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昭和60年第 6回12月定例会-12月13日-02号

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  1. 広島市議会 1985-12-13
    昭和60年第 6回12月定例会-12月13日-02号


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    昭和60年第 6回12月定例会-12月13日-02号昭和60年第 6回12月定例会        昭和60年第6回広島市議会定例会会議録(第2号)            広 島 市 議 会 議 事 日 程                            昭和60年12月13日                            午前10時開議                日    程  第1 一般質問  ─────────────────────────────────            会 議 に 付 し た 事 件 等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 一般質問(開始)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  一般質問(続行)  休憩宣告(終了)
     開議宣告(終了)  一般質問(続行)  会議時間の変更について(時間延長)  一般質問(継続し,明日も続行)  次会の開議通知(12月14日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了)  ─────────────────────────────────              出 席 議 員 氏 名   1番  中 山 忠 幸 君     2番  福 島 和 宏 君   3番  松 井 邦 雄 君     4番  平 野 博 昭 君   5番  保 本 昌 宏 君     6番  種 清 和 夫 君   7番  下向井   敏 君     8番  碓 井 法 明 君   9番  伊 藤 稲 造 君     10番  宗 像 俊 昭 君   11番  藤 川   武 君     12番  松 尾 好 子 君   13番  奥 田 幹 二 君     14番  都志見 信 夫 君   15番  鈩 谷 君 子 君     16番  鶴 見 和 夫 君   17番  戸 田   満 君     18番  住 田 孝 行 君   19番  前 本 一 美 君     20番  熊 本 良 作 君   21番  木 島   丘 君     22番  松 浦 弘 典 君   23番  月 村 俊 雄 君     24番  村 岡 節 吾 君   25番  増 田 正 昭 君     26番  海 徳   貢 君   27番  屋 敷 一 字 君     28番  中 本 康 雄 君   29番  牧 里 重 喜 君     30番  井 上   貞 君   31番  井 手 正 夫 君     32番  前   恵 介 君   33番  藤 本 正 躬 君     35番  神 明 政 三 君   36番  竹 永   勇 君     37番  今 田   智 君   38番  鈴 木   修 君     39番  金 子 善 明 君   40番  西 村 敏 蔵 君     41番  正 畠 明 雄 君   42番  永 田   明 君     43番  山 本   誠 君   44番  米 田 十 郎 君     46番  倉 本   保 君   47番  桜 井 康 民 君     48番  大勢登 康 憲 君   49番  兼 桝 栄 二 君     50番  中 本   弘 君   51番  久保井 時 雄 君     52番  明 星 正 明 君   53番  八 百 千頭夫 君     54番  元 田   猛 君   55番  瀬 川 吉 郎 君     56番  山 科 美 里 君   57番  柳 坪   進 君     58番  中 島 金 平 君   59番  講 元 英 雄 君     60番  宮 本 正 夫 君   61番  仲 津 幸 男 君     62番  坂 根 喜三郎 君   63番  田 辺 秀太郎 君     64番  藤 田 博 之 君  ─────────────────────────────────              欠 席 議 員 氏 名   45番  氏 川 孝 之 君  ─────────────────────────────────        職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名 事 務 局 長 北 川   元 君  事 務 局次長 浜 井 澄 人 君 議 事 課 長 河 野 康 文 君  議事課長補佐議事係長事務取扱                          平 井 達 也 君 議 事 課主査 山 根   進 君  外関係職員  ─────────────────────────────────            説明のため出席した者の職氏名 市    長 荒 木   武 君  助    役 松 井   齊 君 助    役 岩 井 彦 二 君  収  入  役 西 田 展 康 君 市 長 室 長 池 田 正 彦 君  企画調整局長 石 橋 正 行 君 総 務 局 長 福 島 隆 義 君  財 政 局 長 佐々木 真 二 君 民 生 局 長 河 合 護 郎 君  衛 生 局 長 吉 田 哲 彦 君 環境事業局長 石 田 嘉 堆 君  経 済 局 長 網 井 信 昭 君 都市整備局長 川 村 尋 男 君  建 設 局 長 柳 川 幸 雄 君 下 水 道局長 新 谷 喜 城 君  消 防 局 長 栗 栖 敏 人 君 水 道 局 長 坂 谷 隆 生 君  広島市民病院事務局長                          天 倉 松三郎 君 安佐市民病院事務部長        財 政 局次長 石 川 伯 廣 君        平 田 成 行 君 財 政 課 長 若 狭 武 治 君  教育委員会委員長                          尾 尻 隆 之 君 教  育  長 藤 井   尚 君  選挙管理委員会事務局長                          川 村 茂 幸 君 人事委員会事務局長         代表監査委員 田 中 正 夫 君        尼 子 克 彦 君  ─────────────────────────────────              午前10時14分開議              出席議員  45名              欠席議員  18名 ○議長(明星正明君) 出席議員45名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○議長(明星正明君) これより本日の会議を開きます。  ─────────────────────────────────            会 議 録 署 名 者 の 指 名  ───────────────────────────────── ○議長(明星正明君) 本日の会議録署名者として             5番 保 本 昌 宏 君             40番 西 村 敏 蔵 君 を御指名いたします。  ─────────────────────────────────            日 程 に 入 る 旨 の 宣 告  ───────────────────────────────── ○議長(明星正明君) これより日程に入ります。  ───────────────────────────────── △日程第1 一般質問  ───────────────────────────────── ○議長(明星正明君) 日程第1,一般質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。10番宗像俊昭君。           〔10番宗像俊昭君登壇〕(拍手) ◆10番(宗像俊昭君) おはようございます。第6回定例会一般質問の最初の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げながら,自由民主党を代表して一般質問を行います。  本市は,国際化に対応した都市づくり,地域産業の活性化あるいは都市基盤の整備を進め,中国地方を主導する役割を果たし,中枢管理機能を強化することが第一義であることは申し上げるまでもありません。  都市の骨格を形成する国道,県道,都市計画街路等の整備は,市民生活の安全性と利便性を確立するとともに,効果的な都市活動を促進する上において不可欠であり,その整備については鋭意努力をいただいておるところでございます。  先般,12月6日,永田町で開かれた県道路整備促進大会に,荒木市長は都市計画街路事業促進協議会中国ブロック会議広島地方協議会長として出席参加されたようでありますが,国に対しどのような観点で要望し,重点施策として何を取り上げ,その感触はいかがなものでしょうやら。厳しい財政状況のさなか,政府の公共事業の枠を最大限に獲得するとともに,特におくれている道路事業について,先頭に立って陳情された市長に敬意を表しますとともに,その成果のほどをお聞かせいただきたいと思います。  中枢管理機能を果たす本市にとっては,空の玄関としての空港機能の永続化,海の玄関としての広島港の管理権の市域分についての分掌,ポートラジオ局の開設等,海・空・陸の交通体系を一体的に整備拡充し,大いに本市の活性化を図る必要があると考えます。  賛否両論の中,現広島空港の東京便のジェット化と今回の沖縄,札幌便が新たに加わり2月ないし4月にかけてそれぞれ運航の運びのようでありますが,今回の新路線開設を非常に歓迎する市民の多いのは,現空港の存在がいかに市民にとって大切なものであるかを物語っていると思います。
     しかしながら,今までのいきさつを考え合わせたときに,地域住民と合意のとれたとされる内容及び条件,周辺対策とはどのようなものか,また,いつまでを限度に整備しようとしているのか,また,今後,他都市との新路線開設があり得るのかどうか,コミューター空港としての活用はどうするのか,市長の基本的考え方をお聞かせいただきたいと思います。  次に,陸上交通でありますが,中国縦貫道が地域集積の比較的弱い地域から開通したことによってその波及効果はいまひとつ盛り上がりを欠き,中国地方にとって既成集積地である姫路,岡山,広島,徳山,宇部,近郊で言いますと,福山,尾道,三原,東広島市,廿日市,岩国といった地域経済に大きな効果を及ぼすであろう山陽自動車道の早期完成は大いに待望されるところでありますが,これの進行状況及び見通し,さらに山陰との関係でありますが,広島の中枢管理機能は山陰に対して強い牽引力を持っております。  しかしながら,山陰,山陽を結ぶ中国横断道,国道54号線の現状を見るとき,恐らく縦貫道でとまってそのまま縦貫道に乗り東に向かって伸びるのではないかと思われます。岡山空港開設時には,広島の持つ中枢管理機能が岡山に移行するのではという一抹の不安も覚えるものであります。  そこで,中国横断道の見通し並びに交通のネックになっている安佐北区内の54号線上根バイパス及び可部バイパスの進行状況及び着工見通しについてお伺いをいたします。  なお,安佐北区352.11平方キロメートルで,全市域の約48%に迫る広大な地域を持っており,区内重要道路の整備,都市計画街路のおくれが大きく,地域活性化に対し歯どめをかけているのも事実でございます。  59年第3回定例会において指摘をいたしました各交通問題のその後の動き,特に都市計画街路可部大毛寺線,藤ノ森大毛寺線全線事業認可に向けてますますの努力を要求するものであります。  また,都市計画街路高陽可部線の進捗状況と地域活性化を大きく疎外しているもう一つの原因といたしまして,用途地域の見直し作業が非常におくれていることにあると思いますが,これのおくれている原因と今後の見通しについてもあわせ答弁を求めるとともに,可部町地内の地区計画はどの程度進展しているのか,来年度の見通しとともにあわせ御説明をいただきたいところでございます。  次に,青少年の健全育成問題についてであります。  21世紀を担う広島市の青少年が心身ともにたくましく成長し,平和で住みよい社会の建設に貢献できるよう,その健全な育成を図ることは地域社会はもちろんのこと,行政責任者としても最も大切な課題の一つであると思います。将来の人間形成の基礎を養う時期でもあり,その健全な育成について,家庭や地域社会,学校は重大なる役割を担っていることは申し上げるまでもないことであります。  しかしながら,現実には,少年のしつけにとって最も重要な家庭の機能が低下し,学歴重視社会の中にあって,家庭,学校とも,知識教育中心となり,仲間意識の衰退や社会性や協調性を身につける機会が非常に減少していることも否めない事実であります。  そこで,たくましく情操豊かで民主的にして真に平和を愛し,地域社会及び国際社会の進歩発展に貢献できるような青少年を育成でき得る地域社会をつくる目的で,行政指導により昭和42年度27地区において発足したのが一部を除き小学校区単位に設立されました地区青少年健全育成連絡協議会であります。市の補助金も1学区当たり5万円,総額135万円で出発をいたしております。  そこで,質問に入ります。  予算編成期でもありますので,補助金についてお聞きをいたします。  行政改革のさなか,補助金・助成金等の廃止,機構の改革等が叫ばれているのも承知いたし,また,去る10日の決算特別委員長の審査報告の中で,「各種団体等に対する補助金・負担金については,事業内容,効果等を調査,検討し,公益上真に必要なもので,十分な助成効果が期待できるもののみとするよう」指摘がなされましたが,先ほど述べましたとおり,青少年問題は今日的課題でも最優先されなければならない重要な施策の一つであると思います。  その補助金の推移を見ますと,42年から46年まで1学区5万円,47年が6万円,48年7万円,49年8万円,50年9万円で当時55学区でございます。以後10年という長い間据え置きで60年も9万円,現在は108学区でありますが,10年間据え置いたことには何か根拠があるのかどうかお聞かせをいただきたいものであります。  広島市において,それぞれの社会教育団体組織が行っております健全育成活動を統括する青少協の補助金としては,余りにもお粗末過ぎると思いますが,いかがなものでありましょうやら。これで十分事足りているとお考えなのか,または事の重大さにかんがみ,61年度予算で増額し,なお一層の地域活動に期待を寄せる姿勢があるかどうか当局の答弁を求めるものであります。  次に,青少協の組織化の問題に触れてみたいと思います。  単位青少協の区レベルの組織については,それぞれの区の発想によって現在組織化が進み,全市一本で行っておりました7月のよい環境を与える運動であるとか,11月の健全育成強調月間あるいは健全育成連絡調整会議,親子の触れ合いの集い等も含め,それぞれの区が地域の状況に応じ,最も効果の上がる方法をとっているのが現状でありますが,他の補助金の出ている社会教育団体と違い,市レベルの構成ができておりません。したがって,全市的な発想や構想あるいは連絡調整,情報交換,研修等,横の連絡が一切できないのが現状でございます。  ましてや青少年育成に関し,本市の基本的施策について諮問する青少年問題協議会構成メンバーにいたしましても,青少協という組織からただ一人も入っておりません。  民生局は,このような状態を長く放置することなく,事の重大さを認識し,早急に全市的な連合組織を形成し,より充実した日常活動を促し,官民一体となって本市青少年の健全育成に取り組むべきと思いますが,局長の見解を市民の前に披瀝していただきたいと思います。  次に,広島市長が委嘱しております広島市青少年指導員,8区合わせて676名の皆さん方が日夜地域において街頭指導や環境浄化活動に御精進いただいておるわけでございますが,1校区当たり5名ないし6名ということで画一的に委嘱されているようでありますが,地域環境あるいは児童生徒数に応じ,適宜その人数の配置については考え直す必要があると思いますし,謝礼金にいたしましても再考すべきであろうと思いますが,あわせて局長の所見を求めるものであります。  次に,非行といじめの問題についてであります。その前に昭和57年5月6日付で各小・中学校あての通知によって順次発足いたしました中学校区非行防止活動推進協議会も既に発足4年を迎えております。組織運営や事業目的にいたしましても,かなりその成果に期待を持ちたいところでございますが,教育委員会としてはこの協議会をどのように評価し,民生局主管の青少協の活動ともあわせ改善充実しなければならない要素があるかどうかを含めてその成果のほどをお聞かせいただきたいと思います。  非行の要因や傾向については,既に皆さん方十分御承知のとおりでありまして,今さらここで取り上げて分析するつもりはありません。  しかしながら,いつも使われている警察の補導状況並びに統計よりいささか性質は異なると思いますが,市長が委嘱しています青少年指導員が地道な地域活動の中で直面し,補導した統計だけはぜひ分析をしてみたいと思います。  補導の統計総件数は,52年が1,290人,53年が1,111人,54年が1,101人,55年が1,415人,56年が1,369人で,57年1,631人,58年が1,755人,59年1,513名であります。  59年度だけで見ますと,1,513人中,小学生以下538人,中学生668人,高校生232人,大学生6人,各種学校10人,その他59人であります。処理方法でありますが,現場注意が1,371人で約90%で,あとの10%は家庭連絡が39人,学校連絡50人,警察連絡46人,センター連絡7人となっております。  60年度に入りまして,既に1,093人が何らかの形で補導されております。この数字は,昨年同期の一人増となっておりますが,7月,8月,いわゆる夏休み中の補導が昨年の388人に対し,本年は489人と約100人ふえているのは申し添えておく必要があると思います。  現場注意がその90%とはいえ,一歩間違えばいつ何どき非行に走るかわからない状況にあると言えます。676名の青少年指導員が地道な地域活動の中でややもすると非行に走りがちな青少年たちを必死で食いとめている陰の姿を見ますとき,設置要綱だけで委嘱している行政側は何とか条例化する方法を考え,身分保障も考えるべきではないでしょうか。あるいは相手は複数以上の場合がほとんどでありますが,万一危害を受けた場合等考え合わせたとき,その対応が迫られると思いますが,所見をお聞かせいただきたいと思います。  また,毎月,地区青少協から報告のある月報の内容がどのようにして民生局から教育委員会に渡り,教育委員会から該当校に流されるのか,該当校はどのように処理しているのか,青少年育成問題について,市長部局と教育委員会との連携はどのようになっているのか,どうあらねばならないとお思いになるか,双方からお聞かせを願いたいと思います。  さらに,青少年指導員の資質の向上と情報交換,連絡等を考えたときに,組織づくりも急務であると思いますが,あわせ答弁を求めておきます。  次に,いじめの問題でありますが,昭和60年6月29日付で本市教育委員会がまとめた統計によりますと,59年度中に報告のあった総件数406件の中,小学校211件,中学校195件であります。  事象発見の内訳によりますと,1番が被害児童生徒からの訴えあるいは相談,2番目が被害児童生徒の保護者からの訴えあるいは相談,3番目が他の児童生徒からの訴えあるいは相談と,この三つの件数が425件に対し,教師による事象発見は112件であります。約80%が他からの訴えであり,通報であるのに比べ,現場の教師による発見が20%しかない現状を考えたときに,児童生徒の動静を把握できない現場の状況は一体どうなっているのだろうかと首をかしげるのは私一人ではないと思います。  いじめが継続された時期が6カ月以上というのが72件もあるということは,本市においても現場の指導体制を厳しく追及されてもしかるべきだと思います。  先般9日の青森県の生徒自殺においても警察に駆け込む以前の指導体制を思うとき,先生は頼りにならぬ,学校は知らなかった,先生に相談したらうんうん言うちゃった,この三つをとってしてみても,これは青森県のことにあらずで,本市小学校・中学校においてもこの問題は当たらずとも遠からずであり,早く目を覚まし本気で手を打たなくてはならないことを,昨年の第3回本会議に続き,再度提言をいたすものであります。  いじめの問題は,ひとり学校当局だけの指導にあるとは思いません。けれども,生活時間の割合からも学校生活のウエートは大きく,問題児を抱えた学級は,担任だけが悩みノイローゼ気味になって処理するような閉鎖的な体質を改め,学年で英知を絞り,学校全体で校長以下教職員一体となっての対応ができない原因はどこにあるのか,これについての研究や実践こそ急務であると思います。  担任との交流に例をとってみても,特に中学校の実態は,教科別教師の入れかわり立ちかわりの交流で小学校時代の担任教師の終日の交流から離れ,わずかな時間のホームルームにおいて行事の伝達や注意事項を1年間繰り返しているようでは,子供の生活背景は見えもしなければ見せてもくれないと思います。教科の指導研究も大切でありますが,ホームルーム学級活動等の特活指導の見直し,すなわち学校全体で取り組む生活指導に本腰を入れられるすばらしい学校体制こそ学校経営正常化の糸口になるのではないでしょうか。  教育委員会は,昭和60年11月12日付で市立小・中・高・養の各校長あてに出した「いじめの問題行動に対する指導の徹底について」という通知を出しておりますが,この資料Ⅰを見ますと,指導体制といたしまして,一つが「いじめの問題の重大性を全教師が認識し,校長を中心に一致協力体制を確立して実践に当たっているか。」,2番目が「いじめの態様や特質,原因・背景,具体的な指導上の留意点などについて職員会議などの場で取り上げ,教師間の共通理解を図っているか。」,「教師は,日常の教育活動を通じ,教師と児童生徒間,児童生徒間の好ましい人間関係の育成に努めているか。また,児童生徒の生活実態のきめ細かい把握に努めているか。」,「いじめについて訴えなどがあったときは,学校は,問題を軽視することなく,的確に対応しているか。」というのが指導体制でうたわれ,教育相談としてうたわれておるのが,「校内に児童生徒の悩みや要望を積極的に受けとめることができるような教育相談の体制が整備されているか。また,それは,適切に機能しているか。」「学校における教育相談について,保護者にも十分理解され,保護者の悩みに応えることができる体制になっているか。」「教育相談では,悩みをもつ児童生徒に対してその解消が図られるまで継続的な事後指導が適切に行われているか。」──非常に大切なところであろうと思います。「教育相談の実施に当たっては,必要に応じて教育センターなどの専門機関との連携が図られているか。」,これが教育相談の項目で挙げられておるわけです。教育活動の中では,「学校全体として,校長をはじめ各教師がそれぞれの指導場面においていじめの問題に関する指導の機会を設け,積極的に指導を行うよう努めているか。」「道徳や学級指導,ホームルームの時間にいじめにかかわる問題を取り上げ,指導が行われているか。」,以下ずっとありまして,家庭・地域との連携,「学校は,PTAや地域の関係団体等とともにいじめの問題について協議する機会を設け,いじめの根絶に向けて地域ぐるみの対策を進めているか。」「学校は,家庭に対して,いじめの問題の重要性の認識を広めるとともに,家庭訪問や学校通信などを通じて家庭との緊密な連携協力を図っているか。」「いじめの問題解決のため,学校は必要に応じ,教育センター,児童相談所,警察署等地域の関係機関と連携協力を行っているか。」というような問題,また,ほかの指導資料では,「児童生徒のいじめの問題とその指導」というようなことが挙げられて現場へ通達が流されているわけでございます。  この内容を見ますときに,日常教師が行う児童生徒指導の基本的な項目ばかりであり,今さらこのような文章を流さなければならない教育現場をどのように理解すればよいのか。これが教育委員会の言う学校教育に対する指導の重点として挙げている生徒指導上の課題に対して適切な資料の提供に努めるという資料のⅠであるということになれば,この資料を受けた教育現場,具体的指導実践に移しておる学校があれば,その内容を明らかにし,報告を求める必要があると思いますが,教育長のこの問題に対する姿勢を問うものであります。  校内及び家庭内暴力からいじめに発展し,次に来るのが性非行あるいは怠学等,その指導性が問題視される今日,教育委員会としては,教職員の資質の向上対策を初め,その原因がどこにあるのかを考え,この解決施策としてどのように対応していくのか,事は急を要すると思いますが,教育長の所見を承りたいものであります。  次に,学校整備費についてお伺いいたします。  近年,住宅の新築が多くなりまして,家見に招かれることの多い昨今でございますが,それぞれ一世一代の大事業でありますから,家族が相談しあるいは見て歩き,専門の建築士が力を入れて建築したばかりの家でありましても,不合理や不便があったりして,手直しすることがあるのが現実でございます。  学校においても同じことが言えると思います。現場教師といたしましても,せっかくよいものを建ててもらったのだから少々の不便は我慢をしなければというふうに思うし,役所の人も今建てたばかりなのに何をぜいたくなことを言いなさんなとも言う。児童生徒に我慢を経験させ,工夫させることも教育のうちでもあるし,大事なことでもあると思いますけれども,不合理のままで我慢をさせている面もありはしないでしょうか。器具,備品にいたしましても,使えば傷むもの──修繕補修に金のかかるのは当然であります。  私の調査によりますと,過去,学校の新設,分離,校舎の大規模改造に随分予算を使っております。小・中学校を一緒に考えると,55年度が186億,56年度が176億,57年度が71億,58年度が107億,59年度114億,60年度が107億となっていますが,随分と学校をつくってきたものだと思います。  小学校だけでは,55年131億,57年が75億,60年度では21億と年年減少しており,児童の社会減を改めて発見した思いがいたします。  小学校児童は,今日の状態で横ばいが続くのではないかと思われますが,近い将来,中学校へもこの波が寄せ始め,三,四年もすれば学校建築は随分と楽になるだろうと考えられます。  一方,整備費を調査してみました。小学校の整備費が55年度が13億,56年度が14億,57年度が16億,58年度が16億,59年度14億,60年度12億であります。中学校は55年度6億,56年度8億,57年度9億,58年度11億,59年度12億,60年度10億であります。  学校数がふえているのに整備費がほとんど横ばいであります。初めに申し上げたとおり,じっと我慢の子を通した結果ではなかろうかと思います。学校新設に金がかかるから整備の方は我慢してほしいとは何遍聞かなければならない言葉でしょうか。  小・中学校の建築費が55年度の186億,56年度176億をピークに,57,58,60年度が約100億と,おおざっぱに70から80億が不用になっております。長い間我慢をしてきた我慢費としても早急に整備の方に予算を回すべきだと思いますが,教育長の所見を承りたいと思います。  続いて,グラウンド改造や緑化が1年に四,五校,プールが二,三校等,学校数,施設数を考え合わすと,一回りするのに何年かかればよいのやら。2年,3年ないし三,四年くらいまでなら我慢もできましょう。しかし,そこで授業を受ける児童生徒にとっては,かけがえのない1年,1年であります。  整備費の増額整備計画の年次繰り上げを検討されるべきと思いますが,あわせて答弁を求めます。  次に,自主防災組織づくりについてお尋ねをいたします。  現在,全市的にこの組織づくりが町内会・自治会を窓口に進められておりますが,まず第1点として,現在までの組織づくりの推進指導過程において,住民サイドからどのような意見,要望並びに相談が寄せられているのか,また,これに対しどのように対応されてきているのか,組織づくりの問題点を知る意味からもお伺いをいたします。  第2点目は,これから自主防災会において,情報連絡者宅等に受信機を設置することとされていますが,一方では屋外用の受信機も一部設置されることと聞いております。まず屋内受信機及び屋外受信機の機能及び設置方針について明らかにしていただきたいと思います。  