・遺構が存在すると思われます。  被爆から70年以上を経て,被爆者の高齢化が進む中,平和記念公園の役割は被爆の実相を伝えていく上でこれまで以上に大きくなると認識しています。  このため,被爆75周年という年も念頭に置きながら,発掘場所や公開の手法も含め,遺物・遺構の活用について検討してまいりたいと考えております。  次に,ピースボランティアの育成を図るため,どういった研修に取り組んでいるのか。また,多言語で説明できるプロの非営利団体の人たちを来館者が選択できるよう活用する考えはないかとの御質問がございました。  ピースボランティアの方々に対する平和記念資料館が行う研修については,まず,登録前に被爆の実相等についての基礎的な研修を実施し,その後,継続して毎年2回,原爆,平和に関連した幅広いテーマによる研修会を実施しているほか,ボランティア自身もみずから積極的に研修会や勉強会を行い,自己研さんに努めておられます。  また,最近の外国人入館者が増加している状況や,核兵器を取り巻く情勢の変化などを踏まえ,今年度ピースボランティアを追加募集するとともに,本年度から英語力の向上・保持のための研修を継続的に実施することとしており,質・量ともに充実を図ります。  なお,御指摘のあった非営利団体は有料で幅広い観光ガイドをされている団体であり,無料のピースボランティアとは方向を異にすることから,その活用については慎重に検討したいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      経済観光局長。 ◎久保下雅史 経済観光局長  被爆地ヒロシマの継承についてのうち,カキ船に関する御質問にお答えします。  もう一つのカキ船,これはかき舟ひろしまのことですけども,まだ河川上にある。どのように指導しているのかとの御質問でございます。  かき舟ひろしまにつきましては,現在地での河川占用許可期間が平成28年度末までであることから,現在,河川管理者である国や県と連携し,許可期間内の移転に向けて事業者と協議を進めているところでございます。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      都市整備局指導担当局長。 ◎香川寛治 都市整備局指導担当局長  被爆地ヒロシマの継承についてのうち,カキ船のことについてでございます。  カキ船が随時かつ任意に移動可能であることについて,年に一回はそれを確かめるということだが,いつ,どのように行われるのか,どのように確認するのかということでございます。  随時かつ任意に移動可能な状態であることの確認については,現在,事業主に対して,今月中に移動のための作業手順に沿って,電気,ガス,給排水等のインフラ設備の取り外しなどを行い,その状況を撮影した写真を添付した書面を提出するよう要請しているところでございます。  本市としては,この書面の提出を受けて確認する予定としております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     市長の発言とサッカースタジアムの検討について,まず中央公園広場はサッカースタジアム検討協議会において,どのような理由で候補から外されたのか。また,今後の4者会談の方向性と検討協議会の結論の整合性はどうなのかとの御質問がございました。  中央公園広場はサッカースタジアム検討協議会において,三つに残った候補地の一つです。  検討協議会の提言では,北側に大規模住宅等が近接しており,騒音対策等への対応が困難であることと,南北方向への観客席の拡張性は制約を受けることが主な課題として挙げられていましたが,次のように評価されています。  それは,3万人規模のスタジアムの建設が可能で,旧市民球場跡地と同等のアクセス性を有することなど共通点が多く,敷地面積に余裕があり,都心の新たなランドマークとしてのスタジアムとなることが期待できるなどというものです。  検討協議会による最終的な三つの候補地の絞り込みの段階では,中央公園広場を推す意見がないことから候補地から外れていますが,委員の1人からは優劣をつけず,三つの候補地を対象とするべきという提案がありました。  結果的に,旧市民球場跡地と広島みなと公園の二つの候補地に絞り込まれた検討協議会の提言を踏まえ,県,市,商工会議所で作業部会を設け検討し,昨年7月に知事,市長,商工会議所会頭の3者会談において広島みなと公園が優位としました。  しかしながら,港湾関係者から強い懸念が示されており,ことし3月にはサンフレッチェ広島から旧市民球場跡地にサッカースタジアムを整備する独自案が発表され膠着状態となっておりました。  こうした中,商工会議所会頭のサッカースタジアム建設は機運が高まっているうちにめどをつけたいという思いから,8月10日に3者とサンフレッチェ広島会長の4者による意見交換が実現しました。  そこでは,検討協議会で絞られた二つの候補地では4者が納得する結論を出すことは難しいため,その他の候補地の再検討も含めてそれぞれが検討することとなりました。  その後,9月14日の2回目の4者の意見交換において検討協議会の議論の経過を踏まえると,三つの候補地の一つであった中央公園広場をその他の候補地として検討することについては整合性は図れるものであり,今後,旧市民球場跡地と広島みなと公園を残しつつ4者が協力して検討していくこととしているものです。  次に,予算を使い検討協議会や作業部会は何だったのか,そこで出された結果は今後どのように扱うのかという御質問がございました。  サッカースタジアム検討協議会や作業部会は,それぞれ予算措置のもとで候補地や規模,事業主体を決定していくための判断材料を得るために運用してきたものであり,これまで作業部会が行ってきた実現可能性調査等があったからこそ4者での意見交換が実現し,中央公園広場を候補地に加えて検討していくという今回の整理ができたものと考えています。  したがって,検討協議会での議論やこれまで作業部会が行ってきた実現可能性調査等については,今後もサッカースタジアムの建設に向けての作業に有効に活用していきたいと考えております。  次に,サッカースタジアムを建設することについての市の考えはどうか,また,候補地はどこがよいと思っているのか,事業主体になり得るのかという御質問です。  サッカースタジアムは,県,商工会議所と3者一体となって建設することを前提に検討を行っていきます。  その際,候補地や事業主体等の具体的な内容については,これから3者で協力して検討し,サンフレッチェ広島を含めた4者で協議を行うこととしており,その具体化に当たっては議会等の了解を得て予算措置を講じていくべき課題と認識しており,これからの作業になります。  最後に,何年後にサッカースタジアムは完成するのかとの御質問がございました。  議会の予算議決が得られ,基本計画,基本設計,実施設計という建設工事に必要となる通常の手続を踏むならば,それだけでおよそ5年程度は必要になるものと考えますが,建設候補地が決まっていない現状においては,何年後に完成するかは明確に申し上げることはできません。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      環境局長。 ◎北吉孝行 環境局長     廃棄物処分のあり方についての御質問にお答えします。
     まず,恵下埋立地の浸出水放流管の計画について専門家や有識者,また,地元住民と相談しながら進めているのかとのお尋ねについてです。  浸出水の放流計画を含め,恵下埋立地の整備に当たりましては,廃棄物工学,地質工学,土木工学等の学識経験者の御意見や地元住民の皆様からの御要望を踏まえつつ,最新技術の導入を図るとともに,国の基準を上回る安全対策を講じるなど,周辺環境の保全と安全確保に万全を期して進めております。  次に,なぜ出島処分場を有効活用しないのか。また,恵下埋立地への廃棄物運搬車両の搬入経路について,湯来町側から進入する経路を採用してはどうかとのお尋ねについてです。  現在,稼働中の玖谷埋立地は,平成31年度末で埋め立てを終了することで地元住民と合意をしています。本市としては,長期的で安定したごみ処理体制を確保するためにも,この合意をもとに平成32年度から恵下埋立地の供用を開始する必要があると考えており,そのための整備を進めているところです。  また,本年8月には戸山学区町内会連合会から埋立地の整備に関し,広島市との合意書締結に向けた協議を進めていきたい旨の申し入れ書が提出されたところでございます。  恵下埋立地の整備については,当初予定をしていた搬入道路となります広島湯来線の新設改良工事が遅延していることから現道を利用せざるを得ない状況にありますが,同連合会からの申し入れにある安全・安心の確保を最優先で取り組んでいきたいと考えておりまして,今後,どのような対応が必要かについては同連合会との協議を踏まえながら適切に処理していきたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      都市整備局指導担当局長。 ◎香川寛治 都市整備局指導担当局長  市営住宅の活用と抽選についてということで,市営住宅の活用についてでございます。  広島市の高齢化率も年々上昇する中,市営住宅の空き家住戸の何戸かを合わせてグループホーム等として活用したらどうかというお尋ねでございます。  公営住宅は,住宅に困窮する低所得者の居住の安定を図ることを目的として整備されたものですが,法令等により,本来の目的に支障がない範囲内で,グループホームなどの社会福祉事業を行う社会福祉法人等に対し,住宅として使用させることができるとされております。  また,御指摘の高齢社会の到来も踏まえ,平成27年3月に策定しました広島市市営住宅マネジメント計画基本方針編においても市営住宅の空き家を福祉事業で活用することについて検討することとしております。  そのため,御提案のあった市営住宅の空き家を高齢者のグループホーム等で活用することについては,地域の市営住宅の需給状況や当該事業の必要性等を勘案し,福祉部局と連携を取りながら対応していきたいと考えております。  次に,市営住宅の抽選についてでございます。  抽選に疑問があるとの声も聞いておると,抽選の公平性をどう保っているのか,また,疑念を抱かれないように改善できることはないかということでございます。  市営住宅の公募に際し,一つの住戸に複数の申し込みがあった場合,公開で抽選会を行っており,各申込者に割り当てた番号の玉を抽選器に入れ,抽選器を回して出た番号を当選者としております。  その際,例えば高齢者の方や障害をお持ちの方に対しては,申し込み回数に応じて抽選の持ち玉を最大で24個までふやす優遇措置を行っておりますが,築年度の浅い住宅や交通等の利便性の高い住宅にあっては応募が集中し,数十回応募しても当選できない方もおられます。  抽選に当たっては,公平性を確保するため,抽選会場に来られた方4名に立ち会いをお願いするとともに,まずは大きな透明の容器に玉を入れて十分に攪拌し,それを抽選器に入れて実施しておりますが,今後とも,申込者の皆様の意見にも耳を傾けながら,抽選に対する疑念を抱かれることのないよう,適正かつ公正な実施に努めてまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      教育長。 ◎尾形完治 教育長      中学校の基準服の価格についての御質問にお答えをいたします。  中学校の基準服── 通学服でございますが,これについて,学校により価格に差が生じているがなぜか。また,各学校の基準服の価格を調査し,結果を一斉に公表することで適正な価格となるようにすべきと思うがどうかの御質問でございます。  中学校の基準服は,保護者が主体となって,学校ごとに選定委員会を設けるなどして,協議の上,決定しております。  したがいまして,各学校ごとに購入する場合の価格等についても差が生じることとなっております。基準服については,このように保護者の主体的な選定に委ねられているものであることから,教育委員会として適正な価格というものを示すようなものではないと考えております。  次に,LGBTの生徒については,学校内で基準服ではなく,ジャージや私服という選択も認めるべきと思うが,どうかの御質問でございます。  各学校では,LGBT,いわゆる性的マイノリティーの生徒に対し学校生活を送る上で,その心情等に配慮したきめ細かな支援を行うことが必要であると判断した場合,例えば,服装について生徒がみずから認識している性別の基準服や体操服等の着用を認めるなどの対応をいたしております。  最後に,基準服の購入に間に合うように就学援助費を支給するべきではないかのお尋ねでございます。  就学援助費の支給時期につきましては,保護者の実情に配慮したものとなるよう,他都市の取り組み状況等も参考としながら検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   育成型ジョブローテーションについての御質問がございました。  まず,事務手続ミスが再発しているが,職員をどのように育成していくつもりかという御質問についてです。  事務処理ミスの発生を防止するには,ミスが生じにくく,また,チェック機能が有効に働く事務処理システムを構築することが重要ですが,それには職員がそのシステムを適切に運用していくことが前提となります。  このため,職員一人一人が責任感と倫理観を高く保ちつつ,職務遂行能力を高めていくよう,広島市職員の人材育成基本方針に基づき日々の職務遂行を通じて行われるOJTなどの職場研修を中心に職員の能力開発に取り組んでおります。  OJTなどの職場研修において,所属長の果たすべき役割は大きいことから,所属長に対して,階層別研修等を通じて,人材育成は管理監督者の最も重要な職務の一つであるという意識づけを徹底するとともに効果的な指導を行うためのスキル向上を図っております。  さらに,部課長級職員の業績評価におきましては,部下の育成に係る目標を設定することにしております。  次に,人材育成基本方針を平成24年から変更していないが,部下が気持ちよく仕事ができるように,課長のジョブローテーションを考えた見直しをしてはどうかという御質問についてです。  人材育成基本方針においては,各職場において,日常的なミーティングや面談の一層の促進により業務や職場における問題等について,率直に話し合える風通しのよい活気ある職場づくりを進めることとしております。  また,管理監督者には,一つ目に部下職員の能力や適性を的確に把握し,それぞれの能力に応じた適切な業務配分を行うとともに,適宜,効果的な指導,助言を行うこと,二つ目に,部下職員の士気を高め,職場全体で人材育成に取り組む風土の醸成を図ること,三つ目に,職員の健康管理や良好な職場環境づくりに努めることの三つの取り組み姿勢を求めています。  このような人材育成基本方針に基づく人事管理を行うことにより,部下が気持ちよく仕事ができるような職場環境が実現されると考えております。  