広島市議会 > 2014-06-26 >
平成26年第 2回 6月定例会-06月26日-04号

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  1. 広島市議会 2014-06-26
    平成26年第 2回 6月定例会-06月26日-04号


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    平成26年第 2回 6月定例会-06月26日-04号平成26年第 2回 6月定例会         平成26年    広島市議会定例会会議録(第4号)         第 2 回                  広島市議会議事日程                                    平成26年6月26日                                      午前10時開議                   日    程  第1 一般質問  第2┌自第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)    ┤    └至第87号議案 専決処分の承認について            (地方独立行政法人広島市立病院機構中期計画の認可)  第3 諮問第14号 異議申立てに対する決定について ───────────────────────────────────────
                   会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問(終了)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  日程第2┌自第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)      ┤      └至第87号議案 専決処分の承認について              (地方独立行政法人広島市立病院機構中期計画の認可)       (質疑)       (各常任委員会付託)  日程第3 諮問第14号 異議申立てに対する決定について       (質疑)       (消防上下水道委員会付託)  休会について(明日から6月30日を休会と決定)  次会の開議通知(7日1日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    2番  碓 氷 芳 雄            3番  石 橋 竜 史    4番  山 路 英 男            5番  森 畠 秀 治    6番  三 宅 正 明            7番  宮 崎 誠 克    8番  森 本 健 治            9番  山 内 正 晃    10番  伊 藤 昭 善            11番  近 松 里 子    12番  西 田   浩            13番  渡 辺 好 造    14番  原   裕 治            15番  米 津 欣 子    16番  安 達 千代美            17番  星 谷 鉄 正    18番  豊 島 岩 白            19番  八 軒 幹 夫    20番  大 野 耕 平            21番  清 水 良 三    23番  八 條 範 彦            24番  竹 田 康 律    25番  馬 庭 恭 子            26番  元 田 賢 治    27番  今 田 良 治            28番  永 田 雅 紀    29番  平 木 典 道            30番  谷 口   修    31番  母 谷 龍 典            32番  山 田 春 男    33番  太 田 憲 二            34番  若 林 新 三    35番  松 坂 知 恒            36番  沖 宗 正 明    37番  村 上 厚 子            38番  中 原 洋 美    39番  熊 本 憲 三            40番  木 山 徳 和    41番  金 子 和 彦            42番  佐々木 壽 吉    43番  児 玉 光 禎            44番  碓 井 法 明    45番  種 清 和 夫            46番  酒 入 忠 昭    47番  田 尾 健 一            48番  土 井 哲 男    49番  月 村 俊 雄            50番  山 本   誠    51番  平 野 博 昭            52番  中 本   弘    53番  木 島   丘            54番  藤 田 博 之 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────           職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    松 村   司       事務局次長   重 元 昭 則  議事課長    石 井 一 司       議事課主幹   小 田 和 生  議事課主査   石 田 裕 信       議事課主査   今 井 悦 尚  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     西 藤 公 司  副市長     荒 本 徹 哉       企画総務局長  竹 内   功  財政局長    岡 村 清 治       市民局長    及 川   享  健康福祉局長  糸 山   隆       こども未来局長 藤 田 典 子  環境局長    北 吉 孝 行       経済観光局長  谷 本 睦 志  都市整備局長  西 岡 誠 治       都市整備局指導担当局長                                佐名田 敬 荘  道路交通局長  向 井 隆 一       下水道局長   新 谷 耕 治  会計管理者   永 谷 尚 之       消防局長    滝 澤 宏 二  水道局長    高 広 義 明       監査事務局長  原 田 耕 二  財政課長    松 井 勝 憲       教育長     尾 形 完 治  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          住 田 雄 二               円 奈 勝 治 ───────────────────────────────────────                  午前10時00分開議                  出席議員  47名                  欠席議員  5名 ○碓井法明 議長       おはようございます。  出席議員47名であります。 ───────────────────────────────────────                    開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       これより,本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                  会議録署名者の指名 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       本日の会議録署名者として               13番 渡 辺 好 造 議員               33番 太 田 憲 二 議員 を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────                  日程に入る旨の宣告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       日程第1,昨日に引き続き一般質問を行います。
     発言通告者に順次発言を許します。  47番田尾健一議員。                〔47番田尾健一議員登壇〕(拍手) ◆47番(田尾健一議員) おはようございます。  市民連合の田尾健一でございます。会派を代表して一般質問を行います。御清聴よろしくお願いします。  最初に,平和問題についてです。  4月11,12日と広島市で核兵器を持たない12カ国でつくる軍縮・不拡散イニシアチブ──NPDI広島外相会合が開催されました。私は,参加国が被爆地ヒロシマで,見て,聞いて,学んだ被爆の実相を核なき世界に向けた具体的な行動に結びつけることを強く期待しました。  また,4月28日から5月9日の間,米国ニューヨークの国連本部で,来年開催される5年に一度の核拡散防止条約再検討会議に向けた第3回の準備委員会が開催され,会議においては多くの国が核兵器の非人道性に言及したと報じられています。この会議には松井市長も出張され,こうした現地の動きを肌で感じられたことと思います。  NPDI広島外相会合,NPT再検討会議第3回準備委員会と,連続して参加された松井市長に心から敬意を表します。  そこで,次の点についてお尋ねします。  NPDI広島外相会合についてどのように評価されているのか,また,被爆地広島市で開催された当会合の成果を今後にどうつなげていくのかお伺いします。  また,NPT再検討会議第3回準備委員会の出席の成果について,どう総括されているのかお伺いします。  松井市長が会長を務める平和首長会議は,現在,加盟都市が6,084都市に達しています。2020ビジョンに基づく核廃絶への道のりを確かなものにするための大きな力に発展していると思います。  そこで,核兵器の非人道性の論議が世界に高まる中で,今後,平和首長会議として核廃絶に向け,どのような戦略,戦術で臨んでいくのか,取り組んでいくのか,お伺いします。  8月6日の平和宣言についてお尋ねします。  被爆の実相と核兵器の非人道性,絶対悪である核兵器を一日も早く廃絶するべきという被爆者の願いを込めて,世界に向けて発信される8月6日の平和宣言について,松井市長の決意を込めた熱い思いをお聞かせください。  原爆の非人道性を国内外に発信する拠点,広島平和記念資料館の展示を見直す内容が先日の総務委員会で明らかにされました。遺品や写真,市民が描いた被爆直後の悲惨な絵,実物を重視し,2018年春に全面リニューアルされます。  私は「核兵器の非人道性 医学的エビデンスから」と題する鎌田七男先生の講演に学びました。鎌田先生は,公益財団法人広島原爆被爆者援護事業団の理事長をされております。講演の内容は,1,非人道性と核兵器の流れ,2,日本外務省報告の概要,3,核兵器が非人道性である証拠としてその本質は遺伝子異常を起こさせることである,4,被爆者の生涯から見た非人道性,5,人類は放射能物質をコントロールできるかとの柱で,理論的に話されました。  国の被爆者健康手帳を持つ人がことし20万人を割り込み,広島市は6万人台と減少してきております。非人道性を身をもって知る被爆者が減少する中,原爆被害の実態を正しく伝えていくことが,これまで以上に求められています。  人類史上最初の被爆都市である広島市は,放射能が人体に与える影響,生き残った被爆者一人一人が悩み,苦しみ,生き抜いてきた姿を見てきています。こうした核兵器の非人道性をえぐり出したものを公式の報告書等にまとめ,過去の体験を世界に知らしめる必要があると考えます。それは,ヒロシマ,ナガサキの務めであると思います。お考えをお聞かせください。  平和公園を初め,市内の原爆関連の慰霊碑,記念碑は原爆により亡くなった人たちを慰霊し,戦争のない平和な国,核兵器廃絶などの思いを込めて関係者の方々の多くの労苦で建立されているものだと思います。広島市もその趣旨を受けとめて,慰霊碑等の調査を行った上で,学校での平和教育や公民館での平和学習の教材として活用できるようにしてはどうでしょうか。  また,慰霊碑等を紹介するホームページをつくり,来広者がタブレットパソコン等の携帯端末による説明を見ながら,慰霊碑めぐりができるようにしてはどうでしょうか。お考えをお尋ねします。  次に,動員学徒の歴史と平和教育の取り組みについてお聞きします。  太平洋戦争が長期化し激しくなる中で,学校教育に大きな影を落としました。各地で激戦が続き,大量の日本軍兵士が死亡し兵員が不足する中,徴兵の年齢層が広げられました。米軍により沖縄が占領されて本土の制空権を失う中,各地でB29の空襲が相次ぎました。軍は国民に対し,本土決戦,1億玉砕と叫び続けていました。動員されてない中学校1,2年生と国民学校高等科の13歳から14歳の生徒たちは,勉強の機会を奪われ,軍部,文部省の命令で軍需工場や建物疎開作業に動員されました。  広島市では,次のような経過でこの動員が決定されました。1945年7月下旬,県庁の会議室で,広島市の建物疎開に関する協議会が開かれました。軍,県・市関係者,市内中等学校長国民学校長,各校の担任教師代表が出席しました。会議では,空襲下の戸外作業に幼少な生徒を出動させることの可否について論議がされました。学校関係者は多人数の避難が不可能な場所での作業を憂慮して出動に反対されました。しかし,出席の軍関係者は,軍刀で床を叩きながら,作戦遂行上幼少な学徒の出陣は当然であるとして,内政部長に決断を迫りました。結局,引率教師の動員と終了時間を2時間短縮するということで閉会されました。これは「広島爆心地 中島 原爆遺跡保存運動懇談会」(編)で記述されています。  私は,これを読んで中学校関係者が必死で反対された姿が目に浮かびます。先生方の苦衷を思うと,涙がとまりません。8月6日,広島で約2万6800人の学徒が動員され,このうち7,200人の子供たちが原子爆弾により亡くなりました。中でも凄惨を極めたのは,現在の平和大通り一体防火帯づくりのため建物疎開作業に動員された学徒たちです。引率された先生も265人亡くなりました。夏の炎天下,食料も乏しく体力もない中,多くの女子生徒も手作業に加わり,その作業は行われました。この市役所付近では12校,2,331人が作業し,1,749人,75%が死亡しました。当時の学校名で,実に55校から動員されています。原爆の痛手から4校が廃校になったと言われております。  私は悲惨な戦争を再びしてはならないと思います。私は被爆70年史編さんにおいて,こうした事実も記載すべきだと思います。この場で強く要望しておきます。  各学校において被爆し,亡くなった子供たちと戦争をしのぶ慰霊祭を初め,被爆の実相を伝承していく平和教育の取り組みが行われていることと思います。先日の新聞記事で,教育委員会主催によるこどもピースサミットが行われたとありましたが,ヒロシマの心を持つ市民を育てることになるのではないかと考えます。  そこでお尋ねしますが,学校や教育委員会では,平和教育についてどのように取り組まれているのかお伺いします。  次に,被爆地ヒロシマから原発再稼働反対の表明についてです。  2014年5月21日,福井地方裁判所は大飯原発3,4号機の運転差しとめ請求事件において,原告らのうち大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者は,本件原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められることから,これらの原告らの請求を認容すべきであると結論づけ,大飯発電所第3号及び4号機の原子炉を運転してはならないとの画期的な判決を下しました。  その判決の骨子は,1,大飯原発3,4号機を運転してはならない,2,250キロ圏内の住民には,原発運転事故で具体的な危険がある,3,安全技術や設備は確固たる根拠のない楽観的な見通しに基づき脆弱である,4,地震の際,原子炉を冷やす機能と閉じ込める構造に欠陥がある,5,基準地震動を超える地震がこない根拠はなく,それに満たない地震でも重大な事故が生じ得る,6,福島原発事故は最大の環境汚染,二酸化炭素の排出削減は運転根拠にならないと,6項目にこの判決は集約されております。  