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平成27年第 4回 9月定例会−09月17日-02号

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  1. 広島市議会 2015-09-17
    平成27年第 4回 9月定例会−09月17日-02号


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    平成27年第 4回 9月定例会−09月17日-02号平成27年第 4回 9月定例会         平成27年    広島市議会定例会会議録(第2号)         第 4 回                  広島市議会議事日程                                    平成27年9月17日                                      午前10時開議                   日    程  第1 一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問
     休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  海 徳 裕 志            2番  山 本 昌 宏    3番  山 内 正 晃            4番  山 路 英 男    5番  木 戸 経 康            6番  平 野 太 祐    7番  石 橋 竜 史            8番  森 畠 秀 治    9番  定 野 和 広            10番  近 松 里 子    11番  森 野 貴 雅            12番  森 本 健 治    13番  碓 氷 芳 雄            14番  西 田   浩    15番  渡 辺 好 造            16番  宮 崎 誠 克    17番  大 野 耕 平            18番  三 宅 正 明    19番  伊 藤 昭 善            20番  桑 田 恭 子    21番  馬 庭 恭 子            22番  藤 井 敏 子    23番  豊 島 岩 白            24番  八 軒 幹 夫    25番  八 條 範 彦            26番  原   裕 治    27番  米 津 欣 子            28番  安 達 千代美    29番  星 谷 鉄 正            30番  平 木 典 道    31番  今 田 良 治            32番  元 田 賢 治    33番  谷 口   修            34番  竹 田 康 律    35番  村 上 厚 子            36番  中 原 洋 美    37番  中 森 辰 一            38番  酒 入 忠 昭    39番  佐々木 壽 吉            40番  太 田 憲 二    41番  若 林 新 三            42番  熊 本 憲 三    43番  山 田 春 男            44番  児 玉 光 禎    45番  金 子 和 彦            46番  永 田 雅 紀    47番  沖 宗 正 明            48番  土 井 哲 男    49番  木 山 徳 和            50番  種 清 和 夫    51番  中 本   弘            52番  木 島   丘    53番  碓 井 法 明            54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────           職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    松 村   司       事務局次長   重 元 昭 則  議事課長    石 井 一 司       議事課課長補佐主任事務取扱                                小 田 和 生  議事課主幹   今 井 悦 尚       議事課主査   山 下 真 里  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     室 田 哲 男  副市長     竹 内   功       危機管理担当局長及 川   享  企画総務局長  岡 村 清 治       財政局長    糸 山   隆  市民局長    谷 本 睦 志       健康福祉局長  川 添 泰 宏  こども未来局長 藤 田 典 子       環境局長    北 吉 孝 行  経済観光局長  久保下 雅 史       都市整備局長  宮 原   慎  都市整備局指導担当局長           道路交通局長  向 井 隆 一          香 川 寛 治  下水道局長   新 谷 耕 治       会計管理者   永 谷 尚 之  消防局長    滝 澤 宏 二       水道局長    高 広 義 明  監査事務局長  大 森   寛       財政課長    虫 明   徹  教育長     尾 形 完 治       選挙管理委員会事務局長                                住 田 雄 二  人事委員会事務局長          榎 野 晋 也 ───────────────────────────────────────                  午前10時00分開議                  出席議員  47名                  欠席議員  7名 ○永田雅紀 議長       おはようございます。  出席議員47名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       本日の会議録署名者として               20番 桑 田 恭 子 議員               28番 安 達 千代美 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       日程第1,一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  8番森畠秀治議員。                〔8番森畠秀治議員登壇〕(拍手) ◆8番(森畠秀治議員) 皆さん,おはようございます。  実は私,今,不覚にも風邪を引いておりまして,せきが出だしたらとまらないもんですから,要らんことを言わずにさっさと質問をいたしますんで,どうぞよろしくお願いいたします。  それでは,まず,がん対策についてですが,怖い,痛い,治療費が高額になる,家族や友人の協力が必要になる,死に至る場合があるなど,がんについての印象はさまざまです。そして,日本のがん死亡率の減少率はOECD── 経済協力開発機構加盟国の平均以下で,日本人の3人に1人はこのがんで亡くなっており,対策は急務です。中でも,20代から30代の女性に急増しているがん,子宮頸がんについてきょうはお尋ねします。  欧米では,マザーキラーと呼ばれている子宮頸がん。原因のほとんどはヒトパピローマウイルス,略してHPVと言いますが,これの感染によるものですが,これを防ぐために世界中で広く使われている子宮頸がん予防ワクチンHPVワクチンの接種が日本ではほぼ行われておりません。それは,HPVワクチンは危険だという正確でない情報が拡散されたためだと言えます。  世界初のHPVワクチン,ガーダシルを開発したのはアメリカの製薬会社で,平成18年にアメリカで承認され,販売が始まりました。翌19年にはイギリスのHPVワクチンサーバリックスがEUで承認されました。日本への導入はサーバリックスが早く,平成21年12月に販売が始まり,ガーダシルも2年おくれて平成23年の8月には導入されています。また,平成22年には市区町村で行う接種に対して厚生労働省が助成金を出すようになり,接種者は一気に増加して,2年後には接種率も67.2%までになっていました。  HPVワクチン予防接種法に定められた定期予防接種に組み込まれ,子宮頸がん撲滅に向け順調に普及していました。しかし,平成25年6月,厚労省は接種後に体中の痛みを訴えている症例が30例以上あるという発表をしました。また,189万人の接種者のうち567人が失神したという報告がされ,あたかもワクチンが危険であるかのようなイメージがすり込まれました。
     WHO── 世界保健機関は,日本で報告されている慢性疼痛の症例についてはほかからは同様の兆候は認められず,HPVワクチンが疑わしいとする理由はほとんどなく,世界各国で使用が増加しているという声明を発表しています。世界の専門家が安全性を保証しているにもかかわらず,日本だけが接種を推奨しないという極めて異常な状態に陥っているわけです。  HPVワクチンは筋肉内に注射するため,強い痛みを伴うといいます。人は強烈な痛みを感じたり過度な緊張をすると,意識を失うことがあります。特に15歳前後の若者と高齢者に多く見られることが科学的に知られています。このことは,前述の失神という報告がワクチンとの直接的な因果関係にはないということを理解しなくてはなりません。しかも,失神が起きたのは,接種者全体の0.03%です。体中の痛みについても複合性局所疼痛症候群と見られる症状で,HPVに限らずあらゆるワクチンの接種の際に,ごくわずかな人にあらわれるものだと言われています。これらのリスクとワクチンによるがん予防の利益を比較すれば,接種をしないという選択肢はないはずです。  厚労省はいまだにHPVワクチン子宮頸がんを予防する効果は証明されていないという説明をしていますが,そもそも子宮頸がんは悪性度の高い,前がん状態と診断されれば,その時点で手術を受けます。また,ワクチンの効果を証明するためには,接種群と非接種群を比較,観察するほかありませんが,どちらも継続的に診察を受けるため,前がん状態になった時点で手術を受けます。つまり,がんになる可能性はどちらもゼロになりますが,接種群で前がん状態を減らした時点でHPVワクチンには効果があるという証明になるわけです。  ワクチンを日本に導入した当初は新聞やテレビなどは接種を推進していたにもかかわらず,厚労省が副反応を公表した途端に手のひらを返し,痛みで失神する少女の映像を繰り返し放送していました。ワクチンにつきものの副反応の一部だけを切り取って,悪い印象を増幅させるのは偏向報道以外の何物でもありません。  そうした中で,広島市ではホームページで次のような広報をされています。御紹介しますと,平成25年6月14日,厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会反応検討部会が開催され,子宮頸がん予防ワクチンの副反応報告について審議が行われました,この結果,ワクチンとの因果関係が否定できない持続的な疼痛が子宮頸がん予防ワクチン接種後に特異的に見られたことから,副反応の発生頻度等がより明らかとなるまでの間,子宮頸がん予防ワクチンの定期接種を積極的に勧奨しないよう,厚生労働省から勧告がありました,このことにより,本市においても接種の対象者,またはその保護者への積極的な勧奨を差し控えることにしましたといった内容の広報ですが,我が国では1日10人前後の人が子宮頸がんで命を落とすと言われています。こうした現実を直視しますと,少女たちが大人になり,不幸な目に遭うことのないよう,国としても,また一自治体としても,この問題に対しては真剣に向き合う必要があるのではないでしょうか。そうしたお考えを広島市としてお持ちであれば,まずもって希望する人が安心して接種を受けられる環境を早急に整備するよう,国に対して強く求めるべきであると思いますが,いかがでしょうか,お考えをお聞かせください。  次に,耕作放棄地対策についてお尋ねします。  所有している耕地のうち,過去1年以上作付せず,しかもこの数年の間に再び耕作する考えのない土地のことを耕作放棄地と定義されています。農林水産省の調査によると,平成22年の我が国の耕作放棄地の面積はおよそ40万ヘクタールで,そのうち,我が広島県の放棄地は1万1325ヘクタール,これは長崎県,山梨県に次いで全国で3番目の放棄率です。農業従事者の高齢化や後継者不足,また,戦後の行き過ぎた経済至上主義による農業離れにより,耕作放棄地は過去20年でおよそ3倍にも拡大し,今後も比較的条件のよい平地農業地帯でも耕作放棄地がふえることが懸念されています。  耕作放棄地の増加は,害虫の発生や雑草の繁茂,国土保全や水源の涵養などの低下は言うに及ばず,食料自給率の向上という観点からも,その解消は喫緊の課題です。また,鳥獣被害などは中山間地域の最重要課題として深刻化していますが,その被害の一因には耕作放棄地の拡大に伴い,山と里山の境界が曖昧になったことにより,野生動物が里山におりてくるようになったことが挙げられています。  離農の要因には高齢化による労働力不足とするものが最も多く,そのほかには鳥獣被害による生産性の低さや農地の受け手がいないなどの理由が挙げられていますが,今後世界の食糧需給問題が懸念される中,農地の確保と有効利用を図るためには耕作放棄地の再生,そして利用を促進していくことが大事です。耕作放棄地の解消は我が国の農業問題の解決そのものであり,そこでは地域と行政が一体となって,地域特性を生かした取り組みをしていく必要があります。  国の取り組みの中には,平成21年に大幅に改正された農地法や農業経営基盤強化促進法がありますが,これらは農地の集積や耕作放棄地の防止を目的としているだけであり,実際に高齢化が進行し,かつ経営が厳しい状況のもとではなかなか活路は見出せないのが実情です。  改正前の農地法では,農地はその耕作者みずからが所有することが最も適当であるとありましたが,改正により,農地を効率的に利用する耕作者によるほにゃららとなりました。この効率的に利用する耕作者ということであれば,必ずしも農地を所有していなくても,賃貸借により誰でも,例えば企業でも農業経営ができることになります。  農林水産省では今から7年前の平成20年に,調査員が実際に農地の状態を見て歩く耕作放棄地全体調査,これを実施し,耕作可能な土地,基盤整備をすれば農業利用できる土地,また復元不可能な土地に分類しました。これは,それまでの農業従事者の自己申告のデータだけを頼りにしていたころに比べれば,少しは放棄地問題に対してやる気になったかという気はします。ただ,現実は甘くはありません。  そもそも取水を初め作業がしにくい,場所が悪い,そして生産性が低いからこそ耕作を放棄するわけですから,この問題を解決するには地域の特性に沿った取り組みが必要です。また,手をかけずに放っておいても収穫できる,いわゆる粗放栽培が可能なもので放棄地の防止につなげることもできるのではないでしょうか。実際に,和歌山県ではこうした取り組みが始まっています。国策を待つばかりでなく,本市としても本気で耕作放棄地の解決に向けて取り組まなければならない時期が来ているのではないでしょうか。  広島市の農業委員会が毎年,市長に対して行っております広島市農政に関する建議においても,この問題に対しては毎回取り上げられています。それは,裏を返せば広島市の対策が進んでいないことの証明であると思います。現在の耕作放棄地をめぐる現状や,それを踏まえた農業者の公的な代表である農業委員会のこうした深刻な訴えも考えますと,広島市として早期に強力な対策を講ずべきであると考えますが,お考えをお聞かせください。  次に,覚醒剤等薬物乱用防止対策についてお尋ねします。  この件につきましては,平成23年の9月議会で一度質問し,使用防止に関する指導や対策の強化をお願いした記憶がありますが,危険ドラッグに関して,ことし上半期に摘発された事件は全国で633件で,昨年同期の127件のおよそ5倍にも上ることが報告されました。  広島では,ことし2月に市内の飲食店経営者の30代の男が販売目的所持容疑で逮捕され,500点以上の危険ドラッグを押収しています。3月には広島空港で3キロの覚醒剤が密輸され,6月には介護福祉士による指定薬物の密輸,7月には市内のマンションの一室に覚醒剤320グラムを隠していたとして,46歳の男が逮捕されました。8月には無免許運転で逮捕した男の車から大量の覚醒剤や大麻のほか,2,700本もの注射器が隠されていたとして,東区の無職の男が逮捕されました。  また,昨年の2月には広島だけに蔓延するメリーちゃんを使ったとして,佐伯区の44歳の無職の男が逮捕されています。メリーちゃんというのは,メリケン粉のメリーからとられたもので,MDPVとも呼ばれ,非常に危険な薬物だと言われています。このメリーちゃんというドラッグは,よその県での摘発は一,二件だけで,ほとんどが広島で使用されているものだそうで,覚醒剤よりも幻覚を見やすいという恐ろしい作用があると言われています。平成24年にはアメリカ・フロリダ州のマイアミで,メリーちゃんと同じ成分を含むドラッグを使用した男が路上で人を襲い,顔面のほとんどをかみちぎった事件が有名です。俗に言うマイアミゾンビ事件です。広島でも腹の中に何かがあると言って,みずからの腹を切った女性もいます。こんな恐ろしい薬物が,今後全国に拡散してしまえば大変なことになります。  高齢社会により,ただでさえ若者が少ない中で,薬物などという危険なものに手を染め,将来を台なしにするなどもってのほかです。わずか1年で5倍にもなったこの事態を,広島市としてはどう受けとめておられるのでしょうか。また,今後より一層の指導,対策の強化を願うところですが,いかがお考えでしょうか,お答えください。  さらに,こうした覚醒剤等の恐ろしさについての教育,啓発についても大変重要であると思いますが,広島市ではどのような取り組みをされているのでしょうか。  また,依存症患者を治療,回復させることは再犯の防止につながると思いますが,その現状や今後の取り組みについてもお聞かせください。  最後に,健康づくりのための公園施設整備についてお尋ねします。  平成12年にWHOが健康寿命を提唱して以来,寿命を延ばすだけでなく,いかに健康に生活できる期間を延ばすかに関心が高まっています。アメリカ・ワシントン大学などの研究チームが発表した世界188カ国の平成25年の健康寿命で,日本は男性が71.11歳,女性が75.56歳で,男女ともに世界第1位という結果が報告されました。元気で長生きできることは大変喜ばしいことです。  では,気候が温暖で食べ物もおいしい広島県は,その中でどのあたりに位置するのかといいますと,平成22年の状況ではありますが,男性の平均寿命は79.97歳で全国12位に対し健康寿命は70.22歳と30位,女性については平均寿命が87.04歳で全国5位に対し健康寿命は72.49歳で,何と下から2番目の46位となっています。  日常生活に制限のある,いわゆる不健康な期間は,男性が9.75年で全国36位,そして女性は14.55年で最下位の47位と大変不名誉な結果を残しています。また,広島市はといいますと,男性は平均寿命が79.93歳に対し健康寿命は69.96歳,女性の方は平均寿命が86.86歳に対し健康寿命は72.19歳と,健康寿命は広島県よりも低く,また,いわゆる不健康な期間も男性9.97年,女性14.67年といずれも長くなっているという状況にあります。こうした状況は,社会保障費の増大にも大きな影響を及ぼすものと思います。  平成23年9月に公表されました中期財政収支見通しによりますと,景気の低迷や高齢化の進展により一般財源収入が減少傾向にある中,広島市の社会保障費は平成9年度で820億円だったものが,平成23年度には1616億円と796億円,実に97.1%も増加し,さらに平成27年度には1730億円まで増加,つまり平成9年度から見ますと倍以上に増加することが予想されていました。この間のさまざまな取り組みにより,実際にはそこまでは増加していないとは思われますが,いずれにしても健康で日常生活を制限なく過ごせることは,生活の質の低下を防止し,また,ふえ続ける社会保障費を抑制する観点からも大変重要な課題の一つには違いないわけです。本市はより多くの市民の健康づくりのきっかけとなるような取り組みを急がなければなりません。そのことは市当局においても十分認識をされていると思います。  実際,平成25年3月に策定されました広島市の健康づくり計画「元気じゃけんひろしま21」の第2次においても,基本目標に健康寿命の延伸を掲げられ,社会環境の整備などに取り組むこととしていますし,本年度からの高齢者施策推進プランにおきましても,健康寿命の増加を大きな目標の一つに掲げられています。また,今月15日に発行された市の広報紙でも,この健康寿命を延ばすことの重要性が取り上げられ,さまざまな取り組みが紹介されていました。  こうした計画等に掲げられている施策,取り組みを着実に,そして強力に推し進めていただきたいと思いますが,そうした取り組みに加えて,私は例えば公園に子供たちが遊ぶ遊具のほか,大人の健康増進を目的にした健康器具の設置を進めてはどうかと思います。もちろん安全確保のために子供用遊具と健康器具の混在は避けなければなりませんが,曲げる,伸ばす,飛ぶなどの基本的なストレッチや運動不足の解消,体力の維持向上といった健康づくりが気軽にできる遊具です。  最近の公園は危ないとか近所迷惑になるからとボール遊びは禁止,けがをするからとシーソーなどの遊具は撤去,やかましいからと大きな声を出して遊ぶことも禁止,ごみが出るからと飲食も禁止と,近隣住民からの苦情により,そのたびに規制する余り何もできない公園がふえ,利用する人が少なくなっています。人間関係が薄れていく中,市民が休憩したり運動したり遊んだりすることができるはずの公園は閑散としています。こうした現状の公園に健康器具を設置すれば,大切な市民の財産である公園の有効活用にもなりますし,利用者の方が健康器具を日常的に利用することにより,日ごろの運動不足が解消でき,病気の予防にもなります。  また,家庭用の健康器具はなかなか長続きはしないけれど,公園なら解放感があって気持ちよく,散歩の途中でも気軽に利用できます。少子高齢社会の中,子供たちだけでなく高齢者も利用することのできる健康器具の設置を進め,より多くの市民の身近な健康づくりの場として公園を活用してはいかがでしょうか。また,こうした取り組みを進めることによって世代間交流の場にもなりますし,地域コミュニティーの再生にもつながると考えます。  最後に,これについてのお考えをお聞きして,私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○永田雅紀 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       森畠議員からの御質問にお答えします。  耕作放棄地対策についての御質問がございました。  本市において中山間地は豊かな自然を育み,歴史や伝統を引き継ぎ,人々に安らぎと心の豊かさを与える重要なエリアであります。その中で,田や畑などの農地は森林とともに中山間地において最も大切な地域資源であり,食料の安定供給の基盤だけではなく,自然環境の保全,水源の涵養,生物多様性の保全など,多面的な機能を有しております。  しかしながら,近年,農家や集落により長年守られてきた農地が,農業者の高齢化や担い手不足等によって耕作放棄地となっており,この対策が急務となっております。  こうした中,国においては農業生産条件が不利な傾斜地域で耕作を行う集落に補助を行う制度などを設けています。本市でもこの制度を活用しているところでありますが,耕作放棄地対策において最も重要なことは,今後農地を持続的に耕作してもらう担い手育成であり,本市ではさまざまな担い手育成に取り組んでまいりました。とりわけ“ひろしま活力農業”経営者育成事業で育成した若い新規就農者は,農業だけで生計が維持できるだけの所得を安定的に確保できていることから,地域に定着して農地の維持管理を適正に行っております。さらに,新規就農者の多くは経営規模を拡大するために耕作放棄地となるおそれのある優良農地をみずからが追加して借りております。このように,この事業は地域の重要な担い手を育成し,耕作放棄地の発生を未然に防止しています。  一方,本市内にはまとまった優良農地が確保できないなど,この事業を実施できない地域も多く存在しており,耕作放棄地の拡大が懸念されています。今後はこうした地域においても,担い手を育成していくことが喫緊の課題であると考えています。  このため,農地だけでなく,森林など他の地域資源を活用する,あるいは農業に加え,いわゆる6次産業に取り組むなど,複合的な経営によって必要な所得を確保するという地域特性に合った新たな視点での担い手づくりに取り組んでまいりたいと考えております。今後,農業委員会や地域の方々と意見交換しながら検討いたします。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○永田雅紀 議長       健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   がん対策としまして,子宮頸がん予防ワクチンにつきまして,国に対して安心して接種を受けられる環境を整備するよう,強く求めるべきであると思うがどうかというお尋ねがございました。  子宮頸がん予防ワクチンの接種につきましては,全国的にワクチンとの因果関係が否定できない持続的な疼痛が接種後に特異的に生じた事例が発生しましたことから,国の勧告に基づきまして,平成25年6月から接種勧奨は行っておりません。  国におきましては,副反応があったと報告された患者の追跡調査や副反応に係る診療及び相談体制の整備を行っているところでございますけども,いまだ接種勧奨の再開には至っておりません。  本市といたしましては,若い世代の女性の子宮頸がん予防のために有効であると考えられる当該ワクチンを,市民の方々に安心して接種していただく必要があると考えております。このため,ことしの7月に国に対して科学的根拠に基づいた検討を行い,国民に対して適切な情報を提供するとともに,今後の取り扱いについてできる限り早期に結論が得られるよう,大都市衛生主管局長会から要望を行ったところでありまして,今後も強く働きかけてまいります。  次に,薬物乱用防止対策としまして,全国の危険ドラッグの摘発件数が1年で5倍になったと,こういった事態を広島市としてどう受けとめているのか,また,今後より一層の指導,対策の強化を願うところだがどうかという御質問でございます。  危険ドラッグや覚醒剤等の薬物乱用は,それを使用した者に重大な健康被害をもたらすほか,使用者による犯罪や交通事故の発生など,市民生活の安全や安心を脅かす深刻な社会問題と認識をしております。  ことしの上半期におきまして,全国の危険ドラッグの摘発件数が昨年の5倍となっている,このことにつきましては,昨年4月1日に改正薬事法が施行されまして,新たに指定薬物の所持・使用につきましても検挙対象となり,取り締まりが強化されたことが考えられます。