6 【8番(
角田修一議員)】 通告に従いまして、順次質問いたします。
まず、
災害廃棄物処理計画の策定についてお伺いいたします。近年、全国各地で台風や豪雨などによる災害が発生しており、本年10月にも台風19号が上陸し、関東地方や甲信、東北地方で記録的な大雨となり、各地に甚大な被害をもたらしました。この結果、各地で山積みになった災害ごみの総量は、平成30年7月の西日本豪雨の190万トンを超える見通しで、処理に数年かかるのではないかと言われております。このような状況の中で、環境省が各自治体に求めていた
災害廃棄物処理計画を策定している市町村は全国で3割に満たないとのことであり、災害ごみへの対応のおくれが問題視されております。処理計画が策定されていない理由としては、自治体においてマンパワーが限られている、策定にかかわる知見がない、そもそも危機感がない等の理由が挙げられております。
先日、他の議員から総括質問において本市の
災害廃棄物処理計画策定について質問がございましたが、本市でも策定されていないとのことでございます。
災害廃棄物処理計画は、喫緊の課題であると考えます。また、
災害廃棄物処理計画の策定がおくれていることについては残念でありますし、いつ何どき起こり得る災害に対して、準備を早急に進めるべきと考えます。
それでは、これから計画を策定するに当たってのポイントと、より実効性のあるものにするための考え方についてお伺いいたします。
以下、発言席で行います。
7 【環境部長(南雲厚)】
災害廃棄物処理計画の策定状況についてでございますが、本市では平成30年度に環境省からモデル事業の指定を受けまして、地震災害等を想定した災害廃棄物の発生量の見込みや仮置き場の検討など、計画策定に向けての課題の整理等を行いました。今年度はこれをもとに災害発生後の初動体制や初期行動の策定などを検討しているところでございますが、策定のポイントといたしましては、庁内関係部局はもとより、国、県、あるいは
民間事業者等関係機関との連携を踏まえた役割分担や、初動体制の構築、あるいは仮置き場の選定や管理方法など、他都市の事例も参考にしながら策定していきたいと考えております。また、より実効性を高めた計画にするためには、地域性を踏まえた対応方法を考えておくとともに、定期的に見直す仕組みとして、災害学習や研修を通じて経験値の充実した職員を育成するとともに、民間事業者との意見交換なども行いながら、実効性のある
災害廃棄物処理計画としていきたいと考えております。
8 【8番(
角田修一議員)】 台風19号の豪雨で千曲川の堤防が決壊し、約5,000棟が浸水した長野県長野市では、住宅から出る家財道具などの災害ごみの問題が深刻化しておりました。市は仮置き場を開設したが、9種類に分別して出す必要もあって、住民からは、遠過ぎる、分別する余裕がないとの悲鳴が上がり、中には近場の公園や畑にごみを捨てている人もおりました。ごみが防火水槽のある敷地に積まれ、火災の二次災害の危険も出てきていたとのことであります。長野市は、仮置き場を3カ所開設し、不燃物、金属くず、家電など、9種類の分別をして出すよう求め、市指定の仮置き場では車の渋滞が起きるなど、運び込む作業に時間がかかる事態にもなっておりました。
全国各地で起きている災害の状況を見てみますと、大変な状況がうかがえ、たとえ処理計画があったとしても、当初の想定を超えるような被害が発生してしまうと、計画どおりには対応できない場合も多いのではないかと思います。しかし、迅速な災害ごみへの対応を行うためには、被災後どのような初期行動をとるのか、仮置き場はどのように配置するかなど、事前にしっかりと決めておくことが重要ではないかと思います。そこで、災害が発生した場合、市民の皆さんが排出する災害ごみの仮置き場をどのように考えているのかお伺いいたします。
9 【環境部長(南雲厚)】 仮置き場についてでございますが、地震、風水害などの災害によって生じる災害廃棄物は、可燃、不燃、
粗大ごみ等多岐にわたり、その性状も、水分を含んだものや泥まみれのものなど、さまざまではないかと想定されます。このため、仮置き場はこれらを分別して集積できるような広さが必要となり、被災地の事例を見ますと、公園や運動場などの公共用地を仮置き場としている例が多くなっております。本市におきましても、これら他市の状況も参考にしながら、仮置き場の場所やその
管理運営方法など、
災害廃棄物処理計画を策定する中で検討してまいりたいと考えております。
10 【8番(
角田修一議員)】 いざ大規模災害が発生いたしますと、大量の災害ごみが発生し、それを処理するための施設も、それに対応した施設能力が必要になってくるのではないかと思います。しかし、この災害ごみを全て自区内の施設で処理できるような体制をとっておくことは、現実的には難しいのではないかと思います。近隣市町村などを含めた応援体制を整えていく必要があるのではないかと考えます。そこで、被災された自治体の処理状況などを踏まえ、災害ごみの処理をどのように考えられているのかお伺いいたします。
11 【環境部長(南雲厚)】 災害廃棄物の処理についてでございますが、災害廃棄物は混合してしまうと分別が大変になることから、まずは市民の皆さんにある程度分別して排出していただき、処理困難物などの適正処理や、資源化できるものについては資源化するなど、処理量を減らしながら焼却や埋め立てを行うことが必要ではないかと考えております。また、処理施設につきましてもある程度の災害廃棄物を処理できる能力を備えておくことも必要ではないかと思っておりますが、災害の規模によりましては処理できる量を超える災害廃棄物が発生することも想定されることから、近隣自治体や民間の処理施設との応援体制も活用しながら、できるだけ早期の処理に努めてまいりたいと考えております。
12 【8番(
角田修一議員)】 今回
災害廃棄物処理計画の策定につきましては、喫緊の課題としてしっかりと受けとめていただいて、早急な対応をお願いできればと思っています。いつ何どき災害が起きるかわかりませんし、その中でしっかりと計画を立てることで、処理もしっかりとできるのではないかと思います。財政におきましても、策定に当たっては民間等を含めた中の部分でぜひ対応いただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。
次に、
六供清掃工場延命化工事後の他の設備の寿命についてお伺いいたします。
六供清掃工場延命化工事は今年度終了予定であると伺っておりますが、延命化工事で焼却炉などの主要設備については更新を行っております。ごみ焼却炉、清掃工場の寿命については、償却期間などで事務的に決められている寿命、公害防止などの法規制強化による寿命、ごみ質の変化に合わなくなって迎える寿命、設備機器それぞれが使い傷むことによる寿命など、さまざまな寿命があります。更新が済んでいない他の設備として、電気設備などがあるのではないかと思われます。それでは、これらの設備の更新について、今後どのように考えているのかお伺いいたします。
13 【環境部長(南雲厚)】 設備の更新についてでございますが、延命化工事におきましては焼却炉や排ガス設備、あるいは受電、配電設備などの主要設備について更新を行いました。そのほかにつきましては、空調設備など既に改修済みのものや、年数は経過しているものの、大きなふぐあいが見受けられない給排水設備などの各種配管類やごみ投入扉など、さらには延命化工事においては未施工であった建物の外壁などがございます。これらにつきましては、今後劣化状況等を見ながら、必要に応じて更新や補修工事等を行ってまいりたいと考えております。
14 【8番(
角田修一議員)】 下増田町に予定していた新清掃工場の建設費が約175億円、今回の
六供清掃工場の
延命化工事費は約125億円であります。
イニシャルコストで約50億円の削減になったものと理解しております。当時、新清掃工場を建設した場合と延命化工事を行った場合の
ランニングコストの比較検討もされていたようでございますが、一般的に考えると、延命化工事を行った場合のほうが、結果として稼働年数を考えると経費がかかっております。そこで、延命化工事後の
ランニングコスト削減について、どのように考えられているのかお伺いいたします。
15 【環境部長(南雲厚)】
ランニングコストの削減についてでございますが、延命化工事の効果を大きくするためには、今後の
ランニングコストの抑制は必要不可欠ではないかと考えております。そのためには、主要な設備だけでなく、各種配管類など更新していない設備も含め、定期的な点検による
ふぐあい箇所等の早期発見や予防保全による計画的な維持管理などにより機能保全に努めるとともに、燃焼管理の最適化などにより、効率的な運転にも努めてまいりたいと考えております。また、
ランニングコストを抑制しながら施設の長寿命化を図れれば、
ライフサイクルコストの低減にもつながり、延命化の効果をより大きなものにしていくことができるのではないかと考えております。
16 【8番(
角田修一議員)】 次に、新設の
工場建設予定地の決定時期についてお伺いいたします。新
清掃工場建設予定地につきましては、以前から
延命化工事終了後、下増田町を含めて、全市域を対象に検討するとお伺いしております。これまでは、延命化工事後は15年間運転できるが、新清掃工場の建設に当たりましては用地の選定、基本計画の策定、
環境アセスメントの実施、建築工事など、完成までには15年程度かかるとされております。また、建設予定地については住民の理解が大前提であります。そこで、建設予定地の決定時期について、どのように考えられているのかお伺いいたします。
17 【環境部長(南雲厚)】 新
清掃工場建設予定地の決定時期についてでございますが、
六供清掃工場は延命化工事におきまして、焼却炉や排ガス設備など焼却に係る主要部分を新しくしたことから、まずは適切な
維持整備工事による機能保全や精密機能検査などによる劣化診断を行うなど、
ストックマネジメントに取り組むことにより、施設の長寿命化に努めてまいりたいと考えております。
また、ごみの減量化などにより1炉当たりの設備負担を軽減し、
焼却設備等主要設備の長寿命化も図ることにより、延命化前の焼却炉が二十七、八年間稼働することができましたので、延命化工事後も
維持整備工事等を行いながら、これと同程度の25年間程度の稼働を目指していきたいと考えております。その上で、新清掃工場の整備につきましては、一般的に適地選定、規模の決定、
環境アセスメント整備工事等で15年程度必要と言われていることから、まずは、建設予定地の選定に向け、検討を行ってまいりたいと考えております。
18 【8番(
角田修一議員)】 次に、災害ごみを想定した新清掃工場の建設の考え方についてお伺いいたします。
六供清掃工場の年間における処理は10万トンから11万トンと仄聞しております。千葉県は、9月の台風15号と10月の台風19号で発生した災害ごみの処理は、千葉県内の災害ごみの推計は28万トン、
処理完了目標は2021年3月とし、処理が終わるまで1年半かかる見通しを示しております。今後、直下型地震や台風等による浸水被害等による災害が想定される中で、群馬県が中心となり、市町村と協議を行い、災害ごみを想定した広域処理について検討をすべきと考えています。また、国に対して、災害ごみを想定した規模の清掃工場を建設、整備する場合は、新たな補助金の制度の創設を求めるべきと考えます。そこで、新清掃工場の建設に際して、災害ごみへの対応についてどのようにお考えなのか、またその対応に対する国の補助制度についてお伺いいたします。
19 【環境部長(南雲厚)】 新清掃工場における災害ごみの対応の考え方でございますが、近年の地震や台風等による風水害が続いている中で、国におきましても
廃棄物処理施設整備計画の中で、市町村に対して、大規模な災害が発生しても一定期間で災害廃棄物の処理ができるよう、災害廃棄物を考慮した計画を求めております。一方で、大規模災害では、自区内処理に限界があることから、本市でも近隣市町村と相互応援体制の整備が必要と考え、県内50市町村及び
衛生施設組合等で相互応援に関する協定を締結し、大規模災害に備えているところでございます。
なお、国の補助制度についてでございますが、現行の
循環型社会形成推進交付金は、災害廃棄物を考慮した計画でも交付金対象となっていることから、施設整備に当たりましてはこれらを活用していきたいと考えております。
20 【8番(
角田修一議員)】 この質問の最後に、市長にお伺いいたします。
市長は、8年前でありますけれども、下増田町に計画していた新清掃工場の建設計画を凍結し、
六供清掃工場の延命化を行いました。新清掃工場の建設については、延命化工事の完了後に検討するということでしたが、延命化工事も今年度で完了します。そこで、3期目に挑戦される市長として、新
清掃工場建設についてどのようなお考えを持っているのか、お伺いいたします。
21 【市長(山本龍)】 今環境部長からも答弁のありましたように、
ストックマネジメントの実施、あるいは市民のご協力をいただいて、現在もかなり大きく削減をいただいていますごみの排出量の削減、このような取り組みを続けることによりまして、焼却炉自体の負担を軽減することができると思っております。当初の稼働目標の15年から10年程度長寿命化できることを目指し、今後も取り組んでまいりたいと思っております。
また、次の新清掃工場につきましてもかなりダウンサイジング、規模の縮小ができますように、これからも市民の理解、あるいはごみのさまざまなリサイクル、リユース、今議会でも他の議員の方から、家庭の剪定枝、あるいは公園の剪定枝、家庭からの木くず、ただ燃やすのではもったいないのではないかというご指摘もいただいております。それらの取り組み、あるいは生ごみのコンポスト、まだまだやり得るチャレンジがあると思っておりますので、それらを適切に取り組みながら、今後の予定地の検討、あるいは清掃工場の規模なども、それらの取り組みを勘案しながら調査研究していきたいと思っております。
22 【8番(
角田修一議員)】 新
清掃工場建設に当たっては、私の考えでありますけれども、本当に喫緊の課題だと思ってございます。なぜ喫緊なのかというのは、やはり市民理解をいただけなければ、新清掃工場は建設にはいきませんし、以前、
下増田清掃工場建設に当たって職員の方がいろいろ苦労されて、せっかく建設というところで凍結となった経緯もございます。当局におかれましては、新
清掃工場建設に当たって、市民の理解のもと、新たな新
清掃工場建設に向けて、しっかりと取り組んでいただけるよう要望しておきます。
次に、
災害共済給付制度導入の目的についてお伺いいたします。
独立行政法人日本スポーツ振興センターでは、義務教育諸学校、高等学校、高等専門学校、幼稚園、
幼保連携型認定こども園、高等専修学校、保育所等の管理下における災害に対して
災害共済給付、医療費、障害見舞金または死亡見舞金の支給を行っております。けがにおける給付の対象は、初診から治癒までの医療費総額が5,000円以上、3割負担で1,500円以上の負担の場合、給付の対象となるとのことであります。それでは、
災害共済給付制度を導入した目的、制度概要についてお伺いいたします。
23 【教育次長(堀越規子)】
災害共済給付制度を導入した目的についてでございますが、保護者にとって低額な掛金で手厚い給付が得られる環境を教育委員会として整備することで、保護者や児童生徒に安心して学校生活を送っていただくためです。
次に、制度の概要についてですが、
独立行政法人日本スポーツ振興センター法により実施されている制度でございまして、学校管理下における児童生徒等のけがや事故などに対して給付を行うものでございます。運営に要する経費につきましては、国、学校の設置者及び加入者である保護者の3者で負担する
互助共済制度であり、対象となる学校は、ただいま質問にもございましたが、義務教育の諸学校、高等学校、幼稚園、保育所等となっております。給付には一定の条件がございますが、かかった医療費の約4割相当額が給付されます。この給付金は、前橋市福祉医療費の支給に関する条例の規定により、
福祉医療費制度よりも優先され、3割相当額が市へ返還されるために、本市の医療費支出の抑制にもつながっております。
(11番
須賀博史議員 登壇)
24 【11番(
須賀博史議員)】 それでは、順次質問いたします。
まず、教員の多忙感の解消についてお伺いいたします。教師は、日々多くの業務を抱え、子供と接し、その人格形成にかかわっていくという使命を果たすことに専念できず、多忙感を抱えたり、ストレスを感じる人が少なくありません。以前の教育課程においては、ゆとり教育を路線とする教育改革を実行し、週5日制と総合学習の実践の中で、確かな学力と生きる力の育成を目指しておりましたが、その実践者となる教師においては相反する状況を迫っておりました。そこで、本市において、その解決策に取り組みを進めていると認識しております。本市の教員の業務として多くのものを抱えておりますが、その一つに、本庁管内の一部の中学校で青少年の健全育成を目的とする2団体の事務局が置かれております。これらの団体は地域と連携しながら青少年の健全育成の活動に大きな貢献をしていると感じておりますが、一方では、教員にとってそれらの団体の事務を担うことが大変大きな負担となっております。そこで、学校における青少年団体の現状と今後の事務の見通しをお伺いいたします。
