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平成23年第 3回 6月定例会−06月23日-02号

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  1. 広島市議会 2011-06-23
    平成23年第 3回 6月定例会−06月23日-02号


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    平成23年第 3回 6月定例会−06月23日-02号平成23年第 3回 6月定例会         平成23年    広島市議会定例会会議録(第2号)         第 3 回                  広島市議会議事日程                                    平成23年6月23日                                      午前10時開議                   日    程  第1 市長の施政方針に対する質疑及び一般質問 ───────────────────────────────────────                会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 市長の施政方針に対する質疑及び一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)
     市長の施政方針に対する質疑及び一般質問(続行)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  市長の施政方針に対する質疑及び一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了) ───────────────────────────────────────                出 席 議 員 氏 名    1番  関 藤 雄 姿            2番  碓 氷 芳 雄    3番  石 橋 竜 史            4番  山 路 英 男    5番  森 畠 秀 治            6番  三 宅 正 明    7番  宮 崎 誠 克            8番  森 本 健 治    9番  山 内 正 晃            10番  伊 藤 昭 善    11番  近 松 里 子            12番  西 田   浩    13番  渡 辺 好 造            14番  原   裕 治    15番  米 津 欣 子            16番  安 達 千代美    17番  星 谷 鉄 正            18番  豊 島 岩 白    19番  八 軒 幹 夫            20番  大 野 耕 平    21番  清 水 良 三            22番  森 本 真 治    23番  八 條 範 彦            24番  竹 田 康 律    25番  馬 庭 恭 子            26番  元 田 賢 治    27番  今 田 良 治            28番  永 田 雅 紀    29番  平 木 典 道            30番  谷 口   修    31番  母 谷 龍 典            32番  山 田 春 男    33番  太 田 憲 二            34番  若 林 新 三    35番  松 坂 知 恒            36番  沖 宗 正 明    37番  村 上 厚 子            38番  中 原 洋 美    39番  熊 本 憲 三            40番  木 山 徳 和    41番  金 子 和 彦            42番  佐々木 壽 吉    43番  児 玉 光 禎            44番  碓 井 法 明    45番  種 清 和 夫            46番  酒 入 忠 昭    47番  田 尾 健 一            48番  土 井 哲 男    49番  月 村 俊 雄            50番  山 本   誠    51番  平 野 博 昭            52番  中 本   弘    53番  木 島   丘            54番  藤 田 博 之    55番  海 徳   貢 ───────────────────────────────────────                欠 席 議 員 氏 名                  な    し ───────────────────────────────────────           職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長    浜 中 典 明       事務局次長   松 村   司  議事課長    重 元 昭 則       議事課課長補佐主任事務取扱                                立 原   満  議事課主査   小 田 和 生       議事課主査   垣 井 英 孝  議事課主査   谷 崎 誠 治       議事課主査   吉 川 和 幸  外関係職員 ───────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長      松 井 一 實       副市長     三 宅 吉 彦  副市長     米 神   健       企画総務局長  湯 浅 敏 郎  企画総務局ICT・             財政局長    岡 田 輝 彦  クロスセクション調整担当局長          山 本 正 己  市民局長    佐 伯 克 彦       健康福祉局長  糸 山   隆  こども未来局長 磯 辺 省 三       環境局長    藤 岡 賢 司  環境局エネルギー温暖化対策担当局長    経済局長    棚 多 展 義          藤 本   誠  都市活性化局長 片 平   靖       都市整備局長  荒 本 徹 哉  都市整備局指導担当局長           道路交通局長  高 井   巌          渋 谷 祐二郎  下水道局長   向 井 政 博       会計管理者   堀 内 雅 晴  消防局長    山 下   聰       水道局長    宮 本   晃  病院事業局事務局長             監査事務局長  岡 村 清 治          竹 内   功  財政課長    古 川 智 之       教育長     濱 本 康 男  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長          谷   博 司               志 賀 賢 治 ───────────────────────────────────────                 午前10時00分開議                 出席議員  54名                 欠席議員  1名 ○木島丘 議長        出席議員54名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        これより本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              会 議 録 署 名 者 の 指 名 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        本日の会議録署名者として               31番 母 谷 龍 典 議員               37番 村 上 厚 子 議員  を御指名いたします。 ───────────────────────────────────────              日 程 に 入 る 旨 の 宣 告 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        これより日程に入ります。 ─────────────────────────────────────── △日程第1 市長の施政方針に対する質疑及び一般質問 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        日程第1,市長の施政方針に対する質疑及び一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。  32番山田春男議員。                〔32番山田春男議員登壇〕(拍手) ◆32番(山田春男議員) 皆さん,おはようございます。  ひろしま保守クラブの山田春男でございます。会派を代表いたしまして一般質問をさせていただきますので,しばらくの間,御清聴のほどよろしくお願いいたします。  さて,皆様も御存じのとおり,本年3月11日に発生をした東日本大震災は,これまで我々日本国民が経験したことのない甚大な被害を,東北地方を中心に広範囲にもたらすとともに,原子力災害も引き起こし,我が国はまさに国難というべき状況に直面をしております。この場をおかりいたしまして,被災地で亡くなられた多くの方々に対し,心から哀悼の意を述べさせていただきたいと思います。  なお,住むところや食べ物,仕事など,多方面において不自由にされておられる方々も多く,強く心を痛めている次第であり,心よりお見舞い申し上げます。  さらに,被災県や被災市町村の職員の方々も,懸命に努力されていることに関し,心から敬服するとともに,我々もできるだけの支援や協力を惜しんではならないと肝に銘じておるところでございます。
     国におかれましては,非常事態への即時対応が必要な大事な時期であることから,原子力災害への迅速な対処もあわせて,復興に向け,被災地に対する全面的な支援に御尽力賜りたいと,心から願う次第でございます。  さて,このたびは,松井新市長が誕生されましたことに対しまして,心からお祝いを申し上げます。と同時に,前市長から市政運営,施策を引き継がれたわけでありますが,依然として市民生活を取り巻く社会,経済情勢は厳しいものがあり,また財政状況も同様であり,さまざまな課題に対し,すぐれた行政手腕とリーダーシップを存分に発揮されますとともに,適宜適切に英断を下されながら,精力的に改善,見直しを行われ,広島市政発展に向け最大限努力されることを切にお願いをするとともに,大いに期待をしているところでございます。  それでは,松井市長さんの思いや抱負の具体について確認をさせていただく意味で,何点か質問をさせていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。  まず最初に,市長の政治姿勢についてお尋ねいたします。  松井市長は,市長選挙において,これまでの市政の変革を強く訴えてこられました。そのことに対する市民の強い期待が,松井市長誕生の大きな要因であったことは言うまでもございません。  その期待に沿うべく,松井市長は,市長就任からこれまでの間に,2020年夏季オリンピックの招致断念,折りヅルの長期保存・展示施設構想の否定,そして子ども条例制定検討の中止など,現在の市政の懸案事項について次々と新たな決断をされ,市政の変革に強い意志を持って臨むことを明確に示されました。  これら市政の懸案事項については,いずれも秋葉前市長からのトップダウンの指示により検討が進められてきたことは,皆さんも御承知のとおりだと思います。以前は,一たびトップダウンの指示が出ると,それに反する議論は一切これを認めないとする空気が,市役所の組織の中にもあったと聞いております。また,我々議会に対しても,議論や意見を求めるというものではなく,一方的に結論を押しつけるという印象がぬぐえませんでした。  その結果として,こうした施策が市民の意識とずれていたり,実現可能性の極めて乏しいものになってしまったのではないでしょうか。私は,地方自治体の首長が,その地域の将来を見据え,大きな夢やロマンを描くことは,とても大切なことであると考えています。逆に,それなくして首長を名乗る資格はないとも考えています。だからこそ,こうした思いを単なる思いつきで終わらせないようにするためには,まずは組織の中で,その施策の目的の是非,実現の可能性などを十分に練り上げることが大切であると考えています。そして,我々議会とも十分に意見交換や議論をし,最終的には市民全体が,その夢やロマンを共有する形になるのが理想的であり,また実現への近道であると考えています。  そこでお尋ねをいたします。真にこれまでの市政からの変革を実現するためには,これまでの施策の中止や変更を行うだけでなく,市政に取り組む姿勢そのものを変革していく必要があると思いますが,市長はいかがお考えでしょうか。  次に,秋葉前市長の施策の検証という観点から,次の2点についてお尋ねをいたします。  2020年夏季オリンピックの招致検討と折りヅルの長期保存・展示についてです。  先ほども触れましたが,この二つの課題については,松井市長が就任され,市長の英断により,オリンピックは断念,折りヅルの長期保存はしない,したがって,そのための保存・展示施設はつくらないという方針が出されました。まさに良識ある判断だと思います。この決断が,多くの市民の声や議会の意見に市が耳を傾け,もっと早くなされていたなら,市民の税金を市民生活に直接関係のない施策に費やすことはなかったのにと思うのは,私だけではないと思います。  市当局には,今後の反省材料としてもらうために,今までオリンピックの招致検討にかけた経費も人件費も含め,お答えをお願いいたしたいと思います。また,折りヅルの長期保存・展示にかけた秋葉市政3期目── 4年間でありますが── の経費をお答えください。これらの経費は血税で賄われたものにもかかわらず,むだになったということを真摯に受けとめていただきたいと思います。  次に,我々議会との関係についてですが,申し上げるまでもなく,地方の首長と議員とは,ともに直接住民が選挙で選ぶ二元代表制でございます。この二元代表制のもとでは,首長が執行権を持ち,議会が条例や予算など審議決定する権限を持ちますが,ともに住民から選ばれた代表であり,互いに対等な立場で,それぞれの権限を適切に行使し,住民の福祉向上に努める義務がございます。その意味で,私は首長と議会とは緊張関係を持ちつつ,よりよい車の両輪のような関係を築いていく必要があると考えています。  先日の市長の所信表明をお伺いして,市長も私と同様のお考えをお持ちであると理解をしておりますが,改めて議会との関係のあり方をどのように考えておられるのか,お尋ねをいたします。  次に,入札制度の見直しについてお伺いいたします。  現在の建設業界の実情を見ますと,長引く不況と公共工事の大幅な減少や競争が激化する中,過度の低価格競争が進み,安定的な経営を続けていくことが困難な状況に追い込まれており,業界が非常に疲弊をしている状況にあります。こうした状況が続くと,各企業のみならず,業界全体の健全な発展,ひいては地域経済全体にも悪い影響を与えるのではないかと危惧しております。  市議会では,平成22年第1回広島市議会定例会で,最低制限価格制度の導入を求める決議をしました。これを受けて,昨年度1000万円未満の工事を対象に最低制限価格制度を導入されましたが,非常に厳しい入札競争が依然として続いており,さらなる踏み込んだ見直しが必要だと思います。市長は,公約に公共事業の入札制度の見直しを掲げておられます。この入札制度の見直しについて,率直な思いと具体的な見直し内容についてお考えをお聞かせください。  次に,被爆者援護についてお伺いいたします。  今月17日,被爆者援護に関して,被爆者団体から批判が上がるような市長の発言があったという新聞報道がありましたが,面会者との間で被爆者援護について何かやりとりでもあったのでしょうか。  私は,被爆地の市長は,被爆者の立場に立ち,援護について国にしっかり要望していくのは当然であると考えており,それと違うことを市長は言われたのでしょうか。また,黒い雨の問題についても,昨年12月17日に広島市議会において,原子爆弾被爆地域の拡大を求める意見書を採択しており,市長も当然,その意見書を踏まえて行政を進める立場に立っておられると考えますが,それと異なることを言われたのでしょうか。  今回の新聞報道は,市長としての一連の発言を伝えていますが,訪問者との間でどのようなやりとりがある中での発言かははっきりせず,市長の真意がうかがえないように思います。発言時の状況や真意をこの場で明らかにすることにより,事態の解消を図るべきではないかと考えますが,いかがでしょうか。市長の明確な答弁を求めます。  次に,経済の振興についてお伺いいたします。  日本経済は,2002年ごろから息の長い景気回復を続けてまいりましたが,アメリカのサブプライム住宅ローン問題,原油・原材料価格の高騰などにより,世界経済の先行き不透明感が高まり,2007年10月を景気の山として後退局面に入りました。そして,2008年9月のアメリカのリーマン・ブラザーズの破綻,いわゆるリーマンショックにより,世界経済は100年に一度という経済危機に陥り,我が国の景気も急速に悪化いたしました。その後,2009年春ごろから,自動車産業など,好調な輸出や経済対策の効果に牽引されて,持ち直しの局面に入ってきていたところです。そのような中,未曾有の東日本大震災が発生し,日本経済が大きな打撃を受けたことは御承知のことと思います。  内閣府の5月の月例経済報告によると,東日本大震災の影響により,現在の我が国の景気は弱い動きとなっており,失業率も高水準にあるなど,依然として厳しい状況にあります。  景気の先行きについても,当面は東日本大震災の影響から,弱い動きが続くと見込まれており,今後,生産活動が回復していくに伴い,持ち直していくことも期待されますが,電力供給の抑制やサプライチェーンの立て直しのおくれ,原子力災害などにより,景気がさらに悪くなる可能性も否定できません。  本市においても,この大震災の影響による資材や部品調達の困難化などから,マツダの操業度が大幅に低下し,関連する自動車部品製造業自動車販売業でも大きな影響が出ています。また,雇用情勢についても,幅広い業種で新規求人の動きが見られるなど,有効求人倍率は改善方向にあるものの,失業率は依然として高水準にあり,厳しい状況が続いています。  このような厳しい経済状況の中,市長は主要な施策の柱として,「活力にあふれにぎわいのあるまち」への取り組みを掲げておられます。市民の生活を支えているのは,多くの中小企業であり,景気の低迷と厳しい雇用情勢が続く中,活力にあふれる産業を育成しなければならないことは,私も同様に考えるところであります。  そこでお伺いします。  市長は,経済の振興について,今後どのように取り組まれようとしているのか,お考えをお聞かせください。  次に,近隣市町との連携強化についてお伺いいたします。  このたびの大震災において,東北地方は津波により甚大な被害に見舞われ,また,いまだ収束の兆しを見せていない福島第一原子力発電所の事故により,多くの方が避難生活を強いられています。  そうした中,本市を初めとする多くの自治体が,震災発生直後から,被災自治体への救援・支援活動を行っており,今ほど自治体間の連携,そしてきずなの大切さが再認識されている時代はありません。  こうした中,松井市長は市長選挙において,近隣市町との連携強化として,地域ごとの特性を生かしつつ,市町が行政区域を越えた連携のもとに,産業,経済,雇用を振興し,まちおこしを推進する体制として,まち起こし協議会を発足させることとしたことは,まさに時宜を得たものであったと考えています。  市町との連携においては,相互のきずなをつくり出すことが大切です。まち起こし協議会の設置に当たっては,各市町との対話を重ね,できるだけ各市町の意向を酌んで取り組むことが大切であると考えられます。まち起こし協議会設置に向けて,今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。  また,西区の己斐地区においては,島根県にある美郷町と20数年間にわたり交流を続けています。毎年,子供同士の交流行事も行われており,子供たちはもちろん,お世話をさせていただいている大人たちにとっても楽しみな行事となっています。地域同士の手づくりの交流,私は地域連携の原点があると自負をしています。市町との連携は,何も近隣市町だけにとどまるものではありません。このような県境を越えた連携も,ぜひとも図っていくべきと考えますが,あわせてお考えをお伺いいたします。  次に,旧広島市民球場跡地の活用についてお伺いいたします。  ヤード跡地マツダスタジアムが産声を上げて,ことしが3年目になります。カープの成績はなかなか厳しいものがありますが,新しい球場は熱気と興奮にあふれ,多くの市民に喜ばれています。  旧市民球場跡地の問題は,このマツダスタジアムの建設と同時に始まりました。秋葉前市長から,球場跡地に150万人の集客という,公約ともとれる発言があり,急遽,新球場のヤード跡地への移転が決まり,これに伴い,球場跡地をどう活用するかということが大きなテーマになったと理解しています。  旧市民球場は,戦後復興のシンボルであり,多くの広島市民・県民に愛されてきた施設です。この旧市民球場の跡地をどうすのかという命題に対し,市が一方的にその跡地利用を決めていいはずがありません。市は検討の当初から,全市民を巻き込んで議論すべきでした。これまでの経緯はあえて申し上げませんが,市の検討は行政からの一方通行でしかなかったと思います。市は,21年1月に,球場跡地を緑地広場にするという計画を作成し,公表いたしました。その内容は,到底,我々市民が納得できるものではありませんでした。  また,なぜ商工会議所が球場跡地に移転するのか,商工会議所は移転費用を捻出できるのかという問題もありました。商工会議所の移転については,商工会議所の会員には知らされないままに,会頭が勝手に進めたという話も聞いています。商工会議所の会員も了解しないまま,果たしてビルの移転ができるものなのでしょうか,甚だ疑問であります。この計画には,初めから無理があったのではないかと思ってしまいます。このことは,市議会でのことしの予算案の審議結果にもはっきりとあらわれています。市議会は,市当局が提案した球場跡地整備のための予算を否決いたしました。  こうした中,多くの市民の信任を受け,松井市長が就任されました。松井市長は,選挙期間中から,旧市民球場跡地問題について,旧市民球場跡地を中心とする中央公園を,若者を中心としたにぎわいのための場と位置づけ,経済界,若者,商店街等をメンバーとする委員会を設け,具体的な方策を策定するとして,市民の意見を聞いて,改めて跡地利用を検討する意思を示されました。  私も,これまで本会議や委員会等の場で,何度も市に,市民の思いは別のところにある。市は,市民の意見をきちんと酌んでいない。もう少し時間をかけて検討すべきではないかと申し上げてきました。  最近の新聞報道によれば,市はこれまで,球場跡地に設置するとしていた折り鶴ホールと森のパビリオンの二つの民間施設の設置を取りやめたとのことです。これらの二つの施設の設置を中止したということは,市がこれまで進めてきた跡地利用の方針を大きく転換するものであり,松井市長の勇気ある英断であると高く評価をしています。今後は,しっかりと市と市議会が両輪となって,広島市の都心にふさわしい跡地利用を進めていかなければならないと,私自身も責任を痛感をしています。旧市民球場跡地をどう活用していくのかについて,今後,松井市長を中心に,改めて検討が再スタートすることになると思います。  実は,旧市民球場跡地の問題は,球場跡地だけで解決するものではありません。御承知のとおり,球場跡地は中央公園という都市公園の区域内にあります。その中央公園には,青少年センターやこども文化科学館,中央図書館,ファミリープールなど,さまざまな公共施設があり,多くの市民が訪れるパブリック的な空間となっています。旧市民球場跡地の活用は,これらの公共施設の有効活用とも密接な関係にあり,一体的に考えていく必要があります。これらの公共施設の中には,老朽化が進み,建てかえ時期に来ているものもあります。あるいは,機能が陳腐化し,廃止を含めて検討すべきものもあります。  こうしたことも含め,中央公園全体の利用方策を検討していくことも,球場跡地を考えていく上で重要なアプローチの方法の一つだと思います。市長は,球場の解体は引き続き進め,平成25年春の全国菓子大博覧会は,旧市民球場跡地などを会場に予定どおり開催すると発言をされておられます。全国菓子大博覧会には,80万人もの多くの来場者が見込まれており,私も広島市の活性化のために,博覧会の成功に期待を寄せている1人です。  しかし,問題は博覧会後です。博覧会は一過性のイベントであり,今の時点では博覧会後の予定は何も決まっていません。紙屋町付近の商店街にとってみては,いつまでも空き地であっていいはずがありません。博覧会後には,次の利用に向けて跡地整備が始められるよう,早急に検討を進めていく必要があります。  新しく市長になられた松井市長に,まずお伺いしたいことは,広島市の将来のかぎを握るとも言える旧市民球場跡地の活用について,今後どう取り組んでいかれるのか,お考えをお聞かせください。  次に,広島西飛行場についてお伺いします。  広島西飛行場については,前市長が市営化に必要な議案をさきの2月議会に提案されましたが,市議会では新たな市長のもとで,市,議会,地元,市民が十分議論をした上で,納得できるような結論を出すべきであるとの理由で関連議案が否決され,新市長の判断にゆだねることになりました。  その後,4月10日に実施された市長選挙で,松井新市長が誕生し,松井市長は就任早々,県知事に,広島西飛行場のヘリポート化の経緯,とりわけ理由を聞きたいと申し出をされ,5月には広島県から広島西飛行場のヘリポート化に至った理由などについて説明を受けた上で,去る5月27日に県知事との会議の場において,市長はヘリポート化を了解する旨を伝えられました。  市民の間には,広島西飛行場の存続を求める声や,逆に廃止すべきであるとの声など,さまざまな意見がある中で,松井市長は,広島県が進める広島西飛行場のヘリポート化という決断を短期間でされました。  その理由についても,いろいろな場で既に説明はされていますが,決断をされた後も,広島西飛行場の存続を望む声が出されており,市長さんのお考えを十分理解されていない方もいらっしゃるのではないかと思いますので,改めてこの場でヘリポート化を了解された理由についてお尋ねいたします。また,広大な西飛行場の跡地利用については,今後どのように考えているのかお答えください。  広島西飛行場が廃港になり,ヘリポート化されると,広島市の空の玄関口は広島空港になります。しかしながら,広島市内から広島空港へのメーンアクセスルートである山陽自動車道が,事故や悪天候などにより通行どめになった場合などは,広島空港へのアクセスが事実上遮断されることになり,市民のみならず,広島を訪れる方々にとっても,とても不便であります。  市長は,先日の所信表明で,広島県と一体となって,長期・中期・短期の方策を検討し,広島空港へのアクセスの向上を図ります,その具体的な取り組みの一つとして,広島高速3号線,広島高速5号線,東広島バイパス,安芸バイパスの整備促進等に取り組みますと言われましたが,広島市の空の玄関口である広島空港へのアクセスの向上にどのように取り組もうとされているのか,改めてお尋ねをいたします。  次に,JR西広島駅周辺整備についてお伺いいたします。  西広島駅周辺地区は,JR西広島駅や広電西広島駅,バスターミナル機能を持つ駅前広場など,本市西部の重要な交通拠点です。広島市において,数年前から,このJR西広島駅に南北自由通路及び南北駅前広場の整備等を検討されておられます。  この駅の周辺の整備については,私もかねてより,再三にわたり指摘をしてきていますが,とりわけ駅のバリアフリー化については,己斐地区の住民にとって喫緊の課題であります。JR西広島駅は,1日の乗降者数が約1万8000人で,市内では広島,横川,五日市に次いで利用客の多い駅であるにもかかわらず,手つかずのまま取り残されたままです。  己斐地区は,65歳以上の高齢化率が約25%と,市全体の19%と比べても高い率となっており,たくさんの高齢者や障害者の方々が駅を利用される際,ホームへ通じる陸橋を渡るのに大変苦労をされておられます。  また,平成11年に,アストラムライン西風新都線の計画がつくられてから,その導入空間になる己斐中央線が,平成15年に都市計画決定されたのみで,10年間以上たっても何ら進展のない状況にあり,地元の皆さんはJR西広島駅周辺の整備に大いに期待を抱いています。  