広島市議会 > 2015-02-19 >
平成27年第 1回 2月定例会−02月19日-02号

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  1. 広島市議会 2015-02-19
    平成27年第 1回 2月定例会−02月19日-02号


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    平成27年第 1回 2月定例会−02月19日-02号平成27年第 1回 2月定例会         平成27年  広島市議会定例会会議録(第2号)         第 1 回               広島市議会議事日程                                平成27年2月19日                                午前10時開議                 日    程  第1┌自第 1号議案 平成27年度広島市一般会計予算    ┤    └至第 58号議案 包括外部監査契約の締結について    ┌自第173号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第7号)    ┤    └至第187号議案 変更契約の締結について      (総括質問)  第2 諮問第18号 異議申立てに対する決定について ───────────────────────────────────────
                   会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1┌自第 1号議案 平成27年度広島市一般会計予算      ┤      └至第 58号議案 包括外部監査契約の締結について      ┌自第173号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第7号)      ┤      └至第187号議案 変更契約の締結について       (総括質問)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  総括質問(続行し,明日も続行)  日程第2 諮問第18号 異議申立てに対する決定について       (消防上下水道委員会付託)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    2番  碓 氷 芳 雄            3番  石 橋 竜 史    4番  山 路 英 男            5番  森 畠 秀 治    6番  三 宅 正 明            7番  宮 崎 誠 克    8番  森 本 健 治            9番  山 内 正 晃    10番  伊 藤 昭 善            11番  近 松 里 子    12番  西 田   浩            13番  渡 辺 好 造    14番  原   裕 治            15番  米 津 欣 子    16番  安 達 千代美            17番  星 谷 鉄 正    18番  豊 島 岩 白            19番  八 軒 幹 夫    20番  大 野 耕 平            21番  清 水 良 三    23番  八 條 範 彦            24番  竹 田 康 律    25番  馬 庭 恭 子            26番  元 田 賢 治    27番  今 田 良 治            28番  永 田 雅 紀    29番  平 木 典 道            30番  谷 口   修    31番  母 谷 龍 典            32番  山 田 春 男    33番  太 田 憲 二            34番  若 林 新 三    35番  松 坂 知 恒            36番  沖 宗 正 明    37番  村 上 厚 子            38番  中 原 洋 美    39番  熊 本 憲 三            40番  木 山 徳 和    41番  金 子 和 彦            42番  佐々木 壽 吉    43番  児 玉 光 禎            44番  碓 井 法 明    45番  種 清 和 夫            46番  酒 入 忠 昭    47番  田 尾 健 一            49番  月 村 俊 雄    50番  山 本   誠            51番  平 野 博 昭    52番  中 本   弘            53番  木 島   丘    54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名    48番  土 井 哲 男 ───────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    松 村   司      事務局次長   重 元 昭 則  議事課長    石 井 一 司      議事課主幹   小 田 和 生  議事課主査   石 田 裕 信      議事課主査   今 井 悦 尚  外関係職員 ───────────────────────────────────────             説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實      副市長     西 藤 公 司  副市長     荒 本 徹 哉      企画総務局長  竹 内   功  財政局長    岡 村 清 治      市民局長    及 川   享  健康福祉局長  糸 山   隆      こども未来局長 藤 田 典 子  環境局長    北 吉 孝 行      経済観光局長  谷 本 睦 志  都市整備局長  西 岡 誠 治      都市整備局指導担当局長                               佐名田 敬 荘  道路交通局長  向 井 隆 一      下水道局長   新 谷 耕 治  会計管理者   永 谷 尚 之      消防局長    滝 澤 宏 二  水道局長    高 広 義 明      監査事務局長  原 田 耕 二  財政課長    松 井 勝 憲      教育長     尾 形 完 治  選挙管理委員会事務局長          人事委員会事務局長          住 田 雄 二              円 奈 勝 治 ───────────────────────────────────────                午前10時00分開議                出席議員  45名                欠席議員  7名 ○碓井法明 議長       出席議員45名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       これより,本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       本日の会議録署名者として               3番 石 橋 竜 史 議員               20番 大 野 耕 平 議員  を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1┌自第 1号議案 平成27年度広島市一般会計予算      ┤      └至第 58号議案 包括外部監査契約の締結について      ┌自第173号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第7号)      ┤      └至第187号議案 変更契約の締結について       (総括質問) ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       日程第1,第1号議案から第58号議案及び第173号議案から第187号議案を一括議題といたします。
     これより総括質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  30番谷口修議員。                〔30番谷口修議員登壇〕(拍手) ◆30番(谷口修議員) おはようございます。  自民党・保守クラブの谷口修です。しばらくの間,御清聴をお願いいたします。  私は秋葉市長時代には再々質問させていただきました。今期に入り,体調の変化もあり,会派の中での事情もあって,質問の回数が減っていました。今回,今期最後の質問の機会をいただきました。会派の皆様に感謝をしながら質問をさせていただきます。  それと,8月20日未明の土砂災害で多くの皆様が被災されました。そして74人のとうとい命が失われました。その中で,駅前の再開発,交通網の整備に尽力した竹内重喜部長も亡くなりました。心痛の思いでした。73人の皆様と竹内部長の冥福を心から祈りながら質問を始めます。  さて,皆さんも御承知のとおり,本年は被爆70周年です。その節目の年に当たり,松井市長は「被爆70周年の取組」を発表されました。その中で,まちづくりの新たな一歩を踏み出す年と位置づけ,広島の将来に向けた取り組みを行うことを言及されています。私は,そうした今後のまちづくりを考えるに当たりましても,また,現在,広島市政に課せられている問題解決に向けた取り組みを進めるに当たりましても,これまでの広島市の歴史,そして現在の広島市を築き上げてきた歴代市長の取り組みを十分踏まえる必要があると考えています。  そこで,まず広島市の近代化に向けての流れを市政概要に基づき振り返ってみたいと思います。  明治22年4月1日,全国で最初の市の一つとして市制を施行,以後,宇品港の築港,明治27年の山陽鉄道の開通などにより,中国地方の政治,経済,文教,交通の中心都市として栄えました。  特に,明治27年9月15日,大本営が広島城内に置かれ,臨時国会も開会されるなど,臨時首都の様相を呈しました。その後も軍関係諸施設が集まり,軍の主要基地として重要な役割を果たし,また,呉線の開発によって呉軍港との結びつきも深まり,軍都としての性格を強く帯びることになりました。  また,大正元年,広島電気軌道株式会社,現広島電鉄経営の市内電車が開通し,従来の乗り合い馬車にかわって,市民の足としての,公共交通としての,主要交通機関となりました。  以後,第二次世界大戦まで軍都として栄えた広島も,終戦直前の昭和20年8月6日,午前8時15分,市の中心部上空600メートルで炸裂した世界最初の原子爆弾により,一瞬にして焦土化いたしました。当時は,70年間は草木も生えないと言われました。昭和24年8月6日には,恒久平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として,広島市を平和記念都市として建設することを目的とした,我が国最初の特別法である広島平和記念都市建設法が公布されて,本市の復興は著しく進み,昭和33年末,市の人口は戦前の最高41万9182人を突破,さらに39年4月には50万人を超えました。昭和45年4月には,市の都市建設の最高目標を国際平和文化都市及び中枢管理都市の建設においた広島市基本構想を策定しました。  また,この基本構想の中では,周辺都市との合併を重点施策の一つに上げ,周辺19カ町村に申し入れ,昭和46年,私の住んでいる安佐郡沼田町を皮切りに,次々と周辺13カ町村との合併を果たしました。  そして昭和53年4月には,昭和45年の基本構想を改定し,まちづくりの最高目標となる都市像として国際平和文化都市を掲げ,その目標の達成に向けて全ての施策を展開することとしました。  その後,昭和54年4月には,大都市にふさわしい市としての事務事業を能率的に進め,市民福祉の向上を図るとともに,生活環境を整備・充実していくために,地方自治法に定められている政令指定都市の実現を国に要望し,同年8月31日,閣議決定,9月4日,政令公布を経て,昭和55年4月1日,全国で10番目の政令指定都市へ移行し,中四国の中枢都市として都市基盤整備の拡充を図るとともに,昭和60年3月には,佐伯郡五日市町と合併し,人口100万人を超えました。  また,平成元年には市制100周年,広島城築城400年,広島港築港100周年,広島平和記念都市建設法制定40周年という節目の年に当たり,'89海と島の博覧会・ひろしまを初めとした記念事業を開催し,平成6年には首都以外では初めてとなる第12回アジア競技大会ひろしま1994を開催するとともに,被爆50周年に当たる平成7年には,世界平和連帯都市市長会議アジア太平洋地域会議を開催するなど,各種の記念行事を展開しました。  また,平成8年には,第51回国民体育大会ひろしま国体及び第32回全国身体障害者スポーツ大会・おりづる大会ひろしまの開催や,原爆ドームの世界遺産への登録が行われるとともに,平成9年には大河ドラマ毛利元就博や,グリーンフェスタひろしま'97の開催などにより,本市の観光客が初めて1000万人を超えました。  平成10年6月には,国際平和文化都市を都市像として継承する新たな広島市基本構想を策定しました。  平成17年4月には,佐伯郡湯来町と合併し,人口,市域ともに拡大しました。  平成18年7月には,広島平和記念資料館の本館が国の重要文化財に,19年2月には平和記念公園が国の名勝に指定されました。  平成21年3月には,新しい広島市民球場が完成し,同年10月には広島市基本構想を改定し,世界のモデル都市を目指すことを都市づくりの方向としました。この基本構想を達成するため,第5次広島市基本計画を策定しました。  戦後の市長さんについて言えば,それぞれの市長さんが戦後の広島市の復興を目指して懸命に頑張ってこられました。  濱井市長は,昭和24年,恒久平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として,広島市を平和記念都市として建設することを目的とした我が国最初の特別法である広島平和記念都市建設法の公布に尽力されました。  山田市長は,昭和44年,国際平和文化都市及び中枢管理都市の建設を都市づくりの最高目標とする広島市総合計画を策定し,基町地区,段原地区の再開発,あるいは西部開発事業を推進する一方で広域合併を進められ,政令指定都市の実現に情熱を傾けられました。  荒木市長は,都市と都市とが国境を越えた新しい平和の秩序を確立するため,世界平和都市連帯の推進を提唱され,昭和60年には第1回世界平和連帯都市市長会議を開催されるなど,平和の推進に大きな足跡をしるされたほか,広島市の政令指定都市昇格の実現,アジア競技大会の広島開催に尽力をされました。  平岡市長は,アジア競技大会を成功させるとともに,それに向けた都市基盤の整備のほか,原爆ドームの世界遺産登録,平和研究所の創設や国際司法裁判所における意見陳述によって,核兵器の使用や威嚇が一般的に国際法に違反するものとの勧告的意見を導き出されたこと,さらに市民参加のまちづくりの推進などに尽力されました。  そして秋葉市長は,核兵器の廃絶に向け,国際的世論の醸成に努められるとともに,財政では財政非常事態宣言を宣言され,プライマリーバランスを掲げ,いろいろな事業を中止され,財政健全化を目指されました。  このように広島市の歴史と歴代市長の功績を重ね合わせてみますと,市長がリーダーシップを発揮し,政策を実現されております。  中でも特に印象に残っているのは,山田市長は西部開発事業土地造成工事の住民と対立しそうになったとき,みずからが長靴を履き,住民の中に飛び込み解決されたそうです。このように住民と直接話し合いを持たれながら事に当たられていました。  その中で,現在の松井市長になって,安佐市民病院の建てかえの問題,旧市民球場の活用策等,住民同士が対立する構図ができ上がってしまいました。住民同士の対立のしこりは末代まで続くと思います。行政が一番行ってはいけないことだと思っております。市長は市政のトップとしてどのようにリーダーシップを発揮し,こうした課題の解決を図るお考えなのでしょうか。お聞かせください。  また,国の地方創生の取り組みの中で,平成40年には人口が1億人になると想定しています。広島市も人口減少社会が間近に迫っています。そのような状況のもと,平成27年度の予算案を見てみますと,一般会計では前年度比3.6%増加,特別会計では4.6%増加,企業会計は2.4%減少,全会計で前年度比3.2%増加しております。  広島市は平成15年,財政非常事態宣言を出しています。現在も解除したとは聞いておりません。財政非常事態宣言の中での骨格予算が3.2%も増加しています。来年6月,本格予算を組むとき,政策的予算は幾らも残っていないのではないかと推察いたします。広島市から「選択と集中」という言葉をよく聞きます。言葉としては理解できますが,市の施策の説明や今回の予算ではそれが見えてきません。中長期的な展望を持って財政運営を行うべきではないかと思います。今後も広島市は都市像である国際平和文化都市の実現を目指して各種施策に取り組んでいかなければなりません。  また,先ほど申し上げましたが,市長は「被爆70周年の取組」の中で,将来に向けたまちづくりの新たな一歩を踏み出そうとされています。いずれも広島市の発展を目指したものであると思います。現在の財政状況を踏まえますと,絵に描いた餅になりかねません。