福井地方裁判所は,国や原子力規制委員会が原発事故は起こり得るとの認識であることを踏まえて,チェルノブイリ事故を例に250キロメートルを一つの基準として,広範囲な災害対策を講じるべきであることを指摘しています。こうした状況を踏まえ,伊方原発及び島根原発を中心として250キロ圏で円を描くと,当然ながら広島市の全域が包囲されます。今回の判決に当てはめて考えると,これらの原発で災害あるいは事故が起こった場合,広島市民の人格権を脅かすことになると私は考えます。  広島市は,これまで原子力災害対策指針において,原発から30キロメートルを基準とする緊急時防護措置準備区域──UPZや即時避難を必要とする地域に指定されていないため,事前に対策をする予定はないと言われていました。現在,関西電力は控訴中ですが,司法により重要な問題提起がなされたと言えます。また,国は原発の安全性については原子力規制委員会の専門的な判断に委ねるとしていますが,その安全性にも大きな疑義を示しています。  そこでお尋ねします。この判決を受け,人間が浴びた放射能汚染の怖さ,悲惨さを知る広島市としては,明確に原発再稼働反対の表明をすべきでないか。市長の見解をお伺いします。  次に,介護保険事業についてです。  介護保険制度は,2000年に介護の社会化を目指してスタートしました。当時,介護の多くは娘さんに,奥さんにと女性の肩にかかり,職場を辞めて介護するも数年後に亡くなった。けれども,職場には返れない。奥さんは自分の両親の介護と,嫁ぎ先の介護と続き,余りの介護の負担に離婚する,介護疲れからの自殺,老老介護などの悲惨な実態がありました。  私は介護の社会化を実現する介護保険制度に賛成し,大きく期待をして今日まできています。議会でも問題点を指摘し,提言をしてきました。この制度発足から現在14年が経過しました。広島市の要支援,要介護認定者は,2009年から14年までの5年間で約1万4000人,33%増加して,2014年には5万5650人と推計されます。認定率,高齢者人口に占める要支援・要介護認定を受けている65歳の第1号被保険者の割合は18.1%から20.20%に上昇すると言われています。  一方,介護労働者は,厚生労働省介護職員数の推移,介護サービス施設事業所調査によると10年間で2.4倍ふえてます。介護は,保険制度に支えられた一大産業であり,雇用もふえると言われてきました。  しかし,多くの問題が出てきています。二つの問題点を指摘した上で,後に具体的な質問に入ります。  一つは,財源の問題です。互助を基本とする保険制度である限り,介護のニーズの高まりは保険料の引き上げをもたらします。逆に,保険料の抑制は給付の抑制をもたらします。介護の質と量の低下をもたらします。09年の介護報酬改定以前は,ほとんどの施策が給付の抑制の流れの中で,個人の選択,契約関係,自助が基本,競争原理・民間活力の導入等が言われ,給付の抑制の結果,利用者と現場の労働者にしわ寄せが行われました。その後,介護職員処遇改善加算が導入されましたが,財源に縛られる状態は変わらず,安倍政権のもとでも再びさまざまな給付絞り込みが検討されています。  二つ目の問題は,介護士の労働条件の劣悪化による離・転職の頻繁化です。介護労働安定センターの2012年介護労働実態調査によると,介護関連労働者の採用と離職率を見ると,一時期に比べて低下したと言われますが,毎年のように13%から23%の労働者が離職しています。介護の仕事にはある程度の経験年数とともに,利用者との信頼関係の構築が必要です。常に新人ばかりで仕事を回している状態が続いていれば,十分な介護ができなくなってしまいます。このような状態を放置していれば,介護業界全体の荒廃をもたらせてしまうと心配しています。  具体的な質問に入ります。  広島市高齢者施策推進プランの基本理念では,「高齢者一人一人が,健康で,その能力を発揮し,生きがいを感じ,住み慣れた地域で安心して暮らせる高齢社会の形成」の実現を目指すと掲げています。広島市は,12年度から施設サービス居宅サービスの指定・権限等,県から移譲されました。市は介護サービス事業者に対する指導監督を強化され,ケアプラン介護サービスの質の向上を目指すとされていますが,どういう視点で指導監督されているのかお伺いします。  指定時の審査は厳しくされていると思いますが,随時の指導監督や監査権限もできる体制,人員配置はされているのかお伺いします。  事業者の指導監督が行われていても,介護施設に入所された方が,家族が見舞いに行くと,表情も悪く,寝たきりになっていたとの声を漏れ聞いています。このような状況があった場合,どこに相談すればいいか,どのような対応をするのか,お聞きいたします。  良質な介護サービスは良質な介護職員の労働にかかっています。介護労働が報われる社会にしなければなりません。介護職員の賃金改善を目的に,介護職員処遇改善交付金から移行した介護職員処遇改善加算が12年度の介護報酬改定により創設されました。この処遇改善加算介護職員の採用の促進,離職の防止,定着率の向上,経験年数による昇格制度やキャリアアップへの研修等に生かされているのかお伺いします。  労務管理は事業者にとって重要であり,介護職員が定着する施策を含む経営者の経営理念や将来のキャリアの方向性が見える労務管理が必要だと考えます。市は介護サービス向上に向けて,労務管理の指導・相談の対策を強化すべきではないかと思いますが,お考えをお聞きします。  介護老人福祉施設特別養護老人ホーム入居者実態数入居待機者の実数はどのようになっているのか。その解消のため,今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  家族の介護,在宅介護サービスを利用しながら,在宅で暮らしたいと思っている広島市の高齢者は55.3%と半数を超えています。要支援・要介護認定者のうち地域で孤立するかもしれないと不安を感じている人が49.5%おられ,在宅介護サービス地域密着型サービスの整備促進が求められています。どのような施策が進められていますか,お聞きします。  介護保険法が改正された2012年4月から創設された定期巡回・随時対応型訪問看護複合型サービスの推進・利用状況や課題と今後の取り組みはどうかお尋ねします。  次に,教育問題であります。  教育委員会安佐南地区と中央地区に学校事務センターを設置し,学校に対する支援・指導体制の強化を取り組んでいますが,成果と課題についてお伺いします。  また,大規模校へは現在2名の事務職員配置になっていますが,増員配置をしてほしいとの声が出ています。成果を伸ばし,課題を克服するなど十分に総括して,学校事務センターを全区に拡大すべきではないかと思いますが,お考えをお聞きします。  学校事務職員は学校の窓口であり,学校経営の事務を統括する重要な職務です。学校事務職員事務執行能力向上のための研修を拡充すべきだと考えます。統一事務処理マニュアルの作成や,新規職員の研修に加えて,経験年数による研修を実施してスキルアップできる研修体制が必要です。当然,危機管理に対応する研修も必要です。  以上の点についてお考えをお伺いします。  きょうの新聞を見ますと,OECDの調査で日本の先生が世界一忙しいという記事が朝日新聞に載っておりました。  私は教員が子供に向き合う時間をもっともっとつくるということで,拡充する対策が重要ではないかと考えます。そのため,昨年度,学校経営活性化に向けた取り組み計画が策定されましたが,その取り組みの状況についてお伺いします。  2017年度,非常勤職員を含む県費負担の教職員約5,400人分の事務・権限が広島市に移管されますが,財源の確保を含めてどのような課題があると考えているのかお伺いします。今後どのような体制で取り組んでいくのか,お伺いします。  最後に,広島市立大学の社会貢献についてです。  私は6月14日に,広島市立大学の創立20周年記念式典に参加しました。広島市立大学は1994年アジア競技大会が広島市で開催された年,市民の多くの期待を受けて設置され,これまで6,000人を超える卒業生を送り出しています。  広島市の知の拠点,地域の拠点としての役割が期待されていることを強く感じました。近年,少子高齢化が進む中,まちの活性化,団地の活性化と地域連帯など,自治体と大学が連携して教育,研究,社会貢献について,地域の課題を見据えて地域再建・活性化の推進が求められています。  広島市立大学は広島市を初め,地域の活性化に向けてどのような取り組みを進めてきたのか,どのような活動を行おうとしているのかお伺いします。  以上で,一般質問を終わります。  御清聴,ありがとうございました。(拍手) ○碓井法明 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       田尾議員からの御質問にお答えいたします。  平和問題のうち,NPDI広島外相会合の評価についての御質問がございました。  このたびのNPDI広島外相会合では,各国の外相等に被爆者の体験や平和への思いを共有してもらうため,外相会合の行事に原爆死没者慰霊碑への参拝・献花,平和記念資料館の見学や被爆体験証言の聴講を組み込んでいただきました。二日間の外相会合を通じ,広島訪問は平和への思いを共有していただくことができるよい機会であると改めて強く確認することができ,迎える平和という観点からも非常に意義深い会合だったと評価しております。  各国の外相からは,被爆の実相に触れて深く心を動かされたとの発言があり,会合の終わりに採択されました広島宣言には,世界の政治指導者たちに,広島,長崎訪問を呼びかける文書が盛り込まれました。このことは,被爆地で核兵器の非人道性を心の底から受けとめ,核兵器廃絶に向けた政治的信念をしっかり固めていただいた結果であるというふうに受けとめております。  来年には,NPT再検討会議が開催されますが,今回の外相会合の成果とも言える核兵器廃絶に向けた政治的信念の確立というものが,NPDI参加国を通じてNPT再検討会議に参加される政治的指導者の間においてもなされ,核兵器のない世界の実現に向けた取り組みの一層の強化が図られるよう期待しております。  本市としても,今回のNPDIの成果を踏まえて,各国の為政者たちに広島に来てもらい,被爆の実相に触れていただくため,迎える平和をより一層推進するとともに,さまざまな機会を捉えて各国政府や国連関係者に対し,核兵器は非人道兵器のきわみであって,絶対悪だということを強く訴えていきたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○碓井法明 議長       市民局長。 ◎及川享 市民局長      核兵器の非人道性について,数点の質問にお答えいたします。  まず,NPT再検討会議第3回準備委員会への出張の成果についてでございますが,4月26日から5月2日までの7日間,市長がニューヨークを訪問し,各国政府関係者に核兵器廃絶に向けた取り組みを呼びかけるとともに,潘基文国連事務総長に核兵器禁止条約の早期実現に向けた尽力の要請などを行いました。  今回の出張では,次の3点の成果があったと考えております。  1点目は,準備委員会NGOセッションでのスピーチや個別の面会を通じて,各国政府や国連関係者に被爆の実相と核兵器の非人道性,絶対悪である核兵器を一日も早く廃絶すべきという被爆者の願いと,ヒロシマのメッセージを伝えることができたことでございます。  2点目は,国連事務総長に核兵器廃絶に向けての尽力と世界の為政者,特に核保有国の為政者に対し,被爆地訪問を呼びかけてもらいたい旨を市長から直接お願いできたことです。平和首長会議は,これまでも国連を通じた各国への働きかけを重視してきたことから,この面会は大変意義深いものであったと考えております。  3点目としては,今回初めて核兵器禁止条約の交渉開始等を求める署名活動に取り組む高校生8名を派遣し,平和首長会議主催のユースフォーラムでの発表や現地高校生との交流などさまざまな体験をしてもらったことで,このことは将来のリーダー育成に資する有意義な取り組みであったと考えております。  次に,核兵器廃絶に向けた平和首長会議の今後の取り組みについてです。  NPT再検討会議第3回準備委員会へ市長が出席し,各国政府関係者等との面会を通じて,核兵器の非人道性に焦点を当てた議論は,必ずや核兵器廃絶につながるとの認識を各国が共有していることが確認できました。このため,本年12月のウィーンにおける第3回核兵器の人道的影響に関する国際会議や来年4月のNPT再検討会議に向け,これまで以上に被爆の実相を踏まえた取り組みを強化する必要があると考えております。  こうした情勢を踏まえ,平和首長会議としては,まずは地域の実情に応じたさまざまな活動をするリーダー都市を中心にしながら,国連やNGOなどとも連携し,世界的なネットワークの構築を図りたいと考えております。その上で,このネットワークを活用して,被爆者の実相を中心に据えたヒロシマ,ナガサキのメッセージを,世界中に行き渡らせる取り組みを進めていきたいと考えております。  その積み重ねによりまして,為政者を初め世界中の人々に核兵器はあってはならない絶対悪であるということを受けとめていただき,核兵器廃絶に向けた動きの一つとして,核兵器禁止条約の締結に向けた交渉開始等の動きにつながっていく機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。  次に,8月6日の平和宣言についてです。  平和宣言は,広島市長が被爆体験を持つ広島市民を代表して,その時々の時代認識を踏まえながら,被爆の実相や平和への思いを宣言の形に凝縮し,心を込めて広く国内外に訴えるものでございます。このため,平和宣言を作成します際には,ヒロシマの原点である被爆者の体験や平和への思いをきちんと伝えることに主眼を置いて,被爆者からお寄せいただいた被爆体験談等を直接盛り込んでまいりました。  ことしも被爆者として次の世代,若い人に伝えたいこと,望むことをテーマに公募し,国内外から61点の応募をいただきました。平和宣言は市長の任期4年間を通じて,一つのストーリー性を持たせたいと考えており,4回目のことしはその総仕上げの宣言になるものと位置づけております。  具体的な内容については,今後,被爆体験に関する懇談会の御意見を踏まえ,市長が起草いたしますが,これまで同様に被爆体験談を盛り込んだ上で,被爆者を初め広島市民の思いが広く国内外に伝わるよう訴える力の強いものにしていきたいと考えております。  次に,核兵器の非人道性を示す公式の報告書等についてですが,人類最初の被爆地である本市は,被爆の実相や核兵器の非人道性を伝えることで,一人でも多くの方に核兵器廃絶の思いを伝えていくことを使命としております。その中心的機能を果たすのが,平和記念資料館だと認識しており,まずは国内外の人々が資料館を観覧することで原爆の非人道性,原爆被害の悲惨さなどを理解していただくことが基本であると考えております。  一方,議員御指摘の核兵器の非人道性を示す報告書等に当たるものとして,資料館の展示内容である原爆被害,被爆者の苦しみや悲しみ,科学的知見に基づく原子爆弾の脅威,核兵器をめぐる世界の情勢などをまとめた図録「ヒロシマを世界に」がございます。  図録は,ミュージアムショップで販売するだけでなく,資料館を訪れる国家元首などの為政者に贈呈するとともに,海外で原爆展を開催する際には,自治体・大学等の主宰者に寄贈するなど被爆の実相を伝え,核兵器の非人道性を示す資料として積極的に活用しております。また,平和記念資料館再整備後は,新しい展示に合わせた形で図録を改訂することにしており,引き続き,被爆の実相を伝え,核兵器の非人道性を発信する資料として活用してまいりたいと考えております。  最後に,市内の原爆関連の慰霊碑,記念碑についてですが,市内各所に点在します原爆関連の慰霊碑,記念碑は,各地域の原爆被害や個々の被爆体験等にかかわりのある方が原爆犠牲者の慰霊,平和への祈りなどの思いを込めて設置されたものであり,それぞれ大切な意味を持ったものと認識しております。  原爆慰霊碑等の調査については,現在,市民団体の協力を得て,市内にある原爆関連の慰霊碑等に係る情報収集に取り組んでいるところでございます。今後,地域の郷土史家グループなどからも協力を得まして,慰霊碑等に係る情報を整理し,今年度内に学校や公民館等に整理した情報を提供するとともに,本市のホームページ上に掲載し,来広者が自分のタブレット,携帯端末等で閲覧できるようにしたいと考えております。  こうした取り組みを通じまして,学校や公民館での活用を促すとともに,来広者等が被爆の実相に触れる機会を提供することにより,平和の意識の醸成を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       教育長。 ◎尾形完治 教育長      動員学徒の歴史と平和教育についての御質問にお答え申し上げます。  学校や教育委員会では,平和教育についてどのように取り組んでいるかのお尋ねでございます。  本市では,学校教育において被爆の実相の理解と,被爆体験の継承を重点課題として計画的・系統的な平和教育に取り組んでおります。各学校では,教育委員会が作成したひろしま平和ノートを活用して,被爆当時の広島の様子や復興の歩み,平和な世界を実現するための広島の役割などについて,小学校から高等学校まで系統的に学習をしております。