この薬物乱用対策につきましては,法に基づく規制の強化,指導が重要と認識をしております。今後とも危険ドラッグ等の取り締まり権限を有する広島県や広島県警と十分に連携を図りながら,薬物乱用防止対策をより一層推進をしてまいります。  次に,覚醒剤等の恐ろしさについての教育・啓発について,広島市ではどのような取り組みをしているのか。また,依存症患者を治療,回復させることは再犯の防止につながると思うが,その現状や今後の取り組みはどうかというお尋ねでございます。  薬物乱用防止のための教育・啓発につきましては,「ダメ。ゼッタイ。」普及運動や麻薬・覚醒剤乱用防止運動などを広島県や県市薬剤師会等と連携して実施し,商店街やマツダスタジアムでの街頭キャンペーンを行うとともに,公民館等への啓発用パンフレットの配布等を行っております。  また,区保健センター等におきまして,市民を対象とした講演会を実施をしております。最近の取り組みといたしましては,ことしの2月に庁内関係課で構成します広島市薬物乱用対策ネットワーク会議を設置しまして,庁内の薬物乱用防止対策に係る情報の共有や効果的な啓発を行うとともに,本年7月には市内の飲食店や理美容所等の生活衛生関連施設,約2,000施設に,薬物乱用防止を目的としたポスターの掲示依頼を行いまして,市民啓発の強化を図ったところでございます。  また,学校におきましては,児童生徒や保護者を対象としまして,学校薬剤師や学校医,警察などの専門家による薬物乱用防止教室を開催するなど,学校,家庭,地域が連携した啓発活動にも取り組んでおります。  次に,依存症患者の治療,回復,再発防止につきましては,精神科医師や保健師等が薬物に関する相談に応じまして,必要に応じて専門の医療機関や自助グループ等につなぐことで,依存症からの回復を支援をいたしております。  今後も市民の安全・安心の確保のため,関係機関等と緊密な連携を図りながら,危険ドラッグを含む覚醒剤等の薬物乱用防止と回復の支援に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       都市整備局長。 ◎宮原慎 都市整備局長    健康づくりのための公園施設整備について,高齢者も利用することのできる健康器具の公園への設置を進めてはどうかという御質問についてお答えをいたします。  本市では,平成23年1月に策定をした広島市緑の基本計画の施策の一つとして,健康づくりや多様な人々の交流に役立つ公園緑地の整備を掲げております。また,広島市健康づくり計画「元気じゃけんひろしま21」の第2次においても,緑の基本計画を関連計画として,公園等への健康器具等の設置を主な事業に位置づけているところです。  これらの施策,事業に基づき,高齢者を含め市民の健康づくりや余暇活動など,さまざまな活動を気軽に行うことができるよう,公園緑地に健康の維持,回復のための施設の設置を進めております。現在,中区の千田公園や河岸緑地など,56カ所の公園緑地において背伸ばしベンチやぶら下がりなどの健康器具を156基設置しております。  今後とも公園の新設や公園施設の改修の際に,地元の意向を伺いながら健康器具の設置に努めるとともに,ホームページへの掲載や関係部局と連携した取り組みなどにより,健康器具の利用促進を図りたいと考えております。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       8番森畠議員。 ◆8番(森畠秀治議員) 健康器具の設置に関しましては,推し進めていただいているということで非常にありがたいと思うわけですけれども,今現在56カ所ですか,56カ所といいますと市内にどれだけの何百公園があるかわかりませんけれども,まだまだ普及にはほど遠い数だと思うわけです。ですから,これからもしっかりと推し進めていただきたいと思います。  皆さんもよく御存じだろうと思いますけれども,今の公園というのは昔のように子供さんがたくさん遊ぶといったような公園ではありません。  といいますのも,近隣からいろいろな苦情が出まして,それをそのまま禁止事項にするわけですから,制約が余りにも多過ぎて,子供がおおらかに遊ぶことができないといった,そういった公園ですね。そうした中で,現在高齢者が多いものですから,高齢者の方はたくさんその公園のベンチに座ったりして遊んでいらっしゃいます,くつろいでいらっしゃいます。ですが,そうした高齢者の方に滑り台を滑ってくださいとか,あるいはブランコをこいでくださいとかいうわけにはいきませんから,せっかくですからそういうところに健康器具をしっかりと,しかも特定の地域に固めるのではなく,市内にバランスよく設置をしていただいて,皆さんにもその健康器具を使っていただいて,そして健康年齢をふやしていただくということが非常に大事だろうと思います。そして,その健康器具の使い方がよくわからないという方もいらっしゃいますんで,公園の入り口でもどこでも構いませんけれども,そうしたところに使い方,使用方法というものを設置して,そしてわかりやすく,誰でも使用できるようにするというふうな親切も必要じゃないかというふうに思います。ホームページで幾らそれをされましても,そういった健康器具を使われる方はホームページを見られはしませんから。  それと,そのほかの質問についてですが,これは今,私がその一つ一つを取り上げてお話をすれば,それぞれに思うことはありますけれども,これは今,日本の国内の中で大きく取り上げられている問題を取り上げて質問させていただきました。そのつもりでおります。ですが,これも対岸の火事ではなく,広島市にとりましても非常に差し迫った問題だろうというふうに思うわけです。  耕作放棄地にしましても,全国ワーストスリーですね。不健康な期間,これは全国で最下位です。また,薬物に関しましても毎月のように摘発されています。そして,広島にしかないような,そういった特殊なドラッグも蔓延しているわけですね。また,がんにつきましては,本人がかわいそうなのは,これは言うに及ばず,その残された遺族の悲しみというのは,これは筆舌には尽くしがたい,そういったものがあります。ぜひ早期にこういったものに対して後手後手にならずに,時期を失することのないように,早いうちに取り組みをしていただきたいということをお願いしまして,私からの質問を終わります。 ○永田雅紀 議長       次に,31番今田良治議員。                〔31番今田良治議員登壇〕(拍手) ◆31番(今田良治議員) 広島市議会自民党の今田良治です。会派を代表しまして質問をさせていただきます。  まず初めに,災害対策についてお聞きします。  早いもので,昨年8月20日の豪雨災害から1年が過ぎました。思い出してみますと,当日まさに滝のような豪雨,地を揺るがす落雷,闇を切り裂くような稲光で寝ることができず,どうなることかと不安な気持ちでベッドに座っておりました。すると,部屋に敷いてあるじゅうたんがぬれてきたので,雨漏りをしたんかなと天井を見上げましたが何ともありませんでした。外を見ると,家と畑の間を泥水が勢いよく流れておりました。帰省していた息子を慌てて起こし,車の準備をして家を出ましたが,国道に出るまでに土砂崩れがあり,道路の土砂を取り除きながらやっとのことで国道まで出ることができました。車からおりて土砂撤去をしているときに,段々畑から流れてくる勢いのある水が容赦なく体に当たり,膝ががくがく震えたのを思い出します。道路も至るところで川のようになっており,軽自動車が浮いているのが見えました。  夜が明けるにつれて被害の大きさがわかってきました。至るところで山肌がむき出しになり,崩れた土砂が川を埋め道路を塞いでおりました。昼を過ぎ,4時ごろ恐る恐る家に帰ってみますと,まず家が残っていることに安堵しましたが,裏に回ってみると土砂と流木が家にもたれかかり,大きな2本の木が家に突き刺さっておりました。もちろん家の土壁は落ち,サッシの窓枠はなくなっていましたが,台所と風呂と,そして1部屋が無事で,被災した部屋の畳や敷いてある板を剥がしても日々の生活はできそうだったので,親子で喜び合いました。  今回崩れた裏山の沢は,地域の歴史をさかのぼってみても,この200年は災害のなかったところです。野生のワサビが青々と自生し,そこにたくさんのサワガニが集まり,また,生活用水も谷水を引いて代々生活をしてきました。何年か前,県から調査を委託された業者から,ここは土砂災害の危険箇所と言われ,そのときは実感が湧きませんでしたが,今思えば,そのために心の準備があったのかと感謝しております。  私自身,このような体験をしたわけですが,これまでに経験したことのないような豪雨であり,大きな被害が出ました。被災地では現在,国,県,市が連携し,復旧・復興に懸命に取り組んでいただいております。このことに,まずは感謝を申し上げたいと思います。  そのような中,砂防ダムの建設のおくれや工事の入札不調などにより,なかなか進んでいない箇所があるように見受けられます。8月15日に,国,県の緊急工事が8カ所で未着手,復旧工事では2件で入札断念という新聞報道がありました。復旧工事については先月の末に随意契約により業者が決まったということですので,ひとまず安心しましたが,砂防ダムや治山ダム,急傾斜地対策の緊急工事について,現在の状況と,着工できないものがあれば,その理由を教えてください。  復旧・復興には地元の協力も必要です,不可欠です。地元の皆さんも河川の拡幅のために用地を提供するなど,地域の安全のためにと協力されています。地元と行政が連携し,一日も早い復旧・復興が望まれているところですが,本市が行う河川の復旧工事の発注も入札不調で進んでいないということが報道されました。既に被災後1年が経過し,壊れたままの河川が放置されているような状況では,地域の方々の心配は消えません。  そこで伺いますが,市が行う河川の災害復旧工事の進捗状況と今後の見通しを教えてください。  次に,具体的な場所についてお聞きしますが,新聞で報道された可部東地区の新建川の復旧工事は何回入札しても落札者がいないと新聞で報道されました。このたび5回目の入札を行ったと聞いています。なぜこのように何度も落札されなかったかについて,どのように考えているのかお聞きします。  ところで,先週,関東地方を襲った豪雨により,茨城県の鬼怒川の堤防が決壊して,広島市のデルタ地区が全て浸水したような大きな被害がありました。テレビで放映される光景は大変恐ろしいものでした。被災地の皆様が一日も早くもとの生活を取り戻せるように祈るばかりです。このようなことは,太田川沿いに市街地が広がる広島でも想定しておかなければなりません。  平成17年の台風により,太田川の上流から中流にかけて,各地で浸水被害があり,国においては安芸太田町から安佐北区の柳瀬までの間で浸水対策事業を行いました。今後心配されるのは,柳瀬地区から下流です。太田川の堤防が決壊するようなことがあれば,可部地区の市街地の広い範囲が浸水してしまいます。可部地区の柳瀬から下流の堤防のかさ上げなど,浸水対策の予定はどうなっているのか,お聞かせください。  次に,先月末に台風15号が接近した際は,昨年の土砂災害での反省を生かして,新たな避難対策のもとで多くの地域で避難指示,避難勧告,避難準備情報が出されました。一部地域で,避難場所の開設が間に合わなかったなどの問題があったようです。結局,大きな被害もなく大事に至りませんでしたが,早急な対策をお願いしておきます。  また,避難勧告等が,いわゆる空振りを恐れずに出されるようになっています。これは命を守る上では大切なことだと思いますが,これから年月がたつにつれて昨年の豪雨災害が過去のことになってしまうと,避難勧告ならまだ大丈夫という意識が住民に働いてしまうことが危惧されます。行政に頼るだけでなく,我々も避難勧告等が早い段階で出されているその意味を語り継いでいくことも重要だと強く感じているところです。  一方で,いざというときに慌てることなく速やかに適切な避難行動がとれるよう,住民自身が日ごろから危険な場所を確認しておくことや,行政と地域が連携し,避難訓練を実施することなどのソフト面での災害への備えが重要だと思いますが,市の取り組みについてお尋ねします。  私たちが暮らすまちは自然に恵まれた地域だからこそ,一方で自然と闘いながらも,一方では自然に感謝するという裏腹な関係で生きています。自然に恵まれているからこそ自然の脅威もあります。花々と野鳥の声に包まれ,ことしの真夏には谷川の冷たい流れに両足を浸し,この水は人間に初めて触れる水なんだなと感激し,最近は夜空の星や月を眺めながら,虫たちの鳴き声を聞いております。そして,冬には薪で風呂を沸かし,温かいお湯に浸ります。絵になる風景を見渡しながら,四季の自然の変化を感じながら,田舎暮らしを楽しんでおります。私はそのような地域に住んでいることを誇りに感じ,ここに住み続けたいと考えております。被災地では多くの方々が,そのような気持ちを持たれていると思います。安全・安心な生活が実感できるよう,一日でも早い復旧・復興をお願いしておきます。  次に,安佐市民病院の建てかえについてお尋ねします。  昭和55年に建てられた安佐市民病院の南館は,耐震性の問題があるだけでなく,築後35年が経過し,老朽化,狭隘化の問題もあります。建てかえを目の前にして,建物の補修にそうそうお金をかけられません。  そうした中,先日も待合室に雨漏りがしたという話を聞きました。また,診療科の増設や新しい医療機器の導入などで建物の中が狭くなっており,これ以上新しい医療機器が導入できないという話も聞きます。一日も早い建てかえが望まれますが,昨年の2月議会で荒下地区への全面移転建てかえ案が否決されてから1年半がたちました。早く建てかえを進めてほしいと多くの住民,病院職員が願っています。その思いに我々議会も応えなければなりません。これ以上時間をかけるわけにはいかないのです。  議会で否決されてから今日に至るまでの間に,可部地区では市に対し,一つ,JR可部線の延伸と安佐市民病院の建てかえを契機とするまちづくりの提言,二つ,安佐市民病院の防災拠点性の強化を含めた災害に強いまちづくりに向けた追加提言,三つ,移転した場合の跡地活用策についての提言と数次にわたる提言を行ってきました。  可部地区では,各学区の会長や役員がメンバーとなっている可部地域町内会自治会連絡協議会でまちづくりを真剣に議論してきています。毎月1回程度メンバーが定期的に集まって,可部のまちづくりについて意見交換をしてきました。これまで可部駅西口広場の整備やJR可部線の電化延伸にも直接,間接にかかわってきており,可部のまちづくりに大きな実績を残してきました。今回の3回にわたる提言も,こうしたまちづくりにかかわる経験とノウハウがあったからこそできたものです。  災害復興などで忙しい中で,時間を割いてこうした活動をされてきたのは,ひとえに停滞している安佐市民病院の建てかえの議論を動かそうという強い思いからであると私は考えています。こうした地元の皆さんの努力を,市も市議会も最大限尊重すべきではないでしょうか。  このたび,市長さんは不退転の決意を持って新しい建てかえ方針を議会に諮られました。私は,平成25年度に当時の病院事業局が2度にわたって安佐北区の各地域を回り,都合24カ所で行った地元説明会に全て出席しました。そして今回,8月29日に市長さんが出向かれた説明会にも出席しました。驚きました。病院事業局の説明会では,激しい口調で現地建てかえを求める住民の方が多数おられました。怒号が飛び交った地区もありました。しかし,今回の説明会では移転建てかえを望まれる方も,現地建てかえを望まれる方もみずからの考えを冷静に発言されていました。市長御自身も,大変丁寧にわかりやすく説明をされました。物事を決める場合には,必ず賛否があります。それを主張し合い,そして相手の主張も十分踏まえた上で判断をしていく,まさにそうした民主主義の原点とも言える,住民,行政が真摯に向き合った意味のある説明会だったと考えております。  説明会では,これまで現地建てかえ一辺倒だった白木地区の住民の方から,建てかえ場所は行政で決めればよいという意見が出されました。また,高陽地区からも現地建てかえを望まれる意見だけでなく,主要な医療機能を荒下地区に移転するという市長さんの方針に賛同する意見も出されました。  8月29日に地元で新ビジョン発表という,市長が投げたボールを一昨日の15日に地元がしっかりと返球してくれました。対話の成立です。地元との両輪関係は,一つの到達点に至りました。私はこうした状況から,高陽,白木,安佐,可部地区の自治連の会長さんたちが,市長さんが示された新たな方針による病院の早期建てかえを望む宣言をされたことからも,平成26年2月議会での地元合意が不十分という指摘は解消されたものと考えております。  まず,この点について,説明会にみずから出向かれた市長さんがどう受けとめられているのかお伺いします。  また,今後さらに説明会を開催すべきではないかという声があります。しかし,先ほど申し上げたように,多くの地域住民は市長さんが示された方針で,安佐市民病院の建てかえを進めてほしいと考えているのです。そうであれば,今後必要なことは,市長さんも言われているとおり,具体化に当たって地域住民の意見を聞くことであると思います。したがって,私としては,このたびの医療機能の分化という方針に対する説明会を重ねて開催する必要はないと考えていますが,御見解をお伺いします。  次に,医療機能の分化という方針についてお尋ねします。  この方針に対しては,地元では私が知る限りでは,総じて住民の意見を酌むものであると評価されていると受けとめており,その上で何点かのお尋ねをします。
     まず確認ですが,機能分化案はどのような狙いがあるのでしょうか。また,機能分化することよる医療面での効果についてお答えください。  次に,現在の北館を活用して整備する日常的な医療機能についてお尋ねします。  北館に整備する日常的な医療機能には,包括ケア病床を整備するとのことです。緩和ケア病床は,例えば荒下地区に整備する高度急性期の病院で手術をされた患者さんが,転院してリハビリをしながら手術の後の治療を続けられ,在宅に戻られる準備をするベッドです。高齢化が進み,2人に1人ががんにかかると言われており,がんなどの手術をされる高齢者がふえる中で,国は医療制度改革において高度急性期病院のベッドの回転を高めるため,入院期間の短縮を図るとしています。  今でも,退院できなかったり転院先の病院が見つからなかったりして困っている患者さんが多くいます。現在の安佐市民病院にもそうした患者さんがおられ,本当は在宅復帰したり次の病院に転院したりするはずの患者さんが,やむを得ず入院を続けられていると聞いています。そうした患者さんの受け皿として,包括ケア病床は医療資源の少ない安佐北区において必要な機能と考えます。  そこでお尋ねしますが,日常的な医療機能についてはどのような機能を北館に整備しようとしているのでしょうか。日常的な医療機能には,可部夜間急病センターを併設するとのことです。同じ場所に初期医療機能を集約し,医療機器などを共同利用できるようにすること,経過観察が必要な患者さんを一時的に入院させることができるようにすることは大きなメリットと考えますので,ぜひ実現していただきたいと思います。  そこで,もう一歩踏み込んだ提案をしたいと思います。今後の検討ということになるでしょうから,御答弁は要りません。夜間急病センターは午後7時30分から診療を始めますので,日常的な医療機関の診療時間を午後7時30分までにすると,それぞれの診療時間を連続させることができます。夜間急病センターの診療が終わる午後11時までは,何かあれば現在の北館に行けばよいということになり,地域住民にとってとても使い勝手のよい医療機関になると思います。ぜひ御検討をいただきたいと思います。  日常的な医療機能は,入院・外来機能のほかに高齢者等の在宅医療支援機能を整備する可能性があるとされています。高齢化が進む中で,医療制度は在宅医療を重視する方向に変わってきています。高齢者が病気を抱えながらも,かかりつけ医の診療を受けながら在宅生活を続けていくためにはさまざまな環境づくりが必要になります。  そこでお尋ねしますが,この在宅医療支援機能はどのような内容を考えているのでしょうか,お答えください。  また,医療・介護・福祉の担い手の育成機能の整備も可能性があるとされています。医療・介護・福祉の担い手の確保は喫緊の課題であり,ぜひとも進めていただきたいと考えています。また,そうした機能ができれば,北館を利用する人がふえ,付近の商店にとっても喜ばしいことだと思います。  そこで提案をさせていただきます。安佐医師会が祇園出張所の一部を借りて,2学年制の90名定員の准看護学院を運営しています。出張所建物は老朽化しており,建てかえる場合には出張所として必要な延べ床面積の建物しか建てられないため,准看護学院が目的外使用できなくなることが考えられます。ぜひ,この担い手の育成機能の候補として,この安佐医師会の准看護学院の移設を考えていただきたいと思いますが,御見解をお伺いします。  医療機能の分化により,端的に言えば病院が二つになります。病院が二つになることによる経営の悪影響を心配する声が議員の中にあります。経営が成り立たないことを提案されていることは考えにくいのですが,医療機能の分化による経営への影響はどのように考えているのか,お答えください。  荒下地区へのバス便,道路等のアクセス等の対応についてお尋ねします。  バスやJRは便数が多い少ないではなく,確実にそれらを使って通院できること,直結していることが大切であると考えます。とはいえ,バス便が減少することは間違いありません。高陽地区,安佐地区は,バス事業者が荒下地区の病院を経由する路線バスを走らせたり,病院が独自にバスを走らせたりしますので,バスによる通院の利便性は確保できると思います。しかし,白木地区については主にバス事業者が走らせる荒下地区の病院を経由するバス路線のみの対応となります。  そこで提案します。バスのダイヤに合わせて白木地区の通院患者の予約枠を設けて,申し込みがあった際に優先的に予約を入れるということはできないでしょうか。こうすることで,白木地区の方は限られたバス便でも,それを上手に使って通院できるようになると思います。予約を工夫すれば実現できるのではないかと考えますが,見解をお伺いします。  また,現在大部分の方は自家用車で通院されています。荒下地区のアクセス道路については,先日の説明会で市長さんからも説明がありましたが,それぞれの道路の完成時期も含めて,改めて計画内容をお答えいただきたいと思います。  次に,現在の安佐市民病院の敷地の活用策についてお尋ねします。  北館を活用した日常的な医療機能の整備は大変歓迎すべきものですが,現在の敷地は約3ヘクタールあり,医療機能のほかにも活用は可能です。この地域は病院移転後においても今と同じようににぎわいがあり,多くの人が行き交うまちであり続けなければなりません。可部地区の住民からは医療機能のほかに民間商業施設と公共施設の複合施設や,看護系,医療技術系の学部を持つ学校を要望する提言が出されています。市は今後,現病院の移転後の跡地についてどのように活用していくのか,また,いつまでに方針を整理するのか,お聞かせください。  さらに,先日の説明会では,安佐北区の白木,高陽,安佐の各地区のまちづくりについても市長から丁寧な説明があり,今後は地元の提案を尊重し,可能な限り対応するという力強い話を伺いました。安佐地区は人口減少が既に始まっており,過疎化の著しい地域も少なくありません。それにもかかわらず,道路整備もまだ不十分な箇所も多いことから,住民の間で将来を不安視する声が上がっています。今後,市として,白木,高陽,安佐地区のまちづくりをどう進めていくのかお答えください。  最後に,当局に答弁を求めることではありませんが,現在の安佐市民病院の場所について誤った話が広まっていますので,その点を明らかにしておきたいと思います。  誤った話とは何かと申しますと,現在の病院の場所は広島市と合併する前の可部町,安古市町,佐東町,高陽町,祇園町の5町で決めたもので,さらに将来にわたって病院はほかの場所に移さないという約束があったという,この話です。  私の父は,議員時代に日々の出来事を克明に記録しておりました。私は,この記録をつぶさに見直しました。父の性格からして,仮にそうした話があったのであれば必ず記録しているはずです。しかし,記録にはそうした記述は一切ありませんでした。  そこで,私なりにいろいろ調べてみました。旧5町は,当時安佐市民病院を建設するために昭和47年1月に一部事務組合の安佐地区病院組合を立ち上げています。この組合への参画を審議した安古市町議会の,昭和46年12月定例会の議事録を御紹介します。町長さんの発言です。一つ,可部町を除いてはどこの町も適当な土地がないため,祇園町,高陽町はおりられた。一つ,佐東町,安古市町でよい場所はないかということでしたが,ゆっくり時間をかければ探せないことはないと思われるが,急に1万坪の土地を確保することは私自身も自信がないので,勇ましく立候補できなかった。一つ,可部町内に病院を建てた場合,用地費,病院の建設費,赤字が出た場合の維持費を可部町は引き受けるという一筆を書くことになっている。一つ,可部の中心部より上に決定しないようにという話が出ており,可部町もそのつもりであるとの回答があったとの記述があります。  同じく,祇園町の昭和46年12月の定例会の議事録では,町長さんの発言として,一つ,病院の建設場所が可部であろうと佐東町であろうと,時間にすれば5分か10分ぐらいしか違わない,時間的な問題の差しかないので,経費は可部町に全部持っていただき,祇園町は利用したほうがよい。一つ,建設用地はなるべく南のほうに物色してもらいたいという希望を言ったとの記述があります。  病院の建設場所は組合の建設委員会で話し合われています。当時,第1候補地,これはJR中島駅から南に870メートル離れた場所で,太田川と根谷川の合流部に近いところですが,可部町は町議会の承認を得て,この第1候補地の取得交渉を行っていました。  昭和47年の3月15日の委員会の議事録によりますと,この第1候補地の取得が困難になったことから,病院予定地を第2候補地だった現在の病院の場所に変更することが話し合われています。委員会では,第2候補地は可部町議会の承認を得ていないこと,可部地区の医師会が第1候補地を強く推していたことから,病院予定地の変更に難色を示す意見もありました。しかし,とにかく病院が建設できるようにすることが先だということで,病院予定地を現在の場所に変更することは決定されました。そして,可部町議会の手続をどうされたのかはわかりませんが,その翌日には,既に広島県に提出していた病院開設許可申請における病院建設予定地の変更手続が行われています。このように,安佐市民病院の場所は可部町が主として決定したものであり,旧5町が現在の場所を前提にして病院建設に合意したというものではありません。  可部町と広島市との合併建設計画の記述を紹介します。昭和47年2月に取り交わされた広島市・可部町合併建設計画書の20ページには,こう記載してあります。安佐市民病院については,地区住民の保健指導及び疾病に対する診療等を行うため,総合病院の地区内設置について,いいですか,地区内ですよ,地区内設置について努力すると,こういうふうに書かれております。病院の建設ですら努力すると書かれているだけで,場所の記述は全くありません。