そこで,JR西広島駅の整備についてお伺いいたします。  南北自由通路は,いつ都市計画決定をし,整備をいつごろから開始されるおつもりでしょうか。現在の見通しについてお答えください。  先日の市長記者会見でも,市長からは,アストラムライン西風新都線の終点でもある西広島駅周辺の整備を,まず第一歩として取り組みたいとの発言がございました。ぜひ取り組みを一層強化して,着実に進めていただきたいと思います。  次に,自由通路の整備にあわせて検討されている駅北口から県道伴広島線へのアクセス道路についてでありますが,市の方では既存の市道の最低限の拡幅を行い,暫定的にそこにバスを通すことを検討しているとのことです。  しかしながら,幾ら暫定でも,狭い生活道路にバスを通すのは無理があります。自転車や人が通行している中,バスを通すというのは大変危険です。地元も合意するとは思えませんし,バス会社も二の足を踏むのではないかと思います。やはり駅へのアクセスとしては,都市計画決定されている己斐中央線の整備を考えるべきです。現在の己斐地区の主要な道路は,幅6メートルの県道しかありません。住民の皆さんは,日々の渋滞に対する不満に加え,もし,唯一の県道が事故などでとまった場合,代替道路がなくなるなどの不安も抱えており,道路整備に対する要望は非常に高いものがあります。こうした地元の声にも耳を傾けていくべきではないでしょうか。  そこでお伺いいたしますが,今回,計画されている南北自由通路の整備にあわせ,駅北口から県道にタッチするまでの間の己斐中央線を第1期として整備されるお考えはございませんか。己斐中央線の整備なしには,ボン・バスが駅北口へ乗り入れるのは無理です。己斐地区に路線を展開しているボン・バスを駅北口に乗り入れできれば,己斐の住民の利便性が高まるとともに,南北自由通路の整備もより生きてくると思います。ぜひ,己斐中央線の整備をよろしくお願いしたいと思います。  これまで己斐地区は,一向に進まないアストラムライン西風新都線が足かせとなり,まちづくりの観点からも大きな停滞を余儀なくされています。これら己斐地区のまちづくりの課題に対して,市の真摯な対応を望むものでございます。  最後に,東日本大震災を踏まえた防災対策についてお伺いいたします。  本年3月11日14時46分ごろ,三陸沖を震源に発生した東日本大震災は,地震の規模であるマグニチュードが,国内観測史上最大となる9.0を記録いたしました。宮城県の栗原市で震度7,北海道から九州へかけて広い範囲で震度6強から1を観測,巨大津波も発生し,東北の太平洋沿岸地域を中心に大きなつめ跡を残しました。  警察庁の緊急災害警備本部の発表によりますと,6月14日現在,人的被害は死者1万5429名,行方不明者7,781名,負傷者5,367名,建物被害は全壊・半壊・一部破損が50万戸を大きく超える甚大な被害となっています。さらに,福島第一原子力発電所の事故も収束しておらず,被災地では約8万人の方々が避難所生活を余儀なくされております。  広島市においても,大震災発生直後から,被災地に対して緊急消防援助隊や医師,保健師,上下水道関係職員の派遣など人的支援,食料や毛布の提供などの物的支援,さらには本市へ避難された被災者の方のための住宅の提供などの支援を行っていると聞いていますが,今後とも引き続き,被災地や被災者に対し最大限の支援をお願いしたいと思います。  さて,今回の大震災では,これまでの想定を超える規模の災害が発生することが明らかになりました。国の中央防災会議においては,今回の地震・津波の発生,被害の状況について分析の上,今後の対策を検討しており,また全国の多くの自治体においても,従前の防災対策の見直しを行っているところであります。  東南海地震や南海地震については,今後30年以内に発生する確率が60%から70%とも言われており,広島市やその周辺では,そのほかにも己斐断層や五日市断層による地震などが発生する可能性が考えられます。  そこでお尋ねいたします。  広島市では,従来からこれらの地震を想定し,それらに基づいて防災対策に取り組んでいると思いますが,このたびの東日本大震災の発生を踏まえ,防災対策の見直しについてどのように考えておられるのかお聞かせください。  以上で私の一般質問を終わりますが,誠実なる前向きな答弁を期待いたします。  どうも御清聴,ありがとうございました。(拍手) ○木島丘 議長        市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       ただいまの山田議員の御質問にお答え申し上げます。  最初の,市長の政治姿勢についての御質問ございましたので,これにお答えしたいと思います。  私は,このたびの市長選挙において,これまでの市政を変革するということを訴えて,市民の皆様の御支援により,広島の新時代に向けて市政を担当させていただくことになりました。  私は,これまでの市政について,市民の皆様や議員各位,そして職員等の多くの皆さんの意見や要望などをしっかり受けとめた行政であったかどうかという点について疑問を持っております。そうした市政の取り組み姿勢の結果として,議員御指摘のように,施策内容が市民の意識とずれたり,実現可能性の低い施策が打ち出されたのではないかというふうに思っております。こうしたふぐあいを解消するために,私は市政に取り組む基本姿勢といたしまして,何よりも対話を重視すると,対話の重視を掲げたいというふうに考えております。  具体的に考えている幾つかの取り組みを申し上げたいと思います。  まず,市民の皆様との対話につきましては,本年8月下旬に,中区を皮切りといたしまして,第1回の市政車座談義といったものを開催したいと考えております。7月1日から,その参加団体などを募集するということを予定しております。  市長と議会との関係では,双方が車の両輪のように密接な連携をとりながら市政を推進するということが必要であると考えておりまして,その際,とりわけ透明性の確保と緊張関係を維持するということに十分留意しながら,よりよい両輪関係をつくっていきたいというふうに考えております。  職員との関係では,お互いに率直に物が言えるような環境をつくること。そして,時には市長── 私と職員がけんけんがくがくの議論をして,よりよい結論を導き出すことが大切であるというふうに思っております。すなわち,市長と職員の関係は,主従の関係といったようなものではなく,議論して高め合う,切磋琢磨の関係というものにしていきたいというふうに考えております。  また,経済界との対話におきましては,まさに都市の活性化を導いていくために,良好なパートナーシップをつくっていきたいというふうに考えております。  近隣の市や町との対話におきましては,母都市と衛星都市といったような,いわば覇権的な関係というものではなく,共生共存,そういった関係づくりをするということを考えておりまして,例えば方面別にまち起こし協議会,こういうものを設置していきたいというふうに考えています。  加えて,中枢都市広島として,広島県全体の発展に貢献するということを基本に置きまして,そのために定期的な知事・市長会談といったものの開催を通じまして,県・市のより充実した連携関係をつくり出していきたいというふうに考えております。  今申しましたような取り組みを通じまして,まさに対話を重ねるということを実践し,多くの皆さんの意思が反映された市政をつくり上げていきたいというふうに考えております。  次に,入札制度の見直しについての御質問がございましたので,これにお答えいたします。  広島市では,入札・契約手続の透明性の確保,公正な競争の促進,談合などの不正行為の排除の徹底を図る。それとともに,適正な施工を確保するという観点から,これまで予定価格等の事前公表,一般競争入札の拡大,電子入札の導入などを実施してまいりました。その結果,公正な競争性の確保とか効率的な公共工事の執行面におきましては,一定の成果があったものと考えております。  しかしながら,平成21年度の平均落札率を見てまいりますと,約76%まで低下しておりまして,国や地方を通じた厳しい財政状況等により公共事業費が削減され,あるいは厳しい経済情勢のもとで業者間の競争が極めて激しくなっているというふうなことがありまして,やはりこういった面からは行き過ぎではないかというふうなことを強く感じました。  現下の地元の事業者を取り巻く環境というのは,非常に厳しいものがあります。また,東日本大震災の発生によりまして,経済の先行き不透明感が増してきております。こうした状況を踏まえるならば,まさに地元事業者に育成というものを図る観点から,公共事業の入札制度の見直しを行わなければならないというふうに決断をいたしました。  具体的には,建設工事につきましては,次の3項目についての見直しということを行います。1点目,最低制限価格制度の対象を1000万円未満の工事から1億円未満の工事に拡大いたします。2点目,下請発注における市内本店業者の活用の促進を図るため,1億円以上6億円未満の工事について下請発注する場合には,高度または特殊な技術を要する工事などを除きまして,原則として市内本店業者への下請発注を義務づけます。3点目,区内本店業者の受注機会を拡大するため,区内本店業者に限定した競争入札の範囲を1000万円未満の工事から3000万円未満の工事に拡大いたします。  次に,建設コンサルタント業務につきましては,昨年度建設工事で実施したのと同様に,すなわち最低制限価格制度の導入や市内本店業者の受注機会の拡大といったことなどを図ってまいります。  以上の入札制度の見直しにつきましては,9月からの入札実施をいたします。今回,思い切った見直しによりまして,地元事業者の受注機会の確保を図り,地元経済の活性化を図ってまいりたいというふうに考えております。  最後,もう一つ,被爆者援護についての御質問がございました。お答えいたします。  これにつきましては,今月の16日に一人の被爆者の方と私がお会いした際に会話した,その会話の部分的なものが新聞に掲載され,皆様をお騒がせいたしておりますので,そのときの様子と私の真意をここで御説明させていただきたいと思います。
     具体的には,16日の午前中に高齢の市民の方がお見えになりまして,みずからの被爆体験記を作成したので,本市に寄贈したいというお申し出がありました。その際の私とのやりとりの一部が記事になったものでございます。  まず,お見えになった方の発言のポイントは,私が受けとめたポイントでございますが,中学校のクラス会を38年間続けてきたけども,その間,原爆の話は一切出なかった。また,自分の場合は,爆心地から4キロのところ── 具体的には観音の三菱で働いとったということですが── で被爆しており,1キロとか2キロで被爆した人たちと比べると,被害の差も大きくて,被爆者と呼ばれるのは後ろめたい気持ちもあったと。こういうことがあったんで,これまでも家族にも話したことはなかったが,最近になって貴重な体験だから残しておきたいという意識に変わってきたと。今回,体験記を寄せた17人── これは中学校の同窓生だそうでありますが── 17人についてそれぞれショックの度合いが違うということはよくわかったといった内容のお話がございまして,私はその話を受けまして発言した内容は,おおむね次のとおりであります。  被爆体験の継承に当たっては,生で見たことを伝えることが求められていると思うと。自分の親とも原爆について話したことはほとんどなかった。私の親は,人生の終わりごろになったということで話せるようになったんでしょうねというふうに思いますと。戦後,いろんな運動が起こっていた中でも,体験を語ることが嫌な人は,ずっと嫌だったんじゃないかと思ってますよと。被爆者の方々も,長い人生を歩んで,世の中が平和になってようやく語ろうということになってきたように思われます。そんな中で一番ひどい経験をしたのは,死んだ人々じゃないかと。しかし,死んだ人は何も言うことはできん。また,被爆者で残ってる人は,しっかり援護すべきだということはもっともなことだと。でも,死んだ人のことを考えたら,簡単に言えないかもしれん。生き残っている,援護を受けられる被爆者の人たちは,分かち合いの気持ちを持ってみんなにありがとうという気持ちを忘れずにいてほしいと。それがないということは悔しいですねというようなことを申し上げました。新聞に載っている発言の要旨とおおむね異なるものではないと思っております。  ここでの私の発言は,被爆者の援護というものは,原爆の犠牲者や被爆者として,まさに生き残っている人の痛みや苦しみを多くの国民が分かち合うという精神があってこそ,精神ですよ,精神があってこそ,こういう制度が成り立っているものではないかなというのが私の考えでございまして,その背景の一端が出たいうふうに考えております。  今まで被爆者の実相を話すことなく過ごされてきた中で,今言えるようになったということは,まさにそのような環境ができ上がったかなということも言え,そのこと自体に感謝する気持ちを持つことは大切だということを強調したつもりでございます。  私は,被爆地広島の市長として,人は互いに支えながら生きておりまして,感謝が大切だという気持ちを持ちながら,かつ,また被爆者の立場に立って,被爆者の援護について引き続きしっかり取り組んでいかなければならないと考えております。  このたびの私の発言で,多くの市民に御心配をかけるなど,お騒がせさせるというふうな事態を招いたことについては,おわびを申し上げますとともに,今後は十分,対応に心していきたいというふうに考えております。  繰り返しますが,私は所信表明で申し上げましたように,被爆者の援護施策の充実に取り組む覚悟であります。被爆地域の拡大も含めて,国に対してしっかりと要望はいたします。  その他の御質問につきましては,担当局長からお答えを申し上げます。  以上でございます。 ○木島丘 議長        企画総務局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局長   近隣市町との連携強化について,まち起こし協議会の取り組みと,それから県域を越えた地域との連携についての御質問にお答えいたします。  まち起こし協議会は,広島市と近隣の市や町の産業,経済の活力増進,雇用の拡大等を図るため,広島市における人口集積や中枢都市機能を生かしつつ,都市圏という発想によらず,行政区域を越えた有機的関係をつくり出すための母体として構想するものでございます。  この協議会は,地域特性や地理的一体性を考慮し,広島市と近隣の市や町との間でより強いきずなをつくり出すことができるよう,方面別に設置することが望ましいと考えております。  具体的には,広島市,呉市,東広島市で構成する広島東部まち起こし協議会,そして広島市,廿日市市,江田島市で構成する広島南西部まち起こし協議会,さらに広島市,安芸太田町,北広島町,安芸高田市で構成する広島北部まち起こし協議会,この三つの協議会を設置したいと考えております。  先般,こうした本市の構想を担当職員が関係市町に出向き説明し,意見をお聞きいたしました。今後,各市町の意見を踏まえて,具体的な協議会の設置案を作成し,設置の合意形成を図りたいと考えております。そして,協議会ごとの課題抽出等を行い,遅くとも年内には第1回会議が開催できるよう取り組みを進めてまいります。  次に,県境を越えた地域との関係については,日常生活圏の一部である山口県東部地域との連携や中国山地を越えた島根県,そして瀬戸内海を越えた四国地域との連携など,広島市と周辺地域がそれぞれの持つ資源や特性を生かしながら,相互に連携・交流を図り,ともに発展することが重要でございます。  このため本市では,広島県と山口県の23の市町を圏域とする広島広域都市圏共同事業の取り組みや,浜田,広島,松山,高知の行政,商工会議所が共同して行っておりますビジネスフェア中四国の取り組みなど,県境を越えた連携事業の推進を図っております。また,議員の御指摘にございましたように,市民レベルで活発な交流が行われていることも承知いたしております。  今後とも,官民を問わず,さまざまな分野で連携・交流が活発に行われるよう,行政間の共同の取り組みの充実を図るとともに,市民レベルの活動に対する支援等にも取り組みたいと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        財政局長。 ◎岡田輝彦 財政局長     議会と執行部との関係のあり方についてでございます。  市長が所信表明で述べているとおり,本市の発展のためには,市政運営に当たって議会と執行部がそれぞれの役割を果たしながら,車の両輪のようなよりよい関係をつくり,市民福祉の向上に取り組むことが重要です。そのためには,透明性を確保し,緊張関係を維持しながら,常日ごろから議会と執行部が十分に対話して,市政の諸課題に適切に対応していく必要があります。  これまでの執行部の姿勢として,議会に対する説明が足りないという御批判をいただいていますので,市民の代表である議会に対する説明につきましては,特に意を用いて適時適切に行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     オリンピック招致検討に係る経費についてお答え申し上げます。  オリンピック招致検討の組織を立ち上げました平成21年10月から平成23年6月までのオリンピック招致検討経費は,合計で1億8149万4000円となる見込みでございます。  その内訳は,オリンピック招致検討のための基本計画案作成業務の委託費など物件費が3803万6000円,人件費が1億4345万8000円でございます。  次は,折り鶴の保存・展示の経費でございます。  折り鶴の保存・展示に要しました経費は,平成19年度から平成22年度までの4年間の合計で4119万7000円となる見込みです。その内訳は,原爆の子の像から保管施設への運搬経費や折り鶴ミュージアム── 仮称ですが── このあり方検討委員会の運営経費など物件費が2043万2000円,人件費が2076万5000円です。  なお,人件費につきましては,この業務を所管します平和推進課の職員は,折り鶴の保存・展示以外の業務も担当しておりますため,その分担する事務量から推計をいたしております。  以上です。 ○木島丘 議長        経済局長。 ◎棚多展義 経済局長     経済振興の取り組みについてお答えいたします。  経済の振興に当たっては,地域経済を支えている中小企業を効果的に支援し,活性化を図っていくことが何より重要であると考えております。  こうした認識のもと,中小企業に対して低利の景気対策特別融資やセーフティーネット資金特別融資などの各種融資制度や広島市中小企業支援センターの経営相談,広島市工業技術センター及び財団法人広島市産業振興センターによる技術指導などにより,資金面,経営面,技術面から支援するとともに,起業支援アドバイザー派遣制度などにより,新たに起業しようとする方への支援などに取り組みます。  特に,今後成長が見込まれる環境,医療,福祉,ICT分野の産業については,関連製品・技術開発助成制度などにより,産学官の連携を強化して,新たな技術,製品の開発,販路開拓の支援に取り組みます。  また,本市では,市域外から新たに企業を誘致し,あるいは市内企業の市外への流出を防止することを目的に,広島市企業立地促進補助制度を活用して,西風新都を初めとする市域内への企業誘致に努めています。  こうした中で,このたびの東日本大震災を契機として,新たな操業の地を求め,あるいはリスクを回避する目的で,西日本への立地を希望する企業もあることから,こうした企業を支援するため,同補助制度の適用に際して,面積要件を緩和するなど弾力的に運用することにより,西風新都を初めとする市域内への企業誘致を一層加速させていきたいと考えています。  また,広島の産業の重要な分野の一つである農林水産業の振興についても,就農支援による多様な担い手の育成や市内産の農林水産物── ひろしまそだちの地産地消の推進,太田川流域を中心とした広島産木材の活用,農業生産基盤の整備,つくり育てる漁業の推進など,これまで以上に注力して取り組みます。  以上のとおり,主要な施策の柱の一つである「活力にあふれにぎわいのあるまち」を実現するため,中小企業支援を重点とした地域経済の振興に積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 ○木島丘 議長        都市活性化局長。 ◎片平靖 都市活性化局長   旧市民球場跡地の活用について,今後どう取り組んでいくのかという御質問にお答えいたします。  旧市民球場跡地の活用については,市長の所信表明にありますように,これまでの利用計画は見直し,事業化を図ります。このため,今後1年半程度かけて,市民等から広く御意見をお聞きし,改めて跡地活用の方策を検討します。  旧市民球場跡地については,市長の公約に,若者を中心としたにぎわいのための場としていくという方向性が示されています。この方向性は,長期的な視点とまちづくりの視点を意味しています。  まず,長期的な視点とは,将来世代にとって跡地が魅力ある空間であると評価してもらえるようにするため,若者を中心にそのあり方を考えていくということです。まちづくりの視点とは,旧市民球場跡地を含む紙屋町・八丁堀地区と広島駅周辺地区を東西の二つの核と位置づけ,大きな視点で都心全体のあり方を考えていくということです。  検討に当たっては,旧市民球場跡地だけでなく,青少年センターやファミリープールなどを含めた中央公園全体の活用方針についても検討します。  こうした二つの大きな視点のもとで,市民等から広く御意見をお聞きするため,経済界,商店街,若者などで構成する委員会を設置することにしており,現在,委員会のメンバーや進め方等の枠組みについて検討を行っています。  旧市民球場跡地の活用は,本市にとって重要な課題の一つであり,引き続き検討を進め,都心のにぎわいづくりに取り組んでまいります。  以上でございます。 ○木島丘 議長        道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    広島西飛行場についてお答えいたします。  まず,ヘリポート化を了解した理由でございます。  市長が就任早々の4月中旬,湯崎知事に広島西飛行場のヘリポート化についての経緯,とりわけその理由をお聞きしたいと申し上げたところ,それに対して5月下旬に県から説明がありました。  その説明やその後のやりとりを通じて,広島南道路の建設に向け,ぎりぎりのスケジュールの中で,県があえて1年待ったところで,市議会から出された結論が市営化の否決であったこと,広島西飛行場の利用状況が極めて低迷している中で,管理運営費などに膨大な費用がかかるというだけではなく,広島空港に機能集約し,広島空港の拠点性を高めることが,広島県のみならず,広島市の発展にとっても望ましいと判断したことなどから,県としては定期路線は広島空港に集約し,広島西飛行場はヘリポートとして運用する方針を打ち出したものであるなど,市長が疑問としていた点について理解が深まりました。  また,広島西飛行場の存続を希望する人の意見については,その多くが,広島空港へのアクセスが悪く,広島市の都市機能が十分に機能していないことや,広島西飛行場からの定期路線が減少したことにより地域が寂れてきたことを理由とするものでした。  こうした県からの説明や広島西飛行場の存続を希望する人の意見,さらには市民,議会や経済界など,幅広い意見を総合的に勘案するとともに,本年5月27日に開催した広島県知事・広島市長会議において,今後とも広島空港の機能強化,とりわけ広島空港へのアクセスの向上に積極的に取り組むこと,また広島西飛行場をヘリポート化した後に発生する広大な跡地利用について,市が検討を進め,県は市に協力して検討することの2点について,県,市が連携の強化を図るということが合意できたことから,広島西飛行場のヘリポート化を了解したものです。  次に,広島西飛行場の跡地利用についてです。  広島西飛行場のヘリポート化に伴って発生する跡地は,本市のデルタ市街地に残された貴重な大規模未利用地であり,平成25年度,2013年度末予定の広島南道路の完成によって,周辺市町のアクセス利便性が飛躍的に向上するなど,すぐれた立地条件を有しております。また,跡地の周辺には,観音マリーナやアウトレットモールなどの地域の魅力を高めるような集客施設が立地しております。  したがって,本市では,こうした跡地の立地条件や特性などを踏まえ,地域の活性化につながる開発の基本コンセプト,主要な導入機能,広島空港へのアクセスを初めとする広域的な交通ネットワークづくりなどを盛り込んだ跡地利用のビジョン策定に向け,早急に検討に着手したいと考えております。  最後に,広島空港へのアクセスの向上についてです。  広島空港へのアクセス向上に向けて,県では本年3月に,広島県空港振興協議会が取りまとめた広島空港アクセス対策アクションプログラムを踏まえ,緊急に実施すべき対策として,広島空港アクセスに関する情報提供システムの強化や空港リムジンバスネットワークの拡充などに取り組むことにしております。  今後,本市では,県と共同で,これらの対策についての内容をより充実させ,できるだけ早急に実施できるよう,交通事業者や関係機関とも密接に連携して取り組んでまいります。  また,こうした取り組みに加え,JR山陽本線を利用した空港アクセスについて,JR白市駅の駅舎のバリアフリー化を初め,JR白市駅と空港を結ぶバスへの乗り継ぎ利便性や快適性の向上を早急に図るための方策について,県,関係市町,関係機関等へ働きかけてまいります。  さらには,空港アクセスの速達性,定時性を確保する観点から,広島高速3号線,広島高速5号線などの整備促進や代替ルートとしての東広島バイパス,安芸バイパスなどの整備促進等に取り組みます。  続きまして,JR西広島駅周辺整備についてお答えします。  まず,南北自由通路の現在の見通しについてです。  JR西広島駅は,公共交通機関相互の乗り継ぎや駅の南北地区の往来が不便であるなど,多くの交通課題を抱えており,アストラムラインの西広島駅への延伸計画と切り離してでも早急に対応していく必要があると考えております。このため,南北自由通路を初めとする西広島駅周辺の交通結節点整備について,優先的に取り組んでまいります。  現在,南北自由通路については,今年度内の都市計画決定を目指して検討を進めており,計画決定を行った後は,早期の工事着手に向けて,測量や設計などを速やかに実施していきたいと考えております。  次に,己斐中央線の駅北口から県道までの整備についてです。  己斐中央線は,新交通西風新都線の導入空間であるとともに,地区の骨格となる都市計画道路であり,主要な道路が幅6メートルしかない己斐地区においては,その整備に対する地元の要望が強いことは認識しております。  しかしながら,己斐中央線の事業化につきましては,広島高速道路を初めとする他の大規模事業を進めていかなければならない中,将来の交通体系におけるアストラムライン延伸計画のあり方を含め,総合的に勘案した上で対応すべき課題であると考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        消防局長。 ◎山下聰 消防局長      防災対策についてお答えいたします。  本市の防災対策は,地域防災計画に基づき,総合的かつ計画的に実施しています。東日本大震災では,さまざまな課題が顕在化したことから,早期に実施すべき取り組みと,国の動向等を踏まえて実施する取り組みとを整理した上で,同計画を見直す必要があります。  このため,去る6月14日に,防災関係機関や本市の関係部局で構成する広島市防災会議を開催し,情報の収集・伝達体制の強化や避難体制の整備,救援物資を効率的に集配・搬送するための仕組みづくりなど,現時点で対応可能なものについて地域防災計画を見直したところでございます。  また,国においては,東日本大震災の発生を受け,本年秋ごろを目途に,地震被害想定のあり方や地震・津波対策の方向性などについて,科学的に想定し得る最大の地震・津波が発生することを前提に取りまとめ,これに基づき防災基本計画の見直しを行うこととされています。  本市においても,国の見直し内容を踏まえ,広島県等関係機関とも連携し,現行の地震被害想定や地域防災計画の見直しを実施します。  以上でございます。 ○木島丘 議長        山田議員。 ◆32番(山田春男議員) ちょっと時間が過ぎておりますので,要望にとどめたいと,こういうふうに思います。  市長さんの被爆者の皆さんに対する思いというのは,私も前のとき,テレビかなんかで,それを語るときに涙を浮かべて,ハンカチを取り出して涙をふきながら,被爆者に対する思いというのを話していらっしゃった姿を見まして,今回のこの報道については,ちょっと本当に耳を疑ったところでありました。  ただ,きょう,きちんとした説明をいただきまして,やはり同じような思いであるという認識に立っておりますので,ぜひとも,少し気をつけていただいて,きちんとした形で相手に伝えていく。また,公人として,市長という公人としての立場であります。もちろん,個人の思いというのは,いろいろ皆さんあるわけでありまして,ぜひこういう点についても気をつけて,ひとつ発言の方をお願いしたいと,こういうふうに思います。  いろんな入札制度の件につきましても,スピード感を持って,いろいろやっていただいてるというふうに思います。オリンピックの件もそうですし,事業仕分けの廃止,子ども条例や,そして折りヅルの長期保存等についてもそうなんですけれども,まだまだ今から,今度は決定して実施をしていくという,非常に大きな課題がたくさん残っているというふうに思います。ぜひとも,我々市民にとっても,市長さんがかわって,スピード感を持ってどんどん市民生活に大きな影響があるような形で変わっていってるよと,そういう姿をぜひとも見せていただきたい,こういうふうに思います。  それから,己斐地区の周辺整備につきましては,一歩前進なお答えをいただいたと,こういうふうに思っておりますけれども,白島新駅よりもうんと早く,この問題はもうスタートしているわけでありますので,これもぜひともスピード感を持ってやっていただきたい。  己斐中央線は,県道とのタッチに関しては,いろいろ問題はありますけれども,やはり駅前広場ができて,そこにバスがつかんかったら何も意味のない広場になってしまいます。ぜひとも,この己斐中央線の着手については,もう一歩も二歩も早く前進をしていただきたいということをお願いいたしまして,質問を終わりたいと思います。 ○木島丘 議長        次に,9番山内正晃議員。                 〔9番山内正晃議員登壇〕(拍手) ◆9番(山内正晃議員) 市民連合の山内正晃でございます。会派を代表して一般質問をいたします。  私にとって初めての一般質問でございますが,広島市議会の取り組みが他市のよい見本となるよう,皆様とともに全力で取り組んでまいりますので,御指導と御鞭撻をお願いいたします。しばらくの間,御清聴をよろしくお願い申し上げます。  最初に,松井市長の被爆者援護施策に対する基本的な考え方についてお伺いします。先ほどの御答弁と重複するところもあると思いますが,繰り返して伺います。  16日に市長が被爆者と面談したときの発言内容が報道されました。これまでの被爆者援護施策とは全く違う考え方が示され,極めて重大な内容を含んでいたと思いますので,その発言の真意をお聞かせいただきたいと思います。  広島市は,66年前の8月6日,原爆投下によって14万人もの市民のとうとい命が一瞬のうちに奪われました。さらに,放射線後障害によって被爆者は命を奪われ続け,また原爆症を患い,辛うじて生き残っても健康不安の中で一生を過ごさざるを得ない状況に置かれています。そのため,広島市は,国家補償の精神に基づく,原爆被爆者に対する援護施策の充実を求めてきました。  しかし松井市長は,このときの発言で,死んだ人に比べたら助かっとるということをまず言わんのですね,悲劇だ,悲劇だと,それはねえだろうと言われていますが,それはねえだろうとはどういう意味なのでしょうか。被爆者は,原爆による被害について何の責任もありません。辛うじて命を取りとめたとしても,差別や健康不安の中で一生を過ごさざるを得ない状況に置かれているのは,やはり悲しく,せつないのではないでしょうか。原爆投下は,まさに人災です。被爆者の気持ちをどのように推測されておられるのでしょうか,お答えください。  また,黒い雨とか何とかという言葉に言及し,医療費まけてくれ,広げてとか,死んだ人のことを考えたら簡単に言える話かなとも話されています。  黒い雨降雨地域については,現在,第一種健康診断特例区域に指定されています。そして広島市は,現在その指定区域の拡大を国に求めています。これは,広島市自身がしっかりした調査をもとにして,黒い雨が降ったと思われる地域の住民の健康不安が大きいことを科学的に証明し,その拡大を求めているものです。  市長の発言によると,黒い雨降雨地域の拡大を求めること自体も,否定的にとらえていると受けとめられかねられません。市長のこの発言は,現在,国において検討されている地域拡大についても,極めて大きな否定的影響を与えてしまったと危惧していますが,今後どのように降雨地域の拡大を進めようとされているのでしょうか。