したがって,人材育成基本方針の改定については,今後,社会経済情勢等の変化により,必要が生じた場合において検討してまいります。  なお,議員御指摘の課長のジョブローテーションにつきましては,引き続き,適材適所を旨とした人事異動に意を用いてまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      21番。 ◆21番(馬庭恭子議員) 再質問3問いたします。  まず,サッカー場についてなんですが,4者会談はなぜ非公開だったのかということを一つ教えていただきたいのと,これからも4者会談で何事も決定していくのか,3者会談なのか。その辺,ちょっと明確にお答えください。  2番目ですが,廃棄物の処理のところで,私一生懸命聞いてたんですが,結局,出島処分場には県からどうぞこれからあいてますのでどんどん入れてくださいねというのがこの間の6月に正式文書が来たんですが,その文書は読んだけれども,受け取ったけれども,出島処分場には市の廃棄物は一切持っていかないということなんでしょうか。そこのところをちょっとお答えください。  三つ目,カキ船なんですが,カキ船のところで任意,随時移動が可能というところで,下水道とかガス管とか水道管とか,それが離れることが任意かつ随時移動というふうに当局は受けとめてると思うんですが,一番最初のときは離岸をして,船なので浮くので,岸から離れるということだったんですけれども,下水道管とか水道管とか,そういうものが外れたらそれで離岸してるということになるんだということに,いつの間にかすりかわってるんですけれども,その辺,どういう認識なのか。  以上,3点お願いします。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     まず,サッカースタジアムの関係で,なぜ非公開なのかという御質問についてですけれども,先般9月14日の意見交換会は県,市,商工会議所とサンフレッチェ広島が候補地について,その前8月に行った意見交換会を受けて検討した結果などについて,率直な意見交換を行うために非公開としたものでございます。  なお,商工会議所の会頭も言われてますけれども,今後,もし,次回の意見交換で意見集約ということになれば,公開したいというのが考えでございます。  それから,次に,4者で決めるのか3者で決めるのかというお話ですけれども,4者でやっておりますのは意見交換会でして,県,市,商工会議所の3者とサンフレッチェ広島との意見交換という位置づけであります。  これまで作業部会を設けて県,市,商工会議所で検討してまいりましたし,今後も,この3者が最終的にはどういう候補地を決定していくかということになるということです。  なお,やはり,そうは言ってもサンフレッチェと意見交換しておりますのは,サンフレッチェの意見もやはり十分踏まえながら検討していきたいということですので,そこですり合わせをしながらということでございます。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      環境局長。 ◎北吉孝行 環境局長     出島の活用の御質問がございました。  これまでも本会議で答弁してきましたとおり,恵下埋立地を計画どおり整備すれば,出島処分場を活用しなくても長期的で安定的なごみ処理体制は確保することができるものと思っております。  しかしながら,こうした前提のもとで,先ほど御答弁しましたように搬入道路の進路開設工事が遅延して,現道を利用せざるを得ない状況がある中,戸山学区町内会連合会からの申し入れにある安全・安心の確保を最優先で取り組んでいきたいと思っておりまして,今後,どのような対応が必要かについては,この連合会とも協議を踏まえながら適切に処理していきたいというふうに考えております。  それから,県からの申し入れということでございますけれども,この出島の処分場はあくまでも広島県が県の責務において整備した産業廃棄物を主体とした処分場でございます。  県からの申し入れ自体の中にも,その整理としては既存の一般廃棄物最終処分場の延命化,また,災害廃棄物の早期処分といった限定的な利用についての依頼はいただいているところではございます。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      都市整備局指導担当局長。 ◎香川寛治 都市整備局指導担当局長  カキ船の件でございますが,随時かつ移動可能な状態ということで,これは以前は離岸させるといったことであったのではないか,それが今,内容が変わっているのではないかといったようなお話でございました。  これにつきましては,カキ船の随時かつ任意に移動ができることなんですが,インフラ設備等が着脱可能な状態にあることが確認できれば,あとは船体を係留しておるロープ,いかり,こういったものを取り外すことで必然的に移動可能な状態になるということで,このような状態であれば,随時かつ任意に移動可能な状態であるというふうに考えております。  今,先ほどありました離岸といったような言葉ですが,このような移動のための作業手順に沿ってインフラ設備を取り外して確認した旨の事業者からの報告提出を受けて,その内容を確認するという趣旨で申しておりました。  なお,事業者からは,カキ船を実際に離岸させることについては,必要に応じて行うとの報告は受けております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      21番。 ◆21番(馬庭恭子議員) 結局,サッカー場は,市はどこがいいというふうに思ってるのかというのが最初ちょっとわからなかったのと,それから,出島の処分場のこと,私,県からの書類も見ましたけれども,一般廃棄物も入っていいんじゃないですか。  よく読んで,県と相談すると,枠組みをちょっと変えると,あそこにも入る。その入っている時間,恵下でより安全性の高い工法だとか,いろんなことのタイムラグがきちっとできる,その間,話し合うことも可能で,時間もたてばもっといいものも開発されるかもしれないので,少しゆっくり工事をすることにして,出島が埋まらなかったら,出島の連絡協議会の方も,あそこは10年でっていうふうに言ってるので,埋まらなかったら10年という約束もほごになってしまいます。  県が考えるということになっているんですけど,県が言っていることなので,県と市で相談すれば少しいろんな知恵も出てくるんじゃないかなというふうに思うので,その辺,考慮していただきたいというふうに思います。  カキ船の件は,今,裁判中のこともありますので,きょういろいろ答弁いただいたので,それがいい材料になると思いますので,以上です。  市は,結局,どこが一番いいと思っているのかというのを教えてください。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     先ほども御答弁申し上げましたけれども,スタジアムは県,商工会議所と3者一体となって建設することを前提に検討を行っております。  その際,候補地等につきましては,3者で協力して検討し,サンフレッチェ広島を含めた4者で協議を行うこととしておりますので,そのように考えております。 ○沖宗正明 副議長      次に,15番渡辺好造議員。                〔15番渡辺好造議員登壇〕(拍手) ◆15番(渡辺好造議員) 皆さん,お疲れさまです。  公明党の渡辺好造です。会派を代表して一般質問を行います。  最初に,平和記念資料館について質問させていただきます。  ことしは核兵器廃絶に向けて大きな一歩を記す重要な年となりました。4月10日,11日に本市で開催されたG7広島外相会合には,核保有国である米英仏の3カ国外相が初めて被爆地ヒロシマを訪問しました。  そして,G7広島外相会合で発表された広島宣言では,世界の指導者への広島・長崎訪問が呼びかけられました。  さらに,5月27日にはオバマ大統領が広島を訪問。原爆を投下した国の現職の大統領が被爆地ヒロシマを訪問したこと自体,歴史的に大きな意義があったと思います。  平和記念資料館を視察したオバマ大統領は,芳名録に,私たちは戦争の苦しみを経験しました,ともに平和を広め,核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょうと記帳。その後の演説でも,私自身の国と同様,核を保有する国々は恐怖の論理から逃れ,核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければなりませんと述べられました。  オバマ大統領の広島訪問はゴールではなく,あくまで出発点と捉えるべきでありますが,核兵器のない世界を日本とともに目指し,世界に訴えかけていくという強い決意をこの広島の地から発信されたことは,重く受けとめたいと思います。  また,オバマ大統領が広島を訪問した後,初めて迎えた8月6日,9日の原爆の日には,松井市長,田上長崎市長がともに,世界の指導者へ,広島・長崎を訪問し,被爆の実相に触れていただきたいと強く訴えられました。  こうした中,先日,米国と並ぶ核超大国であるロシアのプーチン大統領がことし12月に日露首脳会談のため山口県を訪れることが決まりました。  これを受け,先週15日には,広島・長崎両市で在日ロシア大使館を訪問し,プーチン大統領の被爆地訪問を呼びかけられたところですが,ぜひ,大統領の被爆地訪問が実現し,核兵器廃絶への揺るぎない決意が被爆地から世界に発信されることを期待しています。  また,ジュネーブの国連欧州本部で開催されていた核軍縮に関する公開作業部会は,最終日の先月19日,核兵器の法的禁止に向けた交渉のための会議を2017年中に招集するよう,国連総会に幅広い支持により勧告する報告書を賛成多数で採択しました。  しかしながら,各国が目指していた全会一致にはならず,また,日本政府は採決で棄権しました。  私は,今こそ核廃絶への流れを強めるチャンスであり,核保有国を巻き込んだ核兵器廃絶の法的枠組みが構築できるよう,しっかり後押しする取り組みが必要であると考えます。  ところで,公明党広島県本部では,毎年,平和創出大会を開催しております。ことしは7月28日に開催し,広島平和記念資料館の志賀賢治館長に「記憶の継承 次世代に引き継ぐ資料館を目指して」と題して講演していただきました。  館長の話の中で特に印象に残ったのは,開館から61年がたち,いろんな課題が山積している,一つは,資料の劣化だ,昨年,展示ケースの清掃中に8時15分でとまった懐中時計の短針が折れているのが見つかった,被爆資料は数千度の熱線を浴び,通常の状態ではなかった,劣化防止は喫緊の課題であるということでした。  また,8月6日付の中国新聞SELECTに掲載されたインタビュー記事で,同館長は,次の世代はと考えたときに,被爆の事実を被爆者との縁でつなげていくのではなく,調査研究の中できちっと「あの日」を語ることができる人間が運営する施設にならざるを得ないと話されていました。  8月6日の松井市長の平和宣言にあるように,各国の為政者が広島を訪問し,被爆の実相に触れていただくことの重要性を考えたときに,平和記念資料館の資料の維持・保存はこれからますます重要となるのです。  ここで,何点かお伺いします。  現在の資料館には,どのような被爆資料がどれだけ存在し,また,どのような保存方法をされているのでしょうか。
     また,保存には高度な保存技術も必要となると思いますし,それには,相当の費用がかかると思います。  広島市では,ことしから平和記念資料館収蔵資料の保存措置の強化として約1500万円の予算を投入し,被爆資料の劣化状況の調査を行い,必要な保存措置を講じることとしています。平和記念資料館が所蔵している資料の量を考えますと,劣化状況の調査や保存措置に必要となる経費は今後多額になるものと見込まれますが,予算の確保についてどのようにお考えでしょうか。  また,さきのインタビュー記事で館長は,平和記念資料館が博物館であるとの認識を示されています。資料の劣化という平和記念資料館を取り巻く課題を解決していくとともに,平和記念資料館が博物館としての機能を向上させていくためには,私は資料を調査・研究・管理する学芸員により高度な専門知識を習得してもらうことが必要不可欠だと思いますが,どのようにお考えでしょうか。  もう1点,入館者の暑さ対策についてお伺いします。  毎年8月は国内外から多くの方が平和記念資料館を訪れます。ことしは特にオバマ大統領の広島訪問や大統領の折り鶴の展示といったニュースもあったため,例年より多くの方が平和記念資料館を訪れていると聞いています。  ことしのお盆休み,平和記念資料館に入館する方の列が資料館の本館の下に続いていました。強い日差しが降り注ぐ真夏ですから,大変暑い中ではありますが,本館下の日陰はやはりとても貴重だなと改めて感じたところです。  ところが,この本館は平成31年まで改修工事のため一般の人は本館下に立ち入ることができなくなります。来年,そして再来年の夏は貴重な日陰がなくなるのです。  そこでお伺いしますが,平和記念資料館の本館の改修工事により本館の下が利用できない間,入館待ちの方に対する対応をどのように考えておられるのか,お答えください。  次に,防災情報の発信及び共有についてお伺いします。  8月22日付の中国新聞第1面に,広島市内で大雨が降った6月23日,市の防災行政無線による避難勧告の放送が一部地域で,発令から1時間以上おくれる事態が起きていたという記事が掲載されていました。  原因は,これまで本市では小学校区などを単位に多数の勧告を出していたものの,市が使える防災行政無線のチャンネルが全市域で一つしかないことから,放送の順番待ちが生じたそうです。  市内では6月22日夜から翌23日未明にかけて,1時間に最大41ミリの激しい雨が降りましたが,似島学区でも防災情報メールでは0時46分に避難勧告の発令が伝えられましたが,防災行政無線による放送開始は1時48分で,1時間2分もおくれていました。  先ほども述べましたとおり,市が使える防災行政無線のチャンネルが全市域で一つしかありません。どんな規模の市町村でも,政令指定都市であっても一つしかないのです。  市民の生命,財産がかかっているわけですから,複数のチャンネルで運用できるようチャンネルの追加について総務省にしっかりと要請していくべきだと考えますが,これまでチャンネルの追加のためにどのように取り組まれてきたのか,また,チャンネルの追加が現実的に厳しいということであれば,現状打開にいかに対処されるのかお答えください。  ところで,よく地域の方から大雨のときに防災行政無線屋外スピーカーの放送がよく聞こえない,何とかしてくれという声を聞くのですが,防災行政無線屋外スピーカーは防災拠点である区役所,消防署,広域避難場所や不特定多数の人が集まる駅,港,繁華街等における情報伝達のために整備されており,現在,市域をカバーするようには設置されておりません。