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平成 2年第 3回 9月定例会−09月11日-02号

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  1. 広島市議会 1990-09-11
    平成 2年第 3回 9月定例会−09月11日-02号


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    平成 2年第 3回 9月定例会−09月11日-02号平成 2年第 3回 9月定例会        平成2年第3回広島市議会定例会会議録(第2号)            広 島 市 議 会 議 事 日 程                            平成2年9月11日                            午前10時開議                日    程  第1 一般質問  ─────────────────────────────────              会議に付した事件等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(9月12日午前10時開議を宣告)
     散会宣告(終了)  ─────────────────────────────────              出 席 議 員 氏 名   1番  谷 川 正 徳 君     2番  松 平 幹 男 君   3番  多 田 敏 治 君     4番  仲 津 幸 男 君   5番  児 玉 光 禎 君     6番  平 野 博 昭 君   8番  三 戸 應 則 君     9番  土 井 哲 男 君   10番  藤 田 博 之 君     11番  加 藤 万 蔵 君   12番  栗 栖   晃 君     13番  坂 根 喜三郎 君   14番  皆 川 恵 史 君     15番  奥 田 幹 二 君   16番  福 島 和 宏 君     17番  中 山 忠 幸 君   18番  松 井 邦 雄 君     19番  種 清 和 夫 君   20番  浅 尾 宰 正 君     21番  村 岡 節 吾 君   22番  山 口 氏 康 君     23番  田 辺 秀太郎 君   24番  碓 井 法 明 君     25番  藤 川   武 君   26番  下向井   敏 君     27番  都志見 信 夫 君   28番  鈩 谷 君 子 君     29番  中 本 康 雄 君   30番  石 川 武 彦 君     31番  戸 田   満 君   32番  鶴 見 和 夫 君     33番  住 田 孝 行 君   34番  木 島   丘 君     35番  神 明 政 三 君   38番  伊 藤 稲 造 君     39番  月 村 俊 雄 君   40番  増 田 正 昭 君     41番  前 本 一 美 君   42番  松 浦 弘 典 君     43番  牧 里 重 喜 君   44番  井 上   貞 君     45番  松 尾 好 子 君   46番  前   恵 介 君     47番  桜 井 康 民 君   48番  大勢登 康 憲 君     50番  中 本   弘 君   51番  山 科 美 里 君     52番  海 徳   貢 君   53番  永 田   明 君     54番  元 田   猛 君   55番  瀬 川 吉 郎 君     56番  兼 桝 栄 二 君   57番  今 田   智 君     58番  竹 永   勇 君   59番  山 本   誠 君     60番  米 田 十 郎 君   61番  八 百 千頭夫 君     62番  宮 本 正 夫 君   63番  柳 坪   進 君     64番  明 星 正 明 君  ─────────────────────────────────              欠 席 議 員 氏 名   7番  熊 本 良 作 君     37番  正 畠 明 雄 君  ─────────────────────────────────        職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名 事 務 局 長 浜 井 澄 人 君  事務局次長議事課長事務取扱                          河 野 康 文 君 議事課長補佐議事係長事務取扱        遠 藤 玉 喜 君  議 事 課主事 藤 本 光 江 君 議 事 課主事 加 藤 泰 秀 君  議事課主事補 植 田 恭 代 君 外関係職員  ─────────────────────────────────            説明のため出席した者の職氏名 市    長 荒 木   武 君  助    役 福 島 隆 義 君 助    役 下 田 公 一 君  収  入  役 佐々木 眞 二 君 市 長 室 長 池 田 正 彦 君  企画調整局長 樋 渡 敬 宇 君 総 務 局 長 村 上   健 君  財 政 局 長 石 橋 正 行 君 民 生 局 長 堀 部 尚 雄 君  衛 生 局 長 矢 野 周 作 君 環境事業局長 元 谷 徳 行 君  経 済 局 長 和 泉 禎 一 君 都市整備局長 佐 伯 邦 昭 君  建 設 局 長 横 山 良 三 君 開 発 局 長 山 中 賢 造 君  下 水 道局長 赤 司 義 臣 君 消 防 局 長 横 田 光 夫 君  水 道 局 長 山 根 龍 春 君 広島市民病院事務局長        安佐市民病院事務部長        中 岡 隆 志 君         益 田   一 君 財 政 局次長 白 崎 徹 也 君  財 政 課 長 増 田   学 君 教育委員会委員長          教  育  長 鍋 岡 聖 剛 君        藤 井   尚 君 選挙管理委員会事務局長       人事委員会事務局長        斉 藤   勇 君         折 口 博 文 君 代表監査委員 網 井 信 昭 君  ─────────────────────────────────              午前10時13分開議              出席議員 49名              欠席議員 13名 ○議長(瀬川吉郎君) おはようございます。出席議員49名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○議長(瀬川吉郎君) これより本日の会議を開きます。  ─────────────────────────────────            会 議 録 署 名 者 の 指 名  ───────────────────────────────── ○議長(瀬川吉郎君) 本日の会議録署名者として             2番 松 平 幹 男 君             29番 中 本 康 雄 君 を御指名いたします。  ─────────────────────────────────            日 程 に 入 る 旨 の 宣 告  ───────────────────────────────── ○議長(瀬川吉郎君) これより日程に入ります。  ───────────────────────────────── △日程第1 一般質問  ───────────────────────────────── ○議長(瀬川吉郎君) 日程第1,一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。8番三戸應則君。           〔8番三戸應則君登壇〕(拍手) ◆8番(三戸應則君) おはようございます。自由民主党の三戸でございます。一般質問のトップバッターをさしていただきます。  まず最初に,市長にお尋ねいたします。  先般来の新聞,テレビなどの報道によりますと,来年2月に行われます市長選挙に荒木市長は出馬しない旨を言明され,かつまた4期16年市政に携わった者として後継者を推薦する責任があるかのことを申されたやにお聞きしております。その後,今定例会招集日の冒頭に特に発言を求められ,みずからの進退について,今期限りで引退されることを正式に表明され,市議会に報告がおくれたことをおわびしますと申されました。この間の市長の真意は一体どうなんでありましょう。  振り返ってみますに,荒木市長は,昭和50年に市長に当選されて以来,多くの市民の皆様の信任を得られ,4期16年にわたり市政を担当してこられました。この間,政令指定都市への昇格,各種都市基盤の整備,世界の恒久平和を願う平和都市広島の首長として平和問題に対する真摯な取り組み,さらにはアジア競技大会の招致など,数々の業績に対しまして深く敬意を表するものであります。  しかしながら,このたびの市長選不出馬に関します諸般の事柄につきまして私見を申し述べさせていただきますならば,荒木市長は本会議──本市議会本会議場においてまず最初に出処進退を表明されるのが至当であったと,まことに残念に思う次第であります。  さらにまた,思考いたしますに,広島市長は広島市民の代表であります。広島市長は,広島市民が選ぶものであると思っております。市長は,みずからの後継者として,これまでの御自身の政治路線を踏襲される方を推薦すると申しておられます。また,それが今まで4期16年にわたって市政を担当してきた者の責任であるとも語っておられます。  しかしながら,ただいま申し上げましたように,市長は市民が選ぶものであり,市政を私事としてはならないのであります。市長は,どういう基準,どんなお考えのもとに後継者を推薦されようとされたのでしょう。さらに,現時点では市民や私どもにはどの方がどのような政策をお持ちであるのかも全くわかってないのであります。  さらにまた,新聞報道では,市長の推薦母体であります後援会きさらぎ会の幹部の方の言によりますと,会は荒木氏の選挙母体だっただけでなく,市民の声を市政に反映させる大きな力があるものだとして,市長選へ向け準備をすることを申し合わせたとなっております。きさらぎ会は,市長の推薦母体だけでなく,市政の運営にも大きな力を持っていた会であったのでしょうか。さらに,一歩踏み込んで考えますに,市行政の運営はきさらぎ会によって動かされていたのでありましょうか。私は,ここにおいて市政が一つの団体によって左右されていたのではないかという疑念を抱くものでありますが,賢明にして公正なる荒木市長さんにはかかるようなことはなかったと信じております。  今までるる申し上げましたが,市長さん,しかしながら任期はまだ5カ月余りを残しております。さきの6月市議会本会議において,先輩議員諸氏から市長さんの5期目の出馬について質問されましたが,市長さんは,今はただ残された任期を一生懸命努めるだけですと申しておられます。思いますに,早急に解決しなければならない懸案事項も多々ございます。駅前再開発問題もしかり,また韓国人原爆犠牲者慰霊碑問題もまたしかりであります。最後の御努力を申し上げる次第でございます。  以上申し上げました事柄につきましては,あえて答弁を求めようとは思いません。4期16年の長きにわたる市長さんの御苦労,御努力に対しまして深甚なる敬意を表しまして次の質問に移らさしていただきます。  高齢化社会に向かって,6月市会におきましても在宅寝たきり老人の歯科治療についての質問が出ておりました。私も,以前全国の国立病院に入院されている寝たきり老人の歯の状況を調査したことがあり,その方々の一番の楽しみはおいしく食べたいということであり,その大半は脳卒中の後遺症のための片麻痺で,おまけに入れ歯のためかめないというものでありました。
     在宅寝たきり老人の歯科対策も,関係当局の前向きな姿勢がありますが,市単独で行える問題ではありませんので,関係機関等とよく検討され,早急に実行されますことを要望しておきたいと思います。  高齢化社会に向かって大切なことは,いつまでも健康で社会参加をしていただくような施策を講ずることも忘れてはならないと思います。何と申しましても,人間が健康を維持する基本は食べることであり,それも何でもおいしくよくかんで感謝の気持ちで食べることであります。実際,長寿で健康な多くの方方は,丈夫な歯とあごをお持ちであります。市長さんも口内炎がよくでき大変お困りのようでありますが,十分にかんだりしゃべったりできませんと不愉快なものであります。  今,歯科医師が8020運動というのを進めていますが,御存じでしょうか。80歳で20本の自分自身の歯を維持することを目標とした運動です。小さいころよりよく正しい歯磨きをして正しい食生活をしてくださいということです。  そこで,今年度は時間的に間に合いませんが,例えば敬老の日に8020運動の達成されている方々の表彰をしてさしあげたいと思いますが,いかがでしょうか。関係当局の御意見をお聞かせください。  次に,心身障害者の問題についてお尋ねします。  広島市西部障害者デイ・サービスセンターに引き続き,安佐北区可部町に平成4年と5年を目途に北部療育センター北部障害者デイ・サービスセンターを合併施行していただくことになっております。障害者,とりわけ就労や作業所に通所が困難な方々にとりまして,作業指導や機能訓練などとあわせて社会との交流のための各種の便宜を供与していただいていることはよく承知しているところであります。  ところが,作業所にも行けない,もちろん就労もできず,施設にも入っていらっしゃらない,いわゆる在宅の重症心身障害者の方々がいらっしゃることを伺ったことがあるのですが,市内でどれぐらいいらっしゃるか,わかれば御教示ください。  救急車のドクターカー制度を全国に先駆けて取り入れられているのが有名になりました兵庫県の西宮市に,とりわけ重度の人たちの通所施設があり,そこではいわゆる家にこもりきりで福祉の網の目から漏れていらっしゃる方々をマンツーマンでお世話し,職員の方々が送迎までも行っていらっしゃると聞き及んでいます。  もちろんこのような独立した施設があれば理想的でありますが,広島市でもせっかくデイ・サービスセンターをつくっていただくのですから,小規模作業所などに通所することが困難な重症心身障害者を対象としたものを北部障害者デイ・サービスセンターに併設していただけないものでしょうか。また,北部に引き続き他の地域にも障害者デイ・サービスセンターを考えていただけませんでしょうか。関係当局の前向きな答弁を求めておきます。  以上,高齢者と障害者の方々に関して申し上げました。  さらに思いますのに,こうした方々の介護に当たられる基礎的な単位であります家庭につきましては,核家族化の進行や女性の社会進出に伴って介護機能は低下し,都市化の進展などによって,地域や近隣につきましても連帯意識が薄くなってきております。こうした社会情勢の中で,国は昨年高齢者保健福祉推進10か年戦略を策定されて,在宅福祉サービスの拡充を初めとした在宅福祉の推進を打ち出しております。  広島市でも,こうした国の動向を踏まえて,在宅福祉の一層の推進を図られていることと思いますが,私は,高齢者や障害者の方々を地域の中で支えていくためには,きめ細かなサービスを地域の中に整備することが重要であり,さらに幅広い市民が主体的に参画され,行政と市民が一体となって福祉を推進していくことが強く求められていると考えております。そのためには,さまざまな事業を展開されるとともに,市民の福祉活動の場を提供する機能を有する福祉の拠点を全市及び地域の中に体系的に整備する必要があると思います。  そこで,お尋ねします。  現在,千田町に建てられている社会福祉センターは,建設後既に20数年を経過しており,今日の福祉を取り巻く社会環境の変化で機能も不十分で,建物も狭隘ではないかと思いますが,建てかえも含めた再整備のお考えはありませんでしょうか。  また,区におきましても,福祉事務所や保健所といった行政機関があり,また,区社会福祉協議会を初め民生委員協議会老人クラブ連合会などの住民団体が組織化されており,区を単位とする地域保健,地域福祉の推進が一つの大きな流れとして定着しつつあります。  そこで,今後,こうした区を単位とする事業展開を一層推し進めていくためには,これらの活動や各種のサービスの提供を行う拠点として,各区を単位とした福祉センターの整備を行う必要があると考えますが,当局の見解をお伺いいたします。  去る7月に起きました神戸の県立高校の女生徒校門圧死事件以来,全国的に校則問題など多くの論議がなされ,教育問題が多くの関心を呼んでおります。また,本市においても,教員の体罰問題や小・中学校の登校拒否が昨年度は前年度の約2倍,553件になったなど非常にショッキングな報道がなされました。  現在の社会環境の変化は,私ども大人にとりましてもまことにめまぐるしく,日常生活にもさまざまな影響を与えているのですから,心身の発育過程にある子供たちにとってはなおさらであると思われます。このような中にあって,教職員の方々にとりましても,日々の教育活動の中でさまざまな悩みや課題を抱えていらっしゃる先生方も大変多いと聞いております。先生とはいっても,やはり生身の人間ですから当然のことでありますが,よい友人,先輩,校長に恵まれていれば相談もできるでしょうが,逆に身近な人には話しにくい場合もあると思います。  このような課題を踏まえて調べますと,広島市では昭和61年度からこころの健康相談事業を実施され,退職された経験豊かな先生をスタッフとして個々の教職員の悩みや不安などについて相談活動をしていらっしゃるとのことですが,この事業について現在どのような状況であるのかお聞かせいただきたいと思います。  また,相談件数も増加し,着実に実績を上げていらっしゃるのであれば,退職された先生方で経験豊かで有能な方々のお力をもっと発揮していただけるようなことも含めまして,さらにこのような相談事業が充実発展させていただきますように,この際強く要望しておきます。  次に,安芸区についてお尋ねいたします。  昭和47年度に瀬野川町が合併して17年目に入っておりますが,区民の中で本当に合併してよかった,さすが100万都市の広島市だという声はほとんど聞こえてまいりません。  先般7月1日に安芸区連合婦人会総会に市長にわざわざお越しいただき,広島市の都市像について御講演をいただいたところでありますが,市長はすぐにお帰りになったので,その後の状況は余りよく御存じないと思います。もし市長が最後までいらっしゃれば,血圧は確実に上がったでありましょう。市長の健康のためにも,途中でお帰りになられたのは正解であったと思います。壇上の私ども安芸区選出市会議員4名に対し,西高東低の現状に対する不平不満が非常に厳しい言葉で続出したのであります。  最近の広島市の主要事業は,そのほとんどが中心部より西方面でありますことは,市民の多くの人々が認めていらっしゃるところであり,特に本年度3月に発表された佐伯区役所の「躍進する佐伯区〜合併5か年の成果〜」の冊子を拝見しましたときの気持ちは,まことに複雑なものでありました。  合併建設計画5カ年で554億円に対し,実施済み及び見込み額954億円と,わずか10年の違いで安芸区とこれほど違うものかとあきれ果てております。早速安芸区役所に出向き,安芸区も合併の成果に類する冊子があるかどうか尋ねましたところ,恥ずかしくてつくれないという意味の言葉が返ってまいりました。合併建設5か年計画はほぼ計画の95%以上実行されていますのに,どうして堂々と胸を張っておれないのでしょうか。  いつも広島市政は西高東低であると言われており,議員さんの中には西高東低音頭をつくろうという声もあります。市民の中に,瀬野川は東広島に,阿戸は熊野町に合併すればいいのにという声すらあります。どうしてこのような状況になったのでしょうか。  市長がいつも広島市の都市像,国際平和文化都市ひろしまを掲げられ,さまざまな施策を実行されていらっしゃるのですが,安芸区には都市像の影すら感じられないと申し上げても過言ではないと思います。  第3次広島市基本計画を策定され,大いに期待をしていたのですが,その大前提はまことに立派なことでありますが,それらの個々の事項の具体化を考えますと,問題山積で前途は大いに多難であります。  