広島市議会 1985-02-27
昭和60年第 1回 2月定例会−02月27日-04号
昭和60年第 1回 2月定例会−02月27日-04号昭和60年第 1回 2月定例会
昭和60年第1回
広島市議会定例会会議録(第4号)
広 島 市 議 会 議 事 日 程
昭和60年2月27日
午前10時開議
日 程
第1 自第1号議案 昭和60年度広島市
一般会計予算
至第57号議案 昭和60年度広島市
下水道事業会計補正予算(第1号)
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会 議 に 付 し た 事 件 等
開議宣告(終了)
会議録署名者の指名(終了)
日程に入る旨の宣告(終了)
日程第1 自第1号議案 昭和60年度広島市
一般会計予算
至第57号議案 昭和60年度広島市
下水道事業会計補正予算(第1号)
(
総括質問)
休憩宣告(終了)
開議宣告(終了)
総括質問(続行)
休憩宣告(終了)
開議宣告(終了)
総括質問(続行)
会議時間の変更(時間延長)
総括質問(明日も続行)
次会の開議通知(2月28日午前10時開議を宣告)
散会宣告(終了)
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出 席 議 員 氏 名
1番 中 山 忠 幸 君 2番 福 島 和 宏 君
3番 松 井 邦 雄 君 4番 平 野 博 昭 君
5番 保 本 昌 宏 君 6番 種 清 和 夫 君
7番 下向井 敏 君 8番 碓 井 法 明 君
9番 伊 藤 稲 造 君 10番 宗 像 俊 昭 君
11番 藤 川 武 君 12番 松 尾 好 子 君
13番 奥 田 幹 二 君 14番 都志見 信 夫 君
15番 鈩 谷 君 子 君 16番 鶴 見 和 夫 君
17番 戸 田 満 君 18番 住 田 孝 行 君
19番 前 本 一 美 君 20番 熊 本 良 作 君
21番 木 島 丘 君 22番 松 浦 弘 典 君
23番 月 村 俊 雄 君 24番 村 岡 節 吾 君
25番 増 田 正 昭 君 26番 海 徳 貢 君
27番 屋 敷 一 字 君 28番 中 本 康 雄 君
29番 牧 里 重 喜 君 30番 井 上 貞 君
31番 井 手 正 夫 君 32番 前 恵 介 君
33番 藤 本 正 躬 君 35番 神 明 政 三 君
36番 竹 永 勇 君 37番 今 田 智 君
38番 鈴 木 修 君 39番 金 子 善 明 君
40番 西 村 敏 蔵 君 41番 正 畠 明 雄 君
42番 永 田 明 君 43番 山 本 誠 君
44番 米 田 十 郎 君 45番 氏 川 孝 之 君
46番 倉 本 保 君 47番 桜 井 康 民 君
48番 大勢登 康 憲 君 49番 兼 桝 栄 二 君
50番 中 本 弘 君 51番 久保井 時 雄 君
52番 明 星 正 明 君 53番 八 百 千頭夫 君
54番 元 田 猛 君 55番 瀬 川 吉 郎 君
56番 山 科 美 里 君 57番 柳 坪 進 君
58番 中 島 金 平 君 59番 講 元 英 雄 君
60番 宮 本 正 夫 君
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職務のため議場に出席した
事務局職員の職氏名
事 務 局 長 北 川 元 君
事務局次長庶務課長事務取扱
浜 井 澄 人 君
議 事 課 長 河 野 康 文 君 議 事 課主幹 烏 田 聰 君
議事課長補佐議事係長事務取扱 外関係職員
平 井 達 也 君
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説明のため出席した者の職氏名
市 長 荒 木 武 君 助 役 松 井 齊 君
助 役 岩 井 彦 二 君 収 入 役 西 田 展 康 君
市 長 室 長 池 田 正 彦 君
企画調整局長 河 合 護 郎 君
総 務 局 長 福 島 隆 義 君 財 政 局 長 佐々木 真 二 君
民 生 局 長 田 島 敏 男 君 衛 生 局 長 本 條 喜 紀 君
環境事業局長 石 田 嘉 堆 君 経 済 局 長 網 井 信 昭 君
都市整備局長 柳 川 幸 雄 君 建 設 局 長 藤 井 崇 弘 君
下 水 道局長 新 谷 喜 城 君 消 防 局 長 栗 栖 敏 人 君
水 道 局 長 湯野川 秀 孝 君
広島市民病院事務局長
天 倉 松三郎 君
安佐市民病院事務部長 財 政 局次長 石 川 伯 廣 君
井 上 隆 晴 君
税 務 部 長 浦 田 昭 君 財 政 課 長 若 狭 武 治 君
教育委員会委員長 教 育 長 藤 井 尚 君
尾 尻 隆 之 君
選挙管理委員会事務局長 人事委員会事務局長
川 村 茂 幸 君 尼 子 克 彦 君
代表監査委員 田 中 正 夫 君
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午前10時16分開議
出席議員 43名
欠席議員 16名
○議長(講元英雄君)
出席議員43名であります。
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開 議 宣 告
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○議長(講元英雄君) これより本日の会議を開きます。
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会 議 録 署 名 者 の 指 名
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○議長(講元英雄君) 本日の
会議録署名者として
12番 松 尾 好 子 君
29番 牧 里 重 喜 君
を御指名いたします。
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日 程 に 入 る 旨 の 宣 告
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○議長(講元英雄君) これより日程に入ります。
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△日程第1 自第1号議案 昭和60年度広島市
一般会計予算
至第57号議案 昭和60年度広島市
下水道事業会計補正予算(第1号)
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○議長(講元英雄君) 日程第1,第1号議案ないし第57号議案を一括議題といたします。
昨日に引き続き
総括質問を行います。
発言通告者に順次発言を許します。43番山本 誠君。
〔43番山本 誠君登壇〕(拍手)
◆43番(山本誠君) 私は
社会党市会議員団を代表いたしまして,
総括質問を行います。
本定例議会は,広島市政,また,荒木市長にとっても被爆40年,また,五日市町との合併と,歴史的に大きな意義を持つ議会と思います。
また一方,
高度成長から低成長への時代の中で多くの
政策的転換が好むと好まざるにかかわらず求められているところと思います。
また一方,家庭的に見ても家族制度から核家族化への変化の中で,これまで養育等についても,その家族制度の中で行われておったものが自治体の任務へ変わったり,あるいは老人のお世話も自治体へと,市民社会の要求と期待は多種多様な変化を遂げてきています。公営企業から民営化へと時代は急激に変わりつつある中で,地方自治はこれからどうあらねばならないか,行政にも議会にもその指導性と能力が問われておると思います。
市長は,
ハノーバー市との調印式に臨む前に
ハノーバー市庁舎の
レセプションルームの黄金の本に「灯々無尽,広島の心を世界へ」とお書きになったように私は記憶をしていますが,今,広島市の行政に携わる者として,この市長の気持ちこそ大切だと思います。予算額が大きくなったから市民が幸せになったのではないと思いますし,以上のような立場に立って,以下具体的な質問を申し上げたいと思います。
質問に入る前に今回も今年度の予算というものに対する新聞等の見出しの中で,「イベントの陰で進まぬ
被爆者対策」あるいは「土木突出の一方で
受益者負担を求める」等々の見出しが書かれておりました。なぜ,そういう見出しが書かれるのかということについても,我々は謙虚に考えなければならないというふうに思います。
まず最初に
国際化時代における地方戦略についてでありますが,これも今,広島市はメッセ・コンベンション,そういう目標を掲げた
町づくりのために,
臨海部開発あるいは
工業団地の長沢地区における開発等が行われようといたしておりますが,今回は特にそうした
企業団地づくりからの戦略的なことについて,少し述べてみたいと思いますが,どうしてもこういう問題を考えるときに,私は国際的な情勢というものを無視をして考えるわけにいかないというふうに思います。
御承知のように日本は,昔から貯蓄率が非常に高いことは御承知のとおりであります。
高度成長時代には,この資金が国内に投資されまして,国内の市場を拡大し,設備投資と輸出によって
高度成長がなし遂げられたわけでありますが,しかし,今日の企業を見ると国内の投資機会が非常に少なくなって,海外とりわけ
アメリカ南部とか,東アジアの国々への投資が猛烈な勢いでふえつつあるわけであります。
国内はと見れば,
サービス化,ソフト化が進み,物は一応満たされ,物を欲しがらなくなり,つまり人々は,ふえた所得というものを
耐久消費財の購入よりも,ゴルフや
カラオケ等の──そういうふうにこの志向が変わっておるように思います。
言うなれば,レジャーに回るというように製造業への働きかけというものが大変鈍くなってきているわけであります。経済の
サービス化によって成長力が弱くなったと言われるわけでありまして,技術革新により非常に物も軽く小さく薄く,そういうものが進み,大型のイノベーションが非常に乏しくなってきているわけです。かつての化学,鉄鋼,造船などの技術革新は大型の需要を生み出しましたが,今は御承知のようにICなどというものはトランクいっぱいで6億円もすると言われ,量的には普通の車で十分運べる,トラックも要らなくなり,道路も要らなくなり,港湾の整備も要らないと,また,ソフトウエアの生産には工場も要らないというほどであるわけです。
国内で物が売れないので輸出をする,輸出で得た金は海外へ投資するといった状況になっておるわけであります。
そこで,大切なのは,なぜ海外に進出をするのか,土地の問題,
インダストリアルパーク──
工業団地と言われる,そういう実際は緑の保養地のようなところに工場が点在するといった感じの工場公園,
研究所公園とでも呼んだ方がふさわしいような,そういうところに,海外に求めておるわけであります。
同時に,そうした研究所,大学があり,優秀な学者,研究者がいて,日本の企業も結局アメリカの
技術開発力を自分のものにすることができるという,そういうメリットがあるからではないでしょうか。
そうなれば,海外にまで行かなくても同様な構想でこの広島が具体化すれば,そうした企業も来るわけでありますが,例えば,今広島市が考えております長沢という地域ですか,
工業団地をつくって,その地域が本当に住みやすく,自然やレジャーにも恵まれ,大学や研究所があって,自然と優秀な学者,研究者がやってきて,そして,情報も収集され,
最先端企業も立地するという条件があるのでしょうか。
そのような国際情勢を踏まえた戦略を持った広島の
町づくりこそ,今,必要ではないかというふうに思います。幾ら立派な
案内パンフをつくるよりも
最先端企業が来たくなるような,そういう条件をどう整えていくかということが大切だというふうに思います。
先般,安佐南区の
区民文化センターが開館されたときに
福祉協議会長さんのごあいさつの中で,ふと感じたんですが,あの54号線ができたときに,地域の者は何であんな大きなものをつくるんだろうかといって驚いたと,そういうことをおっしゃっていました。確かに,これまで30年前ごろの行政というのは,市民が想像し得ないような,そういうものを行政が先見性を持って行っておった。例えば,100メートル道路にしても,何であんなに大きな道路をつくるんだろうかと,そういうふうに行政というものが常に市民の考えよりも大きくリードをしておったわけでありますが,今日はいかがでしょうか。
そういうことを考えたときに,何となく行政と市民,そういうものの考え方が総花的になって,すべてが満足できるようなことになって,結局,都市の戦略という,そういうポイントに欠けておるような気がしてなりません。そういうことについて,ひとつ市長さんのお考え方をお聞かせ願いたいと思います。
やはり関連するわけですが,次に,
都市づくりの問題ですが,昨年,沼田地域の
町づくりの構想が出されました。その中で
町づくりの理念として,住む,働く,憩うという三つが理念として位置づけられておりますが,その時代的な背景とその持つ意味についてお聞かせ願いたい。
というのは,私は1978年12月──昭和53年の12月議会で,21世紀を展望した80年代の
町づくりということで,私はここで申し上げたことがあります。
そのときに,施設,環境という客観的な条件の充実とあわせて,そうした発想を踏まえて,それに加えて,これからの21世紀に向けては,人間の生存と発達の保障という主体的な条件からの
町づくりが必要だということを提起しました。
そのときに再質問に答えて,当時の澤田助役さんがお答えになりました。そうしたお答えになった基本的な理念,そういうものがこの中にあるのかどうか。私はあるとするならば,もう一つやはり住む,働く,憩う,そして,学ぶというものがなければならないように思うわけでありますので,その点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
次に,
国際交流と
ゲストハウスということですが,
国際交流の必要性については,今さら強調する必要もないと思います。今年度も
姉妹都市を中心に人の交流を初め,
経済交流等,約6億円に上る予算が計上されております。年々
国際交流の幅が広くなりつつあることに非常に期待をするものであります。
そこで,ひとつ御検討をいただきたいのは,御承知のように
姉妹都市であります西ドイツの
ハノーバー市は,医学的にも非常にすぐれた,特に外科がよいと聞いておりますが,この
ハノーバー市から今回広島大学の医学部に対して,ことしの4月以降,
ハノーバー市が向こうでの滞在費等を持って医師の交歓を,交流を行うということが,向こうから御案内があったことは御承知のとおりと思います。広島市としても医療機関を持っているし,広大とのつながりもあるわけでありますので,ぜひともこれらを合同でそれに参加をして,その技術を修得して市民のために役立ててほしいというふうに思います。
次に,
ゲストハウスの問題ですが,これも,これまでも何回か申し上げました。また,丹下構想の見直しのときにも強く主張いたしまして,一応その報告書の中でも
ゲストハウスという言葉は取り入れていただいたわけでありますが,内容的にはその趣旨が生かされないまま今日になっておるわけであります。
国際交流の原則は,市長も何回もおっしゃっておりますように
市民レベルの交流を促進するとのお考えで,これまでも行われたし,これからも行われるわけでありますが,そうした中で昨年の10月,
財団法人広島市
国際交流協会も発足をして,この4月からいよいよ本格的な活動を開始するわけであります。これが具体的に民間交流を促進することになると,
国際交流は非常に盛んになり,海外へ出ていく人,海外から来る人,そういう人たちがふえ,長期的,短期的を含めて,滞在が多くなると思うわけです。
民間レベルの交流の促進をすればするほど,行くだけでは,向こうからの受け入れをしないというわけにいきませんから,受け入れをしようと思えば,その人たちの宿泊の問題,常にそういう問題が出てくるわけであります。
そういう意味で,きのうも月村議員の方から提起がありましたが,青少年の交流等の施設の充実ということが言われておりました。私はそれに加えて,やはり一般の人々が,海外から来た人たちが,安く,そして,市民との交流のできるような,そういう施設をぜひともつくって,市民の交流がより盛んにやりやすくなるような,そういう施設をぜひとも考えていただきたいということを御提起申し上げたいと思います。
次に,
アジア大会に向けての取り組みでありますが,施設面の取り組みは既に具体的に進められておるわけであります。私は,この大会を通して,そうした
アジア競技大会終了後に
国際平和文化都市広島として,何を遺産として残していくのか,当然ハード面は残っていくわけでありますが,ソフト面について,今から考えていく必要があるというふうに思います。
そういう意味で,一つは,
アジア地域の人々が来るということになれば,ただ,英語だけでは通用しないわけでありますので,
アジア競技大会のころに活躍する人々というのは,今の小学生,中学生でしょうから,そうした人々,子供たちを対象とした語学教室などを今から開いてはどうかというふうに思います。
また,
アジア地域に対する市民の理解を得るための講座等を,学校教育はもちろんでありますが,社会教育を通して取り組む必要があるというふうに思います。
最後に,
国際交流の問題では,
国際平和文化都市として,前回も申し上げましたが,インターナショナル・スクールの問題等もございます。現在,旧市内の小学校では既に300名を割るような学校も出ておるわけでありますから,そうした施設等を有効利用しながら,そうした
国際平和文化都市にふさわしい国際的な学校を御検討願いたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
次に,被爆40周年対策でございますが,ことしは,被爆40年に当たるわけでありますが,被爆40周年という言葉の持つ意味は,単に原爆投下後40年を経たという歴史的,年代的な一つの区切りという意味合いではないと思います。
その持つ深い意味は,40年という歳月が被爆者に何をもたらし,どのような変化を起こしているか,これらを厳粛に見直し,改めて被爆者に心を寄せ,救済と対策を具体化せねばならないという行政の積極的な対応が厳しく問われておる象徴的な意味合いだというふうに思います。ということが,被爆40年という言葉の持つ意味ではないかというふうに思います。
広島は原爆による廃墟というハンディーはあっても,しかし,この誇り得る広島の歴史をもたらしたのは,それぞれの時代に生きた市民世代の英知と努力の積み重ねにほかなりません。
しかし,英知と努力をもってしても,あの原爆の傷跡は現在なお市民の心に深く刻み込まれているばかりでなく,今日,被爆者の多くは,老齢化の中で病気と闘い,健康への不安に悩み,そして,毎日の生活に苦しみ続けています。なぜ傷つき,なぜ,今なお,後遺障害に悩まされなければならないのか,苦悩と失意の日々を送っているのであります。まさに被爆者にとっては,いまだ戦後は訪れていないのであります。
これら被爆者の真の救済は,国家補償による援護法の制定以外に道はありません。広島市は世界最初の原爆の洗礼を受けた市であり,荒木市長はその一人であります。また,その市長であります。被爆者を代表し,真に被爆者の側に立った積極的な対応こそ市長が果たさなければならない当然の責務だと考えます。市長は,これまでも世界平和に向け,また,
援護法制定の必要性についても認められ,八者協とともに行動されていることも承知していますが,この40年という,ことしこそ,その市民の気持ちを受けとめ,1歩前に出た,例えば,
非核都市宣言等,具体的,積極的な行動を強く要望すると同時に,次の点について市長の誠意ある御回答をいただきたいと思います。
その一つは,
被爆死没者実態調査についての目的と,それを今後どう生かそうと考えておられるのか。また,
外国人被爆者対策について,特に,
在米被爆者の健康診断について,市長みずからが努力をされ,今日まで行われていますが,その他の国について今後どう考えておられるのかお伺いいたします。
次に,被爆者のための
原爆養護ホーム等がございますが,非常に狭隘になっております。今日,子供たちでも自分の一人部屋が欲しいという,そういう時代になっておるわけでありますから,ぜひとももっとゆとりのある,画一的には言えませんが,6人ぐらいおるところは4人ぐらいにするとか,そういうふうなゆとりのある部屋にしていただきたい,こういうふうに思います。これらについて市長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
次に,市長は世界に広島の心を訴え,また,その努力をされ,また,広島においても軍縮に向けての
シンポジウム等の開催や
都市連帯市長会議について努力されていますが,そこで,広島の次の時代を担う青少年にしっかりと平和の心を持たせることこそ,大切だと思います。
これは,論を待たないことでありますが,そこで,8月6日を登校日等にして各学校が自主的に平和について学ぶ日としてはいかがでしょうか。広島にはすばらしい平和教材もあるわけですので,ぜひこの40年を新たな出発としてお考えいただきたいというふうに思います。
次に,
国鉄地方ローカル線対策についてでありますが,
国鉄再建監理委員会は,昨年の8月10日,総理大臣に対して緊急提言をいたしました。その内容は,60年度以降に整理を検討する第3次
赤字ローカル線廃止対象路線を明らかにしたのであります。
広島都市圏輸送の一翼を担っている芸備線,可部線は,これら廃止の検討をしていく候補線とは言え,それぞれが主要な市民の足を守る交通手段であるだけに,今から具体的な対策が確立されなければならないと思うわけであります。
今回の緊急提言は単に今後の検討課題であるとか,あるいは1次,2次線の廃止を促進させる刺激的なねらいを持ったものとか,そういう過小評価をすることは危険であると言わざるを得ません。
提言の第3項は,第1次,第2次の廃止路線以外の約7,000キロの
地方交通線も国鉄からの分離を積極的に推進すべきであると明確に指摘しているところであります。いわゆる幹線に準ずる乗客の比較的多い地方路線でも国鉄から分離させるというものであります。
今回の提言で,
監理委員会は初めて公式に
国鉄分割民営化を打ち出していますが,この
地方ローカル線廃止は,その
分割民営化の地ならしとしての施策と言えましょう。
民営に移行する場合,どういう前提条件をつくっておくのか,伝えられるところによりますと,
監理委員会の内容を見ますと,一つは,民営あるいは第三セクターが受け入れられやすい保護措置をとらねばならないこと,二つ目は,赤字ローカル線のマイナス要因を取り除くこと,つまり移行後の経営形態が経営努力と創意工夫により採算性が確保できる基本的条件をつくっておくということのようであります。そのマイナス要因除去の最大のものが赤字ローカル線廃止であるとの指摘であります。
また,提言第3項が,廃止に際しての地元協議が進展しない場合,2年の協議期間がたった場合においては,転換を速やかに図るべきだと述べ,見切り発車をしても廃止に踏み切るよう迫っています。
この地方線廃止を含む
監理委員会の提言を了承した閣議決定は極めて厳しいものであると言えます。
以上のような提言を市長はどう受けとめられているのでしょうか。また,
監理委員会が提言しているように芸備線,可部線の廃止後のバス転換が可能なのか,第三セクターによる経営形態に転換できるのか,市長の今日的所見をお伺いいたします。
そこで,今後のこれからの線の強化充実の具体化についてお伺いいたします。
その一つは,市は3カ年実施計画の中で国鉄在来線の整備促進を提案されています。
また,2月の8日,沿線自治体による利用促進を図る対策協議会が開催され,国鉄に対して廃止反対などの要望がされております。
さらに,昨年10月,中国地方交通審議会も
地方交通線の抜本的見直しを計画中のようであります。しかし,赤字ローカル線の廃止の作業を進めている政府や国鉄当局に今後の線区の改善策を多く望むべきものもありません。
だとすれば,関係地方自治体こそが市民の足を守り,地域住民の必要不可欠な生活手段たる生活交通を守る立場から,これを積極的にローカル線の改善対策を推進する以外に道はないと思うし,それが住民の利益を守る自治体の責務であると考えるのでありますが,この基本認識について市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に,ローカル線存続のために行政は何をなすべきかについてであります。
これまでも全国的にローカル線存続のための地方自治体や沿線住民は血のにじむような努力をされています。例えば,定期券購入に補助金を出したり,観光客増加対策など,さまざまな利用促進運動が展開されていますが,いずれも効果的な結果を生み出していないのであります。
こうした全国的な例を見てもバスへの転換や第三セクターによる運営かという画一的な議論だけではだめであります。また,運賃補助や利用促進運動といったものだけでも足を奪われるという沿線住民の不安は解消されない,自治体が陳情を重ねても抜本的な解決とはなり得ないのであります。モータリゼーションの中にあって名実ともに大量輸送機関たるローカル線に人の流れを変え,そして,路線を維持するには,利便性,連続性,快適性,信頼性という要素を配慮した整備計画を行政主導で策定し,これに国鉄や政府を巻き込んで実行に移す以外にはないと思います。
可部線,芸備線が廃止となれば,新交通以上の都市圏交通は深刻な状況になることは明らかであります。
これらの基本認識を統一し,具体的な対策こそが急がれております。その一つの例が
