各務原市議会 2016-09-26
平成28年第 3回定例会−09月26日-02号
書記 阿 部 起 也
書記 横 田 直 也
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△1、開議
(開議) 午前10時15分
○議長(古田澄信君) ただいまから本日の会議を開きます。
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○議長(古田澄信君) 本日の日程は、お手元に配付したとおり定めました。
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△日程第1、
会議録署名議員の指名
○議長(古田澄信君) 日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
本日の
会議録署名議員には、会議規則第80条の規定により、議長において18番 足立孝夫君、19番 三和由紀君の両名を指名いたします。
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△日程第2、専第4号から日程第22、議第97号まで
○議長(古田澄信君) 日程第2、専第4号から日程第22、議第97号までの21案件を一括し、議題といたします。
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○議長(古田澄信君) これより質疑を行います。
質疑の通告がありますので、発言を許します。
8番
波多野こうめ君。
(8番
波多野こうめ君質問席へ)
◆8番(
波多野こうめ君) おはようございます。
質疑を行います。
まず、認第1号 平成27年度各務原市
一般会計決算の認定についてです。
7款1項商工費、2目
商工業振興費、
住宅リフォーム補助事業についてであります。
住宅リフォーム補助事業は、3年間行い、27年度で終了をいたしました。3年間の利用者数、補助額、工事総額をお示しいただきたいと思います。
また、市は3年間事業を行い、業者の方々から仕事がふえたと大変喜ばれている声もお聞きしておりますが、市としては事業効果についてどのように捉えておられるのか、お伺いいたします。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
(
産業活力部長 村井清孝君登壇)
◎
産業活力部長(村井清孝君)
波多野議員の質疑にお答えしたいと思います。
住宅リフォーム補助事業についてでございますが、3年間の利用件数でございます。平成25年度が511件、26年度が549件、27年度が460件でございます。補助額につきましては、25年度が3700万1000円、26年度が3860万2000円、27年度が3259万5000円でございます。工事金額は、25年度が6億1208万8000円、26年度が6億1435万円、27年度が4億9553万6000円でございます。
効果については、以前も永冶議員の御質問に答えたことがございますが、なかなか単純には申し上げられないのですが、一定の効果というものはあったと。先ほど
波多野議員みずからおっしゃったように、工事業者からは評判がよかったということでございます。以上です。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 約1億円の補助額で16億円の仕事につながったということかなというふうに思いますけれども、やはり
中小零細業者の仕事おこしということに役立ったというふうに思われます。
次に、7款1項商工費、2目商工振興費についてであります。
ふれあいバス・ふれあいタクシーについてお伺いいたします。27年10月から
リニューアルを行いました。その経費についてお伺いいたします。
まず1つ目に、バスを3台ふやしました。その購入費は幾らでしょうか。
また、既存のバスについても、全面塗装を行い、一新しています。その費用についてもお答えください。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
◎
産業活力部長(村井清孝君) まず、バス3台の追加購入費に伴う負担金についてでございます。半期分といたしまして489万2000円という計算になります。
それから、
リニューアルに伴いまして、今まで使っておりましたバスに施した塗装代、これは
リニューアル初年度発生費用の負担金として約229万円でございました。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 次に、地域活性化・
地域住民生活等緊急支援交付金を活用しています。この額を示していただきたいと思います。
また、県の補助金もあるのではないかと思いますけど、この額もお知らせをいただきたいと思います。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
◎
産業活力部長(村井清孝君) まず、地域活性化・
地域住民生活等緊急支援交付金につきましては3460万円を充当いたしております。
それから県補助ですね、いわゆる27年度下半期の運行分への県の補助については、
県補助事業の補助対象の期間外でございまして、27年度決算には出てきておりません。以上です。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 今、県の補助金が期間外で対象にならなかったということであるわけですけれども、27年度半期分はあるわけですので、そのお金は次年度へということになるのでしょうか。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
◎
産業活力部長(村井清孝君) 今、
波多野議員がおっしゃったように、いわゆるバス会計、バスに関する県の補助金でございますが、10月1日から9月30日という期間でございまして、
リニューアル部分は27年度決算には入ってこないということでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 今お聞きしたのは、27年度には入ってこなかったけど、
リニューアル分として28年度分には入ってくるのかということなんですけれども。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
◎
産業活力部長(村井清孝君) 国の交付金を充当しておりますので、今それは調製いたしております。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 次、3番目です。バスの運行業務を委託していますけれども、一般的には入札などで選定をするというのが普通ですけれども、当市はどのように選定をされたのか、お伺いいたします。
あわせて、ふれあいバス・ふれあいタクシーの委託費についてもお伺いをいたします。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
◎
産業活力部長(村井清孝君) まず、バスの運行業者につきましてはプロポーザルで決定をいたしました。
それから、ふれあいバス・タクシーの運行の負担金なんですが、1億4112万3349円となります。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 今のは、ふれあいバス・ふれあいタクシー合わせたものというふうでよろしいでしょうか。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
◎
産業活力部長(村井清孝君) そのとおりでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 4番目です。その他の経費についても、どのようなものがあって、それは幾らなのか、お答えをいただきたいと思います。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
◎
産業活力部長(村井清孝君) 運行事業のその他の経費について、主なものでございますが、バスマップと時刻表の印刷費が184万7664円ございます。それからバス停の設置工事が144万5040円でございます。それから、バス路線を変えましたので、バス停の撤去委託費がございます。これが44カ所65本ございますが、9万7200円でございます。そのほか、バスマップの配布委託費とか、バスの乗り方案内の委託等がございます。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 次、10款教育費、1項
保健体育費、2目事務費、
教育支援費についてお伺いいたします。
就学援助制度については、これまでも一般質問などで取り上げをして、必要な時期に支給ができるようにと要求をしてきたところです。
子どもの貧困が社会問題となっています。この
就学援助制度の周知は、今、非常に大事となってきています。当市において、この制度の周知はどのようにされておられるのでしょうか。
また、申請方法についても説明をいただきたいと思います。
○議長(古田澄信君)
教育委員会事務局長 植田恭史君。
(
教育委員会事務局長 植田恭史君登壇)
◎
教育委員会事務局長(植田恭史君)
波多野議員の質疑、
就学援助制度の周知、申請方法についてお答えいたします。
就学援助制度の周知につきましては、まず各小・中学校の
入学説明会で御説明をしています。また、広報紙で年2回、
市ウエブサイトで常時お知らせもしています。さらに、
子育て支援課に
児童扶養手当の申請に見えた方にも、その窓口で御案内をしています。そのほか、就学援助が必要と思われる御家庭には、随時、学校側から個別に制度の御紹介を行うなどの配慮をしています。
申請方法につきましては、必ず各学校長を通じて
市教育委員会へ申請していただくことになっています。申請書は各学校に用意してございます。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 今、
入学説明会で説明をしているということも含めて幾つかの方法で説明しているよということをお聞きしたわけですけれども、文科省の調査によりますと、これは2013年度の調査ですけど、毎年度進級時に学校で
就学援助制度の書類を配付、あるいは入学時に学校で
就学援助制度の書類を配付のいずれかを実施している市町村は1334、75.4%あるというふうに言っています。当市の場合はここの75.4%に入っていないのではないかと今の説明を聞くと思われるんですが、どうなんでしょうか伺いたいと思います。
○議長(古田澄信君)
教育委員会事務局長 植田恭史君。
◎
教育委員会事務局長(植田恭史君) 先ほど御説明しましたように、入学時に配付しておりますので、入っていないと思います。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 全児童生徒を対象にしてこうしたものをお知らせするということは大事ではないかというんですが、なぜそれをやっていないのか伺います。
○議長(古田澄信君)
教育委員会事務局長 植田恭史君。
◎
教育委員会事務局長(植田恭史君) 学校で申請をして行うという事業でございまして、各学校は、生活が苦しい方とか、そういった御家庭の方を把握しておりますので、学校を通じてやっておりますので、入学時以外は必要がないということで行っております。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 次に、10款教育費、7項
保健体育費、4目
学校給食費について伺います。
学校給食に係る経費の負担について、
学校給食法は、運営に係る経費は設置者が負担、その他の経費は
保護者負担としています。
学校給食法施行令によっても
保護者負担となっているのが食材費です。
決算の
学校給食費には、検査用の食材費は含まれていません。言いかえれば、保護者が負担する給食費に検査用の
給食材料費を含めているわけです。その理由を説明してください。
○議長(古田澄信君)
教育委員会事務局長 植田恭史君。
◎
教育委員会事務局長(植田恭史君) 今、
波多野議員が言われましたとおり、検査用の
給食材料費につきましては、
学校給食法第11条の規定に基づきまして、市の負担としておりません。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) この
学校給食衛生管理基準によって、保存食及び展示食、要はサンプルの食材、材料費の保存をしなさいということから考えると、本来、保護者が負担をすべきものではないというふうに考えられますが、その部分についてはどうなんでしょうか。
○議長(古田澄信君)
教育委員会事務局長 植田恭史君。
◎
教育委員会事務局長(植田恭史君) 先ほども申し上げましたが、
学校給食法第11条におきまして、学校の給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費と、そこで働く職員の人件費及び修繕費につきましては学校の設置者の負担とされておりまして、それ以外は保護者の負担ということになっておりますので、検査用の
給食材料費につきましては保護者の負担ということになります。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 現に保護者の負担というふうにしていないまちもありますので、ちょっとこれから検討の余地があるかなとは思いますが、次に参ります。
認第4号 平成27年度各務原市
後期高齢者医療事業特別会計決算の認定についてです。
1
款後期高齢者医療保険料、1項
後期高齢者保険料についてです。
平成27年度の
保険料調定額は約11億9400万円です。そのうち不納欠損額は約73万円で、昨年よりも増加をしています。収入未済額は約500万円です。
平成27年度は、保険料の特別徴収は1万5076人、普通徴収の場合は、無年金で収入のない人など、それから1カ月1万5000円以下の年金の人が普通徴収となり、1627人です。このうち、保険料を滞納している方は何人おられるのでしょうか、お伺いします。
○議長(古田澄信君) 市民部長 尾関浩君。
(市民部長 尾関浩君登壇)
◎市民部長(尾関浩君)
波多野議員の保険料の滞納者は何人かという質疑にお答えいたします。
平成27年度決算時の
保険料滞納者は127人です。御参考までに、平成26年度は140人で、13人の減となっております。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 2つ目に、73万4900円を不納欠損として処理をしています。不納欠損の理由として、生活困窮を理由に欠損処理をしたと言われる人は何人おられるのか伺います。
○議長(古田澄信君) 市民部長 尾関浩君。
◎市民部長(尾関浩君) 後期高齢者医療保険料の不納欠損につきましては、高齢者の医療の確保に関する法律第160条により実施しております。本市では地方税法第15条の7をもとに事務処理を行っており、生活困窮を理由に不納欠損を行った人数は18人となります。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 3番目に、普通徴収の人は、1カ月1万5000円以下のわずかな年金、あるいは無年金者などです。生活が困窮している場合が多く、やっとの思いで保険料を払っておられます。保険料を払えば生活が成り立たなくなる場合も少なくありません。保険料を滞納している人に対して市はどのように対応しているのでしょうか、説明してください。
○議長(古田澄信君) 市民部長 尾関浩君。
◎市民部長(尾関浩君) 納付相談や訪問において、収入や預貯金、生活の状況などを詳細に聞き取りを行い、保険料徴収の公平性を保ちつつ、健康で文化的な生活を営むことができるよう配慮し、分割納付などのきめ細かい対応を行っております。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 4番目に、保険料を1年以上滞納すると短期保険証が発行されます。3カ月間の短期保険証だと思いますが、分納で納める誓約がされ、納付が履行されていれば引き続きまた3カ月の短期保険証が発行されるということになるわけですけれども、27年度は何件発行されていますか、伺います。
○議長(古田澄信君) 市民部長 尾関浩君。
◎市民部長(尾関浩君) 短期被保険者証につきましては、平成28年3月31日現在で29件発行しています。資格証明書については発行しておりません。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 5番に行きますけれども、わずかな年金から保険料が天引きをされて、天引きする年金がなければ生活が苦しくても保険料を払わなければならない。滞納すれば保険証が短期保険証にかえられる。いざ病気になっても保険証がなく、病院にも行けない。低所得者にとって苛酷な制度となっています。
さらに、差し押さえも行われています。県内では以前に、9割軽減、8.5割軽減の低所得者に対して、無収入であるにもかかわらず、預金から2300円を保険料として差し押さえたという事例もあったそうです。余りにもひどいやり方です。
各務原市でも、27年度は2件15万3200円、預貯金を差し押さえています。差し押さえた理由は何だったのでしょうか、お伺いします。
○議長(古田澄信君) 市民部長 尾関浩君。
◎市民部長(尾関浩君) 給与や年金の収入があり、なおかつ預貯金があるなど支払能力があるにもかかわらず、督促や催告、再三の呼び出しにも応じなかったり、納付約束を行ったにもかかわらず履行されなかったため、差し押さえを行ったものでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 先ほど紹介いたしました預貯金から2300円を差し押さえたという場合ですけれども、この場合はわずかな貯金しかなかったわけですけれども、今おっしゃられたように、各務原市で行った27年度の2件については、収入もあった、預貯金もあったということで、生活に困るということではないということで差し押さえたということでしょうか。
○議長(古田澄信君) 市民部長 尾関浩君。
◎市民部長(尾関浩君) 先ほども御答弁させていただきましたように、この2件につきましては、収入があり、なおかつ預貯金もあるということで、生活に困っている方ではございませんでした。支払い能力のある方について差し押さえを行ったものでございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 次に、議第90号、議第91号
工事請負契約の締結について伺います。これは、かかみがはら
航空宇宙科学博物館リニューアル工事に向けての建築と
空気調和設備についてであります。
議第90号の建築は、大日本・市川・足立特定建設工事共同企業体が18億1980万円で落札をし、落札率は99.92%という高落札です。議第91号の
空気調和設備については、松村・丸共特定建設工事共同企業体が4億8384万円で落札し、落札率は95.31%という高落札であります。どちらも異常と思えるような高落札です。
予定価格について、工事を標準的な方法で施工する際に必要となる原価と利益について、実勢価格の調査などをもとに積算して出されたものであると思います。受注業者は、必要な原価と利益を見込み、応札をするということになります。当たり前ですが、落札率が高いほど業者の利益は高くなるわけです。
公共事業ですから、誰が見てもフェアで、競争性、透明性があり、かつ適正価格でなければなりません。この2つの高落札について、適正な価格での落札であると言えるのでしょうか伺います。
○議長(古田澄信君)
企画総務部長 鷲主英二君。
(
企画総務部長 鷲主英二君登壇)
◎
企画総務部長(鷲主英二君) 高落札だが、積算が適正に行われているのかについてでございます。
予定価格の範囲内であり、適正に積算されていると考えております。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 何をもって適正であるというふうに言われるのか、お答えくださいす。
○議長(古田澄信君)
企画総務部長 鷲主英二君。
◎
企画総務部長(鷲主英二君) 予定価格は入札前に公表してございません。結果的に市の積算と応札の事業者さんの積算が近いものになったというふうに考えております。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 次に、議第92号についてです。かかみがはら航空宇宙科学博物館
リニューアル事業の電気についてです。
中央電気工事株式会社岐阜営業所が2億7216万円、71.46%の低落札です。先ほどの2つは高落札でしたけれども、電気については逆に低落札となりました。4社が応じ、札を入れたのは2社のみで、1社は3億8400万円です。落札した中央電気工業株式会社は2億5200万円で、その差額は1億3000万円もあります。ここで働く人や下請業者が低賃金で働くことになりはしないのか、労働者にしわ寄せを強いてはいないのか、適正な賃金が確保されるのか、心配になります。
71.46%という低落札です。問題なく適正な価格で積算がされていると認めることができるのか、説明してください。
○議長(古田澄信君)
企画総務部長 鷲主英二君。
◎
企画総務部長(鷲主英二君) こちらにつきましても予定価格の範囲内でございます。適正に積算されていると考えております。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 8番
波多野こうめ君。
◆8番(
波多野こうめ君) 先ほどと同じように、何をもって適正にされていると言うのか、御説明をしていただきたいと思います。
○議長(古田澄信君)
企画総務部長 鷲主英二君。
◎
企画総務部長(鷲主英二君) 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づきまして、入札金額の内訳を記載された書類のほうを提出していただいております。こちらのほうをチェックしてございますので、適正に積算されているというふうに考えております。以上でございます。
○議長(古田澄信君) これをもって質疑を終結いたします。
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△1、
委員会付託(専第4号、認第1号から認第6号まで、議第84号から議第97号まで)
○議長(古田澄信君) ただいま議題となっております21案件については、お手元に配付いたしました付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
なお、委員会は会期日程表のとおり開催する旨、委員長にかわって告知いたします。
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△日程第23、議第98号
○議長(古田澄信君) 日程第23、議第98号を議題といたします。
これより質疑に入りますが、質疑の通告はありません。
これをもって質疑を終結いたします。
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△1、
委員会付託省略(議第98号)
○議長(古田澄信君) おはかりいたします。ただいま議題の議第98号については、
委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」との声あり)
○議長(古田澄信君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題の議第98号については