ましてや,将来にわたって移転しないといった話はどこにも出てこないのです。安佐市民病院の建設について,合併建設計画に記述があるのは可部町だけです。その他の町との合併建設計画に安佐市民病院の建設に関する記述がないのは,こうした経緯があるからだと考えております。根拠のないうそ八百の作り話は,もうこれで終わりにしましょう。  以上で安佐市民病院に関する質問は終わりますが,先日の説明会の場で地元の住民の方が,市長はさきの選挙で圧倒的多数の得票数で市民の信任を得た,自信を持って市政を進めてほしいと発言されていました。私も全く同感です。市長さんが提案された医療機能の分化整備という方針は,これまで出された安佐北区民の思いを丁寧に酌み取った上で判断されたものであり,安佐北区選出議員として高く評価しています。市長さんはベストな案と言われました,私もそう思います。ぜひこの方針のもとに,具体的な計画を練られ,速やかに安佐市民病院の建てかえを進めていただきたいということを申し上げて,私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○永田雅紀 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       今田議員の御質問にお答えします。  安佐市民病院の建てかえのうち,地元説明会の受けとめ,医療機能分化の狙い,効果についての御質問がございました。  私は説明会において,安佐北区が広島市の8区の中で唯一,消滅可能性都市とされたことは,これまでの本市の安佐北区のまちづくりが前提とされてなったものであると考えられることから,このような将来予測を打ち破る取り組みこそが求められるとの認識を申し上げました。  また,安佐市民病院の建てかえの議論の過程で,まちづくりがおくれていることが明らかとなった高陽,白木,安佐地区については,現在行ってきているまちづくりの取り組みを引き続きしっかり進めていくことによって,各地区の皆さんの要請に応えていく覚悟であることを説明いたしました。  安佐市民病院の建てかえについては,可部自治連から提出されたまちづくりの提言,現地建てかえを望まれる住民の方からいただいた意見の双方を比較しながら,現時点では建てかえ場所としては荒下地区が優位であると考えていることを説明いたしました。  その後,会場の皆さんから御意見を伺いました。まちづくりを求める意見もある中,病院の建てかえに関しては全体としては荒下地区に移転して,高度急性期医療を充実してほしいという意見が多かったと受けとめました。しかし,病院が移転すると,遠くなるので不安であるという強い意見もありました。こうした意見を聞いて,私はこれまでの荒下地区への全面移転の方針を撤回すると申し上げました。そして,それぞれの意見を生かせる方法,すなわち今回の方針である高度急性期医療など,主要な機能は荒下地区に整備し,日常的な医療を現在地の北館に整備してはどうかと考え,この医療機能分化という方針のもとに建てかえの検討を進めたいということを申し上げたところです。  全面移転方針を打ち出した当時は,本市が安佐市民病院の運営主体でありました。しかし,今は平成26年に設立した広島市立病院機構が運営主体となっておりますので,市長としては運営方針を示すということを行いました。機構のほうでは,この方針を受けて理事会を開き,市の方針に沿った新たな建てかえ計画を決めて,市に中期計画の変更を申し出ているところであります。  医療機能の分化の狙いは,高度急性期医療機能の強化,災害に強い病院の整備,病院跡地への日常的な医療機能の整備を実現すること,移転により病院が遠くなることに対する高陽,白木地区の住民の不安を解消することであります。  医療面の効果としては,現在地では地域包括ケアシステムの実現に資する機能を確保できるようになり,荒下地区では高度急性期医療に特化することができるようになります。また,国の医療制度改革の方針に沿った取り組みを進めることにもなります。  医療機能の分化の方針については,この15日に安佐北区の4地区の自治会長さんが現在地建てかえを望む区民の心情を考慮したものとして高く評価するとの宣言をされ,この方針により早期に病院の建てかえを進めるよう,議長さんに要請されました。  こうしたことから,今回私が提案した医療機能分化の方針は,安佐北区民の声に沿うものであり,広く御理解をいただけるものと考えております。  今後は,具体的な検討については機構で行うことになります。この検討に当たっては,適宜,区民の皆さんの意見をお聞きすることになっておりますので,医療機能等の具体的な内容についても,そうした過程を通じて地域住民の皆さんの理解が得られるものにしていきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長からお答えいたします。 ○永田雅紀 議長       企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   安佐市民病院の建てかえについて,2点の御質問にお答えさせていただきます。  移転後の跡地についてどのように活用していくのか,また,いつまでに方針を整理するのかという御質問がございました。  安佐市民病院の現在の北館については,今後,広島市立病院機構及び本市において,おおむね1年間を目途に地元との対話を重ねながら,具体的な検討を進めることにしております。その他の敷地の利用については,それと並行して可部地域町内会自治会連絡協議会からの提案である民間商業施設と公共施設の複合施設,看護系,医療技術系の学部を持つ学校などの整備について検討を進めることにしております。  次に,白木,高陽,安佐地区のまちづくりは今後どう進めていくのかという御質問がございました。  安佐北区は,昨年5月に日本創成会議が発表した人口推計において,市内8区の中で唯一,消滅可能性都市とされております。こうした将来予測を打ち破るためには,安佐北区のまちづくりを着実に進めていかなければならないと考えております。  そのためには,まちづくり懇談会を今後も継続して開催し,住民と対話を重ねることによって,地区住民と市とが共有できるまちづくりのビジョンをつくり上げていくことが大切であると考えております。市としては,地元からの提案をしっかりと受けとめた上で,緊急性,有効性等の観点から,企画総務局が中心となって区役所や事業所管局等との間で調整し,着実に事業展開を図っていきたいと考えております。  また,こうした取り組みを進めるため,市内部での連携体制を確立するとともに,予算編成スケジュールも踏まえ,まちづくり懇談会を計画的に開催していきたいとも考えております。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   安佐市民病院の建てかえに関する御質問に,順次お答えをいたします。  まず,多くの地域住民は市長が示した方針で建てかえを進めてほしいとの意見であり,この方針に対する説明会をさらに開催する必要はないと考えるが,見解はどうかという御質問がございました。  今回,地域にお示しした方針につきましては,これまでいただいた地域住民の皆様の御意見を踏まえたものであり,今後,広島市立病院機構におきまして,地域住民の皆さんの御意見を伺いながら具体的な内容を詰めていくべき性格のものになっております。  しかし,これまでの間に機能分化後の北館の運営についてどのようにするのかといった意見もあったことから,機構における現時点での検討状況なども加味した上で,追加説明することはあってもよいのではないかというふうに考えております。  次に,日常的な医療機能についてはどのような機能を現在の北館に整備しようとしているのかというお尋ねでございます。  医療に係る具体的な内容につきましては,広島市立病院機構において今後具体的に検討が行われることになります。現時点の機構の考え方につきまして,御答弁を申し上げたいと思います。以下,医療内容に係る答弁につきましても同様でございます。  まず,入院機能としましては,地域包括ケア病床を57床程度整備し,地域包括ケアシステムの核とすることを考えております。これにより,容態が悪化した在宅療養者や急性期医療を終えた後の在宅復帰訓練が必要な患者を受け入れることができるようになります。また,20床程度の緩和ケア病床をあわせて整備します。これによりまして,主にがん患者の闘病生活を支援することができるようになります。  さらに,治療機能としまして,3室程度の診察室及び処置室,検査室等を整備し,かかりつけ医と連携しつつ,在宅医療を行っている患者や回復期の患者などの高齢者等が日常的に受診できるようにします。これにより,現在地で完結的に治療を行うことができるようになります。  加えまして,可部夜間急病センターを併設することにより,北館の治療・入院機能と連携した初期救急医療サービスが提供できるようになります。  次に,北館に整備しようとしている高齢者等の在宅医療支援機能,これはどのような内容を考えているのかというお尋ねでございます。  高齢者等の在宅医療支援機能につきましては,本市として検討することになるものですけども,現時点では北館の医療機能の整備にあわせて,医療・介護・福祉にかかわる機関や事業所が連携して,高齢者等の在宅医療を支えるサービスを提供する,いわゆる地域包括ケアシステム,この拠点となる機能を整備したいと考えております。  次に,老朽化をしている祇園出張所内にある安佐医師会の准看護学院を北館に移設することを提案するが,見解はどうかという御質問でございます。  現在の北館の延べ床面積は約1万平方メートルありますので,日常的な医療機能,健診センター,在宅医療支援機能を整備いたしましても,なお余裕があるのではないかと考えております。  現在の安佐医師会が運営しています准看護学院が祇園出張所で占用している面積は811平方メートルですので,床面積上は移設は可能ではないかと考えております。  また,看護学校と医療現場である病院との併設によりまして,看護学生の看護実習を円滑に行うことが可能となり,看護学生にとっても充実した看護教育を受けることができるようになります。今後,安佐医師会の意向も踏まえながら,検討してまいりたいと考えております。  次に,医療機能の分化による経営への影響,これをどのように考えているかとのお尋ねでございます。  荒下地区に全面移転する場合や,現在地で全面建てかえする場合に比べますと,まず現在地では北館を解体せず活用できるということ。それから,荒下地区では建設コストの低い低層建物とし,建てかえる建築物の面積も縮減することができること。こうしたことから,当面の整備費が縮減するものと考えております。  なお,今後,北館の老朽化によりまして建てかえが必要になった場合においても,運営者と市とが一体的に連携をとりながら,北館の日常的な医療機能等の運営が持続できるよう,所要の措置を講じます。  また,現在地と荒下地区で医療機能について役割分担を行うため,患者の症例重複がなく,効率的な医療提供が可能になることで安定した収益増が見込まれることから,分化整備による経営への悪影響はないと考えられます。  次に,白木地区につきましては,荒下地区を経由するバスが少ないため,バスのダイヤに合わせて白木地区の通院患者の予約枠を設けることはできないかとのお尋ねでございます。  荒下地区の主要な医療機関へのバスによるアクセスにつきましては,バス事業者が恒常的に多くの利用者が見込める荒下地区を経由する等,既存のバス路線の見直しを行うとともに,病院が独自に高陽地区,安佐地区と病院とを行き来するバスや,国道54号,国道191号を巡回するバスを走らせることにしております。  白木地区につきましては,バス事業者が既存のバス路線を荒下経由とする見直しを行うことにしておりますが,その本数は限られております。このため,議員御提案のとおり,バスのダイヤに合わせて外来診療の予約がとれるようにすれば,限られたバス便を上手に使って通院できるようになりますので,具体化に向けて広島市立病院機構とバス事業者がしっかり検討してもらうよう,対応してまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       道路交通局長。 ◎向井隆一 道路交通局長   荒下地区へのアクセス道路の完成時期を含めた計画内容についての御質問にお答えをいたします。  安佐市民病院の主要な医療機能を荒下地区に移転整備する場合は,荒下地区への利便性の向上や交通処理対策が必要となることから,東側,南側,北側の3方向からアクセスする道路を整備することとしております。  まず,東側からのアクセス道路となる一般県道宇津可部線については,広島北税務署付近から電化延伸終点駅付近までの延長約740メートルを幅員12メートルにする現道の拡幅整備を行っているところであり,平成29年春までの完成を目指しております。  なお,架けかえを計画しております灰川橋とその周辺につきましては,河川内の工事があり,実施期間に制約があるため,その完成は一,二年程度後になる予定でございます。  次に,南側からのアクセス道路となる太田川堤防道路については,延長約590メートル,幅員9メートルの堤防敷を利用した現道の拡幅整備を行う予定であり,安佐市民病院の主要な医療機能を荒下地区に移転整備するまでに整備を完了するよう,河川管理者と協議を進めることにしております。  さらに,北側からのアクセス道路となる市道安佐北3区128号線につきましては,狭隘な2カ所を幅員7メートルに拡幅するなどの整備を行う予定であり,安佐市民病院の主要な医療機能を荒下地区に移転整備するまでに整備を完了するよう,地権者との用地交渉を進めることにしております。  また,これら3方向からのアクセス道路に接続する道路として,復興事業である可部大毛寺線及びそれにつながる高陽可部線を被災後5年以内に整備するとともに,既に着手をしております可部バイパスの国道191号以南の4車線化が早期に図られるよう,国に強く要請をしてまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       危機管理担当局長。 ◎及川享 危機管理担当局長  災害対策についての御質問のうち,ソフト面での災害の備えが重要だと思うが,市の取り組みはどうかとの御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり,災害から市民の命を守るためには,行政が土砂災害警戒区域や浸水想定区域等の危険箇所の情報を市民に提供した上で,市民自身も自分たちが住んでいる地域にどのような危険箇所があるのかを認識することや,防災訓練の実施など,ソフト面での日ごろの備えが重要であると考えております。  安佐南区や安佐北区の被災地では,昨年の豪雨災害の教訓を踏まえ,日ごろの備えとして自主防災組織が主体となって,各区役所が危険箇所の情報を提供した上で,まち歩きや話し合いを行い,地域の避難路や危険箇所などを盛り込んだ町内会単位の防災マップづくりが進められております。  本市としましては,こうした被災地での取り組みを被災地のみならず全市域に広げていくことが重要と考え,今議会の補正予算として防災まちづくりの推進を図るための事業を円滑かつ効率的に行う広島市防災まちづくり基金の設置を提案させていただいております。その基金を活用しまして,自主防災組織を中心に,区役所や消防署と連携して取り組む防災マップの作成を支援してまいります。  また,こうした地域の取り組みを今後継続させていくためには,核となるリーダーの育成が必要でありますことから,防災に関する知識と技術を有する防災士の資格を地域の方に取得していただき,防災リーダーとして活動していただく取り組みもあわせて進めてまいります。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       経済観光局長。 ◎久保下雅史 経済観光局長  昨年8月20日の豪雨災害対応で,砂防ダムや治山ダム,急傾斜地対策の緊急事業について,現在の状況と着工できないものがあれば,その理由は何かとの御質問がありました。  私のほうから,国,県が緊急事業として実施しています治山ダム等の治山事業の整備状況についてお答えします。  治山事業には,谷筋である渓流に整備する治山ダムと,崩壊した山の斜面を整備する山腹工があります。こうした事業を国有林内は国が実施し,民有林内は広島県が実施しています。  治山事業の緊急工事は治山ダムが16カ所,山腹工が6カ所あり,内訳は,国が治山ダム7カ所,山腹工3カ所,県が治山ダム9カ所,山腹工3カ所となっています。これらの現在の状況ですが,まず国については工事完了が山腹工1カ所,工事中が治山ダム6カ所,山腹工2カ所となっており,未着工が西区三滝本町の治山ダム1カ所となっています。  次に,県ですが,工事完了が山腹工1カ所,工事中が治山ダム8カ所,山腹工2カ所となっており,未着工が安佐北区大林町の治山ダム1カ所となっています。  着工できない理由ですが,国の治山ダムについては地形が急な斜面であり,資材の運搬ルート確定に時間を要したこと,また,県の治山ダムについては土地の境界確定に時間を要していることであり,国,県とも年度内完成を目指し,引き続き取り組んでいくと聞いております。  以上でございます。
    ○永田雅紀 議長       下水道局長。 ◎新谷耕治 下水道局長    災害対策についての質問について4項目,答えさせていただきます。  最初に,国,県が緊急事業として実施しております砂防堰堤等の現在の整備状況等についてお答えいたします。  まず,国土交通省が行う砂防堰堤についてですが,緊急事業として実施する28渓流のうち,24渓流の工事発注を完了しております。このうち,進捗が最も早い安佐南区八木六丁目の別所川については,既に砂防堰堤本体のコンクリート打設を完了しております。また,工事発注を完了した24渓流のうち,8月15日時点で5渓流は未着工となっておりましたが,安佐南区緑井三丁目における岩谷川と八木町鳴沢については,本年8月末までに着工し,残る3渓流については用地取得が完了していないため未着工となっております。この3渓流については引き続き地権者の皆様に事業に対する御理解,御協力をいただけるよう丁寧に説明を行い,平成27年度末の完成を目指し,事業を推進していくと伺っております。  一方,県が行う砂防堰堤の整備については,緊急事業として実施する7渓流全ての工事発注を完了しており,本年7月には安佐北区可部町桐原の砂防堰堤が完成いたしました。  また,急傾斜地崩壊対策の緊急事業4カ所については,全て工事発注を完了しており,既にのり枠工などの工事が本格化しております。これらの施設についても,平成27年度末までに完成する予定と伺っております。  本市といたしましても,砂防堰堤等の整備は当地区の復興に欠かせない事業であると認識しており,一日も早く整備が進められるよう,国及び県と連携しながら積極的に事業に取り組んでまいります。  次に,市が行う河川復旧工事の進捗状況と今後の見通しについてでございます。  河川の災害復旧工事につきましては,43件の工事を予定しており,現時点でこのうち32件が契約済みとなっております。残る11件のうち入札不調となったことから,再度入札手続及び準備を行っているものが6件,隣接する施設の補強対策について地権者との協議に時間を要するものなど,直ちに発注することが困難なものが5件でございます。  被災施設の復旧は地域の皆様の安全・安心な暮らしを取り戻すために,最も基本的かつ重要な課題であり,速やかな復旧を図る必要があると認識しております。  甚大な被害をこうむった高谷川を除く残りの全ての工事を平成27年度末までに完成させるよう,事業実施する区役所と連携しながら積極的に取り組んでまいります。  次に,新建川の復旧工事が何度も落札されない理由についてでございます。  新建川は,可部東地区で最も被害が大きかった可部東六丁目の住宅地に接して流れる河川で,土石流により護岸が壊れるなど,約100メートルの区間に被害が及びました。  当該河川の復旧工事について,本年3月12日から7月9日までの間,計4回の入札を実施いたしましたが,区内の受注者は配置する技術者が不足していることや,作業員の確保が難しくなっている状況などから,いずれも入札不調となったものです。このため,受注者の対象を市内全域に拡大し,応札しやすいよう見直しを行い,9月9日に入札した結果,9月15日に落札者と契約を締結したところでございます。今後は早期復旧に努めてまいります。  最後に,柳瀬から下流の堤防のかさ上げなど,可部地区の浸水対策の予定はどうなっているかという御質問でございます。  平成19年3月に国土交通省が策定した太田川水系河川整備基本方針では,200年に1回起こる大雨として2日間の総雨量を396ミリと想定し,おおむね30年間に整備する内容として,平成23年5月策定の太田川水系河川整備計画において,柳瀬から可部南地先までの太田川左岸約5キロメートルの区間で,約1.6キロメートルの堤防整備及び約3.3キロメートルの河道掘削が計画されております。  荒下地区に病院が整備される場合には,それに合わせて堤防整備を終えていただくよう要望しており,これまでの国土交通省との協議においては,病院の建設場所が確定次第,区画整理事業に合わせた具体的な整備内容やスケジュールを詰めていくことになっております。  本市といたしましては,平成17年9月洪水に対する太田川中流部の治水対策が本年度末に完了する見込みであることに加え,このたびの鬼怒川で大きな浸水被害が発生したことを踏まえ,残る部分の河川整備の事業促進についても引き続き強く要望していきたいと考えております。  以上でございます。 ○永田雅紀 議長       31番今田議員。 ◆31番(今田良治議員) ありがとうございました。  災害対策につきましては,国も県も市も,日々懸命に取り組んでいただいておることはよくよく承知しておりますけども,やはり雨が降ると不安な気持ちにあるわけでございます。一日も早い復旧・復興をこの場でお願いをしておきます。  それともう一つは,避難訓練を含めて,防災マップですか,そういうものはぜひとも皆さんと一緒につくっていただいて,皆さんが理解しやすいようにしておいていただきたいなと思います。  私も避難訓練,何度もやりましたけども,実際に自分が遭うと体が動かなくなるといいますか,真っ暗闇の中で水がふくらはぎぐらいまであると,どのように水が流れておるかわからんわけですね。水道の水みたいに同じ量の水が流れてくるんであればそんなに不安はないと思いますけども,流れる量が変わるところに足を突っ込んだりしますと非常に不安になります。そういうことを含めまして,避難訓練でありますとか,先ほどいわれた防災マップはしっかりとつくっておいていただきたいと,このように思っております。  私が経験した中で言いますと,片手で懐中電灯を持って,そして片手でスコップ持って出た場合,土砂をのけるときには懐中電灯は使えんわけですから,もう両手でやるわけですが,真っ暗闇の中でやるようになりますんで,地域の地形も含めて,よく皆さんでわかるようにしておいていただければ,災害のときにうまく逃げれるかのと思っております。このような災害が二度とあってはいけないわけですけども,その準備はやっぱりしておかなきゃいけないなと思っておるところでございます。  次に,安佐市民病院の建てかえについて理事者の御答弁をいただきましたが,再度私の意見を述べさせていただきたいなと思っております。  まず,その前に,現地建てかえということで,非常にたくさんの皆さんが署名をされておられる。その気持ちも大事にしなきゃいかんなと思いしまして,私は昨年4月ごろだったと思いますけども,その署名活動を一生懸命やられて,現地建てかえということで頑張っておられるお方に,皆さんの声を大事にするために,この広島市議会に出られたらどうですかと,こういうお話をさせていただきました。難しいということだったんで,また次の方にも,そこで一生懸命やられておる方に,議会の中でしっかり議論しましょうと,こういう話をずっとしてきたんですけども,お二人とも立候補されませんでした。たくさんの方が署名をされておりますので,その声をやっぱり全く無視するというわけにはいかないなと思って勧めたわけであります。この議会の中で議論できないということは非常に残念なことでありますけども,市民病院についてひとつ,先ほど言いましたように意見を述べさせていただきたいと思います。  8月29日に行われました説明会における住民の皆さんの意見,そして9月15日に行われた記者会見における安佐北区の4地区の自治会長さん,4地区というのは,安佐北区は旧4町が一緒になっておりますので,そこの自治会の責任者ということですけども,意見を踏まえれば,多くの安佐北区民は市長さんの方針を受け入れております。市長さんの方針によって安佐市民病院を建てかえればよいと,このようにたくさんの方が思っておるわけであります。  市長さんには安佐北区民の多くの後ろ盾があるわけでございますので,自信を持ってこの方向で安佐市民病院の建てかえを進めていただいて,荒下地区にも現在地にもよい病院をつくっていただきたいと思いますので,どうかよろしくお願いをいたします。  終わります。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○永田雅紀 議長       この際,暫時休憩いたします。                  午前11時40分休憩 ───────────────────────────────────────                  午後1時04分開議                  出席議員  46名                  欠席議員  8名 ○沖宗正明 副議長      出席議員46名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  21番馬庭恭子議員。                〔21番馬庭恭子議員登壇〕(拍手) ◆21番(馬庭恭子議員) 市政改革・無党派クラブの馬庭恭子です。  まず,平和宣言についてお聞きいたします。  8月6日を前にした7月23日,松井市長は東京有楽町の日本外国特派員協会での会見で,記者から安保関連法案について,その是非を質問され,こう答えています。私自身は,日本は決して戦争に向かうために対応しているとは思わない,決してしてはならないという立ち位置だし,さまざまな国政上の努力も平和維持をするための対応だというふうに政治家は言っている,それを信じると答えています。国民の理解を得られない,また有識者初め,今の内閣での憲法解釈変更することは違憲である,立憲主義に反すると全国で声が上がっているにもかかわらず,しかも,被爆都市の市長であるにもかかわらずです。つまり,平たく言うと,安倍総理初め政治家がそう言ってんだから,僕はそれを信じているんだということになります。平和宣言で声高らかに核廃絶,絶対悪とうたいながら,核兵器を運搬する政策を推し進めることをよしとしている政治家を信じているという,このあべこべの感覚は私は理解できません。  そこで,数点確認いたします。  今回の平和宣言は,1期目の市長任期における被爆者の生の体験を語るシリーズから,ことしは違った構成となりました。