広島都市圏輸送の重要ポイントである可部線,芸備線の陸交審の第3号答申も指摘した複線化,環状線化を基本方向として展望しつつ,すべてのダイヤを広島駅まで直通とすること,各駅前広場などを確保して,団地から駅への輸送体系を考えるなど実行可能な施策を線ごとに策定し,実施することが急務だと考えます。特に,これらは,広域都市圏の交通の立場で県が本腰を入れるよう強く働きかける必要があるというふうに思います。市長の御所見をお伺いいたします。
最後に,一方の方では,こうした公共交通が利用者が減って廃止をされるという中で同じような性格を持つ新交通システムを今2億円以上もかけて調査検討中でありますが,これらローカル線と新交通との整合性についてもお答えいただきたいと思います。
最後に,福祉とは何かということについて若干述べておきたいと思います。
非常に難しい課題でありまして,社会の進展の中で新たな問題,例えば,人間として何が本当に一番幸福状態か,福祉は物だけで足りるだろうかという議論があるわけでありますが,しかし,一方,重度障害者を持つ親として,自分の子供が,自分が死んだ後も,この子が人間として生活することができるだろうか,そういう社会環境だろうかと考えたときに,果たして今日の現状からして,障害にあって,働く場所,生活できる温かい地域連帯のある社会となっておるでしょうか。
高度成長から低成長,そして,多様化した要求の中で現状と将来展望をしっかりと見詰め,今何が大切か,それを市民に示す具体的な取り組みが必要であります。そのためには,これまでの縦割りの民生,衛生,都市計画,労働,教育の分野を横の連絡を強化して総合的な福祉体系をつくり,市民の参加の中でから市民連帯の地域福祉をつくり上げなければなりません。
これらを踏まえて,高齢化を迎えるそういう21世紀に向けた高齢化社会のハードルをどう乗り越えていくか,これらについて市長の御所見をお伺いしたいと思います。
とりわけ福祉というものについて,金額が減されるとすぐ福祉の低下というふうに私たちもこれまで指摘をしました。そういう部分もありますが,この今の社会の中で抜本的なそうした福祉体系,例えば,寝たきり老人に福祉電話をつける,幾ら電話を2台つけても3台つけても,それにかけてあげる地域の人たちがいなければ,福祉にならないわけであります。
そういう意味からも多少言い過ぎた面もあろうかと思いますが,これから迎える21世紀に向けてのハードルをどう乗り越えるか,そういう点でのお答えをいただきたいと思います。
以上で私の
総括質問を終わらしていただきますが,答弁によりましては,再質問の権利を留保いたしたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○議長(講元英雄君) 市長。
〔市長荒木 武君登壇〕
◎市長(荒木武君) ただいまの山本議員の質問に対して御答弁申し上げます。
広島の
都市づくりについての御質問にお答えいたしますが,21世紀を目前にした現在,どのような21世紀の社会を形成していくかという長期展望の必要性が国・地方を問わず叫ばれておるわけでございます。
たびたび申し上げておりますように,私はこれからの時代の流れを国際化,情報化,技術化,そして,高齢化という四つの中でとらえておるのでありますが,こうした時代認識に立ちまして,広島の長期展望をしっかり見据えながら,
都市づくりを進めていく必要があると,このように考えているところでございます。
現在,国土庁で昭和61年を目途に第4次全国総合開発計画を策定中であります。この中で先ごろ公表された長期展望作業中間取りまとめにおきましても,今後の社会変化の方向として同様の認識がなされているところであります。
この第4次全国総合開発計画の長期展望作業中間取りまとめにおきましては,第3次全国総合開発計画の基本理念である定住構想を受け継ぎ,集中型社会から分散型社会への移行を基本として,地域の特性を生かし,諸都市が相互に自立し,競争しながら国全体としては調和し,それら都市を核として,周辺地域相互が安定した活力ある連携を保つという共生──ともに生きる共生ネットワーク型国土への移行が今後の国土づくりの方向として示されております。
これは,これまでの東京,大阪など大都市圏へ都市機能が過度に集積したことの反省によるものでありますが,地方への人口の定住を促進していく上では,広島など地方中枢都市がまずその核になることが必要であると考えております。
しかし,現状では札幌,仙台,福岡といった他の地方中枢都市と比較いたしまして,広島を中心とする交通ネットワークや情報ネットワークの整備あるいはまた人材の育成などがおくれておるのであります。例えば,昨日も下向井議員の御質問にもお答えいたしましたように札幌,仙台,福岡と比較した場合,大学など高等教育機能が質・量ともに不足しております。したがって,県内の高校を卒業して,そういう高等教育機関をどこに求めておりますかと申しますと,多くは,東京,大阪などでございまして,この方面への大きな進学流出を招いているという問題がございます。
したがって,今後は,広島が現在抱えている課題の解決を図りながら,長期的視点からの中四国地方の中枢都市にふさわしい
都市づくりを進めていかなければならぬ,このように考えておるところであります。
具体的には中国横断自道車道,山陽自動車道等の高速交通ネットワークの整備を初めとする交通体系の整備であるとか,あるいは都市の再開発,下水道等の都市基盤施設の整備,内陸部における今後の都市発展の核となる土地づくり,文化・スポーツ施設の整備,さらには,国・地方を通じて進みつつある国際化に対応した基盤整備等のハード面での施策とともに地域経済の活性化を図るための産業情報システムの構築,研究開発機能の充実,高次な文化・教育の機能の整備というソフト面での施策を総合的に展開していく必要があると考えておるわけであります。
広島におきましては,現在,都市に活力を与え,豊かな市民生活を保障する地域産業の振興が重要な政策課題となっておりますが,今後の地域産業振興のための戦略として最も重要なことは人材と情報の集積であろう,このように考えております。
新しい発想や技術を持った研究者や技術者が進んで定住し得るような生活環境や文化環境の充実は何よりも必要であろうと,このように考えております。
広島市は,この3月の20日には五日市町と合併をいたしまして,名実ともに100万都市になるのでありますが,大都市には珍しく山,川,海の豊かな自然に恵まれております。この豊かな自然を生かしながら,新基本計画でも述ベておりますような市民が住み,働き,学び,憩える
町づくりに仕上げていく,こうしたことを背景にいたしまして,初めてすぐれた人材や情報の集積が可能となりまして,また,このことが地域産業の発展を可能とするのではないか,このように考えているところであります。
このような考え方で御指摘の
国際化時代における地域戦略を産学官一体となって推進していく必要があるし,また,そうしなければならぬと,このように考えているところでございます。
○議長(講元英雄君) 市長室長。
◎市長室長(池田正彦君)
国際交流と
ゲストハウスについてのお尋ねがございました。
国際平和文化都市を掲げ,世界に開かれた
都市づくりを目指す本市といたしましては,今後予想される外国からの訪問者の増加等に対して,ソフト,ハード両面から対処する必要があるわけでございます。
まず,ソフト面としましては,ボランティア通訳等,ボランティア制度の充実あるいはホームビジット制度の充実等に取り組み,また,財団法人
国際交流協会もその一翼を担っていくものでございます。
また,ハード面といたしましては,各種文化施設の整備あるいは国際会議等の開催に対処するため,国際平和文化会館の建設あるいは都市美づくりといったところにも力を入れておるわけであります。
さて,御指摘がございました
姉妹都市等,外国からの訪問者が安く宿泊できる公的な宿泊施設である
ゲストハウスを整備してはどうかということでございます。
これにつきましては,参考までに他都市の状況等も調査もいたしてみましたが,御質問のような施設は他都市等も持っていない状況でございます。
短期滞在者につきましてはホテル,あるいは研修生等,長期の滞在者につきましては,ホームステー等によって対応しているという都市が多い状況でございます。
本市といたしましても,短期滞在者につきましては,ホテルあるいはユースホステル,少年自然の家等の施設を利用することを進めており,中・長期の滞在者につきましては,ホームステーあるいは外国人の英語教師,それから,サッカーの指導者等につきましては住宅の借り上げといったところで対応している状況でございます。
御指摘がございましたように今後
姉妹都市交流等の進展状況を見守りながら,多角的に研究をしていきたいと思っております。
次に,
ハノーバー市との医学交流についてでございますが,既に広島大学の医学部と
ハノーバー市の公立病院で具体的な交流協議が始まっておりまして,今後,
ハノーバー市との
姉妹都市交流の幅を広げていくという意味におきましては,医学交流というのは望ましい分野であると考えますので,広島市としてどうかかわっていくのか研究をしていきたいというふうに思っております。
以上。
○議長(講元英雄君) 民生局長。
◎民生局長(田島敏男君) 福祉とは何か,今後の福祉行政のあり方についての御質問にお答えいたします。
増大し,多様化してきている市民の福祉ニーズにこたえるために本市におきましても,各種の福祉施策を講じておりますけれども,この福祉の問題は,御指摘のように保健,医療,就労,教育,さらには住宅や
町づくり,あらゆる多方面にわたる問題とも関連を有しておりまして,福祉行政を有効に進めるためには,これら各方面の関係者が公私を問わず,相互に協力し合いながらやっていくことが必要だと考えております。
また,心の通い合った人間性豊かな福祉社会を実現するためには,単に行政の施策のみでなく,住民相互が社会連帯意識で結ばれた地域社会を形成していくことが必要でございます。市民の一人一人が地域の福祉向上の担い手として主体的に参加することが重要と考えております。
こうした考え方に立って,公私の共同により地域の福祉の向上を図るため,本市では現在,福祉関係者,学識経験者,行政関係者等で構成する地域福祉計画検討委員会というのを設けて,そこで,地域福祉計画を今策定しつつあるところでございまして,その結果などを踏まえながら,今後の福祉の推進に努めてまいりたいと,こういうふうに考えております。
以上でございます。
○議長(講元英雄君) 衛生局長。
◎衛生局長(本條喜紀君)
被爆者対策についての御質問に御答弁申し上げます。
まず最初に,被爆40年に当たり,援護法の制定が必要と考えるが,本市の対応はどうかということでございますが,被爆者の置かれております現状等,るる申し述べられました御意見のとおりでございまして,まさに被爆40年の重みは本市としても厳粛に受けとめておるところでございます。
御意見の御趣旨につきましては同感でございまして,本市といたしましても,かねてから八者協議会を中心といたしまして,国家補償の精神に基づく画期的な援護法対策の確立について,政府並びに国会関係等に対し,強く要望してきておるところでございますが,今後ともその実現を期して努力を続けてまいりたいというふうに存じます。
次に,被爆者調査についての件でございますが,原爆被災調査につきましては,御承知のとおり本市といたしましても,昭和44年以来,継続的に積極的な取り組みを行っているところでございます。
原子爆弾による人的被害の実態が現在においてもなお正確な数がわかっていないといった現状の中で核兵器による人類の不幸を再び繰り返すことがあってはなりませんし,また,その警鐘を打ち鳴らすためにも広島の原爆被災の実態を明らかにしていくことが世界最初の被爆被災都市広島に課せられました使命だというふうな基本的考え方のもとに次の3点のことを目的にして実施しているところでございます。
その第1点は,人類史上初の被爆地である広島の歴史的証言として,その記録を後世に残すとともに,原爆死没者に対する慰霊及び人類の恒久平和を祈念するということでございます。
第2点は,原爆投下から今日までにおける被爆者の状況,とりわけ被爆死没者の状況について,その実態を具体的,体系的に明らかにし,今後の
被爆者対策を推進する上での基礎資料を得るということでございます。
第3点は,原爆が人間と社会にいかなる影響をもたらしたかということについて,その学問的基礎資料を得るということでございます。
このような考え方のもとに,かねてから八者協議会を通じまして,国の昭和60年原爆被爆者実態調査の実施に当たりまして,ぜひとも原爆死没者の調査を実施していただくよう再三にわたり政府,国会等の関係者に要望してきたところでございます。
国においても,この60年被爆者実態調査について,その調査内容とか,あるいは調査方法等の検討を行うために,去る2月21日,原爆被爆者実態調査委員会を設置いたしまして,今後その調査委員会のもとに専門委員会を設けて実務的な検討を行い,目標でございますが,4月末までには,その結論を得る運びとしておるというふうに承知しておるわけでございます。
本市といたしましても,原爆死没者調査の意義を十分踏まえながら,ぜひとも60年調査の中で死没者調査が実現するよう鋭意努力を重ねていく所存でございます。
次に,外国人被爆者の調査についてでございますが,原爆被爆者が世界のどの国にどのように存在しておられるかは,いまだ定かではないわけでございますけれども,その中で被爆者が多数おられます,例えば,韓国につきましては,昭和55年度から日韓両国政府の合意に基づく在韓被爆者の渡日治療が実施されておりまして,本市といたしましても,この受け入れについて種々協力をしているところでございます。
また,
在米被爆者につきましては,山本議員も御承知のとおり,荒木市長や今は亡き当時の広島県医師会長の大内五良氏らの並み並みならぬ努力によって健康診断事業の道が開かれまして,昭和52年以降,1年置き──隔年で広島県医師会を初めとする関係機関の協力により実施されておりまして,この件につきましても,本市として人的,物的支援を行っているところでございます。
そのほか南米につきましては,本年広島県において被爆者数の把握あるいは健康診断の可否等について調査検討をされようとしていると承知しております。
ただ,これら外国人被爆者にかかる対策につきましては,それぞれの国の国家主権にかかわる問題でもございまして,政府レベルの対応が基本になるものというふうに思うわけでございます。本市といたしましては,人道的立場から可能な限りのお手伝い,努力をさしていただくというふうに存じております。
それから最後に,原爆養護ホームの居住定員の改善とその環境整備についてでございますが,原爆養護ホームのうち,舟入むつみ園につきましては,御案内のとおり,昭和45年の4月に開所をしたものでございまして,その居住環境は,当時の設備基準は満たしておるわけでございますけれども,例えば,居住定員,居室面積といった施設水準を見ますと,今日的水準にはなっておらない,必ずしも満足できるものとは言いがたい面も確かにございます。
このような実態を踏まえまして,本市といたしましては,今日まで例えば機能べッドの導入を行うなど,その改善には鋭意意を用いてきておるところでございまして,また,60年度におきましては,各居室の明装,浴室の改修,さらには,冷暖房関係機器の更新等,居住環境の整備を図ることとしておるところでございます。今後とも老朽化対策を含めまして,可能な限り入所者の生活環境の向上に努めてまいる所存でございます。
以上でございます。
○議長(講元英雄君)
都市整備局長。
◎
都市整備局長(柳川幸雄君) それでは沼田地区におきます
町づくりについての理念といったことで御答弁申し上げます。
沼田地区の
町づくりにつきましては,将来計画につきましては,昨年10月に発表いたしました沼田地区土地利用基本計画案といったものの中に考え方を示しておりますように,単なるべッドタウンではなくて,住み,働き,憩うといった機能を持つ総合自立都市といったものを建設しようということで考えておるものでございます。
このような考え方にいたしました背景の中には,昭和30年代から40年代に行われました団地開発がお互いに連絡性のないまま無秩序に行われまして,周辺に働く場所やあるいは憩いの場所がないといった単なるべッドタウンの形成にとどまっております。
言いかえますと,総合的な
町づくり,あるいは
都市づくりの理念に乏しい開発が多く行われてきたといったことでございます。
これからの開発はそういったことではなくて,将来の都市生活を展望した計画的なやり方をしなければならないという反省の上に考えたものでございます。
昭和53年度に策定いたしました広島新基本計画では都市政策のテーマといたしまして,人間性豊かな都市環境の創造といったものを考えてございます。
この人間性豊かな都市環境と申しますのは,市民がそこに住み,働き,憩い,学ぶという活動をより豊かに行える環境のことだと理解しておるわけでございまして,単に土地を造成しまして,道路,公園,下水道などの公共施設を整備するだけでなく,その地域の自然的条件,社会的条件,歴史的条件を踏まえながら,特色のある
町づくりを行うといったことが今後の都市政策の基本になっているものでございます。
沼田地区もそのような環境を新たに創造するためには非常に格好ないい場所であるというふうに考えておりまして,環境のよい住まい,より魅力のある働き場所,憩いの場所,そして,知識を得る場所といったものを総合的に備えた新たな都市環境を創造することが,現在の市民,そしてまた,来るべき21世紀の市民の要請だというふうに強く認識しておるところでございまして,今後もこのような基本的理念,それからまた,先ほど市長からも
国際化時代における
町づくりの理念,こういったものを踏まえながら,土地利用基本計画案の実現に向けまして,努めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(講元英雄君) 建設局長。
◎建設局長(藤井崇弘君) 国鉄ローカル線対策につきまして,国鉄の再建
監理委員会の提言をどう受けとめているかなど5点につきまして,お答えいたします。
まず,第1点が,
国鉄再建監理委員会の第2次緊急提言をどう受けとめているかということでございますが,昨年8月に提出されました
国鉄再建監理委員会の第2次緊急提言は,御指摘のように運営形態としては,今後,国鉄の
分割民営化を目指すということが示されておりまして,特定の
地方交通線以外の
地方交通線につきましても,国鉄から積極的に分離すべきであるとされております。まさしく国鉄の根本を見直す厳しい内容となっております。
特に,第3次
地方交通線につきましては,可及的速やかに廃止のための選定調査に入る必要があるとされているために,可部線,芸備線の第3次
地方交通線を抱える本市としましては,この緊急提言が,これら両線の廃止の糸口になるおそれもあると厳しく受けとめている次第でございます。
両線は,地域の開発や都市交通の確保に大きな役割を果たしておりまして,これが廃止された場合には,本市を中心とする沿線市町村に多大な影響を与えるおそれがあると予想されます。
このため,広島県におきましては,県内の第3次
地方交通線であります可部線,芸備線及び福塩線の存続を図るために,この3路線の主要な沿線市町村と県で構成します広島県
地方交通線対策連絡会議が昨年12月に設置されまして,本市も参画しているところでございます。
こうした全県的な取り組みにあわせて,各路線ごとに沿線市町村で構成します地元組織を設立することが必要であると考えまして,去る2月18日に芸備線,2月19日に可部線の対策協議会を設立したところでございます。
今後これら路線ごとの対策協議会と全県的な組織であります先ほどの対策連絡協議会とよく連携をさせまして,可部線,芸備線の存続に向けて,国鉄方面への陳情,要望活動を行うとともに,利用促進対策について取り組むこととしております。
次に,第2点が,可部線,芸備線廃止後のバス転換が可能なのか,あるいは第三セクターによる経営形態に転換できるのかという御質問でございますが,現在,国鉄におきまして,この第3次
地方交通線のうち,どの路線を廃止路線とするかにつきまして,事前調査をしている段階と聞いております。
また,本年7月に予定されております
国鉄再建監理委員会の最終答申におきまして,これら第3次
地方交通線がどのように結論づけられるか,現段階でははっきりわかりませんので,今後その動向を見守っていきたいと思っております。
3点目が,生活交通を守る立場から,ローカル線の改善策は自治体の責務でやるべきではないかという御指摘でございます。
広島都市圏におきます公共交通機関としては,バス,電車,鉄道がありまして,それぞれの事業主体者によりまして,利用者の増加に応じて整備拡充がなされてきたところでございます。
特に,鉄道は,高速性,大量輸送性,定時性にすぐれているために国鉄在来線の整備拡充につきましては,これまでたびたび国鉄等の関係機関へ強く働きかけをしてまいりました。その結果,57年11月には地方都市で初めて山陽本線にシティー電車が導入されました。そして,59年2月には芸備線,呉線にもシティー電車が導入されるということで,国鉄在来線の整備強化が図られてきたところでございます。
しかし,可部線,芸備線は,現在,利用者が年々減少しているために,県におきましても,広域的な交通路線としての両線の利便性を向上するために,60年度予算におきまして輸送力増強の──輸送力の改善対策の調査費を計上をしているところでございます。
このため,我々の可部,芸備の両線の対策協議会としましても,今後,県と十分協議しながら,両線の利便性の向上を検討するとともに,利用促進対策につきましても,沿線市町村と連絡を図りながら活動を続けていきたいと思っております。
それから,4点目が,可部線,芸備線の存続維持に向けて実行可能な施策を実施すべきではないかという御指摘でございます。
両線とも公共交通機関としての重要な役割を果たしておりまして,その重要性は特に都市近郊部ではますます増大するものと考えております。
そうした観点から,この整備充実策につきましては,鉄道管理者であります国鉄当局に強く要望を重ねているところでございます。
現在の国鉄の財政状況のもとでは,御指摘の両線の複線化とか,あるいは環状線化などは多大な事業費を必要としますので,その実現は極めて困難と考えております。
しかし,経費の大幅な負担を伴わないものとしまして,可部線の広島駅乗り入れ等につきましては,59年2月のダイヤ改正では,従前の13本から23本に,それから,本年3月にダイヤ改正が行われますが,これでは23本から3本ふえまして26本というぐあいに順次改善が講じられております。
また,芸備線の輸送改善策としましては,58年3月に下深川駅を県の住宅供給公社の負担によりまして,駅舎を橋上化して,高陽ニュータウンと駅との連絡を図っておりまして,駅前広場を整備するなど利便性を向上させておるというところでございます。
駅前広場の整備あるいは駐車,駐輪場の確保など実行可能な対策につきましては,今後,両線の対策協議会の場で積極的に検討してまいりたいと考えております。
最後に,5番目が可部線と新交通システムとの整合性の問題でございます。
既にたびたびお答え申し上げていますように北西地域に新交通システムを導入することとしましたのは,安川流域の住宅群から発生する交通需要に対しての輸送増強を目的としたものでございまして,さらに,将来にわたる広島市域の交通の近代化の第1段階を目指したものでございます。
また,北西部の考え方からしますと,可部線はおおむね可部方面の交通需要に対応しているのに対しまして,新交通システムは,安川流域を対象としております。したがいまして,互いに整合性のとれた計画を立てておりますので,その点,御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
○議長(講元英雄君) 教育長。
◎教育長(藤井尚君) 国際理解でございますが,お説の小・中学生対象の語学教室は実際問題として難しいのではないかと思うのでございますが,アジア諸国に対する理解については,言語による理解もさることながら,風俗,習慣,風土等,異文化理解を深めることが重要でございますので,教科学習やクラブ活動等を通しての国際理解を進めることで御質問の趣旨に沿うよう努力いたしたいと考えております。
なお,社会教育においても公民館,青少年センターなど,社会教育施設におきまして,外国語講座の開催や外国人留学生等を招きまして,国際理解に関する事業の実施に取り組んでおるところでございます。今後とも国際理解を推進する事業の拡充に努力してまいりたい所存でございます。
次に,平和教育の充実は,本市教育行政努力目標の一つに掲げまして努力しているところでございますが,本市には特に原爆の犠牲者となられた肉親を持つ児童生徒も多く,それぞれの家庭において,犠牲となられた家族や縁戚の方の冥福を祈念したり,地域や職場の慰霊祭や平和公園での平和記念式典に家族連れで参列するなどの実情が見られます。
こうした中で,学校として休業中の登校日を8月6日を避けて設定する例もあり,8月6日に先立つ適切な機会をとらえて,その事前学習としての平和教育に力を入れております。
御提言のことは,これを全市一律,制度的にということではございませんが,その趣旨の重要性を踏まえ,被爆体験の継承は広島の使命,責務であり,平和記念日は市民がこぞって恒久平和を希求する日であるという自覚を深く持ちまして,各学校の実情に即して工夫するように求めてまいりたい所存でございます。
○議長(講元英雄君) 山本君。
◆43番(山本誠君) 全体的には委員会等でやらしていただきますが,特に,