委員会付託を省略することに決しました。
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○議長(古田澄信君) これより討論を行います。
討論はありませんか。
(「なし」との声あり)
○議長(古田澄信君) これをもって討論を終結いたします。
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○議長(古田澄信君) これより採決を行います。
おはかりいたします。議第98号を原案のとおり同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
○議長(古田澄信君) 起立全員であります。よって、議第98号は原案のとおり同意されました。
これより暫時休憩いたします。
(休憩) 午前10時47分
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(再開) 午前10時49分
○議長(古田澄信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
───────────────────────────
△1、日程追加(議第99号)
○議長(古田澄信君) ただいまお手元に配付したとおり、議第99号が提出されました。
おはかりいたします。この際、これを日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」との声あり)
○議長(古田澄信君) 御異議なしと認めます。よって、この際、議第99号を日程に追加し、議題とすることに決しました。
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△日程第1、議第99号
○議長(古田澄信君) 日程第1、議第99号を議題といたします。
職員の朗読を省略し、提出者の説明を求めます。
市長 浅野健司君。
(市長 浅野健司君登壇)
◎市長(浅野健司君) 本日、追加提出いたしました議案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
議第99号は、平成28年度
一般会計補正予算(第3号)を定めようとするもので、庁舎の建てかえか耐震補強かを問う住民投票条例の制定に係る直接請求の審査を行うため、歳入歳出予算にそれぞれ239万円を追加し、補正後の予算総額を482億3122万3000円とするものであります。
歳入は、繰越金239万円を計上しております。
一方、歳出は、直接請求審査費239万円を計上しております。
以上、御審議の上、適切な御議決を賜りますようお願いいたします。
○議長(古田澄信君) 以上で説明は終わりました。
なお、質疑の発言通告書は本日午前11時までに御提出ください。
これより議案精読のため、午前11時10分まで休憩いたします。
(休憩) 午前10時51分
───────────────────────────
(再開) 午前11時10分
○議長(古田澄信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
───────────────────────────
○議長(古田澄信君) これより質疑を行います。
質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
9番 吉岡健君。
(9番 吉岡健君質問席へ)
◆9番(吉岡健君) それでは質疑を行います。
直接請求の審査を行うための補正計上とございますが、作業内容についてお示しください。
○議長(古田澄信君)
選挙管理委員会事務局長 田島元一君。
(
監査委員事務局長兼
選挙管理委員会事務局長兼
公平委員会書記長 田島元一君登壇)
◎
監査委員事務局長兼
選挙管理委員会事務局長兼
公平委員会書記長(田島元一君) 作業内容につきまして御説明します。
まず、署名簿に折り込まれている関係書類を確認します。それから審査のために全署名簿のコピーをとります。それから個々の署名と選挙人名簿との照合をいたします。それを受けまして有効・無効等の審査をいたします。それから署名簿原本への審査の結果等につきまして押印等をいたします。以上でございます。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番 吉岡健君。
◆9番(吉岡健君) 今の答弁につきまして再質をさせていただきます。
選挙人名簿との照合との説明をいただきました。提出に当たりましては、当然、重複がないなど、もとのほうで十分精査されて提出されるべきものと思います。ダブルチェックの方法につきましてお教えください。
○議長(古田澄信君)
選挙管理委員会事務局長 田島元一君。
◎
監査委員事務局長兼
選挙管理委員会事務局長兼
公平委員会書記長(田島元一君) 署名をパソコン入力いたしまして、それで署名者のチェックをいたします。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番 吉岡健君。
◆9番(吉岡健君) 間違いのないようにお願いしたいです。
それでは、次の質疑を行います。
審査の期間はどれぐらいを考えておられますか。
○議長(古田澄信君)
選挙管理委員会事務局長 田島元一君。
◎
監査委員事務局長兼
選挙管理委員会事務局長兼
公平委員会書記長(田島元一君) 20日以内を予定しております。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番 吉岡健君。
◆9番(吉岡健君) 次の質疑に入ります。
作業にかかわります人数はどれぐらいを考えておられますか。
○議長(古田澄信君)
選挙管理委員会事務局長 田島元一君。
◎
監査委員事務局長兼
選挙管理委員会事務局長兼
公平委員会書記長(田島元一君) 事務局4人、応援職員5人、合計9人の職員を考えております。
(「議長、再質疑」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 9番 吉岡健君。
◆9番(吉岡健君) 提出いただきました予算書の中で、歳出、時間外勤務手当というものが相当多く計上されております。休日出勤などを考えておられるんですか。
○議長(古田澄信君)
選挙管理委員会事務局長 田島元一君。
◎
監査委員事務局長兼
選挙管理委員会事務局長兼
公平委員会書記長(田島元一君) 先ほど言いましたように、20日間と限られた期間でございますので、土・日・祝日等を含めまして休日出勤を考えております。
○議長(古田澄信君) これをもって質疑を終結いたします。
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△1、
委員会付託(議第99号)
○議長(古田澄信君) ただいま議題となっております議第99号については、お手元に配付いたしました付託表のとおり、総務常任委員会に付託いたします。
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△日程第24、一般質問
○議長(古田澄信君) 日程第24、一般質問を行います。
一般質問の通告がありますので、順次発言を許します。
10番 瀬川利生君。
(10番 瀬川利生君質問席へ)
◆10番(瀬川利生君) 10番、政和クラブ、瀬川利生でございます。
議長に発言のお許しをいただきましたので、通告に基づき、大きく4項目の質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
台風が過ぎてもなかなかすかっと晴れない空ですが、明るく未来に光を当てるような、そんな質問にしていきたいと思っております。
先月、輝かしい記録と記憶を残したリオオリンピックが終了し、パラリンピックが先日閉会しました。今回のオリンピックは、次回の東京オリンピックにつなぐ大会でもありましたし、オリンピックでは過去最高の41個のメダル獲得と、パラリンピックでは24個のメダルを獲得し、それに伴うアスリートの数々の感動の物語がありました。
中でも、オリンピック陸上男子400メートルリレーの銀メダルを獲得した4人の健闘は、私たちの記憶に残る物語だったと思います。オリンピック陸上男子400メートルでは、100メートル走のファイナリストをそろえて戦う強豪国の中で、10秒台前半の選手がお互いを助け合う精神と、息の合ったバトン技術を磨くことで総合的にタイムを短縮する力を、日本の4人の侍たちが見事なバトンリレーの技術の継承を見せてくれたのではないでしょうか。そのバトンには、自分のため、仲間のため、日本のための「誇り」と、力を合わせて、走る仲間を思いやる「やさしさ」と、次回の開催国である東京オリンピックにつながる「活力」の意味が含まれていると思います。私たちは、未来の子どもたちに「各務原市のバトン」を渡すためにも、住みやすい各務原市になるべく議論していかなければならないと思いました。
1つ目の質問は、平成27年度決算について質問いたします。
細やかな事業や内容につきましてはほかの議員もお聞きになると思いますが、私からは全般についての総括的な観点からお聞きしたいと思います。
浅野市長は、就任以来、子どもたちの笑顔があふれ、市民が幸せを実感できるまちづくりのために、「誇り」「やさしさ」「活力」の3つの柱を基準に新総合計画を立て、各務原市のバトンを次世代につなぐ努力をされてきたと思います。
平成27年度予算のうち、3つの柱の「誇り」の観点からは、エリア担当職員配置事業や各務原寺子屋事業、勤労青少年運動場再整備事業、「やさしさ」の観点からは、救急・消防車両更新事業、川島市民サービスセンター建設事業、1才おめでとう事業、「活力」の観点からは、新那加駅周辺地区都市再生整備事業、雇用確保促進事業、ふれあいバス・ふれあいタクシー運行事業と、数々の事業を実施されています。
人口の減少問題を最優先に考え、いにしえから受け継いできたものづくりの魂を継承する産業の発展とともに、若手の人材育成に力を入れること、そして経済力を高めて魅力あるまちと人をつくり育てる都市構想が、これからの各務原市のバトンになってくると思います。
人々が幸せに暮らせる空間は、衣食住が確立されて、生きる希望につながる夢とロマン、安心して生活できる行政サービスと、支え合う・助け合う心を地域から発信できるきずなのコミュニティー、それらを実現できる経済力が必要だと思います。そして、次世代の安心・安全のために新庁舎の建てかえ事業も始まってきております。
そこで伺います。市長就任3年目となる平成27年度決算全体に対する所見をお答えください。よろしくお願いします。
○議長(古田澄信君) 市長 浅野健司君。
(市長 浅野健司君登壇)
◎市長(浅野健司君) 瀬川利生議員の一般質問、平成27年度決算について、決算全体に対する所見はという御質問にお答えをさせていただきます。
平成27年度は、国の経済財政政策、いわゆるアベノミクスでありますけれども、こちらの推進により、企業収益は過去最高水準になるとともに、就業者数が増加し、賃金も上昇するなど、雇用、所得環境に改善が見られ、地方においても経済の好循環に向けた動きが感じ取られた年であったというふうに思います。また、本市を初め全国のほとんどの自治体で人口ビジョン、そして地方版総合戦略が策定され、国の財政支援のもと地方創生に向けた取り組みが本格化されるなど、まさに地方創生元年とも言える年でありました。
そのような中、本市では、かかみがはら航空宇宙科学博物館
リニューアル事業等に対して国の交付金を積極的に活用し、効果的な事業展開につなげてまいりました。また、新たな総合計画を本格的にスタートさせ、笑顔があふれる元気なまちの実現に向け、幅広く事業を展開してまいりました。
瀬川議員御質問の中にも御紹介をいただきましたが、特に、全ての小・中学校に電子黒板、書画カメラ、デジタル教科書等を配備する学校ICT化推進事業を実施したほか、小学校冷暖房設備整備事業により、全ての小学校で空調設備の整備を完了いたしました。また、大規模災害時の拠点となる川島市民サービスセンターの整備を完了させるとともに、鵜沼市民サービスセンターの建設工事に着手するなど、公共施設の100%耐震化に向けた取り組みを推進いたしました。さらに、ふれあいバスの路線、ダイヤを大幅に再編するとともに、ふれあいタクシーの運行を新たに開始するなど、市民の利便性向上を図るための
リニューアルを実施してまいりました。
このように、地方創生に向けた取り組みに対して積極果敢に挑むとともに、総合計画についても、さまざまな分野の取り組みを着実に推進し、成果へと結びつけてまいりました。
こうした中において、本市の平成27年度決算につきましては、個人市民税、法人市民税がそれぞれ増収となったほか、事務事業の厳正な執行管理に努めたことなどにより、一般会計を初め国民健康保険事業や介護保険事業など、全ての特別会計において実質収支は黒字となりました。加えて、市債を除いた税収等の歳入と公債費を除いた歳出の収支であるプライマリーバランスについても黒字となったほか、地方公共団体財政健全化法に基づき算定をいたしました健全化判断比率も良好な状態となるなど、健全財政を裏づける結果となりました。
また、財政調整基金や庁舎等整備基金など一般会計に属する基金については、公共施設の老朽化対策や新庁舎の建設といった将来の財政需要に備え、決算上の剰余金の一部を確実に積み立てたことにより、平成27年度末現在高は約247億円となり、前年度末現在高と比べ約11億円増加をしております。とりわけ庁舎等整備基金については、各務原市新庁舎建設基本計画の財政計画に沿って確実に積み立てたことにより、平成27年度末現在は約50億円となったところであります。
そして、市債については、将来世代に過大な負担を残さないよう、元利償還金の一部または全部が地方交付税に算入される有利な地方債に限って借り入れを行ってまいりました。借り入れ方法についても、総利払い額を抑制するため、据え置き期間なしで借り入れを行うなどの工夫を重ねてきた結果、平成27年度末残高は約360億円となりました。前年度末残高と比べ約18億円減少となります。
今後も引き続き行財政運営の効率化を図るため、自主財源の確保に一層努めるとともに、選択と集中の考えにより健全財政の堅持に向けた取り組みを推進し、将来にわたって持続可能な財政運営に努めてまいります。将来にしっかりとバトンを渡していきたいというふうに思っております。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 10番 瀬川利生君。
◆10番(瀬川利生君) ありがとうございました。
これまでの悠久の歴史を継承し、いにしえの思いと知恵を積み、健全財政を堅持している各務原市だからこそ、新たな取り組みに挑戦できると思います。これからの取り組みに期待しながら、次の質問に移ります。
2つ目の質問は、市民の新たな交通手段として始まっているふれあいタクシーについて質問いたします。
平成27年10月に
リニューアルしましたふれあいバス事業につきましては、市民からの意見やさまざまな調査により大幅な路線の見直しを行い、2時間に1本だった運行回数を1時間に1本にするなど、公共の移動手段の利便性が向上し、大変ありがたいと思っております。
その中で、新たな公共交通手段としてふれあいタクシーが新設され、その事業の経過が気になるところであります。電話予約によって停留所までタクシーが迎えに来て、起点となるバス停留所からふれあいバスにつながり、長い時間を要した路線も短くされたことで使いやすくなっているところです。また、ふれあいタクシーが名鉄の駅まで送迎できることで、市民の新しい交通手段として期待しているところです。
リニューアルから現在までの利用状況とあわせて、市民の反応が気になります。先日、地元の市民の声をお聞きする機会の中で、さまざまな御意見をいただきました。今回のタクシー停留所は、公民館や公共施設、観光や福祉施設に細やかに足を運べるように配置しましたが、現在まで利用した市民からは、大変助かっています、今までなかった場所まで停留所ができて助かると感謝の意見とともに、申し込み時間が1時間前では帰りの予約ができない、携帯電話を持っていないのでどうしたらいいのかと、さまざまな意見をお聞きしているところです。
中でも、帰りのバスに連携していないところがあり歩いて自宅まで帰った、もう一度ふれあいバスが利用できるようにしてほしいとお聞きしたときに、この
リニューアルの課題がまだまだあり、市民に対してその利便性とふれあいタクシーの可能性について説明不足にあるような気がしました。
ふれあいタクシーは新規の事業として歩き始めたばかりですので、市民に使いやすい交通手段として広く周知することが大切です。また、周知とともに、その運用方法を市民と協働して育てていくことで、今後の利用者のさらなる利便性が広がっていくと考えます。今までにない新しい事業でありますので、試行錯誤しながらも市民のためになればと広報してまいりましたが、利用者数の伸びとその事業の周知には、まだまだ情報不足とそれに伴うさまざまな課題が見えてきました。
まず、予約時間の短縮が第一になるのではないでしょうか。現在、ふれあいタクシーを利用する場合、1時間前までに予約することになっています。朝に出かける際には前日から予約することで予定を立てることができますが、帰宅時の場合は、例えば東海中央病院に診察に伺った場合、診療が終わる時間が読めないときに1時間前に予約することが難しくなってくると思います。また、携帯電話を所持していない方などは公衆電話を利用するわけですが、その予約の仕方も熟知していないとできません。そこで、予約時間がせめてあと15分短縮できれば、診療が終了して会計処理を待つ時間に予約して、帰りのバスと連携することができると思います。また、携帯電話を持たれない方には、病院の受付にふれあいタクシーの予約業務を依頼することができれば、通院患者にとって非常にありがたいことになると思います。
次に、鉄道駅との連絡ですが、鉄道を挟んで北側地区のふれあいタクシー利用地域は名鉄羽場駅まで連絡できていますが、羽場駅は普通列車のみの停車で、本数も少なく、待合の時間も長くなります。そこで、新たにJR各務ケ原駅の北側に連絡することができれば、JRを利用できることと、そこから徒歩で国道を渡れば名電各務原駅に行くことができ、急行列車や快速列車に連絡できることで待ち時間も少なくなってきます。
そして、ふれあいバスとタクシーの連携時間ですが、タクシーの始発を30分早くし、最終の時間をあと30分延長すれば、目的地までの所要時間も改善され、バスとタクシーの連絡がスムーズになり、帰りの最終バスから歩いて帰宅することもなくなってくると思います。
さらに、高齢化が進む団地などで買い物に不自由する市民には、ふだんの生活備品や食料品を購買する施設へのアクセスも必要になってくると思います。例えば、ふれあいタクシーの利用区域のコンビニエンスストアや食料品店、ホームセンターなどにアクセスすることができれば、買い物困難者にとって利便性の向上の手段として大いに期待できることと考えます。
これから超高齢化が進んでいく中で、ふれあいタクシーに託される期待は大きいものがあると思います。よりよい交通手段としてさらに発展するためにも、ぜひとも改善してほしいところであります。
そこで伺います。1点目、ふれあいタクシーの
リニューアル後の経過について、市民の反応はどのようなものがあるでしょうか。
2点目、ふれあいタクシーの課題にはどのようなことがあるでしょうか。
3点目、申し込み時間の短縮はできますでしょうか。
4点目、JR各務ケ原駅への連絡はできますでしょうか。
5点目、タクシーと始発バス、最終バスとの連携はできますでしょうか。
6点目、コンビニエンスストアや食料品店、ホームセンターヘのアクセスなど、利用者からの要望に対応できますでしょうか。
以上6点、詳しくお答えください。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
(
産業活力部長 村井清孝君登壇)
◎
産業活力部長(村井清孝君) 瀬川議員から、ふれあいタクシーについて6項目御質問をいただきました。順次お答えいたしたいと思います。
まず1点目の、
リニューアル後の経過と市民の反応ということでございます。
ふれあいタクシーは、昨年10月の
リニューアルで導入いたしました新しい交通手段でございます。事前の予約が必要なこと、民間タクシー会社の車両を使って運行することなど、これまでのふれあいバスとは使い方や見た目が大きく変わっております。こうした新しい方式に戸惑われる方が多いのではといった心配をいたしておりましたが、導入以来8月まで延べ4000名以上の皆さんに御利用いただいております。当初の見込みを超える勢いで御利用いただいているため、来年度は予算面も含めて前向きな取り組みが必要であると考えておるところでございます。
このように、たくさんの皆様に御利用いただいているふれあいタクシーでございますが、幾つかの課題の御指摘もいただいております。瀬川議員からも御紹介いただいたとおりでございます。
市では、本年度も、市内12会場、13回にわたり利用者の声を聞くふれあいバス等懇談会を開催、またアンケートやヒアリングを通して実態を調査する乗降調査を実施してまいりました。その中では、ふれあいタクシーに関する声も多くいただいております。予約の仕方が難しい、乗り継ぎ先が少なくて不便、ふれあいバスと組み合わせて使いたいがうまく連絡しないといったふれあいタクシーの仕組みに関する声や、気軽に使ってみたいが地域内に行き先が少ない、乗り継ぎ前提では気軽に使ってみる気になれないといったタクシーの使い方に関する声など、さまざまなお声をいただいているところでございます。
2点目のふれあいタクシーの課題ということでございますが、まずは利用者の皆様のさまざまな声に応えていくことが当面の課題だと考えております。例えば、先ほど申し上げました予約の仕方が難しいといった声には、予約時間の短縮や予約方法の見直しが課題だと考えておりますし、乗り継ぎ先が少ないといった声には、新たな乗り継ぎ拠点の整備が課題、また、ふれあいバスとの組み合わせについては、ふれあいタクシー運行時間の見直しが課題だと思います。気軽に利用したいといった声には、ふれあいタクシーの運行エリア内を充実させるなどで乗り継ぎなしで利用できる、利用してみたくなるエリアになること、またそうした魅力的な拠点や施設にもアクセスすることが課題だと考えております。
このほかにも多くの声をいただいており、そうした声全てに応えていければよいのですが、まずはすぐできることから取り組み、少しずつ課題を減らしていくつもりでございますので、瀬川議員初め議員各位におかれましては、引き続き温かい御支援をお願いいたしたいと思います。
3点目の申し込み時間を短縮できないかという御質問でございますが、ふれあいタクシーの申し込み時間につきましては、課題でも上げました予約の仕方が難しいという要因ともなっております。利用者がいないときは運行しない、したがって経費も発生しない、いわゆるデマンド方式の利点を生かすために導入したのがふれあいタクシーでございます。したがって、予約を全くなくすということは難しいのですが、予約を簡単にする、便利にするという努力は今後も行ってまいりたいと思います。現在は、御利用の60分前、始発については前日までの予約ということになっております。これは皆様を確実にお迎えに行くために、運行会社と協議の上、決めた時間でございます。
ただ、ふれあいタクシーも導入から1年たちました。運行会社も予約受け付けになれてきたということもございます。そこで、先日、市長とも相談いたしまして、4月から予約時間短縮を行いたいと考えております。まずは瀬川議員も提案されました15分の短縮、45分前までの予約締め切りを目指してまいりたいと思っております。そして最終的には現在の半分程度の時間で予約ができるよう、引き続き協議を行ってまいりたいと考えております。