このたびの被爆70周年を契機として,今後,まちづくりに向けて一歩踏み出そうとするのであれば,これまで策定されているさまざまな計画や構想,そして財政状況との関係をきちんと整理した上で,中長期的な視点から財政運営や施策を構築する必要があると考えますが,いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  次に,子ども・子育て支援についてお尋ねいたします。  待機児童の解消につきましては,これまでもたくさんの議員さんが質問してこられましたが,私は安佐南区選出の議員でありますし,市が行う取り組みについて非常に関心を持って見てきました。最初に,本年4月から施行される子ども・子育て支援新制度への対応等についてお尋ねいたします。  この新制度では,認定こども園,幼稚園,保育園を通じた共通の給付として施設型給付が創設されました。そして,この施設型給付こども未来局が所管しているとともに,幼稚園と保育園の業務を一元化することについて,市民や事業者の利便性及び業務の効率性の観点に立って教育委員会等と協議・検討していくと,昨年2月の本会議において答弁がありました。  今回の新制度は,就学前児童の施策に関して言えば,戦後では最も変革を迫られる制度です。また,今後,就学前児童の新しい施策や事務事業が次から次へ出されると想定される中,従来の組織,枠組みでは対応しきれない状況があると思います。  そこで,平成27年度の組織に関する資料を拝見すると,こども未来局教育委員会の組織改正はないように見受けられます。広島県や教育委員会とどのような議論をし,どのような経過を経て,どういう結論になったかお尋ねいたします。  次に,従来の保育制度に必要な運営費について,国と市がそれぞれ2分の1ずつ負担していましたが,新制度では国が2分の1,県が4分の1,市が4分の1の義務負担となり,市の義務負担は軽減されることになりました。この新制度の対応や今後の新しい施策への対応については,民間施設が中心となって推進していくものと考えます。市としてはこうした民間施設が円滑に運営できるよう,これまで以上に支援を強化していく必要があると思います。  そこで,市の義務負担軽減に伴う財源を活用した民間施設職員の処遇向上や教育・保育の質の向上に向けた取り組み,保育士確保などに向けた民間保育連盟との連携強化等についてどのように考えておられるかお尋ねいたします。  次に,昨年6月,市長は待機児童解消の具体的な取り組みを着実に進めていくと,その成果と潜在的需要が顕在化する中で,それも踏まえながら,平成27年度以降も取り組みを継続していくという決意で,待機児童ゼロを目指したいと答弁されました。  そこでお聞きします。本市は,本年4月1日に待機児童がゼロになるのでしょうか。  昨年12月に出された子ども・子育て支援事業計画素案では,ゼロ歳から2歳までの保育を必要とする児童は,平成31年には1万1165人と推計され,そのための確保策として,保育園や幼稚園以外の特定地域型保育事業として357人を見込んでいます。そして,この特定地域型保育事業には小規模保育,家庭的保育,居宅訪問型保育,事業所内・企業内保育というメニューがありますが,当該計画ではこれらの内訳までは記載されておりません。  私はこの中で,企業が社員の福利厚生として始められた事業所内・企業内保育が,優秀な社員の確保策として大変重要な施策ではないかと考えています。  また,広島県は県庁内に保育施設をつくると聞きました。市役所内に保育所をつくり,事業所内保育の先導的役割を果たすとすれば,企業にPRもできるし,企業としてもつくりやすい雰囲気になるのではないでしょうか。そしてこの事業所内・企業内保育を拡充させることが,結果的に待機児童の解消につながるとも考えます。  そこで,特定地域型保育事業の内訳はどのようになっていますかお尋ねいたします。  また,今後,事業所内・企業内保育の拡充等についてどのように考えておられるのかお聞きいたします。  次に,この十数年間,待機児童解消に向けてさまざまな施策を講じてきましたが,結論からすると,保育施設新設による成果として潜在的需要が顕在化し,結局は解消に至らなかったと思います。  確かに市民ニーズを把握し,施設総定員を拡充すべき地域もあると思いますが,現行制度では,保育を必要とする児童と家庭にいる児童とでは公的費用の支出に余りに格差が生じていると思います。現在,3歳未満児の保育に必要な費用は,国の示した額によりますと,1人当たり平均10万円以上かかっていると言われています。家庭で保育している児童の場合,児童手当として月に1万5000円が出るだけです。また,保育料は前年の所得税によって賦課されるので,所得が少ない場合や求職活動中の場合,保育料はゼロ円か極めて少ない額で入園できます。  人口減少社会にあって,労働力確保のため,女性の活躍,社会進出という国家戦略としての方針があります。客観的に見ても,世帯によってこうした格差がある状況の中で,来年度以降,これまで以上に潜在的需要が顕在化し,当初の見込みを上回る需要が生じることが考えられます。と同時に,出生率の低下による就学前児童数が確実に減少し,数年後には保育を必要とする児童も減少すると見込まれています。そうした中で,これ以上施設の新設をすべきでしょうか。  そこで提案でありますが,3歳未満の児童のいる世帯に対して,市として独自に手当を増額支給することで,家庭で保育する世帯をふやし,保育認定申請者を減らすという方向性について検討することなども必要ではないでしょうか。市の考え方をお聞きいたします。  また,数年後の保育必要児童の減少を見据えた場合,民間施設の経営の安定を考慮すると,公立施設のあり方が改めて問われるのではないかと思います。今後の公立施設の存続等も含めたあり方についてどのように考えているのかお尋ねいたします。  次に,西風新都についてお聞きします。  広島市の安佐南区沼田町地区及び石内地区において,ひろしま西風新都の都市づくりが進んでいます。この都市づくりは平成元年にスタートし,今では一定の産業集積と快適な居住環境の形成が図られています。  平成25年には,この西風新都を「住み,働き,学び,憩う,護る」という都市機能を備えた広島圏域を牽引する先導的なまちとするため,市において「活力創造都市“ひろしま西風新都”推進計画2013」が策定されました。  この推進計画の中での地域の最大の関心事である西風新都内幹線道路の整備についてですが,現在,石内東地区の広島電鉄の開発計画にあわせて,石内東地区環状線,石内東工区として免許センター東側から伴広島線までの区間において道路工事が進められています。  また,中筋沼田線の渋滞緩和や今後のこころの急激な人口増に対応するため,平成32年度を完成目標に,こころの南端とインター流通パークを結ぶ環状線梶毛南工区の道路整備に取り組んでおられます。  このような状況のもと,伴地区に目を向けてみますと,広島市は環境局安佐南工場の建てかえ,火葬場西風館の建設に伴い,環状線善當寺工区の早期完成に最大限努力する旨,合意書を地元住民と交わされました。地元は広島市民全体の福祉に利することから苦渋の選択で,市の提示された地元対策を受け入れ,両施設の建てかえ,建設に同意いたしました。  しかしながら,先ほど申し上げたように,環状線の石内東工区や梶毛南工区の道路整備は着々と進んでいるにもかかわらず,環状線善當寺工区につきましては,整備が進んでない現状を伴地区の住民は冷ややかに見ています。善當寺工区はいつごろの完成を目指しているのでしょうか,具体的現状も含めてお答えください。  次に,西風新都の都市機能についてですが,今回の推進計画の見直しで,これまでの「住み,働き,学び,憩う」に「護る」を加えられました。これはどういった趣旨で加えられたものでしょうか。  私は平成24年第2回定例会でも言いましたが,広島市に大地震が起こったとき,都市として発達している橋の多い三角州の町は機能不全を起こし,市役所,県庁,国の合同庁舎も津波と液状化現象で行政が機能しなくなるのではないかと危惧しております。高速道路のインターチェンジが2カ所もある伴地区の中で,地盤のかたい高台にある西風新都へ,例えば東京都の有明にある東京臨海広域防災公園のような国の基幹的広域防災拠点を建設し,西風新都に防災機能を加えることは,本市全体の防災を考える上でも極めて重要なことだと考えています。  このたびの豪雨災害を踏まえ,危機管理部門を市長事務部局に移管する組織の見直しが行われ,来年度から危機管理室が設けられます。これを機に,広島市の防災機能の強化に向けて西風新都に基幹的広域防災拠点の建設など,防災まちづくりのために県・国への積極的な働きかけを強くすることを要望しておきます。このことにより住民の待ち望んでいる,また,広島市の懸案でもある外環状ができ上がるのではないかと思っております。  次に,高速4号線についてお聞きいたします。  広島高速4号線は延伸をして山陽道と接続する計画ですが,この延伸計画が実現すれば,高速道路で広島市の都心部と周辺市町が結ばれ,広域的な交流も活発化するとともに,西風新都への通過交通が排除されることで大塚交差点の渋滞も緩和し,その効果は大きいと思います。  この接続につきましては,これまで高速4号線を迂回させて五日市インターチェンジにつなげる計画となっていますが,4号線をそのまま真っすぐ延伸して,最短経路で山陽道につなぐことができないのかお尋ねいたします。  次に,ごみボックスの問題についてお聞きします。  こころ住宅団地においては,道路上に家庭ごみを収集するためのごみボックスが多数設置されておりますが,市では団地内の道路を広島市道とするためには,ごみボックスが道路の管理上支障となり,撤去をしてもらう必要があるとして,いまだ開発業者から道路を引き継いでいないとのことです。このことについて地元町内会からは,市内の多くの住宅団地には道路上にごみボックスがあるにもかかわらず広島市道として管理しているのだから,こころ住宅団地についても道路を市に引き取って管理してもらいたいとの要望を受けております。  現在,市では道路を引き継ぐ方向で,ごみボックス問題の解決に向けた検討を進められていると聞いています。その検討状況についてお答えください。  最後に,広島広域公園についてお聞きいたします。  平成5年,Jリーグの開幕以降,エディオンスタジアム広島はサンフレッチェのホームスタジアムとして使用されており,沼田地区の住民もみずからのまちづくりをサンフレッチェのホームタウンと考え,町ぐるみでチームを応援し,町のにぎわいや一体感をつくり出そうとしてきました。  しかしながら,昨年10月に開催された第17回サッカースタジアム検討協議会では,整備費用やアクセスの点から,広域公園を候補地としない方針が出され,昨年12月の同協議会の最終的な提言では,旧広島市民球場跡地と広島みなと公園が候補地として併記されることになりました。  これまで沼田地区の住民は,サンフレッチェの試合での交通渋滞などを我慢しながら広域公園の運営に協力してきました。また,検討協議会の答申が出された後,地元住民は広域公園にサッカースタジアムを残してほしいという要望署名が3万1240名集まっております。地元住民の皆さんは,市中心部にサッカースタジアムができれば,広域公園がすっかり寂れるのではないかと心配をしております。こうした地元の皆さんの応援や協力に広島市は応えていく必要があると思います。  平成5年に開設した広域公園は,公園全体で440億,陸上競技場だけでも80億の建設費を要し,アジア競技大会国民体育大会のメーン会場として使用された広島を代表するスポーツの施設です。今後もサッカーや陸上競技を初めとするスポーツ全般の振興の拠点として役割を果たしていく必要があります。  一方で,広域公園は開設以降20年以上が経過し,施設の老朽化が進んでいます。今後,施設の改修やバリアフリー化の推進,アストラムラインの駅からスタジアムに向かうアクセスの改善,大規模なスポーツイベントの際に発生する交通渋滞の解消,補助競技場や利用の少ない施設の活用などさまざまな課題が山積しており,こうした課題に対応していく必要があります。  しかしながら,現状を維持していくという考え方だけで,今後,広域公園が広島市のスポーツ振興の拠点としての役割を果たしていくことは難しいと思います。サッカースタジアム建設についての議論が進められる中で,今後もスポーツ振興の拠点としてこれまで以上に活用されるためには,新たな施設整備についても検討する必要があるのではないでしょうか。  広域公園を利用しているスポーツ団体や地域住民の意見や要望が,管理運営や施設……。 ○碓井法明 議長       谷口議員さん,30分を超えております。御協力お願いします。 ◆30番(谷口修議員) わかりました。簡単にやります。  広域公園そのものを全日本クラスの強化合宿誘致とか,または市民が望んでいる温浴施設,トレーニング施設をつくるなどして,広域公園を再整備することを要望して,私の質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○碓井法明 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       谷口議員からの御質問にお答えします。  広島市政についてのうち,市長のリーダーシップについての御質問がございました。私は対話・ビジョン・実行というスタイルで市政を推進すると表明し,就任後もそれを貫いてまいりました。  そうした中,市民が関心を持つ重要な施策の決定に当たっては,自分たちのまちは自分たちでつくるということを基本に,市民の間での多様な意見や評価を踏まえ,総合的に勘案した上で最終的な決断を下すべきものと考えております。したがって,市民の間での真剣な議論があることは重要であり,それを踏まえて判断することがまさにリーダーシップであると考えております。  議員御指摘の安佐市民病院の建てかえや旧広島市民球場跡地の活用などの課題についても,こうした考え方のもと対応してまいりたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○碓井法明 議長       財政局長。 ◎岡村清治 財政局長     広島市行政についての御質問にお答えいたします。  被爆70周年を契機として,今後,まちづくりに向けて一歩を踏み出そうとするのであれば,中長期的な視点から財政運営や施策を構築する必要があると考えるがどうかというお尋ねでございました。  本市においては,これまでも中長期的な展望のもとに,財政状況を踏まえながら広島駅周辺地区の整備や西風新都の都市づくりの推進,待機児童対策や学校校舎の耐震化など,「選択と集中」を基本に置いた予算配分に意を用いてきたところでございます。  今回の予算は骨格予算であることから,そのことが見えにくいとは思いますが,現在の財政運営方針の計画期間が満了いたします来年度中には,一般財源収入や社会保障費等のほか,被爆70周年を契機として取り組むまちづくりに要する経費などの見込みも踏まえた中期的な財政収支見通しを作成した上で新たな財政運営方針を定め,引き続き,計画的な財政運営に取り組んでいく必要があると考えております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       こども未来局長。 ◎藤田典子 こども未来局長  子ども・子育て支援についての御質問にお答えします。  まず,子ども・子育て支援新制度の施行に関し,幼稚園と保育園の業務を一元化することについての御質問についてです。  幼稚園と保育園の業務の一元化については,平成27年4月から子ども・子育て支援新制度を運用することになったことに伴い,幼稚園に係る認可権限の移譲,各種給付金や利用手続等の業務の移管をどのようにするかが課題となっています。  私立幼稚園の認可権限の本市への移譲については,県との協議により私立幼稚園の認定こども園への移行状況や施設型給付の選択状況を踏まえつつ,引き続き県が所管することとなりました。  また,公立幼稚園に係る利用手続については教育委員会と協議し,保護者への影響が極力ないようおおむね現行どおりとし,平成27年度は教育委員会が所管することとしました。