     また,被爆体験者を講師として招聘し,被爆の実相について学習する被爆体験を聞く会,平和記念資料館の見学や慰霊祭の実施などの取り組みを行っております。  議員御紹介のこどもピースサミット2014では,市立小学校6年生全ての児童が平和についての自分の意見を作文にまとめ,その中から選ばれた20人の児童が,家族の被爆体験や学校での平和学習を通して感じたことをもとに,平和のとうとさを次の世代に伝えていく決意を述べました。今後もこうした取り組みの充実を図りながら,世界恒久平和実現のため,自主的・積極的に取り組む児童生徒の育成に努めてまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       環境局長。 ◎北吉孝行 環境局長     被爆地ヒロシマから原発再稼働反対表明についてお答え申し上げます。  福井地裁の大飯原発の運転差しとめ判決を受け,放射能汚染の怖さ,悲惨さを知る広島市として原発再稼働に反対を表明すべきではないかとの御質問でございます。  議員御指摘の福井地裁の判決に関しましては,現在,名古屋高裁において係争中と聞いており,確定した司法判断を踏まえた国の対応を見守りたいと考えております。  原爆による放射能被害の怖さ,悲惨さを知る本市といたしましては,国において,判決文の中での「大きな自然災害や戦争以外で,生命を守り生活を維持する利益という,人格権の中でも根幹部分をなす根源的な権利が,極めて広範に奪われる事態を招く可能性があるのは原発事故以外には想定しがたい」との記述は,しっかりと受けとめていただきながら,国民の暮らしと安全を最優先にした責任あるエネルギー政策を着実に立案・実行するよう求め続ける考えでございます。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    介護保険事業について,順次お答えをいたします。  まず,市は県からの権限移譲で事業者に対する指導監督権が強化されたが,どういう視点で指導監督をしているのかというお尋ねです。  介護保険制度は,市民,事業者,行政が連携して介護を社会全体で支え合う仕組みであり,それぞれの立場で適正な運営に努める必要があります。そのため,本市の指導監督においては,介護サービスの質の確保及び保険給付の適正化を図ることを目的として,事業者みずから適正な運営を行えるよう,人員配置やサービス計画の作成などの運営基準,及び加算算定要件などの報酬算定基準に係る留意点を周知徹底しております。  次に,指定時の審査を厳しくしていると思うが,随時の指導監督や監査ができる体制,人員配置となっているかとの御質問です。  本市では,県から権限移譲を受けた平成24年度に,それまで一係であった体制を事業者指導係と事業者指定係の二係体制とし,さらに担当課長を新設しました。介護サービス事業所等に対する指導・監査は,事業者指導係において職員5名と介護支援専門員資格を有するケアプラン点検員9名の体制で対応をしております。  この体制のもとで,市内約1,900の介護サービス事業所等を対象に,毎年400以上の事業所等を現地訪問し,人員,設備,運営の状況が基準に適合しているか,また,介護報酬が適正に請求されているかなどについて調査し,指導する実地指導を行っています。この実地指導は,新規指定から1年以内と,6年ごとの指定更新時に計画的に行うほか,苦情や通報があった際にも随時実施しています。また,不正の疑いのある事案については,介護保険法の規定に基づく監査を行っております。  次に,介護施設に家族がお見舞いに行くと状態が悪くなっていたとの声を漏れ聞くが,このような場合どこに相談すればどのように対応してもらえるのかということについてです。  介護保険サービスに関し,利用者またはその家族の不満等がある場合には,介護保険法で定められている苦情相談機関である広島県国民健康保険団体連合会や保険者である本市が相談を受け付けます。県国保団体連合会は,相談内容に応じて事業所等への調査を行い,介護サービス苦情処理委員会で改善事項を検討した上で事業所等への指導・助言を行います。また,本市で相談を受け付けた場合は,その相談内容に応じて随時の実地指導などを実施し,個別に実態を確認した上で,不適切な介護サービスが原因と判断した場合には,必要な指導や行政処分を行います。  次に,処遇改善加算は,介護職員の採用の促進,離職の防止,キャリアアップの研修等に生かされているのかというお尋ねです。  介護職員処遇改善加算は,各事業者において,介護職員の賃金改善に関する処遇改善計画を策定すること,職務内容等に応じた賃金体系等を定めること,介護職員の研修等の資質向上に関する計画を策定すること,そしてこれらを事業所内の全ての介護職員に周知することを条件に算定できるものであることから,介護職員の賃金向上や資質向上につながる制度になっています。  本市といたしましては,この制度の趣旨が確実に生かされるよう,実地指導の際に,計画を踏まえた事業所における処遇改善等の実施状況を確認し,必要に応じ指導を行うことなどに取り組んでいきたいと考えております。  次に,市は介護サービス向上に向け労務管理の指導・相談の対策を強化すべきではないかとの御質問です。  介護サービス事業所等の良質なサービスの確保を図る上では,介護職員等が適正な労務管理のもとで業務に専念できる職場環境づくりが必要であり,そのような職場の管理体制の確保には,管理者の資質向上が重要と考えています。そのため,本市の基準条例制定時に,独自基準として管理者の研修の機会の確保を義務づけるとともに,管理者の資質向上に資すると考えられる研修項目として,介護保険制度だけでなく労務管理に関する研修も示して通知をしたところです。今後は,実地指導の際に労務管理を含む管理者研修の実施状況を確認することなどにより,適切な事業所運営の徹底を図りたいと考えております。  次に,特別養護老人ホームの入所者数,また待機者数,また待機解消のため今後どのように取り組むのかということです。  本年4月現在,特別養護老人ホームの入所者数は3,158人,また待機者数は5,737人となっています。本市では,平成24年度から本年度までを計画期間とする現行の介護保険事業計画において,入所待機者のうち在宅でひとり暮らしの要介護3以上の人,在宅で家族と同居している要介護4以上の人,病院・診療所に入院している要介護4以上の人の数を考慮した整備計画を立て,今期分として現在519人分の整備を進めております。今後は,平成27年度から29年度を計画期間とする次期介護保険事業計画を策定する中で,中長期的な施設入所の需要や介護保険料への影響も考慮しながら,適切な整備量を見込み,計画的な整備を図っていきたいと考えております。  最後に,地域密着型サービスの施策展開と,最近創設されました定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービスの利用状況や課題と今後の取り組みについてです。  地域密着型サービスは,今後,認知症高齢者や重度の要介護者,さらには単身や夫婦のみの高齢者世帯の増加が見込まれる中で,地域包括ケアシステムの中核的な役割を担う重要なサービスとして,その充実を図っていく必要があると考えています。  このため,本市では現行の高齢者施策推進プランにおいて,日常生活圏域ごとに必要なサービス量を見込んだ上で,要介護者の様態や希望に応じ,訪問系や通所系など多様な介護サービスを複合的かつきめ細やかに提供する取り組みを推進しています。  その中で,議員お尋ねの定期巡回・随時対応型訪問介護看護は,平成25年度から,また複合型サービスは本年度からサービス提供を開始しております。その利用状況は,本年5月末時点で,定期巡回が5事業所で54人,複合型が3事業所で63人となっています。これらのサービスは,制度創設後まだ日が浅く,サービス利用の普及が十分図られていないことが課題になっています。そのため,要介護高齢者やその御家族,ケアプランを作成する介護支援専門員等に対し,市政出前講座や介護支援専門員の研修会などの機会を捉え,サービス内容や実施効果等の周知を図っているところです。  今後は,こうした方々への周知を一層強化するとともに,医療機関や介護老人保健施設等から退院,退所された方の在宅生活の安定化を図る上で,これらのサービスの活用が効果的と考えられることから,具体的な利用事例も紹介しながら医療や施設関係者等へ積極的にPRするなど,当該サービスの一層の普及促進に努めてまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       企画総務局長。 ◎竹内功 企画総務局長    教育問題についての御質問のうち,広島市立大学の社会貢献についてお答えいたします。  広島市立大学は,教育研究成果を社会に還元するため,平成19年度に設置した社会連携センターを窓口として,国際,情報科学,芸術という学部の特徴を生かしつつ,自治体,企業,NPO,地域コミュニティー,学外研究機関等との交流及び連携を積極的に推進しています。  このうち,地域の活性化に向けた自治体との連携事業については,平成25年度を例に挙げると,ひろしま菓子博におけるICTを活用した観光・飲食店情報の提供や,試食・販売されるお菓子に関する口コミ情報の発信,安佐動物公園キリン舎への壁画制作,基町小学校区の外国籍児童への学習支援などの事業を実施しました。  また,今年度は新たに中区役所と連携し,創造的な文化芸術活動や地域との交流により基町地区のまちの魅力づくりや活性化を目指す基町フェニックスアートプロジェクトをスタートしました。この事業は,基町住宅内の現地事務所を拠点に,地元住民の方々と協働して進めていくもので,今年度は実施計画の作成,モデル事業の実施などに取り組んでいます。  さらに,社会連携センターには,自治体に加え,地域や企業等からも観光振興や産業振興,地域おこしの取り組みについて新たな連携を求める声をいただいており,今後もこうした要請に応え,地域に貢献する大学として,積極的に地域連携を推進し,地域の活性化に貢献していくこととしております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       教育長。 ◎尾形完治 教育長      同じく教育問題につきまして,3点の御質問にお答え申し上げます。  最初に,学校事務センターの全市拡大等についてでございます。  まず,学校事務センターの成果と課題は何か,また全市拡大に向けた今後の見通しはどうかのお尋ねでございます。  教育委員会では,小・中学校で行っている事務の一部を集約し,学校に対する支援・指導体制の強化を図るために,平成22年9月に安佐南区の小・中学校を対象として安佐南地区学校事務センターを,平成24年6月に中区及び南区の小・中学校を対象として中央地区学校事務センターを設置いたしました。  成果については,まず旅費の請求事務や物品購入事務などを学校事務センターへ集約したことで,学校の事務負担の軽減が図れた,また,学校事務センターが主催する地区連絡調整会議の設置により,情報の共有化や事務の標準化が図れたなど,学校現場から高い評価を得ております。一方で,施設修繕事務を集約したことにより,各学校が迅速に修繕に対応できないなどの課題もあり,引き続きこれらの改善に取り組んでいきたいと考えております。  今後,県費負担教職員の給与費等の事務・権限が移譲されることから,現在,学校事務職員の定数及び配置のあり方や,学校事務センター,学校,教育委員会事務局の事務分担とあわせて,全市拡大の時期等についても検討を進めてまいります。  次に,学校事務職員の研修について充実すべきであるがどうかということでございます。  学校事務職員は,予算執行を初めとした多様な事務を処理するとともに,学校の窓口として地域と連絡・調整を行うなど,学校経営において欠かすことのできない存在です。加えて,特色ある学校づくりのため,事務部門の専門的立場から学校経営に積極的に参画する役割を担っており,こうした資質・能力の向上を図ることが必要です。  今後は,学校経営の視点を取り入れた危機管理など,課題別研修の実施や経験年数に応じた研修の実施など研修体系を整備し,より円滑な学校経営に資するよう,学校事務職員の研修の一層の充実に努めてまいります。  続いて,教員が子供に向き合う時間づくりについてでございます。  教員が子供に向き合う時間を拡充するため,昨年度,学校経営活性化に向けた取り組み計画が策定されたが,その後の取り組み状況はどうかのお尋ねでございます。  教育委員会では,昨年6月,学校経営活性化に向けた取り組み計画を策定し,平日業務の過密状況の解消に向けて,過密期間・日程の緩和,業務の平準化・簡素化,ICTの活用と標準化の3点を重点課題といたしました。  この計画に基づき,現在,モデル校として指定した小学校2校,中学校2校において,土曜日授業の実施や日課・校務の効率化,教材・資料の保存・管理方法の改善などの取り組みを進めるとともに,各学校においても校務支援システムの利活用などに取り組むことによって,学校現場の負担を軽減し,平日業務の過密状況の緩和を図っております。今後とも,こうした取り組みを着実に推進し,教員が子供と向き合う時間の確保に努めていきたいと考えております。  最後に,県費負担教職員の事務・権限の移管についてでございます。  県費負担教職員の事務・権限の移管について,財源の確保を含めどのような課題があると考えているか,今度どのような体制で準備事務に取り組んでいくのかのお尋ねでございます。  道府県が有している給与等の負担,教職員定数の決定など,県費負担教職員制度に係る包括的な権限を指定都市に移譲する関係法律が,本年5月28日に成立し,6月4日に公布されました。これを受け,平成29年4月を目途に,広島県から本市へ事務・権限が移譲されることとなるため,新制度移行までに,今後の教育の充実に向けた検討,移譲に伴い必要となる財源の確保,勤務条件に関する条例などの整備,人事・給与等に関するシステムの構築など,必要な準備を遺漏なく行う必要があります。  準備体制につきましては,本年4月に新設した教育企画課に,県費負担教職員移譲準備担当として専任の主幹2名,主査2名を配置いたしました。今後は,国や広島県と連携を密にし,業務の進行に伴う業務量の増加に応じ,体制を充実させながら新制度への移行に向けて着実に準備を進めてまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       47番田尾議員。 ◆47番(田尾健一議員) 答弁,ありがとうございます。  1点だけ,申し上げたいと思います。  福井地裁判決の人格権をいう重要な部分を受けとめていただきまして,評価したいと思います。今後頑張っていっていただきたいということを含めて,1回申し上げますが,今日本は地震国ということで,原発事故は起こり得るということで,国,原子力規制委員会は各自治体で市民の避難誘導など準備をしなさいということをいっているわけです。  しかし,私は原発事故は2度と起こしてはならない,起きてはならないというように考えます。そのために被爆地ヒロシマから,引き続き,原発再稼働反対という姿勢を明確に示しながら取り組んでほしいということを強く要請しまして発言を終わります。  以上です。 ○碓井法明 議長       次に,29番平木典道議員。                〔29番平木典道議員登壇〕(拍手) ◆29番(平木典道議員) おはようございます。  公明党の平木典道です。会派を代表いたしまして,一般質問を行わせていただきます。  まず最初に,サッカースタジアム建設と旧市民球場跡地の活用についてお伺いをいたします。  この球場跡地については,文化芸術機能と緑地広場機能を中心とする機能を導入することが望ましいものとして,今後その具体化のための検討に着手することとされている一方で,サンフレッチェの優勝などでサッカー専用球場建設の機運が盛り上がったことから,サッカースタジアムを含むスポーツ複合型機能については,検討協議会を設置して,その協議会において球場跡地を適地とする具体案が取りまとめられた場合に,改めて比較検討を行い,市として判断することにされているところです。  そうした中,マスコミの街頭インタビューなどでは跡地にサッカー場の建設を求める声などが紹介されたりしており,多くの市民の方がそのような希望を持っているのかなとも思われたりしますが,中には広場として整備して,イベントなどに活用すればよいとの声も聞こえてきます。  市民意見の募集を行えば,関心のある人からは意見が寄せられると思いますが,それらは全体を代表する声にはならないと思われます。市民全体の声を聞くことはできませんが,意識調査を行い,市民の声がどのようなところにあるのかを知ることは今後の市政を運営していく上で重要であると考え,このたび民間の調査機関を使い意識調査を実施いたしました。その結果をここで紹介し,当局の見解を伺いたいと思います。  調査方法はインターネット調査で,広島市に在住する20歳から79歳までの男女450人を対象に行いました。  1,まずサッカースタジアム自体について,サッカースタジアム検討協議会によりスタジアムの建設について検討されていることを知っているかとの問いに対し,知っていた人は50%程度となっています。  2,新たに市内にサッカースタジアムを建設することについては賛成が45%,どちらとも言えない38%,反対17%となっています。  3,新たにスタジアムが建設されることになった場合,スタジアムに求められる機能については,広島中心部からのアクセスや十分な駐車場の確保など新規建設により交通アクセス改善への期待感が見受けられます。  4,サッカースタジアムを建設するとしたら,その建設費用はどこが負担すべきかとの問いに,企業,スポンサー,広島県サッカー協会などが負担すべきとの意見が多く見受けられ,スタジアム建設に賛成である層では広島県,広島市など行政機関への費用負担意識が高く,逆に反対である層は行政への負担意識が低く,大きなギャップが見受けられます。  5,検討協議会では,建設の候補地を広島市内5カ所に絞り込んでいるが,どこに建設してほしいかとの問いには,旧市民球場跡地が4割程度と最も高く,スタジアム建設に反対である層では旧市民球場跡地を上げる声は少なく,現状維持でよいとする意識が7割近くと最も高くなっています。  6,広島市が平成25年3月に,旧市民球場跡地には文化芸術機能と緑地広場機能を導入した活用方策を示していることを知っているかとの問いには,知っていたが34%にとどまっています。  7,旧市民球場跡地の活用に当たり,都市公園法,国有財産法などの制約があることについて,例えば建築物の高さ制限があること,ショッピングセンターなどは建設できないこと,プロサッカーで使用した場合国に借り上げ料を払うこと,建設できるスタジアムの大きさに制約があることなど,具体的な内容を提示した上で選択をしてもらったところ,その認知度はいずれも2割未満と低目で,浸透度は低いようです。  8,こうした質問を行った上で,再度旧市民球場跡地へのサッカースタジアム建設への意向を確認したところ,賛成が33.6%,どちらとも言えないが37.8%,反対が28.7%という結果でした。  以上の結果から,さまざまなことが読み取れると思いますが,一つは建設場所はともかくサッカースタジアム建設に約半数が賛成としている一方,建設費用を行政機関が負担することに対し,賛成派と反対派の間に意識の違いが見られます。また,サッカースタジアム建設の意向に対し,制限内容を提示した後の旧市民球場跡地に限定しての建設意向では,賛成が約12ポイント減少,反対は12ポイント増加しています。つまり,現状を具体的に認識することにより,意識の変化があることが言えるのではないでしょうか。  市当局として,市民に対してより正確な情報を提示していく必要があると思いますが,活用策や制限内容についての認知度が低いことについて,どのように受けとめているのか,今後の対応を含めてお伺いをします。  また,旧市民球場跡地にサッカースタジアムを建設することについての質問に寄せられた意見の主なものを紹介しますと,旧球場跡地への建設に賛成する層については,利便性を理由とする意見が90件,にぎわい創出・有効活用の意見が52件,どちらとも言えない層は,特になし,わからないが76件,スタジアムのスペースや各種規制を理由とする意見が32件,反対の層では,交通面や周辺が混雑することへの不安を理由とする意見が23件,現状で十分,必要性を感じないという意見が20件などとなっています。  サッカースタジアム検討協議会において,旧市民球場跡地が適地とされた場合には,市の活用策と比較検討することになりますが,比較検討に当たっては市民の声を十分にくみ取り対応していく必要があると考えますが,当局の見解を伺います。  次に,PFI事業と工事契約の変更についてお伺いします。  PFI事業というのは,民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律──PFI法に基づいて実施されるもので,民間の資金,経営能力及び技術能力を活用することや,民間事業者の自主性と創意工夫を尊重することにより,公共施設などの整備が効率的,かつ効果的に実施されるものと聞いています。  全ての公共施設にPFIの導入が適切というわけではないと思いますが,今後必要と思われる公共施設を絞り込んだ上で,さらにその中で民間のノウハウや資金の活用が効果的と考えられるものについて,積極的にPFIを導入するというのは当然の流れではないかと考えています。  本市でも,市営吉島住宅の建てかえにPFIの事業手法が導入され,昨年から工事が進められております。広島市初のPFIということで,いろいろと手探りのところもあるかもしれませんが,せっかく新たな取り組みにチャレンジしたわけですので,吉島住宅でPFIの成果と,その抱える問題点を検証し,今後の民間活力の導入に向けた道筋をつけていただきたいと考えています。  そこでまず,この吉島住宅のPFI事業について何点かお伺いします。  1,吉島住宅の建てかえに広島市で初めてとなるPFIの事業手法を採用された目的というのはどのようなものでしょうか。  2,通常の公共事業との比較という面で,PFI事業は民間事業者の創意工夫による技術能力の活用という部分がその特徴の一つではないかと思いますが,吉島住宅のPFIでは,設計・工事における事業者の創意工夫に対して,市はそれをどこまで尊重し,またチェックする仕組みとなっているのでしょうか。市が過度の口出しをしているようなことはないのでしょうか。  3,吉島住宅のPFI事業が,民間のノウハウや創意工夫が発揮されることを期待して導入されたものであるならば,これは民間事業にとっても大きなビジネスチャンスだと思います。市は必要なチェックは行うにしても,民間からの提案を積極的に促し,また最大限取り入れることを基本スタンスとすべきと考えますが,当局の御見解をお伺いします。  吉島住宅の建てかえは広島市で最初に導入されたPFI事業ですので,その成果が発揮され,事業の結果が評価されるよう尽力されることを願っております。  4点目,この項目の最後に,吉島住宅のPFI事業と広島市の工事契約の変更についてお伺いします。  吉島住宅の建てかえは平成25年に総事業費22億8585万円で契約をされています。200戸にも及ぶ市営住宅の整備を実施されるもので,事業期間は長期に及ぶものと聞いています。建設資材の高騰などを背景に,昨今では入札不調も大きな問題となっていますが,このPFI事業契約においてはこうした状況の変化に対応する仕組みはあるのでしょうか。  安倍内閣発足後,デフレへの対応で国土交通省は二度にわたり通達を出し,都道府県知事,政令市長,そして建設業団体の長に技能労働者への適切な賃金水準の確保として,全国平均約23%の労務単価の上昇を求めております。広島市建設工事請負契約約款では,その25条で賃金,物価水準の変動に対する請負金額の変更の請求が可能になっています。今回のPFI事業は請負契約ではありませんが,同様の扱いとなると考えていいのでしょうか。  また,労務単価の上昇により,適正な工事の遂行に支障を来しているとの声も聞かれます。広島市の工事契約において,労務単価の上昇を理由に請負代金の変更など契約を見直した事例は幾つあるのか,今後,契約を見直していく予定の案件はあるのかも含めてお答えください。  国土交通省は,ことし1月の通達で,新労務単価の早期適用を求めており,広島市としては既に適用されているものと思いますが,その点も確認をいたします。  次に,知的資産経営の推進についてお伺いします。  知的資産とは,特許権などの知的財産権,ブランド,ノウハウといった知的財産に加え,経営理念や社長の手腕,技術,組織力,人材,顧客との良好な関係などが含まれます。財務諸表に数字としてあらわれないこうした無形資産を生かした経営を知的資産経営というようです。2005年に経済産業省が提唱し,行政書士会などの普及活動により関係者の関心が高まり,実践面でも次第に広がりを見せつつあるようです。
     大企業のように,資金,不動産といった資産を持たず,独自の技術やネットワークで競争に勝ちゆかなければならない中小企業やベンチャー企業にとって,知的資産経営は重要な武器となります。知的資産を戦略的に活用している中小企業には,業績を上げているところが多いと聞きます。その知的資産の評価や活用法を目に見える形で伝えるためにまとめたものが知的資産経営報告書です。報告書の形式,内容はさまざまですが,経営理念や業務の流れ,自社の強み・弱み,ビジネスチャンスや脅威などの外部環境,今後のビジョン,価値創造のストーリーなどで構成されます。  報告書作成のメリットについては,知的資産に詳しい関係者は,自社の競争力の源泉や弱みが明らかになるので,経営改善の役に立つ,一方,金融機関にとってはその企業の将来性の評価に役立つと指摘しています。  知的資産経営を後押しする自治体も出てきており,京都府では「知恵の経営」との名称で,中小企業診断士や行政書士など報告書の作成を支援するナビゲーターを育成し,また知恵の経営を実践する企業を認証し,融資利率の優遇や補助金支給などの支援を行っているようです。  広島県においても,同様の事業を行っています。広島県が行う知的資産経営の支援策は,技術・経営力評価制度と知的資産経営セミナーの開催の二つがあり,技術・経営力評価制度は,評価書を外部機関と連携して作成し,これを活用した資金調達を推進することですが,25年度の実績は申し込みが13件で,評価に基づく融資は6件,1億3000万円の実績となっています。  知的資産経営セミナーの開催は,中小企業の知的資産を見える化するための知的資産経営報告書の作成を支援するもので,25年度は12件の実績にとどまっております。この知的資産経営については,一般的にはまだ十分に活用されていないのが実情のようで,行政書士事務所など一部取材しましたが,作成実績は少ないようです。  しかしながら,関係者が一様に言うことは,知的資産の見える化は必要であり,財務諸表に出てこないものの見える化は従業員のモチベーションアップになり,自社の強みを示すことになるとのことです。  また,この報告書は事業承継にも寄与すると言われています。広島の伝統産業は,針,仏壇,家具,筆などがありますが,こうした産業の経営者の確保,育成のためにも,事業承継をしていく上で,どういったスキルを持っているのかなどの見える化が大事な役割を果たすと言われています。  民間の金融機関の中には,融資を積極的に推進する意欲のあるところも多いようですが,そのための理由としてこの知的資産経営報告書が担保の一部足り得ないかとの指摘もあります。企業としても,報告書を作成するメリットがなければ意味がありません。例えば,市の融資制度に関して知的資産経営報告書が活用されれば,その普及も進み,企業の事業の発展につながるものと思われますがいかがでしょうか。  また,以上の状況を踏まえ,知的資産経営報告書の活用,報告書作成のための支援が欠かせないと思いますが,あわせて当局の御見解を伺います。  次に,AEDについてお伺いします。  心停止状態の人に電気ショックを与えて救命する自動体外式除細動器──AEDの使用が医療従事者以外の一般市民にも解禁されてから10年がたとうとしています。この間,AEDは急速に普及し,国内の設置台数は既に40万台を超えたと見られています。広島市においても,平成18年の一般質問で初めて市議会公明党としてその普及と啓発を訴えておりましたが,その後,公的施設や小・中学校などへの設置が進んでまいりました。  しかしながら,心停止をした人を間近で目撃した市民が実際にAEDを活用した事例はまだまだ少ないようです。設置場所や設置方法,さらに使い手である市民に対する啓発に多くの課題が残っていると言われております。  先日,NHKの朝の報道で,AEDについて取り上げられておりましたが,課題の一つがその使い方がわからないという人が多いということです。電気ショックが必要かどうかは機械が判断してくれるということを知らず,使用をためらう場合もあるようで,2012年に全国で目撃された心停止症例は2万3797件ありますが,AEDの使用はわずか3.7%しかないようです。また,救急通報を受ける自治体の側が,AEDをうまく活用できていないのではないかという問題もあるようです。  NHKが全国20の政令市の消防局と東京消防庁にAEDの設置場所を把握しているかどうかを聞いたところ,14%が全く把握していないと答え,4割近くが設置場所はある程度把握しているが救急通報があったときにその場所を伝えていないとの回答であったようです。  こうした中で,独自の取り組みを行い,AEDの活用を図っている自治体もあります。神戸市では,平成17年にまちかど救急ステーションという制度を立ち上げ,民間施設へのAEDの設置を推進し,また設置箇所を把握しています。神戸市消防局では,心停止が疑われる救急通報を受けると,通報した人に近くのAEDの場所を教え,一刻も早く使ってもらうよう指示しています。また,救急の通報があった場合,通報者にAEDを取りに行ってもらうと往復する時間がかかるため,AEDを置いている施設に直接連絡し,施設の人に現場まで運んでもらうことで時間を少しでも短縮しようという試みも行っているようです。実際,この仕組みが生かされたケースもあるようです。  横浜市では,5年前にAEDの設置を民間施設にまで義務づける条例を施行しました。対象は,駅や一定規模のホテル,デパート,スポーツクラブなどです。その上で,力を入れているのが設置後のAEDの点検です。