前橋市議会 2022-06-16
令和4年第2回定例会(第2日目) 本文 開催日: 2022-06-16
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◎ 開 議
(午前9時57分)
【議長(小曽根英明議員)】 これより本日の会議を開きます。
2 ◎ 日 程 報 告
【議長(小曽根英明議員)】 本日の議事は、議事日程第2号により進めます。
3 ◎ 総 括 質 問
【議長(小曽根英明議員)】 日程第1、上程中の議案等に対する総括質問を行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許可いたします。
(27番 笠原久議員 登壇)
4 【27番(笠原久議員)】 皆さん、おはようございます。通告に従い、順次質問いたします。
初めに、前橋市
行財政改革推進計画について伺います。この計画は、民間委託等の推進、業務改革・事務改善の推進、公共施設の効率化・最適化の推進、以上の3項目について令和元年度から令和9年度までの9年間を計画期間としていると仄聞しております。本日は、民間委託等の推進の中の大規模公園の公園管理業務における民間委託の拡大について伺います。
本定例会で荻窪公園に係る前橋市公園条例の改正案が提出されております。改正の内容については、荻窪公園の施設全体の管理を指定管理者に行わせることができるようにするため、管理を行わせることができる施設の名称を
温水利用健康づくり施設から各公園施設に改めるとされております。さらに、民間事業者が収益施設を整備、運営できるパークPFI制度も活用すると聞いております。公園の管理業務において、民間事業者が参画できる範囲を広げ、その事業者のノウハウを公園全体で活用するための取組が推進されており、今後の公園管理運営における重要な判断であると感じております。改めて指定管理施設の見直しやパークPFIの導入に至った経緯について伺います。
以下は質問席にて行います。
5 【建設部長(吉澤輝男)】 荻窪公園では、昨年度実施しました本市の総合公園等における民間活力導入に関するサウンディング調査でも最多の4団体から提案があり、その多くが公園と
温水利用健康づくり施設の管理を一元化するとともに、新たな収益施設を整備することで公園全体の活用を図るという内容でありました。この結果を受け、
行財政改革推進計画を踏まえつつ、関係部局と検討し、指定管理者が業務を行える範囲を拡大することで
温水利用健康づくり施設と園地を一体で管理することができるようにすること、またパークPFI制度によって収益施設も同時に整備できるよう条件を設定することで公園全体の活用促進が期待できるよう見直しを行うものでございます。
6 【27番(笠原久議員)】 ただいまの答弁にあったように、荻窪公園は本市が取り組むスローシティ前橋、赤城地域に位置し、道の駅赤城の恵でもあることから、パークPFI制度によって整備する施設の管理運営と指定管理者業務として管理運営する園地や
温水利用健康づくり施設などの既存施設を同一の事業者で一体的に活用することで公園全体のさらなる魅力創出を図るとともに、効率的な管理運営が期待できると思います。
また一方で、パークPFI制度の導入により、事業期間は最大20年間となり、指定管理期間もそれに合わせると聞いております。これまでになく長期の事業になる上、園地の管理だけでも植栽の手入れやトイレの清掃、遊具点検など多岐にわたるほか、温浴施設の運営や自己が設置する収益施設の営業まで行うことになり、相当大変な業務になることが想像されます。そこで、この業務を実施するに当たり、事業者への公募の内容や参加条件の設定をどのように考えているのか伺います。
7 【建設部長(吉澤輝男)】 公募の内容につきましては、指定管理範囲を既に開設されている15.5ヘクタールとしまして、農産物直売所を除いた植栽地やトイレ、遊具、
温水利用健康づくり施設などの全ての公園施設を管理する指定管理者を公募したいと考えております。あわせて、パークPFI制度に基づく公募も行い、園内に収益施設の設置可能区域を示した上で、アウトドア系の公園施設などの設置運営を想定しております。条件設定につきましては現在検討中でございますが、参加を希望する法人の地域などを限定せず幅広く公募を行うことで、様々な提案を受けたいと考えております。また、業務内容が多岐にわたるため、複数の法人によるグループの参加も可能としたいと考えております。
8 【27番(笠原久議員)】 大規模公園の公園管理業務における民間委託の拡大については、荻窪公園を皮切りに引き続き進めていくことを期待いたしますが、
行財政改革推進計画には市有温泉施設についても民間譲渡を含めた民間活力の導入が位置づけられております。しかし、
新型コロナウイルス感染症の影響により、令和3年度中も緊急事態宣言や
まん延防止等重点措置の区域に指定されるなど、現在も依然として終息は見えず、来館者数の減少や飲食売上げの低迷など運営が厳しい状況になっていると推察されます。そこで、現在の運営状況について伺います。
9 【建設部長(吉澤輝男)】 市有温泉施設の現在の運営状況でございますが、令和3年度実績としまして、
新型コロナウイルス感染症拡大前の令和元年度と比較し、営業日1日当たりの来館者数は約7割、売上げでは約6割となっており、厳しい運営状況となっております。その要因としては、コロナ禍で飲食の利用が控えられ、指定管理者においてもイベント等の自主事業が思うように実施できなかったことなどが挙げられます。
10 【27番(笠原久議員)】 市有温泉施設の運営状況が大変厳しいことは分かりました。このような状況下でも、現在の指定管理者による市有温泉施設の運営期間は今年度末までとなっており、今年度中に令和5年度以降の指定管理者を決定する必要があると考えております。荻窪公園の
温水利用健康づくり施設、あいのやまの湯については、園地と一体に指定管理者を募集、公募するとのことでありましたが、それ以外の粕川温泉元気ランドと富士見温泉ふれあい館について、来年度以降の管理運営をどのように進めていくのか、考えをお伺いいたします。
11 【建設部長(吉澤輝男)】 粕川温泉元気ランドと富士見温泉ふれあい館につきましては、民間譲渡を含め、さらなる民間活力の導入を検討してまいりましたが、
新型コロナウイルス感染症の影響により、来館者数の低迷による売上げの減少など厳しい状況が続いており、譲渡売却ではなく、当面の期間として再度5年間の指定管理者を公募により選定したいと考えております。公募に当たっては、さらなる民間活力の導入として温浴業務を必須事項とし、それ以外の業務は民間事業者からの提案によるものとして進めたいと考えております。また、あいのやまの湯同様、参加を希望する法人の地域などを限定せず、幅広く公募を行うことで様々な提案を受けたいと考えております。
12 【27番(笠原久議員)】 ここで要望ですが、公園や温泉などの管理運営について、民間事業者を広く公募することは市外、県外の事業者の参画も見込まれます。しかし、これまで公園や市有温泉施設の建設や管理に携わってきた地元企業もおり、そういった事業者は各施設に精通しているわけでありますから、各種条件の設定には地元企業が参画しやすいよう、地域性についても考慮すべきであるという点について申し上げておきたいと思います。
次は、本市の財政状況について伺います。本市の市債残高は全国的に見ても非常に多い状況にあり、また全国の61中核市と比較しても非常に多い状況にあるため、今後市債残高が増えることは健全な財政運営の支障になるのではないかと懸念しております。財政当局は、これまで市債残高を抑制する方針で取り組んできたと認識していると思いますが、令和2年度末の市債残高について伺います。
13 【財務部長(中畝剛)】 令和2年度末の市債残高でございますが、令和元年度末と比べまして約2億5,000万円減少の約1,537億7,000万円でございました。その内訳ですが、まず地方交付税の振替財源と言える臨時財政対策債が約4億7,000万円増加しておりまして、その残高は約627億9,000万円でありました。
一方で、いわゆる通常債につきましては、直近の10年間で合計約141億9,000万円減少しており、また令和元年度末と比べましても約7億2,000万円減少しておりまして、その残高は約909億8,000万円となっております。
14 【27番(笠原久議員)】 答弁により、臨時財政対策債といった地方交付税の振替財源として国から発行額が示されるものは増加しておりますが、一方で本市の建設的な事業に係る通常債につきましては減少見込みであることが分かりました。市債については、公共施設の整備など本市のまちづくりのためには欠かせない財源ではありますが、結局のところは借金であるため、将来の負担を考慮して、引き続き市債発行額の抑制に努めるべきだと考えております。本市の健全な財政運営のためにも、今後どのように市債を発行していく考えなのか伺います。
15 【財務部長(中畝剛)】 今後の市債発行に対する考え方についてでございます。初めに、臨時財政対策債につきましては、現行制度においては国税収入など国の動向に左右されるため、今後の残高見込みを予見することは難しいですが、国に対しましては引き続き全国市長会などを通しまして
臨時財政対策債発行額の縮減等を要望してまいりたいと考えております。
また、通常債につきましては、建設的な事業を行う上で貴重な財源の一つとして発行するものの、元金償還額を上回らない市債発行額という考え方を基本とし、できる限り対象事業の厳選や後年度に地方交付税措置がある有利な市債の活用に努めるなど、将来負担の軽減を図りながら健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
16 【27番(笠原久議員)】 財政状況については、また次の機会があれば伺ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次は、ウクライナ避難民の受入れ状況について伺います。ウクライナでは、多くの民間人がロシア侵攻により突然日常を奪われ、戦禍や抑圧から逃れる難民としての生活を余儀なくされており、本市議会でも3月定例会においてロシアによるウクライナ侵攻への抗議を決議し、当局においても当初より避難民を受け入れて市営住宅を提供することや、一時金などの支援を打ち出すとともに、募金活動やふるさと納税による寄附の受付、さらには
チャリティーコンサートへの支援など様々な取組を実施してきており、こうしたメッセージ性のある取組を通じて企業などからの寄附にもつながっているものと認識しております。当局としても支援メニューを整えた上で補正予算を本議会へ提出しているわけですが、まずは現在のウクライナ避難民の受入れ状況について伺います。
17 【未来創造部長(青木一宏)】 本市におけるウクライナ避難民の受入れの状況でございます。6月10日の時点でNIPPON ACADEMYが9名、群馬大学が2名受け入れたと伺っております。両校は今後も受入れを検討していくということでございます。そのほかに、独自に2名の方が本市に避難しており、全員女性で、合計13名の避難民が本市での生活を開始している状況でございます。
18 【27番(笠原久議員)】 本市においても市営住宅の家賃を無償として受け入れることを表明しております。先日、NIPPON ACADEMYの学生が9名入居し、受入れが始まったことを実感しております。市営住宅の入居可能戸数は18戸を確保したと聞いておりますが、現在市営住宅の入居率は全体で70%なので、まだまだ用意できる部屋は多いと思います。そこで、今回受入れで確保した市営住宅の入居可能戸数はどのように選定したのか伺います。
19 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 ウクライナからの避難民の受入れで確保した市営住宅の入居可能戸数の選定についてでございますが、まず給湯設備が設置されており、すぐに入居できる部屋を3戸選定いたしました。次に、給湯設備の在庫状況を確認した結果、さらに15戸分が確保できましたので、合計18戸を入居可能戸数といたしました。
また、給湯設備を設置し、入居可能とする部屋は、避難された方が言葉や文化の違いによる生活への不安を少しでも解消でき、コミュニティーを形成しやすくするため、同じ団地を選定いたしました。
20 【27番(笠原久議員)】 今後ウクライナから避難民が増加した場合、市営住宅の受入れに向けて準備が必要と考えられます。当局の見解を伺います。
21 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 ウクライナからの避難民が増加した場合についてでございますが、受入れ市営住宅の拡充については、ほかの支援策も含めて全体的な受入れ態勢を検討した上で判断する必要があると考えております。その上で、全体の受入れ態勢を拡充することとなった場合には、世界的な半導体不足による給湯設備の納品遅れ等の課題もありますが、今回の整備と同様にできるだけ速やかに対応したいと考えております。
22 【27番(笠原久議員)】 市営住宅を確保され、今後の受入れについても準備いただけるとのことで、避難者も安心して生活ができると思います。
次に、避難者の方は十分な準備もなく、生活物資等もほとんどない状態で入国されると思いますが、日常の生活をするには冷蔵庫や洗濯機、エアコン等の生活用品が最低でも必要になりますが、当局の支援策はどういったものなのか伺います。
23 【福祉部長(小坂和成)】 本市では、ウクライナからの避難民の日本における生活を支援するため、前橋市
ウクライナ避難民人道支援金を用意しております。支援金の内容といたしますと、日本での生活スタートの原資として1人当たり15万円の一時支援金と毎月の生活費として1世帯当たり15万円を基本額とする生活支援金の2種類でございます。一時支援金は、生活物資の購入に充てていただくことを想定しており、入国後、隔離期間が終了すると、速やかに支給している状況でございます。また、本市職員から募った生活物資の提供も行われております。そのほか、国、群馬県、日本財団からも一時金の支援メニューが用意されており、生活物資については充実した支援ができているものと考えております。
24 【27番(笠原久議員)】 生活物資の支援について、市のみならず県や国等からの支援もあるということで、避難民も入国後の生活で困窮することはないようで、まずは安心いたしました。また、職員から物資提供という支援は避難民に寄り添った取組であると大変評価いたします。避難民が日常生活をする上で生活費など財政的な支援が重要だと思いますが、今回の補正予算では
ウクライナ避難民支援事業として日本語習得支援、一時支援金、生活支援金の支給、市営住宅改修工事の追加に対する補正予算が提出され、財源は寄附金となっております。財源の寄附金については、確実な受入れに心配な部分があります。現状の寄附実績と補正予算の財源見込みについて伺います。
25 【未来創造部長(青木一宏)】 今回の補正予算に関する財源についてでございます。ふるさと納税や募金等を通じた寄附金を見込んでいるところでございますが、6月14日現在の寄附実績といたしましては、約410万円の寄附をいただいているところでございます。避難民のために今後も寄附にご協力いただけるよう積極的に取り組んでまいりますが、財源として不足した場合には、一般財源からの充当を考えておるところでございます。
26 【27番(笠原久議員)】 今未来創造部長から、寄附金が財源として不足する場合は一般財源からの充当を予定しているとのことでありますが、どのように財源を確保するのか伺います。
27 【財務部長(中畝剛)】 寄附金が不足した場合の具体的な一般財源の確保についてでございますが、例えば前年度繰越金などの活用や、また特別交付税の可能性をも鑑みながら考察しているところでございます。先ほど未来創造部長から答弁がありましたとおり、今後もさらなる寄附へのご理解とご協力がいただけますよう、情報発信をはじめ全庁挙げて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
28 【27番(笠原久議員)】 ウクライナからの避難民に対しては、支援等々、温かい支援があるわけでございますが、それとはまた別に、前橋市民も今大分生活困窮者が増えておりますので、その点についても温かいご支援をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
次は、マイナンバーカードについて伺います。まずは交付状況について伺います。国は、マイナンバーカードを来年3月までにほぼ全ての国民に行き渡らせることを目標として、現在マイナポイント事業の第2弾を実施するなどマイナンバーカードの普及促進に力を入れております。このような中、本市もマイナンバーカードの出張申請受付を実施するなど努力を重ねておりますが、全国及び県内での比較において本市の交付状況はどうなったのか伺います。
29 【市民部長(木村由美)】 全国における本市のマイナンバーカードの交付状況でございますが、総務省が公開している情報では令和4年5月1日現在の本市の交付率は45%であり、全国の交付率44%を上回っております。
なお、中核市62市の中では第21位となっております。また、群馬県内における本市の交付状況は、群馬県の交付率37.4%を7.6ポイント上回っており、県内市町村の中では第2位、県内12市の中では第1位となっております。
30 【27番(笠原久議員)】 昨年10月からマイナンバーカードの保険証利用が開始され、マイナンバーカードを保険証として利用するには、医療機関や薬局にマイナンバーカードの読み取り端末の設置が必要でありますが、報道等では設置が進んでない状況と聞いております。そこで、市内医療機関等の端末の設置状況はどのような状況なのか伺います。
31 【健康部長(膽熊桂二)】 医療機関等のマイナンバーカード認証用端末の設置状況についてでございますが、厚生労働省が公表している直近の状況では、令和4年5月29日時点で市内741の医療機関等のうち114か所で導入が進んでおり、割合としては15.4%となっております。
なお、内訳といたしますと、20床以上の病院では8か所、率にして40%、医科診療所では43か所の12.6%、歯科診療所では17か所で8.3%、薬局では46か所で26.3%となっております。
32 【27番(笠原久議員)】 医療機関等でのマイナンバーカードの読み取り端末の設置状況については全国的にも進んでいないとの情報がありますが、本市においても同様な状況であることが分かりました。
なお、設置がなかなか進んでない状況においては、半導体不足や医療機関側のシステム対応への課題などもあると伺っております。実際の申請状況はどのような状況なのか伺います。
33 【健康部長(膽熊桂二)】 マイナンバーカード読み取り端末設置の申請状況でございますが、厚生労働省の発表では令和4年5月22日時点において全国では58.1%、群馬県においては61.4%の医療機関等が申請を済まされているという状況でございます。
なお、前橋市内の医療機関等の申請状況につきましては、具体的な数値の公表はありませんが、本市においても同様の申請状況であると考えております。
34 【27番(笠原久議員)】 マイナンバーカードの健康保険証利用は、市民の利便性向上や健康管理や医療の質の向上、医療保険の事務コスト削減など社会的に大きな効果が期待される取組であり、このような
マイナンバーカードの健康保険証利用のメリットを実現するためにも、市としても端末の普及に向け、取組が必要だと考えますが、見解を伺います。
35 【健康部長(膽熊桂二)】
マイナンバーカード認証用端末の設置促進に対する市の取組についてですが、
マイナンバーカードの保険証利用については、医療機関側の理解を深めるため、本年2月、前橋市医師会、前橋市歯科医師会及び前橋市薬剤師会に伺い、システムの導入のメリット等をお示ししながら、機器導入促進に向けてのお願いを周知したところでございます。
なお、機器導入促進には国を挙げた取組が必要ですが、政府において今年5月に
マイナンバーカードの保険証利用普及に向けたプロジェクトチームが立ち上げられ、普及への導入加速に向けた取組強化が図られております。今後はこうした国の取組を注視しながら、必要な対応を進めていきたいと考えております。
36 【27番(笠原久議員)】 次に、マイタクの
マイナンバーカード一本化後の状況について伺います。
マイタクは、自家用車を運転できない高齢者等の日常生活の移動手段の一つとして市民に定着しております。平成30年1月からは、紙のマイタク利用券に加えて
マイナンバーカードによる利用も導入され、また今年度からは利用者の利便性向上を図るため、
マイナンバーカード利用への一本化を行いましたが、大きな混乱がなく、スムーズに移行できていると聞いております。そこで、マイタクの利用者の
マイナンバーカードへの移行状況について伺います。
37 【未来創造部交通政策担当部長(細谷精一)】 マイタク利用者の
マイナンバーカードへの移行状況でございますが、令和4年4月末時点でのマイタク登録者数は3万1,485人であり、このうち
マイナンバーカードでのマイタク登録者数は2万1,681人となっております。割合にいたしますと、マイタク登録者数のうち68.9%が
マイナンバーカードに移行している状況でございます。
また、利用者ベースで見ますと、令和3年度、年間のマイタク利用者数1万985人のうち9,676人が
マイナンバーカードに移行しており、割合にしますと88.1%となっております。マイタクの
マイナンバーカードへの一本化につきましては、令和2年度から約2年間にわたり様々な機会を捉えて周知や登録の受付を行ってまいりましたので、混乱なく移行が進んでいると考えております。しかしながら、
マイナンバーカードへの移行がお済みでない方も一定程度おりますので、引き続き関係部署と連携しながら、きめ細かい対応に取り組んでまいりたいと考えております。
38 【27番(笠原久議員)】 最後の質問ですが、国の進めるマイナポイント第2弾では、6月30日より健康保険証登録と公金口座登録によって合計1万5,000円分のポイントが付与されると聞いております。今後マイナポイントの付与を呼び水に、
マイナンバーカードの交付率が高まっていくことと思われますが、これを効果的に進めるためにどのような取組を進めるのか伺います。
39 【未来創造部長(青木一宏)】 マイナポイント付与を効果的に進めるための取組についてでございます。市民一人一人にマイナポイント制度を知ってもらうとともに、
マイナンバーカードの活用方法を理解してもらうことが大変重要であると考えております。そこで、広報まえばし7月号におきまして、
マイナンバーカード及びマイナポイント制度に関する特集記事を掲載予定であるほか、それらをさらに分かりやすく解説いたしました本市独自のリーフレットを作成し、8月中には市内全戸への配布を予定しているところでございます。
(11番 堤波志芽議員 登壇)
40 【11番(堤波志芽議員)】 まず、地方創生臨時交付金活用事業について質問させていただきます。
我が会派では、今年度に入り、商工会議所、建設業協会をはじめ、多くの団体と意見交換してまいりましたが、各業界団体からはコロナ禍やウクライナ情勢、円安などによる原油、原材料費の高騰への懸念が多く寄せられました。そこで、このたびの6月補正予算では、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金約10億2,800万円を活用し、商工業者をはじめ、農業生産者、観光、そして教育関連と幅広く活用しております。内容においても今すぐに対応すべき事業から、将来を視野に入れた教育部門でのデジタル化の推進など多岐にわたっております。そこで、まずこの地方創生臨時交付金の活用に当たっての基本的な考え方をお伺いいたします。
41 【財務部長(中畝剛)】 地方創生臨時交付金の活用についての考え方でございますが、これまでは感染症対策やコロナ禍における地域経済循環対策、さらには新たな時代にふさわしいデジタルへの変革、実現などに重点が置かれておりました。このたび、国ではこれらに加え、ウクライナ情勢をも鑑み、コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分というものを新設いたしまして、都道府県や市区町村に対し、それぞれの地域の実情に応じた新たな対策を求めているものでございます。本市といたしましても、小学校普通教室への大型ディスプレーの配置をはじめ、教育、生涯学習環境の整備に加えまして、原材料や燃油価格の高騰などに直面している農家や商工業者の方々への支援など、早急に実施しなければならない事業を選定したものでございます。今後とも必要と思われる事業につきましては、できる限り迅速、円滑に対応してまいりたいと考えております。
42 【11番(堤波志芽議員)】 全国の自治体において臨時交付金の使途は様々であり、ある自治体では公用車を国産高級車への購入費に充てたり、またある自治体では換気で砂ぼこりが飛散しないように人工芝へ変更する費用や、またドライブレコーダー設置への助成金などが話題になっております。
報道専門ウェブメディアのタンサでは、全国の臨時交付金約6万5,000事業を精査し、無駄遣いワースト100事業をホームページに掲載しておりました。1位は、北海道の五輪聖火リレー計画の策定3,000万円、群馬県でも全体の23位に沼田市のウィズコロナのロゴなどを取り入れたオリジナル風呂敷を作成し、市民に販売419万円など複数の自治体が上がっておりましたが、本市はございませんでした。限られた財源をどのように活用するのかは非常に難しいところではございますが、市民へしっかりと説明できることが必要であります。そこで、資料によりますと、地方創生臨時交付金は残り約7億1,700万円が活用できるようであります。このような厳しい社会情勢の中で、今後も有効的に活用していくべきであると考えますが、どのように活用していくのかお伺いいたします。
43 【財務部長(中畝剛)】 地方創生臨時交付金につきましては、5月上旬に国から活用事例などが示されまして、その後商工会議所や商工会、JAなど関係団体や関係部署と共に協議を重ねまして、本市において必要と思われる事業の実施に向け、検討を進めてまいりました。その結果、独り親世帯や生活困窮者への支援に加えまして、これまで支援の行き届かなかった業種や業態への支援につきまして早急に対応すべく、6月補正の第2次予算案として追加送付させていただいたところでございます。ご指摘いただきましたとおり、現時点では残り約7億1,700万円が活用できますので、その活用方法につきましては、ご意見、ご要望を参考にさせていただきながら、引き続き検討を重ねまして、まずは9月補正の編成に向けまして準備を進めてまいりたいと考えております。
44 【11番(堤波志芽議員)】 要望させていただきます。今回の補正予算では、事業者向け支援や教育関連等の事業でありましたが、ご検討されていらっしゃいます9月補正予算では、ぜひとも一般の市民の方への支援もご検討いただければと思います。また、その際は申請等が複雑にならないよう、対象者の全ての方々が手軽に手続ができるような体制を取っていただきますよう、よろしくお願いいたします。現在の社会情勢を考えると、今後も国際紛争の影響は長引き、原油高や原材料高はしばらく続くものと思われます。家計を直撃している多くの値上げラッシュの中で、一助となるような事業をご検討ください。
さて、それでは今回の原油価格・物価高騰緊急支援金について伺っていきますが、まず概要及び対象業種の考え方についてお伺いいたします。
45 【産業経済部長(木村理文)】 原油価格・物価高騰緊急支援金につきましては、
新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ウクライナ危機などによる原油、原材料価格の高騰が多くの市内事業者に影響をもたらしていることが創設の背景にあります。こうした価格高騰等に起因するコスト増がありながら、十分な価格転嫁ができないために収益が悪化するなど、その影響が特に大きい業種を営む市内小規模事業者や中小企業者を緊急的に支援することを目的といたしまして、売上高、または粗利益が10%以上減少していることを要件に、1事業者につき一律10万円の支援金を交付するものです。対象業種につきましては、これまでどおり国や県あるいは本市の他の支援が十分に及ばない事業者に焦点を当てるという考え方に加えまして、市内事業者や関係団体等の意見や要望を参考としながら、原油価格高騰の影響が特に大きい業種として運輸業、クリーニング業、理美容業、廃棄物処理業等を、また原材料価格高騰の影響が特に大きい業種として建設業、製造業、卸小売業、これらの業種を緊急的に支援することといたしました。
46 【11番(堤波志芽議員)】 ご答弁のとおり、多くの市内事業者が影響を受けている中で、対象となり、支援が受けられる業種はよいものの、対象とならない業種の中には疑問の声が上がることも考えられます。例えば訪問介護事業者などは訪問や送迎でガソリンを使うことも多いと思いますが、対象業種の設定について、その考え方をお伺いいたします。
47 【産業経済部長(木村理文)】 訪問介護事業者につきましては、総務省によります日本標準産業分類の業種別の大分類で医療、福祉に分類されます。これまで産業振興のための本市の補助メニューでは、医療、福祉や教育等の業種は補助の対象から除いております。これは医療法人や社会福祉法人等が中小企業基本法における中小事業者に完全には合致しないことなどによるものです。地方創生臨時交付金の活用に当たりましても医療、福祉分野などは国の担当省庁からの通達等に基づきまして優先的な取組が進められていると受け取れることから、今回の緊急支援金の対象に含めておりません。