25 【指導担当次長(山中茂樹)】 ご指摘のように、学校に事務局を置いている青少年団体は、地区の
青少年健全育成会と
青少年育成推進員会の2種類でございます。これまで公民館のない本庁管内の中学校は、いずれも両団体の事務局を持っておりました。両団体とも地域の特色を生かしながら、青少年健全育成や非行防止の実践活動等に貢献している団体でございますが、事務局運営が担当教員の負担になっている点が課題でございました。そこで、負担軽減に向けた事務見直しの検討や地区事務局の状況把握などのため、今年度第一中学校の両団体事務を青少年課に移管したところでございます。今後は、事務局移管で得た成果を両団体事務や事業のよりよいあり方につなげるよう努めるとともに、教員負担軽減のため、学校以外の事務局の受け皿についても検討してまいりたいと考えております。
26 【11番(
須賀博史議員)】 今後両団体事務を青少年課に移管するということでありますけれども、実際に地域のつながりなくして実践は難しいと考えております。以前から要望させていただいておりますけれども、市民部所管の地域担当専門員の増員と、その枠の拡大ということで対応できると考えております。ぜひご検討のほどよろしくお願いしたいと思います。
続いて、部活動についてお伺いいたします。昨年度、スポーツ庁から部活動の在り方に関する総合的なガイドラインが示され、県、市教育委員会では適正な部活動の運営に関する方針を策定し、各学校においても学校の部活動の方針を策定、公表して2年目を迎えております。また、部活動にかかわる環境も、少子化の影響で、主競技でさえ休部ないしは廃部となり、あるいは合同チームとしての活動を余儀なくされております。今後その傾向は強まると考えておりますが、そこで前橋市の中学校の部活動の現状と今後の方針について、教育長にお伺いいたします。
27 【教育長(塩崎政江)】 まず、本市における中学校の部活動の現状ということですが、全体で見ると、本当に以前と大きく変わってきたと思います。休養日を設けるなどして、先生方も生徒も今までより自分の時間が持てるようになってきたと聞いています。また、短時間で効果的な練習ができるような工夫もしているようです。生徒たちの休養日の過ごし方、これも課題になってきて、PTAや地域とともに考えている学校もたくさんあります。方針にあるとおり、学校の教育活動の一環としての部活動ですので、生徒が興味関心を持って主体的に活動しており、意欲の向上、自己肯定感、責任感、連帯感などの涵養につながる教育的意義の高い活動であると考えています。実際に現場の先生方からも、今の子供たちの課題となっている耐える力であるとか、礼儀であるとか、相手の心を思いやる力なども部活動で育っていると聞いています。したがいまして、部活動の方向性につきましては、外部指導者の発掘や拡充、これを図りながら、学校単位での部活の意義を十分に考えながら、学校と地域が協働した形での地域におけるスポーツ環境の整備状況なども踏まえ、学校や競技団体、あるいは市の中体連とも協議しながら進めていきたい、このように考えています。
28 【11番(
須賀博史議員)】 続きまして、あたご歴史資料館についてお伺いいたします。
住吉町二丁目の有志が、戦争の体験、そしてその後の平和の大切さを次世代にしっかり残したいということで、平成24年からあたご歴史資料館として運営を開始しました。その後、前橋空襲における資料の展示はもとより、防空ごうの再現、空襲を受けた日に慰霊祭などを開催し、最近では県外からの視察が来るということで周知も図っております。しかし、来年の3月31日をもって閉館し、資料などについては市が受け入れると伺っておりますが、現在のあたご歴史資料館の状況をお伺いいたします。
29 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 あたご歴史資料館は、前橋空襲体験者がみずからの力で戦争を語り継ぐという方針のもと、活動を展開してまいりましたが、開設当初は8名いた前橋空襲体験者の語り部も、現在は2名となりました。担い手の高齢化や人員不足により、当初は週に3回の開館が、現在は週に1回の開館となっており、令和2年3月31日で閉館することになりました。閉館後2カ月程度をかけて、市に移管する資料を整理されるようでございますので、令和2年6月ごろに市で資料を受け入れる予定でございます。
30 【11番(
須賀博史議員)】 残念なことに、担い手の高齢化や人員不足により閉館となるというのは大変残念なことでありますけれども、市が受け入れることになった貴重な資料は今後有効に活用していただきたいと思っておりますが、今後の資料の活用予定についてお伺いいたします。
31 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 本市では平成28年度から、前橋空襲がありました8月5日に、被害の多かった市中心部の寺社、教会において一斉慰霊を行っております。前橋学市民学芸員が語り部となり、前橋空襲の説明を行い、宗教施設で戦没者を供養し、未来永劫の平和を祈念しております。来年は、前橋空襲、そして終戦から75年を迎えるため、前橋空襲一斉慰霊にあわせまして、あたご歴史資料館から受け入れた資料の特別展示等を今後検討してまいります。
また、去る11月26日に、市内の民間活動団体の代表者と市関係課により、前橋空襲を語り継ぎ、平和資料を収集展示の形の検討会を設立いたしました。今後あたご歴史資料館より受け入れる貴重な資料の保管及び活用を含め、本検討会でさまざまな議論を行い、前橋空襲を次世代に語り継いでいきたいと考えております。
32 【11番(
須賀博史議員)】 続きまして、地方創生の取り組みについてお伺いいたします。
地方にとって人口減少問題というのは大変大きな課題であり、さまざまな対策が講じられ、国においては平成26年度にまち・ひと・しごと創生総合戦略が策定され、本市においても県都まえばし創生プランを策定しました。今年度が計画期間の最終年度となっております。そこで、本市の地方版総合戦略の取り組み状況についてお伺いいたします。
33 【政策部長(稲田貴宣)】 地方版総合戦略の取り組み状況についてでございますが、本市では平成27年度に策定した県都まえばし創生プランに基づいて、前橋版総合戦略に位置づけた42の総合戦略事業に取り組んでまいりましたが、基本目標の達成度をはかるための重要業績指標である合計特殊出生率は、目標値の1.52に対して、2017年度の実績値は1.41、20歳から24歳までの市外への転出超過数は、目標値の118人に対して、2018年の実績値は369人となっており、計画最終年度の目標達成は厳しい状況となっております。
なお、本市の総人口の推移につきましては、2015年から2020年までの5年間で人口減少率を1.9%と見込んでおりましたが、計画開始から4年半が経過した2019年9月末現在の数値によりますと、人口減少率は0.9%となっております。近年の外国人住民の増加などにより、計画策定時の想定と比較し、人口減少が抑制できている状況となっております。
34 【11番(
須賀博史議員)】 総合戦略の基本目標に定めた重要業績指標の達成が難しいというご答弁でありました。そこで、今後の本市の地方版総合戦略の進め方についてお伺いいたします。
35 【政策部長(稲田貴宣)】 今後の進め方についてでございますが、現行の県都まえばし創生プランは今年度末で計画期間が終了となりますが、人口減少問題は本市が抱える最重要課題の一つであり、また地方版総合戦略の策定は国の地方創生推進交付金の交付要件にもなっております。このため現在、来年度からの5年間を計画期間とする次期計画の策定作業を進めており、2020年度以降も継続して地方創生に向けた取り組みを実施してまいりたいと考えております。次期計画につきましては、現計画の基本的な枠組みを維持しつつ、第七次総合計画との整合を図りながら、議会における質疑や外部有識者の皆さんからいただいた行政評価に対する意見等も踏まえ、本市が将来にわたっても北関東の中核都市として発展し続けられるよう必要な見直しを行い、計画を改定したいと考えております。
36 【11番(
須賀博史議員)】 続きまして、広報まえばしについてお伺いいたします。
広報まえばしについては、デザインを大きく変え、文字の大きさなど紙面のリニューアルを行いました。より幅広い人に読んでもらえるように、直感的におもしろそうと感じる写真のレイアウトに変えたのかと推測しておりますけれども、市民から反響はどうなのか、またどのような変更を行ったのかお伺いいたします。
37 【政策部長(稲田貴宣)】 広報まえばしは、市政情報を市民に伝える大切な情報伝達媒体であることから、直近では表紙デザインやレイアウトを見直し、紙面にゆとりを持たせて読みやすくするなど、より見やすくわかりやすい紙面となるよう工夫を行っております。市民からの反響につきましては、特に詳細に把握はしておりませんが、広報が読みやすくなったというご意見をいただくこともございます。今後も若者からお年寄りまで、皆さんに親しまれる広報を目指して、紙面の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
38 【11番(
須賀博史議員)】 紙面にゆとりを持たせて読みやすく工夫して好評をいただいたということでありますが、一方で市民からは、おしゃれ過ぎて広報紙らしくないとか、掲載内容を探しづらいといったような批判が私のところに寄せられております。そういった声の中で特に気になっているのが、掲載内容が削られたという訴えであります。そこで、さまざま外部団体から広報の依頼があると思いますが、そういった依頼された場合の現状における対応についてお伺いいたします。
39 【政策部長(稲田貴宣)】 外部団体からの依頼記事の対応についてでございますが、本市では広報まえばしの編集、発行に当たり、掲載の基準として、広報まえばし掲載取扱要領を定めております。この基準は、公共の広報紙であるということから、掲載記事の公平性を確保することを目的に整理したものでございまして、原則として市主催または共催事業のほか、市政と特にかかわりの深い事業に限り掲載するものと定めているところでございます。これにより、外部団体から依頼された場合も、この基準にのっとり対応しているところでございます。
40 【11番(
須賀博史議員)】 取扱要領に従って判断しているということでありますけれども、本市のスポーツ協会に登録している各スポーツ団体が主催、あるいは市が後援しているスポーツ教室がありますが、これまで広報紙に掲載されていたものが掲載を断られると聞いております。もともとスポーツ団体というのは、運営の中で広報費などというのが存在していなくて、その役割というのは広報紙に依存していると理解しております。今回の掲載できない結果を受けて、各種大会、教室の参加者が、以前に比べて3分の1まで減ってしまったという訴えを受けております。これは、単年度の大会や教室の存続だけではなくて、今後の競技の存続にかかわってくる重大な変更事項だと捉えております。スポーツ協会等のホームページに掲載することで、あわせて指導しているということでございますけれども、そのスポーツ協会のホームページの存在が周知されていない状況では、ちょっと厳し過ぎる対応かと考えております。今後のスポーツ団体からの依頼事項については、市内のスポーツ振興を担っている側面があるため、今までどおり広報紙への掲載をすべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
41 【政策部長(稲田貴宣)】 本市スポーツ協会登録団体が行う事業の広報紙掲載についてでございますが、ご質問のとおり、各スポーツ団体の活動は本市のスポーツ振興に貢献していることはもちろん、市民の健康増進にもつながっているものと理解しております。各スポーツ団体主催行事の広報紙掲載に関する今後の対応につきましては、関係機関や関係部署と協議を行い、限られた紙面の中で可能な限りの対応を検討してまいりたいと考えております。
42 【11番(
須賀博史議員)】 ぜひ強くよろしくお願いいたします。
続いて、ICTを活用した市民協働型プラットフォームについてお伺いいたします。以前半田市に伺って、マイレポはんだという、道路の陥没や施設の損壊など身近な問題をスマートフォンの無料アプリを利用して、それらの問題を解決する制度を調査研究させていただきました。現在本市では、道路上の異常箇所や破損箇所については市ホームページトップ上に道路損傷等についての情報提供のお願いということで掲載し、メール機能を使って幅広く情報を収集しているということでございますが、そこで今年度の通報に係る状況についてお伺いいたします。
43 【建設部長(井口彰)】 今年度4月から11月末までの8カ月間における市ホームページからの通報件数でございますが、54件ございました。内容といたしましては、道路の陥没、カーブミラーや溝ぶたの破損などの通報がございました。
44 【11番(
須賀博史議員)】 気軽にメールで通報できることで多くの情報をいただいているということでありますけれども、半田市などほかの市においては、道路情報だけでなくて、さまざまな市民生活上の困ったと思うことを一定のルールにのっとってスマートフォンで撮影した画像を送って、市民サービスの向上に努めています。このように利便性の高い市民協働型のプラットフォームを構築して、市民からの情報提供を受けている事例を見受けると、このようなプラットフォームを活用した取り組みを本市に導入できないかと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
45 【政策部情報政策担当部長(松田圭太)】 ICTを活用した市民協働プラットフォーム導入についての考え方でございます。地域におけるさまざまな課題について、スマートフォンなどを利用し、市民から情報を送ってもらい、その対応状況について公開する仕組みが、一部自治体において導入や研究が進められております。最近では、市民からのレポートをAIが分析し、優先対応順位や最適な巡回方法を提示するなど、新たなシステムの実証実験も始められています。本市といたしましては、これらの最新動向を注視しつつ、管理運営体制や利活用方法、また費用対効果などについて関係各課と協議し、本市における効果的なシステム導入に向けた調査研究を行ってまいりたいと考えております。
46 【11番(
須賀博史議員)】 導入事例を聞きますと、AIによってその破損箇所の改修ルートまで示してくれるというお話も聞いております。業務の効率化も含めて、ぜひ前向きなご検討をお願いしたいと思っております。
続きまして、障害児通所支援事業者の指定等の権限移譲についてお伺いいたします。平成31年4月より、障害児通所支援事業者の指定等の権限が群馬県から本市に移譲されましたが、移譲に伴う指定等の状況についてお伺いいたします。
47 【福祉部長(高橋宏幸)】 指定等の実施状況でございます。権限移譲後に新たに指定を行ったものは1事業者、更新を行ったものは1事業者となっております。また、障害児通所支援事業は5種類ございますが、このうち前橋市には3種類の事業者がおり、移譲時の事業者数は58となっております。新規指定、更新事務のほかに、これら事業者からの報酬算定等にかかる変更届をこれまでに約80件受理し、指定基準に即した運営について指導を行っております。これら移譲によって新たに発生した事務につきましては、交付税による財源の手当てもなされております。
なお、権限移譲の経過措置として、それまで指定事務を行っていた群馬県条例に定める指定基準により指定等指導を行っておりましたが、指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例議案を今定例会において提出させていただいておるところでございます。
48 【11番(
須賀博史議員)】 指定事務が移譲されたことによってどのような効果があるのか、今後の考え方についてお伺いいたします。
49 【福祉部長(高橋宏幸)】 これまでは、事業者の指定は群馬県で行っており、通所支援の利用に係る支給決定は前橋市で行っておりました。事業者の指定と支給決定が異なる機関でされていたため、前橋市にご利用者からの問い合わせ等がありましても、対応は群馬県が行うなどの事例がございました。また、通所支援事業と障害福祉サービス事業を一体的に行う多機能型事業所の指定の際は、県と市それぞれに申請を行う必要もございました。今回の権限移譲により、問い合わせ等に対する対応が包括的、一体的に行われることになりまして、行政事務の効率化が図られるとともに、事業者や利用者にとっての利便性が向上しているものと考えております。
