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昭和61年第 1回 2月定例会−02月28日-03号

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  1. 広島市議会 1986-02-28
    昭和61年第 1回 2月定例会−02月28日-03号


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    昭和61年第 1回 2月定例会−02月28日-03号昭和61年第 1回 2月定例会        昭和61年第1回広島市議会定例会会議録(第3号)            広 島 市 議 会 議 事 日 程                            昭和61年2月28日                            午前10時開議                日    程  第1 自第1号議案 昭和61年度広島市一般会計予算     至第49号議案 広島市営土地改良事業の経費の賦課徴収について  ─────────────────────────────────            会 議 に 付 し た 事 件 等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 自第1号議案 昭和61年度広島市一般会計予算       至第49号議案 広島市営土地改良事業の経費の賦課徴収について       (総括質問)  休憩宣告(終了)
     開議宣告(終了)  総括質問(続行)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  総括質問(続行)  会議時間の変更について(時間延長)  総括質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(明日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了)  ─────────────────────────────────              出 席 議 員 氏 名   1番  中 山 忠 幸 君     2番  福 島 和 宏 君   3番  松 井 邦 雄 君     4番  平 野 博 昭 君   5番  保 本 昌 宏 君     6番  種 清 和 夫 君   7番  下向井   敏 君     8番  碓 井 法 明 君   9番  伊 藤 稲 造 君     10番  宗 像 俊 昭 君   11番  藤 川   武 君     12番  松 尾 好 子 君   13番  奥 田 幹 二 君     14番  都志見 信 夫 君   15番  鈩 谷 君 子 君     16番  鶴 見 和 夫 君   17番  戸 田   満 君     18番  住 田 孝 行 君   19番  前 本 一 美 君     20番  熊 本 良 作 君   21番  木 島   丘 君     22番  松 浦 弘 典 君   23番  月 村 俊 雄 君     24番  村 岡 節 吾 君   25番  増 田 正 昭 君     26番  海 徳   貢 君   27番  屋 敷 一 字 君     28番  中 本 康 雄 君   29番  牧 里 重 喜 君     30番  井 上   貞 君   31番  井 手 正 夫 君     32番  前   恵 介 君   35番  神 明 政 三 君     36番  竹 永   勇 君   37番  今 田   智 君     38番  鈴 木   修 君   39番  金 子 善 明 君     40番  西 村 敏 蔵 君   41番  正 畠 明 雄 君     42番  永 田   明 君   43番  山 本   誠 君     44番  米 田 十 郎 君   45番  氏 川 孝 之 君     46番  倉 本   保 君   47番  桜 井 康 民 君     48番  大勢登 康 憲 君   49番  兼 桝 栄 二 君     50番  中 本   弘 君   51番  久保井 時 雄 君     53番  八 百 千頭夫 君   54番  元 田   猛 君     55番  瀬 川 吉 郎 君   56番  山 科 美 里 君     57番  柳 坪   進 君   58番  中 島 金 平 君     59番  講 元 英 雄 君   60番  宮 本 正 夫 君     61番  仲 津 幸 男 君   62番  坂 根 喜三郎 君     63番  田 辺 秀太郎 君   64番  藤 田 博 之 君  ─────────────────────────────────              欠 席 議 員 氏 名   52番  明 星 正 明 君  ─────────────────────────────────        職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名 事 務 局 長 北 川   元 君  事 務 局次長 浜 井 澄 人 君 議 事 課 長 河 野 康 文 君  議事課長補佐議事係長事務取扱                          平 井 達 也 君 議 事 課主査 山 根   進 君  外関係職員  ─────────────────────────────────            説明のため出席した者の職氏名 市    長 荒 木   武 君  助    役 松 井   齊 君 助    役 岩 井 彦 二 君  収  入  役 西 田 展 康 君 市 長 室 長 池 田 正 彦 君  企画調整局長 石 橋 正 行 君 総 務 局 長 福 島 隆 義 君  財 政 局 長 佐々木 真 二 君 民 生 局 長 河 合 護 郎 君  衛 生 局 長 吉 田 哲 彦 君 環境事業局長 石 田 嘉 堆 君  経 済 局 長 網 井 信 昭 君 都市整備局長 川 村 尋 男 君  建 設 局 長 柳 川 幸 雄 君 下 水 道局長 新 谷 喜 城 君  消 防 局 長 栗 栖 敏 人 君 水 道 局 長 坂 谷 隆 生 君  広島市民病院事務局長                          天 倉 松三郎 君 安佐市民病院事務部長        財 政 局次長 石 川 伯 廣 君        平 田 成 行 君 財 政 課 長 若 狭 武 治 君  教育委員会委員長                          尾 尻 隆 之 君 教  育  長 藤 井   尚 君  選挙管理委員会事務局長                          川 村 茂 幸 君 人事委員会事務局長         代表監査委員 田 中 正 夫 君        尼 子 克 彦 君  ─────────────────────────────────              午前10時40分開議              出席議員  37名              欠席議員  25名 ○副議長(柳坪進君) どなたも御苦労さんでございます。  出席議員37名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) これより本日の会議を開きます。  ─────────────────────────────────            会 議 録 署 名 者 の 指 名  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) 本日の会議録署名者として             12番 松 尾 好 子 君             30番 井 上   貞 君 を御指名いたします。  ─────────────────────────────────            日 程 に 入 る 旨 の 宣 告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) これより日程に入ります。  ───────────────────────────────── △日程第1 自第1号議案 昭和61年度広島市一般会計予算       至第49号議案 広島市営土地改良事業の経費の賦課徴収について  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) 日程第1,第1号議案ないし第49号議案を一括議題にいたします。  昨日に引き続き総括質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。28番中本康雄君。           〔28番中本康雄君登壇〕(拍手)
    ◆28番(中本康雄君) 昭和61年第1回広島市議会定例会に当たり,日本共産党を代表して総括質問を行います。  ことし昭和61年は,平和の問題,地方自治の問題,市民の暮らしと生存にとって極めて重大な年になろうとしております。  御承知のように,アメリカは,長期にわたるグローバルな大量軍事費の支出によって巨額の財政収支と貿易収支の赤字をつくり出し,ついに昨年純債務国に転落しました。これに対してレーガン米大統領は,あくまで強いアメリカを維持するために,その軍事力を背景に,いわゆる同盟国に対して軍事負担と経済協力を押しつけ,その姿は,我が国の国政においても色濃くあらわれてきております。すなわち,膨大な軍事費の肩がわり,金融資本を初めとする貿易の自由化の一層の促進,30%にも及ぶ円高の誘導策などがこれであります。  中曽根自民党内閣は,その忠実な実行者として,大企業の利潤追求の場を拡大しつつ,働く国民にすべての負担を押しつけ,軍事費の増額,臨調行革による福祉,教育予算の削減,民活に名をかりた電電,国鉄の解体,開発規制の解除,地方自治権への侵害と負担転嫁を進め,最近では臨教審による教育の国家統制,国民をスパイ扱いとする国家機密法まで準備するに至りました。  我が広島市にとっても,戦後からとられた民主主義と地方自治を守り,市民生活を本当に守るのかどうかが問われる年だと思うのであります。  以下,基本的な問題について質問を行い,市長の誠意ある回答を求めるものであります。  まず,いわゆる地方行革なるものについて,中曽根首相は,今国会の施政方針演説で,地方行革大綱に沿って地方行革を総合的に推進すると強調しました。ことしを地方行革実行の年にするというこの方針に沿って,自治体の住民サービス切り捨て受益者負担強化自治体業務の民間委託,職員削減,給与抑制が急速に進もうとしており,広島市もその例外ではありません。  その第1が,地方行革大綱の提出であります。広島市は,これまで自治省の大綱提出の要求よりも先立って自主的に事務事業の見直しを行ってきました。国の押しつけに屈して地方行革を進めるのではなく,広島市の独自の主体性に基づいて進めてきているかのように言っていましたが,その内容は,国の指し示したものを先取りし,市民に一層の負担を負わせるものであることを,45項目の事務事業の見直し,民間委託と人員削減計画,61年度予算案の内容等を見て強く感ずるものであります。  全国的には,広島県内は別として,行革大綱の提出が大幅におくれている中で,広島市が先取りして先行していることは,地方自治体の姿勢として極めて重大であります。その内容は,むだをなくし,市民に効率的な行政を進めるというようなものではなく,国の言いなりに住民に一層の負担を押しつけるものでしかありません。  今こそ,地方自治体の本来の任務を果たす立場に立って,市民の暮らしと権利を守るべきであります。この点について,市長の見解を求めるものであります。  次に,これと関連して,国が出した61年度地方財政計画によりますと,昨年を上回る国庫負担率補助率削減によって,地方は1兆1,700億円の負担増となるということであります。  広島市は,60年度23億円に上る削減の影響を受けましたが,61年度はその3倍,65億4,000万円と昨日の答弁にありましたが,生活保護費保育所措置費事業関係分ごとに分けてその明細を明らかにされることを求めます。  国の補助金・負担金削減によって,元金だけで60年度23億円,61年度65億円。3年間の時限立法ですから,3年で195億円の財源不足。利息分を含めれば,230億円を優に超えるものとなりますが,これについてどう対処されようとされるのか,放置は許されないと考えますが,その点を明らかにされることを求めます。  国との関係から言いますと,58年度から交付税特別会計借入金利子の2分の1を地方負担に切りかえた額も相当なものになろうとしております。地方交付税率の実質的な切り下げを含むこれらの事態について,今後どのように対処するのか,さらに,国会では明確な地方交付税率の引き下げも検討し始めております。これらに対して,直ちに撤回を迫るべきであります。何らかの取り組みをされたのか明らかにされることを求めます。  補助率引き下げと並行して,国の機関委任事務を財源の裏づけもなく団体委任事務に改める策動も進められておりますが,この点についてどのように考えておられるのか,答弁を求めるものであります。  次に,今回,国民健康保険料の引き上げが提案されております。このそもそもの原因は,国が退職者医療制度を創設するとして,国保の国庫補助率を45%から38.5%へと引き下げ,被用者保険からの繰り入れを行うとした計算が大きく狂って財源不足が生じ,その補てんも十分に行わなかったことにあります。広島市への影響額は一体幾らあったのか明示されることを求めます。  また,この失政の尻ぬぐいを市民の負担で解決することは許されないと考えますが,その点についての見解もあわせて求めるものであります。  国民健康保険の運用につきましては,全国的に保険料の収納率が低下する中で,国は住民の負担軽減に配慮するのではなく,国の補助率を引き下げ,保険料滞納者に対して健康保険証の交付停止の措置をとるべく法の改正を検討しております。広島市は,これに先駆けて,滞納を理由に保険証の交付を留保する措置をとろうとしております。  これは,国民皆保険のもとでの国民の医療を受ける基本的な権利に抵触するものではないでしょうか。この措置は,法に照らして許されるものかどうか明確な答弁を求めるものであります。  国の地方自治体に対する攻撃は,以上にとどまるものではありません。自治体への機関委任事務にかかわる職務執行命令訴訟制度を改悪して,国が裁判抜きで代執行できるようにしようとしております。国が地方自治体に渡すべき財源を一方的に切った上でこのような法改正が進められるならば,地方自治はまさに形骸化するものと考えますが,地方自治と地方財政を破壊するこれらの事態について,市長はどうとらえ,対応されようとしておられるのか,明らかにされることを求めます。  次に,地方行革の一環として,今回,安佐動物公園,植物公園の民間委託を初めとして,安心して治療ができるようにと,署名を添えて要請が議会にも提出されている市民病院,安佐市民病院など,310人の定員削減を行おうとしております。  動・植物公園の委託については,さきの12月議会でわが党の奥田議員の質問に対し,本年4月1日より委託する旨の──趣旨の答弁がありました。  以来,利用者である市民,関係者の方々から,なぜ委託するのか,委託する理由がわからない,行政改革が必要だといってもやってよいものと悪いものがある,今までどおり市の直営でやるべきだなどなど,多くの意見や率直な要求が表明され,投書,手紙など市にも声が寄せられているところであります。  去る2月21日,広島の議会はもちろん,市制始まって以来,44万5,341名,全市民の約半数にも及ぶ数の委託反対署名,大学の専門家,全国動物園労組からも強い反対の声が寄せられています。このことは,市の考えている計画がいかに市民に受け入れられないものであるかを明確に示し,委託に対してはっきり反対の意思を表示したものであります。  市民の直接の投票によって選ばれた市長は,今回提出されたこの44万余の署名,多数の市民の声,天の声をどう受けとめられているのか,その真意をまずお尋ねします。  両施設は,営利を目的とする施設ではなく,社会教育施設であり,公立公園であり,そこには市民の憩いの場,教育の場,調査研究の場,自然保護の場としての機能が兼ね備わっている施設であります。  ところが,市側のこれまでの態度は,憩いの場は認めても,他の機能は全く理解を示さないものであります。  そこで,教育長にお尋ねします。  教育の場でこの施設が子供たちにどんな影響,効果をもたらしてきたとお考えですか。社会教育施設だと思いますが,いかがですか。また,将来どうあるべきだとお考えですか。率直なお考えをお聞きしたい。  総務局長,この委託は,市が自治省に提出している行革大綱に沿った措置ではありませんか。これによると,60年から5年間で職員定数を5%,数にして600名の職員を削減すると決めております。両園の委託は,この計画の実施のために,動・植物園の職員を定数隠しの犠牲にしようとするものとしか言いようがありません。なぜこれだけ世界に誇れる施設を委託に出すのですか,明確な理由を求めるものであります。  都市整備局長マスコミ等の報道によりますと,あなたは委託に関連して,権力行使と企画立案は委託できない,その他は委託可能,動植物の研究や保護が目的ではない,職員が自分の成果のように言うのは思い上がりだなどと発言をされております。権力行使,企画立案とは一体どういうことですか。その他は委託可能なのですか。  さらに,職員が一生懸命頑張って成果を上げると,それは職員の思い上がりなどと発言するに至っては言語道断であります。  また,レベルダウンはしないと言っている一方で,将来の保障はできないなどと全く一貫性を欠くものであります。  局長の答弁を求めます。  動・植物園施設は,高度な技術と長期の経験を持った専門家を要する施設であります。昨日,水産振興センター郷土資料館の例を挙げての答弁をされましたが,これについては,前者は西部開発に移って数倍の施設になったものであり,後者は発足当初から委託されたもので,全く比較にならないものであります。  また,欧米のものも,研究・教育型から出発しており,歴史的経過からも,その内容からも比較できないものであります。  企画立案は市が行い,運営は委託でやると,双方の間にギャップが生じます。しかも,専門家としての計画とそうでない行政執行者との間に矛盾が生じることは明白であります。  また,その運営についても,身分の保障がなければ,専門性と創意性を持った職員確保は困難となってまいります。  口を開けば平和文化都市を口にする市当局が,既に国際的に高い評価を受けているこの文化施設を市の手から離し,委託するということは,文化都市建設と矛盾することではないでしょうか。広島市は,総合大学のないただ一つの政令都市であります。文化の落ち込みが憂えられる中で,この誇れる施設を後退させることは,広島市の文化性の一層の後退につながるものであります。  行政改革,事務事業の見直しということで,市民の1円募金で始まった全国に誇れるこの施設を一方的に放棄することはしないで,まさに平和文化都市にふさわしい両施設を市の直営において今後も充実発展さすべきであります。  この委託計画の撤回を強く求めるものであります。市長の誠意ある答弁を求めます。  以上,いわゆる地方行革の影響について質問いたしましたが,国の進める行革の地方への影響も無視できません。国鉄の民営・分割問題,老人保健法の再改悪,国立病院の統廃合等も,市民生活にとって非常に大きな影響を持つものであります。  特に,市域内では,国立畑賀療養所は,今回,統廃合計画によって廃止されようとしております。この病院は,リハビリに,地域医療に大きな役割を果たしてきました。ぜひ存続のために働きかけるべきだと思います。  統廃合の対象となった他都市では,市を挙げての陳情を行っております。衛生局長のきのうの答弁にあったように本市の意向に反する,遺憾であるとするならば,市長みずから存続を国に強く訴えるべきであります。意見書に基づいてこれまで何回折衝し,努力してこられたのか,その内容を明らかにされることを求めます。  次に,福祉対策について,緊急で基本的なものに限って質問をいたします。  まず,障害者対策について,59年8月の広島市社会福祉審議会の答申に基づいて心身障害者福祉計画を策定中ということでありますが,国際障害者年の前半を過ぎてもいまだに日の目を見ておりません。障害者や関係団体の意見も入れて早急に策定し,実施を進めていく必要があります。一体いつまでに策定されるおつもりなのか明らかにされることを求めます。  次に,保育行政について。  働く婦人の約7割は既婚婦人であります。こういう状況の中で,働く婦人が安心して子供を産み,育てるために,そして子供たちの健やかな発達のために保育所は不可欠の条件であります。  ところが,60年の補助金一括法の改悪により10分の8から10分の7,それを61年は10分の5に国の負担分を引き下げようとしております。このことは,単なる予算の減額にとどまらず,制度の切り崩しによる抜本改悪が図られつつあります。  本市の場合でも,全国でも例を見ない市中心部に職場も集中し,需要の1番高い中区の保育所を2園も廃止しました。そのことにより,どういう事態が起きているでしょうか。中区では希望どおり入所できず,兄弟別々の保育園に行ったり,第3希望まで出さないと保留児になると言われ,到底送り迎えの無理な他区の保育所を書かざるを得ず,常勤からパートに切りかえるなどといった実態も出ております。  数年前までは,地域的に見て希望の多いところには建設するとの昭和55年9月16日の答弁もありましたが,今では欠員を理由に,もう需要は満たしているとの見解のようですが,定員割れの現象が起きているのは,1.保育料が高いこと,2.共働き家庭がふえて長時間保育や夜間保育など要望が多様化しているにもかかわらず,行政の対応が著しくおくれているため実態や要求に合っていないこと,3.入所措置基準の適用を年々厳しくしていることなどによります。現に,新潟市の場合のように,保育料を値下げしたところでは,入所がふえております。  以上のことからも,中区への保育所建設は急務であります。責任ある答弁を求めるものであります。  また,入所措置にかかわり,厚生省の129号通達のただし書きをも活用され,保留児を出さないようにされることを強く求めておきます。  次に,失対で働いておられるお年寄りの方々,ことしの8月から70歳以上は首を切られます。運動の結果,希望すれば月10日の任意就労が許されることになりましたが,その受け皿──どこでどのような仕事をさせるのか,いまだ明らかでありません。70歳以上になっても,まだ働きたい人はたくさんおります。  この点について,国,県の方では,仕事を出す準備を進めています。広島市も積極的に具体化を進めるべきであります。前向きの回答を求めるものであります。  次に,円高問題について。  今日,円高と原油の値下がりで,電力業界は未曽有の利益を上げております。これを消費者に還元することは,所得の再配分,購買力の向上を図る上でも大変重要であります。  電力料金の値下げについて,昭和49年,山田市長は中国電カヘ直接要請に行かれました。荒木市長も直ちに働きかけるべきであります。この点はどうなっているのか,また,その後の経過などを明らかにされることを求めます。  また,針など輸出に関連する中小企業,地場産業は,円高の急激な進行によって危機的状況に陥っております。市として,年利3%の融資制度等を早急に創設するなど,対策が必要と考えます。どう対処されるつもりか回答を求めます。  次に,61年度予算,3カ年の実施計画の構成比について。  61年度予算,また3カ年間の実施計画を見ますと,土木費が著しく突出したものとなっております。地方交付税率実質切り下げ,国の補助金・負担金大幅カットの中で,冒頭に述べましたように,今後200億円以上の財源減少を抱え,また今後,国,県が行う港湾整備事業などに対する多大の負担金,経済情勢等を勘案してみますと,その財源配分については,十分慎重でなければなりません。  広島市は,今後,住宅,生活道路など,生活密着型の都市基盤の整備が相当求められておるところであります。  例えば住宅について言えば,広島市の持ち家と借家の比率は,昭和58年末の調査で45%対55%となっています。つまり,広島市民の半分以上は借家住まいであります。  法律では,これら住宅困窮者に低廉な家賃で住宅を供給することを自治体に義務づけていますが,広島市の場合,公営住宅の整備水準は,他の政令都市と比べても,例えば広島市と同規模の神戸,北九州,福岡と比べても,その半分と極めておくれた水準にあります。昭和58年度末で,市内総戸数34万戸のうち,市営住宅はわずか1万3,138戸,3.9%しかありません。他の公的住宅を合わせても7.3%と極めて低い水準にあります。  市の住宅管理戸数では,佐伯区を除く過去5年間を見ても893戸,年平均178戸しかふえておりません。今後2年間の計画では186戸しかふえないことになっております。これでは,市民の要望にこたえることはできません。市民の要求にこたえるベく積極的な住宅建設を進めることを求めます。都市整備局長の明確な答弁を求めます。  このように,市民のための都市基盤整備に多大な財源を必要とし,一方,地方財源への国の収奪が厳しい中で,不急なプロジェクト事業は,この際,控えるべきであります。特に,西部丘陵都市計画などは撤回すべきであります。  実施計画では,関連公共事業費は930億円と見ていますが,これだけにとどまる保障がどこにあるのでありましょうか。しかも,これを核に人口10万人の都市をつくるということでありますが,一体10万人の人口を吸収できるような広島市の産業の状況になっているのかどうか,冷静に考え直す必要があるのではないか,答弁を求めるものであります。  大プロジェクト事業として,このほか五日市吉見園沖の埋め立て事業,宇品再開発と結んでのポートアイランド構想などが,国の開発規制の緩和と結びついて進められようとしておりますが,国が財政危機を理由にそのつけをどんどん地方自治体に押しつけている現段階で,これに安易に乗ることは極めて危険であります。  立派な施設ができることは喜ばしいことですが,財政力を無視してむちゃくちゃな投資を行って立ち行かなくなった事態を,国の財政危機や国鉄の今日の事態などに我々は見てきたところであります。その愚をこの広島市で繰り返してはならないと思います。  前回,前々回の基本計画,新基本計画など,大プロジェクト事業の強行は,福祉,教育の予算削減となり,人員削減と市民へのサービス低下につながるものであります。実施の中で今回の動・植物園の民間委託の問題が出てきたのを見ても,それは明らかなところであります。この点について,将来をしっかり見定め,着実に対処すべきと考えますが,市長の見解を求めます。  これと関連して,広島市は四全総計画と連動させて,昭和75年までの新しい基本計画を策定しようとされているようでありますが,これを策定するに当たっては,これまでの基本計画,新基本計画が進められた結果,どのようになったのか,厳密な検討の上に立って進められるべきだと考えます。  また,市民の意見を十分に酌み入れるために,名古屋市が行ったような将来計画についての市民の懸賞論文を募集するなど,民主的にまちづくりを進めるべきであります。これについて,市民の意見を酌み上げる施策をとるお考えがあるかどうか,明らかにされることを求めます。  次に,教育問題について。  今日,教育についての市民の熱意が高まっているにもかかわらず,市行政は的確に対応しておりません。教育費が高いため,進学に非常な無理をしなければならないということが起こっております。