8 【12番(
近藤登議員)】 前橋市民の意識の中には、私も含めて前橋市は自然災害のリスクが少ないという根拠なき油断があるように思います。先ほどの答弁にあった内閣府による震度6以上の地震発生率については、私もそのデータを使って工業立地の優位性を訴えていた部分もありますので、活断層が確認されていなくても大きな地震のリスクがあることを改めて認識しなければならないと感じました。また、大規模災害とは地震のみならず、昨年の関東・東北豪雨のような水害も想定される災害であり、市域を南北に利根川が流れる本市に昨年の災害をもたらした線状降水帯と呼ばれるひっきりなしに多量の雨を降らせる雲が停滞したら、鬼怒川で起きたことが利根川で起こることも十分に考えられます。あの災害の様子をテレビで見ていて、大規模な災害時には単一自治体だけではなく、隣接する市町村との連携が不可欠であると思いました。特に大きな河川が氾濫した場合、その水は市町村境とは関係なく低いところに流れるわけですので、隣接する市町村の
ハザードマップ等を照合して危険な場所を把握し、避難誘導をするなどの施策が求められると考えますが、当局のご所見を伺います。
9 【総務部長(中島實)】 大規模災害が発生した際の隣接する市町村との連携についてでございますが、ご指摘のとおり地震や水害などの大規模な災害が発生した場合は市町村の枠を超えた被害が想定されまして、県や隣接する自治体との連携が不可欠であると考えております。現在県におきまして熊本地震における課題などを踏まえまして県と市町村等との
防災体制検討会議を7月に設置いたしまして、大
規模災害発生時の県と市町村等との連携と役割分担による
災害応急対応に関する検討を始めております。本市におきましてもこの検討会議における協議、調整を通して実践的かつ効果的な広域連携のあり方などについて研究してまいりたいと考えております。
10 【12番(
近藤登議員)】 大規模な災害が発生したときには、自助、共助、公助という流れであることを広く市民に知ってもらい、自分の身は自分で守る意識を啓蒙することが大切であるとともに、避難誘導に関してはぜひとも広域的な見地で計画を練っていただくことを要望させていただきます。
次に、持続可能な低炭素社会の実現についてお聞きします。初めに、
六供清掃工場の延命化における進捗状況と他の4工場並びに
最終処分場の状況について伺います。
六供清掃工場については、現在延命化に向けた取り組みが進んでいると認識しておりますが、本市においては同じく老朽化の進む他の4工場が存在するほか、
最終処分場についても遠くない将来に寿命を迎えることになると認識しております。つきましては、現時点における
延命化工事の進捗状況と4工場並びに
最終処分場の状況について伺います。
11 【環境部長(関孝雄)】 まず、
六供清掃工場延命化工事の進捗状況でございます。本年6月に
工事請負契約を締結いたしまして、現在来年6月に着手予定である焼却炉本体の更新に向けて詳細設計を実施するとともに、附帯設備の更新に着手したところでございます。
続いて、他の4工場についてでございますが、議員ご指摘のとおり、経年等による施設の老朽化が進んでいる状況でございます。
ごみ焼却施設であります
亀泉清掃工場及び
大胡クリーンセンターについてですが、
六供清掃工場の
延命化工事期間中は安定的なごみ処理を行うことが必要不可欠であることから、計画的に設備機器などの維持補修を行っております。
次に、
粗大ごみ処理施設であります
荻窪清掃工場につきましては、平成26年度から計画的に基幹設備の改修工事を実施しております。また、
富士見クリーンステーションにつきましても機能維持のための補修工事を行っております。
最後に、
最終処分場の状況でございますが、平成27年度末の埋め立て率は前橋市
最終処分場が約40%、
富士見最終処分場が約60%となっております。なお、今後の
埋め立て見込みにつきましては、前橋市
最終処分場は平成41年度末ごろまで、
富士見最終処分場は平成35年度末ごろまでと想定しております。
12 【12番(
近藤登議員)】 各施設の現況と想定される
最終処分場の
埋め立て見込みについては理解しました。これを受けて、4工場並びに
最終処分場の運用と更新の考え方について伺う予定でありましたが、昨日他の議員から同趣旨の質問がありましたので、それに対する答弁を踏まえて要望させていただきます。
各工場については維持補修を行っているとのことでしたが、ごみの減量化を進めつつも、いずれは更新する時期が来ると考えます。清掃施設は市民生活に欠かすことのできない重要な施設であり、施設の更新には多くの時間と費用がかかることから、各清掃工場の更新計画及び
最終処分場の用地選定等については住民合意を図りながら丁寧に進めていただきたいと思います。
続いて、
CO2取引による森林整備に関する本市の考え方について伺います。パリ協定の発効により、今まで停滞していた
CO2排出権取引が活発化され、低炭素社会に向けた動きが加速すると見込まれています。
CO2排出権取引の制度を活用した森林整備は、木材価格の低迷等によりなか進まない本市の森林の整備手法として有効と考えますが、このことについての当局のご所見を伺います。
13 【市長(山本龍)】
CO2取引が世界的な規模で行われる、これは赤城山にとってはすごく追い風になるはずです。近藤議員に何度も申し上げているように、とにかく赤城山をどういうふうにきれいにするのか。それはもう山をきれいにすることです。そのために私たちはこの
CO2取引の新しい
世界マーケットを使いながら経済性のなくなってきた山を動かしていく。今まで我々は経済性があるからこそ山に関心を持ってきたわけです。ところが、経済性がなくなったからこそ放置されている。本来人工林というのは植えて、間伐し、全伐し、管理し、そして作業道をつくり、林道をつくり、あるいは土場をつくって丸太を並べ、そしていい木は家を建て、悪い木はまきにする、そういう新しい経済性の中に少し応援していただくような形でCO2の
マーケット市場からお金が来るということは大きなチャンスだろうと思っています。そのチャンスを追い風にするような帆をつくっていく、それがこれからの我々のやるべきところだろうと思っています。
14 【12番(
近藤登議員)】
CO2排出権の取引で、山林を吸収源とするには適切に管理された山林でなくてはならず、この前橋市の山については1
地権者当たりの山林面積が小さいこと、相続登記等がなされていないということが問題になっていると伺っております。そういった乗り越えねばならない障害は多いかもしれませんが、群馬県知事も群馬県を森林県から林業県に変えていくと宣言しており、全国に先駆けて木材の
全量買い取りを実現した県産材センターの設置等もありますので、関係各機関と協議、協調して森林の整備を進めていただきたいと思います。
続いて、絆でつなぐ環境基金を活用した竹林の整備について伺います。さきに会派で視察に行った京都府亀岡市では、放置された竹林から竹炭を生産、畑に敷き込むことで土中に炭素を貯留する