     幼稚園と保育園の業務の一元化については,保護者,事業者の利便性や業務の効率性の観点から,新制度の運用状況を見ながら,引き続き検討してまいりたいと考えています。  次に,市の義務負担軽減に伴う財源を活用した民間施設職員の処遇向上の取り組みなどについてです。  新制度において民間保育園等に支給される施設型給付等の公定価格については,市の負担割合が2分の1から4分の1に軽減されますが,新制度に新たに参入する私立幼稚園等については市の負担が増加することになるため,全体として本市の負担がどの程度軽減されるかは,事業者の新制度への参入状況等を見る必要があります。  本市としては,市の負担軽減とは別に,民間保育園等が円滑に運営できることは必要であると考えており,保育士等職員の処遇向上については,本年2月に国から示された公定価格を踏まえて検討することにしています。  また,教育・保育の質の向上に向けた取り組みについては,新制度に新たに参入する事業者も含め,職員の階層別研修や実践的研修を実施するとともに,保育指導課に公立幼稚園教諭OBを増員配置して,幼保連携型認定こども園等の運営指導を行うことにしています。  保育士確保などに向けた広島市私立保育園協会との連携強化については,保育士合同就職説明会や潜在保育士の掘り起こしなどに取り組むことにしています。  こうした取り組みにより,民間保育園等における保育士等職員の安定的な人材確保や教育・保育の充実を図ってまいりたいと考えています。  次に,本年4月1日に待機児童がゼロになるのかという御質問についてです。  本市では平成27年4月当初の待機児童解消に向けて,保育園の新設整備等により受け入れ枠を確保することにしており,ほぼ予定どおり整備等が進んでいます。こうした受け入れ枠の確保と同時に不可欠と考えている保育士の確保対策については,人材不足の中ではありますが,合同就職説明会の実施や広島市私立保育園協会による求人・求職者の掘り起こしなどにより,鋭意確保に努めています。  また,本年4月の入園申し込み等に係る相談体制の強化のため,区役所に増員配置している保育サービスアドバイザー等が,空きのある保育園などの情報提供やあっせん等をきめ細かく行っていくことにしています。待機児童ゼロの達成に向け,こうした取り組みを引き続き全力を挙げ着実に行ってまいります。  次に,事業計画素案で平成31年度の確保策として特定地域型保育事業を357人と見込んでいるが,その内訳と,事業所内保育の拡充についてどのように考えているのかという御質問についてです。  現在,策定中の広島市子ども・子育て支援事業計画においては,ニーズ調査等で把握した利用規模を踏まえ,教育・保育の量の見込み及び確保方策を設定しており,平成31年度における特定地域型保育事業の内訳については,小規模保育事業が319人,事業所内保育事業で地域の子供を受け入れる人数が38人となっています。  なお,事業所内保育施設については,新制度においては従業員の子供を受け入れるために設置するものであっても,地域の子供も受け入れることができるようになることから,事業所が多い市街中心地など,利用希望者が確実に見込まれる地域にあっては積極的に認可することとし,その拡充を図ってまいりたいと考えています。  次に,保育を必要とする児童と家庭にいる児童とでは支出される公的費用に格差が生じている。また,保育を必要とする児童の減少が見込まれることから,施設を新設すべきではないと考える。そうしたことから,家庭で保育をする世帯をふやすために,3歳未満の児童がいる世帯に対し,市が独自に手当を支給することを検討する必要があると思うがどうかという御質問についてです。  本市においては,全ての子育て家庭が安心して子供を産み育て,子育てに喜びを感じることのできる環境づくりとともに,女性の社会参加が増加し続ける中で,就労も含めて多様な社会参加と子育てが両立できるような環境づくりが重要だと考えています。  議員の御提案は,前者の環境づくりという視点に立ちつつ,施設の新設を抑制するということに資する面はあるとしても,後者の多様な社会参加と子育てが両立できるような環境づくりという点では,抑制的に働くのではないかとも考えられます。  本市の今後の労働力を維持するとともに,若い人が住み続けたいというまちを実現するためには,女性の社会参加の促進にも力を注ぐ必要があると考えており,待機児童の解消に向けてもそのような観点から取り組んでいきたいと考えています。  最後に,保育必要児童の減少を見据えた場合に,民間施設の経営の安定を考慮すると,公立施設のあり方が改めて問われる。今後の公立施設の存続等も含めたあり方についてどのように考えているのかという御質問についてです。  議員御指摘のとおり,平成27年度から31年度までの5年間を計画期間とする子ども・子育て支援事業計画の策定に当たり,今後の推計ニーズ量をベースに地区別の需給状況を精査したところ,平成31年度には3歳未満児童について,多数の地区で受け入れ枠の拡大が必要となる一方で,3歳以上児童については,多数の地区で受け入れ枠の大幅な縮小が必要となることがわかりました。  このため,今後の定員規模の調整については,余剰が生じる3歳以上の児童の定員を3歳未満の児童の定員に振りかえることや,定員の削減,将来的な施設の統廃合といった方法について,従来の中学校区を基本とする考え方だけでなく,その周辺地区も含め,さらには公・私立保育園の垣根も越えて調整する方法を検討する必要があると考えています。こうした検討を行う中で,公立保育園のあり方についても検討していかなければならないと考えています。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       都市整備局長。 ◎西岡誠治 都市整備局長   私からは西風新都について2点お答えいたします。  まず,道路整備に関して,西風新都環状線善當寺工区はいつごろの完成を目指しているのか,現状も含めて教えてほしいという点でございます。  環状線善當寺工区につきましては,平成25年6月に策定した「活力創造都市“ひろしま西風新都”推進計画2013」において,梶毛南工区,梶毛西工区の2区間とともに,自動車交通の円滑化や開発地域相互の連絡性を高めるため,優先的に整備する区間として位置づけております。  善當寺工区のうち民間の開発計画の区域内を通る部分につきましては,現在,開発事業者が開発計画の具体化に向けて,共同で実施するパートナーや立地する企業を探している状況でございます。  今後,こうした開発業者の動向を見きわめた上で道路整備の進め方を検討し,推進計画の計画期間である平成42年までに環状道路の形成を図りたいというふうに考えております。  また,県道広島豊平線から中筋沼田線までの工区は,安佐南工場周辺地域の当面の道路事情の改善策として暫定整備を進めており,平成29年度の完成を目指して,来年度からの用地取得及び工事に順次取り組む予定にいたしております。  次に,西風新都の都市機能に「護る」を加えた趣旨は何かというお尋ねでございました。  西風新都はデルタ市街地と比べまして,標高がおおむね60メーター以上高いことから,津波,高潮等の影響を受けない場所にあり,広島高速4号線により市街地から約15分とアクセス性もよく,二つのインターチェンジにより高速道路網を介して広島市全域や周辺市町へ迅速なアクセスが可能な位置にございます。また,道路,橋梁等のインフラについても,整備時期が比較的新しいことから,相対的に災害に強いものと考えられます。  こうした西風新都の特性を踏まえて,デルタ市街地にある防災拠点施設の代替機能の導入,消防・防災に関する訓練施設の整備及び消防出張所の整備などを進めることで,地域の防災力はもとより,市域全体の消防力,防災力の向上を図るという考え方のもと,推進計画において都市機能に「護る」を加えたものでございます。昨年8月の豪雨災害の経験からも,「護る」機能の重要性がより一層高まったものというふうに考えております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       道路交通局長。 ◎向井隆一 道路交通局長   まず,広島高速4号線の山陽道への接続についての御質問にお答えをいたします。  広島高速4号線を直線的に延伸し,山陽自動車道に直接接続するルート案につきましては,議員御指摘のとおり最短経路で接続が可能となり,時間短縮が図られるなどメリットがございます。接続位置が広島ジャンクションから1キロ程度と近く,一般的な接続方法ではスムーズな分合流が難しいなどの課題もございますが,構造的な工夫を行うことにより対応可能と考えており,現在,管理者であるNEXCO西日本の意見を聞きながら検討を深めているところでございます。  広島高速4号線の山陽自動車道への接続につきましては,こうした案も含め,県,市,公社でその実現に向け検討を進めてまいります。  次に,こころ住宅団地のごみボックスについての御質問にお答えをいたします。  本市では家庭ごみ収集用のごみボックスにつきましては,道路の管理上の観点から,一律に道路占用物件として認めてきていませんでしたが,昨年度,国土交通省からごみボックスは道路法上の占用許可物件に該当し,占用許可の基準を満たせば占用が可能であるとの見解が示されたことを受けて,ごみボックスに係る占用許可基準の策定や支援制度の創設に向けた検討を始めているところでございます。  これにより,市内の住宅団地等において,道路上に新たにごみボックスを設置しようとする場合,当該ごみボックスが一定の要件を満たすときには道路占用を認めることとし,また,要件を満たさないごみボックスが配置されている場合には,所有者による自主的な撤去や移動が促進されるようになります。  こころ住宅団地につきましては,今後,これらの検討結果を踏まえ,開発業者や地元町内会との話し合いを行いながら,来年度のできるだけ早い時期に広島市道として引き継げるよう準備を進めてまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       30番谷口議員。 ◆30番(谷口修議員) 時間配分を間違えて,時間延長したこと申しわけございませんでした。あと残りのところが肝ですので,要望として述べさせていただきます。  広域公園を利用しているスポーツ団体や地域住民の意見や要望が,管理運営や施設の改修・更新に十分に活用されているとは思えません。宿泊施設やトレーニング施設を整備し,全日本クラスの強化合宿の誘致なども積極的に取り組むべきではないでしょうか。こうした西風新都の機能の一つとして「憩う」ということが掲げられています。テニスコートの利用者や公園でランニングをされている人たちから,温浴施設やトレーニング施設を設けてほしいとの意見をよく聞きます。こうしたスポーツ団体を初めとする利用者や地元住民の意見を参考にしながら,広島市全体のスポーツ振興や地域の活性化につながる今後の広域公園のあり方を真剣に考えるときが来ていると思います。  特に,今回のサッカースタジアムの検討協議会の答申どおり,どちらかにサッカースタジアムを建設という結論を出されるならば,広域公園のあり方を根本的に考え,方針を出してください。そうしないと地元住民は納得しないと思いますし,また広島市のスポーツの拠点としての機能はなくなり,高い税金を使ってつくった施設が無用の長物になりかねません。この辺を考えて広域公園について考えていただきたいと思います。  その他の再質問につきましてはいろいろありますが,予算特別委員会のほうでやらせていただきます。ありがとうございました。 ○碓井法明 議長       次に,52番中本弘議員。                〔52番中本弘議員登壇〕(拍手) ◆52番(中本弘議員) 皆さん,おはようございます。大変御苦労さまでございます。  広島市議会自由民主党の中本でございます。会派を代表いたしまして総括質問をさせていただきますので,しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  さて,前回,私が本会議での質問の場に立ちましたのが平成25年第1回の定例会でございました。ちょうど松井市長さんの任期4年の折り返し点を迎えようとしておる時期でしたので,市長任期の前半の市政運営を総括する意味も含めまして質問をさせていただきましたが,それから早いもので2年余りのときが経過し,今任期最後の定例会において,くしくも再び質問の機会を与えられ光栄に感ずると同時に,このたびは松井市政4年間の総括ということで,まずはお尋ねをしてみたいと思います。  私自身,松井市政のこの4年間を振り返ってみますと,引き続き厳しい財政状況のもとで,世界に誇れるまちの実現という市政運営に当たっての明快なコンセプトを示され,「活力にあふれにぎわいのあるまち」,「ワーク・ライフ・バランスのまち」,そして「平和への思いを共有するまち」と,三つの取り組みの柱を組み立て施策を構築され,都市基盤の整備,都市機能の充実に努められた結果,広島の顔である広島駅周辺のBブロック,Cブロックの整備を初め,白島新駅,広島駅自由通路及び広島高速道路網の整備,JR可部線の電化延伸,西風新都のまちづくりなどなど,目指す新たな都市像の輪郭づくりを着々と進めてこられたのではないかと,私なりに一定の評価をいたしておるところでございます。  ただ,先ほど申し上げましたところでございますけれども,今後の課題としては確かに幾つかございますが,それは松井市長に期待するところ大であるところからであり,これまで長い間続いた市政を取り巻く閉塞感から脱却し,今後の躍動につながる4年間ではなかったかと,正直に私はそう思っております。  私はそのように感じているのでありますが,松井市長はどのようにお考えでしょうか。まずは市長御自身からこの4年間を振り返っての総括をお聞かせいただきたいと思います。  また,そうした総括を踏まえた上で,今後,広島市の発展のため必要であろうと考えておられる施策に関してもお聞かせいただきたいと思います。  次に,私自身が今後の課題と考えていることについて,市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。ただ,時間の関係もございますので,このたびは5点に絞ってお聞きしたいと思います。  一つが,広島駅周辺地区の整備に関してであります。  私は,これまで広島市の都市基盤の整備,都市機能の充実を図る上で避けて通ることができないものとして,都市構造の改革,交通体系の整備などなど,数あるその中でも,とりわけ喫緊の課題として訴え続けてきたものが,政令指定都市の表玄関であり広島市の顔でもある広島駅周辺の機能的近代化でありました。それを松井市長のリーダーシップのもと,当該広島駅周辺地区を広島の楕円形の都心づくりの一方の核として位置づけ,広島市の陸の玄関にふさわしいまちづくりを積極的に推し進められ,Bブロックは来年6月に,また隣接するCブロックは12月に再開発ビルがそれぞれ竣工する予定になっております。マツダスタジアムの西側地区に関しても,来年9月には全施設が完成する見込みと聞いております。  また,広島駅北口地区に関しましては,二葉の里地区の未利用国有地について売却先や用途のめどがつき,開発が現実のものとなっております。さらに,駅の南北両広場の再整備や自由通路等の整備の取り組みもあわせて進められておりますので,まさに私どもが期待しておりました機能的近代化が間もなく図られることになります。  加えて被爆70周年の記念事業の一つとして,長年地元の懸案事項であった猿猴橋の復元があります。猿猴橋は日本橋に匹敵する日本の天下の名橋であります。復元後は間違いなく広島の観光資源の一つになるものと確信いたしております。猿猴橋の復元を被爆70周年記念事業としたことはまことに時宜を得たものであると考えておる次第であります。  この間の関係者の皆様方の御努力には敬意を表する次第でありますが,しかし,これで全てが完了したとは言えないのもまた事実であります。市当局の皆様におかれましては厳しい言い方になるかもわかりませんが,これでやっと広島市の顔としての装置が整った,あるいはスタート台に立つことができたという認識を持っていただきたいと思っております。  今後は整備された施設なり機能が,相乗効果を生みながら持続的に発展し,広島市全体の活力の向上,にぎわいの創出につなげていく取り組みや活動が必要になるのではないかと考えております。  そのためには,まず広島駅周辺地区全体が,今後,どのようになっていくのか,またどのようにしていくのかを示す,言うなれば,広島駅周辺地区の全体の都市計画的なものを策定する必要があると思いますが,いかがでしょう。  その中には,都市整備局でこれまでかかわってこられた個々のハード整備の内容や,道路交通局で行われてこられた道路交通施策の内容はもちろんのこと,駅ビルの建てかえの方向性も加味する必要があると思います。このままでは個々の状況は把握できても,この地区全体としてどうなるのかがなかなか見えづらい状況にあると思えてなりません。広島市としてこの地区一帯を,今後,どのようにしようとしているのか,その意思を明確に示す計画が必要であると考えますが,市当局のお考えをお聞かせください。  また,回遊性を高めるためには,これまでの取り組みで残された地区,駅西商店街もそうでしょうし,東荒神の再開発もありますし,さらに西蟹屋,南蟹屋もこれに含まれるものと思います。そうした地区も含めなければ,この地区一帯の再開発は完了したとは言えないと私は思っております。ぜひともそうした計画を策定するに当たりましては,先ほど申し上げました地区も含めた形でお考えいただきたいと思いますが,あわせてそのお考えをお聞かせいただきたいと思います。  二つ目は,比治山公園の整備に関してであります。  皆様も御承知のとおり,比治山は広島の市街地にありながら豊かな緑が残されており,また,春には1,300本にものぼる桜が咲き誇る広島市有数の桜の名所として多くの市民から親しまれている憩いの場であります。  しかし一方で,政令指定都市移行を記念して,この地を芸術公園として整備していくという方針のもと,北側区域では現代美術館やまんが図書館などの整備が行われましたものの,南側区域につきましては,放射線影響研究所移転の問題が解決されていないことから,整備が進んでいないという課題を抱えたままの状況になっております。  松井市長もこの比治山公園をめぐる課題につきましては十分認識され,今後の対策等を検討されているものと期待しておりましたところ,このたび,広島市当局が示されました「被爆70周年の取組」の中のまちづくり先導事業の一つとして,比治山公園「平和の丘」構想の具体化に向けた検討ということが取り上げられておりました。  そして,この検討の説明として,比治山公園の自然的魅力と都心の都市的魅力とを一体的に体感するとともに,一望する町並みから平和を実感できる本市の魅力的な新たな拠点とするため,比治山公園「平和の丘」構想を策定し,再整備を行うということが述べられております。  せっかくの資源を十分生かし切れていない現状を打破し,将来に向かってのまちづくりの第一歩を,被爆70周年を契機として踏み出していこうという松井市長の思い入れが私にはひしひしと伝わってくるのでありますが,ただこの説明を見るだけではわからないところもありますので,この際,お聞かせいただくことといたしました。  それは,まず一つには芸術公園構想との関係ということであります。