高校の授業料値上げをとどめ,私学授業料の直接補助制度を実施される必要があります。  ところが,今回の予算では,公立高校の授業料値上げが提案されており,私学への補助も初めて計上されましたが,学校への補助であって,生徒への授業料の直接補助ということになっておりません。なぜこのような形になったのか,御説明,お願いしたいと思います。生徒個人個人への授業料補助の形をとるよう求めるものでありますが,その点についての御見解をお聞かせ願いたい。  また,大規模校の解消,40人学級の実現は,本市にとっても急務であります。これはどうなっているのか,また,旧市内第4学区に公立高校の建設はどうしても必要であります。  昨日も同様の質問があり,答弁もありました。改めて質問をいたします。  高校生のピーク時,既存の学級増,市工での対応,新設の佐伯区高校への入学でこれを乗り切る旨の答弁でありました。  第4学区内の状況は,1クラス47人,32学級という大規模校になっており,教育条件は極めて悪化しており,これ以上生徒数,学級数を拡大することは許されない状態であります。  教育長,答弁の内容,既存学級をどれだけふやすのか,市工でどれだけ対応するのか,佐伯区の学校に何人入学するのか,具体的な数字を明らかにされることを求めます。  ピーク時までに建設できない責任は,生徒にあるのではありません。挙げて行政に責任があるわけで,何としても第4学区,中でも東区に建設されることを強く求めます。  また,市立養護学校の高等部をぜひ設置してほしいということは,従来から私ども口を酸っぱくして言ってきたところであります。県立養護学校を64年度開校ということでありますが,とてもこれで間に合う状況ではありません。  先日,廿日市養護の高等部の入学調査があり,昨年の60名を超え,ことしは68名に達するということであります。障害があるからこそ長い期間の教育を願い,通学時間片道2時間を超えても行かせようと入学調査に集まった父母を前に,同校の教頭は,父母の団体などの力もあって,来年度4月からプレハブで作業棟をつくってもらうが,現在の特別教室を全部普通教室に転用しても,まだ2教室足りない,校長はそのやりくりのために県教委に行っておりますとあいさつされたそうであります。呉の養護学校も同様のパンク状態です。一日も早い開校を県に強力に働きかけていただきたいと思います。  一方,こういう現状の中で,軽度の障害児はまさにはじき出されております。数年前までは,10名前後観音の昼の定時制に入学していたのが,ことしは150名も受験し,健常児の急増でどうにもならず,私立もほとんど入学できなくなっております。似島学園の高等養護部も,ここ数年,希望者三,四倍となり,父母が離婚でもしなければ入れないという状況になっております。市立の高等部設置は急務です。一日も早い実現を求めます。  最後に,平和の問題について。  広島市は,世界最初の被爆都市として,平和と核兵器の廃絶を訴え続けてきました。昨年は,あらゆる領域からの核兵器廃絶を交渉目的とする米ソの軍縮交渉が再開され,ことしの1月には,ゴルバチョフソ連共産党書記長は,達成の期限を15年,3段階としながらも,核兵器廃絶の提案をするに至りました。  このように,大局的には世界は平和と核兵器廃絶に向かいつつありますが,一方,私どもの足元を見ますと,これとは逆に,極めて危険な方向に進みつつあります。特に,政府の国連での態度は,市民の願いに逆行しています。強く抗議されることを求めます。  市長は,8月6日の平和宣言,平和連帯都市市長会議などのイベントに取り組まれたように,広島駅頭,宇品港,広島空港といった市の玄関口,また,他町村の境界等に,核兵器廃絶平和宣言都市のポールを立てるなど,世界最初の被爆地から,世界の流れとなりつつある核戦争阻止,核兵器廃絶を目指す世論形成の先頭に立つ広島の姿を,時宜に合って鮮明に具体的実効あるものにするよう努力されることを求めます。  以上,市長の決意,見解を求めて質問を終わります。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの中本康雄議員の御意見,御質問に御答弁申し上げます。  地方交付税の交付税率引き下げが検討されているようであるが,こうした動きに対してどう対応していく考えかということについてのお尋ねでございますが,御案内のように,地方交付税制度は,地方公共団体の自主性を損わないで地方公共団体間の財源の均衡化を図りまして,一定の行政水準を維持するために必要な財源の確保を保障することを目的に設けられたものでございます。  交付税率の引き下げに関する御質問は,さきの衆議院の予算委員会での大蔵大臣の答弁を踏まえてのことと思いますが,答弁の趣旨というのは,現在,政府税制調査会で国,地方を通じた税制の抜本的改革を論議しているところであり,仮に国と地方の財源配分に大きな変化があれば,交付税率をいじらないということは難しいというもので,このことが直ちに地方交付税の交付税率引き下げを意味するものとは考えておりません。  しかし,この問題は,地方財政の運営にとりまして看過できない重要な問題でございます。今後,政府税制調査会の論議を注視し,全国市長会等と共同して適宜適切に対処していきたいと,このように考えております。  それから,新しい広島市の総合計画の策定についていろいろ御意見,御質問がございました。  さきに米田議員の御質問にもお答えいたしましたように,新年度から現行総合計画の改定作業に着手いたしまして,新年度におきましては,人口,産業等主要フレームの将来予測や土地利用関係調査等の基礎的な調査研究業務を行いました。年度後半には庁内に総合計画策定本部を設置いたしまして,改定課題の検討を行うことといたしております。  改定に当たりましては,国際化,情報化,技術革新,そして高齢化社会の到来という大きな時代の流れや山陽自動車道,中国横断自動車道の整備などによる本市を取り巻く社会経済情勢の変化を十分配慮しながら,現行の新基本計画の施策体系の成果についても客観的な評価を行っていく必要があると考えております。  御承知のように,現行の新基本計画では,都市像として国際平和文化都市を掲げ,「世界平和をめざすまちづくり」「自然を守り,生かすまちづくり」「安全で,快適なまちづくり」「健康で,幸せに暮らせるまちづくり」「豊かな人間性をはぐくむまちづくり」「安定した生活のできるまちづくり」という六つの基本理念を設定いたしまして,これらの基本理念のもとに国際交流の推進,居住環境の整備,交通基盤の整備,保健・医療対策,福祉対策の推進,原爆被爆者対策の充実,学校教育施設の充実,市民文化の振興など,総合的な施策を展開しているところでございますが,特に21世紀に向けた広島の発展の基盤づくりのため,道路交通,下水道等の都市基盤施設の整備及び内陸部や臨海部の開発など,市政の重要施策として積極的に推進しているところでございます。  次に,新しい総合計画の策定に当たりましては,市民の意見を十分に組み入れる必要があるのではないかということでございますが,総合計画の策定に当たりましては,市議会議員,学識経験者,関係行政機関の職員,関係団体の役職員,市選出の県会議員,市職員で構成する総合計画審議会を設置いたしまして,さまざまな角度から御審議をいただくこととなっておるわけでございます。
     なお,市民から懸賞論文の募集や検討委員会の設置を行ってはどうかということにつきましては,一つの御提言として承っておきたいと思います。  その他の質問,御意見等につきましては,それぞれ所管の責任者の方から答弁さしたいと思います。 ○副議長(柳坪進君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 平和問題につきまして,2点,御質問ございました。  まず,1点目は,政府の国連での態度は,市民の願いに逆行しているので強く抗議をせよということでございます。  御質問の趣旨は,昨年の国連総会の本会議における各種決議案に対する日本政府の対応を指していらっしゃると思いますが,我が国の政府が厳しい国際舞台の中で,我が国の国益と安全を保障し,世界の平和と安定を願って核兵器廃絶という目標に向かって現実の厳しい国際関係の中では実現可能な具体的措置を一歩一歩進めていくことが,結局は近道であり,核軍縮関連のみならず,軍縮関係の国連決議については,それぞれの内容あるいは現実性あるいは有効性等を総合的に判断をして,賛成,反対,あるいは棄権といったふうな態度が決定されておるということを聞いております。  いずれにしましても,御質問の中にもございましたが,核時代と言われる厳しい東西対立の時代から,昨年の米ソ首脳会談後の世界の情勢は,緊張緩和あるいは対話へと,あるいは核軍縮と平和に向けて大きく進展をしようとしていることでもあり,本市といたしましても,都市連帯の推進を通じて国際世論を喚起しながら,被爆都市としての使命の上に立って,核兵器廃絶と世界恒久平和の実現のために粘り強く努力をしてまいりたいと考えております。  2点目といたしまして,平和都市宣言のポールを立ててはどうかということでございます。  この問題については,昨年の9月議会におきまして,屋敷議員に御答弁申し上げておりますが,非核都市宣言あるいは平和都市宣言を決議した都市において,垂れ幕をつくったり,あるいはポールを立てたり,あるいは平和公園,平和記念碑あるいは平和資料館を建設をするといったふうな都市がございます。  しかしながら,本市は,昭和24年に制定された広島平和記念都市建設法により平和記念公園を持っております。また,平和記念資料館,平和記念館といった平和記念施設を持っております。さらに,原爆死没者の慰霊碑には「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と銘記をしていることは,既に御承知のとおりでございます。  世界最初の被爆都市として,広島市が核兵器の廃絶を求めている平和都市であることは,過去40年間にわたり平和の推進を行政の重要政策の一つとして展開をしてきた実績から,広島市民はもちろん,国の内外の人々にも十分理解されているというふうに考えております。  このことは,平和記念資料館を訪れる人々が年々増加をし,昭和60年には150万人を超える入館者があること,あるいは昨年の8月に行いました平和連帯都市市長会議に国の内外から100都市が参加し,また,毎年行っている平和記念式典にも非核宣言自治体から多くの参加があること,あるいは海外から広島の取材が相次いでいるというふうなこと等からも明らかでございます。  したがって,御提案のような平和都市であるという看板を改めて設置するまでもないというふうに考えておりますので,御理解いただきたいと思います。  以上。 ○副議長(柳坪進君) 総務局長。 ◎総務局長(福島隆義君) 行政改革の御質問の中で,広島市の行政効率化計画は,国が示した地方行革大綱の内容を先取りし,また,国の言いなりに市民に一層の負担を押しつけようとするものではないかという御趣旨の御質問かと思うわけでございますが,これまでたびたび御説明申し上げましたように,本市は,昭和50年度の事務事業の総点検実施以来,今日まで──昨年まで過去3回にわたり行財政の効率化を進めてきたわけでございます。昨年,第4次の本市の行政効率化計画を策定したものでございます。  この計画は,収入の確保,経費の節減,組織・機構の簡素化,定員の抑制,機械化の推進など,各項目にわたりまして推進し,行政の効率化を図りながら,来世紀に向けた都市建設をより効果的に進め,ひいては市民福祉の向上を図るためでもございまして,決して住民に負担を強いるためのものでもございません。ぜひ御理解願いたいと思うわけでございます。  次に,機関委任事務に関しまして,財源も裏づけなく,機関委任事務を団体事務化しようとする動きがあるが,どのように考えるかでございます。  昨日も御答弁申しましたとおり,機関委任事務はかねてからの地方自治体の団体事務化すべきの悲願であったわけでございますが,ようやく今国会に80件の団体事務化する法案が提出されるようでございます。このうち本市関係分は,17件あるようでございます。  今後ともそれの一層の団体事務化について働きかけたいと考えておるわけでございますが,もし御指摘のように,財源の裏づけもなしに地方へ事務化するのであれば,これは行財政改革に名をかりた負担転嫁と言わざるを得ないわけでございます。かかることのないよう注意深く見守っていきたいと思っております。  ただ,高率負担の問題で,補助金のカットが機関委任事務の問題もあるわけでございますが,これは,団体事務化とは一応別の問題かと思っておるわけでございますが,いずれにしましても,大いに関心を持っていかなければならないと思っております。  次に,職務執行命令訴訟制度についての自治権の侵害という御趣旨の御質問でございます。  機関委任事務を自治体が執行しない場合,または違法性がある場合は国がこれを代行すると,現行制度は,訴訟を起こし,その判決を待って国が代行できるという制度になっておるわけでございますが,昨年,行革審におきまして,訴訟制度なしで代行制度という答申が出たわけでございますが,引き続いて地方調査会というのがあるわけで──総理大臣の諮問機関にあるわけでございますが,ここにおいては慎重に審議されまして,国が代行するに際しては,国が訴訟を起こすんではなしに,自治体から代行取り消し申し立ての訴訟ができるという方法に改善すべきであるという答申が出たわけでございます。  地方6団体としては,一応そういうことにつきましては評価しておるわけでございますけれども,今後国に──政府においてこれをどのように取り上げて制度改正が行われるかは未定でございますので,今後大いに関心を持ってみつめていきたいと考えております。  次に,動・植物園の委託につきまして,これまた自治省が提唱した地方行革大綱に沿った措置ではないかという御趣旨の質問でございました。  先日も市長から熊本議員さんに御答弁申し上げましたとおり,本市のかねてから行っております行政見直しの中の一環でございまして,その必要性,効果につきましては,定数の抑制を図りながら,また職員採用の見直しをし,経費の節減を図るということ,さらに,公益法人の理事会,協議会等にいろんな人の参画を得まして,民主的運営を図ろう等々でございまして,決して自治省の大綱があって仕方なくそれを進めるというものではございませんので,ぜひ御理解願いたいと思うわけでございます。 ○副議長(柳坪進君) 財政局長。 ◎財政局長(佐々木真二君) 財政関係で2点の御質問にお答えいたします。  一つは,国庫補助負担率の引き下げに伴います本市の影響額の明細を明らかにせよという,それと,それに対する対応についての御質問でございます。  昨日,前議員の御質問にお答えしたところでございますが,本年度の──61年度の本市の影響額,普通補助関係で約34億5,000万円,その主なものとしましては,生活保護費で約8億9,000万円,保育所の措置費で約7億7,000万円,老人施設の入所措置費で約7億6,000万円,児童福祉施設の措置費で約4億4,000万円となっております。また,公共事業関係におきましては約30億9,000万円でございまして,その主なものとしましては,道路・街路整備で約16億1,000万円,下水道整備で約12億8,000万円,以上でございまして,総額で65億4,000万円程度になるものと見込んでおります。  今後の対応についての御質問でございます。  今回の補助率の引き下げ措置は,61年度から3年間の暫定措置として実施されたものでございまして,61年度の財源対策につきましては,財源措置が講じられておるところでございます。  しかしながら,62年度以降の問題につきましては,まだそれが明らかにされておりません。  今後とも,全国市長会あるいは政令市と共同で国に対して働きかけを行っていきたいというふうに考えております。  それから,交付税特別会計におきまして,借入金の利子の負担が出てまいりますので,自主的に地方へ交付する交付税が目減りしておるじゃないかという御質問でございます。  交付税の特別会計におきます借入金につきましては,昭和50年度以降の国,地方を通じます大幅な財源不足によりまして,法律で定められております国税の32%の交付税総額では,地方の財源不足に対応することはできないということから,その応急措置として,資金運用部資金からの借り入れ措置が講じられてきたものでございます。  その後,その借入金の利子償還が交付税会計におきます負担となりまして,最近は,実際に地方公共団体に交付されます総額が国税3税の32%の額を下回っておるわけでございます。  このことは,地方にとりましても,大きな問題でございますので,地方交付税の所要額を確保されるよう,これまでも全国市長会を通じ,また,指定都市が共同しまして,毎年度国に対して要望を行ってきているところでございます。今後とも要望を行ってまいりたいと──続けていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 民生局長。 ◎民生局長(河合護郎君) 国保,それから福祉対策についてお答えを申し上げたいと思います。  まず,国民健康保険でございます。  御質問にありました退職者医療制度の創設,それに伴う国庫補助金の削減に関する本市への影響額は幾らかということでございますが,59年度が12億426万円,60年度は19億1,624万円の見込みでございます。これが影響額でございます。  この影響額に対して,御承知のように,国は特別調整交付金を3分の2充てるということになっております。その結果,59年度の本市の実影響額は2億3,539万円となっておりますし,60年度は6億3,875万円となる見込みでございます。  この実影響額の問題は,全く御指摘にございましたように,本市のみならず,全国の国保事業に大変大きな影響を与える問題でございます。  これまで全国市長会等でまことに強烈な政府要望を展開をいたしておりまして,私どもの主張は,影響額のすべてを国の責任で補てんすることということでございますし,当面3分の2を国が埋めると,こう言っておりますけれども,残りについても引き続き補てんについて強く要望を続けてまいりたいと,このように考えております。  それから,この影響額が保険料の負担にならないように実は考えておりまして,この影響額は一般財源の繰り入れを増額する等の措置によりまして,保険料への影響を及ぼさないように配慮いたしておりますので,御理解がいただきたいと思います。  次に,保険証の窓口交付について御質問がございました。  これは,保険給付の適正化と保険料収納率の向上を図るために,保険証の更新時に保険料の長期滞納者に対して区役所に──窓口に来ていただき,資格の確認と保険料の納付折衝を行った上で保険証をお渡しするということにいたしておるわけでございますので,御理解をいただきたいと思います。  なお,国に先駆けてというふうなお話がございましたけれども,現行法体系の中で政令市はすべてこの窓口交付をやっております。県下でも,一,二の市を除いては,この窓口交付というものを既にやっておるわけでございますので,申し添えておきます。  それから,福祉対策の問題,第1点,心身障害者福祉計画を早くつくれというお話でございます。  これは,全く御指摘のとおりで,先般来,今年度内には関係団体等の御意見もいただきながら計画自体をつくるというふうに御答弁を申し上げておるところでございますが,いろいろ審議の調整の段階で若干手間を取っておりまして,申しわけないと思っております。  今後の予定といたしましては,今年度中に関係部局との調整を終えまして,できる限り早い時期に障害者あるいは団体等の御意見をお聞きをしながら策定を終わりたいと,このように思っております。御了解をお願いいたします。  それから,保育所の適正配置の問題で,るるお話がございました。特に中区を例におとりになったわけでございますが,定員と欠員の状況等については,全体の八つの区の中で中区が特に厳しい状況にあることは,御指摘のとおりでございます。  しかし,全体の保育所の定員割れの現象というのは,これも御存じのとおり,近時の乳幼児数の著しい減少傾向に起因をしておるものであるというふうに考えておるわけでございます。  ちなみに,その減少傾向を見ますと,昭和50年の乳幼児数を100といたしますと,昭和60年の乳幼児指数は74ということに実はなります。10年間に26%も減少するというような大幅な乳幼児の減少が全体的にあるわけでございます。  中区につきましても,定員割れが1番少ないという,いわゆる定員をかなり充足をしておる──充足率の高いところであるということは,御指摘のとおりでございますけれども,それでもなお中区全体として見た場合に欠員があるわけでございます。  そういう状況で,若干利用の市民の方に御不自由,御不便をかける点があるとは思いますが,何とぞ御協力をお願い申し上げたいと,このように考えております。  それから最後に,失業対策事業についてお話がございました。労働省が,65歳を就労者の年齢制限ということを設けて,とりあえず61年度から70歳以上をおやめいただくと,後,1年間ごとに1歳ずつ切り下げていくというようなことを労働政策の上から決めたことは,御承知のことと思います。  で,その緩和措置として,来年70歳以上でおやめになった方については,働く意欲のある方,あるいは体力のある方について,軽易な就労を提供するということを国が定めておるわけでございます。  これは,実施団体は,県,市というようなことになってくるわけで,それが国の制度どおり行えば,国は3分の1補助をすると,3分の2を地元が持つというようなことになるわけでございまして,私どもは,この国の制度をそのまま措置を講じたいということで計画をいたしております。  ただ,場所がどこかということについては,まだわからぬというお話がございましたが,全くそのとおりでございまして,基本的には年齢制限によって引退をされることによって,作業が撤退をするであろう公園等を今後考えていくことになろうと思いますけれども,こごらの具体的な選定については,私どもも十分関係就労者の団体の御意見を聞きながら決定をしていきたいと,このように考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 衛生局長。 ◎衛生局長(吉田哲彦君) 国立療養所畑賀病院の統廃合の問題につきましては,昨日,前議員,米田議員に御答弁申し上げたところでございますが,畑賀病院につきましては,今日まで安芸地区の基幹的な病院として,地域医療に貢献してきた役割は十分認識しておるわけでございまして,従来から本市としましては,国に対しましてその拡充,存続を要望してきたところでございます。  しかしながら,今回の決定につきましては,国の方の具体的な作業内容あるいは具体的な作業スケジュール,こういったものが明らかにされておりませんので,本市といたしましては,地域医療に支障を来さないよう,今後とも国及び他の医療施設等の動向を見ながら,国に対しまして強力に折衝を働きかけ,対処してまいりたいと考えております。 ○副議長(柳坪進君) 経済局長。 ◎経済局長(網井信昭君) 円高問題について2点の御質問がございました。  まず第1点は,円高差益の利用者還元の問題でございます。  昨年の12月の市議会におきまして,1ドル=200円の状況の中での御答弁を申し上げたわけでございますけれども,その後,円高が180円,きのうは178円というふうに新しい段階に入ってきております。  そういうような状況を踏まえまして,本市といたしましては,2月の12日に中国電力に円高差益還元についての申し入れを行っております。3月の初めには,中国電力,広島ガスに対しまして,消費者団体との懇談の場を設けるよう要請をしております。そこで,その還元方法についての両者の──両者といいますのは,業界と消費者団体とでございますけれども,両者の意見交換あるいは意思の疎通を図ることにしたいというふうに考えております。  ところで,その現在のところの状況でございますけれども,電気事業連合会では,設備投資とともに料金の引き下げについての検討を始めております。中国電力におきましても,還元方法について検討を続けておりまして,今後の業界の動向とか,あるいは国の指導を待って決定するという意向でございます。  国におきましては,円高差益について,原則として需要者に還元すべきものであるというふうに考えておりますけれども,その具体的な方法及び時期につきましては,業界の収支を見きわめつつ検討していきたいということのようでございます。  今後ともこれらの推移を見ながら適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。  それから,2点目が融資制度でございますけれども,本市といたしましては,本市の中小企業に対する融資制度の中で既に不況業種等に対する特別融資制度を設けております。  また,そのほかにも経営安定資金あるいは短期の事業資金の融資制度もございまして,これらによって対応していきたい,また,対応できるものと考えております。  特に,経営安定資金,それから短期の事業資金につきましては,61年度で融資枠を前年度比約16億円の増額を,今,お願いしておりまして,また,貸付金の利子にいたしましても,引き下げ可能なものについては引き下げを行いたいというふうに,今検討をしておるところでございまして,こういうふうなことによって対応をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 署名の提出についてどう受けとめているかという御質問に対しまして,昨日も御答弁申し上げましたとおり,多くの方々が動・植物公園について多大な関心をお持ちであることについて改めて認識をいたしますとともに,これを謙虚に受けとめているところでございます。  それから,西部丘陵都市のことについての御質問でございますが,広島西部丘陵都市構想は,本市の健全な都市発展を図る上で極めて重要かつ緊急のプロジェクトであるとの認識に立ちまして,昭和59年10月に策定をいたしました沼田・石内地区土地利用基本計画案をもとに,関係者の御意見をお聞きしながら詰めを行っておりまして,今年度内にはこれを開発基本方針として確立いたしたいと考えておるところでございます。  それから,市営住宅のことについての御質問でございますが,本市での市営住宅は,御承知のとおり,昭和20年代──終戦後から建設に着手をいたしまして,現在,総数1万3,907戸に達しております。  このうち木造,または簡易耐火住宅が約3,000戸ほどございまして,これらの住宅は耐用年数を経過するなど,老朽化が著しく,建てかえの必要が高まっておりますので,昭和54年度からこれが建てかえ事業に着手をしておるところでございます。  本市といたしましては,当面土地の有効利用,住環境整備及び防災を目的といたしまして,例えば庚午南住宅146戸──木造住宅146戸を中高層住宅417戸,約2.9倍になりますけれども,こういった事業を推進しておりまして,建てかえを主とした住宅建設に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 御質問の順序に従って御答弁申し上げたいと思います。  本市の動物公園及び植物公園は,それぞれ動物,植物についての理解を深め,それらを愛する心情を培う上で効果を上げていると考えております。  両施設ともに公園施設でございますが,子供たちにとって将来ともにレクリエーションや学習の場として役立つことを期待をいたしております。  次に,私学助成が,生徒への授業料の直接補助となっていないがとの御質問でございますが,この件に関しましては,私立学校の在籍者に対し,補助金を交付することは不適当であり,特定の事業等を助長,育成するためというよりは,家計補助的な色彩が強く,補助金としての適格性を著しく欠いていることから,公益上必要性があるものとは言えないとの行政上の見解がございます。  さらには,この中で,この問題は制度の改革あるいは私立学校に対する公的財政援助等の措置を通じて解決すべき問題であることとしております。  したがいまして,本市としても,この見解を参考としながら,あくまで国,県における助成制度の補完的立場に立ち,一方においては財政を取り巻く環境が一段と厳しさを増している情勢にあることにかんがみまして,本市の財政事情を勘案するとともに,類似都市あるいは近隣都市の調査結果を踏まえた上で学校に対して補助を実施しようとするものでございます。  次に,小・中学校の過大規模校の分離についてでございますが,国の施策と相まちまして,59年度に見直しを行い,昭和60年度より31学級以上,1,200人以上の学校を分離することといたしております。  しかしながら,31学級以上でありましても,短期間31学級以上となる場合や減少傾向にある場合は,その推移を見定めることといたしております。  次に,40人学級の実現については,国,県の施策と相まって,広島市は昭和61年度小学校第1学年から実施することといたしております。  次に,第4学区への公立高校新設の問題でございますが,前議員と大勢登議員への答弁で述べたとおり,県は市の再三の要望にもかかわりませず,昨年11月,第4学区は既設校の学級増等で対策することとして,この学区への高校新設は行わない旨,決定をいたしました。  今,卒業生ピーク時の具体的対応についてお尋ねをいただいておるのでございますが,県はこの決定に当たって,その裏づけとしての具体的対応策を明らかにしていないのでございます。  対応は,既設校の学級増だけでなく,私学の募集定員増や公立高校の学区間の調整等もあわせ,総合的に行うものであるので,一体,既設の県立高校にどれだけの学級増が可能なのか,私学との分担や公立高校の学区間調整の問題をどう計画するか,市としては,県からのこれらの情報を抜きにしては対応を数値的に明らかになし得ないところでございます。  しかし,既設6校の学級数の限度を,学年当たり66学級,公立,私立の割り振りを現状の率,公立高校の学区間調整を,瀬野川,船越両町からの重複解除による影響で見て,なお対応不十分としか予測できないのでございます。  そこで,前議員の御質問に対する答弁で,市としては県の決定にかかわらず,既設校の学級増等だけでは対応し得ないと見ている旨を申し上げたわけでございます。