しかも,屋外スピーカーの放送は,遮蔽物や雨・風等の影響を受けやすく,聞き取りにくい場合があります。防災行政無線にはこのような弱点がある一方で,大規模災害に強いという利点もあると思います。  本市は,防災情報の伝達手段として防災行政無線をどのように位置づけておられるのか,お答えください。  また,市内のある自治会ではエリアトークという簡易無線局を設置して,地域情報を提供していると聞いています。これを各区に設置できないかとの御意見もありましたが,エリアトークは簡易な事務または個人的な用務を行うために開設する無線局として機器及び免許制度が形成されているため,1,専ら天災地変,その他の非常事態に際し人命及び財産保全または治安の維持を確保することを目的とするもの,2,防災の業務の遂行を確保することを目的とするもの,3,水防,道路,消防または気象業務の遂行を確保することを主たる目的とするものに該当する簡易無線局は開設することはできません。  また,エリアトークは防災行政無線と接続して役所から地域住民向けに情報を提供できますが,情報提供時間は各区が防災行政無線で放送する時間と同じこととなります。  こうした中で,最近は携帯電話やスマートフォンが広く普及していることから,市民への防災情報伝達手段として,一斉に伝達することができる防災情報メールが有効な手段だと思いますが,市はどのように考えておられるのかお答えください。  次に,似島の離島振興にかかわる諸課題について数点質問させていただきます。  最初に,鳥獣被害対策についてお伺いします。  先日,似島の方から電話があり,最近イノシシが出没して畑を荒らされて困っている,6月ごろからこれまで,ジャガイモ,カボチャ,サツマイモなどが全部食い荒らされてしまった,このまま放置するとイノシシがふえてさらに大きな被害になるので,何とかしてほしいというものでした。  似島では,五,六年前にもイノシシが出没したことがあり,そのときにも農作物に被害が発生しています。山間部での有害鳥獣対策については,これまで本会議や予算・決算特別委員会などで数多く議論されてきたわけですが,島しょ部での有害鳥獣被害対策については余り聞いておりませんので,2点ほどお聞きしたいと思います。  最初に,防除についてであります。  これまで,本市では電気柵等の侵入防止柵設置に対する補助を行ってきていますが,電気柵,防護柵,防除網などの補助対象延長は70メートル以上となっております。島しょ部では,各個人の畑が余り広いとはいえません。そこで,補助対象延長が足りない場合に,足りるように,複数人の連名または代表で申し込みできるのかお答えください。  また,一部に市の補助率が低い,つまり自己負担が多いとの声もありますので,負担の軽減について,今後,検討していただければと思います。  次に,駆除についてです。  これまで講じられてきた方法としては,猟友会会員により構成された有害鳥獣駆除班による駆除と被害農家による捕獲柵を活用した駆除の二つがありますが,似島の場合,どのような方法が考えられるのでしょうか,お答えください。  次に,似島地区の公図混乱等が招く課題についてお伺いします。  私は,これまで平成16年度と平成18年度の決算特別委員会,平成25年度と平成27年度の予算特別委員会などで,急傾斜地崩壊防止対策事業について質問させていただきました。  最初は,県から予算をしっかりもらってくることを訴えましたが,最近では事業が前に進まない原因として事業箇所が公図混乱地域であることもわかりました。  こうした事業の実施を阻んでいる要因を市としても何とか知恵を出して解決してほしいと訴えてきましたが,市は急傾斜地崩壊危険箇所における崩壊防止工事は本市としても安全・安心なまちづくりに向け,積極的に推進していく必要があると認識しております,このことから,公図混乱等のために急傾斜地の崩壊防止工事が進まないものについてどういったことが支援できるか検討していきたいと考えておりますと答弁されるだけで,今なお実現しておりません。このことについて,現在の状況をお答えください。  また,この6月20日から25日の間の大雨により災害が発生しましたが,このたびの大雨は雨雲が今までの進路と違って南側を進んだため,南区の似島においても初めて避難勧告が二度も発令され,土砂災害等が至るところで起きました。道路の上法面が崩壊して,通行どめになっていた箇所も数カ所ありました。応急措置として,道路上の崩土の撤去や法面をブルーシートで覆い通行ができるようになったものの,今なお法面の保護工事は進んでいないのが現状です。  その理由は冒頭申し上げましたように,この地区は公図混乱等があり,また,相続登記がなされていないことにより,被災した土地の地権者の特定に日時を要していることにあります。  それらが明確になりさえすれば,速やかに地権者の同意を取って工事等の対策を行いたいところですが,無断では手がつけられない状態となっているのです。  地権者がわかりさえすれば工事に着手できると思います。通学路になっているところもあり,子供たちの通学の安全確保という点でも重ねて申し上げますが,速やかに工事に着手できるよう,市として何らかの対策を考えるべきではないでしょうか。災害に限らず,北回りの農道が前に進まないのも公図混乱箇所だからではないでしょうか。  似島は,すばらしい海辺の景色を眺めながら,自転車で島全体を一周するサイクリングを楽しむことができる場所です。この似島のすばらしい自然環境をサイクリングや散策を通じ,より多くの観光客に味わっていただくため,公図混乱等が原因で狭隘のままとなっている北回りの農道についても何らかの整備が必要ではないでしょうか,市のお考えをお聞きします。  次に,広島市似島臨海少年自然の家の充実についてお伺いします。  今回,質問をこのテーマにしたのは,似島の離島振興を考える上で,この施設は大変重要であると考えたからです。  似島臨海少年自然の家は,昭和59年5月13日に開館されました。自然環境の中での集団宿泊生活を通じて,心身ともに健全な少年の育成を図るために設置されたものです。  施設には,海水プール,宿泊棟,生活棟,体育棟,キャンプ場,多目的広場などがあります。この島にある,このような多種多様な機能を有する施設は貴重な地域資源であるため,心身ともに健全な少年の育成という設置目的に配慮はしつつも,来島者全ての方々にも積極的に利用していただけるように検討すべきであると思います。  そこで,施設の宿泊利用と日帰り利用という利用方法のうち,まず宿泊利用に関してお伺いします。  広島市少年自然の家条例施行規則を見ると,利用申し込みの時期が少年等が使用開始日の9カ月前からで,少年等以外が使用開始日の6カ月前からとなっています。  例えば,平成27年度の少年等の宿泊利用者数は4月から10月の7カ月間が特に多く,11月から3月は少なくなっています。  このため,より多くの方々に利用していただくために,少年等の利用が少ない時期は,少年等以外の利用者にも9カ月前からの申し込みができるようにしたらどうかと考えますが,いかがでしょうかお答えください。  また,平成18年度以降の利用状況は総じて堅調ではありますが,少年等以外は年間を通じて低調であり,まだまだ利用者数に伸び代があるように思います。  広島市似島臨海少年自然の家の設立目的を無視するわけにはいきませんが,施設の利用のあり方をもう一度検討されて,もっと広く利用してもらうよう考えるべきではないかと思いますが,いかがでしょうかお答えください。  次に,日帰り利用に関してお伺いします。  似島では,日帰りで安芸小富士登山や島内散策,レンタサイクルに乗って島を一周,さまざまな釣りポイントでの海釣り,似島が日本での発祥の地とされているバウムクーヘンづくりの体験,蛍観賞など,自然と親しみながらさまざまな体験活動をすることができます。  このような体験活動のために似島を訪れた方々に似島少年自然の家も活用していただくため,例えば売店,お土産売り場などを設置したりシャワーを利用していただけるようにするなど,工夫が必要だと思いますが,いかがでしょうかお答えください。  次に,似島地域おこし協力隊についてお伺いします。  昨年10月1日,広島市としては初めてとなる地域おこし協力隊2名が似島に配置されました。  業務内容は,一つは,地域住民の交流・活動の場,来島者への休憩スペース,インフォメーションセンター等として島内に設置された交流拠点施設「ちょっとよりん茶い」の管理運営。二つ目は,地域団体,住民等と連携し,地域活性化のための事業を企画,立案,実施または支援することや,似島の魅力発見につながる情報収集,ブログ,フェイスブックなどのSNSやミニコミ誌の発刊による情報発信を行うこと。そして,来島者のためのレンタサイクルの管理運営を行うなどの地域協力活動。三つ目が,その他として,似島地区の活性化に関する業務を行うことです。  このたび,2名のうち1名が欠員となったことで,新たな隊員を募集し,先日,採用が決まったものの,すぐに御本人から辞退の申し出があったとのことであり,大変残念に思います。  移住するための引っ越し費用は自分持ち。住民票は似島に移さないといけない。市が用意する住居の家賃も2割自己負担。昨年からの採用だと,任用期間が最長3年までしか延長できません。地域おこし協力隊の仕事は本当に大変なんだなと改めて痛感しました。  そうした中でも,似島地域おこし協力隊は海浜清掃の実施や大漁旗のリメーク,似島にある素材を活用した石けんづくりといった活動のほか,地域の祭りへの積極的な参加,さらには似島ナイトガーデンという交流イベントを有志の方々と主催するなど,一生懸命取り組んでおられます。こういった取り組みをされていることは大変とうといことではありますが,私は,似島という離島の振興は並大抵でできるものではないと思っています。  そこでお尋ねいたします。  似島地域おこし協力隊は採用されて間もなく1年が経過しようとしておりますが,配置されたことによるこれまでの成果についてお答えください。  私は,似島地域おこし協力隊には地域の資源を積極的に発信しながら,似島の将来の夢を既成概念にとらわれずプラン化させることを主な業務とすべきだと思います。その際,法律や条例の壁が出てきても,行政が全面的に協力し,その解消に努めること。また,プランを進めていくために専門家のアドバイスが容易に受けられるような環境づくりが絶対に必要だと思います。彼女たちのやる気をそがない環境づくりです。すぐに3年は経過してしまいます。  そこでお尋ねいたします。  国が定めるこの3年間の活動期間が終了した後,市としてどのように対応されるつもりなのか,お答えください。  最後に,離島振興に係る財政支援についてお伺いします。  平成28年度当初予算を見ると,似島の活性化事業として957万3000円の予算が計上されています。内容は,1,地域おこし協力隊の配置,2,交流拠点施設の管理運営,3,地域協力活動の実施で,財源内訳は財産運用収入と一般財源となっています。  このうち,一般財源は特別交付税です。私は,離島振興というと,全国で多くの活用事例が紹介されている離島活性化交付金だと思います。この離島活性化交付金は,平成25年度から国において予算化され,1,定住促進事業,2,交流促進事業,3,安全安心向上事業という三本の柱にまとめられています。  このうち,定住促進事業には新たな特産品の開発,販路拡大支援,空き家バンク登録制度の創設などがあり,また,交流促進事業には離島留学の支援,交流イベントの開催,合宿誘致,旅行商品開発,受け入れ体制整備などがあります。  こうした対象事業を考えると,地域おこし協力隊や広島市似島臨海少年自然の家の取り組みを充実,強化していくために必要な交付金ではないかと思います。  そこでお伺いしますが,これまで本市では,この交付金をどう活用してきたのかお答えください。  9月4日,私は我が党の山本博司参議院議員と似島を訪れ,周辺道路の現地調査,似島臨海少年自然の家の視察,鳥獣被害の状況の聴取,地域おこし協力隊からの意見聴取,その他地元の要望などをお聞きしました。  その中で,ある方から,この島はADSLしか利用できなくて不便ですと言われました。私としても,ADSLでは,今やインターネットの基盤として不十分であり,ぜひとも早期に光ファイバー網の整備を行っていただきたいと思うところですが,この点については,先ほど宮崎議員への答弁にありましたように,市からは今後,似島を含めて市内全域における光ファイバーなどによる超高速ブロードバンド環境の整備に取り組んでいきたいという考えが示されました。  今後,整備推進のための事業手法や財源確保策等の詳細な検討を進めるとのことですが,その際には,離島振興に係る国の財政支援の活用という観点からの検討,例えば,離島振興対策実施地域の活性化にも適用される情報通信基盤整備推進補助金といった国の支援措置や,辺地対策事業債などの財政制度の活用もあわせて検討していただきたいと思います。  離島支援には,このほか,平成28年度から地方版総合戦略の本格的な推進に向けた地方創生の深化のための地方創生推進交付金も考えられます。これ以外にも,国,県,市による離島振興の支援施策はあると思います。似島の活性化のためにこうした各種の支援施策を意欲的に掘り起こし,市として活用できるものについては積極的な活用を検討する必要があると思います。  平成25年12月に策定された広島県離島振興計画にも似島地域振興計画が掲載されていますが,これは総花的であり,より具体的な推進施策を策定する必要があります。  本日は,似島の離島振興に係る諸課題についてるる述べさせていただきましたが,最後に今後の似島の離島振興に向けた本市の取り組みについてお伺いして,私の一般質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○沖宗正明 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       渡辺議員からの御質問にお答えします。  防災情報の発信及び共有についてのうち,防災行政無線と防災情報メールについての御質問がございました。  災害から市民の命を守るためには,市民みずから避難行動を起こしていただく必要があることから,行政としては市民への避難情報等を迅速かつ的確に伝達することが重要であると考えております。  そのため,本市ではこれまで基幹的な情報伝達手段として防災行政無線屋外スピーカー及びサイレンによりまして市内全域をカバーし,重ねて,防災行政無線屋内受信機を地域住民に防災情報を伝えてもらうため自主防災組織の役員宅等に整備してきました。  さらに,現在では防災情報メール,ホームページ,フェイスブック等のSNS,テレビでのテロップやデータ放送,緊急速報メールなど,多様な伝達手段を用いて,市民に確実に避難情報等を届けることとしております。  