4点目、JR各務ケ原駅への連絡でございます。
JR各務ケ原駅への連絡についてですが、現在、ふれあいタクシー、鵜沼南エリアは実現いたしておりますが、須衛各務エリアでは連絡しておりません。御指摘のとおりでございます。須衛各務エリアからJR各務ケ原駅へ行くためには、JR線を一度またいで行く必要がございます。その時間を考慮すると、当初は広大なエリアをおくれることなく走らせることに確証を持てなかったということで、やむを得ず外したという経緯がございます。そのため、現在、須衛各務エリアからの鉄道への乗り継ぎは、お話がございましたが、名鉄羽場駅のみとなっており、乗り継ぎ先が少ないといった声にもつながっていると考えております。
先ほどの予約時間の短縮と同様、導入から1年たち、運行会社の能力も上がってまいりました。そこで、4月のミニ改正にあわせて、須衛各務地区の乗り継ぎ拠点としてJR各務ケ原駅を新たに加えてまいりたい。瀬川議員は北側とおっしゃいましたが、南側で今考えております。
それから5番目の、始発バス、最終バスに対応できないかということでございます。
ふれあいタクシーの御利用は、鉄道や路線バス、ふれあいバスヘの乗り継ぎを考慮しており、実際、利用者の半数近くの方がふれあいタクシーとその他交通機関を組み合わせて御利用いただいております。懇談会でもそうした声をいただいております。特に須衛各務地区では、多くの方がふれあいバス蘇原線をあわせて御利用いただいておりますが、先ほども御紹介がありましたが、用事を済ませて乗り継ぎ拠点に着いても、夕方遅くなるとタクシーがないため帰れない、仕方なく歩いて帰ったという切実な声もいただきました。
具体的には、ふれあいバス蘇原線市民球場行き最終バスに乗っていただくと、休日は18時5分、平日は19時5分に乗り継ぎ拠点である市民球場に到着するのですが、現在この時間にふれあいタクシーは動いておりません。この問題も運行会社と協議の上、4月からは休日の最終となる18時5分に乗り継ぎできるように努力していきたいと考えております。なお、平日につきましては、当面は18時5分の蘇原線を御利用いただきたいと思っております。
それから最後の御質問、コンビニや食料店、ホームセンターにアクセスできないかという御提案でございます。新しい御提案をいただきました。ありがとうございます。
ふれあいタクシー、特に須衛各務エリアにつきましては、高齢者なのでなるべく乗り継ぎがない場所で買い物などをしたいが、そもそもエリア内にそのような場所がないといった声があり、市としても解決すべく検討しておったところでございます。早速、スーパー、ホームセンターとも現在交渉を始め、実現を目指しております。
その他にも、屋根も椅子もなく待つことが苦痛といったお声や、周りに全く人がいないバス停は本当に怖いといった声もございました。御提案のように、コンビニエンスストアなどにふれあいタクシーの停車場があれば、例えば雨の日、真夏や冬などの厳しい季節における待合環境の改善になるのではないかと思います。今後とも地域との対話を進めながら、より魅力的で安全な停車場の増設を模索してまいりたいと考えております。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 10番 瀬川利生君。
◆10番(瀬川利生君) 大変御丁寧な答弁、また満額に近い御答弁ありがとうございました。
先日、自治会で地域の社会福祉協議会と連携して、買い物難民のための乗り合いサービスが始まっております。ふれあいバスとふれあいタクシーの運用の幅が広がることで、市民協働の交通手段のあり方として注目されてくると思います。携帯電話をお持ちでない方には、公衆電話そばに、例えばふれあいタクシーの予約方法を、高齢者の方にわかりやすいような案内図を制作して掲示していただくと助かります。そして、現在のふれあいタクシーの利用者が急増してタクシーでは対応できなくなれば、さらに乗車できる大型タクシーや、再度、ふれあいバス路線の増設も考えられるかもしれません。その他の公共交通の継続と、ふれあいバス・タクシーの今後のさらなる利便性と向上を大いに期待し、次の質問に移ります。
3つ目は、かかみがはら航空宇宙科学博物館について質問したいと思います。
先月の終わりの新聞記事には、展示物の公表があり、各務原に縁の深い機体が新たな目玉として展示されるとありました。以前に展示物の中の目玉として川崎航空機が開発した「飛燕」の質問をいたしましたが、今回の新たな展示物として十二試艦上戦闘機、通称「零戦」の模型が展示されると記事にありましたが、展示される意味はどのようなことにあるのでしょうか。
零戦は、日本の戦時中の航空機として世界的にも有名であり、その機体の性能は当時の航空技術では最高の技術を擁したもので、川崎航空の「飛燕」と並んで現在の航空技術や自動車産業技術の基礎になったところだと思います。私の記憶が確かなら、その十二試艦上戦闘機の初飛行は、たしかここ各務原の地だったと思います。宮崎駿監督の「風立ちぬ」という映画のワンシーンで、初飛行する航空機が思い起こされるところであります。
その機体が物語ることは、「飛燕」の製作に当たった川崎航空機設計技師 土井武夫さんの物語のほかに、零戦の製作の三菱重工設計技師の堀越二郎さんの夢と希望の物語をあわせることで、航空機の推進力になる液冷エンジンと空冷エンジン、その機体の剛性と軽量化、全ての航空機開発技術の総決算として、まさに次世代に渡す「産業技術のバトン」の物語として継承していきたいものではないでしょうか。新たな展示物に大いに期待しております。
さて、先日の新聞発表で、かかみがはら航空宇宙科学博物館とアメリカにありますスミソニアン博物館との連携協定を結んだ記事は記憶に新しいところです。スミソニアン博物館は世界でも最大の博物館で、その中でも国立航空宇宙博物館は航空宇宙技術の推移を学ぶことができる資料と実機の展示施設であり、戦前の日本の航空技術の結晶でもある貴重な航空機が現存する博物館で、2009年公開の映画「ナイトミュージアム2」の舞台になったことで知られるところであります。その博物館と連携協定を結ぶことで、かかみがはら航空宇宙科学博物館の知名度も上がり、例えばスミソニアン国立航空宇宙博物館の展示物の借用が可能になれば、まさに日本一の航空宇宙科学博物館と言えるところになると思います。
今回の
リニューアルを機に、岐阜県の支援を受け、運営も県と協働していくわけですから、スミソニアン博物館と連携協定を結んだことによって今後の運営にどのように生かしていくのかが鍵になるのではないでしょうか。各務原市で生まれ育った子どもたちが、ふるさとの歴史と、飛行機のまち各務原の夢と希望を育むためにも、今回の連携協定がさらに重要になってくると思います。その子どもたちのためにも、ぜひとも入場料の無料化もあわせて進めてほしいものです。
そこで伺います。1点目、今回、新聞報道等で公表された展示物内容について、その詳細を御説明ください。
2点目、展示物内容が明らかになったことで、かかみがはら航空宇宙科学博物館の総事業費が増加することはないのか御説明ください。
3点目、今回、スミソニアン博物館と連携協定を締結したが、今後どのように運営に生かしていくのかお答えください。
4点目、
リニューアル後に、子どもたちの夢と希望を育むためにも、入館料の無料化はできないのか。
以上4点、よろしくお願いします。
○議長(古田澄信君)
産業活力部長 村井清孝君。
◎
産業活力部長(村井清孝君) 瀬川議員から、かかみがはら航空宇宙科学博物館について4つの御質問をいただきました。順次お答えいたしたいと思います。
まず、展示内容物について詳細な説明を聞きたいという御質問でございます。
かかみがはら航空宇宙科学博物館の
リニューアルに伴う展示の内容につきましては、展示設計が完了したことに伴い、先月31日に浅野市長と古田岐阜県知事が共同で発表させていただいたところでございます。
リニューアル後の展示内容が大きく航空エリアと宇宙エリアで構成されておりますので、このエリアごとに御説明いたしたいと思います。
まず航空エリアは、飛行機の実機を年代ごとに配置して、機体の変遷とともに航空技術の歴史を俯瞰できる内容といたします。航空エリアの新たな展示の目玉は、御紹介いただいたとおりでございますが、昭和15年ごろに各務原で
製造されました土井武夫氏設計の三式戦闘機「飛燕」でございます。これは世界で唯一現存する実機でございます。そしてもう1つは、堀越二郎氏設計のあの零戦の初号機の実寸大模型でございます。いずれも各務原飛行場で初飛行した名機、各務原ゆかりの航空機でございます。
次に宇宙エリアは、人類の宇宙への挑戦史と宇宙技術開発の変遷を俯瞰できる内容といたします。これは国内で初めての試みであります。宇宙エリアの目玉といたしまして、現在の宇宙開発の舞台 ISS(国際宇宙ステーション)の日本実験棟「きぼう」や、日本を代表する探査機「はやぶさ2」の実寸大模型を展示する予定でございます。特に「はやぶさ2」は実物大模型として国内初の展示となるものでございます。
展示内容の充実とともに、
リニューアル後の博物館は展示面積でも国内最大規模の約9400平方メートル、今の1.7倍となります。航空、宇宙への挑戦の歴史と感動の物語を俯瞰できる、まさに日本を代表する施設を目指してまいりたいと考えております。
2点目、総事業費の問題でございます。
航空宇宙科学博物館の
リニューアル事業に関する予算に関しましては、本年6月定例会で御審議いただきました。その際、全体事業費として計上したものは約48.8億円でございます。この中には、本館増改築の建築工事、外構工事、収蔵庫の建設工事に加え、展示物の制作に係る費用も含まれております。先ほど御説明させていただきました展示物の内容に関するものも含まれております。6月定例会で御説明した総事業費から増加するものではございません。
3点目、スミソニアン博物館との協定を今後どのように運営に生かしていくかという御質問でございます。
議員からも御紹介をいただきましたとおり、先般9月6日に浅野市長と古田議長、古田岐阜県知事とともに米国ワシントンDCを訪問し、スミソニアン博物館、岐阜県、各務原市の3者間で連携協定を締結したところでございます。
御存知のように、スミソニアン航空宇宙博物館は、航空と宇宙分野における世界最大級の博物館であります。ライト兄弟が人類初の有人動力飛行に成功した「ライトフライヤー号」の実機、リンドバークが初めて大西洋単独無着陸飛行に成功したあの「スピリット・オブ・セントルイス号」、それからスペースシャトル「ディスカバリー号」を展示するなど、人類の空と宇宙への挑戦の歴史に関する貴重な展示物を初め、所蔵資料は6万点を超えると伺っております。
アジアの博物館では初となるこの連携協定に基づき、展示物や学芸員等の交流のほか、教育プログラムに関する支援なども含め、さまざまな展開を予定しております。その第1弾といたしまして、かつて各務原の川崎重工業でも
製造されておりました旧日本陸軍の四式重爆撃機「飛龍」に搭載されておりましたエンジンを無償で貸与していただくことになりました。このエンジンは、日本の航空技術史上、極めて貴重なものでもございます。こうした展示物を通じて、来館者の皆さんに我が国の技術者がチャレンジしてきた歴史を感じ取っていただければというふうに思っております。
スミソニアン航空宇宙博物館との連携協定を契機に、これを今後の運営にも生かし、かかみがはら航空宇宙科学博物館を世界に誇ることのできる博物館にしてまいりたいと考えているところでございます。
それから最後の4点目でございます。子どもの入館料無料化についてでございます。
現在の入館料金は、大人800円、60歳以上の方と高校生が500円、小・中学生が300円というふうになっております。御質問にございました
リニューアル後の料金体系につきましては、今後の検討課題でございます。議員からのお話にもありましたように、
リニューアル後の博物館を子どもたちの夢を育む施設としていくためには、入館料も含めて、子どもたちが気軽に博物館に立ち寄れるような運営になるよう検討を進めていきたいと考えております。
ちなみに、本年11月中旬以降に実施いたします収蔵庫での展示公開におきましては、試行的に小・中学生の料金を無料とする予定でございます。その結果も参考にしながら、
リニューアル後の博物館の子どもの入館料の無料化について検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 10番 瀬川利生君。
◆10番(瀬川利生君) ありがとうございました。
まさしく産業のバトンを未来につないでいくリレーの走者として、今回の展示物やスミソニアン博物館との連携協定は、走り出した各務原市の背中を押してくれる追い風になるよう期待いたします。また、同じ航空産業都市として、さきに航空人材育成で連携協定を結んだエバレット市と今回の航空宇宙科学博物館の連携都市として姉妹提携を結んでいただけることを希望しまして、最後の質問に入りたいと思います。
私が議員となって毎年質問しています各務山の開発について質問いたします。
今回の質問で、次世代に継承するバトンの話をいたしました。ここ各務原市は、いにしえよりものづくりの技術を次世代へつないできた地域だと思います。鏡をつくる技術が、金属を磨く技術、焼き物をつくる技術、農業の技術もそうですが、戦前から航空産業技術の発展により、人口の増加と都市基盤整備が飛躍的に伸びてきたところだと思います。さらに、次世代につながる新たな技術の中で、先日のリオパラリンピック陸上男子400メートルリレーで銅メダル、走り幅跳びで銀メダルをとられたアスリートが使用した特殊な義足の部品も、ここ各務原市の工業団地でつくられているのです。
これから人口減少が加速する中で大切なのは、人々が集まりやすい都市の魅力と、子どもたちから老人までが笑顔で生活していく空間と、夢と希望をつなぐ産業力と経済力だと思います。昨年の一般質問で、浅野市長から各務山地区の開発について未来のビジョンを語っていただき、私たちがつなぐバトンの重みを感じたところであります。
各務原市は、アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区の特徴を生かした工業団地の誘致をすることで、その産業力と経済力を高めることができると思います。事業拡大を考えている企業も、交通アクセスがよく、自然災害に左右されない頑強な地盤を持つ工場用地を必要としており、各務原市の中心部に位置し、広大な面積を有し、頑強な岩盤でできている各務山は、まさに最後の開拓地と言えるのではないでしょうか。現在も民間事業者により掘削が続いておりますが、西側部分はかなり低く整地が進んでおり、東側部分もVRテクノ第2期工事地区よりも標高が低くなってきています。広大な土地ですので全てを平らにするにはまだまだ年数がかかりますが、開発の規模や計画の素案など、各務原市のトップセールスの商談は既に始まっていかなければならないと思います。
また、県道岐阜鵜沼線拡幅工事とともに、南北の動線の確立にいち早く対応することも視野に入れながら計画を立てるべきと考えます。もちろん各務原市単独の事業としては事業費が膨大になりますので、計画には岐阜県、国の支援は当然考えなければなりません。岐阜県の支援協力を得るためには、地元の県議会議員との調整も必要になってくると思います。
いつまで、どの程度まで掘削工事を続けるのか、工事終了の時期と基準、南北に抜ける取りつけ道路の計画をどのようにやるか、どこまでにするかを考えてもよい時期かと思います。先回の浅野市長の答弁にあった、航空宇宙産業を主体とした次世代の工業団地としての開発を、今、考えていくべきと思います。
そこで伺います。1点目、各務山地区開発の現在のところの進展はありますでしょうか。
2点目、工業団地としての造成計画に県や国の支援は考えられるでしょうか。
以上2点、詳しくお答え願います。
○議長(古田澄信君)
都市建設部長 服部隆君。
(
都市建設部長 服部隆君登壇)
◎
都市建設部長(服部隆君) 瀬川議員からの各務山地区開発について2点お答えいたします。
まず初めに1点目、各務山地区開発の進展についてでございます。
各務山地区の土地利用方針については、平成28年3月に改定されました新しい都市計画マスタープランにおいて、緑地の保全や緑化を推進するとともに、工業系を初めとした有効な土地利用を積極的に検討する土地利用検討地区として、より踏み込んだ表現で位置づけております。
また、現在、各務山地区では、岐阜県において新たな工場用地開発を戦略的に推進するための基本調査である工業用地開発可能性調査が実施されております。あわせて今年度、各務原市においても、各務山周辺の雨水排水やアクセス道路の概略について調査検討してまいります。今後、県及び市が行う調査等を踏まえ、現状の土砂採取の進捗状況を見ながら、開発計画について関係業者と協議を行ってまいります。
なお、仮に工業団地として開発を行う場合、事業主体となる者は土地の取得費用や造成費などを土地の売却代金で賄う必要があり、採算性を考慮しなければなりません。さらには、全ての土砂採取終了後は広大な面積を有する一団の敷地になりますが、それには長い年月がかかりますので、地権者の皆様には開発に対する過剰な期待や不安を抱かれないようにするとともに、時間軸や採算性を考慮した工区分けを検討して事業を進めていく必要があると考えております。
2点目、工業団地としての造成計画に県や国の支援ということについてでございます。
各務山地区の開発事業は、岐阜県などが事業主体になることが考えられますが、工業系の用途等の土地利用について検討を始めた段階であり、現時点で事業主体は未定でございます。開発事業における国や県からの補助等の支援制度はございませんが、排水路や道路等の周辺インフラ整備に対して国の補助を活用するよう検討してまいります。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 10番 瀬川利生君。
◆10番(瀬川利生君) ありがとうございました。
各務山地区開発については、各務原市単独では難しいところがあると考えます。私の議員生活の夢とロマンの物語として、岐阜県の航空宇宙産業生産の聖地として、ここ各務原市の中心がまさしく「モノづくりの郷」と呼ばれるような工業団地としての未来を希望しながら、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(古田澄信君) これより午後1時20分まで休憩いたします。
(休憩) 午後0時3分
───────────────────────────
(再開) 午後1時20分
○副議長(岡部秀夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
1番 黒田昌弘君。
(1番 黒田昌弘君質問席へ)
◆1番(黒田昌弘君) 1番、市議会公明党の黒田昌弘でございます。
議長から発言のお許しをいただきましたので、通告に基づき順次質問させていただきます。よろしくお願いいたします。質問項目は2点でございます。
初めに、ICTを活用した市民協働による道路など、インフラの維持管理についてお伺いをいたします。
ICTの活用、いわゆる情報通信技術の利活用は、我が国が抱えるさまざまな課題に対応するために今では必要不可欠なものとなっています。今定例会の冒頭、市長からも議案説明にありましたが、本市においても、学校教育現場においては電子黒板、書画カメラ、デジタル教科書など多くのICT機器が全小・中学校に取り入れられ、情報教育の充実や校務の情報化が進められています。また、医療、介護、健康分野においても、ICT技術を活用した医療の安全性向上や業務の効率化が図られている昨今であります。教育や医療以外にも、さまざまな分野でのICTの利活用は、地域の活性化につながるとして国も積極的に推進・支援を行っています。
さて、今回は、ICTを活用した市民協働による道路などインフラの維持管理として、御提案を含め、質問させていただきます。
それは、市民の方々から現在普及が進んでいるスマートフォンを通じて、例えば毎日何げなく通る道路のくぼみや損傷、子どもたちが毎日遊ぶ公園内の損傷やふぐあい、樹木の垂れ下がり、河川の危険箇所、ごみの不法投棄など、さまざまなふぐあいを見つけたらスマートフォンで写真を撮影して、損傷等の内容、位置情報を確認して市役所に送信していただくことができるアプリを運用しての、市民と協働による道路などのインフラ維持管理事業を行ってはどうかという提案でございます。
現在、私たち議員は、市民の方々からの御要望や市民相談などを通じ、市民と行政のパイプ役としてさまざまな声を市政に届けさせていただいております。当然その中には、道路のくぼみや損傷、公園のふぐあい、ごみの問題などが多くございます。私自身、気がつけばその場でも電話をさせていただいているところであります。また、自治会要望書でも同じような要望が多く出されていたり、ふぐあいに気づいた市民からの直接電話やメールもあると思います。
このような連絡がよりスピーディーに所管の部署に届けば、現場対応もよりスピーディーになり、職員が電話対応する時間も短縮できるものと思います。そして市民の方々も、みずから簡単に積極的にまちづくりに参加いただけ、スマートフォンを活用すれば若者の応援参加も期待できるのではないでしょうか。そして、毎議会に報告される道路管理暇疵による事故件数も減少するとともに、市民の方々には市民と行政をつなぐ新たなコミュニケーションツールとして、身近な課題について、迅速で的確な課題の共有ができ、効果的な課題解決につながっていくものと考えます。そして、いつも御足労いただく自治会長も、要望書を作成する件数、手間も減るのではないか、このように思います。
昨年度、自治会要望書の件数を確認させていただきましたが、全要望件数が1509件、そのうち1309件、87%が都市建設部の担当課に集中をしております。道路課が914件、河川公園課が230件と、この突出した2つの担当課を合わせて1144件、全要望件数の約76%に当たります。先ほども申しましたが、要望書以外にも、市民の方から直接連絡が入るものもあります。
このような現状から、スマートフォンを活用した市民協働による維持管理を行っていけば、市民が気軽にまちづくりに参加できる、現場対応がより迅速にできる、職員の電話対応が減ることによって業務に集中できる、道路管理暇疵の事故が減る、自治会長の要望書の手間が減る、これだけでも一石五鳥くらいの成果が見込めるのではないでしょうか。
そこで、お伺いをしてまいりたいと思います。
初めに、昨年度、要望書以外に、直接市民から道路の損傷などインフラのふぐあいについて連絡があり、対応した件数は何件ございましたでしょうか。
また、自治会からの要望の中でも、仮に、その現場を市民の方が見つけ、直接連絡があれば迅速に対応できたと思われる事案も数多くあるのではないかと思います。
2番目に、自治会要望中、仮に要望書がなくても対応できた件数は何件ございましたでしょうか。
本市においても、特に道路の維持管理に対して職員の皆さんには日常パトロールに努めていただいておりますが、その対象は膨大であり、行政だけで迅速かつ的確な維持管理をしていくのも年々大変になっていくものと思います。また、自治会長においては、まだ現役で仕事をされてみえる方もある中で、現場の写真を撮り、自治会要望書を作成して市役所まで提出するため、大変に御足労をかけております。
そこで3番目として、自治会要望書の提出方法を簡素化できないでしょうか。
本市は、自治会や市民の皆さんに御協力をいただきながら安全・安心なまちづくりを推進していますが、日ごろの生活の中で市民の方々が何げなく気づく事案もあれば、自治会でしか気づかない事案もあると思います。今後ますます市民協働が叫ばれる中で、協力的な各務原市民の皆さんの力を生かして、若い力を巻き込みながら、市民との協働によるインフラの維持管理体制を構築していくことができれば、各務原市は今後ますます住みたい・住み続けたいまちとしてさらに発展していくまちになると確信をいたします。