なお、宿泊や飲食業につきましては、宿泊の割引支援や営業時間短縮要請協力金など別の形で国や県あるいは本市の他の支援が行われておりますので、これまでの支援が十分に行き届いていない事業者を応援するという考え方に基づきまして、対象業種に含まれておりません。コロナ禍に加えて原材料価格や燃料価格の高騰は、幅広く多くの市内事業者に影響を与えていると認識しているところですけれども、この緊急支援金はその中でも特に影響が大きい業種を支援するものであります。
48 【11番(堤波志芽議員)】 今回対象が8,000事業者を超えてくるとのことで、いろいろ課題もあろうかと思います。業種も幅広い分、そもそも自分が該当しているのかどうか分からない方からの問合せも多いのではないでしょうか。また、個人事業者も多数おられるかと思いますが、申請に当たり、オンライン申請のみでは高齢の事業者等の申請が難しいと感じております。申請方法についてどのように考えているのか、また交付件数を考えると、大きな事務量が発生すると思いますが、受付等の体制や今後のスケジュール及び周知方法についてお伺いいたします。
49 【産業経済部長(木村理文)】 緊急支援金の申請方法につきましては、申請窓口の混雑を避けるために、メールまたは郵送で申請していただく予定ですけれども、産業政策課内にコールセンター機能を設けるとともに、産業政策課窓口で相談や問合せ等に対応したいと考えております。申請受付等の体制につきましては、時期により事務量を考慮して、人材派遣会社から5人ないし8人の人員を確保し、市職員とともに業務に当たりたいと考えております。今後は、補正予算が可決されましたら、市ホームページをはじめ、広報まえばしや商工会議所の会報等で周知を行うとともに、支援の対象になると思われる事業者に対しましては可能な限りダイレクトメールの発送を予定しております。あわせて業界団体や関係組合等にも周知協力をお願いしたいと考えております。申請期間につきましては7月11日から8月31日を予定しておりまして、申請から1か月ほどで支援金をお支払いできるものと見込んでおります。
50 【11番(堤波志芽議員)】 今回、多くの事業者が対象となっております。また、スケジュールもタイトなので、対象者への情報発信や受付等、混乱のないようしっかりと対応いただきますようお願いいたします。
昨日、通常国会が閉会し、岸田首相の記者会見が行われました。その中でもエネルギーや食料価格等の高騰に触れ、政府内に自らを本部長とする物価・賃金・生活総合対策本部を立ち上げ、物価や景気の状況に応じた迅速かつ総合的な対策に取り組む方針を示しました。切れ目のない支援に期待していくわけですが、重ねて観光需要の喚起策として、早ければ来月から県民割を全国に拡大する方針も明らかにしました。そこで、今回臨時交付金の中には、県都まえばし泊まって応援1,000円割引事業があります。この割引は、群馬県の愛郷ぐんまプロジェクトと連携した事業として既に実施されておりますが、これまでの利用実績と支援対象、期間は6月末までとされておりますが、期間終了後の対応についても併せてお伺いいたします。
51 【文化スポーツ観光部長(新井剛)】 今年度の県都まえばし泊まって応援1,000円割引につきましては、4月から実施されております愛郷ぐんまプロジェクト第4弾及び第5弾の宿泊割引を利用して、市内の登録宿泊施設に宿泊した人を対象に1人1泊当たり1,000円の割引を行うことで宿泊事業者を支援するとともに、観光需要を掘り起こすことを目的に実施しているところでございます。利用実績でございますけれども、4月1日から割引対象外となるゴールデンウイーク期間中を除いた6月5日までの暫定値でございますけれども、延べ1万286人の方にご利用いただいております。現在のところ、割引の期間につきましては、愛郷ぐんまプロジェクトの延長に合わせて6月末までとしております。7月以降の支援策につきましては、先ほど議員さんからもお話のあったとおり、国において検討されていると伺っておりますので、今後国や県の動向を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
52 【11番(堤波志芽議員)】 これに加え、今回の臨時交付金を活用し、さらに学校でのICT活用が進むよう、現在小学校で使用されているテレビより大きなディスプレーに入れ替える事業が含まれております。前橋市は、GIGAスクール構想により、令和2年度末に全ての市立学校の児童生徒へ1人1台の端末の配付を完了し、学校の内外問わず、ICTを学びに活用できる環境となりましたが、そこで本事業の概要をお伺いいたします。
53 【教育次長(藤井一幸)】 本事業の概要でございますが、現在小学校で使用しておりますテレビは平成21年度に導入し、一般的に言われている耐用年数の10年が過ぎております。さらに、現状の46インチでは教室に対して小さく、子供たちからは見づらいという声も聞こえておりました。既に学校では児童生徒の端末に入っている学習アプリによりまして、クラス内の意見などを集約し、全体の意見をテレビに表示するなど共同的な学びを取り入れた事業が展開されております。その効果をより一層高めるためにも、65インチのディスプレーに入れ替えたいと思っているものでございます。
54 【11番(堤波志芽議員)】 現在の半導体不足の状況の中で、700台を超える台数を今年度中に納入でき、安全に設置可能なのか不安もあります。そこで、ディスプレーの契約方法と既存テレビの処分方法についても併せてお伺いいたします。
55 【教育次長(藤井一幸)】 ディスプレーの契約方法でございますが、市内の事業者に協力いただける形での入札を考えております。市内事業者に対しまして年度内の納入の可否について調査を行った結果、納入が可能であるとの回答を得ております。今年度中に全小学校普通教室に専用スタンドと併せまして壁面と固定するベルト等を購入し、転倒防止対策を講じるなど、安全面にも十分配慮した設置ができる見込みでございます。
また、既存テレビの処分方法についてでございますが、まずは学校内の特別教室等への設置や避難所開設時の備品として活用するほか、今後さらに調査を実施し、有効的な活用を図ってまいりたいと考えております。
56 【11番(堤波志芽議員)】 市内事業者の一助となりますよう、契約方法に関してはしっかりと考えていただき、また既存テレビについても有効活用いただけますようよろしくお願いいたします。
また、臨時交付金の中には、市立前橋高校の動画撮影機材の購入もありますが、現状の使用状況と今回の購入機材の概要、その使用方法などについてお伺いいたします。
57 【指導担当次長(都所幸直)】 現状の動画撮影機材の使用状況についてでございますが、英語教育における生徒による動画作成などの授業における利用、部活動などの学校紹介動画の作成、コロナ禍における集会行事のオンライン開催、欠席者への授業配信などに使用してまいりました。今後ICT教育やDX化を推進するには、機材の操作性や教室でのプロジェクター投影やウェブカメラによる視認性の向上が必要と考えておりますので、配信用のパソコンや撮影機材を切り替えるための装置、高画質で撮影できるカメラやスクリーンを購入しようとするものでございます。機器購入後は、学校説明会や入学式、卒業式など配信の充実、動画の編集の充実、視認性の向上による集会や授業における指導の充実につながるものと考えております。
58 【11番(堤波志芽議員)】 こういった先進的な取組が市立前橋高校の魅力の一つにつながっていくことと期待しております。
そこで、市立前橋高校の現状について幾つかお伺いいたします。教育委員会として、市立前橋高校の魅力、特色をどう捉え、それをどのように志願者である中学生に伝えているのか、また近年の志願倍率の推移と他校の状況についてもお伺いいたします。
59 【指導担当次長(都所幸直)】 まず、市立前橋高校の現在の魅力、特色についてでございますが、生徒が自ら課題を見つけ、その解決に向けて取り組む探求学習を前橋市をフィールドに1年生のときから系統立てて行っております。その一環として、2年生では市議会の皆様にもご協力いただき、高校生模擬議会を開催しているところでございます。この探究学習は市立前橋高校の大きな魅力であり、特色であると考えております。
次に、その魅力をどう中学生に伝えているかについてでございますが、オープンスクールを実施し、学校説明及び施設案内や部活動の体験入部を行ってきたほか、ホームページなどで学校の様子について配信しております。
なお、令和2年度と令和3年度の学校説明及び施設案内につきましては、コロナ禍によりオンライン配信で行いましたが、本年度につきましては希望者を集めて実施する予定でございます。
市立前橋高校の志願倍率につきましては、令和2年度入学者は前期選抜が1.95倍、後期選抜が1.13倍でありましたが、令和3年度入学者では前期1.76倍、後期0.98倍となり、若干志願者が減少いたしました。令和4年度入学者は前期2.04倍、後期1.08倍となり、志願者も増加しております。
令和4年度入学者の近隣高校との比較でございますが、前橋南高校は前期2.15倍、後期1.27倍です。また、前橋西高校につきましては前期2.10倍、後期1.19倍です。最後に、前橋東高校につきましては前期1.73倍、後期1.00倍でございました。
60 【11番(堤波志芽議員)】 近隣高校と比較しても、市立前橋高校が決して高い倍率であるとは言えません。今の中学生やその保護者に市立前橋高校の魅力はと聞いて、探究学習と答える方は少ないのではないでしょうか。市立前橋高校は県立前橋北高校ではありません。前橋市で唯一の市立高校です。その強みを生かしていかなければならないと感じております。例えば他市の市立高校の特色で見ると、高崎市立高崎経済大学附属高校では、大学の附属高校として位置づけられ、大学生と高校生がゼミ形式で課題に取り組むなど、大学との連携に大きな特色があります。また、太田市立太田高校については、中高一貫校として中学校が併設しているため、6年間を4つのステージと捉え、生徒を支援していき、国立大への進学率も高い特色があると聞いております。人口減少、少子化が加速していく中で、市内でも前橋高校、前橋女子高校、前橋南高校、勢多農林高校も学級削減を実施しました。中学生や保護者に選ばれる高校づくりが必要であります。そこで、今後の考え方と、また特色である探求学習の今後の展開をどう考えているのかお伺いいたします。
61 【指導担当次長(都所幸直)】 人口減への対応やその検討についてでございますが、令和6年度入学者から県立高校の入学者選抜制度が変更になります。現行の前期選抜、後期選抜を廃止し、1回の検査で選抜を行うという大きな変更になります。市立前橋高校としてもこの入試制度の変更を踏まえ、生徒数の減少が進む中にあって志願者を獲得していくために、一層の魅力化や特色化を進めていこうと現在対応について検討しているところでございます。今後の探求学習の展開についてでございますが、探求学習を通して身につけさせたい力が前橋市を発展させるために必要な社会的スキルの育成、社会に貢献できる人材の育成に必要な力であると認識しており、この学習を他の事業にも連動させていくことは、生徒にとって、よりプラスになっていくと考えております。また、今後は生徒の問題解決的な力を高めていく上で、県立高校にも導入されるSTEAM教育の視点を本校の探求学習に取り入れるために、先生方が教員向け研修を受講していくなど、より一層発展させていきたいと考えております。
62 【11番(堤波志芽議員)】 県立高校に導入される教育の視点を取り入れることも必要かもしれませんが、ぜひとも市立である存在意義を再確認する必要があります。例えば前橋工科大学との連携を生かした情報分野や、より進学に特化した特進分野、また外部指導員の予算を増やし、スポーツ分野に力を入れるなど多様なコースの新設や、これをより特化させ、学科制を導入するという選択もあります。また、1クラスの定員を減らす少人数制の導入など、今後に向けた抜本的な改革が必要なのではないでしょうか。
探究学習において、模擬議会は私も卒業生としてスタートのときから携わらせていただいております。生徒には市政の幅広い分野に取り組んでいただいておりますが、実際に提言が実現したアクエル前橋の高校生学習室のように、もっと生徒自身に関連してくる分野に特化してもよいような気がします。
さきの衆議院選で投票率が全国トップクラスで話題となった山形県遊佐町では少年議会というものをやっております。これは、町在住の中高生なら誰でも立候補でき、町長と町議を選挙で決めた上で、実際に町から45万円の予算を与えられ、どのように活用するか、1年の任期の中で話し合って決めていくとのことでした。自分たちの目線で政策を提言し、実際に形にできる点は、まさに主権者教育であり、県立高校にできることではありません。ぜひ入学した生徒に市立前橋高校を選んだ理由、また卒業する生徒には市立前橋高校でよかったこと、変わってほしいことなどをアンケート等で生徒の意見を聞きながら、一層の魅力化や特色化に取り組んでいただきますよう、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、ウクライナ避難民の支援について伺います。今回の補正予算では、市営住宅の整備に650万円、日本語学習支援や一時金、生活支援として2,350万円、合計3,000万円として提出されました。先ほどの答弁では、既に市営住宅3戸を使用し、11名の避難民の受入れが開始されたとのことでしたが、実際に受入れを開始し予算を支出していく中で、支援の期間と受入れ規模について現時点の当局の見解をお伺いいたします。
63 【未来創造部長(青木一宏)】 ウクライナ避難民への支援策の期間と受入れ規模についてでございます。まず、生活支援に当たっては、各種団体からの支援も充実してきておりますので、本市といたしましては国等が実施する生活費の支援への独自加算を半年間実施していきたいと考えております。
また、家族単位での避難を想定しておりましたが、現状では語学習得に積極的な単身の学生の受入れが中心となっております。そういった中で、市営住宅につきましては、当初18戸、88人を上限として受け入れる見込みでありましたが、実際の世帯構成等を踏まえますと、50名程度が上限になると考えております。
また、財政的にもこのたびの補正予算額である3,000万円が本市でのウクライナ避難民の受入れの上限であると考えております。引き続きSNSやイベントでの寄附へのご協力を呼びかけ、財源確保に取り組みますが、避難民の数が想定を超えるような場合には対応について改めて検討し、自立に向けた支援を継続していきたいと考えております。
64 【11番(堤波志芽議員)】 戦争が長期化する中で、避難民の方々については今後も増えていくことも予想されます。支援を続けることは簡単ではないからこそ、できる限り自立に向けたサポートができればと思います。支援期間や受入れ上限の答弁もありましたが、しっかりと先のことも考えていただきながら進めていただきますよう、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、旧前橋駅舎の復活についてお伺いいたします。かつて前橋における都市の顔、シンボルといえば前橋駅でありました。先代前橋駅は、昭和2年に建設された洋風木造の駅舎で、その後竣工した昭和庁舎や群馬会館とともに、本市を代表する洋風建築であったと言えます。美しい名駅舎として親しまれましたが、駅の高架化に伴い、約60年の歴史に幕をおろし、現在に至ります。当時を知る人々からは、先代駅舎の復元を求める声が寄せられておりますが、当局としてはそうした声を承知しているのかお伺いいたします。
65 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 先代の前橋駅舎の復元を求める声につきましては、正式に市民意見を収集しているわけではございませんが、一般的な会話の中で先代駅舎について聞かれることがあり、また市議会におきましても定期的にご質問いただいておりますことから、一定程度そうした声があるものと認識しております。また、先代駅舎のみならず、かつての駅前広場にあった噴水や銅像に関するご意見なども聞こえてまいりますので、前橋駅周辺の都市景観も注目されているものと捉えております。
66 【11番(堤波志芽議員)】 都市計画部では、令和2年から歴史まちづくりに取り組んでおり、今年度中には国から認定を受け、計画を策定する予定であると伺っております。先代駅舎の復元は、まさに歴史まちづくりであり、計画の目玉となり得る取組であると考えますが、計画上の位置づけはどのようになっているのかお伺いいたします。
67 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 歴史まちづくり計画につきましては、今年度中の策定に向けて現在終盤の事務手続を進めているところでございます。本市の歴史まちづくりにつきましては、平成25年度に発足した歴史文化遺産活用委員会からの提言書が土台となっており、駅舎に関する提言も含まれておりますことから、本計画における位置づけについてこれまで協議を進めてまいりました。駅周辺にはビジネスホテルなどの都市的な建造物が建ち並ぶ一方、明治時代に建設されたれんが倉庫や戦後復興で整備されたけやき並木通りがあり、歴史的なものと都市的なものが調和した都市景観が形成されております。こうしたことから、歴史まちづくり計画では駅舎を含めた駅周辺の歴史的景観の維持向上を目的とした前橋駅周辺歴史的景観向上事業を位置づける予定となっております。
68 【11番(堤波志芽議員)】 今後は正式に市民意見を収集していただきますよう、パブリックコメント等の実施のご検討をお願いいたします。
駅周辺では、タワーマンションの建設やアクエル前橋、そして旧中央小学校の跡地活用が進んでいく中で、核となる前橋駅の旧駅舎復活も前向きにご検討いただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、近隣で進む日赤跡地CCRC事業における施設整備については、認定こども園、介護つき有料老人ホーム、商業施設が4月に順次オープンし、我々も見学させていただきました。その中で、現在県内市町村では初となるパークPFI制度を活用した公園整備では民間の施設整備が進められておりますが、施設の特徴とオープン時期についてお伺いいたします。
69 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 パークPFI制度を活用した施設の特徴とオープン時期についてでございます。施設は、ベーカリーカフェとコミュニティスペースで構成されており、ココルンサークルまえばしの活動拠点として利用されるほか、認知症の伴走型相談拠点としても利用される予定です。外観はエリア周辺建物との調和を図り、白を基調とした落ち着いた雰囲気となっており、また南面に開口部を多く採用することで、開放感のある施設となっております。オープン時期につきましては、6月30日にプレオープン、翌日7月1日にグランドオープンする予定と伺っております。
70 【11番(堤波志芽議員)】 施設のオープンにより、一層のにぎわい創出や地域のコミュニティー醸成に期待しておりますが、そのためには制度を活用したハード整備のみならず、民間事業者等で組成されたココルンサークルまえばしにより、コミュニティスペースや公園を活用したソフト事業も重要であると考えます。特にコロナ禍において屋外スペースの活用が注目されていることから、公園の活用について今後の取組をお伺いいたします。
71 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 公園を活用した今後の取組についてでございますが、公園は認定こども園と介護つき有料老人ホームとの中間に位置していることから、施設間の多世代交流の場として日常的に利用されるほか、公園を拠点としたココルンサークルまえばしのイベントにより、地域の方々が集い、活動できる場づくりにも活用していく予定です。7月2日、土曜日には、オープニングイベントとして公園を活用したココルンシティフェスタを開催する予定となっており、今後も様々な取組を継続して実施していく予定です。
72 【11番(堤波志芽議員)】 今後は敷地内の方々だけでなく、中川地区をはじめとする周辺住民も巻き込んでいきながら、共に地域のにぎわい創出に寄与いただきますよう、よろしくお願いいたします。
さて、中心市街地では、前橋市アーバンデザインに基づき、民間再開発事業や馬場川通りプロジェクトなどの官民で連携した取組が進められております。その中で、広瀬川河畔緑地においては、令和3年度末に前橋文学館周辺エリアの再整備が完了し、4月には民間主体によるオープニングイベントとして広瀬川DAYSの開催や社会実験などを実施したところと聞いております。広瀬川河畔緑地がこれまで以上に市民に使われ、にぎわいが創出されるために、今後どのような取組を考えていらっしゃるのかお伺いいたします。
73 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 前橋市アーバンデザインでは、使い方を重視した公共空間の整備と沿道民地の活用を一体的に進め、地域の方々と連携しながら日常的な公共空間の利活用を促すものとしております。このため、今後の取組につきましては、周辺の店舗オーナーや愛護会等の地元組織、前橋工科大学等と新たな公共空間の利活用に向けた協議を進めるとともに、都市再生推進法人である前橋市まちづくり公社や前橋デザインコミッションとの連携を図りながら、広瀬川河畔におけるエリアマネジメントの実現に向け、努めてまいりたいと考えております。
74 【11番(堤波志芽議員)】 河畔緑地の再整備事業では、諏訪橋の北側がほぼ完了し、今年度南側の整備が進んでいき、また馬場川や旧Qのひろばでも整備が進行しております。こういった中で気になるのが千代田町中心拠点地区市街地再開発事業です。中心市街地の活性化における重要な事業として取り組まれており、今年の1月に都市計画決定に向けた説明会が開催され、私も参加させていただきました。当該事業は30年以上にもわたって進まなかったこともあり、地元地域はもとより、多方面から期待される反面、本当にできるのか、まだ実感がないとの声も聞きます。その後、5月27日の都市計画審議会の答申を経て、6月中には決定告示される予定だと聞いておりますが、そこでまず都市計画が決定された後、本年度に取り組まれる内容について伺いたいのと、また今後も手続等を含めて時期を要することもあると考えますが、
工事着工までの工程についても教えてください。
75 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 千代田町中心拠点地区市街地再開発事業における本年度の取組といたしましては、都市計画決定がされた後に国の交付金を活用して現況測量や基本設計、資金計画などの事業計画を作成し、都市再開発法に基づく組合設立の認可まで行うことを目標にしております。また、令和5年度中には同法による権利変換計画の認可まで取り組むことを目標としており、順調に進めば令和6年度から建物解体等の工事に着手できる見込みとなっております。当該事業は、権利関係の整理や事業採算性の検証など時間を要する場面も想定されますが、市といたしましても地権者の方々や事業協力者とともに順調な進捗に努めてまいりたいと考えております。
76 【11番(堤波志芽議員)】 まずは、都市計画が決定されることで事業の進捗に当たっては大きな一歩を踏み出せたかと思います。本事業は8番街区を中心とした西街区が先行着手となり、その後、現在のスズラン本館のある東街区が着手となる2段階整備で、全体の完成までは一定の期間を要すると認識しております。こういった状況の中で、今年度は事業全体建物等の基本設計が進められていくとのことですが、市立図書館については既存建物の老朽化が進んでいることから、早期に対応できるよう検討していただきたいと思います。そこで、図書館整備について、基本構想における東街区での配置を前提とせずに検討を進めることも必要であると考えますが、施設計画における当局の見解をお伺いいたします。
77 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 図書館整備における施設計画の考え方についてですが、ご指摘のとおり、現在の図書館は老朽化が進んでいることからも早期の整備に向けた工程を加味した上で検討しなければならないと考えております。加えて、図書館を東街区に想定した基本構想で都市計画を進めておりますが、都市計画決定内容を具体化する事業計画におきましては、計画されるオフィスや新たなスズラン百貨店、学校などとの複合整備となるため、施設間の相乗効果や図書館利用者の利便性など、まちづくりとして総合的な見地での検討も必要になると考えております。
78 【11番(堤波志芽議員)】 JR高崎駅東口で進められておりました再開発事業の延期を発表して1年がたちました。当時は
新型コロナウイルス感染症の影響による民間投資の落ち込みが原因でありましたが、現在も景気がよくなっているという実感はありません。本市においては順調に進んでいきますよう、ぜひとも引き続き取り組んでいただきますようお願いいたします。
次に、事業所税の助成措置についてお伺いいたします。現在、県内の事業所税の課税団体は、本市と高崎市の2自治体であります。そもそも事業所税は、各事業者の経営状況にかかわらず、納税の義務が生じますが、高崎市においては事業者の経営の安定化と市民の雇用の場を確保するため、決算状況に応じた助成制度を設けております。経済環境が低迷する中で、事業者にとっては事業所税の納付は大きな負担となっておりますが、本市においては今後どのように考えているのかお伺いいたします。
79 【産業経済部長(木村理文)】 事業所税の対応につきましては、本市独自の事業所税の減免制度が終了となったことに伴いまして、何らかの軽減措置を求める意見、要望があることは承知しております。事業所税の負担感が今後の市内企業の事業継続やさらなる企業誘致などを阻害するおそれも考えられます。こうしたことから、助成措置等の必要性については十分に認識しているところです。
80 【11番(堤波志芽議員)】 こちらについては、会派で商工会議所との意見交換した際にも要望いただいている内容でございます。それだけ多くの事業者がこのコロナ禍や原油、原材料価格の高騰等で打撃を受けているわけですが、経営状況に即した助成措置の検討もしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、小学生について、昨今問合せの多い事項を2点お伺いいたします。憲法では義務教育は無償としておりますが、実際には教材、学用品やランドセル、制服、体育着など様々なものが必要となり、給食費や修学旅行をはじめとした校外活動などの費用についても基本的に保護者負担となります。ここ最近では、物価の上昇により日用品などのあらゆるものが値上げされてきており、義務教育に関わる費用の上昇と保護者のさらなる負担増加が懸念されておりますが、市教委としての考え方をお伺いいたします。
81 【指導担当次長(都所幸直)】 義務教育に係る費用は、ご指摘のように様々ございます。これらの費用は、子供たちの教育活動を充実させるためにかかるものと認識しておりますが、保護者の負担をかけ過ぎることは避けるべきと考えております。教育委員会といたしましては、これまでどおり経済的に援助の必要な児童生徒の保護者に対しましては、国及び県の基準に基づき、就学援助の適切な運用及びきめ細かな広報などにより、周知を行ってまいります。また、一部の学校ではPTAと連携した制服などのリユース活動などが行われておりますことから、引き続き地域と連携した保護者の負担軽減につながる活動が促進されるよう支援してまいりたいと考えております。
さらに、GIGAスクール構想の進展に伴い、ドリルなどの教材のデジタル化が導入されている状況を踏まえて、保護者負担の軽減の視点からも、できることから合理化を進めていくよう、学校現場にも働きかけてまいりたいと思います。
82 【11番(堤波志芽議員)】 このような物価高騰がいつまで続くのか、質問の冒頭に9月補正予算の要望もさせていただきましたが、いずれにしても家計の負担を少しでも減らしていけるような施策の検討をお願いいたします。
また、ランドセルの重さについても昨今話題になっております。民間団体の調査によると、教科書の総ページ数は15年ほど前の2倍近くに増えており、昨今ではこれにタブレット端末が加わり、さらに重くなっております。児童の持ち帰り教材について、各学校でそれぞれの実態に応じながら対応されていることはこれまでの議会でも取り上げられておりますが、地域の方々から、特に低学年の児童が大きなかばんや体育着、また昨今は水筒などを重そうに持ちながら登下校しているとの声が寄せられております。教科書や教材等が過重になることで、心身の健やかな発達に影響が生じることも懸念されることから、より児童の実態に即した対応が必要になると考えます。そこで、児童の持ち帰り教材について、本市の取組と今後の対応についてお伺いいたします。
83 【指導担当次長(都所幸直)】 児童の持ち帰り教材についてですが、学校に置いておく教材を一覧にして教室に掲示したり、学級通信などで家庭に連絡したりと負担軽減に向けて各学校の実態に応じた取組を進めております。また、教育委員会ではタブレット端末の持ち帰りもあるため、校長会議で持ち帰り教材への配慮について各学校で再確認するよう指示しているところでございます。
今後の対応についてでございますが、荷物の持ち帰りにつきまして、日々の児童の様子に応じた適切な対応を取ることが必要と認識しておりますので、引き続き各学校では児童の実態に応じた配慮が徹底されるよう指導してまいります。また、児童が目的に応じて持ち帰るものについて、自分で判断する力も高められることを併せて学校に対して指導してまいりたいと考えております。