都市づくりの問題等は,大体5年から10年サイクルで,この見直しということで,答弁の中にも今度は第四全総になるんですか,そういうものになるわけですが,なぜ,そういうふうに,この当初37年ごろ,あるいは42年,新全総,そして,52年に三全総と,この42年ごろは列島改造のころだと思いますが,そういう中から52年に定住圏構想,人間尊重と,そういう生活重視,こういう方向に変わってこざるを得なかったか,こういうところがやはり問題だろうというふうに思います。
そういう問題意識をやはり持って,これからの新しく四全総が出るわけでありますが,そういう点にですね,十分やはりこの問題意識を持って取り組んでいただきたいと,こういうふうに申し上げておきたいというふうに思います。
それとローカル線対策の問題については,最後の部分から申し上げますと,可部も5万人ぐらいな人口があるわけでありまして,その地域ですら可部線が利用者が減ってくる。こういう人口はふえるにもかかわらず,利用者が減るのはなぜか,こういう点を我々は考えていかないといけないと思うわけです。
新交通が安川の方に向かって入るから整合性がある,確かに方向としてはあるでしょうが,可部線ですら,そういう状況なのに,では新交通を入れたから利用者がふえるというだけのものではないというふうに思うわけで,そういう意味で私は問いかけておるわけであります。
再答弁は必要ありませんが,そういう意味で今の可部線が廃止になった場合にどうなるのか,あるいは芸備線が廃止になった場合にどうなるのか,そういう点で実行可能なもの,駅前広場,そういうフィーダー輸送の問題等もあると思うわけです。
そういう点について,もう国鉄はやらないと,こう言っとるわけですから,自治体が市民の足を守るためにやらなきゃならない,とりわけこの広域都市圏の交通の問題になれば,もっと県にも積極的にやらすようにひとつ働きかけてほしいと,こういうふうに思います。
それと沼田地域の住む,働く,憩うというのは,だれが住んで,だれが働いて,だれが憩うのか,こういう視点を受けとめていただきたかったわけであります。
確かにこの発想というのは非常にすばらしい基本理念であるわけでありまして,憲法で言うと25条から27条までの関係がこの中にきちっと受けとめられておるわけですが,表現としては。
では,やる方側にそういうものがあるのかどうかということが大切だというふうに思うわけです。
そういう意味では,高齢化社会を迎えるそういう中で本当にお年寄りも障害者もそういう人々が本当に住み,働く,憩う場所になるように,ぜひともつくり上げていただきたい。
この高齢者がやはりその中で再就職して家の近くでやはり働く喜び,そういうものも必要だというふうに思いますので,そういう基本的な理念を十分踏まえていただきたい,こういうふうに思います。
それと次は
国際交流の関係で研究をしていただくようになっておりますが,研究だけではどうにもなりませんので,
国際平和文化都市というのは,やはり広島の──よそにないこの広島の象徴であるわけですから,よそがやらなくても,やはり広島がそういうことを率先をして,ぜひとも市民交流がやりやすいような,共通して利用できるような,そういう施設というものを早急にお考えいただきたい。
当然,今から
アジア競技大会に向けて,いろいろな国際競技などもされるわけでありまして,そうなれば,当然,選手がやってくるわけですから,そういう,ただ単に民間の交流だけの問題でなくして,そうした選手あるいはそれに同行される皆さんもたくさんこれからおいでになるわけですから,そういう多目的なものを含めて,ぜひとも御検討をいただきたいと,こういうふうに思います。
それと福祉の問題ですが,今そうした縦から横の問題を地域福祉とおっしゃいましたが,検討中でいろいろ協議をしておるということでございますが,それができてからということですが,いつごろをめどにお考えになっておるのか,10年先なのか,1年先なのか,1カ月先なのかがちょっと明らかでございませんので,そこあたりの目標があれば,ひとつ出していただきたいと,こういうふうに思います。その点だけひとつ再答弁をしていただきたいというふうに思います。
以上でございます。
○議長(講元英雄君) 民生局長。
◎民生局長(田島敏男君) 地域福祉計画は,今年度と来年度じゅうには確実にできると思いますが,できれば夏ぐらいまでに出したいということで急いでおります。
以上でございます。
○議長(講元英雄君) 33番藤本正躬君。
〔33番藤本正躬君登壇〕(拍手)
◆33番(藤本正躬君) 私は,民主クラブを代表いたしまして,今次提案されております昭和60年度予算案を中心に昭和60年代に向けての市長の基本姿勢並びに具体的施策について簡単にお伺いをいたしたいと存じます。
市長は,水と緑,文化の町,平和都市広島を目指すと常日ごろ述べられております。都市基盤施設の整備など21世紀に通用する土地づくりの推進にも積極的に取り組んでおられ,市民としては敬意を表するものであります。
都市美づくりの推進,緑の
町づくりを初め,数多くの文化施設も,構想から事業化へと進みつつあり,泳げる太田川構想も着々と進みつつあるようであります。平和問題にしても,精力的に活動されており,広島市民として心強く思うものであります。
市長は,この10年間,現実的には水と緑と文化の施策など,ソフト面に重点が置かれてきたと思っております。数多くの市民もそう思っているようにも思われます。オイルショック後の市長として,景気回復,市政に活力を求めてこられたところでもあるように思っております。
しかしながら,今,広島都市圏の産業構造の特殊性,経済構造の多様化など問題点があり,現実的には景気回復の立ちおくれが指摘されているところであります。それは行政の責任のみではないと思いますが,道路交通網の整備のおくれも大きな原因であるのではないでしょうか。市長を初め市議会一体となって重点施策として取り組まなければならない現実の問題であると思います。昨日来,いろいろと指摘されているところでございますが,市長は60年代を迎え,どのように考えられておられるのか承りたいと存じます。
経済振興対策として,既存産業の体質強化と先端産業の育成,導入を考えられ,地場産業の育成など努力をされているところでありますが,新たな成長産業の導入を考えるとともに,市内企業の流出防止についても対策を考えなければならないと存じます。
昨年度から企業立地促進制度を実施されましたが,利用実態はどのようになっているのでしょうか。
また,新たな土地の創出,沼田の土地利用構想,安佐地区開発計画など,どのように進展しつつあるのでしょうか。取りつけ道路も早期に着手しなければならないと存じます。
いろいろ意見を申し述べましたが,幹線道路等,都市基盤施設整備のおくれが市政発展に大きな災いをもたらしているのではないでしょうかと思います。
冒頭申し上げましたが,60年代に向けて市長の決意を再度お伺いしたいものであります。
次に,経済の活性化を含め,五日市町も合併することであり,広島湾臨海部の開発を早期に図るべきではないかと考えますが,どうでしょうか。
また,これに関連して土地づくりについて問題を提起してみたいと存じます。
広島南道路の建設が進められようとしていますが,幅員50メートルという膨大な地積であり,市街地であります。法線決定には慎重な配慮が必要でありますが,街路建設の難関は何と言っても用地問題であります。
新年度予算で代替地取得造成15億2,400万円計上され,かつまた債務負担行為による道路用地先行取得約40億円などが計上されています。これらは道路建設に伴う用地取得が困難な証左でもあります。
臨海部開発に関連して,これら代替用地造成を図るべきではないかと存じますが,どうでしょうか,見解を承りたいと思います。
次は,安全で快適な
町づくりについて御質問申し上げます。
まず第1点は,今回の国土開発幹線自動車道の整備や周辺地域における大規模開発に即応した道路体系整備を図るため,新年度において新たな幹線道路網基本計画調査に取り組むとされていますが,どのようなことをされようとしているのでしょうか,お伺いをいたします。
第2点は,3月に開通いたします広島北インター沼田道路についてであります。都市交通対策特別委員会などでの説明では,広島湯来線から流出される車は,1日2万2,000台と想定されています。美鈴が丘からの流れもあり,西部地区では大変な混雑が想定をされます。この打開策は急務であります。前々から検討されていなければならない問題でありましたが,当面なすすべもありません。きのうもお答えがございましたが,早期解決を強く要望しておきます。
なお,広島湯来線からそれ以外の地域に流れる道路計画を立てることを考えるべきではないかと考えますが,見解があれば承りたいと存じます。
第3点は,いろいろと言われておりますが,新交通システムについてあえて再度質問してみたいと存じます。
1月24日朝のNHKテレビ放映で地交審の審議の見通しについて,新交通システムとは明快な発言ではありませんでしたが,市の北西部の交通体系について,そうしなければならないというような発言が中国運輸局長,本市の建設局長からなされております。
市長は,新交通システムについて,都市計画の決定の諸準備を進めるとされていますが,既存のバス業者は,社の生存をかけて苦慮されているようであります。第三セクターの設立も大変困難ではないかと想定されるものであります。それは,利便性はあるとしても,採算性があるのかどうか,市内乗り入れ後の輸送体系はどうなるのか,果たして共存できるのかどうか,重大事項として検討されているようであります。市当局は安易に考えられているようにも思いますが,市当局の責任は重大であり,重大な決意を迫られる時点があるのではないかと存じます。しつこいようではございますが,いま少し見解を承ってみたいと存じます。
また,新交通に関係はありませんが,祇園新道完成は,幅員50メートルという道路であります。周辺の開発,土地利用計画も早急に検討されなければならないと思いますが,54号線が完成したとき,なぜ周辺の利用計画が立てられなかったかと思ったこともあります。今後十分慎重に検討され,住みよい
町づくりに努力されるよう強く要望しておきます。
第4は,単独下水道問題について御質問申し上げます。
単独下水道の整備がほぼ完成に向かいつつあるので,流域関連公共下水道に重点を置くとされていますが,昨年も御質問申し上げましたが,区役所などの話では急速に進められるように聞き及んでいます。その後の実施計画はどのようになっているのでしょうか。汚水,雨水を含め承りたいと存じます。
また,旧安川の坪井川接点以南について,最近,準用河川として認定され,本年度から改修されるようであり,まず今後の改修計画並びに1級河川昇格の見通しなど承りたいと存じます。
第5は,消防,防災対策についてであります。
新年度から2カ年計画で的確な情報処理と適切な救援活動を行うため防災行政無線の整備を行うとされていますが,今後高層ビルの増加する中での火災,山林火災などに対処するため,数年前にも申し上げましたが,多目的なあらゆる角度からのヘリコプターの設置を検討されるべきではないかと存じますが,消防局長の見解を承りたいと存じます。
次は,五日市町の行政推進についてお伺いをいたします。
本市と五日市町は,3月20日をもって合併することが決定されています。御承知のとおり,大変問題を起こしたことでもあります。佐伯区は,本市西部の拠点でもあります。合建5カ年計画は554億円余りとされており,初年度は88億円が計上されているようであります。あの紛争のもとの合併であり,今後の建設計画には重大な関心が持たれていると思います。私も,合併町の一員として関心を持たざるを得ません。生活環境の整備,教育施設の整備,交通基盤の整備が大半を占めているようでありますが,私は一,二お伺いしてみたいと存じます。
私は,過去,横川駅前整備,広島駅前整備など,再三にわたって訴えたところであります。広島駅前整備も,地下歩道,バスターミナル設置等,昭和62年度完成が予定されております。表口周辺市街地の再開発についても,昨日もお答えがございましたが,事業化へ向かって一歩進みつつあるようであります。
さて,山陽線五日市駅周辺についてであります。西部の拠点とするならば,唖然とせざるを得ません。合建の早期完成はもちろんでありますが,五日市駅周辺整備についてどのように考えられているのでしょうか。駅に通ずる交通機関もありません。2号線に通ずる南口をつくるべきではないかと存じますが,あわせて御質問申し上げます。
第2は,高校新設についてであります。五日市町周辺に高校新設の要望がなされていたようであります。本市合併後は,一層その要望は強くなると存じます。教育長の見解があれば承りたいと存じます。
次は,行政改革についてであります。
行政改革に関しては,かねてより市長の見解を求めてきたところでありますが,この問題はここ当分続く国,地方を通ずる我が国最大の政治課題の一つであります。重ねてお尋ねをいたします。
御承知のとおり,国の行政改革を見ますと,単に国の歳出節減のため社会保障関係費を初めとする各種の高率国庫補助負担率を一律に引き下げ,この財政負担を一方的に地方に求めるだけに終始し,従来から地方自治体が強く要望してきました権限移譲や機関委任事務の見直しとそれに伴う財源配分の適正化についてはほとんど顧みることなく推移したことはまことに残念であります。
国のこのような行政姿勢に比べ,一部の自治体を除き,大方の地方公共団体は,国に先駆けて独自の行革を続けているものもあり,また国を凌駕しているものもあると考えており,その努力を認めているところであります。
県内の都市について申し上げれば,本市を初め,例えば三原市においては,議会が率先して行革特別委員会を組み,行財政改革に積極的に取り組んでおると聞き及んでおります。
本市について申し上げれば,荒木市長就任以来,事務事業の総点検運動や行政事務の管理改善運動を通じ,組織定数の見直し,オートメーションの推進,事務の外部委託,経常経費の節減を行い,常日ごろから行財政改革にたゆまざる努力を続けてこられたことは十分評価しております。
こうした中で,先般自治省は,昭和60年を地方行政改革元年と位置づけ,地方行政大綱を示したところでもあります。この地方行革大綱においては,地方公共団体が取り組むべき重点施策として,事務事業の見直し,組織・機構の簡素合理化,給与の適正化,定員管理の適正化,民間委託,OA化など事務改善の推進,会館等公共施設の設置及び管理運営の合理化,地方議会の合理化など,七つの項目を掲げ,地方自治体の取り組みについて具体的に示しております。
さきにも申し述べましたとおり,私は本市がこれまで進めてきた行革の努力と成果をかなり評価するものではありますが,これらの点について本市としてどう取り組んでこられたのか,具体的に説明を願いたいと同時に,今後の方針についても御見解があれば承りたいと存じます。
以上をもって質問を終わりますが,明快なる回答を御期待申し上げます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(講元英雄君) ただいまの藤本正躬君の質問に対する理事者の答弁は午後に譲ります。
─────────────────────────────────
休 憩 宣 告
─────────────────────────────────
○議長(講元英雄君) この際,暫時休憩いたします。
午前11時49分休憩
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
午後1時10分開議
出席議員 37名
欠席議員 22名
○副議長(中本弘君) お御苦労でございます。
出席議員37名であります。
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開 議 宣 告
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○副議長(中本弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
午前中の藤本正躬議員の質問に対する答弁を求めます。市長。
〔市長荒木 武君登壇〕
◎市長(荒木武君) 午前中の藤本議員の御質問に対しまして御答弁申し上げます。
昭和60年代の地域政策についてどのように考えているかという御質問でございます。
申し上げるまでもないことでございますが,たびたび申し上げておりますように,今日の社会は,国際化,情報化,技術革新,高齢化といった流れの中にありまして,また国土開発幹線自動車道の建設など,地域環境自体が大きく変化をしておるわけであります。
本市が目指す
国際平和文化都市広島を実現し,100万都市として21世紀に通用する都市を創造するためには,こうした社会潮流と地域環境の変化を踏まえながら施策を展開していく必要があると思います。
その場合,市長といたしましては,一つは地域の特性を生かした
都市づくりを,二つには長期的な展望のもとにシナリオを持って推進すること,そうして三つ目には民間活力の導入など,地域の総力を結集することを政策展開の基調にしなければならぬ,このように考えています。
また,60年代の地域政策の基本方針としては,次の三つを考えなければならないと思っております。
一つは,65年を目標とする広島市の新基本計画の実現,二つ目は60年代を通した大都市としての基盤づくり,そうして三つ目は60年代を越え,さらに21世紀へ向けた
都市づくりであります。
こうした基本的な考え方のもとに,本市が取り組むべき60年代の地域活性化のための主要課題としましては,まず道路交通,下水道等の都市基盤整備があります。広域幹線道路を初めとした道路交通体系の整備は地域間の一体性を高め,効率的な都市活動を確保するとともに,安全快適な市民生活を保障する上で極めて重要な都市課題であると考えています。
このため50年代に引き続きまして,60年代におきましても,祇園新道,安芸府中道路など,国土開発幹線自動車道と中心市街地とを結ぶ道路や広島南道路,広島呉道路など,広島湾岸地域を結ぶ道路を中心に道路網の整備促進を図ってまいりますとともに,大量輸送機関の導入にも鋭意取り組んでまいりたいと考えています。
また,下水道についても,市政の重点課題として位置づけ,毎年,御案内のように,200億円にも上る事業費を投入してその整備に努めているところであり,今後とも下水道の早期普及に向けて重点的な取り組みを行ってまいりたいと,このように考えております。
2番目には,地域経済の活性化の問題がございます。
御承知のように,本市の産業は,機械系工業及び関連生産財卸売業に偏り,しかも,成長性の高い分野の産業集積が小さいという構造的な特徴を有しております。
したがって,今後の経済社会の変化の中で,地域経済のたゆまぬ発展を図っていくためには,先端技術産業等,成長性の高い分野の産業の誘致に努めてまいらなければならないと思いますし,また,中小企業を中心とした地場産業の技術革新や知識集約化を促進してまいりまして,産業構造の高度化,多角化を図る必要があると考えています。
このため,内陸部及び臨海部の開発により企業用地を確保するとともに,工業技術センター,中小企業大学校等の建設を促進することによりまして,技術あるいは経営管理にかかわる情報機能を強化するなど,産,学,官一体となって総合的な経済振興対策を展開していかなければならない,このように考えています。
3番目は,メッセ・コンベンションシティーづくりの推進であります。メッセ・コンベンション・イベントが常時開催され,人,物,情報が集まり交流する
都市づくりの推進は,世界平和を願う広島の心を伝えるとともに,
国際交流の活発化,地域経済の振興,市民の文化・社会活動の向上を図るためにぜひとも取り組まなければならない課題であります。
こうした観点から本市はメッセ・コンベンションシティーづくりを新たな施策の柱に据え,各種行事の創出,誘致に努めているところでありますが,こうした行事を一過性のものとしてとらえるのではなく,21世紀を展望した新たな発展への契機として位置づけ,被爆40周年に当たる本年の各種行事に引き続き,64年の市制施行100周年記念事業,69年の第12回
アジア競技大会というふうに節目をつけながら,一連のものとして実施していく考えであります。
また,国際平和文化会館等,こうした行事の会場となる施設や博物館,現代美術館の関連施設,さらには広島の特徴である川を生かした潤いのある美しい
町づくりなど,メッセ・コンベンションシティーとしての環境整備にも取り組んでまいりたいと,このように考えているところであります。
○副議長(中本弘君) 総務局長。
◎総務局長(福島隆義君) 行政改革の御質問についてお答えいたします。
行政改革の取り組みの結果はどうかという御質問でございます。考え方を申し述べながら御説明申し上げたいと思います。
まず,定員の問題でございます。
御承知のとおり,本市が中枢管理都市としてのその名にふさわしい都市機能を整えるため,年々都市基盤の事業費を初め,拡大いたします。また,小・中学校,高等学校を初めとする教育施設,それから福祉施設,文化施設,スポーツ施設等につきましても整えていく必要があるわけでございます。
これら行政水準の向上を定員管理の側面から見ますと,いずれも定員増の要因でございます。これらの定員増にこたえるため,既存の定数にそれを積み重ねるのではなく,既存の事務事業を見直し,民間活力の導入あるいは組織の統廃合,機械化等によりまして,全体数として抑制していくという方針で今日までまいっております。
ちなみに,過去4年間──57年から60年までの結果について申し上げますと,先ほど申し上げました増員要員が566名でこれは増員いたしております。
しかしながら,既存の見直しで766名減いたしておりますので,差し引き210名の減と現在時点相なっております。
次に,組織の問題でございますけど,本市の現行の行政組織は,昭和55年に政令市に移行の際,区制を設け,そこで抜本的な改正が行われたわけでございます。それを基礎にして今日まで至っておるわけでございますが,移行後の事務事業の見直し,定着したものにつきましては,できるだけ簡素化を図るということで統廃合を行ってきております。
現在までの状況を申しますと,課において,過去4年間で22の課を削減いたし,部について一部削減いたすことにいたしております。
次に,委託の問題でございますけど,事務事業の委託につきましては,小さいものから大きなものまでありまして,件数であらわすことが非常に困難でございますけど,全国の市を対象とした統計がございますので申し上げますと,57年度に自治省が主要委託対象項目41項目につきまして,全国の集計をいたしております。その41項目につきまして,全国市の平均の委託率が55.5%,そのときの本市の委託率が80.5%,59年度について見ますと,本市の委託率が85%と相なっております。全体ではございませんので,必ずしも絶対とは申し上げられないわけでございますが,私ども当市のそういう委託の率はかなり進んでいるものと理解しておりますので,御了解願います。
次に,機械化の問題でございますが,最近の大きなものといたしまして,57年度に住民基本台帳のオンライン化,さらに58年度に土木工事の積算事務のオンライン化,図書館事務のオンライン化,59年には市税事務のオンライン化を他都市に先駆けていずれも実施いたしております。
さらに,OA機器の導入につきますと,オフィスコンピューター,パソコン,ワープロ,ファクシミリ,オンラインの端末機等,来年度の予算に上げたのを合わしまして277台の導入と相なっております。これらも今後積極的に導入いたしまして,事務の軽減化を図っていきたいと思います。
以上述べました方針に基づきまして,今後とも本市の行政需要はふえていくと考えられますので,一層努力していきたいと,こういうふうに考えております。
○副議長(中本弘君) 経済局長。
◎経済局長(網井信昭君) 企業立地促進制度の運用状況についてお答えいたします。
御指摘のように,広島市の産業構造といいますのが,輸送用機械に非常に特化しております。そういうようなことで景気の影響を受けやすいという体質を持っておりますし,それから市域内企業の流出が非常に多いという状況があるわけでございます。
そういうことで,去年の7月に企業立地促進制度というのを設けまして,それの運用に当たってきておるわけですけれども,現在までに問い合わせのあった企業が111件ございます。そして,具体的な協議に入っている企業が6社ばかりございまして,今それの詰めをやっているところでございます。
以上でございます。
○副議長(中本弘君)
都市整備局長。
◎
都市整備局長(柳川幸雄君) 沼田地区の土地利用構想の進捗状況はどうかといったことでございますけども,これの具体的な開発の進め方につきましては,最も大事な課題でございまして,地域住民,開発事業予定者の意向でありますとか,あるいは公共施設整備とのバランスといったものを考慮して検討していくという方針でございますけども,既に地域住民,開発事業予定者に対しましては,説明会を開催いたしております。で,それに基づきまして,今後の進め方といったものを検討を始めております。
この2月には,県と共同で開発事業予定者の意向を把握するためのヒアリングを行いました。
また,60年度には,地域住民の方々の意識調査を行うといったことも考えてございます。
今後とも構想の早期実現を目指して努力してまいりたいというふうに考えてございます。
○副議長(中本弘君) 建設局長。
◎建設局長(藤井崇弘君)
臨海部開発と土地づくりなど7点につきまして御質問がありましたので,順次お答えいたします。