今後の比治山の整備方針として芸術公園構想は構想として継承していくとしても,放射線影響研究所移転の問題が解決をされていない現状を踏まえ,現にある特質を生かし魅力的な観光資源として活用していこうというお考えなのでしょうか。それとも芸術公園構想は破棄し,今後は「平和の丘」構想のもと比治山公園は整備していくというお考えなのでしょうか。市長の真意として,今後,どの方向で比治山公園の整備をされようと考えられておるのかお聞かせください。あわせて,構想策定に向けた今後の進め方に関しましてもお考えをお聞かせください。  また,いずれの整備方針を採られるにいたしましても,放射線影響研究所の移設は早期に解決すべき課題であることは変わりがありません。そのことに関して市当局のお考え,そして解決に向けての意気込みをお聞かせください。  三つ目は,離島振興についてでございます。  平成25年7月,似島が離島振興法に基づく離島に指定されたことは皆様も御承知のとおりだと思います。そして,その指定を受け,広島県では同法に基づく振興計画を同年12月に策定いたしております。  その計画の概要を簡単に御紹介申し上げますと,まず計画期間は平成25年度から平成34年度までの10年間で,内容は広島県の離島振興の基本的な方向,方針や施策体系,群島別の振興対策を示したものとなっております。  その中で,似島に関する地域振興計画では,豊かな自然などの地域資源を生かした都市との交流を促進し,住民と協働で地域の活力の維持増進を図るとともに,安心して快適に暮らせる島づくりを目指すことを基本的な方針として,主要な施策として,一つに,安心して快適に暮らせるための日常生活機能の充実,二つ目として,新たな観光資源の開発と豊かな自然や歴史・文化資源を生かした交流人口の拡大,そして三つ目として,住民との協働による地域の活性化,以上,三つの主要施策を掲げた上で,さらに,1,交通及び通信施設の整備,2,産業の振興及び就業の促進,3,生活環境の整備,4,医療の確保,5,介護及び福祉サービス等の充実,6,教育及び文化の振興,7,観光振興及び交流の促進,8,自然環境の保全及び再生可能エネルギーの促進,そして9,国土保全施設の整備その他防災対策,以上,九つに分け,それぞれ振興方針を立てられており,その詳細な内容はここでは省略させていただきますが,裏を返して考えてみますと,そうした振興策を講じなければならないほど深刻な課題を抱えているということになろうかと思います。  この計画は県民全体で取り組まなければならない離島振興の指針というものでありますが,広島市は地元自治体であります。また,このたびの県における振興計画の策定に当たりましては,関係市町からの案を踏まえたものであることを考え合わせましても,広島市にはこの振興計画に掲げられている方針に沿った取り組みを積極的に講じていく責務があるものと考えております。  そこでまず,そのことに対して市当局としてどのような認識をお持ちなのか,基本的なお考えをお聞かせください。  また,広島市ではこの計画に基づいたさまざまな振興策をこれまで実施されているものと思います。また,新年度予算案にも十分反映されているものと考えます。  そこで,そうした状況,これまでの実施内容と予算案への反映内容について,それぞれの分野ごとにお聞かせください。  四つ目は,土砂災害からの今後の復旧に関してであります。  今定例会初日の本会議において,松井市長は昨年8月20日の土砂災害に関して,市長説明の中で,豪雨災害で被災された皆様の生活再建と被災地域の早期復興については全市を挙げて取り組む必要がある,そのため,被災地域の将来を見定めた安全・安心なまちづくりを着実に推進するための実施方針を示す復興まちづくりビジョンを本年度内に策定することにしておる,このビジョンで災害発生から5年間を集中復興期間と位置づけ,基盤施設の緊急整備などに取り組むと述べておられます。  今回の災害に関する市長の取り組み姿勢が十分伝わる内容であったと私は受けとめております。しかし一方で若干の懸念があることも事実であります。それは公共事業をめぐる環境の悪化であります。よく耳にいたしておりますのが,人件費や資材費の高騰などにより,公共事業の執行に支障を来しているということであります。公共事業はいずれも市民生活に密着したものでありますので,その執行に関しては万全を期さなければならないものと思いますが,とりわけ災害の復旧・復興については,被災者の皆様,被災地の現状を考えますと,その進捗に支障がないよう十二分に配慮する必要があるものと考えます。  そこで,この災害復興等の適切な執行に当たっての市長の決意のほどをまずはお聞かせください。  また,そうした復興事業等が計画どおり進んでいるかどうか,その進捗状況に関しては市民,議会にも適宜明らかにしていただきたいと考えます。どのようにお考えなのでしょうか。あわせてお答えください。  個別の取り組みに関しましては以上でありますが,最後に今後の広島のまちづくりに大きくかかわる地方版総合戦略の策定に関してであります。  皆様も御承知のとおり,昨年11月,「まち・ひと・しごと創生法」が制定されております。この法律の制定の背景や趣旨,目的について,国の通知から引用して紹介しますと,その趣旨等は,我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し,日本全体,とりわけ地方の人口の減少に歯どめをかけるとともに,東京圏への人口の過度な集中を是正し,それぞれの地域で住みよい環境を確保して,将来にわたって活力ある日本社会を維持していくこと,このことが喫緊の課題となっていることを踏まえ,まず一つ目に,国民一人一人が夢や希望を持ち,潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会,つまり、「まち」を形成すること。二つ目に,地域社会を担う個性豊かで多様な人材,「ひと」ということでありますが,その確保を図ること。そして三つ目に,地域における魅力ある多様な就業の機会,「しごと」でありますが,それを創出すること。以上,まち・ひと・しごと,この三つを一体的に創生,推進していこうとするものであります。  そして,昨年12月には,人口の現状と将来の姿を示し,今後,目指すべき将来の方向を提示する「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と,今後,5カ年の目標や施策の基本的方向,具体的な施策をまとめた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定され,国として総合的に取り組むこととされております。  一方,そうした取り組みは国と地方が一体となって,しかも中長期的視点に立って取り組む必要があることから,各地方公共団体においても,国の長期ビジョンや総合戦略を勘案しつつ,それぞれの団体における人口の現状と将来の展望を提示する地方人口ビジョンを策定し,これを踏まえて,今後,5カ年の目標や施策の基本的方向,具体的な施策をまとめた都道府県あるいは市町村の,つまり地方版の総合戦略を策定するよう努めることにもなっているようであります。  その策定は,国の通知によりますと来年度中には策定するよう要請されているようでありますし,先月28日には,早速,都道府県並びに指定都市の担当者への説明会も実施されているようであります。このため,早晩,広島市においても策定に向けた具体的な取り組みを開始する必要があるのではないかと考えます。  また,その策定に当たっては,藤田県知事,秋葉市長時代にはなし得なかった県との連携も必要になってくるものと思います。  さらに聞くところによりますと,住民代表や産業界,行政機関,大学,金融機関,労働団体で構成する推進組織で審議するなど,広く関係者の意見が反映されるようにすることが重要であるといったこともあるようであります。  また,今後の広島のまちづくりにかかわる戦略とも言えるものでありますので,私ども議会でも十分審議を尽くす必要があると考えます。こうしたことも考え合わせますと,今からでも手をつけていかなければならないのではないかと考えます。  そうした中,広島市では2月6日に開催されました広島の拠点性強化に向けた懇話会で,来年度中に広島版総合戦略をつくるというお考えを示されたようでありますが,今後,どのように進めていかれようとされているのかということについて,このたび国のほうから策定が要請されておるその戦略の概要などとともにお考えをお聞かせください。  また,この戦略の策定は連携中枢都市圏の取り組みとも歩調を合わせ,整合性を保ちながら進めていく必要があると考えますがいかがでしょうか,そのお考えをあわせてお聞かせください。  ただ,いずれにいたしましても,先日,総務省のほうから昨年の住民基本台帳に基づく人口移動報告が発表されております。それによりますと,東京周辺への人口集中は一段と進んでいることが示されております。一方,広島では転入超過数が大きく減少し,札・仙・広・福と言われていた時代の札幌市や福岡市と比較して,広島市にとって求心力の低下が浮き彫りになっていることが伝えられております。こうしたことを踏まえましても,この時期に総合戦略を策定することには大いに意義があるのではないかと思っております。ぜひとも広島市だけでなく,圏域全体の発展に資するものとしていただきたいと願っております。  今回,取り上げました項目は以上でありますが,現在の広島市政には,今回お尋ねした課題のほか,昨年の豪雨災害からの復興,アストラムラインの延伸や路面電車の再編など,適切な公共交通ネットワークの整備,海の玄関である宇品・出島地区を初めとする臨海部のまちづくりの推進,水の都ひろしまにふさわしい空間の整備,経済の振興,そして平和行政の推進など,さまざまな課題が山積み状態であります。ぜひともそうした課題に対し積極果敢に対応していただくよう最後にお願いを申し上げ,私の総括質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○碓井法明 議長       市長。
                   〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       中本議員からの御質問にお答えします。  私の4年間の市政の総括についての御質問がございました。  私は市長就任以来,この広島を世界に誇れるまちにするため全力を尽くしてまいりました。そのために,まずは地域経済の持続的な発展によりしっかりとした土台を築く,そしてそこでの人々の生活が生き生きとしたものになるように,地域コミュニティーの再生を図る,その上で被爆都市ヒロシマが平和への思いを共有し,発信し続けることができるようにするということを行ってまいりました。  まちの土台づくりの点では,広島駅周辺地区の整備など都市機能の充実強化を推進いたしました。Bブロック,Cブロックは建設工事が進み,市民の目に見える形でまちづくりが動き始めております。あわせて,西風新都において新たに推進計画を策定し,着実に企業誘致などを進めております。  生き生きとしたまちづくりの点では,自分たちのまちは自分たちでつくるという考え方のもと,高齢者の地域支え合いモデル事業や住宅団地の活性化に向けた検討,区の魅力と活力向上推進事業などにより,市民主体のまちづくりが少しずつ定着してきているというふうに考えております。  また,地域コミュニティー再生には近隣の市町との連携強化が不可欠であると考えまして,神楽や食と酒をテーマにしたまち起こし協議会の設置や,二重行政解消に向けた県・市合同研究会の設置などを進めてきているところであります。  さらに平和への思いの共有,発信の点では,被爆者自身の被爆体験や平和への思いを守り,伝え,広めるという考え方のもと,平和首長会議の構成都市の拡大と,その運営体制の強化などさまざまな施策を展開しており,着実な前進があったと考えております。  今年度内には復興まちづくりビジョンを策定し,昨年の8月20日の豪雨災害で被災された方々の生活再建と被災地域の早期復興に全力で取り組むとともに,市域全体を見据えて行政と市民が一体となった防災・減災のまちづくりに向けた取り組みを強化していきたいと考えております。  こうした現在進めているまちづくりの方向性を踏まえながら,今後,本市の発展のためには社会経済情勢の変化,とりわけ人口減少という避けて通れない事態を前に,地方創生という課題と向き合い,連携中枢都市圏の制度を活用した広島広域都市圏との連携施策を初めとした大胆な施策を展開していく必要があると考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○碓井法明 議長       都市整備局長。 ◎西岡誠治 都市整備局長   駅周辺の整備についてお答えいたします。  駅周辺地区の整備が進んでいることは評価するが,これが持続的に展開し,市全体の活力向上とにぎわい創出につなげる必要がある。また,これまでの取り組みで残されてきた地区を含むより広い範囲をどのようにしていくかを示す必要があるという点につきまして,市の考えを聞かせてほしいというお尋ねがございました。  広島駅周辺地区では,自由通路や駅前広場等の広域的な交通結節点としての機能強化や,B・Cブロックの再開発による商業・業務機能の集積など,広島の陸の玄関にふさわしいまちづくりに取り組んでおり,市民の目にも将来のまちの姿が見えるようになってまいりました。  議員御指摘のとおり,本市としても,今後は整備された施設やそれらの有する機能が相乗効果を生みながら持続的に展開し,広島市全体の活力向上,にぎわいの創出につなげていくための取り組みや活動が必要であるというふうに認識いたしております。  このため本市では,猿猴川(栄橋−荒神橋間)についての水の都の象徴的な空間を目指して県・市で取り組む美しい川づくり,路面電車の環状化を含む南口広場の再整備などに,被爆70周年のまちづくり先導事業として取り組むことといたしております。  また,広島駅周辺地区のうち南口や二葉の里など,現在開発を行っている地区において,事業者等が連携して来訪者の増加や回遊性の向上など,にぎわいの創出につながる環境整備や魅力を高めるためのエリアマネジメントの取り組みを進めており,行政と事業者等との協働により,将来像やそれらを実現するための具体的な取り組み等を検討,実施することといたしております。  議員御提案の大きく取り組みが取り残された東荒神町などの地域を含む計画づくりにおきましては,市域全体の活力向上と駅周辺地区のにぎわい拠点としてのポテンシャルの高まりを通じて,まちづくりの機運が醸成されていくものと考えております。本市としては,そうした地域の機運の高まりに応じて,よりよいまちづくりのための支援に引き続き積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    比治山公園の整備についてお答えいたします。  まず,比治山公園「平和の丘」構想と比治山芸術公園基本計画との関係についてでございます。  本市は昭和55年に策定した比治山芸術公園基本計画に基づき,現代美術館やまんが図書館,展望台広場などの施設を整備してきました。一方で,放射線影響研究所の移転が進まないことや財政状況の悪化等から,博物館などが整備できていない状況でございます。  こうした中,この芸術公園基本計画の策定から30年以上が経過し,社会経済情勢や人々の価値観,ニーズが大きく変化しており,比治山公園の持つポテンシャルが十分に生かされているとは言いがたい状況にあることから,多くの市民や観光客が訪れ,自然や文化と触れ合える身近な憩いの場として比治山公園を再整備しようとするものでございます。この整備に当たって,芸術公園基本計画の整備方針を生かしつつ検討を進め,それにかわるものとして,比治山公園「平和の丘」構想を策定するものでございます。  次に,比治山公園「平和の丘」構想の策定に向けた今後の進め方についてでございます。  本市としては比治山公園の自然的魅力と都心の都市的魅力とを一体的に体感するとともに,一望できる町並みから平和を実感できる本市の魅力的な新たな拠点にしたいと考えています。  そのため,被爆70周年という節目の年に,まずはそのコンセプトや施策例を取りまとめた比治山公園「平和の丘」構想を策定する必要があると考えています。その後,その具体化に向けた基本計画を策定し,着実にその取り組みを進めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    比治山公園の整備について,放影研の移転に関する市の考え,意気込みについての御質問にお答えをいたします。  放射線影響研究所── 放影研の移転については,運営費,施設整備費を負担する日米両国政府における移転関連経費の確保の問題や,放影研の将来構想がいまだ検討段階で,最終的にまとまっておらず,これに基づく施設内容,規模が定まっていないことなどから,長年にわたる本市の要望にもかかわらず,実現に至っていない状況にあります。  こうした中,比治山公園「平和の丘」構想の策定は状況を変える契機となるものと考えており,今後構想を策定し,さらにその内容を詰めていく過程で,本市の比治山に対する強い思いや整備の考え方を日米両国政府に改めて伝え,放影研移転に関する検討を促していきたいと考えております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    似島の振興に関する御質問にお答えいたします。  似島の振興に対する基本的な考え方と,それから分野別にこれまでやってきた内容と,予算案への反映はどうかということについてでございます。  似島については,平成25年12月に新たな観光資源の開発と豊かな自然や歴史・文化資源を生かした交流人口の拡大,住民との協働による地域の活性化などを施策の柱とした似島地域振興計画を策定し,市として積極的に似島の振興に取り組んでいます。  