84 【11番(堤波志芽議員)】 さきの教育費用の答弁では、ドリルなどの教材のデジタル化導入による保護者負担の軽減からの合理化を進めていくとありました。今回さらなるタブレット活用のために、2次補正で1億6,000万円かけて各学校へディスプレーの導入をしようとしているわけであります。保護者費用の負担においても児童の心身発達への影響においても負担を減らしていけますよう、タブレットの活用の今後の在り方をしっかりと考えていただきますようお願いいたします。
最後に、市民活動支援センターの直営化についてお伺いいたします。今年度から市の直営となり、2か月が経過しました。NPO法人への委託による経営から市直営となりましたが、現状についてお伺いいたします。
85 【市民部長(木村由美)】 前橋市市民活動支援センター、Mサポの運営を市直営にしたことに伴い、新たにMサポの運営理念を定めました。つながるという言葉をキーワードとして、ミッション、使命は、Mサポはつながる市民活動をサポートします。ビジョン、将来像は、前橋が希望が叶うまちになることを目指します。バリュー、活動指針は、Mサポは、つながる、つなげることを活動指針としますと定めました。また、新たに移住コンシェルジュや起業家などで構成されるMサポ運営コーディネーター3名と登録団体の代表者や中小企業診断士で構成されるMサポアドバイザー7名を配置いたしました。新たに市民活動を始めたい個人や団体、また活動の活性化や団体としての成長を目指したい団体に対して、市民活動に関して豊富な経験を持つコーディネーターとそれぞれに得意分野を持つアドバイザーがオーダーメードによる支援を行ってまいります。直営化を機に、異なる活動分野の団体同士の連携やマッチングが進み、本市の市民活動が一層活発になることにより、前橋市が希望がかなうまちになるよう取り組んでまいります。
86 【11番(堤波志芽議員)】 支援だけにとどまらず、もっと外へ出ていただき、Mサポの発信と思いのある個人や団体を見つけていきながら、より市民活動を広げていただければと期待しております。特に直営化にして、新たにコーディネーターとアドバイザーが配置されたとのことですが、その方たちが活動しやすい環境となりますようお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
(3番 大澤智之議員 登壇)
87 【3番(大澤智之議員)】 それでは、通告に従い、順次質問いたします。
初めに、防災対策について伺います。天災は忘れた頃にやってくるということわざがあるように、私たちが経験した東日本大震災から早くも11年がたちました。当時のことを思い返してみると、道路は隆起し、地割れが起き、信号は止まり、燃料不足や計画停電、食料品の買占めによる食料不足など様々な問題が発生いたしました。今年に入り1月、トンガ付近の海底火山噴火を皮切りに、日本でも震度4以上の地震が各地で多発しております。災害はこれだけにとどまらず、台風や線状降水帯の影響で浸水や土砂崩れなどの被害も想定されます。そこで、現在本市においては土砂災害防止法に基づき、土砂災害危険区域71か所、土砂災害特別警戒区域67か所が指定されておりますが、当該地域における災害発生の可能性が高い危険箇所への対応状況や土砂災害警戒区域等の指定に関する県との連携について伺います。
88 【総務部長(田村聡史)】 土砂災害発生の可能性が高い危険箇所の対応状況についてでございます。昨年7月の静岡県熱海市での甚大な土砂災害の発生を受けまして、本市においても同月に発生リスクが高い場所を中心に関係所属と計118か所の点検を実施しましたが、災害発生の兆候について確認された箇所はございませんでした。今後ともこれらの箇所につきましては注視してまいります。
また、土砂災害警戒区域等の指定に関する県との連携についてでございますが、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定は群馬県が行っており、開発や災害等による地形改変などの変化が生じた場合に対応するため、定期的な調査が実施されているものと認識しております。そのため、新たな指定箇所があった場合は、県との適切な連携により、前橋市地域防災計画の修正や前橋市総合防災マップの改定等を行ってまいりたいと考えております。
89 【3番(大澤智之議員)】 土砂災害は、数分、数秒の差で生命の明暗を分ける恐ろしい災害の一つです。ただ、土砂災害は起こる前に必ず前兆があります。その前兆を見逃さないためにも、県はもちろん、各自治会との連携もお願いいたします。
次に、地震、台風対策について伺います。現在、国内で懸念されている大地震は、南海トラフ地震、首都直下型地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、中部圏・近畿圏直下地震など多数の大地震が挙げられておりますが、前橋市民の間では安全神話があり、災害に対して無関心な方も多く見受けられます。東日本大震災でも経験したように、他県で起きた地震であっても本市のライフラインやインフラの被害が想定されます。そこで、大地震が発生した場合における本市の対応や災害時応援協定による応援体制の整備状況について伺います。
90 【総務部長(田村聡史)】 地震が発生した場合に、速やかで的確な初動対応が取れるよう、本市では災害発生時における職員の参集基準や参集後の全庁的な対応を定めた職員初動マニュアルを整備しており、令和4年5月には全職員に対し、改めて周知を図ったところでございます。
次に、災害時応援協定による応援体制の整備についてでございますが、大規模災害を想定し、現時点において他の自治体や民間企業などと133の協定を締結しております。大規模災害が発生した場合には、締結された協定に基づき、人的支援のほか、資機材や食料などを提供していただくことにより、避難所運営体制の確保や災害復興に向けた迅速な対応が可能になると考えております。また、締結した各協定の実効性確保の観点からも、年度当初には相互に緊急連絡先の確認等を行うなど、日頃から連携強化を図っているところでございます。
91 【3番(大澤智之議員)】 日頃から連携強化を図っていることは心強く感じます。しかし、本市で大地震が起こってしまった場合、被害が出ることは間違いありません。東京都では、首都直下型地震の被害想定について10年ぶりの見直しを行ったとの報道がありました。内容としては、2012年から建物の耐震化や不燃化をしたことで死者数が約3,500人減り、建物被害も3割以上減少したとの記事でした。本市においても耐震化や不燃化の対策が進んでいるものと考えますが、本市における地震被害想定について伺います。
92 【総務部長(田村聡史)】 本市における被害想定についてでございますが、主に関東平野北西縁断層帯主部を震源とした地震による被害を想定しております。これは、平成24年度に前橋市防災アセスメント調査業務を実施した結果に基づくものであります。前回の調査から10年が経過しており、建物の耐震化等も進んでいることから、次回の調査実施時期につきまして引き続き検討を進め、適切に対応してまいりたいと考えております。
93 【3番(大澤智之議員)】 続けて、ここ最近、県内ではひょうに関する被害が報告されております。県東部地域を中心に5月27日に各地で発生したひょうの被害総額は9億2,622万6,000円に上るとの発表があり、先日の県西毛地区に降ったひょうでは教育施設の窓が割れ、農業用ハウスの破損など被害額は1億4,000万円に上るなど多くの被害がありました。ゴルフボール大のひょうが降った藤岡市内では、ひょうに当たった中高生89人のうち、少なくとも6人が病院で診察を受けたほか、60代と70代の男性2人が窓ガラスが割れて軽傷を負い、高崎、富岡両市でも下校中に自転車に乗っていた生徒が転倒するなどし、被害は3市で計93人に上ったとの記事がありました。幸いにも本市においては被害報告がなかったと聞きましたが、線状降水帯や台風等による風水害対策も重要な時期となってきました。そこで、本市における市民の周知をどのように行っていくのか伺います。
94 【総務部長(田村聡史)】 市民への周知についてでございますが、毎年、出水期前に各自治会を対象とした防災啓発を実施しているほか、各地区の出前講座や自主防災会による訓練の実施に合わせて防災講話などを行っております。また、登録制のメールサービスである、まちの安全ひろメールや本市の公式SNSであるまちの安全ツイッターを通じて、市民に対して大雨注意報や大雨警報などの気象情報を随時配信しております。今後につきましても気象情報に関連する注意喚起をはじめ、ハザードマップによる地域の災害リスクや各自が取るべき避難行動の確認など、適切な情報発信をできる限りきめ細かく的確に行ってまいりたいと考えております。
95 【3番(大澤智之議員)】 ひょうは、めったにない現象であるため、学生はそのまま下校していたことで被害が拡大してしまったとも言われております。各学校での周知や広報まえばしでも危険リスクについて周知をお願いいたします。
また、昨年6月に改定したハザードマップですが、4割の方がリスクを認識していないと新聞記事に載っておりました。リスクを認識しないのは自己責任と切り捨てるのは簡単ですが、広報の周知徹底がまだ足りていないとも感じます。誰一人取り残さないためにも、命を守る広報活動の周知徹底を要望しておきます。
次に、本市の備蓄状況について伺います。災害時の水や食料の備蓄は3日分の用意を、大規模災害発生時には1週間分を用意するのが望ましいと政府が情報発信しております。そして、気象情報会社のウェザーニューズが発表し、掲載された記事では、全国の平均備蓄日数のトップは宮崎県で3.56日、群馬県は22位で2.99日という内容でした。災害対策基本法第86条の6に基づき、被災者の避難所における生活環境の整備に必要な措置を講ずるため、優先順位を考慮して、必要に応じて次の設備や備品を整備しながら、被災者に対する男女別及び共用のトイレ、更衣室、洗濯干し場や授乳室の設置等によるプライバシーの確保、感染症対策、暑さ、寒さ対策、入浴及び洗濯機会確保のほか、子供の遊び場や学習のためのスペースの確保等、生活改善対策を講じることが必要とあります。避難所での生活は、今までの暮らしと一変し、心も体も休まらない。せめてプライバシーを確保するための間仕切りや空間が必要と避難所生活経験者は言っておりました。現在、本市における食料備蓄や燃料、非常用電源、段ボールベッド等の対応状況について伺います。
また、災害時に一番問題視されているのがトイレです。高齢者や障害のある方に配慮したトイレの問題も重要だと考えますが、本市の指定避難所におけるトイレの洋式化やバリアフリー化の対応状況についても併せて伺います。
96 【総務部長(田村聡史)】 本市における備蓄状況についてでございますが、食料につきましてはアルファ米やビスケット類など令和3年度末で約15万食、最大想定避難者4万8,000人の3食分に当たる量を各指定避難所等に備蓄しているところでございます。また、飲料水に関しましても1人当たり1リットルの量のペットボトルを備蓄しているところでございますので、報道にございました各家庭における自助による備蓄分のほか、国や県及び民間企業などの災害時応援協定による支援などを活用しながら、引き続き備蓄や供給体制の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
さらに、非常用電源につきましては、現在カセットガス式の発電機を各指定避難所に2台ずつ配備しているほか、感染症対策や要配慮者対策に必要な物資として段ボールベッドやパーティションなどの備蓄も進めているところでございます。
次に、トイレの洋式化やバリアフリー化についてでございますが、令和元年台風第19号襲来の際、市内の小中学校を指定避難所として開設したところ、外トイレが和式であることやバリアフリー化されていない学校があることが課題となりました。これを受けまして、指定避難所に当たる全ての小中学校を調査した結果、体育館外トイレが和式のみであった学校が33校ありましたので、これら全ての学校につきまして防災対策事業債を財源として活用し、洋式化工事を実施したほか、必要に応じて手すりの設置なども行っております。
97 【3番(大澤智之議員)】 答弁にありました最大想定避難者4万8,000人分の3食分に当たる量を各指定避難所に備蓄しているとのことでした。また、各指定避難所へ備蓄してある段ボールベッドやパーティションは、感染症対策や要配慮者対応、プライバシーを守る観点からも増やしていただきたいと要望いたします。
また、トイレの問題は、衛生面や感染症対策においても最重要課題として挙げられます。東日本大震災や熊本地震でも多くの方がトイレに困ったという事例も上がっておりますので、簡易トイレやトイレテントも増やしていただきたいと思います。
ちなみに、高崎市のGメッセ群馬では、LGBTトイレがあるそうです。時代に合った対策は本市においても必要だと考えます。そして、災害時は皆、精神的に弱ってしまうと思います。そのときの安心材料として温かいものが必要になりますので、温かい飲物や食べ物が提供できるような対策も要望しておきます。
次に、耕作放棄地について伺います。全国で年々と増えている耕作放棄地ですが、農林水産省のデータでは1991年から2020年までの29年間で農業従事者数は157万人減り、平均年齢は67.8歳と11.1歳も高齢化しました。耕作面積においては、524万ヘクタールあったものが437万ヘクタールへ減少し、その差は87万ヘクタール、大体広島県の面積ほどが減っており、耕作面積が減ったことで米の生産量も735万トンと、この29年間で225万トンも減っております。そして、耕作放棄地の面積は、1991年は217万ヘクタールだったものが2020年には396万ヘクタールと179万ヘクタールも増え、こちらは大体香川県ほどの面積がこの29年間で増えたことになります。全国でもかなりのスピードで耕作放棄地が増加傾向にあるとの掲載がされており、農業者の高齢化や担い手の減少が耕作放棄地を増やしている要因とのことでした。そこで、本市における耕作放棄地の現状と、そのうち再生利用が可能な農地はどのような状況なのかを伺います。
98 【農政部長(田部井誠)】 初めに、本市の荒廃農地の現状についてでございますが、農業委員会が毎年実施している農地利用状況調査の令和3年度の結果では、荒廃農地は約199.2ヘクタールとなり、令和2年度から18.8ヘクタール減少する結果でございました。
次に、当該調査結果のうち、再生利用が可能な農地は89.1ヘクタールで、荒廃農地全体の約45%に当たり、令和2年度と比較しますと約33.9ヘクタール減少する結果となっております。
99 【3番(大澤智之議員)】 ただいまの答弁で本市の荒廃農地が減少していること、また再生利用可能な農地の割合が減少しているとの答弁でした。
では、荒廃農地が減少しているにもかかわらず、再生利用可能な農地も減少している要因について伺います。
100 【農政部長(田部井誠)】 再生利用可能な農地が減少した要因についてでございますが、再生利用可能とされていた農地の荒廃が進み、再生不可能と判断されたものが増えたためと考えられます。
一方で、新たに農地を確保したい企業などによって、露地野菜を作付するなど農地としての再利用が進んだものが増えたことも要因であると考えております。その結果によって、本市の荒廃農地全体として約199.2ヘクタールに減少したものと考えております。
101 【3番(大澤智之議員)】 減少についての要因は理解いたしました。今現在、全国的に耕作放棄地の解消に向けた取組が進む中、本市としての利活用に向けた対応について伺います。
102 【農政部長(田部井誠)】 本市としての利活用に向けた対応についてでございますが、市農業委員会と連携し、耕作放棄地の解消を図るため、前橋市耕作放棄地再生利用事業を実施しております。本事業は、耕作放棄地と位置づけられた農地を再生し、農作物を生産するための伐採、抜根、整地作業などに必要な経費を助成するものでございます。交付対象者は、農業委員会を通して農地の所有権移転、または賃借等による利用権設定を行い、再生作業を行う農業者となっております。また、本事業を活用して再生した農地で、農作物を生産した農業者に対しまして一定期間、前橋市耕作放棄地作付促進事業奨励金を交付し、営農定着を図っているところでございます。本市といたしましても関係機関と連携し、耕作放棄地の情報収集と対象者の選定を早期に行うとともに、本事業等活用によって耕作放棄地の解消を図ってまいりたいと考えております。
103 【3番(大澤智之議員)】 答弁でもありましたとおり、耕作放棄地が広がり続ける一方で、歯止めである再生補助金や奨励金の活用も選択肢の一つであると思います。しかし、自分でお金をかけて整地した後に再生補助金や奨励金のことを知ったなど、広報活動にも問題があると感じております。ホームページへの掲載や関係機関に通知するだけでなく、対象者については直接郵送するなど幅広く通知し、耕作放棄地解消に向けた取組をしていただきたいと要望しておきます。
次に、住宅政策について伺います。少子高齢化により、人口減少社会が年々加速する中、単純に総住宅数が総世帯数を上回り、その差が徐々に開いていることが空き家増加の大きな理由の一つです。また、日本人の寿命が延びたことで介護施設の利用が増加し、もともと住んでいた家が空き家として残されることが多くなってきました。そうした空き家の中には倒壊の危険があったり、動物が住みついたり、不審人物が出入りするなど、近隣住民にとって不安の種になっている空き家も増えております。このように大きな社会問題となっており、今後も増加が予想されますが、本市における空き家対策の現状と対策について伺います。
104 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 まず、本市におきます空き家の現状についてでございますが、市内にはおよそ6,000件の空き家がございます。
次に、空き家の対策といたしまして、管理が行き届いていない危険な空き家に対しては、所有者へ指導文書と一緒に空き家の危険性の認識や支援事業の活用など、パンフレットを同封して周知しております。状態のよい空き家につきましては、昨年12月に開設いたしました空き家バンクへの登録を積極的に促すなど利活用を促進しております。ほかにも相続問題や活用方法など所有者が抱えている問題を解消するため、年2回、専門家を交えた無料の空き家相談会を実施しております。
105 【3番(大澤智之議員)】 市内に6,000件もの空き家があり、空き家バンクの活用や無料の空き家相談会も実施しているとのことでした。空き家は、今まで未来に対する不安材料でしたが、現在では空き家を壊さず、いかに有効活用していくかを考える環境が整備されてきました。長崎市では地域おこし協力隊を募集し、空き家の再生、利活用、空き家の流通促進、意識啓発という3本柱に基づく取組をし、空き家問題の解決に向けて取り組んでいるとのことです。本市でも空き家対策補助金制度など様々な対策を行っており、今後も適切な管理を行い、空き家を資産とする官民双方での対策が進むことを要望いたします。
次に、市営住宅の有効活用について伺います。市営住宅とは、国や県、市が協力して建設した定額家賃の公営住宅です。現在の市営住宅は管理戸数5,390戸に対し、約70%の入居率と聞いております。今後、前橋市公営住宅等長寿命化計画に基づき、老朽化した団地の建て替えに伴い、住戸の集約化を行っていくと聞いておりますが、今ある空き家を有効活用するためにも高齢者のシェアハウスなど弾力的な活用も必要かと考えますが、当局の見解を伺います。
106 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 市営住宅の空き部屋の有効活用についてでございますが、市営住宅は公営住宅法の目的に基づき建設された住宅のため、入居資格や入居要件が法律で定められております。目的外の使用に関しては、補助金適正化法に基づく国の使用許可が必要になることから、高齢者のシェアハウスなど個別事案につきましては、法令に基づきながら対応してまいります。
なお、現在本市におきまして目的外使用を許可されたものは、社会福祉法人が障害者グループホームとして利用する5部屋とウクライナ避難民用のものがございます。
107 【3番(大澤智之議員)】 目的外の使用を許可されているのは障害者グループホームとして利用している5部屋とウクライナ避難民用の部屋との答弁がありました。法令に基づいた対応も理解できます。しかし、現状はお金がなく、民間の高齢者施設に入れない方も多くいらっしゃいます。本市として市営住宅の有効活用を進めていくためにも、高齢者のシェアハウスなど市民に寄り添う形のサービスを展開していただきたいと要望しておきます。
次に、技術継承について伺います。技能労務職員については、平成18年度以降、新規採用を見合わせてきた結果、令和元年度から採用を再開したものの、技能労務職員の高齢化が進んでいるのが現状ではないかと思います。技術継承の問題などもあることから、年齢構成のバランスを保つことは必要なことと考えますが、在り方の方針と現在の年齢構成について伺います。
108 【総務部長(田村聡史)】 技能労務職員につきましては、技術の継承などの課題を解決するために、行政が直営で担っていくべき分野あるいは民間委託を推進する業務等、技能労務職場の在り方について平成30年7月に方針を策定し、令和元年度から採用を再開したところでございます。技能労務職員の年齢構成比率についてですが、採用再開前の平成30年度では、40歳以下の職員が約3%となっておりましたが、令和4年度では40歳以下の職員が約8%となっております。高齢化の状況にはあるものの、少しずつではありますが、職員の年齢バランスが解消してきているものと考えております。
109 【3番(大澤智之議員)】 令和元年度から技能労務職員の採用を再開し、職員の年齢バランスが解消されてきているとの答弁がありました。
では、定年退職された方が次年度、会計年度任用職員になって技術を継承されていると聞いておりますが、その職員の方も定年退職を迎える時期が必ず訪れます。そういった技術の継承という面では継続的に採用を行うことが必要であると考えますが、当局の見解を伺います。
110 【総務部長(田村聡史)】 定年退職者の補充対策として採用が考えられますが、採用につきましては技能労務職場の在り方に関する方針に基づき、十分な精査を行いながら、採用の要否を検討していくことになります。新規採用による組織の活性化や技術の継承、年齢構成などを考えると、引き続き採用を継続していく必要があると考えております。
111 【3番(大澤智之議員)】 技能労務職は、長年かけて技術を継承していかなくてはならない職務です。一定期間採用がなかったことで、補充対策がまだ不十分な部署もあると聞いております。本市の職員にとって働きやすい職場環境と計画的な技術継承によって、確かな市民サービスが継続的に行えるよう要望しておきます。
次に、感染症対策について伺います。新規陽性者は連日出ておりますが、
新型コロナウイルス感染症に関しては少し落ち着いてきたところです。本市の新型コロナウイルスワクチンにおける3回目の追加接種は、対象者の8割近くの方が既に接種を終えている状況の中、国は各自治体に対して60歳以上の方や基礎疾患を有する方などを対象に、感染後の重症化を防ぐ観点から4回目の接種を開始したと認識しております。7月からは一般の方の4回目の接種についても開始するという報告がありました。現在、国内の
新型コロナウイルス感染症は徐々に収束しているようにも感じますが、海外に目を向ければ、南半球での季節性インフルエンザの流行の兆しや、欧米でのサル痘患者の発生を鑑みると、従来からの感染症、また新たな感染症の脅威が国内にも迫ってくるものと考えます。そこで、新たな感染症が発生した場合、どのような対策を取ろうとしているのか、当局へ伺います。
112 【健康部長(膽熊桂二)】 新たな感染症への対策についてでございますが、基本的には感染症法にのっとり、国等が示す中での対応となりますが、今回の
新型コロナウイルス感染症対応から感染拡大時への体制の早期構築や情報発信、そして前橋市医師会をはじめとした関係機関との横の連携強化など、新たな感染症対策への取組として非常に意味のある多くのことを学んでおります。また、感染拡大時の対応として緊急構築した全庁的な応援体制により、若手職員をはじめとする多くの職員が感染症対応業務を経験したことで、今後発生し得る新たな感染症への対応についても迅速かつ早期の対策が講じられるものと考えております。こうした経験を踏まえ、新たな感染症への対策については、その時々の状況変化にも対応できるよう、まずは保健所体制の速やかな構築と検査体制や疫学調査などの業務手順のマニュアル化、そして県や医師会といった地域医療圏関係機関との速やかな情報共有と綿密な連携が重要であると考えております。
113 【3番(大澤智之議員)】
新型コロナウイルス感染症に関しても市民の間では第七波が来るのではないかと、まだまだ油断できない状況にあります。そして、欧州や北米を中心に感染が拡大しているサル痘は、日本ではまだ確認されておりませんが、動物由来感染症でもある第4類感染症であり、国内でも流行が懸念されております。また、インフルエンザはここ2年ほどマスクや手洗いの徹底において抑えられておりましたが、南半球で流行後、北半球で同じような状況が起こることが多いとも言われております。現在はインフルエンザに免疫のある人が減少したことと、人流も活発化していることから、新たな感染症への対策を要望しておきます。
次に、環境問題について伺います。現在、世界中で環境問題、環境改善に向けた取組をしております。しかし、森林火災や伐採などCO2削減の妨げになる出来事が世界中で発生し、本県においても桐生市の山火事が記憶に新しいところです。本市は、昨年3月に策定した新たな前橋市地球温暖化防止実行計画の中で2050ゼロカーボンシティまえばしを宣言し、中期的な目標となる2030年度までに2013年度比で32.4%の削減を進めていると認識しております。その代表的な取組として、六供清掃工場で発電した余剰電力を市有施設で活用する自己託送実証事業を開始しております。温室効果ガスの削減を目的として、昨年12月から本市でも開始いたしました。2013年に制度化された自己託送制度ですが、近年の世界的な脱炭素化に向けた取組拡大の動きにより、再注目されるようになりました。国や県も推奨しているこの自己託送ですが、本市の排出ガスゼロへの取組について、実証事業の内容や期待される効果と併せ、昨年度の実績について伺います。
114 【環境部長(倉林薫)】 六供清掃工場で発電した余剰電力を市有施設で活用する自己託送実証事業についてでございますが、廃棄物の処理に伴う熱を利用した発電は、火力発電と異なり、温室効果ガスの削減に大きな効果が期待されております。昨年12月に図書館本館など2施設を対象とし、本年1月からは総合福祉会館や大胡、宮城、粕川地区の各支所などを追加しまして合計6施設で実施しております。昨年度の実績といたしましては、122トン、CO2の削減効果がありまして、これは対象施設の消費電力の経費の削減はもとより、排出されるCO2の64%が削減されたものと推計しております。今年度といたしましても新たな施設が対象となるよう、さらなる温室効果ガスの削減効果を図ってまいりたいと考えております。
115 【3番(大澤智之議員)】 対象施設の電力消費により排出されるCO2の64%が削減されたことは大きな効果だと思いますが、温室効果ガスの削減は市有施設や職員だけが頑張ってもこの目標は達成できません。政府の地球温暖化対策計画では、家庭部門で66%を削減するなど全部門の削減量が明記されております。現行計画の39%から大幅に上方修正されたわけですが、66%という数字はこれまでの家庭生活を根底から変えていかなければならない数字です。自動車、家電、照明器具、ごみの排出に至るまで徹底した省エネの工夫が必要になります。食料品でいえば、国内で年間約600万トンもの食料を廃棄しているとのことで、多くの資源やエネルギーを消費してしまっているとともにCO2の排出も多く出しております。一般家庭への協力や周知をどう行っていくのか、本市の見解を伺います。
116 【環境部長(倉林薫)】 一般家庭への周知及び協力でございますが、温室効果ガス削減に向けては、市民の方々があらゆる家庭生活の場面で省エネを意識し、徹底した取組を行っていくことが大変重要であると捉えております。本市といたしましては、昨年度策定した地球温暖化防止実行計画の温室効果ガス排出量の削減目標に向けて、これまでも進めてきた省エネ型ライフスタイルの推進で賢い選択を促す国民運動、クールチョイスをはじめ、環境教育、普及啓発活動でのまえばし環境家族への参加や、小中学校における環境学習など様々な視点で機会を捉え、市民生活への新しい価値の醸成と浸透が図れるよう努めてまいりたいと考えております。
117 【3番(大澤智之議員)】 環境省が掲げている2030年まで継続する国民運動のクールチョイスのスローガンは、脱炭素社会の実現には、一人ひとりのライフスタイルの転換が重要です。ゼロカーボンアクション30にできるところから取り組んでみましょうとあるように、地球温暖化の一番の対策は一人一人が他人事と思わず、自分事として捉えていくことが大事だと思っております。自分が生きている間に問題がなければよいではなく、自分の子供や孫と世代をバトンタッチしていくわけですから、今できることを今やらなければ環境は悪化し続けてしまいます。そこで、地球温暖化対策の一環として、廃熱利用による温室効果ガス削減も注目されております。また、給食センターの廃熱利用を検討している自治体もあると聞いておりますが、本市における廃熱利用に関する取組について伺います。