ます,臨海部における土地づくりについて,南道路の整備等,代替地を確保すべきではないかという御質問ですが,臨海部におきます土地づくりにつきましては,本市の健全な発展と今後の
町づくりを考えた場合,臨海部の開発整備と新たな土地づくりを進めていくことが極めて重要な課題でございます。
このため,過去,21世紀広島ビジョン会議の提言にもありますように,広島湾の総合的整備の具体化を図るために,現在学識経験者等を入れまして
臨海部開発計画基礎調査検討委員会を設置いたしまして,各界の意見を十分反映してこの調査に取り組んでいるところでございます。
その中で今後の社会環境や市民意識の変化に対応して,市民に親しまれる魅力的な水際空間の創出や沿岸域の都市整備を行う必要性があり,新たな導入機能として海や川を生かしたメッセ・コンベンションを中心とする広島の国際化にふさわしいシンボルづくりが検討されております。
一方,御指摘にもありますように,活力ある広島の
都市づくりを進める上で,道路網の整備など都市基盤の充実強化が必要でありますので,代替地の確保や臨海部に進出を希望する企業の用地あるいは都市再開発用地等の確保など,既存機能の充実性の必要性も検討されておりますので,御趣旨に沿って代替地確保も進めていきたいと考えております。
2番目が,安佐地区の開発計画の進捗状況でございますが,既に地元に基本計画の説明を行っておりまして,関係者の理解を得ておりますので,60年度からいよいよ実施設計あるいは用地調査等を実施する予定でおります。
今後,62年度に予約受付を開始いたしまして,66年度分譲開始見込みという線で事業促進に向けて鋭意努力していきたいと考えております。
次が,60年度予算に計上されております幹線道路網基本計画調査はどのようなものかという御質問ですが,活力ある広島を進めていくためには,21世紀へ向けて長期的な展望に立った都市基盤の強化が重要でございまして,中でも道路の持つ役割は極めて大きゅうございます。このため,都市の根幹となります道路網の確立のためにこの調査を実施するものでございます。
調査の内容は,6項目に分かれておりまして,順次申し上げますと,北東部地区幹線道路網基本計画調査,これは東区を中心としまして地区内の大規模開発を想定した将来幹線道路網のあり方をここで策定しようとするものでございます。
次が,井口──観音井口線の基礎調査でございますが,これは,太田川放水路の沈埋トンネル区間の概略設計あるいは地質調査等を実施するものでございます。南道路の一部でございます。
3番目が,府中仁保道路基礎調査でございます。これは,山陽道の安芸インターから安芸府中道路を経由して湾岸部に到達する路線でございますが,3ルート程度の概略設計を行い,県と共同して実施に向けてのルート検討等を進めていくものでございます。
それから,高陽可部線の概略設計でございますか,これは根ノ谷川橋の右岸から可部大毛寺線に至る区間でございまして,道路の概略設計を行うものです。
次が,都心部の道路基礎調査でございますが,これは都心部の道路交通を打開するためにモデル地区を設定してケース・スタディーを行って,いい路線を探していこうとするものです。
それから,7番目が──失礼しました。6番目が東部幹線道路基礎調査でございまして,国道2号の東部地区から都心に集中する自動車交通を円滑に処理するための基礎的な調査でございます。
次が,沼田地区から都心へ結ぶ連絡道路の調査の件でございますが,昨年10月にこの地区の土地利用計画が示されまして,この構想を実現していくためにば,こういった道路基盤の整備が重要であるということで,60年度におきましては,道路の規格あるいはルート選定を行うための基礎資料を得るための調査でございます。
次が,新交通システムについて幾つかの御質問がございました。採算性,その他でございます。
新交通システムの採算性の見通しにつきましては,かねてから交通工学上の上から一つの定まった推計方法によって利用者の推計をいたしまして,これをもとに利用料金をおおむねバス並みとし,現行の国の助成制度あるいは金融条件,他都市の運営実績による運行経費等を参考にしながら収支の計算を行ってまいりました。
この結果,営業開始後,おおむね20年以内で資金回収が可能であると,将来とも十分経営を維持できるという判断に達しました。
しかしながら,交通事業の計画に当たりましては,この利用者推計及びこれに基づきます採算性の検討は最も重要な点でございます。
今後,市民の交通手段の選択の傾向,あるいは施設整備費あるいは金融条件等は社会経済の動向によりまして変動するものでございますので,これらの要因については常々注意深くそういう社会指標を見きわめながら随時事業計画に反映さしていきたいと考えております。
それから最後,御指摘の紙屋町からの輸送体系の問題でございますが,都心まで入ってきた交通を今後どうさばくかという問題は,東西方向の新しい公共交通機関の導入がぜひ必要であると我々考えておりまして,既に開催された中国地方交通審議会におきまして,今後広く検討がなされるものと考えております。
次に,既存バス事業との共存問題でございますが,我々この新交通システムを導入しましても,なお周辺部には既存のバスあるいは可部線等,それぞれの特色を持った交通機関がありますので,将来の交通需要を賄うためにはこれらの特性を十分発揮しながら総合的に分担し合っていけるものと考えておりまして,今後共存の道を十分探っていけるものと思っております。
次が,安川廃川敷の整備計画についてでございます。
安川廃川敷の整備につきましては,総延長4.6キロメートルございまして,上流の約4キロメートルを下水道事業で,下流部の0.6キロメートルを河川事業で整備することとしています。
この整備手法につきましては,国,県,市で協議を重ねた結果,河川として整備するためには,1級河川に指定することを前提といたしまして,当面は既に廃川ですね──川を廃止と,廃川した経緯もございましたので,準用河川として坪井川合流点以南を整備するものでございます。
その事業の内容は,60年度におきましては,設計等とそれから部分的に川幅の一番狭隘な部分の改修に着手する予定であります。
今後,61年度には県知事管理の1級河川に昇格させて62年度から都市小河川改修費の補助制度がございますので,これにのっとりまして市が県から委託を受けて鋭意改修事業を進めていこうと考えております。
それから最後が,五日市の駅前周辺の再開発の問題でございます。
五日市におきます
町づくりの拠点となる駅前周辺の整備につきましては,合併建設計画の重点課題として取り組むことにしております。
五日市駅の南口広場と北口広場を結ぶ陸橋につきましては,既に都市計画決定されておりまして,駅舎の整備を含め事業実施の準備が町当局でなされてまいりました。
都市計画道路駅前線につきましては,54年度に着手されましたが,その後用地取得が思うように進まず,現在面的な整備などを含めた事業手法について見直しを行っているところでございます。
以上でございます。
○副議長(中本弘君) 下水道局長。
◎下水道局長(新谷喜城君) 安全で快適な
町づくりの第4点目の流域関連公共下水道,そのうち特に太田川処理区の整備計画について御答弁いたします。
既に本格的な整備に着手しております己斐地区以南については,ほぼ整備のめどが立っておりまして,おおむね63年度ごろまでには完了させることができるものと考えております。したがいまして,今後の整備や三滝以北の牛田,戸坂,祇園,古市,佐東,高陽地区等へ移っていくこととなります。
まず,三滝地区でございますが,現在実施内容の確定に必要な土質調査を行うこととしまして,地元と協議中であります。これが調い次第,地区の整備に向けて事業を進めていく考えでございます。
次に,牛田地区についてですが,既に58年度から汚水幹線工事に着手しておりまして,60年度では流域の下水道幹線が既に完成していることから,61年度の処理開始に向けて面的整備を広範に行う計画であります。
また,浸水対策として取り組む必要のある雨水ポンプ場についても,60年度より建設工事に着手する計画になっております。
次に,戸坂地区について,既に59年度から汚水管渠及び天水の中継ポンプ場の建設に着手しております。60年度は汚水幹線の整備,面的整備のほか中継ポンプ場の建設を進める計画でありまして,流域の幹線が61年に完了することを受けまして,62年度には一部処理開始に持ち込みたいと考えております。
次に,祇園・古市地区について,既に59年度より旧安川部分の雨水幹線のほか,祇園新道部分においても雨水幹線の整備に着手しております。
60年度では,旧安川の幹線整備を進めるほか,汚水系についても,流域幹線が62年完了の予定であることからしまして,幹線の整備に着手する計画であります。63年度ごろには一部の処理開始が図られるよう今後計画的に整備を進めていきたいと考えております。
佐東地区について,既に59年度から緑井地区の浸水対策として雨水幹線の整備に着手しております。60年度においてもこの整備を進める計画でありまして,早期に浸水が解消できるよう努める所存であります。
また,汚水系については,流域幹線の進捗を踏まえ,64年ごろに見込まれる供用開始におくれることのないよう,地区内の整備に着手する考えであります。
高陽地区でございますが,高陽地区の小田地区において浸水対策を講ずる必要があります。道路の整備との絡み等問題がありますが,今後早急に検討を加え,早期実現に向けて努力いたしたいと,また,汚水系の整備については,流域下水道の進捗を見きわめる必要がありますが,65年ごろと見込まれる供用開始におくれることのないよう地区内の整備に着手する考えであります。
以上でございます。
○副議長(中本弘君) 消防局長。
◎消防局長(栗栖敏人君) ヘリコプターの設置を検討すべきではないかという御質問に御答弁申し上げます。
このヘリコプターの整備につきましては,昨年の第3回市議会定例会におきまして,その基本的な考え方につきましてお答えしたところでございますが,御承知のように,都市災害を初め各種災害の広域化,大規模化に対応するために,消防機関といたしましては,機動的な消防活動の手段として必要であると考えております。
したがいまして,このヘリコプターの導入方法につきましては,その機動性から広域消防体制の上で検討をする必要がありますので,現在広島県を含め広島県下23消防本部で組織しております広島県消防長会においてヘリコプター導入調査研究会を設置いたしまして,目下鋭意研究をしているところでございます。
また一方,国におきましても,最近広域的な災害が全国各地に多発していることから,これに対応する機動力の必要性が認識されまして,消防庁にヘリコプター整備方法等についての検討委員会が設置され,積極的に取り組まれているところでございます。
本市といたしましては,今後広島県消防長会のヘリコプター導入調査研究会の調査結果や国の動向等を踏まえながら,効率的,効果的な整備について検討してまいりたいと思います。
以上です。
○副議長(中本弘君) 教育長。
◎教育長(藤井尚君) 高等学校の設置や学区の設定については,基本的に県の事務であることは御案内のとおりでございますが,既に五日市町は県に対しまして,同町への県立高等学校新設の働きかけが継続的になされていたということでございますので,市域全体の高校進学問題の中にその点も位置づけ,県に対しまして高校新設を含めた万全の対策を講じるよう働きかけていきたいと考えております。
○副議長(中本弘君) 33番藤本正躬君。
◆33番(藤本正躬君) いろいろと御丁重な御答弁をいただきました。
私は,市長さんの60年代における基本姿勢について質問いたしましたが,若干舌足らずがあったのではないかと思うわけでございます。
今,市長は,都市基盤の整備,経済の活性化等々,3点にわたる遠大なといいますか,積極的な答弁があったわけです。しかしながら,先般も本会議で植木市長さんとか枯木市長さんとかいう批判もありましたが,いろいろと市長さんは,水と緑と平和には熱心なけれども,今申された答弁について積極性に欠けておるんではないかという実はいろんな一部の意見を聞くわけです。私が今質問いたしましたのは,そういうことをこの60年代に向けては広く訴えていただきたいということを強く要望したかったわけでございます。
次に,新交通について,再度これは要望しておきたいと思いますが,御承知のように,既存のバス業界にとっては大変深刻に受けとめられておるわけです。それは,冒頭申し上げましたように,第三セクターが設立が困難ではないかということは,新交通が紙屋町へ入りまして,その後はどうなるんかという,それらが出ないことには,第三セクターに私は絶対乗ってこないと思うんです。そういう意見が根強いわけです。
ということですから,申し上げましたように,市として重大な決意を持たぬにゃあいけぬのではないかという発言もいたしましたけれども,特にこの問題につきましてはですね,真剣に考えていただきたいと思います。
その他につきましては,各部会の──予算特別委員会ですか,これで詳細にわたって再質問いたしたいと思います。
終わります。
○副議長(中本弘君) 28番中本康雄君。
〔28番中本康雄君登壇〕(拍手)
◆28番(中本康雄君) 日本共産党を代表して
総括質問を行います。
初めに,平和問題について。
ことし1985年は原爆被爆40周年,また同時に第2次世界大戦終結40周年という平和にとって重要な意味を持つ年であります。それだけに,世界最初の原爆被爆都市広島の果たす役割もまた重大であります。当初,わずか3発にすぎなかった原爆は,今や5万発に及び,その爆発力は広島型原爆の100万倍に達し,そのわずか1%が世界のどこかで使われると地球全体が冬となり,人類の生存そのものが危うくなることを多くの科学者が明らかにしております。
私どもは,この今日の核戦争の危機からの活路はただ一つ,核抑止力論などのわき道からきっぱり離れて,日本国民の悲願であり,国際連合の原点でもあった核兵器全面禁止,廃絶の問題に正面から真剣に取り組むことだと確信しております。かつて毒ガスを禁止したように,一般兵器とはっきり区別して核兵器廃絶の1点で,資本主義も社会主義も,安保条約,自衛隊を支持する者もしない者も,思想,信条,宗教の違いを乗り越えて,人類生存のため今こそ立ち上がらなければならないと考えるものであります。市長も昨年の平和宣言で,米ソ両国は相互の不信と憎しみをますます募らせ,核抑止論の名のもとに,核軍拡競争に狂奔しているとし,一たび核戦争が起これば勝者も敗者もなく全人類は絶滅するのみであるとの認識のもと,核兵器保有国はこれらの国際世論を真剣に受けとめ,核兵器廃絶に踏み出すべきであると強調されております。核兵器廃絶こそ,まさに人類の生存にかかわる緊急の課題,世界政治の中心的課題と認識されておると思いますが,この基本的認識についての市長の見解を求めます。
ことし初頭の米ソ外相会談の共同声明では,双方は最終的に来るべき交渉が兵器の制限と削減のための努力全般と同様あらゆる領域での核兵器の完全廃絶をもたらすべきであると信ずると,初めて核兵器廃絶を明記しました。米ソ間で核兵器廃絶を軍縮交渉の課題として確認し合ったのは歴史上初めてのことでありますが,この点についてどのような評価をお持ちか,市長の見解をお伺いしたいと思います。
核兵器の完全廃絶を目標にすると公約した米ソ交渉がこの3月12日からジュネーブで開始されます。この交渉が成功するかどうかは,戦後40年間人類が悩まされてきた核軍拡競争と核戦争の脅威から解放されるかどうかにかかわる現在の国際政治の最大の問題であります。もし,この交渉が失敗するならば,人類は過去40年間にまさる一層の核軍拡競争の耐えがたい重圧と核戦争の現実的脅威にさらされ続けることは明白であります。米ソ両国が来るべき米ソ交渉に対して負っている責任はまさに人類的ともいうべき重大なものであります。以上の観点から,次の具体的問題について質問をいたします。
第1に,世界最初の被爆地の市長として,この交渉の成功のために両国に対し代表の派遣あるいは親書を出すなり,要請を行われてはどうか。
第2に,長崎市と共同で開かれる予定の第1回平和連帯都市市長会議において核兵器廃絶を緊急課題とすることについて積極的なイニシアティブを発揮するよう要望いたします。既に,広島市原水協などこの会議に対する6項目にわたる提言が出されていますが,これをどのように受けとめられておるか,お伺いをしたい。
第3に,この会議と並行して開かれる──府中町の呼びかけにより約150の自治体の参加のもとに開かれる非核宣言自治体会議にも積極的に参加され,訴えられるべきではないでしょうか。また,ことし3月スペインのコルドバで開かれる第2回非核地方自治体国際会議にも積極的に参加され,同様に訴えられるべきと考えますが,どう対応されるのかお伺いしたい。
第4に,これらの諸会議に参加するに当たっても,広島市が非核都市宣言を行うことは大きな説得力を持つものであります。先日,提出された10万を超す市議会への請願署名はそのことを如実に物語っておるのみならず,市民の期待がいかに高いかということを示しております。昭和56年の平和宣言では非核地帯の拡大を世界に訴えておられますが,広島を非核地帯とするとはいまだに明らかにされていません。府中町の宣言文及び町長声明には府中町を非核地帯とすると明確に述べております。昨年9月我が党の奥田議員が広島市域への核兵器の持ち込み,通過などを許さないという具体的措置としての非核都市宣言を求めたのに対し,万が一御心配のような具体的な状況を生じた場合には,対応することは当然のことと考えているとの答弁でしたが,どう対応するのかいまだに不明確なままであります。非核地帯とすることを明確にすることに何のためらいが必要でしょうか。広島の市長こそ被爆40周年に当たって明確に宣言するべきではありませんか。ニュージーランドのロンギー首相の核積載艦寄港拒否の毅然たる態度は多くのことを示唆しております。市長の決意を伺いたいと思います。
次に,旧庁舎の保存問題について慎重に検討するという前議会の答弁がありましたが,その後,市長の知事との会見の中で,石段のみを残すという発言に多くの市民から厳しい批判が寄せられています。単なる石段だけでなく,被爆都市広島の行政の中心である庁舎の前に明らかに被爆した旧庁舎跡がわかるような方法で保存することは被爆都市行政の核兵器廃絶を求める姿勢を内外に示すため,ぜひ必要であります。その具体的な方法については,多くの人々の声を聞く場を設け,慎重に検討すべきであると思いますが,意見を伺いたいと思います。
また,広島平和記念都市建設法第3条に基づいて,国の補助を求めること,県にも協力を依頼すること,全世界に保存を呼びかけることもすべきだと考えます。これについての市長の見解を求めます。
また,その他の数少ない遺跡保存のため固定資産税の減免,補助制度を設ける等の積極的な対応を求めたいと思います。これについての御所見も求めたいと思います。
次に,被爆者援護対策について。
被爆40周年のことしこそ,
援護法制定の年とするよう特別の取り組みを求めたいと思います。特に,昭和55年12月の基本懇答申が,戦争による国民の犠牲をすべて一般の犠牲としてすべての国民がひとしく受忍しなければならないとして,被爆者
援護法制定の要求を退けたのに対して,原爆投下が国際法違反の非人道的なものであったことを対置して強くその制定を迫るべきであります。このことについて日本被団協は昨年11月,原爆被害者の基本要求を出しております。これについての市長の見解を求めるものであります。
次に,ことし国において死没者調査を行う予定と聞いておりますが,これはどの範囲で,どのような手法で行われるのか,現在明らかになっている状況を明らかにしていただきたいと思います。
次に,被爆40周年に当たって,原爆被害者のための特別事業を計画することを提案いたします。
この40年は,原爆被害者にとって苦痛に満ちたものでありました。原爆被害者のこのようなことを再び繰り返してもらいたくないという願いを全世界に伝えるような手記を市が取りまとめて発刊する事業を行い,また基金を設けて原爆語り部の派遣事業の助成を行ってはどうかということであります。市長の積極的な対応を求めるものであります。
次に,行革,財政問題について,昨年7月の行革審の報告,60年度国家予算の地方への高率補助金カット,補助率1割カット,自治省の行政改革大綱等地方自治と地方財政への一連の攻撃の中で,地方自治体の財政環境は急速に悪化しつつあります。本来,国の財政危機を地方財政に転嫁することは筋の通らないことであり,憲法,地方自治法,地方財政法に反するものであります。政府の,地方財政は国家財政に比べて余裕があるというような言い方は次元の違うことであります。ましてや,国の借金の肩がわりを地方自治体に転嫁する態度は全く許せない態度であります。この国の不当な措置に対して,地方六団体は総決起大会を開くなど抗議してきたわけでありますが,結局今日の事態は国に押し切られたという感を強くするものであります。何ゆえこのようになったのかについて,地方六団体としての反省点はないのか,まず明らかにされるよう求めます。
国は,高率補助削減,補助金1割カットについて,これは1年間の時眼立法だとしていますが,そういったやさき,竹下蔵相の国会答弁でも恒久化をにおわす発言があり,これが固定化され,国の財政危機を地方自治体に転嫁する突破口とされかねない状況かあります。これに対して,今後十分警戒し,対処される必要があると考えますが,このあたりの考えについて見解を求めます。
今回の国の地方自治体への補助金カットに当たって,広島市への影響は約23億円ということでありましたが,これへの見返りとしての地方交付税,起債の額はそれぞれ幾らになるのか明示されることを求めます。
次に,国が奨励的補助金を削減するのでなく,制度的補助金を削減し,地方交付税と起債とされたことによって生活保護など諸制度に対する指定された国の補助金の一部が一般財源化し,今後の過程の中で削減されていくおそれはないかと危惧するものであります。特に,1割カットの行われた民生,文教関係において,その傾向があらわれはしないかということであります。60年度予算案を59年度当初と比較してみましても,民生費,文教費ともその構成比が下がっております。そのおそれなしとしないのか回答を求めるものであります。
次に,保健衛生の問題について。政府の高齢者社会対応を口実とした保健医療制度の改悪は住民に大きな不安を与えるとともに,地方自治体に過重な負担を負わせるものとなっております。政府はさらに,特定承認保健医療機関による差別医療の拡大,民間活力を理由とした民間疾病保険の導入,大企業の医療産業への参入,人材派遣事業などを検討し始めております。これでは健康は自己責任となり,貧富によって医療格差が生まれ,国民生活に甚大な影響を及ぼすことになります。今後,このような改悪を許さないように努めるとともに,地方自治体として保健予防活動,リハビリテーションなど市民の健康を守る上でできるだけの措置をとるよう強く求めるものであります。
昭和58年度の広島市の死亡順位と率を見ますと,1位,悪性新生物26.5%,2位,脳血管疾患16.3%,3位,心疾患15.6%となっております。これからも,これら3疾患を中心に保健予防活動を強めることが必要になっております。悪性新生物については,最近これについての疫学的,統計学的データ,動物実験などの基礎研究が非常に進み,ニトロソアミン,たばこなどがん化を仕掛ける物質,イニシューターとたばこ,濃いアルコール,強い塩分などがん化を促進する物質,プロモーターなどが次々に明らかにされ,またビタミンA・C・Eなど,これを阻止する因子も明らかになってきております。すなわち,がんの原因の90%ぐらいまでは放射線,ウイルスなどを除いて私たちの生活,たばこと食生活の中に原因があると考えられるに至っております。これらについて,もっと市民に広報し,衛生指導,講演会などを通じて啓蒙活動を広げ,周知を図っていってはどうかと思います。
ところが,これらの啓蒙活動がまだ十分ではありません。老健法による保健予防活動が医療費抑制を目的につくられたものであるならば,もっと実効あるものにしていく必要があります。老健法による健康診査について,国の方では昭和61年度に,一般診査は50%,胃がん検診は30%,子宮がん検診は30%を目指しておるようでありますが,医療費抑制につなげるためには,これを超えてもっと進める必要があると考えるものでありますが,この点での構想をお持ちかどうかお尋ねをいたします。
次に,保健予防活動で,今回B型肝炎ウイルスの母子感染について予防対策が実施されることになり,大変結構なことでありますが,反面,検診結果についてプライバシーが十分守られないと,キャリアに対してゆえのない偏見,差別が生まれるおそれがあります。これについての対策を十分とられるよう要望しておきます。
次に,リハビリテーションについて。
60年度に,従来,市民病院で行っていた機能訓練活動を3カ所に広げるようであります。その積極性は買うのでありますが,どうもその内容を見ますと,余りにも貧弱というか,病院の一隅を借りて,治療の合間に行うのでは,せっかくの構想も実効性が薄くなるのではないかと考えられるのであります。この際,リハビリのための独自の施設を設けて,整形外科医でなく,リハビリ専門の医師,職員も配置し,受講者の追跡調査も含めて進めることこそが本人の社会復帰を進める真に実効あるものとする道ではないかと考えます。この点,積極的に対応されるお考えはないのか,明らかにされることを求めます。
次に,広島市経済の安定と活性化について。
