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平成11年第 7回12月定例会−12月10日-02号

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  1. 広島市議会 1999-12-10
    平成11年第 7回12月定例会−12月10日-02号


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    平成11年第 7回12月定例会−12月10日-02号平成11年第 7回12月定例会        平成11年第7回広島市議会定例会会議録(第2号)               広 島 市 議 会 議 事 日 程                                 平成11年12月10日                                 午 前 10 時 開 議                  日    程  第1 一般質問  ──────────────────────────────────────              会 議 に 付 し た 事 件 等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行し,12月13日も続行)
     次会の開議通知(12月13日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了)  ──────────────────────────────────────                 出席議員氏名    1番  松 坂 知 恒          2番  沖   洋 司    3番  元 田 賢 治          4番  永 田 雅 紀    5番  山 田 春 男          6番  母 谷 龍 典    7番  平 木 典 道          8番  谷 口   修    9番  宮 本 健 司          10番  増 井 克 志    11番  今 田 良 治          12番  大 原 邦 夫    13番  若 林 新 三          14番  中 原 洋 美    15番  村 上 厚 子          16番  酒 入 忠 昭    17番  村 上 通 明          18番  佐々木 壽 吉    19番  熊 本 憲 三          20番  大 野 芳 博    21番  水 野 なつ子          22番  倉 本 忠 宏    23番  橋 本 昭 彦          24番  金 子 和 彦    25番  井 口   聰          26番  木 山 徳 和    27番  沖 宗 正 明          28番  太 田 憲 二    29番  田 尾 健 一          30番  中 森 辰 一    31番  多 田 敏 治          32番  仲 津 幸 男    33番  土 井 哲 男          34番  碓 井 法 明    35番  児 玉 光 禎          36番  谷 川 正 徳    37番  松 平 幹 男          38番  福 島 和 宏    39番  平 野 博 昭          40番  種 清 和 夫    41番  宗 像 俊 昭          42番  下向井   敏    43番  都志見 信 夫          44番  皆 川 恵 史    45番  石 川 武 彦          46番  藤 田 博 之    47番  前 本 一 美          48番  松 浦 弘 典    49番  月 村 俊 雄          50番  中 山 忠 幸    51番  戸 田   満          52番  鶴 見 和 夫    53番  浅 尾 宰 正          54番  木 島   丘    55番  伊 藤 稲 造          56番  鈩 谷 君 子    57番  柳 坪   進          58番  中 本   弘    59番  兼 桝 栄 二  ──────────────────────────────────────                 欠席議員氏名    60番  海 徳   貢  ──────────────────────────────────────          職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名  事務局長   藤 井 克 己        事務局次長  原 田 尚 武  議事課長   浜 中 典 明        議事課主任  田 村 直 樹  議事課主査  重 元 昭 則  外関係職員  ──────────────────────────────────────              説明のため出席した者の職氏名  市長     秋 葉 忠 利        助役     森 元 弘 志  助役     小 田 治 義        収入役    伊 藤 利 彦  企画総務局長 黒 川 浩 明        財政局長   千 田   淳  市民局次長  川 口 弘 幸        社会局長   松 浦 洋 二  環境局長   加 藤 純 久        経済局長   村 川 博 敏  都市計画局長 長谷川   順        都市整備局長 北 谷 重 幸  道路交通局長 前 原 恒 泰        下水道局長  田 嶋 紘八郎  市立大学事務局長              消防局長   久保田 浩 二         中 本 信 雄  水道局長   中 岡 隆 志        広島市民病院事務局長                               繁 野 勝 元  安佐市民病院事務部長            監査事務局長 金 山 達 郎         三 上 勝 義  財政課長   今 長 岳 志        教育長    池 原 資 實  選挙管理委員会事務局長           人事委員会事務局長         久保井 美登里               渡 邊 紀 男  代表監査委員 山 田   康  ──────────────────────────────────────                 午前10時06分開議                 出席議員  51名                 欠席議員  9名 ○平野博昭 議長       おはようございます。出席議員51名であります。  ──────────────────────────────────────               開   議   宣   告  ────────────────────────────────────── ○平野博昭 議長       これより本日の会議を開きます。  ──────────────────────────────────────               会 議 録 署 名 者 の 指 名  ────────────────────────────────────── ○平野博昭 議長       本日の会議録署名者として               3番 元 田 賢 治 議員               45番 石 川 武 彦 議員 を御指名いたします。  ──────────────────────────────────────               日 程 に 入 る 旨 の 宣 告  ────────────────────────────────────── ○平野博昭 議長       これより日程に入ります。  ────────────────────────────────────── △日程第1 一般質問  ────────────────────────────────────── ○平野博昭 議長       日程第1,一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。9番宮本健司議員。                〔9番宮本健司議員登壇〕(拍手) ◆9番(宮本健司議員) おはようございます。新政クラブの宮本でございます。  私は広島で生まれ,地域の方々に育てられ今日を迎えることができました。その間原爆に遭いましたが,幸運にも腕にかすり傷が二,三カ所で済みました。そのときやけどをし,水を求めてさまよい歩き,川に入る人々,建物の下敷きになり,だれも助けることができず焼死する人々の姿がいまだに脳裏に焼きついて離れません。我々が原爆の恐ろしさを体験し,覚えている最後の年代だと思います。70年間草木も生えないと言われました広島が緑豊かな町になり,きれいな川,青い空,そんな広島が私は大好きです。もっと発展してほしい,世界に誇れる都市になってほしいと願ってやみません。今後,微力ながら広島市のために尽くしていく所存であります。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは,新政クラブを代表して,大きく分けて四つの項目について質問させていただきます。  先般,文教委員会で市民病院にある院内学級を視察しましたが,院内学級のある南病棟の廊下は天井が低く,配管が走り回り,暗くて狭く,大変陰気な気分になりました。また,視察目的の院内学級に行くには,階段がわかりにくく,まるで迷路のようでありました。院内学級の教室は狭く雑然としており,入院している子供たちがこんなところで勉強しているのかと思うと,とてもかわいそうな気がいたしました。市民にとっても,市民病院は心のよりどころであり,心安らかに医療が受けられるところであるべきであります。私は今まで建築設計に携わっておりましたので,その視点から見ても,この南病棟は築後40年は経過しており,阪神大震災級の地震があるとたちまち崩壊し,災害救助の拠点とならなければならない市民病院が,逆に患者の救出を求める施設になるのではないかと危惧しております。  そこで,市民病院の整備について何点かの質問をいたします。  まず,この南病棟の建てかえについては,何年も前から計画されていると聞いておりますが,具体的にどこまで進んでいるのかお尋ねいたします。スケジュールどおり進んでいない場合は,その原因は何なのか,どこにあるのか,具体的に教えていただきたいと思います。  現在,市内にある公的基幹病院では,広島県立病院広島赤十字病院等,現に新築整備を完了していますし,また平成14年度を目標に広島大学医学部附属病院も新しい病棟を建築中であります。このように市民病院だけが取り残されており,111万市民の命を預かる基幹病院である市民病院の充実整備をどのように考えておるのかお尋ねいたします。  私は,最近とみに,財政当局が口を開けば金がない,金がないと言われるのを耳にしますが,病院整備には十分な起債が認められるはずです。市民の大切な命を守ってくれる市民病院の整備に少々のお金を出しても,それを支払わなければならない次世代の市民も理解を示してくれるものと考えております。一日も早く整備着手にかかっていただくよう声を大にして強く求めておきます。  また,市長は子ども病院の建設に強い意欲を持っておられると聞いておりますが,私は9月議会でも質問がありましたように,単独の子ども病院を建設して,その運営に多額の一般財源を補てんするのではなくて,市民病院の整備にあわせて,子供と母親とを総合的に診療できる総合医療センターの整備を図る方がより効果的で効率的だと思っておりますが,どのように考えておられるのかお尋ねいたします。  さて,12月7日付の新聞の一面に,「3期ぶりマイナス成長,GDP年率3.8%減,7─9月期,公共投資息切れ」と報道されました。長くて暗いトンネルの出口が見えなく,政府も今国会で大型補正予算を組み,一時上がりかけた景気を再度引き上げようとしております。広島市内にある企業においても,とりわけ零細中小企業は景気の自立回復が依然として見えない状況の中で,自分の会社の存続をかけてリストラ,経費の節減などに日夜努力しているのが現状であります。一日も早く雇用の安定を図り,安心して働けるようにするにはどうすればいいか。この状況を打破するためには,今こそみんなで前向きな知恵を出していかなければならないと思います。  広島市においても,今回の定例市議会に職員の期末手当,勤勉手当,役職手当の減額案が上程されますが,市民と等しく痛みを分かち合うという意味で時を得た処置と考えます。今回の決算特別委員長報告の中に「行財政改革大綱財政健全化計画のもと,徹底した経費の節減,事務事業の見直し,未利用地等の財産の有効活用を図るとともに」とあるように,全職員一丸となって推し進めていく必要があると考えております。こうした中,広島市においては引き続き行財政改革に積極的に取り組むこととされ,先般,平成12年度からの行財政改革取り組み方針を示した第2次行財政改革大綱の素案を出されました。この素案を見ますと,12年度以降は,市民主体の市政の推進と行政需要に的確に対応するための効果的・効率的な行財政運営の推進という二つの取り組み方針のもとに,市民への情報の公開や市民の自主的・自発的な活動への支援などに取り組むこととされておりますが,こうした取り組みを進めるに当たって,どういう基本姿勢で取り組もうとされているのかお尋ねいたします。  次に,個別の質問になりますが,未利用地の有効活用について何点かの質問をさせていただきます。