行政の方々は常に安芸区の75%は山林で平地が少ないことと,未合併町,特に海田町の存在を常に申されます。確かに,市とされましては一体的都市整備を阻害する要因であろうと思いますが,安芸区民としては,ああそうですか,合併されるまではこのまま辛抱しましょうでは済まされないのであります。  合併問題で一番大切なことは,早々に合併した安芸区は少しもよくなっていないじゃないか,町の方が小回りもきいてええよという住民の声であります。建物は,安芸区役所の方が海田町役場より立派でありますが,住民サイドから考えますと,文化や健康や福祉などの面では小回りのきく方が便利なのであります。住民にとって大切なことは,1日1日の暮らしに密着した細かな諸問題の解決であります。  例えば,市長が婦人会で申されました四つの方向のもとに事業展開をされる第1点目の道路交通網の整備であります。JRの連続立体化も昨年より調査を進められていることは評価しておりますが,これとて息の長い話でありまして,住民にとりましては「画にかいた餅」のようなことで,それよりもきょう食べるもの,目の前の問題を早期に解決していただきたいのであります。  前回の一般質問でも申し上げましたように,JR各駅の周辺をも含めた整備であります。より具体的に申し上げますと,瀬野駅につきましては,老朽化や大規模開発を考慮され,橋上駅として一体的に整備していただきたいのですが,安芸中野,矢野駅は駅舎が比較的新しいために,駅舎そのものの整備は難しいと思われますので,構内地下自由通路か,もしくは歩道橋を早急に検討していただきたいと思います。両駅ともに駅舎によって地域が分断されておりますし,特に安芸中野駅につきましては,構内を1カ所住民が渡っていらっしゃる箇所があり,関係当局と何回も交渉,話し合いをされておりますが,一向に改善されず,既に多数の死亡者が出ており,忍耐の限界を超えております。  ちなみに,中野東駅をつくっていただき1年を経過しましたが,従来の安芸中野と中野東駅の利用者の合計は1,000人ふえております。ということは,人口がふえたのではなく,他の輸送機関よりJRにかえられた方が多数いらっしゃるということです。市内中央部の駐車場対策としても大量輸送機関関連の整備は欠かせないことだと思われますし,地域の発展は駅中心に進みます。まさしく地域の顔でありますから,ぜひとも本気で取り組んでいただきたいと思います。  隣の海田町では,駅舎の橋上化をして以来,毎年8月に駅前広場を利用してフェスタひまわりという名称の夏祭りを開催され,大変な人気を呼んでおります。  この問題こそ政令指定都市広島にふさわしい力を発揮できるチャンスではありませんか,関係当局の誠意ある答弁をお聞かせください。  道路についても同様であります。おかげさまで本年12月に供用開始の運びとなりましたが──矢野安浦バイパスが供用開始の運びとなりましたが,果たしてこれで海田大正交差点から坂町までの混雑は解消されるのでしょうか。市長同様地区住民も大いに期待しているところであります。現状のひどさは,先日矢野プラスチック減容化施設の開所式にお越し願った議員の方々にはよく理解──御存じいただいているところであります。  瀬野川・海田地区にとりまして主要課題であります東広島バイパスも,建設省の63年度からの第10次道路整備5箇年計画の中に位置づけられているとのことでありますが,それではいつから着工しますとお答えになられる方はいらっしゃらないと思います。そのため,平成12年を目途に整備されている瀬野川流域下水道の安芸幹線の海田地区部分が,東広バイパスの着工年度が見通しが立たないことから先般見直されたのは御存じのことと思います。  一説によりますと,工事着工は可部バイパス完成後との話もあり,東広バイパスそのものも引き続き強力に要望を重ねていただくことはもちろんでありますが,一貫田─平原地区におけるアクセス道路の整備をより強力に進めていただくことを要望しておきます。  また,主要事業計画を拝見しておりますと,必ずしも十分ではなく,いかにも区域の外に立って考えられたものであり,安芸区民の立場から,まだまだ将来のことを考えますと追加していただきたいものがあります。  船越地区では山の手線が都市計画決定されておりますが,海田町から瀬野川町,矢野町でも山の手線をぜひ考えていただきたいと思います。特に,瀬野川町では,町時代から一部要望が出ておりますが,いまだに日の目を見ておりません。  それと,東区安芸町と瀬野川町は地理的に隣接しているのですが,現状では府中町を経由しなければならず,瀬野川町から山陽自動車道を利用するにしても,八本松町を経由するか,現在整備中の瀬野川福富本郷線を利用して志和に行くのが最も近く,広島東インターを利用できるよう,直線で2キロもないのですから,何らかの道路計画を策定していただけますと,その効果ははかり知れないものがあると思います。  また,瀬野川町畑賀地区は,現在公共交通機関としまして海田経由のバスがあるだけで,それも1時間1本ぐらいでまさしく陸の孤島になっております。ほとんどの畑賀住民は,徒歩もしくは自転車でJR安芸中野駅を利用されていらっしゃる状況です。安芸中野駅より畑賀を経由して府中方面に,小型のバスでもいいですからぜひ通してほしいというのが住民の願いであります。そのためには,バスが通ることができるように道路と駅前などを整備していただきたいと思いますが,関係当局の前向きな答弁をお願いします。  道路に関して先日の出来事ですが,ある男性が急病で救急車を呼ばれたのであります。が,県道よりその方の家の前までの市道がカーブが急で曲がれないために家の前まで救急車が来ることができず,担架により運ばれたのですが,あいにく大雨で全身ずぶぬれになられたのであります。また,もう1例では,お年寄りの方と息子さんのお嫁さんの二人でいらっしゃったときに,息子さんのお嫁さんの急な腹痛でやはり救急車を呼ばれたのですが,その方の家の途中の橋が車がやっと1台通れる程度で,その橋と直角に交わる市道も狭く,救急車が橋でストップしてしまい,橋まで病人を連れてくるように言われ,困り果ててしまわれたのであります。急な場合,お年寄り一人ではどうすることもできません。橋の角切りが十分にしてあるか,市道が十分な幅があればよかったのですが,両方とも不十分でありました。  そこで,私の周辺の市道を調査しましたところ,普通車の通れない市道があっちにもこっちにもたくさんあり,どうしてこんな市道があるのか役所で尋ねましたところ,町道をそのまま引き継いだため市道になっているとのことで,中には幅1メートルもない,どう見ても農道か里道にしか思えないところまで市道になっているのであります。このような道は,何も安芸区だけではないそうでありますが,それにしても驚いた話であります。  火事や急病ほど住民にとって不安なことはありません。そこで,安芸区の中で10戸以上の集落で救急車の入れない地区があるかどうかを調査しましたところ,何と矢野町2カ所,船越町1カ所,瀬野川町8カ所,畑賀町1カ所の計12カ所もありました。これらの中には市が拡幅改善中のものもありましたが,調査の結果,改善努力によってめどのついたもの5カ所,地権者の協力を得られず困難なもの4カ所であります。  私が議員になりまして地域の方々からの要望は,ほとんどが道路や下水の問題であります。なかなかスムーズにいきません。といいますのも,4メートルまでは寄附で,6メートルでやっと買収という基準のため,先祖伝来の土地をそう簡単に寄附していただけません。  幹線道路ですら牛歩のようですから,生活道路まではとても手が回らないのはわかりますが,細かなことを放置しましては決してよいまちづくりはできませんし,御所見をお聞かせください。  先ほど少し下水道整備につきまして申し上げましたが,瀬野川幹線の見通しが──見直しができたのですから,早急に瀬野川町域の整備計画に着手していただくことを強く要望します。  と申しますのは,安芸区内106の河川があり,そのうち約半数は砂防河川であり,現行法では県の管理で下水にすることはできませんが,普通河川で市街化区域内を流れている部分で既に下水化している河川があり,地域住民より改良の要望が多く出ております。つまり,下水に移管してふたがけをして地域の生活道にしてほしいということであります。  下水道の整備計画にすぐにでも着手していただかないと,河川の整備も大変難しく,また,先ほど申し上げましたように市道の整備もなかなかはかどりません。関係局の決断を求めるものであります。  その上に,瀬野川河川整備につきましても,親水空間の場として,魚影の見える川,泳げる川づくりを目指して順次整備していただけることになっておりますが,公共下水道の整備ができない限り水と親しむなどとんでもない話であります。両方の事業が完成して初めて昨年から放流されているアユもその意義が達成されるのであります。  以上でございますが,私にとりましては今期最後の一般質問であろうと思われますので,親切にして誠意ある答弁をお願いし,一般質問を終わらしていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(瀬川吉郎君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの三戸議員の質問の中で,まず市長引退問題についてお答えをいたしたいと思います。  私の5選出馬断念については,新聞,テレビ等の報道が先行し,また,候補者の推薦のことまで報道されるところとなりました。私は,私自身の出処進退については,細心の注意を払って対処してきたつもりでございますが,このようなことになりましたのは私の不徳のいたすところであり,まことに遺憾に思っております。  私の出処進退にかかわる現在の心境については,さきの本会議で申し上げたとおりでございますので,どうか御賢察を賜りたいと存じます。  さて,市長は市民が選ぶべきであるという御指摘は当然のことであります。私といたしましては,任期中一時たりとも我が愛する郷土広島のことを考えなかったことはございません。廃虚の中から立ち上がり,今日の発展を遂げた広島市を真に国際平和文化都市にふさわしい都市にするために,微力ながら全力を傾注してきたつもりでございます。この広島を,さらに21世紀に向けて発展させるにふさわしい人に後事を託したいという私の気持ちは御理解いただけるものと思います。行政には継続性が必要であるという観点からの私の発言に言葉足らずの点がありましたが,どうかこの上は国際平和文化都市ひろしまにふさわしい方を市民が選択されることを期待する次第でございます。  次に,福祉活動の拠点として社会福祉センターの建てかえを含めた再整備を行う考えはないか,また,各区を単位とする福祉センターを整備する考えはないか。──お答えいたします。社会福祉センターの再整備と区を単位とする福祉センターの整備についての考え方についてお答えいたします。  私が──我が国の高齢化社会は,世界に例を見ない早さで進展しており,都市化の状況と相まって,とりわけ家庭介護力や地域社会での互助機能の低下が大きな問題となってきているのは御指摘のとおりであります。  一つの大きな時代の転換点に差しかかってきていると思います。このような流れの中で今後の福祉を展望すると,基本的にはやはり自立と自助をいかに進めるかということであり,増大する福祉需要に対応できるよう公助としての社会サービスの仕組みを再構築していかなければならないと考えております。  また,福祉は,御案内のように行政だけが担えるものではなく,地域社会の住民一人一人の連帯があって初めて支えられるものであります。この意味でも,在宅福祉,地域福祉の推進は,これからの福祉の最大課題であると認識しており,御質問の福祉の拠点施設や機能の再検討をしなければならない時期に来ているものと考えております。  御承知のことと思いますが,昨年策定した第3次基本計画においてもこのことは盛り込んでおり,現在本市の社会福祉審議会においてそのあり方が議論されているところであり,今後こうした議論の状況を踏まえて検討してまいりたいと考えております。  以上。 ○議長(瀬川吉郎君) 下田助役。 ◎助役(下田公一君) それでは安芸区の問題につきましてお話がございまして,まず最初に西高東低に対する御指摘がございましたが,これまで行政といたしましては,そういうことのないように努力をしてきたつもりでございますが,そういう印象を与えてしまったということにつきましては,今後の反省材料にさしていただきたいと思います。  それで,御質問のございました瀬野駅,安芸中野,矢野駅に関する駅周辺の整備につきましてお答えをさしていただきたいと思います。  御承知のとおりかと思いますけども,安芸区は広島都市圏の急激な発展に伴いまして,昭和40年代の前半に農地の転用や宅地開発によりスプロール的な市街化が進んでおりまして,残されたわずかな平たん部にJR山陽本線及び呉線が東西・南北に通っているということで,この地域につきましては鉄道が最も重要な交通機関になっておるということは御承知のとおりでございます。  このため,安芸区につきましては,平成元年5月に策定しました第3次広島市基本計画におきまして,駅周辺の整備を進め,日常生活の中心地としていく旨が主要事業として計画しておるところでございます。  それで,御質問の瀬野駅の周辺整備につきましては,駅前広場は交通の結節点ということで,日常生活の中心として主要な施設になっておるわけでございますが,瀬野駅の周辺整備につきましては,1日平均5,400人の乗降客がありまして,また,駅北側地域におきましては,瀬野川土地区画整理組合による宅地開発,計画戸数二千数百戸でございますが,行われておる,こういう状況にあるわけでございまして,当駅の利用者も著しく増大するというふうに予想されておるところでございます。このため地域住民の利便性や生活環境及び機能面の向上を図る上にも,周辺道路の整備とあわせ駅前広場や橋上駅を含めた自由通路の必要性は必要であるわけでございまして,これらの整備につきまして,今後鉄道事業者や宅地開発者と整備の方法,費用負担,そういうことにつきまして協議検討を行い,その実現について努力をしていきたいと思います。  それから,安芸中野駅及び矢野駅についての地下自由通路または歩道橋というお話でございますが,矢野駅には,お話にもありましたように区画整理が周辺にされておるというふうな状況にございます。安芸中野駅については,駅舎が新しくなっておると,そういう状況にございまして,それらの状況を踏まえまして瀬野駅と同様に駅前広場と一体的に駅周辺を整備するということが望ましいと考えておりまして,関係機関とも協議しながら実現に向けて検討を進めてまいりたいと思っております。 ○議長(瀬川吉郎君) 民生局長。 ◎民生局長(堀部尚雄君) 障害者の問題につきましてお答えをいたします。  小規模作業所等にも行けないような,いわゆる重症の障害者の方が広島市で約現在で70人程度おられるんではないかというふうに思っております。  次に,御指摘のような在宅の重症心身障害者が通所をしてサービスが受けられるような西宮のような施設ということでございますが,この対策につきましては非常に全国的にもおくれておりまして,平成元年度に国がやっと全国で5カ所ほどモデル事業を実施した程度のことでございます。  ところが,全国で5カ所でございますので,大都市にはほとんど恩恵がないということでございます。大都市ほど重症の方々の数が多いところでございますので,そういうところでの需要にどのようにこたえていくかということが問題でございますが,この点につきましてはやはり非常に広域的な問題でございますので,現在国に対して強力にその施策の推進について要望をいたしておるところでございます。  しかし,そうは申しましても,こういう方々の社会参加を促進するということは大変身近な市町村としては身につまされる問題でございますので,何とかしていかなければならないというように思っておるわけでございます。  北部の障害者デイ・サービスセンターの建設計画を今進めておりますけれども,この建設に当たりましては,できるだけそういう方々をお受けするようなことについて配慮ができるかというふうに思っております。  なお,こうした重症の方々の対策の一環といたしまして,本年度から例えば1週間ぐらい預かってほしいとかいう緊急一時保護,ショートステイと申しますが,これにつきましては施設側の御協力がありまして,特別養護老人ホームでお預かりするような制度を開いたところでございます。そういう意味では,保護者の方々の負担の軽減がかなり図られるのではないかというふうに思っております。  また,北部に続いて他の地域にもこういうデイ・サービスセンターをつくったらどうかということでございます。  これは,西部と北部の通所の利便性に欠けるその施設には行きにくい方々というのは地域的にはおられるわけでございますので,今後全市的な観点から適正配置ということにつきまして検討をしたいと,このように思います。 ○議長(瀬川吉郎君) 衛生局長。 ◎衛生局長(矢野周作君) 歯科対策につきましてお答え申し上げます。  現代は,人生80年時代と,このように言われているわけでございますが,歯の寿命を見てみますと,50年にとどまっているわけでございます。このため,歯の寿命をいかに延ばしていくかということが今後の歯科保健対策上重要な課題であろうと,このように認識をいたしております。  そこで,歯の寿命を延ばしていくためには,さらに一層の効果的な歯科衛生思想の普及啓発を展開していく必要があろうと,このように考えておりますが,この手段の一つといたしまして,80歳で20本の健康な歯を維持することを目標とし,この目標に到達した人を表彰するという議員御指摘の8020運動は,歯科衛生思想の普及啓発を図っていく上で大変有効な手段であろうと,このように考えております。  したがいまして,今後いろいろな観点から検討してまいりたいと,このように考えております。 ○議長(瀬川吉郎君) 建設局長。 ◎建設局長(横山良三君) それでは,安芸区の道路問題についてお答えいたします。  まず,海田町から瀬野川町への連絡ないしは矢野町でも山の手線を検討はどうかということでございます。  海田町から瀬野川町へ連絡します主要道路としましては,一般県道瀬野船越線が瀬野川町の右岸側の市街地を縦断する唯一の幹線道路となっておりまして,この道路は幅員が4メーターから6メーターという狭小でございます。この意味では,安全で快適な交通の確保は困難な状況になっております。  このため,早期に改良整備を必要といたしますが,当路線の沿線には家屋が密集しておりまして,全線にわたる拡幅改良が極めて困難な状況であります。そのため,本路線の抜本的な対策といたしまして,昭和63年3月に策定いたしております安芸区道路網整備基本計画におきまして,住宅密集地を外しまして山地部側に位置づけられております山の手線,これは仮称でございますが,この整備が必要と考えております。  また,矢野町におきましては,国道31号ないしは主要地方道の矢野安浦線があるわけでございますが,交通混雑が著しく,また,東側の山地部に開けております住居地域には安全で円滑な交通の確保が図れる道路が少ないという状況でございます。  このため,先ほど申しました安芸区の道路網の基本計画に位置づけられております東側の山地部に地区住民の生活基盤を支えます山の手線,これも仮称でございますが,整備が必要と考えております。  これらの道路につきまして,向後整備に向けまして努力いたしたいと思っております。  それから,東区と瀬野川町を連絡する道路計画をしていただきたいということでございますが,東区の福田地区と安芸区の瀬野川地区は,区境の急峻な山地により隔てられておりまして,両地区を短絡する道路がなく,府中町または東広島市の志和町を経由しなければならないというのが現状でございます。  議員御指摘のとおり,東区側には森林公園や緑化植物公園の公共施設がございまして,これらに短絡する道路が必要であると思われますが,急峻な地形であることから十分な車線が確保できるかどうか,また,周辺が国有の保安林であるなど多くの問題を抱えておりますが,今後慎重に検討してまいりたいと思っております。  それから,安芸中野駅より畑賀を経由して府中方面へ向かうバス路線の整備はどうかということでございます。  安芸中野駅周辺につきましては,一般県道瀬野船越線と普通路線の市道がありますが,いずれも道路の幅員が4メーター前後と狭いことから,安芸中野駅と畑賀地区とを連絡するバスの運行は本当に困難な状況になっております。議員の御指摘のとおり,畑賀地区からバスを利用しまして安芸中野駅まで出る場合は,一般県道東海田広島線の影または影橋バス停で降車いたしまして,既存の市道を約1,000メーター近く歩くということでございます。既存の市道は,車両の円滑な離合もできないという狭小な道路でございますので,歩行者等の安全にも支障になっているということでございます。  このため,これらを解消するためには,一般県道瀬野船越線の拡幅が考えられますが,家屋が連檐し,拡幅整備が困難なため,先ほど申しました安芸区の道路網整備基本計画に位置づけております一般県道東海田広島線を起点といたします山地部側の道路,山の手線でございますが,を利用し,安芸中野駅と連絡します道路の整備について検討してまいりたいと考えております。  それから,生活道路の件でございますが,先ほど御指摘にもありましたように,生活道路は安全で快適な日常生活を営む上で本当に不可欠な道路でございます。良好な居住環境を形成いたしまして,地域におきますコミュニティー相互を結びつけるなど,地域社会に密着した道路であります。生活道路の整備に必要な用地の取得方法は,道路の種別によりまして主要生活道路と生活道路と区分しておりまして,その内容といたしましては,一つは,交差点の改良を含みます主要生活道路,これは時価買収でやっております。それから,生活道路,で,本市が計画する場合は固定資産税相当額ということでございます。それから,地区住民の要請によりましての生活道路については寄附ということになっております。