広島市経済産業の特徴は,今日その中心であった製造業の相対的衰退とサービス業の成長を見ることができます。60年度国家予算は大企業優遇予算が組まれ,中小企業への予算は大幅に減額され,格差はさらに拡大されようとしています。つまり,大企業は空前の利益を上げる一方,中小企業の危機が広がり,経済の二極構造,跛行性が強くあらわれております。この危機の最大の原因は,第1に軍事費の増大,財政破綻を国民にしわ寄せする臨調路線で消費不況が強まり,国民生活と関連の強い中小企業に打撃を与え,そこに働く従業者の所得が低下をし,内需は拡大せず,不況を深刻にする悪循環となっていることであり,第2に独占大企業の輸出増加に伴う貿易摩擦を農業や中小企業の犠牲で乗り切ろうとしていること,第3に小売業大資本の大型店による進出,系列化での中小小売業者への打撃,第4に大企業主導で技術革新の急速な進行,そのため企業格差が開き,中小零細業者の没落が促進されていることなどであります。本市もこれらの影響を当然受け,国同様の状況がつくり出されているわけであります。長引く不況,インフレの原因が,まさにこうした情勢下にあること,この克服こそ急務であります。市行政が行政責任で手だてをとることが強く求められております。具体的課題について,地場の中小零細業者の育成強化について私どもは機会あるごとに求めてまいりました。大型公共事業を発注しても,現実には大手大企業が受注し,実際には下請の下請が仕事をしている状況であり,言いかえればほとんどの事業が分離,分割,ジョイント方式などで,十分地場産業で対応できるのであります。中小業者のランクづけももっと上げ,公共事業の発注は今までにも増して徹底した地場業者への発注とすべきであります。中小零細業者の育成強化対策とあわせ答弁を求めます。
また,活性化という点から購買力を上げることが求められます。しかし,連続する賃上げの抑制,諸経費の大幅急増で市民の懐は寒く,購買力は極度に低下しており,この状態では活性化は望めません。公共料金,各種使用料・手数料の値上げは取りやめ,可処分所得をふやすよう求めます。
次に,日本で一,二と言われる特別の融資制度をつくり,企業を誘致する長沢地区の工場団地について,造成価格から見ても相当な時価になることが予想され,当初の住工混合が工のみとされるなど,甚だ不安定であります。果たして,将来に見通しがあるものか疑問に思うものであります。この点について,将来の見通しを明示されることを求めます。
また,次に西部流通センター進出企業は高度化資金の償還時期のピーク時を迎えております。購買力の低下,過当競争,交通体系の不備などにより経営困難に直面し,倒産業者も出ており,これからも倒産件数が増大する状況にあります。企業診断による業者への行政としてのアドバイスは当然として必要可能な手だてを融資制度の再考とあわせとるべきと考えますが,いかがでしょうか,答弁を求めるものであります。
次に,北西部の交通問題について質問いたします。
北西部の交通問題を解決するため,市は国とともに500億以上の多額の投資をして祇園新道をつくり,それに新交通を取り入れ解決しようとしております。しかし,新交通自体,無公害中量交通機関としては了解できても,利用人口が認可の関係で過大に推計されている疑いもあり,営業ベースに乗ることが果たしてできるのか疑問の点があります。また,地元交通機関を持つ業者の協力を得ることができるのかなど,将来懸念される点が幾つもありますが,これらについてどのような状況なのかお答えいただきたい。
なお,北西部の交通問題は,たとえ新交通を取り入れられたとしても解決するものではなく,高陽地区,佐東地区,可部地区及び可部以北は依然として深刻な問題であります。
そこで,どうしても本気で力を入れなければならないのが一貫して主張している可部線,芸備線の整備拡充の問題であります。この点については,先ほども質問もあり,重複しますので省略しますが,どうもこの問題についての市の取り組みは極めて消極的であります。市としての積極的な案を打ち出すべきであります。この点についての決意のほどをお示し願いたいと思います。
最後に,教育問題について。
教育費の負担増大は,受験生を抱えたどこの家庭でも深刻な問題になってきております。この2月に出された文部省の私立大学初年度納付金調査では,ことしの新入生が納める授業料等諸費用は平均で90万6,086円になり,金がなければ高等教育を受けることができないという時代になりつつあることを強く感じさせます。学歴社会の中で,小・中学校の段階から塾に通わせる風潮はますます増大しており,その費用も無視できぬものになりつつあります。その背景には40人学級,大規模校の解消など父母の求めている一人一人に目の届く教育条件の整備がなされず,教育行政が父母の要求にこたえられていないところにあります。
一方,政府は戦後教育の総決算をすると称して首相直属のもとに臨時教育審議会を設け,非公開のまま審議を進めております。一部公表されたものを見ますと,教育の自由化,民間活力の導入などという形で,実際には国に──教育に対するこの国の重大な責任を回避して,国の教育予算を削減し,国民の教育を一部の教育産業に引き渡し,一層の教育負担を国民に負わせようとしております。
特に見逃すことのできないのは,この臨教審のブレーンである有力委員がこの教育の自由化,最近は個性化と呼び方を変えていますが,これを小・中学校の段階に導入しようと公言さえしておることであります。教育長は昨年の文教委員会で,臨教審の審議に期待すると答えておられますが,このような自由化発言について,どのように評価されているのか,まず明らかにされることを求めます。
また,本年1月21日付で文部省体育局長による学校給食業務の運営の合理化について通知が出されましたが,本市はこれをどう受けとめ対処しようとしておられるのか答弁を求めます。
次に,緊急課題について数点質問いたします。
一つには,大規模校の解消であります。これについては,昨日教育長の答弁がありました。31学級以上を対象とするが,1,200人以下,用地取得困難なもの,今後漸減するものは除外すると,全くのしり抜けのものであり,教育に対する責任について全くそのかけらも認められないものであります。31学級以上をすべて対象として取り組むことを強く望むものであります。
二つ目は,これも何回も要求し,県・市とも教育委員会は必要だと認めながら,いまだ具体化されていない第4学区への高校建設,この状態をいつまで続けるおつもりなのか,答弁を求めます。
三つ目は,養護学校の建設であります。
先日の新聞報道では,市北部へ新設すると県が方針を出されたとのことですが,その具体的な内容を明らかにされることを求めます。
四つ目に,市独自の私学助成であります。
他の政令市でも,また県内でも呉市,三原市,福山市,尾道市,大朝町など独自の助成を行っております。県内でも一番私学が集中し,私学に頼らざるを得ない本市こそ独自の助成を行うべきであります。先般も陳情がなされましたが,どう対処されるか答弁を求めます。
五つ目に,市民がスポーツをする権利を保障することについてであります。
スポーツは青少年のみならず,成年にとっても健全な娯楽として安価で十分な機会を与えられるべきものであります。最近では退廃的な産業が急速に拡大し,その売上額は4兆円を超えるとさえ言われています。このような中で,この健全な娯楽を,そういったものを維持する上でもスポーツの果たす役割は非常に重要であります。今回,校庭開放の夜間照明に負担金を導入されようとしていますが,これはまさに国民のスポーツ権を奪うものであり,直ちに撤回されることを強く求めるものであります。これについての答弁を求めます。
以上,多くの問題について質問をいたしましたが,ぜひ誠意ある御答弁を求めたいと思います。答弁の内容によっては再質問の権利を留保させていただきたいと思います。(拍手)
○副議長(中本弘君) 市長。
〔市長荒木 武君登壇〕
◎市長(荒木武君) ただいまの中本議員の質問に対して御答弁申し上げます。
まず,核兵器廃絶を人類生存の緊急課題と認識されていると思うが,その基本的認識について市長の見解を求めるということでございます。
中本議員のただいまの全文読まれたことを聞きながら随分変わったもんだなということをつくづく痛感したわけでございます。
まさしく私どもは終戦以来一貫して広島市は広島平和記念都市建設法の理念に立ちまして,いずれの国の核兵器も罪悪であると,こういうことを常に言い続け,訴え続けてきたところでございます。
核軍拡競争が米ソを中心にいたしまして,エスカレートし,核抑止論も吹き飛んでしまうような,そういう地球的緊急課題に核廃絶がなっておるという今日的状況の中でやはりすべての──資本主義も社会主義も,安保条約,自衛隊を支持する者も,しない者も,思想,信条,宗教の違いを乗り越えて,人類生存のため,今こそ立ち上がらなければならないと,こういうようなお考えが披瀝されました。うたた今昔の感にたえないところでございます。(笑声)
どうかその1点に集中しまして,広島市の平和記念都市建設法の理念を世界に広めてまいりたいと,このように考えているところでございまして,このことは,昨年の8月6日の市長の平和宣言の中でも,その意味のことを踏まえて宣言をつくっておるところでございまして,いずれの国も核兵器によって平和をもたらすことはできないということを十分理解をしていただかなければならぬと,このように考えているところでございます。
ようやく,ここまで来たという感がするのでございまして,(笑声)今後ともそのような理解を得られるように世界に向かって平和宣言を起案をいたしたいと,こういうふうに考えておるところでございますので,よろしくお願いいたしたいと思います。
次に,平和問題の中で核兵器廃絶が今度の米ソ間の軍縮交渉の課題として確認されたのは歴史上初めてのことであるが,この点をどう評価するか市長の見解を聞きたいということでございます。
59年度は,核超大国である米ソの核軍縮交渉が中断した年でございまして,地球上の人類は国を挙げてもそうでございますが,まことに不安な状況の中で1年を過ごしたと思うわけでございますが,こうして世界の核兵器廃絶へ向けての米ソの核軍縮に向けて一応合意したということは──同じテーブルにつくということで合意したということは,私はやはり一応の評価をしなきゃならぬと,こういうふうに思うわけでございます。
ただ,これには,これですぐに核兵器廃絶へ向けてのいろいろな核軍縮というものが実現できると,早急にできると考えるのは安易な考えではないかと,こういうふうに私ども思うわけでございまして,米ソの間にはまだ大きな対立というものが──核兵器をめぐっての対立というものが根深く大きく存在をしておるのではないかと,こういうふうにも考えられるわけでございまして,常に核軍縮交渉の同じテーブルに常についておくように世界の世論を盛り上げていくということが,米ソ以外の国にとりましても,地球上の人類にとりましても,極めて大切なことではないかと,こういうふうに思うわけでございまして,そういう意味におきましても,
国際平和文化都市としての広島市の責任は非常に大きいのではないかと,こういうふうに思うわけでございます。
それから,広島市の非核都市宣言をすべきであると,こういうことでございますが,この点につきましては,既に昨年の議会でも申し上げたところでございますが,いずれにいたしましても,この10万人を超える署名を添えて市議会議長あてに請願書が出されまして,その意味するところについては,強く──核兵器廃絶へ向けての意思ということは強く私ども感じとらなければなりませんが,と同時に,非核都市宣言ということにつきましては,これは,平和記念都市建設法にかかわる問題でございますので,これをスポイルするような形における非核都市宣言はとるべきではないと,こういうふうに申し上げておきたいと思うわけでございます。
しばらく時間をいただきまして,振り返ってみますと,昭和24年の7月7日,広島平和記念都市建設法に関する住民投票というのが行われまして,これは,新しい憲法に基づきまして,一定の地方公共団体に適用されるこのような特別法というのは,その地方公共団体の住民のこれに賛否の投票を行わなきゃならぬということが規定されておるわけでございまして,この投票という──特別立法に対する投票というのは,初めて──新憲法制定されて初めてでございまして,この投票状況を見ておりますと,広島市民の当時の有権者12万1,437人のうち7万8,192人が投票所に足を運びまして,そのうちの90%を超えるこの法律に対する賛成票があったことを今思い出すわけでございまして,したがって,この法律というのは,国の法律で,この国の法律に基づいて国も責任を持たなければならないが,この法律の適用を受ける広島市並びに広島市民も大きな法的な責任を持つということになるわけでございまして,この点は十分にその原点に返って──広島の平和記念都市建設法というものの制定の原点に返ってやはり考えておかなければならぬ問題であろうと,こういうふうに思うわけでございます。
いわゆる世上言われますように,この8月6日の人類史上最初の原子爆弾が広島市に投下された,これによって広島市は一瞬に壊滅した,このことが核時代到来の幕明けとなったこの被爆体験によってこの事実を広く世界に知らしめる義務と責任を広島市並びに広島市民に与えられた,そういうようなことで,この法制定前の昭和21年8月5日には広島護国神社境内で町内会旗や世界平和は広島からという横断幕などを掲げて平和復興祭を開催しておるわけでございまして,続いて次の昭和22年8月6日には現在の平和記念公園の一番北側,北端,慈仙寺鼻で平和祭を挙行し,浜井市長が初めて平和宣言を発しまして,この地上より戦争の恐怖と罪悪とを抹殺して,真実の平和を確立しようと,永遠に戦争を放棄して世界平和の理想を地上に建設しようと,2度とこの広島の悲劇を繰り返さないよう恒久平和の確立を訴えております。広島市が既に平和宣言都市であるというゆえんもここにあるわけでございます。
また一方,広島市民の恒久平和を願う情熱と努力は世界に伝わりまして,広島市を世界平和のシンボルにしようという国際世論が各地で高まってきてまいりました。
こうした背景の中で政府においても国家事業として広島市の再建に取り組む方針が決定されまして,広島平和記念都市建設法案が昭和24年5月10日,衆議院に,翌11日,参議院に提案されまして,それぞれ満場一致で可決を見ておるわけでございます。
その提案理由として,一つ,核兵器による広島市の戦災は,一般の戦災と異なり,世界史的意義がある,いよいよ核時代を迎えた,この核をどう処理するかということは世界人類の命運にかかっておると,こういう世界史的な意義があること,二つには,広島市を世界平和の発祥地として,また,聖地として,それにふさわしい都市を建設し,永遠に記念しようという世界の世論にこたえること,そして,三つには,戦争を放棄した我が国が世界恒久平和のシンボルとして新しい平和記念都市を建設することは極めて意義があること,以上3点を挙げておるわけでございます。
そうして,この国会でこの法律が可決──満場一致で可決されますと,憲法の95条に基づいて昭和24年の7月7日,市民投票に付されまして,圧倒的多数の支持を得て決定された経緯がございます。
過半数の賛成がなければ,この法律は,効力を発効することはできないわけでございまして,これだけのやはり重みを持って有権者の皆さん方が賛成の投票をされたと,これが広島が普通の都市と違う高い使命と理念を盛り込まれた都市であるということを十分考えておいてもらわなきゃならぬ,こういうように思うわけでございます。
また,広島市議会では,この投票の結果を踏まえて,早速,臨時市議会を開会され,この法律の成立により平和記念都市完成に向かって一層渾身の努力を払うことを内外に宣言いたしますという決議がなされております。
この結果,ただいま申し上げましたように,昭和24年8月6日,この法律が効力を発効いたしまして,その第1条に,「恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として,広島市を平和記念都市として建設することを目的とする。」と定められ,広島平和記念都市建設法が公布されまして,ここに広島の名は恒久平和確立の礎として永久に記されるということになったのであります。
この法律の崇高な理念に基づいて本市は今日,都市像に
国際平和文化都市を掲げ,世界平和に貢献する水と緑と文化の町広島を目指して
都市づくりを進めているのであります。
毎年8月6日に挙行しておる平和記念式典も広島市民の平和への意思を全世界に示すものであり,今日その平和宣言の中ではそのときどきの世界情勢を踏まえて,核兵器保有国には核兵器廃絶の緊急性を訴え,我が国に対しましては,非核三原則の堅持を求めているのであります。
また,昭和27年8月6日に設置された「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という広島平和記念都市記念碑の碑文は,この碑の前に立つすべての人々,地球上の人類,国境を越え,人種の区別なく,この碑の前に立つ人々が核兵器による悲劇を再び繰り返さないことを誓い合う言葉であり,また,広島市としては,この理念に基づいて,地球上から核兵器が廃絶されるまで訴え続けを求めていこうと,こういうことで,この言葉が広島の心を刻んだものであるというふうに評価されているところでございます。
さらに,平和記念公園を初め,平和記念資料館,原爆ドーム,平和の灯等の平和施設も広島の心を伝えるとともに,人類の未来への限りない警鐘として広島の存在を物語るものであります。
また,国連の場におきましても,核兵器廃絶を訴えるなど,あらゆる機会を通じて人類史上最初の被爆体験を根底に据えて,地球上からの核兵器廃絶を訴えているのであります。
本市は,このように被爆以来一貫して平和記念都市としての理念を貫き,核兵器廃絶を訴えておるのでありまして,平和の原点としての広島の存在は既に全世界に広く知られたものと認識いたしておるものでございます。
市議会においても,原水爆禁止に関する決議を初め,最近でも核兵器全面撤廃と軍備縮小の推進に関する意見書が採択されているなど,機会あるごとに本市の核兵器廃絶都市としての姿勢を貫かれているのであります。
したがって,広島市は,核兵器の問題を単に一地域に限定することなく,全世界の問題としてとらえ,地球上からの廃絶を訴え,その実現を求めているのでありまして,これが核兵器廃絶宣言都市であり,平和宣言都市でありまして,被爆地広島の使命であると考えるわけでございまして,こういう原点に返っての広島の使命,理念というものを十分御理解をしていただきたいと,このように思うわけでございます。
○副議長(中本弘君) 市長室長。
◎市長室長(池田正彦君) 平和問題につきまして,何点かの御質問がございました。
まず,米ソの軍縮交渉を成功させるために代表を派遣するか親書を出してはどうかという御提案でございます。
3月12日からジュネーブで開かれる米ソの新しい軍縮交渉は,先ほど市長も申しましたが,過去の経緯等から見て必ずしも楽観はできないわけでございますが,長い間中断をしていた交渉のテーブルに着くことになったわけでございます。両国首脳が誠意を持ってその交渉に当たり,核兵器廃絶を求める国際世論にこたえて,ことしこそ核軍縮に向けてスタートの年になるように期待をしたいわけでございます。
なお,広島市長がメンバーの一員となって加わっております核軍縮を求める22人委員会としても,米ソ両国は真剣な話し合いをするよう要請をする準備を進めているところであり,本市といたしましても,広島の心を伝える準備をしているところでございます。
次に,第1回の世界平和連帯都市市長会議が核兵器廃絶を緊急課題とせよというお話でございます。
世界平和──第1回の世界平和連帯都市市長会議につきましては,会議の基調テーマを「核兵器廃絶をめざして──核時代における都市の役割」としているわけでございまして,広島・長崎の被爆の実相を知らせ,核軍縮へ都市は何をなし得るか,平和構築への都市の役割といったことをテーマに討議をし,広島の願いである核兵器を廃絶し,世界恒久平和実現への連帯の輪を大きくしていきたいと考えているところでございますので,御理解いただきたいと思います。
次に,府中町が行う非核宣言自治体会議に参加をしたらどうかというお話でございます。
この会議の案内は,まだ受けていないわけでございますが,昨年も参加をしておりますので,御案内があれば参加をし,広島の心を伝えたいというふうに思っております。
次に,スペインのコルドバで開催をされる第2回の非核自治体国際会議でございますが,案内を受けております。しかしながら,この会議が3月の28日から3月の30日までという年度末の大変多忙なときでもあり,また,本市では,第1回の世界連帯都市市長会議を開催することにしておりまして,これに多くの参加申し込みを受けておりますので,この準備に万全を期するために残念ながらスペインの会議には欠席せざるを得ないと思っております。
しかしながら,広島の心を伝えるよい機会でもありますので,広島市長のメッセージを贈ったり,あるいは被爆の実相を伝えるポスターあるいはスライドを送る予定にいたしております。
それから,原爆被爆者の苦しみを全世界に伝える手記を市がまとめて発刊してはどうかというお話です。
被爆40年を経過し,原爆被爆者の老齢化とともに,被爆体験の風化が危惧されているわけでございますが,
財団法人広島平和文化センターでは,現在生存されている被爆者のうち約100名の体験を映像と音声,いわゆるビデオテープで記録し,さらに,これを文字化して体験談を発刊する計画を持っております。被爆40年を期してこの準備に取りかかる予定としております。
また,被爆体験を語る語り部の派遣事業の助成を行ってはどうかというお話です。
被爆体験を語る語り部については,本市としても,平和文化センターにおきまして,ボランティアの語り部グループを組織し,修学旅行生といわゆる語り部を行う一方,これまでもニューヨークの国連本部あるいはジュネーブの欧州国連本部のほか,国内外に語り部の派遣を行っております。
また,世界平和連帯都市市長会議への出席要請を兼ねて各地に語り部を派遣いたしております。
また,民間でも,各平和団体等でこうした活動を積極的に取り組まれているわけでございまして,それぞれの機関,団体が役割を分担しながら幅広く被爆の実相を普及し,広島の心を伝えることが大切であるというふうに思っております。
以上でございます。
○副議長(中本弘君) 総務局長。
◎総務局長(福島隆義君) 本庁舎の保存についての御質問にお答えいたします。
被爆した庁舎跡がわかるような方法で保存すべきであるという御指摘でございます。現本庁舎の取り扱いにつきましては,これを残し,活用する案を含めてこれまで慎重に検討してきてまいりました。内部検討のみならず,新庁舎外装計画検討委員会等も設けましていろいろ御意見も賜ったのであります。特に,二度にわたる専門家への調査によりますと,現在の建物は建設後57年も経過しておるということもあり,さらに被爆の影響もあって老朽化が想像以上に進んでおります。これを今後とも利用するためには,基礎,上部構造とも大規模な補強を要し,また,この工事を行ったとしても,窓の大部分を強度を保つためコンクリートでふさぐ必要があるという結果が出ております。
したがいまして,私どもといたしましては,補強によって建物を残すということでは建物としての機能が果たせないのではないかというふうに考えたわけでございます。
また,このような構造的な問題のほか,付近に新庁舎の建設の影響もありまして,地盤沈下が起こり,建物がねじり傾きを起こしておること,さらに床,壁,天井への亀裂が多数発生しておるなどの問題があり,慎重に検討した結果,建物としての機能は断念せざるを得ぬじゃないかという結論に達したわけでございます。
しかしながら,現庁舎の中でも,被爆当時のままで残っておる玄関の石段あるいは敷石等につきましては,これを生かして保存活用し,記念施設的な工作をいたしまして,この地に被爆庁舎があったという事実を後世に継承していくことにしたいと考えておるわけでございます。
ただいま庁舎跡がわかるような方法でという御指摘でございますが,結論的には我々としてもそのようなことを考えておるわけでございますので,御了解願いたいと思います。
○副議長(中本弘君) 財政局長。
◎財政局長(佐々木真二君) 何点かの御質問がありましたので,お答えさしていただきます。
まず,国庫補助金の一律カットの問題につきまして,財源補てんがどうなるか,また,福祉教育行政の低下につながらないか,あるいはこの措置が今後どうなるのかという御質問でございます。
この一律カットの問題につきましては,昨日の倉本議員の御質問にお答えしたところでございます。
国におきましては,補助負担率の引き下げとこの地方一般財源化によります地方負担額の増加分につきましては,地方交付税と建設地方債の発行によって補てんするということにされております。
したがいまして,本市の60年度予算におきましても,生活保護費等の普通補助事業費と地方一般財源化によります負担増約17億2,500万円については地方交付税によって,また公共事業分の負担増約6億5,900万円につきましては建設地方債によって,それぞれ財源措置を講じているところでございます。
したがいまして,福祉教育行政等にその影響を及ぼすようなことはいたしておりません。
また,この国の措置につきましては,国の深刻な財政事情から,昭和60年度におきます暫定措置として実施されることになったものでございまして,今後の国庫補助負担率のあり方につきましては,政府部内で検討を進め,1年以内に結論を出すということにされております。
したがいまして,その推移を見守りながら対応してまいりたいというふうに考えております。
それから,使用料・手数料の値上げを取りやめるべきだという御質問でございました。