商業施設などでは,横浜市消防局が指導を行い,毎月1回欠かさず点検しているようです。全国ではAEDのふぐあいやバッテリー切れなどでいざというときに使えないトラブルが起きています。民間のAEDについては,自治体が維持管理にかかわる仕組みがないことも原因の一つと言われています。定期的に点検をすることにより,使い方の確認や実際に何かあったときに使える態勢をとっていくことが重要であるとの認識のようです。  そこで,広島市の対応について何点かお伺いします。  1,市が所管する施設へのAEDの設置状況はどうなっていますか。また,民間施設へのAEDの設置状況についても把握されていればお答えください。  2,広島市においてAEDを活用された状況はどうでしょうか。広島市の設置したAEDの利用状況はどうであるのかも含めてお答えください。AEDの使用により,救命された人はどれぐらいおられますか。  3,神戸市のように,救急車が到着するまでにAEDを活用できる仕組みも大事かと思いますが,いかがお考えでしょうか。  4,施設へ設置されているAEDの点検はどのようになされていますか。また,民間の施設への対応はどうでしょうか。  5,AEDの使い方も含め,さらなる啓発も大事かと思いますが,どのような取り組みを行っているのかお伺いします。  最後に,防火対策についてお伺いします。  昨年2月に,5人が死亡した長崎市の認知症高齢者グループホーム火災を契機に,その再発防止策としてスプリンクラー設備の設置を義務づける基準が見直しされ,その施設の対象範囲が拡大しました。避難が困難な者が入所する高齢者・障害者施設等は,これまで延べ床面積が275平米以上の施設が対象となっていましたが,今回の改正で一部例外を除き,延べ床面積にかかわらずスプリンクラーの設置が義務づけられております。これにより,老人ホームや障害者施設など多くの施設が新たにその対象となっております。  しかし,みずからの施設が設置義務の対象となっているかどうか,まだ知らない関係者も多数おられるのではないかと思います。改正施行令は27年の4月から,また経過措置が平成30年までありますが,関係者への周知は速やかに行う必要があると考えますが,今後どのような対応をとられるのか伺います。  次に,スプリンクラーの設置は費用がかさむため,設置者の負担も大変だと思います。行政としても,可能な限りの助成を行う必要があると考えます。現在,国の助成制度はどのようなものがあり,広島市としてはどういった対応をしているのか,また今後の取り組みをどのように考えているのか,お伺いします。  以上で,私の一般質問を終わります。  御清聴,まことにありがとうございました。(拍手) ○碓井法明 議長       市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       平木議員からの御質問にお答えします。  AEDの活用についての御質問がございました。  近年の高齢化や市民意識の変化などにより,救急出動件数は年々増加しており,本市における救急車が現場に到着するまでの昨年の平均時間は6.3分となっております。こうした状況の中,救急車が到着するまでの応急手当てが重要となっており,とりわけ心肺停止の場合は現場に居合わせた市民が,AEDを使用した応急手当てを行うことが救命のための効果的な方策となっております。  このため,いざというときに市民が必要な応急手当てを行えるよう,平成17年からAEDの使用方法を含む普通救命講習を実施しており,現在まで10万8000人が受講しております。また,119番受診時にAEDの使用が効果的であると思われる場合には,通報者に現場付近のAED設置場所の情報を提供することなども行ってきております。  一方,本市で救急車が到着するまでに市民がAEDを使用した件数を見てみますと,統計を取り始めた平成19年から平成25年までの7年間で49件であり,14名の方が社会復帰されております。引き続き,AEDが必要とされる場所で,より活用が図られるよう努めていかなければならないと認識してます。  そのためには,自助・共助としての応急手当てに対する意識,そして知識を広く市民に浸透させることや,AEDの設置場所を市民にわかりやすく提供することが必要であると考えております。  このため,今年度から中学生,高校生を対象とした普通救命講習を開始し,若年層からの意識や知識の向上にも取り組んでおります。また,今後,議員御提案のありましたように,他都市の状況も踏まえながら,AEDの設置位置等を地図情報を活用し,わかりやすい形で市民に提供するなど,市民がAEDをより活用しやすい仕組みづくりに取り組み,市民が安全・安心に暮らせるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。  その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。 ○碓井法明 議長       健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    AEDの活用について,3点お答えいたします。  市所管施設へのAEDの設置状況,民間施設へのAEDの設置状況についてのお尋ねについてです。  本市では,平成19年に広島市が管理する公的施設等におけるAED整備ガイドラインを作成し,優先順位を定めて効率的かつ計画的にAEDの整備を進めています。この結果,平成26年4月末現在での本市の1,188施設のうち,492施設にAEDを整備しており,整備率は41.4%となっております。そのうち,優先順位を1位としている高等学校,中学校,体育施設,交通施設等については153施設のうち137施設に整備しており,整備率は89.5%です。優先順位2位のコミュニティー施設,小学校,市営住宅,ホール施設等については793施設のうち292施設に整備しており,整備率は36.8%となっています。優先順位3位としている幼稚園,保育園,事業所,事務所等については242施設のうち63施設に設置しており,整備率は26.0%となっています。  次に,市の施設に設置されているAEDの利用状況,活用状況ですが,昨年5月1日から本年4月30日までの1年間,本市の施設においてAEDが使用された事例は市立病院と消防署のみでありまして,その他の施設で使用された事例はありません。  次に,AEDの点検はどのようにしているかについてです。  本市のAED整備ガイドラインには,整備したAEDを常時使用可能な状態を維持するよう責任者を定め管理すると規定しており,これを踏まえ各施設において点検が行われております。具体的には,スポーツセンターではトレーニング室の設備等の始業点検の際に点検しており,市役所本庁舎及び議会棟では,開庁日の日中に点検しています。また,学校では授業の行われる日の日中に点検しております。なお,民間の施設に設置されているAEDについては,本市では保守・管理を行っていないため,点検の状況は把握しておりません。  それから,申しわけございません。設置箇所数について,民間施設についてお答えが漏れておりました。民間施設については,一般財団法人日本救急医療財団のホームページでAEDの設置場所を確認することができます。同財団のホームページによりますと,平成26年6月19日現在で,広島市には公的施設,民間施設合わせて1,352施設に整備されております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       消防局長。 ◎滝澤宏二 消防局長     AEDを使用した応急手当の必要性の啓発への取り組みの御質問ございました。  本市では,普通救命講習や救急教室でのAEDの実技体験や,防災訓練などの地域行事でのAEDの紹介,実演のほか,女性消防団員によるAEDを使った寸劇などを通じて,AEDを使用した応急手当ての必要性の啓発に努めています。  また,本市のホームページに応急手当てに関する情報やAEDの使い方などの動画を掲載し,広報にも努めております。  さらに,今年度からは,先ほど市長が御答弁申し上げましたように,中学生,高校生を対象とした普通救命講習を開始したほか,新たにAEDの使い方などを説明したDVDの貸し出しなども行っております。  今後とも,こうした取り組みを継続するとともに,本市の広報紙やデジタルサイネージなどの広報媒体も活用し,AEDを使用した応急手当ての必要性について,一層の啓発を図ってまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       都市整備局長。 ◎西岡誠治 都市整備局長   私からは,サッカースタジアムの建設と旧市民球場跡地の活用について,2点お答えいたします。  まず,今回の意識調査の結果,市の活用方策や旧市民球場跡地の活用に当たっての法的制約等の制限内容の認知度が低いことがわかったが,この結果をどう受けとめているのか,今後の対応を含め市当局の考えを伺いたいという御質問がございました。  旧市民球場跡地の活用につきましては,市民の各界,各層からなる旧市民球場跡地委員会を設け,制約条件などの検討に必要なデータをお示ししながら,公開の場でさまざまな視点から議論を行っていただきました。また,昨年3月に策定した旧市民球場跡地の活用方策につきましても,記者会見を通じたマスコミ報道,市の広報紙やホームページの活用により市民への周知に努めてまいりました。  しかしながら,今回の意識調査において,制約条件や活用方策を御存じない方が一定程度おられるという結果が出たことについては,我々としましても真摯に受けとめたいと考えております。  議員に意識調査を実施していただいたことで,旧市民球場跡地の活用に関する市民の理解度や具体的な意見を把握できたことは,本市にとっても非常に有意義なことであったと考えており,調査から見えてくる反省点を今後の跡地活用の具体化や市民への周知などに生かしてまいります。  次に,サッカースタジアム検討協議会において,旧市民球場跡地が適地とされた場合には,市の活用方策と比較検討することになる。比較検討に当たっては市民の声を十分酌み取り,対話していく必要があると思うがどうかという御質問でございました。  旧市民球場跡地は,広島市の発展にとって重要なエリアであり,その活用に当たっては市民のコンセンサスを得ながら進めていく必要があると認識いたしております。今後サッカースタジアム検討協議会において,制約条件も含めさまざまな視点で旧市民球場跡地を含む検討候補地の評価,検討が行われ,秋には最終取りまとめが行われる予定になっております。  この最終取りまとめにおいて,旧市民球場跡地が適地とされた場合には,県,市,商工会議所,県サッカー協会の四者の協議を経た上で,市の活用方策と比較検討することになりますが,その際には今回の意識調査を含め,これまでいただいた市民や議会からの御意見も十分に踏まえて判断したいと考えています。  また,検討結果の公表に当たっては,整備後の姿を具体的にイメージしていただけるわかりやすい資料を作成し,判断の理由を含め丁寧な説明を行うなど,市民の理解と合意形成にしっかり取り組んでまいります。  以上です。 ○碓井法明 議長       都市整備局指導担当局長。 ◎佐名田敬荘 都市整備局指導担当局長  PFI事業と工事契約の変更について,5点の質問がございました。  まず,吉島住宅の建てかえにPFI事業の手法を採用した目的についてお答えをいたします。  吉島住宅の建てかえにつきましては,民間事業者の住宅建設に関する豊富なノウハウや創意工夫が発揮されることにより,多様な入居者ニーズに応じた住宅の整備が期待できること,また余剰地の活用と市営住宅の整備を一体的に行えること,あわせて民間資金の活用などによる建設コストの縮減も見込まれることから,PFI事業として実施することとしたものでございます。  次に,事業者の創意工夫の尊重とそのチェックの仕組みについてお答えいたします。  吉島住宅のPFI事業におきましては,一定レベル以上の品質を確保するため,要求水準等を規定し,モニタリングと呼ばれる履行状況の確認などを行うこととしておりますが,事業者からの創意工夫に基づく提案が要求水準等を満足している場合は,これを尊重し,事業者と協議,調整しながら事業を進める仕組みとしております。  次に,民間事業者からの提案に対する基本スタンスについてでございます。  吉島住宅におきましては,民間のノウハウを活用するというPFI事業を導入した趣旨を十分に認識し,今後とも,事業者の創意工夫がより一層発揮されるよう,提案を積極的に促してまいります。  次に,PFI事業契約における建設資材の高騰などに対応する仕組みについてでございます。  吉島住宅のPFIでは,事業者との契約において,御質問のような物価変動に基づく市営住宅の整備費の調整について定めております。具体的には,本事業の入札公告時と市営住宅の完成前とを比較して,資材,労務単価等を含めた建設工事に関する物価変動率がプラスマイナス1.5%を超える場合には,その物価変動率と1.5%の差分に相当する額について市営住宅の整備費を変更して支払うこととしております。また,そのような対応とは別に,特別な要因により建設期間内に鋼材などの主要な工事材料の価格に著しい変動が生じ,市営住宅の整備費が不適当となった場合についても変更することといたしております。  最後に,本市の工事契約における労務単価の上昇による契約の見直しの状況と,国からの通知に基づく新労務単価の適用状況についてでございます。  本市の工事契約において,労務単価の上昇を理由に請負代金を変更した事例はまだございませんが,現在,五つの工事について受注者の申し出を受け,契約約款に基づき変更の協議を進めております。  次に,本年1月30日付で国から通知のあった新労務単価につきましては,2月1日以降積算作業に着手した工事から適用するとともに,旧労務単価で契約した工事であっても,2月1日以降に契約した工事につきましては,受注者から申し出があった場合に新旧労務単価の差額分について,請負代金の変更を行うことといたしております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       経済観光局長。 ◎谷本睦志 経済観光局長   知的資産経営の推進について,知的資産経営報告書の作成への支援,普及に関しての御質問についてお答えいたします。  中小企業がみずからの持つ知的資産を把握し,資金調達や販路拡大などに活用するという知的資産経営は有効なものと認知され始めており,議員御提案のとおり,今後具体的には,事業者による知的資産経営報告書の作成や,金融機関・取引先における活用を促すことが重要であると考えています。  一方,中小企業支援に関しては,市と県が連携して取り組むこととしており,本市は周辺地域を含めた県西部地域における総合的な相談業務を担い,県はチーム型支援や技術・経営力評価支援などの専門的な支援業務を担うことで,利用する企業にとってわかりやすい支援体制を構築することとしております。  このため,広島県において,平成25年度から,中小企業や金融機関が知的資産経営報告書を作成するに当たって,公益財団法人ひろしま産業振興機構に金融機関出身の専門家を配置し,中小企業が持つ知的資産について,外部評価機関の専門家に現地ヒアリングを行わせた上で,同機構の技術・経営力評価支援委員会で評価し,その信頼性を高めることで報告書の作成や活用を促進しております。  また,知的資産経営報告書の一般的な普及啓発を図るため,中小企業に対する報告書作成セミナーや金融機関に対する啓発セミナーを実施しております。  本市といたしましては,県との協議の中で,県の施策の普及・啓発を図るため,金融機関に対しては市の制度融資実行時に報告書を活用して,財務諸表だけにとらわれない積極的な融資判断をするよう働きかけるとともに,中小企業に対してはさまざまな相談業務等の中で紹介するなどの取り組みを行うこととしており,積極的に協力して取り組んでまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    防火対策についてお答えいたします。  スプリンクラーの設置の国の補助制度,市の対応,今度の取り組みについてです。  高齢者・障害者施設等へのスプリンクラー設置に係る国の補助制度としては,地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金や,社会福祉施設等施設整備補助金,社会福祉施設等耐震化等臨時特例交付金があり,これまでも認知症高齢者のグループホームや障害者支援施設等へのスプリンクラー設置に際し,こうした制度を活用しています。  自力で避難することが困難な要介護者等が入居する高齢者・障害者施設において,スプリンクラーの設置は,入居者の生命と安全を確保する上で大変重要と考えております。このため,本市としては,消防法施行令の改正に伴い,スプリンクラー設備の設置義務が新たに課される施設のうち,未設置となっている施設に対し,改めて補助制度の周知を図り,期限内の設置を指導することなどにより,設置期限である平成30年3月末までに整備が完了するよう,関係部局と連携して取り組んでまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       消防局長。 ◎滝澤宏二 消防局長     新たにスプリンクラー設備が必要となる施設の関係者に対し,どのように周知していくのかという御質問でございます。  消防法施行令の改正により,新たにスプリンクラー設備が必要となる施設の関係者に対して,改正内容の説明資料を送付しているほか,本市ホームページにも同様の内容のお知らせを掲載し,周知を図っております。  また,現在,消防署の予防課員がこれらの施設の立入検査を順次実施し,実態調査を行うとともに施設の関係者に改正内容の説明を行っているところです。  今後も,施設の関係者が集まる会合で説明を行うなど,あらゆる機会を捉えて周知に努め,着実に整備が行われるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       29番平木議員。