     ただいま議員御指摘の12カ所の問題でございますが,このうち交差点改良を行います7カ所及び狭隘部の待避所2カ所につきましては,寄附ではなく,時価買収により交渉いたしておるとこでございます。そのため,交差点改良7カ所のうち1カ所は既に施行済みでございまして,残りの4カ所は平成3年度に施行するということになります。残ります交差点改良の2カ所と待避所2カ所につきましては,現在関係者の理解が得られず,難渋いたしておりますが,これらにつきましても,事業が早くできますように粘り強く誠意を持って交渉いたしたいと思っております。  以上でございます。 ○議長(瀬川吉郎君) 下水道局長。 ◎下水道局長(赤司義臣君) 瀬野川地区の公共下水道の整備促進についてお答えいたします。  同地区の公共下水道の整備促進を図るためには,受け皿となります県施行の流域下水道瀬野川幹線の整備促進を図る必要があります。このため,東広島バイパスに計画されている同幹線について,ルート変更を含む見直し調査を今年度県が行っているところであります。  本市といたしましては,平成6年度ぐらいには何とか同地区の整備に着手し,平成12年には市街化区域内を完成したいと考えておりまして,これを目途に事業促進に努力していく所存であります。今後は,県と調整しながら諸準備を進めていくことになりますが,今年度は同地区の基礎調査を行うこととしております。  以上でございます。 ○議長(瀬川吉郎君) 教育長。 ◎教育長(鍋岡聖剛君) こころの健康相談事業についてのお尋ねでございます。  議員御質問の中にもございましたように,本事業は教職員の精神保健上の問題についていろいろ相談を受ける目的といたしまして,昭和61年度から広島市学校保健会に委託しまして,青少年センターの中に相談室を設けて相談活動を実施しているところでございます。  本事業は,教育経験の豊かな相談員が電話や面接によりまして相談を行い,必要に応じて精神科医であるとか,あるいは内科医などの専門医による面接指導も行っておるところでございます。  相談活動の状況でございますが,開設以来,相談件数,年々増加しておりまして,平成元年度では1,061件という数になっておるわけでございます。相談者の内訳を見ますと,学校関係者からの相談が543件で51.2%,加えて気軽に相談ができる,あるいは相談員と専門員の両者に相談ができ,適切なアドバイスを受けられるシステムであるというようなことが広く知られまして,保護者・児童生徒などからの相談が518件,48.8%に上っているところでございます。  また,相談内容についてでございますが,学校関係者につきましては,主として教職員の心身の健康管理の問題,子供の問題行動や登校拒否など生徒指導上の問題,あるいは学習指導の際の不安や悩みについてでございます。また,保護者・児童生徒からの相談は,登校拒否などの行動上の問題が大半を占めているという状況でございます。  これら相談の結果,適切なアドバイスが得られて早期に不安や悩みの解消につながったなど,数多くの声が寄せられているところでございまして,相談室設置の趣旨が十分に生かされているものというぐあいに考えております。  今後とも本市教育委員会といたしましては,議員の御提言も踏まえまして,広島市学校保健会との連携のもとにこの事業の充実について努めてまいりたいと,このように考えております。 ○議長(瀬川吉郎君) はい,8番。 ◆8番(三戸應則君) 大体前向きな答弁をいただきまして,市長さんみずからいろいろお答えいただきましたこともありますし,細かな問題については別の機会に行いたいと思います。  以上であります。 ○議長(瀬川吉郎君) 42番松浦弘典君。           〔42番松浦弘典君登壇〕(拍手) ◆42番(松浦弘典君) 安芸区のオンパレードでございます。私,今,三戸議員の質問を聞きながら,いつもは安芸区では私が先輩でございまして,先にあいさつさしてもらう。やはり二番手のあいさつというものはなかなか難しいもんだなということを,三戸先生,つくづく感じたものでございます。  本来なら,自民クラブを代表いたしましてと申し上げたいんですが,我がクラブの同志の御理解を願いまして,安芸区民代表といたしまして,西高東低というテーマに,さきの三戸議員に引き続きまして,東部地区の課題に重点を置いて,安芸区民の切なる要望を踏んまえて何点か質問させていただきたいと思います。  何か三戸議員の質問を聞いとりますと,この人,わしの質問書を盗み見したんじゃないんかというぐらいそっくりそのまんまでございます。しかもなお,1番,2番のバッター順でございまして,これも偶然でございます。重複はなるべく避けるつもりでございますが,何であれ三戸議員のフォアボールで出られたその後,私が犠打のバントを打ちまして塁を進めるような気持ちでやっていきたいと思います。  最前も,三戸議員も,これが荒木市長に対して最後の質問になるだろうということを申されましたが,私も荒木市長へ対しての一般質問,これが最後になるんではないかと思いましたら,一抹の寂しさを感ずるものでございます。  先ほど来,三戸議員からも安芸区住民の市政に対する声や住民意識について話しておられましたが,全く訂正するところもございません。そのとおりでございます。まだ私の方からゴシックの活字で応援したいと思うものでございますが,あの恐怖の7月1日,今聞きまして,私,思い出しました。市長さんは,40分からの安芸区をつくる──まちづくりというようなテーマで長講とうとうと40分間,気持ちよく講演をされましたが,そのとき,私たち聞きながら,市長さんは来年の5選を目指しての意志満々でおられるなという気持ちで聞いておりました。余りにも力強いお言葉に,婦人会の皆さんは頼もしく聞いておられましたが,その後すぐ格好よくお帰りになった。  最前,三戸議員も申されましたが,彼は,やはりドクターらしく市長さんの健康を心配して,市長さんが残っとったら血圧が上がっとるんじゃないかというような御心配でございましたが,そんな安易なものではございません。私,早速立ちまして,私たち残された4人はちょうど母に置き去りにされた孤児のようなもんでございますという言葉を言って,その場を濁したんですが,市長さんの講演も確かにすばらしかったです。すばらしいだけに,後の風当たりは強うございました。  市長さんのそうした心強い話も聞きながら,私,時々思い出すんですが,市長さん,私のおやじもよく歌っておりましたが,昔にあったでしょう,あの「のんきな父さん」というのんき節でございます。馬が走り出したんじゃが,どこへ行くかわからぬ。それを,お父さん,どこ行くんですかと聞いたら,わしゃあ知らぬよ,お馬に聞いてくれというような歌の文句もございますが,何か市長さんのお話,この1年を通していろいろなことがございました。マスコミに対しても,また市長さん,いろいろな人に対しても,何か,わしゃ知らぬよ,お馬に聞いてくれ,だれかに聞いてくれや,というようなお言葉が,言葉の端々に出たような気がいたします。  今さらそのことに対して云々申しませんが(「なに,言うとるじゃないか。」と呼ぶ者あり)──ありがとうございます。市長も別に責任逃れで言っていらっしゃるんじゃない。やはりあの人のあのマスク,あのスマートさが,かえって人にそういうような感じを与えるんじゃないかという,御同情を申し上げる次第でございます。  その後のことは,三戸議員の質問に対しても出ておりましたが,我々議員に寄せられた陳情や各種団体の役員さん,さらには各地区からの声を聞く限りは,いずれも安芸区の将来について非常に強い危機感を持っているといったものでありました。  中には,議員がつまらぬのよというような声もあったようでございますが,広島市は,いや広島荒木市長は,土木突出予算だとか,土木屋とか,植木屋とか陰口を言われながらも着々と都市基盤整備を進めてこられ,立派な道路も何本か完成させ,下水道についても普及率を年々伸ばしているようであります。  私も井の中のカワズのせいかしらん,東の方ばっかり見つめておりましたが,気がつきませんでしたが,祇園新道や沼田周辺の道路は,なるほど立派なもんでございます。  先日も総務委員会で市内視察いたしました。多田委員長にその道を見ながら,やはり安芸区の人が西高東低というのは,委員長さん,無理はございませんのうと言ったら,委員長さん,恥ずかしそうにけらけら笑っておられましたが,今後も広島市は都市基盤整備を強力に推進するとともに,国際平和文化都市を標傍して,アジア競技大会の開催,西部丘陵都市の建設など大型プロジェクトに対して総力を上げて,また莫大な投資を行っていくことになっているようであります。  しかしながら,我が安芸地区におきましては,さきも三戸議員が触れておりましたが,最も早い瀬野川町の合併から17年,矢野町,船越町の合併からも15年経過しているにもかかわらず,その間,安芸区の道路,公園,下水道等の整備には,ほとんど見るものがなかったように見受けます。  私も,私事で恐縮ですが,船越の町会の合併計画委員長を当時やらしていただいておりましたが,今後はもう少し東部地区に目を向けていただきたいとしても,北西部地域の大型プロジェクトに集中投資する必要があることを考えると,ますます安芸区に対する投資の抑制──投資は抑制され,都市整備はおくれていくのではないかと,地域住民とともに私ども本気で心配しているものでございます。  私の後援会の中には,海田に住む有識者の方も多くおいでであります。その人たちの中にも,さらに海田町の議員の中にも,合併すべきであるがという意向を持っていながら瀬野川町──瀬野川,矢野,船越の現状と公共投資の状況を見て,合併して果たして海田町がよくなるのかどうか危惧されている方も多く見受けられます。これが,海田町との合併論議が盛り上がらない大きな要因ともなっているのであります。  昨年策定された第3次広島市基本計画では,都心への一点集中型の都市構造から多心型の都市づくりを目指すこととなっておりますが,安芸地区は,東部の拠点として船越,海田地区をその中心に位置づけるという構想のみで具体的な計画がなく,整備の方向が一向明確にされておりません。  行政区を超えた広島市東部の拠点づくりについて今こそ具体的に地域住民に示す必要があり,これを明らかにすることこそ長年の懸案であった合併問題の早期解決につながるものと考えるものであります。  そこで,東部の拠点づくり等の諸問題についてお尋ねします。  まず,第1点目として,広島市東部地区連続立体交差事業と周辺市街地の再開発についてでありますが,これら地区の円滑な交通を阻害し,都市機能を二分している鉄道2路線の連続立体化,及びこれと並行して行う鉄道路線周辺の市街地の再開発による都市基盤の強化は,先ほど申し上げた基本計画で目指す多心型都市を構築する上での核となると思うものであります。  一昨年また昨年と,県・市共同で計画調査を実施することになっていたと思いますが,その後何の音さたもありません。安芸地区の地盤沈下に対する地域住民の危機感を払拭するためにも,この事業の早期着手及び完成を期待されるところでありますが,事業の進捗状況,今後の実現化へ取り組みはどのようなものであるのかお聞かせ願いたいと思います。  次に,道路問題全般についてお尋ねします。  まず,道路整備についてでありますが,経済発達に伴い,交通及び運送の高速化が図られ,広島経済圏においても山陽・中国自動車道の開通や新空港の整備などを進められております。  しかしながら,安芸区においては,山陽自動車道インターチェンジへのアクセス道路の整備がおくれていることから,時代の波に取り残されているという実情であります。国道2号線を補完するアクセス道路として,市において県道下瀬野海田線や瀬野川福富本郷線の整備に着手されていますが,この2路線の整備の進捗状況は現在どのようになっているのか,また今後の見通しはどうなのかお聞かせ願いたいと思います。  祇園新道や沼田周辺の道路整備をうらやましく思いながら,大正交差点の渋滞の中に何十分も待っている市民もいることを念頭に置いて誠実ある御答弁をお願いいたします。  続きまして,先ほど三戸議員の中から質問がありました駅周辺の整備についてでありますが,特に安芸区においては,道路網による地区との連絡は,地形上の制約により,主として大正交差点を経由しているものであり,また鉄道に沿って細長く市街地が開けるということから,鉄道は重要な交通手段として役割を果たしているところであります。  したがって,現在未整備となっている瀬野駅,安芸中野駅,矢野駅周辺の公共施設整備に対する区民の要望には極めて強いものがあります。  我々議員に寄せられる区民の声の中には,海田町では駅の橋上化と広場整備ができて,大広島市ではなぜできないのかという強い口調でおしかりを受ける日々でございます。  都心部で道路の整備するための用地を確保することを思えば,周辺部では70倍,100倍の用地を手に入れられるのであります。  公共交通機関が使いやすくなり,利用者がふえれば,市内へのマイカーの乗り入れが減少することになるのであり,駅周辺の公共施設整備は単に駅前の整備と考えるのでなく,交通問題全般として大局的な視野から見て判断していただきたいと思います。  これらの3駅の周辺整備については,先ほどの三戸議員の質問に対して,助役から駅前広場と一体的な整備が望ましいので,鉄道事業者と協議しながら検討を進めるとのことなので,ここで特別答弁を求めないが,3駅の中で矢野駅について現在乗降客は1日1万人になろうとしているところであり,このために駅に通じる狭隘な道路上には自転車があふれ,その上,隣接の矢野土地区画整理の竣工,また,矢野安浦バイパスの開通により駅利用者及び交通量の増大が予想され,喫緊の要事として整備を迫られているところであることから,これらの3駅のうち,特に矢野駅周辺公共施設整備について早急に具体案を立案し,実施していただくように強く要望するものでございます。  次に,山の手線,花都川線についてでありますが,この都市計画道路は,昨年7月に都市計画決定され,本年度測量調査を行うとなっております。一日も早い整備完了を願うものですが,この道路は,安芸区船越地区の住宅密集地を通過するものであるために測量調査を初めとして,整備に当たっては関係住民との十二分な調整を行った上で進めていただくよう要望しておきます。  また,花都川線は,船越中学を経て畑賀まで延伸するようにお考えはないかお尋ねいたします。  次に,東広島バイパスについてでありますが,路線のうち海田町区間においては用地の取得が図られ,これに連絡する広島南道路についても海田町区域の平面部を県道矢野海田線として県において事業の着手が行われ,広島呉道路から中広宇品線までの自動車専用道路を本年6月に設立した道路公社と建設省の合併施行により平成6年度完了を目途に事業が進められております。  さらに,一貫田地区におけるアクセス道路の整備も当局により進められているようでありますが,東広島バイパスは,一貫田から南道路まで一体的に整備されて初めてその効果を最大限に発揮するものと思います。そこで,整備促進を図るために国に対して積極的に働きかけることはもちろん,強力な推進体制を構築する必要があると思いますが,その決意及びその所見を伺いたいと思います。  次に,下水道についてお尋ねいたします。  安芸区において船越町の一部が既に公共下水道の処理開始区域となっており,矢野町の一部についても,近々,処理開始となるやに聞いております。  昨年12月の本会議の一般質問でこの問題について同僚の今田議員が質問されたときに,船越地区で平成4年度,矢野地区については平成6年度におおむね整備を終わる考えであり,瀬野川地区では整備の早期実現を図るために瀬野川幹線の変更ルート案についても県や関係町に対して働きかけるという御答弁がありました。  当局では,瀬野川のアユの放流を行ったり,河岸整備に取り組んでおられるようですが,下水道の整備は,河川や海田湾の浄化に役立つものであることからも,ぜひ早期整備を図っていただくよう強く要望いたします。  また,瀬野川地区における流域関連公共下水道の整備についてはいつごろを目標に事業を進めているのか,今後のスケジュールはどうなっているのか,お聞かせ願いたいと思います。  次に,ただいま質問した下水道整備に関した問題で,し尿収集業者の方々に対する対応についてお尋ねいたします。  安芸地区では,し尿の収集業務を広島市,府中町,海田町,熊野町,坂町で構成する安芸地区衛生施設管理組合が行うことになっており,広島市域内の東区旧安芸町及び安芸区に民間の8業者が実際にこの業務に携わっております。  安芸区においても,おくればせながら下水道の整備が進んできたことは喜ばしいことですが,このし尿収集業者の方々にとっては業務が激減してくるという深刻な事態になってくるのであります。あちらを立てればこちらが立たないというような話では済まされない問題ではないかと思います。  これらの業者の方々は,市の固有事務であるし,し尿収集業務を誠実に遂行され,公衆衛生に貢献されてこられたのであり,先細りになる業務に見合う何らかの対応をしなければならないということについては,当局も同じ認識であると存じます。  先般,安佐地区及び佐伯区の11のし尿収集業者に対しては,全社出資による新会社を設立し,業務の減少に見合う仕事をあっせんすることにし,8月に完成した安芸区不燃減容センターの運転管理業務を新会社に委託されたと伺っております。  そこで,安芸区の業者への対応についてお伺いいたしますが,安芸区の業者の中には,安佐地区及び佐伯区の業者の例を見て,新会社設立に対して難色を示す方もおられ,金銭による処置を望む声も上がっているのが実情であります。  安芸区の業者については,基本的に安芸地区衛生施設管理組合において対応すべき問題でありましょうが,組合の構成員としての立場から真剣に考えなければならない時期に来ていると考えるので,市としてのお考えをお聞きしたいと思います。  次に,阿戸における上水道整備についてお尋ねします。  阿戸町においては,本年度秋より,ほ場整備事業に着手されるということで地元の方も大変に喜んでおられます。  しかし,一方では,ほ場整備は広範囲に土地を掘削するために,井戸水の水質等に対して悪影響が出るんではないかと心配する声も上がっております。  先般も,安佐南区の団地で,専用水道の汚染による食中毒が報じられておりましたし,ゴルフ場の農薬問題等が地下水の汚染も心配されているという状況でございます。市民の飲み水も確保できないで,国際都市とか文化都市とか言っても,住民は納得しないのでないでしょうか。  