使用料・手数料につきましては,毎度申し上げておりますように,受益者が特定されております事務事業あるいは各種施設の管理運営に要する経費等につきましては,住民間の負担の公平という観点から,そのすべてを市税等の一般財源で賄うのではなく,これを利用する受益者に受益の限度において適正な負担を求めるべきであるという
受益者負担の考え方に基づいているものでございます。その考え方を基本としているものでございます。
したがいまして,毎年度それらの基本的な考え方のもとに見直しを行っているところでございます。
以上でございます。
○副議長(中本弘君) 衛生局長。
◎衛生局長(本條喜紀君) 被爆者援護対策の問題について御答弁申し上げます。
まず最初に,日本被団協の原爆被害者の基本要求について市はどう考えるかということでございますが,日本被団協の原爆被害者の基本要求につきましては,その趣旨に賛同するものでございまして,本市としてもかねてから広島・長崎両県・市の市長と議長とで構成いたします八者協議会を中心として,国家補償の精神に基づく画期的な援護対策の確立について,政府並びに国会等の関係者に対し強く要望しているところでございまして,今後ともその実現を期して努力を続けてまいりたいと存じております。
次に,国の昭和60年度原爆被爆者実態調査の問題についてでございますが,お尋ねのありました死没者調査の範囲あるいは手法等につきましては,現段階では具体的な内容は明らかになっておりません。
しかしながら,過去国において実施されました40年調査あるいは50年調査との継続性を考慮しつつ,それらの両調査を凌駕する調査としたいというふうに考えられているところでございます。
調査をどのように行うかにつきましては,去る2月21日に原爆被爆者実態調査委員会が設置されたところでございまして,今後その調査委員会のもとに専門委員会が設けられて実務的な検討がなされるということでございます。
なお,この調査に向けての本市の基本的な考え方につきましては,先刻山本議員の御質問に対し詳細に御答弁申し上げましたので,御理解をいただきたいと,こう思います。
それから,保健衛生についてでございます。
まず,悪性新生物あるいは心疾患等の疾病が増加しておるが,これらの疾病予防のための保健予防活動を進めるとともに,もっと幅広く市民に啓蒙活動を広げていくべきだということでございます。
本市におきます58年度の死亡順位を眺めてみますと,御指摘がございましたように,悪性新生物,脳血管疾患,心疾患という順序に相なっておりまして,全国平均と同順位でございます。
この要因を考えてみますと,生活環境の変化,特に食生活の多様化がこれら疾病構造に大きな変化を与えたことは既に周知のとおりでございます。
これらの疾病を予防するためには,いわゆる1次予防としての保健予防活動と2次予防,いわゆる医療といった両面から従前から対策が講じられているところでございます。
1次予防としての保健予防活動でございますが,これは保健所を中心といたしまして,成人病の予防,健康増進等に関しまして,知識,経験を有する医師,保健婦,栄養士等によりまして,場所といたしましては,公民館,集会所,保健所といったような場において,日常生活の心得,食生活のあり方,さらにはかかりやすい疾病とその予防といったような内容で,みずからの健康はみずからが守るという認識と自覚を高めるために,幅広く各種の保健教室,講習会,講演会といったようなものを実施しているところでございます。
さらに,広報紙「市民と市政」,それから「区民だより」,こういった広報媒体のほか,市の広報番組でございます「サンデーひろしま」とか「こんにちは広島市です」といったようなものを積極的に活用し,健康の保持増進のPRをしておるところでございますけれども,引き続き週間行事等も新たに加えまして,強力に啓発活動を推進してまいりたいというふうに考えております。
それから,老人保健法に基づく健康診査の受診率,これの見通しと手法といったことについての御質問があったと思うわけでございますが,健康診査は,御案内のように,健康への自助努力を基本理念といたしまして,単に疾病の早期発見,早期治療のみならず,受診者の方がみずからの健康の状態を常に把握して,健康についての自覚を高めていただくということを主たる目的としておるわけでございます。
この目的を達成いたしますために,御指摘がございましたように,国におきましては,昭和57年度を初年度といたしまして,5カ年計画で一般診査50%,がん検診30%の目標を掲げておるものでございます。
本市におきましても,この受診率の目標達成のためには,対象年齢層への個人通知の発送でございますとか集団検診実施地域への回覧の徹底でございますとか,あるいは「区民だより」による受診の勧奨など,日ごろからPR活動を実施しておるわけでございますけれども,残念ながら国が目標としておる受診率を下回っておるというのが実情でございます。
これらを打開いたしますために,昭和60年度には,未受診者対策といたしまして,各保健所に重点地区を設けまして,未受診者の動向を調査する等の施策を実施したいと思っておりますし,また,医師会等に積極的に働きかけをいたしまして,そのほか各種団体で組織する老人保健連絡協議会と,こういった場でも受診率向上のための意見を広く求める等いたしまして,目標達成のために努力を傾注してまいりたいというふうに考えております。
それから,リハビリ──機能訓練の御質問でございましたけれども,老人保健法に基づく機能訓練事業は,いわゆる医療として行われます機能訓練とは若干異にするわけでございまして,つまり日常生活の自立促進あるいは援助ということを目的とするものでございます。
したがいまして,訓練の内容も,歩行とか起き上がりといったような,いわゆる日常生活の基本動作,これが中心になりますし,習字とか絵画とか組みひもといったような手工芸とか,あるいはレクリエーションとかスポーツといったようなものを中心として行っておるものでございます。
私ども,この事業を実施するに当たりまして,広く意見を求めますために,広島市機能訓練問題研究検討会というものを設置し,いろいろ御協議をいただいたわけでございまして,この提言に基づきまして59年度から広島市民病院で事業を開始したものでございます。60年度からさらにこの広島市民病院に加えまして,安佐市民病院,三菱病院という2病院を追加して事業実施を行いたいというふうに考えております。
また,継続的な訓練を行いますために,これらの病院でのいわゆる終了者を主体に保健所等において訓練者同士あるいはその訓練を受けられた方の家族を含めまして,仲間づくりを中心としたいわゆる地域リハビリテーションといったようなものの実施を考えておるところでございます。
で,なお,御提言がございました独自の施設を構築してはという御提言につきましては,リハビリテーションの専門医あるいは理学療法士,作業療法士といったような専門職の確保の問題等々大変難しい幾多の困難性があろうかと思うわけでございますけれども,将来に向けての研究課題としてじっくりと研究検討をしてみたいと,こういうふうに考えております。
それから,B型肝炎母子感染予防対策事業の実施に当たって,プライバシー保護に十分注意するようにということでございました。おっしゃるとおりでございまして,本事業を実施するにつきましては,キャリア妊婦の人権擁護のため委託いたします医療機関はもとより,この事業に関係する関係者は秘密保持に最大の配慮を払ってまいるように万全の注意を払いたいというふうに思っております。
なお,本事業の推進につきましては,学識経験者,産婦人科の医師,小児科の医師,それから私ども行政関係者等によって検討会を開きまして,その円滑な実施に向け遺漏のないようにしてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○副議長(中本弘君) 経済局長。
◎経済局長(網井信昭君) まず,中小企業の育成対策についてお答えいたします。
本市には約5万600の事業所があるわけですけれども,この99%が中小企業でございます。そういうことでございまして,中小企業の育成強化というのは本市の産業の振興にとって重要な位置を占めておるわけでございます。これら中小企業は技術力,経営力も弱うございまして,また人材の確保等多くの問題を抱えているところでございます。このようなことから,本市といたしましては技術力の向上や先端技術の導入を促進するための工業技術センターの整備,それから2点目として企業の診断,指導,講習会,研修会の開催等による経営体質の強化,3番目といたしまして経営者,管理者等の人材育成のための中小企業大学校広島校の早期開校,4番目として情報機能の強化を図るための高度産業情報システムの構築,それから5点目として各種融資制度の強化拡充等を重点にして施策の展開を図っているところでございます。
それから次に,安佐地区
工業団地への企業立地調査の見通しでございますけれども,企業立地促進制度を発足させるに当たりまして,58年度に企業立地基礎調査を実施いたしております。その調査で1,006社が工場の新増設のための用地を必要としているということがわかったわけでございます。そういうことを踏まえまして,59年の7月に企業立地促進優遇制度を発足させたわけでございます。現在,国内外の企業2,500社,それから58年に調査いたしましたときに新増設の意向を持っております市内企業1,006社を対象に安佐地区の
工業団地への立地意向調査をしているところでございまして,この調査結果をもとに企業訪問,工場立地説明会の開催等,積極的に企業立地の促進を図っていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
失礼しました。
それから,西部流通センターの進出企業に関する問題でございますけれども,昨年西部流通センターの進出企業の中から3件の倒産が生じております。
そういうことで,本市では昨年の10月から県,商工中金と連携いたしまして,団地内企業を,348社を対象に経営診断を実施し,個々の企業及び各組合に対して指導を行うとともに,経営近代化,販売戦略等をテーマにした研修や講習会を行いまして,また公的金融制度の活用,団地内金融機関への協力要請など積極的に対応してきたところでございます。また,融資制度につきましては,従来から需要に応じて年々拡充強化に努めてきたところでございますが,59年度において改めて見直しを行いまして,60年度においては融資枠の大幅な拡大,つなぎ資金の供給を目的とした短期事業資金融資制度の創設,貸付金利の引き下げ,融資期間の延長等の融資条件の改善など融資制度のより一層の拡充強化を図ることとしております。
以上でございます。
○副議長(中本弘君)
都市整備局長。
◎
都市整備局長(柳川幸雄君) 地場業者の育成についての関連でございます。
広島市が発注いたします公共事業の実施に当たりましては,従来から地元の中小業者といったものに優先的に発注するということでもってやってきておるわけでございまして,また分離・分割発注につきましても市営住宅の建設でありますとか,あるいは道路工事,下水道工事等におきましても可能な限り分割・分離をいたしまして発注をしておるわけでございます。
それからまた,大型工事につきましては,共同受注といったこともございますので,これらにつきましても中小企業が参加できるような共同企業体方式と,また設計監理業務におきましても,地元中小企業同士の共同企業体方式といったものの方式によりまして実施しておるところでございまして,今後もこの方針によりまして地場業者の育成に努めていきたいと考えております。
○副議長(中本弘君) 建設局長。
◎建設局長(藤井崇弘君) 交通問題につきまして,新交通システムと可部・芸備線への取り組みについてお答えいたします。
新交通システムの利用者数につきましては,広島都市圏の人口等を基礎にしまして,交通工学上の手法を用いて推計したものでございまして,その採算性の検討に当たりましては,先ほどもお答えしましたように,この利用者数をもとに利用料金をバス並みに設定し,国の助成や金融条件等の条件を入れまして,収支の試算を行いました。その結果,将来とも十分経営を維持していけるという判断に立ったものでございます。
しかしながら,交通事業の計画に当たりましては,今後利用者の交通手段の選択など市民の動向をよく見きわめながら進めていきたいと考えております。
また,既存交通業者との調整の問題でございますが,これまでバス事業者に対しまして,広島市の将来の発展のためには交通体系の高度化,効率化が不可欠であるということを説明してまいりまして,新交通システムの事業化に対し協力を求めてきたところでございます。
一方,去る1月から開催されました中国地方交通審議会の構成メンバーの中にもバス協会の代表が参画しておりまして,この場で既存バス事業者としましても交通の効率化の必要性は認識していただけるものと,大筋において理解が得られるものと我々考えております。
次に,可部線,芸備線の整備拡充の御指摘がございましたが,両線とも都市交通機関として重要な役割を果たしておりますので,既に両線に対して対策協議会が設置されました。今後,この対策協議会を通じて可部,芸備両線の存続や利用促進対策について積極的に取り組んでいく所存でございます。
○副議長(中本弘君) 教育長。
◎教育長(藤井尚君) 教育問題についての六つの御質問について,順序に従ってお答え申し上げたいと思います。
臨教審は,今まさに審議の途中であり,これへの一定の見解を述べることは差し控えさせていただきますが,御指摘にある教育の自由化の是非,個性化の検討を初め多様な問題についていろいろな立場からの幅広い意見を徴しながら,一層適切な審議の成果が得られるよう期待を申し上げております。
学校給食業務の運営の合理化についての体育局長の通知については,昨日,倉本議員の御質問にお答え申し上げたところでございますが,この通知の背景には総務庁並びに臨調の指摘があることも事実でございます。学校給食は学校教育活動の一環として実施しておるという視点を踏まえながら,食事の質的な問題や調理における衛生,安全等の問題について,特に配慮しながら,今後慎重に検討していかなければならないと考えております。
次に,第4学区への県立高校の増設についてでございますが,これまでのたび重ねての要請にもかかわらず,県は必ずしも前向きの姿勢を見せておりません。御存じのように,市としては市立高校の新設や学級増など相互の分担,努力をしてきたところでございますので,県に対しまして,市域全体を踏まえた高校新設を含めた総合的な受け入れ対策に万全を期するよう強く要望を続けていく所存でございます。これまでの経過で,県はこれらのことについて昭和60年度末までには方針を固めるとしているので,市域における実情について十分な理解が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
次に,市北部への県立養護学校の設置については,昭和55年度以来県・市教育委員会相互で折衝を重ねてきたところでございますが,昨年1月に至って県教委も設置の必要を認めるに至りました。その後,県,市いずれが設置するかをめぐって教育委員会間の話が行き詰まりを見せたところ,ことし1月,副知事,助役会議におきまして,県から財政当局を入れて検討させるが,市も協議に応じてほしい旨の要請がございました。市もこの協議に応じることとしたところでございます。今後できるだけ早期に決着すべき課題として鋭意努力すべく考えております。
次に,私学助成でございますが,我が国における私学が学校教育において果たしておる役割は極めて重要であることは言をまたないところでございます。国ではこの趣旨を踏まえ,私学振興助成法を制定し,私立学校の健全な発達に資することを目的に,国及び県において補助することとなっていることは御案内のとおりでございます。広島市として私学に助成する考えはないかという御質問でございますが,御案内のとおり本市は市域拡大に伴う義務教育諸学校の建設で,これまで約10年間に約50校を建設し,今後さらに分離基準の改正に伴う新設も行わなければならないという実情にございます。
したがって,これまでと同様,県なり国に対し私学助成の枠の拡大を強く要望することで御理解を賜りたいと思います。
夜間照明の件でございますが,本市は市民が夜間に体育スポーツ活動ができるよう小学校,中学校の屋内運動場に夜間照明を設置しておりまして,その設置の状況は90%を超えております。また,屋内体育館については全校施設に照明設備を設けております。このような設備を整備した上で,小学校,中学校の全体育施設を開放しておるのは政令市の中で広島市だけでございます。今までは施設使用料及び電気料のいずれも免除してきたところでございますが,昭和59年度における開放に伴う経費は1億8,000万を要しており,今後も増加するものと考えられます。このような現状にかんがみまして,電気料の一部について本市も負担するわけでございますが,
受益者負担の原則に立ちまして,利用者にも応分の負担をお願いするわけでございまして,施設使用料については引き続いて免除の方針で,市民各位の利用に供したいと考えておりますので御理解を賜りたいと思います。
○副議長(中本弘君) 28番中本康雄君。
◆28番(中本康雄君) 平和の問題あるいは非核宣言の問題については,既に請願が議会で総務委員会に付託されておりますので余り深く触れないで,その方でやっていきたいと思うわけですが,いずれにしても市長がおっしゃる平和記念都市建設法の理念に決して矛盾するものではないし,それを行うことによって損うことはないし,そういうやり方も十分あると思うわけです。そういう点で,ことし特に核兵器廃絶の重要な課題の年になりますので,非常にそういった点について今後御努力をお願いしたいと思うわけです。
コルドバの問題について,メッセージということですが,これにはやはり積極的に参加するということを検討するということはできないもんかどうか。市長でなくてもそれにかわる方を派遣するという方法もあるのではないかと思うんですが,この点についてお尋ねをしたいと思います。
それから,行革問題について,行革大綱の問題,いろいろ自治省から出されてきておるわけですが,これについて市としてはどういうような態度で対応しておられるのか,これをお尋ねしておきたいと思います。
○副議長(中本弘君) 市長室長。
◎市長室長(池田正彦君) ことし,広島にとって被爆40年に当たるわけですが,世界各地,特にヨーロッパ地方におきましては戦争終結40年ということで,各地で平和祭が開かれるわけでございます。本市にも何件か参加をしてほしいという要望が実は参っております。この2月に本市の
姉妹都市であるボルゴグラード市に平和文化センターの理事長を派遣をいたしました戦争受難都市の会議,この本会議が4月の半ばにイタリアのボローニャで開かれるということになっており,本市の
姉妹都市であるボルゴグラード市から,ぜひともそれに参加をしてほしいということでもございますし,これにぜひ参加をさせたいと思っておりますし,また,9月には本市の
姉妹都市であります西ドイツの
ハノーバー市が9月の半ばに40年の平和祭をやりたいというふうな御案内が来ております。それにもぜひとも参加をさせたいというふうに考えているわけでございます。本市が行う連帯都市市長会議に参加をしたいというふうにボルゴグラードあるいは
ハノーバーからは既に返事が来ているわけでございますので,それに対するお返しという意味もあろうかと思います。
いずれにしましても,各地から参ります案内状,それすべてに対応するというのは事実上困難でございますので,メッセージあるいは広島の被爆の実相を伝えるポスターあるいはスライドあるいは映画といったふうなものを贈りながら,ことしは広島市で行うあるいは広島,長崎で行う連帯都市会議をぜひとも成功させるための準備をしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○副議長(中本弘君) 総務局長。
◎総務局長(福島隆義君) さきに自治省が示した地方行革大綱をどう受けとめるかという御質問でございます。
内容的には今まで臨調その他後から出ました項目と大差はないわけでございます。改めて昭和60年が行革元年とかいうような表現もあるようでございますが,全国的な推進状況等を踏まえて注意を喚起されておるもんだと思っております。私どもといたしましては,さきに申し上げましたように,従前から積み重ねてきました方針なり実績をもとに今後とも努力していきたいと,こういうふうに考えております。
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休 憩 宣 告
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○副議長(中本弘君) この際,暫時休憩をいたします。
午後3時12分休憩
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
午後3時41分開議
出席議員 31名
欠席議員 28名
○副議長(中本弘君)
出席議員31名であります。
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開 議 宣 告
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○副議長(中本弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
8番碓井法明君。
〔8番碓井法明君登壇〕(拍手)
◆8番(碓井法明君) 私は福祉クラブを代表いたしまして,市政一般の問題について若干の質問をさせていただきたいと思います。なお,御答弁によりましては,再質問をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
経済活性化の問題とか,土地づくりにつきましては,相当今回の本会議でも議論になりました。角度を変えて質問をさせていただきたい,このように思います。また,眠気が来るそうでございますから,大きな声でやれと,こういうことでございますので大きな声でやらしていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。(笑声)
「行く川の流れは絶えずして,しかも,もとの水にあらず」というのは有名な鴨長明の方丈記の言葉ですが,歴史は絶えず繰り返しながら,しかも,新しい流れをつくり出しているのは真実だと思います。
高度経済成長時代を支えた政治・経済・文化・社会行政も今やさまざまな問題に直面し,国際化,高齢化,情報化,技術革新など新たな状況のもとに21世紀をにらんだ新しいビジョンが必要とされています。
地域経済を取り巻く状況もこうした新しい時代環境のもとで新しい変化が始まっている事実を的確にとらえる必要があります。新しい変化の一つは,産業政策が国主体,行政主導型から地域主体,民間協調型に変わりつつあること,二つは,産業政策が環境,都市計画などの地域政策と密接に結びつくことにより,その総合的効果が発揮されることが認識され,施策化され始めたこと,三つは,産業における飛躍発展の中心が,鉄鋼,石油化学などの基幹産業からエレクトロニクス,バイオテクノロジー,新素材などの先端産業になってきたことです。
こうした経済・社会の流れの中で昭和60年代の広島市政がどのような経済政策に取り組んでいくのか,21世紀をにらんだ新たな広島グランドデザインが最重要課題だと思います。
広島市は昭和53年度に新基本計画を策定され,その都市像に
国際平和文化都市を掲げ,1.世界平和を目指す
町づくり,2.自然を守り生かす
町づくり,以下6番目の安定した生活の
町づくりなどを基本理念に過去7年間,都市経営をされてきたわけです。
確かに世界平和の
町づくりや自然を守り生かす
町づくりなどは,その効果を挙げてきたと思われますが,6番目の安定した生活のできる
町づくり,すなわち,農林漁業,中小企業の振興を図り,活気のある
町づくりができているかといえば問題があると思います。
と申しますのは,実は,先日,時事通信社が出版されている「成長する都市,衰退する都市」佐貫利雄氏の本を読んでいますと,広島市のことが次のように記載されていました。
「大規模地方中核都市のうち広島がAクラスにランクされていなくて一段下の岡山と同じクラスに評価されている。広島は各種都市機能を複合した集積性や拠点性は確かに高い水準に達しているが,商業性から情報性,情報性から医療性,さらに成長性へと移行するにつれて,その評価は下降の一途をたどり,総合評価で80点を割って78点となっている。広島湾地域において往時成長発展した鉄鋼一貫の製鉄業,自動車産業及びその関連産業,工作機械,産業機械,さらには,造船業が大きく後退または低迷し始めたこと,その上,新幹線開通によって中枢管理機能や情報機能が京阪神と福岡へ両極分離しつつあること,第3に,これに対応すべき大型空港を中心とした新しい時代への対応戦略等の欠如等がこのような評価としてあらわれていると言えよう。
また,第4のトリガー産業とも称すべきエレクトロニクス,メカトロニクス,新素材産業などを含めた先端技術産業の展開がない限り,その拠点性はもう一段下降する可能性がある。広島とともにランクされている都市に岡山がある。広島の78点に対し岡山は75点で3点の差がある。この3点の差ができたのは,集積が広島より岡山の方が小さく,拠点性と商業性において劣っているからである。しかし,医療性と成長性は広島よりも岡山の方が高くなっている。とすれば,今後,岡山地域で本四架橋が完成開通し,吉備高原都市を初めとして各新しい先端技術産業,特にハードのみでなくソフトをも含めた未来戦略を上手に展開すれば,広島と岡山との開きはもう一段縮小していく,東洋工業によって支えられてきた広島も,その主力が山口県防府へ移行することによって,成長力それ自体が大きくゆらぎ始めたのではないであろうか」というふうに広島の衰退を的確に述べています。