そこで4番目、最後に、ICTを活用した市民協働で進める維持管理行動計画を策定して、アプリを運用した事業を導入してはいかがでしょうか。
以上4点の御答弁をよろしくお願いいたします。
○副議長(岡部秀夫君) 市長 浅野健司君。
(市長 浅野健司君登壇)
◎市長(浅野健司君) 黒田昌弘議員の一般質問、1項目めとなります。ICTを活用した市民協働による道路などインフラの維持管理についてということで、4点ほどお尋ねでございますので、順にお答えをさせていただきます。
まず1点目、対応した件数についてでありますが、市民生活に不可欠な道路、あるいは公園などの公共施設を適切に維持管理し、安全・安心なまちづくりを実現するために、市民の皆様から多くの御意見、あるいは御要望をいただき、大変感謝をいたしております。引き続き市民の皆様の御意見などに対して真摯に丁寧に耳を傾け、対話をし、幸せを実感できるまちを全力で築き上げてまいります。
要望書以外の対応件数でありますが、道路関連では、穴ぼこ、側溝のふた割れなど緊急を要する事案のほか、草刈りなどで約1100件の対応をしております。公園・河川関連では、遊具のふぐあい、樹木の剪定、水路の破損等で約500件の対応をしております。
2点目であります。仮に要望書がなくても対応できた件数でありますけれども、自治会からの要望につきましては、職員で現地を確認し、対応を検討することにしておりますが、道路の穴ぼこや側溝のふた割れ、公園施設のふぐあいなど、事故につながるおそれのある事案は要望書がなくても迅速に対応しております。道路関連では要望書914件のうち約10%に当たる90件ほど、河川・公園関連では要望書230件のうち約3%に当たる6件の事案が、要望書の提出がなくても対応できたと考えられます。
そして3点目であります。自治会要望書の提出方法を簡素化できないかということでありますが、平成28年2月に実施をいたしました自治会長アンケートの結果によりますと、自治会長さんの年齢構成は60歳代が一番多く53%、次に70歳代が19%となっておりますが、一方で60歳未満の方も26%と多い状況にあります。さらに、6割を超える自治会長さんが何らかの職業に従事しているということが判明をいたしました。
最近の自治会長さんは、ふだんそれぞれお勤めをしながら地域では自治会長としての仕事も両立され、非常に多忙な自治会長さんたちがふえてきているように感じられます。これらの状況を受けまして、現在、市では自治会長さんの負担軽減に向けて方策等を検討しているところであります。
その中で、自治会長さんから、先日開催をさせていただきました自治会まちづくりミーティング等々でございますけれども、各種提出書類を曜日や時間に左右されることなく市役所に提出できるようにしてはどうかとのお声がありましたので、市役所本庁舎及び各市民サービスセンターへの自治会長専用ポストの設置に向けて、現在検討を進めているところであります。今後も自治会長の皆様が少しでも自治会活動に専念していただけるような環境整備に向け、市としても皆様の御意見をお聞きしながら検討をしてまいります。
そして4項目めになります。ICTを活用した市民協働で進める維持管理行動計画を策定し、またアプリを運用した事業を導入してはといった点でございますけれども、現在、道路、河川、公園等の公共土木施設の維持管理については、職員による毎月2回の定期的な道路パトロールや、5月の道路点検強化月間によるパトロールのほか、市内郵便局の配達職員による道路損傷等の情報提供、公園管理人によるパトロール、専門業者による遊具の定期点検などにより、異常、危険箇所を早期発見し、事故予防等に努めております。そのほか自治会要望書や、市民の方からの電話やメール等による御連絡により、現場確認の上、緊急性や利用状況等を勘案し、適切な対応に努めております。
昨今、スマートフォン等の携帯端末の普及により、インストールして簡単に利用できるアプリは生活に身近なものとして幅広い世代の方々、特に若年層を中心に定着しております。最近ではゲームアプリ「ポケモンGO」が社会現象になり、市内でもその影響力を感じているところであります。
議員御提案のアプリを活用したインフラの維持管理につきましても、携帯端末で補修箇所等を写真におさめ、手軽に市に報告をしていただくことができるため、これを機に幅広い世代の方々に地域のインフラや行政に関心を持っていただき、市民協働によるまちづくりにつながるものと考えております。
ICTの利活用については、現在策定中の第3次ICT基本計画の中で、地域・市民のICTの推進について検討しております。今後は、アプリの活用方法や活用範囲、その活用による負担軽減の効果、開発費用、セキュリティー問題、維持管理体制など、さまざまな課題について先進地の状況等を調査研究してまいります。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○副議長(岡部秀夫君) 1番 黒田昌弘君。
◆1番(黒田昌弘君) 市長みずから前向きを御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
先ほどの、郵便局の職員さんが見て回ったりとか、情報提供していただいたりとか、本当に幅広いそういった管理をされているのも大変わかりましたし、また今後、若年層を巻き込んだこういったまちづくりがしていければいいかなと、このような思いで御提案をさせていただきました。また、自治会長さんにおいても大変御足労をかけておりますので、先ほど本庁舎、それからサービスセンターに自治会長さんの専用ポストを設けると、このような本当に御配慮をいただきましてありがとうございます。やはり自治会とともに魅力ある市をこれからもつくっていかなければいけませんので、また今後ともどうかよろしくお願いいたします。
では、次の2番目の質問に移りたいと思います。
2つ目は、ビジネス相談窓口についてお伺いをいたします。
本市では、ことしの4月20日から週1回、水曜日に、小規模事業者や個人事業主の方などを対象に、かかみがはらビジネス相談窓口を開設しております。私はちょうど議員1年目の9月議会の一般質問で、事業相談の窓口を開設していただけないかと、このような提案をさせていただきました。あれから2年半の歳月を経て実現をしていただいたわけですが、本当にありがとうございます。
今回この事業相談、そしてビジネス相談につながった、こういったことを考える中で、今の国際社会というのは、中国経済の停滞やイギリスのEU離脱など、グローバル化の波の中で先進国というのはなかなか持続的に経済成長を続けていくことが難しい時代にある、このように思います。我が国では、円高が定着してしまっているのが足かせとなり、輸出にも影響を及ぼし、個人消費もまだまだ力強さに欠けているのが現状であります。しかし、今月、内閣府が発表したGDP改定値は上方修正され、雇用に関しては間違いなく改善されてきております。
さて、現在はこのような国の経済状況ではありますが、地方の事業主の方々には、たとえ小さな事業規模であっても、きめ細やかな配慮ある支援を行っていくことが今自治体に求められていることではないかと、このように思います。国からは手が届きにくい、地方だからこそできるきめ細やかな支援が地方創生の鍵を握っていると考えます。
さて、このかかみがはらビジネス相談窓口は、国により全国47都道府県に設置された岐阜県よろず支援拠点のサテライト相談所として、岐阜市を初め県内8市町で昨年から本年度にかけて開設されています。また、近隣市の関市においては、行列ができる事業相談所として有名な富士市産業支援センター、通称f−Bizと申しますが、この流れをくむ関市ビジネスサポートセンター、通称「Seki−Biz」を独自で開設いたしました。この開設発表時にセキビズの職員の募集記事を見たことがございますが、センター長の年収は1200万円、副センター長は720万円で募集をされ、関市も相当な力が入っているなと思ったことを記憶しております。
このモデルとなった行列のできる事業相談所 富士市産業支援センターは、2008年に設立され、年間相談件数は3000件を超え、静岡県内に4カ所の支援センターの立ち上げや運営にも携わり、1000件以上の新規創業も手がけています。富士市は25万人弱の人口規模で、東海地方の30万人から40万人規模の自治体にある商工会議所の経営相談件数は年間で500から1000件ほどだとのことでありますので、富士市産業支援センターへの相談件数は突出した件数であり、行列ができる事業相談所と言われるのも納得ができます。
この富士市産業支援センターの設立者に師事され、2013年に設立した岡崎ビジネスサポートセンターも年間1000件を超える相談件数で、現在では地元金融機関も参画して、市、商工会議所と三位一体で全国初の官・産・金の連携を実現しています。
現在では、この○○ビズと名のつく支援センターが東海地方から北海道、九州、沖縄、東京へと広がりを見せています。国が設置した各県のよろず支援拠点も、この富士市産業支援センターがモデルとなっているとのことでもあります。
そこでお伺いをいたします。1.かかみがはらビジネス相談窓口の開設に至った経緯と相談状況をお伺いいたします。
これまでも市は、商工会議所とともに、創業から設備投資など県や国からの補助メニューを共有し、補助金の獲得に対する支援を行っていただいたと思います。
2つ目に、昨年度に県や国に補助金申請の支援をした件数と採択された件数をお伺いいたします。
3番目に、昨年度に新規創業を支援した件数は何件あったか、お尋ねをいたします。
先ほど紹介した○○ビズとは、それぞれ運営主体が異なっております。自治体が主体のものもあれば、商工会議所との共同運営や、金融機関が運営しているところもあります。そして何よりの強みは、多くの経営者が悩んでいる、どうしたら売り上げが上がるのかという素直な悩みに対して、相談者がこれまで事業を継続されてきたということは、ほかにはない何か強みがある、そのことを発見して売り上げに直結するアイデアを提案し、お金をかけることなく、リスクを負わせることなく、売り上げを上げるコンサルティングをする。そして成果が出るまで相談に乗り、かなりのリピートと口コミによる新規相談者が後を絶たないようであります。これこそが地方にしかできない、地方だからこそできるきめ細やかな配慮ある支援ではないでしょうか。
4番目に、各務原市として今後独自のビジネスサポートセンターを開設する考えについてお伺いをいたします。
4点につき御答弁のほどよろしくお願いいたします。
○副議長(岡部秀夫君)
産業活力部長 村井清孝君。
(
産業活力部長 村井清孝君登壇)
◎
産業活力部長(村井清孝君) 黒田議員から、ビジネス相談窓口について4点の御質問をいただきました。順次お答えいたしたいと思います。
まず、かかみがはらビジネス相談窓口の開設に至った経緯と相談の状況でございます。
黒田議員もみずからおっしゃったように、平成25年9月議会の一般質問において、市内経営者のための事業相談窓口開設について御質問をいただいております。
中小企業、その中でも9割を占める小規模事業者は、地域の経済や雇用を支える重要な存在でございまして、その活力は地域経済の発展に必要不可欠と考えております。平成26年には小規模基本法及び小規模支援法が成立し、小規模企業が持続的に発展するための支援の重要性に対する認識が高まってきております。そうした中、中小企業、小規模事業者のための経営支援機関や相談所が各地に開設されつつあることから、本市でも経営者が売り上げ向上や経営改善などを気軽に相談できる場の必要性を感じていたところでございます。
そこで、国が岐阜県産業経済振興センターに委託して設置いたしました経営相談所である岐阜県よろず支援拠点のサテライト会場として、中小企業、小規模事業者の売り上げ拡大、経営改善など、経営上のあらゆる悩みの相談に対応するかかみがはらビジネス相談窓口を開設することといたしました。相談窓口開設に当たっては、キックオフセミナーを開催するなど、多くの方に利用していただけるよう周知を図りました。広報「かかみがはら」や
市ウエブサイトヘの掲載のほか、産業経済振興センターのウエブサイト、産経センターを初め各機関のメールマガジンでの情報配信、商工会議所会報への掲載、金融機関等への呼びかけを実施してきたところでございます。
ビジネス相談窓口は、市産業文化センターにて毎週水曜日に開設しており、本年4月20日にスタートしてから8月末までに45件の相談を受けております。相談内容としては、経営のノウハウや販路の開拓、営業推進に関することのほか、新規創業や資金繰り、人材育成、海外展開など多岐にわたっており、よろず支援拠点のコーディネーターが商工会議所など他の支援機関と連携しながら、さまざまな課題の解決に向けた支援を行っておるところでございます。
2番目の御質問、昨年度、国や県補助金申請の支援をした件数と採択された件数でございます。
国などの補助金申請支援に関しましては、金融機関、商工会議所との共催で、産業文化センターあすかホールにて中小企業向けの施策活用セミナーを開催いたしております。昨年度は2回開催いたしまして、補助金を含む各種制度や補助金申請の留意点を解説いたしました。いずれも120名を超える事業者の皆様の御参加をいただいておるところでございます。また、セミナー後には個別相談会を実施いたしまして、合計50社の相談に対応いたしました。
このほか、市として設備投資に関する国の補助金申請に係る支援を行った件数は、これは補助金の申請にまで至らなかった場合も含めてでございますが、9件ございました。その中で採択されたのは4件でございます。
3つ目、新規創業を支援した件数でございます。
創業支援につきましては、産業競争力強化法に基づき、各務原商工会議所や地域金融機関などと連携して各務原市創業支援事業計画を策定いたしております。お尋ねの昨年度の創業支援件数は、その創業支援事業計画に基づき把握した件数になりますが、支援件数が108件、その中で創業された方は8件になります。
創業支援事業計画では、これまで地域の創業支援を強力に推し進めてきた各務原商工会議所を中心に、財務面に強い金融機関や、高度な知識、経験、人材を持つ大学や研究機関を巻き込んだ支援体制を整えております。毎年20名から30名の参加があり、人気の高い各務原商工会議所の創業スクールや創業相談といった事業を行っており、市はこの計画の取りまとめと窓口を担っておるところでございます。
4つ目の、市として独自のビジネスサポートセンターを開設する考えはという御質問でございます。
中小企業・小規模事業者支援においては、長年、地域に密着して支援を行ってきた商工会議所と連携していくことが本市の場合はとても重要であると考えておるところでございます。かかみがはらビジネス相談窓口の開設に当たっても、商工会議所と連携しながら、市内事業者が相談しやすい環境を提供することに努めてきたところでございます。
市独自のビジネスサポートセンターを開設するには多額の費用が必要となりますが、かかみがはらビジネス相談窓口は国の支援機関であるよろず支援拠点を活用して開設しているため、当市は相談スペースの提供と受付などの運営に係る事務のみを行うことで窓口の開設が可能となっております。また、よろず支援拠点については、先ほど申し上げましたとおり、中小・小規模企業支援を国が重要な施策と位置づけているため、今後もさらに強化されていくと考えられます。
現時点では、独自のセンター開設ではなく、国の事業を活用しながら、商工会議所、金融機関等の支援機関と連携して経営支援を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 1番 黒田昌弘君。
◆1番(黒田昌弘君) 御答弁ありがとうございました。
27年度の補正としても、ものづくり産業、ものづくり商業、サービス新展開支援補助金と、国の支援制度も1020億円という規模でありますし、また28年度補正としては、この10月から受け付けが開始されると思いますけれども、5年連続でものづくり補助金が国のほうとして支援をいただいておりますので、このビジネス相談窓口からもものづくり補助金へのこういった支援のほどよろしくお願いをいたします。先ほども部長がお話をされました、国としての重要な施策である、このようなことをお聞きしまして本当に力強く心強く感じましたので、特に先ほどもお話がありました相談しやすい環境の御提供をお願いしたいなと思いまして、今後ともよろしくお願いをいたします。
全体的にまだまだ消費が力強くございませんので、25年度、ちょうど市長が御答弁をいただいたと記憶をしておりますけれども、各務原市としても6000を超える事業所があり、そして、その当時はものづくり補助金が16億円採択をされたという市長からの御答弁があったように、先ほど瀬川議員がものづくりのまちであると、このようなお話もされておりましたけれども、新しい新展開の技術が各務原市にはまだまだたくさんあると思いますので、これからもしっかりした支援のほどよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○副議長(岡部秀夫君) 9番 吉岡健君。
(9番 吉岡健君質問席へ)
◆9番(吉岡健君) 吉岡でございます。
議長にお許しをいただきましたので、質問通告に基づきまして質問させていただきます。
それではまず1点目、在宅医療体制の構築につきまして質問させていただきたいと思います。
日本では、今、急速に少子高齢化が進み、現役世代が高齢者を支える構造が騎馬戦型からいよいよ肩車型に突入しようとしています。社会構造が大きく変わろうとする中で、現役世代に対する住民サービス向上を推し進める中で、高齢者の皆さんの身体面も含み、安心してふるさとで住み続けることができるサービス向上を考えていかなければなりません。例えば、高齢者を待ち受ける交通弱者対策や買い物難民対策など、「日常生活を変わりなく過ごせる」を意識した住民サービスの充実が求められ、民間活力も含めましてさまざまな取り組みの強化・充実が必要と考えます。
そこで、高齢化に伴い、やむなく医療にお世話にならなければならない部分、在宅医療体制の構築につきまして市の考え方をお伺いしたいと考えます。
多くの国民は幾つになっても自宅など住みなれた環境下で暮らしたいとの願望が強い中、介護、医療、住まい、生活支援、予防が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が重要となってきております。特に団塊世代の多くが75歳以上となる日は目前で、特に疾病や要介護状態になる人口が増加することが予測されます。同時に、あと10年もすれば約17万の入院ベッドが不足するという内閣官房の推計も出されております。今まで住みなれた生活圏内で継続的に安定した生活を担保するためには、既に介護分野で行われております訪問介護なる医療分野におけます訪問診療、在宅医療が必要不可欠であります。
厚生労働省は、医師が高齢者の自宅を定期的に訪問して診察する訪問診療の専門診療所を認めることにしており、単独医療機関の動きが注目されている部分もありますが、負担部分を考えますと、1つの医療機関での実施は困難な課題が山積します。在宅しながら治療を受ける際、医療設備の問題が上げられますが、治療が難しいと言われている疾患の場合は高度な医療設備が必要となりますが、一般的な疾患は高度な医療設備が必要でない場合が多く、在宅医療での補完が可能と考えられています。
あわせまして、高齢者の医療費で多くの支出を求められる部分は最後の1年と言われており、みとりに至るまでの入院生活で医療費が膨らんでしまうと言われております。アンケート調査によりますと、自宅でみとられ死を迎えたいという方が60%近くおられます。しかし、10%前後の方々しかその希望に沿えていないという現実があります。9月8日に厚生労働省が発表した人口動態統計によりますと、施設でのみとりは徐々に浸透しているが、自宅でのみとりは思うように広がっていないとしています。
今回提案させていただいております在宅医療体制を構築することにより、みとりを在宅で行うことができるという動きを広く伝えることが可能でありますし、最後まで住みなれた場所でというニーズに応えることが可能となり、また医療費抑制にも寄与するのではとも考えられます。また、訪問介護と医療との連携により、介護分野の方々の負荷軽減にあわせて医療分野の気づきにもなると聞いております。
そこで、安心・安全・住みよいまちづくりをさらに推進するために、市が中心となって、医師が訪問して診察する在宅医療の体制構築を行ってはと考えます。既に個々の医療施設でこの在宅医療について取り組んでおられる部分もありますが、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、リハビリ関係者、介護分野関係者の協働・連携体制、これを市がかなめとなって整備し、各務原市としての在宅医療体制を構築してはいかがかと提案をさせていただきます。
市の役割は、担当課、担当職員の配置から始まり、地域事情の分析と同時に、市民サービスの向上の観点からの情報収集、意見反映、医療機関の方々への取り組み趣旨の説明、連携体制の構築、それと懸念材料の払拭、定期的な情報交換を行う会議体の設置、研修会の計画・実施など多岐にわたりますが、さまざまな事業で実行委員会などの体制で行われている行政の得意なことを担っていただくわけで、走り出したら早期に体制が整うと期待するものであります。
医療関係者の方々には多大なる御尽力をいただかなければならないシステムではありますが、浅野市長と医療関係者との良好なる人間関係で乗り切れると確信しているところであります。介護ニーズと医療ニーズをあわせ持つ高齢者を地域で確実に支えていくためには不可欠な体制であると考えますし、医療費抑制の一助になると期待する部分も大であります。市長部局の前向きな答弁を期待し、質問を終えさせていただきます。
○副議長(岡部秀夫君)
健康福祉部長 三輪雄二君。
(
健康福祉部長 三輪雄二君登壇)
◎
健康福祉部長(三輪雄二君) それでは、吉岡議員からの在宅医療体制の構築についてということで、市が中心となって医療関係機関と連携を築きながら在宅医療体制を構築してはいかがかということでございます。
それについての答弁でございますが、平成37年までに、いわゆる西暦で言うと2025年になるわけなんですけれども、団塊の世代が75歳以上となり、地域において医療や介護を必要とする高齢者数が大きく増加することが予測されております。
このような中、高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けていくことができるよう、地域において医療、介護の関係機関が連携し、包括的かつ継続的な在宅医療・介護を提供することが求められているところでございます。そのため、市医師会、市歯科医師会、市薬剤師会、介護関係者に御協力をいただき、切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進や、医療・介護関係者の情報共有など8項目を整備し、地域包括ケアシステムの構築を現在進めているところでございます。
まずその体制整備としまして、本市では、介護保険法の地域支援事業に位置づけられた在宅医療・介護連携推進事業を平成26年度より継続的に実施しているところでございます。また、市医師会におかれましては、平成26年度より2年間、県医師会からの補助を受け、市や関係機関と協働して地域在宅医療連携推進事業を実施され、在宅医療ガイドブックの全戸配布や、認知症患者への支援として認知症ケアパスの作成など、在宅医療・介護の連携推進を図っていただいているところでございます。
今後も、地域の医療・介護関係者の協力を得ながら、切れ目なく在宅医療と介護が一体的に提供される体制の構築を目指していきたいと考えておるところでございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○副議長(岡部秀夫君) 9番 吉岡健君。