阿戸地区においては,都市基盤整備がおくれている市東部地区の中でも特に取り残されているという住民感情の強いところでありますので,そういった不公平感を払拭するためにも,ほ場整備にあわせて上水道を整備するよう強く要望するものであります。  また,農業集落排水事業についても,環境改善のため,ほ場整備にあわせて市街化区域の整備時期におくれないように早期整備の実現をお願いしたいと思います。  これは,どうしても言わなければならない問題でございます。安芸区の区民文化センターでございます。  昭和63年6月議会においても取り上げられたところでありますが,その後においてもほかの区民文化センターは順次整備され,現在,東区,南区,西区,安佐南区,安佐北区,佐伯区の各区民文化センターが開館し,建設中の中区の区民文化センターも平成3年1月に開館の予定となっており,今議会に区民文化センター条例の一部改正案が提出されております。  こうした状況の中で,ただ一つ残っている安芸区区民文化センターの建築計画については,安芸区の地形,交通体系等から船越付近が適当であるとして,数カ所の候補地を挙げ,鋭意努力されていることを十分承知しております。  この区民文化センターは,区のシンボル施設の一つであり,安芸区のまちづくりの重要な柱として早期建設されることを区民は切に願っているものでございます。  昨今における地価高騰,代替地の入手難などの中でまとまった土地の取得が大変難しいことと十分承知しておりますが,市当局におかれても,この区民文化センターの早期建設のためにより一層努力していただくことを強く要求いたします。  終わりになって申し訳ありませんが,これは以前本会議において同僚の兼桝議員が質問されました東広島駅貨物駅の跡地利用についてお尋ねいたします。  この東広島駅は,広島市の東側に位置し,31.4ヘクタールの広大な敷地を有する貨物駅でありますが,昭和62年の国鉄民営化に伴い,その南西部11.8ヘクタールが処分対象地として清算事業団に所有権が移ったものであります。  この跡地利用の問題については,有効な活用方法を探るという答弁もなされましたが,御承知の最近の地価高騰の引き金になったと言われる東京の汐留の操車場の用地の払い下げのように悪影響が生じないように細心の注意を払わなければならないということで,言うまでもありませんが,いずれにしても,この用地は,市民球場の5倍もの面積を有する旧市内に残された数少ない一等地であり,その跡地利用について市民も大いに関心を寄せている問題であります。改めてお尋ねいたします。  東広島駅の跡地利用について現在どの程度進んでいるのか,また,広島市としてどのような利用方法を最適であると考えているのか,当局のお考えを伺いたいと思います。  これで質問を終わりますが,これは質問とは関係がございませんが,私が,30数年,あるお寺へ一日参りしております。その山門に,人は転ぶと坂のせいにする,坂がないと石のせいにする,石がないと靴のせいにする,人はなかなか自分のせいにしない,こんな言葉が掲示してありました。  この言葉を市長を初め理事者の皆さんに贈り,以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(瀬川吉郎君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの松浦議員の行政施策の西高東低についていろいろ御質問がございました。まず私の方から具体的な計画についてまずお話をしておきたいと思うわけでございます。  安芸区につきましては,昨年5月に策定した第3次基本計画において,東部の拠点としての都市機能の強化や道路交通網の整備,豊かな自然を生かしたレクリエーションゾーンの形成,快適な居住空間の整備などを進めていくこととしており,都市全体の均衡ある発展を図っていくためにも,こうした都市整備を積極的に進めていく必要があると考えております。  このため,本年度におきましては,未合併町を含めた安芸地区を対象としてこの地域の整備課題を整理した上で安芸地区の整備方向や東部の拠点にふさわしい市街地の整備構想,各種施設整備構想,道路網の整備計画などを内容とする安芸地域整備計画を策定しこの地域の総合的かつ計画的な都市整備の推進を図ってまいりたいと考えています。  以上。 ○議長(瀬川吉郎君) 下田助役。 ◎助役(下田公一君) 広島市東部地区の連続立体交差事業と沿線地区の都市基盤整備についての御質問についてお答えをさせていただきます。  本市の東部地区は,第3次広島市基本計画におきまして,お話がありましたように,都市圏東部の拠点地区として位置づけられておりまして,今後の発展が期待されておるところでございます。  しかしながら,現在,お話がありましたように,ほぼ中央を通るJR山陽本線及び呉線により地域が分断されておりまして,一体的な市街地の形成が阻まれておるということで,その解消が大きな課題となっておるところでございます。  このような現況を踏まえまして,当地区の健全な市街地の形成を図るために,鉄道の連続立体交差化とあわせて周辺市街地の基盤整備が必要であるというふうに考えております。  具体的な──それに対して具体的な調査といたしましては,御指摘がありましたように,63年度から連続立体交差事業につきまして,2カ年で国の補助を受けまして事業化のための実施計画調査を実施したところでございます。  調査に当たりましては,広島県,広島市,府中町,海田町及びJR西日本で構成する協議会を設置いたしまして,調査の内容といたしましては,地区の現況調査,土質測量調査,鉄道施設の概略設計等について調査検討,協議を進めてきたところでございます。  また,お話ししました連続立体交差事業を進めるに当たりましては,周辺市街地の整備も一体的に行う必要があるということで,府中町の向洋駅周辺,海田町における海田市駅周辺の整備構想と連携を図りながら広島市域における面的整備の可能性等について検討しているところでございます。  事業の実施につきましては,県──広島県,府中町,海田町を初め関係機関と協議いたしまして,関連事業である駅周辺整備の面的な整備事業──区画整理事業になるんではないかというふうに予想されておりますが,その事業の着手の可能性を勘案いたしまして,できるだけ早期に着手を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。 ○議長(瀬川吉郎君) 環境事業局長。 ◎環境事業局長(元谷徳行君) し尿収集業務量の減少対策について御答弁申し上げます。
     現在,安芸地区の業者については,原則として安佐地区及び佐伯地区と同様,代替業務のあっせん方式による対策を考えております。  この方式は,金銭措置に比べまして,従来の経験を生かせる業務を市があっせんすることにより,事業転換が確実に図られる,また,従業員の雇用が確保される,広島市が進めている行財政改革の推進及び民間活力の活用につながることなどの利点がございまして,対策の趣旨がより生かされると考えたところでございます。  次に,代替業務あっせん方式の場合において,し尿収集業者共同での新会社の設立をしてもらうかどうかの御質問でございますが,各業者ごとの減少量に見合う規模の小さい新規業務を個別にあっせんしていくことは,事実上困難でございます。  また,業者が一体となった新会社を設立することによりまして,経営基盤が強化され,代替業務をより適正に遂行できること,また,残存するし尿業務につきましても,適正な継続して業務を遂行されることが見込まれること等の理由から,本市としては新会社を設立してもらうことを前提に現時点では考えております。  いずれにしましても,当該区域のし尿収集処理業務を安芸地区衛生施設管理組合が所管していることでございますので,本市としましては,今後同組合に対して市の意向が十分反映された対策が講じられるように働きかけていく所存でございます。 ○議長(瀬川吉郎君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(佐伯邦昭君) 東広島駅の跡地利用につきましては,現在,学識経験者,県,市及び国鉄清算事業団により懇談会を設けまして,平成2年に入りましてから2回協議の場を持っております。  それで,現段階におきましては,大変マクロな利用計画につきまして幾つかの案が考えられておりますけれども,また具体的な内容に踏み込んて協議するには至っておりません。  いずれにしましても,跡地利用につきましては,21世紀に向かって本市の都市機能の向上に資するよう調整をしてまいります。  なお,貨物ヤード跡地の施設の撤去工事は,昭和63年春から始まりまして,平成5年春には更地になる予定と聞いております。  以上です。 ○議長(瀬川吉郎君) 建設局長。 ◎建設局長(横山良三君) 道路問題についてお答えいたします。  まず,下瀬野海田線と,それから瀬野川福富本郷線の整備状況及び今後の整備の見通しでございます。  まず,一般県道下瀬野海田線についてでございますけれども,本路線は,安芸区瀬野を起点といたしまして畑賀まで連絡いたします全長7,760メーターの幹線道路でありますが,現道幅員が3メーターから5メーターと狭く,線形も悪いということから,道路改良事業といたしまして補助採択を得まして,一番狭小な部分であります水越峠地区,これは1,660メーターでございますが,これを優先しまして,昭和57年度から事業に着手いたしております。  整備状況といたしましては,平成元年度までに水越峠地区の整備を終えまして,現在,立石地区,下立石地区及び奥畑地区におきまして事業を推進いたしておるところでございます。このうち立石地区の900メーターにつきましては,今年度完成予定となっております。それから,平成2年度におきます改良延長は,約2,560メーターということになりまして,改良率は33%となります。今後とも全線の完成を目指しまして努力してまいりたいと思います。  次に,主要地方道の瀬野川福富本郷線でございますが,これは,本市域内では国道2号の小浦地区を起点といたしまして,市域境であります榎山地区までの延長4,600メーターの幹線道路でありますが,これも幅員が5メーター前後と狭く,特に小浦地区のJR山陽本線との踏切部が交通上のネックとなっていますことから,まず,当地区におきまして,昭和60年度から鉄道をまたぐ立体交差事業,これは総事業費19億でございますが,着手いたしまして,平成3年度末完成を目指し,事業に取り組んでおります。  また,榎山地区につきましては,昭和63年度に事業着手いたしておりまして,総事業費は40億でございますが,完成は平成10年度までにはやりたいということで,鋭意努力いたしておるところでございます。  それから,同じく道路問題で,都市計画道路花都川線を船越中学校を経て畑賀まで延伸する考えはないかということでございますが,都市計画道路花都川線は,県道広島海田線から船越六丁目の都市計画道路山の手線の交差部に至ります区間が都市計画決定されたわけでありますが,その延長であります道路といたしましては,市道安芸区3区2号線と10号線でございます。これの総延長は1,600メーターとなっておりますが,このうち1,100メーターは既に完成しておりまして,残る山の手線交差部から船越中学校までの区間500メーターが未整備の状況となっております。  本道路は,補助幹線道路として整備するよう位置づけられておりまして,都市計画道路花都川線の整備時期と調整を図りながら一体的に整備を行っていきたいと考えております。  それから,東広島バイパスの整備促進を図るため,強力な推進体制をどうかということでございます。  東広島バイパスは,安芸郡海田町から東広島市西条町に至ります延長26.5キロメートルの道路でございまして,国道2号のバイパスといたしまして,本市と海田町,東広島市を連絡するなど,広島南道路とともに広島都市圏の骨格を形成する主要幹線道路でございます。  これらの主要幹線道路の整備に当たりましては,国,県,市,それから道路公団で構成いたします広島周辺幹線道路網の整備連絡協議会におきまして,整備手法を種々検討いたしまして,東部地区の交通混雑を早急に解消するために,東広島バイパスの海田町域内を重点的に建設省が,また,広島南道路の平面部の一部となります県道矢野海田線でございますが,これを県が,さらに広島南道路の一部を広島市道路公社が分担するなど,国,県,市が一体となりまして,当面は,海田町から南区宇品までの区間について整備を進めているところでございます。  今後,東広島バイパスのうち海田町から一貫田地区までの区間につきましても早期整備が図られますよう,広島周辺幹線道路網整備連絡協議会を中心といたしまして,施行区分,整備手法等を明確にしていくなど,本市といたしましても積極的に働きかけてまいる所存でございます。  以上でございます。 ○議長(瀬川吉郎君) 下水道局長。 ◎下水道局長(赤司義臣君) 瀬野川地区の公共下水道整備促進と今後のスケジュールについてお答えします。  瀬野川地区の公共下水道整備につきましては,先ほど三戸議員にお答えしましたとおり,何とか平成6年度ぐらいには着手し,平成12年度には市街化区域内を完成したいと考えています。  着手までのスケジュールにつきましては,今後県と調整をしながら進めていくことになりますが,今年度基礎調査を行い,引き続き都市計画決定,事業認可などの諸手続を順次進めることといたしております。  以上でございます。 ○議長(瀬川吉郎君) はい,42番。 ◆42番(松浦弘典君) 二人で一人前のような質問になりましたが,我我安芸区の議員の熱い思いでございます。どうぞ胸に秘めてひとつ目を東の方へ向けてやってください。  特に環境事業の局長さん,さっきの業者の問題ですが,いろいろと安佐,佐伯に方程式があるんですから,それに基づいて誤解のないように今後話を進めていっていただきたいと切にお願いいたします。  どうも議長,ありがとうございました。  ─────────────────────────────────            休   憩   宣   告  ───────────────────────────────── ○議長(瀬川吉郎君) この際,暫時休憩いたします。              午前11時50分休憩  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜              午後2時19分開議              出席議員 49名              欠席議員 13名 ○副議長(今田智君) 出席議員49名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(今田智君) 休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。  20番浅尾宰正君。           〔20番浅尾宰正君登壇〕(拍手) ◆20番(浅尾宰正君) 私は,政友クラブを代表いたしまして一般質問をさせていただきます。  荒木市長さんは,さきの本会議で,熟慮の結果今期限りで市長の職を引退すると正式に表明されましたが,私ども荒木市政を支援してきた政友クラブといたしましては,市長は,次期市長選で5選を果たし,荒木市政の総仕上げをされるのではと思っておりましたので,まことに残念でならないところでございます。  引退表明の弁をお聞きしておりまして,時には叱陀激励したこと,またあるときは激論を交わしたことなど走馬灯のように思い出されて感慨無量なものがあります。ここ数カ月間の荒木市長の御心境は察するに余りあるところでございます。  私は,政友クラブを代表して,荒木市政4期16年を振り返りつつ,この場をおかりして感謝の気持ちを述べさしていただきたいと思います。  市長さんは,就任された昭和50年と言えば,我が国経済・社会はあの石油ショックにより破綻してしまうのではないかという時期であったと思われるのであります。市長は,石油ショックからの市政の立て直しを目標に,国に先駆けて行財政改革を推進され,この難関を乗り切り,健全財政の運営に努力されたほか,行き詰まっていたごみ処理行政に,今日では全国のモデルとなる5分別収集制度を取り入れるとともに,長期都市戦略として水と緑と文化のまち,平和──国際平和文化都市ひろしまを都市像に掲げ,広島市新基本計画を策定し,各種の政策,事業を推進されてきました。  また,昭和55年には,懸案であった政令指定都市への移行を実現され,これにより飛躍的に拡大した行財政力を背景として,市民生活に直結する道路・交通網,公共下水道などの都市基盤整備を精力的に推進していただくとともに,区役所単位の行政を展開し,文化センター,スポーツセンターの各区への設置などより細かな市民サービスの提供にも努められました。  昭和60年3月には,五日市町との合併を実現され,人口100万人を擁する名実ともに我が国を代表する大都市の一つにしていただきました。  そのほか,産業の活性化,平和行政や国際化への対応,文化・スポーツの振興,都市景観の向上あるいは原爆被爆者援護,老人・身障者──心身障害者対策,福祉の充実等諸課題の解決に文字どおり全身全霊を傾けてこられました。  特に,市長は,御自身の被爆体験をもとに戦争の悲惨さ,核兵器の残虐さを世界に訴え,これを次の世代に正しく伝え,核兵器廃絶と世界恒久平和実現のため昭和51年12月,昭和57年5月,昭和63年6月の3度にわたり国連を訪問し,国連軍縮特別委員会等で演説されているほか,都市と都市とが,また市民と市民とが国籍や思想,信条の違いを乗り越えて連帯し,平和のために国際世論を喚起していくため,昭和60年と平成元年の2回にわたり世界平和連帯都市市長会議を開催されるなど,機会をとらえてはヒロシマの心の世界化に努められてこられました。  また,間もなく第11回アジア競技大会が北京市で開催されますが,第12回アジア競技大会を広島の地に招致していただいたのも荒木市長の大きな功績の一つでございまして,その労を多とするものであります。  第12回アジア競技大会は,首都以外で開催される初めての大会でありますので,我々市会議員としても,地方都市でも十分開催できることを実証するために一致協力してぜひ成功させなければならないと考えております。  さらに,昨年は,市制施行100周年・広島城築城400年を記念して'89海と島の博覧会・ひろしまを初め数多くのイベントを成功裏に導かれるとともに,21世紀に向け世界に誇れる広島を建設するため,第3次広島市基本計画を策定され,現在はアジア競技大会の開催,総合交通体系の確立,広島西部丘陵都市の建設,広島市立大学の設立など数多くの事業を手がけ,これを軌道に乗せられていることなどは,万人のひとしく認めるところだと思います。  このように,荒木市長は,歴代市長の中で在職実に4期16年の最も長きに及ばれることになりましたが,この間の道のりは,荒木市長にとって決してたんたんたるものではなく,幾つかの政治的困難に遭遇されたことと思いますが,市長の誠実さと持ち前の不屈の強靭さでこれを乗り越えてこられたものと考えます。  引退の理由が健康面からであるとのことですので,それを引きとめるわけにはいきません。ここに,荒木市長の数多くの御功績に対し深甚なる敬意を表する次第であります。  荒木市長さんにおかれましては,残りの任期を御壮健で,なお一層市政に御尽力賜りますようお願いいたします。  それでは,質問事項に入らせていただきます。  まず最初に,平和問題について御質問いたします。  先般,シェワルナゼ・ソ連外相が来日され,中山外務大臣との共同声明において,来年4月,ゴルバチョフ・ソ連大統領が来日されることが明らかにされたところであります。この来日の機会に,ソ連大統領が世界最初の被爆地広島を訪れていただくことは,荒木市長が長年訴え続けてこられた世界の指導者,とりわけ核超大国ソ連大統領が被爆の実相に触れていただく絶好の機会であり,歴史的にも意義深いことと考える次第であります。市長は,同大統領に来日を機会にぜひとも広島を訪問するよう招請状を出されるお考えはないか,御所見を賜りたいと思います。  次に,都市美についてお伺いいたします。  今日,我が国の社会経済は,国際化,情報化,高齢化など21世紀に向けた大きな時代の流れの中にあり,都市においてはこうした変化に的確に対応しつつ,地域の特性を生かした個性豊かな地域づくりが求められております。  