118 【環境部長(倉林薫)】 本市における市有施設での廃熱利用でございますが、温室効果ガスの排出削減において、廃熱の利用は有効な取組と考えられますが、現状としまして、ご指摘の給食センターでの廃熱利用の実績はございません。本市の温室効果ガスの排出削減につながる取組といたしましては、延べ床面積でおおむね1,000平米を超える市有施設の新築、改築を伴う場合は、再エネ、省エネ設備の導入を検討することとしております。ご指摘の廃熱利用につきましても今後の研究課題とさせていただきます。
119 ◎ 休 憩
【議長(小曽根英明議員)】 この際、暫時休憩いたします。
(午後0時)
120 ◎ 再 開
(午後0時59分)
【副議長(鈴木数成議員)】 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
(30番 鈴木俊司議員 登壇)
121 【30番(鈴木俊司議員)】 初めに、前橋市の農政について何点か質問させていただきます。
国の農業政策にあっては、
新型コロナウイルス感染症に加えてウクライナ危機で一層難しいかじ取りを要求されています。輸出国が輸出規制に踏み切り、輸入国は穀物確保に奔走しています。食料自給率37%の日本は、自給率アップに向けて様々な施策を講じ、例えば農業の成長産業化に向けて担い手への農地集積や農産物輸出の推進、6次産業化を推し進め、また農林水産業・地域の活力創造プランを改定し、スマート農業の推進といった成長産業化を図っております。そこで、本市の令和3年度からスマート農業関連機器等の導入に対する経費の一部を補助する事業が実施され、農作業の省力化により、農業へ参入しやすい環境の整備に期待するところでございます。ついては、令和3年度の補助状況について農政部長にお伺いいたします。
122 【農政部長(田部井誠)】 令和3年度の補助状況についてでございますが、本市内の農地所有適格法人の資格を有する荒砥地区の集落営農組織へトラクターなどの農業機械を自動走行させるための自動操舵システムによるモニターやアンテナ等の高精度の位置情報のデータの提供サービスによる利用料を補助いたしました。また、市内における田畑の経営面積30ヘクタール、かつ水田作18ヘクタール以上の南部地区の認定農業者へラジコン操作で肥料や除草剤の散布が可能な農業用ドローンの購入補助及びドローンの操縦に伴う操縦教習費も併せて補助いたしました。合計2経営体に176万9,000円の補助金を交付いたしました。
123 【30番(鈴木俊司議員)】 今後の取組についてお伺いいたします。
令和3年度のスマート農業関連機器等の導入に対する補助については分かりました。次に、今後のスマート農業支援への本市の取組についてお伺いいたします。
124 【農政部長(田部井誠)】 今後のスマート農業支援の取組についてでございますが、農業者が課題とする農作業の省力化、効率化、担い手確保や生産性、収益性の向上など、時代の変化に対応した農業経営への支援をするため、スマート農業関連機器等の導入に対する経費の一部補助を昨年度に引き続き行います。また、スマート農業関連機器等の農作業視察等の推進も併せて図りたいと考えております。7月7日には、市立図書館地下講堂でアシストスーツの装着体験会の開催を予定しており、その効果を多くの農業者へ周知してまいりたいと考えております。また、本市農業委員会では、7月の総会で会議等のペーパーレス化推進のためタブレットを導入し、今後実施するための活用の研修を予定しているところでございます。今後も新技術等を活用する農業の新たな形への支援を図ってまいりたいと考えております。
125 【30番(鈴木俊司議員)】 次に、熊の人身被害対策についてお伺いいたします。
令和3年7月に、宮城地区で2件の大変痛ましい熊の人身被害が発生いたしました。市当局では、この人身被害を踏まえ、情報提供に基づく注意喚起や出没箇所等への掲示物の掲載など、様々な対応を強化してきたと伺っております。そこで、熊の人身被害対策に関わるこれまでの取組についてお伺いいたします。
126 【農政部長(田部井誠)】 これまでの取組についてでございますが、市民の皆様から熊の出没や目撃情報が寄せられた際は、まちの安全ひろメールによる注意喚起を行うとともに、目撃情報の位置をさーちずまえばしを活用して最新の情報に更新し、可視化を図っているところでございます。このほか注意喚起文書の回覧や市職員による注意喚起のパトロールを音声により行ったほか、苗ケ島町の人身被害発生箇所付近においてシノやぶ等の伐採を行い、見通しをよくして大型獣の出没を抑制する緩衝帯を整備したところでございます。
127 【30番(鈴木俊司議員)】 これまでの取組については承知いたしました。
昨年度の熊による人身被害を踏まえ、市民等に注意喚起などの啓発活動を引き続き取り組むとともに、パトロールの強化や大型獣が出没しづらい環境整備を行うことは非常に重要と考えております。そこで、今後の取組についてお伺いいたします。
128 【農政部長(田部井誠)】 今後の取組についてでございますが、令和4年7月を熊被害防止強化月間とし、令和3年度に出没や目撃情報があった箇所を重点地区として対策を強化します。具体的な内容としましては、国道353号線以北の市域を中心に市職員による音声を流したパトロールを実施、猟友会による熊の爪跡や痕跡等が発見された場合の連絡体制の構築及びIoTカメラを利用した監視強化を行うことを予定しております。
なお、7月1日には宮城小でパトロール隊の出発式も予定しておるところでございます。
さらに、熊等の大型獣は出没させないことが何より重要であることから、見通しをよくし、野生鳥獣の潜み場所をなくす緩衝帯の整備を約15ヘクタール実施を計画し、その準備を進めているところでございます。
129 【30番(鈴木俊司議員)】 続いて、農業集落排水事業の地方公営企業法適用について伺います。
本市では、農村地域における用水路などの水質保全と生活環境の改善を図り、農業生産の増大を図ることを目的として、昭和49年に前橋東部地区の集落排水事業に着手し、昭和54年に供用を開始いたしました。その後も農業が盛んな土地柄であることもあり、各地区で整備が進められ、また市町村合併による事業の継承などを経て、現在20地区19施設、整備人口は約2万8,000人で全国的にも上位に位置しているものと認識しております。
一方で、農業集落排水事業を取り巻く環境は人口減少や節水型社会の浸透により、使用料収入が減少傾向になっています。加えて、施設の老朽化に伴う更新費用の増加などにより経営環境は厳しさを増している状況であると考えております。このような状況の中、令和4年1月に開催されました市民経済常任委員会、また建設水道常任委員会において、現在農政部で所管し、特別会計で運営されている農業集落排水事業については、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を図ることを目的として、令和5年度から地方公営企業法を適用し、公営企業会計に移行するとともに、事業を水道局に移管することが報告されました。現在、様々な準備を進めていると思いますが、既に地方公営企業法の適用まで1年を切っております。そこで、現在の取組状況についてお伺いいたします。
130 【農政部長(田部井誠)】 現在の取組状況についてでございますが、農業集落排水事業の地方公営企業法適用に関し、必要な事項を協議するために、昨年5月に庁内関係課で編成したプロジェクトチームを中心として、様々な観点から準備を進めているところでございます。具体的には関連する様々な条例、規則等の制定、改正に向けた洗い出しや修正作業をはじめ、公営企業会計に基づく新年度当初予算の編成に向けた準備、また水道局財務会計システムに農業集落排水事業を追加するカスタマイズなどに取り組んでいるところでございます。
131 【30番(鈴木俊司議員)】 今後のスケジュールについてお伺いいたします。
プロジェクトチームを中心にした現在の取組状況については理解いたしました。農業集落排水事業に地方公営企業法を適用することにより、公営企業会計、いわゆる複式簿記による経理が行われ、減価償却費等の経費が計上されることなどで正確な期間損益計算が可能となることから、事業の経営成績が明確になるなど様々なメリットがあると思います。また、農業集落排水事業を水道局に移管することについても多くの市民の感覚とすると、公共下水道事業も農業集落排水事業も同じ下水道であり、あまり違いを意識しない市民が多いのではないかと感じますので、窓口の一元化による市民サービスの向上という観点から考えてもメリットがあると考えております。ぜひ今後の法適用に向けた事務作業もしっかりと対応していただきたいと思います。そこで、法適用への移行事務について、今後の具体的なスケジュールをお伺いいたします。
132 【農政部長(田部井誠)】 今後の具体的なスケジュールについてでございますが、関連する条例の制定、改正につきましては、事前に市民経済常任委員会等で報告させていただいた後に、令和4年第4回定例市議会に議案として提出させていただきたいと考えております。また、新年度当初予算の編成時期までに、水道局の財務会計システムのカスタマイズを完了させ、公営企業会計による当初予算を編成いたします。そのほかにも税務署や総務省への届出や報告、前橋市農業集落排水事業特別会計について、来年3月31日をもって行う打切り決算などにつきましても遺漏のないように取り組んでまいりたいと考えております。
133 【30番(鈴木俊司議員)】 次に、遊休農地の発生防止と解消についてお伺いいたします。
本市の農業従事者の高齢化や後継者不足などにより、耕作が行われていない農地の遊休農地化が見込まれると思いますが、まずは現在の遊休農地の現状についてお伺いいたします。
134 【農政部長(田部井誠)】 令和4年度当初における本市の遊休農地面積は338.9ヘクタールで、遊休農地率は市域全体で3.7%となっており、地区別では富士見、宮城、粕川、芳賀地区に遊休農地面積が多く、いずれの地域も本市北部に集中している状況であります。令和3年当初と比較いたしますと、遊休農地面積はマイナス58.3ヘクタールとなり、遊休農地率として0.6%が解消される結果となっております。
135 【30番(鈴木俊司議員)】 それでは、今後の対応についてお伺いいたします。
ただいまの答弁で、遊休農地の現状については若干でありますが、減少の傾向にあることは理解いたしました。農業従事者の高齢化や後継者不足が言われる中で、農地利用最適化への取組や遊休農地の発生防止や解消に向けてどのような対策を行っているのかお伺いいたします。
136 【農政部長(田部井誠)】 本市においては、毎年8月に農地利用適正化推進委員51名を中心に、市内全域において約1か月をかけて農地パトロールを実施しております。この結果に基づき、遊休農地の所有者には農地利用意向調査を行い、貸出しの意向等を確認しております。それらの内容を盛り込んだ地図を作成し、窓口で借りたい希望のある耕作者に情報として提供し、農地を貸したい人と借りたい人を引き合わせ、農地の貸出しを行うマッチングなどを行っております。令和3年度におけるマッチングの結果については63件の相談があり、うち16件が成立いたしました。そのほかにも農業従事者との日頃のコミュニケーション、いわゆるあぜ道会議や、所有者からの情報収集や地元密着の活動を通じ、農地の状況を把握し、農地管理が難しい所有者に対しましてはその意向を確認し、改善への対策を考えながら、遊休農地の発生の防止と解消に向けた対応をしておりますので、これらの対策を今後も引き続き行ってまいりたいと考えております。
137 【30番(鈴木俊司議員)】 引き続いて、肥料費高騰対策支援について伺います。
新型コロナウイルス感染症感染拡大や世界情勢の変化などによる影響により、ハウスなどの資材費や灯油等の燃料費、出荷梱包用の段ボール、家畜の飼料費等、営農に係る多くの物品価格が高騰しております。ついては、肥料費高騰対策支援の目的についてお伺いいたします。
138 【農政部長(田部井誠)】 肥料費高騰対策支援の目的についてでございますが、コロナ禍によって経済回復を伴う原油の需要増やロシアのウクライナ侵略などによる影響によって、肥料原料の高騰の高止まりが続き、本市の農業経営に影響を与えております。つきましては、認定農業者や認定新規就農者の農業経営への取組の意欲の向上を図るため、地方創生臨時交付金を活用し、作物生産において必要不可欠であり、その原料の多くを海外に依存している肥料の購入費の一部を支援してまいりたいと考えております。
139 【30番(鈴木俊司議員)】 支援の目的については分かりました。
ついては、本事業の支援内容と効果についてお伺いいたします。
140 【農政部長(田部井誠)】 本事業の支援内容と効果についてでございますが、事業費は8,600万円で、支援対象経費を令和3年の肥料費といたします。肥料費の販売価格は昨年と比較し大幅に上昇しておりますが、上昇分全ての支援は難しいため、肥料費の一部支援として令和3年中の肥料費を経費とした確定申告書を基に経費に対して10%の補助を考えております。また、対象者は今後の本市地域農業を支えるという視点から、本市の農業経営の基盤を担う認定農業者、認定新規就農者と考えております。肥料費高騰対策支援によって経営の一助となるよう、農業経営に取り組む意欲のある農業者の生産向上に期待ができると考えております。
141 【30番(鈴木俊司議員)】 ここでちょっと確認させていただきます。支援金の交付要件も前橋市に住所を有する認定農業者、認定新規就農者等約550人が対象で、令和3年度分の確定申告した肥料費の10%で上限が100万円という内容で承っております。よろしいですか。
次に、施設園芸燃油価格高騰緊急対策事業補助金についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症や国際情勢等の影響により燃油価格の高止まりが続く中、本市では令和3年度に施設園芸燃油価格高騰緊急対策事業を創設し、経営費に占める燃料費の割合が高い野菜や花卉などの施設園芸農家を対象に燃油購入費の支援を実施しましたが、その実績についてお伺いいたします。
142 【農政部長(田部井誠)】 施設園芸燃油価格高騰緊急対策事業の補助実績についてでございますが、補助金の算定方法は国のセーフティネット構築事業に準じて、燃油価格が一定の基準を超えた場合に購入費との差額に対して一部助成額を決定しました。補助対象となる燃油は、令和3年10月から令和4年3月までに購入し、支払いを行ったA重油及び灯油とし、令和4年1月から3月まで申請受付を行いました。その結果、178経営体から申請があり、1,498万8,000円を交付いたしました。内訳といたしましては、キュウリなどの野菜が148件、バラなどの花卉が22件、野菜苗などが8件、1件当たりの平均補助額は約8万4,000円となっております。
143 【30番(鈴木俊司議員)】 それでは、今後の支援策についてお伺いいたします。
今後も燃油価格の高騰が続いた場合、農業者の経営状況はさらに厳しくなることが予想され、市としてもさらなる支援が必要となるため、3月の第1回定例会において令和4年度も支援事業の継続を前橋令明として要望したところです。農林水産省の農林水産統計によると、4月時点でのA重油の全国平均価格は1リットル当たり110.85円で、昨年の同月より24%程度上昇するなど燃油価格は依然として高騰している状況となっております。6月補正予算に、施設園芸燃油価格高騰緊急対策事業補助金として2,500万円が計上されておりますが、今年度の燃油高騰に対する支援についてお伺いいたします。
144 【農政部長(田部井誠)】 今年度の燃油高騰に対する支援についてでございますが、農業者の負担軽減や経営継続のため、昨年度に引き続き施設園芸農家がハウスの加温等のために冬期に購入する燃油を対象に支援を行う予定でございます。支援内容につきましては、令和4年度の国のセーフティネット構築事業の発動基準価格と購入価格の差額に対して一部助成を行います。補助上限額につきましては、昨年度は花卉30万円、野菜などは20万円としておりましたが、野菜などの生産者で上限額に到達した方がいたため、今年度は上限額を一律30万円に変更し、実施を予定しております。また、国のセーフティネット構築事業への加入や日常的な省エネ対策の取組についても引き続き推進し、施設園芸農家が燃油価格高騰の影響を受けにくい経営を行うことで営農を継続していけるよう支援していく予定でございます。
145 【30番(鈴木俊司議員)】 農業政策の質問は以上でございますが、農業大国、ウクライナへのロシア軍の侵攻は農産物の生産、物流に深刻な影響を与えております。早期の解決を願うばかりでございます。
次に、前橋市のICTについてお伺いいたします。初めに、デジタル田園都市国家構想の概要を大野副市長にお伺いいたします。国は岸田内閣の下、デジタルによる地域活性化を進め、さらには地方から国全体へボトムアップの成長を実現することを目的に、デジタル田園都市国家構想を打ち出しましたが、この構想に対する本市の基本的な考え方をお伺いいたします。
146 【副市長(大野誠司)】 国におきましては、デジタル技術は社会課題を解決する鍵であり、新しい価値を生み出す源泉といたしまして官民双方がデジタルトランスフォーメーションを積極的に推進するため、新しい資本主義の重要な柱の一つにデジタル田園都市国家構想を位置づけております。地方からデジタルの実装を進め、地域の個性を生かしながら活性化し、持続可能な経済社会の実現や新たな成長を目指すとしているところでございます。本市におきましては、この構想に基づき、より多くの市民の方々がデジタル化のメリットを享受でき、心豊かな暮らしの実現に向けて取り組むことといたします。デジタル田園都市国家構想推進交付金の中には、既に他の地域で確立されている優良事例を導入するTYPE1、独自の取組を本格化するTYPE2、全国の取組をリードし、一部を10月中に実現するTYPE3の3つのタイプがございますけれども、本市ではこのうち、TYPE1とTYPE3に市として申請するとともに、TYPE2につきましては群馬県の申請に広域連携自治体として参加することといたしました。TYPE2、TYPE3の申請につきましては、現在国の審査結果を待っているというところでございます。
147 【30番(鈴木俊司議員)】 大野副市長に再度お伺いいたします。
10年後、20年後の前橋市のICTはどのようになっているのか、あるいは市民生活はどのようになっているのか、副市長が考えるその具体的なイメージをお聞かせ願いたいと思います。
148 【副市長(大野誠司)】 10年後、20年後の市民の皆さんの生活の将来像というところでございます。市民の皆さんの日々の暮らしには様々な営みがございます。それは行政的な切り口で見れば、子育て、学び、仕事、健康、医療、介護といったような分野になりますけれども、実際にはそれがその分野で閉じているというわけではなく、例えば子育てと学びは密接に関わっておりますし、学びで得た知識、能力が仕事につながり、仕事をしながらも、また新たな知識を得ていくにも、暮らしを多様で豊かなものにするにも学びがつながっていると考えております。また、その関係性というのは、お一人お一人の興味、関心、価値観、これまでの歩みによって同じものが一つとしてないというものになっていると理解しております。デジタル田園都市国家構想は、私の理解では分野ごとに断片的な取組を進めるのではなくて、デジタル技術とデータを活用することで暮らしをめぐる様々な局面で、市民の皆さんがお一人お一人が持つ多様なニーズ、価値観を充足できる、そういった利便性の高いデジタルサービス群を市民の皆さんがそれを当たり前のように活用して、心豊かな暮らしを実現できるような地域社会をつくり出していくというものがデジタル田園都市国家構想と私は理解しています。
一つの例として、健康にまつわるデータということで生涯を見渡しますと、生まれる前の母子健康から始まって、乳幼児健診、学校での健診、職場での健診、日々の通院や服薬など様々なデータがその人にとって最適な日々の健康増進の取組はどういうものであるかとか、介護や医療の最適なサービスがどういうものであるかと、またアレルギーをお持ちの方が街なかを散歩しているときに近所で楽しめるお店、メニューはどういうものであるか、そうしたものがデータを使うことでレコメンドされるというようなことになるのではないかなと考えているところでございます。10年後、20年後、今一般的なデバイスであるスマートフォンがそのときに一般的であるかどうかは分かりませんけれども、その頃の前橋市では市民の皆さんがデジタルを使っていると肩肘を張らずに当たり前の生活の営みとしてご自身の意思や価値観に基づいて、ご自身にとって利便性の高いサービスを選択して享受して、様々な活動へ参画していくと、そうした将来を目指しております。その第一歩といたしまして、TYPE1からTYPE3で申請した事業にはしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
149 【30番(鈴木俊司議員)】 岸田総理の言葉を引用すると、デジタル田園都市国家構想は、地域が抱える人口減少、高齢化、産業空洞化などの課題やデジタルの力を活用することによって解決する、また光ファイバーや5Gと組み合わせ、自動配送、ドローン宅配、遠隔医療、教育、防災、リモートワーク、スマート農業などのサービスを実装すると言っています。
そこで、何点か具体的な取組について質問いたします。デジタル田園都市国家構想推進交付金について伺います。デジタル田園都市国家構想を進めるに当たって、国からの交付金が3種類あり、TYPE1については既に採択され、TYPE2は群馬県の申請と連携されるとのことでありますが、市として事業計画を提出したTYPE3、まえばし暮らしテック推進事業について、事業の概要を未来創造部長にお伺いいたします。
150 【未来創造部長(青木一宏)】 デジタル田園都市国家構想推進交付金のTYPE3に申請いたしましたまえばし暮らしテック推進事業の概要でございます。暮らしにおける様々な課題を、データ連携と最先端のデジタル技術によりまして解決し、市民一人一人が心豊かで幸福な状態、いわゆるウエルビーイングでいられるまちを実現するため、学び、子育て、健康情報活用等の様々な領域における複数のサービスを実装いたしまして、市民によって生まれる共助型未来都市を目指すというものでございます。このTYPE3の交付金の特徴といたしましては、今年度中に全てのサービスを実装することと、一部のサービスを10月中に開始することが採択の要件となっているところでございます。
151 【30番(鈴木俊司議員)】 それでは、採択後のスケジュール及び具体的な進め方についてお伺いいたします。
本市のデジタル田園都市国家構想推進交付金の申請内容については理解いたしました。それでは、現在採択結果を待つ状況とのことでありますが、採択となった場合のスケジュールと事業の具体的な進め方についてお伺いいたします。
152 【未来創造部長(青木一宏)】 交付金が採択された場合には、まず本交付金の受入れと事業執行に係る歳入歳出予算が必要となることから、補正予算により対応させていただきたいと考えております。その後、各種民間主体のサービスやそれらのサービス実施のキーとなりますまえばしID、データ連携基盤などの基幹システムの構築を行う事業者を公募により早急に選定いたしまして、交付金の要件である10月の一部サービスを開始するとともに、全ての事業につきましても今年度中に開始できるよう進めてまいりたいと考えております。あわせて各種のサービスをつなぐまえばしIDやデータ連携基盤を管理運営する新たな法人組織、前橋めぶくグラウンドを官民連携により設立し、まえばし暮らしテックサービスを市民等に効果的に提供できる組織体制を構築してまいりたいと考えておるところでございます。交付金が活用できるのは今年度のみということでありまして、次年度以降は民間事業者が自立してサービスを提供できる持続可能な事業執行体制が整えられるよう、行政として民間事業者と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
153 【30番(鈴木俊司議員)】 スケジュールや今後の進め方については、おおむね理解をできました。特にこのまえばし暮らしテック推進事業は民間事業、ビジネスとして自立し、持続することに価値があり、行政が丸抱えするものではないということだと思います。各種の事業がビジネスモデルとして実装できるよう、行政としてできる限り支援を行いながら、市民の暮らしが豊かになるよう取り組んでいただきたいと思います。
次に、MaaS環境の構築について伺います。本市では、MaaS環境構築に向け、ウェブサービスのMaeMaaSを提供するなどの取組を推進していると理解しております。市民に利便性の高い公共交通を構築するためには、ウェブサービスだけでは不十分であると考えています。そこで、MaaS環境の構築を進める上で、当局の考え方について交通政策担当部長にお伺いいたします。
154 【未来創造部交通政策担当部長(細谷精一)】 MaaS環境の構築の考え方についてでございます。MaaSは、多様な交通モードを一体としてシームレスな一つのサービスとして提供するものでございますが、本市のような地方都市におきましては、鉄道やバスなど異なるモビリティー同士を乗り継いで移動を行うことが前提となってしまいます。そのため、本市におけるMaaS環境の構築の考え方の一つとして、利用者の乗り継ぎ抵抗を軽減するため、スマートフォンを用いての経路情報案内を実施するとともに、その基盤となる公共交通そのもののダイヤの調整や路線の見直し、さらには交通系ICカードの導入といった利便性向上施策を一体として進めているものでございます。
155 【30番(鈴木俊司議員)】 本市におけるMaaS環境構築が公共交通全体としての利便性向上施策を一体として進めるものであることは理解いたしました。
また、デジタル田園都市国家構想推進交付金として、MaeMaaSを基本とした群馬版MaaSの構築が申請されているとの報告がありました。県との連携により、前橋市のMaaSが県内一円に広がっていく中で、本市としてはこれまで以上に交通サービスの利便性向上に向け、施策展開を実施していくことが重要であると考えます。そこで、利用者への情報案内等での現在実施している利便性向上施策の具体的な取組内容についてお伺いいたします。
156 【未来創造部交通政策担当部長(細谷精一)】 利用者への情報案内等の利便性向上施策に関する取組でございます。本市では、現在MaeMaaS上で多様な交通モードやバスロケーションシステムに対応したリアルタイム経路検索を提供しております。また、市内バス事業者6社によります共同経営計画により、本年4月1日より前橋駅から県庁間の区間を本町ラインとしてパターンダイヤ化するとともに、前橋駅構内に本町ラインに特化したデジタルサイネージを設置しまして、路線の再編と情報発信を一体として実施いたしました。今後につきましてもデジタル田園都市国家構想推進交付金へ申請しておりますMaeMaaSの群馬版MaaSへの展開も踏まえ、公共交通の再編作業と情報発信を一体として進め、利用者の皆様にとって利便性の高い公共交通環境の構築に向けた取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
157 【30番(鈴木俊司議員)】 次に、自治会長へのタブレット貸与についてお伺いいたします。
今年度モデル地区の自治会長へタブレットを貸与し、実証実験を行うこととしていますが、実証実験の実施概要について市民部長に伺います。
158 【市民部長(木村由美)】 モデル地区の自治会長へのタブレット貸与と実証実験の実施概要についてでございますが、下川淵地区、東地区、大胡地区の自治会長及び前橋市自治会連合会の正副会長のほか、生活課及びモデル地区の支所、市民サービスセンターの職員を含め、合計でタブレット55台を用意し、7月から9月までの3か月間で実証実験を実施します。期間中は、市と自治会の間で連絡や情報共有を行うほか、自治会相互の情報発信、電子回覧版機能の活用、ウェブ会議などを各地区で実施します。また、地域の小学校とのオンライン交流やGPSと写真を活用した危険情報の共有、災害発生時を想定した実験も現在検討中でございます。実験後は、参加していただいた自治会長にアンケートなどを実施し、その結果も踏まえて実験結果を検証し、今後の導入に向けた検討を行ってまいります。
159 【30番(鈴木俊司議員)】 実証実験は7月から9月までの3か月間としていますが、準備の状況を含めたスケジュールと今後の実験をどのように進めていくかお伺いいたします。
160 【市民部長(木村由美)】 実証実験の実施スケジュールにつきましては、現在タブレットのレンタルや通信回線に関する契約事務が順調に進み、予定どおり7月から実証実験を開始できる見込みです。また、実験に参加していただく自治会長に対して、事前調査としてスマートフォンやタブレットの所有状況とご自宅の通信環境についてのアンケート調査を実施したところでございます。実証実験では、各地区において予定している実験を実施するほか、自治会長の操作技術に応じてそのほかの実験プログラムにも取り組んでいただきたいと考えております。各自治会長に対しては、基本操作の習得や個人情報などの情報リテラシーの理解を支援するため、実験期間を通じて支所や市民サービスセンターの職員がアドバイスや助言を丁寧に行い、自治会長が日常的にタブレットに触れる機会をつくり出し、その後の検討に生かせる実験結果を得たいと考えております。
161 【30番(鈴木俊司議員)】 次に、公民館へのWi─Fi環境整備について伺います。
本市には中央公民館をはじめ16の公民館があり、市民の社会教育や生涯学習の場として利用されてきた施設だと思います。しかしながら、
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、公民館の利用が制限あるいは中止される状況となり、そのような中で公民館では非接触による学習機会の提供に取り組んでいることと認識しております。会派といたしましても令和4年度当初予算に係る要望において、地区公民館に社会教育事業に使用できるWi─Fiの整備を要望したところであり、さらなる推進のためには通信環境の整備が必要と考えます。そこで、公民館へのWi─Fi環境の整備状況について、指導担当次長にお伺いいたします。