現在の設置方針では,屋内受信機が主体となって進められているようでありますが,今後世帯数が多い地域あるいは山間部等地形の悪い地方,情報連絡が困難を伴うような地域にあっては,屋外受信機の併設もぜひ検討すべきではないかと思うわけであります。この点をお含みの上,御答弁いただきたいところであります。  第3点目は,今後2カ年にわたり自主防災組織づくりが進められると聞いておりますが,「仏つくって魂入れず」ということわざがあるように,この組織を設立のみでとどまってはならないと考えます。むしろコミュニティー活動の重要な事項としてとらえた積極的な活動が必要と考えます。こうした意味から,継続的な育成指導により真に役立つ組織となるよう育成することが極めて重要視されるところであります。設立後はどのように育成指導に当たられるのか,その基本的な方針について所見を承っておきたいと思います。  最後に,住居表示について質問をいたします。  第42次並びに第43次住居表示が非常に長い間住民の賛否両論の末,新町界町名の同意が得られ,昭和60年3月22日と3月26日に,59年事業第1回及び第2回広島市住居表示審議会で決定されましたことは,御承知のとおりであります。  町界町名及び街区符号等一連の作業は既に終了していると思いますが,これが告示と施行年月日,住民への周知徹底の方法を明らかにしていただきたいと思います。  次に,新町名に変わることによって公の施設の名称と異なる場合が生じると思いますが,この場合,住居表示に踏み切った当局としての基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。  また,既に住居表示を実施されている地域において,公の施設の名称がそのままになっているものもあろうかと思いますが,今後これらの取り扱いはどうするのかあわせて明快な答弁を求めるものであります。  特に,教育委員会関係の施設において今回実施される第42次の可部,第43次の高陽地区において,学校を中心とした関係施設の名称変更が予想されるのかどうか,予想されるとすれば何施設あるのか,この場合名称変更するのかしないのか,するとすればいつの時点で行うのか,その時期を明確に示していただきたいと思うわけであります。  理事者側の再質問を必要としない答弁を期待いたしまして私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(明星正明君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの宗像議員の質問の中で,去る12月6日に東京で開催いたしました広島県道路整備促進大会の開催の趣旨及び効果等について御質問がございましたので,御答弁申し上げたいと思います。  申すまでもないことでございますが,道路は都市の骨格をなし,交通の処理だけではなく,良好な街区の形成あるいは公共・公益施設の収容など,都市における産業・文化の発展や日常生活にとりまして欠かすことのできない重要な都市基盤施設でございます。  本市といたしましては,市政の最重点課題として取り組んでおりまして,幹線道路から生活道路までその体系的整備を積極的に図っているところであります。  しかしながら,広島県の道路事情は全国平均を下回る整備水準となっておりまして,このおくれを取り戻すことが緊急の課題となっております。  本大会は,道路整備の促進につきまして,国等に対し強力な要望運動を展開するため山陽自動車道建設促進協議会,道路整備促進期成同盟会,広島県・広島市道路利用者会議,都市計画街路事業促進協議会等の各広島地方協議会の4団体の主催で建設大臣,宮澤自由民主党総務会長,高橋日本道路公団総裁並びに建設省の次官,局長,課長,地元選出の国会議員等,多数の来賓の御出席をいただきまして,道路関係者並びに経済団体等約300名にも上る大規模な参加者で開催したものであります。  この大会におきましては,道路整備の促進と財源確保について,地元道路関係団体等から意見発表を行い,特に私は全人口の70%が都市圏に居住する都市の立場から,高速自動車道時代を迎える今日,交通渋滞等により日常生活や経済活動に支障を来している都市内道路の整備の緊急性,また,道路交通のみでは賄い得ない交通需要に対する新しい軌道系交通機関の導入,21世紀に向けて高齢化,高度情報化等,今後の社会経済の変化に対応した道路整備の必要性等につきまして意見を述べ,強く要望したところでございます。  続いて,大会の決議といたしましては,道路特定財源制度の堅持,自動車重量税4,000億円の道路整備費への充当,地方道路整備臨時交付金事業の地方債適用,高速道路網の拡充,国・県・市町村道の効率的な整備,都市内交通網の円滑化を満場一致で採択を行いました。  この決議文の内容を,大会終了後,大蔵省,建設省,日本道路公団,政府首脳並びに地元関係の国会議員等に対し陳情を行い,地元の実情を訴えたところでございます。  このような大規模な陳情活動は広島県では初めての行動でありまして,中央におきましても県単位でこのような盛大に開催したことに対し,大いに関心を示されたところであると思います。  今後とも精力的に要望活動を行い,財源確保に努め,積極的に道路整備を行ってまいりたい,このように考えているところであります。 ○議長(明星正明君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) 空港関連の御質問についてお答え申し上げます。  まず,札幌便と沖縄便の開設に伴う地元への見返り対策についてでございますが,これにつきましては,空港周辺に児童公園を県と協力いたしまして整備することにしているところでございまして,実施の時期につきましては,用地の確保ができれば来年度に実施したいと考えております。  次に,今後の新規路線の開設についてでございますが,これにつきましては,現在のところ新たな新規路線の開設は考えておりませんが,旅客の需要動向等から今後必要が生じた場合には,空港周辺の住民の方々と十分に協議をしてまいりたいと,このように考えております。  次に,コミューター空港としての活用についてでございますが,御承知のように,コミューター航空は需要が少ないために大型機による輸送が適さない2地点を小型機で結ぶ地域航空輸送と定義づけられておりまして,現在では,沖縄,長崎,奄美などの離島を中心にして24路線が運輸省から認可されております。  しかし,最近は,全国各地でコミューターにより近距離都市間を結ぶネットワークづくりが提唱されておりまして,運輸省におきましては,昭和61年度からスタートします第5次の空港整備5カ年計画での実現を目指しまして,地域航空システムのあり方,事業主体,運賃,採算性,安全性などの本格的な研究に着手しているところでございます。  また,県におきましても,西瀬戸経済圏知事会議を通じまして,本年度に需要予測調査をする予定にしているところでございまして,本市といたしましては,今後,これらの動向を踏まえまして,地元経済界や関係する都市と十分協議して対処してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ○議長(明星正明君) 総務局長。 ◎総務局長(福島隆義君) 住居表示のことについての御質問にお答えいたします。  第42次,第43次の住居表示,すなわち可部地区,高陽地区の住居表示につきましては,本年3月に住居表示審議会に諮り,全員一致により答申を受けたわけでございます。これを受けまして,本年6月議会におきまして新たな町名町界についての議決をいただいたところであります。以後,町名板の設置等の作業を続けてまいりまして,今日終息の段階に至っております。  したがいまして,年明け早々,1月4日に両地区とも市長告示をし,可部地区につきましては2月10日から実施,高陽地区につきましては2月24日から実施することといたしております。  次に,地区住民への周知徹底についてでございますが,町名変更につきましては,審議会の開催前に各戸へ周知したわけでございます。さらに重ねまして,1月に「市政だより」で2回周知することにいたしております。家屋番号等につきましては,年明け早々から各戸別に回りまして周知徹底を図ることにいたしております。  次に,公の施設の名称変更でございます。  新市域の新町名につきましては,それぞれの町の合併前の町名,村名を基本といたしまして新たな町名をつけたわけでございます。これは,全地域一様でございます。そこで,公の施設の名称が隣の町の名称に変わるという不一致が出るわけでございます。これらは当然に将来にわたって地区住民の利用の統一性,あるいは不便性を解消するために新たな町名を基本にして変更してきておるわけでございます。  今後ともこの基本方針によりまして,当然ながら可部,高陽地区についても統一を図るべく考えておるわけでございます。とはいえ,学校等に一部積み残しがあるわけでございます。これにつきましても,引き続き地域の方々の御理解を得ながら変更いたしたいと,こういうふうに考えております。  以上。 ○議長(明星正明君) 民生局長。 ◎民生局長(河合護郎君) 地区青少年健全育成連絡協議会青少年指導員の件についてお答えを申し上げます。  まず,青少協という略で申させていただきますが,市レベルの組織化が要るのではないかという御指摘でございます。私どもも全くこれは同感でございます。現在は,御指摘のように,区レベルまでは組織化をされておると,調整会議ということで区レベルで組織化ができておるわけでございまして,これを全市レベルに上げるということについては,青少協の方でもいろいろ御努力をいただいておるようでございますが,実はまだでき上がっていないと,これをつくることによって御指摘のような横の連絡,情報の交換というのがぜひ私どもも必要だというふうに思っておりますし,民生委員児童委員協議会あたりからも市民会議的な組織をつくることが必要ではないかというふうな御提言も従来からあります。  そういうことを含めまして,現在,市長の附属機関でございます青少年問題協議会で青少年対策にかかわる地域組織のあり方ということを諮問を申し上げまして,いろいろ協議をいただいておりますので,このことについては今年度中に青少年問題協議会の方から答申をいただけるというような状況になっております。そこらを待ちまして,私どもとしても御指摘のような効果があるというふうに思いますので,全市的な組織づくりをぜひ急ぎたいと,このように思っております。  それから,青少年問題協議会に地区青少協の代表が入っていないということについては,これ,全くそのとおりでございまして,私どももこの代表が協議会のメンバーに入っていないということについては,非常に遺憾だというふうに思っておりますので,地区青少協の全市的な組織づくりを待って早急に青少年問題協議会の委員に御委嘱申し上げたいと,このように考えております。  それから,地区青少協に対する補助金の問題が過去の経緯等を踏まえて御質問いただいたわけでございます。  確かに現在9万円の補助を申し上げておる,これは50年度以降確かに据え置きになっております。その前は1年置きくらいに若干の改正をいたしておるわけでございますが,50年から据え置きの実態はございます。  特別据え置きに何か根拠があるのかというような趣旨の御質問であったと思いますけれども,御存じのように,地区青少協に対する補助金というのは事業補助の内容をとっておりまして,青少年活動の活発化,あるいは社会参加の推進であるとか,家庭の日の普及であるとか,あるいは街頭指導とかスポーツの奨励とか等々の事業に対して補助を申し上げておるというのが事業補助の中身でございます。  で,ここらの金額の見方につきましては,隔年ごとに報告をいただいておる事業実績報告書,あるいは事業実績報告書の中で,この地区青少協というのは,社会福祉協議会であるとかあるいは町内会・自治会等からの事業補助をですね,受けられながらそれを総合して事業に当たっておられるというふうな状況を判断いたしまして,役所の方の──市の方の補助金は10年の据え置きということではありますけれども,地区の自治組織としての運営という面でかなりの効果をいただいておるというふうな判断もありますし,昨今の大変厳しい財政事情等もあるわけでございますが,これは今後の課題として受けとめをさせていただきたい,このように思います。
     それから次に,青少年指導員の問題で数点ございました。  まず,御存じのように,現在は要綱で設置をしておる,これはいろいろ身分保障の問題等もあるから条例設置にしてはどうかという点がございます。  このことについては,大体似たような,例えば子供会の指導員であるとか,公園指導員,体育指導員,母子生活相談員あるいは交通安全推進員等々,実は要綱で設置をいたしております。指導員といういわゆる職を置くということで条例設置をやるということについては,条例事項になじまないという判断が一つございまして,今,申し上げたようなもの,それに青少年指導員を含めてすべて要綱で定めておるわけでございますので,ひとつ御理解をお願いしたいと,このように思います。  それから,安全保障という問題については,これもお話にございましたように,指導員の方は直接非行少年等と接触をされる機会が多く,お話を聞きましても,ある程度の危険度があるというふうに私どもも判断をいたしております。  それで,内部でいろいろ,今検討いたしておりますが,何らか保険等への加入についてぜひ検討を加えてまいりたい,このように考えております。  それから,同じく指導員の問題で,6人以内という画一的な委嘱がどうかと,それから謝礼金についても支出のあり方を再考してはどうかという御指摘でございます。  指導員については,御指摘があったように,設置要綱で1地区当たり6名以内と,こういうことにいたしておりますけれども,この要綱のただし書きで「市長が必要と認めた場合はその限りでない」ということで,宗像先生の地区あたりは8名をお願いを申し上げていると,最大では9名のところがございますし,3名のところもあるというように弾力的な運用を図っております。理由につきましては,御質問がございましたような地区の状況に応じて弾力的にやっておるということでございます。  謝礼金の支払い方法につきましては,御指摘がございましたことについて,私どももかなりこれは矛盾があるというふうに思いますので,指導員の人員に対応した謝礼金の支出について検討をいたします。  それから,指導員相互の情報・意見交換等の組織づくりということでございますが,これもぜひ私どもも要るなあというふうに思っておりますので,何とかそういう場づくりについて指導員の方々の御意見等も聞きながら早急に対応してまいりたいと,このように思います。  最後に,教育委員会との連携はどうなっているのかという御指摘でございます。  これは,いろいろ御存じをいただいておるところだと思いますけれども,問題があるものについては,性質,程度,緊急度に応じて,その都度,学校,警察等関係機関に連絡をして相互の連携をとりながら問題の処理に当たっておるところでございます。本市の青少年問題協議会におきましても,教育委員会,学校,PTA,警察関係者の参画を得て,お話にもございましたような街頭補導の月報,年報などを全体的な資料として提出をして情報交換を行っておるところでございます。  しかし,教育委員会との連携のあり方については,その適時性,的確性ということにつきまして,私ども必ずしも十分だとは思っておりませんので,今後とも御指摘の趣旨を踏まえまして教育委員会との一層の連絡を図ってまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ○議長(明星正明君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 用途地域の見直しのおくれの原因と見通しはどうかと,こういう御質問と可部地区計画の進捗状況等についての御質問にお答え申し上げます。  用途地域の見直しにつきましては,狭隘な都市的利用可能地の中での適正な高度利用を促進する観点に立ちまして,現在,鋭意作業を進めておるところでございます。  御指摘の作業スケジュールでございますけれども,見直し作業が3市6町を包含した広島圏都市計画区域として県知事権限のもとに行われることでございますので,都市圏全体の調整に日時を要しまして,当初の予定より若干おくれておるというのが実情でございます。  で,本市といたしましては,今後とも公聴会あるいは縦覧などの手続に早急に着手するよう県に強力に働きかけるなど,計画決定の早期実現を目指し,鋭意努力してまいりたい,このように考えておるところでございます。  続きまして,地区計画制度による可部地区の道路網整備については,59年度末までに大毛寺地区で3路線の計画を定めておるところでございます。今年度はこの3路線について実施設計を行いますとともに,河川管理者との協議を必要といたします路線を除く2路線につきまして今年度中に用地買収を開始する予定にいたしております。  また,このほかの新たな計画路線につきましては,大毛寺,四日市,それから河戸地区などで年度末に地区計画を決定したいということで地元のまちづくり協議会と調査を進めておりまして,この地区計画が決定され次第,来年度以降順次事業化を図っていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ○議長(明星正明君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 交通対策につきまして,道路の進捗状況についてお答え申し上げます。  まず,山陽自動車道でございますけれども,これは吹田市から山口市までの430キロにわたります高速道路でございまして,広島市周辺におきましては,広島ジャンクションから五日市インター間が本年3月に供用開始されておるところでございます。その他の残りの区間──廿日市インターから五日市インター間につきまして,また安芸インターから志和インター間,それぞれ61年度に供用開始をするという目標でございます。それから,広島ジャンクションから広島インター間,また志和インターから西条インター間,これにつきましては昭和62年度に完成予定ということで今進めておられまして,ほとんどが全線工事中でございます。  それから,横断自動車道でございますけれども,これは千代田ジャンクションから広島北インター間は58年の3月に供用開始いたしまして,広島北インターから広島ジャンクション間が本年の3月に供用をされたものでございます。残りの区間につきましては,千代田ジャンクションから旭インター,これにつきましては,昭和60年代の後半,また旭インターから浜田インター間につきましては60年代の前半といったふうな目標でもって,今,整備をされております。一応の整備の目標は暫定2車線で供用開始をしたいというふうなことでございます。  今の状況は,千代田インターから旭インター間が中心ぐい設置をようやく済ませたという段階でございまして,旭から浜田インターの間につきましては,用地買収もほとんど済んで工事にかかっているという状況でございます。  それからまた,上根バイパスでございますけれども,これは高田郡の八千代町下根から広島市の可部町の大毛寺に至ります5.5キロメートルの道路でございまして,八千代町から上根までの1.9キロメートルにつきましては,52年の4月に暫定2車線で供用開始されております。可部町大林に至ります残りの3.6キロメートルにつきましては,昭和64年度に暫定2車線で供用開始といったことを目標に今工事が,取りつけ道路の工事,橋梁2橋,ほとんど最後の工事でございますけれども,かかっておるところでございます。  それから,可部バイパスにつきましては,まず太田川橋からの上根バイパスまでの約全部で9.8キロございますけれども,これを太田川橋から国道191までの1工区,それからまた国道191から上根バイパスまでを2工区といったことの二つに分けて建設することになっておりまして,当面は新太田川橋の東詰めから191号までの2.8キロを第1工事区間として工事に入っておるところでございます。昭和60年代の中ごろには暫定2車線の供用開始を目標に,今,一部の用地買収に入っておるところでございます。  また,191号から上根バイパスまでの約7キロにつきましては,第1期工事区間の事業の進捗あるいは現道の交通量と,そういったものを見ながら,また,国において検討してまいるというふうなことになっております。  以上の路線につきましては,本市といたしましても事業実施に当たりまして,国及び道路公団に対して今後とも積極的に協力してまいりますし,また促進方についても強く働きかけていきたいというふうに考えております。  それから,都市計画道路の可部大毛寺線,藤ノ森大毛寺線でございますけれども,まず可部大毛寺線につきましては,可部地区の幹線道路として昭和54年度から亀山公民館から国道54号までの1,300メートルにつきまして事業に着手しております。昭和62年度を一応の完成の目標といったことでやっておりまして,現在60年度末までの用地取得は約85%に至っております。  また,工事につきましても,60年度末には四日市地区を中心といたしまして,延長560メートルといった区間は完成させたいというふうに考えております。  また,54号線以東につきましては,非常に厳しい財政環境のもとでこれから計画的かつ効率的に整備が必要であろうというふうに考えます。他路線を含めまして,可部地区の道路網,緊急度を勘案しながら考えてまいりたいというふうに考えております。  また,藤ノ森大毛寺線の整備につきましては,県道の宇津可部線あるいは可部バイパスの整備状況あるいは地区計画の進捗状況,そういったものも考えながら対処をしていきたいというふうに思っております。  それから,高陽可部線の状況でございますけれども,これは,昭和45年12月に都市計画道路の牛田中深川線から三篠川左岸まで延長1,700メートルの都市計画をしたものでございまして,高陽町と可部町を連絡いたしまして将来の交通需要に,また沿道の周辺地区の市街化に対応するために本年の11月に根之谷川橋まで延伸する都市計画の変更をいたしております。現在は事業実施のための調査を行っておりまして,来年度から事業に着手いたしまして,昭和60年代の後半ごろまでには完成をさしたいというふうに思います。  今後ともこれらの道路につきましても,できるだけ早くできますように努力をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(明星正明君) 消防局長。 ◎消防局長(栗栖敏人君) 自主防災組織についての御質問に御答弁申し上げます。  御質問の要旨は,組織づくりの指導過程での出された問題,これに対する対応,それから屋内受信機,屋外受信機の機能と設置の方針,それから今後の育成指導方針の3点だと思います。  まず,指導過程におきまして提起された点といたしましては,この組織づくりの基本的な事項にかかわることといたしまして,自主防災組織の構成世帯の数が格差があること,並びに地域によりまして防災上抱える問題点が異なるというような事由によりまして一律的な組織構成及び活動内容とならないといったことがございます。このために既存のコミュニティー組織を損わないようにして地域の実情に見合った組織とするためにはどうあるべきかという相談が最も多く寄せられております。これに対しましては,地域の特性に応じて地域住民のニーズに合った柔軟な姿勢によって指導を行っております。  また,組織化を働きかける初期の段階におきましては,屋内受信機による情報の伝達,それから連絡責任の有無,交換電池代の経費負担といった問題が持ち込まれておりましたが,その後,パンフレット等によりましてきめ細かな指導を行い,理解していただいているところでございます。  次に,屋内受信機と屋外受信機の機能及び設置の方針でございますが,機能につきましては,屋内受信機も屋外受信機も全市的にあるいは区ごとに,あるいは地域を限って防災情報を同時に放送し,それを受信する機能を持っております。  設置につきましては,屋内受信機は組織のリーダーの宅,急傾斜地の情報連絡者の宅及び消防団の幹部宅に設置することにいたしております。世帯数の多い組織については,一定の基準によって付加設置するということにしております。  また,屋外受信機につきましては,風雨時には雨音で遮られたり,また最近の住宅の窓が密閉式であるというようなことなどから有効に聞こえるかどうかの問題がございます。  さらには,経費面においても,屋内受信機と比較しまして多額の投資を要するというような点から,当面駅とかバスあるいは港といったターミナル地区など不特定の多数の人が集まる場所を中心にテスト的に設置したいというように思っております。  したがいまして,御提案の屋外受信機の併設ということにつきましては,屋内受信機の需要の実態とそれからテスト的に設置します屋外受信機の結果を踏まえまして,昭和63年以降の問題として検討をしてまいりたいというように考えております。  最後に,自主防災組織の今後の育成についてでございます。  御意見のとおり,今後の育成こそがこの組織づくりの最も重要な課題であると認識しております。したがいまして,その自主的な活動を促すためにはまず組織のかなめでございますリーダーの養成が先決であると思っております。これらの方々を対象にリーダーとしての役割,防災に関する知識等の修得を図るために防災センターにおきまして研修を計画し,継続的に行っていく考えを持っております。  さらには,地域の自主防災会ごとに防火・防災教室,あるいは防災訓練を初めとする各種の防災行事を積極的に展開いたしまして,地域住民の自主防災組織の高揚と自主防災体制の強化を図りまして,地域社会におけるこの組織活動が今後長く継続され,地道に定着していくよう区役所あるいは消防署一体となって精力的に取り組んでいく考えでございます。  以上でございます。 ○議長(明星正明君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 最初に青少年問題についてお答え申し上げたいと思います。  中学校区非行防止活動推進協議会についてでございますが,この施策を考えるに当たりましては,そもそも学校というもののあり方についての改善を促進しようという意図があったことを御理解賜りたいと思います。すなわち学校がとかく閉鎖的であるという御批判のある中で,学校として保護者や地域社会との緊密な連携に力を注ぎ教育効果を上げている事例も幾つかあったわけでございまして,教育行政としましては,何とかしてこれを事例の自然的広がりに待たず,積極的に全市の学校のものとしたいと,そのための予算を別途につけるようにしたいと意図したわけでございます。  したがって,これは,学校が開かれた学校として本来あるべき姿を,非行防止という焦点を持って求めたものであるというべきでございまして,この点,施策の名称を御承知のようにしたことで誤解を招いたり,本来の趣旨からは若干疑義のある活動もないわけではございませんが,この点の改善課題を持ちながら全体的には特に中学校が地域社会等との連携を深めてきた効果は認められると思っております。  2番目に,青少年健全育成諸組織の間の連携についてでございますが,民生局長からも関連答弁がなされましたように,実際上一層改善に努めるべき点があると思っております。行政内部の連絡協議の会を持つなどしているのでございますが,単に類似事業の重複を避けるというようなことにとどまらないで,例えば青少年指導員が把握されました補導情報の処理など,相互活動の中で得た情報は互いに提供し,活用するといった内実的連携を深めまして,今後さらにそれぞれの組織が持つ特性でもって相互に補完し合い,実効を高めるよう努力してまいりたいと考えております。  次に,いじめについてでございますが,問題の質も深刻であり,御指摘いただきました諸点も厳しく受けとめております。いじめもそのほかの問題行動も原因や指導の基本にさかのぼれば軌を一にする問題であり,これまでたび重ねてきた指導資料の提供もその内容の根源を尋ぬれば,人間教育の基本を問い直ししてきたものと言えます。問題は,まさにその基本が今日の状況の中でなかなか浸透しないところにあるのでございますが,具体的指導実践の報告,交流の機会を設けるなど粘り強く対処する所存でございます。  最後に,いじめに関するお尋ねの後段についてでございますが,原因を子供の心理規制の面から見ますと,他人の否定,攻撃であり,不満の代償の求めであり,周囲の注意獲得でございます。学校も家庭も含めての傾向として子供に対して過干渉や強い抑圧から,その対局としての無視や放任がある限り,子供はこの心理規制から逃れることは困難でございます。教師にはもちろん第一義的に教育の情熱や愛が必要でございます。これに今日の状況において特に心理的アプローチのできる能力が欠かせなくなってきていると思いますので,諸般の政策を進めていく中でこの点に対応する研修,例えば宿泊型のカウンセリング研修等,特に重視していきたいと考えております。  