言うまでもなく,本市は太田川のデルタ上に発達した都市であり,古くから水の都として親しまれてきました。広島の歴史と風土の多くの部分は太田川によって醸成され,広島の市民生活は,市民の──広島の市民生活は,水と深くかかわって営まれてきており,河川とその周辺の空間は,これまで広島の都市づくりの中で常に重要な要素ともなっていました。  しかし,近年,市街化の整備が進む中で,水辺の位置づけは後退し,水の都としての資質が問われております。広島にとって今後21世紀を見通した都市づくりの中で,水辺空間を活用した都市づくりは重要な課題であると考えます。  こうした状況のもとで,このたびデルタ地域の各河川の水辺空間をすぐれた環境資源として魅力的にデザインし,市民生活の中で活用していくことによって水の都をよりよく再生していくため水の都整備構想が策定されたことは,まことに時宜を得たものと思います。  この構想では,一つ,水辺をつなぐ,二つ,水辺で遊ぶ,三つ,水辺に文化を,四つ,水辺に住み,働く,五つ,水辺をつくる,六つ,水辺を美しくという六つの水辺づくりのテーマのもとに,それぞれの施策の方向が示されており,その早期実現が期待されるところであります。  そこで,お尋ねいたします。  この構想の推進に当たっては,河川管理者との協調体制の確立が事業の成否に大きくかかわってくると考えられますが,今後この構想をどう調整し,事業化に結びつけていくのか,お考えをお伺いいたします。  また,河川空間の重要な構成要素である橋梁について,橋を個性的にデザインするという方向が示されておりますが,これまではどのような取り組みをしてきたのか,今後,この構想を踏まえ,かけかえの場合どのように具体化していくのか,さらに,河川緑地の整備については今後どのような整備を進めていくお考えなのか,お尋ねいたします。  次に,観光行政の観点から橋の整備についてお伺いします。  先日,御幸橋のかけかえ工事が終わり,完成式がありました。日清,日露,太平洋戦争で何百万もの出征兵士がこの橋を渡って戦地に向かい,帰らざる橋と呼ばれたこともある御幸橋の橋詰めには,多くの方々の協力もあり,被爆当時の様子を記録した写真パネルや備前焼作家藤原 雄さんが制作したモニュメントが設置されるとともに,旧橋の親柱が復元されました。地域の新しいシンボルになるものと考えております。  この御幸橋の場合,ただ観光という観点からだけでとらえることはできませんが,広島百橋と呼ばれているように,広島は橋のまちであり,市民の生活にもまちの風景としてもなくてはならないものとなっております。  そこで,この橋と水辺の景観を大切な観光資源の一つにしてはどうかと思います。広島市観光協会が発行している旅行ガイドブックの中に,2から3ぺージではありますが,『自分の足で気軽に見てまわろう「橋のコース」』というのが載っております。そして,駅を中心とした橋10橋余りの名前とその橋の一部について由来や歴史的エピソード等が紹介されております。  こうしたことに加え,観光行政という観点から広島市の水辺と橋の景観を観光資源として特に強調して宣伝するとともに,1日散策できるコースづくりや名橋百選に組み込みPRすることを考えてはいかがでしょうか。この点,お伺いいたします。  次に,ごみ対策についてお伺いいたします。  広島市のごみ問題への取り組みは,昭和35年の3G運動,すなわちごみ減量,選別,容器の改善を初めとして,昭和50年7月にごみ非常事態宣言を発し,市民にごみの自家処理等による減量化,再利用を強力に推進し,燃やせるごみ,燃やせないごみ,資源ごみ,大型ごみ,そして有害ごみの分別収集を開始し,会社,商店,工場等の事業所にも家庭と同様に減量化,再利用化,自家処理を推進し,指導と規制を強化してごみ非常事態宣言前に日量約720トン排出されていたものが,日量約430トンまで減量化が進み,以後安定的に推移してきました。  しかし,ここ近年の動向を見ますと,ごみの排出量の増加は著しく,広島市も昭和60年度以降平成元年度までのごみ収集処理量の総計の推移は,昭和60年度が28万9,163トン,昭和61年度31万289トン,昭和62年度32万5,075トン,昭和63年度33万8,070トン,平成元年度39万5,136トン,それぞれ対前年比,昭和61年度7.3%,昭和62年度4.7%,昭和63年度4.0%,平成元年度6.7%の増加で,そのうち可燃ごみは,昭和60年度20万9,963トン,昭和61年度23万1,336トン,昭和62年度24万4,962トン,昭和63年度25万6,301トン,平成元年度27万2,722トンと,それぞれ対前年比,昭和61年度10.1%,昭和62年度5.9%,昭和63年度4.6%,平成元年度6.4%と増加率も高くなっている。  そこで,再度市民に減量化,資源化をお願いする時期ではないかと考えるが,この点お伺いします。  今,東京近辺の都市におけるごみ処理,特に,不燃ごみ,建設残土,廃プラスチック等の処理は,広域的な処理をせざるを得ない状況にあり,厚生省も本年度中に素案をつくり,平成3年度中に法の改定を行い,ごみの減量,再利用を進めようとしています。また,通産省も前向きに取り組もうとしています。広島市としても,消費は美徳という考え方を変えて,資源は限りあるもので,有効に使い切るのだということで,例えば製品をつくった残りの資材やジュース類等の空きびんも再利用できる容器への転換を企業に依頼すること等を含め,市民も企業も一体となっての取り組みが必要だと考えますが,この点,お伺いいたします。  次に,高齢者福祉の問題についてお伺いいたします。  御承知のように,近年,人口の高齢化が急速に進んでおりますが,本市においても,特に市内中心部において高齢化が進行しております。  例えば,中区では,ことし3月末現在で65歳以上の人口の割合が12.4%と全市平均の9.8%を大幅に上回っております。その上,単身高齢者や高齢者夫婦世帯など高齢者のみの世帯についても増加の一途をたどっております。  このような核家族化の進行に加え,女性の社会進出が進んでおり,家庭の介護機能の低下が目立ってきております。また,都市化の中で,地域の連帯感や相互扶助機能も低下してきております。このような中で,今後高齢者の介護の問題は,次第に深刻な問題になってくると考えられます。  一方,高齢者の方々の大多数は,住みなれたうちや,地域の中に住み続けることを願っております。これら高齢者が地域で安心して生き生きと住み続けられるようにデイ・サービス事業やホームヘルパーの派遣等の在宅福祉対策を充実する必要があると考えます。  また,これらのサービスの基幹施設としての特別養護老人ホーム等の福祉施設を地域バランスを考慮しながら計画的に整備する必要があります。  さらに,生活の基盤としての住宅を高齢者が暮らしやすいように改造する等,住宅面での対策も重要であります。  その意味で,広島市は,今年度江波地区に公有地を活用して地域の福祉サービスの拠点としての特別養護老人ホーム,高齢者向け住宅等をあわせた都市型高齢者福祉施設を整備することとしたことは,まことに時宜を得たものであります。  今後も,こういった都市型高齢者福祉施設を計画的に整備を進めるとともに,高齢者が暮らしやすい住宅への改良の支援等が必要と考えますが,市の今後の整備等の方針をお伺いいたします。  最後に,下水道行政について,特に市中心部市街地の再整備についてお伺いいたします。  一時的集中降雨による市街地中心部の道路冠水や家屋の浸水被害について,再三にわたり私も含め多くの議員の方から質問があったところでありますが,これに対し,浸水を抜本的に解消するためには施設能力の増強を行う必要があるため,調査,検討を行うとともに,当面,排水ポンプの局部的に増設を図ってまいりたいということでありましたが,またあの8月22日の台風14号のときも市の中心部が浸水しました。道路の舗装,宅地化,土地の高度利用といった都市化により下水管への流入量が増加したことも浸水の原因と考えられますが,もともと中心部は施設能力が不足しているところであり,施設能力の増強といった抜本的な対策が浸水解消のためには必要であると考えます。  平成12年度までに市街化区域内の下水道整備を完了させるため,未整備地区の下水道整備に全力を傾けている状況ではありますが,都市機能が高度に集積した中心部の浸水問題は,本市の重要課題であり,早急に対策を実施していただきたい。  今後,どのように事業を進めていくのか,方針をお伺いしたいと思います。
     以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(今田智君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまは,浅尾議員の質問に入る前に,4期15年間の功績を具体的に指摘されまして,お褒めの言葉をいただきましたことをまことに感謝する次第でございます。  浅尾議員の平和問題についての御質問がございました。  御案内のように,このたび発表された中山外務大臣とシェワルナゼ・ソ連外相の共同声明において,来年4月,ゴルバチョフ大統領の来日が確定しました。  私は,かねてから世界の指導者の広島訪問を提唱してきており,世界最初の被爆地広島を核超大国の一つであるソビエト・ゴルバチョフ大統領を初めソ連政府関係者が訪れ,みずからの目で被害の──核被害の実態を認識し,また被爆者の生の声を聞かれることは,核実験の即時全面禁止,さらには核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を求めるヒロシマの心の世界化に大きくつながることと信じております。  去る5月26日,ソビエトのイワン・フロロフ・プラウダ編集長の表敬を受けた際,ゴルバチョフ大統領の広島訪問を要請いたしました。これに対し,同氏は,そのことは大統領に伝えるが,大統領をあえて説得するまでもなく,既に広島訪問を考えていると思うとのことでございました。  いずれにいたしましても,御提案の招請状については送付することを考えており,既に準備を進めているところでございます。  次に,水の都整備構想の推進についての基本的な考え方について御答弁を申し上げます。  太田川は,市民生活と深く結びついて広島市のまちを形成してまいりました。また,下流部において6本にも分かれた太田川の形態は,我が国では他に類を見ない美しく特徴的な景観を形づくり,都市の個性の象徴となっております。今後,21世紀に向けた都市づくりを進める上で,太田川は貴重な存在であると認識しております。  これを生かすためには,治水や利水の視点だけでなく,まちづくりと一体となった水辺空間をどのようにデザインし,いかにしてより快適で魅力的な都市空間として整備を図っていくかが重要な課題であると考えております。このような観点に立って,本市ではこれまで都市美づくり事業の一環として個性的な橋や河岸緑地の整備など,太田川の水辺空間の整備を積極的に行ってまいりました。その成果は,河川管理者である建設省,広島県からも一定の評価を得てきたところであります。  そうした経緯を経て,今回初めて河川管理者と本市が共通のテーブルにつき,水の都広島の形成について議論し,3者が共同して水の都整備構想を策定したものでありまして,このことは全国的に見ても先進的取り組みとして注目されているところでございます。  今後,河川管理者と本市は,本構想を共通のよりどころとして,太田川デルタ部の水辺空間の整備に関して総合的,意欲的な視点を持ちながら,それぞれの事業実施に努力することになります。特に,事業の推進に当たりましては,平和公園周辺地区や広島駅前地区などのモデル地区における積極的な展開を図ることとしておりますが,その円滑な推進のためには,河川管理者との密接な連携を図っていく必要があると認識しております。このため,3者による連絡調整の場を設けるなど,構想の実現に向けて鋭意努力してまいる所存でございます。  以上。 ○副議長(今田智君) 民生局長。 ◎民生局長(堀部尚雄君) 都市型の高齢者福祉施設の整備と高齢者向け住宅の改造の問題につきましてお答えいたします。  御指摘のように,人口の高齢化と核家族化は急速に進行しておりまして,特に都心部につきましては,その傾向が顕著でございまして,高齢化対策の充実が急がれておるものでございます。  今年度,江波地区において基本設計を行います都市型高齢者福祉施設は,このような観点から整備を行うものでございまして,市営住宅の建てかえにあわせまして特別養護老人ホームとデイ・サービスセンター,それから世話人を配置をしました高齢者向け住宅,いわゆるシルバーハウジングと呼ばれておるものでございますが,これらを合築によりましてモデル的に整備をしようというものでございます。  今後とも,このような形での複合的な施設につきましては,土地利用の観点からも取り組みを進めていくべきであろうというふうに考えております。  また,高齢者向けの住宅改造につきましては,高齢者住宅整備資金の貸付事業を現在実施いたしておりますが,国におきましても,来年度新たに厚生年金,それから国民年金の加入者を対象にいたしまして,要介護のお年寄りと同居するための住宅の新改築についての低利融資制度が現在検討されているということでございます。  本市といたしましても,現在高齢者向け住宅のあり方に関する調査研究というものを行っておりまして,この研究の中で住宅の改造等への支援策につきましても,関係部局と協議をしながら検討していきたいと,このように考えております。 ○副議長(今田智君) 環境事業局長。 ◎環境事業局長(元谷徳行君) ごみ対策問題について御答弁申し上げます。  ごみ排出量の急増は,全国的に大きな問題となっており,本市におきましても,御指摘のとおり昭和61年ごろから可燃ごみ──中でも事業系の可燃ごみを中心に従来にない高い伸び率を示しております。  御承知のとおり,本市ではごみの減量化,資源化及び環境の保全の観点に立って,昭和51年6月から家庭ごみの5種類分別収集を実施しておりまして,そのうち資源ごみ収集制度につきましては,資源化,再利用促進の面から全国的にも評価されているところでございますが,近年は生活の中に快適性や利便性を求める傾向が強く,使い捨て商品やワンウエー容器がはんらんしており,ごみの急増に一層の拍車をかけている状況でございます。  このため,製造者に対する処理責任を求める声が高まっておりますが,一地方自治体だけでは対応するには限度があるため,平成元年7月には12大都市清掃事業協議会において,通産大臣等に対して使い捨て製品の開発自粛について要望したところでございまして,さらに本年も社団法人全国都市清掃会議を通じまして,通産省,厚生省へ製造業者責任の明確化を働きかけているところでございます。  また,通産省におきましては,今年8月,通産構造審議会に廃棄物処理再資源化部会を設けて,ごみ対策強化の検討を行っているところでございます。  本市としましても,業界に対して使い捨て商品やワンウエー容器の見直しを要請していくとともに,市民に対しても使い捨て商品や生活習慣の見直し等について関係部局と調整を図りなから啓発していきたいと考えております。 ○副議長(今田智君) 経済局長。 ◎経済局長(和泉禎一君) 水辺と橋の景観を観光資源として特に強調して,1日散策できるコースづくりなど積極的に取り組み,PRするようにとの御指摘がございました。  御承知いただいておりますように,本市は,都市そのものの魅力を観光資源とした都市型観光を目指しているとこでございます。個性のある橋づくりや親水護岸,河岸緑地の整備,魅力ある建築物など美しい市街地景観の形成を図るため,都市の魅力を高める施策をそれぞれの関係部局において取り組まれているとこでございます。  御指摘の橋につきましても,川とともに広島のシンボルでございまして,広島の自然を生かした観光資源の一つであると考えておりまして,橋を題材とした観光PRとして昭和59年度には,「渡ってみんさい広島百橋」といった観光ポスターを作成したり,お話にもありましたように,旅行ガイドブック「ひろしま」の中で橋の紹介をしているところでございます。  今後とも個性のある橋や水辺空間が整備され次第,観光資源として活用していく考えでございまして,橋をめぐる散策コースを増設するなど御指摘の趣旨を含めより一層のPRに努めてまいる所存でございます。 ○副議長(今田智君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(佐伯邦昭君) 水の都整備構想の中の河岸緑地についてでございますけれども,河岸緑地は,都市景観の向上のみならず,市民の休息,散策等に利用される本市の全国的にも大変ユニークな,貴重な自然的な遺産であるというふうな観点からこれまでも整備を進めてまいりました。これまでは主として国道2号より北側について整備をしてまいりましたけれども,今後は国道2号以南についても河川管理者と協議調整を図り,それそれの川の特性を考慮し,周辺の景観や橋梁のデザインなどとも調和した河岸緑地としての整備を積極的に進めてまいります。  以上です。 ○副議長(今田智君) 建設局長。 ◎建設局長(横山良三君) 都市美につきまして,まず橋のかけかえについて,これまでどのような取り組みをしてきたのかということでございますが,本市におきます橋梁整備は,戦後から昭和40年代にかけましてモータリゼーションの急速な発展に伴いまして,道路網の整備が急務とされていましたことから,経済性,機能性に重点が置かれ,大部分の橋が画一的な構造になっております。昭和50年代になりまして,ゆとりと潤い,伝統や文化の重視といった意識が芽生え,本市におきましても,機能性に加えまして,力学的構造美との均衡のある造形美を持った橋とか,河岸と調和し,地区のシンボル的な橋として万代橋だとか中島神崎橋の整備を行ってきたところであります。  その後,昭和57年度より広島市都市美委員会の提言を受けまして,総合的なデザイン検討を行い,まちと橋,橋と歴史等を表現いたしまして,個性豊かな文化的な遺産といたしまして整備を進めてきました橋として横川橋だとか,鶴見橋,御幸橋があります。  次に,今後,水の都整備構想を踏まえ,かけかえに当たってはどのように具体化していくのかということでございますが,これは,本年3月に策定されました水の都整備構想の中で,橋梁の整備方針といたしましては,一つは,水辺を美しくすることから,個性を持ち地域に調和した美しいデザインの橋の整備,もう一つは,水辺をつなぎ,安全,快適に歩行できる橋詰めでの歩行者動線の確保が提言されております。  今後の橋梁整備に当たりましては,周辺の景観や地域の歴史,文化との調和といったこれまでの施策に加えまして,この提言を積極的に取り入れることといたしまして,水辺と橋の景観を重視したデザインを採用するとともに,橋詰めでは橋下の空間を利用しまして,親水性を持たせた歩行者専用道路としての整備にも取り組むことといたしております。  既に事業に着手しております元安橋につきましては,これらを踏まえまして,平和都市の象徴となるよう被爆した親柱の再利用をし,また,さらには,旧橋の橋脚の使用しております石材も可能な限り再利用いたしまして,風格のあるデザインを採用することといたしております。  また,かけかえを予定いたしております駅前大橋につきましても,水の都整備構想に合ったユニークで人に親しまれ,その地域の目標となるような橋として整備いたしたいと考えておるとこでございます。  以上でございます。 ○副議長(今田智君) 下水道局長。 ◎下水道局長(赤司義臣君) 市街地中心部における浸水対策の今後の実施方針についてお答えします。  干田,江波処理区など整備済み市街地における浸水対策につきましては,これまで種々技術的な検討を行い,計画案を作成してきたところでありますが,まず干田処理区の計画案につきまして,河川,港湾,道路などの関係機関との協議を行い,これを終え,現在都市計画決定の手続を行っているところであります。引き続き事業化を図ることとしておりますが,これには財源の確保,事業実施に当たっての地元調整などの課題があります。  今後,国など関係機関との協議調整など課題解決に最大限努力し,早期着工を目指してまいりたい。  以上でございます。 ○副議長(今田智君) 20番浅尾宰正君。 ◆20番(浅尾宰正君) それぞれ前向きの御答弁をいただいたわけでございますが,ひとつよろしくお願いしたいと思います。  特に,下水道につきまして,これはもう再三の質問でございますし,都市計画を決定して来年度からは事業化したいということでありますので,早急にそういった事業化をよろしくお願いをいたしまして質問を終わります。 ○副議長(今田智君) 13番坂根喜三郎君。           〔13番坂根喜三郎君登壇〕(拍手) ◆13番(坂根喜三郎君) きょうの質問の最後ということでありまして,しばらくの間御清聴を願いたいと思います。  被爆から45周年,軍都から平和都市に生まれかわった広島は,一貫して核廃絶,平和を訴え続けてまいりました。だが,崇高なその理念は,東西の冷戦構造の大変革の前に新たな対応を迫られています。世界の核被害者救済など,広島は具体的な行動を問われ始めています。  足元では,被爆者の高齢化が進み,被爆建造物が次々と姿を消し,被爆体験の風化と平和行政の形骸化が同時進行する中,平和都市広島は何をなすべきか全世界から注目をされております。  私は,日本社会党市議団を代表しまして,荒木市政4期16年,政令指定都市移行後10年を振り返りながら,当面する諸課題について,残された市長の残任期間中どう対応されるのか所見を交えながら質問を申し上げます。  まず最初に,被爆者対策についてであります。  被爆45周年のことしの夏は,例年にない暑い日が続きました。そして,8月6日,広島は45回目の原爆の日を迎え,国内外の多数の方々の参加のもと,祈りも新たに平和記念式典が,全世界多数の方々の参加のもと平和記念式典が行われました。そして,全世界に核兵器の廃絶と世界恒久平和を訴えたところであります。また,原水禁を初め各種団体による世界大会も,広島・長崎を舞台に開催されたところであります。  そして,被爆45周年の重要なテーマは,言うまでもなく国家補償の精神に基づいた被爆者援護法の制定に向けた国民的機運を巻き起こすことでありました。そうした中で各界・各種団体を含めた1,000万人署名の取り組みも,その活動の一つであろうと思います。  こうした党派を超えた新しい動きは,高齢者となった被爆者にとって,被爆50周年はないとの悲痛な叫びと,もう待てないという被爆者の声を受けとめての,秋の臨時国会での援護法制定に向けたうねりの集約と思います。  今,世界では,核実験や原発事故,核兵器生産,ウラン採掘などによる世界の核被害者は,わかっているだけでも4,000万人に近いと言われております。こうした被爆者たちが,今広島に熱いまなざしを向けていますし,日本政府の対応を見守っています。  昨年の被爆44周年に続き,ことしも平和記念式典に内閣総理大臣が参列をされました。広島は,この機会をとらえて重要議題について要望されたところでありますが,依然として政府は被爆者の要求する国家補償の理念に基づいた援護法の制定に難色を示しています。その理由としては,一般戦災者との補償の均衡論や1980年の原爆被害者対策基本問題懇談会の答申,いわゆる原爆被害者受忍論でありますが,これを盾に否定的な見解をとり続けています。  被爆者が求めている国家補償とは,国家の行為によって生じた国民の損害について,国の責任で救済するということを意味していますし,本来一般戦災者に対しても,国の責任においてその被害を補償する責任があろうと思います。こうした責任をとることによって,二度と戦争は起こさない,再び被爆者を出さない,広島・長崎の惨禍を繰り返さない誓いでもあります。  今日まで市長は八者協などを通じて格段の努力を積み重ねてこられましたが,事態は大きく変わりつつあります。参議院1院ではありますが,援護法の立法通過という画期的な事実を迎えました。また,さきの衆議院選挙で援護法は賛成だと言われた候補者は,与野党を問わず多数に及んでいます。確かに八者協による努力も必要だとは思いますが,あわせて被爆地広島県選出の国会議員による議員立法も促進すべきではないかと思いますが,いかがでございましょうか,所見を伺います。  次に,国際交流と広島の責務についてお伺いをいたします。  広島市は,これまで人類史上初めての被爆体験を原点に,核兵器廃絶と世界恒久平和実現に向けての平和交流を中心に国際化への対応を進めてきましたが,今後ともアジア・太平洋地域を初め世界の諸都市と平和を基調にした多様な交流を進めるとともに,地域経済の国際化に対応しながら中国・四国地方の中枢都市としての地域の国際化を主導する世界に開かれた都市づくりを進め,このためにより多くの市民が豊かな国際性を身につけ,世界の人々との交流や異文化の理解を深めていくとともに,魅力と活力のある国際都市,外国人にとっても快適で活動しやすい都市,世界との多様な交流が生まれる都市の形成を目指すとの視点から本市の国際化が推進されているところであります。  そして,戦争の悲惨さ,核兵器の残忍さを全世界に訴え,その廃絶を求めるため,姉妹都市縁組も西ドイツのハノーバー市,ソ連のボルゴグラード市,アメリカのホノルル市,中国の重慶市の4都市と姉妹友好都市提携を結び交流を深めるとともに,国際的なコンベンションやイベント開催誘致に積極的に取り組まれているところであります。そして,現在はカナダのモントリオール市との縁組も日程に上がっております。  さらに,スポーツ交流も1980年に国際平和マラソンを皮切りにし,現在は各種大会交流など着実に増加して,一定の役割を果たしていると思います。  また,経済交流など1985年度からのハノーバー消費見本市開催など,毎年20数社に及ぶ出展があり,国際協力も進み,そして国際会議開催もふえ,昨年は80カ国3,000人規模の核戦争防止国際医師会議世界大会や27カ国1,500人規模の世界連帯都市市長会議など20件に達し,世界平和に貢献しているところであります。  しかし,こうした取り組みに対し,アジアの私費留学生などへの支援は他の政令市の取り組みから見て立ちおくれており,制度,施設整備を含め前向きに対応する必要があろうと思います。本市の今後の対応と考え方についてお伺いをいたします。  さらに,国際化とは,日本人にとって負の部分も抱え込むことや在日外国人の指紋押捺廃止問題などへの対応等前向きな姿勢が必要であります。  さらに,政治問題になりました韓国人原爆犠牲者慰霊碑の平和公園内移設の取り組みへの対応不足など,広島市の責任で解決する姿勢に欠けております。  いかがお考えになっていらっしゃいますか,所見を伺いたいと思います。  先般,ある地方紙にこんな記事が掲載をされていました。皆さんもこの記事を読まれましてどのように感じられたでありましょうか。「眠る姉妹協定書」──ことし5月ソ連カザフ共和国で開催された核実験禁止国際市民会議に市長代理で出席した河合護郎広島平和文化センター理事長が,ソ連の核実験場に近いセミパラチンスク市を訪れたときに託されたのがこの協定書と言われています。  この実験場では,少なくとも320回の核実験が40年間にわたって繰り返され,白血病,がん,先天性障害児の増加など,放射能被害の深刻な実態が明らかになってきました。こうした実態は予想以上に深刻な状態にあり,被爆都市広島に対し,専門医の治療,医療器具の不足など実験場周辺の住民から悲痛な叫び声が寄せられています。これに対し,河合理事長は,まず交流の積み重ねからと答えるのがやっとであったというように言っております。  このように,核兵器の恐怖は世界に広がり,一刻も早く核兵器の廃絶をしなければなりません。そのため,今世界の被害者は,人類最初の被爆都市広島への期待をますます高めております。  これに対し,竹下広島県知事の対応はまことに適切で,被爆地広島が被爆者医療の情報発信基地になるべしと発言をし,情報発信体制づくりの検討がスタートしました。しかし,本市の対応は,まさに他人事のような発言と責任のなさを見せつけられた思いがいたします。まことに遺憾なことでありますし,広島市に対する失望感が生まれたことと思います。この間の経過と内容について明らかにしていただきたいと思います。  全国で10番目の政令指定都市となり,大都市の仲間入りをしてことしで10年を迎えました。政令市になって最大の変化は,自前の財源が豊かになったことであります。当初移行時の1980年を100とした場合,1990年度は実に230.9%と,国の155.6%,あるいは地方財政計画の161.3%に比べて,はるかに大きな財政の伸びを示しています。  財政規模の拡大は,政令市移行に伴い,かつては県が行っていた仕事が市に移譲されたことや,さらには移行前は地方交付税の不交付団体であったものが移行に伴って交付基準が変わり交付団体に転化したことなど,大きな理由であったと思います。確かに自前の財源がふえるということは,それだけ自由な仕事ができるということで,職員の意欲向上にもつながったと思います。  しかし,歳出面の中身を見ますと,都市基盤整備のおくれに伴う土木費の突出が目立ち,高齢者や障害者,母子などいわゆる社会的弱者に対する民生費はジリ貧状態であり,とりわけ本年度はここ10年間で最低となっております。確かに,被爆で壊滅的打撃を受けた広島市にとっては,都市基盤整備に最重点を置くことも必要であったと思います。  そのため,この10年間には,国際会議場を初め各区の区民文化センターなど,いわゆる箱物と言われるさまざまな施設が立派に整備されました。だが,福祉・教育面など見るべきものが少ないように思います。  そこで,高齢者対策についてお伺いをいたしますが,我が国の平均寿命の歴史は,キリスト生誕当時はわずか20年だと言われております。明治の末期が40歳に,昭和初期に入って50歳となりまして,現在では飛躍的に延びて,女性が81.77歳,男性が75.91歳と世界一の長寿国となり,21世紀初めには国民の4人に1人が65歳以上の高齢者が主要な構成員となる本格的な高齢社会の到来が確実となってまいりました。  この高齢社会を真に豊かなものにするためには,高齢者の方々が家庭,地域,企業等社会の各分野において,これまで培ってきた豊かな経験と知識,技能を発揮し,生涯を健康で生きがいを持って過ごすことのできる社会づくりが大きなポイントとなります。特に,ひとり暮らし老人や夫婦二人世帯の増加等に見られる核家族化が進行した今日では,これまでとは違って積極的かつ計画的な高齢者対策を進めなければなりません。  本市におきましても,高齢者の社会参加を促進するための生きがい活動の拠点となる施設の整備や組織の育成等に努められていると思いますが,現状はどちらかと言えば,まだ高齢者の方々のみの活動にとどまり,社会全体に広がり支えるまでにはなっていない状況ではないかと思います。本市の対応と現況についてお伺いをしたいと思います。  次に,高齢者福祉についてお伺いをいたします。  昨年65歳以上が10万人を超えた本市では,2000年には約14万4,000人となると予想され,高齢化が確実に進展をいたします。  また,高齢化社会では,75歳以上の老人人口の増加に伴う寝たきりや痴呆性等の援護を要する高齢者の急増や家族の意識の変化に伴うひとり暮らしや高齢者夫婦の世帯が増加することが見込まれ,保健,医療,福祉のサービスの充実を図る施策が必要です。  このため本市では,1988年度から高齢者対策に本腰を入れ,高齢者対策長期指針を策定し,急ピッチでさまざまな在宅福祉のメニューを整え,施設もふやしておるところであります。特に在宅福祉の中でデイ・サービスセンターの整備は,特別養護老人ホームに併設し既に6カ所をオープン,さらに4カ所建設を計画中でありますが,国の高齢者福祉推進10か年戦略によるその目標値を人口の割合で試算した場合,広島市ではデイ・サービスセンターを67カ所,ホームヘルパーは現在の98人から673人にふやさなくてはなりません。本市の現在の水準を見ればはるかに遠い目標であり,これを達成するためには大変な努力が要ると思います。今後の対応についての所見をお伺いをいたします。  続いて,障害者福祉対策の充実についてお伺いをいたします。  1981年の国際障害者年を契機として,障害者の方々に対する理解が一段と深まり,福祉対策も年々着実な進展を見ております。  しかしながら,障害者の現況を見ますと,障害の重度化や複雑化に加え,高齢化が進み,障害者福祉施策の充実が要請されています。  こうした状況の中で──中にあって,障害者福祉対策を考える場合,障害のある方が住みなれた家庭や地域で生活をし,積極的に自立でき,社会参加していくための条件整備を行うことが必要であろうと思います。  我が党は,障害者の自立,就労対策の拡大強化や障害者が地域において生活していくための環境の整備などを求めてまいりましたが,今後の福祉需要がますます増大し,かつ多様化していく中で障害者福祉対策はどのような計画で何を重点に対処されるのか所見を伺います。  次に,都市基盤整備と市街地再開発についてお伺いをいたします。  豊かな市民生活の基盤である生活環境は,安全の確保に加え,快適性,健康性,利便性,文化性が確保されることが必要であります。現在,段原再開発を初め各種市街地再開発事業が計画をされ,精力的に取り組まれ,そして住環境の整備も進められていますが,特にアジア大会に向けての大型事業であるJR広島駅南口再開発事業は最重要課題であります。  特に,Aブロック再開発事業は過去からいろいろな問題があり,難航いたしております。我が党は,議会のたびに取り上げて質問申し上げておりますが,これからの計画はどうなるのでありましょうか。さらに,Bブロックも難航しているようでありますし,この内容と今後の方針を明らかにしていただきたいと思います。  また,この間,これまでに荒木市長はこの問題解決にどのような対応をされてきたのか,市長の所見を伺いたいと思います。
     さらに,現在計画中の再開発事業の経過について説明を求めます。  次に,道路・交通整備についてお伺いをします。  先月,広島都市圏の将来の総合交通計画が策定され,発表されました。これは,1987年度から実施された広島都市圏の交通動態調査,いわゆるパーソントリップに基づいて2010年を目標として策定されたもので,この結果をもとにこれから具体的な交通体系が計画整備されますが,基本方針として,機能に応じた体系的道路網の形成,高速性・定時性にすぐれた道路網の形成,放射・環状型道路網の形成,適正な公共交通機関の配置,高速性・定時性にすぐれた軌道系交通網の拡充等を基本として策定され,道路網の計画的な整備の必要,そして,既存の公共交通の有効活用などを中心に策定をされ,新たな軌道系交通機関の導入も提言されております。  この計画策定に当たっては,多くの労力と時間,そして多額の経費等を費やされ,大変な御苦労があったことと思います。関係者の方々に心から敬意を表したいと思います。  さて,このような経過を経て策定された計画が将来に向かって生かされなくては何にもなりません。  そこで,具体的にお伺いをいたしますが,この計画に基づいた将来の具体的な計画の策定時期,事業主体はどこが中心となって推進されるのでありましょうか。さらに,第1回のパーソンの結果と今回の調査までの推計についてどう総括をされ,これを生かされ参考にされたのか。今回の計画を推進する全体の総経費は幾ら必要なのか。また,面的な交通分野であるバス網の位置づけと将来計画はどのように考えていらっしゃるのか。さらに,現在交通懇話会の提言に基づいて設置された推進協議会での交通渋滞対策の内容についての所見をお伺いをいたします。  次に,新交通とアジア大会輸送についてお伺いをいたします。  1994年度に開催されるアジア大会に向け,メーン会場や関連する諸施設が急ピッチで整備されていますが,同時に開会初日の輸送対策も大変重要な課題であります。現在種々検討されていることと思いますが,その輸送計画の内容について明らかにしていただきたいと思います。  次に,新交通システムの延伸に伴う諸問題でありますが,さきの定例会で提案された延伸に伴う利用者数の推計,そして国への特許申請はいつごろで,さらには既存の交通業者との協議の内容とバス路線の再編成とフィーダーバスはどうなるのかお伺いをしておきたいと思います。  次に,道路整備と港湾整備についてであります。  広島の都市構造は,紙屋町・八丁堀を中心とした一点集中型の都市構造であり,朝夕の交通渋滞はますますひどくなっております。そのために本市では地域拠点を定め,多心型都市づくりが進められていますが,広島に転勤してこられる方々が一様に言われるのは,道路の整備が非常におくれていることを指摘されておられます。特に,広島市街地の中を通過交通が通るため交通公害が発生し,生活環境も悪化をさせています。  最近福岡市を訪れる機会があり,市内の道路網について関心を持って拝見をいたしましたが,高速道路と生活道路が計画的に整備をされていることに感心をした次第であります。他の政令指定都市で着実に整備されているのに,なぜ本市だけできないのでありましょうか。  そこで,伺いますが,観音の高架の延伸はどういう理由でできないのでありましょうか,昨年度からの経過と取り組みについて詳しい説明を求めておきます。  次に,南道路の宇品以西の都市計画決定とルート決定はいつごろになるのか,さらには現空港をどうされようとしておるのか,さらに,空港下の沈埋トンネルの取り組みは関係者とどのようになっているのか具体的な答弁を求めます。  次に,海岸部整備についてであります。  本市は,太田川のデルタに形成された水を生かしたまちづくりを進められていますが,何といっても瀬戸内海に浮かぶ美しい島々があり,これらの美しい素材を有効に生かしたまちづくりを進めるのには,宇品,出島,観音,五日市沖を有効に活用し,親水護岸を整備をし,さらに広島の海の玄関にふさわしい魅力のある景観の形成が必要であります。そのため港湾管理権が問題になります。  一昨年の議会特別委員会でも,まずこの港湾管理権の問題を優先をして解決するべしと提言し,報告がされています。その後,知事とのトップ交渉もないようでありますが,具体的にどのようになっているのか,今後の対応と整備計画について所見を伺います。  最後に,道路整備についてもう1点質問申し上げます。  長い間の懸案事業でありました佐伯区楽々園地区と五日市中央を結ぶ地下通路が,本市の努力によって完成をいたしました。この付近では以前から列車による死亡事故が多発していた場所であり,付近住民はこの完成を一様に喜んでおりますが,最近こんな看板が表示されております。「この地下通路は,歩行者及び自転車が通行するためのものであり,自転車は必ず降りて通行してください。なお,車いすや乳母車は勾配が急なため通行を御遠慮ください。」と表示をされております。一見車いすやお年寄り,いわゆる社会的弱者の方は通行するなともとれる表現であります。このような構造になったのは,土地の確保が難しくやむを得なかったことのようでありますが,しかし,最近は,このことについて付近住民やお年寄りの方々から多くの苦情が出ております。  車いすが自力通行可能な勾配は8%と言われておりますが,この場所は25%の勾配となっております。本市の目指す福祉基準に従ってのまちづくり,これから考えまして理解に苦しむわけであります。何らかの改善策が必要ではないかというように私は思いますが,いかがお考えでありましょうか。  さらに,今後この種の事業が数々実施されることと思いますが,これらの事例を教訓に対応されるよう意見を申し上げておきたいと思います。  以上,荒木市政4期16年,政令市10年を振り返り,これまでさまざまな問題について長い経験を持って市政運営に携わってこられました市長の任期も余すところ5カ月余と残り少なくなってまいりました。その間,おくれている都市基盤整備を中心にしながらまちづくりに努められ,さらには被爆都市広島の責務として核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け,世界連帯都市市長会議の開催などに努めてこられました半面,被爆の証人である被爆建造物の取り壊しや政令市で本市のみが公共料金に消費税を全面的に転嫁されるなど,市民の立場に立った行政運営に欠けていたように思います。いわゆる中央政府追従の行政姿勢であったように思われます。こうしたさまざまな問題を振り返りながら私の質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(今田智君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) 坂根議員の質問の中で,被爆者対策について御答弁を申し上げます。  