     ことし11月1日から19日までを申し込み期限とした市有地売却の御案内というパンフレットがつくられ,公募抽選方式で33物件,一般競争入札で3物件を売り出されましたが,その売却実績,成約はどうだったのでしょうか。これは平成8年から売却を始められたようですが,過去の実績を含め,売却件数,金額を教えていただきたいと思います。  行政は今まで,用地買収については用地収用法等多くの法律に守られ,かなりの実績もあると思います。一方で,売ることに関しては地方自治法等の制約があり大変難しいことは承知しておりますが,その中でいかなる方法で広報,宣伝されているのか。事業用地として確保されている中で,もっと売れる物件は売却に出せないのか,お尋ねいたします。  また,成約率を上げるために今後の改善策についてお考えがあれば,お聞かせいただきたいと思います。  このような売却しにくい土地,売れ残りの土地についてでありますが,例えばある団地では,空き地を町内会が駐車場として地主から借り,その駐車場代を町内会が集めて地主に渡し,地主からその手数料をもらって町内会の運営費に充てております。そのことによって,町内での違法駐車がなくなるとともに,空き地に雑草が生えないため害虫も発生しないなど,一石三鳥の実績を上げているとこもあります。このように市有未利用地を駐車場等に一時貸し付けをするなどのお考えはないでしょうか,お尋ねいたします。  土地を売るということは,一見後ろ向きの考え方に思われますが,持っていれば土地の管理費など必要となります。反面,売却すれば,土地代収入,固定資産税の収入が見込め,これを有効活用することによって,次なる発展,活性化が図られると考えます。私はむしろ前向きな考え方だと思っております。  続いて,広島大学本部跡地を含めた都心の大規模未利用地の有効利用についてお尋ねいたします。  私は千田町で生まれ育ちました。一昔前の千田町地区の印象としては,多くの学生が濶歩し,学生に関する商店が立ち並ぶ活気あふれる地域でありましたことから,広島大学本部跡地には大変な思い入れと愛着があります。跡地が今後どのように有効利用され,どのような形になっていくのか大いに関心を持っております。広島大学が東広島市に完全移転し,はや4年の歳月が過ぎています。移転計画が決定してから種々の経過をたどりながら,平成7年3月に広島大学跡地利用研究協議会において検討された結果,「ひろしま遊創の杜」構想として発表されました。その後,この構想を受けて,平成8年3月に広島市は東千田公園用地として約3ヘクタールを購入し,現在はその整備も完了して,ここで定期的に千田わっしょい祭りが開かれるなど,地域住民の憩いや潤いの場として開放されております。しかし,跡地の大部分は残念ながらいまだに利用されないままとなっています。  そこで,まず最初に,この「ひろしま遊創の杜」構想は現在どのようになっているのか,お尋ねいたします。  ところで,広島県におきましては,現在庁舎の建てかえ構想について鋭意検討されておられるようですが,この移転による建てかえの候補地として,ただいま申し上げました広島大学本部跡地を初め,広島駅北口地域と東広島駅貨物ヤード跡地の3地域が挙げられており,また現庁舎の敷地での建てかえも検討対象となっていると聞いております。そして,県は2002年までには建てかえ場所についての結論も出すとも聞いております。私は,県庁舎の建てかえ場所がどこになるのかということが今後の広島市の都市づくりに極めて大きな影響を与えるものと考えております。先月の30日に策定されました第4次広島市基本計画によりますと,「多様な活動と交流を支える活力ある都市の創造」という章の中で,大規模な低・未利用地の有効活用という観点から,県庁舎の移転先候補地に挙げられている3地域の記述がありました。広島駅北口,東広島駅貨物ヤード跡地及び広島大学本部跡地のいずれの地域についても,おおむね共通して広島市の中枢性や魅力ある都市づくりに資する新たな都市機能の導入などにより魅力と潤いのある都市空間の整備を促進するとされており,広島駅北口地域についてのみ多少具体的に,広域的な諸点を有する複合施設の整備や業務機能を中心とした高次都市機能の集積といった表現が用いられております。私は,都心に位置するこれらの大規模未利用地につきましては,広島市が中四国地方の中核都市としての役割を果たしながら今後ともさらに発展し,世界に誇れる都市になるために,積極的かつ有効に活用していく必要があると考えております。そういう意味においても,県庁舎がどこに立地するかは広島市の都市づくりにとって極めて重要なことであると考えております。  そこで,広島市としては,県庁舎の建てかえ構想に関連して,県に対してどのようなアプローチをされてきたのか,広島市にとっての最適地はどこであるかということを検討されているのか,また今後広島県に対しいかなる方法で広島市の声を伝え,反映させていかれるお考えなのかをお尋ねいたします。  最後に,PFI事業の取り組みについてお尋ねいたします。  ことしの通常国会において,「民間資本等の活用による公共設備等の整備等の促進に関する法律」いわゆるPFI推進法が7月23日に可決成立し,9月24日に施行されました。これを受けて政府は,PFI事業実施に向けた基本的方針を策定するため,総理府内に民間資金等活用事業委員会──PFI推進委員会を発足いたしました。先日,その第1回目の会合が開かれ,PFI推進委員会のもと二つの事業部会が設置され,今後月2回程度の部会と月1回程度の委員会を予定し,1999年度内に基本方針を策定することにしており,早ければ来年度には始動することになるということであります。  PFI事業とは,皆さん御存じのように,英語の「private finance initiative」の略で,直訳しますと民間資本の主導による事業ということになろうかと思います。従来公共,第三セクターがかかわってきた社会資本整備などの公共事業を,民間資本とノウハウを活用して実施しようというものであります。このPFIはもともとイギリスで導入された考え方で,1980年代に英国病という深刻な経済不振に苦しんでいたサッチャー政権下で考案され,メージャー政権下で導入された制度で,イギリスの行政改革や財政再建の一連の流れの中で生まれたものであると聞いております。現在イギリスでは,PFI事業が公共投資の14%から15%を占めるようになり,経済再生の要因の一つに挙げられるまでに至っております。今まで行われてきた第三セクターの失敗事例の根元として,行政と企業からの出向者の寄り合い世帯が多いこと,また官民の責任分担が明確でないため,民間部門が公的部門の最終的リスク負担をするモラルハザードいわゆる倫理の欠如が発生し,経営が悪化した場合,公的部門の負担が大きくなることなどが指摘されてきております。このPFI手法をうまく活用すれば,財政的な制約にとらわれずに公共事業を推進することができ,また民間企業においても新たな事業機会を得ることができ,ひいては市民がより少ない税負担でより質の高い公共サービスを受けることができるようになるというものであります。公共サービスを受ける市民にとって重要なことは,サービスの提供者がだれであるかではなく,いかに質の高いサービスをいかに低コストで提供してもらえるかが重要だと思います。  そこで,PFI事業に対する広島市の見解をお聞きしたいと思います。  現在のように財政健全化が緊急課題となっている中で,地域経済の活性化や雇用の増大,市民へ提供するサービスの質の向上と低コスト化等を考えますと,このPFI事業を活用することが,広島市にとって,21世紀に向けた社会資本整備を進める上で有効かつ魅力的な政策手法であると考えます。経済企画庁がことし8月に発表したPFI推進研究会報告書によりますと,PFI導入に向けて政府部内で研究を進めている事業分野として観光施設,公営住宅,美術館,スポーツ・レクリエーション施設,有料道路,廃棄物処理施設リサイクル施設,発電所,情報通信関連施設,官公庁の庁舎,市街地の再開発,物流基地などの施設が挙げられております。また,PFI推進法によりますと,理論上すべての公共サービスPFI事業の対象となり得ると考えられております。10月の中旬のテレビ番組で,イギリスのPFIに関する放映があり,その中に刑務所をPFIで行った事例が紹介され驚きました。また,国内においても,東京都が金町浄水場というところの常用発電をPFI事業で実施したり,その他の都道府県,市においても幾つかの実施事例やあるいは実施に向けて具体的検討に動き出していると報道されています。日経産業経済研究所がことしの3月から4月にかけて,全国670市,東京23区を対象,実施した調査では,2市が今年度中に導入を予定し,導入に向けて検討中のところも76市・区あったということであります。広島県においても,公共施設等の整備にPFIを導入すべく研究調査のための体制を整え,積極的な対応を行い,東部浄化センター活用事業の整備手法にPFI事業としての可能性を探っていると聞いております。  しかしながら,PFI事業を推進していくためにはいろいろな問題も横たわっております。例えば各省庁の補助金の問題,税制上の問題,公的支援の問題,官民のリスク分担の問題,契約の問題等,解決しなければ実行に移せない事項も多くあります。さきの本会議の答弁の中に,東広島駅貨物ヤード跡地の活用方策としてPFI事業の導入を考えているとの答弁がありましたが,私が知る限り広島市役所の個々の課,部,局ではPFI推進に向けて検討されていると思いますが,全庁的な調査研究プロジェクトチームを早急に発足させ,具体的な事例を取り上げて,期間を区切って集中的にPFIについて調査研究を推し進めていただきたいと切に願っているものであります。この問題について市長の御見解をお伺いいたします。  以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○平野博昭 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       宮本議員の質問にお答えいたします。  最初に,第2次行財政改革の取り組みに関する基本姿勢という御質問がございました。本市の財政状況が一段と厳しさを増している中で,経済・社会環境の変化や地方分権の推進などの諸課題に的確に対応しながら新しい時代の都市づくりを推進していくため,一層の行財政運営の効率化を図るとともに,新たな行財政システムの構築を目指し,行財政改革を積極的に推進していく必要があると,こう考えております。  このため,現在取り組んでおります第1次行財政改革に続き,平成12年度,来年度ですが,2000年度から平成15年度(2003年度)の間に,第2次行財政改革として,市民主体の市政の推進と行政需要に的確に対応するための効果的・効率的な行財政運営の推進を柱に取り組んでいきたいというふうに考えております。こうした考え方のもと,このたび第2次行財政改革大綱の素案を取りまとめました。今後,議会や行財政改革懇話会等の意見をお聞きしながら大綱を策定し,それに基づきさらなる行財政改革に取り組んでいきたいと考えておりますが,その取り組みを進めるに当たっては,行財政改革に対する職員意識の一層の向上を図りながら,経済・社会環境の変化に対応し,可能なものから速やかに実施するなど,スピード感を持った取り組みに努めていきたいと考えております。  また,その推進に当たっては,可能な限り具体的な目標を設定し,目標達成に向けた取り組みを行いながら行財政改革の実効性を高めていきたいと考えております。  次に,PFI事業に対する見解あるいは全庁的な調査研究プロジェクト等についての御質問がございました。  御指摘のように,PFIは公共サービスの提供において民間の資金やノウハウを活用する手法の一つであり,一つには財政支出の軽減と質の高い公共サービスの実現,それからもう一つは,適切に責任分担された官民の新たなパートナーシップの形成,それから三つ目には,民間の事業機会の創出などさまざまな効果が期待されております。行財政改革に取り組んでいる地方自治体にとっても,効率的・効果的に行政を推進していく有効な手段に成り得ると考えております。  しかしながら一方で,PFIは誕生したばかりの制度であるため,財政的支援措置やリスクマネージメントなどを初め事業スキームに今なお不透明な点があり,また事業者の選定や契約事務などの手続が複雑なことなど,その導入と普及のためには今後の研究課題も多いと考えております。このため,これまでも本年3月に関係省庁や県などと共催してPFI推進シンポジウムを開催するなど,内外の先進事例や国からの情報収集に努めてまいりましたが,年内にはPFI導入に向けての国の基本方針も出される見込みです。今後は具体的にPFIの導入を検討していきたいと考えておりますが,海外の実施事例の成功例あるいは課題等も調査しながら,まずはPFIを適用しやすい分野を抽出した上で,ケーススタディーなど実務的研究を行う庁内プロジェクトチームの設置などにも取り組んでいきたいと,こういうふうに考えております。  その他の御質問については,担当局長からお答えいたします。 ○平野博昭 議長       企画総務局長。 ◎黒川浩明 企画総務局長   広島大学本部跡地についての御質問にお答えをいたします。  広島大学本部跡地は,平成7年3月に,国,県,市,経済界,地元団体等で構成いたします広島大学跡地利用研究協議会,ここにおきまして芸術文化,映像文化,学術研究等の拠点機能やまたにぎわい機能等を導入するといたしました「ひろしま遊創の杜」利用計画案,これが取りまとめられまして,これに基づきまして広島大学本部におきましては法学部,経済学部の夜間主コースの新校舎の建設を行い,また本市では東千田公園を整備し,また映像文化創造拠点施設のあり方についての検討を行ってまいりました。こうした中で,昨年12月に県庁舎整備検討懇話会の提言におきまして,広島大学本部跡地が県庁舎の移転仮想地の一つということで選定をされましたことから,本市といたしましては,この立地場所の検討状況も見きわめる必要があるというふうに考えているものでございます。  そして,この県庁舎の建てかえでございます。これにつきましては,現在県で内部検討組織を設けまして,その整備に向けた諸課題の整理,検討が進められており,平成13年度(2001年度)には立地場所などを含めました基本的な方針を策定するということとされております。本市といたしましても,県庁舎の立地場所は都市内の人や物の流れを大きく左右し,将来の都市構造にも少なからぬ影響を及ぼす重要な課題というふうに考えております。  