今年度,新たに広島県離島振興協議会へ参加し,離島を有する県内市町と連携を図るとともに,この振興計画に基づき,交通及び通信施設の整備の分野で住民からの要望の強い島内周回道路の維持補修を行っています。  また,観光振興及び交流の促進の分野で,区の魅力と活力向上推進事業を活用して,住民と協働で安芸の小富士の登山道の整備などを行い,さらに医療の確保の分野では,似島診療所に携帯心電計を購入し,医療機器の充実を図りました。  来年度予算案の主なものとしては,教育,文化の振興の分野で,離島活性化交付金を活用し,似島臨海少年自然の家の維持補修を行うとともに,国土保全施設の整備その他防災対策の分野で,似島消防団車両の整備などを行うことにしています。  似島の振興については,先般公表した被爆100周年を見据えたまちづくり先導事業に,その一つとして魅力ある島づくりを掲げており,コミュニティー再生を柱とした活性化を図っていきたいと考えています。  今後とも,魅力的な地域資源を生かし,地元住民による地域の活性化を図るとともに,訪れる多くの人々に従来にも増して潤いと憩いを提供できるエリアを形成するため,似島地域振興計画に基づきさまざまな施策を展開し,似島の振興を図ってまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       都市整備局長。 ◎西岡誠治 都市整備局長   土砂災害からの今後の復興についてお答えいたします。  被災者や被災地の現状を考えて,人件費等の高騰により進捗に支障が出ないよう十分に配慮する必要がある。また,復興事業の進捗状況については,市民,議会にも適宜明らかにすべきという点,御指摘がございました。  今回の災害からの復興につきましては,現在,地元意見の聴取に取り組んでおります復興まちづくりビジョンを年度内に策定し,新年度には佐東出張所内に復興工事事務所を設置するなど体制を構築し,本格的に事業のスタートを切ることといたしております。  復興事業は議員御指摘のとおり,被災地域を災害に強い安全なまちによみがえらせ,被災者の早期の生活再建に資するため,計画に沿った適切な執行を確保する必要があるものと認識いたしております。  昨今の人件費等の高騰につきましては,これまでも国の積算単価の改定等に速やかに対応してきておりますが,今後とも公共事業の円滑な執行が図られるよう努めてまいります。  また,今後の復興事業の進捗につきましては,適宜,常任委員会等で議会に報告するとともに,広報紙等を通じた市民への情報提供にも取り組んでまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    地方版総合戦略の策定についての御質問にお答えいたします。  広島版総合戦略の策定について,今後,どのように進めていくのかということと,国から策定が要請されているその戦略の概要などとともに考え方を聞かせてほしいという点についてでございます。  広島版総合戦略は平成27年度中に策定することとし,その策定に当たっては,広く関係者の意見が反映されるようにすることが重要であることから,産学官のトップで構成する広島の拠点性強化に向けた懇話会を活用するとともに,議会に対しても適宜,進捗状況を報告したいと考えています。  この広島版総合戦略には,基本目標として国の総合戦略を勘案して,例えば地方における安定した雇用を創出する,地方への新しい人の流れをつくるといった政策分野を定めるとともに,その分野ごとに数値目標を設定します。そして政策分野ごとにその目標を達成するため,施策の基本的方向や,その基本的方向に沿った具体的な施策を取りまとめていくことになります。  次に,広島版総合戦略の策定は,連携中枢都市圏の取り組みとも歩調を合わせ,整合性を保ちながら進めていく必要があると考えるがどうかということについてでございます。  議員御指摘の連携中枢都市圏は,当初,総務省が提唱した地方中枢拠点都市圏がベースになっており,地方創生というスローガンのもとで,広島広域都市圏全体での人口減少問題に対応していくための制度と位置づけられます。  また,まち・ひと・しごと創生総合戦略は,まち・ひと・しごと創生法により地方自治体が策定に努めなければならないとされたものであり,本市としては広島版総合戦略を策定する必要があります。  したがって,広島版総合戦略の策定に当たっては,まち・ひと・しごと創生法の狙いにも合致する連携中枢都市圏制度を活用し,広島広域都市圏の取り組みと整合性がある施策展開を行うこととしております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       52番中本議員。 ◆52番(中本弘議員) いろいろと御答弁,説明をいただいたわけでございますけれども,二,三,要望をさせていただきたいというふうに思います。  まず最初に,都市基盤の整備,都市機能の充実についてでございますけれども,特に駅周辺でございますが,今のAブロック,Bブロック,Cブロック,これの再開発につきましては,御承知のように,Aブロックも大分前に再開発が済みましたし,またB,Cにつきましては,現在,進行中ということでございますが,そのほかにまだ東荒神であるとか今の西蟹屋,それから今の駅周辺の例の繊維問屋街,また駅西商店街等々,まだ戦後を引きずっている町並みが随分あるわけです。そうしたものを今後も引き続き再開発していかないと,いわゆる百万都市構想の中での広島市の顔である駅前にはならんと,こういうふうに思っておるんです。  それで,私,調べてみまして,この都市計画決定をしてから随分かかるもんだなと思いますのが,今のBブロックですが,これも昭和63年9月に都市計画決定をしておるんです。それが,今,工事中のところまでようやく来ておるんです。何年たっておりますか。  またAブロックですが,これも平成5年8月に都市計画決定をしまして,これは大分前に終わったんですが,一番早く終わったのがCブロック,これは平成23年4月に,これは何でBブロックよりCブロックが,後再開発しなけりゃならんのかという地域の,地元の要請がございまして,自分たちでBブロックよりも先にCブロックができていいじゃないかというようなことがありまして,皆さんが一生懸命おやりになって,今のような姿になっておるわけでございますので,どうかその後の,先ほど申し上げましたような,東荒神であるとか西蟹屋であるとか南蟹屋も含めますけれども,そういういわゆる旧態依然とした戦後を引きずった町並みにつきましても,段原の再開発と同じように,私は都市計画決定を早急にやっていただいて,名実ともに広島の顔になる駅前にしていただきたいと,こういうふうに思うんです。  それともう一つ,二つありますが,比治山公園なんですが,この比治山公園も今までは政令指定都市移行の記念として芸術公園としたわけです。それを今度はまた方向を変えまして,70周年の記念事業として「平和の丘」ですか,そういうものをつくっていこうということでございますんで,そこらの整合性と,それから前々から引きずっております例の放射線影響研究所の移転問題,これもアメリカの関係がありますんで,日本だけでは早急に何とかというわけにはいかんのでしょうが,これも移転していただこうということになりましてからもう何十年とたっているわけです。ですから今さら早急にということもないんですが,引き続き,移転をするような運動でも起こしていただきたいと,こういうふうに思うんです。  それと離島振興についてですが,とにかくまたここに似島が入っているんですが,これをお話を申し上げまして,平成25年から34年の10年間で離島振興の基本的な方針と施策体系をつくって,群島別の振興策をつくりたいと,こういうことなんですが,ここで注意していただきたいのは,私が思い出しまして,今から30年前になるんですか,40年前になるんですか忘れましたけども,似島へ荒木市長と一緒に行きまして座談会をやったことがあるんです。そのときに私が,100人ぐらいおられたんですが,島民の前で,似島に対しては今の沿岸線の整備もやったし,また,今の似島の臨海少年自然の家もつくったし,似島のためにはいろいろとやりましたと,こういうお話を申し上げたんです。  そうしたところが,中にいらっしゃった方が,話が終わりましたら手を挙げられまして,今,あれをやってやった,これをやってやったと気持ちよさそうにしゃべっておるが,島民がありがたがって聞いておると思うかと,こう言われたもんですから,それだけのことをやって,ありがたがってもらわにゃいけんのじゃないですかといいましたところ,冗談じゃないと。今,あなたが言う海岸線の整備をしたと,こういうことで我々は今まで小貝をただで掘りよったんじゃと。要らんことをしてもらったばっかりに,入漁料が100円要るようになったじゃないかと。  それと今の臨海少年自然の家をつくったというが,あれは誰のためにつくったんかと。似島の子供のためじゃないよと。似島の子供はあそこへ行きやせんよと。行くのは,皆,町のもんが来るんじゃないかと。あんたが言うのは,丘から,陸から似島を見てものをやるからそうなるんじゃと。別にそれで似島の者は喜んじゃおらんよと。そういうことをするばっかりに,今まで鍵もかけんでもよかったのが,鍵をかけにゃあ泥棒が入る,また,畑のものは荒らされる,またごみはそこらへまき散らして帰る,ろくなことはないんじゃと,こういうふうに言われまして,ははあ,そういうこともあるんだなということがありまして,荒木市長もいたくそれに感動してというよりも,心を揺さぶられまして,帰ってから,あの人がそのときの選挙で,今の海から見た広島ということで,一句を加えて選挙されたのを,今思い出しておるんですが,何にいたしましても,何をやろう,かにをやろうということですが,やはり島民の考えをしっかり聞きながら,町から島を見るんでなくて,島から町を見て,今後もものをやっていただきたいと,こういうふうに思うんです。  それと土砂災害なんですが,これも簡単なようですが,これから砂防ダムをつくるとか,また新たに道路をつくるとか,危険区域の指定をどうのこうのというような問題がたくさんあると思うんです。それらほとんどが,皆,被害者の方々の利害関係とぶつかる面が随分あると思いますんで,そこらも十分に被害者の立場で今後もやっていただきたいと,こういう要望を添えておきたいと思います。  以上です。 ───────────────────────────────────────                  休憩宣告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       この際,暫時休憩いたします。                午前11時38分休憩 ───────────────────────────────────────                午後1時05分開議                出席議員  40名                欠席議員  12名 ○熊本憲三 副議長      出席議員40名であります。 ───────────────────────────────────────                  開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○熊本憲三 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,総括質問を行います。  17番星谷鉄正議員。                〔17番星谷鉄正議員登壇〕(拍手) ◆17番(星谷鉄正議員) 公明党の星谷鉄正です。  総括質問をさせていただきますので,しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願いいたします。  まず最初に,災害に強いまちづくりについてお伺いをいたします。  大地震などの災害が発生した場合,その被害の拡大を防止し最小限に抑えるためには,自分の身は自分で守る「自助」,地域の皆さんがお互いに助け合って地域の安全を守る「共助」,そして行政が行う各種防災対策などの「公助」,この三つがバランスよく機能することが重要であり,広島市においてもそうした基本的な考えのもと,災害に強いまちづくりが進められております。  しかし,最近の災害の発生状況を見たとき,また,実際,昨年の安佐南区,安佐北区での土砂災害の被災者の方からお話をお聞きして,「自助」,「共助」の部分ではより細やかな対応が必要だと痛感をいたしました。  といいますのも,最近の災害発生を伝える報道で,被災者の皆さんが今までに経験したことがない災害であったとよく言われております。また,このたびの広島の災害もそうでした。そうした災害に自分自身が突如見舞われたことを思い浮かべてみていただければわかると思います。  まず「自助」。一人一人が冷静に判断し,行動する必要があります。しかし,果たしていざというとき,そうした対応ができるのかどうか甚だ疑問であります。それも夜間であったら,何も情報がなかったらどうでしょうか。不安と恐怖の中でどう対応すればいいかわからない,多くの方がそうした状態になると思います。実際,八木の県営緑ヶ丘住宅で,昨年の土砂災害を体験した方に被災体験をお聞きしました。一言で言いますと,頭の中が真っ白になって何もできなかった,身動きできなかったと,こういうふうにおっしゃっておられました。  そうした中で,自助を発揮するためには,突然の災害に対しても適切に対応できる力を日ごろから養っていく必要があります。つまり防災教育であります。それを子供のときから進めていくことが大切だと思います。このことにつきましては,これまで平成23年9月議会,さらに平成25年6月議会で私は一般質問で取り上げ,その必要性を訴えてきました。昨年の災害を目の当たりにして,改めてその思いを強くしたところであります。  また,ことしの1月に公表された国土交通省の新たなステージに対応した防災・減災のあり方に関する報告書においても,気候変動に関する政府間パネル── IPCCの報告書で,今後,地球温暖化に伴う気候変動により,極端な降水がより強く,より頻繁となる可能性が非常に高いことが示されていることや,明らかに雨の降り方が変化しているといった状況を新たなステージに入ったと捉えて,自然災害から命を守るためには,住民一人一人が災害時において適切な避難行動をとる能力,避難力といいますけれども,これを養う必要がある。そのためには災害リスクを認識することにより災害に対する心構えを持つだけではなく,自然災害及びそれに対する避難に関する知識を持つことが不可欠である。このため,今後,住民の避難力の向上に向けて防災知識の普及に関する施策を展開していく必要があるとした上で,自然災害に関する心構えと知識を備えた個人を育成するためには,幼少期からの防災教育を進めることが効果的であると指摘しております。つまり,それだけこの防災教育ということが大変重要だということです。  そこで,広島市の取り組みに関して確認をさせていただきます。  前回の私の質問に対し,教育長も防災教育の重要性については深く認識していると答えられました。また,今後の取り組みとして,学校において児童生徒の発達段階ごとに地震・津波など災害に関する正確な知識を身につけさせるとともに,被災生活の模擬体験や救護方法の学習のように具体的な場面を想定した実践的な訓練を行うなど,防災教育の一層の充実に取り組んでいくと決意のほどを述べられました。この答弁のとおりであれば,具体的な取り組みも随分進んでいるのではないかと思います。