防災行政無線の利点としては,受信者である市民の操作を要することなく情報を伝達でき,また,屋外スピーカーや屋内受信機を小学校区ごと,グループに分けることによって避難情報等を必要とする地域に伝達できること,さらには,大規模災害時に電力や通信インフラがダメージを受けた場合,通信できなくなるおそれのあるスマートフォンや携帯電話,テレビなど,他の伝達手段と比べ,防災行政無線は専用の無線回線により途絶することなく防災情報を伝達することができます。  本市は,こうした利点が防災行政無線にあることから,今年度から,まずは早めの避難が必要な土砂災害警戒区域などの危険区域にお住まいの障害者,高齢者などの避難行動要支援者宅に確実な情報伝達を図るため防災行政無線屋内受信機を整備することにしております。  一方,防災情報メールの利点は,議員御指摘のとおり,避難情報等を登録者の方にタイムラグなく一斉に届けることができることであり,重要な情報伝達手段の一つであると考えております。  これまで,市立小学校全生徒の保護者への登録チラシの配布や民間企業等の従業員への登録奨励,ホームセンターや百貨店等へのチラシの設置など,さまざまな取り組みを進め,登録件数は本年8月末時点で9万5000件を超えております。  今後も,防災情報メールの登録を奨励するとともに,情報通信技術の進展や情報インフラの整備にあわせながら,多様な伝達手段を幅広く活用し,市民への的確な防災情報の伝達に努めてまいります。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○沖宗正明 副議長      危機管理担当局長。 ◎及川享 危機管理担当局長  防災情報の発信及び共有についてのうち,防災行政無線のチャンネルの追加についての御質問にお答えいたします。  防災行政無線は,総務省の1自治体1チャンネルという基本方針に基づき,本市にも1チャンネルが割り当てられ,この電波を活用して防災情報を発信しております。  このチャンネルの追加につきましては,昨年度から中国総合通信局と協議を始めたところでございますが,全国的な課題であるということから,現状ではその追加には至っておりません。  そのため,本市としては,現在,運用面の工夫といたしまして,緊急度に応じて避難準備情報よりも避難勧告を優先して放送することや,複数の区が同時に避難勧告等を発令する必要がある場合には,各区役所が放送するのではなく,危機管理室においてまとめて放送すること,また,短く,簡潔に放送することなどにより,時間短縮を図る取り組みをしております。  しかしながら,同時期に大半の区で避難勧告等の避難情報を発令するような状況となれば,1チャンネルでの運用には限界があると感じておりまして,今後も防災行政無線のチャンネル追加について,引き続き,中国総合通信局と協議を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     平和記念資料館について,どのような被爆資料がどれだけ存在し,どのような保存方法をしているのか。また,劣化状況の調査や保存措置に必要となる経費は今後,多額になるものと見込まれるが,予算の確保についてどう考えているのか。博物館としての機能を向上させていくために,学芸員により高度な専門知識を習得させることが不可欠だと思うがどうかという御質問がございました。  平和記念資料館では,被爆当時に被災者が着用していた衣類,熱線や火災により変形した陶器やガラス,被爆により破壊された建物の一部,亡くなった方々のさまざまな遺品等の被爆資料2万点,被爆前や被爆直後の広島を撮影した写真や映像約7万点,合わせて約9万点の資料を保存しています。  そのうち,約400点を資料館で展示し,それ以外の資料は資料館内にある収蔵庫において保存しています。  そうした中,被爆から70年以上が経過し,資料の劣化が進んでおり,温度や湿度,光,有害ガス,害虫といった劣化原因を除去し,収蔵・展示環境の改善を図ることが喫緊の課題となっています。  このため,本年度から平和記念資料館観覧料の改定による増収相当額を積み立てる原爆ドーム保存事業等基金を活用して,被爆資料等について適切な温度や湿度といった収蔵・展示環境の調査,有害ガスの発生状況や害虫の存在等の劣化状況の調査,貸し出し機会の多い資料のレプリカの作成,アナログによる映像データのデジタル化など,保存措置の強化に取り組んでいます。
     資料館が保有する資料は膨大であり,来年度以降も予算を十分確保し,しっかり取り組みたいと考えています。  こうした取り組みのほか,平和記念資料館がさらに博物館としての機能向上を図っていくためには,議員御指摘のように,資料の調査研究等に加え,保存に関する学芸員の専門性を高めることが重要であると考えています。  このため,学芸員の専門機関への派遣研修や視察機会をふやすなど,知識や技能の向上を図りながら中長期的な保存管理計画の作成についても検討してまいります。  次に,ことしの夏,平和記念資料館の本館下で入館待ちの長い行列ができていた。本館下の貴重な日陰が改修工事によりなくなるが,入館待ちの方に対する対応をどのように考えているのかという御質問がございました。  平和記念資料館の本館下は,利用者が多く,日差しの強い夏場や,日差しや雨を避けるため,修学旅行シーズンなどの繁忙期を中心に入館待ちをされる方々の待機場所となっています。  待機場所については,長期的視野に立った対応を考えていく必要があると認識していますが,当面の対応として,本館の改修工事に伴い本館下が使用できなくなる来年初めから再来年の夏にかけては,入館者の動線や資料館東館の周辺への仮設テントの設置などについて検討してまいります。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   似島の離島振興に係る諸課題についての御質問のうち,まず,似島地域おこし協力隊についての御質問にお答えいたします。  採用されて間もなく1年を経過しようとしているが,配置されたことによる成果は何かというお尋ねでございました。  似島地区においては,当初,地域おこし協力隊員のみで行っていた海浜清掃が,似島地区コミュニティ交流協議会の協力を得て,地元住民にも参加いただけるようになりました。  また,地域の方と協力して定期的に開催しております交流イベント,似島ナイトガーデンについては,この取り組みに賛同する地元住民や島外の協力者もふえつつあり,さらに似島出身の若者が開催日に合わせて帰省して参加するなど,地元住民や島外者との新しい交流の場として定着してきております。  このように,地域おこし協力隊の配置から約1年が経過し,協力隊員の熱意と努力により徐々にその活動は地域に浸透し,広がりを見せており,地域コミュニティの活性化に成果を上げつつあるものと認識しております。  次に,国が定める3年間の活動期間が終了した後,どう対応するつもりかという御質問でございます。  地域おこし協力隊員には,地域住民によるまちづくりのきっかけづくりや地域での新たな人材発掘など,地域おこしの呼び水としての役割,また,地域が移住者を温かく迎える雰囲気づくりなど,こういったものにしっかりと取り組んでもらうことを期待しております。  隊員が活動期間を終了した後の対応については,隊員が任期中にこうした期待にどう応え,地域おこしの機運の広がりがどうなったかなどの状況を適切に把握した上で,本人の意向も踏まえつつ,地域の活性化のためにその隊員にさらにどのような役割を期待するのか,そのためにどのような支援を市として講じればよいかなど,取り組みを発展させていく観点に立って検討していきたいと考えております。  次に,離島振興に係る財政支援についてのお尋ねについてです。  離島活性化交付金をどう活用してきたのかについてです。  本市では,似島が離島振興対策実施地域に指定された平成25年7月以降,これまでに似島臨海少年自然の家改修事業など3件の事業について,この離島活性化交付金を国に対して要望し,予算内示があったものの,国全体の予算額が不足したことから,いずれも結果として不採択となりました。  次に,より具体的な推進方策を策定する必要があるが,今後の似島の離島振興に向けた取り組みはどうかというお尋ねについてです。  似島では,最近10年間での人口減少率が30.5%,また,高齢化率は39.0%から56.0%に上昇しており,人口減少や高齢化が顕著で,このまま推移するとすればいずれ生活機能の維持さえ危ぶまれることから,似島の振興は喫緊の課題となっております。  こうした状況を背景に,本市では似島が離島振興法に基づく離島に指定されたことを受け,平成25年12月に似島地域振興計画を策定し,振興策に取り組んでいるところですが,議員御指摘のように,さらに,より具体的な推進施策を打ち出し,取り組みをもう一段加速させていく必要があると考えております。  このため,現在,似島地域振興計画の3本柱を,一つに,安心して快適に暮らせるための日常生活機能の充実,もう一つが,観光資源の開発と自然や歴史・文化資源を生かした交流人口の拡大,この2本柱に絞り込み,さらに具体的かつ効果的な事業計画を鋭意策定しているところです。  これを起爆剤として,全庁挙げて似島の活性化に有効な施策を展開していきたいと考えております。  なお,その際には,議員から御紹介のありました国の各種支援制度の活用も含めて最大限の努力をしていきたいと考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      経済観光局長。 ◎久保下雅史 経済観光局長  似島の離島振興に係る諸課題についてのうち,鳥獣被害対策についての御質問がございました。  まず,イノシシの防除について,電気柵等の侵入防止柵設置に対する補助を行っているが,補助対象延長70メートル以上に達しない場合に複数人の連名または代表で申し込みができるのかとの御質問でございます。  本市では,農作物の被害を未然に防ぐため,農業者からの申請に基づき,電気柵や防除網,防護柵等の設置に必要な資材等に対して2分の1を上限に補助をしています。個々の農家では補助対象延長に達しない場合には,複数人がまとまって設置することも可能です。その場合には,代表者名で申請していただくことになります。  続きまして,似島でのイノシシの駆除はどのような方法が考えられるのかとの御質問でございます。  有害鳥獣の駆除は,農家による駆除と猟友会会員で構成する駆除班による駆除の方法がございます。  まず,農家による駆除ですが,この方法を実施するためには,農家の方が狩猟免許を所持している必要がありますが,現在,似島にはそうした農家がおられないことから,この方法は実施できません。  次に,駆除班による駆除ですが,通常は各区に設置している駆除班が駆除を行いますが,南区には駆除班を設置していないことから,隣接する東区の駆除班が駆除に当たることとなります。  現時点における対応を申し上げますと,イノシシが出没した地域に2台のセンサーカメラを設置し,出没状況の把握に努めるとともに,わなの設置場所の提供等,駆除の実施に必要となる地域の協力について,地元町内会と調整を行っているところです。調整が終わり次第,迅速に駆除班による駆除を実施してまいります。  そして,似島地区の公図混乱等が招く課題についてということで,公図混乱等が原因で進まない北回り農道の何らかの整備が必要ではないかとの御質問にお答えします。  似島を一周する道路は全長約9.6キロメートルあり,すばらしい海辺の景色を眺めることができ,サイクリングや散策を楽しむには絶好の道路です。  このため,現在,似島の北側を回る沿岸北回り農道約3.1キロメートルについて,島民の通行の利便性を図るとともに,島外から訪れた人にサイクリングや散策を十分に楽しんでもらえるよう,コンクリートの舗装の補修や,ガードレール等の新設・補修,通行や眺望に支障となっている樹木の伐採などの整備を行っています。  そうした中,今後,予定している農道の離合場所等の整備に当たっては,議員御指摘の法務局の公図と現地の状況が一致しない箇所が出てくることも想定され,そうした場合には,法務局など関係機関との協議や地元関係者への聞き取りを行い,早期に整備できるように取り組んでまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      道路交通局長。 ◎向井隆一 道路交通局長   本年6月20日からの大雨により発生した似島の災害については,公図混乱等により地権者の特定に日時を要し,崩壊した法面の復旧工事ができていない。速やかに工事に着手できるよう市として対策を考えるべきではないかについてお答えをいたします。  崩壊した法面の復旧につきましては,その法面が民有地である場合,土地所有者から同意をいただいた上で工事を行っております。  今回の被災箇所はブルーシートにより法面全体を覆うなどの応急措置を実施しており,直ちに危険な状況ではございませんが,できるだけ早期に復旧する必要があると考えており,現在,工事図面の作成を進めているところでございます。  しかしながら,議員御指摘のとおり,所有者を特定する作業に時間を要しており,復旧工事の見通しは立ってございません。  このような土地所有者の特定が難しい土地への対応は全国的な課題であることから,国においても本年3月に,所有者の探索方法や解決事例等を整理したガイドラインを作成しております。  今後は,こうしたガイドラインも参考にしながら,地元関係者への聞き取りや相続人調査を鋭意進め,できるだけ早期に土地所有者を特定した上で復旧工事に着手してまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      下水道局長。 ◎新谷耕治 下水道局長    似島の離島振興に係る諸課題のうち,公図混乱等のために急傾斜地崩壊防止工事が進まない箇所の進捗状況についてお答えいたします。  急傾斜地崩壊対策事業については,事業区域が公図と現地が一致していない地区,いわゆる公図混乱地区であっても,事業区域内の全ての関係地権者が確認でき,当該関係地権者と本市が土地使用貸借契約を締結できれば事業を実施することが可能です。  議員御指摘の箇所については,現在,地元と連携して法務局資料の閲覧や地元関係者への聞き取りなどを行っており,土地所有者が判明しつつある状況にあります。  引き続き事業実施に向けて土地所有者全員の確定の調査を進めてまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      教育長。 ◎尾形完治 教育長      広島市似島臨海少年自然の家の充実についての3点の御質問にお答えを申し上げます。  まず,宿泊利用について,少年等の利用が少ない期間はそれ以外の者も9カ月前から申し込みができるようにすべきではないかとのお尋ねでございます。  少年自然の家は,集団宿泊生活を通じて,心身ともに健全な少年の育成を図ることを設置目的としているため,施設の使用に当たっては少年等,すなわち小・中学生等は他の利用者に優先して3カ月間早めて使用日の9カ月前から申し込みできることといたしております。  