本市といたしましては,かねてより広島・長崎両県・市の知事,市長,議長で構成する広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会を中心に,現行の原爆二法の再検討を含め国家補償の精神に基づく被爆者及び遺家族の実態に即した画期的な援護対策の確立を期して,政府,国会等の関係者に対し,強力な陳情活動を行っているところでございます。  本年度は,原爆死没者に対する弔意表明,所得制限の撤廃,介護手当の改善等被爆者に対する諸手当支給制度等の拡充強化などを重点的に,去る7月12日,13日に本市主要事業の国要望と八者協議会による陳情を行い,また,8月6日には海部総理大臣に対し,知事,市長,県会議長,市会議長による陳情を行ったところでございます。  海部総理は,本年8月6日の平和記念式典出席後において,原爆死没者に対する弔意表明及び現行原爆二法の拡充強化について,年末の予算編成の段階で結論を出すよう,現在厚生省,自由民主党原爆被爆者対策小委員会で検討さしており,地元被爆者等の理解と共感が得られるようなものを出したいと表明されました。  また,8月24日には,厚生省の平成3年度予算概算要求が発表され,その内容は,諸手当については所得制限の撤廃,または一部撤廃にあわせ健康管理手当の更新手続の簡素化等,実質的な年金化を目指したものとなっており,被爆者年金制度に一歩近づいたものであること,また,介護手当の増額及び支給対象の拡大等,高齢化する被爆者の実態に即したものであることなど,八者協議会等の要望を踏まえたものとなっておりますが,被爆者及び遺家族が最も望んでいた弔意措置については年末まで結論が持ち越されております。  これらを受けて,本市としては,まず10月に八者協議会の要望を行い,年末の国家予算編成──編成期での決着に向け,最大限の努力を行う所存でございます。  なお,御提案の議員立法については,従来から現行原爆二法の見直しと野党提案の被爆者援護法案との妥協点の見出しが図られるよう積極的に働きかけてきたところであり,今後とも画期的な被爆者援護対策が確立されるよう要望活動をさらに一層進めてまいる所存でございます。  高齢化対策については,私の方からお答えいたします。  今や我が国は人生80年の時代を迎えており,定年退職後や子育て終了後の長い期間をいかに健康で充実したものにするかが大きな課題となっております。このため本市では高齢者の活動の拠点として中央老人福祉センターを初め社会福祉センター,区民文化センター,区スポーツセンター,公民館,地区集会所などの施設を設置しており,広く世代間の交流促進を含めて高齢者の社会参加促進を図っているところでございます。  また,高齢者の文化,教養,スポーツや余暇活動の振興を図るとともに,シルバー人材センターや高齢者能力開発情報センターを設置して,就業を通じた生きがいの充実を図っているものであります。来るべき高齢化社会を生き生きとしたものとするためには,高齢者自身はもとよりだれもが世代を超えて社会を支えていくことが必要であり,今後ともその条件整備に努めてまいりたいと考えております。  次に,国の高齢者保健福祉推進10か年戦略への本市の対応についてでありますが,今後の急速な高齢化に対応し,高齢者が地域で安心して生活していけるよう国において昨年12月に策定された高齢者保健福祉推進10か年戦略,いわゆるゴールドプランにおいて,高齢者の保健,福祉両面にわたる総合的かつ大幅な拡充を図る目標が示されたところでございます。今後の保健・福祉サービスの拡充を的確に実現していくためには,住民に最も身近な行政主体である市町村が地域のニーズをきめ細かくとらえながら施設,在宅を通じたサービスの実施主体として,その拡充に積極的かつ計画的に取り組む必要があると考えております。  本市においても,21世紀までの約10年間を本格的な高齢化社会にふさわしい基盤づくりのための大切な準備期間であるとの認識のもとに,今世紀中に達成すべき保健・福祉サービスの目標を設定しながら計画的にサービス水準の向上に努めてまいりたいと思います。  以上。 ○副議長(今田智君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 国際交流と広島の責務について3点御答弁申し上げます。  まず,アジアからの留学生対策でございますが,広島地域の外国人留学生は,平成2年5月1日現在,広島大学等八つの大学で47カ国492名の方が学んでおりまして,そのうち約6割に当たる281人が,いわゆる私費留学生でございます。また,この大半は御指摘のようにアジア地域からの留学生でございます。  こうした私費留学生の支援につきましては,大学,県,市,あるいは民間交流団体などで構成をする広島地域留学生交流推進会議におきまして,留学生が抱えるいろんな問題について協議を重ね,おのおのが役割分担をしながら住宅問題やあるいは奨学金の支給,文化施設の開放,あるいは自転車の提供,国民健康保険料の助成等種々の事業を実施し,またその充実に努めているところでございます。  本市としましても,昭和63年4月から国際交流協会によりまして広島奨学金の支給,これ,月額2万円でございますが──を開始し,その後,受給希望者の増加に対応するために,平成元年度は1億円を広島留学生基金へ出捐をしたところでございます。  また,昨年7月には,留学生を含む在広・来広外国人への情報提供あるいは各種相談のための施設として国際会議場に国際交流ラウンジを整備したほか,交流のための施設としては平成3年1月に開館予定の国際青年会館を整備中でございます。  また,宿舎の整備については,広島大学の東広島市への移転に伴い,東広島市内に県の住宅供給公社と東広島市によりまして国際交流会館が整備をされることとなっております。本市としては,本市内に居住する留学生の動向を見ながら前向きに対処してまいりたいというふうに考えております。  次に,韓国人原爆犠牲者慰霊碑の問題でございますが,韓国・朝鮮人原爆犠牲者慰霊碑の建立問題につきましては,去る5月の18日に,平和記念公園内に朝鮮半島の方々の原爆犠牲者すべての霊を祭る碑を建設することが望ましいとの居留民団及び朝鮮総連と合意したことに基づきまして,広島市民有志によりまして韓国・朝鮮人原爆犠牲者慰霊碑建立準備委員会が発足をいたしました。以後,この準備委員会及び市,居留民団,朝鮮総連,4者において協議調整を行ってきたところでございますが,碑文について合意に至らず,当初の目標でございました8月6日までの建立が不調に終わっております。  今後の取り組みはどうかということでございますが,居留民団,朝鮮総連とも統一碑と申しますか,単一の碑の実現を強く望んでおりまして,引き続き関係者の調整を図ってまいりたいというふうに考えております。  一方,さきにソウルでは第1回の南北首相会談が開催され,南北両政府代表団が政治・軍事的対決状態の解消と多角的な交流・協力を議題にした歴史的な協議が行われております。  こうした朝鮮半島における緊張緩和の動きを背景に,居留民団,朝鮮総連両団体と今後とも粘り強く合意形成に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。  3点目としまして,ソビエトのセミパラチンスク市からの姉妹都市提携の申し出の経過と対応という御質問でございます。  ことしの5月の24日から27日までソ連のカザフ共和国アルマアタ市及びセミパラチンスク市において核実験禁止国際市民会議がネバダ/セミパラチンスク運動及び核戦争防止国際医師会議の主催によって開催をされております。この会議に本市代表団として平和文化センターの理事長等を派遣をした際に,セミパラチンスク市長から,1点目として,核のない世界のために闘い,原水爆兵器実験を禁止し,純粋な環境のために闘うこと,2点目として公衆衛生,科学,文化及びスポーツ管理の分野における両市間の友好関係の促進を行い,これらの目的のために代表団交換を計画すること,3点目として,消費財生産のための共同企業を創設することを企画すること,こうした三つの事柄を内容とする本市との姉妹都市提携の申し出が唐突になされたわけでございます。  この申し出に対して,本市としては,世界平和連帯都市推進計画について賛同を求めるとともに,都市連帯としての交流を提唱,提案しているところでございます。  なお,姉妹都市提携については,それに至るまでに両市間の幅広い交流の積み重ねが必要であるということを御理解いただきたいと思います。  以上でございます。 ○副議長(今田智君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(樋渡敬宇君) 道路交通対策につきまして2点お答えいたします。  まず,アジア競技大会の開会式時の輸送計画の内容についての御質問でございますが,この開会式には選手・役員を初めとする大会関係者,そして観客約7万2,000人が参加するものというふうに見込んでおります。  これらの人々の輸送方法につきましてですが,選手・役員の7,000人という見込みがありますけれども,これについては選手村を広域公園に隣接して設置することといたしておりますので,その選手村から開会式の会場までは徒歩によるということにいたしたいと考えております。  したがいまして,選手・役員を除きました6万5,000人がいわゆる交通機関による輸送対象者ということになるわけでございますが,このうちアジアオリンピック評議会の関係者,報道関係者,それからマスゲームの出演者など1万5,000人につきましては,原則として広島アジア競技大会組織委員会が用意するバス,これによりまして輸送し,残りの観客と大会運営要員など5万人につきましては,新交通システム等の一般の公共輸送機関による輸送を基本に考えております。  こうした輸送を円滑に行うため,組織委員会の中に警備輸送専門委員会を設置いたしまして,種々そこで検討を行っているところでありまして,現段階のまとめといたしましては,輸送が特定の時間帯に集中しないように輸送対象者ごとに会場への入場時間帯を決めるなどいたしまして,時間差による段階的な輸送を行うということ,それから,新交通システムとかJRの山陽本線など軌道系の公共輸送機関,これを有効活用するとともに,商工センター地区から会場まで直通のバス,いわゆるシャトルバスを運行させること,さらには観客の自家用車による来場をできるだけ制限をいたしまして,それでもやむを得ず自家用車を利用する方々に対しましては,シャトルバスへの乗り継ぎのための駐車場を確保するということなどを輸送対策の大綱として取りまとめたところでございます。  円滑な輸送を確保するということは,アジア競技大会を成功させるための重要課題の一つというふうに認識しておりまして,今後警備輸送専門委員会におきまして,さらに具体的に検討を行いまして,万全の対策を講じてまいりたいと思っております。  次に,現空港をどうするのかとの御質問がありましたが,最近の経過を含めましてお答えをさしていただきたいと思います。  御案内のとおり,航空需要というのは年々増大しておりまして,現空港の利用者は平成元年度には約180万人,年間でございますが,そういう数に上っております。こうした航空需要の増大に対処するため,これまで空港周辺の住民の方々の御理解と御協力を得ながら増便,路線の拡充あるいは大型機種の導入等現空港の有効活用を図ってきたところでございまして,去る7月にはかねてから県,商工会議所とともに要望してまいりました広島─東京線の1便増と日本航空の参入によります3社運航体制,いわゆるトリプルトラック化が実現いたしました。  また,8月末には,日韓航空交渉で広島─ソウルの国際定期航空路線の開設が合意されたところでございます。  一方,新空港にっきましては,昭和63年11月の着工以来滑走路の用地造成工事等が進められておりまして,平成5年12月に予定どおり開港するよう国に働きかけているところであります。  さらに,本格的な国際航空需要に対応するため,滑走路を2,500メートルから3,000メートルに延長するための要望についても,あわせて国に対して行っているところでございます。  こうした状況の中で,これまでも御答弁してまいりましたように,新空港のより一層の整備充実を図るとともに,現空港につきましては,今後とも増大する航空需要に対処するため,引き続き空港周辺の住民の方々の御理解と御協力を得ながらその有効活用を図っていく所存でございますので,御理解を賜りたいと思います。  なお,新空港の建設後も現空港についてその存続を望む声が各方面から出ていることは十分承知しておりますが,周辺住民の方々とのこれまでの経緯もありまして,今後市民の広範な議論を踏まえて対処していく必要があると,このように考えております。  以上でございます。 ○副議長(今田智君) 総務局長。 ◎総務局長(村上健君) 在日外国人の指紋押捺廃止問題への対応について御答弁申し上げます。  在日外国人の指紋押捺廃止問題につきましては,かねてから機会あるごとに外国人登録事務協議会連合会や市長会を通じ,また政令指定都市の市長が共同して,国に指紋押捺制度の廃止を要望しているところでございます。  こうしたことを踏まえまして,昭和57年10月には切りかえ申請期間が3年から5年に延長あるいは登録証の携帯義務年齢が14歳から16歳に引き上げるなど改正もあり,また,昭和63年6月には指紋押捺制度が改正されその結果,1回の押捺で切りかえ交付申請などの際の再度の押捺は不要となったところでございます。  しかしながら,在日外国人の負担は,これらの措置により一部軽減されたものの,いまだ抜本的な改正とはなっておりません。  今後とも外国人登録事務協議会,全国市長会を通じ,また,政令指定都市の市長が共同して押捺制度の廃止等について積極的に国に働きかけていく所存でございます。 ○副議長(今田智君) 民生局長。 ◎民生局長(堀部尚雄君) 障害者の問題につきましてお答えをいたします。  最近,障害者が著しく増加をする中で,御指摘のような障害の複雑化であるとか重度化,障害者の高齢化といった傾向が進んでおるわけでございまして,障害者をめぐる諸問題は,教育・育成,雇用・就労,所得保障,福祉サービス,生活環境,保健・医療といった広範かつ多岐にわたってきているわけでございます。  こうしたことから,本市におきましても,これらの福祉ニーズに対応した施策を総合的に推進していくために,昭和61年に障害者福祉計画を策定をいたしまして,これまで種々の施策を実施をしてきているところでございます。  中でも,特にここ数年のことでございますが,重度障害者雇用モデル企業の設立,精神薄弱者職業自立訓練事業,障害者デイ・サービスセンターの設置,障害者の緊急一時保護の拡充,重度障害者の入浴サービス,あんしん電話の設置,また,中途失明者の歩行訓練事業でありますとか,車いす用リフトつきタクシーの整備でございますとか,そのような障害者のための雇用・就労対策でありますとか,在宅対策,それから社会参加促進対策等につきまして積極的に進めてきたところでございますが,今後ともこの障害者の対策につきましては,引き続き障害者の自立に重点を置いた施策を前向きに進めていきたいと,このように考えております。 ○副議長(今田智君) 衛生局長。 ◎衛生局長(矢野周作君) 県におきます放射線被爆者医療に関する国際協力につきまして,その経過及び内容につきお答え申し上げます。  本市といたしましては,従来から在北米被爆者検診,在韓・在北米及び在南米被爆者渡日治療を実施するなどの国際協力を行ってきておるところでございますが,これをさらに推進するため,ことしの平和宣言におきましては,外国人被爆者援護のための協力,国際的な平和研究機関の設立推進につきまして表明をしてきたところでございます。  一方,県におきましては,6月の議会におきまして,被爆者医療について各研究機関が蓄積しているデータや情報を国内外へ提供する体制づくりに取り組むという方針が知事から明らかにされたところでございます。  この県提案の放射線被曝者の医療と国際協力に関する検討委員会の設置につきましては,県,市,放影研等11の関係機関から成ります準備会が9月9日に開催され,10月8日に正式な検討委員会を設置することが決定されたところでございます。  で,この検討委員会におきましては,広島が持つ被爆者治療に関する長年の実績及び調査研究の成果を有効に活用していくためにはどのような国際協力体制が望ましいのか等につきまして具体的に検討する予定でございます。  いずれにいたしましても,これらのことを検討してまいりますためには,国,県,市の各行政レベルでの役割分担をどのようにしていくかとか,各機関におきます連携強化の推進,さらには世界保健機関などの国際機関との協力,連携をどのようにしていくかといったような問題がございますので,今後県と十分に連携をとりまして協議検討を進めてまいりたいと,このように考えております。 ○副議長(今田智君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(佐伯邦昭君) 市街地再開発事業について六つの地区の現況等についてお答えいたします。  まず,広島駅南口Aブロックの再開発事業につきましては,脱退した二人の地権者の説得に努めているところでございますが,この間,地区内の経済的地盤沈下が進行していることから,準備組合においては,本年2月の理事会において二人の地権者に対する説得を続けながらも,あわせて事業計画の変更について具体的検討を行うこととされました。その後,理事会や部会におきまして,土地の評価,補償基準の策定等を行っているところでありますが,大多数の権利者においては,早期に事業を着手するためには縮小案もやむを得ないとする意向が強い状況にございます。  このため,本市としましても,二人の説得は極めて困難な状況にあること,多数の権利者の生活再建を放置することもできないこと,また,近年の土地価格や建築費の高騰により事業採算が厳しくなっていること等の理由から,事業計画を変更し,早期の事業化を図ることもやむを得ないものと考えております。  Bブロックの再開発事業につきましては,Aブロックと同様に土地価格や建設費の高騰,金利水準の上昇など事業を取り巻く状況が大変悪化してきたことから,事業計画案の見直しをせざるを得なくなり,昨年12月から権利者間での協議が進められてまいりました。準備組合では,これをもとにしまして,この9月中旬から再度権利者のヒアリングを行い,あわせて法定組合設立に向けての同意書を取得することとしております。  次に,金座街地区の再開発事業でございますが,昭和49年に都市計画決定をして,大変長引いておる事業でございますけれども,ここにつきましては大多数の権利者から組合設立の同意が得られましたことから,今月末には総会を開き,組合設立申請を行うことで諸準備を進めておられるところであります。南区の西荒神地区につきましては,ここも大多数の権利者の同意のもとに現在都市計画決定の手続を行っております。あわせてまちづくり協議会が本組合設立に向けまして個別の権利者のヒアリングを行うなど事業の推進を図っておられます。  市役所の西庁舎のところの大手町四丁目1番地区につきましては,昨年12月に土地信託受託予定者を選定いたしまして,事業の推進を図っているとこでございますが,現在やはり金利の高騰等経済環境の変化に対応するよう事業計画の見直しを行っております。  最後に,佐伯区の五日市駅北口の再開発事業につきましては,61年10月にデベロッパーを導入し,未同意権利者に対しまして事業参加の協力要請を行っておりますが,なかなか理解を得ることが難しい状況にあります。準備組合では今後も引き続き協力要請を行われますけれども,市としてもこれを支援してまいりたいと考えております。  以上です。 ○副議長(今田智君) 建設局長。 ◎建設局長(横山良三君) 道路交通対策につきまして15点ばかりの御質問がございました。順次お答えいたします。  広島都市圏総合交通体系調査の結果に基づき,今後具体的な計画の策定,事業主体はどこが中心になって行うのかということでございますが,広島都市圏の都市交通環境の変化に対応いたすために,建設省,広島県及び本市が主体となりまして広島都市圏交通計画協議会を組織いたしまして,昭和62年度から平成元年度までの3カ年かけまして,広島都市圏総合交通体系調査を実施いたしまして,おおむね20年後の平成22年を目標年次といたします総合計画をまとめ,ことしの7月に結果を発表したところでございます。  まず,道路網計画についてでございますが,将来の道路網計画につきましては,実現可能性の高い道路網を提案することに主眼を置きまして,高規格幹線道路に加え主要幹線道路として放射・環状型の道路網を位置づけましたほか,幹線道路網とあわせ体系的な道路網の形成を図ることとしております。特に,環状型道路網と各広域拠点を連絡いたします放射道路につきましては,高速性・定時性にすぐれ,信頼性の高い道路網とする必要があるといたしております。