     前回の答弁以降,教育委員会としてどのような取り組みをされてきたのでしょうか。とりわけ発達段階ごとに,地震・津波など災害に関する正確な知識を身につけさせる,また,具体的な場面を想定した実践的な訓練を行うとのことでしたが,取り組み内容を発達段階ごとに具体的にお答えください。  また,実施に当たっては,その内容はもちろんのこと,年齢や身体など配慮をしなければならないこともあると思います。どのような検討,あるいは配慮がなされたのでしょうか。  さらに,昨年の災害を踏まえ,新年度予算はさらなる拡充が図られていると期待をしています。どのような施策が盛り込まれ,また今後,どのように進めていこうとされているのかお答えください。  次に,「共助」についてです。とりわけ急迫した状況の中で,支えになり得るのが身近な人の力であり,日常の近所づき合いの中での助け合い,支え合いが非常に大切であると思います。こうしたことが「共助」ということかもしれませんが,その中でもより小さい単位での取り組みが必要であり,そうした主体的な活動に関する仕組みをつくることが重要になってきていると思います。また,そうした取り組みが「自助」の意識を高める意味でも必要であると考えています。  国においても,地域コミュニティーでの防災活動の必要性の高まりを受けて,災害が起こったときの行動や備え,事前準備などを住民自身が自主的に立てられ,市町村地域防災計画にも盛り込むことができる地区防災計画制度を昨年4月に創設をされました。  また,先ほど紹介しました国土交通省の新たなステージに対応した防災・減災のあり方に関する報告書においても,今後の方向性の一つとして住民の避難力の向上を取り上げ,地区防災計画制度を活用することを求めています。相次ぐ災害の発生を通じて,官民が一体となって防災・減災対策に取り組もうとしている最中です。  しかし,先日,新聞報道された広島県による防災アンケートの結果によりますと,防災マップを確認したことがある県民は半数にとどまっている実態も一方ではあります。多くの犠牲者を出した8.20豪雨災害を経験した広島市として,その災害を教訓として生かす意味でも,地域コミュニティーを活用して地域の防災力を高める,また一人一人の避難力を高めるため,地区防災計画制度の普及になお一層取り組む必要があると思いますが,どのようにお考えでしょうか。広島市のお考えをお聞かせください。  さらに,こうした地域の力を災害情報の収集や提供に活用することも考えていく必要があると思います。市の担当者の方は当然御存じかと思いますが,そうした試みを行っているところがあります。それは一昨年の4月に参加した総務省関東総合通信局などの主催によるICT地域連携フォーラムで紹介されていたものです。ボランティア組織が被災地内においてローカルな災害情報を収集して,防災関係機関や被災者に対し情報を伝達する試みでした。そこでは情報団と呼ばれていました。つまり消防団の情報通信版ということです。  また,今後,フィールド調査を実施するとのことでした。フォーラムに参加したときには,まだまだ緒についたばかりという印象もありましたが,一方でとても大切な取り組みであると思いました。そこで今後の動向も調査した上で,改めて質問等で取り上げてみたいと思っていました。  今回,広島市は大惨事に見舞われ,多くの被害を受けました。その原因の一つに情報不足といった面もあったわけですから,このたびあえて紹介し,お尋ねすることにしました。  こうした試みについて,市当局としてどのようにお考えでしょうか,認識をお聞かせください。  今回の災害を契機として,広島市が本当に災害に強いまちづくりを目指そうとしているのであれば,ぜひともそうした全国各地で行われている試みに関しては積極的に調査研究をし,施策に反映していただきたいと思います。  ハード面での対応は,財政状況が大変厳しい中で思うようには進みません。しかし災害は待ってくれません。その災害からの被害の拡大を防止するためには,正確な情報を素早くキャッチし,必要なところに必要な情報を伝達することが重要であると思います。  フォーラムでも今後の取り組みに関して,東京は間もなく大地震に見舞われるはずである,その前にきちんとした情報団をつくっておきたいとの意気込みを示されていました。広島市でも,ぜひともそうした危機感を持って取り組んでいただきたいと思います。地域の力の活用も含めて,災害情報の収集や提供に関する今後の取り組みについてのお考えもあわせてお聞かせください。  また,情報という面では同志社大学が開催した政策学会講演会に参加したとき,講師の方から大変印象深いお話をお聞きしました。その講師の方は,東日本大震災の復興を担当する復興庁の行政官で,次のようなことを言われていました。震災発生から半年までは,震災に関するさまざまな情報が被災地から遠く離れた私たちのところまで提供されていた,しかし,その後,時を経るにつれ,被災地とそれ以外の場所での情報量のギャップは大きくなってきた,そのような中で,私たちは震災からの復旧・復興のための政策を考えるための十分な情報を持っているのであろうか,私たちは被災地の今についてどれだけ知っているのであろうかと,つまり情報のギャップが被災地の今,あるいは今後を見据えた対策を考える上で大きな障害になるという問題提起でした。第一線での実体験に基づく本当に的を射た指摘であると思います。  広島市においても,今回の災害から復旧・復興に向けて御努力をされていることは十分承知していますが,今回の災害を教訓とし,また復旧・復興を全市民的な課題として捉え,そこから立ち直っていくためには,被災地の現状,取り組みの進捗状況といったものを,適宜,議会,あるいは市民に対して情報発信していくことも大切だと思います。こうしたことについて,市当局としてはどのような見解をお持ちでしょうか,お考えをお聞かせください。  次に,子供の貧困対策についてお伺いいたします。  昨年7月,いわゆる子供の貧困率が過去最悪を更新したということがマスコミを通して伝えられました。これは一昨年,厚生労働省が実施した国民生活基礎調査の結果に基づくもので,平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合は16.3%,前回調査の2009年時点から0.6ポイント悪化し,最悪になったというものでした。つまり,ほぼ6人に1人は貧困状態にあるということであります。まさに深刻な現状と言わざるを得ません。  国においてもこうした状況を踏まえ,子供の将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう,貧困の状況にある子供が健やかに育っていく環境を整備するとともに,教育の機会均等を図るための対策を総合的に推進することを目的とした子どもの貧困対策の推進に関する法律を制定し,また昨年8月には,この法律に基づき大綱を作成されています。今後,国においてこの大綱に基づき実効性のある取り組みがなされることを期待したいと思います。  しかし,それは国だけの責任ではありません。広島市としても必要な施策を積極的に推進していかなければならないと思います。そのことは,広島市においても十分認識され,現在,検討されている広島市子ども・子育て支援事業計画案においても,子供の貧困の問題に対する総合的な施策の推進を重要施策の一つに掲げられています。こうした広島市の姿勢は大いに評価をしています。  しかし問題は,今後,いかにして実効性のある具体的な取り組みを進めていくかであります。そのためには,まず広島市における貧困状態に置かれた子供の実情を十分把握した上で,課題等を分析,検証し,明確にする必要があると思います。  たしか,このたび成立した法律においても,地方公共団体には子供の貧困対策を適正に策定し,及び実施するため,子供の貧困に関する調査及び研究その他の必要な施策を講ずるものとされていたはずです。この法律の規定どおり,当然,広島市としてもそうした実態調査をまず実施するお考えだと思いますが,いかがでしょうか。  また,そうした実態調査の実施がなければ,計画に掲げられた総合的な施策の推進にはつながらないと考えますがいかがでしょうか,お考えをお聞かせください。  さらに,今後,総合的に施策を推進していくためには,別途,行動計画的なものも必要であると考えますが,どのようなお考えをお持ちでしょうか,お聞かせください。  最後に,2点について要望を申し上げたいと思います。  一つが性犯罪被害者への支援体制の強化です。  私ども公明党は,社会の課題が多様化,複雑化する中,あらゆる分野に女性の力を生かしていくことが国民生活全体の質の向上につながり,日本再建を大きく前へ進めることになると考えております。  そこで,より一層女性の活躍を推進するため,女性の元気応援プランを策定し,国・地方で女性の視点を生かした政策立案・実現に全力で取り組んできました。広島市においても,そうした活動により,幾分なりとも施策の推進を図ることができたと自負しているところであります。  そうした中で,より一層取り組みを推進する必要があるものの一つに,性犯罪被害者への支援体制の強化があると思っています。とりわけ被害者の方は精神的,身体的被害を受けショック状態にある中で,病院や警察に赴き,つらい体験を何度も話さなければなりません。そうした被害者の方の心情を,私たちにまずできることは,心の負担を軽くすることです。そのためには,できる限り1カ所で対応する総合的なワンストップ支援体制をこの広島でも早急に構築する必要があると思います。他の自治体では既にこうした取り組みが進められています。現在,全国で14カ所の性犯罪被害者ワンストップ支援センターが設置をされています。  その中には北海道や福岡のように,道あるいは県と政令指定都市が共同で設置している事例もあります。被害者への負担を最小限にしながらケアしていく仕組みを整備していくことは,広島市が目指す男女共同参画社会の実現に当たり重要な課題であると思います。  また,広島県は女性の活躍を推進しています。したがって,広島市単独でなくても,広島県と共同でも,その設置に向けて検討を進めるべきであると思います。ぜひとも御検討ください。  最後に,被爆70周年を契機とした核兵器廃絶に向けた取り組みの強化についてです。  広島市では被爆70周年という節目の年に当たる本年,被爆都市ヒロシマの役割を再確認し,決意も新たに平和への思いの共有を体現する年としてさまざまな取り組みを実施する予定です。今後,多くの方々が,先日公表された取り組みの内容を見て,この広島においでいただけるものと期待をしています。  そこで,そうした来訪者の皆さんに被爆の実相に触れていただけるよう,平和記念資料館の見学を誘導する仕組みを検討されてはいかがでしょうか。  また,70周年記念事業だけではなく,例えば,ことしはアジア体操競技選手権大会が7月31日から8月2日までグリーンアリーナで開催をされます。そのほかにも,ヒロシマ国際ハンドボール大会やアジアカップひろしま国際ソフトテニス大会など,国際的なイベントが行われる予定であります。そこで,そうしたイベント開催の際も,平和記念資料館に招待する流れをぜひともつくっていただきたいと思います。  さらに,今後は国境を越えて核兵器廃絶に向けた思いを共有する交流の促進を,中でも日中韓の交流の促進を考えていく必要があると思います。  核兵器廃絶に向けた国際的世論の醸成という点では,平和首長会議では世界各国に設けるリーダー都市を中心に国連やNGОなどと連携し,被爆の実相とヒロシマの願いを世界に広げることにしています。それはそれで積極的に活動を展開していただきたいと願っております。  そうした取り組みに加え,日中では356,日韓では156にも上る自治体の姉妹・友好交流が結ばれているにもかかわらず,韓国では11都市,中国では7都市と,欧米諸国と比較して平和首長会議への加盟都市が少ない現状を考えますと,核兵器廃絶に向けた国際的世論をより一層醸成するためには,この地域における平和首長会議への加盟促進,活動強化が必要になっていると考えます。  そこで,例えば広島は中国の重慶市,韓国の大邱広域市と姉妹・友好都市提携をしています。この3市の市民レベルで,それも世代ごとに核兵器廃絶に向けた思いを共有する交流を積極的に展開していく。  あるいは,私は昨年7月,大阪において開催された日中韓キャンパスアジア国際フォーラムに参加しましたが,このフォーラム自体は日中韓の大学が共同でプログラムを作成し,東アジアを起点に,世界を舞台に活躍する人材を育成しようという試みを紹介するものでした。この人材育成を平和の観点で捉え,例えば広島には市立大学があります。平和研究所もあります。そこが中心となって,平和の視点で重慶市,大邱広域市の学生,あるいは大学教員と相互が交流し,核兵器廃絶に向けた思いの共有を図っていく,そうした市民レベルの交流,あるいは大学などの教育を通して,この地域全体に核兵器廃絶に向けた思いを広げていってはどうかと思います。  さらに,平和首長会議に加盟している国内都市でも提携している中韓の姉妹・友好都市との間で,そうした市民レベルでの交流や,大学など機関ごとの交流を図っていただく。また,提携している中韓の姉妹・友好都市が平和首長会議に加盟していない場合には,まず加盟の働きかけをしていってはどうかと思います。  日中韓三国の政府間の関係は依然としてぎくしゃくしたものがあります。しかし,そうした中にあっても,市民と市民の対話の拡大と友情の拡大を基盤に,核兵器と戦争のない世界の実現を初め,悲惨の二字をなくす挑戦に全力で取り組み,広島から全ての人間の尊厳が輝く世界への道を切り開いていく新たな取り組みを,被爆70周年を契機として発信していただきたいと思います。  また,そうした市民の連帯を築き,地球社会に時代変革の波を形づくっていく取り組みが政府間の関係改善にもつながっていき,崩れない信頼を築く出発点になると思います。最後に,その二つの点について,今後の検討をお願いし,質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○熊本憲三 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       星谷議員からの御質問にお答えいたします。  災害に強いまちづくりのうち,復興を進める上での被災地と被災地以外での情報のギャップの問題について御質問がありました。  本市はこのたびの豪雨災害により74名ものとうとい命が失われ,4,700棟を超える家屋が被災するなど甚大な被害を受けましたけれども,今回の災害の特徴としては,短時間での局地的な豪雨により,主に安佐南区及び安佐北区の一部地域に被害が集中したということがあります。  私も被災地域を何度も訪れましたが,被災地から少し離れると,そこには日常の市民生活が営まれているといった状況がありました。被害は甚大ではありますけれども,その範囲は局地的という今回の災害の特徴を考えますと,被災地の現状や復興の進捗状況についての情報を発信し,情報のギャップ解消に努めることは復興を本市全体の課題として捉え,その対応を着実に進めるため,また,市民一人一人が身近な課題として防災・減災に取り組むため,極めて重要かつ有効であるというふうに考えています。  このため,現在,策定を進めております復興まちづくりビジョンのうち,今後の防災・減災まちづくりの展開の一項目として,議員御指摘の情報のギャップ解消のための取り組みを盛り込みたいと考えております。  ビジョン策定後はこうした取り組みを通じて,適宜,議会や市民への情報発信に努めながら,災害に強いまちづくりを着実に推進してまいります。  その他の御質問については,関係局長から御答弁申し上げます。 ○熊本憲三 副議長      消防局長。 ◎滝澤宏二 消防局長     災害に強いまちづくりについて2点御質問がございました。御答弁申し上げます。  まず,地区防災計画制度の普及に取り組む必要があるが,どのように考えているかということでございます。  地区防災計画制度は,東日本大震災の際に地域コミュニティーなどが避難所運営等において重要な役割を果たしたことを踏まえ,地域コミュニティーなどによる自発的な防災活動を促進するため,災害対策基本法の一部改正により,平成26年4月に制度化されたものです。  地区防災計画は町内会や小学校区などを単位として,地域が行う災害時の情報連絡,避難誘導や避難所運営などの活動,平時の危険箇所の確認や防災訓練などの自発的な防災活動に関する計画で,地域住民等が主体となって作成し,市町村の地域防災計画に位置づけることができるものとされています。  現在,国では全国の15地区でモデル事業を実施している段階であり,来年度中には市町村向けの作成ガイドラインが策定される予定と聞いております。  本市では,これまでも地域住民等が主体となって,小学校区ごとの生活避難場所運営マニュアルや浸水時避難計画,土砂災害警戒区域を有する地域を対象とした土砂災害警戒避難マニュアルの作成を進めてきましたが,今後,国から示されますガイドラインを踏まえ,必要に応じて現行のマニュアルや計画の充実,地区防災計画としての位置づけなどの対応を行ってまいりたいと考えております。  次に,被災地内の災害情報を収集し,防災関係機関や被災者に対して情報提供する仕組みについてはどうか。また,地域の力の活用も含めて災害情報の収集や提供に関してはどのように取り組むのかということでございます。  災害時に地域においてより細やかな被災状況や被災者のニーズなどの情報を効率よく収集し,行政や被災者へ提供する仕組みを構築することは,適切な災害対応を行う上で有効であると認識しております。  今回の豪雨災害を踏まえ,自主防災組織や消防団が中心となって,住民間における情報共有の仕組みづくりに取り組みたいという地域がふえてきていることから,本市としてはこうした取り組みを積極的に支援し,防災行政無線の移動無線機やインターネットなどのICT技術の活用を含め,多様な方法により被災地のさまざまな情報把握や,行政や被災者に必要な情報提供ができる仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      教育長。 ◎尾形完治 教育長      防災教育についての御質問にお答えを申し上げます。  まず,発達段階に応じて具体的にどのように取り組んでいるのか。また,実施に当たってどのような配慮をしているのかの御質問でございます。  学校における防災教育は,児童生徒の心身の発達段階に応じて,地震等の災害時に安全に行動する力が身につけられるよう,家庭や地域と連携を図りながら,学校教育活動全体を通じて行うことが重要であると考えております。  具体的な取り組みとしては,小学校低学年では,学校内や地域内の危険箇所を確認することなどを通して,教職員や保護者など大人の指示に従って安全な避難場所に迅速に避難することができるようにする。中学年では,地震や津波など災害事例の学習を通して災害発生時の危険箇所や避難場所について知り,みずからの安全を確保するための行動ができるようにする。高学年では,教科や道徳の学習を通して災害発生の仕組みや危険性を理解し,適切に判断して行動するとともに,低学年児童の安全にも気配りができるように指導いたしております。  また,中学校段階では小学校での学習経験を踏まえ,地域の方々との協働による炊き出し体験などを通して,地域の防災活動や災害時のボランティア活動に積極的に取り組めるよう指導しております。  このように,各学校においては,児童生徒の発達段階や地域の地理的な状況,地震等災害時における関係団体や関係機関との連携・協力に十分配慮して,防災教育を推進しております。  次に,新年度予算にはどのような施策が盛り込まれ,今後,どのように進めていこうとしているのかの御質問でございます。  新年度は,引き続き,管理職を対象とした研修を実施するとともに,新たに小学校,中学校などの各校種別に教職員を対象として児童生徒の発達段階に応じた防災研修を実施いたします。  