しかしながら,11月から3月までの期間については,少年等の利用が少ないことから,少年等と同様に他の利用者についても9カ月前から使用許可申請ができるよう見直しを進めてまいります。  次に,施設利用のあり方を検討し,もっと広く利用してもらえるよう考えるべきではないかとのお尋ねでございます。  この少年自然の家は似島における貴重な地域資源であり,豊富な自然環境の中でさまざまな体験ができる施設であることから,少年等の利用に配慮しつつ,より多くの方々に施設を利用していただけるよう手だてを講じていく必要があると考えております。  例えば,企業の研修や大学のクラブ・サークルの合宿等の利用を促進するために,懇親会等で活用しやすいよう,食堂の利用時間帯の弾力的運用やメニューの工夫を検討するとともに,外国人のバックパッカーなど,少人数でも気軽に利用できるよう,積極的な情報提供を行うなど,取り組みの検討を進めていきたいと考えております。  最後に,日帰りで体験活動のために似島を訪れた方々に施設を活用してもらえるよう,工夫が必要ではないかのお尋ねでございます。  登山や散策など,日帰りで似島を訪れた方々に対しても,自然の家を積極的に利用していただくようシャワーが利用できるようにするとともに,お土産などの売り場の設置や食事の提供などについて,採算面も含め,関係者と協議・検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      15番。 ◆15番(渡辺好造議員) 丁寧な御答弁ありがとうございます。  また,中には非常に答えにくい内容もありましたので,これについてはなかなか結論が出ないというか,確かな方法を見出すことが難しいという,こういうような質問だったと思いますけども,これは似島に限らず,今回5項目ほど質問を似島についてさせていただきましたけれども,これは市全域でも抱えている課題であると,こういうような認識をしておりますので,今後の本市の取り組みについてはしっかり見守っていきたいと思います。  それと,平和記念資料館の保存なんですけども,今後,ますます劣化状況の調査であるとか,また,保存措置に必要となる経費というのは,本当に重要になってくるし,それを通じて被爆の実相を多くの方々に触れていただくという大きな使命を帯びているということで,できれば年次計画を立てながら,その年に必要な予算は必ず確保していくという,そういうような具体的な進め方をしていただいたらありがたいかなと,これは要望させていただきたいと思います。  あと,防災情報メールについてはチラシとか,小学校だったら,帰ってお母さん,お父さんに渡してねというようなこともあるんですけども,今,高齢者の方々は携帯電話は当然のことながら,スマホも自由に操作をされる方もいらっしゃって,そういった方々については説明だけで終わるのではなくて,小さい単位で,そこで登録をしていただくという,一歩踏み込んだところまで地域で,例えば敬老会の日であるとか,御老人が集まってる町内のところに責任者の方にお願いをしたりとか,ときには担当課の方が来られて,その場でちゃんと登録を済ますというようなことも大事だし,一番いいのは携帯電話の会社で新たに登録される人に,強制ではできませんけども,その重要性の趣旨を説明をしていただくようにして,その場でちゃんと登録をしていただく,こういうようなこともやっていただければと思います。  そうすることによって,防災行政無線も生きてくるんではないかと,こういうように思いますので,どうかよろしくお願いします。  以上です。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      この際,暫時休憩いたします。                午後2時56分休憩 ───────────────────────────────────────                午後3時14分開議                出席議員  38名                欠席議員  16名 ○沖宗正明 副議長      出席議員38名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  37番中森辰一議員。                〔37番中森辰一議員登壇〕(拍手) ◆37番(中森辰一議員) 皆さんお疲れさまです。  日本共産党の中森辰一でございます。日本共産党市会議員団を代表いたしまして,一般質問を行います。  まず,核兵器廃絶の課題について伺います。  ことし10月,国連では核兵器禁止条約の交渉開始に向けた議論が本格化いたします。5月の第2回会合には,市長も出席され発言をされた,ジュネーブでの多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会が国連総会に対し,2017年に核兵器禁止条約の交渉開始を勧告する報告を採択したことを受けてのものであります。  採択の際は,193の国連加盟国のうち107カ国が支持いたしました。こうした核兵器廃絶に向けた画期的な前進をつくり出したのは,核兵器の非人道性,残虐性を訴え続けてきた被爆者の皆さんを初めとする世界の反核平和の運動,市民社会の運動の力です。  メキシコ代表は,この20年間で最も重要な核軍縮への貢献だとたたえております。まさに,核兵器のない世界の実現に近づく歴史的な成果ですが,直接働きかけを行われた市長として,この報告をどのように受けとめられたか伺います。  今や核兵器廃絶は世界の大きな流れとなっており,この勧告を国連総会が実現させなければなりません。  しかし,国連総会では新たな核兵器禁止条約を求める諸国と,これを阻もうとする核兵器保有国や核の傘に依存する諸国との間で厳しい対立が予想されます。  先ごろ,アジア諸国の35カ国から87の政党が参加したアジア政党国際会議がマレーシアで開催され,最終日に採択されたクアラルンプール宣言には,核兵器禁止条約の速やかな交渉開始を呼びかけるとの文章が入ることになっておりました。  ところが,中国共産党が,宣言起草委員会の場では最終的に賛成したにもかかわらず,採決の直前になってこの文章を強硬に削除させてしまいました。会議の民主的運営を踏みにじってまで自国の主張を通してしまったわけです。  このように,核保有国が核兵器に固執する態度をむき出しにするのは,核兵器廃絶を求める世界の大多数の世論に追い詰められてのことだと考えます。  こうした状況の中で,当然,日本政府の対応も問われます。ところが,唯一の被爆国である日本は,核兵器は国の安全保障に役立つとの立場で,国連作業部会でも核兵器保有国が会議をボイコットする中で,核保有国の代弁者となって核兵器廃絶を遠い将来に先送りする段階論の立場に立つ議論を行い,一貫して核兵器禁止条約交渉開始を妨害する側に立ちました。
     また,ことし8月6日の慰霊式で,安倍首相は広島及び長崎で起こった悲惨な経験を二度と繰り返させてはならないと挨拶したにもかかわらず,その後,オバマ米大統領が検討している核兵器の先制不使用宣言に対し,抑止力を弱めるとして反対する意向をアメリカ政府側に伝えたことがアメリカのワシントンポストの報道により明らかとなりました。  世界が注目する場で述べたことと,実際の行動が正反対の二枚舌を使い,被爆地の願いに背を向ける安倍政権に,被爆地として厳しく抗議すべきではないでしょうか。市長のお考えを伺います。  今や,被爆国である日本政府が,核保有国とともに核兵器のない世界への最も大きな障害となっています。核兵器廃絶を訴えながら,一方で核抑止力に依存する立場をとる日本政府を,市長はどう評価しておられるのでしょうか,答弁を求めます。  被爆者の呼びかけにより核兵器を禁止し,廃絶する条約を結ぶことを全ての国に求めるヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名が,ことし4月から世界的規模でスタートしました。世界で数億の署名数を目指しています。  この被爆者たちの最後ともいえる運動を成功させることが求められます。被爆地の自治体として,この国際署名を率先して進め,我が国政府の姿勢も変えていくことが必要だと考えますが,広島市としてはどのように取り組まれるお考えでしょうか,答弁を求めます。  次に,77名もの犠牲者を出した8月20日の広島の豪雨災害から丸2年たちました。改めて,犠牲になられた方々に心より哀悼の意を表します。  被災後2年たった今でも自宅再建を諦め,家賃の支払いが新たに始まった,年金生活者には大きな負担だ,災害が怖くて自宅を再建する気にならない,早く売却したいが売れない,新たな住宅ローンを抱えたなど,被災された方々からさまざまな不安の声が聞かれます。  復興の基本は,被災者が安心して暮らせる地域と以前の暮らしを一日も早く取り戻すこと,広島の豪雨災害後,二次避難所は仮設住宅ではなく,公営住宅と借り上げ住宅で対応してきました。被災者にとっては,最終的な終の棲家としての住宅の確保とコミュニティーの再建が一番の課題です。  そこで伺います。  被災から2年たって被災者の生活再建はどこまで進んでいるのか,どういった困難を抱えているのか,市の行政として把握する必要があると思います。  被災した世帯は4,380世帯,1万688人。床上浸水1,084棟,床下浸水3,080棟。全壊179棟,半壊217棟ですが,そのうち,自宅を再建できた世帯は何世帯で,どのような形で再建を果たされたのか。再建できていない世帯は何世帯で,なぜ再建できていないのか,把握しておられる内容を教えてください。  生活再建支援の一つとして,第4次義援金が床上浸水したところと一部損壊したところに配分されることになり,ことし4月から開始されましたが,第2次配分を申請したうち,第4次配分の対象に類似した申請者およそ900件に比べて,第4次配分の申請件数が極めて少ないと聞いておりますが,第4次配分についてどのように周知されたのでしょうか。きちんと知らされないので,対象者であるのに義援金を受けられない世帯があってはなりません。改めて対象世帯全員に対して周知徹底するべきだと思いますが,どうされるか伺います。  また,領収書が必要かどうかについて行き違いもあったようですが,なくてもいいことも知らせる必要があると考えますが,どうされるか答弁を求めます。  次に,子供の医療費補助制度について伺います。  広島市では,子供医療費の補助制度について条例改正を行い,来年1月から対象年齢を引き上げ,入院は中学3年生まで,通院は小学3年生まで広げます。  他方で,新たな所得制限を設け,それを超えると,一部負担が最高で月に4倍ないしは6倍に引き上げられました。これに対して多くの市民から批判の声が上がっております。  厚生労働省が,昨年4月時点で全国がどういう状況かを調査したものがありますが,これを見ますと,全国1,741市区町村のうち,入院の対象が中学3年生まであるのは85.5%で,広島市はやっと,この水準に追いつくことになりました。  しかし,広島市のように通院が小学3年生までしかないのは18.4%で,広島市は,なお圧倒的少数派にとどまっております。  さらに,所得制限がない市町村は80.5%であり,これまた広島市は圧倒的少数派です。自己負担がない市町村も59.2%,約6割の市町村の制度で自己負担がなく,広島市はここでも全国の流れから大きく立ちおくれております。ましてや,所得制限の中に新たな所得制限を設けるのは広島市以外にはありません。  全国の全ての市町村が子供の医療費補助制度を実施しており,その必要性は全国民の世論になっております。つまり,これを実施することには,全国民の合意があると考えられます。ゆえに,子供の医療費負担をなくすというのは国が実施すべき課題であります。  しかし,それにもかかわらず,国はいまだに実施しておりません。国民的な合意があるわけですから,国が実施するように全国の自治体が声を上げなければなりません。  同時に,国が実施していない以上,子供たちの命と健康を守るために必要であり,住民との合意があるこの制度を,全国の自治体がそれぞれの住民の要求と合意に基づいて,より高い水準の制度を実施することが必要です。  なぜなら,この制度は次代を担う全ての子供たちの命を守り,健やかな成長を保障するために最も重要な施策の一つであり,この制度を筆頭とする,いわゆる子育て支援制度が十分に力を発揮するかどうかは今後の自治体の地域,あるいは日本社会全体の存続にかかわるものだからであります。私たちの社会にとって,この制度の重要性は他のあれこれの施策よりも,より高いものとならざるを得ません。  現在の広島市の制度は,対象年齢が全国で最低となっているだけではありません。所得制限があるという点でも全国の最低クラスの一つであり,その上,さらに一部負担があることで全国の最低クラスの一つなのです。昨年の6月定例市議会の一般質問で,私は対象年齢だけを取り上げて,広島市の制度は全国の市町村の中でも,政令市の中でも,広島県内でも最低または最低クラスの制度だと指摘をいたしましたが,実はそのほかにも二つの最低があったわけであります。  来年1月から入院は中学卒業まで,通院は小学3年生まで広げることになっております。これ自体は大いに評価するものです。  ところが,肝心の医療の入り口である通院で3歳分年齢引き上げをやるのと引きかえに新たな所得制限を設け,一部負担を大幅に引き上げてしまったことは,とりたてて高い所得でもない子育て世帯の間に分断を持ち込み,制度としては大きく後退したと言わざるを得ません。  対象年齢以外の所得制限と一部負担という二つの最低が残ったままなのに,最低の中に,さらに全国に例のない二重の所得制限という最悪の制度を導入してしまいました。  かつて鳥取県では,道路や橋はいつでもできるが,成長する子供たちへの施策は待ったなしだと,子供たちの施策を優先しました。行き場がない子供たちの居場所をつくる自立援助ホームの設置でも,広島よりはるかに先行して進められておりました。  広島市では,採算性がなく必要性も乏しいと繰り返し批判してきた高速5号線や広島駅周辺開発に巨額の税金を投入していますが,それに比べると,待ったなしの子供施策の優先順位が低いと言わざるを得ません。  広島市は,私たちが他の自治体の水準より低いと批判をすると,自治体がその内容を競うべきではないと反論しておられましたが,この言い分は広島市のこの制度への優先順位が低いことへの言いわけに過ぎません。  全国に例がない二重の所得制限は全国に対して恥ずかしい制度だと言わねばなりません。私たちはこのような考え方が全国に波及するのではないかと心配しております。  新しい制度のスタートは来年1月からですから,まだ修正するのに遅くはありません。この所得制限の中の所得制限規定を削除する条例改正を行うべきです。  私が申し上げたことに対しての市長の見解と,二重の所得制限規定の削除についてどうされるか,答弁を求めます。  次は,保育園の待機児の問題です。  まず,二つの事例を紹介します。  