「広島をまどうてくれ」という言葉が盛り込まれていますが,一般的にはわかりにくい言葉を,ここであえて使用した理由を教えてください。  さらに,広島市の平和宣言は,この時期であるのにもかかわらず,安保関連法案に言及せず,被爆者からは非難の声が上がっていますが,それはどのように認識されてますか,お答えください。  長崎の平和宣言は,田上市長が安保関連法案に言及し,それに対して慎重審議を求めることを読み上げる中,会場の市民から2回も大きな拍手が沸き起こりました。この被爆都市としての市長と市民の一体感こそが,平和を守るという長崎市の基軸になっているのだと胸が熱くなりました。市長は長崎市の式典に参列していたわけですが,この長崎市の平和宣言を直接会場で聞いていてどのように思ったのか教えてください。  平和宣言は世界に平和を訴える被爆都市からの効果的なアピールです。しかも市長は,平和首長会議の会長でもあります。核兵器廃絶に全力で取り組むと言うならば,安保関連法案に言及すべきではなかったのですか,お伺いします。  次に,平和の丘構想についてです。  比治山の平和の丘構想の基本計画ですが,今まで手つかずの比治山公園であった公園敷地を平和の丘として整えるということです。しかし,今の公園の実態はどうでしょう。園内における不正駐車の車が並び,市の所有物であり被爆建物である頼山陽文徳殿が全く光が注がれず,手つかずの状態です。  文徳殿を調べると,昭和39年に閉鎖したまま50年間活用されていません。また,この建物の前には被爆樹木のソメイヨシノがあります。今後,この被爆建物の文徳殿などをどう活用されますか,お答えください。  次に,公園内の不正駐車をなくすためにどのような方策を考えていますか。私は,将来,平和の丘構想が実現したときには,貴重な施設があることを考えると,有料駐車場も視野に入れ検討してもよいのではないかと考えますが,お答えください。  また,比治山公園には公益財団法人放射線影響研究所があります。この機能を移転していくことは,日米の外交交渉などたくさんの交渉事もあり,すぐには解決できないことですが,私はこの建築物はとても貴重なものだと認識しています。この構想を進める中で,今後,市民意見をどう入れていくおつもりなのか,お尋ねいたします。  次に,ビッグデータ,RESASについてお伺いいたします。  内閣官房まち・ひと・しごと創生本部は,地域の実情を把握した上で,将来予測を客観的に予測できるように,産業マップ,農林水産業マップ,人口マップ,観光マップ,自治体比較マップの地域経済分析データメニューを各自治体に配付しました。聞くところによると,このうち産業マップの一部については,国はこのデータにアクセスする担当を限定しているということですが,どういった部署や担当など,さらにどのぐらいの人数がこのデータを閲覧でき,活用できるのでしょうか。また,データ流出など,セキュリティーに関してはどのような方策を練っているのですか。  さらに,このデータを活用すると,今までコンサルタント会社に委託していたものが市の担当者のみで構想や計画を練ることができ,経費節減になると思いますが,その点どういった見解をお持ちか,お答えください。  次に,観光についてです。  水の都ひろしまは河川の緩やかな曲線が美しく,河岸緑地も桜の木を初め,たくさんの草花が市民の癒やしになり,目を楽しませてくれます。以前市民団体が運営する雁木タクシーで,京橋川,元安川を上り下りしたとき,何と広島のまちはきれいなんだろう,川から眺めた緑いっぱいの河岸緑地と,世界遺産原爆ドームの景観がすばらしいと感激したことがあります。この河岸緑地ににぎわいを生み出すものとして,社会実験から始まり,京橋川,元安川にレストランなどが特例で認められ,飲食店等が河岸緑地に設置されました。今思えば,河岸緑地はどうあればよいのか,特にバッファーゾーン区域の河岸緑地はどうあればよいのか,十分吟味し,景観審議会等で検討するべきではなかったでしょうか。  論争となっている元安川のカキ船移転は,地域住民の理解や合意がないまま工事が進み,市民が散策する河岸緑地にはふつり合いのコンクリートのスロープが建設され,さらにプロパンガスを設置するための倉庫が緑地帯に設置されました。そのことによって,対岸からの景観,マンションに居住する住民の窓からの景観を初め,この地域の近隣景観を大きく損失させたと同時に,世界遺産原爆ドームの価値をおとしめました。  このカキ船移転については,昨年から予算特別委員会を初め各委員会で市民の声とともに委員が各自質疑を重ねてきました。市民からはカキの食文化は否定しないが,公的施設ではないではないか,世界遺産のバッファーゾーンの最高の場所でカキ船水上レストランの営業は一民間企業への利益誘導ではないか,二つカキ船があるにもかかわらず,一方のカキ船に肩入れをして平等性に欠けるのではないか。被爆者の方々からは,川底に沈むあの場所は歴史的にも被爆体験として意義深い場所であり,営業するなど許されない,しかも,原爆ドームが負の世界遺産であるというとこを忘れている。また,ほかの市民の方からは,カキ船は本当に船なのか,本当に浮かんでいるのか,浮かんでいるのなら動くのか,動くのなら本当に動くか試してほしいなどとさまざまな意見が今なお寄せられ続けています。しかし,広島市は国から許可を受けている,法的違反ではないと繰り返すばかりです。結局,この9月に訴訟となり,世界遺産原爆ドームの価値をめぐる国からの河川占用許可等取り消し請求事件の裁判となりました。この裁判は,福山の鞆の浦の景観裁判と同じように,今注目をされています。  広島市はまちににぎわいをつくり,それを観光に生かすと言いますが,世界遺産原爆ドームを抱える特別な地域の河川,河岸緑地の活用と観光については,国も市ももっと慎重であるべきで,ここに至るまでの行政手法は市民からの信頼をなくしてしまっています。裁判結果にかかわらず,私はこれを機に河岸緑地のあり方を見直し,祈りの場にふさわしい場に変える,つまりバッファーゾーン内の河川上,河岸緑地には飲食店などは撤去することを英断したらいかがでしょうか。  ユネスコの諮問委員会である国内イコモス委員会の懸念表明を思い出してください。同じバッファーゾーンの中でもカキ船は原爆ドームに近づくこと,平和公園の横に位置すること,左岸には慰霊碑があることを鑑みると,強い懸念を抱かざるを得ないというものです。移転にはユネスコ世界遺産委員会の同意が必要で,占用許可は世界遺産条約に違反していると思います。  ちなみに,諮問委員会である日本イコモス委員会は,この懸念表明を英訳し,ユネスコ本部に送ったと報告がありました。  次は,シュモーハウスについてです。  これは,原爆投下後,家を失った広島市民のためにフロイド・シュモー氏が家づくりをした活動拠点の集会所です。道路の整備に伴い,皿山の麓,江波二本松に解体せず,そのまま移設したものです。平和記念資料館の管轄で無料となっています。  平和学習のコースとして,修学旅行コースによいのではないかと提案しましたが,小さな集会所なので,大勢の生徒には対応できないこと,中心部から外れていることなど,難しいということでした。であるならば,広島市の子供たちのために教育委員会と連携して学校教育に活用してはどうかと考えますが,いかがお考えでしょうか。  次に,安佐市民病院の将来像についてお尋ねいたします。  前回,安佐市民病院についての予算案の議決の際,私は退席をしました。それには理由があります。本来,地域がん診療連携拠点病院としての将来像など,地域住民にとってどんな病院が望ましいか,これから新たに付加できる機能は何か,病院の質の確保などを医療者として,さらに12年間がんと闘っているがん患者としての視点で十分に議論したいという思いがあったからです。しかし,場所が荒下か現在地かどちらがよいのかの論争になり,しかも突然まちづくりという新たな概念が病院構想とセットになったことで極めて理解しにくく,複雑なものになったからです。私は,まちづくりと病院構想は全く別なものだと思います。また,荒下の土地の売買をめぐって,明確な根拠や確証はありませんが,政治の世界では起こるかもしれないという疑念などが渦巻き,決定時期ではないとして退席をしたのです。その結果,同数となり,議長裁決で否決となった経緯があります。  その後,ますます安佐市民病院をめぐっての論争は地域を分断する勢いで混迷をきわめました。そこで私は,場面展開を図り,状況を変えたいと思い,昨年の10月の決算特別委員会で安佐市民病院の機能を二つに分けることを提案しました。つまり,急性期と回復期の機能を分離し,新たな緩和ケアを初めとする医療サービスを加えたらよいのではないかという具体案を示しました。そのときの答弁は,可能かどうか検討してみるということでした。詳細は,平成25年度決算特別委員会会議録の311ページから316ページをお読みください。  そこでお尋ねいたします。今回の市の方針は,昨年の私の提案に基本的には沿うものですが,安佐市民病院の将来を考えたとき,解決策を考えておかなくてはならないのが機能分化により必要となる投資です。また,今回の中期計画の変更では,運営形態の検討が今後行われるため,さらなる変更,例えば分院にする,指定管理にする,民間に移譲するなど,経営形態を決定するとき,中期計画の変更を行わなければならないと考えますが,いかがでしょうか。  また,新しい取り組みとして,例えば難病ホスピスなど医療サービス機能などを付加することも今後できるのかお答えください。  次に,自転車のまちづくりについてお聞きいたします。  自転車都市づくり推進計画などの計画によってさまざまな取り組みをしていますが,その成果をどう認識していますか。  都心部での特徴は,飲食店ができると,その店の周辺にはおびただしい自転車が夜間放置されます。駐輪場では子育て中のママの自転車は,子供用のシートが前にも後ろにも付加され幅が広いため,駐輪場の収納台数分の自転車がとめられないという実態も出てきています。こういった現象にはどう対応するのですか。  また,自転車がスピードを出し,事故を起こし,死亡事故となることもあります。自転車による交通事故の状況はどうっていますか,その予防にどう取り組んでいますか。  次は要望ですが,今,地下駐輪場で自転車搬送コンベヤーが設置されていないところがあります。子育て世代や高齢者の利用もありますので,早期の設置を要望しておきます。  次に,性暴力被害者支援のあり方についてお伺いいたします。  広島市内を管轄する八つの警察署の性犯罪,強姦,強制わいせつなどの認知件数は119,県内では187となっています。つまり,性犯罪数の64%がこの市内で起こっていることになります。件数は警察に届けた数のみですから,泣き寝入りをした数を入れると,これは氷山の一角にしかすぎません。  先日,大阪市では現職の警官と元警官が強姦事件を起こして逮捕されるという驚愕する事件が発生しました。現在,国の第2次犯罪被害者等基本計画では,性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置促進が進められ,国で予算が組まれるなど,その動きが拡大してきています。既に大阪,東京,和歌山,その他の都道府県にもその成果が出てきています。  この6月には,広島県の女性団体が県に要望書を提出したところですが,医療と一体となった体制が必要であり,病院拠点型がふさわしいとされています。一義的には県主導であると思いますが,広島市としてはどんな支援が可能なのでしょうか,お答えください。  最後に,ごみ屋敷についてお伺いいたします。  ごみ屋敷の問題は幅広い視点を持って各関係者が協働し解決していく必要がある社会課題と思っています。先日,愛知県でごみ屋敷の火災があり,当事者の自宅だけではなく両隣がもらい火をして全焼するという事件がありました。失火の場合は,失火者に重大な過失がなければ民法709条に基づく賠償責任はないとされています。焼け出された被害者にどんな支援ができるのかと調べてみると,火災は小規模な災害なので,広島市では見舞金1人世帯は3万円,2人世帯だと4万5000円の支給,市営住宅の3カ月の一時使用程度で,日赤からバスタオル,寝巻きなどの支給があるということのみでした。であるならば,より一層,ごみ屋敷問題も積極的に取り組まなければなりません。つまり,ごみ屋敷のさらなる実態調査,またごみマンションなど,実態調査が必要だと考えます。私は以前から提案しているのですが,東京都足立区を初め,京都市,大阪市などではいわゆるごみ条例が制定されています。これらの背景には,最近では一戸建てではなく,いわゆるごみマンションと言われるものがふえていることや,高齢者に限らず,若い人も部屋がごみでいっぱいという状況が増加しつつあり,深刻な問題として取り上げられているからだと思います。こうしたことを踏まえると,まずは市としてごみ屋敷の実態を調べて解決していく必要があると思い,平成25年より,私の提案後,実態調査されてきましたが,近々の調査の結果を教えてください。また,実態調査は一戸建てではなくマンションについても調査が必要と考えますが,いかがお考えかお伝えください。  このような状況の中で,国際平和文化都市としてはごみ条例は必要な条例であると認識し条例をつくるべきではないかと問うと,条例はつくる必要がないと,昨年答弁されています。今もその方針は変わってないかお答えください。  以上で質問を終わります。 ○沖宗正明 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       馬庭議員の御質問にお答えします。安佐市民病院の将来像についてのうち,難病ホスピスなどの新たな医療サービスの整備について御質問がありました。  難病患者の受け入れについて申し上げますと,広島市立病院機構では,難病は治療が難しい疾病であることから高度急性期医療を担う荒下地区で受け入れるほうが適当であり,北館には緩和ケア病床を整備するように考えております。  また,あわせて北館については,今後,地域ごとに構築される地域包括ケアシステムのモデル的な拠点にしたいと考えています。この方針のもと,機構では,現時点では容態が悪化した在宅療養者を受け入れる地域包括ケア病床,医療・介護・福祉にかかわる機関や,事業所が連携して在宅サービスを提供できるようにする在宅医療支援機能などを整備するように考えております。今後,機構において,議員御提案の趣旨も踏まえながら目指す地域包括ケアシステムの拠点としての機能の整備に向け,具体的な内容を詰めていくことにしております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長
    ◎川添泰宏 健康福祉局長   安佐市民病院の将来像に関します質問の中で,現在の北館の経営形態,これを決定しようとするときには中期計画を変更する必要があると思うがどうかという御質問がございました。  このたびの中期計画の変更案では,今後,整備ベッド数や診療内容,経営形態等の検討を行うというふうに記述されております。広島市立病院機構では,地域住民の皆さんの御意見をお聞きしながら1年かけて検討しまして,経営形態を決定するに当たっては中期計画の変更について議会にお諮りすることになります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     平和宣言について,まず,「広島をまどうてくれ」という言葉をなぜ使ったのかという御質問がございました。  ことしの平和宣言では,被爆70年ということを意識しつつ,被爆者の体験や平和への思いに焦点を当て,被爆者の気持ち,心の動き,ヒロシマの心を今まで以上に強く伝えたいと考えました。このため,被爆から70年の今も続く被爆者の深い苦しみ,悲しみを凝縮した表現として,あえて「広島をまどうてくれ」という言葉を使い,原爆によって奪われたふるさとや家族,体や心をもとどおりにしてほしいという,かなわぬと知りながら,折に触れ被爆者の心によみがえる悲痛な願いを表しました。  なお,「広島をまどうてくれ」という言葉は,主に関西以西の地域で使われる方言で,もとどおりに直すなどの意味があり,日本原水爆被害者団体協議会の初代事務局長を務めた藤居平一氏も核兵器廃絶や被爆者援護の運動において使われ,同氏の活動を紹介した単行本の表題にもなっています。平和宣言ではその意味をしっかり理解してもらえるよう,この言葉に続き,これはふるさとや家族,そして身も心ももとどおりにしてほしいという被爆者の悲痛な叫びですと言葉の意味を示しています。  次に,長崎の平和宣言を式場で聞いてどう思ったのか,広島市の平和宣言は安保関連法案に言及せず市民との一体感が感じられないという評価もあるがどう思うかという御質問です。  長崎市の平和宣言については,表現は異なるものの本市の平和宣言と同じ思いが盛り込まれており,訴える力の強いものであったと思います。安全保障に関連する法案に関しては本市としても一貫して熟議を求めてきており,長崎市が宣言で訴えたことと思いは同じであると考えています。また,本市の平和宣言については,式典後,市民の方から大変強いメッセージが込められており感動した,やはり日本は核兵器に反対し続ける国であるべきだと目が覚めた,広島と長崎は自分たちにとっての平和の原点であってほしいといった意見をいただいており,平和宣言に盛り込んだ思いを市民の方がしっかり受けとめてくださったものと考えています。  次に,安保関連法案に触れなかったのはなぜか,平和首長会議の会長として核兵器廃絶に全力で取り組むと誓うなら触れるべきではなかったのかという御質問です。  平和宣言の起草に当たっては,被爆者,平和団体や報道機関の関係者などで構成する平和宣言に関する懇談会においてさまざまな御意見をいただいております。その中で,何より我が国を含む世界中の人々や為政者に対して,核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて取り組む上で心に刻むべき,軸に置くべき基本的考え方を訴えるべきであることを御理解いただき,このように訴えることとしたものです。そして,宣言では,各国の為政者に対し,顔を合わせ対話を重ね,そうして得られる信頼を基礎に武力に依存しない幅広い安全保障の仕組みをつくり出すこと,その実現に忍耐強く取り組むことなどの重要性を訴えています。加盟都市が6,800を超える平和首長会議の会長としても,国際社会での紛争の解決や抑止に当たっては,対話による平和的解決の道を探るという憲法の平和主義の重要性を訴えることこそが重要であると考えています。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   比治山公園「平和の丘」構想について,2点お答えをさせていただきます。  まず,将来,平和の丘構想が実現したときには,有料駐車場とすべきと考えるがどうかという御質問でございました。  本年7月に策定いたしました比治山公園「平和の丘」構想においては,事業展開の例として,新たな施設整備等の機会を捉えて駐車場の再整備に取り組むこととしております。今後,本議会に補正予算を計上させていただいておりますこの基本計画におきまして,駐車場の再整備について検討することとしており,あわせてその有料化についても検討したいと考えております。  次です。もう1点が,平和の丘構想を進める中でどのように市民の意見を反映させていくのかというお尋ねでございます。比治山公園「平和の丘」構想の実現に向け,去る8月4日に段原地区において説明会を開催し,出席された約50名の住民の方々から御意見をお聞きするとともに,8月24日から9月30日までの間,広く市民等からアイデアや御意見を募集しているところでございます。こうしていただいたアイデアや御意見につきましては,今後,吟味,検討した上で,今後,策定いたします基本計画に反映していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     頼山陽文徳殿などを今後どのように活用するのかという御質問がございました。  頼山陽文徳殿については,その活用の根拠となった昭和24年度制定の条例が昭和39年度に廃止されたことから,現在は周辺の樹木剪定を行うなど被爆建物として維持管理していますが,老朽化が進んでいます。また,被爆樹木もございます。このため,本年7月に策定した比治山公園「平和の丘」構想において,同構想の基本コンセプトの一つである都市に込められた平和への思いを共有する場に沿った事業展開の例の中で頼山陽文徳殿の活用を掲げ,被爆の実相を広く伝えられるよう有効活用することとしています。  こうした基本的な方向性を踏まえ,現在,関係部署とともに検討しているところであり,今後,策定する基本計画の中で具体的な活用案をまとめるよう考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      都市整備局長。 ◎宮原慎 都市整備局長    比治山公園内の不正駐車をなくすためにどのような方策を考えているかということについてお答えをいたします。  議員御指摘の件につきましては,園路上の駐車実態を確認した上で,他の公園利用者に迷惑を及ぼし,公園の管理に支障となる車両があれば,園内の駐車場への移動など,注意・指導を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   まち・ひと・しごと創生ビッグデータ,RESASについて,3点の御質問にお答えいたします。  国は,地域経済分析システム── RESASの産業マップの一部について,アクセスする担当を限定しているとのことだが,どういった部署や担当がどのくらいの人数,このデータを閲覧,活用しているのかというお尋ねでございます。  地域経済分析システム── RESASの産業マップの一部については,民間企業の企業間取引のデータを含むことから,国の承認を得た地方自治体の職員だけが利用できる仕組みとなっております。この産業マップの利用者数には上限があり,政令指定都市においては30名まで,その他市区町村は20名までとされており,本市では,現在,企画総務局や財政局,経済観光局,都市整備局等,26名の職員が国の承認を得た上で利用いたしております。  続いて,この地域経済分析システムのデータの流出などのセキュリティーはどう方策をとっているのかという御質問です。  地域経済分析システム── RESASのうち,外部に流出させてはならないデータが含まれる産業マップの一部については,その利用について国の承認を経て取得するIDとパスワードが必要であり,あわせてUSBメモリー等にデータを取り込んで外部に持ち出すことができないようになっているなど,厳重な情報管理となっております。  続いて,地域経済分析システムを活用するとコンサルタント会社へ委託することなく経費の節減ができると思うがどうかというお尋ねです。  地域経済分析システムに搭載されている地域経済にかかわるさまざまなビッグデータを分析し,施策等の企画・立案に活用することは本市にとって有益です。例えば観光マップのGPS── 位置情報システムを利用したデータの処理など,今まで民間に委託していたようなものも本システムを活用することで委託の必要がなくなり,一定程度の経費削減効果はあるものと考えております。今後,他都市の活用事例等も参考にしながら,地域経済分析システムを活用することにより経費節減につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     観光について,シュモーハウスを教育委員会と連携して学校教育に活用してはどうかとの御質問がございました。  シュモーハウスの利用促進については,これまでも本市や平和文化センターの広報紙,ホームページなどの媒体による情報発信を行っています。また,小・中学校の校長会で平和学習の場として活用を呼びかけるなどの働きかけを行ってきていますが,十分な活用には至っていないことから,教育委員会等と連携し,江波山気象館などの近隣施設とあわせた紹介や,修学旅行誘致と連携してPRを行うなど,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      経済観光局長。 ◎久保下雅史 経済観光局長  原爆ドームのバッファーゾーンの河岸緑地にあるカフェやカキ船といったものは全て撤去することを考えたらどうかの質問にお答えします。  太田川の魅力をより一層引き出していくため,平成15年に国土交通省,広島県,広島市が共同で「水の都ひろしま」構想を策定しました。現在,この構想に基づき,原爆ドームのバッファーゾーンの区域を含む本川,元安川地区をモデル地区の一つに位置づけ,水の都ひろしまのシンボルとしての水辺づくりを展開しています。この地域で実施しているオープンカフェや親水テラスでのコンサートなどの水辺空間の活用については市民や観光客など多くの人に利用され,全国的にも注目を集める取り組みとなっています。また,カキ船は江戸時代から続く広島発祥の文化が継承される貴重な資源でもございます。こうした事業展開を実施している原爆ドームのバッファーゾーンの区域は,平和記念施設の保存・整備方針でも示しているとおり,慰霊,鎮魂のための聖域としての静けさや雰囲気を確保するとともに,来訪者のための憩いの場,にぎわいの場の確保も必要であると考えています。このため,水辺の魅力づくりに寄与するオープンカフェやカキ船については,憩いの場,にぎわいの場として機能するものであり,撤去すべきものとは考えていません。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      道路交通局長。 ◎向井隆一 道路交通局長   自転車のまちづくりの成果についての御質問にお答えをいたします。  まず,自転車都市づくり推進計画に基づく取り組みの成果をどう認識しているのかとのお尋ねです。  本市では平成25年6月に広島市自転車都市づくり推進計画を策定し,走行空間整備,駐輪場整備,ルール・マナーの遵守及び活用促進の四つの柱に沿った施策を総合的に取り組むことで,自転車を生かしたまちづくりを推進しております。  これまでの主な取り組みとその成果でございますが,本年2月に策定した広島市自転車走行空間整備計画,デルタ市街地編に基づき,2カ所において走行空間の整備を行った結果,自転車利用者の多くが歩道走行から車道走行へ転換するとともに,車道での逆走が大きく減少するなど,自転車利用者と歩行者双方の安全性の向上に効果がありました。  また,市営駐車場の転用による駐輪場整備や民間事業者による路上駐輪場の整備を行うとともに,自転車等放置規制区域を拡大したことで,放置自転車の大幅な減少や近接する市営駐輪場の一時利用スペースでの慢性的な満車状態の解消などにつながったと考えております。さらに,児童生徒に対し継続的な自転車交通ルール遵守の自覚を促すために,自転車運転免許証等を交付する取り組みを行うことで,自転車に乗る機会の多い小中高生に対して交通ルールの周知や理解を深める効果がございました。本年2月に供用開始した観光レンタサイクル「ぴーすくる」は,1日平均の利用回数はまだ多くないため,広島に来られた方により一層利用していただけるよう,宿泊施設でのPRや一日パスの販売など,利用促進のためのさまざまな方策に取り組んでいく必要があると考えております。このように,多くの取り組みについて成果があったものと認識していますが,課題もあることから,原因等を分析した上で今後の取り組みにつなげてまいりたいというふうに考えております。  