162 【指導担当次長(都所幸直)】 公民館へのWi─Fi環境の整備状況についてでございますが、今年度の当初予算に購入費などを計上し、全公民館へコンセントに刺すだけでWi─Fi環境が整うホームルーターを導入する予定でございます。使用できる場所が固定されないメリットがあり、現在7月までに導入できるよう事務手続を進めているところでございます。
163 【30番(鈴木俊司議員)】 全公民館にWi─Fi環境が整備されることにより、非接触による学習機会の提供のさらなる推進が期待されるところでございます。Wi─Fi環境のほか、オンライン講座や動画配信等の推進にはパソコン等のオンライン講座機材の購入も必要と考えますが、当局の考えをお伺いいたします。
164 【指導担当次長(都所幸直)】 オンライン講座機材の購入についてでございますが、まず現状といたしましては、令和3年度において公民館貸出し用のオンライン講座機材としてノートパソコン、Wi─Fiルーターなどを2セット導入しましたところ、稼働率が高く、各公民館の貸出し希望に沿えない状況がございました。そのため、本定例会へ補正予算として上程させていただいておりますが、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、全公民館へノートパソコンやビデオカメラなどオンライン講座機材を購入したいと考えており、事業費は418万円ほどを見込んでおります。今後はウィズコロナを見据え、令和3年度同様、動画編集などに係る職員向け研修会を開催するとともに、オンラインや動画配信による講座をさらに充実させてまいりたいと考えております。
165 【30番(鈴木俊司議員)】 続いて、次世代の地域衛星通信ネットワークについてお伺いいたします。
現在、消防局に設置されている地域衛星通信ネットワークは、総務省消防庁と全国の政令市等を結び、災害時の非常通信手段や被害状況に係る情報通信手段として活用されております。国においては、令和2年5月に防災基本計画を修正し、地域衛星通信ネットワーク等の耐災害性に優れている衛星系ネットワークについて、国、都道府県、市町村、消防本部等を通じた一体的整備が明記され、大規模災害発生時における衛星通信の重要性が強調されました。近年の災害において、地上系通信ネットワークが途絶して不通になるケースが増えていることを踏まえ、今後は大規模災害の発生に伴う通信需要が増大するときでも、災害対応に必要な各種通信の確保が必要となり、通信回線容量の増強や降雨どきの安定性の向上、画像伝送の高画質化等を実現する次世代システムの構築が検討されていると伺っています。そこで、現在の地域衛星通信ネットワークの現状について消防局長にお伺いいたします。
166 【消防局長(清水征己)】 現在の地域衛星通信ネットワークの状況でございます。第1世代システムを平成12年度に整備し、その後後継の衛星に対応した第2世代型デジタル方式を平成28年度に更新したものでございます。基幹設備として利用している画像送信システムは、高所カメラや車載カメラ、ドローンやバギーなどの機動的な画像を指令センターに集約し、消防隊などの活動上重要な支援情報として伝達共有することで効果的に活用しております。また、2018年に発生した本白根山噴火災害や群馬県防災ヘリコプター墜落事故の際には、画像伝送車両により現場付近の映像を撮影し、総務省消防庁や全国の政令市など各県の代表消防機関に衛星送信を行ったところでございます。
167 【30番(鈴木俊司議員)】 地域衛星通信ネットワークは、各種災害現場等において情報収集や伝達体制を確保し、災害に対する迅速、的確な消防活動を行うため重要なシステムであり、県内の災害や事故において映像伝送により、総務省消防庁や各県と情報共有をされた実績もあり、その有効性が期待されます。東日本大震災や北海道胆振東部地震においては地上系の通信手段が完全に途絶し、復旧するまでの間、このネットワークが唯一の通信手段として利用されたと聞いております。今後も引き続き大規模災害の非常時をはじめとして、絶えずシステムの継続かつ安定的な運用を図るため、次世代システム構築に向けた検討が必要であると考えますが、その対応についてお伺いいたします。
168 【消防局長(清水征己)】 今後の次世代システムへの対応についてでございます。このシステムを管理運営している自治体衛星通信機構や総務省消防庁などの情報によりますと、次世代システムは画像伝送サービスの高度化、インターネット接続及び個別通信等のサービスが提供できるシステムと聞いております。また、総務省消防庁などの検証において、アンテナ類の小型化により、整備費用の価格低減が見込まれております。次世代システムに更新することにより、大幅な機能及び信頼性の向上が期待されるものであり、確実で安定したネットワークシステムを維持するために調査研究を進め、計画的に次世代化に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。
169 【30番(鈴木俊司議員)】 前橋市のICTについて、それぞれの取組をご答弁いただき、ありがとうございました。まずは直近のデジタル田園都市国家構想推進交付金の採択に向けてご努力をお願いしたいと思います。
次に、福祉政策についてお伺いいたします。子育て関連施設感染症対策支援について伺います。
新型コロナウイルス感染症については、感染は減少傾向にあるものの、終息がいまだ見えてこない状況です。保育園等における児童や保育士の感染や臨時休園も継続して聞かれるような状況ですが、そのような中でも保育園や放課後児童クラブ等の子育て関連施設は原則開所とされております。そこで、今回補正予算として計上されている子育て関連施設に対する
新型コロナウイルス感染症対策経費及び利用料等、減免に伴う補助金の概要と今後の対応について……
170 【副議長(鈴木数成議員)】 鈴木議員、時間です。
(34番 石塚武議員 登壇)
171 【34番(石塚武議員)】 通告に従いまして順次質問いたします。
質問の第1は、原油価格、物価高騰に対する支援についてであります。公明党市議団では、令和4年5月18日、山本市長に対し、コロナ禍における原油価格、物価高騰対応分に伴う緊急要望を行いました。コロナ禍において、原油価格や電気、ガス料金を含む物価高騰の影響を受けた事業者や生活者の負担軽減を地域の実情に応じ、きめ細やかに実施できるよう、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をコロナ禍における原油価格、物価高騰対応分として活用し、事業者や生活者支援に早急に取り組むべきと考え、要望を行いました。要望書の中で、事業者支援については燃料高騰によるごみ収集事業者等への負担軽減、国の支援枠のないトラック教習所などの運輸交通事業者への支援などを盛り込みました。また、生活者支援については、プレミアムつき商品券、電子チケットなどによる商品券の発行やキャッシュレスポイント還元等を盛り込みました。当局より本定例会に提出された令和4年度前橋市各会計補正予算の概要を見ますと、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した前橋市原油価格・物価高騰緊急支援金として、材料や燃料高騰による影響が大きい業種を営む市内中小企業者、個人事業主への支援については、公明党市議団が提出した緊急要望の一部が反映されているものとして一定の評価をするものであります。
最初に、公契約における対応についてお伺いいたします。契約事業者との契約金額への影響であります。原油価格や物価高騰により、工事や委託業者への負担は高まっていますが、公契約上の事業者と契約金額についてどのような対応を考えているのかをお伺いいたします。
172 【総務部長(田村聡史)】 公契約における一般的な契約約款上では、国内の経済事情の激変や予期することのできない特別な理由の発生に基づき、契約金額が著しく不適当であると認められるときは、協議の上、契約金額を変更することができると記載されております。原油価格や物価高騰により、受注者から契約金額が著しく不適当との申出がありましたら、契約約款に基づき協議を行い、対応してまいります。
173 【34番(石塚武議員)】 続いて、契約納期への影響についてであります。半導体不足に伴う一部商品が調達困難な状況であり、各種発注業務に影響を与えていると考えますが、そのような場合にどのように対応されるのかお伺いいたします。
174 【総務部長(田村聡史)】 ご指摘いただきましたとおり、現在世界的な半導体不足の影響によりまして、一部商品が入手困難な状況となっております。契約後、予測できない事案が発生し、受注者の責めに帰することができない理由と認められる場合につきましては、契約約款に基づき、協議の上、契約期間を延長するなどの対応をしてまいります。
175 【34番(石塚武議員)】 要望させていただきます。原油価格、物価高騰による受注者からの契約金額の申出や半導体不足に伴う受注者からの契約期間の延長など、まだ事業者からは相談が寄せられていないようでありますが、こうした特別な場合の公契約における契約約款の事前の説明や、また相談が寄せられた場合の事業者に寄り添った丁寧な対応を要望させていただきます。
次に、今後の地方創生臨時交付金の活用についてお伺いいたします。生活困窮者支援として、5月の専決処分では子育て世帯への児童1人当たり5万円の給付を予算化し、このたびの6月補正第2次予算では、住民税非課税世帯等に対する10万円の給付が予算化され、今後対象世帯に支給されると思います。昨今の原油高、原材料高は、生活困窮世帯だけではなく、一般市民の生活にも大きな影響をもたらしています。今回の6月補正第2次予算では、地方創生臨時交付金を約10億3,000万円活用し、残り約7億1,000万円が今後活用できるようであります。これを活用して市民生活の支援を行っていただきたいと考えます。そこで、地方創生臨時交付金の残り約7億1,000万円をどのように活用していく予定なのかお伺いいたします。
176 【財務部長(中畝剛)】 今後の地方創生臨時交付金の活用でございますが、コロナ禍に国際紛争の影響も重なっている現状においては、社会情勢が不安定であり、市内経済においても原油高、原材料高などの影響は非常に大きなものになっていると認識しております。引き続き市民生活や事業者の経済活動を支えていくため、幅広く有効な対策を実施していく必要がありますので、地方創生臨時交付金はその貴重な財源として効果的に活用してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、議会をはじめ関係団体のご意見やご要望を含め、庁内関係部署との協議を重ねまして、活用事業を9月の補正予算案に提出する準備を進めてまいりたいと考えております。
177 【34番(石塚武議員)】 要望です。今後の地方創生臨時交付金の活用につきましては、物価高騰及び経済再生に向けた生活者支援として、前橋市民全般にわたっての家計に対する支援と本市の地域経済の活性化につながるような積極的な支援策をご検討いただきますよう要望いたします。
質問の第2は、ICTの活用についてであります。まずは、MaeMaaSについてであります。MaaSは、公共交通機関などの様々な移動サービスをスマホアプリで結びつけ、出発地から目的地までの最適な移動手段の検索や予約、決済などができるようにするものであります。移動手段には鉄道やバスなどの公共交通機関のほか、タクシーやレンタカーのほか、デマンド交通、自動運転による交通サービス等の新型の輸送サービスなども含まれ、さらに観光チケットの購入など関連サービスを含むことも可能となるようであります。日本版MaaSは、公共交通機関のシェア低下と、例えば前橋市のようなマイカーの過度な利用など、都市や地方で引き起こされている諸問題を解決に導くものと期待されています。そこで、5月に開催されたICT利便性向上調査特別委員会において、デジタル田園都市国家構想推進交付金の申請のうち、ぐんま共創モビリティ社会推進事業として、MaeMaaSを群馬版MaaSとして群馬県内へ展開していくとの報告がありました。そこで、令和3年度のMaeMaaSの取組状況と実績についてお伺いいたします。
178 【未来創造部交通政策担当部長(細谷精一)】 令和3年度のMaeMaaSの取組状況と実績についてですが、国土交通省の日本版MaaS推進・支援事業の採択を受けまして、令和3年10月から令和4年3月まで実証実験を実施いたしました。令和3年度の実証実験の定量的な実績としましては、会員としての登録者数は1,072人、うち交通系ICカードと
マイナンバーカードの認証連携の実施者数が172人となっております。また、多様な交通モードに対応しているリアルタイム経路検索など、会員登録が不要なサービスもございますが、おおむね多くの方に利用いただいている状況でございます。
なお、現在はMaeMaaSへの一層の理解や定着等を目的としまして、令和4年9月まで実証実験を延長し、サービスの改善や、より一層の高度化に向けた検討を行っているところでございます。
179 【34番(石塚武議員)】 続いて、今後のMaeMaaSの取組であります。これまでの取組やデジタル田園都市国家構想推進交付金の申請を踏まえた今後のMaeMaaSの取組についてお伺いいたします。
180 【未来創造部交通政策担当部長(細谷精一)】 今後のMaeMaaSの取組についてでございます。令和3年度の実証実験を通して、利用者からは市民認証割引やデジタルフリーパス等のMaaSサービスそのものについては好意的な評価をいただいております。
また一方で、登録手続などの使い勝手に関しては改善を望む声も多く寄せられております。このため、群馬県と連携しまして、デジタル田園都市国家構想推進交付金の活用等により、MaeMaaSを群馬県モデルとして広域化を進めていくとともに、より利用しやすくなるようなシステム改善を行うなど、さらなるサービスの拡充に取り組んでまいります。このような取組によって、利用者にとって利便性の高い公共交通サービスが実現できるよう進めてまいりたいと考えております。
181 【34番(石塚武議員)】 これまで本市がご尽力されて取り組んできたMaeMaaSが群馬県モデルとして広域化し、さらに利用しやすくなることは大変によいことであると思います。今後の一層の取組に期待いたします。
次に、まえばしIDについてお伺いします。まえばしID構想によりますと、大胆な規制改革を通じて、
マイナンバーカード、公的個人認証制度利活用の未来形、発展形を先行実現するもの、人と社会を結ぶ信頼のあかしがまえばしIDであるとされています。そこで、これまで前橋市では、ICTの活用により地域課題の解決に向けた各種の取組を進めていますが、官民で構築を予定しているまえばしIDの概要や必要性についてお伺いいたします。
182 【未来創造部長(青木一宏)】 まえばしIDについてでございます。デジタル上で本人であること、本人の意思であることを担保することができ、改ざんできないことを保証した仕組みによりまして、高度なセキュリティーとプライバシーを確保することができる。個人個人やサービス提供者が安心、安全に利用することができるIDとして構築を進めているところでございます。今回、国のデジタル田園都市国家構想推進交付金の申請におきましては、まえばしIDはサービスと利用者をつなぐのみならず、各サービス間の連携やデータをつなぎ合わせた新たなサービスを創出する軸として位置づけておるところでございます。
183 【34番(石塚武議員)】 続いて、社会実装に向けた取組であります。デジタルを活用したサービス等の実施に当たっては、このまえばしIDが軸となるとのことですが、デジタル田園都市国家構想推進交付金へ申請したまえばし暮らしテック推進事業の中でどのように連携して実装されるのか、またまえばしIDを使ってどのような市民参画が実現されるのか、併せてお聞きいたします。
184 【未来創造部長(青木一宏)】 デジタル田園都市国家構想推進交付金において、まえばしIDを活用した学び、子育て、健康情報活用等、暮らしの様々な場面を支える先端的サービスを実現するほか、市やイベント等の情報をその方の状況、関心に合わせて提供するサービス等のデータ連携可能な基盤系サービスについて申請しているところでございます。本交付金が採択となった場合には、今年度末までに計画したサービスが実装となるよう、早急に進めることが条件となっておるところでございます。
また、本交付金で実装されるサービスにつきましては、様々なライフステージが対象となっておりまして、幅広い層で活用していただけるものとしているほか、まえばしIDを活用したアンケートなどによりまして、市民の皆様の意向をより把握し、まちづくりにつなげるとともに、デジタルの力によりまして、いつでも、どこでも社会とつながり、市民自身の意思が伝わる環境の醸成を目指しているところでございます。
185 【34番(石塚武議員)】 要望になります。まえばしIDについては、デジタル上で、かなり高度なセキュリティーが確保されることが分かりました。また、前橋市がデジタル田園都市国家構想推進交付金へ申請したまえばし暮らしテック推進事業において、このまえばしIDを活用し、暮らしの様々な場面を支える先端的サービスの実現を目指して進めていることも理解いたしました。しかし、そのサービスを幅広い層の方で活用していただくものということでありますが、あまりにもサービスが先端過ぎて、一部の方でしか活用できないのではないかと考えます。今後もまえばしIDの構築に当たっては、安心、安全な、便利で使いやすい、市民の身近なサービスとして活用されることを期待いたします。
次に、マイナポータルについてお伺いします。国が運営するマイナポータルについて、マイナポータルでできること、また使用することによる市民のメリットについてお伺いいたします。
186 【未来創造部長(青木一宏)】 マイナポータルの利用についてでございますが、マイナポータルでは、
マイナンバーカードを使うことで市民の暮らしをよりよくする様々なサービスをいつでも、どこでも安全に利用することができるということでございます。具体的には、様々な行政手続を、マイナポータル上で検索でき、サービスによってそのまま申請することができるものもあります。また、市民個別の情報やお知らせを必要なときに確認することができるということとともに、ご自身の所得、地方税、行政からのお知らせなど、必要な情報をいつでも確認できるということでございます。
187 【34番(石塚武議員)】 マイナポータルを市民に活用してもらうためには周知が必要であると考えますが、当局の見解をお伺いします。
188 【未来創造部長(青木一宏)】 マイナポータル活用の周知についてでございます。マイナポータルでは、様々な行政手続を検索でき、手続によってはそのまま申請まで行うことができるということですが、国の方針では、特に国民の利便性向上に資する手続として、子育て、介護関係で26手続が示されておりまして、原則、全自治体でオンライン手続を可能にすることとされております。これらの手続を着実に進め、適宜、市民に対して周知を図ってまいりたいと考えております。また、提供できるサービスが増えれば、マイナポータルの利便性も向上いたしまして、
マイナンバーカードの普及にもつながっていくものと考えております。
189 【34番(石塚武議員)】 先ほどもこのマイナポータルを使ってできることについて質問しました。私もスマートフォンでマイナポータルサイトから
マイナンバーカードを読み込んでログインしますと、自分の情報として健康医療分野では、かかりつけ医で最近処方された薬の情報や特定健診の記録、また税や所得、年金記録などの自分の情報を見ることができました。さらには、公金受取口座の登録や新型コロナウイルスワクチン接種証明、電子申告等のサービスも利用できるようであります。国においても今後ICT活用のベースとなる
マイナンバーカード、その個人向けサイト、マイナポータルの活用促進がより一層進められることと思いますし、期待いたしますが、前橋市におきましても
マイナンバーカードの一層の推進を要望いたします。
質問の第3は、下水道事業について。まずは施設の老朽化、機能低下への対応であります。本市の下水道事業は、昭和27年度の事業認可を受け、翌昭和28年より市街地中心部の合流式区域より建設を開始し、その後も順次整備を進め、供用区域を拡大しながら現在に至っております。既に建設当初より60年以上が経過し、施設の改築、更新が必要な時期を迎えているわけですが、耐用年数を超える管路の劣化状況の調査、診断、それに伴う改築更新計画についてお伺いいたします。
190 【水道局長(今井信宏)】 下水道管路の改築更新計画についてですが、単に老朽化した管路から一律に整備を行うことは効率的ではありません。長期的な視点で下水道施設全体の老朽化の進行状況を考慮し、リスク評価により優先順位をつけ、施設管理を最適化するためにストックマネジメント計画を令和元年度に策定いたしました。この計画に基づき、施設の点検、調査、修繕、改築を実施し、着実な管路の老朽化対策を進めております。今後もこの計画に基づき、事業費の平準化を図り、より効率的で持続的な事業運営を図ってまいりたいと考えております。
191 【34番(石塚武議員)】 管路については分かりました。
続いて、下水処理施設についても老朽化が進んでいる状況だと認識しております。六供町にあります水質浄化センターについては、老朽化等により全面的な更新事業の計画が既に示されていることは承知しております。同様に、水質浄化センター等へ汚水を送水しているポンプ場も重要な役割を担っていると考えます。そこで、市内各所に点在しているポンプ場の劣化状況や今後の計画についてお伺いいたします。
192 【水道局長(今井信宏)】 下水道のポンプ場は市内に10か所ありますが、昭和40年代に建設された50年程度経過したものから平成26年度に完成したものまでがあります。ポンプなど機器につきましては、日常点検や定期的な試運転に加え、専門業者による保守点検を実施しており、その点検結果を踏まえて適切に改修を実行しております。また、建物や汚水槽などの土木構造物につきましては、劣化が見られるポンプ場もありますが、当然ながら汚水は24時間絶え間なく流入してくるため、ポンプ場機能を停止しての耐震改修などは困難であり、改修方法などの課題がありますので、管路を含めたポンプ場の再編計画の策定を来年度に予定しております。その中で、今後のポンプ場の在り方など十分協議し、対応を検討してまいりたいと考えております。
193 【34番(石塚武議員)】 次に、震災への対応であります。耐用年数を超える施設の劣化状況の調査、診断、それに伴う更新計画につきましては、計画的かつ効率的に実施していることを理解いたしました。近年、全国各地で大規模地震が発生し、下水道施設に甚大な被害をもたらしています。災害時に自宅のトイレが使えない状況となると、市民生活には多大な影響を与えることになりますので、管渠の耐震化による災害に強い下水道施設の構築が重要であると考えます。そこで、本市の耐震化の状況についてお伺いいたします。
194 【水道局長(今井信宏)】 下水道管路の耐震化についてですが、本市は第七次総合計画において、災害に強い下水道システムの構築を推進することとしております。膨大な管渠を短期間で耐震化することは困難でありますので、前橋市下水道総合地震対策計画を策定し、国の交付金事業を有効に活用しながら、第1次緊急輸送路に指定されている道路に埋設された管路や下水道主要幹線の耐震化工事を計画的に推進しております。
なお、緊急度、重要度の高い重要な幹線の耐震化率は、令和3年度末において84.3%となっております。
195 【34番(石塚武議員)】 施設等の老朽化等への対応、また震災等への対応については承知いたしました。今後こうした対応を進めるには、これまで以上に多くの経費を要することになりますが、人口減少が進み、水道の使用量も減少する中、下水道事業においては平成29年度以降、処理原価が、令和2年度ベースで1立米当たり126.47円に対し、処理使用料単価が1立米当たり、令和2年度ベースで110.37円といった処理原価が使用料単価を上回っている状況が続いており、今後さらに厳しい経営が見込まれるのではないかと思います。令和4年度から7年度の下水道事業財政計画では、使用料を改定せずに安定的な経営が可能ということでありますが、持続可能で安全、安心な下水道事業を実現するためには、財源の確保が最重要課題であると考えます。国庫補助等の確保はもちろんですが、下水道使用料の改定を含めた抜本的な経営改善に向け、具体的に検討を進めていただきますよう要望いたします。
質問の第4は、学校施設の長寿命化についてであります。平成31年3月に改定された前橋市教育施設長寿命化計画には、その目的として、施設の長寿命化により、ライフサイクルコストの縮減、財政負担の平準化を図る。建物の長寿命化に伴い、これまでの対症療法的な維持管理から予防保全的な維持管理へ転換し、建物の機能や設備を常に良好な状態に保ち、また建物の使用年数向上のため、長寿命型改善事業を定めてライフサイクルコストの縮減と財政負担の平準化を目指していくとあります。そこで、前橋市における学校施設の改修について、これまでどのように取り組まれていたのかお伺いいたします。
196 【教育次長(藤井一幸)】 学校施設の改修についてですが、これまでは通常発生いたします損耗や機能低下など経年による劣化に対し、大規模改造事業として国庫補助を使いながら建物の耐用年数の確保を図ってまいりました。しかしながら、文部科学省は事後保全的に改修を行います大規模改造の補助事業を今年度で終了し、予防保全的に建物寿命の延命化を図る長寿命化改良事業に重点を移していることから、本市といたしましても長寿命化改良事業として、今年度より当該施設の改修に着手しているところでございます。
197 【34番(石塚武議員)】 続いて、今後の長寿命化について、取組方法における今までと異なる点及び実施件数の目途について伺います。
198 【教育次長(藤井一幸)】 長寿命化改良事業は、これまでの大規模改造で行いました経年劣化に対する改修のほかに、構造体の長寿命化やライフラインの更新などにより建物全体の耐久性を高めるとともに、省エネルギーや多様な学習形態への対応など現代の社会的要請に応じた施設環境の提供を図っていくものです。建築後40年以上経過し、長寿命化改良を必要とする学校は現在58校、123棟に上るため、年間5校程度は実施していきたいところではございます。しかしながら、相当な財政負担を要することから、ほかの国庫補助事業を活用するなど、財源確保に努めながら施設の長寿命化を図ってまいります。
199 【34番(石塚武議員)】 最後に、要望になります。前橋市において、建築後40年以上経過し、長寿命化改良を必要とする学校は大変多いということが分かりました。子供たちに、より一層快適な教育環境を整備することは大変重要な取組であると思います。そして、長寿命化改良事業の中で、省エネルギーへの対応など、現代の社会的要請に応じた施設環境の提供を図っていくとの答弁もありました。
公明党市議団では、本定例会に環境を考慮したエコスクール事業のさらなる推進を求める意見書案を提出しております。学校施設の老朽化がピークを迎える中、教育環境の向上とともに、学校施設を教材として活用し、児童生徒の環境教育を行う、現在エコスクール・プラスとして文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省が連携協力し、認定を受けた学校が、施設の整備事業を実施する際に関係各省より補助事業の支援を受けることができるというもので、新増築や大規模な改築のほかに、例えば教室の窓を二重サッシにする等の部分的な補助事業もあり、ある雪国の学校では電力を大幅に削減するとともに、児童生徒に快適な教育環境を整えることができた。また、太陽光発電や壁面緑化、自然採光等を取り入れた学校施設、身近な教材を通じて、仲間とともに環境問題や環境対策を学ぶことができ、科学技術への触発となるとともに、最新の技術等を学ぶ貴重な教育機会となっている、こういった意見書を提出させていただきました。本市の学校施設の長寿命化に当たりましては、今後こうした環境面につきましてもご検討いただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。
(31番 長谷川薫議員 登壇)
200 【31番(長谷川薫議員)】 私は、前橋市
行財政改革推進計画の問題点を求めまして質問いたします。
本市は、行革の中心に職員削減を位置づけて、今年度までの10年間に230人の職員を減らしてまいりました。その結果、今年度は全職員3,578人のうち28%、3人に1人が会計年度任用職員や再雇用職員などの非正規職員となっております。市役所における月収15万円、1.2か月の期末手当を含めても年収約200万円の官製ワーキングプア職員の多くの存在が、市民の民間企業の労働者の賃金の引上げや正社員の雇用を抑制し、地域経済の活性化を妨げていると思いますが、どのように認識しておられるのか、答弁を求めます。
201 【総務部長(田村聡史)】 本市には、正規職員、再任用職員、任期付職員、会計年度任用職員など様々な任用形態の職員がおりますが、行財政改革の観点も踏まえ、必要な所属に必要な任用形態の職員を配置し、それぞれの職に合った業務を担ってもらっておりますことから、直ちにご指摘のような事態につながってしまうとは認識しておりません。
202 【31番(長谷川薫議員)】 そういうふうな答弁いただきましたけれども、今政府も民間企業に対して同一労働同一賃金という目的を目指してガイドラインも示して、非正規社員の賃金の引上げを求めております。増え続けている低賃金の自治体労働者の現在の処遇を固定化してはならないと思います。雇用の継続と賃上げなどの処遇の改善をやはり私は求めたいと思います。