     けれども,この時点で既に昭和62年度末の第4学区中学卒業生数のピーク時に間に合うような用地を確保して高校を設置する見込みは立たず,しかも,設置がずれ込めば,昭和65年度には第4学区中学校卒業生が現状を下回る時期になるのでございます。  そこで,現実の問題として,第4学区では高校新設による対策は断念し,これにかわる他の方法として,佐伯区内の第4学区に近い位置に市立高校を設置し,これに第4学区からも進学できるようにすることを考えているところでございます。  次に,市立養護学校に高等部を置くことにつきましては,大手町商業高等学校,看護専門学校の3校併設という実態及び市立養護学校の過密状況から考えて,現状では困難でございます。  北部地域に設置されます県立養護学校について,これをできるだけ早期に開校するよう引き続き強く県に働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 28番。 ◆28番(中本康雄君) 質問が非常に多岐にわたっておりますので,詳細は予算特別委員会に譲りたいと思いますが,特に三つの点についてちょっと──四つの点について,再度お伺いをしたいわけです。  補助金・負担金のカットについては,3年の暫定措置ということでありますが,昨年の場合は1年限りだと,こう言っておったのが,今度は61年度はカット率がさらに上がって3年の暫定措置と,非常にエスカレートしてきよるわけですね。  一方,国の財政状況を見ても,軍事費をどんどん支出するために,国の借金というのは減らないわけですね。そうすると,一層──これが3年にとどまらない,一層の地方自治に対しての補助金カットにつながってくるんじゃないかと,そういった点では,この問題は,やはり相当重視して取り組む必要があるのではないか,やはり今の取り組みでは弱いのではないかということを,私は非常に感ずるわけです。これは,市民挙げての運動ということにまでやっていかなかったら,まさに地方自治というものは形骸化していくだろう,こういうことであります。そういった点について,やはり不退転の決意を持って臨んでもらいたいということを要望したいと思います。  それから,保険証の窓口の問題ですが,これは実際にやれば,恐らく区役所の事務においていろいろなトラブルが起こるんではないかというように私は思うわけです。そういった点についてどう対処しようと考えておられるのか,その点についてお尋ねしたい。  それから,円高についてはですね,今の電気料金を決めたときには,1ドル=240円,そして,1バレル当たり34ドルで出発したわけです。それで計算されたわけです。現在どうでしょうか。1バレル当たりもう15ドルを割るような状態,しかも,円高は180円を割ってきとると,大変なあれですよ,ただのもうけじゃない,大変なぼろもうけになっとるわけです。これを消費者に還元しないということはない。また,そのことをさせることこそが市民の購買力をふやし,不況を打開することにもつながるんだと,こういう点ではやはりもっと重視して強力な働きかけをやっていただきたいと思うわけです。  それから,第4学区の高校の問題ですが,これはやはりどうも了承できないわけです。今のままでは,今の教育長の答弁でも,実際,高校へ行くのに第4学区の子供は全く行き場がなくなる,こういう条件がはっきりあると,こういった点についてですね,やはり県に対してもっと強力な対応をやってもらいたいと思うんです。その点についての決意を再度お願いしたいと思います。 ○副議長(柳坪進君) 民生局長。 ◎民生局長(河合護郎君) 保険証の窓口交付についていろいろ問題が起きるかもしれないしどう対応するのかという御質問でございますが,ともかく保険証の窓口交付の趣旨,目的というのは,先ほど申し上げましたように,長期滞納者に対して当然その保険料納付の義務があるわけでございますから,それをどういう形で滞納をお支払いいただくかということを,誠心誠意──これは双方が誠心誠意ということになろうと思いますけれども,お話し合いをさしていただくということを今考えておりまして,どういうことが起きてくるかというふうなことは,実際やってみませんと,わかりません。私どもは,窓口交付のお話の中で,逆にお困りの状態等を確認をして,それなりの措置を講ずるというケースもまたあるであろうし,当然お払いについて強力にお願いをするようなケースももちろんあろうと思います。  いずれにしても,現行法律下の中で十分権利,義務の認識を双方がするということで,円満に──できるだけ円満にやっていきたいと,このように考えております。 ○副議長(柳坪進君) 経済局長。 ◎経済局長(網井信昭君) 円高の問題ですけれども,円高差益が大きく出ておるということは,御指摘のとおりでございます。  国におきましても,業界におきましても,還元するということの方向で物事が検討されておるわけでございますので,我々としても,その動向を見ながら適切な対応をしていきたいというふうに考えております。 ○副議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 第4学区の卒業生の受け皿につきましては,先ほど御答弁の中で申し上げましたように,まことに厳しい状況にあることは十二分に認識をいたしております。  したがいまして,これまでも県に対しまして第4学区に県立高校の新設を強く訴えてきたところでございますが,先ほど申し上げましたように,将来の状況をにらむ中で,県は設置しないということを決定した以上,この卒業生に対する受け皿を十二分に配慮するように強力に働きかけてまいりたいと考えております。 ○副議長(柳坪進君) 28番。 ◆28番(中本康雄君) 今の民生局長の答弁ですが,長期滞納者に対して話し合うということですが,窓口に行けば保険証は確実にもらえるんですか。それだけ……。 ○副議長(柳坪進君) 民生局長。 ◎民生局長(河合護郎君) 窓口で納付折衝に応じていただいた方については,お渡しをいたします。  ─────────────────────────────────            休   憩   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) この際,暫時休憩に入ります。              午後0時02分休憩  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜              午後1時17分開議              出席議員  33名              欠席議員  29名 ○副議長(柳坪進君) 出席議員33名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  8番碓井法明君。           〔8番碓井法明君登壇〕(拍手) ◆8番(碓井法明君) きのうは地震がございまして,きょうは──けさはまた雪でございました。少々の混乱があったようでございますが,地震や雪などの自然災害に強い21世紀の交通対策を考えなくてはいけないのではないかと思っている次第でございます。  さて,私は,社会福祉クラブを代表いたしまして,21世紀の広島を支える交通対策について若干の質問をさせていただきたいと思います。なお,答弁によりましては,再質問をさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  広島地域の中心都市である広島市は,行政,経済,教育,文化などの諸機能の高度な集積により,国土計画における主要な大規模地方中枢都市と位置づけられ,県内はもとより,中国・四国地方にその影響を及ぼす中枢管理都市としての地位を確立してきましたが,21世紀においても,その地位を確保しようとするならば,交通政策の面においても,21世紀に通ずる魅力的な高次機能を持つ都市になる必要があると思います。  21世紀に向けての魅力的な都市とは,他都市には求めることができない,みずから誇り得るすぐれた個性を有する広島であること,また,高度な情報下のもとで,人々の多種多様なニーズが広島において充足されることだと思います。  そして,広島の魅力とは,広島に住み,生活する喜びであり,広島に住んでいることに誇りが持てることであり,また,事業を営む者にとっては,都市の成長とともにある事業の活力と発展性に期待が持てることであると思います。  これらはいずれも地域経済的な裏づけを抜きに語ることはできません。地域経済の発展に交通政策は深いかかわりがあることは御案内のとおりですが,さて,それでは21世紀における地域経済の支えとなる交通政策のあり方とは,どのような考え方をしたらよいのでしょうか。  交通が不便で情報が豊かでなかった過去においては,都市はおのおの単一のまとまりを持った都市としてとらえることができましたが,今日では都市の活動は行政ベースの境界をはるかに越えた広域的広がりを持っています。  経済ベースで論じる都市の大きさは,または,豊かさとは,都市圏または経済圏という言葉で言われる広島の勢力下のもとにある都市グループの大きさにほかなりません。広島に本拠を置き,あるいは事務所,店を有する企業にとっては,この広島のポテンシャルこそが重要であり,活力のベースと言えるものです。  すなわち,21世紀に向けての交通対策の視点とは,1. 多くの人々が多様なニーズのもとに,広島を求めて集う誘引を図る手段として,2. 攻めの姿勢として,広島側からの売り込み圏域の拡大を積極的に図る手段として,3. スタミナ──経済効果を生み出す源泉として,などの認識のもとに交通政策をとらえる必要があると思います。  次に,広島の交通体系の整備の現状を分析してみますと,中国縦貫自動車道は,58年の3月に開通しましたが,中国横断自動車道,山陽自動車道が整備中であり,中国地方内の拠点と結ぶネットワークの整備がおくれていること,2. 市街地周辺部及び臨海部の開発による人口増があるにもかかわらず,軌道系の公共輸送機関のネットワークが不十分である,3. 航空路は,沖縄,札幌便──札幌はあすから運転のようでございますが──の予定はあるが,路線数がまだ少ない,4. 幹線道路は著しく交通量が多く,混雑度が高いこと。  交通体系の課題としては,全国幹線交通ネットワークの整備として瀬戸内海臨海部の諸都市を結ぶ山陽自動車道の整備を進めるとともに,山陰と結ぶ中国横断自動車道及び広島,呉,安芸灘を結ぶ路線の整備を図る必要があると思います。  また,域内幹線道路の整備としては,域内各都市の連帯や開発プロジェクトの集中する東部とその他地域との結びつきを強化するために必要な幹線道路を整備するとともに,広島都市圏の臨海部の連帯強化を図るための幹線道路を整備する必要があります。  また,市街地における円滑な流動を確保するため,南北基軸道路として現在建設中の祇園新道の早期完成と東西基軸道路である国道2号線の高架延伸を促進する。  広島湾沿岸の交通需要に対処し,あわせて市内交通の分散を図るため,建設中の海田大橋の早期完成とともに,広島南道路の早期具体化を促進し,既に60年3月に供用開始している草津沼田道路,昭和61年3月完成予定の安芸府中道路及びそれに接続して計画中の府中仁保道路,さらには,山陽自動車道を含めて都市内環状高速連絡網の整備を図る。  特に,公共輸送機関の整備は緊急整備が必要であり,旅客流動の多いルートについては,機動力のある新交通システムの導入を図る必要があります。  航空交通については,航空路の国内ネットワークの充実と輸送力の強化を図るとともに,現空港は国内便,特に広島─東京便の存続あるいはコミューター空港として存続させ,新空港は国際空港として将来出現する700人乗りの大型ジェット機に十分対応できる4,000メートル級の滑走路を整備する必要があると思います。  次に,広島の発展を支える道路計画について具体的に質問をいたしたいと思います。  まず第1点として,祇園新道についてお尋ねいたします。  現在,一部施行中のこの道路は,昭和65年度完成,一部62年度暫定供用となっていますが,幅員は50メートルと広いが,あくまで信号交差点の多い平面街路なので,速度と容量の面で相当劣ることとなるため,バイパス的な観点でこの道路をとらえるわけにはいかないと思います。  祇園新道には次の4点の役割が期待されていますが,十分機能を果たし得るか大変疑問があります。  1. 将来,東西軸となる山陽自動車道,広島インターチェンジは広島の新たな玄関口になりますが,果たして都心を直結する高速交通体系と言えるかどうか。  2. 30万人の人口を有する市北部と都心を結ぶ道路として,さらには,中国地方内陸部──芸北,備北,山陰地方に通ずる導入路として十分と言えるかどうか。  3. 国道54号線と広島三次線の不動院前との平面交差で,昭和46年度のHATS(ハッツ)のときの計画は高架でございましたが,交通混雑は解消できるかどうか。  4. 山陽自動車道を介して新広島空港と都心との交通アクセスを図ることができるかどうか。  以上述べてきましたように,速度について考察すると,設計速度は60キロでも,混雑と信号待ちで平均20から30キロ程度の時速となると,スピード面ではサービスは期待できないと考えられます。  容量の面から考察しますと,交通容量は,信号のない6車線なら7万台から9万台程度ですが,信号が多ければ,4万から5万台程度に低下すると思われます。ちなみに,この道路の計画交通量は,マイカーから新交通への乗りかえによる減,2万台を差し引いても6万から10万台に達するものであることから,とても混雑解消は期待できないと考えられます。したがって,今申し上げた四つの点については,そのニーズにこたえることができないと思われます。  そこで,お尋ねしたいのは,1. これらを改善していく方法は将来新交通を抱き込んだ形での高架化──大阪ニュートラム方式,または,交差点の一部立体化を行う必要があると思いますが,御検討をお願いいたします。  2. 当面の予算は制約もあることですが,将来このような施工が可能なような配慮をして段階施工をすればよいと思いますが,いかがでしょうか。  第2点として,国道2号線高架についてお尋ねいたします。  昭和46年度当時の建設省のパンフレットによれば,都市高速道路の一部として着工とあるように,信号のない道路でもって郊外と都心を結ぶネットワークこそは,都心の高度利用を支える交通施設にとってまことに重要なものと思われます。  昭和49年,己斐─観音間の供用以来,毎日約3キロメートルに及び渋滞しているにもかかわらず今日まで放置されている次第です。  そこで,お尋ねしたいのは,400メートル延伸と発表されていますが,400メートルの延伸でどのような効果が期待されますか。  2. 少なくとも都心部の市役所前付近まで延ばさないと,都市圏西部から都市間を結んだことにならないわけですが,その供用計画をどう考えておられますか。  3. 一方,都市圏東部から都心間を直結する唯一の高架として,市役所前から仁保間も欠かすわけにはいかないと見られますが,その計画はどうなっていますか。  4. この間,現在,比治山共同溝を施工中ですが,将来,高架を設けることを考えた配慮がなされているかどうかお聞きしたいと思います。  第3点として,広島沼田道路についてお尋ねいたします。  昭和59年12月第5回定例議会において,我が社会福祉クラブの伊藤幹事長が質問された広島沼田道路,すなわち,トンネルの件でございますが,この広島沼田道路は,21世紀の広島を支える非常に重要な路線としてとらえる必要があると思います。  この道路は,人口10万人の西部丘陵都市と都心を結ぶだけでなく,中国横断道路を介して,中国地方内陸部及び山陰地方とを最短時間で直結する道路とし,また,広島広域圏と都心を結ぶ道路として位置づける必要があります。  そこで,お尋ねいたしますが,中国横断道への接続の可能性は検討されていますか。  2. 己斐へのルートだと草津沼田道路との競合になるため,なるべく北側──中広宇品線方面で太田川放水路を渡るまでは信号なしのノンストップのルートが交通ネットワークのバランス上,好ましいと考えられますが,その見解はいかがでしょうか。  第4点として,府中祇園線についてお尋ねいたします。  東区を取り巻く道路状況はまことに憂慮すべきものがありますが,山陽自動車道,安芸府中道路の供用開始によって,さらに,この地区の混乱を来すものと思われます。旧安芸町,府中町方面から都心へのアクセスの不良及び市北部から東部の連絡網の未整備による混乱にあると言えましょう。  そこで,お尋ねいたしますが,府中祇園線は前者の交通を分散すると同時に,市の北東部環状系街路として後者の交通処理に役立つものと期待されますが,その整備の方向を,また,スケジュールなどをどのようにとらえておられるかお教えいただきたいと思います。  第5点として,鷹野橋南千田線と広島港を結ぶ道路についてお尋ねいたします。  広島の地形は,山地と丘陵で85.4%と大半を占めており,低地,いわゆる平地部は107キロ平米,14.6%と極めて狭小であります。そのため,広島の将来の開発は山か海となるわけですが,山の開発にも限度があります。そこで,海に向かって臨海部開発となり,宇品地区,出島沖地区などの開発が計画されています。  また,広島港も国際観光港として考えられ,さらに宇品地区再開発,メッセ・コンベンションの建設など臨海部に向けての開発が考えられていますが,鷹野橋宇品線は30メートル幅員で都心部に延びる道路構想として必要な街路と思われますが,どのようにお考えなのかを教えていただきたいと思います。  さて次に,広島の総合交通体系についてお尋ねいたします。  広島の総合交通体系の確立は,中量輸送機関である新交通システムをネットワーク化し,路面電車,国鉄と有機的な連携を図ることにより,軌道系中心の輸送体系の確立を目指しながら,郊外バス,市内バスを都心直通系統中心のバス体系から新交通システムを補完するフィーダーバス系統に重点を置くよう再編成を必要とすると思われます。  呉線,芸備線は複線電化にすることにより,速度,運行間隔に関するサービス水準の向上が図れます。芸備線複線電化の投資効率を上げるとともに,可部方面からのサービス水準向上のため,可部線と芸備線を短絡する必要があります。  また,新交通システムの施設整備計画も第1期の南北線,第2期の東西線として,そしてさらに,第3期の西部流通団地から観音を経由し,都心に向かう循環線の設置というように段階を持つ必要があろうかと思います。  そこで,広島の総合交通体系の確立を図るべく新交通システムについてお尋ねいたします。  1. 昭和46年の時代のHATS(ハッツ)のころの広島総合交通体系に対する交通計画は,都市計画などの教科書となり,一世を風靡し,他都市のモデルとなり,実行されて,今でも生かされていますが,肝心の広島市における総合交通体系に対する青写真の全体像がまだはっきりしていません。  広島市は21世紀総合交通体系をどのように考え,そして,新交通システムをどのように位置づけようとしているのかを教えていただきたいと思います。  2. 新交通システムの南北線,東西線については,その構想が発表されましたが,新交通システムのネットワークとしての超長期計画の西部流通団地から観音を経由して都心に向かう循環線となるべき新路線については,どのように考えておられるかお聞きしたいと思います。  3. 新交通システムの完成時において,その他の交通機関,国鉄,広電宮島線,路面電車,郊外バス,市内バスとの交通ネットワークをどのように考えておられるかお聞きしたいと思います。  4. 高取から沼田・石内間の約6キロメートルの延伸については,昭和69年開催のアジア競技大会のメーン会場が広域公園になることや,10万人規模の新たな拠点都市の建設を図る広島西部丘陵都市構想の実現が第1期分の開発事業として昭和64年度の着手となっていること,また,大塚地区の方が車両基地を確保しやすいことからも,この広域公園地区までの新交通システムの延伸が昭和69年度までにできないものかどうかお聞かせいただきたいと思います。  5. 新交通システムと国鉄可部線と交差する統合駅は,新たな開発拠点の中心となりますが,駅舎の規模,建設時期,国鉄駅舎とのかかわり,波及効果はどのようなものが考えられるかなど,交通体系の整備を地域の活性化にどのように結びつけようとされているか教えていただきたいと思います。  次に,都市交通と地下空間についてお尋ねいたします。  都市化に伴い地下空間は地上代替空間としてばかりでなく,地下の持つ特性と科学技術の進歩が相まって新しい国土利用の道を開いていくものと期待されているわけですが,最近は地下空間を積極的に開発利用しようとする動きが活発化しています。
     科学技術庁資源調査会が国土の総合的利用を図る観点から開発利用を推進する上での問題点及び行政などがとるべき方策について取りまとめ,地下空間の開発利用に関する調査報告を発表し,また,建設省が大都市中心部の地下の計画的な利用を図るため,地下利用計画の策定に乗り出す方針を決めました。  国土庁においても,第4次全国総合開発計画の長期展望作業,21世紀への展望の中で国土の新しいフロンティアとして多面的な利用が期待されるとして開発利用の必要性を挙げています。  広島においても,地下空間の利用は,鉄道,道路,トンネル,共同溝,石油,LNGの貯蔵施設など建設され,地下空間の利用をしています。  特に,広島の都市交通においても地下空間が利用され,昭和69年に開通する新交通システムや地下鉄道建設,地下路線が計画され,また,紙屋町交差点,広島駅の地下道や地下駐車場などの整備も計画されています。  このような現状にありながら,よく我々は──広島人は,広島の地形は三角州で,地下は砂だから,地下はなかなか利用されないといった概念が強く,地下空間の利用については消極的であったと思われます。  そこで,お尋ねしたいのは,1. 広島市は,地下空間の利用をどのように考えておられるのか,地下空間に対する基本的理念をお聞きしたいと思います。  また,高速交通体系の整備において,地下空間をどのように利用されようとしているのかお聞きしたいと思います。  2. 地下空間のスプロール化を防ぐためにも,都市における地下空間利用の秩序の確立が大切だと思いますが,地下空間利用の実態把握と行政的対応をどのように考えておられるかをお聞きしたいと思います。  3. 地下空間の利用図,すなわち,地下利用現況図や地下空間の計画的,効率的利用のための立体的な地下利用原図──台帳の作成はどのようになっていますか。  4. 都市における地下利用については,地上及び地下を含めて都市計画などで総合的な計画を確立する必要があると思いますが,関係省庁,自治体,事業者からなる連絡協議会などの設置や必要に応じて自治体などに地下空間を担当する部局を決めるなど,その体制整備を進めるなどにより,地下空間の利用の実態,長期的需要の把握,地下利用のマスタープランの作成,事業者に対する指導を進める必要があると思いますが,広島市ではどのように考えておられるかをお聞きしたいと思います。  終わりに,高齢社会と交通政策についてお尋ねいたします。  21世紀になりますと,3人に一人は65歳以上という社会になるわけですが,祇園新道を車に乗っている人も3人に一人は65歳,新交通に乗っている人も大多数がお年寄り,歩道も公園もお年寄りの花盛りとなり,私もその中の一人となると思いますが,このように社会生活が高齢者を中心としたものになるのは間違いのないところです。高齢社会における交通弱者の公共輸送利用が円滑に行えるように施設整備の形態上の配慮を行うことが大切だと思います。  また,高齢者の多数が自動車運転免許を持っていることに留意すること,大量輸送機関については便利の悪い地区をなくし,結節点の整備を行うなど,利便性の向上を図る必要があるかと思います。  そこで,広島市として来るべき高齢社会の交通政策をどのようにお考えなのか,また,他の政令市はどのように対策をしているのかお教えいただきたいと思います。  2. 昭和60年の第3回6月定例会におきまして,都市型高齢社会広島と行政の基本的対応についてのテーマで質問をさせていただいた中で,当時の建設局長は,自転車道,歩行者道及び波状道路横断歩行時間の問題につき,高齢化社会にふさわしい施設となりますよう今後十分配慮,改善するよう国へ要望していくと答えられましたが,どのような国への対応をされているのかお聞きしたいと思います。  そしてまた,新交通システムの駅舎の設置において高齢者の配慮については,今後,新交通システムが事業化され,設計の段階で広島市福祉のまちづくり環境整備要綱に基づいて対応していきたいとのことでしたが,どのように対応されようとしているのかをお聞きしたいと思います。  以上で私の質問は終わらさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの碓井議員の道路交通問題についての御質問にお答えいたしたいと思いますが,都市の発展にとりまして,道路交通体系の整備が極めて重要であることは御指摘のとおりでございます。  そこで,総合交通体系の確立についての中で広島市は総合交通体系をどのように考え,そして,新交通システムをどのように位置づけておるかということについて,総論的なお答えをいたしたいと思うわけでございます。  御案内のように,近年ますます深刻な状況を呈している広島都市圏の交通問題を解決いたしまして,安全で快適な都市環境を創造していくためには,鉄道,バス,自動車といった各交通機関がそれぞれの持つ利点や特徴を生かし,機能できるような総合的な交通体系の整備を進めていくことが極めて肝要でございます。  