こうしたことから,去る7月の知事・市長会議におきまして,市長から県庁舎の立地場所は広島市域とされるよう要望いたしますとともに,県庁舎移転につきまして協議していくことが合意をされ,現在県,市の事務レベルでそれぞれの候補地での立地の可能性や諸課題等につきまして意見交換を行っているところでございます。今後ともこうした協議などを通じまして,県との意思疎通を密にし,適切に対応してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○平野博昭 議長       財政局長。 ◎千田淳 財政局長      市有地の売り払いについてお答えいたします。  市有地の公募売り払いは平成8年度に試行実施いたしまして,平成9年度から本格実施しているところでございます。その結果,平成8年度は契約に至らなかったものの平成9年度は18物件のうち8物件,金額にして2億1,500万円,それから平成10年度は29物件のうち8物件,金額にして2億6,700万円が成約したところでございます。また,今年度につきましては,契約締結期限が来年の1月下旬というふうになっております。期限が到来しておりませんので契約には至っておりませんが,36物件のうち8物件,金額にして2億3,800万円の申し込みがあったところでございます。  次に,市有地の公募売り払いに係る広報,宣伝についてでございますが,現地に看板,のぼりを設置するとともに,本市の広報紙である「市民と市政」に掲載するほか,新聞広告,アストラムラインや公民館等,市有施設へのポスター掲示,テレビ,ラジオの本市広報番組の活用等により実施しているところでございます。  次に,もっと売れやすい物件を売りに出せないのかという御質問でございますが,市有地の公募売り払いは,原則として将来にわたって利用が見込めない市有地を広く市民等に提供いたしまして,新たな施策の実施に必要となる土地を取得するための財源を確保するものでございます。したがって,未利用地の有効活用を図ることを目的としているものでございます。したがいまして,事業用地等の利用予定のある市有地については売却の対象外としているところでございます。  なお,利用予定のない市有地の洗い出しにつきましては,毎年各局等に対し,未利用地及び用途廃止予定財産の調査依頼を行うなど,その実態把握に努めているところでございます。  次に,成約率を上げるための今後の改善策につきましては,これまでにも売り払い条件の緩和,PRの充実,公募で売れ残った物件の宅地建物取引業協会への媒介依頼,一般競争入札における参考価格の公表などを行ってきたところでございますが,今後ともより効果的な方法がないものか,他都市の事例等も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。  次に,売却できない市有地や公募売り払いにより売れ残った市有地の一時貸し付けにつきましては,これまでにおいても市民等からの借り受け希望のある場合には積極的に応じてきているところでございますが,議員御指摘のように,今後ともより積極的に実施するための方策を講じる必要があると認識しているところでございます。いずれにいたしましても,新たな財源を確保することは本市にとって重要な課題でございまして,その意味で市有地の売却や一時貸し付けについては新たな財源確保という観点から行財政改革の一環として今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○平野博昭 議長       社会局長。 ◎松浦洋二 社会局長     子ども病院についてお答えをいたします。  さきの9月議会で鈩谷議員に御答弁いたしましたように,広島市民病院においては,本年3月に策定した病院基本計画で母子総合医療センター,仮称でございますが,これを新しい病棟の中に整備するという方向での取りまとめを行いましたが,その後小児医療の充実を求めることについての請願が出された経緯もあり,社会局で検討をしておるところでございます。全市的な観点からの小児医療のあり方については,子供の病気に対して市民が安心してゆだねることのできる効果的な医療体制の確立が重要であると考えております。  小児医療体制の整備につきましては,本年度,本市それから広島市の医師会等で構成される広島市連合地区地域保健対策協議会の中に小児医療体制検討委員会を設置し,目下検討を行っているところであります。また同時に,本市,それから広島県,広島県医師会及び広島大学医学部の四者で構成される広島県地域保健対策協議会においても小児保健対策専門委員会,胎児・新生児医療特別委員会で検討されておりまして,これらの調査研究結果を総合的に踏まえながら,本市における小児医療体制の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○平野博昭 議長       市民病院事務局長。 ◎繁野勝元 広島市民病院事務局長 市民病院南病棟の改築に関しての2点の質問にお答えします。  まず,南病棟の建てかえについて具体的にどこまで進んでいるのか等についてでございます。  南病棟は昭和26年に建築された市内の主要病院中最古の病棟であり,議員御指摘のとおり老朽化や狭隘化に加え,耐震性も弱いなど,多くの課題を抱えています。こうしたことから,市民病院ではその建てかえを最重要課題と位置づけ,平成6年度以降建てかえ計画づくりに取り組んでおり,本年3月には整備基本計画を策定しました。現在この計画に基づき,関係機関,関係部署との協議調整を進めているところでございます。  次に,他の公的基幹病院が整備する中で,市民病院の充実整備をどのように考えているのかについてでございます。  市民病院は昭和27年の開設以来,広島市の公的基幹病院として,急性期の患者さんに対して高度な医療提供をするという重要な役割を担ってきました。当院としては,今後ともこうした役割を担っていくには,老朽化した南病棟の早期建てかえが不可欠であると考えています。今回決定した第4次広島市基本計画においても,当院の増改築の推進を掲げているところであり,病院としてはその実現に向け引き続き努力していきたいと考えておるところでございます。よろしく御理解のほどお願い申し上げます。 ○平野博昭 議長       37番松平幹男議員。                〔37番松平幹男議員登壇〕(拍手) ◆37番(松平幹男議員) おはようございます。私は公明党市議団を代表いたしまして一般質問をさせていただきます。皆さんどうぞしばらくの御清聴よろしくお願いします。  最初に,平和問題について何点かお伺いいたします。  核兵器のない21世紀の実現は,私たち広島市民の大きな願いでありますが,最近の軍縮をめぐる国際社会の流れはそうした私たちの願いとは逆行しているように見えるのであります。3年前,あらゆる核実験を禁止することで核拡散への歯どめとするべく包括的核実験禁止条約が国連総会で採択されました。これによって私たちは核軍縮・核廃絶が大きく前進するものと期待しましたが,この条約の発効を目指したその後の動きは私たちの期待どおりには進んでいません。現実は,米ロの臨界前核実験の強行,米国上院でのCTBT批准承認案の否決,パキスタンの軍事クーデターなど,CTBTの形骸化に拍車をかけ,核不拡散条約に対しそのものを揺るがしかねない状況になっております。特に,去る10月,日本が議長国となりウィーンで開かれたCTBT発効促進会議で未批准国に早期批准を求めた直後,米国上院がCTBT批准承認案を否決しましたが,これは唯一の超大国である米国のエゴであり,また核軍縮・核廃絶に向けた指導力をみずから放棄したものであると言わざるを得ません。その影響は余りにも大きく,米国と同様に中国,ロシアなど核保有国が批准していないこと,インド,パキスタン,北朝鮮などが条約に未署名であることを考えると,CTBTの発効はますます遠のいたように見えるのであります。NPT,CTBTとも,中心になって推進してきたのは米国であっただけに,大変残念なことであります。こうしたことが起きた理由として,核抑止力を安全保障のかなめとする古い考え方が根強く残っていることに加えて,広島の教訓が米国を初め世界の指導者に共有されていないということが挙げられます。核兵器の威力は知られているが,その人間的悲惨さが世界に十分伝わっていないわけであります。それは,核兵器廃絶に向けて日本がこれまで強いリーダーシップを発揮してこなかったことの結果と思うのであります。我々自身日本政府を動かし,国際社会に対し直接働きかけていく力が弱かったこともその一因でありましょう。その意味で,私たちは今後とも核軍縮や核廃絶を願う市民の声を国政や国際社会に働きかけるさまざまな努力を続けていく必要があります。理想と現実を見据えながら,核廃絶に向けての具体的な議論や政策提起を行う必要があると考えますが,市長は核兵器のない世界の実現という観点から,今日の状況についてどうとらえ,また広島市としてこれにどう対応していこうとお考えなのか,まずお伺いをいたします。  以前,私はこの本会議で,核廃絶に向けて世界のNGOと政府との連携の必要性について質問いたしました。答弁は,国際的NGOの実態調査をし,その結果を見て,どういう対応ができるか検討したいというものでした。世界では既に数多くのNGOが軍縮平和問題に取り組み,膨大な情報を集め,実行可能で具体的な提言を行っているところであります。こうしたNGOと政府との連携の重要性は,対人地雷全面禁止条約実現に至るカナダ政府とノーベル平和賞を受賞した地雷禁止キャンペーンを初めとするNGOとの協力関係を見れば明らかであります。また,我が国においても,外務省と核兵器廃絶に取り組む市民団体との協力関係も,ゆっくりとではありますが築かれつつあります。  そこで,前回の質問に対する答弁にあったNGOの実態調査の結果等,その評価について明らかにしていただくとともに,さまざまな専門知識を持つ世界のNGOのネットワークと今後どのように連携していくのかについてお答えいただきたいと思います。  次に,被爆体験の継承についてお伺いします。  被爆50年も過ぎ,被爆体験の風化は確実に進んでいます。高齢化し,亡くなられる被爆者は年ごとに増加し,平和記念資料館を訪れる修学旅行生も減り続け,また県内の公立校で継承教育を行わない学校がふえてきております。市長はことしの平和宣言で,若い世代の皆さんに核兵器廃絶に向けた強い意思を持ってほしいと呼びかけられましたが,若い世代や広く世界の人々に被爆体験を継承していくことについて,これまで行われてきた原爆展や平和シンポジウム,平和学習などに加え,何か新しい具体策をお持ちでしょうか,お伺いしたいと思います。  また,女優の吉永小百合さんが原爆詩の朗読をされ,多くの人々に感動を与えているように,演劇や音楽,映像など,いわば平和文化の振興という形で被爆体験を継承していくことも重要だと考えますが,御意見をお伺いしたいと思います。  次に,財政問題についてであります。  初めに,新年度の予算編成についてお尋ねします。  本年2月の市長就任後の予算特別委員会では,現予算の編成について市長は,本来は新規の事業や政策的な事業の計上は見送って,義務的経費や維持管理費など政策的判断を必要としない経費を計上するいわゆる骨格予算を組むことが一般的でありますが,今回は本市が直面するさまざまな課題が緊急かつ重大であるという判断に立って,市民生活に密着した事業や継続事業を一部含んで編成しました。したがって,新たな施策については6月以降に提案させていただきますと発言されました。つまり,次の新年度では,みずからの公約を初め秋葉カラーが具体的に示されると期待を膨らませているところであります。また,数多くの市民も大いに注目していると思うのであります。市長さん,どうかそのところを踏まえて,意欲的かつ積極的な姿勢を示していただきたいと思います。  そこで,最初にお聞きしたいのは,来年度は景気の長期低迷で税収の伸びもほとんど期待できない上,今年度は財政調整基金や都市整備事業基金をすべて取り崩したにもかかわらず,市債残高は8,000億円を大幅に超え,財政指標においても起債制限比率は14.9%に達し,全国で神戸市に次いで2番目に高い比率となり,危機的状況の中にあります。こうした中だけに,新年度は過去に例を見ない大変厳しい予算編成とならざるを得ないものと思うのでありますが,基本的方針と考え方についてどのように取り組まれるのかお伺いします。  次に,具体的にお聞きいたします。  市民一人一人が自由で豊かで生きる喜びを感じることができるまちづくりを推進するのは行政の基本と思いますが,とりわけハード面では道路交通網を初めとする都市基盤の整備,多心型都市構造への転換,またソフト面では保健・福祉・医療の充実,高次都市機能の強化や産業基盤の整備,地域経済の担い手である中小企業の育成振興などなど,課題が山積みしております。したがって,総合的に推進されるものとは思いますが,あえて申し上げるとすれば,何を重点とし,何を優先されるのか,特に目玉は何か,それをどう特徴づけるのか,お尋ねいたします。  3点目は,本市にとって決断しなければならない長年の懸案プロジェクトが幾つかあります。例えば,先般決定された東西線は都市中央部の基幹交通で,事業全体の中で最も中心となるプロジェクトだっただけに,ともするとよどみつつあった停滞感を大きく打ち破り,全体が動き出すための突破口の働きとして十分評価されるべきと思うのであります。今後21世紀の発展のために,次に続く事業である東広島駅貨物ヤード跡地や広大跡地,さらに広島駅前再開発を新年度予算の予算編成の中でどう位置づけするのか,市長の積極性と英断が求められますが,御見解をお伺いします。  予算編成についての最後の質問は,新たな政策的事項に対する取り組みについてであります。  予算は,市政を預かる市長の顔と言われております。つまり市長公約あるいは将来構想を最も具体的に実現するための最大の機会が予算であれば,新しい予算編成にどのように反映されようとお考えなのかお伺いします。  