次に,施設整備の問題でございますが,学校建設については,先ほど御指摘ございましたように,児童生徒の急増対策といたしまして,これまで学校の新増築に取り組んでまいりました。今後とも国の過大規模校解消方針に基づきまして,64年度までに小・中学校合わせて10校の学校分離が必要な状況でございます。  御指摘のグラウンドの改造,緑化の推進並びにプールの改築等の整備につきましては,年数の経過とともに施設の老朽化が進んでおります現状から,学校の環境改善を図るため計画的に補修,改良等を加えまして,施設の適切な維持管理に努めておるところでございます。  最後に,住居表示にまつわる問題でございますが,このたび可部,高陽両地区の住居表示の実施に伴いまして,新町名と教育関係施設の名称とに相違が生ずるのは6施設でございます。  教育委員会といたしましては,基本的には町名と施設名が一致すべきものと考えております。既設の施設名を変更するに当たりましては,当該施設の関係地域住民及び各種団体のコンセンサスを得ながら名称を変更していきたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(明星正明君) 10番宗像俊昭君。 ◆10番(宗像俊昭君) 教育の問題につきましては,いろいろと答弁の内容を追及したいところがたくさんあるわけでございますけれども,文教委員会で話させていただくことにいたしまして,今回はこれで質問を終わります。 ○議長(明星正明君) 次は,21番木島 丘君。           〔21番木島 丘君登壇〕(拍手) ◆21番(木島丘君) 政友クラブを代表して質問をさせていただきます。先輩,同僚議員の御意見に私の私見を交えながら質問をさせていただきます。  まず,暴力の追放についてお尋ねいたします。とともに,これが対応についてお考えをお聞かせ願います。  明るい犯罪のない平和な町こそ住みよい町であるということは今さら申し上げることもないと思います。まして,広島市の都市像は国際平和文化都市でございます。本市における暴力団の犯罪抗争は散発的には発生しておりましたが,警察当局の取り締まりと市民の犯罪のない町づくり運動等により暴力追放意識の高揚と相まって治安状態もよく,まくらを高くして眠れる広島市であったと思います。  ところが,去る11月22日午後2時ごろ東区光町に発生した暴力団の抗争は市民を巻き添えにした大事件となりました。すなわち,死者2名,重軽傷者5名というまことに恐るべき事件であります。  警察当局の発表によると,今回の事件は,彼ら暴力団同士による第4次闘争事件で広島では16年ぶりの大事件であり,すぐに関係者の捜査,検挙に対策本部を設置し,11月25日までに200名余を検挙し,徹底的に暴力団の壊滅に全力を挙げていると報道しております。  また,暴力団の壊滅には警察のみならず,市民の幅広い協力を得て,資金源の根絶も必要であり,これらの情報を提供していただくとともに暴力団壊滅意識の高揚を図り手を取り合って無法に屈しないことが最も大事なことでございます。  夜の街の片隅に何の目的もなくたたずむ少年,あるいはシンナーにおぼれる子,バイクで自動車で暴走行為を繰り返している青少年に網を張って待っているのが暴力団ではないでしょうか。  また,12月5日の新聞では大手建設業を恐喝したり,利権をあさるなどして資金の獲得に狂奔しているとも報じています。これも暴力団の姿です。  こうした中で市民はいろいろな立場で暴力追放に立ち上がっております。町内会を軸とした防犯組合,各種業界で結成されている防犯組織等,それぞれ幅広い住民運動が推進されております。  自分らの目的のためには手段を選ばず,市民を巻き添えにしても平気な無法者集団が青少年にも暴力の手を伸ばしつつある現状を見るとき,行政の立場としても率先して暴力追放のキャンペーンをとるべきであると考えますが,市長の見解と対応について,また,具体的な方法をお尋ねいたします。  続いて,広島経済の活性化について御質問いたします。  経済の活性化が常に叫ばれておるわけでございますが,企業は市域より周辺町や県外に工場を新設し,次々と市域の工場を閉じつつあるのが現状でございます。確かに固定資産税,都市計画税,それに加えて事業所税と,税が重複するので,税負担の軽い市域外へ出たい気持ちも理解できますが,これでは広島市の発展はございません。そこで,広島市もおくればせではございますが,工場誘致の諸施策をとり出されたのはまことに結構なことでございます。  今,振り返って,戦後広島の経済復興の2本の柱はと考えますと,これは,自動車と造船であったことは論をまちません。両企業とも多くの人を雇用し,多くの下請を抱えたすそ野の広い工業でございます。昭和50年には3万3,500名と8,100名の従業員がおられたとお聞きしておりますが,現在はどちらもかなり減っているのではないかと考えられますが,その実態を把握しておられるか。また,従業員の減少は市の財源にもかなり影響があるはずでございますが,この点いかがでございましょうか。  広島市が中四国の中心都市たらんとすれば,当然,雇用の場も大きくあるべきでございます。とすれば,市域の中で150万平米以上の土地を持つ企業の活性化は市の活性化にもつながるので,市もこれを積極的に支援すれば,その波及効果は大きく市民にはね返ってくると思いますが,いかがでございましょうか。  どうか市は,両者との意思の疎通を図りながら,将来とも市民の雇用の場の安定と恒常的景気浮揚を図るべきだと思考いたしますが,この点いかがでございますか。  また,9月22日開催されました5カ国蔵相会議の決議で円高,ドル安の政策が打ち出され,わずか1カ月余りで20%という大幅な円高になりました。かつて昭和53年に1ドル175円という円高を見たことがございましたが,これをしのぐ勢いでございます。  円高差益により,電力や石油,エネルギー素材部門では大きな利益を受ける業界もございますが,日銀の中国4支店がこのほどまとめた金融経済動向によると緩やかながら上昇傾向にあった景気に陰りが出始めたと一様に指摘しております。  また,12月6日開催されました通商産業局長会議で広島通産局長は,輸出比率の高い主要産業や産地中小企業とも円高によって相当影響が出始めている,なお,1ドル200円台が長期化すると大幅な輸出減となり,収益悪化が懸念されると言い,また,自動車や家庭電気製品等は,他産業に比して影響は少ないが,中でもプラント,造船,鉄鋼等は年明けから悪化は必至となってくると言っております。  特に,中小企業で採算ライン220円から240円を割っている綿・スフ織物,水産缶詰,針等は既に為替差損が出ているということでありますので,まず,市内で円高による悪影響を受ける事業所はどのくらいあるのか,また,既に出ているとすればどのくらいあるのか,本市の現状を承りたいと思います。  次に,中小企業の救済と事業転換の支援を図る国際経済調整対策特別融資制度1,000億円が来年3月末までの措置として12月の2日スタートしましたが,これの実施について簡単に説明を願います。  また,本市には単独で中小企業融資制度もあり,不況業種に対する特別融資制度もあるので支障はないものと思われますが,大体どの程度の融資が可能なのか承りたいのでございます。  なお,このような対症療法では,せっかくの措置が有効に働くようにするには敏速に対応されることが必要と考えられますが,この点いかがでございましょうか。  続いて,道路整備について,重複を避けながら質問をさせていただきます。  広島市は,政令指定都市になってこの方,主要国道3路線,地方道10路線,一般県道32路線,都市計画街路78路線の幹線道路網,それに市道,農林道等,整備を精力的にこなしておられるのを見て,やはり政令市になってよかったなとつくづく感じている次第でございます。  しかし,道路改良率はいまだ60%に満たず,市民はこれではまだまだ満足しておりません。  可部バイパス,広島南道路,高陽可部線等,今後とも一層頑張ってもらわなくてはなりません。同様に区画整理事業も着々進行しつつあるもののまだまだこれからでございます。  ところで,本年3月完成しました高陽第一土地区画整理事業の最後の審議会で次のことが委員会から要望されました。会長より市長に手渡されましたが,まず第1に,都市計画街路高陽佐東線より太田川に架橋し,国道54号線に接続すること。二つ,玖村陸橋より深川橋までの道路整備を促進すること。3に,周辺地域も含めた生活環境──下水道,河川,緑地等の整備保全を行うよう働きかけること。4,当地区より高瀬堰,八木,可部,深川経由の循環バスを運行させることの四つが要望をされました。  その中の一つ,都市計画街路高陽佐東線は国道54号との接続のため,18メートルの幅員は絶対必要とのことで地元に押しつけられたものでございます。区画整理が完成した現在では直ちに延伸を図るのが至当と考えますが,この点いかがでしょうか。また,玖─深川橋間の道路の計画はその後いかがなっておりますか。  また,これに関連でございますけれども,太田川を挟んだ道路計画を見ますと,都市計画街路川内緑井線,川内大下線,東野大塚線,東野北下安線は川岸でとまっております。  これらは当然,太田川に架橋し,牛田中深川線,八木広島線に連結した計画として位置づけ,計画決定がされるのが当然と考えますが,この点の経緯と今後の市の考えをお聞きしたいと思います。  次に,山陽自動車道の工事が急ピッチで進み,安芸府中道路の供用開始が近づきつつある現在,同時に,馬木地区,温品地区で数カ所の大規模開発が計画されているとも聞いております。これに対して,北東部地区の幹線道路網についての調整がなされているとも聞いておりますが,その内容,進捗状況及び今後の対応についてお伺いいたします。  府中仁保道路もあわせて説明をいただきたいと思います。  最後に,昭和63年,祇園新道の暫定2車線の開通が予定されていると聞いておりますが,これによる白島・牛田地区の交通量が大幅に増加し,現在の国道54号線以上の混雑が予想されております。この点についての対策はいかが相なっておりますか,お伺いいたします。
     また,これが渋滞をすれば,現在でも渋滞しております天水・小田地区にも大幅な影響が予想されるのでございますが,この点,万全を期されているとは思いますが,もしわかればお聞かせ願いたいと思います。  以上で道路関係は終わりまして,これから次の議題──次の教育関係に移らせていただきます。  11月29日の新聞報道で国の小・中学校の事務・栄養職員の人件費を61年度予算で削減する意向を大蔵省が打ち出したと伝えています。  昨年来たびたび論議されておりますが,市はこれを絶対に容認してはならないと考えます。文教予算の根幹にかかわる問題が時期を置きながら打ち上げられる背景は何であるのか疑問に感じておりますが,市として得た情報や今後の対応をお伺いします。  次に,家庭教育の問題についてお尋ねします。  御承知のごとく青少年は成長途上にあり,あらゆることを観察し,学習し,実行し,そして,反省を繰り返しながら成人していきますが,その学習の機会は三つでございます。それは,まず,家庭,学校,そして,社会であります。その中で特に家庭は,生まれたときより常に人としてその社会に適応していく上で絶対必要なことを,最も身近な親,兄弟,祖父,祖母を通じて教えられ,そして,文化慣習を習得して次代に伝えていくところで根底に骨肉を分けた愛がございます。  ところが,現在,常に問題として取り上げられるのは,基本的生活習慣やしつけの不十分なことでございます。その一例を本年3月,文部省が実施した児童の日常生活に関する調査に見ることができます。  この調査の結果によりますと,はしを正しく持つこと,小刀で鉛筆を削ることが普通にできる子供が少なく,朝の洗顔や歯磨きをしない子が多くなっていると指摘しております。このことは,家庭で当然教えなければならないことが欠落していることを意味しております。  現在,家庭は核家族化し,幼児期はテレビ,それ以後は学校から塾へ直行,帰宅は夜,しかも自分の部屋へ直行といった状態で,ほとんど家庭で親と接する時間がなく,生活体験も学習する機会がないといった状態の者も見受けられるようでございます。  このようなことを思うとき,家庭教育が十分に発揮されるためには,親も自己の向上を図るとともに,家庭教育に関する学習をする必要があると思考いたします。教育委員会として,家庭教育に関する考えやそれに伴う施策の現状や今後の方向について御所見をお伺いします。  現在大きな社会問題になっているいじめについてでございますが,家庭におけるしつけの欠除や親の価値観,教育観の変化等によるところに原因があることも一面の事実でございますが,その大半が行われているところは学校でございます。この点で先生の責任がなしとは言い切れないと感ずることが多々ございます。  教師は専門職でございます。授業の仕方,生徒との接触の仕方によれば教え子の将来が決定されるかもしれないんです。この点,私にはそら恐ろしい職業だと感じております。先生の一挙手一投足が生徒の注目の的です。と同時に生徒の一挙手一投足も先生の関心の的でなければなりません。  大変熱心な先生方が多い中で,わずかではありますが,自分の担任のクラスの子の把握ができていない先生たちの姿を見るとき,果たして教師とは何ぞやと言いたくなります。本当に先生方に教え子の将来がかかっているのだという使命感や厳しさがあるのだろうかと疑いたくなりますが,この点どのように感じておられますか,お伺いいたします。  また,生徒,特に中学生は,体力的にも活動が旺盛な時期でございますが,その発散の場所を考えていくべきではないでしょうか。そのためには,過去室内で行われておりました柔道,剣道が,現在は戸外スポーツであったバレー,バスケット等にその場を取られているのを見るとき,当然,格技場をつくるべき時期に来たと感じておりますが,この点を要望しておきます。  また,広島市は博物館を次々と建てております。広島平和記念資料館,広島市安佐動物公園,広島市植物公園,広島城郷土館,広島市こども文化科学館,広島市公文書館,広島市郷土資料館,水産センター等でございます。  そして,現代美術館と広島市博物館がこれからつくられようとしております。この博物館は,本館,附属館を含めて延べ1万5,600平米の展示場のうち,常設展示場が5,100平米で──5,100平米が考えられておりますが,その中の大半は近世以降というよりは明治以降でございまして,それ以前は概説展示で,わずか500平米の展示面積しかございません。  となると,これからは,前述の専門館的なものの中に中世以前のものを展示したものを考えなくてはいけない時期になったのではないかと思います。特に,先史時代前後が必要であろうと思います。  今,私が振り返ってみますと,ちょうど上深川遺跡の発掘された時代,私はまだ学生でございました。木ノ宗(きのむね)から銅鐸,銅剣が出たという歴史上の事実のことは知っておりましたものの,家の近くから弥生時代の土器が出るということは考えてもおりませんでした。それから,中小田(なかおだ)遺跡の論議以後,関心を持って見ておりますが,高陽町に30の遺跡,もしくは遺跡群がございます。  その中には大変重要なものがございます。中小田遺跡群,それと広島地域では最大規模の前方後円墳でございます弘住(こうずみ)遺跡がございます。そして,去る10月に発掘調査をし,その資料が出されました大明地(だいみょうち)遺跡がございますが,これは,弘住遺跡と向かい合わせの山地部でございます。  ここには弥生式時代で実に32軒の住居趾,それから土器,土壙や細長い段状の住居状遺構12基を持っております。広場と考えられる空間を持った一大集落でございますが,これがそのまま出現したわけでございます。  その当時の広島はまだ海で太田川と広島湾が恐らくこのあたりで接していたことと思います。これらの重要な遺跡も山陽自動車道で壊されようとしているのでございます。まことに残念なことでございます。  手元の資料では,昭和50年以来,市域で調査されました埋蔵文化財は68件でございますが,そのうち50件が弥生古墳時代の遺跡で16が山城の跡となっております。これらの大半は記録保存となって,発掘品はいまだ多くは市民の目に触れていないのでございます。  ぜひ早急に博物館を整備され,これらの出土品を市民の目に触れさすようにしていただきたいと思います。そして,せっかくの出土品でございます。死蔵する手はないので,公民館等で展示され,地域の過去を知るよすがとされるよう要望をいたします。  最後になりましたが,これから4年後の昭和64年は,ちょうど天正17年に毛利輝元公が広島と命名し,城及び城下町の建設に着手してから400年目になります。さらに,明治22年,市制施行に伴い,全国最初の市の一つとして誕生してから100年目を迎えるわけでございます。100万人都市広島の歴史的な節目の年でございます。過去をしのびつつ,さらに,21世紀への展望を描きながら行う市制100周年,築城400年記念事業は必ず成功をさせなくてはいけません。記念事業の一つ,広島城の忠実な復元の話はいかが相なりましたか。  この年はまた,第2回世界平和連帯都市市長会議やまた第3回アニメーションフェスティバル広島大会も行われる予定でございまして,世界各国から多数の方々が参加されると考えられます。ちょうど現代美術館,広島国際平和文化会館,それに市民文化創造センター等の完成も見込まれて,同時にこれらの記念展や行事もあるし,一層混雑が予想されるわけでございます。  そこで,展示催しの場は,多島美と美しい海を誇る広島湾,近代建築が水面に映える六つの川,緑豊かな100メーター道路,これを一つの展示空間と考え,これを十分に使いこなしたとき,初めて世界は,「水と緑と文化のまち」,「国際平和文化都市ひろしま」を強烈に印象づけられるのだと思考しますが,この点いかがでございましょうか。  また,イベントの中には,古代より広島をはぐくんでまいりました食文化の変遷とか,バイオ技術を駆使した未来花の展覧会あるいは未来カー等の夢の交通展といったものも考えられてはいかがでございましょうか。  とにかく昭和64年はもう目の前にございます。しかも1年──その1年後には大阪の国際花と緑の博覧会が行われることを考えますとき,なお一層すばらしいと心に残る記念事業は金と時間と知恵と組織力が要ると思うのでございますが,この点いかがでございますか。市民のアイデア募集が来年の1月15日締め切りで,それから,プランを組むようなことで間に合うのでございますか。万事遺漏ないとは思いますが,この点をお尋ねいたして,私の質問を終わりたいと思います。長時間ありがとうございました。(拍手) ○議長(明星正明君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの木島議員の質問の中で最後の広島築城400年,市制100年の記念事業についてお答えいたしたいと思いますが,具体的に御指摘のことも含めて今後の研究課題にいたしたいと思うわけでございます。  本市は,ただいま御指摘のように,来る昭和64年に市制施行100年と広島築城400年という二つの大きな歴史的な節目を迎えるわけでございます。400年という広島の歴史をつくった先人の業績をたたえるとともに,次の世代に向けて新たな町づくりに踏み出す出発点といたしまして,市制100周年と広島築城400年を位置づけたいと,このように考えているところでございます。  そこで,これを記念して行う記念事業につきましてでございますが,さきの9月市議会におきまして,早急に検討に入りたいという趣旨の御答弁を申し上げ,これを受けて現在市民アイデアの募集など,具体的な取り組みを開始いたしたところでございます。  記念事業やイベントの提案については,既に昨年度市の職員の中から市制施行100周年記念事業についてアイデア募集を行いまして,文化的,国際的な事業やイベント,モニュメント設置など,約250件の提案がなされておりますが,広く市民の意見を聞くとともに参加意識の醸成を図るために,この12月1日から来年の1月15日までの期間で市民アイデアの募集を行っているところでございます。今後とも市民団体など各方面に働きかけまして,記念事業についての市民の要望や意識を十分に把握していきたいと考えております。  また,現在市内で活躍中の放送関係者,プランナー,文化人などからなる検討会を開催いたしまして,新しいアイデアの掘り起こしを行っているところでございまして,今後の記念事業の取りまとめに当たっての参考にしたいと,このように考えております。  以上のような取り組みとともに,近く庁内に関係部課長からなるプロジェクトチームを設置いたしまして,また,新年早々にも市議会を初め市民や経済界,学識経験者などからなる懇談会を設け,職員提案,市民アイデア募集などで出された意見を広範に検討していただきまして,61年度の初めには市制100周年,築城400年記念事業の基本構想を取りまとめたいと,このように考えているところでございます。  いずれにいたしましても,昭和64年に市制100周年を迎える都市は,本市のほかに横浜,大阪,名古屋,福岡など全国で37都市ありまして,福岡市におきましては,既にアジア太平洋博覧会を開催することが決定しているほか,各都市におきまして,100年記念事業の具体的な検討に入っているなど,記念事業,特にイベントをめぐって都市間の競争が激しくなることが予想されまして,記念事業を成功させるためには,瀬戸内海などの恵まれた自然や社会的特性を生かした広島ならではの記念事業を打ち出すことが必要であると考えているところでございまして,市民の広い各方面からのアイデア等をぜひ具体的に提案をしていただくように御期待を申し上げているところでございます。 ○議長(明星正明君) 総務局長。 ◎総務局長(福島隆義君) 暴力追放についての御質問にお答えいたします。  暴力を追放し,明るく住みよい社会をつくることは市民の共通の願いでございます。お説のとおり国際平和文化都市を都市像に掲げる本市にとって,特にそのことが強調されると考えます。  今回の事件を契機に警察当局の強力な監視取り締まりと相まって私ども行政におきましても市民の暴力追放意識の一層の高揚を図るべく努力しているところでございます。  一つには,広報紙,テレビ,ラジオ,電光ニュース等による意識啓発,さらに,地域の暴力追放決起集会等への呼びかけ,参加,さらに,防犯組合等に対する暴力追放活動の強化,加えて青少年健全育成活動におきましても,関係部局が協力して地域活動──たまり場,空き家対策等の環境浄化活動を一層に推進していきたいと考えております。そういう中で市民の期待にこたえていきたいと考えておりますので御理解願いたいと思います。 ○議長(明星正明君) 経済局長。 ◎経済局長(網井信昭君) まず,経済の活性化とのかかわりでの関連の問題についてお答えいたします。  御指摘のとおり,昭和50年にはマツダが3万3,400人,三菱重工広島造船所が8,100人の従業員が在籍しておったわけでございます。それが昭和60年には,マツダはその溶接とか塗装の作業のロボット化による省力化等で2万7,600人にそれから,広船は,造船部門からの撤退による長崎あるいは神戸造船所への異動,あるいは関連企業への出向等で4,500人になっております。10年前に比べ,両者を合わせて9,400人の減員になっておるわけでございます。  特に,広船は3,600人,44%の減員となっておりまして,広船の業績の沈滞は本市産業の活性化に少なからぬ影響を与えておるところでございます。  広船におきましては,業績の回復について大変な努力を続けておるわけでございます。また,いろいろな検討もされておるわけでございまして,本市といたしましても,雇用の場を確保し,市民生活の安定を図るということから,協力できるものについては協力していきたいというふうに考えておるわけでございます。  それから次に,円高による影響にかかわる問題でございます。  今回の円高に伴い大きな影響を受けることが予想される企業といいますのは,御指摘のように輸出比率が高い企業でございます。  本市域内における主な企業としては,針製造業と自動車関連企業がございます。針製造業は過去2回の円高の経験を生かしまして,輸出の大部分を円建てで契約をしております。そういうふうなことから現時点においては深刻な影響がまだ出ておりません。また,マツダにおきましても,円建ての契約でございまして,今回の円高による影響は,関連企業には及ぼさない製品の値上げと自社内の経費節減により対応することとしておるということでございます。  今回の円高についての国の対応といたしましては,輸出比率の高い業種を対象として一定条件のもとに中小企業国際経済調整対策特別融資制度を創設して対処することとしておりますけれども,市域内の企業からは,現在のところ融資についての相談はございません。  しかしながら,今後の受注における影響が考えられますので,本市としては,現行の中小企業融資制度の弾力的な運用により今後の影響を見ながら適切に対応していきたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(明星正明君) 財政局長。 ◎財政局長(佐々木真二君) 市内企業の減少が税収入の上に影響があるのではないかという御質問でございます。  市税収入の中でも特に従業者数を基準として算出いたします法人市民税と事業所税に直接な影響があるものと考えられます。  まず,法人市民税につきましては,法人税額を課税標準としまして賦課いたします。したがいまして,法人税額が確定しますと,事業所等が二つ以上の市町村に所在している企業につきましては,市町村ごとの従業者数で分割して各市町村へ納付することになっております。  また,事業所税のうちの従業者割額につきましては,従業者に支給されます給与の総額を課税標準としてその金額を確定し,事業所等の所在する市町村に納付することになっております。  したがいまして,市内の企業の従業者数が減少しました場合には,法人市民税の分割基準や事業所税の給与総額の低下ということが考えられますので,そういう面での市税収入への影響があるものというふうに考えております。  以上でございます。 ○議長(明星正明君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 道路問題でございますが,まず,都市計画道路の高陽佐東線でございます。  この道路は,旧高陽町の時代に昭和45年の12月に都市計画道路牛田中深川線から太田川左岸までの延長1,700メートルを計画決定をいたしまして,高陽ニュータウン事業と高陽第一土地区画整理事業によりまして,整備をされてきたものでございます。  御指摘の延伸の計画につきましては,この計画決定当時に検討を行っておるところでございますけれども,接続先でございます国道54号への取りつけ付近が非常に急勾配,急カーブといったことから問題点がございまして,現在に至っておるところでございまして,今後この研究はまた進めてまいりたいというふうに考えております。  それから,玖村陸橋から深川橋までの道路の整備についてでございますけれども,この道路は高陽地区の主要道路として整備するといったことで位置づけしておりまして,現在まで地形測量等の調査検討を進めてきております。  しかしながら,ここは,芸備線の落合トンネル付近でございまして,ここにおきましては,非常に地形的条件が悪くございますので,道路用地の確保あるいは道路構造等におきまして,河川管理者と,それからまた,国鉄といったところに協議を重ねてまいってきております。  このたび,おおむねの協議が調いましたので,今後は,できる限り早くこの事業化に努力をしてまいりたいというふうに考えております。  それから,同じく都計道路の川内緑井線,川内大下線,東野大塚線,東野北下安線と,これ,それぞれ太田川へ架橋して高陽町と結んだらどうかという御提案でございますけれども,これらの道路につきましては,43年の4月にGYS計画に基づきまして,計画決定をされているものでございまして,川内地区の東西を連絡する幹線道路でございます。  それぞれの道路から太田川へ架橋することにつきましては,高陽町側の道路網との整合がとりにくいと,また,その効果が十分に期待できないというふうなことが考えられます。したがいまして,沼田安古市町地区からの連絡性の一番よい東野大塚線につきましては,高陽町小田地区まで延伸することを今検討をしております。  したがいまして,これによりまして,太田川架橋は,安芸大橋,安佐大橋,それに加えまして,東野長楽寺線の延伸といったことで対処していきたいというふうに考えております。  それから,北東部地区幹線道路網基本計画調査でございますけれども,この内容は,御指摘のように,山陽自動車道の開通予定並びに地区内に数カ所の大規模開発の動きがございます。