カーボンマイナスのシステムを構築しておりました。さらには、この
二酸化炭素削減農法で栽培された野菜を地球に優しい農産物、クールベジタブル、略してクルベジと名づけ、啓蒙用のラベルを張って地域内で販売することにより、CO2削減への意識啓発も行っておりました。このシステムは、
CO2排出権取引が正常に稼働していれば、土中に貯留した炭素を
カーボンマイナスとしてカウント、それがお金になって農業者の所得向上にもつながるという画期的なものでした。残念ながら、今現在は
CO2排出権取引が停滞しているため、亀岡市の取り組みでは環境活動に積極的に取り組んでいる企業や地場の銀行などがクルベジに張りつける啓蒙ラベルにコマーシャルとして企業名を入れて、それを買い取る形となっており、そのラベル代金の一部が農家に還元される仕組みになっておりました。パリ協定の発効により、
CO2排出権取引が活発化されれば、正式なマーケットにすぐにでも乗せられそうなシステムではないかと思いました。一昔前まで竹はさまざまな道具や工芸品の原材料として重宝されていたのですが、安価な輸入品やプラスチックにその座を追われ、今では無用の長物となってしまいました。特に中山間地の竹林が耕地まで侵入しているケースが数多く見受けられ、有害鳥獣のすみかになって、本市でも放置竹林が大きな悩みの種となっております。そのような背景の中、本市には太陽光発電の売電収入などを財源とした絆でつなぐ環境基金があり、これを財源とした補助金の目的には、地域に根差した
環境保全活動の推進及び市民の環境意識の高揚を図り、もって
地球温暖化対策を推進することを目的とするとあります。そういった意味からすると、この絆でつなぐ環境基金を活用して亀岡市で既に実践されているそういった取り組みの研究が必要と考えますが、このことに対する当局のご所見を伺います。
15 【市長(山本龍)】 絆でつなぐ環境基金、これは前橋市が持っている山を使った
太陽光発電等の利益を積み立てています。5,000万円ほどが基金としてあります。赤城山を少し汚してしまっている者として、赤城山をきれいにするためにその基金を使っていくというのは当然のお返しだろうと思いますので、今議員のおっしゃるような使い道というのは非常に興味深いところです。亀岡市を見ていただいたようで、ありがとうございます。もうとにかく有名な林業都市であります。ドローンで全ての木の育成管理をしたり、木一本一本のICチップでその育成管理をする、やっていることは多分日本一だと思います。赤城山もそれに追いつかなくてはいけないと思います。おっしゃるとおり、放置竹林が課題になっております。竹細工みたいのはまさに山の稼ぎですよね。農家の人たちは、ちょっとした山の稼ぎとして竹細工みたいなものを作成すること、そういう経済性も失われているわけですから、それを復活するためには竹の有効活用を考えていくべきだと。その肥料化は新しい竹文化みたいなお話もいいアイデアだと思いますので、研究はしてまいりますけれども、残念ながら我々には放射能という課題点もありますので、いろんなことを慎重に頑張ってまいりたいと思います。とにかくおっしゃるように絆でつなぐ環境基金をもとにした、赤城山をきれいにし、経済性を高め、そしてなおかつきれいにすることによって有害鳥獣の鉄砲の筒先が確認できれば撃てる範囲も広がるとか、いろんな意味で赤城山をきれいにすることによる効果というのは高いものだろうと思っております。
16 【12番(
近藤登議員)】 私は、この質問をするのに当たり、放置竹林の実態をネットを通じて調べてみましたが、多くの自治体で放置竹林が悩みの種となっていることがわかりました。亀岡市のこの取り組みについて本市の場合は、放射性物質の問題があって、散布する竹炭の
放射能濃度検査の実施や国への検査結果の報告が必要であると伺っております。でも、これは言いかえればそのプロセスを経て、なおかつ測定値が安全基準を下回っていれば実現できるものと考えます。他の自治体が既に実施している取り組みであったとしても、本市独自の絆でつなぐ環境基金を活用して実施したとなれば
環境先進都市として注目されることも考えられますので、事業実施に向けた積極的な取り組みをお願いいたします。
次に、この問題に関する特任議員の意識で取り組んでおります
有害鳥獣対策についてお聞きします。本市の
赤城山麓地域では、依然として有害鳥獣の出没が相次ぎ、特に鹿、イノシシの被害が農業経営に支障を来し、切実な問題となっております。私自身今年度より
鳥獣被害対策実施隊に任命され、
富士見猟友会の皆さんとともにわなを仕掛け、定期的な見回りを行い、わなにかかったイノシシや鹿の処分等を経験してきました。そのような中、ことしの7月、県は
有害鳥獣対策として、2017年度から管理計画を見直し、鹿、イノシシの捕獲数の目標を倍増させるとの新聞記事がありました。その記事によれば、県内の生息数を推計したところ、適正管理には捕獲のペースを上げる必要があるとのことでしたが、
被害対策実施隊のメンバーとして捕獲業務に携わった者としては、倍増といってもそんなに簡単に達成できるものとは思えないというのが正直な感想です。
鳥獣被害防止対策としては、大きく分けて個体数の削減に直接作用する捕獲と電気柵等による防御の二通りがありますが、本市の
鳥獣被害防止計画の内容を見ますと有害鳥獣の捕獲計画数に重点を置いているように思います。そこで、今年度現時点での鹿、
イノシシ等による被害地域と被害農作物の状況及び捕獲実績について伺います。
17 【農政部長(金井知之)】 今年度の現時点での鹿、
イノシシ等による被害状況についてでございますが、粕川地区の中之沢、室沢、宮城地区の苗ケ島、柏倉、三夜沢、市之関、富士見地区では、皆沢、石井におきまして
飼料用トウモロコシ、水稲及びリンゴの食害や畑の
掘り起こし被害が見受けられますが、被害面積は例年より減少傾向で推移しております。捕獲実績につきましては、
有害鳥獣捕獲業務が11月14日まででありますので、その間の集計といたしまして鹿が121頭、イノシシが213頭、熊が4頭という状況でございます。本年度は特に鹿、
イノシシとも過去最高の捕獲頭数となっており、
市内猟友会員による
有害鳥獣捕獲隊の取り組みがこの成果になっているものと考えております。
18 【12番(
近藤登議員)】 鹿、
イノシシ等の被害状況と捕獲実績についてはわかりました。捕獲の内訳については、私がわなの見回りで遭遇したのは鹿のほうが圧倒的に多かったのですが、前橋全体ではイノシシのほうが多かったということもわかりました。また、捕獲頭数が鹿、
イノシシともに過去最高ということは、県の
推計どおりかなりの生息数であることが伺えます。ただ、被害面積が減少傾向にあるというのは朗報であり、これは電気柵等の設置が有効であることの証左であり、今後の
被害防止策についてはそういったことを踏まえて策定し、その上で被害農家の把握と
有害鳥獣捕獲数のさらなる向上に努めていただきたいと思います。