次に,都心部の放置自転車や幅の広い自転車の増加に伴う駐輪場不足にどう対応するのかについてです。  本市では都心部や主要なJR駅周辺において,これまで32カ所,2万103台分の有料駐輪場を整備してきましたが,依然として集客施設周辺には放置自転車が多く,駐輪場が不足していると考えております。また,近年では幅が広く重量もあるチャイルドシートつきの自転車が増加をしておるため,一時利用を受け入れている駐輪場26カ所のうち14カ所で専用スペースを設けて対応しており,このような駐輪場では本来の収容可能台数を確保できなくなっております。  こうした駐輪場不足に対応するため,これまでも市営駐車場の転用などによる駐輪場整備を進めておりますが,今後とも民間事業者による路上駐輪場の整備や民間駐輪場への整備費助成など,官民一体となって駐輪場の整備促進を図ってまいりたいというふうに考えております。  最後に,自転車による交通事故の状況と事故防止への取り組みについてでございます。  平成26年の広島市内における自転車の交通事故は1,095件です。中でも自転車と自動車の交差点等での出会い頭の事故が552件と最も多く,自転車の関係する事故の半数を占めておる状況でございます。  こうした自転車の交通事故をなくすため,自転車の安全な車道走行を促進する走行空間の整備を進めるとともに,警察,地元町内会,学校等と連携したマナーアップキャンペーンや交通安全キャンペーンなどにおいて,自転車事故防止のための指導・啓発を行っております。本市では,こうしたハード,ソフト両面の取り組みを継続して実施していくとともに,本年6月に施行されました改正道路交通法に基づいて,警察が行う指導,取り締まりと連携をいたしまして自転車事故防止に取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     性暴力被害者支援のあり方について,ワンストップ支援センターの設置は一義的には広島県主導であると思うが,市としてはどのような支援が可能なのかという御質問がございました。  性犯罪被害者支援体制づくりについては,現在,市が参加している県警,県,国,医師会などで構成する広島県被害者支援連絡協議会に今年度から女性被害者支援研究会が設置され,県を中心にして研究が行われているところです。ワンストップ支援センターについては,県とこうした情報交換や協議を重ねる中で,市としてどのような対応をしていくか検討したいと考えており,性犯罪被害者の支援に鋭意努力してまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      環境局長。 ◎北吉孝行 環境局長     ごみ屋敷について,まず,ごみ屋敷の実態調査の直近の調査結果はどうなっているか,また,今後の調査に当たっては一戸建てのみならずマンションについても行う必要があると考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。  実態調査については,平成25年度以降,毎年度,各区役所や本庁福祉部局など庁内関係課に対し,人が居住し,室内や敷地内外にごみがあふれ返っている建物であって,ごみにより周辺の生活環境が悪化して市民等から苦情や相談が寄せられているもの,いわゆるごみ屋敷についての対応状況等を照会することにより行っております。  直近の結果は昨年11月時点のもので,ごみ屋敷に位置づけられるものが13件ございました。なお,この調査は,一戸建て,マンション等の集合住宅などの住居形態にかかわらず行っているものでございます。  次に,条例の制定に関しての御質問にお答えいたします。  一般に,市民に対して義務を課し,または権利を制限する場合には条例によらなければならないとされています。各都市で制定されている,いわゆるごみ屋敷に関する条例を見ますと,立入調査,命令,行政代執行という,いわゆる市民の権利を制限するなどの規定が盛り込まれておりまして,私有地内に堆積したごみを撤去できるものとなっています。このように,いわゆるごみ屋敷の問題はごみが堆積しているという点に焦点が当てられがちですが,ごみの処分だけでは根本的な解決にはつながらないと考えています。居住者の生活状況等を的確に把握した上で,庁内関係課のみならず,地域住民や関係機関などが連携・協力して当該居住者との信頼関係を築きながら,再発防止等も含めた支援を行うなど,一歩一歩,地道に粘り強く取り組んでいくことが何より重要であると考えています。このため,引き続き庁内関係課,地域住民,関係機関等が居住者や家屋の状況に応じてそれぞれの役割を踏まえ,業務等のかかわりの中で連携・協力して,いわゆるごみ屋敷の問題解決に取り組んでいきたいと考えています。したがいまして,まずはこうした取り組みを継続することとし,居住者に義務を課し,または権利を制限するような方法が必要と判断されるような状況となれば,条例の制定についても検討する必要があると考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      21番。 ◆21番(馬庭恭子議員) 御答弁で,ちょっと誤解があってはいけないんですけれども,先ほど市長さんが,難病は非常に高度な医療を要するので荒下の病院のほうがいいというようなことを言われたんですが,緩和ケアはがんとエイズの患者さんしか入れないんですね。難病の患者さんが入れないので,そこは国の制度ではそうなっているけれども,難病の患者さんは高度だといえども,今は在宅で家族の方が見てるケースが結構多いんです。ですから,比較的高度医療でなくても,いわゆる回復期というか,高度医療でないところでも診れるので,その枠組みをちょっと広げてもらいたいっていうことで難病ホスピスっていう言葉をちょっと出したんですが,ちょっと私の説明が足りなかったかなと思うんですが,難病の末期の方は高度医療でなくても緩和ケアで十分診れる,そういう実績もちゃんとありますので,そこは発想をちょっと変えていただけたらなっていうふうに思います。  ここから再質問ですけれども,結局,安佐市民病院の中の病院構想とまちづくりが合体して混乱のきわみになったんですが,ずっと病院構想で行ってたのに突然まちづくりが出てきたんですが,このまちづくりを言い出した言い出しっぺは誰か教えてください。どういう経緯で出てきたのか教えてください。  それから,午前中の今田議員への御答弁の中で,北病棟も残っていて,そのあいたスペースで医師会の准看護学校をつくるスペースがあるというような御答弁でしたけれども,時代に逆行しています。厚生労働省も准看,その制度はもう少なくしていこうっていうふうになっていますし,ほとんど全国的にも残ってる数は非常に少ないです。むしろ,以前から私,提案いたしておりますけれども,市立大学はアートとサイエンスなので,看護学部を市立大学につくって,それで,サテライトでそこへ設けるというなら話がわかりますが,今,准看護学校をずっと存続していくっていうのは,それはもうやめていただきたい,逆行してるということを少しお伝えしておきたいと思います。  次に,もう一つの再質問ですけれども,カキ船のことはもう,にぎわいづくりでずっと,河岸緑地も河川も,一級河川であってもそこに持ってくるということだったんですが,じゃあこれからにぎわいをつくるために河岸緑地にラーメン屋が来たりイタリアンレストランが来たりフランス料理屋が来たり,そういうふうにずらっとこういうふうに並ぶというふうなことでよろしいんでしょうか。私はバッファーゾーンはそうであってはならないというふうに思ってますが,どこまで拡大していくつもりなのか少し教えてください。また,カキ船をあそこに持ってこようとした言い出しっぺは誰か,明確にお答えください。  ほかにも多々ございますけども,時間の関係上,その2点についてお答えください。 ○沖宗正明 副議長      企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   安佐市民病院の建てかえとまちづくりの関係の御質問でございますけれども,これは安佐市民病院の建てかえについて,その適地をどうするかというような議論をしていく中で,その病院のアクセスとなります道路,そういった,あるいはその土地といったものを議論していく中で,非常に,例えば国道54号の可部バイパスをどうするかとか,そこにアクセスする道路をどうするか,可部大毛寺線をどうするかとか,そういった議論がずっと膨らんでまいりました。そういった中で,これは安佐市民病院だけで考えるのではなくて,まちづくり全体として考える必要があるというような,頭の中でそういったことが我々の中で考えてきたものでございます。 ○沖宗正明 副議長      経済観光局長。 ◎久保下雅史 経済観光局長  今後のバッファーゾーンにおける水辺の空間の活用についてでございますけども,今後とも,平和記念施設の保存・整備方針でも示してあるとおり,慰霊と鎮魂のための聖域としての静けさや雰囲気を確保するということ,それから,来訪者のための憩いの場,にぎわいの場の確保も必要と考えていること,ということでございますので,こうした水辺の空間の活用策につきましても,今後,このバランスをどういうふうに保っていくのか十分留意して取り組んでまいりたいと考えております。  それから,カキ船をあの場所にしたのは誰かというような御質問だったかと思いますけども,これは,現在のところが死水域ではないということで,国土交通省といいますか,太田川の河川事務所のほうから現在の地区ではだめということで,死水域があるところについて探した結果,あの地域になったということで,誰が定めたといった性質のものではございません。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      馬庭議員,あの看護学校の件は質問じゃないんですか,あれは。(「質問じゃない」と呼ぶ者あり)じゃないですか。  再質問ありますか。21番。 ◆21番(馬庭恭子議員) まだ釈然としないところがあって,カキ船の移転の問題は訴訟問題になっていますので,市長が来て今回2期目ですけれども,安佐市民病院においてもこういう地域を分断するような論争と騒動だった。カキ船においても,また地域を二分するような論争と騒動が起こった。私はやっぱり行政手法でどっかが間違ってるんじゃないかなっていうのはとても思います。それがすごく残念でもありますし,それによって市民も非常に負担がかかっていますし,また議員たちも非常に疑心暗鬼のことも出てまいっておりますので,やはり私は市長の行政手法は間違っていて,ああ私はこの人を市長にしちゃいけなかったんだなっていうふうに思いました。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      次に,30番平木典道議員。                〔30番平木典道議員登壇〕(拍手) ◆30番(平木典道議員) 公明党の平木典道でございます。会派を代表いたしまして一般質問を行います。  ことしの4月の市議選におきまして,私も5度目の当選を果たさせていただきました。今期も市政の課題に,より積極的に挑戦をしてまいりたいと決意をさせていただいております。  憲法は地方議会を二元代表制と定めております。住民が首長と議員を直接選び,チェック・アンド・バランスを確保する制度です。よく車の両輪に例えられますが,市長と議員の権限は大きな差があると思います。市長は予算を編成することができ,場合によっては独断でさまざまな施策を行う力を持っております。もし市民の思いからかけ離れた施策が行われるようなことがあれば,それをチェックしていくのが私たち議員の役割ではないでしょうか。市長の打ち出す政策を議論も行わず認めていくのであれば,議会の存在意義はありません。市民の声に耳を傾けながら,予算を含めたさまざまな議案を審議していくのが議会のあり方であると思います。そうした意味では,議会と行政は一定の緊張感を持つべきであると思います。ただ,市長や理事者の発言の言葉尻を捉えて追求するなど,議会をいたずらに混乱させることは慎まなければならないと思います。市長におかれましても市民の声を真摯に受けとめて市政を運営していただきたいと思います。  先日,安佐市民病院の建てかえについて地元住民の方々との意見交換会を持たれましたが,市政を運営する上でこうした行動は非常に大事であると考えます。ただ,全ての地域住民の方の要望どおりの政策を展開できるか否かは,これは別であります。評論家の田原総一朗氏が次のようなコラムを書かれていました。国土交通省の新人研修会に呼ばれ,百数十人の職員を前に講演をした,新聞の世論調査を持ち出し,1,消費税率の10%へのアップ,賛成31%,反対58%,2,安全保障法制に関する法案成立,賛成29%,反対52%,3,原発再稼働,進めるべき30%,進めるべきでない58%,これらの世論調査の民意は,いずれも反対のほうが多い,しかし,民意に逆らってそれらをやるのがあなたたちの役割だと述べたそうです。そして,かつて竹下登という政治家が私に次のようなことを言った。国民に歓迎され好かれたいと思う人間は野党の政治家になれ,そして,国民から嫌われる覚悟を持てる人間が政権与党の政治家になるべきであると。竹下登という政治家は,いわゆるええ格好をしない,その意味では国民受けのしない人物であったが,彼の言葉は至言だと私は強く感じている,このように書いておられました。  前置きが長くなりましたけれども,それでは質問に移りたいと思います。  最初に,地方創生についてお伺いします。  日本は2008年から人口減少時代に突入しています。人口の急速な落ち込みは経済の停滞や生活水準の低下を招きます。都市圏への人口流出が続く地方には,既に深刻な問題があらわれている地域もあります。人口減少に歯どめをかけるには長い期間を要しますが,早く手を打つほど効果は高まります。このため,政府は昨年末,人口減少に歯どめをかけ地域活性化を目指す長期ビジョンと,2015年から19年度の政策目標を定めた総合戦略を決定しております。それに基づき,各自治体が人口動向や中長期の将来展望を示す地方人口ビジョンを定めるとともに,そうした人口動向や産業の実態を踏まえながら,人口減少に対処するための地方版総合戦略の策定を行っているところです。  広島市も現在,その作業が進められているところですが,その議論に当たっては,産・官・学に加え,地域の実情を詳しく知る金・労・言,いわゆる金融機関,労働団体,メディアや住民の代表を巻き込むことが重要とされています。これらは国の指針に沿ったものですが,さらに多くの人の知恵を集めて地方創生を進めていく必要があるのではないでしょうか。地方創生に必要な人材は3種類の人がいると言われております。それは若者,よそ者,そしてばか者です。若者は失敗を恐れずにどんな困難な状況にでも立ち向かっていく若々しい気概を持った人材。よそ者は外部ならではの斬新な視点を持った人材。そして,ばか者とは,既存の価値観にとらわれず自分のやり方を貫く人材であります。広島市においては,総合戦略の策定などに向け,意見反映のために既に懇話会及びワーキンググループを発足させていますが,先ほど申し上げました3種の人材という観点から幅広い分野の人材の意見反映が必要と考えますが,御所見をお伺いします。  また,懇話会から意見をもらいながら検討していると聞いていますが,現時点ではどういったことを目標に置き,どういった施策に取り組んでいこうとお考えなのか,懇話会からどういった意見が出されたのかも含めてお聞かせください。  次に,先ほども出ましたが,ビッグデータの活用についてお伺いします。  政府のまち・ひと・しごと創生本部は,地域経済分析システム── RESASの運用を開始し,その活用を図るよう自治体に呼びかけています。これは国や民間の膨大な電子情報── ビッグデータを活用し,人口減対策や地域活性化に向けた自治体の戦略づくりを支援するのが狙いです。グーグルのクロームから誰でも見ることができますけれども,例えば,このシステムを使って広島市の人口変動はどのようになってるかを見ると,2014年,広島市への転入者数は県内の呉市からが最も多く1,747人,反対に,広島市からの転出数は同じく県内の廿日市市が最も多く1,585人となっています。このように,人口の転入・転出の動向を市町村単位で把握することができます。また,観光の面では区ごとに平日と休日の滞在人口や,そのうち広島市を訪れている人数の多い都道府県上位10件を見ることができます。産業の面では,産業分類別の売上高や付加価値額など,地域の中心となる産業は何か,また,地域外からお金,外貨を稼いでいる産業は何かといったことを読み取ることができます。さらに,事業所数や従業員数,創業比率などのデータについて全国1,800ある自治体の中でのランキングを見ることができ,また,他の自治体との比較もすることができます。人口減対策や地域活性化策については,これまでに自治体がさまざまな取り組みを進めてきましたが,坂田一郎東大政策ビジョン研究センター長は,施策メニューは充実しているのに地方には閉塞感がある,客観的なデータを提示する分析システムは,取り組みのスピード感,効率性を高める利点が期待できると指摘しています。もちろんシステムは地方の課題を全て解決できる魔法のつえではありません。データが示すのは解決策の候補であります。石破地方創生担当大臣は,大体の傾向を把握するもの,地域の課題,伸び代の可能性に気づいてもらいたいと語っています。RESASは先日,農業や外国人観光客データが追加され,12月には医療,福祉等のデータの追加が予定されていると聞いてます。総合戦略の策定に際して,このビッグデータ,RESASの活用をどのようにお考えかお伺いします。  また,こうしたデータをどのように分析していくのかも大事な視点だと思います。アナリストの活用もすべきと考えますが,今後,ぜひとも御検討いただきたいと考えます。  産業マップについては,民間のデータを入れているためその活用が一部制限されるとのことですが,総合戦略への利用の障害はあるのかどうかも含めてお答えください。  また,地方創生先行型交付金に続き,新型交付金が予定されています。広島市としてどのような事業に活用していくのか早急に決めていく必要があると思いますが,これまでの取り組みを含め検討状況をお答えください。
     次に,関連して,自治体のオープンデータへの取り組みについてお伺いします。  これについては平成25年3月の予算特別委員会で我が会派の渡辺委員が取り上げた課題でもあります。自治体の公共データが広く活用されれば,防災や医療,保育など,生活に身近な情報が地域住民に共有されることによる行政サービスの向上が期待できます。オープンデータの取り組みを実施している自治体は,まだ9.7%にとどまっていますが,既にオープンデータを活用している自治体は住民の利便性の向上などに成功しています。福井県鯖江市は,人口の推移などの統計情報,災害時避難所や市営駐車場など,施設の情報,観光情報など39種類のデータを公開しています。それらを活用して市民らが作成した実用ソフトは80を超え,誰でもスマートフォンのアプリとして利用でき,生活や観光に役立てているとのことです。千葉市では地質などを詳細に調べるボーリング調査のデータが公開されており,地域全体の地質構造が一覧できます。このことにより,新規の調査が不要になることによる経費の削減のほか,地域の防災にも活用されております。オープンデータのメリットは大きいと考えますが,広島市の取り組みをお伺いします。  次に,医療に関する課題についてお伺いします。  まず,歯科診療についてお伺いします。歯科健診において35歳が新たに節目年齢歯科健診に加えられ,本人負担が1,300円から500円のワンコイン化が実現をいたしました。その結果,節目年齢歯科健診の受診者数は25年度と比べ1,000人以上ふえているようです。他の政令市では本人負担が無料のところもあり,現在,妊婦歯科健診は無料のようですけれども,本人負担が少なければ少ないほど受診率が向上し,結果として早期発見,早期治療につながり,医療費の削減にもつながるのではないでしょうか。今後,500円の本人負担を無料にして,さらに受診率向上を目指すべきと考えますが,いかがでしょうか。歯周病に罹患している人の割合は40歳で47%,60歳で66%と高い状況にあります。それゆえに節目年齢歯科健診の負担軽減や対象年齢の拡充を行っているわけですが,その働く世代の事業所において歯科健診の実施状況は,平成24年に実施された広島県歯科医師会の調査によると全体の1.7%と大変低い実施率のようです。広島市として事業所健診において歯科健診を推進するような働きかけを行っていく必要があると思いますが,お考えをお伺いします。  次に,口腔ケアについてお伺いします。要介護高齢者などの口腔ケアの不十分さが指摘されております。高齢者になると肺炎による死亡率が急激に上昇するようですが,その大部分が異物が気管に入る誤嚥性肺炎によるもののようです。問題は,物を食べたり飲んだりするときの誤嚥ではなく,睡眠中,知らない間に口の中などにいる細菌やウイルスが気管に入ってしまう誤嚥が肺炎に結びつくことです。つまり,お年寄りで歯の周りや喉,鼻の奥が汚れているような場合,そうした分泌物を夜間,本人が気づかないまま誤嚥していることが肺炎の原因になるとされています。介護予防事業の中には口腔ケアも含まれておりますが,現在の活用状況はどのようになってるのかお聞かせください。こうした誤嚥を防ぐための歯科医師や歯科衛生士が行う専門的な口腔ケアをどのように推進していくのかもお答えください。国の平成26年度予算では,後期高齢者の被保険者にかかわる歯科健診として4億8800万円が計上され,歯科医療政策で75歳以上を対象にした健診制度は今回が初めてのようです。口腔機能低下や肺炎等の疾病を予防するためのチェックが目的で,歯科健診を導入,実施することにしたものですが,広島市におけるこの事業の実施はどのようになっておりますか,あわせてお伺いします。  また,周術期── 入院,麻酔,手術,回復など,術中とその前後を含む期間の口腔ケアをすることによって,手術後の合併症の減少や早期の退院,早期の経口摂取── 口から食べられるようになる,在院日数の短縮といったさまざまなメリットがあることなど,歯科医療が全身医療の質の向上に寄与するデータは枚挙にいとまがないとも言われております。実際に医療費の縮小につながるという統計もあるようです。全身麻酔の手術を受ける前に周術期口腔ケアをすることによって,合併症の減少,早期退院,そしてその結果の医療費の減少ということが,まだ市民に認知されていないようです。歯科医師や歯科衛生士による口腔ケアについて,こうした情報を広報紙である「市民と市政」やテレビの広報番組などで取り上げて,市民の皆さんにもっと周知させるべきではないでしょうか。御見解をお伺いします。  次に,救急医療体制についてお伺いします。救急患者を搬送する場合,広島県が開発した救急医療情報システムを運用されているようですが,情報の更新がなかなか難しいようで課題もあるようです。結局,電話で何カ所もの病院に問い合わせをして交渉を行うことになるようですが,4回以上交渉を必要とした患者は,昨26年で2,600人,5.5%となっております。中でも,整形外科に限って見ると,その割合は10.2%と高くなり,輪番時間帯である18時から翌8時の間では14.2%の割合となっている現状です。その要因はさまざまだと思いますが,救急医療コントロールの対象診療科である内科,脳神経外科の4回以上の交渉患者については市民病院が受け入れる仕組みがあるようですが,外科,内科についてはそうした仕組みがなく,特に夜間における外科系の初期救急医療体制が不十分なため,二次救急を担う輪番病院の負担が大きくなっていることも要因の一つではないかと思います。北九州市など幾つかの政令指定都市では外科にも対応する夜間急病センターを整備しているようです。救急患者を一刻も早く病院へ搬送するための救急医療体制の整備について,広島市としてどのような対応をお考えかお伺いしたいと思います。  次に,廃棄物の処理についてお伺いします。  昨年の土砂災害における廃棄物の処理に当たっては,現在,出島に臨時中間処理場を建設し,その対応を行っています。先日,その様子を見学させていただきましたが,夏の暑い中,大変な業務に従事されている皆様に頭の下がる思いでした。災害廃棄物については一般廃棄物として位置づけられてその処理が行われているようですが,廃棄物の中身を見ると産業廃棄物に類したものが多く,産廃業者を活用することが適当ではないかと思われます。災害時における廃棄物の処理については,平成25年5月に広島市として広島市廃棄物処理事業協同組合と災害協定を締結をしました。その翌年の8月に土砂災害が発生したことから,協定に基づき組合の協力を得て廃棄物の除去処分が行われたようです。協定を締結したことによって,よりスムーズにその除去が行われたのではないかと思います。ただ,中間処理を含めた処理業務になると,処理能力を含め産業廃棄物処理業者を活用することも必要ではないかと思われます。広島県は産業廃棄物の処理を中心とした団体,広島県資源循環協会と災害廃棄物処理の協定を結んでいるようですが,広島市においても災害時に迅速な廃棄物の処理を行うために何らかの協定を締結しておく必要があるのではないかと考えますが,いかがでしょうか。  また,今国会で成立しました廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正により,都道府県が定めなければならないとされる廃棄物処理計画において,新たに非常時における廃棄物の適正な処理を確保するために必要な体制等に係る事項を盛り込むことが必要となりました。市町村に関しては,今回の改正において一般廃棄物処理計画の中にこうした項目の追加の義務はありませんが,あらかじめ非常災害時への備えが必要な点については県と変わらないと考えます。市当局としてどのようにお考えかお伺いします。  次に,一般廃棄物処理行政についてお伺いします。市民生活から出る一般廃棄物の処理については,法律ではその処理責任は市町村が有するとされ,また,市町村以外の者に委託して行わせる場合でも,許可業者に行わせる場合であっても,市町村が統括的な責任を有するとされており,経済性の確保の要請ではなく,業務の着実な遂行を求める基準であることに留意が必要であるとしております。広島市においては,一時,市の委託業務において過度な自由競争によって低入札が横行し,その適正な処理が危ぶまれる時期もありましたが,契約制度などの改善によって見直しが行われ現在に至っております。当局としてもその改善に尽力をされてきたところではありますが,企業経営的に適正な委託料が確保されているかどうか,いまだ疑問の声も聞かれます。平成26年1月に出された最高裁判所の判決は,廃棄物処理法において一般廃棄物処理業は専ら自由競争に委ねられるべき性格の事業とは位置づけられていないものと言えるとしており,この判決を踏まえ,国より,法律の適正な運用の徹底についての通知が昨年10月になされております。国の示した委託基準には受託料が受託業務を遂行するに足りる額であることとされております。しかしながら,実際は直営で行う場合に比べ委託する場合の費用が低く,それゆえに継続的かつ安定的に業務の適正な運営が確保されているような制度設計になっていないとの意見や,また,単年度入札等のため従事する職員の人生設計が立たず,安定を求めて他業種へ人材が流出しているとの声があります。