本市ではこうした総合的な交通体系整備を進めていく上での基本方針といたしまして,公共交通機関中心の交通体系の確立を掲げまして,既存の公共交通機関の一層の有効活用と質的向上を図りまして,通勤通学のために大量の交通需要が見込まれ,かつ土地利用上から道路整備に限界がある地域につきましては,新たにサービスレベルの高い軌道系公共交通機関を導入することとともに,各地の交通需要に応じた交通機関と有機的に連携したネットワークを形成することによって公共交通機関全体のレベルアップを図る考えでございます。  このような考え方のもとに,公共交通機関の将来計画について,今後の広島都市圏の市街化の動向と交通流動を勘案いたしますと,将来の交通動線は都心部を中心に広島駅から西広島駅に至る東西方向と太田川沿いの市街地部を縦貫して,都心から南へ至る南北方向の動線が著しく太い状況になると見込んでおります。  したがいまして,新たな公共交通機関の整備の方向につきましては,第1期計画といたしまして,安川流域と都心部を結ぶ新交通システム計画,次の段階として広島駅,都心,西広島駅を結ぶ東西線構想,新交通システムの都心から宇品方面への南進構想及び高取以西への延伸構想が望ましいネットワークであると考えております。  これらの将来構想を固めていくには,関係機関と協議しながら検討することが必要でありますが,本市としては,まず当面の緊急課題である北西部の交通対策である紙屋町─高取間の新交通システムに鋭意取り組んでいるものでございます。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) それでは,道路交通問題について私の方からお答え申し上げます。非常に項目が多ゆうございますので,要点でひとつお答えをいたしたいと思います。  まず,祇園新道の将来のあり方についてでございますけれども,この祇園新道の昭和75年時点の交通量は,牛田の浄水場付近で約1日9万台程度というふうに予想しておりまして,混雑度は約1程度となろうというふうに考えております。したがいまして,将来交通量には対応できるんじゃなかろうかという考え方をしております。また,この地点の昭和60年の10月の交通量は1日約4万7,000台で混雑度は約1.4となっておりまして,祇園新道の整備によりまして,こういったことの交通混雑は緩和されるというふうに考えております。  また,不動院前での広島三次線との交差部について相当の交通量が予想されるわけでございます。立体交差化について,これまで建設省と協議を重ねてきたところでございますけれども,地形的要因によりまして非常に困難があるといったことで現在のような計画になっておるところでございますが,しかし,御指摘のように,交通のネックとなるといったようなおそれもございますので,検討課題としてやっていきたいというふうに考えております。  それから,国道2号線の高架についてでございますけれども,国道2号高架を医師会館まで程度延ばすといったことの効果につきましては,出入り口がふやされるといったことから,観音本町交差点におきます交通混雑が緩和されますとともに,交通の円滑化が図られるものというふうに考えております。  また,高架を含めました都心部の国道2号のあり方につきましては,都心部での面的な交通処理対策の一環として考える必要があるといったことで,国,公団,県,市で構成いたします広島周辺幹線道路網整備連絡協議会でもって検討をしておるところでございます。  それから,広島沼田道路でございます。この広島沼田道路は,広島西部丘陵都市及び広島市の西部地域にとりまして,都心部と連絡いたします非常に大事な道路でございます。で,昭和60年度におきまして,ルート選定のための基礎調査を実施いたしました。61年度には,この基礎調査をもとに御指摘の道路への連絡等も踏まえまして,ルートの比較検討及び選定を行いまして,それから,事業手法の検討も進めていこうというふうに考えております。  それから,府中祇園線の関係でございますけれども,これは,昨日,熊本議員にもお答え申し上げましたように,現在,東区を中心といたします市北東部の幹線道路網基本計画を策定,準備──作成中でございます。この調査におきまして,この御指摘の中山地区,戸坂地区などの北西団地を連絡いたしますこの府中祇園線という道路につきましては,これの──この付近の交通の分散をさせる環状機能を持ちます必要性の高い道路といったことで位置づけておりまして,今後この計画案をもとに関係の方々と協議を行いまして,この基本計画を策定して,整備効果あるいは緊急性といったものを勘案しまして,事業化に向けてまいりたいというふうに考えております。  それから,今度は鷹野橋宇品線でございます。御指摘のように この宇品・出島地区では臨海部の開発を計画しております。海の玄関でございます広島港と都心部を直結いたしまして,広島市の南北の都市軸を形成させる必要がございます。したがいまして,この計画決定済みの鷹野橋南千田線を,これを延ばしまして──広島港まで延ばしまして,延長約3.4キロメートル,幅員が25メートルから30メートルの都市計画道路鷹野橋宇品線といったものを計画をしておるところでございます。現在,この都市計画決定に向けまして,関係機関と協議調整を行っております。元安川左岸埋立事業や臨海部の開発にあわせて整備を進めていこうというふうに考えております。  それから,新交通システム関係の御質問でございますけれども,この長期計画の西部開発から観音,都心へ至るコースについてはどうかということでございますけれども,この西部開発から観音,さらには,広島市の中心部へ連絡いたしますルートにつきましては,現時点で予測される将来の交通動線といった大きさから考えますと,山陽本線,宮島線,また,将来の東西線といった構想もありますので,非常に必要性は薄いというふうに考えられますけれども,西部地域一帯の開発が大きく進展しましたいわゆる将来の時点におきましては,現在予測しておる以上の大きな交通動線が生ずるといったことも考えられますので,その時点には御提案のルートの検討も必要になるんではなかろうかというふうに考えております。  それから,先ほど市長の方から申し上げましたいわゆる将来の南北線,東西線と,そういったものと他の交通機関とのネットワークはどうかといったことでございますけれども,新しく整備されます交通機関とその他の交通機関との基本的なネットワークといったものにつきましては,それぞれの交通機関が有機的にその役割分担を行いまして,お互いに連携いたしまして,利用者の利便性の向上を図れるようなネットワークを形成していくことが必要でございます。  具体的に申し上げますと,周辺部と中心部を結びます交通体系につきましては,国鉄の在来線,広電の宮島線,新交通システムの軌道系交通機関を中心に,郊外バスは,この軌道系の交通機関でカバーできない地域からの都心直通バス,それからまた,軌道系のフィーダーバスと──軌道系交通機関とのフィーダーバスといったことの役割を持たせます。  それからまた,それに道路整備によります専用レーンの設置でございますとか,あるいは有線信号の採用,それから,軌道系交通機関への乗りかえ施設の整備といったことで,バスの持つ機能を回復させまして,それぞれが有機的な役割を持つといったことの考え方でございます。  また,市中心部の交通体系でございますけれども,将来,地下式の軌道系交通機関が整備されました場合には,これを中心にいたしまして,きめの細かい面的サービスを受け持ちます市内バスとの有機的な連携を図るといった考えのもとに,都市圏全体の公共交通機関を中心といたしましたネットワーク化を進めてまいりたいというふうに考えております。  それから,新交通を高取からいわゆる西部丘陵都市構想まで一度に延ばしたらどうかというお話でございます。  この沼田・石内地区の開発には,軌道系の幹線が必要であるというふうには考えております。アジア大会の開催されます69年度までに延伸をするということが非常に望ましいわけでございますけれども,沼田・石内地区の人口は,昭和60年時点では2万5,000人程度でございまして,西部丘陵都市の開発の進展を待たずに延伸をいたしますと,先行投資といったものが非常に大きくなりまして,新交通システムそのものの経営といったものが非常に困難となるというおそれがございます。したがいまして,導入の時期につきましては,開発の動向等を十分に見きわめた上で決定するというふうに考えております。  それから,新交通システムの国鉄可部線との交差部に設けます統合駅でございますけれども,この統合駅は,いわゆる国鉄と新交通システムを利用される方がお互いに利用しやすいといったことで,この交差するところに統合駅をつくろうという考え方をしておるものでございます。  で,この統合駅の規模は,国鉄あるいは新交通システムの利用者数と,それからまた,それぞれの駅の位置関係とあるいは周辺市街地との調和といったものを考えまして,昭和61年度に行います統合駅の基本設計の中で検討することといたしております。  また,この駅は,新交通の開業時までには設置することになりますけれども,可部線の利用促進対策の観点からも,国鉄等の関係機関と協議が調い次第,早い時期に建築工事に着工したいというふうに考えております。  それからまた,統合駅をつくることによりましての地域への波及効果といったことでございますけれども,この統合駅そのものは,やっぱり地域の中心的な施設になろうというふうに考えております。業務施設の立地,土地の高度利用の促進が図られまして,地域の振興には大きく貢献すると,また,地域の活性化にも役立つものというふうに考えております。したがいまして,統合駅の設置によりまして,その地域の方の活力も図られ,また,可部線あるいは新交通システムが互いに利用しやすくなるんじゃなかろうかというふうに期待をいたしております。  それから,地下空間のお話でございますけれども,道路の──私ども道路の担当としまして,道路の地下空間につきましては,御案内のように,もう既に多目的な利用としておるわけでございまして,軌道系の公共輸送機関の地下化でございますとか,あるいはまた,電気,ガス等のエネルギーの輸送,それからまた,都市生活に必要な上下水道あるいは電話ケーブルキャブシステム等のいわゆる情報の伝達といったことの多くのものを収容いたしまして,有効な利用を図っておるところでございます。  また,将来につきましては,お話もございましたいわゆる道路の平面交差点を地下で結びまして,いわゆる立体交差化とか,あるいはまた,歩行者の多いところに設けます地下横断歩道でございますとか,こういったもので地下の利用はしておるわけでございます。  また,その管理につきましては,このたび国の指導で政令市が中心になりまして,道路管理センターといったものを設立いたしまして,道路の施設,また地下占用物件を電算化によりまして台帳をつくりまして,集中管理によりまして万全を期するというふうなことにしております。  それから,高齢化社会に対します交通政策でございますけれども,高齢化社会の到来に伴いまして,交通の安全性,快適性といったものが強く要請されております。  本市におきましては,これらを踏まえました総合的な交通対策といったものを考えておるわけでございますけれども,具体的に申し上げますと,コミュニティー道路の整備でございますとか,あるいは病院,駅,商店街等を有機的に連絡いたします歩道あるいは自転車道の整備,それから,バス,鉄道等の公共交通機関の整備,また,これの乗り継ぎ施設の利便性の向上といったものでございます。また,他の政令指定都市におきましても,本市と同様に整備をやっておりまして,高齢者対策を行っておるところでございます。  大阪市,名古屋市,北九州市の3市におきましては,住区全体の安全を確保するために,歩道,コミュニティー道路,それからまた,車の速度を制限さしますための車道への突起物の設置といったことの安全施設を面的に整備事業をやっておりますので,今後,本市におきましても,この整備手法も検討していきたいというふうに考えております。  また,国に対するこの何はどうかということでございますけれども,この高齢化社会に対します道路整備の必要性は十分認識しておりまして,より一層充実した内容を昭和63年度より始まります国の第10次道路整備5カ年計画といったものに反映いたしますために,昭和60年度に21世紀道路ビジョン懇談会におきましても,そのあたりの意見を幅広く聞いたところでございます。これらを踏まえまして,市としましては,道路整備の長期ビジョンを策定いたしまして,国に対しても強く要望していきたいというふうに考えております。  それから,高齢化社会に対しまして,新交通システムの駅舎はどうかということでございますけれども,これは,新交通システムを利用いただきます高齢者あるいは身体障害者の方々などの市民のそれぞれがいわゆる肉体的にも負担の少ない形で利用していただくのが一番の大きな──大変必要であろうというふうに考えておりまして,例えば,総理府の老人対策室のアンケート調査等によりますと,電車,地下鉄を利用いたします際の問題点といたしまして,階段が多いと,それからまた,エスカレーターがないといったふうなことの指摘をされておる方もかなりおられるようでございます。そういったことで,この新交通システムの駅舎につきましては,この点を十分に配慮いたしまして,設計の段階におきまして,広島市福祉のまちづくり環境整備要綱といったものがございますので,これを踏まえて対応をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 地下空間の利用についての御質問でございますが,本市におきましては,都市的利用可能地が少ないという地理的条件ございまして,土地の有効利用は極めて重要な課題となっております。これまでも広島駅の地下道──現在建設中でございますが,そのほか共同溝,あるいは地下の駐車場といったものの建設を行い,地下の有効な利用を図ってきたところでございますが,今後もこのことは肝要なことであろうと,このように考えております。  御指摘の地下空間利用のマスタープランの作成につきましては,今後の地下利用の動向を見きわめながら対応すべきものではなかろうかと考えられますので,将来の検討課題とさしていただきたいと存じます。  以上でございます。 ◆8番(碓井法明君) はい,ありがとうございました。 ○副議長(柳坪進君) 続いて40番西村敏蔵君。           〔40番西村敏蔵君登壇〕(拍手) ◆40番(西村敏蔵君) 自民党を代表しまして,二,三質問なり,要望を申し述べたいと思います。  まず,用途地域の変更についてであります。  これは,5年ごとの見直しということになっていまして,昭和59年がその年に当たりますが,今のテンポでいけば,61年末か62年初めになるのではないかという調子であります。10年先を先取りしなければならぬ課が,事務処理に2年もおくれることが許されるでしょうか。県のやることで,広島市だけ幾ら先行しても仕方がないという逃げ口上は通りません。それなら市として強硬に申し入れるべきで,もっと真剣に取り組むべきでありましょう。  説明会の資料には,活力あるまちづくりを目指して長期的展望,望ましい土地利用を促進するために変更を行う旨を明確にうたっています。十年一昔と言われた時代が,今は一年一昔の時代。見直しも3年か2年ごとに行ってもらいたいが,それができなければ,せめて確実に5年先を見越した思い切った見直しをすべきであります。予算委員会の席上,積極的な市の対応をお願いしてきたものでありますが,このたびの見直し原案では,都心を抱える中区ですらまことに不十分であります。  以前に西部開発の中央で周辺に何もない埋立地域が商業地域に指定され,荒野の真ん中に忽然としてパチンコ屋が開店した状況を思い出していただきたい。10年先を見越しての処置として当たり前のことと思います。それができるくらいなら都心も先取りを考えてもらいたい。  店が軒を連ね,商業活動の活発な商店街で,だれが見ても当然近隣商業か商業地域と思われるところが,このたびも都心の住居地域にされております。これには三つの条件があり,これに当てはまる人はありません。実際にこの恩恵を受けるのは,一部高級住宅街の地主ぐらいのもので,普通の商店街の人たちには全く無縁のものであります。すなわち,住居地域として建ぺい率60%,容積率200%を,これからまた5年間辛抱しろということになります。  戦後40年たち,世の中はすっかり変わってきました。坪100円の土地が100万円以上にもなり,固定資産税も数十倍に引き上げられた今日,40年前と少しも変わらぬ用地指定を押しつけようとされている。固定資産税をそれなりに安くすると言われるならばわかるが,一方的に引き上げながら,こんなむちゃな話はありません。  この原案を見て市民は,市会議員は一体何をしとるんか,市は何を考えているのかと騒いでおります。  当局は40%の空き地は道を広げるなり駐車場にすればよいとか,二,三軒で共同で300平米以上にしてやればよいと言われるが,1寸の土地を争い,店先道路まで物を並べたい商店街の人たちに到底のめる話ではありません。貴重な土地は管理上細分化はされても,合併して共同で使うことは,実際問題として大変困難なことであります。  一刻を争う商店街の人たちに40年前と同じ条件で土地の利用を押さえ込むこと自体,時代おくれも甚しいと言わざるを得ません。都心住居地域というこそくなことを考えるよりは,速やかに商業地域に積極的に変更すべきであります。  かつて地元の人が,住宅金融公庫の本店で,広島のような土地利用効率の悪いところに貴重な金は出せない,用途変更を受けてから出直しなさいと言われた。雑誌「現代」の3月号に世界的建築家の磯崎 新が,「伊勢神宮は木造で20年ごとに建てかえをやっておる。現在はコンクリート製のビルでも20年で建てかえる時代になった」と述べている。これほど世の中が進んできている中で,建物よりもっと先取りを急ぐべき土地の用途指定が40年前と全く進歩のない見直しなんて全く無意味であります。  ちなみに,中区の住居地域は約500ヘクタールありますが,この中で近隣商業または商業地域に引き上げられる予定はわずかに5.6%にすぎません。年1%割りです。こんなことで都市の活性化を望んだ5年ごとの見直しと言えるでありましょうか。残された公聴会でどれだけの市民の声がぶっつけられるかわかりませんが,市は誠意を持って前向きの対応を積極的にしてもらいたいと思います。  近隣商業地域よりは容積率の高い都心住居地域の方が住民が喜ぶだろうとの親心でしょうが,高価な土地を抱える住民にとっては,建ぺい率の高い近隣商業を望んでいることを配慮されたい。  商業地域の最高容積率が600から800に引き上げられたことだから,近隣商業も200が300に引き上げられてもおかしくありません。都心の近隣商業については当然のことと言えます。これから5年間の市民の土地利用に重大な影響を持つものであり,直接,都市の活性化につながるものであります。  市として費用も全くかからぬこと。市民の要望に沿って積極的に取り組んでもらいたいと思います。地元の新聞にも,金はかけなくても行政の知恵で解決できるものはきちんと解決する努力をしないと,住民の行政に対する愛着は憎悪に変わりますと言っております。  そこで,お尋ねいたします。  まず,見直しの基本的な方針についてお尋ねいたしたい。  次に,都心の近隣商業地域も同様に200から300に上げるつもりがあるかないかお聞かせ願いたい。  また,次の見直しが再びおくれないように計画表をあらかじめ早目に提出してもらいたいと思いますが,いかがでしょうか。  以上でございます。  次に 交通問題についてお尋ねいたします。  広島県の道路情勢は,後進県として全国的にもその勇名をはせていることは市長さんもよく御存じのことであります。県知事は,年末に250人の有識者を東京に送り込んでのデモンストレーションをおやりになりました。また,最近では,21世紀道路ビジョン懇談会を開いての熱の入れようでありますが,これとても,これから5カ年計画に上げていくという,まことに悠長な計画であります。もちろん,10年先を見越しての計画は遅滞なく確実にやってもらいたいと思っておりますが,今,私が指摘したいのは,現在の市域における交通問題の見直しが必要ではないかということであります。  交通安全面については交通安全対策課が対応されておりますが,交通渋滞の解消とか,施設上の問題点などについての対応は果たしてなされているのかどうか。されていれば,どの部局がどのように担当されておりますか,お尋ねいたします。  現在,道路事情の見直しの中には,建設省とか,あるいは県の公安委員会の受け持つ部分があるかもしれませんが,市が積極的に主導的に考えていってもらいたいものです。  そこで,今,一例として市役所横の国道2号線の交通渋滞の問題であります。(図面を示す)  これが電車道路──東進の車がこの電車道路でネックになりまして,大変な渋滞を起こしております。ひどいときは,川を三つ越えた観音町から渋滞しておる。どこに原因があるか。これには4車線でバイパスが来ております,片道4車線。それが根元において右折のレーンが一つ設けられて五つに分かれておりますが,右の二つは右折の車でいっぱいで実際に直進には何にも役に立ちません。結局,真ん中の二つの車線で直進を賄っているという状態になっております。それによりまして,当然大きな渋滞が起こります。こちらから入ってきた車も,実際はここを曲がらねばいかないんですが,これは,この中に割り込んで直進に進んでおります。もう一つ,大手町からの車なども皆これへ入ってきて,この直進の中へ割り込みをやっております。  そういうことで,ここは常に大混雑を起こしております。これに,この左の線に直進の方向をつけていただいたら,完全ではありませんが,確実にかなりの直進車がはけるということでございます。御検討を願いたい。  それから,もう一つ 空鞘橋の西詰めの問題でございます。(図面を示す)  空鞘橋から左へ曲がる道──空鞘橋から左へ曲がる道は,45度の鋭角になっております。大型車などが非常に困っております。それにこちらの土手を北進してきた車が,右折する車が非常にここは多いところでございます。この渋滞もひどいときは相生橋のところまで渋滞することがございます。  かねて私は,こういう橋をつくるときには,道路より広げて少しでも交通渋滞を吸収するように考えたらどうかと,それができなければ,少なくとも根元をふくらしなさいということをかねがね言っております。ここの場合も簡単にここに隅つけをやれば,ここの交通の困難さはたちどころに解消される問題ではないかと思うわけでございます。  私の周りの狭い範囲内でも,このような例が幾らでも見当たるわけです。広い市域内ではそれなりの調査検討をされれば,まだまだ掘り出すことがたくさんあると思います。大して金のかかる問題ではなく,前にも述べたように,2月10日の新聞は,21世紀道路ビジョン懇談会を批判して,こういうふうに述べてあります。金をかけなくても行政の知恵で解決できるものはきちんと解決する努力をしないと,住民の道路行政に対する愛着は憎悪に変わると。市のこのような問題に対して,いかに対処されようとするか,重ねてお尋ねいたします。  次に,3番目としまして,円高と地場産業についてお尋ねいたします。  最近の日本経済は,円高・ドル安の変動に大きく揺れ,遂に180円を割るに至りました。特に,輸出関連の産業界では生産コストを切り詰めるなどの苦しい対応に迫られておるが,まさにダウン寸前の工場が続出しております。  一方では皮肉にも輸入促進,内需拡大政策も含めて,これが貿易摩擦の解消に役立つなど,世界的な経済構造の中での厳しい現象を呈しております。今後170円近くの円高を予想する向きもあるようですが,広島市域にも自動車,針,ゴムなどの輸出関連企業があります。現状はいかになっているのか,協力下請業界を含めて御説明をいただきたい。  また,広島市の経済界を支えている産業や企業であるので,今後の動向が極めて重大であります。市長さんの御見解をお伺いします。  次に教育の問題についてであります。  先日の建国記念日には紙屋町で日の丸の小旗の配布をやってもらいましたが,中年の方の中には顔を背けて逃げるようにされた方が何人か見受けられたそうです。一ころのようなマスコミの苦々しい記事の取り扱いは少なくなりましたが,地元紙でも700人の奉祝式典より250人の反対集会の記事を多く掲載している姿勢には,頭をかしげるものであります。建国記念日は,国の誕生日として,どの国でも祝福されているにもかかわらず,我が国では反対集会がいつも大きくはやし立てられております。