◆9番(吉岡健君) 答弁ありがとうございました。
26年から医師会のほうでも動きがあるということでございますし、そうなりますと非常に追い風になると思います。ここで、先ほど申し上げました担当課、そして職員さん、まずこれは増員しなければいけないと思いますが、そういった部分を加速していただいて、そしてこの追い風にぜひとも乗っていただいて、「浅野丸」を順調にこの海原を推進させていただきたいなというふうにお願いを申し上げて、次の質問に入ります。
それでは、離婚後の子どもの養育支援につきまして質問をさせていただきます。
最近の離婚の傾向は、私どももそうですが、長年連れ添った夫婦の離婚、いわゆる熟年離婚の増加が上げられます。私も心配なんですが、最近の10年間の動向を見てみますと、25年以上連れ添った熟年夫婦の離婚は2倍以上に、30年以上連れ添った夫婦で見てみますと3倍近くに一気に増加をしているみたいです。そのほとんどが奥さん側からの申し立てによるものだそうです。お互い注意しなきゃいけません。一方、若い夫婦の離婚は過去からもありまして、3組に1組は離婚をするといった傾向は大きく変わりはないようです。
しかし、昨今、その離婚により十分な養育費が支払われず、生活面で苦労を強いられるといった家庭が増加傾向にあるとも言われております。そこで、先進市の明石市の事例をにらみながら、特に小さな子どもさんを抱えられた家庭の離婚後の子ども養育支援制度の創設について考え方をお伺いしたいと思います。
離婚件数が年間20万件をも超すと言われる中、約8割は女性側が親権を持たれております。すんなりと話がまとまらないのが離婚の常で、大筋曖昧な形で親中心で話が進められています。特に幼い子どもさんにとっては、突然、片親がいなくなることはつらいものであります。
そういった中、先進事例を持つ明石市では、やむなく離婚する場合、子どもの立場に立ったよりよい離婚をサポートする体制を構築しています。養育費の支払いや子どもさんとの面会などの約束を養育プランとして、強制ではなく、離婚する前段で夫婦で相談をさせるきっかけづくり、これは強制力を持つ公正証書を作成するときに役立つそうです。子どもさんと親権のない昔親さんとの面会時のサポートなどを行っております。将来的には、一般的に滞る養育費を担保するために、男性側の財産物件を担保に養育費立てかえ制度や、公正証書作成費用の助成なども検討をされている状況下にございます。養育費が支払われず生活困窮、子どもの貧困を救う取り組みと期待される部分は大であると考えています。
離婚を助長するわけではありませんが、万が一の際のサポート体制が安心して住むことができる各務原市づくりにつながると考えています。明石市の施策を参考にしながら、公正証書作成を働きかけ、公正証書作成費用の補助、子どもさんと別れた親との面会機会づくり、養育費の立てかえなど、罪のない子どもさんの幸せを支援する仕組みを築いてはいかがでしょうか。若い世代への施策を積極的に導入しております浅野市長の前向き、かつ積極的な答弁を期待いたしまして、質問を終わります。
○副議長(岡部秀夫君) 副市長 磯谷均君。
(副市長 磯谷均君登壇)
◎副市長(磯谷均君) 離婚後の子どもの養育支援についての御質問にお答えをいたします。
まず離婚の実態について述べさせていただきますと、平成27年の全国の離婚件数は22万5000組と推計をされております。2分20秒に1組が離婚するということになります。最近の離婚の特徴といたしまして、夫婦ともに30歳から34歳の方々が最も多く、同居期間別では5年未満の方が最も多くなるということでございます。親権を行わなければならない子がある若い世代の離婚が多くなっておりまして、そのうち妻が全部の子どもの親権を持つ場合は議員のおっしゃるとおり8割に及んでおります。
一方で、平成25年国民生活基礎調査によれば、子どものいる世帯の所得に比べて母子世帯の所得は36%となっておりまして、生活面で苦労しておられる家庭も多いと思われます。また、離婚の形態を見ますと、裁判離婚は10%、協議離婚が90%と大半を占める状況にあります。日本におきましては、離婚率の高いアメリカ、スウェーデン、ドイツ、イギリスといった欧米諸国と比べ、生活保持支援についてまだまだ立ちおくれているのが現状でございます。
以上の実態がある中で、平成23年の民法の一部改正によりまして、協議離婚の際、子どもの利益を最も優先しなければならないという趣旨が加わりまして、離れて暮らす親と定期的に合う面会交流や、子どもの一定の生活水準を担保するための養育費についてしっかりと協議をすることとなっております。
成年の婚姻は男女両性の合意のみによって成立をするというものでございまして、離婚につきましても基本的には夫婦間の協議によるところでございます。行政が立ち入ることは慎重であらねばならないと考えております。およそ4割の方が離婚に対して肯定的といった、離婚に対する抵抗感が希薄化する中で、離婚後の生活設計が描けないまま離婚すれば、自分たちの子どもへの監護義務を果たしていくことが困難になる場合が多いということを認識していただくことがまず第一であると考えます。
そこでまず市としては、離婚手続の際に、離婚後の子どもの養育に関して夫婦でじっくり協議していただくようチラシをお渡しいたします。また、必要とされる方には、まちづくり推進課や
子育て支援課など相談窓口を案内いたしまして、養育費や面会交流に際しての具体的な手続、また協議すべき項目などの助言をさせていただきます。同時に、庁内横断的なワーキンググループを立ち上げまして、子どもの貧困を防ぐなど生活保持の支援体制について検討をしてまいります。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○副議長(岡部秀夫君) 9番 吉岡健君。
◆9番(吉岡健君) 明るさが少し見えた答弁ありがとうございました。
確かに答弁にございましたとおり、行政がその中に立ち入るというのは非常に難しい部分があろうかと思いますが、ぜひともそのあたりを克服していただきまして、横断的なワーキンググループに非常に期待をいたしますので、これらをもとに若い夫婦の方々をぜひとも助けてあげると言ったら言い方は悪いんですけど、生活を、そして子育てを側面的にバックアップできる体制をぜひとも構築いただければなというふうに期待をいたしまして、次の質問に移ります。
それでは次は、防犯カメラの設置補助制度の創設につきまして質問させていただきます。
我が国の犯罪情勢は、平成27年版の「犯罪白書」から見ると、平成14年に戦後最多を記録した後、国民と政府が一体となって治安の回復に取り組むなどの活動の結果、刑法犯の認知件数は大きく減少するなど一定の改善が見られますものの、凶悪な殺傷事件が後を絶たないほか、オレオレ詐欺などの特殊詐欺やサイバー犯罪、薬物犯罪などの発生など予断を許さない状況下にございます。
私どもが住みます各務原市は、岐阜県下人口100人当たりの犯罪発生比率が県下7番目で、この比率を下げていく努力が必要な状況下にございます。そういった中、安倍政権下におきましては世界一安全な日本創造戦略を閣議決定され、2020オリンピック・パラリンピックをにらんだ犯罪減少、国民の治安に対する信頼感を醸成するために、さまざまな施策が展開をされております。
そこで、私たちが住みますこの各務原市でできる安心・安全醸成の一助といたしまして、防犯カメラ設置補助制度を創設してはと質問をさせていただきます。
私が住みます自治会で、先日、夕方の犬の散歩に出たわずか30分の間に空き巣に入られるという被害が発生をしました。刑事さんが、このあたりには防犯カメラをつけたお宅がありますかと尋ねられました。またこの刑事さんが言われるには、空き巣、ものの3分もあればプロは犯罪が完結するそうです。特に朝のごみ出しのとき、このときには多分皆さん方、家の鍵をかけてごみ出しをしないと思います。このわずかな時間に犯罪がふえているそうですので、ぜひともお気つけいただければなというふうに思います。
また先日、町内に住んでいる方が夜の帰宅時にひき逃げに遭いまして、意識不明の重体で県病院に運び込まれるという事故も発生をいたしました。幸い大事には至らなかったのですが、逃げた犯人の特定に近くのお宅に設置してありました防犯カメラの映像があったと聞いております。全国的にも、各所に設置しています防犯カメラの画像から犯人確保に至ったというニュースが多く流れております。
そこで、各自治会への防犯カメラ設置に対する市の補助制度創設につきまして御提案をさせていただきたいと思います。発生した犯罪の検挙の決め手にもなります。また、防犯カメラが設置されていることにより、犯罪発生抑制の効果も期待できる防犯カメラの設置を行うことにより、安心・安全なまち各務原を築く一助になると考えております。
設置に当たりましては、プライバシーや画像の管理、暗い場所には設置しにくい、電柱には設置が困難である、設置後のメンテナンスなど多くの課題がありますが、住民自治を築く最小単位であります自治会の申請に基づく補助制度創設により、地域住民の安心意識のより一層の醸成が図られるのではと期待するところでございます。制度創設について市長の考え方をお伺いしたいと思います。
○副議長(岡部秀夫君) 市長 浅野健司君。
(市長 浅野健司君登壇)
◎市長(浅野健司君) 吉岡健議員の一般質問、防犯カメラ設置補助制度の創設についてということでございますが、各務原市では、いつまでも住み続けたい安全・安心のまちを目指し、地域、警察、企業、行政などが連携をしながら防犯対策に取り組んでいるところであります。このようなありがたい活動によりまして、刑法犯の認知件数は減少傾向にあります。平成22年には2312件、昨年度、平成27年には1700件と、この5年間で600件余りが減少してきているといった数字が出ております。
しかし、近年の地域のつながりの希薄化、犯罪の手口の巧妙化などによりまして、市民が犯罪に巻き込まれる危険性は高まっていくことが予想されております。今後、市民が犯罪に巻き込まれないためには、地域住民が自分たちのまちを自分たちで守るという精神のもと、地域ぐるみでの防犯対策が最も効果的であると考えております。
現在、市内では、防犯ボランティア団体、こちらは14団体でございますけれども、そういった方々、あるいは自治会などが非常に熱心な防犯パトロールを実施するなど、地域において犯罪の防止を図っていただいております。市といたしましては、そのような防犯ボランティア団体に対し、帽子や腕章などをお渡しし、活動の支援をしております。
御提案をいただいております防犯カメラにつきましては、その設置により犯罪の抑止効果が期待されている一方で、吉岡議員御指摘のとおり、録画された人などの肖像権、プライバシー権の侵害、個人情報の保護という課題もあり、自治会における防犯カメラの設置については、適切な管理が可能であるかなど、慎重な判断が必要となります。
今年度に入ってから、自治会から防犯カメラの設置について要望や相談が寄せられておるなど、地域における関心の高さも認識をしておりますし、また、先ほどちょっと言葉として出させていただきました自治会まちづくりミーティングでも、自治会長さん方からもいろいろな御意見を賜っております。そういった背景から、補助制度創設に向けて、市内犯罪状況の把握、他市事例の研究や、自治会・関連機関などと調整を図りながら、前向きに検討を進めてまいります。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○副議長(岡部秀夫君) 9番 吉岡健君。
◆9番(吉岡健君) とっても前向きな答弁ありがとうございました。
先ほど言われました犯罪の件数、認知件数が2312から1700件、600件も下がったということは、これは市民の皆さん、先ほど申された14団体、それから自治会のパトロール、このおかげだというふうに思いますし、特に市長が前向きに対話をしながら、いろんな意見を聞きながら、そしていろんな無理をお願いしながらできた成果だと思いますが、これはやはり誇るべきことだと思います。
また、先ほど防犯カメラの設置につきまして、さまざまな意見、要望も出ているという、これが1つのいいチャンスだというふうに思いますので、ぜひともより前向きな、そしてなるべく早くこの制度が運用できますように期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(岡部秀夫君) 12番 水野盛俊君。
(12番 水野盛俊君質問席へ)
◆12番(水野盛俊君) 12番、政和クラブ、水野盛俊です。
議長の許可をいただきましたので、通告に沿って大きく2項目を順次質問させていただきます。
大変すらっとした議員さんのマイクを今思い切り下へ下げさせていただきまして、足の長さが随分違いますもんで。
私の取り組みますふるさとづくりK・N・S、今回はSの消防防災の観点から、道路行政についてと学校グラウンドについて質問をさせていただきます。
質問の前に、全国で台風を初め自然災害で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日でも早くふだんの生活に戻られますようお祈り申し上げます。
さて、6月議会閉会から、参議院選挙があり、リオオリンピック・パラリンピックがありました。リオオリンピックでは日本選手が活躍するたびに歓声を上げていたことが、ついきのうのようであります。また、引き続いて開催されたパラリンピックでも同じように日本選手の大活躍が見られ、4年後の東京オリンピック・パラリンピックヘの期待感が高まりました。一方、参議院選挙では、国政の安定を求める民意が示され、厳しい世界情勢に立ち向かう日本の確かな内政・外交が求められていると思いました。
4年目を迎えた浅野各務原市政は、先日の古田岐阜県知事と共同の米国スミソニアン博物館との協定にあらわれるように、国や岐阜県との連携を図りながら各務原市のブランド力を高めていく期待感がいたしております。
さて、以上のことを申し上げ、当市の市民生活にかかわる項目について順次2項目お尋ねいたします。
まず初めに、当市の道路行政についてです。
6月議会で、私自身、幹線道路の整備進捗状況について伺いました。防災面からも、ましてやふだんの生活面からも、あらゆる道路の維持管理は車社会の重要な行政課題だと思います。その観点からこの質問をさせていただきます。
例えば人間の体でも、動脈硬化などで血液の道が滞ると、健康な体を維持することができません。6月にも言いましたが、消防業務の救急搬送では、救急車の運転手は道路走行をする際に異常なほど気を使って運転をしております。これらのことから、防災都市・各務原市にとって、市内の慢性渋滞している道路の交差点の現状を伺います。
昔に比べ、車に依存する生活になれてしまっている私たちです。これからの社会生活が「車社会」と呼ばれてきた時代にかわって「何とか社会」と呼ばれるには、まだまだ考えられない時間がかかるものと思います。まちのインフラとしても、道路はまだ投資する分野であるとも思っています。昔に比べ道はよくなりましたが、一方、渋滞を起こしていることも事実です。それも一時のことでなく、慢性的な箇所も見受けられ、前回6月議会で政和クラブの池戸議員が、また1年前にも政和クラブ幹事長の川嶋議員初め、過去何度も政和クラブの先輩議員がこの課題について質問をしてきました。今年度に入り、その動きが実際にあったことから、3点質問をいたします。
1つ目、那加前洞新町地内、那加中通りといちょう通りが交差する交差点が改良されました。近くにはスシローというお店があるところですね。この改良工事の成果としてのその後の検証について伺います。
2つ目、先日、地権者の方々への説明会が開かれた蘇原中央通りといちょう通りとの交差点改良について、これまでの流れと今後の計画について、6月に引き続き、いま一度伺います。
3つ目、今紹介した2カ所以外に、市内の慢性渋滞を起こしている箇所と今後の対策を教えてください。
以上、よろしくお願いいたします。
○副議長(岡部秀夫君) 市長 浅野健司君。
(市長 浅野健司君登壇)
◎市長(浅野健司君) 水野盛俊議員の一般質問、市内道路交差点改良について3点ほどお尋ねでございますで、順にお答えをさせていただきます。
まず1点目のスシロー交差点の件についてでございますけれども、那加中通りといちょう通りの交差点改良は、8月末、先月末をもって工事を完了いたしました。地権者及び地元自治会の方々の御協力により完成できたということで、非常に感謝を申し上げたい、そのように思う次第でございます。
この交差点は、南北方向の右折車線がなかったことにより、右折待ち車両による恒常的な渋滞が長年の懸案となっておりました。今回の改良で、南北道路の拡幅による右折車線の設置と、歩行者用信号の増設などを行い、渋滞対策及び歩行者の安全対策を実施いたしました。まだ工事が完了してから日が浅いものですから、具体的な事業効果の検証・調査などは実施をしておりません。ですけれども、右折待ち車両で交差点の通行が滞る状態は完全に解消し、車両と歩行者の安全性が大幅に向上いたしました。南北方向が不便というイメージも一掃され、市民の皆様にとって大変有益な事業であったものと確信をしております。
続きまして2点目、銀行があるところの交差点になりますけれども、蘇原中央通りといちょう通りの交差点も同様に、南北方向には右折車線がなく、慢性的な渋滞が発生しており、蘇原地区の中心市街地でもあることから、特に改良の必要性が高い箇所と認識をしております。
この交差点については、今年度から4カ年の計画にて、南北方向の右折車線を設置するとともに、歩道もあわせて拡幅を行う交差点改良事業に着手をいたしました。8月には地権者及び周辺の自治会の皆様への事業説明会を行い、現在、交差点形状の確定に向けた詳細設計、用地取得に必要な測量、公安委員会との協議などを並行して進めているところであります。設計ができ次第、今年度から順次用地の取得にも着手する予定であります。慢性的に渋滞している状況や、この渋滞を避ける車両が周辺の生活道路へ迂回する状況を一日も早く改善できるよう、早期の事業進捗を図ってまいりたいというふうに思います。
3点目となります。市内の同様の交差点という点でございますけれども、市内全域の道路網を見てみますと、国道21号を初めとして県道、幹線市道を含む東西の主要な道路に対して、地勢的な特徴により南北の交通軸が弱い傾向があるため、近年の市の主要な道路改良事業は南北方向の交通改善を図るものが中心となっております。
慢性的な渋滞箇所として、日野岩地大野線のイオンモール周辺やいちょう通り交差点、国道21号に接続するおがせ街道などが事業中で、早期の完成を目指し進捗を図っているところであります。他の幹線市道の交差点についても、右折車線や歩道がなく、渋滞する箇所が多数ありますが、今後の交差点改良については、緊急時の重要度や交通量に応じ、国の補助金等を最大限活用しながら効率的な事業実施を努めてまいります。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○副議長(岡部秀夫君) 12番 水野盛俊君。
◆12番(水野盛俊君) 答弁ありがとうございました。
2点目の質問を再質問させてください。いちょう通りと蘇原中央通りですが、地権者の方、地元の方への説明会が行われたということですが、どのような雰囲気のもとで、どんな方向性を感じられたかをちょっとお伝えいただけないでしょうか。
○副議長(岡部秀夫君)
都市建設部長 服部隆君。
(
都市建設部長 服部隆君登壇)
◎
都市建設部長(服部隆君) 蘇原中央通りといちょう通りの事業説明会の様子ということの御質問についてお答えいたします。
事業全体の御意見といたしましては、出席者の方から、そこの交差点の南北方向の交通が右折車線がなく、非常にいつも渋滞をしていて、そこの交差点を通らないようにしている方も見えるということがございまして、早く事業に着手して、一日も早く整備をしてほしいという早期完成を望む声がございました。そんなような意見を複数の方からいただいております。また、当日、事業の概要について御説明をしたんですけれども、その事業の内容につきまして、一部道路の側溝が水があふれることがあるという御意見もいただいており、早期にその側溝の改修もしてほしいなどの御意見をいただきました。
このようなことから、市としましてはできるだけ早く事業完成を目指すとともに、その事業につきましてはできるだけ皆様の御意見をお聞きしながら進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○副議長(岡部秀夫君) 12番 水野盛俊君。
◆12番(水野盛俊君) ありがとうございました。
1番目のスシローの質問については、私自身、実は何度も自分自身で体験して、恐らくこちらの議員の皆さんも既に体験されたと思うんですが、本当にこんなにスムーズに走れるものやなということを実感しております。同じようなことを市内でもし感じておるならば、早いことそういうのは取り除かないかんなということだと思っております。まだ通ったことのない方は、ぜひ一度、スシローのところの交差点を通られると、本当に、ああ、道路というのはこういうふうに安全で通れるものやなということを感じられると思います。
2点目については、再質問をさせていただいたんですけれども、やはりスシローのところの工事が平成14年から立ち上がった事業で、おおよそ14年かかったということですので、今回の事業も、先ほど4年ぐらいでということをおっしゃっていただいているんですけれども、皆さんのためにも、ただ、工事中があそこが通れなかったり、いろんな事情が発生すると思いますので、駅に急いでいる人がというようなことがまたこれからも声が届くと思いますけれども、柔軟に対応していただきたいなということを思っております。
あと、市内の3点目の質問を市長に答えていただいたんですが、どうしても岐阜市の沿線的なまちで発展してきました関係上、東西には強いんですが、市長も言われたとおり、南北にあっては大きな道路が余りない私たちのまちであります。例えばバスの運行会社に聞きますと、本当に入れない道がいっぱいだということです。岐阜鵜沼線のような幹線道路がいっぱいあるというまちではありませんので、大きな道を頼れないということは、もう1つの言い方をすれば、はしご車とか緊急車両の大型のタンク消防車両が通過できない道がいっぱいであるということを私たちは知っておかねばならない。そのために、消防団の方にどんどん活躍していただく場があるということを感じた一人でもあります。
こんなことを申し上げながら、市内の道路の適正な把握と今後の対策により、より安全で住みやすい各務原市になりますよう一層の取り組みを期待し、そして来るべき航空宇宙科学博物館の
リニューアルに際しても、恐らく県内各地から、県外全国から、さらに世界からのお客様がお見えになると思います。その方々に来ていただいて、渋滞もなくスムーズに入られるような道路整備が進められるといいなということも感じております。あわせて、きょうの朝の新聞報道・マスコミでも御存じだと思いますけれども、2026年にはホッケーがアジア大会会場になるということも含めて、同じ地域にもありますので、ぜひ今から道路行政について取り組んでいただければと思っております。また、市役所の皆さんにお任せするのではなく、私たち市民も一緒になって取り組んでいければなということを思っております。
1つ目は以上の質問とさせていただきます。
次に、防災面のほうから学校のグラウンドについてです。
学校のグラウンドは昔から貴重な存在でした。私が言うまでもなく皆さん御存じだと思いますが、昭和20年の戦前までは各学校のグラウンドは、食糧確保のため、サツマイモ畑でした。地域のお年寄りの皆さんは、恐らくほとんどの方がその光景を見ていらっしゃると思います。その後、子どもたちの大事なグラウンドとして、中には、子どもにとって大事だからグラウンドへは車の乗り入れはいかんと言われる方もいらっしゃいます。遊んだり転んだり、無邪気に遊ぶ子どもたちにとって聖地、グラウンドは気持ちの上でも神聖で大切なものでしょうね。