2人の子供の母親のAさんは,第1子が9カ月のとき,保育園の入所を申し込みましたが,入所の緊急度が低いという理由で保留扱いになりました。その後,第2子を妊娠したため,一旦入所を諦めることにしました。  そして,第2子出産後,すぐに保育園探しを再開しましたが,ことし4月に入所できたのは第2子だけで,上の子はまたも保留。兄弟2人一緒に入れるところはどこもなく,別々の保育園でもいいからと必死に探しましたが,自転車で通える範囲内では0歳児の下の子だけだったのであります。Aさんは再び2歳児の長男を連れて求職活動と保育所探しに走り回りました。  同じように,第2子を出産したBさんは,上の子と同じ保育園には入れないと言われ,育児休暇の延長も検討しました。  しかし,無給になることと,上の子が保育園を退園になるのではと考え,上の子と同じ保育園に入所希望を出しつつ,2カ所の保育園の送迎を頑張りました。  こうした事例を初め,希望する保育園には入れなかった,広島市が入所待ち児童数としている実際の待機児童数は,ことし4月1日時点で587人にもなり,この9月1日時点では882人に急速にふえております。年度末には1,000人を超えることでしょう。広島市においては,待機児童ゼロを目指して定員増を図ってきたところではありますが,この現状をどのように受けとめておられるでしょうか,答弁を求めます。  何度も言ってきましたけれども,例え年度初めに待機児童数がゼロになっても,年度の途中で待機児童が何百人もいたのでは本当の待機児童ゼロとは言えません。  ところが,これだけたくさんの待機児童がいるのに,来年度以降の定員増の計画は示されておりません。どうされるお考えか,答弁を求めます。  前述のAさんは,保育サービスアドバイザーから認可外保育園や小規模保育園等の施設を紹介されましたが,住所と電話番号が書かれたものを渡されただけで,周辺の環境や園の様子などはわかりません。逆に,あなたが行ってみて教えてくださいと言われたそうです。何のためのアドバイザーなのかと不信感を持ったということでした。これでは,情報提供とは言えません。  こうしたこともきちんと把握してアドバイスしようとすれば,アドバイザーをふやすことが必要なのではないでしょうか。増員を含め,保育サービスアドバイザーのあり方について,お考えを伺っておきます。  子供の保育園を選ぶとき,あいているならどこでもいいというわけにはいきません。新制度になっていろんな種類の施設がふえても,それぞれが定員いっぱいにならない施設があることは,保護者のニーズに合っていないということではないでしょうか。  やはり,認可保育園をしっかりふやして対応する以外にはないと考えますが,市長の考えを伺います。答弁を求めます。  次は,就学援助についてです。  厚生労働省の発表によると,我が国は子供の貧困率が16.3%と,経済的に豊かな先進20カ国のうち4番目に高い貧困大国です。政府も,子どもの貧困対策の推進に関する法律を制定し,さらに,子供の貧困対策に関する大綱を策定しました。子供の貧困対策は国を挙げての緊急課題です。  こうした中で,一定の所得以下の小・中学生の世帯に給食費や学用品費を支給する就学援助は,義務教育だけというものではありますが,お金の心配なく学ぶことを保障する制度です。本市でも就学援助の利用が年々増加し,広島市立の小・中学校では,児童生徒の3割を超えております。  今,この就学援助の制度のうち,新入学時に必要となる学用品や制服などを購入するための新入学準備金について,金額が実態に見合っていないということと,支給時期が遅すぎるということが問題になっています。広島市では,新入学準備金の支給が入学後の5月ごろになり,入学時に間に合いません。  新入学準備金の額は,小学校で2万470円,中学校2万3550円ですが,実際の入学時にどれぐらいのお金が要るか,この4月に小学校に入学した子供の保護者に聞きますと,基準服,体操服,給食着,クレヨン,算数セット,ピアニカ,上履きと,およそ3万5000円,これにランドセルが4万円程度はしますので,7万円を超える費用がかかります。  中学校に入学した子供の保護者に聞くと,10万円を超えた,制服が夏服も冬服も要る,中のポロシャツも校章が入っているのでどれでもいいというわけにはいかないし,洗いがえも必要,運動部に入る子はさらに大きくふえるということでした。  全国では,制服をそろえるためにやみ金に手を出したり,入学式に欠席する児童生徒がいるということが報道されております。  広島市教育委員会として,こうした状況をどのようにお考えでしょうか。現行の支給金額との関係でお答えください。  また,教育委員会として,こんなにお金がかかることを容認しているのであれば,実際に必要な金額に即した新入学準備金に大幅に引き上げるべきではないでしょうか。2万円そこそこでいいはずだと言うなら,少なくとも,学用品は学校側で提供するなど,必要な措置をとるべきではないでしょうか,答弁を求めます。  新入学準備金の支給時期がおくれるという問題に対して,支給時期を入学前に改善する自治体が生まれています。福岡市では,小・中学校に入学前の保護者に1月中に就学援助の申請をするように求め,支給決定したら3月中旬に保護者の口座に振り込むことにしています。新潟市でも,ことしからこれまでの8月を3月支給へ改善したということであります。文科省も,こうした早期の支給について,援助を必要とする時期に速やかに支給できるよう十分配慮するようにという通知を出しました。  本市でも,援助が必要な時期に合わせて新入学準備金の支給時期を入学前に改善していただきたいのですが,どうされるか,答弁を求めます。  次に,国民健康保険制度について伺います。  再来年,2018年から国保の都道府県単位化が行われます。都道府県単位化といっても,都道府県が担うのは国保の全体の運営でしかなく,資格管理,保険給付,保健事業等,医療保険としての実質部分は全て市町村が担うことになっています。法律では保険を実施する保険者は都道府県と市町村となっています。  国民健康保険の特徴は75歳以上が加入する後期高齢者医療制度と他の被用者保険に加入できない全ての人が加入しているところにあります。  その中でも,特に近年,失業者や非正規労働者の比率が高くなり,また,74歳までの年金受給者の保険となっております。つまり,全国民の中でも低所得の世帯の比率が大変高いのが特徴です。  同時に,その性格として,国民健康保険法第1条に明示されているとおり,全ての国民に医療を保障する社会保障制度の重要な一翼を担っており,国民の命と健康を守るために国民健康保険は極めて大きな役割を果たしております。  以上について,まず市長の御認識を伺っておきます。  国民健康保険には構造的な問題として,常態化している法定外繰り入れや赤字決算の問題が全国的に指摘をされております。その原因は,国保加入者が支払う保険料の負担が限界を超えているということです。  広島市では,2年前に国保の県単位化を前提に保険料算定方式を変更したために,低・中所得世帯への保険料が大幅に上がり,そのうち,特に所得の低い層について4年間の激変緩和措置を実施中で,今年度はその3年目です。  その激変緩和措置がないものとした本来の保険料を所得段階と家族構成で四つのモデルを設定し,年間保険料と収入に対する保険料の負担率を計算してみました。  1,給与収入200万円の2人世帯の国民健康保険料は20万8260円で,負担率は10.4%,2,給与収入300万円の4人世帯の保険料は34万6206円で,負担率は11.5%,3,給与収入400万円の4人世帯の保険料は47万5886円で,負担率は11.9%,4,年金収入200万円の65歳の2人世帯の保険料は9万7002円で,負担率は4.9%となりました。  収入が少なく,生活がぎりぎりの世帯に対して,現役世代の保険料負担率は11%前後にもなっております。年金世帯でも約5%の負担です。  ちなみに,4人家族のモデルの場合の生活保護基準が幾らになるかを計算すると,安倍政権が切り下げた生活保護基準ですが,1年間の保護費で約290万円になりました。保護費が切り下げられる前は300万円を超えておりました。4人の家族が生活しなければならないのに,生活保護基準程度の収入しかない。そういう家族から11%もの所得を奪ってしまう。生活保護を受給していれば必要ない負担であり,低所得者に極めて過酷な制度になっております。  実際は,この上に同じぐらいの国民年金保険料がかぶさります。国が国民に保障した最低限の生活費を国保だけで約35万円も切り下げてしまう制度でいいのでしょうか。  さらに同じモデルで,年間収入が350万円に50万円ふえるだけで,負担率は14.2%と3ポイントもはね上がり,年間収入400万円より負担率が高くなる逆転現象もあります。こんな制度が公正な制度と言えるのでしょうか。  市長は,広島市民の国保料の負担率の実態について,どのように認識しておられるでしょうか,答弁を求めます。  広島県が国保を運営することになると,県が各市町の標準保険料率を示すとされていますが,これは,あくまで参考にするものであって,実際に保険料率を決めるのは市町ということになっています。つまり,一定の裁量が市町にはあるということです。  県は,広島市の医療給付費の状況に見合った負担金を求めてきますが,医療給付費は今後もふえ続けるでしょう。そうすると,今後も保険料は引き上げられ,ますます限界を超えた保険料になりますが,幾ら限界を超えていても保険料をどんどん引き上げていくお考えなのかどうか,答弁を求めます。  現状の国保料は所得に比べて余りにも高額であり,被保険者市民の暮らしを脅かしています。だからこそ,保険料が払えない滞納問題が深刻で,市の担当者が幾ら滞納克服で知恵を絞ろうが,この問題の抜本的な改善は実現できていません。  抜本的な改善方策として,収入が低いほど自分の収入を保険料に回す余裕はないわけですから,所得が低いほど国民健康保険料の負担率を低く抑える必要があります。そうした考え方で,所得段階ごとに負担率をより低く抑える制度をつくるべきだと考えますが,市の見解をお示しください。  また,そうした制度を独自に検討することは考えられないのでしょうか,あわせて答弁を求めます。  最後に,介護保険について伺います。  広島市では,来年度から介護保険を利用してこられた方たちのうち,要支援の方のホームヘルプサービスとデイサービスが保険から外され,新総合事業と言われる広島市の独自事業に切りかえられます。  これまでの二つのサービスは,それぞれ現行と同じサービス,資格のある専門職がそろっていなくてもいい形のサービス,ボランティアによるサービスの三つの形のサービスになると考えられております。  政府の考えは,介護サービスの担い手を資格のある専門職から地域のボランティアに切りかえていくことによって,公的介護の仕組みを安上がりの仕組みに変え,介護保険に費やす政府の支出を削り込んでいこうというものです。  社会保障制度というものは,行政による支援の提供が基本になくてはなりません。私たち国民は,本来,そのために税金を支払っております。ところが,数年前からにわかに自助,共助,公助だと言い始め,やたらと自分のことは自分でやりなさいと強調し,できなければ自分たちで助け合いなさいと突き放し,どうしようもないときに税金で助けるんだと言っています。  政府は,かなり以前から,施設から在宅へと言い続けてきました。特養ホームの待機者がどんどんふえても,それに見合った数の施設をつくらなかったために待機者がふえ続けてきました。  私たちも住みなれた地域で,知り合いに囲まれて老後を過ごせるようにすることは必要なことだと考えます。しかし,在宅で支援をして,人間らしい暮らしを支えることは特養ホームで介護をするよりもはるかに手間がかかり費用も大幅にふえます。  ところが,政府は在宅での介護を優先することで安く上げたいと考えています。つまり,政府が進める施設から在宅へというのは,施設に入るなということと同時に,在宅介護であっても安く上げるために,あなた方,地域に住む者同士で何とかしなさいということであります。  それを政策として具体化したのが特養ホームの対象者を要介護3以上に狭めたことであり,今回のように在宅サービスを介護保険から外してしまうというやり方であります。  広島では来年度からということで,まだ要支援の方の新総合事業が始まってもいない,その結果がどうなるかの検証もない中で,政府では保険外しの対象をさらに要介護1,2にまで広げて,福祉用具の利用は全額自己負担にしようといったような議論を始めました。  これは,支援の必要な高齢者の実態に沿った介護サービスを提供するというのではなくて,保険外し先にありきで,とにかく政府の支出を減らすことを優先するやり方です。介護保険創設を主導した厚生労働省の元幹部は,こうした事態を見て国家的詐欺だと憤っておられると伝えられています。  来年度からの総合事業がどうなるか見通せない中で,国家的詐欺を働こうとしている政府に対して,市民の介護に責任を負うべき市長として反対の声を上げていただきたいと思います。答弁を求めます。  広島市は,市民生活に責任を負う最も身近な行政として,支援がなければ人間としての暮らしを維持できない高齢者に必要な支援を着実に実施しなければなりませんが,政府が進めるこうした政策の方向で,将来にわたってそれが可能だとお考えなのか,市長のお考えをお聞かせください。  以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○沖宗正明 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       中森議員からの御質問にお答えします。  核兵器廃絶に向けてのうち,多国間核軍縮交渉の前進に関する公開作業部会で採択された報告に対する受けとめについての御質問がございました。  この公開作業部会は,各国政府の法的措置の議論がどこまで前進するかという極めて重要な会合であり,私も5月会合に出席し,核保有国,非核保有国が対立構造でなく,相互理解と多様性を尊重する中で議論し,核兵器廃絶を明確に決意する環境を創出すべきだと訴えたところであります。  2月,5月,8月の3回の議論を取りまとめた今回の報告書の採択により,核兵器禁止条約制定に向け,現在,開催されている国連総会で議論が本格化することが見込まれ,大きく歩を進めることになればと期待しているところであります。  平和首長会議では,これまでの作業部会において公開書簡を公式文書として出席者に配付するなどの取り組みを行ってきておりますが,引き続き,協働する幅広い市民社会の声として核保有国や核の傘のもとにある国を含む全ての国が核兵器禁止条約について建設的な議論に参加するよう求めていきたいと思っております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。