     そして最後に,被爆者援護について,くれ,くれ,くれ,じゃなくて,ありがとうございますという気持ちを忘れんようにしてほしい,感謝しないと,という発言もされています。これまでも述べたとおり,被爆者は原爆による被害者であり,原爆を落とされたことに何の責任もありません。原爆の被害者だからこそ,国も国家補償の精神で援護策を講じているのです。このくれ,くれ,くれという言葉遣いは,いかにも被爆者を施しを受けている人として扱っている言葉であり,原爆による肉体的,精神的な被害に加えて,さらに被爆者の自尊心を著しく傷つけ,苦しめる言葉です。被爆者の気持ちに寄り添う広島市長の発言としては,到底認めることができません。  原爆による被害者は,広島市長によって感謝を強制される立場にはありません。人間が,いろいろな事象について感謝する気持ちを自然に持つということと感謝を強制されることとは違います。この点についていかがお考えでしょうか,お答えください。  次に,平和市長会議と2020ビジョンの取り組みについて伺います。  松井市長は,4月14日の就任記者会見で,核兵器廃絶を国に対してしっかり訴えていくためにも,この平和市長会議の取り組みを引き続きやっていくという趣旨の発言をされております。また,5月10日の広島市長・長崎市長共同記者会見におきまして,平和市長会議並びに2020ビジョンの取り組みについて引き続き推進していく,継続を表明され,本市ホームページ上に掲載されている5月13日の記者会見においては,核兵器を廃絶するという大きな目標に向けてしっかりやろうと,長崎市長と共通認識を持ったという趣旨の発言をされています。  これらの発言から,平和行政に対する松井市長の積極的な意欲は伝わってまいりますが,一方で,出かけていく平和行政から迎える平和行政への転換など,方向性を変えることにも言及されており,私を含めた多くの市民が,どのように推進していかれるのだろうかという疑問を感じているのではないかと考えます。  松井市長に伺います。出かけていく平和行政から迎える平和行政へ,につきまして,松井市長のこれまでの数々の御発言から,私は,平和の大切さへの思いを広島市民が共有し,展示物や被爆者による証言活動の充実を行った上で,広島に来ていただいた方にそれらを見聞きしてもらいながら訴える,そういう趣旨ととらえております。これは,あくまでも私の個人的な解釈であり,市長の意図とは,当然,過不足や相違があると思いますので伺いたいのですが,市長が意図される迎える平和とは具体的にどのようなことを想定しておられるのでしょうか。  また,記者会見での御発言にあるとおり,平和市長会議と2020ビジョンについて,会長を務める市として取り組みを継続されるものと考えますが,どのように取り組まれるのでしょうか,お答えください。  次に,平和市長会議の国内自治体への加盟促進について御質問いたします。これまでにも多くの先輩議員から,加盟都市の拡大活動について質問がなされておりますが,今回は特に国内加盟都市に対する働きかけについて伺います。  これまでの質問を通じて,加盟要請文の送付にとどまらず,市職員の方々が他市を訪問した際や,逆に他市の職員の方々が広島に来られた際に,じかに会議の趣旨説明と加盟依頼を行っていただくなど,積極的な取り組みが積み重ねられてきたと伺っています。  その成果として,国内加盟都市数は,現在は970を超えるほどに増加しています。この流れを途切らせることなく,核兵器廃絶へ向けた大きなうねりを国内から生み出すことが必要と考えますが,その上で気になるのは,市の加盟率に比べ町村の加盟率が伸びていないことです。  ことし6月1日時点の加盟都市の内訳を見ると,市の加盟率が78%,町の加盟率は38.2%,村の加盟率は32.6%でございます。大きなうねりを生み出すためには,大きな都市も小さな村も,ともに協調して訴える体制づくりが必要ではないでしょうか。町村自治体へ加盟依頼活動を一層強化していただきたいと考えますが,どのように取り組みを推進されるでしょうか,お答えください。  次に,CANT── 都市を攻撃目標にするな── 市民署名活動について伺います。  この取り組みにつきまして,2008年12月定例会で,太田議員から同様の質問がされていますが,その後どのように取り組みが進んだのかについて伺いたいと思います。  まず,署名数について,市民局に伺ったところ,2011年6月9日時点で111万3055筆の署名を集めているとのことです。2年半前の約40万筆から着実にふえ,区切りである100万筆を超えたとはいえ,大きなうねりとするにはまだまだ十分な数とは言えません。  以前の御答弁では,関係団体との協力関係づくりやオンライン署名の活用,カープの試合前に署名活動を実施する折りづるナイターの開催など,多様な取り組みで署名活動を推進されているとのことでしたが,その後どのような取り組みを実施してこられたでしょうか,お答えください。  次に,被爆者証言の記録・保存について伺います。  松井市長も記者会見等で言及されておりますが,被爆者による実体験の証言は,強く訴える力を持っています。被爆者の高齢化が進む中,その証言の記録と保存は緊急の課題です。  市民局に伺ったところ,証言記録の取り組みは1986年度から開始され,昨年度中までに県内在住者の証言1,011本,県外在住者の証言244本が保存されているとのことでした。また,今年度の取り組みとして,県内在住者については20本程度を制作予定で,そこにかかる予算は118万7000円,県外在住対象者も25本程度制作予定で,かかる予算が443万5000円とのことでした。  記録につきましては,着実に取り組みがなされてきたことはわかりますが,その活用と保存の点で改善の要望があります。  まず,貸し出される際の媒体は,ほとんどがVHSであるとのことでしたが,DVD,ブルーレイディスクなどでの貸し出しも対応できるようにしていただきたいと考えますが,いかがでしょうか。  また,他国語への翻訳については,英語が776本,中国語が136本,ハングル語が145本と,3カ国語について実施されているとのことでした。貴重な証言を広く世界に伝えるためにも,ヨーロッパ諸国の言語など,より多様な言語への翻訳が必要ではないでしょうか。例えば,平和記念資料館のリーフレットは,この3カ国語のほか,フランス語,ドイツ語,ロシア語,イタリア語,ポルトガル語,スペイン語の計9カ国語に翻訳されております。  さらに,これらの証言のうち,一部は平和記念資料館のホームページで閲覧できると伺い,早速探してみましたが,非常に見つかりにくいところにある上,視聴したところ,画像も鮮明ではありませんでした。閲覧者が被爆者証言のコーナーを見つけやすくなるよう,ホームページ上の配置の工夫もしていただき,また画像の画質も改善していただきたいのですが,いかがでしょうか。  続いて,保管方法についてですが,伺ったところ,元データはDVDまたはデジタルベーカムという媒体で,平和記念資料館内に保管されているとのことでした。万が一の破損や災害による消失に備えて,予備データを別途保管すべきではないでしょうか,お答えください。  次に,本市財政計画について伺います。  本市は,1997年以降,市財政の健全化を図るべく,広島市財政健全化計画が策定され,2004年からの第二次計画,2008年からの今後の財政運営方針と,継続して市債発行残高の抑制に取り組んできた結果,実質プライマリーバランスは,平成11年以降黒字を維持し続けてきました。しかしながら,いまだ先行き不透明な厳しい経済情勢で税収増が見込みにくい中,実質プライマリーバランス黒字を確実に堅持できるよう,市債残高の抑制は,引き続いて本市にとって継続しなければならない取り組みであると考えます。  この点につきまして,松井市長に伺います。  現在は,2008年度から2011年度までの4年を計画期間とする今後の財政運営方針が発効されており,今年度がこの計画の最終年度になります。来年度からの新計画においても,実質市債残高の抑制並びにプライマリーバランス黒字の維持を盛り込んだ財政健全化路線をしっかり明示されるべきと考えますが,松井市長はどのようにお考えでしょうか。4月の選挙時,市長の公式ホームページに,後世にツケを残さないよう財政の健全化も進めると記されておりましたので,引き続き取り組んでいただけると考えておりますが,念のため確認をさせていただきます。  次に,市債発行についてお伺いします。  まず,お断りさせていただきたいのですが,今回は質問の趣旨を明確にするために,県との共同発行である新広島市民球場債並びに他都市との共同発行である共同発行市場公募債は除き,本市単独発行の市債についてのみ述べさせていただきます。  さて,本市の市債について,昨年度は本市単独で発行する個別発行のものについて見ますと,5年債と10年債の2種類の市債で資金調達されています。一般的に,償還までの期間が短い短期債の方が長期債よりも低い利率で発行できます。  御参考までに,直近に発行された本市市債の場合は,5年債の表面利率は0.59%,10年債の場合は1.29%です。短期債の方が短期間で償還される,すなわち元金が戻るため,投資家にとっては比較的安心感があり,その分,利率が低くても買う投資家がいるからです。本市の場合,5年債の発行は昨年度から開始されており,厳しい財政状況の中,より低い金利での資金調達に取り組んでおられると評価できます。  一方で,他市では異なる取り組みも見られます。例えば,横浜市や名古屋市,京都市,川崎市などは,償還年限が20年の超長期債,いわゆる20年債を発行している自治体もあります。前述のとおり,一般的に債券は償還までの年数が長いほど利率が高くなりますので,一見すると市民にとって不利益であるように見えますが,もちろんこれには合理的な理由があります。それは,固定金利の超長期債を発行しておけば,たとえ将来,金利が上昇した場合でも利率は固定される。すなわち,支払い利息を低い水準に抑えたままにできるからです。  現在の日本は,事実上のゼロ金利政策が続き,低金利時代が続いておりますが,金利が乱高下する可能性がないのかと言えば,そうではありません。一般に10年国債の金利が長期金利の代表的指標とされていますので,便宜上そのデータで述べさせていただきますと,ここ数年は1%前後の水準が続いており,この10年間,2%を超えたことはありませんが,20年前のバブル期には8%近い水準でした。  金利は景気動向によって大きく変動する可能性があり,また将来上がるのか上がらないのか,それを的確に予測することはできません。予測できないからこそ,前述のほかの市は,超長期債の発行によって金利の上昇リスクに備えていると考えられます。  本市市債においても,償還年限の多様化に一層取り組むべきではないでしょうか。将来にツケを残さないためには,20年債など超長期債の発行もしておくべきではないでしょうか,お答えください。  次に,投資家への情報提供について伺います。  投資家への情報提供は,インベスター・リレーションズ,略してIRと呼ばれますが,近年このIRに取り組む自治体がふえています。一般的に,得られる情報が多ければ,投資家はその債券に安心感を持つことができる,つまり信用度が増すという効果が期待できるからです。市債の信用度が高まれば,発行時の利率が低くても,投資家に購入してもらいやすくなる,すなわちコストを下げられる可能性があります。また,市の財政状況などについて,市民の方々の理解が深まるというメリットもあります。  例えば,前述の川崎市では,市債について,ホームページ上での詳細な情報提供やニュースレターの発行など,詳細なIR活動を行っています。本市においては,市債の募集時期や利率,またIRイベントに使用された資料の内容などは,ホームページ上に掲載されていますが,非常に探しにくく,また読みづらいと感じます。情報が見やすくなるように改善すべきではないでしょうか,お答えください。  次に,拠点地区間の公共交通について伺います。  本市では,地球温暖化や人口減少,高齢化,市場経済成長の低迷などの社会的背景の中で,拡大基調ではなく,都市機能の都心及び拠点地区への配置を進め,これらの地区を公共交通ネットワーク等で結んだ有機的都市構造の形成に取り組むという方針が,第5次広島市基本計画において示されています。その中で,都心や拠点地区を結ぶ公共交通ネットワークのイメージが図示されていますが,この図によるとすべての地区を結ぶという図にはなっておりません。具体的には,緑井地区−高陽地区間,可部地区−高陽地区間については,公共交通ネットワークのイメージが示されていません。  実際のところ,高陽地区は,近隣拠点地区の緑井地区,可部地区とつながる公共バス路線の利便性が乏しく,高陽地区と可部地区を結ぶバス路線は,1時間に一,二本,また高陽地区と緑井地区間は1日に5本という状況です。  この両ルートにおける公共交通の利便性向上について,森本真治議員も昨年度2月の予算特別委員会で取り上げられておりますが,市民から強い要望があることですので,改めて質問をさせていただきます。  森本議員からの質問に対しては,両ルートともに,事業者に問い合わせたところ,採算上の理由で実現が困難とのこと,あるいは,事業者に問い合わせたところ,利用者数の確保や企業協賛があれば検討可能とのことという趣旨の答弁をいただいておりますが,市がこの両ルートの利便性向上に向けて,事業者と地域とともに解決方法を導き出せるよう,より積極的にかかわっていくことが必要ではないでしょうか,お答えください。  次に,JR駅舎のバリアフリー化について伺います。  昨年,9月定例会での都志見前市議からの同様の質問に対し,道路交通局から,高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づき,利用者数5,000人以上の駅については,14のJR駅のうち,年度内に11の駅がバリアフリー化され,残る3駅についても,早期実施に向けて引き続きJR西日本と連携して進めるという趣旨の答弁をいただきました。  さて,このたび,前述の高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律,こちらに基づく基本方針の改正により,2020年度までに1日の平均利用者数が3,000人以上の駅について,原則すべてエレベーターまたはスロープの設置などによる段差解消,点字ブロック,障害者対応型トイレ設置等を実施することが定められ,基準となる平均利用者数が引き下げられました。  この改正に基づき,芸備線の主要駅であり,1日の平均利用者数が3,000人以上の安芸矢口駅,下深川駅のバリアフリー化をより推進いただけるよう取り組みを強めていただきたいと思いますが,いかがでしょうか,お答えください。  最後に,イベントにおけるバリアフリーの取り組みについて伺います。  ことしのフラワーフェスティバルは,晴天に恵まれ,歴代3位の来場者数を記録し,盛況であったと伺います。私自身も楽しませていただきましたが,障害のある方もイベントをより楽しめるよう取り組みを強めるべきではないかと感じました。  例えば,フラワーフェスティバルでは,車いすの無料貸し出し,障害者用トイレの設置,ふれあい広場での作業所によるブース出展,ステージでの発表などに取り組まれており,健康福祉局に伺ったところ,これらの取り組みはことしで31年目を迎えるとのことでした。  また,障害者支援団体や作業所等による広島ふれあい委員会が組織され,その委員会からの意見や要望を障害福祉課の方で事務局として取りまとめ,フラワーフェスティバルの実行委員会に伝達されているということを伺いました。  まずお願いですが,より一層この広島ふれあい委員会の意見がフラワーフェスティバルに反映されるよう,関係理事者の皆様には一層の努力をいただきたいと思います。  さて,2013年には,第26回全国菓子大博覧会,通称菓子博が本市で開催されます。菓子博についても,フラワーフェスティバルと同様に,障害のある方の意見や要望がイベントの企画運営に反映されるべきと考えますが,どのように取り組まれるでしょうか。  前回,姫路市で開催された菓子博では,既存施設を使っているせいか,バリアフリーになっていなかった,配慮の足りない会場だったという市民からの投書が神戸新聞に寄せられています。本市においては,こういう声が出ることのないよう取り組んでいただきたいと考えます。  また,これは提案ですが,手づくりのお菓子づくりに取り組まれている作業所なども多くございます。これらの作業所が出展できるコーナーも設置されてはいかがでしょうか。  以上で質問を終わります。答弁によりましては,再質問をさせていただきます。  御清聴,まことにありがとうございました。(拍手) ○木島丘 議長        市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       山内議員の御質問にお答え申し上げます。  最初,私の発言についての御質問でございます。  まず,被爆者の気持ちをどのように推測しているのかという点についてでございますが,被爆者は今も原爆放射線による健康被害に苦しみ,健康不安を抱える多くの方がおられると。そして,そうした健康被害などが原因で,死んだ方がましだというようなことを思っておられるほど苦労を重ねておられる方もおるということをよく承知しているところでございます。私自身は,そうした被害者の方々,あるいはそういう気持ちをしっかり理解して,大切にしていかなければならないというふうに考えております。  次に,被爆地域の拡大という点についての御質問がございました。  昨年の12月の市議会において,原子爆弾被爆地域の拡大を求める意見書というのが採択されていることも十分承知しております。これまでの方針をいささかも変えることはございません。被爆地域の拡大の実現に向けて,しっかり取り組んでまいるという所存でございます。  最後に,私の感謝に関する言葉についての真意がどうかというふうなお話があったと思います。  山田議員への答弁で申し上げましたけども,私の発言は,被爆者の援護というものは,原爆の犠牲者や被爆者として生きている人の痛みとか苦しみ,多くの国民が分かち合うという精神があってこそ成り立っているものであるというのが,私なりの考え,これが背景にあってのものでございます。  今まで被爆の実相を話すことなく過ごされてきた中で,言えるようになったということは,そのような環境ができ上がっているからであるとも言えるというふうに思っていまして,私はそのこと自体に感謝の気持ちを持つことは大切だということを強調したかったものであります。  したがいまして,私が感謝を強制しようなどという考えを持っておるものではございません。市長である私が,強制されたというふうな受けとめを受けるような発言をするということは,皆様方に御心配をかけるというようなこともこのたびよくわかりましたので,今後は十分心していきたいというふうに考えております。  次に,2020ビジョン及び迎える平和ということについての御質問がございました。  これに関しましては,まずもって平和行政の推進ということについては,所信表明でも申し上げましたように,私自身は先人の築いた成果というものをしっかり受け継ぐ,そしてヒロシマの願いである核兵器の廃絶,世界恒久平和の実現というものに向けて積極的に取り組んでまいる覚悟であります。  核兵器の廃絶の取り組みというものにつきましては,これまで以上に市民やNGOなどの連携というものを強化すべきだと考えております。国の内外から,多くの人に広島に来てもらって,被爆者初め多くの広島市民が平和への思いをしっかり持って共有してるということをじかに見てもらう,実感してもらうということは重要だというふうに考えておりまして,そういう気持ちを込め,意味合いを込めて私は,迎える平和というふうに提唱しているものでございます。  この取り組みを進めるに当たりましては,被爆者の体験談とか平和への思いというものをしっかりと蓄積して,市内のいわば至るところでこういったものに触れるような状況をつくっていきたいと。これによりまして,広島の市民が共通の思いとして持ってるんだなということ,そういう状況があるようにしていくことはとても重要だというふうに考えているところでございます。  その一環として,ことしの平和宣言を被爆者自身の被爆体験談とか平和への思いというものを盛り込む形で作成してみたい。そのことによりまして,その思いを広島市民を初め国の内外に広く発信するとともに,将来の世代に引き継げるようにしていきたいというふうに考えているところであります。  今申し上げましたように,迎える平和の取り組みを展開するということに加えまして,核保有国の首脳というものが核廃絶の意思を持ってもらうようにしていくということをやっていかなきゃいかんと考えておりまして,そのためには都市レベルで国際世論のさらなる醸成を図るということはとても重要だというふうに考えています。  実際,現在4,700を超える世界の都市が加盟しております平和市長会議があります。この会議は,まさに世界に被爆の実相を伝えて,核兵器廃絶を求める国際世論というものをつくり上げる,醸成するというために,大変な,有効なネットワークというふうに考えておりまして,これを引き続き平和市長会議への加盟促進というようなことに向けて取り組んでいきたいと考えております。  また,2020年までの核兵器廃絶を目指しておりますビジョン── 2020ビジョンキャンペーン── これを掲げてやっておりますけれども,その主要な取り組み,これは何といっても核兵器禁止条約の締結に向けた交渉の開始,それを求める署名活動でありまして,世界の都市,市民,NGO等との連携を図りながらということが至上命題でありまして,これを一層やっていきたいというふうに考えております。  そのため,これまで以上に,あらゆる機会をとらえまして,加盟都市に署名活動の協力を促していくということとともに,今年度初めて開催する国内加盟都市会議におきましても,直接要請するなどの署名活動の促進を図っていこうというふうに考えています。  こうした取り組みを通じまして,今後とも,2020年までの核兵器廃絶に向けたさらなる大きなうねりというものをつくり上げることにしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。  その他の御質問につきましては,担当局長の方からお答え申し上げます。 ○木島丘 議長        財政局長。 ◎岡田輝彦 財政局長     まず最初に,今後の財政運営についてでございます。  本市では,平成19年度,2007年度に今後の財政運営方針を策定し,財源不足の解消と財政調整基金の確保及び市債の実質残高の抑制の二つを目標に掲げ,歳出削減と歳入確保に取り組んでいますが,本方針は今年度で計画期間が終了いたします。  そのため,現在,平成24年度,2012年度以降の中期的な財政収支見通しの作成作業を行っており,その結果や,国及び社会経済情勢の動向等を踏まえ,来年度以降の新たな財政計画を策定したいと考えております。  議員御指摘の市債の実質残高については,これまでの財政健全化に向けた取り組みにより,ピークであります平成14年度,2002年度の8316億円から平成23年度,2011年度当初予算では7245億円と,1000億円以上縮減してきています。しかし,依然として本市の実質公債費比率や将来負担比率などの市債に関する財政指標は,政令指定都市の中でも高い水準にあることから,市債を今後とも適切に管理し,抑制していく必要があります。  一方,老朽化する公共施設の更新や経済対策の適切な実施には,その財源として市債を柔軟に活用することも,また必要です。今後の財政運営にとって,市債の管理は重要なポイントになることから,そのあり方について十分検討したいと考えております。  続きまして,市債の償還年限の多様化についてでございます。  平成13年度,2001年度の財政投融資制度改革に伴い,地方公共団体に対する郵便貯金等の公的資金による長期の融資は縮減・重点化されてきています。  本市におきましても,近年,公的資金にかわり市場公募債等による民間からの資金調達の割合がふえてきている状況であることから,民間資金の円滑な調達を図る取り組みは,その重要性が増していると認識しています。  これまでの本市の民間資金の調達は,借り入れ10年後にすべて償還する10年満期一括償還方式の市場公募債を中心に行ってきましたが,御紹介にもありましたように,平成22年度,2010年度からは,金利変動リスクを増加させない範囲内で5年満期一括債を導入するとともに,今後は定時償還債の活用を図るなど,支払い金利総額の圧縮に努めていきたいと考えています。  議員御指摘の20年債などの超長期債による資金調達については,将来の金利上昇リスクへ備える観点からは有益ですが,金利負担が増加するというデメリットもあり,その導入については今後の金融情勢等を踏まえながら慎重に検討する必要があると考えております。  続きまして,投資家の皆様への情報提供についてでございます。  金融機関や投資家等に対して本市の財政状況を積極的に情報開示していくことは,本市の市場公募債等を安定的かつ円滑に発行していく上で大変重要な取り組みであると考えております。  このため本市では,平成14年度から市場公募債発行団体や総務省と合同で,IR説明会を開催し,市場関係者等に本市の財政状況等について説明をしているほか,「ひろしま市民と市政」やホームページを通じ,本市の予算,決算,財政事情,バランスシートなどの財務諸表等の積極的な情報提供に努めています。  これらの情報提供に当たって,議員御指摘の資料のわかりやすさやアクセスのしやすさという点は,十分配慮すべき事柄であることから,御紹介のありました川崎市等他都市の状況等も参考に,よりわかりやすい情報提供ができるよう改善していきたいと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     平和行政の推進に関する数点の御質問に順次お答え申し上げます。  まず,平和市長会議についてでございます。  平和市長会議は,設立当初,海外において被爆の実相や核兵器廃絶に向けた取り組みへの理解を促進し,国際世論の喚起を図るため,海外の都市に絞って加盟を呼びかけておりました。  しかしながら,唯一の被爆国である我が国の自治体が率先をして取り組み,国際世論の醸成をリードすることが必要との認識から,平成20年2月からは国内の市にも加盟要請を開始し,平成21年1月からは町村にも対象を広げ,加盟要請文を送付いたしております。また,同年11月に,都道府県町村会会長に対し,会合の場を通じ,会員に平和市長会議への加盟を呼びかける旨の協力依頼を行っております。さらに,平成22年5月には,2020核廃絶広島会議の開催に当たって,未加盟の市町村への案内文に加盟要請文を同封するなど,加盟促進に努めております。