確かに広島の経済は落ち込んでいます。私はタクシーに乗るたびに景気はどうですかと,こう聞くわけでございますが,「景気がよい」と答えた運転手はゼロでございます。全員口をそろえて「悪いですね」と答えるわけでございます。全国的には景気が回復していると言われながら,実は,まだまだの感がございます。その原因は,広島経済の問題は単に景気回復がおそいだけでなく,その経済構造自体に問題があるのではないかと思うわけでございます。
そこで,質問をいたしますが,広島市の経済構造はどのようになっているのか,他の政令市と比較してどのような点に不景気の要因があるのか,また,昭和60年代の広島市の産業経済構造はどうあるべきかと,これを教えていただきたいと思います。
よく私たちの仲間で話すのですが,広島は何で食っていくのかという議論が出ます。それと同じように荒木市長さんが日本計画行政学会第6回全国大会の懇談会で3Bから3Iへという内容の講演をされ,その中で3Iすなわちインターナショナル・コンベンションシティー,インターナショナル・トレードフェア,インランドシーのことが話されておりまして,そのときの講演を聞いた人の中から,この3Iだけで果たして政令指定都市の100万の市民が飯が食えるのですかという質問があったやに聞きますが,都市像の
国際平和文化都市だけでは飯は食えませんよという警句ではないかと思うわけでございます。
そこで,次の質問は,昭和60年代の広島は,100万市民は何で飯を食っていけばいいのかという質問でございます。具体的に数字を挙げて教えていただきたいと思います。
例えば,大学で食う都市とか,観光で食う都市とか,あるいはメッセ・コンベンションで食うとか,こういうふうに言っていただければいいと思います。
私は,これからの都市は,産業の成長と衰退のサイクルというものがあるように,都市システムの中にも成長と衰退のサイクルがあると思います。これまでは
国際平和文化都市であってよかったが,これからは,再び民間活力を高め都市の活性化を図るような広島市の基本理念の6の安定した生活の
町づくりを第1に目指すような経営的マインドを持った都市のグランドデザインが必要だと思うのです。
今,広島市は,教育・研究機能の集積である広島大学の東広島市への統合移転,広島現空港の用倉新空港への移転など,高次都市機能の喪失があり,また,自動車や造船に見られるような加工組立型及び基礎素材型に偏った生産機能,すなわち,機械工業を中心とした
高度成長型産業構造から先端産業など知識集約型産業構造への転換問題,工場,生産機能の域外への流失,本店・支店機能の東京,岡山への展開,卸売機能の低下など,経済中枢機能が弱体化し,広域中心都市としての拠点性が虚弱化してきています。
また,広島市の都市規模の外延的拡大の限界,人口の郊外化,道路,下水道,大量輸送交通機関などの都市基盤整備のおくれ,医療施設,図書館,博物館など,文化施設,都市活動の中心をなす情報・文化機能の面での立ちおくれ,また,既成市街地の過密化,老朽化が進行し,都市の再開発が求められているなど,広島市は産業構造の面でも都市機能の面でも構造的な問題を抱えており,現状のままでは昭和60年代,21世紀を待たずに佐貫説のように衰退する都市になってしまうのではないかと危惧されます。
それでは,ここで具体的に工業出荷額や事業所数の増加寄与率,卸売販売額構成比など,数字を挙げて広島の経済の持つ構造的不況の問題点を指摘しながら質問をさせていただきたいと思います。
広島市の昭和56年度における工業出荷額は1兆8,130億円で,対前年度比増加率が15%の伸びで,その内訳を見ると,上位6業種の構成比で輸送用機械器具が68.93%を占めており,広島市の生産機能の約70%を占めているわけです。
とりわけ輸送用機械器具,すなわち,自動車産業の成長とともに広島市はこれまで発展してきたと言っても過言ではないと思います。
このように自動車産業オンリーに頼る産業構造は,体質的には非常に輸出など景気の動向に左右され,安定した産業構成にはなりません。
そこで,生活関連の都市型産業のウエートを高める一方,新たな先端産業,また,加工組立型産業の技術集積を活用した付加価値の高い産業の導入を図る必要があると思います。そして,この加工組立型産業,生活関連都市型産業,先端産業のバランスをとった生産機能に持っていくべきだと思います。
そこで,質問は,この四つの型の産業のバランスをどのように持っていくかという議論になると思いますが,広島市としては,このバランスについて,この四つのバランスをどうするかと,これをひとつ教えていただきたいと思います。
また,加工組立型産業の技術集積を活用した付加価値の高い産業はどのようなものをお考えか。また,先端産業としてどのようなものをお考えか,さらに先端産業が広島市に集積する可能性はどうか,また,その一般的な産業立地はどうか教えていただきたいと思います。
産業立地にはハードの立地条件整備とソフトの立地条件整備があると思いますが,ハードの立地条件整備である用水,電力,ガスなどのユーティリティーの供給体制などの産業基盤整備はどうなっていますか,また,ソフトとしての大学及び公的試験研究機関との連携,また,産・学・官との研究開発体制の整備,異業種間交流はどうなっているかをお尋ねいたします。
広島経済の陰りは生産機能の構造的問題だけでなく,卸売機能の全国シェアの低下などの第3次部門にもはっきりとあらわれています。すなわち,事業所数の増加寄与率上位5業種の調査結果,昭和44年から50年にかけての卸小売業は67.9%,昭和50年から56年の卸小売業は46.9%に低下し,岡山市,福岡市にその伸び率においても低下しています。また,生産機能と商業,流通機能の関連においても,広島市は製造品出荷額と商品販売額の推移を見ると,商業流通機能よりも生産機能の方が強く,しかも,この傾向を強めています。そういった意味では,広島市は生産機能型都市と言えるのではないかと思います。
また,広島市における昭和54年の産業分類別卸売販売額構成比を見ると,鉱物,金属材料が30.1%,機械器具が22.7%と全体の52.8%を占め,基礎資材及び加工組立産業間との工業関連の比重が高い,すなわち,これは,広島市の卸売機能の大半が生産機能の
補完的機能を果たしているのではないかということが言えます。それがまた,広島市の卸売機能の発展にとって限界となっている点を見逃すわけにはいきません。
そこでお尋ねしたいのは,広島市は今後の商業流通機能はどうあるべきなのか,また,卸売機能の高次化をどのように図ろうとしているのかをお聞きしたいと思います。
また,広島経済の生産機能と卸売機能など,他都市と違った経済構造はその都市のメリットでもあるかもしれませんが,不況に陥ったときに問題は大きなものがあるように思います。
特に,佐貫氏の指摘のように自動車メーカーのマツダの防府への移行,輸出自主規制による輸出の伸び悩み,また,貿易摩擦対策としてのアメリカへの工場進出などによる生産機能の低下は,地元の下請関連企業を中心に地域経済にどれほどの影響を及ぼすかが問題です。広島市としては,これらの問題をどのようにとらえておいでになるのかお聞きしたいと思います。
広島経済の活性化は,今まで述べてきたように既存の加工組立型産業などの集積のメリットをどのように生かすかということと,新規にコンピューター関連やエレクトロニクス,バイオテクノロジー,新素材産業など先端産業などの導入,育成をいかに図るかということが問題になると思います。
そこで,次に先端産業を新規に導入するにつけても工場建設の用地が必要となるわけですけれども,広島市域における工場立地の最大のネックは工場適地の少なさと土地の狭さから来る地価の高さであろうと思います。
これについては,いろいろ議論をされたと思うのですが,広島市周辺の平地の分布を見ても,低地は14.3%,台地を合わせても46%しかありません。また,山地が全体の54%を占めており,しかも,そこには住宅地や商業,工業の集積があり,大規模工場適地はほとんど残っていません。
こうした土地の狭さ,高度利用の結果,地価は昭和58年度の都市別公示価格によると,広島の土地は,1平米11万8,700円,仙台市より6割以上高く,岡山市は,1平米6万600円ですが,これの約2倍の高さを示しておりまして,他地域との工場誘致合戦でもこの土地の高さでは勝てない条件があるわけです。
広島広域都市圏内の企業の流出については既に議論されたところですけれども,広島市内企業の工場建設計画については,「計画あり」が374社15.3%,「考えたい」633社25.9%で全体の41.2%1,006社が工場建設の意向を示しております。
その理由として,「工場が狭いため」とする企業が585社6割で生産拡大,老朽化などが主な理由です。建設希望地域は旧市内が30.9%311社,臨海部埋立地が22.3%で225社,沼田・安佐地区が15.5%157社となっています。
そこでお尋ねしたいのは,これらの既存の企業が求めている建設用地というのは合わせて何ヘクタールが必要なのか,また,60年代の企業立地から推定される企業用地はどのくらい必要なのかということを教えていただきたいと思います。
現在,開発予定地としては,北エリアの長沢地区,西エリアの沼田・石内地区,また東エリアの菰口地区,また,南エリアの臨海埋立地区などがありますが,これらを合わせた工業予定地は何ヘクタールあるのか,また,現在広島市,広島県における調査計画中の工業用地はどのくらいの面積があるのか,教えていただきたいと思います。
また,この北の長沢と西の沼田・石内,そして,東の菰口とを結んだ3工業拠点の開発をトライアングル開発構想という人もいたり,このトライアングル構想にメッセ・コンベンションの拠点となるべき南の宇品地区の臨海埋立地を加えて,ちょうど菱型となり,中央に中枢管理機能の集積のインナーシティーを挟んだダイヤモンド開発構想があると聞きますが,これらのそれぞれの
工業団地の機能分担をどのように考えておられるのか,どのような企業誘致を考えて計画なさっているのかお聞きしたいと思います。
広島市の企業立地対策については,工業立地の主流である
工業団地の適地も内陸,臨海ともに限定され,種々の制約がつくと思われます。
また,工業立地が即,生産機能に反映し,工業出荷額,卸売小売機能へ敏感に反応し,広島の経済の地盤沈下をもたらすと言われています。広島市周辺においては,東広島の中央テクノポリス建設,広大の統合移転と用倉の新広島空港の建設とを踏まえた
工業団地の造成と計画が着々と進んでおり,工業立地に関しては,広島市の地盤沈下は避けられそうにありません。これにかわるものとして,長沢,沼田・石内地区を広島に位置づけたらどうかと思いますが,いかがでしょうか。
長沢地区は中国縦貫道や中国横断道に近く,内陸型工業地区としては公害のない企業の立地に適切です。中国横断道に接し,広島の都心とも近く,近くに大学の集積があり,また,臨空港工業地帯としても空港のすぐ近くに立地しており,将来の観音の埋め立てによる空港拡張で一応の用途を果たせると思います。
沼田・石内地区土地利用計画によれば,民間企業など大規模開発計画を含めると3,800ヘクタールとなり,その土地利用区分は工業流通用地が120ヘクタールとなっています。中央テクノポリスが西日本における先端技術研究開発拠点の形成を目指す開発構想になっていますが,沼田・石内団地については,どのような地域産業の導入を図り,地域産業の活性化をどのように考えているのか教えていただきたいと思います。
また,広島市の内陸部の開発については,その限界があるとされていますが,臨海部の開発については,広島市の三角州の沖側への伸長とともに拡大してきた都市形成の歴史や現状,今後の発展を考えた場合,広島湾の埋め立てによる新しい土地づくりが必要となると思います。
そこで,臨海開発計画におけるその埋め立て面積はおよそ何ヘクタールか,また,開発目標は何なのか,機能配置はどのようになっているのか,工業流通用地はそのうち何ヘクタール確保しているのかお聞きしたいと思います。
また,広島港湾整備計画との整合性はどのようになっているかお聞きしたいと思います。
以上を踏まえて,昭和60年代における2001年広島グランドデザインについて述べてみたいと思います。
広島市はまず都市像として
国際平和文化都市を掲げていますが,昭和53年度の新基本計画の見直しを行い,活力ある
国際平和文化都市の建設という都市像にされることを提案したいと思います。
前段において述べましたように,世界最初の被爆都市の市長として平和を訴え続け,平和な
都市づくりについては成果があったと思うわけですが,経済の活性化,都市の活力の面からいけば,いま一つという気がいたします。そこで,
国際平和文化都市は存続させ,活力ある
国際平和文化都市の建設というようにつけ加えたらと思います。
次に基本方向として,世界に開かれた都市として世界の諸都市と一昨年の日米市長会議,世界平和連帯都市市長会議の本年度開催など活発な交流を通じて発展してきておりますが,国際化の時代を迎え,
国際交流都市としての広島の役割は大きくなっていると思います。
そこで,広島は,活力ある
国際平和文化都市としての都市機能を広げ,世界の経済,文化交流の拠点を目指すことが大切かと思います。
広島の
国際交流都市としての基盤は,メッセ・コンベンションシティーづくりや市民企業の活発な交流活動によって強化されると思います。また,都市の高次機能としての広島現空港の存続は,
国際交流の拠点都市としてぜひ実現されなければならないと思います。
メッセ・コンベンションシティーづくりについては,国際的な交流施設の整備,市民の
国際交流活動の促進,都市基盤整備などを通して国際的なメッセ・コンベンション都市として発展していくことが望まれます。同時に,現空港とメッセ・コンベンション施設とを結んだ市内交通体系の整備や宿泊施設,文化施設,観光資源の整備など都市環境の整備が大切です。
次に,広島に住む外国人の96%1万803人はアジアの人々であり,広島を訪問する人の42%はアジア人となっています。また,貿易面でも輸出の10%,輸入の13%が広島港を経由しています。
このように広島とアジアとは歴史的にも密接な関係があり,また,昭和69年度にはアジアオリンピック大会も広島で開催されるというような関係もあり,アジアセンターを設置したらどうかと,これをひとつ提案申し上げたいと思います。アジアとの
国際交流をもっと深めるべきだと,このように思います。いかがでしょうか。
また,日本経済は低成長時代に入ったと言われていますが,資源,エネルギーや国際条件の変化を考えれば当然の流れでありますが,低成長というわずかなパイを各企業や各産業,各都市が奪い合う弱肉強食の共闘の時代の幕明けであり,各都市が地域の浮沈をかけて競合する時代と言われています。企業間,地域間,都市間の格差は現在よりも拡大すると思われます。
そこで,第3点として,新たな時代に即応した活力ある高度産業社会への展開を指向すべきである,すなわち,新産業革命と言われている技術革新のうねりを成長産業である先端技術産業の導入をてこにし,産業構造を先端集約型の方向に広げなければならないと思います。
エレクトロニクスやバイオテクノロジー,新素材型産業の集積に乏しい広島の経済にとって基本的に重要なことは,先端技術産業や研究開発,教育機関などを誘致することで地域全体の技術水準を高めることだと思います。その点,広島における工業技術センター,中小企業大学校の早期実現,また,広大跡地への総合的公立大学の新設が大切と思います。
また,高度技術時代の本格的到来に備えて地域ぐるみで次世代を担う先端技術の開発に取り組む産・学・官・政の共同研究体制の確立が大切です。ここで政とは当然政治でありまして,最近の高度産業社会の展開にはどうしても政治と行政とは本来的に両輪でなくちゃならないという考えから政を加えた次第です。
第4点としては,高齢化社会での活力ある市民の雇用の拡大を図り,文化,アメニティー都市としての機能の充実を図ることです。
第5点としては,情報産業,エンジニアリング産業,スポーツレジャー関連産業など新サービス産業の育成と総合交通体系の整備です。
以上数点を挙げながら2001年広島グランドデザインを述べてまいりましたが,以下最近気になっている質問や要望を二,三挙げ,私の一般質問を終わりにしたいと思います。
第1点,四全総の日本21世紀への展望の中間取りまとめも発表され,昭和61年を目途に策定されることですし,昭和53年度に策定された新基本計画の見直しの準備に取りかかるお考えはありませんか。
第2点,現在の広大本部には,ハード面にもソフト面においても教育・研究機能の集積かあるわけですが,これらの機能を残して新たに例えば県立女子大学を統合した広島総合公立大学の設置の構想は考えられませんか。
第3点,これは要望でございますので,答えは要りませんけれども,現空港は沖出しをし,都市間交通としてのコミューター空港や国内線,貨物線として存続をすべきであると思います。
第4点,メッセ・コンベンションシティーの拠点は,国際観光貿易港として最適な宇品港にすべきだと思いますが,どうでしょうか。
第5点,広島市が県の持つ港湾管理権を県より移譲される条件整備は何か教えていただきたいと思います。
以上で私の一般質問は終わります。大変御清聴ありがとうございました。
○副議長(中本弘君) 市長。
〔市長荒木 武君登壇〕
◎市長(荒木武君) ただいまの碓井議員の質問を静かに聞いておりまして,ポイントがどこにあるのかなという疑問も抱きながら聞いておったわけですが,これは,いずれにいたしましても,行政万般にわたる問題等でございまして,既にまた,60年代に向けての地域政策ということにつきましては,藤本議員の質問に対して三つほど御答弁申し上げているところでございますので,時間の関係で,その説明で,お答えで御容赦願いたいと思うわけでございます。
それぞれ担当局長から詳しいことは説明させたいと思いますが,いずれにいたしましても,私,市長に就任いたしまして,ちょうど高度経済成長から低成長に入った時期でございますので,広島都市圏における産業構造はどうなってるんかということを調査検討を始めさせてまいりました。広島県全体が素材型産業構造でございますし,そういう中で広島の都市圏内における産業構造は具体的にどうなってるかということについては,専門家等で委員会をつくって検討してまいったところでございます。
御指摘のように本市の製造品出荷額から見た産業構造というのは,輸送用機械器具が約50%を占めておりまして,電機,精密機械器具は約2%と非常に低いと,このような産業構造の片寄りは景気の変動に左右されやすい構造となっておるわけでございます。
しかしながら,広島は,戦前,呉の海軍工廠等を中心にいたしまして,機械系工業というのが非常に技術の集積度が高いわけでございまして,これが第2次大戦の終了とともに閉鎖されまして,ここで抱えておる技術の集積,働いておる技術者の質というのは,我が国でも非常に高いものがあったと思う。そういう産業的な特徴といいますか,歴史というものを踏まえながら,それを生かすような形において,戦後の第2次産業というものは発展,発達してまいったと思うわけでございます。
機械系工業あるいは造船等々でございまして,この技術の集積度は非常に高いということがあるわけでございます。
造船というのは,御案内のようにいろいろな業種を抱えておりまして,いわば発展途上国では1杯の船をつくるにしても,もろもろの技術の集積がないとできないと言われておったわけでございますが,戦後そういうことで日本の工業の発展というのは造船に依存しておったということが言えると思うわけでございます。
それから,そういうことの中から,やはり輸送用機械,これはまあ,マツダに象徴されておるわけでございますが,これはまた,造船よりもはるかにその時代における国の技術の最高水準というものを各方面にわたって取り入れていかなければ,自動車産業というものは国際競争力において負けるということでございまして,そういうような意味におきましては,ただ単に車をつくるんだということだけでなくて,そのことがやはり高度技術社会に対応したやはり自動車産業の水準を高めていったということを,これは否定するわけにはまいらぬと思うわけでございます。
したがって,やはりそういうような経緯を踏まえながら,やはり先端技術産業を入れるにいたしましても,やはりこのような技術の集積の中から今日の高度技術社会に対応した産業をどういうふうに導入していくかということが極めて大切であろうと,こういうふうに思うわけでございます。
まあ,そういうようなことを考えて,やはりこういう技術の集積をもっと高度化し,付加価値の高いものに高めていくということが広島市の産業構造を活性化する道ではないかと,こういうふうに考えておるところでございまして,そういうようなことから,やはり広大の工学部の跡地の中に,そのような先導的機能を果たすものとして,工業技術センターというものをつくろうと実施設計も終わっておるわけでございまして,こういうことの中からやはり第2次産業といいますか,あるいはこれは今ごろの産業というのは,第3次,第4次の産業分類もしなきゃならぬようなことでございますので,2次と3次,4次というのは相関連しながら,技術社会といいますか,経済社会,産業社会が進展するのではないか,これに対応するようなことの中で広島市の活性化,産業の活性化を図っていく必要があろうと,こういうふうに思うわけでございます。
また,卸機能につきましても,まことに御指摘のとおりでございますが,これは,本市の卸売業の販売額を調べてみますと,県全体に占める割合は約77%,中国地方では約40%と重要な地位を占めておるのには変わりはないわけでございまして,しかし,54年以降,販売額の伸びは鈍化し,対全国シェアも低下の傾向にあるわけでございますが,しかし,西部開発の埋め立て等によりまして,あの地域を卸売機能の集積を図っていきたいということで,卸関係を含めて120何社ぐらいが張りついておるわけでございまして,これらはやはり生産に結びつくものもありますが,やはり一般的な卸機能の高度化,経営の合理化等を図っておるわけでございまして,あそこの地域における取扱高で調べてみますと,約かれこれ9,000億ぐらいになっておるのではないかと思うわけでございます。
そういうようにやはり卸機能もだんだんと充実してきておるのではないか,しかし,長期に考えた場合に,それだけでいいというわけにはまいらぬわけでございまして,そのために昭和58年か57年度に広島市内に張りついておる事業所について意向調査をしたところによりまして,将来に対応するためには,自分の敷地がもっとふやしたいというようなこともございますし,そのために,市域外に移転をしたような傾向もあるわけでございますので,そういうことを踏まえて,やはり市域内における新しい産業,都市型産業も含めて,それらが進出できるような用地造成をやらなきゃならぬということと,その立地を誘導するための優遇措置等を講じてまいっておるところでございまして,いずれにいたしましても,そういうことを通しながら,今後の長期的にもやはり21世紀に向けて新しい社会,経済情勢が非常に激しく動いておりますので,その方向に向けてできるだけの努力をしなきゃならぬ,こういうふうに思うわけでございます。
しかし,いずれにいたしましても,やはり今からの技術開発にいたしましても,技術的な高度な技術を導入するにいたしましても,やはり最終的には人材の養成でございますし,その人材が広島に住みついてくれるようなやはり都市環境をつくり上げていくことが極めて必要ではないかということでございまして,
国際平和文化都市の広島をつくり上げていくためには,そのような形における環境整備というものも受け皿としては必要であろうと,こういうふうに思うわけでございますし,また,大学の跡地にいたしましても,既に御説明,御答弁申し上げておりますように,札幌,仙台,福岡というような地方中枢都市,広島と同じような機能を持たされておるわけでございますが──に比べて,とりわけやはり高次の高等教育機能が劣っておるということでございますので,跡地の利用については何と申しましても,その広島市の抱えておる,劣っておる文化教育機能を高めていく必要があろうと,そういう意味におきまして,新たな高次高等教育機関を誘致する必要があろうと,また,考えていかなければならぬと,このように考えているところでございます。
以上,碓井議員の御質問に対する答弁になったかどうかはわかりませんけれども,広島市の市長が今まで行政の中で取り組んできたポイントだけは御答弁を申し上げて御批判をしていただきたいと,こういうように思うわけでございます。
○副議長(中本弘君) 市長室長。
◎市長室長(池田正彦君)
アジア地域との
国際交流の場としてアジアセンターを設置してはどうかということでございます。
広島市としては,アジア諸国を含む諸外国からの本市への訪問者が市民と交流する場として平和公園のレストハウスの中に
国際交流ラウンジを設置して市民交流の活発化を図っているところでございます。また,新年度に実施設計を行う広島国際平和文化会館でございますが,国際文化交流を促進展開する拠点施設として国際会議等を行う場であるとともに研修機能あるいはインフォメーション機能その他幾つかの機能を持つものであります。
これら諸機能の中でアジア諸国を含む世界の人々との触れ合いの場としての利用も考えていきたいというふうに当面考えております。
以上です。
○副議長(中本弘君)
企画調整局長。
◎
企画調整局長(河合護郎君) 何点かお尋ねがありましたので私が理解のできました程度において御答弁を申し上げます。(笑声)