これらを踏まえまして,東区を中心といたしました北東部地区の将来道路網の基本計画を策定いたしまして,その整備計画等を検討するものでございます。  調査の進捗状況でございますが,計画の基礎となります地区の特性,交通等の現況分析,また,地域の将来像,交通需要予測といったものの将来分析を行いまして,道路網の基本計画案を策定中でございます。  今後の対応でございますけれども,この案をもとにいたしまして,地域の方方の御意見を聞きながら基本計画を策定しまして,整備効果,緊急性といったものを勘案しながら,順次事業化に取り組んでいきたいということで考えております。  それから,府中仁保道路のことでございますけれども,これは,山陽自動車道,安芸府中道路からの交通に対処するため非常に大事な道路でございます。国道2号,広島南道路及び広島呉道路を結びます主要幹線道路の一部として位置づけておりまして,現在,県と市で高架案,平面案,それぞれの道路構造について調査検討を進めておるところでございます。年度内にはルートを一応選定をしたいというふうな考え方を持っております。  また,来年度,事業主体,事業手法といったものについての検討を行いますとともに,今後さらに必要な調査も進めまして,国,県,市,道路公団で構成いたします広島周辺幹線道路網整備連絡協議会といったものがございますが,これに諮りながら早期に都市計画決定を行いまして事業化に図っていきたいということで考えて進めておるところでございます。  それから,最後に,祇園新道が暫定2車線供用開始しますときの交通対策はどうかといったことでございますけれども,牛田地区の交通量は現在1日約4万7,000台でございます。祇園新道の暫定供用時におきましては,祇園新道からの交通量といったものを考えますと,約5万7,000台程度になろうかと推定されております。現況より1万台程度1日ふえるんではなかろうかというように考えております。  これに対応いたしますために,建設省におきましては,当面の対策といたしまして,不動院川を埋め立てまして,1車線を拡幅し,5車線でもって考えております。  また,交通の分散を図りますためには,暫定供用に合わせまして,広島市で行っております常盤橋大芝線を牛田浄水場から饒津神社までの間を整備することとして今鋭意進めておるところでございます。  ほぼ,こういったことで現況の交通状況と余り変わらないものといったふうに予測をしておりまして,戸坂・牛田地区あるいは白島地区につきましても,現況と同様程度ではなかろうかというふうに予測しております。  しかしながら,現況は必ずしも好ましい状態ではございませんので,できるだけ早く祇園新道の全線が開通するように建設省に対して要望を重ねながら,また,市としても積極的に協力をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(明星正明君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 事務職員,栄養職員の問題でございますが,教育委員会といたしましても,現段階ではマスコミ等の情報で知り得る状況でございますが,大蔵省といたしましては,依然として厳しい財政事情が続く中で行革審の意見に沿って義務教育費国庫負担金の抑制の見直しを図る中で本年度の文教予算に占めます人件費の割合が72.8%に上り,さらに,人件費の約70%は義務教育費国庫負担金となっていることから,直接,教育に携わらない小・中学校の事務・栄養職員の給与を義務教育費国庫負担金の対象から外し,全額を地方自治体の負担としたいということのようでございます。  義務教育諸学校の教職員給与費は,義務教育費国庫負担法によりまして,国と都道府県が2分の1ずつ負担することになっており,また,市町村立学校教職員給与負担法によりまして,それらの給与は都道府県が負担することとなっておりますので,仮にこうした措置が実現したといたしましても,都道府県の財政に影響を及ぼすことはあっても,直接,市町村には影響ないものと考えられます。  いずれにいたしましても,義務教育費国庫負担金の削減は単に地方の負担をふやすだけでなく,義務教育制度の根幹に触れる問題でございますので,指定都市教育委員教育長協議会等各種の団体を通じまして,あらゆる機会をとらえながら強力に実現の阻止を要望してまいりたいと考えております。  次に,家庭教育問題でございますが,御指摘のとおり子供にとって家庭は今も昔も変わることのない基本的な教育の場であり,同時に憩いの場であるという認識に立ちまして,従来から公民館,婦人教育会館等における重要な教育施策として位置づけ,各種の事業を行ってきているところでございます。現在,特に,あすの親というべき青年,乳幼児,小学校低学年・高学年,中学生を持つ親ごとに対象を絞りまして,それに応じた学習内容や学習方法を工夫し,効果的な学習機会の提供に努力してきたところでございます。  先般,社会教育委員会議から家庭教育を含む広島市社会教育振興計画についての答申がございました。目下,昭和59年度より家庭教育研究会を設けまして,学習機会の内容や方法について研究を進めているところでございます。昭和60年度末にはその成果をまとめ,61年度から,さらに,家庭教育の振興充実を図りたい所存でございます。  次に,いじめに関連いたしまして,教師の質の問題についての御質問でございますが,学校教育は,家庭教育に当たる保護者の信託を受けて実施するものでございますから,両者が両輪的に機能するために教師にはまず保護者の願い,子供の願いに対して鋭い人間的感受性がなくてはなりません。その感受したものは,御懸念の教師の使命感の基礎となるものであり,また,教育技術を越えて子供に伝わるものと考えます。  いじめ等の問題行動の指導につきましては,まさに教育における心が問われているのであり,教育委員会といたしましては,この認識に立ちまして,教師に対して一般的に研修の充実を図るだけでなく,個々の問題に当たって,必要によっては当該教師とひざを交えて教育を語る姿勢で対処してまいりたいと考えております。 ○議長(明星正明君) 21番木島 丘君。 ◆21番(木島丘君) 要望でございますが,今の答弁の中でございましたんですが,やはり広島の二つの大きな産業でございますが,ここでの沈滞ということは広島市にとりましても,財源的にも非常に多くの損失を与え,また,同時に,雇用の場においては非常に大幅な削減ということが起きておるようでございますので,この点につきましては,活性化を十分図られるようにお願いしたいと思います。  それと,なお,東区を中心とした幹線道路網のいわゆる──幹線道路網ではございません,道路網の整備についてがまだ十分段取りができていないようでございますけれども,これにつきましても,早急に協議をされ,早急に道路整備をされますように要望いたしまして,私の質問を終わります。  ─────────────────────────────────            休   憩   宣   告  ───────────────────────────────── ○議長(明星正明君) この際,暫時休憩いたします。              午後0時25分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~              午後1時40分開議              出席議員  38名              欠席議員  25名
    ○副議長(柳坪進君) 出席議員38名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) 休憩前に引き続き会議を開きます。16番鶴見和夫君。           〔16番鶴見和夫君登壇〕(拍手) ◆16番(鶴見和夫君) 私は公明党を代表して一般質問を行いますので,市長を初め当局の誠意ある前向きの答弁をよろしくお願いするものであります。  さて,60年度もあと残すところわずかとなりました。現在,財政当局を中心として事業局とが一体となって昭和61年度予算編成に向けて鋭意作業が行われているところであると思います。  さて,国,地方を通じて財政を取り巻く環境は依然として極めて厳しいものがあり,このため国においては新年度の予算編成に当たって,さらに徹底した制度の見直し,厳しい施策の選択を行うなど経費の節減に取り組む姿勢を見せております。  私もこのことから,本市の財政事情についても例外なく厳しいものと認識している者でありますが,こうした中にありましても,私を含めた市民は,道路,下水道等の都市基盤の整備あるいは弱者等に対する社会福祉の向上等について強い希望を持っているところであります。行政としてもこれらの要望にこたえていく必要があると思います。  そこで,お尋ねをするわけですが,このような厳しい財政環境の中で市民の要望にこたえていくためには,行財政の見直しや経費の節減合理化は当然毎年行っていく必要があろうと思うわけでございます。昭和61年度予算編成に当たって,その取り組みについてどのように考えているのかお聞かせ願いたいと思います。  また,長期円高による市税等の歳入の見通しについて,特に広島市は輸出関連企業も多く,もし1ドル200円時代が数年続くと仮定した場合,市の歳入にそれがどう悪影響を及ぼすのか,長期歳入展望をお伺いをいたします。  次に,本年度予算編成では,国が50%以上負担している高率補助金を原則一律10%カットし,本市においても約25億円の負担増となりました。前国会において,この措置を政府は60年度限りの暫定措置と約束をしたにもかかわらず,61年度予算編成においても大蔵省は各種補助金の補助率を今年度より一層厳しく引き下げる構えを見せております。公共事業の補助率や社会福祉関係の補助率もそれぞれ50%に引き下げる大幅な地方自治体への負担転嫁であります。今なお審議中とはいえ,もし最悪の場合,大蔵省案のごとく決定したとしたら,本市における負担増はいかほどになるのか。また,こうした厳しい財政事情の中で,荒木市政の61年度予算編成の基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。  次に,国際平和年への取り組みについてお尋ねをいたします。  被爆40周年という一つの区切りを終え,来年は国際平和年であります。広島がいよいよ次への出発をする大事な年になるのではないかと思われます。ことしは国際青年年ということで,青年に焦点を当てたさまざまな催し物が行われました。来年は平和をテーマに各分野での活動が展開されようとしております。創立40周年を経た国連が世界の平和の維持と創出へ向けて意欲的な取り組みを開始しようとしております。デクエヤル国連事務総長は,この国際平和年の意義を次のように述べております。国連憲章にうたわれている精神,すなわちすべての国際問題は平和的に解決していくという精神に献身的に努力していくことが大事であると。ジュネーブで行われた米ソ首脳会談は成功裏に終わり,新しいデタントの時代を迎えようとはしていますが,あくまでこれは米ソの新出発の第一歩であり,今後の核軍縮への行動が待たれるわけであります。  世界最初の被爆地広島はこの流れをどう受けとめ,国際平和年を迎えようとしておられるのか。広島の果たすべき役割と来年度具体的行動について市長の御決意のほどを述べていただきたいと思います。  次に,国際化の推進と職員の語学研修についてであります。  なぜ私がこのことを議題にしたかといいますと,ことし4月ワールドカップマラソン広島大会が行われました。世界68カ国350人余の若人が広島にやってまいりました。そのとき,日伊協会の方よりこのような話が私のところにありました。  それは,イタリア選手団の通訳のことであり,イタリア選手団はグランドホテルと全日空ホテルとそれぞれ選手と役員が分宿をしているが,通訳が1名しかいない。その1名が二つのホテルをかけ持ちでもうへとへとであると,何とかしてほしいとのことでありました。  私は直ちに国際交流課と相談をし,大会事務局にかけ合い,1名増加をしてもらいました。このことを通して,国際イベントを持つにしても大変なことだなと思い,広島市の国際化の推進のため数点の質問をいたしますのでよろしくお願いをいたします。  第1は,職員の外国語研修であります。  確かにボランティア通訳の登録者数を見ますと200名近い陣容がそろっているようであります。私は,広島市として自前の会話のできる職員の育成を訴えたいのであります。1万数千人の職員の中には,学生時代に外国語を専攻した職員もかなりいると思われますが,せっかくそれらの職員がいるのですから,もっと有効に活用されたらと思い,御所見をお伺いをいたします。いざというときはボランティア通訳に頼めばよいというのでは「世界の広島」の名が寂しいと思うのは,私一人ではないと思います。自分たちでどれだけ人材をつくれるのか職員研修をやるべきではないでしょうか。これは職員の意欲にも,意欲の向上にもつながるし,やる気のある職員に対して,職員研修所ではどのような語学研修をやっておられるのかお伺いをいたします。  また,職員採用試験に外国語大学出身者を呼ぶとか,語学堪能者を優先的に採用をするとか,最低姉妹都市であるところのドイツ語,ロシア語,将来予定の中国語ぐらい話せる職員は必要ではないでしょうか。広島の国際化に役立つ若い能力のある職員の育成を検討してはどうかお伺いをいたします。  次に,国際交流の推進についてお尋ねをいたします。  被爆40周年は,世界平和連帯都市市長会議を初め3大国際イベントが開催され,広島の国際化が画期的に推進されました。来年は国際平和年であり,記念事業の推進とともに被爆40周年における実績と成果が恒常的に広島の国際化に反映されなければならないと思います。  そこで,国際交流の推進について二,三質問をしたいと思います。  広島市は,国際平和文化都市を理想の都市像に掲げ,国際交流の推進に努力をしておられますが,現在本市には広島大学を中心に数多くの海外留学生が勉学,研究に励んでおります。これら海外留学生と市民が気軽に交流し,異なった文化を知り合えば,国際理解,国際親善のより一層の進展につながるものと思います。  このため,例えば海外留学生による民族文化祭を開催するなど,市民との交流の場をつくっていくことによって,遠く離れて生活している海外留学生と市民との交流を進めていったらどうかと考えます。市としてどう対応していくつもりか,お伺いをいたします。  また,国際イベントを企画,誘致,実施を図るコンベンションビューロー,訳して集会事務局を設置するお考えはないのか,以上,前向きの御見解をお示し願いたいと思います。  次に,道路問題についてお伺いをしたいと思います。  市長は,社会経済の成長や都市圏の拡大,自動車交通の激増により道路行政の担う責務は極めて重大なものとなっている,本市では都市づくりの基本目標を人間性豊かな都市環境の創造,そして戦後一貫して進めてきた平和都市広島建設の精神に基づき,都市像である国際平和文化都市にふさわしい道路の整備を進めていく考えであると述べております。  先日,新聞を読んでいますと,「交通網整備へ総力戦」として県,市を挙げて今までにない陳情が行われたようであります。道路問題は広島市の最重要課題であることは論をまちません。  そこで,従来より本会議等において種々取り上げられております広島南道路と府中仁保道路についてお伺いをいたします。  山陽自動車道,安芸府中道路が供用開始され,二つの道路が完成しますと,広島市街地周辺を結ぶ骨格道路網ができ上がり,交通渋滞の緩和と社会経済の活性化ははかりしれないものがあると思われます。広島南道路について,今年度より行われている国,県,市共同のルートの決定についてどの程度まで進んでいるのか。宇品東四丁目より観音新町間の2本のルート案はその後どのようになっているのか。また,住宅密集地帯を通るため,環境影響調査はどう進展をしているのか。また,廿日市より海田町間23キロの路線の全線供用開始はいつごろまでをめどに考えておられるのか。希望的観測ではないお答えをお願いをしたいと思います。  次に,府中仁保道路については,先ほど午前中局長よりも見通しの明るい展望が示されましたが,1点のみお伺いをしたいと思います。  来年春完成予定の山陽自動車道の安芸インター,安芸府中道路の完成により,府中仁保道路の着工が待たれるわけでありますが,この道路の全線供用開始をいつごろと考えておられるのか,お答えを願いたいと思います。  次に,宇品地区の再整備については,58年度より基礎調査に入り,今年度は宇品地区再開発基本構想として発表され,地元住民の一人としてその努力には敬意を表するものであります。そして,60年度は関係機関との調整の段階に入っておりますが,地元意向調査はどの程度まで進んでいるのか,その現況をまずお尋ねをいたします。  次に,宇品御幸一帯の生活道路について,現在広島市と寄附をめぐって係争中でありますが,その私有地の総面積と地主との争いについて現在どう進展をしているのか,宇品地区再整備の問題とは関連があると思いますのでお答えを願いたいと思います。  62年度以降の計画決定について現在どの程度まで検討をしておられるのか,あわせて県の港湾計画と一体化して進んでいると思いますが,都市再開発用地に当てはまる木材荷揚場関連会社の撤退について順調に事が運んでおられるのか,お伺いをいたします。  60年10月1日付の「市民と市政」にも,メッセ・コンベンション施設拠点として出島沖を埋め立てる構想が検討されております。  私が疑問に思いますのは,広島湾21世紀デザイン会議がまとめた構想と県が打ち出しているポートアイランド構想との整合性であります。どちらも将来の土地創造の目玉ではあります。ことし,夏,宇品港まつり行事の一環として「広島港の未来を考える」というテーマでK広大教授の講演会がありました。もちろん,あくまで将来構想ではありますが,地元町内会長を初め有志の方もたくさん見えておりました。同じようなメッセ・コンベンションづくりの拠点として国際会議場,国際見本市を具体的プランとして載せております。この二つの構想は両立するものなのか,また将来一体化する計画であるのか,県,市の調整をお伺いをしたいと思います。  次に,教育問題に入りたいと思います。  昨年,似島臨海少年自然の家が完成したことにより三滝の少年自然の家,青少年野外センターとあわせて,山と海との野外研修の場ができ,子供たちが自然との触れ合いの中から健康的に学ぶ機会がふえ,大変うれしく思っております。  そこで,私は,次に子供たちに夢と希望を与える意味で洋上研修を検討してはどうかと提案をしたいと思います。  広島湾上を夏休みでもよいし,機会を見つけて子供たちに湾より見た広島港の景色や船上より見る三菱造船所や飛行場,または瀬戸内海の小島等々,小・中学校の社会科教育の中で歴史的に見ても海と関係の深い広島市の特徴を学ぶことは,郷土愛を一層深めることと思われます。前途洋々たる子供たちがいつまでも海より見た広島はまぶたに焼きついて忘れないであろうと思います。  船は危険であるという意見も出ると思いますが,しかし,似島臨海少年自然の家に行くにも船しか便はないはずであります。チャーター船も民間業者に頼めば協力は惜しまないと思われます。  京都府の舞鶴市では,ことしより小学生を対象にした洋上体験学習をスタートさせており,横浜市では57年より毎夏四,五百人の少年少女を4泊5日ぐらいの日程で函館まで行く少年洋上セミナーを開催しております。  そこまで大規模にやらなくても,広島湾を回る二,三時間ぐらいのコースでよいのではないかと思います。当局の御見解を承りたいと思います。  次に,学校教育における危険物の取り扱いについてお伺いをいたします。  現在,小・中・高校における理科,物理,化学等の実験は,約40から60種類あると思いますが,その中には各種の毒物,劇物があろうかと思います。また,理科実験,特に水素実験に関するものは事故の心配もあろうかと思います。広島市における近年大きな事故はないにしても,いつ起こるか,特に理科実験等には危険がはらんでおります。ことしに入っても京都府長岡京市で実験中,事故が起こっております。事故を未然に防ぐため,次の諸点についてどう手を打っておられるのか,お伺いをいたします。  毒物,劇物の種類が一体何種類ぐらい学校に保管をされているのか。また,その保管,管理はどのように行っているのか。  使用器具の点検及び予備実験はどう行われているのか。  ガラス製品の器具の事故が多いと思いますが,それらのビニール製品への転換を考えているのか。また,どの程度進んでおられるのか。  観察,実験の安全指導の手引はあるのか。なければ作成する考えはないのか。  以上,お答えを願いたいと思います。  終わりに,防災行政無線システムの有効活用についてお伺いをいたします。  このシステムは,無線通信網を使って防災の指示,報告,情報収集,広報等の活動を効率的に行うとありますが,現在までの防災行政無線の進捗状況をお知らせください。  このシステムが活用される場合,具体的には,例えば火災の場合,地震,水害の場合等,どのくらいの被害を想定してシステムが活用されるのか,お伺いをします。  27億の巨費を投じるこの装置を,私はただ防災だけでなく,より広く活用することを考えていただきたいと思います。災害時だけでなく,常時活用できないのか。市民サービスにつながる活用はないのか。また,情報化時代に即応した新しい分野の活用方法はないのか。もちろん,これらの活用については,町内会の自主防災組織までの範囲ではなく,あくまで統制局・市役所と区役所や各消防署間との間であります。将来,どうこのシステムを活用することが考えられるのか,利用方法をお示しください。  以上,市長さんを初め各局長さんの誠意ある御答弁を期待して私の質問を終わらしていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの鶴見議員の御質問の中で,昭和61年度の本市の予算編成の基本的な考え方について,それから国際平和年についての御質問に御答弁申し上げたいと思います。  まず,昭和61年度の予算編成の基本的な考え方についてでございますが,御指摘のように我が国の財政というのは依然として危機的な状況にありまして,国,地方を通じてその財政運営は極めて厳しい情勢にございます。このため,国の方では来年度の予算編成に当たりましても,臨時行政改革推進審議会の昭和61年度予算に向けた行財政改革に関する意見を踏まえて,さらに徹底した制度の見直し,厳しい施策の選択を行うなど経費の節減合理化に取り組むこととしているところでございます。また,我が国の経済は,景気は全体として上昇基調を続けているとはいうものの,今後景気上昇のテンポは鈍化するとの見方もございまして,決して楽観を許さない情勢にございます。こうした財政環境を考えますとき,昭和61年度の予算編成は従前にも増して一段と厳しいものになることが予想されるわけであります。  しかしながら,大都市にふさわしい機能と風格を備えた都市づくりを進めております本市におきましては,これまで以上に都市基盤施設の整備を初めとする諸課題の解決に取り組んでいかなければなりませんとともに,21世紀に対応できる都市づくりに向かって積極的に施策を展開していかなければならないときでございまして,行政の停滞はいっときも許されるものではないと,このように考えておるわけでございます。  したがって,このような行財政環境は極めて厳しい情勢にありますだけに,行財政全般にわたりまして徹底した見直しを行うとともに,限られた財源の重点的かつ効率的な配分に意を用いてまいりたいと。そのことによりまして道路,交通,下水道等の都市基盤の整備,市街地の再開発,新交通システムの推進,また地域経済活性化のための各種の振興策の積極的な推進あるいは市民に生きがいと潤いを与えるための教育・文化の振興,そして福祉の増進,さらには「ひろしま21世紀への前進」に掲げられている各種の事業の事業化の推進等,これらの施策を積極的に推進してまいりたいと,このように考えているところでございます。  次に,来年は国際平和年の年でございます。被爆40周年に当たる本年,世界平和実現への大きな契機となるものとして,御指摘のように世界の期待を集めた米ソ両国の首脳会談が去る11月,スイス・ジュネーブ市におきまして2日間にわたって真剣に討議され,米ソ共同声明が発表されたところでございまして,その声明により対立する両国間の関係を改善するために,例えば文化協力協定書が調印されましたほか,両国首脳の相互訪問が決定し,今後核軍縮に向けて,相互に努力することを確認されたことは,いわゆる暗いトンネルの向こうにほのかな明かりが見え,新たな前進であると評価しておるところでございます。  いずれにいたしましても,このたびの両首脳,6年半ぶりに握手したのでございまして,その握手のぬくもりを大切にしていただくことを心から願っておるところでございます。  米ソ両国の核軍拡競争が人類に大きな脅威となっている現在,我々広島市民は両国首脳が早い時期に広島を訪問して被爆の実相に触れ,核兵器のもたらす被害の悲惨さを十分認識していただき,今後の討議において対決から対話へ,不信から友好へと相互理解を図り,核軍縮,さらには核兵器廃絶に向けて粘り強く努力を重ねられることを希望するものでございまして,こうした中で,国際平和年である来年が核軍拡競争の終止符に向けて実効ある措置がなされる年になるように世界各国,各都市が平和に向けて積極的な取り組みをしなければならないと考えておりまして,本市といたしましても,被爆の実相をより広く世界に訴えるため従来からの平和推進のためのもろもろの事業を引き続き積極的に行っていきますとともに,世界平和都市連帯をより一層推進いたしまして,核兵器廃絶への国際世論の喚起に努めてまいりたいと,このように考えております。  特に,国際平和年にちなんだ行事としては,5月のフラワーフェスティバルの時期,そして8月6日の原爆記念日,さらに10月の国連軍縮週間の時期に焦点を合わせて,ノーべル平和賞の受賞者を招いて平和シンポジウムを開催するとか,あるいは第1回世界平和連帯都市市長会議の写真パネル展とか,あるいは小・中学生による平和ポスター展,音楽と講演による市民の集い等の開催のほか,被爆者証言ビデオの作成などを計画しているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 広島で学ぶ海外からの留学生と市民との交流はどうなっているかというお尋ねでございます。  現在,広島市には広島大学を中心に35の国から250名の海外留学生が異なった言語,文化,生活習慣の中で,勉学,研究にいそしんでいるところでございます。  本市では,これらの留学生に広島についての理解を深めていただくとともに,平和を願う広島の心を伝えるために,毎年8月6日の平和記念式典への参列あるいは本市の施設の見学会あるいは本市の青年との交歓等を含む留学生の歓送迎会,在広外国人との意見交換会等を実施しております。また,この8月にはユニバーシアード神戸大会へのアジアと広島の青年交流クルージング等を行っておりまして,多数の参加を得たところでございます。  一方,市民レベルの交流としては,毎年5月のフラワーフェスティバルに留学生がパレード等の行事に積極的に参加をいたしておりまして,市民と触れ合う場になっております。また,昨年からは在広の外国人と市民との国際親善交流の広場としてペアセロベという催しが開催をされておりますが,このぺアセロベには多くの留学生が積極的に参加をいたしまして,母国の歌や踊り,さらに民族料理などを披露して,市民との交流の輪が広がっております。  本市といたしましても,財団法人の国際交流協会を通じて,このペアセロベには支援,助成をいたしております。このほか,留学生による日本語のスピーチコンテストあるいは国際親子キャンプ等が実施され,留学生を含む在広外国人の方が数多く参加をいたしております。また,国際ソロプチミスト広島とか,広島ベンチャークラブなど婦人グループと留学生の交流等も行われております。  以上,申し上げましたように,留学生の参加を含む在広外国人との交流事業は年々活発になっておりますが,本市としては今後とも財団法人の広島市国際交流協会等を活用して,より一層活発な交流を行うよう努力をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) 国際交流の推進のうち,コンベンションビューローの設置についてお答えいたします。  御指摘のコンベンションビューローは,コンベンションやイベントなどを企画,誘致いたしますとともに,情報提供等を行いまして,コンベンションやイベントの実施について支援を行うための総合的な組織でございます。コンベンションシティーを標榜する国内の諸都市におきましては,既に行政と経済界,民間団体などが協力いたしまして,このビューローを設立している都市もございます。具体的には名古屋,大阪,金沢市などにおいては既にこのビューローを中心に国際会議やイベントなどの誘致活動が部分的にではございますが,展開されているところでございます。  