続いて、人的被害の防止についてお聞きします。先月隣の桐生市において、酪農業の方がわなにかかったイノシシをとめ刺ししようとして死亡するという痛ましい事故が起こりました。その事故を追跡した新聞記事には、伊勢崎市のアパートの一室にイノシシが入り込んだり、高崎駅西口付近にイノシシが出没して大騒ぎになったりと、今まででは考えられないようなところへの出没が相次いでいるとあり、ことしの2月には愛媛県の男性がイノシシに襲われて死亡したと見られる事象とともに、県内の平野部でイノシシに襲われてけがをした事例が複数あるとも報じておりました。私は、議員になって
有害鳥獣被害の深刻さを知り、その被害を食いとめる一助になればとの思いでわな猟の免許を取得し、わなを仕掛けておりますが、先週の土曜日、猟友会の皆さんと行う有害駆除ではなく、猟期にかけたわなとして初めてイノシシがかかりました。そのイノシシのとめ刺しを行うに当たり、先に述べた新聞記事が頭をよぎり、猟友会長に助けを求めてしとめていただきました。このイノシシはまだ小さかったので、人間を威嚇したり、向かってきたりはしなかったのですが、大人のイノシシではそういうこともあり、実際に立ち向かうと大きな恐怖を覚えるとともに、けがをするリスクを実感したものでした。そこで、本市における野生動物による
人身被害等の状況及び出没情報の対応や人が遭遇したときの防御方法などの周知についてどのような対応をとられているのか伺います。
19 【農政部長(金井知之)】 本市における野生動物による人身被害につきましては、現在のところ発生しておりません。出没情報の対応につきましては、熊、鹿、イノシシ、猿など
大型野生動物が住宅地の近くにおいて目撃された場合は、東部農林事務所から速やかにまちの安全ひろメールの配信を行うとともに、登下校が心配される地域は青少年課を通じ小中学校長へ連絡し、保護者等へおれんじめーるなどで情報発信されております。熊やイノシシにつきましては、目撃地点周辺に職員が出没注意の表示板を張るなど注意喚起を促し、また熊の防御方法につきましては熊の出没に注意を市のホームページに掲載して周知しております。
次に、イノシシによる桐生市の事故を踏まえまして、有害鳥獣による人的被害防止の対応についてと題して、JAあぐり・とーく1月号に掲載を予定しておりますが、内容は遭遇を避ける、人になれさせない、冷静に対応、近づかない、市への相談などの注意事項となっております。
20 【12番(
近藤登議員)】 幸いにして本市での人的被害は発生していないとのことでした。人に危害を加える可能性のある熊はもちろん、イノシシや鹿の出没については東部農林事務所に第一報が入るわけですので、そこから直接まちの安全ひろメールに送信できるのは即効性の観点からよいシステムだと思いますし、通学路に対して特段の注意が図られていることも評価できるところであります。また、遭遇してしまったときの対処方法については、ただいまの答弁にあったJAあぐり・とーくに加えて、さまざまな媒体で広く啓発していただくことを要望させていただきます。
続いて、個体数削減に向けたもう一段の施策展開について伺います。最初の質問に対する答弁で農作物の被害面積が減少傾向にあるとのことでしたが、それでも被害は現に発生しているわけで、丹精を込めてつくった作物を出荷前に台なしにされたら、作物をつくる気力がうせ、ひいては耕作をやめてしまうことにもつながり、その結果としてできた耕作放棄地が鹿やイノシシのすみかになるという悪循環が生まれることを危惧しております。被害防止のため、さまざまなツールを駆使した防御方法などにつきまして今後も周知を図っていただきたいと思います。また、本市での人的被害は今のところはないものの、
大型野生動物の出没は突発的で予測が難しいこともあり、いつ発生するかわかりません。以上のことから、農作物被害の防止と市民の安全のためには、個体数削減に向けたもう一段の施策展開が必要と思われます。このことに対しまして、狩猟の経験をもお持ちである市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。
21 【市長(山本龍)】 狩猟の経験といっても、私は一匹もとれませんでしたので、経験はほとんどありませんが、それでも防除と駆除の2本立てで今まで進んできました。ところが、防除にしてみれば、農家の高齢化で電気柵を巻くこともあるいは防護壁をつくることも、トタンを並べることももう本当に体力的に限界でございます。では、駆除はどうかといえば、群馬県の有害鳥獣の頭数管理計画で倍とっていいよとはおっしゃってはいるものの、実態としての駆除力がなくなっている。多分この10カ年で赤城南麓の猟友会員の方々も半減したのではないかと思います。それだけ駆除力も弱まっている。その中でどうしたらいいのだろうかという大きな課題にぶっついているとこです。桐生市の例のように人の命にかかわるところもあります。もしイノシシが小学校付近に出没したら、あの中で僕たちはどうやって駆除するのでしょうか。麻酔銃を持っている部隊もいなければ、網を放出する特殊な機械もありません。ただ逃げ惑うだけではないでしょうか。その混乱が目に見えるようでございます。だからこそ、今回我々は思い切った手法をとっていかなくてはならないと思っています。もとに振り返って言うと、山をきれいにしていけばイノシシたちがだんだんと山のほうに入っていってくれるだろうと。そして、広葉樹を少し植え混合林にすることによって彼らのいる場所も少しつくってやらなくてはいけないと思います。出てきたイノシシたちをどういうふうに駆除するか。私は、最終的には有料の猟師、いわゆる昔の言葉で言うマタギのような専門的なプロ猟師集団の常勤雇用化みたいなことを目指さなくてはいけない時代が来ると思っています。まちに出てきたけものを彼らが麻酔銃でしとめることができる。そういう訓練を積んだ部隊の創設は私たちにとって必要なことではないかと考えております。
22 【12番(
近藤登議員)】 最初の市長選のときから
有害鳥獣対策に並々ならぬ意欲を示されていた山本市長の熱い思いが伝わってきました。さきの新聞報道でも県は上と下ではかなりの差がある推計生息数の上限を基準に据えて捕獲計画をつくると言っておりますので、県を初めとする関係各機関と協力して被害防止と市民の安全確保に向けた取り組みをよろしくお願いいたします。
次に、都市農村交流による地域活性化についてお聞きします。富士見地区における都市農村交流事業は、地元出身で大河ドラマ花燃ゆにも登場した明治の三老農の一人に数えられている船津伝次平翁の結ぶえにしがきっかけとなって始まったと認識しております。私もこの事業の行事に参加しておりますが、都会の人が田舎に足を運んで田植えや田の草取り、そして稲刈り、また野菜の収穫を楽しむプログラムもあり、これは今で言うグリーンツーリズムそのものではないかと思っております。その意味では先駆的な取り組みで、時代が後からついてきた感のあるこの交流事業について、これまでの実績について伺います。