特に,土砂災害警戒区域内及び津波浸水想定区域内の学校,幼稚園につきましては,防災に関する専門家を派遣し,避難経路や避難場所の設定,避難訓練の実施,検証などについて助言を受け,各学校において避難計画などを定めた防災マニュアルの見直しを行います。  今後とも,これらの取り組みにより,関係機関や各地域関係団体と連携した防災教育のより一層の充実に努めてまいります。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      こども未来局長。 ◎藤田典子 こども未来局長  子供の貧困対策について,総合的に施策を推進していくためには実態調査の実施と行動計画的なものも必要ではないかという御質問にお答えします。  子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう,また,貧困が世代を超えて連鎖することのないよう,必要な環境整備と教育の機会均等を図る子供の貧困対策は極めて重要であると認識しています。そのため,これまでも生活保護や就学援助,児童扶養手当の支給などの各種事業等を通じて貧困世帯の子供の実態やニーズの把握に努めています。  子供の貧困の問題に対する総合的な施策の推進については,今年度,策定する広島市子ども・子育て支援事業計画において重点施策の一つとして取り上げ,その実態等を踏まえ,貧困の状況にある世帯への教育及び生活の支援の充実,自立に向けた就労相談・支援の充実,各種手当の助成等による経済的支援の充実に取り組むこととしているところです。  子供の貧困対策については,この事業計画に基づく施策を着実に実施する中で取り組んでまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      次に,34番若林新三議員。                〔34番若林新三議員登壇〕(拍手) ◆34番(若林新三議員) 市民連合の若林でございます。  会派を代表して総括質問をさせていただきます。理事者におかれましては,誠実に御答弁をいただきますようにお願いをいたします。  まず最初に,災害対策についてお伺いをいたします。  昨年の8月20日,広島市は74人が亡くなられ,69人が負傷,179軒の家屋が全壊,被災をした家屋は5,000軒にも及ぶという未曽有の大災害となりました。改めて,亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに,被災をされた皆様にお見舞いを申し上げます。  現在,本格的な復旧活動が始まりました。しっかりと進めていただきたいと思います。復旧・復興について何点かお伺いいたします。  復興まちづくりビジョン案によると,対象期間は災害発生からおおむね10年間とし,そのうち災害発生から5年間を集中復興期間と位置づけています。被災家屋等の再建支援とともに,防災・減災のための骨格的な基盤施設の緊急整備に取り組むとされ,砂防ダム等の整備や避難路の整備,雨水排水施設等の整備,住宅再建の支援を行いながら被災地域を災害に強い安全なまちによみがえらせるとの基本方針が示されています。  私は昨年8月28日に開かれた市議会全員協議会でも,砂防ダム等の新設,ダムにたまっている土砂等の撤去,住宅再建支援等も取り上げてまいりました。被災をされた皆様が安心して生活を再建することができるように,できる限りの支援をお願いをいたします。  特に被災をされた方の精神的な不安も大きいと思います。一定程度の生活が取り戻せる見通しが見える方でも,少しでも雨が降ると,災害時の恐怖がトラウマとなってよみがえってくるとの話をよく耳にいたします。そうした面でのきめ細かなサポートもお願いをいたします。  まず最初にお聞きしたいのは,砂防ダム,治山ダムの整備です。  これは国・県の事業になりますが,安心してそこに住み続けるためにはどうしても必要な事業になります。これまで国・県・市で連携して取り組んでこられていますが,現時点では砂防ダム,治山ダムの整備については計画どおり事業がスタートしているのでしょうか。今後の見通しについてもあわせてお答えください。  また,ダムを新設しても,年月を重ねるうちに土砂等がダムにたまって,本来の機能を発揮できなくなることも考えられます。適切な期間に定期的に確認をしていただくよう国や県に要請していただきたいと思いますが,いかがでしょうか,お答えください。  続いて,災害時の避難路としての道路の整備についてお伺いします。  復興ビジョン案では,安佐南区の長束八木線,安佐北区の可部大毛寺線,高陽可部線,桐原幹線,川東線等を整備することにしています。それぞれの整備の見通しをお答えください。  また,大林の高谷地区は道路が1本しかなく,災害時に孤立した経緯もあり,迂回路となる農道の整備が計画されています。着実に進めていただきたいと思います。  また,復興ビジョン第一版にはまだ入っていませんが,桐原地区でも道路が1本しかない場所もあり,迂回路ともなる農道の整備要望が出されています。復興ビジョンに入れていただくよう検討をしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか,お答えください。  最後に,義援金の3次配分の考え方についてお聞きをいたします。
     これまで1次,2次配分によって,被災者に対する支援については充実したものになっていると考えられるとされています。私も床下浸水まで対象を広げていただくなど,幅広く配分していただいていると思います。また,自力で住宅を確保した方の支援などもしていただいています。  現在,3次配分も検討されていますが,検討対象に入れていただきたい事案もあります。例えば墓所,墓石,遺骨が大量に流失,散逸した場所もありますが,これまで義援金の対象にはなっていません。何とか救える手だてはないものでしょうか。  また,地域の集会所も3カ所被災しています。被災によって地域コミュニティーに支障が出ています。再建に向けた配慮があればありがたいと思います。  私道の復旧にも手がつけられていません。地域の皆さんが応急復旧したままの状態の道路も残されています。舗装されていた道路ですが,現在は土や石がむき出しのままで,通行に支障を来しています。現時点では配分についてお答えいただくことは難しいと思いますが,今後の検討事項に入れていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  次に,放射線影響研究所── 以後,放影研といいますが,── の移転についてお伺いをいたします。  この案件については,広島市も国への要望もされています。私も昨年の決算特別委員会で取り上げたところです。放影研は1950年の比治山への施設の設置後,既に64年が経過し,施設も老朽化しています。  また,放影研で蓄積されている被爆者の血液等の資料は,世界に一つしかない貴重なもので,その管理は適切に行っていただかなければなりません。万一,地震等によって貴重な資料が散逸することがあってはなりません。そのためにもぜひとも移転を実現し,貴重な資料を確実に引き継ぐとともに,今後の研究環境を整えていただきたいと思います。  しかし,現実には具体的な動きが全く見受けられません。当事者のアメリカは財政難を理由に移転に難色を示し,日本政府もアメリカに積極性がないために足踏みしています。放影研自体も多額の費用を伴うために,積極的な移転要望を国に言えないのかもしれません。  一方,広島市は広島大学工学部跡地に移転用地7,000平米を確保しています。比治山は広島市の憩いの場でもあり,積極的に活用していく必要があるのではないでしょうか。  昨年の決算特別委員会で,私は広島市が比治山の整備計画をつくり,それをもとに具体的に国や放影研に移転を働きかけるべきだと求めました。決算特別委員会の答弁は,整備計画については関係課で検討しているというものでした。  このたび公表された「被爆70周年の取組」のまちづくり先導事業の中に,比治山公園「平和の丘」構想の具体化に向けた検討が盛り込まれています。決算特別委員会で答弁された関係課が検討している整備計画が,この比治山公園「平和の丘」構想だと思いますが,この構想はどのような内容で,いつごろ策定される見込みなのかお答えください。  今後の広島市の動きは放影研の移転に大きなインパクトを与えるものと思います。国の窓口は厚生労働省と外務省ですが,松井市長は厚生労働省出身でもあります。地元広島選出の現在の外務大臣の協力も得ながら,今回の比治山公園「平和の丘」構想を基本に,ぜひとも移転を実現していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  次に,教職員の給与費等の移譲についてお伺いをいたします。  2017年4月から,現在の県費教職員は名実ともに市に移譲され,あわせて教職員の定数,学級編制基準等も移譲されるため,教育改革をさらに進めることができることになりました。地方分権を進める上で大きな一歩と受けとめています。  しかし,課題もあります。移譲に伴って必要な財源が確実に確保できるかという点です。現在の広島県の財源について見てみると,給与費等の県負担は3分の2,共済組合負担金や退職手当等については全額が県負担となっています。広島市に移譲された場合,県負担に対応する額を確実に確保できなければ,広島市が多額の一般財源を持ち出しせざるを得なくなります。移譲に伴って本市の持ち出しはないようにしていただきたいと思います。  そこでお伺いします。広島市に移譲した場合の給与費等の関係経費はどの程度になると推計されておられるのでしょうか。その財源措置はどのように考えておられるのでしょうか,お答えください。  さらに移譲に伴って人事,給与等のシステムの構築が必要となってきます。システム構築の財源措置はどのように考えられているのでしょうか,お答えください。  また,給与費等の国庫負担金は従来の2分の1から3分の1に引き下げられています。したがって,残りの3分の2が地方負担ということになっています。義務教育を行うことは国の責務でもあります。移譲に伴う人事,給与等のシステム構築を含め,義務教育に係る財源について,地方に一層の負担を強いることがないよう国に求めていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  さきに述べたとおり,教職員の給与費等の広島市への移譲については前向きに受けとめていますが,財源の確保を含めた事務の移譲について適正に対応していただき,スムーズな移譲を実現していただきますよう要望しておきます。  次に,水素エネルギーの活用についてお伺いいたします。  水素エネルギーは燃料電池自動車や,既に実用化の段階に来ている家庭用燃料電池,さらには船舶や鉄道等を含む自動車以外の輸送分野,水素発電等エネルギー消費分野の多くに対応できる潜在的なポテンシャルがあるとされています。  この中で,燃料電池は燃料である水素と空気中の酸素から電気エネルギーを直接取り出すために発電効率が高いとされ,また,電気と熱の両方を有効利用することで,総合エネルギー効率を高めることが可能であるとされています。燃料電池の活用を広げることで,大幅な省エネルギーにつながることが期待されているのです。  一方,自動車エンジンの関係で言えば,マツダは水素ロータリーエンジンを開発しています。現在はディーゼルエンジンが主力になっていますが,研究は着々と進めるとマツダの関係者は述べられています。  経済産業省のロードマップによると,2017年には業務・産業用の燃料電池の市場投入,2020年にはハイブリッド車の燃料代と同等以下の水素価格の実現,2030年ごろには水素発電の本格参入,2040年ごろにはCO2を排出しない水素供給システムを供給することを想定しています。  広島市もかつて水素エネルギーの活用について研究を進めてきました。そのときは特にマツダのロータリーエンジンとも関係していたと思います。今後,水素社会の実現に向けて,水素の供給価格も低廉になってきます。将来の水素エネルギーの活用に向けて産業界や大学等と連携して研究を深めていく必要があると思いますが,いかがでしょうか,お答えください。  次に,可部バイパスの整備促進についてお伺いいたします。  昨年2月8日にようやく可部バイパスが大林ランプまで開通しました。国道54号とのスムーズな接続により大きな効果が出ています。実際,私の住む地域から広島市中心部へ出るにも,これまでの渋滞が解消され,喜んでいるところです。  可部中心部では一部4車線化が図られ,一定の効果は出ていますが,一部の区間が2車線のままとなっており,本来の効果を発揮し切れていない状況にあります。ネックはJR可部線の跨線橋です。この部分が4車線化されていないため,可部の中心部から広島方面に向けては,実質的には片側1車線しか使えません。現在の跨線橋を過ぎて,ようやく本来の4車線の恩恵を受けることになります。  また,広島方面から可部の中心部に向けては,中島交差点から一定程度4車線化されてはいるものの,跨線橋は片側1車線であるため,それまでの片側2車線のうち1車線はあまり使われていない状況にあります。したがって,本来のバイパスの効果を発揮するためには,跨線橋を整備し,4車線化を図る以外にありません。  昨年の私の総括質問では,可部バイパスの残る区間の4車線化に向けて国に対して強く要請していきたいとの答弁がありましたが,その状況はどうなっているのでしょうか,お答えください。  次に,危機管理室の新設についてお伺いします。  昨年の8月20日の土砂災害では大きな被害が出ました。これを受けて,市議会でも危機管理の担当を消防局に置くのではなく,本庁で別組織をつくるべきとの意見も出ていました。今回の組織改正はそうした声も参考にしたものと思います。私も幅広く危機管理を進めていきながら,より安全で安心な広島市を実現していくために,新たな部署を設けることは合理的だと前向きに受けとめています。  そこで,お伺いをいたします。消防局の危機管理部を市長部局に移して,部相当の危機管理室とするのはどのような理由からでしょうか。  また,危機管理室長に加えて,局長級の職員を配置する理由についてもお聞かせください。  今回,消防局にあった危機管理部を廃止して,新たに市長部局の組織として新設するものですが,危機管理を消防局から市長事務部局に移管する意義についてもお答えください。  この危機管理室には危機管理課,災害予防課,災害対策課の3課が設置されるようですが,それぞれの課では具体的にはどのような業務が行われるのかお聞かせください。  最後に,安佐市民病院の建てかえについて改めて要望しておきます。  私はこれまで2度の総括質問を行い,安佐市民病院の建てかえに当たっての私の考え方については述べてきました。できるだけ重複は避けたいと思いますが,安佐市民病院については現在地で建てかえ,荒下地区については新たなにぎわいの場所として整備をしていただきたいと願っています。  荒下地区のまちづくりに向けては,電化延伸という大きなまちづくりの核ができます。広島市行政だけではなく,民間の知恵やノウハウをいただいたり,また,もともと県営住宅であったということもあって,広島県の協力をいただくということも検討できるのではないでしょうか。JR可部線の終点にもなりますので,可部の荒下地区という位置づけではなく,広島市全体の荒下地区という大きな視点に立って検討していただきたいと思います。  現在,可部地区では現在地での建てかえと移転と意見が二分され,ますます議論が白熱しているように感じています。今回,特に市長にお願いしたいのは,二分されたそれぞれの思いがエスカレートする方向ではなく,皆さんが安心する方向で努力をしていただきたいということです。現在地周辺の皆さんの強い思い,また6万人にも及ぶ現在地での建てかえを求める署名,さらには議会の議決結果を押し切ってまで,仮に市長の力で移転させたとしても,多くの人たちが喜び合うようなまちづくりにはなり得ないのではないかと私は感じています。  可部地区ではこれまで可部バイパスやJRの電化延伸など,地域の皆さんがこぞって喜び合えるようなまちづくりが進められてきました。この案件で市民感情にしこりが残らないような議論をぜひとも進めていただきますように要望しておきます。  以上で,総括質問を終わります。  なお,答弁によりましたら,再質問をさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○熊本憲三 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       若林議員からの御質問にお答えします。  危機管理室の新設についてのうち,危機管理を市長事務部局に移管する意義等についての御質問がございました,   このたびの災害対応におきましては,議会での御意見を初め,さまざまな御意見をいただく中で,私はまずは,今,与えられている処理能力のもとで,できる限り早急に非常事態からの脱出を図る必要があるという認識のもとで,発災以降,これまで職員と一丸となって取り組んできたというふうに認識しております。  そして同時に,現時点での問題を客観的に把握し,今後への備えも同時に進めていくという考えのもと,避難対策等検証部会を立ち上げたところであります。  そうした中で,国の動向や他都市の状況も把握しながら,組織上の課題,問題点を整理した上で,危機の発生を未然に防止するといった平常時の対策,危機が発生した際の対応,さらに事後の対策について検討を進め,その成果を総合的に判断した結果,新たな危機管理体制については,消防局の危機管理部門を市長事務部局に移管し,市長の直近下位の組織として設置するということにいたしました。  