このような状況が続けば適正な廃棄物の処理に支障を来す事態になりかねないとも限りません。こうした現状をどのように認識されているのかお伺いします。改善策を考えるべきと思いますが,いかがでしょうか。  また,不適正行為に対する行政処分についてお伺いします。事業者から排出される事業ごみの処理においては,全体の処理量とそれを処理する許可業者の数の均衡が崩れているせいか,事業ごみ収集処理料金の値引き競争が過熱し,その赤字を補うために,市の処分場に搬入する際,指定袋に入れ処分料を支払ってるごみと料金を支払ってない他のごみを混載することによって処分料をごまかすような事態も,一部ではありますが見受けられると聞きます。事業ごみの処理について不適正または違法行為を行ったような事業者に対しては許可の更新を取り消すなど厳正な行政処分が求められるべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,OB職員の活用についてお伺いします。  団塊の世代,また政令市発足時に大量に採用した職員の退職期を迎え,さまざまな課題も浮上していますが,中でも技術系職員の大量退職により,その技術や経験の継承といったことが課題となっているのではないでしょうか。また,技術系職員の採用を抑制してきた時期もあり,さまざまな知識や技術の継承,組織全体の技術力の低下が危ぶまれてきているのではないかとの懸念もあるようです。  広島市は下水道局において技術承継を目的とした情報交換会の拡充や建設技術委員会の設置,人材育成の場として下水道場を設置し,各種研修を実施し,若手職員の育成を図る取り組みを行っているようです。これらと同様の取り組みはその他の局でも必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか。その際,OB職員の活用も必要ではないでしょうか。また,現在,退職後に再任用されたOB職員は主事や技師といった役付職員ではない職名で職務に当たっておられるようです。特に技術の継承などの分野において,今後,再任用職員は若手職員に対する指導,助言的な役割も担うことができるような職名に変更してはどうかと思いますが,当局のお考えをお伺いします。  観光についてお伺いします。  先日,新聞報道で2014年に広島県の外国人観光客が100万人を超えたとありました。外国人のみならず観光客の増加は地域の活性化が期待できるものであると考えます。  そうした中,観光施設やホテルなどをバリアフリー対応に整備,改修するだけでなく,高齢者や障害者,その家族ら介護者にとってソフト面でも旅行しやすい環境をつくるユニバーサルツーリズムの取り組みが各地で広がってきているようです。バリアフリー情報を提供したり,宿泊先や飲食店,介助者を紹介,手配したりする総合的なサービスを手がける団体もあらわれているようです。こうした活動はこれまでNPO法人など民間が先行しているようです。ただ,最近は自治体の動きも目立つようになってきているとの調査結果も出ております。全国のバリアフリー観光地を支える団体は北海道から沖縄まで20カ所あり,広島県では呉と広島にあるようですが,どの程度活動しているかはわかりません。全国の自治体の取り組みとしては,都道府県,政令市を対象にした調査では67自治体の半数以上の36自治体,53.7%が既に何らかの形で取り組んでいるようです。広島市は取り組むかどうか,今後,検討する考えとしているようです。市としてはユニバーサルツーリズムに取り組んでいるNPOや民間団体等の把握はされておりますでしょうか。また,そうした団体への助成や業務委託などを行う考えはあるかどうかお伺いします。また,今後,ユニバーサルツーリズムへの取り組みをどのように行っていくのかお伺いします。  最後に,海外での原爆展の開催についてお伺いします。  私ども公明党のOB議員で,引退後もボランティア活動でリトルリーグのお世話をされている方がおられます。隔年ごとにチームの少年たちとともにハワイのホノルル市を訪問,民間の親善活動に寄与されており,こうした活動は10年以上にわたって続けられているようです。ことしもホノルルを訪問した際,市長を表敬する機会があり,懇談の中で,ぜひこのホノルル市で広島の原爆展の開催をと提案したところ,賛同していただけたとの話をお伺いしました。ハワイは太平洋戦争を日本が始めた地でもあり,原爆展の開催は意義あるものではないかとも考えられます。先方の要望により,ワシントンやニューヨークで開催した資料を先日送られたようですが,ホノルル市での原爆展の実現についてどのようにお考えかお伺いします。  以上で私の一般質問を終わります。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○沖宗正明 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       平木議員からの御質問にお答えします。  地方創生についてのうち,総合戦略の目標と施策についての御質問がございました。  我が国における急速な少子化,高齢化の進展に的確に対応していくことが喫緊の課題となっており,本市においても人口が2020年度までの間に減少に転じることが予測されておりますことから,この人口減少の予測を打ち破るべく,地域特性を生かした大胆かつ効果的な地方創生の取り組みを実施していく必要があると考えております。  そこで,経済面や生活面で深く結びついております近隣市町と強力な信頼関係を構築し,連携中枢都市圏制度を活用した施策展開を図るとともに,本市の総合戦略を策定して,まち・ひと・しごと創生に総合的に取り組むことによって,圏域経済の活性化と圏域内人口200万人超を目指す200万人広島都市圏構想を実現したいと考えております。  こうした地方創生の取り組みに当たりましては,広島の拠点性強化に向けた懇話会の検討部会として立ち上げましたワーキンググループ会議において意見をいただきながら検討を進めております。このうち,総合戦略の取り組みは,その基本的な考え方として,仕事が人を呼び,人が仕事を呼び込む,好循環を確立し新たな人の流れを生み出すとともに,その好循環を支えるまちを活性化し,市民が安全・安心に生活を営み,子供を産み育てられる社会環境をつくり出すことを検討しております。  こうした基本的な考え方のもと,四つの基本目標とその実現に向けた施策を検討しております。一つ目として,働きがいのある安定した仕事をつくるという基本目標を掲げて,地域経済の担い手を確保する雇用対策等の施策を検討しております。二つ目としては,人の流れ・循環を生み出すという目標を掲げて,地域資源を生かした交流・定住の促進等を検討しております。三つ目として,若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえるという目標を掲げて,結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援等を検討しております。四つ目として,安全・安心に住み続けられるまちをつくり,近隣市町と連携するという目標を掲げて,活気にあふれるまちの創生等を検討しております。  このように,本市の総合戦略は広く関係者の意見を伺いながら検討を進め,年内にその骨子を取りまとめ,本年度末までに策定したいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○沖宗正明 副議長      企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   地方創生の御質問につきまして,順次お答えをさせていただきます。  まず,総合戦略の策定に向けて,若者,よそ者,ばか者と3種類の人材という観点から幅広い分野の人材の意見反映が必要と考えるがどうかというお尋ねでした。  地方創生を効果的・効率的に推進していくためには,議員御指摘のような多様な人材の参加・協力が必要であることから,まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定する上においても広く関係者の意見を反映することが重要です。このため,本市においては昨年度立ち上げた産・学・官で構成する広島の拠点性強化に向けた懇話会ワーキンググループ会議に,今年度,新たに金融機関,労働団体の方々にも参加していただき,総合戦略の策定に向け意見を伺っているところです。このほか,現在,市民の結婚,出産,子育てに関する意識,希望や,転入・転出者の移住に関する意向等について調査を実施しており,これらの調査結果も含め,できるだけ広く関係者の意見を反映したいと考えております。  次に,懇話会からどういった意見が出されているのかというお尋ねです。広島の拠点性強化に向けた懇話会の検討部会であるワーキンググループ会議の委員からは,例えば,広島の地元定着を促進するには,地元企業への就職のほか,地元で創業する人材を育成するという手段も有効ではないかといった御意見や,女性の活躍を推進するには,女性の活躍を推進する機運を醸成し,経営者の意識を変えることが重要ではないかといった御意見,中山間地・島嶼部における交流拠点づくりを推進していくためには,一過性の取り組みにならないよう地域住民の参加を求めることが重要であり,また,NPO法人を活用することも考えられるのではないかといった御意見を頂戴しております。  次に,総合戦略の策定に際して,地域経済分析システム── RESASの活用をどのように考えているか,また,その活用が一部制限されているということだが,総合戦略への利用に障害があるのかどうかという御質問です。  国が示す「地方版総合戦略策定のための手引き」によると,総合戦略の策定に当たっては地域経済分析システム── RESASを十分に活用し,客観的データに基づいて各地域の強み,弱みを含めた特性を把握した上で数値目標等を設定することなどが求められております。このため,本市においても,総合戦略やこれに盛り込む施策等の検討に当たって地域経済分析システムを十分に活用していきたいと考えております。  また,議員御指摘の産業マップの一部については,企業間取引に関するデータが含まれていることから一般には公開されていませんが,地方自治体の職員については国の承認を得た上で利用が可能となります。本市職員においても国の承認を得た上で利用しており,その利用に支障は生じておりません。  続いて,地方創生の新型交付金についてどのような事業に活用していくのか,早急に決めていく必要があると思うが,これまでの取り組みも含めて検討状況はどうかというお尋ねです。  国の昨年度の補正予算により創設された地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金の地方創生先行型については,地方版の総合戦略の策定に先行して実施される事業を対象としており,本市においては,女性が再就職しやすい職場環境づくりモデル事業や住宅団地の活性化に向けた事業などの事業に現時点で1億9508万3000円の交付を受けるとともに,有給長期インターンシップモデル事業や協同労働モデル事業などについて,上乗せ交付の申請を行ったところです。また,来年度,国が先駆性のある取り組みや,自治体みずからが既存事業の課題を発見し打開する取り組み等を対象に創設を予定しております新型交付金については,総額1080億円の予算概算要求がされたところであり,詳細がわかり次第,積極的な活用を検討してまいりたいと考えております。  最後に,オープンデータの活用につきまして,メリットは大きいと考えるが市の取り組み状況はどうかというお尋ねです。  本市では,現在,国や他都市における導入事例の調査,データの内容やその公開方法,データを利用する際の規約の検討などに加え,オープンデータに必要なデータ形式の変換作業に伴う職員の業務やコストの増加をどのように軽減すればよいかなどについて検討を行っております。議員御指摘のように,他都市の先行事例を見ますと,公共データの公開をきっかけに事業者等がみずから進んでデータの利活用に取り組み,データを提供する側の予測を超えた市民生活や企業活動に役立つサービスの提供につながった事例も多々見受けられ効果が期待できることから,本市においても,まずは人口,公共施設,災害時の避難場所等の基本的な情報について,今年度内の公開を目途に準備を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   医療政策に関します質問に順次お答えを申し上げます。  まず,節目年齢歯科健診,この本人負担につきまして,無料にしてさらに受診率向上を目指すべきではないかとの御質問がございました。  節目年齢歯科健診の受診率につきましては,30歳,40歳,50歳,60歳の年齢における3カ年の推移を見ますと,平成24年度,8.2%,平成25年度が8.9%,平成26年度は9.5%と,徐々に上昇しております。自己負担額500円というこの軽減措置は,平成26年度から開始して現在2年目であることから,今後さらにその効果を見きわめた上で,自己負担のあり方につきまして検討してまいりたいと考えております。  次に,事業所において歯科健診を推進するよう働きかけを行っていく必要があるがどうかという御質問でございます。  事業所健診は労働安全衛生法に基づいて実施されておりますが,歯科健診につきましては,酸を取り扱う業種を除きまして実施規定がないことから,実施している事業所が少ないという状況にあります。このため,本市職員が事業所に出向きまして,事業主に対して歯科健診の重要性を説明するとともに,チラシの配布等により従業員に対する節目年齢歯科健診の啓発と受診勧奨を行うよう働きかけをしております。  今後も,これらの取り組みに加え,本市ホームページの事業者向け情報の充実や,元気じゃけんひろしま21協賛店・団体への情報提供により,事業所や働く世代に対する節目年齢歯科健診の啓発に一層努めてまいります。  次に,介護予防事業の中に誤嚥性肺炎を防ぐための口腔ケアが含まれているが,現在の実施状況はどのようになっているか,また,どのように推進していくのかというお尋ねでございます。  そしゃく,嚥下といった口腔機能の維持・向上は,高齢者の誤嚥性肺炎の予防や栄養状況の改善等に効果があることから,介護予防事業の中に口腔ケアが位置づけられております。このため,本市の高齢者施策推進プランでは,口腔機能低下者の割合の減少を目標の一つに設定しまして,平成26年度は地域包括支援センター等において嚥下に必要な筋肉を使う体操や唾液腺マッサージなどの教室を67回開催をいたしました。また,地域の歯科医療機関等に委託しまして,口腔機能低下者を対象とした個別指導を延べ483回実施いたしました。口腔ケアは介護予防事業の重要な柱の一つであり,今後は口腔ケアの個別指導を実施する歯科医療機関をさらにふやすとともに,地域包括支援センターが市民に利用を一層働きかけるなど,その充実を図ってまいります。  次に,国の平成26年度予算で後期高齢者の被保険者にかかわる歯科健診として,口腔機能低下や肺炎等の疾病を予防するためのチェック,これを目的とした歯科健診を導入,実施することになってるが,この事業の実施はどうなっているかとのお尋ねでございます。  高齢者の口腔機能低下や誤嚥性肺炎等の予防は重要であることから,本市では現在,介護予防事業の中で実施するチェックリストによりまして口腔機能低下者を把握しておりまして,後期高齢者のみを対象とした歯科健診によるチェックは実施いたしておりませんけども,今後,他都市における実施状況やその効果を注視しながら実施について研究をしてまいりたいと考えております。  それから,次に,周術期口腔ケア,これをすることによって術後の合併症の減少や早期退院,医療費の減少につながる,この口腔ケアについて,情報を広報紙や広報番組などに取り上げて市民に周知すべきではないかとのお尋ねでございます。  周術期口腔ケアは手術後の合併症の減少等に効果的であり,これを普及するためには,がんの手術等を実施する医療機関に対して周術期口腔ケアを行うようその手順等を周知することが重要と考えております。このため,広島県,広島市,広島県歯科医師会等で構成する広島県歯科衛生連絡協議会では,周術期口腔ケアの手順やツール等を取りまとめた周術期口腔機能管理マニュアルを本年3月に作成しまして県内の医療機関に配付いたしました。今後とも,広島県や歯科医師会等と協力し,周術期口腔ケアの実施について医療機関に働きかけるとともに,市民に対しても広報紙や広報番組等を利用し,口腔ケアの重要性について周知を図っていきたいと考えております。  最後に,救急搬送に際して病院と4回以上交渉を要した患者の割合が特に整形外科が高くなっていると,この救急医療体制の整備についてどのように考えているかとのお尋ねでございます。  本市において救急搬送の受け入れに中心的な役割を担うのは病院群輪番制病院であります。この平成26年度から,広島地区でも整形外科において午後6時から午前0時までの準夜帯のみの当番を新設し,病院だけでなく有床診療所が輪番制に参加できるようにするとともに,今年度から病院群輪番制運営費補助金に複数の診療科を複数の医師で対応する場合の複数診療科加算を設定するなど,病院群輪番制に参加する医療機関をふやすための環境づくりに取り組んでおります。また,本年8月に開催しました病院群輪番制病院連絡会議では,救急車の受け入れ要請に対する各病院ごとの応需率を示しまして,これを少しでも向上させるため各病院に努力を促したところであり,こうした働きかけを今後も続けていきたいと考えております。あわせて,医師会や行政,関係団体等で構成する広島市連合地区地域保健対策協議会に設置した救急医療体制のあり方検討委員会におきまして,救急患者を的確に受け入れられるよう,外傷の軽症患者のための救急診療所の整備や,救急車を呼ぶべきかどうか迷っている患者からの相談に看護師等が助言を行う電話相談事業の実施などを検討しておりまして,市民が安心できる安定的な救急医療体制の構築に向けてできることから対策を講じていきたいというふうに考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      環境局長。 ◎北吉孝行 環境局長     産業廃棄物処理行政について,数点の御質問に順次お答えいたします。  まず,災害時に迅速な廃棄物の処理を行うため,広島県資源循環協会と協定を締結してはどうかとの御質問についてです。  昨年8月20日の豪雨災害で発生した災害廃棄物は膨大な量であり,その大半が瓦れきまじり土砂という性状であったため,本市や廃棄物処理業者の施設では処理が難しく,新たに仮設の施設を設置して処理を行っているものでございます。しかしながら,災害の規模や廃棄物の性状によっては,廃棄物処理業者の施設を利用させていただくことで迅速かつ円滑に災害廃棄物を処理することができるものと考えています。議員御紹介の一般社団法人広島県資源循環協会が現在広島県と締結しております協定では,本市も協会に対して協力を要請することができるようになっておりますが,これまでこれに基づく要請を行ったことがないことから,災害発生時における災害廃棄物の処理を円滑に行うために何が問題となるかについて,さらに検討・協議を進める中で,同協会との協定締結の要否を見きわめてまいりたいと考えています。  次に,廃棄物処理法では,市の一般廃棄物処理計画に非常災害時における廃棄物の適正な処理を確保するために必要な体制等に係る事項について追加するよう義務づけられていないけれども,あらかじめ非常災害時への備えは必要であると考えるがどうかとの御質問についてです。  議員御指摘のように,あらかじめ非常災害時における廃棄物の適正処理の確保について備えておくことは大変重要であると認識をしております。このため,昨年8月20日の豪雨災害の対応から得た瓦れきまじりの土砂の処理などのノウハウを環境局で策定をしております非常災害時の廃棄物処理に係るマニュアルに新たに反映するよう,現在,修正を行っているところでございます。また,今後,広島県の廃棄物処理計画に新たに盛り込まれる非常災害時における廃棄物の適正な処理を確保するために必要な体制等に係る事項について,確認・調整しながら必要に応じてマニュアルの修正を行うなど,非常災害時に備えてまいりたいと考えております。  次に,家庭ごみの収集に係る委託業務において継続的かつ安定的に業務の適正な運営が確保されるような制度設計になっていないと,こうした状況が続けば廃棄物の処理に支障を来す事態になりかねない,こうした現状をどのように認識しているのか,また,改善策を考えるべきではないかとの御質問についてです。  本市では家庭ごみの収集を直営及び委託により実施しているところでございますけれども,その約7割の量を委託で収集していることから,委託業者が継続的かつ安定的に運営していける仕組みづくりが重要となることは議員御指摘のとおりであると考えております。現在,委託契約を単年度契約で行うという現行システムのもとで委託経費や最低制限価格の適正化を確保してきているところではありますが,さらなる改善を図っていく必要があると考えているところでございます。そのため,まずは業務品質の向上を図れるようにした上で,各事業者の継続的かつ安定的な運営の確保につなげていくことが重要であるとの認識のもとで,平成27年度業務の入札において制度変更に着手をしたところでございます。具体的には,各業者の経営状況や適正な履行能力,社会貢献度等を定量的に評価し,特に優良な業者を優良業者と認定し,優良業者には他の業者に優先して受託できるようにしたこと,それから,入札する全ての業者が原則最低1業務を受託できるようにしたことなどでございます。今後は,この制度変更を定着させる中で複数年契約への移行等を着実に行い,業界の健全な育成,発展に資するよう,よりよい制度になるよう努めてまいります。  最後に,事業ごみの処理について不適正または違法行為を行ったような事業者に対しては許可の取り消しを行うなど厳正な行政処分が求められるべきと思うがどうかとの御質問についてです。  本市は事業ごみ収集運搬業務を適正に行わせるため,許可業者の収集運搬車等の機材の検査を行うとともに,事業ごみ排出場所から市の処理施設への搬入までの事業ごみ収集運搬状況の監視パトロール,処理施設における搬入物の検査など現場での監視体制を強化し,不適正な処理があった場合には口頭または文書による行政指導等を行っております。また,2年に1回行う許可更新時には,欠格要件の有無について広島地方検察庁等の関係機関に照会をかけるなど,廃棄物処理法等の関係法令に照らし,厳正に許可制度を運用しています。さらに,許可業者のどのような行為が法に規定される許可の取り消しや事業の停止などに該当するのか,行政処分をより具体的に適用するための運用基準を今年度定めたところであり,今後,この基準を許可業者等に広く周知し,来年度から運用することにしております。今後とも,この制度の適切な運用と監視体制のさらなる強化等を図り,不適正な処理に対してはより一層厳格に対処していきたいと考えています。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      企画総務局長。 ◎岡村清治 企画総務局長   OB職員の活用についての御質問にお答えいたします。  再任用職員がやりがいを持って職務に当たることができるような職名に変更してはどうかというお尋ねでございました。  再任用職員においては,その豊富な行政経験や事業執行に関するノウハウ等を生かして,知識・技術の継承や若手職員の指導・助言等に意欲を持って取り組んでもらうことが重要であると考えております。このため,その職名の変更については,再任用職員がそうした意欲と誇りを持って職務に当たることができるよう,来年度の実施に向けて検討を行っていきたいと考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      都市整備局長。 ◎宮原慎 都市整備局長    OB職員の活用のうち,技術系職員の大量退職により技術の継承や技術力の低下が懸念される中で,下水道局で実施してる研修と同様の取り組みは他の局でも必要ではないかと,その際,OB職員の活用も必要ではないかという御質問についてお答えいたします。  団塊世代の大量退職を背景とした技術力の低下などが懸念される中,技術の継承や技術力の向上に向けた取り組みが重要になっていると認識をしております。本市では,これまでも都市整備局技術管理課において,主に新規採用職員を対象に基礎的な知識の習得を目的とした研修を行ってまいりました。また,昨年度から経験豊富な技術系のOB職員を研修担当として配置し,OB職員を講師とするグループ討議形式の研修を新たに取り入れるとともに,研修の項目や回数をふやすなど,内容の充実を図っております。さらに,今年度は若手,中堅職員の技術力強化などを目的とした研修計画の策定に取り組んでおり,この計画の中で,道路,公園,農林等の事務を所掌する関係局での独自の専門研修についても実施に向け検討を進めているところでございます。今後とも,OB職員の技術力を最大限に活用しながら,こうした取り組みを進めていくことで,技術の継承や技術力の向上を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      経済観光局長。 ◎久保下雅史 経済観光局長  ユニバーサルツーリズムについて,取り組んでいるNPOや民間団体等を把握しているのか,また,そうした団体への助成や事業委託などを行う考えがあるのか,さらに,今後,ユニバーサルツーリズムへの取り組みをどのように行うのかとの御質問にお答えいたします。  ユニバーサルツーリズムは,高齢者や障害者なども含めて,全ての人が気兼ねなく旅行できるよう,ハード・ソフトの両面でバリアフリー化を進めていくもので,重要な取り組みであると認識しています。ユニバーサルツーリズムに取り組んでいる団体としては,広島市と廿日市市を活動地域としている広島バリアフリーツアーセンターがあります。このセンターは,民間企業と一般社団法人広島まちづくり推進協議会が中心となって開設したもので,平成26年度観光庁ユニバーサルツーリズム促進事業における地域選定を受けております。広島マリーナホップ内に事務所を設け,県内の観光施設,宿泊施設等のバリアフリーに関する情報提供などを行っています。本市はこれまで広島まちづくり推進協議会が主催するユニバーサルツーリズムを地域に広げるための会議に出席するとともに,同協議会が実施したバリアフリー観光セミナーの後援を行うなどの支援を行ってきたところです。今後,2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて,ユニバーサルツーリズムの推進を加速させていくため,宿泊施設や観光施設など,さまざまな旅行関係の事業者に対し普及啓発に努めるとともに,議員御提案の助成や事業委託も含め,広島バリアフリーツアーセンターとのさらなる連携について検討していきたいと考えています。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      市民局長。 ◎谷本睦志 市民局長     海外での原爆展について,ホノルル市での原爆展の実現についてどのように考えているのかとの御質問がございました。  本市では,広く世界に被爆の実相を伝え,核廃絶に向けた国際世論を醸成するため,平成7年度以降,長崎市と共同で被爆の実相を伝える原爆写真パネルや被爆資料の展示,被爆体験証言,ビデオ上映などを内容とする海外原爆展を核保有国や核廃絶に積極的に取り組んでいる非核保有国の主要都市など,これまでに16カ国45都市で展開しています。ホノルル市においては,このような原爆展ではありませんが,平成11年に姉妹都市提携40周年記念「広島・ホノルル写真パネル展」を行う中で,原爆被害を伝える写真パネルの展示を行っています。このたび御提案のあった原爆展の開催は,ホノルル市が本市の姉妹都市であり最大の核兵器保有国である米国の都市の一つでもあることから,開催する意義は大きく,今後,実現に向けた協議をしていきたいと考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      30番。 ◆30番(平木典道議員) 一言だけ,ちょっと意見を申し上げて終わりたいと思います。  今回,一般質問に際しまして,私も事前に早くから準備をさせていただいて,期限の1週間ぐらい前には皆様に原稿をお渡しさせていただいて,少しでも負担が軽くなるようにという思いでそうさせていただいたつもりなんですが,課によっていろいろ対応はまちまちで,その後何回も確認に来られるとこと,ナシのつぶてで何の連絡もないところと,そういうとこも一部あって,やっぱり議員が質問するということは,その議員の考え方を知る,いろいろ接触するいい機会であると思いますので,職員の方も面倒とは思いますけども,積極的に議員に接触されていろいろ議論を交わすということを心がけていただければとも思いますので,よろしくお願いしたいと思います。  以上,終わります。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      この際,暫時休憩いたします。                  午後2時49分休憩 ───────────────────────────────────────