    ◆29番(平木典道議員) 済みません。ちょっと1点だけ確認をさせていただきたいんですが,球場跡地の私が実施した意識調査に関して,非常に有意義であるというような評価をいただいて,大変ありがたいと思っているんですが,広島市として今後その検討を重ねていく上で,同様の調査を広島市独自としてされるようなことはあるのかどうか。その辺は,いかがでしょうか。 ○碓井法明 議長       都市整備局長。 ◎西岡誠治 都市整備局長   現時点では,予定はございませんが,さまざまきょう御指摘もいただいたことですし,承った内容なども参考にしながら今後の判断材料にさせていただきたいと思います。  以上です。 ○碓井法明 議長       以上で一般質問を終わります。 ───────────────────────────────────────                休   憩   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       この際,暫時休憩いたします。                 午前11時42分休憩 ───────────────────────────────────────                 午後1時03分開議                 出席議員  47名                 欠席議員  5名 ○碓井法明 議長       出席議員47名であります。 ───────────────────────────────────────                    開議宣告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       休憩前に引き続き会議を開きます。 ─────────────────────────────────────── △日程第2┌自第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)      ┤      └至第87号議案 専決処分の承認について              (地方独立行政法人広島市立病院機構中期計画の認可) ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       日程第2,第63号議案から第87号議案を一括議題といたします。  これより質疑に入ります。  発言通告者に,発言を許します。 ○碓井法明 議長       11番近松里子議員。                〔11番近松里子議員登壇〕(拍手) ◆11番(近松里子議員) 日本共産党,近松里子です。  市議団を代表しまして質疑を行います。  第63号議案,平成26年度広島市一般会計補正予算について,広島ブランドの海外プロモーション事業についてお聞きします。  広島県の湯崎知事は,6月県議会で世界と直結するビジネス支援の取り組みとして,次のように報告しました。安倍首相の訪英に合わせてロンドンにおいてジェトロが開催した対日投資セミナーに参加し,広島県への投資を呼びかけるプレゼンテーションを行うとともに,来場者に対して広島県産品のPRを行った,国内外から広島県への投資は重要であり,今後もこうした機会を捉え,広島への投資を積極的にPRしていくというものです。さらに,日本酒のブランド力向上のため,フランスにおいて有名レストランなどへの販路開拓の取り組みを進めるほか,メディアを活用したプロモーションの実施やイベントの開催経費を6月補正予算に計上したと続けました。  本市もこの県と共同で,経済団体も含めて実行委員会を立ち上げて,フランスで広島ブランドのプロモーション事業に取り組むとされています。  そこで,この事業についてお聞きします。  このプロモーション事業を実施する本市の目的は何でしょうか。なぜ,フランスで実施するんでしょうか。本市として,どのような内容のプロモーションを実施し,どのような効果を見込んでいるんでしょうか。  次に,第67号議案,広島市いじめ防止対策推進審議会条例の制定について,お聞きします。  大津市のいじめ自殺事件を契機に,昨年6月に国においていじめ防止対策推進法が成立し,本市もことしの3月広島市いじめ防止等のための基本方針を策定しました。これまで,いじめられる本人にも問題があるとして間接的にいじめを肯定してしまうような風潮が一部にありましたが,基本方針の「はじめに」の中で,いじめは人権侵害であり,子供の成長や人格形成に重大な影響を与え,生命,身体に重大な危険を生じる恐れがあるもので,絶対に許されないとはっきりうたっています。  そして,大津市のいじめ自殺事件が示したのは,学校や行政がいじめを放置したり隠蔽したりすることは,子供の人権と命にかかわる重大な安全配慮義務違反に当たるということです。教職員が子供の気になる変化やいじめに気づいたとき,絶対に後回しにせず学校全体で機敏に対応することが求められているということです。  今回設置する広島市いじめ防止対策推進審議会は,重大ないじめ事案を初め重要な事項を調査,審議するとしています。  そこでお伺いします。  広島市いじめ防止対策推進審議会は,具体的にどのようなことを調査するんでしょうか。これまでさまざまないじめ事件が隠されてきたことから,広島市いじめ防止対策推進審議会は公平,中立でなければならないと考えますが,委員のメンバーはどのように考えていますか。この審議会での調査を初め,被害者と家族に調査結果がきちんと知らされることが求められています。どのようにお考えでしょうか。国の基本的方針では,教育委員会の附属機関ではない行政の長の下に,調停などや調査の機能を持つ第三者機関の設置を置くことも例示されていますが,どのようにお考えでしょうか。  第68号議案,広島市市税条例等の一部改正についてです。  一つは,法人市民税額の引き下げです。国は地方法人税という国税を創設しました。消費税増税で地方交付税交付団体と不交付団体の格差が拡大するからと,地方間の財政格差を解消するためだとして,地方交付税の財源にするというものです。県や市の法人住民税額の4.4%をこれに充てて,それに伴いこれまで12.3%であった本市の法人市民税額を9.7%に引き下げるとしています。本市で試算した場合,この法人市民税2.6%の減額は,幾らの減収になるんでしょうか。  また,この格差是正のための地方交付税の本市への配分額はどのようになるんでしょうか。全額還元されるんでしょうか。国は,今後消費税を10%に増税したときには,さらに市の法人市民税を国税化する方向です。ますます地方財源の地方消費税の割合が高くなり,低所得者に負担が重く,中小業者を廃業に追い込むこの不公平な税制に依存することになります。  そもそも地方の格差是正は,地方と都市の間の水平的な分配で進めるべきではありません。国の責任で地方交付税の法定率引き上げなど,財源を保証するように広島市としても求めるべきではありませんか。  次に,軽自動車税の税額の引き上げについてお聞きします。来年度から原動機付自転車やオートバイ,軽自動車の税率を引き上げるとしています。排気量50㏄以下の原付は,今乗っているのから現行1,000円が2,000円と2倍になります。来年購入の四輪の軽自動車は,再来年から自家用が7,200円が1万800円に,1.5倍に上がります。今年度の四輪の軽自動車の課税台数は2010年と比較してどのように推移していますか。  今回の税率引き上げで,三輪及び四輪を除くもの,すなわち来年度から直ちに増税となる原付バイクなどの軽自動車税の増収はどのぐらい見込まれていますか。  消費税増税と自動車取得税は,二重課税だと主張する自動車業界からの強力な働きかけがあって,ことしから県税の自動車取得税は2%引き下げられました。来年10月から消費税10%になれば,これを全廃し,軽自動車への増税はその穴埋めであるとも言われています。道路などの補修の財源とされている自動車取得税を原資にした交付金は,昨年度10億円ありました。今年度は自動車取得税が引き下げられて,交付金も半分の5億円となりました。今後,廃止されるとしたら自動車取得税交付金の減収,どのように補填されるんでしょうか。  最後に,第87号議案,独立行政法人広島市立病院機構が作成した中期計画についてお聞きします。  中期計画では,独立法人への移行後も自治体病院として市民によりよい医療を提供する重い責任があると前文に明記しています。そのために必要な人材を確保し,育成に努め,職員が意欲的に働くことができるように,働きやすい職場環境への改善を図るとしています。  旧病院事業局は,独法化への議論の中で移行することのメリットとして,定数の縛りがなくなり,看護職員の増員が可能となり負担軽減できるという旨の答弁を繰り返してきました。今年度は,夜勤の回数を減らすなどの改善を行うために,看護職員を47名増員する募集を行ったと聞きます。4月1日に採用予定の看護職員は確保できたんでしょうか。募集人員,応募人数,合格者数,採用人数をお聞かせください。  昨年,看護師などの労働組合である日本医労連が,全国で3万2000名にアンケートを行いました。約75%がやめたいと考えたことがあると答えています。子供が小さいので夜勤に出るのがつらい,といった声が寄せられています。夜勤の負担が重い,心身ともに疲れてやめていく,人手不足になりさらに夜勤の回数がふえるという悪循環に陥っています。  2011年,厚労省の五つの局から,看護職員の雇用の質の向上のための取り組みについてという通知が出され,看護師不足対策には夜勤などを抑える離職防止が何より大事だというのは共通認識にいまやなっています。医療の高度化,入院日数の短縮などますます過酷さを増す医療現場に,夜勤の規制などの抜本的な対策が国に求められています。  医師,看護師の増員などで救急患者の受け入れ態勢も強化すると,中期計画でもうたっています。こうしたよりよい医療を提供するために,必要な人材を確保するとした中期計画を達成するため,今後どのように看護職員を確保されるのか,お考えをお聞かせください。  以上で終わります。(拍手) ○碓井法明 議長       財政局長。 ◎岡村清治 財政局長     第68号議案,広島市市税条例等の一部改正についての御質問にお答えいたします。  まず,法人市民税の税率を引き下げることに関しての御質問でございます。  法人市民税法人税割の減収額は幾らになるかというお尋ねでしたが,この法人市民税法人税割の税率引き下げに係る減収額については,法人税割の平成24年度決算額に引き下げられる税率2.6%を乗じて計算しますと,約33億7000万円となります。  次に,格差是正のための地方交付税の本市への配分額はどのようになるのか,全額還元されるのかという御質問でございます。  法人税割の一部が国税化されて,地方交付税の原資の一部となりますが,各自治体に還元される額については,地方交付税が各自治体ごとに毎年度算定されるものであるため,算出することはできません。  次に,地方の格差是正は国の責任で行うよう求めるべきではないかという御質問です。  地域間の税源偏在の是正は,議員御指摘のとおり,地方税の一部国税化による調整ではなく,地方税財源拡充の中で地方交付税なども含め一体的に行うべきであると考えております。その旨をかねてから指定都市の市長会及び議長会の連名による国の施策及び予算に関する提案,いわゆる白本等におきまして国に働きかけているところでございます。  続いて,軽自動車税の税率を引き上げることについての御質問でございます。  まず,四輪の軽自動車の課税台数の推移についてのお尋ねでございました。  今年度の当初賦課に係る四輪の軽自動車の課税台数は,自家用と営業用合わせて20万1551台であり,平成22年,2010年度の当初賦課の課税台数18万4591台に比べて,1万6960台の増加となっております。  それから,原動機付自転車等の税率の引き上げによる増収額は幾らになるかというお尋ねでした。  軽自動車税の課税対象のうち,三輪及び四輪の軽自動車を除いた原動機付自転車等の税率引き上げによる増収額につきましては,平成26年度の登録台数に基づいて計算しますと約1億5000万円となります。  最後に,今後,自動車取得税が廃止されると自動車取得税交付金の減収はどのように補填されるのかというお尋ねでした。  消費税法の一部改正法,これの第7条におきまして,自動車取得税については,国及び地方を通じた関連税制のあり方の見直しを行い,安定的な財源を確保した上で,地方財政にも配慮しつつ見直しを行う,その旨が規定されております。  したがって,自動車取得税及び自動車取得税交付金の廃止に当たっては,国において,地方財政に影響を与えないよう,関連税制の見直しを行われるものと認識いたしております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    第87号議案,市立病院機構中期計画の認可の専決処分の承認に関する御質問にお答えをいたします。  まず,市立病院の看護師について,4月1日採用予定の看護師は確保できたのか,応募人数,採用人数等聞きたいということでした。  今年度の広島市立病院機構の看護師採用の状況ですが,募集人員180人に対して応募者が158人でした。試験の合格者は150人でしたが,その後,辞退者や看護師国家試験に合格しなかった者がおり,最終的な採用者は109人となりました。その結果,平成26年度における必要看護師数としておりました1,383人に対して,4月1日時点では1,355人となり,結果的に28人不足ということになりました。看護師の必要数1,383人には,議員から御指摘もありました職場環境の改善のための増員47人を含んでいますので,28人の不足が当面の診療体制に影響を与えるということはありませんが,職場環境改善が不十分という状態になっています。  このため,この5月25日に看護師の免許を有している実務経験者を対象とした経験者採用試験を実施し,これにより18人を決め,順次中途採用しているところです。  