     しかしながら,議員御指摘のとおり,市に比べ町村の加盟比率が低いため,今後は平和文化センター理事長等が他都市で講演を行う際に,あわせて周辺の市町村を訪問し,直接加盟要請を行いたいと考えております。また,今年度初めて開催します国内加盟都市会議において,参加都市に近隣の未加盟の市町村の平和市長会議への加盟の働きかけについて協力依頼を行うなど,国内加盟都市の増加に向けて努力していきたいと考えております。  次は,CANT署名についてでございます。  平和市長会議では,平成19年2月から,核保有国に対して,都市を攻撃目標としないよう求めるCANT市民署名活動を行っております。この署名活動には,全国の生活協同組合,日本労働組合総連合会を初め,平和活動に取り組んでいる多くの団体に御協力いただいております。また,広島で始まった中高校生による署名活動への取り組みの輪は,北海道,東京,沖縄等全国の学校に広がっており,積極的に取り組んでいただいております。  こうした取り組みに加えて,成人祭などのイベントでの署名活動の実施やインターネットを活用したオンライン署名の開始など,CANT署名が市民の皆様に身近になるための取り組みを行ってきております。  議員御質問のその後の取り組みですが,本市主催の国際平和シンポジウムや国際交流・協力の日のほか,他団体主催のイベントなど,さまざまな場を活用した署名活動の展開,さらには平和記念資料館に来館者用の署名コーナーの設置,加えて加盟都市に対するオンライン署名促進の依頼等などを実施しております。  こうした取り組みにより,これまでに国内外から111万筆を超える署名をいただいております。これらの署名の大多数は,市民団体等の自主的な取り組みによるものであり,こうした取り組みは署名活動の大きな推進力となっております。今後も引き続き,国内外の加盟都市や市民団体等と連携をし,数多くの市民署名が集まるよう,幅広く活動を展開していきたいと考えています。  最後に,被爆証言の記録・保存についてでございます。順次お答えします。  被爆者証言の記録・保存のため,平和記念資料館と国立広島原爆死没者追悼平和祈念館が被爆者証言ビデオの制作に取り組んでおりまして,これまでに1,284人の被爆者証言を収録いたしております。  まず,証言ビデオのDVD化でございますが,被爆者証言ビデオはこれまで平和学習や修学旅行の事前学習用の資料として,主に学校で活用されてきたため,学校現場の視聴覚機器にあわせてビデオテープで制作してきております。  最近は,DVDプレーヤーの普及が進んできていることから,平成20年度以降,新たに制作する証言ビデオについてはDVDとしております。今後は,証言ビデオの一層の活用を図っていくため,平成19年度以前に制作をした証言ビデオのDVD化にも順次取り組みます。  次は,証言ビデオの多言語化でございます。  証言ビデオの多言語化につきましては,国立追悼平和祈念館が国からの受託によりまして,館内で使用している言語にあわせて,英語,中国語,ハングルの3カ国語の証言ビデオを作成しておりまして,それぞれ776本,136本,145本を保有しております。今後,被爆体験を世界のより多くの人々と共有するため,まずは世界で広く使用されている英語版をふやすことを最優先に取り組みたいと考えております。  次は,平和記念資料館のホームページの関係でございます。  平和記念資料館のホームページには,被爆者証言ビデオを初め,バーチャル・ミュージアムや被爆資料,原爆の絵など,多くのコンテンツを盛り込んでおります。被爆者証言ビデオは,ホームページのトップページからはすぐに検索できない状況にあることから,探しやすい画面のレイアウト等の改善を図っていきたいと思っております。  また,被爆者証言ビデオの画質の改善につきましては,元データの劣化や,あるいはサーバの容量の問題もあることから,今後どのような改善ができるか検討したいと考えております。  最後,災害時への対応でございます。  証言ビデオのマスターデータは,現在,被爆資料などとともに,適切な管理のもと,平和記念資料館の収蔵庫で保管をしております。災害に備え,予備データを作成し,マスターデータとは違う場所に保管することは重要な課題と認識しておりまして,今後,時間をかけて検討したいと考えております。  以上です。 ○木島丘 議長        経済局長。 ◎棚多展義 経済局長     菓子大博覧会について,障害のある方の意見や要望が反映されるべきだと思うがどうかと,それからもう一つ,手づくりのお菓子づくりに取り組んでいる作業所が出展できるコーナーも設置してはどうかと,この2点についてお答えいたします。  第26回全国菓子大博覧会・広島については,本年6月1日に広島県菓子工業組合を初め,地元経済団体や企業,広島県,広島市等で構成する実行委員会が設立され,本博覧会の基本計画が決定されました。  この基本計画では,「世界にとどけ!笑顔をむすぶお菓子のちから」をテーマに,平成25年4月19日から5月12日までの24日間,旧広島市民球場跡地,広島県立総合体育館とその周辺で,本博覧会を開催することにしています。  目標来場者数は約80万人としており,商店街や飲食業者,ホテル,交通事業者など,さまざまな団体,企業等の取り組みにより,広島全体が博覧会を盛り上げることで,県内だけでなく,全国,海外からも多くの人に来場していただきたいと考えております。  また,来場者に夢と感動を与える展示や催しの実施,参加・体験型プログラムの充実,ユニバーサルデザインへの対応などにより,来場者に十分満足していただくことを念頭に置いた博覧会とすることにしています。  今年度は,この基本計画をもとに,会場計画,展示やイベントなどの詳細について,実施計画として取りまとめることにしています。今後,障害者の方の御意見や御要望もお聞きしながら,だれもが楽しめる博覧会となるよう取り組んでまいります。  また,議員御提案の作業所が出展できるコーナーの設置についても,実施計画を策定する中で検討してまいります。  以上でございます。 ○木島丘 議長        道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    拠点地区間の公共交通について,高陽と緑井及び高陽と可部を結ぶバスルートの利便性向上についてです。  乗り合いバス事業につきましては,平成14年,2002年2月の規制緩和により,バス事業者みずからが,その経営判断に基づいて路線の新設・廃止,ダイヤやルートの変更等を行えるようになっております。したがって,バス事業者の経営状況が厳しい中にあって,車両購入費や人件費などのコストの増加を伴うバス路線の新設や便数の増強については,一定以上の利用者数が見込まれないと難しいのが実情です。  このような状況にはありますが,バス路線の新設や便数の増強は,公共交通のあり方に係る重要な課題であることから,高陽と緑井及び高陽と可部を結ぶバス路線の新設等について,まず市が地元住民と連携して地域のニーズの把握に努め,必要性を見きわめていきます。その上で必要性が明確になれば,バス事業者に働きかけを行うなど,その実現方策を探っていきたいと考えております。  次に,JR駅舎のバリアフリー化について,芸備線の安芸矢口駅及び下深川駅のバリアフリー化についてです。  本年3月,国において,移動等円滑化の促進に関する基本方針が改正され,バリアフリー化の対象となる旅客施設が,これまでの1日当たりの平均利用者数5,000人以上から3,000人以上へと拡大されるとともに,バリアフリー化の整備目標が平成32年度,2020年度と定められました。  これにより,本市域内において,JR西日本がバリアフリー化に取り組む必要があるJR駅は,新たに安芸矢口駅及び下深川駅を含め5駅となります。これまで平均利用者数5,000人以上でバリアフリー化が実施されていない3駅と合わせ,合計8駅となりました。  今後,本市としては,これらの8駅について,できるだけ早期にバリアフリー化を実施するよう,JR西日本に働きかけを行うとともに,国と連携して必要な支援を行っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        山内正晃議員。 ◆9番(山内正晃議員) 御答弁をいただきまして,ありがとうございます。  幾つかの点で御要望と再質問をさせていただきたいと思います。  まずは,要望についてですけれども,先ほど道路交通局長より御答弁いただきました高陽−可部間,緑井−高陽間のバス路線について,まずはニーズ把握に努めていただいて,必要であれば働きかけを行政としてもやっていただけるという御答弁いただいたと思います。  前提として,規制緩和の中で民間事業者頼みになっている,民間事業者に路線の参入退出がゆだねられている,そういう状況にありますけれども,規制緩和,その流れのみに依拠しておりますとどういう結果になるかといいますと,利益の出る路線は一層充実していきますけれども,赤字の路線は次々廃止されていく,そういう二極化が起きるであろうということはだれでも予想ができることです。買い物に行けない,医療難民,そういった方が出ることのないように,行政としても引き続き一層の御努力をお願いいたしたいと思います。  また,安芸矢口駅,下深川駅のバリアフリー化につきましても,2020年度までといいますと,あと9年でございます。短い期間でありますが,9年後にはさらに高齢化が進みます。ぜひ,引き続きの取り組みをお願いいたしたいと思います。  次に,こちらは質問とさせていただきますが,松井市長の被爆者援護施策に関する発言の真意につきましてでございます。  今回の報道によりまして,被爆者の方だけでなく,多くの市民の方が松井市長に失望感を持たれ,また怒りを感じておられる,そういうのが事実としてございます。感謝を強制しようとする意図はない,十分に心していきたい,そのように御答弁をいただきましたけれども,市長はみずからが被爆二世であるということで,被爆者の実情について十分に承知しておられる,そういう自負がもしかしたらおありになるかもしれませんけれども,より一層,被爆地広島市の市長として,実情の把握や熟知に努めていただきたいと考えますが,この点につきましていかがでしょうか。  また,こちらも質問させていただきますが,市民局長から御答弁いただきました被爆者証言の記録・保存について,他国語への翻訳についてですけれども,まずは英語版を最優先として行われるということですけれども,市長の答弁にもありましたが,核保有国の首脳など世界の広い多くの方々に共有していただくには,やはり英語に限らず,多様な言語への翻訳が必要なのではないでしょうか。もちろん,通訳がその場で翻訳するということも考えられますけれども,通訳の能力では,当市としてその証言がきちんと正しくニュアンスまで翻訳されているのか,そういうところまで担保することができません。きちんと本市として取り組みをしていただきたいと思っておりますが,この点につきましていかがでしょうか。  以上,2点,お答えをお願いいたします。 ○木島丘 議長        市長。 ◎松井一實 市長       ただいまの御質問で,私の発言で多くの方,失望とか残念だという気持ちを抱かせてしまった点については,本当に私自身も申しわけないなと,その点について思います。  しかしながら,今言われた,私,二世だから何でも知ってるということは決して思ってなくて,先ほどの話ありましたように,私自身,被爆した母からそんなに原爆の話聞いたことないんです。ただ,18の年までおりまして,いろんな学校での教育なんかで,原子爆弾絶対いかんというようなことは十分,いろいろ勉強して,これはあっちゃいかんという気持ちは強く持っています。  ですから,今申し上げておりますように,実相というのを直接聞いてないということもありますもんですから,本当に今,皆さんの言葉をいただいて,実相を知り,共感を得たいということで,直接,皆さんの言葉をいただくということを,今,一生懸命やりたいと。そんな中で,被爆者の中で,今でも本当に大変な方々の思いはしっかりと受けとめたいというふうに思っているところでございます。 ○木島丘 議長        市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     被爆者証言ビデオの多言語化につきましては,議員の御指摘を踏まえまして,限られた予算の中でどういったことが工夫できるか,検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○木島丘 議長        山内正晃議員。 ◆9番(山内正晃議員) 御答弁いただきまして,ありがとうございました。  市長御自身の生き方の信念として,感謝の気持ちを持つということは大変すばらしいことだと思いますけれども,やはり平和行政が滞ることのないように,市長も答弁で繰り返し申されておりますけれども,引き続き取り組みを強めていただきたいと思います。  被爆者証言の記録・保存につきましては,なかなか明確にまだ進めていただけるのかどうかよくわかりませんけれども,迎える平和という理念の実現のためにやはり必要なことだと思いますので,また別の機会に取り上げさせていただきたいと思います。  質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ───────────────────────────────────────              休   憩   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○木島丘 議長        この際,暫時休憩いたします。                 午前11時56分休憩 ───────────────────────────────────────                 午後1時04分開議                 出席議員  51名                 欠席議員  4名 ○金子和彦 副議長      出席議員51名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○金子和彦 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,市長の施政方針に対する質疑及び一般質問を行います。  2番碓氷芳雄議員。                〔2番碓氷芳雄議員登壇〕(拍手) ◆2番(碓氷芳雄議員) 公明党の碓氷芳雄です。会派を代表して一般質問をさせていただきます。  質問に入ります前に,3月11日に発生した東日本大震災によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに,被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。  被災地の復興と被災された方々の平穏な生活が一日も早く取り戻せるよう,国にも適切かつ迅速な対応を求め,復興支援のために力を合わせ,取り組みを進めてまいりたいと思います。  また,5月12日,安佐南区新安川で発生した水難事故により命を落とされた児童3名の御冥福をお祈り申し上げますとともに,御遺族の皆様に心からお見舞い申し上げます。  本年4月に行われました選挙の結果,新たに選出された55名の議員による新議会とともに,本市においては12年ぶりの新しい市長が誕生いたしました。私の周りにも,松井新市長の誕生を喜ぶ声は多く,広島の新時代への期待は大きく膨らんでいると実感しています。市長と議会は車の両輪に例えられますが,我が会派は是々非々のスタンスで,あくまでも市民の生活を守るため,いいことはいい,悪いことは悪いとはっきり申し上げながら,しっかりと議論を重ねてまいりたいと考えております。そしてともどもに,市長の掲げられた,世界に誇れるまち,住んでよかったと思える広島市を目指し進んでまいりたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  初めに,市長の政治姿勢として,これまでの午前中の質問と重複いたしますが,過日の市長の被爆者援護施策に関しての発言についてお伺いいたします。  この件については,新聞報道がなされて以後,我が会派に対しても多くの声が寄せられ,また被爆者団体の関係者からは,市に対しての抗議文も提出されました。人によって受けとめ方や評価の違いはあるにせよ,結果として被爆者の方々の中に心を傷つけられたと感じる人があり,憤りを隠せないとの声が上がったことについては,大変残念であり,市長の言葉の選択や思いの伝え方なども含め,配慮に欠けた点があったとの指摘は避けることができないのではないかと思います。そういう点については,私どもとしても大変遺憾に感じております。  そこでお伺いします。  このたびの被爆者援護施策に関しての市長の発言について,改めて発言の真意も含めた説明を求めます。また,今後,被爆地の市長として,被爆者援護施策についてはどのように取り組んでいかれるか,お伺いいたします。  次に,水難事故への対応についてお伺いします。  5月12日,安佐南区新安川で,小学6年生の男児3人が水死するという,大変痛ましい事故が発生いたしました。5月14日,私は子供たちが発見された新安川と川に侵入したと見られている公園わきの排水管を確認いたしました。今回の事故が起こった後,それを基準にしてこの排水管を見ますと,確かに危険な箇所と思えますが,その意識を持たなければ,あるいは日常見なれた光景として,特に気にとめることもなく見過ごしてしまうかもしれないと感じました。  その後,市当局は,地元との協議を行い,この排水管周辺には侵入を防ぐためのスクリーンと立入禁止の看板が3枚設置されました。今後,同様の事故を起こさないための対策を全力で進めることが大切であります。  このたびの事故を受け,下水道局は,市内全域を対象に,地元や関係部局との連携を図りながら,児童の侵入経路となり得る危険箇所の一斉点検を行いました。今回の点検はどのような基準で行われたのか,その点検の内容と結果についてお答えください。また,点検によって得られた結果を踏まえ,再発防止のための対応をどのように考えておられるか,お伺いいたします。  今回は,排水管が河川への侵入経路となりましたが,排水管は直接の事故原因とは言えません。河川への侵入は,その気になればどこからでも可能なため,排水管の点検,対応だけでは根本的な再発防止策にはならないと思われます。子供たちを危険から身を守るために,学校,地域,家庭などにおける指導や意識啓発が必要だと考えますが,今回の事故を踏まえた教育委員会のこれまでの取り組みと今後の対応についてお伺いいたします。  次に,防災対策についてお伺いします。  昨年7月,安佐北区矢口川周辺の口田地区や安佐南区の新安川周辺の長束地区で,大雨による床上・床下浸水などの被害が発生いたしました。  浸水被害が発生した原因は,豪雨により太田川の水位が上昇し,支流の河川に水が逆流する状況が発生したため,逆流を防ぐための樋門を閉めましたが,たまった水を太田川に排水するポンプの容量が流れてくる水量に追いつかなかったことによります。  その後,国,県,市などの関係行政機関で構成する平成22年7月梅雨前線豪雨内水対策検討会が設置され,流域治水のあり方や具体的な浸水被害対策が検討されました。  過日,新安川の排水ポンプ場そばに,それまで未設置だったサイレンと警告灯が設置されました。周辺の住民からは,新たな防災設備の設置を喜ぶ声とともに,音が小さく遠くまで聞こえない,他の消防車などの音と同じで特別なものとは感じないなど,新たな課題を指摘する声も出ています。  災害時に情報をいち早く収集し住民に伝える方法としては,防災行政無線があり,広島市では,昭和61年から運用されています。タイプとしては,固定系,同報系,移動系の3種類があり,そのうち固定系は,平成12年度よりデジタル化による画像伝送などの新技術が取り入れられています。あとの同報系と移動系は,運用開始から25年近くが経過し,老朽化が著しいため,早期に更新する必要があるとお聞きしています。  広島市において,消防局や市役所から地域住民へ音声で防災情報を提供する同報系システムの屋外受信機と屋内受信機の設置状況をお聞かせください。また,防災行政無線のデジタル化に伴い,同報系と移動系について,今後どのように更新,整備されるのかお伺いします。  さらに,現在,広島市が取り組んでいる防災情報メールと緊急速報エリアメールは,避難勧告等の緊急かつ重要な防災情報が,個人の携帯電話やパソコンに直接届くという意味では,非常に有効な手段だと思います。今後,さらなる普及啓発に力を入れるべきだと思いますが,当局のお考えをお聞かせください。  昨年の長束地域の浸水の際には,道路にあふれた水のため,避難場所まで移動することができず,家の中にいたと言われる方が多数おられました。災害時の避難場所も,地震,大雨,高潮など,災害の種類によって,それに適する場所とそうでない場所があります。各地域における住民の避難体制は,災害の種類やそれぞれの地域の実情に合ったものになっているのかどうかといった点も,今,市民の防災意識が高まっている中,改めて確認し,周知にも力を入れる必要があると思いますが,その点に関する市当局のお考えと取り組み状況についてお伺いします。  次に,学校施設の耐震化についてお伺いします。  全国どこでも大きな地震に見舞われる危険性がある中,我が国にとって学校の耐震化は,国民の生命を守る上で最重要課題の一つと言えます。学校は,子供たちが1日の多くの時間を過ごす学習と生活の場であり,さらには地域住民にとっても災害時の防災拠点としての役割を担っています。そのため,安全性の確保は,住民の命や財産を守る上で欠かすことができません。
     平成23年4月1日現在の広島市立学校施設の耐震化率は59.5%となっています。今月7日,広島県は,すべての県立学校の建物の耐震化工事を,当初の計画の完了時期から12年前倒しし,2015年度末までに完了させることを決定いたしました。湯崎知事は,保護者や子供の不安を解消したい,県が率先することで市町立小中学校の耐震化も促したいと述べられています。  本市における学校施設の耐震化は,平成30年度までにすべての工事を完了する計画で進められていますが,東日本大震災の発生を受け,市民の地震災害に対する意識も急速に高まっており,いつ発生するかわからない災害に備える必要があります。  そこで,本市における学校施設の耐震化も,可能な限り前倒しして進めることが重要だと考えますが,この点についての御見解をお伺いいたします。  また,東日本大震災では,公共施設などの天井が崩落する被害が相次ぎ,東京都千代田区の九段会館では,専門学校の卒業式中に天井が落下し,講師や生徒ら28人が死傷し,また栃木県の中学校の体育館では,集会中に石こうボードが落下し,20人が負傷しています。  国土交通省では,現在,指針の見直しも含めて,天井の落下防止策を再検討する方針を打ち出していますが,本市では学校の体育館など,避難場所にもなる施設の天井落下の防止についてはどのような対応をとられているのでしょうか,お伺いいたします。  また,子供たちが一日の中の長い時間を過ごす場所という点から言えば,幼稚園も保育園も同じであります。今後,保育園の耐震化についても取り組みを進める必要があると考えますが,御見解をお伺いいたします。  次に,核兵器廃絶へ向けた取り組みについてお伺いします。  20世紀を代表する科学者のアインシュタイン博士が,生涯で唯一の過ちと悔いていたものがありました。アメリカにナチスの原爆開発の危険性を伝え,早急な対応を求める内容の手紙に署名し,ルーズベルト大統領に送ったことです。戦争の理由が何であろうとも,戦争への奉仕は直接的なものも間接的なものも絶対に拒否すると宣言していた博士が,知人の科学者の要請があったとはいえ,なぜこのような決断を下したのか。  博士は,原爆の破壊力をだれよりも察知できたがゆえに,ナチスが先に手にした場合の世界の行く末に底知れぬ恐れを抱いたためだと言われています。  博士が自身の主義に反して署名したその思いは,軍事の論理の中で置き去りにされていきました。そして,ナチスの敗戦で核開発の意味は失われたと安堵したやさき,広島と長崎に原爆が投下され,アインシュタイン博士は言語に絶する衝撃を受け,その後,亡くなるまでの10年間,核兵器の廃絶を世界に訴え続けたのです。  核兵器によって核戦争を抑止するとされてきた冷戦時代の核抑止論は,今,その妥当性が疑われています。その理由は,1989年の冷戦終結で,全面核戦争の脅威が遠のいた一方で,核兵器の拡散や核テロの可能性といった,核抑止論では阻止できない脅威が出現したからと言われています。  こうした事態に対し,核超大国である米国から出てきた解決策が核廃絶でした。核そのものをなくすことで,核テロや核拡散から世界を守ろうという考え方です。  アメリカのオバマ大統領は,2009年4月の核兵器のない世界── 演説で,核廃絶を目指すと宣言しました。唯一の核兵器使用国の大統領が,その道義的責任に言及し,核兵器のない世界を目指すとしたことは,画期的なことであったと評価しますが,しかし昨年11月とことし3月に,アメリカが新型の核実験を実施していたことがわかり,宣言に逆行する行為であるとの批判や失望の声が上がっていることも事実です。  昨年5月の核拡散防止条約── NPT── 再検討会議は,核保有国5カ国が,2000年に行った核廃絶の明確な約束を10年ぶりに再確認し,核軍縮への行動計画を示した最終文書が全会一致で採択されました。  松井市長は,就任会見の際,出かける平和から迎える平和との考えを示し,また所信表明の中でも,これまで以上に市民やNGO等との連携を強化し,国内外から多くの人々に広島に来てもらい,平和への思いを共有してもらうようにしたいと述べられました。  昨年4月,広島市で行われた各国の首脳経験者らによるOBサミットにおいても,世界の指導者,特に核保有国の指導者は広島を訪れるべきとの提言を盛り込んだ声明が採択されています。  我が会派は,核兵器廃絶への潮流をさらに拡大し,確かなものにするため,原爆投下から70年の節目に当たる2015年のNPT再検討会議を広島と長崎で行い,各国の首脳や市民社会の代表が一堂に会して,核時代に終止符を打つ核廃絶サミットの意義を込めて開催するべきだと考えています。そしてそのために,例えば再検討会議準備委員会の核軍縮にかかわる下部委員会のメンバーや,あるいはジュネーブ軍縮会議の各国代表団員を,順次,広島と長崎に招待することから始めてもよいのではないでしょうか。  そこでお伺いします。  原爆投下から70年の節目に当たる2015年に,市長が掲げられた迎える平和の考えとも一致する,広島,長崎でのNPT再検討会議の開催実現に向け,本市としても積極的な取り組みをしていただきたいと考えますが,市長の御所見をお伺いいたします。また,広島市の市長として,これまで平和市長会議とともに進めてきた,2020年までの核兵器廃絶に向けての取り組みを今度どのように進めていかれるか,お伺いします。  次に,広島市の入札制度についてお伺いします。  広島市の公共事業入札制度については,一般競争入札により一定の透明性や公平性は確保されているものの,一方で過当競争による低入札が横行し,工事の品質,安全性,下請業者へのしわ寄せなど,この制度による弊害が指摘され,これまで我が会派も入札制度の改善を強く求めてまいりました。  