メッセ・コンベンションシティーづくりを進める広島市にとりましても,国内外の激しい国際会議やイベントの誘致活動に対抗していくためには,このビューローの設立は大きな課題であるというふうに認識しておりますが,現状では広島市におきましては,関係する団体や企業,行政機関の間におきまして,まだビューロー設立の機運が盛り上がっておりません。したがいまして,ビューローの設立を短期日で行うことは難しいと考えております。  しかしながら,来年度からこのビューロー設立に向けての検討と,それから現状でも対応可能な業務の充実を図るために関係機関,団体などからなる推進協議会を設けまして,各機関の業務に応じた役割を分担し合い,PRや連絡調整などの実績を積み上げてまいりたいと,かように考えておりますので御理解いただきたいと思います。  それから,メッセ・コンベンション施設の拠点づくりについて,宇品,出島沖の開発構想とポートアイランド構想の整合性についての御質問でございます。  メッセ・コンベンションの拠点施設といたしましては,当面は現在ございます県,市の総合展示館あるいは本年秋に完成いたしましたサンプラザ,厚生年金会館あるいは昭和64年に開館する国際平和文化会館などを活用しながら,国内外のさまざまなコンベンションやイベントを中心に展開することにいたしております。  さらに,長期的な観点からは宇品・出島地区が将来陸・海の交通結節点となること,都心から近接しておりまして,既存の都市機能の集積の活用が可能であること,3番目に瀬戸内海を活用した観光レクリエーション基地としての立地上の優位性を持っていること等からいたしまして,宇品・出島地区をメッセ・コンベンションの拠点地区整備の候補地として現在検討を進めているところでございます。  一方,ポートアイランド構想につきましては,21世紀に向けた構想として長期的な視点に立って検討することにいたしておりまして,そのため現在,県,市,江能4町,運輸省の第三港湾建設局広島港工事事務所で構成する広島ポートアイランド構想連絡協議会を設けまして,今後10年間ぐらいの期間をかけまして,具体化に向けての基礎的な調査研究を行うことにしております。  御指摘のように,宇品・出島地区の構想とポートアイランド構想につきましては,機能等の面で重複するところもございますので,今後の検討の中で十二分に調整をしてまいりたいと,このように考えております。 ○副議長(柳坪進君) 総務局長。 ◎総務局長(福島隆義君) 職員の語学能力の向上についての御質問にお答えいたします。  本市が名実ともに国際都市にふさわしい都市として展開を図るためには,職員の国際的知識,感覚の養成はもとより,御指摘のありました語学能力についても一層の向上を必要とすると考えます。このため,かねてより語学研修の充実強化に努めてきたところであります。  外国語講座の本年度の状況を申し上げますと,英会話講座といたしまして,初級,中級,上級に分けて延べ55名を対象に行っております。次に,ドイツ語講座といたしまして26人を対象に開いております。さらに,中国語講座といたしまして33人を対象に開いたところでございます。  また,長期に海外に滞在しての研修といたしまして,姉妹都市でありますホノルル市の現地学校法人にこれまで8人派遣いたしております。さらに,姉妹都市でありますハノーバー市に,昨年度2名長期派遣し,それぞれの資質の向上に努めたわけでございます。来年度計画といたしまして,中国の重慶市に2名長期派遣することにつきまして,さきに重慶市と合意を見ておるところでございます。  次に,職員の中にかなり外国語の専門課程を修めているものがいるが,これらを一層活用したらどうかという御質問でございます。  御指摘のとおり,本市の職員の中には,大学等におきまして外国語の専門課程を専攻したものが58名おるわけでございます。これら職員につきましては,本市が開催する国際イベント等で活躍しておるところでございますが,今後とも一層研修の場等を通じまして能力を高め,活躍の場を広げてまいりたいと考えております。  また,外国語大学等へ在籍したものを別枠で採用したらという御提案でございますが,学校等で行政を遂行するに当たっての基礎知識のある者を前提にこれまで採用し,その中から語学能力のある者を,またはそれの向上を図るという方法をとったわけでございます。  御提案につきましては,今後の研究課題にさしていただきたいと思っております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 財政局長。
    ◎財政局長(佐々木真二君) 幾つかの御質問がございましたが,まず,61年度の予算編成に当たって行財政の見直しにどのように取り組んでいくかという御質問でございます。  先ほど市長から新年度予算編成の基本方針について申し述べまして,その中でも基本的な取り組みについて申し述べたところでございます。  昭和60年度の予算編成に当たりましても,歳入面におきましては,市税等の収納率の向上あるいは受益者負担の適正化などによりまして,財源の確保に努めますとともに,歳出面におきましては,昨年度末と同様,経常経費の節減合理化を図りますほか,各種の事務事業につきまして,その必要性,効果,優先度等の観点から見直しを行うなど行財政の簡素合理化につきまして,さらに積極的に取り組みまして,予算編成に当たってまいりたいというふうに考えております。  次は,61年度の予算編成に当たって,国はさらに補助金負担率のカットを行うような構えであるが,これの行われた場合の本市の負担増がどれぐらいになるかという御質問でございます。  この問題につきましては,御承知のとおり昨年の予算編成におきましても,最大の焦点となったところでございますが,61年度の取り扱いについては,まだ結論が出されておりません。しかしながら,新聞報道等によりますと,国の深刻な財政事情等を背景としまして,大蔵省としましては社会福祉関係及び公共事業の国庫補助負担率を60年度よりもさらに大幅に引き下げたい意向のようでございまして,この問題の決着は,昨年同様,政府予算案の決定の直前まで持ち込まれるものというふうに考えられているところでございます。  いずれにしましても,現時点におきまして,この問題についてのまだ取り扱いが決まっておりませんので,現在の段階で影響額等を推測することは困難でございます。御理解をいただきたいと思います。  それから,もう一つは円高に伴います市税収入への影響と税収入の今後の展望ということでの御質問でございます。円高に伴います企業への影響等につきましては,午前中の質問に対して経済局長から答弁をしたところでございますが,市税収入につきましては直接的な影響を受けるとしました場合には,景気の動向に最も左右されやすい法人市民税であるというふうに考えております。  しかしながら,このたびの円高の進行が9月下旬以降であったことからしましても,法人の決算時期との関連から,今年度につきましては,市税収入につきましては,当初の収入見込額に大きな変動はないものというふうに見込んでおるところでございます。61年度以降におきましては,円高によります景気の陰りというものも懸念されるところでございますが,国におきましても現在,今後の経済対策等につきましても検討されているところでございます。今後のこれらの状況,情勢を見守りながら対応してまいりたいというふうに考えております。  なお,経済の低成長への移行に伴いまして,税収入の伸びは鈍化してまいりまして,ここ数年の税収入は6%ないし8%程度と非常に低い伸びになってまいっております。今後におきましては,これまで以上の厳しい状況下で推移するものというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 宇品地区整備について,地元の意向調査の進捗状況,そしてその今後のスケジュール及び木材荷揚場関連会社の撤退についての御質問がございましたのでお答え申し上げます。  まず,宇品地区再開発につきましては,昭和59年度に再開発基本構想を策定いたしまして,広報紙などによりまして地元住民への周知を図ってきたところでございます。引き続き昭和60年度におきまして,基本構想に基づき,関係機関との調整を行いますとともに,地元意向を把握するためのアンケート調査を実施することといたしております。現在,アンケート調査票の作成とあわせまして,調査票と同時にお配りをしたいと考えております基本構想PR用のパンフレットの作成を進めているところでございまして,1月末ごろには──明年1月末にはこれを実施いたしたいと考えているところでございます。  今後のスケジュールでございますが,昭和61年度は基本構想及び地元のアンケート結果などを踏まえまして,構想より具体化させた再開発基本計画を策定することといたしております。昭和60年度以降の具体的スケジュールにつきましては,今のところ未定ではございますけども,再開発を進める上で大きな要因となる入り江部分の埋立事業や広島南道路あるいは鷹野橋宇品線の整備等について早期実現を促進していくほか,電車通りと入り江部分との間の密集市街地につきましては,居住環境の改善などを図っていくための建てかえ誘導など,修復型再開発を促進するため,地元への浸透を図ってまいりたいと考えております。  次に,入り江部分の埋立事業を行いますためには,この入り江が持っております港湾機能の再配置を検討することが必要であるため,現在港湾管理者であります県におきまして,埋め立てに向けての準備が進めておられるところでございます。埋立事業の具体的なスケジュールにつきましては,広島南道路の位置の決定なども密接に関連しておりますので,現在のところ明確にはなっていない状況ではございます。しかしながら,この埋立事業の早期実現は宇品地区再開発構想の成否を左右する重大な要件と考えておりますので,市といたしましても今後県など関係者と密接に連携をとりながら取り組んでいく必要があるものと認識をいたしておるところでございます。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 道路問題でまず南道路でございますけども,この南道路のルートにつきましては,国,県,市それからまた道路公団でもっていろいろ協議,調整して作業を今進めておるところでございまして,まず海田から宇品間につきましてはほぼルートの選定を終えまして,昭和61年度には都市計画決定をしたいということで進めておるところでございます。  それからまた,宇品─観音間につきましては,昭和62年度に都市計画決定をするということを目標にしまして,今,先ほどの関係のものとルート選定についての作業検討等を進めておるところでございます。  それから,観音廿日市間につきましては,一部の区間を除きまして,ほぼルートの選定を終えまして,これも昭和62年度には都市計画決定をしたいといったことで進めております。  それからまた,環境影響評価の調査でございますが,先ほど申しましたようなルートの選定を終えた区間から逐次実施しておるところでございます。まだ,最終的な結論は出ておりません。  それから,この事業の着手あるいは完成年度でございますけども,この事業は非常に膨大な事業費を要しますために,今日の厳しい財政事情のもとでは一朝一夕に全線の整備を図ることは非常に困難な状況でございます。  しかし,臨海部におきます埋立事業との整合を図りまして,用地の確保等には一部努めてきておるところでございまして,本道路の一部となっております海田大橋の建設につきましては,もう既に進めておられるところでございます。今後ともこの事業につきましては,国,県,市で構成いたします連絡協議会におきまして,事業主体,事業手法等を決定しまして,整備効果等を勘案しながら,逐次事業化に図ってまいり,早期完成に努めていきたいというふうに考えております。  それからまた,府中仁保道路につきましては,これは午前中の木島議員に御答弁申し上げたとおりでございますけども,これの全線供用開始の目標につきましては,今後ルートの選定,事業主体,事業手法といったものの検討,また地域の方々との御理解,それからまた,これから必要なまた調査もかなりございます,そういったこと。それからまた,多額な事業費を必要とするというふうなことがございまして,今,現在,事業工期を決めることまでには非常に困難でございます。できるだけこれも早期に着手できるように努力はしてまいりたいと考えております。  それから,宇品地区の市有地の係争の問題でございますけども,この道路は昭和31年から42年までの間に1万7,890平方メートル,303筆の土地の所有者から寄附を受けまして,市道といたしまして供用開始したものでございます。その一部の3,300平方メートルの所有権移転登記未了の,いわゆる未登記道路でございますが,これの敷地にかかります寄附者の相続人からその土地を取得したという原告から昭和59年の1月19日付で広島地裁に対しまして土地の引き渡しを求め,引き渡しが不能なときはその代償として5,300万円余りの支払いを求める内容の訴えを提起されたものでございます。以後10回の口頭弁論がなされましたが,本年11月14日に本訴えは取り下げられております。このような経過でございます。  で,現在は係争状態ではございませんけども,今後本市としましては所有権の移転登記ができるよう関係者と交渉いたします。あるいはまた,これに応じられない場合には訴え等の提起も考えに入れながら,解決を図ってまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 消防局長。 ◎消防局長(栗栖敏人君) 防災行政無線についての御質問にお答えいたします。  まず,工事の進捗状況でございますが,今年度は基幹部分となる安芸区の呉娑々宇山や安佐北区の福王寺山の中継局の鉄塔建設それから消防局,各区役所,各消防署などに多重系の機器設置工事を行っております。工期が3月20日となっておりますが,現状では計画どおり順調に進んでおります。  なお,この工事は2カ年で行うこととしておりまして,来年度には移動系や同報系の工事を行うこととしております。  次に,同報系はどの程度の災害情報を考えているのかということでありますが,防災無線設置の目的が防災情報をいち早く伝え,地域住民の注意を喚起し,警戒を強めていただくことにありますので,予測される災害発生の前兆段階から災害発生後の避難等に至るまでの情報連絡に使用してまいりたいと考えております。  したがいまして,その放送内容は大雨警報,火災警報などの防災情報やその地域に発生した災害の情報などについて行いますほか,各種の防災行事等についてもお知らせしたいと考えております。  次に,この無線の一般行政への有効活用についてでありますが,この無線は郵政省の免許方針におきまして,防災用に使用することを主たる目的としておりますほか,平常時には一般行政用にも使用できることとなっております。  したがいまして,一般行政用としての活用を図るために関係部局に対しましてその活用調査を行い,その結果に基づいて固定系,全市移動系,地区移動系のシステム設計を行っているものであります。  市役所及び各区役所における具体的な活用方法といたしましては,公用車両等に設置する移動系は道路パトロールや清掃パトロールなど現地と業務連絡用に利用し,行政対応の効率化を図り,住民サービスの一層の向上を図ることとしております。また,このほか移動系はフラワーフェスティバルや区民まつりなど,市の大規模な行事の際にも利用できるなど,広範な活用が期待できます。  次に,市役所,区役所,消防署,保健所などに設置いたします固定系につきましては,平常時に有線電話のかわりを果たすこともできます。  以上のとおり多方面な利用が図られるものでありますことから,御提案の趣旨に沿って災害時と言わず,平常時においても有効に活用していきたいと考えております。  なお,念のため申し添えますが,先ほども宗像議員の御質問にも触れましたが,同報系につきましては,防災情報のみに限定して運用することとしております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 洋上研修についてでございますが,御提言の趣旨を含めた学習といたしましては,似島臨海少年自然の家を利用いたしました野外活動等におきまして海に親しむ活動や海浜での理科的な学習あるいは安芸小富士へのオリエンテーリングやそこからの展望を生かした社会科的な学習などを行ってきておるところでございますが,船を利用しての学習はその計画が気象条件に左右されやすい等の事情もございまして,学校教育としては実際問題として難しいのではないかと考えております。  今後,似島少年自然の家を拠点として,海に関する学習を進めるためのプログラムの研究を行うとともに,その事業の拡充を一層図っていきたいと考えております。  次に,理科実験における危険防止でございますが,理科実験で用いる毒物につきましては工業高校で若干使用される程度で,小・中学校では使用しておりません。  劇物については,小学校で5種類,中学校で20種類余りを使用しておりますが,そのほとんどは原液ではなく,希釈したものを扱わせております。  これらの薬品類の保管,管理につきましては,学校薬剤師の助言を受けながら管理責任者を指定いたしまして,出納の状況や保有残量を確認するようにさせております。また,薬品庫の転倒防止や施錠を徹底させ,事故や盗難の予防に努めさせております。  次に,学習中の事故防止のためのみならず,指導の計画の適正や効果を上げる上からも予備実験は不可欠なものでございます。したがって,安全の観点からその実際場面での指導のほか,特に実験,実技面を取り出した講習を実施するなどのことに努めておるところでございます。  次に,ガラス器具につきましては,耐熱性や透明度等の特性からガラス器具に頼らざるを得ない実験も多いわけでございますが,安全を優先させて他の素材の器具にかえ得る場合はそうするよう指導しておるところでございます。  理科実験における事故防止につきましては,昭和47年以来指導の手引を2回作成,提供いたしておりますほか,毎年,毒物・劇物の保管,管理等の徹底と理科の観察,実験での安全性の確保について注意を喚起しているところでございますが,今後ともその指導の徹底を図っていきたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 16番。 ◆16番(鶴見和夫君) 1点だけ要望のみにとどめさしていただきたいと思います。  私が言いたいのは,例の県のポートアイランド構想ですね。これは確かに21世紀構想であるわけです。出島もその前ということでございますけど,同じような宇品を中心にしたこの二つの構想はですね,今のところ地元の住民にとってはどちらかといえばポートアイランド構想の方が先行をしているように思うわけであります。  そこで,来年よりですね,地元町内会に説明会が持たれるわけでございますけど,そのまず,その建て分けを明確に,わかりやすくですね,案内をしていただきたいと思います。  それからもう1点,先日「市民と市政」に発表されました中でですね,この土地利用構想図ですけど,これが非常にわかりにくいというあれがあるわけですね。例えばこのAからHまでの8ゾーンに宇品の地区が分けてあるわけですけど,Aはですね,「既成市街地内建て替え誘導地区」という名称ですね。Bは「既成市街地内オープンスペース地区」とかですね,Hの「土地利用転換誘導地区」とかですね,舌をかみそうな,いうような名前がですね,八つもあるわけです。私の住んでいるところはDになるわけですけど,Dといいますと「商業業務複合型高層住宅地区」と,こうなっているわけでありましてですね,どうも自分の周辺を見回してもぴんとこないというのが現状であります。  そういうことで,住民感覚と大きなギャップがですね,あるんじゃないかというふうに懸念をするわけです。そういうことで,地元の町内会に対してはですね,もう少しわかりやすくですね,明確にそのあたりの説明をお願いしたいという要望をしておきます。  以上です。 ○副議長(柳坪進君) 続いて29番牧里重喜君。           〔29番牧里重喜君登壇〕(拍手) ◆29番(牧里重喜君) 私は,日本社会党市議団を代表いたしまして一般質問をいたします。市長の納得のいく答弁をまず求めておきます。なお,答弁内容次第では再質問を留保させていただきます。  被爆40周年のことしも残りあと18日となりました。この40年間,戦争のない平和な日本が保たれたのも,被爆都市広島の果たした役割と平和憲法のとうとさだとお互いが認識を新たにする必要があろうと思います。そして,既に苦い戦争体験を持たない世代が全体の半数を超えた時代を迎えた現在,特に広島市民として被爆の実相を正しく後世に継承させる平和教育の重要性が強く求められております。  また,平和とは,社会体制,人種,宗教等の違いを乗り越えての戦争のないことは当然でありますが,その基本は人の命を大切にすることだと思います。町中に暴力行為が幅をきかせるような広島市であってはなりません。また,私たち議員を初め,社会的責任を負う者としては,それに加担する行為は絶対にあってはなりません。改めてお互いがそのことを確認し合う必要があろうと思います。  今の時期,以上のことを強く感じつつ,以下,数点について質問をいたします。  まず,昭和61年度の国の予算に関連しての財政問題であります。  今,国は,行財政改革の名をかりて国が当然行うべき負担,これを地方自治体や一般国民に一方的に転嫁させようとすることについて,許すわけにはまいりません。国は,来年度予算編成に関連してまたまたそのやり方を一層強めようといたしております。  そして,一つに例えば保育園措置費について申し上げますと,広島市の場合,昭和59年度措置費総額の68%を公費負担,32%を保護者負担というふうになっておりまして,68%の公費負担のうち80%を国庫補助,20%を市費となっていたものが,昭和60年度では,国が10%削減をし70%の補助となったため,市の負担分が約2億3,000万円増加いたしております。さらに,来年度においては,最悪の場合,さらに20%カットの50%補助ともうわさをされております。もし,そのようになれば,約7億円にも上る市費負担の増加となるわけであります。このような例は,生活保護費,身体障害者対策費,社会福祉施設運営費,老人福祉などへのしわ寄せが考えられます。  これら国の昭和61年度予算編成の中で地方自治体,とりわけ広島市や市民に負担がさらに予想されますが,その対策はどのようにされようとするのかお尋ねをいたします。  二つに,9月以降,急速な円高が進み,今や1ドル200円を割る円高到来であります。先ほど質問されておりますので重複は避けますが,これによって重油や原材料の輸入に伴う莫大な円高差益を得る企業,特に公共性の高い電力,ガスについては,その莫大な差益を,この際,消費者に還元すべきと考えますが,行政としてどのように対応されておるのか明らかにしていただきたいと思います。  三つに,アメリカを初めとした諸外国から日本製品の輸出への厳しい規制の目と長引く不況の克服は何といいましても内需の拡大を図らなければならないと思います。そのためには,一般国民の購買力を高めることであり,その裏づけは可処分所得をふやすことであります。それに逆行するような新たな目的税など大衆負担を考えるべきでないと思います。それより現行の不公平税制を正すことが先決であります。  ところが,今,国は,私たちの日常生活に欠かすことのできない命の水──飲料水に水源税を新設し,流水占用料を新たに徴収しようとしております。特に,私たち広島市民は,母なる川太田川を市域に有しながらも,広域水道の名のもとに他自治体への送水を余儀なくされ,それによって水源確保のダム建設など余計な負担を強いられている現実があります。その上にさらに新たな負担は,清浄,豊富,低廉な飲み水を市民に供給することを旨とする水道事業の運営を困難にするもので,市民感情からも到底容認できるものではないと考えます。その点についての意見を強く表明をし,市長もその方向で国等に対応していただくよう要望しておきます。  次に,教育問題についてであります。  今の時期,各中学校では2学期末テストが終わって進学などの進路についての3者懇談会等が行われているところも多いと思います。生徒も親も学校も心配の時期であります。  参考までに中学校卒業生数の推移は,昭和51年3月が8,305人,10年後に当たる来年3月卒業見込数が1万5,026人となっております。10年間で約1.8倍となり,年々増加をいたしております。  また,昭和60年3月卒業者が1万4,330人の進路状況を見ると,公立高校へ8,856人,私立高校へ4,521人,国立高校へ51人,県外高校へ195人,高等専門学校等へ69人,合わせて進学者が1万3,692人,就職者207人,その他教育訓練機関各種学校等へ306人,それぞれに該当しないその他が125人となっております。  そこで,お尋ねをいたしますが,一つに,それぞれに該当しない卒業生の推移を見ると,昭和56年3月が48人,57年が70人,58年が61人,59年が107人,そして60年が125人と年々ふえております。これらの対応をどのようにされているのか,また,今後においてどのようになされようとしておるのかお尋ねをいたします。  二つに,急増対策の一つとして,昭和60年4月には高校のクラス数の増設やクラスの定員を47名にふやしたこと,さらに,私学への協力要請が行われておりますが,反面,安西高校では入学定員423人に44人不足するという結果が生じております。なお,参考までに,新設をされた市立の沼田高等学校では276人の定員に573人が受験をして274人が合格,299人が不合格となっております。これらの対応はどのようにされようとしておるのかお尋ねをいたします。  三つに,市立中学校卒業予定者数が61年3月は前年より696人増加することが見込まれ,これへの対応はどのように考えておられるのか明らかにしていただきたいのであります。  四つに,市立中学校卒業予定者数のピークが,第2学区と第3学区では昭和64年3月,第4学区では昭和63年3月で,特に昭和64年3月時点では,市全体で昭和60年3月より実に2,439人ふえて1万6,769人になる見込みであります。これに向けての対策,とりわけ広島地区においては2校ないし3校の新設が絶対的必要条件と判断をいたしますが,その計画について明らかにしていただきたい。  五つに,第3学区を安佐地区と安芸地区に分けるとともに,昭和31年より旧市内の第4学区で実施されている総合選抜制を安佐地区でも実施されるよう求めるものであります。その理由は,一つに,先ほど申し上げましたように,安西高校のように定員割れを生じさせないこと,二つに,地区内の学校間格差が解消され,子供たちが不当な競争意識,劣等感,優越感から解放され,いわゆる非行の心理的圧迫などがなくなることなどであります。  六つに,今,問題となっておるいじめ,校内暴力の問題の解決方法の一つとして,過大規模校の解消,すなわち分離新設の計画,それとクラス定員を40人にすることなどがあり,特に40人学級については,その実施が求められて数年経過をいたしております。今の小学校6年生をピークに子供たちの数は年々減少してまいります。参考までに昭和60年5月1日現在,市立小学校全体の6年生の数が1万8,241人,そして1年生が1万5,021人となっております。この際,小学校からでも早急に40人学級を実施されることを求めるものであります。具体的な考え方を明らかにしていただきたいと思います。  なお,その際,現行と対比したクラス数を示していただきたいのであります。  七つに,高校義務教育化の現状の中で,特に全体を見たとき,全く私学に依存しないでよい地域と広島市のように私学に依存している地域とでは,父母負担に大きな格差が生じております。  授業料だけ見ても,昭和60年度県・市立高等学校で月額6,200円,私立高校で平均月額1万6,964円,その他負担が県・市立高等学校で平均月額3,500円,私立高等学校で平均月額5,500円となっております。加えて私学には多額な入学金が必要とされております。  このように,県・市立高校の授業料,その他負担を現行基準に据え置くことを前提とすれば,私立高等学校への国,県,市,いわゆる公費補助負担を積極的に行って公私間の負担格差を解消すべきだと思いますが,その見解を求めるものであります。  次に,道路問題についてお尋ねをいたします。  道路は,ただ単に通行に供するだけでなく,上水道,下水道,電話,ガス等,公共施設の埋設,さらに,防火帯など都市空間としての重要な位置づけを持っております。  そこで,主要道路である都市計画街路の現状を見てみると,市全域で78路線,延長29万1,840メートル,そのうち整備済み延長が14万5,825メートルで全体の50%,事業中が4万4,527メートルで全体の15%,未着手が10万1,488メートルで全体の35%になっております。  