     建国記念日については,一部で言われているように歴史的事実が疑わしいとか,不合理である,あるいは軍国主義につながるなどと言われているが,そのような疑問については,既に多くの専門家により検討されて,国会の場で決定されたものであります。これを素直に守ることこそ,真の民主主義というものではないでしょうか。キリストの降誕が科学的に事実と違うといって騒ぐのと同じ愚のたぐいです。日本の神話も,歴史的事実に基づいて語り伝えられてきた背景を思うべきであります。  元来,日本民族は自然を愛し,生きとし生けるものを愛し,その恩愛に心から感謝してきた美しい民族であります。ゆえに,それらをすべて神としてあがめ,報恩のまことをささげてきた民族であります。それが神ながらの道であり,その行事が政(まつりごと)であります。日本とは,そのようなすばらしい民族によってつくられた神の国であって,宗教で言う神道(しんとう)とは別の事柄であります。この民族は,安らけく,平らけく,豊けく,直き心を持ち,言挙げせぬ国でありました。このたびの臨時教育審議会の教育目標の3本柱の一つに,広い心と豊かな創造力を挙げられたのももっともなことです。  戦後の教育は,日本民族の弱体化を図った占領政策に基づき,憲法の改正,教育勅語の廃止などを行う一方,極東軍事裁判史観による教育を押しつけられ,いまだにその束縛から逃れられずに苦しんでいるありさまであります。教科書は侵略国扱いで,国としての誉れも,民族としての誇りもなく,遂には本来の美しい心を失い,いたずらに闘争心をかき立て,果ては祖国をのろい,祖先を誹謗し,国旗,国歌に反対して,公然と反逆的な教育が一部の現場で行われている実情であります。今日の非行,登校拒否あるいはいじめの問題もその結果のあらわれと思います。  東京裁判は,今では戦勝国が戦敗国を一方的に裁いた時代逆行の復讐裁判であり,原爆やシベリア抑留などの犯罪を無視した無法なリンチであり,茶番劇として批判されております。11人の判事の中で,ただ一人,日本無罪論を唱え,膨大な裁判記録を残したインドのパール判事のみが最も正しい判断であったことが,世界の法律学者で認められております。それを裏づけるように,アメリカのマッカーサー元帥,キーナン首席検事あるいはオランダのレーリング判事なども,後でその誤りを述懐しております。特に,パール博士は,昭和27年,広島で,「私は17年間の歴史を綿密に調べ,欧米こそ憎むべき,アジア侵略の張本人であった。日本の子弟がゆがめられた罪悪感を背負って,卑屈,退廃に流されいくのを平然と見逃すわけにはいかない。私の判決文を通して,真実の歴史を十分に研究していただきたい。」と言い残されておる。  市長さん,あなたは外国の人たちの言われることはよく聞かれますが,このパール博士が日本の教育を憂えて,この広島の地で話されたことを御存じでしょうか。  また,レーリング判事も,昭和58年に「日本は東南アジアを侵略していた軍隊と戦ったのだから侵略ではない。昭和18年にはビルマ,フィリピン 次いでインドネシアも独立した。さらに,アジア,アフリカ,太平洋諸島に至るまで,ほとんど全世界の植民地の解放独立を見たことは,世界史上空前の偉観である。その陰に日本の幾多の将兵の献身と一般国民の苦難があった。これらの歴史を公正に記してこそ,日本の教科書と言えよう。」とまで言ってくれておられます。  我々は,真実の実体を見きわめていく必要があります。秘密文書の公開や調査研究により真珠湾攻撃が日本の暗号を解読しながら,不法な挑発を続けていく真相や南京大虐殺の虚構等が暴露されております。煙幕を毒ガスに仕立てたり,馬賊の首で虐殺をあふる一部マスコミの態度にも問題があります。  その他,憲法も第9条は守るが,第1条は守ろうとしなかったり,スパイ防止法に反対するような反逆的言論がまかり通るまことに結構な国であります。(笑声)世界の主要独立国で,この法律のない国はありません。暗黒社会から自由社会を守るための法案に反対し,国民の人権よりスパイの人権を擁護しようとする動きに外国人はあきれております。(笑声)世界中で最も反日的人種は日本民族であるとか,反日国家日本,あるいは日本の常識は世界の非常識とまで言われております。  バーナード・リーチは,「日本には何でもあるが,自分自身がない。」と言っております。イギリスのジャーナリスト,タイトルマンは,日本の教科書を見て,「これが本当なら,民族としての伝統も誇りも希望もないドンキーの歴史だ。」──ドンキーとはロバです。「ドンキーの歴史だ。」と嘆いております。  私たちは,この150年間のすばらしい歴史の歩みを顧みるとき,先人の偉大さに心を打たれるものであります。次々に野心を持って我が国を襲ってくる列強との対応,一発の弾丸も一滴の血も流さずに封建制度を廃止したこと,朝鮮救援のための日清,日露の戦争,そのあげくに懇請されての朝鮮併合であった。これとても植民地政策による侵略と決めつける人がありますが,明治9年の日朝修好条規締結以来の経過を十分に調べれば明らかになります。戦後いち早く韓国と台湾が立ち上がることのできた原因の一つが,日本が苦しい中から多くの優秀な教師を辺地にまで送り込んでの教育でありました。欧米の植民地政策の結果として今日のフィリピンやアフリカにおける混乱を見るとき,教育の重大さを痛感せずにはおられません。もし,日本が朝鮮の救援に失敗していたなら,今日のアジアはなかったであろう。日本,朝鮮は第2のフィリピンとなり,中国は第2のアフリカとなり,欧米の苛酷な圧制のもとに,アジアは今も呻吟し続けたでありましょう。  日露戦争の影響は遠くフィンランド,トルコの独立を促し,アジア,アラブの指導者や独立運動の志士たちが続々と日本を慕って亡命してきております。中国革命の父と言われた孫文も2度も亡命して,横浜周辺には3万人の中国人が入り,その中には蒋介石や周恩来もいて,彼の薫陶を受けたものであります。日本にもし領土や植民地的野望があったなら,こんなことはあり得ません。  大東亜戦争は,情け容赦ない列強の圧迫のもとに孤立し,耐えがたきを耐え続けて,遂に東亜安定,自存自衛のための正義の剣をとったものであります。日本人は,本来島国の農耕民族で平和を愛し,決して好戦民族ではないが,奴隷になることは大和魂が許さなかった。不幸にして戦いは敗れたが,その気慨と教育によって培われていた文化の力で敗戦後40年にして今日の繁栄をもたらしたものであります。  戦後,東京裁判はさらにA級7人を初めB,C級の多くの犠牲者を出しました。彼らは,246万の英霊とともに神として靖国神社へ祭られております。私たちにとっては,皆とうとい人たちで 国民として心から感謝をささげるものであります。敵国の尻馬に乗って,この人たちを戦犯呼ばわりする人たちを外人は批判しております。(不規則発言あり)敵国人が言うならわかるが,同じ同胞,先輩を戦犯呼ばわりするとはおかしい,あれで自分が彼らより偉いつもりでいるのかと冷やかに笑っている。  改めて我が国の現代史をこのように見るとき,しみじみと祖国の悲劇的な宿命に涙するとともに,その偉大な足跡に深い感激を覚えるものであります。長い歴史の中にはそれなりに謙虚に反省すべき点も多々あります。私の話が時間がなくて十分に意を尽くしませんでしたが,(不規則発言あり)御理解いただけば幸いです。  さて,日本においては,すべての時代のバックボーンは天皇陛下であります。来る4月29日には天皇御誕生日を迎えますが,国民とともに苦難をともにせられてこられた天皇陛下の御在位60年を心から皆さんとともにことほぎたいと思っております。  臨教審では,日本人としての自覚,伝統の尊重,徳育の充実などが指摘されていますが,そのためにもぜひとも教育勅語の復活を願うものであります。  教育は,何といっても教員の人柄が大切であります。臨教審の指摘する教員の資質向上,教職に優秀な人材の確保については,特に教育に御理解の深い市長さんに御配慮を要望して,(笑声)私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの西村議員の御意見,御質問の中で用途地域の指定の見直しについて,いろいろと用途地域の見直しがおくれたことについて市民の多くの方々から御不満があるようでございまして,私もその点は痛感しておるわけでございます。 今回の用途地域の見直しというのは,ただ広島市域だけの問題ではございませんで,いわゆる広島都市圏内の問題として見直しをされたというような関係がございまして,広島市だけが見直しをやっておりましても,その都市圏内の他の市町に見直し作業がおくれておりますと,それまで待たなきゃならぬというような事情があるわけでございまして,私,市長といたしましても,見直しがいつできるのかということは,二,三年前からいろいろ気をもんでおったところでございます。  この問題というのは,やはり昨日から,国,地方を通じての行政改革問題が,米田議員さんの方ですか,ございました中で,広島市並びに地方6団体が取り組んでまいりましたことを説明いたしておりますが,都市計画の決定等,地方の自主的運営にゆだねられるべきもの180件というのを申し上げておりますが,その中にやはり都市計画の決定というのは,せめて政令指定都市というような都市は,他の市町とは違いまして,非常に都市化の方向で変化をいたしておるわけでございますので,その変化に対応できるようにやはり政令市が直接にこの決定の──都市計画の見直しをする必要があるということをかねがね地方6団体などでも主張しておるところでございまして,今後今のようなことのないように,都市計画決定等につきましては,地方自治団体の自主的運営に任されるような法改正が必要ではないかと,今後さらにそういう点についても努力を払わなければならぬかと思うわけでございます。  今回の,したがって,見直しについては時期等についての要望等がございますが,今申し上げましたようなことを踏まえて十分発展する,変動する,変化する都市が適切に対応できるような,そういう都市計画決定の権限を付与されるように努力すると同時に,その精神を生かしていただくように県の方にも強く要望しなければならぬ,こういうふうに考えているところでございます。  申すまでもないわけでございますが,今回の本市の用途地域──線引き及び用途地域の変更につきましては,申すまでもなく無秩序な市街化を防止いたしまして,計画的に市街化を図るとともに,土地の合理的な活用を図るために定めるものでございまして,この基本的な考え方につきましては,線引きについては,将来の宅地需要に適正に対処するとともに,市街化区域における健全な市街地形成を図るため,市街地整備が確実な区域について行うということにいたしたものでございますし,また,用途地域につきましては,将来の高層建築動向を適正に規制,誘導するために,近年の土地利用動向や将来の都市構造から見て,変更の必要性,緊急性の高いところについて見直しを行ったものでございまして,特に,本市の場合,平担地の少ないという地理的条件の中で都心商業地域の容積率の見直し,あるいは人口急増地域及び幹線道路沿道地区等の近隣商業地域の形成を図るための見直し,あるいは都心居住を促進するため,住居地域の容積率の見直しなど,長期的展望に立った見直しを行ったものでございまして,いろいろとこの原案につきましては,市民の中から多くの公聴会に対する要望等が出ておるようでございますが,将来それらを踏まえながら早く見直しができるような努力をすべきであろうと,こういうように思うわけでございます。  以上。 ○副議長(柳坪進君) 経済局長。 ◎経済局長(網井信昭君) 円高の影響とその対応について御答弁申し上げます。  昨今の急激な円高によりまして,最も大きな影響を受けておりますのは,輸出比率の高い自動車関連産業,それから,針の業界でございます。12月の時点で起きました──というのは,1ドル=200円当時のことでございますけれども,その当時,自動車業界の方では,輸出車の4.8%の値上げと経費の節減等による企業内での吸収といいましょうか,そういう経費節減等によって対処をしていこうというようなことでやってきておりまして,現在では1ドル=180円,きのうなんかは178円になっておりますけれども,そういうような中で自動車業界はもう少し円高のどういいましょうか,推移を見詰めて,そこらがもう少し落ちついたところで今後の対応は考えていきたいというのが自動車関連業界でございます。  それから,針の業界でございますけれども,やはり12月の時点で調査いたしましたときには,大部分が商社を通じての円建ての契約になっております関係上,影響がほとんど出ておりませんでした。しかし,その後の調査によりますと,このことしに入っての急激な円高によりまして,いろいろと影響が出てきております。  まず第1は,受注の残が相当少なくなっております。通常でしたら3カ月分程度の受注残を持っておるんですけれども,現在では新規発注の見合わせ等によりまして,各企業とも1カ月分程度の受注残しか持っておりません。  それから,もう一つは,仲介商社から値引き等の要求が出てきております。それから,今回の円高によります外国との価格競争力が非常に低下してきております。といいますのは,英国のポンドあるいは西ドイツのマルクが円に比べて,それほど高くなっておりません。そういうふうなことから,外国製品との競争が激化しておるということでございます。  また,それと同時に,国内市場においても価格競争が激化してまいりまして,値崩れによる採算割れとかいうふうなものが起こってくる可能性があるわけでございます。さらには,そういうようなことから,操業率が低下をしてくることが予想されております。  こういうふうな影響の中で針の業界といたしましては,中・長期的にはやはり一層の合理化,共同化というふうなことによりまして,コストダウンや商品の高級化に進んでいくことをやっております。それと同時に,事業の多角化あるいは転換等についても検討を進めております。一方,当面の対応といたしましては,低利の融資を望んでおります。  そういうようなことから,国といたしましては,国際経済調整対策等特別貸付制度あるいは特定中小企業者転換対策等臨時措置法というふうなものを設けまして,まず緊急措置として,低利の融資制度等により対応するということにしておりまして,長期的にはやはり中小企業が行う事業転換について,補助あるいは金融等の支援を講ずることとしておるわけでございます。また,必要に応じましては,雇用保険法に基づきまして,雇用調整助成金の給付が受給できるような制度も設けてきておるようなことでございます。  広島県といたしましては,円高関連対策特別融資制度を設けまして,国の融資面を補完する措置を講じております。本市といたしましては,針業界が先に申しました国の助成措置の適用業種に指定されるように働きかけを行っております。  それとともに,本市の独自の対策として,円高に伴う資金需要に対しては,現行の中小企業の融資制度を活用することといたしておりまして,来年度は経営安定資金,短期事業資金の融資枠を前年度に比べて約16億円増加するということにしております。貸付金の金利につきましても,可能なものについては引き下げるよう措置を講じたいというふうに考えております。  さらに,企業と密接な連携をとりながら,経営の診断,指導を行いますとともに,中小企業経営委員による実践指導あるいは巡回指導の実施によりまして,企業体質の改善強化について支援をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 近隣商業地域の容積率を一律300%に指定してはどうかという御質問でございますが,御高承のとおり,近隣商業地域は日常生活に必要な店舗を主とする商店などの利便を図るための地域でございますけれども,今回の変更におきましては,店舗,事務所など商業系建物の現在の集積の状況や近年の立地動向などから判断をいたしまして,計画的な用途指定を行うとともに容積率の改定を行ったものでございます。  都心部における近隣商業地域につきましては,都市的に利用できる土地が少ないため,一律300%の指定を行ったらどうかと,こういう御質問でございますけれども,この地域につきましても,各方面からのいろいろな御意見をお聞きしながら,地区ごとの立地条件や道路などの基盤整備の状況を総合的に勘案をいたしまして,改定を行ったところでございますので,何分の御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 道路の問題でございますけれども,議員,御指摘のように,確かに広島市都心部の幹線道路の整備は一応戦災復興土地区画整理事業あるいはその後の街路事業によって進められてきてはおりますけれども,非常に混雑を起こしまして,日常生活あるいは業務活動に支障を来しておるという状況でございまして,そうかと申しまして,新しい道路を市街地につくるというのは非常に困難な仕事でございます。そういったことから,この今まであります道路をうまく使う方法はないかというふうなことが議員御提案のことだと思います。  したがいまして,私どももとりあえずできることはなかろうかというふうなこと,そういったことを研究いたしますために,学識経験者,また,中国地建,それから運輸局,それから広島県警──これは,つくるのは私どもでつくりますけれども,道路の場合,コントロールするのは警察というようなことがございますので,このあたりがやっぱり一体化をする必要があるということで,特に,県警の方にもお願いしております。それから,広島県,それで広島市といったことでもって,今,都心部交通──道路交通処理検討委員会といったものをつくりまして,60年度より始めておるわけでございまして,60年度から2年間でもってこの交通処理基礎調査といったことをまとめ上げようということで考えておるわけでございます。で,現在は,その渋滞箇所の把握とその原因の分析といったことをやっておるところでございまして,先ほど図面でもってお示しされましたようなことも一つの例かと思います。  これを踏まえまして,61年度には,まず,ソフトな対策としましては,信号制御あるいは交通規制の見直し,それから,バス停,電停,タクシーべイ等のいわゆる位置関係,それからまた,ハードな対策としましては,交差点の改良でございますとか,あるいは交差点の立体交差といったものも検討していくべきじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  この調査をいたしましたこの結果をもとに,また,いろいろと機関とも調整を図りながら,できるものから取り組んでいきたいというふうに考えております。  それからまた,橋梁と道路とのその交差部のところでございますけれども,これは,橋梁個々において交差の角度でございますとか,道路の幅員,それからまた,高さの条件,そういったもの,いろいろございます。たまたま空鞘橋の例をお挙げになりましたけれども,そこも一つの条件もあるわけでございますけれども,これらにつきましても,できるものは研究をいたしまして対応してまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(柳坪進君) 40番。 ◆40番(西村敏蔵君) 1点だけ,今の用途地域の問題でございますが,盛んに集積のことを言われるんですが,西部開発のパチンコ屋のときは全然集積はなかったことでもありますんで,少なくとも5年先の集積を考えてやってもらわないと,その後追いじゃだめなんですよ,先取りでないとね。  だから,そこを特にお願いして,あとは委員会でやらしていただきます。  ─────────────────────────────────            休   憩   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) この際,15分ほど休憩いたします。              午後2時57分休憩  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜              午後3時19分開議              出席議員  39名              欠席議員  23名 ○副議長(柳坪進君) 出席議員39名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) 休憩前に引き続き会議を開きます。50番中本 弘君。           〔50番中本 弘君登壇〕(拍手) ◆50番(中本弘君) 休憩前に引き続きまして会議が持たれました。先ほどの西村先生のような高邁な御質問があった後でもございますし,また,質問も2日目ということになりますと,それも七,八番目ということになりますと,いろいろ角度を変えたり立場を変えたりとは言いながらも,今までの御質問とダブるような向きもあるかと思うのであります。今さらのように勉強の足りなさを憂うるわけでございますけれども,しばらくの御辛抱でございますのでお聞きをいただきたい,こういうように思います。  昭和61年第1回広島市議会定例会が開会をされました。これから約1カ月にわたって,総額5,557億円余りの膨大な予算案の審議に入るわけでございますけれども,今回は特に1年後に改選を迎える荒木市長3期目の総仕上げ的な性格の強い,荒木市長にとっても,また市民にとりましても,また我々にとりましても重要な意味を持つ予算市会であろうかと思うわけでございます。  ここで荒木市政3期11年間にわたる功罪について意見を述べたり,また論争するつもりはないのでございますけれども,政治,経済,文化,教育,福祉,いずれをとりましても,世の中の進歩に比例をして,いつの時代でももうこれでよいというものはないのであります。下世話の中に「飽くのめがない」という言葉がございますけれども,行政においても全くそのとおりであろうかと思うわけでございます。  今回の予算編成は,先ほども申し上げましたように,荒木市政の集大成とも言えるような荒木哲学をふんだんに盛り込んだロマンに満ちた,また希望を持って所見できるようなものであろうというふうに大いに期待をしておったわけでございますけれども,ふだんと変わらない飾り気のないふだん着のままのような,ちょっぴり期待はずれの感すら覚えるような予算案になっておるのはどうしたことでございましょうか。  21世紀を目指してとか,また21世紀に向かってとか,確かにお題目としては21世紀への対応ということが随所に見られまして,21世紀を見据えた社会資本の充実への意欲はそれなりの評価はするわけでございますけれども,よくよく内容を検討してみると,大半が8年後のアジア大会にその焦点を合わせたものであるところに問題があるように思うのであります。  あすからいよいよ冬季のアジア大会──これも初めてのようでございますけれども,これが開催されるようでございますが,私が憂うるのは,アジア大会の後に21世紀が到来するのだという観点ではなくて,21世紀を迎える過程の中でアジア大会があるというとらえ方をしなければ,アジア大会終了後は何もかもすべてが終わりで,気抜けのビールのようなうつろな都市になるんではなかろうかというふうな危惧を持つのでございます。  中国地建では,きょう21世紀懇談会を開催することになっておるようでございます。産業構造のあり方であるとか,また生活基盤の整備であるとか,高齢化社会への対応であるとか,交通体系の問題等,いろいろと検討することになっておるようでございます。12名ぐらいの人員構成で,中国5県の財界人を集めてフリートーキングで会議を持つようになっておるようでございます。  広島市も,今こそ20年,30年,いや50年,100年にわたるような長期にわたっての大計画を立てるべきときであろうと思うのでありますが,いかがでございましょうか。  丘陵都市の建設であるとか,臨海部の埋め立て,また都市間並びに都市内交通の整備等,現在の市域内における長期にわたる事業への取り組みも確かに大切ではありますけれども,少なくとも広島市の将来構想の中には,周辺の市町村を含めた市域の拡大,すなわち一段と大規模な広域都市圏構想もその中に入れるべきではないかと思うのですが,いかがでございましょうか。  1市19町の合併さえもまだ消化できていないのに次の計画ということは考えにくいということもあるかと思いますけれども,21世紀における中枢管理機能都市としての広島市のあるべき姿を想定したときに,今の時点で既に江能各町はもちろん,呉市,東広島市との合併をも含めた大広島都市圏構想を打ち立てて,夢とロマンのあるあすの広島に立ち向かう必要があると思いますが,いかがでございましょうか。  既に江能各町は,現在ですら呉市──江能各町はもちろんのこと,呉市,東広島市におきましても,その生活圏,経済圏は広島にあるといっても過言ではないのであります。大ぶろしきであっても,結ぶことさえできさえすれば,永劫不滅の名市長としての名声を後世に伝えることになろうかと思いますが,その点はいかがでございましょうか。  先日来の答弁の中でいろいろ気になりますのは,具体化に向けて努力を重ねていきたいと思いますという言葉が盛んに市長の口から出ておりますけれども,そんな答弁ではなくて,その問題についてはこのように即座に対応いたしますと言っていただければ,議員諸公も皆安心をされるのではなかろうかと思うのでございます。  次に,円高・ドル安の影響による産業界の不況対策について御質問を申し上げたいと思うのであります。  この問題につきましても,先日以来,各議員から質問が出ております。  円高が輸出産業の生産減退や設備投資意欲の低下を招き,公定歩合の引き下げも景気後退を食いとめるほどの効果は余りないという見方が強いようで,雇用面でも新規求人倍率並びに有効求人倍率ともに横ばいか,あるいは低下の傾向にありまして,既に景気のかげりが雇用面でも出始めておりまして,特に中小企業の円高被害に対する救済措置の早期実施が望まれるところでございます。  政府は,中小企業向け円高対策として,既に実施をしております国際経済調整対策等特別融資制度とさきに成立をしておりますところの特定中小企業事業転換等臨時措置法の2本立てといたしました。信用保証枠の拡大であるとか,設備近代化資金返済猶予など,当面の経済安定策のほか,内需依存型業種への転換──事業転換対策を進めることにしており,一方,また,労働省の方では,円高による受注減で雇用調整を実施しておる製造業等を対象に雇用調整助成金を繰り上げ支給をし,できるだけ雇用を維持するよう指導することになっております。  他方,急激な円高対策のため,広島県が昨年末に設けました円高関連対策特別融資にも申し込みが殺到しておるようでございまして,年度内5億円の融資枠の突破が確実になったと言われております。  県は,早速,円高影響の深刻が予想される新年度には,さらにこれを10億円の枠に拡大をいたしまして,中小企業の円高救済に当たることにしておるようでございます。  このような国,県の円高救済対策を受けて,広島市も真剣にこの問題と取り組むべきであろうと思うわけでございます。  また一面,泣く者がいれば笑う者がおると,こういうことが世の中の常であるかどうか,円高差益と原油の大幅な値下げによる電力,都市ガス,石油業界の利益は相当なものがあるようでございます。  61年度には,1兆円を超すような差益が発生すると見込まれておるようでございまして,利益の消費者への還元策が問題になっておるところでございます。  通産省は,差益還元をめぐる各界の意見を調整するために,有識者による差益問題懇談会を早速設置をいたしまして,その報告は4月上旬にまとめることになっておるようでございます。  電気事業審議会料金制度部会に諮問をすることになっておるようでございますが,通産省としては,料金の一律引き下げと同時に,業界の設備投資を増額して内需拡大に振り向ける方が景気浮揚効果が非常に大きいという判断の上に立って,電線の地中化,また送電線の多回線化,ガス管の更新などを中心として,62年度までに総額1兆円を超すような設備投資をするよう業界を指導しておるようでございます。61年度実質成長率をこれによって2%押し上げようというもくろみのようでございます。  そうした一連の還元策の中で特に興味が持たれるのは,電線の地中化──地下埋蔵化でございます。欧米諸国では,電線の地中化率は,ロンドンで100%,パリで90%,ニューヨークで72%に対しまして,我が国は,残念なるかな全体で2.5%,東京都でさえも27%と,先進都市と比較いたしまして大きくおくれておるのでございます。  差益還元,内需拡大の要請を契機に規模拡大を求める絶好のチャンスとして,59年10月には,都道府県所在市の主要都市の主要道路を主体に今後10年間で1,000キロ程度の地下埋をやろうという合意事項があるのでございますけれども,その絶好の見直しのチャンスであると思うのでございますが,その点についての見解をお伺いしたいと思うのであります。  関係機関によって,中国地区電線類地中化協議会が発足をいたしております。4月中旬,地中化する具体的な場所や範囲,方法などを,向こう5年間の基本構想を策定をいたしまして工事を進めることになっておるようでございますけれども,いろいろ聞いてみますと,広島市内分で40億円,広島市の中心部12キロ分がその中で予定をされておるということでございますので,都心から電線の消える日も間近いもんだと,我々は大いに期待をすると同時に,近来にないこれは快挙であろうというふうにも思っておるようなことでございます。  また,ついでながらでございますが,62年度までに8.5キロの全体計画のうち4キロの完成を目指しております祇園新道の共同溝工事,これについてもできればひとつ,この際,御説明をしていただいとけばと思うわけでございます。  次に,地方自治体は,今やイベントブームでございます。ことし2月までのイベントの数を見てみますと,全国で200件を超えております。3年後の64年には,市制施行100周年,初めて市制が始まった明治22年に市として名乗りを上げたものが全国で38自治体ございます。中国地方では,広島を初め下関,岡山,松江,鳥取の5市がそれに該当するわけでございますけれども,そうした中で岡山市は,市民からアイデアを募集し,小・中学生の作文募集を終えまして,近く基本構想策定のための懇談会を発足させることになっておりますし,鳥取市は,昨年12月,市政懇話会青年部会から鳥取城の復元,街づくり募金の設置などの提言を受けまして,近く市民を含めた推進委員会をスタートさせることになっております。  このほか大阪市は「テクノポート大阪計画」,横浜は21世紀をにらんだ「みなとみらい21計画」を推進することにしておりますし,福岡市は「アジア太平洋博覧会」の開催,名古屋は「新世紀まつり」と,いろいろと各都市各様の企画をいたしておりまして,64年を中心に日本列島はまさにイベントの花盛りと言えるような状況になるわけでございます。  市制100周年と広島築城400年を迎える広島市も,他都市に負けじ劣らじとばかり,2月21日に民間有識者等によりまして記念事業懇談会を発足をさせました。イベントの本格的な準備に入りまして,5月にはその報告を受けて具体化に入りまして,62年度から記念事業の一部をスタートする考えのようでございますけれども,このイベント競争に打ちかって21世紀に夢とロマンをつなぐためには,一過性のものではなくて,経済的,文化的にも波及的その効果を踏まえながら,長期,大規模なものが求められると思うのでございますが,その点はいかがでございましょうか,お尋ねをいたしておきたいと思うのでございます。  次に,都心の狭い土地を有効に利用するため,広島市は旧市内ののっぽ化をさらに進める都市計画区域の用途地域の見直し作業を進める一方,戦後復興の土地区画整理などで都市基盤の整備が終わっておる旧市内には,新たに都心居住地域を設け,都市中心部の住宅建設を促進する計画が進められておるようでございますけれども,平地の少ない広島市で都市化が急激に進み,特に旧市内では住環境が極度に悪化して周辺部への人口流出が続いており,一方では中心部で経済活動が活発化して建築需要が急増しているものの,容積率の制限などで必要な床面積が確保できないなどの問題が生じております。  今回のような大幅な見直しは,54年度に一部変更されたものの,46年以降初めてのことでありまして,関係市民の注意と関心はことのほか強いものがあるのであります。  そうした中で,中心部で今回当然容積率の変更が住民の総意として期待される地域が変更されずに残されているのは,いとも不思議な気がしてならないのであります。基準に合わないとか,また計算式では変更ができにくいとか,いろいろ理由はあるようでございますけれども,行政の都合だけのような勝手な説明で物事の決定をしようとする今回の見直しのあり方については,どうしても納得ができないものがあるのであります。地域内の学校用地,公園用地をも含めて地域の土地利用度を割り出すなどということはナンセンスとしか言いようがないのであります。公園が近くにあり,学校の広い校庭が近くにあれば,緊急時の避難場所として十分利用できるわけでございまして,かえって高度利用地域とすべきであると思うのでありますが,今回のような地域住民の意向を無視した画一的な,事務的な線引き行政のあり方には問題があると思うのであります。  これでは,基盤整備はできたといたしましても,機能的にはアンバランスな都市構造になってしまうのではなかろうかという気がいたしてならないのであります。この点について,十分な説明を承りたいと思うのでございます。