こうした事態を改善するための制度改革として,昨年7月1日より最低制限価格制度が導入されました。しかし現行の制度では,対象工事が設計金額1000万円未満の工事に限られるなど,決して十分な内容とは言えません。また,清掃,警備や建設コンサルタントなどの委託業務等については,改善策がとられておらず,低入札の実態が放置されたままになっています。地元経済の活性化を図るためにも,公共事業の果たす役割は重要であり,そのための制度改革が必要となってまいります。  他都市においては,地域要件を課すなど,地場産業を守るための対策は当然のごとくとられており,その意味においては,他地域からの参入が容易である広島市の仕組みは,余りにも無防備であると言わざるを得ません。  市長は,所信表明において,公共事業入札制度についても見直しを表明されています。今後,最低制限価格制度の対象の拡大や地場産業を守るための対策について,具体的に本市の公共事業入札制度をどう改善されるお考えなのか,御見解をお伺いいたします。  次に,広島空港アクセスについてお伺いします。  去る5月27日,市長は湯崎県知事との会談で,広島西飛行場の市営存続を見送り,ヘリポート化することに合意されました。そのため,今後,広島空港は,広島市にとっての空の玄関として,さらにその機能の充実と利便性の向上を図る必要性が生じてまいりました。  現在,広島空港へのアクセスのほとんどは,空港リムジンバスや自家用車などの道路系アクセスとなっています。しかし,その交通の大部分が山陽自動車道を主要ルートとしているため,山陽自動車道に渋滞や事故が発生した場合には,空港利用者に多大な影響を与えることになります。  本年のゴールデンウイークには,渋滞により,本市と空港を結ぶリムジンバス,計214便が運休しました。リムジンバスが運休した場合の現在の主要な代替ルートは,JR山陽本線白市駅を経由し,空港までの連絡バスを利用することになっていますが,他都市からの観光客にとっては,ふなれな土地の上に,突然,移動手段が変更され,しかも乗りかえの白市駅にはエレベーターやエスカレーターも設置されていないのが現状です。こうした状況は,広島市への観光客を減少させる要因となり,本市の経済活性化や観光行政に与える影響も少なくないと考えます。  市長の所信表明でも述べられておりますが,今後,県との連携も含め,広島空港へのアクセス向上をどのように図っていかれるのか,御見解をお伺いします。  最後に,広島高速5号線についてお伺いします。  高速5号線は,広島市の都心部と中国地方の東部地区及び広島空港との高速性,定時性の向上や,温品・中山地区の交通混雑の緩和,広島駅周辺の開発促進などの効果が期待されています。  その中でも,特に広島駅周辺地区の再開発に与える影響は重要です。現在,広島駅周辺地区では,二葉の里や南口Bブロック・Cブロックなど,各地区での再開発が動き始めました。  高速5号線は,この広島駅周辺地区と山陽道を直接結ぶ道路であり,再開発への民間事業者の投資意欲を高め,広島経済の活性化を図るための大変重要な道路であると考えます。  新聞報道によりますと,二葉の里土地区画整理事業区域内においては,広島県ががん治療を専門に手がける高精度放射線治療センターの整備を決め,地場スーパーの最大手のイズミは,本社を移す方向で検討を行っており,その関連会社が土地を取得したとのことです。  一方,この高速5号線では,高速1号線福木トンネルの建設時の地盤沈下を背景として,地区の住民から不安の声が上がり,現在は学識経験者で構成する広島高速5号線トンネル安全検討委員会を設置して,トンネル工事に入る前に周辺地域への影響について検討を行っている状況です。県,市及び高速道路公社は,この検討委員会の意見を踏まえ,高速5号線の事業判断をするとしていますが,検討委員会が設置されてから1年9カ月がたった現在も,その判断ができていません。  こうした状況から,地域住民の方からは,トンネルの計画があることで長い間苦しめられ続けてきた,誤った風評で大変困っている,高速5号線トンネルについて早く結論を出してほしいとの声も届いています。  平成12年度に,広島高速道路公社が事業者となり,事業に着手して約10年が経過しましたが,高速5号線の総事業費と,これまでに投資してきた額についてお伺いします。また,仮に高速5号線の整備がおくれれば,広島駅周辺地区の再開発にどのような影響が出ると考えておられますか,お伺いします。  先日の所信表明でも,松井市長は,「活力にあふれ,にぎわいのあるまち」を実現するための具体的な取り組みの一つとして,高速5号線の整備促進を掲げられています。検討委員会の結論を早く出し,トンネル建設に伴う地区住民の安全性をきちんと確認した上で,問題がなければ,できるだけ早期に整備することが必要だと考えますが,本市は高速5号線を今後どのように進めようとされているのか,お伺いします。  以上で私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) ○金子和彦 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       碓氷議員の御質問にお答え申し上げます。  市長の政治姿勢についてということで御質問がございました。  今月の17日に報道されました私の発言に関しまして,その発言をしたときの状況につきましては,午前中の山田議員への答弁で御説明したとおりでございますので省略させていただいて,真意は何かという点について改めて説明させていただきます。  私の発言は,被爆者の援護は,原爆の犠牲者や被爆者として生きている人の痛みや苦しみを多くの国民が分かち合うという精神があってこそ,成り立っているものであるとの私なりの考えが背景にあってのものでございます。今まで被爆の実相を話すことなく過ごされてきた中で,言えるようになったというふうなことは,そのような環境ができてきたからであると言え,そのこと自体に感謝の気持ちを持つことは大切だということを強調したかったものでございます。  また,戦後,原爆の放射線による健康の苦しみに不安を持ちながら,広島の復興と発展を支えてこられた被爆者,そして今なお続くそうした苦しみや不安だけでなく,社会的な偏見や差別とも闘いながら被爆の実相を語り,平和を希求する声を全世界に発することに尽力されている被爆者,そういった被爆者が核兵器廃絶と世界の恒久平和を求める国際世論の形成に大きな貢献をされてるという基本認識は十分持ち合わせているつもりでございます。  私は,被爆地広島の市長として,人は互いに支え合いながら生きており,感謝が大切だという気持ちを持ちながら,被爆者の立場に立って,被爆者の援護について引き続きしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。  このたびの私の発言が,多くの市民の皆様に御心配をかけるなど,お騒がせをさせるという事態を招いたことにつきましては,おわびを申し上げます。今後は,十分心していきたいというふうに考えております。  また,所信表明でも申し上げましたように,被爆者の援護施策の充実に取り組むという覚悟はございます。被爆地域の拡大も含めて,国にしっかりと要望してまいりたいというふうに考えております。  その他の御質問につきましては,担当の局長からお答えを申し上げます。 ○金子和彦 副議長      財政局長。 ◎岡田輝彦 財政局長     入札制度の見直しについてでございます。  午前中の山田議員の質問に対して,市長がお答え申し上げたとおりでございますが,依然として厳しい経済情勢により,地元事業者を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあることを踏まえ,地元事業者の育成を図る観点から,建設工事及び建設コンサルタント業務に係る入札制度を見直します。  最低制限価格制度につきましては,昨年度,建設工事を対象として1000万円未満の工事に導入いたしましたが,これを1億円未満の工事に拡大いたします。また,建設コンサルタント業務につきましては,1000万円未満の業務に導入をいたします。  なお,清掃業務とその他の委託業務につきましては,今年度末に行われます平成24年度,2012年度業務の入札における見直しに向けて検討を進めたいと考えております。  続きまして,地元事業者の受注機会の確保についてでございます。  建設工事については,土木一式工事及び建築一式工事の場合,昨年7月から,市内に本店を有する建設事業者に限定した競争入札の範囲を3000万円未満の工事から1億円未満の工事に拡大をいたしました。  今年度は,地元事業者の受注機会をさらに拡大する観点から,次の3点について見直しを行います。  1点目は,1億円以上6億円未満の工事について,下請発注する場合は,高度または特殊な技術を要する工事等を除き,原則として市内本店業者への下請発注を義務づけ,下請発注における市内本店業者の活用を促進いたします。  2点目は,WTO案件を除く6億円以上の工事において,市内本店業者が必ず受注者の一員となります特定建設工事共同企業体に限定した入札を試行的に実施します。  3点目は,土木一式工事等に係る区内本店業者に限定した競争入札の範囲を1000万円未満の工事から3000万円未満の工事へ拡大します。  建設コンサルタント業務については,市内本店業者の受注機会の拡大を図るため,土木関係及び補償関係の業務に係る市内本店業者に限定した競争入札の範囲を,建築関係と同様に,原則として1000万円未満の業務に拡大をいたします。  以上の見直しによりまして,地元事業者の受注機会がこれまで以上に拡大するものと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     核廃絶に向けた取り組みについての2点の質問がございました。  まず,NPT再検討会議の開催についてでございます。  核兵器を有する国の首脳等に,広島を訪れ,被爆者の思いを深く受けとめていただくことにより,核兵器廃絶に向け行動してもらうようにすることは極めて重要だと考えております。その動機づけをするために,被爆70周年に当たる2015年に,核保有国を初め各国の首脳等が集い,核兵器廃絶に向けた議論をするNPT再検討会議が,この広島で開催されるようになるならば,2020年までの核兵器廃絶に向けて非常に大きなステップになるものと考えております。  本市としては,今後,長崎市とも連携しつつ,核保有国等に対しどのように働きかけていくかを含め,国と連携を図りながら,2015年に同会議を開催するという目標に向け検討を進めていきたいと考えております。  次に,2020年までの核兵器廃絶に向けた取り組みでございます。  午前中の山内議員の御質問に市長が答弁をいたしましたとおり,核保有国の首脳が核兵器廃絶の意志を持つようにするためには,都市レベルでの国際世論のさらなる醸成を図っていくことが重要であると考えております。  現在,4,700を超える世界の都市が加盟をしています平和市長会議は,世界に被爆の実相を伝え,核兵器廃絶を求める国際世論を醸成するために大変有効なネットワークであり,引き続き平和市長会議への加盟促進に向けて取り組みます。  また,2020年までの核兵器廃絶を目指す2020ビジョンキャンペーンを掲げ,その主な取り組みである核兵器禁止条約の締結に向けた交渉を求める署名活動を,世界の都市,市民,NGO等と連携を図りながら,一層推進していきたいと考えています。  そのため,これまで以上に,あらゆる機会をとらえて,加盟都市に署名活動への協力を促すとともに,今年度初めて開催する国内加盟都市会議において直接要請するなど,署名活動の促進を図りたいと考えています。こうした取り組みを通じて,今後とも,2020年までの核兵器廃絶に向け,さらに大きなうねりをつくるよう全力で取り組んでまいります。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      こども未来局長。 ◎磯辺省三 こども未来局長  保育園の耐震化についてお答えいたします。  保育園は,地震防災特別措置法による耐震診断の義務づけや国の補助制度がないことなど,耐震化に対する国の対応が,幼稚園を含む学校施設とは異なっています。  しかし,乳幼児の安全確保の観点から,耐震化を行うことは,学校施設と同様に大変重要なことと考えています。  本年4月1日現在,本市の認可保育園169園のうち,昭和56年,1981年の建築基準法改正に伴う新たな耐震基準の適用以前に建築し,現時点で耐震診断を行っていない保育園は89園あります。  このため,本市としては,この89園を含め,保育園の耐震化を計画的に行う必要があると考えており,国の補助制度はありませんが,まずは耐震診断の実施に向け対応を検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    広島空港アクセスについてお答えいたします。  先ほど,山田議員の御質問に答弁しましたとおり,広島空港へのアクセス向上に向けて,県では本年3月に,広島県空港振興協議会が取りまとめた広島空港アクセス対策アクションプログラムを踏まえ,緊急に実施すべき対策として,広島空港アクセスに関する情報提供システムの強化や空港リムジンバスネットワークの拡充などに取り組むことにしております。  今後,本市では,県と共同で,これらの対策についての内容をより充実させ,できるだけ早急に実施できるよう,交通事業者や関係機関とも密接に連携して取り組んでまいります。  また,こうした取り組みに加え,JR山陽本線を利用した空港アクセスについて,JR白市駅の駅舎のバリアフリー化を初め,JR白市駅と空港を結ぶバスへの乗り継ぎ利便性や快適性の向上を早急に図るための方策について,県,関係市町,関係機関等へ働きかけてまいります。  さらには,空港アクセスの速達性,定時性を確保する観点から,広島高速3号線,広島高速5号線などの整備促進や代替ルートとしての東広島バイパス,安芸バイパスなどの整備促進等に取り組みます。  続きまして,高速道路の整備についてです。  まず,高速5号線の総事業費とこれまでの投資額です。  広島高速5号線の整備に必要な事業費は,広島高速道路公社が施行する有料道路事業が約739億円,本市が施行する関連公共事業が約175億円の合計約914億円を見込んでおります。このうち,平成22年度,2010年度末までに,有料道路事業は約569億円,関連公共事業は約66億円,合計約635億円を執行しており,事業費ベースの進捗率は,有料道路事業は約77%,関連公共事業が約38%,全体で約69%となっております。  次に,高速5号線の整備のおくれが,広島駅周辺地区の再開発に与える影響についてです。  広島高速5号線は,本市の都心の東の核である広島駅周辺地区を起点とする自動車専用道路であり,本市にアクセスしようとする利用者にとって非常に重要なインフラです。  この広島駅周辺地区の中でも,財務省やJR西日本と協力して土地区画整理事業を進めている二葉の里地区においては,高速5号線の整備により,既存の新幹線に加えて,自動車専用道路ネットワークを活用した広域的な集客や業務展開の可能性が一段と高まるため,民間事業者の進出意欲を大いに刺激することになります。  このため,高速5号線の整備の時期は,広島駅周辺地区の整備,ひいては本市が目指す活力とにぎわいのエンジンを二つ持つ強靱な楕円形の都心づくりの実現を左右する,非常に重要な要素であると考えております。  最後に,高速5号線を今後どのように進めようとしているのかについてです。  本市としては,高速5号線に対する地域住民の不安は,高速1号線福木トンネルで,地表面沈下により被害が発生したことが一つの要因となっていることを踏まえ,トンネル工事に当たっての事前の家屋調査のあり方など,地域住民の皆様の不安な点が少しでも解消できるよう,まず県と市が中心となって対話を深めていく考えです。  こうした対話の中で,安全検討委員会が,客観的なデータに基づき,トンネル建設に伴う地表面沈下や土砂災害等の周辺地域への影響を明らかにすることを目的とした委員会であることを改めて説明し,追加の地質調査の実施にも理解を得て,委員会の審議が進むよう努めてまいります。  最終的には,委員会の結果を踏まえ,できるだけ早期に県・市が協議して事業判断を行えるよう,手順を踏んで進めていきたいと考えております。
     以上でございます。 ○金子和彦 副議長      下水道局長。 ◎向井政博 下水道局長    水難事故への対応についてお答え申し上げます。  まず,一斉点検に関することでございますが,今回の事故は,小学校高学年の児童が下水道管渠を通り抜けて新安川に侵入し,そこで事故が発生いたしたものでございます。  したがって,今回の一斉点検は,河川に直結している下水道管渠を対象に,小学校高学年の児童の視点及び体型を考慮し,児童が出入りできる太さがある,児童が河川におりられる位置にある,通常の大人目線では見過ごしてしまいそうな場所にあるなど,これらを主な基準として調査をいたしました。  この結果,下水道管渠が河川等への侵入経路となる箇所が3カ所,それからこのほか河川等への侵入経路ではありませんけれども,一たん下水道管渠に入ると,脱出しにくくなるおそれのある箇所が32カ所見つかりました。  今後の対応についてでございますが,この一斉点検で見つかった35カ所については,侵入を防止するスクリーンや立入禁止の看板などの対策を実施することにいたしております。現在のところ,35カ所のうち4カ所は実施済みでございます。残る31カ所についても,対策の実施に向けて地元と協議などを行っているところでございます。このほかに,市の広報紙やホームページによって,注意喚起の広報活動も行っております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      消防局長。 ◎山下聰 消防局長      防災対策につきまして順次お答えいたします。  防災行政無線の同報系,移動系の整備等についてでございます。  区役所や消防署から地域住民へ,屋外受信機や屋内受信機を通じて防災情報を音声放送で伝える同報系の設置状況ですが,屋外受信機については,防災拠点である区役所や消防署,広域避難場所や多くの人が集まるターミナル等に各1基の合計71基を整備しています。今後の整備につきましては,今年度,未設置の広域避難場所やターミナル等に12基を追加整備し,合計83基とします。  屋内受信機については,世帯数に応じた設置基準に基づき自主防災会に設置しているほか,急傾斜地の情報連絡員等に,合計3,482台を整備しています。今後の整備については,新たに土砂災害警戒区域の情報連絡員に配置するほか,自主防災会当たりの最低設置数を1台から2台に増加させるなどの設置基準の変更に伴い,1,828台を追加整備し,合計5,310台とする予定です。  また,移動無線機を使用して,市役所や区役所と災害現場等との情報連絡を行う移動系については,現在,各局と区役所に移動無線機323台を整備しています。今後の整備については,これまでの各局,区役所に加えて,新たにすべての生活避難場所などに移動無線機222台を整備し,合計545台とする予定です。  今回の更新整備により,同報系,移動系ともに,設置基準どおり整備を完了することとなります。  続きまして,現在,広島市が取り組んでいる防災情報メール等についてでございます。  本市では,防災情報メールに加えて,災害時における情報伝達手段の多様化を図ることを目的に,本年6月20日から,避難勧告等の緊急かつ重要な防災情報を,広島市域のNTTドコモの携帯電話に一斉に配信する緊急速報エリアメールの利用を開始しました。  今後も,新聞,テレビなど,マスコミや本市のホームページ等を通じて,防災情報メールへの登録促進や緊急速報エリアメールの受信について理解が得られるよう努めてまいります。  続きまして,避難場所についてでございます。  本市では,災害時の避難場所として,平成23年6月1日現在,1,315の公共施設等を選定しています。これらの避難場所については,立地条件等を毎年調査し,地震,土砂災害,高潮及び洪水の災害種別のうち,どの災害に対応できるかをあらかじめ定めています。  これら避難場所については,本市のホームページや,毎年6月の広報紙「ひろしま市民と市政」各区版に掲載するほか,自主防災組織リーダー研修等を通じて周知に努めています。さらに,現在,市内全戸に配布を行っている洪水ハザードマップにも,避難場所の一覧等を掲載し,周知を図っているところでございます。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      教育長。 ◎濱本康男 教育長      教育に関する御質問に順次お答えをいたします。  初めに,水難事故への対応でございます。  本市の各小学校では,特別活動などの授業におきまして,各学年の発達段階に応じて,安全意識啓発マップづくりの学習活動などを行い,子供自身が危険を予測し,みずからの力で事故や事件を未然に防ぐ力が備わるよう指導してまいりました。また,保護者や地域との連携・協力のもと,学区内の危険箇所等の情報の収集・共有に努めまして,児童への安全指導の徹底を図ってまいりました。  教育委員会といたしましては,このたびの事故が学区外で発生をしたという事実を踏まえまして,従前からの学区内を対象としたマップづくりに加え,新たに学区外の周辺も含めて,危険箇所等の把握をすることと,またその情報を近隣校と共有をすることが重要であると考えております。  今後とも,学校,家庭,地域の連携を一層密にいたしまして,二度とこうした事故が発生することがないよう,安全指導に努めてまいります。  次に,学校施設等の耐震化についてでございます。  初めに,計画の前倒しをしてはというお尋ねがありました。  本年3月に発生いたしました東日本大震災におきましては,耐震化の完了した学校施設が,児童生徒等の生命を守っただけでなく,地域住民の避難場所としても機能しており,学校施設の耐震化が重要であることを改めて認識をいたしました。  本市における学校施設の耐震化については,屋内運動場は平成22年度までにおおむね完了し,現在,大規模な地震により倒壊などの危険性が高いIs値0.3未満の校舎については平成24年度までに,その他の校舎については平成30年度までに完了することを目標に,国の補正予算を活用しながら計画の前倒しを行い,事業の推進を図ってまいりました。  こうした中で,国では,東日本大震災の発生を踏まえ,学校施設の耐震化を一層促進をするため,本年3月22日に,国の負担または補助の特例等の措置を定める地震防災対策特別措置法の一部を改正する法律を施行いたしました。  これによって,耐震化が必要な校舎の補強工事については,国庫補助率のかさ上げ措置の適用の期限が平成27年度末までに延長されまして,引き続き地方公共団体の財政負担が軽減をされることになりました。  また,本年5月24日,文部科学省は,公立の義務教育諸学校等施設の整備に関する施設整備基本方針,こういう方針を改正いたしまして,学校施設の耐震化を平成27年度までに完了することを目指す必要があることを明示いたしました。  本市としては,本年度は既に,前年度の14校18棟の耐震補強工事等22億8000万円,これを大幅に上回る32校60棟分42億8000万円を当初予算に計上し,現行の執行体制で可能な最大限の取り組みを行っております。  当面,これの確実な遂行に全力を注ぐことにいたしておりますが,このたびの法律改正の趣旨は十分認識をいたしておりまして,国の予算措置や本市の財政状況,執行体制などを勘案しながら,計画のさらなる前倒しについても検討を行ってまいります。  最後に,学校の屋内運動場の天井落下の防止対策ということです。  本市の学校の屋内運動場は211棟ありまして,このうち12棟に天井が設置されておりました。これらについては,平成15年10月に国が示しました大規模空間を持つ建築物の天井の崩落対策,この内容に沿って,耐震補強工事を行う際に,7棟については天井を撤去し,5棟については横振れ防止工事を行っております。  国が再検討する方針である天井落下防止対策の指針への対応につきましては,新たな指針が示されれば,それに応じた必要な対策を講じてまいります。  以上です。 ○金子和彦 副議長      2番碓氷芳雄議員。 ◆2番(碓氷芳雄議員) 特に再質問はございませんけども,幾つかの前向きな踏み込んだ御答弁もいただいたと思っております。  入札制度につきましては,これまで我が会派としても,繰り返しその改善を求めてまいりましたけども,そういった内容も今回盛り込まれて,大変,一歩前進したことについて評価をさせていただきたいと思います。  今後もしっかりと対話や議論を重ねながら,ともどもに進んでまいりたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。 ○金子和彦 副議長      次に,24番竹田康律議員。                〔24番竹田康律議員登壇〕(拍手) ◆24番(竹田康律議員) 市政改革クラブの竹田康律でございます。  私の方からも,質問に入る前に,去る3月11日の東日本大震災におきまして被災された方々に,心からお悔やみ,お見舞い申し上げますとともに,一日も早い復旧・復興をされることを御祈願申し上げます。  また,松井市長さんにおかれましては,先般行われました市長選挙におきまして,その栄をかち取られ,第36代目の広島市長に御就任され,心からお祝い申し上げます。  我々議員も,各地区から市民の負託を受け選出されておりますので,議会の意見も真摯に受けとめられ,広島市民のための市政遂行に御尽力いただくようお願いいたします。  それでは,市長がかわられて最初の定例会において,本市の抱える課題についてお伺いいたしますので,的確な御答弁をお願いいたします。  最初に,先日開催されました本定例会において,市長の所信表明で,基本的な考え方として,「対話・ビジョン・実行」を掲げられ,この考え方のもと,推進施策として三つの柱に分けて述べられました。  その一つは,「活力にあふれにぎわいのあるまち」への取り組み,二つ目は「ワーク・ライフ・バランスのまち」への取り組み,三つ目は「平和への思いを共有するまち」への取り組みであります。  しかしながら,財政面での施策については,本定例会の補正予算編成の市長説明要旨の中で,中長期的な財政状況の見通しを立ててからとされておりますが,財政の裏づけなくして施策の展開はできないと思います。  そこで,本市の財政状況を見ますと,財政非常事態宣言をした平成15年の一般会計で,実質残高が約8206億9000万円,全会計で1兆6801億7000万円でありましたが,平成21年度末で一般会計実質残高が約7245億3000万円,全会計で1兆6787億5000万円と,わずかながら減少はしているものの,ここ数年の市税収入から見ると,まだまだ財政非常事態から脱却はほど遠いように思われます。こうした財政状況を市長はどのように判断されているのでしょうか,お伺いいたします。  また,今年度は中長期的な財政状況の見通しを立て,財政運営の方針の確立を図ると述べられましたが,その時期についてお答え願います。  次に,市長として就任後初の記者会見で,市政の懸案に対する考え方として,2020年夏季オリンピック招致について,折りヅルの長期保存について,旧市民球場跡地利用について,広島西飛行場の市営化検討について,平和行政について,そして議会との関係について述べられております。  2020年オリンピック招致については,既に断念され,JOCの方へもその意向を伝えられたようであります。前市長は,これまで改選時における所信表明の都度,オリンピック招致も検討したいとの表明もありましたが,招致検討に向けての各種団体,市民に説明がなく,一昨年,東京都の招致断念を受けてか,突如として発表され,多くの市民,議会から賛同が得られませんでした。特に,財政面からの懸念が強く,中でもアジア大会関連市債残高があることを指摘しております。  そこで,アジア大会関連市債残高を見てみますと,平成21年度末で,広域公園,総合屋内プール,スポーツセンターなど競技施設関連の市債残高が134億円,新交通システム,道路整備など競技施設以外の残高が87億円,合計221億円であります。  これらは,いずれも本市の資産であり,財産となっており,市民に対する,いわば福祉の向上にもなっており,必ずしもアジア大会の負債ではないと言えます。世界で唯一の大きな大会であるオリンピックの開催招致検討すら断念することは,市民の未来への夢と希望を摘むことになり,まことに残念なことでございます。  次に,折りヅルの長期保存についてであります。  市長は,去る5月27日,報道関係に対し,前市長の長期的保存構想から一転し,折りヅル活用アイデア公募を発表されました。そして,去る5月30日,市民局平和推進課より,折り鶴に託された思いを昇華させるための方策,アイデア・意見等を募集されました。  