次に、決算カードを見ますと、10年間で職員給与費の年間支出額は12億円減少しておりますが、委託料や指定管理料、臨時職員の給与などで計算される物件費は同じ10年間で年間59億円も増額し、差引き47億円も財政負担が増えております。財政的に見ましても正規職員の削減が行政支出削減効果を上げているとは言えないのではないかと思いますが、財務部長の見解を伺います。
203 【財務部長(中畝剛)】 まず、ご質問にありました物件費につきましては、例えば児童生徒へのタブレット端末といった備品購入費や施設の清掃業務委託、保守点検、また電算システム開発といった各種業務委託料が含まれておりまして、そのため職員給与費の減少と物件費の増加につきましては、相互の関係の説明は難しいかと考えております。いずれにいたしましても、単純なコスト比較だけでは行財政改革の効果は図れないと考えておりまして、職員配置や組織、定数の在り方など大きな枠で総合的な見地の下、評価されるべきものと考えております。
204 【31番(長谷川薫議員)】 今答弁いただいた見方も必要だとは思いますけれども、やはり業務委託料、指定管理料、臨時職員の人件費などについては、そこに計上された物件費が上がっているということは、ぜひ別のタブレット購入代とかそういうものとは切り離して計算して、職員削減効果が本当にあるのかどうかというのは検証していただきたいと思います。
次に、職員削減の方針は、住民福祉の増進や公共性の確保という公務員の責任や誇りの自己否定にもつながります。業務の最終責任を担う正規職員の多忙化は、市民の多様化する行政ニーズに応えるどころか、前例踏襲主義に陥ったり、今求められている少子高齢化対策や人口減少対策に有効な施策の展開がなかなかできなくなるのではないでしょうか。市民の行政需要に即して必要な正規職員を計画的に増やすべきだと考えますが、答弁を求めます。
205 【総務部長(田村聡史)】 職員数の適正化につきましては、定員管理計画に基づき、最小の経費で最大の効果を上げられるよう、事務事業の見直しや民間委託の推進をしながら、人員及び行政サービスに要する人件費の最適化を図ってきております。現在の定員管理計画では、職員の全体数は減少する見込みではありますが、少子高齢化社会の到来など社会状況は大きく変化しており、組織的な対応が必要な分野や重点施策の充実のため、職員を増員しなければならない部署もございます。一方で、事業の縮小や事務事業の最適化、行財政運営体制の見直し等により、最適な人員配置の検討を求められる部署も出てきております。今後も限られた人員を有効に活用し、最小の経費で最大の効果が上げられるよう、職員の配置の最適化を図ってまいりたいと考えております。
206 【31番(長谷川薫議員)】 職員の配置の最適化は私も必要だと思うのですが、冒頭の質問に申し上げたとおり、3人に1人が非正規という状態は行き過ぎていると思っておりますし、そうした立場で質問していますので、そういう認識で答弁いただきたいと思います。
今お話がありましたとおり、
新型コロナウイルス感染症の拡大で
新型コロナウイルス感染症対策を担う保健所職員の体制や医療提供体制が国の職員減らしという行革方針によって地方も国も大変弱体化していて、結果として救える命が救えないという事態が起きたわけで、やはり災害も含めて住民の最前線で頑張っておられる公務員が日常的にゆとりを持って住民に接するとともに、複雑化した行政需要に専門的知識を持って応えられる職員を確保するということを定員管理体制の中でしっかり位置づけていただきたいと思います。
次に、本市では行革方針に基づいて民間委託や指定管理者制度の運用によって出先機関の公務ポストが大幅に減ったために、部長職や課長職など幹部職員が定年を機に、例えばですが、市民サービスセンターや本庁の各部課の専門員として原則3年間、再任用されるケースが増えております。しかし、リーダーシップを発揮し、市政を牽引してきた幹部職員が市行政の各分野で蓄積した専門性、経験を市民ニーズに即してもっと有効に活用する処遇を検討すべきです。定年延長の検討状況と併せて、再任用職員の処遇改善についての見解を求めます。
207 【総務部長(田村聡史)】 定年延長についての検討状況でございますが、現在国からの運用通知を踏まえ、必要な条例改正を含め、他市の状況も参考にしながら、具体的な制度設計について検討を進めております。また、制度導入に伴いまして、60歳を超えた職員も段階的に延長される定年年齢までフルタイムとなり、これまでの経験や専門性が生かせる配属可能所属もこれまで以上に拡大することが期待できると考えております。また、本人の意思により、短時間再任用として働くという選択も可能となる予定でございますので、そういった職務を合わせまして、廃止については検討を進めてまいりたいと考えております。
208 【31番(長谷川薫議員)】 行政の行き過ぎた民間化が再任用職員の行き場を奪っていることは、やはり行革がもたらした自己矛盾だと思います。有能な新規職員採用による世代継承も必要ですけれども、定年延長、それから再任用も含めて、健康を維持しながら、豊かな行政経験を持つベテラン職員の方が市民福祉向上のために職務を発揮できるような、そういう定年延長も含め、検討をお願いしたいと思います。
次に、民間委託等の問題点について質問いたします。この間、大分前になりますけれども、六供温水プールでの事故、それから富士見温泉見晴らしの湯で人身事故などが起こりました。また、あいのやまの湯では不十分な衛生管理による長期休業を余儀なくされました。さらに、指定管理者の変更のときには、決まって従業員の雇い止めの雇用問題が起きております。しかし、水道、市営住宅、図書館、証明書発行業務などの委託事業者への市としての指導監督状況や把握した職員の処遇実態などについての議会報告が大変不十分です。民間事業者が指定管理者となっている本庁以外の施設では、営利主義的な運営が強まり、市民サービスの質の低下が起きやすくなっています。事前予告をしないで現場への立入調査や従業員や利用者へのアンケート調査を実施して、市との契約どおりに管理運営がなされているかどうかをチェックして、評価及び指導内容を含めて議会に報告すべきと考えますが、答弁を求めます。
209 【総務部長(田村聡史)】 指定管理者制度導入施設におきましては、施設所管課において管理運営の業務状況を定期的に確認及び評価を行い、必要に応じて指定管理者に対して指導または助言を行ってきております。評価につきましては、事業計画書、月報、中間評価シート、実績評価シート、利用者アンケート調査を実施しておりますが、評価の視点としては業務の履行状況やサービスの質、サービス提供の継続性及び安定性の3項目を視点として評価を実施しております。市民サービスの向上を図るためにもチェック体制は大変重要なものと捉えておりますので、引き続き指定管理者に対する指導等を継続してまいりたいと考えております。
210 【31番(長谷川薫議員)】 答弁いただいたとおり、適時的確な指導監督の強化と、そして市民の代表である、利用者の代表でもある議会への報告を強めるようにお願いしたいと思います。
次に、来年度からあいのやまの湯と一体に荻窪公園全体の管理を指定管理者に行わせる条例改正は、国が規制緩和策として認めたパークPFI制度推進のための条例改正でもあります。これまでの公園の指定管理期間は長くても5年程度でしたが、当局は事業者が本格的に資本投入した場合を想定して指定管理期間を10年とし、さらに10年間の更新も視野に公募する方針です。公園管理費の縮減や集客増にも結びつくとの説明がされておりますが、市民の健康増進とリフレッシュ施設として整備した市民共有の財産である公園を一民間事業者の収益確保のために長期間利用させるという条例改正は市民の理解を得られないと思いますけれども、当局の見解を求めます。
211 【建設部長(吉澤輝男)】 荻窪公園は、環境改善と地域のニーズに合った公園づくりを基本理念とし、自然との触れ合い、健康づくり、コミュニティーづくりを目指して整備が進められている公園です。今回の条例改正に伴う荻窪温泉あいのやまの湯を含めた荻窪公園の管理の一元化と同公園におけるパークPFI制度の導入につきましては、公園全体の効率的な管理運営や公園利用者の利活用促進を図るためのものでございますが、併せまして荻窪公園の基本理念と整備方針に基づき、今後も長期間にわたり市民等の公園利用者の気持ちに寄り添いながら、公園施設の管理運営を持続することにも努めてまいりたいと考えております。
212 【31番(長谷川薫議員)】 今市民参加で荻窪公園の今後の在り方などについての意見を聞くということが基本だと思いまして、質問したわけですが、市民の余暇施設としての公共的役割を果たす公園が、繰り返しますけれども、民間企業の利潤追求の場となることは我々は認められないという立場を申し上げておきます。
次に、ファシリティーマネジメントの問題点について伺います。本市は、最優先に取り組むべき公共施設の長寿命化に十分な予算計上がされていません。例えば市営住宅は老朽化に対応する大規模修繕やエレベーター設置事業が遅れているために、総管理戸数の3割が空き部屋になっております。自治会など多くの市民から市のずさんな住宅管理に対して疑問の声が上がっております。住宅供給公社の外部委託を進め、連帯保証人制度の廃止など入居条件を緩和しても、入居促進どころか空き部屋が増え続けているということが言えると思います。国の補助事業採択だけではなく、市の単独事業による整備も決断して、大規模修繕を計画的に促進すべきだと思います。答弁を求めます。
213 【都市計画部長(飯塚佳雄)】 市営住宅の大規模改修に係る市単独事業による予算化につきましては、本市としてもコロナ禍ということで社会経済面における対策を優先していることもあり、一層の予算削減が求められていることから、財源については国庫補助金を優先に活用してまいりたいと考えております。
214 【31番(長谷川薫議員)】 ということは、今後も空き部屋が増え続けるということを認めていらっしゃることで、これは大きな問題だと思います。改善していただきたいと思います。
次に、財政難を理由に市民の健康増進施設、福利施設である前橋テルサや温泉施設である市民共有の財産を譲渡する方針を推進しながら、その一方で県内最大規模7ヘクタールの新道の駅が浸水想定地域内に最優先で整備されています。PFI方式併用とはいえ、施設規模が過大であり、市財政の投入は約80億円にもなります。コンパクトシティの実現に向けた土地利用計画である立地適正化計画に照らしても、農振地域を市街化して大規模開発を進める、こうした施設整備は大変矛盾しております。将来のランニングコストの拡大も予想される過大なこうした施設建設を抑制し、現在保有する市有施設を長寿命化し、有効活用とする本市のファシリティーマネジメント方針が、掲げてはいても十分機能していないのはどうしてなのか、答弁を求めます。
215 【財務部長(中畝剛)】 これまで市有資産に関する課題を解決するため、具体的な数値データによる資産の分析、評価を行った上で、全庁横断的、中長期的な視点から市有資産の総合的なマネジメントに取り組み、資産の適正化を図るため、長寿命化の推進、保有総量の縮減、効率的利活用の推進を基本方針に掲げて取り組んでおります。また、一定規模以上の公共事業を対象に、事業着手前段階において事業計画や事業効果等を評価、公表する公共事業評価制度を平成29年度から実施しております。新道の駅など新たな施設を建設する際にも、その必要性や費用対効果、構造規模に対する評価を様々な視点から行い、公共事業としての適正化に努めております。
216 【31番(長谷川薫議員)】 年間80万から100万人の集客を目指すと今当局は考えているようですけれども、大変心配しております。ファシリティーマネジメントが機能していれば、こんな心配はないのではないかと思います。
次に、小中学校跡地の利活用方針ですが、我が党は交通の利便性もよく平面駐車場も確保できる中央小跡地が市立図書館の移転候補地として最適と提言してまいりましたけれども、今千代田町中心拠点地区の再開発区域内の、西地区への移転が構想されているために、このまま進めば雨漏りなど老朽化が進む図書館の新設が8年も先送りされることがあり得ることが明らかになっております。こうした大規模な公共事業については、今評価制度に基づく検討が行われていると答弁もありましたけれども、十分なその機能が発揮されておりません。旧広瀬中や旧春日中の跡地の活用も検討が進められておりますので、改善が必要だと思いますが、答弁を求めます。
217 【財務部長(中畝剛)】 市有資産の有効活用につきましては、長寿命化の推進のほか、施設運営経費が増大傾向にある施設や用途廃止施設の管理運営状況等、全庁的に把握し、効率的な活用方法の検討や課題のある施設の見直しなどを進めているところでございます。
ご質問の小中学校跡地の利活用につきましても今お話ししたことを基本とし、市民のご意見も聞きながら、市街化調整区域に立地する学校については、利活用の用途や規模に制限があり、活用が難しいことから、その方法について検討を重ねているところでございます。今後も施設総量の適正化、建物の長寿命化に向けて全庁的に取り組んでまいりたいと考えております。
218 【31番(長谷川薫議員)】 最後に、本来あるべき行財政改革は何かということについて答弁を求めたいと思います。
DXの推進はいろいろ言われていますけれども、市民が本当に望む改革は何なのか、やはり今、新自由主義の下で格差と貧困が広がっている中で、本当にあるべき行財政改革は何かということをどう考えておられるのか、このことを総務部長に答弁を求めて私の質問を終わります。
219 【総務部長(田村聡史)】 地方公共団体として住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を上げることは全うしなければならない責務でございます。限られた財源や資産を最大限有効活用して、組織及び運営の合理化に努め、規模の適正化も図らなければならないことから、引き続き本市の
行財政改革推進計画に基づき、市民の皆様が安心して健やかに暮らしていけるよう、自立性の高い持続可能な行財政運営を行っていきたいと考えております。
220 ◎ 休 憩
【副議長(鈴木数成議員)】 この際、暫時休憩いたします。
(午後2時46分)
221 ◎ 再 開
(午後3時17分)
【議長(小曽根英明議員)】 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
(20番 富田公隆議員 登壇)
222 【20番(富田公隆議員)】 順次質問させていただきます。
まず、本市体育施設の整備についてお伺いいたします。令和4年度一般会計予算における本市体育施設の整備事業を見ますと、約2,000万円ほどであります。それに対して、道路の新設や土地区画整理、街路事業等の持続可能なまちづくりのための都市基盤整備に関する事業の年度予算は約54億円となっております。一概には比較にはならないところもありますが、整備事業費に大きな差があります。総合計画において、青少年を含めた健康づくりに大きく寄与するスポーツ振興を標榜している本市において、将来にわたるスポーツ振興を図っていくには体育施設整備に係る整備事業費の規模が大変小さいように感じております。前橋市スポーツ推進条例においても第9条で、市は、全ての市民が生涯にわたって、自らの関心、目的、体力、技術、健康状態等に応じて、身近にスポーツに親しむことができるよう、スポーツ団体及び事業者と連携し、その機会の提供及び環境の整備その他の市民の生涯にわたるスポーツ活動の推進を図るために必要な施策を講ずるものとするとなっております。そこで、まず本市における今後の体育施設整備についての考え方をお伺いいたします。
223 【文化スポーツ観光部長(新井剛)】 体育施設整備についての考え方でございます。本市の体育施設につきましては、昭和58年に開催されました国民体育大会を契機に整備されたものが多く、老朽化が進んでいることから故障や不具合などが多く発生し、修理や改修などを行っている状況となっております。ネーミングライツなどの自主財源の確保にも努めておりますけれども、厳しい財政状況であることから、安全性を最優先といたしました施設補修、改修を行っているところでございます。施設の改修更新につきましては、引き続き老朽化の程度ですとか利用状況、また財源の確保などを総合的に勘案いたしまして、安全に利用できること、これを第一といたしまして計画的に対応してまいりたいと考えてございます。
224 【20番(富田公隆議員)】 安全性を最優先に施設補修を行っていただいているということはよく理解しております。何よりも安全が優先されるべきでありますが、競技種目が多様化する中では、その施設を利用したいと思わせる体育施設の必要性も感じております。快適性や利便性も重要な要素としてありますし、利用する団体の、何とか体育施設を整備していただきたいという熱量も大きな要素であるとも思いますので、要望の強い施設整備も重要視していただきながら、ご検討いただきますようお願いいたします。
次に、国体等で実施するスポーツについては、多くの種目が競技発祥の特性から、基本的には多くの人数で楽しく行うことのできる野球やサッカー、テニスなどのプレーイングスポーツがあり、それらのスポーツについては競技人口も多いことから、練習する施設も大会を実施できる施設も充実しております。
一方で、競技を競う競技スポーツ、フェンシング、ボクシング、レスリング、ウエイトリフティングなど、どちらかというと競技人口の少ないスポーツについては、本市内には大会を常時開催できるような施設もなく、ふだんの練習の場にも事欠いているというのが実情であります。学校との調整が難しい中で、何とか高校の練習施設等を利用させていただいている競技団体もあると聞いております。そこで、群馬国体を控え、施設整備の要望が本市に寄せられている競技団体がどのぐらいあるのか、概要も含めてお伺いいたします。
225 【文化スポーツ観光部長(新井剛)】 施設整備の要望が寄せられている競技団体でございますけれども、群馬国体の開催を控えているということもございまして、常設の競技会場を有していない複数の競技団体から常設会場新設の要望が寄せられていると伺っています。
226 【20番(富田公隆議員)】 常設会場の新設要望を寄せられているということを当局としても理解されているということは分かりました。一例を挙げれば、原選手や山田選手といったオリンピック選手を輩出している前橋ウエイトリフティング協会などは、協会単独でも本市に専用施設建設の要望を提出しております。そんな中で、いまだにフェンシング、ボクシング、レスリング、ウエイトリフティングのどれも試合開始までの会場設営に非常にご苦労なさっております。以前にも要望させていただきましたが、市民体育館の倉庫と改修後の体育館との動線上にはダクト等の設備があり、大変不便になったというご指摘もいろいろな団体からいただいております。常設会場の新設に時間を要すのであれば、せめて試合用の器具の搬入や搬出と併せ、通常の練習用の機材等の搬入場所や保管場所などについても今後各競技団体と意見交換を重ね、改善に向けて倉庫の移転や新築で対応できるのかどうか、ご検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、2028年、令和10年に群馬県で開催が予定されていた第83回国民スポーツ大会は、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響から1年延期となり、2029年、令和11年の開催となりましたが、競技会場の選定など開催に向けての準備状況についてお伺いいたします。
227 【文化スポーツ観光部長(新井剛)】 競技会場の選定につきまして、平成30年10月に群馬県が実施しました県内市町村ですとか各競技団体に対する調査の結果から、順次県が競技開催地の選定調整を進めておるところでございます。本市ではこれまでに陸上競技、サッカー少年男子、ソフトボール少年男子、自転車のトラック競技、柔道、水泳、これは競泳、飛び込み、アーティスティックスイミング、水球でございます。それとスポーツクライミング、弓道、体操、トランポリンの9競技について会場が決定してございます。今後も数競技について本市内で競技会場を受け入れる必要があるのではないかと考えておるところでございますけれども、本大会を県内全域で盛り上げていけるように、適宜、県と協議を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
なお、令和5年度は中央競技団体による競技会場の視察をはじめとした各種関係機関との調整が本格的に始まる予定となってございます。庁内での国民スポーツ大会に関する準備を円滑に進めるためにも、組織体制の整備も含めて各種庁内の調整も進めていきたいと考えております。
228 【20番(富田公隆議員)】 先ほどご答弁いただきました9団体につきましては、まだまだ大会会場や練習会場確保にもご苦労いただいている競技団体であり、さらなる整備要望の声も届いており、何とか改善のきっかけを模索している中で、国体開催を契機と捉え、施設整備を要望しているということも考えていかなければならないことであります。群馬県では、群馬国体のための施設整備に補助金を交付すると聞いておりますので、これを活用し、競技団体が要望している施設整備がなされれば、将来にわたるスポーツ振興にもつながる大変価値のある事業であり、重要かつ絶好のチャンスであると考えます。そこで、国民スポーツ大会も踏まえた施設整備の考え方についてお伺いいたします。
229 【文化スポーツ観光部長(新井剛)】 国民スポーツ大会も踏まえた施設整備の考え方ということでございます。本市で開催されます競技種目に関しては、先ほども申し上げましたとおり、来年度、中央競技団体による視察が予定されております。この視察に基づいて、国体の基準を満たすように必要な準備、整備の要望がなされるものと考えてございます。整備を行う必要があるということであれば、整備要望も踏まえて県の補助金などを活用し、財源確保に努めて、また市民利用への影響ですとか、あるいは大会開催時期なども考慮して検討したいと考えております。
230 【20番(富田公隆議員)】 要望になります。この群馬国体では、前回以上に前橋市の地の利を感じていただける大会になると思われます。東西南北どちらからも、高速道路を利用しながらアクセスしやすい道路交通網や日照時間の長さなど、全国大会を誘致するにはこれ以上ない場所であります。そういった大規模な大会による宿泊や飲食での経済効果は計り知れないと考えております。中央競技団体の要望をしっかりと満たしていただくよう整備を進めていただきながら、国体以降においても参加団体から大規模大会の選定時においては選ばれる地として、本市の体育施設の充実を引き続き図っていっていただきますよう要望させていただきます。
次に、電子図書館の導入についてお伺いいたします。電子図書館の導入については、コロナ禍での在宅ワークや巣籠もり需要において全国の自治体で急速に進んでおります。一般社団法人電子出版制作・流通協議会の調査では、2019年度に比べ、2020年度の電子図書館導入自治体は10倍にも及んでいるそうです。また、株式会社日本電子図書館サービスにおける電子図書館導入数でも2019年度の164館から2021年度の半ばまでの数値でありますけれども、463館と過去最高の伸びとなったとのことで、主な要因の一つとしては、政府による
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用により、電子図書館導入に踏み切る自治体が多かったとのことであります。群馬県内においては、藤岡市、みどり市、富岡市が既に導入済みであり、藤岡市では約2,450冊、みどり市では約4,500冊、富岡市では1,100冊が利用できる状況だそうです。加えて群馬県においても来年度電子図書館を導入予定のようであり、今後県内においても様々な自治体が導入し、市民サービスの向上を図ろうとすると考えられます。そんな中で、本市においても当初予算において電子書籍の導入として1,900万円の予算計上がされておりましたが、本市における電子図書館導入のスタートであり、コンテンツ数や種類は規模や特色を表す上でも重要であると思われます。そこで、まず電子書籍導入の事業概要についてお伺いいたします。
231 【教育次長(藤井一幸)】 電子書籍導入の事業概要といたしましては、今年度約5,000タイトルの電子書籍を導入する想定で事務を進めております。まずは、電子書籍サービス提供事業者のコンテンツを精査し、導入するサービス提供事業者を決め、どの電子書籍タイトルを導入するかを選定してまいります。
232 【20番(富田公隆議員)】 先日、前橋高志会の視察で行った高知市のオーテピア高知図書館では、令和4年度から令和8年度に向けた第2期オーテピア高知図書館サービス計画について勉強させていただきました。その中で、基本方針の一つとして進化型図書館が掲げられており、市民の新たなニーズやデジタル化の進展にも対応しながら、電子図書館やデジタルコンテンツの充実を図るとされておりました。導入のメリットといたしましては、ポストコロナに向けた非来館型のサービスの充実が図れるとのことでありました。一般的に電子図書館の導入のメリットとしては、スマホやタブレット端末、自宅のパソコン等で利用できるほか、24時間365日閲覧可能ということが考えられるほか、一定期間が過ぎると読めなくなるので、借りた本の返し忘れや返却の必要がないと言われております。そこで、本市においても導入のメリットについては把握されているところもあるでしょうし、効果を期待するところもあると思われますので、電子図書館導入のメリットについてはどのように考えておられるのかお伺いいたします。
233 【教育次長(藤井一幸)】 導入のメリットについてでございますが、議員ご指摘のとおり、いつでもどこでも図書館に来館せずとも利用可能な点は、特に時間的余裕のない方や図書館へ来館することが難しい利用者の方にとってメリットは大きいと考えております。図書館側にとりましても貸出し返却の事務処理もなく、返却忘れの場合の催促事務が生じないこともメリットでございます。ほかの期待されるメリットといたしましては、利用者の方にとっては、これまで紙の書籍になじみがなかった方への読書へのきっかけづくりとなること、また文字の拡大や読み上げ機能もあるため、高齢者や目に障害のある方へ新しい読書体験の機会が増えることが考えられます。さらに、これらのことは読書普及のきっかけになるという意味で、図書館側にとりましても非常にメリットがあると考えております。
234 【20番(富田公隆議員)】 電子書籍の電子図書館の導入については非常にメリットが多いということが分かり、さらなる読書普及のきっかけとしても、しっかりとした電子書籍のコンテンツを充実させた中で、電子図書館事業をスタートさせていくことについては大いに期待されているところでもあります。
そんな中で、先ほどいただいたご答弁において、予定されている電子書籍の数は約5,000冊ということでありましたけれども、全国に先駆けて電子図書館の導入を2007年度から実施している千代田区立図書館では、現在の電子書籍の蔵書数は約1万冊で全国トップクラスだそうです。本市の導入予定の倍ですが、コロナ禍での需要の高まりで、予約数だけでも1,000冊に及んでおり、巣籠もり需要の中、料理本やお子様への読み上げ音声のついた絵本がよく借りられているそうです。全国的にも電子図書館の導入が進められる中、新たなる市民サービスの向上が図られていくことが今後ますます予想される中で、本市の電子書籍の導入予定数が5,000冊というのはインパクトに欠けると考えます。ぜひとも全国トップクラスの1万冊の導入を考えるべきと思いますが、導入数を現在の5,000冊から1万冊に変更した場合、デメリットがないとも考えられません。そこで、導入数を増やした場合の職員の方々の負担増など懸念されることがあるのかお伺いいたします。
235 【教育次長(藤井一幸)】 紙の図書の場合、数が増えますと、保管場所の確保、貸出し、返却時の手続の増加、返却忘れの場合の催促など蔵書数に比例いたしまして管理上の事務の増加が考えられますが、電子書籍の場合は電子書籍の選定以外にそういった蔵書数に応じた管理上の事務の増加はほぼございません。しかしながら、電子書籍タイトルで人気があるものにつきましては、貸出し期間や貸出し回数が決まっているものが多く、利用期間が終了した以降は、その都度、利用継続していくために予算の確保が必要となることが懸念されております。
236 【20番(富田公隆議員)】 要望になります。冒頭でも申し上げましたけれども、全国的にも
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、電子書籍を充実させ、電子図書館の導入を図っている自治体は多いということでありますので、本市といたしましても、この交付金を活用し、コンテンツ数を増やすことも検討すべきと考えます。購入後の利用継続の費用のかからない買取り型のコンテンツも多数あるようでありますので、コンテンツの種類や組合せをご検討いただきながら、全国トップクラスの電子図書館として事業をスタートすることは、様々な分野でデジタル化に向けて積極的に取り組んでいる本市としては充実させるべき事業であると思います。前橋高志会としても要望書を提出させていただいておりますので、電子図書館の充実を強く要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