最近そのグラウンドは、災害発生時の大切な避難所、駐車スペースとなります。毎年、日本各地で発生する災害の貴重な避難所として活用され、随分と役立っています。幸い当市がそのような場面にあったのは、平成14年北部林野火災、通称「権現山火災」のときに、東山、蘇原持田町、蘇原清住町の住民の一部の方々が避難経験された事例がありますが、ほかではまずないと言ってもいいと思います。しかし、いざとなったときに十分に活用されるものでもあります。
このグラウンド、つい最近のことですが、ゲリラ豪雨に見舞われた私の住む近くの小学校でも、下校時間に重なったため、大雨で、家族の方へ引き渡し、要はお迎えが実施されました。翌朝、挨拶運動のために小学校へお邪魔すると、朝早くから一面タイヤの跡がグラウンドにいっぱいでした。校長先生初め先生方は、汗だくでトンボを引いておられました。近所の方によれば、雨の中、一生懸命先生が旗を振って学校へ入る車を誘導していたよということでした。以上が1つの事例であります。
確かに1年に1回ぐらい、子どもの送迎のためにグラウンドに入ろうとする車が学校入り口付近で渋滞している光景を目にすることがあります。きょうは若いお母さんたちもいっぱいいらっしゃいますので御存じだと思うんですが、PTA総会やリサイクル事業でも同じ光景を目にしたことがあろうと思います。
私なりに何でと考えてみました。その1つの答えに、校門が1つと思いました。災害が発生したときにも同じことが言えると思い、学校付近の渋滞を起こさないように、今から対策を講じてはいかがでしょうかというのが質問、提案であります。
ふだんのときからルールができるように、ある意味、一方通行を当たり前にするようにグラウンドを使う。校門を入り口専用、出口専用にして、動脈硬化を起こさないように、避難所としてのグラウンドを整備してはいかがでしょうか。そのために、市内の第1次避難所の小学校、第2次避難所の中学校の中で、校門が1カ所の学校のグラウンドを将来の整備で複数の校門にしてはいかがでしょうか。
以上を提案し、御質問とさせていただきます。
○副議長(岡部秀夫君) 市長公室長 山下幸二君。
(市長公室長 山下幸二君登壇)
◎市長公室長(山下幸二君) 水野盛俊議員の学校グラウンドの適正整備ということで、防災対策面から学校の正門を2カ所以上設けてはどうかという御提案でございます。お答えのほうをさせていただきたいと思います。
本市の地域防災計画では、震度6弱以上の地震が発生した場合、もしくは災害の発生その他により必要がある場合には、道路交通規制が実施されますので、原則として避難のために自家用車を使用しないこととしております。災害発生直後から48時間までは緊急車両等の通行確保を最優先に、3日目以降14日まで、2週間までの復旧期間については物資等の大量輸送の効率化を最優先にする必要があるからでございます。
しかし、本年4月に発生しました熊本地震においては、震度7の地震が2回襲いました。短期的に震度7の非常に強い揺れが同じ地域を襲うことは前例がなく、屋内での避難に不安を感じた方々による学校グラウンドなどでの車中泊という問題がクローズアップされた面がございました。
今後、車両での避難、あるいは学校グラウンドへの車両の乗り入れについて、熊本地震の検証や、国において検討されている車中泊に関する指針等を研究しながら、また他市町村の計画を調査した上で、御提案の件については、必要があれば教育委員会、あるいは学校関係者と協議を行ってまいりたいと思っております。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○副議長(岡部秀夫君) 12番 水野盛俊君。
◆12番(水野盛俊君) 答弁ありがとうございました。
ちょっと聞き漏らしたかな、同じことを聞くかもわかりませんが、基本的に、総合防災訓練とは別の各小学校単位の防災訓練が行われているんですが、歩いて来てくださいねというのが訓練の前提だと思います。それと同じような想定として、地域防災訓練では、小学校へ避難をする場合には車では来てはいけませんよというか、歩いて来てくださいというのが大前提になっておる、100万分の1しかないだろうと思われる本番のときも、車での学校への今のところ乗り入れはやめてくださいというのが現実ということだけちょっと確認させてください。
○副議長(岡部秀夫君) 市長公室長 山下幸二君。
◎市長公室長(山下幸二君) 地域防災計画上、運転者のとるべく措置ということで、車については使用しない、避難のために車は使用しないということで定めております。先ほど申しましたように、車両があることによって緊急車両が通れないとか、消防車、救急車等通れないという状態もあります。道路の破損もあります。そんなような形で、原則、車両による避難は考えておりません。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○副議長(岡部秀夫君) 12番 水野盛俊君。
◆12番(水野盛俊君) ありがとうございました。
自分の先ほどの文章の中にもありましたように、若いお母さんたちを中心として、またお父さんもそうだと思うんですけれども、学校に在学している親さんは、ふだんからリサイクルとかPTA総会を含めて学校へ車で乗り入れるというのが、正直、下手くそな言い方かもわかりませんが、癖になっているわけです。そのときに、災害が発生したときに車はだめよということが、本当にルールを守れるかどうかというのをちょっとまだ私自身課題として思っておりますので、あらゆる場面を通じて、学校教育関係の部局かもわかりませんが、小学校のグラウンドの使用についても含めていろんな形で協議していただければということをお願いし、私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(岡部秀夫君) これより午後3時10分まで休憩いたします。
(休憩) 午後2時49分
───────────────────────────
(再開) 午後3時10分
○議長(古田澄信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
7番 永冶明子君。
(7番 永冶明子君質問席へ)
◆7番(永冶明子君) 日本共産党各務原市議団、永冶明子でございます。
議長のお許しをいただきまして、大きく3点について質問いたします。市民が置かれている実態に寄り添う姿勢を行政の基本に置いて事業や施策を打ち出されることを強く求めて、質問をさせていただきます。
1点目は、介護保険制度から総合事業に移行することについてです。
要支援者の現行相当サービスがどうなるのか。現行相当サービスの維持、現行サービス事業費の確保は、市の裁量で決められます。本市の総合事業の本格実施に向けた具体的な方針と中身をお聞きいたします。
介護保険が始まって17年目ですが、安心の介護は実現したとは思えません。全国では、介護心中、介護殺人は表面化しているだけでほぼ毎週1件の頻度で起きている。家族が要介護状態になって仕事をやめる介護離職は年間10万人、特養ホーム待ちは入所者数より多い52万人、減り続ける年金では入りたくても入れません。介護難民です。介護施設、介護事業所は、介護労働者が集まらず、慢性的人手不足で介護崩壊が迫っている。
こうした実態を生み出していながら、安倍政権は、国民の追い詰められた現実を見ないばかりか、社会保障費を毎年削減し続け、その一方で軍事費は5兆円超えの増額とは、あきれた政府です。今後も要介護1・2の切り捨てなど社会保障費は削り続け、自助・互助で国民をさらに追い詰める最悪のシナリオを強行します。介護離職ゼロなどと打ち上げていますが、政策は全く真逆で、介護保険から軽度者を今後も切り捨てる改革、大改悪を強行しようとしています。
2014年の地域医療・介護総合確保法による介護保険法改定で、地域支援事業が大幅に再編され、市町村は、15年度から17年度の間に移譲された介護予防・日常生活支援総合事業、これをこれから総合事業と言いますけれども、必ず実施をするということになりました。
各務原市は、今年度4月から総合事業を本格実施・完全移行をし、猶予期間の最終年度を残して1年前倒しで実施をいたしました。3月議会で総合事業移行についての私の質問に、市長はよそより早くやる旨の答弁をされ、
健康福祉部長は、地域支援事業に移行しても引き続き介護保険事業としてサービスの内容、料金などに変更なく提供いたしますと答弁をされています。だから総合事業に移行しても何も変わりません、問題は起きませんと言わんばかりでしたけれども、果たしてそうでしょうか。
国は早期移行を急がせていますが、今年度実施の市町村は全国で3割です。厚労省は、介護保険制度内のサービスの提供であり財源構成は変わらない、形式は変わるけれども、介護保険制度の枠から外れないかのように説明をしています。しかし、ごまかしです。財源的にはそうでも、地域支援事業が介護保険制度の本体ではなくなったわけで、市町村の総合事業という事業になったということに保険制度と事業の大きな違いがあります。
介護保険では、在宅サービスの大部分を要支援者も要介護者と同じように利用することができていましたけれども、改定で、予防給付のうち訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)が保険から廃止され、市の新たな総合事業の中で訪問型サービス、通所型サービス、生活支援サービス(配食等)、介護予防支援事業(ケアマネジメント)をつくって移行させて、保険事業を外された要支援者の受け皿としたわけです。明らかに保険制度から軽度者を追い出して、市町村の事業に移行させて、介護予防を強力に進めて保険給付の抑制を狙うものです。
厚労省は、その受け皿のためにガイドラインを定めており、市町村が多様なサービス提供をつくり出すために、地域の実情に応じてサービスを類型化して基準や単価等を定めるとしています。市町村任せの事業になるわけです。移行当初の現段階は、先ほども言いましたように、現行の事業者がみなし指定で現行相当サービスを存続します。しかし、何しろ市が多様なサービスをつくり出すことは容易なことではありません。質的、量的に要支援者のニーズに応えるサービスを整備することは、困難な課題に直面することになると思います。
1つ目の質問で、国の定めているガイドラインは、この多様化するサービス類型を4タイプに分けて示しました。1つ目は現行の訪問介護等に相当するサービス、2つ目は緩和した基準の訪問型・通所型サービスA、3番目はボランティアなどによる訪問型・通所型サービスB、4番はサービスCで、保健師などによる従来の2次予防事業相当です。2017年度からの事業運営は、この4つの多様なサービスを整備していくことになるのだと思いますが、どのように検討され、準備に取りかかっておられるのか。状況、方針について説明をしていただきたいと思います。
2つ目の質問に入ります。
懸念されるのは、現在の介護従事者(介護労働者)の待遇でございます。
2015年4月に介護報酬マイナス改定が出されました。世論に押され、介護職員の処遇改善、介護サービスの充実についてはわずかなプラスがあっても、その他のマイナスが大きく、報酬は大幅に引き下げられました。要支援のデイサービスは20%以上もの引き下げです。介護事業所の年間倒産件数が過去最高になったのも記憶に新しいところです。
本市でも、介護事業所は、運営に、人材確保にさらなる厳しい対応を迫られることになっているのが実情ではないですか。市は介護関係の事業所の実態把握をどのようにされているのか、実態を節目ごとに報告していただきたいと、このように思います。
そもそも介護職員の不足は恒常的な問題ですけれども、最大の原因は低賃金です。全労働者平均より10万円も低く、職員不足のため入所制限する特養などがふえています。そこへこの介護報酬の削減です。政府のこうした連続した社会保障の切り捨てが介護施設の運営、職員の働く現場を直撃していること、そこに怒りの声が上がっています。市は、国の押しつける切り捨て政策をそのまま執行するのではなくて、現場をつぶさに調査して、本当に働きがいのある介護現場、介護従事者の処遇をつくり出すことが急がれると思います。
総合事業に移行した今の現段階では現行相当サービスの提供になりますけれども、問題はその単価です。総合事業で、国はガイドラインで示す上限額を超えないように事業内容を押しつけてきます。これに追随して市町村でさらなる単価引き下げをすれば、サービス提供どころか、事業も継続できなくなります。
2番目の質問では2つ項目を設けました。
介護従事者の処遇を保障するためにも、少なくとも今後についても報酬単価を引き下げないこと、現行相当の単価を保障することが必要です。そのお考えをお聞かせください。
2つ目に、国の示すガイドラインの上限額がありますけれども、予防給付の報酬単価は市町村が定めることになるわけです。上限を超えた額は市が単独で上乗せをして、サービスの後退をさせない、介護職員の処遇改善に必要な費用を保障すべきです。市の対応いかんでは大量の介護難民を生み出しかねませんし、労働者の待遇もますます悪くなります。喫緊の課題であり、またこれは永続的な対策が必要です。この点についても市のお考えをお示しください。
次に3つ目、介護手当についてお尋ねします。創設を求めて市のお考えをお聞きいたします。
市では、介護保険制度が始まる前までは介護慰労金制度があり、在宅で家族、親族を介護されている方をねぎらう支援金として温かい支援の施策がありました。国の進める介護保険制度は「住みなれた地域で」という言葉をかざして地域、在宅へと押し戻そうとしており、自助・互助を徹底する方向であることは明白です。長く保険料を徴収しながら、保険制度から追い出し、利用料を上げて、介護は家族で、自分たちで支え合えというわけですから、国家的な詐欺だと言う識者もいます。
削減される一方の社会保障改悪の真っただ中で、精神的にも肉体的にも追い詰められる状況に耐えながら、家族介護に日々の大半の時間と休まらない心身を抱えて頑張っておられる方に、1カ月の数回でも介護サービスを利用できる程度の慰労金で支えるこの制度を復活されるように御検討を求めます。笑顔あふれる元気なまち、このフレーズを実感できる市単独の支援施策の1つとして、介護する方にほっとできる時間を贈る、そんな取り組みの創設をするお考えはないのか、市長にお聞きいたします。よろしくお願いします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 三輪雄二君。
(
健康福祉部長 三輪雄二君登壇)
◎
健康福祉部長(三輪雄二君) ただいま御質問にございました総合事業、要支援者の現行相当サービスの維持と確保ということで、まず1番目のほうですね、多様なサービスの整備の中身はという御質問でございます。
こちらにつきましては、介護予防・日常生活支援総合事業は、要支援者の介護サービスとして提供されていた訪問介護、通所介護を地域支援事業へ移行するもので、本市では平成28年4月より順次実施し、今までと同等のサービスを提供しているところでございます。
来年度以降の事業としましては、通所型サービスは、現在提供しているサービスに加えて、運動やレクリエーションを中心としたデイサービスや、身近な場所で体操や運動等の活動を行うサロンなどに対する補助制度の創設を現在予定しているところでございます。また、訪問型サービスにつきましては、こちらも現在提供しているサービスに加えて、掃除や洗濯のような生活支援のみを専門職でない者が提供する低料金サービスや、住民の方が自主活動として行う生活支援などに対する補助制度の創設を予定しているところでございます。これによりまして、サービス利用者の選択肢が広がるとともに、自己負担の軽減を図ることもできると考えております。
サービス内容や単価につきましては、現在、各務原市介護保険サービス事業者協議会やボランティア団体と協議中であり、厚生労働省の示すガイドラインに従い、事業の創設を進めてまいりたいと考えております。
その次ですが、有資格者の介護従事者の処遇改善についてでございます。
ただいまお話しさせていただきましたように、来年度以降の介護予防・日常生活支援総合事業メニューは、現在提供しているサービスに加え、体操や軽い運動を中心としたデイサービスや、生活支援のみを行うホームヘルプサービスを計画しているところでございます。また、地域のサロンなどが自主的に行う事業への支援も行い、地域の活性化も推進していく予定でおります。
新しいサービスにつきましては、事業の内容に応じて国のガイドラインに従い料金を設定する予定でありますが、これは利用者にとって低料金で御利用いただける価格の設定となってくるものと思っております。また、労働につきましては、介護者に比べてかなり負担が減るような形でこの仕事に従事することになると思いますので、賃金のほうも若干安くなる形になるかと思います。このあたりはボランティア協会、ボランティアの皆さんとか、先ほど申しましたようにボランティア団体、それから介護保険サービス事業者さんと相談して順次決めていきたいと考えております。現在のところ、市独自で上乗せを考えていくことは想定しておりません。
3番目ですが、介護手当で在宅介護の支援の考えはということでございますが、本市の在宅介護者への支援は、介護保険サービスの充実により、金銭給付による支援から事業による支援へ転換し、各種事業を展開しているところでございます。具体的には、家族介護者に介護方法のアドバイスや、ハンドマッサージ、アロマテラピーなどにより、みずからをリフレッシュしていただく場を提供するため家族介護者教室を、認知症の方もその介護者の方も御一緒に参加していただける認知症カフェを、それぞれ地域包括支援センターで開催をしているところでございます。
このように、今後も家族介護者に対する支援事業を展開し、サービスの提供を推進していきたいと考えておりますので、現在行っている事業による支援から、昔のような金銭給付による支援への見直しは現在のところ考えてはおりません。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 7番 永冶明子君。
◆7番(永冶明子君) 一定お示しをいただきました。
要支援者のホームヘルプサービス、それからデイサービスについて、現行サービスを残していくということですけど、ホームヘルパーは、先ほどおっしゃいましたが、無資格者による生活援助型訪問サービスを新設するということになり、その報酬単価は現行の介護予防の訪問介護より大きく引き下げることになるということだと思います。それからデイサービスも、短時間型というか、そういうふうに時間を狭めて通所サービスをつくっていくようなこともいろいろ考えられると思うんですけれども、これも報酬単価を下げていく。こういう各務原市の方針の中で、この報酬単価もそういうことで、現場でボランティアを使う、言ってみれば安上がりなサービスを住民の少し研修を受けた方にやってもらうということですね。
やはり総合事業に移行しても、要支援者が今の状態を維持するためには、やはりヘルパーさんの専門的な知識に基づいて、いろいろと会話をしたり、そうした要支援者の介護度がこれ以上悪くならないようにしていくための保障をしていくことが必要だと思います。結局、重度化すれば、さらに介護度が上がって、さらに費用がかかるということになります。今の現行どおりとされている条件と内容で引き続きホームヘルパー、デイサービスを利用できるようにすることを求めますけれども、どんどんサービスを低下させていく方向だという今お答えでした。これを現行サービスを続けることを求めますけれども、御答弁をお願いします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 三輪雄二君。
◎
健康福祉部長(三輪雄二君) 訪問サービスも通所サービスもそうですけど、とりあえず従来どおりのサービスは継続していきます。これはもちろんやっていきます。
それ以外に、例えば生活支援、生活支援というと買い物とか洗濯、そういうのにちょっと困っているような人は、それだけ利用したいという人もやっぱり中にいたりしますよね。当然そういう人はいますよね。そういうのでちょっとお手伝いをしてほしいという方なんかがいますよね。そういう方に、従来のヘルパーさんと違って、その部分だけの、要するに身体の介護をしてもらわない。身体の介護をするとやっぱりそれなりに免許みたいなもの、資格というのが必要になってくるんですけど、身体介護を除いた部分でのサービスも提供できるように、それをさらにプラスアルファするという意味合いです、これは。
訪問もそうですし、通所もそうなんですけど、例えばデイサービスへ行きますよね、通所型で。デイサービスへ行って、お風呂もセットになってついているのが従来のデイサービスです。でも、私はお風呂に入りたくないよと、お風呂に入らなくてもいいから料金が少ないほうがいいよという人も中にはやっぱりいたりするんですよね。そういうサービスを新たにまたつくったということです。メニューをふやしたと。従来どおりのお風呂へ入るデイサービスもあれば、お風呂は入らずに、当然お風呂へ入らないんだから身体介護を受けないからそんなに手間もかからないということで、低料金で利用できるサービスというのを新たに別に創設したということなんですね。
従来のサービスよりももっと軽いサービスで、利用料金が少なくて利用できるサービスを別につくりましたということ、改めてつくってプラスアルファしましたということです、これは。従来のやつを見直して、なくしてしまって、やり方を変えたというわけではないです。逆に選択肢をふやしたという説明を先ほどさせていただいたんですね。
当然、身体介護をしないようなサービスを新たに創設しましたから、当然そこでは介護職とかいう資格というのが必要ない、ない人でも従事できるようになるんですよね。だから逆に、そういう人たちも普通の人たち、要するに臨時職員と言ったらおかしいんですけど、そういう感覚でかかわることができる仕事もふやしたということです。より多くの人が介護事業にかかわることができるようにさせてもらって、さらに利用できる料金を低額に設定をしていこうという考えでいるということですので、幅を広げている話になるんですが、雇用の面においても、利用者の利用の面においても、選択肢をふやしているという話になると思うんですが、後退しているというふうには私どもは考えてはおりませんので、よろしいでしょうか。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 7番 永冶明子君。
◆7番(永冶明子君) ありがとうございます。
健康福祉部長の説明をお聞きしていても、やはりなかなかこの事業、こういう総合事業として始める介護の分野というのが、多様なサービスをつくればつくるほど、人的な充実や、介護が必要な人に一人一人に合わせたサービスをつくっていくという過程の中では、本当になかなか、じゃあ、住民の人にそういうボランティアで募って、すぐに対応してくれる元気なお年寄りとか、そういう方が常に用意されるような状況をつくれるかというと、なかなかこれは大変で、部長は大変、バラ色とは言いませんけど、すごくいいふうになるようなお話でしたけれども、実際には、安上がりにしていくということでは介護の質が落ちていくということ、それから働いている人もそれだけの雇用を、処遇を、これはなかなか三輪部長が説明されたときも立て板に水というぐあいにいかなかったのは、そういうところではなかなか市の事業として、今後ガイドラインに沿って、しかも国が決めた上限額を超えない、超えた部分を市は上乗せしていくこともしない。そういう中で、現実、介護を必要とする人、それから後期高齢者になっていく人の数の伸びというのは抑えられないわけですから、その現実とのはざまで大変な状況になって、ますます介護難民ということですかね、介護が行き渡らない人、それから要支援の人が低料金で利用できると言いますけれども、やはり要支援の人は支援が必要な段階の人です。その人に適切な専門的な介護がなされない。結局、保険制度から切り離されて地域で支えていくよということになると、その分やはり適切な改善していく方向になかなか向かわないという現実が起きてきますので、このところは、今お示しいただいた方向は、これはなかなか前途多難、厳しい状況を生みますので、やはり現行のサービス相当のものを続けていただきたいと思います。