                     午後3時07分開議                  出席議員  36名                  欠席議員  18名 ○沖宗正明 副議長      出席議員36名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  22番藤井敏子議員。                〔22番藤井敏子議員登壇〕(拍手) ◆22番(藤井敏子議員) お疲れさまです。  日本共産党の藤井敏子です。日本共産党市議団を代表して一般質問を行います。  初めに,平和行政について。  戦後70年,被爆70年,ことしの平和記念式典の後,被爆者の代表は安倍首相に対して,過ちを繰り返し,戦争や原爆で亡くなった人が安らかに眠れない国になろうとしていると,直接,安保関連法案の撤回を求めました。多くの国民が反対をし,憲法学者の9割,元法制局長官,元最高裁長官までこの法案は違憲であると断言しているにもかかわらず採決を強行しようとする安倍内閣は,立憲主義,国民主権,民主主義を踏みにじるものであり,私たちは断固抗議するものです。  市長は6月議会で中森議員が反対を表明すべきではないかとただしたのに対し,この法案について国会議員の熟議に任せると答弁されました。しかも,この法案は憲法違反であるだけではなく,自衛隊が武器,弾薬を運ぶことも可能にし,核兵器や劣化ウラン弾も法的に運べることを否定していません。核兵器廃絶を掲げる広島市の市長として,被爆者,国民の声を無視しての採決強行しようとしていることに対してどのように受けとめていますか,お答えください。  初めに平和教育について伺います。  本市は2012年度から被爆の実相を伝え継承するために,被爆体験伝承者の養成事業を始めて,活動を開始した伝承者数は50名,今年度の申込者は69名になったと聞いています。伝承活動とあわせて平和学習も重要です。NHKが広島,長崎を初め全国の20歳以上の成人を対象にした平和に関する意識調査の結果が8月に発表されました。その結果を見ると,原爆投下の日時を正確に答えられた割合が減少しているというショッキングな現状が明らかになりました。長崎や全国に比較して割合は高いものの,広島の成人の正解率が68.6%では,広島の平和教育のあり方が問われることになるのではないでしょうか。市教委も平和に関する意識調査を定期的に実施されていると伺っていますが,どのような結果が出ているのでしょうか。また,今後の調査の予定をお聞かせください。  また,平和教育を進める際には,例えば平和記念資料館は広島の子供たちにとって平和学習の身近な教材の一つになるものだと思いますが,各学校ではバス代や授業時間の確保に苦心しているようです。市教委としてどのように平和教育に取り組んでおられるのか,また,各学校では平和記念資料館の見学等,平和学習をどのように進めていくのかをお答えください。  二つ目に,被爆二世についてお聞きします。  被爆者の高齢化と同様に,被爆二世も最高年齢で70歳を迎える年齢になっています。広島市は被爆二世の実態を全く把握していません。まずは実態調査を早急にすべきだと考えますが,お考えをお聞きします。東京都は被爆二世に対して健康診断受診票を交付,がん検診も実施しています。被爆地広島は非常におくれをとっていると言わざるを得ません。市の見解をお聞きします。  三つ目は黒い雨の問題です。  9月2日,市は国の支援対象区域外で黒い雨に遭い健康被害を受けたなどとして,第一種健康診断受診者証及び被爆者健康手帳の交付を求めた59名の申請者のうち,第一種健康診断受診者証については56名を,被爆者健康手帳については39名を却下しました。高齢化した黒い雨被害者の援護,救済のため,支援対象地域拡大が急がれます。  市は2010年の実態調査に基づき国に地域拡大を要求し続け,ことしの平和宣言にもそのことを明記しています。市は今回の被害者の集団申請の審査に当たり,厚労省に指定地域の拡大と第一種健康診断受診者証を交付されるように要求されたのか,また,厚労省の回答はどうであったのかお答えください。今後,却下された申請者の方々は集団訴訟を検討されています。この方々と広島市の要求は,地域拡大を国に求めるという点では一致しています。裁判の中でも協力できるものではないかと考えますが,市はどのように考えているのですか。お答えください。  最大の問題は,国が内部被曝をいまだに認めようとしていないことです。放射線被害については,戦後,ABCCからアメリカと日本との共同出資の放射線影響研究所── 放影研に受け継がれ今日に至っています。しかし,その研究はいまだに直接被爆が中心で,内部被曝については無視をしています。福島やチェルノブイリの原発事故で内部被曝は常識であり,入市被爆や救護・看護被爆も黒い雨による被爆も,放射線による内部被曝であることは共通しています。国の見解待ちではなく,広島市が放影研に資料の全面公開を求め,黒い雨の放射線の内部被曝としての研究を率先して行い,降雨地域を拡大させる科学的根拠をみずから示すべきと考えますが,どうお考えでしょうか。市の考えをお聞きいたします。  次に,8月20日豪雨土砂災害について。  8.20豪雨土砂災害についてお聞きします。9月11日,関東,東北を襲った豪雨災害で亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに,被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。75名もの犠牲者を出した昨年8月20日の広島豪雨土砂災害から1年がたちました。改めて犠牲となられた方々に心から御冥福をお祈りいたします。  土石流災害で大切な家族や家まで失った悲しみと苦悩の深さははかり知れません。生活再建への不安の中,多くの被災者にとって災害は今も続いています。二度とこのような災害で犠牲者を出さないためにも,被害を大きくした行政の責任を明らかにすることは重要です。  広島市は6月議会,中森議員が市の行政責任をただしたのに対して,八木・緑井地域の宅地開発を進めてきた責任は合併前だから市には責任ないかのような答弁をされました。しかし,16年前の6.29の災害後,市は少なくとも市内の危険箇所を把握していたはずです。国が計画中の砂防ダムを急ぐように申し入れられてきたのか,県の砂防予算をこの10年,3分の1まで減らし続けてきたことに対してどのような働きかけがされてきたのかお聞きします。少なくとも今回の災害で避難勧告が災害発生後だったことなども,結局,6.29の教訓を生かせなかった市の責任は免れることはできません。市は被災者にまず謝罪をし,市の責任で被災者全ての人がもとの暮らしに戻るまで支援の体制をきちんととることが求められていると思います。  そこで,具体的な被災者支援について伺います。  生活再建で早急な対応が求められているのが,砂防ダム建設のための立ち退き世帯の問題です。災害後に砂防ダムの建設予定地となり,立ち退きを迫られている世帯が約80世帯に上っています。地域の安全のためならと移転を受け入れようとする被災者も,国の移転補償費は全壊や半壊で更地にしていた場合,建物の評価がされないため移転補償費が少なく,国の支援金と義援金を合わせても自宅の移転再建は難しいという問題に直面しています。復興のために被災者が何度も苦しめられることがあってはならないはずです。被災者が安全な地域への移転再建ができるだけの補償が必要です。  次に,国に対して一般公共事業と同じ補償費の基準ではなく災害補償としての基準をつくることを求めると同時に,市独自の支援を検討すべきだと考えます。検討されているのであればどのような検討をされているのかお答えください。  次に,また,第3次義援金の配分で,住まいの再建世帯に義援金配分が決まりました。しかし,領収証と引きかえが条件では,一旦立てかえなければならないため利用しにくいという問題が出ています。一旦立てかえしなくても済む方法を検討すべきと思うがどうか,お答えください。  三つ目は情報の提供についてです。生活再建の見通しが立てられない被災者に対して丁寧な支援が求められています。仮の住居は皆,地域もばらばらで,必要な情報も届かず被災者が孤立しているため,不安も当然大きくなります。東北の震災後,陸前高田市では被災者住宅再建ガイドブックをつくり,丁寧な生活再建のための情報をわかりやすくまとめて提供しています。こういった丁寧な具体的な支援が必要と思うがどうか,お答えください。  四つ目は,被災後さまざまな出費がかさみ生活が苦しくなった世帯も多く,特に医療費の負担は重く,国保や介護の一部負担減免や利用料の免除は被災者にとって喜ばれた支援です。しかし,この支援も1年で打ち切られ,被災者を苦しめることになっています。災害前,治っていた胃潰瘍が災害で再発し治療している,災害というストレスの上に医療費の負担や介護の利用料負担が生活を圧迫している,こういった声に応えるべきではないでしょうか。広島市は被災者の健康調査を行ったと聞くが,その結果と今後の支援にどう生かそうとしてるのかお聞きします。  次に,復興まちづくりビジョンについて伺います。  災害で突然住まいを失うことがどんなに被災者を不安に陥れるか,生きてきた家族の歴史を失い,長年かけて築いてきたコミュニティーまで崩れてしまいます。安心して暮らせる住まいを取り戻し,地域の復興は市の責任です。ところが,市が3月に策定した復興まちづくりビジョンでは,移転地を示すことなく国が砂防ダム25基の建設で80世帯に立ち退きを迫り,さらに市は直接ダム整備とは関係のない50年も前につくった長束八木線都市計画道路を広域避難路整備と排水施設のためにと,新たに10年間で約200世帯も立ち退きを迫る計画を打ち出しました。この突然の計画公表により,多くの被災者がこの先どうすればよいのか大変不安に思っています。  私たち日本共産党は,6月に被災地2,000世帯にアンケートを配付し,復興まちづくりビジョンについての意見を聞きました。7月末までに109名の方から回答をいただきました。復興ビジョンについての説明会があったことを知らなかった人32名,説明会に参加した44人のうち納得できなかった人は22人と,半数の人が納得をしていないことがわかりました。各町内会1回きりの説明会で計画策定決定は余りにも無謀です。被災地が求めているのは,生活避難場所に速やかに避難できるための生活道路の拡幅と河川の拡幅です。広域避難場所に行くために山の斜面を南北に走る16メートル幅もの道路は,むしろ地域を分断してしまうのではとの心配の声も出されています。長束八木線が必要と思うかどうかの問いに対して,必要と答えた人は39%,必要でないと答えた人は25%,わからないが36%でした。必要でないという理由に,古い都市計画道路を広域避難路として復活させた点が納得できない,本当に復興を考えたのであれば,40数年の市民生活を不安定な状態にするビジョンは正しいとは言えない,しかも町内が分断されてコミュニティーの再構築が必要になると指摘する意見もありました。賛否意見が大きく分かれています。何より十分な説明がされないまま事業を進めていくのは問題です。  そこでお伺いします。広島市は,現在,詳細設計や用地測量に伴う境界立会等を行っていますが,今後改めて住民説明会を行うのかどうか,お答えください。また,生活避難路の拡幅など,住民と話し合いながら進める地区計画という方法もあることをきちんと説明した上で住民が決める復興まちづくり計画になるようにすべきです。市はどのように考えておられるのか,伺います。  次に,国民健康保険について伺います。  国民健康保険制度は市町村が運営し,74歳までの高齢者,失業者,非正規雇用労働者などが加入し,とりわけ年収200万円未満の世帯が7割を占めるなど,行政による財政的関与が保険制度の健全な運営に重要な位置を占める制度です。私たちは,低所得の方が多いだけに,その所得状況に見合った適切な保険料にすること,3割の一部負担が極めて重くのしかかる世帯が多いことを踏まえた適切な支援制度を求めてきました。第一に,一般会計からの法定外繰入金が極めて重要だと考えてきましたが,幸いに広島市は多少の議論はあっても一定の法定外繰入金を前提とした運営を続けてきました。ところが,政府は保険制度を広域化し,県の運営に移すことを契機に,市町村の独自の繰り入れを認めない意向を示してきました。そこで県から求められる広島市分の保険料総額が市の繰り入れ抜きで被保険者に課されたら,今でも高い保険料が一層高額になり,被保険者を苦しめることになります。この点を市はどう考えていられるのか,お答えください。  一方,一部の世帯に激変緩和措置が行われていますが,広島市の保険料算定方式の変更で,所得の低い層から中間層にかけて保険料が従前より大幅に引き上げられた問題は依然としてあります。今の広島市の保険料は消費税のように,所得に対して一律の保険料率で賦課されるため,所得が低くなるほど負担が重くなる逆進性があります。しかも,上限額を超えると幾ら所得が高くても保険料がふえない,高額所得者優遇の仕組みです。国民健康保険料の制度は誰に対しても医療を保障するものであると同時に,暮らしを脅かさない仕組みでなければなりません。その点では今の制度は欠陥があります。また,所得が低い層では3割の一部負担は大変重く,一部負担ができないために必要な医療を受けられない世帯がたくさんあります。生活保護になれば解決するけれども,生活保護にならない程度の低所得,あるいは資産があるわけではなくても,いろいろな事情で生活保護を受給していない,生活保護基準以下の所得の世帯では事態は大変深刻です。慢性疾患があれば放置することになりかねません。その結果,きちんと治療をすれば助かる命が手おくれになってしまうこともあるでしょう。  そこで伺います。広島市は暮らしを脅かさない保険料となるよう,所得に応じた減免制度をつくる必要があります。市民全てに医療が保障されるように,以前のような所得が一定以下の世帯に継続して適用できる一部負担減免制度を復活するべきです。  以上の2点について,市としてどうされるか,答弁を求めます。また,そうした制度を進めるためにも,広島市独自の法定外繰り入れは必要です。県が運営する制度になったときに法定外繰り入れをするべきですが,どうされるかお答えください。  次に,介護保険について伺います。  15年前の介護保険制度創設で介護問題はもう安心だと,バラ色の宣伝がされましたが,今日に至るまで一貫して国民負担がふやされ,保険料は当初の2倍近くになりました。15年たったことしはさらに大きな改定が行われ,要支援の方の訪問介護と通所介護が介護保険から外され,自己負担割合が2割負担になることになりました。また,既に特養ホームの入所対象が要介護3以上に狭められています。特養ホームの入所待機者が以前から問題になってきましたが,今年度の定員総数が3,867人に対して待機者数は5,200人となっています。再来年までに新たに670人分の施設を整備するとしていますが,要介護1と要介護2の方を待機者から外しても,これで待機者問題が解消するとはとても思えません。在宅で,ひとり暮らしの方だけでも1,680人,老老介護など,家族がおられる方を入れると,在宅で待機されている方は約3,200人に上ります。病院や老人保健施設に入っておられる方もそこでずっとおれるわけではないので,どれも切実だからこそ特養ホームを待っておられるのだと思います。そもそも今日に至るも待機者が減らない原因は,特養ホームの整備数が実態に応じていなかったからだと考えます。  第6期事業計画の670人ではなく,もっと思い切った整備計画に修正すべきではないかと思いますが,どのようにお考えでしょうか,お答えください。  次に,特養ホームは原則としてユニット型個室のみがつくられています。しかし,個室は多床室に比べて負担が大きく,生活保護受給者やわずかな年金しか収入がない方には入所申し込み自体ができません。この実態をそのままにして個室しか整備しないのは低所得者を必要な介護から排除するものではないでしょうか。行政の平等原則に反するものではないかと考えます。多床室も整備するか,低所得の方が個室を利用できるように必要な制度を整備するべきだと考えますが,どうされますかお答えください。  次に,政府は特養ホームなどの施設に入所する低所得者の食費と居住費の負担を軽減する補足給付を申請する際,入所者とその配偶者の預金通帳などの写しと金融機関に対する残高照会の同意書の提出を義務づけることを介護保険法施行規則に明記しました。補足給付は申請に基づき実施されますが,昨年の介護保険法改悪で本人が非課税世帯という要件に加えて,配偶者も非課税であることとされ,資産の基準も新たに加えられました。今回の措置は本人だけではなく,配偶者の資産把握まで行うものですが,配偶者まで含めて残高照会の同意書の提出まで義務づければ配偶者の同意が困難な場合など申請できないケースも予想されます。また,本人が自分で手続ができない方の場合,ケアマネジャーが預金通帳のコピーを代行しようとしたとき,預金通帳の内容を他人に知られたくないなどの理由で,補足給付を拒否される方が出てくるのではないか,そのようにして,本来補足給付を受けるべき人が受けられないために施設を退所してしまう事態も懸念されます。補足給付の対象者を制限し,さらに配偶者の資産調査の同意書や証拠書類の提出などの壁をつくって,申請から締め出すことになりかねません。また,認知症のある方で,ケアマネジャーとの間で無用な不信感を生じさせかねないとの当事者たちの強い懸念もあります。  広島市当局は8月以降,そうした事態が起きているのかどうか,調査されないのでしょうか,情報があるならお示しください。また,7月までに補足給付を受けてきた方がどれだけおられるのかも教えてください。  次に,UR住宅廃止により居住者の移転先の確保について伺います。  UR住宅はかつて公団住宅と呼ばれ,高度成長期に中間所得層の住宅確保として建設され,市内には12団地,1,623戸の住居があります。入居者の高齢化が進み,安心して住み続けられる公的賃貸住宅としての役割はますます大きくなっています。ところが,今,高齢者の居住の安定という理念を根底から覆す削減,民間売却方針が実行されようとしています。中区の西白島住宅174戸は,昨年12月,耐震に問題があること,土地所有者の民間業者からの譲渡の申し入れを受け入れたことを理由に来年末に廃止すると住民に説明しました。入居者への対応については,移転先の家賃の差額などを当面補償し,相談窓口を置くとしました。しかし,UR機構の西日本支社は大阪にあり,広島の相談窓口はUR機構の社員でもなく,話を聞いてくれるだけなので,自力で移転先を探すか,見つからないという訴えが寄せられています。七十,八十代の高齢の入居者を中心に,民間住宅は高齢を理由に断られた,家賃が2倍以上のところしかない,遠くのUR住宅では車もないと暮らせないとの切実な声です。移転先のめどがたたないため,夜も眠れなかったり,食欲もなくなったり,精神的に大きなダメージを受けている人も少なくありません。UR機構には入居者の移転先を確保しようという態度が見られません。また,西区の天満住宅は,ことしの8月末で民間業者への譲渡がされました。3年間は居住が保障されるが,その後は民間業者の判断次第で売却され,退去を迫られかねません。  住まいの確保をする役割を担ってきたUR住宅の廃止,民間売却により住まいの安定が脅かされようとしています。この安心して住み続けられる移転先の確保が緊急の課題です。そもそも西白島住宅の廃止は土地所有者である広島市と民間業者,UR機構の三者で進めてきた計画の一部です。  7月には広島市に対して移転先が見つからない入居者から助けてほしいという嘆願書が提出されました。今度の計画で市は所有しているUR住宅の土地を民間業者に売却します。市は移転先が決まらない人がいても,土地を売却することは法律上できるとしています。行き場のない住民をそのままに売却するつもりですか。住宅セーフティーネット法には,住宅確保に配慮を要する高齢者などに安心して住み続けられるための施策を行うことを求めています。広島市にもその義務があります。移転先が確保できない要配慮者に対して市営住宅の提供など,支援を進めるべきではありませんか。  最後に,東部地区連続立体交差事業についてお聞きします。  東部地区連続立体交差事業は1971年,昭和46年に地元1市8町1村が安芸地区高架促進協議会を結成し,地元の粘り強い要請で動き出した事業です。ラッシュ時の踏切遮断の時間が限度を超えていること,踏切事故防止,踏切により南北に裂かれた町の都市機能を回復させることを目的に1999年,平成11年に都市計画決定し,2002年,平成14年に事業認可を受け,平成27年度,今年度は事業完了のはずでした。しかし,平成19年に事業の完成時期が7年延長され,その上,2012年には県知事が財政事情を理由に事業の中止を含めた高架化の縮小の見直しを示唆し,事業は着工のめども立たなくなりました。これまで市議団は踏切撤去による事故と渋滞の解消,交通環境の改善を進める上で住民生活に密着した必要不可欠な公共事業と位置づけ,連続立体交差事業の早期実施を求めてきました。そうした中,この6月には知事,市長,府中町長,海田町長の四者が合意したとして,東部地区連続立体交差事業の見直しの方向性が公表され,地元で説明会が開かれています。  そこで伺います。事業の見直し目的は,全体事業費1050億円の圧縮でした。見直しで広島市域の事業費は約280億円となり,安芸区の高架化されない600メートル部分の代替案となる跨線橋やアンダーパスの事業費を含めても約110億円を圧縮できたといいます。見直しでは南区内は青崎地区区画整理事業との関連性が強いため,ほぼ現計画どおりとなっています。市域内の踏切も6カ所が除去されますが,安芸区船越地区の600メートルは線路が高架化されず,引地踏切だけが残る事業案となっており,踏切が残る船越地区からは高架にしてほしいとの声が出ています。引地踏切は山陽本線と呉線,貨物の上りと下りの4路線に2組の遮断機がある長さ40メートルの踏切です。幅も狭く,出入り口となる生活道路も狭いため,人,自転車,バイク,自動車の通行はいつも事故の危険性と隣り合わせです。踏切の目の前には大型スーパーがあり,高齢者などが毎日買い物等で利用している踏切です。地元からいつ事故が起こっても不思議でない状況があると聞いています。どんなに予算を削減しても危険な踏切を残したのではこの事業の目的が達成できないのではありませんか。  そこで伺います。東部地区連続立体交差事業が百年の計の上に計画された地域住民の悲願の公共事業である中で,引地踏切の危険性について,市がどのような認識を持っておられたのか,また,最も撤去すべき引地踏切をなぜ残すことになったのかをお尋ねしておきます。今後,引地踏切の安全対策にはどのように取り組まれるのですか。また,船越地区における説明会での意見はどのようなものがあったのか,市はどのようにして船越地区の住民との合意を図られるのか,お聞きします。  最後に,市は工事着工後,15年程度で完了すると説明していますが,住民からは工事着工そのものの実現性に疑問の声も出ています。なぜなら踏切が残る船越地区の反対の声を無視して事業の強行はできないとの思いがあるからです。実際,府中町,南区,安芸区,海田町とつながらないと,線路の高架事業を一部だけ着工することはできません。青崎地区はもう待てないというのが率直な地元の思いです。船越地区の住民にとっても納得できるよう,丁寧に説明し,納得合意されることを希望して,私の一般質問を終わります。(拍手) ○沖宗正明 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       藤井議員からの御質問にお答えします。  平和行政のうち,安保関連法案に関する受けとめについての御質問がございました。  いわゆる安全保障に関連する法案が審議の大詰めを迎えている状況にありますが,法案そのものについては国の専管事項に属するものであり,国会の場で議論されているものであることから,地方自治体の長としての意見を申し上げることは差し控えたいと思います。私としてはことしの平和宣言においても訴えているように,人類愛と寛容をもとにした為政者が対話を重ねていくことが核兵器廃絶への第一歩になり,そうして得られる信頼を基礎に,武力に依存しない幅広い安全保障の仕組みづくりに忍耐強く取り組むことこそが重要であると考えております。日本政府にはこれまで以上にヒロシマの思いをしっかり受けとめ,対話による信頼醸成に一層努め,相互不信にとらわれることのないように,あらゆる努力を尽くしていただきたいというふうに考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   平和行政のうち,被爆二世に関する御質問がございました。  まず,市は被爆二世の実態調査を早急に実施すべきと考えるが,どうか。それと東京都は健康診断受診票を交付,がん検診も実施している。広島市はおくれをとっていると言わざるを得ない,市の見解はどうかという御質問でございます。  まず,被爆二世に対する援護施策につきましては,本来,被爆者と同様に国の責任でおいてなされるべきであり,その実態の把握につきましても,国が行うべきであると考えております。  