まず,新基本計画見直しの準備はどうかという御質問でございます。
これは,御指摘のように53年に策定をした65年目標のものでございます。確かに国も現在61年,期間ははっきりいたしませんけれども,61年目途に四全総の策定に鋭意取り組んでおるということでございまして,この目標といたすところは21世紀ということのようでございます。
私どもは全国的にも各地方公共団体,それぞれ期間等はばらばらですけれども,基本計画を持ってやっておりますが,少なくともこれから21世紀をにらんだ後の十数年間をどうするかということが非常に大事なことになってくるということですし,各地方がそれぞれ個性を持ちながらも余りばらばらではいかぬということも大事な要件であろうということから,国の四全総の策定状況を十分見きわめた上で,この改定作業には取り組みをしなきゃならぬ時期が近近まいるであろうと,このように考えております。時期等については,今この場で申し上げるのはいささか早いということで御理解を願いたいと思います。
それから,それに関連をして都市像に何かサブタイトルのようなものをつけたら──活力あるというふうなことをつけたらどうかと,こういうお話でございましたけれども,活力というのは,これは行政目標ではなくて目標達成のための手段といいますか,我々が目指す
国際平和文化都市というのは六つの柱がありまして,その中に安定した生活のできる
町づくりと──これはもちろん,活力がなければ,安定をした生活というのはないわけでございますので,そういうサブタイトルを特に現在つけなければならぬというようなことは考えておりません。
それから,広島大学の移転問題をとらえて,例えば,県立女子大学等も含めた総合的公立大学の構想はどうかというふうなお話でございます。
これは,確かに問題をお感じになっておる視点は私どももかねがね考えておりますし,先ほど市長も御答弁を申し上げましたし,かつて社会党からも,この広島大学移転問題に絡んでの市立大学構想というふうな話もあったわけでございます。
私どもその後,大学設置審議会の答申等いろいろあるわけですけれども,市立大学というのは大変設置については経費の問題等々あってなかなか難しいというふうにお答えを過去いたしておりますし,現在もそのように考えておりますけれども,公立大学というような観点は,また,若干様子が変わってくると,いいますのも,大学設置審議会の答申の中でもそういうように,例えば国と県と市とか,あるいは国と県と市とそれから民間とか,県と市と民間とかというふうな形での経営体,こういうものは,これは,将来大いに考えていくべきではないかというふうな1項目がありますので,これは,将来いろいろ考えて,設置の形態としては考えてみる必要があるというふうに思っております。
ただ,まあ,大学設置を認める例外というのは大変範囲が狭いというふうに思っておりますので,具体的にはどのような大学をつくっていったらいいか,それは,ただ単に経済面を充足するという目的だけの大学でいいのか,この大学設置審議会が言っておりますのは,高齢化あるいは国際化というふうなことを踏まえた今後の大学のあり方というものに大いに目を開くべきだと,しかも,大体,昭和68年ぐらいには18歳年齢がピークを越えて,大学の収容人員というのはだんだん落ちてくるというふうな想定のもとに政令市等の大学設置を認めないというふうな方向もあるようでございますので,かなり長期的な視点で,これは,ものを見なきゃいけませんし,多角的に見ていかないといかぬというようなことではなかろうかというふうに思っております。
それから,メセコンの拠点ということで宇品港がかなり適地ではないかというふうな御意見であったろうかと思います。
メッセ・コンベンションというのは,これこそ,まさに広島市の
都市づくりの戦術,戦略でございまして,こういう都市をつくるということが
町づくりの中でも必要なことになるし,そういう町をつくることが町の発展につながってくるというようなことでかなり総合的な判断が要るというふうに思っております。
しかし,今後,既存の施設であるとか,あるいはいろいろな国際会議場,それから,広島サンプラザ等々いろいろ今整備をしておったり,これからしていく施設等もあるわけでございますから,全体として有機的な連携を十分配慮しながらいかなければならぬと,特に,宇品港につきましても,いろいろ宇品地区の高度都市機能の集積等についてもいろいろ再開発の基本構想等策定をいたしておりますし,そういうことで現実には回路の大きな結節点であるというふうなことから,御指摘の宇品港あるいは宇品地区というのは一つの大きな候補地ではなかろうかというふうに考えております。
言い落とした点があるかもしれませんが,以上でございます。
○副議長(中本弘君) 経済局長。
◎経済局長(網井信昭君) いろいろな角度から御指摘なり,御質問なりがあったわけですけれども,基本になるものにつきましては,ただいま市長の方から答弁がございました。
また,今までの質問の中にも,答弁にもいろいろとお答えしておるわけでございますけれども,ここでひとつ産業経済の活性化についての取り組みの状況ということで整理をしてお答えをしていきたいと思います。
本市の産業構造といいますのは,今,議員さん,御指摘のように輸送用の機械に特化しておりまして,特に成長性の高いと言われる電機,精密機械工業の集積が低いというのが本市の産業構造の特徴でございます。
また,46年から58年までの13年間で1,000平米以上の工場の市域外への移転が138件もございました。
こうしたような状況の中で産業構造の多様化を図り,あるいは今後成長性の高い,産業集積の低い電機・精密機械器具等の企業を誘致しよう,そういうことで58年度にいろいろな調査をやり,企業立地促進制度も発足させたようなことでございます。
また一方,本市の機械金属加工技術の蓄積というのは非常に高うございまして,これに先端技術を組み合わせたメカトロ化等を進めて,既存企業の多角化あるいは高度化を図っていく必要があるというふうに認識しておるわけでございます。
そういうようなことで,そういう工場用地等の造成に取り組んでまいっておりますし,また,59年度においては全国的にも高水準の企業立地促進制度を発足させたようなわけでございます。
それからさらに,その
工業団地等へ移転いたしました企業の跡地,これを都心の活力の回復を図るためにソフトウエアあるいは情報関連サービス業等の地価が高うても張りつけのできる都市型産業の誘致というのを促進しようということで,現在,その方策について検討を進めているところでございます。
次に,市域内企業の99%を占めております中小企業の育成強化の問題でございますが,これら中小企業は,技術力や経営力が弱うございまして,人材の確保等多くの問題を抱えております。
そのようなことで,本市としては技術力の向上あるいは先端技術への導入を促進するために工業技術センターの整備を進めておるわけでございます。
また,経営体質の強化を図るために中小企業の指導センターの充実強化を進めておりますし,経営者,管理者等の人材育成のための中小企業大学校広島校の早期開校を促進しておるわけでございます。
こういうふうなものを重点にして,これら中小企業の振興に努めているというのが現状でございます。
また,58年度におきましては,産業界,学界,県及び県内市町村が一体となりまして,産業技術振興機構を発足させております。大学及び公的試験研究機関との連携によりまして,先端技術の研究開発,異業種交流による新製品の開発等を進めているところでございます。
次に,卸売機能の問題でございますけれども,本市の卸売事業がその販売額において県全体に占める割合は約77%,ただいま市長が御答弁申しましたように約77%を占めております。中国地方では御指摘のように約40%,まあ,いつでも非常に重要な地位を占めておるわけでございます。
しかし,54年以降の販売額の伸びは鈍化しておりまして,対全国シェアも低下の傾向にございます。今後,主要幹線道路網や本四架橋の整備が進みますと本市の流通機能の総体的な地盤沈下が懸念されるわけでございます。
こういうふうなことから,58年度におきまして,広島地域の流通機能に関する調査研究を行ったところでございます。
これをもとにして,西部埋立地の商業街区の整備に当たりまして,卸機能のレベルアップや機能
補完の施設を設置することを検討しているところでございます。
また,地場卸売業の情報機能の強化を図るために西部流通団地をモデル地区にして,ニューメディアを駆使した高度産業情報システムの構築に取り組んでいるところでございます。
以上,取り組みの状況を申したわけでございますけれども,今後とも経済の動向を把握しながら,適切な施策の展開を図っていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○副議長(中本弘君)
都市整備局長。
◎
都市整備局長(柳川幸雄君) 沼田・石内地区に導入する地域産業あるいは活性化はどういうふうに考えているかということでございますけれども,沼田・石内地区の土地利用計画案の中で
工業団地に導入いたします業種につきましては,基本的には公害のないクリーンなものをといったもので考えております。
具体的には今後検討を行っていくわけでございますが,例えば,本市の産業構造の転換や経済の活性化に寄与しますとともに成長の見込まれる業種あるいは市街地から内陸への移転希望の業種などを多角的に検討した上で方向を決めていく必要があろうというふうに考えております。
○副議長(中本弘君) 建設局長。
◎建設局長(藤井崇弘君) 臨海部の開発計画と港湾管理権の移譲問題についてお答えいたします。
臨海部の開発計画につきましては,埋立面積,機能配置等いろいろな問題がございますが,本市の健全な発展と今後の
町づくりを進めていく場合に,この臨海部の開発整備と新たな土地づくりは極めて重要な課題であります。この点,御指摘のとおりでございます。
このため21世紀広島ビジョン会議など各方面の提言をいただいておりまして,この中で広島湾の臨海部の総合開発が必要であるとの認識に立ちまして,現在,関係機関や学識経験者などによります
臨海部開発計画基礎調査検討委員会を設置しておりまして,各界の意見を十分お聞きしているところでございます。環境保全に配慮した海を活用した土地づくりの調査に取り組んでいるところでございます。
したがいまして,当面,埋立面積あるいは土地利用あるいは開発の時期等につきましては,現在このような調査中でございますので,この調査成果が出るのを待って,本市関係局とも十分相談しながら,今後具体的に詰めてまいりたいと考えております。
また,広島港港湾整備計画との整合性の問題でございますが,この臨海部の開発計画を具体化するためには,広島港港湾計画に位置づけることが必要でありまして,国・県など関係機関とも調整しながら,港湾5カ年計画の進捗に応じまして,整合性を図っていきたいと考えております。
次が,県の持つ港湾管理権を市に移譲する場合の条件整備は何かという御質問ですが,昭和28年に広島県が広島港の港湾管理者となりまして,現在まで広島港の管理運営に当たっているところでございますが,この御指摘の県より移譲される条件整備は次の4点が考えられます。
第1点が,市域外にまたがります港湾区域,3町ございます。坂町,海田町,廿日市町,この3町を含んだ広域行政ができるようになること,第2点目が,港湾の管理運営のための財政負担に耐えられること,第3点が,港湾管理の実務者の養成といいますか,実務者が十分養成されていること,第4点が,広島港を取り巻く開発計画やあるいは本市の広島港整備のビジョンが確立していること,以上4点が挙げられようかと思います。
以上でございます。
○副議長(中本弘君) 8番碓井法明君。
◆8番(碓井法明君) 市長さんにはあらかじめ,あるいは皆さん方にあらかじめですね,いろいろな質問書の内容を出しておりますので,それをよく見ていただいてですね,そして,お答えいただくと,まあ,我々がつくるのは一人でつくるわけでございますから,質問書もですね。
まあ,皆さんの場合には何万人という方が,そういう集積があっておつくりになるわけですから,より高度なものをね,そして,本当に我々が真剣に追究しているものは真剣に答えていただくと,これをひとつよろしくお願いいたしたいと,このように思うわけでございまして,いろいろとたくさんですね,質問の中で答えておいでにならない点がいっぱいあるわけです。
確かにそういう面で質問が多過ぎたかなと,このように思うわけでございますが,まあ,これは,細かいところはまた各委員会でやらしていただきたいと思うわけでございますが,経済局長さんに二,三お聞きしたいと思います。
まず,第1点は,その私が言ったことにも答えが出ておりませんでしたよ,さっきも。というのはですね,広島県は産業振興策として,東広島市の中央テクノポリスというのを産業都市として──先端産業技術都市として位置づけているわけですね。
それで,父なる都市,広島市をどのような機能分担を考えているのかと,広島市とそれから今の広島県が考えている中央テクノポリスとはどういう関係に基づいてなされていますか,広島県はどういうふうに広島市を考えていますか,機能分担を考えているかというのが大きな質問の内容であるわけでございますが,そしてまた,広島市のインナーシティーの地域内の既存集積産業との連携はどうすべきかと,これも一つ,その中に入ってるわけでございますが,まあ,お答えいただいたんだろうと思うんですが,もう1度,私よくわかりません,よくお答えいただければと思います。
第2点,これは,中本議員,藤本議員へのお答えの中に6社ほど何か企業立地の促進制度の導入で6社ほどあるとおっしゃっていましたけれども,これは,長沢団地の目的からしてですね,長沢団地にはどんな企業を張りつけるんだと,私どもが言ってるのは,今の決してマツダが悪いというのじゃないですよ,マツダもどんどん伸びてもらわにゃいけませんよと,なおかつ,マツダだけでは耐えかねると,広島市の経済は,経済構造は,そういうことで頼っておったんでは,マツダがもしだめになったら困るじゃないですかと,こういうことを言っとるわけでございまして,マツダも伸びていただきながら,なおかつ,先端産業も伸ばしていこうではないかと,そういうことを私は質問しておるわけでございまして,それで,その長沢地区とか,沼田あるいは石内地区の位置づけはどうするのかと,そこで,全く同じようなことをですね,やっていくのかと,全く同じことというのは,輸送機械産業をまたそこへ入れるんですかと,これじやあ,何をやったんか意味がわかりませんよ,広島市の構造は変わりませんよと,こういうことを言いたいんです。
ですから,そのあたりも酌んでいただいてですね,本当のことをとって答弁されなくちゃあ……。(不規則発言あり)
そんなことはないんでございます,1万人おいでになるんですから。そこをね,もっと研究しなくちゃ,何のために経済局にしろ,まあ,そんなことを言っちゃあ怒られますから余り言いませんが──あるのかわからぬようになりますから,ひとつそのあたりも,ちいと思い切ったことを言わしてもらいますが,市長さんが思い切ったことを言われたんです。だから,私は思い切ったことを言うんですが,ひとつそういう点をね,考えていただきたい。
だから,長沢団地の6企業はどんなことを考えている企業なんですか,これをひとつ教えていただきたいのが2点。
3点はですね,まあ,広島市は何で飯を食うかということで市長さんに言ってもらったんですが,まあ,マツダで飯を食うと,こういう答えだろうと思うんですが,まあ,これもいいと思う。これも大切なことなんですから,それはそれでいいんです。
けれどもですね,まあ,あるいはまた,メッセ・コンベンションシティーというもので,まあ,第3次,第4次サービス産業ということでいいと思うんですが,この第3次産業主導型に現在の考え方はなっていますけれども,その地方のですね,中枢管理都市を目指すなら,生産機能を目指したものはできないんじゃないですかと,やはり生産機能──第2次産業もしっかりと踏まえたものでなければ,第3次産業は伸びませんよと,こういうことを言うわけでございまして,その生産機能──第2次産業の生産機能と中枢管理都市の関連はどうなっていますかと,同時にですね,広島市の総合的中枢管理機能の集積度,これはどうなっておりますか,集積度はどんどんどんどん下がっておりますよ。
そういう意味で皆さん安閑とされていますが,そこで,佐貫さんか言っておられる,いろいろな本を見れば皆そうです。広島はだんだん,だんだん低下していますよと,じゃあ,それをだれが活性化するんですか,やはり先ほどから議論があったように,我々であり,また,市が主導しなければできないんですから。そういう面でひとつお答えいただきたい。
総合的な中枢管理機能の集積度はどうなるか,これからどうお考えになるんかと,こういうことをひとつ経済局長さんには──市長さんでもいいですよ,これは。お答えいただきたいと,このように思います。
それから,今,建設局長さんに答えていただいたんでございますが,この4点というのは,じゃあ,わりと簡単なですね。私は何かもっともっと大変なことが──港湾管理権を取るのは難しいんかと思ったわけでございますが,現在,広域合併もされておるわけでございます。五日市も入っておるわけで,もし,まあ,よその政令市が皆そういうふうにですね,港湾管理権を持っているわけでございますが,この広島市が港湾管理権を持たないときのデメリットは何かと,こういうことについてひとつ言っていただきたい。デメリットは何かということをですね,教えていただきたいと思います。
それから,アジアについては,これはいいですが,ひとつそういうような人が多いんですから,私もですね,この間,韓国の方が私の方へ来られて,ひとつ牛田小学校と提携しようじゃないかというふうな話が出たんでございますが,そういうふうにどんどんアジアにもね,アジアにもひとつそういうような
国際交流ができるようなものを持つべきだと,いろいろトラブルがあるかもしれませんが,それは乗り越えにゃいかぬのじゃないですかと,広島は
国際平和文化都市ですから,そういう面でひとつアジアの方にも目を向けていただきたいということで,これは,お答えは要りません。
それから,河合局長さんの答弁でございますが,私が提案申し上げたことまで答えていただきまして,余り答えが早いんじゃないかと思う。提案申し上げたわけですから,これはですね,活力ある都市を考えていただきたいと,平和文化都市を考えていただきたいということでございまして,もうちょっと提案をよく見ていただいて,心に入れていただいて,それから答弁していただけりゃいいんですが,まあ,いいです,それは。
それで,大学設置審議会の意向でですね,これは非常に前向きな答弁で,今までは大学設置審議会の関係で政令市は大学の整備は困難だということだったんですけれども,公立については考えられるんじゃないかということで1歩私は前進したので非常にうれしく思うわけでございますが,本部も工学部の跡のようにならないように,やるのなら,できるだけ徹底して早くやっていただくということで,まず,考えをはっきり策定しなくちゃいかぬですね,それをひとつお願いをいたしたいと思います。
大体,以上だと思います。じゃ,よろしくお願いします。
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会議時間の変更について
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○副議長(中本弘君) この際,念のため所定の会議時間を延長いたします。
経済局長。
◎経済局長(網井信昭君) まず,テクノポリスの問題ですけれども,広島市が父都市という位置づけをされております。しかし,この父都市というものが,テクノポリス構想の中で特に役割分担を位置づけられておるというものは明文化されたものはございません。
ただ,この父都市として広島市を抜きにしてはテクノポリス構想というものが──関係を抜きにしては話ができないんではなかろうかということではないかと思います。
ただ,そうではありますけれども,本市が整備いたします工業技術センターは,そういうものにも活用をしていただけるということでもございますし,それから,産業技術振興機構が,これは,全県的な組織ではございますけれども,それの本部を広島に置きながら,そして,中央部の今のテクノポリス地域の企業との技術の開発とかいうふうなものとのかかわりを持っていくということでございます。
それから,今の6社の問題でございますけれども,これは,長沢地区への進出企業ではございません。今,問い合わせがあって具体的な話し合いをしておりますこの6社というのは,既存の土地を各社が求められながら,この企業立地促進要綱の適用の協議に入っとるということでございます。
で,その長沢──企業立地促進要綱といいますのは,先ほど御答弁申し上げましたように産業構造の多様化,偏った産業構造を何とかバランスのあるものにしたいということから,この企業立地促進要綱をつくったわけでございます。
これのねらいというのは,成長性の高い産業の立地を促進しようということでございますので,ひとつ御理解のほどをお願いしたいと思います。
それから,中枢管理機能との関係においての話でございますけれども,御指摘のように,その中枢管理機能といいますのは,経済あるいは行政,文化,情報あるいは社会的ないろいろな機能が有機的に結び合いまして求心力を持って初めてその中枢管理機能というものが発揮されるものと理解しております。
そういうことから行きまして,経済の管理機能の中には当然生産機能というものもあるわけでございまして,これが底上げがございませんと,中枢管理機能というものも発揮されないんではないかというふうに理解しております。
そういう意味におきまして,既存企業の体質の強化とか──といいますのは,メカトロ化等あるいは新素材の導入による新製品の開発とか,そういうふうな体質強化を図りながら,あるいはその先端産業の導入を図りながら,生産機能のレベルアップを図っていこうというのがねらいでございます。ひとつ御理解のほどお願いしたいと思います。
以上でございます。
○副議長(中本弘君) 建設局長。
◎建設局長(藤井崇弘君) 港湾管理権絡みについてお答えを申し上げます。
先ほど条件整備を4点ほど申し上げましたが,港湾区域内の3町,これは廿日市がございますから,廿日市を含めた,坂,海田町にまたがる広域行政,それから,財政負担,それから,管理体制の強化,いずれも当面容易でないと考えておりまして,この条件整備が重要であるということでございます。
それから,市が港湾管理者になっていないデメリット,なっていない不利な点はどういうことかという御質問ですが,大きく3点ぐらい挙げられようかと思います。
一つは,本市の主体的な意思のもとに都市基盤整備や港湾を中心とした交通のネットワークの整備など一体的な港湾整備が図りがたいという点です。
第2点が,市民や港湾の利用者に対するきめの細かいサービスができにくいと,県当局は直接住民行政をやっておりませんので,こういう点が挙げられるかと思います。
第3点が,埋立免許権など許認可権限がないという点,この3点ぐらいが当面挙げられるかと思います。
○副議長(中本弘君) はい,碓井議員。
◆8番(碓井法明君) ちょうど5時のようでございますので,簡単にそれじゃ。
先ほどもちょっと言ったんですが,東洋工業がアメリカに行くことによって,あるいは防府に行くことによってですね,かなり広島の下請関係は大変いろいろな問題点を起こすんじゃないかと,これはどうですかという質問をしたんですが,これは,答えておいでになりませんけれども,大切なことなので,それをどのように指導していくかということを簡単に1分以内で答えていただければと思います。
それから,港湾管理権については前向きでひとつ広島市は政令市としてやるべきだ,そういうことで意見を言わしてもらいます。
それでは1分ぐらいで結構です。
○副議長(中本弘君) 経済局長。
◎経済局長(網井信昭君) 失礼しました。マツダの防府への進出あるいはアメリカへの企業進出でございますけれども,これは,広島の生産を縮小して移転するというようには聞いておりません。
特に,アメリカへの工場進出あたりをとりますと,規制枠をクリアする意味において,向こうで組み立て工場をつくるんだと,その部品の約50%はこちらでつくって運び出すというふうに聞いておるわけでございます。
そういう意味におきまして,下請企業分への影響はそれほどないんではなかろうか,かえって増産の形になっていくんではなかろうかというふうに思っております。
◆8番(碓井法明君) はい,ありがとうございました。
○副議長(中本弘君) 本日はこの程度にとどめ,明日引き続き
総括質問を行います。
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次 会 の 開 議 通 知
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○副議長(中本弘君) この際,御通知申し上げます。明日は午前10時より議会の会議を開きます。
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散 会 宣 告
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○副議長(中本弘君) 本日はこれをもって散会いたします。御苦労でございました。
午後5時02分散会
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議 長 講 元 英 雄
副 議 長 中 本 弘
署 名 者 松 尾 好 子
署 名 者 牧 里 重 喜...