これによりまして,災害予防対策における全庁的な調整,消防局の消火・救助活動等への専念,全庁的な情報共有と連絡体制の確立等がより強力かつ円滑に行えるようになると考えております。  新たに設ける危機管理室は危機管理課,災害予防課,災害対策課の3課体制であり,職員数が30人程度の規模でありますことから,部相当の組織といたします。その上で,危機管理室は危機管理対策に関するさまざまな取り組みを全庁的に強力かつ迅速に進めていくためには,庁内の各局と対等の立場で調整を行う必要があると考えました。  また,これまでと同様に危機管理監であります副市長を補佐するというふうな必要もあるために,局長級の職員を配置し,より強く機能発揮させていこうというふうに考えております。  今後とも,新たな危機管理体制のもとで災害に強いまちづくりの基本的な考え方を踏まえ,県警や自衛隊との連携も密にしながら,市民の安全・安心を確保するという観点から,職員が一丸となって危機管理の取り組みを進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○熊本憲三 副議長      企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    危機管理室に設置する三つの課の業務についてお答えいたします。  まず,危機管理課は,危機管理室全体を統括する課として,危機管理に関する企画や総合調整,危機管理計画や地域防災計画の取りまとめなどを行い,危機発生時においては対策本部の設置・運営を担当します。  災害予防課は,避難体制の整備など,災害予防対策の推進に係る調整,市民への防災意識の普及啓発や自主防災組織に対する育成指導などを行い,危機発生時においては災害復旧に係る調整を担当します。  災害対策課は,防災行政無線など防災に関する情報システムの企画・運用管理のほか,各種の防災訓練などを行い,危機発生時においては気象情報や危機情報の収集・分析や伝達,災害応急対策に係る調整を担当します。この3課が連携いたしまして,本市の危機管理対策を総合的に推進することとしております。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    災害対策についてお答えをいたします。  義援金の第3次配分について,墓石,遺骨の流失,散逸,集会所の再建,私道の復旧に対する配分を今後の検討事項に入れてもらいたいがどうかという御質問についてです。  このたびの豪雨災害に際し全国から寄せられた義援金については,配分委員会の決定を経て,死者,負傷者の人的被害や建物の全壊,半壊などの物的被害に対し,これまで2次にわたり被災者の方へ配分が行われたところです。  今後の第3次配分については,第2次配分以降に寄せられているさまざまな御意見,御要望を踏まえながら,被災からの再建を促すことを主眼に,被災地域への支援も含めて検討される予定となっております。  したがって,議員御質問の項目につきましても,今後の配分委員会の検討事項になっていくものと考えております。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      経済観光局長。 ◎谷本睦志 経済観光局長   治山堰堤に関しましては森林法に基づく施設ですので,私からお答えいたします。  整備は計画どおりスタートしているのか,今後の見通しはどうかという御質問がございました。  治山堰堤の整備は国有林内は国が実施し,民有林内は広島県が実施しています。  まず,国では本年度7カ所,西区1,安佐南区2,安佐北区4カ所,のこの着工を計画しており,これまでに6カ所の工事公告を行いましたが,いずれも応札がなく,現在,2月末をめどに再公告の準備を進めています。  また,西区の1カ所については,進入路の確保のため地権者と調整を行っている段階です。  次に,県では安佐南区及び安佐北区で27渓流を整備することとし,本年度,9渓流,安佐南区2,安佐北区7渓流,のこの工事を計画しており,これまでに2渓流の工事発注を行っています。残り7渓流のうち6渓流については,地権者との調整を経て,工事公告を近々行う予定であり,1渓流については年度内の工事公告に向け,地権者との調整を行っている段階です。その他の18渓流は,平成27年度以降の実施予定となっています。  次に,ダムを新設しても,年月を重ねるうちに土砂等がたまることも考えられるため,適切な期間に定期的に確認するよう,国・県に要請してはどうかという御質問がございました。  土砂の堆積状況については,国・県において,本年度,既に本市域内の調査を終えており,国では今後も日常的に行っている森林パトロールの際,確認することとしており,また,県では原則5年ごとの定期点検により確認することとし,適切に対応すると聞いております。本市といたしましても,国・県に対して機会を捉えて適切な対応を要請していきたいと考えております。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      都市整備局長。 ◎西岡誠治 都市整備局長   私からは災害対策について2点お答えいたします。  避難路として整備する道路それぞれの整備見通しについて御質問がございました。  復興まちづくりビジョン案では,広域避難路となる都市計画道路4路線の整備を位置づけております。これらの路線は集中復興期間の5年間で整備することについて国の理解も得ており,着実な整備推進に努めてまいります。  整備の見通しとしましては,安佐南区の長束八木線及び川の内線について,平成27年度から測量及び実施設計等に着手し,早期の用地買収に取り組んでまいります。  安佐北区の可部大毛寺線及び高陽可部線については,平成27年度から用地買収及び橋梁の実施設計等に着手いたします。  また,都市計画道路のほかに地域の主要な避難路としてビジョン案に位置づけた市道安佐北3区940号線── 桐原幹線や同880号線── 川東線につきましても,同じく集中復興期間内の5年間で整備に取り組みます。平成27年度は桐原幹線については物件調査,川東線については測量及び実施設計を進めることとしており,早期の用地買収着手を目指してまいります。  いずれの路線も用地買収を鋭意進めた上で,可能な区間から工事に着手し,集中復興期間内での完成を目指してまいります。  次に,桐原地区には道路が1本しかない場所もあり,迂回路となる農道の整備要望が出されている。この整備を復興まちづくりビジョンに入れるようにしてはどうかという御質問がございました。  復興まちづくりビジョン案につきましては,第一版公表後,地元説明会等を開催して,御意見や御要望を伺ってまいりました。  議員御指摘の桐原地区の農道整備につきましても,こうした説明会を通して地元の御意見を伺っており,このたびの土砂災害により地域の市道が不通となったことを踏まえての要望であると認識いたしております。今後,安佐北区と連携して,避難路として整備の可能性について検討を行いたいというふうに考えております。  以上です。 ○熊本憲三 副議長      下水道局長。 ◎新谷耕治 下水道局長    砂防堰堤に関しての状況及び今後の見通しについてお答えいたします。  砂防堰堤については,昨年9月19日,国においては安佐南区及び安佐北区で24渓流,県においては安佐北区で7渓流を緊急事業として整備することが決定されています。  国においては,砂防堰堤を整備するまでの応急対策として,強靭ワイヤーネットの設置を進めており,現在,18渓流で設置が完了しています。  また,昨年9月下旬から11月中旬にかけて,事業に関する地元説明会を26回開催いたしました。その後,地元説明会での意見や要望を踏まえ,概略設計を実施し,昨年12月に概略施設配置計画案に関する地元説明会を8回開催いたしました。  現在は,施設の位置や配置を詳細に決定するための測量,地質調査,設計,また用地取得に向けた用地調査も進めています。  さらに,砂防堰堤の整備に先立ち,工事車両が通行するための現道拡幅に必要な土地の借地交渉が進められており,昨年12月には一部で工事用進入路の整備に着手しています。  今後は,工事施工のための詳細な設計を進め,土地所有者等の皆様と用地交渉が進められる予定です。用地が取得でき次第,砂防堰堤の工事が着工できるよう,砂防堰堤工事の発注手続も並行して進められています。  砂防堰堤の完成時期については,住宅地へ隣接して砂防堰堤を整備する計画であり,関係する地権者等が多数に上っていることから,用地買収が完了し工事着手する段階で明確にする予定であると聞いております。
     また,県においては,昨年10月中旬から11月下旬にかけて地元説明会を6回開催いたしました。既に設計及び工事発注を完了しており,平成27年度末完成に向けて,現在,全箇所での工事着手に向けた準備を行っていると聞いています。  本市としても地元住民の方の御理解と御協力をいただき,一日でも早く砂防堰堤の整備が進められるよう,国及び県に協力してまいります。  次に,土砂がダムにたまって機能が発揮できなくなることも考えられるので,定期的に確認するよう要請してはどうかという御質問についてです。  国においては,整備予定の砂防堰堤について堆積土砂の撤去や点検のための管理用道路の整備など,将来の適切な維持管理ができるよう配慮して設計が行われていると聞いています。  また,砂防堰堤完成後の維持管理については,国・県ともに堰堤の土砂堆積状況を定期的に点検し,さらに今回のような災害発生時には緊急点検を実施することとしており,必要に応じて堆積土砂を撤去すると聞いています。  本市といたしましても維持管理は重要であると認識しております。国・県に対して機会を捉えて適切な維持管理について要望していきたいと考えております。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    放射線影響研究所の移転についての御質問のうち,比治山公園「平和の丘」構想の内容と,いつごろ策定するのかについてお答えいたします。  比治山公園は古くから桜の名所であり,現代美術館やまんが図書館といった文化施設を有するとともに,その隣接地には戦没者の遺骨が葬られた陸軍墓地や,頼山陽文徳殿といった被爆建物もあります。  また,平和記念公園から約2キロメートルという都心にありながらも,緑豊かな自然に触れられる場所であり,その高さを生かして,原爆の惨禍から復興したデルタ市街地の町並みを一望することができます。  こうした比治山公園の持つ歴史的経緯や立地特性を生かして,その歴史的,自然的,文化的魅力を体感できるとともに,一望する町並みから平和を実感できる本市の魅力的な新たな拠点として再整備したいと考えており,それを比治山公園「平和の丘」構想として取りまとめようとするものでございます。  進め方ですが,被爆70周年という節目の年に,まずはそのコンセプトや施策例を取りまとめ,比治山公園「平和の丘」構想を策定する必要があると考えております。  その後,その具体化に向けた基本計画を策定し,着実にその取り組みを進めていきたいと考えております。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    放射性影響研究所の移転の御質問の中で,「平和の丘」構想を基本にぜひとも移転を実現してもらいたいがどうかという御質問についてです。  放射線影響研究所── 放影研の移転が長年にわたる要望にもかかわらず実現に至っていない状況にある中,議員御指摘のとおり,比治山公園「平和の丘」構想の策定は,こうした状況を変える契機となるものと考えています。今後,構想を策定し,さらにその内容を詰めていく過程で,本市の比治山に対する強い思いや整備の考え方を日米両国政府に改めて伝え,放影研移転に関する検討を促してまいります。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      教育長。 ◎尾形完治 教育長      教職員の給与費等の移譲についての2点の御質問にお答え申し上げます。  まず,県費教職員が本市に移譲された場合の給与費等の関係経費はどの程度になると推計しているのか。その財源措置はどのように考えているのか。また,移譲に伴い人事,給与等のシステムの構築が必要となるが,その財源措置はどのように考えているのかの御質問でございます。  義務教育職員関係経費については,義務教育費国庫負担金の算定基礎となる給料,諸手当のほか,共済組合負担金,退職手当等を含めた額となりますが,広島県の平成24年度の決算資料等から,本市の場合を職員数の案分により推計いたしますと約516億円になります。この経費のうち,給料等の約3分の1に当たる義務教育費国庫負担金が約119億円,広島県から税源移譲される個人住民税所得割2%相当分が約220億円となり,残りの約177億円については,今後,国において適切な財政措置がなされるものと考えております。  また,人事,給与等に関するシステム構築に係る経費については,平成27年度当初予算案には一般財源で計上しておりますが,これについても国において適切な財政措置がなされるべきものと考えております。  次に,移譲に伴う人事,給与等のシステム構築を含め,義務教育に係る財源について,地方に一層の負担を強いることのないよう国に求めてもらいたいと思うがどうかの御質問でございます。  本市としては,義務教育職員関係経費を初め,人事,給与等に関するシステム構築など,移譲に伴って生ずる事務関係経費を含めた所要額全額について,国において適切かつ確実に措置するよう,指定都市による国の施策及び予算に関する提案など,あらゆる機会を捉えて要請しており,今後とも,国に対して強く働きかけてまいります。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      経済観光局長。 ◎谷本睦志 経済観光局長   水素エネルギーの活用について,将来の活用に向けて産業界や大学等と連携して研究を深めていく必要があると思うがどうかという御質問がございました。  水素は将来の中心的な二次エネルギー源として期待されていることから,平成19年度より本市と広島大学が中心となって,マツダを含めた広島地域の主要な製造業等を構成員とする水素エネルギー利用開発研究会を設置し,その後,中国経済産業局,公益社団法人中国地方総合研究センターを加え,昨年度,水素・次世代エネルギー研究会と改組・拡充して,産学官連携によるネットワークを構築しています。  この研究会において,水素エネルギーの将来的な活用に向け,会員相互の情報共有や交流を図るとともに,先進的な取り組みや技術動向などの最新情報を提供しており,今月12日にも,工業技術センターで,先進事例に学ぶ「来るべき水素社会」と題してセミナーを開催いたしましたが,関心は高く,多くの参加者があったところでございます。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      道路交通局長。 ◎向井隆一 道路交通局長   可部バイパスの整備推進について,4車線化に向けた状況はどのようになっているのかとの御質問にお答えをいたします。  可部バイパスの中島交差点から国道191号との交差点までの区間の4車線化は,可部地区の拠点性の向上とさらなる活性化を促す重要な事業と認識をしております。  このため本市が会長となり,沿線自治体で組織をします国道54号改築促進広島県期成同盟会や,地元住民で組織をされております可部バイパス建設促進期成同盟会,さらには主要事業に関する本市からの要望など,さまざまな機会を通じて国土交通省へ積極的な要望を行ってまいりました。  こうした中,先日,発表された国の補正予算で,可部跨線橋の下部工工事が認められ,今年度内に着手する見通しとなりました。  今後,着実に工事を進め,早期に4車線化が図られるよう,引き続き,国に強く要請してまいります。  以上でございます。 ○熊本憲三 副議長      34番若林議員。 ◆34番(若林新三議員) 7項目について質問,要望もさせていただきまして,それぞれ再質問をさせていただこうと思っておりましたが,予算特別委員会もございますので,その場に譲りたいと思います。  終わります。 ○熊本憲三 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日,引き続き総括質問を行います。                〔副議長,議長と交代〕 ─────────────────────────────────────── △日程第2 諮問第18号 異議申立てに対する決定について ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       次は,日程第2,諮問第18号,異議申立てに対する決定についてを議題といたします。  これより質疑に入ります。  本件については,質疑の通告がありませんので,これをもって質疑を終結いたします。  諮問第18号は,消防上下水道委員会に付託いたします。 ───────────────────────────────────────                 次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       本日は,これをもって散会いたします。  御苦労さまでした。                午後2時22分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   碓  井  法  明   副議長   熊  本  憲  三   署名者   石  橋  竜  史   署名者   大  野  耕  平...