次に,予算編成のあり方についてであります。  さきの決算特別委員会でも指摘がありましたが,不用額が余りにも多いことであります。10年度が246億円,最近の4年間でも1,100億円弱にもなっております。これはビッグアーチ建設費の実に3倍にも達する莫大な金額であります。審査意見書では,適正な予算編成と計画的執行を行うよう指摘をされたところであります。つまり適正な編成であれば,不用額は他の市民サービスに回されることができるわけで,これについて財政当局はどのように受けとめておられるのでしょうか。当然事業の見積もりの甘さもあると思いますが,査定方法にも問題はなかったのか。今の査定のやり方は前年の実践主義で,予算編成総量で押さえ込むやり方をとっておりますが,これでは1件ごとの内容名については判断できないと思われますが,この点について抜本的な改善をすべきと考えますが,御見解をお伺いします。  次に,地方分権についてお尋ねします。  去る7月8日,地方分権一括法が上下・主従から対等・協力の関係に転換することを柱とした地方自治法など計475の法改正からなる一括法であります。1947年の地方自治法制定以来の大改革で,今後自治体には自己決定,責任が強く求められるようになってまいります。さらに,手続的には,関係する政省令を改正し,自治体にとっては分権法が施行される2000年4月までに条例や規則を整備することになっています。内容的には,機関委任事務を自治事務と法定受託事務に再編成し,いずれも地方公共団体の事務としたことが最大の特徴であります。  そこでお尋ねしたいのは,第1点,本市にとって条例の規模や見通し,さらに制定までのスケジュールはどのようになっているのでしょうか。  第2点,財政問題は地方公共団体が事務を処理する際の国の財源措置が義務づけられていますが,権限移譲にかかわる本市の財源の措置はどのようになると予想されるのか。  第3点,分権を実質化するためには,都市計画などが市長の責任となることを考えれば,独自のまちづくりを計画し,どう実践するか否かで都市間に大きな差が生じてくると言われていますが,新しく策定した基本計画をも踏まえて,本市固有のアイデンティティの形成についてはどのようにお考えでしょうか。  次に,行政改革について1点お尋ねします。  これまでに我が党は幾度となく行政評価制度の導入についてお伺いをいたしました。市長は,所信でも行政評価制度の導入を約束されておりますが,導入に向けこれまでどのような検討がなされているのか,お尋ねいたします。地方自治体の場合,市長が行政評価を言い出されても,行政が審議会を使った事業や業務の見直しに矮小化している状況が広く見られますが,このようなことがないよう注文をしておきます。  次に,建築基準法の改正についてお伺いします。  昨年6月に行われました建築基準法の改正により,今まで完成時に行われていた検査を,工事施行中においても行うことができる中間検査制度が創設をされました。これまでの検査は,工事完了後に実施するため,完成すると隠れてしまう骨組みや基礎などの点検が困難でしたが,阪神大震災で倒壊した建物の多くから骨組みなどの不備が発見されたその教訓から,基準法の改正がなされたものであります。広島市においては,対象建築物を一戸建ての住宅で分譲するもの,いわゆる建て売り住宅と,これ以外の一戸建ての住宅で木造3階建て以上の建物,この2種類に限定をしております。検査対象をこのようにごく一部に限定していることは,この中間検査制度の趣旨を十分に生かしているとは言えないと思うのであります。他都市の例をとってみますと,最も厳しい措置をとっている横浜市は,用途を限定せず,原則50平米以上の建物すべてが対象となっています。名古屋市は木造建築と建築物全般,京都市は木造3階建て全物件と特殊建築物,長野市は鉄骨づくりの3階建て以上,延べ面積1,000平米を超える建築物などとしています。  そこで,2点お伺いします。  人が多く集まる建物とか公共性の高い建築物については,特に行政として注意を払う必要があると思います。建築対象物の見直しを主張するものですが,当局の御所見をお伺いします。  第2点,中間検査制度の実施期間が3年間となっていますが,3年後にこの制度を終えてしまう意向なのか,さらに充実していくのかどうかお伺いします。  検査というものは悪い箇所を見つけ,改善することですが,検査があるということで手抜き工事などを未然に防ぐ効果もあると思います。震災の教訓を忘れることなく,安全な建築物に市民が安心して居住できるよう当局の施策を望むものであります。  次に,空港問題についてお尋ねします。  これまで数多くの諸先輩がこの空港については御質問なされたところでありますが,この飛行場は利便性が高く,極めてすぐれた立地条件であり,広島市の中枢性・拠点性の向上を図る上で極めて重要な都市機能の一つであることは言うまでもありません。とりわけ東京便の復活に対する幅広い市民の要望は,各方面から寄せられているところであります。  広島空港の移転に伴い,都市間コミューターや小型機用の飛行場として設置され,6年が経過いたしました。現在の航空業界を取り巻く状況は,来年2月の航空法の改正により,路線ごとの免許制は事業ごとの許可制へと緩和され,業界の新規参入が容易となり,航空会社間の競争激化,市場原理に基づいた航空網の再編が一層進むものと考えられます。運輸省通達が定めるコミューター航空の基準60席以下も撤廃され,西飛行場について検討の必要が指摘されているところであります。こうした中,広島西飛行場に本社を置くジェイ・エアは現在19席のジェットストリームを順次50人乗りの小型ジェット機に切りかえ,路線は検討中としながらも2001年春の就航を予定していると発表したところであります。また,本年4月に設立された新しい地域航空会社フェアリンク社も,ジェイ・エアと同様に50人乗りの小型ジェット機により広島西飛行場へ乗り入れたい意向を示しています。  このような状況を踏まえ,広島西飛行場について,以下諸点についてお尋ねします。  第1点,ジェット機乗り入れの動きに対して,空港周辺の地元対応はどのようにされるのか。また,とかく対立を見る県,市の間で今日までどのような話し合いがなされたのか,あわせてお尋ねします。  第2点,小型ジェット機の離着陸には1,800メートルの滑走路が必要不可欠であり,これが短縮されると,就航は事実上不可能となります。そこで,南道路は沈埋工法で整備し,現空港の機能を維持させるのかどうか。また,これを高架橋にすれば,滑走路は航空法の高さ制限により現在の1,800メートルから1,450メートルに短縮されます。短縮された350メートルを沖出しでカバーするという案も視野に入れて検討するつもりがあるのかどうか,当局の率直な答弁を求めておきます。  2001年の4月には南道路に接続される佐伯区と廿日市市の臨海部を結ぶその橋も完成予定となっており,国道2号線の慢性的な交通渋滞を考えると,早急に結論を出さなくてはならない問題であります。羽田空港には現在小型機の乗り入れは認められていないと聞いております。定期航空便が羽田に飛べる可能性の見通しについて,また南道路と西飛行場の関連をどのようにされようとしているのか。これらの問題について,県,市は今後どのようなスケジュールのもとに協議し,いつごろまでに結論を出されるのか,重ねて当局の御所見をお伺いします。  最後に,児童虐待についてお伺いします。  親による子供虐待事件が急増しております。全国の児童相談所が昨年度に扱った父母らによる子供への虐待に関する相談件数は6,932件で,昨年度よりも約3割増加,過去最悪を更新し,90年度の6.3倍にもなっております。さらに深刻なことは,ますます増加の一途をたどっていることであります。家族機能の低下や社会の連帯感の希薄化,これなどが原因と言われているだけに,地域全体で子供を守る体制づくりが急がれているところであります。国レベルでも先日,厚生,法務,文部など5省庁や最高裁,日弁連,日本PTA全国協議会で構成される児童虐待対策協議会が発足し,関係者の連帯強化が図られたところであります。調査結果によりますと,虐待者は57.9%が母親で,小学生未満の子供を虐待するケースが多いことであります。  また,内訳で言えば,第1位が子供の首を絞める,おぼれさせるなど命に危険を及ぼしたり,打撲傷や内出血など外傷の残る身体的暴行が3,673件で,全体の53%を占めております。第2位が,子供を栄養不良のまま放置したり,満足に着がえもさせず,極端に不潔な状態のままにしておくなど,親の怠慢や拒否による虐待が30.4%となっております。第3位が,「おまえなど生まれてこなければよかった」といった子供の人格を否定するような言葉で心理的な外傷を与える心理的虐待9.4%であります。  では,なぜこうした悲劇が繰り返されるのか。この世で一番大切な生命を,しかも抵抗できない子供の生命を簡単に奪ったりする大人の心には理解に苦しむところであります。核家族化などで子育ての負担が若い母親一人にのしかかる,また大人に成り切れない母親がその重さに耐え切れない現実があるのではないかと思います。ある専門家は,家庭内の夫婦の問題,経済的事情,社会的なストレス,生命軽視の風潮,根強い男尊女卑を指摘しております。  そこで,お尋ねしたいのは,第1点,本市における虐待の実態はどのように把握されているのでしょうか。さらに,児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談件数はどのようになっているのでしょうか。  第2点は,虐待急増の原因背景に思い切った対応をとるべきと考えます。そこで,学校関係者や医師,弁護士,民生委員などによる虐待防止のための部会設置や施策やマニュアルづくりをすべきと思いますが,本市の対応についてお伺いします。  第3点は,職員の専門性を高めるなど,児童相談所や福祉事務所の機能を強化させて,適切に対応できるようにすべきと考えますが,いかがでしょうか。
     第4点,児童福祉法では,虐待の事実を知ったら,福祉事務所や児童相談所へ通報するよう一般市民も義務づけておりますが,本市のPRはどのようになっているのか,さらにその環境づくりはどのようにお考えなのか,お尋ねをいたします。  以上で私の質問を終わらせていただきます。大変御清聴ありがとうございました。(拍手) ○平野博昭 議長       市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       松平議員の御質問にお答え申し上げます。  まず,新年度の予算に関連した質問,何項目かございました。新年度予算につきましては,市税収入が今年度の収入を下回ることが危ぶまれる中,人件費や公債費等,義務的経費の増加を考慮すると,一般行政経費は相当の絞り込みが必要であり,過去に例のない厳しい予算編成にならざるを得ないと認識しております。  しかしその一方で,本市は世界恒久平和の実現という使命とともに,中枢性・拠点性の強化や広域都市圏の形成,都市の魅力づくり,地域経済の活性化,少子・高齢社会への対応などの重要課題に積極的に取り組んでいかなければなりません。また,新年度は今年度に作成した第4次基本計画の実質的なスタートの年であり,21世紀へのかけ橋となる年でもあります。したがって,新年度予算につきましては,大変厳しい財政状況ではありますが,基本構想に掲げた七つの柱を中心に,基本計画や所信表明を踏まえながら広島のアイデンティティの形成を図り,理想とする広島らしい都市の姿や市民生活の実現を目指して予算を編成したいと考えております。新年度予算の目玉や特徴,議員御指摘のプロジェクトの位置づけ,私の公約といった具体的な予算の内容や中身の検討につきましては,1月末までの予算編成の過程の中で,市税等の収入の見込みや国が策定する地方財政計画の動向も見きわめながら詰めていきたいと,こう考えております。いずれにいたしましても,今後は右肩上がりの経済成長が期待できない中で,これまで以上に厳しい財政運営になると思いますが,市民の負託にこたえられる効率的でスリムな行財政システムを確立しながら,都市の活力や魅力の向上,次の世代のための基盤整備などを着実に進めていきたいと考えております。  次に,広島西飛行場に関しての御質問がございました。  広島西飛行場については,平成4年(1992年)7月の県,市,経済界等からなる現空港跡地問題協議会の取りまとめ結果を踏まえ,現在コミューター,小型機の就航する飛行場としてその有効活用に取り組んでおります。これからの時代は,時間に対する価値がますます高まり,都市と都市を高速で結ぶことのできる空港機能はより一層重要になると考えております。今後,定期航空路線の撤退した路線や大型機では採算のとれない路線等へ,各路線需要に応じた規模の機材を用いたコミューター航空の参入が予想され,コミューター航空の重要性がさらに増大していくものと考えております。  また,コミューター航空業界の動向として,欧米では,従来のターボ・プロップ機から,経済性の高い低騒音のコミューター・ジェット機が定着してきています。我が国においても,ジェイ・エア社が現在使用している機材が生産中止になっていることや輸送力の増強,高速化による事業性の確保の観点から,コミューター・ジェット機の導入を決定しており,また新たな航空会社であるフェアリンク社も同じ機材を活用した事業展開を計画しております。本市においては,こうしたコミューター航空業界の流れも踏まえながら,設置管理者である県とも十分に協議をし,広島西飛行場の有効活用を図っていく必要があると考えております。  その他の御質問については,担当局長から答弁いたします。 ○平野博昭 議長       企画総務局長。 ◎黒川浩明 企画総務局長   数点につきましてお答えをいたします。  まず,地方分権一括法施行に係ります条例の改正等の見直し等についてでございます。  地方分権一括法施行にあわせて条例の制定等が必要となる事項といたしましては,従来機関委任事務であったものに係る手数料規定の条例化や権限移譲により本市が新たに行うこととなる事務の規定の整備,また必置規制の見直しに伴う条例改正等がございまして,現在検討を進めておりますけれども,最終的には関係する政省令等の改正内容を見きわめる必要がございます。