50 【11番(
須賀博史議員)】 先ほどの答弁で、交付税の財源の手当てもあるということです。権限が移譲されて業務がふえるということもありますので、人員の体制の強化というのもぜひ図っていただければと思いますので、要望させていただきます。
続いて、シティプロモーションについてお伺いいたします。本市は、シティプロモーションの一環として、応援できるプロスポーツが身近にあることを市民が誇りに感じられるように、市民の郷土愛の醸成につなげるようプロスポーツの支援を進め、それをマエバシプライド、プロスポーツを応援できる幸せとしております。特に昨日J2への昇格を決めたザスパクサツについては、終盤の1カ月ぐらいは多くの市民が感動し、勇気を与えたことと思っております。関係者並びにファンの皆様には改めて感謝とお祝いを申し上げたいと思っております。
また、スポーツを通じた平和促進ということで、2020年東京オリンピック・パラリンピックの出場を目指す南スーダンのホストタウンとして名乗りを上げ、先月14日からコーチ、選手団を受け入れております。これらは令和2年1月1日に施行となります前橋市スポーツ推進条例の目的と相関性が大変強く、ぜひ進めていただきたいと考えておりますが、市民の応援や歓迎の機運を高めるシティプロモーションの一環として実施した現在の取り組みについてお伺いいたします。
51 【市長(山本龍)】 まさに来年からスポーツ推進条例、その機運と相まちまして、スポーツ都市前橋としてのブランド発信に努めてまいりたいと思っております。今回さまざまな取り組みをしておりますけれども、主にはふるさと納税によります本市プロスポーツの支援、さまざまな支援、冠マッチを行ったり、あるいは交付金を支出していただいたり、あるいは小学生への応援招待事業なども行っておるところでございます。また、南スーダンにおきましても、ザスパクサツのホームゲームにご招待いただいたり、市民との交流、さまざまな形の中で進めておるところでございます。また、ふるさと納税Tシャツ、あるいはふるさと納税クラウドファンディング活動の取り組みを始めたところでございます。
52 【11番(
須賀博史議員)】 けさ早く、J2昇格のお祝いということで、市庁舎のほうに横断幕が張られているようであります。ただ、平素においてはまだまだそういった実感というのが、市全体で応援、歓迎しているという実感がまだまだ足りないと考えています。私たち議会では全国の都市にさまざま調査研究に伺っておりますが、駅のホームをおりたり、あるいは市役所の中に入ると、その市のPRを目にしますけれども、地元のプロチームの応援看板やフラッグというのをよく目にします。今シーズン通して、ザスパクサツは熾烈な昇格争いを繰り広げる中で、多くの市民を巻き込んで悲願を達成できたわけですが、このザスパクサツの本拠地である前橋市の庁舎に、横断幕といいますか、応援フラッグを掲げるなど、市全体で応援する機運を高める施策や、この間の小曽根議員からの要望もありましたが、南スーダンの選手を市全体で歓迎するのぼり旗を掲げるなど、歓迎ムードを広げる施策が必要だと考えます。プロスポーツの支援を目的にふるさと納税で寄附金を集めているわけですから、それらを含めた財源を活用して、応援や歓迎の機運を高める施策を展開することで、本市のシティプロモーションが広がるとともに、市民の愛着や郷土愛の向上に期待できると考えますが、今後の取り組みについてお伺いします。
53 【市長(山本龍)】 おっしゃられるさまざまな取り組みの必要性を今議員からも、また小曽根議員からも承っておりますので、取り組んでまいりたいと思います。プロスポーツチームがある自治体というのはまれなことでございます。本市におきましてはザスパクサツ、クレインサンダーズ、ダイヤモンドペガサス、そして自転車ですけれどもグリフィン、さまざまなチームがあります。これらを市民の一つのユニット、統合の象徴として、これからメッセージ性を高めていけというご指摘だろうと思っておりますので、チャレンジしてまいりたいと思います。
54 【11番(
須賀博史議員)】 市長のご答弁ありがとうございます。
確かにプロスポーツ、地元のプロスポーツというのはどこの市にもあるわけではなく、この存在というのは大変貴重だと考えております。それよりさらに貴重なのは今回の南スーダンの選手団でありまして、この選手団を市長は今回英断をもって招き入れたわけですけれども、大きくマスコミにも取り上げられて、さまざまなメディアにも取り上げられました。こういったことというのは、国内だけでなく、世界中に反響を呼んでいると思っております。今回この南スーダンをお呼びして、その選手団に期待することを、市長、何かお思いであればお願いいたします。
55 【市長(山本龍)】 英断というよりも、JICAからの要請を受けまして、その中でいろいろ議論した中で、財源として本市の予算ではなく、クラウドファンディング型のふるさと納税、あるいは支援委員会が醸成しているTシャツの販売、さまざまな形で取り組めるだろうという予測のもとでお預かりをすることとなったわけでございます。ただ、メッセージとすれば、やはり内戦直後の、まだ和平合意がやっと辛うじてつながっている、そのような復興途上の国々に対しまして、本市もまた戦争の復興をともにしてきた、同じような思いのある都市としてお預かりしていくというのが、ヒューマニズムからは当然やるべき責任であろうと考えております。その中で、さまざまなメディアからのご依頼も受け、それが発信されることによりまして、本市のシティプロモーションに寄与する、実はそれ自体が目的ではございませんで、社会貢献が目的でございますが、それがプラスアルファとしていただいているということは本当にありがたいことだと思っております。
来年の8月までに2,000万円の滞在費をと思っておりましたところ、まだ1カ月もたたぬ間に4分の1ほど調整できているのは、まさに我々が行っていることが、日本としてやるべきことの一つのモデルとして全国の方々から評価をいただいた結果なのだろうと考えております。これからもそういう意味で、スポーツを通じたシティプロモーション、前橋の発信というのは取り組んでまいりたいと思っております。
56 【11番(
須賀博史議員)】 次に、地域の諸課題ということで、一部順番を変えて質問させていただいております。申しわけありません。事前に言えばよかったですね。
地域の諸課題ということで、都市計画道路の前橋公園通線についてご質問させていただきます。都市計画道路前橋公園通線については、国道17号の交差点から北に事業が進捗し、ヤマダグリーンドーム前橋の前までは完成しておりますが、この道路は都市計画道路日吉岩神町線を経て、県道前橋箕郷線に接続いたします。この未整備区間については、大型商業施設も開設されていることもあり、早期の拡幅の整備が待たれるところであります。そこで、未整備区間の整備の見通しについてお伺いいたします。
57 【都市計画部長(高橋智嗣)】 都市計画道路前橋公園通線の未整備区間及び都市計画道路日吉岩神町線の一部区間の整備の見通しについてでございますが、過年度の大型商業施設の開設に伴いまして、未整備区間の一部で暫定的に改良整備を行っておりますが、残りの区間につきましては、現地の地形や既存施設の土地利用の動向を踏まえて道路線形等の見直しを行うとともに、街路事業として国庫補助を活用し、実施していく必要があると考えておりますので、今後整備効果の検証や、現在事業を実施しております他の路線の進捗状況を考慮しながら、事業化に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
58 【11番(
須賀博史議員)】 この道路というのは大型商業施設ができてからさらに渋滞がひどくなりまして、特に並行して走っております
国体道路、グリーンドーム前橋から敷島公園のまでの通りというのが今回の台風19号でも水没被害等がありまして、河川敷ということもありまして、ちょっと難しさを持っております。ここの前橋公園通線が早期に拡幅することで、そういった渋滞解消や地域の安全性も守れると思っております。ぜひ早期に対応をお願いしたいと思っております。
続いて、大渡こどもクラブについてお伺いいたします。岩神小学校の児童を中心に利用されております大渡こどもクラブは、平成28年度に地元自治会連合会から岩神小校内への移転、それが難しいようであれば、岩神小学校北にあります県営岩神団地跡地を取得して、そこに移転することができないかという要望が出されました。理由は、現在小学校から約400メートル離れておりまして、また通所に際して片側2車線の前橋箕郷線を横断しなければならない。さらに、利用者の駐車スペースもなく、先ほど質問しました車の往来が激しい日吉岩神町線沿いにあるため、迎え入れる車の出入りも困難な状況であります。そこで、大渡こどもクラブの移転について、現在の検討状況をお伺いいたします。
59 【福祉部長(高橋宏幸)】 大渡こどもクラブの移転についてでございます。
地元から要望を受けまして、岩神小学校北にある県営岩神団地跡地の取得に向け、県と再三協議を重ねてまいりましたが、県といたしますと、土壌汚染等の調査を実施する能力が十分ある市町村が買い主である随意契約の場合、売り主である県の瑕疵担保責任を負わないという考え方で一貫しており、この考えを変えることはないと思われております。売り主の瑕疵担保責任が免責された一方的な契約の内容のままでは、県有地を取得することは難しいと考えておりますので、岩神小学校の校舎内、あるいは校庭内設置の可能性について、学校側と協議しながら再度検討しているところでございます。
60 【11番(
須賀博史議員)】 状況は理解しました。ただ、予算計上されてからもう2年がたっておりますし、地元では早期の移転というのを求められております。ぜひ本来あるべき学校内への移転を早期に決断していただいて、地元が待たれている整備をぜひお願いしたいと思っておりますので、教育委員会とともに、ぜひお願いしたいと思っております。
続きまして、利根川上流流域下水道維持管理費負担金についてお伺いいたします。流域下水道というのは、市町村が整備する下水道からの下水を市町村の行政区域を越えて県が管理する管渠を終末処理場で処理するものであり、都道府県が事業主体となり、市町村は定められた維持管理費を負担していると認識しています。そこで、本市の負担する維持管理費負担金はどれぐらいあるのか、また近年どのように推移しているのかお伺いいたします。
61 【水道局長(井上敬二)】 本市の負担する流域下水道維持管理費負担金についてでございますが、県より示されました最新の精算額は、平成30年度のものになりますが、県央処理区全体の維持管理費23億8,492万5,000円のうち、本市はおよそ37%の8億8,974万9,000円の負担となっております。
続きまして、近年の推移についてでございますが、金額につきましては平成26年度から平成30年度までの5カ年の間で5,000万円程度上昇しており、年々増加する傾向でございます。
62 【11番(
須賀博史議員)】 維持管理費がだんだん増加傾向にあるということでありますけれども、昭和63年から稼働している県央処理区の施設などは大変老朽化が進んでおります。今後さらに市町村の負担が増加すると考えられますけれども、今後どのような見込みになるのかお伺いいたします。
63 【水道局長(井上敬二)】 今後の見込みについてでございますが、ご指摘のありましたとおり、施設の老朽化による建てかえや管渠等の布設がえに伴い、負担金が増加することが考えられます。また、県は国の通知に従いまして、令和2年度より流域下水道事業を公営企業会計に移行いたしますが、その移行に伴い、関係市町村の費用負担の割合をふやすよう見直すこととしております。本市といたしましては、見直しに当たりまして、流域下水道事業が広域の公衆衛生向上や環境保全に大きく寄与する公共的な事業であることから、令和2年度の法適化移行と費用負担の見直しを区分した関係市町村との十分な協議の実施と、流域下水道を使用する市町村の負担に配慮した県の応分の負担の継続の2つの項目について県知事へ要望させていただきました。さらに、今後想定される人口減少に伴いまして、下水道使用料への影響なども考えられますことから、今後その動向を注意深く見守ることも重要であると考えております。
64 【11番(
須賀博史議員)】 県との関係市町村間の費用負担のあり方、見直しについて県知事へ十分な協議や県の応分の負担を要望したということでありますけれども、今後についてはどのような取り組みを行うのかお伺いいたします。
65 【水道局長(井上敬二)】 今後の取り組みについてでございますが、県央処理区は本市を含む10市町村で構成されております。県との費用負担のあり方を見直すことは全ての構成市町村に共通する課題であり、今後も構成市町村と連携を深め、課題解決に向けた協議を行ってまいりたいと考えております。また、県内には、県央処理区を含め、6処理区の流域下水道があり、各処理区により事業実施時期や整備の進捗率等さまざまな違いはありますが、県との費用負担のあり方は共通する課題であるため、見直しの進捗状況や考え方等の情報交換を行ってまいりたいと考えております。県には引き続き十分な協議と、県の応分の負担を継続していただけるよう、要望していきたいと考えております。
66 【11番(
須賀博史議員)】 かなり高額なものになりますので、市民サービスに直接資するものになりますので、ぜひ県との協議を慎重に進めていただきたいと思います。以上で質問を終わりにいたします。
(6番 豊島孝男議員 登壇)
67 【6番(豊島孝男議員)】 通告に従い、順次質問いたします。
最初に、証明手数料のキャッシュレス化についてお伺いいたします。住民票の写しなど、各種証明書の手数料のキャッシュレス化については本年第1回定例会でも質問させていただいていますが、最近民間でのキャッシュレス決済が急速に普及してきたと感じます。コンビニエンスストア等の小売店や飲食店などでも国の還元措置に合わせた導入が進み、日常生活の多くの場面で利用されるようになってきています。こうした中、県内では富岡市が証明手数料等のキャッシュレス化に取り組み始めたと聞いておりますが、本市における証明手数料のキャッシュレス化の検討状況についてお伺いいたします。以降は質問席にて伺います。
68 【市民部長(平石秀樹)】 住民票の写しなど、市民課窓口で取り扱う証明手数料のキャッシュレス化の検討状況につきましてですが、他市の導入状況や課題等について情報収集を行っている状況でございます。なお、県内では富岡市が本年9月からキャッシュレス決済を導入したと聞いておりますので、導入の経緯や取扱実績などについて調査させていただいております。
69 【6番(豊島孝男議員)】 現在、社会全体でキャッシュレス化が進行している状況であり、多くの方がキャッシュレス決済を利用し始めています。行政機関での支払いについてもキャッシュレス化を進めることにより、市民の利便性の向上を図ることができると考えられます。既にキャッシュレス化を実施している富岡市での状況も調査しているようでありますが、その利用状況と、今後のキャッシュレス化についてどのように考えているのかお伺いいたします。
70 【市民部長(平石秀樹)】 富岡市の利用状況と今後のキャッシュレス化についてでございますが、富岡市では市民課及び税務課で交付する各種証明書の手数料について、本年9月からLINEペイによりキャッシュレス化に取り組まれ、現在ペイペイ、オリガミペイでの決済サービスも導入されております。利用状況につきましては、導入して間もないため、1日当たり数件程度と少ない状況と伺っております。また、決裁後の事務処理において職員の負担が増加した部分がある一方、利用者からは操作が簡単で便利になったと好評であるとお聞きしました。こうしたことから、今後、他の自治体での導入状況や導入と運営にかかる費用などを勘案しながら、市民のニーズも踏まえ、関係部課と協議の上、導入の是非について研究してまいりたいと考えております。
71 【6番(豊島孝男議員)】 次に、市税のキャッシュレス化の状況についてもお伺いいたします。市税の納付においても、スマートフォンや電子マネーなどの支払いとなるキャッシュレス化は市民の方にとって納税の利便性を高めるものと考えますが、本市の現在の状況、また今後の考え方についてお伺いいたします。
132 【23番(長谷川薫議員)】 駅利用者の方が滞在するには余りにも小さい、コンビニよりも小さい飲食店ですから、飲食店が多数できるような答弁はちょっと問題だと思います。
管理者がかわったとはいえ、エキータもにぎわいづくりに成功しておりません。前橋駅をおりても食事をする店がないので驚いたという来訪者が大勢いらっしゃいます。電車やバス乗降客がけやきウォーク前橋のほうに向かうのではなくて、再開発事業で建てる新しい建物内でゆっくり過ごせる店舗を整備する事業計画こそ、今駅のにぎわいを取り戻すためには求められていると思います。駅前再開発の最後のチャンスを失うことのないように、事業計画の抜本的な見直しを求めておきます。