次に、前橋市斎場管理事業についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症の蔓延が始まった一昨年以来、コロナ禍においては葬儀の在り方もかなり変化し、密集、密接、密閉の三密が起こりやすい葬儀の現場では、安全、安心に葬儀が行えるように各葬儀会社と本市斎場とで連携を取りながら、工夫を凝らしていただいたと思われます。葬儀の形式も三密を避けることを優先し、簡素化や少人数化の傾向が強まり、一般会葬者を呼ばず、近親者のみで葬儀を行う家族葬が非常に多くなりました。また、一般会葬者が近親者とは別の時間帯に焼香台で事前に焼香のみを行う形式も定着してきており、限られた場所で多くの方々が滞在する時間をつくらないような形式となってきました。いずれにいたしましても、家族や近親者からすれば、コロナ禍であっても故人に対し、どんな形であれ葬儀をしっかりと行ってあげたいと思うことに応えるべく実践されてきました。そんな中で、長く続いているコロナ禍において、本市斎場へは斎場利用者や斎場協力会等の各種団体から蔓延防止対策について様々な意見や要望等があったと思いますが、当局としてはどのように対応してきたのかお伺いいたします。
237 【市民部長(木村由美)】 斎場が実施してまいりました感染症に係る対応でございますが、施設内に消毒液及び非接触式体温計、飛沫防止パーティションを設置いたしました。また、群馬県のガイドラインに基づく警戒度に応じ、会食での飲酒を献杯のみに限定するなどの対策も実施してまいりました。感染者を火葬する際には、ご遺族の気持ちに寄り添いながらも、感染拡大防止のため、ご遺体を納体袋に入れ、ほかの火葬と重ならないように火葬時刻を調整させていただきました。そのほか、葬儀に参列する際にほかの会葬者との接触を避ける工夫や施設内の消毒に努め、職員や委託業者の安全、健康管理にも留意いたしました。
238 【20番(富田公隆議員)】 いろいろとご対応いただいたことが分かりました。ウィズコロナ時代においても葬儀の簡素化や少人数化等は定着すると言われておりますし、逆に従前同様の形式に徐々に戻るとも言われている中で、葬儀の在り方は多様化すると考えられますので、今後とも本市斎場を利用される方々の安心、安全対策をしっかりと実施していただきますようお願いいたします。
次に、斎場の維持管理においては、市民サービスの向上を図るべく、計画的に実施されていると理解しておりますが、現在大きな課題の一つとして火葬炉の更新時期に来ていると思われます。そこで、火葬炉の更新計画についてはどのように考えておられるのかお伺いいたします。
239 【市民部長(木村由美)】 斎場の火葬設備は、経年劣化などにより延命に向けた措置が必要な状況となっており、緊急性の高いものから更新する計画を立てております。このため、日々の火葬の継続に影響がないよう、まずは火葬炉の制御機器について今年度に改修を行い、火葬炉に係るほかの改修につきましては、来年度以降順次実施していく予定でございます。
240 【20番(富田公隆議員)】 火葬炉の経年劣化への対応としては、計画的に更新がしっかりと予定されているということで安心いたしました。火葬炉においては、12炉ある中で相当数を稼働させながら、数炉ずつの工事となることが予想されますので、市民の方々の斎場利用に支障を来さないよう、計画的に実施していただきますようお願いいたします。
次に、火葬炉に関連して、火葬炉周辺のエントランス部分のフロアタイルが大分劣化してきており、凸凹が広範囲にわたり気になる状況です。故人との最後のお別れの場となるところが広範囲にわたり足元が劣化しているようでは、市民サービスの質の向上は図れないと感じます。そこで、フロアタイルの補修についてはどのようなスケジュールで補修を行う予定となっているのかお伺いいたします。
241 【市民部長(木村由美)】 議員さんご指摘のとおり、床のフロアタイルには劣化が見られる状況となっております。通行者が多いところもあり、補修には時間がかかると考えられ、実施の方法、タイミングなどが難しい状況にございます。このため、緊急に対応が必要な部分につきましては斎場職員が補修を行っておりますが、今後全面的な補修の実施に向け、調査、検討してまいります。
242 【20番(富田公隆議員)】 斎場においては、毎日のように多くの方々が出入りする場所であり、工事に際しては火葬の妨げになってはならないという制約がある中で、なかなか難しいということは理解いたしますし、限られた予算の中で火葬炉の改修も予定されており、大変かとは思いますが、工法等を検討いただきながら、できるだけ早期にフロアタイル改修工事を行っていただきますようお願いいたします。
最後に、都市計画道路木瀬城南通線について何点かお伺いいたします。都市計画道路木瀬城南通線は、全長が3,970メートルに及ぶ非常に距離の長い都市計画道路であり、整備済み区間が1,320メートルで未整備区間が2,650メートルであります。整備区間沿線には、共愛学園や山崎学園などの多くの学校があり、加えて上増田工業団地に面している道路であることから大変交通量の多い路線でありまして、地元自治会等からも周辺の交通量等を鑑み、一刻も早い整備が望まれている都市計画道路であります。この都市計画道路木瀬城南通線につきましては、これまでも何度も質問させていただいており、ご答弁いただいた言葉からも、この路線の整備の重要性に対する当局の認識も非常に高いことがうかがえております。
そんな中で、この都市計画道路木瀬城南通線については、測量作業に伴う住民説明会が先日行われました。住民の方々からは、ようやく未整備区間の事業が始まるのかと大いに期待されておりました。そこで、まず今回の住民説明会以降の事業の概要やスケジュールについてお伺いいたします。
243 【建設部長(吉澤輝男)】 都市計画道路木瀬城南通線につきましては、現在主要地方道藤岡大胡線から上増田工業団地の南側までが整備済み区間となっております。この整備済み区間から東に進んだ二之宮小学校南の信号交差点までの区間約1,320メートルを事業区間として整備を進めたいと考えております。幅員につきましては、両側歩道と2車線の車道を含んだ16メートルの道路を予定しております。スケジュールにつきましては、今年度中に現地測量を行い、都市計画道路木瀬城南通線が通る正確な位置を把握し、その後2回目の住民説明会を予定しており、住民の皆様の事業に対するご理解が得られれば、さらに業務を進めてまいりたいと考えております。
244 【20番(富田公隆議員)】 今回の事業予定区間内には、以前から架け替え要望の多かった住吉橋を含め、3つの橋梁工事が必要であると思われますが、特に住吉橋に関しては朝晩の通勤や通学の時間帯での交通量が多いほか、農繁期には農業用機械の往来も頻繁にある橋になります。この住吉橋に関しては完全に架け替えとなり、現況の橋が解体された後、新たに橋がかけられるようでありますので、解体等により通行できない期間が長くなることが心配されておりますが、この住吉橋の架け替え工事について当局のお考えをお伺いいたします。
245 【建設部長(吉澤輝男)】 住吉橋につきましては、交通量が多く、周辺住民のみならず、生活道路として重要な橋であります。工事に伴い通行できない期間が長くなることで利用者に不便をおかけすることは理解しておりますので、通行できない期間を少しでも短縮する方法など利用者への負担軽減が図れるよう、様々な手法を検討してまいりたいと考えております。
246 【20番(富田公隆議員)】 都市計画道路木瀬城南通線は、城南地区、永明地区を東西につなぐ道路でありますが、事業予定区間は国道50号線や国道17号線上武道路から南側に当たる北関東自動車道側道方面に抜ける既存道路が多く存在しております。それぞれの既存道路周辺住民の方々の重要な生活道路ともなっており、従来のような往来ができるのか心配される声もあります。そこで、今回のこの都市計画道路木瀬城南通線の事業予定区間と既存の市道との交差点部をどのように接続しようと検討されているのかお伺いいたします。
247 【建設部長(吉澤輝男)】 木瀬城南通線と既存道路との交差部でございますが、当該道路は本市の物流ネットワークとしても重要な幹線道路として期待され、完成すれば多くの車両が通行することが予想されます。交差する既存道路につきましても周辺住民にとって重要な生活道路でありますので、道路設計の際には詳細な検討を行いますが、歩行者の安全、自転車通行空間の確保及び接触事故の抑制等、誰でも安心して利用できるような交差部を検討し、安全性の確保と利便性の向上を目指した計画を進めてまいりたいと考えております。
248 【20番(富田公隆議員)】 今回の事業予定区間が整備されますと、都市計画道路木瀬城南通線の未整備区間は伊勢崎市側の都市計画道路波志江1号線までの1,330メートルとなるわけですが、今後を見据えたときに一部伊勢崎市側の市道の整備が必要となりますが、完成すれば都市計画道路木瀬城南通線の沿線には上増田工業団地と波志江スマートインターチェンジがつながり、さらなる産業集積に向けたネットワークの充実が図れると考えられます。そこで、今後の伊勢崎市や群馬県との連携について当局のお考えをお伺いいたします。
249 【建設部長(吉澤輝男)】 伊勢崎市や群馬県との連携につきましては、本市、群馬県、伊勢崎市の3者による勉強会において、それぞれの道路整備の役割を確認しております。県においては、国道17号上武道路と波志江スマートインターチェンジを南北に結ぶ県道苗ケ島飯土井線道路新設事業を既に着手しております。また、波志江スマートインターチェンジのアクセス性の向上は、本市にとっても地域経済の活性化に大きく寄与するものと考えておりますので、関係自治体と情報を共有し、さらなる連携も含めて検討してまいりたいと考えております。
250 【20番(富田公隆議員)】 最後に要望になります。伊勢崎市との連携の重要性は、伊勢崎市側の市道が整備され、両市の境を流れる神沢川に橋梁が建設されれば、本市側としては今回の事業予定区間と整備済み区間以外の未整備区間としては、新井町や飯土井町地内を横断している現道の拡幅工事予定地区となるわけで、取りあえずはその道路を利用しながらも、本市側の学園都市エリアや上増田工業団地エリアと波志江スマートインターチェンジがしっかりと接続されますので、この都市計画道路木瀬城南通線の沿線の利便性がかなり高まると思われます。まだまだ課題が多いと思われますが、引き続き伊勢崎市との協議をしっかりと重ねていただき、全線開通に向け、ご尽力いただきますようお願い申し上げ、全ての質問を終わります。ありがとうございました。
(14番 豊島孝男議員 登壇)
251 【14番(豊島孝男議員)】 通告に従い、順次質問いたします。
最初に、農家支援について、主食用米生産者の支援の事業概要からお聞きします。昨年米価が大幅に下落し、生産農家の経営に影響を及ぼしております。私たちの主食である日本特有の米文化の生産基盤をしっかりと支える必要があります。米価下落の理由は、米の需要が減ったことが加速したことであります。人口減少や食生活の多様化が進み、米の需要は減少傾向が続いております。さらに、コロナ禍に伴う外出自粛や飲食店の休業、時短営業などにより、外食、中食事業者向けの米の販売量が激減したことに追い打ちをかけられました。
米消費減少の原因は、日本人の米離れにあります。これは、戦後アメリカが行った政策で、小中学校の給食にパン食を進めたことから始まり、近年では夫婦共稼ぎ世帯が増えたことで、忙しい朝に簡単に用意ができるパン食が広まったことがさらなる米の消費減少に追い打ちをかけ、米価下落を誘発したと思われます。反面、
新型コロナウイルス感染症の影響で輸入に頼っていた食料品も入りづらくなり、値上がり傾向にある中、最近ではロシアの暴挙により、燃料の高騰、小麦、トウモロコシなど一層の値上げに拍車がかかり、一般家庭ではパン食から御飯食に移行している家庭も増えていると聞いております。今まではお金を出せばどんな食料でも手に入る時代でしたが、近い将来はどうなることでしょうか。日本人の人口は減りつつありますが、世界の人口は2050年には今より20億人増え、97億人に達すると予想されております。飽食の日本では考えられませんが、世界の中には毎日餓死しているところもあると聞いております。
このような現実の中、国は飼料高騰や小麦の高騰対策で、それらの自給率を上げる政策は考えているようですが、現在余っている米に対する政策はあまり議論されていないように思われます。米は日本の食料品の優等生であります。昨年の米価下落の影響で生産農家の営農意欲がなくなり、日本の食文化である米が足らなくなっては大変であります。国の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)、農業共済による収入保険など加入していない方が多く、昨年の対象にはなりません。このような状況を踏まえ、伊勢崎市や太田市では市独自の補助制度を設けたと聞いております。本市にあっても生産者が安心して米作りを続けることができるような支援が必要であると考えますが、事業の概要について伺います。
以降、質問席にて伺います。
252 【農政部長(田部井誠)】 主食用米生産者支援事業の概要についてでございますが、
新型コロナウイルス感染症の影響等によって、米価の下落により経済的な影響を受けている主食用米生産者に対しまして、営農意欲の維持と農業経営の安定を図ることを目的に支援金の支給を行う予定でございます。対象者は、令和4年度の営農計画書を前橋市農業再生協議会に提出している主食用米生産者で、作付面積が30アール以上であることを条件に10アール当たり5,000円で30万円を上限に支給する予定でございます。なお、対象者は約1,050経営体を想定しております。
253 【14番(豊島孝男議員)】 期待される効果と今後の進め方についてお聞きします。
主食用米生産者に対し支援を行うことは、今後の農業経営を維持していくためにも有意義であると考えております。そこで、支援金によって期待される効果と今後の事業の進め方について伺います。
254 【農政部長(田部井誠)】 期待される効果についてでございますが、令和3年産の米価下落に続き、令和4年産も価格の上昇が見込めない状況でございます。こうした状況から支援金を支給することで、生産者の意欲向上や営農継続につながるものと期待しております。
なお、30アール以上作付している主食用米生産者は、主に販売を目的として作付を行っており、本市の作付面積の約88%となっていることから、広く支援ができるものと考えております。
次に、今後の事業の進め方についてでございますが、令和4年度の営農計画書のデータが確定となる9月下旬頃に対象者宛てに申請書を送付し、11月から支援金の支給を開始する予定でございます。
255 【14番(豊島孝男議員)】 主食用米生産者の支援については理解しました。
米の需要が長期的に減少していることなどにより、日本の食料自給率はカロリーベースで令和2年度は37%と依然として低水準にあります。食料自給率を上げるため、米の消費拡大などに合わせて需要に応じた主食用米の作付が重要であると考えております。そこで、今後の主食用米の生産についてはどのように考えているのか、当局の見解を伺います。
256 【農政部長(田部井誠)】 今後の主食用米の生産についてでございますが、本市といたしましては、食料自給率向上の対策の一つとして、国が示しました米の需給調整を基に、需要に応じた主食用米の生産を行うために、ほかの作物への転換推進が必要と考えております。あわせて、小麦などの高騰が続いていることから、安定して生産が可能な米に対して需要が高まることも考えられますので、主食用米から米粉用米や加工用米などへの転換や、消費拡大を図るための方法なども検討し、関係機関と協議しながら研究を進めてまいりたいと考えております。
257 【14番(豊島孝男議員)】 主食用米からの転換方法などを検討していただくとともに、前橋産米を原料とした加工支援を行うことも大切だと考えております。本市ではどのような支援を行っているのかを伺います。
258 【農政部長(田部井誠)】 加工支援についてでございますが、本市では農業起業家や6次産業化の支援として、生産者が前橋産米を原材料に餅などの加工品をつくる場合、施設整備や機械導入のほか販路拡大の支援も行っております。また、前橋産米を原料とした加工品である餅や日本酒につきましては、2事業者の加工品を本市が推奨する前橋市赤城の恵ブランドに認証し、リーフレットの作成や本市ホームページなどでPRを図り、販路拡大を支援しております。米の生産者に対しましては、こうした事例や支援制度を周知し、6次産業化への取組によって所得向上につながるよう、支援も継続してまいります。
259 【14番(豊島孝男議員)】 最後に、要望させていただきます。前橋市では、農業起業家や6次産業化の支援として施設整備や機械導入、販路拡大等の支援も行っているとのことですので、ぜひとも継続して支援の拡充を図っていただきたいと思います。米は日本の食料自給率を高めることができる数少ない農産物の一つであると考えています。米の生産については、需給バランスから減反や転作の奨励など致し方ないことであると思いますが、食料自給率の観点から考えますと、生産減より消費者に対し米の消費を喚起し、より多くの人に米を消費してもらうような需要を拡大することも重要だと考えており、そうした取組が最終的には生産者の支援につながっていくことと考えております。
全国各地では、国の交付金を活用し、製粉事業者や飲食店との連携、いわゆる農商工連携によって米粉用米の需要先の拡大に向けて取り組んだ事例があったと聞いております。ウクライナ情勢等により、小麦等の穀物価格が上昇し、供給不足も言われております。私が確認したところによると、小麦と米粉の価格は、現在ではほぼ同程度となっているようです。穀物価格が上昇し、米の価格が下落している今こそが主食用米としての利用や米粉用米、加工用米としての利用を増大させるチャンスではないかと考えています。米の消費拡大策には課題もあると思いますが、全国の先進的な事例も踏まえ、有効な取組を検討していってほしいと思います。
次に、野生イノシシ対策について昨年度の取組からお聞きします。令和4年5月に、桐生市で県内7例目、また本日の新聞によりますと、同じく桐生市で8例目となる豚熱、CSFの発生が確認されました。4月にも太田市の養豚場で豚熱感染が確認されたところであります。本市でも感染源とされる野生イノシシ対策を強化していると認識しておりますが、昨年度の取組を伺います。
260 【農政部長(田部井誠)】 まず、最初に冒頭で触れられました昨日、桐生市で発生した豚熱につきましては、短期間で連続して発生している状況を受け、大変状況を憂慮するとともに、本市においても対策を改めて強化、検討していくことを考えております。また、県知事から防疫措置の協力要請がありましたため、本市農政部職員についての派遣も決定させていただいたところでございます。
野生イノシシ対策における昨年度の取組についてでございますが、有害鳥獣駆除対策業務は、補助金単価を増額し、猟友会等に捕獲数に応じた補助金を交付したものと併せ、狩猟期における野生イノシシの捕獲を促進するため、狩猟期捕獲奨励金を交付したところでございます。また、豚熱の感染リスクを減少させるために、野生イノシシへの経口ワクチンの散布を赤城南麓広域農道として整備されました通称空っ風街道の沿線山林を中心に計2回実施しました。さらに、やぶやシノで覆われている箇所を刈り払い、見通しをよくすることによって、住宅地や農地への出没や進入を抑制するための緩衝帯整備を市北東部の1級河川、粕川流域沿線山林等を中心に約12ヘクタール実施したところでございます。
261 【14番(豊島孝男議員)】 昨年度の取組については承知しました。
野生イノシシ対策は、捕獲強化、経口ワクチンの散布並びに緩衝帯整備を組み合わせて実施することが非常に重要であると認識しておりますが、これらの今年度の予定をお伺いします。
262 【農政部長(田部井誠)】 今後の予定についてでございますが、まず捕獲強化として有害鳥獣捕獲数に応じた補助金は昨年度と同額とすることで事務を進めております。また、野生イノシシへの経口ワクチンの散布につきましては、夏と冬の2回に分けて富士見地区から粕川地区まで空っ風街道周辺で引き続き実施してまいります。さらに、緩衝帯整備につきましては国の交付金制度を最大限活用し、前橋市有害鳥獣対策協議会が事業主体となって取り組むとともに、整備場所につきましては生息密度が高いとされる粕川町室沢地区の山林や周辺約15ヘクタールを計画し、事務を進めているところでございます。
なお、県でも野生イノシシ対策強化として赤城南麓を重点地区と位置づけ、1級河川の荒砥川及び粕川の河川内に大規模な緩衝帯を整備する予定であることから、県と連携して対策を進め、一層強化していくとともに、本市環境部においても森林環境譲与税を財源とした緩衝帯の設置に着手しておりますので、さらに庁内の連携を強化しながら効果的な設置を進めてまいります。
263 【14番(豊島孝男議員)】 最後に、要望しておきます。昨年度、粕川も県でしょうが、川の中は整備していただきましたが、中よりも護岸の上で管理道路は市が道路認定しているので、市の管轄だそうですが、管理道路は木も竹もシノもなく、イノシシの隠れ家にはなりません。道路認定されていない護岸上はどこが整備するのか分からないとのことですが、そこにアカシアや竹が茂っていて、隠れ家になっております。アカシアの中は整備できるそうですが、やぶは対象で、竹やぶは対象外とのことですが、理解できません。竹やぶが絶好の隠れ家になっております。県とともに検討し、整備対象にしていただきますよう要望しておきます。
次に、消防団員の処遇について、消防団の出動報酬についてお伺いします。消防団員の減少は、全国的に見ても危機的な状況であり、本市においてもこの状況を改善すべく、出動手当額を支給開始以来、2回にわたり増額するなど、様々な処遇改善策に取り組んでいることと承知しております。総務省消防庁において、消防団員の適切な処遇の在り方について検討を行い、その結果が取りまとめられました。その中で、消防団員報酬を出動回数によらず、年額により支払われる年額報酬と出動に応じて支払われる出動報酬の2種類とするほか、基本団員の年額報酬の標準額の設定並びに災害に関する出動に対し、1日当たり8,000円を標準額とすることなどがうたわれております。近年災害が多様化、激甚化しており、消防団員の負担も大きくなってきております。こうした中、労苦に報いるためにも消防団員のモチベーション向上へとつながるような、この措置は消防団員のさらなる処遇改善、また消防団員確保に向けて必要不可欠なものであると考えますが、当局のお考えを伺います。
264 【消防局長(清水征己)】 消防団員の処遇についてでございます。年額報酬についてですが、本市消防団の基本団員の年額としては1人当たり4万3,000円が支給されております。今回の提言による標準額である3万6,500円を上回っております。出動に応じて支払われる出動報酬に相当する出動手当につきましては、現在火災等の災害に出動した場合に1回当たり3,500円、災害の警戒や訓練等に出動した場合には1回当たり2,000円が支給されております。議員さんのおっしゃるとおり、出動に応じた報酬制度では1日当たり8,000円の標準額が示されており、消防団員の処遇改善につながる有効な制度と考えております。
なお、国では今回の処遇改善と併せまして、災害に関わる出動について新たに特別交付税措置もなされておりますので、今後においては関係部課と調整を図り、消防団と協議を重ね、これまでよりも充実した処遇改善策となるよう導入に向けて検討していきたいと考えております。
265 【14番(豊島孝男議員)】 昨年4月17日付、上毛新聞、読売新聞によりますと、昨年中に必要な条例改正などを進め、本年度からの施行を求めております。また、地方交付税にも算入していると報道されております。一日も早く実施できるよう、必要な手続を進めていただきたいと思います。強く要望しておきます。
次に、準中型免許取得費の助成についてお伺いいたします。現在、普通免許保持者が運転できる車両の上限は3.5トン未満であり、本市消防団の車両の多数を占める総重量4トン以上の車両を運転するには準中型以上の免許が必要となっております。平成29年3月の改正道路交通法施行前の普通免許保持者については4トン以上の車両が運転できるため特段の支障はないものの、今後改正後の普通免許しか持たない消防団員が増えていけば、消防団車両の運転及び操作をする機関員が不足していくことも危惧されるところであります。既に準中型免許取得費の助成を実施している自治体もございます。助成制度の導入についての考え方をお伺いします。
266 【消防局長(清水征己)】 準中型免許取得費の助成についてでございます。議員さんご指摘のとおり、道路交通法改正後に取得した普通免許では3.5トン以上の車両を運転することができず、法改正後の普通免許取得者の割合が増加した場合には、有資格者が不足することも懸念されることから、消防団員確保及び処遇改善の観点からも準中型免許取得費の助成は有効なものと考えております。今後は他市町村の導入事例も参考にしながら、国の交付税措置等を踏まえ、関係部課と調整を図り、導入に向けて検討していきたいと考えております。
267 【14番(豊島孝男議員)】 他市町村の事例も研究し、なるべく早く制度化していただけるようお願いいたします。また、消防職員の大型免許取得にも助成制度があるとのことですので、できれば同程度の助成措置をお願いいたします。
次に、高層建物火災対応についてお伺いします。火災現場で活動している消防隊員の姿や、火災により死傷者が発生したというニュースが頻繁に報道されています。その中でもマンションなどの高層階における火災現場において、はしご車から消防隊員が必死に放水活動している映像を見たときには、現場の緊迫感が伝わってきました。本市においても近年市街地を中心としてマンションが建ち並び、建物の高層化、大規模化が進んでいるところですが、その中には新しいものばかりでなく、数十年経過しているものも存在しています。また、建物の使用形態、構造等も様々であると思いますが、有事の際には遅滞なく対応するのが消防の使命であります。消防局では、4階建て以上の建物で火災が発生した場合を高層建物火災としているとのことですが、事前対策についてお伺いします。
268 【消防局長(清水征己)】 高層建物火災に対する事前対策についてでございます。消防の任務は、迅速に火災現場に出動、到着して、人命救助、消火活動に当たり、被害を最小限に抑えることにあります。そのため、日常の業務において管内の水利状況、道路工事の状況等を把握するとともに、高層建物火災において重要な役割を担うはしご車の進入経路や架梯位置の確認を行っております。さらに、毎朝の点検時には取扱い訓練を兼ねて、はしご車を実際に消防庁舎に架梯するなど、安全かつ迅速な活動ができるよう日頃から訓練を重ねております。また、救助、消火に必要な情報を集約し、消防の活動方針を定めた警防計画を建物ごとに作成しており、火災発生時にはこの計画を活用することで、より効率的な活動が展開できるよう準備しているところでございます。
269 【14番(豊島孝男議員)】 高層建物火災に対する事前対策については分かりました。引き続き万全な火災対応ができるよう努めていただきたいと思います。
次に、今年に入り市営住宅や県営住宅の高層建物で立て続けに火災が発生しました。その際にも、はしご車、ポンプ車等多くの消防車両が出動して活動に当たったと伺いました。市内において高層建物火災に該当する建物は年々増加傾向にあると思います。その中には市庁舎はもちろんのこと、建設中の議会棟もその一つとなっております。そこで、消防局における高層建物火災の対応についてお伺いします。
270 【消防局長(清水征己)】 高層建物火災対応についてでございます。消防局では、高層建物火災が発生した場合、消防車両を通常の建物火災に対し、はしご車を含め、6台を増強出動させるなどして万全な体制を取っております。また、活動面におきましては、高層階に取り残された人の救助活動、高所からの放水活動が必要となるため、はしご車が重要な役割を担うことになりますが、市街地では電線あるいは樹木等の活動障害も想定されるため、通常のはしご車だけでなく、先端が屈折するはしご車も運用し、活動面の強化を図っております。しかしながら、高層建物も一部では超高層化が進んでおり、はしご車主体の活動では限界がございます。今後は超高層化にも対応した救助活動、消火活動について、さらに研究、検討してまいりたいと考えております。
271 【14番(豊島孝男議員)】 次に、市有施設利用料金について、前橋テルサの減免規定についてお伺いします。
去る4月22日には、前橋テルサにおいてウクライナ支援のチャリティー公演をここにいらっしゃる皆様はじめ、多くの皆様のご協力をいただき、盛会に行うことができました。この場をお借りし、御礼申し上げます。この公演は、チラシ、チケット制作から感染防止対策のホールの消毒、当日のスタッフも全て厚意によるボランティアで行い、販売した物品の売上げも全て寄附していただきました。出演者もボランティアで無償出演だったため、チケット販売は行いましたが、誰一人も収入を得た人はおりませんでした。収入の総額はチケット代、物品販売代、募金等で160万円を超え、支出は会場使用料の11万3,870円でした。差引き156万円強をウクライナ大使館へ寄附いたしましたが、前橋テルサホールの使用料負担がなければ、同国に、より厚い支援ができたのではないかと考えます。今回の事例は一例ですが、前橋テルサにおいてチャリティー公演など収益を目的にしないホールの使用も多いと思います。そこで、前橋テルサの使用料の減免について伺います。
272 【産業経済部長(木村理文)】 前橋テルサの使用料の減免につきましては、指定管理者として前橋テルサを管理運営しております公益財団法人前橋まちづくり公社が定める前橋テルサ使用料等減免に関する取扱要項に基づいて行っております。具体的には、前橋まちづくり公社主催の事業や前橋まちづくり公社が共催する催事で特に必要と認めたものなどは減免となりますが、前橋テルサは利用料金制の指定管理を行っており、受益者負担の公平性の観点からも収益を目的としないチャリティー事業を含めまして、有料での使用を原則としております。