    ◎谷本睦志 市民局長     核兵器廃絶に向けてのうち,まずオバマ大統領が検討している核兵器の先制不使用宣言について反対の意向を米側に伝えたとされるなど,被爆地の願いに背を向ける安倍政権に被爆地として抗議すべきではないか。核兵器廃絶を訴えながら,核抑止力に依存する立場をとる日本政府をどう評価しているかとの御質問がございました。  本市は,日本政府に対し,長崎市とともに,先月,米国の核兵器の先制不使用など,核政策の見直しの実現を後押しすることを求める書簡を,また,今月には第71回国連総会において,核兵器の法的禁止の2017年中の交渉開始に賛同が得られるよう核保有国と非核保有国の双方に協力を得ながら,これまで以上に力強いリーダーシップを発揮することを求める書簡を提出したところです。  本市としては,日本政府にはあくまで核兵器のない世界の実現という目標に向けて,本市や平和首長会議と考えを共有した上で核保有国と非核保有国の橋渡し役として,引き続き積極的な外交努力を続けていただきたいと考えております。  次に,平成28年4月より,日本原水爆被害者団体協議会が主体となって,新たに開始されましたヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名についてですが,この署名の趣意書によると,この署名は速やかな核兵器廃絶を願い,核兵器を禁止し,廃絶する条約を結ぶことを全ての国に求めることを目的としています。  一方,広島市長が会長を務める平和首長会議では,核兵器禁止条約の早期実現に向け,平成22年から交渉開始を求める市民署名活動に取り組んでおり,これまで242万筆を超える署名を集めています。  両者の署名は最終的に同じ目的を掲げたものであるため,協力していきたいと考えており,現在,その内容について平和首長会議の関係団体や日本原水爆被害者団体協議会と協議を行っているところでございます。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   豪雨災害被災者支援についての御質問にお答えいたします。  義援金の第4次配分について,どのように周知したのか。改めて対象世帯全員に対して周知徹底すべきだと思うが,どうか。また,義援金の第4次配分の申請書に領収書が必要かどうかについて広く知らせる必要があると考えるがどうか,というお尋ねでございました。  8.20豪雨災害の義援金の第4次配分については,被災世帯に広く周知を図るため,町内会,自治会を通じて義援金の配分対象や受け付けの要領等をお知らせするチラシにより被災世帯への周知を行うとともに,「市民と市政」や本市ホームページでも周知を図り,さらに報道機関への情報提供も行っています。  したがって,被災世帯への周知は相当図られていると考えていますが,4月の受け付け開始から半年を経過することから,さらなる広報を行うこととしております。  また,義援金の申請書には,再建費用を支払ったことが確認できる書類として,括弧書きで領収書の写しと記載し添付をお願いしていますが,実際の取り扱いは,他の方法であっても申請を受理しております。  こうした点につきましては,企画総務局総務課もしくは区役所区政調整課において義援金受け付けの相談に応じる際,丁寧に説明をさせていただきます。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   豪雨災害被災者支援につきまして,被災した世帯のうち,自宅を再建できた世帯は何世帯で,どのような形で再建を果たされたのか,再建できていない世帯は何世帯で,なぜ再建できていないのか,把握している内容を教えてほしいとのお尋ねでございます。  まず,持ち家で半壊以上の被害を受けた世帯の住宅再建の状況につきまして,義援金の配分状況に基づいて申し上げますと,9月21日時点で316世帯のうち約64%の202世帯が住宅を再建されています。  その内訳は,約41%の131世帯が被災地域内において,約23%の71世帯が被災地域外において,それぞれ住宅を再建されています。  持ち家の住宅を再建されていない理由としましては,砂防堰堤の整備が完了していない地域があることや,砂防堰堤の整備が完了した地域でも,完了から間がないことから住宅を再建することを検討中である被災者がおられること,また,住宅を再建されず,借家による生活再建を行われた被災者がおられることなど,さまざまな事情があると考えられます。  次に,子供の医療費補助制度につきまして,国が子供の医療費負担をなくさない以上,自治体がより高い水準の制度を実施する必要があると考えるが,どうか。それから,広島市の制度は全国最低クラスだけども,子供施策の優先順位が低いのではないか。さらに,来年1月の施行前に一部負担金の引き上げをやめるべきではないかとのお尋ねでございます。  子供の医療費補助制度につきましては,本来,国が整備すべきものであり,自治体間で内容を競い,これを評価すべきものではないと考えております。  したがって,国に制度の創設を要望しておりますが,国にその動きがないことから,本市において,厳しい財政状況の中でも子供の医療支援を優先して充実させる必要があると考え,対象年齢を大幅に拡大をしたものでございます。  その際,経済的な理由によって,必要な医療が受けられないことがないよう,低所得者層の受診抑制に配慮した上で,全体として公平感が感じられるようにしつつ,世代を超え,社会全体で負担を分かち合うようにするため,受益層の中でも一定の所得のある層に対し,所得に応じた最低限の負担を求めることとしました。  本年3月に可決いただきましたこの制度改正につきまして,引き続き,さらなる充実に向けて取り組むことを求める旨の附帯決議を踏まえ,来年1月から制度を円滑に施行した上で,その後に施行実態等の調査を行い,関係者の意見も伺いながら他都市の状況,本市の子育て施策や財政状況等を見て,本制度のさらなる充実に向けて検討していきたいと考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      こども未来局長。 ◎滝川卓男 こども未来局長  保育所待機児解消に向けての御質問にお答えいたします。  まず,市が入園待ちとしている児童数は,4月で587人である。市は待機児童ゼロを目指し定員増を図ってきたが,この現状をどう受けとめているのか。また,来年度以降の定員増の計画はどうするかについてでございます。  本年4月1日において,就労などにより保育の必要性があるにもかかわらず,保育園に入園できない児童が587人となっていることについては,保育需要の高まりが地区ごとにむらがあるにもかかわらず,それへの対応が十分にできていない状況にあるためと考えております。  そのため,本市としては,まずは国が定義する待機児童の解消に向けて取り組んでいくこととし,地区ごとの保育需要について社会・経済情勢による潜在的な需要の喚起をより精緻に反映させた上で,受け入れ枠を十分に確保できるようにしていきたいと考えています。  なお,本年4月に生じた待機児童を緊急に解消するための方策として,本年度当初から予定している幼稚園の認定こども園化や,小規模保育事業所の新設に加え,既存保育園の増築・分園,認可外保育施設の認可化移行や追加公募による小規模保育事業所の新設を含め,平成29年4月までに約660人の受け入れ枠確保に取り組むこととしております。  次に,保育サービスアドバイザーから保育園等の紹介を受けたが,住所が書かれたものを渡されただけで,必要な情報提供を受けていない。増員を含め,保育サービスアドバイザーのあり方についてどう考えているかについてです。  今回の議員の御指摘については,全区14人の保育サービスアドバイザーに確認したところ,いずれも資料の提供だけで相談を済ませている認識はないとのことでした。  しかしながら,必要な情報提供がなかったとの受けとめをされた保護者がいることにつきましてはしっかりと受けとめ,今後,そのような受けとめをされることのないよう,必要な改善を図ってまいります。  なお,今後のあり方に関しましては,入園状況を踏まえながら,保育サービスアドバイザーの質の維持・向上をするために必要な増員等を検討していきたいと考えています。  最後に,新制度になってさまざまな種類の施設がふえても定員がいっぱいにならない施設があり,保護者のニーズに合っていないのではないか。認可保育園をふやして対応する以外にないと考えるが,市はどう考えるのかについてです。  小規模保育事業及び地域枠を有する事業所内保育事業については,定員が不足する地域において認可保育園の分園整備,幼稚園の認定こども園化等を図る中で,さらに地域の事情に配慮した対応をするために実施してきているものです。9月時点でこれらの事業の実施状況は17施設,247人の定員に対して229人が入園し,充足率は9割程度となっており,保護者のニーズにおおむね沿っているものと考えています。  こうしたことから,待機児童の解消に当たっては,保育需要の地域偏在などを考慮しながら,多様な手法により,必要となる受け入れ枠を確実に確保していきたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      教育長。 ◎尾形完治 教育長      就学援助についての3点の御質問にお答え申し上げます。  新入学にかかる費用が就学援助費では賄うことができない状況についてどのように考えるのか,現行の支給額との関係で答えてほしい。  本市の就学援助は,全ての児童生徒が教育の機会均等の精神に基づき,義務教育を円滑に受けることができるよう配慮すべきという考え方のもと,国が就学に必要な費目,経費として示した基準に基づいて支給しており,適切な額であると考えております。  次に,就学援助の新入学学用品費は実際に必要な額に引き上げるべきではないか。現状の支給額でよいというのであれば,学用品は学校側が提供するなど,必要な措置をとるべきではないかの御質問でございます。  ただいま申し上げましたように,本市の就学援助は国の基準に基づき支給しており,支給額の引き上げは考えておりません。  しかしながら,学用品のうちでも,国語辞典のように児童生徒が共用できるものは学校が購入する,鍵盤ハーモニカの本体は学校が購入して,吹き口のみを保護者に購入してもらうなど,保護者の経済的負担が大きくならないよう配慮した取り組みを工夫して行っております。  最後に,新入学学用品費の支給時期を入学前に改善できないかの御質問でございます。  先ほど,馬庭議員に御答弁申し上げましたとおり,就学援助費の支給時期の見直しにつきましては,保護者の実情に配慮しながら検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   国民健康保険に関する4点の御質問にお答えを申し上げます。  まず,国民の命と健康を守るために国民健康保険は極めて大きな役割を果たしているが,認識はどうかとのお尋ねでございます。  国民健康保険は他の医療保険制度に加入していない全ての方を加入対象とする医療保険制度であり,国民の生命・健康を守るため,国民皆保険の基礎として重要な役割を果たしているものと認識をしております。  次に,国民健康保険の保険料は負担の限界を通り越していると思うが,どのように認識しているかとのお尋ねでございます。  国民健康保険は被保険者に占める高齢者や低所得者の割合が高く,財政基盤が脆弱であるという構造的な問題を抱えております。  また,高齢化や医療の高度化等により,医療費が増加し,他の医療保険制度と比較して保険料負担が重い状況となっており,今後とも低所得者の保険料軽減措置を講ずるとともに,医療費の適正化や保険料の収納率向上等の取り組みを充実していく必要があると認識をしております。  次に,国民健康保険の都道府県単位化後は県が各市町の標準保険料率を示し,市町が保険料率を決定する。今後,保険料をどんどん引き上げ,限界を超えた保険料を被保険者に求めることになるのかとのお尋ねでございます。  国民健康保険の都道府県単位化は県と市町が連携・協力をして,安定的な財政運営や効果的・効率的な事業運営を行うことなどにより,制度の安定化を図ることを目的としております。国保の都道府県単位化後も医療費は伸びていくと見込まれますが,県と市町が共同して医療費の適正化や保険料の収納率向上などに取り組むことにより,今まで以上に効果的・効率的に事業を実施できるものと考えております。  国保の都道府県単位化後の保険料の算定方法等につきましては,現在,県と市町で協議・検討を行っているところですが,先ほど述べた医療費の適正化や保険料の収納率向上などの取り組みの結果が保険料水準に反映されていくものと考えられることから,県と市町が共同して取り組みを強化していきたいと考えております。  また,負担の公平化や制度の安定化等を図るため,必要に応じて国に対してさらなる財政支援の充実等を要望するなど,被保険者の保険料負担が過度なものにならないよう取り組んでまいります。  次に,所得が低いほど保険料の負担率を低く抑える必要があるという考え方で,所得段階ごとに負担率をより低く抑える制度をつくるべきではないか。また,そういった制度を独自に検討することは考えられないかとのお尋ねでございます。  国民健康保険の保険料設定のあり方につきましては,ナショナルミニマムの観点から,まずは制度設計を行う国において検討すべき問題であり,本市で独自に検討を行うことにはなじまないものと考えております。  なお,国におきましては,平成26年度に低所得者に対する保険料軽減措置の対象が拡大され,平成27年度,平成28年度にも一層の拡充が図られています。  また,平成27年度には低所得者が多い自治体への財政支援が拡充されたことにより,低所得者を含め保険料の伸びの抑制が図られております。  最後に,介護保険サービスの関係の御質問がございました。  まず1点目は,政府は介護保険から外す対象を要介護1,2まで広げる等の議論を始めているが,政府に対し反対の意見を上げるべきではないかとのお尋ねでございます。  現在,国において閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2015を受けて,厚生労働省の社会保障審議会において,次期介護保険制度改革に向けての検討が行われていると承知をしております。  本市としましては,今後,議論されると見込まれる具体的な見直し内容等を含めて審議会の動向を注視するとともに,介護保険制度の運用実態を踏まえつつ,高齢者に必要なサービスを財政面も含めて継続できるよう,必要に応じて他の政令指定都市等と連携して国に要望を行ってまいります。  次に,政府が進める政策の方向で,将来にわたる高齢者への支援が可能なのかというお尋ねでございます。  本市としましては,後期高齢者の急増が見込まれる中,まずは元気な高齢者が住みなれた地域において引き続き元気に生活していただけるよう,健康づくりや介護予防に取り組める環境を整備するとともに,高齢者を見守り,支え合える地域づくりを進めることが必要であると考えております。  