原爆投下後住宅の建ち並んだ昭和27年を皮切りに都市計画決定され,事業に取り組みまして,周辺部においては,昭和40年以降,急激な都市化現象の中で,さらにまた周辺自治体との合併が行われた経過の中で,現在の整備率が50%となっていることについては,関係者の努力と関係住民の協力に一定の敬意を表するところであります。しかしながら,未着手が35%あることについては,今後に大きな不安を残していると言わざるを得ません。  そこで,お尋ねをいたします。  一つに,全体の完成はおおむねいつごろになるのか明らかにしていただきたいのであります。  二つに,計画変更等は必要ないのかどうかお尋ねをいたします。  三つに,昭和27年3月31日に都市計画決定しております東雲大洲線の新設は全く手着かず,さらに,駅前大洲線の拡幅については2,520メートルのうち2,170メートルは同じく昭和27年3月31日に都市計画決定して,その後,全く進んでいない路線などがあります。これら見通しの立たない路線について,都市計画決定により法的に建築制限などを初め,私権を制限していることに対しまして,いつまでも放置をすることは許せないと思います。百年の計で都市計画という立場であるという観点で法的規制を解除することができないとするならば,少なくとも固定資産税や都市計画税などに一定の割り引きを考慮することが必要と思われます。それなくして事業が推進される時点での理解と協力は非常に困難になると思われますので,その点の見解と対応を求めるものであります。  四つに,特に新市域での路線の新設の際,それに接続をする既存の市道について,少なくとも50メートルから100メートルは車道2車線,さらに歩道を確保する措置が求められておりますが,その考えと計画はどのようになっているのか,明らかにしていただきたいのであります。  次に,安川廃川敷の整備促進と古市橋駅前の整備についてであります。  長年の懸案でありました安川廃川敷も,県の普通財産という難しい条件の中から関係住民の強い声と市関係者の努力によってことし1月から工事に着手をいたしております。私も,議会に出てから機会あるごとにこの問題を取り上げ,かつ完成するまでは強い関心を持たざるを得ないところでありまして,今回,次の点についてお尋ねをいたします。  一つに,河川事業として位置づけている下流部の0.6キロメートルにつきまして,本年度から準用河川改修事業とし,61年度1級河川に昇格をし,62年度から都市小河川改修事業として取り組む計画になっております。この見通しと完成の時期,さらに太田川放水路の接点にある樋門ポンプの能力アップについての完成時期を明らかにしていただきたいのであります。  二つに,下水道事業として位置づけている上流部の約4キロメートルについては,これを3工区に分け,それぞれ3カ年,3カ年,4カ年と計10カ年を見込んでおりますが,今日に至るまでの経過が長期にわたり,かつ関係住民の期待と沿線一帯の排水対策並びに沿線の環境対策を考慮したとき,さらに工期の短縮について検討されるよう求めますが,いかがでありましょうか。  三つに,現在の計画でいくと,古市橋駅付近に届くのは昭和66年ごろになると思われます。私は,ことし3月の予算特別委員会で取り上げ,検討を求めております県道安佐安古市線古市橋駅前より安方面に向けての約350メートルの狭隘部分の改修についてであります。これについては,一部安川廃川敷を利用した別ルートで検討を進め,測量調査,丈量図作製まで至っており,本年度においてその間の一部民有地を買収する予定になっております。このままいくと完成までに公的要因,つまり安川廃川敷の整備の関係で,7年から8年もかかるのではないかと地元住民は心配をしておるところでございます。この際,それに関連する安川廃川敷整備工事を繰り上げ実施し,民有地の用地買収などを誘導できる率先した積極的な対応を求めるものであります。どのような検討がなされておるのかお尋ねをいたします。  四つに,安佐南区役所の国鉄駅と言えば古市橋駅であります。今,予定されている安川廃川敷整備計画並びに県道安佐安古市線整備計画と合わせ,古市橋駅前を将来展望に立った立派なものになるよう検討を求めるものであります。  また,当面,この古市橋駅前には200台を超す自転車等が置かれております。特に駅前はすぐ車道となっており,かつ安方面に向けて内カーブとなっておりまして,駐輪によって歩行者の安全は極めて危惧する現状でございます。この点について人身事故が起こらないうちに早急に関係者で対策を講じられることを強く求めておきます。
     また,駅舎の祇園寄りにある国鉄用地を利用して駐輪場を設置するよう求めますが,いかがでございましょうか。  最後に,国鉄問題についてであります。  有史以来,最大の危機に直面をいたしておる国鉄について,その原因と再建方法,そして将来のあり方等については多様な議論のあるところです。また,そうした現況下で先月29日の極左グループによる同時多発ゲリラは,国鉄と利用者に多大な被害を与え国民世論の声に逆行する極めて悪質で絶対に許すことのできない行為であります。これら詳細についての意見,議論は,ここでは控えさせていただきます。  そこで,国鉄問題の中で,芸備線並びに可部線の存続については,議会決議さらに広島市としてこの両線を都市交通の柱として位置づけ,沿線自治体とも協力をして取り組んでおるところであります。  今回は,次の1点についてのみお尋ねをいたします。  それは再建対策の一つとしての余剰人員の取り扱いであります。これについては,既に広島県やマツダ株式会社等で受け入れられておるようでございますが,聞くところによると,それらはいずれも一時的な短期の雇用と聞いております。それでは抜本的な解決にはなりません。  そこで,短期的なものも含め,恒久的な雇用対策等につきましてお尋ねをいたします。  広島市へも既に広島鉄道管理局より正式に申し入れが行われておるようでございます。これに対して広島市としてもできるだけの誠意を示していただきたいのであります。この点についての検討内容並びに今後の見通しにつきまして明らかにしていただきたいとお願いを申し上げます。  以上,関係ある市民には極めて関心の高い質問事項でありますので,その意を酌んでいただきまして,納得のいく答弁を重ねてお願いをし,私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの牧里議員の御質問の中で2点について御答弁申し上げたいと思います。  まず,第1点は,財政問題の中で国庫補助負担率の削減等について国への対応策をどう考えているかということでございますが,この問題につきましては,昭和60年度に実施されました国庫補助負担率の引き下げ措置に見られますように,国の財政再建の見地から国と地方との役割分担のあり方を見直すことなく,ただ単に国の財政負担を軽減するため一方的に地方に負担を転嫁するものでございまして,行政改革の理念に反するものであり,財政秩序を乱し,国と地方の信頼関係を崩壊させるものであると,このように私は考えております。  このような考え方に立ち,私は,これまであらゆる機会をとらえ,国に対し,地方自治強化の理念に沿った国,地方間の事務の見直しとこれに伴う所要財源の確保を図るよう要望活動を続けてきたところでございます。  それにもかかわらず,最近の新聞報道によりますと,大蔵省におきましては,国の深刻な財政事情を背景に,昭和60年度限りの暫定措置であった補助負担率の引き下げを延長し,昭和61年度はさらに厳しい補助負担率の引き下げを行う意向のようでございますが,このような一方的な地方財政への負担転嫁は容認できるものではないと思います。  したがいまして,これから政府予算案決定に向かって全国市長会あるいは指定都市と共同いたしまして,引き続き強力な要望活動を実施していく考え方でございます。  それから,国鉄再建に伴う余剰人員の受け入れについてでございますが,御案内のように,国鉄の余剰人員は,昭和60年4月時点で全国で約9万3,000人,広島鉄道管理局管内で約4,000人にも上るという極めて大きな数字でございまして,国鉄の自助努力のみでこれを解消することは事実上困難であるところから,国におきましても,国鉄再建のための一つの大きな問題として具体的な計画を検討しているところでございます。  このような状況の中で,去る10月3日,国鉄広島鉄道管理局長から本市に対しまして,正式に余剰人員の受け入れについて要請があったところでございます。  現在,市民の国鉄の利用というのは,1日平均約12万人でありまして,本市の都市交通の将来を考えた場合に,可部線,芸備線の輸送力の増強等,解決を図らなければならない問題が多くございます。  私といたしましては,国鉄の経営形態のいかんを問わず,市民の足を守る責務がございます。  このような観点から,国鉄の健全化について協力できるものにつきましては,協力したいと考え,現在,余剰人員の受け入れ問題につきましては,事務レベル段階で職種,人員,勤務条件等について国鉄と具体的に協議を行わせているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 財政局長。 ◎財政局長(佐々木真二君) まず,先ほどの市長答弁の補助金の削減についての国への対応の問題につきまして,市長答弁を補足させていただきます。  今後の対応についてでございますが,全国市長会,また全国市議会議長会等の地方6団体で組織いたします地方自治確立対策協議会におきましては,昨日,この国庫補助金等の整理合理化に関する緊急要望を行うことを決定いたしまして,本日,自治,大蔵,建設,厚生の各省,また自由民主党に対して要望を行っております。  また,政令市におきましても,共同で緊急要望を行うことといたしまして,当番市であります神戸市が代表しまして,これはあす要望を行うということにいたしております。  今後ともこの問題につきましては,その動向を見守りながら,適宜適切に対応していくということにいたしております。  次は,円高によります市の財政に与える影響の問題でございますが,先ほど鶴見議員の御質問に御答弁さしていただきましたように,9月下旬からの円高に伴う影響でございまして,今年度につきましては,企業の決算時期とも関連いたしまして,当初の収入見込みに大きな変動はないものと見込んでおります。  なお,これの影響があるとしましても,大法人の集中いたします61年の3月期決算の法人の収益の状況を見なければ予測しがたいところでございます。  今後,政府の61年度の経済見通し,また経済・金融対策あるいは市内各企業の状況等を見きわめながら対応してまいりたいというふうに考えております。  それから,都市計画施設の予定地とされている宅地に対します固定資産税,都市計画税についての御質問でございます。  都市計画街路等の都市計画施設予定地に定められた宅地に対します固定資産税及び都市計画税の課税の取り扱いにつきましては,自治省の通達によりまして都市計画法上の建築規制等が価格に与える影響が特に著しいと認められるときに限り3割を限度とする減価補正率──マイナスの補正率を適用してその価格を求めることができることとされております。  本市におきましては,この通達の趣旨に基づきまして,都市計画決定されました街路予定地等が,商業地域,近隣商業地域に所在するものにありましては,街路予定地等の部分の一画地に占める割合に応じまして5%から15%まで,また,既に事業認可された地域につきましては,すべての地域について,これも一画地に占める割合に応じまして10%から30%の減価補正を行い,評価額に反映させているところでございます。  なお,この都市計画施設予定地の宅地等の評価の取り扱いにつきましては,今後,その実態等を調査しまして研究してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 経済局長。 ◎経済局長(網井信昭君) 円高差益の還元の問題についてお答えいたします。  広島ガスと中国電力とに円高差益の取り扱いについて消費者団体を交えて意見交換をしたところでございます。  広島ガスは,原料の大部分を国内で調達しております。そういうことから円高の影響を受けるものは石炭の一部についてでございますので,その影響は小さいというのが実態のようでございます。  それから,中国電力は,円高差益の利用者還元については考えておるようでございます。その方法といたしましては,まず1番目には料金を下げるということ,それから2番目としては差益を保留し,料金の長期安定に役立てる,3番目としては設備投資をし,利用者の利便性を高める,この三つの方法があると言うておりますけれども,どの方法をとるかは円高の定着を見きわめた上で判断をしたいというふうに言うております。  国におきましては,還元の方法は未定であるけれども,円高が定着した時点で必要な措置を講ずることとしておるというのが国の考えでございます。  本市といたしましても,円高の推移を見守りながら適切な対応を考えていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 道路問題でございますけれども,まず,都市計画道路の完成目標でございますが,この都市計画道路と申しますのは,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために長期的な視点に基づきまして計画決定をするものでございます。この整備に当たりましては,都市基盤の骨格となります非常に重要な施設でございますことから,計画的かつ効率的に行うよう最重点課題として取り組んでおるところでございます。  しかしながら,非常に厳しい財政環境のもとで膨大な事業費を必要といたしますことから,現実には思うような整備は進んでいないという状況でございまして,現在,計画決定しております都市計画道路の完成につきましては,かなりな長年月がかかっていくというふうに考えております。  それから,計画変更等の必要性でございますけども,この計画道路は,先ほど申しましたように,将来を見通しまして定められた手法によりまして計画決定したものでございまして,変更に当たりましては非常に慎重を期しておるところでございます。  しかしながら,これまで周辺の市街化の進展に伴います交通量の増大,あるいは国土開発幹線自動車道の計画に合わせましてネットワークの形成を図りますために,路線の追加でございますとか,ルートの延伸でございますとか,あるいは幅員の拡幅など部分的な変更は行ってきております。今後につきましても,適正な市街化の誘導や地区間の連絡性等の向上などによりまして,将来計画道路の追加や変更が必要な場合には適切に行っていきたいと考えております。  それから,新市域でもって都市計画道路等の幹線道路を新設する場合に接続する既存市道から出入りする車両の事故防止あるいは歩行者の安全確保といったことで幹線道路の整備にあわせて主要な市道につきましては拡幅整備するように計画をしておりまして,逐次整備しておるところでございまして,今,やっておりますのは,東野大塚線の関連でございますとか,祇園新道の関連等につきましては,そういった考え方でもってやっております。  それから,安佐安古市線の道路整備の促進でございますけども,この道路は交差点踏切改良といったものを実施しようとして,ルートとしまして民地への影響の少ない安川廃川敷の一部を利用いたしまして,現道の拡幅とあわせ整備することとしております。既に地元説明も行いまして,一部用地買収の折衝もしておるところでございます。  御指摘のように,下水道の工事の繰り上げ施行につきましては,既に下水道当局とも協議をしておりまして,当該の箇所を優先して施行するといったことで事業の早期完成に取り組んでまいりたいと考えております。  それから,古市橋駅前駐輪場でございますけれども,これにつきましては,周辺に適当な公有地がございませんので,可部線の利用促進といったこともあわせまして,国鉄用地の利用について協議が調い次第,整備を図っていきたいと考えております。  また,先ほど述べました県道安佐安古市線の整備に伴いまして廃止となる道路敷も一部ございますので,これらについても駐輪場としての利用もできるんじゃないかというふうに考えております。  また,駅前整備につきましては,非常に狭隘な駅前でございまして,この道路の整備によりまして十分な用地は確保できませんけれども,可能な範囲でもって検討はしてまいりたいというふうに考えます。  それから,安川廃川敷の関係でございますけれども,この河川事業としての旧安川の改修は,御指摘のように,年次で準用河川から始めまして,62年度から都市小河川でやろうということで考えております。一応,私どもの完成時期は下水道事業の整備完成と時を同じくするといった計画で進めたいと思っております。  また,この改修期間の短縮のためには,国費の増額でございますとか図りまして努力はしてまいりたいと考えます。  それからまた,一番下流部の樋門の改築とポンプ場の増強につきましては,現在,直轄によりまして改築,増強をしていただきたいといったことで機会あるごとに国の方に要望しておるわけでございますけれども,現時点では具体的な回答を得ておりません。今後とも引き続き強力に国に対して働きかけていきたいと思います。何しろ,これより先にまず1級河川に昇格といったことが1番最初の手段ではなかろうかといったことで努力してまいりたいと思います。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 下水道局長。 ◎下水道局長(新谷喜城君) 安川廃川敷の整備に対します第2点目の質問の下水道事業の工期の短縮についてお答えします。  廃川敷のうち下水道として整備する約4キロメートルの区間につきましては,59年度に着手しまして10カ年で完成することを目標に進めております。既に武田山橋の下流側300メートル,上流が120メートルを実施しているところでございます。  工期の短縮については,廃川敷への工事用車両の侵入路が少なく,施工場所が制限されますので,困難ではありますが,地元等の要望を踏まえてできるだけ短縮するよう努力いたしたいと思っております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 教育問題につきまして数点にわたりましての御質問でございますが,まず,中学校卒業後,家事に従事する者等の数は,御指摘のとおりでございまして,この中には病気療養中の者や教護施設等入所中の者が含まれておりますが,御懸念の点は,中学卒業後,職もなく生活を乱す者の増加にあると理解し,そのように進路指導の手の行き届かない者を極力なくするよう一層指導の充実を期したいと考えております。  第2点の公立高校への応募の過不足調整策でございますが,これについてはこれまで公立高校の願書締め切りを一たん行った後,そのときまでの志願状況を公表いたしまして,その後,一定期間中における願書の取り下げ,再提出を認める方法で対策しているところでございます。昨年度の減少は,こうした対策の上で生じたものであることを御理解賜りたいと思います。  第3点,第4点のいわゆる高校受け入れ対策につきましては,それぞれの学区の過去の実態を踏まえた実情予測に立ちまして,必要な受け入れ増を県教委に働きかけてきております。対策は,公立高校受け入れ増と学区やその相互間の調整及び私学の受け入れ増等,総合的に勘案してなされなければならないわけでございますが,本年度及びピーク時に向けての対策として,最も困難が予想されますのは第4学区と第2学区であり,この二つの学区につきましては,根本的に公立高校の新設が必要と考えて,この点を特に強く県に継続的に働きかけているところでございます。対策の具体案は県としてまだ提示できるに至っておりませんが,市といたしましては,引き続き強力に県に要望してまいりたいと考えております。  第5点は,第3学区の分割や安佐地区における高校の選抜制度導入についてでございますが,御意見をただいま拝聴したわけでございまして,これについては一つの御意見として県との協議等において提示したいと考えておりますが,総合選抜については,県はかねてからそういうことを含めた長期の高校受け入れを検討する広島県高等学校長期収容対策検討協議会という諮問機関を設けてきたところでございまして,その答申を得た決定といたしましては,当面総合選抜制は拡大しない方針であるように理解をいたしております。総合選抜制の是非につきましては,諸論のあるところでございますが,安佐地区におきましては第4学区とはかなり違った地理的事情や生徒の通学事情があると考えております。  次に,第6点の40人学級の問題でございますが,これの早期実現,少なくとも来年度小学校第1学年からの開始につきましては,国に対してこれまでも強く働きかけてきたところでございます。現在,国におきましては,文部当局もこの早期実現に向けての詰めを行っているように承知しているところでございます。なお,広島市におきまして,来年度第1学年について40人学級が実現できた場合は,現行据え置きの場合の2,571学級に比べ,45学級増加いたしまして2,616学級になると予測をいたしております。  最後に,私学助成につきましては,去る3月の予算特別委員会におきまして,広島市としてどうあるべきかについて今後検討していきたい旨,御答弁を申し上げたところでございます。その後,政令指定都市を初め他都市の調査を進めてまいり,現在,調査結果等を踏まえ,前向きに検討を進めている段階でございますので,御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 29番。 ◆29番(牧里重喜君) 二,三の点について簡単に再質問さしていただきます。  後の方からでありますが,今の教育長の答弁の中で,第3学区の安佐地区と安芸地区を分けるという意見の一つとして聞くということでありますが,審議会でこの学区が決定されたのは随分もう以前でありまして,当面ということからするとかなりの日数を隔てた今日であります。  で,その当時は,例えば安佐地区については可部高校だけしかなかった,今現在は,白木は別にいたしましても,八つの県立,広島市立の高等学校ができておる。一方,安芸地区についても,海田高校しかありませんでしたが,府中,安芸あるいは来年の4月に海田南,このように当初の状況と随分変わっておるという今日的な状況でありますので,ぜひそうした地理的なものも含めて,安芸と安佐は非常に隔たりといいますか,違いがあるので,いろんな面でこれを分けていただきたい。加えて,当面ということからすると,もうそれは時効に来ておると我々は思いますので,総合選抜制についても,先ほど言ったような理由でもって再検討をしていただくように県の方に働きかけを強く求めていただきたいと,このように思います。  それから,40人学級についても,既にそこまで市の方も準備万端整っておるというふうに判断をいたしますので,これまた国の方に強く求められて,来年4月からの実施をぜひとも実現していただきたいと,このように思います。  それから,もう1点でありますが,これは財政局の局長の答弁でありました都市計画決定をしておるところの関係でありますが,近隣商業と商業地域だけがこの対象ということになっておるんですね。しかし,特に新市域においては,住居地域等についてもかなりの面積を有しておりますから,そこらあたりも含めて調査をしていただきたい。で,基準的には60年の次は63年が税関係のそうした基準年度になるということのようでありますので,それまでにしっかりした調査と対応方を検討していただきたい,このことを強く求め,最初の分だけもう1回いただきたいんでございますが……。 ○副議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 要望のようにお聞きしたわけでございますが,答弁申し上げるとするならば,40人学級等につきましては,当然かねてから国に対して強く働きかけてきておるところでございますので,来年度から学年進行で実施できるようにさらに強く文部省当局を通して大蔵省に働きかけてまいりたいと考えております。  それから,第3学区の分離の問題でございますが,今の御意見等につきましては,機会を見まして県と協議する段階で意見として申し述べたいと思います。  ─────────────────────────────────            休   憩   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) この際,15分間休憩いたします。              午後3時33分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~              午後3時55分開議              出席議員  32名              欠席議員  31名 ○副議長(柳坪進君) 出席議員32名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  18番住田孝行君。           〔18番住田孝行君登壇〕(拍手) ◆18番(住田孝行君) 私は民主クラブを代表いたしまして,数点について質問いたします。  内容については,多少重複するかとも思いますが,簡潔にして誠意ある御回答をお願いいたします。  まず最初に,教育問題についてお尋ねします。  教育について,今日まで私は私なりに随分考えてきたつもりでございます。もちろん,専門的分野からではありませんが,第三者的立場から今日の教育のあり方を正視することによって偏りのない公平な目で教育の実相を指摘することができると確信しているものであります。