次に、日赤跡地のCCRC生涯活躍のまちづくりについても、特養が誘致できず、首都圏の移住者を迎えるどころか、単なる日赤跡地の利活用事業に大きく変わりました。今後前橋市としての税金投入は、夜間急病診療所と福祉作業所の移転費用と敷地内の道路の一部、そして公園の負担だけで済むのかどうか、これ以上の財政支出が求められるのかどうなのか、そして国からの補助金はどの程度期待できるのか伺います。
133 【都市計画部長(高橋智嗣)】 CCRC事業についての市の負担についてでございますが、今ご質問にもありましたように、夜間急病診療所と福祉作業所などの公共施設整備に加えまして、こうした施設の利便性向上のための道路と多世代交流のための公園を市が整備する予定でございます。
なお、市の財政負担につきましては確定はしておりませんが、国の補助制度を活用することで負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
134 【23番(長谷川薫議員)】 国の地方創生に関する補助金も活用して、そして首都圏からアクティブなリタイア層、富裕層の移住を実現して、生涯学習など地域貢献をする、そういうまちづくりをするという当初計画案が、もう破綻しております。病院建物解体費用として前橋市が9億円を負担する、こういうことは回避できましたけれども、今後とも市財政の負担は最小限にとどめるよう求めておきます。
次に、既に用地買収交渉が開始されましたが、全国トップクラスの年間160万人を集客している5ヘクタールの川場村の道の駅、田園プラザを超える本市の7ヘクタールの新道の駅について、建設部長にお聞きいたします。我が党はこれまでに、農業振興なのか観光振興なのか事業目的が判然としない点や、ロケーションの悪さや上武道路の通行量から見ても、年間100万人の集客目標に応じた施設規模は余りにも過大ではないかとの問題点を指摘し、見直しを求めてまいりました。今当局は中心市街地のアーバンデザインを策定し、今後の活性化を目指しておりますけれども、郊外に位置する新道の駅への集客と中心街の活性化の方針は矛盾するのではないでしょうか。農産物の直売施設の運営方法、さらには今後15年間の運営費も含めて、総事業費約95億円のうち、市が支出する費用はどの程度となるのか、それぞれ答弁を求めます。
135 【建設部長(井口彰)】 新たな道の駅は、ゲートウエーとしての機能を持っております。本市は、歴史のあるまちでございます。多くの史跡や名物、祭り、イベントなど、旬な情報を観光案内所において発信いたしまして、中心市街地のみならず、市内全域を楽しんで回遊できる仕組みの構築を進める考えでございます。また、新たな道の駅の核となります農畜産物直売所の運営についてでございますが、現在運営事業者が農業委員を初め農業関係者に対し、道の駅の農産物直売事業のご説明をし、事業への協力と参画についてお願いし、運営体制の構築もあわせて進めているところでございます。本市といたしましても、ほかにはない前橋産の農畜産物の魅力をアピールしていくことで、生産者が潤うような取り組みを進めたいと考えております。
最後に経費でございますが、現在施設の実施設計を行っているところであり、市の支出する具体的な金額はお示しできませんが、各種補助金を可能な限り取り込むとして経費削減に努め、PFI事業者のノウハウを生かし、運営コストの削減を図っていく考えでございます。
136 【23番(長谷川薫議員)】 今、市の玄関口にする、ゲートウエーにするというような答弁がありましたけれども、私どもいろいろな道の駅を視察しましたけれども、道の駅に来たお客さんが買い物したり飲食をした後、ほかの観光地に回るというのは余り成功していないというのもありますので、なかなかそうはいかないのではないかと心配しております。農業振興に結びつく運営の努力をされているという答弁がありましたけれども、率直に言って、事業者任せになっていると思います。市の積極的な関与が弱過ぎると思います。同時に、荻窪、大胡、富士見の既にある道の駅で懸命に頑張っている高齢の農業者の意欲をそぐことのないように、やはり施設の整備規模は、全国的に交通量から見て二、三ヘクタールが平均的な施設規模ですので、既存の道の駅との共存共栄の見込みが明らかになって、集客も進んだ段階で拡張すればいいわけで、ぜひ慎重な検討をして、今からでも計画の見直しはしていただきたいと思います。
次に、財務部長に質問いたします。今年度から9年間の本市の行財政改革推進計画では、歳入面では税収や地方交付税の大幅減収が見込まれ、歳出では医療、介護などの社会保障費の増額、市の借金、市債の償還経費が高水準で推移する上に、基金残高が減少しているので、今後の市政運営は緊急性や優先度などから事業を慎重に選択して進める必要があると強調しています。ところが、今、市議会棟の建てかえに加えて同時多発的に、先ほど申し上げました大型公共事業と再開発事業が進んでおり、準備段階であるにもかかわらず、公共事業を中心とした今年度の投資的経費は221億円にも及んでおり、今後さらなる投資的経費の増が心配されます。今財政当局として必要な観点は、ハード面のまちづくりである大規模開発は抑制していく、そして少子化対策として小中学校の子育て支援、高齢者支援策、そしてインフラの長寿命化、歩行者や自転車を優先した安全な道づくり、こういう市民の暮らしと地域経済を活性化する循環型経済の発展を強力に推進するという立場の財政政策が必要だと思いますけれども、どのように考えておられるか答弁を求めます。
137 【財務部長(西澤秀明)】 大規模開発につきましては、人口減少や高齢化が進行する中で本市の総合計画や地方創生の取り組みを推進するため、市民生活に密着した福祉や教育、生活環境の向上を初め、産業振興やまちづくり、また未来に向けた投資との観点から大型事業にも取り組んでいるところでございますが、財政状況は厳しさが見込まれることから、事業の優先度や費用対効果に伴う事業の推進ということが今後ますます求められてくるものと考えております。市行政はその守備範囲が大変広く、それぞれの分野においてさまざまな役割がございますが、限られた財源の中で、投資的経費に関しましては国や県補助金等の活用にさらに努めるとともに、その一般財源負担に留意の上、総額では抑制を図る必要があると考えておりますし、そのほかの施策におきましても引き続き各部において事業効果の検討、検証を進めることなどにより、さらに効率的かつ効果的な事業運営に取り組まなければならないと考えております。
138 【23番(長谷川薫議員)】 最後に、市長に質問いたします。
今議会でも、リスクがあってもハイリターンが期待できるという立場から、開発事業への財政投入の必要性を話しておられます。しかし、全国的に見ても、例えば兵庫県明石市などは人口がふえているわけですけれども、大開発はやっておりません。子育て支援策だとか高齢者支援策を充実することによって都市の魅力をすごく高めて、移住人口がふえて、出生率も高まって人口がふえているのです。兵庫県の中では明石市が、もう特筆されるそうです。それから、8年前振り返りますと、市長は箱物よりも人の出会いやそうした中で育まれる人づくりを優先したいということで、前高木市長が計画していた中心街の大規模開発をきっぱり中止されて当選をされたわけです。やはり私は、そうした初心が今非常に弱まっているのではないかと。一部の有力者とか一部の地権者、あるいは開発事業者などとの合意だけで、トップダウンで大きな事業をやるということはやはり問題だと思います。後で負の遺産になりかねないと思います。沼田市も、中心街に大きな開発をしたらそういうことが起こりました。そんなことで、市長選挙ももう迫っていますけれども、まちづくりについては初心に立って、大規模改修を抑えて、ソフト面、福祉、暮らしを優先するという形での施策に転換する政策を掲げて市長選挙に臨んでいただきたいと思いますが、市長の答弁を求めます。
139 【市長(山本龍)】 よくわかります。ただ、議員、誤解もあります。我々は、民間の企業が何か前橋のために投資を行うときの呼び水として少しの応援をしていく、その応援というのは何年かでまた戻ってくる。広瀬川のマンション、あるいは5差路にあった黒いビルだっていつの間にか人が住む施設になっております。あれは市の事業ではございません。全部主体は民間です。そして、我々がそこに応援するコストは、例えば広瀬川だったら10年、5差路のビルでしたら少ししか応援していませんので7年ぐらいで、我々が出した市民の税金は必ず戻ってくる。そういう中で動かしているわけです。今駅前に子供たちがいっぱいのレストランをつくってくれというお話をいただきました。でも、それは今エキータというビルの中でそれなりの新しい施設改修を民間の力でやってくださるのに、何も市が市のお金を使ってやる必要はないではありませんか。民間がやるのは、民間は自分の利益を上げるためにやっていく。その投資というのは、先生だって投資家だったならば、それはリターンを得るために投資をするわけです。それがたまたま27階建てのマンションが、その方にとっては一番の投資だったのだろうと思います。でも、我々も、あそこに何世帯のご家庭が住むのかわかりませんけれども、人口はふえてくる、そしてそれに伴う市民税、あるいはそこからの固定資産税収、さまざまなことを勘案しながら、我々は市民負担を極力しないような省コストで、てこの原理で少しの力で大きなまちを動かそうとしている、そういう気持ちでおります。
8年前、箱物抑制をするという山本龍の公約は、どこに行ったのだと。今も全く同じでございます。前橋市が大きな美術館をつくる、天文台をつくる、市民ホールをつくる、そんな計画は一切ないわけでございます。今私がつくっているのはせいぜい学校の改修、改築、そして公民館の改修、改築、そういうことを私は順繰りに、それも古くなったごとにやっていくというルールの中で、適正に、そして合理的に公正に進めているつもりです。
最後に、道の駅のお話もいただいたので。観光目的なのか農業支援なのかわからない。いや、両方とも兼ねたいのです、両方とも。そこから、最終目的地で買い物が終わったら帰っていくのではないですか。そうではなくて、そこで食べたイチゴ、このイチゴはどこでつくっているのだろう、あるいは食べたリンゴ、赤城山のどこなのだろう、さまざまなことの中で魅力的な産物を得ることによって、私たちは前橋というブランドを発信していく。それは観光でもあり、農業振興でもあろうとも思っております。決してそういう意味で中途半端な施設ではなく、きちんとしたものを。川場村の道の駅は、20億円ほど売っておられるでしょうか。おにぎり1個、塩むすびが250円で売っているのです。我々も、そういう新しい農家の価値というのもチャレンジする。もちろん大きな農家でJAや市場に直接売れる人もいるけれども、高齢農家が何かこういうので特色のあるものをつくって、少しもうけてみようよと、そんな高齢農家のチャレンジだってあるかもしれませんし、障害を持っている方々の新しい何でしょうか、パン工房ができるのかもしれませんし。我々は、そういう一人一人の願いを応援できるような道の駅をつくっていこうと思っております。したがって、これは生きがい施策でもありますし、福祉施策でもあります。さまざまな機能を持っている道の駅をつくるために頑張ってまいりますので、議員もすぐそばでございますから、これからもウオッチし続けてくださいませ。よろしくお願いします。
(35番 岡田行喜議員 登壇)
140 【35番(岡田行喜議員)】 早いもので、ことしも1年を振り返る月になりました。そこで、改めて台風15号、19号によりお亡くなりになった方々へ衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被害を受けた方々へお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を願っております。
通告に従い、質問いたします。初めに、ひきこもりについてお伺いいたします。私は、ことしも悲しく寂しい思いで12月を迎えております。平成から令和へと時代は変わり、天皇の即位と、誰もがどんな時代のスタートの年になるのか、私だけでなく、多くの市民も期待を持ったことと思います。しかし、ことしも自然の力に勝てず、9月、10月には台風15号が千葉県を、19号は伊豆半島に上陸、猛烈な雨を降らせながら東海、関東、東北、列島を縦断し、昨年7月の西日本豪雨における11府県を上回り、行方不明者を含め95人からの犠牲者には悲しみが増すばかりであります。また、10月31日未明には、沖縄県那覇市首里城の焼失、テレビの放映とはいえ、首里城の棟が落ちる姿は悲しみが増し、涙した思いです。
そのような1年の中でも特に衝撃を受けたのは、5月に川崎市で児童らが殺傷された事件であります。容疑者がひきこもり状態だったことから、社会に大きなショックを与えました。そして6月には、東京都内で70代の父親がひきこもりに近い状態だった息子を殺害する事件が起きたときには、人の一生、人生の悲しさをこんなに重く寂しく感じたことはありませんでした。実は、私は5年前に50年からのつき合いの親友から突然息子さんのひきこもりの相談を受け、当時私は、当事者はもとより親友、いわゆる両親としてどんな心境で毎日を過ごしていたのかと思うと、悲しく思うと同時に、親友の力にならなければならないと思って現在に至っております。ことしの春には息子さんの行動に新たな光も見えて、友人と根気よく頑張る約束をしたやさきに起きた社会の事件だけに、私は今日の社会のひきこもりに対する問題を行政としても本気で考えるときだと思っております。
そこで、ひきこもりの原因と責任についてお伺いいたします。現代社会でひきこもりになる原因がどこにあるのか、私にもわかりませんが、そこでお伺いいたしますが、ひきこもりは誰の責任なのでしょうか。社会の責任なのか。家庭の責任なのか。また、当事者本人の責任なのか。改めてひきこもりに対する見解を市長、教育長にそれぞれお伺いいたします。
141 【市長(山本龍)】 きょう質問一覧表を見ましたら、岡田行喜議員は、ずっとひきこもりについて、あるいは不登校のことについてのお尋ねばかりです。それをそれぞれの議論を通じながら、一体どういう課題感、誰の責任、誰が原因というのが明確になればいいなとは願っています。ただ、議員、誰の責任というか、いろいろな要因が重なっている、ある意味、不幸な出来事なのだろうと思います。幼児期において発達障害ということを認識せずにそのまま発達障害をケアできずに育っていた子供だとか、あるいは青年期にいじめに遭って、学校にもう行けなくなってしまったという外的要因のストレスによる不登校の子供たちが、そして社会に出ることができなくなったのか、あるいはアラフォークライシスとよく言われている、今40代から50代のおよそ60万人いると言われているひきこもりの方々は、多分社会に出ていったときに就職氷河期だったために、いわゆる非正規雇用の中で職場に恵まれず、トレーニングも上司から受けられず、何か機械のように扱われて、苦しくなってひきこもりになってしまった方々、いろんな要因が重なっている。だから、一つ一つの要因ごとに、あのときに3歳児健診でもっとケアしてやればよかったと思う、それぞれの要因が僕はあるのだろうと思います。そういう意味で、犯人探しももちろん必要だと思います。それによってのこれからの、もう引きこもらない、ひきこもりの子供たちを新たにつくらないという決意は我々政治には必要であろうと思います。
一方、今引きこもっている若者たちをどうやって社会に結びつけていくのか。それは、就労支援であろうとか、ジョブセンターであろうとか、ハローワークであろうとか、あるいは我々の近所の集いであろうとか、さまざまなことをもって、我々はみずからが多分その犯人の一人であるという自覚を持って、それぞれの役割でチャレンジしていく、そんなお答えでよろしいでしょうか。
142 【教育長(塩崎政江)】 やはりひきこもりというのは本人だけではなくて、家族にとってももう本当に深刻な悩みであって重大な問題だというふうに考えています。市長の話にもありましたけれども、なぜなったのかというのはそれぞれのケースがあって、本当にさまざまな要因が重なってきているのではないかと思いますので、責任の所在というのは一概には言えないかと思います。
でも、ひきこもりというのは一つの状態なわけなのですけれども、大切なのはその人に生きる意欲があるかどうかということではないかと思います。我々は、ひきこもりになった人たちが少しでも生きる意欲が持てるような、そういう支援が重要なのではないかと思っています。生きていく上では誰でも本当にいろんな悩みだとか苦労だとか挫折だとか、いろんなことがあると思うのですけれども、それを乗り越えられるかどうか、それにはやっぱり安心できる場所とか人がいることと、それから自分の役割あるいは自分の存在、自己存在感を感じられることではないかと思っています。先ほど市長からもありましたけれども、ひきこもりをつくらないためにも、小さいころからさまざまな体験を直接させる、そういうことが結局は子供の育ちにとっては大事なのではないかと。いろんな人とかかわったり、家族や学校だけではなくていろんな人たちが子供の育ちに関心を持って成長を見つめていくことが大事だろうと思います。また、既にもう今悩んでいる児童生徒がいたら、その方が安心できるような人が寄り添って、ともに考えることが大事なのではないかと思います。教育委員会としても、そういう不登校傾向の子供ですとか特別支援の必要な子供、お一人お一人をしっかり見ていって、ひきこもり状態にありそうな中学卒業生にも積極的にかかわっていきたいと考えています。