秋葉前市長は,国内外からささげられた折りヅルは年間1000万羽以上になり,この折りヅル一つ一つに子供たちの思いと祈り,夢と願いが込められており,その物理的な量,大きさ,存在そのものが大変重要な意味を持っているとし,さらに保存された折りヅルを見て,平和への思いの大きさを感じ,地域に帰り伝承する,また,折りヅルをささげた子供たちが,将来,自分の子供を連れて,自分の折ったツルを見に広島に来るといったように,平和を願う気持ちが国境や地域を越えて広がり,平和の循環につながるとのことから,二,三十年保存する折り鶴ミュージアムが必要であると述べられました。  このことに対し,私は,平成22年第1回定例会において,折りヅルは,先般行われましたバンクーバー冬季オリンピックの会場正面に,世界から核兵器廃絶,平和を願って折りヅルがささげられていたことから,折りヅルが平和へのメッセージとして定着しつつあります。ささげられた折りヅルを二,三十年保存するには,保存管理費も膨大な費用となります。お寄せいただいた折りヅルには,さまざまな平和に対する思いが込められており,この思いを大切に引き継がなければなりません。そこで,海外で行われるイベントなどでの展示のため,一,二年は保存し,その後は10羽程度にまとめ,広島の子供たち,また来訪者による平和,核廃絶を唱えたメッセージをつけ,来訪者に来広記念として,あるいはお土産として廉価な価格で販売してはいかがかと思います。広島のお土産として,家族,知人,兄弟などに配られ,いただいた方々が自室あるいは車の中に飾ることなどにより,一層の平和に対するメッセージが届けられると思います。そして,その製作に係る作業は,本市における障害者の方々にお願いし,製作に係る費用については,売り上げの一部,あるいは障害者自立支援策として本市が負担してもよいとの提言を行いました。  また,お寄せいただいた方々の名簿を作成し,原爆資料館などに掲示すれば,子孫にその意は伝わるものと思います。  このことは,松井市長が本定例会の所信表明の中で,国内外から多くの人に来てもらい,平和への思いを共有してもらう,また寄贈者が込めた思いを昇華させ,平和の願いを広げるねらいとの思いに当てはまると思いますが,お考えをお伺いいたします。  次に,旧広島市民球場跡地活用についてであります。  市長は,2013年春の全国菓子大博覧会の開催はするものの,以外の活用については,今後設置する検討委員会で十分に議論すると述べられております。  前市長は,跡地利用について,年間150万人の創出ができるような施設と明言されておることから,当時の案では不安視する声が,市民あるいは議会の中で上がり,平成23年度予算特別委員会の中で,旧広島市民球場跡地活用の予算,総額6億889万8000円のうち球場解体工事費2億7000万円は認めながら,緑地・広場整備,西側整備に伴う用地測量費など3億3889万8000円は否決するという不可解なねじれ現象が生じております。150万人の創出の言葉には,市民も我々も大きな期待を持っております。  こうしたことを踏まえ,市長は150万人の創出に対しどのようなお考えを持って検討委員会に臨まれるのか,お聞きいたします。  私は,昨年の第1回定例会で,球場跡地は国の財産で,地目も公園となっており,活用内容は限られていることから,広島の観光,特産をアピールするコーナーと,いろいろなスポーツができ,イベントもできるような多目的広場を併設するよう提言いたしました。この点についても,お考えをお伺いいたします。  次に,広島西飛行場の市営化検討についてであります。  このことについては,先般,広島県知事と市長が面談され,広島県の意図するヘリポート化を市長は了解したと報告されました。県知事との会議の中で,今後とも広島空港の機能強化,とりわけ広島空港へのアクセスの向上に積極的に取り組む,また広島西飛行場をヘリポート化した後に発生する広大な跡地利用について,市が検討を進め,県は市に協力して検討するとの2点について合意されました。  広島空港へのアクセスについては,現在,主要アクセスである山陽自動車道経由のリムジンバスでありますが,ことしのゴールデンウイーク── 4月28日から5月8日の間でございますけども,その期間中,計214便が運休したとのことであります。このことに対し,県知事は当面の対策として,代替ルートの情報提供を行うとの意向を示されました。  広島空港アクセスについて,私は,平成18年12月定例会において,広島県と協同してアストラムライン中筋駅より志和方面に延伸し,空港まで軌道系アクセスを新設することにより,高陽地区や西条,志和地区からの広島市中心部への通勤時間短縮にもなり,広島空港への定時性が保たれるとの提言を行いました。当時,当局は,アストラムラインの延伸については意義深さを認めながらも,現行のアストラムラインの最高時速は60キロメートルであり,速達性に欠けるなど多くの課題があるとの答弁がありました。  当時とは,高速道路の渋滞,JR山陽本線の活用が閉ざされたこと,また広島西飛行場が廃港となり,東京便は望めなくなったことなど事情が変わり,広島空港への定時性を確保できるアクセスは必要不可欠であります。現行のアストラムラインは,既存の路線運航で車両に余分はなく,新路線を運行するには車両の増設も必要になることから,高速運航の可能な車両の開発を行い,それにより定時性を確保できる軌道系を整備してはどうかと思いますが,今後,広島県ともどのような協議をされるか,お考えをお答え願います。  また,ヘリポート化後の広大な跡地利用については市が検討を進めるとありますが,本市として,今後,跡地利用検討委員会などを立ち上げるなど,どのように検討を進めていこうとされているのかお答え願います。  次に,平和行政についてであります。  市長は,出かけていって同志を募るというやり方で,ある程度同志ができた,出かける平和から迎える平和へ,内政的な平和施策をと述べられておりますが,内政的な平和施策とは具体的にどのような施策かお答え願います。  また,今年8月6日に行われる平和記念式典における平和宣言文の作成についてであります。従来,市長が有識者などから平和に関する意見を聴取し,その意見を参考に作成されていたものを,今年は被爆者自身の被爆体験談や平和への思いを盛り込むという形で作成されるとのことであり,先般,公募されました。平和宣言に盛り込むべき内容を選定するため,選定委員会を設置されるとのことでありますが,これまで本市の推進してきた平和行政と著しく変わらないよう御留意いただくとともに,新市長の思いも取り入れるべきだと思いますが,お考えをお聞きいたします。  また,市長の選挙期間中に,マスコミ関係者の経済雇用対策についてのアンケートの中で,市長は行政区域を越えた,仮称ではありますが,まち起こし協議会を設置し,中小企業,地場産業の支援,エコビジネスの振興,環境,医療,福祉の都市型産業の誘致,起業支援,公共事業の入札制度の見直しなどにより経済を活性化するとともに,働きがいのある雇用の拡大を図るとお答えされ,また本定例会の所信表明の中でも述べられております。  これは,本市の近隣市町を,けさほども話がありましたけども,呉地区と東広島地区を東部まち起こし協議会,江田島市と廿日市市を南西部まち起こし協議会,北広島町,安芸太田町,安芸高田市を北部まち起こし協議会と称し,本市との連携を図られるようであり,意義ある取り組みだと思います。しかしながら,こうした本市と近隣市町との連携,調和のとれたまちづくりも大切とは思いますが,隣接する本市の区のまちづくりも忘れてはなりません。  私は,本市のまちづくりについて,平成16年第6回定例会並びに広島市基本構想・基本計画特別委員会において,本市は他市と比べ平野部が少なく,各区ごとにその特性が異なることから,区ごとの特色あるまちづくりを目指すべきだと申し上げました。そしてそのためには,各区へ年1億円程度のまちづくり予算をつけてはとの提言もいたしました。各区ごとに,特徴ある企業や団体なども出てきております。また,特産品の生産販売に力を入れておられる地域もあります。これらを活用することにより,本市の地域経済の活性化,雇用の拡大にもなり,大変重要な時期に来ていると感じております。したがいまして,近隣市町との連携によるまちおこしだけではなく,各区ごとのまちづくりにも積極的に取り組んでいただきますよう,強く求めておきます。  最後にお聞きしますが,今まで申し述べたこれらの施策の変更に対して,第5次広島市基本計画の見直しが必要と思われますが,新市長としてどのような見直し,計画の立て直しをされるかお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。  御清聴,ありがとうございました。(拍手) ○金子和彦 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       竹田議員の御質問にお答え申し上げます。  折りヅルの長期保存についての御質問がございました。  平和記念公園の原爆の子の像に,国内外からささげられる折りヅル一羽一羽につきましては,平和への思いと祈り,あるいは夢や願いが託されており,この世界じゅうの人々から託された思いを大切にし,平和への思いにこたえる努力をするということは,広島市として果たすべき責務だというふうに考えております。この責務を果たすために,折りヅルに託された平和を願う思い,これを多くの市民と共有して,このたっとい思いを昇華させることこそ重要であるというふうに考えております。  折りヅルに託された思いを昇華させるという意味は,折りヅルをささげた人々の平和への願い,こういう思いがさまざまな過程を経て,広島市民を初め,世界の多くの人々の心に刻まれるということではないかと思います。そして,核兵器廃絶と世界の恒久平和を願う,こういった輪が広がっていくことじゃないかというふうに考えております。このため,折りヅルに託された思いというものを昇華させるための方法というものを策定することにいたしまして,広く国内外から募集したアイデア,あるいは意見,これをもとに検討を進めたいというふうに考えておるところです。  具体的には,今月から,思いを昇華させるための具体的な方法などにつきまして,アイデア,意見などの募集を開始いたしまして,昨日までに131件の応募がございました。このうち,比較的簡単で直ちに実現できるというような企画につきましては,ことしの平和記念式典の時期に合わせて試行的に実施していただきまして,その成果とか課題を検証していきたいというふうに考えております。  また今後は,有識者や,あるいは専門家で構成する検討委員会というのを設置いたしまして,募集したアイデアとか意見,あるいは事業の試行実施によった検証結果といったものを踏まえまして,幅広い見地から方策を検討していただいた上で,本格実施に向けて事を進めていくというふうな予定にしております。  竹田議員の御提案につきましては,折りヅルに託された思いを大切にするための一つのアイデアになるんではないかなというふうに考えますので,応募手続に沿って処理していただいた上で,検討委員会で議論していただければありがたいかなというふうに思っております。  折りヅルに託された思いを昇華するための方策が,より多くの人々に納得していただけるものとなるよう,検討の過程におきましては,市民の皆さんとの対話を重視して,折りヅルをささげてくださった人々と,あるいはそれを受けとめる広島市民の思いというものを大切にしながら,方策づくりが進められればというふうに考えておるところでございます。 ○金子和彦 副議長      企画総務局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局長   第5次広島市基本計画の見直しについての御質問にお答えいたします。
     基本計画は,施策の大綱を総合的・体系的に定める長期計画でありまして,具体的な事業展開に当たっては,ある程度,柔軟性を持って対応できるよう記述しております。  その基本計画の性格上,例えば一つの事業を中止したり,また新たな事業を実施した場合に,その都度,計画の変更を予定しているものではございません。  もし今後,計画の見直しが必要となった場合には,議会の議決を経て変更を行いますが,現時点では現行の計画の範囲内で,各種施策の展開を図ることができると,このように考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      財政局長。 ◎岡田輝彦 財政局長     本市の財政状況の認識と今後の取り組みについてでございます。  本市では,平成19年度,2007年度に今後の財政運営方針を策定し,財源不足の解消と財政調整基金の確保及び市債の実質残高の抑制の二つを目標に掲げ,歳出削減と歳入確保に取り組んできました。  その結果,平成23年度,2011年度当初予算においても,財源不足を解消し,財政調整基金の残高を計画額の50億円を上回る55億円確保するとともに,市債の実質残高も計画額を下回るなど,これまで今後の財政運営方針の目標は達成しています。  しかしながら,近年の経済情勢等を踏まえると,引き続き市税収入の大幅な増加は見込めないこと,また高齢化の進行等に伴う社会保障費の増加が見込まれることなどから,本市の財政は今後とも厳しい状況が続くものと考えています。加えて,今回の東日本大震災の影響による経済活力の低下を通じた市税収入の減少も懸念されます。  このため,今後の財政運営に当たっては,本市のこれまでの財政計画である今後の財政運営方針の計画期間が本年度で終了することから,来年度以降の中長期的な財政運営の見通しを立てながら,計画的に一層の歳出削減と歳入確保に取り組む必要があると考えております。  現在,平成24年度,2012年度以降の中期的な財政収支見通しの作成作業を行っており,秋ごろをめどに,その結果を公表したいと考えております。そして,その収支見通しの結果や国及び社会経済情勢の動向等を踏まえ,平成24年度,2012年度当初予算にあわせ,新たな財政計画を策定し,公表したいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     平和行政に関する御質問にお答えいたします。  まず,出かける平和から迎える平和,内政的な平和施策についてでございます。  午前中の山内議員の御質問に市長が答弁いたしましたとおり,核兵器廃絶の取り組みに当たりましては,これまで以上に市民やNGO等との連携を強化し,国内外から多くの人々に広島に来てもらい,被爆者を初め多くの広島市民が平和への思いを共有しているというと実感してもらうことが重要であり,そうした意味で迎える平和の取り組みを推進すべきであると考えております。  この取り組みを進めるに当たっては,被爆者の体験談や平和への思いをしっかり蓄積し,市内の至るところで触れるような状況をつくることにより,広島市民が共通の思いとして持てるようにする必要があると考えております。  その一環として,ことしの平和宣言を被爆者自身の被爆体験談や平和への思いを盛り込む形で作成することにより,その思いを広島市民を初め国内外に広く発信するとともに,将来の世代に引き継げるものにしたいと考えています。  次は,平和宣言についてです。  被爆から66年が経過をし,被爆者が高齢化していく中,今こそ原点に返って,被爆者自身の被爆体験や平和への思いを,次世代を担う広島市民が共有し,さらにその思いを世界に広げることが重要となってきています。  こうした認識のもと,ことしの平和宣言は,被爆者自身の被爆体験談や平和への思いを広く募集し,その中から数点を選定し,盛り込むとともに,これまでと同様に,市長自身の思いも込める形で市長みずからが作成することにしております。  以上です。 ○金子和彦 副議長      都市活性化局長。 ◎片平靖 都市活性化局長   旧市民球場跡地についての御質問にお答えいたします。  まず,年間150万人の集客目標についてです。  旧市民球場跡地の活用については,市長の所信表明にありますように,これまでの利用計画は見直し,事業化を図ります。球場跡地の活用の検討において,どのように活用していくか,どのようにすればにぎわいをつくり出すことができるかということが重要であると考えております。そのため,今後の検討に当たっては,集客人数を目標として設定することは考えておりません。  次に,多目的広場等の提案についてです。  旧市民球場跡地の活用については,今後1年半程度かけて,市民等から広く御意見をお聞きするため,経済界,商店街,若者などで構成する委員会を設置することにしております。  午前中の山田議員にも御答弁申し上げたとおり,球場跡地の活用については,長期的な視点とまちづくりの視点の二つの大きな視点のもとで議論してもらうことが重要であると考えております。議員の御提案についても,今後設置する委員会の場で議論していただくことになると考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    広島西飛行場の御質問についてお答えいたします。  まず,アストラムラインによる広島空港への軌道系アクセスについてです。  広島空港へのアクセス向上のための対策として,本年3月に,広島県空港振興協議会が広島空港アクセス対策アクションプログラムを取りまとめました。  議員の御提案のアストラムラインによる広島市内からの空港アクセス整備は,このアクションプログラムの中で再検討を吟味するとされている新たな軌道系アクセスのあり方にも関係するものです。  このアクションプログラムにおいて新たな軌道系アクセスは,広島空港の航空旅客数が現在の年間271万人から350万人に達し,JR山陽本線と接続する新たな軌道系アクセスの事業採算性の確保が見通せる状況になった段階で,その整備の再検討を吟味するとされていること等を踏まえると,長期的な観点から検討すべき課題であると考えております。  次に,西飛行場の跡地利用についてです。  先ほど山田議員の御質問に答弁しましたとおり,広島西飛行場のヘリポート化に伴って発生する跡地は,本市のデルタ市街地に残された貴重な大規模未利用地であり,平成25年度,2013年度末予定の広島南道路の完成によって,周辺市町のアクセス利便性が飛躍的に向上するなど,すぐれた立地条件を有しています。また,跡地の周辺には,観音マリーナやアウトレットモールなどの地域の魅力を高めるような集客施設が立地しています。  したがって,本市ではこうした跡地の立地条件や特性などを踏まえ,地域の活性化につながる開発の基本コンセプト,主要な導入機能,広島空港へのアクセスを初めとする広域的な交通ネットワークづくりなどを盛り込んだ跡地利用のビジョン策定に向けて早急に検討に着手していきたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      24番竹田議員。 ◆24番(竹田康律議員) 御答弁,ありがとうございました。  ちょっと一,二点お願い,要望を出しておきますけども,一つは,球場跡地利用のことについてなんですけども,これ今度の市長も,跡地利用というよりは広島のまちづくりということで,楕円形のまち,広島駅と紙屋町周辺を通った楕円形のまちづくりということを目指すということを言われたわけですね。  前市長は,球場跡地利用について150万人の創出,にぎわいのというような,具体的な数字が出て,先ほどの答弁では,担当局長の方から,150万という数字にはこだわらないということのようでございますけども,そういう答弁をいただいたわけですが,数字にこだわるんじゃなくて,やはり楕円形のまちづくり,これはだれしもが目指してることで,私もそのことは以前言ったことはあるんですよね。そのことを忘れないように,そこの中に150万が来るのか,200万が来るのか,100万でいいのかは別として,やはりそこのところを忘れないように。数字に,これはこだわらないんであれば,公園にすれば,一番,にぎわいも何もないですけども,広っぱだけはあるわけですからね。それじゃあ意味ないと思うんですよ。やはり,楕円形のまちづくりを考えていくんだということであれば,当然ながら,どういった具体のものをつくるかということも考えなきゃならんと思うんですよね。その辺,十分これから御配慮いただきたいと思います。  それから,広島空港へのアクセスの問題なんですが,まず350万人に達すれば採算性も合うから,別のアクセスを考えるんだということのようでありますけど,この数字はどこから出たんでしょうかね,県が言ってるんですかね。今,271万人で,350万という数字がどこから出たのかということなんですけども,そのことはまたのことにしまして,要は国際線なんかもあるわけですよね。既存のリムジンで,さっきも言いましたように,214便が連休中に運休したというようなことなんですよね。  そうすると,国際線なんかは,乗りおくれると,東京便は乗りおくれても,次の便とか何とかもありますから,まだほかの代替便もありますし,何とかなりますけど,海外なんかは取り返しがつかないわけですよね。  そういった意味では,やはり軌道系アクセスというものは考えなければならない。JRの方も,先ほどの,先ほどというか,前の人の質問の中で,JR山陽本線も検討するというお話だったですけども,JR山陽本線は断られたんですよね,広島県が打診して断られたいきさつがあるわけですよ。それを復活するのは復活されてもいいわけですが,やはり軌道系アクセスで定時性の保てるアクセスというものを早急に考えなければならない。  これも広島市民がほとんど使ってるわけですから,広島空港はですね,県民というより,市民が利用者多いと思うんですよ。その辺,十分考慮しながら,事を早く進めていただくように求めまして,私の質問を終わります。 ───────────────────────────────────────              休   憩   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○金子和彦 副議長      この際,10分程度休憩いたします。                 午後2時28分休憩 ───────────────────────────────────────                 午後2時49分開議                 出席議員  46名                 欠席議員  9名 ○金子和彦 副議長      出席議員46名であります。 ───────────────────────────────────────              開   議   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○金子和彦 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,市長の施政方針に対する質疑及び一般質問を行います。  38番中原洋美議員。                〔38番中原洋美議員登壇〕(拍手) ◆38番(中原洋美議員) お疲れさまです。  日本共産党市会議員の中原洋美です。会派を代表して一般質問を行います。  最初に,6月17日に報道された市長の被爆者援護に関する発言についてお聞きします。  報道によると,市長は,一番ひどいのは原爆で死んだ人,残った人は死んだ人に比べたら助かっとるということをまず言わんのんですね,悲劇だ悲劇だと言う,何か権利要求みたいにくれ,くれでなく,感謝の気持ちを忘れないようにしてほしい,本当に嫌な人は黙っとるなどと発言されております。  この発言に対し,病身にむち打ち,被爆の実相を語り伝えなければと使命感を感じて必死で頑張っておられる被爆者は,大変傷つき,被爆者を含む市民から,このような認識では広島市長は務まらない,平和宣言を読み上げる資格がないんではないかとの怒りの声も上がっています。市民のこのような声を,市長はどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。  被爆者援護は,施しや分かち合いなど単なる福祉ではありません。国が引き起こした戦争で,原爆被害を受けた方に対する国の責任です。放射能に起因する健康被害は,他の戦争被害とは異なる特殊の被害であるからこそ,健康管理手当や医療費免除が実施されているわけです。市長は,被爆者の援護施策について,かわいそうだから援助してあげる制度との御認識なのでしょうか。被爆者援護をどうとらえておられるのかお聞きします。  広島,長崎へのアメリカの原爆投下は,人道に反し,国際法に違反する行為です。このことは,原爆裁判で究明され,日本政府も国際法の精神に反するものと認めています。しかし日本政府が,原爆被害を含むすべての対米請求権を放棄したため,被爆者は戦争を起こした日本政府に,国家補償に基づく被爆者援護法制定を求め続けているのです。  被爆者は,辛うじて生き残っても,就職,結婚,出産に関して悩み,苦しんできました。二度と同じ苦しみをほかのだれにもさせてはならないとの被爆者のこの訴えが,核兵器廃絶と恒久平和への国際世論に大きく貢献し,三度目の核兵器の使用を防いできました。市長は,戦後,被爆者が果たしてきた役割と被爆者の苦しみをどのように認識されているのか,お尋ねいたします。  核兵器廃絶と被爆者援護は一体のものです。国家補償の理念に立った被爆者援護を求め続けてきた被爆地広島の歴史と,今なお原爆症で苦しんでいる被爆者を愚弄する市長の発言は許されないというふうに思うわけです。  きょうの本会議では,お騒がせをしたということで一応の謝罪はありましたけれども,なぜ発言を撤回されないのかお聞かせください。このままでは,4,000を超える世界の都市が参加している平和市長会議の会長としての資格や資質が疑われ,核兵器廃絶,恒久平和を願う広島の求心力がなくなるのではと懸念するわけですが,どのような認識でしょうか。  続いて,原発からの撤退についてお尋ねします。  福島原発事故が,チェルノブイリと同じレベル7となり,放射線量限度250ミリシーベルトを超えて被曝した作業員が出る事態となっています。内部被曝の恐怖が広がる中,市長の所信表明には,原発という言葉はおろか,放射能災害という言葉もどこにもありません。被爆地広島の市長であるあなたが,一言も原発事故に触れられないのはなぜでしょうか。放射能災害は他人事でしょうか。  そのあなたは,5月10日に長崎市を訪問された際,国にエネルギー政策の見直しをしっかり言いたいと述べられています。この発言は,脱原発ということなのか,真意をお尋ねするとともに,原発事故をどう受けとめておられるのかお尋ねします。  福島第一原子力発電所の事故は,原発の危険性を国民の前に,事実をもって明らかにしました。30キロ圏内で避難を余儀なくされた住民は,いつふるさとに戻れるか見通しはなく,放射能汚染は農業,工業,漁業,酪農,観光,雇用など,国家を危機に追い込むような事態となっています。原発事故は,大量の放射性物質を外部に放出し,抑える手段もない中,その被害は空間的にどこまでも広がり,地域社会全体の存続そのものを危うくしています。  アメリカ政府が1978年12月に作成した資料では,食物摂取による体内被曝危険地域は80キロメートルとしています。放射性物質が体内に入れば,内臓,血液,骨が何十年にもわたって破壊され続ける内部被曝の事実を,被爆地広島は明らかにしてまいりました。とりわけ,半減期が大変に長い放射能,ストロンチウム90が,幼い子供に取り込まれると,脊髄に放射線を照射し,将来,がん化する可能性が高いことも明らかになっています。  日本は,世界で唯一の被爆国でありながら,国策として原発が推進され,アメリカ,フランスに次ぐ世界第3位の原発大国です。その背景には,原子力の平和利用として原発を日本国民に受け入れさせることで,広島,長崎の原爆反対をつぶし,アメリカによる原爆投下の責任をあいまいにするねらいがあったと,1954年9月22日のニューヨークタイムズは報じています。  戦後マスコミ回遊記という文書には,「原子力の平和利用を大々的にうたい上げ,原爆反対をつぶす」,「毒をもって毒を制す」と記載されております。被爆地広島の市長として,原発の源流とも言えるこの事実を御存じでしたでしょうか,どのようにお感じでしょう。  原子力の利用は,原子爆弾という核兵器の開発から始まり,原発はアメリカが潜水艦の動力として戦争のために開発した軍事技術を転用したものであり,安全は二の次です。未完成のままの状態で日本の電力会社に導入されました。だからこそ日本共産党は,35年も前から国会で原発の危険性を告発し,最悪の場合に備えて対応するように提起し続けてまいりました。  第1に,現在の原発技術は,冷却水がなくなると炉心が溶け,コントロール不能になるという,本質的に未完成で危険なものなのです。100万キロワットの原発が1年間稼働すると,広島型原爆の1,000発を超える死の灰を生み出しますが,これを処理する処分場も方法も決まっておらず,全国の原発には莫大な量の使用済み核燃料が蓄積され,放射能物質が外部に放出される危険性にさらされています。  日本共産党は,国会で,使用済み核燃料の処理方法もないままに原発を推進することは,トイレなきマンションを建設するに等しいと批判してまいりました。  第2に,世界有数の地震国であり,津波被害の危険性が大きい日本に多くの原発を集中的に建設することの危険性です。  