     これらの道路網の各路線につきましては,国,県,市がそれぞれの役割に応じ,検討することといたしておりまして,今後国,県,市,道路公団で構成いたします広島周辺幹線道路網整備連絡協議会におきまして,関係機関と連絡,調整を図りながら具体的な整備計画を策定し,提示されました道路網の早期実現化を図ってまいりたいと考えております。  また,放射・環状型道路網の位置づけられた既存道路の機能強化につきましては,主要な交差点の立体化を含めた各種の方策について検討いたしていくことにいたしております。  次に,公共交通網計画についてでございますが,公共交通網計画につきましては,現在の既定計画として事業を進めております本通から広島西部丘陵都市までの新交通システムの建設に加えまして,平成22年を目標に3路線が提案されておるわけでございますが,一つは,デルタ地区の東西の玄関口であります広島駅,それから西広島駅と都心を結びデルタ地区内の公共交通機関網の主軸を形成する路線,それからもう一つは,宇品メッセ・コンベンション,宇品再開発地区と都心を結ぶ路線,それからもう一つは,広島西部丘陵都市と都心を結ぶ路線,この3路線が新たに軌道系交通機関の導入の方向が示されております。  本市におきましては,この方向性に基づきまして,今年度よりおおむね2カ年かけまして,学識経験者,既存交通事業者,建設省,運輸省等関係行政機関等で組織いたします委員会を設置しまして,この委員会におきまして導入ルートの絞り込みだとか構造検討,採用すべき機種,事業主体,事業としての採算性,既存交通機関との機能分担のあり方等につきまして,総合的に調査検討を行っていただき,21世紀に通用する本市の公共交通施設整備の長期計画を固めてまいりたいと考えております。  次に,第1回のPT調査の結果と今回の調査までの推計についてどう総括し,参考にしたのかということでございますが,第1回のパーソントリップ調査は昭和60年を目標といたしまして,対象圏域としましては,北は当時の佐東町,それから西は廿日市町,東は瀬野川町までの区域約410平方キロをとらえまして昭和42年から実施したものであります。  この調査の結果,環状型の都市高速道路網といたしまして高速1号,高速2号,高速3号,さらに放射状高速道路といたしまして高速4号,5号,6号,さらに湾岸道路ということで高速7号線というのが提案されました。さらに,公共交通機関といたしましては,地下鉄鯉城線,東西線の2路線などの構想が提案されたところでございます。  しかしながら,その後石油危機が起こりまして景気が停滞し始めますとともに,環境問題がクローズアップされるなど社会情勢の変化等によりまして,構想路線の事業化が極めて困難となったわけでございます。また,本市周辺の市街化が予想を上回る早さで進展しましたことが,提案された構想の実現性をさらに困難にいたしたわけでございます。  その後,道路網につきましては,昭和53年度から翌年度にかけまして実施しましたパーソントリップ調査で修正をいたしまして,これに基づきまして祇園新道,これは高速1号と3号線の一部になります。それから草津沼田道路,これは高速4号線でございましたが,さらに安芸府中道路,これは高速6号でございますが,などをそれぞれの機関において整備を進めてきたところでございます。  また,公共交通機関につきましては,周辺町の合併による市域の拡大と急激な宅地開発によりまして北西部地区の深刻な交通問題に対応するため,新交通システムの整備を進めているところであります。  今回のパーソントリップ調査をもとにしました総合交通計画は,市街地の急速な進展を考慮いたしまして,対象圏域を第1回の3.5倍に当たります5市5町の約1,440平方キロに拡大いたしまして,広域交通施設の整備などによります交通環境の変化,また,西部丘陵都市を初めとします各種大規模プロジェクトの進展等を十分に踏まえたものとなっておりまして,実現性の高い路線網計画及び公共交通網計画であると考えております。  また次に,今回の計画を推進する総経費は幾らかということでございますが,総合交通計画で示されました交通施設の総事業費でありますが,道路網計画につきましては,広島南道路,東広島バイパス,広島沼田道路,府中仁保道路等の主要幹線道路網と,それから公共交通網計画につきましては,西部丘陵までの延伸区間を含めます新交通の既定計画,さらに,新規軌道系の提案路線を含めまして,合わせて概算約1兆円を超える事業費が見込まれております。  それから,総合交通計画の中で,バス網の位置づけと将来計画はどう考えているかということでございます。  今回の広島都市圏総合都市交通体系調査の中でのバスについてでございますが,軌道系交通機関にないその機動力を生かしまして,都市圏内の骨格を形成いたします軌道系交通機関との連携を図り,より細かいサービスを提供するとともに,軌道系交通機関のサービスが十分でない地域での幹線交通機関としての役割を果たす機関として位置づけております。  その整備方針といたしましては,路線バスについては西部丘陵都市などの大規模都市開発が行われるところにつきましては新たな路線を新設し,軌道系公共交通機関との連携を図る一方,既存のバスにつきましても,運行回数の増加,軌道系公共交通機関との機能分担を図るためのバス路線の再編整備,乗り継ぎターミナル等の整備によるサービスレベルの向上を図る必要があるとしております。  本市としては,さきにも述べました長期計画の策定の中で,これらの諸対策について具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。  次に,広島市交通対策懇話会の提言に基づいて設置されました広島市交通渋滞対策推進協議会での交通渋滞対策の内容についてでございますが,広島都市圏におきましては,急速な都市化の進展,マイカーの普及等によりまして,通勤通学時を中心として慢性的な交通渋滞が発生し,市民生活及び経済活動に大きな影響を及ぼしております。  こうした状況の中で,当面の交通渋滞対策を検討していただくことを目的に,昭和61年6月,広島市交通対策懇話会を設置し,平成元年3月30日に提言をいただいたところであります。  この提言におきましては,一つ,道路の整備,二つ目としまして公共交通機関のサービス水準の向上,三つ目としましてマイカーから公共交通機関への乗りかえ等の意識啓発の対策を総合的,計画的に推進すること,及び諸対策の推進母体といたしまして,広島市交通渋滞対策推進協議会を設置することが提言されております。  本市におきましては,この提言に基づきまして,平成元年11月21日に学識経験者,交通事業関係者,市民代表及び経済界代表,関係行政機関の職員の合計23名の委員で構成いたします広島市交通渋滞対策推進協議会を設置したところであります。  当推進協議会におきましては,広島市交通対策懇話会提言の趣旨を踏まえまして,一つは,交通渋滞対策実行計画の調整,取りまとめ,二つ目といたしまして各関係機関への交通渋滞諸対策の推進の要望,三つ目としまして交通渋滞対策に対する市民の意識啓発などを実施することとしておるところでございます。  本年度におきましては,4月に他都市調査を,また,7月に各関係機関に対し,時差出勤などの交通渋滞の諸対策の推進について要望を行ったところでありまして,今後とも交通実態情報の収集,また,方面別交通渋滞緩和対策の検討等を行うことといたしております。  次に,延伸に伴う利用者数──新交通の延伸に伴う利用者数はどう推計したのかということでございます。  広島新交通システムの西部丘陵都市沿線にかかわります──延伸にかかわります利用者数予測は,昭和62年度に実施いたしました広島都市圏パーソントリップ実態調査に基づくデータをもとにいたしまして,将来の人口予測,道路整備時期などの交通条件等を前提条件といたしまして,交通工学上最も標準的な予測手法であります4段階推計法を用いて行ったものであります。  新交通システムにおきましては,既定区間,延伸区間を含めた一つの路線となりますことから,この全体の18.4キロの利用者数を推計する必要がありますので,開業時の平成6年におきましては,全線で1日当たり7万1,600人の利用者数を推計したものであります。このうち延伸区間にかかわります利用者数としましては,1万と700人となりますが,延伸に伴います純増分の利用者数は5,900人でございまして,その差4,800人は既定区間で既に利用者数として推計いたしておったものでございます。  次に,国への特許申請はいつごろ行うのかということでございますが,新交通システムの延伸区間につきましては,新たに軌道法による特許を取得する必要があるため,議会でも申し上げましたように,8月末の特許申請をめどに許認可庁であります運輸省,建設省と鋭意協議を進めてきたところではありますが,ようやく特許申請が行われるめどが立ったものであります。  なお,特許申請に当たっては,既存バス事業者の基本合意を得る必要もございまして,積極的に調整を現在進めているところでありまして,調整が整い次第,特許申請を行うことといたしております。  それから,新交通システムの延伸に伴います既存の交通事業者との協議の内容でございますが,本通から長楽寺までの新交通システムの導入に当たりましても,中国地方交通審議会の答申に基づきまして,既存交通事業者との共存共栄を図るため,事業規模縮小に伴う影響対策について協議調整を行い,基本合意を得ております。新交通システムの西部丘陵都市への延伸に当たっても,この中国地方交通審議会の答申を基本といたしまして,既定計画における既存交通事業者との合意内容に準じまして,一つは減収減益に対する措置,それから,余剰車両,余剰施設に対します措置,それから余剰人員に対します措置及び事業規模確保のための必要な代替事業のあっせん等の措置を講じるほか,公共交通機関の近代化の推進,総合的な交通施策の推進等を図ることといたしまして,既存交通事業者と協議を進めているところであります。特許申請までには基本合意を得ることといたしております。  それから,新交通システムの延伸に伴いますバス路線の再編整備の考え方でございますが,新交通システムの導入に当たりまして,新交通システムとバスとの効率的な機能分担を図るため,中国地方交通審議会の答申におきまして,新交通システムを市北西部と市中心部とを結ぶ基幹的な交通機関として位置づけ,そのフィーダーサービスの機能はバスが担うという考え方を基本としまして,バス路線の再編整備を行うという基本方針が示されております。  既定計画と同様,新交通システムの延伸に伴うバス路線の再編につきましても,この方針に沿いまして久地・沼田からの安川流域を運行するバス路線の再編整備を行う考えであります。再編整備計画は,既定区間及び延伸区間について,ことし10月に実施いたしますバスOD調査等に基づきまして,需要動向を見定めながらバス事業者,中国運輸局と協議調整を行いまして,新交通システム開業2年前をめどに策定することといたしております。  次に,観音高架の問題でございますが,国道2号高架延伸につきましては,広島都市圏の交通処理対策の一環として非常に重要であると認識いたしております。  しかしながら,整備するに当たりましては,地元住民の協力なしには進めることはできないと考えております。これまで地元住民に対し,協力要請を積極的に行ってきたところではありまして,昨年度から今年度にかけまして,観音地区の高架道路沿線の方々と数回にわたり協議を進めてまいったわけでございますが,高架道路による環境悪化と商業機能の低下を理由に強い反対があり,いまだに御理解を得るに至っていない状況でございます。  今後地元の理解を得ますために,周辺の環境に配慮した道路構造の検討を,道路管理者であります建設省にお願いするとともに,本市としましても地域の商業振興策を検討するなど対応策を講じ,引き続いて協力要請を働きかける所存でございます。  次は,南道路の宇品以西の都市計画決定とルート決定はいつごろになるのかということでございます。  広島南道路は,安芸郡海田町から廿日市市に至ります延長23.2キロメートルの主要幹線道路であります。そのうち安芸郡海田町から南区宇品までの区間の8.4キロメートルにつきましては,昭和63年11月に都市計画決定したところであります。残る宇品以西の区間につきましては,平成2年度中には全線を同時に都市計画決定することをめどに,国,県,市,公団で構成いたします広島周辺幹線道路網整備連絡協議会におきましてルート案等について調整を進めるとともに,これと並行いたしまして港湾管理者,河川管理者の関係機関と協議調整に努力しているところでありますが,港湾管理者との施設協議に日時を要しておりまして,これらの協議が調い次第,都市計画決定を行いたいと考えております。  次に,沈埋トンネルの取り組みはどのようになっているのかということでございますが,観音井口線は臨海部埋立地と都心部を連絡します東西方向の幹線道路といたしまして,昭和49年12月に現在の位置に地下式構造として都市計画決定されたものでございます。  未整備であります太田川放水路渡河部につきましては,西部方面の交通渋滞の実情や今後増大することが予想されます交通需要等を勘案しますと,抜本的な対策として早急に整備を図る必要があると考えておりまして,事業化に向けまして昨年度は地下式構造のうち最適であります沈埋工法について検討を行い,河川管理者,空港管理者と協議調整を行ってきたところではあります。  しかしながら,河川区域内におきます沈埋工法の施行事例が少ないため,河川管理上の問題につきまして引き続き検討をする必要があることから,今年度は河床の変動調査,河川の流速調査等の諸調査を行うとともに,より詳細な施行方法及び構造について検討を行っております。これらの調査結果に基づきまして河川管理者と協議調整を進め,早期事業化に向けて努力してまいりたいと思います。  次に,港湾管理権の問題でございます。  次に,港湾管理権の問題でございますが,議員御指摘のとおり,昨年の6月市議会におきまして,広島港湾総合開発調査特別委員会からの報告の中で,港湾管理権については一部事務組合方式を前提として諸問題について検討するとともに,新しい情勢を切り開いていくための取り組みを積極的に進めることが必要であるという提言がなされております。  本市としましても,広島港の区域が2市2町にまたがっている状況のもとでは,広島港の管理形態としては一部事務組合方式を前提に検討しなければならないと考えておりますが,この方式は,一つは広島県及び1市2町の同意,さらに,現在の港湾管理者が有しております資産の譲渡等に伴う財政負担などの問題を抱えておりまして,今後ともこれらの問題を中心に関係機関と協議を行っていく考えでございます。  また一方,こうした状況の中で当面港湾の運営につきましても,港湾の実態を踏まえまして,本市の主体的な意見を反映させ,円滑な港湾行政を展開する港湾計画の改定や事業実施などの段階におきまして,その都度港湾管理者との協議調整を重ねるとともに,港湾担当の組織の強化や港湾行政にかかわりますノーハウの蓄積などに努めているところであります。  次に,親水性豊かな魅力のある港湾の整備計画についてでございますが,議員御指摘のとおり,瀬戸内海は国内外に誇り得る貴重な資源でありまして,そのすぐれた自然環境の積極的な保全に努めるとともに,これを活用し,魅力的で活力のある地域環境を創出していく必要があると認識いたしております。  このため,昨年5月に策定いたしました第3次広島市基本計画におきましても,港湾機能や国際交流機能の整備に加え,市民に開かれた美しい魅力ある水際空間の整備などを盛り込んでいるところであります。御案内のとおり既に五日市町沖の地区におきましては,運動公園や緑地,野鳥園,人工干潟等の整備を進めているところでありまして,昨年9月に改定されました広島港港湾計画におきましても,一つは瀬戸内海の海上交通拠点にふさわしいシンボリックなフェリー・旅客船ターミナルや国際観光船埠頭を宇品・出島地区に,また,市民が水に親しみ,憩いの場として利用ができる親水緑地やレクリエーション施設を宇品・出島沖地区,元宇品地区,観音地区に位置づけられるなど,積極的に取り組みを進めているところであります。  それから最後に,楽々園地下歩道は,車いすや乳母車が通行ができないが,どう計画したのかということでございますが,楽々園地下歩道はJR山陽本線を挟む佐伯区楽々園一丁目地区と中央一丁目地区を連絡します延長約52メートル,幅員3メートルの自転車・歩行者の地下歩道でございまして,旧五日市町との合併建設計画に基づきまして計画され,本年6月に完成いたしたものでございますが,このような施設の整備に当たりましては,特に老人,障害者等への配慮が大切であることは十分認識しておりまして,この地下歩道の計画に当たっても,当初本市が定めております広島市福祉のまちづくり環境整備要綱に準じまして,車いす等が通行可能な緩い斜路,これは8%でございますが,計画いたしまして用地交渉等を行ってきたわけでございますが,地権者の協力が得られず,進展が見られない状況の中で,この付近には踏切がないもんですから,昭和59年から62年の間に4名の死者を出す事故が発生いたしました。そういう状態の中で,歩行者の安全確保が急務になっていたことから,やむを得ず自転車の押し上げ可能な斜路25%でございますが,施行したものであります。  議員御指摘の車いす等の利用につきましての改善策でありますが,限られた空間の中での改善は非常に困難であるとは思いますが,いま一度検討いたしたいと思います。  以上でございます。 ○副議長(今田智君) 13番坂根喜三郎君。 ◆13番(坂根喜三郎君) 建設局長にはいろいろと御丁寧な答弁をいただいて,また文句言うのも恐縮なんですが,前段いろいろと経過とかその他,どなたがその答弁要旨を書かれるんか知りませんが,肝心なことに一つも答えてない。結果的には何をやるんだらいっそわからないというような答弁であったように思うんですね。  したがいまして,それぞれの委員会でやっていきたいと思いますが,もう少し的確な答弁をされるような答弁書を求めておきたいと思います。  それから,空港関係については,存続されるというように理解しておりますし,駅前のAブロックも縮小やむを得ぬということでこうなるというように理解をさしてもらいます。  以下は委員会で詳細に我が党の議員と一緒にやりたいと思います。  ありがとうございました。 ○副議長(今田智君) 本日はこの程度にとどめ,明日引き続き一般質問を行います。  ─────────────────────────────────            次 会 の 開 議 通 知  ───────────────────────────────── ○副議長(今田智君) この際,御通知申し上げます。明日は,午前10時から議会の会議を開きます。  ─────────────────────────────────            散   会   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(今田智君) 本日は,これをもって散会いたします。  御苦労でございました。              午後4時35分散会  ─────────────────────────────────      議   長   瀬  川  吉  郎      副 議 長   今  田     智      署 名 者   松  平  幹  男      署 名 者   中  本  康  雄...