また,被爆二世の健康診断につきましても,同様の考え方に立って,広島,長崎両県・市等による八者協においてその内容の充実を国に要望しており,本市が被爆二世の方々に対して独自に健康診断受診票の交付やがん検診などを行うことは考えておりません。  次に,黒い雨の集団申請の審査に当たり,厚労省に指定地域の拡大と健康診断受診者証を交付されるように要求したのか。また,厚労省の回答はどうだったかというお尋ねでございます。  第一種健康診断受診者証や被爆者健康手帳の審査は地方自治法に規定する法定受託事務であり,国の委託を受けて現行の法律,政令等に基づいて市が事務を行っているものでございます。したがって,国に対する指定地域の拡大等の要望は別途行っております。  次に,却下された申請者の方々は集団訴訟を検討しているが,市としても裁判の中でこの方々に協力できるのではないかとのお尋ねでございます。  被爆者健康手帳等の審査は法定受託事務であることから,当該事務を執行した立場から国とも協議し,適切に対応してまいります。  最後に,市は放影研に対し資料の全面公開を求め,率先して黒い雨の放射線による内部被曝の研究を行い,降雨地域を拡大させる科学的根拠を示すべきと考えるがどうか,とのお尋ねでございます。  被爆者援護法において,国は原子爆弾の放射能に起因する身体的影響等に係る調査研究の推進に努めなければならないと規定されていることから,今後とも国に対し内部被曝を含め,原爆放射線の身体的影響についての調査研究を促進するよう八者協等を通じ要望するとともに,得られた結果については,積極的に公開していただくよう求めてまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      教育長。 ◎尾形完治 教育長      平和教育についての御質問にお答えを申し上げます。  平和に関する意識調査ではどのような結果が出ているのか。また,今後の調査の予定はどうか。教育委員会として平和教育にどのように取り組んでいるのか。また,学校での取り組みはどうかのお尋ねでございます。  平和に関する意識実態調査につきましては,市内の小学校4年生から高等学校3年生までの3,000人を対象として平成22年度に実施をいたしました。今年度は11月ごろに同様の調査を実施することとしております。平成22年度の調査結果によりますと,原子爆弾投下の年や日時を正確に答える児童生徒の割合が小学生は33.0%,中学生が55.7%,高校生が66.3%でした。こうした実態から,学校教育においては被爆の実相の理解と被爆体験の継承を重点課題として,小学校から高等学校までの12年間を見通した平和教育プログラムを作成し,計画的・系統的な平和教育を推進しております。各学校では平和教育プログラムに基づいて教育委員会が作成した「ひろしま平和ノート」を活用して発達段階に応じ,被爆当時の広島の様子や復興の歩み,平和な世界を実現するための広島の役割などについて学習をしております。また,体験を通して被爆の実相に触れるため,平和記念資料館の見学や原爆で亡くなられた方々の慰霊祭の実施など,各学校,地域の実態に応じて平和教育を推進しております。今後もこうした取り組みの充実を図りながら,世界恒久平和実現のため,自主的・積極的に取り組む児童生徒の育成に努めてまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   8月20日豪雨災害の被災者支援について何点かの御質問をいただいております。  まず,義援金の第3次配分における住家の再建世帯に対する配分,この際に領収書との引きかえが条件となっているが,利用しにくいので,立てかえをしなくても済む方法を検討すべきではというお尋ねでございます。  義援金の第3次配分のうち,住家の再建に係る配分につきましては,その申請に当たって再建に係る工事代金の領収書の写しの提出を求めているところでございます。これは実際に再建が行われたかどうかを確認するために提出をしていただいているものですが,今後,被災者から再建に係る支払いを事前に行うことができない旨の申し出があった場合には,領収書の写しの提出にかえまして,写真を添付した工事完了報告書及び工事代金請求書の写し等の提出により再建が行われたことを確認することができないか,現在検討しているところでございます。  次に,東北の震災後の陸前高田市では住宅再建ガイドブックをつくり,情報をわかりやすくまとめて提供しているが,こういった丁寧な具体的な支援が必要と思うがどうか,というお尋ねでございます。  被災者に対する支援情報の提供方法につきましては,町内会等を通じた情報提供に加えまして,被災地域外へ転出された方には個別に必要な情報を郵送するなど,被災地を離れた方に対しても必要な情報が提供できるよう努めているところでございます。また,被災者に対する支援策を一覧できるものに取りまとめて活用していただくために,本市では発災直後から生活上の支援策についてリーフレットに取りまとめ,被災者に配付するとともに,被災地の区役所にワンストップ型の被災者支援総合窓口を設け,被災者からの問い合わせや相談に応じてきたところでありまして,引き続き丁寧な支援に努めてまいります。  次に,国保や介護の一部負担金減免や利用料の免除は1年で打ち切られたが,その期間を延長してはどうかとのお尋ねでございます。  この減免期間につきましては,減免制度が本来一時的な救済制度であること,さらに,これまでの災害による被災者支援とのバランスや他の被災自治体での減免の実施状況も考慮しまして,延長することは現在考えておりません。  最後に,被災者の健康調査を行ったと聞くが,その結果と今後の支援にどう生かそうとしているのかというお尋ねでございます。  このたびの健康調査は,昨年8月の豪雨災害により住家被害を受けられ,罹災証明を交付された被災者を対象として,その心身の健康状態等を把握するため,災害から1年目を迎えた8月に実施をしたものでございます。調査票は1万464人にお送りし,9月10日時点で5,269人から回答があり,現在その集計を行っているところでございます。この調査結果を踏まえて,支援の必要な方を抽出して,保健師等が家庭訪問等による健康相談を行い,地域包括支援センターや学校のスクールカウンセラー等と連携を図りながら必要な支援を行ってまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      都市整備局長。 ◎宮原慎 都市整備局長    8.20豪雨災害のうち,復興まちづくりビジョンについて,まず1点目の長束八木線の整備で,現在,詳細設計や用地測量に伴う境界立ち会い等を行っているが,今後改めて住民説明会を行うのかということについてお答えいたします。  長束八木線の整備については,現在,詳細設計と並行して用地測量等を進めております。地元の皆様へは作業の状況等について,復興工事事務所だよりを毎月関係町内会等に配付してお知らせするとともに,関係権利者の皆様へは個別に説明を重ねているところでございます。今後は実施設計が完了した地区から関係権利者の方に設計内容を細かく御説明することとしております。また,議員御指摘の説明会についても,地元町内会等の要請に応じて実施をしてまいります。  引き続き,生活避難路の拡幅など,住民と話し合いながら進める地区計画という方法もあることをきちんと説明した上で住民が決める復興まちづくり計画になるようにすべきと思うが,市の考えはどうかという点についてお答えをいたします。  復興まちづくりビジョンでは,被災地の早期の復興と地域の将来を見定めた安全・安心なまちづくりを着実に推進するため,防災・減災のための骨格的な基盤施設である砂防堰堤,広域避難路となる都市計画道路や雨水渠などを,被災後5年間で緊急整備することとし,現在,国,県と連携して全力で取り組んでいるとこでございます。このような骨格的な基盤施設のほか,議員御指摘の生活道路を避難路の一部として拡幅することなどについては,今後の被災地のまちづくりを検討する中で地元の皆様と一緒に考えていく必要があると考えております。地区計画は,こうした生活道路の整備や景観への配慮といったまちづくりのルールなどを定める場合に,住民の皆さんみずからが作成し,市に提案できるものであり,そのことについては,復興まちづくりビジョンにも掲げているところでございます。このような地区計画の策定は地域の皆様が話し合いをしながら自主的に取り組まれることが重要であることから,今後地域の皆様への一層の周知を図り,しっかりと対話を重ねながら取り組んでまいります。  以上でございます。
    ○沖宗正明 副議長      下水道局長。 ◎新谷耕治 下水道局長    豪雨災害についての2点の御質問にお答えいたします。  まず,国,県に砂防予算の確保について,どのような働きかけをしたのかという点でございます。  国においては平成11年6月29日の豪雨災害を受け,平成13年度から広島西部山系直轄砂防事業に着手され,これまで本市といたしましても,近隣市で構成する広島西部山系直轄砂防事業促進協議会など,あらゆる機会を捉えて砂防事業の促進について要望してまいりました。また,県の砂防事業に関する予算確保につきましては,広島県市長会を活用して県内の首長と一緒に重点要望事項として県知事に直接要望しております。平成11年度以降,県内で193基,うち本市域内で69基の砂防堰堤が完成しております。  次に,国に対して一般公共事業と同じ補償費の基準でなく,災害補償としての基準をつくることを求める,市の独自支援をするべきであると考えるがどうか,という御質問でございます。  国においては所管事業の用地補償費については,国土交通省の公共用地の取得に伴う損失補償基準に基づいて算定しており,砂防堰堤整備についての補償基準を変更することは難しいと聞いております。本市といたしましては,砂防堰堤の早期整備が安全・安心なまちづくりに不可欠であると考えており,引き続き国と連携して関係者の皆様に移転先を積極的に紹介するなど,生活再建が円滑に進むよう全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      健康福祉局長。 ◎川添泰宏 健康福祉局長   国民健康保険制度につきまして3点の御質問にお答えいたします。  まず,国民健康保険事業を都道府県が運営するようになり,市の法定外繰り入れがなくなれば,保険料が一層高額になるのではないかと,この点,市はどう考えるのかという御質問でございます。  平成27年5月,持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律が可決されまして,平成30年度から都道府県が当該都道府県内の市町村とともに国民健康保険事業の運営を担うこととなりました。都道府県単位化後の保険料につきましては,都道府県が域内の医療費の見込みを立てた上で,市町村ごとに医療費水準及び所得水準などを踏まえ国民健康保険事業費納付金を決定するとともに,市町村に対し標準保険料率を提示し,これを参考に各市町村が保険料を定めて賦課徴収することになりました。こうした中,広島県は本年7月に各市町とともに国民健康保険の都道府県単位化に係る検討を進めるため,広島県国民健康保険広域化等連携会議を設置いたしました。本市としましては,今後,国が示すガイドラインなどを踏まえまして,保険料のあり方について,県及び県内市町と協議を進めていきたいと考えております。  次に,暮らしを脅かさない保険料となるよう所得に応じた減免制度をつくる必要がある,以前のような一部負担減免制度を復活すべきだが,市としてどうするのかというお尋ねでございます。  国民健康保険料の軽減措置につきましては,国において平成26年度から市町村に対する財政支援措置が講じられ,低所得者に対する軽減制度の適用範囲が拡充されました。こうした制度や本市の制度として実施している失業等により所得が減少した方に対する保険料減免などにより適切に対応してまいります。また,一部負担金の減免につきましては,これまで国の通知で災害,事業休廃止・失業等により生活が著しく困難になったことを要件に適用されることとなっており,さらに平成22年9月,当該通知が改正され,減免期間は3カ月までを標準にすること,療養に要する期間が長期に及ぶ場合は,必要に応じて生活保護担当など,福祉部局との連携を図ることなどが示されました。そうした中,本市においてはこれら国の要件に該当しなくても減免対象とし,かつ減免期間の制限もしなかったことから,長期利用が常態化し,減免件数,金額とも政令市の中で突出して多い状況にありました。このため,平成25年4月に,平成26年12月までの経過措置を設けた上で,恒常的な生活困窮を理由とする減免適用の廃止,及び減免期間の上限を6カ月にするという見直しを行ったところです。減免制度が利用できないことで真に困難な状況に陥るおそれがある方につきましては,関係各課と連携しながら生活保護等の関連制度の利用に確実につないでいくよう対応していくこととしております。  3点目が,県が運営する制度になったとき,保険料減免や一部負担金減免などの市独自の制度を進めるためにも法定外繰り入れをすべきではないかとのお尋ねでございます。  国民健康保険の都道府県単位化における役割分担では,市町村は地域住民との身近な関係の中,被保険者の実情を把握した上で賦課徴収,保険給付,保健事業などを担うこととなっております。市町の独自措置の取り扱いにつきましては,国民健康保険の都道府県単位化に伴う各市町の被保険者の負担とそれぞれ市民の生活に及ぼす影響等を踏まえながら,広島県や他の市町と十分に協議,調整を行っていきたいと考えております。  次に,介護保険制度につきまして3点御質問いただいております。  まず,特別養護老人ホームの待機者が減らないのは整備数が実態に応じていないためであり,第6期事業計画,これに係る整備計画を修正すべきではないかとのお尋ねでございます。  特別養護老人ホームの入所申し込みをされている方の中には,現時点で入所の緊急性が必ずしも高いとは言えない要介護者も多く含まれております。今期のプランで本市が見込んでおります新規整備数は,入所の必要性が高い方に対応するものとしては妥当なものでありますので,計画を修正することは考えておりません。  次に,特別養護老人ホームはユニット型個室のみ整備しているが,多床室に比べ入所者の負担が大きいので,多床室も整備するか,低所得者が個室を利用できるよう制度をつくるべきではないかとのお尋ねでございます。  特別養護老人ホームの多床室の整備につきましては,待機者数の解消や低所得者の負担軽減等の観点から,現在,国の社会保障審議会介護保険給付費分科会において検討が行われているところでございます。このため,本市では個室・ユニット化を促進することを基本としつつ,国の方針を踏まえながら必要に応じて多床室の整備について,次期プランに向けて検討することとしております。施設に入所している低所得者への負担軽減策としましては,国の制度としまして,食費,居住費を補助する,いわゆる補足給付の制度があり,個室に対する居住費の補助額は多床室に対するものより手厚い額となっております。また,特別養護老人ホームを運営します社会福祉法人の中には,一定の要件に該当する低所得の利用者に対して利用者負担の軽減を行っている法人もあり,こうした施設の利用者については,居住費等の利用者負担がさらに軽減されることになります。低所得の方の個室利用につきましては,こうした軽減制度を活用しながら,その利用促進を図っていきたいと考えております。  最後に,補足給付の対象要件に本人及び配偶者の資産要件が加えられたことに伴い,預金の内容等を知られたくないため,こうした手続を拒んで本来補足給付を受けるべき人が受けられずに退所するなどの事態が懸念される。こうした事態が起きてるかどうか,調査しないのか。また,7月までの認定者はどのくらいいるのかとのお尋ねでございます。  今回の補足給付の制度改正に伴う手続につきましては,新たな支給要件に基づく資格認定の適正化や改正後の補足給付制度の公平な運用を図る観点から,全国一律の必須の手続とされております。本市でもこうした国の方針に基づき,適切な事務処理を行っているところでございます。これまで補足給付を受けていた方のうち,未申請の方に対しては申請勧奨通知を送付し,制度の周知を図るなど,申請漏れにより給付が受けられないことがないよう努めております。なお,7月末における補足給付認定者は9,891人となっていますが,補足給付を受けられないため,施設を退所するなどの事態が発生しているとは聞き及んでおりません。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      都市整備局指導担当局長。 ◎香川寛治 都市整備局指導担当局長  UR西白島住宅の廃止に伴う入所者の移転先確保についての御質問,2点ございました。  まずは,移転先が決まらない入居者をそのままにして市有地を売却するのかという御質問でございます。  市有地の売却に当たりましては,買い受ける隣接土地所有者に対して現行の市とUR都市機構との土地賃貸借契約と同じ条件でUR都市機構と賃貸借契約を締結し,全入居者の移転が完了するまで居住を確保することを条件とすることにしております。また,UR都市機構も入居者全員が移転しない限りは,住宅を隣接土地所有者に売却しないとしております。このように本件については,三者が協力し,おのおのの立場と責任においてUR西白島住宅入居者の居住の安定に十分配慮しながら進めているところです。  次に,入居者のうち,移転先が確保できない住宅確保要配慮者に対して市営住宅の提供などの支援を進めるべきではないかという御質問です。  市営住宅の入居者は公募により選考しなければならないとされております。したがって,市営基町住宅等においてできるだけ多くの住宅を公募していく中で,県に対しても長寿園住宅等,近隣の県営住宅を積極的に公募していただくよう依頼しております。あわせてUR都市機構に対しては,高齢者や障害者などを受け入れる民間賃貸住宅の募集情報を提供し,あっせんや手続方法等,よりきめ細やかな対応をとるよう働きかけているところです。今後ともUR西白島住宅の入居者の方々が安心して生活できる移転先が一日でも早く確保できるよう,どのような支援を行うことができるか,UR都市機構とも協議,検討を重ねながら継続的に対応してまいりたいと考えております。  以上です。 ○沖宗正明 副議長      道路交通局長。 ◎向井隆一 道路交通局長   東部地区連続立体交差事業についての御質問にお答えをいたします。  まず,引地踏切の危険性についての認識と引地踏切をなぜ残すのかとのお尋ねがございました。  現在の引地踏切は横断距離が長く,2組の遮断機のある特殊な構造であり,交通安全上課題があることから,現計画において高架化の対象としていたところでございます。このたびの見直し案については,その検討過程で現計画において海田市駅付近で処理することとしていた山陽本線と呉線の鉄道同士の立体交差を現状どおり市域内で処理することとしたため,改めて市域についても全て高架化することを検討をいたしましたが,鉄道同士の立体交差施設の高架化には三つの線路を一体的に行う必要があることや,工事中の鉄道の運行を維持するための仮線路が必要になることから,現計画を大きく超える追加用地を買収する必要が生じ,事業全体の工期を大幅に遅延しなければならないことが明らかになりました。これについては,事業効果の早期発現を府中町及び海田町が強く希望しており,県からは今回の見直し案以上に遅延することについての理解が得られないことから,引地踏切を残すことになってしまう今回の見直し案で進めるほかないという判断をせざるを得なかったものでございます。  次に,引地踏切の安全対策への取り組みについてでございます。  見直し案では引地踏切を残さざるを得なくなっておりますけども,市域にある7カ所の踏切のうち,引地踏切を除きます6カ所の踏切については除却をし,鉄道を立体的に横断する立体交差道路を整備することとしております。加えて,これらを連絡する東西方向に都市計画道路を新たに整備することとしており,これにより引地踏切を現在利用している交通が他の交差道路にシフトをするため,引地踏切の交通量は大きく減少すると見込んでおります。また,引地踏切付近はこの立体交差事業で北側の一線路を撤去するため,2組ある遮断機のうち1組が除却をされ,踏切の横断距離は現状の半分の20メートル程度になると思っております。こうしたことから,引地踏切は見直し案では立体交差とはならないものの,現状と比べ安全性は大きく高まると考えております。今後開催する地元説明会で地区住民の意見をお聞きしながら,さらなる安全対策について検討をしてまいります。  最後に,船越地区の説明会で出された意見はどのようなものであったか。また,どのようにして住民との合意を図るのかとのお尋ねがございました。  船越地区の町内会長を対象とした説明会では,見直し案において残る引地踏切の安全性への懸念や新規着手となる船越中央線の実現性について疑問視する意見などがあり,現計画どおり高架化を実施すべきとの強い要望がございました。また,地区内の都市計画道路の整備のおくれに対する本市への不満の声もございました。本市としましては,こうした意見などに対応するため,地区のまちづくりを推進するという観点に立ち,見直し案の実施にあわせ立体交差道路等の整備を初め地区内の長年の懸案を解決すべく,都市計画道路の整備に責任を持って取り組みたいというふうに考えております。今後,できるだけ早期に地区住民への説明会を開催をし,見直し案の内容とともに,船越地区におけるまちづくりに対する本市の考え方を丁寧に御説明をし,理解を得ていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      22番。 ◆22番(藤井敏子議員) 質問たくさんありまして,答弁ありがとうございました。  まず,平和行政については,市長が答弁されましたけれども,市長が言われるのは,まさに平和憲法そのものであり,平和憲法9条を守ることになると思います。安倍政権は憲法9条を変えると言っておりますので,もうこれから本当に広島市民が戦争に巻き込まれていくのではないかという大きな懸念もたくさんあると思いますので,そこはしっかりと平和憲法9条を守る立場でやっていっていただきたい。そのためには,本当に抗議をしてほしいというのは私の要望です。これは答弁は求めません。  そして次,介護保険,そして国民健康保険については,非常にもう高齢者はこれ以上負担はもう限界だというのが実態だと思います。そういう点では引き続いて委員会でこの問題,続けてやっていきます。  そしてあと,最後になるんですけども,先ほども被爆二世の問題や黒い雨の問題言われました。どれも国任せという点では非常に情けないなと思います。被爆地広島市として,もう少し積極的にこの問題の解決にしっかり当たっていただきたいということを思っております。  そしてあと,豪雨災害についてですが,これは国の砂防ダム建設のための立ち退き世帯の方ですけども,結局,国が基準がえは難しいということで,市はこれからも引き続き関係者とあわせて検討をされると言いますけれども,本当にもうせっぱ詰まっていらっしゃいます。被災者の方,本当にとにかくもとの暮らしに戻りたい,安全な暮らしに戻りたいのがこの皆さんの願いですので,できるだけ早くこの被災者の方の思いに応えるような支援をしていただきたい。このことをひとつ再質問をさせていただくことと,あと長束八木線をぜひ住民説明会の中で再検討を,長束八木線そのものも住民の中で,地区計画の中でも検討していただくことが必要だということもお願いしたいんですけども,この点について,二つ。  それとあと,教育の分野で,バス代の補助のことも一応言っておるんですけども,資料館の見学のためのバス代の補助,これは非常に重要だと思うんです。これまでも随分されてきたことでもあるし,お金がないと言って削らないでほしいなという思いもありますので,この点,教育委員会,もう1点お願いをして,再質問を終わります。 ○沖宗正明 副議長      下水道局長。 ◎新谷耕治 下水道局長    先ほども御答弁いたしましたように,砂防堰堤の整備というのは早期に行うことが不可欠だと。一方で,生活再建を円滑に進めるというのも重要なことだというふうに思っております。繰り返しになりますが,用地補償というのは,原則としてそのお持ちの財産に対する補償というのがやっぱり基本でございます。そこにいろいろな住民の方の御事情はあるとは思うんですが,補償基準のほうをいじるというのはやっぱり基本的に難しいということで,あとどういうことが市のほうでできるかと。先ほども御紹介したように,移転先地をきちんと見つけると,早く見つけるというのがやっぱり一番大事ではないかと思いますので,その辺での支援は一生懸命やっていきたいというふうに思います。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      都市整備局長。 ◎宮原慎 都市整備局長    先ほど復興まちづくりビジョン,長束八木線の件についてお尋ねがございました。こちらにつきましては,先ほども御説明させていただいたとおりでございますが,広域避難路となる都市計画道路,雨水渠の収容空間ということで,非常に重要な道路であるというふうに認識しております。引き続き丁寧な説明を行ってまいりたいというふうに思っております。  また,あわせて地区計画の関係につきましても,先ほど申し上げたとおりでございますが,市のほうに地域住民の皆様のほうから提案をしていただくということが可能なものでございます。それにつきましても今後皆様への一層の周知を図って,しっかりと対話を重ねながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○沖宗正明 副議長      教育長。 ◎尾形完治 教育長      平和記念資料館の見学につきましては,被爆の実相を学ぶ上で意義あるということで,各学校に対して児童生徒の在学中に一度は校外学習等を活用して資料館を見学するよう指導しております。各学校は平和記念資料館を見学する際には,他の施設見学等と組み合わせなどの計画を立てまして,学校,地域の実態に応じた形で工夫をして実施をしておるところでございます。 ○沖宗正明 副議長      22番。 ◆22番(藤井敏子議員) ありがとうございました。  さきのダム立ち退き者の件ですけども,移転地は紹介してもらえるのはいいんですけども,経済的なことがやはり大きいと思うんです。ですので,移転地を格安に手に入るとか,そういうのも含めて,いろいろな税制も含めて検討していただくことを求めておきます。  以上で終わります。 ○沖宗正明 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○沖宗正明 副議長      本日はこれをもって散会いたします。                午後4時14分散会 ─────────────────────────────────────── ───────────────────────────────────────   議 長   永  田  雅  紀   副議長   沖  宗  正  明   署名者   桑  田  恭  子   署名者   安  達  千 代 美...