273 【14番(豊島孝男議員)】 要望しておきます。このような施設がほかにもあると思いますが、ほかの施設にあっても、今後できるのであればこういった場合の減免措置も検討していただくよう要望します。
次に、人間ドックについて、人間ドック助成についてお聞きします。市では、30歳以上の前橋市国民健康保険、または後期高齢者医療に加入されている方を対象に1日ドック、2日ドック、特定健診プラス脳ドックのそれぞれのコースから選択し、いわゆるドック健診を受診することで、その費用の一部、2万円について助成制度があります。定期的に自身の健康状態を把握し、病気の早期発見、早期受診を促すため、毎年健康診査の受診を促していることは十分に認識しております。そこで、人間ドックの助成の目的と受診者数についてお伺いします。
274 【健康部長(膽熊桂二)】 まず最初に、人間ドック助成の目的についてですが、生活習慣病をはじめ、様々な病気の発見、早期治療はもちろん、病気そのものの予防することを目的としており、さらに特定健診受診率の向上を図るとともに、総合的な健診受診の機会として助成を行っているものであります。
次に、受診者数についてでございますが、令和3年度の人間ドック助成による受診者は2,096人で、内訳とすると1日ドックが1,708人、2日ドックが344人、脳ドックが44人となっております。
275 【14番(豊島孝男議員)】 人間ドックの助成の目的及び人間ドック健診の状況についてはよく分かりました。
助成制度のある人間ドックと同時に受診する特定健診等は生活習慣病等の発見につながる大事な健診でありますが、そうした健診を毎年受診していても病気の発見がなされず、その後体調不良により医療機関を受診し、病気が発見されるというケースもよく聞かれます。中でも、がんについては、早期発見と早期治療が特に重要だと認識しております。そこで、がんの早期発見に有効と考えられるPET─CT検査を人間ドックの区分に加えることで、健診機会の選択肢が増え、受診率の向上にも寄与すると思いますが、市の考え方についてお伺いします。
276 【健康部長(膽熊桂二)】 PET─CT検査を人間ドックの区分に加えるということでございますけれども、PET─CT検査につきましては、がんの早期発見に役立つと言われており、有効であるものと考えております。しかしながら、PET─CT検査を人間ドック区分に加えることにつきましては、PET─CT検査を受診できる市内の医療機関が限られていることや、健診体制の確保など様々な課題があるものと認識しております。
277 【14番(豊島孝男議員)】 最後に要望で終わらせていただきます。がんの早期発見に非常に有効であるとされているPET─CT検査を人間ドック健診の一つの選択肢として加えることが可能なのか検討していただくよう要望して、全ての質問を終わります。
(18番 窪田出議員 登壇)
278 【18番(窪田出議員)】 順次質問させていただきます。
まず初めに、前橋市手話言語条例制定後の施策の推進状況についてお伺いいたします。平成28年4月1日より施行されております手話言語条例ですが、条例に基づき、手話普及、情報発信、意思疎通支援、手話通訳者環境の充実などについての方針を定め、総合的かつ計画的に推進することとなっております。条例制定後6年が経過したわけでありますが、各施策の推進状況について現状をまずお伺いいたします。
279 【福祉部長(小坂和成)】 前橋市手話言語条例制定後の施策の推進状況についてでございますけれども、手話普及につきましては小学校や市民向けの手話体験教室や市広報紙で手話の紹介、情報発信については市ホームページ掲載やデジタルサイネージでの手話動画の放映、意思疎通支援につきましてはタブレット端末利用による遠隔手話サービス、手話通訳者環境の充実については手話奉仕員養成講座担当講師への研修経費補助等に取り組んでまいりました。特に小学校手話体験教室では、担当した講師宛てに聴覚障害者への理解が深まった等の感想文が寄せられたり、手話奉仕員養成講座に親子で参加するなど一定の効果を上げております。また、より一層の施策推進を図るべく、昨年度には手話施策推進方針の見直しを行い、今後は学校での手話教室を市立中学校及び市立前橋高等学校への拡充、市民向け手話教室や手話出前講座、市消防職員向け手話講習会などを実施していく予定となっておりますが、いずれの施策も条例制定時にご尽力いただいた団体などと協力しながら、事業を推進してまいりたいと考えております。
280 【18番(窪田出議員)】 各事業につきまして、当事者団体と協力して推進しており、今後は、新たに中学校、高校でも手話教室の開催をしていくとの答弁をいただきました。私も以前に小学校の手話教室を見学させていただくことがありました。そのときは、聴覚障害者福祉協会の方と手話通訳者の方が先生役でいらっしゃいました。児童が大変興味深く、かつ真剣に参加していたのを記憶しております。手話の普及はもとより、子供たちにとっても、よりよい体験の場と感じましたので、中学、高校への拡大をぜひともよろしくお願いいたします。
次に、前橋市手話言語条例第10条において、学校教育での手話について3項目制定されております。第1項、第2項については、手話教室や教師に対する研修が行われるということです。第3項では、学校の設置者は、学校において手話を必要とする幼児、児童、生徒又は学生がいる場合に、必要な手話に関する支援を受けられるよう努めるとされています。そこで、この第3項について教育委員会としてどのように考えているのか、また手話を必要とする幼児、児童、生徒がいる場合、どのような対応をしているのか。仮に現状対象者がいない場合には、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
281 【指導担当次長(都所幸直)】 まず初めに、前橋市手話言語条例第10条第3項についての教育委員会の考えにつきましては、手話を必要とする幼児、児童生徒がいる場合、必要な支援を受けられるように努めることは、障害のある子供がほかの子供と平等に教育を受ける権利の享有、行使を確保することを目的とする合理的配慮の観点からも非常に重要なことであると捉えております。就学前の子供たちは、本市の幼児教育センターにおいて、将来の自立や社会参加も視野に入れ、その子にとって必要な学習や能力を高めていくのにふさわしい学校について保護者と十分に相談して就学先を決めております。現在、前橋市立の学校や幼稚園には、対象となる幼児、児童生徒はおりませんが、その就学前の相談の結果などにより在籍することになった場合は、本人の状態やニーズを入学前にきめ細やかに把握し、人的配置やICT機器の導入などの環境整備も視野に入れながら、充実した学校生活が送れるよう配慮してまいりたいと考えております。
282 【18番(窪田出議員)】 答弁いただきました。現状は対応される幼児、児童生徒はいないとのことであります。
少し話はずれますが、先日、聴覚障害者の方々によるオリンピック、デフリンピックというのがブラジルで開催されました。議会を含め、ご支援いただき、本市在住者も参加されまして、結果ハードルで第5位だったという報告をいただきました。この選手は、後天性で耳が聞こえなくなったと聞いております。このように聴覚に障害が起こるケースは様々で、かつ聴覚以外は健常者の方々以上の能力を有している場合もあり、そうした子供はこれからの多様性社会において、今後専門の学校ではなくて一般の学校での授業を希望され、ご自身が持つ能力を伸ばしたいと希望するケースも多分にあるのではと、そう思っております。人的配置やICT機器の導入など配慮いただけるとのことでしたが、人的配置については単純に1日学校にいると、手話通訳者が3人以上要します。それを掛ける5日間、1か月となると、コスト面的には現実的ではないというような感覚を持っております。ですので、ICT機器分野でも様々な機器が開発され、一部報道などもされております。より現実的な対応策について、今から教育委員会でも調査研究していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、第11条について伺います。医療機関における手話の使用については、手話通訳者の派遣先として病院関係が多いと聞いております。その意味では、本市条例の事業効果が発揮され、市民の生命と安全が守られる一助となっていると思われますが、制定直後に作成された手話に関するパンフレットなどは、最近では見かける機会も少なくなったように思われます。医療現場の状況や医師会などの団体との意思疎通や情報交換、共有など、現状どのような取組が実施されており、また課題等に対してどのように取り組むおつもりかお伺いいたします。
283 【福祉部長(小坂和成)】 初めに、現状の取組についてですが、手話通訳者派遣事業では、例年病院を主とした医療機関への派遣が7割程度を占めています。昨年度は、新型コロナウイルスワクチン接種に伴う派遣も加わるなど、例年に比べて医療機関への派遣割合が一層高くなっており、医療現場においては事前予約による手話通訳利用が定着してきている状況がうかがえます。また、聴覚障害者などが急病により急遽手話通訳が必要となる場合に備え、市広報への掲載や聴覚障害者福祉協会、手話通訳者の派遣調整を実施している社会福祉協議会の協力を得て、毎年4月に緊急時手話通訳者名簿を配付しているほか、救急告示医療機関、救急医療協力機関及び夜間急病診療所に名簿提供を行い、情報共有に努めております。
次に、課題等に対しての取組についてですが、今のところ聴覚障害者や医療機関などから診療時の手話通訳や緊急時手話通訳者名簿の配付方法について特段の意見はございませんが、今後も医療機関などに手話施策に関する理解と協力を求めてまいりたいと考えております。
284 【18番(窪田出議員)】 現状について理解できました。引き続き命に関わることですので、当事者との話合いを続けていただければと思います。よろしくお願いいたします。
この質問の最後に、災害時の対応について伺います。条例第13条では、災害時において、市は聾者に対して情報の取得及び意思疎通の支援に必要な措置を講ずるとしています。本市ではコミュニケーションボードを作成し、その対応に当たると思われますが、渋川市や太田市などはバンダナを活用して、手話を必要としている人、手話を話せる人などが分かるように対応していると聞いております。災害時における聾者への本市への対応状況について手話通訳者の派遣も含めてお伺いいたします。
285 【福祉部長(小坂和成)】 災害時における対応状況についてですが、災害時において避難所内での重要な放送が伝わらなかったり、手話を話せる人が分からないなど聴覚障害者の方への意思疎通方法については重要な課題があるものと認識しております。各指定避難所にはコミュニケーションボードを配備しておりますが、使用方法についての周知や保管状況の確認など災害時に有効に活用されることが求められているほか、福祉避難所の在り方も大きな課題となっております。そこで、今年度自立支援協議会手話施策検討部会内に避難所への手話通訳者の派遣及び支援の在り方についてのワーキンググループを立ち上げ、先行施策を参考にしながら、防災危機管理課も交え、具体的な施策について検討を進めてまいります。
286 【18番(窪田出議員)】 本市で作成されましたコミュニケーションボード、非常によくできていると私自身は思っております。問題は、答弁にもありましたように、それが有効に活用されるやり方や方法、周知などではと思われます。聴覚障害者の方々の最たる特徴の一つに、見た目には健常の方々と区別がつきづらいということがあります。そういう点では、バンダナなどは目立つという点で一定の効果があるということで他市は採用されているのかと思いますが、まずは答弁でいただいたようにワーキンググループを設置されるとのことですので、当事者を含めた議論を重ねていただいて、対応策を検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。本市のDX推進に向けた取組状況についてお伺いいたします。国においては、デジタル社会実現に向けた取組をデジタル庁の創設を含め、本格的に始動していることは周知のとおりでございます。デジタル社会の到来が市民にとってどういう変化や恩恵が受けられるのか理解している市民は、まだ逆にそう多くはいないのではと推察しております。国が目指すデジタル社会とは、デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会としております。こうした社会の実現に向けた基本的な施策として、行政サービス、暮らし、産業などのデジタル化をはじめ、システムや技術の開発、その利用促進、またそうした人材の育成などが挙げられております。また、デジタル社会を構築するための各施策を効率的に実行していくためには、国が主導的役割を果たしつつ、自治体全体として足並みをそろえて取り組んでいく必要があるとしております。これを踏まえ、国では自治体DX推進計画が策定されております。我が会派としましては、総務省にこの自治体DX推進計画の内容についてレクチャーいただきました。これを受けまして質問させていただきます。
本市では、昨年早々に他の自治体に先駆けて前橋市DX推進計画を策定し、DX推進のトップランナー自治体の一つとして取り組まれていることは承知しております。そこで、昨年策定された前橋市DX推進計画の内容について、国との整合性を含めて何点かお伺いします。まず初めに、本市の前橋市DX推進計画は、国における自治体の参考事例ともなっております。計画内容の全体的な特徴や特筆すべき点についてお伺いいたします。
287 【未来創造部長(青木一宏)】 前橋市DX推進計画の特徴についてでございます。総務省が提示する自治体DX推進手順書参考事例集に記載されておりまして、評価いただいていることにつきましてはDXを進める上での全体方針として、ミッション、バリュー、ビジョンを明示している点ということでございます。
ただ、これらは明示のみならず、組織全体に普及、浸透し、行動の変容が伴うことで意味を持っていくものと考えております。
288 【18番(窪田出議員)】 次に、自治体DXを推進していく上では、実際に取り組む職員の理解度向上や実行しやすい環境整備が必要と思われます。現在でも庁内において、大野副市長を中心に横断的に取り組むため、13のワーキンググループを設置して実施していると聞いておりますが、職員の理解度促進や庁内の推進に向けた体制や手法についてお伺いいたします。
289 【未来創造部長(青木一宏)】 職員の理解度促進や庁内の推進に向けた体制、また手法についてでございます。初めに、部課長への対応でございますが、庁議や前橋市DX推進委員会で意識改革をお願いしているところでございます。次に、DX推進員や各業務担当者へは、庁内横断的なワーキンググループ活動や職員研修の場を通じまして、組織全体で理解や共通認識を持てるよう取り組んでいるところでございます。特にワーキンググループ活動につきましては、行動変容に至るまでの一連のプロセスを実践いたしまして、実体験を積み重ねる中でデジタル技術とデータの活用を推進いたしまして、住民本位の行政及び地域社会を実現するという計画のビジョンを具現化してまいりたいと考えておるところでございます。
なお、ワーキンググループ活動の推進に当たりましては、仮説を立てて施行し、素早く改善していくことが重要と考えておりますので、状況に応じて業務上、より適した職員に参画いただくなど柔軟に対応してまいりたいと考えております。
290 【18番(窪田出議員)】 状況について理解いたしました。
次に、前橋市DX推進計画の取組の柱についてお伺いいたします。1つ目の柱である住民の利便性向上として行政手続きのオンライン化、
マイナンバーカードの普及、活用、情報システムの全体最適化となっております。行政手続のオンライン化について、例えば国では
マイナンバーカード活用を前提に31の手続についてオンライン化可能と判断されているようですが、本市では36の手続が可能との判断のようです。こうした手続可能な事例と併せて、本市では令和2年7月時点で1,978件の行政手続があるとのことですが、現在この1,978分の36件、率にして1.8%というボリューム感と併せて、どういった見解をお持ちかお伺いいたします。
291 【未来創造部長(青木一宏)】 行政手続のオンライン化につきましては、住民の利便性の向上という観点から優先して取り組む必要があり、国での
マイナンバーカード活用を前提とした手続を含みまして、全ての行政手続を令和7年度末までにオンライン化することを目標としておるところでございます。令和3年度から行政手続の中から優先的にオンライン化を検討する手続について照会するとともに、行政手続の棚卸しを行ってまいったところでございます。その中で、補助金業務の申請や後援の申請など、一部の手続におけるオンライン化を実施してまいりました。令和4年度におきましては、令和3年度の棚卸し結果を基に、順次オンライン化の課題を解決し、実装を進めるとともに、検討内容や取組を整理することにより、庁内における類似手続への水平展開を進め、オンライン化率を高めてまいりたいと考えております。
292 【18番(窪田出議員)】 1,978件もの市民との手続全てを順次オンライン化していくということになります。その中で、その進捗など市民に対してどの行政手続はどうオンライン化になっていくのか、デジタル化進捗率のような見える化について検討いただければと思います。本市のデジタル化に向けたプロセスについて、ぜひ市民と共有できるよう要望させていただきます。
マイナンバーカードについては、他の議員さんもたくさん質問されていますので、割愛させていただき、次にシステムの全体最適化についてですが、国においては自治体情報システムの標準化、共通化という表現を用いているようですが、本市では全体最適化としております。同趣旨と受け取りますが、国では自治体の20の業務という表現と本市では17業務と受け取っているようです。この点も含めた国との整合性について、業務内容事例と併せてお伺いいたします。
293 【未来創造部長(青木一宏)】 自治体情報システムの標準化、共通化につきましては、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律に基づきまして令和7年度までに全ての自治体が統一的な基準に適合したシステムに移行し、業務の効率化や住民の利便性向上を図ることを目的としているところでございます。
前橋市DX推進計画を策定した令和3年3月時点におきましては、対象となる業務は住民記録、地方税、福祉、年金など17業務とされておりました。これに基づいた本市の計画を策定したところでございますが、その後令和3年6月に閣議決定されましたデジタル社会の実現に向けた重点計画におきまして、戸籍、戸籍の附票及び印鑑登録事務の3業務が加わりました。自治体情報システムの標準化、共通化の対象に位置づけられた業務が20業務になったわけでございます。本市におきましても国の計画に位置づけられた20業務につきまして、自治体情報システムの標準化、共通化に向けた準備を進めていくという予定でございます。
294 【18番(窪田出議員)】 オンライン化やシステムの標準化などについて伺ってまいりました。こうした取組につきましては、自治体の状況把握や声を吸い上げて、本来は国において一括して標準仕様やそのシステム、体制など構築したほうが効率がよいのではと自然発生的に浮かびます。そうした中で、総務省所管の業務につきましては、システム機能や様式、帳票などの標準仕様を策定予定と聞いております。こうした点を踏まえ、自治体で取り組むべき具体的内容とはどのようなものなのか、また共通クラウドの作成などは国の費用にて行われるとも聞いております。費用面などは交付税措置などを含め、自治体負担がない形で進んでいくのかお伺いいたします。
295 【未来創造部長(青木一宏)】 標準化対象の業務は、全国共通のプロセス標準化が可能な業務であるということです。現在、各自治体における属人的な業務プロセスを標準準拠システムに合わせることが自治体情報システムの標準化、共通化の趣旨ということでございます。このため、各自治体におきましては、基準に適合したシステムへの移行にとどまらず、必要に応じて標準準拠システムに合わせる形で事務を見直すことということが想定されます。また、費用面におきましては、標準準拠システムへの移行経費に加えまして、現在付随している対象外のシステムとの連携経費も必要となるということで考えております。国においては、各自治体が円滑に基準適合システムに移行するための移行経費等に対する補助を講じることになっておりますが、自治体情報システムの標準化、共通化に要する一切の経費について自治体負担が生じないよう、引き続き国への要望を行ってまいりたいと考えております。
296 【18番(窪田出議員)】 できればぜひ答弁いただきましたように、本市の持ち出しがない形で進むようご努力をお願いいたします。
次に、市役所内部のDX推進について伺います。市役所内部におけるDXの推進は、先ほど伺った推進体制にて進めていくこととなります。人口減少に伴い、職員数も現在の職員数から削減されていき、一説には学識者の間では現状の半数程度で役所業務をこなすと言われております。また一方で、多様化する住民サービスへの対応として、企画や政策立案できる業務へ特化させる職員は充実していかなければならないとのことであります。そのためには、今からAIやRPAにできる業務はシフトするとともに、DX推進に特化した人材の育成、確保が必要とのことであります。そこで、まず本市業務のAI、RPAへの業務シフト状況と今後の検討していく業務についてお伺いいたします。
297 【未来創造部長(青木一宏)】 本市業務のAI及びRPAの業務シフトの状況についてでございます。まず、AIOCRにつきましては、令和3年度は感染症検査対象者の把握業務やひとり暮らし高齢者調査業務など10業務、13帳票において新たに導入を行ったところでございます。令和4年度につきましては、償却資産申告受付業務など導入検討を行っているところでございます。
次に、RPA、ロボティック・プロセス・オートメーションにつきましては、令和3年度は就学援助業務や軽自動車税の減免申請受付業務など6業務、11手順において新たに導入を行ったところでございます。令和4年度につきましては、報酬支払い業務などの導入を進めているところでございます。今後も職員が市民への直接的なサービス提供や企画立案業務に特化できるように、AIやRPAの導入を推進してまいりたいと考えております。
298 【18番(窪田出議員)】 次に、人材育成と確保についてです。人材育成確保については、職員のスキルアップはもちろんのこと、外部からの人材登用も必要かと思われます。今年度実施予定のDX人材の活用及び職員への研修内容についてお伺いいたします。
299 【未来創造部長(青木一宏)】 DX人材の活用及び職員への研修内容についてでございます。前橋市DX推進計画では、DX人材の育成、確保に向けまして、研修を通じた職員の能力開発、民間企業を含む人事交流や外部人材の活用などを進めることとしております。まずは、個々の職員が業務改善の視点を持ちながら、自ら課題認識と変化を起こし、それを職場全体として取り組む雰囲気を醸成することが重要であると考えております。全庁的な取組といたしましては、職員課と連携しまして全ての階層別研修においてDXに関する講義内容を盛り込むとともに、新たに若手職員を受講対象といたしましたDX入門研修の実施を予定しているとともに、具体的な実践の場として庁内横断的に組織する計13のワーキンググループ活動を展開いたしまして、市職員だけではなく、知見やノウハウが不足する部分につきまして、外部人材の専門的知見が重要であると考えておるところでございます。これまでも総務省地域情報化アドバイザー派遣制度の活用などワーキンググループの活動に対して、外からの視点で助言をいただく機会を設けてまいりましたが、今年度は地域社会のDX推進ワーキンググループにおきまして、一般社団法人コード・フォー・ジャパンというところと協業することによりまして、一連の活動を通じて内部人材の育成につなげてまいりたいと考えておるところでございます。
300 【18番(窪田出議員)】 今年から、今答弁いただいたコード・フォー・ジャパンという組織と協業していただくということです。解説すると長くなりますが、既に多くの自治体と連携していると聞いておりますので、大変期待しております。よろしくお願いいたします。
次に、地域社会DXについて伺います。国では自治体DXの推進とともに取り組む事項として、地域社会のデジタル化を促進するとしております。本市のDX推進計画の柱では、新たな価値の創造として、この地域社会DXを位置づけて取り組むこととしておりますが、デジタル田園都市国家構想も地域社会DX推進の一つと理解しております。本市における地域社会でのデジタル化についての所見を伺います。
301 【未来創造部長(青木一宏)】 地域社会のデジタル化についての所見でございます。地域社会は、市民、企業、団体、行政など多様な主体によって成り立っているところでございます。取組を通じて実現したい姿は、こうした多様な主体にデジタル技術が浸透しまして活用することで、立場や世代の垣根を越えてつながり、日常の困り事を解消したり、地域が抱える課題を共に解決していくということと理解しておるところでございます。
302 【18番(窪田出議員)】 次に、取組の柱の最後に、すべての住民にとありまして、デジタルデバイド解消に取り組むとしております。国は誰一人取り残さないデジタル化の実現に向けて、デジタルリテラシーの向上が必要であるとしております。情報通信白書の中では、少し長くなりますが、我が国では、端末の操作が難しい、近くに相談できる人がいないといった理由で、デジタル活用を躊躇する人たちが高齢者を中心に存在している。これまでも地方公共団体や地域のパソコン教室等において、これらデジタル初心者をサポートする取組は行われてきたが、社会全体にデジタルの定着を図る観点では、より身近な場所で身近な人からスマートフォン等のデジタル機器の利用方法を学ぶことのできるデジタル活用支援員のような取組をさらに拡充させる必要があるとしております。
また、他方、身体的制約等の理由により、デジタル機器の操作が困難な者も存在している。そのような人でもデジタルの恩恵を受けられるようなサポート体制の整備も必要であろう。また、デジタルリテラシーの向上には、単に機器を操作するスキルを上げるだけでなく、デジタルを利用する際の様々なリスクを知り、危険を回避できる知識を身に着ける必要がある。そのためには、若年層、高齢層に加え、生産年齢世代等の様々な層を対象とした教育・研修や情報セキュリティや偽情報の対策等のリスク回避のための情報発信、啓発活動などを続ける必要がある。
なお、一人も取り残さないとは、単にデジタルを活用できるようにするとの話だけでなく、様々な立場の人が、それぞれの立場に合わせて社会参画できるソーシャルインクルージョンを意味しているとしております。そこで、本市では現在デジタルデバイド解消ワーキンググループを設置し、対策を検討していると承知しておりますが、本市におけるデジタルデバイド解消に向けた考え方について、まずお伺いいたします。
303 【未来創造部長(青木一宏)】 本市におけるデジタルデバイド解消に向けた考え方でございます。前橋市DX推進計画では、情報技術を使用する能力及びアクセスする機会を持つ人と持たない人との間に生じる格差ということでデジタルデバイドを定義しておるところでございます。この認識の下、年齢や性別、障害の有無にかかわらず、誰も取り残されない形で全ての住民にデジタル化の恩恵を行き渡らせるということが重要であると考えております。デジタルデバイドの解消に当たりましては、市内企業、NPO法人、地域住民等と連携いたしまして、高齢者等が情報通信機器やサービスの利用方法について身近な場所で相談や学習できる機会を創設することとしておるところでございます。
304 【18番(窪田出議員)】 次に、解消に向けた具体的な取組についてお伺いいたします。
305 【未来創造部長(青木一宏)】 具体的な取組内容でございます。令和3年度は、国のデジタル活用支援事業を活用しながら、市内全域でスマホ講座を合計164回実施いたしまして、延べ2,429人に参加していただいたところでございます。今年度についても国の財源を活用しながらスマホ講座を展開していく考えでございます。しかしながら、限られた財源の中で持続可能な事業展開が求められることから、スマホ講座で学んだ人が地域の人々をサポートしていくような学びの地域循環につなげることが重要であると考えておるところでございます。こうしたことから、現在国が準備を進めているデジタル活用推進委員の制度を念頭に置きまして、住民の共助の力を引き出しながら取り組んでまいりたいと考えております。
306 【18番(窪田出議員)】 最後に、将来的なイメージについてお伺いいたします。
307 【未来創造部長(青木一宏)】 将来的な取組のイメージでございます。今後、デジタル手続を希望しない方々にも、きめ細かな配慮を継続するとともに、デジタルデバイド解消に向けた各種の取組を進めながら、様々な行政手続をオンライン上で行えるよう環境を整える必要があると考えております。
308 ◎ 延 会 の 議 決
【議長(小曽根英明議員)】 お諮りいたします。
本日の議事はここまでとし、延会したいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
309 【議長(小曽根英明議員)】 ご異議なしと認めます。
よって、本日はこれをもって延会することに決まりました。
310 ◎ 延 会
【議長(小曽根英明議員)】 これをもって延会いたします。
(午後4時56分)
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