143 【35番(岡田行喜議員)】 それぞれ答弁いただきました。行政をつかさどる立場からも、質の高い支援をいただきたいと思います。また、教育長にも答弁いただきましたが、やはり私は、ややもすると原点は子供の教育の時代のときかと、そんな思いもありますので、これからもより一層のご努力をお願いしたいと思います。
関連して、ひきこもりの人数と対応についてお伺いいたします。昨今我が国は、人口減少を初め、少子化、人手不足、若者の自殺、いじめ、ひきこもりなど多くの社会問題があります。どの問題も大変重要でありますが、ひきこもりについては8050問題と言われ、高齢者の親と50代のひきこもり状態にある子供と同居し、経済的困窮や社会的孤立に追い込まれる世帯がふえ、切実な社会問題になっております。ひきこもりは、現在全国に若年層15歳から39歳までは54万人、中高年、40歳から64歳までは61万人とも言われております。合わせて115万人とも言われております。子供、若者は社会の未来を担う宝であります。国では、外国人の労働者の受け入れを始めます。5年間で35万人とも言われております。私は外国人を差別するわけでありませんが、外国人労働者の受け入れと並行して、ひきこもりの人たちが何十%、いや何%でも社会に復帰できるならば、雇用政策にも大変役に立つと思います。ひきこもりの社会復帰は、行政の喫緊の課題だと私は思っております。そこで、本市では現在ひきこもりの状況、人数をどう捉えているのか、またどのような対応を図っているのかお伺いいたします。
144 【健康部長(齋藤明久)】 まず、本市でのひきこもりの状況、状態にある人の人数についてでございますが、家族が地域の人に明らかにしたがらないなどの理由により、調査は非常に困難なため、人数の把握は厳しい状況にございます。そのような状況の中、国の調査をもとに本市の15歳から64歳までのひきこもりを推計いたしますと、2,900人ほどとなります。これは大変深刻な問題であると、そのように認識しております。また、ひきこもりの状態にある人への対応についてでございますが、本市の精神保健福祉相談には年間3,000件程度の相談がございます。そのうちの1割程度は、ひきこもりに関する困り事の訴えになります。ほとんどは当事者の家族からの相談となりますが、内容的には家族としての対応方法や経済問題など、本人の将来を心配するものまで多岐にわたっております。数は少ないですが、ひきこもり当事者からの相談もございます。そのような場合にはよく話を聞き、病気の疑いがなく、働きたいと希望している場合には、まえばし生活自立相談センターやジョブセンターまえばしなどと連携しながら就労支援につなげているところでございます。
145 【35番(岡田行喜議員)】 関連して、相談しやすい体制づくりについてお伺いいたします。
本市のひきこもりの状況と対応についてはわかりましたが、行政としては、ひきこもりの状態にある方々の正確な数字を確認することは大変難しいと思います。私のひきこもりへの思いは、世間からどう見られているかという世間体を家族が意識していることや、子供が引きこもっていることを恥と考え、外に相談できず、結果、その状況がいつまでも続く原因になっているようにも思います。相談しやすい環境が必要と考えますが、その体制づくりについてお聞きいたします。
146 【健康部長(齋藤明久)】 相談しやすい環境、その体制づくりについてでございます。
ひきこもりの状態に至った経緯は人によってさまざまで、その原因も多岐にわたっております。また、原因さえもわからず、どこに相談していいのかわからなくて悩んでいる当事者、ご家族もいらっしゃると思います。ひきこもりの相談は精神保健福祉相談でお受けしておりますが、支援については関係各課で連携して行っております。具体的には、病気や障害などが疑われる場合は医療機関の受診を促し、それらが大きく影響していない場合には、関係各課のほか、各関係機関やNPO法人などとも連携して、当事者に最も必要な支援を行っております。
一方、市民の方や民生委員、児童委員など支援者の方からも、ひきこもりの相談はどこにしたらよいかよくわからないという声も聞くことがございます。そこで、今月の2月15日号の市広報紙で、ひきこもりの相談窓口についてお知らせするほか、各公民館の広報紙でもお知らせし、地域の人がより相談しやすい体制をつくってまいりたいと考えております。
147 【35番(岡田行喜議員)】 関連してお伺いします。社会参加や就労に向けた支援についてお伺いいたします。
中高年のひきこもりが問題とされる中、その自立に向けては社会参加や就労を通じた多様な社会とのつながりの回復をきめ細かく支援していくことが求められると思います。本市では、ひきこもりの状態にある方の将来的な貧困を念頭に置き、生活困窮者自立支援制度における包括的な支援を実施し、直ちに就労が困難な方への就労の準備段階からの支援を行われていると聞いておりますが、その取り組みについてお伺いいたします。
148 【福祉部長(高橋宏幸)】 ひきこもりを理由に経済的に困窮している、または困窮のおそれがあり、就労による支援が必要な場合には、ひきこもりの相談窓口である精神保健福祉相談と生活困窮者の自立相談支援機関であるまえばし生活自立相談センターが連携し、本人の状態に応じて、生活困窮者自立支援制度による就労準備支援事業や就労訓練事業を活用した社会参加や社会とのつながりの回復に向けた段階的な支援を行っております。
就労準備支援事業では、通所型の支援機関であるチャレンジセンターまえばしにおきまして日常生活のリズムを再構築するための生活指導、社会参加活動としてのボランティア体験、実際の就労に向けた就労体験等のプログラム等を通じ、社会に出て仕事ができるようになることを目標にしたきめ細かな支援を行っております。また、就労訓練事業では、市が認定した社会福祉法人が実施する中間的就労の取り組みといたしまして、ひきこもり状態にある方の状況に応じ、短時間の有償ボランティア活動や介護施設における洗濯業務の補助、また介護資格取得に向けた支援など、柔軟な働き方への対応も行われ、ひきこもり状態にある方に合わせた形での社会参加活動が可能となっております。
149 【35番(岡田行喜議員)】 ひきこもりに対する本市の取り組みが、各関係機関を初め、多岐にわたって連携し、努力していることはわかりましたが、私はひきこもりの人を抱えた家族や親族は、身近な人への相談がなかなか難しい精神的な要素もあると思っております。私は、行政として、ひきこもりに対する専門的な人に委嘱をして対応を図っていただくのも一つの方法かと思いますので、まず要望させていただきます。
私ごとになりますけれども、私はこれまでに3人のひきこもりの相談を受けてきております。10年ほど前に、30代の女性でありましたが、現在では、ある会社の社長さんに協力していただいて、5年ほど事務職を手伝いながら社会に復帰しております。そして、昨年、自宅の事業を手伝いながら接待をするような形で自宅に今おりますけれども、ある程度社会へ出ている、自立しているような形になってきたかな、そんな思いでちょっと安堵しております。また、今もう29歳ですから30代になるのですけれども、やはり女性の方、女性の方は大変難しいと思っています。
そして、先ほど申し上げた男性なのですが、5年前から私も相談に乗って、この春もお父さんが和牛の繁殖経営をしておりまして、赤城の中腹なものですから、環境はもう私は最高にいいと思っておりまして、それでお父さんとの約束で、5年前に、とにかく繁殖ですから牛のお産があります。それで、必ずお産は奥さんと2人で頑張ってきたのですが、もう奥さんは使わないと、奥さんは陰で泣いてもいいから、出てはだめだと、息子に頼んで、夜中でも何時でも、時間は関係ないですから、2人でやるという約束で来て、この春、何か光が見えてきました。手伝うようになりました。それで、生まれた子牛の哺乳を本人が本当に真面目なものですから、朝の6時、夕方の6時、本当に一分も違わないでやってくれるそうです。そこまで来ると、何となく次の夢も見たくて、とにかくトラクターでも乗って、赤城を見ながら、その環境の中で仕事をするようになれば、必ず何か感じるものがあるから、そういう努力をしようではないかと、そんなことでここまで来ているのですが、ただ私が言っているだけでは心配なので、私と長いつき合いで精神科医で開業をしている先生がおりまして、先生にも頼んで、とにかく先生、来院したときには、ただ治療ということではなくて、人として人間としてつき合っていただいて、簡単に言えば病院の掃除でもしてもらったり、あるいは庭木の手入れでもしてもらって、人としてのつき合いをしながら診療してくださいと、そんなことで今現在に至っていますけども、何か新しい先が見えれば、本当にうれしいと思っております。
そういうことも含めて、先ほど教育長の答弁もいただきました。私の思いは、やはり子供のときの、将来自立するための教育の中で、何か教育にも大事なことがいっぱいあるのではないかと思いますので、この後何点か指導担当次長にお伺いしたいと思います。新聞報道によりますと、県内の公立小中学校では、平成30年度に不登校だった児童生徒が、昨年度より1割増の2,454人と言われています。これは小学校全体の0.67%、中学校では3.45%であることが、県教育委員会により発表されました。そこで、小学校では過去最多ですけれども、中学校でも5年連続で増加しているということでありますが、そこで前橋市の小中学校の不登校の現状についてお伺いいたします。
150 【指導担当次長(山中茂樹)】 平成30年度の本市の不登校の現状でございますが、小学校76人、これは小学校全体の0.46%になります。中学校が255人、これも中学校全体の3.08%となっております。不登校児童生徒の出現する割合としますと、全国や県と比較すると低い値となっています。しかし、本市においても不登校の人数が増加傾向にあり、令和元年10月末までの不登校は小学校70人、中学校191人となっております。特に小学校では、昨年度の同時期に比べ、26人増加しておるというのが現状です。
151 【35番(岡田行喜議員)】 それぞれ子供が将来自立するために努力していただいているにもかかわらず、ふえているということで、私も何か課題が別にあるのかと思いますが、それはまた後の機会にしていただきまして、今不登校が増加しているその背景は、交友関係、あるいはいろいろな形で悩む子供さんの増加や家庭環境の多様化など、さまざまな要因があると考えますが、不登校の児童に対する学校としての対応についてお伺いいたします。
152 【指導担当次長(山中茂樹)】 各学校では、日々の生活記録や毎月実施している生活アンケート、全職員によるきめ細かな観察や声かけなどを通して、児童生徒が抱える悩みや不安を早期に発見するよう組織的に取り組んでいます。欠席をしたときにはすぐに保護者と連絡をとったり、欠席が続いた場合には家庭訪問したり、必要に応じて教育相談を行うなど、不登校を早期に解消しようと努めています。学校現場で一番大切にしているのは、一人一人の子供たちが楽しく、意欲や希望を持って生活していくことです。学校や学級が子供自身にとって大事にされていると感じられる居場所となり、充実感や満足感を得られる魅力ある学校づくりを行うことが、不登校の未然防止につながると考えております。
153 【35番(岡田行喜議員)】 私が今に思うことは、私たちが過ごした昭和40年代は経済が右肩上がりであった時代でありまして、少なからずも夢や希望がありました。ところが現在は、個人を中心に生きる社会になり、自立という面で社会の変化についていけない若者が多くなっているのではないかと考えています。そこで、社会的自立に向け、教育の視点から教育委員会の見解をお伺いいたします。
154 【指導担当次長(山中茂樹)】 社会的自立に向けて、子供たちはたくさんの人とかかわり合い、さまざまな体験をして成長いたします。その過程では、成功体験だけでなく、つらい体験もあります。それぞれの体験を通して、他人とのよりよい関係づくりや、我慢すること、頑張ることへの価値を見出すことにつながり、自立に向けた力になっていくものと考えます。学校では、教師が心のぬくもりを大切にして一人一人に寄り添い、自立の基盤となる強く優しい心の醸成に努めています。また、児童生徒主体の事業のあり方や学校行事を工夫し、さまざまな体験の中で、これも自立の基盤となる確かな学力とたくましい心、そして健康な体が育つよう、一人一人との心の交流を大切にし、個に寄り添う指導に努めています。教育委員会が目指す子供像は、多様な人と協働しながら主体的創造的に活動する子供でございます。これは、まさに社会的自立を目指すものと捉えております。
155 【35番(岡田行喜議員)】 答弁いただきました。本当に答弁のとおりかと思っていますが、私は今の大人社会も含めて、ちょっと失敗すると、もう社会全部がやりが来るような社会ですから、みんな自分を大事に生きる社会になっていますよね。私は、子供というのは教育される、大人から指導される年代ですから、私は前にも言いましたけれども、転ばぬ先のつえのに大人がなってはだめなのです。やはり七転び八起きで、昔の人の言葉どおりだと思うのです。雪だるまが1つ転ぶごとに大きくなります。子供もそういうふうな形で、やっぱり厳しくそういう環境をつくることも指導する年代は大事かと思いますので、より自立がきちっとできるような義務教育の時代を過ごしていただければと思います。よろしくお願いします。
時間もちょっとなくなってきましたので、ちょっとはしょっていきたいと思います。後期高齢者医療制度についてお伺いいたします。75歳以上の全ての高齢者が加入する後期高齢者医療制度は、平成20年度にスタートし、10年余りが経過しました。平成31年3月末の被保険者は、群馬県全体で28万7,584人、前橋市では4万9,441人となっております。前橋市ではここ数年、毎年3,500人前後の方が国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行しておりますが、2025年問題と言われているように、2025年には、いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることから、現状よりも多くの方が後期高齢者医療制度に移行することになります。後期高齢者医療保険料については年金からの特別徴収が原則ですが、特別徴収となるまでにタイムラグがあり、制度上、納付書で保険料を納めなければならない期間があると聞いております。そこで、後期高齢者医療保険料の口座振替の関係をお聞きしますが、前橋市では国民健康保険税の納付について口座振替を原則としていることから、多くの方が口座振替を利用していると思いますが、75歳となり、国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行する場合の口座振替の手続は現在どのようになっているのかお伺いいたします。
156 【健康部長(齋藤明久)】 国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行する場合の口座振替手続の現状についてでございます。
国民健康保険と後期高齢者医療制度では保険者が異なる医療制度であることから、後期高齢者医療制度に移行する際には、今まで国民健康保険税を口座振替にしていた方につきましても、再度後期高齢者医療保険料の口座振替の手続を行っていただく必要がございます。具体的な手続といたしましては、取り扱い金融機関の窓口において通帳や届け出印などを持参し、口座振替を依頼する手続を行っていただくことになります。
157 【35番(岡田行喜議員)】 関連してお伺いします。口座振替手続の簡略化についてお伺いいたします。
現在では国民健康保険税を口座振替している方についても金融機関の窓口において再度の手続が必要とのことでありますが、後期高齢者になると、金融機関の窓口に出向いて手続を行うことも負担になります。市民にとっては国民健康保険も後期高齢者医療制度も市役所が窓口となっている保険制度であり、手続を行わなくても自動的に口座振替が継続されると思っている高齢者の方も多くいると思います。また、現在では高齢者の交通事故も多く、免許証を返納する高齢者も多い社会状況となっているとともに、高齢者の誰もが健康であるとは考えられません。支払い忘れや未納により督促を受けることにもつながりますので、口座振替手続の見直しは必要なことだと感じております。金融機関での手続でもあり、行政側だけで解決できない問題かもしれませんが、その改善に向けた考え方についてお伺いいたします。