このため,政省令等の改正の動向を注視いたしておりますけれども,政省令等の改正が当初の予定より9月中から11月以降に大幅にずれ込んでいることから,現時点では条例数を確定するに至っておりません。こうしたことから,今後公布される政省令等の改正内容を見きわめた上で,必要となる条例案につきまして最終的な準備を進め,平成12年2月議会に一括して提案をしたいと考えております。  また,権限移譲によりまして移譲される事務の執行に必要な経費についてでございます。現在のところ,都市計画の決定権限などの移譲によりまして若干の増加が見込まれますけれども,その財源につきましては,国が必要な財源措置を講ずるものというふうになっております。  それから,2点目でございます。  分権を実質化するためには,独自のまちづくりが必要であるということについてでございます。先般策定いたしました平成22年(2010年)を目標年次といたします第4次広島市基本計画におきましては,広島らしさを創出し,個性ある都市づくりを進めていくための新しい柱といたしまして,「広島のアイデンティティ形成」を掲げているところでございます。そして,これを具体的に実現していくために,「市民主体の市政の推進」「「平和首都」広島の実現」「環境を保全・創造する都市広島の実現」「健やかで文化的に暮らせる都市広島の実現」「子供と若者をはぐくむ都市広島の実現」「活力ある経済都市広島の実現」「総合的な交通対策の推進」という七つのプランを「広島のアイデンティティの形成」を主導する重点施策ということで位置づけ,それぞれに具体的施策を掲げており,今後基本計画に掲げたこれらの七つの重点施策の総合的かつ計画的な推進を図ることにより,議員御指摘の点も踏まえ,分権型社会における特色ある都市づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。  それから,行政評価制度についてでございます。  この行政評価制度につきましては,現在他の自治体及び海外の事例も参考にしながら,評価手法,対象・評価機関等行政評価システムのあり方につきまして,有識者等の意見も聞きながら研究を進めております。国におきましても,現在行政評価制度の導入について研究が進められておりまして,その内容も参考にしながら引き続き本市における行政評価制度の導入に向け調査研究を進めていきたいというふうに考えております。  それから,空港問題で広島西飛行場への小型ジェット機の乗り入れに対しましての地元対応,また県との話し合いの状況についてでございます。  ジェイ・エア社などが導入を予定いたしておりますコミューター・ジェット機,これはジェット機ではございますけれども,50人乗りでございまして,60席以下と定められております現在のコミューター機の範囲内の機材であります。また,騒音も,現在就航いたしておりますターボ・プロップ機と同程度であるというふうに聞いております。一方,広島西飛行場の開港に際しまして,地元には,「ジェット機の就航する第二種空港としては廃止する。跡地をコミューター小型機の就航する飛行場として活用する。」という説明をいたしておりますけれども,その就航に当たりましては,地元を初め幅広い市民の意見を聞きながら対応していく必要があるというふうに考えております。本市といたしましては,こうした考え方に立ちまして,広島西飛行場の設置管理者である県と協議をいたしておりますが,県とは調整ができるまでに至っておりません。今後引き続き協議を重ねてまいりたいというふうに考えております。  また,羽田空港への小型機の乗り入れの可能性,さらに西飛行場から羽田空港への定期便の復活の可能性についてでございます。  羽田空港につきましては,現在運輸省の方針によりまして,小型機の離発着ができないということになっておりますけれども,来年度からの新B滑走路,この供用開始にあわせまして空港の発着枠が増加される予定でございます。その配分方法について現在有識者による懇談会において議論をされております。その中におきまして,小型機の発着枠についても意見陳述がなされる予定であるというふうに聞いており,今後の動向を注目していく必要があるというふうに認識いたしております。  また,次に御質問の従前の定期便による東京便の復活ということでございます。これにつきましては,現空港跡地問題協議会の取りまとめに基づきまして,現在コミューター小型機の就航する飛行場ということで位置づけられていますことから,将来的な課題であるというふうに考えております。  以上でございます。 ○平野博昭 議長       財政局長。 ◎千田淳 財政局長      不用額の問題についてお答えいたします。  まず,不用額の問題につきましては,まず三つの側面があるというふうに考えております。  まずその最初に,予算編成の段階でございますが,予算編成の原則は,適正な見積もりをするということが大原則でございますので,不用額につきましては一般的に少ない方が好ましいというふうに言えます。  また次に,その執行の段階でございますが,計画的な執行という面から見ましても,例えば事業の遅延による不用というのは極力解消をすべきものであると考えております。  そこで,三つ目の側面でございますが,不用額を生じたことの評価,いわゆる決算の段階でございます。例えば執行段階において事業手法等をさらに検討し,コスト縮減に努めた結果生じた不用であれば,それはそれで評価すべきであると考えております。したがいまして,不用額につきましては,事業ごとに個別に判断すべきものであると考えております。  そこで,予算編成過程における御指摘の査定方法でございますけども,施設の管理運営のような実績に変動が少ないもの,これにつきましては実績に基づき査定を実施しております。これに対しまして新規事業,それから普通建設事業といった政策的な事業につきましては,1件ごとに要求内容を原局から十分聞きまして,事業内容について精査した上で査定を実施しているところでございます。  今後とも,議員御指摘のように決算において指摘されておりますので,その点を十分踏まえまして,予算編成過程におきまして適正な見積もりを行い,不用額の削減に努めてまいりたいというふうに考えております。 ○平野博昭 議長       市民局次長。 ◎川口弘幸 市民局次長    平和問題につきまして,3点の御質問に順次お答えをさせていただきます。  最初に,核兵器のない世界の実現にどう対応するかということについてでございます。  最近の核兵器をめぐる情勢を見ますと,米国における臨界前核実験の強行や上院本会議での包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准の否決,パキスタンでの軍事クーデターの発生などに見られるとおり,核保有国における核軍縮の動きが停滞し,新たな核拡散の動きが生じることが懸念されております。ことしの平和宣言で市長が訴えたとおり,核兵器を廃絶するためには,世界の人々が,とりわけ核保有国の指導者が核兵器を廃絶する強い意思を持つことが必要であると考えております。そのためには,核保有国に対し引き続きさまざまな機会をとらえ,みずからの責務として積極的に核廃絶に取り組むよう求めていくとともに,我が国政府に対し,各国政府を説得し,世界的な核兵器廃絶の意思形成に向け先導的役割を果たすよう求めていきたいと考えております。来年は,4月の国連本部での核不拡散条約(NPT)再検討会議,7月の九州・沖縄での主要国首脳会議など,21世紀初頭の世界のあり方に影響を及ぼす大きな国際会議が予定されております。こうした機会をとらえて,核保有国を初めとした世界の指導者や指揮者にヒロシマの願いを訴える機会が設けられるよう努力していきたいと考えております。  また,来年に理事会,再来年に総会を開催する世界平和連帯都市市長会議においては,102カ国・地域,483都市に及ぶネットワークをこれまで以上に活用し,加盟都市はもとよりNGOとも議論を深め,実効性のある行動につながるよう努めてまいります。こうした取り組みや海外原爆展の充実などを通じ,核兵器廃絶の国際世論を喚起し,核保有国の政府策を変えさせる努力を今後とも積極的に続けてまいりたいと考えております。  次に,国際的NGOとの連携についてでございます。  国際的NGOの実態調査につきましては,平成10年1月,軍縮問題を中心に国際的に活動している186のNGOを対象に調査を行い,78のNGOから調査票が返送されたところでございます。このうち核戦争防止国際医師会議(IPPNW),国際平和ビューロー(IPB)など,49のNGOからは,本市や世界平和連帯都市市長会議との連携を希望する回答が寄せられております。NGOとの連携を進めるためには相互の信頼を醸成することが不可欠であり,実態調査に対して回答があったNGOを対象に,平和宣言や市長会議のニューズレターなどを送付するとともに,インターネットなどを通じ情報交換を行い,そのきずなを強めてまいりました。その結果,NGOが主催した国際平和会議「ハーグ平和アピール1999」に広島市長が招待され出席するとともに,本市で開催する国際平和シンポジウムに世界的なNGOの代表者をお招きして,核兵器廃絶に向けたNGOや市民の役割などについて議論するなど,NGOとの連携について一定の成果を上げることができたと考えております。核兵器廃絶の国際世論を醸成していく上では,国際的なNGOとの連携は大変重要であると認識しております。今後ともさまざまな機会をとらえてNGOとのきずなをさらに強めるとともに,来年開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議や再来年に開催する第5回市長会議におけるNGOとの連携について,引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に,被爆体験の継承についてでございます。  若い世代や世界の人々に被爆体験を継承し,平和意識の高揚を図ることは,本市の平和行政の最重点課題の一つであると認識しております。これまで,修学旅行生に対する修学講習の実施を初めとして,国の内外での原爆展の開催,インターネットによる平和情報の発信,平和のキャンパスの開催などに取り組んでまいりました。さらに,今月8日からは,平和記念資料館が収蔵しております資料や情報等のデータベースをインターネットで検索できるように公開いたしたところでございます。  また,今年度からは,新たに平和記念資料館の展示解説などを行うピース・ボランティアの活動を開始するとともに,市民レベルでの核兵器廃絶の思いを伝える海外への書簡などをボランティアが翻訳する平和アピール草の根支援事業を開始し,若者を中心にボランティアとして平和活動にかかわってもらうことを通じまして被爆体験の継承や平和意識の高揚を図っております。  さらに,市内の小学校には,インターネットを活用して手づくりの平和学習を進めている事例も見られるなど,新しい試みも出てきております。  こうした実績を踏まえ,来年度におきましては,次代を担う若い世代への被爆体験の継承に重点を置いた事業の拡充を図ってまいりたいと考えております。  また,世界共通の言葉である音楽や映像,芸術文化を通じて被爆体験を継承し,平和のメッセージを世界に向けてよりわかりやすい形で発信していくことは,極めて有意義であると認識しております。これまで長年にわたり,平和のコンサートの夕べ,子供たちの平和の絵コンクール,広島平和美術展,広島平和書道展などいろいろな事業を行ってきたほか,映像や音楽を通じ交流を図る国際アニメーションフェスティバルやオーガスト・イン・ヒロシマなど国際イベントを開催するなど,平和文化の振興に努めてまいりました。  さらに,このたびの第4次広島市基本計画におきましても,被爆体験の普遍化及び世界化を図るため,平和への願いを芸術文化に込め平和文化として継承することを位置づけたところであります。今後ともその充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○平野博昭 議長       社会局長。 ◎松浦洋二 社会局長     児童虐待につきまして数点の御質問がありましたので,お答えをさせていただきます。  児童虐待につきましては,議員御指摘のとおり全国的に急増しており,本市においても同様に,ここ数年急激な増加の傾向をたどっております。  児童虐待に関する相談件数は,本年11月末現在で74件でございます。ちなみに,過去3年間の実績を見てみますと,平成8年度は19件,平成9年度は47件,平成10年度は82件であり,確実に増加の傾向にあります。この74件の内訳でございますが,身体的虐待が43件で58%を占めております。続いて養育の放棄,保護の怠慢が15件で20%,心理的虐待が13件で18%,性的虐待が3件で4%となっております。  これらの増加の原因についてでございますが,近年父母の養育機能が弱体化したことによる虐待の増加に加えて,マスコミ報道等による市民の関心の高まり,具体的には保育所,小・中学校,医療機関を初め近隣の方々からの通報の増加,さらには保護者自身からの相談が増加したことにあると考えられております。  いずれにいたしましても,児童の虐待は,その加害者が多くの実父母など保護者であることから,多くの実態が潜在化しており,より深刻な問題となっております。児童相談所といたしましては,いろいろ寄せられた情報をもとに,事例ごとに関係機関との連携を図りながら,家庭訪問を含め状況調査を行うなど,その実態把握,解決に鋭意努めてまいりたいと考えております。  次に,虐待防止に学校関係者,医者,弁護士等の連絡の協議会をつくったらどうかという御質問でございますが,本市におきましては,子供の権利を守り,虐待の防止に万全を期するため,本年4月に警察本部,医師会,弁護士会,民生委員児童委員協議会などで構成する広島市児童虐待防止対策連絡協議会を設置し,さらに事例案件を専門的な角度から審議する部会をあわせて設置し,児童虐待に対する共通理解,認識のもとに連携・協力を図っているところであります。  