23 【市民部長(永田敦)】 富士見地区の都市農村交流事業につきましては、旧富士見村当時からの村の事業として始まったもので、合併後は交流団体である伝次平倶楽部が立ち上がり、伝次平翁ゆかりの都市である東京都北区、目黒区及び文京区との民間交流を実施しているものでございます。これまでの交流事業の実績についてでございますが、各地区と互いの祭りやイベントへの参加、田植えや稲刈りなどの農業体験、地元の農産物の販売などさまざまな事業を展開し、今年度は年間14事業、延べ16日間の事業を実施してまいりました。また、今年度から目黒区こまばのまつりにおけるかかしコンクールに富士見町の原小学校4年生が参加して駒場小学校の児童と交流するなど新たな事業も展開しております。
24 【12番(
近藤登議員)】 富士見町の都市農村交流事業は、富士見地区の地域振興を目的として活発に行われていることがわかりました。また、長年続いている中にも新しい取り組みが加わっていることは、マンネリ防止の観点からも大いに評価できることと考えます。つきましては、今後の事業計画と市としての対応について伺います。
25 【市民部長(永田敦)】 今後の事業計画でございますが、伝次平倶楽部ではこれまでの交流事業を通じて形成されてきた東京都北区、目黒区及び文京区との関係を維持し、さらに発展させていくため、各地区で行われる祭りやイベントへの参加、前橋市の農産物の販路拡大や観光PRなど積極的に取り組みたいとのことでございます。特に目黒区、文京区とは富士見地区での農業体験など、グリーンツーリズムを取り入れた民間交流が展開されるものと考えております。
次に、市としての対応でございますが、都市農村交流事業は単に交流団体である伝次平倶楽部の地域振興事業にとどまらず、本市の農林業振興、観光振興に広く貢献しているものと考えております。また、文化交流、さらには伝次平翁の偉業の伝承という幅広い側面も持っており、行政としてもその活動に大きな期待を寄せているところでございますので、市としても支援を継続してまいりたいと考えております
26 【12番(
近藤登議員)】 ただいまの答弁で、市当局としてもこの事業に関して大いに期待していただいているということがわかりました。そのように価値の高いこの都市農村交流事業を継続させるためには、支所職員によるサポート体制が不可欠であると考えます。支所機能が縮小されている現状ではありますが、交流事業の継続のみならず、拡大発展には事務局体制をさらに充実させる必要があると考えますが、このことについて当局のご所見を伺います。
27 【市民部長(永田敦)】 支所職員のサポート体制についてでございますが、引き続き支所の地域振興事業として位置づけ、支所長の権限のもと柔軟に、機動的に取り組んでまいりたいと考えております。
28 【12番(
近藤登議員)】 この前この行事に参加しているときに、乗っていった車が壊れて高速道路上でとまってしまい、職員の方が大変危険な目に遭いました。そういったことを踏まえますと、富士見支所に専用の車を配備できないかという声がありますので、そのことについてご所見を伺いたいと思います。
29 【市民部長(永田敦)】 富士見支所への車両の配備についてでございますが、費用対効果の面も踏まえ、本庁で所管する代用可能な公用車を適宜使用する方向で考えてございます。
30 【12番(
近藤登議員)】 そういったことで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
(31番 中道浪子議員 登壇)
31 【31番(中道浪子議員)】 私の最初の質問は、中学生の自衛隊への職場体験の中止についてです。
実施の経緯ですが、今全国の中学校で総合学習などの時間を利用して職場体験が実施されており、本市では基本的に5日間実施しています。確かに保育や介護などの現場を体験し、労働の喜びを味わい、さまざまな職業の人と触れ合ってコミュニケーション能力を高めるということは大切なことです。しかし、問題なのは、前橋市でも中学2年生の職場体験学習に自衛隊への体験が行われていることです。南町の自衛隊群馬地本のホームページに、平成27年度の実施校として本市の元総社中学、第七中学、みずき中学が掲載されていることを初めて知り、今年度の実施校はと市教委に伺ったところ、第五中学、みずき中学、南橘中学、大胡中学の4校が実施したとの報告でした。本市でも自衛隊からの働きかけが学校にあったから、生徒の希望をもとに体験場所として取り上げたという学校もあるようですが、本市ではいつから自衛隊への職場体験を実施しているのか、どのような経緯で学校が生徒を送り込んでいるのか、あるいは教育委員会の指示で実施しているのか、これまでの実施の経緯をお願いいたします。
以下、質問席で行います。
32 【指導担当次長(塩崎政江)】 まず、自衛隊への職場体験の実施についてですが、本市では平成21年度よりキャリアスタートウイーク事業として自治会連合会や商工会議所などの地域の商工業者や農業関係者、あるいは警察署、消防署、市役所などの官公庁で多くの関係者の理解と協力をいただきながら、先ほどもありましたように事前、事後の訪問を含む5日間の活動を実施しております。具体的な体験先については、各学校が主体で決めております。経緯についてですが、職場体験は各学校で生徒の希望を優先するとともに、受け入れが可能な事業所の中から体験先を決定しております。自衛隊も受け入れ可能な事業所の一つと考えております。
最後に、教育委員会の指示ということですが、職場体験は生徒にとって働くことの喜びや厳しさを実感したり、みずからの将来について考えたりすることなどを目的として行われています。教育委員会としましては、職場体験を一過性のもので終わらせるのではなく、生徒がみずからの生き方について考えることができるよう学校にお話をしております。これらを踏まえ、体験先については各学校で判断しています。
33 【31番(中道浪子議員)】 市教委がこんな大事なことを把握していないということが大問題だと思うんです。さかのぼってこれを調査して、毎年度の学校が何人の生徒を送り出していたのか責任を持って報告することを求めておきます。
次に、問題点ですが、南町にある自衛隊群馬地方協力本部のホームページには、中学生が戦車に乗ったり、近距離ミサイルの操作要領を習ったり、迷彩服を着て戦車の前で記念写真を撮るなどの画像が掲載されていたことをご存じでしょうか。ホームページの映像には、これで飛行機が落とせるの、将来は自衛隊で決まりとコメントが書き込まれており、先日太田市の教育長はおよそ子供がつぶやいているものとは考えられないと議会で答弁したことが報道されました。子供が言ってもいないことをあたかも言っているように書いているのは問題ではないですか。車で送り迎えまでして自衛隊の武器や装備品を子供たちにさわらせる学習やこうした職場体験は、自衛隊の勧誘PRそのものではないでしょうか。問題なしと自衛隊の職場体験を進めていること自体大問題ではないでしょうか。いかがですか。
34 【指導担当次長(塩崎政江)】 これまでにどのくらいの人数等の把握についてですけれども、先ほど申し上げましたように市内のどの学校が何人体験したかについては、教育委員会は把握しておりません。また、各学校がどのような事業所を体験先としているのかということについても、先ほど申し上げましたように職場体験の目的を踏まえて各学校が主体となって判断しているもので、教育課程の編成権を持つ学校長に委ねているため、教育委員会への報告は特に求めておりません。