     戦後の教育は,戦前派の我々から見ると大変な変わりようですが,それは当然なことかもわかりません。敗戦国という烙印のもとに米国の統治下に置かれ,民主主義を主体とした思想のもとに政治が運営強化されたからであります。そも敗戦国という悲惨な運命を背負わされた過去の罰だと痛切に感じているところであります。我慢と恥辱に耐えに耐え,あすへの希望をつないできたのです。  その忍耐と努力という強靭な精神力によって,文明国と称せられている欧米諸国を凌駕するだけの能力と実力を身につけてきたと確信しているのでありますが,ただ一つ残念なことは,日本古来の人間性の美徳が著しく低下していることであります。  そうして,教育という,人間にとって本質的な営みが宙に浮いているように感じられてならないのであります。現在,話題となり問題となっている校内暴力,家庭内暴力といった現象は一向に直る気配がございません。それどころか,それに輪をかけるように小・中・高のいじめ問題が深刻な社会問題となっていることは皆さんも周知のとおりであります。  なぜ,このような不安定な社会になったのか,それは,戦前教育のよき部分をも全面的に排除して新教育なるものが進められたのと,高度経済成長によって金という観念が日本人を異常体質に変貌させたことも見逃せない事実でもあり,その後も相変わらず民主主義思想の消化不良が全土に蔓延したからだと思います。その結果,校内暴力,家庭内暴力,いじめ問題まで起きてきたのではないかと思うのであります。  これは,どこまでも私の思考の問題でありますので,専門家として,暴力問題,いじめ問題,体罰問題の原因はどこにあるのか,教育委員会としても十分に調査検討されていると思いますので,教育長に具体的な説明を願いたいものであります。  第2点は,小学校教育についてであります。  子供にとって小学校教育は一番大切な時期だと聞いているのであります。したがって,先生に教わったことは親より以上に信頼し,尊敬し,実行しようとして意識しているのであります。それは純情で純潔で素直であるからだと思います。中には例外な子供もいるとは思いますが,全体的にはいい子だと認識していいと思っているのであります。  この一番大切な小学校教育のときに,女子教師7割,男子教師3割という比率だと聞き及んでおりますが,この点はいかがなものですか。  男子教師,女子教師にかかわらず,先生方の教えることのそれぞれの優劣はあると思われますし,その点は,どこまでも性別の問題ではなく,教育者であるという自覚の深さによって生じることであります。  問題は,主として女子先生の産休制度などによる休暇期間,代替教員が教鞭をとることに対する親の不満と,それに男子先生のような寛容さがないという意見をよく聞くのであります。このような苦情を教育長は耳にされませんか。親としてみれば,男子先生5割,女子先生5割程度の比率にならないものかと願望しているようであります。この点についての御意見をぜひお聞かせ願いたいものであります。  第3点は,学校当局と親との緊密化についてであります。  戦後10年前後までは,親の教育なんて先生方には必要がなかった。しかし,現在では,親の教育をしなければ子供の教育は難しいという変な教育通念が生じていることに驚きを感じているのであります。  しかし,よく考えてみると,親も今の時代の親なんです。だから,時代の波に乗りおくれないようにと必死になっているようです。したがって,子供より親の方が周囲の環境に洗脳されやすくなることが立証されているのであります。一例を挙げれば塾通いもその一つです。  小学校のときから親の夢を子供に託す,つまり有名校志望,一流大学入試,一流企業の就職を前提としているのかもしれません。子供の能力に応じて考えられるのではなく,親の希望と見えと虚栄が先行して,子供を追い込んでいるという実態であります。親心としては理解できるにしても偏愛的な感情によって鞭を当てる傾向が強いという意見を多方面から聞き及んでおります。  そこで,学校当局と親とのつながりがどの程度緊密化されているのかどうかを心配しているのであります。  学校での成績を重視する先生,成績の優・良・可によって喜び,また,悲しむ親,これは,一般的な親の感情であり,ごく普通の先生方の指導教育であると思うのであります。  しかし,教育というのはテスト重視ではなく,個々の個性や才能を引き出す先生が必要であり,それが教育指導の本筋ではないかと思うのであります。  そういう教育を重視するには,まず,しつけ主体の指導,道徳的素養を身につけさすことが学校教育の基本ではないかと思うのでありますが,それについて教育長の御意見をお伺いいたします。  第4点は,公立校の教育に何か欠陥があるのではないかという不安を抱いている親たちは私立校に入学させたいという希望者が年々ふえていると聞いております。  それはなぜなのか,教育長さんお考えになられたことがありますか。日本の教育の歴史をひもといてみると,教育とは知育,体育,徳育の三つが基本となっているのであります。その基本中心が道徳であり,これが最も重視されるべきだと指摘されているのであります。こんなことを申し上げるのは釈迦に説法かもしれません。しかし,紳士の国はどこかと言えば,日本とは申しません。国際的に見て,紳士の国と言えばイギリスだと答える,つまり道徳教育を基本としているからであります。でありますから,学校の成績より,お宅の子供さんは紳士的ですよと先生に言われて心から喜ぶ親が多いということも,いかにもイギリス人らしい国民性だと思うのであります。  現在,問題になっている校内暴力,家庭内暴力,いじめ,体罰にしても,これらには精神的異常さえ感じるのであります。それは道徳という2字を軽んじ,成績だけを重視する変質的偏見教育がそうさせているのではないかと思うのであります。この点についての御意見をお尋ねします。これで教育についての質問は終わります。  次に,中小企業振興についてお伺いします。  広島市の産業構造を転換し,産業界の活性化を推進することは,市民の雇用の拡大,安定生活の樹立に不可欠のことと思います。  先般,広島商工会議所では新会頭が就任されましたが,新会頭の就任の抱負として,「商工会議所は,経済界では重要な役割を占めている。地域経済の振興が使命で,特に,中小企業の技術開発の振興や人材育成には力を入れる」と語っておられます。  広島市においては,工場の脱広島の傾向のある中で,市内への企業立地の促進を図るための要綱の制定,産業の活性化に欠くことのできない工業技術水準の向上を支援するため,広島市工業技術センターを設置されようとしていますが,技術革新の花形と言われていたIC産業も最近は低迷を続け,陰りが見え始め,次世代への成長産業とはなり得ない状況にあります。  こうした工業界の進展の中で,地場産業は従来からの固有技術をもとに営々と企業活動を続けていますが,今後の企業戦略の中で技術開発を重視し,新分野への進出や業種転換を策することによって,産業の活性化を図ろうとしているものと考えられます。  しかし,当広島市にあっては,中小企業が99%を占める状況を踏まえますと,地場産業の振興はすなわち中小企業の育成にあると言っても過言ではありません。  中小企業では,特に人材の育成を軸に,生産コストの低減,新技術の導入,新製品の開発を強力に進め,新産業への転換,成長型産業の育成を図ることが重要な対策であると認識している次第です。  広島市工業技術センターは,広島市産業の技術的な指導機関として産業の育成に当たることが期待されていますが,指導機関としての機能と役割は産業界の発展に果たすべき役割を明確にしなければならないと思います。  そこで,中小企業の技術開発や人材育成について,市長はどのように考えておられるのかお尋ねします。  次に,防災対策について御質問いたします。  去る11月29日未明,首都圏を中心に過激派ゲリラにより国鉄の信号,通信ケーブルが切断され,1,000万人にも上る通勤通学の足を奪われ,大混乱になったこと,さらには,昨年11月には東京世田谷で通信ケーブル火災が起き,約1週間も電話が不通になったことを御記憶の方もあると思います。  わずか数本の通信ケーブルの切断によって,これほどの大混乱を招くこの一つの現象をとってみても高度情報化社会における災害の複雑多様化や予測の難しさを痛感したのは決して私だけではないと思います。  翻って,これまで一般的に災害の少ない町と言われてきた本市も,都市の発展につれて市域は広がり,建物の高層・密集化は進み,がけ地付近には民家が張りつき,家庭内にまで各種危険物が生活用品として入り込んでいます。さらには,電気,ガス,通信施設などが地上,地下に張りめぐらされるなど,都市構造は急激な変貌を遂げております。これに伴って,火災を初め,風水害,地震など各種災害の危険性は増大し,その様相も複雑多様化してきていると思うのであります。  このような都市構造の中にあって,通常災害はともかく,地震など大規模な災害が起きたらどうなることでしょうか。  本市では昭和57年から3カ年にわたり西日本の他都市に先駆け,地震の危険性について本格的に調査され,このほどその調査結果がまとまったと聞いております。  本市における大規模災害の可能性とその様相を認識するという意味において,この調査結果の概要について御説明いただき,さらに,この調査結果を受けて,今後どのように取り組もうとされているのか,まずこの点について御答弁をお願いしたいと思います。  次に,地震を初めとする大規模災害に対応するためには,何といっても,一つ,被害状況など災害情報がいち早く収集できること,二つには,その災害情報がスムーズに関係機関及び市民に伝えることができること,三つには,広範囲にわたる機動力を備えていること,以上の3点が重要であると考えます。  このうち,情報連絡の確保につきましては,本年度から2カ年で防災行政無線の整備に取り組まれており,万全の情報連絡体制が図られるものと高く評価しておりますが,情報の収集とか機動力といった面についての対策については,より一層の近代化,科学化を図っていく必要があるのではないかと考えられるのであります。  先般,広島県消防長会が県知事に対し,ヘリコプターの整備について要望された旨新聞報道がなされ,その成り行きに関心を持っているところでありますが,さきの日航機墜落事故や長野県西部地震,近くでは先月の呉市天応町での山火事など,各地での大規模災害現場での災害活動を見るにつけ,その被害状況の全容把握,救助活動,消火活動あるいは資器材の運搬など,その活動の中核となって目覚ましい活躍をしているのはヘリコプターであります。  本市の車両,装備等といった消防力については相当なレベルにあると思っています。しかし,死角となっているとも言える立体的な活動という側面について,この際,ヘリコプターの導入により,より一層の充実が図られるよう提言するとともに,どのように考えておられるのか,御意見をお尋ねいたします。  最後に,特に,大規模災害時においては防災関係の活動だけではおのずから限界があり,これをカバーするためには地域住民並びに事業所,企業が一体となった協力体制づくりが必要であると考えられるのであります。  地域住民に対しては,現在,自主防災組織づくりを積極的に働きかけておられると承っており,今後の活動に大きな期待を抱いているものであります。  一方,地域社会を構成する事業所,企業にあっても,近年,防災・安全に対する社会的責任が強く求められている中にあって,事業所自体の安全性を高めていくことはむろんのこととして,地域住民と一体となった安全な地域社会づくりがぜひとも必要であると考えます。  そこで,私は,これら企業,事業所に対して地域防災体制づくりの一翼を担っていただくよう強く働きかけられてはと思う次第であります。  以上のことから,自主防災組織づくり,並びに事業所の防災体制の現状と今後の見通しについてお尋ねいたします。  次に,市街化調整区域における開発許可の規制緩和についてお伺いいたします。  周知のとおり都市建設の目標は,住宅,社会資本の整備等を通じ,活力ある経済社会と安全で快適な市民生活を実現することにあります。  我が国,また,地域の経済社会においては,21世紀に向けて高齢化,高度情報化,国際化等の大きな潮流変化が予想されておりますが,今後の住宅・社会資本の整備においては,これらの変化に弾力的に対応し得る都市・産業の基盤をいかに形成するかという点が極めて重要なことだと思います。  都市建設を取り巻く環境には近年極めて厳しいものがありますが,建設行政に課せられたこれらの課題を達成するため,21世紀の地域経済社会を支え得る良質なストック形成の機会を失しないよう格段の努力を払って,特に,民間活力を最大限に活用し,計画的かつ着実に住宅・社会資本の整備を推進していただきたいと思います。  いわゆる民活につきましては,御承知のとおり,第2次臨時行政調査会における議論を発端として,その後身である臨時行政改革推進審議会を中心に広範にわたる論議が行われているところであり,本市においても,その導入,促進,誘導等の方策を今後さらに検討すべきだと考えます。  ところで,住宅宅地の供給への民間活力の導入といった面を考えますと,市街化区域,用途地域の見直しと市街化調整区域における開発許可の規制緩和の問題があると思われます。  このうち,市街化区域及び用途地域の見直しについては,現在,見直し作業中であり,土地の有効利用,高度利用の観点から積極的な見直しをされる方針であると伺っておりますので,一刻も早い見直しの実施が待たれるわけでございます。  一方,市街化調整区域における開発許可の規制緩和については,昭和58年7月に都市計画法施行令の一部改正が行われ,市街化調整区域においては許可することができる計画的な開発の規模要件について,従来,一律に20ヘクタール以上とされていたものを,産業の振興,居住環境の改善,その他都市機能の維持または増進に著しく寄与する開発につき,区域及び目的または種別を限り,市長が規則で定めて5ヘクタールまで引き下げることが可能となったところであります。  この政令改正に伴い,他の都道府県あるいは政令市においては既に何らかの形で規制の緩和を行っているところが,おおよそ3分の2以上あると聞いております。本市においては,昭和58年から市街化調整区域等における20ヘクタール以上の大規模開発の適正な誘導に取りかかり,現在,相当数の開発計画もあると聞いておりますが,もし,開発適地があれば,良好な住宅宅地の供給,良質業種の工場あるいは大学,研究施設の誘致等の観点から,ひいては民間活力の導入による経済の活性化を図るため,私としては,市街化調整区域における開発許可の規模要件の緩和について適宜検討することも必要であると思うわけですが,この点について当局の見解をお伺いいたします。  最後に,自転車問題について要望いたします。  今回,自転車等の放置対策として,条例を提案されたことについて,私は非常に評価しているところであります。かねがね私は自転車等の放置対策を早期推進することについて,議会でもたびたび質問してきたところであります。  これらの対策の基本は,市民各位の意識を高揚させることは言うまでもないところでありますが,市みずから自転車等駐車場の整備を積極的に行う必要があり,他方,自転車等の駐車需要を大量発生させる施設の設置者の協力とが一体的に機能して,防災等,緊急活動及び都市機能並びに都市の美観が確保されるものと思料するところであります。  したがって,今後これが諸施策を推進するに当たっては,これらの点に十分留意され,積極的に取り組んでいただくよう要望して,以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの住田議員の御質問の中で地場産業の振興対策と工業技術センターの役割について私の方から答弁申し上げたいと思います。  御案内のように,経済環境が国際化,情報化,技術革新の方向へと急速に変化する中にありまして,特に広島地域における地場産業が抱えているいろいろな課題がございます。一つには,経営力あるいは技術開発力,新たな経済環境の変化に対応した人材育成の面で多くの課題を抱えておるのではないかと,こういうふうに考えておるところでございまして,そこで,本市といたしましては,中小企業指導センターを拠点として経営診断,相談指導業務を精力的に行うことによりまして,時代に即応した経営戦略,経営体質等,経営力の強化充実を図っているところでございますが,今後ともこれは強力に進めてまいりたいと,こういうふうに思うわけでございます。  また,御案内のように企業は人なりという観点から,人材の育成は中小企業の振興には特に重要であると考えられるわけでございまして,かねてから通産省関係の中小企業大学校広島校の誘致を県,経済界とともに強力に推進してまいったところでございまして,既に中小企業事業団におきましては,既に西部開発に用地の取得も終わりまして,61年度に建設着手するべく準備を進めているところでございます。  また,技術力の向上につきましては,かねてから懸案でありました工業技術センターの建設を61年度に着手し,62年度中にはオープンしたいと考えております。  このセンターを拠点といたしまして,先端技術の導入あるいは新素材を活用しての新製品の開発等,地場産業の体質の改善強化を図っていきたいと思っているところでございまして,以上申し述べましたように,中小企業の振興につきましては,中小企業指導センター,工業技術センター及び中小企業大学校広島校の三つの施設を拠点にしながら,総合的な施策の展開を図っていく考えで施策を進めているところでございます。  以上。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 市街化調整区域における開発許可の規制緩和についての御質問にお答え申し上げます。  本市におきましても,経済社会活動の活性化を図るためには積極的に民間活力の導入を推進することが不可欠の要件であると考えております。  現在,将来の住宅,工業その他の宅地需給及び開発可能地等の土地条件,また,道路,河川,上下水道,教育施設等を踏まえた都市基盤条件につきまして,昭和60年度に宅地需給調査を行っておりまして,この調査結果に基づきまして,御指摘の市街化調整区域における開発許可の規制条件──規模要件緩和につきまして,鋭意検討をし,結論を得たいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 消防局長。 ◎消防局長(栗栖敏人君) 防災対策についての御質問にお答えいたします。  まず,地震被害想定調査の概要と今後の取り組みについての方針でございますが,この調査結果を要約して申し上げますと,本市に起こり得る地震の規模は震度5ないし6であること,また,本市の土質の特性から建物等が不等沈下するという液状化現象が起きること,さらには,火災を初めとする2次災害によって人的,物的にかなりの被害が予測されることなど各般にわたって詳細な調査報告がなされたところでございます。また,この調査結果に基づきまして,震災対策の早期樹立と市民一人一人の震災意識の向上を図るよう強く提言がなされたところであります。  今後の取り組みについてでありますが,私どもといたしましては,この結果を謙虚に受けとめ,前向きに対応していく考えであります。  本年6月の本市防災会議の方針決定に基づきまして,現在,震災対策計画策定委員会を設置いたしまして,市の各部局のみならず,警察,電気,ガス,通信,放送機関など関係機関と一体となって,昭和60年,61年の2カ年計画で策定作業を進めているところであります。  次に,ヘリコプターの整備につきましては,昨年第3回の定例会及び本年第1回の定例会におきまして,広島県消防長会の導入調査研究結果並びに国の動向を踏まえて検討する旨答えているところでございます。  その後,広島県消防長会の研究結果が本年8月にまとめられて,県下全域をカバーする広域消防体制の確立を図る面から県が整備する,運営管理について多額の経費を要することから県下市町村の共同運営を基本にするといたしまして,広島県消防長会から県知事に要望書が提出されております。  一方,国におきましても,広域的消防体制についての研究委員会が設置されまして,消防防災用ヘリコプターのネットワーク構想が打ち出され,県単位に指導されているところであります。  その具体的な方策は,ヘリコプターを保有または保有しようとしている都市の属する県は,県の防災部局が中心となって,県及び県下市町村による運航協議会を結成して,購入費,維持管理費を分担して,多目的かつ広域的利用を推進するよう通達されているものであります。  したがいまして,本市といたしましては,国の指導趣旨に基づいて,県のリーダーシップのもとに県下市町村の運営を基本としたヘリコプターの整備方針で早期実現に向けて努力していきたいと,このように考えております。  次に,第3点の地域の自主防災組織づくりと事業所の防災体制の現状と今後の見通しについてお答えします。  まず,地域の自主防災組織づくりにつきましては,災害対策基本法に定める趣旨にのっとりまして,みずからの地域はみずからで守るという自立自助及び地域連帯の精神に基づき,地域社会における自主防災体制の確立を期する意味で今年4月から既存のコミュニティー組織に対して積極的に働きかけているところであります。  その趣旨につきましては,幅広い理解と賛同を得て12月10日現在,350組織,約全体の20%に相当する設立を見ております。  今後の見通しといたしましては,現在,設立意向を示していただいている状況を考慮いたしまして,本年度中には70%の設立を目標に努力してまいりたいと考えております。  次に,事業所につきましては,従来,消防法等に基づく立入検査とか──を通じまして,事業所,ガソリンスタンド等の危険物施設に対し,消防用設備等の整備や自衛消防体制の確立について強力に指導を推進してきたところであります。  また,これら事業所相互の連帯意識と協力体制の強化を図る意味で,一定規模以上の事業所,危険物施設による広島市防火連絡協議会及び広島市危険物安全協会が結成されまして,災害に関する情報連絡,事故例等の調査研究や各種の自衛消防行事等,積極的な活動を展開し,相当な成果を上げておられるところであります。  そこで,今後は,事業所,企業に対し,立入検査,各種講習会,広報を通じて,地域の防災組織づくりに積極的に協力していただくよう指導し,御提案の趣旨に基づき,地域内企業と自主防災組織の連携強化を図りまして,防災関係機関,事業所,地域住民が三位一体となった総合防災体制づくりを推進してまいりたいと,このように考えております。  以上です。 ○副議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 教育問題についてお答え申し上げたいと思います。  お尋ねの非行等の原因でございますが,やはり原因といたしましては,物の豊かな生活,核家族化と子供の出生率の低下による少子化が挙げられると思います。  つまり豊かさの中に生まれてきた子供たちは,それを築いてきた基礎としての人々の努力とか,自他の尊重,そして,協力のとうとさ,また,この努力の過程での人間の哀歓といったようなものを感受しないままに育っていく傾向がありますし,核家族化,少子化の環境のもとでは,多くの家族の中で自分の欲求の抑制や対人関係の基礎を体験的に学ぶ機会が恵まれておらないわけでございます。  結果として今日の子供たちに人間的な感性の鈍さ,精神的な価値への認識の希薄さ,欲求に耐える力の乏しさ,対人関係における未熟さなどが指摘されていると思います。  しかし,物的な豊かさ,核家族化,少子化の進行については基本的にこの流れの方向が変わるとも思えませんし,その限りにおいては,これらがもたらす子育ての上のデメリットの解消は期待薄でございますから,このデメリットを埋めるための教育努力が欠かせないわけでございます。  努力の要点といたしましては,このデメリットの質からいたしまして,御指摘のように特に徳育の面でございます。頭ではわかっている子供たちにこれをどう身につけさせるかでございます。  その意味で私どもは学校や社会で子供たちが実際に勤労生産的な活動をしたり,異年齢の集団で活動することを重視するよう考えております。物を生み出す人間の労苦を体験したり,年上年下の関係で人間的にもまれ合う体験をしたりすることを通した実践的な徳育を重視したいと考えているわけでございます。  次に,小学校の教師の性別構成についてのお尋ねでございますが,市立小学校の男子教諭と女子教諭の比率の現状はおよそ33対67でございます。男子の先生も女子の先生も特に初等教育段階では,それぞれが相乗的に,また,相補的に教育活動を行うことが必要と考えます。  児童の側からいっても男子の先生との出会いがあり,女子の先生との出会いがあることが望まれるわけであり,お説の中の半々という願いに道理があると考えます。
     重要な児童期の教育に当たる人材はあらゆる求人に優先して獲得したいほどの思いはありながら,現実は御理解いただけるように,世の中の求人・求職の総体の仕組みから逃れるわけにはいかない状況でございますが,できるだけ望ましい線に沿って人材の採用に当たってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 18番住田君。 ◆18番(住田孝行君) 2点ほど要望しておきたいと思います。  1点は,ヘリコプター導入についてでありますが,ただいまこの導入については,消防局長さんから答弁がありましたので,今後,関係機関と強力に積極的に働きかけていただいて,そして,できるだけ早い時期に実現できるように特に要望しておきたいと思います。  それから,いま1点は,市街化調整区域における開発許可の規制緩和の件については,当局において宅地需給調査を踏まえて検討するということでありますが,広島地域経済の活性化のために民間活力を積極的に導入するということは──導入するという観点からも十分検討していただくよう要望して終わりたいと思います。  以上で終わります。  ─────────────────────────────────            会議時間の変更について  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) この際,念のため所定の会議時間を延長いたします。  13番奥田幹二君。           〔13番奥田幹二君登壇〕(拍手) ◆13番(奥田幹二君) お疲れさまでございます。時間も延長されましたのでゆっくりやらしていただきたいと思います。日本共産党を代表して質問をします。誠意ある回答を最初にお願いをしておきます。  まず初めに,平和問題について質問します。  世界の反核世論が大きな注目を寄せました6年ぶりの米ソ首脳会談が11月19日に行われて共同声明が発表されました。まず,この共同声明の内容について,先ほど市長の方から若干の評価がありましたが,改めてその内容についてどう評価をされ,広島の願いである核兵器廃絶の課題に対し今後どう対処,取り組みをされるのか,お尋ねをいたします。  次に,世界的に一応核軍縮,緊張緩和が言われる中で,これとは逆行する動きがあり,特に国内においては財政危機の中にあって,軍事費の突出,OTHレーダー,P3C,F15の増強,F16核攻撃機との共同演習,思いやり予算による艦隊作戦センターの建設,また国家機密法制定への動き,新しい英霊づくりとしての靖国神社公式参拝など極めて危険な方向に進んでおります。毎年,平和宣言で平和を訴えられる市長として,今日のこうした危険な動きに対し,これをどう見られ,お考えになっているのか答弁を求めます。  次に,以上のことを踏まえて,来年の国際平和年,再来年の第3回国連軍縮週間に向けてどう取り組みをされるのか,お尋ねをします。  また,来年2月にはイタリアのペルージョ市で第3回非核自治体国際会議が開催されます。さらに4月には,同じくイタリアのコモ市で,ことし8月6日の平和連帯都市市長会議に参加した都市が中心になってヨーロッパの平和連帯都市市長会議が予定をされております。既に本市に参加要請が来ていると思いますが,これらの国際会議についてどう対処されようとしておるのか,あわせて答弁を求めます。  次に,財政問題と予算行革大綱について質問します。  国の来年度予算編成作業は,今月末に向けて進められております。来年度の地方財源の確保については,大きな関心の的になっております。昭和60年度は高率補助金の一律カットの切り下げ,国民健康保険の補助率の引き下げ──地方財政に多大な影響を与えました。61年度も同じことを繰り返さしてはなりません。  政府の補助金問題検討会での論議を見ますと,大変重大なことが検討をされております。大蔵省は各省庁に個別に負担金・補助金の削減案を提示し,保育所や特別養護老人ホームの運営費など補助負担率を2分の1を超える事務を原則2分の1に引き下げ,生活保護費の負担率は59年度10分の8,60年度10分の7であったものを3分の2に引き下げることを求めております。文部省関係では,義務教育国庫負担金のうち,学校事務職員と栄養士の人件費,共済費,恩給費,児童手当,公務災害補償基金拠出金の2分の1国庫負担を廃止し,地方一般財源化を図るなど約4,000億円を地方に負担させる方針を提起しております。権限移譲など国と地方の役割分担のあり方についても検討されておりますが,短時間に結論を見るに至っておりません。  こうした情勢の中で,61年度は60年度を大幅に上回る国の財政を地方財政へ転嫁しようとしておるわけで,こうした動きに対し,早急かつ強力に対処する必要があると思います。昨年と同様な答弁が先ほどございました。政府に対する対応も同じでは成果も期待できないわけであります。したがって本市として独自の特別な対応をすべきでありますが,いかがでしょうか,答弁を求めます。  次に,国の財政危機の地方への負担転嫁の一環として進められている地方行革大綱について質問します。  これは地方自治への重大な干渉として毅然としてこれを拒否をし,地方自治の精神に沿って住民の命と暮らしを守る防波堤となることを強く求めてきたところであります。広島市は,従来から事務事業の見直しということで全国に先立って自主的に行政改革とも言える内容の取り組みを進めてきたことは事実であります。同時に,その取り組みについての報告も自治省にされていると思いますが,いかがでしょうか。  これは自治省が地方自治体に送りつけている,いわゆる〇〇市行政改革大綱案に沿ってつくられたものか,あくまでも市が自主的な取り組みとしてまとめたものか,お尋ねをいたします。  また,今後の問題も広島市はこれまでどおり,つまり自主的な方向で対応するのか自治省の言いなりになって,案どおりの方向でいくのか,明確な答弁を求めます。  次に,教育問題について質問します。  まず,体罰,いじめの問題について。  この問題は,マスコミ報道,決算特別委員会でも論議がありました。先ほど来も論議がございました。個々の問題はさておいて,体罰,いじめ,多発の原因について午前中答弁がありましたが,その社会的背景についての答弁がございません。市教委はこれをどうとらえているのか,これらの対策,指導,方針はどう改善,具体化されるのかお尋ねをします。同時に,校則と体罰の関連はどう指導されているのか答弁を求めます。  次に,臨教審,文部省からいじめの実態調査が求められているようであります。これへの対応で,全教職員が参加して実態を明らかにするような方法がほとんどの学校でとられず,校長,教頭だけが記入して提出しているようであります。これでは実態をリアルにつかむことにはなりません。これらは市教委としてどう考えておられるのか,全教職員が参加して実態をきちんとつかむ指導をすべきだと思いますが,いかがでしょうか,見解を求めます。  次に,体罰を行った教職員についての対応について。  教育的見地に立って指導されているのかどうか,父母から連絡があればどんなささいなものでも非常に厳しく,一方どんなにひどいものであっても問題提起がされなければ放置をするという状況があります。これでは要領の悪い者,運の悪い者が損だという考えになるのではないでしょうか。市教委がまず体罰はどのようなものであっても教育者として絶対に許されないという毅然とした立場に立ち,外部からの意見に左右されるのではなくて,学校自身,主体性を持って体罰は全校的に絶対に行わないという認識と実践をさせることが必要であります。