     先ほどの西村議員の御質問に答えて,市長は,用途地域の問題について,見直しがおくれたことに問題がある,また,広島市にその権限がないと,国,県がそれを持っておるんだと,市はそれを代行するだけだというふうな,そこいらに問題があるような御答弁がございましたけれども,そういうところに決して問題があるとは私は思わないのでございます。今回問題があるのは,全くその中身にあるのでございまして,問題をすりかえないようにひとつ御答弁を願いたいと思うのであります。  次に,市街地での操業がなじまない重厚長大型の工場だけに限らず,工場の拡張用地がないとか地価が高いとか,いろいろな理由からここ数年市域内からの企業流出が相次いでおります。他都市においても,同じような現象が見られ,同じような悩みが見られるわけでありますが,各都市とも独自の各種の優遇措置を設けて企業の流出を防ぎ,企業誘致件数を盛り返そうとする市町村がふえておることは,先刻御承知のとおりでございます。  広島県内86市町村のうち独自の優遇措置を持っているものが12市13町,誘致件数が最も落ち込んだ53年以降に優遇措置を設けた自治体が,広島であるとか福山であるとか17団体と,全体の68%を占めておるのでございます。  優遇措置の内容は,補助金の交付が21団体と,その大半を占めておりますが,固定資産税相当額の補助金を3年から5年間支給する自治体が多いのでございます。  昨年に制度を新設した竹原市の場合は,固定資産税相当額の補助金を初年度100%,2年目に75%,3年目に50%の割合で支給したり,呉市のように市有地の有償貸与や融資あっせんをしたり,東広島市のように労働力の確保や工業用水の整備などでの協力をしております。  補助金制度と行政サービスを併用するケースが多いのでございますけれども,そうした中で広島市は,工場用地取得に伴う融資制度の新設程度のことでお茶を濁しておるところに問題があるように思うのでございます。  固定資産税の二重取りにも等しいような悪税とその評判の高い事業所税なども,広島市の場合には企業流出の元凶の大きなものになっておると思いますが,その点はいかがでございましょうか。事業所税を徴収するのであれば,それに見合うような何らかの優遇措置を講じることが,企業流出防止に大いに役立つと思うのでございますが,その点はいかがでございましょうか。  また,他方では,市域内の工場移転跡地を再利用して新たに都市型の産業を誘致,育成するための工場用地データバンク制度やインナーシティー工業団地の開発,研究開発型企業向け貸しビル建設等を試案とする工場移転跡地利用計画を策定することにしておるようでございますけれども,他都市に見られないような手厚い優遇措置を講じることにしませんと,輸送用機に特定化した産業構造をバランス化させたり,成長性の高い企業を誘致することができるかどうか非常に危惧をするわけでございます。また,それに伴う市域内産業の活性化が図られるかどうか不安視しておる向きもございますので,その点についての御答弁を願いたいと思うのでございます。  次に,存廃問題が問われております芸備線,可部線についてでございます。  列車の本数が少ない,駅までのアクセスがない,団地から駅前までのバス便がない,駐輪場の整備がおくれておる,単線でカーブが多くスピードアップがしにくい,線路脇に家が立て込んでおって用地買収に膨大な投資が必要であり,しかも,乗客の多い区間が非常に短いなどなど,問題が山積をいたしておるわけでございますが,可部線,芸備線の活性化は,利用者の利便性をどう高めるかということが基本でございまして,シティー電車化で運転頻度を上げるとともに,沿線の土地利用計画とあわせて都市機能や文化施設を分散していくことが必要であろうかと思うのでございます。  また,国鉄の民営化による柔軟な経営,すなわち,これまでの国鉄は,沿線開発に手をつけるというようなことはできませんで,関連事業は駅での売店程度のことしかできなかったわけでございます。ましてや,ホテル,レジャー施設などの投資は,運輸大臣の認可が必要でございました。しかしながら,これが民営化をされますと,私鉄並みの経営が許されることになるわけでございます。そうするならば,地元や自治体と協力して沿線の活性化とサービスの向上をマッチさせて運営していくことも可能になってくるわけでございまして,今こそ行政と市民が一体となって知恵と汗を出し合う必要があると思うのでございますけれども,その点はいかがでございましょうか,お伺いをしておきたいと思うのでございます。  また,宇品線については,昨年,関係各局を網羅して利用方法を検討するプロジェクトチームを編成して早急に対策を立てるということでございましたが,その後,どのような進展を見ておるのか,その進捗状況についてお聞かせをいただきたいと思うのであります。  次に,広島大学の移転などで,広島都市圏の高等教育研究機関の低下が問題視されているので,広島都市圏の産業が活力を維持し,高度先端技術社会の進展に対応していくには,地域社会や発展途上国に門戸を開いた技術系の大学院,大学を整備する必要があるとして,広島市は,国際情報工科大学の新設を検討し,富士銀行系のシンクタンクの芙蓉情報センターに委託をいたしまして,基本構想をまとめ,地元の大学関係者や財界代表による懇談会を新年度に新設をし,具体的な構想の検討に入ることになっておるようでございますが,大学の設置時期や場所,また,市立とするのか第三セクター方式でこれを経営していくのか,すべてが今の段階では白紙のようでございます。  広島県も,庄原市に県立大学の設置を決定をいたしました。3月末までに大学の基本構想と施設整備の基本計画を策定をいたしました。新年度には一部着工にこぎつけ,遅くとも64年春には開学ということになるようでございます。県立大学と国際情報工科大学の間で一部競合する学科,例えば経営情報学科というようなものがあるのではないかと思いますが,その点はいかがでございましょうか。  技術革新や国際化の流れの中で,21世紀の社会に対応できる大学,また言いかえるならば,21世紀が必要とする大学ということになりますと,大変なエネルギーが必要であろうかと思いますけれども,その点について市長の御意見をお伺いしておきたいと思うのであります。  国際情報工科大学が,21世紀の地方文化の担い手となり得るのかどうなのか疑問の余地が残ると思いますので,あえて御質問を申し上げる次第でございます。  次に,観光行政についてでございます。  昭和59年に広島市を訪れた観光客は755万人で,昭和50年の山陽新幹線開業時の772万人に次ぐ2番目の数となっております。これは,大型観光キャンペーンSun Sunひろしまの影響であろうというふうに推論をされておるわけでございますが,内容的には宿泊客239万人で,宿泊率は3分の1程度にとどまっておるわけでございます。観光時間も,市内で4時間以内が60%以内となっておりまして,広島市の観光は通過観光型の観光となっておるわけでございます。  1時間でも長く滞在をしていただき,できれば1泊観光に切りかえてもらうためには,どうしても受け入れ体制の整備はもちろんでございますけれども,観光資源の開発はもとよりその見直しにも力点を置く必要があると思いますが,その点はいかがでございましょうか。  例えて申し上げるならば,市内にかかっておる橋の一つ一つに特徴を持たせて橋めぐりのコースをセットするのも,開発,見直しに通じるものであろうし,また,夕方から夜にかけてのイベントを組むことも宿泊観光に拍車をかけることになろうかと思うわけでございます。また,目新しい発想でもあれば,ひとつこの際,お伺いをしておきたいと思うわけでございます。  以上,多岐にわたる御質問を申し上げました。ひとつ懇切丁寧な御答弁をお願いしたいと思うわけでございます。  大変御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) 中本 弘議員の御意見,御質問に対しまして,御答弁申し上げます。  21世紀への対応として,長期展望に立った計画,とりわけ広域都市圏構想を樹立する必要があると思うがどうかと,これは,合併も含めて御質問がございましたので,御答弁申し上げたいと思うわけでございます。  21世紀の対応といたしまして,既に58年の2月,3期目の市政を担当するに当たりまして,私の所信として,国際化,情報化,技術革新,そして高齢化という時代認識を述べまして,世界に誇れる都市広島を創造するという基本方針を掲げ,21世紀広島ビジョンをつくって,市民と行政が一体となってその具体化を進めていくと,こういう考えを述べてきたところでございます。  その後,21世紀広島ビジョン会議を設置いたしまして,私の所信の理念に沿って種々検討を加えていただきまして,58年の12月,「ひろしま21世紀への前進」と題するビジョンの提言をいただいたところでございます。  その内容でございますが,「世界に開かれたひろしま」,「新たな時代を開く活力あるひろしま」,そして,「生きがいとうるおいのあるひろしま」という三つの広島を目指すとともに,そうした21世紀の都市づくりを具体的に展開するため,メッセ・コンベンションシティーづくりを中心とする六つの主導的構想が提唱されたことにつきましては,御承知のところでございます。  私といたしましては,基本構想における都市像としての国際平和文化都市の建設を一層強力に推進するため,この21世紀ビジョンの具体化に向けて積極的な展開を図ることといたしまして,新年度当初予算案の説明の冒頭でも強調したところでございます。  そしてまた,新年度当初予算案に盛り込まれた事務事業を通して21世紀に通用する都市の基盤づくりが着実に展開しつつあるという御理解も得られるものと期待をいたしておるところでございます。  また,御指摘の広域都市圏構想を新たに打ち立ててはどうかという点についてでございますが,まず合併による日常生活圏の一体化をまず図りまして,政令指定都市移行に伴う行財政力の強化を通して都市基盤の整備と都市機能の充実を重点的に推進してまいり,さらに,21世紀ビジョンに基づく積極的な事業展開を図ろうとする一連の政策展開の中で,私としても広域的な観点は常に意識し,施策に反映してきたところでございます。  申し上げるまでもなく,本市は約400年前の築城に始まりまして,広島湾に展開する形で都市発展を続けてまいりました。今や人口100万,中四国ブロックの中枢都市であると同時に,名実ともに国土の主軸を形成する大都市の一つであります。この実績を背景にいたしまして,将来とも中四国ブロックの中心的役割を果たすとともに,東海道メガロポリスに続く瀬戸内海経済圏の中心都市として,西は福岡から東は大阪までを含む臨海都市群の経済的,社会的集積を今後とも発展させ続ける責務が本市にあると思うのであります。  そのためには,本市のみならず,連檐する広島湾岸を一体のものとしてとらえまして,岩国,大竹から本市を経て呉に至る産業集積,さらには今後の発展が期待される東広島市をも含む広域都市圏の強化が必要であると考えているところでございます。  今後とも,これら諸都市とは,おのおのの特性に基づく機能分担と連携,連帯等強化しながら,広域的な観点からの都市行政を積極的に進めてまいりたいと,このように考えておりますので,御理解をお願いいたしたいと思うわけでございます。  それから,広島国際情報工科大学──仮称でございますが,そのことについて申し述べたいと思うわけでございます。  国際化,情報化,技術革新など,新しい時代の流れの中で,21世紀に向けたゆとりと活力に満ちた広島の都市づくりを考えた場合,道路,交通網の整備など,都市基盤整備に加えて学術・文化の振興,情報発信機能の充実,優秀な人材の確保,育成を行うなどによりまして,中枢管理機能の集積を図っていくことが不可欠でありまして,特にそれらを担う高次教育研究機能の整備が重要な課題となっておるわけでございます。  こうしたことから,広島都市圏における高次教育研究機能整備に関する基礎的な調査を実施いたしまして,広島都市圏における大学高等教育機能の現状におきまして,幾つかの問題,課題を明らかにするとともに,今後整備すべき高次教育研究機能について検討してきたところであります。  これまでの調査研究の結果,広島都市圏において機能整備すべき高次教育研究機能として,次の二つが必要であると考えております。  一つは,情報工学関係を専門分野とする高次教育研究機能の整備であります。その基本的な理念といたしましては,今後の情報化,技術革新,国際化等に対応するため,世界的に最先端を走る情報関連部門を専門分野とする技術系の高次教育研究機能を整備いたしまして,広島地域の企業において必要とされている国際的交渉能力,技術力の養成並びに発展途上国を中心とした技術協力及び留学生の受け入れを行うものであります。  二つ目は,ニューメディアを用いた職業人の生涯教育を行うニューメディア生涯教育機構であります。こうした新しい高次教育研究機能については,具体的な学部,学科構成,設置,運営主体,財源問題,設置場所など,今後さらに検討すべき課題も多く残されております。  そのため,新年度におきましては,これまでの基礎的な調査研究の成果を踏まえ,懇談会を設置し,各界の意見を十分反映しながら,新しい高次教育研究機能の具体的な構想づくりを行いたいと考えております。  次に,広島市が構想しておる高次教育研究機能と広島県が庄原市に設置する県立大学の学科と競合するのではないかということでありますが,広島県立大学におきましては,現在のところ,経営学部と生物資源学部の2学部制をとることとしておりまして,御指摘のように,経営学部に経営情報学科を設置することとされておりまして,今後の高次教育研究機能の構想づくりに当たりましては,広島大学や県立大学など,既存の高等教育機関との機能分担にも配慮してまいりたいと思うわけでございます。  第3に,21世紀の社会に対応できるのかという御質問でございますが,国際化,情報化,技術革新など,新しい時代の流れを十分に認識いたしまして,また,今後,各界の幅広い御意見もいただきながら,御指摘の趣旨に沿った高次教育研究機能の構想づくりに努力をしてまいりたいと,このように考えているところでございます。 ○副議長(柳坪進君) 岩井助役。 ◎助役(岩井彦二君) 可部線,芸備線,それから宇品線と,鉄道の問題についてお答え申し上げます。  まず,可部線,芸備線の活性化の問題でございますが,御承知のとおり,可部線,芸備線の両線とも地域の基幹的な交通機関として重要な役割を果たしているわけでございますが,国鉄が分割・民営化されることが予定されております62年4月からは,西日本旅客鉄道株式会社に引き継がれまして,今までどおり運行されることとなっておるわけでございます。  今後,両線が地域のニーズに即した運営が行われ,地域の鉄道として機能していくためには,分割・民営化のメリットを最大限に生かすということが必要であると考えておるわけでございまして,議員御指摘のように,これまでの国鉄では多様な事業展開をする上で制度上の制約が多く,自由な発想による多角的な経営が困難でございました。  しかし,分割・民営化後は,民間会社といたしまして業務の範囲につきましても柔軟性のある会社経営ができるということになりますので,さまざまな施策の実施によりまして新たな鉄道利用者の創出も可能となると考えられるわけでございます。  その実施に当たりましては,新会社,関係市町村,それぞれの役割分担をいたしまして,さらには沿線の住民の方々の御協力を得ながら,活性化に努力することが必要であると考えております。  このような認識のもとに,可部線,芸備線,それぞれの沿線市町村で構成いたします対策協議会を,既に昨年2月に設置いたしまして,利用者の増加を図るための利用促進活動に取り組みますとともに,輸送改善策の調査を実施しているところでございます。  本市といたしましては,輸送改善策にかかわる沿線住民の方々へのアンケート調査を実施いたしましたが,その中で要望の多かった駅前の駐輪場の設置,これにつきましては,昭和61年度の予算の中におきまして,可部線で3カ所──可部駅,緑井駅,古市橋駅でございますが,この3カ所を整備いたしますとともに,駅へ至りますアクセス道路の整備につきましても調査を行いまして,必要なものについては整備可能なところから計画的に整備していくなど,利用者の利便性の向上を図りたいと考えておるところでございます。  また,当市北部の重要な交通拠点となると考えられます可部駅の貨物ヤード跡地を中心といたします地域のまちづくりにつきまして,これを総合的に推進するための整備計画をやはり61年度,62年度の2カ年で策定することといたしております。  さらに,かつては利用者が多い時代には,鉄道駅の駅舎は,その周辺地域の一つの中心といたしましてにぎわいを持っていたわけでございますが,利用者の減少に伴いまして無人化するというようなことに伴い,駅周辺がさびれているのが現状でございます。地域の方々の御協力を得ながら駅舎を有効利用いたしまして,店舗等の集客施設を整備するというようなことなど,駅周辺の活性化対策を推進するということも必要であろうと考えて,種々検討を進めているところでございます。  いずれにいたしましても,両線の活性化につきましては,両線の交通手段としての利便性を高めることは,まず必要なことではございますが,これにあわせまして総合的な周辺地域のまちづくりのための戦略も必要でございます。鉄道と有機的な連携を持った土地の利用を図ることが肝要であると考えております。  これの推進に当たりましては,先ほども申し上げましたように,新会社,地元の市町村,さらには沿線住民が一体となって取り組むことといたしたいと考えております。  次に,旧国鉄宇品線の問題でございますが,御案内のとおり,国鉄営業線としての宇品線は,昭和47年3月をもって廃止されたわけでございますが,貨物輸送につきまして利用者の存続要望がございまして,同年の4月から民間4業者による自主運営という形での宇品4者協定線としての機能が残されておりまして,今日まで1日1往復の輸送を続けておるわけでございます。年間の貨物輸送量につきましては,47年度が約19万トン,これがピークでございましたが,その後,年々減少いたしておりまして,59年度には約9万7,000トンまで落ち込んでいるということのようでございます。  一方,国鉄では,昭和62年4月の分割・民営化に向けまして,不採算要因を整理するとともに遊休財産を処分するという基本方針のもとに,この旧国鉄宇品線につきましても,貨物輸送機能そのものを廃止し,さらに敷地を処分するという基本的な方針を固めておりまして,現在,4者協定線の利用者に対しまして貨物利用機能廃止を打診中と聞いておるところでございます。  本市といたしましては,このような状況を踏まえまして,昨年の5月でございますが,庁内の関係者で構成いたしますプロジェクトチームを設置いたしまして,これまで旧国鉄宇品線の実態把握あるいは関連する情報の収集等を行ってまいりました。同線の機能が廃止された場合の利用方策について検討を重ねてきたところでございます。  御承知のように,この路線の敷地は,その幅員がおおむね7メートルから12メートルぐらい,非常に細く,幅の狭い細長い形状をいたしておりますため,通常の宅地としての利用にはなかなか制約を伴うわけでございますが,しかし,この鉄道用地は,市街地を南北に貫通して一つの連続した土地であるという点で非常に貴重な空間でございます。さらに,国鉄の広島駅周辺と広島港の周辺地域,これを南北に結んでおります。現在,主要な街路といたしましては,中広宇品線あるいは松川宇品線等がございますが,特にその中でも重要な幹線でございます中広宇品線の整備には,なお相当の時間を要するというような状況にございます。  また,段原再開発事業の推進という観点から考えてみましても,この再開発地区の南側から現在整備を進めておりますが,これに加えまして東側からの道路の整備あるいは下水道の整備というようなことも望まれておるわけでございまして,さらにはこの宇品線の敷地に隣接いたしまして市道が並行している部分もございます。これらを取り込みますと,相当の幅の広い土地になるというようなこともございます。  これらの条件を総合的に勘案いたしまして,現在の段階ではこの国鉄用地は,将来の広島市の南北軸としての中広宇品線を補完する補助的な幹線道路として位置づけることが適当であると考えておるわけでございます。  しかしながら,当該敷地につきましては,その具体的な処分方針がまだ正式に示されたという段階ではございませんので,本市といたしましては,今後ともその推移を見きわめながら引き続き利用方策の詰めを行ってまいりたい,このように考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) 市制100周年・築城400年記念事業につきまして,他の都市との競争に打ちかって,21世紀に夢とロマンをつなぐためには,一過性のものではなく,経済的あるいは文化的波及効果も踏まえて長期,大規模なものが求められるがどうかということについて,お答え申し上げます。  昨日,前議員の御質問に市長からもお答えいたしましたように,100年記念事業につきましては,去る1月に記念事業懇談会を設置いたしまして,本年5月末を目途に基本構想を策定していただくようお願いしているところでございます。  現在,同懇談会におきましては,御指摘のように,一過性のイベントに終わることなく,64年が出発点となるような大規模な事業あるいは広島の将来を見通し,長期的な視点で取り組める事業あるいは広島の都市基盤整備や都市の魅力の向上につながるような事業,広島が今後目指すべき将来像の実現に向けた事業,経済的な波及効果が生まれるような事業を行うべきであるというような方向で議論がなされているようでございまして,今後,我々といたしましては,同懇談会での取りまとめを受けまして,御指摘のような方向での記念事業にするべく努力してまいりたいと,このように考えております。 ○副議長(柳坪進君) 経済局長。 ◎経済局長(網井信昭君) 企業の流出問題とそれから観光問題についてお答えいたします。  御指摘のように,本市におきましては,工場の市域外への流出が非常に著しゅうございます。敷地面積が1,000平米以上の工場について見てみますと,46年から60年の15年間で166件の工場が市域外へ出ていっております。  また,58年に本市製造業の全事業所,これが2,754社あるわけですけれども,この製造業の全事業所を対象にして実施いたしました企業立地基礎調査というのによりますと,新工場の建設意向を持っておる企業が1,006社ほどございまして,その建設の理由といいますのは,現在地が狭いとか,あるいは建物等が老朽化しておるとかいうふうなものが約51%,それから生産の拡大,合理化等によりますものが約29%というふうになっております。  これらのことから類推いたしますと,工場の市域外流出の主要因というのは,企業の成長,発展にあるんではなかろうかと考えられるわけでございます。  このような状況から,移転する企業を市域内に何とかとどめておきたいというふうなことで,本市では,昭和59年度に市域内に立地する企業に対して,工場用地の取得及び工場の建設のための借入金の支払い利息について,5年間で3億円を限度にして利子補給をするということと,それからさらに,操業に必要な機械設備の設置,試験研究施設,福利厚生施設等の建設資金につきまして,10億円を限度として低利融資を行うということを柱にした企業立地促進優遇制度を制定したようなわけでございます。  この制度は,全国的にもトップレベルの制度であると考えておりまして,企業の立地にとって大きな効果があるんではなかろうかと思っております。  また,一方,市域内での企業立地の促進のためには,やはり工場適地の確保が必要でございまして,安佐地区工業団地の造成を初めとして,民間活力を導入した工場適地の開発に努めているところでございます。  また,工場が移転した跡地の利用につきましては,どのような企業の立地が可能なのか,また,立地を効果的に推進するためにはどのような条件整備が必要なのか等々のことについて,基礎調査を61年度に実施することにしております。この調査結果を待って,工場移転跡地の有効利用対策を推進したいと考えておるようなわけでございます。  いずれにいたしましても,成長性の高い企業の誘致とかあるいは市域内企業の流出防止,工場移転跡地の有効利用のこの3点を柱にして,企業立地誘導対策を強力に推進し,本市産業の活性化を図っていきたいと考えて,この優遇制度を59年度に定めたものでございます。設置してまだ間もないことではございますので,この制度によって推進をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  次に,観光問題でございますけれども,御指摘のように,本市を訪れます観光客は年々増加はしておりますけれども,宿泊する観光客は3分の1にすぎないのが現状でございます。  そのようなことから,少しでも市域内で滞在をしていただくようにということで,観光資源の整備に努めてまいっておるところでございますけれども,観光資源の整備は,ソフト面の整備というものも一つございまして,そういうことから広島らしさの再発見ということで,ここ数年努めてきたところでございます。  そうした観光資源の再整備の一つといたしまして,夜の観光事業の振興について,関係業界との協力によりいろいろと進めてきておるところでございます。59年度には,安心して広島の夜を楽しんでいただくためにナイトクーポン制度というのをつくりまして,また,ナイトマップも発行いたしまして,夜の娯楽についての便宜を図ってきたわけでございます。