第3に,チリ地震級の津波が来れば,冷却設備が機能しなくなり,重大事故に陥る危険性が存在していることを繰り返し指摘し,改善を求めてきたにもかかわらず,歴代政府と電力会社は,これらの声には一切耳をかさず,日本では重大事故は起きないと安全神話に縛られて,安全対策を全く行ってきませんでした。その責任は重大です。  小学生向け副読本には,大きな地震や津波にも耐えられるように設計されている,ジャンボジェット機が墜落しても壊れない原子炉だと書かれており,子供たちに安全神話の洗脳教育が行われてまいりました。まさに,国民は国にだまされてきたと言わなければなりません。  今回の原子力災害は,まさに人災であり,安全神話は崩れたのです。しかし,政府も東京電力も,今回の事故による放射能汚染は,想定をはるかに超えた自然災害による不可抗力だとしています。このような責任回避の立場では,原子力行政の欠陥を抜本的に改めることはできないと考えますが,市長はどのような御認識でしょうか。  マスコミ各社の世論調査では,脱原発が8割を超えています。ドイツでは,既に福島原発1号機の25基分が自然エネルギーで,2022年までに原発をなくし自然エネルギーに転換するという,期限を決めた脱原発への方針を決めました。スイス政府も原発廃止を決めています。イタリアでは,国民投票で9割が原発に反対しています。世界各国は,福島原発事故から学び,国民の命を大事にするために脱原発を素早く決断しています。  広島,長崎,福島において,大変な被害を原子力によって体験している国として,今こそ脱原発に政策転換し,世界にその姿を示すべきです。  菅総理は,日本共産党の申し入れの中で,今後,建設予定の14基の原子力発電所の建設は白紙から検討すると約束をされてはいますが,安全を確保したら活用すると,原発推進の立場を変えておられません。四つのプレートの上にある地震国日本において,安全な原発などあり得ないということを肝に銘じるべきです。被爆地の市長として,山口県上関町への原子力発電所建設の中止とともに,原発推進から撤退し,太陽光や風力や水力,地熱,波力,バイオマスなど自然エネルギーを活用する,原発をゼロにする期限を決めたプログラムの策定を政府に求めるべきだと考えますが,どのようにされるでしょうか。  日本環境学会会長の和田武氏は,日本ほど多様な自然エネルギーを持つ国は少ないと話されており,本気で自然エネルギーの開発に取り組めば,現在,原発によって発電されている25%の電力量は賄えます。  広島市では,地球温暖化・エネルギー対策の推進として,太陽光発電の普及に率先した取り組みを進められています。今こそ原発に頼らず,自然エネルギーである太陽光発電を大胆に促進していく目標,計画を持つべきですが,いかがでしょうか。  広島市は,太陽光発電設置の支援策として,住宅環境性能向上促進補助事業により,市民が自宅に太陽光発電を設置する費用の一部を負担する制度をスタートさせています。しかし,1件当たり5万円の補助額は,設置工事費用に比べて少ないため,太陽光発電は設置したいが,経済面からためらっているという声も聞かれます。もっと補助金を引き上げ,一般家庭に一気に普及が広がるように力を尽くすべきではないでしょうか。市の見解をお聞きします。これまでに市が補助した太陽光発電の設置件数と市が取り組んでこられた太陽光発電設置事業の効果についてお尋ねします。今後,本庁や区役所の屋上など,公共施設に太陽光発電を整備されることも提案します。いかがでしょうか。  また,太陽光発電の普及に当たっては,太陽光電力を電力会社に全量買い取ってもらう制度も必要です。日本の買い取り制度案では,住宅の太陽光発電は余剰電力しか買い取らず,期間も10年間だけです。太陽光発電の初期投資費用を銀行から借りても,売電収入で返済していけるような制度を国に求めていただくように要望しておきます。  福島県の災害対策本部の資料によりますと,原発災害により3万5670人が全国に避難をされ,県内にも約200人の方が避難されていると報じられています。福島第一原発周辺から避難されてきた住民に対し,他県では放射能がうつるとか,そのような非科学的なうわさが二重,三重に被災者を苦しめています。また,子供の健康が第一だと,子供だけを他県に避難させている。そのために,両親と離れ離れになった子供たちが,寂しくつらい思いをしているとの報道もありました。  シーベルトと言われても,よくわからない。国や東京電力の言うことは信じられないという声もあります。風評被害に左右されず,冷静な対応ができるようにするには,今,改めて,放射能とは何なのか,内部被曝とはどんなものなのか,広島から正しい知識と情報を全国に発信することが必要ではないでしょうか,市長のお考えをお聞きします。  さて,私たち日本共産党市会議員団は,臨時会が終了しました5月19日から1週間,東日本大震災で被災しました岩手県内の四つの自治体── 釜石市,陸前高田市,大槌町,宮古市に出向き,救援ボランティアの活動に参加してまいりました。被災地の惨状を目の当たりにし,被災者の生の声をお聞きする中で,改めて津波の威力と破壊力のすさまじさに胸を痛め,改めてこの広島市においても災害への備えの必要性を感じているところです。  市においても,防災計画の見直しだけでなく,災害から市民の命と財産を守るために自治体は何をなすべきか,大きな課題だと思います。  そこで,市の地域防災計画について,4項目についてお尋ねします。
     まず,津波の想定見直しです。  市が昨年度に改定した地域防災計画では,30年以内に7割の確率で東南海地震が,6割の確率で南海地震が起きると想定しており,その発生は極めて切迫しています。  広島県津波浸水予測は,震度5強での被害想定がされ,津波は地震発生から4時間後に,最大水位は1メートルとしています。しかし,東日本大震災では震度7の地震で,過去に体験したことのない30メートルを超える大津波が押し寄せています。この事実からすれば,広島市の想定は,津波は60センチということですから,この想定には不安を感じざるを得ません。津波が川をさかのぼると,波の高さは3倍になるという専門家もあります。大震災の津波規模を考慮した被害想定に見直す必要があると考えますが,いかがでしょうか。  次に,放射能災害への備えについてです。  福島原発事故では,東京,神奈川,静岡まで放射能汚染の影響が広がっており,中国電力の島根原発や四国電力の愛媛県伊方原発に事故があれば,風向きによっては,広島市民が影響を受けざるを得ません。  京都府は,もんじゅ,美浜など原子力発電所が集中する福井県と隣接をしておりますので,原発事故のときに屋内避難を呼びかける目安となる放射線量の暫定基準値を1時間当たり3.8マイクロシーベルトとし,府の地域防災計画に盛り込むことを決めておられます。府民の命を守るという自治体の使命からすれば,国任せにせず,自治体が独自に避難基準を決めるという取り組みは評価すべきものであり,市も学ぶ必要があると考えますが,どうされますか。放射線量測定器の整備と放射線量の公表など,放射能災害を地域防災計画に位置づけ,原発事故に備えることが必要ではありませんか,お考えをお聞きします。  次に,避難所の見直しについてです。  津波の被害を受けた方の話では,津波のときは船は沖に,人は高いところに避難することが鉄則だとお聞きしました。津波から命を守るには,高い避難場所が必要だということです。静岡県は,津波対策室を発足させ,東名高速道路を新たな避難場所に指定する計画を進めておられます。  そこで提案ですが,広島市でも津波対策として,民間の高層マンションに地域住民を避難させていただけるような住民合意や制度への取り組みを始めてはどうでしょうか,お考えをお聞きします。  市は,学校区を基本単位に生活避難場所の運営マニュアルを作成し,体育館や校舎や公共施設を避難場所に指定しています。しかし,地域によれば,避難場所の方が危険と言われる場所もあります。例えば,南区の宇品小学校は宅地より低い場所にあり,過去の豪雨や台風で浸水した経緯があります。地元の皆さんからも,避難場所としてふさわしくないとの声が出ています。  市の防災マップでは,地域ごとに災害別の避難場所が指定されているということですけれども,このことが市民に周知されていないと感じます。周知に向けてどのようにされるか伺います。  次に,校舎の耐震化についてお聞きします。  子供たちが学ぶ校舎の耐震化率は,平成23年4月1日現在59.5%で,全国平均の73.3%と比べて大きくおくれています。政令市では最下位とという状況です。ここまで耐震化がおくれているにもかかわらず,市の耐震化は10年もの長期計画です。今年度は32校60棟の耐震化が計画されていますが,いまだに280棟の校舎に耐震性がないという,大変危険な状況にあります。  災害はいつ発生するかわかりません。県は,12年前倒しで,2015年までに県立高校の耐震化を実施されるようです。広島市も,10年もかけるのんきな耐震計画は見直し,県にきちんと補助金も求め,せめて3年で完了させる計画に前倒しをし,早期に全校の耐震化を完了させるべきです。  現在,校舎の耐震補強の必要性,優先度は,建物が倒壊や崩壊する危険性の度合いによって,a,b,cの3ランクに分類されておりますけれども,各ランクの対象校舎数をお尋ねします。  崩壊の危険性の高いaランクは,平成24年度までに耐震を完了することにしておられますけれども,今回の東日本大震災を踏まえると,bランクも平成24年度中に完了すべきと考えますが,市はどのようにお考えでしょうか。すべての耐震工事の経費はどれぐらい必要で,財源はどうなりますか。  体育館の耐震化については,先ほど質問がありましたので省かせていただきます。  次は,防災都市づくりについてです。  東日本大震災の巨大津波は,沿岸部から2キロも離れた地域まで川を逆流して押し寄せ,広範囲の地域に大きな被害を発生させました。プロパンの爆発で火災になった地域もあり,市民から,海田湾にあるガスタンクは津波や地震に耐えられるのかと心配する声が寄せられています。ガスタンクの耐震性や安全性は大丈夫なのでしょうか。このような市民の不安を解消するためにも,川と瀬戸内海に面する広島市において,高潮護岸の建設は急務です。2メートル以上の橋は,約2,800もあります。これらの橋の耐震補強も,市民のライフラインを守る上で不可欠です。それぞれの進捗状況と今後の整備計画,予算規模を教えてください。  ここまで,さまざまな角度から防災都市を目指す取り組みを求めてきました。自然災害は人間の力でとめることはできませんけれども,災害による被害を最小限に食いとめるために,自治体が力を尽くすことは市の責任であります。  その立場からすれば,地元住民が地盤沈下や土砂崩れなど,災害への不安,危険を感じておられる高速5号線トンネル工事は,きっぱり中止すべきではないでしょうか。トンネル対象区域には,15メートルもの盛り土地域があり,災害が発生する危険性は極めて大きく,18センチもの地盤沈下を引き起こした高速1号線を繰り返すことになりかねないとの地元の危機感は当然であります。高速5号線トンネル安全検討委員会で再検討がされておりますけれども,安全性が科学的に証明できるまでは掘削工事を強行しない,また安全性が証明できない場合は事業を中止することこそが誠意ある行政の判断だと考えますが,いかがでしょうか。これらの市民の命と財産を守る自治体の責任を果たすための災害に強いまちづくりへの市長の決意をお聞きします。  被災地の自治体の中には,役所が被災し,職員の多くが死亡し,自治体が機能を失った市町があります。このような自治体に対し,広島から職員の派遣はされているんでしょうか。これまでに市が実施された救援活動の内容をお聞きします。今後の支援で,具体的になっているものがありますか。被災地の支援は,長期間にならざるを得ません。自治体関係者だけではなく,学生や青年を初めとする多くの市民に,ボランティアとして参加してもらう必要がありますが,市として何か取り組みがあるでしょうか。  次は,保育についてです。  東日本大震災は,災害から市民の命を守るには,医療や介護,保育の充実や地域住民とのネットワークづくりなど社会基盤の重要性を示唆しています。しかし,国は地域主権改革一括法を成立させ,国が保障すべき福祉や教育の最低基準を放棄し,サービスの基準を各自治体にゆだねるとしています。  そこで,今回は保育分野について伺います。  国の最低基準の廃止に伴い,広島市でも,子供1人の施設面積,職員数など,保育の最低基準を条例化しなければなりません。これまでの基準は,他の先進国と比べてもおくれた水準です。例えば,2歳未満児の場合,子供1人の面積は,ベビーベッドを置くとはいはいするスペースがない,食事とお昼寝の場が同じなど,これ以上は引き下げられない中身であり,拡充こそ必要ですが,市はどんな御認識ですか。  市の条例制定に当たっては,憲法や児童福祉法,子供たちの命と健康,健やかな育ちを支えるための最低限の基準として,少なくてもこれまでの基準を維持することは当然であり,現行より低い基準を定めることはないと約束していただけるのか,お尋ねいたします。  次は,マツダの計画節電による影響です。  御存じのとおり,マツダは,ことしの7月から9月までの3カ月間,土日を操業し,木金に休んで節電対策を図るとしています。節電対策に取り組むことは必要ですが,近代社会においては,土曜,日曜は休むという生活リズムを基本にした社会のシステムになっています。関連企業も多く,市民全体への影響が多くあります。共働きの子育ての場合,日曜日は保育園も学校も留守家庭子ども会も休みで,子供は居場所がありません。  広島市の休日保育を利用すると,3歳未満児では,1日3,000円の別料金が必要で,子育て世帯には新たな負担です。市内169の公立・私立保育園のうち,休日保育を実施しているのは四つの保育園です。子供たちは,日曜日だけこの四つの保育園に預けられることになるわけです。友達も保育士も知らない人ばかり,大きなストレスを受けることは避けられません。犠牲になるのは子供たちです。  また,土曜日に保育する子供の人数がふえれば,保育士の増員やローテーションも必要です。また,デイサービスなどに通う高齢者も,日曜日対策が必要になります。そのようなことを全く考慮せず,十分な準備もないまま突然の勤務変更は,大きく社会全体を困惑させるものです。大体,木金に休業しても,土日に出勤では,生産稼働日数は同じであり,15%の節電にはならないのではありませんか。そもそも中国電力管内は,電力不足が発生するのでしょうか。下請関連企業と合わせると,何人の従業員と家族にどんな影響が出るか市は把握されていますか。実態調査が必要ではありませんか。  広島市は,公立保育園の休日保育や留守家庭子ども会の日曜日開会など,どう対応されるのかお聞きします。これらの対応で,必要となる新たな経費はどれぐらいになりますか。そもそもマツダから,行政と市民に対して計画節電への協力のお願いがあったのでしょうか。節電という2文字で社会全体を振り回し,とりわけ子供たちに大きな犠牲を強いることは,広島市行政として見過ごせないことだと考えますが,どのように市は受けとめておられますか。広島市として,自動車工業会やマツダに対し,振替出勤は中止するよう申し入れるべきです。どのようにされるか答弁を求めます。  次に,中小企業支援についてです。  リーマンショック後の経済の落ち込みから,いまだに立ち直れていない市内の中小企業の多くが,東日本大震災による生産の縮小などでさらに打撃を受けています。広島県商工団体連合会の調査では,資材が被災地向けに集中したことや,資材・部品の工場が被災し,材料が入らず,仕事を請け負っても仕事ができない,資材が値上がりし,赤字覚悟で施工せざるを得ないといった新たな問題が明らかになっています。大震災が広島市内の中小企業の経営に,どんな分野でどんな影響を与えているか,最新の状況について報告してください。  国も大震災の影響をかんがみ,全国の中小企業の倒産や廃業を防止するために,新たな融資制度を創設しました。この融資制度が積極的に活用されるためには,金融機関や広島県信用保証協会に対し,厳しい審査をせず,必要な事業所へのスムーズな貸し付けを要請することが必要だと考えますが,いかがでしょうか。  地域経済を支えるためには,仕事と雇用をふやすことが不可欠であり,行政の積極的な仕事起こしも重要です。巨大開発中心でなく,歩道や公共施設のバリアフリー化の促進,校舎の耐震化・エアコン整備,下水道老朽管の布設がえなど,身近な公共事業を確保することや,小規模修繕契約希望者登録制度の利用者拡大,広島県でも大好評の住宅リフォーム補助制度など,地元の中小企業に仕事をつくる取り組みが重要だと考えますが,市の認識をお尋ねします。  教室へのエアコン整備についてお尋ねします。  子供たちの健康を守るために,普通教室にエアコン整備をと長年にわたって求め続けた結果,2年前から設置が始まりました。しかし,校舎の耐震化と一緒でないと工事に不都合があるとして,耐震化と同じ10年間でエアコン設置が進められています。  この整備計画では,同じ広島市の子供でありながら,教育条件の不公平が10年間も続きます。公立学校において,このような不公平が長年続くことについて,市はどのような認識ですか。エアコンがないまま,ことしも大変暑い中で授業を受けざるを得ない学校がほとんどです。子供たちは,一日も早くエアコンを待ち望んでいます。子供たちの願いにこたえ,早期に整備すべきです。市長の決意をお聞かせください。  最後に,乗り合いタクシーへの支援についてお聞きします。  昨年10月から本格運行されております黄金山乗合タクシーの存続のために,地元では,有価資源の売却益を運行経費に充当するなど,熱心な取り組みが続けられています。しかし,利用者が採算ライン数に届かず,地域の財政力に見合う形へと,週3回の運行に減便されています。  市は,黄金山乗合タクシーを高齢者福祉の充実という視点から,モデル地域と位置づけ,地元の取り組みを評価されてきましたが,減便となることについてどのような受けとめでしょうか。これまでどおり,週5日の運行を継続するための補てん額は幾らあればいいですか。  安心して住み続けられる地域にするためには,地域交通は不可欠であり,維持,発展には市が財政面で支援し,行政としての責任を果たすべきです。市の認識を改めてお尋ねします。  地域からは,丹那地域や区役所,ジャスコ,イズミなどへのコースの拡大,料金の引き下げなどの声もあります。これらの地元の声を受けとめて,発展の方向へ検討いただくよう要望しておきます。  最後に,安芸区中野東,中野地域の乗り合いタクシーはどのような状況になってるでしょうか。課題があれば教えてください。  以上で終わります。(拍手) ○金子和彦 副議長      市長。                〔松井一實市長登壇〕 ◎松井一實 市長       中原議員の御質問にお答え申し上げます。  被爆者援護に関する発言についての御質問がございました。  まず,市民の声をどのように受けとめているのかということでございますが,市民にはさまざまな御意見があるということを痛感しているところでございます。本日,これまでの答弁で申し上げたことでございますが,私は,被爆者の援護は,原爆の犠牲者や被爆者として生きている人の痛みや苦しみを多くの国民が分かち合うという精神があってこそ成り立っているものであるとの私なりの考えが背景にあってのものです。今まで被爆の実相を話すことなく過ごされてきた中で言えるようになったということは,そのような環境ができたからであるとも言え,そのこと自体に感謝の気持ちを持つことは大切だということを強調したかったものです。  戦後,原爆の放射線による健康影響に苦しみ,不安を持ちながら広島の復興と発展を支えてこられた被爆者,そして今なお続くそうした苦しみや不安だけでなく,社会的な偏見や差別とも闘いながら被爆の実相を語り,平和を希求する声を全世界に発することに尽力されている被爆者,そして被爆者が核兵器廃絶と世界恒久平和を求める国際世論の形成に大きな貢献をされたという基本的な認識は十分持っております。そして,被爆者の気持ちを理解し,大切にしていかなければならないというふうに考えています。  私は,本日,何度か申し上げましたように,これまでと変わることなく,被爆者の援護施策の充実に取り組む覚悟であり,またヒロシマの願いである核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に向け,積極的に取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては,担当局長からお答え申し上げます。 ○金子和彦 副議長      企画総務局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局長   所信表明の原発事故の記述についての御質問にお答えいたします。  所信表明は,市長就任時に,今後4年間の市政を推進するに当たっての基本的な考え方や主要な施策について,市長の所信表明の一端を述べるものでございます。  原子力発電のあり方については,国のエネルギー政策の見直しの中で検討されるべきものと認識しており,その見直しの議論が,現在,国において行われている状況を踏まえますと,市政推進の基本的な考え方等を述べる所信表明において,あえて言及するまでもないと判断したためでございます。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      財政局長。 ◎岡田輝彦 財政局長     議員御指摘の地場の中小企業向けの身近な公共事業についてでございますが,昨年度の2月補正予算におきまして,経済危機対策として,学校の耐震化工事や公共施設の小規模整備・補修の前倒しなどで,総額約47億円の予算を計上しております。さらに,本年度当初予算においても,公共施設の小規模整備・補修について,約96億円確保するなど,厳しい財政状況の中でも,地場の中小企業向け事業の確保にできる限り配慮しております。引き続き,限られた財源の中でも,地域経済の活性化に配慮した予算の配分に意を用いてまいりたいと考えております。  続きまして,小規模修繕契約希望者登録制度の関係でございます。  本市では,小規模修繕を効率的に発注するため,施設の修繕契約のうち,予定価格が50万円未満で,壁のひび割れ補修,雨漏りの応急措置など,内容が簡易で,かつ履行確保が容易で機能回復を目的とするものを対象に,小規模修繕契約希望者登録制度を設けています。  この制度の活用については,これまでも各局,区役所及び教育委員会等に対して,3年に一度の登録がえや,今年度から年4回にふやした追加申請時に通知するほか,年度当初の予算執行依命通達などにより周知しています。  平成21年度の小規模修繕対象件数に対する割合,いわゆる発注率については,制度を制定した平成17年度の7.5%に対して平成21年度が13.1%で,5.6ポイント増加しています。緊急に修繕する必要がある場合や特殊設備を修繕する場合は,当該施設を熟知している業者または専門業者に発注することもありますが,着実に制度を活用されていると考えています。  御質問の制度の拡大については,この制度はあくまで競争入札参加資格者登録制度の例外的な制度であること,技術職員でなくても容易に履行確認ができる小規模な修繕を対象としていることから,慎重に検討をする必要があると考えています。引き続き,この制度に該当するものは,登録業者を活用するよう,各局,区役所及び教育委員会等に対して,機会あるごとに周知してまいります。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      市民局長。 ◎佐伯克彦 市民局長     防災都市づくりのうち,ボランティアに関する御質問にお答えいたします。  本市では,平成23年3月17日から,広島市社会福祉協議会,日本赤十字社広島県支部,ひろしまNPOセンターなどとともに,広島市被災者支援ボランティア本部を設置しております。  この本部では,被災地へ行きボランティア活動をしたいという市民のために,被災地のボランティア情報を収集・提供すること,個人では行きにくいという市民がまとまって被災地に行けるよう,被災地の災害ボランティア本部と受け入れ日程等の調整をすることやバスの手配などを行っております。  また,広島に転入してこられた被災者の支援を希望する市民のために,転入被災者宅への物資運搬や転入被災者を励ますための交流会運営等のボランティア募集情報を提供するなどの取り組みを行っております。引き続き,被災者支援のボランティア活動を行う市民の支援をしていきたいと考えております。  以上です。 ○金子和彦 副議長      健康福祉局長。 ◎糸山隆 健康福祉局長    2点お答えいたします。  まず,放射線被曝に関する広島からの情報発信についてです。  被爆者医療を通して蓄積された広島の医学的知見を生かし,放射線に関する正しい情報を広く発信することは有用であると認識しています。  こうした広島の医学的知見は,広島大学や財団法人放射線影響研究所などの研究機関,広島赤十字・原爆病院などの医療機関に蓄積されています。広島大学と放射線影響研究所では,専用のホームページを設け,放射線に関する正しい知識と情報をわかりやすく提供しています。本市のホームページでも,両機関のホームページへ直接移ることができるリンクを設けています。  また,広島大学原爆放射線医科学研究所の神谷所長及び放射線影響研究所の児玉主席研究員は,福島県の要請により,放射線健康リスク管理アドバイザーに就任され,放射線が健康に与える影響等について,現地でアドバイスや説明会等をされています。  今後とも,広島の医学的知見を役立てた情報発信について,関係機関と連携しながら取り組んでまいります。  次に,広島市が実施した東日本大震災の救援支援活動の内容,また今後の予定についてです。  まず,職員の派遣につきましては,これまでに本市から延べ679名の職員を被災地に派遣し,被災者の救助や救急搬送,応急給水活動,医療救護活動,避難住民の健康相談等を行ってきました。現在は6名の職員が,被災地で建築物の調査や罹災証明業務,生活保護業務に従事しております。  また,こうした派遣職員による活動のほか,市民の皆様から御提供いただいたタオル類,肌着類,飲料水など,段ボール箱で約5,200箱分の支援物資や毛布等の備蓄物資,酸素マスク等の医療支援物資など,被災地にお送りしています。このほか,市民の皆様から寄せられた義援金の総額は,6月15日現在で約6084万円となっており,広島市としての義援金1億2000万円とともに,日本赤十字社を通じて被災地に送っています。  こうした被災地への支援に加え,東日本大震災により本市に避難してこられた皆さんにも,市営住宅の一時使用,寝具や家具,食器類など生活用品の提供,生活相談や健康相談の実施など,さまざまな支援を行っています。  今後の取り組みとしては,義援金の受け付け,避難してこられた皆さんへの支援は,継続して行ってまいります。また,現在,今後の予定として決まっているものとして,職員派遣について,健康相談を行う保健師を7月3日から8月27日までの間,改めて派遣することにしております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      こども未来局長。 ◎磯辺省三 こども未来局長  保育について,二つの御質問にお答えいたします。  まず,最低基準の認識についてでございます。  保育園の最低基準については,入園児童が,明るくて衛生的な環境において,心身ともに健やかに育成されることを保障するものであり,保育の質を支える重要な要素であると認識しています。  また,厚生省令には,児童福祉施設は,最低基準を超えて,常に,その設備及び運営を向上させなければならないと規定されていることから,これを踏まえ,保育の質の向上に努めています。  次に,条例制定についてでございます。  地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律が,5月2日に公布されました。この法律により,義務づけ,枠づけの見直しと条例制定権の拡大が図られ,保育園を含む児童福祉施設の最低基準が条例に委任されることになりました。  条例を制定するに当たり,保育士の配置基準,居室の面積基準及び保育の内容などは,今後とも国の定める基準に従い定めるものとされています。一方,そのほかの設備及び運営に関するものは,国の基準を参酌して定めるものとされています。  現在のところ,国が定める基準を規定する省令等が示されていないことから,今後その動向を注視して対応することとなりますが,現行の保育水準を低下させることがないよう,最低基準を定めたいと考えています。  マツダの計画節電について,こども未来局分の質問をまとめてお答えいたします。質問は,実態調査,休日保育の対応と経費,協力依頼の有無,市の受けとめについてでございます。  マツダを初め,電力需給対策を行う企業が出勤日を変更することにより,7月から9月までの3カ月間,一時的に休日保育が必要な児童が増加することは避けられないことと考えています。  これまで,電力需給対策を行う特定の企業から休日保育についての協力依頼は受けていませんが,本市では現在四つの保育園で休日保育を実施しており,休日保育の需要があれば,協力依頼の有無にかかわらず,これを受け入れることが必要であると考えています。  このため,この夏の一時的な休日保育の利用者ニーズを把握することとし,5月25日に市内の公立・私立保育園及び各区福祉事務所に対して,電力需給対策を行う企業に勤務する保護者等から休日保育の相談があった場合,速やかに保育課に報告するよう指示しており,これまで12件の相談を受けています。  こうした休日保育のニーズに対しては,現在,休日保育を実施している四つの保育園の受け入れ枠に余裕があることから,当面は現行の実施園での対応が可能であると考えています。今後,さらなるニーズの増加が見込まれる場合には,現行4園の受け入れ枠の拡大や新たな公立保育園での休日保育の実施などにより,受け入れ体制を整えたいと考えています。