教育長の明確な答弁をお願いします。  次に,同和教育の問題について質問します。  最近,市内の学校において差別発言があったとして,外部の団体が学校教育に介入し,糾弾会や反省書,総括文書を書かすような事件が起きております。  本来,同和問題の解決は,一般地区と同和地区住民の間にある垣根を取り払って国民的融合を達成することであります。国民的合意を基礎にするものでもあります。一部の見解や理論を一方的に押しつけて成り立つものでもありません。有形,無形の拘束,圧力のもとに一部の見解が押しつけられ,これが学校運営の基本指針になるとすれば,まさに重大であります。教育基本法第10条は, 教育は,不当な支配に服することなく,国民全体に対し直接に責任を負って行わなければならないとしております。市教委は,このことについて毅然とした態度で対応すべきであるにもかかわらず放置をし,果ては助長するような指導すら行っております。なぜ,このような態度をとるのか,明確な答弁を求めます。  次に,安佐動物公園,植物公園の委託計画について質問します。  せんだって,12月11日,「動物園を守って」「〝緑の楽園〟植物公園を委託しないで」というパンフレットが全市的に各家庭に新聞折り込みで配付されました。「水と緑と文化のまちづくり」に向けて,今,諸施策が進められております。21世紀に向けての事業が取り組まれる一方で,市行政が当然責任を持ち,事業を発展,強化すべき幾つかの事業を責任放棄し,民間委託にすることもどんどんやっております。  今回,その中でも市直営であったからこそ,力を入れてきたからこそ,ここまで発展し,全国的にはもちろん,国際的評価を受けている安佐動物公園,植物公園の委託について,安佐動物公園は昭和46年に開園,以来,毎年45万人以上の市民,子供たちが15年間にわたって入園し,貴重な憩いの場として親しまれております。  最初にお尋ねをしますが,市はこの二つの施設の位置づけ,今日時点での評価はどのようにされているのか答弁を求めます。  被爆後,文化施設の充実を推進する中で,子供たちに動物園をと市民の1円募金から出発し,この動物園がつくられたことは承知のとおりであります。言葉をかえれば,市民の歴史的財産がこの動物園であり,何にもかえがたいものであります。現在では全国75動物園の中で,東京・上野,名古屋,京都,大阪に次いで5本の指に数えられるもので,地方都市としては群を抜く施設に発展をしているわけであります。しかも,平和のシンボルと銘打って開設され,市が直接責任を持つことを歴代の市長が言明してきたものでもあります。現在では,すぐれた動物園として外国との交流,動物交換,国際保護動物の飼育,保護の受け入れ,飼育技術,繁殖技術の実績,特に注目されるのは,世界的にも困難とされていたオオサンショウウオの繁殖に成功し,これは学術的にも極めて高い評価を受け,世界で初めてのことだそうであります。また,社会教育,公報情報収集の実績,学術調査研究水準の高さなど,まさに日本一と言われるものになっており,特にこれが設立以来一貫した運営であること,また,私的施設とは異なり,客寄せパンダ方式と呼ばれる見せ物中心,利益本位でない立派な文化施設として格調ある動物園として発展してきたところであります。生き物を相手とした自然博物館として,人類や生物全体の歴史的財産を預かる極めて重要な役割を果たしているのであります。だからこそ,利潤や営利追求ではなく,景気の変化,政治の動向に左右されず,市民全体のための社会教育や調査研究を将来にわたっても安心して運営することが何よりも大切であり,それには今までのように市直営で財政的にも,組織的にも安定した方向を維持することが求められるわけであります。政令市では,北九州市の私立を除き,すべて直営できちんと運営をされております。本市のように事業途中での委託は,全国でも前例のないことになるものであります。  植物公園についても,これまた日本でも有数の緑の楽園として毎年30万人の市民が入園し,親しまれております。内容も全国に先駆けて展示資料館を設置し,教育機能の充実,展示会,講演,講習会,園芸指導などなど,楽しい社会教育施設としての役割を立派に果たしております。特にラン部門では,ラン博士でもある園長さんの努力,職員の皆さんの努力もあり,国際的に誇れる研究が行われ,極めて高い評価を受け,昭和62年3月には本市で国際ラン会議が予定されておるわけであります。  動物園も植物園も生き物相手であり,動物の飼育にしても,植物の育成にしても,長い時間と経験と,何といってもそれに携わる職員の意欲と熱意を必要とするものであります。したがって,少しでも職員に動揺があったり,無気力になったりしますと取り返しのつかない事故,損害を招くものであります。他の施設にはない特殊な施設であり,委託など本来考えられないものであります。  私どもはなぜここに来て,今や市民の大切な財産というだけでなく,日本,地球の財産とも言える人間が生きるために必要な教材を還元してくれる重要な施設を委託に出すのか,現在既に両園とも委託可能な部分は完全に委託をされているわけで,全く委託の理由が理解できません。  最終的には職員定数を減らすためとしか考えようがないわけであります。もし,そうだとすると,とんでもないことであります。国内的にも,国際的にも信用,信頼を根底から裏切るものであり,広島市の行政水準が問われることが明白であります。  お尋ねをしますが,この大切な事業の委託について市長さんの真意をお聞かせ願いたいわけであります。特に,委託する理由は一体何なのか,関係者はもちろん,市民の納得のいく明快な答弁を求めます。  いずれにしましても,水と緑と文化を口にする広島市が,まさに美しい財産である両園を,直営としてより発展,充実さしていくことが必要であり,間違っても人減らしのために貴重な事業を委託しないよう強く求めておきます。  次に,福祉関係ですが,最初に肢体不自由児の通園施設二葉園について。  私どもはこの問題で既に何度かこの場でも質問をし,必要なすべての体制をとって,毎日通園ができるように求めてまいりました。そのときの御答弁は,とりあえず就学前の子供さんを試行的に毎日通園にして,その後全員できるように検討するとのことでありました。しかし,いまだに実現をされておりません。  1日置きの通園,隔日通園のために子供たちの生活リズムが崩れたり,もちろん友達もいないなど,いろいろな問題が出ております。多くの子供たちはその対策として幼稚園や保育園,児童福祉施設などへの二重保育を余儀なくされているのが実情であります。このことにより,1日置きに生活環境が変わるわけであります。子供たちにとっても大変ですが,父母にとっても大変で,自由契約として1カ月分の保育料を保育所に払い,しかも二葉園にも毎日通園である育成園と同じ額を隔日でも払っておるわけであります。父母の皆さんが子供たちの障害や発達に応じた機能訓練や何よりも毎日通園をぜひ実現してほしいと,今回1万5,000名に近い署名を持って,市にその実現を強く要請をされております。なぜに,肢体不自由児の子供さんたちだけが毎日同じ園に行けないのか,二重に費用を負担しなければならないのか,明確な答弁を求めます。当然,全員が毎日,園に通園できるよう設備も体制もきちんと整備をし,父母の要求にこたえるべきであります。市長の心ある答弁をお願いをします。  次に,昨年に続き保育所の廃止条例が出されております。このことについては議案の中で論議をするとしましても,改めてお聞きをしますが,保育所の役割はどうなのか,その役割はもう終わったとでもお考えになっておるのではないでしょうか,お尋ねをします。  住居の張りつき状況,職場の集中する地域に保育所が必要なことは今さら言うまでもありません。あのみどり保育園の廃止により,中区では兄弟別々の保育所に入所しなくてはならないなど,ただでさえ忙しい共稼ぎの家庭からすると多大な負担となり,弊害が出ております。しかも,ここでは入所を待っている子供が60名を超している状況であります。それに加えて,また130名定員の白島保育園を廃止したらどうなるのでしょうか。保育所というものが単に机の上で数字合わせをし,遠くに空きがあるからそれで間に合わすなどということができないものであることはよく御承知のとおりであり,特に基町,白島の高層住宅群を考えたらその必要性はおわかりいただけると思います。白島保育所の廃止による130名の子供たちをどうされるのか,答弁を求めます。保育所の適正規模が150名程度が望ましいと言ってきた民生局として,廃止するのではなく移転存続を含めた対応を強く求めるものであります。  質問の最後に,国鉄の分割・民営化計画と自治体の任務についてお尋ねをします。  去る7月26日に出された国鉄再建監理委員会の最終答申は,事前の赤字解消策の大宣伝にもかかわらず,赤字問題は何ら解決策なし。国鉄経営の抜本的解決策も示さない。財界,自民党,政治家などが国鉄を食い物にしてつくった赤字と借金は1円も負担せず,そのつけを国民に負わせ,国鉄労働者を9万3,000人も整理をし,その家族の生活を破壊する。また,分割で黒字になる国鉄会社を乗っ取り,国民の共有財産である国鉄用地,その中でも一等地を略奪しようという答申であり,それを実現するために法律を129本も改廃してまで強行するという「国鉄の未来を拓(ひら)く」と言いながら,その実,「財界の未来を拓(ひら)く」,財界の財界による財界のための国鉄解体処分計画であることがはっきりしてきて,答申に対し,国鉄労働者は当然のこと,国鉄を公共企業体として守れ,と運動が前進をしております。  このとき,去る11月29日,千葉動労のスト支援を口実に,にせ左翼暴力殺人集団である中核派が東京,大阪を中心に全国で国鉄を襲撃し,多大な損害を与えました。にせ左翼のこうした蛮行はいかなる理由をつけようとも正当性は全くなく,絶対に許されない行為であります。特に問題なのは,公然と殺人を公言し,実際に殺人行為を繰り返したり,今回のように事前に行動をビラなどで予告しておるにもかかわらず,警察当局が適切な手を打たず,政府の泳がせ政策により,まじめな運動,わけても分割・民営化に反対する運動の発展に水を差し,国鉄労働者と国民を切り離す役目をさせ,答申を計画どおり実施しようとする政府,国鉄当局の今はやりのやらせと言えるもので,この広島でも反共暴力集団が蛮行を繰り広げ,市民が被害を受けておるわけであります。1949年,国鉄労働者に対する大量首切りが下山事件,松川事件などのでっち上げ事件を利用し,労働者の闘いを分断,国民との離反の中で行われたことを想起する必要があります。  市長は,市民の命と暮らしを守る立場から,今回の事件に対し,警察当局はもちろん国鉄当局に対し厳しい抗議と今後の対策を求めるべきだと考えますが,いかがでしょうか,お尋ねをします。  答申は全体で9万3,000人の人員整理を計画をしております。具体化を前に,今,国鉄の職場で専制支配を強化し,合理化が進められております。広鉄局でも昭和57年4月1万5,400人いた職員が,来年の61年4月には1万人弱になる状況であります。もちろん定年退職者も含まれておりますけれども,実質要員削減であり,近年,出向,派遣,休職など実際にこれで職場を追われている人は約600名にも及んでおります。この厳しい社会情勢のもとで,新しい失業者群をつくり出すことは許されないことであります。  国鉄当局は余剰人員対策だと言って,各地方自治体にその受け入れを要請をしております。先ほどもこの問題については,御質問がありました。当然,広鉄局から本市に要請が来ておるという答弁でありました。市としても要員対策は極めて厳しい状況にある中での対応でございますので,先ほども答弁がありましたが,事務レベルでの折衝のその折衝内容をいま一度明確にお答えを願いたいと思います。  国鉄の真の再建は,答申どおりにしないと再建できないのか。決してそうではありません。単年度の収支を見ても黒字であり,立派に再建できることは明白であります。そのためには,政府自民党,財界,国鉄官僚の癒着を排除し,政府も企業も負担すべき経費をきちんと負担をする。また,国鉄を公共輸送機関の根幹に据え,必要な手だてを打つと同時に経営を徹底的に民主化し,職員挙げて努力をすれば再建できるわけであります。  財界,大企業が分割・民営によってさらに利潤を上げ,その犠牲を国民が負わされようとしているとき,わけてもローカル線廃止を含め地方自治体に大きな負担が押しつけられようとしているとき,その責任者である市長,自治体の長が市民,住民の生活,暮らしを守る,市民の足を確保する,これを守る,住民負担の増大をさせないという立場から,答申の撤回を強力に求めるべきであります。  今日,広島県全県で自治体や議会が分割・民営化に反対する意見書,決議が実に6市48町4村で採択されております。本市の市長も明確に分割・民営化に反対する意思を表示するとともに,政府,国鉄当局に対し,行動を起こすことを強く求めるものであります。市長の答弁をお願いをし,私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木 武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの奥田議員の御質問について,2点については私の方から答弁申し上げたいと思います。  平和問題について,米ソの共同声明への見解でございますが,この件につきましては,鶴見議員への答弁の中で申し上げたとおりでございまして,6年半ぶりに開催された米ソ首脳会談が両国の関係改善を図り,今後の核軍縮に向けて相互が努力することを確認されたことは米ソの新しい時代を画するものとして評価いたしたいと思っております。核時代と言われる今日の危険な国際情勢をつくり出しているのは,何と申しましても米ソ両大国であり,我が国の,そして世界の安全保障はこの米ソ両国が握っていると言っても過言でないと,このような認識をしておるところでございます。そのような米ソ両国が6年半ぶりに首脳会談を開催いたしまして,不信から友好へ,対決から対話への道を選択し,緊張緩和に向けて新たな前進をしようとしているときでもあり,また,我が国におきましても,中曽根首相もこの動きを踏まえて,米国とソ連の関係が前進したように,日本とソ連との関係を前進さしたいと表明されておりまして,来年1月には日ソ外相定期会議の再開によりソ連のシェワルナゼ外相の訪日が10年ぶりに実現するなど,日ソ関係改善と世界平和に向けて努力されているところでありますので,これらの動きに期待をかけていきたいと思っておるところでございます。  私は,来年が国際平和年であることを踏まえ,両首脳が核軍縮への方策を具体的に講ぜられるよう願っておりますが,本市としても従来からの平和推進のための諸事業を引き続き積極的に行うとともに,世界平和都市連帯のより一層の推進を図り,核兵器廃絶への国際世論の喚起に努めたいと考えておるところでございます。  次に,国鉄の問題について御意見等伺ったわけでございますが,先般,首都圏を初め大阪,広島などで発生いたしました国鉄施設に対するいわゆるゲリラ事件につきましては,法治国家として許されるものではないことは当然でございまして,極めて遺憾に思うところでございます。  御承知のように,国鉄が100年以上の長きにわたり国民の足として,また産業の動脈として重要な役割を担ってきたわけでありまして,その意味で我が国の近代化の歴史は国鉄を中心とした鉄道輸送網の発達の歴史でもあると言っても過言ではないと,このように思うわけでございます。しかしながら,今日,国鉄の経営は,社会経済情勢の変化等,幾多の要因によりまして危機的な状況を迎えておるわけでありまして,現実の問題として,国鉄の自助努力のみではその再建を図ることができなくなっていると,こういうふうに私どもは認識せざるを得ないのでございます。  私といたしましては,国鉄の再建に当たっては,国鉄の効率的な運営を確保しながら,国民の足としての機能を維持充実させることが最も優先されるべき課題と考えておりまして,本年7月に国鉄再建監理委員会から提出された国鉄改革に関する意見も,そのような立場からなされたものと理解をいたしております。この答申を受け,政府はこれを最大限に尊重するとの閣議決定を行ったところでありますが,国鉄の改革についてはその具体的な取り組みが緒についたばかりの段階でありまして,本市としては今後の国会における,いわゆる国鉄再建法案の審議の経過を注意深く見守っていきたいと,このように考えておるところでございます。  しかし,ともあれ相当の余剰人員が出るようでございます。先ほど牧里議員の御質問にも御答弁申し上げましたように,その余剰人員,広島国鉄の管理局長の方から要請がございましたので,できるだけこれは受け入れたいということで事務的に詰めておるところでございます。先ほど牧里議員の質問に御答弁したとおりでございますので,御理解を願いたいと思うわけでございます。 ○副議長(柳坪進君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 海外で開催をされる国際的な平和会議にどう対応するのかというお尋ねでございます。  平和に関する国際会議が近年世界の各地で開催をされておりまして,本市にも毎年幾つかの出席案内をいただいております。これらすべてに出席することは到底困難でございますので,出席できない場合はメッセージあるいは資料等を送付をして対応しているところでございます。  お尋ねのイタリアのコモ市で来年の4月に開催をされる欧州平和市長会議については,先月市長あてに出席案内をいただいております。しかしながら,全く同じ時期の来年4月にカナダのバンクーバー市におきまして,市制施行100年を記念する平和行事の一環として,世界の指導者あるいは有識者等を招いて平和軍縮シンポジウムの開催が計画をされておりまして,既にことしの8月に世界平和連帯市長会議に出席をいたしました同市のハーコート市長から出席要請を受けておりまして,この件については前向きに検討をしておる段階でございます。  したがいまして,コモ市の会議に市長の出席は無理だと判断をいたしております。  なお,コモ市の会議につきましては,現時点では具体的な内容等がわかっておりませんので,今後関係資料あるいは情報等を求めまして,長崎市とも協議をしながら対応について検討をしていきたいと考えております。長崎市と役割分担をしようではないかということで調整をいたしておる段階でございます。  次に,来年2月にイタリアのぺルージョ市で開催をされる第3回の非核自治体国際会議でございますが,現時点では出席要請は受けておりません。  以上です。 ○副議長(柳坪進君) 総務局長。 ◎総務局長(福島隆義君) 行政改革の御質問の中で,広島市の行政改革は自治省の方針によって進めるのか,自主的に進めるのかという御質問があったわけでございます。  広島市は,かねてから御答弁申し上げましとるとおり,昭和56年に国が行財政改革を打ち出す以前から事務事業の総点検運動等を通じまして行政の効率化に努めてきたところでございます。今後におきましても,自主的に関係者の御理解を得ながら進めてまいりたいと,こう思っております。 ○副議長(柳坪進君) 財政局長。 ◎財政局長(佐々木真二君) 国庫補助金のカットの問題についての御質問でございますが,先ほど牧里議員の御質問に対しまして市長からその考え方,対応につきまして御答弁申し上げたところでございます。  この問題は地方財政また地方公共団体全体の問題でございますので,これまでも政令指定都市が共同で,また全国市長会等を通じまして要望活動を行ってまいっているところで,今,ございます。12月末の61年度予算の政府案の決定時期も間近に迫ってまいっておりますので,先ほども申し述べましたように,地方6団体で組織いたします地方自治確立対策協議会また政令指定都市におきましても共同で緊急要望を行いまして,現在,関係機関に対しまして強く訴えているところでございます。今後とも国の動向等を見守りながら適宜適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(柳坪進君) 民生局長。 ◎民生局長(河合護郎君) まず,肢体不自由児通園施設二葉園の問題についてお答えを申し上げます。  お話がございましたようなことで,この施設は,昭和49年度から施設の措置定員80名,1日の利用定員40名ということで隔日通園の形態をとりながら,障害児の指導,療育,治療等に当たってまいっております。いろいろ御要望もありまして,お話がございましたような昭和58年度からの就学前1年の児童を対象にした毎日通園というものも試みながら,今,3年目を迎えております。  そこで,これができますのも昨今の定員割れの状況等があるからということが実態でございますし,その状況は今も続いておりまして,幾らか1日の40人定員の中に空きがあるということは事実でございます。  そこで,私どもとしてはいろいろ過去,考え方を述べてきておったようでございますが,施設の40名定員の枠の許す範囲内でできるだけ早い時期に毎日通園を少しでもふやしていきたいと,このようにやっていきたいと思います。  ただ,就学前1年の毎日通園の試行の状況を見ますと,必ずしもその登園率というのは五,六十%ぐらいで──毎日来ておられるのは五,六十%ぐらいというようなことのようなこともございます。  しかし,療育効果もやっぱりそれなりに上がっておるということでございますので,そういう療育効果の面,それから保護者の希望の面,そこらと──施設の職員の意見調整等も若干既にやっておりますけれども,許す範囲内でできるだけ早い時期に毎日通園の人数をふやしていきたいと,このように考えております。  それから,保育園の問題でございますが,ことしの11月1日現在における全市的な定員と措置児の問題は,これは御承知かとも思いますが,全施設で見ると1,588名の欠員があると。で,現在の入所希望者は202名であるということで,欠員と保留の差は約8倍ということにはなっております。中区も全体で見ますと168人の欠員がありますけれども,入所希望者は66ということで,私の方の欠員状態と入所を希望される保護者の希望が合わないということがこういう結果になっておると思います。  特に,お話がございましたように,ことしは乳児の需要が例年になく,実は伸びておりまして,中区を中心に乳児が入りにくいという状況になっておることは事実でございます。  ただ,この原因がみどり保育園の乳児保育園60人の枠を廃園をしたからそういうことになったのではないかというお話がございましたけれども,この60人の廃園につきましては,当然その代替措置といたしまして,ゆりかご保育園その他でこのみどりの60枠は確保しておりますので,これが直接の原因ではないと。ただ,中区という地域性の問題はあろうかと思います。  それから,白島保育園の定数130でございます。で,これは乳児がうち30でございますが,この30の定員はともえ保育園に30,基町保育園に6ということで30の乳児定員を廃止することによって36人の増員を考えておるということで,それなりの対応を実はやっております。  今後とも乳児保育の需要がどういう伸び方をしていくかということがあるんですけれども,仮にここが伸びるといたしますと,乳幼児定員の振りかえ等によりまして,できるだけ必要な側の定員確保に努めていきたいと,このように考えております。  ただ,全体の机上の数字だけではいけないよというお話がございますけれども,昨今のような厳しい行財政事情の中でもございますし,多少御不便はあろうかと思いますが,全体の保育園の中で空いている保育園を御利用いただくというような御理解と御協力がぜひいただきたいものだと,このように考えております。 ○副議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 動物公園及び植物公園の委託についてのお答えを申し上げます。
     本市では,かねてから新しい行政需要に対処し,効率的な行政運営を図るため,事務事業全般について見直しを行い,公の施設につきましては,例えば区民文化センター,区スポーツセンター,水産振興センター等,本市が設立いたしました公社であるとか協会等に管理運営業務を委託してきておるところでございます。  こうした観点に立ちまして,御質問の植物公園,動物公園につきましても,同様に本市が設立いたしております動物園協会及び公園協会に管理運営業務を委託しようと考えておるものでございます。  これらの委託の効果は,従前からたびたび申し上げておりますとおり,施設の設置目的に沿いながら,統一的に事業が進められること,市民の参加を得て開かれた施設の運営ができること,自主的,効率的,弾力的な運営を図ることができることなどでございます。  なお,委託を実施した後におきましても,本市の設置,開設者としての責任のもとにさらに施設内容の充実を図るなど,より一層市民サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(藤井尚君) 最初に,いじめ問題についてお答え申し上げたいと思います。  いじめの深刻化は直接的には人間的な感性や情操の発達上の問題に起因すると思いますが,それは多くは彼らが育つ環境,育ち方によるものと思います。主として考えられることは,やはり近年子供たちが少ない家族の中,手厚い保護のもとで育っていること,また,大人に管理されず,子供同士でもまれ合う遊び等の機会が少なく育っていることなどでございます。  したがって,指導においては,この現実に立ってその欠陥を埋める対策を重視しなければならないわけで,例えば年長の子も幼い子も一緒にした集団での自主的な活動を促進することや,活動内容として互いに協力して物をつくり,育てたり,子供なりのイベントを企画,成功さしたりすることを取り上げ,そこにおいて互いに人間らしい心を通わせる営みを展開したいと考えております。  また,いじめの実態把握,指導等に当たりましては,全校職員が共通認識の上に立ちまして,一致して取り組まなければ問題解決の目途が立たないことは論をまたないところでございます。  次に,体罰の問題については,残念ながら近年の荒れた状況に対応できる真の意味の指導力の不足を指摘されざるを得ないと考えます。体罰への対処については,教育に携わる者の主体性において厳然として臨むだけでなく,いかにして子供の心の琴線に触れる教育を行うかについての研修の充実,浸透を図る考えでございます。  校則についてでございますが,校則は子供たちの学校における集団生活の望ましいあり方を求めるものと考えております。したがって,体罰のもたらすものは,これと全く相入れないものであることを銘記したいと思います。  次に,同和教育でございますが,広島市教育委員会といたしましては,学校における同和教育の推進に当たっては,御指摘の教育基本法の精神はもとより,国の同和対策審議会答申や地域改善対策協議会の意見具申及び本市の同和行政基本方針における精神を踏まえながら,それぞれの地域実態を十分に配慮し,全教職員の共通理解のもとにそれぞれの学校が主体性を持って取り組むよう指導してきたところでございます。  また,学校にかかわった差別事象についても,学校が関係諸機関等との連携のもとに主体的に解決し,その事象を教訓として教育実践に反映さしていくよう指導してきたところでございます。  今後におきましても,御指摘の内容を真摯に受けとめながら,同和教育の一層の充実に努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(柳坪進君) 13番奥田君。 ◆13番(奥田幹二君) 答弁を賜りましたがですね,一々再質問がしたい内容がほとんどでありました。ところが,時間の関係もありますんで,皆さんの期待どおり委員会でやらしていただくことにしまして終わります。(拍手) ○副議長(柳坪進君) 本日はこの程度にとどめ,引き続き一般質問を明日行います。  ─────────────────────────────────            次 会 の 開 議 通 知  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) この際,御通知申し上げます。明日は,午前10時より議会の会議を開きます。  ─────────────────────────────────            散   会   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(柳坪進君) 本日はこれをもって散会いたします。御苦労さんでございました。              午後5時28分散会  ─────────────────────────────────      議   長   明  星  正  明      副 議 長   柳  坪     進      署 名 者   保  本  昌  宏      署 名 者   西  村  敏  蔵...