また,本年6月には児童虐待防止対策マニュアルを作成し,主任児童委員,民生委員,関係部局の職員などに配付し,児童虐待防止対策の研修を積極的に行っているところであります。  さらに,今回の補正予算におきまして,公立の保育所,幼稚園,小・中学校など関係機関への手引書の配付などに要する必要な経費を計上させていただいております。児童虐待に関する調査・連絡機能の連携強化をより一層図ることといたしております。  次に,職員の専門性,それから機能の強化につきましては,広島市児童虐待防止連絡協議会には各区役所の家庭相談員も参画させており,職員の専門性を高めるとともに,児童虐待のあった事例についてはこれらの関係者の協力は必要不可欠な状況であることから,実例に基づいて毎月研修会を実施するとともに,常に適切な対応ができるよう相互に情報交換や合同の現地調査を行うなど,機能強化を図りつつ児童虐待防止に努めてまいりたいと考えております。  最後に,市民等に対するPRについてでございますが,児童虐待を未然に防止するため,区役所,公民館等,公共施設を初め,地域の掲示板に啓発ポスターを掲示するとともに,児童虐待は低年齢層の乳幼児に極めて多いことから,今年度から新たにリーフレットを母子健康手帳の交付対象者に配付いたしました。  また,第一発見者になる可能性の高い医師会,保育所,学校などの関係者への周知徹底を図るなど,防止対策の啓発活動を積極的に実施しているところでございます。  いずれにいたしましても,児童虐待は,いかなる理由があるにしてもあってはならないことであり,児童相談所としては総力を挙げて,関係部局とも連携を取りながら,児童虐待の根絶に向けて万全を期してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○平野博昭 議長       都市計画局長。 ◎長谷川順 都市計画局長   建築基準法の改正に伴いまして実施することとしております中間検査に関する御質問に対しまして,お答えを申し上げます。  建築基準法改正によりまして新たに設けられましたこの中間検査は,違反の発生のおそれが大きくかつ構造安全上検査の必要性の高い建築物を対象建築物として指定することとされております。本市におきましては,建築基準法に基づく完了検査済証の交付率が全国的にも高いということ,また顕著な違反の建築物の状況が見られないということから,住宅購入者を保護するという観点で,一戸建ての分譲住宅,それと全国的に違反建築物となるおそれがあるとして昨今問題となっております木造3階建ての住宅に当面限定いたしまして,中間検査を行うことといたしております。  議員御指摘のように,不特定多数の者が利用する建築物や公共性の高い建築物の安全性の確保の重要性につきましては,本市といたしましても認識しているところでございます。したがいまして,平成12年1月から3年間で行いますこの実施結果や本市の執行体制の状況等,これらを考慮いたしまして,今後中間検査制度の継続並びに対象建築物の指定及び実施期間等について検討を行うこととしております。  以上でございます。 ○平野博昭 議長       道路交通局長。 ◎前原恒泰 道路交通局長   空港問題で,南道路は沈埋工法で機能を維持させるかどうか,また橋梁方式で整備し,滑走路を沖出ししてカバーする案も検討するつもりがあるかどうかということでございますが,南道路のうち商工センターと観音地区を結ぶ区間の構造については,広島西飛行場の空域制限があることから,地下式いわゆる沈埋トンネル形式としております。しかし,沖出し等によって空域制限が変われば,橋梁方式も可能となることから,橋梁案についても比較検討を行ってきたところであります。その結果,早期整備の可能性,事業費や維持管理の面で橋梁方式が有利であると考えております。御指摘のように,橋梁で整備すると,滑走路が約350メートル利用できなくなるため,本市としては滑走路のかさ上げや沖出し等の対策によりまして,現在の広島西飛行場の施設能力を確保することが必要であると考えております。こうした考えで,飛行場管理者であります,また港湾管理者でもある広島県と調整を図っているところであります。  また,この問題について,県,市は今後どのようなスケジュールのもとで協議し,いつごろまで結論を出そうとしているかということについてでございますが,この南道路も西飛行場も本市にとっては重要な都市機能であると考えております。とりわけ広島都市圏の西部方面の慢性的な交通渋滞に対して,南道路のうち商工センターと観音地区を結ぶ区間については早期に整備する必要があると認識しております。したがいまして,この南道路建設と西飛行場の問題につきましては,現在の西飛行場の施設能力を確保することを前提に,引き続き広島県と調整を図り,できるだけ早い時期に最終的な結論を得たいと考えております。  以上でございます。  ──────────────────────────────────────               休   憩   宣   告  ────────────────────────────────────── ○平野博昭 議長       この際,暫時休憩いたします。                 午前11時44分休憩  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜                 午後1時06分開議                 出席議員  46名                 欠席議員  14名 ○伊藤稲造 副議長      出席議員46名であります。  ──────────────────────────────────────               開   議   宣   告  ────────────────────────────────────── ○伊藤稲造 副議長      休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  42番下向井 敏議員。                〔42番下向井 敏議員登壇〕(拍手) ◆42番(下向井敏議員) 新自民クラブを代表して質問させていただきます。  まず,21世紀における広島市の都市づくりについて私の思いを申し上げながら,市長の今後の都市づくりに関する基本的な考え方をお伺いいたしたいと思います。  今日の時代は変革の時代だと言われておりますが,そうした中で今後の都市づくりに必要となる代表的なキーワードは,一つにはグローバル化への対応,二つには情報通信社会の構築,三つには少子・高齢社会の対応ではないかと考えております。  まず一つは,グローバル化への対応であります。  経済社会における昨今のグローバル化の進展は議論をまたないところですが,この広島市においても,マツダを初めとしてグローバル化の波がどんどん押し寄せております。海外資本との提携やグローバル・スタンダードの導入,海外市場と直結した製品の企画開発など,数え上げれば切りがありません。そしてまた,ヒロシマは平和の面で世界的な知名度を有しており,それに応じた海外との交流もこれまでに活発に行われてきております。しかし,今日のグローバル化の進展は,こうした国際交流や国際活動の面にも大きな影響を及ぼすものと思われます。これまで東京や大阪とが海外とつながっていたものが,ヒロシマから直接つながることが必要となってまいります。そのためには,ハード面の整備もさることながら,市民や企業の意識改革や取り組み姿勢の変革が必要となってくると思います。こうしたグローバル化の流れに積極的に対応し,経済,平和,環境,文化,学術等のさまざまな分野における地球的視野を持った取り組みの推進がぜひとも必要であると考えます。  二つには,情報通信社会の構築であります。  ただいま申し上げましたグローバル化を支える要素の一つが情報化の急激な進展であると思いますが,地域社会においても,市民生活の質の向上や経済社会の発展を図るため,光ファイバー網などの情報通信インフラの早急な整備が必要となっております。また,ソフト面では,開かれた情報社会をつくり出すこと,つまり情報の共有化を核とする共生社会の形成が求められているのではないかと思います。  三つには,少子・高齢社会への対応であります。  1人の女性が一生の間に産む子供の数をあらわす合計特殊出生率は,本市の場合,平成10年が1.37であります。この値が2.08を下回ると,将来人口が減少すると言われていますが,これを大きく下回っているという現実があります。また,高齢化率は13%を超えているという状態です。少子・高齢化の急速な進展という我が国が今までに経験したことのない状況が現出しつつあり,こうした現実を見据えた保健・医療・福祉施策の改革や,女性,高齢者が働きやすい環境整備など,少子・高齢化に対応した多角的な取り組みの推進が求められていると思うわけであります。  市長は,今月で市長就任10カ月を迎えられます。去る11月には,総合計画審議会からの答申を受け,新しい第4次広島市基本計画を策定されました。そして,この基本計画は21世紀を視野に入れた計画であり,この計画に基づき,まさにこれから新しい広島の都市づくりが進められるわけであります。  そこで,お尋ねいたします。  市長は,私が申し上げた都市づくりのキーワード等を踏まえながら,今後広島の都市づくりをどのように進めようとしておられるのか。市長の都市づくりに関する基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
     また,市長は20年近くの長い間アメリカで生活してこられました。アメリカの都市と広島との都市づくりの考え方を比較してどのように感じておられるか,市長の実感をお聞かせ願いたいと思います。  次に,高次都市機能の導入についてお尋ねします。  まず一つは,東広島駅貨物ヤード跡地のドーム構想についてであります。  少子・高齢化が進み,今後定住人口の増加がそれほど期待できない中,これからの広島の発展を考えるとき,やはりキーワードは交流人口ではないかと思います。広島をいかに魅力ある都市にし,訪れる人をいかに多く確保するか,このことに視点を置きながら今後の政策を展開することが重要であります。  本年11月に示された第4次広島市基本計画では,広島のアイデンティティ形成のための取り組みとして,個性と魅力ある都市ひろしまの創造がうたわれ,魅力とにぎわいのある快適な都市空間を創造することとしています。そのために都心において高次都市機能の一層の集積を図るとともに,大規模低・未利用地を活用した都市再開発、大規模集客施設の整備等による高次都市機能の導入を進めることにより,にぎわいや回遊性のある魅力ある都市空間の形成に取り組むこととしています。にぎわいを創出でき,魅力ある大規模集客施設には,プロ野球やプロサッカーのフランチャイズ球場,テーマパークなどがあります。このうち広島には,中四国,九州では唯一広島にしかないセ・リーグのフランチャイズ球場である広島市民球場があります。いつでしたか,巨人戦の観戦者のうち中四国,九州など他県からの人が全体の3分の1ぐらいを占めていたとの話を聞いたことがあります。これは市民球場が魅力とにぎわいある集客施設であるあかしであります。  しかしながら,現在の市民球場は築後42年を経過し,他球場に比べて狭く,ホームランが出やすい,設備が古い,グラウンドが荒れている,座席も狭いなどの批判があり,もう限界に来ているのではないでしょうか。さらに,市民球場には屋根がありません。結果として,年間試合数約55試合のうち雨天中止日数は,多い年で10日程度と聞いておりますが,試合が実施された日でも,雨が降れば楽しみにしていた野球観戦が中止となり,残念な思いをされることもあります。ことしも,県外の方が,巨人戦を観戦しようと半年前から計画し,当日雨のため中止となり,ひどく残念がられていたことがテレビで放映されました。ドーム球場であれば,こういった問題は解消します。広島市は,平成10年3月に東広島駅貨物ヤード跡地を先行取得されました。この跡地は約11.6ヘクタールという広い土地であり,またJR広島駅に極めて近いことから,ドーム球場を建設するには最適な土地であります。ここにドーム球場が建設されれば,立地条件のよさと試合実施が確実であることから,他の地域からの集客能力が高まり,また高速道路を利用した野球観戦のバスツアーなどの旅行プランもでき,これに伴う経済的な効果は相当なものになると思います。まさにドーム球場は立派な観光資源であり,中枢性・拠点性を高めることは間違いありません。他都市に負けない立派なものをつくるべきと思います。  確かに今日の本市の財政状況は,経済の低迷などから厳しいものがありますが,こうしたときだからこそ,都市の活力を創出し,また誘導できるような事業は知恵を出しながら積極的に進めていくべきではないかと考えます。市民球場が建設された昭和32年当時も,現在の広島市の財政状況と同じように厳しい状況でありながら,経済界から当時のお金で2億5,000万円余りの寄附を受けて建設されました。このように市民,企業,行政が協働していけば,ドーム球場は決して不可能なものではないと思います。貨物ヤード跡地を先行取得してから2年近くたとうとしており,国からの交付税措置が5年間あるものの金利はかさんできます。一刻も早く利用計画を立て,官民協力のもとにドーム球場の先進国であるアメリカの例も視野に入れて建設すべきであると思いますが,これについてどうお考えになるのかお尋ねいたします。  次は,高次都市機能導入のもう一つの点であります。  広島駅北口地区の整備についてであります。  広島市発表の統計資料によりますと,昨年広島を訪れた観光客の数は約900万人で,そのうち約6割がJRを利用しておられますが,これらの観光客が最初に目にするのは,広島の陸の玄関口である広島駅周辺の景色であります。確かに南口は,エールエールのオープンや西荒神の再開発,駅前大橋の整備など,徐々にではありますが,その様相が変わってきております。