また、先ほどどんな体験をということでしたが、子供たちが武器等の道具に触れるような体験というお話がありましたけれども、これは自衛隊に限らず、どの事業所においても単なるイベント的な参加で終わってしまうことがあるとすれば、それは職場体験の目的からして課題があると思われますが、職種に関係なくその職場の施設設備等も全部含めて体験内容を確認して、職場体験の趣旨に合うものにしていくことが必要だと考えております。具体的な体験状況については、教育委員会では個々の職場における具体的な内容については把握しておりませんが、どのような事業所であっても学校は職場体験の目的や意義と照らし合わせて、体験内容について事前によく話し合って実施しているものと認識しております。
35 【31番(中道浪子議員)】 しっかり調査して、報告を求めておきます。イベント的であれば課題があるとおっしゃいましたけれども、まさにそのとおりだと思いますので、体験内容を把握して、問題があると認識すべきです。今国民の中では、自衛隊については違憲であるとか、合憲であるとか意見の相違が存在しており、中学生の保護者の中でもさまざまな考えがあるのが実態です。仮に生徒の希望で自衛隊への職場体験だとしても、子供の自衛隊の体験に反対や懸念を持つ保護者も大勢いることですから、それを考えず学校が推進することは市教委としての配慮が欠けていると言わざるを得ません。意見の違いがある職場については配慮すべきではないでしょうか。どのような見解をお持ちなのか、もう一度お伺いします。
36 【指導担当次長(塩崎政江)】 教育委員会の配慮ということですけれども、職場体験の事前学習の際に学校では生徒に職場体験の趣旨をしっかり説明するとともに、体験先については保護者にも相談しながら決定するよう指導していると認識しております。学校では、事前に体験先について保護者の承諾を得たり、あるいは通信等で家庭に知らせたりするなど、安易に生徒だけの考えで体験先を決めてしまわないような配慮もしていると認識しております。
37 【31番(中道浪子議員)】 賛成する保護者だけの意見を聞いていたのでは正しく理解できないでしょう。そもそも自衛隊は他の一般職業とは全く異なる職業だと考えるべきです。生徒たちが災害時などの人命救助活動などで活躍する自衛隊の姿などをメディアで報じたのを見て職場体験を選んだとしても、自衛隊の第一の任務は国防で、他国との交戦であり、災害救助活動は2次的な任務です。まだ未熟な生徒が職場体験先を選定するがままに受け入れ、教師ならば自衛隊も職業の一つとして認めていることは教育者としての見解が厳しく問われるもので、とんでもない認識です。
(何事か声あり)
38 【31番(中道浪子議員)】 直ちに改めることを求めますが、見解をお伺いします。議長、うるさいんですけど。
(「認識の違いだよ」の声あり)
39 【31番(中道浪子議員)】 うるさい。
(「静かに聞けよ」の声あり)
40 【教育長(佐藤博之)】 いろんな意見があるのは承知していますが、我々は自衛隊については警察や消防と同様に大切な仕事として国家の……
(何事か声あり)
41 【教育長(佐藤博之)】 国土の保全、国を守ること、さらに災害救助等で活躍している仕事の一つであり、職場体験先としてこれは否定する必要は全くないというふうに私は思っています。
42 【31番(中道浪子議員)】 大切な仕事という認識のようですが、とんでもない話だと思います。自衛隊が直接学校を訪問して職場体験を進めるのは、今若者が自衛隊離れで、中学生のうちから自衛隊にならしておく必要があるからではないですか。教育長にもう一度お聞きします。
(何事か声あり)
43 【31番(中道浪子議員)】 これまでの認識を直ちに改めて……ちょっとうるさいんですけど。
(「重大な発言だよ」の声あり)
44 【31番(中道浪子議員)】 改めて災害時などの人命救助活動の仕事を体験したいという生徒からの希望だとしても、教師ならば救急救命隊や消防隊などを紹介し、体験することで解決するのではないでしょうか。自衛隊は、やっぱり特殊な職業ではないですか。自衛隊を正しく理解できない状況なのに職場体験の場にするのは問題があるし、先ほども課題があると言っております。特に今重大なことは、昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定と9月に強行採決した安保関連法制によって、自衛隊は今月12日から南スーダンで駆けつけ警護が実施可能となり、事実上戦闘地域で戦死者が出る可能性が現実化し、軍隊へと危険性が格段に高まったのです。自衛隊の息子を持つ母親が、どの母親も人を殺し、殺されるために子供を育てたのではありませんと南スーダン派遣差しとめと撤退を求め、札幌地裁に勇気ある提訴をしました。教職員は再び教え子を戦場に送らない、これが教育者の原点として、あの悲惨な戦争の反省の上に立って戦後の民主主義教育を進めてきたのではないでしょうか。教育長は、かつて広島に行かれたこともあり、平和教育には力を入れてきたのではなかったでしょうか。全く反省もない、やめることもしない、それでいいのですか。あえて自衛隊に職場体験させるのに競うようにやっていることについて、教育長はどのように受けとめているのか。もう一度やめる決断をすべきだと思いますが、もう一度答弁を求めます。
(何事か声あり)
45 【31番(中道浪子議員)】 議長うるさいから、静かにするように言ってください。
(「教育長、競い合っていないと言ったほうがいいよ」の声あ
り)
46 【教育長(佐藤博之)】 特に平和への取り組みについて私たちのスタンスをもう一回確認しておきたいと思います。
富岡製糸場で有名になっている世界遺産を主催しているのは、国連のユネスコというところです。そのユネスコは、正式には国際連合教育科学文化機関といいます。そもそもこのユネスコが成立した大きな理由は、教育や文化の振興を通して戦争の悲劇を繰り返さない、その理念のもとにこのユネスコは成立しています。現在の世界総人口の3分の1、23億人ぐらいですが、その3分の1は既にさまざまな戦争や紛争に巻き込まれている。この事態の中で、そもそも教育が持っている役割の一番大きな原点であり、そして最大の課題は平和を維持する、そうした子供たちを育てることだと思っています。ユネスコ憲章の前文には、戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない、これは私たちが教育者としてずっと生きている上での一番大きな基本なんだと考えています。その基本を踏まえながら、現在の子供たちの学びを私たちは組織しています。各学校では、平和教育の名のもとにお年寄りの戦争体験を聞いたり、あるいはきょうは高校生がたくさん傍聴に来ていますが、学校の上学年になれば世界の紛争の状況がどうなっているのか、あるいは日本の国の守りがどうなっているのか、さまざまな学びを繰り返しています。そうした中で、市は平和の願いを込めて前橋空襲の悲劇を描いたミュージカルを主催するなど、具体的な取り組みもきちんと進めています。そうした上で、自衛隊の役割等々を考えたときに、先ほども申し上げましたが、大切な仕事として国土の保全、あるいは災害救助活動等で活躍している自衛隊の姿を否定することはできませんし、子供たちにもその職場の体験をしてほしいというふうにも思っています。