国が掲げる地域包括ケアシステムの構築についても,このような考え方に立って進めているものでございます。  今後も,高齢者が安心して生活を継続することができる体制づくりを進めるという観点から,必要に応じ,他の政令指定都市等と連携し,国に要望を行ってまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      37番。 ◆37番(中森辰一議員) 幾つか再質問をさせていただきたいと思います。  まず,子供の医療費の補助制度の問題ですが,この問題について,6月議会でも議論をいたしまして,ほかの議員の方から議案を出す前に医療現場の意見を聞いたかどうか問われたことに対して,医師会の幹部に説明をしたというふうな答弁が厚生委員会でありました。  しかし,肝心の小児科医会に出かけていって,意見を聞くことはしていなかったということがわかりました。  広島市の医療政策などについて,常にそれぞれの医師会などに協力を仰いで進めてきたというふうに思います。  ところが,この問題で一番意見を持っておられた小児科医師との意見交換をしないまま議会に議案として提出をしたわけです。  その中に,院内処方と院外処方の負担の違いという,それぞれの小児科医院の経営にかかわる問題があることを認識していたのに,全く説明しないままでした。  この問題は,審議を求めた議会に対しても報告・説明はされておりません。これも問題だというふうに思います。  そのことを指摘されて後の6月末になって,小児科医会の代表も含めた意見交換会が行われまして,そこでかなり厳しい意見が出されました。従来から意見を出してきたのに事前の相談がなかったと厳しく指摘をされて,強い反発の意見が繰り返されたというふうに聞いております。  また,その後,これは制度の改悪だと,自分のところは賛成はゼロだと,こんなことでは舟入の夜間救急の協力はできないといった極めて厳しい意見も出されているというふうに聞いております。  広島市の小児医療のために一生懸命取り組んでこられたところに,何の相談もなくて後ろ向きの制度変更を決めてしまったと。もっと,こうした方々も大事にしていく必要があるんではないかというふうに思うんです。  局長はその場におられたというふうに思いますけれども,こうしたことについて,今後どうされるのか,聞いておきたいと思います。答弁をお願いします。  全国では,所得制限がないのが8割で,政令市でも半数以上で所得制限がありません。その理由は,子育て支援策に所得制限はなじまない。少子化対策だから,あるいは子供を応援するものだからというものでありました。これが一般的な考え方だというふうに思います。広島市の考え方はそういう点では特殊な考え方だというふうに思います。  国がやるべきだということを言っていらっしゃいます。私らもそう思いますけれども,しかし,ただそれを何十回言っただけでは,これにペナルティーを科そうとしているのが今の政府の姿勢ですから,これはなかなか簡単には変わらないと。  そういう中で,やはり全国の地方自治体で,大変な中でもより充実した制度を実現をして,これが世論だと示すことが必要だというふうに思うんです。財政規模の大きい大都市として,この点でも,やはりほかの市町村に範を示すということも大事なことではないかというふうに思います。  小児科医会を初め,医師会からも早急な見直しが求められたのではないかと思います。優先順位をやっぱりもっと上に持ってきて,早急に見直しをしていただきたい。先ほど申しましたように,まだ間があるわけですよ。12月議会もあるわけですから,ぜひこの点をお願いしたいと思うんですが,もう一度答弁をいただけないでしょうか。  それから,就学援助の問題ですけれども,国が決めた額なんですが,この2万円程度という額はいつ決まったんでしょうかね。現実には,先ほど説明したように,かなり実態とはかけ離れているわけですよ。その実態をやっぱり真摯に認めることが必要ではないかというふうに思うんです。特に,中学校は非常にたくさんお金がかかるということがあります。  先ほど議論があった,制服と言いましたけれども,基準服。これは保護者や学校側が決めているということなんですけれども,しかし,そういう自主的なというか,現場のほうで決められることではあっても,しかし,それが結果的に世帯によっては大きな負担になって,なかなかそれが負担しきれないという実態もあるわけですから,ここをきちんと見なければいけないというふうに思います。  この金額,2万円程度が前提だ,これでいいんだということであるんであれば,やっぱり,これに合わせて学校の側でそれに近づくような最大限の努力をするべきじゃないか。具体的には,これまで何度も提案をしてきたところですけれども,そうしないと,この実態というのは解消しないというふうに思うんです。  あるいは,広島市が独自に上乗せをするようなことも実態に合わせて考えていく,そういうことが必要ではないかと思うんですが,この点も含めて再度答弁を求めます。  支給時期の問題ですけれども,検討はしたいというふうにおっしゃいましたが,子供は1年1年成長していくわけですよ。1年おくれると間に合わない子供が1年分出てくるわけです。ですから,これは急がないといけません。ですから,検討しようというふうにお考えになっているんであれば,これは来年度の入学に間に合うような検討をぜひしていただきたいと思うんです。  それから,小学校も中学校も含めて,これはやっていただきたいと思うんですが,その点について教育委員会の姿勢を聞かせていただきたいと思います。  国民健康保険の問題ですが,現状は,私が先ほど申し上げたものであります。いろいろやったとはおっしゃいましたけれども,その結果が,あの11%を超えるような負担率になっているわけです。  国保料の負担は,4人家族のモデルで計算してみますと,年収600万円程度から負担率が下がり始めていきます。800万円程度を超えますと,急速に負担率が下がっていきます。年収1600万円,この負担率は300万円の負担率の半分です。これ,保険料の額に上限があるからであります。生活の困難なところに大きな負担を押しつけておきながら,高額所得者の保険料は軽くしているわけです。  これを制度として,あるいは国も地方の行政も容認しているんであれば,生活保護基準以下の生活を強いるような保険料はやっぱり見直しをしないと,極めて不公正な制度だと,行政だということになりませんかね。  私たちがかねてから求めているような,生活保護基準を目安とする減免制度,一回ではなくて恒常的に適用される制度がどうしても必要だというふうに思うんです。今以上に保険料が上がるんであれば,これはどうしても検討していただきたい。
     広島市は毎年毎年,ことしはちょっと違いましたけれども,基本的には医療費が上がるのにあわせて保険料もずっと上げ続けてきたわけです。今後も上がっていくんじゃないかと私は考えています。そうであれば,私が今言った制度をどうしても検討いただきたいと思います。  高額所得者の負担が軽いという問題をどうお考えか。それから,恒常的に適用される減免制度の問題について,再度答弁をお願いします。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   まず,子供医療費の関係の御質問にお答えを申し上げます。  医師会への説明,意見交換の関係でございますが,これは,これまで御説明,御答弁しておりますように,昨年度来,小児科医会という形では御説明はしておりませんけれども,小児科の医師会に所属のお医者さん── 幹部の医師でございますけれども── には説明をし,意見を伺ってきております。  それと,6月の意見交換会,確かに,私も出席させていただきまして説明をさせていただきました。いろんな御意見をいただいております。  院内・院外処方につきましては,私どもとしましては承知しておったわけでございますけども,これは医薬分業を進める観点から適切であって,その額も適正な許容の範囲だということで大きな問題ではないということで説明はさせていただいておるところでございます。  今後,この子供医療費の補助制度の施行に当たりまして,医師会との意見交換をさせていただきながら,より円滑に施行できるように,さらなる意見交換を進めていきたいというふうに考えております。  それと,所得制限をなくすべきではないかというお話でございますけども,これは今回,私ども子供医療費の拡充を行うということで議会の承認をいただいたわけでございますけども,これは厳しい財政状況,あるいは他の政策とのバランス,そして納税者の方々の公平性の納得感,そういったもろもろの制約のある中で,やはり子供の医療支援は優先して充実させるべきだという考え方に立ってこういう制度設計にさせていただきました。  逆に申し上げますと,そういった制約条件の中でできるぎりぎりの選択といいますか,施策の組み立てをしたつもりでございます。  そうしたことで,来年1月からは現在承認いただいている改正条例に基づいて施行させていただきたいと考えておりますが,その後,施行実態等を見た上で,先ほども申し上げましたが,他都市の状況あるいは本市の子育て施策あるいは財政状況等見ながら制度の充実に向けて検討していきたいというふうに考えております。  それと,国民健康保険料でございますが,確かに上限額が設定されているということから,それを超える負担を求めないということで,確かに所得の高い層は逆に負担率が低くなっているという,いわゆるアンバランスな状態があるということは事実であるというふうに考えております。  ただ,低所得者の対策としましては,これまでも行ってきましたように,できる限りの軽減措置を実施しておりますし,今後も国にそういった要請をさせていただきたいと思っております。  こういったものの制度改革,制度の負担率等の改正につきましては,やはり,これは先ほども御答弁申し上げましたが,国が本来制度設計をして考えるべきものでございまして,恐らくこれは,この一国民健康保険だけの問題ではなくて,他の被用者保険との関係も出てまいりますので,そういったところも含めて国において検討し,実施されるべきものであるというふうに考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      教育長。 ◎尾形完治 教育長      就学援助にかかわる御質問でございますけれども,先ほど御答弁いたしましたように,例えば学用品のうちでも,国語辞典とか,こういった辞典類を学校のほうが供用できるように購入するとか,あるいは鍵盤ハーモニカ自体,これ自体を学校のほうで購入して吹き口のみを保護者が,これ,かなり低価になりますので,購入できるようにする。こういった保護者負担が大きくならないような取り組みが今なされております。  それと,例えば制服については保護者が主体的に選定していくということを申し上げましたけれども,保護者の主体的な取り組みとして,例えばPTAのバザーとか,こういうところで不用となった基準服を集めて再利用するとか,低価格で販売すると。こういった保護者の主体的な,そういう経済の負担を軽減するという取り組みもなされているところであります。  それから,支給時期の見直しについてでございますが,これは時期を早めることに伴いまして,例えば支給システムの改修などの解決すべき課題がございますので,来年からすぐの見直しということについては困難であると考えております。  今後,こうした課題を十分に踏まえて保護者の実情に配慮したものとなるように検討する必要があるというふうに考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      37番。 ◆37番(中森辰一議員) 支給時期の問題は,よそでやっているところが現にあるわけですから,ぜひ,よく学んでいただきたい。  それから,お金のかかる話じゃないわけですよ。予算の要る話じゃありませんから,これは事務のあり方の問題ですので,至急取り組んでいただきたいと思います。  それから,国保の問題ですけれども,いろいろ言われても,現に今,低い所得のところで11%を超えるような負担率になっているわけですよ。ここを何とかしてもらいたいということを申し上げているわけで,これは引き続き追及していきたいというふうに思います。  それと,介護保険サービスの問題ですけれども,新総合事業が始まっていない中での次の段階の見直しの論議,先ほどもおっしゃいましたが,これはただ介護保険部会で議論されているだけじゃないんです。もう政府の方針では,ことしじゅうに結論を得て,来年の通常国会にも法案を出そうと,そういうふうな段取りも出てきているわけですから,地方の行政としては,そういうわけにはいかんよということは早く言わないといけないと思います。この点はもう一度御答弁をお願いします。  それから,もう一つ,保育園のことですけれども,いろいろおっしゃいましたが,来年度予算の中で,新しく認可保育園をつくろうというふうな考えがおありなのかどうか,済みませんがもう一度御答弁いただけますか。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   国の厚生労働省での審議でございますけども,確かに私どもが伺っているスケジュールが,今,議員おっしゃったスケジュールであるというふうに承知しております。  ただ,実際に議論されてる中身,具体的にどういうことなのかというところはちゃんと見きわめた上で必要な,もし要望が必要であればそこは関係の政令指定都市とも共同しまして,連携して,国へ要望を行っていきたいというふうに考えております。 ○沖宗正明 副議長      こども未来局長。 ◎滝川卓男 こども未来局長  来年度予算で認可保育園をつくるかどうかの御質問ですが,先ほど御答弁しましたように,今,地区ごとの保育需要について需要の喚起をより精緻に反映した上で作業を進めております。  その結果次第ですし,やれる業者が幾らいるかということの調査もしてまいるつもりでございますので,現時点でははっきりつくるということは申し上げられません。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      本日の一般質問はこの程度にとどめます。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      この際,御通知申し上げます。  26日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      本日は,これをもって散会いたします。                午後4時21分散会 ─────────────────────────────────────── ───────────────────────────────────────   議 長   永  田  雅  紀   副議長   沖  宗  正  明   署名者   森  畠  秀  治   署名者   村  上  厚  子...