それに対して北口は,ホテルグランヴィアが建ったぐらいで,そのほかは20年前とほとんど変わっていません。新幹線で広島におり立つたびに,これが110万都市の玄関口かとわびしい思いをしているのは私だけではないと思います。広島駅北口前の一帯は旧陸軍の東練兵場などがあったところで,現在はその土地のほとんどが国が所有しており,その国有地を総合病院や社宅などとして主にJRが借地していますが,国有地であるということからこれまで大きな開発も行われず,今日に至っているわけであります。  しかし,よく考えてみますと,駅の目の前に十数ヘクタールの土地が今日までほとんど細分化されず,手つかずで残っているのであり,このポテンシャルの高い土地を都市の発展のために活用しない手はないと思います。平成5年度の広島駅北口地区整備基本構想の中では,拠点業務地区の形成や都心居住の推進,駅の南北自由通路や幹線道路網等の構想を打ち出されましたが,その後昨年12月には,北口地区が県庁の移転候補の一つに挙げられたことは御承知のとおりでございます。  また,本年3月には,広島空港へのアクセス道路となる東部線が都市計画決定され,6月には若草市営住宅の建てかえが決まり,11月には新交通東西線構想の発表があり,駅周辺の公共施設整備の計画も明らかになるなど,状況も変わってきております。今後北口地区の整備を進めるに当たっては,このような状況の変化に的確に対応し,また南口との周辺地区との機能分担や連携にも十分配慮しながら,この地区にふさわしい都市機能について,長期的な展望に立ってその実現を図っていただきたいと考えており,この点を強く要望しておきます。  次に,メッセ・コンベンション基本施設についてであります。  経済企画庁が6日に発表した本年第3四半期の国内総生産は,第2四半期と比較して実質で1%の減,年率換算では3.8%の減となったということであり,経済情勢は相変わらず厳しいと感じられました。本市の財政を取り巻く環境についても,こうした経済情勢を反映して,大変厳しいものがあるとの認識を持っており,目下進められている来年度予算の編成作業にも種々の苦労があろうかと推察しております。  こうした中で,我が会派としては,本市の大規模プロジェクトの行方に重大な関心を持っております。その中でもメッセ・コンベンション基本施設の整備については,これまで当局において整備計画の推進に努められ,先ごろ策定された本市の第4次基本計画においても,「宇品・出島地区においてメッセ・コンベンションの拠点となる施設の整備を進める」と記載されております。この施設は,見本市,展示会などいわゆるメッセの振興を通じて本市経済の活性化を図るというものであり,本市にとっても必要な施設であると考えております。しかしながら,にぎわいのある都市づくりを進め,都市全体の活性化を図ろうとすれば,本市の玄関口とも言える広島駅周辺の再整備が最も急がれるのではないかと考えております。メッセ・コンベンション基本施設については,先ほど申し上げたように必要性を否定するものではありませんが,本市の財政事情も大変厳しい中,都市づくりの重要課題を解決しようとするならば,まずドーム球場など,広島駅周辺地区の再整備の推進を図ることが重要であると考えております。この点について,この場での答弁は求めませんが,来年度予算編成をされるに当たっては十分考慮されるよう強く要望しておきます。  次に,観光行政についてお尋ねします。  私は常々,「観光立国日本は広島から」という視点に立って,観光振興に努めていくべきであると考えております。本市では,春のフラワーフェスティバルや夏の花火大会,冬のライトアップ事業など取り組んでこられ,最近では平和大通りへのオープンカフェテラスの設置,ゆかた祭りの開催など新たな事業展開も図っておられます。また,広島経済同友会ではアニメワールドの建設を検討されていると聞いております。観光行政は,いかにして都市の魅力をアピールするかという点が重要であります。例えば福岡市では,キャナルシティを整備し,人工的な川をつくった施設が多くの観光客を集めているようであります。こうした箱物を整備して観光客の誘致を図ることも,都市の魅力づくりには重要なことと思います。しかしながら,私がここで申し上げたいのは,もっと広島の自然を生かした観光資源の開発を進めるべきではないかということであります。広島市を世界に通用する観光都市とするためには,広島ならではの観光資源というものを国内外へアピールしていくことがぜひとも必要だと思います。広島ならではのものは,それは大都市にもかかわらず,背後に山,市街地に6本もの川,前面に海と,他の政令市にはない「地の利」であります。緑豊かな中国山系,清らかな太田川の流れ,多島美を誇る瀬戸内海など,天与の自然環境に恵まれた「地の利」を観光振興に生かさない手はないと思うのであります。  まず,山の活用であります。  広島市内では,安佐南区の東郷山(977メートル)を初め,300メートル以上の山が52もあります。私も近くの山によく登りますが,頂上からの眺めはすばらしく,実に爽快な気分になります。これら近郊の山々からの展望を観光資源として有効活用してはどうかと思いますが,いかがお考えでしょうか。  また,山では四季折々の咲く花や紅葉を楽しむことができ,季節感を肌で感じられます。身近で豊かな自然を親しめるようにし,これを観光資源として活用すべきだと思いますが,お考えをお聞かせください。  次に,川の活用であります。  先ほど申しました福岡市のキャナルシティはわざわざ人工の川を使った例ですが,広島には本物の川が都心部を6本も流れているわけであります。建設省のデータによりますと,広島市は市街地面積に占める川の比率が16%であります。川が多いと言われる福岡市でさえ9%,水の都と言われている大阪市でも3%で,本市の比率は,人口100万以上の都市では際立って高いわけであります。この水辺の空間を広島の観光資源の一つとして,市民だけではなく,広島を訪れる国内外の観光客に楽しんでいただけるような工夫をしてはどうかと思いますが,いかがお考えでしょうか。  特に,それぞれの川沿いには河岸緑地が整備され,その総延長は20キロメートルにも及びます。今後観光資源の一つとして水辺の空間を活用していくためには,この河岸緑地を利用して,四季を通じて楽しめる景観づくりを行う必要があります。樹木によって川ごとに特色を持たせる──例えば広島の河岸緑地にふさわしい樹木を植栽してはどうかと思いますが,お考えをお聞かせください。  次に,海の活用についても一言述べさせていただきます。  先ほど山からの展望について申し上げましたが,海から眺める広島の市街地,山並みの景観もまた一味違ったよさがあると思います。しまなみ海道の開通により瀬戸内三橋時代を迎え,瀬戸内海に注目が集まっている今,改めて貴重な観光資源としての海の活用を図るべきと思いますがいかがお考えでしょうか,お尋ねいたします。  次に,森林管理についてお尋ねします。  ことしも余すところ20日余りとなりました。いよいよ2000年といった節目の年を迎えますが,ことし忘れることのできない不幸な出来事が一つあります。それは6月29日,本市を襲った集中豪雨であります。その復旧は施設を中心に一応のめどがついているように聞いていますが,私がこの災害で改めて感じましたのは,森林の整備の重要性であります。言うまでもなく,森林は土中深く張りめぐらされた樹木の根により土壌をしっかり押さえ,土砂の崩壊を防ぐとともに,地表面の草木や落ち葉等により土壌侵食を抑えるなど,山地災害を防止する働きがあります。また,このような働きが発揮するためには,管理された森林,手入れされた森林であることが必要であります。しかしながら,市域の森林の中には,松くい虫の被害木や手入れ不足により密生するがまま放置された樹林,間伐されずに暗く,下草が見当たらない森林が見受けられ,必ずしも適正に管理されているとは思えない状況であります。このたびの災害の原因の一つに,こうした森林の荒廃が挙げられています。発生のメカニズムの解明と土砂災害対策のあり方について調査検討するために設置された6.29広島県土砂災害対策検討委員会の検討結果もまとまったと聞いておりますが,そこで本市の森林の管理に今後どのように取り組むつもりなのかお伺いいたしたいと思います。森林の適正な管理を通じて健全な森林を育成し,山地災害の起こりにくいまちづくりは,このたびの災害の教訓ではないかと考えます。  また,適切な森林の管理によって健全な森林を整備するためには何が必要であるかと言えば林道であります。本市の造林地の多くは戦後に植林されたもので,森林管理には間伐や,20年から30年後の伐採,さらには天然林の管理などを行う必要があります。そのためには就労状況の条件の改善や林業生産性の向上等が図られる林道を整備することが重要であります。林道を整備することにより,集落間の連絡道や役割や火災などの災害時の救急車両の確保など,地域の生活環境の改善にもつながります。財政が非常に厳しい状況の中ではありますが,適切な森林管理を通じて健全な森林を整備するために林道は必要不可欠な施設であり,積極的に整備をするよう要望しておきます。  最後に,道路交通問題についてお尋ねします。  本市では,昨年6月に,21世紀の都市づくりの方向性を示すものとして「広島市基本構想」を策定されました。この基本構想の策定に当たって市民アンケートを実施されましたが,その中では交通の円滑化のための道路や軌道系交通機関といった道路交通網を優先的に整備すべきであると多くの市民から要望が寄せられていると聞いております。私も,道路と公共交通がそれぞれの役割を有効に発揮できるような道路交通体系の実現に取り組むことが,現在本市に求められている最も重要な課題であると考える一人であります。こうした中,先月軌道系交通機関の整備計画が発表されました。この計画は,整備時期を三つの段階に分けるという斬新な内容になっております。恐らく現在の財政状況を考慮された市長の決断であったと思います。道路網の整備については,都市部と山陽自動車道などインターチェンジや広島空港などへのアクセス道路となる広島高速道路の1号線から4号線までの整備が進められておりますが,これらの整備状況についてお聞かせ願いたいと思います。  また,周辺市街地の環状型道路網を形成し,市の北部と東部地区とを連絡する骨格的な道路として中筋温品線が計画されております。この道路は,北部地区の交通渋滞の緩和や沿道地域の利便性を高めるなど設備効果が大きく,早期着工が必要であると考えますが,その整備についてお聞かせ願いたいと思います。  次に,中筋温品線と接続する温品馬木線についてであります。  平成9年に安芸府中有料道路が広島高速1号線となったときに自動車専用道路となり,125cc以下のバイクは通れなくなることや,約束されていた無料化がなくなることが問題になりました。この対策として広島市は,広島中島線の拡幅改良とあわせて温品馬木線の整備をすることを地元へ説明されておられます。地元の方々は広島中島線の早期完了と温品馬木線の早期着工を望んでおります。現在の広島中島線の整備状況と温品馬木線の今後の予定についてお聞かせ願いたいと思います。  JR芸備線の中山踏切についてお尋ねします。  この踏切は,戸坂地区と温品地区及び中山地区から諸交通が集中するため,慢性的な交通渋滞となっております。また,近隣の中山小学校の通学路となっていることから,この立体交差の早期整備が必要であると思いますが,今後の予定についてお聞かせいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○伊藤稲造 副議長      市長。                〔秋葉忠利市長登壇〕 ◎秋葉忠利 市長       下向井議員の御質問にお答え申し上げます。  最初に,今後の広島の都市づくりについての御質問がございました。  我が国の人口は21世紀初頭には減少に転じ,本格的な少子・高齢社会の到来が予想されております。また,従来のような経済の恒常的な拡大成長は期待できず,高度経済成長時代の延長線上で都市づくりや都市経営を展開することは困難になってきております。こうした中,経済社会や日常生活においてはグローバル化や情報化が急速に進展しております。  こうした社会経済情勢のもと,広島市においては,21世紀を展望し,活力ある経済を保ちつつ次の世代が夢や希望を抱き,創造性を発揮することができる社会を築いていくことが求められております。そして,今後21世紀の都市づくりを推進していくに当たっては,ヒロシマの世界的な知名度などを生かしながら平和首都機能や多様な国際交流機能を有する「世界都市HIROSHIMA」を目指していきたいと考えており,そのために都市の個性や独自性を打ち出し,特色ある都市をつくっていくことが特に重要であると考えております。  先般策定いたしました平成22年(2010年)を目標年次とする第4次広島市基本計画においては,広島らしさを創出し,個性ある都市づくりを進めていくための新しい柱として「広島のアイデンティティの形成」を掲げました。そして,これを具体的に実現していくためグローバル化や情報化,さらには少子・高齢化など本市を取り巻くさまざまな時代の潮流や社会的課題を踏まえつつ,「「平和首都」広島の実現」,「健やかで文化的に暮らせる都市広島の実現」,「子供と若者をはぐくむ都市広島の実現」,「活力ある経済都市広島の実現」など,「広島のアイデンティティの形成」を主導する七つの重点施策に積極的に取り組んでいきたいと考えております。今後の市政推進に当たっては,長期的な都市づくりの視点に立ち,また次代を担う若い人たちの豊かな感性や創造性にあふれるアイデアや提案などを生かしながら,本市の行政課題に的確に対応した市民にわかりやすい施策の展開を図るという基本姿勢のもと,市民が豊かで幸せに暮らせる活力ある広島の都市づくりに力を注いでいきたいと考えております。  それから,日米の都市について私の実感といった質問がございましたが,アメリカには,皆さん御存じのようにボストン,ニューヨーク,シカゴ,サンフランシスコ等々,魅力的なあるいは活力にあふれた都市がたくさんございます。