47 【31番(中道浪子議員)】 教育長の答弁は、私の質問に答えておりません。私は、やめるように決断すべきというふうに求めました。今教育要領についても……
(「議長、注意しろ。質問が憲法22条に反しているぞ」の声あ
り)
48 【31番(中道浪子議員)】 ちょっとうるさいんですけど。議長、時間をとめてください。
(「議長、ちゃんと注意しろ」の声あり)
49 【議長(
長沼順一議員)】 どうぞ続けてください。
(何事か声あり)
50 【31番(中道浪子議員)】 今社会が変わりまして、教育要領で教えている範囲ではありません。それ以上に変わってきておりますので、そのあたりをまだ子供たちにも教えていないし、未熟な子供に自衛隊体験というのはやはり不本意だと思います。全群馬教職員組合と同前橋支部が11月18日に佐藤教育長に自衛隊の職場体験学習は直ちにやめよと申し入れをしました。職場体験は総合的な学習の時間で、教育課程の一部であり、その編成権は学校にあり、学校が自主的に判断するものと承知しております。しかし、これまでのように安易に自衛隊への職場体験を実施することは、命を何よりも大切にし、平和な社会をつくる人間を育てるという教育上の立場から、また何よりも命の尊厳、平和の大切さについて、かつての戦争の痛苦の教訓も踏まえた教育こそ今求められているもので、一般の職業とは次元を異にする自衛隊での職場体験は中止するよう働きかけるべきだと申し述べておきます。
次に、マイタクの改善策についてです。ことし1月からデマンドタクシー、マイタクの運行が始まり、交通政策課は利用状況の実態調査を行い、便利になったと歓迎されております。今私たち共産党市議団が実施している市民アンケートでも、マイバスの充実やマイタクの改善策、旧4町村での運行されているふるさとバス、るんるんバスを拡充してほしいという要望がたくさん寄せられております。中でもマイタクの乗車料金は周辺に住んでいる市民には高過ぎるので、改善してほしい、まだ元気なので、生涯学習に参加したり、コンサートや演劇鑑賞にも出かけているので、利用時間を延長してほしい、また年間往復60回の乗車券では平均1週間に1往復しか利用できず、買い物や通院するのに利用回数をもっとふやしてほしいなどの意見が依然として多く寄せられています。そこで、乗車量の不平等間をなくして、市内どこに居住していても片道300円とか、少なくても500円の市内統一固定料金に改善するとか、東松山市のようにタクシーメーター料金別に3段階に分け、2,000円未満ならば料金は500円、3,000円未満なら1,000円、3,000円以上は1,500円と設定するなど、わかりやすく市内一律の低い額、固定料金に改善が求められています。いかがでしょうか。同時に、利用時間の延長や利用回数を増加するよう改善を求めますが、見解をお聞かせください。
51 【政策部長(藤井由行)】 マイタク制度の見直しについてでございます。まず、料金体系についてでございますが、この制度はご承知のようにふるさとバスやるんるんバスとは異なりまして、既存のタクシーを利用した場合にその運賃の一部を支援するという仕組みでございますので、市内一律の料金、あるいは距離限度制の導入というのは難しいと考えております。また、利用時間の延長や利用回数の制限につきましては、ご指摘のとおり高齢者が今後さらに増加していく中で、サービスを継続していくためには市の財政負担、財源の確保等を考えた場合に一定の条件を付することが必要であると考え、現行の制度にしたものでございます。今回実施をいたしましたマイタクの利用実態調査を見ましても、利用者の皆様、現行の制度の内容につきましておおむねご理解いただいていることが伺えますので、運行制度の見直しにつきましては今後の利用実態等を見ながら検討してまいりたいと考えております。
52 【31番(中道浪子議員)】 アンケートのとり方では、ご利用している方の便利さしか把握し切れないので、もう少し広くとることでこういった意見が伺えるのではないかと思いますので、アンケートについてちょっと疑問を持っております。マイタクの予算は年間約1億2,000万円から3,000万円とお聞きしていますが、せっかく市独自のマイタク運行を推進するのですから、市の予算額をもう少しふやして、高齢者が元気に安心して生活が維持できるように検討すべきです。最近高齢ドライバーによる悲惨な交通事故が多発していることや本市の第10次交通安全計画でも、前橋市における交通事故発生件数が全国平均も群馬県平均をも上回り、しかも交通事故死亡者における高齢者の割合が増加傾向にあるとの実態が公表されており、長寿社会における抜本解決が求められております。実態は公共交通が不便で、年をとっても車に乗らざるを得ないからで、改めて本市の公共交通の充実と道路事情の改善が急務であることを実感しております。そこで、移動困難者対策も交通不便地域でも市民が市内どこに住んでいても安い料金でいつでも安心して気軽に利用できるマイタクに改善すれば、高齢ドライバーの運転免許証の自主返納などが特段に進み、高齢者の交通事故解消政策にも大いに期待できるのではないかと思っておりますが、当局の見解をお聞かせください。
53 【政策部長(藤井由行)】 マイタク制度の改善によります高齢者の交通安全対策というご質問だと思います。高齢者による交通事故が社会問題になっている中で、過度な自動車依存から公共交通への転換を図っていくことは大変重要であると考えております。高齢者が外出しようとする際に移動手段を決めるとき、あるいは運転免許証を自主返納するかどうかを決める際には、移動手段となりますタクシーを含めた公共交通の利用環境は大きな判断材料の一つになると考えております。したがいまして、マイタクはもちろんでございますが、バス、鉄道を含めた公共交通全体の利便性向上につきまして引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
54 【31番(中道浪子議員)】 高齢ドライバーの交通事故が相次ぐ中、宮崎県西米良村では、運転免許証を自主的に返納する高齢者に14万円余りのタクシー券を支給する取り組みが始まったことが報道されていました。本市でもこのように思い切った施策の展開が必要ではないかと思っております。マイタクの改善策を求めて私の質問を終わりにいたします。
(4番 鈴木数成議員 登壇)
55 【4番(鈴木数成議員)】 通告に従い、順次質問していきます。