158 【健康部長(齋藤明久)】 口座振替手続の改善に向けた考え方についてでございます。
後期高齢者医療保険料につきましては、基本的には年金からの特別徴収となりますが、後期高齢者医療制度への移行後、すぐには年金引き去りが開始されないことや、収入の多い方などにつきましては特別徴収ができないことから、納付忘れのないように口座振替の手続をお勧めしております。75歳に到達する方につきましては、誕生日の前月に後期高齢者医療被保険者証を送付しておりますが、その際に金融機関の窓口に提出する口座振替の依頼書を同封しております。来年度からは、この依頼書を市役所に送付することで、金融機関の窓口に出向くことなく手続ができるよう準備をしているところでございます。この取り組みによって自動的に口座振替が継続されるわけではございませんが、返信用の封筒を同封し、口座振替の依頼書を市役所に送付してもらうことで、少なくとも金融機関の窓口に行って手続を行う必要はなくなり、後期高齢者の負担軽減につながるものと考えております。
159 【35番(岡田行喜議員)】 国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行する場合の口座振替の手続の見直しについては、私が国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移行した昨年よりたびたび進言し、申し上げてきた事項でありますので、当局がこのように真摯に取り組み、来年度からの改善に至る努力をしていただいたことに感謝申し上げます。国においても、国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行する場合の口座振替の手続について同様の行政相談があったことにより、行政苦情救済推進会議で審議した結果、総務省から厚生労働省に対して改善のあっせん勧告が11月中旬に出たとのことであります。このことから、口座振替手続の後期高齢者に係る負担については、本市だけでなく、全国的な問題になっていたということになります。私は、このような結果が出るまで1年かかりましたが、全国でも同じ考えの人が1人いたということを大変うれしく思っております。そこで、本市はこの問題に対して総務省からの改善勧告が出る前の段階から、全国に先駆けて対応の検討と準備を進めていただいたようでありますが、そこに至った経緯やその理由について、改めてお伺いいたします。
160 【健康部長(齋藤明久)】 全国に先駆けての検討と、そこに至った経緯についてでございますが、当初は制度移行時における金融機関への手続そのものを省略できないかと考え、その可能性について各金融機関と協議しておりましたが、口座振替手続において納付を行う方からの何らかの意思表示は必要という原則は見直すことはできませんでした。そのため、次善の策、対応といたしまして、少なくとも金融機関の窓口に出向く必要をなくすということで後期高齢者の負担感の解消ができないかと考えたものでございます。今回の対応を行うためにはさまざまな課題がございましたが、庁内の関係課の協力はもちろんのこと、最終的には市内の各金融機関のご理解とご協力をいただけたことにより、全国に先駆けての対応が可能になったと考えております。
161 【35番(岡田行喜議員)】 先ほど申し上げましたように、11月の中旬に総務省から厚生労働省に送られた資料がここにあります。私もなかなか国を信用できないこともありますので、これを確認しましたところ、11月14日に総務省から厚生労働省にこの資料が送られました。そして、送られたところまではここにあるのですけれども、その後、では来年度から国も、総務省も厚生労働省も全国1,718の市町村に全部指示が行くのかという心配もありまして、先週12月4日に総務省へ、電話ですけれども一応確認をしました。そうしたら、やはり私と違ってきちっとしていますので、総務省から厚生労働省に行ったものが議論されて、来年の令和2年1月17日に厚生労働省から総務省にその返事が返って、それを吟味してそれが出ないと、今はまだ来年度の4月から全国にということは、言えませんという正確な返事でした。そのときに私は、前橋は来年4月からスタートしますと言ったら大変喜んでいまして、そういうことを見ると、前橋市は全国一ではないかと、そんなふうに思っていますので、改めて部長に感謝申し上げます。
このことは、先ほど数字、人数申し上げましたけれども、このパンフレットを見ると、イラスト入りで、あっせんによる効果は裏面にということなので、最後を見ますと、わざわざ出かけなくてもよくなるというのがイラスト入りで出ています。ですから、間違いなくこれはスタートできるかと。ただ、4月からなのか、いつからがまだ私も確認できませんけれども、前橋はそういう中で大変すばらしい事業のスタートかと思っていますので、改めて感謝申し上げます。
そういうことで、あと一つは前橋は取り組んでいただきました。最後に要望を兼ねて申し上げますが、実は前橋は議長、副議長が、群馬県後期高齢者医療広域連合議会に出ています。ぜひ正副議長さんにも、群馬県でも前橋に次いで取り組んでいただくよう、私は計らっていただければありがたいと思っていますので、改めて要望を申し上げたいと思います。以上で質問を終わります。
(33番 宮田和夫議員 登壇)
162 【33番(宮田和夫議員)】 順次お伺いします。
まず、議案第135号 訴えの提起についてであります。本事案については、平成28年12月27日に本市と相手方との間で締結した土地売買契約により取得した前橋文学館収蔵庫増築用地において、平成30年2月2日、増築工事業者から、当該地中から埋設物、コンクリート基礎やH鋼が発見されたと市に連絡があったとのことであります。11月19日の市民経済常任委員会でも我が会派議員から質問いたしましたが、行政対応として幾つかの問題点があったことを指摘しなければなりません。
その一つは、2月2日は増築工事事業者から正式に文書で報告を受けた日付であり、埋設物の第一報は1月22日で受けて、所管課は直ちに現地において現認をしているようであります。つまり、民法第566条による瑕疵担保責任による契約の解除または損害賠償の請求は、買い主が事実を知ったときから1年以内にしなければならないとされており、知った日は1月22日となりますが、間違いないかお伺いいたします。
以下は質問席で行います。
163 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 1月22日に担当職員が現地確認いたしました。
164 【33番(宮田和夫議員)】 その2つは、発見した後の問題であります。1月22日に知って、2月2日に文書で正式に報告を受けたようでございます。その後の対応はどうであったのか。なぜか当局は土地売買の契約者、つまり本訴訟の相手方に何らの報告をすることもなく、一方的に埋設物の撤去工事を行いました。このことは、瑕疵担保責任の契約条項がないとはいえ、契約書第16条に基づく協議事項に該当するものでありながら一方的に事業を推進したものであり、その時点で瑕疵担保責任は免責したものと解されると思うが、見解をお伺いいたします。
165 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 埋設物の撤去処分に係る費用が確定した後に、相手方に対して費用負担を求めようとしたものでございまして、相手方の瑕疵担保責任を免責したわけではございません。
166 【33番(宮田和夫議員)】 瑕疵担保責任を免責したわけではないとの答弁をいただきましたが、行為そのものは免責そのものでございます。本来、契約書第16条にある協約条項に従って、速やかに協議を行うべきでありました。協議の動向によって、民法第566条によって瑕疵担保責任を追及する場合、買い主は損害賠償請求ができましたし、瑕疵のために目的を達成することができないときは、買い主は契約の解除をすることができる。この場合において契約が解除することができないときは、損害賠償の請求のみをすることができると規定されております。なぜ相手方に埋設物の発生を報告し、協議に臨まなかったのか、極めて不可解でございます。事実経過について重ねてお伺いいたします。
167 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 前橋市文学館収蔵庫増築工事につきましては、建築、空調設備、電気の3つの工事契約により平成29年12月4日に着工を予定しておりましたが、空調設備工事の入札不調により工事着工が平成30年1月17日となりまして、約1カ月半おくれておりましたので、工事を早く進めたいと考えておりました。また、埋設物の量が相手方への請求に大きく影響しますので、埋蔵物の全体量の把握を優先し、市の判断で撤去処分を進めました。
168 【33番(宮田和夫議員)】 答弁は入札不調、あるいは全体の埋設量を確認するという意味合いだと、こういう話でございますし、本市だけの都合の判断で、相手方に何の連絡もしないで、施工工事事業者が書面で正式報告があったその当日、具体的には平成30年2月2日に埋設物撤去工事の指示が当局から行われました。この指示は、瑕疵担保責任を問わないとの判断のもと、協議さえも不要としての行為ではなかったのか、重ねてお伺いいたします。
169 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 先ほど答弁させていただきましたとおり、相手方の瑕疵担保責任を免責したわけではございません。
170 【33番(宮田和夫議員)】 その3つは、こうして前橋文学館収蔵庫増築工事が進められ、平成30年8月13日に収蔵庫が完成いたしましたが、完成間際の8月3日に至り、土地売買の契約仲介人であった不動産業者を通じて、相手方に支払いの意思の確認を依頼したものの、この不動産業者がいつ相手方に伝えたのかは不明であります。11月19日に至り、ようやく支払う意思はない旨の回答を不動産業者を通じて得たようであります。
そこでお伺いいたしますが、なぜ直接相手方との接触を図らなかったのか。契約書に基づく協議条項は相手方であり、不動産業者との関係は既に売買契約が締結された時点で何ら存在しないものでありますが、認識についてお伺いいたします。
171 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 相手方からの要望もございまして、土地の売買に関する一切の交渉や手続を不動産業者を介しまして行っておりました。そして市は、その不動産業者に対し、仲介にかかった費用を支払っておりましたので、賠償請求につきましても、まずはこの不動産業者を介して行いましたが、相手方から応じられないとの回答が不動産業者を通じてありましたので、顧問弁護士とも相談し、その後は直接相手方に請求することになりました。
なお、最初の請求書を郵送する前に、相手方2名のうち1名とは電話交渉をしましたが、請求には応じられない、交渉は不動産業者に任せているとの回答がございまして、もう1名とは電話連絡はとれませんでした。
172 【33番(宮田和夫議員)】 仲介にかかわった費用を払っているからという答弁もあったわけでございますが、私から言わせれば、既に売買契約は終了しております。その責は相手方に速やかに対応すべきもの、こういうふうに考えているところでございます。
その4つは、顧問弁護士に相談の上、平成31年1月25日に至り、配達証明つき内容証明郵便により相手方に請求書を送付したようであります。当局が工事業者から連絡を受けて、瑕疵があると知ったのは平成30年1月22日であり、既に民法に規定されている1年を経過いたしておるわけでございますが、時効にかかわる問題についての顧問弁護士の見解についてお伺いいたしておきます。
173 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 これからの裁判に影響がある内容だと思われますので、答弁は控えさせていただきます。
174 【33番(宮田和夫議員)】 なかなか顧問弁護士の見解をお伝えいただくということは難しいのかと、こういうふうに思います。
その5つは、送付した郵便の回答がなく、令和元年7月4日に顧問弁護士に相談、令和元年7月24日に再び配達証明つき内容証明郵便により相手方に請求書を送付したものの、8月24日に相手方から配達証明つき内容証明郵便により、支払いに応じない旨の通知があり、顧問弁護士に相談の上、今般の議案上程に至りました。この訴えをするに際して、行政の責任は果たして適切であったのか。そこには行政としての瑕疵も存在すると言わざるを得ません。その第1は、契約書の条項で明確に瑕疵担保責任を明記すべきであったこと。その第2は、埋設物の撤去工事について、相手側に何の連絡もせず行ったこと。その第3は、協議条項がありながら行わず、一方的に対処したこと。その第4は、これらの行為は土地売買契約書第1条の信義誠実の義務に反すること。その第5は、一方的に瑕疵担保責任を免責するがごとき対応をしておきながら、配達証明つき内容証明郵便を送付したことなど、行政不信と信頼を損なう事態になっていくことなどがあります。当局の基本的な認識についてお伺いいたしておきます。
175 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 ただいま議員さんのご指摘された考え方もあろうかと思いますが、地中から埋設物が発見されたことによりまして、当初予定していなかった撤去処分費用150万円余りを本市が負担したことは事実でございます。民法に基づき、相手方へ請求していきたいと考えております。
176 【33番(宮田和夫議員)】 請求したい気持ちは否定いたしません。とにかく初期対応が不十分、こういうことであったかと思うわけでございますが、不十分ということは、言いかえれば十分ではないと、こういう答弁であったかもしれませんが、言いかえれば不十分であったということになるわけです。そういったことを踏まえますと、当局へのいわゆる行政の信頼にかかわる問題といったところはもう少し認識されるべきだと思っております。
その6つは、議案書に訴訟遂行の方針が明記されておりますが、第1審判決の結果、必要があれば上訴するとありますが、少なくとも第1審判決の結果を見た上で判断するとの意味で必要があればと記載していると理解しつつも、なぜか1審で敗訴しても上訴するとの思いが強調されているようにも感じますが、その真意についてお伺いいたしておきます。
177 【文化スポーツ観光部長(川端利保)】 法規担当部門との協議によりまして、裁判所の判決に応じて訴訟を遂行するため一般的な事項を記載いたしました。議員がご指摘する上訴を強調するものではございません。
178 【33番(宮田和夫議員)】 いずれにいたしましても、本事案は瑕疵担保責任による損害賠償請求を求めて提訴するものでございますが、これまでの質疑を通じて明らかになったことは、相手方に契約書に基づく協議の申し入れもなく、一方的に撤去工事が進められていたこと。あわせて、勝手に撤去工事費を突然請求したことは、相手方から見れば、何を突然に、青天のへきれきであったことは想像にかたくないものでございます。契約にあった協議条項を行使せず一方的に撤去工事を執行したことは、その時点で瑕疵担保責任を放棄したものと考えざるを得ないわけでございます。よって、業務執行の瑕疵について認めた上で相手方と直接協議をすることこそ肝要であり、直ちに提訴によって請求する姿勢は看過できないものでございます。
また、市民的視点からは、公的財政支出負担についても行政執行の事務的瑕疵を原因として財政支出することは許されないとの判断を是としつつも、相手方の一人とは直接会話もしていない状況で、いきなり他に負担を求める手段がないとして、新たに裁判費用を投じても提訴する姿勢そのものも問わなければなりません。まずは、相手方との協議に努力する姿勢こそ必要であります。市長の見解をお伺いいたします。
179 【市長(山本龍)】 今やりとり聞いておりまして、もう少し丁寧な対応が必要だったのだろうとは感じております。おわびを申し上げなくてはいけないところも私自身も感じております。ただ、我々も市民負担を押しつけられませんし、そのあたりのことを判断した部長の判断を私自身の判断として尊重して、今回はどうぞよろしくお願いしますというお話でございます。
180 【33番(宮田和夫議員)】 言ってみれば行政側の瑕疵、こういったものを率直に相手方に伝えて、なおかつ、言ってみれば見積もりも金額もどれだけの量も何も知らされていないで、いきなりこれだけ出たのだからこれだけ払えとは、相手からはなかなか理解を得られません。もう少し丁寧な行政対応が必要だと、このことを認めた上で相手と直接交渉する、こういうやり方を求めないと、相手方の納得もなかなか得られないし、理解も得られない、こういうふうに思っているところでございまして、直ちに法的に対応するということについては、いささか同意するわけにはまいらないと、こんなことを申し上げておきたいと思います。