次に,今後の取り組みについてですが,市立病院機構においては,まず今年度については看護師の不足数は今後,年度中途の普通退職により増加することが見込まれることから,平成27年度採用試験の合格者の前倒し採用や,臨時看護師の採用により不足を補っていくことにしています。  来年度以降の採用者の確保については,看護師採用試験での採用年齢の引き上げ,採用試験一次募集の結果を見た上での二次募集の実施,市内や県内,近隣市町の看護師養成施設への訪問によるPR,募集パンフレットの充実やインターネットによる就職支援サイトの活用などに取り組み,できるだけ多く看護師が確保できるよう努めていくことにしています。  なお,全国的に看護師の不足が顕在化し,県内も同様の状況にあります。このため,行政サイドの取り組みとして,本市では,一昨年度から広島県看護協会と共催し,離職した看護師の復職支援セミナーを実施しており,さらに今年度からは,市民に身近な区役所等において,看護師の復職支援のための相談会を開催しています。  今後とも,こうした取り組みなどを通じて,看護師の確保を促進していきたいと考えております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       経済観光局長。 ◎谷本睦志 経済観光局長   第63号議案,平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)のうち,広島ブランドの海外プロモーション事業についての御質問にお答えいたします。  まず,事業を実施する目的についてです。  国は,衣食住やアニメ,ドラマ,音楽等の日本文化の魅力を世界に発信し,海外需要を獲得することで経済成長につなげるクールジャパンの推進に向けた取り組みを展開しております。  このような中,広島経済の牽引役を担う本市としても,広島産品の消費拡大や誘客の促進を通じて地域経済の活性化を図るため,国からの助成も受けて県や地元経済団体等と連携し,官民一体となって広島の食や産品,観光,文化等に関する海外プロモーションを実施するものでございます。  次に,なぜフランスで実施するのかという御質問です。  フランスは,世界の食やファッション等の文化の中心地で,世界最大の観光立国として世界的な情報発信力があり,プロモーションの実施によって,広島に対する世界の関心を高めることができます。また,広島県はフランス人観光客が訪れる全国第4位の人気の観光地で,その大部分が本市やその周辺を訪れていることからプロモーションの効果が高いと考えたものです。  次に,事業内容と実施効果についてです。  本事業では,民間のイベント会場において,食や観光,モードという幅広い分野をテーマにした広島の産品等の展示・試食イベントや現地企業担当者との商談会の開催,また,在フランス日本国大使公邸において,現地の企業・メディア関係者を招待し,広島の産品等を紹介するレセプションパーティーの開催,さらに広島の食や観光,文化等を素材にした映像を作成し,イベント会場や現地で人気の高い日本紹介テレビ番組で放映するなど,独自のPR映像や現地のメディアも活用しながら効果的なプロモーションを予定しております。  このたびのプロモーションには複数の市内企業の参加を見込んでおり,現地企業担当者との商談等を通じて,海外の消費者が求める商品の内容や市場の動向など,販路開拓に関する重要な情報が効果的に入手できるとともに,商談成立による新たなビジネス機会の創出が期待できます。  また,産品等の展示・試食イベントや現地テレビ番組での放映等を通じて,広島に対する海外の関心が一層高まることによって,観光客の誘致促進や産品の消費拡大による地域経済の活性化につながるものと考えております。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       教育長。
    ◎尾形完治 教育長      第67号議案,広島市いじめ防止対策推進審議会条例の制定についての4点の質問にお答えを申し上げます。  まず,広島市いじめ防止対策推進審議会は,具体的にはどのようなことを調査,審議するのかのお尋ねでございます。  広島市いじめ防止対策推進審議会は,教育委員会の諮問に応じ,広島市基本方針に基づき,いじめ防止等の対策の進捗状況について専門的知見からの審議を行います。また,教育委員会の求めに応じて,学校におけるいじめの事案について,その要因,背景,学校の対応などを調査いたします。  次に,公平,中立でなければならないと思うが,委員はどのようなメンバーを考えているのか,でございます。  広島市いじめ防止対策推進審議会は,専門的知識及び経験を有する第三者により構成し,公平性,中立性を確保いたします。具体的には,委員は5名以内をもって組織することになっており,弁護士,臨床心理士,社会福祉士,大学教授,元警察官を予定しております。  次に,重大事態の調査を行った場合,いじめの被害者やその家族に調査結果をきちんと伝えることが重要であると考えるが,どのように対応するのかということでございます。  教育委員会としては,重大事態に至らぬよう,いじめの未然防止,早期発見,早期対応に全力を尽くしますが,万が一重大事態が発生した場合は,その事実関係を明確にするため調査を実施し,いじめを受けた児童生徒やその保護者等に対して,調査により明らかになった事実関係や,その他の必要な情報について,適時,適切な方法で説明をいたします。  最後に,国の基本方針では教育委員会の附属機関ではない行政の長のもとに審議,調査等の機能を持つ第三者機関の設置を置くことも例示されているが,どのように考えているのかの御質問でございます。  重大事態が発生した場合,学校は校内に常設しています学校いじめ防止委員会を母体とした調査組織を設置し,事実関係を明確にするための調査を行い,その結果を教育委員会に報告いたします。教育委員会は,この調査組織の編成に当たり,必要に応じて専門的知識を有する者を学校に派遣し,調査に万全を期します。その上で,教育委員会として,さらに調査が必要であると判断した場合,公平・中立な第三者機関であるいじめ防止対策推進審議会に調査を要請いたします。  このように,教育委員会として,責任を持って重大事態に係る事実関係を迅速,かつ正確に調査を行い,その結果をいじめを受けた児童生徒や,その保護者等に正しく伝えるとともに,調査結果を踏まえて再発防止のさらなる取り組みを行っていくことが肝要であると考えております。もちろん,重大事態が発生した場合には,速やかに市長に報告し,その調査の経過や結果についても逐次報告を行ってまいります。  こうしたことから,本市では審議や調査等の機能を持つ第三者機関については,教育委員会の附属機関として設置することとし,本市のいじめ防止等のための基本方針に位置づけたものでございます。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       11番近松議員。 ◆11番(近松里子議員) 4点のことについて,お聞かせいただきました。  そうですね,海外プロモーション事業についてですが,湯崎県知事さんの県議会での話を引用させていただいたんですが,民間が海外へ販路拡大で出ていくのは大いに結構なことだと思うんですが,しかし自治体が外国との関係で,何事もビジネス優先というようなことを考えていくというのには,私はちょっと違和感があります。  文化ですとか,歴史ですとか,広島の場合でしたら平和の発信など,さまざまな項目がやはりその関係をつくっていく上であるんじゃないかなというふうな思いがしますので,そういうところもちょっと指摘させていただきたいと思います。  それから,市税の改正についてですが,軽自動車がいまや4割を示すというふうに言われているそうです。きょうも御答弁いただきましたら,5年前から比べても1万7000台,ふえているということでした。軽自動車も原付のバイクも,やっぱり庶民にとっては足であると思います。今回は消費税が上がるからということで,高級車を含む自動車のほうは優遇されて,そして軽自動車には消費税増税と二重の増税になるということになります。自動車メーカーのスズキの会長さんが,マスコミを通じて,これは弱い者いじめだと言われたのをテレビでも見ましたが,まさにそういうことじゃないかと思います。  そして,病院機構の中期計画についてちょっとお聞かせいただきました。専決処分の賛否を問うという問題だったのでどうかと思いましたが,独法化に移ったちょうど今ですから,大切なことかと思いまして質問させていただきました。  47名ふやそうと思ったけれど,180名募集をかけて104名しか採用ができなかったということでした。新規採用が思うほど応募がなかったということです。独法化で定数も制限がなくなって,人もふやし,働きやすい職場になると言われたんですが,これがちょっと空手形だったのかなというような気がいたします。  中期計画では,これが絵に描いた餅にならないようによりよい医療の提供のために,職員が働き続けられるような医療現場にぜひともしていただきたいと,そういうことを求めたいと思います。  最後に,いじめ防止の審議会の役割についてもお聞かせいただきました。  第三者機関というのが公平,中立な組織であるということが大事だということでおっしゃったと思うんですが,重大ないじめの事案については,やはり第三者機関というのがあれば,教育委員会から独立した組織であるのが公平性,中立性が徹底できるんじゃないかなと,私は認識したんですけど,もしそういう場合にはそうした対応もなさるということなんでしょうか。ちょっと,最後にそれだけもう一回確認させてください。 ○碓井法明 議長       教育長。 ◎尾形完治 教育長      先ほど,御答弁いたしたところでございますけども,この審議会というのは,専門的知識及び経験を有する第三者であって,これは職能団体,あるいは大学等からの推薦によって参加を図ることによって,調査の公平性,中立性は確保できるものと考えております。  いずれにいたしましても,重大な事態を含むいじめに対しまして,事実関係を迅速,かつ正確に調査して,その結果をいじめを受けた児童生徒,保護者等に対して正しく伝えるとともに,その結果を踏まえて再発防止のために全力で取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       11番近松議員。 ◆11番(近松里子議員) 第三者機関は公正,中立でないといけないということと,保護者に対して知る権利をしっかりと確保していただきたいということがあります。  そして,これは重大ないじめの事案が起こったときの場合ですが,何よりもいじめがあったら,ささやかなサインも見逃さないとか,一人一人が大切にされるいじめのないクラスをつくっていくとか,そういう日々の教育の営みがとても大切だと思います。  そういう点では,OECDでの調査の結果,日本の教員は一番長時間毎日遅くまで残って,そして休日も働いているということでした。そういうような教育状況をしっかりと整備していく,そして子供たち一人一人が行き届いた教育が行われるような,今,本市では足踏みになっている35人学級,これを中3までしっかりとやっていただきたい。これを要望しまして,終わります。 ○碓井法明 議長       以上で質疑を終結いたします。  ただいま上程中の議案は,お手元に配付してあります議案等付託表のとおり,それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 ─────────────────────────────────────── △日程第3 諮問第14号 異議申立てに対する決定について ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       次は,日程第3,諮問第14号,異議申立てに対する決定についてを議題といたします。  これより質疑に入ります。  発言通告者に,発言を許します。  25番馬庭恭子議員。                〔25番馬庭恭子議員登壇〕(拍手) ◆25番(馬庭恭子議員) 市政改革ネットワークの馬庭恭子です。  諮問第14号,異議申立てに対する決定についての質疑を行います。  このたび,下水道使用料の請求について,5世帯と2事業者が異議を申し立てています。その結果,棄却する方針ということです。  そこでお伺いいたします。  まだ請求手続が終了していない案件が278件あります。その中で,同様に異議申立てがされる可能性もあります。それは,どのようにお考えでしょうか。  また,請求手続が終了するのはいつになるのでしょうか,お答えください。  次に,この異議申立ての請求額が7万5000円から284万円と幅があります。また,背景はそれぞれ異なっています。特に,公共料金が口座引き落としということであれば,地元の銀行の通帳には概要として漢字で水道,引き落とし元の広島市水道局の印字が片仮名でヒロシマシスイドウキョクと記載されているのみです。水道料金と下水道使用料がどういう仕組みで算定されて,どう徴収されるのか,情報としてわかりにくいという市民はたくさんいます。ですから,まさに寝耳に水,怒り心頭という心情でしょう。  しかし,このまま支払いを市民が拒否するとどうなるのかお答えください。  最後に,広島市下水道条例の第64条には,市の確認を受けないで排水設備工事をしたり,排水設備工事の届け出,報告を怠った者などに対して,13項目にわたる下水道事業に関する罰則規定と過料を科することの旨が定められています。また,第65条には,偽り,不正な手段により使用料,占用料の徴収を免れた者に対し免れた金額の5倍に相当する金額の過料を科すということが定められています。  しかし,これらの条例があるにしても,今回のように過去の事象で原因が特定できないこともあり,今後同様な事例が二度と起きないような対策を立案することこそが市民の皆様に御迷惑をかけないことになるのではと思います。  こういった事象に対しての再発防止策をどのようにお考えかお答えください。  以上です。 ○碓井法明 議長       下水道局長。 ◎新谷耕治 下水道局長    異議申立てに対する決定について,3問の御質問がありましたので,順次お答えいたします。  まず,異議申立てを出される可能性と手続終了の時期についてでございます。  下水道使用料の納付の依頼につきましては,昨年10月から戸別に訪問し,本人にお会いした上で,これまでの経緯や支払い義務があることなどを丁寧に説明し,順次納入通知書を送付してまいりました。平成26年3月末現在で,1,712件の方に納付通知書を送付いたしましたが,278件の方につきましては不在でお会いできない,納付に対して理解が得られないといった理由で,納入通知書を送付できておりません。  今後,納入通知書を送付することにより,異議申立てが出される可能性はないとは言えませんが,できるだけそういう事態が起こらないよう納入通知書の送付に当たっては,お会いした上で丁寧に説明し,理解を得る努力をしていきたいと考えております。  このため,現時点では納入依頼完了時期の見通しは立っておりませんが,できるだけ早く全員に納入通知書が送付できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に,市民が拒否した場合についてでございます。  支払いを拒否された場合には,下水道の使用開始時からお支払いいただいている他の下水道使用者との公平性を図る上でも,最終的には滞納処分について検討せざるを得ないと考えております。しかしながら,現時点では,まず納付いただいていない方に対し,引き続き丁寧に説明し,理解を得るよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。  最後に,再発防止策についてでございます。  本市としては,下水道事業を開始して以来,長い歴史の中でこのような請求漏れの問題について,みずから取り上げ,明らかにしたのは初めてのことです。