また,瀬戸内海のナイトクルージングも59年度に始めております。60年度では,観光客などが夜の広島の街を楽しく散策できるようにということで,都心部商店街に明かりを取り戻す方策として,シャッターのシースルー化を進めておるところでございます。61年度におきましては,夜の遊覧バスの運行が計画されております。  宿泊する観光客の増加というのは,本市の観光関連産業の振興にとりましても必要なことでございますので,今後とも関係業界と協力しながら夜の観光イべントの充実強化に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 用途地域の見直しの御質問でございますが,かねてから現況調査などを行いながら変更案の作成作業を進めてきたものでございますが,本年1月に本市の原案をまとめました。  見直しに当たりましては,近年の土地利用の動向や将来の宅地需要,都市構造などを踏まえて検討を行ってきたところでございます。特に,都心の商業地におきましては,現に建築活動が活発に行われておりまして,このままの状況が続けば,将来,容積率の余裕がなくなり,建築活動,ひいては経済活動に支障を来すことも懸念されますので,今回の見直しにおきましては,都心商業地における容積率の適正化も主要な課題として取り組んできたものでございます。  具体的に変更案の作成に当たりましては,街区ごとの容積率の現況及び将来の建築活動の動向を踏まえながら,総合的に判断をしたものでございますけれども,結果的には,おおむね広幅員の幹線道路に面した街区を中心に容積率のアップを図ったということになっております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 円高・ドル安の影響によりますいわゆる建設省と通産省で合意いたしました地中化計画につきましては,議員,御指摘のように,私どもも絶好のチャンスだろうというふうに考えております。  この電線類の地中化につきましては,昭和59年の2月に建設大臣の設けた会議でございますが,ロードスペース懇談会といったものがございまして,この懇談会の中におきまして,都市の防災機能の強化,都市景観の向上,安全で快適な歩行空間の確保,高度情報化社会の対応といったことの観点から地中化への推進が提言されております。  この提言を踏まえまして,建設省と通産省で協議をいたしました結果,59年の10月に,10年間で1,000キロメートルの地中化を図ろうといったことにつきまして合意となったものでございます。  これを受けまして整備手法が検討されまして,60年の10月にミニ共同溝が採用されるといったことになったわけでございまして,このミニ共同溝の設置の条件といたしましては,まず都市内の容積率が500%以上の地区にある道路,そして歩道幅員が4.5メートル以上のものでといったことになっております。  この広島市の方でこの条件に該当いたします地中化延長は,延べ約24キロメートルとなります。  で,広島市の地中化計画につきましては,この地中化が必要な延べ24キロメートルのうちに市域の中でも特に市中心部の幹線道路を主体に,延べ約16キロメートルを10年間で整備するようにと,今,検討しておるところでございます。  このうち国の事業といたしましては,国道2号,国道54号で延べ約5キロメートルにつきまして検討をいたしておりまして,国道54号の相生橋から市役所までにつきましては,既に事業に着手しておるところでございます。  本市といたしましては,相生通り,新川場通りといったものを初めといたしまして,10路線の延べ約11キロの地中化の年次計画を検討しておるところでございます。早期にこれを取りまとめまして,優先度の高い路線について事業に着手していきたいというふうに考えてございます。  しかし,この広島市の場合,延べ24キロ該当するところでございますけれども,この24キロを実施するためには,やはり国の地中化計画の枠を拡大してもらう必要がございますので,これらにつきましては,今後国に対しても強く要望してまいりたいというふうに考えております。  それからまた,祇園新道の地下には,電線類,電話線と,それからまた高圧ガス管といったものを収容いたします幅約5メートル,高さ3メートル規格の幹線共同溝とそれから上下水道,ガス,電力,電話のサービス管を収容いたします幅3.8メートル,高さ2メートルの供給管共同溝といったものの2種類の共同溝の建設を計画をしております。  まず,メーンのものが入ります幹線共同溝につきましては,全線にわたりまして車道部に建設することといたしまして,昭和60年代の後半を完成目途として現在関係業界の方々と調整を進めておられるところでございます。
     また,供給管共同溝につきましては,祇園新橋から東野大塚線までの約2.8キロメートルの両側の歩道部分に建設するといったことでございまして,既に西原地区を約1.3キロメートル,東原地区を延べ約200メートルといったもので事業に着手しておりまして,昭和62年度に完成といったことを目標に整備を進められております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 50番。 ◆50番(中本弘君) いろいろと私の質問に対しまして御答弁をいただいたわけでございますが,冒頭に申し上げた広域都市圏構想の問題につきましても,既に江能各町,ここいらあたりも終戦後しばらくまでは呉に生活圏,経済圏も向いておったけれども,今は既にすべてが広島に向いておるというふうなことを町長さんがおっしゃっておりますし,また,東広島にいたしましても,4町が合併をしていろいろ綱引きで議会でももめることが多いようでございますけれども,たった一つもめなかったことは,東広島市という名前なんだと,これも実は,近い将来,広島と合併をということが議員の中にひそかにあるんだということも,実は,私,聞いておるわけでございます。  そうしたこともひとつ踏まえて,今後,広域都市圏構想の中でそういうことも踏まえながら,ひとつやっていただきたいと,こういうふうに思うわけでございます。  また,もう一つ先ほどの企業流出の件でございますけれども,私が申し上げた発言の中に事業所税がその元凶の一つでもあるんだということを申し上げたわけですが,事業所税が悪税であるということ,また,固定資産税の二重取りにも等しい税であるということ,また,極端に言えば企業の追い出し税であるということの理解があるかどうか,ひとつ答弁をしてもらいたい。(笑声)  といいますのはね,(不規則発言あり)ひどいことはないですよ。といいますのはね,企業によってはね,企業によっては環境破壊される,その環境破壊をね,何とかひとつ補てんしようとするのがこの事業所税の基本なんですよ。ということになると,言いかえて言えば,間違いなく追い出し税なんですよ。だから,人口30万以上の都市にこういうものがあるわけ。ということになると,広島県では広島市と福山,この2都市なんですが,これを言いますとね,それは法律事項だから仕方がないんだよということが,実は行政の答弁としていつも返ってくるわけですよ。  だけどね,法律事項だから仕方がないということで済まさずに,私がさっき申し上げたような,この事業所税に見合うような何らかの優遇措置を逆にとってやることによって,これを融和していく必要があるんじゃなかろうか,この悪税と言われるものをですね,薄めてやる必要があるんじゃなかろうかということを基本に,先ほど御質問を申し上げたわけでございます。  ですから,ひとつそのことについて,ひとつ答弁をしていただきたいのと,用途地域なんですが,私が申し上げた用途地域のことについては,御答弁がないようでございます。まあ国,県がこの権限を持っておるから,市はどうにもならないよということにはなっていないと思うんです。その下の作業は全部市がやっておるわけでございますから,市の意向を完全に無視しながら国,県がこれの決定ということはあり得ないわけでございますので,そのことについての御答弁と先ほどの御質問の中にもございましたけれども,5年後の都市構造に耐え得るものかどうか,今回の用途変更が。そのことについても,もう1点お聞かせをしていただきたい。こういうことを思うわけでございます。  それと大学の問題でございますが,いろいろとこの前から広島市域内にも中小企業大学であるとか,また今回のような情報工科大学であるとかというふうなものが出てくるわけでございますけれどもね,それをじっと聞いておりますとね,きのう宮本先生もおっしゃったんですが,どうも広大は逃げ,空港は逃げというその逃げの中のね,一つのこて先的なね,市民を納得させるこて先的なものの一つじゃあるまいかというような感すらあるわけなんですよ。それなら初めから広大逃がさにゃよかったじゃないかと,広大は逃げるのはほっといて,その後になって,まあひとつ中小企業大学をつくりましょうや,情報工科大学をつくりましょうやというようなことではどうにもならぬのじゃなかろうか,そういうようなことでは,21世紀に耐え得るような大学にはなり得ないんじゃなかろうかという質問を,実は申し上げたわけなんです。ですから,そこいらのところも踏まえながらね,ひとつ御答弁をいただかないと,ただすベてをちょんぎってね,ちょんぎって情報工科大学というのはこういうものでございますというだけの答弁では,市民も我々も理解,納得をしがたいものがあるわけでございます。  それともう一つ,宇品線の問題なんですが,先ほどの助役さんの答弁を聞いておりますとね,補助的な幹線道路として使いたいということがございました。プロジェクトチームを去年の5月につくってね,1年かかってね,たったこれだけの結論しか出ておらぬ,また,それだけならいいんですよ。2月の16日の新聞に,お宅のプロジェクトチームの一人がどう言うておりますか,どう言うておりますか,新聞で。すぐにでも何とかしたいという土地じゃあないんじゃと,国鉄さんが手離すんなら仕方がないけえ使うんだというようなことが書いてあるんだ,ここへ。そういう基本の中でね,プロジェクトチームをつくって,計画立てて何ができますか,ねえ。今,おっしゃるような補完的な道路にするんです。これを平面道路にしたらどうなるんですか。南北交通がうまくいっても,今度は東西は全部あそこでひっかかるんですよ。ということになると,モノレール計画とか,そういうものが付随してこれについてこなければどうにもならない問題があるわけでございます。ですから,ただ口先だけで補助的幹線道路をつくるんですということでなくして,もう少し具体的にですね,1年たっておるんじゃから,具体的にその答弁をいただきたい,こう思います。  大体,それぐらいでひとつ……。(拍手) ○副議長(柳坪進君) はい,経済局長。 ◎経済局長(網井信昭君) 企業流出の問題から,優遇措置についての話でございますけれども,今の私のところで制定いたしました──59年に制定しました立地の誘導対策というのは,利子補給の限度額が3億,しかも,それに加えて10億を限とした低利の融資制度というふうなもので始めてきたわけでございます。どの税がどこに充当しておるかというのは,その中ではわかりませんけれども,少なくともこの優遇制度というのは,他都市との比較においても,トップレベルであろうと思います。  59年に制定いたしまして,今,4企業がこの適用を受けておるわけでございますけれども,今から本格的な企業立地の起こってくるであろうその動向を見ながら,今後の問題として──それの優遇措置をどうするかというのは,今後の問題として検討する余地はあるであろうとは思っております。  しかし,現在の中では,これは少なくとも,他都市との比較においては,トップレベルの優遇措置であると我々は思っておりますので,これによってもう少し様子を見ながら進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 ○副議長(柳坪進君) 岩井助役。 ◎助役(岩井彦二君) 宇品線の問題でございますが,昨年5月にプロジェクトチームをつくって以来,庁内で種々検討を進めてまいったわけでございますが,何分鉄道の存廃の方向というものがなかなか明確に出ないということがまずございました。ようやく最近になりまして,国鉄は,4者協定線利用者の方へ将来に向けての廃止をしたいという意向を伝えたというようなことでございます。やはりそこら辺をまず踏まえることが先決でございましたので,若干1年という時間を浪したということが,一つあろうかと思います。  また,将来に向けてのことでございますが,やはり現在,非常に何と申しますか,確実性の高い使い方といたしましては,やはり道路として,幅員等を考えますと,補助的な道路という位置づけが最も適切であろうというふうに考えておるわけでございますが,将来,長期的には宇品地区の今後の開発の問題等等ございます。そういたしますと,南北──市街地の南北の軌道系のいろんな交通施設のあり方といったことも当然議論をしなければいけないわけでございますし,また,都市のいろんな情報化に伴いまして,地下のケーブルの問題,あるいはいろんなサービス施設の埋設の問題等々ございます。そういうことへの将来の可能性を残すというような意味から考えましても,このように連続した土地というものを分断して処分されてしまうことは,都市の財産としてもったいないということも一面ございますので,やはり現在の考え方としては,道路として確保しておくことが,将来いろいろな多様な対応もできるということがあるわけでございまして,今のとこ,そういう方向づけを持っておるということでございますので,御理解いただきたいと思います。 ○副議長(柳坪進君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) 高次教育機能の研究につきましては,昨今のような急激な社会構造の変革の中で,地方中枢都市である広島市としては,今後どのような都市機能が要るかという視点から,直接広大の移転等にかかわりなく,地方中枢都市として今後整備すべき高次教育機能は何であるかということを客観的に把握したいという視点で,現在基礎調査を行い,今後構想づくりをやりたいということで取り組んでおるものでございますので,ひとつその辺,御理解を賜りたいというふうに思います。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 都市内における土地利用の根幹をなす都市計画はルールでございます。その重みは大変なものだというふうに,我々,認識をいたしております。  この原案作成に当たりまして,たくさんの方々からの御意見をちょうだいをいたしました。それぞれのすり合わせを行いながら作成をしたものでございます。もとより100%これが正しく,あるいはこれが整合性のとれたものだというふうなことは考えておりませんけれども,我々としては,この作成に当たって,できる限りの努力を積み重ねたという気持ちを持っております。  今後,御意見をよく参考にしながら,改めるべきは改めてまいりたいと,このように考えております。 ○副議長(柳坪進君) はい,50番。 ◆50番(中本弘君) へりの方でしつこいぞいう声があるんですが,実はね,いろいろ御答弁があるようですがね,どうも答弁が,一,二すれ違っておるようなものがあるようです。  さっき助役さんが答弁されましたがね,1年間かかってね,あんまり手がついとらぬというのは,言い出したら損をするというのがあるんでしょ,ねえ。そういうものをね,下へ置いといてね,答弁をするから,答弁がおかしゅうなる,こういうことなんですよ。わかりますか。  それとね,知って質問しよるんじゃけえ。(笑声)ちゃんと,答弁を──答弁をちゃんとしてくれにゃあねえ,答弁をね,答弁をちゃんとしてくれにゃあいかぬと思うんですよ。  それと,高次教育の問題につきましてもね,やはりあっちこっちで聞く話がね,やっぱり広大がよそへ行っての,さえんのというのはあるんですよ。そうした中にこういうものが出てくるからね,やっぱりあれの代替かいなというようなね,考え方がどうしてもその底にあるわけなんです。  それともう一つ,先ほど来から,事業所税が悪税であるかどうかというような答弁がないようですが,このことについちゃあ,また委員会ででもひとつ論戦を張らしていただければと,こういうふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。  ─────────────────────────────────            会議時間の変更について  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) この際,念のため所定の会議時間を延長いたします。 ○副議長(柳坪進君) 続いて,46番倉本 保君。           〔46番倉本 保君登壇〕(拍手) ◆46番(倉本保君) 大変時間も遅くなりまして,お疲れのところ,もうしばらくお聞きしてもらいたいと思います。  私は公明党を代表いたしまして,引き続き総括質問をいたします。  ことしは,国際平和年ということでありますので,まず,平和問題からお尋ねをいたしてみたいと思います。  平和問題について,昨年は被爆40年という極めて重要な位置に置かれた年でございました。また,引き続きことしも国際平和年という特に意義のある年であり,広島に課せられている平和対策もいよいよ重要な正念場となるべき大事な時期を迎えているところであります。  そのときに当たり,私は改めて荒木市長の平和問題に取り組んでこられたその努力と功績に対して,これを率直に認め,高く評価するものであります。声は小さいですが,高く評価いたします。また,その業績は,国際的にも高い評価を受けているところでございます。  私は,その業績を考えて,今までノーべル平和賞の問題を提案したことがあり,また,広島平和史や平和白書をつくるようにも提案をいたしたことがありますが,ことしの国際平和年という時節に当たり,これらを改めて検討されるお考えはないのか,まず,これらの提案問題を今後一体どのように整理し,これを集約されようとしているのかお聞きをいたしたいのであります。  次に,先日2月11日に荒木市長の手元にソ連のゴルバチョフ書記長から親書が届いておりますが,市長はその返信の中で同書記長に対して広島訪問を要請され,また,米ソ首脳会議の広島開催をあわせて要望されるお考えはないのか。もし仮に,ソ連書記長に対してその要望をされるのであれば,ことし5月に開催される東京サミットに出席される予定のアメリカ・レーガン大統領に対しても広島訪問を要請されることが公平なやり方ではないかと思うのであります。  なお,東京サミット終了後における各国首脳の広島訪問は難しい状況であります。  そこで,改めてアメリカ・シュルツ国務長官に対して,レーガン大統領の広島訪問と,外務省に対して各国首脳に次ぐ高官の広島訪問を要請されるお考えはないのか。この点,市長は今後そのためにどんなスケジュールをお考えになっておられるのか,お尋ねをいたしておきたいのであります。  次に,かねてからの懸案問題に移りますが,その前に,私ども市議会公明党は,平和問題について,昭和40年から今日まで21年間にわたり,きょうの私の発言がちょうど50回目という意義ある節目になっておるわけであります。その意味を含めまして,長年の念願でありました国立平和研究所の設置について,改めて荒木市長の私は決意を伺いたいのであります。  私は,こういったハードな機関をつくろうとする場合には,そのタイミングというものが最も大事であると考えております。今までの前例を考えてみても,その点をどう解決するかというのが今後の問題点であろうと思っておるものでございます。  しかし,そのタイミングにつきましては,幸いにも,ことしは国際平和年であり,内外において平和への機運が各方面で高まっているところであります。  その中で,まず,デクエヤル国連事務総長は,ことしの国際平和年の開幕に当たり,そのメッセージの中で,平和のために創造力を持って行動を起こすように呼びかけております。  また,国内においては,中曽根総理大臣も,平和と核軍縮のために日本がその主導的な役割を果たさねばならないという意思表明をされており,平和に対する姿勢は前向きに変わりつつあります。  さらには,国会内外における国際軍縮促進議員連盟や核軍縮を求める22人委員会等でも広島の平和施設設置について,その実現への前向きの論議が交わされているところであります。  こういった国内外の諸情勢から考えてみまして,ことしの国際平和年を期して国立広島平和研究所の設置案が政府予算に承認されるべき絶好の機会がめぐってきたと私は考えておりますが,市長はいつの時期を考えて,どこの場所を選んでつくろうとされているのか,市長のお考えをお伺いいたしたいのであります。  私は,この際,さらにつけ加えて申し上げておきたい。これはちょっと言いにくい話でありますが,申し上げておきます。今,広島から大学はなくなる,また,空港もなくなろうとしており,その面における文化と都市機能が空白状態になろうとする中にあって,もし,荒木市長が第4期目の広島市政を目指されるその御意思があるとするならば,特にこの市長の決意は,私ども公明党の今後の方針に対して重要な判断材料の一つになるということをつけ加えておきたい。その意味からも,市長の簡潔にして的を射た答弁を求めておくものでございます。  次に,ソフトな面について聞いてみたいと思います。  それは,広島市民道徳と広島市民平和憲章案についてでございます。既に御存じのように,広島市民道徳は,昭和25年4月1日にその当時の市民から一般公募によって制定されたものでございます。しかし,今日では,本市に市民道徳があるということは市民に全く忘れ去られているような実情であります。  だが,私は,この広島市民道徳はやはり必要であると思っております。と同時に,当時の広島市民の意思の原点を尊重されるべきであり,その意思を継承することは,広島市民にとって重要な意味を持つものであると考えております。市長のお考えをお伺いいたしたい。  いずれにしても広島の心は,ノーモア・ヒロシマということとともに,世界平和に貢献するということが市民意識として継承されているところでございます。その意味から,新しく国際平和年を期して広島平和市民憲章というものを制定されることは,また大きな意義があると考えるのでありますが,今,広島市民の中にも,片仮名の「ヒロシマ」には広島平和市民憲章というものがあってもよいのではないかという多くの意見もあります。さらには,新しく広島平和市民憲章をつくる時代を迎えているのではないですかという声もあります。  そして,広島市民としての自覚と使命,決意,誓い等を,国際平和年に当たり,その宣言をすることは,もはや,これは時代の要求であると考えているものであります。市長のお考えをお聞きいたしたい。  次は,西広島駅前地区再開発事業を推進するに当たってのその私は基本構想についてお尋ねをいたします。  その第1点は,この開発事業の規模を中途半端な開発事業としないということでございます。たくさん書いてるんですが,省略いたします。  第2点は,時代を先取りするという意味で,近ごろの若者を対象とするという新しい発想と若者の流れを変えることができるというような新しい時代を意識したその内容整備を考えるということであります。  第3点は,開発規模については,今までの広島の八丁堀中心の消費経済の流れを西の八丁堀として対抗でき得るというような開発事業とするという考え方であります。  第4点は,西広島駅の貨物取り扱い廃止に伴う遊休地,約8,300平方メートル,この活用方法についてでありますが,そのために,今後,国鉄用地利用計画審議会──これは仮称でございますが,こういったものを別個に設置されるお考えはないのかということについて,あわせてお考えをお伺いいたしたい。  いずれにいたしましても,私は,この西広島駅前再開発事業がもし成功すれば,私は広島の経済は大きく発展することができると思います。また,もし,これが逆に不成功に終われば,商店の連続倒産という最悪のケースを生み出すおそれがあると思うのであります。  また一方,現在の広島市の経済は,大阪を中心とする関西圏と福岡を中心とする九州圏とのその谷間の中にあるということと,近々,中四国連絡架橋が開通いたしますと,中国での岡山に対する比重が高まってくるという面が私はその前提に考えられなくてはならないと思っておるものであります。  その意味から,ただ私は広島市だけという観点からではなく,さらに広く全国から広島にどうして人を集めるのかといった新しい発想が必要である,こう考えているものであります。あわせて御見解を承りたい。  次は,都市環境の美化対策についてお尋ねをいたします。  かつて我が党の砂連尾元市会議員が初めて欧州視察に参加をいたしまして,そして,帰りまして,その帰広直後,広島の街のイメージチェンジを図るためには,まず,広島のメーンストリートの電柱と電線を取り除くということが先決であると,電柱等の地下埋設共同溝の設置を提案いたしましたが,また,その後,昭和58年10月には紙屋町からNHKまでの国道54号線の歩道の美装化についてということが,地元紙屋町,大手町,袋町の連合町内会から陳情書が広島国道事務所に提出されております。また,それを受けて国会の予算委員会でもこの問題が取り上げられたところであります。  その結果,相生橋から市役所前までの約1.5キロメートルの区間の国道54号線について電柱等の地下埋設共同溝を設置するということが現実問題として今浮かび上がってきております。そして,その工事着工への機運は目の前でありますが,そこで問題となることは,私は国の方が,この工事を広島市制100周年の祝賀イベントまでに間に合わせてくれるのかどうかということが最も問題だと考えております。  この点,建設局長は,今まで国に対してどういった折衝をしてこられたのか,また,工事着工の時期はいつと考えておられるのか,さらには,歩道の美装化について,その時期はいつごろになるとお考えになっておられるのか,お答えをいただきたい。  次は,農政問題についてお尋ねをいたします。  この農政問題につきまして,私は調べてみたんですが,本会議での最近の質疑の状況は,昭和53年と56年,59年と,ちょうど3年に1回ずつ質問がなされております。3年ペースの質問になっておるわけでありますが,私は,その質問回数をふやしていくということとともに,本市の農政の重要性を改めて痛感をしながら,農業振興対策に対する若干の質問をいたします。  新年度予算を見てみますと,農業振興対策のうちで水田再編成対策の事務費として943万円,また,金融対策費として1,936万円が計上されております。この予算は,言うてみれば,農作物への転作事業の推進対策費であり,それは,ひいては野菜の増産につながる問題だと考えております。  特に,野菜は,御存じのように,成人病の予防を初めとする市民にとっての健康食品であります。また,野菜の値段の上下は,直接,家庭の経済に響いてまいります。  そうしてみますと,健康で豊かな市民生活を保障するという市民のもともとの基本的権利にまでかかわってくる重要な問題ではないかというふうに考えるものであります。  そういった意味から,この点,新年度の予算対策について,こういった市民の要望にどれだけこたえることができるのかということについてお答えをいただきたい。  次に,これに関連をしますが,野菜パイプハウスの設置状況とその目標について,その進捗状況と,今後,農業振興対策を推進するためには,農業振興への金融対策が必要であり,そのために補助金制度の予算対策がどうなっているのか,また,その運用状況はどうなっているのかということについてお尋ねをしてみたいと思います。  また,現在の安佐南区川内地区を中心としている本市の野菜生産地があそこへ集まっているわけでありますが,その都市型の農業をどう改善するのかということについて,どんなお考えを持っておられるのかお尋ねをいたしたいのであります。  