○議長(古田澄信君) 永冶議員に申し上げます。ずうっとお話をされておりますが、個人の御意見ばっかりなので、質問は簡潔にお願いいたします。
◆7番(永冶明子君) 次の質問に移る前に、サービスを現行相当にやっていただくことを強く求めて次の質問に参りますので、そのところをしっかり、今後も引き続きその部分を指摘して質問させていただきますので、よろしく改善の方向を……。
○議長(古田澄信君) 次に移ってください。次の質問に移ると言われたので、次に移ってください。
(「かみ合わない」との声あり)
◆7番(永冶明子君) 私の考えを言って、今の部長の……。
○議長(古田澄信君) 今は再質問の立場なので、再質問をお願いしているんです。
◆7番(永冶明子君) 次の質問に行きますけれども、このサービスを……。
(「意見が長過ぎる」との声あり)
○議長(古田澄信君) 意見がどんどん長いので、そうして注意をしているんですから、そのように従ってください。以上です。
◆7番(永冶明子君) かみ合わなくないです。今お答えになったことに、総合事業について求めているわけですから、しっかり受けとめていただきたいと思います。
次に、学童保育の民間委託について質問いたします。
子どもの育ちに責任を持つべき市の公的運営の意味を問い、問題を提起して質問をさせていただきます。
昨年末、市は、市内3カ所の学童保育の運営を民間会社に委託するとして、議会にも保護者にも全く説明もなく、いきなりネット上で事業者の募集を行っています。学童保育の年齢を6年生まで引き上げたことで入所者の増加が見込まれて、対応する支援員がなかなか集められないと、今年度4月からの運営に間に合わせるため、急遽、派遣業務も兼ねる民間企業、株式会社シダックスを指定して支援員の募集を強行したのです。支援員は教員免許など資格要件を満たしているとはいうものの、そっくり入れかえとなって、これまでの支援員も保護者も少なからざる疑問の声や、間に合わせのやり方に抗議の声が上がりました。しかし、民間委託についての説明は市からはありませんでした。
学童保育という場には、学校とは全く違うはずの放課後という解放された時間と空間が与えられていると思います。きちんと前を向いて一斉に授業を受けるという組み込まれた授業システムの中で受ける教室とは違って、学童は、子どもたちが学校から解放されて、安心して過ごせる自由な家であるべきです。その価値を保障してあげるべきです。
子どもたちが本音を見せたり、学校から解き放たれた数時間、心の何かを埋める時間、何げないひととき、束縛されずに友達と楽しめる遊びの場、宿題もやるけど好きなことも自分が見つけて没頭できる場、いろいろな表情を見せる学童保育は、学校でも家でもない、大切な放課後という時間をどう値打ちのある時間にしてやれるのかという点で、公的な責任と使命が裏打ちされてあるべきだと思います。本来の学童の値打ちをもう一度考え直してほしいと。学童保育の出発点、子どもたちの居場所としての値打ちを喚起する意味でも、民間委託にした安易さの問題も指摘しておきたいと思います。
民間委託の決定は、業者の選定、入札、契約で決められましたが、市場経済でもうけを出すべく運営をしている企業にとっては、効率や成果を優先させることになりかねません。子どもたちの気持ちや親の思いを、一人一人に寄り添って、心を通わせて育む丁寧な対応ができるのか大変疑問です。心配です。厳しい業績アップのためには、何かがなおざりにされかねないのです。株式会社シダックスも営利追求抜きには経営できません。それが企業です。
この春、預ける親たちや子どもたち、支援員には報告なく、相談もなく、意見や疑問に答える機会も持たれず、支援員は入れかえられスタートをしました。こうした市の姿勢の安易さを指摘する意見も多く、数時間預かるだけだから誰でもいいと考えているのではと、市の姿勢をこうした安易さであらわしているという声も聞かれました。忙しい保護者からいろいろな思いや意見を出されましたけれども、一番向き合うべきは子どもたちではなかったでしょうか。ここが大人の都合で決められていくばかりだったことに、何か忘れてはいませんかと言いたいです。
子どもたちと信頼関係を築いてきた支援員、子どもたち一人一人の心、預けて安心して働けていた母親たちの思いは、業者に委託されたところで途切れてしまいました。決定する前に、もっと現場の支援員さん、親さんに報告して、どうすべきかをその思いを集めて判断すべきでした。
支援員にとっては、事業者によって雇用関係、雇用条件が変わり、雇用期間が限定的で、企業に雇われている立場であり、公的な直接雇用の関係がない点でも市の責任を緩めたことになります。市との直接雇用であっても、支援員さんは不安定雇用です。子どもたちを預かる責任は同じように重いものです。公的責任を働き方の面でも保障すべきだと考えます。
以上のことを踏まえてお聞きをいたします。
市に、間に合わせるために民間に委託すればいいという安易さはなかったのか。子どもたちのことを一番に考えた学童保育の本来のあり方、放課後という時間が子どもたちにどんな値打ちのある時間かを見直し、子育てを市が直営で責任を持ってやる、このことの意味をもう一度考え直して運営すべきだとお考えにならないのか、その点をお聞きいたします。
2番目に、子どもさんの育ちを支える公的な責任を果たすべき立場から、この間の動向を踏まえて、来年度からの市の学童保育の民間委託に歯どめをかけるべきです。次年度以降の民間委託を中止するお考えはないのか、お尋ねをいたします。
2点、よろしくお願いいたします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 三輪雄二君。
◎
健康福祉部長(三輪雄二君) 多分またちょっとかみ合わないかと思いますけれども、まず1番目の公的責任を果たす学童保育こそ本来の値打ち、直営で運営すべきということに対してお答えさせてもらいます。
平成27年4月より子ども・子育て支援新制度が本格的にスタートしました。学童保育に関しては、国が放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を示したことにより、支援員の要件や配置基準、設備の基準などが以前より厳格になってきております。加えて本市では、児童福祉法、法律ですね、法律の規定に基づき、平成28年度から入室対象を6年生まで拡大したことや、さらに低学年の入室者が増加していることから、学童保育全体の入室希望者は増加の傾向にあります。
このような中、支援員や施設の確保は喫緊の課題となっており、増加するニーズに応えつつ適正な学童保育室の運営を図るため、今年度は新たに3つの小学校の学童保育室を民間事業者に運営委託しました。学童保育室への入室希望者は、今後ますます増加することが予想されます。本市といたしましては、入室希望に応えていくため、運営の形態にこだわることなく、学童保育事業を安定的に実施することが最も重要な責務だと考えております。
2つ目の、次年度以降の民間委託の中止をということです。
今お話しさせていただいたとおり、今年度は新たに3校の学童保育室を民間委託しましたが、市はアンケートにより利用者の意見を聞いたり、事業者への聞き取りや実地調査を行うなどし、適正な運営がなされていることを確認しております。
また、民間委託の形態であっても、入室決定や保育料の徴収などは市が行っており、市の責任において実施していることに何ら変わりはございません。よって、学童保育の民間委託を中止する考えはございません。
ちなみに、川島の2カ所につきましては、川島と合併したときからずうっと業務委託でやっております。評判は上々でございます。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 7番 永冶明子君。
◆7番(永冶明子君) 民間に委託しても何ら問題はないということですけれども、そこに、先ほども言いましたように、親の思い、子どもたちの思いが抜けているんではないんですかと。そこに対して丁寧な説明や理解を得る働きかけがあったのかどうかといえば、今回の民営化については、そこはいろんな批判がありました。その点についてどのように考えておられますか、もう一度お伺いします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 三輪雄二君。
◎
健康福祉部長(三輪雄二君) 支援員の方にも保護者の方にも説明はいたしました。いろんな意見は確かにあると思います。しかし、私どものほうは、先ほど申し上げましたように、預かる環境というのをまず整えなくてはいけないんですね。一番問題なのは、やっぱり夏休みとか一気に預かってほしいという人たちがふえる環境、このときに本当に職員が倍必要になってくるんですよね。それも7月20日から8月31日の夏休みの1カ月、40日前後、そのあたりの期間だけ働いてくれる人をさらに探さなくてはいけない状況があるということなんですね。これはなかなか見つからないんですよ。さらにそこで1人当たりの預かる上での面積要件、それから人的要件、そういったものが国のほうで示されておりますので、その基準に合わせた形で運営もしなくちゃいけない。
さらに、人材がやっぱり確保できないという部分がありまして、冬休みとか春休み、こちらについては、実質、希望される方を受け入れできないような状況にあるんですね。これではとてもじゃないですけど住民サービスにつながらないということで、やはりしっかりとそのあたりを手当てしていく必要があるだろう、そこがやっぱり市の責任で一番重いところではないかということを私どもは考えております。
したがって、そういった環境を整えることができるのであれば、その形態というのはどういう形であれ、どちらにしても最終責任は全部市が負うことになります。入室決定も市でやりますし、それから中で起きた問題についても市が責任を負うというのは、それは業務委託であろうが、直営であろうが、何ら変わりはありません。同じです。そういった環境を整えることが一番大事だというふうに私どもは考えておりますので、そこをまず優先的に整えて、環境を整えて、市民の方が気軽に利用できるような状況をつくり出していきたいと思っております。そのためには、民間の力をかりることができる部分があれば、それはやっぱり民間の力をかりて、協力し合ってやっていきたい、そのように考えております。
先ほどもお話しさせていただきましたが、川島の2カ所の保育所で今預かっているところがあるんですけど、こちらは完全に業務委託でやっております。これは合併のときからずうっとそうですよ。直営じゃないですよ。でも皆さん、満足度は一番高いです。申しわけないんですけど、直営でなければ満足しないという考え方は、ちょっとそれは違うと私は思いますね。
やはり利用される方にとって、いつでもお願いしたら預かってもらえる、そういった環境が整っていること、そこの整備ができていることが一番大事なんじゃないでしょうか。受け入れできなければ、どんないい考えを持っていても、子どもの発育とかそういうことを考えて、育成とかそういうことを言っても、受け入れできなければ何ともならない状況だと思いますので、やはりそこの一番根っこの部分が一番今問題になっていますから、そこの部分をやっぱりしっかりと整備していくためには、運営形態にこだわろうという考えは私どもにはございません。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 7番 永冶明子君。
◆7番(永冶明子君) 確かに食い違っていたと思います。私の質問したのは、子どもたちの育ちについて基本的には市はどういうスタンスを持っているかと。環境を整えなければならない、そうした国の突然のと言ってもいいくらいのこうした基準の拡大とか、それに対応するにはいろいろと御苦労があることはもちろん承知しています。そういう中で、どうしても見つからなかったから民間の力をかりるという現実があったということもわかりますけれども、そのやり方についての基本的に子どもの育ちをやはり保障できる公的な責任というのは、やっぱりそこは裏打ちされていなければならないということを考えますので、確かに環境を整備するのは市の責任であることの大きな1つですけれども、ほかにも、肝心の子どもたち、親のことを抜きにはやっぱり進めていけない事業だと思っていますので、今後とも拡大していくという御答弁でしたので、そのことを今後も問いかけながら、事業をやっていかれるように希望したいと思います。
次の質問に移ります。
3番目の防災対策の質問です。
防災対策の一環で、事前特設公衆電話の設置についてお聞きいたします。
災害時の情報通信手段として、今のところ最も有効なのは公衆電話です。東日本大震災以降も、たび重なる災害を経験する中で、幾つかの通信インフラの中でも公衆電話の有用性が認識されて、常識化されてきたのではないでしょうか。
1990年代の後半から、携帯電話などの普及もあり、NTTなどは月一定額の利用がない公衆電話の撤去を進めてきました。市内でも、街角の公衆電話ボックスを見かけなくなって久しいです。しかし、停電時では、携帯電話やスマホは電池切れや電源がなければ使えず、インターネットもしかりです。IP電話(光回線、ADSL、ケーブルテレビ回線)は電気が流れなければ全く使用できず、防災対策で設置したはずが、役に立たなかったまちもありました。一般固定電話でも、停電時にはつながらない機種が多いと聞いています。電気を使わない通話のみの黒電話は、全て使えるそうです。以前、女子中学生の誘拐事件で、たった1個の10円玉か100円玉で駅の公衆電話から警察につながり、犯罪から逃れた事例がありました。公衆電話を減らし過ぎたことで、お年寄りや子どもの通信手段が絶たれたことになっているのではないでしょうか。
地震など災害発生時には、身を守ることと家族の安否確認が重要な行動になりますが、被災地からもその逆に、全国から被災地へ通話が殺到して、通信網のふくそうがあってパンク状態になり、通話規制がされてしまいます。そうした事態に、安否連絡の有効な手段は公衆電話です。非常用電源などの即時対応ができないとき、公衆電話は電源を電力会社とは別に確保してあり、優先して使える回線で、最も災害対応に有効と言えます。
市内には、福祉センターなど公共施設や避難場所に指定されている各小学校には設置してあるとのことですが、数や位置からいって限定的ですし、自治会の防災マップなどには、消火器や消火栓の位置のように、公衆電話の設置場所を記載したものがありません。NTTは、公衆電話の撤去方針や防犯上の問題を理由に、防災地図に記載することに後ろ向きだからです。
さて、突然の発災時には、安否連絡に有効な対策に災害用伝言ダイヤル171があります。昨日25日の防災訓練では、NTTでしたけれども、会場に特設公衆電話の機材を設置して、災害用伝言ダイヤル171の使用体験ができるコーナーがありましたので、私も体験訓練をしまして、声で家族を確認できる安心感を実感できました。
しかし、非常時に身近なところに開設されるとは限りませんし、常設されていません。いざというとき即時に使えて連絡が取れる公衆電話として提案したいのは、特設公衆電話の事前設置です。市内の身近な公共施設、自治会公民館などに平常時から屋内配線、モジュラージャックを設置して、災害時には電話機を差し込むだけで特設公衆電話が開設できます。電話機は別の場所に保管をしておき、通常は使いません。
この事前特設公衆電話を既に設置している自治体は、県内では岐阜市、多治見市、大垣市、中津川市、高山市です。岐阜市は、市内50の公民館、文化センター、ハートフルスクエアGなどに複数回線のモジュラージャックを設置しており、特設公衆電話差し込み口の位置を示す案内板が大きな文字で張り出されていました。ぜひ本市も取り入れるべきだと思いますが、市のお考えをお聞きいたします。
2つ目の防災対策の質問です。
1次避難所まで歩いて避難できない方をどのように危険を避けて避難させるのか、1人で避難する状況のときにどこに避難したらいいのか、具体的な対策を示す必要がありますけれども、こうしたきめ細かい対応を市はどのように対策するとお考えなのか、お聞きします。
私の町内にも、長距離を歩いて避難できない高齢者や、長い道のりを自力で歩くのに抵抗のある方が多く見えます。1次避難所は小学校ですが、歩行困難者にとっては容易にたどり着ける距離にありません。最近の台風や集中豪雨に備えて避難準備情報や避難勧告などが出されたときに、皆さん果たして1次避難所に避難されるでしょうか。
先日9月11日、校区ごとの避難訓練がありましたので参加しましたけれども、一時集合場所の公園に集まったのは、歩きに何の問題もない役員さん数名でしたし、他の町内の方も総じて歩けないような方は参加されていませんでした。歩けない方は参加されません。
実際に起きる災害はさまざまです。地震災害は起きてから避難しますから、道路の陥没や倒木、瓦れきをまたいで小学校まで歩けない人をどう連れていくのか。また、我々の住む地域は、洪水のときには、自分の家より低いところにある小学校には恐らく皆さん向かわれないでしょう。第2次避難所である中学校へとなりますが、歩けない方には、マニュアルどおりではなくて臨機応変、安全の確保ができるところであれば近くのどこかに退避するほかありません。
そのためには、早く自治会の公民館を耐震化すべきだという結論に行き当たります。町内ではこの議論は堂々めぐりで、耐震補強か建てかえか、その必要はないのか、議論は深まっていきません。議論を阻むのは費用です。一気に耐震化できる費用で、近い公民館を避難場所にできることが望ましいのです。
誰もが歩いて近くの公民館に避難できることが、現実的、具体的で最善の対策です。住民の置かれている状況や環境、地形などにもきめ細かい対策で、市内一律ではない、各地域にふさわしい現実的な防災対策を検討して示されるお考えはないのか、見解をお聞きいたします。よろしくお願いします。
○議長(古田澄信君) 市長公室長 山下幸二君。
(市長公室長 山下幸二君登壇)
◎市長公室長(山下幸二君) 永冶議員から防災対策面で2点御質問がございましたので、順次お答えのほうをさせていただきたいと思います。
今、議員のほうから岐阜市の例を紹介いただきました。まず岐阜市の公民館につきまして、市が所有する公の施設であるということです。災害対策基本法に基づき、岐阜市が指定した避難所であるということ。それから、本市の場合の先ほど議員おっしゃいました地域の公民館については、自治会所有のものであります。同法に基づく指定避難所とはなっておりませんので、これを前提にしてお答えのほうをさせていただきたいと思います。
特設公衆電話とは、NTT西日本が大規模災害時に設置する公衆電話であります。以前は事後設置型が主流でした。大規模災害があったときに、NTTが避難所に来て設置するということですね。現在は、市町村が指定した指定避難所にあらかじめ回線を敷設し、災害発生時に電話機を接続する事前設置型に切りかわってきております。
本市では、既に夏ごろからNTT西日本と協議を進めまして、指定避難所のうち、小学校などの1次避難所18カ所、そして福祉センターなどの避難行動要支援者用の1次避難所18カ所について、平成29年度当初に特設公衆電話を設置できるように計画をしております。特設公衆電話は災害発生後の避難所開設時から使用可能になりますので、その際には避難所内に使用方法などわかりやすい表示をしていきたいと考えております。
なお、議員御指摘のあった地域の公民館につきましては、特設公衆電話を設置する計画はございません。
続きまして、1次避難所まで歩いて避難できない人に対し具体策をということですが、大規模災害時に、住民は自治会が定める一時集結場所を経由して1次避難所へ避難することとされております。避難の際には歩いて避難していただくことになりますが、中には歩いて避難できてい方もお見えになります。そういった方への支援の方法としては、御近所同士による助け合い、すなわち共助が大切であると考えております。今後も自主防災訓練や出前講座の中で、避難行動が難しい方への支援と配慮の必要性を伝えてまいりたいと思います。
なお、平成25年度に市内全戸へ配布しました防災ハンドブックに、災害時要援護者の避難支援のポイントということを記載させていただいておりますので、御参照のほうをよろしくお願いします。以上です。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 7番 永冶明子君。
永冶議員に申し上げます。ほとんど時間がなくなっておりますので、答弁ができる範囲で質問を簡潔にお願いします。
◆7番(永冶明子君) 公衆電話が災害時に必要だということは十分御理解いただいているものだと思いますけれども、やはり公共施設だけで足りるのかどうか、今のところこの計画で十分だというふうにお考えでしょうか。例えばコンビニにつけるとか、そういういろんなことが現在行われていますけれども、そういう形で広げていくお考えはありますか。
○議長(古田澄信君) 市長公室長 山下幸二君。
◎市長公室長(山下幸二君) 今回のNTTの特設公衆電話の方針につきましては、この特設公衆電話というのは有線電話ということでNTT側もおっしゃってみえます。我々としては、1次避難場所、そういうところに優先してつけていただくのが得策じゃないのかなと考えております。NTTとの協議の中で、どこにつけましょうという話で、NTTは指定避難所を定めておりますので、指定避難所につけるということですね。今まで災害が発生したときにつける場所、要するに指定避難所ですね、そちらのほうに事前につけるということでNTT側からの協議がありますので、そういった形で進めております。
なお、モジュラージャック、あるいは電話機等の負担割合については、NTTがモジュラージャックまでは負担していただきます。市のほうでは電話機を買うということになりますので、よろしくお願いします。以上です。
○議長(古田澄信君) 2番 五十川玲子君。
(2番 五十川玲子君質問席へ)
◆2番(五十川玲子君) 2番、市議会公明党、五十川玲子でございます。
議長のお許しをいただきましたので、通告に基づきまして大きく3項目について質問をさせていただきます。
まず初めに、小児B型肝炎
ワクチン接種についてでございます。
厚生労働省は、ゼロ歳を対象にB型肝炎
ワクチンを本年10月から定期接種化することを了承しました。定期接種は生後2・3・7から8カ月の1人3回実施となり、本市も2632人分の1506万5000円の予算が計上されたところでございます。
B型肝炎は、ウイルスが血液や唾液、汗などの体液を介して感染するもので、日本ではC型肝炎に次いで多い肝炎です。B型肝炎は、ほかの肝炎ウイルスよりも血液中のウイルス量が多く、感染しやすいと言われております。そして、感染してから症状がほとんどないままウイルスが体内にとどまる持続感染状態(キャリア)に移行します。検査をしなければ感染しているかどうかもわかりません。
また、子どもは大人に比べてキャリアになりやすいことがわかっております。キャリアに移行する確率は、1歳未満の場合は90%、1歳から4歳の場合は20から50%の確率となっております。一度キャリア化してしまうと、ウイルスの体内からの排出は非常に難しく、将来的に急激に症状が悪化して、急性肝炎、また肝硬変や肝がんといった重篤な疾患へとつながる可能性もあります。