本来なら,これまでの段階でチェックしておくべき問題であったとも考えられますが,今回このような問題を解決しようと取り上げた以上,二度と起こさないように早急に再発防止策を講じていかなければならないと考えております。  こういった考え方に沿って,既に,市の事務処理ミスを防止するため,事務処理マニュアルの充実や下水道使用料の賦課確認に係るダブルチェックの徹底,無届工事や散水栓の転用による下水道接続を未然に防止するため,建築業者や指定工事店に対し工事手続を必ず行うよう周知,そして水栓増設の際に排水設備設置に係る手続漏れを防止するため,水道局と連携して水栓情報の提供を受け,その情報に基づく現地確認などを実施しております。  また,本年8月からは,使用者にお配りする使用水量のお知らせに,下水道使用料が賦課されていないことがよりわかりやすくなるよう表示を変更することにしています。  以上でございます。 ○碓井法明 議長       25番馬庭議員。 ◆25番(馬庭恭子議員) 具体的な再発防止策を言っていただいてすごくわかりやすかったんですけど,やっぱり市民が水道をひねれば水が出て,水を自分たちは利用しているんだという実感はあるんですけど,下水道を使用しているという実感がないというのもすごく問題かなと思うんですが,市民に下水道料金がどういうふうに算定されるのかとか,せっかく市民と市政も出てるわけですから,そういうところをうまく市民の人にわかりやすく伝えてもらうというのも防止策の一つとして入れていただけたら非常に生産的なのかなと思うんですね。  二度とこういうことが起こらないようにしてもらわないと,もう不服申し立てがどんどん出てきて,本当に寝耳に水のグループの人が不服を言うっていうのは,私とても理解できるんです。もう少しきめ細かい対応をやはりしていただきたいなと思います。二度と起こらないということですので,二度と起こったときには,責任をとっていただきますのでよろしくお願いします。 ○碓井法明 議長       以上で,質疑を終結いたします。  諮問第14号は,お手元に配付してあります議案等付託表のとおり,消防上下水道委員会に付託いたします。 ───────────────────────────────────────                   休会について ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       この際,休会についてお諮りいたします。  明日から30日まで,常任委員会審査のため休会にいたしたいと思いますが,これに御異議ございませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○碓井法明 議長       異議なしと認め,さよう決定いたしました。 ───────────────────────────────────────                   次会の開議通知 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       この際,御通知申し上げます。  7月1日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────                    散会宣告 ─────────────────────────────────────── ○碓井法明 議長       本日は,これをもって散会いたします。  御苦労さまです。                  午後1時43分散会 ─────────────────────────────────────── △(参照1)  各常任委員会議案等付託表
    ┌────────────────────────────────────────┐ │           審     査     日     程           │ ├─────────────┬────────┬────────┬────────┤ │           場所│ 第     1 │ 第     3 │ 全     員 │ │ 月 日         │        │        │        │ │ (曜日)   時間    │ 委 員 会 室 │ 委 員 会 室 │ 協 議 会 室 │ ├───────┬─────┼────────┼────────┼────────┤ │6月27日(金) │午前10時│ 文    教 │ 消    防 │ 建    設 │ │       │     │        │  上下水道  │        │ ├───────┼─────┼────────┼────────┼────────┤ │6月30日(月) │午前10時│  経済観光  │ 厚    生 │ 総    務 │ │       │     │  環  境  │        │        │ └───────┴─────┴────────┴────────┴────────┘              平成26年第2回              広島市議会定例会                  総 務 委 員 会  1 第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)中     第1条第1項     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳入全部  2 第68号議案 広島市市税条例等の一部改正について  3 第77号議案 町及び字の区域の変更について  4 第78号議案 新たに生じた土地の確認について  5 第82号議案 契約の締結について(広島平和記念資料館展示物等整備)  6 第86号議案 専決処分の承認について(広島市市税条例の一部を改正する条例)               消 防 上 下 水 道 委 員 会  1 第75号議案 広島市火災予防条例の一部改正について  2 第76号議案 広島市非常勤消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部改正について  3 第84号議案 契約の締結について(広島都市圏消防救急デジタル無線装置等整備)  4 諮問第14号 異議申立てに対する決定について                   文 教 委 員 会  1 第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中     ┌─────────────┬─────────────┐     │      款      │      項      │     ├─────────────┼─────────────┤     │  9 教  育  費  │             │     └─────────────┴─────────────┘  2 第67号議案 広島市いじめ防止対策推進審議会条例の制定について  3 第71号議案 広島市児童館条例の一部改正について               経 済 観 光 環 境 委 員 会  1 第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中     ┌─────────────┬─────────────┐     │      款      │      項      │     ├─────────────┼─────────────┤     │  6  商  工  費 │             │     └─────────────┴─────────────┘  2 第85号議案 和解について                  厚 生 委 員 会  1 第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)中     第1条第2項 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出中     ┌─────────────┬─────────────┐     │      款      │      項      │     ├─────────────┼─────────────┤     │  3  民  生  費 │             │     └─────────────┴─────────────┘     第2条 第2表 債務負担行為補正のうち      追加中     ┌───────────────────────────┐     │       事           項       │     ├───────────────────────────┤     │障害者相談支援事業所サポート業務委託         │     └───────────────────────────┘  2 第64号議案 平成26年度広島市母子寡婦福祉資金貸付特別会計補正予算(第1号)  3 第65号議案 平成26年度広島市後期高齢者医療事業特別会計補正予算(第1号)  4 第66号議案 平成26年度広島市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)  5 第69号議案 広島市特別会計条例の一部改正について  6 第70号議案 広島市ひとり親家庭等医療費補助条例の一部改正について  7 第87号議案 専決処分の承認について(地方独立行政法人広島市立病院機構中期計画の認可)                  建 設 委 員 会
     1 第63号議案 平成26年度広島市一般会計補正予算(第1号)中     第2条 第2表 債務負担行為補正のうち      追加中     ┌───────────────────────────┐     │       事           項       │     ├───────────────────────────┤     │京橋住宅管理                     │     └───────────────────────────┘  2 第72号議案 広島市市営駐車場条例の一部改正について  3 第73号議案 広島市景観条例の一部改正について  4 第74号議案 広島市市営住宅等条例の一部改正について  5 第79号議案 公の施設の指定管理者の指定について  6 第80号議案 市道の路線の廃止について  7 第81号議案 市道の路線の認定について  8 第83号議案 契約の締結について(東大橋架替工事(その2)) △(参照2)  平成26年6月26日  議 員 各 位                                広島市議会議長                                 碓 井 法 明              請願・陳情の受理について(報告)  下記のとおり請願・陳情を受理し,請願並びに陳情第181号,第182号,第183号及び第184号は,関係委員会に付託したので報告します。                      記  請願 ┌───┬───────────────────┬─────┬─────┬─────┐ │ 受理 │    件         名    │ 受  理 │ 付  託 │付託委員会│ │ 番号 │                   │ 年 月 日 │ 年 月 日 │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │ 50│子どもたちを悲しませない保育行政を求め│ 26. 6.23 │ 26. 6.23 │厚生委員会│ │   │ることについて            │     │     │     │ └───┴───────────────────┴─────┴─────┴─────┘  陳情 ┌───┬───────────────────┬─────┬─────┬─────┐ │ 受理 │    件         名    │ 受  理 │ 付  託 │付託委員会│ │ 番号 │                   │ 年 月 日 │ 年 月 日 │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │181│新サッカースタジアム建設における 広島│ 26. 6.19 │ 26. 6.19 │総務委員会│ │   │平和記念都市建設法の適用申請について │     │     │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │182│攻めの津波防災 観光事業「広島鯉(カー│ 26. 6.19 │ 26. 6.19 │経済観光 │ │   │プ) 水辺の散歩道」の整備について  │     │     │環境委員会│ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │183│広島市水防消防団 「カープレスキュー隊│ 26. 6.19 │ 26. 6.19 │消防上下 │ │   │119」 及び 広島港の津波浸水対策につい│     │     │水道委員会│ │   │て                   │     │     │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │184│学校教育における 太田川 「広島」 文│ 26. 6.19 │ 26. 6.19 │文教委員会│ │   │明史の啓蒙(もう)について      │     │     │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │185│少人数学級の推進などの定数改善と義務教│ 26. 6.20 │     │     │ │   │育費国庫負担制度2分の1復元をはかるた│     │     │     │ │   │めの,2015年度政府予算に係る意見書採択│     │     │     │ │   │について               │     │     │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │186│30人以下学級実現,義務教育費国庫負担制│ 26. 6.23 │     │     │ │   │度を堅持・拡張するための意見書提出を求│     │     │     │ │   │めることについて           │     │     │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │187│被爆建物等,歴史的建築物の保存活用及び│ 26. 6.23 │     │     │ │   │まちづくりに関する統一基準の作成を求め│     │     │     │ │   │ることについて            │     │     │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │188│さらなる年金削減の中止と最低保障年金制│ 26. 6.23 │     │     │ │   │度の実現を求めることについて     │     │     │     │ ├───┼───────────────────┼─────┼─────┼─────┤ │189│「集団的自衛権」行使容認は認めないこと│ 26. 6.24 │     │     │ │   │を求めることについて         │     │     │     │ └───┴───────────────────┴─────┴─────┴─────┘ ──────────────────────────────────────   議 長   碓  井  法  明   署名者   渡  辺  好  造   署名者   太  田  憲  二...