次に,広島市の野菜市場の流通実態についてでありますが,現在,市外の遠方の大型生産地から広島に入ってまいります品物が約85%という実態になっております。で,私は,その移入率を今後,地元の広島市でどれだけ自給自足体制に切りかえることができるのかということについて,その改善策を伺いたい。  で,終わりでございますが,終わりに,観光行政についてお尋ねいたします。  で,私は,この観光行政には,観光政策をバラエティーに展開することができるという,創造することへの大きな魅力と,また,市政に対する大きな夢があると考えているものであります。それは,市長の政治姿勢の中に夢と魅力を大きく感じるような創造力豊かな市政を望むからであるということでもあります。まあその意味でしょう,市長は昭和57年を広島市の観光見直し元年と定められたものと私は判断をいたしているものであります。  その証拠といたしまして,現在,観光行政の推進はかなりのハイペースとなってきております。また,その実績につきましても,年々向上しているわけでありますが,とりわけ観光予算の面を見てみましても,55年にわずか9,000万円であったものが,60年度には約その3倍の3億円にまではね上がってきております。その前向きの姿勢につきましては,これを高く評価いたします。  しかし,現在,広島を訪れる観光客が他の都市における京都市の3,800万人,名古屋市の3,700万人,神戸市の1,780万人,横浜市の1,370万人,これに対しまして,これらと肩を並べるような観光対策について,一体これをどうするのかという抜本的改正についての問題が現在取り残されております。  また,もう一つの問題点は,これは,広島を訪れる観光客が,平易に言いますと,平和公園の施設だけをごらんになってお帰りになるという,いわゆる現在の日帰りパターンをどう解決するのかということが一番の問題点であろうと考えるのであります。  で,私は,そこで,その改善策の一つとして,広島に行けば,広島に行ったら,どうしても1遍は,1度は乗ってみたいと思われるようなロープウエーがあって,また,1度は上がってみたいなと思うような記念タワーがあって,さらには,新しく比治山にできるユニークな現代美術館,これは,ぜひとも1度は見てみたいといったような魅力的な施設ができて,それによって,広島の観光売り込みがやりやすくなるという新しい観光施設が建設されない限り,とても京都市や神戸市との観光競争に勝っていくということは到底できないと考えているものであります。  特に,比治山にできる予定の現代美術館は,山の上の施設でございます。したがって,駐車場の問題をどうするのかという問題がありますし,地形上から大規模な駐車場の設置は到底これは困難でございます。  こういった状況を考えながら,私は,比治山の現代美術館と平和公園の間の100メートル道路の緑地帯,長さ1.9キロメートルをロープウエーで結んで,平和公園を訪れる観光客に空からの観光サービスを楽しんでいただきながら,比治山の現代美術館も一緒にあわせて見てもらおうというセットコースにしたらという考え方を持っております。  また,その中間地点にちょうど中央通りと100メートル道路の交差点に記念タワーをつくろうという考え方であり,また,そのシンボルタワーを第三セクター方式でつくろうという考え方であります。  このことにつきまして,過日,中国運輸局に行きましたが,そのときに,このロープウエーの設置案について,設備によっては認可できますよという内々の意思表示をいただいております。  そして,私は,先日,長崎市,徳島市,日光市のロープウエーに実際に乗って,その実情を視察いたしました。長崎においては,あの東洋のナポリと言われる長崎,また,徳島,日光,それぞれ観光展望というものは本当にすばらしいものでございます。  しかし,広島の場合は,ちょっと大きな話になりますが,世界的に有名であります日本のエーゲ海と言われる瀬戸内海公園が眼前に一望のもとに見渡されるということと,眼下には太田川の流れや宇品の港,また,水と緑と文化のまちの美観が眼下に広がり,また,その背景には中国山脈の雄大な山々がはるかに展望できるというその景観は,私はまさに100万ドルの景観だと思います。 また,これが夜になりますと,私は広島の夜景というのは,まさに1,000万ドルの夜景だと,こう言いたいのであります。  こういったものができれば,どこの都市に比べても負けないだけの施設であると私は確信を持っております。私も実際には乗って,そして,それを眺めてみたいという本当にホットな思いに今なっておるわけであります。  ぜひ市長は,この提案を特に広島市制100周年の記念事業として,この観光イメージプランをぜひともつけ加えていただき,そして,その実現化を図ってもらいたいと強く要望するものであります。  なお,私はさらに申し上げておきたい。このロープウエーが設置された場合には,その利用客は平和公園の見学者が先ほども話がありましたが,年間755万人,また,美術館の見学者もあるわけであります。その上に全国的にも珍しい施設であります。そうなりますと,恐らく年間300万人ぐらいの方は御利用いただけると考えております。  そうしますと,一人当たりの運賃が幾らかといいますと,長崎の場合は,往復で800円でございます。これより安く見積もって500円計算にいたしましても,300万人の500円ですから,約15億円という営業収益が上がってくるわけであります。で,私は十分経営は成り立つと思っております。その上に,私は数億円の収益が浮いてくると考えております。  また,その建設費でございますが,長崎市,徳島市の例から考えて,これを当時の金を換算してみますと,約3億円ぐらいで済むわけでございます。また,その従業員というのも本当にわずかに5人か7人ということで済むわけであります。  こういったことを考えてみるときに,広島市の財政事情の厳しい中で,私はこれは非常に貴重な市の収入財源になるということを思うわけであります。それと同時に,観光客の増大につながっていく二重のメリットがあると考えているものであります。そういったことから,現状の観光行政の振興方法について,一つお尋ねをしてみたいと思います。
     この観光問題というのは,もともと官民が一体となって取り組んでいくところに私は観光事業振興への道が開かれていくと思うのであります。  とは言いましても,この行政の対応というのにもまたおのずから限度がありまして,今後それをどう改善していくのかということにつきまして,今日の広島市観光協会が設置されております。この観光協会をどう法人化していくのかということが当面の1番の問題であろうと考えております。で,この点に対する責任ある御答弁を承りたいのであります。  また,当面の課題としてコンベンションビューローの設置,また,広島で行われる大規模会議開催への補助金制度の確立及び修学旅行会館の建設について,この3点は,特に,今後の広島の観光事業が全国の観光先進都市との当面する厳しい観光競争に勝っていくための私は大きな問題点だろうと考えております。その点に対するお答えをいただきたい。  いずれにしましても,観光行政の振興は,今日における観光客が投資するその観光消費額は年間約740億円という膨大な金額に上るものであります。これが広島市の経済の活性化をもたらすための一つの私はこれがエースとなると考えておるものであります。  終わりになりましたが,これは,企画調整局にかかわる問題でございます。で,今回のロープウエーの設置案につきまして,この際,次のことを改めて申し上げておいて終わろうと思っております。  それは,今後の建設構想案として平和公園側のターミナル基地の建設については,元安川の両岸にその基礎を置きまして,元安川をまたいで,その上に高層ビルを建設し,これを広島平和文化センタービルと,仮称でございますが,そういったビルをつくって,そして,そのビルの中に懸案の平和研究所や国際的な大会議場,展示場,ホテル施設,世界民族資料館,ユースホステルといったものを総合的にした平和文化センタービル,まあ,言い直せば,ピースカルチャービルと言うと思いますが,こういったものをつくるという構想案も考えておるところであります。しかし,この点につきましては,御答弁は要求いたしません。で,今後,御検討をいただいておいてもらいたい,こう思っておる次第でございます。  以上で私の総括質問を終わります。長時間の御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) 倉本議員の御意見,御質問に対しまして御答弁申し上げます。  まず,以前にノーべル平和賞受賞のための環境づくりとして,広島平和史や平和白書をつくってはどうかと提案したことがございます──されたことがございます。これらの提案をどう整理,集約されようとしておるのかというお尋ねであろうと思うわけでございますが,御案内のように,本市は過去40年にわたりまして,核兵器廃絶と世界恒久平和について,いろいろな角度から訴え続けてきたところでございます。  そういうことで,最近,国際ダグ・ハマーショルド賞やあるいはセスト・サンジョバンニ名誉市民賞,シンバ・アカデミー軍縮賞等を受賞しているところでございます。  御提案のノーべル平和賞の問題につきましては,広島市がノーべル平和賞受賞候補に挙げられるぐらい世界平和に貢献すべきだという激励の言葉だと受け取りまして,この激励にこたえるべく今後とも被爆体験を根底に据えて平和問題に取り組んでまいりたいと,このように考えているところでございます。  また,平和白書や広島平和史の作成についての御質問でございますが,平和白書につきましては,平和文化センターが毎年出版している小冊子「平和の推進」がございます。また,広島平和史につきましては,戦後の広島の歴史を集大成した「広島新史」を初め,「広島原爆戦災誌」等を既に発刊しているところでございますが,今年は,平和文化センターの10周年でもございますので,これを記念して「平和文化センター10年の歩み」を作成することといたしておりますので,そのように御理解と御協力をお願い申し上げたいと思うわけでございます。  また,ゴルバチョフ・ソ連邦書記長の親書に対する返書の中で同書記長の広島訪問と米ソ首脳会談の広島開催について要望する考えはないか,また,レーガン大統領にも要請する考えはないか,さらに,改めて米国のシュルツ国務長官に同様の要請をしてはどうか,こういう御質問であったと思うわけでございますが,ゴルバチョフ・ソ連邦書記長の親書は,先般1月19日にソ連大使館においてシェワルナゼ外相に面談いたしました際,核兵器廃絶を願う広島の心を訴え,広島訪問を要望したことへの返書でありまして,広島市民の願いは十分に伝わっておるというふうに思います。  また,レーガン大統領を初め,サミットヘ出席する各国首脳に対しましても,先般,広島訪問を要請する文書を送ったところでもございます。  申し上げましたように,各国首脳に対して広島訪問を要請しておりますが,いずれにいたしましても,核軍縮,さらには核兵器の廃絶を実現するには,核兵器による被爆の実相を理解することが何にも増して重要であると考えておりまして,今後も機会をとらえて,核兵器保有国の首脳が早い時期に被爆地を訪問されるよう粘り強く努力してまいりたいと,このように考えております。  次に,米ソの首脳会談の広島開催につきましては,私もこれを願っているものでございますが,現実には会議場,警備体制,輸送手段等,困難な問題がございますので,可能性を見きわめながら対応してまいりたいと,このように考えているところでございます。  その他の問題につきましては,それぞれの主管の局長の方から答弁させたいと思います。 ○副議長(柳坪進君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 平和問題,2点,お答えいたします。  まず,平和研究所の問題でございますが,国立の平和研究機関の広島設置につきましては,国立世界平和センター構想という倉本議員の提案を受けまして,既に御承知おきいただいていますように,一昨年,広島平和文化センターの中に平和関係施設調査研究委員会を設けまして,さらに,本年度からワーキング・グループを発足させて,研究事項等,具体的な内容の検討を進めているところでございます。  なお,この問題につきましては,かねてから国に対して要望活動を続けているところでございますが,できるだけ早い時期に具体的な内容を取りまとめ,関係者の協力のもとに国の理解を得ながら実現するように努力をいたしたいと思っております。  次に,国際平和年に当たり,広島市民として平和への自覚と使命あるいは決意,誓い等を宣言する広島平和市民憲章を制定してはどうかという御意見であります。  昭和24年に制定公布をされました広島平和記念都市建設法には,その第1条に「恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として,広島市を平和記念都市として建設する」と明記をされておりまして,広島市民は,この自覚と使命の上に立って,平和記念都市の建設に取り組んでいるわけでございます。  また,昭和25年4月1日に,市民公募によりまして,10項目からなる市民道徳が制定をされておりますが,その第1番目には,「強い信念をもって平和のためにつくしましょう。」と掲げられ,広島市民の行動規範となっております。  そして,昭和27年の8月6日に除幕をされました原爆死没者の慰霊碑には,「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という碑文が刻まれておりますが,これは,広島市民の決意であり,誓いでもあると思います。  さらに,毎年8月6日の平和記念式典で読み上げられる平和宣言あるいは昨年の7月に市議会全会派一致して決議をされた「核兵器廃絶広島平和都市宣言」にも平和都市広島の使命,自覚,決意,誓いが盛り込まれているというふうに思っておりますので,御理解をいただきたいと思います。  以上です。 ○副議長(柳坪進君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) 観光行政についての御質問のうち,4点ばかり私の方からお答えをさせていただきます。  まず,市制100周年記念事業として,中央通りと100メートル道路の交差点に第三セクター方式でシンボルタワーを設置してはどうかという御提案でございます。  実は,昨年12月から本年の1月にかけまして,記念事業についての市民のアイデア募集を行いましたところ,その中にも100周年記念をするモニュメントの御提案がなされておりました。  また,現在,市制100周年・築城400年記念事業の懇談会を設けまして,いろいろ御審議,御議論いただいておるわけでございますけれども,その懇談会の中でもモニュメントについての提案がなされておるところでございます。また,この懇談会は,本年5月末を目途に基本構想の取りまとめを行うこととなっておりますので,倉本議員御提案の趣旨も含めまして,今後の検討課題として取り組んでまいりたいと,このように考えております。  次に,比治山と平和記念公園の間をロープウエーで結んではどうかという御提案についてでございます。  他都市の実情等も調査された上での熱心な御提案として受けとめておりますけども,平和記念公園から100メーター道路を経まして比治山に至るロープウエー構想は,多くの法的な制約あるいは技術的な問題等,検討すべき課題も非常に多いと思われます。したがいまして,今後その可能性等について調査研究してまいりたいと,このように考えております。  3点目として,コンベンションビューローの設置についての御質問があったかと思います。  このことにつきましては,昨日,大勢登議員の御質問に市長からもお答えいたしましたように,コンベンション,イベントなどを企画誘致し,施設や関連サービスの情報提供を行い,会議運営の支援を行うための総合的な組織でございますコンベンションビューローの設立は,大きな課題であるというふうに我我も認識いたしております。  そのため,新年度におきましては,県,商工会議所,観光協会,国際交流協会など関係団体に呼びかけまして,ビューローの前身となる推進協議会を設立し,ビューロー設立に向けての課題の検討や情報交換を行うとともにPR,情報提供などの具体的な事業を実施いたしまして,ビューロー設立に向けての実績を積み重ねてまいりたいと,このように考えております。  次に,大規模会議開催の補助金制度の確立についてでございます。  御承知のように,会議やイベントの場合,主催者,規模,市民とのかかわり方,内容効果等さまざまでございまして,画一的な助成基準を作成することは困難でございます。したがいまして,個別の会議やイベントごとにその内容を総合的に勘案して今後とも対応してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 経済局長。 ◎経済局長(網井信昭君) 農政問題,特に,野菜の生産振興についてと,それから,観光行政の中で観光協会の法人化の問題と修学旅行会館の問題についてお答えいたします。  まず,野菜生産の振興関係でございますけれども,御指摘のように,野菜は市民の食生活を支える上で重要な役割を担っておりますとともに,本市農業生産上から見ても,農業生産額全体の約40%を占めておりまして,その生産振興は農政上の重要な課題となっております。  市内産野菜は,広島市場全体の野菜取り扱い数量の15%ではございますけれども,長距離輸送の難しい葉ネギ,ホウレンソウ等,軟弱野菜について見ますと,取扱量全体の約60%になっておりまして,市場取引の中でも大きなウエートを占めておるわけでございます。  この市内産野菜の約70%は川内地区で生産されておりまして,この地区は,市街化区域内であるということから,市街化の進展により農地は減少の傾向にございます。  このことから,野菜の安定的な生産を確保するためには,現在,主翼となっております市街化区域内の農地の効率的な利用を図るとともに周辺地区に新しい産地を育成することが重要な課題となっておるわけでございます。  このため,市街化区域内におきましては,パイプハウス等,生産施設の整備や客土等,地力向上対策を行うとともに,新しい産地の育成対策として圃場整備等の畑づくりや栽培技術指導等の人づくりに努めているところでございます。  61年度予算におきましては,圃場整備を17ヘクタール,パイプハウスの設置を220アール──これは,大体110棟に相なりますけれども,220アール,客土を150アール行うこととしまして,また,鮮度の保持対策として出荷用保冷庫4基を設置することとしております。  特に,パイプハウスにつきましては,効率的な軟弱野菜の生産を振興するために,計画的に設置を進めておりまして,64年度までに全市域で60ヘクタール設置する計画でございます。  また,これらの対策とあわせまして野菜価格の安定を目的とする野菜安値補償や農業者が借り入れております営農改善資金に対する利子補給等も実施しておりまして,これらの対策を地域の実態に即しながら総合的に実施していくことで,土地生産性の高い野菜経営を確立し,市民に対して生鮮な野菜を安定的に供給していく所存でございます。  次に,観光行政でございますけれども,御指摘のように,59年中に本市を訪れた観光客は755万人で,これに伴う観光消費額は約740億円と推定しております。  この観光客の動向を見ますと,本市での宿泊は約3分の1にとどまっており,3分の2が日帰り観光客で,しかも,その63%が5時間以内の短時間滞在となっております。これは,言うなれば,平和公園とその一帯を中心とした,観光を行った後は次の地へ移動するという単一資源型となっていることによるものでございます。これをいかにして長期滞在型に持っていくかということ,及び755万人の観光客をいかに増加させるかということが,今後の大きな課題でございます。  本市の観光は,御承知のように都市型観光でございまして,都市の整備そのものが観光資源の整備につながるものと考えております。その意味におきまして,文化,スポーツ,レジャー等,各種の都市施設の整備とともに,観光資源の再発見,歴史の散歩道などの新しい観光コースの開発整備によって観光資源をつくり出すことにより,見る観光から,する観光へと長期滞在型への転換を図る必要があると考えております。こうした観光資源の整備を図りながら,また一方では,観光客の誘致あるいは受け入れ体制の強化充実を図っていく必要がございます。こうしたソフト面を受け持つ観光協会の役割は,年々その重要性が高まり,業務量も増加しております。  そのような状況の中で観光協会の法人化による体質の強化は,早い時期に必要であると考えられますので,現在,部内で検討を続けているところでございます。  修学旅行会館につきましては,これまでにも関係業界を中心に種々検討を行ってきたところでございますけれども,オフシーズン対策,用地の確保等の困難な問題を抱えて今日に至るまで実現を見ておりません。本市としては,今後とも関係業界と十分協議を行いながら実現化に向けて一層の努力をしたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 西広島駅周辺地区の整備にかかる御質問でございますが,この地区につきましては,現在,地元の己斐地区まちづくり協議会が中心になられまして,国鉄貨物ヤード跡地も活用して商店街の活性化,居住環境の改善等を図るためのまちづくりの方策が検討されているところでございます。  本市では,広島市まちづくり要綱に基づきまして,コンサルタントを派遣するなど,昭和61年度で計画策定ができるよう地元のまちづくり活動に対しまして,積極的に協力いたしておるところでございます。  ただいま開発計画の規模のあり方,あるいは整備のあり方,方策その他につきまして御提案をいただきましたが,この点につきましては,今後,地元協議会との協議及び意見交換の中で参考にさせていただきたいと存じます。  なお,貨物ヤード跡地につきましては,本市から国鉄に対し,国鉄が土地処分をされるに当たっては,現在進められております地元のまちづくり活動に十分配慮してほしいとの協力要請を行いましたところ,国鉄もその旨を了とされ,今後とも連絡調整を密にする旨,相互の申し合わせをしたところでございます。  したがいまして,御提案の国鉄用地利用計画審議会などの設置につきましては,将来の検討課題にさしていただきたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 電線類の地中化につきましては,先ほど中本 弘議員に答弁したようなことでもって,59年10月に建設省と通産省との間で10年間に1,000キロメートルの整備についてやろうといったことの合意がなされたわけでございます。  これを受けまして,昭和60年度のキャブシステムモデル事業としまして,広島市を初め全国15都市が指定をされております。現在,広島国道事務所におきまして,国道54号の相生橋から平和大通りの間をこの昭和60年度の後半から63年度までやることとしております。それからまた,平和大通りから市役所前までの間を昭和64年度から昭和65年度までに整備をするという計画でございます。  それから,歩道の再整備につきましては,電線類の地中化に合わせまして,歩道舗装,植栽整備,照明施設の整備等を実施することといたしております。  それからまた,国に対する要望でございますが,都市像としまして,良好な都市環境の形成を目途としておりますことから,市中心部の骨格道路ではございます国道54号の整備促進につきましては,国に対して今まで重ねて要望しておるところでございます。  それから,この市制100周年まではどうかということでございますけれども,これは,市制100周年の64年度までは一応平和大通りまでということになりますけれども,市役所前までは65年ということでございますけれども,これから国の方にもその早期完成につきまして,お願いを重ねていきたいというふうに考えております。 ○副議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 広島市民道徳についてでございますが,御指摘のように広島市民道徳は,平和都市を目指す広島市民の申し合わせとして,昭和25年4月1日から自発的に実践していくことを願い,定められたものでございます。  教育委員会といたしましては,このことを踏まえまして,毎年1月15日に開催いたしております成人祭に新たに大人の仲間入りをする青年諸君に配付するパンフレットにこの市民道徳を掲載するなど啓発活動を進めているところでございます。  また,この中に記されている徳性は,広く市民として身につけるべき普遍性を有するものでございますので,機会あるごとに周知を図るべく努力をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(柳坪進君) 46番。 ◆46番(倉本保君) 時間が遅くなってまことに申しわけありませんが,2点だけお尋ねをいたします。  平和研究所の問題について,どこの場所を選んでと言っておきましたが,今その案は全然ないのか,また,この問題について,市長自身,どんな動きをされているのか,この問題は市長に問うたんですよ,企画調整局長じゃない,市長室長に聞いたんじゃありません。明確に市長にと言ってるんですよ。あなたの態度をお尋ねをしておるわけですからお答えをいただきたい。  もう1点,今のロープウエーの問題ですが,これについてはですね,企画調整局長,本当にお答え──可能性について調査研究をしたいということでございましたが,答えられる限度いっぱいのお答えだったと思います。これについて,市長はね,どういった評価をしているのか,それを聞いてみたい。  2点だけ……。 ○副議長(柳坪進君) 市長。 ◎市長(荒木武君) 国立広島平和研究所の設置の問題でございますが,ただいまも池田室長が申し上げましたように,平和文化センターの中で平和関係施設調査研究委員会というものを設置いたしまして,幅広い立場から研究いたしておるところでございますし,また,毎年度,国要望の中でこの問題も要望しておるわけでございまして,国とのかかわり合いがございますので,できるだけ早い時期に具体化をして設立できるように最大の努力をしなければならぬと,このように考えているところでございます。(46番倉本保君「議長,お答えは……。もう一つあったでしょう。このロープウエー案について市長はどう評価しているんですかと聞いておるのよ。」と呼ぶ) ○副議長(柳坪進君) はい,市長。 ◎市長(荒木武君) これもただいま企画調整局長から申し上げたとおりでございまして,御答弁につきましては,市長も十分協議の中に入りまして,案をまとめたところでございます。 ○副議長(柳坪進君) 46番。 ◆46番(倉本保君) 委員会がありますから,じゃ,委員会でやらしていただきます。遅うなりましたから。 ○副議長(柳坪進君) 本日はこの程度にとどめ,明日引き続き総括質問を行います。  ─────────────────────────────────            次 会 の 開 議 通 知  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) この際,御通知申し上げます。明日は午後1時より議会の会議を開きます。  ─────────────────────────────────            散   会   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) 本日はこれをもって散会いたします。御苦労さんでございます。              午後5時33分散会  ─────────────────────────────────      副 議 長   柳  坪     進
         署 名 者   松  尾  好  子      署 名 者   井  上     貞...