現在、このB型肝炎ウイルスに感染している人の数は全世界で約3億5000万人とも言われ、そのほとんどがキャリアの状態です。また、その中で年間約50万から70万人が、B型肝炎に起因し、肝硬変や肝がんなどで死亡していると推定されています。大人になってB型肝炎ウイルスによる肝硬変や肝がんで苦しんでおられる方たちの多くは、子どものとき、ほぼ3歳までに感染したためだとも言われております。
これまで日本では、多くがB型肝炎ウイルスのキャリアのお母さんから赤ちゃんへの母子垂直感染によるものでしたが、1985年の健康保険の給付により、出生直後48時間以内と生後2カ月までの2回の予防接種が進み、母子感染によるキャリアは減少しました。しかし、一方で近年問題視されているのは、父子感染などの家族内感染や、保育園等での子ども同士による水平感染です。これらは感染経路がわからない場合も多く、より一層、予防接種による予防が重要になってきています。
B型肝炎に罹患してしまうと治療が非常に困難であり、その費用も高額となります。インターフェロンによる治療や抗ウイルス薬を一生服用しなければならず、費用は年間におよそ80万円近くになります。この身体的、経済的負担も、乳幼児期に
ワクチンを接種することで多くは予防することができます。まさに予防にまさる治療はありません。
そこでお伺いいたします。1点目、本年10月からスタートするB型肝炎
ワクチンの定期接種化を受け、本市としての対応についてお願いします。
2点目、B型肝炎
ワクチンの安全性に関しては、ことし2月5日に行われた予防接種基本方針部会で、「B型肝炎
ワクチンは長く世界中で使用されているが、安全性の問題が生じたことはないとされる」や「B型肝炎
ワクチン接種による有害事象はまれで、一般に軽度であり、局部の疼痛を除き、筋肉痛、一過性の発熱の報告はプラセポ群と比較しても高いものではない」と記載されており、安全性も評価されています。
先ほども触れましたとおり、キャリアに移行する確率は3・4歳までが高い数値が出ていること、またA類疾病に加わったことを踏まえ、各務原市としても、今ならまだ間に合う少なくとも3歳児までの救済措置が必要ではないかと考えます。これは永久的な助成事業ではなく、3歳までの助成であれば、最長でも1歳児が4歳を迎えるまでの3年間の時限的な事業となります。
ワクチン接種によってB型肝炎から救われる多くの乳幼児がいる現状において、定期接種の対象から漏れる乳幼児への任意助成事業の実施を強く求めます。
改めて伺います。持続感染状態(キャリア)に移行しやすい3歳児までは無料で予防接種ができるよう、任意助成事業はできないでしょうか。
3点目、B型肝炎
ワクチンは予防接種法上の分類としてはA類疾病となりますが、このA類疾病は、主に集団感染や重篤な疾患の予防に重点を置くものです。また、国民の接種努力義務があり、自治体への接種勧奨義務も課せられることから、個別通知などを用いての接種勧奨をされると思います。
今回、定期接種に加わるB型肝炎
ワクチンを含めると、乳幼児期に行う予防接種は7種類となります。生
ワクチンと不活化
ワクチンとでは、接種後、次の
ワクチン接種までの間隔が違いますし、その間、風邪や発熱で予定日に接種できないと、さらに延期することになり、接種される乳児もスケジュールを管理する親御さんも大変になっております。現在既に定期接種となっているほかのA類疾病の予防接種に関して行っている周知の方法と、打ち忘れや間違いを起こさないための予防策はどのようにされているのでしょうか。
4点目、予防接種のスケジュールが自動的に作成できる子育てを応援するモバイルサイトの導入のお考えはありますか。
以上4点、お願いいたします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 三輪雄二君。
(
健康福祉部長 三輪雄二君登壇)
◎
健康福祉部長(三輪雄二君) それでは、五十川議員の小児B型肝炎
ワクチン接種についてということで、順次回答させていただきます。
本年10月からスタートする
ワクチンの予防接種化に向けての対応ということです。
予防接種法の改正により、本年10月1日からB型肝炎
ワクチン接種が定期接種化されることになり、その実施に向け、遺漏のないように準備を進めているところでございます。これまでに広報紙やホームページでの周知を行っているとともに、4カ月児健診時や医療機関で対象者への直接の御案内をしているところでございます。今後は、対象者となる方へ郵送にて個別通知を行うなど、さらなる周知の徹底を図っていく予定でおります。
2つ目ですが、3歳児までは無料で予防接種ができるように任意助成事業はできないかということでございます。
母子感染によるキャリア化を予防するため、B型肝炎に感染している妊婦から生まれた乳児には、生後12時間以内に
ワクチン接種を開始する対策というのは現在もやっておるところでございます。また、少数ながら小児における水平感染や集団感染が報告されていることなどから、最近では任意で予防接種を受けているお子さんもふえている傾向があるというのも私どもは承知しております。
こうした状況を踏まえまして、国のほうでは、予防接種により人から人への感染の機会をさらに減らすために、厚生科学審議会予防接種・
ワクチン分科会において検討された結果を踏まえ、B型肝炎
ワクチン予防接種を定期予防接種のA類疾病に追加し、より高い接種効果の見込まれる生後1歳までを対象とすることとしております。これを受けまして、本市においても、まずは国が示す基準に従って、B型肝炎
ワクチンの予防接種を実施していく予定で現在おるところでございます。
なお、3歳児までの対象者拡大につきましては、今後、国の動向を見ながら検討を進めていきたいと考えております。
3つ目でございますが、予防接種の周知方法と、打ち忘れや間違いを起こさせないための予防策と、それから4つ目ですが、予防接種のスケジュールを管理するのにモバイルサイトの導入の考えはというのを、同じような話になりますので、一緒に回答させていただきます。
乳幼児期の予防接種は、接種回数、接種間隔、接種開始年齢や接種可能時期もまちまちで複雑となっているため、保護者がスケジュールを管理するのは大変であるということは理解しております。そのため本市では、お子さんが生後2カ月になる直前に、乳幼児期に接種する予防接種の予診票兼接種券を予防接種ガイドライン、接種案内などとあわせて郵送し、予防接種がいつの段階から開始となるのか個別にお知らせをしております。また、広報紙やホームページ、医療機関でのポスターなどの掲示によっての周知も努めておるところでございます。
予防接種のスケジュール管理につきましては、医療機関で相談される方も見えますが、市としましても、家庭訪問や乳幼児健診などあらゆる機会に、母子健康手帳をもとに接種歴を確認し、接種すべき時期を説明するなど、今後のスケジュールの相談を実施し、打ち忘れや間違いのないように努めており、今後も努めていく予定でおります。
なお、モバイルサイトを活用した予防接種のスケジュール管理につきましても、他市の事例などを参考にさせていただいて、その有効性を検証し、状況に応じてはそういった導入も考えていきたいというふうには思っております。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 五十川玲子君。
◆2番(五十川玲子君) 御答弁ありがとうございました。
先ほども申し上げたとおり、B型肝炎に罹患しますと治療が非常に困難であり、その費用も高額になります。この身体的、経済的負担も、乳幼児期に
ワクチンを接種することで多くは予防することができるわけですから、一日も早く独自の市としてのお考えをお示ししていただきたいと思います。また、予防接種に該当されますお子さんをお持ちの親御さんは、漏れなくこの予防接種を受けていただきたいと思います。
続きまして、次の質問に移らせていただきます。
次に、乳がん検診についてでございます。
国立がんセンターが、本年新たにがんと診断が予測される患者数は推定100万人を超えると発表いたしました。部位別、男女別で見ると、最も多いのが男性の前立腺がんで9万2000人、女性は乳がんで9万人との報告です。
余談になりますが、先月の新聞に、厚生労働省が生後1カ月と3カ月で授乳期に母乳のみで育てた保護者の調査開始から30年にして初めて5割を超え、免疫力の高い母乳育児の普及啓発の成果が出たとの記事が掲載されていました。とても喜ばしい報告の一方で、最近、子育てなどの時期に当たる若い女性の乳がんもふえてきており、悲しい事態にならないよう、乳がんにきちんと向き合っていくことが必要です。
乳がんは、40代後半から50代前半の女性での発症率が非常に高い病気とされていましたが、最近では、20代から30代前半の若い人や、閉経後の60代の発症率も高まってきていることから、若いから大丈夫とは言えない現状があります。厚生労働省は、小児やAYA(思春期・若年成人)世代のがん患者を長期にわたって支える体制の整備に向け、2017年度予算概算要求に盛り込みました。中高年以上とは異なる対応が必要な若いがん患者の支援に本格的に乗り出しました。
日本人女性が一生のうちに乳がんを発症する率は、50年前は50人に1人、ほんの十数年前は20人に1人と言われていましたが、今は11人に1人、右肩上がりにふえています。また、乳がんによって亡くなった女性は、2013年には1万3000人を超え、1980年の4000人と比較すると3倍以上にふえています。背景には、高齢化と女性の社会進出、晩婚化、食生活の欧米化が上げられます。リスクをふやす要因としては、アルコール、肥満、高身長、家族歴や高密度乳腺との関係が指摘されています。
乳がんは、早期発見できれば比較的治癒率が高いがんと言われております。乳がんは、初期の進行は非常にゆっくりで、1つの細胞が1センチ程度になるのに15年かかると言われています。しかし、1センチが2センチになるには2年とかからないというのです。早期に発見することがどれだけ大事なことかわかります。若いときから関心を持つこと、40歳を過ぎたら2年に1度は検診を受けることを国からも推奨されています。定期的な検診と毎月のセルフチェックが命を守ることにつながります。
厚生労働省では、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針を定め、各自治体によるがん検診を推進しています。平成21年度からは、一定の年齢の人を対象とする無料クーポンの配付もスタートしています。
各務原市では、40歳以上の女性は2年に1回、乳がん検診を行うよう受診勧奨し呼びかけています。検査項目は視触診とマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)のセットで、費用は1500円で受けることができます。任意での検査になりますと8000円以上かかりますので、大変安い料金で受けることができます。
マンモグラフィー検査のメリットは、腫瘤や石灰化などが確認しやすいことが上げられます。腫瘤がある場合は、マンモグラフィーでは白い塊として写り、境界がはっきりしている場合は良性のもので、はっきりしない場合は悪性腫瘤が疑われます。石灰化とは、乳腺にカルシウムが付着したもので、正常な乳腺にも見られるため、乳腺の密度が濃い高密度乳腺ではマンモグラフィーの画像で乳腺も白く映り込んでしまいますので、乳腺が発達している女性には不向きというデメリットがあります。
こうした状況を踏まえ、ある地域では、検診後、文書や電話で高密度乳腺であることを伝え、注意を促しているところや、40歳以上に対し、見えにくい乳房でも異常を見つけられるエコー(超音波検査)を隔年で実施しているところ、ほかに、マンモグラフィーにエコーを追加することで、エックス線検査のみの場合に比べ、がんを発見する感度が上がり、がんの見逃しが半減するデータが出ているところもあります。
エコーは、治療の必要のない良性の変化を拾い上げ過ぎるというデメリットもありますが、日本の女性の半数以上が乳腺の密度が濃く、マンモグラフィーだけでは異常を見つけにくいタイプであると指摘があることから、本市もエコーの導入を検討する必要があるのではないかと考えます。
そこでお伺いいたします。現在の乳がん検診の受診率について伺います。
2点目、乳がん検診の啓発活動とその効果について伺います。
3点目、マンモグラフィーで、乳腺組織が密で、異常の有無の判別が困難な場合の対策はどのような方法がとられているのですか。
4点目、40歳以上の検診には、マンモグラフィーに加え、エコーも選択できるようにしてはどうでしょうか。また、40歳未満は任意による検診になるため、市独自で助成補助はできないのでしょうか。
以上4点、お願いいたします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 三輪雄二君。
◎
健康福祉部長(三輪雄二君) それでは、乳がん検診について、まず1番目の現在の乳がん検診の受診率はということです。
平成27年度の乳がん検診の受診者数は2850人で、受診率は23%でした。少しずつではありますけれども、受診率は上昇しております。
2つ目、乳がん検診の啓発活動とその効果でございますが、乳がん検診の啓発活動としましては、今年度、40歳の方へ無料クーポン券を交付し、継続受診されていない方へは受診勧奨通知を送付いたしております。昨年度は、無料クーポン券を3898人の方へ交付し、クーポン券をきっかけに受診された方は505人で、利用率は13.0%でございました。また、継続受診勧奨通知を配付した2283人のうち、受診された方は1108人で、受診率は48.5%でございました。
このほかに、健康づくりを推進する協定を結んでいる全国健康保険協会、日本生命保険相互会社及び第一生命保険株式会社と連携し、乳がん検診を含む各種がん検診等のチラシを各家庭へ配布するとともに、広報紙やホームページでの周知、健康講座等参加者へのチラシを配布するなどにより啓発を行っております。今後も、40歳以上の方に乳がん検診の必要性を理解していただき、定期的に受診していただくよう啓発活動に努めてまいりたいと考えております。
3つ目の、マンモグラフィーで、乳腺組織が密で、異常の有無の判別が困難な場合の対策はということでございます。
マンモグラフィーでは、乳腺密度が高い40歳代の方は1方向だけでは判別しにくい場合があるため、角度を変え、2方向撮影をすることでより精度を高め、対応をしております。
4つ目の、マンモグラフィーに加えてエコーも選択できるようにしてはどうかということと、40歳未満の方に任意での助成はというお話です。
乳がん検診は、健康増進法や国のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針に基づきまして実施しております。対象年齢は40歳以上の女性で、検査項目は問診及びマンモグラフィー(エックス線検査)となっております。マンモグラフィーは、死亡率の減少効果があり、検診として推奨されていることから必須項目となっており、現時点では超音波検査(エコー)との選択はできないこととなっております。
なお、超音波検査の有用性は現在示されつつあるところではございますが、死亡率の減少効果については国のほうで引き続き検証中となっておりますので、国の指針が示され次第、本市においても導入について検討をしていきたいと思っております。
次に、40歳未満の方への乳がん検診の実施についてでございますが、放射性被曝のやっぱり課題というのがあることから現在は推奨されていませんので、現時点では市独自の助成は考えておりません。しかしながら、若年層で乳がんになる方も見えますので、御自身で皮膚の状態を観察したり、触診する自己検診法を推進することによって、しこりや皮膚の引きつれなど、何か気になることがあれば専門医を受診していただくよう、さらなる周知を行っていきたいと考えております。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 五十川玲子君。
◆2番(五十川玲子君) 御答弁ありがとうございました。
乳がん検診は、まだ積極的に受ける検診には至っておりませんし、若い方になればなおさらのことです。今後、月1回だけでも土・日のいずれかで受診できる体制も踏み込んで検討していただけるように要望して、次の質問に移らせていただきます。
次に、子育て相談窓口についてでございます。
昨年4月に子ども・子育て支援新制度がスタートして1年半になり、日本の少子化対策、子育て支援がとるべき方向性が明確化されました。具体的には、働き方の改革と家庭における子育てを包括的に支援する枠組みの構築が重点とされ、施策の実現に必要な費用は未来への投資として効果的な財政投入であり、さらなる充実が求められるところでございます。
子どもと子育て世代は、子育てや教育費の確保、さらには自身の人生設計にとって、母親が働く必要性が年々強まっています。新制度がスタートしても解消されず、子どもの預け先や、職場の現実もワーク・ライフ・バランスに苦慮している状況も見られます。さらに近年では、子どもの発育や虐待、ひきこもり、生活困窮など、さまざまな問題を抱える家庭もふえています。また、少子高齢化や核家族化が進み、子育てする上での母親の孤立化が子育てにさまざまな悪影響を起こしているとの見方もあり、テレビなどでの無残な児童虐待の報道が後を絶たず、非常に懸念しているところです。ストレスの蔓延する時代において、安心して子育てができる環境の整備、相談体制の整備などが重要です。
そのような状況の中で、どの市町村も子育て支援の掲載情報の努力はしていますが、困窮度の高い人ほど熟読して理解する余裕もなく、悩みや不安があっても支援施策にたどり着きにくいのも実態です。とりわけ、ひとり親家庭においては経済的負担が大きく、相対的に2009年の比較では、大人が1人の子どもがいる世帯の貧困率は50.8%で、OECD(経済協力開発機構)加盟34カ国の中で日本は最低であるとされています。
これまで多くの制度がつくられ、実態報告を繰り返す形で制度が再設され、母子家庭から父子家庭も含めたひとり親家庭支援への変更、また保護的支援から自立支援へと大きく制度の変更が行われてきました。しかし、ひとり親家庭の貧困率を大きく下げることにはつながっていないのが現状です。
母子世帯等調査の公的制度の利用状況を見てみると、一番利用され、50%を超えているのは公共職業安定所(ハローワーク)だけで、69.1%です。ほかは市町村窓口が48.9%、民生児童委員が20.1%、福祉事務所19.9%、児童相談所などが12.3%、そのほか、ひとり親家庭を対象にした事業の利用は10%を切るものばかりです。またその周知度を見ると、「制度を知らなかった」が10%を切っているのはハローワークだけで、7.2%です。ほかは全て3割以上で、67.8%もの人が制度を知らなかったと答えている事業すらあります。
新制度の施策のメニューは随分と整理されてきておりますが、それを実のあるものとして動かしていくための課題もまた少なくないと思います。全ての子どもに良質な発達環境を保障することは誰もの望みです。
第1回定例会の質問でも紹介させていただきましたが、母子家庭の事例がわかりやすいので再度紹介します。3人のお子さんの上2人は小学生、3歳児の一番下は先天性の脳障害があり、母子家庭においては療育よりも保育を選択せざるを得ないため、保育園を探すにも一苦労でした。そして、今後、小学・中学部の特別支援学校に通わせるための通学時間とお母さんの通勤時間の調整を考えると、これからの仕事の見通しが立たず、今働く職場を続けられるか不安が募る状況にあります。これらの悩みを1カ所で受けとめてくれるところがないのです。お母さんは、行政の子育て、福祉、教育、それぞれの課に子どもの成長とともに相談に行かなければならず、連携がなされていないと何度も同じことを伝えなくてはなりません。
こうした子どもの発達相談や近い将来の特別支援学校への準備等を1つの窓口で相談ができ、その子どもと家族にとってよりよい方向性を導くことができれば、どれだけ安心できることか。さきに述べました家庭は1つの例ですが、子育て家庭にはさまざまな悩みや問題があります。多様性、専門性、迅速性を生かした機能が発揮できる教育、子育て、福祉の相談窓口が一元化されれば、切れ目のない適切な支援につなげることができ、母親の子育てに関する不安の軽減につながると考えます。
そこでお伺いいたします。1点目、本市の家庭児童相談件数とその推移についてお願いいたします。
2点目、全ての子どもに良質な発達環境を切れ目なく提供していくために、教育、子育て、福祉の相談窓口の一元化はできないでしょうか。
以上2点、お願いいたします。
○議長(古田澄信君)
健康福祉部長 三輪雄二君。
◎
健康福祉部長(三輪雄二君) それでは、子育て相談窓口について、本市の家庭児童相談件数とその推移はということで、本市における平成23年度の家庭児童相談件数は692件、平成27年度は1345件で、5年間でおよそ2倍となっております。また、平成28年度8月末現在で既に907件と急増しております。御指摘のとおり、虐待、生活困窮などさまざまな問題を抱える家庭がふえたことや、虐待の社会的認知が進んだことなどがその要因と考えられ、相談件数も年々増加の傾向にございます。
次に、窓口の一元化というお話でございますが、多様な問題を抱えた御家庭にとって、さまざまな部署に相談に出向くことは負担であるということは十分認識をしております。しかしながら一方で、各部署に相談窓口があるということは、複雑困難なケースに対して専門性を発揮することができるというよい点がございます。
また、相談窓口を一元化することは、相談内容を他機関に知られたくない方、例えば学校生活への影響を危惧される方などが相談をちゅうちょするということも考えられます。そのため問題が家庭に内在化してしまい、早期発見・早期対応につながらないおそれもあると思われます。よって、相談窓口の一元化については慎重に検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
先ほどお答えしましたとおり、相談件数が増加する中、その内容についてもますます複雑化、深刻化するものと懸念しております。このような状況に対応するため、まずは教育、子育て、福祉の各部署の連携こそが肝要だと考えております。したがいまして、各部署の連携をより一層強化しつつ、専門性を最大限に生かした支援ができるように、今後、体制の整備を進めていきたいというふうに考えております。以上でございます。
(「議長、再質問」と呼ぶ者あり)
○議長(古田澄信君) 2番 五十川玲子君。
◆2番(五十川玲子君) 御答弁ありがとうございました。
混迷する社会の中で、家庭環境の複雑化は子どもたちに大きく影響いたします。その支えとなる教育機関、地域、行政、関係団体による支援方法、連携の強化をぜひとも進めていただきますよう要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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△1、延会
○議長(古田澄信君) おはかりいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」との声あり)
○議長(古田澄信君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって延会することに決しました。
本日はこれをもって延会いたします。
(延会) 午後4時46分
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地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。
各務原市議会議長 古 田 澄 信
各務原市議会副議長 岡 部 秀 夫
各務原市議会議員 足 立 孝 夫
各務原市議会議員 三 和 由 紀...