     その場合に生じる経費は,児童数等により変動しますが,公立保育園1園で新たに休日保育を実施し,10人程度の児童を3カ月受け入れると仮定すると,約120万円となります。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      環境局エネルギー温暖化対策担当局長。 ◎藤本誠 環境局エネルギー温暖化対策担当局長  まず,原発の関係からお答えいたします。  最初に,原発事故の受けとめと,国に対してエネルギー政策の見直しを申し入れる際に,脱原発を念頭に置いた発言になるかということでございます。  国のエネルギー政策の基本的な方向性を示すため,エネルギー政策基本法に基づき,エネルギー基本計画が策定されています。  現在のエネルギー基本計画において,原子力発電は供給安定性,環境適合性,経済効率性を同時に満たす基幹エネルギーとして位置づけられ,安全の確保を大前提として国民の理解と信頼を得つつ,積極的な利用拡大を図ることとされています。しかし,今回の福島第一原子力発電所での事故により,原子力発電に対する国民の信頼が大きく失われたと考えています。  また,今回の東日本大震災による電力不足が,家庭,職場,学校など,日常生活全般にわたって甚大な影響を与えたことにより,エネルギーは国民生活や経済活動の基盤であることを改めて認識させられました。  このため,今後のエネルギー政策については,リスクやメリットを総合的に勘案した上での原子力発電のあり方や省エネに配慮したライフスタイル,社会システムなどについて幅広い検討を行い,国民の理解と信頼を得るようなものにしていく必要があると考えています。こうした認識のもと,国へのいろいろな要望活動の機会をとらえて,国に対してエネルギー政策の見直しを求めていきたいと考えています。  次に,日本における原子力の平和利用が推進されたことの経緯についての御質問です。  我が国における原子力の利用については,昭和30年,1955年に制定された原子力基本法をもとに推進されてきました。  この法律は,原子力の研究,開発及び利用を推進することによって,将来におけるエネルギー資源を確保し,学術の進歩と産業の振興とを図り,もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的としています。日本の原子力の利用は,こうした目的のために進められてきたと理解しています。  次に,政府と東京電力は,今回の原子力災害を自然災害による不可抗力だというような認識をしてると,そういうことでは原子力行政の欠陥を抜本的に改めることができないんではないかということについてでございます。  今回の福島第一原発における事故については,国が学識経験者,弁護士,被災地首長などで構成する東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会を設置し,事故の原因及び当該事故による被害の原因を究明するための調査・検証を行うこととされています。  同委員会では,この調査・検証を国民の目線に立って,開かれた中立的な立場から多角的に行い,今回の事故による被害の拡大防止及び同種の事故の再発防止等に関する政策提言を行うこととされています。以上のように,原子力行政については,国において適宜適切に対応されるものと考えています。  次に,上関原発の建設を中止するとともに,自然エネルギーを活用した,原発をゼロにする期限を定めたプログラムの策定を政府に求めるべきではないかということについてでございます。  今後のエネルギー政策については,先ほど御答弁申し上げましたとおり,国において国民の信頼と理解が得られるようなものにしていく必要があると考えています。また,上関原発など個々の原発の対応については,国におけるエネルギー政策の見直し等を踏まえて,それぞれ関係当事者において判断されるべきであると考えています。そうした認識のもとに,エネルギー政策の見直しを国に対して求めていきたいと考えております。  次に,自然エネルギーへの転換についてでございます。  まず最初に,太陽光発電の促進のための目標,計画についてでございます。  地球温暖化対策を進めていく上で,太陽光発電の利用拡大を図っていくことは重要であると考えています。このため,本市施設については,本庁舎や区役所なども含めまして,平成21年,2009年に策定した市有建築物省エネ仕様に基づき,施設の新築,増築,改築の際には,原則として太陽光発電システムを設置していくこととしています。  また,民間住宅については,本市の脱温暖化ビジョンであるカーボンマイナス70において,2030年には戸建て住宅の半数に当たる10万件,2050年には戸建て住宅のほぼすべてに導入する目標を掲げています。  次に,1件当たり5万円の補助額の増額と,それから市が補助した件数についてでございます。  本市では,民間住宅について,太陽光発電システムを設置した場合において,国の補助制度に上乗せして,20万円以上の工事に対して一律5万円の補助を行っています。  これまでの同補助金の活用状況は,当初の募集枠を年度中途において上回り,追加で予算枠を確保する状況であり,現行の補助単価はインセンティブとして有効であると考えています。今後については,国の補助金や余剰電力の買い取り単価,さらにはシステムの設置経費の動向を踏まえて対応したいと考えています。  それから次に,これまで本市が補助を行ってきた太陽光発電システムの設置件数ですが,制度を開始した平成20年度,2008年度が240件,21年度は957件,22年度が1,481件,3年間の合計で2,678件となっています。  次に,本市の施設への太陽光発電システムの設置状況とその効果についてですが,本市の公共施設への太陽光発電システムの設置については,これまで平成16年,2004年度に若草市営住宅に導入したのを初め,その後,総合リハビリテーションセンター,広島市立大学,マツダスタジアムのほか,新設,増築,改築の小中学校6校などに導入し,これらの施設では合計で年間約2.8%の電力量が削減され,電気使用料の節減額が533万円,CO2排出量は172トン削減されています。  以上です。 ○金子和彦 副議長      経済局長。 ◎棚多展義 経済局長     まず,計画節電の影響についてのうち,休日の振りかえによって15%の節減になるのかというような関係の御質問にお答えいたします。  政府は,5月13日,東京電力と東北電力管内における夏期の電力需給対策として,事業者や家庭において,7月から9月までの平日のピーク時の最大使用電力を15%削減するという目標を設定いたしました。  これを受け,マツダ等の自動車メーカーが加入する日本自動車工業会は,日本自動車部品工業会,全日本自動車産業労働組合総連合会と連携して,土日を操業日とし,木金を休業日とすることを決定いたしました。  これは,土日は電力需要が少ないこと,また全国各地に点在する部品メーカーが,この取り組みに参加することを容易にするため,操業日を統一する必要があることによるものです。マツダからは,以上のような事情と,自動車業界を挙げての取り組みであり,協力するという説明を受けております。  中国電力からは,中国電力管内では電力は不足しないと聞いておりますが,本市といたしましては,全国各地に点在する部品メーカーが参加することを容易にするための業界を挙げての取り組みであることから,マツダの参加はやむを得ないものであると考えております。  次に,中小企業支援について,今回の東日本大震災がどのような影響を与えているのかということでございます。  本市では,本年3月11日に発生した東日本大震災を受けて,3月15日に特別相談窓口を開設し,市内中小企業者から相談に対応しております。6月17日時点で,特別相談窓口には260件の相談が寄せられております。  業種別に見ると,製造業が63件,小売業が36件,卸売業が31件,サービス業が29件,建設業が28件,飲食・宿泊業が14件と,ほぼ全業種にわたっております。  また,相談内容別に見ると,本社が広島市内にある企業で現地の支店が被災したなどの直接被害の相談のほか,サプライチェーンの寸断,被災地優先や計画停電による納入遅延,自粛ムードや風評被害などによる自社経営への間接被害の相談が多く寄せられております。  次に,融資制度が積極的に活用されるようにスムーズな貸し付けを要請することが必要だと思うが,どうかという御質問です。  東日本大震災により影響を受けた中小企業者の経営の安定を図ることを目的とした,国の東日本大震災復興緊急保証制度が5月23日に施行されたことから,本市といたしましても,取扱金融機関及び広島県信用保証協会に対し,中小企業者の経営の実情に配慮した積極的な対応を要請しております。  最後に,中小企業支援のうち住宅リフォーム補助制度が必要であると思うが,どうかという御質問です。  経済の振興を図るためには,地元の中小企業を支援することは重要であると認識しております。本市の事業や制度など,施策を実践するに当たりましては,市民生活の向上など,政策目的に沿って優先順位をつけることが必要であると考えております。  こうした観点から,本市における住宅リフォームに関する支援制度は,耐震診断及び耐震改修,太陽光発電システムの設置,高齢者や障害者のためのバリアフリー改修など,政策目的を限定して実施しているものです。また,これらの制度は,地元の中小企業者の受注機会の拡大につながっており,中小企業の支援にも一定の効果があると考えております。  今後とも,これらの制度の活用などにより,地元の中小企業者の支援に努めてまいります。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      都市整備局長。 ◎荒本徹哉 都市整備局長   防災都市づくりについてのうち,高潮護岸整備に関する御質問にお答えいたします。  本市臨海部における高潮護岸の整備は,国と広島県がそれぞれ担当する地区を定め,分担して行っております。  その進捗状況は,平成22年度,2010年度末現在で,計画延長約45キロメートルのうち約31キロメートルが整備済みで,その整備率は69%となっております。  今後は,現在,埋立事業を行っている出島地区や,当面,整備予定のない民有地の護岸などを除くデルタ地区及び船越,矢野地区において,平成28年度,2016年度を目途に整備を完了させる予定となっております。今年度の予算は,国が9億9750万円,県が8310万円,合わせて10億8060万円となっております。  本市といたしましても,高潮護岸の整備は急務であると認識しており,今後も引き続き,国や県に早期整備を要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      道路交通局長。 ◎高井巌 道路交通局長    続きまして,防災都市づくりのうち,まず橋の耐震補強についてです。  橋梁の耐震補強については,緊急輸送道路などの主要な道路で,昭和55年,1980年の基準より古い基準で設計された84橋について,平成7年度,1995年度から落橋防止装置を設置しており,平成21年度,2009年度にはかけかえ計画等がある橋梁を除いて完了しております。引き続き,平成21年度,2009年度からは,橋脚の損傷を防止するための橋脚補強に取り組んでいます。  実施に当たっては,橋脚の形状等を基準に42橋を抽出し,橋脚補強の必要性を調査した上で対策を講じることとしており,現在,1橋の対策が完了したところです。今年度は,5橋の詳細な調査や補強工事に取り組むこととしており,予算規模は昨年度末の経済対策の前倒し分を含め4580万円です。今後も厳しい財政状況の中,財源の確保を図りながら,できるだけ早期に橋梁の耐震補強が完了するよう努めてまいります。  続きまして,高速5号線についてです。  学識経験者と専門家で構成する広島高速5号線トンネル安全検討委員会は,客観的なデータに基づいて,トンネル建設に伴う地表面沈下や土砂災害等の周辺地域への影響を明らかにすることを目的とした委員会です。  高速5号線の進め方につきましては,この検討委員会の結果を踏まえ,県・市が協議して適切に判断することとしております。  続きまして,乗り合いタクシー継続への支援についてです。  まず,黄金山地区の乗合タクシーの減便をどのように受けとめるかです。  黄金山地区乗合タクシーにつきましては,平成21年,2009年10月から1年間,実験運行を実施しましたが,利用者数は採算ラインには達しませんでした。  このため,平成22年,2010年10月から,地元の社会福祉協議会が資源ごみの売却益等の収入を財源として,採算ラインに満たない部分を補てんすることにより,本格運行を実施してきたものです。  しかしながら,本格運行後,半年を経過しても利用者数が採算ラインに達せず,今後の赤字補てんの見通しが立たない中で,継続運行の有効な対策を探ることを目的として,本年2月に,地元住民,タクシー事業者,市で構成する黄金山地区生活交通支援協議会において,住民アンケートを実施しました。この結果をもとに,7月1日から週5日の運行を週3日に変更することにしたものです。  本市としましては,この運行ダイヤの見直しによって運行経費が削減され,採算性の向上が図られるものと期待していますが,今後の継続運行のためには,サービスレベルの低下により利用者が減少する悪循環に陥らないよう,一層の利用促進に取り組んでいく必要があると考えております。  次に,これまでどおり運行するための補てん額は幾らかです。  週5日運行の場合,採算ラインを満たす1日当たりの運賃収入は1万7500円であり,1日当たり70人以上の利用者があれば採算の確保が可能です。1日当たりの利用者数を仮にこれまでの平均利用者数の43人とした場合,不足分は1日当たり6,750円で,1年間に必要となる補てん額は約165万円となります。  次に,運行を維持,発展するために,行政として責任を果たすべきではないかという御質問です。  黄金山地区生活交通支援協議会では,このたびの運行ダイヤの見直しにあわせて,地元スーパー,病院等へ協賛依頼や,地元商店街と連携した利用促進策等の新たな取り組みを実施する予定です。  本市では,今年度から,高齢者公共交通機関利用助成事業等の対象に黄金山地区乗合タクシーを加え,利用促進に向けた支援を行っています。  今後の支援策については,急速に進む高齢化などに対応するため,日常生活を支える公共交通の維持確保に向けて,より効率的で効果的なものに見直す必要があると考えており,その中で乗り合いタクシーについても具体的な検討を行っていきたいと考えております。  最後に,中野・中野東地区の乗り合いタクシーについてです。  安芸区中野・中野東地区の乗り合いタクシーにつきましては,平成23年,2011年1月に行った住民アンケートの結果等を踏まえ,現在,地域住民,運行予定事業者,市で構成する中野・中野東地区乗合タクシー運行支援協議会において,本年秋から実験運行の実施に向け,運行ルートやダイヤ,バス停の位置,料金などの検討を進めております。  課題につきましては,この実験運行を通じながら,明らかにした上で,地域の実情に即した運行形態等を見出し,本格運行につなげていきたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      消防局長。 ◎山下聰 消防局長      地域防災計画について順次お答えさせていただきます。  まず,東日本大震災の津波規模を考慮した被害想定についてでございます。  午前中に山田議員のところで答弁させていただきましたが,国においては,東日本大震災の発生を受け,本年秋ごろを目途に,地震被害想定のあり方や地震・津波対策の方向性などについて科学的に想定し得る最大の地震・津波が発生することを前提に取りまとめ,これに基づき防災基本計画の見直しを行うこととされています。  本市においては,この国の検討内容などを踏まえ,広島県とも連携して,現行の地震・津波被害想定を見直します。  続きまして,放射線測定器,それから避難基準となる放射線量等についてお答えいたします。  原子力発電所を中心として,おおむね10キロメートル圏内にある都道府県及び市町村は,国が定めた防災基本計画及び防災指針「原子力施設等の防災対策について」に基づき,地域防災計画の原子力災害対策編を作成しています。  本市は,市域内に原子力発電所がないことから,原子力災害対策編は作成してません。現在,国において,今回の事故等の検証や防災指針の見直しに取りかかっており,国や県の動向を踏まえながら,必要に応じて,本市の地域防災計画に放射線量測定器の整備や避難基準となる放射線量等を規定することについて検討を行ってまいります。  次に,津波対策として民間の高層マンションに地域住民を避難させるような住民合意,制度の取り組みについてでございます。  津波発生時の避難場所については,洪水及び高潮を対象とする避難場所の中から選定することとしています。しかし,東日本大震災では,想定を超える津波が発生したことから,今年度はモデル地区を選定し,当地区の自主防災組織等と連携して,情報伝達体制や,押し寄せる津波から一時的に避難するための緊急避難場所,避難経路などを網羅した地区別の避難計画の策定に取り組みます。  議員御提案の民間の高層マンションの活用に係る住民合意などについては,この避難計画の策定の中で検討してまいります。  次に,避難所の見直しについてでございます。  先ほど,碓氷議員のところでも御答弁させていただきましたけども,本市では災害時の避難場所として小学校や集会所,公民館などの公共施設等を選定しています。避難場所については,立地条件等を毎年調査し,地震,土砂災害,高潮及び洪水の災害種別のうち,どの災害に対応できるかをあらかじめ定めており,災害発生時は災害の種別や規模,避難者数,地理的条件等を勘案し,適切な施設を避難場所として開設することとしています。  こうした避難場所の条件については,毎年6月の広報紙「ひろしま市民と市政」の各区版や本市ホームページで紹介するとともに,自主防災組織リーダー研修等を通じて周知をします。  また,今年度は,現在,市内全戸に配布を行っている洪水ハザードマップにも,避難場所の一覧を掲載しているところであり,自主防災組織等を対象とした洪水ハザードマップの説明会等においても積極的に周知を図ってまいります。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      教育長。 ◎濱本康男 教育長      教育に関する御質問に順次お答えいたします。  最初が,校舎の耐震化についてです。  学校施設は,児童生徒が1日の大半を過ごす場であるとともに,災害発生時には地域住民の避難場所としての役割を果たすことから,その耐震性能を確保することは重要でございます。本市においても,一刻も早く学校施設すべてを耐震化することが緊急の課題と考えております。  こうしたことから,本市では,平成22年度までに屋内運動場の耐震化をおおむね完了いたしまして,現在,校舎の耐震化に取り組んでおります。  校舎耐震化に要する総事業費ですが,現時点では,既に実施済みの37億円を含めて総額約247億円と試算をしております。この財源は,国の補助金約91億円,市債約101億円,一般財源が約55億円と見込んでおります。  次に,平成23年4月1日現在で,今後,耐震補強を行う必要がある棟数ですが,165校の280棟となっております。  これらは,耐震診断の結果,危険性が高い順に,aランク,bランク,cランクの三つに分類をされております。その内訳は,Is値0.3未満のaランクが68校85棟,Is値0.3以上0.6未満のbランクが116校169棟,Is値0.6以上0.75未満のcランクが23校26棟となっております。  現在の計画では,平成24年度までに,最も危険性の高いaランクの耐震化を完了させたいと考えております。平成24年度以降のbランク,cランクの計画を前倒しをしてはという御提案ですが,国の予算措置や本市の財政状況,執行体制などを勘案しながら検討してまいります。  次は,マツダの計画節電の影響です。
     教育委員会では,現在,マツダを初め,ことし夏の電力需給対策を行う企業に勤務をする本市の留守家庭子ども会に登録をしている子供の保護者,約230世帯ですが,これを対象にニーズの聞き取り調査を行っているところです。  この調査結果を踏まえて,電力需給対策が実施される7月から9月までの3カ月間に限り,保護者による送迎を前提に,原則毎週日曜日に,ニーズが高い地域の数カ所の留守家庭子ども会を開会したいと考えております。  なお,これに伴って必要となる経費は,1カ所当たり25万円程度と見込んでおります。  最後は,教室へのエアコン整備についてです。  普通教室等への空調設備の整備につきましては,平成21年度から計画的に取り組んでおります。整備に当たりましては,対象校すべてに空調設備を整備するには,総額で約70億円と多額の事業費が必要になります。それから,空調設備の整備を耐震補強工事に先行して行う場合,耐震補強工事の際に設備の取り外しや再取りつけといった,いわゆる手戻り工事やむだな経費負担が発生をすることから,耐震補強工事にあわせて行うことを基本としております。したがいまして,校舎の耐震補強工事の前倒しを検討する中で,空調設備の早期整備についてもあわせて検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○金子和彦 副議長      38番中原洋美議員。 ◆38番(中原洋美議員) たくさんの御答弁,ありがとうございました。  まず,一つ質問は,今の教育委員会のマツダの計画節電に対する影響で,留守家庭子ども会の方で230世帯が御利用になってるということで,あけるということはありましたが,どこをあけるのかというのはまだ具体になっていないんでしょうか。わかっていればお答え願いたいというふうに思います。  もう,きょうが23日ですから,あと1週間もすれば7月に入って最初の日曜日を迎えるわけですよ。あと1週間にもかかわらず,まだ留守家庭子ども会に登録している保護者の方は,我が子をどこに預けていいのか,どこに行けばいいのかというのがわからないというのは,大変不安な生活を余儀なくされていらっしゃるというふうに思うわけです。  私が申し上げたいのは,計画節電というのは,これは非常に今後必要になるでしょう。だけど,いいことであっても,大企業が勝手に決めたんだから,もうこれで行きますっていう,そういうやり方はやはりおかしいというふうに思うんですよ。やはり,いいことでもきちっと市民にも説明し,従業員の方にも説明し,一歩一歩一緒になって取り組んでいかないと,やるんだってその期日だけ決めて,あとはみんなその日までに準備しなさいというのは,やはりおかしいなというふうに思うというのを言いたかったわけです。  そこをちょっと答弁いただきたいのと,それから市長の例の不適切な発言についてですけれども,やはり撤回をされるべきじゃないかと思うんですけれども,なぜ撤回をされないのか,もう一度お聞きしたいということと,それから所信表明に,原発であるとか放射能災害であるとか,こういう言葉が入らなかったのは,何か国のエネルギー政策が変わっていくから,何か今はまだ言えないんだと,国待ちなんだというようなふうに私は受けとめましたけれども,広島は二度と被爆者をつくらないというのが,これが広島の悲願ですよ。  広島は,原爆投下によって被爆者をつくられてしまったわけですけども,今まさに被曝者がつくられているわけじゃないですか,原発によって。原発と原爆と,発と爆が違うわけですけれども,中は放射能汚染という,この恐ろしい手のつけられないようなものによって大きく健康が破壊される,被曝者をつくるという,この点については,やはり被爆地だからこそ,被爆地の市長だからこそ言うというところに,私は深い重みがあると思うんですが,その点の認識を聞きたいと思います。 ○金子和彦 副議長      市長。 ◎松井一實 市長       私の発言に関する撤回に関してでございますが,今回お会いした被爆者は,私は爆心から4キロのところで被爆したが,幸いにも健康であって,健康被害に苦しむ被爆者がいる中で被爆者だと言われるのは後ろめたい気持ちがあったというようなことをおっしゃる方でありました。  このたびの一連の発言は,今申し上げたような,被爆者との会話の中で申し上げた言葉であります。私が申し上げたことは,私自身の感触というか,感じでは,まさにこうやりとりしてるときですね,相手の方にも理解していただいたというふうに感じているものであります。  したがいまして,私の発言の撤回ということにより,今言ったような御理解をしていただいてる方の理解を覆さなければならないというふうな性格のものではないという意味で,私は撤回はする必要ないというふうに考えているところでございます。 ○金子和彦 副議長      企画総務局長。 ◎湯浅敏郎 企画総務局長   所信表明に関する御質問でございますけども,先ほども御答弁申し上げましたけども,原子力発電のあり方というのは,国のエネルギー政策の中で見直しの検討がされるということで,現にそういう議論も活発に行われているというふうに認識しております。  所信表明というのは,市政推進の基本的な考え方,それからそれをもとにした主要な施策,市長が取り組む主要な施策について盛り込むべき,そういう性格のものでございますので,このたびの所信表明においてあえて言及するまでもないという判断で触れなかったというものでございますので,御理解をいただきたいと思います。  以上です。 ○金子和彦 副議長      教育長。 ◎濱本康男 教育長      留守家庭子ども会の臨時開会の件ですが,今,実態調査を行っておりますが,ちょうど最終的な集計がこの一両日中ぐらいにまとまる見通しで,この時点でまだ数字が締まっておりません。きのうまでの数字を見る限りでは,それほど希望が多くないというのが実感でございまして,このままいけば,先ほど御答弁申しましたように,あけても数カ所程度の,しかも中心部の比較的送迎の便などもいいような,そういう場所になるのではないかと思っておりまして,その背景といいますか,原因まではちょっとまだわかりませんけども,今の段階ではそれほどニーズが高くないような感じを受けております。  以上です。 ○金子和彦 副議長      38番中原洋美議員。 ◆38番(中原洋美議員) 市長は,発言撤回されないと言いましたけども,やはり広島市長として面会されたわけですから,公人としての発言であって,やっぱりこれは個人的な話ということにはならないと思うんですよね。やはり場をわきまえてやるというのは,きょうの午前中の話にもありましたけど,やはり改めて被爆者とか,それから被爆地の願いとか,これまでのいろんな広島が取り組んできた運動,やはり私たちもそうですけども,学びながら議員活動はさせていただいてきました。やはり謙虚に学んで,とりわけ被爆者の方のいろんな被爆の証言を聞きながら,その苦しみを同じ立場で感じ取っていくっていうことが,やっぱり,とりわけ市長の立場では必要でないかと思いますので,そういうことでぜひ謙虚に学んでいただきたいということを申し上げて終わります。 ○金子和彦 副議長      本日はこの程度にとどめ,明日引き続き市長の施政方針に対する質疑及び一般質問を行います。 ───────────────────────────────────────              次 会 の 開 議 通 知 ─────────────────────────────────────── ○金子和彦 副議長      この際,御通知申し上げます。  明日は午前10時より議会の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────              散   会   宣   告 ─────────────────────────────────────── ○金子和彦 副議長      本日は,これをもって散会いたします。  御苦労でした。                  午後4時06分散会 ───────────────────────────────────────   議 長   木  島     丘   副議長   金  子  和  彦   署名者   母  谷  龍  典   署名者   村  上  厚  子...