次に、前橋駅北口のエキータについてお伺いいたします。7月26日の読売新聞、7月27日の読売新聞電子版に、難物件、県庁所在地の駅ビルに創業支援窓口との見出しで報道された件についてお伺いいたします。同ビルは、コシダカホールディングスが取得、レジャー中心の施設への再生を目指していると報道され、集客増を図るため、市は同社の事業計画づくりに携わっていると報道されておりますが、市長はどのセクションが携わっていると承知いたしているのか、まずお伺いいたします。
181 【市長(山本龍)】 にぎわい商業課が担当して、そこを政策推進課がフォローしていると私は聞いております。
182 【33番(宮田和夫議員)】 報道はかなり具体的で、創業支援窓口を設置する方針を決めたとされておりますが、いまだに議会に対しての報告は全くありません。議会軽視も甚だしいものでございます。認識についてお伺いいたします。
183 【市長(山本龍)】 私からご報告しなかったことはおわびしますけれども、エキータを購入しましたコシダカホールディングスとの間での協議もまだきちんとできておりませんので、そういう意味でのご報告は私もちょっと控えておったところでございます。ある意味、報道の先行が今回の議会への非礼の理由になったということで、報道管理につきましての対応を自省させていただきます。
184 【33番(宮田和夫議員)】 問題は報道された内容で、創業支援窓口を設置する方針を決めた、こういう報道されているのです。これが7月です。1カ月後にSNSで市長はまた発信をされておりまして、そのことの否定をしていないのです。したがって、お伺いしたいのですが、街なかの現在の創業センターはどうなるのか。その辺は検討された結果も含めて、設置が決定したという報道を市長も否定されていないのですが、いかがですか。
185 【市長(山本龍)】 実は私自身もその記事を見て、こういう記事ではおかしいのではないかと思っております。私たちは、とにかく前商や前女や、あるいは学生たちの学習するような、そういうフィールドとして当初から念頭にあったものですから、いささかの違和感を感じながら報道を見たところでございます。
186 【33番(宮田和夫議員)】 また、街なかでまちづくり公社が支援しているNPOが運営し、学生がボランティアとなって無償で教えている塾がございます。もちろん生徒の利用料は無償でございます。また、元気プラザ21や図書館などでも学習している生徒が大勢いることも承知いたしております。そんな状況を踏まえて、さらに学習エリアを求める姿勢は否定いたしませんが、まずは他都市同様、財政負担を軽減するために、公共施設で利用できる場所はないのか検討されたのか。例えば総合福祉会館の1階フロアの利活用、イベント以外は広い空間だけという実態からすれば可能と考えられますし、駅前にこだわるとすれば、前橋駅北口の再開発ビルに計画されている子育て支援施設についても、一定の開所時間を経過すれば、学習フロアとして利活用を図るという可能性はないのか。こんな検討経過もない中で突然、この9階建てのビルのうちワンフロアは学生の利用を想定した学習エリアとする計画と報道されております。一体どこでいつ決定されたのか。高い賃借料と管理体制等も明らかにしないで一方的に決めたことが事実であれば、看過できないものでございます。行政内部の手続はもちろん、議会軽視、あるいはもっと言葉を悪く言えば、権力者のおごりそのものとも言わざるを得ません。本市の財政状況はそんなに豊かなのか。経常収支比率の実態を踏まえた視点からすれば、思考の範囲を超えていると言わざるを得ません。報道内容の正否と報道に対する認識について、重ねてお伺いいたします。
187 【市長(山本龍)】 まだ全然決まっていることではございませんので、そういう意味では報道のやり方について私自身も疑問を持っております。
子供たちの学習スペースについて、議員からも総合福祉会館だとか元気プラザ21という幾つかご指摘ありましたけれども、私自身も何度も通りますけれども、言いづらいですけれども薄暗い環境の中で、丸テーブルでみんなが勉強している姿を見ると、やはり駅という利便性の中で、雨に当たらず学校から帰る電車を待つ間に勉強するような環境は私はいいなと、そういうことを考えております。そのような話の中で、エキータを新しく所有する経営者の方々へ、そういう私どもの思いを伝えたことは事実でございますけれども、それが行政内部として本格的に決まったものではございません。
188 【33番(宮田和夫議員)】 決まったことではないのですが、市長は新聞報道がございました1カ月後、8月24日にSNSで次のように投稿されております。エキータがコシダカホールディングの投資を受けて、新しい可能性へ挑戦されています。このビルには近隣の高校生の自習室やテレワーク、そしてプログラミング教室などを市が開設する方向で、開発会社と協議を始めています。一言一句そのまま申し上げました。市長の言うところの開発会社と協議を始めているのは、庁内のどのセクションなのでしょうか。また、庁内による検討はなされているのか。さらにはどの程度の財政負担を伴うものなのかお伺いするとともに、これまたSNS発信後についてもいまだ何らの対応も議会に対してなされておらない、こういう理由についてお伺いいたします。
189 【市長(山本龍)】 いろんな可能性があるということを前橋市出身でエキータの所有者、腰高氏と話していることは事実でございます。その事実の議論の中身について、私なりの思いをSNS、ネットワーク上で書き込んだということだと思っております。そういう意味で、現時点でまだ具体的にどういう方向でということの調整を行っている段階ではございません。それだけ私が申し上げればおわかりいただけると思いますけれども、報道が一方的な固定的なお話をしている件、私自身はさまざまな可能性を、ネットワークにおける発信をさせていただきましたということで、いろいろなことでご不信を与えたことにつきましては自省をし、反省しております。
190 【33番(宮田和夫議員)】 答弁いただきました。開発会社と協議を始めていますと発信されておりますけれども、先ほどの答弁をずっと見ると、いわゆる庁内における判断材料を整理している段階の状況にあるというふうにも思っております。検討結果の整理ができていないのに、開発会社と協議ができるのかということになりますると、甚だ若干疑問があるわけです。市長と相手方だけでやっているという話なら別ですけれども、担当者諸君がいるということですから、まだそこまでは至っていない。いずれにいたしましても、レジャー中心の施設での再生を目指している開発会社のビルのワンフロアを学習フロアとのコンセプトはマッチングするのか甚だ疑問に思っていることを申し上げておきながら、私の質問を終わります。ありがとうございました。
191 【議長(
阿部忠幸議員)】 以上で総括質問を終わります。
192 ◎ 委員会付託省略
【議長(
阿部忠幸議員)】 お諮りいたします。
ただいま上程中の議案第111号から第136号まで、以上26件については、会議規則の規定により委員会の付託を省略したいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
193 【議長(
阿部忠幸議員)】 ご異議なしと認めます。
よって、議案第111号以下26件は、委員会の付託を省略することに決まりました。
194 ◎ 修 正 案 上 程
【議長(
阿部忠幸議員)】 この際、議案第111号修正案、令和元年度前橋市一般会計補正予算に対する修正についてを議題といたします。
195 ◎ 提案理由の説明
【議長(
阿部忠幸議員)】 ただいま上程いたしました修正案について、提出者の説明を求めます。
(16番 藤江彰議員 登壇)
196 【16番(藤江彰議員)】 私は、市民フォーラム、赤利根を代表いたしまして、本議会に上程されました議案第111号 令和元年度前橋市一般会計補正予算に対する修正案について、その提案理由を説明いたします。
議案第135号 訴えの提起について、損害賠償請求は、前橋文学館収蔵庫増築用として購入した土地について、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めるものですが、一連の経過を見ると、極めて問題のある業務執行であると指摘せざるを得ません。平成30年1月22日に増築工事業者から地中に埋設物が発見されたとの報告を受け、直ちに現地確認を行ったものの、相手方に対して状況の報告や瑕疵担保責任があるなどの確認を一切行わず、2月2日には業者に埋設物の撤去を指示しております。相手方には地中に埋設物があった事実を知らせていませんでした。半年後の8月3日になって突然、土地売買の仲介人であった不動産業者を通じて相手方に支払いの意思を確認しておりますが、なぜ相手方に直接対応しなかったのか不思議でなりません。不動産業者からは支払いの意思がないとの回答があったため、その後相手方に2回にわたり配達証明つき内容証明郵便を送付しましたが、本年8月24日に正式に支払いの意思がない旨、文書での回答がありました。このため、埋設物の撤去費用を瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求しようとするものですが、相手方に対し埋設物の発見時に知らせていなかった、一方的に撤去作業をしてしまった、瑕疵担保責任の協議を直接行っていなかったことなど、行政として誠実な対応をしないまま、法的な解決を急ぐだけの姿勢に対し、到底容認できるものではありません。この際、行政の不手際を率直に認め、相手方との真摯な話し合いを持つべきである、最優先させるべきであると考えます。したがって、本議案に計上されている訴訟費用45万6,000円を総務費から減額し、予備費に同額増額する修正案を提案するものであります。
以上、各会派の議員の皆さんにおかれましてはぜひご賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。
197 【議長(
阿部忠幸議員)】 以上で修正案に対する説明は終わりました。
198 ◎ 質 疑
【議長(
阿部忠幸議員)】 これより議案第111号の修正案に対する質疑に入ります。
質疑は通告がありませんので、質疑を終わります。
199 ◎ 討 論
【議長(
阿部忠幸議員)】 これより議案第111号及び修正案に対する討論に入ります。
討論の通告がありますので、発言を許可いたします。
(31番 中道浪子議員 登壇)
200 【31番(中道浪子議員)】 私は、日本共産党前橋市議団を代表して、今議会に上程された議案第111号 令和元年度前橋市一般会計補正予算に対して反対の討論を行います。
第1に、基幹情報システム運用管理業務の委託には賛成できません。この議案は、本市と高崎市及び伊勢崎市により、情報システムのトータルコスト削減や業務知識の共有などを目的として、令和2年1月より本稼働を目指すものです。住民基本台帳や個人住民票、国民健康保険など、市民の28種類もの膨大な情報システム調達業務を株式会社ジーシーシーや株式会社ムサシ北関東支店に共同で委託し、固定資産税や市民税の納税通知書などの大量印刷業務を福島印刷株式会社に共同で委託するという事業です。委託費は、前橋市分の運営経費が10年間で12億653万8,000円、運用経費は5年間で3億7,405万7,000円となっています。そもそも市民の大事な個人情報を管理運営することは自治体の責任であり、年間7,000万円の経費削減のメリットより情報漏えいのデメリットのほうが大きく、自治体が共同で民間営利業者に一括委託することは大問題です。今回神奈川県で納税に関する大量の個人情報や秘密情報を含む行政文書が蓄積されたハードディスクの盗難により流出された事件は重大な問題であり、世界最大の情報漏えいとまで言われています。このように膨大な情報の共有に伴って、漏えい問題やシステムの誤作動など、思いもよらない問題が起きてからでは対処できないとともに、自治体の責任が曖昧になりかねないので反対です。
第2は、住民基本台帳管理事業追加予算としてマイナンバーカード取得促進のための嘱託職員の雇用は認めることができません。そもそもマイナンバー制度は、日本に居住する全ての国民、外国人に生涯変わらない12桁の番号をつけ、さまざまな機関や事務所などに散在する各自の個人情報を名寄せ、参照できるようにし、行政などが活用しようとするものです。政府が国民一人一人に生涯変わらない番号をつけ、他分野の個人情報をひもづけして利用できるようにすること自体、プライバシー権の侵害の危険を持つ重大な問題です。国は、何としても、国民にマイナンバーカードを普及させて、カードの一元化を図ろうと強力に推進しています。消費税10%増税と抱き合わせで、景気対策と称して複数税率の導入やキャッシュレス決済でのポイント還元を進めていますが、それも6月までと期限つきのため、さらに2,000億円を予算化して、マイナンバーカードでキャッシュレス決済する利用者に、1人最大5,000円付与されるポイント還元まで実施する方向です。ところが、国民の多くは個人情報の漏えいやカードの紛失、盗難といった不安は拭えないことや、カードの必要性は感じていないために普及が進まず、いまだに14.4%にとどまっています。マイナンバーそのものの問題点もさることながら、国民が必要としない制度に固執し、国民にマイナンバーカードを押しつけるやり方はやめるべきです。したがって、住民基本台帳管理事業への追加予算は認めることはできません。
第3は、総合運動公園整備事業について反対です。かねてから我が党は、総合運動公園の整備については、拡張ではなく、現状のまま、老朽化したプールやテニスコート、健康器具などの改修や、使い勝手が悪い駐車場整備などの施設整備をするよう求めてきました。また、我が党はスポーツ施設の整備は必要と考えていますが、本市の厳しい財政状況の中で膨大な農地を買収して拡張するのではなく、今ある本市の各種スポーツ施設を整備すれば、市民のスポーツ要求には十分応えることができると主張してきました。そもそも本市では人口が減少し、少年野球などのチームも少なくなっており、ましてやスポーツが多様化している中で、今後については市民スポーツの傾向を調査して、実態を把握した上で、施設の拡張の検討をすべきです。今、下増田の天然芝サッカー場の維持管理をするだけでも年間約4,000万円もかかる上、総合運動公園についても必要以上の拡張事業は毎年維持管理費が膨れ上がり、問題です。なお、全国規模の大会誘致は、交通の利便性や宿泊施設の管理が充実していなければ選択されませんので、本市の状況では困難ではないかと思われます。
以上申し述べまして、一般会計補正予算の反対討論といたします。(拍手)
201 【議長(
阿部忠幸議員)】 以上で討論を終わります。
202 ◎ 表 決
【議長(
阿部忠幸議員)】 これより議案第111号及び修正案、以上2件を採決いたします。
初めに、議案第111号に対する修正案を採決いたします。
本修正案に賛成の議員の起立を求めます。
(起立少数)
203 【議長(
阿部忠幸議員)】 起立少数であります。
よって、議案第111号に対する修正案は否決されました。
次に、議案第111号原案を採決いたします。
本案は原案のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
204 【議長(
阿部忠幸議員)】 起立多数であります。
よって、議案第111号は可決されました。
205 ◎ 討 論
【議長(
阿部忠幸議員)】 これより委員会付託を省略した議案のうち、議案第111号を除く25件に対する討論に入ります。
討論の通告がありますので、順次発言を許可いたします。
(31番 中道浪子議員 登壇)
206 【31番(中道浪子議員)】 私は、日本共産党前橋市議団を代表して、今議会に上程された議案第118号を初め、第130号及び第131号、以上3件に対して反対の討論を行います。
最初は、議案第118号 前橋市特別職の職員の給与に関する条例及び前橋市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の改正についてです。この条例の改正は、市長など特別職及び議員などの期末手当の引き上げであり、認められません。職員の給与の引き上げについては評価しますが、特別職は一定の報酬を得ているので、今回引き上げる必要はありません。市長は、少子高齢化で人口減少が強まっている中で、市民が強く求めている子育て支援策や高齢者支援策及びマイタクやマイバスなど公共交通への支援策について、財政が厳しいからと消極的です。また、サマーレビューによる暮らしに必要な事業の削減や廃止を3年間で26億円を目標にしており、今年度は8億円の削減を目指し、大胡クリーンセンターと亀泉清掃工場の廃止を決めたことや、人工肛門患者への見舞金を毎年の支給から最初の1回のみに削減したことなど、市民サービスを縮小しているのに、市長や議員の給与など引き上げることは市民の理解が得られません。