基本的には,私は広島もこういった都市に負けないすばらしい都市であるというふうに考えております。  アメリカの都市づくりで幾つか特徴的なことがあります。日本の場合と共通していることもありますけれども,例えば思いついたまま三つ申し上げますと,アメリカの都市づくりでは,例えば歴史であるとか自然であるといったその都市の持つ魅力あるいは環境といったものをうまく生かしているというのが,一つ特徴として挙げられると思います。それから二つ目には,都市の魅力とかあるいは活力について,何が魅力を増し,何が活力を生み出すのかといったことについての知的な蓄積,ルイス・マンフォードとかジェーン・ジェーコブスといったような古典的な力作も含めて,そういった知的な蓄積が非常に膨大なものがあるというのがもう一つの特徴ではないかと思います。三つ目には,そういったものを生かした,例えばディズニーが実験的な都市,セレブレイションという都市をつくっていますけれども,そういった大胆な実験をするといったこともアメリカの都市の魅力づくりに役立っていると思います。  こういった点も生かしながら,さらに21世紀の広島をこういった世界の都市に伍するあるいはそれをリードするすばらしい都市づくりのために努力を続けていきたいというふうに考えております。  次に,本市の森林管理について,今後どのように取り組むのかという御質問がございました。  本市の森林は市域面積の63%を占め,木材生産等の経済的機能のほか水資源涵養,国土保全,保健休養などの各種公益的機能を有しており,快適な市民生活を支える上で重要な役割を果たしております。本年6月29日の局所的集中豪雨により安佐南区,安佐北区,佐伯区を中心に大きな被害が生じる結果となり,改めて森林の持つ災害を防止する機能が再認識されました。この豪雨災害の原因と対策を検討するため設置された6.29広島県土砂災害対策検討委員会の取りまとめ結果でも,樹木の根は土砂の崩壊を防止する一定の働きがあることから,適正な森林の整備を行うよう提言しております。このような提言を踏まえて,本市では従来から実施しております治山あるいは砂防ダムの設置にあわせて,6.29豪雨災害で大きな被害をこうむった流域のうち2カ所について,間伐や間伐材を使用した土どめ,深く根を張る樹種の育成,広葉樹の植栽などを行う山地災害防止機能強化緊急対策事業に取り組むことにしております。  御案内のとおり,森林,林業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にありますが,森林は現在及び将来にわたって市民生活の向上に寄与する貴重な資源であり,この資源を健全な状態で守り育て,21世紀に引き継ぐことは極めて重要なことであると認識しております。今後とも人工林,天然林の適正な整備や複層林,広葉樹林の育成を図るなど,山地災害防止機能を初めとした各種公益的機能を重視した森林づくりに努めていきたいと考えております。  その他の御質問については,担当局長から御答弁いたします。 ○伊藤稲造 副議長      経済局長。 ◎村川博敏 経済局長     観光行政に関連いたしまして,山,川,海の活用についての御質問に御答弁を申し上げます。  まず,近郊の山々について,山頂からの展望を観光資源として有効活用してはどうか,また身近に山の豊かな自然と親しまれるようにし,これを観光資源として活用すべきではないかという御質問でございます。  本市におきましては,本年3月,観光振興のための具体的な行動計画として広島市観光振興アクションプランを策定したところでございます。このプランでは,都市そのものの魅力と多様な機能を生かした都市型観光の推進とともに,御指摘のございました山や川など豊かな自然を生かした観光資源の開発を施策の柱の一つとして位置づけをいたしております。  まず,山の活用についてですが,山の眺望を生かした観光スポットの整備を長期的な課題の一つとして掲げ,広島市街地を一望でき,臨海部の多島美を楽しむことができる山からの眺望を観光資源として生かすため,レスト機能やアクセス機能の整備を検討することといたしております。  また,御質問がありました身近に山の豊かな自然と親しまれるようにという点につきましても,御趣旨を踏まえながら,今後観光資源としての山の活用について検討してまいりたいというふうに考えております。  次に,市街地を流れる川について,水辺の空間を観光資源として有効活用してはどうかという御質問でございます。  川の活用につきましては,例えば水辺空間では,多様な楽しみ方ができる機能の整備や,自然と触れ合い,安らぐことのできるリバープロムナードづくりを進め,またリバークルーズについて新たな周遊コースの設定,河川空間の美観形成などにより魅力の向上を図りたいというふうに考えております。本年9月から11月にかけて開設しました元安川パラソルギャラリー&オープンカフェテラスも,本市のシンボルであります水辺空間を市民や観光客が集い,楽しみ,憩えるような快適な都市空間として有効活用するため,元安川左岸の河岸緑地をモデル的に試行したものでございます。今後とも,御指摘のように河岸緑地を含めた水辺の空間を,市民はもとより国内外からの観光客に楽しんでいただけるよう関係部局や関係事業者と協議をしながら,その観光資源化に努めていきたいというふうに考えております。  次に,瀬戸内海について,海から眺める広島の市街地や山並みの景観を観光資源として有効活用してはどうかという点でございます。  御指摘のように,海から眺める広島の景観を観光資源にということになりますと,クルージング船などからの眺望を生かすということが考えられます。瀬戸内海クルーズにつきましては,現在民間の船舶事業者による週2日運航のしまなみ海道ワンデイクルーズや,毎日運行のランチクルーズ,ディナークルーズなどがあり,市の観光パンフレットなどでも紹介をいたしておるところでございます。このうちしまなみ海道ワンデイクルーズにつきましては,現在の週2日から週4日への増便が検討されているというふうに聞いているところでございます。今後とも,これらの瀬戸内海クルージングをさまざまな方法でPRしていくなど,海からの眺望もセールスポイントとして生かしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○伊藤稲造 副議長      都市計画局長。 ◎長谷川順 都市計画局長   ドーム球場建設と河岸緑地整備に関する御質問に順次お答えを申し上げます。  まず,ドーム球場についてでございますが,東広島駅貨物ヤード跡地は,中枢性の強化や都市の魅力に資する新たな都市機能の導入を図る観点から,有効活用策等の検討を進めているところでございます。議員御指摘のように,ドーム球場は天候に左右されずにプロ野球を観戦することができるなど,広域的集客施設として中枢性の高い施設の一つであると考えておりまして,東広島駅貨物ヤード跡地の活用方策の選択肢の一つとして検討してきているところでございます。  しかしながら,これまでも申し上げましておるとおりでございまして,ドーム施設を建設する場合には,事業採算性の問題や関係機関との協議調整等,多くの課題があるわけでございます。とりわけ事業採算性につきましては慎重な検討を行う必要があることから,民間の資金等を活用し,効率的に社会資本を整備することを目的とするPFIの適用可能性等も含めて検討しているところでございます。いずれにいたしましても,当該土地の活用策につきましては,市議会を初め経済界,市民など各界各層の幅広い意見を聞き,交付税措置のことも念頭に置きながら,できるだけ早い時期に市としての案を出していきたいと考えております。  次に,樹木によって川ごとに特色を持たせるよう河岸緑地の整備を行ってはどうかという御質問でございます。  河岸緑地につきましては,昭和55年度から,都市景観の向上を図るとともに市民の休息,散策,レクリエーションの利用に供することを目的といたしまして,これまでクスノキ等を中心とした植栽による緑の量の確保を行うとともに,橋詰めの広場や園路整備を初め,ベンチ,照明灯の設置等を行っているところでございます。  御質問の樹木により川ごとに特色を持たせることにつきましては,これまで元安川には桜,本川にはキョウチクトウ,京橋川にはハナミヅキといったように,川ごとのテーマ木として植栽しておるところでございます。議員御提案の河岸緑地にふさわしい樹木の植栽につきましては,今後とも川沿いという生育環境を踏まえながら研究してまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 ○伊藤稲造 副議長      道路交通局長。 ◎前原恒泰 道路交通局長   道路交通問題について数点お答えいたします。  まず,広島高速道路の4路線の整備状況についてでございますが,広島高速1号線(安芸府中道路)につきましては,広島東インターチェンジへ接続する約2.3キロメートルの延伸区間について用地買収を進めておりまして,本年度から山切り工事及びトンネルの準備工事にも着手することとしておりまして,平成10年代半ばの完成を目指しております。  また,広島高速2号線(府中仁保道路)につきましては,これまで本路線の導入区間となる平面街路の用地買収を進めてまいりましたが,その進捗も約4割と進んだことから,今年度より高架道路にかかわる土質調査や測量及び設計等に着手し,平成10年代末ごろの完成を目指しております。  広島高速3号線(広島南道路)につきましては,平成12年3月には仁保沖町から宇品までの約2.6キロメートルの区間が完成する見込みとなっております。残る宇品から商工センターの区間につきましては,平面街路の用地取得状況を勘案しながら段階的に事業着手することとしておりまして,平成20年代初頭の完成を目指しております。  広島高速4号線(広島西風新都線)につきましては,現在太田川を渡る橋梁や,沼田へ抜けるトンネル工事を進めております。トンネル工事の掘削は約4割と進んでおりまして,橋梁工事は今年秋からけたの仮設工事に着手しており,平成13年の完成を目指して予定どおり進めているところでございます。  2番目に,中筋温品線の整備についてでございますが,中筋三丁目の祇園新道との交差点から温品一丁目で広島高速2号線と連絡する周辺市街地の環状型道路の一部を形成する区間約8キロメートルの幹線道路で,平成7年3月に都市計画決定した路線であります。本路線は,議員御指摘のとおり,北東部地区の重要な路線と考えておりまして,市街地の区間については平成9年度から都市開発資金制度を活用し,用地の先行取得を行っているところでございます。このうち祇園新道から太田川を渡る区間約1.3キロメートルについて,平成12年度の新規事業として国へ要望を行っているところであります。残る区間についても,引き続き補助事業の要望等行い,事業を実施する計画であります。この路線は延長も長く,橋梁やトンネルなど大規模な構造となるため,事業費も膨大となります。昨今の厳しい財政状況を考えますと,全線を一斉に整備することは困難でありますが,地元の期待にこたえるよう早期整備に向けて努力したいと考えております。  3番目に,広島中島線の整備状況についてでありますが,これまで下温品交差点から馬木六丁目交差点まで約4.3キロメートルの区間について拡幅を進めております。このうち平成3年度から事業を推進してまいりました下温品交差点から上温品小学校入り口までの約2.2キロメートルの区間につきましては,平成10年度末の進捗率は約65%,平成11年度末では約71%となる見込みになっております。また,上温品小学校入り口から馬木六丁目の交差点まで約2.1キロメートルの区間につきましては,平成9年度から事業に入っておりますが,10年度末の進捗率は約1%,平成11年度末で約3%となる見込みでございます。本路線は,議員御指摘のとおり地域の重要な幹線道路として早期整備が必要でございまして,今後とも地元の理解と協力を得ながら,温品側は平成10年代前半,馬木側は平成10年代後半の完成を目途に,積極的に整備を推進したいと考えております。  続きまして,温品馬木線の整備についてどのように考えているかということにつきましては,この路線につきましては,市北東部地区から市中心部への交通を適切に処理するため,温品町から馬木六丁目交差点までの区間約3キロメートルの幹線道路として計画した路線でございます。この温品馬木線は,接続先道路である中筋温品線とあわせて整備する必要がございます。今後,中筋温品線の進捗状況を踏まえながら,できるだけ早い時期に着手し,早期完成を目指して取り組んでまいりたいと考えております。  最後に,中山踏切の立体交差の整備についてでございますが,東部線がこの踏切上空を通過し,一体的な計画を行う必要があることから,平成11年3月に合わせて都市計画決定を行ったところでございます。現在,平成12年度から新規事業として国へ要望を行っておりまして,東部線とあわせて整備を行う予定でございます。  以上でございます。 ○伊藤稲造 副議長      本日の一般質問はこの程度にとどめたいと思います。  ──────────────────────────────────────               次 会 の 開 議 通 知  ────────────────────────────────────── ○伊藤稲造 副議長      この際,御通知申し上げます。  13日は午前10時より議会の会議を開きます。  ──────────────────────────────────────               散   会   宣   告  ────────────────────────────────────── ○伊藤稲造 副議長      本日は,これをもって散会いたします。  御苦労さまでした。                 午後1時58分散会  ──────────────────────────────────────  議 長   平  野  博  昭  副議長   伊  藤  稲  造  署名者   元  田  賢  治
     署名者   石  川  武  彦...