本市の就職支援についてまず質問を行います。本市の人口が年々減少しています。少子化の問題もありますが、本市から他へ人口が流出していることも大きな要因であると考えます。本市で成長した子供たちが本市に残りたい、本市に戻りたい、本市をいいと思ってくれている人たちが本市を拠点にしてくれれば、人口減少の勾配割合が緩やかになり、本市の環境はよりよくなると考えます。しかし、そのような人たちも仕事がないと生活していけません。そこで、本市における高校生や大学生への職業教育や、既卒者や再就職希望者へ向けた就職支援の取り組みについて、その現状や実績についてお伺いいたします。また、首都圏に集中している労働力を本市に呼び込むようなUIJターンの取り組みについてお伺いします。
56 【産業経済部長(岩佐正雄)】 昨年度に本市で実施した職業教育といたしましては、高校生向けに市内の実業高校3校の生徒を対象に高校生キャリアセミナーを行いました。また、大学生向けには、大学生キャリア支援塾や女子大学生セミナーを実施したところでございます。これによりまして市内企業への理解が深まり、自分の将来のキャリア形成を考える機会ができたと考えております。また、就職支援では、大学生や既卒者を対象にまえばし就活実践塾を実施し、延べ参加者145名のうちの12名が就職し、さらに子育て中の女性に対する就職支援セミナーや就職面接会では、延べ参加者138名のうち23名が就職することができました。このほか若者の早期離職防止のため、若手社員フォロー研修セミナーを10月に実施し、受講者28名のアンケート調査では満足度の高い回答を得ておるところでございます。さらに、UIJターンの取り組みでは、県内外の大学生に向けて市内企業向けの企業訪問バスツアーを実施し、参加者46名のうち16名が就職いたしました。
57 【4番(鈴木数成議員)】 市内企業の労働力不足の改善や市民生活の安定を図るために、特に若者や女性への就職支援やUIJターンの取り組みについてはさらに推進していく必要があるかと思われますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。
58 【産業経済部長(岩佐正雄)】 市内企業の労働力を確保するため、若者や子育て中の女性への就職支援事業について今後もさらに充実させ、実施していきたいと考えております。今年度からUIJターンを推進するために、前橋市UIJターン若者就職奨励金を新設いたしましたが、現在のところ企業1社と就職者1名へ奨励金を交付しております。6カ月間の継続雇用が条件でございまして、企業からの問い合わせも多いことから、今後はさらに利用が高まるものと思われます。また、来年4月には、若者や子育て中の女性への総合的な就職支援施設であるジョブセンターまえばしを開設いたします。この施設では、ハローワーク前橋の窓口を併設し、若者や子育て中の女性への職業紹介、キャリアカウンセリング、就職支援セミナーを初め、企業見学、インターンシップなどのマッチング、さらには就職後の定着支援までをワンストップでサポートし、確実に就職に結びつけ、職場定着率を上げて前橋市へ定住してもらえるよう支援していきたいと考えております。
59 【4番(鈴木数成議員)】 取り組みについてはわかりました。職場定着率を上げたいということですが、その前に求職者にも企業にも本市の企業情報や行っている就労支援の体制を知っていただく必要があるのではないでしょうか。人口流出を抑えるためには、市内企業の魅力をPRしたり、求人情報や就労セミナーなどを県内外の就職希望者へ広く周知し、就職につなげることが必要であると思われます。今後開設されるジョブセンターまえばしなどを活用した周知、PRについてお伺いいたします。
60 【産業経済部長(岩佐正雄)】 現在UIJターンの奨励金や就職支援セミナー、就職面接会への募集には広報まえばし、商工まえばし、ホームページへ掲載するとともに、産業、就職支援メニューをまとめた産業サポートガイドを作成し、市内企業や金融機関などへ配布しております。ご質問のとおり、就職活動をしている若者や女性に向け、市内企業や就職支援事業の情報を広く周知するためにはさらなる工夫が必要であると感じております。そこで、今後ジョブセンターまえばしの開設と機能につきまして市民や事業者への周知を徹底的に図るため、独自のホームページを開設し、市内企業の紹介や就職支援セミナー、就職面接会などの情報を掲載し、就職活動を行っている若者や女性へ広く周知する予定でございます。そのためにはジョブセンターまえばしを多くの方に知っていただく必要があることから、指定管理者となります民間企業の力も利用しまして、効果的に周知を図っていきたいと考えております。
61 【4番(鈴木数成議員)】 ぜひ効果的な周知をしていただいて、一人でも多くの人の就職の手助けになるようご協力をお願いいただければと思います。
続きまして、自転車のまち前橋の推進について質問させていただきます。平成23年にスタートしたまえばし赤城山ヒルクライムは、開催6回目を迎え、エントリー開始からおよそ30分で定員に達するなど、人気大会に成長するまでになりました。シクロクロスは日本シクロクロス競技主催者協会のカテゴリーレースになり、本市初開催のクリテリウムはJプロツアーの第17戦として開催されるなど、自転車競技分野における自転車のまち前橋の認知度は定着してきたものと考えています。こうした中、本年9月には前橋駅前にレンタサイクル併設のジャイアントストアやサイクルツリーがオープンしました。山本市長も先頭に立ち赤城南麓のモデルコースをPRするなど、競技志向の自転車文化とは異なるサイクルツーリズムが期待されているところであります。そこで、年間を通じて楽しめ、環境にも健康にも優しい自転車を用いたサイクルツーリズムによる交流人口の増加に向けた取り組みについてお伺いします。
62 【文化スポーツ観光部長(高梨春雄)】 サイクルツーリズムによる交流人口の増加に向けた取り組みについてでございますが、従来から実施している前橋駅前レンタサイクル、マエチャリに加え、このたびオープンしたジャイアントストアが加わることで、鉄道でお越しいただいた方もスポーツ自転車を用いた広域でのサイクリングが可能となりました。また、各種自転車雑誌でも取り上げていただいた赤城南麓のモデルコースは、道の駅ふじみやぐりーんふらわー牧場・大胡、赤城南面千本桜などの観光施設をめぐるコースとして設定したルートとなっております。赤城南麓の美しい風景やおいしい豚肉料理、おそばや焼きまんじゅうなど、ご当地グルメが楽しめる魅力的なエリアであることを生かしながら、瀬戸内海を結ぶしまなみ海道や琵琶湖を1周するビワイチのような多くのサイクリストに訪れていただける地域を目指し、パッケージ商品化に向けた旅行会社へのPRを初め、サイクルツーリズムによる交流人口の増加に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