次は、議案第130号、前橋市中央児童遊園の指定管理者の指定と、議案第131号、前橋市赤城少年自然の家の指定管理者の指定についてです。そもそも公共施設の指定管理を営業利益を優先する民間事業者にまで広げることを認める指定管理制度は問題です。住民の福祉の増進を目的としてその用に供すると定義されている公の施設における市民サービスの維持、向上が利益追求の場となり、コスト削減のために従業員の低賃金や非正規雇用が強まり、認めることができません。また、我が党は、公共施設の管理運営を営利目的の民間企業に委ねれば、行政の責任が曖昧になり、住民と議会のチェックができにくくなるとともに、サービスの低下や住民負担の増加、個人情報の漏えいの危険について指摘してきました。市は、指定管理者の指定に当たって評価点数の高い事業者を選定していると説明していますが、そもそも市の公募に対して応募する事業者が少なく、同じ民間営利事業者に継続して指定管理を任せることになり、継続した事業者はさらなる利益を追求するために、公の施設にふさわしくない運営まで行い、問題になることもあります。また、議会には判定の基準となった審査項目に基づく各団体が提出した事業計画内容などは一切示さないため、その施設の管理運営を行う事業者としてふさわしい団体なのか、的確な是非の判断ができません。したがって、我が党は、市の外郭団体などへの指定管理については許容範囲として認めていますが、民間営利事業者への指定管理については反対です。
前橋市中央児童遊園は、12月1日で開園65周年を迎え、来園者の減少などによる閉園の危機を乗り越えて来場者をふやしてきたことが報道されています。同遊園地の指定管理は2006年からで、5年前に今の建設コンサルタント会社、オリエンタル群馬が指定管理を受けて、来年度4月から5年間の指定管理も継続することになりました。しかし、前橋市が指定管理者となる団体を公募しても、株式会社オリエンタル群馬が代表となる団体の1者しか応募がありませんでした。市は選定委員会を開いて、選定委員より評価内容に沿って配点をした結果、機器安全管理計画の事故、災害の発生時等緊急を要する際の対応の考え方は適切か、また十分な体制が整えられているかについては、配点点数80点満点のところ、評価点数が60点と大変低く、提案事項や収支予算の評価点数も低いため、配点点数の総計が680点のところ、514点と評価点数が低く、指定管理者を継続するには問題が残ります。さらに、事業収益を上げるために2017年からバーベキューなどを取り入れた夜間営業に踏み切って、2018年にはビールなどのアルコール類も扱うようになり、家族の交流といいながらも子供同伴でのアルコールを含む飲食を扱うことは、少しやり過ぎではないかと思います。ましてや、るなぱDEないとなどのイベントでは夜9時まで営業し、アルコールも提供しながら一部遊具も運転しています。前橋市中央児童遊園を全国にアピールし、来園者を広げてきたことは評価しますが、児童遊園地で夜間子供同伴で一部遊具を運転しながらアルコールも提供する事業については、子供への教育上の問題や事故の発生も心配されるので、改めて検討する必要があることを申し上げておきます。
また、前橋市赤城少年自然の家は、1974年に当時の富士見村、赤城山に建設し、既に45年がたっている施設です。2003年には耐震補強やバリアフリー化の大規模改修を行いましたが、本館はかなりの老朽化が目立っており、毎年の指定管理料には小規模修繕の100万円が含まれています。今回指定管理事業者として指定された株式会社NSP群馬は、指定管理業者として最初に指定を受けた株式会社日本水泳振興会が分社化した業者ですから、これまで13年間指定管理を任せてきた民間営利事業者が、これから5年間の指定を受けたということになります。ところが、指定管理者選定結果を見ますと、指定を受けた株式会社NSP群馬は、サービスの質の確保、向上に関する計画について、指導者として施設や設備、自然を熟知しているか、また安心して指導を任せられるかについて評価点数が30点満点のところ、26点では安心して任せられません。しかし、他方の事業者は全体的に評価点数が低いために選定されませんでしたので、ほかに選択肢がありません。これまで本市の中学生が林間学校として社会教育の場にしてきたことから、教育施設として教育関係者や専門家などが運営する施設にすべきです。赤城の自然や動植物、赤城の地質や天文学など、社会教育をもっと豊かに体験ができる施設にすべきです。それには、この際思い切って施設を建てかえて、管理運営を直営に戻し、本市の子供たちの社会教育の場として、もっと誇れる林間学校に位置づけることが求められています。
以上申し述べまして、3議案に対しての反対討論といたします。(拍手)
(33番 宮田和夫議員 登壇)
207 【33番(宮田和夫議員)】 市民フォーラム、赤利根を代表いたしまして、議案第135号 訴えの提起について、反対の立場で討論いたします。
本議案については、総括質問の質疑で明らかになったように、本市の行政執行事務において初歩的な対応ミスによって発生している事実について、まず指摘しなければなりません。平成30年1月22日、増築工事業者から埋設物が発見されたとの報告を受け、速やかに現地確認を行ったものの、土地売買契約書第16条にある協議をするべく、相手方に対して状況の報告や瑕疵担保責任があることなどの確認、さらには撤去に対する考え方の意見聴取、さらには撤去工事に要する見積もりの方法など、瑕疵担保責任にかかわる諸問題について行うべきところ、これらの事務執行は全く行わず、増築工事事業者から文書で正式に報告を受けた2月2日には埋設物の撤去を行政判断で指示していることは、極めて問題のある業務執行であります。相手方は、地中に埋設物があった事実は全く知らされておらず、ましてや瑕疵担保責任が発生しているなど、知る由もなかったのであります。つまり、行政が埋設物の撤去費用を負担するとの前提で埋設物の撤去を事業者に指示したものと考えられ、この時点で既に瑕疵担保責任は求めないと判断したものとも考えられます。
ところが、8月13日の収蔵庫の完成の直前になった8月3日になって、突然土地売買の契約仲介人であった不動産業者を通じて相手方に支払い意思の確認を依頼したようでありますが、既に平成28年12月27日の土地売買契約の締結によって仲介人の業務は終了しており、なぜ相手方に直接対応しなかったのか。協議するべきは相手方であります。相手方は、不動産業者からどのような内容で説明されたのか知る由もありませんが、完成直前になって突然瑕疵担保責任と言われて、直ちに応じられる状況にないことは容易に想定できるものであります。市長は、自分事として考えた場合、このような行政対応を是として素直に容認されるでしょうか。
その後、支払いの意思がないとの回答を得ましたが、その後2回にわたり配達証明つき内容証明郵便を送付した結果、相手方から本年8月24日、正式に文書で支払いの意思がない旨の回答がありました。このため、本議案によって瑕疵担保責任を認めて損害賠償されるよう求めて、当局は法的に解決しようとするものでありますが、我が会派は法的な解決を急ぐだけの姿勢について反対であります。相手方に対して埋設物の発見時に速やかに報告しなかったこと、ましてやその撤去方法、事業費見積もりについてさえも一切知らせず、一方的に撤去事業を指示したこと、加えて売買契約書第16条に基づく協議も相手方と直接行っていないことなどの行為は、とても契約書第1条にある信義誠実の義務を履行しているとは考えられません。この際、行政事務の瑕疵があった事実は率直に認め、相手方との真摯な話し合いを進めることこそ肝要であります。なお、付言いたしておきますが、仮に事務手続の瑕疵によって敗訴という結果をもって公的財政負担をすることは、裁判費用も含め許されないことを申し上げておかなければなりません。
終わりに、事務手続の瑕疵を棚上げして、相手方との直接協議もせず、直ちに法的手段を行使する行政執行は強権的であり、信頼される行政を追求する本市の基本姿勢とも相入れないものであります。賢明な議員皆さんのご賛同をお願いいたしまして、反対討論といたします。(拍手)
(23番 長谷川薫議員 登壇)
208 【23番(長谷川薫議員)】 私は、日本共産党前橋市議団を代表して、議案第135号 訴えの提起について賛成の討論を行います。本議案については、市民フォーラムを代表して反対討論された宮田議員の指摘事項に同意する点も多くあり、賛成やむなしという立場からの討論であります。
まず、今回の訴えの根拠となったのは、民法第570条と第566条であります。今回の土地のように売買契約締結後に買い主が知ることのできない隠れた瑕疵があり、契約の目的を達することができない場合には、買い主は契約の解除をすることができると定められております。また、契約の解除をすることができないときには、損害賠償の請求をすることができるとされております。したがって、我が党は、今回の瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求める提訴は、法律的には問題のない妥当な判断だと思います。
しかし、以下のとおり、当局の本事案に関するこれまでの対応には問題点が数多くあると指摘せざるを得ません。第1に、文学館の収蔵庫増築工事業者から、コンクリート基礎などの埋設物が発見されたと正式に報告があった平成30年2月2日時点の初期対応が大変不十分であったことであります。当然工事業者から埋設物の撤去処分に必要な工事費の増額請求が予想され、瑕疵担保責任を売り主に求めなければならないという事態であったと思います。しかも、土地売買契約から1年以上経過している中での問題発生であるだけに、工事を一旦とめて、当然売り主や契約仲介者である市内の不動産業者を現地に呼び、関係者が立ち会って埋設物の存在を確認し、工事業者とともに撤去処分方法やその費用について売り主に説明すべきであったと思います。ところが、文化国際課は、収蔵庫の建設工事を発注者として管理監督する建築住宅課に事態を知らせて、その対応を協議したものの、民法上の瑕疵担保責任は後で請求できると安易に判断し、埋設物の証拠写真を保存した上で撤去し、建設工事を進めれば問題なしという合意のもとに、売り主への迅速な通知や確認を怠ったのです。この不十分な初期対応が、後々売り主との話し合いが難航する大きな原因となったことは明らかであり、強い反省が求められます。
第2に、売り主への瑕疵担保責任の請求が余りにも遅過ぎたことも問題であります。文化国際課は、売り主への損害賠償として約150万円の請求を、埋設物を撤去してから6カ月後の同年8月3日まで行いませんでした。収蔵庫が8月13日に完成したこともあり、売り主としては売却した土地に問題なく収蔵庫が建設されたと考えるのは当然であります。突然の市からの支払い請求に対して、売り主が感情的にも不同意の態度を示すのは自然であります。瑕疵担保責任を遅滞なく請求していれば、このような支払い拒否というかたくなな態度は示さなかったのではないでしょうか。
第3に、文化国際課が顧問弁護士に相談したのが、不動産業者からの売り主に支払い意思なしという表明があったことを確認してから、さらに1カ月後であります、瑕疵担保責任を問える期間が切れる時効直前であり、余りにも遅過ぎたと思います。民法第566条第3項では、瑕疵担保責任は、買い主は売り主の事実を知った日から1年以内に請求しなければならないと時効期間が定められております。正式に工事業者から埋設物の存在を通知されたのは平成30年2月2日なので、12月20日に当局が顧問弁護士に相談をして、配達証明つき内容証明郵便によって相手方に請求書を送付したのが平成31年1月25日であり、相談後1カ月もたっており、時効成立のわずか1週間前であります。売り主が支払いを拒否している事案だけに、より丁寧で迅速な対応が求められているにもかかわらず、この段階でも文化国際課は相手方への請求を遅滞なく行っておりません。この点も大いに反省すべきであります。
第4に、このようなさまざまな行政側の不十分な対応がありながら、文化国際課は売り主の2人には直接面接しておらず、相談し、交渉した相手方は売買契約を仲介した市内の不動産業者であります。売り主は県外居住者で、直接の面接は困難ではありますが、やはり内容証明郵便のやりとりにとどめず、誠意を尽くし、これまでの市の対応の不十分さも認めながら、直接話し合いの場を設定すべきだったと思います。
第5に、土地売買契約については民法上の瑕疵担保責任を追及できるとはいえ、本市は過去に岩神町の旧前工跡地の土壌汚染や五代南部工業団地内の埋設物など、購入後の土地に重大な瑕疵があり、その対策のために多大な財政負担を余儀なくされた経験を繰り返しております。今後資産経営課や行政管理課など庁内関係各課と協議し、土地購入の面積の大小を問わず、売買契約前に土地利用履歴を十分調査した上で、土壌汚染や埋設物などの事前確認を調査するとともに、少しでも不安がある場合には、契約書に売り主が瑕疵担保責任を果たす旨の条項を明記することも必要だと思います。
以上、市当局の本事案の対応の不十分さを指摘しましたが、市民の税金によって購入した土地にかかわる瑕疵担保責任の請求であります。我が党は、本事案を総合的に検討し、双方の主張が異なり、これ以上時間をかけても合意に至らない場合には、公正な司法判断を求めざるを得ないという結論は妥当と考えます。
なお、提訴後も文化国際課は売り主との直接対話の努力を尽くし、裁判所での判決を待たず、和解など柔軟な対応も検討されるよう申し述べまして、本議案に対する賛成討論といたします。(拍手)
(26番 中里武議員 登壇)
209 【26番(中里武議員)】 私は、公明党前橋市議会議員団を代表し、議案第135号 訴えの提起について、賛成の立場から討論いたします。
本議案は、平成28年12月27日に本市と相手方との間で締結した土地売買契約により本市の所有となった前橋文学館収蔵庫増築用地において、本市が当該施設の建築に伴う掘削工事を実施したところ、地中障害物が出土し、本市に当該地中障害物の撤去等に要する費用分の損害が発生したため、瑕疵担保責任に基づく損害賠償として、相手方2人に対し、それぞれ75万600円、計150万1,200円及びこれに対する遅延損害金の支払いを請求するものとなっております。
11月19日、市民経済常任委員会においてこれまでの経過を説明され、改めて見直してみますと、さまざまな行政上の対応の不備と思われる点が挙げられます。1つに、そもそも契約書に瑕疵に対する責任の記述がなかった。2つに、平成30年2月2日、工事事業者から当該地中より埋設物が発見されたと市に連絡があった時点で、売り主または契約仲介人である市内の不動産業者と連携した現地確認を怠った。3つに、相手方に確認せず、本市が埋設物の撤去を指示し、工事を続行させた。4つに、相手方に確認せず、本市は埋設物撤去分として工事事業者へ費用を支払っていた。5つに、相手方に事の実態、また支払い意思の確認に6カ月を要した。6つに、平成31年1月に1回目の請求書送付、7月に2回目の送付、8月に支払いに応じられない旨の通知を受けているが、その間7カ月間、相手方との接触は電話での1回でしかなかった。7つに、撤去にかかった費用150万円余りを請求するための訴えであるものの、その原因は本市が連携、立会、協議、確認を怠ったことにあるとも言える。一連の経過の中での多くの不備は、行政上の事務的不備であり、訴訟の中でも指摘され、大きな影響を及ぼしかねないと考えるところであります。本件への本市の対応を厳しく指摘し、反省を促すものでありますが、現段階において静岡県、東京都在住、それぞれの相手方との連絡は限界と思われ、支払いに応じる姿勢も見受けられないことから、時間をかけ、協議の場を調整していくことも難しく、解決策を見出すことは困難と思われます。したがって、地方自治法施行令、前橋市債権の管理に関する条例による督促をした後、相当の期間を経過してもなお履行されないときは、市長は訴訟手続により履行を請求しなければならないとされており、本件は既に訴えを提起する義務が生じているものであることから、法的手続はやむを得ないことと理解いたします。
最後に、議案には訴訟遂行の方針として、第1審判決の結果、必要があれば上訴する、また訴訟において必要があれば和解すると記載されていることから、今後の経過の中では、市民、議会ともに理解でき得る方向性を見出すべく努力を望むところであります。そして、進捗状況においても適時議会へ報告すべきと申し上げ、賛成の討論といたします。(拍手)
210 【議長(
阿部忠幸議員)】 以上で討論を終わります。
211 ◎ 表 決
【議長(
阿部忠幸議員)】 これより委員会付託を省略した議案第112号から第136号まで、以上25件を採決いたします。
初めに、議案第135号を採決いたします。
本案は原案のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
212 【議長(
阿部忠幸議員)】 起立多数であります。
よって、議案第135号は原案のとおり可決されました。
次に、議案第118号、第130号及び第131号、以上3件を採決いたします。
本案は原案のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)