63 【4番(鈴木数成議員)】 美しい風景を楽しみながらおいしい食事に舌鼓し、スイーツを楽しんでのんびり宿泊と日本国内で人気となっているこのようなスタイルのサイクリングは、海外でも注目を浴びていると聞き及んでいます。特に前橋駅前にもショップがオープンした世界的な自転車メーカーであるジャイアントの本社がある台湾は、秋のサイクル月間イベント開催や日本を初めとする海外大会へ参加するサイクリストの存在など、自転車に対する人々の人気が高い地域となっております。今回観光庁の観光インバウンドに関する勉強会に参加した際の情報になりますが、本県への外国人延べ宿泊者数の構成比を参考にすると、およそ50%が台湾の方だと伺いました。自転車やサイクリングに興味、関心を持つ方が多いと思われる台湾の方々に本市で楽しんでいただき、本市の取り組みを情報拡散していただければ本市の外国人観光誘客にとって有利に働くのではないかと考えます。このような中で、本市のサイクルツーリズムによる外国人観光誘客についての考え方をお伺いします。
64 【文化スポーツ観光部長(高梨春雄)】 サイクルツーリズムによる外国人観光誘客についての考え方についてでございますが、海に囲まれ、山間部の多い日本は海外のサイクリストからも人気で、瀬戸内海のしまなみ海道には多くの外国人観光客が訪れていると伺っており、訪日外国人観光客が急増する中、サイクルツーリズムによる海外からの観光誘客は大変重要な視点であると考えております。特に台湾は群馬県に来訪する外国人観光客の最も多い国、地域であり、サイクルツーリズムにおけるインバウンド観光においても台湾に対するアプローチは欠かせない取り組みであると考えております。こうしたことから、本市では本年11月にITF、台北国際旅行博2016に出展するとともに、台中や台南の旅行会社に対する訪問活動を行うなど、台湾に対する観光プロモーションを行ったところでございます。今後につきましても、まえばし赤城山ヒルクライムや赤城南麓のサイクルコースに海外からも来訪していただけるよう、サイクルツーリズムによる外国人観光客を意識しながら情報発信や誘客活動を行ってまいりたいと考えているところでございます。
65 【4番(鈴木数成議員)】 エコロジー、特にポリティカルエコロジーに関心の高い外国の旅行者にとっては、自分のペースで観光を楽しめるのは何よりのぜいたくと考えられており、このサイクルツーリズムは外国人観光誘客を進める上で彼らのニーズに合致すると考えられます。それゆえに、海外に向けたPRも積極的に図っていくべきであると考えております。そうした中、台湾に着目しますと、さきにも述べましたが、世界的な自転車メーカーであるジャイアントがあります。昨日台湾へのシティセールスの話が市長からもありましたけれども、市長みずからサイクリングを行うといったトップセールスをしたらいかがでしょうか。また、台湾からのまえばし赤城山ヒルクライムや赤城南麓コースへのメディア招聘や参加者誘客、しまなみ海道が行っているような台湾の自転車道や大会との連携、例えば観光ブース出展や参加者の相互交流など、創意工夫を凝らした誘客活動、プロモーションも検討していただけるよう要望しておきます。
次に、自転車通行環境の整備についてお伺いいたします。自転車を中心とした観光振興を図り、前橋に多くの観光客を取り込むためには、ソフト面だけではなくハードの面での充実を図ることも重要だと考えております。前橋を訪れる観光客が自分の自転車やレンタサイクルを利用して前橋市の道路を走る際に快適に走行できるよう、自転車通行環境の整備も必要になってくると考えます。前橋市として今後どのように整備を行っていくのか、見解をお伺いいたします。
66 【建設部長(加藤裕一)】 自転車通行環境の整備についてでございますが、現在国、県、市等で組織されております群馬県自転車通行環境検討の場におきまして、円滑な自転車通行を確保するための仕組みや技法等を検討しているところでございます。こちらにつきましては、今年度中に整備方針を定めることになっておりますので、本市としてはこの方針をもとにして整備を進めていくことになります。また、観光振興という視点からは、市内の観光名所までの案内機能やスムーズに走行していただくための路面標示の整備など、例えば自転車愛好家たちから特に人気の高いしまなみ海道など幾つかの先進事例を研究することで、本市を初めて訪れた方でも安全で安心してサイクリングを楽しんでいただけるよう、自転車通行環境整備について検討していきたいと考えております。本市の自転車通行環境の向上を考える上で、強みの一つであります既存の利根川や桃ノ木川の大規模サイクリングロードの利点を最大限に生かしたネットワークの構築や、鉄道の駅や道の駅をつなぐなど、観光面を視野に入れた整備手法について今後関係課と連携してガイドライン等を策定していきたいと考えております。
67 【4番(鈴木数成議員)】 観光のソフトウエアと道路のハードウエア、どちらかだけよくても成功につながりません。そして、サイクリングという部分では、スポーツの視点も必要になってくるのではないかと思います。各課でタッグを組んで取り組んでいただけますようお願いいたします。また、国の地方創生推進交付金を初め、ハードやソフトに使える訪日外国人旅行者受入加速化交付金や基盤整備交付金等を利用して外国人の訪問時、滞在時の利便性向上を図って、世界最高水準の観光拠点になるよう受け入れ環境を整備してくださいますよう要望して、この質問を終わりにいたします。
続いて、地域産業の活性化について質問いたします。本市は、中小企業の活性化に向けて、国内向けには機械要素技術展やアグリフードEXPO、きたかんマルシェ等いろいろと国内に向けて情報発信されている機会を今まで目にしてきました。国外に関しても、東南アジアのデパートに商品を輸出しているという情報も委員会のほうで伺っております。これからの企業の販路拡大に向けては、国内もそうですが、より海外への輸出に目を向けていく必要があると考えております。現在本市の企業が海外輸出を考えるときの窓口には、日本貿易振興機構、ジェトロの支援を受けるのが最もよいとされています。ここには、国内に42都道府県、本部を含めて45カ所と海外に55カ国、74カ所の事務所を構えて、農畜産物の輸出促進や中堅中小企業の海外展開を支援しているとウエブページにもありました。本年7月にジェトロ事務所の本市への誘致について群馬県知事宛てに市長が要望書を提出されたという話を伺っております。このジェトロの県内事務所を誘致した際のメリットについてお伺いします。
68 【産業経済部長(岩佐正雄)】 ジェトロは、経済のグローバル化に対応し、地方における海外ビジネスの普及と拡大を図るため、各種セミナーや貿易、投資相談、海外バイヤーとの商談会などを行う独立行政法人でございまして、最近では近県にも事務所が立地している状況がございます。こうした中で、海外進出によりますビジネスチャンスを生かすため、市内の農業団体や経済界よりジェトロの県内事務所の設置につきまして要望をいただきましたことから、県内交通網の結節点である本市のジェトロ設置について群馬県知事に対して要望書を提出させていただいたところでございます。ジェトロ誘致のメリットは多くあると認識しておりますが、一番大きなメリットは県内、市内の中小企業がジェトロを活用する際に、今までは東京都にありますジェトロ関東まで出向く必要がございましたが、県内に誘致を行うことで時間をかけずに手軽に相談ができることだと考えております。